JP7862005B2 - 環状rna発現のための組成物および方法 - Google Patents
環状rna発現のための組成物および方法Info
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関連出願への相互参照
本出願は、2020年2月4日出願の米国仮特許出願第62/969,758号に対する優先権を主張し、その内容は、その全体がこれにより参照により本明細書に組み込まれる。
本出願は、2020年2月4日出願の米国仮特許出願第62/969,758号に対する優先権を主張し、その内容は、その全体がこれにより参照により本明細書に組み込まれる。
連邦政府支援の説明
本発明は、National Institutes of Healthによって授与されたFederal Grant No.R01NS099371の下で政府の支持によりなされた。連邦政府は、本発明に対して特定の権利を有する。
本発明は、National Institutes of Healthによって授与されたFederal Grant No.R01NS099371の下で政府の支持によりなされた。連邦政府は、本発明に対して特定の権利を有する。
電子的に提供された配列表の参照による組み込み
電子バージョンの配列表が、本明細書と共に提出され、その内容は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。この電子ファイルは、サイズが23キロバイトであり、表題は21_2000_WO_Sequence_Listing_ST25.txtである。
電子バージョンの配列表が、本明細書と共に提出され、その内容は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。この電子ファイルは、サイズが23キロバイトであり、表題は21_2000_WO_Sequence_Listing_ST25.txtである。
発明の背景
RNAモジュレーションは、いくつかの型の疾患の処置のための有望な治療的アプローチになっている。環状RNA(circRNA)は、治療的タンパク質および非コードRNAの発現のための魅力的な鋳型である、高度に安定なRNA分子である。circRNAは、種々の細胞機能および経路を直接的または間接的のいずれかでモジュレートする、さらなるレベルの制御を導入する。増え続ける証拠が、circRNAが神経学的障害、アテローム硬化性血管疾患およびがんにおいて重要な役割を果たすことを示している。circRNAの長い寿命およびRNA崩壊機構に対する耐性に加えて、少なくともこれらの理由のために、circRNAベースの治療薬の開発への興味が増え続けている。
RNAモジュレーションは、いくつかの型の疾患の処置のための有望な治療的アプローチになっている。環状RNA(circRNA)は、治療的タンパク質および非コードRNAの発現のための魅力的な鋳型である、高度に安定なRNA分子である。circRNAは、種々の細胞機能および経路を直接的または間接的のいずれかでモジュレートする、さらなるレベルの制御を導入する。増え続ける証拠が、circRNAが神経学的障害、アテローム硬化性血管疾患およびがんにおいて重要な役割を果たすことを示している。circRNAの長い寿命およびRNA崩壊機構に対する耐性に加えて、少なくともこれらの理由のために、circRNAベースの治療薬の開発への興味が増え続けている。
現在、治療的使用のための合成circRNAの設計は欠如している。本開示は、治療的送達のための組換えAAVベクターへとパッケージングされ得る、少なくとも2つの環状RNA(circRNA)をコードする組成物を含む合成circRNAカセットの合理的設計を提供する。
本開示の概要
本開示は、一部、少なくとも2つの環状RNA(circRNA)をコードする核酸分子、少なくとも2つのcircRNAをコードする核酸分子を含むアデノ随伴ウイルス(AAV)粒子、医薬組成物、およびそれを対象に送達するための方法を提供する。
本開示は、一部、少なくとも2つの環状RNA(circRNA)をコードする核酸分子、少なくとも2つのcircRNAをコードする核酸分子を含むアデノ随伴ウイルス(AAV)粒子、医薬組成物、およびそれを対象に送達するための方法を提供する。
本開示の一態様は、少なくとも2つの環状RNA(circRNA)をコードする核酸分子を提供する。一部の実施形態では、本明細書の組成物は、少なくとも2つの環状RNA(circRNA)をコードする核酸分子を含み得、この核酸分子は、(i)目的の第1のcircRNAコード配列を有する第1のcircRNA、(ii)目的の第2のcircRNAコード配列を有する第2のcircRNAをさらに含み、第2のcircRNAは、第1のcircRNA中の目的の第1のcircRNAコード配列とタンデムであり、タンデムの目的の第1のcircRNAコード配列および第2のcircRNAに、イントロンエレメントが隣接している。一部の実施形態では、本明細書で開示される第1のcircRNAは、内部リボソーム進入部位(IRES)、5’非翻訳領域(UTR)中、かつタンデムの目的の第1のcircRNAコード配列および第2のcircRNAに隣接するイントロンエレメントの外側の、プロモーター領域、3’UTR中、かつタンデムの目的の第1のcircRNAコード配列および第2のcircRNAに隣接するイントロンエレメントの外側の、翻訳調節領域、またはそれらの任意の組合せをさらに有し得る。一部の実施形態では、本明細書の組成物は、タンデムの目的の第1のcircRNAコード配列および第2のcircRNAに隣接するイントロンエレメントを有し得、かかるイントロンエレメントは、バックスプライスされて、circRNAが共有結合的に閉環される部位において傷跡を形成することなしに少なくとも2つのcircRNAを生じる。
一部の実施形態では、本開示は、本明細書で開示される少なくとも2つのcircRNAをコードする核酸分子のいずれか1つを有するアデノ随伴ウイルス(AAV)ゲノムを提供する。
本開示の別の態様は、アデノ随伴ウイルス(AAV)粒子を提供する。一部の実施形態では、本明細書で開示されるAAV粒子は、少なくとも1つの環状RNA(circRNA)をコードする核酸分子を有する少なくとも1つのAAVゲノムカセット、バックスプライシングカセット中にオープンリーディングフレーム(ORF)に先行する内部リボソーム進入部位(IRES)エレメントを包含する少なくとも1つのcircRNAを含み、バックスプライシングカセットは、目的の少なくとも1つのcircRNAコード配列を含む。一部の実施形態では、本明細書のAAV粒子は、目的の少なくとも1つのcircRNAコード配列に隣接するイントロン対をさらに含み得、目的の少なくとも1つのcircRNAコード配列に隣接するイントロン対は、約750ヌクレオチドの欠失を含む。一部の実施形態では、本明細書のAAV粒子は、目的の少なくとも1つのcircRNAコード配列に隣接するイントロン対をさらに含み得、目的の少なくとも1つのcircRNAコード配列に隣接するイントロン対は、約250ヌクレオチドの欠失を含む左イントロンおよび約500ヌクレオチドの欠失を含む右イントロンを含む。
一部の実施形態では、本開示は、目的のcircRNAコード配列を細胞に送達する方法であって、細胞を、本明細書で開示される組成物またはAAV粒子のいずれかに導入するステップを含む方法を提供する。一部の実施形態では、本開示は、目的のcircRNAコード配列を組織に送達する方法であって、組織を、本明細書で開示される組成物またはAAV粒子のいずれかに導入するステップを含む方法を提供する。
一部の実施形態では、本開示は、対象における疾患または状態を処置する方法を提供する。一部の実施形態では、本明細書の対象における疾患または状態を処置する方法は、本明細書で開示される組成物またはAAV粒子のいずれかの有効量を対象に投与するステップを含み、有効量は、対象における疾患または状態の少なくとも1つの症状を低減させる量である。
一部の実施形態では、本明細書の方法は、本明細書で開示される組成物またはAAV粒子のいずれかを組織に投与することによって、組織において少なくとも1つの環状RNA(circRNA)を発現させるステップを含み、少なくとも1つのcircRNAの発現は、ベースラインと比較して実質的に増加し得る。一部の態様では、少なくとも1つのcircRNAの発現は、ベースラインと比較して少なくとも2倍増加する。一部の他の態様では、少なくとも1つのAAV粒子が、心臓組織、肝臓組織、骨格筋組織、またはそれらの任意の組合せに送達された場合、少なくとも1つのcircRNAの発現は、ベースラインと比較して少なくとも4倍増加する。一部の他の態様では、少なくとも1つのAAV粒子が骨格筋組織に送達された場合、少なくとも1つのcircRNAの発現は、ベースラインと比較して少なくとも50倍増加する。
一部の実施形態では、本明細書で開示される組成物またはAAV粒子のいずれかは、筋肉内注射、静脈内注射、冠動脈内注射、動脈内注射、またはそれらの任意の組合せによって投与され得る。
本開示のある態様は、本明細書で開示される本明細書で開示される組成物またはAAV粒子のいずれかおよび少なくとも1つの容器を含み得るキットを提供する。
以下の図面は、本明細書の一部を形成し、本開示のある特定の態様をさらに実証するために含まれ、かかる態様は、本明細書に提示される具体的な実施形態の詳細な説明と組み合わせて図面を参照することによって、より良く理解され得る。
詳細な説明
RNAモジュレーションは、いくつかの型の疾患の処置のための有望な治療的アプローチになっており、環状RNA(circRNA)は、急速に、治療的タンパク質および非コードRNAの発現のための魅力的な鋳型になりつつある。本開示は、右イントロン内で許容される、少なくとも2つの環状RNA(circRNA)をコードする核酸分子中へのさらなる挿入物を、単一の鋳型から二機能的RNA分子を創出するために活用することができるという知見に、少なくとも一部基づく。具体的には、本開示は、バックスプライスされたcircRNA形成に影響を与えることなしにイントロン配列内に取り込まれ得るtRNAイントロン由来circRNAを提供する。本明細書の知見は、治療的送達のための組換えAAVベクターへとパッケージングされ得るアプタマー、ガイドRNA、タンパク質スポンジ、miRNAスポンジ、タンパク質結合性RNA、天然に存在するcircRNA、アンチセンスRNA、miRNA前駆体、siRNA前駆体、長鎖非コードRNA(lncRNA)、低分子活性化RNA(saRNA)、機能的非コードRNA、例えば、転移RNA(tRNA)、リボソームRNA(rRNA)、核小体低分子RNA(snoRNA)、核内低分子RNA(snRNA)、piwi相互作用RNA(piRNA)、Y-RNA、7SK RNA、7S RNAなどの取込みを可能にする合成circRNAの合理的設計を提供する。
I.定義
RNAモジュレーションは、いくつかの型の疾患の処置のための有望な治療的アプローチになっており、環状RNA(circRNA)は、急速に、治療的タンパク質および非コードRNAの発現のための魅力的な鋳型になりつつある。本開示は、右イントロン内で許容される、少なくとも2つの環状RNA(circRNA)をコードする核酸分子中へのさらなる挿入物を、単一の鋳型から二機能的RNA分子を創出するために活用することができるという知見に、少なくとも一部基づく。具体的には、本開示は、バックスプライスされたcircRNA形成に影響を与えることなしにイントロン配列内に取り込まれ得るtRNAイントロン由来circRNAを提供する。本明細書の知見は、治療的送達のための組換えAAVベクターへとパッケージングされ得るアプタマー、ガイドRNA、タンパク質スポンジ、miRNAスポンジ、タンパク質結合性RNA、天然に存在するcircRNA、アンチセンスRNA、miRNA前駆体、siRNA前駆体、長鎖非コードRNA(lncRNA)、低分子活性化RNA(saRNA)、機能的非コードRNA、例えば、転移RNA(tRNA)、リボソームRNA(rRNA)、核小体低分子RNA(snoRNA)、核内低分子RNA(snRNA)、piwi相互作用RNA(piRNA)、Y-RNA、7SK RNA、7S RNAなどの取込みを可能にする合成circRNAの合理的設計を提供する。
I.定義
本開示の原理の理解を促進することを目的として、ここで、好ましい実施形態に対して参照がなされ、特定の言語がそれを記載するために使用される。それにもかかわらず、本開示の範囲の限定がそれによって意図されず、本明細書で例示される本開示のかかる変更およびさらなる改変が、本開示が関する分野の当業者に通常想起されることが企図されることが理解される。
本明細書で使用される場合、冠詞「1つの(a)」および「1つの(an)」は、その冠詞の文法的対象の1つまたは1つよりも多く(即ち、少なくとも1つ)を指すために本明細書で使用される。例として、「1つの(an)要素」は、少なくとも1つの要素を意味し、1つよりも多くの要素を含み得る。
「約」は、所与の値が、所望の結果に影響を与えることなしに端点を「僅かに上回り」得るまたは「僅かに下回り」得ると定めることによって、数的範囲の端点に柔軟性を提供するために使用される。数値に関連した「約」という用語は、その数値が、その数値のプラスまたはマイナス5%またはそれ未満変動し得ることを意味している。
本明細書を通じて、文脈が他を要求しない限り、単語「含む(comprise)」および「含む(include)」ならびにバリエーション(例えば、「含む(comprises)」、「含む(comprising)」、「含む(includes)」、「含む(including)」)は、述べられた構成要素、特色、要素もしくはステップ、または構成要素、特色、要素もしくはステップの群を含むが、任意の他の整数もしくはステップ、または整数もしくはステップの群を排除しないことを暗示すると理解される。
本明細書で使用される場合、「および/または」は、関連の列挙された項目のうち1つまたは複数の任意のおよび全ての可能な組合せ、ならびに選択肢として解釈される場合(「または」)には組合せの欠如を指し、それを包含する。
本明細書で使用される場合、過渡的な語句「~から本質的になる」(および文法的異形)は、列挙された材料またはステップを包含し、特許請求された発明の「基本的および新規の特徴(複数可)に実質的に影響を与えないもの」と解釈すべきである。したがって、用語「~から本質的になる」は、本明細書で使用される場合、「含む(comprising)」と等価と解釈すべきではない。
さらに、本開示は、一部の実施形態では、本明細書に示される任意の特色または特色の組合せが、排除または割愛され得ることも企図する。例示するために、複合体が構成要素A、BおよびCを含むことを本明細書が述べる場合、A、BもしくはCのいずれか、またはそれらの組合せが、単独でまたは任意の組合せで割愛および排除され得ることが、具体的に意図される。
本明細書の値の範囲の列挙は、本明細書で他に示されない限り、その範囲内に入る各別々の値に個々に言及する簡略化した方法として機能することを意図しているに過ぎず、各別々の値は、本明細書中で個々に引用されているかのように、本明細書中に組み込まれる。例えば、濃度範囲が1%~50%と述べられる場合、値、例えば、2%~40%、10%~30%または1%~3%などが、本明細書で明示的に列挙されていると意図される。これらは、具体的に意図されるものの例に過ぎず、列挙された最低値と最高値との間でありかつそれらを含む数値の任意の可能な組合せが、本開示において明示的に述べられているとみなされる。
本明細書で使用される場合、「処置」、「治療」および/または「治療レジメン」は、患者によって呈されるまたは患者がそれに対して感受性であり得る疾患、障害または生理学的状態に応答してなされる臨床的介入を指す。処置の目的には、症状の軽減もしくは予防、疾患、障害もしくは状態の進行もしくは悪化の減速もしくは停止および/または疾患、障害もしくは状態の寛解が含まれる。
本明細書で使用される場合、「予防する」または「予防」は、介入の非存在下での開始または重症度の時間および/または程度と比較した、特定の疾患、障害もしくは生理学的状態の開始の除外もしくは遅延、または特定の疾患、障害もしくは生理学的状態の重症度の程度の低減を指す。
用語「有効量」または「治療有効量」は、有益なもしくは望ましい生物学的および/または臨床的結果をもたらすのに十分な量を指す。
