定義
用語「抗体」および用語「免疫グロブリン」には、いずれかのイソタイプ(例えば、IgG(例えば、IgG1、IgG2、IgG3またはIgG4)、IgE、IgD、IgA、IgMなど)の抗体または免疫グロブリン、無欠抗体(例えば、重鎖ポリペプチドと、軽鎖ポリペプチドとの2つの二量体から構成される四量体から構成される抗体)、単鎖抗体(例えば、scFv)、抗原に対する特異的結合を保持する抗体フラグメント(例えば、無欠抗体または単鎖抗体のフラグメント)(限定されないが、Fab、Fv、scFvおよびFdフラグメントが含まれる)、キメラ抗体、ヒト化抗体、単鎖抗体、および、抗体の抗原結合部分と、非抗体タンパク質とを含む融合タンパク質が含まれる。抗体は、例えば、放射性同位体、検出可能な生成物を生成する酵素、および蛍光タンパク質などにより検出可能に標識される場合がある。抗体はさらに、他の部分に対して、例えば、特異的結合対の構成成分など、例えば、ビオチン(ビオチン-アビジン特異的結合対の構成成分)および同様な構成成分に対して接合される場合がある。抗体はまた、ポリスチレンプレートまたはビーズおよび同様な固体支持体(これらに限定されない)を含めて固体支持体に結合させられる場合がある。この用語によって同様に包含されるものが、抗原に対する特異的結合を保持するFab’、Fv、F(ab’)2および/または他の抗体フラグメント、ならびにモノクローナル抗体である。抗体は一価または二価である場合がある。
「抗体フラグメント」は、無傷抗体の一部分、例えば、無傷抗体の抗原結合領域または可変領域を含む。抗体フラグメントの例には、Fab、Fab’、F(ab’)2およびFvフラグメント、ジアボディー、線状抗体(Zapata et al.,Protein Eng.8(10):1057-1062(1995))、単鎖抗体分子、ならびに抗体フラグメントから形成される多重特異性抗体が含まれる。抗体のパパイン消化により、それぞれがただ1つの抗原結合部位を有する、「Fab」フラグメントと呼ばれる2つの同一の抗原結合フラグメントと、残部の「Fc」フラグメント(これは、容易に結晶化し得ることを反映する名称である)とが生じる。ペプシン処理では、2つの抗原結合部位を有し、かつ、抗原を架橋する能力を依然として有するF(ab’)2フラグメントがもたらされる。
「Fv」は、完全な抗原認識・結合部位を含有する最小の抗体フラグメントである。この領域は、1つの重鎖と、1つの軽鎖可変ドメインとの、堅固な非共有結合性会合での二量体からなる。それぞれの可変ドメインの3つのCDRSが相互作用して、抗原結合部位をVH-VL二量体の表面に規定するのが、この配置においてである。全体として、6つのCDRにより、抗体に対する抗原結合特異性がもたらされる。しかしながら、ただ1つの可変ドメイン(または抗原に特異的な3つのCDRのみを含むFvの半分)でさえ、結合部位の全体よりも低い親和性ではあるが、抗原を認識し、該抗原と結合する能力を有する。
「Fab」フラグメントはまた、軽鎖の定常ドメインと、重鎖の第1の定常ドメイン(CH1)とを含有する。Fabフラグメントは、抗体ヒンジ領域に由来する1つまたは複数のシステインを含めて数残基が重鎖CH1ドメインのカルボキシル末端に付加されていることによってFab’フラグメントとは異なる。Fab’-SHが、定常ドメインのシステイン残基(1つまたは複数)がフリーのチオール基を有するFab’に代わる本明細書中での呼称である。F(ab’)2抗体フラグメントは最初は、ヒンジのシステインをフラグメント間に有するFab’フラグメントの対として作製された。抗体フラグメントの他の化学的カップリング物もまた知られている。
どのような種であれ脊椎動物種に由来する抗体(免疫グロブリン)の「軽鎖」は、その定常ドメインのアミノ酸配列に基づいて、カッパおよびラムダと呼ばれる2つの明確に異なったタイプのうちの1つに割り当てることができる。免疫グロブリンは、その重鎖の定常ドメインのアミノ酸配列に依存して、様々な異なるクラスに割り当てることができる。免疫グロブリンの5つの主要なクラスが存在する:IgA、IgD、IgE、IgGおよびIgM。これらのいくつかはさらに、サブクラス(イソタイプ)に分けられる場合がある:例えば、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA、およびIgA2。
「単鎖Fv」抗体フラグメントまたは「sFv」抗体フラグメントは抗体のVHドメインおよびVLドメインを含み、ただし、これらのドメインはただ1つのポリペプチド鎖に存在する。いくつかの局面において、Fvポリペプチドはさらに、sFvが抗原結合のための所望の構造を形成することを可能にするポリペプチドリンカーをVHドメインとVLドメインとの間に含む。sFvの総説については、Pluckthun in The Pharmacology of Monoclonal Antibodies,vol.113,Rosenburg and Moore eds.,Springer-Verlag,New York,pp.269-315(1994)を参照のこと。
用語「ジアボディー」は、同じポリペプチド鎖(VH-VL)において軽鎖可変ドメイン(VL)につながれる重鎖可変ドメイン(VH)を含む、2つの抗原結合部位を有する小さい抗体フラグメントを示す。同じ鎖におけるこれら2つのドメインの間での対形成を可能にするには短すぎるリンカーを使用することによって、これらのドメインは、別の鎖の相補的ドメインと対形成し、2つの抗原結合部位をもたらすことが強いられる。様々なジアボディーが、例えば、欧州特許第404,097号、国際公開第93/11161号、およびHollinger et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,90:6444-6448(1993)において、より詳細に記載される。
本明細書中で使用される場合、用語「親和性」は2つの作用因の可逆的結合についての平衡定数を示し、解離定数(Kd)として表される。親和性は、無関係なアミノ酸配列について抗体の親和性よりも少なくとも1倍大きい、少なくとも2倍大きい、少なくとも3倍大きい、少なくとも4倍大きい、少なくとも5倍大きい、少なくとも6倍大きい、少なくとも7倍大きい、少なくとも8倍大きい、少なくとも9倍大きい、少なくとも10倍大きい、少なくとも20倍大きい、少なくとも30倍大きい、少なくとも40倍大きい、少なくとも50倍大きい、少なくとも60倍大きい、少なくとも70倍大きい、少なくとも80倍大きい、少なくとも90倍大きい、少なくとも100倍大きい、もしくは少なくとも1000倍大きい、またはそれ以上であることが可能である。標的タンパク質に対する抗体の親和性は、例えば、約100ナノモル濃度(nM)~約0.1nMの間、約100nM~約1ピコモル濃度(pM)の間、もしくは約100nM~約1フェムトモル濃度(fM)の間、またはそれよりも大きいことが可能である。本明細書中で使用される場合、用語「アビディティー」は、希釈後の解離に対する2つ以上の作用因の複合体の抵抗性を示す。用語「免疫反応性(の)」および用語「優先的に結合する」は、抗体および/または抗原結合フラグメントに関して本明細書中では交換可能に使用される。
用語’’binding’’(結合)は、例えば、共有結合相互作用、静電相互作用、疎水性相互作用、ならびに塩架橋および水架橋などの様々な相互作用を含めてイオン性相互作用および/または水素結合相互作用に起因する、2つの分子の間における直接的な会合を示す。主題の抗GPC3抗体はGPC3ポリペプチド内のエピトープに特異的に結合する。非特異的結合は、約10-7Mよりも小さい親和性による結合、例えば、10-6M、10-5M、10-4Mなどの親和性による結合を示すであろう。
抗体および抗原の関連での用語「特異的に結合する」は、当該抗体が、例えば、約105M-1またはそれよりも大きい親和性またはKa(すなわち、1/Mの単位による特定の結合相互作用の平衡会合定数)により当該抗原に結合すること、または当該抗原と会合することを意味する。
「高親和性」結合は、Kaが少なくとも107M-1である、少なくとも108M-1である、少なくとも109M-1である、少なくとも1010M-1である、少なくとも1011M-1である、少なくとも1012M-1である、少なくとも1013M-1である、またはそれよりも大きい結合を示す。代替において、親和性は、Mの単位による特定の結合相互作用の平衡解離定数(KD)として定義される場合がある(例えば、10-5M~10-13M、またはそれよりも小さい)。いくつかの実施形態において、特異的結合は、抗体が、約10-5M以下、約10-6M以下、約10-7M以下、約10-8M以下、または約10-9M以下、10-10M、10-11Mもしくは10-12M以下のKD、またはそれよりも小さいKDにより抗原に結合することを意味する。所与の抗原についての抗体の結合親和性は、従来の技術を使用して、例えば、競合的ELISA(酵素結合免疫吸着アッセイ)、平衡透析によって、表面プラズモン共鳴(SPR)技術(例えば、製造者によって概説される一般的手順を使用してBIAcore2000装置)を使用することによって、または放射免疫アッセイなどによって容易に求めることができる。
本明細書中で使用される場合、用語「CDR」または用語「相補性決定領域」は、重鎖ポリペプチドおよび軽鎖ポリペプチドの両方の可変領域の中に見出される非隣接の抗原結合部位を意味することが意図される。CDRが、Kabat et al.,J.Biol.Chem.252:6609-6616(1977);Kabat et al.,U.S.Dept.of Health and Human Services,’’Sequences of proteins of immunological interest’’(1991)によって、Chothia et al.,J.Mol.Biol.196:901-917(1987)によって、また、MacCallum et al.,J.Mol.Biol.262:732-745(1996)によって記載されており、この場合、これらの定義は、互いに比較したとき、アミノ酸残基の重複またはサブセットを含む。それにもかかわらず、所与の抗体またはそのグラフト化抗体もしくバリアントのCDRを示すためにいずれかの定義を適用することは、本明細書中において定義および使用されるような用語の範囲内であることが意図される。上記引用参考文献のそれぞれによって定義されるようなCDRを包含するアミノ酸残基が、比較として下記において表1に示される。
本開示全体にわたって、免疫グロブリン重鎖および免疫グロブリン軽鎖における残基の番号表記は、Kabat et al.,Sequences of Proteins of Immunological Interest(5th Ed.Public Health Service,National Institutes of Health,Bethesda,Md.(1991)、これは特に参照によって本明細書中に組み込まれる)における場合のものである。
本明細書中で使用される場合、用語「フレームワーク」は、抗体可変領域に関して使用されるときには、抗体の可変領域の内部におけるCDR領域外のすべてのアミノ酸残基を意味することが意図される。可変領域フレームワークは一般には、長さが約100~120アミノ酸の間である不連続なアミノ酸配列であり、しかし、CDR外のそのようなアミノ酸のみを示すことが意図される。本明細書中で使用される場合、用語「フレームワーク領域」は、CDRによって隔てられるフレームワークのそれぞれのドメインを意味することが意図される。
「起源となるIgポリペプチド」は、本明細書中に記載されるようなアルデヒドタグ化された定常領域を欠くアミノ酸配列を含むポリペプチドである。起源となるポリペプチドは生来型配列の定常領域を含む場合があり、あるいは、以前から存在するアミノ酸配列改変(例えば、付加、欠失および/または置換など)を有する定常領域を含む場合がある。
Igポリペプチドの関連において、用語「定常領域」はこの技術分野では十分に理解されており、Ig重鎖またはIg軽鎖のC末端領域を示す。Ig重鎖定常領域は、CH1ドメイン、CH2ドメインおよびCH3ドメイン(ならびに重鎖がμまたはε重鎖である場合にはCH4ドメイン)を含む。生来のIg重鎖において、CH1、CH2、CH3(および存在するならばCH4)の各ドメインが重鎖可変(VH)領域の直後から(C末端側で)始まり、それぞれのドメインが長さにおいて約100アミノ酸~約130アミノ酸である。生来のIg軽鎖において、定常領域が軽鎖可変(VL)領域の直後から(C末端側で)始まり、長さにおいて約100アミノ酸~約120アミノ酸である。
「エピトープ」は、抗体が結合する抗原表面の部位(例えば、GPC3表面の部位)である。エピトープは、タンパク質の折り畳み(例えば、三次折り畳み)によって並置される隣接アミノ酸または非隣接アミノ酸から両方で形成されることが可能である。隣接アミノ酸から形成されるエピトープは典型的には、変性溶媒にさらされたときに保持され、これに対して、折り畳みによって形成されるエピトープは典型的には、変性溶媒により処理されたときに失われる。エピトープは典型的には少なくとも3個のアミノ酸を、より通常的には少なくとも5個または8~10個のアミノ酸を線状配座または空間的配座で含む。エピトープの空間的配座を決定する方法には、例えば、x線結晶学および2次元核磁気共鳴が含まれる。例えば、Epitope Mapping Protocols in Methods in Molecular Biology、第66巻、Glenn E.Morris編(1996)を参照のこと。いくつかの商用研究所がエピトープマッピングサービスを提供している。膜関連抗原と免疫反応性の抗体が結合するエピトープが細胞の表面に(例えば、膜貫通タンパク質の細胞外領域に)存在している可能性があり、その結果、そのようなエピトープは、細胞表面でアクセス可能である、溶媒が接触可能である、および/または細胞表面に露出していると見なされる。
ポリペプチド、ペプチドまたはタンパク質のアミノ酸配列に関して使用されるような「遺伝的にコードされ得る」によって、当該アミノ酸配列が、当該アミノ酸配列をコードする核酸の転写および翻訳によって産生されることが可能であるアミノ酸残基から構成されることが意味され、ただし、転写および/または翻訳は細胞において、または無細胞のインビトロ転写/翻訳系において生じる場合がある。
用語「制御配列」は、機能的に連結されたコード配列の発現を特定の発現系において、例えば、哺乳動物細胞、細菌細胞、無細胞合成などにおいて促進させるDNA配列を示す。原核生物系のために好適である制御配列は、例えば、プロモーターと、必要ならばオペレーター配列と、リボソーム結合部位とを含む。真核生物細胞系では、プロモーター、ポリアデニル化シグナルおよびエンハンサーが利用される場合がある。
核酸は、別の核酸配列との機能的関係に置かれたときには「機能的に連結される」。例えば、プレ配列または分泌リーダーのためのDNAが、ポリペプチドの分泌に加わるプレタンパク質として発現されるならば、このポリペプチドのためのDNAに機能的に連結される。あるいは、プロモーターまたはエンハンサーが、コード配列の転写に影響を及ぼすならば、コード配列に機能的に連結される。あるいは、リボソーム結合部位が、翻訳の開始を促進させるように配置されるならば、コード配列に機能的に連結される。一般に、「機能的に連結される」は、連結されるDNA配列が隣接していること、分泌リーダーの場合には隣接しており、かつリーディングフレーム内にあることを意味する。連結が核酸連結によって、または増幅反応を介して達成される。合成オリゴヌクレオチドのアダプターまたはリンカーが、従来の慣例に従って配列を連結するために使用される場合がある。
用語「発現カセット」は、本明細書中で使用される場合、(例えば、目的とする構築物の中への核酸連結と適合し得る制限部位の使用によって、あるいは目的とする構築物の中への、または宿主細胞ゲノムの中への相同的組換えによって)核酸内に挿入することができる核酸(通常的にはDNA)のセグメントを示す。一般に、このような核酸セグメントは、目的とするポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含み、かつ、カセットおよび制限部位は、転写および翻訳のための適切なリーディングフレームでの当該カセットの挿入を容易にするように設計される。発現カセットはまた、目的とするポリペプチドをコードするポリヌクレオチドの宿主細胞における発現、例えば、哺乳動物宿主細胞における発現を促進させるエレメントを含むことができる。このようなエレメントには、プロモーター、最小プロモーター、エンハンサー、応答エレメント、ターミネーター配列、ポリアデニル化配列、および同様な配列が含まれる場合があるが、これらに限定されない。
「単離された」抗体は、特定され、その自然環境の成分から分離および/または回収されている抗体である。その自然環境の混入成分には、抗体についての診断的使用または治療的使用を妨げるであろうと思われる物質が挙げられ、酵素、ホルモン、および他のタンパク質性溶質または非タンパク質性溶質が含まれる場合がある。いくつかの実施形態において、抗体は、(1)Lowry法によって判定される場合、抗体の重量比で90%超、95%超もしくは98%超にまで、例えば、重量比で99%超にまで、(2)スピニングカップシークエネーター(spinning cup sequenator)の使用によって少なくとも15残基のN末端アミノ酸配列もしくは内部アミノ酸配列を得るために十分な程度にまで、または(3)クーマシーブルー染色または銀染色を使用する還元条件下または非還元条件下でのドデシル硫酸ナトリウム-ポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS-PAGE)によって均一にまで精製されることになる。単離された抗体には、抗体の自然環境の少なくとも1つの成分が存在しないことになるので、組換え細胞内の原位置での抗体が含まれる。いくつかの例において、単離された抗体は、少なくとも1つの精製工程によって調製されるであろう。
用語「天然抗体」は、抗体の重鎖および軽鎖が多細胞生物の免疫系によって作られ、対形成させられる抗体を示す。脾臓、リンパ節、骨髄および血清が、天然抗体を産生する組織の例である。例えば、抗原により免疫化される第1の動物から単離されている抗体産生細胞によって産生される抗体は、天然抗体である。
用語「ヒト化抗体」または用語「ヒト化免疫グロブリン」は、ヒト抗体に由来する対応位置のアミノ酸により置換されている1つまたは複数のアミノ酸を(例えば、フレームワーク領域、定常領域またはCDRにおいて)含有する非ヒト抗体(例えば、マウス抗体またはウサギ抗体)を示す。一般に、ヒト化抗体は、同じ抗体の非ヒト化型と比較した場合、ヒト宿主における低下した免疫応答をもたらす。抗体は、例えば、CDRグラフト化(欧州特許第239,400号、PCT公開公報第91/09967号、米国特許第5,225,539号、同第5,530,101号および同第5,585,089号)、ベニアリング(veneering)またはリサーフェシング(resurfacing)(欧州特許第592,106号;欧州特許第519,596号;Padlan,Molecular Immunology 28(4/5):489-498(1991);Studnicka et al.,Protein Engineering,7(6):805-814(1994);Roguska et al.,PNAS 91:969-973(1994))、および鎖シャッフリング(米国特許第5,565,332号)を含めて、この技術分野において知られている様々な技術を使用してヒト化することができる。ある特定の実施形態において、様々なフレームワーク置換が、抗原結合のために重要なフレームワーク残基を特定するための、CDR残基とフレームワーク残基との相互作用のモデル化、および特定の位置における通常でないフレームワーク残基を特定するための配列比較によって特定される(例えば、米国特許第5,585,089号;Riechmann et al.,Nature 332:323(1988)を参照のこと)。本発明における使用のために意図される抗体をヒト化するためのさらなる方法が、米国特許第5,750,078号、同第5,502,167号、同第5,705,154号、同第5,770,403号、同第5,698,417号、同第5,693,493号、同第5,558,864号、同第4,935,496号および同第4,816,567号、ならびにPCT公開公報第98/45331号および同第98/45332号に開示される。特定の実施形態において、主題のウサギ抗体が、米国特許出願公開第20040086979号および米国特許出願公開第20050033031号に示される方法に従ってヒト化される場合がある。したがって、上記で記載される抗体は、この技術分野において広く知られている様々な方法を使用してヒト化される場合がある。
用語「キメラ抗体」は、その軽鎖遺伝子および重鎖遺伝子が典型的には遺伝子工学によって、異なる種に属する抗体の可変領域遺伝子および定常領域遺伝子から構築されている抗体を示す。例えば、マウスモノクローナル抗体由来の遺伝子の可変セグメントが、ヒトの定常セグメント(例えば、ガンマ1およびガンマ3など)につながれる場合がある。治療用キメラ抗体の一例が、マウス抗体に由来する可変ドメインまたは抗原結合ドメインと、ヒト抗体に由来する定常ドメインまたはエフェクタードメインとから構成されるハイブリッドタンパク質であり、だが、他の哺乳動物種に由来するドメインが使用される場合がある。
用語「ポリペプチド」、用語「ペプチド」および用語「タンパク質」は、アミノ酸のポリマー形態をどのような長さのものであれ示すために本明細書中では交換可能に使用される。具体的に別途示されている場合を除き、「ポリペプチド」、「ペプチド」および「タンパク質」は、遺伝的にコードされたアミノ酸および遺伝的にコードされないアミノ酸、化学的または生化学的に改変または誘導体化されたアミノ酸、ならびに改変されたペプチド骨格を有するポリペプチドを含むことができる。この用語には、異種アミノ酸配列との融合タンパク質、異種リーダー配列および同族リーダー配列との融合体、少なくとも1つのN末端メチオニン残基を(例えば、組換え宿主細胞における産生を容易にするために)含有するタンパク質(これらに限定されない)を含めて様々な融合タンパク質;免疫学的タグ化タンパク質;および同様な融合タンパク質が含まれる。
「生来型アミノ酸配列」または「起源となるアミノ酸配列」は、改変されたアミノ酸残基を含むように改変される前のポリペプチドのアミノ酸配列を示すために本明細書中では交換可能に使用される。
用語「アミノ酸類似体」、用語「人為的アミノ酸」および同様な用語は、交換可能に使用されることがあり、天然に存在するタンパク質において一般に見出される1つまたは複数のアミノ酸(例えば、AlaまたはA、CysまたはC、AspまたはD、GluまたはE、PheまたはF、GlyまたはG、HisまたはH、IleまたはI、LysまたはK、LeuまたはL、MetまたはM、AsnまたはN、ProまたはP、GlnまたはQ、ArgまたはR、SerまたはS、ThrまたはT、ValまたはV、TrpまたはW、TyrまたはY)と構造および/または全体的形状が類似しているアミノ酸様化合物を含む。アミノ酸類似体には、改変された側鎖または骨格を有する天然アミノ酸もまた含まれる。アミノ酸類似体には、L型のアミノ酸類似体と同様に、天然に存在するD型におけるのと同じ立体化学を有するアミノ酸類似体もまた含まれる。いくつかの例において、アミノ酸類似体は、骨格構造、および/または1つもしくは複数の天然アミノ酸の側鎖構造が共通しており、ただし、違い(1つまたは複数)が分子における1つまたは複数の修飾基である。そのような修飾には、ある原子(例えば、Nなど)の関連原子(例えば、Sなど)への置換、基(例えば、メチルもしくはヒドロキシルなど)もしくは原子(例えば、ClもしくはBrなど)の付加、基の欠失、共有結合の置換(二重結合に代わる単結合など)、またはそれらの組み合わせが含まれることがあるが、これらに限定されない。例えば、アミノ酸類似体には、α-ヒドロキシ酸およびα-アミノ酸などが含まれる場合がある。
用語「アミノ酸側鎖」または用語「アミノ酸の側鎖」および同様な用語は、天然アミノ酸、人為的アミノ酸およびアミノ酸類似体を含めてアミノ酸残基のα-炭素に結合する置換基を示すために使用される場合がある。アミノ酸側鎖には、本明細書中に記載される修飾アミノ酸および/またはコンジュゲートとの関連で記載されるようなアミノ酸側鎖もまた含まれることが可能である。
用語「接合される(された)」は一般には、1つの目的分子を第2の目的分子と近位で会合させる化学的連結(共有結合または非共有結合のどちらでも、通常的には共有結合)を示す。いくつかの実施形態において、作用因が、半減期延長部分、標識剤および治療剤から選択される。半減期延長のために、例えば、本開示の抗体は、改善された薬物動態学プロファイルを与えるために(例えば、PEG化および高グリコシル化などによって)改変されてもよいことが可能である。血清半減期を増大させることができる改変が興味深い。
