[第1実施形態]
第1実施形態の緩衝器(Shock absorber)について、図面を参照しつつ以下に説明する。なお、以下においては、説明の便宜上、図1~図6における上側を「上」とし、図1~図6における下側を「下」として説明する。
図1に示すように、第1実施形態の緩衝器1は複筒型の油圧緩衝器である。緩衝器1は、車両、具体的には自動車のサスペンション装置に用いられるものである。緩衝器1は、作動流体としての油液Lが封入されるシリンダ2を備えている。シリンダ2は内筒3と外筒4とを有している。内筒3は円筒状である。外筒4は有底の円筒状である。外筒4の内径は内筒3の外径よりも大径である。内筒3は外筒4の径方向内側に配置されている。内筒3の中心軸線と外筒4の中心軸線とは一致する。内筒3と外筒4との間はリザーバ室6となっている。
外筒4は胴部11と底部12とを有している。胴部11と底部12とは一体に形成されている。胴部11は円筒状である。底部12は胴部11の下部を閉塞している。底部12には、その軸方向において胴部11とは反対となる外側に図示略の取付アイが固定される。
緩衝器1はピストン18を備えている。ピストン18は、シリンダ2の内筒3内に挿入されている。ピストン18は、シリンダ2の内筒3内に摺動可能に嵌合されている。ピストン18は、内筒3内を一側の上室19と他側の下室20との2つの室に区画する。シリンダ2の軸方向において上室19はピストン18よりも底部12とは反対側にある。シリンダ2の軸方向において下室20はピストン18よりも底部12側にある。内筒3内の上室19および下室20内には作動流体としての油液Lが封入されている。内筒3と外筒4との間のリザーバ室6内には作動流体としての油液LとガスGとが封入されている。
緩衝器1はピストンロッド21を備えている。ピストンロッド21は、その軸方向における一端側がシリンダ2の内筒3内に配置されている。ピストンロッド21は、この一端部がピストン18に連結されている。ピストンロッド21は、その軸方向における、この一端部とは反対側の他端側がシリンダ2からシリンダ2の外部に延出している。ピストン18はピストンロッド21に固定されている。このため、ピストン18およびピストンロッド21は一体に移動する。緩衝器1は、ピストンロッド21がシリンダ2からの突出量を増やす方向に移動する行程が、全長が伸びる伸び行程である。緩衝器1は、ピストンロッド21がシリンダ2からの突出量を減らす方向に移動する行程が、全長が縮む縮み行程である。緩衝器1は、伸び行程においてピストン18が上室19側へ移動する。緩衝器1は、縮み行程においてピストン18が下室20側へ移動する。
内筒3の上端開口側および外筒4の上端開口側には、ロッドガイド22が嵌合されている。外筒4にはロッドガイド22よりも上側にシール部材23が嵌合されている。ロッドガイド22およびシール部材23は、いずれも円環状である。ピストンロッド21は、ロッドガイド22およびシール部材23のそれぞれに対して、これらの軸方向に沿って摺動する。ピストンロッド21は、シリンダ2の内部から、シール部材23よりもシリンダ2の外部側に延出している。
ロッドガイド22はピストンロッド21がシリンダ2の内筒3および外筒4に対して径方向に移動することを規制する。ロッドガイド22にピストンロッド21が嵌合すると共にピストン18が内筒3内に嵌合する。これにより、ピストンロッド21の中心軸線とシリンダ2の中心軸線とが一致する。ロッドガイド22はピストンロッド21をピストンロッド21の軸方向に移動可能に支持する。シール部材23は、その外周部が外筒4に密着する。シール部材23は、その内周部がピストンロッド21の外周部に密着する。ピストンロッド21は、シール部材23に対してシール部材23の軸方向に移動する。シール部材23は、内筒3内の油液Lと、リザーバ室6内の高圧のガスGおよび油液Lとが外部に漏れ出すのを抑制する。
ロッドガイド22は、その外周部が、下部よりも上部の方が大径となっている。ロッドガイド22は、小径の下部において内筒3の上端の内周部に嵌合する。ロッドガイド22は、大径の上部において外筒4の上部の内周部に嵌合する。外筒4の底部12上にはベースバルブ25が設置されている。ベースバルブ25は外筒4に対して径方向に位置決めされている。ベースバルブ25に内筒3の下端の内周部が嵌合されている。
外筒4の上端部は、外筒4の径方向における内側に加締められている。シール部材23は、この加締め部分とロッドガイド22とに挟まれることでシリンダ2に固定されている。
ピストンロッド21は主軸部27と取付軸部28とを有している。主軸部27および取付軸部28は、いずれも棒状である。
取付軸部28は、その外径が主軸部27の外径よりも小径である。取付軸部28はシリンダ2内に配置されている。取付軸部28にピストン18が取り付けられている。主軸部27は、軸段部29を有している。軸段部29は、主軸部27の軸方向における取付軸部28側の端部に設けられている。軸段部29は、ピストンロッド21の中心軸線に対して直交する方向に広がっている。
ピストンロッド21には、取付軸部28の外周部に溝部30が形成されている。溝部30は、取付軸部28の軸方向に延びている。溝部30は、取付軸部28の外周部を取付軸部28の中心軸線に平行な平面状に切り欠いて形成されている。溝部30は、取付軸部28の周方向に間隔をあけて二カ所形成されている。取付軸部28には、取付軸部28の軸方向における溝部30よりも主軸部27とは反対側の端部の外周部にネジ部31が形成されている。
緩衝器1は、例えばピストンロッド21のシリンダ2から突出する部分が上部に配置されて車両の車体に連結される。その際に、緩衝器1は、シリンダ2側に設けられた図示略の取付アイが下部に配置されて車両の車輪側に連結される。緩衝器1は、これとは逆に、シリンダ2側が車体に連結されるようにしても良い。この場合、緩衝器1は、ピストンロッド21が車輪側に連結される。
図2に示すように、ピストン18はピストン本体35と摺動部材36とを有している。ピストン本体35は、分割体33と分割体34とが組み合わされて構成されている。分割体33,34は、いずれも金属製であり、いずれも円環状である。分割体33,34は、分割体33の内径の方が、分割体34の内径よりも小径となっている。摺動部材36は合成樹脂製であり、円環の帯状である。摺動部材36は、分割体33と分割体34とが組み合わされた状態のピストン本体35の外周面に一体的に装着されている。これにより、分割体33,34および摺動部材36が一体化されてピストン18となる。ピストン18は、ピストン本体35が、ピストンロッド21の取付軸部28に嵌合される。ピストン18は、摺動部材36が内筒3に接触した状態で内筒3に対して摺動する。
ピストン本体35には、通路穴37と通路溝38と通路穴39と通路溝40とが設けられている。通路穴37はピストン本体35の軸方向に延びている。通路穴37は、ピストン本体35に、ピストン本体35の円周方向に間隔をあけて複数(図2においては断面とした関係上一箇所のみ図示)形成されている。通路穴39はピストン本体35の軸方向に延びている。通路穴39は、ピストン本体35に、ピストン本体35の円周方向に間隔をあけて複数(図2においては断面とした関係上一箇所のみ図示)形成されている。ピストン本体35には、ピストン本体35の周方向において通路穴37と通路穴39とが一箇所ずつ交互に等ピッチで形成されている。
通路溝38は、ピストン本体35の分割体34に、分割体34の円周方向に円環状をなして形成されている。通路溝38は、分割体34の軸方向における分割体33とは反対側の端部に形成されている。全ての通路穴37は、ピストン本体35の軸方向における、この端部側が通路溝38に開口している。通路溝40は、ピストン本体35の分割体33に、分割体33の円周方向に円環状をなして形成されている。通路溝40は、分割体33の軸方向における分割体34とは反対側の端部に形成されている。全ての通路穴39は、ピストン本体35の軸方向における通路溝38とは反対側の端部が通路溝40に開口している。ピストン18は、複数の通路穴37の内側と通路溝38の内側とが第1通路43となっている。第1通路43は、ピストン18をピストン18の軸方向に貫通している。ピストン18は、複数の通路穴39の内側と通路溝40の内側とが第1通路44となっている。第1通路44は、ピストン18をピストン18の軸方向に貫通している。第1通路43および第1通路44は、いずれもピストン18に設けられている。