本明細書で使用される場合、用語「対象」および「患者」は、本明細書で相互交換可能に使用され、ヒトおよび非ヒト動物の両方を指す。本開示の「非ヒト動物」という用語は、全ての脊椎動物、例えば、哺乳動物および非哺乳動物、例えば、非ヒト霊長類、ヒツジ、イヌ、ネコ、ウマ、ウシ、ニワトリ、両生類、爬虫類などを含む。一部の実施形態では、対象は、ヒトを含む。他の実施形態では、対象は、疾患または病気に対する処置を必要とするヒトを含む。
他に定義しない限り、本明細書で使用される全ての技術用語は、本開示が属する分野の当業者によって一般に理解される意味と同じ意味を有する。
I.核酸分子組成物
I.核酸分子組成物
ある特定の実施形態では、本開示は、共有結合的に閉環されている少なくとも1つの環状RNA(circRNA)をコードする核酸分子を提供する。一部の実施形態では、本明細書の核酸分子は、以下のうち1つまたは複数を含む:a)非コードRNAまたは翻訳可能なmRNAへと転写され得るcircRNAコード配列;b)circRNAコード配列に隣接する1つまたは複数のイントロンエレメントであって、細胞スプライシング装置によってバックスプライスされて、共有結合的に閉環された環状RNAを生じる、イントロンエレメント;c)circRNAコード配列から転写された翻訳可能なmRNAの翻訳を駆動する内部リボソーム進入部位(IRES);d)circRNAコード配列に隣接するイントロンエレメントの上流のプロモーター;およびe)3’UTR中、かつcircRNAコード配列に隣接するイントロンエレメントの外側の、翻訳調節領域。
ある特定の実施形態では、本開示は、少なくとも2つの環状RNA(circRNA)をコードする核酸分子を提供する。一部の実施形態では、少なくとも2つの環状RNA(circRNA)をコードする核酸分子を有する本明細書の組成物は、目的の第1のcircRNAコード配列を有する第1のcircRNA、および目的の第2のcircRNAコード配列を有する第2のcircRNAを必要に応じて含み得、第2のcircRNAは、第1のcircRNAの目的の第1のcircRNAコード配列とタンデムであり、一部の態様では、タンデムの目的の第1のcircRNAコード配列および第2のcircRNAに、イントロンエレメントが隣接し得る。
ある特定の実施形態では、目的の第1のcircRNAコード配列を有する第1のcircRNAは、内部リボソーム進入部位(IRES)をさらに含み得る。本明細書での使用に適切なIRESの非限定的な例は、脳心筋炎(encephelomyocarditis)ウイルス(EMCV)IRES、ポリオウイルスIRES、カポジ肉腫関連ヘルペスウイルス(KSHV)vFLIP IRES、C型肝炎ウイルス(HCV)IRES、またはそれらの任意の組合せである。一部の実施形態では、本明細書での使用に適切なIRESは、配列番号26~29のうちいずれか1つと少なくとも85%(例えば、少なくとも85%、90%、95%、99%、100%)の配列類似性を共有し得る。
ある特定の実施形態では、目的の第1のcircRNAコード配列を有する第1のcircRNAは、タンデムの第1のcircRNAコード配列および第2のcircRNAコード配列に隣接するイントロンエレメントの上流のプロモーター領域をさらに含み得る。一部の実施形態では、プロモーターは、ヒトサイトメガロウイルス(CMV)プロモーター、短縮型キメラCMV-ニワトリβ-アクチン(smCBA)プロモーター、哺乳動物β-アクチンプロモーター、アルブミンプロモーターなどであり得る。一部の実施形態では、プロモーターは、ポリメラーゼII駆動性プロモーターであり得る。プロモーターは、一般に、当該分野で周知である。
ある特定の実施形態では、本明細書の核酸分子は、RNAポリメラーゼを動員することができる少なくとも1つのプロモーター領域を含み得る。プロモーターは、遺伝子の転写を開始させるための、DNAへのRNAポリメラーゼの結合を制御する。現在、全てが異なる遺伝子を転写する公知の3つの型のRNAポリメラーゼが存在する:RNAポリメラーゼI型は、リボソームRNA(rRNA)をコードする遺伝子を転写することができ;RNAポリメラーゼII型は、メッセンジャーRNA(mRNA)を転写することができ;RNAポリメラーゼIII型は、転移RNA(tRNA)をコードする遺伝子を転写することができる。RNAポリメラーゼIII型は、低分子RNA、例えば、shRNAおよびgRNAもまた転写することができる。一部の実施形態では、本明細書の核酸分子は、RNAポリメラーゼI型、II型、III型、またはそれらの任意の組合せを動員することができる少なくとも1つのプロモーター領域を含み得る。一部の実施形態では、本明細書の核酸分子は、RNAポリメラーゼII型またはIII型を動員することができるプロモーター領域を含み得る。
ある特定の実施形態では、目的の第1のcircRNAコード配列を有する第1のcircRNAは、3’UTR中、かつタンデムの目的の第1のcircRNAコード配列および第2のcircRNAに隣接するイントロンエレメントの外側の、翻訳調節領域をさらに含み得る。
ある特定の実施形態では、目的の第1のcircRNAコード配列を有する第1のcircRNAは、circRNAコード配列に隣接する1つまたは複数のイントロンエレメントを有し得、イントロンエレメントは、細胞スプライシング装置によってバックスプライスされて、共有結合的に閉環された環状RNAを生じる。一部の実施形態では、本明細書のタンデムの本明細書の目的の第1のcircRNAコード配列および第2のcircRNAに隣接するイントロンエレメントは、バックスプライスされて、circRNAが共有結合的に閉環される部位において傷跡を形成することなしに少なくとも2つのcircRNAを生じる。本明細書で使用される場合、circRNA中の「傷跡」は、環状RNAを生じるためにイントロンエレメントが接続される部位において生成され得る。本開示では、本明細書の少なくとも2つのcircRNAは、シームレスな環状RNA(即ち、circRNAが共有結合的に閉環される部位において傷跡を有さないcircRNA)を形成し得る。
ある特定の実施形態では、目的の第1のcircRNAコード配列を有する第1のcircRNAは、circRNAコード配列に隣接する1つまたは複数のイントロンエレメントを有し得、1つまたは複数のイントロンエレメントは、配列番号1、2、6、7、11、12および20~25のうちいずれか1つと約85%(例えば、約85%、約90%、約95%、約99%、約100%)の配列類似性を共有し得る。
ある特定の実施形態では、目的の第1のcircRNAコード配列を有する第1のcircRNAは、circRNAコード配列に隣接する1つまたは複数のイントロンエレメントを有し得、1つまたは複数のイントロンエレメントは、配列番号3、4、8、9、13および/または14のうちいずれか1つと約85%(例えば、約85%、約90%、約95%、約99%、約100%)の配列類似性を共有するAluエレメント(または相補的領域)を有し得る。ある特定の実施形態では、目的の第1のcircRNAコード配列を有する第1のcircRNAは、circRNAコード配列に隣接する1つまたは複数のイントロンエレメントを有し得、1つまたは複数のイントロンエレメントは、配列番号5、10および/または15のうちいずれか1つと約85%(例えば、約85%、約90%、約95%、約99%、約100%)の配列類似性を共有するポリ-ピリミジントラクトを有し得る。ある特定の実施形態では、目的の第1のcircRNAコード配列を有する第1のcircRNAは、circRNAコード配列に隣接する1つまたは複数のイントロンエレメントを有し得、1つまたは複数のイントロンエレメントは、以下のうちいずれか1つと約85%(例えば、約85%、約90%、約95%、約99%、約100%)の配列類似性を共有するスプライス部位を有し得る:CAGGTAGGT(HIPK3)、CAGGTAAGT(ラッカーゼ2)および/またはCAGGTAAGA(ZKSCAN1)。
一部の実施形態では、目的の少なくとも1つのcircRNAコード配列に隣接する本明細書のイントロンエレメントは、天然に存在する核酸配列中に1つまたは複数の挿入を有し得る。一部の態様では、本明細書の天然に存在する核酸配列イントロンエレメント中の1つまたは複数の挿入は、少なくとも約1~約1000核酸の挿入であり得る。一部の態様では、本明細書の天然に存在する核酸配列イントロンエレメント中の1つまたは複数の挿入は、circRNAコード配列に隣接する左側のイントロン中の少なくとも約1~約1000核酸の挿入であり得る。一部の態様では、本明細書の天然に存在する核酸配列イントロンエレメント中の1つまたは複数の挿入は、circRNAコード配列に隣接する右側のイントロン中の少なくとも約1~約1000核酸の挿入であり得る。
一部の実施形態では、目的の少なくとも1つのcircRNAコード配列に隣接する本明細書のイントロンエレメントは、天然に存在する核酸配列中に1つまたは複数の欠失を有し得る。一部の態様では、本明細書の天然に存在する核酸配列イントロンエレメント中の1つまたは複数の欠失は、少なくとも約1~約2000核酸の欠失であり得る。一部の態様では、本明細書の天然に存在する核酸配列イントロンエレメント中の1つまたは複数の欠失は、circRNAコード配列に隣接する左側のイントロン中の少なくとも約1~約2000核酸の欠失であり得る。一部の態様では、本明細書の天然に存在する核酸配列イントロンエレメント中の1つまたは複数の欠失は、circRNAコード配列に隣接する右側のイントロン中の少なくとも約1~約2000核酸の欠失であり得る。
一部の実施形態では、目的の少なくとも1つのcircRNAコード配列に隣接する本明細書のイントロン対は、少なくとも約500ヌクレオチド(例えば、約500ヌクレオチド、約550ヌクレオチド、約600ヌクレオチド、約650ヌクレオチド、約700ヌクレオチド、約750ヌクレオチド、約800ヌクレオチド、約850ヌクレオチド、約900ヌクレオチド、約950ヌクレオチド、約1000ヌクレオチド、約1500ヌクレオチド)の欠失を含み得る。一部の実施形態では、目的の少なくとも1つのcircRNAコード配列に隣接する本明細書のイントロン対は、約100~約500(例えば、約100、150、200、250、300、350、400、450、500)ヌクレオチドの欠失を含む左イントロンを有し得る。一部の実施形態では、目的の少なくとも1つのcircRNAコード配列に隣接する本明細書のイントロン対は、約250ヌクレオチドの欠失を含む左イントロンを有し得る。一部の実施形態では、目的の少なくとも1つのcircRNAコード配列に隣接する本明細書のイントロン対は、約300~約900(例えば、約300、350、400、450、500、550、600、650、700、750、800、850、900)ヌクレオチドの欠失を含む右イントロンを有し得る。一部の実施形態では、目的の少なくとも1つのcircRNAコード配列に隣接する本明細書のイントロン対は、約500ヌクレオチドの欠失を含む右イントロンを有し得る。一部の実施形態では、目的の少なくとも1つのcircRNAコード配列に隣接する本明細書のイントロン対は、約100~約500(例えば、約100、150、200、250、300、350、400、450、500)ヌクレオチドの欠失を含む左イントロンおよび約300~約900(例えば、約300、350、400、450、500、550、600、650、700、750、800、850、900)ヌクレオチドの欠失を含む右イントロンを有し得る。一部の実施形態では、目的の少なくとも1つのcircRNAコード配列に隣接する本明細書のイントロン対は、約250ヌクレオチドの欠失を含む左イントロンおよび約500ヌクレオチドの欠失を含む右イントロンを含む。
ある特定の実施形態では、少なくとも2つの環状RNA(circRNA)をコードする核酸分子を有する本明細書の組成物は、バックスプライシングを介して少なくとも1つのcircRNAを産生することができ、自己スプライシングを介して少なくとも1つのcircRNAを産生することができる。一部の実施形態では、自己スプライシングを介して形成されるcircRNAは、tRNAイントロン環状RNA、即ち「tricRNA」であり得る。一部の実施形態では、少なくとも2つの環状RNA(circRNA)をコードする核酸分子を有する本明細書の組成物は、1つまたは複数のtricRNAを産生することができる。一部の実施形態では、少なくとも2つの環状RNA(circRNA)をコードする核酸分子を有する本明細書の組成物は、約1~約50個のtricRNA、約1~約40個のtricRNA、1~約30個のtricRNA、1~約20個のtricRNA、1~約10個のtricRNAまたは1~約5個のtricRNAを産生することができる。一部の実施形態では、少なくとも2つの環状RNA(circRNA)をコードする核酸分子を有する本明細書の組成物は、配列番号17~18のうちいずれか1つと約85%(例えば、約85%、約90%、約95%、約99%、約100%)の配列類似性を有する1つまたは複数のtRNAイントロンを産生することができる。
一部の実施形態では、本明細書のtRNAイントロンエレメントは、任意の組合せで、ならびに任意の倍数および/または比で、任意の公知のtRNAイントロンエレメント(複数可)を含み得る。本明細書での使用に適切なtRNAイントロンエレメントの例には、Abelson et al., J Biol Chem. 273(21):12685-8 (1998)および/または Schmidt et al., Wiley Interdiscip Rev RNA. 11(3):e1583 (2020)に記載されるものが含まれ得、これらの開示は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
一部の実施形態では、少なくとも2つの環状RNA(circRNA)をコードする核酸分子を有する本明細書の組成物は、目的のcircRNAコード配列に隣接する右イントロン中に核酸の挿入を有し得る。一部の実施形態では、本明細書の組成物は、目的のcircRNAコード配列に隣接する右イントロン中に核酸の挿入を有し得、挿入は、約0.1kb~約2.0kb(例えば、約0.1、0.25、0.5、0.75、1.0、1.25、1.5、1.75、2.0kb)であり得る。一部の実施形態では、本明細書の組成物は、目的のcircRNAコード配列に隣接する右イントロン中に核酸の挿入を有し得、挿入は、約1.5kbであり得る。一部の実施形態では、本明細書の組成物は、目的のcircRNAコード配列に隣接する右イントロン中に核酸の挿入を有し得、挿入は、バックスプライシングを介して少なくとも1つのcircRNAを産生することができる。一部の実施形態では、本明細書の組成物は、目的のcircRNAコード配列に隣接する右イントロン中に核酸の挿入を有し得、挿入は、自己スプライシングを介して少なくとも1つのcircRNAを産生することができる。一部の実施形態では、本明細書の組成物は、目的のcircRNAコード配列に隣接する右イントロン中に核酸の挿入を有し得、挿入は、1つまたは複数のtricRNAを産生することができる。