用語「炭水化物」および同様な用語は、単糖、二糖、オリゴ糖および多糖のモノマー単位および/またはポリマーを示すために使用される場合がある。糖の用語は、単糖、二糖などのより小さな炭水化物を示すために使用される場合がある。用語「炭水化物誘導体」には、目的とする炭水化物の1つまたは複数の官能基が置換される(どのような置換基であれ好都合な置換基によって置き換えられる)、改変される(どのような化学反応であれ好都合な化学反応を使用して別の基に転換される)、または非存在である(例えば、脱離される、またはHによって置き換えられる)化合物が含まれる。様々な炭水化物および炭水化物誘導体が利用可能であり、主題の化合物およびコンジュゲートにおける使用のために適合化される場合がある。
本明細書中で使用される場合、用語「処置」、用語「処置する」および同様な用語は、所望の薬理学的効果および/または生理学的効果を得ることを示す。効果は、疾患またはその症状を完全または部分的に防止するという点で予防的である場合があり、ならびに/または疾患および/もしくは当該疾患に起因し得る有害作用につての部分的または完全な治癒という点で治療的である場合がある。「処置」は、本明細書中で使用される場合、哺乳動物における、特にヒトにおける疾患のどのような処置も包含し、(a)当該疾患の素因を有するかもしれないが、当該疾患を有すると未だ診断されていない対象において当該疾患が生じることを防止すること、(b)当該疾患を抑制すること、すなわち、その発症を停止させること、および(c)当該疾患を緩和すること、すなわち、当該疾患の退行を引き起こすことを含む。
用語「個体」、用語「対象」、用語「宿主」および用語「患者」は、本明細書中では交換可能に使用される用語であり、ネズミ科動物(ラット、マウス)、ヒト以外の霊長類、ヒト、イヌ、ネコ、有蹄類(例えば、ウマ、ウシ、ヒツジ、ブタ、ヤギ)など(これらに限定されない)を含めて哺乳動物を示す。
「治療効果的な量」または「有効量」は、疾患を処置するために哺乳動物または他の対象に投与されたとき、当該疾患のためのそのような処置を行うために十分である、主題の抗GPC3 Abの量を示す。「治療効果的な量」は、抗GPC3 Ab、処置されることになる疾患およびその重篤度ならびに対象の年齢、体重などに依存して変化するであろう。
「生体サンプル」は、個体から得られる様々なサンプルタイプを包含し、診断アッセイまたはモニタリングアッセイにおいて使用することができる。この定義は、生体起源の血液サンプルおよび他の液体サンプル、固体の組織サンプル、例えば、生検試料など、または組織培養物もしくは組織培養物に由来する細胞および組織培養物の子孫を包含する。この定義には、取得後、どのような方法においてであれ操作されたサンプル、例えば、試薬による処理、可溶化、またはある特定の成分(例えば、ポリヌクレオチドなど)についての富化などによって操作されたサンプルもまた含まれる。用語「生体サンプル」は臨床サンプルを包含し、培養中の細胞、細胞上清、細胞溶解物、血清、血漿、体液、および組織サンプルもまた含む。いくつかの場合において、生体サンプルは肝細胞を含むであろう。
本発明をさらに説明する前に、本発明は、記載される特定の実施形態に限定されず、そのようなものとして、当然のことながら変化し得ることが理解されなければならない。本明細書中で使用される用語は、特定の実施形態を記載するという目的のためだけにあり、また、本発明の範囲は添付の特許請求項によってのみ限定されることになるので、限定的であることは意図されないこともまた理解されなければならない。
ある範囲の値が与えられる場合、その範囲の上限と下限との間に存在するそれぞれの値(文脈から明確に別途示される場合を除き、下限の単位数の10分の1まで)、およびどのような値であれその明記された範囲における他の明記された値または間の値が、本発明の範囲内に包含されることが理解される。これらのより小さい範囲の上限および下限が独立して当該より小さい範囲に含まれる場合があり、これらもまた、明記された範囲における具体的に除外された端値に対してどのような端値であれ従うことを条件として、本発明の範囲内に包含される。明記された範囲が端値の一方または両方を含む場合、それらの含まれた端値のどちらかまたは両方を除外する範囲もまた本発明に含まれる。
別途定義される場合を除き、本明細書中で使用されるすべての技術用語および科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般に理解されるのと同じ意味を有する。本明細書中に記載される方法および材料と類似する、または同等である方法および材料はどれもまた、本発明の実施または試験において使用することができるが、好ましい方法および材料が次に記載される。本明細書中で言及されるすべての刊行物が、刊行物が関連において引用される方法および/または材料を開示し、説明するために参照によって本明細書中に組み込まれる。
本明細書中および添付された特許請求項において使用される場合、’’a’’、’’an’’および’’the’’での単数形は、文脈から明確に別途示される場合を除き、複数の指示対象を含むことに留意しなければならない。したがって、例えば、’’an antibody’’(抗体)に対する言及は複数のそのような抗体を含み、’’the CDR’’((当該)CDR)に対する言及は1つまたは複数のCDRおよび当業者に知られているその同等物に対する言及を含む;他についても同様である。特許請求項は、どのような要素であれ随意的な要素を除外するために起草され得ることはさらに留意される。そのようなものとして、この記述は、特許請求項の要素の列挙に関連しての’’solely’’(もっぱら)および’’only’’(のみ)などのような排他的用語の使用、または「否定的な」限定の使用のための前提的根拠として働くことが意図される。
本明細書中で議論される刊行物は、本出願の出願日よりも前におけるその開示のためにだけ提供される。本明細書中のいかなるものも、本発明には、先行発明によってそのような刊行物に先行する権利がないことを認めるものとして解釈されることはない。さらに、示される刊行日は、独立して確認する必要があるかもしれない実際の刊行日とは異なる場合がある。
詳細な説明
本開示は、GPC3に特異的な抗体を提供する。本開示の抗体の可変鎖ポリペプチドの一方または両方をコードする核酸もまた、そのような核酸を含む細胞が提供されるのと同様に提供される。いくつかの例では医薬組成物を含むが、本開示の抗体を含む組成物もまた提供される。本開示の抗体を作製する方法および使用する方法もまた提供される。ある特定の局面において、細胞増殖性障害を有する個体に、治療効果的な量の本開示の抗体を投与することを含む方法であって、抗体が、細胞増殖性障害の増殖異常細胞に対する免疫応答(例えば、T細胞応答)を増強させるために個体に投与される、方法が提供される。本発明の抗体は、同様に提供される様々な診断用途およびモニタリング用途において有用である。
GPC3抗体
上記で要約されるように、本開示は抗GPC3抗体を提供する。
いくつかの局面によれば、本開示の抗体はGPC3に特異的に結合し、かつ、GPC3に対する結合について、下記の抗体と競合する:
アミノ酸配列GYTFTSYFLH(配列番号2)またはアミノ酸配列GYTFTSYYMH(配列番号3)を含むVH CDR1と、アミノ酸配列IIDPPTGRTTYAQKFQG(配列番号4)を含むVH CDR2と、アミノ酸配列GNYGGRYFDY(配列番号5)を含むVH CDR3とを含む可変重鎖(VH)ポリペプチド;および
アミノ酸配列RASQSISSYLN(配列番号6)を含むVL CDR1と、アミノ酸配列AASSLQS(配列番号7)を含むVL CDR2と、アミノ酸配列QQSYSTPLT(配列番号8)を含むVL CDR3とを含む可変軽鎖(VL)ポリペプチド。
第1の抗体が、GPC3に対する結合について第2の抗体と競合するかどうかを判定するための好適なアプローチはどれも用いられる場合がある。第1の抗体が、所与の化合物に対する結合について第2の抗体「と競合する」かどうかは、この技術分野において知られている競合的結合アッセイを使用して容易に判定される場合がある。競合する抗体が、例えば、抗体競合アッセイによって特定される場合がある。例えば、第1の抗体のサンプルを固体支持体に結合させることができる。その後、そのような第1の抗体と競合し得ると疑われる第2の抗体のサンプルが加えられる。これら2つの抗体の一方が標識される。標識された抗体と、標識されていない抗体とが、化合物表面における離れている異なった部位に結合するならば、標識された抗体は、疑われた競合する抗体が存在するか否かにかかわらず、同じレベルに結合することになる。しかしながら、相互作用の部位が同一である、または重複しているならば、標識されていない抗体は競合することになり、抗原に結合する標識された抗体の量が低下することになる。標識されていない抗体が過剰に存在するならば、標識された抗体は、たとえあるにしても、ほとんど結合しないことになる。
本開示の目的のために、競合する抗体は、化合物に対する抗体の結合を約50%以上、約60%以上、約70%以上、約80%以上、約85%以上、約90%以上、約95%以上、または約99%以上低下させる抗体である。そのような競合アッセイを行うための手順の詳細がこの技術分野では広く知られており、詳細を、例えば、Harlow and Lane、Antibodies,A Laboratory Manual(Cold Spring Harbor Laboratory Press、Cold Spring Harbor、New York、1988、567-569、1988、ISBN0-87969-314-2)において見出すことができる。そのようなアッセイを、精製された抗体を使用することによって定量的に行うことができる。標準曲線が、一方の抗体を自身に対して滴定することによって確立される場合がある。すなわち、同じ抗体が標識および競合剤の両方のために使用される。標識されていない競合する抗体がプレートに対しての標識された抗体の結合を阻害し得るかが、滴定される場合がある。結果がプロットされる場合があり、所望の程度の結合阻害を達成するために必要な濃度が比較される場合がある。
いくつかの実施形態によれば、本開示の抗体は、GPC3、例えば、ヒトGPC3、ラットGPC3、マウスGPC3およびカニクイザルGPC3の1つまたは複数に特異的に結合し、かつ、下記を含む:
アミノ酸配列GYTFTSYFLH(配列番号2)またはアミノ酸配列GYTFTSYYMH(配列番号3)を含むVH CDR1と、アミノ酸配列IIDPPTGRTTYAQKFQG(配列番号4)を含むVH CDR2と、アミノ酸配列GNYGGRYFDY(配列番号5)を含むVH CDR3とを含む可変重鎖(VH)ポリペプチド;および
アミノ酸配列RASQSISSYLN(配列番号6)を含むVL CDR1と、アミノ酸配列AASSLQS(配列番号7)を含むVL CDR2と、アミノ酸配列QQSYSTPLT(配列番号8)を含むVL CDR3とを含む可変軽鎖(VL)ポリペプチド。
ある特定の実施形態において、本開示の抗体はGPC3に特異的に結合し、かつ、GPC3に対する結合について、下記の抗体と競合する:アミノ酸配列GYTFTSYFLH(配列番号2)またはアミノ酸配列GYTFTSYYMH(配列番号3)を含むVH CDR1と、アミノ酸配列IIDPPTGRTTYAQKFQG(配列番号4)を含むVH CDR2と、アミノ酸配列GNYGGRYFDY(配列番号5)を含むVH CDR3とを含む可変重鎖(VH)ポリペプチド;およびアミノ酸配列RASQSISSYLN(配列番号6)を含むVL CDR1と、アミノ酸配列AASSLQS(配列番号7)を含むVL CDR2と、アミノ酸配列QQSYSTPLT(配列番号8)を含むVL CDR3とを含む可変軽鎖(VL)ポリペプチド、ただし、前記VHポリペプチドは、配列番号9または配列番号13に示されるアミノ酸配列に対する70%以上の、75%以上の、80%以上の、85%以上の、90%以上の、95%以上の、もしくは99%以上の同一性を有するアミノ酸配列を含み、および/または前記VLポリペプチドは、配列番号10に示されるアミノ酸配列に対する70%以上の、75%以上の、80%以上の、85%以上の、90%以上の、95%以上の同一性、もしくは99%以上の同一性を有するアミノ酸配列を含む。
主題の抗GPC3抗体は、a)配列番号9または配列番号13に示されるアミノ酸配列を有するVH領域を含む重鎖と、配列番号10に示されるアミノ酸配列を有するVL領域を含む軽鎖とを含むことができる。
本開示の抗体はGPC3に特異的に結合し、かつ、GPC3に対する結合について、下記の重鎖ポリペプチドおよび軽鎖ポリペプチドを含む抗体と競合する:アミノ酸配列GYTFTSYFLH(配列番号2)またはアミノ酸配列GYTFTSYYMH(配列番号3)を含むVH CDR1と、アミノ酸配列IIDPPTGRTTYAQKFQG(配列番号4)を含むVH CDR2と、アミノ酸配列GNYGGRYFDY(配列番号5)を含むVH CDR3とを含む重鎖ポリペプチド;およびアミノ酸配列RASQSISSYLN(配列番号6)を含むVL CDR1と、アミノ酸配列AASSLQS(配列番号7)を含むVL CDR2と、アミノ酸配列QQSYSTPLT(配列番号8)を含むVL CDR3とを含む軽鎖ポリペプチド、ただし、前記重鎖ポリペプチドは、配列番号11または配列番号14に示されるアミノ酸配列に対する70%以上の、75%以上の、80%以上の、85%以上の、90%以上の、95%以上の、もしくは99%以上の同一性を有するアミノ酸配列を含み、ならびに/または前記軽鎖ポリペプチドは、配列番号12に示されるアミノ酸配列に対する70%以上の、75%以上の、80%以上の、85%以上の、90%以上の、95%以上の、もしくは99%以上の同一性を有するアミノ酸配列を含む。
主題の抗GPC3抗体は、配列番号11もしくは配列番号14に示されるアミノ酸配列を有することを含む重鎖、ならびに/または配列番号12に示されるアミノ酸配列を有するVL領域を含む軽鎖を含むことができる。
本明細書に開示される抗GPC3抗体のアミノ酸およびヌクレオチド配列が下記に示される:
アミノ酸配列:
CAT-07の可変重鎖:
QVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKASGYTFTSYFLHWVRQAPGQGLEWMGIIDPPTGRTTYAQKFQGRVTMTRDTSTSTVYMELSSLRSEDTAVYYCARGNYGGRYFDYWGQGTLVTVSS(配列番号9)
CDR1、CDR2およびCDR3には、下線が引かれる。可変領域フレームワークが太字で示される。
CAT-07の重鎖:
QVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKASGYTFTSYFLHWVRQAPGQGLEWMGIIDPPTGRTTYAQKFQGRVTMTRDTSTSTVYMELSSLRSEDTAVYYCARGNYGGRYFDYWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSREEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK(配列番号11)
CDR1、CDR2およびCDR3には、下線が引かれる。可変領域フレームワークが太字で示される。定常領域が斜体で示される。
CAT-07YMの可変重鎖:
QVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKASGYTFTSYYMHWVRQAPGQGLEWMGIIDPPTGRTTYAQKFQGRVTMTRDTSTSTVYMELSSLRSEDTAVYYCARGNYGGRYFDYWGQGTLVTVSS(配列番号13)
CDR1、CDR2およびCDR3には、下線が引かれる。可変領域フレームワークが太字で示される。CAT-07YM抗体のCDR1配列は残基「YM」によってCAT-07抗体のCDR1配列と異なる。
CAT-07YMの重鎖
QVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKASGYTFTSYYMHWVRQAPGQGLEWMGIIDPPTGRTTYAQKFQGRVTMTRDTSTSTVYMELSSLRSEDTAVYYCARGNYGGRYFDYWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSREEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK(配列番号14)
CDR1、CDR2およびCDR3には、下線が引かれる。可変領域フレームワークが太字で示される。定常領域が斜体で示される。CAT-07YM抗体のCDR1配列は残基「YM」によってCAT-07抗体のCDR1配列と異なる。
CAT-07の可変軽鎖:
DIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCRASQSISSYLNWYQQKPGKAPKLLIYAASSLQSGVPSRFSGSGSGTDFTLTISSLQPEDFATYYCQQSYSTPLTFGGGTKVEIK(配列番号10)
CDR1、CDR2およびCDR3には、下線が引かれる。可変領域フレームワークが太字で示される。
CAT-07の軽鎖:
DIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCRASQSISSYLNWYQQKPGKAPKLLIYAASSLQSGVPSRFSGSGSGTDFTLTISSLQPEDFATYYCQQSYSTPLTFGGGTKVEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC(配列番号12)
CDR1、CDR2およびCDR3には、下線が引かれる。可変領域フレームワークが太字で示される。定常領域が斜体で示される。
ヌクレオチド配列:
CAT-07の重DNA:
CAGGTGCAGCTGGTGCAGTCTGGGGCTGAGGTGAAGAAGCCTGGGGCCTCAGTGAAGGTTTCCTGCAAGGCATCTGGATACACCTTCACCAGCTACTTTTTGCACTGGGTGCGACAGGCCCCTGGACAAGGGCTTGAGTGGATGGGAATAATTGATCCGCCTACTGGTCGGACAACCTACGCACAGAAGTTCCAGGGCAGAGTCACCATGACCAGGGACACGTCCACGAGCACAGTCTACATGGAGCTGAGCAGCCTGAGATCTGAGGACACGGCCGTGTATTACTGTGCGAGAGGGAACTACGGGGGCAGATACTTTGACTACTGGGGCCAGGGAACCCTGGTCACCGTCTCGAGCGCCTCCACCAAGGGCCCATCGGTCTTCCCCCTGGCACCCTCCTCCAAGAGCACCTCTGGGGGCACAGCGGCCCTGGGCTGCCTGGTCAAGGACTACTTCCCCGAACCGGTGACGGTGTCGTGGAACTCAGGCGCCCTGACCAGCGGCGTGCACACCTTCCCGGCTGTCCTACAGTCCTCAGGACTCTACTCCCTCAGCAGCGTGGTGACCGTGCCCTCCAGCAGCTTGGGCACCCAGACCTACATCTGCAACGTGAATCACAAGCCCAGCAACACCAAGGTGGACAAGAAAGTTGAGCCCAAATCTTGTGACAAAACTCACACATGCCCACCGTGCCCAGCACCTGAACTCCTGGGGGGACCGTCAGTCTTCCTCTTCCCCCCAAAACCCAAGGACACCCTCATGATCTCCCGGACCCCTGAGGTCACATGCGTGGTGGTGGACGTGAGCCACGAAGACCCTGAGGTCAAGTTCAACTGGTACGTGGACGGCGTGGAGGTGCATAATGCCAAGACAAAGCCGCGGGAGGAGCAGTACAACAGCACGTACCGTGTGGTCAGCGTCCTCACCGTCCTGCACCAGGACTGGCTGAATGGCAAGGAGTACAAGTGCAAGGTCTCCAACAAAGCCCTCCCAGCCCCCATCGAGAAAACCATCTCCAAAGCCAAAGGGCAGCCCCGAGAACCACAGGTGTACACCCTGCCCCCATCCCGGGAAGAGATGACCAAGAACCAGGTCAGCCTGACCTGCCTGGTCAAAGGCTTCTATCCCAGCGACATCGCCGTGGAGTGGGAGAGCAATGGGCAGCCGGAGAACAACTACAAGACCACGCCTCCCGTGCTGGACTCCGACGGCTCCTTCTTCCTCTATAGCAAGCTCACCGTGGACAAGAGCAGGTGGCAGCAGGGGAACGTCTTCTCATGCTCCGTGATGCATGAGGCTCTGCACAACCACTACACGCAGAAGAGCCTCTCCCTGTCTCCGGGTAAA(配列番号15)
CDR1、CDR2およびCDR3をコードする配列には、下線が引かれる。可変領域フレームワークをコードする配列が太字で示される。定常領域をコードする配列が斜体で示される。
CAT-07YMの重DNA:
CAGGTGCAGCTGGTGCAGTCTGGGGCTGAGGTGAAGAAGCCTGGGGCCTCAGTGAAGGTTTCCTGCAAGGCATCTGGATACACCTTCACCAGCTACTACATGCACTGGGTGCGACAGGCCCCTGGACAAGGGCTTGAGTGGATGGGAATAATTGATCCGCCTACTGGTCGGACAACCTACGCACAGAAGTTCCAGGGCAGAGTCACCATGACCAGGGACACGTCCACGAGCACAGTCTACATGGAGCTGAGCAGCCTGAGATCTGAGGACACGGCCGTGTATTACTGTGCGAGAGGGAACTACGGGGGCAGATACTTTGACTACTGGGGCCAGGGAACCCTGGTCACCGTCTCGAGCGCCTCCACCAAGGGCCCATCGGTCTTCCCCCTGGCACCCTCCTCCAAGAGCACCTCTGGGGGCACAGCGGCCCTGGGCTGCCTGGTCAAGGACTACTTCCCCGAACCGGTGACGGTGTCGTGGAACTCAGGCGCCCTGACCAGCGGCGTGCACACCTTCCCGGCTGTCCTACAGTCCTCAGGACTCTACTCCCTCAGCAGCGTGGTGACCGTGCCCTCCAGCAGCTTGGGCACCCAGACCTACATCTGCAACGTGAATCACAAGCCCAGCAACACCAAGGTGGACAAGAAAGTTGAGCCCAAATCTTGTGACAAAACTCACACATGCCCACCGTGCCCAGCACCTGAACTCCTGGGGGGACCGTCAGTCTTCCTCTTCCCCCCAAAACCCAAGGACACCCTCATGATCTCCCGGACCCCTGAGGTCACATGCGTGGTGGTGGACGTGAGCCACGAAGACCCTGAGGTCAAGTTCAACTGGTACGTGGACGGCGTGGAGGTGCATAATGCCAAGACAAAGCCGCGGGAGGAGCAGTACAACAGCACGTACCGTGTGGTCAGCGTCCTCACCGTCCTGCACCAGGACTGGCTGAATGGCAAGGAGTACAAGTGCAAGGTCTCCAACAAAGCCCTCCCAGCCCCCATCGAGAAAACCATCTCCAAAGCCAAAGGGCAGCCCCGAGAACCACAGGTGTACACCCTGCCCCCATCCCGGGAAGAGATGACCAAGAACCAGGTCAGCCTGACCTGCCTGGTCAAAGGCTTCTATCCCAGCGACATCGCCGTGGAGTGGGAGAGCAATGGGCAGCCGGAGAACAACTACAAGACCACGCCTCCCGTGCTGGACTCCGACGGCTCCTTCTTCCTCTATAGCAAGCTCACCGTGGACAAGAGCAGGTGGCAGCAGGGGAACGTCTTCTCATGCTCCGTGATGCATGAGGCTCTGCACAACCACTACACGCAGAAGAGCCTCTCCCTGTCTCCGGGTAAA(配列番号16)
CDR1、CDR2およびCDR3をコードする配列には、下線が引かれる。可変領域フレームワークをコードする配列が太字で示される。定常領域をコードする配列が斜体で示される。
CAT-07の軽DNA:
GACATCCAGATGACCCAGTCTCCATCCTCCCTGTCTGCATCTGTAGGAGACAGAGTCACCATCACTTGCCGGGCAAGTCAGAGCATTAGCAGCTATTTAAATTGGTATCAGCAGAAACCAGGGAAAGCCCCTAAGCTCCTGATCTATGCTGCATCCAGTTTGCAAAGTGGGGTCCCATCAAGGTTCAGTGGCAGTGGATCTGGGACAGATTTCACTCTCACCATCAGCAGTCTGCAACCTGAAGATTTTGCAACTTACTACTGTCAACAGAGTTACAGTACCCCGCTCACTTTCGGCGGAGGGACCAAGGTGGAAATCAAACGAACTGTGGCTGCACCATCTGTCTTCATCTTCCCGCCATCTGATGAGCAGTTGAAATCTGGAACTGCCTCTGTTGTGTGCCTGCTGAATAACTTCTATCCCAGAGAGGCCAAAGTACAGTGGAAGGTGGATAACGCCCTCCAATCGGGTAACTCCCAGGAGAGTGTCACAGAGCAGGACAGCAAGGACAGCACCTACAGCCTCAGCAGCACCCTGACGCTGAGCAAAGCAGACTACGAGAAACACAAAGTCTACGCCTGCGAAGTCACCCATCAGGGCCTGAGCTCGCCCGTCACAAAGAGCTTCAACAGGGGAGAGTGT(配列番号17)
