JP7576024B2 - Ntrk融合タンパク質を検出するための組織化学的および細胞化学的方法 - Google Patents

Ntrk融合タンパク質を検出するための組織化学的および細胞化学的方法 Download PDF

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Description

関連出願の相互参照
この出願は、2018年9月13日に出願された「NTRK融合タンパク質を検出するための組織化学的および細胞化学的方法」と題する米国仮特許出願第62/731,032号の利益を主張し、その内容は参照により全体が本明細書に組み込まれる。
参照による配列表の組み込み
本出願は、2019年9月9日に作成された「P35023-WO PCT fling sequence listing」のファイル名(21,260バイト)を有する、コンピュータ可読形式でこれと共に提出された配列表を参照により組み込む。
本開示は、とりわけ、NTRK遺伝子産物が関与する融合タンパク質の組織化学的および細胞化学的検出のための方法、かかる方法で有用な材料、キット、およびシステム、ならびにかかる方法の実施により生じる生成物に関する。
神経栄養性チロシン受容体キナーゼ(NTRK1、NTRK2、およびNTRK3)は、中枢および末梢神経系(Barbacid I,Barbacid II,Lemmon&Schlessinger,and Klein)の発達および成熟に役割を果たす受容体型チロシンキナーゼタンパク質(TRKA、TRKB、およびTRKC)をコードする遺伝子ファミリーである。癌では、3つのNTRK遺伝子の1つのインタクトなキナーゼドメインがさまざまな上流パートナー(ETV6、LMNA、TPM3など)に融合し、TRKタンパク質のリガンド結合ドメインを二量体化を促進する構造モチーフに置き換えることができる(Eide,Luberg,&Vaishnavi)。これは、融合タンパク質の発現に起因する、TRKシグナル伝達の構成的活性化および抑制されていない増殖をもたらす。
NTRK遺伝子融合は、乳児線維肉腫、先天性中胚葉性腎腫、分泌性乳癌、および唾液腺の分泌性癌(MASC)などの特定のまれな腫瘍において特徴的である(Argani,Bishop,Bourgeois,Rubin,&Tognon)。逆に、NTRK遺伝子融合は、限定されないが、虫垂癌、乳癌、胆管細胞癌、結腸直腸癌(CRC)、GIST、肺癌、黒色腫、膵臓癌、甲状腺癌、および多様な肉腫を含む、成人および小児の固形腫瘍ではめったに発生しない(DeBraud,Brzezianska,Fernandez-Cuesta,Leeman-Neill,&Ross)。NTRK遺伝子融合による固形腫瘍の治療のための現在開発中の小分子阻害剤が利用可能であるため、NTRK遺伝子融合を特定することは臨床的に重要である(Vaishnavi&De Braud)。
現在まで、異なる方法論間で一貫性のない特異性および感度のため、腫瘍内のNTRK融合を検出するゴールドスタンダードはない。現在の検出方法には、蛍光in situハイブリダイゼーション(FISH)、in situハイブリダイゼーション(ISH)、次世代シーケンシング(NGS)、および免疫組織化学(IHC)が含まれる。FISHおよびISHアッセイの最適化および列挙/解釈は難しい場合がある。NGSは非常に特異的であるが、感度が不足している。対照的に、IHCは高感度である可能性があるが、実際の融合の存在ではなくタンパク質の発現を検出する。加えて、一部の腫瘍(すなわち神経内分泌腫瘍およびGIST)における野生型TRKタンパク質の内因性の存在により、融合産物に対するIHCアッセイの最適化、そして次に、この融合産物を選択するための特定のスコア化アルゴリズムの開発は、困難となり得る。
本開示は、TRK融合タンパク質によって駆動される非神経内分泌腫瘍を同定するための方法に関する。
一実施形態では、非神経内分泌腫瘍サンプル中のTrkA、TrkB、またはTrkCの融合タンパク質を検出する方法が提供され、この方法は、配列番号1の残基363~760を含む、それから本質的になる、もしくはそれからなるアミノ酸配列;配列番号2の残基646~838を含む、それから本質的になる、もしくはそれからなるアミノ酸配列;または、配列番号3の残基718~839を含む、それから本質的になる、もしくはそれからなるアミノ酸配列の1つ以上に特異的に結合するバイオマーカー特異的試薬でサンプルを親和性組織化学染色することと、サンプル中の染色パターンを検出することと、サンプルが細胞質および/または膜染色パターンを有し、所定の特異的染色強度を超えて染色する腫瘍細胞の第1の閾値パーセンテージ以上を有する場合、またはサンプルが核染色パターンを有し、任意の強度で特異的に染色される閾値腫瘍細胞領域内の細胞の第2の閾値パーセンテージ以上である場合、サンプルをTrkA、TrkB、またはTrkCが関与する融合タンパク質に対して陽性としてスコア化することと、を含む。
一実施形態では、非神経内分泌腫瘍サンプル中のTrkA、TrkB、またはTrkCの融合タンパク質を検出する方法が提供され、この方法は、配列番号1の残基363~760を含む、それから本質的になる、またはそれからなるアミノ酸配列;配列番号2の残基646~838を含む、それから本質的になる、またはそれからなるアミノ酸配列;および、配列番号3の残基718~839を含む、それから本質的になる、またはそれからなるアミノ酸配列に特異的に結合するバイオマーカー特異的試薬でサンプルを親和性組織化学染色することと、サンプル中の染色パターンを検出することと、サンプルが細胞質および/または膜染色パターンを有し、所定の特異的染色強度を超えて染色する腫瘍細胞の第1の閾値パーセンテージ以上を有する場合、またはサンプルが核染色パターンを有し、任意の強度で特異的に染色される閾値腫瘍細胞領域内の細胞の第2の閾値パーセンテージ以上である場合、サンプルをTrkA、TrkB、またはTrkCが関与する融合タンパク質に対して陽性としてスコア化することと、を含む。
一実施形態では、非神経内分泌腫瘍サンプル中のTrkA、TrkB、またはTrkCの融合タンパク質を検出する方法が提供され、この方法は、配列番号2のアミノ酸816~838からなるアミノ酸配列に特異的に結合するバイオマーカー特異的試薬でサンプルを親和性組織化学染色すること、サンプル中の染色パターンを検出することと、サンプルが細胞質および/または膜染色パターンを有し、所定の特異的染色強度を超えて染色する腫瘍細胞の第1の閾値パーセンテージ以上を有する場合、またはサンプルが核染色パターンを有し、任意の強度で特異的に染色される閾値腫瘍細胞領域内の細胞の第2の閾値パーセンテージ以上である場合、サンプルをTrkA、TrkB、またはTrkCが関与する融合タンパク質に対して陽性としてスコア化することと、を含む。
一実施形態では、非神経内分泌腫瘍サンプル中のNTRK再配列を検出する方法が提供され、この方法は、本明細書に記載の方法に従ってサンプル中のTrk融合タンパク質の存在を検出することと、サンプルがTrkA、TrkB、またはTrkCが関与する融合タンパク質に対して陽性としてスコア化される場合、シーケンシング、逆転写ポリメラーゼ連鎖反応、またはin situハイブリダイゼーションによってサンプルをスクリーニングすることでNTRK再配列の存在を確認することと、を含む。
一実施形態では、Trk指向療法を受ける患者を選択する方法が提供され、この方法は、本明細書に記載の方法に従って非神経内分泌腫瘍サンプル中のTrk融合タンパク質またはNTRK再配列の存在を検出することと、サンプルがTrkA、TrkBもしくはTrkCが関与する融合タンパク質に対して陽性としてスコア化される場合、またはNTRK再配列が検出される場合に、該療法を受ける患者を選択することと、を含む。
一実施形態では、TrkA、TrkB、またはTrkCの存在または不在、およびそのキナーゼドメインを含む融合タンパク質についてサンプルを染色する方法も提供され、この方法は、(a)サンプルを熱誘導エピトープ回復プロセスに供すること、ならびに(b)サンプルをバイオマーカー特異的試薬および検出試薬のセットと接触させて、サンプルに結合した任意のバイオマーカー特異的試薬の近くに明視野色素を沈着させること、を含み、ここで、バイオマーカー特異的試薬は、配列番号1の残基363~760を含む、それから本質的になる、もしくはそれからなるアミノ酸配列;配列番号2の残基646~838を含む、それから本質的になる、もしくはそれからなるアミノ酸配列;または、配列番号3の残基718~839を含む、それから本質的になる、もしくはそれからなるアミノ酸配列の1つ以上に特異的に結合する。
一実施形態では、TrkA、TrkB、またはTrkCの存在または不在、およびそのキナーゼドメインを含む融合タンパク質についてサンプルを染色する方法も提供され、この方法は、(a)サンプルを熱誘導エピトープ回復プロセスに供すること、ならびに(b)サンプルをバイオマーカー特異的試薬および検出試薬のセットと接触させて、サンプルに結合した任意のバイオマーカー特異的試薬の近くに明視野色素を沈着させること、を含み、ここで、バイオマーカー特異的試薬は、配列番号1の残基363~760を含む、それから本質的になる、もしくはそれからなるアミノ酸配列;配列番号2の残基646~838を含む、それから本質的になる、もしくはそれからなるアミノ酸配列;または、配列番号3の残基718~839を含む、それから本質的になる、もしくはそれからなるアミノ酸配列の1つ以上に特異的に結合する一次抗体であり、検出試薬のセットは、一次抗体と免疫反応性の二次抗体、酵素に結合した二次抗体と免疫反応性の三次抗体、サンプルへの明視野色素の沈着をもたらす酵素と反応性の試薬のセットを含む。