一部の実施形態では、少なくとも2つの環状RNA(circRNA)をコードする核酸分子を有する本明細書の組成物は、アプタマー、ガイドRNA、タンパク質スポンジ、miRNAスポンジ、タンパク質結合性RNA、天然に存在するcircRNA、アンチセンスRNA、長鎖非コードRNA(lncRNA)、低分子活性化RNA(saRNA)、機能的非コードRNA、例えば、転移RNA(tRNA)、リボソームRNA(rRNA)、核小体低分子RNA(snoRNA)、核内低分子RNA(snRNA)、piwi相互作用RNA(piRNA)、Y-RNA、7SK RNA、7S RNA、またはそれらの任意の組合せを各々がコードする1つまたは複数のcircRNAを産生することができる。一部の実施形態では、本明細書の組成物は、バックスプライシングを介して少なくとも1つのcircRNAを産生することができ、circRNAは、アプタマー、ガイドRNA、タンパク質スポンジ、miRNAスポンジ、タンパク質結合性RNA、天然に存在するcircRNA、アンチセンスRNA、長鎖非コードRNA(lncRNA)、低分子活性化RNA(saRNA)、機能的非コードRNA、例えば、転移RNA(tRNA)、リボソームRNA(rRNA)、核小体低分子RNA(snoRNA)、核内低分子RNA(snRNA)、piwi相互作用RNA(piRNA)、Y-RNA、7SK RNA、7S RNA、またはそれらの任意の組合せをコードし得る。一部の実施形態では、本明細書の組成物は、自己スプライシングを介して少なくとも1つのcircRNAを産生することができ、circRNAは、アプタマー、ガイドRNA、タンパク質スポンジ、miRNAスポンジ、タンパク質結合性RNA、天然に存在するcircRNA、アンチセンスRNA、長鎖非コードRNA(lncRNA)、低分子活性化RNA(saRNA)、機能的非コードRNA、例えば、転移RNA(tRNA)、リボソームRNA(rRNA)、核小体低分子RNA(snoRNA)、核内低分子RNA(snRNA)、piwi相互作用RNA(piRNA)、Y-RNA、7SK RNA、7S RNA、またはそれらの任意の組合せをコードし得る。一部の実施形態では、本明細書の組成物は、アプタマー、ガイドRNA、タンパク質スポンジ、miRNAスポンジ、タンパク質結合性RNA、天然に存在するcircRNA、アンチセンスRNA、長鎖非コードRNA(lncRNA)、低分子活性化RNA(saRNA)、機能的非コードRNA、例えば、転移RNA(tRNA)、リボソームRNA(rRNA)、核小体低分子RNA(snoRNA)、核内低分子RNA(snRNA)、piwi相互作用RNA(piRNA)、Y-RNA、7SK RNA、7S RNA、またはそれらの任意の組合せをコードし得る1つまたは複数のtricRNAを産生することができる。
一部の実施形態では、少なくとも2つの環状RNA(circRNA)をコードする核酸分子を有する本明細書の組成物は、当該分野で公知の分子生物学の従来の技法(組換え技法を含む)を使用して作製され得る。かかる技法は、文献中、例えば、Molecular Cloning: A Laboratory Manual, second edition (Sambrook, et al., 1989) Cold Spring Harbor Press;Oligonucleotide Synthesis (M. J. Gait, ed. 1984);Methods in Molecular Biology, Humana Press;およびCell Biology: A Laboratory Notebook (J. E. Cellis, ed., 1989) Academic Press中で完全に説明されている。
II.AAVウイルス粒子
II.AAVウイルス粒子
ある特定の実施形態では、本開示は、本明細書で開示されるcircRNAのいずれかを対象に送達するためのビヒクルとしての使用のためのAAVウイルス粒子を提供する。
アデノ随伴ウイルス(AAV)は、パルボウイルス科のメンバーであり、小さい非エンベロープウイルスである。本明細書での使用に適切なAAV粒子は、一本鎖DNAゲノムを封入する、カプシドタンパク質サブユニットVP1、VP2およびVP3から構成されたAAVカプシドを含み得る。
一部の実施形態では、本明細書で開示されるAAVウイルス粒子は、本明細書で開示されるcircRNAのいずれかを含み得る、一本鎖AAV DNAベクターを保有し得る。一部の実施形態では、circRNAコード配列は、circRNAの発現を駆動する適切なプロモーターと作動可能な連結状態にあり得る。一部の例では、本明細書のAAV DNAベクターは、circRNAの発現を調節する1つまたは複数の調節エレメント、例えば、1つまたは複数のmiRNA結合部位、エンハンサー、転写因子結合部位、ポリAシグナル伝達エレメント、またはそれらの組合せを含み得る。
(A)AAVベクター
(A)AAVベクター
ある特定の実施形態では、本明細書で開示されるAAVウイルス粒子は、本明細書で開示されるcircRNAのうち1つまたは複数を発現するためのAAVベクターを有し得る。AAVベクターは、分子的方法を使用してウイルス(例えば、AAV)から野生型ゲノムを除去し、非ネイティブ核酸、例えば、異種ポリヌクレオチド配列(例えば、circRNAのコード配列)で置き換えることによって、ウイルス、例えばAAVの野生型ゲノムから誘導される。典型的には、AAVベクターについて、野生型AAVゲノムの一方または両方の逆位末端反復(ITR)配列は、AAVベクター中に保持されるが、野生型ウイルスゲノムの他の部分は、保持されたITR間で、異種ポリヌクレオチド配列などの非ネイティブ配列で置き換えられる。本明細書で開示されるAAVベクターは、AAVゲノム由来骨格エレメント、本明細書で開示されるcircRNAのコード配列、およびコード配列と作動可能な連結状態にある適切なプロモーターを包含し得る。一部の例では、本明細書で開示されるAAVベクターは、コードされたタンパク質の発現および/または分泌を調節する調節配列をさらに含み得る。例には、エンハンサー、ポリアデニル化シグナル部位、内部リボソーム進入部位(IRES)、タンパク質形質導入ドメイン(PTD)をコードする配列、microRNA標的部位、またはそれらの組合せが含まれるがこれらに限定されない。
一部の例では、本明細書のAAVベクターは、一本鎖核酸を含む通常のAAVベクターであり得る。他の例では、本明細書で開示されるAAVベクターは、その中に二本鎖部分を含むことが可能な自己相補的AAVベクターであり得る。
(1)AAV骨格エレメント
(1)AAV骨格エレメント
一部の実施形態では、本明細書で開示されるAAVベクターは、1つまたは複数のAAVゲノム由来骨格エレメントを有し得、この骨格エレメントは、AAVベクターの生物活性のために要求される最小限のAAVゲノムエレメントを指す。例えば、AAVゲノム由来骨格エレメントは、AAVウイルス粒子へとアセンブルされるAAVベクターのためのパッケージング部位、宿主細胞におけるベクター複製および/またはその中に含まれるcircRNAコード配列の発現のために必要なエレメントを含み得る。
一部の例では、本明細書で開示されるAAVベクター骨格は、少なくとも1つの逆位末端反復(ITR)配列を含み得る。一部の例では、本明細書のAAVベクター骨格は、2つのITR配列を含む。一部の例では、1つのITR配列は、circRNAをコードするポリヌクレオチド配列の5’側にある。一部の例では、1つのITR配列は、circRNAをコードするポリヌクレオチド配列の3’側にある。一部の例では、本明細書のcircRNAをコードするポリヌクレオチド配列には、ITR配列がどちらの側からも隣接する。
一部の実施形態では、本明細書のAAVベクターは、少なくとも1つの別個のAAV血清型に起源する配列または構成要素を含む。一部の例では、本明細書で開示されるAAVベクター骨格は、1つの別個のAAV血清型由来のITR配列を少なくとも含み得る。一部の例では、本明細書で開示されるAAVベクター骨格は、1つの別個のヒトAAV血清型由来のITR配列を少なくとも含み得る。かかるヒトAAVは、任意の公知の血清型、例えば、血清型1~11のうちいずれか1つに由来し得る。一部の例では、本明細書で使用されるAAV血清型は、中枢神経系(CNS)、心組織、骨格筋および/または肝臓組織へのトロピズムを有する。一部の例では、本明細書で開示されるAAVベクター骨格は、血清型AAV1、AAV2、AAV4、AAV5、AAV8またはAAV9のITR配列を有し得る。
一部の実施形態では、本明細書のAAVベクターは、シュードタイプ化AAVベクターであり得る(即ち、少なくとも2つの別個のAAV血清型に起源する配列または構成要素を含む)。一部の実施形態では、本明細書のシュードタイプ化AAVベクターは、1つのAAV血清型に由来するAAVゲノム骨格、および別個のAAV血清型に少なくとも一部由来するカプシドを含む。一部の例では、本明細書のシュードタイプ化AAVベクターは、AAV2ゲノム骨格、およびCNSへのトロピズムを有するAAV血清型(例えば、AAV1、AAV2、AAV4、AAV5、AAV8またはAAV9)に由来するカプシドを有し得る。かかるシュードタイプ化AAVベクターの具体例には、AAV5由来カプシド中にAAV2由来ゲノムを含むベクター;またはAAV8由来カプシド中にAAV2由来ゲノムを含むベクター;またはAAV9由来カプシド中にAAV2由来ゲノムを含むベクター、またはAAV1由来カプシド中にAAV2由来ゲノムを含むベクターが含まれるがこれらに限定されない。
ウイルスベクター媒介性遺伝子移入の成功を解析するために、ベクターの分布およびベクター媒介性遺伝子発現の有効性の両方をモニタリングすることができることが重要であり得る。これは、レポーター遺伝子をウイルスベクター骨格中にサブクローニングすることによって達成され得る。一部の例では、本明細書で開示されるAAVベクター骨格は、レポーター遺伝子を含み得る。いくつかのレポーター遺伝子が、この目的のために一般に使用され、それには、種々の色の蛍光タンパク質(緑色蛍光タンパク質(GFP)、赤色蛍光タンパク質(RFP)が含まれる)、E.coli β-ガラクトシダーゼ(LacZ)、および種々の形態のルシフェラーゼ(Luc)が含まれるがこれらに限定されない。一部の例では、本明細書で開示されるAAVベクター骨格は、GFPを含み得る。
本明細書で開示されるベクター構築物は、公知の技法を使用して調製され得る(例えば、Current Protocols in Molecular Biology, Ausubel., F. et al., eds, Wiley and Sons, New York 1995を参照されたい)。断片長は、組換えゲノムがAAV粒子のパッケージング能力を超えないように選択され得る。必要に応じて、「スタッファー」DNA配列が、比較目的のために標準的なAAVゲノムサイズを維持するために、構築物に付加される。かかる断片は、かかる非ウイルス供給源、例えば、lacZ、または当業者に公知であり利用可能な他の遺伝子に由来し得る。
(2)自己相補的AAVウイルスベクター
(2)自己相補的AAVウイルスベクター
一部の実施形態では、本明細書で開示されるAAVベクターは、自己相補的AAV(scAAV)ベクターであり得る。自己相補的AAV(scAAV)ベクターは、感染細胞中に進入した場合に自発的にアニーリング(それ自体に折り返されて二本鎖ゲノムを形成)することが可能な相補配列を含み、そうして、細胞のDNA複製装置を使用して一本鎖DNAベクターを変換する必要を回避する。自己相補するゲノムを有する本明細書のAAVは、その部分的に相補する配列(例えば、circRNAコード配列の相補するコード鎖および非コード鎖)のおかげで、二本鎖DNA分子をすぐに形成し得る。
一部の実施形態では、本明細書で開示されるscAAVウイルスベクターは、第1の異種ポリヌクレオチド配列および第2の異種ポリヌクレオチド配列を含み得、これらは鎖内塩基対を形成することができる。一部の例では、第1の異種ポリヌクレオチド配列および第2の異種ポリヌクレオチド配列は、例えば、ヘアピンDNA構造を形成するように、鎖内塩基対合を促進する配列によって連結される。一部の例では、細胞に進入した際のscAAVベクターのダイマー構造は、2つの末端分離(terminal resolution)部位(trs)のうち一方の突然変異または欠失によって安定化され得る。trsは、各ITR内に含まれるRep結合部位であるので、かかるtrsの突然変異または欠失は、モノマーを形成するための、AAV Repタンパク質によるscAAVベクターのダイマー構造の切断を防止し得る。一部の実施形態では、本明細書で開示されるscAAVウイルスベクターは、短縮型5’逆位末端反復(ITR)、短縮型3’ITR、または両方を含み得る。一部の例では、本明細書で開示されるscAAVベクターは、その中のD領域またはその一部分(例えば、その中の末端分離配列)が欠失され得る、短縮型3’ITRを含み得る。かかる短縮型3’ITRは、上述の第1の異種ポリヌクレオチド配列と第2の異種ポリヌクレオチド配列との間に位置し得る。
(3)プロモーター
(3)プロモーター
一部の実施形態では、本明細書で開示されるAAVベクターは、発現のために必要なさらなるエレメント、例えば、circRNAコード配列の発現を制御する少なくとも1つの適切なプロモーターを含む。かかるプロモーターは、感染組織におけるタンパク質の効率的かつ適切な産生を可能にするために、遍在性、組織特異的、強い、弱い、調節された、キメラなどであり得る。プロモーターは、コードされたタンパク質と相同、または細胞、ウイルス、真菌、植物もしくは合成プロモーターを含めて異種であり得る。本発明における使用のための最も好ましいプロモーターは、ヒト細胞中で機能的でなければならない。遍在性プロモーターの非限定的な例には、ウイルスプロモーター、特に、CMVプロモーター、RSVプロモーター、SV40プロモーターなど、および細胞プロモーター、例えばPGK(ホスホグリセリン酸キナーゼ)プロモーターが含まれる。一部の実施形態では、本明細書のウイルスプロモーターは、CMVプロモーター、SV40プロモーター、またはそれらの任意の組合せであり得る。一部の実施形態では、本明細書のウイルスプロモーターは、以下の配列のうち1つを有し得る:
一部の実施形態では、本明細書のウイルスプロモーターは、配列番号44~45のうちいずれか1つと約85%(例えば、約85%、90%、95%、99%、100%)の配列類似性を共有し得る。
一部の実施形態では、本明細書で開示されるAAVベクターは、発現のために必要なさらなるエレメント、例えば、適切な細胞の感染後にcircRNAコード配列の発現を制御する少なくとも1つの適切なプロモーターを含む。本明細書での使用に適切なプロモーターには、AAVプロモーターに加えて、例えば、サイトメガロウイルス(CMV)プロモーターまたはニワトリベータアクチン/サイトメガロウイルスハイブリッドプロモーター(CAG)、内皮細胞特異的プロモーター、例えば、VE-カドヘリンプロモーター、ならびにステロイドプロモーターおよびメタロチオネインプロモーターが含まれる。一部の実施形態では、本明細書で開示されるベクターにおいて使用されるプロモーターは、CAGプロモーターであり得る。
一部の実施形態では、本発明に従うcircRNAコード配列は、発現されるcircRNAコード配列に機能的に連結された組織特異的プロモーターを含む。したがって、本開示に従うベクターの、組織(例えば、脳、心臓、筋肉、肝臓)に対する特異性は、さらに増加し得る。一部の例では、本明細書で開示されるベクターは、特定の組織におけるその活性が、特定の組織ではない組織における活性よりも少なくとも2倍、5倍、10倍、20倍、50倍または100倍高い、組織特異的プロモーターを有し得る。一部の例では、本明細書の組織特異的プロモーターは、ヒト組織特異的プロモーターである。一部の例では、発現カセットは、発現される外因性タンパク質の発現レベルを増加させるためのエンハンサーエレメントもまた含み得る。さらに、発現カセットは、ポリアデニル化配列、例えば、SV40ポリアデニル化配列またはウシ成長ホルモンのポリアデニル化配列をさらに含み得る。一般に、組織特異的プロモーターは、当該分野で周知である。
(4)遺伝子発現のための他の調節エレメント
(4)遺伝子発現のための他の調節エレメント
一部の実施形態では、本明細書で開示されるAAVベクターは、本発明によって産生されたプラスミドベクターでトランスフェクトされた細胞またはウイルスに感染した細胞におけるその転写、翻訳および/または発現を可能にする様式でcircRNAコード配列に作動可能に連結した1つまたは複数の従来の制御エレメントを含み得る。本明細書で使用される場合、「作動可能に連結した」配列は、circRNAコード配列と連続した発現制御配列、およびcircRNAコード配列を制御するようにトランスでまたは一定距離で作用する発現制御配列の両方を含む。発現制御配列は、適切な転写開始、終結、プロモーターおよびエンハンサー配列;効率的なRNAプロセシングシグナル、例えば、スプライシングおよびポリアデニル化(ポリA)シグナル;細胞質mRNAを安定化する配列;翻訳効率を増強する配列(即ち、Kozakコンセンサス配列);タンパク質安定性を増強する配列;ならびに所望により、コードされた産物の分泌を増強する配列をさらに含み得る。ネイティブ、構成的、誘導性および/または組織特異的であるプロモーターを含む多数の発現制御配列が、当該分野で公知であり、利用され得る。