第1通路43には第1減衰力発生機構41が配置されている。第1減衰力発生機構41は、第1通路43を開閉して減衰力を発生する。第1減衰力発生機構41は、ピストン18の軸方向における一端側である下室20側に配置されて、ピストンロッド21に取り付けられている。これにより、第1通路43は、ピストン18の上室19側への移動によって上室19から下室20に向けて作動流体としての油液Lが移動する通路となる。つまり、第1通路43は、伸び行程において上流側となる上室19から下流側となる下室20に向けて油液Lが移動する通路である。第1減衰力発生機構41は、伸び行程において生じる第1通路43から下室20への油液Lの流動を抑制して減衰力を発生する伸び側の減衰力発生機構となっている。
第1通路44には第1減衰力発生機構42が配置されている。第1減衰力発生機構42は、第1通路44を開閉して減衰力を発生する。第1減衰力発生機構42は、ピストン18の軸方向における他端側である上室19側に配置されて、ピストンロッド21に取り付けられている。これにより、第1通路44は、ピストン18の下室20側への移動によって下室20から上室19に向けて油液Lが移動する通路となる。つまり、第1通路44は、縮み行程において上流側となる下室20から下流側となる上室19に向けて油液Lが移動する通路である。第1減衰力発生機構42は、縮み行程において生じる第1通路44から上室19への油液Lの流動を抑制して減衰力を発生する縮み側の減衰力発生機構となっている。
ピストン本体35は、その径方向の中央に挿通穴45が、ピストン本体35の軸方向に貫通して形成されている。挿通穴45は、ピストンロッド21の取付軸部28を挿通させる。挿通穴45は、その軸方向において下室20側の分割体34に形成された部分よりも上室19側の分割体33に形成された部分の方が小径である。ピストン本体35は、このように内径が小径の分割体33においてピストンロッド21の取付軸部28に嵌合する。
ピストン本体35の軸方向の下室20側の端部にはバルブシート部48が形成されている。バルブシート部48は円環状である。バルブシート部48は、通路溝38の下室20側の開口よりもピストン本体35の径方向における外側に配置されている。バルブシート部48は、第1減衰力発生機構41の一部を構成する。
ピストン本体35の軸方向の上室19側の端部にはバルブシート部49が形成されている。バルブシート部49は円環状である。バルブシート部49は、通路溝40の上室19側の開口よりもピストン本体35の径方向における外側に配置されている。バルブシート部49は、第1減衰力発生機構42の一部を構成する。
ピストン本体35には、ピストン本体35の径方向におけるバルブシート部48の通路溝38とは反対側に、全ての通路穴39の下室20側の開口が配置されている。ピストン本体35には、ピストン本体35の径方向におけるバルブシート部49の通路溝40とは反対側に、全ての通路穴37の上室19側の開口が配置されている。
ピストン18の軸方向におけるバルブシート部48側には、ピストン18の軸方向においてピストン18側から順に、複数枚(具体的には2枚)のディスク50と、複数枚(具体的には5枚)のディスク51と、一枚のパイロットディスク52と、一枚のディスク53と、一つのパイロットケース55と、一枚のディスク56と、複数枚(具体的には6枚)のディスク57と、一枚のディスク58と、一枚のディスク59とが設けられている。ディスク50,51,53,56~59およびパイロットケース55は、いずれも金属製である。ディスク50,51,53,56~59は、いずれも一定厚さの有孔の円形平板状である。ディスク50,51,53,56~59は、いずれも内側にピストンロッド21の取付軸部28を嵌合させている。パイロットディスク52およびパイロットケース55は、いずれも円環状である。パイロットディスク52およびパイロットケース55は、いずれも内側にピストンロッド21の取付軸部28を嵌合させている。
パイロットケース55は有底筒状である。パイロットケース55には、その径方向における中央に貫通孔70が形成されている。貫通孔70はパイロットケース55をその軸方向に貫通している。パイロットケース55は、底部71と内側円筒状部72と外側円筒状部73と内側シート部74とバルブシート部75とを有している。
貫通孔70は、その軸方向においてピストン18側がピストン18とは反対側よりも小径であり、この小径部分にピストンロッド21の取付軸部28が嵌合される。
底部71は有孔の円板状である。底部71には、貫通孔70よりも径方向外側に、底部71を底部71の軸方向に貫通する通路穴78が形成されている。
内側円筒状部72は、円筒状であり、底部71の内周縁部から底部71の軸方向に沿ってピストン18側に突出している。
外側円筒状部73は、円筒状であり、底部71の外周縁部から底部71の軸方向に沿って内側円筒状部72と同側に突出している。
通路穴78は、底部71の径方向における内側円筒状部72と外側円筒状部73との間に配置されている。
内側シート部74は、円環状であり、底部71の内周縁部から軸方向の内側円筒状部72とは反対側に若干突出している。内側シート部74には、内側シート部74をその径方向に貫通する通路溝79が形成されている。
バルブシート部75は、内側シート部74よりも大径の円環状である。バルブシート部75は、内側シート部74よりも内側シート部74の径方向における外側で底部71の軸方向に沿って底部71から内側シート部74と同側に突出している。
通路穴78は、底部71の径方向における内側シート部74とバルブシート部75との間に配置されている。内側シート部74の通路溝79内の通路は、ピストンロッド21の溝部30内の通路と通路穴78内の通路とに常時連通している。
複数枚のディスク50は、軸方向におけるピストン18側のディスク50がピストン18の通路溝38よりも径方向内側の部分に当接している。このディスク50には、切欠81が形成されている。切欠81内の通路は、ピストン18の第1通路43と、ピストンロッド21の溝部30内の通路とに常時連通している。
複数枚のディスク51は、軸方向における最もピストン18側のディスク51が、ピストン18のバルブシート部48に当接している。複数枚のディスク51は、バルブシート部48に対し離間および当接することでピストン18に形成された第1通路43の開口を開閉する。
パイロットディスク52は、ディスク85とシール部材86とからなっている。
ディスク85は、金属製であり、有孔の円形平板状である。ディスク85は、内側にピストンロッド21の取付軸部28が嵌合される。複数枚のディスク51は、軸方向における最もピストン18とは反対側のディスク51が、パイロットディスク52のディスク85に当接している。
シール部材86は、ゴム製であり、ディスク85の軸方向におけるピストン18とは反対側に接着されている。シール部材86は、ディスク85の外周側に固着されており、円環状をなしている。シール部材86は、パイロットケース55の外側円筒状部73の内周部に全周にわたり液密的に嵌合している。シール部材86は、外側円筒状部73の内周部に対し軸方向に摺動可能である。シール部材86は、パイロットディスク52と外側円筒状部73との隙間を常時シールする。