一実施形態では、TrkA、TrkB、またはTrkCの存在または不在、およびそのキナーゼドメインを含む融合タンパク質についてサンプルを染色する方法も提供され、この方法は、(a)サンプルを熱誘導エピトープ回復プロセスに供すること、ならびに(b)サンプルをバイオマーカー特異的試薬および検出試薬のセットと接触させて、サンプルに結合した任意のバイオマーカー特異的試薬の近くに明視野色素を沈着させること、を含み、ここで、バイオマーカー特異的試薬は、配列番号1の残基363~760を含む、それから本質的になる、もしくはそれからなるアミノ酸配列;配列番号2の残基646~838を含む、それから本質的になる、もしくはそれからなるアミノ酸配列;または、配列番号3の残基718~839を含む、それから本質的になる、もしくはそれからなるアミノ酸配列のそれぞれに特異的に結合する一次抗体であり、検出試薬のセットは、一次抗体と免疫反応性の二次抗体、酵素に結合した二次抗体と免疫反応性の三次抗体、サンプルへの明視野色素の沈着をもたらす酵素と反応性の試薬のセットを含む。
他の実施形態は、以下の開示から明らかになるであろう。
TrkA(配列番号1のアミノ酸残基363~760)、TrkB(配列番号2のアミノ酸残基646~838)およびTrkC(配列番号3のアミノ酸残基718~839)の例示的な保持部分間の配列アラインメント。配列アラインメントは、EMBL-EBI(https://www.ebi.ac.uk/Tools/msa/kalign/)によるKalign Multiple Sequence Alignmentツールを使用して生成した。デフォルト設定を使用し、これには、ClustalW出力フォーマット、11のギャップオープンペナルティ、0.85のギャップ拡張ペナルティ、0.45のターミナルギャップペナルティ、および0のボーナススコアが含まれる。 IHCの結果は複数の腫瘍タイプのTrk融合である。オルトゴナル検査法(Orthogonal testing methods)を使用して、Trk融合の存在を評価した。 IHCの結果は複数の腫瘍タイプのTrk融合である。オルトゴナル検査法を使用して、Trk融合の不在を評価した。 腫瘍細胞染色のパーセンテージ(0~100%)および染色の強度(0~3+)による、データセット内のISHで確認された融合陽性症例の腫瘍タイプの染色分布。円は融合陰性の症例を表し、三角形は融合陽性の症例を表す。菱形は、融合がISHによって検出されたが、固定勾配が観察された場合を示す。パターンは、さまざまな腫瘍組織像を表す。図5aおよび図5bは、融合陽性の症例が検出されなかった神経内分泌腫瘍の染色分布を示す。 腫瘍細胞染色のパーセンテージ(0~100%)および染色の強度(0~3+)による、データセット内のISHで確認された融合陰性症例の腫瘍タイプの染色分布。 IHCおよびISH試験に基づく固形腫瘍のサブカテゴリー化。 本明細書に記載の染色方法で得られた染色パターン局在の違いの例。(A)break-apart in situハイブリダイゼーションアッセイによってNTRK1再配列を有すると決定され、次世代シーケンシングによりNTRK1-TPM3融合であることが確認された、結腸直腸腫瘍における細胞質/膜染色パターン。(B)break-apart in situハイブリダイゼーションアッセイによってNTRK1再配列を有すると決定され、次世代シーケンシングによりNTRK1-EML4融合であることが確認された、結腸直腸腫瘍における細胞質染色パターン。(C)乳腺相似分泌癌(MASC)の核/細胞質染色パターンは、break-apart in situハイブリダイゼーションアッセイによってNTRK3再配列があると決定され、次世代シーケンシングによってNTRK3-ETV6融合であることが確認された。 組織内の固定勾配の例、および核の局在が細胞質/膜の局在よりも勾配の影響を受けているように見えることの実証。下の行は低倍率を示し、上の行はすぐ下の画像のサブセクションの高倍率を示す。
I.定義
別段の定義がない限り、本明細書で使用される技術用語及び科学用語は、当該技術分野の当業者によって一般的に理解されている意味と同じ意味を有する。たとえば、Lackie,DICTIONARY OF CELL AND MOLECULAR BIOLOGY,Elsevier(4th ed.2007);Sambrook et al.,MOLECULAR CLONING,A LABORATORY MANUAL,Cold Springs Harbor Press(Cold Springs Harbor,N.Y.1989)を参照されたい。「1つ(a)」または「1つ(an)」という用語は、「1つ以上」を意味することを意図している。工程または要素の列挙に先行する場合の「含む(comprise)」、「含む(comprises)」、および「含む、含んでいる(comprising)」という用語は、さらなる工程または要素の追加が任意であり、除外されないことを意味することを意図している。
抗体:「抗体」という用語は、本明細書では最も広い意味で使用され、限定されるものではないが、それらが所望の抗原結合活性を呈する限り、モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、多重特異性抗体(例えば、二重特異性抗体)、及び抗体断片を含めた、様々な抗体構造を包含する。
抗体断片:「抗体断片」は、インタクト抗体が結合する抗原を結合するインタクト抗体の一部を含むインタクト抗体以外の分子を指す。抗体断片の例としては、Fv、Fab、Fab’、Fab’-SH、F(ab’)2、二重特異性抗体、直鎖抗体、一本鎖抗体分子(例えば、scFv)、及び、抗体断片から形成した多重特異性抗体が挙げられるが、これらに限定されない。
バイオマーカー:本明細書で使用される場合、「バイオマーカー」という用語は、生物学的サンプルまたは生物学的サンプルが得られる対象を特徴付けるために使用できる、生物学的サンプル中に見出される任意の分子または分子のグループを指すものとする。例えば、バイオマーカーは、その存在、不在、または相対的存在量が次のとおりである分子または分子のグループであり得る:
・特定の細胞もしくは組織のタイプもしくは状況の特徴;
・特定の病的状態もしくは状況の特徴;または
・病的状態の重症度、病的状態の進行もしくは退行の可能性、および/または病的状態が特定の治療に反応する可能性の指標。
別の例として、バイオマーカーは、細胞型または微生物(細菌、マイコバクテリア、真菌、ウイルスなど)、または置換分子またはそれらの分子のグループであり得る。
バイオマーカー特異的試薬:一次抗体など、細胞サンプル中の1つ以上のバイオマーカーに直接特異的に結合できる特異的検出試薬。
細胞サンプル:本明細書で使用される場合、「細胞サンプル」という用語は、細胞培養物、体液サンプル、または病理学的、組織学的、もしくは細胞学的解釈のために採取された外科標本などのインタクトな細胞を含む任意のサンプルを指す。
細胞化学的検出:インタクトな細胞との関連でバイオマーカーまたは他の構造の顕微鏡的検出を可能にする方法で、細胞学的サンプル中のバイオマーカーまたは他の構造をバイオマーカー特異的試薬および検出試薬で標識することを含むプロセス。
細胞学的サンプル:本明細書で使用される場合、「細胞学的サンプル」という用語は、インビボで断面の空間的関係を有さない(血液サンプル、尿サンプル、喀痰などに由来する細胞サンプルなど)か、または断面の空間的関係が少なくとも部分的に破壊されている(組織塗抹標本、液体ベースの細胞診サンプル、穿刺吸引物など)細胞サンプルを指すものとする。
検出試薬:「検出試薬」は、細胞サンプル中のバイオマーカー特異的試薬の近くに染色を沈着させるために使用される任意の試薬である。非限定的な例としては、バイオマーカー特異的試薬(一次抗体など)、二次検出試薬(一次抗体に結合できる二次抗体など)、三次検出試薬(二次抗体に結合できる三次抗体など)、バイオマーカー特異的試薬と直接的または間接的に会合した酵素、蛍光または発色性染色の沈着をもたらすそのような酵素と反応性の化学物質、染色工程の間に使用される洗浄試薬などが挙げられる。