一部の実施形態では、本明細書で開示されるAAVベクターは、ベクターのトロピズムを変更するために、非ウイルス起源のまたは構造的に改変されたタンパク質またはペプチドを含む改変されたカプシドを含み得る。例えば、カプシドは、それぞれその受容体またはリガンドを発現する細胞型(複数可)に向けてベクターを標的化するために、特定の受容体のリガンドまたは特定のリガンドの受容体を含み得る。
(B)AAVウイルス粒子の血清型
(B)AAVウイルス粒子の血清型
一部の実施形態では、本明細書で開示されるAAVベクターは、AAVの種々の血清型から調製または誘導され得る。用語「血清型」は、他のAAV血清型とは血清学的に別個のカプシドを有するAAVに関する区別である。血清学的弁別性は、他のAAVと比較した、AAVに対する抗体間での交差反応性の欠如に基づいて決定される。交差反応性は、当該分野で公知の方法を使用して測定され得る。例えば、本明細書の交差反応性は、中和抗体アッセイを使用して測定され得る。このアッセイのために、ポリクローナル血清が、アデノ随伴ウイルスを使用して、ウサギまたは他の適切な動物モデルにおいて、特定のAAVに対して生成される。このアッセイでは、特定のAAVに対して生成された血清は、次いで、同じ(相同な)または異種のいずれかのAAVを中和するその能力において試験される。50%中和を達成する希釈は、中和抗体力価とみなされる。2つのAAVについて、相同力価によって除算した異種力価の商が逆数様式で16よりも低い場合、これら2つのベクターは、同じ血清型とみなされる。逆に、異種力価の相同力価に対する比が逆数様式で16またはそれよりも高い場合、2つのAAVは、別個の血清型とみなされる。
一部の例では、本明細書のAAVベクターは、キメラ(例えば、シュードタイプ化)AAVウイルスを産生するために、少なくとも2つの血清型のAAVが混合され得る、または他の型のウイルスと混合され得る。特定の実施形態では、本発明における使用のためのAAVベクターは、ヒト血清型AAVベクターである。かかるヒトAAVは、任意の公知の血清型、例えば、血清型1~11のうちいずれか1つ、より好ましくは、AAV1、AAV2、AAV4、AAV6およびAAV9に由来し得る。かかるAAVベクターの具体例は、AAV1由来カプシド中にAAV1由来ゲノム(治療的タンパク質をコードする核酸に動作可能に連結した、AAV1由来ITRおよびAAV1由来パッケージング配列、好ましくは、AAV1由来パッケージング配列および治療的タンパク質をコードする核酸に隣接する2つのAAV1由来ITRを含む核酸分子)を含むベクター;AAV2由来カプシド中にAAV2由来ゲノムを含むベクター;AAV4由来カプシド中にAAV4由来ゲノムを含むベクター;AAV6由来カプシド中にAAV6由来ゲノムを含むベクター、またはAAV9由来カプシド中にAAV9由来ゲノムを含むベクターである。
(C)AAV粒子を作製する方法
(C)AAV粒子を作製する方法
一部の実施形態では、本明細書のAAVベクターは、標的細胞におけるcircRNAコード配列発現のためにゲノムを送達するために使用され得るウイルス粒子へとパッケージングされ得る。一部の実施形態では、本明細書で開示されるAAVベクターは、一過的トランスフェクション、産生細胞系の使用、ウイルス特色をAd-AAVハイブリッドへと組み合わせること、ヘルペスウイルス系の使用、またはバキュロウイルスを使用した昆虫細胞における産生によって、粒子へとパッケージングされ得る。
本明細書での使用のためのパッケージング細胞を生成する方法には、AAV粒子産生に必要な構成要素の全てを安定に発現する細胞系を創出することが関与し得る。例えば、AAV repおよびcap遺伝子を欠如するrAAVゲノム、rAAVゲノムとは別のAAV repおよびcap遺伝子、ならびに選択可能なマーカー、例えばネオマイシン耐性遺伝子を含むプラスミド(または複数のプラスミド)が、細胞のゲノム中に組み込まれる。AAVゲノムは、GCテーリング、制限エンドヌクレアーゼ切断部位を含む合成リンカーの付加などの手順によって、または直接的平滑末端ライゲーションによって、細菌プラスミド中に導入されてきた。次いで、パッケージング細胞系に、ヘルパーウイルス、例えばアデノウイルスを感染させる。この方法の利点は、細胞が選択可能であり、rAAVの大規模産生に適切であることである。本明細書の適切な方法の例は、rAAVゲノムならびに/またはrepおよびcap遺伝子をパッケージング細胞中に導入するために、プラスミドではなくアデノウイルスまたはバキュロウイルスを使用する。
III.医薬組成物
III.医薬組成物
一部の実施形態では、本明細書で開示されるcircRNAおよび/またはAAVウイルス粒子のいずれかは、医薬組成物を形成するために製剤化され得る。一部の例では、本明細書の医薬組成物は、薬学的に許容される担体、希釈剤または賦形剤をさらに含み得る。本発明の方法において使用される医薬組成物のいずれかは、凍結乾燥された形成または水性溶液の形態中に、薬学的に許容される担体、賦形剤または安定剤を含み得る。
医薬組成物中の担体は、それが組成物の活性成分と適合性であり、好ましくは、活性成分を安定化することが可能であり、かつ処置される対象にとって有害ではないという意味で、「許容される」必要がある。例えば、「薬学的に許容される」は、生理学的に許容可能であり、哺乳動物(例えば、ヒト)に投与された場合に望ましくない反応を典型的には生じないものを含む、組成物の分子実体および他の成分を指し得る。一部の例では、本明細書で開示される医薬組成物において使用される「薬学的に許容される」担体は、哺乳動物、より特にはヒトにおける使用ための、連邦政府もしくは州政府の規制機関によって承認されたもの、または米国薬局方もしくは他の一般に認識された薬局方中に列挙されたものであり得る。
緩衝剤を含む薬学的に許容される担体は、当該分野で周知であり、リン酸、クエン酸および他の有機酸;アスコルビン酸およびメチオニンを含む抗酸化剤;防腐剤;低分子量ポリペプチド;タンパク質、例えば、血清アルブミン、ゼラチンもしくは免疫グロブリン;アミノ酸;疎水性ポリマー;単糖;二糖;および他の炭水化物;金属錯体;ならびに/または非イオン性界面活性剤を含み得る。例えば、Remington: The Science and Practice of Pharmacy 20th Ed. (2000) Lippincott Williams and Wilkins, Ed. K. E. Hooverを参照されたい。
一部の実施形態では、医薬組成物または製剤は、非経口投与、例えば、静脈内、脳室内注射、大槽内注射、実質内注射、またはそれらの組合せのためのものである。かかる薬学的に許容される担体は、無菌液体、例えば、水、および石油、動物、植物または合成起源のものを含む油、例えば、ラッカセイ油、ダイズ油、鉱物油などであり得る。食塩水溶液ならびに水性デキストロース、ポリエチレングリコール(PEG)およびグリセロール溶液もまた、特に、注射可能な溶液のために、液体担体として使用され得る。本明細書で開示される医薬組成物は、さらなる成分、例えば、防腐剤、緩衝剤、等張化剤、抗酸化剤および安定剤、非イオン性湿潤剤または清澄剤、粘度増加剤などをさらに含み得る。本明細書に記載される医薬組成物は、単一の単位投薬量または多投薬量形態で包装され得る。
非経口投与に適切な製剤には、抗酸化剤、緩衝剤、静菌薬、および製剤を意図したレシピエントの血液と等張にする溶質を含み得る水性および非水性の無菌注射溶液;ならびに懸濁剤および増粘剤を含み得る水性および非水性の無菌懸濁物が含まれる。水溶液は、適切に緩衝され得る(好ましくは、3~9のpHに)。無菌条件下での適切な非経口製剤の調製は、当業者に周知の標準的な製薬技法によって容易に達成される。
in vivo投与に使用される医薬組成物は、無菌でなければならない。これは、例えば、無菌濾過メンブレンを介した濾過によって、容易に達成される。無菌の注射可能な溶液は、一般に、上で列挙した種々の他の成分と共に、適切な溶媒中に活性薬(例えば、circRNA、AAV粒子、circRNAおよび/またはAAV粒子を含む組成物など)を要求される量で取り込み、その後、必要に応じて濾過無菌化することによって調製される。一般に、分散物は、無菌化された活性成分を、基本的分散媒および上で列挙したものからの要求される他の成分を含む無菌ビヒクル中に取り込むことによって調製される。無菌の注射可能な溶液の調製のための無菌粉末の場合、調製の好ましい方法は、前もって無菌濾過されたその溶液から、活性成分+任意のさらなる所望の成分の粉末を生じる、真空乾燥およびフリーズドライ技法である。
本明細書で開示される医薬組成物は、他の成分、例えば、希釈剤およびアジュバントもまた含み得る。許容される担体、希釈剤およびアジュバントは、使用される投薬量および濃度においてレシピエントにとって非毒性であり、好ましくは不活性であり、それには、緩衝剤、例えば、リン酸、クエン酸もしくは他の有機酸;抗酸化剤、例えば、アスコルビン酸;低分子量ポリペプチド;タンパク質、例えば、血清アルブミン、ゼラチンもしくは免疫グロブリン;親水性ポリマー、例えば、ポリビニルピロリドン;アミノ酸、例えば、グリシン、グルタミン、アスパラギン、アルギニンもしくはリシン;グルコース、マンノースもしくはデキストリンを含む単糖、二糖および他の炭水化物;キレート剤、例えば、EDTA;糖アルコール、例えば、マンニトールもしくはソルビトール;塩形成性対イオン、例えば、ナトリウム;および/または非イオン性界面活性剤、例えば、Tween、Pluronicもしくはポリエチレングリコールが含まれる。
IV.使用の方法
IV.使用の方法
本明細書に記載される組成物(例えば、1つ、2つまたはそれよりも多くの環状RNAをコードする核酸分子、AAV粒子、AAVゲノム)のいずれかが、疾患または状態を軽減および/または処置するために使用され得る。したがって、一部の態様では、本開示は、本明細書で開示される処置組成物を必要とする対象における1つもしくは複数の症状を軽減するためおよび/または疾患もしくは状態を処置するための方法、ならびに処置組成物を含む医薬組成物を提供する。本明細書で開示される方法を使用して処置され得る例示的な疾患または状態には、嚢胞性線維症(嚢胞性線維症膜貫通調節タンパク質)および肺の他の疾患、血友病A(第VIII因子)、血友病B(第IX因子)、サラセミア(β-グロビン)、貧血(エリスロポエチン)および他の血液障害、アルツハイマー病(GDF;ネプリライシン)、多発性硬化症(β-インターフェロン)、パーキンソン病(グリア細胞系由来神経栄養因子[GDNF])、ハンチントン病(反復を除去するためのRNAi)、筋萎縮性側索硬化症、てんかん(ガラニン、神経栄養因子)および他の神経学的障害、がん(エンドスタチン、アンジオスタチン、TRAIL、FAS-リガンド、インターフェロンを含むサイトカイン;VEGFまたは多剤耐性遺伝子産物に対するRNAiを含むRNAi、mir-26a[例えば、肝細胞癌について])、糖尿病(インスリン)、デュシェンヌ型(ジストロフィン、ミニ-ジストロフィン、インスリン様増殖因子I、サルコグリカン[例えば、a、β、γ]、ミオスタチンに対するRNAi、ミオスタチンプロペプチド、フォリスタチン、アクチビンII型可溶性受容体、抗炎症ポリペプチド、例えば、IカッパB優性突然変異体、サルコスパン(sarcospan)、ユートロフィン、ミニ-ユートロフィン、エクソンスキッピングを誘導するためのジストロフィン遺伝子中のスプライス接合部に対するアンチセンスまたはRNAi(例えば、WO2003/095647を参照されたい)、エクソンスキッピングを誘導するためのU7 snRNAに対するアンチセンス(例えば、WO2006/021724を参照されたい)、およびミオスタチンに対する抗体もしくは抗体断片またはミオスタチンプロペプチド)およびベッカー型を含む筋ジストロフィー、ゴーシェ病(グルコセレブロシダーゼ)、ハーラー病(α-L-イズロニダーゼ)、アデノシンデアミナーゼ欠損症(アデノシンデアミナーゼ)、糖原病(例えば、ファブリー病[a-ガラクトシダーゼ]およびポンペ病[ライソゾーム酸α-グルコシダーゼ])および他の代謝障害、先天性肺気腫(α1-アンチトリプシン)、レッシュ・ナイハン症候群(ヒポキサンチングアニンホスホリボシルトランスフェラーゼ)、ニーマン・ピック病(スフィンゴミエリナーゼ)、テイ・サックス病(リソソームヘキソサミニダーゼA)、メープルシロップ尿症(分岐鎖ケト酸デヒドロゲナーゼ)、網膜変性疾患(ならびに目および網膜の他の疾患;例えば、黄斑変性のためのPDGFおよび/あるいはバソヒビンもしくはVEGFの他の阻害剤、または例えばI型糖尿病における網膜障害を処置/予防するための他の血管新生阻害剤)、固形臓器の疾患、例えば、脳(パーキンソン病[GDNF]、星状細胞腫[エンドスタチン、アンジオスタチンおよび/またはVEGFに対するRNAi]、神経膠芽腫[エンドスタチン、アンジオスタチンおよび/またはVEGFに対するRNAi]を含む)、肝臓、腎臓、うっ血性心不全または末梢動脈疾患(PAD)を含む心臓(例えば、タンパク質ホスファターゼ阻害剤I(I-l)およびその断片(例えば、IIC)、serca2a、ホスホランバン遺伝子を調節するジンクフィンガータンパク質、Barkct、P2アドレナリン受容体、p2アドレナリン受容体キナーゼ(BARK)、ホスホイノシチド-3キナーゼ(PI3キナーゼ)、S100A1、パルブアルブミン、アデニリルシクラーゼ6型、G-タンパク質共役受容体キナーゼ2型ノックダウンをもたらす分子、例えば、短縮型の構成的に活性なbARKct;カルサルシン(calsarcin)、ホスホランバンに対するRNAi;ホスホランバン阻害またはドミナントネガティブ分子、例えば、ホスホランバンS16Eなどを送達することによる)、関節炎(インスリン様増殖因子)、関節障害(インスリン様増殖因子1および/または2)、内膜過形成(例えば、enos、inosを送達することによる)、心臓移植片の生存の改善(スーパーオキシドジスムターゼ)、AIDS(可溶性CD4)、筋消耗(インスリン様増殖因子I)、腎臓欠損症(エリスロポエチン)、貧血(エリスロポエチン)、関節炎(抗炎症因子、例えば、IRAPおよびTNFa可溶性受容体)、肝炎(a-インターフェロン)、LDL受容体欠損症(LDL受容体)、高アンモニア血症(オルニチントランスカルバミラーゼ)、クラッベ病(ガラクトセレブロシダーゼ)、バッテン病、SCA1、SCA2およびSCA3を含む脊髄大脳失調症、フェニルケトン尿症(フェニルアラニンヒドロキシラーゼ)、自己免疫疾患などが含まれ得るがこれらに限定されない。
本明細書で開示される方法を実施するために、組成物(例えば、circRNA、AAV粒子)またはそれを含む医薬組成物の治療有効量が、本明細書で開示される適切な量で、適切な経路(例えば、筋肉内、静脈内、脳室内注射、大槽内注射、硝子体内、網膜下、結膜下、球後、前房内、上脈絡膜、冠動脈内注射、動脈内注射および/または実質内注射)を介して、処置を必要とする対象に投与され得る。
ある特定の実施形態では、本開示は、核酸分子を細胞中に導入する方法であって、細胞を、本明細書で開示されるウイルスベクターおよび/または組成物と接触させるステップを含む方法もまた提供する。一部の実施形態では、本明細書の方法は、本明細書の核酸分子を眼細胞に送達するステップを含み得、これは、眼の細胞または層を、本明細書で開示されるウイルスベクターと接触させることを含み、ウイルスベクターは、目的の核酸分子を含む。この方法の一部の実施形態では、目的の核酸分子は、治療的タンパク質または治療的RNAをコードし得る。一部の実施形態では、治療的タンパク質は、モノクローナル抗体または融合タンパク質であり得る。
ある特定の実施形態では、本開示は、核酸分子を、心臓組織、肝臓組織、骨格筋組織、またはそれらの任意の組合せに導入する方法であって、細胞を、本明細書で開示されるウイルスベクターおよび/または組成物と接触させるステップを含む方法もまた提供する。一部の実施形態では、本明細書の核酸分子は、本明細書の1つまたは複数の核酸分子を有するAAV粒子を、心臓組織、肝臓組織、骨格筋組織、またはそれらの任意の組合せに投与することによって、特定の組織に送達され得る。