CDR1、CDR2およびCDR3をコードする配列には、下線が引かれる。可変領域フレームワークをコードする配列が太字で示される。定常領域をコードする配列が斜体で示される。
本発明の抗体は、米国特許出願公開第20150132782号(A1)、同第20170233462号(A1)および同第20150098941号(A1)(それらの開示はすべての目的のためにその全体が参照によって本明細書中に組み込まれる)に記載される方法のいずれかを実施するためであることを含めて、様々な研究用途、診断用途および治療用途における使用が見出される。
主題の抗体は所与のGPC3ポリペプチドに特異的に結合し、ただし、エピトープは、配列番号1に示される下記のアミノ酸配列を含むGPC3抗原の内部のアミノ酸残基を含む:
MAGTVRTACLVVAMLLSLDFPGQAQPPPPPPDATCHQVRSFFQRLQPGLKWVPETPVPGSDLQVCLPKGPTCCSRKMEEKYQLTARLNMEQLLQSASMELKFLIIQNAAVFQEAFEIVVRHAKNYTNAMFKNNYPSLTPQAFEFVGEFFTDVSLYILGSDINVDDMVNELFDSLFPVIYTQLMNPGLPDSALDINECLRGARRDLKVFGNFPKLIMTQVSKSLQVTRIFLQALNLGIEVINTTDHLKFSKDCGRMLTRMWYCSYCQGLMMVKPCGGYCNVVMQGCMAGVVEIDKYWREYILSLEELVNGMYRIYDMENVLLGLFSTIHDSIQYVQKNAGKLTTTIGKLCAHSQQRQYRSAYYPEDLFIDKKVLKVAHVEHEETLSSRRRELIQKLKSFISFYSALPGYICSHSPVAENDTLCWNGQELVERYSQKAARNGMKNQFNLHELKMKGPEPVVSQIIDKLKHINQLLRTMSMPKGRVLDKNLDEEGFESGDCGDDEDECIGGSGDGMIKVKNQLRFLAELAYDLDVDDAPGNSQQATPKDNEISTFHNLGNVHSPLKLLTSMAISVVCFFFLVH
ある特定の実施形態において、主題の抗体は、ヒトGPC3、ラットGPC3、マウスGPC3およびカニクイザルGPC3の1つまたは複数に特異的に結合し、他のグリピカン(例えば、グリピカン-1、グリピカン-2、グリピカン-5およびグリピカン-6など)に対する有意な結合を示さない。
主題の抗体はGPC3に対する高親和性の結合を呈する。例えば、主題の抗体は、少なくとも約10-7Mの、少なくとも約10-8Mの、少なくとも約10-9Mの、少なくとも約10-10Mの、少なくとも約10-11Mの、もしくは少なくとも約10-12Mの、または10-12Mを超える親和性によりGPC3に結合する。主題の抗体は、約10-7M~約10-8Mの、約10-8M~約10-9Mの、約10-9M~約10-10Mの、約10-10M~約10-11Mの、もしくは約10-11M~約10-12Mの、または10-12Mよりも大きい親和性により、GPC3表面に存在するエピトープに結合する。
本開示の抗GPC3抗体は、いくつかの場合には、GPC3を細胞表面に発現する細胞においてアポトーシスを誘導することができる。
「GPC3抗原」または「GPC3ポリペプチド」は、配列番号1に対する少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約98%、少なくとも約99%のアミノ酸配列同一性、または100%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含むことができる。
本明細書中で使用される場合、用語「免疫グロブリン」は、免疫グロブリン遺伝子によって実質的にコードされる1つまたは複数のポリペプチドからなるタンパク質を示す。認識されているヒト免疫グロブリン遺伝子には、カッパ型、ラムダ型、アルファ(IgA1およびIgA2)型、ガンマ(IgG1、IgG2、IgG3、IgG4)型、デルタ型、イプシロン型およびミュー型の定常領域遺伝子、ならびに数多くの免疫グロブリン可変領域遺伝子が含まれる。全長の免疫グロブリン軽鎖(約25kDまたは214アミノ酸)が、N末端での可変領域遺伝子(約110アミノ酸)と、C末端でのカッパ定常領域またはラムダ定常領域とによってコードされる。全長の免疫グロブリン重鎖(約50kDまたは446アミノ酸)が、N末端での可変領域遺伝子(約116アミノ酸)と、C末端での他の前述の定常領域遺伝子の1つ(例えば、(約330アミノ酸をコードする)ガンマ)とによってコードされる。いくつかの実施形態において、主題の抗体は、全長の免疫グロブリン重鎖と、全長の免疫グロブリン軽鎖とを含む。
いくつかの実施形態において、主題の抗体は、全長の免疫グロブリン重鎖と、全長の免疫グロブリン軽鎖とを含まず、代わりに、全長の免疫グロブリン重鎖および全長の免疫グロブリン軽鎖の抗原結合フラグメントを含む。いくつかの実施形態において、これらの抗原結合フラグメントが別個のポリペプチド鎖において含有され、他の実施形態においては、これらの抗原結合フラグメントが、ただ1つのポリペプチド鎖の内部に含有される。用語「抗原結合フラグメント」は、上記で記載されるように、GPC3に特異的に結合することができる全長抗体の1つまたは複数のフラグメントを示す。結合フラグメントの例には、(i)Fabフラグメント(VL、VH、CLおよびCH1ドメインからなる一価のフラグメント;(ii)F(ab’)2フラグメント(ヒンジ領域においてジスルフィド架橋によって連結される2つのFabフラグメントを含む二価のフラグメント;(iii)Fdフラグメント(これはVHおよびCH1ドメインからなる);(iv)Fvフラグメント(これは抗体のただ1つだけのアームのVHおよびVLドメインからなる);(v)dAbフラグメント(これはVHドメインからなる);(vi)単離されたCDR;(vii)単鎖Fv(scFv)(これは、VHとVLドメインとが対形成して一価の分子を形成するように、組換え手段を使用して合成リンカーによってつながれる抗体のただ1つだけのアームのVHおよびVLドメインからなる);(viii)ジアボディー(これは、対形成して一価の分子を形成することがないようにVHドメインとVLドメインとがつながれる2つのscFvからなり、ただし、scFvのそれぞれ一方のVHが他方のscFvのVLドメインと対形成して、二価の分子を形成する);(ix)二重特異性抗体(これは、異なるエピトープとそれぞれの領域が結合する少なくとも2つの抗原結合領域からなる)が含まれる。いくつかの実施形態において、主題の抗体フラグメントはFabフラグメントである。いくつかの実施形態において、主題の抗体フラグメントは単鎖抗体(scFv)である。
いくつかの実施形態において、主題の抗体は組換え抗体または改変抗体であり、例えば、キメラ、ヒト化、脱免疫化またはインビトロ生成抗体である。用語「組換え」抗体または用語「改変」抗体は、本明細書中で使用される場合、組換え手段によって調製される、発現される、作出される、または単離されるすべての抗体、例えば、(i)宿主細胞にトランスフェクションされる組換え発現ベクターを使用して発現される抗体、(ii)組換えコンビナトリアル抗体ライブラリーから単離される抗体、(iii)ヒト免疫グロブリン遺伝子について遺伝子組換えである動物(例えば、マウス)から単離される抗体、もしくは(iv)ヒト免疫グロブリン遺伝子配列を他のDNA配列に継ぎ合わせることを伴うどのような他の手段によってでも調製される、発現される、作出される、または単離される抗体などを含むことが意図される。そのような組換え抗体には、ヒト化、CDRグラフト化、キメラ、脱免疫化およびインビトロ生成抗体が含まれ、そのような組換え抗体は、ヒト生殖系列の免疫グロブリン配列に由来する定常領域を含んでいてもよいことが可能である。
全長の二重特異性抗体が、例えば、異なった特異性を有する2つの抗体半分子のヘテロ二量体形成をインビトロ、無細胞環境においてそのどちらでも促進させるように置換をそれぞれの半分子において重鎖CH3境界で導入することによる、あるいは共発現を使用することによる、2つの単一特異性二価抗体の間でのFabアーム交換(または半分子交換)を使用して作製される場合がある。Fabアーム交換反応は、CH3ドメインのジスルフィド結合異性化反応および解離-会合の結果である。起源となる単一特異性抗体のヒンジ領域における重鎖ジスルフィド結合が還元される。起源となる単一特異性抗体の一方の生じたフリーのシステインが第2の起源となる単一特異性抗体分子のシステイン残基と重鎖間ジスルフィド結合を形成し、同時に、起源となる抗体のCH3ドメインが解離-会合によって放れ、再形成する。FabアームのCH3ドメインは、ホモ二量体化よりもヘテロ二量体化を好むように操作される場合がある得られた生成物が、異なったエピトープとそれぞれが結合する2つのFabアームまたは半分子を有する二重特異性抗体である。
「ノブ・イン・ホール(knob-in-hole)」戦略(例えば、PCT国際公開第2006/028936号を参照のこと)が、全長の二重特異性抗体を作製するために使用される場合がある。簡単に記載すると、ヒトIgGにおけるCHSドメインの境界を形成する選択されたアミノ酸を、ヘテロ二量体形成を促進させるためにCH3ドメインの相互作用に影響する位置で変異させることができる。小さい側鎖を有するアミノ酸(ホール)が、第1の抗原と特異的に結合する抗体の重鎖に導入され、大きい側鎖を有するアミノ酸(ノブ)が、第2の抗原と特異的に結合する抗体の重鎖に導入される。これら2つの抗体を共発現させた後で、ヘテロ二量体が、「ホール」を有する重鎖が「ノブ」を有する重鎖と優先的に相互作用する結果として形成される。ノブと、ホールとを形成する例示的なCH3置換対が下記の通りである(第1の重鎖の第1のCH3ドメインにおける改変位置/第2の重鎖の第2のCH3ドメインにおける改変位置として表される):T366Y/F405A、T366W/F405W、F405W/Y407A、T394W/Y407T、T3945/Y407A、T366W/T394S、F405W/T394S、およびT366W/T366S/L368A/Y407V。
米国特許出願公開第2010/0015133号、米国特許出願公開第2009/0182127号、米国特許出願公開第82010/028637号、または米国特許出願公開第2011/0123532号に記載されるように、他の戦略、例えば、正荷電残基による置換を一方のCH3表面において、負荷電残基による置換を第2のCH3表面において行うことによって静電相互作用を使用する重鎖ヘテロ二量体化を促進させることなどが使用される場合がある。他の戦略において、ヘテロ二量体化が、米国特許出願公開第2012/0149876号または米国特許出願公開第2013/0195849号に記載されるように下記の置換によって促進させられる場合がある(第1の重鎖の第1のCH3ドメインにおける改変位置/第2の重鎖の第2のCH3ドメインにおける改変位置として表される):L351Y/F405A/Y407V/T394W、T366I/K392M/T394W/F405A/Y407V、T366L/K392M/T394W/F405A/Y407V、L351Y/Y407A/T366A/K409F、L351Y/Y407A/T366V/K409F、Y407A/T366A/K409F、またはT350V/L351Y/F405A/Y407V、T350V/T366L/K392L/T394W。
単鎖二重特異性抗体もまた提供される。いくつかの実施形態において、本開示の単鎖二重特異性抗体は二重特異性scFvである。二重特異性scFvに関する詳細が、例えば、Zhou et al.(2017),J Cancer 8(18):3689-3696において見出され得る。
主題の抗体はヒト化することができる。Queen et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 86:10029 10033(1989)、米国特許第5,530,101号、米国特許第5,585,089号、米国特許第5,693,761号、国際公開第90/07861号、および米国特許第5,225,539号を参照のこと。定常領域(1つまたは複数)が存在するならば、定常領域(1つまたは複数)もまた、ヒト免疫グロブリンから実質的または全面的に得ることができる。ヒト化抗体を作製する様々な方法がこの技術分野において知られている。例えば、米国特許第7,256,273号を参照のこと。
ヒト可変ドメインフレームワーク内へのマウスCDRの置換は、例えば、CDRの起源となったマウス可変フレームワークと同じ立体配座または類似する立体配座をヒト可変ドメインフレームワークが取るその正しい空間的配向の保持をもたらすことができる。このことを、CDRが由来したマウス可変フレームワークドメインとの大きな程度の配列同一性をフレームワーク配列が呈するヒト可変ドメインをヒト抗体から得ることによって達成することができる。このような重鎖可変フレームワーク領域および軽鎖可変フレームワーク領域は、同じヒト抗体配列または異なるヒト抗体配列に由来することができる。ヒト抗体配列は、天然に存在するヒト抗体の配列が可能であり、またはいくつかのヒト抗体のコンセンサス配列が可能である。Kettleborough et al.,Protein Engineering 4:773(1991);Kolbinger et al.,Protein Engineering 6:971(1993)を参照のこと。
マウスのドナー免疫グロブリンおよびヒトの適切なアクセプター免疫グロブリンの相補性決定領域が特定されると、その次の工程は、これらの成分に由来する残基について、もしあれば、どの残基を、得られたヒト化抗体の特性を最適化するために置換すべきかを決定することである。一般に、ヒトアミノ酸残基のマウスアミノ酸残基による置換は最小限にしなければならない:これは、マウス残基の導入は、抗体がヒトにおいてヒト抗マウス抗体(HAMA)応答を誘発する危険性を増大させるからである。免疫応答を判定する、この技術分野で認識されている様々な方法を、HAMA応答を特定の患者において、または臨床試験期間中にモニターするために実施することができる。ヒト化抗体が投与される患者には、免疫原性評価を前記治療の開始時に、および前記治療が行われる期間全体にわたって施すことができる。HAMA応答は、例えば、ヒト化治療試薬に対する抗体を、表面プラズモン共鳴技術(BIACORE)および/または固相ELISA分析を含めて当業者に知られている方法を使用して患者由来の血清サンプルにおいて検出することによって測定される。多くの実施形態において、主題のヒト化抗体はヒト対象においてHAMA応答を実質的に誘発しない。
ヒト可変領域フレームワーク残基からのある特定のアミノ酸が、CDRの立体配座および/または抗原への結合に対するそれらの起こり得る影響に基づいて、置換のために選択される。マウスCDR領域のヒト可変フレームワーク領域との人為的な並置は、人為的な立体配座制約を生じさせる可能性があり、この人為的な立体配座制約は、ある特定のアミノ酸残基の置換によって正されない限り、結合親和性の喪失を引き起こす。
置換のためのアミノ酸残基の選択は、部分的にはコンピューターモデリングによって判定することができる。免疫グロブリン分子の三次元画像を作製するためのコンピューターハードウェアおよびコンピューターソフトウェアがこの技術分野では知られている。一般には、様々な分子モデルが、免疫グロブリン鎖またはそのドメインについての解明された構造から出発して作製される。モデル作製のための鎖は、解明された三次元構造の鎖またはドメインとのアミノ酸配列類似性について比較され、最大の配列類似性を示す鎖またはドメインが、分子モデルを構築するための出発点として選択される。少なくとも50%の配列同一性を共有する鎖またはドメインがモデリングのために選択され、好ましくは、少なくとも60%、70%、80%、90%の配列同一性、またはそれよりも大きい配列同一性を共有する鎖またはドメインがモデリングのために選択される。解明された出発構造が、モデル作製途中の免疫グロブリン鎖または免疫グロブリンドメインにおける実際のアミノ酸と、出発構造におけるアミノ酸との間での違いについて許容するように修正される。修正された構造がその後、複合的な免疫グロブリンに組み立てられる。最後に、モデルが、エネルギー最小化によって、かつ、すべての原子が互いに適切な距離の範囲内にあること、また、結合の長さおよび角度が化学的に許容可能な限界の範囲内にあることを検証することによって精密化される。
CDR領域およびフレームワーク領域は、Kabat,Sequences of Proteins of Immunological Interest(National Institutes of Health,Bethesda,Md.,1987および1991)によって定義される通りである。代わりとなる構造的定義が、Chothia et al.,J.Mol.Biol.196:901(1987);Nature 342:878(1989);およびJ.Mol.Biol.186:651(1989)(これらはまとめて’’Chothia’’として示される)によって提案されている。Kabat(上掲)によって定義されるようなフレームワーク残基が、Chothia(上掲)によって定義されるような構造的なループ残基を構成するとき、マウス抗体に存在するアミノ酸が、ヒト化抗体への置換のために選択される場合がある。「CDR領域に隣り合う」残基には、ヒト化免疫グロブリン鎖の一次配列におけるCDRの1つまたは複数に直接に隣り合う位置でのアミノ酸残基、例えば、Kabatによって定義されるようなCDR、またはChothiaによって定義されるようなCDR(例えば、Chothia and Lesk JMB 196:901(1987)を参照のこと)に直接に隣り合う位置でのアミノ酸残基が含まれる。これらのアミノ酸は、CDRにおけるアミノ酸と相互作用し、アクセプターから選ばれているならば、ドナーCDRを歪ませ、親和性を低下させる可能性が特に高い。そのうえ、隣り合うアミノ酸は抗原と直接に相互作用することがあり(Amit et al.,Science,233:747(1986))、これらのアミノ酸をドナーから選択することが、元の抗体において親和性をもたらす抗原接触をすべて保つために望ましい場合がある。
いくつかの実施形態において、主題の抗体はscFv多量体を含む。例えば、いくつかの実施形態において、主題の抗体は、scFv二量体(例えば、2つのタンデム状のscFv(scFv2)を含む)、scFv三量体(例えば、3つのタンデム状のscFv(scFv3)を含む)、scFv四量体(例えば、4つのタンデム状のscFv(scFv4)を含む)であり、またはscFvが(例えば、タンデム形態で)4つを超える多量体である。scFv単量体は、長さにおいて約2アミノ酸~約10アミノ酸であるリンカーを介して、例えば、長さにおいて2aa、3aa、4aa、5aa、6aa、7aa、8aa、9aaまたは10aaであるリンカーを介してタンデム状に連結することができる。好適なリンカーには、例えば、(Gly)x(式中、xは2~10の整数である)、およびグリシン-セリンポリマーなどが含まれる。他の好適なリンカーが、上記で議論されるリンカーである。
ある特定の実施形態において、抗体は、切断可能なリンカーまたは切断可能でないリンカーを介して作用因に接合される。主題の抗体との使用のために好適なリンカーには、「柔軟性リンカー」が含まれる。リンカー分子が存在するならば、リンカー分子は一般には、いくらかの柔軟な動きを連結された領域の間で許すために十分な長さである。リンカー分子は一般には、約6~50個の原子の長さである。リンカー分子はまた、例えば、アリールアセチレン、2個~10個のモノマー単位を含有するエチレングリコールオリゴマー、ジアミン、二酸、アミノ酸、またはそれらの組み合わせである場合がある。ポリペプチドに結合することができる他のリンカー分子が、本開示に照らして使用される場合がある。
いくつかの実施形態によれば、リンカーは、化学的に不安定なリンカーであり、例えば、中性pH(血流pH7.3~7.5)では安定であり、しかし、標的細胞(例えば、ガン細胞)の弱酸性のエンドソーム(pH5.0~6.5)およびリソソーム(pH4.5~5.0)への内部移行が起こったときには加水分解を受ける酸切断可能なリンカーなどである。化学的に不安定なリンカーには、ヒドラゾン系リンカー、オキシム系リンカー、カルボナート系リンカー、エステル系リンカーなどが含まれるが、これらに限定されない。ある特定の実施形態において、リンカーは、酵素不安定なリンカーであり、例えば、血流中では安定であり、しかし、標的細胞への内部移行が起こったときには、例えば、当該標的細胞(例えば、ガン細胞)のリソソームにおけるリソソームプロテアーゼ(例えば、カテプシンまたはプラスミンなど)による酵素切断を受ける酵素不安定なリンカーなどである。酵素不安定なリンカーには、ペプチド結合を含むリンカー、例えば、ジペプチド系リンカー、例えば、バリン-シトルリン(VC)リンカー(例えば、マレイミドカプロイル-バリン-シトルリン-p-アミノベンジル(MC-vc-PAB)リンカー、バリル-アラニル-パラ-アミノベンジルオキシ(Val-Ala-PAB)リンカーなど)などが含まれるが、これらに限定されない。様々な化学的に不安定なリンカー、酵素不安定なリンカー、および切断可能でないリンカーが知られており、例えば、Ducry&Stump(2010),Bioconjugate Chem.21:5-13;Nolting,B.(2013),Methods Mol Biol.1045:71-100;Tsuchikama and An(2018),Protein&Cell 9(1):33-46;およびどこか他のところにおいて詳しく記載される。
いくつかの実施形態において、上記で記載されるように、主題のscFv多量体におけるscFv単量体のそれぞれがヒト化される。
いくつかの実施形態において、主題の抗体は免疫グロブリンの定常領域(例えば、Fc領域)を含む。Fc領域が存在するならば、Fc領域はヒトFc領域が可能である。定常領域が存在するならば、抗体は、軽鎖定常領域と、重鎖定常領域との両方を含有することができる。好適な重鎖定常領域は、CH1領域、ヒンジ領域、CH2領域、CH3領域およびCH4領域を含む。本明細書中に記載される抗体には、IgM、IgG、IgD、IgAおよびIgEを含めて、また、IgG1、IgG2、IgG3およびIgG4を含むどのようなイソタイプも含めて、すべてのタイプの定常領域を有する抗体が含まれる。好適な重鎖Fc領域の一例がヒトのイソタイプIgG1のFcである。軽鎖定常領域はラムダ型またはカッパ型であることが可能である。主題の抗体(例えば、主題のヒト化抗体)は、2つ超のクラスまたはイソタイプからの配列を含むことができる。抗体を、2つの軽鎖と2つの重鎖とを含有する四量体として、または別個の重鎖、軽鎖として、またはFab、Fab’ F(ab’)2およびFvとして、または重鎖と軽鎖可変ドメインとがスペーサーにより連結される単鎖抗体として発現させることができる。
いくつかの実施形態において、本開示の抗グリピカン-3抗体は、Fc領域に導入される1つまたは複数のアミノ酸置換を含む場合がある。いくつかの実施形態において、前記アミノ酸置換の前記1つまたは複数が、Fc領域における239位、298位、326位、330位および332位においてである場合がある。いくつかの実施形態において、本開示の抗グリピカン-3抗体は、Fc領域に導入される下記のアミノ酸置換の1つまたは複数を含む場合がある:I332E;S239D/A330L/I332E;S239D/S298A/I332E;S239D/K326T/I332E;S239D/S298A/K326T/I332E;またはS239D/A330L/I332E/D356E/L358M。
いくつかの実施形態において、主題の抗体は、フリーのチオール(-SH)基をカルボキシル末端に含み、この場合、フリーのチオール基は、当該抗体を第2のポリペプチド(例えば、主題の抗体を含めて別の抗体)、足場、キャリアなどに結合させるために使用することができる。
いくつかの実施形態において、主題の抗体は1つまたは複数の天然非存在アミノ酸を含む。いくつかの実施形態において、天然でコードされないアミノ酸は、カルボニル基、アセチル基、アミノオキシ基、ヒドラジン基、ヒドラジド基、セミカルバジド基、アジド基またはアルキン基を含む。好適な天然非存在アミノ酸については、例えば、米国特許第7,632,924号を参照のこと。天然非存在アミノ酸を含むことにより、ポリマー、第2のポリペプチド、足場などへの連結に備えることができる。例えば、水溶性ポリマーに連結される主題の抗体を、カルボニル基を含む水溶性ポリマー(例えば、PEG)を、アミノオキシ基、ヒドラジン基、ヒドラジド基またはセミカルバジド基を含む天然でコードされないアミノ酸を含む主題の抗体に対して反応させることによって作製することができる。別の一例として、水溶性ポリマーに連結される主題の抗体を、アルキン含有アミノ酸を含む主題の抗体を、アジド部分を含む水溶性ポリマー(例えば、PEG)と反応させることによって作製することができ、いくつかの実施形態においては、アジド基またはアルキン基がアミド連結を介してPEG分子に連結される。「天然でコードされないアミノ酸」は、20個の一般的なアミノ酸またはピロリシンまたはセレノシステインのうちの1つでないアミノ酸を示す。用語「天然でコードされないアミノ酸」と同義的に使用されることがある他の用語が、「非天然アミノ酸」、「人為的アミノ酸」、「天然非存在アミノ酸」、ならびにそれらの様々なハイフン分割形およびハイフン非分割形である。用語「天然でコードされないアミノ酸」にはまた、天然でコードされるアミノ酸(限定されないが、20個の一般的なアミノ酸またはピロリシンおよびセレノシステインを含む)の修飾(例えば、翻訳後修飾)によって生じ、しかし、自身は翻訳複合体によって成長途中のポリペプチド鎖に天然では組み込まれない様々なアミノ酸が含まれるが、これらに限定されない。そのような天然非存在アミノ酸の例には、N-アセチルグルコサミニル-L-セリン、N-アセチルグルコサミニル-L-トレオニンおよびO-ホスホチロシンが含まれるが、これらに限定されない。