検出可能な部分:サンプル上に沈着した検出可能な部分の存在(すなわち、定性分析)および/または濃度(すなわち、定量分析)を示す検出可能なシグナル(視覚的、電子的など、またはその他)を生成できる分子または材料。検出可能なシグナルは、光子(高周波、マイクロ波周波数、赤外振動数、可視周波数、および紫外線周波数の光子を含む)の吸収、放出、および/または散乱を含む、任意の既知またはまだ発見されていないメカニズムによって生成され得る。「検出可能な部分」という用語には、発色性、蛍光性、リン光性、および発光性の分子および材料、ある物質を別の物質に変換して(無色の物質を着色された物質に変換することによって、若しくはその逆、または沈殿物を生成するか、サンプルの濁度を上げることによって)検出可能な差異を提供する触媒(酵素など)が含まれる。いくつかの例では、検出可能な部分は、クマリン、フルオレセイン(またはフルオレセイン誘導体および類縁体)、ローダミン、レゾルフィン、ルミノフォアおよびシアニンを含むいくつかの一般的な化学クラスに属するフルオロフォアである。蛍光分子の追加の例は、Molecular Probes Handbook-A Guide to Fluorescent Probes and Labeling Technologies,Molecular Probes,Eugene,OR,ThermoFisher Scientific,11th Editionに記載されている。他の実施形態では、検出可能な部分は、ジアミノベンジジン(DAB)、4-(ジメチルアミノ)アゾベンゼン-4’-スルホンアミド(DABSYL)、テトラメチルローダミン(DISCOVERY Purple)、N,N’-ビスカルボキシペンチル-5,5’-ジスルホナト-インド-ジカルボシアニン(Cy5)、およびローダミン110(ローダミン)である。
組織化学的検出:組織サンプルの構造間の断面関係に関連してバイオマーカーまたは他の構造の顕微鏡的検出を可能にする方法で、組織サンプル中のバイオマーカーまたは他の構造をバイオマーカー特異的試薬および検出試薬で標識することを含むプロセス。
モノクローナル抗体:実質的に均質な抗体の集団から得られる抗体、すなわち、集団を構成する個々の抗体が同一であり、及び/又は同一のエピトープを結合している抗体、例えば、自然に生じる突然変異を含むか、又はモノクローナル抗体調製物の製造中に生じる可能性のある変異体抗体を除いて、そのような変異体は、一般的に微量に存在する。典型的には異なる決定基(エピトープ)に対して指向する異なる抗体を含むポリクローナル抗体製剤とは対照的に、モノクローナル抗体製剤のそれぞれのモノクローナル抗体は、1つの抗原上の単一の決定基に対して指向する。このように、修飾子「モノクローナル」は、実質的に均質な抗体の集団から得られる抗体の性質を示しており、特定の方法による抗体の生産を必要とすると解釈されるものではない。例えば、本発明に従って使用されるモノクローナル抗体は、ハイブリドーマ法、組換えDNA法、ファージディスプレイ法、およびヒト免疫グロブリン遺伝子座の全部もしくは一部、またはそれらの組み合わせを含むトランスジェニック動物を利用する方法を含むがこれらに限定されない種々の技術によって作製されてもよい。
「保持部分」は、発癌性融合タンパク質に保存されている発癌性融合タンパク質の野生型対応物の任意の部分を意味するものとする。
特異的結合:本明細書で使用される場合、「特異的結合」、「に特異的に結合する」、または「に特異的な」という句は、生物学的分子を含む異種分子集団の存在下で標的の存在を決定する標的と特異的検出試薬との間の測定可能かつ再現可能な相互作用を指す。例えば、標的に特異的に結合する抗体は、他の標的に結合するよりも高い親和性、結合力で、より容易に、及び/またはより長い持続時間でこの標的に結合する、抗体である。一実施形態では、特異的検出試薬が無関係の標的に結合する程度は、例えば、ラジオイムノアッセイ(RIA)によって測定される、抗体の標的への結合の約10%未満である。ある特定の実施形態では、標的に特異的に結合するバイオマーカー特異的試薬は、1μM以下、100nM以下、10nM以下、1nM以下、または0.1nM以下の解離定数(Kd)を有する。別の実施形態では、特異的結合は、排他的結合を含み得るが、それを必要としない。
特異的検出試薬:細胞サンプルとの関連で、標的の化学構造に特異的に結合することができる物質の任意の組成物。
染色:名詞として使用される場合、「染色」という用語は、明視野顕微鏡法、蛍光顕微鏡法、電子顕微鏡法などを含む顕微鏡分析のために細胞サンプル中の特定の分子または構造を視覚化するために使用できる任意の物質を指すものとする。動詞として使用される場合、「染色」という用語は、細胞サンプルに着色剤が沈着する結果となる任意のプロセスを指すものとする。
対象:本明細書で使用される場合、「対象」または「個体」という用語は哺乳動物である。哺乳類としては、家畜化動物(例えば、牛、羊、猫、犬、馬など)、霊長類(例えば、ヒト、サルなどの非ヒト霊長類)、ウサギ、げっ歯類(例えば、マウス、ラットなど)などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。ある特定の実施形態では、個体又は対象は、ヒトである。
試験サンプル:サンプルが得られた時点で結果が不明な対象から得られた腫瘍サンプル。
組織サンプル:本明細書で使用される場合、「組織サンプル」という用語は、サンプルが得られた対象内に存在した細胞間の断面の空間的関係を保存する細胞サンプルを指すものとする。
腫瘍サンプル:腫瘍から得られた組織サンプル。
II.染色方法
本開示は、TrkA、TrkB、およびTrkCの1つ以上の保持部分を標的とする第1のバイオマーカー特異的試薬を使用する非神経内分泌NTRK融合タンパク質の親和性組織化学的または細胞化学的に染色されたサンプルに基づく。バイオマーカー特異的試薬は、融合タンパク質をもたらす野生型タンパク質のブレークポイントを識別し、融合タンパク質に保持されているブレークポイントの側にある野生型タンパク質の一部を標的とすることによって選択される。融合タンパク質のブレークポイントを識別するために多くのリソースが利用可能であり、たとえば、ゲノムの位置および結果として得られる融合タンパク質で発現される第1のエクソンによるブレークポイントの注釈が含まれるCOSMICデータベースが挙げられる。例示的な野生型タンパク質配列を表1に示す。
Figure 0007576024000001
TrkA、TrkB、またはTrkCのC末端を保持する融合タンパク質の例示的なブレークポイントおよびコンセンサス保持部分を表2に示す。
Figure 0007576024000002
一実施形態では、バイオマーカー特異的試薬は、TrkA、TrkB、およびTrkCの1つ以上の保持部分に特異的に結合する。一実施形態では、バイオマーカー特異的試薬は、TrkA、TrkB、およびTrkCのそれぞれの保持部分に特異的に結合する。TrkA、TrkB、およびTrkCの例示的な保持部分間のアラインメントを図1に示す。別の特定の実施形態において、バイオマーカー特異的試薬は、以下のうちの1つ以上に特異的に結合する:(a)配列番号1の残基363~760を含む、それから本質的になる、もしくはそれからなるアミノ酸配列;(b)配列番号2の残基646~838を含む、それから本質的になる、もしくはそれからなるアミノ酸配列;または(c)配列番号3の残基718~839を含む、それから本質的になる、もしくはそれからなるアミノ酸配列。別の特定の実施形態において、バイオマーカー特異的試薬は、以下に特異的に結合する:(a)配列番号1の残基363~760を含む、それから本質的になる、またはそれからなるアミノ酸配列;(b)配列番号2の残基646~838を含む、それから本質的になる、またはそれからなるアミノ酸配列;および(c)配列番号3の残基718~839を含む、それから本質的になる、またはそれからなるアミノ酸配列。
バイオマーカー特異的試薬は、細胞サンプルによって発現されるタンパク質のin situ検出(組織学的または細胞学的染色法などによる)に有用な任意のタイプの実体であり得る。例示的なバイオマーカー特異的試薬としては、抗体およびその抗原結合フラグメント、ならびにADNECTIN(第10 FN3フィブロネクチンに基づく足場;Bristol-Myers-Squibb Co.)、AFFIBODY(S.アウレウス(S.aureus)に由来するプロテインAのZドメインに基づく足場;Affibody AB、スウェーデン国ソルナ)、AVIMER(ドメインA/LDL受容体に基づく足場;Amgen、カリフォルニア州サウザンドオークス)、dAb(VHまたはVL抗体ドメインに基づく足場;GlaxoSmithKline PLC、英国ケンブリッジ)、DARPin(アンキリンリピートタンパク質に基づく足場;Molecular Partners AG、スイス国チューリッヒ)、ANTICALIN(リポカリンに基づく足場;Pieris AG、ドイツ国フィライジング)、NANOBODY(VHH(ラクダ類Igに基づく足場);Ablynx N/V、ベルギー国ヘント)、TRANS-BODY(トランスフェリンに基づく足場;Pfizer Inc.、ニューヨーク州ニューヨーク)、SMIP(Emergent Biosolutions,Inc.、メリーランド州ロックビル)、およびTETRANECTIN(C型レクチンドメイン(CTLD)に基づく足場)、テトラネクチン;Borean Pharma A/S、デンマーク国オーフス)などの操作された特異的結合組成物が挙げられる。そのような操作された特異的結合構造の説明は、Wurch et al.,Development of Novel Protein Scaffolds as Alternatives to Whole Antibodies for Imaging and Therapy:Status on Discovery Research and Clinical Validation,Current Pharmaceutical Biotechnology,Vol.9,pp.502-509(2008)に概説されており、その内容は参照により組み込まれる。
