JP7842316B1 - 光コム発生装置及び光コム分光測定装置 - Google Patents

光コム発生装置及び光コム分光測定装置

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Abstract

光コム発生装置(1)は、周波数軸上で櫛状に並ぶ複数の周波数モードを有する第1光コム(L1)及び第2光コム(L2)を出力する光コム出力部(10)と、光コム出力部(10)から出力された第1光コム(L1)及び第2光コム(L2)の波長を、ソリトン自己周波数シフトを利用して変換する波長変換部(3)と、を備える。

Description

本開示は、光コム発生装置及び光コム分光測定装置に関する。
周波数軸上で櫛状に等間隔に並んだ複数の周波数モード(縦モード)を有する超短パルスレーザ光である光コムが知られている。光コムは、精密な分光計測等に利用され得る。例えば非特許文献1には、2つの光コム(第1光コム及び第2光コム)を用いることで高速な分光測定を実現する技術が記載されている。
Sho Okubo, et al、"Ultra-broadband dual-comb spectroscopy across 1.0-1.9μm"、 Applied Physics Express 082402 (2015) 、published online July 14, 2015、The Japan Society of Applied Physics
上述した技術では、広帯域な測定帯域の分光測定が望まれる場合がある。しかし、測定帯域と測定時間とはトレードオフの関係にあり、測定帯域を広帯域化すると、測定時間が遅くなってしまう。また、測定帯域を広帯域化すると、S/Nが劣化してしまう可能性があり、安定化制御が必要となる。この点、第1光コム及び第2光コムの波長を可変させ、異なる狭帯域のスペクトルを複数生成すれば、結果として、高速且つ広帯域な測定帯域の分光測定が可能となることが見出される。
本開示は、上記実情に鑑みてなされたものであり、第1光コム及び第2光コムの波長が可変な光コム発生装置及び光コム分光測定装置を提供することを目的とする。
本開示の光コム発生装置は、[1]「周波数軸上で櫛状に並ぶ複数の周波数モードを有する第1光コム及び第2光コムを出力する光コム出力部と、前記光コム出力部から出力された前記第1光コム及び前記第2光コムの波長を、ソリトン自己周波数シフトを利用して変換する波長変換部と、を備える、光コム発生装置」である。
この光コム発生装置では、ソリトン自己周波数シフトを利用して、第1光コム及び第2光コムの波長変換が可能である。すなわち、第1光コム及び第2光コムの波長が可変な光コム発生装置を実現することができる。
本開示の光コム発生装置は、[2]「前記光コム出力部は、前記第1光コムと前記第1光コムに対して時間間隔が異なる前記第2光コムとを出力するデュアルコムレーザ光源である、[1]に記載の光コム発生装置」であってもよい。この場合、デュアルコムレーザ光源を利用して、第1光コム及び第2光コムを発生させることが可能となる。
本開示の光コム発生装置は、[3]「前記光コム出力部から出力され前記波長変換部で波長が変換される前の前記第1光コム及び前記第2光コムのスペクトルを広帯域化する光増幅部を備える、[1]又は[2]に記載の光コム発生装置」であってもよい。本開示者らは鋭意検討を重ねた結果、ソリトン自己周波数シフトを利用した波長変換を行う前の光コムのスペクトルを広帯域化することで、マルチソリトン化を抑制できるという知見を得た。よって、本開示によれば、マルチソリトン化を抑制することが可能となる。
本開示の光コム発生装置は、[4]「前記光増幅部は、シミラリトン増幅により前記第1光コム及び前記第2光コムのスペクトルを広帯域化する、[3]に記載の光コム発生装置」であってもよい。この場合、光増幅部では、第1光コム及び第2光コムのストレッチを抑制でき、ソリトン自己周波数シフトを利用した波長変換を効果的に実現できる。
本開示の光コム発生装置は、[5]「前記光増幅部は、前記第1光コム及び前記第2光コムの強度を制御する、[3]又は[4]に記載の光コム発生装置」であってもよい。この場合、第1光コム及び第2光コムの強度を制御することにより、第1光コム及び第2光コムの波長を例えばパルス毎に可変することが可能となる。
本開示の光コム分光測定装置は、[6]「[1]~[6]の何れかに記載の光コム発生装置を備え、前記光コム発生装置により発生させた前記第1光コム及び前記第2光コムを用いて、サンプルの分光測定を行う分光測定装置であって、前記第1光コム及び前記第2光コムを合波させる合波部と、前記合波部で合波させた前記第1光コム及び前記第2光コムを検出する光検出部と、前記光検出部の検出結果に基づいて、分光測定に係る解析を行う解析部と、を備える、光コム分光測定装置」である。
この光コム分光測定装置は、上記光コム発生装置を備えることから、上記光コム発生装置で発生させる第1光コム及び第2光コムの波長を可変させることができる。第1光コム及び第2光コムの波長を可変させ、異なる狭帯域のスペクトルを複数生成することができ、高速且つ広帯域な測定帯域の分光測定が可能となる。
本開示の光コム分光測定装置は、[7]「前記サンプルは、前記合波部で合波させる前の前記第1光コム及び前記第2光コムの何れかの光路上に配置可能である、[6]に記載の光コム分光測定装置」であってもよい。この場合、サンプルの複素屈折率、つまり、吸収係数及び屈折率(複素透過率及び複素反射率)を把握することができる。
本開示の光コム分光測定装置は、[8]「前記サンプルは、前記合波部で合波させた後の前記第1光コム及び前記第2光コムの光路上に配置可能である、[6]に記載の光コム分光測定装置」であってもよい。この場合、装置構成を簡易化できる。