複数枚のディスク51およびパイロットディスク52は、減衰バルブ91を構成している。減衰バルブ91は、ピストン18のバルブシート部48から離座して開くと、第1通路43からの油液Lをピストン18とパイロットケース55の外側円筒状部73との間を介して下室20に流す。その際に、減衰バルブ91は、バルブシート部48との間の油液Lの流れを抑制する。減衰バルブ91は、伸び側の第1減衰力発生機構41を構成している。減衰バルブ91には、複数枚のディスク51に、バルブシート部48に当接状態にあっても第1通路43を下室20に連通させる固定オリフィス92が形成されている。この固定オリフィス92も第1減衰力発生機構41を構成している。
ディスク53は、パイロットディスク52のディスク85に当接している。ディスク53は、パイロットケース55の内側円筒状部72に当接している。
ディスク56は、パイロットケース55の内側シート部74に当接している。
複数枚のディスク57は、軸方向におけるディスク56側のディスク57がバルブシート部75に着座可能となっている。複数枚のディスク57はディスクバルブ99を構成している。ディスクバルブ99は、バルブシート部75に離着座可能である。
ディスク58は、その外径が、ディスクバルブ99の最小外径よりも小径である。
ディスク59は、その外径が、ディスク58の外径よりも大径である。
パイロットケース55の底部71、内側円筒状部72および外側円筒状部73と、パイロットディスク52およびディスク53との間と、パイロットケース55の底部71、内側シート部74およびバルブシート部75と、ディスク56およびディスクバルブ99との間と、パイロットケース55の通路穴78内とが、背圧室100となる。背圧室100は、パイロットディスク52を介して複数枚のディスク51にピストン18の方向に圧力を加える。言い換えれば、背圧室100は、減衰バルブ91に、バルブシート部48に着座する閉弁方向に内圧を作用させる。これら複数枚のディスク51、パイロットディスク52および背圧室100は、第1減衰力発生機構41の一部を構成している。背圧室100は、パイロットケース55の通路溝79内の通路を介して、ピストンロッド21の溝部30内の通路に常時連通している。
ディスク50の切欠81内の通路と、ピストンロッド21の溝部30内の通路と、パイロットケース55の通路溝79内の通路とが、ピストン18の第1通路43と背圧室100とを常時連通させて第1通路43から背圧室100に油液Lを導入する導入通路102となっている。伸び側の第1減衰力発生機構41は、導入通路102を介して油液Lの流れの一部を背圧室100に導入し、背圧室100の圧力によって減衰バルブ91の開弁を制御する。
ディスクバルブ99は、バルブシート部75から離座することで、背圧室100と下室20とを連通させる。その際に、ディスクバルブ99は、バルブシート部75との間の油液Lの流れを抑制する。
ディスクバルブ99とバルブシート部75とが第2減衰力発生機構110を構成している。第2減衰力発生機構110は、ディスクバルブ99がバルブシート部75から離座すると、背圧室100と下室20とを連通させる。その際に、第2減衰力発生機構110は、背圧室100と下室20との間の油液Lの流れを抑制して減衰力を発生する。第2減衰力発生機構110は、伸び行程において、上室19から、第1通路43、導入通路102および背圧室100を介して下室20に油液Lを流す。第2減衰力発生機構110は、伸び行程において生じる背圧室100から下室20への油液Lの流動を抑制して減衰力を発生する伸び側の減衰力発生機構となっている。
ピストン18の軸方向におけるバルブシート部49側には、ピストン18の軸方向においてピストン18側から順に、一枚のディスク111と、複数枚(具体的には9枚)のディスク112と、一枚のディスク113と、一枚のディスク114と、一枚の環状部材115とが設けられている。ディスク111~114および環状部材115は、いずれも金属製である。ディスク111~114および環状部材115は、いずれも一定厚さの有孔の円形平板状である。ディスク111~114および環状部材115は、いずれも内側にピストンロッド21の取付軸部28を嵌合させている。
ディスク111は、ピストン18の通路溝40よりも径方向内側の部分に当接している。
複数枚のディスク112は、軸方向における最もピストン18側のディスク112が、ピストン18のバルブシート部49に当接している。複数枚のディスク112は、バルブシート部49に対し離間および当接することでピストン18に形成された第1通路44の開口を開閉する。
複数枚のディスク112は、ディスクバルブ122を構成している。ディスクバルブ122は、バルブシート部49に離着座可能である。ディスクバルブ122は、バルブシート部49から離座することで第1通路44を上室19に開放可能である。ディスクバルブ122は、ピストン18のバルブシート部49から離座して開くと、第1通路44からの油液Lを上室19に流す。その際に、ディスクバルブ122は、バルブシート部49との間の油液Lの流れを抑制する。よって、ディスクバルブ122は、下室20から第1通路44を介する上室19への油液Lの流れを抑制する。ディスクバルブ122とバルブシート部49とが縮み側の第1減衰力発生機構42を構成している。ディスクバルブ122には、バルブシート部49に当接状態にあっても第1通路44を上室19に連通させる固定オリフィス123が形成されている。固定オリフィス123も第1減衰力発生機構42を構成している。
ディスク113は、ディスクバルブ122の最小外径よりも小径の外径となっている。
ディスク114および環状部材115は、ディスクバルブ122の開方向への変形時にディスクバルブ122に当接してディスクバルブ122の開方向への規定以上の変形を抑制する。環状部材115は、ピストンロッド21の軸段部29に当接している。
ディスク59の軸方向におけるディスク58とは反対側に、周波数感応機構130が設けられている。周波数感応機構130は、ピストン18の軸方向移動の周波数(以下、ピストン周波数と称す)に応じて減衰力を可変とする。
図3に示すように、周波数感応機構130は、軸方向のディスク59側に一つのケース部材131を有している。周波数感応機構130は、ケース部材131の軸方向におけるディスク59とは反対側に、複数枚(具体的には3枚)のディスク132と、一枚の区画部材135と、を有している。周波数感応機構130は、ディスク132および区画部材135の軸方向におけるディスク59とは反対側に、ディスク132および区画部材135側から順に、一枚のディスク136と、複数枚(具体的には3枚)のディスク137と、一枚のディスク138と、複数枚(具体的には2枚)のディスク139と、複数枚(具体的には2枚)のディスク140と、を有している。ディスク140の軸方向におけるディスク139とは反対側には環状部材141が設けられている。
ケース部材131、ディスク132,136~140および環状部材141は、いずれも金属製である。ディスク132,136~140および環状部材141は、いずれも一定厚さの有孔の円形平板状である。ディスク132,136~140、区画部材135および環状部材141は、いずれもケース部材131の径方向内側に配置されている。ディスク132,136~140、ケース部材131および環状部材141は、いずれも内側にピストンロッド21の取付軸部28を嵌合させている。区画部材135は、内周側にピストンロッド21の取付軸部28およびディスク132を、径方向の隙間をもって挿通させている。ディスク132,136~140およびケース部材131は、周波数感応機構130のバルブケース145を構成している。このバルブケース145内に区画部材135が設けられている。
ケース部材131は有底の円筒状である。
ケース部材131は、その径方向の中央に、ケース部材131をその軸方向に貫通する貫通孔155が形成されている。図2に示すように、貫通孔155は、その軸方向においてピストン18側がピストン18とは反対側よりも小径であり、この小径部分にピストンロッド21の取付軸部28が嵌合される。
図3に示すように、ケース部材131は、底部150と突出部151と筒状部153とシート部154とを有している。
