<第1の実施の形態>
以下、遊技機の一種であるパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」という)の第1の実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はパチンコ機10を正面側から見た斜視図、図2及び図3はパチンコ機10の主要な構成を展開して示す斜視図である。なお、図2では便宜上パチンコ機10の遊技領域PE内の構成を省略している。
図1に示すように、パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11と、この外枠11に取り付けられた遊技機本体12とを有している。
外枠11は板材を四辺に連結し構成されるものであって矩形枠状をなしている。外枠11を島設備に取り付け固定することにより、パチンコ機10が遊技ホールに設置される。なお、パチンコ機10において外枠11は必須の構成ではなく、遊技場の島設備に外枠11が備え付けられた構成としてもよい。
遊技機本体12は、外枠11によって開閉可能な状態で支持されている。具体的には、外枠11における上枠部と左枠部との連結部分に上側支持用金具17が固定されており、さらに外枠11における下枠部と左枠部との連結部分に下側支持用金具18が設けられている。これら上側支持用金具17及び下側支持用金具18により支持機構が構成され、当該支持機構により外枠11に対して遊技機本体12がパチンコ機10の正面視で左側を回動基端側、右側を回動先端側としてパチンコ機10の前方へ回動可能とされている(図2及び図3参照)。
図2に示すように、遊技機本体12は、ベース体としての内枠13と、その内枠13の前方に配置される前扉枠14と、内枠13の後方に配置される裏パックユニット15とを備えている。なお、遊技機本体12のうち内枠13が外枠11に対して回動可能に支持されている。詳細には、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として内枠13が前方へ回動可能とされている。
内枠13には、前扉枠14が回動可能に支持されており、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として前方へ回動可能とされている。また、内枠13には、裏パックユニット15が回動可能に支持されており、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として後方へ回動可能とされている(図3参照)。
次に、前扉枠14について説明する。図2に示すように、前扉枠14は、外形が外枠11とほぼ同一形状をなす合成樹脂製の枠体20を主体に構成されており、内枠13における前面のほぼ全域を覆っている。枠体20の中央部分には後述する遊技領域PEのほぼ全域を前方から視認することができるようにした略楕円状の窓部21が形成されており、その窓部21はガラスユニット22によって同前扉枠14の背面側から塞がれている。
ガラスユニット22は、透明性を有する複数のガラスパネル23と、それらガラスパネル23を保持するガラスホルダとを備えている。ガラスホルダには、ガラスパネル23の保持領域を前後に仕切る仕切り部が形成されており、両ガラスパネル23は仕切り部を挟んで前後に相対向している。つまり、両ガラスパネル23の間に所定の隙間を確保することにより、ガラスパネル23同士の干渉を回避しつつ、それらガラスパネル23によって遊技領域PEをパチンコ機10の正面側から2重に覆った状態となっている。
なお、必ずしも両ガラスパネル23をガラスホルダを用いてユニット化する必要は無く、各ガラスパネル23を枠体20に対して個々に取り付ける構成としてもよい。更には、ガラスパネルの枚数は任意であり、1枚としてもよいし、3枚以上としてもよい。但し、安全性及び防犯性向上の観点から、複数のガラスパネルを採用し、それら各ガラスパネルを所定の隙間を挟んで前後に対向させることが好ましい。因みに、ガラスパネルに代えて透明性を有する合成樹脂性のパネル部材を採用することも可能である。
図1に示すように、ガラスユニット22(詳しくは窓部21)の周囲には、各種ランプ等の発光手段が設けられている。例えば、窓部21の周縁に沿ってLED等の発光手段を内蔵したランプ部(環状電飾部)26が設けられている。ランプ部26では、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて点灯や点滅が行われる。また、ランプ部26の中央であってパチンコ機10の最上部には所定のエラー時に点灯するエラー表示ランプ部27が設けられ、さらにその左右側方には賞球払出中に点灯する賞球ランプ部28が設けられている。また、左右の賞球ランプ部28に近接した位置には、遊技状態に応じた効果音などが出力されるスピーカ部29が設けられている。
前扉枠14(枠体20)における窓部21の下方には、手前側へ膨出した上側膨出部31と下側膨出部32とが上下に並設されている。上側膨出部31の内側には上方に開口した上皿33が設けられており、下側膨出部32の内側には同じく上方に開口した下皿34が設けられている。上皿33は、後述する払出装置より払い出された遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら後述する遊技球発射機構側へ導くための機能を有する。また、下皿34は、上皿33内にて余剰となった遊技球を貯留する機能を有する。
また、上側膨出部31の上面部には、遊技者により手動操作される演出用操作部36(詳しくは押し操作ボタン)が設けられている。例えば、後述する図柄表示装置75の表示画面Gに表示された示唆等に従って演出用操作部36が手動操作されることにより、表示画面G等における演出内容が同操作に対応した所定の演出内容となる。
下側膨出部32の右方には、手前側へ突出するようにして遊技球発射ハンドル41が設けられている。遊技球発射ハンドル41が操作されることにより、後述する遊技球発射機構から遊技球が発射される。
前扉枠14の背面には、図2に示すように、通路形成ユニット45が取り付けられている。通路形成ユニット45は、合成樹脂により成形されており、上皿33に通じる前扉側上皿通路と下皿34に通じる前扉側下皿通路とを有している。通路形成ユニット45において、その上側隅部には後方に突出し上方に開放された受口部が形成されており、当該受口部を仕切壁によって左右に仕切ることで前扉側上皿通路の入口部分と前扉側下皿通路の入口部分とが区画形成されている。前扉側上皿通路に入った遊技球は上皿33に導かれ、前扉側下皿通路に入った遊技球は下皿34に導かれる。
前扉枠14の背面における回動基端側には、その上端部及び下端部に突起軸が設けられている。これら突起軸は内枠13に対する組付機構を構成する。また、前扉枠14の背面における回動先端側には、図2に示すように、後方に延びる鉤金具49が上下方向に複数並設されている。これら鉤金具49は内枠13に対する施錠機構を構成する。
次に、図2及び図3に基づき内枠13について詳細に説明する。内枠13は、外形が外枠11と同様に略矩形状をなす樹脂ベース50を主体に構成されている。樹脂ベース50の高さ寸法は、外枠11の高さ寸法よりも若干小さく設定されている。また、樹脂ベース50は外枠11の上側枠部に寄せて配置され、外枠11の下側枠部と樹脂ベース50との間には若干の隙間が形成されている。外枠11にはこの隙間を塞ぐようにして幕板が装着されている。幕板は、樹脂ベース50(詳しくはその下端部)の下方に配置されており、内枠13が外枠11に対して閉じられた状態では樹脂ベース50が幕板の上に載ることとなる。
樹脂ベース50の前面における回動基端側には、その上端部及び下端部に支持金具51,52が取り付けられている。支持金具51,52には軸孔が形成されており、それら軸孔に前扉枠14の突起軸が挿入されることにより、内枠13に対して前扉枠14が回動可能に支持されている。
樹脂ベース50の前面における回動先端側には、前扉枠14の背面に設けられた鉤金具49を挿入するための挿入孔がそれぞれ設けられている。本パチンコ機10では、図3に示すように、内枠13や前扉枠14を施錠状態とするための施錠装置55が内枠13の背面側に隠れて配置される構成となっている。したがって、鉤金具49が挿入孔を介して施錠装置55(詳しくは前扉用鉤受け部材)に係止されることによって、前扉枠14が内枠13に対して開放不能に施錠される。また、施錠装置55は、内枠13の後方へ延びる複数の内枠用鉤部材57を有している。これら内枠用鉤部材57が外枠11の鉤受け部材19に引っ掛かることにより遊技機本体12が外枠11に対して閉じた状態で施錠される。
樹脂ベース50の右下隅部には、施錠装置55の解錠操作を行うためのシリンダ錠58が設置されている。シリンダ錠58は施錠装置55に一体化されており、シリンダ錠58の鍵穴に差し込んだキーを右に回すと内枠13に対する前扉枠14の施錠が解除され、シリンダ錠58の鍵穴に差し込んだキーを左に回すと外枠11に対する内枠13の施錠が解除されるように施錠装置55が構成されている。
樹脂ベース50の中央部には略楕円形状の窓孔54が形成され、樹脂ベース50に装着された遊技盤60によって窓孔54が後方から塞がれている。遊技盤60は、木製の合板と同合板における前側の板面を覆うシート材とを有してなり、その前面が上記窓孔54を通じて樹脂ベース50の正面側に露出している。この露出している部位、すなわち遊技盤60の前面には、遊技球が流下する遊技領域PEが形成されている。なお、遊技盤60は木製に限定されるものではなく、合成樹脂製とすることも可能である。
以下、図4に基づき遊技盤60(特に遊技領域PEに配された各種構成)について説明する。図4は遊技盤60の正面図である。
遊技盤60には、自身の厚さ方向(前後方向)に貫通する大小複数の開口部が形成されている。各開口部には一般入賞口61、第1作動口62、第2作動口63、スルーゲート64、可変入賞装置65、可変表示ユニット67等がそれぞれ設けられている。
一般入賞口61、可変入賞装置65、第1作動口62及び第2作動口63への入球が発生すると、それが入賞センサ(検知センサ)により検知され、その検知結果に基づいて所定数の賞球の払い出し等の特典が遊技者に付与される。この場合に、一般入賞口61への入球が発生した場合には10個の遊技球の払出が実行され、可変入賞装置65への入球が発生した場合には15個の遊技球の払出が実行される。また、第1作動口62への入球が発生した場合には3個の遊技球の払出が実行され、第2作動口63への入球が発生した場合には1個の遊技球の払出が実行される。ちなみにスルーゲート64への入球が発生しても遊技球の払出は実行されない。
なお、これら賞球の個数は任意であり、例えば第1作動口62に係る賞球個数と第2作動口63に係る賞球個数とが同数となる構成としてもよいし、第2作動口63に係る賞球個数の方が第1作動口62に係る賞球個数よりも多い構成としてもよい。また、可変入賞装置65に係る賞球個数が他の作動口等に係る賞球個数と同数又は少ない構成としてもよい。また、スルーゲート64への入球が発生した場合に所定数の遊技球が払い出される構成してもよい。
遊技盤60の最下部にはアウト口68が設けられており、各種入球部に入らなかった遊技球はアウト口68を通って遊技領域PEから排出される。ここで、入球とは、所定の開口部位を遊技球が通過することを意味し、同開口部位を通過した後に遊技球が遊技領域PEから排出される態様だけでなく、開口部位を通過した後に遊技領域PEから排出されない態様も含まれる。但し、以下の説明では、アウト口68への遊技球の入球と明確に区別するために、一般入賞口61、作動口62,63、可変入賞装置65又はスルーゲート64への入球を、入賞とも表現する。
また、遊技盤60には、遊技球の流下経路を適宜分散,調整等するために多数の釘69が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)が配設されている。これら釘69や風車等の各種構成によって遊技球の流れが多様化され、上述した一般入賞口61等への入賞が適度な確率で発生するように調整されている。
遊技盤60の中央部には、上記可変表示ユニット67が配置されている。可変表示ユニット67は、遊技盤60の裏面側に設置されており(図3)、遊技盤60の中央部に設けられた開口部を通じてその表示画面Gを視認することが可能となっている。遊技盤60の前面には、上記開口部の周縁部に対応させて枠状のセンターフレーム76が取り付けられている。
センターフレーム76は遊技盤60の前面から前方に突出しており、センターフレーム76の前面とガラスユニット22との隙間寸法は遊技球の直径寸法よりも小さくなっている。これにより、遊技領域PEを流下する遊技球がセンターフレーム76の内側領域に流入して表示画面Gに接触することが回避されている。また、センターフレーム76により、遊技球が遊技領域PEを流下する際の流下経路が左右に分散され、センターフレーム76の左側を通る左ルートと右側を通る右ルートとが形成されている。
左ルートと右ルートのいずれを遊技球が流下(通過)するかは、遊技球発射ハンドル41の回動操作量、すなわち、遊技球の発射勢によって定まる。発射された遊技球は、遊技盤60の左側上部から遊技領域PEに進入するため、遊技球の発射勢が強いほど遊技球が右ルートを流下しやすくなる。
詳しくは、遊技者が第1発射操作として所定回動量以上であって基準回動量未満である第1範囲の回動操作量で遊技球発射ハンドル41の回動操作を行うと、発射された遊技球が左ルートを流下し、遊技者が第2発射操作として基準回動量以上である第2範囲の回動操作量で遊技球発射ハンドル41の回動操作を行うと、発射された遊技球が右ルートを流下する。なお、所定回動量とは、発射された遊技球が後述する誘導レール100を通過して遊技領域PEに進入可能となる回動操作量であり、基準回動量とは、センターフレーム76の頂部に到達可能な発射勢で遊技球を発射する回動操作量である。
センターフレーム76(可変表示ユニット67)の下方には、上向きに開放された第1作動口62が配置されている。第1作動口62は、遊技盤60の左右中央部に位置するが、右ルートを流下する遊技球は第1作動口62に入賞しないように釘69等の遊技部品が配設されている。すなわち、左ルートを流下する遊技球のみが第1作動口62に入賞可能となっている。よって、遊技者が第1作動口62への入賞を狙う場合には、遊技球が左ルートを流下するように遊技球を発射して遊技することになる。第1作動口62には第1作動口用入賞センサ62a(図7)が設けられており、当該入賞センサ62aにより第1作動口62に入賞した遊技球が検知される。
センターフレーム76(可変表示ユニット67)の右方には、第2作動口63が配置されている。第2作動口63の構成について図5を参照しながら説明する。
第2作動口63には、左右一対の可動片よりなるガイド片(サポート片)としての普電役物63a(可変受入手段)が設けられている。具体的には、左右方向に回動可能に支持された上記一対の可動片が第2作動口63としての開口部を左右両側から挟むようにして配置されている。
そして、上記各可動片が回動することで、図5(a)に示す閉鎖状態(非サポート状態又は非ガイド状態)と、図5(b)に示す開放状態(サポート状態又はガイド状態)とに切り替わり可能となっている。詳しくは、第2作動口63の上部には、前方に突出するようにして突出部63dが設けられており、図5(a)に示すように上記可動片が起立姿勢である場合には、それら各可動片と突出部63dとの隙間が遊技球の直径未満となり、第2作動口63への遊技球の流入が阻止される。一方、図5(b)に示すように上記可動片が外側へ傾斜するように回動した場合には、上記突出部63dとの間に遊技球が通過可能な大きさの開口部が形成され、第2作動口63への遊技球の流入が許容される。第2作動口63には第2作動口用入賞センサ63cが設けられており、当該入賞センサ63cにより第2作動口63に入賞した遊技球が検知される。
また、普電役物63aには、各可動片を駆動する駆動部63bが設けられている。各可動片は、駆動部63bにより図示しないリンク機構を通じて駆動されることで、開放状態(傾斜姿勢)と閉鎖状態(起立姿勢)とに切り替えられる。因みに第1作動口62には普電役物(開閉構造)が設けられていない。
なお、上記構成では閉鎖状態である場合に第2作動口63への入賞が不可となるが、入賞可能な構成であってもよい。すなわち、閉鎖状態である場合に第2作動口63への入賞が可能であるものの、開放状態よりも入賞しにくい(入賞困難となる)構成であってもよい。要は、開放状態と閉鎖状態とで第2作動口63への入賞しやすさが相違するものであればよく、閉鎖や開放の度合は任意である。また、普電役物63aの構成は上記に限定されるものではなく、例えば、可動片が前後に回動したり、前後又は左右にスライド移動したりすることで、第2作動口63を開閉するものであってもよい。
図4に示すように、右ルートにおいて第2作動口63の上方(上流側)にはスルーゲート64が配置されている。スルーゲート64は縦方向に貫通した図示しない貫通孔を有しており、スルーゲート64に入賞した遊技球は、スルーゲート64を通過して再び遊技領域PEを流下する。よって、スルーゲート64に入賞した遊技球は、第2作動口63にも入賞することが可能となっている。スルーゲート64にはスルー用入賞センサ64a(図7)が設けられており、当該入賞センサ64aによりスルーゲート64に入賞した遊技球が検知される。
スルーゲート64は、第2作動口63に設けられた上記普電役物63aを開放状態とするためのトリガとなっている。具体的には、スルーゲート64への入賞を契機として内部抽選が行われ、その内部抽選の結果が開放結果(サポート当選)となることで、普電役物63aを閉鎖状態から開放状態とし、その後、閉鎖状態に復帰させる役物開閉遊技(サポート実行モード)が実行される。
右ルートにおいて第2作動口63の下方(下流側)には可変入賞装置65が配置されている。可変入賞装置65の構成について図6を参照しながら説明する。
可変入賞装置65は、前方に開口する大入賞口65aと、当該大入賞口65aを開閉する開閉扉65bとを備えている。大入賞口65aは、正面視で横長の長方形状をなしており、複数個の遊技球が同時に入賞可能な大きさとなっている。大入賞口65aは、遊技盤60の背面側に設けられた案内通路65eと連通しており、大入賞口65aに入賞した遊技球は全て案内通路65eに導かれるように構成されている。案内通路65eには大入賞口用入賞センサ65cが設けられており、当該入賞センサ65cにより大入賞口65aに入賞した遊技球が検知される。
また、可変入賞装置65には、開閉扉65bを駆動する駆動部65dが設けられている。開閉扉65bは、駆動部65dにより図示しないリンク機構を通じて駆動されることで、大入賞口65aに遊技球が入賞不能な閉鎖状態(図6(a))と、大入賞口65aに遊技球が入賞可能な開放状態(図6(b))とに切り替えられる。具体的には、通常は開閉扉65bが閉鎖状態になっており、内部抽選において開閉実行モード(大当たり遊技)への移行に当選した場合に開放状態に切り替えられる。
開閉実行モードとは、大当たりに当選した場合に移行することとなるモードである。当該開閉実行モードについては、後に詳細に説明する。可変入賞装置65の開放態様としては、大当たりである場合は、所定時間(例えば30sec)の経過又は所定個数(例えば10個)の入賞を1ラウンドとして、複数ラウンド(例えば10ラウンド)を上限として可変入賞装置65が繰り返し開放される態様がある。
なお、上記構成では閉鎖状態である場合に大入賞口65aへの入賞が不可となるが、入賞可能な構成であってもよい。すなわち、閉鎖状態である場合に、大入賞口65aへの入賞が可能であるものの、開放状態よりも入賞しにくい(入賞困難となる)構成であってもよい。要は、開放状態と閉鎖状態とで大入賞口65aへの入賞しやすさが相違するものであればよく、閉鎖や開放の度合は任意である。
ここで、第2作動口63、スルーゲート64、可変入賞装置65に対しては、右ルートを流下する遊技球のみが入賞可能となっている。よって、遊技者が第2作動口63、スルーゲート64、可変入賞装置65への入賞を狙う場合には、遊技球が右ルートを流下するように遊技球を発射して遊技することになる。
図4に示すように、可変入賞装置65の下方には、主表示ユニット81が設けられている。主表示ユニット81は、遊技領域PEの下部側の外縁に沿って配置されており、遊技盤60の前面から前方に突出している。主表示ユニット81の前面には、所定の絵柄等が表示される特図用表示部43及び普図用表示部44が設けられている。これら各表示部43,44は、前扉枠14のガラスユニット22を通じて前方から視認可能となっている。なお、主表示ユニット81の前面とガラスユニット22との隙間寸法は遊技球の直径よりも小さくなっている。これにより、主表示ユニット81の前方を遊技球が通過することが回避されており、各種表示部43,44の視認性が担保されている。
特図用表示部43には、第1作動口62への入賞に基づいて行われた抽選結果を表示する第1特図表示部ASと、第2作動口63への入賞に基づいて行われた抽選結果を表示する第2特図表示部BSとが設けられている。
第1特図表示部ASでは、第1作動口62への入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、第1作動口62への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が明示される。第1作動口62への入賞に基づく内部抽選の結果が大当たりに対応した当選結果であった場合には、第1特図表示部ASにて変動表示が停止され、停止結果として所定の絵柄が表示された後に、上記開閉実行モードに移行する。
第2特図表示部BSでは、第2作動口63への入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、第2作動口63への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が明示される。第2作動口63への入賞に基づく内部抽選の結果が大当たりに対応した当選結果であった場合には、第2特図表示部BSにて変動表示が停止され、停止結果として所定の絵柄が表示された後に、上記開閉実行モードに移行する。
以下においては、第1作動口62への入賞を契機に変動表示される絵柄と、第2作動口63への入賞を契機に変動表示される絵柄とを区別すべく、前者を第1特別図柄又は第1特図といい、後者を第2特別図柄又は第2特図ということがある。
ここで、いずれかの作動口62,63への入賞に基づいて、対応する特図表示部AS,BSにて変動表示が開始され、所定の停止結果を表示し上記変動表示が停止されるまでが特図表示部AS,BSにおける遊技回の1回に相当する。但し、遊技回の1回は、上記の内容に限定されることはなく、例えば、単一の表示領域が設けられ、いずれの作動口62,63への入賞が発生したとしてもその単一の表示領域にて変動表示が行われる構成においては、当該単一の表示領域にて変動表示が開始され、所定の停止結果を表示した状態で上記変動表示が停止されるまでを遊技回の1回とする。
また、主表示ユニット81には特図保留数表示部AMが設けられている。遊技球が第1作動口62又は第2作動口63に入賞した回数は最大4回まで保留されるようになっており、特図保留数表示部AMには、第1特図(第1作動口62)の保留数と第2特図(第2作動口63)の保留数とを各別に表示可能となっている。
普図用表示部44は、スルーゲート64への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果を明示するための表示部である。この場合、普図用表示部44では、スルーゲート64への入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、スルーゲート64への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が表示によって明示される。スルーゲート64への入賞に基づく内部抽選の結果が普電役物63aを開放させるサポート状態への移行に対応した当選結果であった場合には、普図用表示部44にて所定の停止結果が表示されて変動表示が停止された後に、サポート状態へ移行する。なお、スルーゲート64への入賞を契機に変動表示される絵柄を普通図柄又は普図ということがある。
ここで、スルーゲート64への入賞に基づいて、普図用表示部44にて変動表示が開始され、所定の停止結果を表示し上記変動表示が停止されるまでが、普図用表示部44における遊技回の1回に相当する。以下においては、普図用表示部44における遊技回と特図表示部AS,BSにおける遊技回とを区別すべく、前者を普図遊技回といい、後者を特図遊技回ということがある。
また、普図用表示部44には普図保留数表示部FMが設けられている。遊技球がスルーゲート64に入賞した回数は最大4回まで保留されるようになっており、普図保留数表示部FMには普図(スルーゲート64)の保留数を表示可能となっている。
特図用表示部43及び普図用表示部44は、複数のセグメントを有するセグメント表示装置により構成されているが、これに限定されることはなく、液晶表示装置など他の表示装置により構成されてもよい。
その他、図示を省略しているが、主表示ユニット81には、開閉実行モードでのラウンド数を明示するためのラウンド表示部が設けられている。ラウンド表示部では、開閉実行モードが開始される場合又は開始された場合に上記ラウンド数の表示が開始される。この表示は、開閉実行モードが実行されている間、表示内容を変更することなく継続して行われ、開閉実行モードが終了する場合又は終了した場合に終了する。
次に、可変表示ユニット67について説明する。可変表示ユニット67には、絵柄の一種である図柄を変動表示(又は、可変表示若しくは切替表示)する図柄表示装置75が設けられている。
図柄表示装置75は、液晶ディスプレイを備えた液晶表示装置として構成されており、後述する表示制御装置により表示内容が制御される。なお、図柄表示装置75は、液晶表示装置であることに限定されることはなく、プラズマディスプレイ装置、有機EL表示装置又はCRTといった他の表示装置であってもよい。
図柄表示装置75には、例えば上、中及び下に並べて図柄が表示され、これらの図柄が左右方向にスクロールされるようにして変動表示されるようになっている。この場合、図柄表示装置75における変動表示は、第1作動口62又は第2作動口63への入賞に基づいて開始される。すなわち、特図用表示部43において変動表示が行われる場合には、それに合わせて図柄表示装置75においても変動表示が行われる。そして、可変入賞装置65が開放状態とされる大当たり遊技状態(開閉実行モード)に移行する場合には、図柄表示装置75では予め設定されている有効ライン上に所定の図柄組み合わせが停止表示される。
また、図柄表示装置75には、第1特図表示部AS及び第2特図表示部BSに対応した保留表示が行われる。この保留表示では、所定の保留用画像が表示され、その表示個数により各作動口63,64の保留個数が示されるようになっている。なお、保留個数は、上記保留用画像により示されるものに限定されず、数字表示により示されるものであってもよい。また、図柄表示装置75に限らず、例えば、図柄表示装置75とは別に遊技盤60上に設けられた表示部(主表示ユニット81の各保留数表示部AM,FMとは別の表示部)や発光部(保留ランプ部)等により示される構成であってもよい。
再び図2を参照して内枠13の構成について説明する。樹脂ベース50において遊技盤60の搭載領域の下方には、上記遊技球発射ハンドル41の操作に基づいて遊技領域PEへ向けて遊技球を発射する遊技球発射機構110が設けられている。遊技球発射機構110は、所定の発射待機位置に配置された遊技球を打ち出すソレノイド111と、ソレノイド111によって打ち出された遊技球の発射方向を規定する発射レール112と、上記発射待機位置に遊技球を供給する球送装置113と、それら各種構成111~113が装着されているベースプレート114とを主要な構成として備えている。ベースプレート114は樹脂ベース50に固定されており、これにより、遊技球発射機構110が樹脂ベース50と一体化されている。
発射レール112は、遊技盤60側に向けて上り傾斜となるように、斜めに傾いた状態でベースプレート114に固定されている。発射レール112の下流側の端部(すなわち下端部)寄りとなる位置には、球送装置113から供給された遊技球を上述した発射待機位置に留める球ストッパが設けられている。球ストッパよりも更に下流側となる位置に、上記ソレノイド111が配置されている。
ソレノイド111は、後述する電源及び発射制御装置に対して電気的に接続されている。その電源及び発射制御装置からの電気的な信号の出力に基づいてソレノイド111の出力軸が伸縮方向に往復動することにより、発射待機位置に置かれた遊技球が遊技盤60側、詳しくは遊技盤60に装着された誘導レール100に向けて打ち出される。
図4に示すように、誘導レール100は、遊技領域PEを同遊技領域PEの外形が略円形状となるように区画形成している。また、誘導レール100は、遊技球の直径よりも若干大きな隙間を隔てて対峙するように配置された内レール101及び外レール102からなり、それら両レール101,102によって一条の誘導通路103が区画形成されている。誘導通路103は、発射レール112の先端側(斜め下方)に開放された入口部分と、遊技領域PEの上部に位置する出口部分とを有している。ソレノイド111の動作に基づいて発射された遊技球は、発射レール112→誘導レール100(入口部分→出口部分)の順に移動することにより遊技領域PEに導かれる。
なお、遊技盤60において出口部分の先側、詳しくは内レール101の先端付近には、遊技領域PEに到達した遊技球の誘導通路103内への逆戻りを防止する逆戻り防止部材106が取り付けられており、先んじて遊技領域PEに至った遊技球によって後続する遊技球の打ち出しが妨げられることを抑制している。
図2に示すように、誘導レール100及び発射レール112は、誘導レール100の入口部分と発射レール112の先端部分とが遊技盤60の下端縁を挟んで斜めに対峙するように配置されている。つまり、それら両レール100,112は、誘導レール100の入口部分と発射レール112の先端部分とが遊技盤60の下端縁近傍にて左右にずれるようにして配置されている。これにより、両レール100,112を遊技盤60の下端縁に近づけつつ、誘導レール100の入口部分と発射レール112との間に所定間隔の隙間を形成している。
このようにして形成された隙間よりも下側にはファール球通路46が配設されている。ファール球通路46は前扉枠14の通路形成ユニット45に一体成形されている。仮に遊技球発射機構110から発射された遊技球が遊技領域PEまで至らずファール球として誘導通路103内を逆戻りする場合には、それらファール球が上記隙間を介してファール球通路46内に入ることとなる。ファール球通路46は前扉側下皿通路に通じており、ファール球通路46に入った遊技球は下皿34に排出される。これにより、ファール球と次に発射される遊技球との干渉が抑制されつつ、ファール球となった遊技球が遊技者に返却される。
樹脂ベース50において発射レール112の左方(詳しくは前扉枠14を支持している側)には樹脂ベース50を前後方向に貫通する貫通孔が形成されており、この貫通孔に通路形成部材121が配設されている。通路形成部材121は、樹脂ベース50に対してネジ止めされており、本体側上皿通路と本体側下皿通路とを有している。それら本体側上皿通路及び本体側下皿通路の上流側は、後述する遊技球分配部に通じている。また、通路形成部材121の下方には前扉枠14に取り付けられた通路形成ユニット45の受口部が入り込んでおり、本体側上皿通路の下方には前扉側上皿通路が配置され、本体側下皿通路の下方には前扉側上皿通路が配置されている。
樹脂ベース50において通路形成部材121の下方には、本体側上皿通路及び本体側下皿通路を開閉する開閉部材124が取り付けられている。開閉部材124はその下端に設けられた支軸により前後方向に回動可能に支持されており、さらに本体側上皿通路及び本体側下皿通路を閉鎖する前方位置に付勢する付勢部材が設けられている。したがって、前扉枠14を内枠13に対して開いた状態では開閉部材124が図示の如く起き上がり、本体側上皿通路及び本体側下皿通路を閉鎖する。これにより、本体側上皿通路又は本体側下皿通路に遊技球が貯留されている状態で前扉枠14を開放した場合、その貯留球がこぼれ落ちてしまうといった不都合が防止できる。これに対し、前扉枠14を閉じた状態では、前扉枠14の通路形成ユニット45に設けられた受口部により付勢力に抗して開閉部材124が押し開けられる。この状態では、本体側上皿通路と前扉側上皿通路とが連通し、さらに本体側下皿通路と前扉側下皿通路とが連通している。
次に、図3に基づき内枠13(樹脂ベース50及び遊技盤60)の背面構成について説明する。
樹脂ベース50の背面における回動基端側には、軸受け金具132が上下に並設されている。軸受け金具132には、上下に離間させて軸受け部が形成されており、これら軸受け部により内枠13に対して裏パックユニット15が回動可能に取り付けられている。
樹脂ベース50の背面には、係止金具が複数設けられており、これら係止金具により樹脂ベース50に対して遊技盤60が取り付けられている。ここで、遊技盤60の背面の構成を説明する。
遊技盤60の中央に配置される可変表示ユニット67には、当該可変表示ユニット67を背後から覆うようにして表示制御装置が取り付けられている(図示は省略)。そして、表示制御装置の後方には当該表示制御装置に重なるようにして演出制御装置ユニット142が搭載されている。演出制御装置ユニット142は、演出制御装置143と、取付台144とを具備する構成となっており、取付台144上に演出制御装置143が装着されている。
演出制御装置143は、後述する主制御装置からの指示に従い音声やランプ表示、及び表示制御装置の制御を司る演出制御基板を具備しており、演出制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス145に収容されて構成されている。
遊技盤60の背面には、図3に示すように、可変表示ユニット67の下方に集合板150が設けられている。集合板150には、各種入賞口に入賞した遊技球を回収する遊技球回収機構や、各種入賞口等への遊技球の入球を検知する検知機構などが設けられている。
遊技球回収機構について説明すると、集合板150には、一般入賞口61等の各種入球部に対して個々に対応する回収通路が設けられている。これら回収通路は、それら入球部から遊技盤60の背面に沿って下っており、遊技球の落下経路を規定している。各回収通路は、遊技盤60の下端付近にて合流しており、一般入賞口61等の入球部を通過した遊技球は何れも回収通路を介して遊技盤60の下部に集合することとなる。各回収通路の出口部分は、下方に開放されており、その先側(詳しくは遊技盤60の下方)には排出通路が設けられている。回収通路により遊技盤60の下方に集合した遊技球は、排出通路へと導出される。なお、アウト口68も同様に排出通路に通じており、何れの入賞口にも入賞しなかった遊技球もアウト口68を介して排出通路へ導出される。
検知機構について説明すると、集合板150には、一般入賞口61等の各種入球部に対して個々に対応する入賞センサ(検知センサ)が設けられている。これら各種入賞センサは、上記一般入賞口61等の入球部に連なる各回収通路の途中位置に配置されており、同回収通路にて遊技球の落下経路が規定された状態にて遊技球の通過を検知する。すなわち、各回収通路の途中位置に設けられた検知領域を遊技球が通過することで、一般入賞口61等の入球口への入球を検知する。入賞センサは、例えば、検知領域を遊技球が通過した場合に生じる磁場の変化を把握する磁気センサにより構成されている。
これら各種入賞センサは、遊技盤60の背面側に設けられた主制御装置ユニット160(詳しくは主制御装置)に電気的に接続されており、それら入賞センサにおける検知信号が同主制御装置に対して出力される構成となっている。以下、主制御装置ユニット160及びそれに付随する構成について説明する。
主制御装置ユニット160は、集合板150を後側から覆うようにして遊技盤60に搭載されており、合成樹脂製の取付台161と、取付台161に搭載された主制御装置162とによって構成されている。主制御装置162は、遊技の主たる制御を司る機能(主制御回路)を有する主制御基板を具備しており、当該主制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス163に収容されて構成されている。
基板ボックス163は、略直方体形状のボックスベース(表ケース体)とこのボックスベースの開口部を覆うボックスカバー(裏ケース体)とを備えている。これらボックスベースとボックスカバーとは封印手段としての封印部によって開封不能に連結され、これにより基板ボックス163が封印されている。封印部は、基板ボックス163の長辺部に複数設けられ、そのうち少なくとも一つが用いられて封印処理が行われる。
封印部はボックスベースとボックスカバーとを開封不能に結合する構成であれば任意の構成が適用できるが、封印部を構成する長孔に係止爪を挿入することでボックスベースとボックスカバーとが開封不能に結合されるようになっている。封印部による封印処理は、その封印後の不正な開封を防止し、また万一不正開封が行われてもそのような事態を早期に且つ容易に発見可能とするものであって、一旦開封した後でも再度封印処理を行うこと自体は可能である。すなわち、複数の封印部のうち、少なくとも一つの長孔に係止爪を挿入することにより封印処理が行われる。そして、収容した主制御基板の不具合発生の際や主制御基板の検査の際など基板ボックス163を開封する場合には、係止爪が挿入された封印部と他の封印部との連結部分を切断する。これにより、基板ボックス163のボックスベースとボックスカバーとが分離され、内部の主制御基板を取り出すことができる。その後、再度封印処理する場合は他の封印部の長孔に係止爪を挿入する。基板ボックス163の開封を行った旨の履歴を当該基板ボックス163に残しておけば、基板ボックス163を見ることで不正な開封が行われたことを容易に発見できる。
基板ボックス163の一方の短辺部には、その側方に突出するようにして複数の結合片が設けられている。これら結合片は、取付台161に形成された複数の被結合片と1対1で対応しており、結合片と被結合片とにより基板ボックス163と取付台161との間で封印処理が行われる。
次に、図2及び図3に基づき裏パックユニット15について説明する。
図2に示すように、内枠13は裏パックユニット15によって後方から覆われている。裏パックユニット15は、裏パック201を備えており、当該裏パック201に対して、払出機構部202、排出通路盤203及び制御装置集合ユニット204が取り付けられている。
裏パック201は透明性を有する合成樹脂により成形されており、図3に示すように払出機構部202などが取り付けられるベース部211と、パチンコ機10後方に突出し略直方体形状をなす保護カバー部212とを有する。保護カバー部212は左右側面及び上面が閉鎖され且つ下面のみが開放された形状をなし、少なくとも可変表示ユニット67を囲むのに十分な大きさを有する。
ベース部211には、その右側上部に外部出力端子213が設けられている。外部出力端子213には各種の出力端子が設けられており、これらの出力端子を通じて遊技ホール側のホールコンピュータHC(管理制御装置)に対して各種信号が出力される。また、ベース部211にはパチンコ機10後方からみて右端部に上下一対の掛止ピンが設けられており、掛止ピンを内枠13に設けられた軸受け金具132(詳しくは軸受け部)に挿通させることで、裏パックユニット15が内枠13に対して回動可能に支持されている。また、ベース部211における回動先端部には、内枠13に設けられた被締結孔に対して締結するための締結具が設けられており、当該締結具を被締結孔に嵌め込むことで内枠13に対して裏パックユニット15が固定されている。
ベース部211には、保護カバー部212を迂回するようにして払出機構部202が配設されている。払出機構部202には、裏パック201の最上部に配されているとともに上方に開口したタンク221が設けられており、遊技ホールの島設備から供給される遊技球がそのタンク221に逐次補給される。タンク221の下方には、下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレールが連結され、タンクレールの下流側には上下方向に延びるケースレールが連結されている。ケースレールの最下流部には払出装置222が設けられている。払出装置222より払い出された遊技球は、当該払出装置222の下流側に設けられた払出通路を通じて、裏パック201のベース部211に設けられた遊技球分配部に供給される。
遊技球分配部は、払出装置222より払い出された遊技球を上皿33、下皿34又は後述する排出通路の何れかに振り分けるための機能を有し、内側の開口部が上述した本体側上皿通路及び前扉側上皿通路を介して上皿33に通じ、外側の開口部が本体側下皿通路及び前扉側下皿通路を介して下皿34に通じるように形成されている。
図3に示すように、ベース部211の下端部には、当該下端部を前後に挟むようにして排出通路盤203及び制御装置集合ユニット204が取り付けられている。排出通路盤203には、制御装置集合ユニット204と対向する面に後方に開放された排出通路が形成されており、当該排出通路の開放部は制御装置集合ユニット204によって塞がれている。排出通路は、遊技ホールの島設備等へ遊技球を排出するように形成されており、上述した回収通路等から排出通路に導出された遊技球は当該排出通路を通ることでパチンコ機10外部に排出される。
制御装置集合ユニット204は、横長形状をなす取付台を有し、同取付台に払出制御装置181と電源及び発射制御装置191とが搭載されている。これら払出制御装置181と電源及び発射制御装置191とは、払出制御装置181がパチンコ機10後方となるように前後に重ねて配置されている。
払出制御装置181においては基板ボックス内に払出装置222を制御する払出制御基板が収容されており、当該払出制御基板に設けられた状態復帰スイッチが基板ボックス外に突出している。例えば、払出装置222における球詰まり等、払出エラーの発生時において状態復帰スイッチが押されると、球詰まりの解消が図られるようになっている。
電源及び発射制御装置191は、基板ボックス内に電源及び発射制御基板が収容されており、当該基板により、各種制御装置等で要する所定の電源が生成されて出力され、さらに遊技者による遊技球発射ハンドル41の操作に伴う遊技球の打ち出しの制御が行われる。
電源及び発射制御装置191には、電源を監視して停電等の電断状態の発生を検知する停電監視部(停電監視回路)315が設けられている。本パチンコ機10は各種データの記憶保持機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰の際には停電時の状態に復帰できるようになっている。例えば遊技ホールの営業終了の場合のように通常手順で電源を遮断すると遮断前の状態が記憶保持される。また、電源及び発射制御装置191にはRAM消去スイッチが設けられている。RAM消去スイッチを押しながら電源を投入すると、RAMデータが初期化されるようになっている。
<パチンコ機10の電気的構成>
次に、パチンコ機10の電気的構成について、図7のブロック図に基づいて説明する。
主制御装置162の主制御基板311には、MPU312が搭載されている。MPU312には、当該MPU312により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM313と、そのROM313内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM314と、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路、乱数発生器としての各種カウンタ回路などが内蔵されている。
RAM314は、電断状態が発生した後においても電源及び発射制御装置191からのバックアップ電圧によりデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM314には、各種のデータ等を一時的に記憶するためのエリアとは別にバックアップエリアが設けられている。バックアップエリアは、電断状態が発生した場合において、電源遮断時のスタックポインタや、各レジスタ、I/O等の値を記憶しておくためのエリアである。電断状態からの復帰時(復電時)には、バックアップエリアの情報に基づいてパチンコ機10の状態が電断前の状態に復帰できるようになっている。
なお、図7に示す構成では、MPU312に対してROM313及びRAM314を1チップ化しているが、これに限定されるものではなく、それぞれが個別にチップ化された構成としてもよい。これは主制御装置162以外の制御装置のMPUについても同様である。
MPU312には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU312の入力側には、払出制御装置181と、電源及び発射制御装置191とが接続されている。また、MPU312の入力側には、各種センサが接続されている。各種センサには、一般入賞口61、第1作動口62、第2作動口63、スルーゲート64、可変入賞装置65への入賞を検知する一般入賞口用入賞センサ61a、第1作動口用入賞センサ62a、第2作動口用入賞センサ63c、スルー用入賞センサ64a、大入賞口用入賞センサ65c等が設けられている。MPU312では、これら各種センサ61a,62a,63c,364a,65cの検知結果に基づいて、各入球部への入賞判定(入球判定)等を行う。また、MPU312では、第1作動口62、第2作動口63、スルーゲート64への入賞に基づいて、各種抽選を実行する。
MPU312の出力側には、払出制御装置181及び演出制御装置143等が接続されている。払出制御装置181には、例えば、賞球が払い出されることに対応する賞球対応入球部への入賞判定結果に基づいて賞球コマンドが出力される。
演出制御装置143には、変動開始コマンド、種別コマンド、変動終了コマンド、オープニングコマンド及びエンディングコマンドなどの各種コマンドが出力される。この場合、これら各種コマンドの出力に際しては、ROM313のコマンド情報記憶エリア313eが参照される。これら各種コマンドの詳細については、後に説明する。なお、上記各コマンドは、所定のバイト数の情報として構成されており、当該所定のバイト数の情報として各種情報が含まれている。
また、MPU312の出力側には各種駆動部として、普電役物63a用の駆動部63b、可変入賞装置65用の駆動部65dが接続されている。主制御基板311には各種ドライバ回路が設けられており、当該ドライバ回路を通じてMPU312は各種駆動部の駆動制御を実行する。具体的には、開閉実行モードへの移行が発生すると、可変入賞装置65の開閉扉65bが駆動されるようにMPU312において駆動部65dの駆動制御が実行される。また、サポート状態への移行が発生すると、普電役物63aの各可動片が駆動されるようにMPU312において駆動部63bの駆動制御が実行される。また、各特図遊技回に際しては、特図用表示部43における第1特図表示部AS又は第2特図表示部BSの表示制御が実行される。また、普図遊技回に際しては、普図用表示部44の表示制御が実行される。
さらには、MPU312の出力側に上述した外部出力端子213が接続されており、この外部出力端子213を通じてホールコンピュータHCに対して各種入球部への入球情報や大当たり等の抽選結果に関する情報が出力される。これにより、ホールコンピュータHCにてパチンコ機10の状態等を把握することが可能となっている。
電源及び発射制御装置191は、例えば、遊技場等における商用電源(外部電源)に接続されている。そして、その商用電源から供給される外部電力に基づいて主制御基板311や払出制御装置181等に対して各々に必要な動作電力を生成するとともに、その生成した動作電力を供給する。
電源及び発射制御装置191には停電監視部315が設けられており、この停電監視部315により電源及び発射制御装置191から出力される直流安定24ボルトの電圧を監視する。停電監視部315は、電源及び発射制御装置191からの出力電圧が22ボルト未満になると停電(電源遮断)の発生と判断し、停電信号を主制御装置162のMPU312に設けられたNMI端子(ノンマスカブル割込み端子)へ出力する。これにより、主制御装置162は、停電の発生を認識してNMI割込み処理を即座に実行し、さらにこれに基づいて停電時処理を実行する。ちなみに、電源及び発射制御装置191にはバックアップ用コンデンサなどの電断時用電源部が設けられており、停電等が発生した場合やパチンコ機10の電源がOFF状態の場合には当該電断時用電源部から主制御装置162のRAM314に記憶保持用の電力が供給される。また、電源及び発射制御装置191は遊技球発射機構110の発射制御を担っており、遊技球発射機構110は所定の発射条件が整っている場合に駆動される。
払出制御装置181は、主制御装置162から入力した賞球コマンドに基づいて、払出装置222により賞球や貸し球の払出制御を行う。
演出制御装置143は、主制御装置162から入力した各種コマンドに基づいて、前扉枠14に設けられたランプ部26~28やスピーカ部29を駆動制御したり、表示制御装置350を制御したりするものである。表示制御装置350では、演出制御装置143から入力したコマンドに基づいて、図柄表示装置75の表示制御を実行する。この場合に、演出制御装置143では、主制御装置162から入力した各種コマンドに基づいて、図柄表示装置75における図柄の変動表示時間及び最終的に停止表示させる図柄の組み合わせの種類を決定するとともに、リーチ発生の有無及びリーチ演出の内容を決定する。
ここで、図柄表示装置75の表示内容について図8~図10に基づいて説明する。
図8(a)~(j)に示すように、絵柄の一種である図柄は、「1」~「9」の数字が各々付された9種類の主図柄と、貝形状の絵図柄からなる副図柄とにより構成されている。より詳しくは、タコ等の9種類のキャラクタ図柄に「1」~「9」の数字がそれぞれ付されて主図柄が構成されている。
図9(a)に示すように、図柄表示装置75の表示画面Gには、上段・中段・下段の3つの図柄列Z1,Z2,Z3が設定されている。各図柄列Z1~Z3は、主図柄と副図柄が所定の順序で配列されて構成されている。詳細には、上図柄列Z1には、「1」~「9」の9種類の主図柄が数字の降順に配列されると共に、各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。下図柄列Z3には、「1」~「9」の9種類の主図柄が数字の昇順に配列されると共に、各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。つまり、上図柄列Z1と下図柄列Z3は18個の図柄により構成されている。これに対し、中図柄列Z2には、数字の昇順に「1」~「9」の9種類の主図柄が配列された上で「9」の主図柄と「1」の主図柄との間に「4」の主図柄が付加的に配列され、これら各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。つまり、中図柄列Z2に限っては、10個の主図柄が配されて20個の図柄により構成されている。そして、表示画面Gでは、これら各図柄列Z1~Z3の図柄が周期性をもって所定の向きにスクロールするように変動表示される。また、図9(b)に示すように、表示画面Gは、図柄列毎に3個の図柄が停止表示されるようになっており、結果として3×3の計9個の図柄が停止表示されるようになっている。
表示画面Gには、5つの有効ライン、すなわち左ラインL1、中ラインL2、右ラインL3、右下がりラインL4、右上がりラインL5が設定されている。そして、上図柄列Z1→下図柄列Z3→中図柄列Z2の順に変動表示が停止し、いずれかの有効ラインに同一の数字が付された図柄の組み合わせが形成された状態で全図柄列Z1~Z3の変動表示が終了すれば、後述する通常4R大当たり結果又は10R確変大当たり結果の発生として大当たり動画が表示されるようになっている。
本パチンコ機10では、奇数番号(1,3,5,7,9)が付された主図柄は「特定図柄」に相当し、10R確変大当たり結果が発生する場合には、同一の特定図柄の組み合わせが停止表示される。また、偶数番号(2,4,6,8)が付された主図柄は「非特定図柄」に相当し、通常大4R当たり結果が発生する場合には、同一の非特定図柄の組み合わせが停止表示される。
ここで、各図柄列の変動表示について図10を参照して補足説明する。遊技回が開始されると、先ず全図柄列Z1~Z3について高速変動表示が開始される。この場合、どの図柄列が変動表示されているかは認識できない又は困難となっている。その後、図10(a)に示すように、上図柄列Z1の変動表示態様が、高速変動表示から、遊技者が変動表示されている図柄を認識することができる低速変動表示に切り替わる。そして、図10(b)に示すように、上図柄列Z1の変動表示が終了するとともに、下図柄列Z3の変動表示態様が高速変動表示から低速変動表示に切り替わる。そして、図10(c)に示すように、下図柄列Z3の変動表示が終了する。全図柄列Z1~Z3の変動終了後には、所定の期間に亘ってその停止表示を維持して待機する停止表示期間が設けられている。
ところで、遊技機では、図柄表示装置75において図柄を停止表示させる際、最終停止列(本実施の形態では中図柄列Z2)の図柄を急停止させるのではなく、変動表示速度を低下させながら緩やかに停止させるのが一般的である。この場合、特図用表示部43での停止表示の開始に合わせて中図柄列Z2(最終停止列)の図柄を止め始めるように構成すると、図柄表示装置75において図柄が止まるまでの減速時間を要する分、図柄が止まっている状態の時間が短くなり、実質的な停止表示時間の短縮化を招く。
そこで、特図用表示部43での停止表示の開始前に、最終停止列も含めて図柄列Z1~Z3を停止(仮停止)させておき、その後、特図用表示部43での停止表示の開始タイミングに合わせて、仮停止させた図柄を本停止(確定表示)させるように構成されている。仮停止での図柄列Z1~Z3の表示態様は、確定表示でのそれとは異なったものとなっている。例えば、図柄列Z1~Z3の少なくとも1つが緩やかに往復微動したり、主図柄や副図柄を構成するタコ等のキャラクタ(図8)の少なくとも一部が動いていたりするものとなっている。つまり、仮停止は、一見すると図柄が止まっているように見えるものの、不完全な停止状態を保つように行われる(停留表示)。これに対し、確定表示は、上記往復微動やキャラクタの動作がなされず、完全な停止状態となるように行われる。
なお、図柄列Z1~Z3の仮停止表示は、当否抽選の結果や大当たり種類に対応した停止結果で開始され、その後、そのまま確定表示に移行するほか、当否抽選の結果や大当たり種類に対応しない停止結果で一旦停止表示された後、図柄列Z1~Z3の再変動表示を経て当否抽選の結果等に対応した停止結果に変更され、その後、確定表示に移行する場合もある。
ちなみに、特図用表示部43にて実行される特図遊技回では、絵柄の仮停止表示を行わず、変動表示させた絵柄を変動表示時間の経過に応じて急停止させ、その状態(絵柄を停止表示させた状態)を確定表示時間が経過するまで維持する。つまり、特図用表示部43での絵柄の停止表示はそのまま確定表示となる。このことは、普図用表示部44にて実行される普図遊技回においても同様である。
なお、図柄表示装置75における図柄の変動表示の態様は上記のものに限定されることはなく任意であり、図柄列の数、図柄列における図柄の変動表示の方向、各図柄列の図柄数、大当たりや外れに対応する図柄の組合せなどは適宜変更可能である。
図9(b)に示すように、表示画面Gの下部には、実行前の遊技回の保留数に対応した数の保留用画像を表示するための保留表示部200が設けられており、保留表示部200を視認することで上記保留数を遊技者が認識することが可能となっている。保留表示部200には、第1特図に対応した第1保留表示領域Gaと、第2特図に対応した第2保留表示領域Gbとが設定されている。
第1保留表示領域Gaでは、遊技球が第1作動口62に入賞した場合の最大保留個数と同一の数の単位保留表示領域Ga1~Ga4が左右方向に並設されるように区画表示されている。具体的には、遊技球が第1作動口62に入賞した場合の最大保留個数は4個であり、これに対応させて第1保留表示領域Gaには、第1単位保留表示領域Ga1、第2単位保留表示領域Ga2、第3単位保留表示領域Ga3、第4単位保留表示領域Ga4が設定されている。
例えば、遊技球が第1作動口62に入賞した場合の保留個数が1個の場合には、第1単位保留表示領域Ga1のみに所定の保留用画像が表示され、遊技球が第1作動口62に入賞した場合の保留個数が4個の場合には、第1単位保留表示領域Ga1~第4単位保留表示領域Ga4の全てに所定の保留用画像が表示される。
また、第2保留表示領域Gbでは、遊技球が第2作動口63に入賞した場合の最大保留個数と同一の数の単位保留表示領域Gb1~Gb4が左右方向に並設されるように区画表示されている。具体的には、遊技球が第2作動口63に入賞した場合の最大保留個数は4個であり、これに対応させて第2保留表示領域Gbには、第1単位保留表示領域Gb1、第2単位保留表示領域Gb2、第3単位保留表示領域Gb3、第4単位保留表示領域Gb4が設定されている。
例えば、遊技球が第2作動口63に入賞した場合の保留個数が1個の場合には、第1単位保留表示領域Gb1のみに所定の保留用画像が表示され、遊技球が第2作動口63に入賞した場合の保留個数が4個の場合には、第1単位保留表示領域Gb1~第4単位保留表示領域Gb4の全てに所定の保留用画像が表示される。
また、第1保留表示領域Gaと第2保留表示領域Gbとに挟まれるようにして実行表示領域Dが設定されている。実行表示領域Dには、実行される(実行中の)遊技回に対応した保留用画像が表示される。例えば、遊技回が終了して次の遊技回が開始される場合には、第1保留表示領域Gaの第1単位保留表示領域Ga1又は第2保留表示領域Gbの第1単位保留表示領域Gb1に表示されていた保留用画像が実行表示領域Dに移動表示される。これにより、保留されていた遊技回が実行されることを遊技者が認識することが可能となっている。
<主制御装置162のMPU312にて各種抽選を行うための電気的構成>
次に、主制御装置162のMPU312にて各種抽選を行うための電気的な構成について図11を用いて説明する。
MPU312は遊技に際し各種カウンタ情報を用いて、大当たり発生抽選、特図用表示部43の表示の設定、普図用表示部44の表示の設定などを行うこととしており、具体的には、図11に示すように、大当たり発生の抽選に使用する大当たり乱数カウンタC1と、確変大当たり結果や通常大当たり結果等の大当たり種別を判定する際に使用する大当たり種別カウンタC2と、大当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する乱数初期値カウンタCINIと、特図用表示部43における各特図表示部AS,BSでの変動表示時間を決定する変動種別カウンタCSとを用いることとしている。さらに、第2作動口63の普電役物63aをサポート状態(開放状態)とするか否かの抽選に使用する普図当たり乱数カウンタC3を用いることとしている。
各カウンタC1~C3,CINI,CSは、その更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。各カウンタは短時間間隔で更新され、その更新値がRAM314の所定領域に設定された抽選カウンタ用バッファ314aに適宜格納される。抽選カウンタ用バッファ314aにおいて、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及び変動種別カウンタCSに対応した情報は、第1作動口62又は第2作動口63への入賞が発生した場合に、取得情報記憶手段としての保留球格納エリア314bに格納される。
保留球格納エリア314bは、第1特図用保留エリアRa及び第2特図用保留エリアRbからなる保留エリアREと、実行エリアAEとを備えている。保留エリアRa,Rbは、それぞれ、第1エリア、第2エリア、第3エリア、第4エリアを備えており、第1作動口62又は第2作動口63への入賞履歴に合わせて、抽選カウンタ用バッファ314aに格納されている大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及び変動種別カウンタCSの各数値情報が保留情報として、いずれかのエリアに格納される。なお、当該保留情報が特別情報に相当する。
この場合、第1エリア~第4エリアには、第1作動口62又は第2作動口63への入賞が複数回連続して発生した場合に、第1エリア→第2エリア→第3エリア→第4エリアの順に各数値情報が時系列的に格納されていく。このようにそれぞれ4つのエリアが設けられていることにより、第1作動口62又は第2作動口63への遊技球の入賞履歴がそれぞれ最大4個まで保留記憶されるようになっている。また、保留球格納エリア314bには総保留数記憶領域が設けられており、当該総保留数記憶領域には第1作動口62又は第2作動口63への入賞履歴を保留記憶している数を特定するための情報が格納される。
実行エリアAEは、特図用表示部43の変動表示を開始する際に、保留エリアREの第1エリアに格納された各値を移動させるためのエリアであり、1遊技回の開始に際しては実行エリアAEに記憶されている各種数値情報に基づいて、当否判定などが行われる。
各カウンタについて詳しくは、大当たり乱数カウンタC1は、例えば0~199の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり199)に達した後0に戻る構成となっている。特に大当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の乱数初期値カウンタCINIの値が当該大当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。なお、乱数初期値カウンタCINIは、大当たり乱数カウンタC1と同様のループカウンタである(値=0~199)。大当たり乱数カウンタC1は定期的に更新され、遊技球が第1作動口62又は第2作動口63に入賞したタイミングでRAM314の保留球格納エリア314bに格納される。より詳しくは、第1作動口62に遊技球が入賞したタイミングでRAM314の第1特図用保留エリアRaに格納され、第2作動口63に遊技球が入賞したタイミングでRAM314の第2特図用保留エリアRbに格納される。
大当たり当選となる乱数の値は、ROM313における当否情報群記憶手段としての当否テーブル記憶エリア313aに当否テーブル(当否情報群)として記憶されている。ここで、当否テーブルの内容について図12を用いて説明する。
当否テーブルには、2進数の情報からなるアドレス情報と、同じく2進数の情報からなる大当たり数値情報とが1対1で対応させて設定されている。具体的には、アドレス情報は10進数で表して「1」~「5」の5種類が設定されているとともに、大当たり数値情報は10進数で表して「7」,「17」,「27」,「37」,「47」の5種類が設定されており、これらアドレス情報と大当たり数値情報とが1対1で対応付けられている。各大当たり数値情報の数値は、大当たり乱数カウンタC1において更新され得る乱数情報の数値範囲である「0」~「199」に含まれている。
ここで、本パチンコ機10では、当否抽選手段における抽選モードとして、低確率モード(低確率状態)と高確率モード(高確率状態)とが設定されている。そして、低確率モードにおいて参照される大当たり数値情報の数と、高確率モードにおいて参照される大当たり数値情報の数とが異なっており、前者の方が後者よりも少ない数となっている。具体的には、低確率モードにおいては当否抽選に際して、アドレス情報が「1」である大当たり数値情報のみが参照され、高確率モードにおいては当否抽選に際して、全てのアドレス情報に対応した大当たり数値情報が参照される。つまり、低確率モードでは大当たり当選となる数値情報が1個であり、高確率モードでは低確率モードよりも多い5個である。これにより、低確率モードにおいて大当たり当選となる確率が1/200であるのに対して高確率モードにおいて大当たり当選となる確率が1/40であり、高確率モードの方が低確率モードよりも大当たり当選となる確率が高くなる。各抽選モードにおいて、大当たり当選となる乱数の値以外は、抽選結果が外れ結果となる。なお、低確率モードよりも高確率モードの方の当選確率が高くなるのであれば、上記当選となる乱数の数及び値は任意である。
大当たり種別カウンタC2は、大当たりとなった場合にその種別を振り分けるためのものであり、0~99の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり99)に達した後0に戻る構成となっている。大当たり種別カウンタC2は定期的に更新され、遊技球が第1作動口62又は第2作動口63に入賞したタイミングでRAM314の保留球格納エリア314bに格納される。より詳しくは、第1作動口62に遊技球が入賞したタイミングでRAM314の第1特図用保留エリアRaに格納され、第2作動口63に遊技球が入賞したタイミングでRAM314の第2特図用保留エリアRbに格納される。
大当たり種別カウンタC2に対する遊技結果の振分先は、ROM313の種別テーブル記憶エリア313bに大当たり種別テーブルとして記憶されている。ここで、大当たり種別テーブルについて図13を参照して説明する。
大当たり種別テーブルとしては、第1特図用の大当たり種別テーブル(図13(a))と第2特図用の大当たり種別テーブル(図13(b))とが設定されている。第1作動口62への入賞に基づいて大当たりとなった場合には第1特図用の大当たり種別テーブルが参照され、第2作動口63への入賞に基づいて大当たりとなった場合には第2特図用の大当たり種別テーブルが参照される。
図13(a)に示すように、第1特図用の大当たり種別テーブルでは、選択可能な大当たり種別として、4R確変大当たり結果と、4R通常大当たり結果とが設定されている。これらの大当たり結果はいずれも実行されるラウンド遊技の回数が4回となるものである。ここで、ラウンド遊技とは、可変入賞装置65を閉鎖状態から開放状態とし、その後、閉鎖状態とする可変入賞制御が少なくとも1回実行されるものである。本実施の形態では、1のラウンド遊技につき上記可変入賞制御が1回実行されるように構成されている。
4R確変大当たり結果は、開閉実行モードの終了後、抽選モードが高確率モードに設定されるとともに、第2作動口63の普電役物63aにおけるサポートモードが高頻度サポートモードに設定される大当たり結果である。この場合の高確率モード及び高頻度サポートモードは次回の大当たりが発生するまで(次回の開閉実行モードが開始されるまで)継続される。ちなみに、開閉実行モードの実行中は抽選モードが低確率モードに設定されるとともに、サポートモードが低頻度サポートモードに設定される。
ここで、高頻度サポートモード及び低頻度サポートモードは、遊技領域PEに対して同様の態様で遊技球の発射が継続されている状況で比較した場合に、第2作動口63への入賞頻度が相対的に高低となるように、普電役物63aの駆動態様が制御されるものである。具体的には、高頻度サポートモードでは、普図当たり乱数カウンタC3を用いた普図当否抽選の当選確率が低頻度サポートモードよりも高くなっており、普図当否抽選に当選した場合の普電役物63aの開放回数についても低頻度サポートモードよりも高頻度サポートモードの方が多く、さらには1回の開放時間についても低頻度サポートモードよりも高頻度サポートモードの方が長くなっている。
このため、高頻度サポートモードでは、低頻度サポートモードよりも第2作動口63への入賞が発生する確率が高くなる。換言すれば、低頻度サポートモードでは、第2作動口63よりも第1作動口62への入賞が発生する確率が高くなるが、高頻度サポートモードでは、第1作動口62よりも第2作動口63への入賞が発生する確率が高くなる。そして、第2作動口63への入賞が発生した場合には、所定個数の遊技球の払出が実行されるため、高頻度サポートモードでは、遊技者は持ち球をあまり減らさないようにしながら遊技を行うことができる。
なお、高頻度サポートモードを実現するための構成は、上記のものに限定されるものではなく、例えば、両モードで普図当否抽選の当選確率を等しくした上で、高頻度サポートモードにおける普電役物63aの開放回数や1回の開放時間を低頻度サポートモードよりも優遇する構成としてもよい。要は、低頻度サポートモードよりも単位時間当たりの第2作動口63への入賞頻度が高くなるものであれば足り、普図当否抽選、開放回数及び開放時間のうちいずれか1条件又は任意の組合せの条件を相違させることで、高頻度サポートモードと低頻度サポートモードとの設定を行う構成とすればよい。
4R通常大当たり結果は、開閉実行モードの終了後、抽選モードが低確率モードに設定されるとともに、第2作動口63の普電役物63aにおけるサポートモードが高頻度サポートモードに設定される大当たり結果である。この場合の高頻度サポートモードは、開閉実行モード後の遊技回の実行回数が予め定められた上限回数(例えば100回)に達するまで継続される。上限回数に達した場合は、高頻度サポートモードが終了し、抽選モードが低確率モードとされたまま、サポートモードが低頻度サポートモードに切り替わる。すなわち、抽選モードが低確率モードに設定され、サポートモードが低頻度サポートモードに設定される遊技状態(通常遊技状態)に移行する。
本実施の形態では、大当たり種別カウンタC2の「0」~「64」が4R確変大当たり結果に対応し、「65」~「99」が4R通常大当たり結果に対応している。すなわち、4R確変大当たり結果に振り分けられる確率は65%、4R通常大当たり結果に振り分けられる確率は35%に設定されている。
図13(b)に示すように、第2特図用の大当たり種別テーブルでは、選択可能な大当たり種別として、10R確変大当たり結果と、4R通常大当たり結果とが設定されている。10R確変大当たり結果は、実行されるラウンド遊技の回数が10回となるものである。また、10R確変大当たり結果は、開閉実行モードの終了後、抽選モードが高確率モードに設定されるとともに、第2作動口63の普電役物63aにおけるサポートモードが高頻度サポートモードに設定される大当たり結果である。この場合の高確率モード及び高頻度サポートモードは次回の大当たりが発生するまで継続される。
なお、第2特図用の大当たり種別テーブルで設定される4R通常大当たり結果は、第1特図用の大当たり種別で設定される4R通常大当たり結果と同様のものである。すなわち、第2作動口63への入賞を契機として4R通常大当たり結果となった場合、抽選モードが低確率モードに設定されるとともに、サポートモードが高頻度サポートモードに設定され、開閉実行モード後の遊技回の実行回数が予め定められた上限回数(例えば100回)に達するまで、その状態が継続される。
本実施の形態では、大当たり種別カウンタC2の「0」~「64」が10R確変大当たり結果に対応し、「65」~「99」が4R通常大当たり結果に対応している。すなわち、10R確変大当たり結果に振り分けられる確率は65%、4R通常大当たり結果に振り分けられる確率は35%に設定されている。
このように、第1特図表示部の種別テーブルと第2特図表示部の種別テーブルとのいずれであっても、確変大当たり結果に振り分けられる確率は同一となっている。但し、確変大当たり結果が選択される場合に、第2特図表示部の種別テーブルでは16R大当たり結果となるのに対して、第1特図表示部の種別テーブルでは4R大当たり結果となるように設定されている。つまり、第2作動口63への入賞に基づいて確変大当たり結果となった場合は、第1作動口62への入賞に基づいて確変大当たり結果となった場合よりも開閉実行モードでのラウンド数が多くなり、より多くの遊技球の払い出しを期待することが可能になる。すなわち、第1作動口62に遊技球を入賞させる遊技よりも第2作動口63に遊技球を入賞させる遊技の方が遊技者にとって有利となっている。
以上のとおり、第1作動口62と第2作動口63とにおいて、遊技者にとっての有利性に明確な差異が設けられている。したがって、遊技者は第1作動口62及び第2作動口63のうち、第2作動口63への入賞が発生することを期待しながら遊技を行うこととなり、それに伴って、第2作動口63への入賞頻度が高くなる高頻度サポートモードへの遊技者の注目度が高くなる。
また、大当たり種別カウンタC2は、作動口62,63への入賞に基づく当否抽選の結果が大当たりになった場合に、各特図表示部AS,BSに停止表示される絵柄の停止結果の決定にも用いられる。停止結果の決定は、ROM313の停止結果テーブル記憶エリア313dに記憶されている停止結果テーブルを参照して行われる。停止結果テーブルには、大当たり種別カウンタC2の値と対応させて、大当たりである場合の停止結果(各特図表示部AS,BSに停止表示される大当たり絵柄)のデータが複数設定されており、停止結果の決定に際しては、それら複数の停止結果のデータの中から、取得された大当たり種別カウンタC2に対応するものが読み出される。ここで、停止結果の決定と大当たり種別の決定とにはいずれも同じ大当たり種別カウンタC2を用いるため、各特図表示部AS,BSに停止表示される大当たり絵柄と、その大当たり時に決定される大当たり種別とは対応したものとなる。
変動種別カウンタCSは、例えば0~99の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり99)に達した後0に戻る構成となっている。変動種別カウンタCSは、特図用表示部43の第1特図表示部AS及び第2特図表示部BSにおける変動表示時間をMPU312において決定する上で用いられる。
変動種別カウンタCSは、後述する通常処理が1回実行される毎に1回更新され、当該通常処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。そして、変動種別カウンタCSは、遊技球が第1作動口62又は第2作動口63に入賞したタイミングでRAM314の保留球格納エリア314bに格納される。より詳しくは、第1作動口62に遊技球が入賞したタイミングでRAM314の第1特図用保留エリアRaに格納され、第2作動口63に遊技球が入賞したタイミングでRAM314の第2特図用保留エリアRbに格納される。
変動種別カウンタCSに対する変動表示時間の振分先は、ROM313の変動表示時間テーブル記憶エリア313cに変動表示時間テーブルとして記憶されている。ここで、変動表示時間テーブルについて図14を参照して説明する。
変動表示時間テーブルとしては、大当たり用の変動表示時間テーブル(図14(a))と外れ用の変動表示時間テーブル(図14(b))とが設定されている。第1作動口62又は第2作動口63への入賞に基づく当否抽選の結果が大当たりとなった場合には大当たり用の変動表示時間テーブルが参照され、上記各作動口62,63への入賞に基づく当否抽選の結果が外れとなった場合には外れ用の変動表示時間テーブルが参照される。
各変動表示時間テーブルでは、変動種別カウンタCSの数値範囲と、変動パターンの情報とが対応付けられて設定されている。なお、図14では、理解の容易化を図るため、変動パターンとともに変動表示時間の情報を記載しているが、変動表示時間の情報は、各変動パターンに対応する時間情報として変動表示時間テーブルとは別にROM313に記憶されている。
図14(a)に示すように、大当たり用の変動表示時間テーブルでは、選択可能な変動パターンとして変動パターン1A(15sec)と、変動パターン2A(60sec)と、変動パターン3A(60sec)と、変動パターン4A(120sec)と、変動パターン5A(120sec)とが設定されている。変動種別カウンタCSを用いて変動パターンが選択された場合には、選択された変動パターンに対応する変動表示時間にて第1特図表示部AS又は第2特図表示部BSでの絵柄の変動表示が行われる。
また、変動パターンが選択された場合は、その変動パターンを示す情報が変動開始コマンドとして演出制御装置143に送信される。演出制御装置143では、受信した変動開始コマンドに基づき、主制御装置162で選択された変動パターンを把握する。そして、その把握した変動パターンに対応する変動表示時間にて上記各図柄列Z1~Z3の変動表示が行われるように表示制御装置350を制御する。これにより、第1特図表示部AS又は第2特図表示部BSでの絵柄の変動表示に同期して図柄表示装置75にて各図柄列Z1~Z3が変動表示される。
また、各変動パターンは、図柄表示装置75で行われるリーチ演出等の遊技回演出にも対応している。具体的には、変動パターン1Aはノーマルリーチ当たり演出に対応し、変動パターン2AはSPリーチ(スーパーリーチ)A当たり演出に対応し、変動パターン3AはSPリーチB当たり演出に対応し、変動パターン4AはSPSPリーチA当たり演出に対応し、変動パターン5AはSPSPリーチB当たり演出に対応している。すなわち、演出制御装置143では、受信した変動開始コマンドから変動パターンを把握した場合に、その変動パターンに対応する遊技回演出が図柄表示装置75で行われるように表示制御装置350を制御する。
上記各リーチ当たり演出は、リーチ表示が行われた後、図柄列Z1~Z3の各図柄が大当たりの図柄組み合わせで停止表示されるものである。ここで、リーチ表示(リーチ状態)とは、図柄(絵柄)の変動表示(又は可変表示)を行うことが可能な図柄表示装置75を備え、変動表示後の停止表示結果が特別表示結果(大当たり結果)となった場合に、遊技状態が遊技者に有利な特別遊技状態(開閉実行モード)となる遊技機において、図柄表示装置75における図柄(絵柄)の変動表示(又は可変表示)が開始されてから停止表示結果が導出表示される前段階で、前記特別表示結果となり易い変動表示状態であると遊技者に思わせるための表示状態をいう。
換言すれば、図柄表示装置75の表示画面Gに表示される複数の図柄列のうち一部の図柄列について図柄を停止表示させることで、大当たり状態の発生に対応した大当たりの図組み合わせが成立する可能性があるリーチ図柄の組み合わせを表示し、その状態で残りの図柄列において図柄の変動表示を行う表示状態のことである。より具体的には、図柄の変動表示を終了させる前段階として、最終停止列の図柄が変動表示された状態で、表示画面G内の有効ライン上に最終停止列以外の図柄列の図柄を大当たりの図柄組み合わせを構成する態様で停止表示させることによりリーチラインを形成させることである。
ノーマルリーチ当たり演出は、上記リーチ表示が行われた後に大当たりの図柄組み合わせで図柄が停止表示されるものである。SPリーチ演出は、ノーマルリーチ演出よりも上位のリーチ演出であり、リーチラインの形成後にキャラクタ等が登場する所定演出が行われ、当該所定演出の後に大当たりの図柄組み合わせで図柄が停止表示されるものである。なお、SPリーチA演出とSPリーチB演出とでは、リーチライン形成後の上記所定演出の内容が異なる。SPSPリーチ演出は、SPリーチ演出よりも上位のリーチ演出であり、SPリーチ演出から発展する発展演出が行われた後、大当たりの図柄組み合わせで図柄が停止表示されるものである。SPSPリーチA演出はSPリーチA演出から発展し、SPSPリーチB演出はリーチB演出から発展する。
なお、図14(a)における「備考(演出態様)」欄の項目は、便宜上付したものであり、変動表示時間テーブルに設定されるものではない。
図14(b)に示すように、外れ用の変動表示時間テーブルでは、選択可能な変動パターンとして変動パターン1Hと、変動パターン2H(15sec)と、変動パターン3H(60sec)と、変動パターン4H(60sec)と、変動パターン5A(120sec)と、変動パターン6H(120sec)とが設定されている。各変動パターンに対応して変動表示時間が定められている点は大当たり用の変動表示時間テーブルと同様であるが、変動パターン1Hに対応する変動表示時間については、そのときの第1特図又は第2特図の保留数によって変動するようになっている。具体的には、保留数が2個以下である状況で変動パターン1Hが選択された場合には変動表示時間が8secとなり、保留数が3個以上である状況で変動パターン1Hが選択された場合には変動表示時間が8secよりも短い4secとなるように構成されている。
変動パターン1Hは図柄表示装置75での完全外れ演出に対応し、変動パターン2Hはノーマルリーチ外れ演出に対応し、変動パターン3HはSPリーチA外れ演出に対応し、変動パターン4HはSPリーチB外れ演出に対応し、変動パターン5HはSPSPリーチA外れ演出に対応し、変動パターン6HはSPSPリーチB外れ演出に対応している。
完全外れ演出は、リーチ表示が行われることなく、外れの図柄組み合わせで図柄が停止表示されるものである。また、上記各リーチ外れ演出は、リーチ表示が行われた後、図柄列Z1~Z3の各図柄がリーチ外れの図柄組み合わせ(リーチライン上に停止表示する最終停止列の図柄が、リーチ図柄との組み合わせにより大当たりを形成する図柄以外の図柄となる状態)で停止表示されるものである。なお、SPリーチA外れ演出は、SPリーチA当たり演出に対応するものであり、SPリーチA当たり演出と同種の所定演出が行われた後、リーチ外れの図柄組み合わせで図柄が停止表示されるものである。また、SPリーチB外れ演出、SPSPリーチA外れ演出及びSPSPリーチB外れ演出についても、それぞれSPリーチB当たり演出、SPSPリーチA当たり演出及びSPSPリーチB当たり演出に対応するものである。
大当たり用の変動表示時間テーブルでは、変動種別カウンタCSの「0」が変動パターン1Aに対応し、「1」~「12」が変動パターン2Aに対応し、「13」~「28」が変動パターン3Aに対応し、「29」~「63」が変動パターン4Aに対応し、「64」~「99」が変動パターン5Aに対応している。一方、外れ用の変動表示時間テーブルでは、変動種別カウンタCSの「0」~「59」が変動パターン1Hに対応し、「60」~「79」が変動パターン2Hに対応し、「80」~「89」が変動パターン3Hに対応し、「90」~「96」が変動パターン4Hに対応し、「97」~「98」が変動パターン5Hに対応し、「99」が変動パターン6Hに対応している。
作動口62,63への入賞に基づく当否抽選の結果が大当たり結果である場合には、SPSPリーチB演出に対応する変動パターン5Aが最も選ばれやすく、上記当否抽選の結果が外れ結果である場合には、SPSPリーチB演出に対応する変動パターン6Hが最も選ばれにくくなっている。つまり、SPSPリーチB演出は、大当たりである場合に最も実行されやすく、外れである場合に最も実行されにくいリーチ演出となるため、大当たりの期待度が最も高い最上位のリーチ演出として機能することになる。
変動パターン5Aや変動パターン6H以外の変動パターンについても、上位リーチ演出に対応する変動パターンほど大当たりである場合に選ばれやすく、外れである場合に選ばれにくくなっている。すなわち、ノーマルリーチ演出<SPリーチA演出<SPリーチB演出<SPSPリーチA演出の順で大当たりの期待度が高くなっている。
普図当たり乱数カウンタC3は、例えば、0~250の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり250)に達した後0に戻る構成となっている。普図当たり乱数カウンタC3は定期的に更新され、スルーゲート64に遊技球が入賞したタイミングでRAM314の普図保留エリア314cに格納される。そして、所定のタイミングにおいて、その格納された普図当たり乱数カウンタC3の値によって普電役物63aを開放状態に制御するか否かの抽選が行われる。例えば、C4=0~190であれば、普電役物63aを開放状態に制御し、C4=191~250であれば、普電役物63aを開放状態に制御しない。
<主制御装置162にて実行される各種処理について>
次に、主制御装置162のMPU312にて実行される各制御処理を説明する。かかるMPU312の処理としては大別して、電源投入に伴い起動されるメイン処理と、遊技を進行させるために実行されるタイマ割込み処理及び通常処理と、NMI端子への停電信号の入力により起動されるNMI割込み処理とがある。説明の便宜上、はじめにNMI割込み処理とタイマ割込み処理とを説明し、その後メイン処理及び通常処理を説明する。
<NMI割込み処理>
NMI割込処理について図15のフローチャートを参照しながら説明する。本処理は、停電の発生等によるパチンコ機10の電源遮断時に実行される。すなわち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、電源及び発射制御装置191の停電監視部315から停電信号がMPU312のNMI端子に出力され、MPU312は実行中の制御を中断してNMI割込み処理を開始する。
NMI割込み処理では、先ずステップSa11にて、MPU312に設けられた使用レジスタのデータをRAM314のバックアップエリアに退避させる。ステップSa12では、上記バックアップエリアに停電フラグ(電断状態の発生情報)をセットする。ステップSa13では、バックアップエリアに退避させたデータを再びMPU312の使用レジスタに復帰させ、その後、NMI割込み処理を終了する。なお、MPU312の使用レジスタのデータを破壊せずに停電フラグをセットし得る場合には、ステップSa11及びステップSa13の処理を省略することが可能である。
NMI割込処理の実行後は、後述する通常処理にて停電フラグがセットされていることが確認されることで、停電時処理が実行される。当該処理については、後に説明する。
<タイマ割込み処理>
タイマ割込み処理について図16のフローチャートを参照しながら説明する。本処理はMPU312により定期的に(例えば2msec周期で)起動される。
ステップSa101では、各種入賞センサの読み込み処理を実行する。すなわち、主制御装置162に接続されている各種入賞センサの状態を読み込むとともに、当該入賞センサの状態(入賞センサからの検知情報)を判定して検出情報(入賞検知情報)を保存する。例えば、第1作動口62への入賞が発生したと判定した場合には、RAM314の各種フラグ格納エリア314eに第1特図用の入賞検知フラグを格納し、第2作動口63への入賞が発生したと判定した場合には、各種フラグ格納エリア314eに第2特図用の入賞検知フラグを格納する。また、スルーゲート64を遊技球が通過したと判定した場合には、RAM314の各種フラグ格納エリア314eにスルーゲート用の入賞検知フラグを格納する。
ステップSa102では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1インクリメントするとともに、そのカウンタ値が最大値に達した際0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM314の該当するバッファ領域に格納する。
ステップSa103では、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及び普図当たり乱数カウンタC3の更新を実行する。具体的には、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及び普図当たり乱数カウンタC3をそれぞれ1インクリメントすると共に、それらのカウンタ値が最大値に達した際それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1~C3の更新値を、RAM314の該当するバッファ領域に格納する。
ステップSa104では、スルーゲート64への入賞に伴うスルー用の入賞処理を実行する。スルー用の入賞処理では、RAM314の各種フラグ格納エリア314eにスルーゲート用の入賞検知フラグが格納されているか否かを判定し、同フラグが格納されている場合には普図保留エリア314cに記憶されている役物保留記憶数が4未満であることを条件として、前記ステップSa103にて更新した普図当たり乱数カウンタC3の値を普図保留エリア314cに格納する。また、各種フラグ格納エリア314eにスルーゲート用の入賞検知フラグが格納されている場合には、同入賞検知フラグを消去して当該スルーゲート用の入賞処理を終了する。
ステップSa104のスルーゲート用の入賞処理を実行した後はステップSa105に進み、作動口62,63への入賞に伴う作動口用の入賞処理を実行し、本タイマ割込み処理を終了する。
<作動口用の入賞処理>
ステップSa105の作動口用の入賞処理について図17のフローチャートを参照しながら説明する。
先ずステップSa201にて、遊技球が第1作動口62に入賞(始動入賞)したか否かを第1作動口用入賞センサ62aの検知状態により判定する。遊技球が第1作動口62に入賞したと判定すると、ステップSa202では、払出制御装置181に遊技球を3個払い出させるための賞球コマンドをセットする。
ステップSa203では、第1作動口62に遊技球が入賞したことを遊技ホール側の管理制御装置に対して信号出力すべく、外部信号設定処理を行う。ステップSa204では、第1特図用保留エリアRaの保留数記憶領域に格納された値を読み出し、当該第1特図用保留エリアRaに保留記憶されている始動保留記憶数RaNをセットする(以下、第1始動保留記憶数RaNともいう)。その後、ステップSa205では、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及び変動種別カウンタCSの各値を格納する情報取得処理を行い、本入賞処理を終了する。
また、ステップSa201で否定判定した場合(第1作動口62への入賞が発生していない場合)は、ステップSa206に進み、遊技球が第2作動口63に入賞(始動入賞)したか否かを第2作動口用入賞センサ63cの検知状態により判定する。遊技球が第2作動口63に入賞したと判定すると、ステップSa207にて払出制御装置181に遊技球を1個払い出させるための賞球コマンドをセットする。
ステップSa208では、第2作動口63に遊技球が入賞したことを遊技ホール側の管理制御装置に対して信号出力すべく、外部信号設定処理を行う。ステップSa209では、第2特図用保留エリアRbの保留数記憶領域に格納された値を読み出し、当該第2特図用保留エリアRbに保留記憶されている始動保留記憶数RbNをセットする(以下、第2始動保留記憶数RbNともいう)。その後、ステップSa205にて情報取得処理を行い、本入賞処理を終了する。
また、ステップSa206で否定判定した場合(第2作動口63への入賞が発生していない場合)は、そのまま本入賞処理を終了する。
なお、上記ステップSa202又はステップSa207にてセットした賞球コマンドは、後述する通常処理の外部出力処理にて払出制御装置181に対して送信される。
ここで、ステップSa205の情報取得処理について図18のフローチャートを参照しながら説明する。
先ずステップSa301にて、上述したステップSa204又はステップSa209にてセットした始動保留記憶数N(RaN又はRbN)が上限値(本実施の形態では4)未満であるか否かを判定する。始動保留記憶数Nが上限値である場合にはそのまま本情報取得処理を終了し、上限値未満である場合には、ステップSa302にて対応する特図用保留エリアRa,Rbの始動保留記憶数Nを1インクリメントする。ステップSa303では、総保留数記憶領域に格納された値(以下、共通保留数CRNと言う)を1インクリメントする。
ステップSa304では、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及び変動種別カウンタCSの各値を、対応する特図表示部用保留エリアの空き記憶領域エリアのうち最初の記憶エリア、すなわち上記ステップSa302にて1インクリメントした保留記憶数と対応する記憶エリアに格納する。
つまり、第1特図用の始動保留記憶数RaNがセットされている場合には、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及び変動種別カウンタCSの各値を、第1特図用保留エリアRaの空き記憶エリアのうち最初の記憶エリア、すなわち上記ステップSa302にて1インクリメントした第1特図用の始動保留記憶数RaNと対応する保留エリアRaに格納する。
また、第2特図用の始動保留記憶数RbNがセットされている場合には、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及び変動種別カウンタCSの各値を、第2特図用の保留エリアRbの空き記憶エリアのうち最初の記憶エリア、すなわち上記ステップSa302にて1インクリメントした第2特図用の始動保留記憶数RbNと対応する保留エリアRbに格納する。
ステップSa305では、後述する保留予告演出を実行するための保留先読み処理を実行する。保留先読み処理の詳細については後述する。ステップSa305の実行後は、本情報取得処理を終了する。
<メイン処理>
メイン処理について図19のフローチャートを参照しながら説明する。メイン処理は、パチンコ機10の電源が投入された場合(外部電源が供給された状態でパチンコ機10の電源スイッチがオン操作された場合や、パチンコ機10の電源スイッチがオン状態とされた状態で外部電源が供給された場合)に実行されるものである。
先ずステップSa2001では、電源投入に伴う初期設定処理を実行する。具体的には、サブ側の制御装置(払出制御装置181等)が動作可能な状態になるのを待つために例えば1秒程度、ウェイト処理を実行する。続くステップSa2002では、RAM314のアクセスを許可する。
ステップSa2003では、電源及び発射制御装置191のRAM消去スイッチがオンされているか否かを判定し、続くステップSa2004ではRAM314のバックアップエリアに停電フラグが格納されているか否かを判定する。ステップSa2005ではRAM判定値を算出し、ステップSa2006では、そのRAM判定値が正常であるか否かを判定する。具体的には、ステップSa2005で算出したRAM判定値と、電断状態の発生時に保存したRAM判定値とを比較し、両者が一致するか否かを判定する。そして、両者が一致する場合には、RAM判定値が正常であるとして、RAM314に記憶保持されているデータを有効なものとして認識する。逆に、両者が一致しない場合は、RAM判定値が異常であるとして、RAM314に記憶保持されているデータを無効なものとして認識する。RAM判定値は、例えばRAM314の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。なお、RAM314の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かにより記憶保持されたデータの有効性を判断することも可能である。
RAM判定値が正常である場合は、ステップSa2007に進み、バックアップエリアに保存されたスタックポインタの値をMPU312のスタックポインタに書き込み、スタックの状態を電源が遮断される前の状態に復帰させる。ステップSa2008では、サブ側の制御装置(払出制御装置181等)を電断前の遊技状態に復帰させるための復電コマンドを出力する。ステップSa2009では、バックアップエリアに格納されている停電フラグを消去する。その後、ステップSa2010にて割込み許可を設定し、後述する通常処理に移行する。
ステップSa2003で肯定判定した場合(RAM消去スイッチが押されている場合)又はステップSa2006で否定判定した場合(RAM判定値が正常でない場合)は、ステップSa2011に進み、サブ側の制御装置(払出制御装置181等)を初期化するために、初期化コマンドを出力する。ステップSa2012ではRAM314の使用領域を0にクリアし、ステップSa2013ではRAM314の初期化処理を実行する。その後、ステップSa2010にて割込み許可を設定し、後述する通常処理に移行する。
<通常処理>
次に、通常処理の流れを図20のフローチャートを参照しながら説明する。通常処理は電源投入に伴い起動されるメイン処理が実行された後に開始される処理であり、通常処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、ステップSa401~Sa408の処理が4msec周期の定期処理として実行され、その残余時間でステップSa409,Sa410のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
通常処理においては先ず、ステップSa401にて外部信号出力処理を実行する。ステップSa401の外部信号出力処理では、タイマ割込み処理又は前回の通常処理で設定したコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置に送信する。具体的には、賞球コマンドの有無を判定し、賞球コマンドが設定されていればそれを払出制御装置181に対して送信する。また、変動開始コマンド、種別コマンド、変動終了コマンド等の演出用コマンドが設定されている場合にはそれを演出制御装置143に対して送信する。
ステップSa402では、変動種別カウンタCSの更新を実行する。具体的には、変動種別カウンタCSを1インクリメントするとともに、カウンタ値が最大値に達した際にはカウンタ値を0にクリアする。そして、変動種別カウンタCSの更新値を、RAM314の該当するバッファ領域に格納する。
ステップSa403では、各遊技回における遊技を制御するための遊技回制御処理を実行する。この遊技回制御処理では、大当たり判定、特図用表示部43の表示制御などを行う。
ステップSa404では、遊技状態移行処理を実行する。この遊技状態移行処理により、遊技状態が開閉実行モード、高確率モード、高頻度サポートモードなどに移行する。なお、ステップSa403の遊技回制御処理及びステップSa404の遊技状態移行処理についての詳細は後述する。
ステップSa405では、第2作動口63に設けられた普電役物63aを駆動制御するための電役サポート用処理を実行する。この電役サポート用処理では、RAM314の普図保留エリア314cに格納されている普図当たり乱数カウンタC3から取得した数値情報を用いて普電役物63aを開放状態とするか否かの普図当否抽選を行うとともに、当選となった場合には普電役物63aの開閉処理を実行する。また、普図当否抽選の抽選結果を教示するように、普図用表示部44の表示制御などを行う。
ここで、既に説明したとおり、普電役物63aによるサポートの態様として、低頻度サポートモードと高頻度サポートモードとが設定されており、後述する遊技状態移行処理にていずれかのサポートモードへの移行が行われる。この処理を経てRAM314の各種フラグ格納エリア314eに高頻度サポートフラグがセットされている場合は高頻度サポートモードとなり、当該フラグがセットされていない場合には低頻度サポートモードとなる。
電役サポート用処理では、RAM314の各種フラグ格納エリア314eに高頻度サポートフラグがセットされているか否かを判定することで、高頻度サポートモードであるか否かを判定する。そして、高頻度サポートモードである場合には低頻度サポートモードの場合よりも、電役開放状態当選となった際に、普電役物63aが開放状態となる回数を多く設定するとともに、1回の開放時間を長く設定する。また、高頻度サポートモードである場合は、電役開放状態当選となり普電役物63aの開放状態が複数回発生する場合において、1回の開放状態が終了してから次の開放状態が開始されるまでの閉鎖時間が、1回の開放時間よりも短くなるように設定する。
ステップSa406では、遊技球発射制御処理を実行する。遊技球発射制御処理では、電源及び発射制御装置191から発射許可信号を入力していることを条件として、所定期間(例えば、0.6sec)に1回、遊技球発射機構110のソレノイドを励磁する。これにより、遊技球が遊技領域PEに向けて打ち出される。
ステップSa407では、RAM314のバックアップエリアに停電フラグが格納されているか否かを判定する。停電フラグは、電断状態の発生時に実行されるNMI割込み処理(図15)でセットされるものであり、電断状態の発生をMPU312が把握するためのものである。
停電フラグが格納されていない場合(電断状態が発生していない場合)は、ステップSa408にて、次の通常処理の実行タイミングに至ったか否か、すなわち今回の通常処理の開始から所定時間(本実施の形態では4msec)が経過したか否かを判定する。そして、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、乱数初期値カウンタCINI及び変動種別カウンタCSの更新を繰り返し実行する。
つまり、ステップSa409では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1加算するとともに、そのカウンタ値が最大値に達した際0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM314の該当するエリアに格納する。また、ステップSa410では、変動種別カウンタCSの更新を実行する。具体的には、変動種別カウンタCSを1加算するとともに、それらのカウンタ値が最大値に達した際0にクリアする。そして、変動種別カウンタCSの更新値を、RAM314の該当するエリアに格納する。
ここで、ステップSa401~Sa408の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して乱数初期値カウンタCINIの更新を繰り返し実行することにより、乱数初期値カウンタCINI(すなわち、大当たり乱数カウンタC1の初期値)をランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCSについてもランダムに更新することができる。
上記ステップSa407で肯定判定した場合(停電フラグが格納されている場合)は、ステップSa411に進み、各割込み処理の発生を禁止する。ステップSa412では、MPU312のスタックポインタの値をRAM314のバックアップエリアに記憶し、ステップSa413では、上記バックアップエリアに停電フラグをセットする。
ステップSa414ではRAM判定値を算出し、バックアップエリアに保存する。RAM判定値は、例えばRAM314の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。ステップSa415では、RAM314へのアクセスを禁止し、その後は、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。なお、電源が完全に遮断された後も、電源及び発射制御装置191からRAM314のデータ記憶保持用電源が供給されるため、電源遮断前にRAM314に記憶されていた情報はそのままの状態で所定の期間内(例えば、1日や2日)保持される。
<遊技回制御処理>
ステップSa403の遊技回制御処理について図21のフローチャートを参照しながら説明する。
先ずステップSa501にて、開閉実行モード中であるか否かを判定する。具体的には、RAM314の各種フラグ格納エリア314eに開閉実行モードフラグが格納(記憶)されているか否かを判定する。当該開閉実行モードフラグは、後述する遊技状態移行処理にて遊技状態を開閉実行モードに移行させる場合に格納され、同じく遊技状態移行処理にて開閉実行モードを終了させる場合に消去される。
開閉実行モード中である場合には、ステップSa502以降の処理、すなわちステップSa502~ステップSa505の遊技回開始用処理、ステップSa506~ステップSa507の遊技回進行用処理、ステップSa508~ステップSa509の遊技回終了用処理のいずれも実行することなく、本遊技回制御処理を終了する。つまり、開閉実行モード中である場合には、作動口62,63への入賞が発生しているか否かに関係なく、特図遊技回が開始されることはない。
なお、スルーゲート64への入賞を契機とする当否抽選に基づく遊技回(普図遊技回)については、開閉実行モード中であるか否かにかかわらず、実行される。すなわち、開閉実行モード中は、特図遊技回の実行が制限されるものの、普図遊技回については開閉実行モード中ではない場合と同様に実行される。よって、開閉実行モード中において普図当否抽選の結果が当たり結果となった場合は、第2作動口63(普電役物63a)が開放状態とされる。
開閉実行モード中でない場合には、ステップSa502にて、特図用表示部43が変動表示中であるか否かを判定する。具体的には、第1特図表示部AS又は第2特図表示部BSのいずれか一方が変動表示中であるか否かを判定する。なお、この判定は、RAM314の各種フラグ格納エリア314eに変動表示中フラグが格納(記憶)されているか否かを判定することにより行う。変動表示中フラグは、第1特図表示部AS又は第2特図表示部BSのいずれか一方について変動表示を開始させる場合に格納され、その変動表示が終了する場合に消去される。
特図用表示部43が変動表示中でない場合には、ステップSa503に進み、共通保留数CRNが「0」であるか否かを判定する。共通保留数CRNが「0」である場合とは、第1作動口62及び第2作動口63のいずれについても始動保留記憶数RaN,RbNが「0」であることを意味する。したがって、そのまま遊技回制御処理を終了する。
共通保留数CRNが「0」でない場合には、ステップSa504にて第1特図用保留エリアRa又は第2特図用保留エリアRbに記憶されているデータを変動表示用に設定するためのデータ設定処理を実行し、さらにステップSa505にて特図用表示部43における変動表示及び図柄表示装置75における変動表示を開始させるための変動開始処理を実行した後に、本遊技回制御処理を終了する。
ここで、ステップSa504のデータ設定処理及びステップSa505の変動開始処理について、以下に詳細に説明する。
先ず、データ設定処理について図22のフローチャートを参照して説明する。
先ずステップSa601では、第2特図用保留エリアRbに保留記憶されている第2始動保留記憶数RbNが「0」であるか否かを判定する。第2始動保留記憶数RbNが「0」である場合にはステップSa602~ステップSa608の第1特図(第1作動口62)用のデータ設定処理を実行し、第2始動保留記憶数RbNが「0」でない場合にはステップSa609~ステップSa615の第2特図(第2作動口63)用のデータ設定処理を実行する。
既に説明したように、共通保留数CRNが1以上である場合にデータ設定処理が行われるところ、データ設定処理が実行される状況とは、第1始動保留記憶数RaN及び第2始動保留記憶数RbNの少なく一方が1以上であることを意味する。この場合にデータ設定処理では、先ず第2始動保留記憶数RbNが「0」であるか否かを判定し、第2始動保留記憶数RbNが「0」であること、すなわち、第2特図用の保留情報が存在しないことを条件として第1特図用の保留情報に関する処理を実行するように構成されている。このため、第1特図用保留エリアRa及び第2特図用保留エリアRbの両方に保留情報が記憶されている場合には、第2特図用保留エリアRbに記憶されている第2特図(第2作動口63)用の保留情報が優先して処理されることになる。
第1特図用のデータ設定処理では、先ずステップSa602にて、第1特図用保留エリアRaの第1始動保留記憶数RaNを1ディクリメントする。ステップSa603では共通保留数CRNを1ディクリメントする。ステップSa604では、第1特図用保留エリアRaの第1エリアに格納されたデータを実行エリアAEに移動する。
ステップSa605では、第1特図用保留エリアRaの記憶エリアに格納されたデータ(大当たり乱数カウンタC1等の保留情報)をシフトさせる処理を実行する。この処理では、第1エリアのデータをクリアするとともに、第2エリア~第4エリアのデータを下位側のエリアに順次移動させる処理を実行する。
ステップSa606では、RAM314の各種フラグ格納エリア314eに第2特図フラグが格納されているか否かを判定する。第2特図フラグは、第2作動口63の保留情報が存在することをMPU312が把握するためのものである。第2特図フラグが格納されている場合は、ステップSa607にて第2特図フラグを消去する。
ステップSa607の実行後又はステップSa606で否定判定した場合(第2特図フラグが格納されていない場合)は、ステップSa608に進み、保留エリアのデータのシフトが行われたことを演出制御装置143に通知するためのシフトコマンド(シフト発生情報)を設定する。この場合、ROM313のコマンド情報記憶エリア313eから、今回のデータのシフトの対象となった保留エリアが、第1特図用保留エリアRaに対応していることの情報、すなわち第1作動口62に対応していることの情報を含むシフトコマンドを選定し、その選定したシフトコマンドを演出制御装置143への送信対象のコマンドとして設定する。その後、本データ設定処理を終了する。
ステップSa608にて設定されたシフトコマンドは、通常処理(図20)におけるステップSa401にて、演出制御装置143に送信される。演出制御装置143では、受信したシフトコマンドに基づいて、図柄表示装置75の第1保留表示領域Gaにおける表示を、保留個数の減少に対応させて変更するための処理を実行する。
第2特図用のデータ設定処理では、先ずステップSa609にて、第2特図用保留エリアRbの第2始動保留記憶数RbNを1ディクリメントする。ステップSa610では共通保留数CRNを1ディクリメントする。ステップSa611では、第2特図用保留エリアRbの第1エリアに格納されたデータを実行エリアAEに移動する。
ステップSa612では、第2特図用保留エリアRbの記憶エリアに格納されたデータ(大当たり乱数カウンタC1等の保留情報)をシフトさせる処理を実行する。ステップSa613では、上記各種フラグ格納エリア314eに第2特図フラグが格納されているか否かを判定する。第2特図フラグが格納されていない場合は、ステップSa614にて第2特図フラグをセットする。
ステップSa614の実行後又はステップSa613で肯定判定した場合(第2特図フラグが格納されている場合)は、ステップSa615に進み、保留エリアのデータのシフトが行われたことをサブ側の制御装置である演出制御装置143に認識させるための情報であるシフトコマンド(シフト発生情報)を設定する。この場合、ROM313のコマンド情報記憶エリア313eから、今回のデータのシフトの対象となった保留エリアが第2特図用保留エリアRbに対応していることの情報、すなわち第2作動口63に対応していることの情報を含むシフトコマンドを選定し、その選定したシフトコマンドを演出制御装置143への送信対象のコマンドとして設定する。その後、本データ設定処理を終了する。
ステップSa613にて設定されたシフトコマンドは、通常処理(図20)におけるステップSa401にて、演出制御装置143に送信される。演出制御装置143では、受信したシフトコマンドに基づいて、図柄表示装置75の第2保留表示領域Gbにおける表示を、保留個数の減少に対応させて変更するための処理を実行する。
次に、変動開始処理について図23のフローチャートを参照して説明する。
先ずステップSa701では、当否抽選モードが高確率モードであるか否かを判定する。具体的には、RAM314の各種フラグ格納エリア314eに高確率モードフラグが格納(記憶)されているか否かを判定する。高確率モードフラグは、高確率モード中であることをMPU312が把握するためのものであり、高確率モードに移行する場合にセットされる。
高確率モードでない場合には、ステップSa702にて低確率モード用の当否テーブルを参照して当否判定を行う。具体的には、実行エリアAEに格納されている大当たり乱数カウンタC1の値が、低確率モード用の大当たり当選として設定されている値(例えば「7」)と一致しているか否かを判定する。一方、高確率モードである場合には、ステップSa703にて高確率モード用の当否テーブルを参照して当否判定を行う。具体的には、実行エリアAEに格納されている大当たり乱数カウンタC1の値が、高確率モード用の大当たり当選として設定されている値(例えば「7」,「17」,「27」,「37」,「47」)と一致しているか否かを判定する。
ステップSa702又はステップSa703の実行後は、ステップSa704にて、ステップSa702又はステップSa703における当否判定の結果が大当たり当選であるか否かを判定する。大当たり当選である場合には、ステップSa705にて、上記各種フラグ格納エリア314eに第2特図フラグが格納されているか否かを判定する。第2特図フラグが格納されていない場合には、ステップSa706にて、第1特図表示部用の種別テーブル(図13(a))を参照して大当たり種別の抽選を行う。具体的には、実行エリアAEに格納されている大当たり種別カウンタC2の値が、4R確変大当たり結果の数値範囲と、4R通常大当たり結果の数値範囲とのいずれに含まれているかを判定する。