本開示の光コム分光測定装置は、[9]「前記第1光コム及び前記第2光コムの光路における前記光コム発生装置と前記合波部との間に配置され、所定帯域の波長の前記第1光コム及び前記第2光コムを透過させる波長選択部を備える、[6]~[8]の何れかに記載の光コム分光測定装置」であってもよい。この場合、分光測定の測定帯域を、例えばサンプルに合わせて波長選択部により適切に設定することができる。
本開示の光コム分光測定装置は、[10]「前記波長選択部は、前記所定帯域以外の波長の前記第1光コム及び前記第2光コムを反射させ、前記波長選択部で反射させた前記第1光コム及び前記第2光コムの差周波光に基づいてトリガー信号を取得するトリガー信号取得部を更に備え、前記解析部は、前記トリガー信号取得部で取得した前記トリガー信号と前記光検出部の検出結果とに基づいて、前記解析を行う、[9]に記載の光コム分光測定装置」であってもよい。この場合、分光測定のための出力(所定帯域の波長の第1光コム及び第2光コム)を利用せずに、解析部の解析におけるトリガータイミングを得ることができる。また、差周波光を利用することから、第1光コム及び第2光コムの各パルスが重なったときを基準に分光測定できるため、S/Nを高めることができる。
本開示の光コム分光測定装置は、[11]「前記波長選択部は、前記所定帯域以外の波長の前記第1光コム又は前記第2光コムを反射させ、前記波長選択部で反射させた前記第1光コム又は前記第2光コムに基づいてトリガー信号を取得するトリガー信号取得部を更に備え、前記解析部は、前記トリガー信号取得部で取得した前記トリガー信号と前記光検出部の検出結果とに基づいて、前記解析を行う、[9]に記載の光コム分光測定装置」であってもよい。この場合、分光測定のための出力を利用せずに、解析部の解析におけるトリガータイミングを得ることができる。また、装置構成を簡易化できる。
本開示の光コム分光測定装置は、[12]「制御部を備え、前記制御部は、前記波長変換部において前記第1光コム及び前記第2光コムの波長を所定波長へ変換させる第1処理と、前記第1処理により前記第1光コム及び前記第2光コムの波長を前記所定波長へ変換させた場合に、前記光検出部で前記第1光コム及び前記第2光コムを検出することにより取得した干渉波形に基づいて、前記解析部においてスペクトルを取得させる第2処理と、前記第1処理及び前記第2処理を、前記所定波長を互いに異なる複数の波長の間で切り替えて繰り返し実行する第3処理と、を実行可能である、[6]~[11]の何れかに記載の光コム分光測定装置」であってもよい。この場合、第1光コム及び第2光コムの波長を可変させて異なる狭帯域のスペクトルを複数生成する処理を、制御部の制御により実現できる。
本開示の光コム分光測定装置は、[13]「前記制御部は、前記第3処理において、前記第1光コム及び前記第2光コムの波長を、1/Δfrepの時間幅で切り替える、[12]に記載の光コム分光装置」であってもよい。この場合、干渉波形の取得中に波長を切り替えてしまい、当該切替え前後の波長成分が干渉波形に混在してしまうことを抑制できる。
本開示によれば、第1光コム及び第2光コムの波長が可変な光コム発生装置及び光コム分光測定装置を提供することが可能となる。
図1は、第1実施形態に係る光コム分光測定装置の構成を示す図である。 図2は、時間軸上における第1光コム、第2光コム及び干渉波形を示すグラフである。 図3は、図1の光コム出力部の構成を示す図である。 図4(a)は、第1光コムの光路上にサンプルが配置された場合の合波部の周辺構成を示す図である。図4(b)は、第1光コム及び第2光コムの光路上にサンプルが配置された場合における合波部の周辺の構成を示す図である。図4(c)は、サンプルが配置されない場合における合波部の周辺の構成を示す図である。 図5は、図1の光コム分光測定装置による分光測定の一例を示すフローチャートである。 図6は、図1の光コム分光測定装置によりサンプルの透過率を測定する場合の一例を示すフローチャートである。 図7(a)は、取得したスペクトルの例を示すグラフである。図7(b)は、算出した透過率の例を示すグラフである。 図8は、図1の光コム分光測定装置によりサンプルの複素透過率及び複素反射率を測定する場合の一例を示すフローチャートである。 図9は、第2実施形態に係る光コム分光測定装置の構成を示す図である。 図10(a)は、波長選択部の周辺の他の構成を示す図である。図10(b)は、波長選択部の周辺の更に他の構成を示す図である。図10(c)は、波長選択部の周辺の更に他の構成を示す図である。
以下、実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。各図において同一又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
[第1実施形態]
図1に示されるように、第1実施形態に係る光コム分光測定装置100は、第1光コムL1及び第2光コムL2を用いてサンプルSの分光測定を行う装置である。光コム分光測定装置100は、光コム発生装置1と、波長選択部4と、合波部5と、光検出部6と、トリガー信号取得部7と、解析部8と、制御部9と、を備える。サンプルSは特に限定されず、種々の測定対象であってもよい。光コム分光測定装置100は、例えば光原子時計の評価等に用いられる。