本開示はまた、目的とする結合させた部分(例えば、検出可能な標識、薬物、および半減期延長部分など)を有する抗GPC3抗体を提供する。抗体の改変を様々な合成方法および/または組換え方法によって達成することができる。抗体に結合している1つまたは複数の部分は広範囲の様々な機能または特徴の1つまたは複数を与えることができる。例示的な部分には、検出可能な標識(例えば、色素標識(例えば、発色団、蛍光団)、生物物理学的プローブ(スピン標識、核磁気共鳴(NMR)プローブ)、フェルスター共鳴エネルギー移動(FRET)型の標識(例えば、蛍光団/消光剤対の少なくとも一方の成分を含めて、FRET対の少なくとも一方の成分)、生物発光共鳴エネルギー移動(BRET)型の標識(例えば、BRET対の少なくとも一方の成分)、免疫検出可能なタグ(例えば、FLAG、His(6)および同様なもの);水溶性ポリマー(例えば、PEG化);精製タグ(例えば、アフィニティークロマトグラフィー(例えば、FLAGエピトープの結合)による単離を容易にするためのもの);膜局在化ドメイン(例えば、脂質またはグリコホスファチジルイノシトール(GPI)型アンカー);固定化タグ(例えば、選択的結合を含めて、表面へのポリペプチドの結合を容易にするためのもの);および薬物(例えば、薬物標的化を、例えば、抗体への薬物の結合を介して容易にするためのもの)などが含まれる。
いくつかの実施形態において、主題の抗体は、ポリマー(例えば、ポリペプチド以外のポリマー)に連結される(例えば、共有結合により連結される)。好適なポリマーには、例えば、生体適合性ポリマー、しかも、水溶性の生体適合性ポリマーが含まれる。好適なポリマーには、合成ポリマーおよび天然に存在するポリマーが含まれる。好適なポリマーには、例えば、置換もしくは非置換の直鎖もしくは分岐鎖のポリアルキレンポリマー、ポリアルケニレンポリマーもしくはポリオキシアルキレンポリマー、または分岐または非分岐の多糖(例えば、ホモ多糖またはヘテロ多糖)が含まれる。好適なポリマーには、例えば、エチレンビニルアルコールコポリマー(これは一般名EVOHによって、または商品名EVALによって一般に知られている);ポリブチルメタクリラート;ポリ(ヒドロキシバレラート);ポリ(L-乳酸);ポリカプロラクトン;ポリ(ラクチド-co-グリコリド);ポリ(ヒドロキシブチラート);ポリ(ヒドロキシブチラート-co-バレラート);ポリジオキサノン;ポリオルトエステル;ポリ無水物;ポリ(グリコール酸);ポリ(D,L-乳酸);ポリ(グリコール酸-co-トリメチレンカルボナート);ポリホスホエステル;ポリホスホエステルウレタン;ポリ(アミノ酸);シアノアクリラート;ポリ(トリメチレンカルボナート);ポリ(イミノカルボナート);コポリ(エーテル-エステル)(例えば、ポリ(エチレンオキシド)-ポリ(乳酸)(PEO/PLA)コポリマー);ポリアルキレンオキサラート;ポリホスファゼン;生体分子、例えば、フィブリン、フィブリノーゲン、セルロース、デンプン、コラーゲンおよびヒアルロン酸など;ポリウレタン;シリコーン;ポリエステル;ポリオレフィン;ポリイソブチレンおよびエチレン-アルファオレフィンコポリマー;アクリルポリマーおよびアクリルコポリマー;ハロゲン化ビニルポリマーおよびハロゲン化ビニルコポリマー、例えば、ポリ塩化ビニルなど;ポリビニルエーテル、例えば、ポリビニルメチルエーテルなど;ポリハロゲン化ビニリデン、例えば、ポリフッ化ビニリデンおよびポリ塩化ビニリデンなど;ポリアクリロニトリル;ポリビニルケトン;ポリ芳香族ビニル、例えば、ポリスチレンなど;ポリビニルエステル、例えば、ポリ酢酸ビニルなど;ビニルモノマーの、自身およびオレフィンとのコポリマー、例えば、エチレン-メタクリル酸メチルコポリマー、アクリロニトリル-スチレンコポリマー、ABS樹脂、およびエチレン-酢酸ビニルコポリマーなど;ポリアミド、例えば、ナイロン66およびポリカプロラクタムなど;アルキド樹脂;ポリカルボナート;ポリオキシメチレン;ポリイミド;ポリエーテル;エポキシ樹脂;ポリウレタン;レーヨン;レーヨントリアセタート;セルロース;酢酸セルロース;酪酸セルロース;酢酸酪酸セルロース;セロハン;硝酸セルロース;プロピオン酸セルロース;セルロースエーテル;非晶質テフロン(登録商標);ポリ(エチレングリコール);およびカルボキシメチルセルロースが含まれる。
好適な合成ポリマーには、置換および非置換の直鎖または分岐鎖のポリ(エチレングリコール)、ポリ(プロピレングリコール)ポリ(ビニルアルコール)、およびそれらの誘導体、例えば、置換ポリ(エチレングリコール)(例えば、メトキシポリ(エチレングリコール)など)およびその誘導体が含まれる。好適な天然に存在するポリマーには、例えば、アルブミン、アミロース、デキストラン、グリコーゲン、およびそれらの誘導体が含まれる。
好適なポリマーは平均分子量を500Da~50000Daの範囲に、例えば、5000Da~40000Daの範囲、または25000~40000Daの範囲に有することができる。例えば、いくつかの実施形態において、主題の抗体がポリ(エチレングリコール)(PEG)ポリマーまたはメトキシポリ(エチレングリコール)ポリマーを含む場合、PEGポリマーまたはメトキシポリ(エチレングリコール)ポリマーは分子量を約0.5キロダルトン(kDa)~1kDa、約1kDa~5kDa、5kDa~10kDa、10kDa~25kDa、25kDa~40kDa、または40kDa~60kDaの範囲に有することができる。
上記で記されるように、いくつかの実施形態において、主題の抗体はPEGポリマーに共有結合により連結される。いくつかの実施形態において、主題のscFv多量体はPEGポリマーに共有結合により連結される。タンパク質のPEG化のために好適である様々な方法および試薬がこの技術分野では広く知られており、例えば、米国特許第5,849,860号において見出され得る。タンパク質への接合のために好適であるPEGは一般には室温において水に可溶性であり、一般式R(O-CH2-CH2)nO-R(式中、Rは水素または保護基(例えば、アルキル基またはアルカノール基など)であり、nは1~1000の整数である)を有する。Rが保護基である場合、保護基は一般には、1個~8個の炭素を有する。
主題の抗体に接合されるPEGは線状であることが可能である。主題のタンパク質に接合されるPEGはまた、分岐型である場合がある。分岐型PEG誘導体、例えば、米国特許第5,643,575号に記載される分岐型PEG誘導体など、「スターPEG」、およびマルチアームPEG、例えば、Shearwater Polymers,Inc.社のカタログ’’Polyethylene Glycol Derivatives 1997-1998’’に記載されるマルチアームPEGなど。様々なスターPEGが、例えば、米国特許第6,046,305号に記載されることを含めて、この技術分野において記載される。
主題の抗体はグリコシル化することができ、例えば、主題の抗体は、共有結合により連結された炭水化物部分または多糖部分を含むことができる。抗体のグリコシル化は典型的には、N結合またはO結合のどちらかである。N結合は、炭水化物部分がアスパラギン残基の側鎖に結合することを示す。アスパラギン-X-セリンおよびアスパラギン-X-トレオニン(式中、Xはプロリン以外の任意のアミノ酸である)のトリペプチド配列が、アスパラギン側鎖への炭水化物部分の酵素的結合のための認識配列である。したがって、これらのトリペプチド配列のどちらかがポリペプチドに存在することにより、潜在的なグリコシル化部位がもたらされる。O結合グリコシル化は、N-アセチルガラクトサミン、ガラクトースまたはキシロースの糖のうちの1つが、最も一般的にはセリンまたはトレオニンであるヒドロキシアミノ酸に結合することを示し、だが、5-ヒドロキシプロリンまたは5-ヒドロキシリシンもまた使用される場合がある。グリコシル化を、例えば、所望のグリコシル化機構を有する宿主細胞における組換え産生によって達成することができる。
グリコシル化部位を抗体に付加することが、(N結合グリコシル化部位については)上記のトリペプチド配列の1つまたは複数を含有するようにアミノ酸配列を変更することによって都合よく達成される。変更はまた、(O結合グリコシル化部位については)元の抗体の配列に対する1つもしくは複数のセリン残基もしくはトレオニン残基の付加、または1つまたは複数のセリン残基もしくはトレオニン残基による置換によって行われる場合がある。同様に、グリコシル化部位の除去を、抗体の生来のグリコシル化部位の内部におけるアミノ酸変更によって達成することができる。
主題の抗体は、例えば、グルタルアルデヒド、ホモ二官能性架橋剤またはヘテロ二官能性架橋剤を使用して、第2の部分(例えば、脂質、主題の抗体とは別のポリペプチド、合成ポリマー、および炭水化物など)に共有結合により連結することができる。グルタルアルデヒドにより、ポリペプチドがそのアミノ部分を介して架橋される。ホモ二官能性架橋剤(例えば、ホモ二官能性のイミドエステル、ホモ二官能性のN-ヒドロキシスクシンイミジル(NHS)エステル、またはホモ二官能性のスルフヒドリル反応性架橋剤)は、2つ以上の同一の反応性部分を含有しており、様々なホモ二官能性架橋剤を、連結されることになるポリペプチドの混合物を含有する溶液に架橋剤が加えられる一段階反応手順において使用することができる。ホモ二官能性のNHSエステルおよびイミドエステルにより、アミン含有ポリペプチドが架橋される。弱アルカリ性pHにおいて、イミドエステルは第一級アミンとのみ反応して、イミドアミドを形成し、架橋ポリペプチドの全体的電荷は影響されない。ホモ二官能性のスルフヒドリル反応性架橋剤には、ビスマレイミドヘキサン(BMH)、1,5-ジフルオロ-2,4-ジニトロベンゼン(DFDNB)、および1,4-ジ-(3’,2’-ピリジルジチオ)プロピノアミドブタン(DPDPB)が含まれる。
ヘテロ二官能性架橋剤は2つ以上の異なる反応性部分(例えば、アミン反応性部分およびスルフヒドリル反応性部分)を有しており、ポリペプチドの一方がアミン反応性部分またはスルフヒドリル反応性部分を介して架橋され、その後、他方のポリペプチドが未反応部分を介して反応する。ピリジルジスルフィド系架橋剤が利用可能であるように、多数のヘテロ二官能性ハロアセチル系架橋剤が利用可能である。カルボジイミドは、カルボキシルをアミンにカップリングさせ、これによりアミド結合をもたらすためのヘテロ二官能性架橋試薬の古典的な例である。
主題の抗体は固体支持体に固定化することができる。好適な支持体がこの技術分野では広く知られており、とりわけ、市販のカラム材料、ポリスチレンビーズ、ラテックスビーズ、磁気ビーズ、コロイド金属粒子、ガラスおよび/またはシリコンのチップおよび表面、ニトロセルロース細片、ナイロン膜、シート、デュラサイト(duracyte)、反応トレイ(例えば、マルチウエルプレート)のウエル、プラスチックチューブなどを含む。固体支持体は、例えば、ガラス、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリカルボナート、デキストラン、ナイロン、アミロース、天然セルロースおよび修飾セルロース、ポリアクリルアミド、アガロース、ならびにマグネタイトを含めて様々な物質のいずれかを含むことができる。主題の抗体を固体支持体に固定化するための様々な好適な方法が広く知られており、これらには、イオン性相互作用、疎水性相互作用、および共有結合性相互作用などが含まれるが、これらに限定されない。固体支持体は、例えば、水溶液において、可溶性または不溶性であることが可能である。いくつかの実施形態において、好適な固体支持体は一般に、水溶液において不溶性である。
主題の抗体は、いくつかの実施形態においては検出可能な標識を含むことができる。好適な検出可能な標識には、分光学的、光化学的、生化学的、免疫化学的、電気的、光学的または化学的な手段によって検出可能な組成物がどのようなものであれ含まれる。好適なものには、磁気ビーズ(例えば、Dynabeads(商標))、蛍光色素(例えば、フルオレセインイソチオシアナート、テキサスレッド、ローダミン、緑色蛍光タンパク質、赤色蛍光タンパク質、黄色蛍光タンパク質および同様な蛍光色素)、放射性標識(例えば、3H、125I、35S、14C、または32P)、酵素(例えば、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)において一般に使用される西洋ワサビペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ、ルシフェラーゼおよび他の酵素)、および比色用標識、例えば、コロイド状金あるいはガラスまたはプラスチック(例えば、ポリスチレン、ポリプロピレン、ラテックスなど)の着色ビーズが含まれるが、これらに限定されない。
いくつかの実施形態において、主題の抗体は造影剤または放射性同位体を含み、この場合、造影剤または放射性同位体は、検出可能な標識として、例えば、造影において使用するために、例えば、ヒトに対して行われる造影手法において使用するために好適であるものである。標識の限定されない例には、放射性同位体、例えば、1231I(ヨウ素)、18F(フッ素)、99Tc(テクネチウム)、111In(インジウム)および67Ga(ガリウム)など、ならびに造影剤、例えば、ガドリニウム(Gd)、ジスプロシウムおよび鉄などが含まれる。放射性Gd同位体(153Gd)もまた利用可能であり、ヒト以外の哺乳動物における造影手法のために好適である。
主題の抗体は、標準的な技術を使用して標識することができる。例えば、主題の抗体は、クロラミンTまたは1,3,4,6-テトラクロロ-3α,6α-デフェニルグリコウリルを使用してヨウ素化することができる。フッ素化については、フッ素が、フッ化物イオン置換反応によって合成期間中に主題の抗体に付加される。そのような放射性同位体を用いたタンパク質の合成の総説については、Muller-Gartner,H.,TIB Tech.,16:122-130(1998)、およびSaji,H.,Crit.Rev.Ther.Drug Carrier Syst.,16(2):209-244(1999)を参照のこと。主題の抗体はまた、標準的な技術を介して造影剤により標識することができる。例えば、主題の抗体は、ガドリニウム(Gd)による標識化を、低分子量のGdキレート(例えば、Gdジエチレントリアミン五酢酸(GdDTPA)またはGdテトラアザシクロドデカン四酢酸(GdDOTA)など)を抗体に接合することによって行うことができる。Caravan et al.,Chem.Rev.99:2293-2352(1999)、およびLauffer et al.,J.Magn.Reson.Imaging,3:11-16(1985)を参照のこと。主題の抗体は、Gdによる標識化を、例えば、ポリリシン-Gdキレートを抗体に接合することによって行うことができる。例えば、Curtet et al.,Invest.Radiol.,33(10):752-761(1998)を参照のこと。代替において、主題の抗体は、Gdによる標識化を、Gdキレーター脂質をアビジンとともに含む常磁性重合リポソームと、ビオチン化抗体とをインキュベーションすることによって行うことができる。例えば、Sipkins et al.,Nature Med.,4:623-626(1998)を参照のこと。
主題の抗体に連結することができる好適な蛍光タンパク質には、エクオリア・ビクトリア(Aequoria victoria)由来の緑色蛍光タンパク質またはその変異体または誘導体、例えば、米国特許第6,066,476号、同第6,020,192号、同第5,985,577号、同第5,976,796号、同第5,968,750号、同第5,968,738号、同第5,958,713号、同第5,919,445号、同第5,874,304号に記載されるようなもの;例えば、強化型GFP、市販されている多くのそのようなGFP、例えば、Clontech,Inc.から市販されているもの;赤色蛍光タンパク質;黄色蛍光タンパク質;花虫綱(Anthozoa)の種から得られる様々な蛍光タンパク質および有色タンパク質のいずれか、例えば、Matz et al.(1999),Nature Biotechnol.17:969-973に記載されるようなもの;および同様な蛍光タンパク質が含まれるが、これらに限定されない。
主題の抗体は、いくつかの実施形態においては「放射線不透過性」標識、例えば、容易な可視化が、例えば、x線を使用して可能である標識を含むであろう。様々な放射線不透過性物が当業者には広く知られている。最も一般的な放射線不透過性物には、ヨウ化物塩、臭化物塩またはバリウム塩が含まれる。他の放射線不透過性物もまた知られており、これらには、有機ビスマス誘導体(例えば、米国特許第5,939,045号を参照のこと)、放射線不透過性マルチウレタン(multiurethane)(米国特許第5,346,981号を参照のこと)、有機ビスマス複合体(例えば、米国特許第5,256,334号を参照のこと)、および放射線不透過性バリウムマルチマー複合体(例えば、米国特許第4,866,132号を参照のこと)などが含まれるが、これらに限定されない。
主題の抗体は、いくつかの実施形態においては、融合パートナー、例えば、リガンド、エピトープタグ、ペプチド、抗体以外のタンパク質、および同様な融合パートナーに連結されるであろう(例えば、共有結合または非共有結合により連結されるであろう)。好適な融合パートナーには、生体内での高まった安定性(例えば、高まった血清中半減期)を与えるペプチドおよびポリペプチド;精製の容易さなどをもたらすペプチドおよびポリペプチド;融合タンパク質の細胞からの分泌に備えるペプチドおよびポリペプチド;エピトープタグ、例えば、(His)n(例えば、6His)、および同様なエピトープタグを提供するペプチドおよびポリペプチド;融合タンパク質の細胞からの分泌に備えるペプチドおよびポリペプチド;エピトープタグ、例えば、GST、血球凝集素(HA;例えば、CYPYDVPDYA;配列番号35)、FLAG(例えば、DYKDDDDK;配列番号36)、c-myc(例えば、CEQKLISEEDL;配列番号37)、および同様なエピトープタグを提供するペプチドおよびポリペプチド;検出可能なシグナルを提供するペプチドおよびポリペプチド、例えば、検出可能な生成物を生じさせる酵素(例えば、β-ガラクトシダーゼ、ルシフェラーゼ)、または自身が検出可能であるタンパク質、例えば、緑色蛍光タンパク質、赤色蛍光タンパク質、黄色蛍光タンパク質など;多量体化に備えるペプチドおよびポリペプチド、例えば、多量体化ドメイン(例えば、免疫グロブリンのFc部分など);ならびに同様な融合パートナーが含まれる。
融合ではまた、特定または精製のために有用な結合パートナー(例えば、固体支持体に固定化されるものなど)と相互作用することができるペプチド配列を含む親和性ドメインが含まれる場合がある。連続する単一アミノ酸(例えば、ヒスチジンなど)を、タンパク質に融合されたときには、樹脂カラム(例えば、ニッケルセファロースなど)に対する高親和性結合による融合タンパク質の一段階精製のために使用することができる。親和性ドメインの例には、His5(HHHHH)(配列番号18)、His6(HHHHHH)(配列番号19)、C-myc(EQKLISEEDL)(配列番号20)、Flag(DYKDDDDK)(配列番号21)、StrepTag(WSHPQFEK)(配列番号22)、血球凝集素、例えば、HAタグ(YPYDVPDYA;配列番号23)、グルタチノン-S-トランスフェラーゼ(GST)、チオレドキシン、セルロース結合ドメイン、RYIRS(配列番号24)、Phe-His-His-Thr(配列番号25)、キチン結合ドメイン、S-ペプチド、T7ペプチド、SH2ドメイン、C末端RNAタグ、WEAAAREACCRECCARA(配列番号26)、金属結合ドメイン、例えば、亜鉛結合ドメインまたはカルシウム結合ドメイン、例えば、カルシウム結合タンパク質(例えば、カルモジュリン、トロポニンC、カルシニューリンB、ミオシン軽鎖、リカバリン、S-モジュリン、ビジニン、VILIP、ニューロカルシン、ヒポカルシン、フリクエニン、カルトラクチン、カルパインラージサブユニット、S100タンパク質、パルブアルブミン、カルビンジンD9K、カルビンジンD28Kおよびカルレチニン)に由来するカルシウム結合ドメインなど、インテイン、ビオチン、ストレプトアビジン、MyoD、ロイシンジッパー配列、およびマルトース結合タンパク質が含まれる。
いくつかの実施形態において、主題の抗体はポリアミン修飾を含む。主題の抗体は、天然に存在するポリアミンにより、または合成であるポリアミンによりどちらでも修飾することができる。例えば、米国特許第5,670,477号を参照のこと。有用な天然に存在するポリアミンには、プトレシン、スペルミジン、スペルミン、1,3-デアミノプロパン、ノルスペルミジン、syn-ホモスペルミジン、テルミン(thermine)、テルモスペルミン(thermospermine)、カルドペンタミン、ホモカルドペンタミンおよびカナバルミンが含まれる。プトレシン、スペルミジンおよびスペルミンが特に有用である。合成ポリアミンは実験式CXHYNZから構成され、1つ~6つのNR部分またはN(R)2部分(式中、Rは、H、(C1~C4)アルキル、フェニルまたはベンジルである)をさらに含む、炭素原子が3個~12個の環式または非環式の分枝した炭化水素鎖または非分枝の炭化水素鎖であることが可能である。ポリアミンは、標準的な架橋方法をどのようなものであれ使用して抗体に連結されることが可能である。
いくつかの実施形態において、主題の抗体は、炭水化物部分を含むように改変され、この場合、炭水化物部分は抗体に共有結合により連結されることが可能である。いくつかの実施形態において、主題の抗体は、脂質部分を含むように改変され、この場合、脂質部分は抗体に共有結合により連結されることが可能である。好適な脂質部分には、例えば、N-脂肪族アシル基(例えば、N-ラウロイル、N-オレオイルなど)、脂肪アミン(例えば、ドデシルアミン、オレオイルアミンなど)、およびC3~C16鎖脂肪族脂質などが含まれる。例えば、米国特許第6,638,513号を参照のこと。いくつかの実施形態において、主題の抗体はリポソームに組み込まれる。
本開示の抗GPC3抗体が、共有結合により連結された異種部分を含む場合、異種部分は、抗GPC3の重鎖および/または軽鎖に直接に、またはリンカーを介して連結されることが可能である。好適なリンカーを容易に選択することができ、好適なリンカーは、種々の長さの好適なもの、例えば、4アミノ酸~10アミノ酸、5アミノ酸~9アミノ酸、6アミノ酸~8アミノ酸、または7アミノ酸~8アミノ酸を含めて、1アミノ酸(例えば、Gly)~20アミノ酸、2アミノ酸~15アミノ酸、3アミノ酸~12アミノ酸などのいずれかが可能であり、また、1、2、3、4、5、6、または7アミノ酸である場合がある。
柔軟性リンカーの例には、グリシンポリマー(G)n、グリシン-セリンポリマー(例えば、(GS)n、(GSGGS)n(配列番号27)および(GGGS)n(配列番号28)(式中、nは少なくとも1の整数である)を含む)、グリシン-アラニンポリマー、アラニン-セリンポリマー、およびこの技術分野において知られている他の柔軟性リンカーが含まれる。グリシンポリマーおよびグリシン-セリンポリマーは、これらのアミノ酸の両方が比較的構造化されず、したがって成分間の中立的なつなぎ鎖として働き得るので、注目される。グリシンは、アラニンでさえよりも著しく多くphi-psi空間に接近し、より長い側鎖を有する残基よりもはるかに制約されないので、グリシンポリマーは特に注目される(Scheraga,Rev.Computational Chem.11173-142(1992))。例示的な柔軟性リンカーには、GGSG(配列番号29)、GGSGG(配列番号30)、GSGSG(配列番号31)、GSGGG(配列番号32)、GGGSG(配列番号33)、およびGSSSG(配列番号34)などが含まれるが、これらに限定されない。当業者は、上記で記載されるどのような要素にでも接合されるペプチドの設計では、全体または一部が柔軟であるリンカーを含むことができ、その結果、リンカーには、柔軟性リンカー、同様にまた、柔軟性がより少ない構造を与える1つまたは複数の一部分が含まれ得ることを認識するであろう。
抗体の改変方法