一部の実施形態では、本明細書の1つまたは複数の核酸分子を有する少なくとも1つのAAV粒子を組織に投与する方法は、ベースラインと比較して、少なくとも1つのcircRNAの発現を実質的に増加させる。本明細書で使用される場合、「ベースライン」は、1つまたは複数の核酸分子を有するAAV粒子が投与される前の、少なくとも1つのcircRNA(およびcircRNAのコードされた産物)の発現を指す。本明細書で使用される場合、「発現を実質的に増加させる」は、ベースラインと比較して、発現における少なくとも1倍の変化を指す。一部の実施形態では、本明細書の1つまたは複数の核酸分子を有する少なくとも1つのAAV粒子を組織に投与する方法は、少なくとも1つのcircRNAの発現を、ベースラインと比較して、少なくとも約2倍~約50倍(例えば、約2倍、4倍、6倍、8倍、10倍、20倍、30倍、40倍、50倍)増加させる。一部の実施形態では、本明細書の1つまたは複数の核酸分子を有する少なくとも1つのAAV粒子を組織に投与する方法は、少なくとも1つのAAV粒子が、心臓組織、肝臓組織、骨格筋組織、またはそれらの任意の組合せに送達された場合、少なくとも1つのcircRNAの発現を、ベースラインと比較して、少なくとも約2倍~約50倍(例えば、約2倍、4倍、6倍、8倍、10倍、20倍、30倍、40倍、50倍)増加させる。一部の実施形態では、本明細書の1つまたは複数の核酸分子を有する少なくとも1つのAAV粒子を組織に投与する方法は、少なくとも1つのAAV粒子が、心臓組織、肝臓組織、またはそれらの任意の組合せに送達された場合、少なくとも1つのcircRNAの発現を、ベースラインと比較して、少なくとも約4倍増加させる。一部の実施形態では、本明細書の1つまたは複数の核酸分子を有する少なくとも1つのAAV粒子を組織に投与する方法は、少なくとも1つのAAV粒子が骨格筋組織に送達された場合、少なくとも1つのcircRNAの発現を、ベースラインと比較して、少なくとも約50倍増加させる。
本明細書で開示される方法のいずれかでは、本明細書に記載される組成物(例えば、1つ、2つまたはそれよりも多くの環状RNAをコードする核酸分子、AAV粒子、AAVゲノム)の有効量が、疾患およびまたは状態に関連する1つまたは複数の症状を軽減するために、それを必要とする対象に与えられ得る。「有効量」は、本明細書で使用される場合、疾患およびまたは状態を有する対象に対して治療効果を付与するのに十分な、開示される組成物の用量を指す。一部の実施形態では、有効量は、対象における疾患または状態の少なくとも1つの症状を低減させる量であり得る。
V.キット
V.キット
本開示は、本明細書に記載される組成物(例えば、1つ、2つまたはそれよりも多くの環状RNAをコードする核酸分子、AAV粒子、AAVゲノム)のいずれか1つを調製する際の使用のためのキット、および本明細書に記載される1つまたは複数の治療的用途を有するキットもまた提供する。本明細書に記載される使用のためのキットは、医薬組成物中に製剤化された本明細書に記載される組成物(例えば、1つ、2つまたはそれよりも多くの環状RNAをコードする核酸分子、AAV粒子、AAVゲノム)をさらに含む1つまたは複数の容器を含み得る。
一部の実施形態では、キットは、本明細書に記載される方法のいずれかにおける組成物(例えば、1つ、2つまたはそれよりも多くの環状RNAをコードする核酸分子、AAV粒子、AAVゲノム)の使用のための使用説明書をさらに含み得る。含まれる使用説明書は、対象において意図した活性を達成するための、対象への組成物またはそれを含む医薬組成物の投与の記載を含み得る。キットは、対象が処置を必要とするかどうかの同定に基づいて、処置に適切な対象の選択に関する記載をさらに含み得る。本明細書に記載される組成物の使用に関する使用説明書は、一般に、意図した処置のための投薬量、投薬スケジュールおよび投与の経路に関する情報を含む。
容器は、単位用量、バルク包装(例えば、多用量包装)またはサブ単位用量であり得る。本開示のキット中で提供される使用説明書は、典型的には、ラベルまたは添付文書上の書面による使用説明書である。ラベルまたは添付文書は、医薬組成物が、対象における疾患もしくは障害を処置する、開始を遅延させる、および/または疾患もしくは障害を軽減するために使用されることを示す。
本明細書で提供されるキットは、適切な包装中にある。適切な包装には、バイアル、ボトル、ジャー、可撓性包装などが含まれるがこれらに限定されない。特定のデバイス、例えば、吸入器、鼻投与デバイスまたは注入デバイスと組み合わせた使用のための包装もまた企図される。キットは、無菌アクセスポートを有し得る(例えば、容器は、皮下注射針によって穿孔可能なストッパーを有する静脈内溶液バッグまたはバイアルであり得る)。容器もまた、無菌アクセスポートを有し得る。
キットは、さらなる構成要素、例えば、緩衝剤および説明的情報を必要に応じて提供し得る。通常、キットは、容器、および容器上のまたは容器に関連したラベルまたは添付文書(複数可)を含む。一部の実施形態では、本開示は、上記キットの内容物を含む製造品を提供する。
ある特定の実施形態では、本開示は、共有結合的に閉環された環状RNA(circRNA)をコードする核酸分子であって、a)非コードRNAまたは翻訳可能なmRNAへと転写され得る目的の遺伝子;b)目的の遺伝子に隣接するイントロンエレメントであって、細胞スプライシング装置によってバックスプライスされて、共有結合的に閉環された環状RNAを生じる、イントロンエレメント;c)目的の遺伝子から転写された翻訳可能なmRNAの翻訳を駆動する内部リボソーム進入部位(IRES);d)5’非翻訳領域(UTR)中、かつ目的の遺伝子に隣接するイントロンエレメントの外側の、プロモーター領域;およびe)3’UTR中、かつ目的の遺伝子に隣接するイントロンエレメントの外側の、翻訳調節領域を含む、核酸分子を提供する。ある特定の実施形態では、本開示は、共有結合的に閉環された環状RNA(circRNA)をコードする核酸分子であって、a)非コードRNAまたは翻訳可能なmRNAへと転写され得るcircRNAコード配列;b)circRNAコード配列に隣接するイントロンエレメントであって、細胞スプライシング装置によってバックスプライスされて、共有結合的に閉環された環状RNAを生じる、イントロンエレメント;c)circRNA生成のための自己スプライシング機構を必要に応じて含むcircRNAコード配列から転写された翻訳可能なmRNAの翻訳を駆動する内部リボソーム進入部位(IRES);d)circRNAコード配列に隣接するイントロンエレメントの上流のプロモーター領域;およびe)3’UTR中、かつcircRNAコード配列に隣接するイントロンエレメントの外側の、翻訳調節領域を含む、核酸分子を提供する。一部の実施形態では、本開示は、(b)のイントロンエレメント(即ち、目的の遺伝子に隣接するイントロンエレメント)が、それらの任意の組合せで、ならびに任意の倍数および/または比で、配列番号1、2、6、7、11および/または12のいずれかのヌクレオチド配列を含む、核酸分子を提供する。一部の実施形態では、本開示は、(b)のイントロンエレメント(即ち、circRNAコード配列に隣接するイントロンエレメント)が、それらの任意の組合せで、ならびに任意の倍数および/または比で、配列番号20~25のいずれかのヌクレオチド配列を含む、核酸分子を提供する。一部の実施形態では、本開示は、(c)のIRESが、それらの任意の組合せで、ならびに任意の倍数および/または比で、配列番号26~29のいずれかのヌクレオチド配列を含む、核酸分子を提供する。一部の実施形態では、本開示は、(e)の翻訳調節領域が、circRNAを安定化するポリアデニル化(ポリA)配列および/または構造的エレメントである、核酸分子を提供する。
例えば、ある特定の実施形態では、開示される核酸分子は、ウイルスIRES、例えば、以下の表1に列挙したウイルスIRESなどを含み得る。
例えば、ある特定の実施形態では、開示される核酸分子は、細胞IRES、例えば、以下の表2に列挙した細胞IRESなどを含み得る。
ある態様では、開示される核酸分子は、1つまたは複数のIRES、例えば、ウイルスIRESまたは細胞IRESなどの組合せを含み得る。ある態様では、1つまたは複数のIRESの組合せは、1つまたは複数のウイルスIRESを含む。ある態様では、1つまたは複数のIRESの組合せは、1つまたは複数の細胞IRESを含む。ある態様では、1つまたは複数のIRESの組合せは、ウイルスIRESおよび細胞IRESの両方を含む。ある特定の実施形態では、本開示は、それらの任意の組合せで、ならびに任意の倍数および/または比でIRESを含む核酸分子であって、IRESが、表1に列挙したウイルスIRES、表2に列挙した細胞IRESである、核酸分子を提供する。
ある特定の実施形態では、本開示は、AAV逆位末端反復(ITR)が隣接する本明細書で開示される核酸分子のいずれか1つを含むアデノ随伴ウイルス(AAV)ゲノムを提供する。一部の実施形態では、本開示は、本明細書で開示されるAAVゲノムを含むAAVカプシドまたは粒子を提供する。一部の実施形態では、本開示は、本明細書で開示される核酸分子のいずれかを含むAAVカプシドまたは粒子を提供する。
ある特定の実施形態では、本開示は、薬学的に許容される担体中に、本明細書で開示される核酸分子のいずれか、本明細書で開示されるAAVゲノムのいずれかおよび/または本明細書で開示されるAAVカプシドもしくは粒子のいずれかを含む組成物を提供する。
ある特定の実施形態では、本開示は、細胞において共有結合的に閉環された環状RNA分子を発現させる方法であって、本明細書で開示される核酸分子のいずれか1つを、共有結合的に閉環された環状RNA分子が転写および/または産生される条件下で細胞中に導入するステップを含む方法を提供する。
ある特定の実施形態では、本開示は、細胞において共有結合的に閉環された環状RNA分子を発現させる方法であって、本明細書で開示されるAAVゲノムのいずれかを、共有結合的に閉環された環状RNA分子が転写される条件下で細胞中に導入するステップを含む方法を提供する。
ある特定の実施形態では、本開示は、細胞において共有結合的に閉環された環状RNA分子を発現させる方法であって、本明細書で開示されるAAVカプシドまたは粒子のいずれかを、共有結合的に閉環された環状RNA分子が転写される条件下で細胞中に導入するステップを含む方法を提供する。
ある特定の実施形態では、本開示は、細胞において共有結合的に閉環された環状RNA分子を発現させる方法であって、本明細書で開示される組成物のいずれかを、共有結合的に閉環された環状RNA分子が転写される条件下で細胞中に導入するステップを含む方法を提供する。
ある特定の実施形態では、本開示は、共有結合的に閉環された環状RNA分子を、組織特異的および/または細胞特異的様式で発現させる方法であって、組織および/または細胞を、共有結合的に閉環された環状RNA分子が発現される条件下で、本明細書で開示される核酸分子のいずれかと接触させるステップを含む方法を提供する。
ある特定の実施形態では、本開示は、共有結合的に閉環された環状RNA分子を、組織特異的および/または細胞特異的様式で発現させる方法であって、組織および/または細胞を、共有結合的に閉環された環状RNA分子が発現される条件下で、本明細書で開示されるAAVゲノムのいずれかと接触させるステップを含む方法を提供する。
ある特定の実施形態では、本開示は、共有結合的に閉環された環状RNA分子を、組織特異的および/または細胞特異的様式で発現させる方法であって、組織および/または細胞を、共有結合的に閉環された環状RNA分子が発現される条件下で、本明細書で開示されるAAVカプシドまたは粒子のいずれかと接触させるステップを含む方法を提供する。
ある特定の実施形態では、本開示は、共有結合的に閉環された環状RNA分子を、組織特異的および/または細胞特異的様式で発現させる方法であって、組織および/または細胞を、共有結合的に閉環された環状RNA分子が発現される条件下で、本明細書で開示される組成物のいずれかと接触させるステップを含む方法を提供する。
一部の実施形態では、本開示は、共有結合的に閉環された環状RNA分子が、タンパク質をコードする治療的mRNA分子、RNAサイレンシング分子、ゲノムエレメントを標的化し得るガイドRNA分子、RNA転写物を標的化し得るガイドRNA分子、tRNA分子、長鎖非コードRNA分子、アンチセンスRNA分子、またはそれらの任意の組合せである、本明細書の方法のいずれかを提供する。
一部の実施形態では、本開示は、共有結合的に閉環された環状RNA分子が、天然に存在するcircRNA分子、機能的非コードRNA分子、またはそれらの任意の組合せである、本明細書の方法のいずれかを提供する。
一部の実施形態では、本開示は、細胞および/または組織が哺乳動物由来である、本明細書の方法のいずれかを提供する。
本開示は、その具体的な実施形態を参照して記載されてきたが、本開示の真の精神および範囲から逸脱することなしに種々の変化がなされ得ることおよび均等物が置換され得ることが、当業者によって理解されるはずである。さらに、多くの改変が、特定の状況、材料、物質の組成物、プロセス、プロセスステップ(単数または複数)を本開示の目的、精神および範囲に適応させるためになされ得る。全てのかかる改変が、本開示の範囲内であることが意図される。
(実施例1)
バックスプライシングイントロンは、挿入を許容して、二重circRNA発現を可能にする
(実施例1)
バックスプライシングイントロンは、挿入を許容して、二重circRNA発現を可能にする
バックスプライシングを媒介するイントロンの共通の特色は、逆位Aluエレメントまたは他の相補配列の存在である。これらの相補的領域とスプライスドナー/アクセプター部位との間の距離がcircRNAのバックスプライシングにどのように影響を与えるかを調べるために、分割GFPエクソンの環状化を駆動するためのHIPK3遺伝子由来のイントロンを含む、図1Aに示されるレポーター系を鋳型として使用した。
簡潔に述べると、図1Aに示されるレポーター系を生成するために、HIPK3発現プラスミドを最初に生成した。HIPK3発現プラスミドを生成するために、ヒトHIPK3遺伝子配列の部分を、pcDNA3.1(+)ベクター中に挿入した。pcDNA3.1(+)ベクターは、マルチクローニング部位(MCS)がフォワード(+)配向である、ヒトサイトメガロウイルス(CMV)プロモーターを有する哺乳動物発現ベクターである。天然に存在するHIPK3イントロン配列を使用する新たなベクターカセットを、マルチクローニング部位によって分離されたプラスミド骨格中にそれらをクローニングすることによって構築した。図2Aは、新たなベクターカセット中で使用したHIPK3イントロン配列を示す。IRES(例えば、EMCV、ポリオ、KSHVまたはHCV)および分割GFPを含むカセットを、イントロン配列間にクローニングした。本明細書の実施例で使用した分割GFPカセットは、Wang and Wang, RNA. 2015;21(2):172-179に開示された方法と類似の方法を使用してcircGFPプラスミドから誘導したものであり、その開示は、その全体が本明細書に組み込まれる。
天然に存在するHIPK3イントロン配列を使用するレポーター系に加えて、他のレポーター系を、ラッカーゼ2およびZKSCAN1のイントロン配列を使用したことを除いて上記方法と類似の方法を使用して生成した。図2Bおよび2Cは、これらの新たなベクターカセットにおいて使用した、それぞれラッカーゼ2およびZKSCAN1のイントロン配列を示す。HIPK3、ラッカーゼ2およびZKSCAN1のイントロン配列を使用するレポーター系についての配列は、表3に提供される。
図1Aに示されるように、得られた構築物は、分割GFPレポーターエクソンの周囲に配置されたHIPK3遺伝子由来のイントロンの部分を含んだ。イントロン中の逆位Alu反復は相互作用し、バックスプライシングが起こるのを可能にして、circRNAを形成した。IRES配列の存在は、翻訳を駆動して、GFPタンパク質発現をもたらした。
イントロン中のスペーシングの影響をプローブするために、各Aluエレメントとスプライス部位との間の距離を、人工的に増加させた。HIPK3イントロンの内容と類似のヌクレオチド内容(例えば、G/C)を有するが、いずれの強い予測された二次構造をも欠く、100~1,500ntの範囲のランダム挿入物を設計した。挿入物設計がこの基準を満たしたところで、次いで、左および右イントロンについて1.5kbのランダム化した配列を合成した。PCRおよび制限クローニングを使用して、配列をイントロンまたはエクソン中に挿入した。必要に応じて、部位特異的突然変異誘発を使用して1~2ntの変化を作製して、制限酵素部位を創出した。