第1光コムL1及び第2光コムL2は、周波数が制御された超短パルスレーザ光(モード同期レーザ光)である。第1光コムL1及び第2光コムL2は、時間軸(時間領域)で見た場合、超短パルス列として表される(図2参照)。第1光コムL1及び第2光コムL2を構成する超短パルス列をフーリエ変換することにより、等間隔に周波数モード(縦モード)が並んだ光スペクトルが得られる。すなわち、第1光コムL1及び第2光コムL2は、周波数軸(周波数領域)で櫛状に並ぶ複数の周波数モードを有する光スペクトルとして表される。第1光コムL1は、繰返し周波数frep1及びオフセット周波数fCEO1の2つのパラメータによって表される。第2光コムL2は、繰返し周波数frep2及びオフセット周波数fCEO2の2つのパラメータによって表される。第2光コムL2は、第1光コムL1に対して時間間隔が僅かに異なる。
光コム発生装置1は、第1光コムL1及び第2光コムL2を出力する光コム出力部10、第1光コムL1及び第2光コムL2のスペクトルを広帯域化する光増幅部2、及び、第1光コムL1及び第2光コムL2の波長をソリトン自己周波数シフトを利用して変換する波長変換部3と、を有する。
光コム出力部10は、図3に示されるように、第1光コムL1及び第2光コムL2を出力する双方向発振型のデュアルコムレーザ光源である。光コム出力部10は、時計回り(CW)に発振してなる第1光コムL1と反時計回り(CCW)に発振してなる第2光コムL2とを出力する。光コム出力部10では、例えばレーザダイオード等の光源11からの光が、エルビウムドープファイバ等のドープファイバ12に送られて増幅される。増幅された光は、ループ光路13内において時計回りと反時計回りとの2つ異なる方向に循環す
る。ループ光路13上には、光の偏光状態を変化させて光の強度及び位相を制御する非線形偏波回転部15と、光のパルスを生成するためのデバイスである半導体飽和吸収ミラー16と、が設けられている。ループ光路13内において時計回りに循環する光の一部は、カプラ17により取り出されて第1光コムL1として出力される。ループ光路13内において反時計回りに循環する光の一部は、カプラ18により取り出されて第2光コムL2として出力される。
図1に戻り、光増幅部2は、光コム出力部10から出力され波長変換部3で波長が変換される前の第1光コムL1及び第2光コムL2のスペクトルを広帯域化する。光増幅部2は、音響光学変調器21,22とファイバ増幅器23,24とを有する。
音響光学変調器21,22は、音響(音波)の力を利用して変調を行う装置であって、AOM(Acousto Optic Modulator)と称される。音響光学変調器21は、第1光コムL
1の強度をパルス毎に制御する。音響光学変調器21は、第1光コムL1の光路における光コム出力部10とファイバ増幅器23との間に配置される。音響光学変調器22は、第2光コムL2の強度をパルス毎に制御する。音響光学変調器22は、第2光コムL2の光路における光コム出力部10とファイバ増幅器24の間に配置される。なお、音響光学変調器21,22は、光コム出力部10と波長変換部3との間であれば、どの位置に配置されていてもよい。
ファイバ増幅器23は、第1光コムL1のスペクトルを広帯域化する。具体的には、ファイバ増幅器23は、シミラリトン増幅により、第1光コムL1のスペクトルを広帯域化すると共に、当該第1光コムL1を高出力化する。ファイバ増幅器23は、第1光コムL1の光路における音響光学変調器21と波長変換部3との間に配置される。ファイバ増幅器24は、第2光コムL2のスペクトルを広帯域化する。具体的には、ファイバ増幅器24は、シミラリトン増幅により、第2光コムL2のスペクトルを広帯域化すると共に、当該第2光コムL2を高出力化する。ファイバ増幅器24は、第2光コムL2の光路における音響光学変調器22と波長変換部3との間に配置される。
ファイバ増幅器23,24は、正常分散ファイバと励起光源とを含んで構成されている。正常分散ファイバは、エルビウム及びイッテルビウムの共添加のダブルクラッドファイバである。すなわち、ファイバ増幅器23,24は、ストレッチしないように正常分散のダブルクラッドファイバにより非線形効果を起こしつつ増幅を行い、広帯域のアンプ光としての第1光コムL1及び第2光コムL2を取得する。正常分散ファイバは、分散パラメータD(ps/nm/km)が負の状態のファイバである。ファイバ増幅器23,24に用いられる添加物は特に限定されず、種々の添加物を採用してもよい。ファイバ増幅器23及びファイバ増幅器24は、例えば第1光コムL1及び第2光コムL2のスペクトル幅が100nm以上となるようにスペクトルを広帯域化してもよい。
波長変換部3は、光コム出力部10から出力された第1光コムL1及び第2光コムL2の波長を、ソリトン自己周波数シフトを利用して変換する。波長変換部3は、ラマンシフトファイバ31,32を有する。
ラマンシフトファイバ31は、ファイバ増幅器23でスペクトルを広帯域化しながら出力を高出力化した第1光コムL1の波長を、ソリトン自己周波数シフト(ラマンソリトンシフト)を利用して可変する。ラマンシフトファイバ31は、第1光コムL1の波長を可変し、ソリトンを発生させる。ラマンシフトファイバ31は、第1光コムL1の光路におけるファイバ増幅器23と波長選択部4との間に配置される。ラマンシフトファイバ32は、ファイバ増幅器24でスペクトルを広帯域化しながら出力を高出力化した第2光コムL2の波長を、ソリトン自己周波数シフトを利用して可変する。ラマンシフトファイバ32は、第2光コムL2の波長を可変し、ソリトンを発生させる。ラマンシフトファイバ32は、第2光コムL2の光路におけるファイバ増幅器24と波長選択部4との間に配置される。
ラマンシフトファイバ31,32は、例えばファイバ増幅器23,24で生成された第1光コムL1及び第2光コムL2の波長帯で異常分散を示す、シングルモード異常分散ファイバを用いることができる。ラマンシフトファイバ31,32は、例えば1600nm~2000nmの波長帯域の第1光コムL1及び第2光コムL2(ソリトン)を出力可能である。なお、ソリトン自己周波数シフトにより変調した第1光コムL1及び第2光コムL2は、非ソリトン成分(ソリトンにならなかった成分)を含む。