一方、第2特図フラグが格納されている場合には、ステップSa707にて、第2特図用の種別テーブル(図13(b))を参照して大当たり種別の抽選を行う。具体的には、実行エリアAEに格納されている大当たり種別カウンタC2の値が、10R確変大当たり結果の数値範囲と、4R通常大当たり結果の数値範囲とのいずれに含まれているかを判定する。
ステップSa706又はステップSa707の実行後は、ステップSa708にて、S706又はステップSa707の抽選により選択された大当たり種別を示す種別フラグを上記各種フラグ格納エリア314eに格納する。例えば、抽選により選択された大当たり種別が10R確変大当たりである場合は、10R確変大当たりフラグを格納する。
ステップSa709では、ROM313の停止結果テーブル記憶エリア313dに記憶されている停止結果テーブルを参照して大当たり用の停止結果を設定する。具体的には、実行エリアAEに格納されている大当たり種別カウンタC2に対応する停止結果を停止結果テーブルから読み出し、今回の遊技回の停止結果として設定する。
上記ステップSa704で否定判定した場合(大当たり発生でない場合)は、ステップSa710に進み、外れ用の停止結果を設定する。本実施の形態では、外れ用の停止結果が1種類のみ設けられており、ステップSa710ではその停止結果を設定する。
ステップSa709又はステップSa710の実行後は、ステップSa711にて、第1特図表示部AS又は第2特図表示部BSにおける今回の遊技回の変動表示時間を設定するための変動表示時間の設定処理を実行する。
ここで、変動表示時間の設定処理について図24のフローチャートを参照しながら説明する。
先ずステップSa801では、今回の遊技回における当否判定の結果が大当たりであるか否かを判定する。大当たりである場合には、ステップSa802に進み、変動表示時間(変動パターン)を抽選するためのテーブルとして、大当たり用の変動表示時間テーブル(図14(a))を取得する。一方、大当たりでなく、外れである場合には、ステップSa803に進み、外れ用の変動表示時間テーブル(図14(b))を取得する。
ステップSa802又はステップSa803の実行後は、ステップSa804にて、ステップSa802又はステップSa803で取得した変動表示時間テーブルを用い、変動表示時間(変動パターン)の抽選処理を実行する。具体的には、変動表示時間テーブルに設定されている変動パターン群の中から、実行エリアAEに格納されている変動種別カウンタCSに対応する1の変動パターンを特定する。
ステップSa805では、上記ステップSa804で特定した変動パターンに対応する変動表示時間を今回の遊技回の変動表示時間としてセットする。本ステップでは、特定した変動パターンに対応する変動表示時間の値を、RAM314の各種カウンタエリア314dに設けられた変動表示時間カウンタエリアにセットする。例えば、変動表示時間が15secである場合は、それに対応する値として上記変動表示時間カウンタエリアに7500をセットする。このセットされた値は、タイマ割込み処理(図16)が起動される度に、1ディクリメントされる。ステップSa805の実行後は変動表示時間の設定処理を終了する。
変動開始処理(図23)の説明に戻り、ステップSa711の実行後は、ステップSa712にて、変動開始コマンド及び種別コマンドを設定する。変動開始コマンドには変動パターンの情報が含まれる。変動パターンは、大当たり用の変動パターンと外れ用の変動パターンとが各別に設定されるため(図14)、演出制御装置143では、変動開始コマンドから変動パターンを解析することにより、主制御装置162で行われた当否判定の結果を判別することができる。つまり、変動開始コマンドには、変動表示時間に関する情報だけでなく、当否判定の結果に関する情報も含まれている。また、種別コマンドには大当たり種別の情報が含まれる。なお、種別コマンドは、当否判定の結果が大当たりである場合にのみ設定される。
ステップSa712にて設定された変動開始コマンド及び種別コマンドは、通常処理(図20)におけるステップSa401にて、演出制御装置143に送信される。演出制御装置143では、受信した変動開始コマンド及び種別コマンドに基づいて、その遊技回における演出の内容を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。この演出の内容としては、図柄表示装置75での図柄の変動表示態様が含まれており、この決定された図柄の変動表示態様は演出制御装置143から表示制御装置350に表示内容コマンドとして出力される。表示制御装置350では、演出制御装置143から受信した表示内容コマンドに基づいて、各遊技回に対応した図柄の変動表示が行われるように図柄表示装置75を表示制御する。
ステップSa713では、特図用表示部43の変動表示を開始する。その際、RAM314の各種フラグ格納エリア314eを参照し、第2特図フラグが格納されている場合には、今回の遊技回が第2特図に対応するとして第2特図表示部BSの絵柄を変動表示させる。一方、第2特図フラグが格納されていない場合には、今回の遊技回が第1特図に対応するとして第1特図表示部ASの絵柄を変動表示させる。ステップSa713の実行後は本変動開始処理を終了する。
遊技回制御処理(図21)の説明に戻り、ステップSa502で肯定判定した場合(特図用表示部43が変動表示中である場合)は、ステップSa506に進み、今回の遊技回の変動表示時間が経過したか否かを判定する。具体的には、RAM314の各種カウンタエリアに設けられた変動表示時間カウンタエリアの値が「0」となったか否かを判定する。
変動表示時間が経過していない場合には、ステップSa507にて変動表示用処理を実行する。変動表示用処理では、今回の遊技回に係る特図表示部において各表示用セグメントが所定の順番で点灯及び消灯されていくように当該特図表示部を表示制御(各表示用セグメントを発光制御)する。ステップSa507の実行後は本遊技回制御処理を終了する。
変動表示時間が経過している場合には、ステップSa508にて変動終了処理を実行する。変動終了処理では、変動表示されている絵柄が上記ステップSa709又はステップSa710で設定した停止結果で停止表示されるように各特図表示部AS,BSを制御する。
ステップSa509では、変動終了コマンドを設定し、その後、本遊技回制御処理を終了する。ステップSa509にて設定された変動終了コマンドは、通常処理(図20)におけるステップSa401にて、演出制御装置143に送信される。演出制御装置143では、受信した変動終了コマンドをその情報形態を維持したまま表示制御装置350に送信する。表示制御装置350では、当該変動終了コマンドを受信することにより、その遊技回における最終停止図柄の組み合わせを確定表示(最終停止表示)させる。
<遊技状態移行処理>
ステップSa404(図20)の遊技状態移行処理について、図25のフローチャートを参照しながら説明する。
先ずステップSa901では、開閉実行モード中であるか否かを判定する。開閉実行モード中でない場合にはステップSa902に進み、各特図表示部AS,BSでの変動表示が終了(確定表示が終了)したタイミングであるか否かを判定する。変動表示の終了タイミングでない場合は、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。
変動表示の終了タイミングである場合には、ステップSa903にて、今回の遊技回の遊技結果が開閉実行モードへの移行に対応したもの、すなわち、当否判定の結果が大当たりであるか否かを判定する。本ステップでは、RAM314の各種フラグ格納エリア314eに種別フラグ(図23のステップSa708)が格納されているか否かを参照することで大当たりであるか否かの判定を行う。今回の遊技回の遊技結果が開閉実行モードへの移行に対応しないものである場合は、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。
ステップSa903で肯定判定した場合(今回の遊技回の遊技結果が開閉実行モードへの移行に対応するものである場合)は、ステップSa904に進み、開閉実行モードの開始処理を実行する。当該開始処理では、上記各種フラグ格納エリア314eに開閉実行モードフラグを格納する。また、可変入賞装置65を閉鎖状態としたまま初回ラウンドの開始を待機するためのオープニング期間を設定する。さらに、上記各種フラグ格納エリア314eに高確率モードフラグや高頻度サポートフラグが格納されている場合は、これらのフラグを消去する処理を実行する。
ステップSa905では、開閉実行モードのラウンド数を報知するためのラウンド表示の開始処理を実行する。本ステップでは、上記各種フラグ格納エリア314eに格納されている種別フラグに基づいて今回の大当たり種別を把握し、その大当たり種別に対応するラウンド数が表示されるようにラウンド表示部を制御する。なお、ラウンド表示部におけるラウンド数の表示は、開閉実行モードが終了するまで継続される。
ステップSa906では、今回の大当たり種別が10R確変大当たり結果であるか否かを判定する。10R確変大当たり結果でない場合、すなわち、4R確変大当たり又は4R通常大当たり結果のいずれかである場合は、ステップSa907にて、RAM314の各種カウンタエリア314dに設けられたラウンドカウンタエリアRCに「4」をセットする。一方、今回の大当たり種別が10R確変大当たり結果である場合は、ステップSa908にて、上記ラウンドカウンタエリアRCに「10」をセットする。
ステップSa907又はステップSa908の実行後は、ステップSa909にて、オープニングの開始及びオープニング期間を演出制御装置143に通知するためのオープニングコマンドを設定する。この設定されたオープニングコマンドは、通常処理(図20)におけるステップSa401にて、演出制御装置143に送信される。
ステップSa910では、外部信号設定処理を実行した後に、本遊技状態移行処理を終了する。外部信号設定処理では、外部出力端子213に設けられた大当たり信号用の出力端子を出力状態とする。これにより、大当たり信号用の出力端子が遊技ホール側の管理制御装置に接続されている場合には、当該管理制御装置に大当たり信号が出力され、当該管理制御装置においてパチンコ機10にて大当たりが発生したことを把握することができる。
上記ステップSa901で肯定判定した場合(開閉実行モード中である場合)は、ステップSa911に進み、オープニング期間が経過したか否かを判定する。オープニング期間が経過していない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。オープニング期間が経過している場合には、ステップSa912にて大入賞口開閉処理を実行する。
ここで、大入賞口開閉処理について図26のフローチャートを参照しながら説明する。
先ずステップSa1001では、大入賞口65aを開放中であるか否かを判定する。この判定は駆動部65dの駆動状態に基づいて行う。大入賞口65aを開放中でない場合には、ステップSa1002にてラウンドカウンタエリアRCの値が「0」であるか否かを判定する。ラウンドカウンタエリアRCの値が「0」でない場合、すなわち、実行すべきラウンド遊技が存在する場合は、ステップSa1003にてRAM314の各種カウンタエリア344bに設けられたタイマエリアTの値が「0」であるか否かを判定する。この処理は、ラウンド間の待機期間(ラウンドインターバル期間)が経過したか否かを判定するものである。
タイマエリアTの値が「0」である場合は、ステップSa1004に進み、1回のラウンド遊技での可変入賞装置65の上限開放時間(30sec)に対応する値として上記タイマエリアTに「15000」をセットする。ここでセットされた値は、タイマ割込み処理(図16)が起動される都度、1ディクリメントされる。ステップSa1005では、1回のラウンド遊技における可変入賞装置65への上限入賞個数(10個)に対応する値として、上記各種カウンタエリア344bに設けられた入賞カウンタエリアPCに「10」をセットする。
ステップSa1006では、大入賞口65aを開放すべく可変入賞駆動部32cを駆動状態とする。ステップSa1007では、大入賞口65a(可変入賞装置65)の開放が開始されたことを演出制御装置143に通知するための開放コマンドを設定し、その後、本大入賞口開閉処理を終了する。この設定された開放コマンドは、通常処理(図20)におけるステップSa401にて演出制御装置143に送信される。
上記ステップSa1002で肯定判定した場合(ラウンドカウンタエリアRCの値が0である場合)又はステップSa1003で否定判定した場合(タイマエリアTの値が0でない場合)は、そのまま本大入賞口開閉処理を終了する。
また、上記ステップSa1001で肯定判定した場合(大入賞口65aの開放中である場合)は、ステップSa1008に進み、タイマエリアTの値が「0」か否かを判定する。この処理は、ステップSa1004で設定した可変入賞装置65の上限開放時間が経過したか否かを判定するものである。
タイマエリアTの値が「0」でない場合は、ステップSa1009に進み、大入賞口用入賞センサ65cの検知状態に基づいて大入賞口65aへの入賞が発生したか否かを判定する。入賞が発生していない場合には、そのまま本大入賞口開閉処理を終了する。一方、入賞が発生している場合には、ステップSa1010にて入賞カウンタエリアPCの値を1ディクリメントし、その後、ステップSa1011にて入賞カウンタエリアPCの値が「0」であるか否かを判定する。入賞カウンタエリアPCの値が「0」でない場合にはそのまま本大入賞口開閉処理を終了する。
上記ステップSa1008で肯定判定した場合(タイマエリアTの値が0である場合)又はステップSa1011で肯定判定した場合(入賞カウンタエリアPCの値が0である場合)は、ステップSa1012に進み、駆動部65dを非駆動状態に切り替えて大入賞口65aを閉鎖する。ステップSa1013では、ラウンドカウンタエリアRCの値を1ディクリメントし、ステップSa1014では、ラウンドカウンタエリアRCの値が「0」であるか否かを判定する。
ラウンドカウンタエリアRCの値が「0」でない場合、すなわち、残りのラウンド遊技が存在する場合は、ステップSa1015に進み、可変入賞装置65を閉鎖状態としたまま次のラウンド遊技の開始を待機する期間(2sec)に対応する値として、上記タイマエリアTに「1000」をセットする。
ステップSa1016では、可変入賞装置65を閉鎖したこと(ラウンド遊技が終了したこと)を演出制御装置143に通知するための閉鎖コマンドを設定し、その後、本大入賞口開閉処理を終了する。設定された閉鎖コマンドは、通常処理(図20)におけるステップSa401にて演出制御装置143に送信される。
上記ステップSa1014で肯定判定した場合(ラウンドカウンタエリアRCの値が0である場合)、すなわち、開閉実行モードの最終ラウンドが終了した場合は、ステップSa1017に進み、エンディングの開始処理を実行する。当該開始処理では、可変入賞装置65を閉鎖状態としたまま次の遊技回(開閉実行モードが終了した後の最初の遊技回)の開始を待機するエンディング期間を設定する。ステップSa1018では、エンディングの開始及びエンディング期間を演出制御装置143に通知するためのエンディングコマンドを設定し、その後、本大入賞口開閉処理を終了する。設定されたエンディングコマンドは、通常処理(図20)におけるステップSa401にて演出制御装置143に送信される。
遊技状態移行処理(図25)の説明に戻り、ステップSa912の大入賞口開閉処理を実行した後は、ステップSa913にてラウンドカウンタエリアRCの値が「0」であるか否かを判定する。ラウンドカウンタエリアRCの値が「0」でない場合は、開閉実行モードを継続させるべく、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。
ラウンドカウンタエリアRCの値が「0」である場合は、ステップSa914に進み、エンディングが終了したか否か(エンディング期間が経過したか否か)を判定する。エンディングが終了していない場合は、エンディングを継続させるべく、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。一方、エンディングが終了している場合は、ステップSa915に進み、開閉実行モード終了時の移行処理を実行する。
ここで、開閉実行モード終了時の移行処理について図27のフローチャートを参照しながら説明する。
先ずステップSa1101では、RAM314の各種フラグ格納エリア314eに格納された種別フラグを参照し、今回の大当たりが確変大当たり結果であるか否かを判定する。確変大当たり結果である場合は、ステップSa1102にて、上記各種フラグ格納エリア314eに高確率モードフラグをセットするとともに、ステップSa1103にて、上記各種フラグ格納エリア314eに高頻度サポートフラグをセットする。これにより、当否抽選モードが高確率モードであり且つサポートモードが高頻度サポートモードである遊技状態(いわゆる電サポ付きの確変遊技状態)に移行する。この遊技状態は次回の大当たりが発生するまで継続する。ステップSa1103の実行後は開閉実行モード終了時の移行処理を終了する。
上記ステップSa1101で否定判定した場合(今回の大当たりが確変大当たり結果でない場合)、すなわち、今回の大当たりが通常大当たり結果である場合は、ステップSa1104に進み、上記各種フラグ格納エリア314eに高頻度サポートフラグをセットする。今回の大当たりが通常大当たり結果である場合は、高確率モードフラグをセットしないため、ステップSa1104の処理により、抽選モードが低確率モードであり且つサポートモードが高頻度サポートモードである遊技状態(いわゆる時短遊技状態)に移行する。続くステップSa1105では、RAM314の各種カウンタエリア344bに設けられた遊技回数カウンタエリアに「100」をセットする。このセットされた値は、時短遊技状態である状況で特図遊技回が1回実行される毎に1ずつディクリメントされ、遊技回数カウンタエリアの値が「0」となった場合、上記各種フラグ格納エリア314eに格納された高頻度サポートフラグが消去される。よって、上記時短遊技状態は100回の遊技回が行われることで終了し、その後は、抽選モードが低確率モードであり且つサポートモードが低頻度サポートモードである遊技状態(通常遊技状態)に移行する。ステップSa1105の実行後は開閉実行モード終了時の移行処理を終了する。
遊技状態移行処理(図25)の説明に戻り、ステップSa915の開閉実行モード終了時の移行処理が終了した後は、ステップSa916にて、ラウンド表示の終了処理を実行する。当該処理では、特図用表示部43におけるラウンド表示部が消灯されるように当該ラウンド表示部を制御する。
ステップSa917では、開閉実行モードの終了処理を実行し、その後、本遊技状態移行処理を終了する。開閉実行モードの終了処理では、上記各種フラグ格納エリア314eに格納された種別フラグ及び開閉実行モードフラグを消去する処理を実行する。
<保留先読み処理>
ステップSa305(図18)の保留先読み処理について図28のフローチャートを参照しながら説明する。この処理は、第1作動口62又は第2作動口63への入賞に基づいて保留情報が取得された場合に実行されるものであり、取得された保留情報について、当該保留情報に対応する変動開始処理(図23)の実行に先立ち、大当たりの有無、大当たり種別及び変動パターンの抽選を行うものである。
先ずステップSa1201では、保留球格納エリア314bの各保留エリアRa,Rbに記憶された始動保留記憶数RaN,RbNと、同保留球格納エリア314bの総保留数記憶領域に記憶された共通保留数CRNとを読み出し、それらの情報をMPU312のレジスタに記憶する。
ステップSa1202では、第1作動口62又は第2作動口63への今回の入賞に基づき、ステップSa304(図18)にて取得した保留情報に含まれる大当たり乱数カウンタC1の値(当否判定用の乱数値)を把握する。ステップSa1203では、ステップSa1202で把握した大当たり乱数カウンタC1の値を用いて当否判定を行う。この際、保留情報が取得されたときの抽選モードが低確率モードである場合は低確率モード用の当否テーブルを参照し、保留情報が取得されたときの抽選モードが高確率モードである場合は高確率モード用の当否テーブルを参照して当否判定を行う。
ステップSa1204では、ステップSa1202における当否判定の結果が大当たり当選であるか否かを判定する。大当たり当選である場合は、ステップSa1205にて、第1作動口62又は第2作動口63への今回の入賞に基づいて取得した保留情報に含まれる大当たり種別カウンタC2の値(大当たり種別を抽選するための乱数)を把握する。
ステップSa1206では、ステップSa1205で把握した大当たり種別カウンタC2の値を用いて大当たり種別の抽選を行う。この際、第1作動口62への入賞に基づく保留情報である場合は、第1特図用の種別テーブル(図13(a))を参照し、第2作動口63への入賞に基づく保留情報である場合は、第2特図用の種別テーブル(図13(b))を参照して、大当たり種別カウンタC2の値に対応する大当たり種別を特定する。なお、ステップSa1203~ステップSa1206の処理は、変動開始処理(図23)におけるステップSa701~ステップSa707と同様のものである。
ステップSa1207では、大当たりであることを示す大当たり情報と、ステップSa1206で抽選された大当たり種別を示す種別情報とをMPU312のレジスタに記憶する。
ステップSa1207の実行後又はステップSa1204で否定判定した場合(大当たり当選でない場合)は、ステップSa1208にて、第1作動口62又は第2作動口63への今回の入賞に基づいて取得した保留情報に含まれる変動種別カウンタCSの値を把握する。ステップSa1209では、ステップSa1208で把握した変動種別カウンタCSの値を用いて変動パターン(変動表示時間)の抽選を行う。この際、取得した保留情報が大当たりに対応するものである場合は、大当たり用の変動表示時間テーブル(図14(a))を参照し、取得した保留情報が外れに対応するものである場合は、外れ用の変動表示時間テーブル(図14(b))を参照して、変動種別カウンタCSの値に対応する変動パターンを特定する。なお、本ステップの処理は、変動表示時間の設定処理におけるステップSa801~ステップSa804と同様のものである。
ステップSa1210では、ステップSa1209で抽選された変動パターンを示す変動パターン情報をMPU312のレジスタに記憶する。ステップSa1211では、演出制御装置143への出力対象として保留コマンドをセットし、その後、保留先読み処理を終了する。保留コマンドには、今回の保留情報が第1特図と第2特図のいずれに対応するのかを示す情報のほか、レジスタに記憶された各種情報(始動保留記憶数RaN,RbNの情報、共通保留数CRNの情報、大当たり情報、種別情報、変動パターン情報)が含まれる。なお、既に説明したように、大当たりの有無は変動パターンから把握することができるため、大当たり情報を含まないように保留コマンドを設定してもよい。ステップSa1211にて設定された保留コマンドは、通常処理(図20)におけるステップSa401にて演出制御装置143に送信される。
<演出制御装置143及び表示制御装置350の電気的構成について>
演出制御装置143及び表示制御装置350の電気的構成について、図29のブロック図を参照して以下に説明する。
演出制御装置143に設けられた演出制御基板341には、MPU342が搭載されている。MPU342には、当該MPU342により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM343と、そのROM343内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM344と、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路などが内蔵されている。
MPU342には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU342の入力側には主制御装置162が接続されている。主制御装置162からは、シフトコマンド、保留コマンドといった保留表示制御用コマンドや、変動開始コマンド、種別コマンド、変動終了コマンドといった遊技回制御用コマンド、オープニングコマンド、エンディングコマンドといった開閉実行モード用コマンドなどの各種コマンドを受信する。
MPU342の出力側には、既に説明したように、前扉枠14に設けられたランプ部26~28やスピーカ部29が接続されているとともに、表示制御装置350が接続されている。
また、MPU342の入力側には、前扉枠14に設けられた演出用操作部36が接続されている。演出用操作部36には、当該演出用操作部36の操作を検知する検知センサが設けられており、当該検知センサからの検知情報(検知信号)が入力される。MPU342では、当該検知情報に基づいて演出用操作部36が操作されたか否かを判定したり、どのような操作が行われたかの操作態様の判別を行ったりする。
表示制御装置350は、プログラムROM373及びワークRAM374が複合的にチップ化されたMPU372と、ビデオディスプレイプロセッサ(VDP)375と、キャラクタROM376と、ビデオRAM377とがそれぞれ搭載された表示制御基板351を備えている。
MPU372は、演出制御装置143から受信したコマンドを解析し又は受信したコマンドに基づき所定の演算処理を行ってVDP375の制御(具体的にはVDP375に対する内部コマンドの生成)を実施する。
プログラムROM373は、MPU372により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶するためのメモリであり、背景画像用のJPEG形式画像データも併せて記憶保持されている。
ワークRAM374は、MPU372による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグ等を一時的に記憶するためのメモリである。これらワークデータやフラグ等はワークRAM374の各エリアに記憶される。
VDP375は、図柄表示装置75に組み込まれた液晶表示部ドライバとしての画像処理デバイスを直接操作する一種の描画回路である。VDP375はICチップ化されているため「描画チップ」とも呼ばれ、その実体は、描画処理専用のファームウェアを内蔵したマイコンチップとでも言うべきものである。VDP375は、MPU372、ビデオRAM377等のそれぞれのタイミングを調整してデータの読み書きに介在するとともに、ビデオRAM377に記憶させる画像データを、キャラクタROM376から所定のタイミングで読み出して図柄表示装置75に表示させる。
キャラクタROM376は、図柄表示装置75に表示される図柄などのキャラクタデータを記憶するための画像データライブラリとしての役割を担うものである。このキャラクタROM376には、各種の表示図柄のビットマップ形式画像データ、ビットマップ画像の各ドットでの表現色を決定する際に参照する色パレットテーブル等が保持されている。
なお、キャラクタROM376を複数設け、各キャラクタROM376に分担して画像データ等を記憶させておくことも可能である。また、前記プログラムROM373に記憶した背景画像用のJPEG形式画像データをキャラクタROM376に記憶する構成とすることも可能である。
ビデオRAM377は、図柄表示装置75に表示させる表示データを記憶するためのメモリであり、ビデオRAM377の内容を書き替えることにより図柄表示装置75の表示内容が変更される。
<演出制御装置143にて実行される各種処理について>
次に、演出制御装置143のMPU342にて実行される各制御処理を説明する。
<演出設定処理>
演出設定処理について図30のフローチャートを参照しながら説明する。演出設定処理は、MPU342により所定周期(例えば2msec周期)で起動される処理である。
先ずステップSa1301では、主制御装置162からの保留コマンドを受信しているか否かを判定する。主制御装置162から受信する保留コマンドは、演出制御装置143のRAM344に設けられたコマンド格納エリア344aに格納される。コマンド格納エリア344aは、複数のコマンドを個別に記憶可能であって先に記憶したコマンドから読み出し可能なリングバッファとして構成されている。よって、複数のコマンドを同時期に受信した場合であってもそれら各コマンドに対応した処理を良好に実行することができる。
ステップSa1301の判定に際しては、コマンド格納エリア344aにおける今回の読み出し対象のエリアに保留コマンドが格納されているか否かを判定する。保留コマンドが格納されている場合(保留コマンドを受信している場合)には、ステップSa1302にて、表示画面Gの保留表示部200(図9(b))に保留用画像を表示するための保留コマンド対応処理を実行する。保留コマンド対応処理の詳細については後述する。
ステップSa1302の実行後又はステップSa1301で否定判定した場合(保留コマンドを受信していない場合)は、ステップSa1303にて、主制御装置162からのシフト時コマンドを受信しているか否かを判定する。シフト時コマンドを受信している場合は、ステップSa1304にて、保留表示部200に表示された保留用画像をシフトさせるためのシフト時コマンド対応処理を実行する。シフト時コマンド対応処理の詳細については後述する。
ステップSa1304の実行後又はステップSa1303で否定判定した場合(シフト時コマンドを受信していない場合)は、ステップSa1305にて、図柄表示装置75の表示画面Gにて図柄列Z1~Z3の変動表示等を行うための特図変動表示用処理を実行する。特図変動表示用処理の詳細については後述する。
ステップSa1306では、開閉実行モード中の演出を行うための開閉実行モード用処理を実行する。開閉実行モード用処理では、開閉実行モード中のラウンド演出のほか、オープニング演出やエンディング演出、可変入賞装置65への入賞が発生した場合の入賞時演出等を行うための処理を実行する。
ステップSa1307では、演出モードを切り替えるための演出モード切替用処理を実行する。演出モード切替用処理の詳細については後述する。
ステップSa1308では、その他の処理を実行し、その後、演出設定処理を終了する。その他の処理では、始動入賞が所定期間に亘って発生しない場合のデモ画面表示や、図柄表示装置75の表示画面Gにおける映像表示を停止して低消費電力化を図る節電モードへの切り替え等を行うための処理を実行する。
<保留コマンド対応処理>
ステップSa1302のコマンド対応処理について図31のフローチャートを参照しながら説明する。
先ずステップSa1401では、主制御装置162からの保留コマンドを解析し、保留情報(大当たり情報、種別情報、変動パターン情報等)をRAM344の保留用記憶エリア344cに記憶する。
図32に示すように、保留用記憶エリア344cには、主制御装置162側の保留球格納エリア314bと対応させて第1特図用保留エリアSRaと第2特図用保留エリアSRbとが設けられている。各保留エリアSRa,SRbは、第1エリア、第2エリア、第3エリア、第4エリアの4個の記憶エリアを有している。また、保留用記憶エリア344cには、主制御装置162側の実行エリアAEに対応させて実行エリアSAEが設けられている。
ステップSa1401では、保留用コマンドに基づいて今回の保留情報が第1特図と第2特図のいずれに対応するものであるかと、対応する特図において何個目の保留情報であるかとをそれぞれ把握し、保留用記憶エリア344cの対応する記憶エリアに変動パターン情報(大当たりである場合はさらに大当たり情報及び種別情報)を記憶する。例えば、今回の保留情報が第1特図に対応する2個目の保留情報である場合は、第1特図用保留エリアSRaの第2記憶エリアに変動パターン情報等を記憶する。
ステップSa1401の実行後はステップSa1402にて、RAM344の各種カウンタエリア344bに設けられた保留数カウンタの値(始動保留記憶数SN)を1インクリメントする。各種カウンタエリア344bには、第1特図用の保留数カウンタと第2特図用の保留数カウンタとが設けられており、ステップSa1402では、対応する側の始動保留記憶数SNを更新する。
ステップSa1403では、保留予告演出を実行するための保留予告用の設定処理を実行する。ここで、保留予告演出について図33を参照しながら説明する。
本実施の形態では、表示画面Gの保留表示部200に表示される保留用画像の表示態様によって、当該保留用画像が対応する遊技回で大当たりが発生する期待度を報知又は示唆する保留予告演出を行うこととしている。保留用画像の表示態様としては、保留予告演出が行われない場合の通常表示態様と、保留予告演出が行われる場合の特定表示態様とが設定されており、さらに特定表示態様には複数の表示態様が設定されている。
本実施の形態では、保留用画像の表示色(色彩)により上記期待度を示唆するものとしている。具体的には、図33(a)に示すように、通常表示態様として主たる表示色が通常色(例えば白色)とされる通常表示態様HMaが設定されており、特定表示態様として、主たる表示色が青色とされる青色表示態様HMbと、緑色とされる緑色表示態様HMcと、赤色とされる赤色表示態様HMdと、虹色とされる虹色表示態様HMeとの4種類が設定されている。なお、図33(a)では、表示色の違いに合わせて異なるハッチングを付している。
特定表示態様では、青色表示態様HMbが大当たりの期待度が最も低く、以後、緑色表示態様HMc<赤色表示態様HMd<虹色表示態様HMeの順で大当たりの期待度が高くなっている。虹色表示態様HMeは大当たりを示唆するものとなっている。
また、各特定表示態様は、その保留用画像が対応する遊技回で実施される演出を示唆するものともなっている。具体的には、青色表示態様HMbは、その保留用画像が対応する遊技回でノーマルリーチ演出以上の順位のリーチ演出(ノーマルリーチ演出、SPリーチ演出、SPSPリーチ演出のいずれか)が行われることを示唆し、緑色表示態様HMcは、SPリーチ演出以上の順位のリーチ演出が行われることを示唆し、赤色表示態様HMdは、SPSPリーチ演出が行われることを示唆するものとなっている。
保留用画像を用いた上記保留予告演出は、当該演出の実施対象となる保留用画像の表示開始から表示終了までの期間、換言すれば、保留情報の発生からその保留情報の遊技回が終了するまでの期間の少なくとも一部を用いて行われる。保留用画像が第1保留表示領域Ga又は第2保留表示領域Gbに表示されている期間(保留期間)での保留予告演出の実行タイミングは、その保留用画像の表示開始時やシフト時など複数のタイミングが設定されている。また、遊技回の実行中における保留予告演出の実行タイミングは、図33(b)に示すように、保留変化ポイントとして複数設定されている。各保留変化ポイントは、例えば、遊技回の開始タイミング(変動開始タイミング)や各種リーチ演出の開始タイミング、リーチ演出の発展タイミング等に合わせて設定されている。
保留コマンド対応処理(図31)の説明に戻り、ステップSa1403の保留予告用の設定処理では、今回の保留情報について保留予告演出を実行するか否かの実行抽選や、保留予告演出を実行する場合の保留用画像の表示態様を設定する処理を実行したりする。保留予告用の設定処理の詳細については後述する。
ステップSa1404では、保留予告演出を実行するための保留予告の第1実行用処理を実行する。保留予告の第1実行用処理では、ステップSa1403の設定結果に基づいて保留予告演出の実行制御を行う。保留予告の第1実行用処理の詳細については後述する。
ステップSa1405では、表示画面Gの保留表示部200に保留用画像を表示するための処理を実行する。具体的には、各保留表示領域Ga,Gbにおいて対応する単位保留表示領域に保留用画像が追加表示されるように保留表示コマンドを作成し、表示制御装置350への出力対象として設定する。当該保留表示コマンドには、今回の保留情報が第1特図又は第2特図のいずれに対応するかの情報や、何番目の保留情報であるかを示す情報が含まれる。ステップSa1405の実行後は保留コマンド対応処理を終了する。
<保留予告用の設定処理>
ステップSa1403の保留予告用の設定処理について図34のフローチャートを参照しながら説明する。
先ずステップSa1501では、RAM344の保留用記憶エリア344cを参照し、今回の保留情報における変動パターン等(先読み結果)を把握する。ステップSa1502では、ステップSa1501で把握した変動パターン等に基づき、今回の保留情報が大当たりに対応するものであるか否かを判定する。
大当たりに対応するものでない場合、すなわち、外れに対応する保留情報である場合は、ステップSa1503に進み、その保留情報の変動パターンが変動パターン1H(完全外れに対応する変動パターン)であるか否かを判定する。ステップSa1503で否定判定した場合(変動パターン1H以外の変動パターンである場合)又はステップSa1502で肯定判定した場合(大当たりに対応する保留情報である場合)は、ステップSa1504にて現在の演出モードを把握する。
ここで、演出モードについて図35を参照しながら説明する。本実施の形態では、表示画面Gで実行される遊技演出の演出モードとして演出モードAと演出モードBとが設定されている。これら演出モードA及び演出モードBは遊技者から見て識別が可能となっており、例えば、図柄列Z1~Z3や保留表示部200の奥側に表示される背景画像401が両演出モードで相違するものとなっている。
これら演出モードは、遊技者の操作により手動切り替えを行うことが可能となっており、具体的には、モード切替の有効期間において演出用操作部36(図1)にて所定の操作を行うことにより切り替えることが可能となっている。例えば、演出モードが演出モードAとなっている状況で演出用操作部36により所定の操作が行われた場合は演出モードが演出モードBに切り替わり、演出モードBとなっている状況で演出用操作部36により所定の操作が行われた場合は演出モードが演出モードAに切り替わるようになっている。
また、演出モードAと演出モードBとでは、上記保留予告演出の発生頻度が相違しており、演出モードAにおける保留予告演出の発生頻度が演出モードBのそれよりも高くなるように構成されている。保留予告演出の発生頻度を相違させるための構成は特に限定されるものではないが、例えば、いずれの演出モードにおいても実行抽選を介して保留予告演出を実行するようにした上で、演出モードBにおいて保留情報が外れに対応する場合の上記実行抽選の当選確率を演出モードAのそれよりも低くする構成が考えられる。
この場合、演出モードBでは、実行される保留予告演出のうち大当たりの先読みに対応するものが占める割合が演出モードAよりも高くなるため、保留予告演出が実行された場合の大当たり期待度が高くなる。すなわち、演出モードAについては、保留予告演出が実行されやすく、当該演出を楽しみやすいモードとして機能させ、演出モードBについては、保留予告演出が実行されにくいものの、実行された場合の大当たり期待度が高いモードとして機能させることができる。
なお、図35では図示を省略しているが、例えば、演出モードAでは遊技球を模した保留用画像が表示されるのに対し、演出モードBでは星を模した保留用画像が表示されるなど、演出モードAと演出モードBとで保留用画像のベース画像が異なる構成としてもよい。
保留予告用の設定処理(図34)の説明に戻り、ステップSa1504にて現在の演出モードを把握した後は、ステップSa1505にて、ROM343の各種テーブル記憶エリア343aから対応する保留予告実行抽選テーブルを取得する。保留予告実行抽選テーブルは、大当たりの有無や演出モードに対応させて複数設定されている。例えば、今回の保留情報が大当たりである場合に対応する保留予告実行抽選テーブルは、外れである場合に対応する保留予告実行抽選テーブルよりも当選確率が高く設定されている。また、演出モードAに対応し且つ今回の保留情報が外れである場合に対応する保留予告実行抽選テーブルは、演出モードBに対応し且つ今回の保留情報が外れである場合に対応する保留予告実行抽選テーブルよりも当選確率が高く設定されている。
ステップSa1506では、ステップSa1505で取得した保留予告実行抽選テーブルと、RAM344の各カウンタエリア344bから取得した抽選用のカウンタ(乱数値)とに基づいて、保留予告演出を実行するか否かの実行抽選を行う。ステップSa1507では、ステップSa1506の抽選結果が当選結果であるか否かを判定する。
上記抽選結果が実行当選である場合にはステップSa1508に進み、対応する保留数を把握する。本ステップでは、RAM344の保留用記憶エリア344cを参照し、今回の保留情報が第1特図と第2特図のいずれに対応するかを把握するとともに、対応する特図の保留数を把握する。この場合の保留数は今回の保留情報を含めた数である。例えば、今回の保留情報が保留用記憶エリア344cにおける第1特図用保留エリアSRaの第3エリアに記憶されるものである場合は、当該保留情報が第1特図に対応し且つその保留数が3であると把握する。なお、今回の保留情報が第1特図用保留エリアSRaの第1エリアに記憶されている場合(1個目の保留情報である場合)において、実行エリアSAEに保留情報が記憶されている場合(遊技回が実行されている場合)は上記保留数として1を把握し、実行エリアSAEに保留情報が記憶されていない場合(遊技回が実行されていない場合)は上記保留数として0を把握する。
ステップSa1509では、ROM343の各種テーブル記憶エリア343aから最終表示態様抽選テーブルを取得する。本実施の形態では、保留用画像の表示態様を1回だけ変化させて保留予告演出を行うだけでなく、保留用画像の表示態様を複数回変化させて保留予告演出を行う場合もあるように構成されている。最終表示態様抽選テーブルは、保留予告演出における保留用画像の最終的な表示態様を抽選するためのテーブルである。
最終表示態様抽選テーブルでは、図36に示すように、各変動パターンに対応させて、選択可能な最終表示態様の範囲と各表示態様の選択確率とが設定されている。なお、図36において、各変動パターンに対応する遊技回演出を示す「備考(演出態様)」の項目は、便宜上付したものであり、最終表示態様抽選テーブルに設定されるものではない。
また、最終表示態様抽選テーブルでは、大当たり用の最終表示態様抽選テーブル(図36(a))と、外れ用の最終表示態様抽選テーブル(図36(b))とが設定されており、それら各抽選テーブルでは、各変動パターンに応じた最終表示態様の選択範囲や各選択肢の選択確率が異なっている。
大当たり用の最終表示態様抽選テーブルでは、保留予告演出における保留用画像の最終表示態様の範囲として、今回の保留情報が変動パターン1A(ノーマルリーチ当たり)の場合は青色表示態様HMbと虹色表示態様HMe、変動パターン2A(SPリーチA当たり)又は変動パターン3A(SPリーチB当たり)の場合は青色表示態様HMbと緑色表示態様HMcと虹色表示態様HMe、変動パターン4A(SPSPリーチA当たり)又は変動パターン5A(SPSPリーチB当たり)の場合は青色表示態様HMbと緑色表示態様HMcと赤色表示態様HMdと虹色表示態様HMeが設定されている。よって、保留予告演出として青色表示態様HMbの保留用画像が表示された場合は、その保留用画像が対応する遊技回(保留予告演出の契機となった保留情報の遊技回)においてノーマルリーチ演出以上の順位のリーチ演出が行われることを示唆し、緑色表示態様HMcの保留用画像が表示された場合はSPリーチ演出以上の順位のリーチ演出が行われることを示唆し、赤色表示態様HMdの保留用画像が表示された場合はSPSPリーチ演出が行われることを示唆することになる。
また、外れ用の最終表示態様抽選テーブルでも、保留予告演出として青色表示態様HMbの保留用画像が表示された場合は、その保留用画像が対応する遊技回においてノーマルリーチ演出以上の順位のリーチ演出が行われることを示唆し、緑色表示態様HMcの保留用画像が表示された場合はSPリーチ演出以上の順位のリーチ演出が行われることを示唆し、赤色表示態様HMdの保留用画像が表示された場合はSPSPリーチ演出が行われることを示唆するように、各変動パターンに対応する最終表示態様の選択範囲が定められている。このため、保留予告演出が行われて青色、緑色又は赤色のいずれかの保留用画像が表示された場合には、遊技者はどのレベルのリーチ演出が行われるのかを予測することができる。但し、大当たりの有無までは判別できない。
なお、外れ用の最終表示態様抽選テーブルでは、最終表示態様の選択肢として虹色表示態様HMeが設定されておらず、虹色表示態様HMeの保留用画像は大当たりである場合にのみ表示されるものとなっている。よって、虹色表示態様HMeの保留用画像は大当たりを示唆するものとなり、当該保留用画像が表示された場合、遊技者は、その保留用画像が対応する遊技回にて大当たりが発生することを予測することができる。
大当たり用の最終表示態様抽選テーブルにおいて虹色表示態様HMeの選択確率は、いずれの変動パターンでも小確率(例えば5%)に抑えられている。これは、虹色表示態様HMeの選択確率を高めると、遊技回の実行前に遊技者が大当たりを認識できる機会が頻発し、遊技回演出への関心が薄れてしまう懸念があることから、そのような不都合の発生を抑制するためである。それ以外の選択肢における選択確率は、各変動パターンにおいて下位の表示態様よりも上位の表示態様が選ばれやすくなっている。例えば、変動パターン3Aである場合であれば、青色表示態様HMbよりも緑色表示態様HMcの方が選択されやすいという具合である。
一方、外れ用の最終表示態様抽選テーブルでは、大当たり用の最終表示態様抽選テーブルの場合よりも上位の表示態様が選ばれにくくなっている。例えば、大当たり用の最終表示態様抽選テーブルにおけるSPSPリーチA演出に対応する変動パターン(変動パターン4A)では、赤色表示態様HMdの選択確率が55%であるのに対し、外れ用の最終表示態様抽選テーブルにおけるSPSPリーチB演出に対応する変動パターン(変動パターン5H)では、赤色表示態様HMdの選択確率が10%に留まっている。
大当たり用及び外れ用の各最終表示態様抽選テーブルにおいて、上記のように表示態様の選択傾向が設定されていることで、遊技回にて行われるリーチ演出の種別が同じであっても、その遊技回が対応する保留用画像として上位の表示態様が表示される場合の方が大当たりの期待度が高くなるものとなっている。
なお、本実施の形態では、大当たり用の最終表示態様抽選テーブル及び外れ用の最終表示態様抽選テーブルとして演出モードAと演出モードBとで共通のテーブルを用いるが、それら各演出モードで異なるテーブルを設定する構成としてもよい。
保留予告用の設定処理(図34)の説明に戻り、ステップSa1509では、ステップSa1501で把握した変動パターン等に基づき、保留情報の大当たり有無に対応する最終表示態様抽選テーブルを取得する。ステップSa1510では、ステップSa1501で把握した変動パターンと、ステップSa1509で取得した最終表示態様抽選テーブルと、RAM344の各カウンタエリア344bから取得した抽選用のカウンタ(乱数値)とに基づいて、今回の保留予告演出における最終表示態様を抽選する。
なお、上記抽選用のカウンタは、主制御装置162からの保留コマンドを受信した場合、換言すれば、抽選処理の対象となる保留情報が発生した場合に取得される。このことは、演出制御装置143にて実行する他の抽選処理に用いるカウンタ(乱数値)についても同様である。
ステップSa1511では、ROM343の各種テーブル記憶エリア343aから演出シナリオ抽選テーブルを取得する。演出シナリオ抽選テーブルは、保留予告演出の演出シナリオを抽選するためのテーブルである。
演出シナリオ抽選テーブルでは、図37に示すように、保留数と保留予告演出の最終表示態様とに対応させて複数の演出シナリオが設定されている。詳しくは、保留数=0に対応する演出シナリオ0のグループから保留数=4に対応する演出シナリオ4までのグループが設定され、さらに各グループにおいて、青色、緑色、赤色及び虹色の最終表示態様に対応させて各色用の演出シナリオ群が設定されている。そして、1色分の演出シナリオ群をひとまとまりとして0~99の抽選用乱数値が割り当てられている。例えば、保留数が0であり、最終表示態様が青色表示態様HMbである場合は、演出シナリオ0青(1)と演出シナリオ0青(2)とが演出シナリオの選択対象となり、それらのうちから乱数値に対応するものが選択される。
各演出シナリオは、最終表示態様が決定された保留予告演出において保留用画像をどのタイミングでどの表示態様で表示するのかを規定するものとなっている。第1特図に対応する保留情報の先読みを行った場合において、その際の第1特図の保留数が4であり、最終表示態様として赤色表示態様HMdが抽選された場合の選択対象となる演出シナリオ4赤(1)を例にとると、当該シナリオは、第1保留表示領域Ga(図9(b))の第4単位保留表示領域Ga4に青色表示態様HMbで保留用画像を表示した後、その保留用画像を第2単位保留表示領域Ga2に移動表示させた場合に緑色表示態様HMcに変化させ、その後、その保留用画像を実行表示領域Dに表示している期間(その保留用画像に対応する遊技回の実行中)において赤色表示態様HMdに変化させることを規定したものとなっている。
図37では図示を省略しているが、実行表示領域Dで保留用画像の表示態様を変化させることを定めた演出シナリオでは、遊技回におけるどのタイミング(どの保留変化ポイント)で表示態様を変化させるのかについても規定されている。また、遊技回の実行中において複数回に亘って表示態様を変化させる演出シナリオもあり、例えば、演出シナリオ0緑(2)は、遊技回の実行中における先の保留変化ポイントで保留用画像を通常表示態様HMaから青色表示態様HMbに変化させた後、後の保留変化ポイントでさらに緑色表示態様HMcに変化させることを規定したものとなっている。
なお、図37の「備考(演出態様)」における「G4(保4)」~「G1(保1)」は、保留表示部200の各単位保留表示領域に保留用画像を表示する場合の表示態様を示している。また、「D(遊技回中)」は、第1単位保留表示領域から実行表示領域Dに保留用画像をシフトさせた場合の表示態様や、実行表示領域Dに保留用画像が表示されている期間での表示態様を示している。ちなみに、「備考(演出態様)」欄の項目は、便宜上付したものであり、演出シナリオ抽選テーブルに設定されるものではない。
また、演出シナリオ抽選テーブルとしては、大当たり用の演出シナリオ抽選テーブルと、外れ用の演出シナリオ抽選テーブルとが設定されている。本実施の形態では、大当たり用の演出シナリオ抽選テーブル及び外れ用の演出シナリオ抽選テーブルとして演出モードAと演出モードBとで共通のテーブルを用いるが、それら各演出モードで異なるテーブルを設定する構成としてもよい。なお、図37には大当たり用の演出シナリオ抽選テーブルの一例を示している。
保留予告用の設定処理(図34)の説明に戻り、ステップSa1511では、ステップSa1501で把握した変動パターン等に基づき、保留情報の大当たり有無に対応する演出シナリオ抽選テーブルを取得する。ステップSa1512では、ステップSa1508で把握した保留数と、ステップSa1510で決定した最終表示態様と、ステップSa1511で取得した演出シナリオ抽選テーブルと、RAM344の各カウンタエリア344bから取得した抽選用のカウンタ(乱数値)とに基づいて、今回の保留予告演出における演出シナリオを抽選する。
ステップSa1513では、ステップSa1512で抽選された演出シナリオが実行されるように演出シナリオデータを設定する。ステップSa1514では、RAM344の各種フラグ格納エリア344dに保留予告フラグをセットし、その後、保留予告用の設定処理を終了する。保留予告フラグは、保留予告演出を実行すべきであることをMPU342が把握するためのものである。
また、ステップSa1503で肯定判定した場合(保留情報の変動パターンが変動パターン1H(完全外れ)である場合)又はステップSa1507で否定判定した場合(保留予告演出の実行抽選で外れとなった場合)は、ステップSa1515に進み、保留用画像の表示態様を通常表示態様HMaに設定する。その後、保留予告用の設定処理を終了する。
<保留予告の第1実行用処理>
ステップSa1404の保留予告の第1実行用処理について図38(a)のフローチャートを参照しながら説明する。
先ずステップSa1601では、RAM344の各種フラグ格納エリア344dに保留予告フラグが格納されているか否かを判定する。保留予告フラグが格納されていない場合、すなわち、保留予告演出を実行すべき状況でない場合は、そのまま保留予告の第1実行用処理を終了する。
一方、保留予告フラグが格納されており、保留予告演出を実行すべき状況である場合は、ステップSa1602に進み、保留予告演出の契機となった保留情報に対応する保留用画像について、表示態様の変更タイミングであるか否かを判定する。すなわち、保留用画像を当初から特定表示態様で表示すべき状況であるか否かを判定する。本ステップでは、上記ステップSa1513(図34)で設定した保留予告演出の演出シナリオの設定結果を参照して上記判定を行う。表示態様の変更タイミングでない場合は、そのまま保留予告の第1実行用処理を終了する。
一方、表示態様の変化タイミングである場合は、ステップSa1603にて変化示唆演出を実行するか否かの実行抽選を行う。変化示唆演出は、保留用画像の表示態様が変化(ランクアップ)することを示唆する演出である。変化示唆演出の態様は特に限定されるものではないが、本実施の形態では、図39に示す態様にて変化示唆演出を行う。先ず、図39(a)に示すように、保留用画像が変化する前の所定タイミングにて保留表示部200の近傍に所定のキャラクタ画像402を表示する。なお、保留情報の発生タイミングに合わせて変化示唆演出を行う場合は、先ずは通常表示態様で保留用画像を表示し、その直後又は同時にキャラクタ画像402を表示する。その後、当該キャラクタが所定のアクションを行う映像を表示し、図39(b)に示すように、保留用画像の表示態様を上位の表示態様に変化させる。なお、キャラクタ画像402は、保留用画像の表示態様を変化させた後、消去する。
ステップSa1603では、RAM344の各カウンタエリア344bから取得した抽選用のカウンタ(乱数値)と、ROM343の各種テーブル記憶エリア343aに記憶された実行抽選用テーブルとに基づいて変化示唆演出の実行抽選を行う。ステップSa1604では、ステップSa1603の抽選結果が当選結果であるか否かを判定する。抽選結果が当選結果である場合は、ステップSa1605にて、図柄表示装置75の表示画面Gにて変化示唆演出が実行されるように設定する。具体的には、表示制御装置350への出力対象として変化示唆演出を実行すべき旨のコマンドをセットする。
なお、本実施の形態では、保留用画像の表示態様を変化させる場合にのみ変化示唆演出が実行され得る構成としているが、変化示唆演出は、保留用画像の表示態様を変化させない場合にも実行され得る構成としてもよい。すなわち、保留用画像の表示態様を変化させない場合にも変化示唆演出の実行抽選を行う構成としてもよい。
そのような場合の変化示唆演出としては、例えば、図39(a)のように所定のキャラクタ画像402を表示した後、当該キャラクタが所定のアクションを行わなかったり、当該アクションとは異なるアクションを行った後、保留用画像の表示態様を変化させずにキャラクタ画像402を消去し、キャラクタ画像402を表示する前の表示態様をそのまま維持する態様とすることが考えられる。但し、そのようなガセ演出が頻発すると、変化示唆演出に対する遊技者の期待感が失われかねないため、その実行頻度は低く抑えるとよい。具体的には、表示態様を変化させない場合における変化示唆演出の実行当選確率が表示態様を変化させる場合よりも低くなる、換言すれば、キャラクタ画像402が表示された際に保留用画像の表示態様が変化しない頻度が変化する頻度よりも低くなるようにするとよい。
ステップSa1605の実行後又はステップSa1604で否定判定した場合(変化示唆演出の実行抽選に非当選となった場合)は、ステップSa1606に進み、演出シナリオの設定結果に基づいて今回の変更処理における変更先の表示態様を把握する。具体的には、青色表示態様HMb、緑色表示態様HMc、赤色表示態様HMd、虹色表示態様HMeのうち、いずれの特定表示態様で保留用画像を表示するかを把握する。
ステップSa1607では、保留用画像の表示態様を上記ステップSa1606で把握した表示態様に変更するように設定する。なお、本処理を保留コマンドの受信時(保留用画像の追加表示時)に行う場合は、追加表示する保留用画像の初期表示態様を上記ステップSa1606で把握した表示態様とするように設定する。
その際、変化示唆演出を実行しない場合は、当初から演出シナリオにより示されるいずれかの特定表示態様で保留用画像を表示するように設定する。一方、変化示唆演出を実行する場合は、通常表示態様HMaで表示した後、演出シナリオにより示される特定表示態様に変化するように設定する。ステップSa1607の設定処理を実行した場合、保留コマンド対応処理(図31)のステップSa1405では、表示制御装置350への保留表示コマンドにおいてステップSa1607で設定した表示態様の情報が含まれるように当該コマンドを設定する。
ステップSa1608では、今回の保留用画像の表示態様を示す情報をRAM344の表示態様記憶エリア344eに記憶する。図38(b)に示すように、表示態様記憶エリア344eでは、各特図のそれぞれの保留情報(保留用画像)及び遊技回を実行中の保留情報に対応させてエリアが設けられており、各エリアに保留用画像の表示態様を記憶可能となっている。例えば、第1保留表示領域Gaの第2単位保留表示領域Ga2に青色表示態様HMbを表示する場合、表示態様記憶エリア344eにおいて第1特図用の第2エリア(2番目の保留情報に対応するエリア)に青色表示態様HMbで表示されることの情報を記憶する。ちなみに変化示唆演出を実行する場合は、変化後の表示態様(表示色)を示す情報を記憶する。なお、表示態様記憶エリア344eを設けず、保留用記憶エリア344cの対応エリアに表示態様の情報を記憶する構成としてもよい。ステップSa1608の実行後は保留予告の第1実行用処理を終了する。
<シフト時コマンド対応処理>
ステップSa1304(図30)のシフト時コマンド対応処理について図40(a)のフローチャートを参照しながら説明する。
先ずステップSa1701では、保留予告の第1実行用処理を実行する。この処理は、保留予告演出の契機となった保留情報の保留用画像について、その表示態様を当該保留用画像のシフト時に変化させるためものである。本ステップの処理は、ステップSa1404(図31)の保留予告の第1実行用処理(図38(a))と基本的に同じものである。
図38(a)を援用して説明すると、ステップSa1701の保留予告の第1実行用処理では、RAM344の各種フラグ格納エリア344dに保留予告フラグが格納されており、保留予告演出を実行すべき状況である場合は、ステップSa1602にて、保留予告演出の契機となった保留情報に対応する保留用画像(各保留表示領域Ga,Gbに表示されている保留用画像)について、今回のシフトタイミングが表示態様(表示色)の変更タイミングであるか否かを判定する。この判定は、ステップSa1513(図34)で設定した保留予告演出の演出シナリオの設定結果に基づいて行う。
表示態様の変更タイミングである場合は、ステップSa1603にて変化示唆演出を実行するか否かの実行抽選を行い、その抽選に当選した場合は、ステップSa1605にて、図柄表示装置75の表示画面Gにて変化示唆演出が実行されるように設定する。ステップSa1605の実行後又はステップSa1604で否定判定した場合(変化示唆演出の実行抽選に非当選となった場合)は、ステップSa1606に進み、演出シナリオの設定結果に基づいて今回の変更処理における変更先の表示態様を把握する。
ステップSa1607では、保留用画像の表示態様をステップSa1606で把握した表示態様に変更するように設定する。具体的には、表示制御装置350への出力コマンドとして、いずれの保留用画像の表示態様を変更するかを示す情報と、どの表示態様(表示色)に変更するかを示す情報とを含ませるようにして、今回のシフトタイミングで保留用画像の表示態様を変更すべき旨のコマンドを設定する。これにより、今回のシフトタイミングにて保留用画像の表示態様が演出シナリオの設定結果により定められる表示態様に変更される。
ステップSa1608では、表示態様を変更する保留用画像について、変更後の表示態様の情報をRAM344の表示態様記憶エリア344eに記憶する。例えば、第1保留表示領域Gaの第2単位保留表示領域Ga2に表示された青色表示態様HMbの保留用画像を第1単位保留表示領域Ga1へのシフト時に緑色表示態様HMcに変更する場合には、表示態様記憶エリア344eにおいて第1特図用の第2エリア(2番目の保留情報に対応するエリア)に記憶された青色表示の情報を消去した上で、同エリアに緑色表示の情報を記憶する。
シフト時コマンド対応処理(図40)の説明に戻り、ステップSa1701の処理を実行した後は、ステップSa1702にて保留予告の第2実行用処理を実行する。この処理は、ステップSa1307(図30)の演出モード切替用処理と関連するため、当該切替用処理について説明した後に詳述する。
ステップSa1703では、RAM344の各種カウンタエリア344bに設けられた保留数カウンタの値(始動保留記憶数SN)を1ディクリメントする。各種カウンタエリア344bには、第1特図用の保留数カウンタと第2特図用の保留数カウンタとが設けられており、本ステップでは対応する側の始動保留記憶数SNを更新する。
ステップSa1704では、保留用画像を移動表示させるためのシフト処理を実行し、その後、本シフト時コマンド対応処理を終了する。シフト処理では、RAM344の保留用記憶エリア344cの第1エリアに記憶されている保留情報を実行エリアSAEに移すとともに、第2エリア~第4エリアに記憶されている保留情報を下位エリア側に順にシフトさせる。この際、表示態様記憶エリア344eの各エリアに記憶されている表示態様の情報についても下位エリア側に順にシフトさせる。
また、シフト処理では、表示画面Gの保留表示部200における保留用画像の表示位置を下位側の単位保留表示領域に変更するように表示制御装置350を制御する。当該制御前の状態として、例えば、図40(b1)に示すように、第1保留表示領域Gaの第1単位保留表示領域Ga1及び第2単位保留表示領域Ga2に保留用画像が表示されている場合には、当該制御により、図40(b2)に示すように、それら保留用画像の表示位置が実行表示領域D及び第1単位保留表示領域Ga1に変更される。なお、ステップSa1701の保留予告の第1実行用処理において保留用画像の表示態様を変化させる設定がなされている場合は、表示位置の変更と表示態様の変更とが併せて行われる。
<特図変動表示用処理>
ステップSa1305(図30)の特図変動表示用処理について図41のフローチャートを参照しながら説明する。
先ずステップSa1801では、遊技回の実行中であるか否かを判定する。具体的には、第1特図又は第2特図のいずれかの遊技回の実行中であるか否かを判定する。いずれの遊技回も実行中でない場合は、ステップSa1802に進み、主制御装置162から送信された変動開始コマンドを受信しているか否かを判定する。変動開始コマンドには、主制御装置162における変動表示時間の設定処理(図24)で抽選された変動パターンの情報が含まれる。
この変動パターンの情報を参照することで、主制御装置162にて表示制御される特図用表示部43での特図遊技回がいずれの変動表示時間で行われるのかを把握することができる。また、既に説明したように、大当たり用の変動パターンと外れ用の変動パターンとが各別に設定されるため、変動パターンから当否判定の結果を判別することもできる。
変動開始コマンドを受信していない場合は、そのまま特図変動表示用処理を終了する。一方、変動開始コマンドを受信している場合は、ステップSa1803に進み、遊技回用の演出を開始させるための変動開始用処理を実行し、その後、特図変動表示用処理を終了する。
変動開始用処理では、主制御装置162からの変動開始コマンドを解析し、今回の特図遊技回に関する変動パターンを特定する。さらに特定した変動パターンに基づいて今回の特図遊技回における変動表示時間を把握する。ROM343の各種テーブル記憶エリア343aには、各変動パターンと対応付けて変動表示時間が定められた演出パターンテーブルが記憶されている。演出パターンテーブルで定められる変動表示時間は、主制御装置162において各変動パターン(図14)が対応する変動表示時間に対応しており、演出制御装置143と主制御装置162とでは、1つの変動パターンに対して共通の変動表示時間が割り当てられている。例えば、変動パターンが変動パターン1Aである場合、それに対応する変動表示時間は、演出制御装置143及び主制御装置162のいずれも15secとなる。変動開始用処理では、演出パターンテーブルを参照して変動開始コマンドから解析した変動パターンに対応する変動表示時間を特定し、これを今回の特図遊技回の変動表示時間として設定する。
また、演出パターンテーブルには、各変動パターンと対応付けて遊技回演出用の演出パターンが対応付けられている。それら各演出パターンとしては、変動表示時間テーブルの説明の際に述べたノーマルリーチ当たり、SPリーチA当たり、SPリーチB当たり、SPSPリーチA当たり、SPSPリーチB当たり、完全外れ、ノーマルリーチ外れ、SPリーチA外れ、SPリーチB外れ、SPSPリーチA外れ、SPSPリーチB外れが設定されている。変動パターンと演出パターンとの対応関係については、図14を参照して既に述べているため、説明を省略する。変動用開始処理では、演出パターンテーブルを参照して今回の変動パターンに対応する演出パターンを特定し、これを今回の特図遊技回の演出パターンとして設定する。
また、変動開始用処理では、今回の特図遊技回に関する当否判定の結果が大当たりである場合、主制御装置162からの種別コマンドに基づいて大当たり種別を特定する。大当たり種別が確変大当たりである場合は、図柄表示装置75の表示画面Gに表示される図柄列Z1~Z3の停止結果として確変大当たり用の停止結果を設定する。逆に、大当たり種別が通常大当たりである場合は、図柄列Z1~Z3の停止結果として通常大当たり用の停止結果を設定する。これらの場合、大当たり用の停止結果が停止表示される有効ラインL1~L5は抽選等によってランダムに決定される。
また、今回の特図遊技回に関する当否判定の結果が外れである場合は、図柄列Z1~Z3の各停止図柄をランダムに決定する。但し、変動パターンに対応する演出パターンがリーチ演出を行うものである場合は、抽選で決定した有効ラインL1~L5にリーチが形成されるように各停止図柄を決定する。すなわち、一の有効ラインL1~L5上に外れリーチ図柄の組合せが成立する停止結果を、今回の停止結果として設定する。
変動開始用処理では、上記各処理を実行した後、表示制御装置350への出力対象として、今回の停止図柄の情報や演出パターンの情報を含むコマンドを設定する。表示制御装置350では、受信したコマンドに従い、演出制御装置143にて決定された停止結果で各図柄列Z1~Z3の図柄が停止したり、演出制御装置143にて決定された演出パターンで遊技回演出が行われたりするように図柄表示装置75を制御する。
ステップSa1801で肯定判定した場合(遊技回の実行中である場合)は、ステップSa1804に進み、主制御装置162から変動終了コマンドを受信しているか否かを判定する。変動終了コマンドを受信していない場合は、今回の特図遊技回において変動表示時間が未経過の状態であることを意味する。この場合は、ステップSa1805にて、変動中用処理を実行する。変動中用処理では、変動開始用処理により開始された図柄列Z1~Z3の変動表示を継続したり、各図柄列Z1~Z3の図柄を順番に仮停止表示させたり、各リーチ演出を実行したりするための処理を実行する。
ステップSa1806では、今回の特図遊技回が保留予告演出の契機となった保留情報の遊技回であるか否かを判定する。保留予告演出の契機となった保留情報の遊技回でない場合は、そのまま特図変動表示用処理を終了する。一方、保留予告演出の契機となった保留情報の遊技回である場合は、ステップSa1807にて保留予告の第1実行用処理を実行する。この処理は、保留予告演出の契機となった保留情報の保留用画像について、その表示態様を当該保留情報の遊技回の実行中に変化させるためのものである。本ステップの処理は、ステップSa1404(図31)の保留予告の第1実行用処理(図38(a))と基本的に同じである。
図38(a)を援用して説明すると、ステップSa1807の保留予告の第1実行用処理では、RAM344の各種フラグ格納エリア344dに保留予告フラグが格納されており、保留予告演出を実行すべき状況である場合は、ステップSa1602にて、保留予告演出の契機となった保留情報に対応する保留用画像(実行表示領域Dに表示されている保留用画像)について、表示態様の変更タイミングであるか否かを判定する。この判定は、ステップSa1513(図34)で設定した保留予告演出の演出シナリオの設定結果に基づいて行う。
表示態様の変更タイミングである場合は、ステップSa1603にて変化示唆演出を実行するか否かの実行抽選を行い、その抽選に当選した場合は、ステップSa1605にて、図柄表示装置75の表示画面Gにて変化示唆演出が実行されるように設定する。ステップSa1605の実行後又はステップSa1604で否定判定した場合(変化示唆演出の実行抽選に非当選となった場合)は、ステップSa1606に進み、演出シナリオの設定結果に基づいて今回の変更処理における変更先の表示態様を把握する。
ステップSa1607では、保留用画像の表示態様をステップSa1606で把握した表示態様に変更するように設定する。これにより、遊技回中の所定の保留変化ポイントにて保留用画像の表示態様が演出シナリオの設定結果により定められる表示態様に変更される。続くステップSa1608では、RAM344の表示態様記憶エリア344eにおける実行表示領域Dに対応するエリアに変更後の表示態様の情報を記憶する。
特図変動表示用処理(図41)の説明に戻り、ステップSa1807の処理を実行した後は、ステップSa1808にて保留予告の第3実行用処理を実行する。この処理は、ステップSa1307(図30)の演出モード切替用処理と関連するため、当該切替用処理について説明した後に詳述する。ステップSa1808の実行後は特図変動表示用処理を終了する。
ステップSa1804で肯定判定した場合(変動終了コマンドを受信している場合)は、変動表示時間が経過したことを意味する。この場合はステップSa1809に進み、変動用終了用処理を実行する。変動終了用処理では、各図柄列Z1~Z3の変動表示や実行されている演出を終了させる(各図柄列Z1~Z3の図柄を確定停止させる)。
ステップSa1810では、今回の特図遊技回が保留予告演出の契機となった保留情報の遊技回であるか否かを判定する。保留予告演出の契機となった保留情報の遊技回でない場合は、そのまま特図変動表示用処理を終了する。一方、保留予告演出の契機となった保留情報の遊技回である場合は、ステップSa1811にて、各種フラグ格納エリア344dに保留予告フラグ又は復帰用待機フラグが格納されているか否かを判定する。復帰用待機フラグの詳細については後述する。
保留予告フラグ又は復帰用待機フラグのいずれかが格納されている場合は、ステップSa1812にて格納されているフラグを消去する。ステップSa1812の実行後又はステップSa1811で否定判定した場合(保留予告フラグと復帰用待機フラグのいずれも格納されていない場合)は、特図変動表示用処理を終了する。
なお、本実施の形態では、主制御装置162から変動終了コマンドを受信したか否かに基づいて変動表示時間が経過したか否かを判定する構成としたが、演出制御装置143において変動開始時に送信される変動開始コマンドから変動表示時間を把握できるため、その把握した変動表示時間に基づき、実行中の遊技回に係る変動表示時間が経過したか否かを判定する構成としてもよい。この場合、主制御装置162から変動終了コマンドを送信しない構成としてもよい。
<演出モード切替用処理>
ステップSa1307(図30)の演出モード切替用処理について図42のフローチャートを参照しながら説明する。演出モード切替用処理は、既に説明した演出モードAと演出モードBの切り替えを行うためのものである。
先ずステップSa1901では、演出モード切替の有効期間中であるか否かを判定する。本実施の形態では、特図遊技回においてSPリーチ演出やSPSPリーチ演出が実行されている期間や、開閉実行モードが実行されている期間を演出モードを切り替えることができない無効期間としており、それ以外の期間は、特図遊技回の実行中も含めて演出モード切替の有効期間となっている。ステップSa1901では、現在のタイミングが上記有効期間に属するものであるか否かを判定する。演出モード切替の有効期間中でない場合は、そのまま演出モード切替用処理を終了する。
演出モード切替の有効期間中である場合は、ステップSa1902に進み、演出用操作部36にて演出モードを切り替えるための所定操作が行われたか否かを判定する。所定操作が行われていない場合は、そのまま演出モード切替用処理を終了する。
所定操作が行われた場合は、ステップSa1903に進み、演出モードを切り替えるための切替処理を実行する。例えば、現在の演出モードが演出モードAである場合は、演出モードBに切り替わるように演出データを設定する。なお、演出モードの切り替えは、上記所定操作が行われたタイミングに合わせて行ってもよいし、次の特図遊技回が開始されるタイミングに合わせて行ってもよい。
ステップSa1904では、切替後の演出モードに対応する演出モードフラグをRAM344の各種フラグ格納エリア344dにセットする。本実施の形態では、演出モードA及び演出モードBにそれぞれ対応するフラグとしてモードAフラグ及びモードBフラグを設けており、例えば、演出モードAから演出モードBに演出モードを切り替える場合は、上記各種フラグ格納エリア344dに格納されているモードAフラグを消去するとともに、モードBフラグを当該各種フラグ格納エリア344dに格納する。
ステップSa1905では、上記各種フラグ格納エリア344dに復帰用待機フラグが格納されているか否かを判定する。復帰用待機フラグについては後述する。
復帰用待機フラグが格納されていない場合は、ステップSa1906に進み、上記各種フラグ格納エリア344dに保留予告フラグが格納されているか否かを判定する。保留予告フラグが格納されていない場合は、そのまま演出モード切替用処理を終了する。
一方、保留予告フラグが格納されている場合、すなわち、保留予告演出の実行中又はその待機状態である場合は、ステップSa1907に進み、当該保留予告フラグを消去する。これにより、モード切替前において保留予告演出が実行されていた場合は、当該保留予告演出の継続がキャンセルされる。また、保留予告演出の待機状態であった場合は、待機中であった保留予告演出の実行がキャンセルされる。
ステップSa1908では、保留予告演出の実行中であるか否か、すなわち、特定表示態様で表示されている保留用画像が存在するか否かを判定する。具体的には、各保留表示領域Ga,Gbに表示されている保留用画像の中で、青色表示態様HMb、緑色表示態様HMc、赤色表示態様HMd又は虹色表示態様HMeのいずれかの態様で表示されているものが存在するか否かを判定する。この判定は、RAM344の表示態様記憶エリア344eに記憶されている各エリアの情報を参照して行う。特定表示態様で表示されている保留用画像が存在しない場合は、そのまま演出モード切替用処理を終了する。
一方、特定表示態様で表示されている保留用画像が存在する場合(保留予告演出の実行中である場合)は、ステップSa1909に進み、特定表示態様で表示されている保留用画像についていずれの態様で表示されているかを示す情報をRAM344の復帰用エリア344fに記憶する。復帰用エリア344fでは、各特図の保留表示領域Ga1~Ga4,Gb1~Gb4及び実行表示領域Dに対応させてエリアが設定されており、各エリアに保留用画像の表示態様を記憶することが可能となっている。
ステップSa1909では、その時点で表示態様記憶エリア344eに記憶されている表示態様の情報を復帰用エリア344fにも記憶する。このため、ステップSa1909の処理時点では、表示態様記憶エリア344eと復帰用エリア344fとに同じ情報が記憶されている状態となる。
なお、表示態様の情報としては、表示態様を示す識別情報であってもよいし、表示色を示す識別情報であってもよい。要は、復帰用エリア344fに記憶された情報から保留用画像の表示態様を特定できるものであれば足り、保留用画像の表示態様に対応するものであればよい。
上記処理により、演出モードの切り替え後に復帰用エリア344fを参照することで、演出モードの切り替え前においていずれの保留用画像がどの表示態様で表示されていたのかを把握することができる。なお、復帰用エリア344fに表示態様の情報が記憶されている状態でシフト時コマンド対応処理(図40)におけるステップSa1704のシフト処理を実行する場合は、表示態様記憶エリア344eだけでなく、復帰用エリア344fの各エリアに記憶されている表示態様の情報についても下位エリア側に順にシフトさせる。
ステップSa1910では、特定表示態様で表示されている保留用画像について、その特定表示態様での表示を解除するための処理を実行する。すなわち、特定表示態様で表示されている保留用画像が演出モードの切り替えに伴い、通常表示態様HMaに切り替わるように設定する。なお、通常表示態様HMaへの切り替えは、演出モードの切り替えタイミングに合わせて行う。例えば、上記所定操作が行われたタイミングで演出モードが切り替わる場合は、そのタイミングで保留用画像が通常表示態様HMaに切り替わり、次の特図遊技回の開始タイミングで演出モードが切り替わる場合は、そのタイミングで保留用画像が通常表示態様HMaに切り替わるように設定する。
また、ステップSa1910の解除処理では、表示態様記憶エリア344eに記憶されている表示態様の情報をクリアする処理を実行する。このため、ステップSa1910の処理時点では、復帰用エリア344fにのみ表示態様の情報が記憶されている状態となる。さらに、ステップSa1910の解除処理では、保留予告用の設定処理(図34)のステップSa1513で設定された演出シナリオデータについても消去する処理を実行する。
なお、本実施の形態では、演出モードが切り替えられた場合に、取得済みの保留情報、換言すれば、保留予告演出の実行抽選(図34の保留予告用の設定処理)が既に行われている保留情報について、再度の実行抽選を制限する構成としている。具体的には、改めて保留予告演出の実行抽選を行うことはせず、同一の保留情報(保留用画像)について演出モードの切り替え前と切り替え後で重複して実行抽選が行われないようにしている。
ステップSa1911では、上記各種フラグ格納エリア344dに復帰用待機フラグをセットする。本実施の形態では、演出モードの切り替え後、再び元の演出モードに切り替えられた場合に、保留用画像の表示態様を特定表示態様に復帰させるように構成されている。復帰用待機フラグは、その復帰処理を待機している状態であることを示すフラグである。ステップSa1911の実行後は、演出モード切替用処理を終了する。
上記ステップSa1905で肯定判定した場合(復帰用待機フラグが格納されている場合)は、ステップSa1912に進み、復帰用待機フラグを消去する処理を実行する。ここで、ステップSa1905で肯定判定される状況とは、保留予告演出が実行されている状況で最初の演出モード切替が行われ、その後、モード切替の操作が再度行われた結果、元の演出モードに戻った状況であることを意味する。例えば、いずれかの保留用画像が特定表示態様で表示されている状況で演出モードが演出モードAから演出モードBに切り替えられ、その後、再び演出モードAに切り替えられた状況である。その際、先のモード切り替え(演出モードAから演出モードBへの切り替え)に際しては、保留用画像の表示態様が通常表示態様HMaとされた上で保留予告演出がキャンセルされるため、演出モードAで特定表示態様で表示されていた保留用画像は、演出モードBへの滞在中、通常表示態様HMaで表示され続けることになる。
なお、演出モードBへの切り替え後、演出モードAへの切り替え前に、その保留用画像(保留情報)の遊技回が終了することもある。この場合は、特図変動表示用処理(図41)のステップSa1811、ステップSa1812で復帰用待機フラグが消去されるため、上記ステップSa1905で否定判定することになる。
ステップSa1912の実行後はステップSa1913にて、保留用画像の表示態様を特定表示態様に復帰させるための予告復帰用の設定処理を実行する。その後、演出モード切替用処理を終了する。
<演出モードの切り替えによる保留用画像の表示態様の変更について>
既に説明したように、本実施の形態では、保留用画像が特定表示態様で表示されている状況で、演出モードが切り替わった場合に、その保留用画像の表示態様が通常表示態様HMaに変更され、保留予告演出が解除されるように構成されている。この場合、背景画像401だけでなく、保留表示部200も含めて表示状態が切り替わることで、遊技者から見て演出モードの変更を分かりやすくすることができる。
また、演出モードの切り替えが単なる表示映像の変更に留まる場合は、遊技者に対して各モードの違いを印象付けにくくなるが、本実施の形態であれば、モード間で保留予告演出の実行頻度を異ならせるため、演出モードの違いを際立たせることができる。但し、保留予告演出の実行頻度がモード間で異なる構成では、保留予告演出が行われている保留用画像の表示態様が同じであっても、当該表示態様により示唆される大当たり期待度が演出モードの種別によって相違することがある。このため、モード切替前の表示態様をモード切替後も維持すると、その保留情報の実際の期待度は切替前の演出モードに対応するにもかかわらず、あたかも切替後の演出モードに対応する期待度を示唆するかの如く表示されてしまうため、保留予告演出により示唆される期待度と実際の期待度との不整合が生じる懸念がある。この点、演出モードの切り替えに伴い保留用画像の表示態様を通常表示態様HMaに変更することで、そのような期待度の不整合を好適に回避することができる。
このように、演出モードの切り替えに応じて保留予告演出の実行を解除することで、演出モードの変更を分かりやすくしたり、保留予告演出により示唆される期待度の不整合を回避したりすることができるが、その反面、遊技者によっては、保留予告演出が解除されたことで、その保留予告演出により示唆されていたチャンスまで消失してしまったと誤解し、落胆を招く懸念がある。
そこで、本実施の形態では、ステップSa1913の予告復帰用の設定処理、ステップSa1702の保留予告の第2実行用処理及びステップSa1808の保留予告の第3実行用処理を設け、演出モードの切り替え後、再度の切り替えにより元の演出モードに戻った場合に、保留用画像の表示態様を復帰させるように構成している。以下、上記各ステップの処理について詳細に説明する。
<予告復帰用の設定処理>
ステップSa1913の予告復帰用の設定処理について図43のフローチャートを参照しながら説明する。
先ずステップSa2101では、各保留表示領域Ga,Gb及び実行表示領域Dに表示されている保留用画像について、特定表示態様が解除されて通常表示態様HMaとされる前の表示状況を把握する。例えば、第1特図用の4番目の保留用画像(第4単位保留表示領域Ga4の保留用画像)が青色表示態様HMbで表示されている状況で演出モードが演出モードAから演出モードBに切り替えられ、その後、再び演出モードAに切り替えられた場合は、その保留用画像について青色表示態様HMbで表示されていたことを把握する。
その際、演出モードAから演出モードBへの切り替え後、遊技回の消化が進んで保留用画像が下位エリア側にシフトされている場合は、モード切替時に第4単位保留表示領域Ga4に表示されていた保留用画像に対応する保留用画像について、解除処理前に青色表示態様HMbで表示されていた旨を把握する。例えば、演出モードBへの切り替え後に2回の遊技回が消化されている場合は、第2単位保留表示領域Ga2に表示されている保留用画像について、モード切替時に青色表示態様HMbで表示されていたと把握する。この把握は、RAM344の復帰用エリア344fを参照して行う。
ステップSa2102では、特定表示態様で表示されていた保留用画像(対象保留用画像)の遊技回を実行中であるか否かを判定する。すなわち、演出モードAから演出モードBへの切り替え後、遊技回が消化されて対象保留用画像の遊技回まで遊技が進んでいるか否かを判定する。遊技回の実行中でない場合は、ステップSa2103に進み、対象保留用画像よりも前の保留情報の数(保留個数)を把握する。例えば、対象保留用画像が3番目の保留情報である場合は、それよりも前の保留個数として2個を把握する。なお、遊技回を実行中の保留情報については保留個数の対象としない。また、保留個数の把握は、第1特図と第2特図とで各別に行う。
ステップSa2104では、上記ステップSa2103で把握した保留個数が所定数(例えば1個)以上であるか否かを判定する。所定数以上である場合は、ステップSa2105に進み、復帰シナリオの抽選処理を実行する。復帰シナリオは、対象保留用画像をいずれのシフトタイミングで元の特定表示態様に戻すかを定めるものである。
ROM343の各種テーブル記憶エリア343aには、保留個数と元の特定表示態様とに対応させて、いずれのタイミングで保留用画像の表示態様を元に戻すかが定められた復帰シナリオテーブルが記憶されている。復帰シナリオテーブルでは、例えば、保留個数が2個である場合に対応させて、表示態様の復帰タイミングとして1回目のシフト時(第2単位保留表示領域Ga2へのシフト)と2回目のシフト時(第1単位保留表示領域Ga1へのシフト時)と3回目のシフト時(実行表示領域Dへのシフト時)を選択可能となっている。
また、復帰シナリオテーブルでは、元の表示態様が青色表示態様HMbよりも上位の特定表示態様である場合、通常表示態様HMaから直接元の特定表示態様に戻すのか、段階的に元の特定表示態様に戻すのかについても選択可能となっている。よって、1回の保留変化表示により解除前の特定表示態様に復帰する場合もあれば、複数回の保留変化表示を経て解除前の特定表示態様に復帰する場合もあるようになっている。
ステップSa2105では、上記の復帰シナリオテーブルと、RAM344の各カウンタエリア344bから取得した抽選用のカウンタ(乱数値)とに基づいて、保留用画像における表示態様の復帰タイミング及び復帰態様を抽選する。
ステップSa2105の実行後又はステップSa2104で否定判定した場合(保留個数が1個未満である場合)は、ステップSa2106にて復帰シナリオの設定処理を行う。ステップSa2105で復帰シナリオの抽選処理を行った場合は、その抽選された復帰シナリオにて保留用画像の表示態様を復帰させるように設定し、保留用個数が1個未満である場合は、実行表示領域Dへのシフト時に保留用画像の表示態様を復帰させるように設定する。
ステップSa2106の実行後又はステップSa2102で肯定判定した場合(対象保留用画像の遊技回の実行中である場合)は、ステップSa2107にて、RAM344の各種フラグ格納エリア344dに予告復帰フラグをセットする。予告復帰フラグは、保留用画像の表示態様を元に戻すための処理を実行すべきであることをMPU342が把握するためのものである。ステップSa2107の実行後は、予告復帰用の設定処理を終了する。
<保留予告の第2実行用処理>
ステップSa1702(図40(a))の保留予告の第2実行用処理について図44のフローチャートを参照しながら説明する。この処理は、シフト時コマンド対応処理の一環として行われるものであり、換言すれば、保留用画像のシフトタイミングにて実行される処理である。
先ずステップSa2201では、RAM344の各種フラグ格納エリア344dに予告復帰フラグが格納されているか否かを判定する。予告復帰フラグが格納されていない場合は、そのまま保留予告の第2実行用処理を終了する。
予告復帰フラグが格納されている場合は、ステップSa2202に進み、上記予告復帰用の設定処理におけるステップSa2106で設定した復帰シナリオを把握する。ステップSa2203では、ステップSa2202で把握した復帰シナリオの設定結果に基づいて、今回のシフトタイミングが対象保留用画像の表示態様の復帰タイミングであるか否かを判定する。復帰タイミングでない場合は、そのまま保留予告の第2実行用処理を終了する。
復帰タイミングである場合は、ステップSa2204に進み、復帰シナリオの設定結果に基づいて変更先の表示態様を把握する。例えば、対象保留用画像の解除前の表示態様が緑色表示態様HMcである場合において、復帰シナリオにより定められた表示態様が緑色表示態様HMcである場合は、変更先の表示態様として緑色表示態様HMcを把握する。また、復帰シナリオにより定められた表示態様が緑色表示態様HMcへの前段階である青色表示態様HMbである場合は、変更先の表示態様として青色表示態様HMbを把握する。
ステップSa2205では、対象保留用画像の表示態様をステップSa2204で把握した表示態様に変更するように設定する。具体的には、表示制御装置350への出力コマンドとして、表示態様を変更する保留用画像を示す情報と、どの表示態様(表示色)に変更するかを示す情報とを含ませるようにして、今回のシフトタイミングで保留用画像の表示態様を変更すべき旨のコマンドを設定する。ステップSa2205の実行後は、保留予告の第2実行用処理を終了する。
<保留予告の第3実行用処理>
ステップSa1808(図41)の保留予告の第3実行用処理について図45のフローチャートを参照しながら説明する。この処理は、特図変動表示用処理の一環として行われるものであり、換言すれば、遊技回の実行中に行われる処理である。
先ずステップSa2301では、RAM344の各種フラグ格納エリア344dに予告復帰フラグが格納されているか否かを判定する。予告復帰フラグが格納されていない場合は、そのまま保留予告の第3実行用処理を終了する。
予告復帰フラグが格納されている場合は、ステップSa2302に進み、上記各種フラグ格納エリア344dに昇格フラグが格納されているか否かを判定する。昇格フラグについては後述する。
昇格フラグが格納されていない場合は、ステップSa2303に進み、対象保留用画像における現在の表示態様が通常表示態様HMaであるか否かを判定する。なお、対象保留用画像における現在の表示態様が通常表示態様HMaである場合とは、対象保留用画像の遊技回の実行中に元の演出モードへの切り替え操作が行われた場合である。
現在の表示態様が通常表示態様HMaである場合は、ステップSa2304に進み、進行中の遊技回において保留変化ポイントが残存しているか否かを判定する。例えば、対象保留用画像の遊技回の終盤で演出モードが変更された場合など、保留変化ポイントが残存していない状況である場合は、ステップSa2314に進み、上記各種フラグ格納エリア344dに格納されている予告復帰フラグを消去する。これにより、保留予告演出の復帰処理がキャンセルされ、その遊技回において対象保留用画像(実行表示領域Dに表示されている保留用画像)が通常表示態様HMaで表示され続ける。
保留変化ポイントが残存している場合は、ステップSa2305にて、RAM344の復帰用エリア344fを参照して対象保留用画像における解除前の特定表示態様を把握し、これを変更先の表示態様として把握する。ステップSa2306では、保留用画像の表示態様をステップSa2305で把握した表示態様に変更するように設定する。具体的には、表示制御装置350への出力コマンドとして、どの表示態様(表示色)に変更するかを示す情報を含ませるようにして保留用画像の表示態様を変更すべき旨のコマンドを設定する。これにより、実行表示領域Dに表示されている保留用画像の表示態様が直近の保留変化ポイントにて解除前の特定表示態様に変更(復帰)される。
ステップSa2306の実行後又はステップSa2303で否定判定した場合(対象保留用画像における現在の表示態様が通常表示態様HMaでない場合)は、ステップSa2307にて上記各種フラグ格納エリア344dに判定済みフラグが格納されているか否かを判定する。なお、対象保留用画像(実行表示領域Dに表示されている保留用画像)における現在の表示態様が通常表示態様HMaでない場合とは、当該保留用画像の表示態様が既に解除前の特定表示態様に変更されている状況である。
ステップSa2307で判定済みフラグが格納されていると判定した場合は、そのまま保留予告の第3実行用処理を終了する。一方、判定済みフラグが格納されていない場合は、ステップSa2308にて保留予告の昇格用処理を実行する。
ここで、ステップSa2308の保留予告の昇格用処理について図46のフローチャートを参照しながら説明する。
昇格用処理では、先ずステップSa2401にて、対象保留用画像の変動パターンを把握する。この把握は、対象保留用画像の遊技回(実行中の遊技回)の開始時に主制御装置162から送信された変動開始コマンド(図23のステップSa712)に基づいて行う。
ステップSa2402では、ステップSa2401で把握した変動パターンと、ROM343の各種テーブル記憶エリア343aに記憶された昇格判定用テーブルとに基づいて保留予告演出の昇格判定を行う。昇格判定は、対象保留用画像(実行表示領域Dに表示されている保留用画像)の表示態様をさらに上位の特定表示態様(解除前の表示態様よりも上位の表示態様)に変更することが可能か否かを判定するものである。
図47に示すように、昇格判定用テーブルには、各変動パターンに対応させて表示態様の上限が定められており、例えば、SPSPリーチA外れに対応する変動パターン5Hであれば、赤色表示態様HMdまでの変更が許容されている。ちなみに大当たりに対応する各変動パターンの場合は、変動パターン1A~変動パターン5Aのいずれにおいても虹色表示態様HMeまでの変更が許容されている。
なお、昇格判定用テーブルは、図47に示す構成に限定されるものではなく、例えば、大当たりに対応する各変動パターンで上限表示態様が異なるなど、他の構成であってもよい。要は、その遊技回(変動パターン)の大当たり期待度に対応するように(換言すれば、大当たり期待度と整合するように)上限表示態様が定められるものであればよい。
ステップSa2402では、上記昇格判定用テーブルを参照してステップSa2401で把握した変動パターンに対応する上限表示態様を特定し、対象保留用画像の現在の表示態様がその特定した上限表示態様よりも下位の表示態様であるか否かを判定する。その結果、現在の表示態様が上限表示態様よりも下位の表示態様である場合は表示態様の昇格を許容し、そうでない場合は昇格を不可とする。なお、上記ステップSa2306で表示態様の変更設定を行っている場合は、その変更後の表示態様を対象として上記特定した上限表示態様よりも下位の表示態様であるか否かを判定し、その結果に基づいて昇格の可否を判定する。
ステップSa2402の実行後はステップSa2403にて、RAM344の各種フラグ格納エリア344dに判定済みフラグをセットする。判定済みフラグは昇格判定を実行済みであることをMPU342が把握するためのものであり、換言すれば、昇格判定の重複実施を回避するためのものである。
ステップSa2404では、上記ステップSa2402の昇格判定の結果が表示態様の昇格を許容するものであるか否かを判定する。昇格を許容しない場合は、保留予告の昇格用処理を抜けてステップSa2314(図45)に進み、予告復帰フラグを消去して保留予告の第3実行用処理を終了する。
昇格を許容する場合は、ステップSa2405に進み、昇格シナリオの抽選処理を実行する。昇格シナリオは、実行表示領域Dに表示されている対象保留用画像について、いずれのタイミング(保留変化ポイント)でいずれの表示態様に変更するかを定めるものである。ROM343の各種テーブル記憶エリア343aには昇格シナリオを抽選するための昇格シナリオ抽選テーブルが記憶されており、この昇格シナリオ抽選テーブルでは、昇格演出を実行するか否かを抽選するための実行抽選用の情報のほか、保留予告演出の各上限表示態様に対応させて複数種類の昇格シナリオが設定されている。ステップSa2405では、上記昇格シナリオ抽選テーブルと、RAM344の各カウンタエリア344bから取得した抽選用のカウンタ(乱数値)とに基づき、表示態様を昇格させるか否かの実行抽選と、昇格させる場合のシナリオ抽選とを行う。
ステップSa2406では、ステップSa2405の抽選処理の結果が表示態様を昇格させるものであるか否かを判定する。昇格させない場合は、保留予告の昇格用処理を抜けてステップSa2314(図45)に進み、予告復帰フラグを消去して保留予告の第3実行用処理を終了する。
昇格させる場合は、ステップSa2407に進み、ステップSa2405で抽選された昇格シナリオが実行されるように昇格シナリオデータを設定する。ステップSa2407の実行後はステップSa2408~ステップSa2410において、変化示唆演出に関する処理を実行する。これらの処理は、保留予告の第1実行用処理(図38(a))におけるステップSa1603~ステップSa1605と同様のものであるため、説明を省略する。
ステップSa2410の実行後又はステップSa2409で否定判定した場合は、ステップSa2411にて上記各種フラグ格納エリア344dに昇格フラグをセットし、その後、保留予告の昇格用処理を終了する。昇格フラグは、対象保留用画像の表示態様を昇格すべきであることをMPU342が把握するためのものである。
保留予告の第3実行用処理(図45)の説明に戻り、ステップSa2308の保留予告の昇格用処理を実行した後は、保留予告の第3実行用処理を終了する。
上記ステップSa2302で肯定判定した場合(昇格フラグが格納されている場合)は、ステップSa2309に進み、表示態様の昇格タイミングであるか否かを判定する。この判定は、ステップSa2407における昇格シナリオの設定結果に基づいて行う。昇格タイミングでない場合は、そのまま保留予告の第3実行用処理を終了する。
昇格タイミングである場合は、ステップSa2310に進み、昇格シナリオの設定結果に基づいて今回の変更処理における変更先の表示態様(上位の表示態様)を把握する。続くステップSa2311では、実行表示領域Dに表示されている保留用画像の表示態様をステップSa2310で把握した表示態様に変更するように設定する。具体的には、表示制御装置350への出力コマンドとして、いずれの表示態様に変更するかを示す情報を含ませるようにして、実行表示領域Dに表示されている保留用画像の表示態様を変更すべき旨のコマンドを設定する。
ステップSa2312では、上記ステップSa2310で把握した表示態様又は上記ステップSa2311で変更先として設定した表示態様が昇格演出における最終表示態様であるか否かを判定する。例えば、複数回の変更処理により表示態様を多段的に昇格させるように昇格シナリオが設定されている場合において、今回の変更処理がその途中段階での処理である場合は、最終表示態様でないとして本ステップを否定判定し、そのまま保留予告の第3実行用処理を終了する。
最終表示態様である場合は、ステップSa2313にて上記各種フラグ格納エリア344dに格納されている昇格フラグを消去する。続くステップSa2314では、上記各種フラグ格納エリア344dに格納されている予告復帰フラグを消去し、その後、保留予告の第3実行用処理を終了する。
<演出モードが切り替わる場合における保留用画像の表示態様の流れについて>
演出モードが切り替わる場合における保留用画像の表示態様の流れについて図48~図50を参照しながら説明する。
第1特図用の保留情報が3個取得されている状態で第1作動口62への入賞が発生し、4個目の保留情報(保留用画像HW)が取得されると、主制御装置162では、当該取得した保留情報に対する保留先読み処理(ステップSa305)を実行する。ここでは、その結果として、当否判定が外れであり、変動パターンが変動パターン6H(SPSPリーチB外れ)である結果が先読みされたとする。
また、演出制御装置143では、主制御装置162での先読み結果に基づいて保留予告用の設定処理(ステップSa1403)を実行し、保留用画像HWについての保留予告演出の実行抽選、最終表示態様の抽選、演出シナリオの抽選等を行う。それらの抽選の結果、最終表示態様として赤色表示態様HMdが選択され、演出シナリオとして表示当初は緑色表示態様HMcで表示し、後のシフトタイミングで赤色表示態様HMdに変更するシナリオが選択されたものとする。この場合、図48(a)に示すように、第1保留表示領域Gaの第4単位保留表示領域Ga4に緑色表示態様HMcとされた保留用画像HWが表示される。
その後、遊技者により演出用操作部36を用いてモード切替操作が行われると、演出モードが演出モードAから演出モードBに切り替わる。その際、図48(b)に示すように、演出モードAにおいて緑色表示態様HMcとされていた保留用画像HWの表示態様が通常表示態様HMaに変更される。この場合、演出制御装置143では、モード切替前における保留用画像HWの表示態様(緑色表示態様HMc)を示す情報をRAM344の復帰用エリア344fに記憶する。なお、図48(b)には、保留用画像HWの保留情報が取得された遊技回の途中で演出モードが切り替わった場合を示している。
次の遊技回にて再びモード切替操作が行われ、演出モードが演出モードBから演出モードAに切り替わると、演出制御装置143では、復帰用エリア344fに記憶された情報に基づいて予告復帰用の設定処理(ステップSa1913)を実行し、元の表示態様(緑色表示態様HMc)の把握、復帰シナリオの抽選等を行う。シナリオ抽選の結果、最初は通常表示態様HMaで表示し、その後の変更タイミングで元の表示態様である緑色表示態様HMcに変更するシナリオが選択されたものとする。
この場合、図49(a)に示すように、演出モードAへの切り替え時点では、表示態様が通常表示態様HMaとされた状態で保留用画像HWが表示される。そして、上記選択された復帰シナリオが保留用画像HWの表示態様を次のシフトタイミングで青色表示態様HMbに変更し、さらに次のシフトタイミングで緑色表示態様HMcに変更するものであった場合、図49(b)に示すように、保留用画像HWが第2単位保留表示領域Ga2までシフトされたタイミングで、当該保留用画像HWの表示態様が元の緑色表示態様HMcに戻される。これにより、演出モードBへの切り替わり時に通常表示態様HMaとされた保留用画像HWの表示態様が演出モードBへの切り替わり前の表示態様に戻される。
なお、演出モードBから演出モードAへの切り替え後、保留用画像HWの遊技回が開始されるまでは、保留用画像の表示態様の変化(ランクアップ)を示唆する変化示唆演出(図39)の実行抽選が行われない。このため、上記青色表示態様HMbへの変更、緑色表示態様HMcへの変更に際しては変化示唆演出が行われない。
そして、図50(a)に示すように、保留用画像HWの遊技回が開始されると、演出制御装置143では、保留予告の第3実行用処理(ステップSa1808)を実行し、保留用画像HWの変動パターンの把握、その把握した変動パターンに対応する上限表示態様の把握、上位の表示態様への昇格判定等を行う。
保留用画像HWの変動パターンは変動パターン6Hであり、この場合の上限表示態様は赤色表示態様HMdであるため(図47)、昇格判定では、現状の表示態様(緑色表示態様HMc)が上限表示態様より下位の態様であることに基づいて表示態様の昇格が許容される。その結果、図50(b)に示すように、保留用画像HWの遊技回における所定の保留変化ポイントにて、実行表示領域Dに表示されている保留用画像HWの表示態様が赤色表示態様HMd、すなわち、元の表示態様より上位の態様に変更される。その際、変化示唆演出の実行抽選に当選した場合は、変化示唆演出が行われた上で、赤色表示態様HMdへの変更が行われる。
赤色表示態様HMdは、当該保留用画像の遊技回でSPSPリーチ演出が行われることを示唆するものである。ここで、保留用画像HWの変動パターンは、SPSPリーチB外れ演出に対応する変動パターン6Hであるため、保留用画像HWの遊技回ではSPSPリーチB演出が行われることになり、保留用画像HWによる示唆と実際の遊技回演出とが整合する。
なお、演出モードAから演出モードBへの切り替わり後、演出モードAへの再切り替わりが行われないまま、保留用画像HWの遊技回が終了する場合もある。この場合は、保留用画像HWの表示態様が特定表示態様に復帰することなく、通常表示態様HMaに維持される。
以上詳述した本実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏することができる。
演出モードの切り替えにより保留予告演出の実行が解除され、対象保留用画像HWの表示態様が特定表示態様から通常表示態様HMaとされた場合、その後、元の演出モードに移行することで、対象保留用画像HWの表示態様を元の特定表示態様に復帰させる構成とした。
本実施の形態では、保留先読み処理の結果に基づいて保留用画像の表示態様が特定表示態様とされるため、遊技回の開始前から大当たり結果となることへの遊技者の期待感を喚起することができる。さらに、特定表示態様として大当たり期待度が異なるようにして複数種類の態様が設定されるため、期待度に大小を付与して示唆することができ、遊技者の期待感を喚起する上で有利な構成とすることができる。また、演出モードAと演出モードBとでモード切替が行われるため、遊技中に遊技者の気分転換が図られ、遊技への飽きを抑制することができる。このような構成において、保留予告演出(保留用画像を特定表示態様とする演出)の実行中に演出モードが切り替えられることで、保留予告演出の実行を解除した場合、当該演出により報知又は示唆されていた期待度まで消失したとの誤解や不安を遊技者に与える懸念がある。この場合、保留予告演出の実行中は演出モードの切り替えを制限することが考えられるが、演出モードの切り替え頻度が低下する事態を招き、複数種類の演出モードを設けた意義が損なわれるおそれがある。
この点、本構成では、演出モードの切り替えにより保留予告演出の実行が解除され、その状態で元の演出モードへの再切り換えが行われた場合、通常表示態様HMaに変更された対象保留用画像HWを元の特定表示態様に復帰させるようにしたため、期待度を改めて報知等することができる。これにより、期待度が消失していないことを遊技者に知らせることができ、演出モードの切り替えに制約を生じさせることなく、保留予告演出を実行することができる。つまり、保留予告演出の実行と演出モードの切り替えとを好適に両立させることが可能になる。
保留予告演出が行われた場合の保留用画像の報知態様に対応する情報をRAM344の復帰用エリア344fに記憶可能とし、元の演出モードに移行した場合、RAM344の復帰用エリア344fに基づいて対象保留用画像HWの報知態様を設定する構成とした。これにより、元の演出モードに移行した場合に、通常表示態様HMaとされた保留用画像の表示態様を元の特定表示態様に好適に復帰させることが可能になる。
上記設定の際、対象保留用画像について行われた保留先読み処理の結果にかかわらず、復帰用エリア344fに記憶された情報に基づいて対象保留用画像HWの表示態様を設定する構成とした。
例えば、演出モードAから演出モードBに移行し、その後、演出モードAに移行した場合において、対象保留用画像HWの表示態様を先の演出モードAで行われた保留先読みの結果に基づいて設定する構成であると、先の演出モードAでの表示態様とは異なる態様に設定されることが想定される。この場合、後の演出モードAにおける対象保留用画像HWの表示態様が先の演出モードAでの表示態様と一致しないため、遊技者からすると、解除された保留予告演出が復帰されたことが分かりにくい。特に、保留用画像の表示態様を段階的に変化させ得る構成では、同じ先読み結果であっても、演出モードの切替タイミングによって切り替え時における保留用画像(保留予告演出)の表示態様に差異が生じ得るため、保留先読み処理の結果に基づいて後の演出モードAでの表示態様を設定すると、先の演出モードAでの表示態様とは異なる態様が設定されやすくなる。
この点、本構成では、保留先読み処理の結果ではなく、復帰用エリア344fに記憶された情報に基づいて表示態様を設定するため、後の演出モードAに移行した場合に、先の演出モードAで実際に表示された表示態様と同じ態様に設定することができる。これにより、先の演出モードAでの表示態様と後の演出モードBでの表示態様とを好適に整合させることができ、遊技者から見て表示態様(保留予告演出)が復帰したと認識させやすくすることが可能になる。
後の演出モードAへの移行により対象保留用画像HWの表示態様を元の特定表示態様に復帰させる場合に、対象保留用画像HWの表示態様を通常表示態様HMaから元の特定表示態様に変更するための演出シナリオ(復帰シナリオ)を再設定する構成とした。
後の演出モードAにて対象保留用画像HWを元の特定表示態様に復帰させる場合において、その直前の演出モードBでの滞在期間の長短により、後の演出モードAに切り替わってから対象保留用画像HWの遊技回が終了するまでの期間、すなわち、対象保留用画像HWが表示され続ける残存期間が変動することが想定される。この点、本構成では、対象保留用画像HWを元の特定表示態様に復帰させる場合に演出シナリオが再設定されるため、上記残存期間が変動する中でも対象保留用画像HWを元の特定表示態様に好適に変更することができる。
上記の際、対象保留用画像HWの前の保留数を把握し、その結果に基づいて演出シナリオを再設定する構成とした。
この場合、上記残存期間を適切に把握した上で演出シナリオを再設定することができ、演出モードBでの滞在期間にかかわらず、対象保留用画像HWを元の特定表示態様に好適に変更することができる。
後の演出モードAで対象保留用画像HWを元の特定表示態様とした後、それよりも上位の特定表示態様に昇格させることが可能な構成とした。
この場合、後の演出モードAでの表示態様(示唆される期待度)の範囲が先の演出モードAでの表示態様までに制限され、示唆可能な期待度の範囲が狭くなることを抑制できる。その際、いきなり上位の特定表示態様とすると、先の演出モードAでなされていた保留予告演出との対応関係が分かりにくく、演出が分かりにくくなるおそれがある。この点、本構成では、一旦元の特定表示態様としてから上位の表示態様に変更することが可能であるため、対象保留用画像HWの表示態様が復帰した(解除された保留予告演出が復帰した)と分かりやすくすることができ、遊技者の混乱を抑制することが可能になる。
上記の際、対象保留用画像HWの表示態様をいたずらに昇格させるのではなく、対象保留用画像HWの変動パターンに基づいて上位の表示態様に昇格させるか否かの昇格判定を行い、その結果に基づいて上位態様とするか否かを振り分ける構成とした。これにより、対象保留用画像HWの遊技回にて実際に行われる遊技回演出(リーチ演出等)と整合させながら対象保留用画像HWの表示態様を昇格させることが可能になる。
保留用画像の表示態様が上位の態様に変化することを示唆する変化示唆演出を実行可能とするとともに、元の演出モードに移行することで、対象保留用画像HWの表示態様を元の特定表示態様に復帰させる場合には、当該変化示唆演出の実行を制限する構成とした。
変化示唆演出により上位の表示態様に変化することが示唆されるため、上位の態様に変化することへの期待感が喚起され、保留用画像への遊技者の注目度を高めることができる。このような構成において、例えば、先の演出モードAで対象保留用画像HWが緑色表示態様HMcとされ、後の演出モードAにおいて通常表示態様HMaから緑色表示態様HMcに変更する場合に変化示唆演出を行うと、実際には元の特定表示態様に戻るだけにもかかわらず、遊技者が自身の記憶する先の演出モードAでの特定表示態様(緑色表示態様HMc)を基準として上位の表示態様(赤色表示態様HMdや虹色表示態様HMe)を連想してしまうことが想定される。この場合、対象保留用画像HWにおける実際の表示態様(緑色表示態様HMc)が遊技者の連想する態様より下位の表示態様となるため、遊技者に不愉快な印象を与えるおそれがある。この点、本構成では、上位の表示態様への変更に該当するものであっても、先の演出モードAでの表示態様に戻すだけの場合は、変化示唆演出を不実行とするため、実際の表示態様よりも上位の態様を遊技者が連想することを抑制することができ、上記不都合の発生を好適に抑制することが可能になる。
演出モードAと演出モードBとで保留予告演出の実行されやすさが異なる構成とした。
かかる構成の場合、演出モードが切り替わることで、大当たり期待度の示唆に関する演出特性が変化するため、背景画像やキャラクタ画像の変更等による見た目だけの変更に留まる場合に比べ、演出モードの違いを遊技者に強く印象付けることができる。しかしながらその反面、対象保留用画像HWの表示態様を特定表示態様としたまま(実行中の保留予告演出を継続した状態)で演出モードを切り替えると、対象保留用画像HWにより示唆される期待度が演出モードの切替前後で相違する事態を招くおそれがある。この場合、演出モードの切り替えに伴い保留予告演出の実行を解除することで、そのような期待度の不整合を抑制することができるが、今度は、特定表示態様により示唆されていた期待度までが消失してしまったとの誤解や不安を遊技者に与える懸念が生じる。このような構成に対し、本実施の形態(元の演出モードに移行することで、対象保留用画像HWの表示態様を元の特定表示態様に復帰させる構成等)を適用することで、それら各特徴を有効に機能させ、上記各効果を好適に発揮させることができる。