本発明の抗体は、共有結合により結合した異種部分(例えば、検出可能な標識、薬物など)を有するように、様々な方法のいずれかの使用によって改変されることが可能である。本開示は、目的とする部分に接合される抗GPC3抗体を提供する:この場合、目的とする部分に接合される抗GPC3抗体は「抗GPC3抗体コンジュゲート」として示される。本開示の抗GPC3抗体コンジュゲートは、1)目的とする部分に接合されるIg重鎖定常領域と、目的とする部分に接合されるIg軽鎖定常領域とを含むことができ、または2)目的とする部分に接合されるIg重鎖定常領域と、目的とする部分に接合されないIg軽鎖定常領域とを含むことができ、または3)目的とする部分接合されないIg重鎖定常領域と、目的とする部分に接合されるIg軽鎖定常領域とを含むことができる。主題の抗GPC3抗体コンジュゲートはまた、VHおよび/またはVLドメインを含むことができる。
一例において、抗体は、異種部分の結合のための化学的取っ手として働くことができる2-ホルミルグリシン残基を含むように改変することができる。例えば、本開示の抗GPC3の重鎖定常領域および/または軽鎖定常領域は、2-ホルミルグリシン(FGly)を含有するために2-ホルミルグリシン生成酵素(FGE)の作用によって転換されることが可能であるスルファターゼモチーフのアミノ酸配列を含むように改変することができる。そのようなスルファターゼモチーフはまた、本明細書中ではFGE修飾部位として示される場合がある。FGEの作用は、免疫グロブリンポリペプチドの内部に位置するスルファターゼモチーフにおいてFGEが作用するという点で、配列特異的な様式で向けられる。目的とする部分が、タグ化Igポリペプチドの転換されたアルデヒドタグのFGly残基のアルデヒドとの反応のための反応性パートナーの成分として提供される。広範囲の市販試薬を、アルデヒドタグ化IgポリペプチドのFGly残基への目的とする部分の結合を達成するために使用することができる。例えば、目的とする多数の部分のアミノオキシ誘導体、ヒドラジド誘導体またはチオセミカルバジド誘導体が、好適な反応性パートナーであり、これらは容易に利用可能であり、または標準的な化学的方法を使用して生じさせることができる。
例えば、ポリ(エチレングリコール)(PEG)部分をタグ化Igポリペプチドに結合させるために、アミノオキシ-PEGを、標準的なプロトコルを使用してモノアミノ-PEGおよびアミノオキシグリシンから生じさせることができる。アミノオキシ-PEGはその後、PEG部分の結合に備えるための転換された(例えば、FGly修飾された)アルデヒドタグ化Igポリペプチドと反応させることができる。転換されたアルデヒドタグ化ポリペプチドへのビオチン部分の送達を、アミノオキシビオチン、ビオチンヒドラジドまたは2,4ジニトロフェニルヒドラジンを使用して達成することができる。
アルデヒドタグの最小スルファターゼモチーフは通常的には、長さにおいてアミノ酸残基が5または6個であり、通常的には、長さにおいてアミノ酸残基がせいぜい6個である。Igポリペプチドにおいて提供されるスルファターゼモチーフはアミノ酸残基が少なくとも5個または6個であり、また、例えば、長さにおいてアミノ酸残基が16、15、14、13、12、11、10、9、8または7個未満であるスルファターゼモチーフを規定するように、長さにおいてアミノ酸残基が5~16、6~16、5~15、6~15、5~14、6~14、5~13、6~13、5~12、6~12、5~11、6~11、5~10、6~10、5~9、6~9、5~8、または6~8個であることが可能である。ある特定の実施形態において、使用されるスルファターゼモチーフは下記の式によって記述される場合がある:
X1Z1X2Z2X3Z3 (I)(配列番号40)
式中、
Z1はシステインまたはセリンである(これは(C/S)によってもまた表すことができる);
Z2はプロリン残基またはアラニン残基のどちらかである(これは(P/A)によってもまた表すことができる);
Z3は、塩基性アミノ酸(例えば、アルギニン(R)であり、また、リシン(K)またはヒスチジン(H)(通常的にはリシン)である場合がある)、または脂肪族アミノ酸(アラニン(A)、グリシン(G)、ロイシン(L)、バリン(V)、イソロイシン(I)またはプロリン(P)、通常的にはA、G、L、VまたはI)である;
X1は存在または非存在であり、存在するときには任意のアミノ酸が可能であり、だが、通常的には脂肪族アミノ酸、イオウ含有アミノ酸、または極性の非荷電アミノ酸(すなわち、芳香族アミノ酸または荷電アミノ酸とは別のもの)であり、通常的にはL、M、V、SまたはTであり、より通常的にはL、M、SまたはVであり、ただし、スルファターゼモチーフが標的ポリペプチドのN末端に存在するときには、X1は存在する;および
X2およびX3は独立して任意のアミノ酸が可能であり、だが、通常的には脂肪族アミノ酸、極性の非荷電アミノ酸、またはイオウ含有アミノ酸(すなわち、芳香族アミノ酸または荷電アミノ酸とは別のもの)、例えば、S、T、A、V、GまたはCであり、例えば、S、T、A、VまたはGである。一例において、アルデヒドタグは下記式のものである:L(C/S)TPSR(配列番号35)、例えば、LCTPSR(配列番号36)またはLSTPSR(配列番号37)。したがって、本開示は、アルデヒドタグ化Ig重鎖および/またはアルデヒドタグ化Ig軽鎖を含む抗体を提供し、この場合、アルデヒドタグ化Ig抗体は、そのようなスルファターゼモチーフを含有する重鎖および/または軽鎖のIg定常領域アミノ酸配列を含む。
一般に、標的ポリペプチドのアルデヒドタグのスルファターゼモチーフにおけるシステインまたはセリンのFGlyへの転換を容易にするために使用されるFGEは、アルデヒドタグに存在するスルファターゼモチーフに従って選択される。FGEは、アルデヒドタグ化ポリペプチドが発現される宿主細胞に対して生来的であることが可能であり、または宿主細胞を、適切なFGEを発現するように遺伝子改変することができる。いくつかの実施形態において、ヒトFGEとの適合性を有するスルファターゼモチーフを使用し、アルデヒドタグ化タンパク質を、FGEを発現するヒト細胞において、またはヒトFGEを発現するように遺伝子改変される宿主細胞(通常的には哺乳動物細胞)において発現させることが望ましい場合がある。一般には、FGly修飾された抗体を生じさせる際の使用のために好適であるFGEは、天然に存在する供給源から得ることができ、または合成的に作製することができる。例えば、適切なFGEは、FGEを天然に産生する生物学的供給源、またはFGEをコードする組換え遺伝子を発現するように遺伝子改変される生物学的供給源に由来することができる。多数のFGEをコードする様々な核酸がこの技術分野において、また容易に知られている。
スルファターゼモチーフに対するFGEの作用の後で、Z1が酸化されて、2-ホルミルグリシン(FGly)残基を生じさせる。さらに、FGE媒介転換、および目的とする部分を含む反応性パートナーとの反応の両方の後で、上記式におけるZ1でのFGly位置が、目的とする部分(例えば、検出可能な標識、水溶性ポリマー、ポリペプチド、薬物など)に共有結合により結合する。したがって、本開示は、FGly部分を含むように改変される抗GPC3抗体であって、下記式のFGly転換されたスルファターゼモチーフを含む抗GPC3抗体を提供する:
X1(FGly)X2Z2X3Z3(配列番号41)
式中、
X1は存在または非存在であり、存在するときには任意のアミノ酸であり、ただし、スルファターゼモチーフがポリペプチドのN末端に存在するときには、X1は存在する;
X2およびX3はそれぞれが独立して任意のアミノ酸である;
Z2はプロリン残基またはアラニン残基のどちらかである(これは(P/A)によってもまた表すことができる);かつ
Z3は塩基性アミノ酸である;かつ
ただし、FGly修飾された抗GPC3抗体は、折り畳まれた状態にあるとき、FGly基を溶媒接近可能な表面に提示する。いくつかの実施形態において、FGly転換されたスルファターゼモチーフは、式L(FGly)TPSR(配列番号38)のものである。
上記で記されるように、FGly部分を含むように改変される主題の抗GPC3抗体は、FGly部分を介して抗GPC3抗体に共有結合により結合させられる目的とする異種部分(例えば、検出可能な標識、水溶性ポリマー、ポリペプチド、薬物など)を含むようにさらに改変することができる。したがって、本開示は、下記の配列を含む抗GPC3抗体コンジュゲート(これはまた本明細書中では「抗GPC3コンジュゲート」として示される)を提供する:
X1(FGly’)X2Z2X3Z3 (I’)(配列番号42)
式中、
FGly’は、共有結合により結合した部分を有する2-ホルミルグリシン残基である;
Z2はプロリン残基またはアラニン残基のどちらかである(これは(P/A)によってもまた表すことができる);Z3は、塩基性アミノ酸(例えば、アルギニン(R)であり、また、リシン(K)またはヒスチジン(H)(通常的にはリシン)である場合がある)、または脂肪族アミノ酸(アラニン(A)、グリシン(G)、ロイシン(L)、バリン(V)、イソロイシン(I)またはプロリン(P)、通常的にはA、G、L、VまたはI)である;
X1は存在または非存在である場合があり、存在するときには任意のアミノ酸が可能であり、だが、通常的には脂肪族アミノ酸、イオウ含有アミノ酸、または極性の非荷電アミノ酸(すなわち、芳香族アミノ酸または荷電アミノ酸とは別のもの)であり、通常的にはL、M、V、SまたはTであり、より通常的にはL、MまたはVであり、ただし、スルファターゼモチーフが標的ポリペプチドのN末端に存在するときには、X1は存在する;およびX2およびX3は独立して任意のアミノ酸が可能であり、だが、通常的には脂肪族アミノ酸、イオウ含有アミノ酸、または極性の非荷電アミノ酸(すなわち、芳香族アミノ酸または荷電アミノ酸とは別のもの)、通常的にはS、T、A、V、GまたはCであり、より通常的にはS、T、A、VまたはGである。いくつかの実施形態において、モチーフは式L(FGly’)TPSR(配列番号39)のものである。
薬物
いくつかの場合において、本開示の抗GPC3抗体は、抗体の重鎖および/または軽鎖に共有結合により連結される薬物を含む。「薬物」には、小分子薬物、ペプチド性薬物、および毒素(例えば、細胞毒素)などが含まれる。
「小分子薬物」は、本明細書中で使用される場合、目的とする医薬活性を呈し、かつ、一般には分子量が最大でも約800Daまたは最大でも2000Daであり、しかし、5kDaにまで達する分子を包含することができ、また、約10kDaもの大きさが可能である化合物(例えば、有機化合物)を示す。小さい無機分子は、炭素原子を全く含有しない分子を示し、一方、小さい有機分子は、少なくとも1個の炭素原子を含有する化合物を示す。
「ペプチド薬物」は、本明細書中で使用される場合、アミノ酸含有ポリマー化合物を示し、天然に存在する、および天然に存在しないペプチド、オリゴペプチド、環状ペプチド、ポリペプチドおよびタンパク質、同様にまた、ペプチド模倣体を包含することが意味される。ペプチド薬物は化学合成によって得られる場合があり、または遺伝的にコードされた供給源(例えば、組換え供給源)から産生させられる場合がある。ペプチド薬物は分子量において様々であることが可能であり、分子量において200Da~10kDa、またはそれよりも大きいことが可能である。
いくつかの場合において、薬物は毒素であり、例えば、細胞毒素である。リボソーム不活性化タンパク質(RIP)は、高等植物に遍在するタンパク質の1つの部類であり、そのような細胞毒素の例である。RIPは、I型クラスと、II型クラスとに分けられており、真核生物のタンパク質合成の強力な阻害剤としてのその活性のために細胞毒性である。I型RIPSは、リボソーム不活性化活性を有するただ1つのペプチド鎖から構成され、一方、II型タンパク質は、細胞結合特性を有するB鎖にジスルフィド連結したA鎖(これはI型タンパク質と本質的には同等である)から構成される。特定のアデニン塩基のN-グリコシド結合が、真核生物リボソームの28S rRNAの高度に保存されたループ領域においてRIPによって加水分解的に切断され、それにより、真核生物細胞における翻訳が不活性化される。例えば、米国特許第5,744,580号を参照のこと。ゲロニン、ドデカンドリン(dodecandrin)、トリコサンチン(tricosanthin)、トリコキリン(tricokirin)、ブリオジン(bryodin)、オシロイバナ(Mirabilis)抗ウイルスタンパク質(MAP)、オオムギリボソーム不活性化タンパク質(BRIP)、ヨウシュヤマゴボウ抗ウイルスタンパク質(PAPS)、サポリン類、ルフィン(luffin)類およびモモルジン(momordin)類がI型RIPの例であり、これに対して、リシンおよびアブリンがII型RIPSの例である。好適な細胞毒素には、リシン、アブリン、ジフテリア毒素、シュードモナス外毒素(例えば、PE35、PE37、PE38、PE40など)、サポリン、ゲロニン、ヨウシュヤマゴボウ抗ウイルスタンパク質(PAP)、ボツリヌス毒素、ブリオジン、モモルジンおよびボウガニン(bouganin)が含まれるが、これらに限定されない。
いくつかの場合において、薬物はガン化学療法剤である。ガン化学療法剤には、ガン細胞の増殖を低下させる非ペプチド性(すなわち、非タンパク質性)化合物が含まれ、細胞毒性剤および細胞増殖抑制剤が包含される。化学療法剤の限定されない例には、アルキル化剤、ニトロソウレア、代謝拮抗剤、抗腫瘍抗生物質、植物アルカロイド(ビンカアルカロイド)およびステロイドホルモンが含まれる。ペプチド性化合物もまた使用することができる。
好適なガン化学療法剤には、ドラスタチンならびにその活性な類似体および誘導体と、アウリスタチンならびにその活性な類似体および誘導体とが含まれる。例えば、国際公開第96/33212号、国際公開第96/14856号、および米国特許第6,323,315号を参照のこと。例えば、ドラスタチン10またはアウリスタチンPEを本開示の抗体-薬物コンジュゲートに含めることができる。好適なガン化学療法剤にはまた、メイタンシノイドならびにその活性な類似体および誘導体(例えば、欧州特許第1391213号、およびLiu et al.(1996)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 93:8618-8623を参照のこと)と、デュオカルマイシンならびにその活性な類似体および誘導体(例えば、合成類似体のKW-2189およびCB1-TM1を含む)が含まれる。
細胞増殖を低下させるように作用する様々な薬剤がこの技術分野では知られており、広範囲に使用されている。そのような薬剤には、メクロレタミン、シクロホスファミド(Cytoxan(商標))、メルファラン(L-サルコリシン)、カルムスチン(BCNU)、ロムスチン(CCNU)、セムスチン(メチル-CCNU)、ストレプトゾシン、クロロゾトシン、ウラシルマスタード、クロルメチン、イホスファミド、クロラムブシル、ピポブロマン、トリエチレンメラミン、トリエチレンチオホスホラミン、ブスルファン、ダカルバジンおよびテモゾロミド(これらに限定されない)を含めて、アルキル化剤(例えば、ナイトロジェンマスタードなど)、ニトロソウレア、エチレンイミン誘導体、アルキルスルホナート、およびトリアゼン系化合物が含まれる。
代謝拮抗剤には、シタラビン(CYTOSAR-U)、シトシンアラビノシド、フルオロウラシル(5-FU)、フロクスウリジン(FudR)、6-チオグアニン、6-メルカプトプリン(6-MP)、ペントスタチン、5-フルオロウラシル(5-FU)、メトトレキサート、10-プロパルギル-5,8-ジデアザホラート(PDDF、CB3717)、5,8-ジデアザテトラヒドロ葉酸(DDATHF)、ロイコボリン、リン酸フルダラビン、ペントスタチンおよびゲムシタビン(これらに限定されない)を含めて、葉酸類似体、ピリミジン類似体、プリン類似体、およびアデノシンデアミナーゼ阻害剤が含まれる。
好適な天然産物およびその誘導体(例えば、ビンカアルカロイド、抗腫瘍抗生物質、酵素、リンホカインおよびエピポドフィロトキシン)には、Ara-C、パクリタキセル(Taxol(登録商標))、ドセタキセル(Taxotere(登録商標))、デオキシコホルマイシン、マイトマイシン-C、L-アスパラギナーゼ、アザチオプリン;ブレキナル;アルカロイド、例えば、ビンクリスチン、ビンブラスチン、ビノレルビン、ビンデシンなど;ポドフィロトキシン、例えば、エトポシド、テニポシドなど;抗生物質、例えば、アントラサイクリン、ダウノルビシン塩酸塩(ダウノマイシン、ルビドマイシン、セルビジン)、イダルビシン、ドキソルビシン、エピルビシンおよびモルホリノ誘導体など;フェノキシゾンビスシクロペプチド、例えば、ダクチノマイシン;塩基性糖ペプチド、例えば、ブレオマイシン;アントラキノングリコシド、例えば、プリカマイシン(ミトラマイシン);アントラセンジオン、例えば、ミトキサントロン;アジリノピロロインドールジオン、例えば、マイトマイシン;大環状免疫抑制剤、例えば、シクロスポリン、FK-506(タクロリムス、プログラフ)、ラパマイシンなど;ならびに同様な天然産物およびその誘導体が含まれるが、これらに限定されない。
他の抗増殖性細胞毒性剤が、ナベルベン(navelbene)、CPT-11、アナストラゾール(anastrazole)、レトラゾール(letrazole)、カペシタビン、レロキサフィン(reloxafine)、シクロホスファミド、イホサミド(ifosamide)およびドロロキサフィン(droloxafine)である。
抗増殖活性を有する様々な微小管影響剤もまた使用のために好適であり、これらには、アロコルヒチン(NSC406042)、ハリコンドリンB(NSC609395)、コルヒチン(NSC757)、コルヒチン誘導体(例えば、NSC33410)、ドルスタチン(dolstatin)10(NSC376128)、メイタンシン(NSC153858)、リゾキシン(rhizoxin)(NSC332598)、パクリタキセル(Taxol(登録商標))、Taxol(登録商標)誘導体、ドセタキセル(Taxotere(登録商標))、チオコルヒチン(NSC361792)、トリチルシステリン、硫酸ビンブラスチン、硫酸ビンクリスチン、天然エポチロンおよび合成エポチロン(限定されないが、エポチロンA、エポチロンB、ジスコデルモリドを含む);エストラムスチン、ノコダゾールなどが含まれるが、これらに限定されない。
使用のために好適であるホルモン調節薬およびステロイド(合成類似体を含む)には、副腎皮質ステロイド、例えば、プレドニゾン、デキサメタゾンなど;エストロゲンおよびプレゲスチン(pregestin)、例えば、カプロン酸ヒドロキシプロゲステロン、酢酸メドロキシプロゲステロン、酢酸メゲストロール、エストラジオール、クロミフェン、タモキシフェンなど;および副腎皮質抑制剤、アミノグルテチミド;17α-エチニルエストラジオール;ジエチルスチルベストロール、テストステロン、フルオキシメステロン、プロピオン酸ドロモスタノロン、テストラクトン、メチルプレドニゾロン、メチル-テストステロン、プレドニゾロン、トリアムシノロン、クロロトリアニセン、ヒドロキシプロゲステロン、アミノグルテチミド、エストラムスチン、酢酸メドロキシプロゲステロン、ロイプロリド、フルタミド(Drogenil)、トレミフェン(Fareston)およびZoladex(登録商標)が含まれるが、これらに限定されない。エストロゲンは増殖および分化を刺激する;したがって、エストロゲン受容体に結合する化合物が、この活性を阻止するために使用される。
他の好適な化学療法剤には、金属錯体、例えば、シスプラチン(cis-DDP)、カルボプラチンなど;尿素系化合物、例えば、ヒドロキシ尿素;およびヒドラジン系化合物、例えば、N-メチルヒドラジン;エピドフィロトキシン;トポイソメラーゼ阻害剤;プロカルバジン;ミトキサントロン;ロイコボリン;テガフールなどが含まれる。目的とする他の抗増殖剤には、免疫抑制剤、例えば、ミコフェノール酸、サリドマイド、デスオキシスペルグアリン(desoxyspergualin)、アザスポリン(azasporine)、レフルノミド、ミゾリビン、アザスピラン(SKF105685);Iressa(登録商標)(ZD1839、4-(3-クロロ-4-フルオロフェニルアミノ)-7-メトキシ-6-(3-(4-モルホリニル)プロポキシ)キナゾリン)などが含まれる。
タキサン類が使用のために好適である。「タキサン類」には、パクリタキセル、同様にまた、どのようなものであれ活性なタキサン誘導体またはタキサンプロドラッグが含まれる。「パクリタキセル」(これは、類似体、配合物および誘導体、例えば、ドセタキセル、TAXOL(商標)、TAXOTERE(商標)(ドセタキセルの配合物)、パクリタキセルの10-デスアセチル類似体、およびパクリタキセルの3’N-デスベンゾイル-3’N-t-ブトキシカルボニル類似体などを含むことが本明細書中では理解されなければならない)は、当業者に知られている様々な技術を利用して容易に調製される場合があり(国際公開第94/07882号、国際公開第94/07881号、国際公開第94/07880号、国際公開第94/07876号、国際公開第93/23555号、国際公開第93/10076号、米国特許第5,294,637号、同第5,283,253号、同第5,279,949号、同第5,274,137号、同第5,202,448号、同第5,200,534号、同第5,229,529号、および欧州特許第590,267号もまた参照のこと)、または様々な商用供給元から得られる場合があり、そのような商用供給元には、例えば、Sigma Chemical Co.(St.Louis、Mo.)が含まれる(タクサス・ブレビホリア(Taxus brevifolia)由来のT7402、またはタクサス・ヤンナネンシス(Taxus yannanensis)由来のT-1912)。
パクリタキセルは、パクリタキセルの一般的な化学的に利用可能な形態だけでなく、類似体および誘導体(例えば、上記で記されるように、TAXOTERE(商標)ドセタキセル)、ならびにパクリタキセルコンジュゲート(例えば、パクリタキセル-PEG、パクリタキセル-デキストラン、またはパクリタキセル-キシロース)を示すことが理解されなければならない。
用語「タキサン」の範囲内には、親水性誘導体および疎水性誘導体の両方を含めて様々な知られている誘導体もまた含まれる。タキサン誘導体には、国際公開第99/18113号に記載されるガラクトース誘導体およびマンノース誘導体;国際公開第99/14209号に記載されるピペラジノ誘導体および他の誘導体;国際公開第99/09021号、国際公開第98/22451号および米国特許第5,869,680号に記載されるタキサン誘導体;国際公開第98/28288号に記載される6-チオ誘導体;米国特許第5,821,263号に記載されるスルフェンアミド誘導体;ならびに米国特許第5,415,869号に記載されるタキソール誘導体が含まれるが、これらに限定されない。国際公開第98/58927号、国際公開第98/13059号および米国特許第5,824,701号に記載される様々なプロドラッグ(これらに限定されない)を含めてパクリタキセルの様々なプロドラッグがさらに含まれる。
抗体作製方法
主題の抗体は、どのような方法であれ知られている方法によって、例えば、タンパク質合成のための従来の合成方法、組換えDNA法などによって作製することができる。
主題の抗体が単鎖ポリペプチドである場合、主題の抗体は、標準的な化学的ペプチド合成技術を使用して合成することができる。ポリペプチドが化学合成される場合、合成が液相または固相を介して実施されることがある。配列のC末端アミノ酸を不溶性支持体に結合させ、続いて配列における残りのアミノ酸が逐次的に付加される固相ポリペプチド合成(SPPS)が、主題の抗体を化学合成するための好適な方法の一例である。様々な形態のSPPS、例えば、FmocおよびBocなどが、主題の抗体を合成するために利用可能である。固相合成のための様々な技術が、Barany and Merrifield,Solid-Phase Peptide Synthesis;pp.3-284(The Peptides:Analysis,Synthesis,Biology.Vol.2:Special Methods in Peptide Synthesis,Part A.,Merrifield et al.,J.Am.Chem.Soc.,85:2149-2156(1963));Stewart et al.,Solid Phase Peptide Synthesis,2nd ed.Pierce Chem.Co.,Rockford,Ill.(1984);ならびにGanesan A.2006 Mini Rev.Med Chem.6:3-10、およびCamarero JA et al.2005 Protein Pept Lett.12:723-8によって記載される。簡単に記載すると、小さい不溶性の多孔質ビーズが、ペプチド鎖が組み立てられる機能的単位により処理される。カップリング/脱保護を反復して繰り返した後で、結合している固相のフリーのN末端アミンが、1つだけのN保護されたアミノ酸単位にカップリングされる。その後、この単位物は脱保護され、これにより、さらなるアミノ酸が結合されることがある新しいN末端アミンが露呈する。ペプチドは固相に固定化されたままであり、ろ過プロセスを経て、その後、切断される。