特定の実施形態では、バイオマーカー特異的試薬は抗体である。別の特定の実施形態では、抗体はモノクローナル抗体(マウスモノクローナル抗体またはウサギモノクローナル抗体など)である。別の特定の実施形態では、抗体は、TrkA、TrkB、またはTrkCの1つ以上の保持部分に特異的に結合する。別の特定の実施形態では、抗体は、以下の1つ以上に含まれるエピトープに特異的に結合する:(a)配列番号1の残基363~760を含む、それから本質的になる、もしくはそれからなるアミノ酸配列;(b)配列番号2の残基646~838を含む、それから本質的になる、もしくはそれからなるアミノ酸配列;または(c)配列番号3の残基718~839を含む、それから本質的になる、もしくはそれからなるアミノ酸配列。別の特定の実施形態では、抗体は以下に特異的に結合する:(a)配列番号1の残基363~760を含む、それから本質的になる、またはそれからなるアミノ酸配列;(b)配列番号2の残基646~838を含む、それから本質的になる、またはそれからなるアミノ酸配列;および(c)配列番号3の残基718~839を含む、それから本質的になる、またはそれからなるアミノ酸配列。一実施形態では、抗体は、表3による市販の抗体である。
Figure 0007576024000003
特定の実施形態では、抗体はEPR17341である。
バイオマーカー特異的試薬は、NTRK融合タンパク質を有することが疑われるサンプルを組織化学的または細胞化学的に親和性染色するために使用される。親和性組織化学的および細胞化学的染色技術は、通常、スライドまたは他の固体支持体上に沈着したサンプルを、バイオマーカー特異的試薬と目的のバイオマーカーとの間の特異的結合を可能にするのに十分な条件下でバイオマーカー特異的試薬と接触させることを含む。バイオマーカー特異的試薬のバイオマーカーへの結合は、バイオマーカーを含む場所の近くのサンプル上に対する検出可能な部分の沈着を容易にする。検出可能な部分を使用して、バイオマーカー特異的試薬が向けられるバイオマーカーを特定および/または定量化することができる。それにより、検出可能な部分によって生成されたシグナルを検出することによって、サンプル中の標的の存在および/または相対量を検出することができる。
染色プロセスは、手動、自動、または手動と自動の工程の組み合わせであってもよい。一実施形態では、染色プロセスは、自動化された高度な染色プラットフォーム上で実施され得る。自動化された高度な染色プラットフォームは、通常、少なくとも以下を備える:染色プロトコルで使用される様々な試薬のリザーバー、スライド上に試薬を分配するためのリザーバーと流体連通している試薬分配ユニット、スライドから使用済み試薬および他の廃棄物を除去するための廃棄物除去システム、ならびに試薬分配ユニットおよび廃棄物除去システムの動作を調整する制御システム。染色工程の実施に加えて、多くの自動スライド染色装置は、スライドベーキング(スライドへのサンプルの付着のため)、脱ろう(脱パラフィンとも呼ばれる)、エピトープ不活化、対比染色、脱水および透徹、ならびに封入処理を含む、染色に付随する工程を実施することもできる(または、そのような補助工程を実施する別のシステムと互換性がある)。Prichardは、intelliPATH(Biocare Medical)、WAVE(Celerus Diagnostics)、DAKO OMNISおよびDAKO AUTOSTAINER LINK 48(Agilent Technologies)、BENCHMARK(Ventana Medical Systems,Inc.)、Leica BOND、ならびにLab Vision Autostainer(Thermo Scientific)自動スライド染色装置を含む、自動IHC/ISHスライド染色装置のいくつかの具体例およびさまざまな機能について記載している。加えて、Ventana Medical Systems,Inc.は、米国特許第5,650,327号明細書、第5,654,200号明細書、第6,296,809号明細書、第6,352,861号明細書、第6,827,901号明細書および第6,943,029号明細書、ならびに米国公開特許出願第20030211630号明細書および第20040052685号明細書を含む、自動分析を実行するシステムおよび方法を開示する複数の米国特許の譲受人であり、これらのそれぞれは、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。市販の染色ユニットは通常、次のいずれかの原理で動作する:(1)オープン個別スライド染色(open individual slide staining)、ここでは、スライドを水平に配置し、組織サンプルを含むスライドの表面に試薬を水たまりとして分配する(DAKO AUTOSTAINER Link 48(Agilent Technologies)およびintelliPATH(Biocare Medical)染色装置などで実施される);(2)液体オーバーレイ技術、ここでは、試薬は、サンプル上に堆積した不活性流体層で覆われるか、それを通ってサンプルに対して分配される(VENTANA BenchMarkおよびDISCOVERY染色装置などで実施される);(3)毛細管ギャップ染色、ここでは、スライド表面を別の表面(別のスライドまたはカバープレートなど)の近くに配置して狭いギャップを作り、これを通って、毛細管力が吸引され、液体試薬がサンプルと接触し続ける(DAKO TECHMATE、Leica BOND、およびDAKO OMNIS染色装置で使用される染色原理など)。キャピラリーギャップ染色の数回の繰り返しでは、ギャップ内の液体は混合されない(DAKO TECHMATEおよびLeica BONDなどにおける)。ダイナミックギャップ染色と呼ばれるキャピラリーギャップ染色のバリエーションでは、毛細管力を使用してサンプルをスライドに適用し、次に平行な表面を相互に変換して、インキュベーション中に試薬を攪拌し、試薬の混合を行う(DAKO OMNISスライド染色装置(Agilent)で実施される染色原理など)。トランスレーションギャップ染色では、トランスレーション可能なヘッドがスライド上に配置される。ヘッドの下面は、スライドのトランスレーション中にスライド上の液体から液体のメニスカスが形成されるのに十分小さい第1のギャップによってスライドから離れている。スライドの幅よりも小さい横方向の寸法を有する混合延長部は、トランスレーション可能なヘッドの下面から延在して、混合延長部とスライドとの間の第1のギャップよりも小さい第2のギャップを規定する。ヘッドのトランスレーション中、混合延長部の横方向の寸法は、スライド上の液体において、一般に第2のギャップから第1のギャップまで延びる方向に横方向の動きを生成するのに十分である。国際公開第2011/139978号公報A1を参照のこと。スライド上に試薬を堆積させるためにインクジェット技術を使用することが最近提案された。国際公開第2016-170008号A1を参照のこと。この染色技術の一覧は包括的であることを意図しておらず、バイオマーカー染色を実施するための完全または半自動のシステムを使用することがきる。
染色法は、組織サンプルおよび細胞学的サンプルを含む、疑わしい組織の細胞サンプルで実施される。いくつかの実施形態において、細胞サンプルは、腫瘍を有するか、または有することが疑われる対象から得られる。いくつかの実施形態において、サンプルは、腫瘍から直接得られた細胞を含む。いくつかの実施形態において、腫瘍は、癌腫、リンパ腫、または肉腫などの固形腫瘍である。一実施形態において、腫瘍は非神経内分泌腫瘍である。一実施形態において、非神経内分泌腫瘍は、唾液腺、甲状腺、皮膚、乳房、頭部および/または頸部、肺、上部消化管(食道および胃を含む)、女性生殖器系(子宮、卵管、および卵巣の腫瘍を含む)、下部消化管(結腸、直腸、および肛門の腫瘍を含む)、泌尿生殖器、外分泌、内分泌、腎臓の固形腫瘍、またはリンパ球起源のものである。一実施形態において、対象は、黒色腫、唾液腺癌、甲状腺癌、乳癌、卵巣癌、膵臓癌、頭頸部癌、肺癌、食道癌、胃癌(胃腸間質腫瘍(GIST)を除く)、結腸直腸癌(結腸、直腸、および肛門の癌を含む)、前立腺癌、尿路上皮癌、またはリンパ腫を有する。
組織サンプルが使用される場合、組織サンプルは、例えば、固定、ワックスマトリックス(パラフィンなど)への包埋、および切片化(ミクロトームなどによる)を含む、組織化学的染色に適合性がある方法で処理される。得られたサンプルが、バイオマーカー特異的試薬のセットによるサンプルの組織化学的染色と適合性がある限り、本開示には特定の処理工程は必要とされない。特定の実施形態では、ホルマリン固定、パラフィン包埋(FFPE)サンプルのミクロトーム切片が染色プロセスで使用される。細胞学的サンプルを使用する場合、サンプルはホルマリンで固定される。
使用されているバイオマーカー特異的試薬および使用されているサンプルに応じて、サンプルは、バイオマーカー特異的試薬の適用前に、エピトープ回復プロセス(抗原賦活化とも呼ばれる)に供され得る。例示的なエピトープ回復プロセスとして、以下が挙げられる:異なるpHレベルの様々な緩衝液中でサンプルを加熱することを含む、熱誘導エピトープ回復(HIER);サンプルを染色前にタンパク質分解酵素によって消化する、プロテアーゼベースのエピトープ回復(PBER);およびHIERとPBERの組み合わせ。さまざまな特異的エピトープ回復プロセスがShi et al.、D’Amico et al.、Yamashita et al.、Vinod et al.、およびWarford et al.によって概説されているが、これらは網羅的ではない。エピトープ回復を実施するかどうか、および使用するエピトープ回復の特定の形式は、選択した特定のバイオマーカー特異的試薬に依存し、使用するバイオマーカー特異的試薬ごとに経験的に決定する必要がある場合がある。