<変形例1>
上記第1の実施の形態では、特定表示態様とされた保留用画像が存在する状態で、例えば、演出モードAと演出モードBの一方から他方への切り替えが行われた場合、その切替前における保留用画像の表示態様が記憶されるとともに、その保留用画像の表示態様が通常表示態様に変更される。その後、その保留用画像の遊技回が終了する前に再び元の演出モード(一方の演出モード)への切り替えが行われると、先の切り替え(他方の演出モードへの切り替え)時に記憶された表示態様の情報に基づいて、その保留用画像の表示態様の復帰処理が行われ、元の特定表示態様に変更されたり、それよりも上位の特定表示態様に変更されたりする。
先の切り替えが行われてから後の切り替え(元の演出モードへの再切り替え)が行われるまでの間、すなわち、表示態様の復帰処理が待機されている期間では、遊技者によって遊技が行われているため、新たな保留情報が発生し得る。本変形例では、この新たな保留情報に対する保留予告演出の取り扱いが上記第1の実施の形態と異なっている。以下、本変形例について図51~図55を参照しながら説明する。なお、これらの図において上記第1の実施の形態と同様の構成については同一の符号を付し、その説明を省略する。
<保留コマンド対応処理>
本変形例に係る保留コマンド対応処理について図51のフローチャートを参照しながら説明する。この処理は、演出制御装置143において保留コマンドを受信した場合(保留情報が発生した場合)に実行されるものであり、図31の保留コマンド対応処理に代えて実行されるものである。図51において図31と同様の処理については同一のステップ番号を付し、その説明を省略又は簡略化する。
ステップSa1402にて、RAM344の各種カウンタエリア344bに設けられた保留数カウンタの値(始動保留記憶数SN)を1インクリメントすると、ステップSa2601にて、RAM344の各種フラグ格納エリア344dに復帰用待機フラグが格納されているか否かを判定する。復帰用待機フラグは、復帰処理(保留用画像の表示態様を元の特定表示態様に戻すための処理)を待機している状態であることをMPU342が把握するためのものであり、復帰処理の待機期間において各種フラグ格納エリア344dに格納される。復帰処理の待機期間には、演出モードAと演出モードBの一方から他方への切り替えが行われてから元の演出モードに再切り替えされるまでの期間(他方の演出モードへの滞在期間)のほか、他方の演出モードに切り替えられてから、元の演出モードへの再切り替えが行われることなく、対象の保留用画像(表示態様の復帰処理の対象となる保留用画像)の遊技回が終了するまでの期間がある。
ステップSa2601で否定判定した場合(復帰用待機フラグが格納されていない場合)は、ステップSa1403に進み、保留予告用の設定処理(図34)を実行する。保留予告用の設定処理では、発生した保留情報を対象として保留予告演出を実行するための設定を行う。
ステップSa2601で肯定判定した場合(復帰用待機フラグが格納されている場合)は、ステップSa1403の保留予告用の設定処理を実行することなく、ステップSa2602に進み、発生した保留情報に対応する保留用画像の表示態様を通常表示態様HMaに設定する。すなわち、本変形例では、復帰処理の待機期間中に新たな保留情報が発生した場合、その保留情報についての保留予告演出の実行を制限する構成としている。
なお、その保留情報に対する保留先読み処理については、他の保留情報と同様に、主制御装置162の保留先読み処理(図26)にて行われる。よって、演出制御装置143では、上記のとおり保留用画像の表示態様を通常表示態様HMaに強制設定するものの、変動パターン等の先読み結果については主制御装置162からの保留コマンドにより取得した状態となっている。
ステップSa2603では、発生した保留情報に対応させて制限中発生情報を記憶する。制限中発生情報は、制限期間中に発生した保留情報であることを示すものである。ステップSa2603の処理は、例えば、RAM344の保留用記憶エリア344cに設けられた第1エリア~第4エリア(図32)に、上記制限中発生情報を変動パターン等の保留情報とともに記憶することで行う。このため、シフト時コマンド対応処理(図40)におけるステップSa1704のシフト処理を実行した場合、制限中発生情報は保留情報に付随して下位エリア側にシフトされる。これにより、シフト処理が行われて保留用画像の表示エリアがシフトされた場合でも、いずれの保留用画像が制限期間中に発生したものであるかを把握することができる。なお、制限中発生情報は、いずれの保留情報であるかを認識できるようにした上で、保留用記憶エリア344c以外の記憶領域に記憶されてもよい。
ステップSa2603の実行後はステップSa1405にて、表示画面Gの保留表示部200に保留用画像を表示するための処理を実行する。上述のように、ステップSa2602で表示態様が通常表示態様HMaに設定されているため、制限期間中に発生した保留情報の保留用画像は、通常表示態様HMaにて表示される。
なお、上記ステップSa2601で否定判定し(制限期間中でない場合)、ステップSa1403の保留予告用の設定処理やステップSa1404の保留予告の第1実行用処理を経由してステップSa1405に至った場合は、それらの処理で設定された表示態様にて保留用画像が表示される。
<演出モード切替用処理>
本変形例に係る演出モード切替用処理について図52のフローチャートを参照しながら説明する。この処理は、演出制御装置143における演出設定処理(図30)のステップSa1307で実行されるものであり、図42の演出モード切替用処理に代えて実行されるものである。図52において図42と同様の処理については同一のステップ番号を付し、その説明を省略又は簡略化する。
ステップSa1903で演出モードの切替処理を実行した後は、ステップSa1904にて切替後の演出モードに対応する演出モードフラグをセットする。続くステップSa1905では、RAM344の各種フラグ格納エリア344dに復帰用待機フラグが格納されているか否かを判定する。なお、ステップSa1903の切替処理を実行した状況で上記各種フラグ格納エリア344dに復帰用待機フラグが格納されている状況とは、演出モードの切り替え(先の切り替え)が行われた後、元の演出モードへの再切り替えが行われた状況であることを意味する。逆に復帰用待機フラグが格納されていない状況とは、上記先の切り替えが行われた状況(元の演出モードへの再切り替えについては未だ行われていない状況)であることを意味する。
ステップSa1905で復帰用待機フラグが格納されていないと判定した場合(先の切り替えが行われた場合)は、ステップSa1906に進み、上記第1の実施の形態と同様にステップSa1906~ステップSa1911の処理を実行する。
一方、ステップSa1905で復帰用待機フラグが格納されていると判定した場合(再切り替えが行われた場合)は、ステップSa1912に進み、上記各種フラグ格納エリア344dの復帰用待機フラグを消去する。これにより、保留予告演出の制限状態が解除される。よって、当該解除の後に発生した保留情報については、保留情報の発生時(保留コマンドの受信時)において保留予告演出の設定処理(ステップSa1403)等が実行される。
ステップSa1913では予告復帰用の設定処理を実行し、続くステップSa2701では、制限期間中に発生した保留情報が存在するか否かを判定する。この判定は、保留対応コマンド処理(図51)のステップSa2603で記憶した制限中発生情報に基づいて行う。
制限期間中に発生した保留情報が存在しない場合は、そのまま演出モード切替用処理を終了する。一方、制限期間中に発生した保留情報が存在する場合は、ステップSa2702にて保留予告用の第2設定処理を実行し、その後、演出モード切替用処理を終了する。
<保留予告用の第2設定処理>
ステップSa2702の保留予告用の第2設定処理について図53のフローチャートを参照しながら説明する。
先ずステップSa2801では、制限期間中に発生した保留情報を把握する。すなわち、制限中発生情報に基づき、その時点で存在している保留情報のうちいずれの保留情報が制限期間中に発生した保留情報であるかを特定する。
ステップSa2801の処理を実行した後は、把握した制限期間中の発生保留を対象としてステップSa2802以降の処理を実行する。なお、ステップSa2802以降の処理は、その多くがステップSa1403(図51)の保留予告用の設定処理(図34)における各処理と同様のものであるため、共通の処理については説明を簡略化し、異なる処理について詳細に説明する。
ステップSa2802~ステップSa2804では、RAM344の保留用記憶エリア344cを参照して制限期間中の発生保留における変動パターンを把握したり、大当たり当選であるか否かを判定したりする。ステップSa2805では、切替後の演出モードを把握する。例えば、再切り替えが演出モードBから演出モードAへの切り替えである場合は、切替後の演出モードとして演出モードAを把握する。
ステップSa2806~ステップSa2808では、ステップSa2805で把握した切替後の演出モードに対応する保留予告実行抽選テーブルを取得し、保留予告演出の実行抽選を行う。当該実行抽選に当選した場合には、ステップSa2809~ステップSa2814にて、保留予告演出における保留用画像の最終表示態様を決定したり、最終表示態様を表示するまでの過程(演出シナリオ)を決定したりする。
その際、最終表示態様を抽選するための最終表示態様抽選テーブルや、演出シナリオを抽選するための演出シナリオ抽選テーブルが各演出モードで異なる場合には、ステップSa2805で把握した切替後の演出モードに対応するテーブルを取得して抽選を行う。制限期間中の発生保留は切替前の演出モード中に発生したものであるものの、保留予告演出の実行抽選や最終表示態様の抽選等については、切替後の演出モードに対して設定された条件を適用し、切替後の演出モードに対応させて行う。
ステップSa2815では、RAM344の各種フラグ格納エリア344dに保留予告フラグをセットし、その後、保留予告用の第2設定処理を終了する。このようにして保留予告フラグがセットされた後は、シフト時コマンド対応処理(図38(a))におけるステップSa1701の保留予告の第1実行用処理や、特図変動表示用処理(図41)におけるステップSa1807の保留予告の第1実行用処理にて、保留用画像の表示態様を特定表示態様に変更する処理が実行される。すなわち、モード切替前に発生した保留情報についての保留予告演出が切替後の演出モードにて行われることになる。
<特図変動表示用処理>
本変形例に係る特図変動表示用処理について図54のフローチャートを参照しながら説明する。この処理は、演出制御装置143における演出設定処理(図30)のステップSa1305で実行されるものであり、図41の特図変動表示用処理に代えて実行されるものである。図54において図41と同様の処理については同一のステップ番号を付し、その説明を省略又は簡略化する。
本処理は、元の演出モードへの再切り替えが行われることなく、対象の保留用画像(表示態様の復帰処理の対象となる保留用画像)の遊技回が終了した場合への対処として設けられるものである。
ステップSa1809で変動終了用処理を実行した後は、ステップSa1810にて、今回の特図遊技回が保留予告演出の契機となった保留情報(表示態様の復帰処理の対象となる保留用画像)の遊技回であるか否かを判定する。保留予告演出の契機となった保留情報の遊技回である場合は、ステップSa1811にて、各種フラグ格納エリア344dに保留予告フラグ又は復帰用待機フラグが格納されているか否かを判定する。保留予告フラグ又は復帰用待機フラグのいずれかが格納されている場合は、ステップSa1812にて格納されているフラグを消去する。これにより、上記復帰処理がキャンセルされるとともに、保留予告演出の制限状態が解除される。
ステップSa2901では、制限期間中に発生した保留情報が存在するか否かを判定する。制限期間中に発生した保留情報が存在する場合は、ステップSa2902に進み、いずれの保留情報が制限期間中に発生した保留情報であるのかを把握する。ステップSa2901及びステップSa2902の各処理は、保留対応コマンド処理(図51)のステップSa2603で記憶した制限中発生情報に基づいて行う。
ステップSa2903では、ステップSa2902で把握した制限期間中の発生保留を対象として保留予告用の設定処理を実行する。この処理は、ステップSa1403(図51)の保留予告用の設定処理(図34)と同様のものであり、現在の演出モードに対応させて保留予告演出を実行するための設定処理を行うものとなる。
すなわち、元の演出モードへの再切り替えが行われることなく、制限状態が解除された場合は、保留予告演出の実行抽選や最終表示態様の抽選等について、その時点で滞在している演出モードに対して設定された条件を適用する。例えば、先の切り替えとして演出モードAから演出モードBへの切り替えが行われている場合は、演出モードBに対して設定された条件を適用して保留予告演出の実行抽選等を行う。ステップSa2903の実行後又はステップSa2902で否定判定した場合(制限期間中に発生した保留情報が存在しない場合)は、特図変動表示用処理を終了する。
<制限期間中の発生保留に対応する保留用画像の表示態様の流れについて>
制限期間中の発生保留に対応する保留用画像の表示態様の流れについて図55を参照しながら説明する。
演出モードAとされている状況で第1特図の4個目の保留情報が発生すると、主制御装置162による保留先読み処理(ステップSa305)が行われるとともに、演出制御装置143による保留予告用の設定処理(ステップSa1403)が行われる。その結果、表示態様を緑色表示態様HMcとする保留予告演出を実行するものとなった場合には、図55(a)に示すように、表示態様が緑色表示態様HMcとされた保留用画像HAが第1保留表示領域Gaの第4単位保留表示領域Ga4に表示される。
保留用画像HAに対応する保留情報が取得された遊技回にて遊技者によりモード切替操作が行われると、演出モードが演出モードAから演出モードBに切り替わる。この際、図55(b)に示すように、保留用画像HAの表示態様が緑色表示態様HMcから通常表示態様HMaに変更される。
そして、演出モードが演出モードBに維持されたまま、保留用画像HAが第2単位保留表示領域Ga2にシフトされるまでの期間において新たに2個の保留情報が発生したとする。これら新たに発生した保留情報に対しては、演出制御装置143による保留予告用の設定処理が行われず、表示態様が通常表示態様HMaに設定される。すなわち、保留予告演出の実行が制限された状態となるため、図55(c)に示すように、新たに発生した保留情報に対応する保留用画像HB1,HB2は、その表示態様が通常表示態様HMaとされた状態で第3単位保留表示領域Ga3,第4単位保留表示領域Ga4にそれぞれ表示される。
それら保留用画像HB1,HB2の保留情報に対する主制御装置162での保留先読み処理は、他の保留情報と同様に保留情報の取得タイミングで行われる。その先読み結果は、保留コマンドを通じて演出制御装置143に通知されるため、演出制御装置143では、保留予告用の設定処理を行わない状態であるものの、それらの保留情報に関する先読み結果については取得した状態にある。
次の遊技回にて再びモード切替操作が行われ、演出モードが演出モードBから演出モードAに切り替わると、演出制御装置143では、通常表示態様HMaで表示されている保留用画像HB1,HB2を対象として保留予告用の第2設定処理(ステップSa2702)を実行する。保留予告用の第2設定処理は、保留情報の取得タイミングで主制御装置162から通知された先読み結果に基づいて、保留予告演出の実行抽選、最終表示態様の抽選、演出シナリオの抽選等を行うものである。それらの抽選を行う際、抽選用テーブルは、切替後の演出モードである演出モードAに対応するものを用いる。すなわち、保留用画像HB1,HB2の保留情報は、演出モードBである状況で取得されたものであるものの、それらに対する保留予告演出用の抽選には、保留予告演出の実行時のモードである演出モードAに対して設定された抽選条件を適用する。
上記抽選の結果、例えば、保留用画像HB1については保留予告演出を実行せず、保留用画像HB2については表示態様を青色表示態様HMbとする保留予告演出を実行する旨の結果となった場合には、図55(d)に示すように、保留用画像HB1の表示態様が通常表示態様HMaに維持され、保留用画像HB2の表示態様が青色表示態様HMbに変更される。
なお、演出モードBに移行する前の演出モードAで取得された保留情報に対応する保留用画像HAについては、演出制御装置143による予告復帰用の設定処理(ステップSa1913)、保留予告の第2実行用処理(ステップSa1702)が行われることにより、元の表示態様である緑色表示態様HMcに変更される。
また、上記のように演出モードAへの切り替わりが行われた場合とは異なり、図55(c)の状態となった後、演出モードBが維持されたまま、保留用画像HAの遊技回(先の演出モードAで取得された最終の保留情報の遊技回)が終了した場合は、当該遊技回の終了を以って制限状態が終了する。この場合は、その遊技回の終了タイミングにて、保留用画像HB1,HB2を対象とする保留予告用の第2設定処理が実行される。この際、保留予告演出の実行抽選、最終表示態様の抽選、演出シナリオの抽選等の各種抽選は、演出モードBに対応する抽選テーブルを用いて行われる。すなわち、図55(d)の場合とは異なる抽選条件を適用する。
上記抽選の結果、例えば、保留用画像HB1については表示態様を青色表示態様HMbとする保留予告演出を実行し、保留用画像HB2については保留予告演出を実行しない結果となった場合には、図55(e)に示すように、保留用画像HB1の表示態様が青色表示態様HMbに変更され、保留用画像HB1の表示態様が通常表示態様HMaに維持される。
以上詳述した本変形例によれば、以下の優れた効果を奏することができる。
保留予告演出の実行が制限される制限状態中に取得された保留情報に対応する保留用画像HB1,HB2について、制限状態が終了した後の表示態様を制限状態中に実行された保留先読み処理の結果に基づいて設定する構成とした。
本変形例では、保留予告演出の実行中に演出モードが切り替えられた場合、元の演出モードへの再切り換えが行われるまでは保留予告演出の実行が制限される。その制限状態において新たな保留情報が取得された場合、そうような保留情報についてまで特定表示態様への変更が行われないものとすると、制限状態中に取得された保留情報について遊技者の期待感を喚起できなくなる懸念がある。
この点、本構成によれば、制限状態中に取得された保留情報に対応する保留用画像HB1,HB2の表示態様を制限状態の終了後に特定表示態様に変更することができるため、制限状態中に取得された保留情報について遊技者の期待感を喚起することができる。その際、制限状態後における特定表示態様への変更(保留予告演出の実行)を制限状態中に実行された保留先読み処理の結果に基づいて行うため、制限状態ではない場合と同様にして保留先読み処理を行うことができる。すなわち、保留先読み処理の構成を変更する必要がないため、構成が複雑化することを抑制しながら、制限状態中に取得された保留情報を契機とする保留予告演出を制限状態後に実行することが可能になる。
所得された保留情報についての保留先読み処理を制限状態であるか否かにかかわらず、保留情報の取得タイミングに合わせて行う構成とした。
この場合、制限状態である場合とそうではない場合とのいずれにおいても保留情報の取得タイミングに合わせて保留先読み処理を行うことができるため、前者の場合と後者の場合とで保留先読み処理を区別する必要がない。よって、構成が複雑化することを抑制しながら、制限状態中に取得された保留情報を契機とする保留予告演出を制限状態後に実行することが可能になる。
制限状態後における保留用画像HB1,HB2の表示態様の設定(保留予告演出の設定)を制限状態の終了時に実行する構成とした。
例えば、制限状態中に実行された保留先読み処理の結果に基づいて制限状態後の表示態様を設定する場合に、その設定を制限状態中に実行できないこともない。しかしながら、表示態様を設定した保留用画像HB1,HB2の遊技回が制限状態中に実行された場合に、表示態様の設定が反映されないまま保留用画像の表示期間が終了することになり、設定が無駄になるおそれがある。この点、本構成では、表示態様の設定を制限状態の終了時に行うため、そのような無駄が発生することを抑制し、効率的な処理を行うことが可能になる。
制限状態中に保留情報が取得された場合、その保留情報が制限状態中に取得されたものであることを示す制限中発生情報をRAM344の保留用記憶エリア344cに記憶する構成とした。
上記構成によれば、RAM344の保留用記憶エリア344cに記憶された制限中発生情報に基づき、その保留情報が制限状態中に取得されたものであることを制限状態後に把握することができる。このため、制限状態の終了後において、制限状態となる前に取得された保留情報と制限状態中に取得された保留情報とが混在する場合でも、制限状態中に取得された保留情報を簡単に特定することができる。これにより、制限状態後に各保留用画像の表示態様を設定する場合において、制限状態中に取得された保留情報と、そうではない保留情報とを識別し、制限状態中に取得された保留情報のみを対象として処理を行うことが可能になる。
<変形例2>
本変形例では、保留予告演出の発生頻度が高い演出モード(演出モードA)から低い演出モード(演出モードB)に切り替えた場合と、低い演出モードから高い演出モードに切り替えた場合とを区別して保留用画像の表示態様を復帰させるように構成している。以下、本変形例について図56~図58を参照しながら説明する。なお、これらの図において上記第1の実施の形態や各変形例と同様の構成については同一の符号を付し、その説明を省略する。
上記第1の実施の形態では、特定表示態様の保留用画像が存在する状況で演出モードの切り替えが行われ、その保留用画像が通常表示態様HMaとされた後、元の演出モードへの再切り替えが行われると、その保留用画像に対して表示態様の復帰処理を行うように構成されているが、本変形例では、元の演出モードへの再切り替えが行われなくても、その保留用画像に対する表示態様の復帰処理を行うように構成されている。ちなみに、演出モードAにおける保留予告演出の発生頻度(先読み結果が外れである場合の保留予告演出の実行確率)が演出モードBのそれよりも高い、換言すれば、同じ表示色の特定表示態様に対して演出モードAでの大当たり期待度が演出モードBのそれよりも低くなっている点については、上記第1の実施の形態と同様である。
<演出モード切替用処理>
本変形例に係る演出モード切替用処理について図56のフローチャートを参照しながら説明する。この処理は、演出制御装置143における演出設定処理(図30)のステップSa1307で実行されるものであり、図42の演出モード切替用処理に代えて実行されるものである。図56において図42と同様の処理については同一のステップ番号を付し、その説明を省略又は簡略化する。
ステップSa1903にて演出モードの切替処理を実行した後は、ステップSa1904にて切替後の演出モードに対応する演出モードフラグをRAM344の各種フラグ格納エリア344dにセットする。演出モードフラグは、演出モードの切替前は切替後の演出モードを、演出モードの切替後は現在の演出モードをそれぞれMPU342が把握するためのものである。
ステップSa3101では、上記各種フラグ格納エリアに保留予告フラグが格納されているか否かを判定する。保留予告フラグは、保留予告演出を実行すべきであること又は保留予告演出を実行中であることをMPU342が把握するためのものである。
保留予告フラグが格納されていない場合は、そのまま演出モード切替用処理を終了する。一方、保留予告フラグが格納されている場合は、ステップSa3102に進み、当該保留予告フラグを消去する。これにより、モード切替前に保留予告演出が実行されていた場合には、実行中の保留予告演出の継続がキャンセルされ、保留予告演出の待機状態であった場合には、保留予告演出の待機(実行予約)がキャンセルされる。
ステップSa3103では、特定表示態様で表示されている保留用画像が存在するか否かを判定する。具体的には、各保留表示領域Ga,Gbに表示されている保留用画像の中で、青色表示態様HMb、緑色表示態様HMc、赤色表示態様HMd又は虹色表示態様HMeのいずれかの態様で表示されているものが存在するか否かを判定する。この判定は、RAM344の表示態様記憶エリア344eに記憶されている各エリアの情報を参照して行う。特定表示態様で表示されている保留用画像が存在しない場合は、そのまま演出モード切替用処理を終了する。
特定表示態様で表示されている保留用画像が存在する場合は、ステップSa3104に進み、今回のモード切替が演出モードAから演出モードBへの切り替えであるか否かを判定する。すなわち、保留予告演出の発生頻度が高い側の演出モードから低い側の演出モードへの切り替えであるか否か(換言すれば、保留予告演出の大当たり期待度が低い側の演出モードから高い側の演出モードへの切り替えであるか否か)を判定する。演出モードBへの切り替えである場合は、ステップSa3105にて、RAM344の保留用記憶エリア344cを参照し、特定表示態様で表示されている保留用画像の変動パターンを把握する。
ステップSa3106では、ステップSa3105で把握した変動パターンと、ROM343の各種テーブル記憶エリア343aに記憶された復帰判定用テーブルとに基づいて復帰用判定を行う。復帰用判定は、特定表示態様で表示されている保留用画像について演出モードの切り替え後に再び特定表示態様に復帰させることが可能か否かを判定するものである。
図57に示すように、復帰判定用テーブルには、各変動パターンに対応させて表示態様の上限が定められており、例えば、SPSPリーチA外れに対応する変動パターン5Hであれば、緑色表示態様HMcまでの復帰(変更)が許容されている。演出モードBに滞在している状況で保留予告演出を実行する場合、変動パターン5Hに対応する上限表示態様は赤色表示態様HMdとされるが、復帰判定用テーブルでの上限表示態様はそれよりも下位の緑色表示態様HMcに制限されている。このことは、変動パターン3Hや変動パターン4Hなどの他の外れ対応変動パターンについても同様である。ちなみに大当たりに対応する各変動パターンの場合は、変動パターン1A~変動パターン5Aのいずれにおいても虹色表示態様HMeまでの変更が許容されている。なお、復帰判定用テーブルは、図57に示す構成に限定されるものではなく、例えば、大当たりに対応する各変動パターンで上限表示態様が異なるなど、他の構成であってもよい。
ステップSa3106では、上記復帰判定用テーブルを参照してステップSa3105で把握した変動パターンに対応する上限表示態様を特定し、対象保留用画像の現在の表示態様がその特定した上限表示態様以下の表示態様であるか否かを判定する。その結果、現在の表示態様が上限表示態様以下の表示態様である場合は表示態様の復帰を許容し、そうでない場合は復帰を不可とする。
ステップSa3107では、上記ステップSa3106の復帰用判定の結果が表示態様の復帰を許容するものであるか否かを判定する。復帰を許容しない場合は、ステップSa3108に進み、特定表示態様で表示されている保留用画像について、その特定表示態様での表示を解除するための処理を実行する。すなわち、特定表示態様で表示されている保留用画像が演出モードの切り替えに伴い、通常表示態様HMaに切り替わるように設定する。また、ステップSa3108の解除処理では、表示態様記憶エリア344eに記憶されている表示態様の情報や、保留予告用の設定処理(図34)のステップSa1513で設定された演出シナリオデータについても消去する処理を実行する。ステップSa3108の実行後は演出モード切替用処理を終了する。
上記ステップSa3107で肯定判定した場合(表示態様の復帰を許容する場合)は、ステップSa3109にて、RAM344の表示態様記憶エリア344eに記憶されている各保留用画像の表示態様の情報をRAM344の復帰用エリア344fに記憶する。ステップSa3110では、上記ステップSa3108と同様に、特定表示態様で表示されている保留用画像について、その特定表示態様での表示を解除するための処理を実行する。
ステップSa3111では予告復帰用の設定処理を実行し、その後、演出モード切替用処理を終了する。ステップSa3111の予告復帰用の設定処理は、上記第1の実施の形態に係る演出モード切替用処理(図42)のステップSa1913における予告復帰用の設定処理(図43)と同様のものである。予告復帰用の設定処理では、演出モードBへの切替後、保留用画像の表示態様をいずれのタイミングで復帰(変更)させるのかや、復帰のさせ方(1回の変更で復帰させるのか、それとも段階的な変更で復帰させるのか)などの設定処理を行う。
上記のようにして予告復帰用の設定処理が行われた場合、シフト時コマンド対応処理(図40(a))のステップSa1702における保留予告の第2実行用処理(図44)や、特図変動表示用処理(図41)のステップSa1808における保留予告の第3実行用処理(図45)にて、対象保留用画像の表示態様が通常表示態様HMaから特定表示態様に変更される。この際、保留予告の第2実行用処理では、対象保留用画像の表示態様を元の特定表示態様(演出モードBへの切替前の特定表示態様)に復帰させるように処理を実行する。
また、保留予告の第3実行用処理では、対象保留用画像の遊技回において当該対象保留用画像の現在の表示態様(復帰処理により復帰された表示態様)と、当該対象保留用画像の変動パターンが対応する上限表示態様とが比較され、より上位の表示態様への変更(昇格)が可能であるか否かが判定される。そして、そのような変更が可能な場合には、昇格判定及び昇格抽選を経て表示態様の昇格処理が行われる。
この際、参照される上限表示態様は、演出モードB用に設定されたもの(演出モードBでの保留予告演出の条件に即したもの)である。このため、演出モードBへの切り替えによる表示態様の復帰の時点で、復帰可能な表示態様が復帰判定用テーブルにより定められる低めの上限表示態様に制限されているとしても、最終的には演出モードBに適した上限表示態様の範囲内で対象保留用画像の表示態様を変更することができる。
また、上記ステップSa3104で否定判定した場合(演出モードBから演出モードAへの切り替えの場合)は、ステップSa3105~ステップSa3107の処理をスキップし、ステップSa3109の処理に進む。すなわち、保留予告演出の発生頻度が低い側の演出モードBから高い側の演出モードAへの切り替えの場合は、演出モードBでの表示態様をモード切替後の演出モードAでもそのまま反映させるように構成されている。
<演出モードが切り替わる場合における保留用画像の表示態様の流れについて>
演出モードが切り替わる場合における保留用画像の表示態様の流れについて図58を参照しながら説明する。ここでは、演出モードAから演出モードBに切り替わる場合について説明する。既に説明したように、演出モードAは保留予告演出の発生頻度が相対的に高く、演出モードBは保留予告演出の発生頻度が相対的に低いモードである。
演出モードAとされている状況で第1特図の3個目の保留情報(保留用画像HW)が発生すると、主制御装置162では、当該発生した保留情報に対する保留先読み処理(ステップSa305)を実行する。ここでは、その結果として、当否判定が外れであり、変動パターンが変動パターン4H(SPリーチB外れ)である結果が先読みされたとする。
また、演出制御装置143では、主制御装置162での先読み結果に基づいて保留予告用の設定処理(ステップSa1403)を実行し、保留用画像HWについての保留予告演出の実行抽選、最終表示態様の抽選、演出シナリオの抽選等を行う。それらの抽選の結果、最終表示態様として緑色表示態様HMcが選択され、演出シナリオとして表示当初は青色表示態様HMbで表示し、最初のシフトタイミングで緑色表示態様HMcに変更するシナリオが選択されたものとする。この場合、図58(a1)に示すように、青色表示態様HMbとされた保留用画像HWが第1保留表示領域Gaの第3単位保留表示領域Ga3に表示される。
その後、保留用画像HWの表示態様が青色表示態様HMbとされた状態で、遊技者により演出用操作部36を用いてモード切替操作が行われると、図58(a2)に示すように、演出モードが演出モードAから演出モードBに切り替わるとともに、保留用画像HWの表示態様が通常表示態様HMaに変更される。
また、演出モードBへの切り替えに際し、演出制御装置143では、保留用画像HWの表示態様を特定表示態様に復帰させるか否かの復帰用判定を行う(ステップSa3106)。復帰用判定では、保留用画像HWの変動パターンを特定するとともに、その変動パターンに対応する上限表示態様を復帰判定用テーブル(図57)に基づいて把握し、演出モードBへの切り替わり前の保留用画像HWの表示態様が、その把握した上限表示態様以下の態様であるか否かを判定する。
ここで、保留用画像HWの変動パターンである変動パターン4Hの上限表示態様は青色表示態様HMbであり、演出モードBへの切り替わり前の保留用画像HWの表示態様は青色表示態様HMbであるため、演出モードBへの切り替わり前の保留用画像HWの表示態様は変動パターンに対応する上限表示態様以下の態様となる。この場合、特定表示態様への復帰を許容し、予告復帰用の設定処理(ステップSa3111)にて復帰シナリオの設定を行う。
その結果、次のシフトタイミングで青色表示態様HMbに復帰させるシナリオが設定されたとすると、図58(a3)に示すように、保留用画像HWの表示位置が第3単位保留表示領域Ga3から第2単位保留表示領域Ga2にシフトされる際に、保留用画像HWの表示態様が通常表示態様HMaから青色表示態様HMbに変更される。
その後、青色表示態様HMbとされた保留用画像HWの表示位置が実行表示領域Dにシフトし、保留用画像HWの遊技回が開始されると、演出制御装置143では、保留予告の第3実行用処理(ステップSa1808)を実行し、上位の表示態様への昇格判定を行う。この場合の昇格判定は演出モードBの判定条件を適用して行う。
例えば、演出モードBにおける変動パターン4Hの上限表示態様が演出モードAの場合よりも下位の青色表示態様HMbに設定されていた場合には、保留用画像HWの昇格が不許可とされ、保留用画像HWの表示態様が青色表示態様HMbに維持される。また、演出モードBにおける変動パターン4Hの上限表示態様が演出モードAの場合と同じく、緑色表示態様HMcに設定されていた場合には、昇格が許容され、保留用画像HWの遊技回における所定の保留変化ポイントにて保留用画像HWの表示態様が緑色表示態様HMcに昇格される。
次に、演出モードAにおいて保留用画像HWの表示態様が緑色表示態様HMcとされた状況で演出モードの切り替わりが行われた場合について説明する。
図58(a1)に示すように、第3単位保留表示領域Ga3に青色表示態様HMbの保留用画像HWが表示され、演出モードの切り替わりが行われることなく、保留用画像HWの表示位置が第2単位保留表示領域Ga2にシフトし、図58(b1)に示すように、保留用画像HWの表示態様が青色表示態様HMbから緑色表示態様HMcに変更されたとする。
その状態で、遊技者により演出用操作部36を用いてモード切替操作が行われると、図58(b2)に示すように、演出モードが演出モードAから演出モードBに切り替わるとともに、保留用画像HWの表示態様が通常表示態様HMaに変更される。
この際、演出制御装置143により復帰用判定が行われるが、演出モードBへの切り替わり前の保留用画像HWの表示態様が変動パターンに対応する上限表示態様より上位の表示態様となる。この場合は、特定表示態様への復帰を不許可とする。その結果、保留用画像HWの表示態様は、実行表示領域Dにシフトされるまでの期間において通常表示態様HMaに維持される。
その後、通常表示態様HMaとされた保留用画像HWの表示位置が実行表示領域Dにシフトし、保留用画像HWの遊技回が開始されると、演出制御装置143では、保留予告の第3実行用処理を実行し、上位の表示態様への昇格判定を行う。例えば、演出モードBにおける変動パターン4Hの上限表示態様が青色表示態様HMbに設定されていた場合には、青色表示態様HMbまでの昇格が許容され、緑色表示態様HMcに設定されていた場合には、緑色表示態様HMcまでの昇格が許容される。なお、図58(b3)には、保留用画像HWの表示態様が青色表示態様HMbに昇格された場合を示している。
以上詳述した本変形例によれば、以下の優れた効果を奏することができる。
保留用画像が特定表示態様とされている状況(保留予告演出が実行されている状況)で演出モードが切り替えられた場合、切替後の演出モードにおける対象保留用画像HWの表示態様を切替前の演出モードでの表示態様と同じ態様とするか否かを判定する構成とした。
本変形例では、演出モードAと演出モードBとでモード切替が行われるため、遊技中に遊技者の気分転換が図られ、遊技への飽きを抑制することができる。その際、演出モードBは、演出モードAよりも保留予告演出が実行されにくい演出モードとして設定されている。かかる構成の場合、演出モードが切り替わることで、大当たり期待度の示唆に関する演出特性が変化するため、背景画像やキャラクタ画像の変更等による見た目だけの変更に留まる場合に比べ、演出モードの違いを遊技者に強く印象付けることができる。
しかしながらその反面、保留用画像が特定表示態様とされている状況で演出モードAから演出モードBへの切替条件が成立した場合に、対象保留用画像HWの表示態様が維持されたまま演出モードの切り替わりがなされると、表示態様に変更がないにもかかわらず、対応する期待度だけが変動してしまう懸念がある。例えば、同じ緑色表示態様HMcの特定表示態様であっても演出モードBでの期待度は演出モードAのそれよりも高くなるため、対象保留用画像HWの表示態様が緑色表示態様HMcとされたままで演出モードAから演出モードBに切り替わった場合、遊技者が緑色表示態様HMcの期待度をモード切替後の演出モードBでの期待度を基準に理解すると、遊技回にて実際に行われる遊技回演出(リーチ演出等)よりも高い期待度を連想してしまうおそれがある。
この点、本構成では、保留用画像が特定表示態様とされている状況で演出モードが切り替えられた場合、対象保留用画像HWの表示態様を切替前の演出モードでの表示態様と同じ態様とするか否かを判定する。このため、期待度の不整合が生じることを抑制でき、演出モードBへの移行後における保留用画像の表示を好適に行うことが可能になる。
演出モードBへの移行時における対象保留用画像HWの表示態様を、演出モードBに対応して設定された上限表示態様と比較し、その結果に基づいて対象保留用画像HWの表示態様をモード切替前の表示態様と同じ態様とするか否かを判定する構成とした。
上記構成では、演出モードBへの移行時における表示態様と演出モードBに対応して設定された上限表示態様との比較により、演出モードAでの表示態様と同じ態様とすることの可否が判定される。これにより、演出モードBにおいて各態様(青色表示態様HMb等)が対応する期待度を踏まえて同じ態様とするか否かを振り分けることができ、演出モードBへの移行後における保留用画像の表示を好適に行うことが可能になる。
上記の際、演出モードBでの上限表示態様を各変動パターンに対応させて複数設定し、それらのうち、対象保留用画像HWについて先読みされた変動パターンに対応する上限表示態様を適用して上記判定を行う構成とした。これにより、対象保留用画像HWの先読み結果、つまりは、その対象保留用画像HWの遊技回で実際に報知される当否結果や当該遊技回で行われる遊技回演出(リーチ演出等)を踏まえて同じ態様とするか否かを振り分けることができる。
演出モードBでの対象保留用画像HWの表示態様をモード切替前の演出モードAでの表示態様と同じ態様とする場合、対象保留用画像HWの通常表示態様HMaとしてから同じ態様に変更する構成とした。
上記構成では、対象保留用画像HWの表示態様をモード切替前と同じ態様とする場合に、一旦通常表示態様HMaとしてから特定表示態様に変更することが可能となっている。このような構成とすることで、モード切替前と同じ態様にする場合と同じ態様にしない場合とのいずれにおいても、対象保留用画像HWの表示態様が演出モードAから演出モードBへの切り替えに伴って通常表示態様HMaに切り替わる構成とできる。これにより、同じ態様にしないと判定されたことに起因して特定表示態様から通常表示態様HMaに変更される場合の不自然さを軽減することが可能になる。また、通常表示態様HMaとなってから特定表示態様に変化する構成とすることで、同じ態様にしないと判定された場合も含め、演出モードBへの移行後、通常表示態様HMaとされた保留用画像が特定表示態様に変更されるのではないかとの期待感を喚起することができ、その保留用画像(保留情報)への期待感を持続させることが可能になる。
演出モードBから演出モードAへの切替の場合は、上記判定を行うことなく、モード切替後の演出モードAにおける対象保留用画像の表示態様をモード切替前の演出モードAでの表示態様と同じ態様とする構成とした。
上記構成では、保留予告演出に対する期待度が高い側から低い側へのモード切替である場合、同じ態様とするか否かの判定を行わない。これにより、保留予告演出の継続(保留用画像の特定表示態様の維持)が過度に制限されることを抑制できるほか、処理負荷の軽減を図ることが可能になる。
<変形例3>
上記第1の実施の形態や各変形例では、演出モード切替の前後における保留用画像の表示態様を対象とするが、本変形例では、開閉実行モードの前後における保留用画像の表示態様を対象とする。以下、本変形例について図59~図67を参照しながら説明する。なお、これらの図において上記第1の実施の形態や各変形例と同様の構成については同一の符号を付し、その説明を省略する。
本変形例では、高確率モード且つ高頻度サポートモード(高確遊技状態)である場合の変動表示時間テーブルと、低確率モード且つ高頻度サポートモード(時短遊技状態)である場合の変動表示時間テーブルとが、低確率モード且つ低頻度サポートモード(通常遊技状態)である場合の変動表示時間テーブル(図14)とは別に設定されている。
高確遊技状態の変動表示時間テーブルでは、図59(a)、(b)に示すように、大当たり用と外れ用とがそれぞれ設定されている。大当たり用の変動表示時間テーブルでは、変動種別カウンタCSの値に対応させて、SPSPリーチA当たりに対応する変動パターン11Aと、SPSPリーチB当たりに対応する変動パターン12Aとが設定されている。
また、外れ用の変動表示時間テーブルでは、変動種別カウンタCSの値に対応させて、完全外れに対応する変動パターン11Hと、SPSPリーチA外れに対応する変動パターン12Hと、SPSPリーチB外れに対応する変動パターン13Hとが設定されている。変動種別カウンタCSの値が0~79の範囲内である場合、通常遊技状態では、完全外れ(変動パターン1H)とノーマルリーチ外れ(変動パターン2H)のいずれかが対応するが(図14(b))、高確遊技状態では、完全外れ(変動パターン11H)のみが対応する(図59(b))。つまり、変動種別カウンタCSが同じ値であっても通常遊技状態と高確遊技状態とでは異なる遊技回演出が実施され得るものとなっている。
時短遊技状態用の変動表示時間テーブルでは、図59(c)、(d)に示すように、大当たり用と外れ用とがそれぞれ設定されている。大当たり用の変動表示時間テーブルでは、変動種別カウンタCSの値に対応させて、SPリーチA当たりに対応する変動パターン21Aと、SPリーチB当たりに対応する変動パターン22Aと、SPSPリーチA当たりに対応する変動パターン23Aと、SPSPリーチB当たりに対応する変動パターン24Aとが設定されている。
また、外れ用の変動表示時間テーブルでは、変動種別カウンタCSの値に対応させて、完全外れに対応する変動パターン21Hと、SPリーチA外れに対応する変動パターン22Hと、SPリーチB外れに対応する変動パターン23Hと、SPSPリーチA外れに対応する変動パターン24Hと、SPSPリーチB外れに対応する変動パターン25Hとが設定されている。時短遊技状態用の変動表示時間テーブルにおいても、変動種別カウンタCSを同じ値として比較した場合、通常遊技状態と高確遊技状態とは異なる遊技回演出が実施され得るものとなっている。時短遊技状態に対応する外れ用の変動表示時間テーブルでは、他の遊技状態に比べて完全外れの割合が少なくなっているが、これは、リーチ演出の発生頻度を高めることで、リーチ演出が発生しないまま時短遊技状態が終了してしまうことを抑制するためである。
なお、図59に示す各変動表示時間テーブルにおける変動パターンの種類数や変動種別カウンタCSの値との対応関係は一例に過ぎず、通常遊技状態、高確遊技状態及び時短遊技状態で異なる内容に設定されるものであれば、他の態様であってもよい。
<保留予告用の設定処理>
本変形例に係る保留予告用の設定処理について図60のフローチャートを参照しながら説明する。この処理は、演出制御装置143において主制御装置162からの保留コマンドを受信した場合に実行されるものである。本処理は、保留コマンド対応処理(図31)のステップSa1403で実行されるものであり、図34の保留予告用の設定処理に代えて実行されるものである。図60において図34と同様の処理については同一のステップ番号を付し、その説明を省略又は簡略化する。
先ずステップSa1501では、保留コマンド対応処理(図31)のステップSa1401で記憶された保留情報に基づいて今回の保留情報についての変動パターン情報等を把握する。ステップSa1502では、ステップSa1501で把握した変動パターン情報等に基づき、今回の保留情報が大当たりに対応するものであるか否かを判定する。
大当たりに対応するものでない場合、すなわち、外れに対応する保留情報である場合は、ステップSa3301に進み、その保留情報の変動パターンが変動パターン1H(通常遊技状態での完全外れに対応する変動パターン)、変動パターン11H(高確遊技状態での完全外れに対応する変動パターン)、変動パターン21H(時短遊技状態での完全外れに対応する変動パターン)のいずれかであるか否かを判定する。ステップSa3301で否定判定した場合(変動パターン1H、変動パターン11H、変動パターン21Hのいずれでもない場合)又はステップSa1502で肯定判定した場合(大当たりに対応する保留情報である場合)は、ステップSa3302にて現在の遊技状態を把握する。具体的には、現在の遊技状態が通常遊技状態、高確遊技状態、時短遊技状態のいずれであるかを把握する。
ステップSa3303では、ROM343の各種テーブル記憶エリア343aから対応する保留予告実行抽選テーブルを取得する。保留予告実行抽選テーブルは、大当たりの有無や遊技状態に対応させて複数設定されている。例えば、今回の保留情報が大当たりである場合に対応する保留予告実行抽選テーブルは、外れである場合に対応する保留予告実行抽選テーブルよりも当選確率が高く設定されている。また、高確遊技状態に対応し且つ今回の保留情報が外れである場合に対応する保留予告実行抽選テーブルでは、高確遊技状態でのガセ演出の発生を抑制すべく、通常遊技状態や時短遊技状態に対応し且つ今回の保留情報が外れである場合に対応する保留予告実行抽選テーブルよりも当選確率が低く設定されている。
なお、必ずしも遊技状態に対応させて保留予告演出の実行確率を異ならせる必要はなく、上記3状態又はそれらのうちの2状態で保留予告演出の実行確率を共通とする構成としてもよい。
ステップSa1506では、ステップSa3303で取得した保留予告実行抽選テーブルと、RAM344の各カウンタエリア344bから取得した抽選用のカウンタ(乱数値)とに基づいて、保留予告演出を実行するか否かの実行抽選を行う。ステップSa1507では、ステップSa1506の抽選結果が当選結果であるか否かを判定する。この抽選結果が実行当選である場合にはステップSa1508に進み、対応する保留数を把握する。
ステップSa3304では、ROM343の各種テーブル記憶エリア343aから現在の遊技状態に対応する最終表示態様抽選テーブルを取得する。最終表示態様抽選テーブルでは、各変動パターンに対応させて、選択可能な最終表示態様の範囲と各表示態様の選択確率とが設定されている。本変形例では、遊技状態に応じて各別の変動パターンが設定されているため、最終表示態様抽選テーブルも各遊技状態に対応したものが各別に設定されている。
図61には、高確遊技状態での最終表示態様抽選テーブルの一例として大当たり用のテーブルと外れ用のテーブルとをそれぞれ示している。また、図62には、時短遊技状態での最終表示態様抽選テーブルの一例として大当たり用のテーブルと外れ用のテーブルとをそれぞれ示している。
ステップSa1510では、ステップSa1501で把握した変動パターンと、ステップSa3304で取得した最終表示態様抽選テーブルと、RAM344の各カウンタエリア344bから取得した抽選用のカウンタ(乱数値)とに基づいて、今回の保留予告演出における最終表示態様を抽選する。ステップSa1511では、ROM343の各種テーブル記憶エリア343aから演出シナリオ抽選テーブルを取得する。ステップSa1512では、ステップSa1508で把握した保留数と、ステップSa1510で決定した最終表示態様と、ステップSa1511で取得した演出シナリオ抽選テーブルと、RAM344の各カウンタエリア344bから取得した抽選用のカウンタ(乱数値)とに基づいて、今回の保留予告演出における演出シナリオを抽選する。
ステップSa1513では、ステップSa1512で抽選された演出シナリオが実行されるように演出シナリオデータを設定する。ステップSa1514では、RAM344の各種フラグ格納エリア344dに保留予告フラグをセットし、その後、保留予告用の設定処理を終了する。保留予告フラグは、保留予告演出を実行すべきであることをMPU342が把握するためのものである。
上記のようにして保留予告用の設定処理が行われた場合、ステップSa1513の設定結果に基づき、保留コマンド対応処理(図31)のステップSa1404や、シフト時コマンド対応処理(図40)のステップSa1701、特図変動表示用処理(図41)のステップSa1807における保留予告の第1実行用処理(図38)にて、対象保留用画像の表示態様が変更される。
また、ステップSa3301で肯定判定した場合(保留情報の変動パターンが完全外れ対の変動パターンである場合)は、ステップSa1515に進み、保留用画像の表示態様を通常表示態様HMaに設定する。その後、保留予告用の設定処理を終了する。
<開閉実行モード用処理>
本変形例に係る開閉実行モード用処理について図63を参照しながら説明する。この処理は、演出設定処理(図30)のステップSa1306にて実行されるものである。
先ずステップSa3401では、開閉実行モードの実行中であるか否かを判定する。開閉実行モードの実行中でない場合は、ステップSa3402にて主制御装置162からオープニングコマンド(図25のステップSa909)を受信しているか否か、すなわち、開閉実行モードの開始タイミングであるか否かを判定する。オープニングコマンドを受信していない場合は、そのまま開閉実行モード用処理を終了する。
オープニングコマンドを受信している場合は、ステップSa3403に進み、オープニング用処理を実行する。オープニング用処理では、図柄表示装置75の表示画面G等にて所定のオープニング演出が実行されるように表示制御装置350への送信コマンドを設定する。
ステップSa3404では、保留個数(特1保留と特2保留の総数)が0個であるか否か、すなわち、保留が存在するか否かを判定する。保留個数が0個である場合(保留がない場合)は、そのまま開閉実行モード用処理を終了する。
保留個数が0個でなく保留がある場合は、ステップSa3405に進み、RAM344の各種フラグ格納エリア344dに保留予告フラグが格納されているか否かを判定する。保留予告フラグが格納されている場合は、ステップSa3406にて当該保留予告フラグを消去する。これにより、開閉実行モードの開始前において保留予告演出が実行されていた場合には、実行中の保留予告演出の継続がキャンセルされ、保留予告演出の待機状態であった場合には、保留予告演出の待機(実行予約)がキャンセルされる。
ステップSa3407では、特定表示態様で表示されている保留用画像が存在するか否かを判定する。具体的には、各保留表示領域Ga,Gbに表示されている保留用画像の中で、青色表示態様HMb、緑色表示態様HMc、赤色表示態様HMd又は虹色表示態様HMeのいずれかの態様で表示されているものが存在するか否かを判定する。この判定は、RAM344の表示態様記憶エリア344eに記憶されている各エリアの情報を参照して行う。
特定表示態様で表示されている保留用画像が存在する場合は、ステップSa3408に進み、特定表示態様で表示されている保留用画像についていずれの態様で表示されているかを示す情報をRAM344の復帰用エリア344fに記憶する。続くステップSa3409では、開閉実行モード前の遊技状態を示す情報をRAM344に記憶する。例えば、開閉実行モード前の遊技状態が通常遊技状態である場合は、通常遊技状態に対応する情報をRAM344の所定エリアに記憶する。なお、この情報は、現在の遊技状態を示す状態フラグと区別するため、当該フラグとは別の記憶エリアに記憶される。
ステップSa3410では、上記各種フラグ格納エリア344dに復帰用待機フラグをセットする。復帰用待機フラグは、保留用画像の表示態様を元の特定表示態様に戻すための復帰処理を待機している状態であることをMPU342が把握するためのものである。続くステップSa3411では、図柄表示装置75の表示画面G上から保留用画像を消去する処理を実行する。すなわち、本変形例では、保留表示部200に表示されている保留用画像を開閉実行モードの開始に伴い消去するように構成されている。ステップSa3411の実行後は開閉実行モード用処理を終了する。
また、上記ステップSa3405で否定判定した場合(保留予告フラグが格納されていない場合)やステップSa3407で否定判定した場合(特定表示態様の保留用画像が存在しない場合)もステップSa3411に進み、保留用画像の消去処理を実行する。すなわち、保留予告演出の実行中でない場合も、開閉実行モードの開始に伴い保留表示部200の保留用画像を消去する。
上記ステップSa3401で肯定判定した場合(開閉実行モード中である場合)は、ステップSa3412に進み、エンディング演出の開始から所定期間が経過したか否かを判定する。経過していない場合は、ステップSa3413にて開閉実行モード中用処理を実行し、その後、開閉実行モード用処理を終了する。開閉実行モード中用処理では、図柄表示装置75の表示画面G等にて所定のラウンド演出や入賞時演出、エンディング演出等が実行されるように表示制御装置350への送信コマンドを設定する。
上記ステップSa3412で肯定判定した場合(エンディング演出の開始から所定期間が経過した場合)は、ステップSa3414に進み、上記各種フラグ格納エリア344dに復帰用待機フラグが格納されているか否かを判定する。復帰用待機フラグが格納されていない場合は、そのまま開閉実行モード用処理を終了する。
復帰用待機フラグが格納されている場合は、ステップSa3415に進み、復帰用待機フラグを消去する処理を実行する。ここで、ステップSa3414で肯定判定される状況とは、保留予告演出が実行されている状況で開閉実行モードが行われ、保留用画像の表示が消去された状況であることを意味する。この場合はステップSa3416に進み、保留用画像の表示態様を特定表示態様に復帰させるための予告復帰用の設定処理を実行する。当該処理の詳細については後述する。
ステップSa3416の実行後は、ステップSa3417にて保留用画像を通常表示態様HMaで表示するための設定を行う。すなわち、保留用画像の表示態様を特定表示態様に復帰させるに際して開閉実行モードの終了直後は、保留用画像の表示態様を通常表示態様HMaとして表示を再開する。ステップSa3417の実行後は開閉実行モード用処理を終了する。
上記ステップSa3414で否定判定した場合(復帰用待機フラグが格納されていない場合)は、ステップSa3418に進み、保留個数(特1保留と特2保留の総数)が0個であるか否かを判定する。保留個数が0個であり、保留がない場合は、そのまま開閉実行モード用処理を終了する。一方、保留個数が0個でなく、保留がある場合は、ステップSa3417にてそれらの保留についての保留用画像を通常表示態様HMaで表示する。
<予告復帰用の設定処理>
ステップSa3416の予告復帰用の設定処理について図64のフローチャートを参照しながら説明する。
先ずステップSa3501では、開閉実行モード前の遊技状態を把握する。この把握は、ステップSa3409(図63)で記憶した情報に基づいて行う。ステップSa3502では、今回の開閉実行モードの契機となった大当たりの大当たり種別を把握する。この把握は、変動開始コマンドを解析して得た保留情報に基づいて行う。
ステップSa3503では、ステップSa3501で把握した開閉実行モード前の遊技状態と、ステップSa3502で把握した大当たり種別と、ROM343の各種テーブル記憶エリア343aに記憶された復帰判定用テーブルとに基づいて表示態様の復帰用判定を行う。復帰用判定は、開閉実行モード前の遊技状態において特定表示態様とされた保留用画像について、開閉実行モード後の遊技状態において元の表示態様に復帰させるか否かを判定するものである。
図65に示すように、復帰判定用テーブルでは、開閉実行モード前の遊技状態と、今回の開閉実行モードの契機となった大当たりの大当たり種別とに対応させて、表示態様の復帰を許容するか否かが定められている。具体的には、開閉実行モード前の遊技状態が時短遊技状態であり、大当たり種別が通常大当たりである場合や、開閉実行モード前の遊技状態が高確遊技状態であり、大当たり種別が確変大当たりである場合のように、開閉実行モードの前後において遊技状態が共通する場合は、保留用画像の表示態様の復帰を許容する。一方、開閉実行モード前の遊技状態が時短遊技状態であり、大当たり種別が確変大当たりである場合や、開閉実行モード前の遊技状態が高確遊技状態であり、大当たり種別が通常大当たりである場合、開閉実行モード前の遊技状態が通常遊技状態であり、大当たり種別が時短遊技状態である場合のように、開閉実行モードの前後において遊技状態が異なる場合は、上記表示態様の復帰を規制する。
但し、開閉実行モード前の遊技状態が通常遊技状態であり、大当たり種別が確変大当たりである場合は、対象保留用画像の先読み結果を参照して復帰の可否を判定する。具体的には、対象保留用画像の先読み結果が通常大当たり以外の結果である場合は上記表示態様の復帰を規制する一方で、対象保留用画像の先読み結果が通常大当たりである場合は上記表示態様の復帰を許容する。これは、高確遊技状態での遊技を遊技者が十分に堪能できないまま、高確遊技状態が終了してしまうことを抑制するためである。
すなわち、開閉実行モード前の遊技状態が通常遊技状態であり、大当たり種別が確変大当たりである場合は、開閉実行モードを挟んで第1特図の遊技(左打ち遊技状態)から第2特図の遊技(右打ち遊技状態)に遊技態様が切り替わるが、その際、第1特図の保留の中に通常大当たりが存在し、その保留が消化されると、せっかく高確遊技状態に移行させることができたにもかかわらず、その状態が早期に終了してしまうことになる。そこで、そのようなおそれがある場合には、第1特の保留用画像の表示態様を特定表示態様に戻して遊技者に注意喚起し、第2作動口63(第2特図用の始動口)への速やかな入賞を促すようにしている。
なお、本変形例では、対象保留用画像の先読み結果が確変大当たりである場合に上記表示態様の復帰を規制する構成としているが、これを許容する構成としてもよい。
予告復帰用の設定処理(図64)の説明に戻り、ステップSa3503の実行後はステップSa3504にて、ステップSa3503の判定処理の結果が表示態様の復帰を許容するものであったか否かを判定する。復帰を許容しないものであった場合は、そのまま予告復帰用の設定処理を終了する。すなわち、開閉実行モード後の対象保留用画像の表示態様を通常表示態様HMaのままとする。
復帰を許容するものであった場合は、ステップSa3505にて、RAM344の復帰用エリア344fを参照し、開閉実行モード前の対象保留用画像の表示態様を把握する。ステップSa3505の実行後はステップSa3506~ステップSa3510の処理を実行する。
これらの処理は、図43のステップSa2103~ステップSa2107と同様のものであり、対象保留用画像よりも前の保留個数に対応させて、対象保留用画像の表示態様をいずれのタイミングで元の表示態様に復帰させるかを設定するものである。すなわち、ステップSa3506では、対象保留用画像よりも前の保留個数を把握し、把握した保留個数が1以上である場合は、ステップSa3508にて、ステップSa3505で把握した表示態様とする際の復帰シナリオを抽選する。ステップSa3509では、抽選された復帰シナリオが実行されるように復帰シナリオデータの設定を行い、ステップSa3510では、RAM344の各種フラグ格納エリア344dに予告復帰フラグをセットする。予告復帰フラグは、保留用画像の表示態様を元に戻すための処理を実行すべきであることをMPU342が把握するためのものである。
上記のようにして予告復帰用の設定処理が行われた場合、シフト時コマンド対応処理(図40(a))のステップSa1702における保留予告の第2実行用処理(図44)や、特図変動表示用処理(図41)のステップSa1808における保留予告の第3実行用処理(図45)にて、対象保留用画像の表示態様が通常表示態様HMaから特定表示態様に変更される。この際、保留予告の第2実行用処理では、対象保留用画像の表示態様を元の特定表示態様(開閉実行モード前の特定表示態様)に復帰させるように処理を実行する。
また、保留予告の第3実行用処理では、対象保留用画像の遊技回において当該対象保留用画像の現在の表示態様(復帰処理により復帰された表示態様)と、当該対象保留用画像の変動パターンが対応する上限表示態様とが比較され、より上位の表示態様への変更(昇格)が可能であるか否かが判定される。そして、そのような変更が可能な場合には、昇格判定及び昇格抽選を経て表示態様の昇格処理が行われる。
<開閉実行モードの前後における保留用画像の表示態様について>
開閉実行モードの前後における保留用画像の表示態様について説明する。ここでは、開閉実行モード前の遊技状態が時短遊技状態である状況で通常大当たりとなり、開閉実行モード後に時短遊技状態に移行する場合と、開閉実行モード前の遊技状態が時短遊技状態である状況で確変大当たりとなり、開閉実行モード後に確変遊技状態に移行する場合とを例にとって説明する。
先ず開閉実行モード前の遊技状態が時短遊技状態である状況で通常大当たりとなり、開閉実行モード後に時短遊技状態に移行する場合について図66を参照しながら説明する。
時短遊技状態とされている状況で第2特図の3個目の保留情報が発生すると、主制御装置162による保留先読み処理(ステップSa305)が行われるとともに、演出制御装置143による保留予告用の設定処理(ステップSa1403)が行われる。その結果、表示態様を緑色表示態様HMcとする保留予告演出を実行するものとなった場合には、図66(a)に示すように、表示態様が緑色表示態様HMcとされた保留用画像HWが第2保留表示領域Gbの第3単位保留表示領域Gb3に表示される。
保留用画像HWが取得された遊技回で通常大当たり結果となり、開閉実行モードに移行すると、図66(b)に示すように、保留用画像HWを含む全ての保留用画像の表示が消去される。この状態は、エンディング演出の開始から所定期間が経過するまで維持される。
そして、エンディング演出の開始から所定期間が経過すると、演出制御装置143では、予告復帰用の設定処理(ステップSa3416)を実行し、保留用画像HWの表示態様を開閉実行モード前の特定表示態様に復帰させるか否かの復帰用判定を行う。復帰用判定では、開閉実行モード前の遊技状態と開閉実行モード後の遊技状態とを対比し、両者が一致するか否かを判定する。時短遊技状態で通常大当たり結果となった場合、開閉実行モード後の遊技状態は時短遊技状態となるため、開閉実行モード前の遊技状態と開閉実行モード後の遊技状態とが一致する。この場合、特定表示態様への復帰を許容し、復帰シナリオの抽選を行う。
その結果、開閉実行モード後における2回目のシフトタイミングで緑色表示態様HMcに復帰させるシナリオが抽選されたとすると、図66(c)に示すように、開閉実行モードの終了時において、保留用画像HWの表示態様が通常表示態様HMaとされた状態で各保留用画像の表示が再開される。
その後、第3単位保留表示領域Gb3から第2単位保留表示領域Gb2への1回目のシフトタイミングでは、図66(d)に示すように、保留用画像HWの表示態様が通常表示態様HMaに維持される。そして、第2単位保留表示領域Gb2から第1単位保留表示領域Gb1への2回目のシフトタイミングにおいて、保留用画像HWの表示態様が通常表示態様HMaから緑色表示態様HMcに変更される。
次に開閉実行モード前の遊技状態が時短遊技状態である状況で確変大当たりとなり、開閉実行モード後に確変遊技状態に移行する場合について図67を参照しながら説明する。
時短遊技状態とされている状況で第2特図の3個目の保留情報が発生すると、主制御装置162による保留先読み処理(ステップSa305)が行われるとともに、演出制御装置143による保留予告用の設定処理(ステップSa1403)が行われる。その結果、表示態様を緑色表示態様HMcとする保留予告演出を実行するものとなった場合には、図67(a)に示すように、表示態様が緑色表示態様HMcとされた保留用画像HWが第2保留表示領域Gbの第3単位保留表示領域Gb3に表示される。
保留用画像HWが取得された遊技回で確変大当たり結果となり、開閉実行モードに移行すると、図67(b)に示すように、保留用画像HWを含む全ての保留用画像の表示が消去される。
そして、エンディング演出の開始から所定期間が経過すると、演出制御装置143では、予告復帰用の設定処理(ステップSa3416)を実行して復帰用判定を行う。時短遊技状態で確変大当たり結果となった場合、開閉実行モード後の遊技状態は高確遊技状態となるため、開閉実行モード前の遊技状態と開閉実行モード後の遊技状態とが一致しない。この場合、特定表示態様への復帰を不許可とし、復帰処理を実行しない。
図67(c)に示すように、開閉実行モードの終了時において、保留用画像HWの表示態様が通常表示態様HMaとされた状態で各保留用画像の表示が再開される。その後、保留用画像HWが実行表示領域Dにシフトされるまでの期間において保留用画像HWの表示態様が通常表示態様HMaに維持される。つまり、開閉実行モード前の遊技状態と開閉実行モード後の遊技状態とが異なる場合は、基本的に開閉実行モード前になされた保留予告演出がキャンセルされた状態となり、開閉実行モード後において同じ保留用画像HWについての保留予告演出は不実行とされる。
その後、図67(d)に示すように、通常表示態様HMaとされた保留用画像HWの表示位置が実行表示領域Dにシフトし、保留用画像HWの遊技回が開始されると、演出制御装置143では、保留予告の第3実行用処理(ステップSa1808)を実行し、上位の表示態様への昇格判定を行う。その結果、上位の表示態様への昇格が抽選された場合は、図67(e)に示すように、保留用画像HWの表示態様が通常表示態様HMaから特定表示態様に変更される。なお、図67(e)には、保留用画像HWの表示態様が緑色表示態様HMcに昇格された場合を示している。
次に、開閉実行モード前の遊技状態が通常遊技状態である状況で確変大当たりとなり、開閉実行モード後に高確遊技状態に移行する場合について説明する。
この場合、開閉実行モード前の遊技状態と開閉実行モード後の遊技状態とが一致しないため、上記の例に当て嵌めれば、開閉実行モード後に保留用画像HWの表示態様を復帰させないことになる。但し、第1作動口62への入賞を狙う低確遊技状態(左打ち遊技)から第2作動口63への入賞を狙う高確遊技状態(右打ち遊技)に切り替われる場合は、保留用画像HWに対応する保留情報の先読み結果に基づいて表示態様を復帰させるか否かを切り替える。
具体的には、保留用画像HWに対応する保留情報の先読み結果が通常大当たり結果である場合は、開閉実行モード後に保留用画像HWの表示態様を復帰させる。すなわち、第1特図に通常大当たり結果となる保留情報が存在する場合に、その保留情報の遊技回が実行されると、せっかく高確遊技状態に移行させることができたにもかかわらず、その状態が早期に終了してしまうため、第2作動口63への入賞を促すべく、表示態様を特定表示態様に変更する。
この場合、通常表示態様HMaから特定表示態様に変更するのではなく、当初から特定表示態様とした状態で保留用画像HWを表示してもよい。開閉実行モード前の遊技状態と開閉実行モード後の遊技状態とが一致することを契機として表示態様を復帰させる場合とは異なる表示形態とすることで、遊技者の気付きが促されることが期待される。また、当初から特定表示態様で表示することにより、第1特図に通常大当たり結果となる保留情報が存在することを遊技者が早く察知しやすくなり、対応しやすくなるというメリットもある。
一方、保留用画像HWに対応する保留情報の先読み結果が通常大当たり結果以外の結果である場合は、原則どおり、開閉実行モード後に保留用画像HWの表示態様を復帰させない。
以上詳述した本変形例によれば、以下の優れた効果を奏することができる。
対象保留用画像HWが特定表示態様とされている状況(保留予告演出が実行されている状況)で開閉実行モードに移行した場合、開閉実行モード前の遊技状態と開閉実行モード後の遊技状態とが異なる場合に、開閉実行モード後の対象保留用画像HWの表示態様を開閉実行モード前の表示態様と異ならせる構成とした。
本変形例では、保留先読み処理の結果に基づいて保留用画像の表示態様が特定表示態様とされるため、遊技回の開始前から大当たり結果となることへの遊技者の期待感を喚起することができる。また、遊技状態として複数種類の遊技状態が設定され、大当たり結果となって開閉実行モードが実行された場合、それら複数種類の遊技状態のうちのいずれかの遊技状態に移行される。このように複数種類の遊技状態を設けた構成にあっては、当否判定に用いられる保留情報が同じでも遊技状態によって当否の結果や遊技回にて行われる遊技回演出(リーチ演出等)に差異が生じることがある。
この点、本構成では、開閉実行モードの実行前に特定表示態様とされた対象保留用画像HWについて、開閉実行モードの実行前と実行後の遊技状態が異なる場合に、開閉実行モード後の表示態様が開閉実行モード前の表示態様と異なるものとされるため、遊技状態の違いに起因する付与判定結果や遊技回演出等が変化しても、対象保留用画像HWにより遊技者に誤解を与えることが抑制され、開閉実行モード後の遊技状態における保留用画像の表示を好適に行うことが可能になる。
対象保留用画像HWが特定表示態様とされている状況(保留予告演出が実行されている状況)で開閉実行モードに移行した場合、開閉実行モード前の遊技状態と開閉実行モード後の遊技状態とが同じである場合と、そうでない場合とで、開閉実行モード後の対象保留用画像HWの表示態様を異ならせる構成とした。
前述のように、複数種類の遊技状態を設けた構成にあっては、当否判定に用いられる保留情報が同じでも遊技状態によって当否の結果や遊技回にて行われる遊技回演出(リーチ演出等)に差異が生じることがある。この点、本構成では、開閉実行モードの実行前に特定表示態様とされた対象保留用画像HWについて、開閉実行モード後の遊技状態での表示態様を、開閉実行モードの実行前と実行後の遊技状態が同じであるか否かによって異ならせるため、遊技状態の違いに起因する当否判定の結果や遊技回演出の変化を踏まえて表示態様を設定することができ、開閉実行モード後の遊技状態における保留用画像の表示を好適に行うことが可能になる。
開閉実行モード前の遊技状態と開閉実行モード後の遊技状態とが異なる場合、開閉実行モード後の遊技状態における対象保留用画像HWの表示態様を通常表示態様HMaに設定する構成とした。
上記構成により、開閉実行モード後において実際の期待度とは整合しない保留用画像が表示され、遊技者の誤解を招くことを好適に抑制できる。また、一律に通常表示態様HMaとすることで、期待度の変化に合わせた表示態様の細かな調整を不要化することができ、処理構成の簡単化を図ることも可能になる。
開閉実行モード前の遊技状態と開閉実行モード後の遊技状態とが異なることに基づいて対象保留用画像HWの表示態様を通常表示態様HMaに設定した場合に、その後に、その対象保留用画像HWの表示態様を上位の表示態様(特定表示態様)に昇格させるか否かを判定し、その結果に基づいて対象保留用画像HWの表示態様を変更する構成とした。
開閉実行モード前の遊技状態と開閉実行モード後の遊技状態とが異なる場合、開閉実行モード後の遊技状態における対象保留用画像HWの表示態様を通常表示態様HMaに変更することで、遊技状態の変化に起因する当否判定の結果や遊技回演出の変動を吸収できる反面、対象保留用画像HWに対応する保留情報の期待度を報知又は示唆できなくなってしまう懸念がある。この点、本構成では、通常表示態様HMaとされた対象保留用画像HWについて、その後に特定表示態様に変化する機会が付与されるため、特定表示態様から通常表示態様HMaへと変更された場合であっても、事後的に特定表示態様へと昇格させることができ、期待度を報知等することが可能になる。
上記の際、通常表示態様HMaに設定した対象保留用画像HWの遊技回まで遊技が進んだ場合に、対象保留用画像HWの表示態様を特定表示態様に昇格させるか否かを判定し、その結果に基づいて当該昇格を実行する構成とした。
対象保留用画像HWの遊技回が開始されてから対象保留用画像HWの表示態様を昇格させることで、遊技回に開始に際して取得・送信される当否判定の情報や遊技回演出に関する情報を活用して昇格判定を行うことができる。これらの情報は、開閉実行モード後の遊技状態に対応しているため、開閉実行モード後の遊技状態に適した態様で上記昇格を行うことができ、遊技者に期待度等の誤解を与えることなく、開閉実行モード後に通常表示態様HMaに設定された対象保留用画像HWの表示態様を特定表示態様に変化させることが可能になる。
特に、対象保留用画像HWを特定表示態様に昇格されるか否かの判定を、主制御装置162において当否判定の実行(遊技回の開始)により特定された変動パターンに基づいて行うことで、対象保留用画像HWの遊技回で遊技回演出の選択に用いられるのと同じ情報を用いて昇格の可否を判定することができる。これにより、開閉実行モード前の遊技状態と開閉実行モード後の遊技状態とが異なる場合において、開閉実行モード後の遊技回にて実際に行われる遊技回演出に適合させながら、対象保留用画像HWの表示態様を特定表示態様に変更することができる。
また、上記構成とすることで、開閉実行モードの終了後において、専ら対象保留用画像HWを特定表示態様に昇格させるか否かの判定を行うためだけに、開閉実行モード後の遊技状態に対応する変動パターン(当否判定の結果や遊技回演出に関する情報)を送信する専用処理が追加されることを回避できる。すなわち、開閉実行モード後の遊技状態において対象保留用画像HWの遊技回を実行する場合には、図柄表示装置75の表示画面Gでの図柄列Z1~Z3の変動表示を特図用表示部43における特図遊技回に同期させて実行させるために、主制御装置162から演出制御装置143に変動開始コマンドを送信する必要があるところ、この変動開始コマンドを活用して昇格判定を実行する構成とすることで、当該変動開始コマンドとは別の専用コマンドにより、開閉実行モード後の遊技状態に対応する変動パターンを主制御装置162から演出制御装置143に通知する必要がなくなる。よって、主制御装置162における既存の処理構成を利用して昇格判定を行うことができるばかりか、演出制御装置143においてもそのような専用コマンドを受信した場合の処理構成を搭載しなくても足り、処理構成が複雑化することを抑制できる。
保留予告演出が行われた場合の保留用画像の報知態様に対応する情報をRAM344の復帰用エリア344fに記憶可能とし、開閉実行モード前の遊技状態と開閉実行モード後の遊技状態とが同じである場合、開閉実行モード後の遊技状態における対象保留用画像HWの表示態様を復帰用エリア344fに記憶された情報に基づいて設定する構成とした。
例えば、開閉実行モード後の遊技状態における対象保留用画像HWの表示態様を開閉実行モード前に行われた保留先読み処理の結果に基づいて設定する構成であると、開閉実行モード前の表示態様とは異なる表示態様に設定される懸念がある。この点、本構成では、特定表示態様とされた保留用画像が存在する状況で開閉実行モードが実行された場合、そのときの表示態様の情報を記憶し、その記憶された情報に基づいて開閉実行モード後の報表示態様を設定するため、開閉実行モード後の表示態様を開閉実行モード前の元の態様に好適に復帰させることが可能になる。
このように開閉実行モード前の元の態様に復帰させることで、開閉実行モード前において特定表示態様への変更により遊技者の期待感を喚起した対象保留用画像HW(保留情報)について、開閉実行モード後においても同じように期待感を喚起することができる。
開閉実行モード前の遊技状態と開閉実行モード後の遊技状態とが同じである場合において、開閉実行モード後の遊技状態における対象保留用画像HWの表示態様を開閉実行モード前の特定表示態様と同じ態様とする場合に、一旦通常表示態様HMaとしてから特定表示態様に変更することが可能な構成とした。
この場合、開閉実行モード後の遊技状態と開閉実行モード前の遊技状態とが同じであるか否かにかかわらず、開閉実行モードが実行されることに伴い、対象保留用画像HWの表示態様が特定表示態様から通常表示態様HMaに変更され得る。これにより、遊技状態が相違することに起因して通常表示態様HMaに変更される場合の不自然さを軽減することが可能になる。また、通常表示態様HMaとなってから特定表示態様に変化する事象を生じさせることで、遊技状態が相違する場合も含め、開閉実行モード後の遊技状態において、通常表示態様HMaとされた保留用画像が特定表示態様に変更されるのではないかとの期待感を喚起することができ、その保留用画像(保留情報)への期待感を持続させることが可能になる。
開閉実行モード前の遊技状態と開閉実行モード後の遊技状態とが同じであるか否かの同否判定を開閉実行モードの終了時に行う構成とした。
この場合、対象保留用画像HWの表示態様を開閉実行モード後に如何なる態様とするかについて、開閉実行モード後に速やかに対応することができる。よって、開閉実行モード後において、対象保留用画像HWよりも前の保留数が少ない状況であっても、対象保留用画像HWの表示態様を好適に調整することができる。
開閉実行モードの実行中に保留用画像を非表示とする構成とした。
開閉実行モードの終了に伴い対象保留用画像HWの表示態様を変更する場合に、それまで行われていた対象保留用画像HWを開閉実行モードの終了時に突然、他の表示態様に変更すると、遊技者が不自然な印象を受ける懸念がある。特に通常表示態様HMaに格下げする場合は遊技者の目に付きやすく、不自然な印象を与えやすいことが想定される。この点、本構成では、開閉実行モードにおいて保留用画像が非表示とされるため、対象保留用画像HWの表示態様を変更するにあたり、他の保留用画像も含めて保留用画像の表示自体が行われない期間を介在させることができる。これにより、表示態様の変更が目立つことが抑制され、不自然さを緩和することが可能になる。また、保留用画像が非表示とされることで、開閉実行モード用の演出(大当たり遊技演出)に遊技者を注目させやすくなるというメリットもある。
<変形例4>
上記第1の実施の形態の変形例3では、開閉実行モード前の遊技状態と開閉実行モード後の遊技状態との関係に応じて、開閉実行モード前に特定表示態様とされた保留用画像についての開閉実行モード後の表示態様を決定する構成としたが、本変形例では、開閉実行モード前に特定表示態様とされた保留用画像について開閉実行モード後に改めて先読み処理を実行し、その結果に基づいて当該保留用画像の表示態様を決定するように構成されている。以下、本変形例について図68~図76を参照しながら説明する。なお、これらの図において上記第1の実施の形態や各変形例と同様の構成については同一の符号を付し、その説明を省略する。
主制御装置162のMPU312にて行われる処理について説明する。
<情報取得処理>
本変形例に係る情報取得処理について図68(a)を参照しながら説明する。この処理は、作動口62,63への入賞が発生した場合に実行される(作動口用の入賞処理(図17)のステップSa205で実行される)ものであり、図18の情報取得処理に代えて実行されるものである。図68(a)において図18と同様の処理については同一のステップ番号を付し、その説明を省略又は簡略化する。
ステップSa304にて、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及び変動種別カウンタCSの各値を対応する特図表示部用保留エリアに格納した後は、ステップSa4101にて保留コマンドの設定処理を実行する。ステップSa4101の実行後は情報取得処理を終了する。ここで、ステップSa4101の保留コマンドの設定処理について図68(b)のフローチャートに基づいて説明する。
先ずステップSa4201では、保留球格納エリア314bの各保留エリアRa,Rbに記憶された始動保留記憶数RaN,RbNと、同保留球格納エリア314bの総保留数記憶領域に記憶された共通保留数CRNとを読み出し、それらの情報をMPU312のレジスタに記憶する。ステップSa4202~ステップSa4204では、第1作動口62又は第2作動口63への今回の入賞に基づきステップSa304(図68(a))にて取得した保留情報に含まれる大当たり乱数カウンタC1の値(当否判定用の乱数値)、大当たり種別カウンタC2の値(大当たり種別を抽選するための乱数)、変動種別カウンタCSの値(変動パターンを抽選するための乱数)をそれぞれ把握する。なお、ステップSa4201~ステップSa4204の処理は、上記第1の実施の形態に係る保留先読み処理(図28)のステップSa1202、ステップSa1205、ステップSa1208の処理と同様のものである。
続くステップSa4205では、演出制御装置143への出力対象として保留コマンドをセットし、その後、保留コマンドの設定処理を終了する。保留コマンドには、今回の保留情報が第1特図と第2特図のいずれに対応するのかを示す情報のほか、上記ステップSa4202~ステップSa4204で把握した各種カウンタC1,C2,CSの値を示す情報が含まれる。
すなわち、上記第1の実施の形態では、保留先読み処理(図28)にて、把握した各種カウンタC1,C2,CSの値に基づいて当否判定処理や変動パターンの抽選処理を行い、その結果を保留コマンドに含ませて演出制御装置143に送信する構成としていたが、本変形例では、当否判定処理や変動パターンの抽選処理の結果ではなく、把握した各種カウンタC1,C2,CSの情報(当否判定処理や変動パターンの抽選処理に用いる乱数情報)を保留コマンドに含ませて演出制御装置143に送信するように構成されている。
演出制御装置143のMPU342にて行われる処理について説明する。
<保留コマンド対応処理>
本変形例に係る保留コマンド対応処理について図69を参照しながら説明する。この処理は、主制御装置162からの保留コマンドを受信した場合に実行される(演出設定処理(図30)のステップSa1302で実行される)ものであり、図31の保留コマンド対応処理に代えて実行されるものである。図69において図31と同様の処理については同一のステップ番号を付し、その説明を省略又は簡略化する。
ステップSa1402にて、RAM344の各種カウンタエリア344bに設けられた保留数カウンタの値(始動保留記憶数SN)を1インクリメントした後は、ステップSa4301に進み、第1保留先読み処理を実行する。第1保留先読み処理は、演出制御装置143にて行う保留先読み処理であり、主制御装置162からの保留コマンドに含まれる各種カウンタC1,C2,CSの情報に基づき、始動入賞の発生により取得された保留情報について当否判定の結果等を先読みするものである。ここで、ステップSa4301の第1保留先読み処理について図70のフローチャートに基づいて説明する。
先ずステップSa4401では、現在の遊技状態を把握する。具体的には、現在の遊技状態が通常遊技状態、高確遊技状態、時短遊技状態のいずれであるかを把握する。ステップSa4402では、主制御装置162からの保留コマンドを解析し、今回の保留情報における大当たり乱数カウンタC1の値を把握する。ステップSa4403では、ROM343の各種テーブル記憶エリア343aから当否判定テーブルを取得する。
本変形例では、演出制御装置143用の当否判定テーブルとして、主制御装置162のROM313(当否テーブル記憶エリア313a)に記憶されている当否判定テーブルと同一のテーブルデータが記憶されている。また、大当たり種別を抽選するための大当たり種別テーブルや、変動パターンを抽選するための変動表示時間テーブルについても、主制御装置162のROM313に記憶されている大当たり種別テーブル(図13)や変動表示時間テーブル(図14、図59)と同じテーブルデータが記憶されている。このため、主制御装置162での当否抽選や変動パターン抽選とは別に演出制御装置143でそれらの抽選処理を行ったとしても、抽選に用いる乱数値が同じ値であれば、同じ抽選結果が得られるようになっている。
当否判定テーブルには、低確率モード(通常遊技状態、時短遊技状態)用の当否判定テーブルと、高確率モード(高確率遊技状態)用の当否テーブルとが各別に設定されているため、ステップSa4403では、ステップSa4401で把握した遊技状態に対応するテーブルを取得する。
ステップSa4404では、大当たりであるか否かの先読み処理として、ステップSa4402で把握した大当たり乱数カウンタC1の値と、ステップSa4403で取得した当否判定テーブルとに基づいて当否判定を行い、当否結果を把握する。ステップSa4405では、ステップSa4404で把握した当否結果が大当たり当選であるか否かを判定する。大当たり当選である場合は、ステップSa4406にて、主制御装置162からの保留コマンドを解析し、今回の保留情報における大当たり種別カウンタC2の値を把握する。
ステップSa4407では、大当たり種別の先読み処理として、ステップSa4406で把握した大当たり種別カウンタC2の値と、ROM343の各種テーブル記憶エリア343aに記憶された種別テーブルとに基づいて大当たり種別の抽選を行い、種別抽選の結果を把握する。この際、第1作動口62への入賞に基づく保留情報である場合は、第1特図用の種別テーブルを参照し、第2作動口63への入賞に基づく保留情報である場合は、第2特図用の種別テーブルを参照する。
ステップSa4408では、ステップSa4404で把握した大当たり結果を示す情報としての大当たり情報と、ステップSa4407で把握した大当たり種別結果を示す情報としての種別情報とを記憶する。これらの情報は、RAM344の保留用記憶エリア344c(図32)において対応するエリアに記憶される。
なお、本変形例では、保留予告演出に大当たり種別の先読み結果を反映させないため、ステップSa4406及びステップSa4407の処理は省略してもよい。
ステップSa4408の実行後又はステップSa4405で否定判定した場合(大当たり当選でない場合)は、ステップSa4409にて、主制御装置162からの保留コマンドを解析し、今回の保留情報における変動種別カウンタCSの値を把握する。ステップSa4410では、ステップSa4401で把握した遊技状態と、ステップSa4404で把握した当否抽選の結果とに基づき、ROM343の各種テーブル記憶エリア343aから対応する変動表示時間テーブルを取得する。例えば、現在の遊技状態が時短遊技状態であり、ステップSa4404の把握結果が外れ結果である場合には、時短遊技状態用の外れ用変動表示時間テーブル(図59(d))を取得する。
ステップSa4411では、変動パターンの先読み処理として、ステップSa4409で把握した変動種別カウンタCSの値と、ステップSa4410で取得した変動表示時間テーブルとに基づいて変動パターンの抽選処理を行い、その結果を把握する。ステップSa4412では、ステップSa4411で把握した変動パターンを示す情報を上記保留用記憶エリア344cの対応するエリアに記憶する。ステップSa4412の実行後は第1保留先読み処理を終了する。
保留コマンド対応処理(図69)の説明に戻り、ステップSa4301で第1保留先読み処理を実行した後は、ステップSa1403にて、ステップSa4301の処理結果を用いて保留予告の設定処理を行う。保留予告の設定処理は、保留予告演出を実行するための設定処理である。
<開閉実行モード用処理>
本変形例に係る開閉実行モード用処理について図71のフローチャートを参照しながら説明する。この処理は、演出設定処理(図30)のステップSa1306にて実行されるものであり、図63の開閉実行モード用処理に代えて実行されるものである。図71において図63と同様の処理については同一のステップ番号を付し、その説明を省略又は簡略化する。
ステップSa3406にて保留予告フラグを消去した後は、ステップSa3407にて、特定表示態様で表示されている保留用画像が存在するか否かを判定する。すなわち、開閉実行モードの開始タイミングにおいて、各保留表示領域Ga,Gbに表示されている保留用画像の中で、青色表示態様HMb、緑色表示態様HMc、赤色表示態様HMd又は虹色表示態様HMeのいずれかの態様で表示されているものが存在するか否かを判定する。
特定表示態様で表示されている保留用画像が存在する場合は、ステップSa3408に進み、特定表示態様で表示されている保留用画像についていずれの態様で表示されているかを示す情報をRAM344の復帰用エリア344fに記憶する。ステップSa3408の実行後は、ステップSa3409(図63)の処理を行うことなく、ステップSa3410にて、RAM344の各種フラグ格納エリア344dに復帰用待機フラグをセットする。すなわち、上記変形例4では、ステップSa3409にて開閉実行モード前の遊技状態を記憶する処理を実行したが、本変形例では、当該処理を実行しない。
また、ステップSa3414で肯定判定した場合(RAM344の各種フラグ格納エリア344dに復帰用待機フラグがセットされていると判定した場合)は、ステップSa3415にて復帰用待機フラグを消去する処理を実行する。
ここで、ステップSa3414で肯定判定される状況とは、保留予告演出が実行されている状況で開閉実行モードが行われ、保留用画像の表示が消去された状況であることを意味する。この場合は、ステップSa4501にて、改めて保留先読みを行うための第2保留先読み処理を実行する。続くステップSa4502では、保留用画像の表示態様を特定表示態様に復帰させるための予告復帰用の設定処理を実行する。ステップSa4501の第2保留先読み処理及びステップSa4502の予告復帰用の設定処理の詳細については後述する。
ステップSa4502の実行後は、ステップSa3417にて保留用画像を通常表示態様HMaで表示する処理を実行し、その後、開閉実行モード用処理を終了する。すなわち、本変形例においても、開閉実行モードの終了直後は保留用画像を通常表示態様HMaで表示する。
<第2保留先読み処理>
ステップSa4501の第2保留先読み処理について図72のフローチャートを参照しながら説明する。
先ずステップSa4601では、開閉実行モード後の遊技状態を把握する。この判定は、開閉実行モードの契機となった今回の大当たりについての大当たり種別を参照して行う。例えば、今回の大当たりが確変大当たり結果である場合は、開閉実行モード後の遊技状態として確変遊技状態を把握し、通常大当たり結果である場合は、開閉実行モード後の遊技状態として時短遊技状態を把握する。
ステップSa4602では、RAM344の保留用記憶エリア344cを参照し、当該記憶エリア344cに記憶されている各保留情報についての大当たり乱数カウンタC1の値を把握する。なお、この処理は、保留用記憶エリア344cに記憶されている全ての保留情報を対象として行ってもよいし、復帰処理の対象となる保留情報(開閉実行モード前に特定表示態様で表示されていた保留用画像の保留情報)だけを対象として行ってもよい。
ステップSa4603では、ステップSa4601で把握した遊技状態に対応する当否判定テーブルを取得する。ステップSa4604では、大当たりであるか否かの先読み処理として、ステップSa4602で把握した大当たり乱数カウンタC1の値と、ステップSa4603で取得した当否判定テーブルとに基づいて当否抽選を行い、当否結果を把握する。なお、ステップSa4604の処理は、ステップSa4602で大当たり乱数カウンタC1を把握した保留情報を対象として行う。このことは、ステップSa4605以降の処理においても同様である。
ここで、ステップSa4603及びステップSa4604の処理は、始動入賞時(保留情報の取得時)に行う第1保留先読み処理(図70)のステップSa4403及びステップSa4404と同様のものである。但し、例えば、開閉実行モード前の遊技状態が通常遊技状態で、開閉実行モード後の遊技状態が高確遊技状態である場合など、開閉実行モードの前後で抽選モードが変化する場合は、ステップSa4603で取得される当否判定テーブルが相違するため、第1保留先読み処理とは異なった抽選結果が得られる場合がある。例えば、通常遊技状態の下で確変大当たり結果に当選した場合において、保留されている保留情報についての大当たり乱数カウンタC1の値が「17」である場合には、上記確変大当たり結果に対応する開閉実行モードが行われる前の第1保留先読み処理では外れ結果が先読みされるが、開閉実行モード後の遊技状態を想定した第2保留先読み処理では当たり結果が先読みされる(図12)。
ステップSa4605では、ステップSa4604で把握した当否結果が大当たり当選であるか否かを判定する。大当たり当選である場合は、ステップSa4606にて、上記保留用記憶エリア344cを参照して大当たり種別カウンタC2の値を把握する。ステップSa4607では、大当たり種別の先読み処理として、ステップSa4606で把握した大当たり種別カウンタC2の値と、ROM343の各種テーブル記憶エリア343aに記憶された種別テーブルとに基づいて大当たり種別の抽選を行い、種別抽選の結果を把握する。
ステップSa4608では、ステップSa4604で把握した大当たり結果を示す情報としての大当たり情報と、ステップSa4607で把握した大当たり種別結果を示す情報としての種別情報とを上記保留用記憶エリア344cの対応する記憶エリアに記憶する。
ステップSa4609では、上記保留用記憶エリア344cを参照して変動種別カウンタCSの値を把握する。ステップSa4610では、ステップSa4601で把握した遊技状態と、ステップSa4604で把握した当否抽選の結果とに基づき、ROM343の各種テーブル記憶エリア343aから対応する変動表示時間テーブルを取得する。例えば、開閉実行モード後の遊技状態が高確遊技状態であり、ステップSa4604の把握結果が外れ結果である場合には、高確遊技状態用の外れ用変動表示時間テーブル(図59(b))を取得する。
ステップSa4611では、変動パターンの先読み処理として、ステップSa4609で把握した変動種別カウンタCSの値と、ステップSa4610で取得した変動表示時間テーブルとに基づいて変動パターンの抽選処理を行い、その結果を把握する。ステップSa4611の処理は、始動入賞時(保留情報の取得時)に行う第1保留先読み処理のステップSa4411と同様のものであるが、開閉実行モードの前後で遊技状態が変化する場合は、ステップSa4610で取得される変動表示時間テーブルが相違するため、第1保留先読み処理とは異なった抽選結果が得られる場合がある。
ステップSa4612では、ステップSa4611で把握した変動パターンを示す情報を上記保留用記憶エリア344cの対応するエリアに記憶し、その後、第2保留先読み処理を終了する。
<予告復帰用の設定処理>
ステップSa4502の予告復帰用の設定処理について図73のフローチャートを参照しながら説明する。
先ずステップSa4701では、RAM344の保留用記憶エリア344cを参照し、対象保留用画像(開閉実行モード前に特定表示態様で表示されていた保留用画像)に対応する保留情報の変動パターンを把握する。この場合に把握される変動パターンは、上記第2保留先読み処理で把握された変動パターンである。
ステップSa4702では、ステップSa4701で把握した変動パターンが変動パターン1H、変動パターン11H又は変動パターン21Hのいずれかであるか否かを判定する。これらの変動パターンは完全外れに対応するものであり(図14、図59)、そのいずれかである場合は、そのまま予告復帰用の設定処理を終了する。
ステップSa4701で把握した変動パターンが変動パターン1H、変動パターン11H又は変動パターン21Hのいずれでもない場合は、ステップSa4703に進み、ステップSa4701で把握した変動パターン(第2保留先読み処理で先読みした変動パターン)に対応する上限表示態様を把握する。ROM343の各種テーブル記憶エリア343aには上限表示態様テーブルが記憶されている。図74に示すように、上限表示態様テーブルには、各変動パターンに対応させて表示態様の上限が定められており、例えば、高確遊技状態でのSPSPリーチA外れに対応する変動パターン12Hでは、特定表示態様の上限として赤色表示態様HMdが設定されている。ステップSa4703では、上限表示態様テーブルを参照し、開閉実行モード後の遊技状態での変動パターンに対応する上限表示態様を特定する。
ステップSa4704では、RAM344の復帰用エリア344fを参照し、対象保留用画像について開閉実行モード前の表示態様を把握する。ステップSa4705では、開閉実行モード後の遊技において対象保留用画像の表示態様を開閉実行モード前の特定表示態様に復帰させるか否かを判定する復帰用判定処理を行う。この処理では、ステップSa4703で把握した上限表示態様と、ステップSa4704で把握した開閉実行モード前の表示態様とを比較し、開閉実行モード前の表示態様が上限表示態様と同格又は下位の表示態様である場合は、復帰を許容する判定結果とし、開閉実行モード前の表示態様が上限表示態様より上位の表示態様である場合は、復帰を許容しない判定結果とする。
ステップSa4706では、ステップSa4705の復帰用判定の結果が復帰を許容するものであるか否かを判定する。復帰を許容しない判定結果である場合は、そのまま予告復帰用の設定処理を終了する。
復帰を許容する判定結果である場合は、ステップSa4707~ステップSa4711の処理を実行する。これらの処理は、図43のステップSa2103~ステップSa2107と同様のものであり、対象保留用画像よりも前の保留個数に対応させて、対象保留用画像の表示態様をいずれのタイミングで元の表示態様に復帰させるかを設定するものである。すなわち、ステップSa4707では、対象保留用画像よりも前の保留個数を把握し、把握した保留個数が1以上である場合は、ステップSa4709にて復帰シナリオの抽選処理を実行する。ステップSa4710では、抽選された復帰シナリオが実行されるように復帰シナリオデータの設定を行う。
なお、開閉実行モードの終了時に第2保留先読み処理(ステップSa4501)を実行するため、開閉実行モードの終了後、特定表示態様とした状態で保留用画像の表示を開始することも可能であるが、本変形例では、開閉実行モードの終了直後は一律に通常表示態様HMaとする(ステップSa3417)。すなわち、開閉実行モード後に対象保留用画像を特定表示態様とする場合でも、一旦、通常表示態様HMaで表示してから事後的に特定表示態様に変化させる。このような構成とするのは、開閉実行モードが終了した直後のタイミングでは遊技球の払い出しが継続している可能性が高く、下皿34等の遊技球を排出するなど、遊技者がその対応を行っている場合があり、そのような場合には保留用画像への注意力の低下が想定されることを踏まえたものである。そのようなタイミングでの特定表示態様の表示を避けることで、遊技者から見て知らない間に特定表示態様になっていることを抑制することができる。
ステップSa4710の実行後は、ステップSa4711にてRAM344の各種フラグ格納エリア344dに予告復帰フラグをセットする。予告復帰フラグは、保留用画像の表示態様を元に戻すための処理を実行すべきであることをMPU342が把握するためのものである。
ステップSa4711の実行後は予告復帰用の設定処理を終了する。その後は、図71に示すように、ステップSa3417にて、対象保留用画像も含め、開閉実行モードの終了時点で存在する全ての保留について保留用画像を通常表示態様HMaで表示するように設定する。すなわち、復帰処理が行われる場合でも、開閉実行モードの終了直後は、通常表示態様HMaとされた状態で対象保留用画像が表示される。
そして、シフト時コマンド対応処理(図40(a))のステップSa1702における保留予告の第2実行用処理(図44)や、特図変動表示用処理(図41)のステップSa1808における保留予告の第3実行用処理(図45)にて、対象保留用画像の表示態様が通常表示態様HMaから特定表示態様に変更される。この際、保留予告の第2実行用処理では、対象保留用画像の表示態様を元の特定表示態様(開閉実行モード前の特定表示態様)に復帰させるように処理を実行する。
また、保留予告の第3実行用処理では、対象保留用画像の遊技回において当該対象保留用画像の現在の表示態様(復帰処理により復帰された表示態様)と、当該対象保留用画像の変動パターンが対応する上限表示態様とが比較され、より上位の表示態様への変更(昇格)が可能であるか否かが判定される。そして、そのような変更が可能な場合には、昇格判定及び昇格抽選を経て表示態様の昇格処理が行われる。
<開閉実行モードの前後における保留用画像の表示態様の流れについて>
開閉実行モードの前後における保留用画像の表示態様の流れについて説明する。先ず、開閉実行モードの前後で当否判定の先読み結果は変化しないものの、変動パターンの先読み結果が変化する場合について図75を参照しながら説明する。
図75(a)に示すように、高確遊技状態とされている状況で第2特図の3個目の保留情報(保留用画像HW)が発生すると、主制御装置162では情報取得処理(図68(a))を実行する。その結果、大当たり乱数カウンタC1の値として25、変動種別カウンタCSの値として80が取得されたとする。
また、演出制御装置143では、主制御装置162の情報取得処理の結果に基づいて第1保留先読み処理(ステップSa4301)を実行する。第1保留先読み処理では、その時点での遊技状態、すなわち、高確遊技状態用の当否判定テーブルや変動表示時間テーブルを用いて先読み処理を実行する。大当たり乱数カウンタC1=25に対応する当否結果は外れ結果であり(図12)、変動種別カウンタCS=80に対応する変動パターンは変動パターン12Hであるため(図59(b))、第1保留先読み処理の結果は、外れで且つ変動パターン12Hとなる。変動パターン12Hは、SPSPリーチA外れに対応する変動パターンである。
さらに、演出制御装置143では、第1保留先読み処理の結果に基づいて保留予告用の設定処理(ステップSa1403)を実行し、保留用画像HWについての保留予告演出の実行抽選、最終表示態様の抽選、演出シナリオの抽選等を行う。変動パターン12Hに対応する最終表示態様の選択範囲は、青色表示態様HMb、緑色表示態様HMc、赤色表示態様HMdであるところ(図61(b))、ここでは、上記各種抽選の結果、最終表示態様として赤色表示態様HMdが抽選され、当初の表示態様を青色表示態様HMbとする演出シナリオが抽選されたものとする。この場合、表示態様が青色表示態様HMbとされた保留用画像HWが第2保留表示領域Gbの第3単位保留表示領域Gb3に表示される。
保留用画像HWが取得された遊技回で通常大当たり結果となり、開閉実行モードに移行すると、上記変形例4と同様に、保留用画像HWを含む全ての保留用画像の表示が消去される。この状態は、エンディング演出の開始から所定期間が経過するまで維持される。
そして、エンディング演出の開始から所定期間が経過すると、演出制御装置143では、保留用記憶エリア344cに記憶されている保留情報に基づいて第2保留先読み処理(ステップSa4501)を実行する。通常大当たり結果となった場合、開閉実行モード後の遊技状態は時短遊技状態となるところ、第2保留先読み処理では、時短遊技状態用の当否判定テーブルや変動表示時間テーブルを用いて先読み処理を実行する。大当たり乱数カウンタC1=25に対応する当否結果は外れ結果であり(図12)、変動種別カウンタCS=80に対応する変動パターンは変動パターン23Hであるため(図59(d))、第2保留先読み処理の結果は、外れで且つ変動パターン23Hとなる。変動パターン23Hは、SPSPリーチA外れではなく、当該リーチ演出よりも下位となるSPリーチB外れに対応する変動パターンである。
また、演出制御装置143では、第2保留先読み処理の結果に基づいて予告復帰用の設定処理(ステップSa4502)を実行し、保留用画像HWの表示態様を開閉実行モード前の特定表示態様に復帰させるか否かの復帰用判定を行う。復帰用判定では、第2保留先読み処理により先読みされた変動パターンに対応する上限表示態様を上限表示態様テーブル(図74)に基づいて把握し、開閉実行モード前の保留用画像HWの表示態様が、その把握した上限表示態様以下の態様であるか否かを判定する。
ここで、第2保留先読み処理により先読みされた変動パターン23Hの上限表示態様は緑色表示態様HMcであるため(図74)、開閉実行モード前の表示態様である青色表示態様HMbは変動パターンに対応する上限表示態様以下の態様となる。この場合、特定表示態様への復帰を許容し、復帰シナリオの設定を行う。
その結果、次のシフトタイミングで青色表示態様HMbに復帰させるシナリオが設定されたとすると、図75(b)に示すように、保留用画像HWの表示位置が第3単位保留表示領域Ga3から第2単位保留表示領域Ga2にシフトされる際に、その表示態様が通常表示態様HMaから青色表示態様HMbに変更される。
なお、開閉実行モードが開始される場合に保留用画像HWの表示態様が緑色表示態様HMcであった場合も、開閉実行モード前の表示態様が第2保留先読み処理により先読みされた変動パターンに対応する上限表示態様以下の態様となるため、開閉実行モードの終了後、保留用画像HWの表示態様が通常表示態様HMaから緑色表示態様HMcに変更される。
これらに対し、開閉実行モードが開始される場合に保留用画像HWの表示態様が赤色表示態様HMdであった場合は、開閉実行モード前の表示態様が第2保留先読み処理により先読みされた変動パターンに対応する上限表示態様よりも上位の態様となる。この場合は、特定表示態様への復帰を不許可とする。すなわち、開閉実行モードが開始されたときの保留用画像HWの表示態様によって特定表示態様に復帰するか否かが異なる。
特定表示態様への復帰が不許可となった場合、保留用画像HWは、開閉実行モード終了時に通常表示態様HMaで表示が再開された後、実行表示領域Dにシフトされるまでの期間においてその状態が維持される(図75(c))。
その後、通常表示態様HMaとされた保留用画像HWの表示位置が実行表示領域Dにシフトし、保留用画像HWの遊技回が開始されると、演出制御装置143では、保留予告の第3実行用処理(ステップSa1808)を実行し、上位の表示態様への昇格判定を行う。その結果、上位の表示態様への昇格が抽選された場合は、保留用画像HWの表示態様が通常表示態様HMaから特定表示態様に変更される。例えば、昇格判定における変動パターン23Hの上限表示態様が緑色表示態様HMcに設定されている場合は、緑色表示態様HMcまでの範囲において保留用画像HWの表示態様が昇格される。
次に、開閉実行モードの前後で当否判定の先読み結果が変化する場合について図76を参照しながら説明する。
図76(a)に示すように、高確遊技状態とされている状況で第2特図の3個目の保留情報(保留用画像HW)が発生すると、主制御装置162では情報取得処理を実行する。その結果、大当たり乱数カウンタC1の値として17、変動種別カウンタCSの値として45が取得されたとする。
また、演出制御装置143では、主制御装置162の情報取得処理の結果に基づいて第1保留先読み処理を実行する。高確遊技状態での大当たり乱数カウンタC1=17に対応する当否結果は当たり結果であり(図12)、変動種別カウンタCS=45に対応する変動パターンは変動パターン12Aであるため(図59(a))、第1保留先読み処理の結果は、当たりで且つ変動パターン12Aとなる。変動パターン12Aは、SPSPリーチB当たりに対応する変動パターンである。
さらに、演出制御装置143では、第1保留先読み処理の結果に基づいて保留予告用の設定処理を実行する。変動パターン12Aに対応する最終表示態様の選択範囲は、青色表示態様HMb、緑色表示態様HMc、赤色表示態様HMd、虹色表示態様HMeであるところ(図61(a))、ここでは、上記各種抽選の結果、最終表示態様として虹色表示態様HMeが抽選され、当初の表示態様を青色表示態様HMbとする演出シナリオが抽選されたものとする。この場合、表示態様が青色表示態様HMbとされた保留用画像HWが第2保留表示領域Gbの第3単位保留表示領域Gb3に表示される。
保留用画像HWが取得された遊技回で通常大当たり結果となり、開閉実行モードに移行すると、保留用画像HWを含む全ての保留用画像の表示が消去される。この状態は、エンディング演出の開始から所定期間が経過するまで維持される。
そして、エンディング演出の開始から所定期間が経過すると、演出制御装置143では、保留用記憶エリア344cに記憶されている保留情報に基づいて第2保留先読み処理を実行する。第2保留先読み処理では、時短遊技状態用の当否判定テーブルや変動表示時間テーブルを用いて先読み処理を実行する。大当たり乱数カウンタC1=17に対応する当否結果は外れ結果であり(図12)、変動種別カウンタCS=45に対応する変動パターンは変動パターン22Hであるため(図59(d))、第2保留先読み処理の結果は、外れで且つ変動パターン22Hとなる。変動パターン22Hは、リーチ当たりに対応する変動パターンではなく、リーチ外れ(SPリーチA外れ)に対応する変動パターンである。
また、演出制御装置143では、第2保留先読み処理の結果に基づいて予告復帰用の設定処理を実行し、保留用画像HWの表示態様を開閉実行モード前の特定表示態様に復帰させるか否かの復帰用判定を行う。第2保留先読み処理により先読みされた変動パターン22Hの上限表示態様は緑色表示態様HMcであるため(図74)、開閉実行モード前の表示態様である青色表示態様HMbは変動パターンに対応する上限表示態様以下の態様となる。この場合、特定表示態様への復帰を許容し、復帰シナリオの設定を行う。
その結果、次のシフトタイミングで青色表示態様HMbに復帰させるシナリオが設定されたとすると、図76(b)に示すように、保留用画像HWの表示位置が第3単位保留表示領域Ga3から第2単位保留表示領域Ga2にシフトされる際に、その表示態様が通常表示態様HMaから青色表示態様HMbに変更される。
なお、開閉実行モードが開始される場合に保留用画像HWの表示態様が緑色表示態様HMcであった場合も、開閉実行モード前の表示態様が第2保留先読み処理により先読みされた変動パターンに対応する上限表示態様以下の態様となるため、開閉実行モードの終了後、保留用画像HWの表示態様が通常表示態様HMaから緑色表示態様HMcに変更される。
これらに対し、開閉実行モードが開始される場合に保留用画像HWの表示態様が赤色表示態様HMd又は虹色表示態様HMeであった場合は、開閉実行モード前の表示態様が第2保留先読み処理により先読みされた変動パターンに対応する上限表示態様よりも上位の態様となる。この場合は、特定表示態様への復帰を不許可とする。すなわち、開閉実行モードの前後で当否が変化する場合も、開閉実行モードが開始されたときの保留用画像HWの表示態様によって特定表示態様に復帰するか否かが異なる。
特定表示態様への復帰が不許可となった場合、保留用画像HWは、開閉実行モード終了時に通常表示態様HMaで表示が再開された後、実行表示領域Dにシフトされるまでの期間においてその状態が維持される(図76(c))。
その後、通常表示態様HMaとされた保留用画像HWの表示位置が実行表示領域Dにシフトし、保留用画像HWの遊技回が開始されると、演出制御装置143では、保留予告の第3実行用処理を実行し、上位の表示態様への昇格判定を行う。その結果、上位の表示態様への昇格が抽選された場合は、保留用画像HWの表示態様が通常表示態様HMaから特定表示態様に変更される。