様々な標準的な組換え方法を、主題の抗体を産生させるために使用することができる。例えば、定常領域に連結されていてもよい軽鎖可変領域および重鎖可変領域をコードする核酸が発現ベクターに挿入される。軽鎖および重鎖は、同じ発現ベクターまたは異なる発現ベクターにクローニングすることができる。免疫グロブリン鎖をコードするDNAセグメントが、免疫グロブリンポリペプチドの発現を確実にする発現ベクター(1つまたは複数)における制御配列に機能的に連結される。発現制御配列には、プロモーター(例えば、天然で会合するプロモーター、または異種プロモーター)、シグナル配列、エンハンサーエレメント、および転写終結配列が含まれるが、これらに限定されない。発現制御配列は、真核生物宿主細胞(例えば、COSまたはCHO細胞)の形質転換または真核生物宿主細胞(例えば、COSまたはCHO細胞)へのトランスフェクションをもたらすことができるベクターにおける真核生物プロモーター系が可能である。ベクターが適切な宿主に組み込まれると、宿主は、ヌクレオチド配列の高レベル発現、ならびに抗体の回収および精製のために好適である条件のもとで維持される。
コードの縮重のために、様々な核酸配列がそれぞれの免疫グロブリンアミノ酸配列をコードすることができる。所望の核酸配列をデノボ固相DNA合成によって、または所望のポリヌクレオチドの前もって調製されたバリアントのポリメラーゼ連鎖反応(PCR)変異誘発によって作製することができる。オリゴヌクレオチド媒介変異誘発が、標的ポリペプチドDNAの置換バリアント、欠失バリアントおよび挿入バリアントを調製するための好適な方法の一例である。Adelman et al.,DNA 2:183(1983)を参照のこと。簡単に記載すると、標的ポリペプチドDNAが、所望の変異をコードするオリゴヌクレオチドを一本鎖DNAテンプレートにハイブリダイゼーションさせることによって変更される。ハイブリダイゼーション後、DNAポリメラーゼが、オリゴヌクレオチドプライマーを組み込み、かつ、選択された変更を標的ポリペプチドDNAにおいてコードする、テンプレートの完全な第2の相補的な鎖を合成するために使用される。
好適な発現ベクターは典型的には、エピソームとして、または宿主染色体DNAの一体化された一部としてどちらでも宿主生物において複製可能である。一般に、発現ベクターは、所望のDNA配列により形質転換されるそのような細胞の検出を可能にするための選抜マーカー(例えば、アンピシリン耐性、ヒグロマイシン耐性、テトラサイクリン耐性、カナマイシン耐性またはネオマイシン耐性)を含有する。
大腸菌(Escherichia coli)が、主題の抗体をコードするポリヌクレオチドをクローニングするために使用することができる原核生物宿主細胞の一例である。使用のために好適な他の微生物宿主には、桿菌、例えば、バシラス・スブチリス(Bacillus subtilis)など、ならびに他の腸内細菌科、例えば、サルモネラ(Salmonella)属菌種、セラチア(Serratia)属菌種および様々なシュードモナス(Pseudomonas)属菌種などが含まれる。これらの原核生物宿主においては、宿主細胞との適合性を有する発現制御配列(例えば、複製起点)を典型的には含有するであろう発現ベクターもまた作製することができる。加えて、多くの様々な広く知られているプロモーターが存在するであろう(例えば、ラクトースプロモーター系、トリプトファン(trp)プロモーター系、ベータ-ラクタマーゼプロモーター系、またはファージラムダ由来のプロモーター系など)。プロモーターは典型的には、オペレーター配列と一緒であってもよいが、発現を制御するであろうし、また、転写および翻訳を開始させ、完了させるためのリボソーム結合部位配列などを有するであろう。
酵母などの他の微生物もまた、発現のために有用である。サッカロミセス(Saccharomyces)属(例えば、出芽酵母(S.cerevisiae))およびピキア(Pichia)属が、好適な酵母宿主細胞の例であり、この場合、好適なベクターは、所望されるような発現制御配列(例えば、プロモーター)、複製起点および終結配列などを有する。典型的なプロモーターには、3-ホスホグリセリン酸キナーゼおよび他の解糖酵素が含まれる。誘導性の酵母プロモーターには、とりわけ、アルコールデヒドロゲナーゼ、イソシトクロムC、ならびにマルトースおよびガラクトースの利用に関わる酵素からのプロモーターが含まれる。
微生物に加えて、哺乳動物細胞(例えば、インビトロ細胞培養で成長させられる哺乳動物細胞)もまた、本発明のポリペプチド(例えば、免疫グロブリンまたはそのフラグメントをコードするポリヌクレオチド)を発現および産生させるために使用することができる。Winnacker,From Genes to Clones,VCH Publishers,N.Y.,N.Y.(1987)を参照のこと。好適な哺乳動物宿主細胞には、CHO細胞株、様々なCos細胞株、HeLa細胞、ミエローマ細胞株、および形質転換されたB細胞またはハイブリドーマが含まれる。これらの細胞のための発現ベクターは、発現制御配列、例えば、複製起点、プロモーターおよびエンハンサーなど(Queen et al.,Immunol.Rev.89:49(1986))、ならびに必要なプロセシング情報部位、例えば、リボソーム結合部位、RNAスプライス部位、ポリアデニル化部位および転写ターミネーター配列などを含むことができる。好適な発現制御配列の例が、免疫グロブリン遺伝子、SV40、アデノウイルス、ウシパピローマウイルスおよびサイトメガロウイルスなどに由来するプロモーターである。Co et al.,J.Immunol.148:1149(1992)を参照のこと。
(化学的または組換え的にどちらであっても)合成されると、無欠抗体、その二量体、個々の軽鎖および重鎖、または主題の抗体の他の形態(例えば、scFvなど)を、硫酸アンモニウム沈殿、アフィニティーカラム、カラムクロマトグラフィー、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)精製およびゲル電気泳動などを含めて、この技術分野の標準的手順に従って精製することができる(一般には、Scopes、Protein Purification(Springer-Verlag、N.Y.、1982)を参照のこと)。主題の抗体は実質的に純粋であることが可能であり、例えば、少なくとも約80%~85%の純度、少なくとも約85%~90%の純度、少なくとも約90%~95%の純度、または98%~99%またはそれ以上の純度であることが可能であり、例えば、細胞破片、主題の抗体とは別の高分子などの混入物を含まないことが可能である。
組成物
本開示は、主題の抗体を含む組成物を提供する。主題の抗体組成物は、主題の抗体に加えて、下記のうちの1つまたは複数を含むことができる:塩、例えば、NaCl、MgCl2、KCl、MgSO4など;緩衝化剤、例えば、Tris緩衝液、N-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジン-N’-(2-エタンスルホン酸)(HEPES)、2-(N-モルホリノ)エタンスルホン酸(MES)、2-(N-モルホリノ)エタンスルホン酸ナトリウム塩(MES)、3-(N-モルホリノ)プロパンスルホン酸(MOPS)、N-トリス[ヒドロキシメチル]メチル-3-アミノプロパンスルホン酸(TAPS)など;可溶化剤;界面活性剤、例えば、非イオン性界面活性剤(例えば、Tween-20など)など;プロテアーゼ阻害剤;グリセロール;および同様な成分。
核酸
本開示は、主題の抗体をコードするヌクレオチド配列を含む核酸を提供する。主題の抗体をコードするヌクレオチド配列は、意図された標的細胞(例えば、コードされた抗体を合成するように遺伝子改変される細胞)におけるヌクレオチド配列の発現を可能にする1つまたは複数の調節エレメント(例えば、プロモーターおよびエンハンサーなど)に機能的に連結されることが可能である。
様々な好適なプロモーターエレメントおよびエンハンサーエレメントがこの技術分野では知られている。細菌細胞における発現のために、好適なプロモーターには、lacI、lacZ、T3、T7、gpt、ラムダPおよびtrcが含まれるが、これらに限定されない。真核生物細胞における発現のために、好適なプロモーターには、軽鎖および/または重鎖の免疫グロブリン遺伝子のプロモーターエレメントおよびエンハンサーエレメント;サイトメガロウイルスの前初期プロモーター;単純ヘルペスウイルスのチミジンキナーゼプロモーター;初期および後期のSV40プロモーター;レトロウイルス由来の長末端反復配列に存在するプロモーター;マウスメタロチオネイン-Iプロモーター;および様々なこの技術分野で知られている組織特異的プロモーターが含まれるが、これらに限定されない。
いくつかの実施形態において、例えば、酵母細胞における発現のためには、好適なプロモーターが、構成的プロモーター、例えば、ADH1プロモーター、PGK1プロモーター、ENOプロモーター、PYK1プロモーターおよび同様なプロモーターなど、または調節可能なプロモーター、例えば、GAL1プロモーター、GAL10プロモーター、ADH2プロモーター、PHO5プロモーター、CUP1プロモーター、GAL7プロモーター、MET25プロモーター、MET3プロモーター、CYC1プロモーター、HIS3プロモーター、ADH1プロモーター、PGKプロモーター、GAPDHプロモーター、ADC1プロモーター、TRP1プロモーター、URA3プロモーター、LEU2プロモーター、ENOプロモーター、TP1プロモーター、およびAOX1(例えば、ピキア属での使用のために)などである。適切なベクターおよびプロモーターの選択は、十分に当業者のレベルの範囲内である。
原核生物宿主細胞における使用のための好適なプロモーターには、バクテリオファージT7のRNAポリメラーゼプロモーター;trpプロモーター;lacオペロンプロモーター;ハイブリッドプロモーター、例えば、lac/tacハイブリッドプロモーター、tac/trcハイブリッドプロモーター、trp/lacプロモーター、T7/lacプロモーター;trcプロモーター;tacプロモーターおよび同様なプロモーター;araBADプロモーター;インビボ調節プロモーター、例えば、ssaGプロモーターまたは関連プロモーター(例えば、米国特許出願公開第20040131637号を参照のこと)、pagCプロモーター(Pulkkinen and Miller,J.Bacteriol.,1991:173(1):86-93;Alpuche-Aranda et al.,PNAS,1992;89(21):10079-83)、nirBプロモーター(Harborne et al.(1992),Mol.Micro.6:2805-2813)、および同様なプロモーター(例えば、Dunstan et al.(1999),Infect.Immun.67:5133-5141;McKelvie et al.(2004),Vaccine 22:3243-3255;およびChatfield et al.(1992),Biotechnol.10:888-892を参照のこと)など;シグマ70プロモーター、例えば、コンセンサスなシグマ70プロモーター(例えば、GenBankアクセション番号AX798980、同AX798961および同AX798183を参照のこと);定常期プロモーター、例えば、dpsプロモーターおよびspvプロモーターなど;病原性単離体SPI-2に由来するプロモーター(例えば、国際公開第WO96/17951号を参照のこと);actAプロモーター(例えば、Shetron-Rama et al.(2002),Infect.Immun.70:1087-1096を参照のこと);rpsMプロモーター(例えば、Valdivia and Falkow(1996).Mol.Microbiol.22:367を参照のこと);tetプロモーター(例えば、Hillen,W.and Wissmann,A.(1989),In Saenger,W.and Heinemann,U.(eds),Topics in Molecular and Structural Biology,Protein-Nucleic Acid Interaction.Macmillan,London,UK,Vol.10,pp.143-162を参照のこと);SP6プロモーター(例えば、Melton et al.(1984),Nucl.Acids Res.12:7035)を参照のこと);および同様なプロモーターが含まれるが、これらに限定されない。大腸菌などの原核生物における使用のための好適な強いプロモーターには、Trc、Tac、T5、T7およびPLambdaが含まれるが、これらに限定されない。細菌宿主細胞における使用のためのオペレーターの限定されない例には、ラクトースプロモーターオペレーター(LacIリプレッサータンパク質は、ラクトースと接触したときには立体配座を変化させ、それにより、LacIリプレッサータンパク質がオペレーターに結合することが妨げられる)、トリプトファンプロモーターオペレーター(トリプトファンと複合体化したときには、TrpRリプレッサータンパク質は、オペレーターと結合する立体配座を有する;トリプトファンの非存在下では、TrpRリプレッサータンパク質は、オペレーターに結合しない立体配座を有する)、およびtacプロモーターオペレーター(例えば、deBoer et al.(1983),Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.80:21-25を参照のこと)が含まれる。
主題の抗体をコードするヌクレオチド配列は発現ベクターおよび/またはクローニングベクターに存在させることができる。主題の抗体が2つの別個のポリペプチドを含む場合、これら2つのポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を同じベクターまたは別個のベクターにクローニングすることができる。発現ベクターは、選択マーカー、複製起点、ならびにベクターの複製および/または維持に備える他の特徴を含むことができる。
非常に多数の好適なベクターおよびプロモーターが当業者には知られており、多くが、主題の組換え構築物を作製するために市販されている。下記のベクトルが例として提供される。細菌:pBs、phagescript、PsiX174、pBluescript SK、pBs KS、pNH8a、pNH16a、pNH18a、pNH46a(Stratagene、La Jolla、Calif.、米国);pTrc99A、pKK223-3、pKK233-3、pDR540およびpRIT5(Pharmacia、Uppsala、スウェーデン)。真核生物:pWLneo、pSV2cat、pOG44、PXR1、pSG(Stratagene)pSVK3、pBPV、pMSGおよびpSVL(Pharmacia)。
発現ベクターは一般に、都合のよい制限部位が、異種タンパク質をコードする核酸配列の挿入に備えるためにプロモーター配列の近くに置かれている。発現宿主において機能的である選択マーカーが存在する場合がある。好適な発現ベクターには、ウイルスベクター(例えば、ワクシニアウイルスに基づくウイルスベクター;ポリオウイルスに基づくウイルスベクター;アデノウイルスに基づくウイルスベクター(例えば、Li et al.,Invest Opthalmol Vis Sci 35:2543 2549,1994;Borras et al.,Gene Ther 6:515 524,1999;Li and Davidson,PNAS 92:7700 7704,1995;Sakamoto et al.,H Gene Ther 5:1088 1097,1999;国際公開第94/12649号、国際公開第93/03769号;国際公開第93/19191号;国際公開第94/28938号;国際公開第95/11984号および国際公開第95/00655号を参照のこと);アデノ関連ウイルスに基づくウイルスベクター(例えば、Ali et al.,Hum Gene Ther 9:81 86,1998、Flannery et al.,PNAS 94:6916 6921,1997;Bennett et al.,Invest Opthalmol Vis Sci 38:2857 2863,1997;Jomary et al.,Gene Ther 4:683 690,1997、Rolling et al.,Hum Gene Ther 10:641 648,1999;Ali et al.,Hum Mol Genet 5:591 594,1996;Srivastava、国際公開第93/09239号;Samulski et al.,J.Vir.(1989)63:3822-3828;Mendelson et al.,Virol.(1988)166:154-165;およびFlotte et al.,PNAS(1993)90:10613-10617を参照のこと);SV40に基づくウイルスベクター;単純ヘルペスウイルスに基づくウイルスベクター;ヒト免疫不全ウイルスに基づくウイルスベクター(例えば、Miyoshi et al.,PNAS 94:10319 23,1997;Takahashi et al.,J Virol 73:7812 7816,1999を参照のこと);レトロウイルスベクター(例えば、マウス白血病ウイルス、脾臓壊死ウイルス、およびレトロウイルス(例えば、ラウス肉腫ウイルス、ハーベイ肉腫ウイルス、トリ白血病ウイルス、ヒト免疫不全ウイルス、骨髄増殖性肉腫ウイルスおよび乳ガンウイルスなど)に由来するベクター;および同様なウイルスベクターが含まれるが、これらに限定されない。
上記で記されるように、主題の核酸は、主題の抗体をコードするヌクレオチド配列を含む。主題の核酸は、上記で記載されるよう、抗GPC3重鎖および抗GPC3軽鎖をコードするヌクレオチド配列を含むことができる。
ある特定の局面において、抗GPC3重鎖をコードするヌクレオチド配列は、配列番号11または配列番号14に対する少なくとも50%の同一性(例えば、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性)を有するヌクレオチド配列を含む場合がある。
ある特定の局面において、抗GPC3軽鎖をコードするヌクレオチド配列は、配列番号12に対する少なくとも50%の同一性(例えば、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性)を有するヌクレオチド配列を含む場合がある。
細胞
本開示は、主題の核酸により遺伝子改変される単離された遺伝子改変宿主細胞(例えば、インビトロ細胞)を提供する。いくつかの実施形態において、主題の単離された遺伝子組換え宿主細胞は主題の抗体を産生することができる。
好適な宿主細胞には、真核生物宿主細胞、例えば、哺乳動物細胞、昆虫宿主細胞、酵母細胞など、および原核生物細胞、例えば、細菌細胞などが含まれる。主題の核酸を宿主細胞に導入することを、例えば、リン酸カルシウム沈殿、DEAEデキストラン媒介トランスフェクション、リポソーム媒介トランスフェクション、エレクトロポレーション、または他の知られている方法によって成し遂げることができる。
好適な哺乳動物細胞には、初代細胞および不死化細胞株が含まれる。好適な哺乳動物細胞株には、ヒト細胞株、ヒト以外の霊長類細胞株、およびげっ歯類(例えば、マウス、ラット)の細胞株などが含まれる。好適な哺乳動物細胞株には、HeLa細胞(例えば、American Type Culture Collection(ATCC)番号CCL-2)、CHO細胞(例えば、ATCC番号CRL9618、同CCL61、同CRL9096)、Vero細胞、NIH3T3細胞(例えば、ATCC番号CRL-1658)、Huh-7細胞、BHK細胞(例えば、ATCC番号CCL10)、PC12細胞(ATCC番号CRL1721)、COS細胞、COS-7細胞(ATCC番号CRL1651)、RAT1細胞、マウスL細胞(ATCC番号CCLI.3)、ヒト胚性腎(HEK)293細胞(ATCC番号CRL1573)、およびHLHepG2細胞などが含まれるが、これらに限定されない。
好適な酵母細胞には、ピキア・パストリス(Pichia pastoris)、ピキア・フィンランジカ(Pichia finlandica)、ピキア・トレハロフィラ(Pichia trehalophila)、ピキア・コクラマエ(Pichia koclamae)、ピキア・メンブラナエファシエンス(Pichia membranaefaciens)、ピキア・オプンチアエ(Pichia opuntiae)、ピキア・テルモトレランス(Pichia thermotolerans)、ピキア・サリクタリア(Pichia salictaria)、ピキア・グエルクウム(Pichia guercuum)、ピキア・ピジュペリ(Pichia pijperi)、ピキア・スチプチス(Pichia stiptis)、ピキア・メタノリカ(Pichia methanolica)、ピキア属菌種(Pichia sp.)、サッカロミセス・セレビジアエ(Saccharomyces cerevisiae)、サッカロミセス属菌種(Saccharomyces sp.)、ハンセヌラ・ポリモルファ(Hansenula polymorpha)、クルイベロミセス属菌種(Kluyveromyces sp.)、クルイベロミセス・ラクチス(Kluyveromyces lactis)、カンジダ・アルビカンス(Candida albicans)、アスペルギルス・ニジュランス(Aspergillus nidulans)、アスペルギルス・ニゲル(Aspergillus niger)、アスペルギルス・オリザエ(Aspergillus oryzae)、トリコデルマ・レエセイ(Trichoderma reesei)、クリソスポリウム・ルクノウェンセ(Chrysosporium lucknowense)、フザリウム属菌種(Fusarium sp.)、フザリウム・グラミネウム(Fusarium gramineum)、フザリウム・ベネナツム(Fusarium venenatum)、ノイロスポラ・クラッサ(Neurospora crassa)、およびクラミドモナス・レインハルドチイ(Chlamydomonas reinhardtii)などが含まれるが、これらに限定されない。
好適な原核生物細胞には、大腸菌、ラクトバシラス属菌種(Lactobacillus sp.)、サルモネラ属菌種(Salmonella sp.)およびシゲラ属菌種(Shigella sp)などの様々な実験室菌株のいずれもが含まれるが、これらに限定されない。例えば、Carrier et al.(1992),J.Immunol.148:1176-1181;米国特許第6,447,784号;およびSizemore et al.(1995),Science 270:299-302を参照のこと。本発明において用いることができるサルモネラ属菌株の例には、サルモネラ・チフィ(Salmonella typhi)(チフス菌)およびS.typhimurium(ネズミチフス菌)が含まれるが、これらに限定されない。好適なシゲラ属菌株には、シゲラ・フレクスネリ(Shigella flexneri)、シゲラ・ソンネイ(Shigella sonnei)およびシゲラ・ジセンテリアエ(Shigella disenteriae)が含まれるが、これらに限定されない。典型的には、実験室菌株は、非病原性である菌株である。他の好適な細菌の限定されない例には、バシラス・スブチリス(Bacillus subtilis)、シュードモナス・プチダ(Pseudomonas pudita)、シュードモナス・エルギノーサ(Pseudomonas aeruginosa)、シュードモナス・メバロニイ(Pseudomonas mevalonii)、ロードバクター・スフェロイデス(Rhodobacter sphaeroides)、ロードバクター・カプスラツス(Rhodobacter capsulatus)、ロードスピリルム・ルブルム(Rhodospirillum rubrum)、およびロードコックス属菌種(Rhodococcus sp.)などが含まれるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態において、宿主細胞は大腸菌である。
医薬組成物
本開示は、主題の抗体を含む組成物(医薬組成物を含む)を提供する。一般に、配合剤は、主題の抗体の効果的な量を含む。「効果的な量」は、所望の結果(例えば、ガン性細胞の数における低下)をもたらすために十分な投薬量を意味する。いくつかの場合において、所望の結果は、コントロールと比較した場合、少なくとも悪性腫瘍の症状における軽減である。
配合物
主題の方法において、主題の抗体を、所望の治療効果または診断効果をもたらすことができる好都合な手段をどのようなものであれ使用して宿主に投与することができる。したがって、薬剤を治療的投与のための様々な配合物に組み込むことができる。より具体的には、主題の抗体は、適切な医薬的に許容され得るキャリアまたは希釈剤との組み合わせによって医薬組成物に配合することができ、また、固体形態、半固体形態、液体形態またはガス状形態での調製物(例えば、錠剤、カプセル剤、粉末剤、顆粒剤、軟膏、液剤、坐剤、注射剤、吸入剤およびエアロゾルなど)に配合される場合がある。
医薬用の投薬形態物において、主題の抗体はその医薬的に許容され得る塩の形態で投与することができ、あるいは主題の抗体はまた、単独で、または他の医薬的に活性な化合物との組み合わせと同様に、他の医薬的に活性な化合物との適切な連携で使用される場合がある。下記の方法および賦形剤は単なる例示であり、決して限定的なものではない。