底部150は、有孔の円板状である。底部150に貫通孔155が形成されている。
突出部151は円環状である。突出部151は、底部150の内周縁部から、底部150の軸方向に沿ってディスク59とは反対側に突出している。突出部151には、突出部151をその径方向に貫通する通路溝158が形成されている。通路溝158内の通路は、ピストンロッド21の溝部30内の通路に連通している。
筒状部153は、突出部151の外径よりも内径が大径の円筒状である。筒状部153は、底部150の外周縁部から、底部150の軸方向に沿って突出部151と同側に延出している。筒状部153は、内周側に、軸方向の底部150側から順に、小径部161と、第1傾斜部162と、大径部163と、第2傾斜部164と、開口端部165と、を有している。小径部161、第1傾斜部162、大径部163、第2傾斜部164および開口端部165は、中心軸線を一致させている。
小径部161は、筒状部153の軸方向における底部150側にある。小径部161は、その内周面が円筒面状である。
第1傾斜部162は、小径部161の軸方向における底部150とは反対側の端部から底部150とは反対方向に延出している。第1傾斜部162は、その内周面が、筒状部153の軸方向における底部150とは反対側ほど内径が大径となっている。言い換えれば、第1傾斜部162は、筒状部153の軸方向において底部150とは反対側に拡径しつつ延出している。第1傾斜部162はテーパ状である。
大径部163は、第1傾斜部162の軸方向における底部150とは反対側の端部から底部150とは反対方向に延出している。大径部163は、その内周面が円筒面状である。大径部163は、小径部161よりも内径が大径に形成されている。大径部163の軸方向長さは、小径部161の軸方向長さよりも短い。第1傾斜部162は、筒状部153の軸方向における小径部161と大径部163との間に設けられている。
第2傾斜部164は、大径部163の軸方向における底部150とは反対側の端部から底部150とは反対方向に延出している。第2傾斜部164は、その内周面が、筒状部153の軸方向における底部150とは反対側ほど内径が大径となっている。言い換えれば、第2傾斜部164は、筒状部153の軸方向において底部150とは反対側に拡径しつつ延出している。さらに言い換えれば、第2傾斜部164は、底部150側に向かう程内径が小さくなるよう傾斜している。 第2傾斜部164は、筒状部153の軸方向において、大径部163の底部150とは反対側にある。第2傾斜部164は、R面取りの形状である。
開口端部165は、第2傾斜部164の軸方向における底部150とは反対側の端部から底部150とは反対方向に延出している。開口端部165は、筒状部153の軸方向における底部150とは反対側の端部にある。開口端部165は、その内周面が円筒面状である。開口端部165は、大径部163よりも内径が大径に形成されている。開口端部165の軸方向長さは、大径部163の軸方向長さよりも短い。
以上により、筒状部153は、底部150から延びており、底部150側にあって内径が小径に形成される小径部161と、小径部161よりも底部150とは反対側に配置され、小径部161よりも内径が大径に形成される大径部163とを備えている。また、筒状部153は、小径部161と大径部163の間に、小径部161と大径部163とを接続するよう傾斜した第1傾斜部162を有している。また、筒状部153は、大径部163よりも底部150とは反対側に、底部150側に向かう程内径が小さくなるよう傾斜する第2傾斜部164を有している。
ディスク132,136~140、区画部材135および環状部材141は、いずれも筒状部153の径方向内側に配置されている。言い換えれば、ディスク132,136~140、区画部材135および環状部材141は、いずれも外径が、筒状部153の軸方向において位置が重なる部分の内径よりも小径となっている。ディスク132,136~140および区画部材135は、全て、筒状部153の軸方向において筒状部153の範囲内に配置されている。環状部材141は、その一部が、筒状部153の軸方向において筒状部153の範囲内に配置され、その残りの一部が、筒状部153の軸方向において筒状部153の範囲外に配置されている。
ディスク132,136~139は、筒状部153の軸方向において小径部161の範囲内に配置されている。ディスク132,136~139は、いずれも外径が小径部161の内径よりも小径となっている。
複数枚のディスク140は支持部材143を構成している。支持部材143は、筒状部153の軸方向において小径部161、第1傾斜部162および大径部163と位置を重ね合わせている。ディスク140すなわち支持部材143は、外径が小径部161の内径よりも小径となっている。筒状部153の軸方向において、第1傾斜部162は、全長にわたって支持部材143の範囲内に設けられている。
環状部材141は、筒状部153の軸方向において大径部163、第2傾斜部164および開口端部165と位置を重ね合わせている。環状部材141は、外径が大径部163の内径よりも小径となっている。筒状部153の軸方向において、第2傾斜部164および開口端部165は、全長にわたり環状部材141の範囲内に設けられている。
シート部154は円環状である。シート部154は、底部150の径方向における突出部151と筒状部153との間の位置から、底部150の軸方向に沿って突出部151および筒状部153と同側に突出している。シート部154には、突出側の先端部に、この先端部をシート部154の径方向に貫通する切欠部168が、シート部154の周方向に間隔をあけて複数形成されている。よって、シート部154は、その突出側の先端部が、シート部154の周方向に断続的に切り欠かれている。シート部154は、底部150の軸方向において、底部150からの突出高さが突出部151の底部150からの突出高さよりも大きくなっている。
区画部材135は、バルブディスク171と弾性シール部材172とからなっている。区画部材135は、ケース部材131の筒状部153とディスク132との径方向の間に配置されている。
バルブディスク171は金属製である。バルブディスク171は、一定厚さの有孔の円形平板状である。バルブディスク171は、内周側にピストンロッド21の取付軸部28および複数枚のディスク132が挿通されている。バルブディスク171は、弾性変形可能つまり撓み可能となっている。バルブディスク171は、内側に複数枚のディスク132を径方向に隙間をもって配置可能な内径となっている。バルブディスク171は、複数枚(具体的には3枚)のディスク132の全体の厚さよりも厚さが薄くなっている。
弾性シール部材172は、ゴム製であり、円環状である。弾性シール部材172は、バルブディスク171の外周側に接着されている。 弾性シール部材172は、バルブディスク171に焼き付けられてバルブディスク171と一体に設けられている。
弾性シール部材172は、シール部175と当接部176とを有している。
シール部175は、円環状であり、バルブディスク171の外周側に全周にわたって固着されている。シール部175は、区画部材135の軸方向において、バルブディスク171からケース部材131の底部150側に突出している。
当接部176は、円環状であり、区画部材135の軸方向において、バルブディスク171から底部150とは反対側に突出している。当接部176は、バルブディスク171の外周側に固着されている。バルブディスク171の外周側でシール部175と当接部176とは繋がっている。当接部176は、その軸方向においてバルブディスク171から離れるほど外径が小径となり、かつ内径が大径となっている。これにより、当接部176は、その中心軸線を含む面での断面の形状が、軸方向においてバルブディスク171から離れるほど細くなる先細の一つの山型の形状となっている。当接部176には、突出側の先端部に、この先端部を当接部176の径方向に貫通する切欠部177が、当接部176の周方向に間隔をあけて複数形成されている。よって、当接部176は、突出側の先端部が、当接部176の周方向に断続的に切り欠かれている。