なお、保留用画像HWの変動種別カウンタCSの値によっては、開閉実行モード前の遊技状態における第1保留先読み処理の結果が当たりで且つリーチ演出以上の変動パターンであっても、開閉実行モード終了時の第2保留先読み処理の結果が外れで且つ完全外れに対応する変動パターンに変化する場合もある(例えば、上記のように高確遊技状態で通常大当たり結果となり、開閉実行モード後に時短遊技状態に移行する場合において、保留用画像HWの保留情報における大当たり乱数カウンタC1の値が17であり、変動種別カウンタCSの値が10である場合)。このような場合は、開閉実行モード後の遊技状態において表示態様の復帰処理が行われず、保留用画像HWの表示態様が通常表示態様HMaに維持される。
以上詳述した本変形例によれば、以下の優れた効果を奏することができる。
対象保留用画像HWが特定表示態様とされている状況(保留予告演出が実行されている状況)で開閉実行モードに移行した場合、開閉実行モード後に再度の保留先読み処理(第2保留先読み処理)を実行し、その結果に基づいて開閉実行モード後の遊技状態における対象保留用画像HWの表示態様を設定する構成とした。
本変形例では、保留先読み処理の結果に基づいて保留用画像の表示態様が特定表示態様とされるため、遊技回の開始前から大当たり結果となることへの遊技者の期待感を喚起することができる。また、遊技状態として複数種類の遊技状態が設定され、大当たり結果となって開閉実行モードが実行された場合、それら複数種類の遊技状態のうちのいずれかの遊技状態に移行される。このように複数種類の遊技状態を設けた構成にあっては、当否判定に用いられる保留情報が同じでも遊技状態によって当否の結果や遊技回にて行われる遊技回演出(リーチ演出等)に差異が生じることがある。
この点、本構成では、保留予告演出の実行中に開閉実行モードに移行した場合、その保留予告演出の契機となった保留情報を対象として開閉実行モード後に改めて先読み処理を実行し、その結果に基づいて対象保留用画像HW(保留予告演出の契機となった保留情報の保留用画像)の表示態様を設定する。このため、開閉実行モード前に保留予告演出が行われていた対象保留用画像HWについて、開閉実行モード後の表示態様を開閉実行モード後の遊技状態に適した態様となるように調整することができ、開閉実行モード後における保留用画像の表示を好適に行うことが可能になる。
開閉実行モード後における再度の保留先読み処理に際し、開閉実行モード後の遊技状態に対応する当否判定条件や演出選択条件を適用して先読みを行う構成とした。これにより、開閉実行モード後に行われる対象保留用画像HWの遊技回で実際に報知される当否結果や当該遊技回で実際に行われる遊技回演出と整合させつつ、対象保留用画像HWの表示態様を調整することができる。
開閉実行モード後の遊技状態における対象保留用画像HWの表示態様を、開閉実行モード後の再度の保留先読み処理の結果と、開閉実行モード前の対象保留用画像HWの表示態様とに基づいて設定する構成とした。
例えば、開閉実行モードへの移行に伴い保留用画像の表示態様が頻繁に変化する構成であると、遊技者が違和感を抱く懸念がある。この点、本構成では、再度の先読み結果だけではなく、開閉実行モード前の表示態様も加味して開閉実行モード後の表示態様を設定するため、例えば、開閉実行モード前の表示態様を再度の先読み結果に照らし、開閉実行モード後も同じ表示態様としても支障がなければ、開閉実行モード前の表示態様を引き継ぐといった運用を行うことができる。これにより、開閉実行モードを境として保留用画像の表示態様が過度に変化することを抑制でき、自然な態様で開閉実行モード後の保留用画像の表示を行うことが可能になる。
各遊技状態の変動パターンに対応させて複数の上限表示態様を設定し、それらのうち、開閉実行モード後の再度の先読み処理により特定された変動パターンに対応する上限表示態様と、開閉実行モード前の表示態様とを比較し、その結果に基づいて開閉実行モード後の遊技状態における対象保留用画像HWの表示態様を設定する構成とした。より具体的には、開閉実行モード前の表示態様が変動パターンから導出された上限表示態様以下の態様である場合、開閉実行モード後の遊技状態における対象保留用画像HWの表示態様を開閉実行モード前の表示態様と同じ態様とする構成とした。
本変形例では、保留用画像の特定表示態様(保留予告演出での報知態様)として、大当たり期待度が異なるようにして複数種類の態様が設定されている。このように期待度を段階的に設定して多数の表示態様を設けた構成にあっては、1の表示態様が対応する期待度の範囲が狭くなるため、開閉実行モード前の表示態様で開閉実行モード後の保留用画像の表示を行うと、開閉実行モードの前後で示唆する期待度に差異が生じやすい。この点、本構成とすることで、多数の表示態様が設定されている状況でも、期待度を整合させて開閉実行モード後の保留用画像の表示を好適に行うことが可能になる。
開閉実行モード前の表示態様が変動パターンから導出された上限表示態様よりも上位の表示態様である場合、開閉実行モード後の遊技状態における対象保留用画像HWの表示態様を通常表示態様HMaに設定する構成とした。これにより、開閉実行モード後の表示態様が開閉実行モード前の遊技状態で対応する期待度を超えることを抑制でき、開閉実行モード後の保留用画像の表示を好適に行うことが可能になる。
開閉実行モード後の遊技状態における対象保留用画像HWの表示態様を通常表示態様HMaに設定した場合に、対象保留用画像HWの遊技回においてその表示態様を特定表示態様に昇格させるか否かを判定し、その結果に基づいて当該昇格を実行する構成とした。
開閉実行モード前の遊技状態と開閉実行モード後の遊技状態とが異なる場合、開閉実行モード後の遊技状態における対象保留用画像HWの表示態様を通常表示態様HMaに変更することで、遊技状態の変化に起因する当否判定の結果や遊技回演出の変動を吸収できる反面、対象保留用画像HWに対応する保留情報の期待度を報知又は示唆できなくなってしまう懸念がある。この点、本構成では、通常表示態様HMaとされた対象保留用画像HWについて、その対象保留用画像HWの遊技回まで遊技が進むことにより特定表示態様への変更機会が付与される。このため、表示態様が特定表示態様から通常表示態様HMaへと変更された場合であっても、事後的に特定表示態様へと昇格させることができ、期待度を報知等することが可能になる。
上記の際、対象保留用画像HWを特定表示態様に昇格されるか否かの判定を、主制御装置162において当否判定の実行(遊技回の開始)により特定された変動パターンに基づいて行う構成とした。
この場合、対象保留用画像HWの遊技回で遊技回演出の選択に用いられるのと同じ情報を用いて昇格の可否が判定されるため、開閉実行モード前の遊技状態と開閉実行モード後の遊技状態とが異なる場合において、開閉実行モード後の遊技回にて実際に行われる遊技回演出に適合させながら、対象保留用画像HWの表示態様を特定表示態様に変更することができる。
また、上記構成とすることで、開閉実行モードの終了後において、専ら対象保留用画像HWを特定表示態様に昇格させるか否かの判定を行うためだけに、開閉実行モード後の遊技状態に対応する変動パターン(当否判定の結果や遊技回演出に関する情報)を送信する専用処理が追加されることを回避できる。すなわち、開閉実行モード後の遊技状態において対象保留用画像HWの遊技回を実行する場合には、図柄表示装置75の表示画面Gでの図柄列Z1~Z3の変動表示を特図用表示部43における特図遊技回に同期させて実行させるために、主制御装置162から演出制御装置143に変動開始コマンドを送信する必要があるところ、この変動開始コマンドを活用して昇格判定を実行する構成とすることで、当該変動開始コマンドとは別の専用コマンドにより、開閉実行モード後の遊技状態に対応する変動パターンを主制御装置162から演出制御装置143に通知する必要がなくなる。よって、主制御装置162における既存の処理構成を利用して昇格判定を行うことができるばかりか、演出制御装置143においてもそのような専用コマンドを受信した場合の処理構成を搭載しなくても足り、処理構成が複雑化することを抑制できる。
開閉実行モード後の遊技状態における対象保留用画像HWの表示態様を開閉実行モード前の特定表示態様と同じ態様とする場合に、一旦通常表示態様HMaとしてから特定表示態様に変更することが可能な構成とした。
この場合、対象保留用画像HWの表示態様が同じ態様に復帰されるか否かにかかわらず、開閉実行モードが実行されることに伴い、対象保留用画像HWの表示態様が特定表示態様から通常表示態様HMaに変更され得る。これにより、同じ態様に復帰させないと判定されたことに起因して通常表示態様HMaに変更される場合の不自然さを軽減することが可能になる。また、通常表示態様HMaとなってから特定表示態様に変化する事象を生じさせることで、同じ態様に復帰させないと判定された場合も含め、開閉実行モード後の遊技状態において、通常表示態様HMaとされた保留用画像が特定表示態様に変更されるのではないかとの期待感を喚起することができ、その保留用画像(保留情報)への期待感を持続させることが可能になる。
開閉実行モードの実行中に保留用画像を非表示とする構成とした。
開閉実行モードの終了に伴い対象保留用画像HWの表示態様を変更する場合に、それまで行われていた対象保留用画像HWを開閉実行モードの終了時に突然、他の表示態様に変更すると、遊技者が不自然な印象を受ける懸念がある。特に通常表示態様HMaに格下げする場合は遊技者の目に付きやすく、不自然な印象を与えやすいことが想定される。この点、本構成では、開閉実行モードにおいて保留用画像が非表示とされるため、対象保留用画像HWの表示態様を変更するにあたり、他の保留用画像も含めて保留用画像の表示自体が行われない期間を介在させることができる。これにより、表示態様の変更が目立つことが抑制され、不自然さを緩和することが可能になる。また、保留用画像が非表示とされることで、開閉実行モード用の演出(大当たり遊技演出)に遊技者を注目させやすくなるというメリットもある。
<変形例5>
本変形例では、電断状態の発生前における保留用画像の表示態様と、電断状態からの復帰時における保留用画像の表示態様とを対象とする。以下、本変形例について図77~図86を参照しながら説明する。なお、これらの図において上記第1の実施の形態や各変形例と同様の構成については同一の符号を付し、その説明を省略する。
上記第1の実施の形態や各変形例では、電源及び発射制御装置191の停電監視部315により電断状態の発生が検知された場合、主制御装置162のRAM314に設けられたバックアップエリアに停電フラグ(電断状態の発生情報)がセットされるとともに、電源及び発射制御装置191のバックアップ用電源部316から上記RAM314に電断時用電力が供給される。すなわち、電断状態が発生した場合、電断状態の発生時に進行途中であった主表示ユニット81での特図及び普図の遊技回や、電断状態の発生時に主制御装置162のRAM314に記憶されていた保留情報等を保持できるようにRAM314に電力が供給され、RAM314のデータがバックアップされる。本変形例では、それに加え、演出制御装置143においてもRAM344に記憶されているデータがバックアップされる。
但し、演出制御装置143では主制御装置162よりも扱うデータ量が多いため、演出制御装置143に搭載されるRAM344は、主制御装置162のRAM314より容量が大きく、大規模なものとなっている。このため、演出制御装置143のRAM344に記憶されているデータを全てそのままバックアップしようとすると、電断状態下での電力消費量が大きくなる。その結果、バックアップ用電源部316に蓄電された電力が短期間で消費され、データの保持期間(バックアップ期間)が短くなったり、蓄電量の大きいバックアップ用電源部316が必要となってコスト増を招いたりする懸念がある。
そこで、本変形例では、RAM344に記憶されていたデータの全体をバックアップするのではなく、その一部として、保留用記憶エリア344cに記憶されている保留情報等の保留用画像に関する情報をバックアップするように構成されている。そのための電気的構成について図77を参照しながら説明する。
演出制御装置143には、RAM344とは別に、バックアップ専用の記憶媒体としてバックアップRAM345が設けられている。バックアップRAM345の容量は、RAM344のそれより小さく、保留用画像に関する情報を記憶可能な程度となっている。なお、バックアップRAM345は、RAM344と同様に、MPU342と1チップ化されたものであってもよいし、MPU342やRAM344とは別にチップ化されたものであってもよい。
RAM344及びバックアップRAM345には、バックアップ用電源部316からの電断時用電力が供給される。本変形例では、電断状態が発生した場合、RAM344に記憶されているデータのうち保留用画像に関する情報をバックアップRAM345に記憶(コピー)するようにしており、RAM344への電断時電力の供給は、当該RAM344に記憶されている保留用画像に関する情報を読み出すのに必要な電力を供給するためのものである。よって、当該読み出し処理(バックアップRAM345への書き込み処理)が終了した後は、RAM344への電断時電力の供給が停止される。
一方、バックアップRAM345に対しては、保留用画像に関する情報の書き込み処理が終了した後も電断時電力の供給が継続される。このように、電断状態が発生した場合に、バックアップ対象の情報をRAM344とは別に設けられた小規模の記憶媒体に記憶し、その記憶媒体に対して電断時電力を供給する構成としたため、データ保持のための電力消費量を少なく抑えることができる。これにより、データの保持期間が短くなったり、蓄電量の大きいバックアップ用電源部316が必要となったりすることを抑制できる。
図示を省略しているが、電源及び発射制御装置191又は演出制御装置143には、RAM344への電断時電力の供給状態を切り替える切替部(スイッチ回路)が設けられている。切替部は、少なくともRAM344から保留用画像に関する情報を読み出してバックアップRAM345に書き込む間、バックアップ用電源部316からの電断時電力をRAM344に供給し、バックアップRAM345への保留用画像に関する情報の書き込みが終了した後、RAM344への電断時電力の供給を停止するように動作する。
演出制御装置143には、主制御装置162と同様にNMI端子が設けられており、当該NMI端子には電源及び発射制御装置191における停電監視部315からの停電信号が出力される。すなわち、本変形例では、停電監視部315から停電信号が出力された場合、主制御装置162と演出制御装置143の双方で電断時用処理が実行される。
次に、演出制御装置143のMPU342にて実行される各制御処理を説明する。かかるMPU342の処理としては大別して、電源投入に伴い起動されるメイン処理と、演出制御のための通常処理と、NMI端子への停電信号の入力により起動されるNMI割込み処理とがある。このうちNMI割込み処理については、主制御装置162におけるNMI割込み処理(図15)とほぼ同様であるため、図15を援用して説明する。
<NMI割込み処理>
図15に示すように、NMI割込み処理では、先ずステップSa11にて、MPU342に設けられた使用レジスタのデータをRAM344の所定記憶エリア又はバックアップRAM345に退避させる。ステップSa12では、停電フラグをバックアップRAM345にセットする。ステップSa13では、退避させたデータを再びMPU342の使用レジスタに復帰させ、その後、NMI割込み処理を終了する。なお、MPU342の使用レジスタのデータを破壊せずに停電フラグをセットし得る場合には、ステップSa11及びステップSa13の処理を省略することが可能である。
<メイン処理>
メイン処理について図78のフローチャートを参照しながら説明する。メイン処理は、パチンコ機10の電源が投入された場合(外部電源が供給された状態でパチンコ機10の電源スイッチがオン操作された場合や、パチンコ機10の電源スイッチがオン状態とされた状態で外部電源が供給された場合)に実行されるものである。
ステップSa5101では電源投入に伴う初期設定処理を実行し、ステップSa5102ではRAM344及びバックアップRAM345のアクセスを許可する。ステップSa5103ではRAM344の使用領域を0にクリアし、ステップSa5104ではRAM344の初期化処理を実行する。その後、メイン処理を終了し、後述する通常処理に移行する。
<通常処理>
通常処理について図79のフローチャートを参照しながら説明する。
先ずステップSa5201では、電源投入報知処理を実行する。電源投入報知処理は、パチンコ機10の電源が投入されたことに対応した電源投入報知を行うものである。
電源投入前の状態として遊技回の実行中でない状況で電断状態が発生した場合は、上記電源投入報知として、例えば「電源が投入されました」などのメッセージ表示が図柄表示装置75の表示画面Gにてなされる。このメッセージ表示は所定期間に亘って継続され、その後、所定のデモ映像が表示される。
また、遊技回の途中で電断状態が発生し、電源投入後(復電後)にその続きが再開される場合は、電源投入報知として、例えば「まもなく画面が復帰します」などのメッセージ表示が表示画面Gにてなされる。その際、主表示ユニット81では続きの遊技回が実行される状態となるが、表示画面G上では図柄列Z1~Z3が表示されず、それらによる変動表示は行われない。かかる変動表示が行われるのは、電源投入後(復電後)における次の遊技回(電源投入後に開始される遊技回)の開始タイミングからとなる。なお、上記メッセージ表示は、続きの遊技回が終了した場合(次の遊技回が開始される場合)に消去される。
また、遊技回の実行中でない状況で電断状態が発生した場合及び遊技回の途中で電断状態が発生した場合のいずれにおいても、電源投入報知の実行中は、スピーカ部29からの音出力がなされず無音状態が維持される。音出力が行われるのは、電源投入後に開始される遊技回(復電時に続きの遊技回が行われる場合はその次の遊技回)の開始タイミングからとなる。このような構成とすることで、遊技ホールでの営業準備時等において、複数のパチンコ機10が接続されたホール電源をオン状態とし、それらパチンコ機10を同時に立ち上げた場合に、各パチンコ機10から一斉に音が出力されて騒音化することを抑制できる。
ステップSa5202では、保留用画像を電断前の表示態様で表示するための保留予告の復帰用処理を実行する。当該処理の詳細については後述する。なお、ステップSa5201及びステップSa5202の処理は、パチンコ機10の電源が投入された場合にのみ実行される。
ステップSa5202の実行後は、ステップSa5203にて外部信号出力処理を実行する。外部信号出力処理では、前回の通常処理で設定したコマンドを表示制御装置350を送信したり、各種ランプ部26~28やスピーカ部29を駆動制御するための制御信号等を送信したりする。ステップSa5204では、RAM344の各種カウンタエリア344bに設けられるカウンタ値を更新するカウンタ更新処理を実行する。
ステップSa5205では、主制御装置162からのコマンドを受信するコマンド受信処理を実行する。コマンド受信処理により受信されたコマンドは、既に説明したように、RAM344のコマンド格納エリア344aに格納される。ステップSa5206では、図30を参照して説明した演出設定処理を実行する。
ステップSa5207では、バックアップRAM345に停電フラグがセットされているか否かを判定する。停電フラグがセットされていない場合、すなわち、電断状態が発生していない場合は、ステップSa5208に進み、次の通常処理の実行タイミングに至ったか否か、すなわち今回の通常処理の開始から所定時間(本変形例では2msec)が経過したか否かを判定する。
所定時間が経過している場合は、ステップSa5203に戻り、ステップSa5203以降の処理を実行する。一方、所定時間が経過していない場合は、当該所定時間が経過するまで処理を待機する。この場合、主制御装置162での通常処理(図20)と同様に、残余時間を利用して各種カウンタの値を更新する構成としてもよい。
また、上記ステップSa5207で肯定判定した場合(停電フラグがセットされている場合)は、電断状態が発生したことを意味する。この場合は、ステップSa5209に進み、電断状態の発生前(発生直前)において各保留用画像がいずれの表示態様で表示されていたのかを示す保留用画像情報を作成する。本ステップでは、RAM344に記憶されている保留予告演出用の演出シナリオデータ等を参照し、特定表示態様で表示されている保留用画像が存在するかや、そのような保留用画像が存在する場合、いずれの態様で表示されているか等を把握し、その把握結果に基づいて保留用画像情報を作成する。
ステップSa5210では、保留用画像に関する情報をバックアップRAM345に記憶する。その際、上記ステップSa5209で作成した保留用画像情報に加えて、RAM344の保留用記憶エリア344cに記憶されている情報もバックアップRAM345に記憶し、それらの情報を復電時に保留用画像を表示するための情報として記憶保持する。保留用記憶エリア344cに記憶されている情報には、第1特図及び第2特図用に設定された各エリアに記憶される保留情報(大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、変動種別カウンタCSの各値等)のほか、保留個数を示す情報が含まれる。
なお、ステップSa5209で作成した保留用画像情報の記憶処理と、保留用記憶エリア344cに記憶されている情報の記憶処理とは必ずしも同一ステップで実行する必要はなく、いずれか一方の記憶処理を実行した後、他方の記憶処理を実行してもよい。
ステップSa5211ではRAM判定値を算出し、バックアップRAM345に保存する。RAM判定値は、例えば、バックアップRAM345に記憶された保留用画像に関する情報のチェックサム値である。ステップSa5212では、RAM344及びバックアップRAM345へのアクセスを禁止し、その後は、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。
<保留予告の復帰用処理>
ステップSa5202の保留予告の復帰用処理について図80のフローチャートを参照しながら説明する。
先ずステップSa5301では、バックアップRAM345に停電フラグが格納されているか否かを判定する。停電フラグが格納されていない場合は、バックアップ用電源部316に蓄電された電力が尽きてバックアップRAM345に記憶されたデータが消失したことを意味する。この場合は、そのまま保留予告の復帰用処理を終了する。
停電フラグが格納されている場合は、ステップSa5302に進み、RAM判定値を算出する。続くステップSa5303では、そのRAM判定値が正常であるか否かを判定する。具体的には、ステップSa5302で算出したRAM判定値と、電断状態の発生時に保存したRAM判定値(ステップSa5211)とを比較し、両者が一致するか否かを判定する。
両者が一致しない場合は、RAM判定値が異常であるとして、バックアップRAM345に記憶保持されているデータを無効なものとして認識する。この場合は、そのまま保留予告の復帰用処理を終了する。なお、バックアップRAM345に記憶保持されたデータの有効性は、バックアップRAM345の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かにより判断することも可能である。
一方、両者が一致する場合には、RAM判定値が正常であるとして、バックアップRAM345に記憶保持されているデータを有効なものとして認識する。この場合は、ステップSa5304に進み、バックアップRAM345に記憶されているデータを参照し、電断状態の発生時における保留個数を把握する。
ステップSa5305では、ステップSa5304で把握した保留個数が0個であるか否かを判定する。保留個数が0個である場合、すなわち、保留が存在しない状況で電断状態が発生していた場合は、そのまま保留予告の復帰用処理を終了する。
保留個数が0個でない場合は、ステップSa5306に進み、表示態様の設定処理を実行する。この処理は、復電後に表示する保留用画像の表示態様を設定するためのものである。ここで、ステップSa5306の表示態様の設定処理について図81のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップSa5401では、バックアップRAM345に記憶されているデータを参照し、電断状態の発生前(発生直前)における各保留用画像の表示態様を把握する。ステップSa5402では、ステップSa5401の把握結果に基づき、特定表示態様で表示されていた保留用画像が存在するか否かを判定する。特定表示態様で表示されていた保留用画像が存在しない場合は、ステップSa5403に進み、全ての保留用画像の表示態様を通常表示態様HMaに設定する。
特定表示態様で表示されていた保留用画像が存在する場合は、ステップSa5404に進み、その保留用画像(対象保留用画像)の表示態様が所定表示態様(例えば、赤色表示態様HMd)以上のものであるか否かを判定する。対象保留用画像の表示態様が所定表示態様より下位の態様(例えば、緑色表示態様HMc又は青色表示態様HMb)である場合は、ステップSa5405に進み、その保留用画像の表示態様を電断前の特定表示態様に設定する。ステップSa5406では、対象保留用画像以外の保留用画像についてその表示態様を通常表示態様HMaに設定する。
対象保留用画像の表示態様が所定表示態様以上のもの(例えば、赤色表示態様HMd又は虹色表示態様HMe)である場合は、ステップSa5407に進み、保留用画像の表示態様を所定表示態様より下位の表示態様(例えば、緑色表示態様HMc)に設定する。すなわち、対象保留用画像の表示態様が所定表示態様以上のものである場合は、復電時における対象保留用画像の表示態様を電断前の特定表示態様よりも下位の態様に制限する。
ステップSa5408では、対象保留用画像以外の保留用画像についてその表示態様を通常表示態様HMaに設定する。ステップSa5409では、RAM344の各種フラグ格納エリア344dに復帰用予告フラグをセットする。復帰用予告フラグの役割については後述する。
保留予告の復帰用処理(図80)の説明に戻り、ステップSa5306の表示態様の設定処理を実行した後は、ステップSa5307にて、各保留用画像がステップSa5306で設定した表示態様にて表示されるように表示制御装置350を制御する。ステップSa5308では、バックアップRAM345に記憶されている保留情報等をRAM344の対応するエリアに記憶する(復帰させる)。ステップSa5309では、バックアップRAM345に格納されている停電フラグを消去し、その後、保留予告の復帰用処理を終了する。
<特図変動表示用処理>
本変形例に係る特図変動表示用処理について図82を参照しながら説明する。この処理は、演出設定処理(図30)のステップSa1305で実行されるものであり、図41の特図変動表示用処理に代えて実行されるものである。図82において図41と同様の処理については同一のステップ番号を付し、その説明を省略又は簡略化する。なお、図82では、便宜上、保留予告の第1実行用処理等の記載を省略する。
ステップSa1804で否定判定し、変動表示中である場合は、ステップSa1805にて変動中用処理を実行する。ステップSa5501では、今回の特図遊技回が電断前に特定表示態様で表示されていた保留用画像(対象保留用画像)の遊技回であるか否かを判定する。対象保留用画像の遊技回でない場合は、そのまま特図変動表示用処理を終了する。
対象保留用画像の遊技回である場合は、ステップSa5502にて保留予告の第4実行用処理を行い、その後、特図変動表示用処理を終了する。保留予告の第4実行用処理は、対象保留用画像の遊技回において当該保留用画像の表示態様を上位の態様に昇格させるためのものである。
<保留予告の第4実行用処理>
ステップSa5502の保留予告の第4実行用処理について図83のフローチャートを参照しながら説明する。
先ずステップSa5601では、RAM344の各種フラグ格納エリア344dに復帰用予告フラグが格納されているか否かを判定する。復帰用予告フラグは、復電時において、電断前の特定表示態様より下位の表示態様とされた保留用画像について、その表示態様を上位の態様に変化させる処理を実行すべきであることをMPU342が把握するためのものである。復帰用予告フラグが格納されていない場合は、そのまま保留予告の第4実行用処理を終了する。
復帰用予告フラグが格納されている場合は、ステップSa5602に進み、上記各種フラグ格納エリア344dに昇格フラグが格納されているか否かを判定する。昇格フラグは、対象保留用画像の表示態様を昇格すべきであることをMPU342が把握するためのものであり、上記第1の実施の形態に係る昇格フラグと同様のものである。
昇格フラグが格納されていない場合は、ステップSa5603にて、上記各種フラグ格納エリア344dに判定済みフラグが格納されているか否かを判定する。判定済みフラグが格納されている場合は、そのまま保留予告の第4実行用処理を終了する。
判定済みフラグが格納されていない場合は、ステップSa5604に進み、進行中の遊技回において保留変化ポイントが残存しているか否かを判定する。保留変化ポイントが残存していない状況である場合は、ステップSa5611に進み、上記各種フラグ格納エリア344dに格納されている復帰用予告フラグを消去し、その後、保留予告の第4実行用処理を終了する。
保留変化ポイントが残存している場合は、ステップSa5605に進んで保留予告の昇格用処理を実行し、その後、保留予告の第4実行用処理を終了する。ここで、保留予告の昇格用処理について図84のフローチャートを参照しながら説明する。
昇格用処理では、先ずステップSa5701にて、実行表示領域Dに表示されている対象保留用画像の現在の表示態様を把握する。なお、現在の表示態様は、表示態様の設定処理(図81)のステップSa5407で設定された表示態様である。
ステップSa5702では、対象保留用画像の変動パターンを把握する。この把握は、対象保留用画像の遊技回(実行中の遊技回)の開始時に主制御装置162から送信された変動開始コマンド(図23のステップSa712)に基づいて行う。
ステップSa5703では、ステップSa5701で把握した変動パターンと、ステップSa5702で把握した現在の表示態様と、ROM343の各種テーブル記憶エリア343aに記憶された昇格判定用テーブルとに基づいて保留予告演出の昇格判定を行う。昇格判定は、実行表示領域Dに表示されている対象保留用画像の表示態様を現状より上位の特定表示態様に変更することが可能か否かを判定するものである。
昇格用判定テーブルには、上記第1の実施の形態に係る昇格用判定テーブル(図47)と同様に、各変動パターンに対応させて表示態様の上限が定められている。ステップSa5703では、昇格用判定テーブルを参照して変動パターンに対応する上限表示態様を特定し、現在の表示態様がその特定した上限表示態様よりも下位の表示態様であるか否かを判定する。その結果、下位の表示態様である場合は表示態様の昇格を許容し、そうでない場合は昇格を不可とする。
ステップSa5703の実行後は、ステップSa5704にて上記各種フラグ格納エリア344dに判定済みフラグをセットする。判定済みフラグは昇格判定を実行済みであることをMPU342が把握するためのものである。
ステップSa5705では、上記ステップSa5703の昇格判定の結果が表示態様の昇格を許容するものであるか否かを判定する。昇格を許容しない場合は、保留予告の昇格用処理を抜けてステップSa5611(図83)に進み、復帰用予告フラグを消去して保留予告の第4実行用処理を終了する。
昇格を許容する場合は、ステップSa5706に進み、昇格シナリオの抽選処理を実行する。昇格シナリオは、実行表示領域Dに表示されている対象保留用画像について、いずれのタイミング(保留変化ポイント)でいずれの表示態様に変更するかを定めるものである。昇格シナリオの抽選は、上記第1の実施の形態に係るステップSa2405(図46)と同様に、ROM343の各種テーブル記憶エリア343aに記憶された昇格シナリオ抽選テーブルと、RAM344の各カウンタエリア344bから取得した抽選用のカウンタ(乱数値)とに基づいて行う。
ステップSa5707では、ステップSa5706で抽選された昇格シナリオが実行されるように昇格シナリオデータを設定する。ステップSa5708では、上記各種フラグ格納エリア344dに昇格フラグをセットし、その後、保留予告の昇格用処理を終了する。
保留予告の第4実行用処理(図83)の説明に戻り、ステップSa5602で肯定判定した場合(昇格フラグが格納されている場合)は、ステップSa5606に進み、表示態様の昇格タイミングであるか否かを判定する。この判定は、ステップSa5707における昇格シナリオの設定結果に基づいて行う。昇格タイミングでない場合は、そのまま保留予告の第4実行用処理を終了する。
昇格タイミングである場合は、ステップSa5607に進み、昇格シナリオの設定結果に基づいて今回の変更処理における変更先の表示態様(上位の表示態様)を把握する。続くステップSa5608では、実行表示領域Dに表示されている保留用画像の表示態様をステップSa5607で把握した表示態様に変更するように設定する。具体的には、表示制御装置350への出力コマンドとして、いずれの表示態様に変更するかを示す情報を含ませるようにして、実行表示領域Dに表示されている保留用画像の表示態様を変更すべき旨のコマンドを設定する。
ステップSa5609では、上記ステップSa5607で把握した表示態様又は上記ステップSa5608で変更先として設定した表示態様が昇格演出における最終表示態様であるか否かを判定する。例えば、複数回の変更処理により表示態様を多段的に昇格させるように昇格シナリオが設定されている場合において、今回の変更処理がその途中段階での処理である場合は、最終表示態様でないとして本ステップを否定判定し、保留予告の第4実行用処理を終了する。
最終表示態様である場合は、ステップSa5610にて上記各種フラグ格納エリア344dに格納されている昇格フラグを消去する。続くステップSa5611では、上記各種フラグ格納エリア344dに格納されている復帰用予告フラグを消去し、その後、保留予告の第4実行用処理を終了する。
<電断前と復電後における保留用画像の表示態様について>
電断前と復電後における保留用画像の表示態様について説明する。ここでは先ず、電断状態の発生前において緑色表示態様HMcとされた保留用画像が存在していた場合について図85を参照しながら説明する。
図85(a)に示すように、第1特図の遊技回が実行されている状況で、それとは別に第1特図の保留情報が3個存在し、第3単位保留表示領域Ga3の保留用画像HWが緑色表示態様HMcで表示されているとする。その状態で電断状態が発生すると、パチンコ機10がオフ状態となり、表示画面G上の表示が消える。これに伴い、保留用画像HWを含む全ての保留用画像が表示されていない状態となる。
この際、演出制御装置143では、保留用画像に関する情報をバックアップRAM345に記憶する。バックアップRAM345には、データ保持用の電断時電力が電源及び発射制御装置191から供給されるため、バックアップRAM345に記憶された保留用画像に関する情報等は、電断状態である間も保持される。
その後、電断状態が解消されて復電すると、主制御装置162では、RAM314に記憶保持されたデータに基づいて復電時用処理(図19のステップSa2004~ステップSa2010)を実行する。これにより、電断状態の発生時に中断された遊技回(第1特図の遊技回)の続きが特図用表示部43にて再開される。
復電の際、演出制御装置143では、電源投入報知を実施するための電源投入報知処理(ステップSa5201)を実行する。これにより、表示画面Gには、例えば「まもなく画面が復帰します」などの文字表示461が表示される。
また、演出制御装置143では、保留用画像の表示を復帰させるための保留予告の復帰用処理(ステップSa5202)を実行する。保留予告の復帰用処理では、バックアップRAM345に記憶保持された保留用画像に関する情報等に基づいて、電断状態の発生前における保留個数、各保留用画像の表示態様を把握するとともに、把握された保留用画像の中に特定表示態様で表示されていたものが存在するか否かを判定する。特定表示態様で表示されていた保留用画像が存在する場合には、その表示態様が所定表示態様(例えば赤色表示態様HMd)以上の態様であるか否かを判定し、その結果に基づいて復電時における表示態様を設定する。
ここでは、電断状態の発生前の表示態様が緑色表示態様HMcであり、所定表示態様よりも下位の態様であるため、保留用画像HWの表示態様を電断状態の発生前の表示態様とするように設定する。この結果、図85(b)に示すように、表示画面Gには、電断状態が発生したときと同じ状態で各保留用画像が表示される。
なお、図柄列Z1~Z3の変動表示に関する情報はバックアップされないため、上記の際、図柄列Z1~Z3の変動表示は表示されない。このため、電源投入報知としての文字表示461と、バックアップRAM345に記憶された保留用画像に関する情報等に基づいて復帰される各保留用画像とは、図柄列Z1~Z3が変動表示されるときの背景とは異なる復電時用背景462上に表示される。復電時用背景462は、例えば、所定の表示色(例えば黒色)による単色表示の背景とされる。
その後、再開された続きの遊技回が終了すると、図85(c)に示すように、各保留用画像が下位側の単位保留表示領域にシフトされる。次の遊技回が開始されることに伴い、表示画面Gにて図柄列Z1~Z3が変動表示され、画面が復帰する。
次に、電断状態の発生前において赤色表示態様HMdとされた保留用画像が存在していた場合について図86を参照しながら説明する。
図86(a)に示すように、第1特図の遊技回が実行されている状況で、それとは別に第1特図の保留情報が3個存在し、第3単位保留表示領域Ga3に表示されている保留用画像HWが赤色表示態様HMdで表示されているとする。その状態で電断状態が発生すると、パチンコ機10がオフ状態となり、表示画面G上の表示が消える。
その後、電断状態が解消されて復電すると、電断状態の発生時に中断された遊技回(第1特図の遊技回)の続きが特図用表示部43にて再開される。また、演出制御装置143では、保留予告の復帰用処理を実行し、電断状態の発生前における保留用画像HWの特定表示態様が所定表示態様以上のものであるか否かを判定する。
ここでは、電断状態の発生前における保留用画像HWの表示態様が赤色表示態様HMdであり、所定表示態様以上の態様となるため、復電時における保留用画像HWの表示態様が電断前の表示態様よりも下位の緑色表示態様HMcに設定される。これにより、図86(b)に示すように、保留用画像HWの表示態様が緑色表示態様HMcとされた状態で各保留用画像の表示が復帰される。
その後、保留用画像HWの遊技回の開始タイミングとなると、演出制御装置143では、主制御装置162から送信される変動開始コマンドに基づき、保留用画像HWに対応する保留情報の変動パターンを把握する。そして、その変動パターンに基づき、現状の表示態様(緑色表示態様HMc)よりも上位の表示態様に昇格させるか否かを判定する。
すなわち、電断状態の発生前における表示態様が所定表示態様以上の場合は、一旦、電断前の表示態様よりも下位の表示態様で復帰させ、遊技回の開始時に送信される変動開始コマンドに基づいてその保留用画像HWの表示態様を設定し直す。その結果、赤色表示態様HMd(上位の表示態様)への昇格が判定された場合には、図86(c)に示すように、実行表示領域Dにおいて保留用画像HWの表示態様が緑色表示態様HMcから赤色表示態様HMdに変更される。なお、保留用画像HWの遊技回で実施される遊技回演出(リーチ演出等)は、変動開始コマンドから解析される変動パターンに基づいて決定されるため、当該変動パターンを前提として昇格が判定された保留用画像HWの表示態様は、上記遊技回演出に整合するものとなる。
以上詳述した本変形例によれば、以下の優れた効果を奏することができる。
対象保留用画像HWが特定表示態様とされている状況(保留予告演出が実行されている状況)で電断異常が発生し、その後、電断異常が解消されて復電した場合において、電断前の対象保留用画像HWの表示態様に基づいて復電後の対象保留用画像HWの表示態様を設定し、保留予告演出を再実行する構成とした。
本変形例では、保留先読み処理の結果に基づいて保留用画像の表示態様を特定表示態様とする保留予告演出が実行されるため、遊技回の開始前から大当たり結果となることへの遊技者の期待感を喚起することができる。さらに、特定表示態様として大当たり期待度が異なるようにして複数種類の態様が設定されるため、期待度に大小を付与して示唆することができ、遊技者の期待感を喚起する上で有利な構成とすることができる。このような構成の下、保留予告演出の実行中に電断異常が発生し、その後、復電した場合には、異常発生前に行われていた保留予告演出が再実行される。これにより、異常解消後に保留予告演出を復帰させることができ、異常の発生により保留予告演出が消滅してしまうことが抑制される。その際、対象保留用画像HWの表示態様が異常発生前の表示態様に基づいて設定されるため、電断前に行われていた保留予告演出を好適に復帰させることが可能になる。
電断状態が発生した場合に保留用画像に関する情報をバックアップRAM345に記憶することで、保留用画像の表示態様に対応する情報を電断状態の発生後も保持可能とする構成とした。
上記構成によれば、電断状態の発生により遊技機への電源供給が停止され、保留用画像に関する制御が停止された状態となっても、復電後において、バックアップRAM345に保持された情報を参照することで、電断前の対象保留用画像HWの表示態様を把握することができる。これにより、復電後に保留予告演出を再実行する場合に、対象保留用画像HWの表示態様を電断前の表示態様に好適に復帰させることが可能になる。
電断前における対象保留用画像HWの表示態様が所定態様(緑色表示態様HMc)より上位の報知態様である場合、復電後の対象保留用画像HWの表示態様を所定態様以下に制限する構成とした。
例えば、電断異常の影響により保留球格納エリア314bに記憶されていた保留情報に変化が生じた場合、電断前に行われた保留先読みの結果と、復電後の遊技回で行われる当否判定の結果や遊技回演出の選択結果とに不整合が生じる。このような場合に、電断前において保留予告演出により高い期待度を示唆しており、復電後もそれをそのまま再実行すると、遊技回での報知結果(当否判定の結果)や遊技回で行われる遊技回演出が、保留予告演出により示唆される期待度と整合しないものとなり、遊技者に不愉快な印象を与える懸念がある。
この点、上記構成では、電断発生時になされていた特定表示態様の種類が所定以上の態様であり、ある程度の期待度を示唆していた場合は、下位の表示態様に制限して保留予告演出を再実行する。これにより、遊技回での報知結果等に適合しない期待度が保留予告演出により示唆されることが抑制され、上記不都合の発生を好適に抑制することが可能になる。
対象保留用画像HWの表示態様を所定態様以下の表示態様に制限した場合に、対象保留用画像HWの遊技回においてその表示態様を上位の表示態様に昇格させるか否かを判定し、その結果に基づいて当該昇格を実行する構成とした。
上記構成では、対象保留用画像HWの表示態様が所定態様以下の表示態様に制限された場合でも、対象保留用画像HWの遊技回が行われることで、上位の表示態様への昇格が果たされるため、示唆される期待度が低く抑えられた状態のままとなることが回避される。
上記の際、上位の表示態様に昇格させるか否かの判定を遊技回の契機として行われる当否判定の結果や変動パターンの選択結果に基づいて行う構成とした。
上記構成では、当否判定や遊技回演出の選択について復電後の結果を判断材料として、対象保留用画像HWの表示態様を昇格させるか否かの判定が行われる。これにより、復電後の遊技回で実際に行われる報知結果等と整合させながら上記昇格を行うことができる。
電断状態から復電した場合に実行される復電処理において、保留予告演出を再実行するための設定処理(保留予告の復帰処理)を実行する構成とした。
この場合、電断状態が解消されて復電した際に速やかに保留予告演出を再実行することができる。これにより、遊技回の途中で電断状態が発生し、復電してから表示画面Gでの図柄変動表示が行われない期間が生じる場合において、当該図柄変動表示の復帰に先立って保留予告演出を再実行することができる。
<変形例6>
上記第1の実施の形態の変形例5では、演出制御装置143にバックアップRAM345が設けられていたが、本変形例では、それが設けられておらず、演出制御装置143がバックアップ機能を備えていない。以下、本変形例について図87~図91を参照しながら説明する。なお、これらの図において上記第1の実施の形態や各変形例と同様の構成については同一の符号を付し、その説明を省略する。
本変形例に係る演出制御装置143は、上記第1の実施の形態に係る演出制御装置143と同様の電気的構成を有し、バックアップRAM345が設けられていない。また、RAM344に記憶されているデータをバックアップする機能も備えていない。このため、保留が存在している状況(保留表示部200に保留用画像が表示されている状況)で電断状態が発生した場合は、演出制御装置143側で保有している保留情報等が消失する。
なお、本変形例では、発射制御装置191の停電監視部315から出力される停電信号を伝送する信号線が演出制御装置143に接続されておらず、上記停電信号が演出制御装置143に入力されないように構成されている。
また、本変形例では、主制御装置162の保留先読み処理(図28)において、その処理結果(変動パターン抽選等の先読み結果)をRAM314の保留球格納エリア314b(図11)に記憶する。すなわち、保留球格納エリア314bに設定された各エリアには、保留情報(大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、変動種別カウンタCSの各値)のほか、その保留情報を対象として行われた保留先読みの結果が記憶される。
保留球格納エリア314bに記憶された先読み処理の結果に関する情報は、当該情報を演出制御装置143に送信した後も、消去されずにRAM314に保存され続ける。このような構成とするのは、電断状態が発生してその後復電した場合に、電断状態の発生前に行われた保留先読み処理の結果を把握できるようにするためである。
すなわち、通常のパチンコ機では、主制御装置162にて保留先読み処理を実行し、その結果を保留コマンド等として演出制御装置143に送信した後は、当該先読み結果を主制御装置162側の制御処理に利用しないため、当該情報を主制御装置162側に残しておく必要がない。このため、演出制御装置143への送信後は、先読み結果に関する情報が記憶されていたエリアを解放し、後続の保留情報に対する先読み結果等を上書きするなどして当該情報を消去するのが一般的である。
これに対し、本変形例では、先読み結果に関する情報を演出制御装置143に送信した後も、その情報をRAM314に保存しておく構成とする。電断状態が発生した場合には、電源及び発射制御装置191から電断時用電力がRAM314に供給され、RAM314内の情報が消去されずに保持される。このため、本変形例のような構成とすることで、電断状態が発生した場合に先読み結果に関する情報を保持することが可能となり、電断後の復電時において、電断状態の発生前に行われた保留先読み処理の結果を把握できるようになる。
なお、RAM314に記憶された先読み結果に関する情報は、恒久的に記憶され続けるわけではなく、保留情報が消去されることに伴って消去される。すなわち、保留先読み処理の対象となった保留情報の遊技回が実行されることに応じて、RAM314内の先読み結果に関する情報が消去される。
ちなみに、先読み結果に関する情報の記憶エリアを保留球格納エリア314bとするのは、先読み結果に関する情報がいずれの保留情報に対応するのかを把握したり、不用意に他の情報が上書きされないように記憶エリアの割り当てを行ったりする上での利便性を考慮したものである。よって、当該情報の記憶エリアは、必ずしも保留球格納エリア314bである必要はなく、RAM314における他の記憶領域であってもよい。
主制御装置162のMPU312にて行われる処理について説明する。
<メイン処理>
本変形例に係るメイン処理について図87(a)のフローチャートを参照しながら説明する。この処理は、パチンコ機10の電源が投入された場合に実行されるものであり、図19のメイン処理に代えて実行されるものである。図87(a)において図19と同様の処理については同一のステップ番号を付し、その説明を省略又は簡略化する。
ステップSa2003で否定判定した場合(RAM消去スイッチが押されていない場合)は、ステップSa2004にてRAM314のバックアップエリアに停電フラグが格納されているか否かを判定する。停電フラグが格納されている場合、すなわち、電断状態の発生後、RAM314のデータが記憶保持されている状態で復電した場合は、ステップSa2005にてRAM判定値を算出する。
ステップSa2006ではRAM判定値が正常であるか否かを判定し、正常である場合は、ステップSa2007にてスタックポインタを復帰させる。ステップSa2008では復電コマンドを出力する。
ステップSa6101では、RAM314の保留球格納エリア314bに記憶保持されている情報に基づいて復電時保留コマンドを設定し、演出制御装置143に出力する。復電時保留用コマンドには、電断状態の発生時における保留個数を示す情報や、電断状態の発生前に行われた保留先読みの結果を示す情報等が含まれる。ステップSa6101の実行後は、ステップSa2009の処理(停電フラグの消去)を実行する。
演出制御装置143のMPU342にて行われる処理について説明する。
<通常処理>
本変形例に係る通常処理について図87(b)のフローチャートを参照しながら説明する。この処理は、図79の通常処理に代えて実行されるものである。図87(b)に示すように、本変形例に係る通常処理では、電断状態が発生した場合の保留情報のバックアップ処理が設けられていない。
具体的には、上記変形例5に係る図79の通常処理では、ステップSa5207にてバックアップRAM345に停電フラグが格納されているか否かを確認して電断状態の有無を判定し、停電フラグが格納されている場合(電断状態が発生した場合)は、ステップSa5209~ステップSa5212の処理を実行したが、本変形例に係る図87(b)の通常処理では、これらの処理が設けられていない。また、上記第1の実施の形態の変形例5に係る図79の通常処理では、パチンコ機10の電源が投入された場合にステップSa5202で保留予告の復帰用処理を実行するが、本変形例に係る図87(b)の通常処理では、そのような処理が設けられておらず、ステップSa5201の電源投入報知処理を実行した後、ステップSa5203の外部出力処理を実行する。
<演出設定処理>
本変形例に係る演出設定処理について図88のフローチャートを参照しながら説明する。この処理は、通常処理(図87(b))のステップSa5206で実行されるものであり、図30の演出設定処理に代えて実行されるものである。図88において図30と同様の処理については同一のステップ番号を付し、その説明を省略又は簡略化する。
先ずステップSa6201では、主制御装置162からの復電時保留コマンドを受信しているか否かを判定する。復電時保留コマンドは、電断状態から復電した場合に出力されるものであり(図87(a)のステップSa6101)、当該コマンドには、電断状態の発生時における保留個数を示す情報や、電断状態の発生前に行われた保留先読みの結果を示す情報等が含まれる。
復電時保留コマンドを受信している場合は、ステップSa6202に進み、主制御装置162からの復電時保留コマンドに基づいて電断状態の発生時における保留個数を把握する。ステップSa6203では、ステップSa6202で把握した保留個数が0個であるか否かを判定する。保留個数が0個でない場合は、ステップSa6204に進み、復電後における保留用画像の表示態様を設定するための表示態様の設定処理を実行する。ここで、表示態様の設定処理について図89のフローチャートを参照しながら説明する。
先ずステップSa6301では、主制御装置162からの復電時保留コマンドに基づいて各保留情報の変動パターンを把握する。この変動パターンは、電断状態の発生前において主制御装置162の保留先読み処理(図28)により先読みされたものである。復電時保留コマンドには、ステップSa6202で把握した保留個数分の変動パターンの情報が含まれるため、本ステップでは、それらの変動パターンを全て把握する。
なお、保留個数分の変動パターンの情報を含ませて復電時保留コマンドを送信する場合、データ量が大きくなったり、変動パターンの情報を収めきれなかったりすることが想定されるため、それらの情報を複数回に分けて送信してもよい。具体的には、先ず、変動パターンの情報を含まない形態で復電時保留コマンドを送信し、当該コマンドに続いて各保留情報の変動パターンの情報を順次送信する構成としてもよい。
ステップSa6302では、ステップSa6301の把握結果に基づき、大当たりの保留情報が存在するか否かを判定する。具体的には、ステップSa6301で把握した変動パターンの中に大当たりに対応する変動パターンが含まれているか否かを確認し、電断状態の発生前において大当たりが先読みされた保留情報が存在するか否かを判定する。
大当たりの保留情報が存在する場合は、ステップSa6303に進み、その保留情報に対応する保留用画像の表示態様を第1特定表示態様に設定する。第1特定表示態様は、大当たりが先読みされた場合に選択される最終表示態様の上限である虹色表示態様HMeより下位の特定表示態様であり、例えば、緑色表示態様HMcである。
ステップSa6304では、その保留用画像(対象保留用画像)に対応させて復帰用予告フラグをセットする。復帰用予告フラグは、対象保留用画像の遊技回にて当該保留用画像の表示態様を変化させる処理(昇格処理)を実行すべきであることをMPU342が把握するためのものである。なお、復帰用予告フラグは、RAM344の各種フラグ格納エリア344dに格納してもよいし、対象保留用画像の保留情報とセットでシフトされるように、RAM344の保留用記憶エリア344cにおける対応エリア(対象保留用画像が対応するエリア)に格納してもよい。
ステップSa6304の実行後又はステップSa6302で否定判定した場合(大当たりの保留情報が存在しない場合)は、ステップSa6305にて、ステップSa6301で把握した変動パターンにおいて、SPSPリーチ演出に対応する変動パターンが存在するか否かを判定する。具体的には、変動パターン5H、変動パターン6H、変動パターン12H、変動パターン13H、変動パターン24H、変動パターン25Hのいずれかに該当するものが存在するか否かを判定する。本ステップは、電断前の先読み結果が外れ結果である保留情報の中に、大当たり期待度の順位が所定以上であるリーチ演出に対応するものが含まれているか否かを判定するものである。
SPSPリーチ演出に対応する変動パターンが存在する場合は、ステップSa6306に進み、その変動パターンが先読みされている保留情報に対応する保留用画像の表示態様を第2特定表示態様に設定する。第2特定表示態様は、第1特定表示態様より下位の表示態様であり、例えば、青色表示態様HMbである。ステップSa6307では、その保留用画像に対応させて復帰用予告フラグをセットする。
ステップSa6307の実行後又はステップSa6305で否定判定した場合(SPSPリーチ演出に対応する変動パターンが存在しない場合)は、ステップSa6308にて、ステップSa6301で変動パターンを把握できない保留情報が存在するか否かを判定する。なお、変動パターンを把握できない場合としては、電断状態の発生により先読み結果を示す情報の一部が破損したり、復電時保留コマンドの送信時にノイズ等の影響により一部のデータが破損したりした場合等が考えられる。
変動パターンを把握できない保留情報が存在する場合は、ステップSa6309に進み、その保留情報に対応する保留用画像の表示態様を通常表示態様HMaに設定する。ステップSa6310では、その保留用画像に対応させて復帰用予告フラグをセットする。
ステップSa6310の実行後又はステップSa6308で否定判定した場合(変動パターンを把握できない保留情報が存在しない場合)は、ステップSa6311にて、残りの保留用画像(ステップSa6302~ステップSa6310により表示態様が設定されてない保留用画像)の表示態様を通常表示態様HMaに設定する。
演出設定処理(図88)の説明に戻り、ステップSa6204の表示態様の設定処理を実行した後は、ステップSa6205にて、当該設定処理にて設定された表示態様の保留用画像が表示画面Gに表示されるように表示制御装置350を制御する。ステップSa6205の実行後はステップSa1301に進み、以後、ステップSa1301~ステップSa1308の処理を実行する。
ステップSa6201で否定判定した場合(復電時保留コマンドを受信していない場合)は、ステップSa6202~ステップSa6205の処理をスキップしてステップSa1301に進む。また、ステップSa6203で否定判定した場合(保留個数が0個である場合)は、ステップSa6204及びステップSa6205の処理をスキップしてステップSa1301に進む。
以上の処理により、電断状態の発生後に復電した場合には、大当たり結果が先読みされていた保留情報の保留用画像が第1特定表示態様で表示され、大当たり期待度が高めのリーチ演出に対応する外れ結果が先読みされていた保留情報の保留用画像が第2特定表示態様で表示される。その後は、特定変動表示用処理(図82)におけるステップSa5502の保留予告の第4実行用処理が行われることにより、対象保留用画像の表示態様が昇格される。すなわち、復電後に送信される変動開始コマンドに基づいて対象保留用画像の表示態様が再設定される。なお、保留予告の第4実行用処理については上記変形例5と同様であるため、説明を省略する。
<電断前と復電後における保留用画像の表示態様について>
電断前と復電後における保留用画像の表示態様について説明する。ここでは先ず、電断状態の発生前において大当たり結果が先読みされていた場合について図90を参照しながら説明する。
図90(a)に示すように、第1特図の遊技回が実行されている状況で、それとは別に第1特図の保留情報が3個存在し、第3単位保留表示領域Ga3の保留用画像HWが赤色表示態様HMdで表示されていたとする。保留用画像HWに対応する保留情報の先読み結果は大当たり結果であり、他の保留用画像に対応する保留情報の先読み結果はいずれも外れ結果(完全外れ)である。
その状態で電断状態が発生すると、パチンコ機10がオフ状態となり、表示画面G上の表示が消える。これに伴い、保留用画像HWを含む全ての保留用画像が表示されていない状態となる。
この際、主制御装置162のRAM314には、データ保持用の電断時電力が電源及び発射制御装置191から供給されるため、RAM314に記憶されているデータは、電断状態である間も保持される。なお、RAM314に記憶されているデータには、電断状態の発生前において上記各保留用画像の保留情報に対して行った保留先読み処理(ステップSa305)の処理結果が含まれている。
その後、電断状態が解消されて復電すると、主制御装置162では、RAM314に記憶保持されたデータに基づいて復電時用処理(ステップSa2004~ステップSa2010)を実行する。これにより、電断状態の発生時に中断された遊技回(第1特図の遊技回)の続きが特図用表示部43にて再開される。
また、復電時において主制御装置162では、RAM314に記憶されているデータのうち、保留個数を示す情報、各保留情報が第1特図と第2特図のいずれに対応するかの情報、各保留情報に対する保留先読み処理の結果情報(変動パターン)等を読み出し、復電時保留コマンドとして演出制御装置143に送信する(ステップSa6101)。
演出制御装置143では、主制御装置162から送信される上記各種情報に基づき、保留用画像の表示を復帰させるための処理を実行する(ステップSa6202~ステップSa6205)。かかる処理では、大当たり結果が先読みされていた保留用画像HWの表示態様を第1特定表示態様(緑色表示態様HMc)に設定し、他の保留用画像の表示態様を通常表示態様HMaに設定する。この際、変動パターンを把握できない保留情報が存在した場合には、その保留情報に対応する保留用画像の表示態様を通常表示態様HMaに設定する。
これにより、図90(b)に示すように、保留用画像HWの表示態様が緑色表示態様HMcとされ、他の保留用画像の表示態様が通常表示態様HMaとされた状態で、各保留用画像の表示が復帰される。復電の際、演出制御装置143では、電源投入報知を実施するための電源投入報知処理(ステップSa5201)を実行するため、表示画面Gには、例えば「まもなく画面が復帰します」などの文字表示461が表示される。このため、表示が復帰された各保留用画像は上記文字表示461とともに表示される。
その後、保留用画像HWの遊技回の開始タイミングとなると、演出制御装置143では、主制御装置162から送信される変動開始コマンドに基づき、保留用画像HWに対応する保留情報の変動パターンを把握する。そして、その変動パターンに基づき、現状の表示態様(緑色表示態様HMc)よりも上位の表示態様に昇格させるか否かを判定する。
すなわち、電断状態の発生前において大当たり結果が先読みされた保留情報の保留用画像HWについては、一旦、所定以下の表示態様(第1特定表示態様)に制限して表示し、遊技回の開始時に送信される変動開始コマンドに基づいてその保留用画像HWの表示態様を設定し直す。その結果、上位の表示態様(赤色表示態様HMd又は虹色表示態様HMe)への昇格が判定された場合には、図90(c)に示すように、実行表示領域Dにおいて保留用画像HWの表示態様が上位の態様(例えば赤色表示態様HMd)に変更される。
なお、保留用画像HWの遊技回の開始時に送信される変動開始コマンドから把握される変動パターンが大当たりに対応したものでない場合、すなわち、当該遊技回にて大当たりが報知されない状態となっている場合は、上位の表示態様への昇格が不許可とされ、実行表示領域Dの保留用画像HWの表示態様が第1特定表示態様に維持される。
次に、電断状態の発生前においてSPリーチ外れ結果、SPSPリーチ外れ結果が先読みされていた場合について図91を参照しながら説明する。
図91(a)に示すように、第1特図の遊技回が実行されている状況で、それとは別に第1特図の保留情報が3個存在し、第1単位保留表示領域Ga1の保留用画像HW1が青色表示態様HMbで表示され、第3単位保留表示領域Ga3の保留用画像HWが緑色表示態様HMcで表示されていたとする。
保留用画像HW1に対応する保留情報の先読み結果は変動パターン3H(SPリーチA外れ)であり、保留用画像HW2に対応する保留情報の先読み結果は変動パターン6H(SPSPリーチB外れ)である。なお、第2単位保留表示領域Ga2の保留用画像に対応する保留情報の先読み結果は変動パターン1H(完全外れ)である。
その状態で電断状態が発生すると、パチンコ機10がオフ状態となり、表示画面G上の表示が消える。その後、電断状態が解消されて復電すると、電断状態の発生時に中断された遊技回(第1特図の遊技回)の続きが特図用表示部43にて再開される。
また、演出制御装置143では、主制御装置162から送信される復電時保留コマンドに基づき、保留用画像の表示を復帰させるための処理を実行する(ステップSa6202~ステップSa6205)。この際、SPリーチ外れに対応する変動パターン(変動パターン3H)が先読みされていた保留用画像HW1については、その表示態様を通常表示態様HMaに設定し、それよりも上位のSPSPリーチ外れに対応する変動パターン(変動パターン6H)が先読みされていた保留用画像HW2については、その表示態様を第2特定表示態様(青色表示態様HMb)に設定する。
これにより、図91(b)に示すように、保留用画像HW1の表示態様が通常表示態様HMaとされ、保留用画像HW2の表示態様が青色表示態様HMbとされた状態で、各保留用画像の表示が復帰される。すなわち、所定順位より下位のリーチ外れ演出に対応する保留情報の保留用画像については、電断状態の発生前に特定表示態様で表示されていたか否かにかかわらず、通常表示態様HMaで表示し、所定順位以上のリーチ演出に対応する保留情報の保留用画像については、所定以下の表示態様(第2特定表示態様)に制限して表示する。
保留用画像HW2の遊技回が実行される場合に、上位の表示態様への昇格判定が行われる点については、図90を参照して説明した大当たり結果が先読みされていた場合と同様であるため、説明を省略する。
以上詳述した本変形例によれば、以下の優れた効果を奏することができる。
対象保留用画像HWが特定表示態様とされている状況(保留予告演出が実行されている状況)で電断異常が発生し、その後、電断異常が解消されて復電した場合において、電断前に行われた保留先読み処理の結果に基づいて復電後の対象保留用画像HWの表示態様を設定し、保留予告演出を再実行する構成とした。
本変形例では、保留先読み処理の結果に基づいて保留用画像の表示態様を特定表示態様とする保留予告演出が実行されるため、遊技回の開始前から大当たり結果となることへの遊技者の期待感を喚起することができる。さらに、特定表示態様として大当たり期待度が異なるようにして複数種類の態様が設定されるため、期待度に大小を付与して示唆することができ、遊技者の期待感を喚起する上で有利な構成とすることができる。このような構成の下、保留予告演出の実行中に電断異常が発生し、その後、復電した場合には、異常発生前に行われていた保留予告演出が再実行される。これにより、異常解消後に保留予告演出を復帰させることができ、異常の発生により保留予告演出が消滅してしまうことが抑制される。その際、対象保留用画像HWの表示態様が異常発生前の保留先読み処理の結果に基づいて設定されるため、復電後における保留予告演出の再実行を好適に行うことが可能になる。
保留先読み処理により先読みされた当否結果や変動パターン等をRAM314の保留球格納エリア314bに記憶することで、上記先読み結果に対応する情報を電断状態の発生後も保持可能とする構成とした。
上記構成では、電断状態が発生した場合に先読み結果に対応する情報が消失せずに保持されるため、復電後において、RAM314に保持された情報に基づいて対象保留用画像HWの表示態様を決定することができ、復電後における保留予告演出の再実行を好適に行うことが可能になる。
復電後に保留予告演出を実行する場合において、対象保留用画像HWの表示態様を所定態様(緑色表示態様HMc)以下に制限する構成とした。
例えば、電断異常の影響により保留球格納エリア314bに記憶されていた保留情報に変化が生じた場合、電断前に行われた保留先読みの結果と、復電後の遊技回で行われる当否判定の結果や遊技回演出の選択結果とに不整合が生じる。このような場合に、電断前において保留予告演出により高い期待度を示唆しており、復電後もそれをそのまま再実行すると、遊技回での報知結果(当否判定の結果)や遊技回で行われる遊技回演出が、保留予告演出により示唆される期待度と整合しないものとなり、遊技者に不愉快な印象を与える懸念がある。この点、上記構成では、電断発生時になされていた特定表示態様の種類が所定以上の態様であり、ある程度の期待度を示唆していた場合は、下位の表示態様に制限して保留予告演出を再実行する。これにより、遊技回での報知結果等に適合しない期待度が保留予告演出により示唆されることが抑制され、上記不都合の発生を好適に抑制することが可能になる。
対象保留用画像HWの表示態様を所定態様以下の表示態様に制限した場合に、対象保留用画像HWの遊技回においてその表示態様を上位の表示態様に昇格させるか否かを判定し、その結果に基づいて当該昇格を実行する構成とした。
上記構成では、対象保留用画像HWの表示態様が所定態様以下の表示態様に制限された場合でも、対象保留用画像HWの遊技回が行われることで、上位の表示態様への昇格が果たされるため、示唆される期待度が低く抑えられた状態のままとなることが回避される。
上記の際、上位の表示態様に昇格させるか否かの判定を遊技回の契機として行われる当否判定の結果や変動パターンの選択結果に基づいて行う構成とした。
上記構成では、当否判定や遊技回演出の選択について復電後の結果を判断材料として、対象保留用画像HWの表示態様を昇格させるか否かの判定が行われる。これにより、復電後の遊技回で実際に行われる報知結果等と整合させながら上記昇格を行うことができる。
復電後において、電断前に行われた保留先読み処理の結果を特定できない場合、対象保留用画像HWの表示態様を通常表示態様HMaに設定する構成とした。
例えば、一部の保留用画像について電断前に行われた保留先読み処理の結果を特定できない場合に、その保留用画像の表示自体を取り止めると、遊技者に対して保留数を適切に報知できなくなる懸念がある。また、保留先読み処理の結果を特定できた保留用画像で保留予告演出を再実行する(その保留用画像の表示態様を特定表示態様とする)場合に、保留先読み処理の結果を特定できない保留用画像の表示が欠損することで、特定表示態様とされた保留用画像と遊技回の順番がずれてしまい、別の遊技回に対応するようにして期待度が示唆される結果を招くおそれもある。この点、本構成では、電断前に行われた保留先読み処理の結果を特定できる保留用画像と、特定できない保留用画像とを識別し、後者については表示態様を通常表示態様HMaとして再表示する構成としたため、遊技者に対して保留数を適切に報知しつつ、他の保留用画像における保留予告演出を好適に行うことが可能になる。
電断状態から復電した場合に主制御装置162から演出制御装置143に復電時保留コマンドを出力し、演出制御装置143において復電時保留コマンドを受信したことに基づき、保留予告演出を再実行するための設定処理(表示態様の設定処理)を実行する構成とした。
この場合、電断状態が解消されて復電した際に速やかに保留予告演出を再実行することができる。これにより、遊技回の途中で電断状態が発生し、復電してから表示画面Gでの図柄変動表示が行われない期間が生じる場合において、当該図柄変動表示の復帰に先立って保留予告演出を再実行することができる。
<変形例7>
本変形例では、保留用画像が特定表示態様で表示されている場合に演出モードの切替を制限するように構成されている。以下、本変形例について図92~図94を参照しながら説明する。なお、これらの図において上記第1の実施の形態や各変形例と同様の構成については同一の符号を付し、その説明を省略する。
上記第1の実施の形態では、手動操作により演出モードが切り替えられるように構成されていたが、本変形例では、演出用操作部36の操作を介することなく、自動で演出モードが切り替えられるように構成されている。なお、演出モードとしては演出モードAと演出モードBとを有し、これらは、上記第1の実施の形態と同様に、保留予告演出の発生頻度が相違するものとなっている。具体的には、演出モードAについては、保留予告演出が実行されやすく、当該演出を楽しみやすいモードとして機能し、演出モードBについては、保留予告演出が実行されにくいものの、実行された場合の大当たり期待度が高いモードとして機能するように構成されている。
<演出モード切替用処理>
本変形例に係る演出モード切替用処理について図92を参照しながら説明する。この処理は、演出設定処理(図30)のステップSa1307で実行されるものであり、図42の演出モード切替用処理に代えて実行されるものである。
先ずステップSa7101では、演出モード切替の抽選タイミングであるか否かを判定する。本変形例では、所定状態(例えば、通常遊技状態であり且つ連続演出等の複数の遊技回を跨いで行われる演出が行われていない状態)である期間を演出モードの切替有効期間としており、その切替有効期間では、各遊技回における所定タイミング(例えば遊技回の開始タイミング)で演出モードの切替抽選を行うように構成されている。本ステップでは、その切替抽選の実行タイミングであるか否かを判定する。演出モード切替の抽選タイミングでない場合は、現状の演出モードを維持すべく、そのまま演出モード切替用処理を終了する。
演出モード切替の抽選タイミングである場合は、ステップSa7102に進み、演出モード切替の実行抽選を行う第1モード切替抽選を実行する。本ステップでは、RAM344の各カウンタエリア344bから取得した抽選用のカウンタ(乱数値)と、ROM343の各種テーブル記憶エリア343aに記憶された第1モード切替抽選用テーブルとに基づいて上記抽選を行う。第1モード切替抽選用テーブルは、演出モードを切り替えるか否かを抽選するための抽選用テーブルである。なお、本テーブルは、滞在している演出モードの種類にかかわらず共通の当選確率となるものであってもよいし、滞在している演出モードによって当選確率が変動するものであってもよい。
ステップSa7103では、ステップSa7102の抽選結果が当選結果であるか否かを判定する。抽選結果が外れ結果である場合は、現状の演出モードを維持すべく、そのまま演出モード切替用処理を終了する。
抽選結果が当選結果である場合は、ステップSa7104に進み、モード切替用判定処理を実行する。モード切替用判定処理は、演出モードの切り替えを許容するか否かを判定するものである。ここで、ステップSa7104のモード切替用判定処理について図93のフローチャートを参照しながら説明する。
先ずステップSa7201では、RAM344の保留用記憶エリア344cを参照して現在の保留個数を把握する。ステップSa7202では、ステップSa7201で把握した保留個数が0個であるか否かを判定する。保留個数が0個である場合は、ステップSa7203にて演出モード切替を許容すると判定し、その後、モード切替用判定処理を終了する。
保留個数が0個でない場合は、ステップSa7204にて各保留用画像の現在の表示態様を把握する。続くステップSa7205では、ステップSa7204の把握結果に基づいて特定表示態様(青色表示態様HMb、緑色表示態様HMc、赤色表示態様HMd又は虹色表示態様HMeのいずれかの態様)で表示されている保留用画像が存在するか否かを判定する。特定表示態様の保留用画像が存在しない場合は、ステップSa7203に進み、演出モード切替を許容すると判定する。
特定表示態様の保留用画像が存在する場合は、ステップSa7206にて、今回のモード切替が演出モードAから演出モードBへの切り替えであるか否かを判定する。すなわち、保留予告演出の発生頻度が高い側の演出モードから低い側の演出モードへの切り替えであるか否か(換言すれば、保留予告演出の大当たり期待度が低い側の演出モードから高い側の演出モードへの切り替えであるか否か)を判定する。
演出モードBへの切り替えである場合は、ステップSa7207に進み、特定表示態様で表示されている保留用画像の保留情報に対する先読み結果が大当たり結果であるか否かを判定する。先読み結果が大当たり結果でない場合は、ステップSa7208にて演出モード切替を許容しないと判定し、その後、モード切替用判定処理を終了する。一般に当否判定においては外れ確率の方が当選確率(大当たり確率)よりもはるかに高く、保留先読みの結果は殆どが外れ結果となるため、上記ステップSa7207での判定結果は大半が否定判定となって演出モード切替が許容されないことになる。すなわち、演出モードBへの切り替えである場合において特定表示態様の保留用画像が存在する状況下では、基本的に演出モードの切り替えが許容されず、制限されることになる。
上記ステップSa7207で肯定判定した場合(先読み結果が大当たり結果である場合)は、ステップSa7209に進み、モード切替の再抽選を行う第2モード切替抽選を実行する。本ステップでは、RAM344の各カウンタエリア344bから取得した抽選用のカウンタ(乱数値)と、ROM343の各種テーブル記憶エリア343aに記憶された第2モード切替抽選用テーブルとに基づいて上記抽選を行う。第2モード切替抽選用テーブルは、第1モード切替抽選用テーブルと同様に、演出モードを切り替えるか否かを抽選するための抽選用テーブルである。第2モード切替抽選用テーブルでの当選確率は、第1モード切替抽選用テーブルでの当選確率と同じでもよいし、異なっていてもよい。
ステップSa7210では、ステップSa7209の抽選結果が当選結果であるか否かを判定する。抽選結果が外れ結果である場合は、ステップSa7208に進み、演出モード切替を許容しないと判定する。
抽選結果が当選結果である場合は、ステップSa7203に進み、演出モード切替を許容すると判定する。すなわち、先読み結果が大当たり結果である場合の一部については、特定表示態様の保留用画像が表示された状況であっても、例外的に演出モードの切り替えが許容される。
既に説明したように、特定表示態様の保留用画像が存在する状況で大当たりの先読み保留が存在しない場合は、演出モードの切り替えが許容されず、また、大当たりの先読み保留が存在する場合であっても第2モード切替抽選に外れた場合は、演出モードの切り替えが許容されない。すなわち、特定表示態様の保留用画像が存在する状況において演出モードの切り替えが許容されるのは稀なケースとなるため、遊技者には法則崩れと認識され、大当たりが確定する演出となる。
上記ステップSa7206で否定判定した場合(演出モードBから演出モードAへの切り替えである場合)、すなわち、保留予告演出の発生頻度が低い側の演出モードから高い側の演出モードへの切り替えである場合(換言すれば、保留予告演出の大当たり期待度が高い側の演出モードから低い側の演出モードへの切り替えである場合)は、ステップSa7211にて、特定表示態様で表示されている保留用画像の表示態様が所定態様(例えば、緑色表示態様HMc)以上のものであるか否かを判定する。
表示態様が所定態様より下位の態様(例えば、青色表示態様HMb)である場合は、ステップSa7203に進み、演出モード切替を許容すると判定する。すなわち、演出モードAへの切り替えである場合は、特定表示態様の保留用画像が表示されている状況であっても、所定態様より下位の表示態様であれば、演出モードの切り替えが許容される。この場合は、その保留用画像の特定表示態様が維持された状態で演出モードの切り替えが行われる。なお、演出モードによって保留用画像の形態が変化する場合は、当該形態が変更されつつ、その表示色がモード切替前と同じ表示色に設定される。
上記ステップSa7211で肯定判定した場合(表示態様が所定態様以上である場合)は、ステップSa7207にて、表示態様が所定態様以上である保留用画像について、その保留情報の先読み結果が大当たり結果であるか否かを判定する。その後は、ステップSa7208~ステップSa7210の処理を実行し、第2モード切替抽選に当選したことを条件として演出モードの切り替えを許容する。
演出モード切替用処理(図92)の説明に戻り、ステップSa7104のモード切替用判定処理を実行した後は、ステップSa7105にて、ステップSa7104の判定処理の結果がモード切替を許容するものであるか否かを判定する。モード切替を許容しない結果である場合は、現状の演出モードを維持すべく、そのまま演出モード切替用処理を終了する。
モード切替を許容する結果である場合は、ステップSa7106に進み、演出モードを切り替えるための切替処理を実行する。例えば、現在の演出モードが演出モードAである場合は、演出モードBに切り替わるように演出データを設定する。なお、演出モードの切り替えは、遊技回の開始タイミングに行ってもよいし、遊技回の途中で行ってもよい。
ステップSa7107では、切替後の演出モードに対応する演出モードフラグをRAM344の各種フラグ格納エリア344dにセットし、その後、演出モード切替用処理を終了する。
なお、本変形例では、シフト時コマンド対応処理(図40)におけるステップSa1702の保留予告の第2実行用処理や、特図変動表示用処理(図41)におけるステップSa1808の第3実行用処理、それらに付随する処理等は実行されない。
<演出モードの切替制限について>
演出モードの切替制限の態様について図94を参照しながら説明する。先ず、演出モードAから演出モードBに切り替える場合について図94(a)を参照しながら説明する。
演出モードの切替タイミングとなった場合において、保留が存在しない場合、保留が存在しても特定表示態様の保留用画像が存在しない場合は、演出モードの切り替わりが許容される。
特定表示態様の保留用画像が存在する場合は、基本的に演出モードの切り替わりが許容されない。すなわち、保留予告演出の発生頻度が相対的に高い演出モードA(保留予告演出の大当たり期待度が相対的に低い演出モード)から相対的に低い演出モードB(保留予告演出の大当たり期待度が相対的に高い演出モード)に切り替える場合は、特定表示態様の保留用画像が存在することを条件として演出モードの切り替わりが制限される。
但し、特定表示態様の保留用画像が存在する場合でも、その中に大当たり結果が先読みされたものが存在する場合は、例外的に演出モードの切り替わりが許容される。この場合は、既に説明したように、演出矛盾で大当たりが確定する演出となる。なお、大当たり結果が先読みされた保留情報が存在する場合において、その表示態様が通常表示態様HMaである場合は、特定表示態様の保留用画像が存在しないとして演出モードの切り替わりが許容される。
次に、演出モードBから演出モードAに切り替える場合について図94(b)を参照しながら説明する。
演出モードの切替タイミングとなった場合において、保留が存在しない場合、保留が存在しても特定表示態様の保留用画像が存在しない場合は、演出モードAから演出モードBに切り替える場合と同様に、演出モードの切り替わりが許容される。
特定表示態様の保留用画像が存在する場合は、その表示態様によってモード切替が許容されるか否かが異なる。具体的には、特定表示態様で表示された保留用画像の表示態様が所定表示態様より下位の表示態様(青色表示態様HMb)である場合は、演出モードの切り替わりが許容される。すなわち、保留予告演出の発生頻度が相対的に低い演出モードB(保留予告演出の大当たり期待度が相対的に高い演出モード)から相対的に高い演出モードA(保留予告演出の大当たり期待度が相対的に低い演出モード)に切り替える場合は、その逆である場合よりも切替制限が緩和される。この場合、保留用画用の表示態様は、通常表示態様HMaに変更されることなく、モード切替前の特定表示態様が維持される。
一方、保留用画像の表示態様が所定表示態様以上の表示態様である場合は、大当たり結果が先読みされたものが存在する場合を除き、演出モードの切り替わりが許容されない。つまり、保留予告演出により、ある程度の期待度を遊技者に報知している場合は、演出モードの切り替わりが制限される。
以上詳述した本変形例によれば、以下の優れた効果を奏することができる。
保留用画像の表示態様を特定表示態様とする保留予告演出の実行中である場合、演出モードの切り替えを制限する構成とした。
本変形例では、保留先読み処理の結果に基づいて保留用画像の表示態様を特定表示態様とする保留予告演出が実行されるため、遊技回の開始前から大当たり結果となることへの遊技者の期待感を喚起することができる。また、演出モードAと演出モードBとでモード切替が行われるため、遊技中に遊技者の気分転換が図られ、遊技への飽きを抑制することができる。このような構成において、例えば、保留予告演出の実行中に演出モードが切り替えられると、演出モードの変更に気を取られて保留予告演出への注目度が低下したり、逆に保留予告演出に集中していた結果、遊技者が気付かないまま演出モードが変更され、混乱を招いたりする懸念がある。
この点、本構成では、保留予告演出の実行中である場合は演出モードの切り替えを制限するため、保留予告演出の実行と演出モードの切り替えとが重複することを抑制できる。これにより、保留予告演出の実行と演出モードの切り替えとのそれぞれについて遊技者が注目しやすいように実施することができ、上記不都合の発生を好適に抑制することが可能になる。また、切替後の演出モードが実行中の保留予告演出に適さないものである場合、演出設計に際して両者を適合させるための事前調整が必要となるが、本構成によれば、そのような調整が不要となり、設計時の負担を軽減できるという利点もある。
演出モードAと演出モードBとで保留予告演出の実行されやすさが異なる構成とした。
かかる構成の場合、演出モードが切り替わることで、大当たり期待度の示唆に関する演出特性が変化するため、背景画像やキャラクタ画像の変更等による見た目だけの変更に留まる場合に比べ、演出モードの違いを遊技者に強く印象付けることができる。しかしながらその反面、保留予告演出を実行したままで演出モードを切り替えると、その保留予告演出により示唆される期待度が演出モードの切替前後で相違する事態を招くおそれがある。この場合、切替後の演出モードにおいて保留予告演出により示唆される期待度と実際に報知される当否判定の結果とが食い違い、遊技者に不愉快な印象を与える懸念がある。このような構成に対し、本変形例(保留予告演出の実行中である場合、演出モードの切り替えを制限する構成)を適用することで、上記食い違いの発生が回避され、遊技者に不愉快な印象を与えることを好適に抑制可能となる。
演出モードBは、演出モードAよりも保留予告演出が実行されにくい演出モードであり、演出モードAで保留予告演出が実行されている場合に演出モードBへの切替を制限する構成とした。
演出モードBにおける保留予告演出の実行されやすさが演出モードAのそれよりも低い場合において、保留予告演出を実行したままで演出モードAから演出モードBに切り替えると、見かけ上の期待度が高まってしまい、実際よりも高い期待度を遊技者に示してしまう懸念がある。この点、本構成では、保留予告演出が実行されやすい(保留予告演出が対応する期待度が相対的に低い)演出モードAから保留予告演出が実行されにくい(特定報知が対応する期待度が相対的に高い)演出モードBへの切替に際し、保留予告演出の実行中である場合は当該切替の実行を制限するため、実際よりも高い期待度が示唆されることを好適に抑制することが可能になる。
演出モードAで保留予告演出が実行中である場合は基本的に演出モードBへの切替を制限しつつ、その保留予告演出と契機となった保留先読み結果が大当たり結果である場合は例外的に演出モードBへの切替を許容する構成とした。
この場合、本来は演出モードの切り替えが行われない状況であるにもかかわらず、当該切り替えが生じることで、遊技者から見て法則崩れとなり、大当たりを示唆することができる。つまり、演出モードの切り替えを期待度示唆演出の1つとして活用することが可能になる。
演出モードBで保留予告演出が実行中である場合において演出モードAへの切替条件が成立した場合、切替条件が成立したときの特定表示態様の種類によって、演出モードAへの切替を制限するか否かを異ならせる構成とした。
保留予告演出が実行中である場合、画一的に演出モードの切替を制限する構成すると、演出モードの切り替えが過剰に制限されたり、保留予告演出の実行頻度が少なく抑えられたりするおそれがあり、複数種類の演出モードを設けた意義や保留予告演出の実行機能を搭載した意義が薄れてしまう懸念がある。この点、本構成では、保留予告演出が対応する期待度が高い演出モードBから保留予告演出が対応する期待度が低い演出モードAへの切替の場合は、モード切替の制限を緩和し、切替条件が成立したときの特定表示態様が所定態様(緑色表示態様HMc)以下であることを条件として切替を許容する。このため、演出モードの切り替えや保留予告演出の実行が過度に制限されることを抑制でき、それらの機会を好適に確保することが可能になる。
<変形例8>
本変形例では、演出モードが切り替えられる場合に保留予告演出の実行が制限されるように構成されている。以下、本変形例について図95~図99を参照しながら説明する。なお、これらの図において上記第1の実施の形態や各変形例と同様の構成については同一の符号を付し、その説明を省略する。
本変形例では、演出モードの切替有効期間において切替案内報知が行われ、当該報知が行われている状況で遊技者が演出用操作部36を操作すると、次の遊技回から演出モードが切り替わるように構成されている。ここで、そのようなモード切替の一例について説明する。
図95(a)に示すように、演出モードの切替有効期間中の所定遊技回において、図柄表示装置75の表示画面G上に切替案内報知としての切替案内画像451が表示される。この切替案内画像451は、所定期間(例えば、その遊技回が終了するまでの期間)に亘って表示される。
図95(a)では、切替案内画像451の表示例として、表示画面Gにおいて図柄列Z1~Z3の上方に、「演出ボタンを押すと演出モードが切り替わるよ」といった文字表示がテロップ表示される構成を示している。なお、切替案内報知は、これに限定されるものではなく、上記文字表示が行われたウィンドウが表示されたり、切替案内に対応させた所定の発光部を発光させたりするものでもあってもよい。また、必ずしも視覚的な報知に限らず、スピーカ部29を用いた音声案内であってもよい。
そのような状態で、遊技者が演出用操作部36により所定操作を行うと、切替待機報知が行われる。切替待機報知は、演出モードの切り替えが待機されている状態であることを報知するものである。切替待機報知の具体的態様は特に限定されるものではないが、例えば、図95(b)に示すように、表示画面Gにて「モードチェンジ準備中」などの文字が表示された切替待機中画像452を表示するものが考えられる。
切替待機中画像452が表示された遊技回が終了し、次の遊技回に移行すると、図95(c)に示すように、切替待機中画像452の表示が消去されるとともに、演出モードが切り替わる。
また、図95(a)の切替案内画像451の表示期間において遊技者により演出用操作部36が操作されなかった場合は、演出モードが切り替えられることなく、次の遊技回に移行しても現状の演出モードが維持される。
なお、演出モードとしては演出モードAと演出モードBとを有し、これらは、上記第1の実施の形態と同様に、保留予告演出の発生頻度が相違するものとなっている。具体的には、演出モードAについては、保留予告演出が実行されやすく、当該演出を楽しみやすいモードとして機能し、演出モードBについては、保留予告演出が実行されにくいものの、実行された場合の大当たり期待度が高いモードとして機能するように構成されている。
<演出モード切替用処理>
本変形例に係る演出モード切替用処理について図96を参照しながら説明する。この処理は、演出設定処理(図30)のステップSa1307で実行されるものであり、図42の演出モード切替用処理に代えて実行されるものである。
先ずステップSa8101では、演出モードの切替有効期間中であるか否かを判定する。本変形例においても、上記変形例7と同様に、所定状態(例えば、通常遊技状態であり且つ連続演出等の複数の遊技回を跨いで行われる演出が行われていない状態)である期間を演出モードの切替有効期間として設定している。演出モードの切替有効期間中でない場合は、現状の演出モードを維持すべく演出モード切替用処理を終了する。
演出モードの切替有効期間中である場合は、ステップSa8102に進み、RAM344の各種フラグ格納エリア344dに切替待機フラグが格納されているか否かを判定する。切替待機フラグは、モード切替を待機している状態であること、換言すれば、その後に演出モードが切り替わることをMPU342が把握するためのものである。
切替待機フラグが格納されていない場合、すなわち、モード切替の待機状態でない場合は、ステップSa8103に進み、上記各種フラグ格納エリア344dに案内表示フラグが格納されているか否かを判定する。案内報知フラグは、切替案内報知の実行中であることをMPU342が把握するためのものである。
案内報知フラグが格納されていない場合、すなわち、切替案内報知の実行中でない場合は、ステップSa8104に進み、切替案内報知の実行抽選の実行タイミングであるか否かを判定する。切替案内報知の実行抽選は、切替案内報知を実行するか否かを抽選する処理である。切替案内報知の抽選タイミングは特に限定されるものではないが、本変形例では、遊技回の開始タイミングを上記抽選タイミングに設定している。抽選タイミングでない場合は、そのまま演出モード切替用処理を終了する。
抽選タイミングである場合は、ステップSa8105に進み、切替案内報知の実行抽選を行う。本ステップでは、RAM344の各カウンタエリア344bから取得した抽選用のカウンタ(乱数値)と、ROM343の各種テーブル記憶エリア343aに記憶された切替案内抽選用テーブルとに基づいて上記抽選を行う。ステップSa8106では、ステップSa8105の抽選結果が当選結果であるか否かを判定する。抽選結果が外れ結果である場合は、切替案内報知を不実行とすべく演出モード切替用処理を終了する。
抽選結果が当選結果である場合は、ステップSa8107に進み、切替案内報知としての切替案内画像451を表示すべく、表示制御装置350を制御する。具体的には、表示制御装置350への送信コマンドとして切替案内画像451を表示すべき旨のコマンドを設定する。これにより、表示画面Gに切替案内画像451が表示される。ステップSa8108では、上記各種フラグ格納エリア344dに案内報知フラグをセットし、その後、演出モード切替用処理を終了する。
上記ステップSa8103で肯定判定した場合(案内報知フラグが格納されている場合)、すなわち、切替案内報知の実行中である場合は、ステップSa8109に進み、演出用操作部36にて演出モードを切り替えるための所定操作が行われたか否かを判定する。所定操作が行われた場合は、ステップSa8110に進み、上記各種フラグ格納エリア344dに格納されている案内報知フラグを消去する。
ステップSa8111では、上記各種フラグ格納エリア344dに切替待機フラグをセットする。これにより、モード切替の待機状態に移行する。ステップSa8112では、切替待機報知としての切替待機中画像452を表示すべく、表示制御装置350を制御する。具体的には、表示制御装置350への送信コマンドとして切替待機中画像452を表示すべき旨のコマンドを設定する。これにより、表示画面Gに切替待機中画像452が表示される。ステップSa8112の実行後は、演出モード切替用処理を終了する。
上記ステップSa8109で否定判定した場合(所定操作が行われていない場合)は、ステップSa8113に進み、切替案内画像451の表示期間(切替案内報知の報知期間)が経過したか否かを判定する。表示期間が経過していない場合は、切替案内画像451の表示を継続すべく演出モード切替用処理を終了する。
表示期間が経過している場合は、ステップSa8114に進み、上記各種フラグ格納エリア344dに格納されている案内報知フラグを消去する。これにより、演出モードの切替操作の受付期間が終了する。また、ステップSa8114では、切替案内画像451を消去するように表示制御装置350を制御する。ステップSa8114の実行後は、演出モード切替用処理を終了する。
上記ステップSa8102で肯定判定した場合(切替待機フラグが格納されている場合)、すなわち、モード切替の待機状態である場合は、ステップSa8115に進み、モード切替の実行タイミングであるか否かを判定する。演出モードの切替タイミングは待機状態への移行後におけるタイミングであれば特に限定されるものではないが、本変形例では、切替操作がなされた遊技回の終了後に行われる次の遊技回の開始タイミングを上記切替タイミングに設定している。切替タイミングでない場合は、モード切替の待機状態を継続すべく演出モード切替用処理を終了する。
切替タイミングである場合は、ステップSa8116に進み、上記各種フラグ格納エリア344dに格納されている切替待機フラグを消去する。これにより、モード切替の待機状態が終了する。ステップSa8117では、演出モードを切り替えるための切替処理を実行する。例えば、現在の演出モードが演出モードAである場合は、演出モードBに切り替わるように演出データを設定する。
ステップSa8118では、切替後の演出モードに対応する演出モードフラグを上記各種フラグ格納エリア344dにセットする。ステップSa8119では、保留予告の第2設定処理を実行し、その後、演出モード切替用処理を終了する。保留予告の第2設定処理は、モード切替の待機期間中に発生した保留情報を対象として保留予告演出の実行設定を行うものである。当該設定処理の詳細については後述する。
<保留コマンド対応処理>
本変形例に係る保留コマンド対応処理について図97のフローチャートを参照しながら説明する。この処理は、主制御装置162からの保留コマンドを受信した場合に実行される(演出設定処理(図30)のステップSa1302で実行される)ものであり、図31の保留コマンド対応処理に代えて実行されるものである。図97において図31と同様の処理については同一のステップ番号を付し、その説明を省略又は簡略化する。
ステップSa1402にて、RAM344の各種カウンタエリア344bに設けられた保留数カウンタの値(始動保留記憶数SN)を1インクリメントした後は、ステップSa8201に進み、RAM344の各種フラグ格納エリア344dに切替待機フラグが格納されているか否かを判定する。切替待機フラグが格納されていない場合、すなわち、モード切替の待機状態でない場合は、ステップSa1403に進み、保留予告用の設定処理(図34)を実行する。保留予告用の設定処理では、発生した保留情報を対象として保留予告演出を実行するための設定を行う。
切替待機フラグが格納されている場合(モード切替の待機状態である)場合は、ステップSa8202に進み、発生した保留情報に対応する保留用画像の表示態様を通常表示態様HMaに設定する。すなわち、本変形例では、モード切替の待機期間中に新たな保留情報が発生した場合、その保留情報を契機とする保留予告演出の実行を制限する。
なお、その保留情報に対する先読みについては、他の保留情報と同様に、主制御装置162の保留先読み処理(図26)にて行われる。よって、演出制御装置143では、ステップSa1403の保留予告用の設定処理を実行せず、保留用画像の表示態様を強制的に通常表示態様HMaとするものの、変動パターン等の先読み結果については主制御装置162からの保留コマンドにより取得した状態となっている。
ステップSa8203では、発生した保留情報に対応させて待機期間中に発生した保留情報であることを示す待機中発生情報を記憶する。この処理は、例えば、RAM344の保留用記憶エリア344cに設けられた第1エリア~第4エリア(図32)に、上記待機中発生情報を記憶することで行う。このため、シフト時コマンド対応処理(図40)におけるステップSa1704のシフト処理を実行した場合、待機中発生情報は保留情報(変動パターン情報等)に付随して下位エリア側にシフトされる。これにより、シフト処理が行われて保留用画像の表示エリアがシフトされた場合でも、いずれの保留用画像が待機期間中に発生したものであるかを把握することができる。なお、待機中発生情報は、いずれの保留情報を対象とするかを認識できるものであれば、RAM344の保留用記憶エリア344c以外の記憶領域に記憶されてもよい。
ステップSa8203の実行後はステップSa1405にて、表示画面Gの保留表示部200に保留用画像を表示するための処理を実行する。上述のように、ステップSa8202で表示態様が通常表示態様HMaに設定されているため、待機期間中に発生した保留情報の保留用画像は、通常表示態様HMaにて表示される。
<保留予告用の第2設定処理>
ステップSa8119の保留予告用の第2設定処理について図98のフローチャートを参照しながら説明する。保留予告用の第2設定処理は、モード切替の待機期間中に発生した保留情報を対象として保留予告演出の実行設定を行うものである。
先ずステップSa8301では、モード切替の待機期間中に発生した保留情報を把握する。すなわち、待機中発生情報に基づき、その時点で存在している保留情報のうち、いずれの保留情報が待機期間中に発生した保留情報であるかを特定する。
ステップSa8301の処理を実行した後は、把握した待機期間中の発生保留を対象としてステップSa8302以降の処理を実行する。なお、ステップSa8302以降の処理は、その多くが保留予告用の設定処理(図34)における各処理と同様のものであるため、共通の処理については説明を簡略化し、異なる処理について詳細に説明する。
ステップSa8302~ステップSa8304では、RAM344の保留用記憶エリア344cを参照して待機期間中の発生保留における変動パターンを把握したり、大当たり当選であるか否かを判定する。ステップSa8305では、切替後の演出モードを把握する。例えば、今回のモード切替が演出モードAから演出モードBへの切り替えである場合は、切替後の演出モードとして演出モードBを把握する。
ステップSa8306~ステップSa8308では、ステップSa8305で把握した切替後の演出モードに対応する保留予告実行抽選テーブルを取得し、保留予告演出の実行抽選を行う。当該実行抽選に当選した場合には、ステップSa8309~ステップSa8314にて、保留予告演出における保留用画像の最終表示態様を決定したり、演出シナリオを決定したりする。その際、最終表示態様を抽選するための最終表示態様抽選テーブルや、演出シナリオを抽選するための演出シナリオ抽選テーブルとして各演出モードで異なるテーブルが設定されている場合には、ステップSa8305で把握した切替後の演出モードに対応するテーブルを取得して抽選を行う。
このように本変形例では、モード切替の待機期間中に発生した保留情報については、待機状態が解除された場合に保留予告演出の設定(先読み結果に基づく表示態様の設定処理)を行う。その際、待機期間中の発生保留は切替前の演出モード中に発生したものであるものの、保留予告演出の実行抽選や最終表示態様の抽選等については、切替後の演出モードに対して設定された条件を適用し、切替後の演出モードに対応させて行う。
ステップSa8315では、RAM344の各種フラグ格納エリア344dに保留予告フラグをセットし、その後、保留予告用の第2設定処理を終了する。このようにして保留予告フラグがセットされた後は、シフト時コマンド対応処理(図38(a))におけるステップSa1701の保留予告の第1実行用処理や、特図変動表示用処理(図41)におけるステップSa1807の保留予告の第1実行用処理にて、保留用画像の表示態様を特定表示態様に変更する処理が実行される。すなわち、モード切替の待機期間中に発生した保留情報についての保留予告演出は、演出モードが切り替えられた後に行われる。
<演出モードが切り替わる場合の保留用画像の表示態様について>
演出モードが切り替わる場合の保留用画像の表示態様について図95及び図99を参照しながら説明する。ここでは、演出モードAから演出モードBに切り替わる場合を例にとって説明する。
モード切替の切替有効期間中において切替案内報知の実行抽選に当選すると、図95(a)に示すように、図柄表示装置75の表示画面Gに切替案内画像451が表示される。その状態で遊技者が演出用操作部36によりモード切替操作を行うと、モード切替の待機状態(後にモード切替が行われることを把握している状態)に移行し、図99(a)に示すように、表示画面Gに切替待機中画像452が表示される。なお、モード切替の待機状態は、モード切替タイミング(次の遊技回の開始タイミング)となることで終了する。
待機期間中において新たな保留情報が2個発生したとすると、主制御装置162では、待機期間中ではない状況で発生した保留情報と同様に保留先読み処理(ステップSa305)を実行し、それら各保留情報についての変動パターン等を先読みする。また、演出制御装置143では、それら各保留情報を対象とした保留予告用の設定処理(ステップSa1403)を実行せず、それらに対応する保留用画像HW1,HW2の表示態様を通常表示態様HMaに設定する。
これにより、図99(b)に示すように、第1保留表示領域Gaの第2単位保留表示領域Ga2及び第3単位保留表示領域Ga3に通常表示態様HMaとされた保留用画像HW1,HW2が表示される。保留用画像HW1,HW2の表示態様を通常表示態様HMaとする状態は、少なくも待機状態が終了するまで継続される。
次の遊技回が開始されることに伴いモード切替タイミングとなると、モード切替の待機状態が終了し、図99(c)に示すように、演出モードが演出モードAから演出モードBに切り替わる。この際、演出制御装置143では、待機期間中に発生した保留情報(保留用画像HW1,HW2)を対象として保留予告用の第2設定処理(ステップSa8119)を実行する。
保留予告用の第2設定処理では、それら保留情報が取得された際に実行された保留先読み処理の結果に基づき、保留予告演出を実行するための各種抽選(保留予告演出の実行抽選、最終表示態様の抽選、演出シナリオの抽選等)を行う。その際、それらの抽選には、切替後の演出モードである演出モードB用に設定された抽選テーブルを用いる。
保留予告用の第2設定処理の結果、保留用画像HW1については保留予告演出を実行せず、保留用画像HW2については次のシフトタイミングで青色表示態様HMbに変更する結果が抽選されたとすると、図99(d)に示すように、保留用画像HW2が第2単位保留表示領域Ga2から第1単位保留表示領域Ga1にシフトされる際に、その表示態様が通常表示態様HMaから青色表示態様HMbに変更される。すなわち、モード切替の待機期間中に発生した保留情報を契機とする保留予告演出がモード切替後に実行される。
なお、保留予告演出の実行中に切替案内報知の実行抽選に当選し、保留予告演出が実行されている状況で切替案内画像451(図95(a))が表示される場合もある。この場合の保留予告演出は実行制限の対象とならず、当該保留予告演出が継続された状態で待機状態に移行する。
また、切替案内画像451が表示されてから切替操作が行われるまでの間(待機状態に移行するまでの間)において保留情報が発生し、当該保留情報を契機として保留予告演出が実行される場合もある。すなわち、切替案内画像451の表示後に取得された保留情報の保留用画像が特定表示態様とされた状態で待機状態に移行する場合もある。この場合も当該保留予告演出は実行制限の対象とならず、当該保留予告演出が継続された状態で待機状態に移行する。
以上詳述した本変形例によれば、以下の優れた効果を奏することができる。
演出モードの切替条件が成立して待機状態に移行し、その後、切替タイミングとなった場合に演出モードを切り替える構成において、待機状態である間、保留用画像の表示態様を特定表示態様とする保留予告演出の実行を制限する構成とした。
本変形例では、保留先読み処理の結果に基づいて保留用画像の表示態様を特定表示態様とする保留予告演出が実行されるため、遊技回の開始前から大当たり結果となることへの遊技者の期待感を喚起することができる。また、演出モードAと演出モードBとでモード切替が行われるため、遊技中に遊技者の気分転換が図られ、遊技への飽きを抑制することができる。このような構成において、例えば、保留予告演出の実行中に演出モードが切り替えられると、演出モードの変更に気を取られて保留予告演出への注目度が低下したり、逆に保留予告演出に集中していた結果、遊技者が気付かないまま演出モードが変更され、混乱を招いたりする懸念がある。
この点、本構成によれば、後に演出モードが切り替わることを把握している状態(モード切り替えの待機状態)では、保留予告演出の実行を制限するため、保留予告演出の実行中に演出モードが切り替わることを抑制できる。これにより、保留予告演出の実行と演出モードの切り替えとのそれぞれについて遊技者が注目しやすいように実施することができ、上記不都合の発生を好適に抑制することが可能になる。また、切替後の演出モードが実行中の保留予告演出に適さないものである場合、演出設計に際して両者を適合させるための事前調整が必要となるが、本構成によれば、そのような調整が不要となり、設計時の負担を軽減できるという利点もある。
待機状態中に取得された保留情報を対象として保留予告演出の実行を制限する構成とした。
上記構成により、保留予告演出の制限対象となる特別状態の範囲が広くなり、保留予告演出の実行が過度に制限されることを抑制できる。特に、切替案内画像451の表示後、待機状態に移行するまでの間に取得された保留情報を保留予告演出の実行制限の対象とすると、演出モードの切り替えが実際になされるのか不確定な状況で取得された保留情報についてまで保留予告演出の実行が制限されることになる。この場合、遊技者が切替操作を実行せず、演出モードの切り替えがなされなかった場合には、結果的に、制限する必要がなかった保留情報について保留予告演出の実行を制限してしまうことになるが、本構成によれば、そのような無駄な制限を抑制することが可能になる。
保留先読み処理の結果にかかわらず、保留予告演出の実行を制限する構成とした。
上記構成によれば、保留先読み処理の結果とは無関係に保留予告演出の実行を強制的に制限することができる。これにより、保留予告演出の実行中に演出モードが切り替わることを好適に抑制できる。また、保留予告演出の実行制限が保留先読み処理の結果に影響されないことから、待機状態(保留予告演出の制限期間中)であっても、非待機状態である場合と同様に保留先読み処理を進めることができる。すなわち、保留先読み処理の構成を変更する必要がないため、構成が複雑化することを抑制しながら、待機状態中の保留予告演出の実行を制限することができる。
演出モードAと演出モードBとで保留予告演出の実行されやすさが異なる構成とした。
かかる構成の場合、演出モードが切り替わることで、大当たり期待度の示唆に関する演出特性が変化するため、背景画像やキャラクタ画像の変更等による見た目だけの変更に留まる場合に比べ、演出モードの違いを遊技者に強く印象付けることができる。しかしながらその反面、保留予告演出を実行したままで演出モードを切り替えると、その保留予告演出により示唆される期待度が演出モードの切替前後で相違する事態を招くおそれがある。この場合、切替後の演出モードにおいて保留予告演出により示唆される期待度と実際に報知される当否判定の結果とが食い違い、遊技者に不愉快な印象を与える懸念がある。このような構成に対し、本変形例(演出モードの切替準備中である待機状態である場合において、保留予告演出の実行を制限する構成)を適用することで、上記食い違いの発生が回避され、遊技者に不愉快な印象を与えることを好適に抑制可能となる。
演出モードBは、演出モードAよりも保留予告演出が実行されにくい演出モードであり、演出モードAで保留予告演出が実行されている場合に演出モードBへの切替を制限する構成とした。
演出モードBにおける保留予告演出の実行されやすさが演出モードAのそれよりも低い場合において、保留予告演出を実行したままで演出モードAから演出モードBに切り替えると、見かけ上の期待度が高まってしまい、実際よりも高い期待度を遊技者に示してしまう懸念がある。この点、本構成では、保留予告演出が実行されやすい(保留予告演出が対応する期待度が相対的に低い)演出モードAから保留予告演出が実行されにくい(特定報知が対応する期待度が相対的に高い)演出モードBへの切替に際し、当該モードへの切替準備中である場合は保留予告演出の実行を制限する。これにより、保留予告演出の実行中に演出モードAから演出モードBに切り替わることが抑制され、実際よりも高い期待度が示唆されることを好適に抑制することが可能になる。
待機状態中に取得された保留情報に対応する保留予告演出を演出モードの切り替え後に実行する構成とした。これにより、待機状態中に取得された保留情報について保留予告演出の実行が制限されたままとなり、期待度示唆が行えなくなることを抑制できる。
上記の際、モード切替後の保留予告演出を待機状態中に行われた保留先読み処理(保留情報が取得されたときの保留先読み処理)の結果に基づいて実行する構成とした。この場合、演出モードの切り替わり後に改めて保留先読み処理を実行しなくても、待機状態中に取得された保留情報に対応する保留予告演出を実行することができる。これにより、主制御装置162の保留先読み処理について既存の構成をそのまま用いることができ、構成が複雑化することを抑制できる。
待機状態中に取得された保留情報について演出モードの切替後に保留予告演出を実行するか否かの実行抽選を行う構成とした上で、当該実行抽選の抽選条件(当選確率等)として切替後の演出モードに対応させて設定された条件を適用する構成とした。
上記構成では、演出モードの切替後に保留予告演出を実行するか否かを抽選するに際し、対象となる保留情報が取得されたときの抽選条件(切り替わり前の演出モードに対応させて設定された抽選条件)ではなく、切り替わり後の演出モードに対応させて設定された抽選条件が適用される。これにより、待機状態中(演出モードの切り替わり前)に取得された保留情報であっても、切り替わり後の演出モードに対応させて保留予告演出を行うことが可能になる。
待機状態中に保留情報が取得された場合、その保留情報が待機状態中に取得されたものであることを示す待機中発生情報をRAM344の保留用記憶エリア344cに記憶する構成とした。
上記構成によれば、RAM344の保留用記憶エリア344cに記憶された待機中発生情報に基づき、その保留情報が待機状態中に取得されたものであることを待機状態後に把握することができる。このため、待機状態の終了後において、待機状態となる前に取得された保留情報と待機状態中に取得された保留情報とが混在する場合でも、待機状態中に取得された保留情報を簡単に特定することができる。これにより、モード切替後に保留予告演出を実行する場合において、待機状態中に取得された保留情報と、そうではない保留情報とを識別し、待機状態中に取得された保留情報のみを対象として処理を行うことが可能になる。