使用する試薬およびサンプルによっては、バイオマーカー特異的試薬および/または検出試薬を添加する前に、内因性タンパク質の活性をブロックすることが望ましい場合もある。例えば、検出試薬がビオチンおよびビオチン結合タンパク質に依存する場合、例えば、遊離の非標識ビオチン結合タンパク質を使用して内因性ビオチンをブロックする必要がある場合がある。同様に、多くの検出スキームは、ホスファターゼおよびペルオキシダーゼなどの酵素の活性に依拠しており、同様の活性を持つ内因性酵素の中和が必要である。市販のキットは、このようなブロッキングプロセスに利用することができ、なかでも、たとえば、内因性ビオチンブロッキングキット(カタログ番号E21390、ThermoFisher Scientific)、内因性アビジン/ビオチンブロッキングキット(カタログ番号ab64212、Abcam,plc.)、内因性ビオチンブロッキングキット カタログ番号760-050、Ventana Medical Systems,Inc.)、過酸化水素ブロッキング試薬(カタログ番号ab64218、Abcam plc.)、ペルオキシダーゼおよびアルカリホスファターゼブロッキング試薬(コードS2003、Agilent Technologies)がある。
バイオマーカー特異的試薬をサンプルに適用する前に、バイオマーカー特異的試薬が非特異的に結合する可能性のあるサンプル上の部位をブロックすることも有用である可能性がある。一般的なブロッキング剤としては、とりわけ、通常の血清の緩衝液、脱脂粉乳、BSA(ウシ血清アルブミン)、およびゼラチンとならんで、eBioscience(商標) IHC/ICCブロッキングバッファー-高タンパク質(カタログ番号00-4952-54、ThermoFisher Scientific)、eBioscience(商標) IHC/ICCブロッキングバッファー-低タンパク質(カタログ番号00-4953-54、ThermoFisher Scientific)、DISCOVERY抗体ブロック(カタログ番号760-4204、Ventana Medical Systems,Inc.)が挙げられる。
洗浄工程は、これらの前処理工程のそれぞれの後に、洗浄緩衝液の1つ以上のパスを適用することによって実施され得る。洗浄バッファーは通常、中性緩衝生理食塩溶液であり、少量の洗浄剤が含まれている場合もある。例示的な洗浄緩衝液としては、例えば、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)、PBS-Tween20、トリス緩衝生理食塩水(TBS)、TBS-Tween20(ポリソルベート20)、トリス-HCl、トリス-HC-Tween20、リン酸緩衝液(PB)、AP緩衝液などが挙げられる。
サンプルが染色用に調製されたら、バイオマーカー特異的試薬をサンプルに適用し、バイオマーカーとバイオマーカー特異的試薬との間の特異的結合を促進するために十分な時間および条件下でインキュベートする。洗浄工程は、サンプルをバイオマーカー特異的試薬とインキュベートした後、洗浄バッファーの1つ以上のパスを適用することによって実施され得る。これにより、サンプルから非結合または非特異的に結合したバイオマーカー特異的試薬が除去され、オフターゲットおよび/またはバックグラウンド染色が軽減される。
サンプル中のバイオマーカーの検出は、サンプルに結合したバイオマーカー特異的試薬のすぐ近くに検出可能な部分を沈着させることによって達成される。いくつかの場合において、検出可能な部分は、バイオマーカー特異的試薬に直接結合されているため、バイオマーカー特異的試薬がその標的に結合すると、サンプル上に沈着する(一般に、直接標識法と称される)。他の実施形態では、検出可能な部分の沈着は、バイオマーカー特異的試薬の適用後にサンプルに検出試薬のセットを適用することによって行われ、ここで、検出試薬は、バイオマーカー特異的試薬に結合するか、そうでなければ検出可能な部分の沈着をもたらす方法でバイオマーカー特異的試薬と反応と反応する(一般に間接標識法と呼ばれる)。
間接的な方法が使用されるいくつかの実施形態では、検出可能な部分は、バイオマーカー特異的試薬に局在化された酵素反応を介して沈着する。そのような反応に適した酵素はよく知られており、限定されるものではないが、オキシドレダクターゼ、ヒドロラーゼ、およびペルオキシダーゼが挙げられる。明示的に挙げられる具体的な酵素は、西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)、アルカリホスファターゼ(AP)、酸性ホスファターゼ、グルコースオキシダーゼ、β-ガラクトシダーゼ、β-グルクロニダーゼ、およびβ-ラクタマーゼである。酵素は、バイオマーカー特異的試薬に直接結合され得るか、または標識コンジュゲートを介してバイオマーカー特異的試薬と間接的に会合され得る。本明細書で使用される場合、「標識コンジュゲート」は以下を含む:
(a)特定の検出試薬;および
(b)特異的検出試薬に結合された酵素であり、該酵素は、適切な反応条件下で発色基質、シグナル伝達コンジュゲートおよび/または酵素反応性色素と反応して、in situでの色素の生成および/または組織サンプルに対する色素の沈着をもたらす。
非限定的な例では、標識コンジュゲートの特異的検出試薬は、二次検出試薬(一次抗体に結合した種特異的二次抗体、ハプテン複合化した一次抗体に結合した抗ハプテン抗体、またはビオチン化一次抗体に結合したビオチン結合タンパク質)、三次検出試薬(二次抗体に結合した種特異的三次抗体、ハプテン複合化した二次抗体に結合した抗ハプテン抗体、またはビオチン化二次抗体に結合した結合タンパク質など)、または他のそのようなアレンジメントであり得る。このようにサンプルに結合したバイオマーカー特異的試薬に局在化した酵素は、検出可能な部分を沈着させるために多くのスキームで使用することができる。
場合によっては、酵素は発色性化合物/発色基質と反応する。発色性化合物/発色基質の特定の非限定的な例としては、4-ニトロフェニルホスフェート(pNPP)、ファストレッド、ブロモクロロインドリルホスフェート(BCIP)、ニトロブルーテトラゾリウム(NBT)、BCIP/NBT、ファストレッド、APオレンジ、APブルー、テトラメチルベンジジン(TMB)、2,2’-アジノ-ジ-[3-エチルベンゾチアゾリンスルホネート](ABTS)、o-ジアニシジン、4-クロロナフトール(4-CN)、ニトロフェニル-β-D-ガラクトピラノシド(ONPG)、o-フェニレンジアミン(OPD)、5-ブロモ-4-クロロ-3-インドリル-β-ガラクトピラノシド(X-Gal)、メチルウンベリフェリル-β-D-ガラクトピラノシド(MU-Gal)、p-ニトロフェニル-α-D-ガラクトピラノシド(PNP)、5-ブロモ-4-クロロ-3-インドリル-β-D-グルクロニド(X-Gluc)、3-アミノ-9-エチルカルバゾール(AEC)、フクシン、ヨードニトロテトラゾリウム(INT)、テトラゾリウムブルー、またはテトラゾリウムバイオレットが挙げられる。
いくつかの実施形態では、酵素は、金属組織学的検出スキームで使用することができる。金属組織学的検出方法には、アルカリホスファターゼなどの酵素を水溶性金属イオンおよび酵素の酸化還元不活性基質と組み合わせて使用することが含まれる。いくつかの実施形態では、基質は酵素によってレドックス活性剤に変換され、レドックス活性剤は金属イオンを還元し、それに検出可能な沈殿物を形成させる。(例えば、2004年12月20日に出願された米国特許出願第11/015,646号明細書、PCT公開第2005/003777号明細書および米国特許出願公開第2004/0265922号明細書を参照されたい;これらのそれぞれは、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)。金属組織学的検出方法は、酸化還元酵素(西洋ワサビペルオキシダーゼなど)を水溶性金属イオン、酸化剤、および還元剤とともに使用して、検出可能な沈殿物を形成することを含む。(例えば、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許第6,670,113号を参照されたい)。
いくつかの実施形態において、酵素作用は酵素と色素自体との間で起こり、反応は色素を非結合種からサンプル上に沈着した種に変換する。たとえば、DABとペルオキシダーゼ(西洋ワサビペルオキシダーゼなど)との反応により、DABが酸化され、沈殿する。