波長選択部4は、所定帯域の波長の第1光コムL11及び第2光コムL21を透過させると共に、所定帯域以外の波長の第1光コムL12及び第2光コムL22を反射させる。所定帯域は、例えば1600nm~2000nmである。所定帯域以外の波長は、例えば1550nm以下である。波長選択部4は、第1光コムL1及び第2光コムL2の光路における光コム発生装置1と合波部5との間に配置される。波長選択部4は、反射型のロングパスフィルタ41,42を含む。
ロングパスフィルタ41は、第1光コムL1の光路におけるラマンシフトファイバ31と合波部5との間に配置される。ロングパスフィルタ41は、第1光コムL1の長波長成分を透過させると共に、第1光コムL1の長波長成分以外を反射させる。ロングパスフィルタ42は、第2光コムL2の光路におけるラマンシフトファイバ32と合波部5との間に配置される。ロングパスフィルタ42は、第2光コムL2の長波長成分を透過させると共に、第2光コムL2の長波長成分以外を反射させる。
合波部5は、第1光コムL11及び第2光コムL21を合波させる。合波部5は、第1光コムL1及び第2光コムL2の光路における波長選択部4と光検出部6との間に配置される。図示する例では、合波部5は、ミラー51,52を有する。ミラー51,52は、第1光コムL11と第2光コムL21とが同一光軸上にて合波するように、第1光コムL11を透過させると共に第2光コムL21を反射させる。
光検出部6は、合波部5で合波させた第1光コムL11及び第2光コムL21を検出する。光検出部6は、例えば、フォトディテクタ等によって構成される。光検出部6は、合波部5で合波させた第1光コムL11及び第2光コムL21を検出することにより、第1光コムL11と第2光コムL21との干渉波形(以下、単に「干渉波形」ともいう)を取得する(図2参照)。光検出部6は、取得した干渉波形を解析部8へ出力する。
トリガー信号取得部7は、波長選択部4で反射させた第1光コムL12及び第2光コムL22の差周波光LSに基づいてトリガー信号を取得する。図示する例では、トリガー信号取得部7では、所定帯域以外の波長の第1光コムL12及び第2光コムL22を、ミラー71,72で反射させてレンズ73を介して非線形光学媒質74に入射させる。これにより、差周波発生を利用して、差周波数に相当する差周波光LSを発生させる。そして、トリガー信号取得部7では、当該差周波光LSを光検出部75で検出することにより、トリガー信号を取得する。
解析部8は、光検出部6の検出結果に基づいて、分光測定に係る解析を行う。解析部8は、物理的には、RAM、ROM等のメモリ、CPU等のプロセッサ(演算回路)、通信インターフェイス、ハードディスク等の格納部を備えて構成されている。解析部8としては、例えばパーソナルコンピュータ、クラウドサーバ、スマートデバイス(スマートフォン、タブレット端末等)等が挙げられる。解析部8は、メモリに格納されるプログラムをコンピュータシステムのCPUで実行することにより機能する。
解析部8は、トリガー信号取得部7で取得したトリガー信号と光検出部6で取得した干渉波形とに基づいて、分光測定に係る解析を行う。解析部8は、トリガー信号に同期して干渉波形(干渉波形の信号)を取り込む。解析部8は、取り込んだ干渉波形をフーリエ変換し、スペクトルを取得する。解析部8は、取得したスペクトルに基づいて、サンプルSの透過率を算出する。解析部8は、取り込んだ干渉波形に基づいて、サンプルSの複素透過率及び複素反射率を参照する。透過率、複素透過率及び複素反射率の算出について詳しくは後述する。
制御部9は、光コム分光測定装置100の各種の動作を制御する。制御部9は、物理的には、解析部8と同様に構成されている。制御部9は、解析部8と一体で形成されていてもよいし、別体で形成されていてもよい。制御部9は、光コム出力部10における第1光コムL1及び第2光コムL2の出力を制御する。
制御部9は、音響光学変調器21,22を制御して第1光コムL1及び第2光コムL2の強度を調整(つまり、光増幅部2の励起レーザ出力を調整)し、波長変換部3において第1光コムL1及び第2光コムL2の波長を所定波長へ変換させる第1処理と、第1処理により第1光コムL1及び第2光コムL2の波長を所定波長へ変換させた場合に、解析部8において干渉波形に基づいてスペクトルを取得させる第2処理と、第1処理及び第2処理を、所定波長を互いに異なる複数の波長の間で切り替えて繰り返し実行する第3処理と、を実行可能である。
制御部9は、第3処理において第1光コムL1及び第2光コムL2の波長を、1/Δfrepの時間幅で変換させる。Δfrepは、測定時間であって、第1光コムL1の繰返し周波数frep1と第2光コムL2の繰返し周波数frep2との差である(Δfrep=frep1-frep2)。制御部9は、より好ましいとして、干渉波形のピーク時
点から1/(2×Δfrep)が経過した時点にて波長を切り替えてもよい。なお、測定帯域Δνは(frep1×frep2)/(2×Δfrep)で表すことができることから、測定帯域ΔνからΔfrepを算出してもよい。
図1及び図4(a)に示されるように、光コム分光測定装置100では、サンプルSは、合波部5で合波させる前の第1光コムL1の光路上に配置可能である。図4(b)に示されるように、光コム分光測定装置100では、サンプルSは、合波部5で合波させた後の第1光コムL1及び第2光コムL2の光路上に配置可能である。なお、サンプルSは、合波部5で合波させる前の第2光コムL2の光路上に配置可能であってもよい。図4(c)に示されるように、光コム分光測定装置100では、サンプルSは、第1光コムL1及び第2光コムL2の光路上に配置されない場合もある。