区画部材135には、上記したようにピストンロッド21の取付軸部28および複数枚のディスク132との間に、径方向の隙間がある。そして、区画部材135は、そのシール部175において、ケース部材131の筒状部153の小径部161に圧入される。この圧入により、区画部材135は、ケース部材131、複数枚のディスク132およびピストンロッド21に対して同軸状に配置されるように芯出しされる。その際に、区画部材135は、シール部175が全周にわたって小径部161に径方向の締め代をもって当接する。
シール部175は、円筒状の基部178と、図4に筒状部153への圧入前の状態を二点鎖線で示す円環状の突条部179とを有している。シール部175は、基部178において、バルブディスク171に接着されると共に当接部176に繋がっている。突条部179は、基部178の軸方向における中間位置から基部178の径方向における外側に突出している。弾性シール部材172が、突条部179を含め全体として変形せずに自然状態にあるとき、基部178の外径は、小径部161の内径よりも小径である。また、このように弾性シール部材172が全体として自然状態にあるとき、突条部179の外径は、小径部161の内径よりも大径かつ大径部163の内径よりも小径である。
区画部材135は、そのシール部175において、ケース部材131の筒状部153の小径部161に圧入される。すると、シール部175は、主に突条部179が径方向内方に弾性変形して小径部161に全周にわたって密着する。これにより、シール部175が、ケース部材131の筒状部153の小径部161に全周にわたって液密的に嵌合する。
シール部175は、筒状部153に対して筒状部153の軸方向に摺動可能となっている。その際に、シール部175は、突条部179が小径部161に全周にわたって密着する状態を維持しつつ小径部161に対して軸方向に摺動する。これにより、弾性シール部材172は、そのシール部175の突条部179が、区画部材135と筒状部153との隙間を常時シールする。筒状部153には、区画部材135の突条部179の摺動範囲に小径部161が設けられている。そして、筒状部153には、突条部179の摺動範囲である小径部161の外に、区画部材135の組み付けのガイド区間となる、第1傾斜部162、大径部163、第2傾斜部164および開口端部165が設けられている。これらのうち大径部163、第2傾斜部164および開口端部165は、いずれも内径が、自然状態にある区画部材135の突条部179の外径より大きい。シール部175はケース部材131のシート部154よりも径方向外側にある。区画部材135は、そのバルブディスク171がシート部154に着座する。
図3に示すように、ディスク136は、バルブディスク171の内径よりも大径の外径となっている。このディスク136は、バルブディスク171の内周側に全周にわたって当接する。これにより、ディスク136とバルブディスク171との隙間が閉塞される。
複数枚(具体的には3枚)のディスク137は、そのうちの最も軸方向のディスク136側にあるディスク137の外径がディスク136の外径よりも大径であり、軸方向においてディスク136とは反対側ほどディスク137の外径が小径になる。また、複数枚のディスク137は、そのうちの最も軸方向のディスク136側のディスク137の厚さ最も薄く、軸方向のディスク136とは反対側ほど徐々に厚さが厚くなる。
ディスク138は、その外径が、複数枚のディスク137のいずれの外径よりも小径であり、ディスク136の外径と同等である。複数枚(具体的には2枚)のディスク139は、その外径が、ディスク138の外径よりも大径であり、複数枚のディスク137のうちの最も大径のものの外径と同等である。
区画部材135は、そのバルブディスク171の内周側が、その軸方向における突出部151とディスク136との間に配置されると共に、ディスク136に当接して支持されている。区画部材135は、そのバルブディスク171の内周側が、突出部151とディスク136との間にて、複数枚(具体的には3枚)のディスク132の全体の軸方向長の範囲で移動可能となっている。区画部材135は、シール部175が全周にわたって筒状部153に接触することによってバルブケース145に対し芯出しされる。区画部材135は、そのバルブディスク171の内周側が、両面側からクランプされずに片面側のみディスク136に支持される。区画部材135は、そのバルブディスク171のディスク136よりも径方向外側の部分が、両面側からクランプされずに片面側のみシート部154に支持される。よって、区画部材135は、そのバルブディスク171の一面側がディスク136に支持され、バルブディスク171の他面側がシート部154に支持される単純支持構造となっている。言い換えれば、バルブディスク171は軸方向にクランプされていない。区画部材135は、全体として円環状で、弾性変形可能つまり撓み可能である。
ディスク140は、内周側がディスク139に当接し、外周側が区画部材135の当接部176に当接する。
複数枚のディスク140は、ディスク139の外径よりも大径かつ筒状部153の内径よりも小径の外径となっている。複数枚のディスク140からなる支持部材143は、区画部材135の、ケース部材131の軸方向における底部150およびシート部154とは反対への移動を抑制する。
ケース部材131のシート部154は、区画部材135のバルブディスク171を軸方向一側から支持する。ディスク136は、バルブディスク171のシート部154よりも内周側を軸方向他側から支持する。シート部154とディスク136との間の軸方向の最短距離は、バルブディスク171の軸方向の厚さよりも若干小さくなっている。よって、バルブディスク171は、若干弾性変形した状態でシート部154とディスク136との両方に自身の弾性力で圧接する。
区画部材135は、ケース部材131内に設けられてケース部材131内を第1室181と第2室182とに区画する。第1室181は、ケース部材131の軸方向における底部150と区画部材135との間にある。言い換えれば、第1室181は、ケース部材131の軸方向における区画部材135よりも底部150側にある。第2室182は、ケース部材131の軸方向における区画部材135と支持部材143との間にある。言い換えれば、支持部材143は、第2室182に、第2室182を形成するように設けられている。第2室182は、ケース部材131の軸方向における区画部材135よりも底部150とは反対側すなわちケース部材131の開口側にある。
ここで、上記したように、支持部材143は、その一部が、ケース部材131の大径部163の径方向内側に、大径部163と軸方向の位置を重ね合わせて配置されている。支持部材143は、その全部が、ケース部材131の大径部163の径方向内側に、大径部163と軸方向の位置を重ね合わせて配置されていても良い。すなわち、支持部材143は、その少なくとも一部が、ケース部材131の大径部163の径方向内側に、大径部163と軸方向の位置を重ね合わせて配置されていれば良い。
第1室181および第2室182は、いずれも容量が可変であり、区画部材135の変形により容量が変化する。第1室181は、ケース部材131の通路溝158内の通路を介してピストンロッド21の溝部30内の通路に常時連通している。第1室181は、通路溝158内の通路と、溝部30内の通路と、図2に示す切欠81内の通路と、第1通路43とを介して上室19に常時連通している。また、第1室181は、図3に示す通路溝158内の通路と、溝部30内の通路と、図2に示す通路溝79内の通路とを介して背圧室100に常時連通している。第2室182は、支持部材143とケース部材131の筒状部153との間にある通路部185を介して下室20に常時連通している。