さらに他の実施形態では、検出可能な部分は、酵素と反応してサンプルまたは他の検出成分に結合できる反応性種を形成するように構成された潜在的反応性部分を含むシグナル伝達コンジュゲートを介して沈着する。これらの反応種は、それらの生成の近位、すなわち酵素の近くでサンプルと反応することができるが、非反応種に急速に変換するので、シグナル伝達コンジュゲートは、酵素が沈着する部位から遠位の部位には沈着しない。潜在的反応性部分の例としては、国際公開第2015124703号公報A1に記載されているものなどのキノンメチド(QM)類縁体、および国際公開第2012003476号公報A2に記載されているものなどのチラミドコンジュゲートが挙げられ、これらはそれぞれ、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。いくつかの例では、潜在的反応性部分は、N,N’-ビスカルボキシペンチル-5,5’-ジスルホナト-インド-ジカルボシアニン(Cy5)、4-(ジメチルアミノ)アゾベンゼン-4’-スルホンアミド(DABSYL)、テトラメチルローダミン(DISCOパープル)、およびローダミン110(ローダミン)などの色素に直接結合している。他の例では、潜在的反応性部分は、特異的結合対の一方のメンバーに結合され、色素は、特異的結合対のもう一方のメンバーに結合される。他の例では、潜在的反応性部分は、特異的結合対の一方のメンバーに連結され、酵素は、特異的結合対の他方のメンバーに連結され、ここで、酵素は、(a)色素の生成をもたらすために発色基質と反応であるか、または(b)色素(DABなど)の沈着をもたらすために色素と反応性である。特異的結合対の例としては以下が挙げられる:
(1)潜在的反応性部分に連結されたビオチンまたはビオチン誘導体(デスチオビオチンなど)、およびビオチン結合実体(アビジン、ストレプトアビジン、脱グリコシル化アビジン(NEUTRAVIDINなど)、または発色基質と反応性もしくは色素と反応性の色素もしくは酵素に連結された(例えば、色素がDABの場合のビオチン結合タンパク質に連結されたペルオキシダーゼ)そのビオチン結合部位にニトロ化チロシンを有するビオチン結合タンパク質(CAPTAVIDINなど);ならびに
(2)潜在的反応性部分に連結されたハプテン、および色素、または発色基質と反応性もしくは色素と反応性の酵素に連結された抗ハプテン抗体(例えば、色素がDABの場合のビオチン結合タンパク質に連結されたペルオキシダーゼ)。
表4に記載されるバイオマーカー特異的試薬および検出試薬の組み合わせの非限定的な例が具体的に含まれる。
Figure 0007576024000004
Figure 0007576024000005
Figure 0007576024000006
Figure 0007576024000007
Figure 0007576024000008
Figure 0007576024000009
Figure 0007576024000010
Figure 0007576024000011
Figure 0007576024000012
特定の実施形態では、表4に示されるバイオマーカー特異的試薬および特異的検出試薬は抗体である。当業者によって理解されるように、バイオマーカー特異的試薬のそれぞれの検出スキームは、同じであってもよく、または異なっていてもよい。
本発明の方法での使用に適した検出試薬を含む市販の検出試薬またはキットの非限定的な例として、以下が挙げられる:VENTANA ultraView検出システム(HRPおよびAPを含む、酵素に結合した二次抗体)、VENTANA iVIEW検出システム(ビオチン化抗種二次抗体およびストレプトアビジン結合酵素)、VENTANA OptiView検出システム(OptiView)(ハプテンに結合した抗種二次抗体および酵素多量体に結合した抗ハプテン三次抗体)、VENTANA Amplificationキット(一次抗体結合の部位にある酵素の数を増幅させるために、先のVENTANA検出システムのうちのいずれかと共に使用することができる非複合化二次抗体)、VENTANA OptiView Amplificationシステム(ハプテンに結合した抗種二次抗体、酵素多量体に結合した抗ハプテン三次抗体、および同じハプテンに結合したチラミドが挙げられる。使用の際、二次抗体はサンプルと接触して一次抗体への結合をもたらす。次に、サンプルを抗ハプテン抗体とともにインキュベートして、酵素を二次抗体に会合させる。次に、サンプルをチラミドとともにインキュベートして、追加のハプテン分子の沈着をもたらす。次に、サンプルを抗ハプテン抗体とともに再度インキュベートして、追加の酵素分子の沈着をもたらす。次に、サンプルを検出可能な部分とともにインキュベートして、色素沈着をもたらし)、VENTANA DISCOVERY、DISCOVERY OmniMap、DISCOVERY UltraMap抗ハプテン抗体、二次抗体、色素原、蛍光体、および色素キットであって、それらの各々は、Ventana Medical Systems,Inc.(Tucson,Arizona)、PowerVisionおよびPowerVision+IHC Detection Systems(HRPまたはAPと直接、酵素対抗体の比率の高いコンパクトなポリマーへと重合する二次抗体)、ならびにDAKO EnVision(商標)+System(二次抗体へ結合する酵素標識ポリマー)から入手可能である。
必要に応じて、バイオマーカーで染色されたスライドを対比染色して、形態学的に関連する領域を識別するのに役立てることができる。対比染色の例としては、ヘマトキシリン(青色から紫色に染色)、メチレンブルー(青色に染色)、トルイジンブルー(核を濃い青色、ポリサッカリドをピンク色から赤色に染色)、核ファストレッド(ケルネクトロット染料とも呼ばれ、赤色に染色)およびメチルグリーン(緑色に染色)などの発色性核対比染色;エオシンなどの非核発色性染色(ピンク色に染色);4’,6-ジアミノ-2-フェニルインドール(DAPI、青色に染色)、ヨウ化プロピジウム(赤色に染色)、ヘキスト染色(青色に染色)、nuclear green DCS1(緑色に染色)、nuclear yellow(ヘキストS769121、中性pHでは黄色に染色され、酸性pHでは青色に染色される)、DRAQ5(赤色に染色)、DRAQ7(赤色に染色);フルオロフォア標識ファロイジンなどの蛍光非核染色(フィラメント状アクチンを染色し、色はコンジュゲートフルオロフォアに依存する)が挙げられる。
III.染色評価
一実施形態では、現在開示されている方法によって生成された染色サンプルのセットを使用して、患者サンプル中の融合タンパク質の有無を決定する。典型的な場合には、サンプルは、患者から得られ、上記のように分析のために調製される。サンプルの一部(たとえば、腫瘍切除サンプルの生検の最初の組織切片、または腫瘍細胞の細胞学的サンプルから調製された最初のスライド(細胞塗抹標本(子宮頸管塗抹標本など)、細針吸引物、単離された循環腫瘍細胞など)を調製し、バイオマーカー特異的試薬で染色する。次に、染色されたサンプルを、細胞染色のパーセンテージおよび/または所定の閾値レベル以上で染色された細胞のパーセンテージについてスコア化する。好ましくは、サンプルはホルマリン溶液で固定される。一実施形態では、閾値染色強度は少なくとも1.5+であり、閾値染色強度を有する腫瘍細胞の閾値レベルは25%~75%の範囲にある。一実施形態では、閾値染色強度は少なくとも1.5+であり、閾値染色強度を有する腫瘍細胞の閾値レベルは50%である。一実施形態では、閾値染色強度は少なくとも1.5+であり、閾値染色強度を有する腫瘍細胞の閾値レベルは60%である。一実施形態では、閾値染色強度は少なくとも1.5+であり、閾値染色強度を有する腫瘍細胞の閾値レベルは75%である。一実施形態では、閾値染色強度は少なくとも2+であり、閾値染色強度を有する腫瘍細胞の閾値レベルは25%~75%の範囲にある。一実施形態では、閾値染色強度は少なくとも2+であり、閾値染色強度を有する腫瘍細胞の閾値レベルは50%である。一実施形態では、閾値染色強度は少なくとも2+であり、閾値染色強度を有する腫瘍細胞の閾値レベルは60%である。一実施形態では、閾値染色強度は少なくとも2+であり、閾値染色強度を有する腫瘍細胞の閾値レベルは75%である。
場合によっては、染色されたサンプルは発現パターンに基づいて層別化され、染色パターンに固有のスコア化法でスコア化される。例えば、固定勾配が観察される場合、第1のスコア化方法論は、細胞質および/または膜発現パターンを有するサンプルに適用され、第2のスコア化方法論は、核細胞局在を有するサンプルに適用される。例えば、細胞質および/または膜染色パターンを有するサンプルは、サンプルが、TRK融合タンパク質陽性であると見なされる閾値染色強度以上で腫瘍細胞の閾値レベルを満たすかまたは超えるかを決定することによってスコア化され得る。一実施形態では、閾値染色強度は少なくとも1.5+であり、閾値染色強度を有する腫瘍細胞の閾値レベルは25%~75%の範囲にある。一実施形態では、閾値染色強度は少なくとも1.5+であり、閾値染色強度を有する腫瘍細胞の閾値レベルは50%である。一実施形態では、閾値染色強度は少なくとも1.5+であり、閾値染色強度を有する腫瘍細胞の閾値レベルは60%である。一実施形態では、閾値染色強度は少なくとも1.5+であり、閾値染色強度を有する腫瘍細胞の閾値レベルは75%である。一実施形態では、閾値染色強度は少なくとも2+であり、閾値染色強度を有する腫瘍細胞の閾値レベルは25%~75%の範囲にある。一実施形態では、閾値染色強度は少なくとも2+であり、閾値染色強度を有する腫瘍細胞の閾値レベルは50%である。一実施形態では、閾値染色強度は少なくとも2+であり、閾値染色強度を有する腫瘍細胞の閾値レベルは60%である。一実施形態では、閾値染色強度は少なくとも2+であり、閾値染色強度を有する腫瘍細胞の閾値レベルは75%である。