次に、光コム分光測定装置100による分光測定の一例について、図5のフローチャートを参照して説明する。
まず、制御部9により光コム出力部10を制御し、光コム出力部10から第1光コムL1及び第2光コムL2を出力し、光増幅部2に入射させる(ステップS1)。音響光学変調器21,22により第1光コムL1及び第2光コムL2の強度を調整し、ファイバ増幅器23,24により第1光コムL1及び第2光コムL2のスペクトルを広帯域化させる。そして、波長変換部3により、第1光コムL1及び第2光コムL2の波長を、ソリトン自己周波数シフトを利用して変換する(ステップS2)。
ステップS2では、制御部9により音響光学変調器21,22を制御し、波長変換部3により第1光コムL1及び第2光コムL2の波長が所定波長へ変換されるように、第1光コムL1及び第2光コムL2の強度を調整する。所定波長は、例えば1600~2000nmの範囲の波長であり、ここでは、1600nmである。
続いて、波長選択部4により、所定帯域の波長の第1光コムL11及び第2光コムL21を透過させ、所定帯域の波長の第1光コムL11及び第2光コムL21を取り出す(ステップS3)。これと共に、波長選択部4により、所定帯域以外の波長の第1光コムL12及び第2光コムL22を反射させ、所定帯域以外の波長の第1光コムL12及び第2光コムL22を取り出す(ステップS4)。
合波部5により、所定帯域の波長の第1光コムL11及び第2光コムL21を合波する(ステップS5)。合波した第1光コムL11及び第2光コムL21を光検出部6にて検出し、干渉波形を取得する(ステップS6)。一方、トリガー信号取得部7により、所定帯域以外の波長の第1光コムL12及び第2光コムL22について差周波発生を利用して別途に波長変換し、差周波光LSを発生させる(ステップS7)。差周波光LSを光検出部75にて検出し、トリガー信号を取得する(ステップS8)。
解析部8により、トリガー信号に同期して干渉波形の信号を取り込む(ステップS9)。解析部8により、ステップS9で取り込んだ干渉波形をフーリエ変換し、スペクトルを得る(ステップS10)。広帯域に渡る複数のスペクトルを取得済みか否かを判定する(ステップS11)。ステップS11では、例えば、1600~2000nmに渡って5個のスペクトルが既に取得されているか否かを判定する。ステップS11でNOの場合、ステップS2における波長変換の目標波長である所定波長を波長シフト量変えて(例えば100nm増加して)、ステップS2の処理へ戻る(ステップS12)。ステップS11でYESの場合、ステップS10で得た複数のスペクトルを接続し、広帯域なスペクトルが得られたとして処理を終了する。
次に、光コム分光測定装置100によりサンプルSの透過率を測定する場合の一例について、図6のフローチャートを参照して説明する。
まず、第1光コムL1及び第2光コムL2の光路上にサンプルSを配置しない(図4(c)参照)。その状態において図5の示される上述した各処理を実施し、スペクトルIref(λ)を取得する(ステップS21:図7(a)参照)。続いて、合波部5で合波させた後の第1光コムL1及び第2光コムL2の光路上にサンプルSを配置する(図4(b)参照)。その状態において図5の示される上述した各処理を実施し、スペクトルIsam(λ)を取得する(ステップS22:図7(a)参照)。そして、スペクトルIref(λ),Isam(λ)の比から、サンプルSの透過率を算出する(ステップS23:図7(b)参照)。
次に、光コム分光測定装置100によりサンプルSの複素透過率及び複素反射率を測定する場合の一例について、図8のフローチャートを参照して説明する。
まず、第1光コムL1及び第2光コムL2の光路上にサンプルSを配置しない(図4(c)参照)。その状態において上述したステップS1~S9の処理を実施し、干渉波形IGMref(t)を取り込む(ステップS31)。合波部5で合波させる前の第1光コムL1又は第2光コムL2の光路上にサンプルSを配置する(図4(a)参照)。その状態において上述したステップS1~S9の処理を実施し、干渉波形IGMsam(t)を取り込む(ステップS32)。そして、複素透過率T(ω)を下式(1)に従い取得すると共に、複素反射率R(ω)を下式(2)に従い取得する(ステップS33)。以下において、F[]はフーリエ変換を意味し、ωは角周波数である。
T(ω)=F[IGMsam(t)]/F[IGMref(t)]…(1)
R(ω)=1-T(ω)…(2)
なお、T(ω)は下式(3)でも表すことができる。ここで、n(=n+ik)はサンプルの複素屈折率、nairは空気の屈折率、iは虚数、dはサンプルSの厚み、nはサンプルの屈折率、kは消衰係数である。下式(3)の実数及びおよび虚数成分に分離し、n及びkを得ることができる。
T(ω)=((4×n×nair)/(n+nair
exp[i×((n-nair)×d/c)]…(3)
R(ω)は下式(4)でも表すことができる。ここで、Δ及びΨは、それぞれエリプソメトリックパラメータである。下式(4)の実数及びおよび虚数成分に分離し、Δ及びΨを得ることができる。ちなみに、上述したステップS31~S33を、上述したステップS2における波長変換の目標波長である所定波長を変えて繰り返し実施してもよい。
R(ω)=tanΨ×exp(iΔ)…(4)
以上、光コム発生装置1では、ソリトン自己周波数シフトを利用して、第1光コムL1及び第2光コムL2の波長変換が可能である。すなわち、第1光コムL1及び第2光コムL2の波長が可変な光コム発生装置1を実現することができる。