第1のランダム挿入物を、スプライスアクセプターから約100ntの部位において、「左」イントロン(スプライスアクセプター部位の上流)中に挿入した(図1B)。構築物を、HEK293(ヒト胚腎臓)細胞中にトランスフェクトした。簡潔に述べると、細胞を、6ウェルプレート中に播種し、約70%のコンフルエンシーでトランスフェクトした。トランスフェクションを、2.5μgのプラスミドDNA(試験構築物は等モルであり、質量は空のベクターを使用して等しくした)および12.5μLの1mg/mL PEI-MAX 40,000を使用して実施した。トランスフェクションの4日後に、細胞を収集し、ウエスタンブロッティング解析を使用してGFPタンパク質の発現について、ノザンブロッティング解析を使用してcircRNA発現についてアッセイした。
GFPタンパク質のウエスタンブロット(図1Cおよび1D)およびcircRNAのノザンブロット(図1Eおよび1F)からわかるように、さらなる距離の挿入は高度に有害であった。100ntのみの挿入は、circRNA形成を約5分の1に低下させたが、より大きい距離は、circRNA形成を有効に除去した。
HIPK3スプライスアクセプターが、大きいポリ-ピリミジントラクト(配列番号5)を有することを考慮し、分岐点環境に対する可能な影響について制御するために、スプライス接合部に対して遠位かつAluエレメントに対して近位にさらなる配列を挿入した、第2の一連の構築物を創出した(図3A)。この第2のセットは、事実上同様に挙動し、100ntまたはそれよりも大きい挿入は、GFP発現(図3Bおよび3C)およびcircRNA形成(図3Dおよび3E)を大きく低減させた。
「右」イントロン(スプライスドナー部位の下流)中の挿入もまた、図1Gに示されるように生成した。驚くべきことに、右挿入の効果は、左イントロン挿入とは別個であり、1.5kbの長さまでの配列は、GFP発現(図1Hおよび1I)に対してもcircRNA形成(図1Jおよび1K)に対しても効果を示さなかった。元のHIPK3イントロンの場合に形成されたものとは異なるRNAコンカテマーもまた、右イントロン中に挿入物を有するこれらの構築物において観察された。特に、これらのさらなるバンド/分子実体は、本明細書の他の実施例に記載されるように、後に分析され、IRESなどの他のエレメントに依存することが見出された。
次に、ランダム化した挿入物を、表4に提供される非コードのRNAベースの蛍光アプタマーBroccoliを含むイントロンを保有するDrosophila tRNA:TyrGUA遺伝子をコードする配列で置き換えた。
図1Lに示される得られた構築物は、GFP circRNAおよび環状Broccoli tricRNA(tricY-Broccoli)の両方を独立して産生した。ロバストなtricY-Broccoli発現が、インゲルアッセイを使用して観察された(図1M)。簡潔に述べると、5μgのRNAを、変性緩衝剤(67%脱イオン化ホルムアミド、6.7%ホルムアルデヒド、1×MOPSランニング緩衝剤)中に再懸濁し、65℃で7分間インキュベートし、氷上で冷却した。変性させた試料を、300Vで泳動した10%トリスホウ酸/EDTA(TBE)-尿素ゲル上で分離した。ゲルを、水中で3回洗浄し、次いで、DFHBI-1T蛍光プローブ染色溶液(40mM HEPES pH7.4、100mM KCl、1mM MgCl2、10μM DFHBI-1T)中で30分間染色した。染色したゲルを、488励起/526発光設定を使用して、Amersham Typhoon(GE Healthcare)でイメージングした。
ウエスタンおよびノザンブロット解析により、tricRNA形成が、GFPタンパク質レベル(図1Nおよび1O)にもcircRNAレベル(図1Pおよび1Q)にも影響を与えなかったことが確認された。したがって、スプライスドナーとAluエレメントとの間の距離を、さらなる影響なしに増加させることができるだけでなく、さらなる機能的RNAエレメントをイントロン領域に挿入することができる。
(実施例2)
合成イントロン配列は、circRNA発現を増加させる
(実施例2)
合成イントロン配列は、circRNA発現を増加させる
次に、Aluエレメントとスプライス部位との間の距離を減少させることの効果を、実施例1に記載した構築物のイントロン配列を欠失させることによって試験した。欠失した領域を有するHIPK3、ラッカーゼ2およびZKSCAN1イントロンの例は、表5に提供される。
実施例1で開示したように、HIPK3スプライスアクセプターは、大きいポリ-ピリミジントラクトを有する;したがって、スプライス接合部に対して近位の約125ntを保存して、LΔ42-267構築物を創出した。HIPK3の右イントロンは、完全欠失(RΔ10-654)および2つのより小さい欠失(RΔ10-497およびRΔ161-654)を有したが、これらは共に、約150ntの距離を保存する(図4A、そのそれぞれのイントロンの始まりから番号付けた欠失)。構築物を、HEK293細胞中にトランスフェクトし、発現をトランスフェクションの4日後にアッセイして、GFP蛍光(図4B~4G)、ウエスタンブロット(図4Hおよび4I)およびノザンブロット(図4Jおよび4K)によって、これらの改変されたイントロンがcircRNA形成および翻訳を支持する能力を評価した。
簡潔に述べると、細胞を、GFPライトキューブ(励起470nm、発光510nm)またはTexas Redライトキューブ(励起585nm、発光624nm)を備えたEVOS FL落射蛍光細胞イメージングシステムを使用して、トランスフェクションの4日後にイメージングして、GFP蛍光を検出した。実施例1の方法と同様に、細胞をプレートから収集し、得られた細胞懸濁物を、2つのチューブに分離し、300×gで4℃で4分間遠心分離した。細胞ペレットを、ロッカー上に4℃で10分間配置した1×Passive Lysis BufferまたはTRIzol Reagentのいずれか中に懸濁し、次いで、使用前に-80℃で貯蔵した。Passive Lysis Buffer中の溶解物を、16,000×gで4℃で5分間遠心分離して、凍結前に細胞デブリを除去した。Passive Lysis Buffer中で貯蔵した溶解物を、ウエスタンブロッティング解析のために処理し、TRIzol Reagent中に貯蔵した溶解物を、ノザンブロッティング解析のために処理した。
LΔ42-267は、元の構築物と比較して、約2倍高いGFPおよびcircRNA発現を示した(図4B~4K)。スプライス接合部の20nt以内にAluエレメントを配置する大きいRΔ10-654欠失は、環状化効率を劇的に低減させた。しかし、より小さい欠失は、circRNAバイオジェネシスまたはGFP発現に影響することなしに許容された。両方のより小さい欠失は、等しく良好にスプライスし、これは、配列非依存的効果を示していることに留意されたい。次いで、上流のLΔ42-267欠失および下流のRΔ10-497欠失を組み合わせて、最小LΔRΔイントロンエレメントを創出した。欠失の組合せは、相乗効果をもたらし、GFP発現およびcircRNAレベルを約5倍増加させた(図4B~4K)。左または右Alu領域のいずれかの欠失(図4L)は、GFP発現(図4Mおよび4N)およびcircRNA形成(図4Oおよび4P)を無効にし、この系におけるAluエレメントの必要が確認された。
HIPK3および改変されたHIPK3構築物(例えば、L100、R1500、LΔ42-267、RΔ10-497およびLΔRΔ)を、U87神経膠芽腫およびHuh7肝細胞癌細胞系中にトランスフェクトした。トランスフェクションの4日後に、U87およびHuh7細胞を収集し、上記のようにウエスタンおよびノザンブロッティング解析のために処理した。U87細胞におけるGFP発現(図5Aおよび5B)およびcircRNA発現(図5Cおよび5D)ならびにHuh7細胞におけるGFP発現(図5Eおよび5F)およびcircRNA発現(図5Gおよび5H)は、上で詳述したHEK293細胞において観察された結果と類似の結果を示した。類似の結果は、HEK293、U87神経膠芽腫およびHuh7肝細胞癌細胞系において観察され、これは、バックスプライシングの調節が多様な細胞型にわたって保存されていたことを示した。
(実施例3)
circRNA形成に対するイントロンスペーシング効果は保存される
(実施例3)
circRNA形成に対するイントロンスペーシング効果は保存される
HIPK3由来イントロンから得られた結論がより一般に当てはまるかどうかを確認するために、実施例1および2に記載された実験を、ヒトZKSCAN1遺伝子またはDrosophila melanogasterラッカーゼ2遺伝子に由来する2つの異なるイントロン対によって駆動されるレポーターを用いて反復した(図2Bおよび2C;表3)。3つの挿入を各イントロン対において創出した(L100、L500およびR1500)(図6A(ZKSCAN1)および6F(ラッカーゼ2))。両方の場合に、左イントロン中の挿入は、circRNA発現(図6D~6E(ZKSCAN1)および6I~6J(ラッカーゼ2))およびGFP発現(図6B~6C(ZKSCAN1)および6G~6H(ラッカーゼ2))を減少させた。右ラッカーゼ2イントロン中への挿入は、GFP発現(図6G~6H)に対してもcircRNA発現(図6I~6J)に対しても変化を与えなかった。しかし、右ZKSCAN1イントロン中への挿入は、GFP発現(図6B~6C)およびcircRNA発現(図6D~6E)を僅かに減少させた。
ラッカーゼ2(図6P)およびZKSCAN1(図6K)の両方についても、実施例2において観察されたHIPK3イントロン対での結果に基づいて、可能な限り大きい配列を除去するように設計した欠失構築物を創出した。欠失領域を有するラッカーゼ2およびZKSCAN1イントロン配列の例は、表3に提供される。ZKSCAN1については、Aluエレメントとスプライス部位との間のスペースの制約に起因して、左イントロン中に欠失を設計することはできなかった(図6K)。ラッカーゼ2については、LΔ403-507およびRΔ15-118構築物ならびに組み合わせた欠失を創出した(図6P)。
ZKSCAN1およびラッカーゼ2欠失は全て許容され、元のレベルと等価なレベルでGFP(図6L~6M(ZKSCAN1)および6Q~6R(ラッカーゼ2))およびcircRNA(図6N~6O(ZKSCAN1)および6S~6T(ラッカーゼ2))を発現した。したがって、さらなるイントロン対からの結果により、スプライシング効率に対するイントロンスペーシング効果が概して保存されているようであることが確認された。
(実施例4)
IRESエレメントは、circRNAレベルおよび翻訳を調節する
(実施例4)
IRESエレメントは、circRNAレベルおよび翻訳を調節する
上記実施例に記載された系では、GFP発現は、circRNAレベルおよびIRES活性の両方の産物であった。circRNAは5’末端を含まないので、カノニカルなcap依存的翻訳が生じることはできず、したがって、cap非依存的翻訳およびタンパク質合成を開始するのにIRESエレメントに依存しなければならい。脳心筋炎ウイルス(EMCV)IRES、ポリオウイルスIRES、カポジ肉腫関連ヘルペスウイルス(KSHV)vFLIP IRESまたはC型肝炎ウイルス(HCV)IRESを含むHIPK3分割GFP構築物のバージョンを創出した(図7A)。この実施例で使用したこれらの異なるIRESエレメントの配列は、表6に提供される。
構築物を、HEK293細胞中にトランスフェクトし、発現を、トランスフェクションの4日後に、GFP蛍光(図7B~7E)およびウエスタンブロット解析(図7F~7G)によってアッセイした。これらの異なるIRESエレメントを含むcircRNAは、変動するレベルのGFP発現を示し、ポリオウイルスIRES含有circRNA構築物は、EMCVおよびKSHV IRESエレメントと比較して約5倍高い発現を生じた。対照的に、HCV IRESではGFP発現は観察されなかった(図7B~7G)。
翻訳効率を直接評価するために、ポリリボソーム画分を単離し、結合したRNAを、GFPに特異的なプローブを使用するノザンブロットによって可視化した(図7H~7P)。簡潔に述べると、HEK293細胞を、10cmプレート中に一晩播種し、8μgの示されたプラスミドと共にPEI Maxを使用して、約70%のコンフルエンシーでトランスフェクトした。トランスフェクションの24時間後、細胞を分割し、10cmプレート中に1:2で播種した。細胞を、60~70%のコンフルエンシーまで成長させ、次いで、シクロヘキシミド(CHX、100μg/mL)を含む培地中で37℃で10分間インキュベートし、その後、CHXを含む氷冷PBSで2回洗浄した。細胞を溶解させ(20mM Tris-HCl pH7.4、140mM KCl、5mM MgCl2、1mM DTT、1%Triton X-100)、27 1/2ゲージ針を5回通過させて、細胞膜を破壊した。溶解物をスピンして、核を除去し、再度スピンして、残りの細胞デブリを除去した。清澄化した溶解物を、ポリソーム勾配緩衝剤(20mM Tris-HCl pH7.4、140mM KCl、5mM MgCl2)中で調製した線形10~50%スクロース勾配の上にロードし、SW41スインギングバケットローター中で中断なしに32,000rpmで2時間スピンした。勾配を、254nmでの吸光度を連続的にモニタリングしながら、Brandel勾配画分器システムを使用して、750μLの画分へと分画した。RNAを、TRIzol試薬を使用して各勾配画分から抽出した。RNAをノザンブロットによって可視化した。
複数のリボソーム(ポリリボソーム)と会合したRNAは、より効率的に翻訳されたが、2つのリボソーム(ジソーム(disome))または単一のリボソーム(モノソーム(monosome))と会合したRNAは、あまり効率的に翻訳されなかった。EMCV IRESを含むcircGFP RNAは、モノソームおよびジソーム上に存在したが、circRNAの多くは翻訳されなかった。KSHV IRES含有circRNAもまた、モノソームおよびジソームに対応する画分中に存在したが、EMCV circRNAと同様、circRNAの大部分は翻訳されず、これは、低いGFPタンパク質レベルがこれらのcircRNAの低い翻訳効率に起因することを示している。ポリオウイルスIRES含有circGFP RNAは、対照的に、複数の結合したリボソームに対応するより高い画分において検出され、これは、より高いレベルのGFP発現の観察と相関していた(図7H~7P)。
HCV IRESを用いた場合にはタンパク質発現の欠如を確認することには、circRNAの大多数は、未結合の画分中にあった;対照的に、対照線状GFP mRNAは、高重量ポリソーム画分中で検出された(図8A~8F)。全体として、U87およびHuh7細胞系におけるこれらの構築物のRNAおよびタンパク質のレベルは、293T細胞において観察されたレベルと類似であり(図9A~9H)、これは、これらのcircRNAベクターのIRES媒介性翻訳効率がin vitroで類似であることを示唆している。
これらの構築物から産生された総RNAをノザンブロットを介して可視化した場合、幾分かの差異が注目された。第1に、産生されたcircRNAの総量は、4つの構築物間で変動した。HCV IRES構築物は、最も高いレベルのcircRNAを発現し、次がKSHV、ポリオウイルスであり、最後がEMCV IRESであった(図7Qおよび7R)。4つのIRESエレメントはサイズが変動したが、IRES(したがって、circRNA)サイズとcircRNAレベルとの間には強い相関は存在しなかった。第2に、circRNA以外の産生されたRNA種の型には劇的な差異が存在した。特に、circRNAよりも小さいRNA種が、ポリオウイルスおよびKSHV構築物の両方で観察された。さらに、KSHV構築物は、いくつかのより大きいRNA種を産生した(図7Q)。興味深いことに、これらのより高いバンドは、ポリリボソーム画分中で検出されたが、小さいRNA種は検出されなかった(図7H~7P)。小さいRNA種およびより大きいKSHV RNA種は共に、RNase R耐性であり、これは、これらもまた環状であり得ることを示唆している(図7S)。
(実施例5)
IRESエレメントは、circRNAスプライシングパターンに著明に影響を与える