<その他の変形例>
なお、上述した第1の実施の形態や各変形例の記載内容に限定されず例えば次のように実施してもよい。ちなみに、以下の各構成を個別に上記第1の実施の形態や各変形例に対して適用してもよく、一部又は全部を組み合わせて上記第1の実施の形態や各変形例に対して適用してもよい。また、上記第1の実施の形態や各変形例に示した各種構成の全て又は一部を任意に組み合わせることも可能である。この場合、組み合わせの対象となる各構成の技術的意義(発揮される効果)が担保されることが好ましい。
(1)上記第1の実施の形態や各変形例では、第1作動口62への入賞に基づく保留情報が4個を上限として記憶される構成としたが、4個未満であってもよいし(1個であってもよい)、5個以上であってもよい。また、第2作動口63への入賞に基づく保留情報の上限記憶数についても、4個未満であってもよいし(1個であってもよい)、5個以上であってもよい。また、各作動口62,63への入賞に基づく保留情報の上限記憶数が相違する構成としてもよい。
(2)上記第1の実施の形態や各変形例では、第1作動口62及び第2作動口63への入賞に基づく保留情報が区別される構成としたが、区別されない構成としてもよい。また、第2作動口63への入賞に基づく保留情報のほうが、第1作動口62への入賞に基づく保留情報よりも優先して当否判定の対象となる構成としたが、その関係が逆であったり、入賞順に当否判定が行われたりする構成であってもよい。
(3)上記第1の実施の形態や各変形例では、右ルートを流下する遊技球のみがスルーゲート64、第2作動口63を通過又は入賞可能となる構成としたが、左ルートを流下する遊技球のみが通過又は入賞可能となる構成としてもよいし、右ルートと左ルートのいずれからでも通過又は入賞可能となる構成としてもよい。但し、遊技のメリハリを付ける上では、右ルートと左ルートの一方を流下する遊技球のみが第1作動口62に入賞可能となり、右ルートと左ルートの他方を流下する遊技球のみがスルーゲート64、第2作動口63を通過又は入賞可能となる構成とするとよい。
(4)上記第1の実施の形態や各変形例では、図柄表示装置75の表示画面Gに保留用画像を表示することで、遊技者が保留数を認識することが可能な保留用報知を行ったが、図柄表示装置75とは別の表示部に保留用画像を表示してもよいし、上限記憶数に対応した数で設けられた保留ランプ部(発光部)を発光させ、発光した保留ランプ部の数により保留数を報知したりする構成としてもよい。保留ランプ部を発光させる場合にあっては、保留先読み処理の結果に基づいて発光態様(例えば発光色)を通常発光態様とは異なる特定発光態様とすることで、保留予告演出を行う構成とすることができる。
(5)上記第1の実施の形態や各変形例では、当否判定の結果が大当たり結果となることにより大当たり遊技(開閉実行モード)に移行する構成としたが、いわゆる1種2種混合機のように、当否判定の結果が小当たり結果となり、小当たり遊技(内部にV入賞口を有する又はV入賞口及び外れ口を有する可変入賞装置が開閉される遊技状態)においてV入賞口(V入賞センサ)を遊技球が通過した場合(付与判定の結果が所定結果となり、所定の遊技結果となった場合)に大当たり遊技に移行する構成としてもよい。
なお、本発明における「付与対応結果となったことに基づいて、遊技者に対して特典を付与可能」や、「付与対応結果となったことに基づいて遊技者に有利な特別遊技状態に移行させる」等には、上記のように、当否判定の結果が小当たり結果となり、V入賞を介して大当たり遊技に移行する場合も含まれると解することができる。
(6)上記第1の実施の形態や各変形例では、特定報知として、保留用画像の表示態様を特定表示態様とする保留予告演出を実行したが、保留用画像を用いた保留予告演出に代えて、保留先読み処理の結果に基づいて複数回の遊技回に亘って実行される遊技回演出(いわゆる連続予告演出や先読みゾーン演出)を対象として各第1の実施の形態や各変形例の構成を適用してもよい。
(7)上記第1の実施の形態や各変形例では、特定報知として遊技回を跨ぐ演出を実行したが、特定報知は必ずしも遊技回を跨ぐものである必要はなく、1回の遊技回の中で行われるものであってもよい。例えば、上記第1の実施の形態であれば、遊技回の途中で演出モードが複数回に亘って切り替えられることが想定されるためである。この場合、当該1回の遊技回の中で行われる演出は、必ずしも保留先読み処理の結果を契機とするものである必要はなく、当該遊技回の開始時に行われる当否判定等の結果に基づくものであってもよい。
(8)上記第1の実施の形態や各変形例では、図柄表示装置75の表示画面Gにて変動表示される図柄が左右方向にスクロールする構成としたが、左、中及び右に並べて図柄が表示され、これらの図柄が上下方向にスクロールされるようにして変動表示される構成としてもよい。すなわち、図柄の並び方向やスクロール方向は特に限定されるものではない。また、図柄の数(図柄列の列数)についても3個に限定されるものではなく、2個であってもよいし、4個以上であってもよい。
(9)上記第1の実施の形態や各変形例では、保留されていた遊技回の実行を遊技者が認識可能となる報知を行うものとして実行表示領域Dを設けたが、実行表示領域Dを備えない構成としてもよい。
(10)上記第1の実施の形態や各変形例では、保留予告演出を実行する場合、実行表示領域Dでの報知期間を含めて演出シナリオを設定する構成としたが、対象保留用画像HWが実行表示領域Dに表示される前の期間(対象保留用画像HWの遊技回が保留中である期間)を対象として演出シナリオを設定する構成としてもよい。
(11)上記第1の実施の形態や各変形例では、保留予告演出を実行する場合、保留用画像の最終表示態様を決定してから演出シナリオを設定するといった具合に段階的に設定を行う構成としたが、1の処理で最終表示態様及び演出シナリオを設定する構成としてもよい。例えば、1のテーブルにより最終表示態様と演出シナリオとの両方を決定する構成としてもよい。
(12)上記第1の実施の形態や各変形例では、主制御装置162で実行した保留先読み処理の結果を演出制御装置143に通知する場合に変動パターンの情報を送信する構成としたが、送信コマンドのデータ容量が大きくなることを抑制すべく、当該変動パターンよりもデータ量の小さい所定情報(変動パターンに対応する識別子や、変動パターンを期待度に応じてランク分けした場合のランク情報等)を送信する構成としてもよい。このことは、第1の実施の形態の変形例5における復電時保留コマンド等においても同様である。
(13)上記第1の実施の形態や各変形例では、変動パターンに基づいて遊技回演出(演出パターン)を決定するが、変動種別カウンタCSや大当たり乱数カウンタC1の値に基づいて遊技回演出を決定する構成としてもよい。この場合、主制御装置162にて保留先読み処理を実行せず、主制御装置162からの保留コマンド(変動種別カウンタCSや大当たり乱数カウンタC1の値を示す情報)に基づき、演出制御装置143にて保留先読み処理(当否判定の結果や遊技回演出を先読みする処理)を実行する構成とするとよい。
(14)上記第1の実施の形態や各変形例では、保留先読み処理により特定された変動パターンに基づいて保留予告演出の態様(保留用画像の表示態様)を設定するが、演出制御装置143において、主制御装置162から送信される変動パターン(保留先読み処理により特定された変動パターン)の情報に基づいて演出パターン(遊技回演出)を先読みし、その結果に基づいて保留予告演出の態様を設定する構成としてもよい。このような構成は、例えば、1の変動パターンに対して複数種類の演出パターン(遊技回演出)が対応する場合に特に有効となる。
(15)上記第1の実施の形態、第1の実施の形態の変形例1~変形例3、変形例5~変形例8では、保留先読み処理を主制御装置162で行う構成としたが、演出制御装置143や表示制御装置350で行う構成としてもよい。演出制御装置143にて保留先読み処理を実行する場合、第1の実施の形態の変形例4のように、大当たり乱数カウンタC1や変動種別カウンタCSの値(取得乱数)に対応する情報を主制御装置162から演出制御装置143に送信し、演出制御装置143にて当否判定の結果や変動パターンの抽選結果等を先読みする構成とするとよい。また、上記変形例4において、第1保留先読み処理及び第2保留先読み処理の少なくとも一方を主制御装置162にて行う構成としてもよい。
(16)上記第1の実施の形態、第1の実施の形態の変形例1~変形例4では、対象保留用画像HWの表示態様を元の特定表示態様に復帰させてから上位の表示態様に昇格させる構成としたが、元の特定表示態様に復帰させることなく、上位の表示態様に昇格させる構成としてもよい。また、元の特定表示態様に復帰させてから上位の表示態様に昇格させる場合と、元の特定表示態様に復帰させることなく、上位の表示態様に昇格させる場合との両方が生じ得る構成としてもよい。
(17)上記第1の実施の形態、第1の実施の形態の変形例1~変形例4では、対象保留用画像HWの表示態様を元の特定表示態様に復帰させる場合に、対象保留用画像HWの表示態様を段階的に復帰させる場合が生じる構成としたが、段階的な復帰態様が生じない構成としてもよい。すなわち、一律に表示態様の1回の変化で元の特定表示態様に復帰させる構成としてもよい。
(18)上記第1の実施の形態、第1の実施の形態の変形例1~変形例4では、実行表示領域Dでの表示期間も含めて復帰シナリオを設定する構成としたが、第1保留表示領域Ga又は第2保留表示領域Gbの表示期間のみを対象として(実行表示領域Dでの表示期間を含めないで)復帰シナリオを設定する構成としてもよい。
(19)上記第1の実施の形態、第1の実施の形態の変形例1~変形例4において、対象保留用画像HWの昇格処理を実行しない構成としてもよい。
(20)上記第1の実施の形態、第1の実施の形態の変形例1~変形例4では、対象保留用画像HWが第1保留表示領域Ga又は第2保留表示領域Gbに表示されている期間(保留期間)にて元の特定表示態様に復帰させ、その後、対象保留用画像HWの遊技回にて上位の表示態様に昇格させる構成としたが、必ずしも対象保留用画像HWの遊技回まで昇格を待機する必要はなく、上記保留期間にて昇格が行われ得る構成としてもよい。遊技回が開始される前に昇格処理を行う場合には、変動開始時に主制御装置162から送信される変動開始コマンドではなく、対象保留用画像HW(保留情報)について行われた保留先読み処理の結果を参照するとよい。
(21)上記第1の実施の形態、第1の実施の形態の変形例1~変形例4では、対象保留用画像HWの遊技回にて上位の表示態様に昇格させる場合に、変動開始時に主制御装置162から送信される変動開始コマンドを参照する構成としたが、対象保留用画像HW(保留情報)について行われた保留先読み処理の結果に基づいて上記昇格を行う構成としてもよい。
(22)上記第1の実施の形態、第1の実施の形態の変形例1~変形例2では、遊技者の操作(手動)により演出モードが切り替わる構成としたが、上記変形例7のように、遊技者の操作によらずに自動で演出モードが切り替わる構成としてもよい。
(23)上記第1の実施の形態、第1の実施の形態の変形例1~変形例2では、遊技回中に演出モードが切り替わる構成としたが、開閉実行モード(大当たり遊技)を介して演出モードが切り替わる構成としてもよい。例えば、高確遊技状態用の演出モードとして複数の演出モードが設定されており、いずれの演出モードで遊技するかをその直前の開閉実行モードにて遊技者が選択可能となっている構成に対し、第1の実施の形態、第1の実施の形態の変形例1~変形例2に係る構成を適用してもよい。
例えば、第1の実施の形態に係る構成を適用する場合には、次の構成とすることができる。高確遊技状態中の演出モードAにおいて対象保留用画像HWの表示態様が特定表示態様とされ、対象保留用画像HWよりも前の保留情報の遊技回で確変大当たりとなって開閉実行モードに移行し、当該開閉実行モード中に演出モードAとは異なる演出モードBが選択されると、当該開閉実行モード後の演出モードB(高確遊技状態)で対象保留用画像HWの表示態様が通常表示態様HMaに設定される。そして、対象保留用画像HWよりも前の保留情報の遊技回で再び確変大当たりとなって開閉実行モードに移行し、当該開閉実行モード中に演出モードAが選択されると、当該開閉実行モード後の演出モードA(高確遊技状態)で対象保留用画像HWの表示態様が元の特定表示態様に設定される。
なお、上記の構成において、遊技者の操作(手動)により演出モードが切り替わる場合に限らず、遊技者の操作によらずに自動で演出モードが切り替わる構成としてもよい。
(24)上記第1の実施の形態、第1の実施の形態の変形例1~変形例2では、演出モードAと演出モードBで保留予告演出の実行されやすさ(実行確率)が異なる構成としたが、これらの演出モードにおいて保留予告演出の実行されやすさが同じである構成としてもよい。
(25)上記第1の実施の形態、第1の実施の形態の変形例1~変形例2では、複数種類の演出状態として演出モードAと演出モードBの2種類の演出モードを備える構成としたが、3種類以上の演出モードを備える構成としてもよい。その際、例えば、3種類以上の演出状態として演出モードA~演出モードCを備える構成において、演出モードA>演出モードB>演出モードCの順で保留予告演出が実行されにくくなるなど、それら各演出モードにおいて保留予告演出の実行されやすさが相互に異なる構成としてもよいし、演出モードA~演出モードCでいずれも保留予告演出の実行されやすさが同じである構成としてもよいし、演出モードAと演出モードCは保留予告演出の実行されやすさが同じであるものの、演出モードBは保留予告演出が実行されにくいなど、保留予告演出の実行されやすさが同じである演出モードと、実行されやすさが異なる演出モードとが混在する構成としてもよい。
なお、保留予告演出の実行されやすさが同じである演出モードと、実行されやすさが異なる演出モードとが混在する構成にあっては、実行されやすさが同じである演出モード間の切り替えにおいても、異なる演出モード間での切り替えと同様に、演出モードの切替に伴って対象保留用画像HWの表示態様が通常表示態様HMaとされる構成としてもよい。つまり、実行されやすさが同じである演出モード間の切り替えと、異なる演出モード間での切り替えとを区別しない構成としてもよい。
また、実行されやすさが同じである演出モード間の切り替えにおいては、異なる演出モード間での切り替えとは異なり、演出モードが切り替わっても通常表示態様HMaに変更されず、モード切替前の特定表示態様が維持される構成としてもよい。つまり、実行されやすさが同じである演出モード間の切り替えと、異なる演出モード間での切り替えとを区別し、両者で保留予告演出の取り扱いを異ならせる構成としてもよい。
(26)上記第1の実施の形態、第1の実施の形態の変形例1~変形例2では、保留予告演出が実行されにくい演出モードBにおいて保留予告演出が実行され得る構成としたが、演出モードBにおいて保留予告演出が実行されない構成としてもよい。すなわち、本発明の「特定報知が実行されにくい演出状態」には、保留予告演出の実行確率が低い演出モードだけでなく、保留予告演出が不実行とされる演出モードも含まれると解することができる。
(27)上記第1の実施の形態、第1の実施の形態の変形例1~変形例2では、保留情報が外れに対応する場合の保留予告演出の実行確率を異ならせることで、演出モードAと演出モードBでの保留予告演出の実行されやすさを異ならせる構成としたが、保留情報が大当たりに対応する場合の保留予告演出の実行確率を異ならせたり、外れに対応する場合及び当たりに対応する場合の両方の実行確率を異ならせることで、それら演出モードでの保留予告演出の実行されやすさを異ならせる構成としてもよい。
(28)上記第1の実施の形態、第1の実施の形態の変形例1~変形例2では、保留予告演出の実行中に演出モードが切り替わる場合、実行表示領域Dに表示されている保留用画像も対象として通常表示態様HMaに変更する構成としたが、第1保留表示領域Ga及び第2保留表示領域Gbと実行表示領域Dとを区別し、実行表示領域Dに表示されている保留用画像を通常表示態様HMaに変更しない構成としてもよい。
(29)上記第1の実施の形態、第1の実施の形態の変形例1~変形例2では、対象保留用画像HWの表示態様を元の特定表示態様に復帰させる場合に変化示唆演出の実行を制限する構成としたが、復帰させることに対応した専用演出(変化示唆演出とは異なるもの)を実行する構成としてもよい。このような構成とすることで、保留用画像の表示態様が純粋に上位の表示態様に変更される場合と、復帰処理に伴い保留用画像が元の特定表示態様に復帰される場合とを遊技者が識別しやすくすることができる。
(30)上記第1の実施の形態では、保留予告演出の実行中に演出モードAから演出モードBに移行し、その後、再び演出モードAに移行した場合(保留予告演出が実行されていた元の演出モードに戻った場合)に対象保留用画像HWの表示態様を元の特定表示態様に復帰させる構成としたが、例えば、演出モードとして演出モードA~Cを備えた構成において、演出モードAで保留予告演出が実行中である状況で演出モードBに切り替わって対象保留用画像HWの表示態様が通常表示態様HMaとされ、その後、対象保留用画像HWの遊技回が終了する前に演出モードC(演出モードAとは異なる演出モード)に切り替わった場合に、元の特定表示態様に復帰される構成としてもよい。
上記の場合、演出モードAと演出モードCとで保留予告演出の実行されやすさが同じであったり、演出モードCが演出モードAよりも保留予告演出が実行されやすい(保留予告演出に対する期待度が低い)演出モードであったりすることが好ましい。但し、これらに限定されるものではなく、演出モードCが演出モードAよりも保留予告演出が実行されにくい構成であってもよい。その際、演出モードCは、演出モードBよりも保留予告演出が実行されやすい演出モードであってもよいし、実行されにくい演出モードであってもよいし、演出モードBと保留予告演出の実行されやすさが同じである演出モードであってもよい。また、演出モードA、演出モードB及び演出モードCで保留予告演出の実行されやすさが同じである構成としてもよい。
(31)上記第1の実施の形態では、保留予告演出の実行中に演出モードAから演出モードBに切り替わる場合と、保留予告演出の実行中に演出モードBから演出モードAに切り替わる場合との双方で、対象保留用画像HWの表示態様を通常表示態様HMaに変更する構成としたが、後者の場合、すなわち、保留予告演出に対応する期待度が高い演出モードから期待度が低い演出モードに切り替わる場合は、対象保留用画像HWの表示態様が特定表示態様に維持される(通常表示態様HMaに変更されない)構成としてもよい。
(32)上記第1の実施の形態では、保留予告演出の実行中に演出モードAから演出モードBに切り替わり、その後、保留予告演出の契機となった保留情報の遊技回が終了する前に演出モードAに切り替わった場合に、対象保留用画像HWの表示態様を元の特定表示態様に復帰させる構成としたが、保留予告演出の契機となった保留情報の遊技回が開始される前に演出モードAに切り替わった場合に、対象保留用画像HWの表示態様を元の特定表示態様に復帰させる構成としてもよい。すなわち、保留予告演出の契機となった保留情報の遊技回が開始された後に演出モードAに切り替わった場合は、対象保留用画像HWの表示態様を元の特定表示態様に復帰させない構成としてもよい。
(33)上記第1の実施の形態では、保留予告演出の実行中に演出モードAから演出モードBに切り替わり、演出モードBに滞在している状況で新たな保留情報が発生した場合に、演出モードBにおいてその保留情報を契機とする保留予告演出を実行しない構成としたが、演出モードBに対応して設定された条件にて保留予告演出の実行抽選を行い、当該抽選に当選することで保留予告演出を実行する構成としてもよい。
但し、演出モードBに切り替わる前の演出モードAにおいて特定表示態様とされていた保留用画像が演出モードBへの切り替わりにより通常表示態様HMaに変更される一方で、演出モードBで発生した保留情報について保留予告演出が行われると、通常表示態様HMaとされた保留用画像(保留情報)について大当たりや期待度まで消失してしまったのではないかとの遊技者の不安感をより一層煽ってしまう懸念がある。また、演出モードBで開始された保留予告演出の実行中に再び演出モードAに切り替えられた場合、その保留予告演出をどう扱うべきかの問題も生じ、全体として処理が煩雑化する懸念がある。
そのような意味では、上記第1の実施の形態のように、演出モードBに滞在している状態(換言すれば、先の演出モードAにて特定表示態様とされた対象保留用画像HWの表示態様を元の表示態様に復帰させる復帰処理を待機している状態)で新たに発生した保留情報については、保留予告演出の実行を制限するのが好ましい。なお、保留予告演出の実行中ではない状況で演出モードAから演出モードBに切り替えられた場合については、演出モードBで新たに発生した保留情報を契機とする保留予告演出の実行を制限しなくてもよい。
(34)上記第1の実施の形態では、ステップSa1508にて今回の保留情報を含めた保留数を把握するが、今回の保留情報よりも前の保留情報を対象として保留数を把握する構成としてもよい。
(35)上記第1の実施の形態の変形例1では、制限状態における対象保留用画像HB1,HB2(制限状態中に発生した保留情報の保留用画像)を通常表示態様HMaとするが、通常表示態様HMa及び特定表示態様のいずれとも異なる所定表示態様(例えば黒色表示態様)とする構成としてもよい。この場合、保留予告演出の制限状態であることを遊技者に分かりやすくすることができ、換言すれば、当該制限状態が終了することで特定表示態様に変更される可能性があることを遊技者に知らせることが可能になる。
(36)上記第1の実施の形態の変形例1において、保留予告演出の実行中に演出モードAから演出モードBに切り替わった場合、すなわち、保留予告演出の制限状態に移行した場合に、制限状態であることに対応するものであって保留用画像とは異なる報知(例えば、制限状態中であることを教示する所定表示等)を行う構成としてもよい。
(37)上記第1の実施の形態の変形例1において、制限状態中に保留用画像の表示を不実行とする構成としてもよい。より詳しくは、演出モードAで特定表示態様とされた保留用画像HAや演出モードBで発生した保留情報の保留用画像HB1,HB2だけでなく、他の保留用画像を含む全ての保留用画像についてその表示を不実行とする構成としてもよい。
その際、遊技者が保留数を認識できなくなることを抑制するため、数字表示等の別表示(保留用画像とは別の保留数報知)により保留数を報知する構成としてもよい。但し、唐突に上記別表示に切り替わると、遊技者にとって分かりにくくなるため、例えば、保留用画像と数字表示等の別表示との両方によって保留数を報知する構成としておき、保留予告の実行中に演出モードAから演出モードBに切り替わった場合は、演出モードBにおいて、保留用画像の表示だけを消去する構成とするとよい。この場合、遊技者が別表示を見失うことを抑制すべく、当該別表示の表示箇所を変更しないことが好ましい。
(38)上記第1の実施の形態の変形例1では、制限状態中に発生した保留情報を契機とする保留予告演出の態様を制限期間の終了時に設定する構成としたが(ステップSa2702)、制限期間中に設定してもよいし、制限期間の終了後に設定してもよい。
(39)上記第1の実施の形態の変形例1では、制限状態中に保留情報が取得された場合に保留先読み処理を実行し、制限状態の終了後、制限状態中に行った保留先読み処理の結果に基づいて対象保留用画像HB1,HB2の表示態様を設定する構成としたが、制限状態中に取得された保留情報についての保留先読み処理を制限状態後に実行し、その結果に基づいて制限状態後における対象保留用画像HB1,HB2の表示態様を設定する構成としてもよい。この際、当該保留先読み処理は、主制御装置162にて行ってもよいし、演出制御装置143にて行ってもよい。また、制限状態中に保留情報が取得された場合の保留先読み処理を不実行としてもよいし、実行する構成としてもよい。
(40)上記第1の実施の形態の変形例2では、保留予告演出の実行中に演出モードAから演出モードBに切り替わった場合、演出モードBにおいて演出モードAのときと同じ表示態様とする構成としたが、演出モードAと演出モードBとで保留用画像の報知態様が区別されている場合等においては、必ずしも同じ特定表示態様に復帰させる必要はなく、遊技者が同格の表示態様であると認識することが可能な表示態様に変更する構成としてもよい。例えば、演出モードAでは、青色表示態様HMb<緑色表示態様HMc<赤色表示態様HMd<虹色表示態様HMeの順番で順位付けされている一方で、演出モードBでは、黄色表示態様<茶色表示態様<紫色表示態様<虹色表示態様の順番で順位付けされている構成において、対象保留用画像HWの表示態様が緑色表示態様HMcとされた状態で演出モードAから演出モードBに切り替わった場合に、演出モードBにおいて対象保留用画像HWの表示態様を茶色表示態様とする構成としてもよい。
また、保留用画像を所定のキャラクタ画像に変更することで期待度を示唆する遊技機において、演出モードによりキャラクタの衣装やポーズ、表情等が異なるように設定された構成にあっては、対象保留用画像HWが演出モードAに対応する衣装等のキャラクタ画像に変更されている状態(保留予告演出が実行されている状態)で演出モードAから演出モードBに切り替わった場合、演出モードBにおいて対象保留用画像HWを演出モードAのときと同じキャラクタ画像に復帰させつつ、衣装等については演出モードBに対応するものとしてもよい。
要は、演出モードBでの対象保留用画像HWの表示態様が演出モードAでの表示態様と同格であると遊技者が認識できるものであればよい。このことは、演出モードBにおいて対象保留用画像HWの表示態様を上位の表示態様に昇格させる場合についても同様である。すなわち、遊技者から見て上位の表示態様であると認識できるものであればよい。上記の例でいえば、対象保留用画像HWの表示態様を茶色表示態様とした後、紫色表示態様に昇格させるといった具合である。
なお、上記第1の実施の形態やその変形例1における、元の演出モードAに戻ることを契機として対象保留用画像HWの表示態様を元の特定表示態様に復帰させる構成や、第1の実施の形態の変形例3における、開閉実行モード前の遊技状態と開閉実行モード後の遊技状態が同じである場合に、開閉実行モード後の対象保留用画像HWの表示態様を開閉実行モード前と同じ特定表示態様とする構成、第1の実施の形態の変形例4における、開閉実行モード前の遊技状態における対象保留用画像HWの特定表示態様が第2保留先読み処理により特定された変動パターンに対応する上限表示態様以下の態様である場合、開閉実行モード後の対象保留用画像HWの表示態様を開閉実行モード前と同じ特定表示態様とする構成、第1の実施の形態の変形例5における、復電後において対象保留用画像HWの表示態様を電断時の表示態様と同じ特定表示態様とする構成等についても、対象保留用画像HWの表示態様を遊技者が同格であると認識することが可能な表示態様に復帰させる具体例といえるものである。
(41)上記第1の実施の形態の変形例2では、保留予告演出の実行中に演出モードAから演出モードBへの切り替わった場合に、一旦、対象保留用画像HWの表示態様を通常表示態様HMaに変更したが、通常表示態様HMaに変更しない構成としてもよい。すなわち、演出モードBにおいて同格の表示態様を表示する旨の判定結果となった場合(ステップSa3107で肯定判定した場合)に、対象保留用画像HWの表示態様を通常表示態様HMaとすることなく(ステップSa3110の処理を実行することなく)、同格の表示態様とする構成としてもよい。
(42)上記第1の実施の形態の変形例2では、演出モードBにおいて同格の表示態様を表示しない旨の判定結果となった場合(ステップSa3107で否定判定した場合)に、対象保留用画像HWの表示態様を通常表示態様HMaに設定する構成としたが、実際の期待度を超えない範囲で特定表示態様に設定してもよい。具体的には、演出モード切替前の対象保留用画像HWの特定表示態様が復帰判定用テーブルに設定された上限表示態様よりも上位の態様である場合に、その上限表示態様以下となる表示態様(演出モード切替前の特定表示態様よりも下位の表示態様)で特定表示態様とする構成としてもよい。
(43)上記第1の実施の形態の変形例3~変形例4では、遊技状態として通常遊技状態、高確遊技状態及び時短遊技状態の3種類の遊技状態を備えるが、例えば、通常遊技状態及び高確遊技状態の2種類の遊技状態を備えるなど、3種類以外の遊技状態を備える構成であってもよい。すなわち、複数種類の遊技状態を備えるものであれば足りる。
(44)上記第1の実施の形態の変形例3~変形例4では、開閉実行モード中に保留用画像の表示を不実行とする構成としたが、保留用画像を表示する構成としてもよい。この場合、開閉実行モード中での保留用画像の表示態様が通常表示態様HMaとされる構成としてもよいし、開閉実行モード前の特定表示態様とされる構成としてもよい。また、通常表示態様HMa及び特定表示態様のいずれとも異なる所定表示態様(例えば黒色表示態様)とされる構成としてもよい。この場合の所定表示態様は、各保留情報の大当たり期待度等に対応しないもの(期待度等を示唆しないもの)としてもよい。
(45)上記第1の実施の形態の変形例3~変形例4では、エンディング期間中に保留用画像の表示が再開される構成としたが、エンディング期間の開始前に保留用画像の表示が再開される構成としてもよいし、エンディング期間の終了後(例えば、開閉実行モードが終了した後の最初の遊技回が開始される場合)に保留用画像の表示が再開される構成としてもよい。
(46)上記第1の実施の形態の変形例3~変形例4では、開閉実行モード後の遊技状態において対象保留用画像HWの表示態様を通常表示態様HMaから特定表示態様に変更する構成としたが、通常表示態様HMaとすることなく、特定表示対象で表示する構成としてもよい。すなわち、対象保留用画像HWの表示態様が特定表示態様とされた状態で保留用画像の表示が再開される構成としてもよい。
(47)上記第1の実施の形態の変形例3~変形例4では、適用対象となる構成として、複数回のラウンド遊技が実行される開閉実行モードを介して遊技状態(変動パターンテーブル)が変更される構成を例示したが、小当たり遊技(1回のラウンド遊技が実行される開閉実行モード)を介して変動パターンテーブルが変更される構成についても適用することが可能である。なお、変動パターンテーブルの変更は、当否判定の結果が当たり結果となることや開閉実行モード(可変入賞装置65を開閉する遊技状態)が実行されることを契機とするものに限らず、例えば、当否判定の結果が外れ結果となった遊技回の回数が所定回数に達したなどの予め定められた所定条件が成立したことに基づいて行われてもよい。
(48)上記第1の実施の形態の変形例3~変形例4では、大当たり乱数カウンタC1や変動種別カウンタCSの値が同じであっても抽選により得られる結果に差異が生じる構成として、開閉実行モードを契機として遊技状態が変更されるものを例示したが、開閉実行モード以外の事象を契機として上記差異が生じるものであってもよい。そのような事象としては、例えば、当否判定の結果が外れ結果となった遊技回の回数が所定回数に達したことや、何らかの抽選に当選したことなどが考えられる。つまり、如何なるものが契機であるかは任意であり、要は何らかの事象の発生により上記差異が生じる状態となるものであればよい。また、上記差異は、遊技状態の変更により生じるものに限られず、例えば、大当たり確率の変動等を伴わない演出状態の変更により生じるものであってもよい。
(49)上記第1の実施の形態の変形例3では、開閉実行モードが開始される場合に保留用画像の表示態様を記憶するが、表示態様の記憶タイミングは特に限定されるものではない。例えば、当該開閉実行モードの契機となる当選遊技回で記憶する構成としてもよい。
但し、保留予告演出において保留用画像の表示態様を段階的に昇格させる構成とした場合には、当選遊技回の実行中に保留用画像の表示態様が変化する可能性があるため、表示態様が確定した状態、換言すれば、表示態様の変化が制限された状態となってから表示態様を記憶することが好ましい。具体的には、上記変形例3のように開閉実行モードが開始される場合(当選遊技回が終了する場合)に記憶することが好ましい。
(50)上記第1の実施の形態の変形例3では、エンディング期間中に復帰判定や復帰処理の設定(ステップSa3416)を実行するが、これらの処理は開閉実行モードの終了後に行ってもよい。また、開閉実行モードの開始後、エンディング期間の開始前に行ってもよい。
なお、上記各処理を開閉実行モード中に行う場合は、オープニング期間やエンディング期間、ラウンドインターバル期間等の可変入賞装置65が閉鎖状態とされている期間にて行うのがよい。開閉実行モードにおいて可変入賞装置65が開放状態となっている場合、可変入賞装置65への入賞発生に基づく入賞演出を行うための処理を行う必要があるなど処理負荷が比較的高い状態となっていることが想定される。そのような期間を利用して復帰判定や復帰処理の設定を行うと、一層の高負荷を招く懸念がある。この点、可変入賞装置65が閉鎖状態とされている期間を利用して上記各処理を行う構成とすることで、処理負荷の軽減を図ることが可能になる。
(51)上記第1の実施の形態の変形例3では、開閉実行モード前の遊技状態が通常遊技状態であり、開閉実行モード後の遊技状態が高確遊技状態である場合において、保留先読み処理の結果が通常大当たり結果である場合に対象保留用画像HWの表示態様を復帰させる構成としたが、通常大当たり結果であるか、確変大当たり結果であるかを問わず、保留用先読み処理により大当たり結果が先読みされた場合、対象保留用画像HWの表示態様を復帰させる構成としてもよい。
(52)上記第1の実施の形態の変形例4では、大当たり乱数カウンタC1や変動種別カウンタCSの値等の取得乱数自体を主制御装置162から演出制御装置143に送信する構成としたが、送信コマンドのデータ容量が大きくなることを抑制すべく、それらの取得乱数よりもデータ量の小さい所定情報(乱数に対応する識別子等)を送信する構成としてもよい。
(53)上記第1の実施の形態の変形例4では、第2保留先読み処理を開閉実行モードの終了時に行うが、開閉実行モードの終了後に行う構成としてもよい。また、開閉実行モードの実行中に行ったり、開閉実行モードの開始前(当選遊技回の開始されてから開閉実行モードが開始されるまでの期間)に行ったりする構成としてもよい。
(54)上記第1の実施の形態の変形例4では、第1保留先読み処理及び第2保留先読み処理において変動パターンを先読みする構成としたが、演出パターン(遊技回演出)を先読みする構成としてもよい。このような構成は、例えば、1の変動パターンに対して複数種類の演出パターン(遊技回演出)が対応する場合に特に有効となる。
(55)上記第1の実施の形態の変形例4では、上限表示態様テーブルにおいて変動パターンに対応させて上限表示態様を設定するが、変動種別カウンタCSの値に対応させて上限表示態様を設定する構成としてもよい。
(56)上記第1の実施の形態の変形例4では、開閉実行モード前の遊技状態と開閉実行モード後の遊技状態とにおいて、取得された大当たり乱数カウンタC1に対する当否結果が変動する場合でも、対象保留用画像HWの表示態様を開閉実行モード後に特定表示態様とする構成としたが、特定表示態様としない構成としてもよい。具体的には、第1保留先読み処理の結果が大当たりであり、第2保留先読み処理の結果が外れ結果である場合には、対象保留用画像HWの表示態様を開閉実行モード後に特定表示態様としない構成としてもよい。
(57)上記第1の実施の形態の変形例4では、開閉実行モード前の遊技状態における対象保留用画像HWの特定表示態様と、第2保留先読み処理により特定された変動パターンに対応する上限表示態様とを比較し、その結果に基づいて開閉実行モード後の遊技状態における対象保留用画像HWの表示態様を設定する構成としたが、上記比較を行わず(開閉実行モード前の表示態様にかかわらず)、第2保留先読み処理の結果に基づいて表示態様を設定する構成としてもよい。
(58)上記第1の実施の形態の変形例4では、開閉実行モード前の遊技状態における対象保留用画像HWの特定表示態様が、第2保留先読み処理により特定された変動パターンに対応する上限表示態様よりも上位の態様である場合に、開閉実行モード後の遊技状態における対象保留用画像HWの表示態様を通常表示態様HMaに設定する構成としたが、実際の期待度を超えない範囲で特定表示態様に設定してもよい。具体的には、開閉実行モード前の遊技状態における対象保留用画像HWの特定表示態様が、第2保留先読み処理により特定された変動パターンに対応する上限表示態様よりも上位の態様である場合に、上限表示態様以下となる表示態様(開閉実行モード前の特定表示態様よりも下位の表示態様)で特定表示態様とする構成としてもよい。
(59)上記第1の実施の形態の変形例4では、開閉実行モード前の遊技状態と開閉実行モード後の遊技状態との異同にかかわらず、第2保留先読み処理を実行する構成としたが、上記各遊技状態が同じである場合は、第2保留先読み処理を実行せず、開閉実行モード後における対象保留用画像HWの表示態様を開閉実行モード前の表示態様に基づいて設定する構成としてもよい。具体的には、開閉実行モード後の表示態様を開閉実行モード前の表示態様と同じ態様に設定してもよい。この場合、一旦、通常表示態様HMaとしてから開閉実行モード前の表示態様に変化させてもよいし、当初から開閉実行モード前の表示態様で表示させてもよい。
(60)上記第1の実施の形態の変形例5~変形例6では、所定の異常として電断異常を例示したが、例えば、磁気センサ異常や振動センサ異常等の他の異常であってもよい。その際、所定の異常は、遊技進行が停止するものに限らず、遊技進行が継続されるものであってもよい。
(61)上記第1の実施の形態の変形例5~変形例6では、電断異常が解消されて復電した場合に、対象保留用画像HWが特定表示態様とされた状態で保留用画像の表示が再開されるが、復電時における初期段階では対象保留用画像HWの表示態様が通常表示態様HMaとされ、その後、電断状態の発生前における表示態様や電断前に行われた保留先読み処理の結果に基づいて設定された特定表示態様に変更される構成としてもよい。
また、復電時における初期段階では対象保留用画像HWの表示態様が通常表示態様HMa及び特定表示態様のいずれとも異なる所定表示対象(復電時専用の表示態様であって、例えば紫色表示態様)とされ、その後、電断状態の発生前における表示態様や電断前に行われた保留先読み処理の結果に基づいて設定された特定表示態様に変更される構成としてもよい。その際、所定表示態様とされた保留用画像を一旦通常表示態様HMaとしてから特定表示態様に変更する構成としてもよい。
(62)上記第1の実施の形態の変形例5~変形例6では、電断異常が解消されて復電した場合に、図柄表示装置75の画面状態が復帰待機画面(「まもなく画面が復帰します」などの文字表示461が表示された画面)となっている状況で保留用画像の表示が再開される構成としたが、復帰待機画面状態では保留用画像の表示を行わず、画面復帰(図柄列Z1~Z3の図柄変動表示の復帰)される場合(又は画面復帰された場合)に保留用画像の表示が再開される構成としてもよい。かかる場合には、保留用画像の表示数を更新した状態(各保留用画像を下位側にシフトさせ、保留数を1個減らした状態)で保留用画像の表示を再開する。
また、電断異常が遊技回の非実行中に発生した場合と、遊技回の実行中に発生した場合とで保留用画像の表示タイミングを異ならせる構成としてもよい。具体的には、電断異常が遊技回の非実行中に発生した場合は、電源投入画面(「電源が投入されました」などの文字表示が表示された画面)となっている状況で保留用画像の表示が再開され、電断異常が遊技回の実行中に発生した場合には、復帰待機画面状態では保留用画像の表示が行われず、画面復帰に合わせて保留用画像の表示が再開される構成としてもよい。つまり、電断異常が遊技回の非実行中に発生した場合は、遊技回の実行中に発生した場合よりも早いタイミング(電力供給の開始からの経過時間が短いタイミング)で保留用画像の表示が再開される構成としてもよい。
(63)上記第1の実施の形態の変形例5~変形例6では、遊技回の実行中や非実行中に電断異常が発生した場合を例示したが、開閉実行モードの実行中に電断異常が発生した場合にも適用することが可能である。その際、電源投入画面状態や復帰待機画面状態にて対象保留用画像の表示が再開される構成としてもよいし、復電後において続きの開閉実行モードが行われている期間は保留用画像の表示が不実行とされ、開閉実行モード後における最初の遊技回の開始タイミングに合わせて対象保留用画像の表示が再開される構成としてもよい。また、復帰待機画面状態とされている期間において保留用画像の表示が不実行とされ、画面復帰に合わせて保留用画像の表示が再開される構成としてもよい。
(64)上記第1の実施の形態の変形例5~変形例6では、停電監視部315を電源及び発射制御装置191に設けたが、主制御装置162や演出制御装置143に設ける構成としてもよい。この場合、変形例5においては、上記停電監視部315を主制御装置162と演出制御装置143のそれぞれに設けてもよいし、主制御装置162と演出制御装置143の一方に設け、当該停電監視部315からの停電信号又は一方の制御装置からの停電コマンド(電断状態の発生を示すコマンド)を他方の制御装置に送信する構成としてもよい。
(65)上記第1の実施の形態の変形例5~変形例6では、復電後における対象保留用画像HWの表示態様の設定処理(ステップSa5202の保留予告の復帰用処理やステップSa6204の表示態様の設定処理)を復電時に実行するが、復電後に実行してもよい。具体的には、復電後において対象保留用画像HWの遊技回が開始されるまでの期間における所定タイミングで実行する構成としてもよい。
(66)上記第1の実施の形態の変形例5では、対象保留用画像HWの表示態様を示す情報をバックアップし、復電後にその情報に基づいて電断発生前の表示態様を把握して復電後の対象保留用画像HWの表示態様を設定し、第1の実施の形態の変形例6では、先読み結果を示す情報をバックアップし、復電後にその情報に基づいて電断発生前の先読み結果を把握して復電後の対象保留用画像HWの表示態様を設定したが、復電後に改めて先読み処理を実行し、その結果に基づいて復電後の対象保留用画像HWの表示態様を設定してもよい。その際、復電後の先読み処理は主制御装置162にて行ってもよいし、演出制御装置143にて行ってもよい。
上記の場合、複数の保留用画像が表示されている状況においていずれの保留用画像が特定表示態様とされているかを把握することが可能な変化箇所情報を記憶し、電断状態が発生してもその変化箇所情報をバックアップ(記憶保持)する構成とするとよい。このような構成とすることで、電断発生前にいずれの保留用画像が特定表示態様で表示されていたかを復電後に把握することが可能になる。変化箇所情報は、主制御装置162のRAM314に記憶して主制御装置162がバックアップする構成としてもよいし、演出制御装置143のRAM344又はバックアップRAM345に記憶して演出制御装置143がバックアップする構成としてもよい。
上記の際、電断前に特定表示態様とされていたと把握された保留用画像(保留情報)を対象にして復電後の先読み処理を実行するとよい。この場合、電断前に特定表示態様とされていなかった保留用画像まで復電後の先読み処理により特定表示態様とされ、遊技者に不自然な印象を与えることを抑制することができる。さらに、復電後に存在する全ての保留情報を対象として再度の先読み処理を行う場合に比べ、先読み処理の実行回数を少なく抑えることができ、復電時の処理負荷を軽減することが可能になる。
ここで、電断前にいずれの保留用画像が特定表示態様で表示されていたかを把握するとは、電断前にいずれの保留用画像が特定表示態様で表示されていなかったかを把握するとも言い換えることができるが、その把握により、特定表示態様で表示されていなかったとして把握された保留用画像について、その表示態様を通常表示態様に設定する構成としてもよい。この場合の処理は、復電後の先読み処理の対象とならなかった保留用画像について、その表示態様を通常表示態様に設定するものでもよいし、全ての保留用画像を対象に復電後の先読み処理を行った上で、特定表示態様で表示されていなかったとして把握された保留用画像については、その先読み処理の結果にかかわらず、その表示態様を通常表示態様に強制設定するものでもよい。
また、復電後の先読み結果に基づいて対象保留用画像HWの表示態様を設定する構成において、第1の実施の形態の変形例5や変形例6と同様に、その表示態様を一定以下の特定表示態様(例えば緑色表示態様HMcや青色表示態様HMb)に制限して設定する構成としてもよい。
なお、復電後の先読み処理は、復電時に行われてもよいし、電断前に特定表示態様とされていた保留用画像(保留情報)の遊技回が開始される前であれば、復電後に行われてもよい。
また、復電後の先読み処理を実行せず、電断前に特定表示態様とされていたと把握された保留用画像について、その表示態様を予め定められた所定の特定表示態様(例えば青色表示態様HMb)に設定する構成としてもよい。
(67)上記第1の実施の形態の変形例5では、バックアップRAM345を設け、保留用画像に関する情報をバックアップ(記憶保持)する構成としたが、バックアップRAM345を設けることなく、RAM344に記憶された全ての情報を対象としてバックアップする構成としてもよい。また、バックアップRAM345を設けることなく、RAM344に記憶された一部の情報(保留用画像に関する情報)をバックアップする構成としてもよい。
(68)上記第1の実施の形態の変形例5では、停電監視部315からの停電信号を主制御装置162と演出制御装置143に送信する構成としたが、主制御装置162のみに送信する構成としてもよい。かかる構成では、停電監視部315からの停電信号が主制御装置162に入力された場合に、主制御装置162から演出制御装置143に停電コマンドを送信し、演出制御装置143では停電コマンドを受信することを契機として停電処理(ステップSa11~ステップSa13の処理等)を実行する構成とするとよい。
(69)上記第1の実施の形態の変形例5では、電断前における対象保留用画像HWの特定表示態様が所定表示態様(緑色表示態様HMc)以上の表示態様である場合(ステップSa5404で肯定判定した場合)に、復電後における対象保留用画像HWの表示態様を所定表示態様より下位の特定表示態様に制限する構成としたが、対象保留用画像HWの表示態様を通常表示態様HMaとする(特定表示態様を解除する)構成としてもよい。
(70)上記第1の実施の形態の変形例5では、復電後における対象保留用画像HWの表示態様を電断前の特定表示態様よりも下位の特定表示態様に設定した場合を対象として、対象保留用画像HWの遊技回での昇格処理を実行する構成としたが(ステップSa5409,ステップSa5601)、復電後における対象保留用画像HWの表示態様を電断前の特定表示態様とした場合にも、対象保留用画像HWの遊技回での昇格処理を実行する構成としてもよい。また、復電後における対象保留用画像HWの表示態様にかかわらず、遊技回での昇格処理を実行する構成としてもよい。
(71)上記第1の実施の形態の変形例6では、電断前の保留先読み処理により大当たり結果が先読みされている場合(ステップSa6302で肯定判定した場合)に、復電後における対象保留用画像HWの表示態様を画一的に第1特定表示態様(緑色表示態様HMc)に設定する構成としたが、第1特定表示態様に設定されやすい構成としてもよい。具体的には、電断前の保留先読み処理により大当たり結果が先読みされている場合に、復電後における対象保留用画像HWの表示態様が通常表示態様HMaや、第1特定表示態様よりも下位の特定表示態様に設定される場合も生じ得る構成とした上で、それらの表示態様となる確率よりも第1特定表示態様とされる確率が高く設定された構成としてもよい。
また、第1特定表示態様といった制限を設けることなく、把握された保留先読み結果(電断前に行われた保留先読み処理の結果)に基づいて電断前と同様の保留予告用の設定処理を実行し、保留予告演出の実行抽選や保留用画像の表示態様の抽選処理を行う構成としてもよい。
これらのことは、期待度が高い外れ結果が先読みされた場合(ステップSa6305で肯定判定した場合)についても同様である。
(72)上記第1の実施の形態の変形例6では、電断前の保留先読み処理が大当たり結果であるか、外れ結果であるかにより、復電後における対象保留用画像HWの上限表示態様を異ならせる構成としたが、そのような区別を行わない構成としてもよい。具体的には、当否にかかわらず、復電後における対象保留用画像HWの上限表示態様を一律に所定の特態表示態様に設定する構成としてもよい。
(73)上記第1の実施の形態の変形例6では、電断前の保留先読み処理により特定された変動パターンを把握できない場合(ステップSa6308で否定判定した場合)に、その保留情報に対応する保留用画像を通常表示態様HMaに設定して表示する構成としたが、エラー扱いとして保留用画像の表示を不実行とする構成としてもよい。その際、変動パターンを把握できない保留情報に対応する保留用画像を非表示としてもよいし、他の保留用画像も含めて全ての保留用画像を表示しない構成としてもよい。
(74)上記第1の実施の形態の変形例6では、電断前の保留先読み処理により大当たり結果が先読みされている場合(ステップSa6302で肯定判定した場合)に、復電後における対象保留用画像HWの表示態様を第1特定表示態様に設定するが、通常表示態様HMaに設定する構成としてもよい。すなわち、電断前に大当たり結果が先読みされていたことに基づいて復電後に期待度が高めの特定表示態様に設定すると、電断異常の影響により保留先読み結果と遊技回での当否判定の結果とに不整合が生じた場合に、遊技者に与える影響が大きいことが想定される。この点、復電後における保留用画像の表示態様をひとまず通常表示態様HMaとしておき、遊技回の開始時に送信される変動開始コマンドに基づいて表示態様を変更する構成とすることで、復電後における保留用画像の表示態様を安全に設定することが可能になる。このことは、期待度が高い外れ結果が先読みされた場合(ステップSa6305で肯定判定した場合)についても同様である。
(75)上記第1の実施の形態の変形例6では、電断前の保留先読み処理により大当たり結果が先読みされている場合や、SPSPリーチ外れ以上のリーチ外れ演出に対応する変動パターンが先読みされている場合を対象として、対象保留用画像HWの遊技回での昇格処理を実行する構成としたが(ステップSa6304,ステップSa6307)、他の先読み結果である場合(SPリーチ外れのリーチ外れ演出等)にも、対象保留用画像HWの遊技回での昇格処理を実行する構成としてもよい。また、先読み結果にかかわらず、遊技回での昇格処理を実行する構成としてもよい。
(76)上記第1の実施の形態の変形例6において、電断前に行われた保留先読み処理の結果に対応する情報だけでなく、電断前における対象保留用画像HWの特定表示態様に対応する情報もバックアップし、それら両方の情報に基づいて復電後における対象保留用画像HWの表示態様を設定する構成としてもよい。例えば、復電後における特定表示態様の上限(上限表示態様)を変動パターンに対応させて複数種類設定しておき、電断前における対象保留用画像HWの特定表示態様(バックアップされた特定表示態様)が電断前の保留先読み処理で先読みされた変動パターン(バックアップされた保留先読み結果)に対応する上限表示態様以下の態様である場合に、復電後における対象保留用画像HWの表示態様を電断前の特定表示態様と同じ態様に設定する構成としてもよい。
(77)上記第1の実施の形態の変形例6では、電断前に行われた保留先読み処理の結果に対応する情報を主制御装置162にてバックアップする構成としたが、演出制御装置143や表示制御装置350にてバックアップする構成としてもよい。演出制御装置143にてバックアップする場合には、第1の実施の形態の変形例5のように、演出制御装置143にバックアップRAMを設けるなどしてバックアップ機能を搭載した上で、主制御装置162から送信される保留先読み処理の結果に対応する情報を演出制御装置143のRAM344に記憶し、電断状態が発生した場合には当該情報をバックアップRAMに書き込んだり、RAM344に記憶された上記情報が電断中も保持されたりする構成とするとよい。かかる構成では、電断状態が解消されて復電した場合に、演出制御装置143に保持されている情報(保留先読み処理の結果に対応する情報)に基づき、電断前に行われた保留先読み処理の結果を把握することができる。
上記の際、主制御装置162における保留先読み処理の結果に対応する情報のバックアップは行ってもよいし、行わなくてもよい。ちなみに、主制御装置162と演出制御装置143の両方で保留先読み処理の結果に対応する情報をバックアップする構成とした場合には、両制御装置162,143でバックアップされた各情報の比較結果に基づいて当該情報の正常性を判定する構成をさらに備えてもよい。具体的には、電断状態が解消されて復電した場合に、主制御装置162でバックアップされた保留先読み処理の結果に対応する情報を演出制御装置143に送信し、演出制御装置143にて、自らがバックアップする情報(保留先読み処理の結果に対応する情報)と、主制御装置162から送信された情報とを比較する。その結果、両情報が対応するものである場合は、バックアップされた情報が正常であると判定し、当該情報を有効なものと認識して復電後における保留予告演出の設定(復帰)に利用する。逆に、両情報が対応しないものである場合は、バックアップされた情報が正常ではないと判定し、当該情報を無効なものとして保留予告演出の復帰処理(当該情報を利用した保留予告演出の設定)を実行しない。
ここで、主制御装置162から送信された情報と、演出制御装置143でバックアップされた情報とが対応するとは、それら両情報の値が一致する場合のほか、記憶時における情報の形態(例えば値)が両制御装置162,143で異なるなど、情報そのものの対比では一致しないものの、それら各情報が実質的に意味する内容は同じである場合などが考えられる。
なお、情報の対比は、演出制御装置143に限らず、主制御装置162や表示制御装置350にて行ってもよい。主制御装置162にて対比を行う場合は、電断状態が解消されて復電した際に、演出制御装置143でバックアップされた情報を主制御装置162に送信する。
また、主制御装置162と演出制御装置143のそれぞれでバックアップした結果の対比(照合)により正常性を判定する情報は、必ずしも保留先読み処理の結果に限定されるものではなく、例えば、当否判定の結果や保留数に関する情報など、他の情報であってもよい。ちなみに、主制御装置162でバックアップされた保留数に関する情報と、演出制御装置143でバックアップされた保留数に関する情報とが対応しない場合は、異常であるとしてエラー報知を実行してもよいし、それに代えて又は加えて、主制御装置162でバックアップされた情報に基づいて保留数を報知する(主制御装置162でバックアップされた情報を優先する)構成としてもよい。
(78)上記第1の実施の形態の変形例7~変形例8では、演出モードAと演出モードBで保留予告演出の実行されやすさ(実行確率)が異なる構成としたが、これらの演出モードにおいて保留予告演出の実行されやすさが同じである構成としてもよい。
(79)上記第1の実施の形態の変形例7~変形例8では、保留予告演出が実行されにくい演出モードBにおいて保留予告演出が実行され得る構成としたが、演出モードBにおいて保留予告演出が実行されない構成としてもよい。すなわち、本発明の「特定報知が実行されにくい演出状態」には、保留予告演出の実行確率が低い演出モードだけでなく、保留予告演出が不実行とされる演出モードも含まれると解することができる。
(80)上記第1の実施の形態の変形例7では、遊技者の操作によらずに自動で演出モードが切り替わる構成としたが、遊技者の操作(手動)により演出モードが切り替わる構成としてもよい。この場合、保留予告演出の実行中は演出モードの切替操作が無効化される構成とするとよい。
(81)上記第1の実施の形態の変形例7では、複数種類の演出状態として演出モードAと演出モードBの2種類の演出モードを備える構成としたが、3種類以上の演出モードを備える構成としてもよい。その際、例えば、3種類以上の演出状態として演出モードA~演出モードCを備える構成において、演出モードA>演出モードB>演出モードCの順で保留予告演出が実行されにくくなるなど、それら各演出モードにおいて保留予告演出の実行されやすさが相互に異なる構成としてもよいし、演出モードA~演出モードCでいずれも保留予告演出の実行されやすさが同じである構成としてもよいし、演出モードAと演出モードCは保留予告演出の実行されやすさが同じであるものの、演出モードBは保留予告演出が実行されにくいなど、保留予告演出の実行されやすさが同じである演出モードと、実行されやすさが異なる演出モードとが混在する構成としてもよい。
なお、保留予告演出の実行されやすさが同じである演出モードと、実行されやすさが異なる演出モードとが混在する構成にあっては、実行されやすさが同じである演出モード間の切り替えにおいても、異なる演出モード間での切り替えと同様に、保留予告演出の実行中は演出モードの切り替えを制限する構成としてもよいし、実行されやすさが同じである演出モード間の切り替えの場合は、保留予告演出の実行中であっても演出モードの切り替えを許容する構成としてもよい。
(82)上記第1の実施の形態の変形例7では、切替抽選タイミングとなった場合(ステップSa7101で肯定判定した場合)に演出モードの切替抽選(ステップSa7102の第1モード切替抽選)を実行し、当該抽選で当選した場合に保留予告演出の実行中であるか否かを判定し、実行中である場合に演出モードの切替処理を実行しない構成としたが、切替抽選タイミングとなった場合(ステップSa7101で肯定判定した場合)に保留予告演出を実行中であるか否かを判定し、実行中である場合に演出モードの切替抽選を行わずにモード切替を不実行とする構成としてもよい。
(83)上記第1の実施の形態の変形例7では、保留予告演出が実行されやすい演出モードAから保留予告演出が実行されにくい演出モードBへの切り替えだけでなく、演出モードBから演出モードAへの切り替えについても、保留予告演出の実行中は演出モードの切り替えを制限する構成としたが、演出モードBから演出モードAへの切り替えについては保留予告演出の実行中であっても許容する構成としてもよい。
(84)上記第1の実施の形態の変形例7では、演出モードBから演出モードAへの切り替えの場合に、保留予告演出が実行されている対象保留用画像HWの表示態様が所定表示態様(緑色表示態様HMc)以上の表示態様であるか否かを判定し、その結果に基づいて演出モードの切り替えを許容するか否かを振り分ける構成としたが、演出モードAから演出モードBへの切り替えの場合と同様に、対象保留用画像HWの表示態様にかかわらず、保留予告演出の実行中であれば演出モードの切り替えを制限する構成としてもよい。
(85)上記第1の実施の形態の変形例7では、演出モードAから演出モードBへの切り替えの場合に、対象保留用画像HWの表示態様にかかわらず、保留予告演出の実行中であれば演出モードの切り替えを制限する構成としたが、演出モードBから演出モードAへの切り替えの場合と同様に、対象保留用画像HWの表示態様に基づいて演出モードの切り替えを許容するか否かを振り分ける構成としてもよい。
上記の際、演出モードの切り替えを許容するか否かの基準(境界)となる所定表示態様は、演出モードBから演出モードAへの切り替えの場合と同格の表示態様としてもよいし、演出モードBから演出モードAへの切り替えの場合とは異なる表示態様としてもよい。異なる表示態様とする場合は、演出モードBから演出モードAへの切り替えの場合よりも上位の表示態様とすることが好ましい。
(86)上記第1の実施の形態の変形例7では、保留予告演出の実行中に演出モードBから演出モードAへの切り替えを許容する場合に、対象保留用画像HWの表示態様が特定表示態様に維持されたまま、演出モードが切り替えられる構成としたが、演出モードの切り替えに伴い対象保留用画像HWの表示態様が通常表示態様HMaに変更される構成としてもよい。この場合、対象保留用画像HWの遊技回が開始されるまで又は終了するまで通常表示態様HMaに維持される構成としてもよいし、第1の実施の形態やその変形例1~変形例2のように、対象保留用画像HWの遊技回が開始される前又は終了する前に特定表示態様に変更される構成としてもよい。
(87)上記第1の実施の形態の変形例7において、保留先読み処理の結果に基づいて演出モードの切り替えを制限する構成としてもよい。例えば、保留先読み処理により所定結果(例えば、大当たり結果やSPSPリーチ演出以上の外れ結果)が先読みされた場合に、その保留情報の遊技回が終了するまで演出モードの切り替えを制限する構成としてもよい。
例えば、大当たり結果や、SPSPリーチ演出等の期待度が高い外れ結果が先読みされた場合、その保留情報の遊技回が開始される前から遊技者の期待感を煽る予告演出等の煽り演出(保留用画像を用いた保留予告演出とは別の演出)が行われることが想定される。その煽り演出の実行中に演出モードの切り替えを挟むと、遊技者から見て当該煽り演出が分かりにくくなったりするおそれがある。この際、保留予告演出の実行中であるか否かにかかわらず、保留予告演出の契機となる保留先読み処理の結果に基づいて演出モードの切り替えを制限する構成とした場合には、煽り演出の途中で演出モードが切り替わることを好適に抑制可能となる。また、保留予告演出の実行前に演出モード切替を制限することができるため、演出モードの切り替えタイミングと、保留予告演出の開始タイミングとが重複した場合でも、演出モードの切り替えと保留予告演出の実行とが同時に行われることを抑制できる。
(88)上記第1の実施の形態の変形例7では、保留予告演出の実行中に演出モードの切替条件が成立した場合(演出モードの切替タイミングとなり、第1モード切替抽選に当選した場合)において、保留予告演出が実行されている保留用画像(保留情報)の先読み結果が大当たり結果である場合に演出モードの切り替えを許容する構成としたが、これに代えて又は加えて、所定の外れ結果(例えば、SPSPリーチ演出以上の外れ結果)が先読みされた場合に演出モードの切り替えを許容する構成としてもよい。すなわち、保留予告演出の実行中は原則として演出モードが切り替えられないものの、演出モードが切り替えられた場合には、その保留予告演出の対象となっている保留情報の期待度が高いことを示唆することができる。
なお、上記のような例外的に演出モード切替を許容する構成は必須のものではなく、第1の実施の形態の変形例7において、保留先読み処理の結果を参照せず、保留予告演出が実行中であるか否かやそのときの特定表示態様の種類を判断材料として演出モードの切り替えを許容するか否かを振り分ける構成としてもよい。
(89)上記第1の実施の形態の変形例7では、第2モード切替抽選に当選したことを条件として演出モードの切り替えを許容する構成としたが、そのような抽選を経ないでモード切替を許容する構成としてもよい。すなわち、保留予告演出の実行中に演出モードの切替条件が成立した場合においてその保留情報の先読み結果が大当たり結果である場合には、必ず演出モードの切り替えが許容させる構成としてもよい。
(90)上記第1の実施の形態の変形例8では、遊技者の操作(手動)により演出モードが切り替わる構成としたが、遊技者の操作によらずに自動で演出モードが切り替わる構成としてもよい。このような構成としては、例えば、保留先読み処理により所定結果が先読みされたことに基づいて演出モードの切り替えが事前設定され、その後、切替実行条件が成立することで演出モードの自動切替が行われるものが考えられる。なお、切替実行条件としては、例えば、所定結果が先読みされた保留情報の遊技回が開始されることや、当該遊技回に対して所定回前の遊技回が開始されることなどが考えられる。
(91)上記第1の実施の形態の変形例8では、複数種類の演出状態として演出モードAと演出モードBの2種類の演出モードを備える構成としたが、3種類以上の演出モードを備える構成としてもよい。その際、例えば、3種類以上の演出状態として演出モードA~演出モードCを備える構成において、演出モードA>演出モードB>演出モードCの順で保留予告演出が実行されにくくなるなど、それら各演出モードにおいて保留予告演出の実行されやすさが相互に異なる構成としてもよいし、演出モードA~演出モードCでいずれも保留予告演出の実行されやすさが同じである構成としてもよいし、演出モードAと演出モードCは保留予告演出の実行されやすさが同じであるものの、演出モードBは保留予告演出が実行されにくいなど、保留予告演出の実行されやすさが同じである演出モードと、実行されやすさが異なる演出モードとが混在する構成としてもよい。
なお、保留予告演出の実行されやすさが同じである演出モードと、実行されやすさが異なる演出モードとが混在する構成にあっては、実行されやすさが同じである演出モード間の切り替えにおいても、異なる演出モード間での切り替えと同様に、演出モード切替の待機状態である間は保留予告演出の実行を制限する構成としてもよいし、実行されやすさが同じである演出モード間の切り替えの場合は、演出モード切替の待機状態であっても保留予告演出の実行を許容する構成としてもよい。
(92)上記第1の実施の形態の変形例8では、演出モード切替の待機状態である場合に一律に保留予告演出の実行を制限する構成としたが、所定以上の特定表示態様を表示する保留予告演出の実行を制限する構成としてもよい。例えば、演出モード切替の待機状態である場合において、保留用画像の表示態様を青色表示態様HMbとする保留予告演出の実行を許容する一方で、保留用画像の表示態様を緑色表示態様HMc以上の表示態様とする保留予告演出が実行されないようにする構成としてもよい。
(93)上記第1の実施の形態の変形例8では、切替先の演出モードにかかわらず、演出モード切替の待機状態である場合は保留予告演出の実行を制限する構成としたが、切替先の演出モードによって制限態様を異ならせてもよい。例えば、保留予告演出が実行されにくい演出モードBから保留予告演出が実行されやすい演出モードAへの切り替えの場合は、演出モード切替の待機状態において一律に保留予告演出の実行を制限する一方で、演出モードAから演出モードBへの切り替えの場合は、演出モード切替の待機状態であっても保留予告演出の実行を許容したり、所定表示態様(例えば青色表示態様HMb)よりも上位の特定表示態様とする保留予告演出の実行は制限するものの、所定表示態様以下の特定表示態様とする保留予告演出の実行については許容したりする構成としてもよい。
(94)上記第1の実施の形態の変形例8では、演出モード切替後の対象保留用画像HWの表示態様を待機状態が終了する場合に設定する構成としたが、待機状態が終了した後(演出モードが切り替わった後)であって対象保留用画像HWの遊技回が開始又は終了するまでの期間における所定タイミングで設定する構成としてもよい。なお、対象保留用画像HWの遊技回中に設定する場合は、対象保留用画像HWの保留先読み処理の結果に基づいて表示態様を設定してもよいし、対象保留用画像HWの遊技回の開始時に送信される変動開始コマンドに基づいて表示態様を設定してもよい。
(95)上記第1の実施の形態の変形例8では、切替案内画像451の表示前に取得された保留情報について保留予告演出の実行を制限しない構成としたが、保留予告演出の実行を制限する構成としてもよい。すなわち、待機状態中に限らず、待機状態に移行する前も保留予告演出の実行を制限する構成としてもよい。
具体的には、保留予告演出の実行中に切替案内画像451が表示された場合に、切替案内画像451が表示されてから演出モードが切り替えられるまでの期間における所定タイミングで、保留予告演出の実行対象である保留用画像の表示態様が特定表示態様から通常表示態様HMaに変更される構成とすることが考えられる。なお、特定表示態様から通常表示態様HMaへの具体的な変更タイミングとしては、切替案内画像451の表示タイミングや、待機状態への移行タイミング、演出モードの切替タイミングなどが想定される。
(96)上記第1の実施の形態の変形例8では、切替案内画像451の表示後、待機状態への移行前に取得された保留情報について保留予告演出の実行を制限しない構成としたが、保留予告演出の実行を制限する構成としてもよい。
この場合、切替案内画像451が表示されること(切替案内状態に移行する)ことに基づき、待機状態への移行に先立って保留予告演出の実行制限が開始される構成としてもよい。すなわち、切替案内画像451の表示後、待機状態への移行前に取得された保留情報を契機とする保留予告演出が、待機状態への移行前や待機状態において実行されない構成としてもよい。
また、待機状態への移行前に一時的に保留予告演出が実行されるものの、待機状態に移行した場合に当該保留予告演出の実行が解除される構成としてもよい。具体的には、切替案内画像451の表示後、待機状態への移行前に取得された保留情報を契機とする保留予告演出が待機状態への移行前に実行された後、保留予告演出の実行対象である保留用画像の表示態様が特定表示態様から通常表示態様HMaに変更される構成としてもよい。なお、特定表示態様から通常表示態様HMaへの具体的な変更タイミングとしては、待機状態への移行タイミングや演出モードの切替タイミングなどが考えられる。
(97)上記第1の実施の形態の変形例8では、待機状態中に保留情報が取得された場合に保留先読み処理を実行し、待機状態の終了後、待機状態中に行った保留先読み処理の結果に基づいて対象保留用画像HWの表示態様を設定する構成としたが、待機状態中に取得された保留情報についての保留先読み処理を待機状態後に実行し、その結果に基づいて待機状態後における対象保留用画像HWの表示態様を設定する構成としてもよい。この際、当該保留先読み処理は、主制御装置162にて行ってもよいし、演出制御装置143にて行ってもよい。また、待機状態中に保留情報が取得された場合の保留先読み処理を不実行としてもよいし、実行する構成としてもよい。
(98)上記第1の実施の形態の変形例8において、第1の実施の形態の変形例7に係る構成を適用し、保留予告演出の実行中は切替案内状態への移行を制限する構成としてもよい。具体的には、保留予告演出の実行中は、切替案内抽選の実行タイミングとなっても当該抽選を行わない構成としたり、当該抽選に当選しても切替案内画像451の表示や案内報知フラグのセットを行わない構成としたり、切替案内抽選の実行タイミングであるか否かを判定しない構成としたりしてもよい。
(99)上記実施の形態とは異なる他のタイプのパチンコ機等、例えば特別装置の特定領域に遊技球が入ると電動役物が所定回数開放するパチンコ機や、特別装置の特定領域に遊技球が入ると権利が発生して大当たりとなるパチンコ機、他の役物を備えたパチンコ機、アレンジボール機、雀球等の遊技機にも本発明を適用できる。
また、弾球式でない遊技機、例えば、複数種の図柄が周方向に付された複数のリールを備え、メダルの投入及びスタートレバーの操作によりリールの回転を開始し、ストップスイッチが操作されるか所定時間が経過することでリールが停止した後に、表示窓から視認できる有効ライン上に特定図柄又は特定図柄の組み合わせが成立していた場合にはメダルの払い出し等といった特典を遊技者に付与するスロットマシンにも本発明を適用できる。
更に、外枠に開閉可能に支持された遊技機本体に貯留部及び取込装置を備え、貯留部に貯留されている所定数の遊技球が取込装置により取り込まれた後にスタートレバーが操作されることによりリールの回転を開始する、パチンコ機とスロットマシンとが融合された遊技機にも本発明を適用できる。
<第2の実施の形態>
以下、本実施の形態に係る遊技機について説明する。なお、上記第1の実施の形態において図1~図10を参照して説明したパチンコ機10の基本構成については、本実施の形態においても同様であるため、その説明を省略する。
<主制御装置162のMPU312にて各種抽選を行うための電気的構成>
主制御装置162のMPU312にて各種抽選を行うための電気的な構成について図100を用いて説明する。
MPU312は遊技に際し各種カウンタ情報を用いて、大当たり発生抽選、特図用表示部43の表示の設定、普図用表示部44の表示の設定などを行うこととしており、具体的には、図100に示すように、大当たり発生の抽選に使用する大当たり乱数カウンタC1と、確変大当たり結果や通常大当たり結果等の大当たり種別を判定する際に使用する大当たり種別カウンタC2と、大当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する乱数初期値カウンタCINIと、特図用表示部43における各特図表示部AS,BSでの変動表示時間を決定する変動種別カウンタCSとを用いることとしている。さらに、第2作動口63の普電役物63aをサポート状態(開放状態)とするか否かの抽選に使用する普図当たり乱数カウンタC3を用いることとしている。
各カウンタC1~C3,CINI,CSは、その更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。各カウンタは短時間間隔で更新され、その更新値がRAM314の所定領域に設定された抽選カウンタ用バッファ314aに適宜格納される。抽選カウンタ用バッファ314aにおいて、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及び変動種別カウンタCSに対応した情報は、第1作動口62又は第2作動口63への入賞が発生した場合に、取得情報記憶手段としての保留球格納エリア314bに格納される。
保留球格納エリア314bは、第1特図用保留エリアRa及び第2特図用保留エリアRbからなる保留エリアREと、実行エリアAEとを備えている。保留エリアRa,Rbは、それぞれ、第1エリア、第2エリア、第3エリア、第4エリアを備えており、第1作動口62又は第2作動口63への入賞履歴に合わせて、抽選カウンタ用バッファ314aに格納されている大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及び変動種別カウンタCSの各数値情報が、保留情報(特別情報)としていずれかのエリアに格納される。
この場合、第1エリア~第4エリアには、第1作動口62又は第2作動口63への入賞が複数回連続して発生した場合に、第1エリア→第2エリア→第3エリア→第4エリアの順に各数値情報が時系列的に格納されていく。このようにそれぞれ4つのエリアが設けられていることにより、第1作動口62又は第2作動口63への遊技球の入賞履歴がそれぞれ最大4個まで保留記憶されるようになっている。また、保留球格納エリア314bには総保留数記憶領域が設けられており、当該総保留数記憶領域には第1作動口62又は第2作動口63への入賞履歴を保留記憶している数を特定するための情報が格納される。
実行エリアAEは、特図用表示部43の変動表示を開始する際に、保留エリアREの第1エリアに格納された各値を移動させるためのエリアであり、1遊技回の開始に際しては実行エリアAEに記憶されている各種数値情報に基づいて、当否判定などが行われる。
各カウンタについて詳しくは、大当たり乱数カウンタC1は、例えば0~2999の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり2999)に達した後0に戻る構成となっている。特に大当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の乱数初期値カウンタCINIの値が当該大当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。なお、乱数初期値カウンタCINIは、大当たり乱数カウンタC1と同様のループカウンタである(値=0~2999)。
大当たり乱数カウンタC1は定期的に更新され、遊技球が第1作動口62又は第2作動口63に入賞したタイミングでRAM314の保留球格納エリア314bに格納される。より詳しくは、第1作動口62に遊技球が入賞したタイミングでRAM314の第1特図用保留エリアRaに格納され、第2作動口63に遊技球が入賞したタイミングでRAM314の第2特図用保留エリアRbに格納される。
大当たり乱数カウンタC1は、大当たりであるか否かを抽選する当否抽選に用いられるものであり、大当たり当選となる乱数の値は、ROM313の当否テーブル記憶エリア313aに記憶されている当否テーブルにて設定されている。図101に示すように、当否テーブルとしては、低確率モード用の当否テーブルと、高確率モード用の当否テーブルとが設定されている。本パチンコ機10では、当否抽選における抽選モードとして、大当たりとなる確率が相対的に低い低確率モード(低確率状態)と、大当たりとなる確率が相対的に高い高確率モード(高確率状態)とが設けられている。当否抽選に際して抽選モードが低確率モードである場合は低確率モード用の当否テーブルが参照され、高確率モードである場合は高確率モード用の当否テーブルが参照される。
図101(a)に示すように、低確率モード用の当否テーブルでは、大当たりとなる乱数の値として「0」~「9」の計10個が設定されている。すなわち、低確率モードでの大当たり当選確率は1/300に設定されている。
図101(b)に示すように、高確率モード用の当否テーブルでは、大当たりとなる乱数の値として「0」~「49」の計50個が設定されている。すなわち、高確率モードでの大当たり当選確率は1/60に設定されている。
各抽選モードにおいて、大当たり当選となる乱数の値以外は、抽選結果が外れ結果となる。なお、各確率モードでの大当たり当選確率は上記に限定されるものではなく、任意に設定することができる。すなわち、高確率モードにおいて低確率モードよりも大当たりの当選確率が高くなるのであれば、大当たりに対応する乱数の数及び値は任意である。
大当たり種別カウンタC2は、大当たりとなった場合にその種別を振り分けるためのものであり、0~99の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり99)に達した後0に戻る構成となっている。大当たり種別カウンタC2は定期的に更新され、遊技球が第1作動口62又は第2作動口63に入賞したタイミングでRAM314の保留球格納エリア314bに格納される。より詳しくは、第1作動口62に遊技球が入賞したタイミングでRAM314の第1特図用保留エリアRaに格納され、第2作動口63に遊技球が入賞したタイミングでRAM314の第2特図用保留エリアRbに格納される。
大当たり種別カウンタC2に対する遊技結果の振分先は、ROM313の種別テーブル記憶エリア313bに大当たり種別テーブルとして記憶されている。図102に示すように、大当たり種別テーブルとしては、第1特図用の大当たり種別テーブルと第2特図用の大当たり種別テーブルとが設定されている。第1作動口62への入賞に基づいて大当たりとなった場合には第1特図用の大当たり種別テーブルが参照され、第2作動口63への入賞に基づいて大当たりとなった場合には第2特図用の大当たり種別テーブルが参照される。
図102(a)に示すように、第1特図用の大当たり種別テーブルでは、選択可能な大当たり種別として、4R確変大当たり結果Aと、4R確変大当たり結果Bと、4R通常大当たり結果Aと、4R通常大当たり結果Bとが設定されている。これらの大当たり結果はいずれも実行されるラウンド遊技の回数が4回となるものである。ここで、ラウンド遊技とは、可変入賞装置65を閉鎖状態から開放状態とし、その後、閉鎖状態とする可変入賞制御が少なくとも1回実行されるものである。本実施の形態では、1のラウンド遊技につき上記可変入賞制御が1回実行されるように構成されている。
4R確変大当たり結果Aは、開閉実行モードの終了後、抽選モードが高確率モードに設定される大当たり結果である。この場合の高確率モードは、開閉実行モード後の特図遊技回の実行回数が予め定められた第1上限回数(例えば100回)に達するまで継続される。第1上限回数に達した場合は、高確率モードが終了し、抽選モードが低確率モードに変更される。
また、4R確変大当たり結果Aでは、開閉実行モードの終了後、第2作動口63の普電役物63aにおけるサポートモードが高頻度サポートモードに設定される。この場合の高頻度サポートモードは、開閉実行モード後の特図遊技回の実行回数が第1上限回数よりも大きい第2上限回数(例えば1100回)に達するまで継続される。第2上限回数に達した場合は、高頻度サポートモードが終了し、サポートモードが低頻度サポートモードに変更される。
すなわち、大当たり種別が4R確変大当たり結果Aになった場合は、開閉実行モード後の特図遊技回の実行回数が第1上限回数に達するまで高確率モード且つ高頻度サポートの状態(高確遊技状態、確変遊技状態)となり、第1上限回数に達した後は第2上限回数に達するまで低確率モード且つ高頻度サポートモードの状態(時短遊技状態)となる。第2上限回数に達した後は、低確率モード且つ低頻度サポートの状態(通常遊技状態)に移行する。
ここで、高頻度サポートモード及び低頻度サポートモードについて説明する。高頻度サポートモード及び低頻度サポートモードは、遊技領域PEに対して同様の態様で遊技球の発射が継続されている状況で比較した場合に、第2作動口63への入賞頻度が相対的に高低となるように、普電役物63aの駆動態様が制御されるものである。具体的には、高頻度サポートモードでは、普図当たり乱数カウンタC3を用いた普図当否抽選の当選確率が低頻度サポートモードよりも高くなっており、普図当否抽選に当選した場合の普電役物63aの開放回数についても低頻度サポートモードよりも高頻度サポートモードの方が多く、さらには1回の開放時間についても低頻度サポートモードよりも高頻度サポートモードの方が長くなっている。
このため、高頻度サポートモードでは、低頻度サポートモードよりも第2作動口63への入賞が発生する確率が高くなる。換言すれば、低頻度サポートモードでは、第2作動口63よりも第1作動口62への入賞が発生する確率が高くなるが、高頻度サポートモードでは、第1作動口62よりも第2作動口63への入賞が発生する確率が高くなる。そして、第2作動口63への入賞が発生した場合には、所定個数の遊技球の払出が実行されるため、高頻度サポートモードでは、遊技者は持ち球をあまり減らさないようにしながら遊技を行うことができる。
なお、高頻度サポートモードを実現するための構成は、上記のものに限定されるものではなく、例えば、両モードで普図当否抽選の当選確率を等しくした上で、高頻度サポートモードにおける普電役物63aの開放回数や1回の開放時間を低頻度サポートモードよりも優遇する構成としてもよい。要は、低頻度サポートモードよりも単位時間当たりの第2作動口63への入賞頻度が高くなるものであれば足り、普図当否抽選、開放回数及び開放時間のうちいずれか1条件又は任意の組合せの条件を相違させることで、高頻度サポートモードと低頻度サポートモードとの設定を行う構成とすればよい。
4R確変大当たり結果Bは、開閉実行モードの終了後、抽選モードが高確率モードに設定される大当たり結果である。この場合の高確率モードは、開閉実行モード後の特図遊技回の実行回数が第1上限回数(例えば100回)に達するまで継続される。また、4R確変大当たり結果Bでは、開閉実行モードの終了後、サポートモードが高頻度サポートモードに設定される。この場合の高頻度サポートモードは、開閉実行モード後の特図遊技回の実行回数が第1上限回数に達するまで継続される。すなわち、大当たり種別が4R確変大当たり結果Bになった場合、開閉実行モード後の特図遊技回の実行回数が第1上限回数に達するまでは高確遊技状態となり、第1上限回数に達した後は通常遊技状態に移行する。
4R通常大当たり結果Aは、開閉実行モードの終了後、抽選モードが低確率モードに設定されるとともに、サポートモードが高頻度サポートモードに設定される大当たり結果である。この場合の高頻度サポートモードは、開閉実行モード後の特図遊技回の実行回数が予め定められた第3上限回数(例えば1000回)に達するまで継続される。すなわち、大当たり種別が4R通常大当たり結果Aになった場合、開閉実行モード後の特図遊技回の実行回数が第3上限回数に達するまでは時短遊技状態となり、第3上限回数に達した後は通常遊技状態に移行する。
4R通常大当たり結果Bは、開閉実行モードの終了後、抽選モードが低確率モードに設定されるとともに、サポートモードが高頻度サポートモードに設定される大当たり結果である。この場合の高頻度サポートモードは、開閉実行モード後の特図遊技回の実行回数が第3上限回数よりも少ない第4上限回数(例えば100回)に達するまで継続される。すなわち、大当たり種別が4R通常大当たり結果Bになった場合、開閉実行モード後の特図遊技回の実行回数が第4上限回数に達するまでは時短遊技状態となり、第4上限回数に達した後は通常遊技状態に移行する。
本実施の形態では、大当たり種別カウンタC2の「0」~「1」が4R確変大当たり結果Aに対応し、「2」~「49」が4R確変大当たり結果Bに対応し、「50」~「51」が4R通常大当たり結果Aに対応し、「52」~「99」が4R通常大当たり結果Bに対応している。すなわち、4R確変大当たり結果Aに振り分けられる確率は2%、4R確変大当たり結果Bに振り分けられる確率は48%、4R通常大当たり結果Aに振り分けられる確率は2%、4R通常大当たり結果Bに振り分けられる確率は48%に設定されている。
図102(b)に示すように、第2特図用の大当たり種別テーブルでは、選択可能な大当たり種別として10R確変大当たり結果Aと10R確変大当たり結果Bとが設定されている。これら各大当たり結果は、実行されるラウンド遊技の回数が10回となるものである。
10R確変大当たり結果Aは、開閉実行モードの終了後、抽選モードが高確率モードに設定される大当たり結果である。この場合の高確率モードは、開閉実行モード後の特図遊技回の実行回数が第1上限回数(例えば100回)に達するまで継続される。また、10R確変大当たり結果Aでは、開閉実行モードの終了後、サポートモードが高頻度サポートモードに設定される。この場合の高頻度サポートモードは、開閉実行モード後の特図遊技回の実行回数が第2上限回数(例えば1100回)に達するまで継続される。すなわち、大当たり種別が10R確変大当たり結果Aになった場合、開閉実行モード後の特図遊技回の実行回数が第1上限回数に達するまでは高確遊技状態となり、その後は第2上限回数に達するまでは時短遊技状態となる。
10R確変大当たり結果Bは、開閉実行モードの終了後、抽選モードが高確率モードに設定される大当たり結果である。この場合の高確率モードは、開閉実行モード後の特図遊技回の実行回数が第1上限回数(例えば100回)に達するまで継続される。また、10R確変大当たり結果Bでは、開閉実行モードの終了後、サポートモードが高頻度サポートモードに設定される。この場合の高頻度サポートモードは、開閉実行モード後の特図遊技回の実行回数が第1上限回数(例えば100回)に達するまで継続される。すなわち、大当たり種別が10R確変大当たり結果Bになった場合、開閉実行モード後の特図遊技回の実行回数が第1上限回数に達するまでは高確遊技状態となり、第1上限回数に達した後は通常遊技状態に移行する。
本実施の形態では、大当たり種別カウンタC2の「0」~「19」が10R確変大当たり結果Aに対応し、「20」~「99」が10R通常大当たり結果Bに対応している。すなわち、10R確変大当たり結果Aに振り分けられる確率は20%、10R通常大当たり結果Bに振り分けられる確率は80%に設定されている。
なお、第2特図用の大当たり種別テーブルでは、選択可能な大当たり種別として通常大当たり結果が設定されていない。つまり、第2作動口63への入賞に基づく第2特図の当否抽選で大当たりに当選した場合は、開閉実行モードの終了後、100%の確率で確変大当たり結果が選ばれる構成となっている。このため、第2作動口63への入賞が可能となる高確遊技状態又は時短遊技状態で大当たりになった場合には、必ず高確遊技状態に移行することとなる。加えて、第2特図の当否抽選で大当たりに当選した場合は、第1特図の当否抽選で大当たりに当選した場合よりも開閉実行モードで行われるラウンド遊技の回数が多く、より多くの遊技球の獲得を期待できるものとなっている。よって、第1作動口62に遊技球を入賞させる遊技よりも第2作動口63に遊技球を入賞させる遊技の方が遊技者にとって有利となっている。
このように、第1作動口62と第2作動口63とにおいて、遊技者にとっての有利性に明確な差異が設けられている。したがって、遊技者は第1作動口62及び第2作動口63のうち、第2作動口63への入賞が発生することを期待しながら遊技を行うこととなり、それに伴って、第2作動口63への入賞頻度が高くなる高頻度サポートモードへの遊技者の注目度が高くなる。
ここで、本実施の形態では、通常大当たり結果になったことを契機として移行する時短遊技状態とは別に、当否抽選結果が外れ結果となった特図遊技回(外れ遊技回)の累積回数(所謂ハマリ回数)が予め定められた天井回数(例えば1000回)になったことを契機として移行する時短遊技状態が設けられている(図102(c))。以下においては、大当たりを契機として移行する時短遊技状態と、天井回数への到達を契機として移行する時短遊技状態とを区別すべく、前者を第1時短遊技状態といい、後者を第2時短遊技状態ということがある。
外れ遊技回の計数においては、天井回数への到達前に大当たり結果になると、天井回数までの残り回数が初期値(例えば1000回)に再設定され、それまでの外れ回数が破棄される。また、高確遊技状態中の外れ遊技回は計数の対象外とされる。よって、第2時短遊技状態に移行するには、開閉実行モードが終了してからの外れ遊技回の回数が天井回数に到達することが必要となり、また、開閉実行モード後に高確遊技状態に移行した場合は、高確遊技状態が終了してからの外れ遊技回の回数が天井回数に到達することが必要となる。
第2時短遊技状態への移行契機は外れ結果であるため、第2時短遊技状態には開閉実行モードを経由せずに移行する。すなわち、外れ遊技回の回数が天井回数に到達した特図遊技回が終了した後、直ちに第2時短遊技状態での特図遊技回を遊技することが可能である。第2時短遊技状態は、第2時短遊技状態に移行してからの特図遊技回の実行回数が予め定められた第5上限回数(例えば900回)に達するまで継続される。第2時短遊技状態が終了した後は通常遊技状態に移行する。
なお、大当たり種別カウンタC2は、作動口62,63への入賞に基づく当否抽選の結果が大当たりになった場合に各特図表示部AS,BSに停止表示される絵柄の停止結果の決定にも用いられる。停止結果の決定は、ROM313の停止結果テーブル記憶エリア313dに記憶されている停止結果テーブルを参照して行われる。停止結果テーブルには、大当たり種別カウンタC2の値と対応させて、大当たりである場合の停止結果(各特図表示部AS,BSに停止表示される大当たり絵柄)のデータが複数設定されており、停止結果の決定に際しては、それら複数の停止結果のデータの中から、取得された大当たり種別カウンタC2に対応するものが読み出される。ここで、停止結果の決定と大当たり種別の決定とにはいずれも同じ大当たり種別カウンタC2を用いるため、各特図表示部AS,BSに停止表示される大当たり絵柄と、その大当たり時に決定される大当たり種別とは相関を有するものとなる。
変動種別カウンタCSは、例えば0~99の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり99)に達した後0に戻る構成となっている。変動種別カウンタCSは、特図用表示部43の第1特図表示部AS及び第2特図表示部BSにおける変動表示時間をMPU312において決定する上で用いられる。
変動種別カウンタCSは、後述する通常処理が1回実行される毎に1回更新され、当該通常処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。そして、変動種別カウンタCSは、遊技球が第1作動口62又は第2作動口63に入賞したタイミングでRAM314の保留球格納エリア314bに格納される。より詳しくは、第1作動口62に遊技球が入賞したタイミングでRAM314の第1特図用保留エリアRaに格納され、第2作動口63に遊技球が入賞したタイミングでRAM314の第2特図用保留エリアRbに格納される。
変動種別カウンタCSに対する変動表示時間の振分先は、ROM313の変動表示時間テーブル記憶エリア313cに変動表示時間テーブルとして記憶されている。変動表示時間テーブルの詳細については後述する。
普図当たり乱数カウンタC3は、例えば、0~99の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり99)に達した後0に戻る構成となっている。普図当たり乱数カウンタC3は定期的に更新され、スルーゲート64に遊技球が入賞したタイミングでRAM314の普図保留エリア314cに格納される。
普図当たり乱数カウンタC3は、普図当たり(サポート当選)であるか否かを抽選する普図当否抽選(サポート抽選)に用いられるものであり、サポート当選結果になった場合には、普電役物63aを閉鎖状態から開放状態とし、その後、閉鎖状態とする役物開閉遊技が少なくとも1回行われる。
サポート当選となる乱数の値は、ROM313の当否テーブル記憶エリア313aに記憶されたサポート抽選テーブルにて設定されている。図103に示すように、サポート抽選テーブルとしては、低頻度サポートモード用のサポート抽選テーブルと、高頻度サポートモード用のサポート抽選テーブルとが設定されている。サポート抽選に際してサポートモードが低頻度サポートモードである場合は低頻度サポートモード用のサポート抽選テーブルが参照され、高頻度サポートモードである場合は高頻度サポートモード用のサポート抽選テーブルが参照される。
図103(a)に示すように、低頻度サポートモード用のサポート抽選テーブルでは、サポート当選となる乱数の値として「7」の計1個が設定されている。すなわち、低頻度サポートモードでのサポート当選確率は1/100に設定されている。
図103(b)に示すように、高頻度サポートモード用のサポート抽選テーブルでは、「0」~「98」の計99個が設定されている。すなわち、高頻度サポートモードでのサポート当選確率は99/100に設定されており、各回のサポート抽選の殆どがサポート当選結果となる。
各サポートモードにおいて、サポート当選となる乱数の値以外は、抽選結果が普図外れ結果となる。なお、各サポートモードでのサポート当選確率は上記に限定されるものではなく、任意に設定することができる。すなわち、高頻度サポートモードにおいて低頻度サポートモードよりもサポート当選の確率が高くなるのであれば、サポート当選となる乱数の数及び値は任意である。また、各サポートモードでのサポート抽選テーブルを共通化し、低頻度サポートモードと高頻度サポートモードとでサポート当選確率が等しくなる構成としてもよい。
<主制御装置162にて実行される各種処理について>
次に、主制御装置162内のMPU312にて遊技を進行させるために実行されるタイマ割込み処理及び通常処理を説明する。なお、MPU312では、タイマ割込み処理及び通常処理の他に、電源投入に伴い起動されるメイン処理とNMI端子(ノンマスカブル端子)への停電信号の入力により起動されるNMI割込み処理とが実行されるが、これらの処理については説明を省略する。
<タイマ割込み処理>
タイマ割込み処理について図104のフローチャートを参照しながら説明する。本処理はMPU312により定期的に(例えば2msec周期で)起動される。
ステップSb101では、各種入賞センサの読み込み処理を実行する。すなわち、主制御装置162に接続されている各種入賞センサの状態を読み込むとともに、当該入賞センサの状態(入賞センサからの検知情報)を判定して検出情報(入賞検知情報)を保存する。例えば、第1作動口62への入賞が発生したと判定した場合には、RAM314の各種フラグ格納エリア314eに第1特図用の入賞検知フラグを格納し、第2作動口63への入賞が発生したと判定した場合には、各種フラグ格納エリア314eに第2特図用の入賞検知フラグを格納する。また、スルーゲート64を遊技球が通過したと判定した場合には、RAM314の各種フラグ格納エリア314eにスルーゲート用の入賞検知フラグを格納する。
ステップSb102では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1加算するとともに、そのカウンタ値が最大値に達した際0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM314の該当するバッファ領域に格納する。
ステップSb103では、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及び普図当たり乱数カウンタC3の更新を実行する。具体的には、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及び普図当たり乱数カウンタC3をそれぞれ1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値に達した際それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1~C3の更新値を、RAM314の該当するバッファ領域に格納する。
ステップSb104では、スルーゲート64への入賞に伴うスルー用の入賞処理を実行する。スルー用の入賞処理では、RAM314の各種フラグ格納エリア314eにスルーゲート用の入賞検知フラグが格納されているか否かを判定し、同フラグが格納されている場合には普図保留エリア314cに記憶されている役物保留記憶数が4未満であることを条件として、前記ステップSb103にて更新した普図当たり乱数カウンタC3の値を普図保留エリア314cに格納する。また、各種フラグ格納エリア314eにスルーゲート用の入賞検知フラグが格納されている場合には、同入賞検知フラグを消去して当該スルーゲート用の入賞処理を終了する。
ステップSb105では、作動口62,63への入賞に伴う作動口用の入賞処理を実行し、その後、タイマ割込み処理を終了する。
<作動口用の入賞処理>
ステップSb105の作動口用の入賞処理について図105のフローチャートを参照しながら説明する。
先ずステップSb201にて、遊技球が第1作動口62に入賞(始動入賞)したか否かを第1作動口用入賞センサ62aの検知状態により判定する。遊技球が第1作動口62に入賞したと判定すると、ステップSb202にて払出制御装置181に遊技球を3個払い出させるための賞球コマンドをセットする。
ステップSb203では、第1作動口62に遊技球が入賞したことを遊技ホール側の管理制御装置に対して信号出力すべく、外部信号設定処理を行う。ステップSb204では、第1特図用保留エリアRaの保留数記憶領域に格納された値を読み出し、当該第1特図用保留エリアRaに保留記憶されている始動保留記憶数RaNをセットする(以下、第1始動保留記憶数RaNともいう)。その後、ステップSb205では、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及び変動種別カウンタCSの各値を格納する情報取得処理を行い、本入賞処理を終了する。
また、ステップSb201で否定判定した場合(第1作動口62への入賞が発生していない場合)は、ステップSb206に進み、遊技球が第2作動口63に入賞(始動入賞)したか否かを第2作動口用入賞センサ63cの検知状態により判定する。遊技球が第2作動口63に入賞したと判定すると、ステップSb207にて払出制御装置181に遊技球を1個払い出させるための賞球コマンドをセットする。
ステップSb208では、第2作動口63に遊技球が入賞したことを遊技ホール側の管理制御装置に対して信号出力すべく、外部信号設定処理を行う。ステップSb209では、第2特図用保留エリアRbの保留数記憶領域に格納された値を読み出し、当該第2特図用保留エリアRbに保留記憶されている始動保留記憶数RbNをセットする(以下、第2始動保留記憶数RbNともいう)。その後、ステップSb205にて情報取得処理を行い、本入賞処理を終了する。
また、ステップSb206で否定判定した場合(第2作動口63への入賞が発生していない場合)は、そのまま本入賞処理を終了する。
なお、上記ステップSb202又はステップSb207にてセットした賞球コマンドは、後述する通常処理の外部出力処理にて払出制御装置181に対して送信される。
ここで、ステップSb205の情報取得処理について図106のフローチャートを参照しながら説明する。
先ずステップSb301にて、上述したステップSb204又はステップSb209にてセットした始動保留記憶数N(RaN又はRbN)が上限値(本実施の形態では4)未満であるか否かを判定する。始動保留記憶数Nが上限値である場合にはそのまま本情報取得処理を終了し、上限値未満である場合には、ステップSb302にて対応する特図用保留エリアRa,Rbの始動保留記憶数Nを1加算する。ステップSb303では、総保留数記憶領域に格納された値(以下、共通保留数CRNと言う)を1加算する。
ステップSb304では、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及び変動種別カウンタCSの各値を、対応する特図表示部用保留エリアの空き記憶領域エリアのうち最初の記憶エリア、すなわち上記ステップSb302にて1加算した保留記憶数と対応する記憶エリアに格納する。
つまり、第1特図用の始動保留記憶数RaNがセットされている場合には、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及び変動種別カウンタCSの各値を、第1特図用保留エリアRaの空き記憶エリアのうち最初の記憶エリア、すなわち上記ステップSb302にて1加算した第1特図用の始動保留記憶数RaNと対応する保留エリアRaに格納する。
また、第2特図用の始動保留記憶数RbNがセットされている場合には、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及び変動種別カウンタCSの各値を、第2特図用の保留エリアRbの空き記憶エリアのうち最初の記憶エリア、すなわち上記ステップSb302にて1加算した第2特図用の始動保留記憶数RbNと対応する保留エリアRbに格納する。
ステップSb305では、主表示ユニット81の特図保留数表示部AMについて表示更新処理を実行する。特図保留数表示部AMでは、第1特図用の保留数と第2特図用の保留数とを各別に表示することが可能となっている。ステップSb305の表示更新処理では、今回の入球先(入賞先)が第1作動口62の場合には第1特図用の保留数の表示を更新し、今回の入球先(入賞先)が第2作動口63の場合には第2特図用の保留数の表示を更新する。
ステップSb306では、演出制御装置143への送信対象として保留コマンドを設定する。保留コマンドには、第1特図又は第2特図のいずれの始動入賞であるかを示す情報や、保留数を示す情報等が含まれる。ステップSb306の実行後は、本情報取得処理を終了する。
<通常処理>
次に、通常処理の流れを図107のフローチャートを参照しながら説明する。通常処理は電源投入に伴い起動されるメイン処理が実行された後に開始される処理であり、通常処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、ステップSb401~ステップSb408の処理が4msec周期の定期処理として実行され、その残余時間でステップSb409~ステップSb411のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
通常処理においては先ず、ステップSb401にて外部信号出力処理を実行する。ステップSb401の外部信号出力処理では、タイマ割込み処理又は前回の通常処理で設定したコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置に送信する。具体的には、賞球コマンドの有無を判定し、賞球コマンドが設定されていればそれを払出制御装置181に対して送信する。また、変動開始コマンド、種別コマンド、変動終了コマンド等の演出用コマンドが設定されている場合にはそれを演出制御装置143に対して送信する。
ステップSb402では、変動種別カウンタCSの更新を実行する。具体的には、変動種別カウンタCSを1加算するとともに、カウンタ値が最大値に達した際にはカウンタ値を0にクリアする。そして、変動種別カウンタCSの更新値を、RAM314の該当するバッファ領域に格納する。
ステップSb403では、各特図遊技回における遊技を制御するための特図遊技回制御処理を実行する。特図遊技回制御処理では、大当たり判定、特図用表示部43の表示制御などを行う。ステップSb404では、遊技状態移行処理を実行する。この遊技状態移行処理により、遊技状態が開閉実行モード、高確率モード、高頻度サポートモードなどに移行する。ステップSb403の特図遊技回制御処理及びステップSb404の遊技状態移行処理についての詳細は後述する。
ステップSb405では、普図遊技回における遊技を制御するための普図遊技回制御処理を実行する。普図遊技回制御処理では、サポート抽選(普図当否抽選)、普図用表示部44の表示制御などを行う。ステップSb406では、第2作動口63に設けられた普電役物63aを駆動制御するための電役サポート用処理を実行する。ステップSb405の普図遊技回制御処理及びステップSb406の電役サポート用処理についての詳細は後述する。
ステップSb407では、遊技球発射制御処理を実行する。遊技球発射制御処理では、電源及び発射制御装置191から発射許可信号を入力していることを条件として、所定期間(例えば、0.6sec)に1回、遊技球発射機構110のソレノイドを励磁する。これにより、遊技球が遊技領域PEに向けて打ち出される。
ステップSb408では、RAM314のバックアップエリアに停電フラグが格納されているか否かを判定する。停電フラグは、電断状態の発生時に実行されるNMI割込み処理でセットされるものであり、電断状態の発生をMPU312が把握するためのものである。
停電フラグが格納されていない場合(電断状態が発生していない場合)は、ステップSb409にて、次の通常処理の実行タイミングに至ったか否か、すなわち今回の通常処理の開始から所定時間(本実施の形態では4msec)が経過したか否かを判定する。今回の通常処理の開始から所定時間が経過していない場合は、ステップSb410にて、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1加算するとともに、そのカウンタ値が最大値に達した際0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM314の該当するエリアに格納する。
ステップSb411では、変動種別カウンタCSの更新を実行する。具体的には、変動種別カウンタCSを1加算するとともに、それらのカウンタ値が最大値に達した際0にクリアする。そして、変動種別カウンタCSの更新値を、RAM314の該当するエリアに格納する。
ステップSb409で肯定判定した場合(今回の通常処理の開始から所定時間が経過した場合)は、ステップSb401に処理を戻り、ステップSb401以降の処理を実行する。
このように、ステップSb408の処理を実行した後、次の通常処理の実行タイミングが到来するまでの残余期間を利用し、乱数初期値カウンタCINI及び変動種別カウンタCSの更新を繰り返し実行する。ここで、ステップSb401~ステップSb408の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して乱数初期値カウンタCINIの更新を繰り返し実行することにより、乱数初期値カウンタCINI(すなわち、大当たり乱数カウンタC1の初期値)をランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCSについてもランダムに更新することができる。
ステップSb408で肯定判定した場合(停電フラグが格納されている場合)は、ステップSb412に進み、各割込み処理の発生を禁止する。ステップSb413では、MPU312のスタックポインタの値をRAM314のバックアップエリアに記憶し、ステップSb414では、演出制御装置143への送信対象として停電コマンドを設定する。停電コマンドが送信されることにより、電断状態の発生が演出制御装置143に通知される。
ステップSb415ではRAM判定値を算出し、バックアップエリアに保存する。RAM判定値は、例えばRAM314の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。ステップSb416では、RAM314へのアクセスを禁止し、その後は、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。なお、電源が完全に遮断された後も、電源及び発射制御装置191からRAM314のデータ記憶保持用電源が供給されるため、電源遮断前にRAM314に記憶されていた情報はそのままの状態で所定の期間内(例えば、1日や2日)保持される。
<特図遊技回制御処理>
ステップSb403の遊技回制御処理について図108のフローチャートを参照しながら説明する。
先ずステップSb501にて、可変入賞装置65を用いた開閉実行モード中であるか否かを判定する。具体的には、RAM314の各種フラグ格納エリア314eに開閉実行モードフラグがセットされているか否かを判定する。開閉実行モードフラグは、開閉実行モードの実行中であることをMPU312が把握するためのものである。
開閉実行モード中でない場合には、ステップSb502にて、特図用表示部43が確定表示中であるか否かを判定する。具体的には、上記各種フラグ格納エリア314eに確定表示フラグがセットされているか否かを判定する。確定表示フラグは、第1特図表示部AS又は第2特図表示部BSで確定表示中であることをMPU312が把握するためのものである。
特図用表示部43が確定表示中でない場合は、ステップSb503にて、特図用表示部43が変動表示中であるか否かを判定する。具体的には、上記各種フラグ格納エリア314eに変動表示中フラグがセットされているか否かを判定する。変動表示中フラグは、第1特図表示部AS又は第2特図表示部BSで変動表示中であることをMPU312が把握するためのものである。
特図用表示部43が変動表示中でない場合は、ステップSb504にて、共通保留数CRNが「0」であるか否かを判定する。共通保留数CRNが「0」である場合とは、第1作動口62及び第2作動口63のいずれについても始動保留記憶数RaN,RbNが「0」であることを意味する。よって、共通保留数CRNが「0」である場合は、実行対象となる保留情報が存在しないことになるため、そのまま特図遊技回制御処理を終了する。
共通保留数CRNが「0」でない場合には、ステップSb505にて第1特図用保留エリアRa又は第2特図用保留エリアRbに記憶されているデータを変動表示用に設定するためのデータ設定処理を実行し、さらにステップSb506にて特図用表示部43における変動表示を開始させるための変動開始処理を実行した後に、本遊技回制御処理を終了する。
ここで、ステップSb505のデータ設定処理及びステップSb506の変動開始処理について、以下に詳細に説明する。
先ず、データ設定処理について図109のフローチャートを参照して説明する。
先ずステップSb601では、第2特図用保留エリアRbに保留記憶されている第2始動保留記憶数RbNが「0」であるか否かを判定する。第2始動保留記憶数RbNが「0」である場合にはステップSb602~ステップSb608の第1特図(第1作動口62)用のデータ設定処理を実行し、第2始動保留記憶数RbNが「0」でない場合にはステップSb609~ステップSb615の第2特図(第2作動口63)用のデータ設定処理を実行する。
既に説明したように、共通保留数CRNが1以上である場合にデータ設定処理が行われるところ、データ設定処理が実行される状況とは、第1始動保留記憶数RaN及び第2始動保留記憶数RbNの少なくとも一方が1以上であることを意味する。この場合にデータ設定処理では、先ず第2始動保留記憶数RbNが「0」であるか否かを判定し、第2始動保留記憶数RbNが「0」であること、すなわち、第2特図用の保留情報が存在しないことを条件として第1特図用の保留情報に関する処理を実行するように構成されている。このため、第1特図用保留エリアRa及び第2特図用保留エリアRbの両方に保留情報が記憶されている場合には、第2特図用保留エリアRbに記憶されている第2特図(第2作動口63)用の保留情報が優先して処理されることになる。
第1特図用のデータ設定処理では、先ずステップSb602にて、第1特図用保留エリアRaの第1始動保留記憶数RaNを1減算する。ステップSb603では共通保留数CRNを1減算する。ステップSb604では、第1特図用保留エリアRaの第1エリアに格納されたデータを実行エリアAEに移動する。