経口調製物のために、主題の抗体は単独で、あるいは錠剤、粉末剤、顆粒剤またはカプセル剤を作製するための適切な添加剤との組み合わせで、例えば、従来の添加剤(例えば、ラクトース、マンニトール、トウモロコシデンプンまたはジャガイモデンプンなど)、結合剤(例えば、結晶性セルロース、セルロース誘導体、アラビアゴム、トウモロコシデンプンまたはゼラチンなど)、崩壊剤(例えば、トウモロコシデンプン、ジャガイモデンプンまたはナトリウムカルボキシメチルセルロースなど)、滑剤(例えば、タルクまたはステアリン酸マグネシウムなど)、ならびに、所望されるならば、希釈剤、緩衝化剤、湿潤剤、防腐剤および矯味矯臭剤との組み合わせで使用することができる。
主題の抗体は、抗体を水性溶媒または非水性溶媒(例えば、植物油または他の類似する油、合成脂肪族酸グリセリド、高級脂肪酸またはプロピレングリコールのエステルなど)に、そして所望されるならば、従来の添加剤(例えば、可溶化剤、等張剤、懸濁化剤、乳化剤、安定剤および防腐剤など)とともに溶解することによって、懸濁することによって、または乳化することによって注射用の調製物に配合することができる。
主題の抗体を含む医薬組成物が、所望の程度の純度を有する抗体を随意的な生理学的に許容され得るキャリア、賦形剤、安定剤、界面活性剤、緩衝剤および/または等張化剤と混合することによって調製される。許容され得るキャリア、賦形剤および/または安定剤は、用いられる投薬量および濃度でレシピエントに対して非毒性であり、これらには、緩衝剤、例えば、リン酸塩、クエン酸塩および他の有機酸など;酸化防止剤、例えば、アスコルビン酸、グルタチオン、システイン、メチオニンおよびクエン酸など;防腐剤(例えば、エタノール、ベンジルアルコール、フェノール、m-クレゾール、p-クロル-m-クレゾール、メチルパラベンもしくはプロピルパラベン、塩化ベンザルコニウム、またはそれらの組み合わせなど);アミノ酸、例えば、アルギニン、グリシン、オルニチン、リシン、ヒスチジン、グルタミン酸、アスパラギン酸、イソロイシン、ロイシン、アラニン、フェニルアラニン、チロシン、トリプトファン、メチオニン、セリン、プロリン、およびそれらの組み合わせなど;単糖、二糖および他の炭水化物;低分子量(約10残基未満)のポリペプチド;タンパク質、例えば、ゼラチンまたは血清アルブミンなど;キレート化剤、例えば、EDTAなど;糖、例えば、トレハロース、スクロース、ラクトース、グルコース、マンノース、マルトース、ガラクトース、フルクトース、ソルボース、ラフィノース、グルコサミン、N-メチルグルコサミン、ガラクトサミンおよびノイラミン酸など;ならびに/あるいは非イオン性界面活性剤、例えば、Tween、Brij Pluronics、Triton-X、またはポリエチレングリコール(PEG)などが含まれる。
医薬組成物は、液体形態、凍結乾燥形態、または凍結乾燥形態から再構成される液体形態である場合があり、ただし、凍結乾燥調製物は投与前に滅菌溶液により再構成されなければならない。凍結乾燥組成物を再構成するための標準的な手順は、一定体積の純水(典型的には、凍結乾燥時に除かれる体積に等しい)を戻すことである。しかしながら、抗菌剤を含む溶液が、非経口投与のための医薬組成物を製造するために使用される場合がある;Chen(1992),Drug Dev Ind Pharm 18,1311-54もまた参照のこと。
主題の医薬組成物における例示的な抗体濃度が約1mg/mLから約200mg/mlにまで、または約50mg/mLから約200mg/mLにまで、または約150mg/mLから約200mg/mLにまで及ぶ場合がある。
抗体の水性配合物が、pH緩衝化溶液において、例えば、約4.0~約7.0、もしくは約5.0~約6.0の範囲でのpHで、または代替では約5.5のpHで調製される場合がある。この範囲に含まれるpHのために好適である緩衝液の例には、リン酸緩衝液、ヒスチジン緩衝液、クエン酸緩衝液、コハク酸緩衝液、酢酸緩衝液および他の有機酸緩衝液が含まれる。緩衝液濃度は、例えば、緩衝液および配合物の所望の張度に依存して、約1mM~約100mM、または約5mM~約50mMであることが可能である。
等張化剤が、配合物の張性を調節するために抗体配合物に含まれる場合がある。例示的な等張化剤には、塩化ナトリウム、塩化カリウム、グリセリン、およびどのような成分であれアミノ酸の群からの成分、糖、同様にまたそれらの組み合わせが含まれる。いくつかの実施形態において、水性配合物は等張性であり、だが、高張性または低張性の溶液が好適である場合がある。用語「等張性(の)」は、比較される何らかの他の溶液(例えば、生理的塩類溶液または血清など)と同じ張性を有する溶液を意味する。等張化剤が約5mM~約350mMの量で、例えば、100mM~350nMの量で使用される場合がある。
界面活性剤もまた、配合された抗体の凝集を低減するために、および/または配合物における微粒子の形成を最小限に抑えるために、および/または吸着を低減するために抗体配合物に加えられる場合がある。例示的な界面活性剤には、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(Tween)、ポリオキシエチレンアルキルエーテル(Brij)、アルキルフェニルポリオキシエチレンエーテル(Triton-X)、ポリオキシエチレン-ポリオキシプロピレンコポリマー(Poloxamer、Pluronic)、およびドデシル硫酸ナトリウム(SDS)が含まれる。好適なポリオキシエチレンソルビタン-脂肪酸エステルの例が、ポリソルベート20(これはTween20(商標)の商標で販売される)、およびポリソルベート80(これはTween80(商標)の商標で販売される)である。好適なポリエチレン-ポリプロピレンコポリマーの例が、Pluronic(登録商標)F68またはPoloxamer188(商標)の名称で販売されるものである。好適なポリオキシエチレンアルキルエーテルの例が、Brij(商標)の商標で販売されるものである。界面活性剤の例示的な濃度が約0.001%から約1%w/vにまで及ぶ場合がある。
凍結保護剤もまた、不安定な有効成分(例えば、タンパク質)を凍結乾燥プロセス時の不安定化条件から保護するために加えられる場合がある。例えば、知られている凍結保護剤には、糖(グルコースおよびスクロースが含まれる)、ポリオール(マンニトール、ソルビトールおよびグリセロールが含まれる)、およびアミノ酸(アラニン、グリシンおよびグルタミン酸が含まれる)が含まれる。凍結保護剤を約10mM~500nMの量で含むことができる。
いくつかの実施形態において、主題の配合物は、主題の抗体、および上記で特定された薬剤(例えば、界面活性剤、緩衝剤、安定剤、等張化剤)の1つまたは複数を含み、かつ、1つまたは複数の防腐剤(例えば、エタノール、ベンジルアルコール、フェノール、m-クレゾール、p-クロル-m-クレゾール、メチルパラベンまたはプロピルパラベン、塩化ベンザルコニウム、およびそれらの組み合わせなど)を本質的に含まない。他の実施形態において、防腐剤が、例えば、約0.001~約2%(w/v)の範囲での濃度で配合物に含まれる。
例えば、主題の配合物は、非経口投与のために好適な液体配合物または凍結乾燥配合物であることが可能であり、約1mg/mL~約200mg/mLの主題の抗体、約0.001%~約1%の少なくとも1つの界面活性剤、約1mM~約100mMの緩衝剤、随意的に約10mM~約500mMの安定剤、および約5mM~約305mMの等張化剤を含むことができ、pHが約4.0~約7.0である。
別の一例として、主題の非経口用配合物は、約1mg/mL~約200mg/mLの主題の抗体、0.04%のTween20(w/v)、20mMのL-ヒスチジン、および250mMのスクロースを含む液体配合物または凍結乾燥配合物であり、pHが5.5である。
別の一例として、主題の非経口用配合物は、1)15mg/mLの主題の抗体、0.04%のTween20(w/v)、20mMのL-ヒスチジン、および250mMのスクロースを含む凍結乾燥配合物を含み、pHが5.5であり、または2)75mg/mLの主題の抗体、0.04%のTween20(w/v)、20mMのL-ヒスチジン、および250mMのスクロースを含む凍結乾燥配合物を含み、pHが5.5であり、または3)75mg/mLの主題の抗体、0.02%のTween20(w/v)、20mMのL-ヒスチジン、および250mMのスクロースを含む凍結乾燥配合物を含み、pHが5.5であり、または4)75mg/mLの主題の抗体、0.04%のTween20(w/v)、20mMのL-ヒスチジン、および250mMのトレハロースを含む凍結乾燥配合物を含み、pHが5.5であり、または6)75mg/mLの主題の抗体、0.02%のTween20(w/v)、20mMのL-ヒスチジン、および250mMのトレハロースを含む凍結乾燥配合物を含み、pHが5.5である。
別の一例として、主題の非経口用配合物は、1)7.5mg/mLの主題の抗体、0.022%のTween20(w/v)、120mMのL-ヒスチジン、および250 125mMのスクロースを含む液体配合物であり、pHが5.5であり、または2)37.5mg/mLの主題の抗体、0.02%のTween20(w/v)、10mMのL-ヒスチジン、および125mMのスクロースを含む液体配合物であり、pHが5.5であり、または3)37.5mg/mLの主題の抗体、0.01%のTween20(w/v)、10mMのL-ヒスチジン、および125mMのスクロースを含む液体配合物であり、pHが5.5であり、または4)37.5mg/mLの主題の抗体、0.02%のTween20(w/v)、10mMのL-ヒスチジン、および125mMのトレハースを含む液体配合物であり、pHが5.5であり、または5)37.5mg/mLの主題の抗体、0.01%のTween20(w/v)、10mMのL-ヒスチジン、および125mMのトレハースを含む液体配合物であり、pHが5.5であり、または6)5mg/mLの主題の抗体、0.02%のTween20(w/v)、20mMのL-ヒスチジン、および250mMのトレハースを含む液体配合物であり、pHが5.5であり、または7)75mg/mLの主題の抗体、0.02%のTween20(w/v)、20mMのL-ヒスチジン、および250mMのマンニトールを含む液体配合物であり、pHが5.5であり、または8)75mg/mLの主題の抗体、0.02%のTween20(w/v)、20mMのL-ヒスチジン、および140mMの塩化ナトリウムを含む液体配合物であり、pHが5.5であり、または9)150mg/mLの主題の抗体、0.02%のTween20(w/v)、20mMのL-ヒスチジン、および250mMのトレハースを含む液体配合物であり、pHが5.5であり、または10)150mg/mLの主題の抗体、0.02%のTween20(w/v)、20mMのL-ヒスチジン、および250mMのマンニトールを含む液体配合物であり、pHが5.5であり、または11)150mg/mLの主題の抗体、0.02%のTween20(w/v)、20mMのL-ヒスチジン、および140mMの塩化ナトリウムを含む液体配合物であり、pHが5.5であり、または12)10mg/mLの主題の抗体、0.01%のTween20(w/v)、20mMのL-ヒスチジン、および40mMの塩化ナトリウムを含む液体配合物であり、pHが5.5である。
主題の抗体は、吸入を介して投与されるためのエアロゾル配合物で利用することができる。主題の抗体は、加圧された許容され得る噴射剤(例えば、ジクロロジフルオロメタン、プロパンおよび窒素など)の中に配合されることが可能である。
さらに、主題の抗体は、様々な基剤(例えば、乳化基剤または水溶性基剤など)と混合することによって坐剤にすることができる。主題の抗体は坐剤により直腸投与することができる。坐剤は、体温で融解し、それにもかかわらず、室温では固化するビヒクル(例えば、カカオバター、カーボワックスおよびポリエチレングリコールなど)を含むことができる。
経口投与または直腸投与のための単位投薬形態物、例えば、シロップ剤、エリキシル剤および懸濁剤などが提供される場合があり、ただし、それぞれの投薬単位(例えば、小さじ1杯分、大さじ1杯分、錠剤または坐剤)が、1つまたは複数の阻害剤を含有する組成物の所定量を含有する。同様に、注射または静脈内投与のための単位投薬形態物は、主題の抗体を、滅菌水、生理食塩水または別の医薬的に許容され得るキャリアにおける溶液としての組成物に含む場合がある。
用語「単位投薬形態物」は、本明細書中で使用される場合、ヒト対象および動物対象のための単位となる投薬として好適な物理的に別個の単位物であって、医薬的に許容され得る希釈剤、キャリアまたはビヒクルとの連携で所望の効果を生じさせるために十分な量で計算される所定量の本発明の化合物をそれぞれが含有する物理的に別個の単位物を示す。主題の抗体についての規格は、用いられる特定の抗体および達成されることになる効果、ならびに宿主におけるそれぞれの抗体に関連する薬力学に依存することがある。
他の投与様式もまた、本発明と一緒での使用が見出されるであろう。例えば、主題の抗体は坐剤で配合することができ、いくつかの場合にはエアロゾル組成物および鼻腔内組成物で配合することができる。坐剤のために、ビヒクル組成物は、従来の結合剤およびキャリア、例えば、ポリアルキレングリコールまたはトリグリセリドなどを含むであろう。そのような坐剤は、有効成分を約0.5%~約10%(w/w)の範囲で含有する混合物から、例えば、有効成分を約1%~約2%の範囲で含有する混合物から形成される場合がある。
鼻腔内配合物は通常、鼻粘膜に対する刺激を引き起こすこと、または毛様体機能を有意に妨害することのどちらもないビヒクルを含むであろう。様々な希釈剤(例えば、水、生理食塩水溶液または他の知られている物質など)を本発明とともに用いることができる。経鼻配合物はまた、防腐剤(例えば、限定されないが、クロロブタノールおよび塩化ベンザルコニウムなど)を含有する場合がある。界面活性剤が、主題のタンパク質の鼻粘膜による吸収を増強するために存在する場合がある。
主題の抗体は注射用配合物として投与することができる。典型的には、注射用組成物が液体溶液または懸濁物として調製される。注射に先立つ液体ビヒクルにおける溶解または懸濁のために好適である固体形態物もまた調製される場合がある。調製物はまた乳化される場合があり、または抗体がリポソームビヒクルに封入される場合がある。
好適な賦形剤ビヒクルが、例えば、水、生理食塩水、デキストロース、グリセロールまたはエタノールなど、およびそれらの組み合わせである。加えて、所望されるならば、ビヒクルは、少量の補助的な物質、例えば、湿潤化剤もしくは乳化剤またはpH緩衝化剤などを含有する場合がある。そのような投薬形態物を調製する様々な実際の方法が当業者には知られており、または当業者には明らかであろう。例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences(Mack Publishing Company、Easton、Pennsylvania、第17版、1985年)を参照のこと。投与されることになる組成物または配合物はいずれにせよ、所望の状態を処置中の対象において達成するために十分な量の主題の抗体を含有するであろう。
医薬的に許容され得る賦形剤(例えば、ビヒクル、補助剤、キャリアまたは希釈剤など)は、容易に一般に利用可能である。そのうえ、様々な医薬的に許容され得る補助的な物質(例えば、pH調節剤およびpH緩衝化剤、張性調節剤、安定剤、ならびに湿潤化剤など)が、容易に一般に利用可能である。
いくつかの実施形態において、主題の抗体は制御放出配合物で配合される。持続放出調製物が、この技術分野において広く知られている方法を使用して調製される場合がある。持続放出調製物の好適な例には、形状化品(例えば、フィルムまたはマイクロカプセル)の形態である、抗体を含有する固体疎水性ポリマーの半透過性マトリックスが含まれる。持続放出マトリックスの例には、ポリエステル、L-グルタミン酸およびL-グルタミン酸エチルのコポリマー、非分解性エチレン-酢酸ビニル、ヒドロゲル、ポリラクチド、分解性乳酸-グリコール酸コポリマー、ならびにポリ-D-(-)-3-ヒドロキシ酪酸が含まれる。持続放出調製物に含まれる抗体の生物学的活性の起こり得る喪失および免疫原性の起こり得る変化が、適切な添加剤を使用することによって、水分含有量を制御することによって、また、特定のポリマーマトリックス組成物を開発することによって防止される場合がある。
本発明の範囲内である制御放出は、多数の延長放出投薬形態物のいずれか1つを意味すると解釈することができる。下記の用語が、本発明の目的のために、制御放出と実質的に同等であると見なされる場合がある:連続放出、制御放出、遅延放出、デポー、徐々の放出、長期間放出、プログラム化放出、長期にわたる放出、比例放出、長期化された放出、持続的(repository)、遅延させる(retard)、緩速放出、一定間隔での放出、持続放出、時間被覆、時間設定された放出、遅延した作用、延長された作用、重層化された時間作用、長く作用すること、長期にわたる作用、反復した作用、作用することを遅くすること、持続した作用、持続した作用の薬物療法、および延長放出。これらの用語のさらなる議論が、Lesczek Krowczynski,Extended-Release Dosage Forms,1987(CRC Pres,Inc.)に見出され得る。
様々な制御放出技術により、非常に広範囲の薬物投薬形態物が扱われる。制御放出技術には、物理的システムおよび化学的システムが含まれるが、これらに限定されない。
物理的システムには、速度制御膜を用いるリザーバーシステム、例えば、マイクロカプセル化、マクロカプセル化および膜システムなど;速度制御膜を伴わないリザーバーシステム、例えば、中空繊維、超微孔性セルローストリアセタート、ならびに多孔性のポリマー基材およびフォームなど;モノリシックシステム、これには、非多孔質マトリックス、ポリマーマトリックスまたはエラストマーマトリックス(例えば、非侵食性、侵食性、環境因子進入性および分解性のもの)に物理的に溶解されるそのようなシステム、および非多孔質マトリックス、ポリマーマトリックスまたはエラストマーマトリックス(例えば、非侵食性、侵食性、環境因子進入性および分解性のもの)に物理的に分散される材料が含まれる;外側の制御層と化学的に類似または非類似のリザーバー層を含む積層構造物;ならびに他の物理的方法、例えば、浸透圧ポンプ、またはイオン交換樹脂への吸着などが含まれるが、これらに限定されない。
化学的システムには、ポリマーマトリックスの化学的侵食(例えば、不均一的または均一的な浸食)、またはポリマーマトリックスの生物学的侵食(例えば、不均一的または均一的)が含まれるが、これらに限定されない。制御放出のためのシステムの様々なカテゴリーのさらなる議論が、Agis F.Kydonieus,Controlled Release Technologies:Methods,Theory and Applications,1980(CRC Press,Inc.)に見出され得る。
経口投与のために開発される多数の制御放出薬物配合物が存在する。これらには、浸透圧制御された胃腸送達システム;流体力学的な圧力制御された胃腸送達システム;微孔性膜透過制御された胃腸送達デバイスを含めて、膜透過制御された胃腸送達システム;胃液抵抗性の腸標的化された制御放出胃腸送達デバイス;ゲル拡散制御された胃腸送達システム;ならびにカチオン性薬物およびアニオン性薬物を含むイオン交換制御された胃腸送達システムが含まれるが、これらに限定されない。制御放出薬物送達システムに関するさらなる情報が、Yie W.Chien,Novel Drug Delivery Systems,1992(Marcel Dekker,Inc.)に見出され得る。
投薬量
好適な投与量が、様々な臨床的要因に基づいて主治医または他の医療資格者によって決定されることが可能である。医学分野では広く知られているように、どのような患者であれ1人の患者のための投薬量は、患者のサイズ、体表面積、年齢、投与されることになる特定の化合物、患者の性別、投与時間および投与経路、全身の健康状態、ならびに同時に投与されている他の薬物を含めて多くの要因に依存する。主題の抗体は、服用あたり1ng/kg体重~20mg/kg体重の間での量で、例えば、0.1mg/kg体重~10mg/kg体重の間での量で、例えば、0.5mg/kg体重~5mg/kg体重の間での量で投与される場合があり、しかしながら、とりわけ前述の要因を考慮して、この例示的範囲よりも少ない用量またはこの例示的範囲よりも大きい用量が想定される。治療計画が持続注入であるならば、投薬量はまた、1分あたり1キログラムの体重につき1μg~10mgの範囲であることが可能である。
当業者は、用量レベルが、特定の抗体、症状の重篤度、および副作用に対する対象の感受性の関数として変動し得ることを容易に理解するであろう。所与の化合物についての好ましい投薬量が、様々な手段によって当業者によって容易に決定可能である。
投与経路
主題の抗体は、インビボ方法およびエクスビボ方法、同様にまた、投与の全身的な経路および限局化された経路を含めて、薬物送達のために好適である利用可能な方法および経路をどのようなものであれ使用して個体に投与される。
従来的な、かつ医薬的に許容され得る投与経路には、鼻腔内、筋肉内、気管内、皮下、皮内、外用(topical)適用、静脈内、動脈内、直腸、経鼻、経口、ならびに他の経腸および非経口による投与経路が含まれる。投与経路は、抗体および/もしくは所望の効果に依存して、所望されるならば組み合わされる場合があり、または調節される場合がある。主題の抗体組成物は単回服用で、または多数回の服用で投与することができる。いくつかの実施形態において、主題の抗体組成物は経口投与される。いくつかの実施形態において、主題の抗体組成物は吸入経路により投与される。いくつかの実施形態において、主題の抗体組成物は鼻腔内投与される。いくつかの実施形態において、主題の抗体組成物は局所投与される。いくつかの実施形態において、主題の抗体組成物は頭蓋内投与される。いくつかの実施形態において、主題の抗体組成物は静脈内投与される。
薬剤は、全身的な経路または限局化された経路を含めて、従来型薬物の送達のために好適である利用可能な従来の方法および経路をどのようなものであれ使用して宿主に投与することができる。一般に、本発明によって意図される投与経路には、経腸経路、非経口経路または吸入経路が含まれるが、必ずしもこれらに限定されない。
吸入投与以外の投与の非経口経路には、外用経路、経皮経路、皮下経路、筋肉内経路、眼窩内経路、嚢内経路、脊髄内経路、胸骨内経路、肝臓内経路および静脈内経路、すなわち、どのような経路であれ消化管経由以外の投与経路が含まれるが、必ずしもこれらに限定されない。非経口投与を、主題の抗体の全身送達または局所送達を達成するために行うことができる。全身送達が所望される場合、投与は典型的には、医薬調製物の侵襲的な、または全身吸収の外用投与または粘膜投与が伴う。
主題の抗体はまた、経腸投与によって対象に送達することもできる。経腸投与経路には、経口送達、および直腸送達(例えば、坐剤を使用する)が含まれるが、必ずしもこれらに限定されない。
処置によって、宿主を苦しめる病理学的状態に伴う症状の改善が少なくとも意味され、この場合、改善は、処置されている病理学的状態(例えば、B細胞悪性腫瘍またはB細胞媒介性自己免疫障害など)に関連するパラメーター(例えば、症状)の大きさにおける軽減を少なくとも示すために広い意味で使用される。そのようなものとして、処置にはまた、病理学的状態、または少なくとも当該病理学的状態に伴う症状が完全に抑制され、例えば、生じることが防止され、または停止させられ、例えば、終結させられ、その結果、宿主がもはやこの病理学的状態に苦しまないように、またはこの病理学的状態を特徴づける症状に少なくとも苦しまないようになる状況が含まれる。
いくつかの実施形態において、主題の抗体は注射によって、例えば、全身送達のために(例えば、静脈内注入)、または局所部位に投与される。
様々な宿主(ただし、この場合、用語「宿主」は、用語「対象」、用語「個体」および用語「患者」と本明細書中では交換可能に使用される)が、主題の方法に従って処置可能である。一般に、そのような宿主は「哺乳動物」または「哺乳類」であり、この場合、これらの用語は、食肉目(例えば、イヌおよびネコ)、齧歯目(例えば、マウス、モルモットおよびラット)、および霊長目(例えば、ヒト、チンパンジーおよびサル)を含めて哺乳綱の範囲に含まれる生物を記述するために幅広く使用される。いくつかの実施形態において、宿主はヒトであろう。
単位服用量の主題の抗体を、例えば、経口服用物または注射用服用物において含むキットが提供される。そのようなキットにおいては、単位服用量を含有する容器に加えて、目的とする病理学的状態を処置する際における抗体の使用および付随する利益を記載する情報提供の添付文書が存在するであろう。好ましい化合物および単位服用量が、本明細書中上記で記載されるものである。
処置方法
本開示は、GPC3陽性細胞、例えば、ガン性GPC3陽性細胞、自己反応性GPC3陽性細胞に伴う疾患もしくは障害、またはGPC3陽性細胞、例えば、ガン性GPC3陽性細胞、自己反応性GPC3陽性細胞によって引き起こされる疾患もしくは障害を処置する方法を提供する、
悪性腫瘍の処置
本開示は、固形腫瘍または血液学的悪性腫瘍を含めて悪性腫瘍を処置する方法であって、その必要性のある個体(例えば、悪性腫瘍を有する個体)に、効果的な量の主題の抗体を単独で(例えば、単独療法で)、または1つもしくは複数のさらなる治療剤との組み合わせで(例えば、併用療法で)投与することが一般に伴う方法を提供する。