(実施例5)
IRESエレメントは、circRNAスプライシングパターンに著明に影響を与える
観察されたさらなるRNA種の正体をさらに調べるために、RNase H消化を、バックスプライス接合部に結合するオリゴヌクレオチドを使用して実施したところ、これらのRNA種の環状の性質が確認された。主なcircRNAに対応するバンドは残留した。興味深いことに、より高いKSHVバンドの多くは、完全に消失したかまたは強度が減少した一方で、主なcircRNAおよび小さいcircRNAに対応するバンドは、強度が増加し、これは、これらのより大きい種がコンカテマーであり得ることを示唆している(図10A)。次いで、総RNAを、バックスプライス接合部に特異的なプローブを用いてプローブした。RNAバンド形成パターンは、GFPエクソンに対するプローブで観察されたパターンと類似であり、これは、これらのRNA種がスプライスされた産物を示すことを示唆している(図10B)。
ポリオウイルスおよびKSHV circRNAによって産生されたさらなるスプライスされた産物の正体を解明するために、総RNAを、構築物のそれぞれのIRESエレメントに対してプローブした。このプローブは、RNA種のほとんどを検出したが、小さいcircRNAを検出することはできず、これは、この種がIRESを欠如することを示しており、IRESエレメントがRNA産物からスプライスアウトされたことを示唆している(図10C~10D)。次いで、仮想ノザンブロットを、小さいcircRNAに対応する抽出されたRNAを使用して実施した。簡潔に述べると、5μgのRNAを、変性アガロース上で分離した。ゲルをエチジウムブロマイドで染色して、リボソームRNAを可視化した。より大きいcircRNAおよびより小さいcircRNAに対応するゲルの小片を、18S rRNAからの距離(ノザンブロットから測定した距離)に基づいて切断した。RNAをゲルから抽出した。RNAを、Turbo DNA-freeキット(Ambion)を使用してDNase処置した。等しいナノグラム量のDNase処理したRNAを、High Capacity RNA-to-cDNAキット(Applied Biosystems)を使用してcDNAに変換した。この逆転写反応の産物を、バックスプライスに特異的なプライマー(5’-CTGCTTGTCGGCCATGATATAGACGTTGTGGC-3’(配列番号30);5’-CAAGCTGACCCTGAAGTTCATCTGCACCACC-3’;(配列番号31))またはIRESエレメントに及ぶプライマー(5’-GGCCGACAAGCAGAAGAACGGCATCAAG-3’(配列番号32);5’-GGTGGTGCAGATGAACTTCAGGGTCAGCTTG-3’(配列番号33))を使用するPCRのための鋳型として利用し、その後、精製されたPCR産物を配列決定した。
cDNA合成後、PCR産物を、IRESにわたって増幅するプライマーを使用して得、配列決定して、IRESがこれらのcircRNA産物から実際にスプライスアウトされたことを確認した。両方の場合に、GFPの最後の2つのコドン中の弱いスプライスドナーが、IRESの終端において弱いアクセプターにスプライスされた(図10E)。関与するスプライス部位を同定したので、代替的ドナー部位を、GFPコード配列中にサイレント突然変異を作製することによって無効化し、結果として、小さいcircRNAの形成を除外した(図10F~10G)。これらの結果は、circRNAベクターの設計において弱いドナー/アクセプタースプライス部位を同定することの重要性を強調した。
(実施例6)
より大きいcircRNAの生成は、発現に影響を与えない
(実施例6)
より大きいcircRNAの生成は、発現に影響を与えない
内因性circRNAエクソンのサイズは、約100nt~>1kbの範囲であり得、平均は約700ntである。本明細書の実施例におけるcircGFP RNAは、サイズが1.1~1.5kb長の範囲であり、内因性circRNAと比較してかなり大きいが、高いレベルで発現する。エクソンの長さをさらに増加させることができるかどうかを調査するために、GFP ORF断片(-FP)の終端の下流に、P2A自己切断性配列とその後のdsRed ORFとを付加し、エクソンの長さを約750nt増加させて、合計2.2kbにした(図11A)。このより大きいエクソンを、元のおよびLΔRΔ HIPK3イントロン対の両方と対にしたところ、dsRedを発現すること(図11Eおよび11F)に加えて、以前の結果(図4A~4Iを参照されたい)と匹敵するGFP発現(図11B~11H)が得られた。ポリリボソーム解析により、GFP-dsRed circRNAが、複数の翻訳中のリボソームを含む画分中に存在したことが明らかになり、これは、GFP-dsRed circRNAが効率的に翻訳されることを示している(図11J~11L)。P2A配列を付加した場合、GFP停止コドンの除去が、以前に同定された弱いスプライスドナー部位を突然変異させた。したがって、総RNA種をノザンブロットによって解析した場合、2つの種のみが検出された:circGFP RNAおよびより大きいRNA種(図11Mおよび11I)。RNase RおよびRNase H解析により、推定circRNAバンドの環状の性質が確認され、より大きい種が線状であったことが明らかになった(図11Nおよび11O)。バックスプライス接合部についてプローブすることにより、両方のバンドがバックスプライス接合部を含んだことが明らかになり、これは、より大きい線状種がスプライシング事象を受けていたことを示している(図11P)。これらの結果は、内因性および合成の両方のHIPK3バックスプライシングイントロンが、大きいcircRNA産物のスプライシングを媒介することができることを示した。
(実施例7)
circRNAは、心および筋肉組織において、AAVベクターを使用して高度に発現され得る
(実施例7)
circRNAは、心および筋肉組織において、AAVベクターを使用して高度に発現され得る
in vivoでのcircRNAバックスプライシングおよびIRES媒介性翻訳効率に関するさらなる洞察を集めるために、分割GFPエクソンを有し、逆位末端反復が隣接する、(1)元のHIPK3イントロンおよびポリオウイルスIRESまたは(2)LΔRΔイントロンおよびポリオウイルスIRESを駆動するサイトメガロウイルス(CMV)プロモーターを含むDNA構築物を、AAVベクターへとパッケージングした(図12A)。簡潔に述べると、改変を有する三重プラスミドトランスフェクションプロトコールを使用して、組換えAAVベクターを生成した。簡潔に述べると、トランスフェクション混合物は、(1)pXRヘルパープラスミド;(2)アデノウイルスヘルパープラスミドpXX6-80;ならびに(3)AAV2逆位末端反復(ITR)が隣接する、CMVプロモーターによって駆動される示されたcircRNAコード配列およびSV40ポリAを含んだ。イオジキサノール勾配超遠心を使用する培地上清からのポリエチレングリコール(PEG)沈殿(8%w/v)およびZebaSpin脱塩カラム(40K MWCO、Thermo Scientific)を用いた脱塩に続いてベクター精製を実施した。ベクターゲノム(vg)力価を、SYBR Green(Roche Applied Sciences)およびAAV2逆位末端反復に選択的に結合するように設計したプライマー(フォワード、5’-AACATGCTACGCAGAGAGGGAGTGG-3’(配列番号34);リバース、5’-CATGAGACAAGGAACCCCTAGTGATGGAG-3’(配列番号35))を使用する定量的PCR(Lightcycler 480、Roche Applied Sciences)によって得た。
各コホート中のマウス(株:C57BL/6)に、3×1011vg/動物を尾部静脈を介して静脈内注射した。組織を、注射の4週間後に収集した。注射の4週間後、マウスに、腹腔内経路を介してトリブロモエタノール(Avertin)(0.2mL/10gの1.25%溶液)を過剰投薬した。この後、リン酸緩衝食塩水の経心腔的灌流を実施した。収集した臓器(心臓、肝臓、骨格筋)の部分を切断し、RNAlater溶液(Invitrogen)中で貯蔵した;残りを、4%パラホルムアルデヒド中で後固定(postfix)した。
次に、組織中のベクターゲノムコピー数を定量化した。簡潔に述べると、ゲノムDNAを、QiaAmp DNA FFPE Tissue Kit(QIAGEN、Germantown、MD、USA)を使用して、固定された組織の切片から抽出した。ウイルスゲノムコピー数を計算するために、定量的PCRを、CMVプロモーターに特異的なプライマー(5’-CAAGTACGCCCCCTATTGAC-3’(配列番号36);および5’-AAGTCCCGTTGATTTTGGTG-3’(配列番号37))を用いて実施した。ベクターゲノムコピー数を、ハウスキーピング遺伝子としてのマウスラミンB2遺伝子座に対して標準化した(プライマー5’-GGACCCAAGGACTACCTCAAGGG-3’(配列番号38);および5’-AGGGCACCTCCATCTCGGAAAC-3’(配列番号39))。AAVベクターゲノムコピー数は、コホート間で統計的に識別不能であり、等価な投薬が確認された(図12B)。
次に、心、肝臓および骨格筋組織におけるcircRNA発現を、RT-PCRを使用して評価した。簡潔に述べると、5ugのRNAを、Turbo DNA-freeキット(Ambion)を使用してDNase処置した。等しいナノグラム量のDNase処理したRNAを、High Capacity RNA-to-cDNAキット(Applied Biosystems)を使用してcDNAに変換した。逆転写反応の産物を、GFPに対する遺伝子特異的プライマー(5’-CTGCTTGTCGGCCATGATATAGACGTTGTGGC-3’(配列番号40);5’-CAAGCTGACCCTGAAGTTCATCTGCACCACC-3’(配列番号41))およびグリセルアルデヒド3-リン酸デヒドロゲナーゼ(GAPDH)に対する遺伝子特異的プライマー(5’-CCACTCCTCCACCTTTGAC-3’(配列番号42);5’-ACCCTGTTGCTGTAGCC-3’(配列番号43))を使用するPCR(または定量的PCR)のための鋳型として利用した。定量的PCRを、Roche Light-Cycler 480およびSYBR Green Mastermix(Roche Applied Sciences)を使用して実施した。定量的RT-PCRを、circRNAバックスプライス接合部に及ぶプライマー対を使用して実施したところ、LΔRΔイントロン対が、元のHIPK3イントロンと比較して、有意に高いcircRNA発現:心臓および肝臓における約4倍高い発現、ならびに筋肉における約50倍高い発現をもたらしたことが明らかになった(図12C~12D)。特に、骨格筋におけるcircRNA発現は、元のHIPK3イントロンでは非常に低いレベルで検出されたが、LΔRΔイントロン対を用いた場合の発現は、心臓および肝臓と匹敵するレベルまで劇的に増加した(図12C~12D)。
次に、収集した組織の免疫蛍光染色を実施した。簡潔に述べると、心臓および肝臓について、50μm厚の切片を、振動刃ミクロトームを使用して、固定された組織から得た。GFP発現の免疫組織化学的解析を、GFPに対する抗体およびAlexa Fluorヤギ抗ウサギ488二次抗体を使用して実施した。切片を、DNA中のアデニン-チミンリッチな領域に強く結合する蛍光染料であるDAPI(4’,6-ジアミジノ-2-フェニルインドール)を含むProLong Gold Antifade Mountant中でスライド上にマウントした。イメージングを、Aperio ScanScope XT(明視野)またはAperio ScanScope FL(蛍光)上で20×の倍率で実施した。骨格筋試料を、マウントおよび切片化し、その後、免疫蛍光およびスライドスキャンした。蛍光を、ImageJで全ての組織において定量化した。
切片化した組織のGFPについての免疫蛍光染色により、LΔRΔ構築物が、心臓(図12E~12H)ならびに骨格筋(図12I~12L)において、有意に高いGFP発現を実証したことが確認された。肝臓におけるGFP発現は、circRNA発現において差異が見られたにもかかわらず、両方の構築物で低く、これは、ポリオウイルスIRESが、肝臓において効率的な翻訳をもたらさなかったことを示している(図13A~13D)。これらの結果は、イントロン距離を変更することが、異なる組織においてin vivoで合成circRNAレベルを調節するために活用され得ることを実証した。
当業者は、本開示が、目的を遂行し、言及された結末および利益ならびにそれに固有のものを得るために十分に適応されることを容易に理解する。本明細書に記載される本開示は、今のところ、好ましい実施形態の代表であり、例示的であり、本開示の範囲に対する限定として意図されない。特許請求の範囲によって定義される本開示の精神の範囲内に包含されるその中の変化および他の使用が、当業者に想起される。
本明細書中で引用された任意の非特許文書または特許文書を含む任意の参考文献が先行技術を構成することの承認は行っていない。特に、他に述べられない限り、本明細書中の任意の文書に対する言及は、これらの文書のいずれかが、米国または任意の他の国において当該分野の共通の一般知識の一部を形成することの承認を構成しないことが理解される。参考文献の任意の考察は、その著者らが主張していることを述べており、出願人は、本明細書で引用された文書のいずれかの正確さおよび適切性に意義を申し立てる権利を有している。本明細書で引用された全ての参考文献は、明示的に他が示されない限り、参照により完全に組み込まれる。
引用された参考文献中に見出される任意の定義および/または記載間に相違がある場合
には、本開示が支配するものとする。
本発明は、例えば、以下の項目を提供する。
(項目1)
少なくとも2つの環状RNA(circRNA)をタンデムでコードする核酸分子を含む組成物。
(項目2)
前記組成物が、少なくとも2つの環状RNA(circRNA)をコードする核酸分子を含み、前記核酸分子が、
(i)第1のcircRNAコード配列を含む第1のcircRNA、および
(ii)第2のcircRNAコード配列を含む第2のcircRNA
を含み、前記第2のcircRNAが、前記第1のcircRNA中の前記第1のcircRNAコード配列とタンデムであり、
タンデムの前記第1のcircRNAコード配列および前記第2のcircRNAが、イントロンエレメントに隣接している、項目1に記載の組成物。
(項目3)
前記核酸分子が、少なくとも1つのプロモーター領域をさらに含み、
前記少なくとも1つのプロモーター領域が、RNAポリメラーゼII型、RNAポリメラーゼIII型、またはそれらの任意の組合せを動員することができる、項目1または項目2のいずれか一項に記載の組成物。
(項目4)
前記核酸分子が、左バックスプライシングイントロンエレメントおよび右バックスプライシングイントロンエレメントをさらに含み、
前記第1のcircRNAコード配列が、前記左バックスプライシングイントロンエレメントおよび前記右バックスプライシングイントロンエレメントに隣接しており、
前記右バックスプライシングイントロンが、少なくとも1つのtRNA由来イントロンを含み、
前記少なくとも1つのtRNA由来イントロンが、スプライシングの際に第2のcircRNAをコードするtRNA配列を含む、項目1から3のいずれか一項に記載の組成物。
(項目5)
第1のcircRNAコード配列が、
前記第1のcircRNAコード配列に隣接するイントロンエレメントの内側の5’非翻訳領域(5’UTR)であって、内部リボソーム進入部位(IRES)である5’UTR、および
3’UTR中、かつ前記第1のcircRNAコード配列および第2のcircRNAに隣接するイントロンエレメントの内側の、翻訳調節領域
をさらに含む、項目1から4のいずれか一項に記載の組成物。
(項目6)
タンデムの第1のcircRNAコード配列および第2のcircRNAに隣接するイントロンエレメントが、バックスプライスされて、前記circRNAが、共有結合的に閉環される部位において傷跡を形成することなしに前記少なくとも2つのcircRNAを生じる、項目1から5のいずれか一項に記載の組成物。
(項目7)