ステップSb605では、第1特図用保留エリアRaの記憶エリアに格納されたデータ(大当たり乱数カウンタC1等の保留情報)をシフトさせる処理を実行する。この処理では、第1エリアのデータをクリアするとともに、第2エリア~第4エリアのデータを下位側のエリアに順次移動させる処理を実行する。
ステップSb606では、RAM314の各種フラグ格納エリア314eに第2特図フラグが格納されているか否かを判定する。第2特図フラグは、第2作動口63の保留情報が存在することをMPU312が把握するためのものである。第2特図フラグが格納されている場合は、ステップSb607にて第2特図フラグを消去する。
ステップSb607の実行後又はステップSb606で否定判定した場合(第2特図フラグが格納されていない場合)は、ステップSb608に進み、保留エリアのデータのシフトが行われたことを演出制御装置143に通知するためのシフトコマンド(シフト発生情報)を設定する。この場合、ROM313のコマンド情報記憶エリア313eから、今回のデータのシフトの対象となった保留エリアが、第1特図用保留エリアRaに対応していることの情報、すなわち第1作動口62に対応していることの情報を含むシフトコマンドを選定し、その選定したシフトコマンドを演出制御装置143への送信対象のコマンドとして設定する。その後、本データ設定処理を終了する。
ステップSb608にて設定されたシフトコマンドは、通常処理(図107)におけるステップSb401にて、演出制御装置143に送信される。演出制御装置143では、受信したシフトコマンドに基づいて、図柄表示装置75の第1保留表示領域Gaにおける表示を、保留個数の減少に対応させて変更するための処理を実行する。
第2特図用のデータ設定処理では、先ずステップSb609にて、第2特図用保留エリアRbの第2始動保留記憶数RbNを1減算する。ステップSb610では共通保留数CRNを1減算する。ステップSb611では、第2特図用保留エリアRbの第1エリアに格納されたデータを実行エリアAEに移動する。
ステップSb612では、第2特図用保留エリアRbの記憶エリアに格納されたデータ(大当たり乱数カウンタC1等の保留情報)をシフトさせる処理を実行する。ステップSb613では、上記各種フラグ格納エリア314eに第2特図フラグが格納されているか否かを判定する。第2特図フラグが格納されていない場合は、ステップSb614にて第2特図フラグをセットする。
ステップSb614の実行後又はステップSb613で肯定判定した場合(第2特図フラグが格納されている場合)は、ステップSb615に進み、保留エリアのデータのシフトが行われたことをサブ側の制御装置である演出制御装置143に認識させるための情報であるシフトコマンド(シフト発生情報)を設定する。この場合、ROM313のコマンド情報記憶エリア313eから、今回のデータのシフトの対象となった保留エリアが第2特図用保留エリアRbに対応していることの情報、すなわち第2作動口63に対応していることの情報を含むシフトコマンドを選定し、その選定したシフトコマンドを演出制御装置143への送信対象のコマンドとして設定する。その後、本データ設定処理を終了する。
ステップSb615にて設定されたシフトコマンドは、通常処理(図107)におけるステップSb401にて、演出制御装置143に送信される。演出制御装置143では、受信したシフトコマンドに基づいて、図柄表示装置75の第2保留表示領域Gbにおける表示を、保留個数の減少に対応させて変更するための処理を実行する。
次に、変動開始処理について図110のフローチャートを参照して説明する。
先ずステップSb701では、当否抽選モードが高確率モードであるか否かを判定する。具体的には、RAM314の各種フラグ格納エリア314eに高確率フラグがセットされているか否かを判定する。高確率フラグは、高確率モード中であることをMPU312が把握するためのものであり、高確率モードに移行する場合にセットされる。
高確率モードでない場合には、ステップSb702にて低確率モード用の当否テーブル(図101(a))を参照して当否判定を行う。具体的には、実行エリアAEに格納されている大当たり乱数カウンタC1の値が、低確率モード用の大当たり当選として設定されている値(例えば「0」~「9」)と一致しているか否かを判定する。一方、高確率モードである場合には、ステップSb703にて高確率モード用の当否テーブル(図101(b))を参照して当否判定を行う。具体的には、実行エリアAEに格納されている大当たり乱数カウンタC1の値が、高確率モード用の大当たり当選として設定されている値(例えば「0」~「49」)と一致しているか否かを判定する。
ステップSb702又はステップSb703の実行後は、ステップSb704にて、ステップSb702又はステップSb703における当否判定の結果が大当たり当選であるか否かを判定する。大当たり当選である場合には、ステップSb705にて、上記各種フラグ格納エリア314eに第2特図フラグが格納されているか否かを判定する。第2特図フラグが格納されていない場合には、ステップSb706にて、第1特図用の種別テーブル(図102(a))を参照して大当たり種別の抽選を行う。具体的には、実行エリアAEに格納されている大当たり種別カウンタC2の値が、4R確変大当たり結果A、4R確変大当たり結果B、4R通常大当たり結果A、4R通常大当たり結果Bのいずれの数値範囲に属しているかを判定する。
一方、第2特図フラグが格納されている場合には、ステップSb707にて、第2特図用の種別テーブル(図102(b))を参照して大当たり種別の抽選を行う。具体的には、実行エリアAEに格納されている大当たり種別カウンタC2の値が、10R確変大当たり結果A、10R確変大当たり結果Bのいずれの数値範囲に属しているかを判定する。
ステップSb706又はステップSb707の実行後は、ステップSb708にて、ステップSb706又はステップSb707の抽選により選択された大当たり種別を示す種別フラグを上記各種フラグ格納エリア314eに格納する。例えば、抽選により選択された大当たり種別が4R確変大当たり結果Aである場合は、4R確変大当たりAフラグを格納する。
ステップSb709では、ROM313の停止結果テーブル記憶エリア313dに記憶されている停止結果テーブルを参照して大当たり用の停止結果を設定する。具体的には、実行エリアAEに格納されている大当たり種別カウンタC2に対応する停止結果を停止結果テーブルから読み出し、今回の遊技回の停止結果として設定する。
上記ステップSb704で否定判定した場合(大当たり当選でない場合)は、ステップSb710に進み、外れ用の停止結果を設定する。本実施の形態では、外れ用の停止結果が1種類のみ設けられており、ステップSb710ではその停止結果を設定する。
ステップSb709又はステップSb710の実行後は、ステップSb711にて、第1特図表示部AS又は第2特図表示部BSにおける今回の遊技回の変動表示時間を設定するための変動表示時間の設定処理を実行する。
ここで、変動表示時間の設定処理について図111のフローチャートを参照しながら説明する。
先ずステップSb801では、現在の遊技状態を把握する。具体的には、高確率フラグ、高頻度サポートフラグのうちいずれのフラグがRAM314の各種フラグ格納エリア314eにセットされているかを把握し、その結果に基づいて現在の遊技状態が通常遊技状態、高確遊技状態、時短遊技状態のいずれであるかを特定する。高頻度サポートフラグは、現在のサポートモードが高頻度サポートモードであることをMPU312が把握するためのものである。高確率フラグと高頻度サポートモードの両方がセットされている場合は高確遊技状態であると特定し、高頻度サポートモードのみがセットされている場合は時短遊技状態であると特定し、高確率フラグと高頻度サポートモードのいずれもセットされていない場合は通常遊技状態であると特定する。
ステップSb802では、今回の遊技回における当否判定の結果が大当たりであるか否かを判定する。大当たりである場合には、ステップSb803に進み、変動表示時間(変動パターン)を抽選するためのテーブルとして大当たり用変動表示時間テーブルを取得する。この際、ステップSb801の把握結果に基づき、現在の遊技状態に対応する変動表示時間テーブルを取得する。
ここで、変動表示時間テーブルについて図112及び図113を参照しながら説明する。
変動表示時間テーブルとしては、通常遊技状態用の変動表示時間テーブルと、高確遊技状態用の変動表示時間テーブルと、時短遊技状態用の変動表示時間テーブルとが設定されている。また、各遊技状態に対応する変動表示時間テーブルでは、大当たり用のものと外れ用のものとが設定されている。
各変動表示時間テーブルでは、変動種別カウンタCSの数値範囲と、変動パターンの情報とが対応付けられて設定されている。なお、図112及び図113では、理解の容易化を図るため、変動パターンとともに変動表示時間の情報を記載しているが、変動表示時間の情報は、各変動パターンに対応する時間情報として変動表示時間テーブルとは別にROM313に記憶されている。
図112(a)に示すように、通常遊技状態に対応する大当たり用変動表示時間テーブルでは、選択可能な変動パターンとして変動パターン1A(15sec)と、変動パターン2A(60sec)と、変動パターン3A(120sec)とが設定されている。変動種別カウンタCSを用いて変動パターンが選択された場合には、選択された変動パターンに対応する変動表示時間にて第1特図表示部AS又は第2特図表示部BSでの絵柄の変動表示が行われる。
また、変動パターンが選択された場合は、その変動パターンを示す情報が変動開始コマンドとして演出制御装置143に送信される。演出制御装置143では、受信した変動開始コマンドに基づき、主制御装置162で選択された変動パターンを把握する。そして、その把握した変動パターンに対応する変動表示時間にて上記各図柄列Z1~Z3の変動表示が行われるように表示制御装置350を制御する。これにより、第1特図表示部AS又は第2特図表示部BSでの絵柄の変動表示に同期して図柄表示装置75にて各図柄列Z1~Z3が変動表示される。
また、各変動パターンは、図柄表示装置75で行われるリーチ演出等の遊技回用演出にも対応している。具体的には、変動パターン1Aはノーマルリーチ当たり演出に対応し、変動パターン2AはSPリーチ(スーパーリーチ)当たり演出に対応し、変動パターン3AはSPSPリーチ当たり演出に対応している。すなわち、演出制御装置143では、受信した変動開始コマンドから変動パターンを把握した場合に、その変動パターンに対応する遊技回用演出が図柄表示装置75で行われるように表示制御装置350を制御する。
上記各リーチ当たり演出は、リーチ表示が行われた後、図柄列Z1~Z3の各図柄が大当たりの図柄組み合わせで停止表示されるものである。ここで、リーチ表示(リーチ状態)とは、図柄(絵柄)の変動表示(又は可変表示)を行うことが可能な図柄表示装置75を備え、変動表示後の停止表示結果が特別表示結果(大当たり結果)になった場合に、遊技状態が遊技者にとって有利な特別遊技状態(開閉実行モード)となる遊技機において、図柄表示装置75における図柄(絵柄)の変動表示(又は可変表示)が開始されてから停止表示結果が導出表示される前段階で、前記特別表示結果となり易い変動表示状態であると遊技者に思わせるための表示状態をいう。
換言すれば、図柄表示装置75の表示画面Gに表示される複数の図柄列のうち一部の図柄列について図柄を停止表示させることで、大当たり状態の発生に対応した大当たりの図組み合わせが成立する可能性があるリーチ図柄の組み合わせを表示し、その状態で残りの図柄列において図柄の変動表示を行う表示状態のことである。より具体的には、図柄の変動表示を終了させる前段階として、最終停止列の図柄が変動表示された状態で、表示画面G内の有効ライン上に最終停止列以外の図柄列の図柄を大当たりの図柄組み合わせを構成する態様で停止表示させることによりリーチラインを形成させることである。
ノーマルリーチ当たり演出は、上記リーチ表示が行われた後に大当たりの図柄組み合わせで図柄が停止表示されるものである。SPリーチ演出は、ノーマルリーチ演出よりも上位のリーチ演出であり、リーチラインの形成後にキャラクタ等が登場する所定演出が行われ、当該所定演出の後に大当たりの図柄組み合わせで図柄が停止表示されるものである。SPSPリーチ演出は、SPリーチ演出よりも上位のリーチ演出であり、SPリーチ演出から発展する発展演出が行われた後、大当たりの図柄組み合わせで図柄が停止表示されるものである。
なお、図112(a)における「備考(演出態様)」欄の項目は、便宜上付したものであり、変動表示時間テーブルに設定されるものではない。
図112(b)に示すように、通常遊技状態に対応する外れ用変動表示時間テーブルでは、選択可能な変動パターンとして変動パターン1Hと、変動パターン2H(15sec)と、変動パターン3H(60sec)と、変動パターン4H(120sec)とが設定されている。各変動パターンに対応して変動表示時間が定められている点は大当たり用の変動表示時間テーブルと同様であるが、変動パターン1Hに対応する変動表示時間については、そのときの第1特図又は第2特図の保留数によって変動するようになっている。具体的には、保留数が2個以下である状況で変動パターン1Hが選択された場合には変動表示時間が8secとなり、保留数が3個以上である状況で変動パターン1Hが選択された場合には変動表示時間が8secよりも短い4secとなるように構成されている。
変動パターン1Hは図柄表示装置75での完全外れ演出に対応し、変動パターン2Hはノーマルリーチ外れ演出に対応し、変動パターン3HはSPリーチ外れ演出に対応し、変動パターン4HはSPSPリーチ外れ演出に対応している。
完全外れ演出は、リーチ表示が行われることなく、外れの図柄組み合わせで図柄が停止表示されるものである。また、上記各リーチ外れ演出は、リーチ表示が行われた後、図柄列Z1~Z3の各図柄がリーチ外れの図柄組み合わせ(リーチライン上に停止表示する最終停止列の図柄が、リーチ図柄との組み合わせにより大当たりを形成する図柄以外の図柄となる状態)で停止表示されるものである。なお、SPリーチ外れ演出は、SPリーチ当たり演出に対応するものであり、SPリーチ当たり演出と同種の所定演出が行われた後、リーチ外れの図柄組み合わせで図柄が停止表示されるものである。また、SPSPリーチ外れ演出についてもSPSPリーチ当たり演出に対応するものである。
大当たり用の変動表示時間テーブルでは、変動種別カウンタCSの「0」が変動パターン1Aに対応し、「1」~「29」が変動パターン2Aに対応し、「30」~「99」が変動パターン3Aに対応している。一方、外れ用の変動表示時間テーブルでは、変動種別カウンタCSの「0」~「64」が変動パターン1Hに対応し、「65」~「84」が変動パターン2Hに対応し、「85」~「94」が変動パターン3Hに対応し、「95」~「99」が変動パターン4Hに対応している。
作動口62,63への入賞に基づく当否抽選の結果が大当たり結果である場合には、SPSPリーチ演出に対応する変動パターン3Aが最も選ばれやすく、上記当否抽選の結果が外れ結果である場合には、SPSPリーチ演出に対応する変動パターン4Hが最も選ばれにくくなっている。つまり、SPSPリーチ演出は、大当たりである場合に最も実行されやすく、外れである場合に最も実行されにくいリーチ演出となるため、大当たりの期待度が最も高い最上位のリーチ演出として機能することになる。
変動パターン3Aや変動パターン4H以外の変動パターンについても、上位リーチ演出に対応する変動パターンほど大当たりである場合に選ばれやすく、外れである場合に選ばれにくくなっている。すなわち、ノーマルリーチ演出<SPリーチ演出<SPSPリーチ演出の順で大当たりの期待度が高くなっている。
図113(a)に示すように、高確遊技状態に対応する大当たり用変動表示時間テーブルでは、選択可能な変動パターンとしてSPリーチ当たりに対応する変動パターン11A(60sec)と、SPSPリーチ当たりに対応する変動パターン12A(120sec)とが設定されている。
また、図113(b)に示すように、高確遊技状態に対応する外れ用変動表示時間テーブルでは、選択可能な変動パターンとして完全外れに対応する変動パターン11Hと、SPリーチ外れに対応する変動パターン12H(60sec)と、SPSPリーチ外れに対応する変動パターン13H(120sec)とが設定されている。高確遊技状態での外れ用変動表示時間テーブルでは、完全外れに対応する変動種別カウンタCSの範囲が通常遊技状態での外れ用変動表示時間テーブルよりも広く、リーチ演出が発生しにくくなっており、スピーディに遊技を進められるようになっている。
なお、完全外れに対応する変動パターン11Hの変動表示時間については、通常遊技状態での外れ用変動表示時間テーブルよりも早く変動表示時間の短縮機能が発動するものとなっている。具体的には、保留数が1個以下である場合は8secとなり、保留数が2個以上である場合は4secとなるように構成されている。
図113(c)に示すように、時短遊技状態に対応する大当たり用変動表示時間テーブルでは、選択可能な変動パターンとしてノーマルリーチ当たりに対応する変動パターン21A(15sec)と、SPリーチ当たりに対応する変動パターン22A(60sec)と、SPSPリーチ当たりに対応する変動パターン23A(120sec)とが設定されている。
また、図113(d)に示すように、時短遊技状態に対応する外れ用変動表示時間テーブルでは、選択可能な変動パターンとして完全外れに対応する変動パターン21Hと、ノーマルリーチ外れに対応する変動パターン22H(15sec)と、SPリーチ外れに対応する変動パターン23H(60sec)と、SPSPリーチ外れに対応する変動パターン24H(120sec)とが設定されている。時短遊技状態の外れ用変動表示時間テーブルでは、通常遊技状態の外れ用変動表示時間テーブルに比べて完全外れの割合が少なくなっているが、これは、リーチ演出の発生頻度を高めることで、リーチ演出が発生しないまま時短遊技状態が終了してしまうことを抑制するためである。なお、完全外れに対応する変動パターン21Hの変動表示時間については、高確遊技状態の外れ用変動表示時間テーブルと同様に、保留数が1個以下である場合は8secとなり、保留数が2個以上である場合には4secとなるように構成されている。
なお、図112及び図113に示す各変動表示時間テーブルは一例に過ぎず、変動パターンの種類数や各変動パターンに対応する変動種別カウンタCSの数値範囲は任意に設定することができる。
変動表示時間の設定処理(図111)の説明に戻り、ステップSb803において、例えば、現在の遊技状態が通常遊技状態である場合は、図112(a)に示す通常遊技状態の大当たり用変動表示時間テーブルを取得する。
ステップSb802で否定判定した場合(大当たりでない場合)は、ステップSb804にて、変動表示時間を抽選するためのテーブルとして現在の遊技状態に対応する外れ用変動表示時間テーブルを取得する。例えば、現在の遊技状態が時短遊技状態である場合は、図113(d)に示す時短遊技状態の外れ用変動表示時間テーブルを取得する。
ステップSb803又はステップSb804の実行後は、ステップSb805にて、ステップSb803又はステップSb804で取得した変動表示時間テーブルを用い、変動表示時間(変動パターン)の抽選処理を実行する。具体的には、変動表示時間テーブルに設定されている変動パターン群の中から、実行エリアAEに格納されている変動種別カウンタCSに対応する1の変動パターンを特定する。
ステップSb806では、上記ステップSb805で特定した変動パターンに対応する変動表示時間を今回の特図遊技回における変動表示時間としてセットする。本ステップでは、特定した変動パターンに対応する変動表示時間の値を、RAM314の各種カウンタエリア314dに設けられた変動表示時間カウンタエリアにセットする。例えば、変動表示時間が15secである場合は、それに対応する値として上記変動表示時間カウンタエリアに7500をセットする。このセットされた値は、タイマ割込み処理(図104)が起動される度に、1減算される。ステップSb806の実行後は変動表示時間の設定処理を終了する。
変動開始処理(図110)の説明に戻り、ステップSb711の変動表示時間の設定処理を実行した後は、ステップSb712にて、上記各種フラグ格納エリア314eに変動表示フラグをセットする。続くステップSb713では、演出制御装置143への送信対象として変動開始コマンド及び種別コマンドを設定する。変動開始コマンドには変動パターンの情報が含まれる。図112及び図113に示すように、遊技状態ごとに各別の変動パターンが設定され、また、大当たりであるか外れであるかによっても各別の変動パターンが設定される。よって、演出制御装置143では、変動開始コマンドから変動パターンを解析することで、変動表示時間の情報だけでなく、大当たりの有無や現在の遊技状態についても把握することが可能になる。また、種別コマンドには大当たり種別の情報が含まれる。なお、種別コマンドは、当否判定の結果が大当たりである場合にのみ設定される。
ステップSb713にて設定された変動開始コマンド及び種別コマンドは、通常処理(図107)におけるステップSb401にて、演出制御装置143に送信される。演出制御装置143では、受信した変動開始コマンド及び種別コマンドに基づいて、その遊技回における演出の内容を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。この演出の内容としては、図柄表示装置75での図柄の変動表示態様が含まれており、この決定された図柄の変動表示態様は演出制御装置143から表示制御装置350に表示内容コマンドとして出力される。表示制御装置350では、演出制御装置143から受信した表示内容コマンドに基づいて、各遊技回に対応した図柄の変動表示が行われるように図柄表示装置75を表示制御する。
ステップSb714では、特図用表示部43の変動表示を開始する。その際、RAM314の各種フラグ格納エリア314eを参照し、第2特図フラグが格納されている場合には、今回の遊技回が第2特図に対応するとして第2特図表示部BSの絵柄を変動表示させる。一方、第2特図フラグが格納されていない場合には、今回の遊技回が第1特図に対応するとして第1特図表示部ASの絵柄を変動表示させる。ステップSb714の実行後は本変動開始処理を終了する。
特図遊技回制御処理(図108)の説明に戻り、ステップSb506の実行後は、特図遊技回制御処理を終了する。また、ステップSb501で肯定判定した場合(開閉実行モード中)である場合は、ステップSb502以降の処理を実行することなく特図遊技回制御処理を終了する。すなわち、開閉実行モード中である場合は、保留情報が存在していても特図用表示部43での変動表示は行われない。
ステップSb503で肯定判定した場合(特図用表示部43が変動表示中である場合)は、ステップSb507に進み、今回の特図遊技回における変動表示時間が経過したか否かを判定する。具体的には、RAM314の各種カウンタエリアに設けられた変動表示時間カウンタエリアの値が「0」となったか否かを判定する。
変動表示時間が経過していない場合には、ステップSb508にて変動表示用処理を実行する。変動表示用処理では、今回の遊技回に係る特図表示部において各表示用セグメントが所定の順番で点灯及び消灯されていくように当該特図表示部を表示制御(各表示用セグメントを発光制御)する。ステップSb508の実行後は特図遊技回制御処理を終了する。
変動表示時間が経過している場合には、ステップSb509に進み、上記各種フラグ格納エリア314eにセットされている変動表示フラグをクリアする。続くステップSb510では、高確率モード更新・終了用処理を実行する。高確率モード更新・終了用処理では、高確率モードの残り回数を更新したり、高確率モードを終了させたりするための処理を行う。ステップSb511では、高頻度サポートモード更新・終了用処理を実行する。高頻度サポートモード更新・終了用処理では、高頻度サポートモードの残り回数を更新したり、高頻度サポートモードを終了させたりするための処理を行う。
ステップSb512では、第2時短遊技状態(図102(c))への移行制御を行う第2時短遊技状態移行用処理を実行する。ステップSb513では、特図用表示部43での確定表示を開始させるための確定表示開始用処理を実行し、その後、特図遊技回制御処理を終了する。ステップSb510~ステップSb513における各処理の詳細については後述する。
ステップSb502で肯定判定した場合(特図用表示部43が確定表示中である場合)は、ステップSb514に進み、特図用表示部43での確定表示を終了させるための確定表示終了用処理を実行する。ステップSb514の実行後は特図遊技回制御処理を終了する。なお、ステップSb514の確定表示終了用処理の詳細については後述する。
<遊技状態移行処理>
ステップSb404(図107)の遊技状態移行処理について、図114のフローチャートを参照しながら説明する。
先ずステップSb901では、開閉実行モード中であるか否かを判定する。開閉実行モード中でない場合にはステップSb902に進み、特図遊技回が終了したタイミングであるか否か(特図用表示部43での確定表示が終了したタイミングであるか否か)を判定する。特図遊技回の終了タイミングでない場合は、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。
特図遊技回の終了タイミングである場合には、ステップSb903にて、今回の特図遊技回の遊技結果が開閉実行モードへの移行に対応したもの、すなわち、当否判定の結果が大当たりであるか否かを判定する。本ステップでは、RAM314の各種フラグ格納エリア314eに種別フラグ(図110のステップSb708)が格納されているか否かを参照することで大当たりであるか否かの判定を行う。今回の特図遊技回の遊技結果が開閉実行モードへの移行に対応しないものである場合は、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。
ステップSb903で肯定判定した場合(今回の特図遊技回の遊技結果が開閉実行モードへの移行に対応するものである場合)は、ステップSb904に進み、開閉実行モードの開始処理を実行する。当該開始処理では、上記各種フラグ格納エリア314eに開閉実行モードフラグをセットする。また、可変入賞装置65を閉鎖状態としたまま初回ラウンドの開始を待機するためのオープニング期間を設定する。さらに、上記各種フラグ格納エリア314eに高確率フラグや高頻度サポートフラグがセットされている場合は、これらのフラグをクリアする。
ステップSb905では、開閉実行モードのラウンド数を報知するためのラウンド表示の開始処理を実行する。本ステップでは、上記各種フラグ格納エリア314eに格納されている種別フラグに基づいて今回の大当たり種別を把握し、その大当たり種別に対応するラウンド数が表示されるようにラウンド表示部を制御する。なお、ラウンド表示部におけるラウンド数の表示は、開閉実行モードが終了するまで継続される。
ステップSb906では、今回の大当たり種別が10R確変大当たり結果であるか否かを判定する。10R確変大当たり結果でない場合、すなわち、4R確変大当たり又は4R通常大当たり結果のいずれかである場合は、ステップSb907にて、RAM314の各種カウンタエリア314dに設けられたラウンドカウンタエリアRC1に「4」をセットする。一方、今回の大当たり種別が10R確変大当たり結果である場合は、ステップSb908にて、上記ラウンドカウンタエリアRC1に「10」をセットする。
ステップSb907又はステップSb908の実行後は、ステップSb909にて、オープニングの開始及びオープニング期間を演出制御装置143に通知するためのオープニングコマンドを設定する。この設定されたオープニングコマンドは、通常処理(図107)におけるステップSb401にて、演出制御装置143に送信される。
ステップSb910では、外部信号設定処理を実行した後に、本遊技状態移行処理を終了する。外部信号設定処理では、外部出力端子213に設けられた大当たり信号用の出力端子を出力状態とする。これにより、大当たり信号用の出力端子が遊技ホール側の管理制御装置に接続されている場合には、当該管理制御装置に大当たり信号が出力され、当該管理制御装置においてパチンコ機10にて大当たりが発生したことを把握することができる。
ステップSb901で肯定判定した場合(開閉実行モード中である場合)は、ステップSb911に進み、オープニング期間が経過したか否かを判定する。オープニング期間が経過していない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。オープニング期間が経過している場合には、ステップSb912にて大入賞口開閉処理を実行する。
ここで、大入賞口開閉処理について図115のフローチャートを参照しながら説明する。
先ずステップSb1001では、大入賞口65aを開放中であるか否かを判定する。この判定は駆動部65dの駆動状態に基づいて行う。大入賞口65aを開放中でない場合には、ステップSb1002にてラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」であるか否かを判定する。ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」でない場合、すなわち、実行すべきラウンド遊技が存在する場合は、ステップSb1003にて、RAM314の各種カウンタエリア344bに設けられたタイマエリアT1の値が「0」であるか否かを判定する。この処理は、ラウンド間の待機期間(ラウンドインターバル期間)が経過したか否かを判定するものである。
タイマエリアT1の値が「0」である場合は、ステップSb1004に進み、1回のラウンド遊技での可変入賞装置65の上限開放時間(30sec)に対応する値として上記タイマエリアT1に「15000」をセットする。ここでセットされた値は、タイマ割込み処理(図104)が起動される都度、1減算される。ステップSb1005では、1回のラウンド遊技における可変入賞装置65への上限入賞個数(10個)に対応する値として、上記各種カウンタエリア344bに設けられた入賞カウンタエリアPC1に「10」をセットする。
ステップSb1006では、大入賞口65aを開放すべく駆動部65dを駆動状態とする。ステップSb1007では、大入賞口65a(可変入賞装置65)の開放が開始されたことを演出制御装置143に通知するための開放コマンドを設定し、その後、本大入賞口開閉処理を終了する。この設定された開放コマンドは、通常処理(図107)におけるステップSb401にて演出制御装置143に送信される。
ステップSb1102で肯定判定した場合(ラウンドカウンタエリアRC1の値が0である場合)又はステップSb1103で否定判定した場合(タイマエリアT1の値が「0」でない場合)は、そのまま本大入賞口開閉処理を終了する。
ステップSb1001で肯定判定した場合(大入賞口65aの開放中である場合)は、ステップSb1008に進み、タイマエリアT1の値が「0」か否かを判定する。この処理は、ステップSb1004で設定した可変入賞装置65の上限開放時間が経過したか否かを判定するものである。
タイマエリアT1の値が「0」でない場合は、ステップSb1009に進み、大入賞口用入賞センサ65cの検知状態に基づいて大入賞口65aへの入賞が発生したか否かを判定する。入賞が発生していない場合には、そのまま本大入賞口開閉処理を終了する。一方、入賞が発生している場合には、ステップSb1010にて入賞カウンタエリアPC1の値を1減算し、その後、ステップSb1011にて入賞カウンタエリアPC1の値が「0」であるか否かを判定する。入賞カウンタエリアPC1の値が「0」でない場合にはそのまま本大入賞口開閉処理を終了する。
ステップSb1008で肯定判定した場合(タイマエリアT1の値が「0」である場合)又はステップSb1011で肯定判定した場合(入賞カウンタエリアPC1の値が「0」である場合)は、ステップSb1012に進み、駆動部65dを非駆動状態に切り替えて大入賞口65aを閉鎖する。ステップSb1013では、ラウンドカウンタエリアRC1の値を1減算し、ステップSb1014では、ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」であるか否かを判定する。
ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」でない場合、すなわち、残りのラウンド遊技が存在する場合は、ステップSb1015に進み、可変入賞装置65を閉鎖状態としたまま次のラウンド遊技の開始を待機する期間(2sec)に対応する値として、上記タイマエリアT1に「1000」をセットする。
ステップSb1016では、可変入賞装置65を閉鎖したこと(ラウンド遊技が終了したこと)を演出制御装置143に通知するための閉鎖コマンドを設定し、その後、本大入賞口開閉処理を終了する。設定された閉鎖コマンドは、通常処理(図107)におけるステップSb401にて演出制御装置143に送信される。
ステップSb1014で肯定判定した場合(ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」である場合)、すなわち、開閉実行モードの最終ラウンドが終了した場合は、ステップSb1017に進み、エンディングの開始処理を実行する。当該開始処理では、可変入賞装置65を閉鎖状態としたまま次の遊技回(開閉実行モードが終了した後の最初の遊技回)の開始を待機するエンディング期間を設定する。ステップSb1018では、エンディングの開始及びエンディング期間を演出制御装置143に通知するためのエンディングコマンドを設定し、その後、本大入賞口開閉処理を終了する。設定されたエンディングコマンドは、通常処理(図107)におけるステップSb401にて演出制御装置143に送信される。
遊技状態移行処理(図114)の説明に戻り、ステップSb912の大入賞口開閉処理を実行した後は、ステップSb913にてラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」であるか否かを判定する。ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」でない場合は、開閉実行モードを継続させるべく、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。
ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」である場合は、ステップSb914に進み、エンディングが終了したか否か(エンディング期間が経過したか否か)を判定する。エンディングが終了していない場合は、エンディングを継続させるべく、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。一方、エンディングが終了している場合は、ステップSb915に進み、開閉実行モード終了時の移行処理を実行する。
ここで、開閉実行モード終了時の移行処理について図116のフローチャートを参照しながら説明する。
先ずステップSb1101では、RAM314の各種フラグ格納エリア314eにセットされた種別フラグを参照し、今回の大当たりが確変大当たり結果であるか否かを判定する。確変大当たり結果である場合は、ステップSb1102にて、上記各種フラグ格納エリア314eに高確率フラグをセットする。これにより、抽選モードが高確率モードに移行する。
ステップSb1103では、RAM314の各種カウンタエリア314dに設けられた確変カウンタエリアKCに第1上限回数に対応する値(例えば100)をセットする。確変カウンタエリアKCは、高確率モードの残り回数(高確率モードに滞在可能な特図遊技回の残り回数)をMPU312が把握するためのものであり、高確率モードである状況で特図遊技回が行われるごとに1ずつ減算される。
ステップSb1104では、上記各種フラグ格納エリア314eに第1サポートフラグをセットする。第1サポートフラグは、現在のサポートモードが高頻度サポートモードであることをMPU312が把握するためのものであり、第1サポートフラグがセットされることにより、サポートモードが高頻度サポートモードに移行する。
ステップSb1105では、今回の大当たり結果が4R確変大当たり結果A又は10R確変大当たり結果Aであるか否かを判定する。4R確変大当たり結果A又は10R確変大当たり結果Aである場合は、ステップSb1106に進み、上記各種カウンタエリア314dに設けられたサポートカウンタエリアSCに第2上限回数に対応する値(例えば1100)をセットする。一方、4R確変大当たり結果A又は10R確変大当たり結果Aでない場合、すなわち、4R確変大当たり結果B又は10R確変大当たり結果Bである場合は、ステップSb1107に進み、上記サポートカウンタエリアSCに第1上限回数に対応する値(例えば100)をセットする。サポートカウンタエリアSCは、高頻度サポートモードの残り回数(高頻度サポートモードに滞在可能な特図遊技回の残り回数)をMPU312が把握するためのものであり、高頻度サポートモードである状況で特図遊技回が行われるごとに1ずつ減算される。
ステップSb1106又はステップSb1107の実行後は、ステップSb1108にて、演出制御装置143への送信対象として高確遊技状態開始コマンドを設定し、その後、開閉実行モード終了時の移行処理を終了する。ステップSb1108で設定された高確遊技状態開始コマンドは、通常処理(図107)におけるステップSb401にて演出制御装置143に送信される。高確遊技状態開始コマンドが送信されることにより、高確遊技状態(高確率モード且つ高頻度サポートモード)の開始が演出制御装置143に通知される。
ステップSb1101で否定判定した場合(今回の大当たり結果が通常大当たり結果である場合)は、ステップSb1109に進み、上記各種フラグ格納エリア314eに第1サポートフラグをセットする。これにより、抽選モードが低確率モードとされた状態でサポートモードが高頻度サポートモードとなり、第1時短遊技状態(低確率モード且つ高頻度サポートモード)に移行する。
ステップSb1110では、今回の大当たり結果が4R通常大当たり結果Aであるか否かを判定する。4R通常大当たり結果Aである場合は、ステップSb1111に進み、上記サポートカウンタエリアSCに第3上限回数に対応する値(例えば1000)をセットする。一方、4R通常大当たり結果Aでない場合、すなわち、4R通常大当たり結果Bである場合は、ステップSb1112に進み、上記サポートカウンタエリアSCに第4上限回数に対応する値(例えば100)をセットする。
ステップSb1111又はステップSb1112の実行後は、ステップSb1113にて、演出制御装置143への送信対象として第1時短遊技状態開始コマンドを設定し、その後、開閉実行モード終了時の移行処理を終了する。ステップSb1113で設定された第1時短遊技状態開始コマンドは、通常処理(図107)におけるステップSb401にて演出制御装置143に送信される。第1時短遊技状態開始コマンドが送信されることにより、第1時短遊技状態の開始が演出制御装置143に通知される。
遊技状態移行処理(図114)の説明に戻り、ステップSb915の開閉実行モード終了時の移行処理が終了した後は、ステップSb916にて、ラウンド表示の終了処理を実行する。当該処理では、特図用表示部43におけるラウンド表示部が消灯されるように当該ラウンド表示部を制御する。
ステップSb917では、開閉実行モードの終了処理を実行し、その後、本遊技状態移行処理を終了する。開閉実行モードの終了処理では、上記各種フラグ格納エリア314eに格納された種別フラグ及び開閉実行モードフラグを消去する処理を実行する。
次に、図108のステップSb510の高確率モード更新・終了処理、ステップSb511の高頻度サポートモード更新・終了処理、ステップSb512の第2時短遊技状態移行用処理についてそれぞれ説明する。これらの処理は、変動表示時間が経過した場合に実行されるものであり、換言すれば、特図用表示部43での確定表示が開始される場合に実行されるものである。
<高確率モード更新・終了用処理>
ステップSb510の高確率モード更新・終了処理について図117のフローチャートを参照しながら説明する。
先ずステップSb1201では、RAM314の各種フラグ格納エリア314eに高確率フラグがセットされているか否かを判定する。高確率フラグがセットされている場合、すなわち、現在の抽選モードが高確率モードである場合は、ステップSb1202に進み、RAM314の各種カウンタエリア314dに設けられた確変カウンタエリアKCの値を更新する。具体的には、確変カウンタエリアKCの値を1減算する。
ステップSb1203では、上記確変カウンタエリアKCの値が「0」であるか否かを判定する。確変カウンタエリアKCの値が「0」である場合、すなわち、高確率モードに滞在可能な特図遊技回の残り回数が0回になった場合は、ステップSb1204にて、上記各種フラグ格納エリア314eにセットされている高確率フラグをクリアする。これにより、抽選モードが低確率モードに移行する。
その際、サポートカウンタエリアSCの値が0となっている場合には、サポートモードが低頻度サポートモードとなり、通常遊技状態(低確率モード且つ低頻度サポートモード)に移行する。サポートカウンタエリアSCの値が0となっていない場合には、サポートモードが高頻度サポートモードに維持され、第1時短遊技状態(低確率モード且つ高頻度サポートモード)に移行する。
ステップSb1205では、演出制御装置143への送信対象として高確率遊技状態終了コマンドを設定し、その後、高確率モード更新・終了用処理を終了する。ステップSb1204で設定された高確率遊技状態終了コマンドは、通常処理(図107)におけるステップSb401にて演出制御装置143に送信される。高確率遊技状態終了コマンドが送信されることにより、高確遊技状態の終了が演出制御装置143に通知される。
ステップSb1201で否定判定した場合(高確率フラグがセットされていない場合)、すなわち、現在の抽選モードが低確率モードである場合は、ステップSb1202以降の処理を実行することなく高確率モード更新・終了用処理を終了する。また、ステップSb1203で否定判定した場合(確変カウンタエリアKCの値が「0」でない場合)は、高確率モードを継続させるべく、ステップSb1204以降の処理を実行せずに高確率モード更新・終了用処理を終了する。
<高頻度サポートモード更新・終了用処理>
ステップSb511の高頻度サポートモード更新・終了処理について図118のフローチャートを参照しながら説明する。
先ずステップSb1301では、RAM314の各種フラグ格納エリア314eに第1サポートフラグ又は第2サポートフラグがセットされているか否かを判定する。これらのフラグがセットされている場合は、サポートモードが高頻度サポートモードとなっており、高確遊技状態、第1時短遊技状態、第2時短遊技状態のいずれかであることを意味する。
この場合はステップSb1302に進み、RAM314の各種カウンタエリア314dに設けられたサポートカウンタエリアSCの値を更新する。具体的には、サポートカウンタエリアSCの値を1減算する。
ステップSb1303では、上記サポートカウンタエリアSCの値が「0」であるか否かを判定する。サポートカウンタエリアSCの値が「0」である場合、すなわち、高頻度サポートでの遊技回の実行回数が上限回数に到達している場合には、ステップSb1304に進み、上記各種フラグ格納エリア314eにセットされているサポートフラグをクリアする。これにより、高確遊技状態、第1時短遊技状態又は第2時短遊技状態が終了する。
ステップSb1305では、演出制御装置143への送信対象として、対応する遊技状態終了コマンドを設定する。この際、確変遊技状態又は第1時短遊技状態が終了する場合には第1時短遊技状態終了コマンドを設定し、第2時短遊技状態が終了する場合には第2時短遊技状態終了コマンドを設定する。
設定された遊技状態終了コマンドは、通常処理(図107)におけるステップSb401にて演出制御装置143に送信される。演出制御装置143では、高確遊技状態終了コマンド(図117のステップSb1205)と併せて第1時短遊技状態終了コマンドを受信した場合には、高確遊技状態の終了に伴い通常遊技状態に移行することを把握する。また、第1時短遊技状態終了コマンドのみを受信した場合には第1時短遊技状態が終了することを把握し、第2時短遊技状態終了コマンドを受信した場合には第2時短遊技状態が終了することを把握する。
ステップSb1305の実行後は高頻度サポートモード更新・終了用処理を終了する。また、ステップSb1301で否定判定した場合(いずれのサポートフラグもセットされていない場合)、すなわち、通常遊技状態である場合は、ステップSb1302以降の処理を実行することなく高頻度サポートモード更新・終了用処理を終了する。また、ステップSb1303で否定判定した場合(サポートカウンタエリアSCの値が「0」でない場合)は、高頻度サポートモードを継続すべく、ステップSb1304以降の処理を実行せずに高頻度サポートモード更新・終了用処理を終了する。
<第2時短遊技状態移行用処理>
ステップSb512の第2時短遊技状態移行用処理について図119のフローチャートを参照しながら説明する。
先ずステップSb1401では、今回の特図当否抽選の結果が大当たり結果であるか否かを判定する。大当たり結果である場合には、ステップSb1402に進み、RAM314の各種カウンタエリア314dに設けられた外れ回数カウンタエリアHCに天井回数に対応する値(例えば1000)をセットする。外れ回数カウンタエリアHCは、天井回数までの残り回数をMPU312が把握するためのものである。ステップSb1402の実行後は第2時短遊技状態移行用処理を終了する。
ステップSb1401で否定判定した場合(特図当否抽選の結果が外れ結果である場合)は、ステップSb1403に進み、RAM314の各種フラグ格納エリア314eに第2サポートフラグがセットされているか否かを判定する。第2サポートフラグは、遊技状態が第2時短遊技状態であることをMPU312が把握するためのものである。
第2サポートフラグがセットされていない場合、すなわち、現在の遊技状態が第2遊技状態でない場合は、ステップSb1404にて、上記各種フラグ格納エリア314eに高確率フラグがセットされているか否かを判定する。高確率フラグがセットされていない場合、すなわち、現在の抽選モードが低確率モードである場合は、ステップSb1405に進み、上記外れ回数カウンタエリアHCの値を更新する。具体的には、外れ回数カウンタエリアHCの値を1減算する。
ステップSb1406では、上記外れ回数カウンタエリアHCの値が「0」であるか否かを判定する。外れ回数カウンタエリアHCの値が「0」である場合、すなわち、外れ遊技回の回数が天井回数に到達した場合には、ステップSb1407に進み、上記各種フラグ格納エリア314eに第2サポートフラグをセットする。これにより、第2時短遊技状態(低確率モード且つ高頻度サポートモード)に移行する。
ここで、ステップSb511の高頻度サポートモード更新・終了用処理には、高頻度サポートモードの残り回数を減算する処理と、その結果に基づいて高頻度サポートモードを終了させる処理とが含まれているところ(図118)、本実施の形態では、それらの処理を行ってからステップSb512の第2時短遊技状態移行用処理を行うものとしている。このため、第1時短遊技状態の最終遊技回で外れ回数カウンタエリアHCの値が「0」となる場合、換言すれば、第1時短遊技状態の終了が判定される遊技回と、第2時短遊技状態への移行が判定される遊技回とが同じ遊技回になる場合には、その遊技回の中で第1時短遊技状態が終了してから第2時短遊技状態に移行するものとなる。
なお、外れ回数カウンタエリアHCの値が「0」に達する前に特図遊技回の当否判定の結果が大当たり結果になった場合には、ステップSb1402の処理が実行されることで、外れ回数カウンタエリアHCの値が天井回数に対応する値に再セットされる。よって、その大当たり結果に対応する開閉実行モードの終了後は、第2時短遊技状態に移行するまでの外れ遊技回の残り回数が天井回数に設定された状態で遊技が開始されることになる。
ステップSb1408では、RAM314の各種カウンタエリア314dに設けられたサポートカウンタエリアSCに第5上限回数に対応する値(例えば900)をセットする。ステップSb1409では、演出制御装置143への送信対象として第2時短遊技状態開始コマンドを設定する。設定された第2時短遊技状態開始コマンドは、通常処理(図107)におけるステップSb401にて演出制御装置143に送信される。第2時短遊技状態開始コマンドが送信されることにより、第2時短遊技状態の開始が演出制御装置143に通知される。
ステップSb1410では、上記各種フラグ格納エリア314eに第2特図フラグがセットされているか否か、すなわち、天井回数に到達した特図遊技回が第2特図の遊技回であるか否かを判定する。天井回数に到達した特図遊技回が第2特図の遊技回である場合とは、第1時短遊技状態の最終遊技回(1000回目の特図遊技回)で天井回数に到達した場合であることを意味する。一方、天井回数に到達した特図遊技回が第1特図の遊技回である場合とは、通常遊技状態での特図遊技回で天井回数に到達したことを意味する。
第2特図フラグがセットされていない場合(天井回数に到達した特図遊技回が第1特図の遊技回である場合)は、ステップSb1411に進み、普図遊技回が変動表示中であるか否かを判定する。普図遊技回が変動表示中である場合は、ステップSb1412に進み、その普図遊技回におけるサポート抽選結果がサポート当選結果(普図当たり結果)であるか否かを判定する。
サポート当選結果である場合は、ステップSb1413に進み、変動表示中である普図遊技回の当否結果を外れ結果に変更する。続くステップSb1414では、普図遊技回の停止結果として外れ結果用の停止結果を設定する。
ステップSb1414の実行後又はステップSb1412で否定判定した場合(変動表示中である普図遊技回の当否結果が外れ結果である場合)は、ステップSb1415にて普図遊技回の変動表示を強制終了させる。すなわち、変動表示時間の経過前であっても変動表示を終了させるように普図用表示部44を制御する。その後、所定の確定表示時間(例えば0.5sec)にて外れ結果に対応する停止結果を普図用表示部44に確定表示させる。ステップSb1415の実行後は第2時短遊技状態移行用処理を終了する。
ステップSb1410で肯定判定した場合(第2特図フラグがセットされている場合)は、普図遊技回の強制終了等を行わないとして、ステップSb1411~ステップSb1415の処理を実行せずに第2時短遊技状態移行用処理を終了する。
ステップSb1403で肯定判定した場合(第2時短遊技状態中である場合)や、ステップSb1404で肯定判定した場合(高確率モード中である場合)は、第2時短遊技状態に関する処理を実行しないとして、ステップSb1405以降の処理を実行せずに第2時短遊技状態移行用処理を終了する。また、ステップSb1406で否定判定した場合(外れ回数カウンタエリアHCの値が「0」でない場合)は、その時点での遊技状態を維持すべく、ステップSb1407以降の処理を実行せずに第2時短遊技状態移行用処理を終了する。
ステップSb1411で否定判定した場合、すなわち、普図遊技回の変動表示が行われていない場合(普図遊技回の確定表示が行われている場合も含む)は、ステップSb1412以降の処理を実行することなく、第2時短遊技状態移行用処理を終了する。
<確定表示開始用処理>
ステップSb513(図108)の確定表示開始用処理について図120(a)のフローチャートを参照しながら説明する。
先ずステップSb1501では、RAM314の各種フラグ格納エリア314eに第2特図フラグがセットされているか否かを判定する。第2特図フラグがセットされていない場合、すなわち、今回の特図遊技回が第1特図の遊技回である場合は、ステップSb1502にて、今回の特図遊技回が天井到達の外れ遊技回であるか否かを判定する。すなわち、第2時短遊技状態に移行してから最初に行われる特図遊技回から見て今回の特図遊技回がその直前遊技回に該当するか否かを判定する。
ステップSb1501で肯定判定した場合(第2特図フラグがセットされている場合)又はステップSb1502で否定判定した場合(天井到達の外れ遊技回でない場合)は、ステップSb1503に進み、今回の特図遊技回における確定表示時間として通常確定表示時間(例えば0.5sec)を設定する。
なお、通常確定表示時間は必ずしも1種類である必要はなく、例えば、低頻度サポートモード(通常遊技状態)用の第1時間(例えば0.5sec)と、高頻度サポートモード(確変遊技状態、第1時短遊技状態、第2時短遊技状態)用の第2時間(例えば0.3sec)とがあるなど、長さが異なる複数種類が設けられてもよい。
ステップSb1502で肯定判定した場合(天井到達の外れ遊技回である場合)は、ステップSb1504に進み、今回の特図遊技回における確定表示時間として通常確定表示時間とは異なる特定確定表示時間(例えば0.8sec)を設定する。この特定確定表示時間は、通常確定表示時間よりも長いものである。なお、通常確定表示時間として低頻度サポートモード用と高頻度サポートモード用とが設けられる場合は、低頻度サポートモード用の通常確定表示時間よりも長いものとする。
既に説明したように、天井到達の外れ遊技回(第1特図の遊技回)における確定表示開始タイミングで普図遊技回が変動表示中であった場合は、その変動表示が強制終了され、普図遊技回の停止結果として外れ結果が停止表示される。上記特定確定表示時間は、その際の普図遊技回の確定表示時間(0.5sec)よりも長いものとなっている。
このため、普図遊技回の確定表示の終了時において、保留中の次の普図遊技回が存在すれば、当該次の普図遊技回は、天井到達したときの特図遊技回の確定表示が終了するよりも早く開始される。この場合、内部的な遊技状態としては既に第2時短遊技状態(高頻度サポートモード)に移行しているため、当該次の普図遊技回は、第2時短遊技状態に対応した態様で行われる。つまり、外れ回数が天井回数に到達した際には、普図遊技回の方が特図遊技回よりも先行して第2時短遊技状態に対応した態様での遊技が開始される。
ステップSb1503又はステップSb1504の実行後はステップSb1505にて、RAM314の各種フラグ格納エリア314eに確定表示フラグをセットする。確定表示フラグは、特図遊技回の確定表示を実行中であることをMPU312が把握するためのものである。
ステップSb1506では確定表示の開始処理を実行する。確定表示の開始処理では、変動表示されている絵柄がステップSb709(図110)又はステップSb710で設定された停止結果で停止表示されるように特図用表示部43を制御する。
ステップSb1507では、演出制御装置143への送信対象として変動終了コマンドを設定し、その後、確定表示開始用処理を終了する。ステップSb1507で設定された変動終了コマンドは、通常処理(図107)におけるステップSb401にて、演出制御装置143に送信される。演出制御装置143では、受信した変動終了コマンドをその情報形態を維持したまま表示制御装置350に送信する。表示制御装置350では、当該変動終了コマンドを受信することにより、その遊技回における最終停止図柄の組み合わせを確定表示(最終停止表示)させる。
<確定表示終了用処理>
ステップSb514(図108)の確定表示終了用処理について図120(b)のフローチャートを参照しながら説明する。
先ずステップSb1601では、ステップSb1503又はステップSb1504で設定した確定表示時間が経過したか否かを判定する。確定表示時間が経過していない場合は、特図用表示部43での停止結果の停止表示を継続させるべく、そのまま確定表示終了用処理を終了する。
確定表示時間が経過している場合は、ステップSb1602にて、上記各種フラグ格納エリア314eにセットされている確定表示フラグをクリアし、その後、確定表示終了用処理を終了する。このように確定表示フラグがクリアされた場合は、次の処理回における特図遊技回制御処理(図108)のステップSb502で否定判定することになる。よって、保留中の次の特図遊技回(遊技回の実行がまだ行われていない保留情報)が存在する場合は、当該次の特図遊技回に係る変動表示が開始される。一方、保留中の次の特図遊技回(未処理の保留情報)が存在しない場合は、新たな始動入賞が発生して保留情報が取得されるまで、確定表示されていた停止結果が表示され続ける。
<普図遊技回制御処理>
ステップSb405(図107)の普図遊技回制御処理について図121のフローチャートを参照しながら説明する。
先ずステップSb1701では、普電役物63aを用いた役物開閉遊技中であるか否かを判定する。具体的には、RAM314の各種フラグ格納エリア314eに役物開閉中フラグが格納されているか否かを判定する。役物開閉中フラグは、役物開閉遊技の実行中であることをMPU312が把握するためのものであり、役物開閉遊技が実行される場合にセットされる。
役物開閉遊技中である場合は、そのまま普図遊技回制御処理を終了する。一方、役物開閉遊技中でない場合は、ステップSb1702にて、普図用表示部44において普図遊技回の実行中であるか否かを判定する。この場合における普図遊技回は、普図用表示部44における絵柄の変動表示と、普図用表示部44における絵柄の停止表示(確定表示)とを含む概念であり、ステップSb1702では上記変動表示又は停止表示のいずれかを実行中であるか否かを判定する。
なお、特図用表示部43における特図遊技回では、可変入賞装置65を用いた開閉実行モードの実行中であると変動表示の実行が制限されるが、普図遊技回では開閉実行モード中であっても変動表示が許容される。また、普図遊技回では、普電役物63aを用いた役物開閉遊技中であると変動表示の実行が制限されるが、特図遊技回では役物開閉遊技中であっても変動表示が許容される。
ステップSb1702で否定判定した場合(普図遊技回の実行中でない場合)は、ステップSb1703に進み、普図保留記憶数FNが「0」であるか否かを判定する。普図保留記憶数FNが「0」である場合には、そのまま普図遊技回制御処理を終了する。
普図保留記憶数FNが「0」でない場合には、ステップSb1704にて電役用保留エリアRcに記憶されているデータを変動表示用に設定するための普図データ設定処理を実行する。普図データ設定処理では、普図保留記憶数FNを1減算するとともに、電役用保留エリアRcの第1エリアに格納されたデータを普図用の実行エリアに移動する。その後、電役用保留エリアRcの各記憶エリアに格納されたデータをシフトさせる処理を実行し、さらに、普図側の保留エリアのデータのシフトが行われたことを演出制御装置143に認識させるための情報である普図シフトコマンドを設定する。
ステップSb1705では普図変動開始処理を実行し、その後、普図遊技回制御処理を終了する。ここで、普図変動開始処理について図122のフローチャートを参照しながら説明する。
先ずステップSb1801では、RAM314の各種フラグ格納エリア314eに第1サポートフラグ又は第2サポートフラグがセットされているか否かを判定する。いずれのサポートフラグもセットされていない場合、すなわち、現在のサポートモードが低頻度サポートモードである場合は、ステップSb1802にて低頻度サポートモード用のサポート抽選テーブル(図103(a))を参照してサポート抽選(普図当否判定)を行う。一方、いずれかのサポートフラグがセットされている場合、すなわち、現在のサポートモードが高頻度サポートモードである場合は、ステップSb1803にて高頻度サポートモード用のサポート抽選テーブル(図103(b))を参照してサポート抽選を行う。既に説明したとおり、高頻度サポートモード用のサポート抽選テーブルでは、低頻度サポートモード用のサポート抽選テーブルよりもサポート当選確率が高く設定されており、サポート当選結果になりやすくなっている。
ちなみに天井到達したときの特図遊技回の確定表示中に実行される普図遊技回では、高頻度サポートモード用のサポート抽選テーブルが参照されてサポート抽選が行われる。よって、この場合のサポート抽選はサポート当選結果になりやすくなっており、本実施の形態のようにサポート当選確率が95/100に設定されている状況では、非常に高い確率でサポート当選結果となる。
ステップSb1802又はステップSb1803の実行後は、ステップSb1804にて、ステップSb1802又はステップSb1803における抽選の結果がサポート当選結果(普図当たり結果)であるか否かを判定する。サポート当選結果である場合には、ステップSb1805に進み、ROM313の停止結果テーブル記憶エリア313dに記憶されている停止結果テーブルを参照して普図当たり用の停止結果を設定する。サポート当選結果でない場合、すなわち、普図外れ結果である場合には、ステップSb1806に進み、ROM313の停止結果テーブル記憶エリア313dに記憶されている停止結果テーブルを参照して普図外れ用の停止結果を設定する。
ステップSb1805又はステップSb1806の実行後は、ステップSb1807にて普図変動表示時間の設定処理を実行する。当該設定処理では、普図用表示部44における今回の普図遊技回の変動表示時間を設定する。その際、サポートモードが低頻度サポートモードである場合は相対的に長い変動表示時間を設定し、サポートモードが高頻度サポートモードである場合は相対的に短い変動表示時間を設定する。
具体的には、サポートモードが低頻度サポートモードであり、サポート抽選の結果が普図外れ結果である場合は、変動表示時間として例えば30secを設定し、低頻度サポートモードであり、サポート当選結果である場合は、変動表示時間として例えば0.5secを設定する。また、高頻度サポートモードであり、普図外れ結果である場合は、変動表示時間として例えば0.5secを設定し、高頻度サポートモードであり、サポート当選結果である場合は、変動表示時間として例えば0.5secを設定する。
ちなみに天井到達したときの特図遊技回の確定表示中に実行される普図遊技回は、内部的に第2時短遊技状態に移行した状態で開始されるため、高頻度サポートモード用の変動表示時間が適用される。つまり、当該普図遊技回は短い変動表示時間で行われる。
なお、上記の各変動表示時間は一例に過ぎず、例えば、高頻度サポートモードである状況でサポート当選結果になった場合の変動表示時間として例えば0.5sec、1secといった複数種類の時間を選択可能となっているなど、他の構成となっていてもよい。
ステップSb1808では、演出制御装置143への送信対象として普図変動開始コマンドを設定する。普図変動開始コマンドには、普図変動パターンの情報(普図当否結果及び変動表示時間を示す情報)が含まれる。設定された普図変動開始コマンドは、通常処理(図107)におけるステップSb401にて演出制御装置143に送信される。
ステップSb1809では、普図用表示部44において絵柄の変動表示を開始させる処理を実行し、その後、本普図変動開始処理を終了する。
普図遊技回制御処理(図121)の説明に戻り、ステップSb1702で肯定判定した場合(普図遊技回の実行中である場合)は、ステップSb1706に進み、ステップSb1807で設定した変動表示時間が経過したか否かを判定する。変動表示時間が経過していない場合は、ステップSb1707に進み、変動表示用処理を実行する。変動表示用処理では、普図用表示部44において各表示用セグメントが所定の順番で点灯及び消灯されていくように当該普図用表示部44を表示制御(各表示用セグメントの発光制御)する。その後、普図遊技回制御処理を終了する。
ステップSb1706で肯定判定した場合(変動表示時間が経過している場合)は、ステップSb1708にて普図確定表示用処理を実行し、その後、普図遊技回制御処理を終了する。普図確定表示用処理では、ステップSb1805又はステップSb1806で設定した停止結果にて絵柄が停止表示されるように普図用表示部44を制御する。その際、確定表示時間を予め定められた所定時間(例えば0.5sec)に設定する。また、普図確定表示用処理では、演出制御装置143への送信対象として普図変動終了コマンドを設定する。普図変動終了コマンドには、今回の普図遊技回の確定表示時間の情報が含まれる。
<電役サポート用処理>
ステップSb406(図107)の電役サポート用処理について図123のフローチャートを参照しながら説明する。
先ずステップSb1901では、役物開閉遊技中であるか否かを判定する。具体的には、RAM314の各種フラグ格納エリア314eに役物開閉中フラグがセットされているか否かを判定する。
役物開閉遊技中でない場合は、ステップSb1902に進み、普図遊技回が終了したタイミングか否かを判定する。普図遊技回の終了タイミングでない場合は、そのまま電役サポート用処理を終了する。
普図遊技回の終了タイミングである場合は、ステップSb1903に進み、今回の普図遊技回におけるサポート抽選の結果がサポート当選結果であるか否かを判定する。サポート当選結果でない場合は、そのまま電役サポート用処理を終了する。
サポート当選結果である場合は、ステップSb1904に進み、RAM314の各種フラグ格納エリア314eに第1サポートフラグ又は第2サポートフラグがセットされているか否かを判定する。いずれのサポートフラグもセットされていない場合、すなわち、サポートモードが低頻度サポートモードである場合は、ステップSb1905にて、RAM314の各種カウンタエリア314dに設けられた開放回数カウンタエリアRC2に「1」をセットする。開放回数カウンタエリアRC2は、役物開閉遊技における普電役物63aの開放回数をカウントするためのものであり、普電役物63aが閉鎖状態から開放状態に切り替えられるごとに1ずつ減算される。
第1サポートフラグ又は第2サポートフラグがセットされている場合、すなわち、サポートモードが高頻度サポートモードである場合は、ステップSb1906にて、上記開放回数カウンタエリアRC2に「2」をセットする。すなわち、低頻度サポートモードでの役物開閉遊技では普電役物63aの開放回数が1回に設定され、高頻度サポートモードでの役物開閉遊技では普電役物63aの開放回数が2回に設定される。
ステップSb1907では、上記各種フラグ格納エリア314eに役物開閉中フラグをセットする。続くステップSb1908では、外部信号設定処理を実行し、その後、電役サポート用処理を終了する。外部信号設定処理では、外部出力端子213に設けられた役物開放信号用の出力端子の信号出力状態を開放信号出力状態とする。
ステップSb1901で肯定判定した場合(役物開閉遊技中である場合)は、ステップSb1909にて役物開閉処理を実行する。ここで、役物開閉処理について図124のフローチャートを参照しながら説明する。
先ずステップSb2101では、普電役物63aを開放中であるか否かを判定する。具体的には、駆動部63bの駆動状態に基づいてかかる判定を行う。普電役物63aを開放中でない場合は、ステップSb2102にて開放回数カウンタエリアRC2の値が「0」であるか否かを判定する。
開放回数カウンタエリアRC2の値が「0」でない場合は、ステップSb2103に進み、RAM314の各種カウンタエリア344bに設けられたタイマエリアT2の値が「0」であるか否かを判定する。この処理は、役物開閉遊技にて普電役物63aを複数回開放する場合において、各開放間の待機期間が経過したか否かを判定するものである。
タイマエリアT2の値が「0」である場合は、ステップSb2104に進み、RAM314の各種フラグ格納エリア314eに第1サポートフラグ又は第2サポートフラグがセットされているか否かを判定する。いずれのサポートフラグもセットされていない場合、すなわち、サポートモードが低頻度サポートモードである場合は、ステップSb2105にて、上記タイマエリアT2に「50」(0.1secに相当)をセットする。いずれかのサポートフラグがセットされている場合、すなわち、サポートモードが高頻度サポートモードである場合は、ステップSb2106にて、上記タイマエリアT2に「1000」(2secに相当)をセットする。ステップSb2105又はステップSb2106でセットされる値は、役物開閉遊技における1開放当たりの上限開放時間に対応するものである。
ステップSb2105又はステップSb2106の実行後はステップSb2107にて、上記各種カウンタエリア344bに設けられた入賞カウンタエリアPC2に「6」をセットする。この値は、役物開閉遊技における普電役物63a(第2作動口63)への上限入賞個数(6個)に対応するものである。
ステップSb2108では、普電役物63aを開放すべく駆動部63bを駆動状態とする。ステップSb2109では、演出制御装置143への送信対象として役物開放コマンドを設定する。設定された役物開放コマンドは、通常処理(図107)におけるステップSb401にて演出制御装置143に送信される。これにより、普電役物63aの閉鎖状態から開放状態への切り替えが演出制御装置143に通知される。
ステップSb2109の実行後は役物開閉処理を終了する。また、ステップSb2102で肯定判定した場合(開放回数カウンタエリアRC2の値が「0」である場合)又はステップSb2103で否定判定した場合(タイマエリアT2の値が「0」でない場合)は、普電役物63aを開放しないとして、ステップSb2104以降の処理を実行せずに役物開閉処理を終了する。
ステップSb2101で肯定判定した場合(普電役物63aが開放中である場合)は、ステップSb2110に進み、上記タイマエリアT2の値が「0」であるか否かを判定する。この処理は、ステップSb2105又はステップSb1206で設定した普電役物63aの上限開放時間が経過したか否かを判定するものである。
タイマエリアT2の値が「0」でない場合、すなわち、普電役物63aの上限開放時間が経過していない場合は、ステップSb2111にて、第2作動口63に遊技球が入賞したか否かを判定する。入賞が発生している場合は、ステップSb2112にて、上記入賞カウンタエリアPC2の値を1減算する。ステップSb2113では、入賞カウンタエリアPC2の値が「0」であるか否か、すなわち、第2作動口63への入賞個数が上限入賞個数に達したか否かを判定する。
ステップSb2111で否定判定した場合(第2作動口63への入賞が発生していない場合)又はステップSb2113で否定判定した場合(入賞カウンタエリアPC2の値が「0」でない場合)は、普電役物63aの開放状態を継続すべく、そのまま役物開閉処理を終了する。
ステップSb2110で肯定判定した場合(タイマエリアT2の値が「0」であり、普電役物63aの上限開放時間が経過している場合)又はステップSb2113で肯定判定した場合(入賞カウンタエリアPC2の値が「0」であり、第2作動口63への入賞個数が上限入賞個数に達している場合)は、ステップSb2114にて、普電役物63aを閉鎖すべく駆動部63bを非駆動状態とする。
ステップSb2115では、演出制御装置143への送信対象として役物閉鎖コマンドを設定する。設定された役物閉鎖コマンドは、通常処理(図107)におけるステップSb401にて演出制御装置143に送信される。これにより、普電役物63aの開放状態から閉鎖状態への切り替えが演出制御装置143に通知される。
ステップSb2116では、上記開放回数カウンタエリアRC2の更新処理を実行する。当該更新処理では、入賞カウンタエリアPC2の値を参照し、入賞カウンタエリアPC2の値が「0」でない場合(第2作動口63への入賞個数が上限入賞個数に達していない場合)は、開放回数カウンタエリアRC2の値を1減算する。一方、入賞カウンタエリアPC2の値が「0」である場合(第2作動口63への入賞個数が上限入賞個数に達している場合)は、開放回数カウンタエリアRC2の値に「0」をセットする。
ステップSb2117では、開放回数カウンタエリアRC2の値が「0」であるか否かを判定する。開放回数カウンタエリアRC2の値が「0」である場合は、そのまま役物開閉処理を終了する。開放回数カウンタエリアRC2の値が「0」でない場合、すなわち、普電役物63aの残り開放が存在する場合は、ステップSb2118にて、上記タイマエリアT2に「100」(0.2secに相当)をセットし、その後、役物開閉処理を終了する。ステップSb2118でセットされる値は、普電役物63aを閉鎖状態として次の開放を待機する待機時間に対応するものである。
電役サポート用処理(図123)の説明に戻り、ステップSb1909の役物開閉処理を実行した後はステップSb1910にて、上記開放回数カウンタエリアRC2の値が「0」であるか否かを判定する。開放回数カウンタエリアRC2の値が「0」でない場合は、そのまま電役サポート用処理を終了する。開放回数カウンタエリアRC2の値が「0」である場合、すなわち、役物開閉遊技が終了した場合は、ステップSb1911にて、上記各種フラグ格納エリア314eにセットされている役物開閉中フラグをクリアし、その後、電役サポート用処理を終了する。
<演出制御装置143及び表示制御装置350の電気的構成について>
本実施の形態に係る演出制御装置143及び表示制御装置350の電気的構成について、図125のブロック図を参照して以下に説明する。
演出制御装置143に設けられた演出制御基板341には、MPU342が搭載されている。MPU342には、当該MPU342により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM343と、そのROM343内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM344と、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路などが内蔵されている。
MPU342には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU342の入力側には主制御装置162が接続されている。主制御装置162からは、シフトコマンド、保留コマンドといった保留表示制御用コマンドや、変動開始コマンド、種別コマンド、変動終了コマンドといった遊技回制御用コマンド、オープニングコマンド、エンディングコマンドといった開閉実行モード用コマンドなどの各種コマンドを受信する。
MPU342の出力側には、既に説明したように、前扉枠14に設けられたランプ部26~28やスピーカ部29が接続されているとともに、表示制御装置350が接続されている。
また、MPU342の入力側には、前扉枠14に設けられた演出用操作部36が接続されている。演出用操作部36には、当該演出用操作部36の操作を検知する検知センサが設けられており、当該検知センサからの検知情報(検知信号)が入力される。MPU342では、当該検知情報に基づいて演出用操作部36が操作されたか否かを判定したり、どのような操作が行われたかの操作態様の判別を行ったりする。
表示制御装置350は、プログラムROM373及びワークRAM374が複合的にチップ化されたMPU372と、ビデオディスプレイプロセッサ(VDP)375と、キャラクタROM376と、ビデオRAM377とがそれぞれ搭載された表示制御基板351を備えている。
MPU372は、演出制御装置143から受信したコマンドを解析し又は受信したコマンドに基づき所定の演算処理を行ってVDP375の制御(具体的にはVDP375に対する内部コマンドの生成)を実施する。
プログラムROM373は、MPU372により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶するためのメモリであり、背景画像用のJPEG形式画像データも併せて記憶保持されている。
ワークRAM374は、MPU372による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグ等を一時的に記憶するためのメモリである。これらワークデータやフラグ等はワークRAM374の各エリアに記憶される。
VDP375は、図柄表示装置75に組み込まれた液晶表示部ドライバとしての画像処理デバイスを直接操作する一種の描画回路である。VDP375はICチップ化されているため「描画チップ」とも呼ばれ、その実体は、描画処理専用のファームウェアを内蔵したマイコンチップとでも言うべきものである。VDP375は、MPU372、ビデオRAM377等のそれぞれのタイミングを調整してデータの読み書きに介在するとともに、ビデオRAM377に記憶させる画像データを、キャラクタROM376から所定のタイミングで読み出して図柄表示装置75に表示させる。
キャラクタROM376は、図柄表示装置75に表示される図柄などのキャラクタデータを記憶するための画像データライブラリとしての役割を担うものである。このキャラクタROM376には、各種の表示図柄のビットマップ形式画像データ、ビットマップ画像の各ドットでの表現色を決定する際に参照する色パレットテーブル等が保持されている。
なお、キャラクタROM376を複数設け、各キャラクタROM376に分担して画像データ等を記憶させておくことも可能である。また、前記プログラムROM373に記憶した背景画像用のJPEG形式画像データをキャラクタROM376に記憶する構成とすることも可能である。
ビデオRAM377は、図柄表示装置75に表示させる表示データを記憶するためのメモリであり、ビデオRAM377の内容を書き替えることにより図柄表示装置75の表示内容が変更される。
<演出制御装置143にて実行される各種処理について>
次に、演出制御装置143のMPU342にて実行される各制御処理を説明する。
<演出設定処理>
演出設定処理について図126のフローチャートを参照しながら説明する。演出設定処理は、MPU342により所定周期(例えば2msec周期)で起動される処理である。
先ずステップSb2301では、主制御装置162からのエンディングコマンド(図115のステップSb1018)を受信しているか否かを判定する。エンディングコマンドは、特図遊技回での当否判定結果が大当たりになった場合に行われる開閉実行モードにおいてエンディングが開始される場合に送信されるものである。
なお、主制御装置162から受信する各種コマンドは、演出制御装置143のRAM344に設けられたコマンド格納エリア344aに格納される。コマンド格納エリア344aは、複数のコマンドを個別に記憶可能であって先に記憶したコマンドから読み出し可能なリングバッファとして構成されている。よって、複数のコマンドを同時期に受信した場合であってもそれら各コマンドに対応した処理を良好に実行することができる。
ステップSb2301の判定に際しては、コマンド格納エリア344aにおける今回の読み出し対象のエリアにエンディングコマンドが格納されているか否かを判定する。エンディングコマンドが格納されている場合(エンディングコマンドを受信している場合)には、ステップSb2302にて、高確遊技状態や第1時短遊技状態への移行に対応した移行用演出を設定するための第1移行用演出設定処理を実行する。第1移行用演出設定処理の詳細については後述する。
ステップSb2302の実行後又はステップSb2301で否定判定した場合(エンディングコマンドを受信していない場合)は、ステップSb2303にて、主制御装置162からの第2時短遊技状態開始コマンド(図119のステップSb1409)を受信しているか否かを判定する。第2時短遊技状態開始コマンドは、特図遊技回における外れ遊技回の回数が天井回数に到達したことを契機とする第2時短遊技状態への移行時に送信されるものである。
第2時短遊技状態開始コマンドを受信している場合は、ステップSb2304にて、第2時短遊技状態への移行に対応した移行用演出を設定するための第2移行用演出設定処理を実行する。第2移行用演出設定処理の詳細については後述する。
ステップSb2304の実行後又はステップSb2303で否定判定した場合(第2時短遊技状態開始コマンドを受信していない場合)は、ステップSb2305にて、いずれかの遊技状態終了コマンドを受信しているか否かを判定する。具体的には、高確遊技状態終了コマンド(図117のステップSb1205)、第1時短遊技状態終了コマンド又は第2時短遊技状態終了コマンド(図118のステップSb1305)のいずれかを受信しているか否かを判定する。
これらのコマンドのいずれかを受信している場合は、ステップSb2306にて、高確遊技状態、第1時短遊技状態又は第2時短遊技状態の終了に対応した終了用演出を設定するための終了用演出設定処理を実行する。終了用演出設定処理の詳細については後述する。
ステップSb2306の実行後又はステップSb2305で否定判定した場合(いずれの遊技状態終了コマンドも受信していない場合)は、ステップSb2307にて、図柄表示装置75の表示画面Gにて図柄列Z1~Z3の変動表示等を行うための特図変動表示用処理を実行する。特図変動表示用処理の詳細については後述する。
ステップSb2308では、その他の処理を実行し、その後、演出設定処理を終了する。その他の処理では、始動入賞が所定期間に亘って発生しない場合のデモ画面表示や、図柄表示装置75の表示画面Gにおける映像表示を停止して低消費電力化を図る節電モードへの切り替え等を行うための処理を実行する。
<第1移行用演出設定処理>
ステップSb2302の第1移行用演出設定処理について図127のフローチャートを参照しながら説明する。この処理は、主制御装置162からのエンディングコマンドを受信した場合に実行されるものであり、換言すれば、開閉実行モードのエンディング開始タイミングに合わせて実行されるものである。
先ずステップSb2401では、高確遊技状態又は第1時短遊技状態への移行が生じる状況であるか否かを判定する。すなわち、エンディングコマンドが送信された開閉実行モードが高確遊技状態又は第1時短遊技状態への移行を生じさせる大当たり結果に対応するものであるか否かを判定する。この判定は、主制御装置162から送信される種別コマンドに基づいて行う。
なお、本実施の形態のように開閉実行モードの終了後、高確遊技状態又は第1時短遊技状態のいずれかに必ず移行する大当たり種別しか存在しない場合は、ステップSb2401の処理を省略することが可能である。
高確遊技状態又は第1時短遊技状態への移行が生じる状況である場合は、ステップSb2402にて各遊技状態に対応した開始演出を設定する。例えば、高確遊技状態への移行が生じる場合であれば、上記開始演出として高確遊技状態用の開始演出を設定する。高確遊技状態用の開始演出では、図128(a)に示すように、図柄表示装置75の表示画面Gにて、例えば「ラッキータイム」等の高確遊技状態に対応したタイトル画像471と、残り回数画像472とが表示される。残り回数画像472は、高確遊技状態に滞在可能な特図遊技回の残り回数を報知するものである。
第1時短遊技状態のうち残り回数が100回である時短遊技状態用の開始演出では、図128(b)に示すように、例えば「チャンスタイム」等の残り回数100回の時短遊技状態に対応したタイトル画像473と、残り回数画像472とが表示される。この場合の残り回数画像472は、第1時短遊技状態に滞在可能な特図遊技回の残り回数を報知するものである。
第1時短遊技状態のうち残り回数が1000回である時短遊技状態用の開始演出では、図128(c)に示すように、例えば「スーパーチャンスタイム」等の上位の時短遊技状態に対応したタイトル画像474と、残り回数画像472とが表示される。
また、各時短遊技状態用の開始演出では、特図当否判定の結果が外れ結果になった外れ遊技回の回数を報知する外れ回数画像475が表示される。この外れ回数画像475は、第1時短遊技状態において表示が継続されるとともに、外れ遊技回の終了ごとにその表示回数が更新される。このため、当該画像475を遊技者が見ることで、天井到達までの過程における途中経過を知ることができる(図128(d))。具体的には、現在の外れ遊技回の回数を把握したり、天井回数を知っている遊技者であれば、天井回数までの残り回数を把握したりすることができる。
なお、図128(d)は、第1時短遊技状態への滞在中に実行される時短中演出を示すものである。時短中演出は、図128(b)、(c)の開始演出の終了後、第1時短遊技状態が終了するまで行われる。この時短中演出では、例えば、通常遊技状態中の通常時演出とは背景画像等が異なるなど、通常時演出との識別が可能な構成となっている。
ちなみに、外れ回数画像475は、第1時短遊技状態が終了しても消去されず、通常遊技状態に移行した後も継続して表示される。なお、第1時短遊技状態の終了時に外れ回数画像475が一時的に消去され、通常遊技状態の開始時又は通常遊技状態への移行後に再び表示される構成としてもよい。
ステップSb2402では、開閉実行モードのエンディング期間にて上記各種開始演出が表示画面Gに表示されるように設定する。この場合、それら開始演出がエンディング期間の全体で表示される構成としてもよいし、エンディング期間の一部で表示される構成としてもよい。
ステップSb2403では、RAM344の各種カウンタエリア344bに設けられた残り回数カウンタエリアに所定値を設定する。残り回数カウンタエリアは、高確遊技状態又は第1時短遊技状態に滞在可能な特図遊技回の残り回数をMPU342が把握するためのものであり、それら各遊技状態において特図遊技回が実行されるごとに1ずつ減算される。本ステップでは、移行する遊技状態が高確遊技状態である場合は、上記所定値として第1上限回数(例えば100回)及び第2上限回数(例えば1100回)に対応した値をそれぞれセットし、第1時短遊技状態である場合は第3上限回数(例えば1000回)又は第4上限回数(例えば100回)に対応した値をセットする。
本実施の形態では、演出制御装置143にて主制御装置162とは別に各遊技状態の残り回数をカウントする構成としているが、主制御装置162での更新結果に基づいて演出制御装置143が各遊技状態の残り回数を把握する構成としてもよい。例えば、確変カウンタエリアKCの更新結果(図117のステップSb1202)やサポートカウンタエリアSCの更新結果(図118のステップSb1302)を所定コマンドの送信により主制御装置162から演出制御装置143に通知し、演出制御装置143が当該コマンドを解析して上記各更新結果を把握する構成としてもよい。その際、変動終了コマンド(図120(a)のステップSb1506)等の既存コマンドに上記各更新結果の情報を含ませて上記所定コマンドとしてもよいし、上記各更新結果を通知するための専用コマンドにより上記所定コマンドを構成してもよい。
ステップSb2404では、残り回数画像472の表示を開始するように設定する。その際、ステップSb2402で設定した各開始演出(エンディング期間を利用して行われる演出)にて残り回数画像472の表示が開始されるように設定してもよいし、開始演出の終了後、高確遊技状態等に移行してから残り回数画像472の表示が開始されるように設定してもよい。
ステップSb2405では、RAM344の各種フラグ格納エリア344dに残り回数表示フラグをセットする。残り回数表示フラグは、残り回数画像472の表示中であることをMPU342が把握するためのものである。
ステップSb2406では、開閉実行モード後の遊技状態が高確遊技状態であるか否かを判定する。開閉実行モード後の遊技状態が高確遊技状態でない場合、すなわち、第1時短遊技状態である場合は、ステップSb2407に進み、外れ回数画像475の表示を開始するように設定する。その際、ステップSb2402で設定した各開始演出にて外れ回数画像475の表示が開始されるように設定してもよいし、開始演出の終了後、第1時短遊技状態に移行してから外れ回数画像475の表示が開始されるように設定してもよい。なお、ステップSb2406により表示が開始されるときの外れ回数画像475の初期値は0回である。
また、ステップSb2401で否定判定した場合(開閉実行モード後の遊技状態が通常遊遊技状態である場合)も、ステップSb2407に進み、外れ回数画像475の表示設定を行う。
ステップSb2407の実行後はステップSb2408にて、上記各種フラグ格納エリア344dに外れ回数表示フラグをセットする。外れ回数表示フラグは、外れ回数画像475の表示中であることをMPU342が把握するためのものである。
ステップSb2408の実行後は第1移行用演出設定処理を終了する。また、ステップSb2406で肯定判定した場合(開閉実行モード後の遊技状態が高確遊技状態である場合)は、外れ回数画像475を表示しないとして、ステップSb2407及びステップSb2408の処理を実行せずに第1移行用演出設定処理を終了する。
<第2移行用演出設定処理>
ステップSb2304(図126)の第2移行用演出設定処理について図129のフローチャートを参照しながら説明する。この処理は、主制御装置162からの第2時短遊技状態開始コマンドを受信した場合に実行されるものであり、換言すれば、第2時短遊技状態が開始される場合に実行されるものである。
先ずステップSb2501では、RAM344の各種カウンタエリア344bに設けられた外れ回数カウンタエリアの値をクリアする。外れ回数カウンタエリアは、外れ結果の特図遊技回をカウントするものであり、外れ回数画像475を表示する場合に参照される。
ステップSb2502では、図柄表示装置75の表示画面Gに表示されている外れ回数画像475を消去する処理を実行し、ステップSb2503では、RAM344の各種フラグ格納エリア344dにセットされている外れ回数表示フラグをクリアする。
ステップSb2504では、今回の特図遊技回で第1時短遊技状態が終了するか否かを判定する。すなわち、第2時短遊技状態開始コマンドを受信した特図遊技回が第1時短遊技状態での最終回の特図遊技回であるか否かを判定する。本ステップでは、同一遊技回で第1時短遊技状態終了コマンドを受信しているか否かを判定することにより、上記判定を行う。
既に説明したように、本実施の形態では、4R通常大当たり結果Aになった場合に移行する第1時短遊技状態の上限回数(第3上限回数(例えば1000回))と、第2時短遊技状態の移行契機となる天井回数(例えば1000回)とが同じ回数に設定されている。かかる構成では、大当たりに当選しないまま第1時短遊技状態での消化遊技回の回数が上限回数に達すると、それと同時に外れ回数も天井回数に到達することになり、第1時短遊技状態の終了に対応する第1時短遊技状態終了コマンドと、外れ回数が天井回数に到達したことに対応する第2時短遊技状態開始コマンドとが、同じ特図遊技回で送信される。なお、4R確変大当たり結果Aとなって高確遊技状態に移行し、その高確遊技状態の終了後に第1時短遊技状態(残り回数1000回の第1時短遊技状態)に移行する場合も同様の事象が発生する。ステップSb2504では、それらのケースに該当するか否かを判定する。
ステップSb2504で否定判定した場合(今回の特図遊技回で第1時短遊技状態が終了しない場合)、すなわち、通常遊技状態から第2時短遊技状態に移行する場合には、ステップSb2505に進み、第2時短遊技状態に対応した開始演出を設定する。第2時短遊技状態用の開始演出では、図130(a)に示すように、図柄表示装置75の表示画面Gにて、例えば「スーパーチャンスタイム」等の上位の時短遊技状態に対応したタイトル画像474と、残り回数画像472とが表示される。
第2時短遊技状態用の開始演出は、外れ回数が天井回数に到達した特図遊技回で実行してもよいし、第2時短遊技状態に移行してから実行してもよい。前者の場合は、天井回数に到達した特図遊技回にて各図柄列Z1~Z3を外れ結果の組合せで停止表示させた後、上記開始演出を実行するとよい。その際、開始演出は、確定表示時間の一部又は全部を利用して実行してもよいし、変動表示時間(変動表示時間の一部)と確定表示時間(確定表示時間の一部又は全部)とを跨いで実行してもよい。
なお、確定表示時間の一部を利用して上記開始演出を実行する場合は、変動表示時間と確定表示時間とを跨いで開始演出を実行する場合を除き、確定表示時間の後半部にて開始演出を実行するとよい。具体的には、各図柄列Z1~Z3の確定表示を開始した後に開始演出を実行するとよい。この場合、各図柄列Z1~Z3により特図当否抽選の結果を知らせてから第2時短遊技状態への移行を知らせることができ、特図当否抽選の結果と第2時短遊技状態への移行との両方を遊技者が把握する上で好ましい態様とすることができる。
ステップSb2506では、RAM344の各種カウンタエリア344bに設けられた残り回数カウンタエリアに第5上限回数に対応した値をセットする。第5上限回数は、第2時短遊技状態に滞在可能な特図遊技回の回数であり、例えば900回である。
ステップSb2507では、残り回数画像472の表示を開始するように設定する。その際、図130(a)に示すように、第2時短遊技状態用の開始演出にて残り回数画像472の表示が開始されるように設定してもよいし、開始演出の終了後、第2時短遊技状態に移行してから残り回数画像472の表示が開始されるように設定してもよい。
ステップSb2508では、RAM344の各種フラグ格納エリア344dに残り回数表示フラグをセットし、その後、第2移行用演出設定処理を終了する。
ステップSb2504で肯定判定した場合(今回の特図遊技回で第1時短遊技状態が終了する場合)、すなわち、第1時短遊技状態から第2時短遊技状態に移行する場合は、ステップSb2509に進み、残り回数の上乗せ演出を実行するように設定する。ここで、当該上乗せ演出について図130(b)、(c)を参照しながら説明する。
上記上乗せ演出を行うにあたっては、図130(b)に示すように、第1時短遊技状態での最終遊技回において図柄表示装置75の表示画面Gに図柄列Z1~Z3を外れ結果の組み合わせで停止表示させる。この場合の停止表示は、特殊な停止形態を取るものではなく、外れ結果を報知するものとして、第1時短遊技状態における他の特図遊技回と同様に各図柄列Z1~Z3を順番に停止表示させるものである。
各図柄列Z1~Z3を停止表示させた後、図130(c)に示すように、それら図柄列Z1~Z3を停止表示させた特図遊技回にて、例えば「+900回!!」等の文字からなる上乗せ画像476を表示する。これにより、時短遊技状態の残り回数が追加されたことが遊技者に報知される。この上乗せ画像は、確定表示時間の一部又は全部を利用して表示してもよいし、変動表示時間(変動表示時間の一部)と確定表示時間(確定表示時間の一部又は全部)とを跨いで表示してもよい。その際、停止表示された図柄列Z1~Z3の画像を消去した上で上乗せ画像476を表示してもよいし、図柄列Z1~Z3の画像を消去せず、図柄列Z1~Z3の手前側に上乗せ画像476が配置されるようにして表示してもよい。
ステップSb2509の実行後はステップSb2510にて、残り回数カウンタエリアの値に第5上限回数に対応した値を加算する。これにより、第2時短遊技状態に移行した後の遊技では、図130(d)に示すように、第5上限回数が反映された残り回数画像472が表示される。ステップSb2510の実行後は第2移行用演出設定処理を終了する。
<終了用演出設定処理>
ステップSb2306(図126)の終了用演出設定処理について図131を参照しながら説明する。この処理は、高確遊技状態、第1時短遊技状態、第2時短遊技状態の各遊技状態の終了コマンドを受信した場合に実行されるものであり、換言すれば、それら各遊技状態が終了する場合に実行されるものである。
ステップSb2601では、今回の遊技状態の終了が第1時短遊技状態の終了であるか否かを判定する。具体的には、主制御装置162からの第1時短遊技状態終了コマンドを受信しているか否かを判定する。
今回の遊技状態の終了が第1時短遊技状態の終了である場合は、ステップSb2602に進み、外れ回数が天井回数に到達しているか否かを判定する。すなわち、第2時短遊技状態への移行条件が成立しているか否かを判定する。
ステップSb2602で否定判定した場合(外れ回数が天井回数に到達しておらず、第2時短遊技状態に移行しない場合)又はステップSb2601で否定判定した場合(高確遊技状態又は第2時短遊技状態の終了である場合)は、ステップSb2603にて、終了対象の遊技状態に対応した終了演出を設定する。例えば、高確遊技状態の終了である場合には、高確遊技状態用の終了演出が実行されるように設定する。
ステップSb2604では、RAM344の各種カウンタエリア344bに設けられた残り回数カウンタの値をクリア(初期化)し、ステップSb2605では、図柄表示装置75の表示画面Gに表示されている残り回数画像472を消去する。
ステップSb2606では、RAM344の各種フラグ格納エリア344dにセットされている残り回数表示フラグをクリアし、その後、終了用演出設定処理を終了する。また、ステップSb2602で肯定判定した場合(外れ回数が天井回数に到達しており、第2時短遊技状態に移行する場合)は、残り回数の更新及び表示を継続すべく、ステップSb2603以降の処理を実行せずに終了用演出設定処理を終了する。
<特図変動表示用処理>
ステップSb2307の特図変動表示用処理について図132のフローチャートを参照しながら説明する。
先ずステップSb2701では、遊技回の実行中であるか否かを判定する。具体的には、第1特図又は第2特図のいずれかの遊技回の実行中であるか否かを判定する。いずれの遊技回も実行中でない場合は、ステップSb2702に進み、主制御装置162からの変動開始コマンドを受信しているか否かを判定する。
変動開始コマンドには、主制御装置162における変動表示時間の設定処理(図111)で抽選された変動パターンの情報が含まれる。この変動パターンの情報を参照することで、主制御装置162にて表示制御される特図用表示部43での特図遊技回がいずれの変動表示時間で行われるのかを把握することができる。また、既に説明したように、大当たり用の変動パターンと外れ用の変動パターンとが各別に設定されるため、変動パターンから当否判定の結果を判別することもできる。
変動開始コマンドを受信していない場合は、そのまま特図変動表示用処理を終了する。一方、変動開始コマンドを受信している場合は、ステップSb2703に進み、遊技回用の演出を開始させるための変動開始用処理を実行する。
変動開始用処理では、主制御装置162からの変動開始コマンドを解析し、今回の特図遊技回に関する変動パターンを特定する。さらに特定した変動パターンに基づいて今回の特図遊技回における変動表示時間を把握する。ROM343の各種テーブル記憶エリア343aには、各変動パターンと対応付けて変動表示時間が定められた演出パターンテーブルが記憶されている。演出パターンテーブルで定められる変動表示時間は、主制御装置162において各変動パターン(図112、図113)が対応する変動表示時間に対応しており、演出制御装置143と主制御装置162とでは、1つの変動パターンに対して共通の変動表示時間が割り当てられている。例えば、変動パターンが変動パターン1Aである場合、それに対応する変動表示時間は、演出制御装置143及び主制御装置162のいずれも15secとなる。変動開始用処理では、演出パターンテーブルを参照して変動開始コマンドから解析した変動パターンに対応する変動表示時間を特定し、これを今回の特図遊技回の変動表示時間として設定する。
また、演出パターンテーブルには、各変動パターンと対応付けて遊技回演出用の演出パターンが対応付けられている。それら各演出パターンとしては、変動表示時間テーブルの説明の際に述べたノーマルリーチ当たり、SPリーチ当たり、SPSPリーチ当たり、完全外れ、ノーマルリーチ外れ、SPリーチ外れ、SPSPリーチ外れが設定されている。変動パターンと演出パターンとの対応関係については、図112を参照して既に述べているため、説明を省略する。変動用開始処理では、演出パターンテーブルを参照して今回の変動パターンに対応する演出パターンを特定し、これを今回の特図遊技回の演出パターンとして設定する。
また、変動開始用処理では、今回の特図遊技回に関する当否判定の結果が大当たりである場合、主制御装置162からの種別コマンドに基づいて大当たり種別を特定する。大当たり種別が確変大当たりである場合は、図柄表示装置75の表示画面Gに表示される図柄列Z1~Z3の停止結果として確変大当たり用の停止結果を設定する。逆に、大当たり種別が通常大当たりである場合は、図柄列Z1~Z3の停止結果として通常大当たり用の停止結果を設定する。これらの場合、大当たり用の停止結果が停止表示される有効ラインL1~L5は抽選等によってランダムに決定される。
また、今回の特図遊技回に関する当否判定の結果が外れである場合は、図柄列Z1~Z3の各停止図柄をランダムに決定する。但し、変動パターンに対応する演出パターンがリーチ演出を行うものである場合は、抽選で決定した有効ラインL1~L5にリーチが形成されるように各停止図柄を決定する。すなわち、少なくも1つの有効ラインL1~L5上に外れリーチ図柄の組合せが成立する停止結果を、今回の停止結果として設定する。
変動開始用処理では、上記各処理を実行した後、表示制御装置350への出力対象として、今回の停止図柄の情報や演出パターンの情報を含むコマンドを設定する。表示制御装置350では、受信したコマンドに従い、演出制御装置143にて決定された停止結果で各図柄列Z1~Z3の図柄が停止したり、演出制御装置143にて決定された演出パターンで遊技回用演出が行われたりするように図柄表示装置75を制御する。
ステップSb2703の実行後はステップSb2704にて残り回数表示の更新用処理を実行し、その後、特図変動表示用処理を終了する。ここで、残り回数表示の更新用処理について図133(a)のフローチャートを参照しながら説明する。
先ずステップSb2801では、RAM344の各種フラグ格納エリア344dに残り回数表示フラグがセットされているか否か、すなわち、残り回数画像472の表示中であるか否かを判定する。なお、残り回数表示フラグは、高確遊技状態、第1時短遊技状態又は第2時短遊技状態である場合にセットされるため、ステップSb2801の判定処理は、現在の遊技状態がそれら各遊技状態のいずれかであるか否かを判定するものともいえる。
残り回数表示フラグがセットされていない場合はそのまま残り回数表示の更新用処理を終了する。一方、残り回数表示フラグがセットされている場合は、ステップSb2802に進み、残り回数カウンタエリアの値を更新する。具体的には、残り回数カウンタエリアの値を1減算する。続くステップSb2803では、ステップSb2802の更新結果を参照して残り回数画像472の表示内容を更新する。これにより、残り回数画像472により報知される残り回数が1減算される。ステップSb2803の実行後は残り回数表示の更新用処理を終了する。
特図変動表示用処理(図132)の説明に戻り、ステップSb2701で肯定判定した場合(特図遊技回の実行中である場合)は、ステップSb2705に進み、主制御装置162から変動終了コマンドを受信しているか否かを判定する。変動終了コマンドを受信していない場合は、今回の特図遊技回において変動表示時間が未経過の状態であることを意味する。この場合は、ステップSb2706にて、変動中用処理を実行する。変動中用処理では、変動開始用処理により開始された図柄列Z1~Z3の変動表示を継続したり、各図柄列Z1~Z3の図柄を順番に仮停止表示させたり、各リーチ演出を実行したりするための処理を実行する。
ステップSb2705で肯定判定した場合(変動終了コマンドを受信している場合)は、ステップSb2707に進み、変動終了用処理を実行する。変動終了用処理では、各図柄列Z1~Z3の変動表示や実行されている演出を終了させる。また、ステップSb2707では、主制御装置162で設定された確定表示時間にて各図柄列Z1~Z3の図柄を確定停止させるように制御する。
ステップSb2708では外れ回数表示の更新用処理を実行し、その後、特図変動表示用処理を終了する。ここで、外れ回数表示の更新用処理について図133(b)のフローチャートを参照しながら説明する。
先ずステップSb2901では、RAM344の各種フラグ格納エリア344dに外れ回数表示フラグがセットされているか否か、すなわち、外れ回数画像475の表示中であるか否かを判定する。なお、外れ回数表示フラグは通常遊技状態や第1時短遊技状態である場合にセットされるため、ステップSb2901の判定処理は、現在の遊技状態がそれら各遊技状態のいずれかであるか否かを判定するものともいえる。
外れ回数表示フラグがセットされている場合は、ステップSb2902にて、今回の特図当否抽選の結果が外れ結果であるか否かを判定する。外れ結果である場合は、ステップSb2903に進み、外れ回数カウンタエリアの値を更新する。具体的には、外れ回数カウンタエリアの値を1加算する。続くステップSb2904では、ステップSb2903の更新結果を参照して外れ回数画像475の表示内容を更新する。これにより、外れ回数画像475により報知される外れ回数が1加算される。
ステップSb2903における外れ回数カウンタの更新処理は確定表示の開始タイミングにて実行されるが、ステップSb2904では、確定表示時間が経過した以後に外れ回数画像475が更新されるように設定する。この場合における外れ回数画像475の更新タイミングは、確定表示の終了タイミングであってもよいし、次の特図遊技回が開始されてからのタイミングであってもよい。
ステップSb2904の実行後は外れ回数表示の更新用処理を終了する。また、ステップSb2901で否定判定した場合(外れ回数表示フラグがセットされていない場合)又はステップSb2902で否定判定した場合(今回の特図遊技回の当否結果が大当たり結果である場合)は、ステップSb2903以降の処理を実行することなく外れ回数表示の更新用処理を終了する。
<第2時短遊技状態への移行の流れについて>
第2時短遊技状態への移行の流れについて説明する。ここでは、4R通常大当たり結果Aになったことを契機として第3上限回数(例えば1000回)の第1時短遊技状態に移行した後、外れ回数が天井回数(例えば1000回)に到達したことを契機として第2時短遊技状態に移行する場合について図134を参照しながら説明する。
タイミングt1において4R通常大当たり結果Aに対応した開閉実行モードが終了すると、RAM314の各種フラグ格納エリア314eに第1サポートフラグがセットされる。これにより、低確率モード且つ高頻度サポートモードの状態である第1時短遊技状態に移行する(図134(a)、(b))。
また、上記タイミングt1では、主制御装置162においてRAM314の各種カウンタエリア314dに設けられたサポートカウンタエリアSCに第3上限回数(例えば1000回)がセットされる(図134(c))。サポートカウンタエリアSCの値は、第1時短遊技状態において当否判定の結果が外れ結果になった特図遊技回(外れ遊技回)が行われる都度、1ずつ減算され、当該値が「0」になることで第1時短遊技状態が終了する(図108、図118)。つまり、サポートカウンタエリアSCの値は、第1時短遊技状態を遊技可能な特図遊技回の残り回数に相当する。
演出制御装置143では、RAM344の各種カウンタエリア344bに設けられた残り回数カウンタエリアにより上記残り回数がカウントされる(図133(a))。図柄表示装置75には当該残り回数カウンタエリアの値に基づく残り回数画像472(図128(d))が表示され、これにより、第1時短遊技状態の残り回数が報知される。
なお、第1時短遊技状態の途中で大当たり結果になった場合には、開閉実行モードに移行することに伴い第1時短遊技状態が終了し、サポートカウンタエリアSC及び残り回数カウンタエリアの各値がクリアされる。
なお、4R通常大当たり結果Aになった特図遊技回の確定表示の開始タイミングでは、主制御装置162において上記各種カウンタエリア314dの外れ回数カウンタエリアHCに天井回数(例えば1000回)に対応した値がセットされる(図134(d))。外れ回数カウンタエリアHCの値は、開閉実行モードの終了後において外れ遊技回が行われる都度、1ずつ減算される(図108、図119)。これにより、天井回数までの残り回数がカウントされる。
演出制御装置143では、上記各種カウンタエリア344bに設けられた外れ回数カウンタエリアにより外れ遊技回の回数がカウントされる(図133(b))。演出制御装置143の外れ回数カウンタエリアの値は、外れ遊技回が行われる都度、1ずつ加算される。つまり、演出制御装置143の外れ回数カウンタエリアの値は、大当たり結果になった後(開閉実行モードが行われた後)のそれまでの外れ回数に相当する。図柄表示装置75には当該外れ回数カウンタエリアの値に基づく外れ回数画像475が表示され(図128(d))、これにより、外れ遊技回の累積回数が報知される。
主制御装置162による外れ回数カウンタエリアHCの更新は、当否判定で外れ結果になった特図遊技回において確定表示が開始される場合に行われるが、外れ回数画像475により表示される外れ回数の更新は、その特図遊技回の確定表示時間が経過するのを待って行われる。但し、この構成は必須のものではなく、確定表示時間が経過する前に外れ回数画像475の更新が行われてもよい。すなわち、確定表示の開始時や確定表示の途中で外れ回数が更新されてもよい。
ちなみに、再抽選演出(図柄列Z1~Z3を一旦仮停止表示させた後、図柄列Z1~Z3を再変動させ、その後、先の停止表示時とは異なる図柄組合せで図柄列Z1~Z3を停止表示させる演出)の実行機能を備えるパチンコ機にあっては、変動表示が終了して確定表示が開始された後も遊技者が図柄列Z1~Z3の再変動を期待して図柄表示装置75に注目していることが想定される。そのような構成において期待感を持続させる上では、確定表示中のいずれかのタイミングで外れ回数画像475を更新するよりも、確定表示時間が経過してから更新する方が好ましい。
タイミングt2において第1時短遊技状態での外れ遊技回の回数が第3上限回数に達し、サポートカウンタエリアSCの値が「0」になると、第1サポートフラグがクリアされ、第1時短遊技状態が終了する(図134(b)、(c))。また、本実施の形態では、第3上限回数と天井回数とが同じ値に設定されているため、サポートカウンタエリアSCが「0」になると同時に外れ回数カウンタエリアHCの値も「0」となる。これに応じて上記各種フラグ格納エリア314eに第2サポートフラグがセットされ、低確率モード且つ高頻度サポートモードである第2時短遊技状態に移行する(図134(e))。
この際、サポートカウンタエリアSCの値が第2時短遊技状態の継続期間に対応した第5上限回数(例えば900回)にセットし直される。また、図柄表示装置75では、時短遊技状態の残り回数が上乗せされるようにして上乗せ演出(図130(b)~(d))が実行される。
ここで、本実施の形態では、時短遊技状態の残り回数の更新が行われてから第2時短遊技状態の移行判定が行われるように構成されている(図108、図118、図119)。そのような構成の利点について図135を参照しながら説明する。
ここでは、理解の容易化を図るため、第2時短遊技状態の移行判定が行われてから時短遊技状態の残り回数の更新が行われる構成を比較例とし、本実施の形態に係る構成との違いを説明する。また、両者を比較しやすくするため、比較例及び本実施の形態に係る構成の双方において、第1時短遊技状態及び第2時短遊技状態の重複実施を規制する制限がなされていると仮定する。
上記のように大当たりを契機とする第1時短遊技状態の最終遊技回で外れ遊技回の累積回数が天井回数となる場合において、比較例の構成では、先ず第2時短遊技状態の移行判定が行われることにより、内部的には第2時短遊技状態に移行すべきと認識される。しかしながら、その時点では未だ第1時短遊技状態に滞在しているため、第2時短遊技状態への移行が制限され、結果的に天井到達が無効化されてしまう。
そのような天井到達の無効化を回避するには、天井回数を第3上限回数よりも多くして第1時短遊技状態の最終遊技回より後の特図遊技回で外れ回数の累積値が天井回数となるようにすることが考えられる。第1時短遊技状態の終了後、直ちに第2時短遊技状態へ移行させたいのであれば、天井回数を1001回とするか又は第3上限回数を999回とし、上記最終遊技回の次の特図遊技回で外れ回数の累積値が天井回数に到達するようにすればよい。
しかしながら、この場合は第1時短遊技状態と第2時短遊技状態との間に通常遊技状態に滞在する期間が介在することになる。例えば、時短遊技状態の残り回数の更新と第2時短遊技状態の移行判定とを特図遊技回における確定表示の開始タイミングで行う場合であれば、先の特図遊技回の確定表示の開始タイミングで第1時短遊技状態が終了し、後の特図遊技回の確定表示の開始タイミングで第2時短遊技状態に移行するまでの間、すなわち、後の特図遊技回で変動表示が行われる期間において通常遊技状態に移行することになる。
その際、その通常遊技状態において普図遊技回での変動表示が開始されることがあると、その普図遊技回での変動表示時間は通常遊技状態用の長い時間に設定され、また、その当否判定の確率も通常遊技状態用の低い当選確率が適用される。この場合、その普図遊技回の当否判定が外れ結果になったとすると、普電役物63aが開放状態とされるのは、その長い変動表示時間の普図遊技回が終了して次の普図遊技回にてサポート当選結果(普図当たり結果)となり、さらにその普図遊技回が終了してからとなる。このため、後の特図遊技回の確定表示の開始タイミングとなって第2時短遊技状態に移行しても、普電役物63aが開放状態とされるまでに長い期間を要し、高頻度サポートモードの恩恵を遊技者が実際に受けられるようになるまでに遅れが生じる懸念がある。