悪性腫瘍には、例えば、HCC、非ホジキンリンパ腫、バーキットリンパ腫、多発性骨髄腫、慢性リンパ球性白血病、ヘアリー細胞白血病、前リンパ球性白血病、肛門ガン、虫垂ガン、胆管ガン(すなわち、胆管細胞ガン)、膀胱ガン、脳腫瘍、乳ガン、子宮頸ガン、結腸ガン、原発不明ガン(CUP)、食道ガン、眼ガン、卵管ガン、消化器ガン、腎臓ガン、肝臓ガン、肺ガン、髄芽細胞腫、黒色腫、口腔ガン、卵巣ガン、膵臓ガン、副甲状腺疾患、陰茎ガン、下垂体腫瘍、前立腺ガン、直腸ガン、皮膚ガン、胃ガン、精巣ガン、咽喉ガン、甲状腺ガン、子宮ガン、膣ガンおよび外陰ガンなどが含まれる。
いくつかの実施形態において、主題の抗体の効果的な量は、1回または複数回の服用においてであれ単独で(例えば、単独療法で)、または1つもしくは複数のさらなる治療剤との組み合わせで(例えば、併用療法で)投与されるときにおいて、個体におけるガン性細胞の数を、当該抗体による処置が行われない個体におけるガン性細胞の数と比較して少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、またはそれ以上低下させるために効果的である量である。
併用療法
いくつかの実施形態において、悪性腫瘍を処置する主題の方法は、主題の抗体と、1つまたは複数のさらなる治療剤とを投与することが伴う。好適なさらなる治療剤には、(上記で記載されるような)ガン化学療法剤が含まれるが、これらに限定されない。
処置のために好適な対象
様々な対象が、主題の方法による処置のために好適である。好適な対象には、どのような個体であれ、悪性腫瘍を有する個体(例えば、ヒト);悪性腫瘍と診断されている個体(例えば、ヒト);悪性腫瘍を有したことがあり、当該悪性腫瘍の再発についての危険性がある個体(例えば、ヒト);主題の抗GPC3抗体とは別の薬剤により悪性腫瘍について処置されたことがあり(例えば、ガン化学療法剤により処置されたことがあり)、かつ当該薬剤に応答しなかった個体(例えば、ヒト);または主題の抗GPC3抗体とは別の薬剤により悪性腫瘍について処置されたことがあり(例えば、ガン化学療法剤により処置されたことがあり)、かつ最初は当該薬剤に応答したが、その後では応答しなくなった(例えば、再燃した)個体(例えば、ヒト)が含まれる。
検出方法
本開示は、主題の抗体を使用することが伴う様々な検出方法を提供する。検出方法には、診断方法、予後診断方法、およびモニタリング方法が含まれる。主題の検出方法は一般には、GPC3陽性細胞(例えば、ガン性細胞)を検出することが伴う。
いくつかの実施形態において、主題の方法は診断方法であり、例えば、個体が悪性腫瘍を有するかどうかを判定するための診断方法である。
いくつかの実施形態において、主題の方法はモニタリング方法であり、例えば、悪性腫瘍を有すると診断されており、かつ当該障害について処置中である個体が、当該障害の当該処置に対する応答および/または当該障害の進行/退行についてモニターされる。
いくつかの場合において、主題の検出方法は、本開示の検出可能に標識された抗GPC3抗体を個体に投与すること、および前記個体における組織に対する前記抗体の結合を検出することが伴う。検出を、例えば、磁気共鳴画像法または他の好適な造影技術によって達成することができる。
他の例において、主題の検出方法は、本開示の検出可能に標識された抗GPC3抗体を個体から得られる生体サンプルと接触させること、および前記生体サンプルにおける分子への前記抗体の結合を検出することが伴う。
抗GPC3抗体は直接的または間接的に標識することができる。間接的な標識には、検出可能な標識を含む二次抗体が含まれ、この場合、二次抗体が主題の抗GPC3抗体と結合する。他の間接的な標識には、ビオチンが含まれ、この場合には、ビオチン化された抗GPC3抗体を、検出可能な標識を含むアビジンまたはストレプトアビジンを使用して検出することができる。
好適な検出可能な標識には、分光学的、光化学的、生化学的、免疫化学的、電気的、光学的または化学的な手段によって検出可能な組成物がどのようなものであれ含まれる。好適なものには、磁気ビーズ(例えば、Dynabeads(商標))、蛍光色素(例えば、フルオレセインイソチオシアナート、テキサスレッド、ローダミン、緑色蛍光タンパク質、赤色蛍光タンパク質、黄色蛍光タンパク質および同様な蛍光色素)、放射性標識(例えば、3H、125I、35S、14C、または32P)、酵素(例えば、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)において一般に使用される西洋ワサビペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ、ルシフェラーゼおよび他の酵素)、および比色用標識、例えば、コロイド状金またはガラスまたはプラスチック(例えば、ポリスチレン、ポリプロピレン、ラテックスなど)の着色ビーズが含まれるが、これらに限定されない。
いくつかの実施形態において、主題の抗体は造影剤または放射性同位体を含み、この場合、造影剤または放射性同位体は、造影における使用、例えば、ヒトに対して行われる造影手法における使用のために好適であるものである。標識の限定されない例には、放射性同位体、例えば、1231I(ヨウ素)、18F(フッ素)、99Tc(テクネチウム)、111In(インジウム)および67Ga(ガリウム)など、ならびに造影剤、例えば、ガドリニウム(Gd)、ジスプロシウムおよび鉄などが含まれる。放射性Gd同位体(153Gd)もまた利用可能であり、ヒト以外の哺乳動物における造影手法のために好適である。主題の抗体は、標準的な技術を使用して標識することができる。例えば、主題の抗体は、クロラミンTまたは1,3,4,6-テトラクロロ-3α,6α-デフェニルグリコウリルを使用してヨウ素化することができる。フッ素化については、フッ素が、フッ化物イオン置換反応によって合成期間中に主題の抗体に付加される。そのような放射性同位体を用いたタンパク質の合成の総説については、Muller-Gartner,H.,TIB Tech.,16:122-130(1998)、およびSaji,H.,Crit.Rev.Ther.Drug Carrier Syst.,16(2):209-244(1999)を参照のこと。主題の抗体はまた、標準的な技術を介して造影剤により標識することができる。例えば、主題の抗体は、Gdによる標識化を、低分子量のGdキレート(例えば、Gdジエチレントリアミン五酢酸(GdDTPA)またはGdテトラアザシクロドデカン四酢酸(GdDOTA)など)を抗体に接合することによって行うことができる。Caravan et al.,Chem.Rev.99:2293-2352(1999)、およびLauffer et al.,J.Magn.Reson.Imaging,3:11-16(1985)を参照のこと。主題の抗体は、Gdによる標識化を、例えば、ポリリシン-Gdキレートを抗体に接合することによって行うことができる。例えば、Curtet et al.,Invest.Radiol.,33(10):752-761(1998)を参照のこと。代替において、主題の抗体は、Gdによる標識化を、Gdキレーター脂質をアビジンとともに含む常磁性重合リポソームと、ビオチン化抗体とをインキュベーションすることによって行うことができる。例えば、Sipkins et al.,Nature Med.,4:623-626(1998)を参照のこと。
主題の抗体に連結することができる好適な蛍光タンパク質には、エクオリア・ビクトリア(Aequoria victoria)由来の緑色蛍光タンパク質またはその変異体または誘導体、例えば、米国特許第6,066,476号、同第6,020,192号、同第5,985,577号、同第5,976,796号、同第5,968,750号、同第5,968,738号、同第5,958,713号、同第5,919,445号、同第5,874,304号に記載されるようなもの;例えば、強化型GFP、市販されている多くのそのようなGFP、例えば、Clontech,Inc.から市販されているもの;赤色蛍光タンパク質;黄色蛍光タンパク質;花虫綱(Anthozoa)の種から得られる様々な蛍光タンパク質および有色タンパク質のいずれか、例えば、Matz et al.(1999),Nature Biotechnol.17:969-973に記載されるようなもの;および同様な蛍光タンパク質が含まれるが、これらに限定されない。
キット
本開示は、主題の抗体を含むキット(例えば、試験キット)を提供する。主題のキットは、主題の検出方法を行うために有用である。
主題のキットは、主題の抗体、主題の抗体をコードする核酸、または主題の核酸を含む細胞のうちの1つまたは複数を含むことができる。主題のキットにおける主題の抗体はヒト化することができる。主題のキットは、抗体を標識するための試薬を含むことができる。いくつかの実施形態において、主題のキットにおける抗体は検出可能な標識を含む。
キットの他の随意的成分には、緩衝液、プロテアーゼ阻害剤、検出可能な標識などが含まれる。主題のキットが主題の核酸を含む場合、核酸はまた、制限部位、多重クローニング部位、プライマー部位などを有する場合がある。キットの様々な成分が別個の容器に存在する場合があり、または、ある特定の適合する成分が所望に応じて、ただ1つの容器に事前に組み合わされる場合がある。
上述の成分に加えて、主題のキットは、主題の方法を実施するためにキットの成分を使用するための説明書を含むことができる。主題の方法を実施するための説明書は一般には、好適な記録媒体に記録される。例えば、説明書は、紙またはプラスチックなどの基体に印刷される場合がある。そのようなものとして、説明書は、キットまたはその成分の容器のラベル表示(すなわち、包装または分割包装に伴うラベル表示)などで添付文書としてキットに存在する場合がある。他の実施形態において、説明書は、好適なコンピューター可読記憶媒体(例えば、コンパクトディスク読み出し専用メモリ(CD-ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)、ディスケットなど)に存在する電子的記憶データファイルとして存在する。さらに他の実施形態において、実際の説明書がキットには存在せず、しかし、説明書を遠方の提供元から、例えば、インターネットを介して得るための手段が提供される。この実施形態の一例が、説明書を閲覧することができる、および/または説明書をダウンロードすることができるウエブアドレスを含むキットである。説明書の場合と同様に、説明書を得るためのこの手段が、好適な基体に記録される。
[実施例]
以下の実施例は、本発明がいかにしてなされるか、また、使用されるかの完全な開示および説明を当業者に提供するように記載されており、本発明者らが本発明者らの発明として見なすものの範囲を限定することは意図されず、また、下記の実験が、行われたすべての実験または唯一の実験であることを表すことも意図されない。努力が、使用される数字(例えば、量、温度など)に関して正確性を確保するためになされており、しかし、いくらかの実験誤差および偏差を認めなければならない。別途示される場合を除き、部は重量部であり、分子量は重量平均分子量であり、温度は摂氏度であり、圧力は大気圧または大気圧付近である。標準的な略語が使用される場合がある:例えば、bp、塩基対;kb、キロベース;pl、ピコリットル;sまたはsec、秒;min、分;hまたはhr、時間;aa、アミノ酸;kb、キロベース;bp、塩基対;nt、ヌクレオチド;i.m.、筋肉内(筋肉内に);i.p.、腹腔内(腹腔内に);s.c.、皮下(皮下に);など。実施例において言及される市販の試薬を、別途示される場合を除き、製造者の説明書に従って使用した。ECACCアクセッション番号によって実施例において、また本明細書全体にわたって特定される細胞の供給元は、European Collection of Cell Cultures(ECACC)(Salisbury、英国)である。別途定義される場合を除き、本明細書中で使用されるすべての技術用語および科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般に理解されるのと同じ意味を有する。例示的な方法および材料が下記に記載され、だが、本明細書中に記載される方法および材料と類似する、または同等である方法および材料もまた、本発明の実施または試験において使用することができる。材料、方法および実施例は例示であるにすぎず、範囲において限定であることは意図されない。
[実施例1]
CAT-07モノクローナル抗体
CAT-07は、ヒトグリピカン-3に対するヒトIgG1カッパモノクローナル抗体である。凝集を判定するために、CAT-07含有サンプルを、300mM NaCl、25mMリン酸ナトリウム(pH6.8)の移動相を用いる分析用サイズ排除クロマトグラフィー(SEC;Tosoh #08541)を使用して分析した。図1は、サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)によって判定される場合、CAT-07モノクローナル抗体は99%超がモノマー型であることを示す。
ELISAを行うために、Maxisorp 96ウエルプレート(Nunc)を4℃で一晩、PBSにおける1μg/mLのヒトグリピカン-3-His(R&D Systems)により被覆した。プレートをカゼイン緩衝液(ThermoFisher)によりブロッキング処理し、その後、CAT-07を、150ng/mLから始まる11段階の2倍希釈系列でプレートに加えた。プレートを室温で2h、振とうしながらインキュベーションした。PBS中0.1%のTween-20で洗浄した後、結合した分析物をロバ抗ヒトFc-γ特異的西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)接合二次抗体により検出した。シグナルを、Ultra TMB(Pierce)により可視化し、2NのH2SO4により停止させた。450nmにおける吸光度を、Molecular Devices SpectraMax M5プレートリーダーを使用して求め、データを、GraphPad Prismを使用して分析した。図2は、CAT-07モノクローナル抗体が、ELISAによって評価される場合、組換えヒトグリピカン-3タンパク質に結合することを示す。
[実施例2]
CAT-07モノクローナル抗体の結合特異性
ELISAを行うために、Maxisorp 96ウエルプレート(Nunc)を4℃で一晩、PBSにおける1μg/mLのヒトグリピカンのHisタグ化タンパク質(グリピカン-1、グリピカン-2、グリピカン-3、グリピカン-5およびグリピカン-6、すべてをR&D Systemsから得た)により被覆した。プレートをカゼイン緩衝液(ThermoFisher)によりブロッキング処理し、その後、CAT-07を、150ng/mLから始まる11段階の2倍希釈系列でプレートに加えた。プレートを室温で2h、振とうしながらインキュベーションした。PBS中0.1%のTween-20で洗浄した後、結合した分析物をロバ抗ヒトFc-γ特異的西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)接合二次抗体により検出した。シグナルを、Ultra TMB(Pierce)により可視化し、2NのH2SO4により停止させた。450nmにおける吸光度を、Molecular Devices SpectraMax M5プレートリーダーを使用して求め、データを、GraphPad Prismを使用して分析した。図3は、CAT-07が、ELISAによって評価される場合、グリピカン-3に結合し、しかし、他のヒトグリピカンタンパク質には結合しないことを示す。
種交差反応性研究を行うために、ヒト、カニクイザル、ラットまたはマウスのグリピカン-3タンパク質を発現する細胞株試薬を、該タンパク質をコードするプラスミドによるCHO-K1細胞の安定的トランスフェクション、続いてのヒグロマイシンにおける選抜によって作製した。得られた細胞プールを下記のようにフローサイトメトリー研究のために使用した。細胞を、TrypLE(ThermoFisher)を使用して集め、2%の熱不活性化FBSを含むPBSに入れ、100μLの細胞(0.5e6細胞/試験)において1μgのCAT-07と氷上で1時間インキュベーションした。次に、細胞を、PBS+2%FBSで1回洗浄し、フルオレセイン接合のロバ抗ヒトFc二次試薬[F(ab)2フラグメント、Jackson Immunoresearch]と氷上で30分間インキュベーションした。PBS+2%FBSにおける2回の洗浄の後、細胞を、FACS Diva(商標)ソフトウェアを使用するBecton Dickinson FACSCanto(商標)装置で分析した。野生型(非トランスフェクション細胞)に対する反応性もまた評価した。データが、非トランスフェクション細胞(バックグラウンド)と比較した場合の、トランスフェクションされた細胞で認められる平均蛍光強度における増加として報告される。図4。フローサイトメトリーデータにより、CAT-07が、カニクイザル、ラットおよびマウスを含めて様々な種から得られるグリピカン-3タンパク質に結合することが裏づけられる。
本発明がその具体的な実施形態を参照して記載されているが、様々な変更、または様々な等価物への置換が、本発明の真の趣旨および範囲から逸脱することなく行われることがあることが、当業者によって理解されなければならない。加えて、多くの改変が、特定の状況、材料、組成物、プロセス、1つまたは複数のプロセス工程を本発明の目的、趣旨および範囲に適合させるためになされる場合がある。すべてのそのような改変が、本明細書に添付される特許請求項の範囲内にあることが意図される。
一態様において、本発明は以下を提供する。
[項目1]
GPC3に特異的に結合し、かつ、GPC3に対する結合について、下記の可変重鎖(V
H
)ポリペプチドおよび可変軽鎖(V
L
)ポリペプチド:
アミノ酸配列GYTFTSYFLH(配列番号2)またはアミノ酸配列GYTFTSYYMH(配列番号3)を含むV
H
CDR1と、
アミノ酸配列IIDPPTGRTTYAQKFQG(配列番号4)を含むV
H
CDR2と、
アミノ酸配列GNYGGRYFDY(配列番号5)を含むV
H
CDR3と
を含む重鎖(V
H
)ポリペプチド;および
アミノ酸配列RASQSISSYLN(配列番号6)を含むV
L
CDR1と、
アミノ酸配列AASSLQS(配列番号7)を含むV
L
CDR2と、
アミノ酸配列QQSYSTPLT(配列番号8)を含むV
L
CDR3と
を含む軽鎖(V
L
)ポリペプチド
を含む第2の抗体と競合する抗体。
[項目2]
GPC3に特異的に結合する前記抗体が、下記の可変重鎖(V
H
)ポリペプチドおよび可変軽鎖(V
L
)ポリペプチド:
アミノ酸配列GYTFTSYFLH(配列番号2)またはアミノ酸配列GYTFTSYYMH(配列番号3)を含むV
H
CDR1と、
アミノ酸配列IIDPPTGRTTYAQKFQG(配列番号4)を含むV
H
CDR2と、
アミノ酸配列GNYGGRYFDY(配列番号5)を含むV
H
CDR3と
を含む重鎖(V
H
)ポリペプチド;および
アミノ酸配列RASQSISSYLN(配列番号6)を含むV
L
CDR1と、
アミノ酸配列AASSLQS(配列番号7)を含むV
L
CDR2と、
アミノ酸配列QQSYSTPLT(配列番号8)を含むV
L
CDR3と
を含む軽鎖(V
L
)ポリペプチド
を含む、項目1に記載される抗体。
[項目3]
前記V
H
ポリペプチドが、配列番号9に示されるアミノ酸配列に対する少なくとも70%の同一性を有するアミノ酸配列を含む、項目1または項目2に記載の抗体。
[項目4]
前記V
L
ポリペプチドが、配列番号10に示されるアミノ酸配列に対する少なくとも70%の同一性を有するアミノ酸配列を含む、項目1~3のいずれか一項に記載の抗体。
[項目5]
ヒト化抗体である、項目1~4のいずれか一項に記載の抗体。
[項目6]
キメラ抗体である、項目1~5のいずれか一項に記載の抗体。
[項目7]
IgG、Fv、単鎖抗体、scFv、Fab、F(ab’)2またはFab’からなる群から選択される、項目1~6のいずれか一項に記載の抗体。
[項目8]
IgGである、項目1~6のいずれか一項に記載の抗体。
[項目9]
IgG1である、項目8に記載の抗体。
[項目10]
Fabである、項目1~6のいずれか一項に記載の抗体。
[項目11]
単鎖抗体である、項目1~6のいずれか一項に記載の抗体。
[項目12]
scFvである、項目11に記載の抗体。
[項目13]
GPC3に特異的に結合する第1の抗原結合ドメインを含む二重特異性抗体であり、前記第1の抗原結合ドメインが、項目1~4のいずれか一項において定義されるようなV
H
ポリペプチドおよびV
L
ポリペプチドを含む、項目1~12のいずれか一項に記載の抗体。
[項目14]
検出可能に標識される、項目1~13のいずれか一項に記載の抗体。
[項目15]
共有結合により連結された、ペプチド以外の合成ポリマーを含む、項目1~14のいずれか一項に記載の抗体。
[項目16]
前記合成ポリマーがポリ(エチレングリコール)ポリマーである、項目15に記載の抗体。
[項目17]
共有結合により連結された脂質または脂肪酸部分を含む、項目1~16のいずれか一項に記載の抗体。
[項目18]
共有結合により連結された多糖または炭水化物部分を含む、項目1~14のいずれか一項に記載の抗体。
[項目19]
造影剤を含む、項目1~18のいずれか一項に記載の抗体。
[項目20]
親和性ドメインを含む、項目1~19のいずれか一項に記載の抗体。
[項目21]
固体支持体に固定化される、項目1~20のいずれか一項に記載の抗体。
[項目22]
共有結合により連結された細胞毒素を含む、項目1~21のいずれか一項に記載の抗体。
[項目23]
スルファターゼモチーフのアミノ酸配列を含む定常領域アミノ酸配列を含む、項目1~22のいずれか一項に記載の抗体。
[項目24]
スルファターゼモチーフのアミノ酸配列を含む定常領域アミノ酸配列を含み、前記スルファターゼモチーフが、2-ホルミルグリシン(FGly)部分を含むように改変される、項目1~22のいずれか一項に記載の抗体。
[項目25]
前記FGly部分を介して共有結合により連結される異種部分を含む、項目24に記載の抗体。
[項目26]
前記異種部分が、薬物、毒素、検出可能な標識、水溶性ポリマーおよび合成ペプチドから選択される、項目25に記載の抗体。
[項目27]
項目1~13のいずれか一項に記載の抗体の可変重鎖(V
H
)ポリペプチド、可変軽鎖(V
L
)ポリペプチド、または両者をコードする核酸。
[項目28]
前記抗体が単鎖抗体であり、前記単鎖抗体をコードする、項目27に記載の核酸。
[項目29]
前記単鎖抗体がscFvである、項目8に記載の核酸。
[項目30]
項目27~29のいずれか一項に記載の核酸を含む組換え発現ベクターであって、前記核酸が、真核生物細胞において活性である転写制御エレメントに機能的に連結される、組換え発現ベクター。
[項目31]
項目27~29のいずれか一項に記載の核酸または項目30に記載の発現ベクターを含む細胞。
[項目32]
前記核酸が前記抗体のV
H
ポリペプチドおよび前記抗体のV
L
ポリペプチドをコードする、項目31に記載の細胞。
[項目33]
前記抗体が単鎖抗体であり、前記核酸が前記単鎖抗体をコードする、項目32に記載の細胞。
[項目34]
前記単鎖抗体がscFvである、項目33に記載の細胞。
[項目35]
下記の核酸:
項目1~13のいずれか一項に記載の抗体の可変重鎖(V
H
)ポリペプチドをコードする第1の核酸;および
前記抗体の可変軽鎖(V
L
)ポリペプチドをコードする第2の核酸
を含む細胞。
[項目36]
項目35に記載の細胞において、
前記第1の核酸を含む第1の発現ベクター;および
前記第2の核酸を含む第2の発現ベクター
を含む細胞。
[項目37]
下記の成分:
項目1~13のいずれか一項に記載の抗体;および
前記抗体に接合される作用因
を含むコンジュゲート。
[項目38]
前記作用因が、半減期延長部分、標識剤および治療剤からなる群から選択される、項目37に記載のコンジュゲート。
[項目39]
下記の成分:
項目1~13のいずれか一項に記載の抗体の可変重鎖(V
H
)ポリペプチド、可変軽鎖(V
L
)ポリペプチド、または両者と、これと融合して、
異種アミノ酸配列と
を含む融合タンパク質。
[項目40]
下記の成分:
a)項目1~13のいずれか一項に記載の抗体;および
b)医薬的に許容され得るキャリア
を含む医薬組成物。
[項目41]
下記の成分:
a)項目37~38のいずれか一項に記載のコンジュゲート;および
b)医薬的に許容され得るキャリア
を含む医薬組成物。
[項目42]
下記の成分:
a)項目40に記載の融合タンパク質;および
b)医薬的に許容され得るキャリア
を含む医薬組成物。
[項目43]
T細胞活性化因子をさらに含む、項目40~42のいずれか一項に記載の医薬組成物。
[項目44]
前記T細胞活性化因子が、免疫チェックポイント阻害剤、サイトカイン、および阻害性免疫受容体のアンタゴニストからなる群から選択される、項目43に記載の医薬組成物。
[項目45]
前記抗体がリポソームに封入される、項目40~44のいずれか一項に記載の医薬組成物。
[項目46]
細胞増殖性障害を対象において処置する方法であって、
細胞増殖性障害を有する対象に、治療効果的な量の項目40~45のいずれか一項に記載の医薬組成物を投与すること
を含む、方法。