また、第1光コムL1及び第2光コムL2を用いたデュアルコム分光測定では、測定時間(繰返し周波数の差)と測定帯域(ナイキストスペクトル帯域)とは、トレードオフの関係にある。もし測定時間を速くすると、測定帯域が狭くなる。また、測定帯域を変える場合、複数のバンドパスフィルタが必要となる。測定帯域を広げると、S/N劣化のために安定化制御も必要となる。この点、本実施形態では、狭帯域なスペクトル(帯域~10nm)でありつつ波長可変できるため、高速且つ広帯域なデュアルコム分光測定を実現できる。
光コム発生装置1では、光コム出力部10は、第1光コムL1及び第2光コムL2を出力するデュアルコムレーザ光源である。この場合、デュアルコムレーザ光源を利用して、第1光コムL1及び第2光コムL2を発生させることが可能となる。デュアルコムレーザ光源の第1光コムL1及び第2光コムL2を用いることで、高速且つ高分解能な分光測定が可能となる。例えば、干渉波形がサブナノ秒でサンプリング可能であり、干渉波形を利用する計測を1ms未満で実行することが可能となる。特に本実施形態では、光コム出力部10が双方向発振型のデュアルコムレーザ光源であることから、安価且つ簡便に光コム出力部10を構成でき、煩雑な制御も不要である。
本開示者らは鋭意検討を重ねた結果、ソリトン自己周波数シフトを利用した波長変換を行う前の光コムのスペクトルを広帯域化することで、マルチソリトン化を抑制できるという知見を得た。マルチソリトン化は、例えば、変調により光コムが分裂して複数の光コムが形成されることである。複数の光コムの全てが所望の波長帯域として同時に利用されるような用途は非常に稀であるため、不要な光コムを除く必要がある等、実用上の観点からは、このようなマルチソリトン化は好ましくない場合が多い。そこで、光コム発生装置1では、光増幅部2により第1光コムL1及び第2光コムL2のスペクトルを広帯域化する。これにより、マルチソリトン化を抑制することが可能となる。
光コム発生装置1では、光増幅部2は、シミラリトン増幅により第1光コムL1及び第2光コムL2のスペクトルを広帯域化する。この場合、光増幅部2では、第1光コム及び第2光コムのストレッチを抑制でき、ソリトン自己周波数シフトを利用した波長変換を効果的に実現できる。
光コム発生装置1では、光増幅部2は、第1光コムL1及び第2光コムL2の強度を制御する。第1光コムL1及び第2光コムL2の強度を制御することにより、第1光コムL1及び第2光コムL2の波長を例えばパルス毎に可変することが可能となる。
光コム分光測定装置100は、光コム発生装置1を備えることから、光コム発生装置1で発生させる第1光コムL1及び第2光コムL2の波長を可変することができる。第1光コムL1及び第2光コムL2の波長を可変させ、異なる狭帯域のスペクトルを複数生成することができ、高速且つ広帯域な測定帯域の分光測定が可能となる。
光コム分光測定装置では、サンプルSは、合波部5で合波させる前の第1光コムL1及び第2光コムL2の何れかの光路上に配置可能である。この場合、サンプルSの複素屈折率、つまり、吸収係数及び屈折率(複素透過率及び複素反射率)を把握することができる。
光コム分光測定装置100では、サンプルSは、合波部5で合波させた後の第1光コムL1及び第2光コムL2の光路上に配置可能である。この場合、装置構成を簡易化できる。また、第1光コムL1及び第2光コムL2が同じ波面で干渉することになるため、S/Nが劣化するのを抑制することができる。
光コム分光測定装置100は、所定帯域の波長の第1光コムL1及び第2光コムL2を透過させる波長選択部4を備える。この場合、分光測定の測定帯域を、波長選択部4により例えばサンプルに合わせて適切に設定することができる。
光コム分光測定装置100では、波長選択部4で反射させた第1光コムL12及び第2光コムL22の差周波光LSに基づいてトリガー信号を取得するトリガー信号取得部7を更に備える。解析部8は、トリガー信号取得部7で取得したトリガー信号と光検出部6の検出結果とに基づいて解析を行う。この場合、分光測定のための出力(所定帯域の波長の第1光コムL11及び第2光コムL21)を利用せずに、解析部8の解析におけるトリガータイミングを得ることができる。また、差周波光LSを利用することから、第1光コムL1及び第2光コムL2の各パルスが重なったときを基準に分光測定できるため、S/Nを高めることができる。
光コム分光測定装置100では、制御部9は、波長変換部3において第1光コムL1及び第2光コムL2の波長を所定波長へ変換させる第1処理と、第1処理により第1光コムL1及び第2光コムL2の波長を所定波長へ変換させた場合に、解析部8において干渉波形に基づいてスペクトルを取得させる第2処理と、第1処理及び第2処理を、所定波長を互いに異なる複数の波長の間で切り替えて繰り返し実行する第3処理と、を実行可能である。この場合、第1光コムL1及び第2光コムL2の波長を可変させて異なる狭帯域のスペクトルを複数生成する処理を、制御部9の制御により実現できる。
光コム分光測定装置100では、制御部9は、第3処理において、第1光コムL1及び第2光コムL2の波長を1/Δfrepの時間幅で切り替える。この場合、干渉波形の取得中に波長を切り替えてしまい、当該切替え前後の波長成分が干渉波形に混在してしまうことを抑制できる。なお、干渉波形をn回積算する場合には、波長の切替えはn/Δfrepとしてもよい。もしくは、1600~2000nmまで波長可変した後に、測定をn回繰り返してもよい。
上記において、ステップS2が第1処理を構成し、ステップS3~S10が第2処理を構成し、ステップS11~S12が第3処理を構成する。
[第2実施形態]
次に第2実施形態について説明する。図9に示される第2実施形態に係る光コム分光測定装置200が第1実施形態と異なる点は、トリガー信号取得部7(図1参照)に代えてトリガー信号取得部207を備えた点である。