伸び行程においては、上室19からの油液Lが、第1通路43とディスク50の切欠81内の通路とピストンロッド21の溝部30内の通路と、ケース部材131の通路溝158内の通路とを介して第1室181に導入される。すると、区画部材135のバルブディスク171は、当接するディスク136との接点を支点として外周側がシート部154からシート部154の軸方向に離れるようにテーパ状に変形する。その際に、バルブディスク171は、支持部材143に当接する弾性シール部材172の当接部176を圧縮変形させる。バルブディスク171のこの変形によって、第1室181の容積は増えることになる。ここで、バルブディスク171のこの変形時に、第2室182の容積は減ることになる。その際に第2室182の油液Lは、通路部185を介して下室20に流れる。
第1通路43と、切欠81内の通路と、ピストンロッド21の溝部30内の通路と、通路溝158内の通路と、第1室181と、第2室182と、通路部185とが、第2通路191を構成している。第2通路191は、第1通路43と、切欠81内の通路と、溝部30内の通路と、通路溝158内の通路と、第1室181とが、上室19に常時連通している。第2通路191は、通路部185と、第2室182とが、下室20に常時連通している。第2通路191は、伸び行程において上流側となる上室19から下流側となる下室20に向けて油液Lが移動する通路である。第2通路191は、縮み行程において上流側となる下室20から下流側となる上室19に向けて油液Lが移動する通路である。周波数感応機構130は、ケース部材131を含めて第2通路191に設けられている。
区画部材135は、そのバルブディスク171の内周側が、ケース部材131とディスク136との間で軸方向に移動可能である。区画部材135は、バルブディスク171の内周側が全周にわたってディスク136に接触する状態では、第1室181および第2室182間の油液Lの流通を遮断する。また、区画部材135は、バルブディスク171の内周側がディスク136から離間する状態では、第2室182と第1室181との間の油液Lの流通を許容する。バルブディスク171の内周側とディスク136とは、チェック弁193を構成している。チェック弁193は、第2通路191に設けられている。
チェック弁193は、第2通路191を介しての第1室181から第2室182への油液Lの流れを規制する一方で、第2通路191を介しての第2室182から第1室181への油液Lの流れを許容する。チェック弁193は、上室19の圧力が下室20の圧力より高くなる伸び行程において、第2通路191を介する上室19と下室20との連通を遮断する。チェック弁193は、下室20の圧力が上室19の圧力より高くなる縮み行程において、第2通路191を介して下室20と上室19とを連通する。このように、第2通路191は、チェック弁193が開くことで上室19と下室20とを連通する。
ピストンロッド21には、図2に示すように、取付軸部28をそれぞれの内側に挿通させた状態で、環状部材115、ディスク114、ディスク113、複数枚のディスク112、ディスク111、ピストン18、複数枚のディスク50、複数枚のディスク51、パイロットディスク52、ディスク53、パイロットケース55、ディスク56、複数枚のディスク57、ディスク58、ディスク59、ケース部材131および複数枚のディスク132が、この順に、軸段部29に重ねられる。このとき、パイロットケース55は、パイロットディスク52のシール部材86を外側円筒状部73に嵌合させる。
また、この状態から、図3に示すように、取付軸部28および複数枚のディスク132を内側に挿通させた状態で、区画部材135がケース部材131のシート部154に重ねられる。このとき、区画部材135の弾性シール部材172は、ケース部材131の筒状部153に嵌合される。
さらに、取付軸部28をそれぞれの内側に挿通させた状態で、ディスク136、複数枚のディスク137、ディスク138、複数枚のディスク139、複数枚のディスク140および環状部材141が、この順に、ディスク132と区画部材135のバルブディスク171とに重ねられる。
図2に示すように、上記のように環状部材115から環状部材141までの部品がピストンロッド21に配置された状態で、環状部材141よりも突出する取付軸部28のネジ部31にナット195が螺合される。これにより、環状部材115から環状部材141までの部品は、それぞれの内周側または全部が、ピストンロッド21の軸段部29とナット195とに挟持されて軸方向にクランプされる。その際に、区画部材135は、内周側が軸方向にクランプされることはない。この状態で、区画部材135は、図3に示すように、バルブディスク171が、ケース部材131のシート部154とディスク136とに当接すると共に、弾性シール部材172の当接部176が支持部材143に当接する。
図1に示すように、外筒4の底部12と内筒3との間には、上記したベースバルブ25が設けられている。このベースバルブ25は、ベースバルブ部材221とディスクバルブ222とディスクバルブ223と取付ピン224とを有している。ベースバルブ25は、ベースバルブ部材221が底部12に載置されており、ベースバルブ部材221が内筒3に嵌合している。ベースバルブ部材221は、下室20とリザーバ室6とを仕切っている。ディスクバルブ222は、ベースバルブ部材221の下側つまりリザーバ室6側に設けられている。ディスクバルブ223は、ベースバルブ部材221の上側つまり下室20側に設けられている。取付ピン224は、ベースバルブ部材221にディスクバルブ222およびディスクバルブ223を取り付けている。
ベースバルブ部材221は、円環状をなしており、径方向の中央に取付ピン224が挿通される。ベースバルブ部材221には、複数の通路穴225と複数の通路穴226とが形成されている。複数の通路穴225は、下室20とリザーバ室6との間で油液Lを流通させる。複数の通路穴226は、ベースバルブ部材221の径方向における複数の通路穴225の外側に配置されている。複数の通路穴226は、下室20とリザーバ室6との間で油液Lを流通させる。リザーバ室6側のディスクバルブ222は、下室20から通路穴225を介するリザーバ室6への油液Lの流れを許容する。その一方で、ディスクバルブ222はリザーバ室6から下室20への通路穴225を介する油液Lの流れを抑制する。ディスクバルブ223は、リザーバ室6から通路穴226を介する下室20への油液Lの流れを許容する。その一方で、ディスクバルブ223は、下室20からリザーバ室6への通路穴226を介する油液Lの流れを抑制する。
ディスクバルブ222は、ベースバルブ部材221とによって減衰バルブ機構227を構成している。減衰バルブ機構227は、緩衝器1の縮み行程において開弁して下室20からリザーバ室6に油液Lを流すとともに減衰力を発生する。ディスクバルブ223は、ベースバルブ部材221とによってサクションバルブ機構228を構成している。サクションバルブ機構228は、緩衝器1の伸び行程において開弁してリザーバ室6から下室20内に油液Lを流す。なお、サクションバルブ機構228は、主としてピストンロッド21のシリンダ2からの伸び出しにより生じる液の不足分を補うようにリザーバ室6から下室20に実質的に減衰力を発生することなく油液Lを流す機能を果たす。
次に緩衝器1の主な作動について説明する。
「伸び行程において、周波数感応機構130が作用せず、伸び側の第1減衰力発生機構41および第2減衰力発生機構110のみが作用すると仮定した場合」
この場合に、ピストン18の移動速度(以下、ピストン速度と称す)が第1所定値よりも遅い時、上室19からの油液Lは、図2に示す第1通路43および第1減衰力発生機構41の固定オリフィス92を介して下室20に流れる。よって、オリフィス特性(減衰力がピストン速度の2乗にほぼ比例する)の減衰力が発生する。このため、ピストン速度が第1所定値よりも遅い時のピストン速度に対する減衰力の特性は、ピストン速度の上昇に対する減衰力の上昇率が比較的高くなる。