別の例として、核染色パターンを有するサンプルは、サンプルの最小隣接腫瘍細胞領域が、閾値発現レベル以上で染色する腫瘍細胞の濃度を有するかどうかを決定することによってスコア化され得る。一実施形態では、閾値隣接腫瘍細胞領域は少なくとも20細胞であり、閾値染色強度はバックグラウンドに対する任意の特異的染色であり、細胞の閾値パーセンテージは25%~75%または25%~80%の範囲である。別の実施形態では、閾値隣接腫瘍細胞領域は少なくとも20細胞であり、閾値染色強度はバックグラウンドに対する任意の特異的染色であり、細胞の閾値パーセンテージは少なくとも75%である。別の実施形態では、閾値隣接腫瘍細胞領域は少なくとも20細胞であり、閾値染色強度はバックグラウンドに対する任意の特異的染色であり、細胞の閾値パーセンテージは少なくとも80%である。一実施形態では、閾値隣接腫瘍細胞領域は少なくとも20細胞であり、閾値染色強度は0.5+以上であり、細胞の閾値パーセンテージは25%~75%または25%~80%の範囲である。別の実施形態では、閾値隣接腫瘍細胞領域は少なくとも20細胞であり、閾値染色強度は0.5+以上であり、細胞の閾値パーセンテージは少なくとも75%である。別の実施形態では、閾値隣接腫瘍細胞領域は少なくとも20細胞であり、閾値染色強度は0.5+以上であり、細胞の閾値パーセンテージは少なくとも80%である。一実施形態では、閾値隣接腫瘍細胞領域は少なくとも50細胞であり、閾値染色強度はバックグラウンドに対する任意の特異的染色であり、細胞の閾値パーセンテージは25%~75%または25%~80%の範囲である。別の実施形態では、閾値隣接腫瘍細胞領域は少なくとも50細胞であり、閾値染色強度はバックグラウンドに対する任意の特異的染色であり、細胞の閾値パーセンテージは少なくとも75%である。別の実施形態では、閾値隣接腫瘍細胞領域は少なくとも50細胞であり、閾値染色強度はバックグラウンドに対する任意の特異的染色であり、細胞の閾値パーセンテージは少なくとも80%である。一実施形態では、閾値隣接腫瘍細胞領域は少なくとも50細胞であり、閾値染色強度は0.5+以上であり、細胞の閾値パーセンテージは25%~75%または25%~80%の範囲である。別の実施形態では、閾値隣接腫瘍細胞領域は少なくとも50細胞であり、閾値染色強度は0.5+以上であり、細胞の閾値パーセンテージは少なくとも75%である。別の実施形態では、閾値隣接腫瘍細胞領域は少なくとも50細胞であり、閾値染色強度は0.5+以上であり、細胞の閾値パーセンテージは少なくとも80%である。
VI.臨床応用
一実施形態では、本明細書に記載のアッセイは、患者からの腫瘍サンプルを特徴づけるために使用される。例えば、生検切片または切除サンプルを得て、固定し、パラフィンに包埋し、切片を作製して染色する。染色された切片を、上記のようにスコア化する。いくつかの実施形態において、融合タンパク質の存在を示すスコアを有する腫瘍は、「融合陽性」として特徴付けられ、一方、融合タンパク質の存在を示さないスコアを有する腫瘍は、「融合陰性」として特徴付けられる。他の実施形態では、「融合陽性」と「融合陰性」との間の中間カテゴリーの細胞は、「境界性(equivocal)」として特徴付けられる。たとえば、スコア化法が、閾値レベル以上で染色する細胞の閾値パーセンテージに基づいている場合、閾値パーセンテージを下回るパーセンテージの範囲は「境界性」と定義され、境界性の範囲未満に含まれる細胞のパーセンテージを有する他のすべてのサンプルは「融合陰性」と見なされる。別の例として、スコア化法が、閾値腫瘍細胞領域内の閾値レベル以上で染色する細胞の閾値パーセンテージに基づいている場合、閾値腫瘍細胞領域を下回るパーセンテージの範囲は「境界性」と定義され、境界性の範囲未満に含まれる細胞のパーセンテージを有する他のすべてのサンプルは「融合陰性」と見なされる。
いくつかの実施形態において、アッセイは、融合タンパク質の存在を確認するための核酸ベースのアッセイに適格な患者を同定するためのスクリーニング試験として使用される。例えば、サンプルは、アッセイを使用して融合タンパク質の存在または不在についてスクリーニングされ得て、融合陽性として特徴付けられるサンプルのみが、アッセイで検出された融合の存在および/または同一性を確認するためにシーケンシングベースまたはPCRベースのアッセイに供される。他の実施形態では、アッセイは、核酸ベースのアッセイによって同定された融合タンパク質の存在および発現を確認するための反射試験である。例えば、サンプルは、シーケンシングベースまたはPCRベースのアッセイを使用してNTRK遺伝子再配列の有無についてスクリーニングすることができ、シーケンシングベースまたはPCRベースのアッセイによって再配列陽性として特徴付けられるサンプルのみが核酸アッセイによって検出される融合物の存在および/または発現を確認するために、本明細書に記載のアッセイによってスクリーニングされる。他の実施形態では、融合タンパク質の存在または不在の特徴付けは、アッセイのみに基づいて行われる。さらに他の実施形態では、「融合陰性」または「境界性」として特徴付けられるサンプルをシーケンシングベースまたはPCRベースのアッセイによってNTRK遺伝子再配列の存在についてスクリーニングすることができ、「融合陽性」として特徴付けられる細胞はスクリーニングされない。
いくつかの実施形態において、アッセイは、患者に対する治療法を選択するために使用される。例えば、「融合陽性」として特徴付けられる腫瘍またはサンプルを有する患者は、任意に腫瘍に対する標準治療コースと組み合わせて、野生型対応物に対して向けられた標的療法を受ける。例示的な標的療法には、表5に記載されているものが含まれる。
Figure 0007576024000013
融合陰性として特徴付けられる腫瘍またはサンプルを有する患者は、野生型の対応物に対する標的療法を含まない、標準的な治療法を受ける。
VIII.実施例
腫瘍タイプ全体のTrk融合の存在を予測できるスコア化アルゴリズムを開発できるかどうかを評価するために、複数の適応症にわたる3000を超える組織のIHC染色および分析を実施した。
ホルマリン固定、パラフィン包埋(FFPE)された正常および腫瘍性の組織を商業的に取得した。組織をpan-TRK抗体クローンEPR17341を使用したプロトタイプIHCアッセイでスクリーニングし、これには、熱誘導エピトープ回復と、それに続く抗体インキュベーション、およびBenchMark ULTRA自動スライド染色装置(RTD、アリゾナ州ツーソン)でOptiView DAB Detection(RTD、アリゾナ州ツーソン)を使用する比色発色が含まれていた。
大部分はpan-TRK(EPR17341)アッセイによる特異的染色を有する症例のサブセットを、NTRK1、2、および3のbreak-apartプローブを用いたin situハイブリダイゼーション(ISH)でさらに評価した。NTRK1、2、および3のBreak-Apartオリゴプローブはそれぞれ、NTRK1、2、および3遺伝子の5’および3’末端にわたるゲノム領域を標的とするオリゴヌクレオチド(オリゴ)の2つのプールからなる。DNPおよびフルオレセインハプテンは、DNP-TEGホスホルアミダイト(Link Technologies Ltd、ラナークシャー、ベルズヒル)および6-フルオレセインホスホルアミダイト(Link Technologies Ltd、ラナークシャー、ベルズヒル)を使用した合成中に、基本的な挿入構成でオリゴに付着した。合成オリゴを逆相カートリッジを使用して精製し、質量分析を行ってトランケートしたオリゴの除去を確認した。
ISHアッセイのbreak-apart状態を定義するために使用される基準を、正常組織およびpan-TRK IHC発現のない腫瘍における平均break-apart率の評価に基づいて決定した。break-apart率が平均より5標準偏差を超える腫瘍を、真のNTRK遺伝子融合を表すと見なした。
さまざまな遺伝子型を持つ種々の腫瘍タイプにわたるpan-TRK染色の代表的な画像を図2A~2Bに示す。腫瘍の9%(n=324)は、腫瘍細胞染色の0%超と定義された場合に特異的pan-TRK IHC染色を示した(範囲:胃癌および唾液腺癌でそれぞれ0%~54%)。腫瘍細胞の10%以上および25%以上でIHC特異的染色を行った標本のみを考慮した場合、特異的染色を伴う症例の全体的なパーセンテージは、それぞれ5%(n=191)および4%(n=133)に減少した。
IHCによる染色を示す164例をISH検査に利用することができた。これらのうち、12個がNTRK融合を有することが見出された(5個のCRC、2個の黒色腫、2個の乳頭様甲状腺癌、2個の唾液腺癌および1個の膵臓癌)。ISHによる確認検査の結果を含む、腫瘍タイプ別のさまざまな腫瘍細胞染色パーセンテージでのpan-TRK陽性症例の割合を表6に示す。
Figure 0007576024000014
染色の強度および腫瘍細胞の染色率は組織の種類によって異なるが、融合が見られる症例では、染色の強度は高く、腫瘍細胞の染色のパーセンテージは高い傾向があった(図3Aおよび3Bを参照)。図3Aおよび3Bは、腫瘍細胞染色のパーセンテージ(0~100%)および染色の強度(0~3+)によるISH確認サンプルの分布を示している。円は融合陰性の症例を表し、三角形は融合陽性の症例を表す。色はさまざまな腫瘍組織像を表している。図3Aは、データセット内のISHで確認された融合陽性症例を含む腫瘍タイプの染色分布を示し、図3Bは、融合陽性の症例が検出されなかった神経内分泌腫瘍の染色分布を示す。