トリガー信号取得部207は、波長選択部4で反射させた第2光コムL2に基づいてトリガー信号を取得する。図示する例では、トリガー信号取得部207では、所定帯域以外の波長の第2光コムL21を、ミラー72で反射させて光検出部75で検出することにより、トリガー信号を取得する。
以上、光コム分光測定装置200においても、第1光コムL1及び第2光コムL2の波長が可変な光コム発生装置1を実現することができる。また、光コム分光測定装置200では、波長選択部4で反射させた第2光コムL22に基づいてトリガー信号を取得するトリガー信号取得部207を更に備える。この場合、分光測定のための出力を利用せずに、解析部8の解析におけるトリガータイミングを得ることができる。また、光コム分光測定装置200の装置構成を簡易化できる。なお、トリガー信号取得部207は、波長選択部4で反射させた第1光コムL1に基づいてトリガー信号を取得してもよい。
以上、本開示の一態様は、上記実施形態に限定されない。
上記実施形態では、図10(a)に示されるように、ロングパスフィルタ41の後流側に非線形光学結晶(第2高調波結晶)340が配置されていてもよい。非線形光学結晶340は、BBO(Beta Barium Borate)、PPLN(Periodically Poled Lithium Niobate)、及びKTP(Potassium Titanyl Phosphate)を含む。この場合、例えば、波長が
1600~2000nmの第1光コムL12は、非線形光学結晶340を更に透過することにより、波長が800~1000nmの第1光コムL13へ波長変換(光パラメトリック発生)される。これにより、第1光コムL1の波長帯域を低波長側へ制御することができる。なお、このような波長帯域の制御について第2光コムL2に関しても同様である。
上記実施形態は、図10(b)に示されるように、ロングパスフィルタ41(図1参照)に代えてショートパスフィルタ341を備えていてもよい。この場合、ショートパスフィルタ341は、例えば波長が800~1000nmの第1光コムL12を透過させる。これにより、第1光コムL1の波長帯域を低波長側へ制御することができる。なお、このような波長帯域の制御について第2光コムL2に関しても同様である。
上記実施形態では、図10(c)に示されるように、ショートパスフィルタ341の後流側に、例えばGaSe結晶等の非線形光学結晶350が配置されていてもよい。この場合、例えば、波長が800nmの第1光コムL12は、非線形光学結晶350を更に透過することにより、波長が10μmの第1光コムL13へ波長変換(光パラメトリック発生)される。これにより、第1光コムL1の波長帯域を高波長側へ制御し、例えば中赤外光を発生することができる。なお、このような波長帯域の制御について第2光コムL2に関しても同様である。
上記実施形態では、光コム出力部10において、モード同期手法として非線形偏波回転部15(図2参照)を用いたが、これに限定されない。例えば非相反位相シフタ、非線形ループミラー、及び、連続光のみを吸収し且つパルス光の透過率が高い可飽和吸収体の何れかをモード同期手法として用いてもよい。好ましくは、外乱に堅牢な偏波保持ファイバを用いる非相反位相シフタもしくは可飽和吸収体をモード同期手法として用いてもよい。光コム出力部10におけるレーザ光のゲイン媒体は特に限定されず、例えばエルビウム、イットリビウム、ツリウム及びニオジウム等の何れであってもよい。
上記実施形態では、光コム出力部10として双方向発振型のデュアルコムレーザ光源を採用したが、光コム出力部10は、第1光コムL1及び第2光コムL2を出力できれば、その構成及び種類等は特に限定されない。例えば、光コム出力部10は、2台同期型のデュアルコムレーザ光源であってもよい。この場合、ノイズを抑制することが可能となる。2台同期型のデュアルコムレーザ光源としては、例えば下記文献1に記載された技術を採用してもよい。
文献1:Sho Okubo, et al、“Ultra-broadband dual-comb spectroscopy across 1.0-1.9μm”、 Applied Physics Express 8, 082402 (2015)、published online July 14, 2015、The Japan Society of Applied Physics、 pp.082402-1-82402-05
また例えば、光コム出力部10は、機械共有型のデュアルコムレーザ光源であってもよい。機械共有型のデュアルコムレーザ光源としては、例えば下記文献2に記載された技術を採用してもよい。
文献2:TAKUMI YUMOTO, et al、“All-polarization-maintaining dual-comb fiber laser with mechanically shared cavity configuration and micro-optic component”、Optics Continuum、Vol. 2, No. 8 / 15、Aug 2023、 pp.1867-1874
また例えば、光コム出力部は、多重偏光型のデュアルコムレーザ光源であってもよい。多重偏光型のデュアルコムレーザ光源としては、例えば下記文献3に記載された技術を採用してもよい。
文献3:YOSHIAKI NAKAJIMA, et al、“All-polarization-maintaining, polarization-multiplexed, dual-comb fiber laser with a nonlinear amplifying loop mirror
”、 OPTICS EXPRESS、Vol. 27, No. 10、13 May 2019、 pp.14648-14656