ピストン速度が第1所定値以上かつ第2所定値未満になると、上室19からの油液Lは、第1通路43、切欠81内の通路、溝部30内の通路、通路溝79内の通路、背圧室100を通り、第2減衰力発生機構110のディスクバルブ99を開きながら、ディスクバルブ99とバルブシート部75との間を通って、下室20に流れる。よって、バルブ特性(減衰力がピストン速度にほぼ比例する)の減衰力が発生する。このため、ピストン速度が第1所定値以上かつ第2所定値未満の時のピストン速度に対する減衰力の特性は、ピストン速度の上昇に対する減衰力の上昇率が、ピストン速度が第1所定値未満の時よりも下がることになる。
ピストン速度が第2所定値以上に速くなると、第1減衰力発生機構41の減衰バルブ91に作用する力(油圧)の関係は、第1通路43から加わる開方向の力が背圧室100から加わる閉方向の力よりも大きくなる。よって、この領域では、ピストン速度の増加に伴い減衰バルブ91がピストン18のバルブシート部48から離れて開くことになる。よって、上室19からの油液Lは、上記したディスクバルブ99を開きながらのディスクバルブ99とバルブシート部75との間を通る下室20への流れに加えて、減衰バルブ91を開きながら、第1通路43から減衰バルブ91とバルブシート部48との間を通って下室20へ流れる。このため、ピストン速度が第2所定値以上の時のピストン速度の上昇に対する減衰力の上昇率は、ピストン速度が第1所定値以上かつ第2所定値未満の時よりも下がる。
「縮み行程において、周波数感応機構130が作用せず、縮み側の第1減衰力発生機構42のみが作用すると仮定した場合」
この場合に、ピストン速度が第3所定値よりも遅い時、下室20からの油液Lは、第1通路44と第1減衰力発生機構42の固定オリフィス123とを介して上室19に流れる。これにより、オリフィス特性の減衰力が発生することになる。このため、ピストン速度が第3所定値よりも遅い時のピストン速度に対する減衰力の特性は、ピストン速度の上昇に対する減衰力の上昇率が比較的高くなる。
ピストン速度が第3所定値以上に速くなると、下室20から第1通路44に導入される油液Lが第1減衰力発生機構42のディスクバルブ122を開きながらディスクバルブ122とバルブシート部49との間を通って上室19に流れることになる。これにより、バルブ特性の減衰力が発生する。このため、ピストン速度が第3所定値以上の時のピストン速度に対する減衰力の特性は、ピストン速度の上昇に対する減衰力の上昇率が、ピストン速度が第3所定値未満の時よりも下がることになる。
「伸び行程において、周波数感応機構130が作用する場合」
第1実施形態では、周波数感応機構130が、ピストン速度が同じ場合でも、ピストン周波数に応じて減衰力を可変とする。
伸び行程では、上室19から、第1通路43、切欠81内の通路、溝部30内の通路および通路溝158内の通路を介して周波数感応機構130の第1室181に油液Lが導入される。よって、シート部154とディスク136と支持部材143とに当接していた区画部材135が、ディスク136との接点を支点として外周側がシート部154から離れる方向にテーパ状に変形する。その際に、区画部材135は、通路部185を介して第2室182から下室20に油液Lを排出させる。
ここで、ピストン周波数が高いときの伸び行程では、ピストン18のストロークが小さい。このため、上室19から、第1通路43、切欠81内の通路、溝部30内の通路および通路溝158内の通路を介して第1室181に導入される油液Lの量が少ない。よって、区画部材135は、上記のように変形するものの限界近くまで変形することはない。
よって、ピストン周波数が高いときの伸び行程では、伸び行程の都度、周波数感応機構130の区画部材135が上記のように変形することにより、第1室181に上室19から油液Lを導入することになる。すると、上室19から、第1通路43、切欠81内の通路、溝部30内の通路、通路溝79内の通路および背圧室100を通り、第2減衰力発生機構110のディスクバルブ99を開きながら、下室20に流れる油液Lの流量が減ることになる。また、これに加えて、第1通路43から第1減衰力発生機構41の減衰バルブ91を開きながら、下室20に流れる油液Lの流量も減ることになる。加えて、第1室181に上室19から油液Lを導入することによって、第1室181がない場合と比べて背圧室100の圧力上昇が抑えられ、第1減衰力発生機構41の減衰バルブ91が開弁しやすくなる。これらによって伸び側の減衰力がソフトになる。
他方で、ピストン周波数が低いときの伸び行程では、ピストン18のストロークが大きい。このため、上室19から、第1通路43、切欠81内の通路、溝部30内の通路および通路溝158内の通路を介して第1室181に導入される油液Lの量が多い。よって、ピストン18のストロークの初期に、上室19から第1室181に油液Lが流れるものの、その後は、区画部材135は限界近くまで変形して、それ以上変形しなくなる。その結果、上室19から第1室181に油液Lが流れなくなる。これにより、上室19から、第1通路43、切欠81内の通路、溝部30内の通路、通路溝79内の通路および背圧室100を通り、第2減衰力発生機構110を開きながら、下室20に流れる油液Lの流量が減らないことになる。また、これに加えて、第1通路43から第1減衰力発生機構41の減衰バルブ91を開きながら、下室20に流れる油液Lの流量も減らないことになる。加えて、第1室181に上室19から油液Lが導入されないことによって、背圧室100の圧力が上昇し、第1減衰力発生機構41の減衰バルブ91が開弁しにくくなる。これらによって、ピストン周波数が低いときの伸び行程では、減衰力が高周波のときよりもハードになる。
縮み行程では、下室20の圧力が高くなるが、周波数感応機構130の区画部材135のバルブディスク171が、ケース部材131のシート部154に当接して第2室182の拡大を抑制する。このため、下室20から通路部185を介して第2室182に導入される油液Lの量は抑制されることになる。その結果、下室20から第1通路44に導入され第1減衰力発生機構42を通過して上室19に流れる油液Lの流量が減らない状態となる。よって、減衰力がハードになる。縮み行程において、ピストン速度が速くなって第2室182の圧力が第1室181の圧力よりも所定値以上高くなると、区画部材135の内周側がディスク136から離れる。言い換えれば、チェック弁193が開く。これにより、下室20から、通路部185、第2室182、チェック弁193、第1室181、通路溝158内の通路、溝部30内の通路、切欠81内の通路および第1通路43を介して上室19に油液Lが流れる。このように、チェック弁193が開くことで、区画部材135は、第2室182側と第1室181側との差圧が抑制される。よって、区画部材135が過度に撓むことが抑制される。
上記した特許文献1,2には、区画部材を、ケース部材の筒状部の内周部に接触させることにより、ケース部材に対し芯出しする構造の緩衝器が記載されている。このような構造の場合、区画部材は、ケース部材の筒状部に対して、径方向に締め代をもって開口側から圧入されることになる。特許文献1に記載のものは、筒状部の内周面が全体的に円筒面状であるため、圧入時に区画部材が治具と筒状部の開口端とに挟まれるなどして損傷し易い。このため、区画部材のケース部材への組み付けの際に注意が必要であり、組み付け性が良いとは言えない。また、特許文献2に記載のものは、筒状部の内周面が全体的にテーパ状であるため、区画部材の上記のような損傷は抑制できるものの、圧入中に区画部材がケース部材に対し傾き易い。区画部材は、ケース部材に対して傾きなく、かつ同軸の状態で押し込む必要があることから、やはり、区画部材のケース部材への組み付け性が良いとは言えない。しかも、特許文献2に記載のものは、緩衝器としての使用時に区画部材が筒状部に対してテーパの大径側に摺動すると筒状部に対する密閉性能すなわち区画部材の区画性能が低下してしまう可能がある。