これに対し、本実施の形態では、時短遊技状態の残り回数の更新が先に行われるため、第1時短遊技状態の最終遊技回において先ず第3上限回数への到達が認識されて第1時短遊技状態が終了し、その後に天井回数への到達に基づく第2時短遊技状態への移行が認識される。よって、同じ特図遊技回の中で第1時短遊技状態から第2時短遊技状態への切り替えが行われ、天井到達が無効化されることもなければ、通常遊技状態に滞在する期間の介在も生じない。つまり、当たりを契機とする第1時短遊技状態の最終遊技回で外れ回数の累積値が天井回数となる場合において、第1時短遊技状態から第2時短遊技状態への移行をスムーズに行うことが可能になる。
次に、通常遊技状態から第2時短遊技状態に移行する場合について図136を参照しながら説明する。ここでは、外れ回数が天井回数に到達する特図遊技回の変動表示が図136のタイミングt1~タイミングt3に亘って行われ、その途中タイミングであるタイミングt3にて普図遊技回の変動表示が開始されたものとする。
通常遊技状態において外れ回数が天井回数に到達する特図遊技回(第1特図の特図遊技回)が開始されると、タイミングt1~タイミングt3においてその変動表示が行われる。タイミングt3にて変動表示時間が経過すると、特図遊技回の確定表示が開始される。この場合の確定表示時間は、通常確定表示時間よりも長い特定確定表示時間(例えば0.8sec)が設定される(図120(a))。
また、タイミングt3では、天井回数への到達に基づいて第2サポートフラグがセットされ、第2時短遊技状態への移行が行われる(図136(a)、(b))。この際、サポートカウンタエリアSCの値が第2時短遊技状態の継続期間に対応した第5上限回数(例えば900回)にセットされる。
図柄表示装置75では、第2時短遊技状態への移行に対応した開始演出(図130(a))が実行される。この開始演出は、例えば、天井回数に到達した特図遊技回で実行される。その際、確定表示時間の一部又は全部にて開始演出が実行されてもよいし、変動表示時間(変動表示時間の一部)と確定表示時間(確定表示時間の一部又は全部)とを跨いで開始演出が実行されてもよい。
一方、上記特図遊技回での変動表示の途中タイミングであるタイミングt2において普図遊技回が開始されると、この時点での遊技状態は通常遊技状態であるため、当該普図遊技回での変動表示時間は通常遊技状態用の変動表示時間(例えば30sec)に設定される。
タイミングt3において、天井到達の特図遊技回における確定表示が開始され、第2時短遊技状態への移行が行われると、上記普図遊技回の変動表示が強制終了される(図136(c))。これにより、タイミングt2で設定された変動表示時間が経過するよりも早く変動表示が終了される。上記の際、当該普図遊技回でのサポート判定結果がサポート当選結果(普図当たり結果)であった場合には、外れ結果への判定結果の書き換えが行われる。このため、上記強制終了の後は、外れ結果に対応する停止結果にて確定表示が行われる。
なお、上記サポート判定結果が外れ結果であった場合にはその結果が維持され、普図遊技回の開始時に設定された停止結果にて確定表示が行われる。また、タイミングt3にて普図遊技回が確定表示中であったり、普電役物63aによる役物開閉遊技の実行中であったりした場合は、強制終了が実行されず、それらの状態が継続される。
その後、タイミングt4において確定表示時間(例えば0.5sec)が経過すると、上記のとおり外れ結果への書き換えが行われているため、普電役物63aによる役物開閉遊技は実行されず、直ちに次の普図遊技回が開始される。この時点での遊技状態は第2時短遊技状態であるため、当該遊技回での変動表示は第2時短遊技状態用の短い変動表示時間(例えば0.5sec)にて行われる。また、この場合のサポート判定は第2時短遊技状態用の高い当選確率の下で行われる。ここでは、上記サポート判定の結果がサポート当選結果であったとする。
ここで、天井到達に基づいて変動表示が強制終了された普図遊技回の確定表示時間(例えば0.5sec)は、天井到達した特図遊技回の確定表示時間(例えば0.8sec)よりも短くなっている。このため、普図遊技回において特図遊技回よりも早く第2時短遊技状態での遊技回が実施されることになる(図136(c))。
タイミングt6において上記普図遊技回の変動表示時間が経過すると、その後、設定された確定表示時間(例えば0.5sec)に亘って確定表示が行われる。なお、普図遊技回の変動表示時間(例えば0.5sec)と確定表示時間(例えば0.5sec)との合計時間(例えば1sec)は、天井到達した特図遊技回の確定表示時間(例えば0.8sec)よりも長くなっている。このため、普図遊技回の確定表示の途中で特図遊技回の確定表示が終了する(タイミングt5)。
その際、第1特図の保留情報が存在していた場合は、次の特図遊技回(第1特図の遊技回)が開始される。この場合の特図遊技回は第2時短遊技状態の下で行われる遊技回となる。ちなみに、この時点では普電役物63aによる役物開閉遊技が未だ実行されていないため、第2作動口63への入賞が発生せず、第2特図の遊技回は実行されない。
タイミングt7において上記普図遊技回の確定表示時間が経過すると、役物開閉遊技が実行される。これにより、第2作動口63に遊技球が入賞しやすい状態となる。
以上のような構成であることで、普図遊技回の強制終了や外れ結果への書き換えを行わない場合に比べ、第2時短遊技状態に移行してからの役物開閉遊技の開始タイミングを早めることができる。これにより、第2作動口63への入賞が可能となる期間の開始を早め、延いては、第2特図の保留情報を早く取得させることが可能になる。
例えば、第2特図の保留情報の取得タイミングが遅れると、その分、第2時短遊技状態において第1特図の遊技回が行われやすくなる。第2特図の当否抽選で大当たり結果となった場合の種別判定は、第1特図の場合よりも優遇されているため(図102(a)、(b))、第1特図の遊技が行われるほど遊技者にとって不利となる。特に、第1特図の遊技回における変動表示時間を第2時短遊技状態の下で短縮する構成の場合は、第2時短遊技状態に移行してから行われる第1特図の遊技回の回数が増えやすくなる懸念がある。
この点、本実施の形態によれば、第2特図の保留情報を発生させ得る期間の開始を早めることができるため、第2時短時遊技状態に移行してからの第1特図の遊技回の回数が嵩むことを抑制することができる。よって、遊技者にとって好ましい態様で第2時短遊技状態での遊技を行うことが可能になる。
なお、本実施の形態のように、通常遊技状態で左打ち遊技となり、また、左打ち遊技の下ではスルーゲート64への入賞が発生しない構成の下では、通常遊技状態から第2時短遊技状態への移行時に普図遊技回が実行中となる事象は基本的には発生しない。しかしながら、天井到達を認識した遊技者が慌てて右打ち遊技に切り替えてしまった場合には、普図遊技回が実行中の状態で第2時短遊技状態への移行が行われ得るものとなる。特に外れ回数画像475によりそれまでの外れ回数が報知される構成では、遊技者が比較的に早い段階から第2時短遊技状態への移行を意識しがちとなり、そのような操作ミスが起こりやすくなることが想定される。このような場合、普図遊技回における通常遊技状態用の変動表示時間が長ければ長いほど、第2特図の遊技回を遊技できるタイミングが遅れることになり、本構成が有効に機能する。
また、遊技球の発射強度が強すぎて遊技球が右ルートに流れてしまい、意図せずスルーゲート64を通過してしまった場合や、第1時短遊技状態が終了してから第2時短遊技状態に移行するまでの間に通常遊技状態での特図遊技回を1回又は数回介在させる構成とした場合等においても、普図遊技回が実行中の状態で第2時短遊技状態への移行が行われ得るものとなる。このようなケースに対しても本構成は有効となる。
その他、左打ち遊技で遊技球がスルーゲート64に入賞可能な構成(換言すれば、通常遊技状態でスルーゲート64への入賞が普通に生じ得る構成)にあっては、通常遊技状態から第2時短遊技状態への移行時に普図遊技回が実行中であることが自然と生じ得るため、そのようなパチンコ機に対しても本構成は有効である。
上記のように通常遊技状態から第2時短遊技状態に移行する場合には普図遊技回の強制終了や外れ結果への書き換えを実行するが、第1時短遊技状態から第2時短遊技状態への移行時には、そのような処理を実行しない。第1時短遊技状態から第2時短遊技状態への移行時においては、当該移行の前から既に普図遊技回が高頻度サポートモードに対応した態様で行われているところ、そのような状況で普図遊技回の変動表示を途中終了させたり、外れ結果への書き換えを行ったりすると、却って役物開閉遊技の開始タイミングを遅延させる結果を招くおそれがあるためである。
以上詳述した本実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏することができる。
1の特図遊技回において、時短遊技状態の残り回数の更新が行われてから第2時短遊技状態の移行判定が行われるように構成した。
この構成によれば、第1時短遊技状態の最終遊技回で外れ遊技回の累積回数が天井回数に到達した場合に、第1時短遊技状態を終了させてから第2時短遊技状態に移行させることができる。これにより、第1時短遊技状態であることを理由に第2時短遊技状態への移行が制限されることを抑制でき、遊技状態の制御を好適に行うことが可能になる。そればかりか、第1時短遊技状態の終了と第2時短遊技状態への移行とを同じ遊技回の中で行うことができるため、通常遊技状態での特図遊技回を介在させることなく、第1時短遊技状態から第2時短遊技状態へのシームレスな移行を実現することができる。これにより、時短遊技状態の残り回数が追加されたのと同等の状態とすることができ、遊技者の喜びを好適に喚起することが可能になる。
なお、本実施の形態は、1の特図遊技回において、第1時短遊技状態の終了判定が行われてから第2時短遊技状態の移行判定が行われるように構成されたものと見ることもできる。この場合も上記と同様の効果を奏することができる。
第1時短遊技状態として、その上限回数が天井回数と同じ回数に設定された所定の第1時短遊技状態(4R確変大当たり結果Aに対応する時短遊技状態、4R通常大当たり結果Aに対応する時短遊技状態)を含む構成とした。
この場合、第1時短遊技状態として上記所定の第1時短遊技状態が実施されれば、その最終遊技回において自ずと外れ遊技回の回数が天井回数に到達し、第1時短遊技状態から第2時短遊技状態に移行させることができる。すなわち、大当たり結果を引き当てることができないまま第1時短遊技状態が終了したとしても、天井回数への到達を契機とする第2時短遊技状態への移行により時短遊技状態の残り回数が追加されることになり、遊技者からすると、そのような残り回数の追加がない場合に比べ、時短遊技状態の中で大当たり結果を引き当てるチャンスが格段に高められるものとなる。これにより、時短遊技状態として所定の時短遊技状態が選ばれることを期待する楽しみを付与できるばかりか、所定の時短遊技状態の魅力(遊技者への訴求力)を高めることができ、遊技意欲を好適に喚起することが可能になる。
第2時短遊技状態への移行が行われる状況で普図遊技回が実行中である場合にその普図遊技回を終了させることが可能な構成とした。
例えば、第2時短遊技状態に移行する直前にスルーゲート64への入賞が発生すると、それを契機とする普図遊技回や役物開閉遊技は通常遊技状態に対応した不利な態様で行われることになる。その際、例えば、従来の時短遊技状態のように開閉実行モードを経由してから移行するものであれば、そのような状況で発生した普図遊技回等を開閉実行モードの中で終了させることができるため、その影響が第2時短遊技状態に及ぶことを抑制できる。しかしながら、開閉実行モードを経由しないで移行する第2時短遊技状態の場合は、その移行前に開始された普図遊技回等を吸収する期間を確保することができないため、通常遊技状態に対応した不利な態様の普図遊技回等が第2時短遊技状態への移行後も継続して行われる懸念がある。この点、第2時短遊技状態への移行が行われる状況で普図遊技回が実行中である場合にその普図遊技回を終了させられることで、通常遊技状態に対応した不利な態様の普図遊技回等が第2時短遊技状態に移行してからも継続することを抑制できる。これにより、第2時短遊技状態の恩恵を遊技者が速やかに享受することが可能になる。
終了の対象となった普図遊技回のサポート抽選の結果がサポート当選結果(普図当たり結果)である場合に外れ結果に変更する構成とした。
この構成によれば、普図遊技回の終了後、役物開閉遊技を介さずに次の普図遊技回を開始させることができる。その分、第2時短遊技状態に対応した有利な態様の普図遊技回や役物開閉遊技の開始タイミングを早めることができ、第2時短遊技状態の恩恵を遊技者がより迅速に享受することが可能となる。
第2時短遊技状態への移行が行われる状況で普図遊技回が実行中である場合において、その普図遊技回が確定表示の実行中である場合は、終了処理の実行を制限する構成とした。
例えば、確定表示が実行されている状況でその表示を強制終了させると、停止結果(サポート抽選の報知結果)の報知期間が短縮される。その結果、停止結果の視認性が低下し、遊技者がサポート抽選の結果を把握しにくくなる懸念がある。この点、確定表示中である場合は強制終了の実行を制限することで、適切な報知期間を確保し、停止結果の視認性が低下することを抑制できる。
また、サポート抽選の結果を外れ結果に変更する構成では、次の効果を奏することができる。例えば、第2時短遊技状態への移行が行われる状況で確定表示の実行中である普図遊技回のサポート抽選結果がサポート当選結果である場合において、第2時短遊技状態への移行に対応させて確定表示の強制終了とともに外れ結果への書き換えを行うと、先ず、第2時短遊技状態への移行前から行われていたサポート当選結果に対応した確定表示が行われ、その後、第2時短遊技状態への移行に伴う強制終了によりその確定表示が終了することになる。すなわち、内部的に外れ結果への書き換えが行われるものの、それが停止結果に反映されることなく確定表示自体が終了するため、変更後の外れ結果に対応した停止結果が表示されず、変更前のサポート当選結果に対応した停止結果だけが表示される状態となる。この場合、サポート当選結果が報知されたにもかかわらず役物開閉遊技が行われないことで、遊技者が不信感を抱き、パチンコ機や遊技ホールへの信頼を低下させるおそれがある。この点、確定表示中である場合は強制終了の実行を制限することで、報知される結果と変更後のサポート抽選の結果との不整合が発生することを抑制でき、延いては、サポート当選結果が報知された状況で役物開閉遊技が行われない事象の発生を抑制することが可能になる。
外れ回数が天井回数に到達した場合に、当該到達が成立した特図遊技回における確定表示の開始タイミングにて第2時短遊技状態に移行させる構成とした。
外れ回数が天井回数に到達した特図遊技回において確定表示が終了することにより、次の特図遊技回として第2時短遊技状態に移行してからの最初の特図遊技回が開始される。その際、本構成では、外れ回数が天井回数に到達した特図遊技回の確定表示の開始タイミングにて第2時短遊技状態への移行を行うため、第2時短遊技状態への移行後、最初の特図遊技回が行われるまでの間に猶予期間(遊技状態としては第2時短遊技状態に移行しているが、第2時短遊技状態に移行してからの特図遊技回は未だ行われていない状態の期間)を確保することができる。第2時短遊技状態への移行に対応させて普図遊技回を終了させた場合に、その猶予期間において次の普図遊技回を開始させれば、第2時短遊技状態への移行後、特図遊技回よりも先行して普図遊技回を開始させることができる。その結果、普電役物63aによる役物開閉遊技の開始タイミングが早められ、第2時短遊技状態への移行後において第2作動口63への入賞が生じやすくなる状況を早期に生じさせることが可能になる。
終了処理の対象となった普図遊技回の確定表示時間よりも上記猶予期間が長くなるように構成した。
この構成によれば、終了処理により変動表示が終了される普図遊技回の確定表示が上記猶予期間の途中で終了するため、その猶予期間が終了する前に次の普図遊技回を開始させることが可能になる。その次の普図遊技回は第2時短遊技状態の下で行われるため、第2時短遊技状態に移行してからの最初の普図遊技回を第2時短遊技状態に移行してからの最初の特図遊技回よりも先行して開始させることができる。これにより、第2時短遊技状態への移行後における役物開閉遊技の開始タイミングを早め、第2作動口63への入賞が生じやすくなる状況を早期に生じさせることが可能になる。
時短遊技状態への移行に対応させた普図遊技回の終了処理を、通常遊技状態から時短遊技状態(第2時短遊技状態)に移行する場合を対象として行う構成とした。
この構成では、普図遊技回や役物開閉遊技が不利な態様で行われる状況から有利な態様で行われる状況に切り替わることに対応させて普図遊技回の終了処理が実行されるため、上記各効果を好適に発揮させることが可能になる。
時短遊技状態である状況で時短遊技状態への移行条件が成立した場合(第1時短遊技状態の最終遊技回で、第2時短遊技状態への移行条件である天井回数への到達が成立した場合)は、上記終了処理の実行を制限する構成とした。
時短遊技状態である状況で時短遊技状態への移行条件が成立した場合は、当該移行条件が成立する前から既に普図遊技回や役物開閉遊技が時短遊技状態に対応した態様で実行されている。このため、このような状況で上記終了処理を行うと、当該終了処理により途中状態で普図遊技回が強制終了され、その後、役物開閉遊技が行われることなく、次の普図遊技回が開始され、その普図遊技回が終了してから役物開閉遊技が行われることになる。つまり、強制終了を行わずにそのまま普図遊技回を継続させる場合よりも役物開閉遊技の開始タイミングが遅れるおそれがある。よって、通常遊技状態から時短遊技状態に移行する場合と時短遊技状態から時短遊技状態に移行する場合とで、上記終了処理の有無を使い分けることで、いずれの移行の場合であっても役物開閉遊技の迅速な開始を実現することができる。
第2時短遊技状態への移行条件(外れ回数の天井回数への到達)が成立した特図遊技回の確定表示時間を特定確定表示時間に設定し、上記移行条件が成立しない他の特図遊技回の確定表示時間(通常確定表示時間)よりも長くする構成とした。
時短遊技状態での遊技を遊技者がスムーズに始められるようにする上では、時短遊技状態に移行してからの最初の特図遊技回が開始されるよりも前に、時短遊技状態への移行を遊技者に知らせることが好ましい。この場合、従来の時短遊技状態のように開閉実行モードを経由して移行する場合であれば、開閉実行モードの期間(例えばエンディング期間等)を利用して特定遊技状態への移行等に対応した報知を行うことが可能であるが、本実施の形態に係る第2時短遊技状態のように開閉実行モードを経由することなく移行する時短遊技状態の場合は、移行条件が成立した特図遊技回が終了した後、第2時短遊技状態に移行してからの最初の特図遊技回が直ちに行われるため、そのような報知の実行期間を確保することが困難となる。この点、第2時短遊技状態への移行条件が成立した特図遊技回の確定表示時間を長くすることで、第2時短遊技状態に移行してからの最初の特図遊技回が開始されるタイミングを遅らせることができ、第2時短遊技状態への移行を知らせる報知の実行期間を好適に確保することが可能になる。
また、第2時短遊技状態への移行条件が成立した特図遊技回の確定表示時間を長くする構成は、終了処理の対象となった普図遊技回の確定表示時間よりも上記猶予期間が長くなるようにする上でも利点がある。そのような関係を構築するに際しては、終了処理の対象となった普図遊技回の確定表示時間を通常の確定表示時間よりも短くすることが考えられる。しかしながら、この場合、停止結果の表示時間が短くなることで、その視認性が低下し、サポート抽選の結果を遊技者に適切に把握できなくなる懸念がある。この点、特図遊技回の確定表示時間を長くすることで、普図遊技回における確定表示時間の無理な短縮化を回避することができ、停止結果の視認性を損なうことなく上記関係を構築することが可能になる。
通常遊技状態から時短遊技状態(第2時短遊技状態)に移行する場合を対象として、移行条件が成立した特図遊技回の確定表示時間を長くする構成とした。
この構成によれば、移行条件が成立した遊技回における長めの確定表示時間により、時短遊技状態に切り替わることへの遊技者の準備期間を確保することが可能になる。特に本実施の形態では、通常遊技状態では左打ち遊技が推奨される一方で、時短遊技状態では右打ち遊技が推奨されるため、通常遊技状態から時短遊技状態への移行に際しては遊技球の発射強度を切り替える操作が求められる。本構成によれば、そのような発射強度の切り替え操作のための時間を好適に確保することが可能になる。
<変形例1>
上記第2の実施の形態の変形例1について図137~図138を参照しながら説明する。これらの図において上記第2の実施の形態と同様の構成については同一の符号を付し、その説明を省略する。
上記第2の実施の形態では、第1特図の遊技回で天井回数に到達し、第2時短遊技状態に移行した場合において、普図遊技回の方が特図遊技回よりも先行して行われるが、本変形例では、第2時短遊技状態に対応した態様の役物開閉遊技が特図遊技回よりも先行して行われるように構成されている。
<特定確定表示時間について>
本変形例では、第1特図の遊技回で天井回数に到達した場合に設定される特定確定表示時間の長さが上記第2の実施の形態の場合よりも長くなっている。具体的には、特定確定表示時間が、強制終了される普図遊技回の確定表示時間(例えば0.5sec)と、第2時短遊技状態に対応した普図遊技回の変動表示期間(例えば0.5sec)と、第2時短遊技状態に対応した普図遊技回の確定表示時間(例えば0.5sec)との合計期間(例えば1.5sec)よりも長い時間(例えば4sec)に設定されている。
<第2時短遊技状態への移行の流れについて>
通常遊技状態から第2時短遊技状態に移行する場合について図137を参照しながら説明する。ここでは、外れ回数が天井回数に到達する特図遊技回の変動表示がタイミングt1~タイミングt3に亘って行われ、その途中タイミングであるタイミングt2にて普図遊技回の変動表示が開始されたものとする。
通常遊技状態において外れ回数が天井回数に到達する特図遊技回(第1特図の特図遊技回)が開始されると、タイミングt1~タイミングt3においてその変動表示が行われる。タイミングt3にて変動表示時間が経過すると、特図遊技回の確定表示が開始される。この場合の確定表示時間には上記の特定確定表示時間(例えば4sec)が設定される。
また、タイミングt3では、天井回数への到達に基づいて第2サポートフラグがセットされ、第2時短遊技状態への移行が行われる(図137(a)、(b))。この際、サポートカウンタエリアSCの値が第2時短遊技状態の継続期間に対応した第5上限回数(例えば900回)にセットされる。
一方、上記特図遊技回での変動表示の途中タイミングであるタイミングt2において普図遊技回が開始されると、この時点での遊技状態は通常遊技状態であるため、当該普図遊技回での変動表示時間は通常遊技状態用の変動表示時間(例えば30sec)に設定される。
タイミングt3において、天井到達の特図遊技回における確定表示が開始され、第2時短遊技状態への移行が行われると、上記普図遊技回の変動表示が強制終了される(図137(c))。これにより、タイミングt2で設定された変動表示時間が経過するよりも早く変動表示が終了される。上記の際、当該普図遊技回でのサポート判定結果がサポート当選結果(普図当たり結果)であった場合には、外れ結果への判定結果の書き換えが行われる。このため、上記強制終了の後は、外れ結果に対応する停止結果にて確定表示が行われる。
その後、タイミングt4において確定表示時間(例えば0.5sec)が経過すると、上記のとおり外れ結果への書き換えが行われているため、普電役物63aによる役物開閉遊技は実行されず、直ちに次の普図遊技回が開始される。この時点での遊技状態は第2時短遊技状態であるため、当該遊技回での変動表示は第2時短遊技状態用の短い変動表示時間(例えば0.5sec)にて行われる。また、この場合のサポート判定は第2時短遊技状態用の高い当選確率の下で行われる。ここでは、上記サポート判定の結果がサポート当選結果であったとする。
タイミングt5において上記普図遊技回の変動表示時間が経過すると、その後、設定された確定表示時間(例えば0.5sec)に亘って確定表示が行われる。そして、タイミングt6においてその確定表示時間が経過すると、普電役物63aによる役物開閉遊技が実行される(図137(d))。これにより、第2作動口63に遊技球が入賞しやすい状態となる。
ここで、タイミングt3から開始された特図遊技回の確定表示が継続される期間(特定確定表示時間)は、タイミングt3からタイミングt4までの普図遊技回の確定表示時間と、タイミングt4からタイミングt5までの普図遊技回の変動表示時間と、タイミングt5からタイミングt6までの普図遊技回の確定表示時間との合計期間(例えば1.5sec)よりも長くなっている。このため、上記特図遊技回の確定表示の途中で役物開閉遊技が開始されることになる。
タイミングt7において上記特定確定表示時間が経過すると、第2時短遊技状態に移行してからの最初の特図遊技回が実行される。前述のとおり、本変形例では、最初の特図遊技回に先行して役物開閉遊技が開始されるため、当該最初の特図遊技回が開始される前の期間において、第2作動口63への入賞を発生させ、第2特図の保留情報を取得する期間を確保することができる。よって、第2時短遊技状態に移行してからの最初の特図遊技回が開始される時点において第2特図の保留情報を存在させることができる。これにより、上記最初の特図遊技回として、第1特図よりも優遇されている第2特図の遊技回を実施させることが可能になる。
上記の際、タイミングt6からタイミングt7までの期間Tにおいて第2特図の保留情報の取得を促進する上では、第2作動口63への入賞を促す所定報知を行うことが好ましい。所定報知の具体的態様は特に限定されるものではないが、例えば、図138に示すように、図柄表示装置75の表示画面Gにて右打ち報知画像477aと、例えば「電チューを狙え!」等の文字表示を含む目標案内画像477bとを表示するとよい。右打ち報知画像477aは、遊技領域PEにおける右ルートへの遊技球の発射を促すものであり、目標案内画像477bは、遊技球を入賞させるべき目標を案内するものである。
上記所定報知は、第2時短遊技状態への移行が行われるタイミングt3以降に行えばよいが、その際、少なくとも第2時短遊技状態への移行条件が成立した特図遊技回の確定表示が終了するタイミングt7よりも前の所定タイミングにて行うことが好ましい。この所定タイミングは、役物開閉遊技が開始されるタイミングt6以前におけるいずれかのタイミングであってもよいし、タイミングt6からタイミングt7(特定確定表示時間の経過タイミング)までの期間におけるいずれかのタイミングであってもよい。遊技者が発射強度を調整するための操作期間を踏まえると、役物開閉遊技が開始される前(普電役物63aが開放状態とされる前)から上記報知が行われる方が好ましく、タイミングt3からタイミングt6までの期間におけるタイミングを所定タイミングとすることが好ましい。
なお、第2時短遊技状態に移行してからの最初の特図遊技回が開始されるタイミングt7において、第2特図の保留情報だけでなく、第1特図の保留情報も存在する場合がある。この点、本変形例では、第1特図及び第2特図の両方の保留情報が存在する場合に第2特図の遊技回が優先して行われるため(図109)、そのような場合でも上記最初の特図遊技回として第2特図の遊技回を実施させることが可能になる。
以上詳述した本変形例によれば、以下の優れた効果を奏することができる。
第2時短遊技状態に移行してからの最初の普図遊技回における確定表示を、第2時短遊技状態に移行してからの最初の特図遊技回が開始されるよりも前に終了させることが可能な構成とした。
この場合、第2時短遊技状態に移行してからの最初の普図遊技回のサポート抽選結果がサポート当選結果であれば、第2時短遊技状態に移行してからの最初の特図遊技回が開始されるよりも前に、役物開閉遊技を開始させて普電役物63aを開放状態とすることができる。これにより、第2時短遊技状態に移行してからの最初の特図遊技回が開始されるよりも前に、第2作動口63への入賞を発生させて第2特図の保留情報を貯めることができ、上記最初の特図遊技回として第2特図の遊技回を実施させることが可能になる。
移行条件が成立した特図遊技回の確定表示の開始に合わせて第2時短遊技状態に移行させるとともに、第2作動口63への入賞を促す所定報知を少なくとも上記特図遊技回の確定表示が終了する前に実行する構成とした。
移行条件が成立した特図遊技回の確定表示の開始に合わせて第2時短遊技状態に移行させることで、第2時短遊技状態への移行後、最初の特図遊技回が行われるまでの間に猶予期間(遊技状態としては第2時短遊技状態に移行しているが、第2時短遊技状態に移行してからの特図遊技回は未だ行われていない状態の期間)を確保することができる。第2時短遊技状態に移行してからの最初の特図遊技回が開始される前に役物開閉遊技を開始させることが可能な構成において、上記猶予期間において第2作動口63への入賞を促す報知を行うことにより、遊技者が上記最初の特図遊技回の開始前に第2特図の保留情報を貯めやすくすることが可能になる。
<変形例2>
上記第2の実施の形態の変形例2について図139~図140を参照しながら説明する。これらの図において上記第2の実施の形態と同様の構成については同一の符号を付し、その説明を省略する。
本変形例では、第1時短遊技状態の途中で外れ回数が天井回数に到達した場合に第2時短遊技状態に移行するように構成されている。以下、そのための具体的な構成について説明する。
<第2時短遊技状態について>
本変形例の第2時短遊技状態について図139を参照しながら説明する。本変形例においても、通常大当たり結果となったことを契機として移行する第1時短遊技状態とは別に、外れ遊技回の回数が天井回数に到達したことを契機として移行する第2時短遊技状態が設けられている。
本変形例の第2時短遊技状態での天井回数は、第1時短遊技状態での第3上限回数(例えば1000回)よりも少ない回数(例えば800回)に設定されている。このため、4R通常大当たり結果Aとなって開閉実行モードの終了後に第1時短遊技状態に移行した場合において第1時短遊技状態で外れ遊技回を重ねた場合に、その外れ遊技回の累積回数が当該第1時短遊技状態の終了回数に到達する前に天井回数に到達することになる。なお、第2時短遊技状態に移行した場合の継続期間は、上記第1の実施の形態と同様に、第2時短遊技状態に移行してからの特図遊技回の回数が予め定められた第5上限回数(例えば900回)に達するまでとなっている。
<第2時短遊技状態移行用処理>
本変形例に係る第2時短遊技状態移行用処理について図140のフローチャートを参照しながら説明する。この処理は、主制御装置162における特図遊技回制御処理(図108)のステップSb512で実行されるものであり、図119の第2時短遊技状態移行用処理に代えて実行されるものである。図140において図119と同様の処理については同一のステップ番号を付し、その説明を省略又は簡略化する。
ステップSb1404で否定判定した場合(高確率フラグがセットされていない場合)は、ステップSb1405にて、RAM314の外れ回数カウンタエリアHCの値を更新する。具体的には、外れ回数カウンタエリアHCの値を1減算する。
ステップSb1406では、上記外れ回数カウンタエリアHCの値が「0」であるか否かを判定する。外れ回数カウンタエリアHCの値が「0」である場合、すなわち、外れ結果の特図遊技回の回数が天井回数に到達した場合には、ステップSb3101に進み、RAM314の各種フラグ格納エリア314eに第1サポートフラグがセットされているか否かを判定する。第1サポートフラグは、第1時短遊技状態であることをMPU312が把握するためのものである。
第1サポートフラグがセットされている場合、すなわち、第1時短遊技状態中である場合は、ステップSb3102に進み、上記各種フラグ格納エリア314eにセットされている第1サポートフラグをクリアする。続くステップSb1407では、上記各種フラグ格納エリア314eに第2サポートフラグをセットし、第2時短遊技状態(低確率モード且つ高頻度サポートモード)を開始させる。すなわち、本変形例では、第1時短遊技状態の途中で外れ回数カウンタエリアHCの値が「0」になった場合、第1時短遊技状態から第2時短遊技状態に切り替え、第2時短遊技状態を強制発動させる。
ステップSb3101で否定判定した場合(第1サポートフラグがセットされていない場合)、すなわち、第1時短遊技状態でない場合は、ステップSb3102の処理を実行することなく、ステップSb1407にて第2サポートフラグをセットする。
ステップSb1407の実行後はステップSb1408にて、RAM314のサポートカウンタエリアSCに第5上限回数(例えば900回)に対応する値をセットする。第1時短遊技状態の途中で第2時短遊技状態に移行させた場合も、通常遊技状態(第1時短遊技状態ではない状況)から第2時短遊技状態に移行させた場合と同様の値をセットする。つまり、第1時短遊技状態の途中で第2時短遊技状態に移行させた場合は、その時点での第1時短遊技状態の残り回数にかかわらず、その後の高頻度サポートモードの残り回数として第2時短遊技状態の第5上限回数に書き換える。
ステップSb1409では、演出制御装置143への送信対象として第2時短遊技状態開始コマンドを設定する。設定された第2時短遊技状態開始コマンドは、通常処理(図107)におけるステップSb401にて演出制御装置143に送信される。その後はステップSb1410に進み、上記各種フラグ格納エリア314eに第2特図フラグがセットされているか否かを判定する。
<第2時短遊技状態への流れについて>
第2時短遊技状態への移行の流れについて説明する。ここでは、4R通常大当たり結果Aになったことを契機として第3上限回数(例えば1000回)の第1時短遊技状態に移行した後、外れ回数が天井回数(例えば800回)に到達したことを契機として第2時短遊技状態に移行する場合について説明する。
4R通常大当たり結果Aに対応した開閉実行モードが終了すると、RAM314の各種フラグ格納エリア314eに第1サポートフラグがセットされる。これにより、低確率モード且つ高頻度サポートモードの状態である第1時短遊技状態に移行する。この際、RAM314のサポートカウンタエリアSCに第3上限回数(例えば1000回)に対応する値がセットされる。
そして、その第1時短遊技状態での外れ遊技回の累積回数が800回となり、天井回数に到達すると、天井到達した特図遊技回にて第1サポートフラグがクリアされるとともに、上記各種フラグ格納エリア314eに第2サポートフラグがセットされる。この際、第1時短遊技状態での実行遊技回の回数が第3上限回数に達しておらず、200回の残り回数が存在するが、第1時短遊技状態から第2時短遊技状態への切り替えが行われる。そして、上記サポートカウンタエリアSCに第5上限回数(例えば900回)に対応する値がセットされる。
図柄表示装置75では、上記第1の実施の形態と同様に、時短遊技状態の残り回数が上乗せされるようにして上乗せ演出(図130(b)~(d))が実行される。但し、当該上乗せ演出により報知される上乗せ回数は、第5上限回数から第1時短遊技状態の残り回数を差し引いた回数(例えば700回)とされる。すなわち、高頻度サポートモードの継続期間として内部的には200回分の残り回数がキャンセルされて新たに900回がセットし直されるものとなるが、遊技者の目線では700回分が増えたように演出される。
ここで、本変形例では、時短遊技状態の残り回数の更新が行われてから第2時短遊技状態の移行判定が行われるように構成されている(図108、図118、図140)。そのような構成の利点について図141を参照しながら説明する。
ここでは、理解の容易化を図るため、第2時短遊技状態の移行判定が行われてから時短遊技状態の残り回数の更新が行われる構成を比較例とし、本変形例に係る構成との違いを説明する。また、両者を比較しやすくするため、比較例においても第1時短遊技状態中の第2時短遊技状態への移行が許容されているものとする。
第1時短遊技状態の途中で外れ遊技回の累積回数が天井回数になる場合において、比較例の構成では、先ず第2時短遊技状態の移行判定が行われることにより、第1時短遊技状態から第2時短遊技状態への切り替えが行われる。その後、同じ特図遊技回の中で時短遊技状態の残り回数が更新されるため、実際には第2時短遊技状態での特図遊技回が実行されていないにもかかわらず、当該第2時短遊技状態の残り回数が1減算される。このため、第2時短遊技状態の下で遊技可能な特図遊技回の回数が899回となり、1回分少なくなる。
これに対し、本変形例では、時短遊技状態の残り回数の更新が終了してから第2時短遊技状態の移行判定が行われるため、第1時短遊技状態から第2時短遊技状態への切り替えが行われた後、その特図遊技回では第2時短遊技状態の残り回数が減算されない。すなわち、次の特図遊技回(第2時短遊技状態への移行後に実行された特図遊技回)が開始されてから第2時短遊技状態の残り回数が減算されるため、第2時短遊技状態の下で遊技可能な特図遊技回の回数が900回となる。つまり、第2時短遊技状態の下で遊技可能な特図遊技回の回数を好適に確保することが可能になる。
以上詳述した本変形例によれば、以下の優れた効果を奏することができる。
第1時短遊技状態の途中で移行条件が成立した場合に第2時短遊技状態への移行が許容されるとともに、1の特図遊技回において、時短遊技状態の残り回数の更新が行われてから第2時短遊技状態の移行判定が行われるように構成した。
この構成によれば、ある特図遊技回で第2時短遊技状態に移行した直後にその特図遊技回の中で残り回数の更新が実行されることを抑制できる。これにより、第2時短遊技状態に移行してからの残り回数を適切に確保することができ、遊技状態の制御を好適に行うことが可能になる。
<変形例3>
上記第2の実施の形態の変形例3について図142~図156を参照しながら説明する。これらの図において上記第2の実施の形態や各変形例と同様の構成については同一の符号を付し、その説明を省略する。
本変形例では、特図遊技回の当否抽選での外れ結果として通常外れ結果と特殊外れ結果とが含まれており、上記当否抽選の結果が特殊外れ結果になった場合に、開閉実行モードに移行することなく、第3時短遊技状態(低確率モード且つ高頻度サポートモード)に移行するように構成されている。なお、通常外れ結果は上記第2の実施の形態にかかる外れ結果と同様のものである。また、本変形例において第2時短遊技状態の機能は搭載されていない。
<特図遊技回の当否テーブル>
本変形例では、特図遊技回での当否抽選に用いる当否テーブルとして第1特図用の当否テーブルと第2特図用の当否テーブルとを備えている。第1特図用の当否テーブルは、第1作動口62(第1特図の始動口)への始動入賞に基づく当否抽選にて参照されるものであり、第2特図用の当否テーブルは、第2作動口63(第2特図の始動口)への始動入賞に基づく当否抽選にて参照されるものである。なお、第1特図用の当否テーブルについては、上記第2の実施の形態に係る当否テーブル(図101)と同様であるため、その説明を省略する。
第2特図用の当否テーブルはROM313の当否テーブル記憶エリア313aに記憶されている。図142に示すように、第2特図用の当否テーブルとしては、低確率モード用の当否テーブルと、高確率モード用の当否テーブルとが設けられている。当否抽選に際して抽選モードが低確率モードである場合は低確率モード用の当否テーブルが参照され、高確率モードである場合は高確率モード用の当否テーブルが参照される。
図142(a)に示すように、低確率モード用の当否テーブルでは、大当たりとなる乱数の値(大当たり乱数カウンタC1の値)として「0」~「9」の計10個が設定され、低確率モードでの大当たり当選確率は1/300に設定されている。また、特殊外れ結果となる乱数の値として「10」~「309」の計300個が設定されている。すなわち、低確率モードでの特殊外れ結果となる確率は1/10に設定されている。その他の乱数値は通常外れ結果に割り当てられており、低確率モードでの通常外れ結果となる確率は2690/3000に設定されている。
なお、第1特図に対応する低確率モード用の当否テーブルでは、抽選結果として特殊外れ結果が設定されていない。つまり、特殊外れ結果は、第2作動口63への入賞が可能な状況で右打ち遊技を行った場合にのみ当選可能な結果となっている。
図142(b)に示すように、高確率モード用の当否テーブルでは、大当たりとなる乱数の値として「0」~「49」の計50個が設定され、高確率モードでの大当たり当選確率は1/60に設定されている。なお、高確率モード用の当否テーブルでは、抽選結果として特殊外れ結果が設定されておらず、大当たり用の乱数値以外はいずれも通常外れ結果に割り当てられている。高確率モードでの通常外れ結果となる確率は59/60に設定されている。
<特図遊技回の種別テーブル>
大当たり種別テーブルとしては、第1特図用の大当たり種別テーブル(図143(a))と第2特図用の大当たり種別テーブル(図143(b))とが設定されている。
図143(a)に示すように、第1特図用の大当たり種別テーブルでは、選択可能な大当たり種別として4R確変大当たり結果と4R通常大当たり結果とが設定されている。これらの大当たり結果はいずれも実行されるラウンド遊技の回数が4回となるものである。
4R確変大当たり結果は、開閉実行モードの終了後、高確遊技状態(高確率モード且つ高頻度サポートモード)に移行する大当たり結果である。この場合の高確遊技状態は、開閉実行モード後の遊技回の実行回数が予め定められた第1上限回数(例えば100回)に達するまで継続される。第1上限回数に達した場合は、高確遊技状態が終了して通常遊技状態(低確率モード且つ低頻度サポートモード)に移行する。
4R通常大当たり結果は、開閉実行モードの終了後、第1時短遊技状態(低確率モード且つ高頻度サポートモード)に移行する大当たり結果である。この場合の第1時短遊技状態は、開閉実行モード後の遊技回の実行回数が予め定められた第2上限回数(例えば100回)に達するまで継続される。第2上限回数に達した場合は、第1時短遊技状態が終了して通常遊技状態に移行する。
第1特図用の大当たり種別テーブルでは、大当たり種別カウンタC2の「0」~「64」が4R確変大当たり結果に対応し、「65」~「99」が4R通常大当たり結果に対応している。すなわち、4R確変大当たり結果に振り分けられる確率は65%、4R通常大当たり結果に振り分けられる確率は35%に設定されている。
図143(b)に示すように、第2特図用の大当たり種別テーブルでは、選択可能な大当たり種別として10R確変大当たり結果と10R通常大当たり結果とが設定されている。これらの大当たり結果はいずれも実行されるラウンド遊技の回数が10回となるものである。
10R確変大当たり結果は、開閉実行モードの終了後、高確遊技状態に移行する大当たり結果である。この場合の高確遊技状態は、開閉実行モード後の遊技回の実行回数が予め定められた第3上限回数(例えば100回)に達するまで継続される。また、10R通常大当たり結果は、開閉実行モードの終了後、第1時短遊技状態に移行する大当たり結果である。この場合の第1時短遊技状態は、開閉実行モード後の遊技回の実行回数が予め定められた第4上限回数(例えば100回)に達するまで継続される。
第2特図用の大当たり種別テーブルでは、大当たり種別カウンタC2の「0」~「64」が10R確変大当たり結果に対応し、「65」~「99」が10R通常大当たり結果に対応している。すなわち、10R確変大当たり結果に振り分けられる確率は65%、10R通常大当たり結果に振り分けられる確率は35%に設定されている。
また、本変形例では、他の種別テーブルとして特殊外れ用の種別テーブルを備えている。特殊外れ用の種別テーブルは、当否抽選の結果が特殊外れ結果になった場合に参照される種別テーブルであり、ROM313の種別テーブル記憶エリア313bに記憶されている。
図144(a)に示すように、特殊外れ用の種別テーブルでは、選択可能な特殊外れ種別として特殊外れ結果Aと特殊外れ結果Bとが設定されている。特殊外れ結果Aは第3時短遊技状態Aに移行する特殊外れ結果であり、特殊外れ結果Bは第3時短遊技状態Bに移行する特殊外れ結果である。
図144(b)に示すように、第3時短遊技状態Aは、低確率モード且つ高頻度サポートモードの遊技状態であり、第3時短遊技状態Aに移行してからの特図遊技回の実行回数が予め定められた第5上限回数(例えば900回)に達するまで継続される。第3時短遊技状態Bも同じく低確率モード且つ高頻度サポートモードの遊技状態であり、第3時短遊技状態Bは、第3時短遊技状態Bに移行してからの特図遊技回の実行回数が第5上限回数よりも少ない第6上限回数(例えば100回)に達するまで継続される。すなわち、第3時短遊技状態Bよりも第3時短遊技状態Aの方が遊技者にとって有利となっている。
なお、特殊外れ結果A、Bはいずれも外れ結果の1つであるため、開閉実行モードは実行されない。すなわち、これらの結果になった場合、開閉実行モードを介することなく、第3時短遊技状態A、Bに移行する。
特殊外れ用の種別テーブルでは、大当たり種別カウンタC2の「0」~「9」が特殊外れ結果Aに対応し、「10」~「99」が特殊外れ結果Bに対応している。すなわち、特殊外れ結果Aに振り分けられる確率は10%、特殊外れ結果Bに振り分けられる確率は90%に設定されている。
特殊外れ種別の抽選に用いる乱数値(大当たり種別カウンタC2)は、当否抽選の結果が特殊外れ結果になった場合に各特図表示部AS,BSに停止表示される絵柄の停止結果の決定にも用いられる。停止結果の決定は、ROM313の停止結果テーブル記憶エリア313dに記憶されている停止結果テーブルを参照して行われる。停止結果テーブルには、大当たり種別カウンタC2の値と対応させて、特殊外れ結果である場合の停止結果(各特図表示部AS,BSに停止表示される特殊外れ絵柄)のデータが複数設定されており、停止結果の決定に際しては、それら複数の停止結果のデータの中から、取得された大当たり種別カウンタC2に対応するものが読み出される。ここで、停止結果の決定と特殊外れ種別の決定とにはいずれも同じ大当たり種別カウンタC2を用いるため、各特図表示部AS,BSに停止表示される特殊外れ絵柄と、その特殊外れ時に決定される特殊外れ種別とは相関を有するものとなる。
なお、本変形例では、大当たり種別カウンタC2を用いて特殊外れ種別を抽選するが、特殊外れ結果に対応する専用カウンタ値(抽選用乱数)を準備し、その専用カウンタ値を用いて特殊外れ種別を抽選してもよい。
また、変動種別カウンタCS等の大当たり種別カウンタC2以外の既存のカウンタ値により代用して特殊外れ種別を抽選してもよい。その際、特殊外れ結果の種別数は変動パターン等の種別数に比べて少なくなると想定されるため、変動種別カウンタCS等の一部(一部のビット値)を用いて上記抽選を行う構成としてもよい。
<特図遊技回制御処理>
本変形例に係る特図遊技回制御処理について図145のフローチャートを参照しながら説明する。この処理は、主制御装置162による通常処理(図107)のステップSb403で実行されるものであり、図108の特図遊技回制御処理に代えて実行されるものである。図145において図108と同様の処理については同一のステップ番号を付し、その説明を省略又は簡略化する。
ステップSb503で否定判定した場合(特図用表示部43が変動表示中でない場合)は、ステップSb504にて共通保留数CRNが「0」であるか否かを判定する。共通保留数CRNが「0」でない場合、すなわち、第1特図又は第2特図のいずれかの保留情報が存在する場合は、ステップSb505に進み、データ設定処理を実行する。データ設定処理では、第1特図用保留エリアRa又は第2特図用保留エリアRbに記憶されている保留情報を変動表示用として実行エリアAEに移動させる。
ステップSb3201では、特図用表示部43における変動表示を開始させるための変動開始処理を実行する。ここで、ステップSb3201の変動開始処理について図146のフローチャートを参照しながら説明する。なお、図146において図110の変動開始処理と同様の処理については同一のステップ番号を付し、その説明を省略又は簡略化する。
先ずステップSb3301では、RAM314の各種フラグ格納エリア314eに第2特図フラグがセットされているか否かを判定する。第2特図フラグは今回の特図遊技回が第2特図の特図遊技回であることをMPU312が把握するためのものである。
第2特図フラグがセットされていない場合、すなわち、今回の特図遊技回が第1特図の特図遊技回である場合は、ステップSb3302にて第1特図用の当否テーブル(図101)を参照して当否判定を行う。その際、その時点での抽選モードが低確率モードである場合は低確率モード用の当否テーブル(図101(a))を参照し、高確率モードである場合は高確率モード用の当否テーブル(図101(b))を参照する。
第2特図フラグがセットされている場合、すなわち、今回の特図遊技回が第2特図の特図遊技回である場合は、ステップSb3303にて第2特図用の当否テーブル(図142)を参照して当否判定を行う。その際、その時点での抽選モードが低確率モードである場合は低確率モード用の当否テーブル(図142(a))を参照し、高確率モードである場合は高確率モード用の当否テーブル(図142(b))を参照する。
ステップSb3302又はステップSb3303の実行後は、ステップSb3304にて、ステップSb3302又はステップSb3303における当否判定の結果が大当たり当選であるか否かを判定する。大当たり当選である場合は、ステップSb3305に進み、対応する大当たり用の種別テーブル(図143)を参照して大当たり種別を抽選する。
ステップSb3306では、ステップSb3305の種別判定により選択された大当たり種別を示す種別フラグを上記各種フラグ格納エリア314eに格納する。例えば、抽選により選択された大当たり種別が4R確変大当たり結果である場合は、4R確変大当たりフラグを格納する。
ステップSb3307では、ROM313の停止結果テーブル記憶エリア313dに記憶されている停止結果テーブルを参照して大当たり用の停止結果を設定する。具体的には、実行エリアAEに格納されている大当たり種別カウンタC2に対応する停止結果を停止結果テーブルから読み出し、今回の遊技回の停止結果として設定する。
ステップSb3304で否定判定した場合(大当たり当選でない場合)は、ステップSb3308に進み、ステップSb3302又はステップSb3303における当否判定の結果が特殊外れ結果であるか否かを判定する。特殊外れ結果である場合は、ステップSb3309にて、特殊外れ用の種別テーブル(図144(a))を参照して特殊外れ種別を抽選する。
ステップSb3310では、上記各種フラグ格納エリア314eに特殊外れフラグをセットする。特殊外れフラグは、今回の特図当否抽選の結果が特殊外れ結果であることをMPU312が把握するためのものである。特殊外れフラグとしては特殊外れの種別に応じた複数種類のフラグが準備されており、ステップSb3310では、ステップSb3309で選択された種別に対応する特殊外れフラグをセットする。例えば、選択された特殊外れ種別が特殊外れ結果Aである場合は、特殊外れフラグAをセットする。
ステップSb3311では、ROM313の停止結果テーブル記憶エリア313dに記憶されている停止結果テーブルを参照して特殊外れ用の停止結果を設定する。具体的には、実行エリアAEに格納されている大当たり種別カウンタC2に対応する停止結果を停止結果テーブルから読み出し、今回の遊技回の停止結果として設定する。
ステップSb3308で否定判定した場合(特殊外れ結果でない場合)は、今回の当否抽選の結果が通常外れ結果であることを意味する。この場合はステップSb3312に進み、通常外れ用の停止結果を設定する。本変形例では、外れ用の停止結果が1種類のみ設けられており、ステップSb3312ではその停止結果を設定する。
ステップSb3307、ステップSb3311又はステップSb3312の実行後は、ステップSb3313にて、第1特図表示部AS又は第2特図表示部BSにおける今回の遊技回の変動表示時間を設定するための変動表示時間の設定処理を実行する。変動表示時間の設定処理では、変動種別カウンタCSと変動表示時間テーブルとを用いて変動表示時間を抽選する。ここで、本変形例に係る変動表示時間テーブルについて図147を参照しながら説明する。
本変形例での変動表示時間テーブルとしては、少なくとも、第2特図における特殊外れ用の変動表示時間テーブルと、第2特図における通常外れ用の変動表示時間テーブルとが設定されている。また、それら各変動表示時間テーブルでは、第1時短遊技状態用のものと、第1時短遊技状態後の保留分における通常遊技状態用のものとが設定されている。ここでの保留分とは、第1時短遊技状態の終了時に存在する第2特図の保留情報に基づき、第1時短遊技状態が終了した後の通常遊技状態で実行される特図遊技回に相当するものである。第2特図の保留上限数は4個であるため、上記保留分の特図遊技回は最大で4回実行される。
第2特図における特殊外れ用の変動表示時間テーブル(第1時短遊技状態用)は、第1時短遊技状態である状況で第2特図での当否抽選の結果が特殊外れ結果になった場合に参照されるものである。この変動表示時間テーブルでは、図147(a)に示すように、第1時短遊技状態に移行してから(換言すれば、開閉実行モードが行われてから)の特図遊技回の実行回数によって変動パターンの選択態様が異なるように構成されている。具体的には、第1時短遊技状態に移行してからの特図遊技回の実行回数が1回目~99回目である状況で特殊外れ結果になった場合には変動パターンZ1(例えば8sec又は4sec)が選択され、第1時短遊技状態に移行してからの特図遊技回の実行回数が100回目、すなわち、第1時短遊技状態での最終遊技回にて特殊外れ結果になった場合には変動パターンZ2(例えば15sec)が選択されるように構成されている。
変動パターンZ1は完全外れ演出に対応し、変動パターンZ2は特殊リーチ外れ演出に対応する。すなわち、変動パターンZ1に対応する変動開始コマンドが演出制御装置143に送信された場合、図柄表示装置75では遊技回用演出として完全外れ演出が実行され、変動パターンZ2に対応する変動開始コマンドが演出制御装置143に送信された場合、図柄表示装置75では遊技回用演出として特殊リーチ外れ演出が実行される。完全外れ演出は、リーチ表示が行われることなく、外れの図柄組み合わせで図柄が停止表示されるものである。また、特殊リーチ外れ演出については後に詳述する。
第2特図における通常外れ用の変動表示時間テーブル(第1時短遊技状態用)は、第1時短遊技状態である状況で第2特図での当否抽選の結果が通常外れ結果になった場合に参照されるものである。この変動表示時間テーブルでも、図147(b)に示すように、第1時短遊技状態に移行してからの特図遊技回の実行回数によって変動パターンの選択態様が異なるように構成されている。
このうち第1時短遊技状態に移行してからの特図遊技回の実行回数が1回目~99回目である状況で通常外れ結果になった場合については、上記第2の実施の形態で説明した図113(d)の場合と同様であるため、説明を省略する。また、第1時短遊技状態での最終遊技回にて通常外れ結果になった場合は、変動種別カウンタCSの値にかかわらず、変動パターンZ3(8sec又は4sec)が選択されるように構成されている。変動パターンZ3は完全外れ演出に対応する。
第2特図における特殊外れ用の変動表示時間テーブル(保留分の通常遊技状態)は、上記保留分の特図遊技回にて特殊外れ結果になった場合に参照されるものである。この変動表示時間テーブルでは、図147(c)に示すように、変動種別カウンタCSの値にかかわらず、変動パターンZ4(15sec)が選択されるように構成されている。変動パターンZ4は特殊リーチ外れ演出に対応する。
第2特図における通常外れ用の変動表示時間テーブル(保留分の通常遊技状態)は、上記保留分の特図遊技回にて通常外れ結果になった場合に参照されるものである。この変動表示時間テーブルでは、図147(d)に示すように、変動種別カウンタCSの値にかかわらず、変動パターンZ5(8sec)が選択されるように構成されている。変動パターンZ5は完全外れ演出に対応する。
上記のように各変動表示時間テーブルが構成されているため、最終遊技回~保留分の遊技回においては、特図当否抽選の結果が大当たり結果又は特殊外れ結果であるとリーチ演出が実行され、特図当否抽選の結果が通常外れ結果であるとリーチ演出の実行が制限される。よって、最終遊技回~保留分の遊技回にてリーチ演出が実行された場合は、大当たり結果又は特殊外れ結果が確定することになり、図柄列Z1~Z3が全停止される前に遊技者が通常外れ結果でないことを予測することが可能になる。つまり、これらの遊技回では、遊技者はリーチ演出が発生することを強く期待して遊技するものとなり、図柄列Z1~Z3の挙動に対する注目度を大いに高めることが可能になる。
これら各変動表示時間テーブルは、ROM313の変動表示時間テーブル記憶エリア313cに記憶されている。なお、図147における「備考(演出態様)」欄の項目は、便宜上付したものであり、変動表示時間テーブルに設定されるものではない。
その他、通常遊技状態(保留分以外)用の変動表示時間テーブルや高確遊技状態用の変動表示時間テーブルも設けられるが、これらは上記第2の実施の形態で説明した図112及び図113の場合と同様であるため、説明を省略する。
また、第3時短遊技状態用の変動表示時間テーブルは、図113(c)、(d)に示す時短遊技状態用の変動表示時間テーブルと同様である。なお、第3時短遊技状態では右打ち遊技が行われるため、特図遊技回の当否抽選にて特殊外れ結果となることがあるが、この場合は図113(d)に示す外れ用の変動表示時間テーブル(時短遊技状態用)が参照され、通常外れ結果と区別することなく変動表示時間が抽選される。
変動開始処理(図146)の説明に戻り、ステップSb3313の変動表示時間の設定処理では、現在の遊技状態や当否抽選の結果、特図遊技回の実行回数等を把握し、それら把握結果に対応した変動表示時間テーブルを参照して変動表示時間(変動パターン)の抽選を行う。そして、抽選された変動表示時間を今回の特図遊技回における変動表示時間としてRAM314の変動表示時間カウンタエリアにセットする。
続くステップSb712では、上記各種フラグ格納エリア314eに変動表示フラグをセットする。変動表示フラグは、特図遊技回の変動表示中であることをMPU312が把握するためのものである。ステップSb712の実行後は、ステップSb713以降の処理を実行する。
特図遊技回制御処理(図145)の説明に戻り、ステップSb507で肯定判定した場合(変動表示時間が経過している場合)は、ステップSb509に進み、上記各種フラグ格納エリア314eにセットされている変動表示フラグをクリアする。ステップSb510では、高確率モードの残り回数を更新したり、高確率モードを終了させたりするための高確率モード更新・終了用処理を実行する。
ステップSb511では、高頻度サポートモードの残り回数を更新したり、高頻度サポートモードを終了させたりするための高頻度サポートモード更新・終了用処理を実行する。ステップSb3202では、第3時短遊技状態(図144(b))への移行制御を行う第3時短遊技状態移行用処理を実行する。ステップSb3203では、特図用表示部43での確定表示を開始させるための確定表示開始用処理を実行し、その後、特図遊技回制御処理を終了する。
<第3時短遊技状態移行用処理>
ステップSb3202の第3時短遊技状態移行用処理について図148のフローチャートを参照しながら説明する。この処理は、ステップSb511の高頻度サポートモード更新・終了用処理の後に実行されるものである。
先ずステップSb3401では、RAM344の各種フラグ格納エリア314eに特殊外れフラグがセットされているか否かを判定する。特殊外れフラグがセットされている場合、すなわち、今回の特図当否抽選の結果が特殊外れ結果である場合には、ステップSb3402に進み、上記各種フラグ格納エリア314eに高確率フラグがセットされているか否かを判定する。高確率フラグは現在の遊技状態が高確遊技状態であることを示すものである。
高確率フラグがセットされていない場合、すなわち、高確遊技状態でない場合は、ステップSb3403にて、上記各種フラグ格納エリア314eに第1サポートフラグ又は第3サポートフラグがセットされているか否かを判定する。第1サポートフラグは現在の遊技状態が第1時短遊技状態であることを示し、第3サポートフラグは現在の遊技状態が第3時短遊技状態であることを示すものである。
第1サポートフラグ又は第3サポートフラグのいずれもセットされていない場合、すなわち、第1時短遊技状態又は第3時短遊技状態のいずれでもない場合は、ステップSb3404に進み、上記各種フラグ格納エリア314eに第3サポートフラグをセットする。これにより、第3時短遊技状態に移行する。
ステップSb3405では、今回の特殊外れ結果の種別が特殊外れ結果Aであるか否かを判定する。この判定は、上記各種フラグ格納エリア314eにセットされている特殊外れフラグの種別を把握することにより行う。
特殊外れ結果Aである場合は、ステップSb3406に進み、RAM314のサポートカウンタエリアSCに第5上限回数に対応する値(例えば900)をセットする。これにより、移行する第3時短遊技状態が第3時短遊技状態Aに設定される。
ステップSb3405で否定判定した場合(特殊外れ結果Aでない場合)、すなわち、特殊外れ結果の種別が特殊外れ結果Bである場合は、ステップSb3407に進み、上記サポートカウンタエリアSCに第6上限回数に対応する値(例えば100)をセットする。これにより、移行する第3時短遊技状態が第3時短遊技状態Bに設定される。
ステップSb3406又はステップSb3407の実行後は、ステップSb3408にて、演出制御装置143への送信対象として第3時短遊技状態開始コマンドを設定する。その際、第3時短遊技状態Aに移行する場合は、第3時短遊技状態Aに対応した開始コマンドを設定し、第3時短遊技状態Bに移行する場合は、第3時短遊技状態Bに対応した開始コマンドを設定する。それら各開始コマンドには上限回数を示す情報が含まれる。
設定された第3時短遊技状態開始コマンドは、通常処理(図107)におけるステップSb401にて演出制御装置143に送信される。第3時短遊技状態開始コマンドが送信されることにより、第3時短遊技状態の開始が演出制御装置143に通知される。ステップSb3408の実行後は第3時短遊技状態移行用処理を終了する。
ステップSb3402で肯定判定した場合(高確率フラグがセットされている場合)又はステップSb3403で肯定判定した場合(第1サポートフラグ又は第3サポートフラグのいずれかがセットされている場合)には、ステップSb3404~ステップSb3408の処理を実行することなく、第3時短遊技状態移行用処理を終了する。すなわち、高確遊技状態、第1時短遊技状態又は第3時短遊技状態である状況で特殊外れ結果になった場合には、第3時短遊技状態への移行が制限され、今回の特図遊技回における特殊外れ結果が無効化される。
ステップSb3401で否定判定した場合(特殊外れフラグがセットされてない場合)は、その時点での遊技状態を継続すべく、ステップSb3402以降の処理を実行せずに第3時短遊技状態移行用処理を終了する。
<確定表示開始用処理>
ステップSb3203の確定表示開始用処理について図149のフローチャートを参照しながら説明する。図149において図120(a)の確定表示開始用処理と同様の処理については同一のステップ番号を付し、その説明を省略又は簡略化する。
先ずステップSb3501では、RAM314の各種フラグ格納エリア314eに特殊外れフラグがセットされているか否かを判定する。特殊外れフラグがセットされている場合、すなわち、今回の特図当否抽選の結果が特殊外れ結果である場合は、ステップSb3502に進み、特殊外れフラグをクリアする処理を実行する。続くステップSb3503では、今回の特図遊技回における確定表示時間として通常確定表示時間(例えば0.5sec)を設定する。
ステップSb3501で否定判定した場合(特殊外れフラグがセットされていない場合)、すなわち、今回の特図当否抽選の結果が特殊外れ結果でない場合は、ステップSb3504にて、今回の特図当否抽選の結果が大当たり結果であるか否かを判定する。大当たり結果である場合は、ステップSb3503に進み、今回の特図遊技回における確定表示時間として上記通常確定表示時間を設定する。
大当たり結果でない場合、すなわち、今回の特図当否抽選の結果が通常外れ結果である場合は、ステップSb3505にて、今回の特図遊技回が第1時短遊技状態での最終遊技回(100回目の遊技回)であるか否かを判定する。最終遊技回でない場合はステップSb3503に進み、今回の特図遊技回における確定表示時間として上記通常確定表示時間を設定する。
一方、最終遊技回である場合はステップSb3506に進み、普図遊技回が変動表示中であるか否かを判定する。なお、この場合の普図遊技回は、第1時短遊技状態での最終遊技回における確定表示の開始よりも前に変動表示が開始されたものであり、第1時短遊技状態の下でサポート抽選が行われたもの(当選確率が高い状態で当否が抽選されたもの)である。
普図遊技回が変動表示中である場合は、ステップSb3507に進み、変動表示中である普図遊技回の当否結果がサポート当選結果(普図当たり結果)であるか否かを判定する。サポート当選結果である場合は、ステップSb3508に進み、変動表示中である普図遊技回の当否結果を外れ結果に変更する。続くステップSb3509では、普図遊技回の停止結果として外れ結果用の停止結果を設定する。
ステップSb3509の実行後又はステップSb3507で否定判定した場合(変動表示中である普図遊技回の当否結果が外れ結果である場合)は、ステップSb3510にて普図遊技回の変動表示を強制終了させる。その後、所定の確定表示時間(例えば0.5sec)にて外れ結果に対応する停止結果を普図用表示部44に確定表示させる。
ステップSb3510の実行後はステップSb3511にて、今回の特図遊技回における確定表示時間として通常確定表示時間よりも長い特定確定表示時間を設定する。この特定確定表示時間は、図103(c)に示す第1時短遊技状態(高頻度サポートモード)での役物開閉遊技の実行期間(開放時間2sec+インターバル期間0.2sec+開放時間2sec=4.2sec)よりも長い期間とされ、より詳しくは、普図遊技回の確定表示時間(例えば0.5sec)と上記役物開閉遊技の実行期間との合計期間である4.7secよりも長い期間とされる。本変形例では、特定確定表示時間として例えば5secを設定する。なお、第1時短遊技状態での役物開閉遊技として開放回数や開放時間等が異なる複数種類の役物開閉遊技を設ける構成にあっては、それらのうちの最長時間よりも長い時間を特定確定表示時間として設定する。
また、ステップSb3506で否定判定した場合(普図遊技回が変動表示中でない場合)は、ステップSb3507~ステップSb3510の処理を実行することなくステップSb3511に進み、今回の特図遊技回における確定表示時間として上記特定確定表示時間を設定する。
ステップSb3511又はステップSb3503の実行後はステップSb1504にて、RAM314の各種フラグ格納エリア314eに確定表示フラグをセットする。ステップSb1505では、確定表示が開始されるように特図用表示部43を制御し、ステップSb1506では、演出制御装置143への送信対象として変動終了コマンドを設定する。
ステップSb3512では、特図遊技回の実行(より詳しくは変動表示が終了したこと)を通知するための遊技回実行信号を遊技ホール側の管理制御装置に対して出力するための外部信号設定処理を行う。遊技回実行信号は、遊技ホール側で特図遊技回の実行回数を把握したり、大当たり後の特図遊技回の実行回数を遊技島のデータカウンタ等に表示したりするために用いられる。外部信号設定処理では、上記遊技回実行信号が所定期間に亘ってオン状態となるように設定する。
また、ステップSb3512の外部信号設定処理では、今回の特図当否抽選の結果を通知するための抽選結果信号を遊技ホール側の管理制御装置に対して出力するための設定処理を行う。具体的には、当否抽選の結果が大当たり結果であった場合は大当たりに対応した抽選結果信号が出力され、通常外れ結果であった場合には通常外れに対応した抽選結果信号が出力され、特殊外れ結果であった場合は特殊外れに対応した抽選結果信号が出力されるように設定する。
これら複数の抽選結果信号は、信号ごとに信号配線(外部出力端子213の出力端子)が割り当てられるものであってもよいし、一の信号配線を共有してそれら各抽選結果信号が出力されるものであってもよい。後者の場合にあっては、一の信号配線を伝送される抽選結果信号の信号態様(オン状態である場合の出力レベルや出力期間、出力タイミング等)を当否抽選の結果ごとに異ならせるとよい。この場合、抽選結果信号を受信した遊技ホール側の管理制御装置では、信号態様の違いに基づいて当否抽選の結果を把握することができる。
ここで、本変形例では、当否抽選の結果が特殊外れ結果であった場合において、その後に第3時短遊技状態への移行が生じる場合と、当該移行が生じない場合(第3時短遊技状態移行用処理(図148)のステップSb3402やステップSb3403で肯定判定する場合)とがあるが、ステップSb3512の外部信号設定処理では、それらいずれの場合においても特殊外れに対応した抽選結果信号が出力されるように設定する。
第3時短遊技状態への移行が生じない場合には、通常外れ結果として扱い、通常外れに対応した態様の抽選結果信号を出力することも考えられる。その後の遊技状態(第3時短遊技状態に移行しない状態)との整合を図る観点では、本変形例のように特殊外れに対応した信号を出力するよりも、通常外れに対応した信号を出力する方がむしろ理に適ったものといえる。
しかしながら、通常外れに対応した抽選結果信号を出力する構成では、遊技において特殊外れ結果になった実際の回数を遊技ホール側で把握できなくなり、特殊外れ結果への当選が概ね設計確率通りに推移しているかの特定が困難となる懸念がある。特に遊技ホール側に通知される特殊外れ結果の回数が間引かれて実際の回数よりも少なくなるため、例えば、特殊外れ結果の確率を不正に高めるような行為が行われていても、その発見に遅れが生じたりするおそれがある。
この点、第3時短遊技状態への移行が生じるか否かにかかわらず、当否抽選の結果が特殊外れ結果となった場合に特殊外れ用の外部信号を出力することで、特殊外れ結果になった実際の回数を遊技ホール側が適切に把握することができ、上記不都合の発生を好適に抑制することが可能になる。
<演出設定処理>
本変形例に係る演出設定処理について図150のフローチャートを参照しながら説明する。この処理は演出制御装置143にて所定周期(例えば2msec周期)で起動されるものであり、図126の演出設定処理に代えて実行されるものである。図150において図126と同様の処理については同一のステップ番号を付し、その説明を省略又は簡略化する。
先ずステップSb2301では、主制御装置162からのエンディングコマンドを受信しているか否かを判定する。エンディングコマンドを受信している場合は、ステップSb2302にて、高確遊技状態や第1時短遊技状態への移行に対応した移行用演出を設定するための第1移行用演出設定処理を実行する。
ステップSb2302の実行後又はステップSb2301で否定判定した場合(エンディングコマンドを受信していない場合)は、ステップSb2305にて、いずれかの遊技状態終了コマンドを受信しているか否かを判定する。遊技状態終了コマンドを受信している場合は、ステップSb2306にて、高確遊技状態、第1時短遊技状態又は第3時短遊技状態の終了に対応した終了用演出を設定するための終了用演出設定処理を実行する。
ステップSb2306の実行後又はステップSb2305で否定判定した場合(いずれの遊技状態終了コマンドも受信していない場合)は、ステップSb3601にて、図柄表示装置75の表示画面Gにて図柄列Z1~Z3の変動表示等を行うための特図変動表示用処理を実行する。ステップSb2308では、その他の処理を実行し、その後、演出設定処理を終了する。
<特図変動表示用処理>
ステップSb3601の特図変動表示用処理について図151のフローチャートを参照しながら説明する。図151において図132の特図変動表示用処理と同様の処理については同一のステップ番号を付し、その説明を省略又は簡略化する。
先ずステップSb2701では、遊技回の実行中であるか否かを判定する。遊技回の実行中でない場合は、ステップSb2702に進み、主制御装置162からの変動開始コマンドを受信しているか否かを判定する。
変動開始コマンドを受信している場合は、ステップSb3701に進み、遊技回用の演出を開始させるための変動開始用処理を実行する。ここで、変動開始用処理について図152のフローチャートを参照しながら説明する。
先ずステップSb3801では、今回の特図遊技回が第1時短遊技状態での最終遊技回であるか否かを判定する。最終遊技回である場合は、ステップSb3802に進み、今回の特図遊技回にてチャンス報知が行われるように設定する。チャンス報知では、図153(a)に示すように、図柄表示装置75の表示画面Gにチャンス報知画像478が表示される。チャンス報知画像478では、例えば、表示画面Gにおける図柄列Z1~Z3の上方にて、「リーチがかかればチャンス」等の文字表示が付されたテロップ画像が表示される。チャンス報知は、第1時短遊技状態での最終遊技回にて開始され、第1時短遊技状態が終了した後の第2特図の保留分の特図遊技回が終了するまで継続される。
なお、チャンス報知は、上記文字表示が行われたウィンドウが表示されたり、チャンス報知に対応させた所定の発光部を発光させたりするものであってもよい。また、必ずしも視覚的な報知に限らず、スピーカ部29を用いた音声案内であってもよい。
ステップSb3802の実行後又はステップSb3801で否定判定した場合(第1時短遊技状態での最終遊技回でない場合)は、ステップSb3803にて、主制御装置162からの変動開始コマンドを解析し、今回の特図遊技回に関する変動パターンを把握する。ステップSb3804では、把握した変動パターンが変動パターンZ2又は変動パターンZ4のいずれかであるか否かを判定する。変動パターンZ2は、第1時短遊技状態の最終遊技回で特殊外れ結果になった場合に選択されるものであり(図147(b))、変動パターンZ4は、保留分の通常遊技状態における特図遊技回で特殊外れ結果になった場合に選択されるものである(図147(c))。
把握した変動パターンが変動パターンZ2又は変動パターンZ4のいずれかである場合は、ステップSb3805に進み、今回の特図遊技回での遊技回用演出として特殊リーチ外れ演出が実行されるように設定する。ここで、特殊リーチ外れ演出について図153(b)~(d)を参照しながら説明する。
特殊リーチ外れ演出では先ず、図153(b)に示すように、表示画面G上の有効ラインL1~L5のいずれかに上図柄列Z1と下図柄列Z3をリーチの組み合わせで停止表示させ、リーチ表示を行う。その後、中図柄列Z2(最終停止列の図柄列)を高速変動表示から低速変動表示に切り替えるが、その際、図153(c)に示すように、大当たりの組合せとなる図柄とは異なる図柄の位置に、例えば「LUCKY」等の文字が付された特殊図柄479を配置した状態で低速変動表示させる。図153(c)には、大当たりの組合せとなる「3」図柄に対して次の図柄となる「4」図柄の位置に特殊図柄479を配置させた例を示している。
そして、図153(d)に示すように、低速変動表示している特殊図柄479をリーチライン上に停止表示させ、特殊外れ結果を報知する。すなわち、本変形例では、上図柄列Z1及び下図柄列Z3によりリーチラインが形成された後、そのリーチライン上に中図柄列Z2の特殊図柄479が停止表示される図柄組合せが特殊外れ結果に対応する図柄組合せとなっている。
特図変動表示用処理(図152)の説明に戻り、ステップSb3804で否定判定した場合(変動パターンZ2又は変動パターンZ4のいずれでもない場合)は、ステップSb3806にて、把握した変動パターンが変動パターンZ1、変動パターンZ3又は変動パターンZ5のいずれかであるか否かを判定する。変動パターンZ1は、第1時短遊技状態における1回目~99回目の特図遊技回で特殊外れ結果になった場合に選択されるものであり(図147(a))、変動パターンZ3は、第1時短遊技状態の最終遊技回で通常外れ結果になった場合に選択されるものである(図147(b))。また、変動パターンZ5は、保留分の通常遊技状態における特図遊技回で通常外れ結果になった場合に選択されるものである(図147(d))。
把握した変動パターンが変動パターンZ1、変動パターンZ3又は変動パターンZ5のいずれかである場合は、ステップSb3807にて、今回の特図遊技回での遊技回用演出として完全外れ演出が実行されるように設定する。ここで、把握した変動パターンが変動パターンZ3又は変動パターンZ5であった場合だけでなく、変動パターンZ1であった場合、すなわち、特図遊技回での抽選結果が特殊外れ結果になった場合も完全外れ演出の実行を設定するが、これは、第1時短遊技状態中に特殊外れ結果となっても無効化されることに対応させたものである。
すなわち、第1時短遊技状態での1回目~99回目の特図遊技回においては、その当否抽選の結果が特殊外れ結果となっても、図柄表示装置75に表示される各図柄列Z1~Z3を完全外れの組み合わせで停止表示させる。これにより、遊技者に対して単なる外れ結果として報知し、特図当否抽選の結果が特殊外れ結果になったことを識別不可又は識別困難とする。
その際、特図用表示部43での停止結果については、特殊外れ結果に対応した停止結果を表示する(図146)。図柄表示装置75では当否抽選の実際の結果とは異なる結果が報知されるため、不正が行われていても遊技ホールの従業員がそれを把握しにくくなることが想定されるが、特図用表示部43での表示態様には無効化を反映させない構成とすることで、特図用表示部43を視認することにより実際の抽選結果を把握可能となり、不正行為を発見しやすくすることができる。
ステップSb3806で否定判定した場合(変動パターンZ1、変動パターンZ3又は変動パターンZ5のいずれでもない場合)は、ステップSb3808に進み、ステップSb3803で把握した変動パターンに対応する遊技回用演出が実行されるように設定する。例えば、把握した変動パターンが変動パターン23A(図113(c))であった場合はSPSPリーチ当たり演出が実行されるように設定する。
ステップSb3805、ステップSb3807又はステップSb3808の実行後はステップSb3809にて、表示制御装置350への出力対象として停止結果コマンド及びパターンコマンドを送信する。停止結果コマンドは、図柄列Z1~Z3の停止結果を指定するコマンドであり、パターンコマンドは、実行すべき遊技回用演出を指定する演出パターンコマンドである。表示制御装置350では、受信したコマンドに従い、指定された停止結果で各図柄列Z1~Z3の図柄が停止したり、指定された演出パターンで遊技回用演出が行われたりするように図柄表示装置75を制御する。ステップSb3809の実行後は変動開始用処理を終了する。
特図変動表示用処理(図151)の説明に戻り、ステップSb3701の変動開始用処理を実行した後はステップSb2704にて残り回数表示の更新用処理を実行する。残り回数表示の更新用処理では、第1時短遊技状態等の残り回数を更新したり、残り回数画像472の表示内容を更新したりする。
<第3時短遊技状態への流れについて>
本変形例における第3時短遊技状態への移行の流れについて図154及び図155を参照しながら説明する。ここでは、4R通常大当たり結果に対応する開閉実行モードが行われた後、残り回数が100回の第1時短遊技状態に移行しているものとする。
タイミングt1において、第1時短遊技状態に移行してからの例えば3回目の特図遊技回にてその当否抽選結果が通常外れ結果になった場合には、第3サポートフラグはオフ状態のままとされ、第3時短遊技状態への移行は生じない(図154(d))。図155に示すように、その特図遊技回では、図柄表示装置75にて完全外れ演出が実行され、遊技者に対して通常外れ結果が報知される。
タイミングt2において、第1時短遊技状態に移行してからの例えば10回目の特図遊技回にてその当否抽選結果が特殊外れ結果になった場合には、第1時短遊技状態中であることに基づいて第3時短遊技状態への移行が制限され、特殊外れ結果が無効化される(タイミングt3)。図155に示すように、その特図遊技回では、図柄表示装置75にて完全外れ演出が実行される。この場合の完全外れ演出は、当否抽選の結果が通常外れ結果になった場合と同様のものであり、また、演出時間(変動表示時間)も同じになっている。このため、図柄表示装置75を見ている限りは通常外れ結果との見分けが付かず、遊技者から見て特殊外れ結果になったことが分かりにくくなっている。
なお、本変形例では、特殊外れ結果の当選確率を比較的軽め(1/10)に設定しているため、第1時短遊技状態を遊技する過程で複数回に亘り特殊外れ結果に当選することが想定される(タイミングt4)。この場合も、特殊外れ結果への当選が遊技状態の切り替えに反映されることがなく、第3時短遊技状態への移行が無効化される(タイミングt5)。また、図柄表示装置75では完全外れ演出が実行され、特殊外れ結果になったことが明示されないようにして遊技回用演出が行われる。
タイミングt6において、第1時短遊技状態での最終遊技回(100回目の特図遊技回)でその当否抽選結果が特殊外れ結果になった場合には、第3サポートフラグがオン状態とされ、第3時短遊技状態に移行する(タイミングt7)。すなわち、本変形例では、時短遊技状態の残り回数の更新が行われてから第3時短遊技状態の移行判定が行われるところ(図145、図148)、第1時短遊技状態での最終遊技回では、時短遊技状態の残り回数の更新により第1時短遊技状態が終了した後、特殊外れ結果への当選に基づく第3時短遊技状態への移行決定が行われるためである。
つまり、本変形例では、第1時短遊技状態での最終遊技回以外の特図遊技回(1回目~99回目の特図遊技回)で特殊外れ結果を引き当てても第1時短遊技状態中であることにより第3時短遊技状態への移行が行われない一方で、最終遊技回で特殊外れ結果を引き当てた場合は、特殊外れ結果への当選が遊技状態の切り替えに反映され、第3時短遊技状態への移行が生じる構成となっている。このため、最終遊技回は、第1時短遊技状態における他の特図遊技回よりも遊技者にとって有利な遊技回となっており、いわばチャンス状態の遊技回となっている。
上記のように第3時短遊技状態に移行した場合には、低確率モード且つ高頻度サポートモードに設定される状態の残り回数が第3時短遊技状態の残り回数分だけ増加する。具体的には、特殊外れ結果の種別が特殊外れ結果Aになった場合は残り回数が900回増加し、特殊外れ結果Bになった場合は残り回数が100回増加する(図144)。
ここで、本変形例では、実行遊技回の回数が上限回数に到達したことによる第1時短遊技状態の終了と、特殊外れ結果への当選に基づく第3時短遊技状態への移行とが同じ遊技回の中で行われる。すなわち、第1時短遊技状態の終了を遊技者に体感させないようにして第3時短遊技状態に移行させることができるため、実質的に第1時短遊技状態の最後で残り回数の追加(上乗せ)が生じた状態とすることができる。なお、第3時短遊技状態への移行は、最終遊技回での確定表示の開始タイミング(厳密には確定表示開始の直前)にて行われる。
上記の際、その特図遊技回では、図155に示すように、図柄表示装置75にて特殊外れリーチ演出が実行される。これにより、遊技者に対して特殊外れ結果の報知が行われる。また、特殊外れリーチ演出の実行後は、時短遊技状態の残り回数が上乗せされるようにして上乗せ演出(図130(c))が実行される。この上乗せ演出は、最終遊技回の確定表示時間の一部又は全部を利用して行われてもよいし、変動表示時間(変動表示時間の一部)と確定表示時間(確定表示時間の一部又は全部)とに跨って行われてもよいし、次の特図遊技回にて行われてもよい。
なお、上記最終遊技回での当否抽選結果が通常外れ結果になった場合には、第1時短遊技状態が終了する一方で、第3時短遊技状態への移行は生じない。すなわち、低確率モード且つ高頻度サポートモードの状態が終了して通常遊技状態(低確率モード且つ低頻度サポートモード)に移行する。図155に示すように、その特図遊技回では、図柄表示装置75にて完全外れ演出が実行される。
ちなみに、本変形例では、最大で4個の保留情報を貯めることが可能な第2特図の保留機能を有しているため、第1時短遊技状態の最終遊技回で通常外れ結果となり、低確率モード且つ高頻度サポートモードの状態が終了する場合において、第2特図の保留情報が存在していれば、それらの保留分に対応した回数の第2特図の遊技回を実行させることができる。これらの遊技回は通常遊技状態の下で行われるため、特殊外れ結果となると、第1時短遊技状態での最終遊技回と同様に第3時短遊技状態への移行が生じる。
つまり、第1時短遊技状態での最終遊技回だけでなく、第1時短遊技状態の終了後における保留分の遊技回においてもチャンス遊技回となる。保留分の特図遊技回にて特殊外れ結果になった場合には、図155に示すように、図柄表示装置75にて特殊外れリーチ演出が実行され、特殊外れ結果が報知される。また、保留分の特図遊技回にて通常外れ結果になった場合には、図柄表示装置75にて完全外れ演出が実行される。
<最終遊技回における普図遊技回の流れについて>
第1時短遊技状態での最終遊技回における普図遊技回の流れについて図156を参照しながら説明する。ここでは、上記最終遊技回での当否抽選結果が通常外れ結果になったものとする。先ず、上記最終遊技回での確定表示の開始タイミングにて普図遊技回が変動表示中である場合について図156(a)を参照しながら説明する。
タイミングt1において普図遊技回の変動表示が開始された後、その変動表示時間が経過する前に、タイミングt2において第1時短遊技状態の最終遊技回における確定表示の開始タイミングになると、上記普図遊技回の変動表示が強制終了される(図156(a1)、(a4)、図149)。この強制終了の対象になった普図遊技回は第1時短遊技状態の下で当否抽選が行われたものであり、高頻度サポートモード用のサポート抽選テーブル(図103(b))が適用されたものである。この普図遊技回のサポート抽選結果がサポート当選結果であった場合は、上記強制終了に合わせて外れ結果に変更される(図149)。
タイミングt2で普図遊技回の変動表示が強制終了されると、その後、所定の確定表示時間(例えば0.5sec)に亘って外れ結果が普図用表示部44に停止表示される(タイミングt3)。また、タイミングt2では最終遊技回(特図遊技回)の確定表示も開始されるが、この場合の確定表示時間は通常確定表示時間(例えば0.5sec)よりも長い特定確定表示時間(例えば6sec)が設定される(図149)。
この際、最終遊技回の確定表示時間は、強制終了された普図遊技回の確定表示時間よりも長くなっている。また、強制終了された普図遊技回では当否抽選の結果が外れ結果とされるため、その後に普電役物63aによる役物開閉遊技が実行されず、強制終了された普図遊技回の確定表示が終了した後は直ちに次の普図遊技回が開始される。よって、上記次の普図遊技回は、上記最終遊技回の確定表示時間が経過するタイミングt4よりも前に開始される(タイミングt3)。
第1時短遊技状態は、上記最終遊技回の確定表示の開始タイミングで終了しているため、上記次の普図遊技回は通常遊技状態の下で行われる。よって、この普図遊技回では、低頻度サポートモード用のサポート抽選テーブル(図103(a))により当否抽選が行われて外れ結果となりやすく、また、その変動表示時間も低頻度サポートモード用の長めの変動表示時間(例えば30sec)が設定される。
このため、次の特図遊技回(保留分の第2特図の遊技回)が開始されるタイミングt4だけでなく、その後もしばらくの間は、普電役物63aが閉鎖状態に維持され、第2作動口63への入賞が不可又は困難な状態となる。これにより、保留分の第2特図の遊技回が実施されて第2特図の保留個数に空きが生じても、新たな保留情報が補充されることを抑制できる。
次に、上記最終遊技回での確定表示の開始タイミングにて役物開閉遊技の実行中である場合(普図遊技回の変動表示中でない場合)について図156(b)を参照しながら説明する。
普電役物63aによる役物開閉遊技が開始された後、その実行期間(例えば4.2sec)が経過する前に、第1時短遊技状態の最終遊技回にて確定表示の開始タイミングになったとする(タイミングt11)。この際、普図遊技回の変動表示中ではないため、強制終了が実行されず、その後も役物開閉遊技の続きが実行される。
タイミングt11から開始される最終遊技回の確定表示は、前述のとおり、通常確定表示時間よりも長い特定確定表示時間(例えば6sec)にて行われる。この特定確定表示時間は、役物開閉遊技の実行期間よりも長い時間となっているため、上記最終遊技回の確定表示が終了するタイミングt13よりも前に役物開閉遊技が終了する(タイミングt12)。つまり、最終遊技回の確定表示の開始タイミングで役物開閉遊技が行われていても、最終遊技回の確定表示時間の中で吸収され、次の特図遊技回(保留分の第2特図の遊技回)が開始されるタイミングt13では、役物開閉遊技が終了した状態となっている。
タイミングt12において上記役物開閉遊技が終了すると、次の普図遊技回が開始されるが、この普図遊技回は通常遊技状態の下で行われるものとなる。このため、外れ結果となりやすく、また、その変動表示時間も低頻度サポートモード用の長めの変動表示時間(例えば30sec)が設定される。
よって、図156(a)の場合と同様に、次の特図遊技回(保留分の第2特図の遊技回)が開始されるタイミングt13だけでなく、その後もしばらくの間は、普電役物63aが閉鎖状態に維持され、第2作動口63への入賞が不可又は困難な状態となる。これにより、保留分の第2特図の遊技回が実施されて第2特図の保留個数に空きが生じても、新たな保留情報が補充されることを抑制できる。
なお、上記最終遊技回での確定表示の開始タイミングで普図遊技回が確定表示中であることもあり得る。その際、その普図遊技回のサポート抽選結果がサポート当選結果であり、その後に役物開閉遊技が実行されるとしても、普図遊技回の確定表示時間と役物開閉遊技の実行期間との合計期間(例えば4.7sec)よりも上記最終遊技回の特定確定表示時間が長くなっていることで、次の特図遊技回(保留分の第2特図の遊技回)が開始される前に役物開閉遊技を終了させることができる。
以上のように本変形例では、最終遊技回が終了してからの保留情報の補充が抑制されるため、第1時短遊技状態後に実行可能な遊技回(第2特図の遊技回)の回数を上限保留数に対応した回数(4回)に制限することができる。既に説明したように、保留分の第2特図の遊技回は、第1時短遊技状態の最終遊技回と同様に、特殊外れ結果に当選した場合に第3時短遊技状態への移行が生じる有利な遊技回になるところ、上記のような構成であることで、過度に遊技者有利となることを抑制できる。
また、例えば、第1時短遊技状態の終了後における保留情報の補充を許容した場合、実際の遊技で何個の保留情報が補充されるかをパチンコ機の設計段階で正確に予測することは容易でないと想定される。その結果、確率設計の手間が増大し、設計作業の負担増を招く懸念があるが、本変形例によれば、第1時短遊技状態の終了後に実行可能な遊技回(第2特図の遊技回)の回数を固定化できるため、設計時の負担を軽減できるという利点もある。
以上詳述した本変形例によれば、以下の優れた効果を奏することができる。
第1時短遊技状態の最終遊技回で特殊外れ結果となることにより、第1時短遊技状態の終了後に第3時短遊技状態に移行する一方で、第1時短遊技状態における他の特図遊技回で特殊外れ結果となっても第3時短遊技状態への移行が生じない構成とした。
この構成によれば、第1時短遊技状態の最終遊技回で特殊外れ結果を引き当てることで、第1時短遊技状態から第3時短遊技状態に移行し、時短遊技状態の残り回数が増加されたのと同等の状態とすることができる。このため、時短遊技状態を遊技できる期間が延長され、時短遊技状態の中で大当たり結果を引き当てるチャンスを高めることができる。これにより、第1時短遊技状態において大当たり結果を引き当てることだけでなく、その最終遊技回にて特殊外れ結果を引き当てることを目指す遊技を付加することができ、楽しみ方の幅を拡げて興趣性を向上させることが可能になる。
また、第1時短遊技状態における他の特図遊技回で特殊外れ結果となっても第3時短遊技状態への移行が制限されるため、第3時短遊技状態への移行を実現するには、特殊外れ結果を引き当てることだけでなく、そのタイミングも要求されるものとなる。これにより、第3時短遊技状態に移行させる難易度を適度に高め、実現することができた場合の遊技者の喜びや達成感を好適に引き出すことが可能になる。さらに本構成によれば、第1時短遊技状態への最終遊技回についてチャンス遊技回としての優位性を強調することができ、当該遊技回への注目度を好適に高めることも可能になる。
第1時短遊技状態の最終遊技回で特殊外れ結果となった場合に、第1時短遊技状態の終了と第3時短遊技状態への移行とがその最終遊技回の中で行われる構成とした。
この構成によれば、通常遊技状態での特図遊技回を介在させることなく、第1時短遊技状態から第3時短遊技状態への切り替えを行うことができる。これにより、時短遊技状態の残り回数が上乗せされたのと同様の状態とすることが可能になる。
その場合において図柄表示装置75にて上乗せ演出を実行するため、残り回数が上乗せされたと遊技者が感受しやすくすることができる。
第3時短遊技状態への移行が開閉実行モードを経由することなく行われる構成とした。
上記構成によれば、第3時短遊技状態への移行に対して大当たり結果への当選を要しないため、当該移行が行われる確率を大当たり当選確率から独立して設定することができる。これにより、大当たり当選確率に依存することなく、第3時短遊技状態への移行確率を自由に設定することが可能になる。また、開閉実行モードを経由することなく第3時短遊技状態に移行することで、第1時短遊技状態と第3時短遊技状態とが大きく分断されることを抑制できる。これにより、両者の時短遊技状態について遊技者が一体感を感受しやすくなり、時短遊技状態が延長された印象を与えやすくすることが可能になる。
その際、特殊外れ結果の当選確率を大当たり当選確率よりも高くする構成としたため、第3時短遊技状態に移行しやすい印象を遊技者に与えることができる。これにより、第1時短遊技状態の最終遊技回に差し掛かった段階であっても遊技者が期待感を抱きやすくなり、第1時短遊技状態が終了してしまう寸前での活路として遊技を楽しむ要素を拡充することが可能になる。
第3時短遊技状態への移行条件を特図当否抽選の結果が特殊外れ結果になることとした。
この構成によれば、特図当否抽選の結果が大当たり結果になるか否かの遊技と、特殊外れ結果となって第3時短遊技状態への移行条件が成立するか否かの遊技との両方を1の特図遊技回の中で実行させることができる。これにより、第3時短遊技状態への移行が許容される最終遊技回について、それら両方の遊技を行うことができるチャンス遊技回(他の特図遊技回よりも有利な遊技回)として機能させることができ、当該遊技回への期待感や注目度を好適に高めることが可能になる。
特殊外れ結果となった場合に、それを通知するための外部信号をパチンコ機10の外部に出力するようにした上で、第1時短遊技状態において最終遊技回以外の特図遊技回で特殊外れ結果となった場合(第3時短遊技状態への移行が制限される状況で特殊外れ結果となった場合)にも、特殊外れ結果になったことを通知するための上記外部信号を出力する構成とした。
この構成では、特殊外れ結果に対応した外部信号が出力されるため、遊技ホールの管理制御装置において第3時短遊技状態への移行契機が成立したことを把握することが可能になる。この場合において、第3時短遊技状態への移行が制限される状況では、特図当否抽選の結果が特殊外れ結果になっても上記外部信号を出力しない構成とすることが考えられる。その後に第3時短遊技状態への移行が生じないことを踏まえれば、外部信号を出力するよりもしない方がむしろ理に適うといえる。
しかしながら、そのような構成では、遊技において特殊外れ結果になった実際の回数を遊技ホール側で把握できなくなり、例えば、特殊外れ結果の当選確率を不正に高めるような行為が行われていても、その発見に遅れが生じたりするおそれがある。この点、本構成では、第3時短遊技状態への移行が制限される場合であっても敢えて上記外部信号を出力するため、特殊外れ結果になった実際の回数を遊技ホール側が適切に把握することができる。これにより、特殊外れ結果の当選確率が不正に高められている場合にその発見を容易化することができ、不正抑止効果を高めることが可能になる。
大当たり結果や通常外れ結果を通知するための抽選結果信号の出力態様を異ならせて特殊外れ結果に対応した外部信号を出力する構成とした。
この構成によれば、大当たり結果等を通知するための既存端子や既存配線を利用して特殊外れ結果に対応した外部信号を出力することができるため、専用信号を出力する場合に比べ、パチンコ機10における出力端子数等を少なく抑えることができる。また、遊技ホール側の管理制御装置においても、大当たり結果等について通知を受けるための入力端子等を従前から備えている場合は、それを利用して特殊外れ結果に対応した外部信号を受信することができる。仮に抽選結果信号について出力態様の違いを識別(認識)するための機能の追加が必要になったとしても、制御プログラムのみの小規模な変更で対応できるため、導入コストを低く抑えることが可能になる。
なお、特殊外れに対応した抽選結果信号を出力するにあたっては、第3時短遊技状態への移行が生じる場合と当該移行が生じない場合とで共通の抽選結果信号を出力してもよいし、それらの場合を区別して別個の抽選結果信号を出力してもよい。後者の構成とした場合には、遊技ホール側の管理制御装置において、特殊外れ結果になったことだけでなく、第3時短遊技状態に移行すべき状態であるか否かについてまで、1の外部信号から把握することができる。これにより、特殊外れ結果になったにもかかわらず第3時短遊技状態に移行しないことに対してパチンコ機10の異常ではないことを即座に判断することが可能になる。
第3時短遊技状態への移行が生じる場合と当該移行が生じない場合とで別個の抽選結果信号を出力する場合には、移行が生じる場合に出力される信号と生じない場合に出力される信号とで各別の信号配線(外部出力端子213の出力端子)が割り当てられてもよいし、1の信号配線を共有するものであってもよい。信号配線を共有する場合にあっては、移行が生じる場合と生じない場合とで、特殊外れに対応した抽選結果信号の信号態様(オン状態である場合の出力レベルや出力期間、出力タイミング等)を異ならせるとよい。
また、必要な信号配線(外部出力端子213の出力端子)の数を低減するため、遊技回ごとに出力される遊技回実行信号を利用して特殊外れ結果に対応した外部信号を出力する構成としてもよい。すなわち、遊技回実行信号の信号態様を当否抽選の結果ごとに異ならせる構成としてもよい。
具体的には、当否抽選の結果が大当たり結果であった場合は大当たりに対応した態様の遊技回実行信号が出力され、通常外れ結果であった場合には通常外れに対応した態様の遊技回実行信号が出力され、特殊外れ結果であった場合は特殊外れに対応した態様の遊技回実行信号が出力されるように設定する。この場合、抽選結果信号としての専用信号は出力しない。
このような構成とすることで、抽選結果信号用の信号端子や信号配線を省略して構成を簡略化することができるほか、遊技ホール側の管理制御装置においても入力端子の追加等を回避することができる。加えて、遊技回実行信号と同時に抽選結果信号を出力できることから、パチンコ機からの信号出力回数を低減させることもでき、パチンコ機と遊技ホール側の管理制御装置との双方において信号授受に要する処理負荷を軽減することが可能になる。
上記の際、大当たり結果であった場合と通常外れ結果であった場合とについては、同じ態様の遊技回実行信号が出力されるようにしてもよい。このような場合でも、開閉実行モードに対応した外部信号が事後的に出力されることで、大当たり結果であることを遊技ホール側の管理制御装置が把握できるためである。
遊技回実行信号の信号態様を当否抽選ごとに異ならせる構成としては、オン状態である場合の出力レベルや出力期間、出力タイミング等を異ならせるものが考えられる。それらの中でも実現や導入の容易性の観点からすると、オン状態の出力期間を異ならせるものが好ましい。例えば、当否抽選の結果が大当たり結果であった場合はオン期間が0.3secの遊技回実行信号が出力され、通常外れ結果であった場合はオン期間が0.5sec(又は0.3sec)の遊技回実行信号が出力され、特殊外れ結果であった場合はオン期間が0.8secの遊技回実行信号が出力されるといった具合である。
特殊外れ対応の遊技回実行信号を出力するに際しては、上記と同様に、第3時短遊技状態への移行が生じる場合と当該移行が生じない場合とで同じ態様の遊技回実行信号を出力してもよいし、異なる態様の遊技回実行信号を出力してもよい。
なお、各遊技回において遊技回の開始を通知するための外部信号(遊技回開始信号)をパチンコ機10の外部に出力する機能を備える場合は、遊技回実行信号に代えて又は加えて、遊技回開始信号を利用して特殊外れ結果に対応した外部信号を出力する構成としてもよい。すなわち、遊技回開始信号の信号態様を当否抽選の結果ごとに異ならせる構成としてもよい。
また、遊技回実行信号や遊技回開始信号以外にも各回の遊技回で外部出力される外部信号がある場合は、その信号を利用して特殊外れ結果に対応した外部信号を出力する構成としてもよい。
<変形例4>
上記変形例3では、第1時短遊技状態中に特殊外れ結果になった場合に第3時短遊技状態への移行が制限されるが、本変形例では、当該移行が許容されるように構成されている。以下、本変形例の構成について図157~図168を参照しながら説明する。これらの図において上記第2の実施の形態や各変形例と同様の構成については同一の符号を付し、その説明を省略する。
<特図遊技回の当否テーブル>
本変形例に係る第1特図用の当否テーブル(低確率モード用)と、第2特図用の当否テーブル(低確率モード用)と、第1特図及び第2特図用の当否テーブル(高確率モード用)とについて図157を参照しながら説明する。これら各当否テーブルは、ROM313の当否テーブル記憶エリア313aに記憶されている。
第1特図用の当否テーブル(低確率モード用)は、抽選モードが低確率モードである状況で第1作動口62への入賞に基づく当否抽選を行う場合に参照されるものである。この第1特図用の当否テーブル(低確率モード用)では、図157(a)に示すように、大当たりとなる乱数の値(大当たり乱数カウンタC1の値)として「0」~「9」の計10個が設定され、低確率モードでの大当たり当選確率は1/300に設定されている。また、特殊外れ結果となる乱数の値として「10」~「19」の計10個が設定され、低確率モードでの特殊外れ結果となる確率は1/300に設定されている。その他の乱数値は通常外れ結果に割り当てられており、低確率モードでの通常外れ結果となる確率は2980/3000に設定されている。
第2特図用の当否テーブル(低確率モード用)は、抽選モードが低確率モードである状況で第2作動口63への入賞に基づく当否抽選を行う場合に参照されるものである。この第2特図用の当否テーブル(低確率モード用)では、図157(b)に示すように、大当たりとなる乱数の値(大当たり乱数カウンタC1の値)として「0」~「9」の計10個が設定され、低確率モードでの大当たり当選確率は1/300に設定されている。また、特殊外れ結果となる乱数の値として「10」~「39」の計30個が設定されている。すなわち、低確率モードでの特殊外れ結果となる確率は1/100に設定されており、第1特図とは異なる確率に設定されている。その他の乱数値は通常外れ結果に割り当てられており、低確率モードでの通常外れ結果となる確率は2960/3000に設定されている。
第1特図及び第2特図用の当否テーブル(高確率モード用)は、抽選モードが高確率モードである状況で第1作動口62又は第2作動口63への入賞に基づく当否抽選を行う場合に参照されるものである。この第1特図及び第2特図用の当否テーブル(高確率モード用)では、図157(c)に示すように、大当たりとなる乱数の値として「0」~「49」の計50個が設定され、高確率モードでの大当たり当選確率は1/60に設定されている。なお、第1特図及び第2特図用の当否テーブル(高確率モード用)では、抽選結果として特殊外れ結果が設定されておらず、大当たり用の乱数値以外はいずれも通常外れ結果に割り当てられている。通常外れ結果となる確率は59/60に設定されている。
<特図遊技回の種別テーブル>
本変形例に係る特図遊技回の種別テーブルについて図158を参照しながら説明する。
大当たり種別テーブルとしては、第1特図用の大当たり種別テーブル(図158(a))と第2特図用の大当たり種別テーブル(図158(b))とが設定されている。
図158(a)に示すように、第1特図用の大当たり種別テーブルでは、選択可能な大当たり種別として4R確変大当たり結果と4R通常大当たり結果とが設定されている。これらの大当たり結果はいずれも実行されるラウンド遊技の回数が4回となるものである。
4R確変大当たり結果は、開閉実行モードの終了後、高確遊技状態(高確率モード且つ高頻度サポートモード)に移行する大当たり結果である。この場合の高確遊技状態は、開閉実行モード後の遊技回の実行回数が予め定められた第1上限回数(例えば100回)に達するまで継続される。第1上限回数に達した場合は、高確遊技状態が終了して通常遊技状態(低確率モード且つ低頻度サポートモード)に移行する。
4R通常大当たり結果は、開閉実行モードの終了後、第1時短遊技状態(低確率モード且つ高頻度サポートモード)に移行する大当たり結果である。この場合の第1時短遊技状態は、開閉実行モード後の遊技回の実行回数が予め定められた第2上限回数(例えば1000回)に達するまで継続される。第2上限回数に達した場合は、第1時短遊技状態が終了して通常遊技状態に移行する。
第1特図用の大当たり種別テーブルでは、大当たり種別カウンタC2の「0」~「64」が4R確変大当たり結果に対応し、「65」~「99」が4R通常大当たり結果に対応している。すなわち、4R確変大当たり結果に振り分けられる確率は65%、4R通常大当たり結果に振り分けられる確率は35%に設定されている。
図158(b)に示すように、第2特図用の大当たり種別テーブルでは、選択可能な大当たり種別として10R確変大当たり結果と10R通常大当たり結果とが設定されている。これらの大当たり結果はいずれも実行されるラウンド遊技の回数が10回となるものである。
10R確変大当たり結果は、開閉実行モードの終了後、高確遊技状態に移行する大当たり結果である。この場合の高確遊技状態は、開閉実行モード後の遊技回の実行回数が予め定められた第3上限回数(例えば100回)に達するまで継続される。また、10R通常大当たり結果は、開閉実行モードの終了後、第1時短遊技状態に移行する大当たり結果である。この場合の第1時短遊技状態は、開閉実行モード後の遊技回の実行回数が予め定められた第4上限回数(例えば1000回)に達するまで継続される。
第2特図用の大当たり種別テーブルでは、大当たり種別カウンタC2の「0」~「64」が10R確変大当たり結果に対応し、「65」~「99」が10R通常大当たり結果に対応している。すなわち、10R確変大当たり結果に振り分けられる確率は65%、10R通常大当たり結果に振り分けられる確率は35%に設定されている。
なお、本変形例では、特殊外れ用の種別テーブルは設定されていない。すなわち、第1特図及び第2特図のいずれにおいても特殊外れ結果の種別は1種類となっている。但し、第1特図の当否抽選で特殊外れ結果になった場合と、第2特図の当否抽選で特殊外れ結果になった場合とで、特殊外れ結果への当選を契機として移行する第3時短遊技状態(低確率モード且つ高頻度サポートモード)の態様が異なるように構成されている。
具体的には、図158(c)に示すように、第1特図の当否抽選で特殊外れ結果になった場合には第3時短遊技状態Aに移行し、第2特図の当否抽選で特殊外れ結果になった場合には第3時短遊技状態Bに移行する。第3時短遊技状態Aは、第3時短遊技状態Aに移行してからの特図遊技回の実行回数が予め定められた第5上限回数(例えば100回)に達するまで継続される。第3時短遊技状態Bは、第3時短遊技状態Bに移行してからの特図遊技回の実行回数が第5上限回数よりも少ない第6上限回数(例えば10回)に達するまで継続される。なお、特殊外れ結果は外れ結果の1つであるため、開閉実行モードは実行されない。すなわち、特殊外れ結果になった場合、開閉実行モードを介することなく、第3時短遊技状態A、Bに移行する。
<第3時短遊技状態移行用処理>
本変形例に係る第3時短遊技状態移行用処理について図159のフローチャートを参照しながら説明する。この処理は、主制御装置162による特図遊技回制御処理(図145)のステップSb3202で実行されるものであり、図148の第3時短遊技状態移行用処理に代えて実行されるものである。図159において図148と同様の処理については同一のステップ番号を付し、その説明を省略又は簡略化する。なお、第3時短遊技状態移行用処理は、ステップSb511の高頻度サポートモード更新・終了用処理の後に実行される。
先ずステップSb3401では、RAM314の各種フラグ格納エリア314eに特殊外れフラグがセットされているか否かを判定する。特殊外れフラグがセットされている場合、すなわち、今回の特図当否抽選の結果が特殊外れ結果である場合は、ステップSb3402に進み、上記各種フラグ格納エリア314eに高確率フラグがセットされているか否かを判定する。
高確率フラグがセットされていない場合には、ステップSb4101にて、上記各種フラグ格納エリア314eに第3サポートフラグがセットされているか否かを判定する。第3サポートフラグは、第3時短遊技状態であることをMPU312が把握するためのものである。第3サポートフラグがセットされていない場合、すなわち、第3時短遊技状態でない場合には、ステップSb4102にて上記各種フラグ格納エリア314eに第1サポートフラグがセットされているか否かを判定する。第1サポートフラグは、第1時短遊技状態であることをMPU312が把握するためのものである。
第1サポートフラグがセットされている場合、すなわち、第1時短遊技状態である場合は、ステップSb4103に進み、上記各種フラグ格納エリア314eにセットされている第1サポートフラグをクリアする。これにより、第1時短遊技状態が終了する。
ステップSb4103の実行後又はステップSb4102で否定判定した場合(第1サポートフラグがセットされておらず、第1時短遊技状態でない場合)は、ステップSb4104にて、上記各種フラグ格納エリア314eに第3サポートフラグをセットする。これにより、第3時短遊技状態に移行する。
ステップSb4105では、上記各種フラグ格納エリア314eに第2特図フラグがセットされているか否かを判定する。第2特図フラグがセットされていない場合、すなわち、今回の特殊外れ結果が第1特図の特殊外れ結果である場合は、第3時短遊技状態A(図158(c))に移行させるべく、ステップSb4106にて、RAM314のサポートカウンタエリアSCに第5上限回数(例えば100回)に対応した値をセットする。
ステップSb4107では普図終了用処理を実行する。この処理は、図119の第2時短遊技状態移行用処理におけるステップSb1411~ステップSb1415の処理と同様のものである。その際、特図遊技回では、確定表示時間として通常確定表示時間よりも長い特定確定表示時間を設定するが(図149)、この特定確定表示時間は、上記第2の実施の形態のように、強制終了される普図遊技回の確定表示時間(例えば0.5sec)よりも長い時間(例えば0.8sec)としてもよいし、上記変形例2のように、強制終了される普図遊技回の確定表示時間と、第2時短遊技状態に対応した普図遊技回の変動表示期間(例えば0.5sec)と、第2時短遊技状態に対応した普図遊技回の確定表示時間(例えば0.5sec)との合計期間(例えば1.5sec)よりも長い時間(例えば4sec)としてもよい。
ステップSb4105で肯定判定した場合(第2特図フラグがセットされている場合)、すなわち、今回の特殊外れ結果が第2特図の特殊外れ結果である場合は、第3時短遊技状態B(図158(c))に移行させるべく、ステップSb4108にて、上記サポートカウンタエリアSCに第6上限回数(例えば10回)に対応した値をセットする。