また例えば、光コム出力部は、マイクロコム型のデュアルコムレーザ光源であってもよい。マイクロコム型のデュアルコムレーザ光源としては、例えば下記文献4に記載された技術を採用してもよい。
文献4:Nikita Yu. Dmitriev, et al、“A hybrid integrated dual-microcomb source”、 physics.optics、arXiv:2112.07398v1、14 December, 2021、pp.1-5
上記実施形態では、ファイバ増幅器23,24として、正常分散ファイバであってダブルクラッドファイバのファイバアンプを用いたが、これに代えて、正常分散ファイバであってシングルクラッドファイバ(例えばエルビウム添加)のファイバアンプを用いてもよい。この場合でも、第1光コムL1及び第2光コムL2のスペクトルの広帯域化は可能となる。
上記実施形態では、光増幅部2は、音響光学変調器21,22に代えて、電気光学変調器(Electro-Optic Modulato)を用いてもよいし、励起レーザの電流変調を介して強度を変調してもよい。上記実施形態では、波長変換部3において、アンチストークスを利用して第1光コムL1及び第2光コムL2の波長変更を行ってもよい。
上記実施形態及び上記変形例における各構成には、上述した材料及び形状に限定されず、様々な材料及び形状を適用することができる。また、上述した実施形態及び変形例における各構成は、他の実施形態又は変形例における各構成に任意に適用することができる。
1…光コム発生装置、2…光増幅部、3…波長変換部、4…波長選択部、5…合波部、6…光検出部、7…トリガー信号取得部、8…解析部、9…制御部、10…光コム出力部、100,200…光コム分光測定装置、L1,L11,L12,L13…第1光コム、L2,L21,L22…第2光コム、LS…差周波光、S…サンプル。

Claims (11)

  1. 周波数軸上で櫛状に並ぶ複数の周波数モードを有する第1光コム及び第2光コムを出力する光コム出力部と、
    前記光コム出力部から出力された前記第1光コム及び前記第2光コムのスペクトルを広帯域化する光増幅部と、
    前記光増幅部から出力された前記第1光コム及び前記第2光コムの波長を、ソリトン自己周波数シフトを利用して変換する波長変換部と、を備え
    前記光増幅部は、シミラリトン増幅により前記第1光コム及び前記第2光コムのスペクトルを広帯域化する、光コム発生装置。
  2. 前記光コム出力部は、前記第1光コムと前記第1光コムに対して時間間隔が異なる前記第2光コムとを出力するデュアルコムレーザ光源である、請求項1に記載の光コム発生装置。
  3. 前記光増幅部は、前記第1光コム及び前記第2光コムの強度を制御する、請求項1又は2に記載の光コム発生装置。
  4. 請求項1又は2に記載の光コム発生装置を備え、前記光コム発生装置により発生させた前記第1光コム及び前記第2光コムを用いて、サンプルの分光測定を行う分光測定装置であって、
    前記第1光コム及び前記第2光コムを合波させる合波部と、
    前記合波部で合波させた前記第1光コム及び前記第2光コムを検出する光検出部と、
    前記光検出部の検出結果に基づいて、分光測定に係る解析を行う解析部と、を備える、光コム分光測定装置。
  5. 前記サンプルは、前記合波部で合波させる前の前記第1光コム及び前記第2光コムの何れかの光路上に配置可能である、請求項に記載の光コム分光測定装置。
  6. 前記サンプルは、前記合波部で合波させた後の前記第1光コム及び前記第2光コムの光路上に配置可能である、請求項に記載の光コム分光測定装置。
  7. 前記第1光コム及び前記第2光コムの光路における前記光コム発生装置と前記合波部との間に配置され、所定帯域の波長の前記第1光コム及び前記第2光コムを透過させる波長選択部を備える、請求項に記載の光コム分光測定装置。
  8. 前記波長選択部は、前記所定帯域以外の波長の前記第1光コム及び前記第2光コムを反射させ、
    前記波長選択部で反射させた前記第1光コム及び前記第2光コムの差周波光に基づいてトリガー信号を取得するトリガー信号取得部を更に備え、
    前記解析部は、前記トリガー信号取得部で取得した前記トリガー信号と前記光検出部の検出結果とに基づいて、前記解析を行う、請求項に記載の光コム分光測定装置。
  9. 前記波長選択部は、前記所定帯域以外の波長の前記第1光コム又は前記第2光コムを反射させ、
    前記波長選択部で反射させた前記第1光コム又は前記第2光コムに基づいてトリガー信号を取得するトリガー信号取得部を更に備え、
    前記解析部は、前記トリガー信号取得部で取得した前記トリガー信号と前記光検出部の検出結果とに基づいて、前記解析を行う、請求項に記載の光コム分光測定装置。
  10. 制御部を備え、
    前記制御部は、
    前記波長変換部において前記第1光コム及び前記第2光コムの波長を所定波長へ変換させる第1処理と、
    前記第1処理により前記第1光コム及び前記第2光コムの波長を前記所定波長へ変換させた場合に、前記光検出部で前記第1光コム及び前記第2光コムを検出することにより取得した干渉波形に基づいて、前記解析部においてスペクトルを取得させる第2処理と、
    前記第1処理及び前記第2処理を、前記所定波長を互いに異なる複数の波長の間で切り替えて繰り返し実行する第3処理と、を実行可能である、請求項に記載の光コム分光測定装置。
  11. 前記制御部は、前記第3処理において、前記第1光コム及び前記第2光コムの波長を、1/Δfrepの時間幅で切り替える、請求項10に記載の光コム分光測定装置。

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