第1実施形態の緩衝器1は、ケース部材131の底部150から延びる筒状部153が、底部150側の内径が小径に形成される小径部161と、小径部161よりも底部150とは反対側に配置され小径部161よりも内径が大径に形成される大径部163とを備える。このため、大径部163においては、区画部材135の筒状部153への圧入を不要とすることが可能となる。しかも、この大径部163において、区画部材135の筒状部153へのおおよその芯出し(径方向の位置決め)を行うことが可能となる。これにより、区画部材135の組み付け時の損傷を抑制することができ、区画部材135のケース部材131への組み付け性を向上させることができる。また、小径部161をテーパ状にする必要がないため、区画部材135の機能すなわちケース部材131内を第1室181と第2室182とに区画する機能の低下を抑制することができる。
また、第1実施形態の緩衝器1は、大径部163の軸方向長さが、小径部161の軸方向長さよりも短いため、筒状部153の軸方向の大型化を抑制しつつ上記効果を得ることができる。
また、第1実施形態の緩衝器1は、小径部161と大径部163の間に、小径部161と大径部163とを接続するよう傾斜した第1傾斜部162を有するため、大径部163にある区画部材135を小径部161に円滑に押し込むことができる。よって、区画部材135のケース部材131への組み付け性をさらに向上させることができる。
また、第1実施形態の緩衝器1は、筒状部153が、大径部163よりも底部150とは反対側に、底部150側に向かう程内径が小さくなるよう傾斜する第2傾斜部164を有する。このため、大径部163内への区画部材135の配置が容易となる。したがって、区画部材135のケース部材131への組み付け性をさらに向上させることができる。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態を主に図5および図6に基づいて第1実施形態との相違部分を中心に説明する。なお、第1実施形態と共通する部位については、同一称呼、同一の符号で表す。
図5に示すように、第2実施形態の緩衝器1Aは、周波数感応機構130とは一部異なる周波数感応機構130Aを周波数感応機構130にかえて有している。
周波数感応機構130Aは、バルブケース145とは一部異なるバルブケース145Aをバルブケース145にかえて有している。バルブケース145Aは、ケース部材131とは一部異なるケース部材131Aをケース部材131にかえて有している。
ケース部材131Aは、筒状部153とは一部異なる筒状部153Aを筒状部153にかえて有している。筒状部153Aは、小径部161に対して軸方向長さが短い点が相違する小径部161Aを小径部161にかえて有している。筒状部153Aは、大径部163に対して軸方向長さが長い点が相違する大径部163Aを大径部163にかえて有している。ただし、筒状部153Aにおいても、大径部163Aの軸方向長さは、小径部161Aの軸方向長さよりも短い。
周波数感応機構130Aは、区画部材135とは一部異なる区画部材135Aを区画部材135にかえて有している。
区画部材135Aは、弾性シール部材172とは一部異なる弾性シール部材172Aを弾性シール部材172にかえて有している。
弾性シール部材172Aは、当接部176とは一部異なる当接部176Aを当接部176にかえて有している。
当接部176Aは、外周面が円筒面状となっており、これにより当接部176よりも体積が径方向に拡大している。また、当接部176Aは、その軸方向におけるバルブディスク171とは反対側の先端部に、二つの円環状の突出部251Aおよび突出部252Aを有している。突出部251Aは突出部252Aよりも径方向内側にある。当接部176Aの中心軸線を含む面での断面とした場合、突出部251Aおよび突出部252Aは、いずれも、軸方向においてバルブディスク171から離れるほど細くなる先細の山型形状をなしている。当接部176Aは、突出側の先端部に、この先端部を当接部176Aの径方向に貫通する切欠部177Aが、当接部176Aの周方向に間隔をあけて複数形成されている。切欠部177Aは、突出部251A,252Aの両方を、これらの径方向に貫通している。言い換えれば、当接部176Aは、突出側の先端部が、当接部176Aの周方向に断続的に切り欠かれている。
バルブケース145Aは、支持部材143よりも外径が大きい点が支持部材143とは相違する支持部材143Aを支持部材143にかえて有している。支持部材143Aは、ディスク140よりも外径が大きい点がディスク140とは相違する複数枚(具体的には2枚)のディスク140Aをディスク140にかえて有している。
複数枚のディスク140Aからなる支持部材143Aは、筒状部153Aの軸方向において、第1傾斜部162および大径部163Aと位置を重ね合わせており、小径部161Aとは位置を重ね合わせていない。ディスク140Aすなわち支持部材143Aは、外径が小径部161Aの内径よりも大径かつ大径部163Aの内径よりも小径となっている。言い換えれば、支持部材143Aは、小径部161Aよりも外径が大きくなるよう形成されている。
このように、支持部材143Aは、その一部が、ケース部材131Aの大径部163Aの径方向内側に、大径部163Aと軸方向の位置を重ね合わせて配置されている。支持部材143Aは、その全部が、ケース部材131Aの大径部163Aの径方向内側に、大径部163Aと軸方向の位置を重ね合わせて配置されていても良い。すなわち、支持部材143Aは、その少なくとも一部が、ケース部材131Aの大径部163Aの径方向内側に、大径部163Aと軸方向の位置を重ね合わせて配置されていれば良い。
区画部材135Aは、区画部材135と同様に、そのシール部175において、ケース部材131Aの筒状部153Aの小径部161Aに圧入される。これにより、区画部材135Aは、ケース部材131Aおよびピストンロッド21に対して略同軸状に配置されるように芯出しされる。その際に、区画部材135Aは、シール部175の図6において圧入前の自然状態を二点鎖線で示す突条部179が、全周にわたって小径部161Aに径方向の締め代をもって当接する。
区画部材135Aも、シール部175が、筒状部153に対して筒状部153の軸方向に摺動可能となっている。その際に、シール部175は、突条部179が小径部161Aに全周にわたって密着する状態を維持しつつ小径部161Aに対して軸方向に摺動する。これにより、弾性シール部材172Aは、そのシール部175の突条部179が、区画部材135Aと筒状部153Aとの隙間を常時シールする。筒状部153Aには、区画部材135Aの突条部179の摺動範囲に小径部161Aが設けられている。そして、筒状部153Aには、突条部179の摺動範囲である小径部161Aの外に、区画部材135Aの組み付けのガイド区間となる、第1傾斜部162、大径部163A、第2傾斜部164および開口端部165が設けられている。
以上に述べた第2実施形態の緩衝器1Aは、第1実施形態の緩衝器1と同様の効果を奏することができる。
また、第2実施形態の緩衝器1Aは、支持部材143Aの外径が、小径部161Aの外径よりも大きくなるよう形成されている。このため、緩衝器1Aは、当接部176Aの設計自由度を拡大させても、当接部176Aを安定的に支持することができる。すなわち、緩衝器1Aは、支持部材143Aと筒状部153Aとの間に通路部185を設けた上で、支持部材143Aの外径を小径部161Aの外径よりも大きくすることができる。これにより、区画部材135Aの当接部176Aを径方向に大きくしても、当接部176Aを、外径が大きい支持部材143Aで良好に支持することができる。このため、当接部176Aの設計自由度が拡大し、当接部176Aの発生可能な弾性特性範囲すなわち当接部176Aの特性のチューニング幅を拡大させることができる。
なお、第1,第2実施形態では、油圧緩衝器を例に示したが、作動流体として水や空気を用いた緩衝器にも上記構造を採用することができる。