項目1から6のいずれかの少なくとも2つのcircRNAをコードする前記核酸分子を含むアデノ随伴ウイルス(AAV)ゲノム。
(項目8)
少なくとも1つの環状RNA(circRNA)をコードする核酸分子を含む少なくとも1つのAAVゲノムカセット
バックスプライシングカセット中にオープンリーディングフレーム(ORF)に先行する内部リボソーム進入部位(IRES)エレメントを含む少なくとも1つのcircRNA
を含むアデノ随伴ウイルス(AAV)粒子であって、
前記バックスプライシングカセットが、目的の少なくとも1つのcircRNAコード配列を含む、アデノ随伴ウイルス(AAV)粒子。
(項目9)
少なくとも1つの環状RNA(circRNA)をコードする前記核酸分子が、tRNA由来イントロンエレメントに隣接しており、
前記tRNA由来イントロンエレメントが、少なくとも1つのcircRNAコード配列のための少なくとも1つのtRNAスプライシングカセットを含む、項目8に記載のAAV粒子。
(項目10)
前記AAV粒子が、前記目的の少なくとも1つのcircRNAコード配列に隣接するイントロン対をさらに含み、前記目的の少なくとも1つのcircRNAコード配列に隣接する前記イントロン対が、約750ヌクレオチドの欠失を含む、項目8または項目9のいずれかに記載のAAV粒子。
(項目11)
前記目的の少なくとも1つのcircRNAコード配列に隣接する前記イントロン対が、約250ヌクレオチドの欠失を含む左イントロンおよび約500ヌクレオチドの欠失を含む右イントロンを含む、項目10に記載のAAV粒子。
(項目12)
目的のcircRNAコード配列を細胞に送達する方法であって、前記細胞を、項目1から7のいずれか一項に記載の組成物または項目8から11に記載のAAV粒子に導入するステップを含む、方法。
(項目13)
目的のcircRNAコード配列を組織に送達する方法であって、前記組織を、項目1から7に記載の組成物または項目8から11に記載のAAV粒子のいずれかに導入するステップを含む、方法。
(項目14)
対象における疾患または状態を処置する方法であって、項目1から7に記載の組成物または項目8から11に記載のAAV粒子のいずれかの有効量を前記対象に投与するステップを含み、前記有効量が、前記対象における疾患または状態の少なくとも1つの症状を低減させる量である、方法。
(項目15)
組織において少なくとも1つの環状RNA(circRNA)を発現させる方法であって、項目8から11のいずれか一項に記載の少なくとも1つのAAV粒子を前記組織に投与するステップを含み、前記少なくとも1つのcircRNAの発現が、ベースラインと比較して実質的に増加する、方法。
(項目16)
前記少なくとも1つのcircRNAの発現が、ベースラインと比較して少なくとも2倍増加する、項目15に記載の方法。
(項目17)
前記少なくとも1つのAAV粒子が、心臓組織、肝臓組織、骨格筋組織、またはそれらの任意の組合せに送達された場合、前記少なくとも1つのcircRNAの発現が、ベースラインと比較して少なくとも4倍増加する、項目15または項目16のいずれかに記載の方法。
(項目18)
前記少なくとも1つのAAV粒子が骨格筋組織に送達された場合、前記少なくとも1つのcircRNAの発現が、ベースラインと比較して少なくとも50倍増加する、項目15から17のいずれか一項に記載の方法。
(項目19)
前記少なくとも1つのAAV粒子が、筋肉内注射、静脈内注射、冠動脈内注射、動脈内注射、またはそれらの任意の組合せによって投与される、項目12から18のいずれか一項に記載の方法。
には、本開示が支配するものとする。
本発明は、例えば、以下の項目を提供する。
(項目1)
少なくとも2つの環状RNA(circRNA)をタンデムでコードする核酸分子を含む組成物。
(項目2)
前記組成物が、少なくとも2つの環状RNA(circRNA)をコードする核酸分子を含み、前記核酸分子が、
(i)第1のcircRNAコード配列を含む第1のcircRNA、および
(ii)第2のcircRNAコード配列を含む第2のcircRNA
を含み、前記第2のcircRNAが、前記第1のcircRNA中の前記第1のcircRNAコード配列とタンデムであり、
タンデムの前記第1のcircRNAコード配列および前記第2のcircRNAが、イントロンエレメントに隣接している、項目1に記載の組成物。
(項目3)
前記核酸分子が、少なくとも1つのプロモーター領域をさらに含み、
前記少なくとも1つのプロモーター領域が、RNAポリメラーゼII型、RNAポリメラーゼIII型、またはそれらの任意の組合せを動員することができる、項目1または項目2のいずれか一項に記載の組成物。
(項目4)
前記核酸分子が、左バックスプライシングイントロンエレメントおよび右バックスプライシングイントロンエレメントをさらに含み、
前記第1のcircRNAコード配列が、前記左バックスプライシングイントロンエレメントおよび前記右バックスプライシングイントロンエレメントに隣接しており、
前記右バックスプライシングイントロンが、少なくとも1つのtRNA由来イントロンを含み、
前記少なくとも1つのtRNA由来イントロンが、スプライシングの際に第2のcircRNAをコードするtRNA配列を含む、項目1から3のいずれか一項に記載の組成物。
(項目5)
第1のcircRNAコード配列が、
前記第1のcircRNAコード配列に隣接するイントロンエレメントの内側の5’非翻訳領域(5’UTR)であって、内部リボソーム進入部位(IRES)である5’UTR、および
3’UTR中、かつ前記第1のcircRNAコード配列および第2のcircRNAに隣接するイントロンエレメントの内側の、翻訳調節領域
をさらに含む、項目1から4のいずれか一項に記載の組成物。
(項目6)
タンデムの第1のcircRNAコード配列および第2のcircRNAに隣接するイントロンエレメントが、バックスプライスされて、前記circRNAが、共有結合的に閉環される部位において傷跡を形成することなしに前記少なくとも2つのcircRNAを生じる、項目1から5のいずれか一項に記載の組成物。
(項目7)
項目1から6のいずれかの少なくとも2つのcircRNAをコードする前記核酸分子を含むアデノ随伴ウイルス(AAV)ゲノム。
(項目8)
少なくとも1つの環状RNA(circRNA)をコードする核酸分子を含む少なくとも1つのAAVゲノムカセット
バックスプライシングカセット中にオープンリーディングフレーム(ORF)に先行する内部リボソーム進入部位(IRES)エレメントを含む少なくとも1つのcircRNA
を含むアデノ随伴ウイルス(AAV)粒子であって、
前記バックスプライシングカセットが、目的の少なくとも1つのcircRNAコード配列を含む、アデノ随伴ウイルス(AAV)粒子。
(項目9)
少なくとも1つの環状RNA(circRNA)をコードする前記核酸分子が、tRNA由来イントロンエレメントに隣接しており、
前記tRNA由来イントロンエレメントが、少なくとも1つのcircRNAコード配列のための少なくとも1つのtRNAスプライシングカセットを含む、項目8に記載のAAV粒子。
(項目10)
前記AAV粒子が、前記目的の少なくとも1つのcircRNAコード配列に隣接するイントロン対をさらに含み、前記目的の少なくとも1つのcircRNAコード配列に隣接する前記イントロン対が、約750ヌクレオチドの欠失を含む、項目8または項目9のいずれかに記載のAAV粒子。
(項目11)
前記目的の少なくとも1つのcircRNAコード配列に隣接する前記イントロン対が、約250ヌクレオチドの欠失を含む左イントロンおよび約500ヌクレオチドの欠失を含む右イントロンを含む、項目10に記載のAAV粒子。
(項目12)
目的のcircRNAコード配列を細胞に送達する方法であって、前記細胞を、項目1から7のいずれか一項に記載の組成物または項目8から11に記載のAAV粒子に導入するステップを含む、方法。
(項目13)
目的のcircRNAコード配列を組織に送達する方法であって、前記組織を、項目1から7に記載の組成物または項目8から11に記載のAAV粒子のいずれかに導入するステップを含む、方法。
(項目14)
対象における疾患または状態を処置する方法であって、項目1から7に記載の組成物または項目8から11に記載のAAV粒子のいずれかの有効量を前記対象に投与するステップを含み、前記有効量が、前記対象における疾患または状態の少なくとも1つの症状を低減させる量である、方法。
(項目15)
組織において少なくとも1つの環状RNA(circRNA)を発現させる方法であって、項目8から11のいずれか一項に記載の少なくとも1つのAAV粒子を前記組織に投与するステップを含み、前記少なくとも1つのcircRNAの発現が、ベースラインと比較して実質的に増加する、方法。
(項目16)
前記少なくとも1つのcircRNAの発現が、ベースラインと比較して少なくとも2倍増加する、項目15に記載の方法。
(項目17)
前記少なくとも1つのAAV粒子が、心臓組織、肝臓組織、骨格筋組織、またはそれらの任意の組合せに送達された場合、前記少なくとも1つのcircRNAの発現が、ベースラインと比較して少なくとも4倍増加する、項目15または項目16のいずれかに記載の方法。
(項目18)
前記少なくとも1つのAAV粒子が骨格筋組織に送達された場合、前記少なくとも1つのcircRNAの発現が、ベースラインと比較して少なくとも50倍増加する、項目15から17のいずれか一項に記載の方法。
(項目19)
前記少なくとも1つのAAV粒子が、筋肉内注射、静脈内注射、冠動脈内注射、動脈内注射、またはそれらの任意の組合せによって投与される、項目12から18のいずれか一項に記載の方法。
Claims (21)
- 核酸配列を含む核酸分子であって、前記核酸配列が、第1のcircRNAコード配列および第2のcircRNAコード配列を含み、
前記第1のcircRNAコード配列が、左バックスプライシングイントロンエレメントおよび右バックスプライシングイントロンエレメントに隣接しており、
前記第2のcircRNAコード配列が、左tRNAスプライシングエレメントおよび右tRNAスプライシングエレメントに隣接しており、
前記右バックスプライシングイントロンエレメントが、前記左tRNAスプライシングエレメント、前記第2のcircRNAコード配列および前記右tRNAスプライシングエレメントを含む、
核酸分子。 - 前記核酸配列が、少なくとも1つのプロモーター領域をさらに含み、前記少なくとも1つのプロモーター領域が、RNAポリメラーゼII型、RNAポリメラーゼIII型、またはそれらの任意の組合せを動員することができる、請求項1に記載の核酸分子。
- 前記左バックスプライシングイントロンエレメントが、Aluエレメントを含み、前記右バックスプライシングイントロンエレメントが、Aluエレメントを含む、請求項1または2に記載の核酸分子。
- 前記左バックスプライシングイントロンエレメントが、配列番号1、6、11、21、23および25のいずれか1つから選択される核酸配列を含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の核酸分子。
- 前記右バックスプライシングイントロンエレメントが、配列番号2、7、12、20、22および24のいずれか1つから選択される核酸配列を含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の核酸分子。
- 前記左バックスプライシングイントロンエレメントが、配列番号1、配列番号6または配列番号11と比較して、100、150、200、250、300、350、400、450または500ヌクレオチドの欠失を含む、請求項1から5のいずれか一項に記載の核酸分子。
- 前記右バックスプライシングイントロンエレメントが、配列番号2、配列番号7または配列番号12と比較して、300、350、400、450、500、550、600、650、700、750、800、850または900ヌクレオチドの欠失を含む、請求項1から6のいずれか一項に記載の核酸分子。
- 前記左tRNAスプライシングエレメントが、配列番号17の核酸配列を含む、請求項1から7のいずれか一項に記載の核酸分子。
- 前記右tRNAスプライシングエレメントが、配列番号18の核酸配列を含む、請求項1から8のいずれか一項に記載の核酸分子。
- 前記第1のcircRNAコード配列が、5’非翻訳領域(5’UTR)および3’UTRを含み、前記5’UTRが、内部リボソーム進入部位(IRES)を含む、請求項1から9のいずれか一項に記載の核酸分子。
- 前記第1のcircRNAコード配列が、治療的タンパク質または治療的RNAをコードする、請求項1から10のいずれか一項に記載の核酸分子。
- 前記第2のcircRNAコード配列が、アプタマー、ガイドRNA、タンパク質スポンジ、miRNAスポンジ、タンパク質結合性RNA、天然に存在するcircRNA、アンチセンスRNA、長鎖非コードRNA(lncRNA)、低分子活性化RNA(saRNA)、機能的非コードRNA、リボソームRNA(rRNA)、核小体低分子RNA(snoRNA)、核内低分子RNA(snRNA)、piwi相互作用RNA(piRNA)、Y-RNA、7SK RNA、または7S RNAをコードする、請求項1から11のいずれか一項に記載の核酸分子。
- 請求項1から12のいずれか一項に記載の核酸分子を含むアデノ随伴ウイルス(AAV)ベクター。
- 請求項13に記載のAAVベクターを含むAAV粒子。
- 請求項1から12のいずれか一項に記載の核酸分子、請求項13に記載のAAVベクター、または請求項14に記載のAAV粒子、および薬学的に許容される担体または賦形剤を含む医薬組成物。
- 少なくとも2つのcircRNAを細胞または組織に送達する方法における使用のための、
組成物であって、請求項1から12のいずれか一項に記載の核酸分子、請求項13に記載のAAVベクター、もしくは、請求項14に記載のAAV粒子を含む組成物、または、
請求項15に記載の医薬組成物であって、
前記方法が、前記組成物または前記医薬組成物を前記細胞または組織に導入するステップを含む、組成物または医薬組成物。 - 対象における疾患または状態を処置する方法における使用のための、
組成物であって、請求項1から12のいずれか一項に記載の核酸分子、請求項13に記載のAAVベクター、もしくは、請求項14に記載のAAV粒子を含む組成物、または、
請求項15に記載の医薬組成物であって、
前記方法が、前記組成物または前記医薬組成物の有効量を前記対象に投与するステップを含み、前記有効量が、前記対象における疾患または状態の少なくとも1つの症状を低減させる量である、組成物または医薬組成物。 - 前記方法が、少なくとも1つのAAV粒子を組織に投与するステップを含み、少なくとも2つの環状RNAが、前記組織において発現され、前記少なくとも2つのcircRNAの発現が、前記少なくとも1つのAAV粒子の投与前のベースラインの発現と比較して実質的に増加する、請求項17に記載の使用のための組成物、または医薬組成物。
- 前記少なくとも2つのcircRNAの発現が、前記少なくとも1つのAAV粒子の投与前のベースラインの発現と比較して少なくとも2倍増加する、請求項18に記載の使用のための組成物または医薬組成物。
- 前記少なくとも2つのcircRNAの発現が、前記少なくとも1つのAAV粒子の投与前の、心臓組織、肝臓組織、骨格筋組織、またはそれらの任意の組合せにおけるベースラインの発現と比較して少なくとも4倍増加する、請求項18に記載の使用のための組成物または医薬組成物。
- 前記少なくとも2つのcircRNAの発現が、前記少なくとも1つのAAV粒子の投与の前の、骨格筋組織におけるベースラインの発現と比較して少なくとも50倍増加する、請求項18に記載の使用のための組成物または医薬組成物。
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| Title |
|---|
| Julia Salzman et al.,"Cell-Type Specific Features of Circular RNA Expression",PLoS Genetics,2013年09月05日,Vol. 9, No. 9,p.e1003777 |
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