データセット内のすべての腫瘍におけるIHCによる腫瘍細胞染色のパーセントによる結果を表7に示す。
Figure 0007576024000015
IHC特異的染色が腫瘍細胞の0%超であった症例の12/164(7%)は、ISHによりNTRK融合の存在を示した。IHC特異的染色が腫瘍細胞の25%超であった症例の10/88(11%)は、ISHにより融合の存在を示した(表6)。ISHによる融合を示す腫瘍は、神経内分泌腫瘍(図3B)を除いて、非融合腫瘍よりもpan-TRK IHC(右上象限;図3A)によって高い強度および高い腫瘍パーセンテージで染色される傾向があった。IHC特異的陽性染色のより高い規定(25%超)を使用すると、2つの融合陽性黒色腫がISH検査から除外される(表6)。これらの2つの組織サンプルは、IHCによる染色が不十分であり、固定勾配の証拠を示している。重要なことに、これらの組織は、固定関連のアーチファクトの影響を受けなかった領域で、隣接する細胞において高い割合(90%超)で高強度の核染色を示した。
IHCおよびISH検査に基づく固形腫瘍のサブカテゴリー分類を図4に示す。
観察された染色パターンの例を図5及び図6に示す。図5に示すように、染色パターンは、膜染色(A)、細胞質染色(A~C)、および核染色(C)の態様を含む場合があった。図7は、一部のサンプルで固定勾配が発生し、一部の細胞の染色レベルに影響を与える可能性があることを示している。核局在化を伴うサンプルは、細胞質/膜局在化を有するサンプルよりも固定勾配に対してより感受性であることが注目された。
要約すると、pan-TRK IHC染色は、腫瘍の種類によって染色の強度と腫瘍細胞のパーセンテージの両方が異なる。ISHに基づく融合を有する固形腫瘍は、神経内分泌および紡錘細胞腫瘍を除いて、野生型TRKタンパク質発現を伴う腫瘍よりも高い強度および腫瘍細胞のより高いパーセンテージでIHC染色を示した。野生型TRKタンパク質発現の有病率が低い腫瘍タイプ(CRCおよび乳頭様甲状腺癌など)では、pan-TRK IHC染色が融合を有する腫瘍の識別に役立つ可能性がある。対照的に、野生型TRKタンパク質発現の有病率が高い腫瘍(神経内分泌腫瘍、GISTなど)では、IHC染色のパーセンテージおよび強度の分布は、野生型発現および融合の明確な区別を支持していなかった。表6によると、pan-TRK IHCによる腫瘍細胞染色のパーセンテージが増加するにつれて、ISHに供された標本の数(合計164例のうち)は次第に減少したが、この減少は、保存状態の良い組織におけるISHによるNTRK遺伝子融合による腫瘍の識別を損なうものではなかった。この測定基準は、IHC染色強度の増加と組み合わされて、ISH検査によるNTRK遺伝子融合を伴う腫瘍をさらに強調しているようである。
2つの黒色腫および1つの膵管腺癌は上記の観察に従わなかった。腫瘍細胞染色の観察されたより低いパーセンテージは、おそらく固定アーチファクトに関連していた。しかしながら、興味深いことに、隣接する生存可能な腫瘍の小さな領域は、高強度で高いパーセンテージの核染色を示した。
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Claims (15)

  1. 非神経内分泌腫瘍サンプル中のTrkA、TrkB、またはTrkCの融合タンパク質を検出する方法であって、
    -以下:配列番号1の残基363~760を含む、もしくはそれからなるアミノ酸配列;配列番号2の残基646~838を含む、もしくはそれからなるアミノ酸配列;または、配列番号3の残基718~839を含む、もしくはそれからなるアミノ酸配列のうちの1つ以上に特異的に結合するバイオマーカー特異的試薬で前記サンプルを親和性組織化学染色することと、
    -前記サンプルの色を検出することと
    検出された前記核染色が、閾値染色強度を超えて特異的に染色される閾値隣接腫瘍細胞領域内の腫瘍細胞の閾値パーセンテージ以上である染色パターンを有する場合、前記サンプルをTrkA、TrkB、またはTrkCが関与する融合タンパク質に対して陽性としてスコア化すること、
    を含み、
    前記閾値隣接腫瘍細胞領域が、少なくとも20個の隣接細胞である、
    方法。
  2. 記閾値パーセンテージが25%~80%の範囲にあり、前記閾値染色強度がバックグラウンドを超える任意の特異的染色である、請求項1に記載の方法。
  3. 記閾値パーセンテージが25%~75%あり、第1の特異的染色強度が0.5+より大きい、請求項1に記載の方法。
  4. 記閾値パーセンテージが20%~90%の範囲あり、前記閾値染色強度がバックグラウンドを超える任意の特異的染色である、請求項1~のいずれか一項に記載の方法。
  5. 前記閾値隣接腫瘍細胞領域が少なくとも50個の細胞であり、前記閾値染色強度が0.5+以上であり、前記閾値パーセンテージが25%~75%の範囲にある、請求項1~のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記バイオマーカー特異的試薬が抗体であり、前記抗体が、配列番号2のアミノ酸816~838からなるアミノ酸配列に配置されたエピトープに対して免疫特異的である、請求項1~のいずれか一項に記載の方法。
  7. 前記抗体がモノクローナル抗体のクローンEPR17341である、請求項に記載の方法。
  8. 前記親和性組織化学染色が、
    (a)前記サンプルを熱誘導エピトープ回復プロセスに供すること、および
    (b)前記サンプルをバイオマーカー特異的試薬および検出試薬のセットと接触させて、前記サンプルに結合した任意のバイオマーカー特異的試薬の近くに明視野色素を沈着させること、
    を含む、請求項1~のいずれか一項に記載の方法。
  9. (b1)前記バイオマーカー特異的試薬が、配列番号1の残基363~760からなるアミノ酸配列;配列番号2の残基646~838からなるアミノ酸配列;および配列番号3の残基718~839からなるアミノ酸配列のそれぞれと特異的に免疫反応性である抗体であり、かつ
    (b2)前記検出試薬のセットが、(b1)の前記抗体と免疫反応性の二次抗体、前記二次抗体と免疫反応性があり、酵素に結合した三次抗体、および前記サンプルへの明視野色素の沈着をもたらす前記酵素と反応性の試薬のセットを含む、請求項に記載の方法。
  10. 前記二次抗体がハプテン化されており、前記三次抗体が抗ハプテン抗体である、請求項に記載の方法。
  11. 非神経内分泌腫瘍サンプル中のNTRK再配列を検出する方法であって、請求項1~10のいずれか一項に記載の方法に従って前記サンプル中のTrk融合タンパク質の存在を検出することと、前記サンプルがTrkA、TrkB、またはTrkCが関与する融合タンパク質に対して陽性としてスコア化される場合、シーケンシング、逆転写ポリメラーゼ連鎖反応、またはin situハイブリダイゼーションによってNTRK再配列について前記サンプルをスクリーニングすることと、を含む方法。
  12. Trk融合陽性またはTrk融合陰性のいずれかとしてサンプルを識別するステップと、シーケンシング、逆転写ポリメラーゼ連鎖反応、またはin situハイブリダイゼーションによって、NTRK再配列についてTrk融合陰性であるサンプルをスクリーニングすることを含むスクリーニングステップと、をさらに含む請求項11に記載の方法。
  13. Trk融合陽性、Trk融合境界性(Equivocal)またはTrk融合陰性のいずれかとしてサンプルを識別するステップと、シーケンシング、逆転写ポリメラーゼ連鎖反応、またはin situハイブリダイゼーションによって、NTRK再配列についてTrk融合境界性であるサンプルをスクリーニングすることを含むスクリーニングステップと、をさらに含む請求項11に記載の方法。
  14. 非神経内分泌腫瘍サンプルがTrkA、TrkBもしくはTrkCが関与するTRK融合タンパク質に対して陽性としてスコア化される場合、またはNTRK再配列が検出される場合に、Trk指向療法を受ける患者を選択することをさらに含み、
    隣接腫瘍細胞の閾値レベルが少なくとも20個の隣接する細胞であり、前記閾値パーセンテージが20%~90%の範囲にあり、閾値染色強度がバックグラウンドを超える任意の特異的染色である、
    請求項12または13に記載の方法。
  15. Trk指向療法を受ける患者を選択する方法であって、請求項1~10のいずれか一項に記載の方法に従って非神経内分泌腫瘍サンプル中のTrk融合タンパク質の存在を検出することと、前記サンプルがTrkA、TrkBもしくはTrkCが関与する融合タンパク質に対して陽性としてスコア化される場合、またはNTRK再配列が検出される場合に、前記療法を受ける前記患者を選択することと、を含み、
    隣接腫瘍細胞の閾値レベルが少なくとも20個の隣接する細胞であり、前記閾値パーセンテージが20%~90%の範囲であり、閾値染色強度がバックグラウンドを超える任意の特異的染色である、
    方法。
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