ここで、本変形例では、第1サポートフラグがセットされている状況でも第3サポートフラグがセットされ、第1時短遊技状態の途中で特殊外れ結果になった場合に第3時短遊技状態への移行が許容されている。また、第1時短遊技状態は、第2特図に対応する第2作動口63への入賞が可能又は容易となる遊技状態であるため、第1時短遊技状態中に引き当てる特殊外れ結果は、第2特図の特殊外れ結果となる。よって、第1時短遊技状態の途中で移行する第3時短遊状態は、残り回数が第6上限回数(例えば10回)に設定された第3時短遊技状態Bとなる。
このように、第1時短遊技状態の残り回数が残存している状況で第3時短遊技状態Bに移行し得るものとなっているが、その際、上記ステップSb4108では、サポートカウンタエリアSCの値を、その時点での値(第1時短遊技状態の残り回数)にかかわらず、第3時短遊技状態Bの残り回数に対応した値に書き換える。このため、第1時短遊技状態におけるいずれの特図遊技回で第3時短遊技状態に移行しても、その後の残り回数は第6上限回数に変更される。
第6上限回数(例えば10回)は、第1時短遊技状態の当初に設定される残り回数である第1上限回数(例えば1000回)よりも少ない回数となっているため、第1時短遊技状態の残り回数が第6上限回数未満の状態で第3時短遊技状態Bに移行しない限り、時短遊技状態の残り回数が減少することになる。すなわち、特殊外れ結果への当選を回避し続けるほど、時短遊技状態を長く継続させることができ、遊技を有利に進められるようになっている。つまり、第1時短遊技状態において特殊外れ結果になる場合とならない場合とを比較すると、前者の方が後者よりも遊技者にとって不利となるように構成されている。
なお、本変形例では、第1特図にも特殊外れ結果が設定されているため、通常遊技状態の途中で特殊外れ結果になることがある。この場合は、第3時短遊技状態Aに移行してサポートモードが低頻度サポートモードから高頻度サポートモードに切り替わる。つまり、通常遊技状態で特殊外れ結果になった場合には、特殊外れ結果にならない場合よりも遊技者にとって有利となる。
ステップSb4107又はステップSb4108の実行後はステップSb3408にて、演出制御装置143への送信対象として第3時短遊技状態開始コマンドを設定し、その後、第3時短遊技状態移行用処理を終了する。
また、ステップSb4101で肯定判定した場合(第3サポートフラグがセットされている場合)は、ステップSb4102~ステップSb3408の処理を実行することなく、第3時短遊技状態移行用処理を終了する。すなわち、第3時短遊技状態で特殊外れ結果になっても第3時短遊技状態への再移行が制限され、その時点での残り回数が維持される。
<特図遊技回の変動表示時間テーブル>
主制御装置162にて行う特図遊技回制御処理や変動開始処理については上記変形例3の場合(図145、図146)と同様であるが、上記のとおり本変形例では、第1時短遊技状態で特殊外れ結果になった場合に時短遊技状態の残り回数が少なくなるように構成されており、それに合わせて変動表示時間テーブルが設定されている。以下、本変形例に係る変動表示時間テーブルについて図160及び図161を参照しながら説明する。
本変形例での変動表示時間テーブルとしては、少なくとも、第1特図における特殊外れ用の変動表示時間テーブル(通常遊技状態用)と、第2特図における大当たり用の変動表示時間テーブル(第1時短遊技状態用)と、第2特図における通常外れ用の変動表示時間テーブル(第1時短遊技状態用)と、第2特図における特殊外れ用の変動表示時間テーブル(第1時短遊技状態用)と、第2特図における大当たり用の変動表示時間テーブル(第3時短遊技状態B用)と、第2特図における通常外れ用の変動表示時間テーブル(第3時短遊技状態B用)と、第2特図における特殊外れ用の変動表示時間テーブル(第3時短遊技状態B用)とが設定されている。
第1特図における特殊外れ用の変動表示時間テーブル(通常遊技状態用)は、通常遊技状態である状況で第1特図での当否抽選の結果が特殊外れ結果になった場合に参照されるものである。この変動表示時間テーブルでは、図160(a)に示すように、変動パターンY1(例えば15sec)が選択されるように構成されている。変動パターンY1は特殊リーチ外れ演出に対応する。すなわち、変動パターンY1に対応する変動開始コマンドが演出制御装置143に送信された場合、図柄表示装置75では遊技回用演出として特殊リーチ外れ演出が実行される。特殊リーチ外れ演出は特殊外れ結果を報知するものであり、上記変形例3に係る特殊リーチ外れ演出(図153(b)~(d))と同様のものである。
第2特図における大当たり用の変動表示時間テーブル(第1時短遊技状態用)は、第1時短遊技状態である状況で第2特図での当否抽選の結果が大当たり結果になった場合に参照されるものである。この変動表示時間テーブルでは、図160(b)に示すように、変動種別カウンタCSの値が「0」~「79」である場合に変動パターン21A~変動パターン23Aのいずれかが選択され、変動種別カウンタCSの値が「80」~「99」である場合に変動パターンY2(例えば60sec)が選択されるように構成されている。変動パターン21A~変動パターン23Aは図113(c)の変動パターン21A~変動パターン23Aと同様のものである。変動パターンY2は遊技回用演出としての特定演出Aに対応する。特定演出Aの詳細については後述する。
第2特図における通常外れ用の変動表示時間テーブル(第1時短遊技状態用)は、第1時短遊技状態である状況で第2特図での当否抽選の結果が通常外れ結果になった場合に参照されるものである。この変動表示時間テーブルでは、図160(c)に示すように、変動種別カウンタCSの値が「0」~「79」である場合に変動パターン21H~変動パターン24Hのいずれかが選択され、変動種別カウンタCSの値が「80」~「99」である場合に変動パターンY3(例えば60sec)が選択されるように構成されている。変動パターン21H~変動パターン24Hは、図113(d)の変動パターン21H~変動パターン24Hと同様のものである。変動パターンY3は遊技回用演出としての特定演出Bに対応する。特定演出Bの詳細については後述する。
第2特図における特殊外れ用の変動表示時間テーブル(第1時短遊技状態用)は、第1時短遊技状態である状況で第2特図での当否抽選の結果が特殊外れ結果になった場合に参照されるものである。この変動表示時間テーブルでは、図160(d)に示すように、変動パターンY4(例えば60sec)が選択されるように構成されている。変動パターンY4は遊技回用演出としての特定演出Cに対応する。特定演出Cの詳細については後述する。
第2特図における大当たり用の変動表示時間テーブル(第3時短遊技状態B用)は、第3時短遊技状態Bである状況で第2特図での当否抽選の結果が大当たり結果になった場合に参照されるものである。この変動表示時間テーブルでは、図161(a)に示すように、変動パターンとして変動パターンY5(例えば60sec)が選択されるように構成されている。変動パターンY5は遊技回用演出としての特定演出Dに対応する。特定演出Dの詳細については後述する。
第2特図における通常外れ用の変動表示時間テーブル(第3時短遊技状態B用)は、第3時短遊技状態Bである状況で第2特図での当否抽選の結果が通常外れ結果になった場合に参照されるものである。この変動表示時間テーブルでは、図161(b)に示すように、第3時短遊技状態Bに移行してからの1回目~9回目の特図遊技回で通常外れ結果になった場合に変動パターンY6(例えば8sec又は4sec)が選択され、第3時短遊技状態Bの最終遊技回(10回目)で通常外れ結果になった場合に変動パターンY7(例えば60sec)が選択されるように構成されている。変動パターンY6は完全外れ演出に対応し、変動パターンY7は遊技回用演出としての特定演出Eに対応する。特定演出Eの詳細については後述する。
第2特図における特殊外れ用の変動表示時間テーブル(第3時短遊技状態B用)は、第3時短遊技状態Bである状況で第2特図での当否抽選の結果が特殊外れ結果になった場合に参照されるものである。この変動表示時間テーブルでは、図161(c)に示すように、第3時短遊技状態Bに移行してからの1回目~9回目の特図遊技回で特殊外れ結果になった場合に変動パターンY8(例えば8sec又は4sec)が選択され、第3時短遊技状態Bの最終遊技回(10回目)で通常外れ結果になった場合に変動パターンY9(例えば60sec)が選択されるように構成されている。変動パターンY8は完全外れ演出に対応し、変動パターンY9は遊技回用演出としての特定演出Eに対応する。
<演出設定処理>
本変形例に係る演出設定処理について図162のフローチャートを参照しながら説明する。この処理は演出制御装置143にて所定周期(例えば2msec周期)で起動されるものであり、図126の演出設定処理に代えて実行されるものである。図162において図126と同様の処理については同一のステップ番号を付し、その説明を省略又は簡略化する。
先ずステップSb2301では、主制御装置162からのエンディングコマンドを受信しているか否かを判定する。エンディングコマンドを受信している場合は、ステップSb4201にて、高確遊技状態や第1時短遊技状態への移行に対応した移行用演出を設定するための第1移行用演出設定処理を実行する。
ステップSb4201の実行後又はステップSb2301で否定判定した場合(エンディングコマンドを受信していない場合)は、ステップSb4202にて、主制御装置162からの第3時短遊技状態開始コマンドを受信しているか否かを判定する。第3時短遊技状態開始コマンドを受信している場合は、ステップSb4203にて、第3時短遊技状態への移行に対応した移行用演出を設定するための第3移行用演出設定処理を実行する。
ステップSb4203の実行後又はステップSb4202で否定判定した場合(第3時短遊技状態コマンドを受信していない場合)は、ステップSb2305にて、いずれかの遊技状態終了コマンドを受信しているか否かを判定する。遊技状態終了コマンドを受信している場合は、ステップSb2306にて、高確遊技状態、第1時短遊技状態又は第3時短遊技状態の終了に対応した終了用演出を設定するための終了用演出設定処理を実行する。
ステップSb2306の実行後又はステップSb2305で否定判定した場合(いずれの遊技状態終了コマンドも受信していない場合)は、ステップSb4204にて、図柄表示装置75の表示画面Gにて図柄列Z1~Z3の変動表示等を行うための特図変動表示用処理を実行する。ステップSb2308では、その他の処理を実行し、その後、演出設定処理を終了する。
<第1移行用演出設定処理>
ステップSb4201の第1移行用演出設定処理について図163(a)のフローチャートを参照しながら説明する。
先ずステップSb4301では、高確遊技状態への移行が生じる状況であるか否かを判定する。すなわち、エンディングコマンドが送信された開閉実行モードが高確遊技状態への移行を生じさせる大当たり結果に対応するものであるか否かを判定する。この判定は、主制御装置162から送信される種別コマンドに基づいて行う。
高確遊技状態への移行が生じる状況である場合は、ステップSb4302にて高確遊技状態用の演出設定処理を実行する。この処理では、例えば図128(a)と同様の高確遊技状態用の開始演出が実行された後、高確遊技状態中であることに対応した遊技回用演出が実行されるように設定する。高確遊技状態用の遊技回用演出は、通常遊技状態用の遊技回用演出とは異なる態様を有するものであり、例えば、各図柄列Z1~Z3の奥側に表示される背景画像が通常遊技状態用のものとは異なる表示色や表示内容に設定される。
ステップSb4303では、RAM344の残り回数カウンタエリアに第1上限回数(例えば100回)に対応した値をセットする。ステップSb4304では、残り回数画像472(図128(a)等)の表示を開始するように設定する。ステップSb4305では、RAM344の各種フラグ格納エリア344dに残り回数表示フラグをセットし、その後、第1移行用演出設定処理を終了する。
ステップSb4301で否定判定した場合(高確遊技状態への移行が生じる状況でない場合)は、ステップSb4306に進み、第1時短遊技状態への移行が生じる状況であるか否かを判定する。すなわち、エンディングコマンドが送信された開閉実行モードが第1時短遊技状態への移行を生じさせる大当たり結果に対応するものであるか否かを判定する。
第1時短遊技状態への移行が生じる状況である場合は、ステップSb4307にて、第1時短遊技状態用の演出設定処理を実行する。この処理では、例えば図128(b)と同様の第1時短遊技状態用の開始演出が実行された後、第1時短遊技状態中であることに対応した遊技回用演出が実行されるように設定する。第1時短遊技状態用の遊技回用演出は、通常遊技状態用や高確遊技状態用の遊技回用演出とは異なる態様を有するものであり、例えば、各図柄列Z1~Z3の奥側に表示される背景画像が通常遊技状態用や高確遊技状態用のものとは異なる表示色や表示内容に設定される。
なお、本変形例に係る第1時短遊技状態用の開始演出や遊技回用演出では、図163(b)に示すように、残り回数画像472に代えて、チャンスタイム(第1時短遊技状態)中であることを報知する状態報知画像450が表示される。すなわち、第1時短遊技状態である場合はその残り回数が非明示とされる。
ステップSb4307の実行後又はステップSb4306で否定判定した場合(第1時短遊技状態への移行が生じる状況でない場合)は、第1移行用演出設定処理を終了する。
<第3移行用演出設定処理>
ステップSb4203の第3移行用演出設定処理について図164(a)のフローチャーを参照しながら説明する。
先ずステップSb4401では、第3時短遊技状態用の演出設定処理を実行する。この処理では、第3時短遊技状態用の開始演出が実行された後、第3時短遊技状態中であることに対応した遊技回用演出が実行されるように設定する。第3時短遊技状態用の遊技回用演出は、通常遊技状態用や高確遊技状態用、第1時短遊技状態用の遊技回用演出とは異なる態様を有するものである。
ステップSb4402では、移行する第3時短遊技状態の上限回数に対応した値をRAM344の残り回数カウンタエリアにセットする。具体的には、第3時短遊技状態Aへの移行である場合は第5上限回数(例えば100回)に対応した値をセットし、第3時短遊技状態Bへの移行である場合は第6上限回数(例えば10回)に対応した値をセットする。
ステップSb4403では、残り回数画像472(図128(a)等)の表示を開始するように設定する。なお、第1時短遊技状態の途中で第3時短遊技状態に移行する場合は、図164(b)に示すように、第3時短遊技状態への移行に合わせて状態報知画像450から残り回数画像472への変更を行う。すなわち、残り回数を非明示とした状態から明示した状態へと切り替える。
ステップSb4404では、RAM344の各種フラグ格納エリア344dに残り回数表示フラグをセットし、その後、第3移行用演出設定処理を終了する。
<特図変動表示用処理>
ステップSb4204の特図変動表示用処理について図165のフローチャートを参照しながら説明する。図165において図132の特図変動表示用処理と同様の処理については同一のステップ番号を付し、その説明を省略又は簡略化する。
先ずステップSb2701では、遊技回の実行中であるか否かを判定する。遊技回の実行中でない場合は、ステップSb2702に進み、主制御装置162からの変動開始コマンドを受信しているか否かを判定する。
変動開始コマンドを受信している場合は、ステップSb4501に進み、図柄表示装置75にて遊技回用演出を開始させるための変動開始用処理を実行する。ここで、変動開始用処理について図166(a)のフローチャートを参照しながら説明する。
先ずステップSb4601では、主制御装置162からの変動開始コマンドを解析し、今回の特図遊技回に関する変動パターンを把握する。ステップSb4602では、把握した変動パターンに対応する遊技回用演出が実行されるように設定する。変動パターンと遊技回用演出との対応関係について図166(b)を参照しながら説明する。
把握した変動パターンが変動パターンY1である場合は特殊リーチ外れ演出が実行されるように設定する。変動パターンY1は、第1特図で特殊外れ結果になった場合(通常遊技状態中に特殊外れ結果になった場合)に設定されるものである。また、特殊リーチ外れ演出は、上記変形例3に係る特殊リーチ外れ演出(図153(b)~(d))と同様のものである。
把握した変動パターンが変動パターンY2である場合は特定演出Aが実行されるように設定する。変動パターンY2は、第1時短遊技状態中に大当たり結果となった場合の一部で設定されるものである。特定演出Aは、大当たり結果を報知する演出であり、例えば、上図柄列Z1及び下図柄列Z3によりリーチ表示が行われた後、戦士キャラクタが敵キャラクタを倒すことができるか否かの所定のバトル演出が行われるように構成される(図167(a))。特定演出Aでは、上記バトル演出において戦士キャラクタが勝利する結末が表示され、その後、図柄列Z1~Z3が大当たりの組み合わせで停止表示される。
把握した変動パターンが変動パターンY3である場合は特定演出Bが実行されるように設定する。変動パターンY3は、第1時短遊技状態中に通常外れ結果となった場合の一部で設定されるものである。特定演出Bは、外れ結果を報知する演出であり、特定演出Aに関連した演出となっている。特定演出Bでは、リーチ表示後の上記バトル演出にて戦士キャラクタと敵キャラクタとが引き分ける結末が表示され(図167(b))、その後、図柄列Z1~Z3がリーチ外れの組み合わせで停止表示される。
把握した変動パターンが変動パターンY4である場合は特定演出Cが実行されるように設定する。変動パターンY4は、第1時短遊技状態中に特殊外れ結果になった場合に設定されるものである。特定演出Cは、第3時短遊技状態への移行を報知する演出であり、特定演出A、Bに関連するものとなっている。特定演出Cでは、リーチ表示後の上記バトル演出にて戦士キャラクタが敗北する結末が表示され(図167(c))、その後、図柄列Z1~Z3がリーチ外れの組み合わせで停止表示される。
把握した変動パターンY5である場合は特定演出Dが実行されるように設定する。変動パターンY5は、第3時短遊技状態中に大当たり結果になった場合に設定されるものである。特定演出Dは、大当たり結果を報知する演出であり、例えば、上図柄列Z1及び下図柄列Z3によるリーチ表示が行われた後、特定演出Cで敗北した敵キャラクタに戦士キャラクタが再び勝負を挑むリベンジバトル演出が行われるように構成されている(図167(d))。特定演出Dでは、上記リベンジバトル演出にて戦士キャラクタが勝利する結末が表示され、その後、図柄列Z1~Z3が大当たりの組み合わせで停止表示される。
把握した変動パターンが変動パターンY7又は変動パターンY9である場合は特定演出Eが実行されるように設定する。変動パターンY7は、第3時短遊技状態の最終遊技回(10回目の特図遊技回)で通常外れ結果になった場合に設定されるものであり、変動パターンY9は、第3時短遊技状態の最終遊技回で特殊外れ結果になった場合に設定されるものである。特定演出Eは、外れ結果と第3時短遊技状態の終了とを報知する演出であり、特定演出Dに関連するものとなっている。特定演出Eでは、リーチ表示後の上記リベンジバトル演出にて戦士キャラクタが敗北する結末が表示され(図167(d))、その後、図柄列Z1~Z3がリーチ外れの組み合わせで停止表示される。
把握した変動パターンが変動パターンY6又は変動パターンY8である場合は完全外れ演出が実行されるように設定する。変動パターンY6は、第3時短遊技状態の最終遊技回以外の遊技回(1回目~9回目の特図遊技回)で通常外れ結果になった場合に設定されるものであり、変動パターンY8は、第3時短遊技状態の最終遊技回以外の遊技回で特殊外れ結果になった場合に設定されるものである。
変動開始用処理(図166(a))の説明に戻り、ステップSb4602の実行後はステップSb4603にて、表示制御装置350への送信対象として停止結果コマンド及びパターンコマンドを送信する。パターンコマンドは、実行すべき遊技回用演出を指定する演出パターンコマンドである。表示制御装置350では、受信したコマンドに従い、指定された停止結果で各図柄列Z1~Z3の図柄が停止したり、指定された演出パターンで遊技回用演出が行われたりするように図柄表示装置75を制御する。ステップSb4603の実行後は変動開始用処理を終了する。
特図変動表示用処理(図165)の説明に戻り、ステップSb4501の変動開始用処理を実行した後はステップSb4502にて、現在の遊技状態が高確遊技状態又は第3時短遊技状態であるか否かを判定する。高確遊技状態又は第3時短遊技状態である場合は、ステップSb2704にて残り回数表示の更新用処理を実行する。残り回数表示の更新用処理では、第1時短遊技状態等の残り回数を更新したり、残り回数画像472の表示内容を更新したりする。ステップSb2704の実行後又はステップSb4502で否定判定した場合(高確遊技状態又は第3時短遊技状態でない場合)は、特図変動表示用処理を終了する。
<遊技状態の流れについて>
本変形例における遊技状態の流れについて図168を参照しながら説明する。先ずは通常遊技状態から第3時短遊技状態への流れについて図168(a)を参照しながら説明する。
通常遊技状態では左打ち遊技となり、主として第1作動口62への入賞を契機とする第1特図の当否抽選により遊技が行われる。通常遊技状態において第1特図の当否抽選結果が特殊外れ結果になった場合は、第3時短遊技状態Aに移行し、サポートモードが低頻度サポートモードから高頻度サポートモードに切り替えられる。高頻度サポートモードでは第2作動口63への入賞が可能又は容易となり、持ち球をあまり減らさないようにしながら遊技することができるほか、大当たり種別が優遇された種別抽選を受けることができる。よって、通常遊技状態では、特殊外れ結果となることで遊技者にとって有利な遊技状態に移行することになる。
第3時短遊技状態Aの上限回数(第5上限回数)は100回に設定されている。ここで、本変形例では、時短遊技状態の残り回数の更新が終了してから第3時短遊技状態の移行判定が行われるため、第3時短遊技状態への切り替えが行われた後、次の特図遊技回となってから残り回数を減算させることができる。よって、第3時短遊技状態Aに移行した後において、当該遊技状態を遊技可能な特図遊技回の回数として100回を好適に確保することができる。
以上のように、通常遊技状態において特殊外れ結果となった場合は遊技者にとって有利となるため、通常遊技状態では、大当たりだけでなく、特殊外れ結果となることも目指しながら遊技することが可能になる。
次に、第1時短遊技状態からの遊技状態の流れについて図168(b)を参照しながら説明する。
第1時短遊技状態では右打ち遊技となり、主として第2作動口63への入賞を契機とする第2特図の当否抽選により遊技が行われる。第1時短遊技状態において第2特図の当否抽選結果が大当たり結果になった場合は、開閉実行モードに移行する。この場合、図柄表示装置75では、特定演出Aを通じて大当たり結果が報知され、戦士キャラクタが敵キャラクタに勝利する結末のバトル演出とともに図柄列Z1~Z3が大当たりの組合せで停止表示される演出が実行される。
第1時短遊技状態において第2特図の当否抽選結果が特殊外れ結果になった場合は、第1時短遊技状態から第3時短遊技状態Bに移行する。その結果、時短遊技状態の残り回数が第3時短遊技状態Bの上限回数である第6上限回数(例えば10回)に変更される。この第6上限回数は、第1時短遊技状態の上限回数である第1上限回数(例えば1000回)よりもはるかに少ないため、時短遊技状態の残り回数が減少することになる。つまり、第1時短遊技状態への移行当初は、時短遊技状態での遊技が1000回まで許容されるものの、その途中で特殊外れ結果を引き当てた場合は残り10回までに減らされるものとなる。このため、第1時短遊技状態において特殊外れ結果になった場合は遊技者にとって不利となる。
また、第3時短遊技状態Bへの移行時は、その時点での第1時短遊技状態の残り回数にかかわらず、第3時短遊技状態の上限回数がその後の時短遊技状態の残り回数として設定される。そうすると、第2特図の当否抽選結果で特殊外れ結果となるのが第1時短遊技状態に移行してからの何回目の特図遊技回であろうが、時短遊技状態の残り回数は10回となるため、第1時短遊技状態に移行してからの遅い段階で特殊外れ結果となるほど、時短遊技状態の継続期間を長く延ばせることになる。このため、遊技者としては特殊外れ結果を全く引かないか、引いたとしてもできるだけ遅いタイミングとなることを期待しながら遊技することができる。
第1時短遊技状態において特殊外れ結果になった場合、図柄表示装置75では、特定演出Cを通じて特殊外れ結果が報知され、戦士キャラクタが敵キャラクタに敗北する結末のバトル演出とともに図柄列Z1~Z3がリーチ外れの組合せで停止表示される演出が実行される。また、図柄列Z1~Z3が停止表示された後、敗北した敵キャラクタとの勝負に再挑戦するリベンジバトル演出モードへの移行演出が実行される。
第1時短遊技状態において第2特図の当否抽選結果が通常外れ結果になった場合は、遊技状態の移行は生じず、第1時短遊技状態が維持される。この場合、図柄表示装置75では、完全外れ演出や各種リーチ外れ演出のほか、特定演出Bが実行される。
特定演出Bでは、戦士キャラクタと敵キャラクタが引き分ける結末のバトル演出とともに図柄列Z1~Z3がリーチ外れの組合せで停止表示される演出が実行される。この特定演出Bは、その結末が表示されるまでは、特定演出Aや特定演出Bとの識別が不可又は困難となるように構成されており、その途中段階では、大当たり結果かもしれないという期待感とともに、特殊外れ結果となって時短遊技状態の残り回数が減ってしまうかもしれないというドキドキ感を煽るものとなっている。
なお、特殊外れ結果の場合に実行される特定演出Cの結末を敗北とする一方で、通常外れ結果の場合に実行される特定演出Bの結末を引分けとし、前者を後者よりも不利な印象の演出とするのは、本変形例では、特図当否抽選の結果が通常外れ結果となるよりも特殊外れ結果となる方が遊技者にとって不利となるためである。
第3時短遊技状態Bにおいて第2特図の当否抽選結果が大当たり結果になった場合は、開閉実行モードに移行する。この場合、図柄表示装置75では、特定演出Dを通じて大当たり結果が報知され、戦士キャラクタが敵キャラクタに勝利する結末のリベンジバトル演出とともに図柄列Z1~Z3が大当たりの組合せで停止表示される演出が実行される。
なお、第3時短遊技状態Bにおいてリベンジバトル演出を行うのは、通常遊技状態に降格したわけではなく、残り10回の少ない数とはいえ、まだ時短遊技状態が継続していることに対応させたものである。このような構成とすることで、遊技者に対してチャンスが残されている印象を与え、落胆を軽減したり、奮起させたりすることができる。
第3時短遊技状態Bにおける1回目~9回目の特図遊技回で第2特図の当否抽選結果が通常外れ結果又は特殊外れ結果になった場合は、遊技状態の移行は生じず、第3時短遊技状態が維持される。この場合、図柄表示装置75では完全外れ演出が実行される。
第3時短遊技状態における最終遊技回(10回目の特図遊技回)で第2特図の当否抽選結果が通常外れ結果又は特殊外れ結果になった場合は、第3時短遊技状態が終了する。この場合、図柄表示装置75では、特定演出Eを通じて外れ結果及び第3時短遊技状態の終了が報知される。特定演出Eでは、戦士キャラクタが敵キャラクタに敗北する結末のリベンジバトル演出とともに図柄列Z1~Z3がリーチ外れの組合せで停止表示される演出が実行される。
また、それらの演出後、その特図遊技回では、時短遊技状態で実行した特図遊技回のトータル回数(第1時短遊技状態及び第3時短遊技状態を通じて実行した特図遊技回の総数)を報知する回数報知演出を実行する。当該演出を視認することで、今回の時短遊技状態での実績を遊技者が把握することが可能になる。
以上詳述した本変形例によれば、以下の優れた効果を奏することができる。
第1時短遊技状態である状況で特殊外れ結果になった場合に第3時短遊技状態への移行を許容する構成とした上で、第3時短遊技状態に移行せずに第1時短遊技状態が継続されるよりも第3時短遊技状態に移行する方が遊技者にとって不利となるように構成した。
この構成によれば、開閉実行モードを経て第1時短遊技状態に移行した場合に、その後の遊技展開によっては不利な状態に降格してしまうかもしれないスリルを味合わせることができ、大当たり結果への当選を目指すだけに留まらない面白み付加することができる。しかしながら、そのようなスリルを提供できる反面、不利な状態に降格した場合の遊技者の落胆があまりにも激しいと、その後の遊技意欲を減衰させてしまい、逆効果となる懸念がある。この点、本構成では、残り回数が少ない第3時短遊技状態への移行により不利な状態への降格が果たされるため、そのような降格が生じた場合でも時短遊技状態の中で大当たりを引き当てるチャンスを残すことができる。これにより、通常遊技状態に移行してしまう場合に比べて遊技者の落胆を軽減することができる。特に第2特図の当否抽選で大当たり結果となった場合の種別判定が第1特図の場合よりも優遇されている構成にあっては、不利な状態に降格しても第2特図での遊技期間が確保されるため、上記効果を良好に発揮させることができる。よって、遊技意欲が大きく損なわれることを抑制しながら、上記スリルを味合わうことができる遊技を提供することが可能になる。
第1時短遊技状態である状況で特殊外れ結果になった場合に、その時点での第1時短遊技状態の残り回数にかかわらず、時短遊技状態の残り回数として一律に第3時短遊技状態の上限回数を設定する構成とした。
この構成によれば、第1時短遊技状態において特殊外れ結果となるタイミングが遅くなるほど、時短遊技状態を遊技できるトータルの回数が多くなり、遊技者にとって有利となる。これにより、第1時短遊技状態での遊技を進めるにあたって特殊外れ結果への当選を回避する面白みを増強することができ、遊技の興趣性を高めることが可能になる。
第1時短遊技状態である場合にその残り回数を非明示とする構成とした。
例えば、第1時短遊技状態の残り回数を明示する構成であると、特殊外れ結果となる前の残り回数が何回であったのかを遊技者が把握できるため、特殊外れ結果となり、時短遊技状態の残り回数として第3時短遊技状態の上限回数が設定された場合に、結果的に何回分が減少したのかを遊技者が簡単に特定できるようになる。この点、第1時短遊技状態の残り回数を非明示することで、特殊外れ結果となる前の残り回数を遊技者が把握できない又は把握しにくくすることができる。これにより、第3時短遊技状態に移行した場合の残り回数の減少分を遊技者が特定しにくくなり、仮に当該減少分が大きくなる場合でも遊技者が大きく落胆して遊技意欲が低下してしまうことを抑制できる。
上記の際、第3時短遊技状態に移行した場合には残り回数を明示する構成とした。これにより、第3時短遊技状態に移行したことや、第3時短遊技状態に移行してからの時短遊技状態の残り回数を遊技者が容易に把握することができる。
なお、本変形例では、第1時短遊技状態を1種類のみとしたが、第1時短遊技状態の残り回数を非明示とし、特殊外れ結果となる前の残り回数を遊技者が把握しにくくする上では、上限回数の異なる複数種類の第1時短遊技状態を備えることが好ましい。このような構成とすることで、第1時短遊技状態のそもそもの上限回数を遊技者が把握又は予測しにくくなり、上記効果をより好適に発揮させることができる。その際、さらにそれら各第1時短遊技状態を遊技者が判別できない又は判別することが困難な構成とすることで、上記効果を一層強化することが可能になる。
外れ結果について特殊外れ結果と通常外れ結果とを設け、特図当否抽選の結果が特殊外れ結果となることにより不利な状態への降格(第3時短遊技状態への移行)が生じる構成とした。
この構成によれば、不利な状態に降格するか否かが毎回の遊技回で判定される構成とすることができる。これにより、上記降格が発生するかもしれないスリルを各回の遊技回で味合わせることができ、そのようなスリルを楽しむ遊技を強化することが可能になる。
通常遊技状態においても特殊外れ結果への当選が生じ得るとともに、特殊外れ結果になった場合には第3時短遊技状態に移行させる構成とすることで、通常遊技状態中に特殊外れ結果となった場合には、第1時短遊技状態中に特殊外れ結果となった場合とは異なり、遊技者にとって有利となるように構成した。
この構成によれば、同じ特殊外れ結果への当選であっても成立させたときの遊技状態によって有利不利が逆転するため、意外性を付与することができる。また、特殊外れ結果についてその成立を回避するだけの遊技に固定化されることを抑制でき、遊技の多様化を図ることが可能になる。
その際、通常遊技状態で特殊外れ結果になった場合に移行する第3時短遊技状態の上限回数を、第1時短遊技状態で特殊外れ結果になった場合に移行する第3時短遊技状態の上限回数よりも多くした。これにより、通常遊技状態から移行する第3時短遊技状態の優位性を際立たせることができ、通常遊技状態において特殊外れ結果への当選を目指す面白みを増強することが可能になる。
<変形例5>
本変形例では、第1時短遊技状態中に特殊外れ結果になった場合に第1時短遊技状態と第3時短遊技状態とのいずれを優先させるかを判定するように構成されている。以下、本変形例の構成について図169~図177を参照しながら説明する。
<特図遊技回の当否テーブル>
本変形例に係る第1特図用の当否テーブル(低確率モード用)と、第2特図用の当否テーブル(低確率モード用)と、第1特図及び第2特図用の当否テーブル(高確率モード用)とについて図169を参照しながら説明する。これら各当否テーブルは、ROM313の当否テーブル記憶エリア313aに記憶されている。
第1特図用の当否テーブル(低確率モード用)は、抽選モードが低確率モードである状況で第1作動口62への入賞に基づく当否抽選を行う場合に参照されるものある。この第1特図用の当否テーブル(低確率モード用)では、図169(a)に示すように、大当たりとなる乱数の値(大当たり乱数カウンタC1の値)として「0」~「9」の計10個が設定され、低確率モードでの大当たり当選確率は1/300に設定されている。その他の乱数値は通常外れ結果に割り当てられており、低確率モードでの通常外れ結果となる確率は2990/3000に設定されている。なお、第1特図用の当否テーブル(低確率モード用)では、抽選結果として特殊外れ結果が設定されていない。
第2特図用の当否テーブル(低確率モード用)は、抽選モードが低確率モードである状況で第2作動口63への入賞に基づく当否抽選を行う場合に参照されるものある。この第2特図用の当否テーブル(低確率モード用)では、図169(b)に示すように、大当たりとなる乱数の値(大当たり乱数カウンタC1の値)として「0」~「9」の計10個が設定され、低確率モードでの大当たり当選確率は1/300に設定されている。また、特殊外れ結果となる乱数の値として「10」~「39」の計30個が設定され、低確率モードでの特殊外れ結果となる確率は1/100に設定されている。その他の乱数値は通常外れ結果に割り当てられており、低確率モードでの通常外れ結果となる確率は2960/3000に設定されている。
第1特図及び第2特図用の当否テーブル(高確率モード用)は、抽選モードが高確率モードである状況で第1作動口62又は第2作動口63への入賞に基づく当否抽選を行う場合に参照されるものある。この第1特図及び第2特図用の当否テーブル(高確率モード用)では、図169(c)に示すように、大当たりとなる乱数の値として「0」~「49」の計50個が設定され、高確率モードでの大当たり当選確率は1/60に設定されている。なお、第1特図及び第2特図用の当否テーブル(高確率モード用)では、抽選結果として特殊外れ結果が設定されておらず、大当たり用の乱数値以外はいずれも通常外れ結果に割り当てられている。通常外れ結果となる確率は59/60に設定されている。
<特図遊技回の種別テーブル>
本変形例に係る特図遊技回の種別テーブルについて図170を参照しながら説明する。
大当たり種別テーブルとしては、第1特図用の大当たり種別テーブル(図170(a))と第2特図用の大当たり種別テーブル(図170(b))とが設定されている。
図170(a)に示すように、第1特図用の大当たり種別テーブルでは、選択可能な大当たり種別として4R確変大当たり結果と4R通常大当たり結果Aと4R通常大当たり結果Bとが設定されている。これらの大当たり結果はいずれも実行されるラウンド遊技の回数が4回となるものである。
4R確変大当たり結果は、開閉実行モードの終了後、高確遊技状態(高確率モード且つ高頻度サポートモード)に移行する大当たり結果である。この場合の高確遊技状態は、開閉実行モード後の遊技回の実行回数が予め定められた第1上限回数(例えば100回)に達するまで継続される。第1上限回数に達した場合は、高確遊技状態が終了して通常遊技状態(低確率モード且つ低頻度サポートモード)に移行する。
4R通常大当たり結果Aは、開閉実行モードの終了後、第1時短遊技状態(低確率モード且つ高頻度サポートモード)に移行する大当たり結果である。この場合の第1時短遊技状態は、開閉実行モード後の遊技回の実行回数が予め定められた第2上限回数(例えば70回)に達するまで継続される。第2上限回数に達した場合は、第1時短遊技状態が終了して通常遊技状態に移行する。
4R通常大当たり結果Bは、開閉実行モードの終了後、第1時短遊技状態に移行する大当たり結果である。この場合の第1時短遊技状態は、開閉実行モード後の遊技回の実行回数が第2上限回数よりも多い第3上限回数(例えば100回)に達するまで継続される。第3上限回数に達した場合は、第1時短遊技状態が終了して通常遊技状態に移行する。
第1特図用の大当たり種別テーブルでは、大当たり種別カウンタC2の「0」~「69」が4R確変大当たり結果に対応し、「70」~「89」が4R通常大当たり結果Aに対応し、「90」~「99」が4R通常大当たり結果Bに対応している。すなわち、4R確変大当たり結果に振り分けられる確率は70%、4R通常大当たり結果Aに振り分けられる確率は20%、4R通常大当たり結果Bに振り分けられる確率は10%に設定されている。
図170(b)に示すように、第2特図用の大当たり種別テーブルでは、選択可能な大当たり種別として10R確変大当たり結果と10R通常大当たり結果Aと10R通常大当たり結果Bとが設定されている。これらの大当たり結果はいずれも実行されるラウンド遊技の回数が10回となるものである。
10R確変大当たり結果は、開閉実行モードの終了後、高確遊技状態に移行する大当たり結果である。この場合の高確遊技状態は、開閉実行モード後の遊技回の実行回数が予め定められた第4上限回数(例えば100回)に達するまで継続される。
10R通常大当たり結果Aは、開閉実行モードの終了後、第1時短遊技状態に移行する大当たり結果である。この場合の第1時短遊技状態は、開閉実行モード後の遊技回の実行回数が予め定められた第5上限回数(例えば70回)に達するまで継続される。
10R通常大当たり結果Bは、開閉実行モードの終了後、第1時短遊技状態に移行する大当たり結果である。この場合の第1時短遊技状態は、開閉実行モード後の遊技回の実行回数が第5上限回数よりも多い第6上限回数(例えば100回)に達するまで継続される。
第2特図用の大当たり種別テーブルでは、大当たり種別カウンタC2の「0」~「69」が10R確変大当たり結果に対応し、「70」~「89」が10R通常大当たり結果Aに対応し、「90」~「99」が10R通常大当たり結果Bに対応している。すなわち、10R確変大当たり結果に振り分けられる確率は70%、10R通常大当たり結果Aに振り分けられる確率は20%、10R通常大当たり結果Bに振り分けられる確率は10%に設定されている。
なお、本変形例では、特殊外れ用の種別テーブルは設定されていない。すなわち、第2特図における特殊外れ結果の種別は1種類となっている。特殊外れ結果となった場合には、開閉実行モードを介することなく第3時短遊技状態(低確率モード且つ高頻度サポートモード)に移行する。本変形例での第3時短遊技状態は、図170(c)に示すように、第3時短遊技状態に移行してからの特図遊技回の実行回数が上記第2上限回数(例えば70回)、第3上限回数(例えば100回)、第5上限回数(例えば70回)及び第6上限回数(例えば100回)よりも少ない第7上限回数(例えば50回)に達するまで継続される。
<第3時短遊技状態移行用処理>
本変形例に係る第3時短遊技状態移行用処理について図171のフローチャートを参照しながら説明する。この処理は、主制御装置162による特図遊技回制御処理(図145)のステップSb3202で実行されるものであり、図148の第3時短遊技状態移行用処理に代えて実行されるものである。図171において図148と同様の処理については同一のステップ番号を付し、その説明を省略又は簡略化する。なお、本変形例においても、ステップSb511の高頻度サポートモード更新・終了用処理が実行された後に第3時短遊技状態移行用処理が実行される。
先ずステップSb3401では、RAM314の各種フラグ格納エリア314eに特殊外れフラグがセットされているか否かを判定する。特殊外れフラグがセットされている場合、すなわち、今回の特図当否抽選の結果が特殊外れ結果である場合には、ステップSb3402に進み、上記各種フラグ格納エリア314eに高確率フラグがセットされているか否かを判定する。
高確率フラグがセットされていない場合には、ステップSb4801にて、上記各種フラグ格納エリア314eに第3サポートフラグがセットされているか否かを判定する。第3サポートフラグは、第3時短遊技状態であることをMPU312が把握するためのものである。
第3サポートフラグがセットされていない場合、すなわち、第3時短遊技状態でない場合には、ステップSb4802にて上記各種フラグ格納エリア314eに第1サポートフラグがセットされているか否かを判定する。第1サポートフラグは、第1時短遊技状態であることをMPU312が把握するためのものである。
第1サポートフラグがセットされている場合、すなわち、第1時短遊技状態である場合は、ステップSb4803に進み、特殊外れ結果への当選を契機として移行する第3時短遊技状態の上限回数が第1時短遊技状態における現在の残り回数よりも多いか否かを判定する。具体的には、RAM314のサポートカウンタエリアSCの値を参照して、滞在中の第1時短遊技状態における現在の残り回数を把握し、その把握した残り回数よりも第3時短遊技状態の上限回数(第7上限回数)の方が多いか否かを判定する。本変形例では、第3時短遊技状態の第7上限回数を50回としているところ、サポートカウンタエリアSCの値が50以下である場合は本ステップを肯定判定し、50よりも大きい場合は本ステップを否定判定する。
第3時短遊技状態の上限回数が第1時短遊技状態における現在の残り回数よりも多い場合は、第3時短遊技状態を現在の第1時短遊技状態よりも優先して適用すべく、ステップSb4804~ステップSb3408の処理を実行する。
ステップSb4804では、上記各種フラグ格納エリア314eにセットされている第1サポートフラグをクリアする。これにより、第1時短遊技状態が終了する。続くステップSb4805では、上記各種フラグ格納エリア314eに第3サポートフラグをセットする。これにより、第3時短遊技状態に移行する。
ステップSb4806では、RAM314のサポートカウンタエリアSCに第7上限回数(例えば50回)に対応した値をセットする。その際、その時点でのサポートカウンタエリアSCの値(第1時短遊技状態の残り回数)にかかわらず、第7上限回数に対応した値に書き換える。このため、第1時短遊技状態中のいずれのタイミングで第3時短遊技状態に移行しても、第3時短遊技状態に移行してからの時短遊技状態(低確率モード且つ高頻度サポートの状態)の残り回数は第7上限回数になる。
ステップSb3408では、演出制御装置143への送信対象として第3時短遊技状態開始コマンドを設定する。これにより、第3時短遊技状態への移行が演出制御装置143に通知される。
ステップSb4803で否定判定した場合(第3時短遊技状態の上限回数が第1時短遊技状態における現在の残り回数よりも少ない場合)は、現在の第1時短遊技状態を第3時短遊技状態よりも優先して適用する。具体的には、ステップSb4804~ステップSb3408の処理を行うことなく、第3時短遊技状態移行用処理を終了する。
このように本変形例では、特殊外れ結果になった場合に第3時短遊技状態の上限回数と第1時短遊技状態の残り回数とを比較し、回数が多い側の時短遊技状態を優先するように構成されている。例えば、常に第3時短遊技状態に移行させる構成であると、第1時短遊技状態の残り回数よりも第3時短遊技状態の上限回数が少ない状況では、第3時短遊技状態への移行により時短遊技状態の残り回数が実質的に減少することになる。すなわち、遊技者にとって不利な状態への移行となるが、本変形例によれば、そのような不利状態への移行を抑制することが可能になる。
なお、本変形例では、第1時短遊技状態として上限回数の異なる複数種類の第1時短遊技状態を有しているところ、第1時短遊技状態において第3時短遊技状態との優先順位が反転する遊技回数は、第1時短遊技状態の種別ごとに相違する。具体的には、4R通常大当たり結果Aへの当選を契機として移行する第1時短遊技状態A(上限回数が70回の第1時短遊技状態)では、1回目~20回目の特図遊技回で特殊外れ結果になると第1時短遊技状態Aの継続が優先され、21回目以降は第3時短遊技状態への移行が優先される。また、4R通常大当たり結果Bへの当選を契機として移行する第1時短遊技状態B(上限回数が100回の第1時短遊技状態)では、1回目~50回目の特図遊技回で特殊外れ結果になると第1時短遊技状態Bの継続が優先され、51回目以降は第3時短遊技状態への移行が優先される。
このような関係は、10R通常大当たり結果Aへの当選を契機として移行する第1時短遊技状態と、10R通常大当たり結果Bへの当選を契機として移行する第1時短遊技状態とにおいても同様である。
ステップSb4802で否定判定した場合(第1サポートフラグがセットされていない場合)、すなわち、通常遊技状態中である場合は、ステップSb4807にて普図終了用処理を実行する。この処理は、図119の第2時短遊技状態移行用処理におけるステップSb1411~ステップSb1415の処理と同様のものである。その際、特図遊技回では、確定表示時間として通常確定表示時間よりも長い特定確定表示時間を設定するが(図149)、この特定確定表示時間は、上記第2の実施の形態のように、強制終了される普図遊技回の確定表示時間(例えば0.5sec)よりも長い時間(例えば0.8sec)としてもよいし、上記変形例2のように、強制終了される普図遊技回の確定表示時間と、第2時短遊技状態に対応した普図遊技回の変動表示期間(例えば0.5sec)と、第2時短遊技状態に対応した普図遊技回の確定表示時間(例えば0.5sec)との合計期間(例えば1.5sec)よりも長い時間(例えば4sec)としてもよい。
ステップSb4807の実行後は、ステップSb4805に進み、第3サポートフラグをセットする処理を実行する。その後、ステップSb4806以降の処理を実行する。
ステップSb4801で肯定判定した場合(第3サポートフラグがセットされている場合)は、ステップSb4802~ステップSb3408の処理を実行することなく、第3時短遊技状態移行用処理を終了する。すなわち、第3時短遊技状態で特殊外れ結果になっても第3時短遊技状態への再移行が制限され、その時点での残り回数が維持される。
<特図遊技回の変動表示時間テーブル>
主制御装置162にて行う特図遊技回制御処理や変動開始処理については上記変形例3の場合(図145、図146)と同様であるが、上記のとおり本変形例では、第1時短遊技状態で特殊外れ結果になった場合に第1時短遊技状態の継続と第3時短遊技状態への移行とのいずれを優先するかを判定するように構成されており、それに合わせて変動表示時間テーブルが設定されている。以下、本変形例に係る変動表示時間テーブルについて図172及び図173を参照しながら説明する。
本変形例での変動表示時間テーブルとしては、少なくとも、第2特図における特殊外れ用の変動表示時間テーブル(第1時短遊技状態A用)と、第2特図における特殊外れ用の変動表示時間テーブル(第1時短遊技状態B用)と、第2特図における通常外れ用の変動表示時間テーブル(第1時短遊技状態A用)と、第2特図における通常外れ用の変動表示時間テーブル(第1時短遊技状態B用)とが設定されている。
第2特図における特殊外れ用の変動表示時間テーブル(第1時短遊技状態A用)は、第1時短遊技状態A(上限回数が70回の第1時短遊技状態)である状況で第2特図での当否抽選の結果が特殊外れ結果になった場合に参照されるものである。この変動表示時間テーブルでは、特殊外れ結果になったときの状況が第1時短遊技状態Aの継続が優先される状況である場合と第3時短遊技状態への移行が優先される状況である場合とで変動パターンの選択態様が異なるように構成されている。
具体的には、図172(a)に示すように、第1時短遊技状態Aの継続が優先される1回目~20回目の特図遊技回では変動パターンW1(例えば8sec又は4sec)が選択され、第3時短遊技状態への移行が優先される21回目~70回目の特図遊技回では変動パターンW2(例えば15sec)が選択されるように構成されている。変動パターンW1は完全外れ演出に対応し、変動パターンW2は特殊リーチ外れA演出に対応している。すなわち、変動パターンW1に対応する変動開始コマンドが演出制御装置143に送信された場合、図柄表示装置75では遊技回用演出として完全外れ演出が実行され、変動パターンW2に対応する変動開始コマンドが演出制御装置143に送信された場合、図柄表示装置75では遊技回用演出として特殊リーチ外れA演出が実行される。
特殊リーチ外れA演出は上記変形例3に係る特殊リーチ外れ演出と同様のものである。すなわち、図174(a)、(b)に示すように、上図柄列Z1及び下図柄列Z3によるリーチ表示を行った後、特殊図柄479を含む状態で中図柄列Z2を低速変動表示させ、その後、リーチライン上に特殊図柄479を停止表示させるように構成されている。特殊リーチ外れA演出が行われた後は、上記第2の実施の形態と同様の上乗せ演出(図130(c))が実行される。その際に報知される上乗せ回数は、第3時短遊技状態の上限回数(第7上限回数)である50回である。
第2特図における特殊外れ用の変動表示時間テーブル(第1時短遊技状態B用)は、第1時短遊技状態B(上限回数が100回の第1時短遊技状態)である状況で第2特図での当否抽選の結果が特殊外れ結果になった場合に参照されるものである。この変動表示時間テーブルにおいても、特殊外れ結果になったときの状況が第1時短遊技状態Bの継続が優先される状況である場合と第3時短遊技状態への移行が優先される状況である場合とで変動パターンの選択態様が異なるように構成されている。具体的には、図172(b)に示すように、第1時短遊技状態Bの継続が優先される1回目~50回目の特図遊技回では変動パターンW1が選択され、第3時短遊技状態への移行が優先される51回目~100回目の特図遊技回では変動パターンW2が選択されるように構成されている。
第2特図における通常外れ用の変動表示時間テーブル(第1時短遊技状態A用)は、第1時短遊技状態Aである状況で第2特図での当否抽選の結果が通常外れ結果になった場合に参照されるものである。この変動表示時間テーブルでは、図173(a)に示すように、第1時短遊技状態Aに移行してからの特図遊技回の実行回数によって変動パターンの選択態様が異なるように構成されている。
具体的には、1回目~20回目の特図遊技回では、変動パターン21H~変動パターン24Hのいずれかが選択される。変動パターン21H~変動パターン24Hは、図113(d)の変動パターン21H~変動パターン24Hと同様のものである。また、21回目~60回目の特図遊技回では、変動種別カウンタCSの値が「0」~「79」である場合に変動パターン21H~変動パターン24Hのいずれかが選択され、変動種別カウンタCSの値が「80」~「99」である場合に変動パターンW3(例えば14sec)が選択される。
変動パターンW3は特殊リーチ外れB演出に対応するものである。特殊リーチ外れB演出は、特殊リーチ外れA演出との対をなす所謂ガセ演出であり、特殊外れへの期待感を煽った上で特殊外れ組合せとは異なる組合せで図柄列Z1~Z3を停止表示させるものである。具体的には、図174(a)、(c)に示すように、上図柄列Z1及び下図柄列Z3によるリーチ表示を行った後、特殊図柄479を含む状態で中図柄列Z2を低速変動表示させ、その後、リーチライン上に特殊図柄479が停止しないようにして中図柄列Z2を停止表示させるように構成されている。
61回目~70回目の特図遊技回では、変動種別カウンタCSの値が「0」~「39」である場合に変動パターン21H~変動パターン24Hのいずれかが選択され、変動種別カウンタCSの値が「40」~「99」である場合に変動パターンW3が選択される。21回目~60回目の特図遊技回の場合と比較すると、変動パターンW3の比率が高くなっている。すなわち、61回目~70回目の特図遊技回では、21回目~60回目の特図遊技回よりも特殊リーチ外れB演出が実行されやすくなっており、特殊外れ(第3時短遊技状態)への煽りが強められるようになっている。
なお、1回目~20回目の特図遊技回は、第1時短遊技状態Aにおいて特殊外れ結果になっても第3時短遊技状態に移行しない状況であり、21回目~60回目は第1時短遊技状態Aの中盤に相当し、69~70回目は第1時短遊技状態Aの終盤に相当するものである。ちなみに、1回目~20回目の特図遊技回で選択可能な変動パターンには変動パターンW3が含まれておらず、これらの特図遊技回では特殊リーチ外れB演出が実行されない。
第2特図における通常外れ用の変動表示時間テーブル(第1時短遊技状態B用)は、第1時短遊技状態Bである状況で第2特図での当否抽選の結果が通常外れ結果になった場合に参照されるものである。この変動表示時間テーブルでも、図173(b)に示すように、第1時短遊技状態Aに移行してからの特図遊技回の実行回数によって変動パターンの選択態様が異なるように構成されている。
このうち1回目~70回目の特図遊技回での選択態様は、図173(a)の第2特図における通常外れ用の変動表示時間テーブル(第1時短遊技状態A用)の場合と同様である。すなわち、第1時短遊技状態Bにおいて1回目~70回目の特図遊技回では、第1時短遊技状態Aの場合と同態様の抽選テーブルを用いて変動パターンが選択される。このため、変動表示時間(遊技回用演出)の選択傾向が第1時短遊技状態Aのときと似通りやすくなる。これにより、第1時短遊技状態A又は第1時短遊技状態Bのいずれであるか(換言すれば、滞在中の第1時短遊技状態の上限回数がいくつであるか)を、変動表示時間や遊技回用演出の挙動から遊技者が判別することが不可又は困難となっている。
なお、変動パターンの選択態様を必ずしも完全同一とする必要はなく、同程度の選択態様を有するものであってもよい。例えば、第1時短遊技状態B用の変動表示時間テーブルにおいて、61~70回目の特図遊技回では変動パターンW3の選択比率が高くなるなど、第1時短遊技状態A用の変動表示時間テーブルと共通の傾向を持たせているなどすれば、細かい選択確率や対象遊技回等が相違するものであってもよい。
図173(b)に示すように、71回目~90回目の特図遊技回では、変動種別カウンタCSの値が「0」~「79」である場合に変動パターン21H~変動パターン24Hのいずれかが選択され、変動種別カウンタCSの値が「80」~「99」である場合に変動パターンW3が選択される。また、91回目~100回目の特図遊技回では、変動種別カウンタCSの値が「0」~「39」である場合に変動パターン21H~変動パターン24Hのいずれかが選択され、変動種別カウンタCSの値が「40」~「99」である場合に変動パターンW3が選択される。すなわち、第1時短遊技状態Bの場合も終盤において特殊リーチ外れB演出が実行されやすくなり、特殊外れ(第3時短遊技状態)への煽りが強められるようになっている。
<遊技状態の流れについて>
本変形例における遊技状態の流れについて説明する。先ずは第1時短遊技状態A(上限回数が70回の第1時短遊技状態)である状況で特図当否抽選の結果が特殊外れ結果となった場合について図175を参照しながら説明する。
特殊外れ結果への当選を契機として移行する第3時短遊技状態の上限回数は50回に設定されているところ、第1時短遊技状態Aに移行してからの特図遊技回の回数が1回目~20回目においては、第3時短遊技状態の上限回数よりも第1時短遊技状態Aの残り回数の方が多くなり、上記特図遊技回の回数が21回目~70回目においては、第1時短遊技状態Aの残り回数よりも第3時短遊技状態の上限回数の方が多くなる。
ここで、本変形例では、第1時短遊技状態中に特殊外れ結果となって第3時短遊技状態への移行契機が成立した場合に、第1時短遊技状態Aの継続と第3時短遊技状態への移行とのうち、時短遊技状態(低確率モード且つ高頻度サポートモードの状態)の残り回数が多くなる側(遊技者にとって有利となる側)が優先されるように構成されている。このため、図175(a)、(b)に示すように、1回目~20回目の特図遊技回で特殊外れ結果になった場合は第1時短遊技状態Aが継続され、21回目~70回目の特図遊技回で特殊外れ結果になった場合は第3時短遊技状態に移行する。
第3時短遊技状態に移行した際、時短遊技状態の残り回数は、その時点での第1時短遊技状態Aの残り回数にかかわらず、第3時短遊技状態の残り回数に変更される。このため、例えば30回目の特図遊技回で特殊外れ結果になった場合には、その時点から50回分の時短遊技状態が設定されることになり(図175(c)、(d))、同様に、例えば65回目の特図遊技回で特図遊技回で特殊外れ結果になった場合も、その時点から50回分の時短遊技状態が設定されることになる(図175(e)、(f))。但し、第1時短遊技状態Aと第3時短遊技状態との両方を踏まえた遊技回のトータル回数は、前者の場合が80回となるのに対して後者の場合は115回となる。つまり、第3時短遊技状態への移行が許容される21回目~70回目の特図遊技回においては、特殊外れ結果となる特図遊技回が遅くなるほど、時短遊技状態を遊技できる特図遊技回のトータル回数が多くなり、遊技者にとって有利となる。
その反面、第1時短遊技状態Aには上限回数が設定されており、第3時短遊技状態への移行機会が無期限に確保されているわけではない。特に本変形例では、通常遊技状態である場合には、第2作動口63への入賞が制限される結果、第1作動口62に入賞させて大当たり当選を狙う遊技形態となり、第1作動口62への入賞により行われる第1特図の当否抽選では、その結果種別に特殊外れ結果が含まれていない。このため、第3時短遊技状態への移行が生じないまま第1時短遊技状態Aが終了した場合には、第3時短遊技状態への移行機会が消失することになる。この場合、時短遊技状態を遊技できる特図遊技回のトータル回数は70回となり、結果的に特殊外れ結果になった場合よりもトータル回数が少なく留まることになる。
つまり、第1時短遊技状態Aの終盤に近付くほど、特殊外れ結果に当選した場合の利益が大きくなるものの、その分、そのまま第1時短遊技状態Aが終了して残り回数を増やせないリスクも高まることになる。これにより、特殊外れ結果の当選タイミングが早いよりも遅いことを願う期待感と、第1時短遊技状態Aの終了前に特殊外れ結果を引き当てなければならない焦燥感とのせめぎ合いの中で遊技を楽しませることができ、第1時短遊技状態Aにおける遊技の興趣性を高めることが可能になる。
なお、本変形例では、時短遊技状態の残り回数の更新が終了してから第3時短遊技状態の移行判定が行われるため、第1時短遊技状態Aから第3時短遊技状態に切り替えられた場合において、当該切り替えが行われた後、次の特図遊技回となってから残り回数を減算させることができる。よって、第3時短遊技状態に移行してからの残り回数として50回を好適に確保することができる。
次に、第1時短遊技状態B(上限回数が100回の第1時短遊技状態)も踏まえた遊技状態の流れについて図176及び図177を参照しながら説明する。
本変形例では、大当たり結果への当選を契機として移行する第1時短遊技状態の種別として、上述した第1時短遊技状態Aのほか、第1時短遊技状態Bが設定されている。この第1時短遊技状態Bでは、上限回数が第1時短遊技状態Aよりも多い100回とされるため、特殊外れ結果になった場合に第3時短遊技状態への移行が生じる特図遊技回の範囲が第1時短遊技状態Aとは異なるものとなる。具体的には、1回目~50回目の特図遊技回で特殊外れ結果になっても第3時短遊技状態に移行せず、51回目~100回目の特図遊技回で特殊外れ結果になると、第3時短遊技状態に移行して残り回数が50回に書き換えられる(図176(c)、(d))。
例えば、第1時短遊技状態Aのみが設定され、特殊外れ結果になった場合に第3時短遊技状態への移行が生じる特図遊技回の範囲が固定化される構成であると、どのタイミングで特殊外れ結果を引き当てれば自身にとっての利益度が高くなるのかを遊技者が事前に把握できてしまい、他の遊技回への関心が薄れてしまうおそれがある。この点、本変形例では、特殊外れ結果になった場合に第3時短遊技状態への移行が生じる特図遊技回の範囲が多様化されるため、どのタイミングで特殊外れ結果を引き当てれば遊技者にとっての利益度が高くなるのかが一律に定まらなくなる。これにより、各回の第1時短遊技状態において遊技者の関心が同じ遊技回に集中することが抑制され、第1時短遊技状態の全体を通して遊技への注目度を高めることが可能になる。
ここで、本変形例においては、遊技者が第1時短遊技状態Aと第1時短遊技状態Bとを判別することが不可又は困難となるように構成されている。具体的には、既に説明したように変動表示時間(変動表示パターン)の選択態様が第1時短遊技状態Aと第1時短遊技状態Bとで共通化されているほか、それら各時短遊技状態に移行する場合の開始演出として共通の演出が実行されるように構成されている。
例えば、図128(b)に示すように、開始演出において「チャンスタイム」等のタイトル画像473とともに残り回数画像472を図柄表示装置75に表示する構成の場合には、第1時短遊技状態Aと第1時短遊技状態Bとの双方において同じ内容のタイトル画像473及び残り回数画像472を表示する。つまり、移行した第1時短遊技状態が第1時短遊技状態Bである場合にも、初期の残り回数としては第1時短遊技状態Aの場合と同じ回数を報知する。
残り回数画像472については、開始演出時だけでなく、第1時短遊技状態Bにおけるその後の特図遊技回においても、第1時短遊技状態Aの場合と同じ表示内容となる。なお、第1時短遊技状態Bである場合において特図遊技回の回数が70回目に達した場合には、所定の上乗せ演出(例えば、図130(c)の上乗せ演出)を実行する。これにより、第1時短遊技状態Aとの差分(30回)に対応した回数の残り回数の増加を報知し、実際の残り回数との整合を図る。
その他、図柄表示装置75の表示画面Gにおける背景画像として通常遊技状態用とは異なる第1時短遊技状態用の背景画像を設定する構成の場合は、当該背景画像を第1時短遊技状態Aと第1時短遊技状態Bとで共通化してもよい。また、図柄列Z1~Z3における各図柄の表示態様を遊技状態の種別に応じて複数種設定する構成の場合は、第1時短遊技状態Aと第1時短遊技状態Bとで同じ表示態様の各図柄を表示する構成としてもよい。
なお、第1時短遊技状態Aと第1時短遊技状態Bとの判別を不可又は困難とするにあたっては、必ずしも上記各構成の全てを実施する必要はなく、それらのうちの少なくとも1つを実施すればよい。
上記のように、上限回数が異なる複数種類の第1時短遊技状態を備えることにより、特殊外れ結果になった場合に第3時短遊技状態への移行が生じる特図遊技回の範囲が一律に定まらず、それら各第1時短遊技状態の判別が不可又は困難となっていることで、次のように、第1時短遊技状態に移行してからの特図遊技回の回数に応じた多様な楽しみ方を付与することができる。
先ず1回目~20回目の特図遊技回が行われるゾーンA(図176(e))は、開閉実行モード後に移行した第1時短遊技状態が第1時短遊技状態A又は第1時短遊技状態Bのいずれであっても、特殊外れ結果に当選した場合に第3時短遊技状態への移行が生じない状態となる。このゾーンAでは、残り回数の上乗せが発生しないため、遊技者としては大当たり結果になることだけを目指して楽しめる状態となる。これに合わせ、図柄表示装置75にて行われる遊技回用演出では、特殊外れ結果への当選(上乗せの発生)を報知する特殊リーチ外れA演出と、そのガセ演出である特殊リーチ外れB演出とのいずれも実行しない(図172、図173)。
21回目~50回目の特図遊技回が行われるゾーンB(図176(e))は、移行した第1時短遊技状態が第1時短遊技状態Aであった場合には、特殊外れ結果への当選により第3時短遊技状態に移行し、第1時短遊技状態Bであった場合には、特殊外れ結果に当選しても第3時短遊技状態への移行が生じない状態となる。このため、ゾーンBは、残り回数の上乗せが発生することで、第1時短遊技状態Aが確定するゾーンとなる。
その結果、遊技者からすると、上乗せが発生することにより、時短遊技状態を遊技できる特図遊技回のトータル回数が第1時短遊技状態Aの上限回数よりも多くなるものの、逆に上乗せが発生しないことで、時短遊技状態を遊技できる特図遊技回のトータル回数としてより多くの回数を狙うことができる第1時短遊技状態Bの可能性が残る状態となる。よって、トータル回数がどの程度増えたかまでは問わず、トータル回数が増えることを期待する遊技者にとっては、大当たり結果になることや特殊外れ結果になることを目指して楽しめる状態となる。また、トータル回数が少しでも多くなることを望む遊技者にとっては、特殊外れ結果になることを回避しつつ、大当たり結果になることを目指して楽しめる状態となる。
ゾーンBでは、図柄表示装置75の遊技回用演出において、特図当否抽選の結果が特殊外れ結果である場合には特殊リーチ外れA演出が実行され、通常外れ結果である場合の一部において特殊リーチ外れB演出が実行される(図172、図173)。
51回目~60回目の特図遊技回が行われるゾーンC(図176(e))は、移行した第1時短遊技状態が第1時短遊技状態A又は第1時短遊技状態Bのいずれであっても特殊外れ結果への当選により第3時短遊技状態に移行するが、第1時短遊技状態Bであったとすると、特殊外れ結果への当選タイミング(第3時短遊技状態への移行タイミング)が早めとなり、トータル回数の増加分が少なく留まる状態となる。このため、トータル回数が少しでも多くなることを望む遊技者にとっては、特殊外れ結果になることを望まない状態となり、特殊外れ結果になることを回避しつつ、大当たり結果になることを目指して楽しめる状態となる。
61回目~70回目の特図遊技回が行われるゾーンD(図176(e))は、移行した第1時短遊技状態が第1時短遊技状態A又は第1時短遊技状態Bのいずれであっても特殊外れ結果への当選により第3時短遊技状態に移行するが、移行した第1時短遊技状態が第1時短遊技状態Aであったとすると、終盤となるため、第1時短遊技状態Aが終了する可能性が高まっている状態となる。残り回数の上乗せがないまま時短遊技状態が終了することを避けたい遊技者にとっては、時短遊技状態が終了しそうなスリルを味わいながら、大当たり結果になることや特殊外れ結果になることを目指して楽しめる状態となる。
ゾーンDでは、特図当否抽選の結果が通常外れ結果である場合に特殊リーチ外れB演出が実行される確率が高められる(図173)。これにより、特殊外れ結果に当選して残り回数が上乗せされるのか、それとも、特殊外れ結果に当選しておらず、そのまま時短遊技状態が終了してしまうのかで遊技者がハラハラしながら演出を見る機会を増やすことができ、遊技への注目度を好適に高めることが可能になる。
なお、移行した第1時短遊技状態が第1時短遊技状態Bであったとすると、特殊外れ結果への当選タイミングとして依然として早めの部類に属することになり、トータル回数の増加分が少なく留まる状態となる。このため、より多くのトータル回数を望む遊技者にとっては、特殊外れ結果になることを回避しつつ、時短遊技状態が終了しないこと(移行した第1時短遊技状態が第1時短遊技状態Bであること)を望む状態となる。
71回目~90回目の特図遊技回が行われるゾーンE(図176(e))は、移行した第1時短遊技状態が第1時短遊技状態Bであることが確定する状態となる。遊技者にとっては、大当たり結果になることや特殊外れ結果になることを目指して楽しめる状態となる。
なお、移行した第1時短遊技状態が第1時短遊技状態Bであった場合において70回目の特図遊技回に到達した場合には、既に述べたように、第1時短遊技状態Aの上限回数との差分に対応した上乗せ演出を実行する。この場合、残り回数画像472による報知回数を第1時短遊技状態Bの残り回数に整合させられる効果があるほか、移行した第1時短遊技状態が第1時短遊技状態Aであると思っている遊技者や、遊技性を事前把握していない遊技者に対しては、71回目以降の特図遊技回を残り回数が上乗せされた遊技回のように認識させることができるという利点もある。
その際、上乗せ演出の実行前に、第1時短遊技状態の終了に対応した終了用演出を実行してもよい。これにより、第1時短遊技状態が終了したとより強く印象付けることができる。
91回目~100回目の特図遊技回が行われるゾーンF(図176(e))は、第1時短遊技状態Bの終盤となり、第1時短遊技状態Bが終了する可能性が高まっている状態となる。遊技者にとっては、このタイミングで特殊外れ結果に当選できれば(残り回数の上乗せを発生することができれば)、トータル回数として最大限の回数を獲得できたことになり、第1時短遊技状態Bが終了しそうなスリルを味わいながら、大当たり結果になることや特殊外れ結果になることを目指して楽しめる状態となる。ゾーンFにおいても、ゾーンDの場合と同様に、特図当否抽選の結果が通常外れ結果である場合に特殊リーチ外れB演出が実行される確率が高められる(図173)。
以上のような構成であることで、移行した第1時短遊技状態が第1時短遊技状態A又は第1時短遊技状態Bのいずれであるのかを予測したり、どのタイミングで特殊外れ結果を引き当てればトータル回数を多く増やせるのかを予測したりしながら遊技を楽しむことができ、遊技の興趣性を好適に高めることが可能になる。
以上詳述した本変形例によれば、以下の優れた効果を奏することができる。
第1時短遊技状態として、特殊外れ結果となった場合に時短遊技状態の残り回数の増加が許容される特図遊技回の範囲が異なる第1時短遊技状態Aと第1時短遊技状態Bを備える構成とした。
例えば、特殊外れ結果となった場合に残り回数の増加(第3時短遊技状態への移行)が許容される特図遊技回が固定化される構成であると、どのタイミングで特殊外れ結果となれば残り回数が増加するのかを遊技者が事前に把握できてしまい、他の特図遊技回への関心が薄れてしまうおそれがある。この点、特殊外れ結果となった場合に時短遊技状態の残り回数の増加が許容される特図遊技回の範囲が異なる複数の第1時短遊技状態が設けられているため、どのタイミングで特殊外れ結果となれば残り回数が増加するのかが一律に定まらなくなる。これにより、各回の第1時短遊技状態において遊技者の関心が同じ特図遊技回に集中することが抑制され、第1時短遊技状態の全体を通して遊技への注目度を高めることが可能になる。
第1時短遊技状態の種別を明示せず、移行した第1時短遊技状態が第1時短遊技状態Aであるのか、それとも第1時短遊技状態Bであるのかを遊技者が判別できない又は判別しにくい構成とした。
例えば、許容状態(残り回数の増加が許容される状態)の特図遊技回が明確化される構成であると、仮にそのような状態となる特図遊技回の範囲が異なる複数の第1時短遊技状態が設けられていても、それぞれの第1時短遊技状態において注目すべき特図遊技回が明確になってしまい、遊技者の関心が特定の遊技回に偏ってしまう懸念がある。この点、遊技者による第1時短遊技状態Aと第1時短遊技状態Bの判別を不可又は困難な構成とすることで、許容状態となる特図遊技回の範囲を遊技者が識別不可又は識別困難とすることができる。これにより、それぞれの第1時短遊技状態においていずれの特図遊技回が許容状態であるかを遊技者に予測させながら遊技を楽しませることができ、第1時短遊技状態の全体を通して遊技への注目度を高めることが可能になる。
第1時短遊技状態Bの上限回数(例えば100回)を第1時短遊技状態Aの上限回数(例えば70回)よりも多くした上で、第1時短遊技状態Bにおいて、第1時短遊技状態Aの上限回数よりも後の特図遊技回(例えば71回目~100回目の特図遊技回)にて許容状態が含まれる構成とした。
この構成では、時短遊技状態に移行してからの特図遊技回の回数が第1時短遊技状態Aの上限回数に対応した回数(例えば70回)となると、移行した第1時短遊技状態について遊技者が第1時短遊技状態Aであると予測すれば、上限回数への到達により時短遊技状態が終了してしまうことになるが、その反面、第1時短遊技状態Bであると予測すれば、上記対応した回数を超えてから特殊外れ結果となることで時短遊技状態の残り回数を増やすことができ、遊技者にとって望ましい状況となる。このため、第1時短遊技状態において特図遊技回の回数が上記対応した回数に近付いた段階では、時短遊技状態が終了してしまうことの不安感と、その回数を超えてからの特殊外れ結果への当選により効率的な残り回数の増加が果たされることへの期待感とのせめぎ合いの中で遊技させることができ、興趣性を好適に高めることが可能になる。
第1時短遊技状態A及び第1時短遊技状態Bにおいて特殊外れ結果となっても残り回数が上乗せされない共通の特図遊技回(1回目~20回目)を設けた。
この構成によれば、上記共通の特図遊技回では、移行した時短遊技状態が第1時短遊技状態Aと第1時短遊技状態Bのいずれであっても残り回数の上乗せが生じないため、遊技者が時短遊技状態の種類や特殊外れ結果への当選を気にせずに、大当たり結果となることを目指す遊技に集中できる期間を確保することが可能になる。
なお、上記の場合においては、特殊外れ結果となっても残り回数が上乗せされない上記共通の特図遊技回と、特殊外れ結果となった場合に残り回数が上乗せされる他の特図遊技回とを遊技者が判別可能な構成としてもよい。例えば、上記共通の特図遊技回と上記他の特図遊技回とで図柄表示装置75での背景画像等を異ならせることなどが考えられる。
第1時短遊技状態A又は第1時短遊技状態Bにて特殊外れ結果となり、残り回数が上乗せされた場合において、上乗せ後の時短遊技状態において再び特殊外れ結果となっても残り回数の上乗せが制限される構成とした。
この構成では、特殊外れ結果への当選に基づく残り回数の上乗せが、移行した時短遊技状態の中で1度だけに限定されるため、移行した時短遊技状態にて上乗せが早くに発生する場合と遅くに発生する場合とで、時短遊技状態を遊技できる遊技回のトータル回数に大きな違いをもたらすことができる。これにより、特殊外れ結果となるタイミングの重要性を高めることができ、上記各構成の各効果を好適に引き立てることが可能になる。
第1時短遊技状態にて特殊外れ結果となった場合に、その時点での第1時短遊技状態の残り回数と、第3時短遊技状態の上限回数とを比較し、回数が多い側の時短遊技状態を優先させる構成とした。
この構成によれば、特殊外れ結果となった場合(第3時短遊技状態への移行契機が成立した場合)に、その時点での残り回数の方が多ければ、第1時短遊技状態が継続され、逆に第3時短遊技状態の上限回数の方が多ければ、第1時短遊技状態から第3時短遊技状態への切り替えが行われる。これにより、いずれのタイミングで特殊外れ結果となっても、常に遊技者にとって有利な側の時短遊技状態に移行させることができる。
また、上記構成とすることにより、特殊外れ結果となった場合に時短遊技状態の残り回数の増加が許容される遊技回の範囲が異なる複数の時短遊技状態を有するパチンコ機を、簡単な構成で且つ簡単な制御により実現することができる。すなわち、上限回数が異なる複数の時短遊技状態(第1時短遊技状態Aと第1時短遊技状態B)についての終了管理を既存の制御方法で行いつつ、上記比較及び優先化の処理(ステップSb4803)を加えるだけで足りるため、構成や制御処理が複雑化することを抑制できる。
<変形例6>
上記第2の実施の形態及びその各変形例では、第2時短遊技状態又は第3時短遊技状態のいずれかを備えているが、本変形例では、それら各時短遊技状態の両方を備えている。また、本変形例では、いずれの時短遊技状態中である場合に第2時短遊技状態又は第3時短遊技状態への移行が制限されるように構成されている。以下、本変形例の構成について図178~図190を参照しながら説明する。
<特図遊技回の当否テーブル>
本変形例では、特図遊技回の当否テーブルとして第1特図及び第2特図用の当否テーブル(低確率モード用)と、第1特図及び第2特図用の当否テーブル(高確率モード用)とを備えている。これら各当否テーブルは、ROM313の当否テーブル記憶エリア313aに記憶されている。
第1特図及び第2特図用の当否テーブル(低確率モード用)は、抽選モードが低確率モードである状況で第1作動口62又は第2作動口63への入賞に基づく当否抽選を行う場合に参照されるものある。この第1特図及び第2特図用の当否テーブル(低確率モード用)では、図178(a)に示すように、大当たりとなる乱数の値(大当たり乱数カウンタC1の値)として「0」~「9」の計10個が設定され、低確率モードでの大当たり当選確率は1/300に設定されている。また、特殊外れ結果となる乱数の値として「10」~「19」の計10個が設定され、低確率モードでの特殊外れ結果となる確率は1/300に設定されている。その他の乱数値は通常外れ結果に割り当てられており、低確率モードでの通常外れ結果となる確率は2980/3000に設定されている。
第1特図及び第2特図用の当否テーブル(高確率モード用)は、抽選モードが高確率モードである状況で第1作動口62又は第2作動口63への入賞に基づく当否抽選を行う場合に参照されるものある。この第1特図及び第2特図用の当否テーブル(高確率モード用)では、図178(b)に示すように、大当たりとなる乱数の値として「0」~「49」の計50個が設定され、高確率モードでの大当たり当選確率は1/60に設定されている。なお、第1特図及び第2特図用の当否テーブル(高確率モード用)では、抽選結果として特殊外れ結果が設定されておらず、大当たり用の乱数値以外はいずれも通常外れ結果に割り当てられている。通常外れ結果となる確率は59/60に設定されている。
<特図遊技回の種別テーブル>
本変形例に係る特図遊技回の種別テーブルについて図179を参照しながら説明する。
大当たり種別テーブルとしては、第1特図用の大当たり種別テーブル(図179(a))と第2特図用の大当たり種別テーブル(図179(b))とが設定されている。
図179(a)に示すように、第1特図用の大当たり種別テーブルでは、選択可能な大当たり種別として4R確変大当たり結果と4R通常大当たり結果とが設定されている。これらの大当たり結果はいずれも実行されるラウンド遊技の回数が4回となるものである。
4R確変大当たり結果は、開閉実行モードの終了後、高確遊技状態(高確率モード且つ高頻度サポートモード)に移行する大当たり結果である。この場合の高確遊技状態は、開閉実行モード後の遊技回の実行回数が予め定められた第1上限回数(例えば100回)に達するまで継続される。第1上限回数に達した場合は、高確遊技状態が終了して通常遊技状態(低確率モード且つ低頻度サポートモード)に移行する。
4R通常大当たり結果は、開閉実行モードの終了後、第1時短遊技状態(低確率モード且つ高頻度サポートモード)に移行する大当たり結果である。この場合の第1時短遊技状態は、開閉実行モード後の遊技回の実行回数が予め定められた第2上限回数(例えば100回)に達するまで継続される。第2上限回数に達した場合は、第1時短遊技状態が終了して通常遊技状態に移行する。
第1特図用の大当たり種別テーブルでは、大当たり種別カウンタC2の「0」~「64」が4R確変大当たり結果に対応し、「65」~「99」が4R通常大当たり結果に対応している。すなわち、4R確変大当たり結果に振り分けられる確率は65%、4R通常大当たり結果に振り分けられる確率は35%に設定されている。
図179(b)に示すように、第2特図用の大当たり種別テーブルでは、選択可能な大当たり種別として10R確変大当たり結果と10R通常大当たり結果とが設定されている。これらの大当たり結果はいずれも実行されるラウンド遊技の回数が10回となるものである。
10R確変大当たり結果は、開閉実行モードの終了後、高確遊技状態に移行する大当たり結果である。この場合の高確遊技状態は、開閉実行モード後の遊技回の実行回数が予め定められた第3上限回数(例えば100回)に達するまで継続される。
10R通常大当たり結果は、開閉実行モードの終了後、第1時短遊技状態に移行する大当たり結果である。この場合の第1時短遊技状態は、開閉実行モード後の遊技回の実行回数が予め定められた第4上限回数(例えば100回)に達するまで継続される。
第2特図用の大当たり種別テーブルでは、大当たり種別カウンタC2の「0」~「64」が10R確変大当たり結果に対応し、「65」~「99」が10R通常大当たり結果に対応している。すなわち、10R確変大当たり結果に振り分けられる確率は65%、10R通常大当たり結果は35%に設定されている。
ここで、本変形例では、大当たりを契機として移行する第1時短遊技状態とは別に、大当たりを契機とせずに移行する第2時短遊技状態と第3時短遊技状態とが設けられている。
このうち第2時短遊技状態は、外れ結果となる遊技回(外れ遊技回)の回数が予め定められた天井回数(例えば800回)に到達したことを契機として移行する時短遊技状態である。この第2時短遊技状態は、図179(c)に示すように、第2時短遊技状態に移行してからの特図遊技回の実行回数が予め定められた第5上限回数(例えば500回)に達するまで継続される。
本変形例における天井回数は、4R通常大当たり結果又は10R通常大当たり結果になったことを契機として移行する第1時短遊技状態の上限回数(継続回数)よりも多い数に設定されている。よって、第1時短遊技状態中に外れ遊技回の回数が天井回数に達することが回避されている。
第3時短遊技状態は、特図当否抽選の結果が特殊外れ結果になったことを契機として移行する時短遊技状態である。この第3時短遊技状態は、図179(d)に示すように、第3時短遊技状態に移行してからの特図遊技回の実行回数が上記第5上限回数よりも少ない第6上限回数(例えば300回)に達するまで継続される。すなわち、第3時短遊技状態は第2時短遊技状態よりも継続回数が少なく、遊技者にとって第2時短遊技状態の方が有利な時短遊技状態となっている。本変形例において第3時短遊技状態は1種類となっている。
<開閉実行モード終了時の移行処理>
本変形例に係る開閉実行モード終了時の移行処理について図180のフローチャートを参照しながら説明する。この処理は、主制御装置162による遊技状態移行処理(図114)のステップSb915で実行されるものであり、図116の開閉実行モード終了時の移行処理に代えて実行されるものである。図180において図116と同様の処理については同一のステップ番号を付し、その説明を省略又は簡略化する。
先ずステップSb1101では、今回の大当たりが確変大当たり結果であるか否かを判定する。確変大当たり結果である場合は、ステップSb1102にて、上記各種フラグ格納エリア314eに高確率フラグをセットする。これにより、抽選モードが高確率モードに移行する。
ステップSb1103では、RAM314の各種カウンタエリア314dに設けられた確変カウンタエリアKCに第1上限回数に対応する値(例えば100)をセットする。ステップSb1104では、上記各種フラグ格納エリア314eに第1サポートフラグをセットする。
ステップSb5101では、上記各種カウンタエリア314dに設けられたサポートカウンタエリアSCに第1上限回数に対応する値(例えば100)をセットする。ステップSb1108では、演出制御装置143への送信対象として高確遊技状態開始コマンドを設定し、その後、開閉実行モード終了時の移行処理を終了する。
ステップSb1101で否定判定した場合(今回の大当たり結果が通常大当たり結果である場合)は、ステップSb1109に進み、上記各種フラグ格納エリア314eに第1サポートフラグをセットする。これにより、第1時短遊技状態に移行する。
ステップSb5102では、上記サポートカウンタエリアSCに第2上限回数に対応する値(例えば100)をセットする。ステップSb1113では、演出制御装置143への送信対象として第1時短遊技状態開始コマンドを設定し、その後、開閉実行モード終了時の移行処理を終了する。
<特図遊技回制御処理>
本変形例に係る特図遊技回制御処理について図181を参照しながら説明する。この処理は、通常処理(図107)のステップSb403で実行されるものであり、図108の特図遊技回制御処理に代えて実行されるものである。図181において図108と同様の処理については同一のステップ番号を付し、その説明を省略又は簡略化する。
ステップSb503で否定判定した場合(特図用表示部43が変動表示中でない場合)は、ステップSb504にて共通保留数CRNが「0」であるか否かを判定する。共通保留数CRNが「0」でない場合、すなわち、第1特図又は第2特図のいずれかの保留情報が存在する場合は、ステップSb505に進み、データ設定処理を実行する。データ設定処理では、第1特図用保留エリアRa又は第2特図用保留エリアRbに記憶されている保留情報を変動表示用として実行エリアAEに移動させる。
ステップSb5201では、特図用表示部43における変動表示を開始させるための変動開始処理を実行し、その後、特図遊技回制御処理を終了する。ステップSb5201の変動開始処理の詳細については後述する。
ステップSb507で肯定判定した場合(変動表示時間が経過している場合)は、ステップSb509にて、RAM314の各種フラグ格納エリア314eにセットされている変動表示フラグをクリアする。ステップSb510では、高確率モードの残り回数を更新したり、高確率モードを終了させたりするための高確率モード更新・終了用処理を実行する。
続くステップSb5202では、高頻度サポートモードを終了させるための高頻度サポートモード終了用処理を実行する。ステップSb5203では、第2時短遊技状態や第3時短遊技状態への移行処理を行うための時短遊技状態移行用処理を実行する。ステップSb5204では、特図用表示部43での確定表示を開始させるための確定表示開始用処理を実行し、その後、特図遊技回制御処理を終了する。ステップSb5202~ステップSb5204の詳細については後述する。
<変動開始処理>
ステップSb5201の変動開始処理について図182のフローチャートを参照しながら説明する。なお、図182において図146の変動開始処理と同様の処理については同一のステップ番号を付し、その説明を省略又は簡略化する。
ステップSb3302又はステップSb3303の処理を実行した後は、ステップSb3304にて、ステップSb3302又はステップSb3303における当否判定の結果が大当たり当選であるか否かを判定する。大当たり当選である場合は、ステップSb3305に進み、対応する種別テーブル(図179)を参照して大当たり種別を抽選する。
ステップSb3306では、ステップSb3305の種別判定により選択された大当たり種別を示す種別フラグを上記各種フラグ格納エリア314eにセットする。ステップSb3307では、ROM313の停止結果テーブル記憶エリア313dに記憶されている停止結果テーブルを参照して大当たり用の停止結果を設定する。
ステップSb3304で否定判定した場合(大当たり当選でない場合)は、ステップSb3308に進み、ステップSb3302又はステップSb3303における当否判定の結果が特殊外れ結果であるか否かを判定する。特殊外れ結果である場合は、ステップSb3310にて、上記各種フラグ格納エリア314eに特殊外れフラグをセットする。ステップSb3311では、特図用表示部43にて変動表示される絵柄の停止結果として特殊外れ用の停止結果を設定する。
ステップSb3308で否定判定した場合(特殊外れ結果でない場合)は、今回の当否抽選の結果が通常外れ結果であることを意味する。この場合はステップSb3312に進み、通常外れ用の停止結果を設定する。
ステップSb3307、ステップSb3311又はステップSb3312の実行後は、ステップSb5301にて、高頻度サポートモードでの特図遊技回の回数を更新するための高頻度サポートモード更新用処理を実行する。ステップSb5302では、第2時短遊技状態の移行契機が成立したか否かを判定するための第2時短遊技状態の移行判定用処理を実行し、ステップSb5303では、第3時短遊技状態の移行契機が成立したか否かを判定するための第3時短遊技状態の移行判定用処理を実行する。ステップSb5301~ステップSb5303の詳細については後述する。
ステップSb3313では、第1特図表示部AS又は第2特図表示部BSにおける今回の遊技回の変動表示時間を設定するための変動表示時間の設定処理を実行する。変動表示時間の設定処理では、変動種別カウンタCSと変動表示時間テーブルとを用いて変動表示時間を抽選する。
本変形例では、第1特図の当否抽選にて外れ結果(特殊外れ結果又は通常外れ結果)になった場合の変動パターンとして、通常外れ結果になった場合の完全外れ演出や各種リーチ外れ演出に対応する変動パターンのほか、図183に示すように、天井到達時用の変動パターンR1(例えば18sec)と、特殊外れ結果用の変動パターンR2(例えば15sec)とが設定されている。
変動パターンR1は、特図当否抽選の結果が外れ結果であり且つ外れ回数が天井回数に到達した遊技回にて選択されるものである。変動パターンR1に対応する変動開始コマンドが演出制御装置143に送信された場合、図柄表示装置75では遊技回用演出として天井到達用演出が実行される。天井到達用演出では、図柄列Z1~Z3を用いた完全外れ演出により外れ結果が報知された後、天井回数への到達を報知する到達報知演出が実行される。なお、到達報知演出に代えて又は加えて、第2時短遊技状態への移行に対応した開始演出(例えば図130(a)の開始演出)の少なくとも一部が行われてもよい。
変動パターンR2は、特図当否抽選の結果が特殊外れ結果になった場合に選択されるものである。変動パターンR2に対応する変動開始コマンドが演出制御装置143に送信された場合、図柄表示装置75では遊技回用演出として特殊リーチ外れ演出が実行される。特殊リーチ外れ演出は、特殊外れ結果になったことを報知するものであり、上記変形例3に係る図153の特殊リーチ外れ演出と同様のものである。
なお、本変形例では、当否抽選の結果が特殊外れ結果となっても第3時短遊技状態への移行が制限される場合がある。上記変動パターンR2は、特殊外れ結果になった場合のうち第3時短遊技状態への移行が生じる場合に選択され、第3時短遊技状態への移行が制限される場合は、上記変形例3のように完全外れ演出に対応した変動パターンが選択される。
変動開始処理(図182)の説明に戻り、ステップSb3313の実行後はステップSb712にて、上記各種フラグ格納エリア314eに変動表示フラグをセットする。変動表示フラグは、特図遊技回の変動表示中であることをMPU312が把握するためのものである。ステップSb712の実行後は、ステップSb713以降の処理を実行する。
次に、ステップSb5301の高頻度サポートモード更新用処理、ステップSb5302の第2時短遊技状態の移行判定用処理、ステップSb5303の第3時短遊技状態の移行判定用処理について説明する。これらの処理は、変動開始処理にて実行されるものであり、換言すれば、特図遊技回での変動表示が開始される場合に実行されるものである。
<高頻度サポートモード更新用処理>
ステップSb5301の高頻度サポートモード更新用処理について図184のフローチャートを参照しながら説明する。
先ずステップSb5401では、今回の特図当否抽選の結果が大当たり結果であるか否かを判定する。大当たり結果でない場合は、ステップSb5402にて、RAM314の各種フラグ格納エリア314eに第1サポートフラグ、第2サポートフラグ又は第3サポートフラグのいずれかがセットされているか否かを判定する。第1サポートフラグは現在の遊技状態が第1時短遊技状態であることを示し、第2サポートフラグは現在の遊技状態が第2時短遊技状態であることを示し、第3サポートフラグは現在の遊技状態が第3時短遊技状態であることを示すものである。
これらのフラグがセットされている場合は、ステップSb5403に進み、RAM314の各種カウンタエリア314dに設けられたサポートカウンタエリアSCの値を更新する。具体的には、サポートカウンタエリアSCの値を1減算する。これにより、各時短遊技状態の残り回数が1減算される。
ステップSb5404では、上記サポートカウンタエリアSCの値が「0」であるか否かを判定する。サポートカウンタエリアSCの値が「0」である場合、すなわち、各時短遊技状態での遊技回の実行回数が上限回数に到達している場合には、ステップSb5405に進み、上記各種フラグ格納エリア314eに時短終了用フラグをセットする。時短終了用フラグは、各時短遊技状態を終了すべきであることをMPU312が把握するためのものである。
ステップSb5405の実行後は高頻度サポートモード更新用処理を終了する。ステップSb5401で肯定判定した場合(大当たり結果である場合)又はステップSb5402で否定判定した場合(いずれのサポートフラグもセットされていない場合)は、各時短遊技状態の残り回数を更新しないとして、ステップSb5403以降の処理を実行せずに高頻度サポートモード更新用処理を終了する。また、ステップSb5404で否定判定した場合(サポートカウンタエリアSCの値が「0」でない場合)は、各時短遊技状態を終了すべきではないとして、ステップSb5405の処理を実行せずに高頻度サポートモード更新用処理を終了する。
<第2時短遊技状態の移行判定用処理>
ステップSb5302の第2時短遊技状態の移行判定用処理について図185のフローチャートを参照しながら説明する。
先ずステップSb5501では、今回の特図当否抽選の結果が大当たり結果であるか否かを判定する。大当たり結果でない場合には、ステップSb5502に進み、RAM314の各種フラグ格納エリア314eに到達済みフラグがセットされているか否かを判定する。到達済みフラグは、外れ遊技回の回数が天井回数に到達済みであることをMPU312が把握するためのものである。
到達済みフラグがセットされていない場合は、ステップSb5503にて、上記各種フラグ格納エリア314eに高確率フラグがセットされているか否かを判定する。高確率フラグがセットされていない場合、すなわち、現在の抽選モードが低確率モードである場合は、ステップSb5504に進み、RAM314の各種カウンタエリア314dに設けられた外れ回数カウンタエリアHCの値を更新する。具体的には、外れ回数カウンタエリアHCの値を1減算する。外れ回数カウンタエリアHCは、天井回数までの残り回数をMPU312が把握するためのものである。
ステップSb5505では、上記外れ回数カウンタエリアHCの値が「0」であるか否かを判定する。外れ回数カウンタエリアHCの値が「0」である場合、すなわち、外れ遊技回の回数が天井回数に到達した場合には、ステップSb5506に進み、上記各種フラグ格納エリア314eに到達済みフラグをセットする。
ステップSb5507では、第1サポートフラグ、第2サポートフラグ又は第3サポートフラグのいずれかがセットされているか否かを判定する。いずれのサポートフラグもセットされていない場合、すなわち、現在の遊技状態が通常遊技状態である場合は、ステップSb5508にて、上記各種フラグ格納エリア314eに第2時短開始用フラグをセットし、その後、第2時短遊技状態の移行判定用処理を終了する。第2時短開始用フラグは、第2時短遊技状態に移行すべきであることをMPU312が把握するためのものである。
ステップSb5507で肯定判定した場合(いずれかのサポートフラグがセットされている場合)は、ステップSb5509に進み、上記各種フラグ格納エリア314eに時短終了用フラグがセットされているか否かを判定する。時短終了用フラグがセットされている場合は、各時短遊技状態の最終遊技回であることを意味する。この場合は、ステップSb5508に進み、上記各種フラグ格納エリア314eに第2時短開始用フラグをセットする。すなわち、各時短遊技状態の最終遊技回で天井回数に到達した場合は、第2時短遊技状態に移行すべきとして処理する。
ステップSb5509で否定判定した場合(時短終了用フラグがセットされていない場合)、すなわち、他の時短遊技状態に滞在中であって且つその最終遊技回でない場合は、第2時短遊技状態に移行すべきではないとして、ステップSb5508の処理を実行せずに第2時短遊技状態の移行判定用処理を終了する。これにより、第2時短遊技状態への移行が制限される。
ステップSb5502で肯定判定した場合(到達済みフラグがセットされている場合)又はステップSb5503で肯定判定した場合(高確率フラグがセットされている場合)は、ステップSb5504以降の処理を実行することなく、第2時短遊技状態の移行判定用処理を終了する。また、ステップSb5505で否定判定した場合(外れ回数カウンタエリアHCの値が「0」でない場合)は、ステップSb5506以降の処理を実行することなく、第2時短遊技状態の移行判定用処理を終了する。
ステップSb5501で肯定判定した場合(大当たり結果である場合)は、ステップSb5510に進み、上記カウンタエリアHCの値に天井回数に対応した値(例えば800)をセットする。ステップSb5511では、上記各種フラグ格納エリア314eに到達済みフラグがセットされているか否かを判定する。
到達済みフラグがセットされている場合は、ステップSb5512にて、その到達済みフラグをクリアする処理を実行する。ステップSb5512の実行後又はステップSb5511で否定判定した場合(到達済みフラグがセットされていない場合)は、第2時短遊技状態の移行判定用処理を終了する。
<第3時短遊技状態の移行判定用処理>
ステップSb5303の第3時短遊技状態の移行判定用処理について図186のフローチャートを参照しながら説明する。
先ずステップSb5601では、RAM314の各種フラグ格納エリア314eに特殊外れフラグがセットされているか否かを判定する。特殊外れフラグがセットされている場合、すなわち、今回の特図当否抽選の結果が特殊外れ結果である場合には、ステップSb5602に進み、上記各種フラグ格納エリア314eに高確率フラグがセットされているか否かを判定する。
高確率フラグがセットされていない場合、すなわち、高確遊技状態でない場合は、ステップSb5603にて、上記各種フラグ格納エリア314eに第1サポートフラグ、第2サポートフラグ又は第3サポートフラグのいずれかがセットされているか否かを判定する。これらサポートフラグのいずれかがセットされている場合、すなわち、現在の遊技状態が第1時短遊技状態、第2時短遊技状態又は第3時短遊技状態のいずれかである場合は、ステップSb5604にて、上記各種フラグ格納エリア314eに時短終了用フラグがセットされているか否かを判定する。
ステップSb5603で否定判定した場合(いずれのサポートフラグもセットされておらず、現在の遊技状態が通常遊技状態である場合)又はステップSb5604で肯定判定した場合(時短終了用フラグがセットされ、各時短遊技状態の最終遊技回である場合)は、ステップSb5605に進み、上記各種フラグ格納エリア314eに第2時短開始用フラグがセットされているか否かを判定する。
第2時短開始用フラグがセットされていない場合、すなわち、第2時短遊技状態に移行すべき状況でない場合は、ステップSb5606にて、上記各種フラグ格納エリア314eに第3時短開始用フラグをセットし、その後、第3時短遊技状態の移行判定用処理を終了する。第3時短開始用フラグは、第3時短遊技状態に移行すべきであることをMPU312が把握するためのものである。
ステップSb5605で肯定判定した場合(第2時短開始用フラグがセットされている場合)は、ステップSb5606の処理を実行することなく、第3時短遊技状態の移行判定用処理を終了する。すなわち、特殊外れ結果になった場合であっても、第2時短遊技状態に移行すべき状態である場合は、第3時短遊技状態への移行が制限される。
このため、天井回数への到達と特殊外れ結果への当選とが同一の遊技回で成立した場合には、遊技状態が第2時短遊技状態に移行することになる。第2時短遊技状態は、第3時短遊技状態よりも上限回数が多く、遊技者にとって有利な時短遊技状態であるところ、上記のような構成であることで、両方の移行契機が同時に成立した場合に有利な側の時短遊技状態に移行させることができる。
ここで、ステップSb5302の第2時短遊技状態の移行判定用処理(図185)、ステップSb5303の第3時短遊技状態の移行判定用処理(図186)は、特図遊技回の変動表示が開始される場合(より詳しくは、ステップSb3313における変動表示時間の設定処理の前)に行われる(図182)。
これらの処理は、第2時短遊技状態又は第3時短遊技状態への移行制限に関するものであるため、本来は、それら各時短遊技状態への移行タイミング(特図遊技回における確定表示の開始タイミング)で行うのが自然である。しかしながら、そのような構成では、天井回数への到達と特殊外れ結果への当選との両方が同一の遊技回で成立した場合に、その遊技回での変動表示時間(変動パターン)の設定に際して、MPU312が特殊外れ結果のみを認識し、天井到達を認識していない状態となる。このため、その遊技回の変動パターンとしては、必然的に特殊外れ結果に対応した変動パターンR2(図183)が設定されることになる。
その後のステップSb713(図182)における変動開始コマンドの設定処理では、変動パターンR2に対応した変動開始コマンドが設定されるため、演出制御装置143では、実行すべき遊技回用演出として特殊リーチ外れA演出を認識することになる。つまり、遊技状態の制御では、特殊外れ結果よりも天井到達を優先採用して第2時短遊技状態に移行させるにもかかわらず、遊技回用演出では、第2時短遊技状態に対応した演出(天井到達に対応した演出)ではなく、第3時短遊技状態への移行に対応した演出(特殊外れ結果への当選を報知する演出)が行われることになる。すなわち、遊技回用演出の内容と移行する時短遊技状態との不整合が生じ、遊技回用演出を見た遊技者が移行する時短遊技状態を誤解したりするなどの不都合を招く懸念がある。
このような場合、天井到達した場合と特殊外れ結果に当選した場合とで全く同じ遊技回用演出を行うようにすれば、上記のような不整合を解消できるが、それでは、せっかく性能の異なる複数種類の時短遊技状態を設けているにもかかわらず、それを演出に活かせないことになり、好ましくない。
この点、本変形例では、特図遊技回の変動表示が開始される場合にステップSb5302、ステップSb5303の処理を実行するため、天井到達の成立や優先採用をMPU312が把握した状態で変動表示時間を設定することができる。よって、天井到達と特殊外れ結果の両方が成立した遊技回において、特殊外れ結果に対応した変動パターンR2の設定を取り止め、天井到達に対応した変動パターンR1(図183)を設定することができる。これにより、天井到達に対応した遊技回用演出と、特殊外れ結果に対応した遊技回用演出とを各別に設けていても、実際に移行する遊技状態に整合した遊技回用演出を実行することができ、上記不都合の発生を好適に抑制することが可能になる。
ステップSb5601で否定判定した場合(特殊外れフラグがセットされていない場合)又はステップSb5602で肯定判定した場合(高確率フラグがセットされている場合)は、ステップSb5603以降の処理を実行することなく、第3時短遊技状態の移行判定用処理を終了する。
次に、ステップSb5202(図181)の高頻度サポートモード終了用処理、ステップSb5203の時短遊技状態移行用処理、ステップSb5204の確定表示開始用処理について説明する。これらの処理は、特図遊技回において変動表示時間が経過した場合に実行されるものであり、換言すれば、特図遊技回での確定表示が開始される場合に実行されるものである。
<高頻度サポートモード終了用処理>
ステップSb5202(図181)の高頻度サポートモード終了用処理について図187のフローチャートを参照しながら説明する。
先ずステップSb5701では、RAM314の各種フラグ格納エリア314eに第1サポートフラグ、第2サポートフラグ又は第3サポートフラグのいずれかがセットされているか否かを判定する。いずれかのサポートフラグがセットされている場合、すなわち、第1時短遊技状態、第2時短遊技状態又は第3時短遊技状態のいずれかに滞在中である場合は、ステップSb5702に進み、時短終了用フラグがセットされているか否かを判定する。時短終了用フラグは、滞在中の時短遊技状態を終了すべきであることを示すものであり、換言すれば、今回の特図遊技回が、滞在中の時短遊技状態における最終回の特図遊技回であることを示すものである。
時短終了用フラグがセットされている場合は、ステップSb5703に進み、上記各種フラグ格納エリア314eにセットされているサポートフラグをクリアする。これにより、第1時短遊技状態、第2時短遊技状態又は第3時短遊技状態が終了する。続くステップSb5704では、上記各種フラグ格納エリア314eにセットされている時短終了用フラグをクリアする。
ステップSb5705では、演出制御装置143への送信対象として、対応する遊技状態終了コマンドを設定し、その後、高頻度サポートモード終了用処理を終了する。また、ステップSb5701で否定判定した場合(いずれのサポートフラグもセットされていない場合)又はステップSb5702で否定判定した場合(時短終了用フラグがセットされていない場合)は、ステップSb5703以降の処理を実行することなく、高頻度サポートモード終了用処理を終了する。
<時短遊技状態移行用処理>
ステップSb5203(図181)の時短遊技状態移行用処理について図188のフローチャートを参照しながら説明する。
先ずステップSb5801では、RAM314の各種フラグ格納エリア314eに第2時短開始用フラグがセットされているか否かを判定する。第2時短開始用フラグは、第2時短遊技状態に移行すべきことを示すものである。
第2時短開始用フラグがセットされている場合は、ステップSb5802にて上記各種フラグ格納エリア314eに第2サポートフラグをセットする。これにより、第2時短遊技状態に移行する。
ここで、本変形例では、ステップSb5202の高頻度サポートモード終了用処理(時短遊技状態を終了させる処理)を実行してからステップSb5203の時短遊技状態移行用処理(時短遊技状態に移行させる処理)を実行する構成となっている。このため、他の時短遊技状態における最終遊技回で外れ遊技回の回数が天井回数に到達した場合には、先行する時短遊技状態から第2時短遊技状態へと通常遊技状態を介することなく移行させることができる。
ステップSb5803では、RAM314の各種カウンタエリア314dに設けられたサポートカウンタエリアSCに第5上限回数に対応する値(例えば500)をセットする。サポートカウンタエリアSCは、高頻度サポートモードの残り回数をMPU312が把握するためのものである。
ステップSb5804では、演出制御装置143への送信対象として第2時短遊技状態開始コマンドを設定する。設定された第2時短遊技状態開始コマンドは、通常処理(図107)におけるステップSb401にて演出制御装置143に送信される。
ステップSb5801で否定判定した場合(第2時短開始用フラグがセットされていない場合)は、ステップSb5805に進み、上記各種フラグ格納エリア314eに第3時短開始用フラグがセットされているか否かを判定する。第3時短開始用フラグは、第3時短遊技状態に移行すべきことを示すものである。
第3時短開始用フラグがセットされている場合は、ステップSb5806にて上記各種フラグ格納エリア314eに第3サポートフラグをセットする。これにより、第3時短遊技状態に移行する。なお、他の時短遊技状態における最終遊技回で特殊外れ結果になった場合には、通常遊技状態を介在させることなく、先行する時短遊技状態から第3時短遊技状態へシームレスに移行させることができる。
ステップSb5807では、上記サポートカウンタエリアSCに第6上限回数に対応する値(例えば300)をセットする。ステップSb5808では、演出制御装置143への送信対象として第3時短遊技状態開始コマンドを設定する。
ステップSb5804又はステップSb5808の実行後はステップSb5809にて、上記各種フラグ格納エリア314eにセットされている時短開始用フラグをクリアする。ステップSb5810では、上記各種フラグ格納エリア314eに第2特図フラグがセットされているか否かを判定する。
第2特図フラグがセットされていない場合、すなわち、今回の特図遊技回が第1特図の遊技回であり、第2時短遊技状態又は第3時短遊技状態への移行が通常遊技状態からの移行である場合は、ステップSb5811にて普図終了用処理を実行する。この処理は、図119の第2時短遊技状態移行用処理におけるステップSb1411~ステップSb1415の処理と同様のものである。
ステップSb5811の実行後は時短遊技状態移行用処理を終了する。また、ステップSb5810で肯定判定した場合(第2特図フラグがセットされている場合)は、ステップSb5811の処理を実行することなく、時短遊技状態移行用処理を終了する。また、ステップSb5805で否定判定した場合(第3時短開始用フラグがセットされていない場合)、すなわち、時短遊技状態に移行させるべき状況でない場合は、そのまま時短遊技状態移行用処理を終了する。
ここで、本変形例では、時短遊技状態の終了制御や移行制御において、遊技回の回数の更新処理や第2時短遊技状態又は第3時短遊技状態に移行させるべきか否かの移行判定処理を変動表示の開始時に行う一方で、実際に時短遊技状態を終了させる処理や移行させる処理は変動表示が終了してから行う構成としている。
前者の回数更新や移行判定を変動表示の開始時に行う場合にあっては、後者の終了処理や移行処理の処理タイミングを敢えて変動終了後に設定せず、前者と同じタイミング(処理回)に設定することが考えられる。処理効率の観点からすると、処理を分けて実行タイミングを分散させるよりも、寧ろ処理をまとめて同じタイミングで実行する方が好ましいといえる。
しかしながら、終了処理や移行処理を変動表示の開始時に行う構成であると、特図遊技回において当否抽選結果が報知される前に、普図遊技回や普電役物63aが時短遊技状態に対応した態様で動作し、遊技者がこれらの挙動を見ることで、第2時短遊技状態又は第3時短遊技状態への移行を推認できるおそれがある。第2時短遊技状態又は第3時短遊技状態は当否抽選の結果が外れ結果になることを契機に移行するため、上記の場合、当否抽選結果の報知前に遊技者が外れ結果を把握できてしまうことに繋がる。その結果、特図遊技回において大当たりの期待感が早期に消失する事態の発生を招き、遊技回への注目度向上を図る上で好ましくない。
この点、本変形例によれば、変動表示が終了してから第2時短遊技状態又は第3時短遊技状態への移行が生じるため、当否抽選結果を報知してから普図遊技回や普電役物63aを時短遊技状態に対応した態様で動作させることができる。これにより、当否抽選結果の報知前に外れ結果を判別できてしまうことが抑制され、大当たりへの期待感を好適に持続させることが可能になる。
<確定表示開始用処理>
ステップSb5204(図181)の確定表示開始用処理について図189のフローチャートを参照しながら説明する。図189において図149の確定表示開始用処理と同様の処理については同一のステップ番号を付し、その説明を省略又は簡略化する。
先ずステップSb5901では、今回の特図遊技回が天井到達の外れ遊技回であるか否かを判定する。天井到達の外れ遊技回でない場合は、ステップSb5902にて、RAM314の各種フラグ格納エリア314eに特殊外れフラグがセットされているか否かを判定する。
特殊外れフラグがセットされている場合、すなわち、今回の特図当否抽選の結果が特殊外れ結果である場合は、ステップSb5903にて、その特殊外れフラグをクリアする処理を実行する。ステップSb5903の実行後又はステップSb5901で肯定判定した場合(天井到達の外れ遊技回である場合)は、第2時短遊技状態又は第3時短遊技状態への移行が生じる状況であることを意味する。
この場合はステップSb5904にて、上記各種フラグ格納エリア314eに第2特図フラグがセットされているか否かを判定する。第2特図フラグがセットされている場合、すなわち、今回の特図遊技回が第2特図の遊技回である場合は、ステップSb5905にて、今回の特図遊技回における確定表示時間として通常確定表示時間(例えば0.5sec)を設定する。また、ステップSb5902で否定判定した場合(特殊外れフラグがセットされていない場合)、すなわち、今回の特図当否抽選の結果が大当たり結果又は通常外れ結果である場合もステップSb5905に進み、今回の確定表示時間として上記通常確定表示時間を設定する。
ステップSb5904で否定判定した場合(第2特図フラグがセットされていない場合)、すなわち、今回の特図遊技回が第1特図の遊技回である場合は、第2時短遊技状態又は第3時短遊技状態への移行が通常遊技状態からの移行であることを意味する。この場合はステップSb5906に進み、今回の特図遊技回における確定表示時間として通常確定表示時よりも長い特定確定表示時間を設定する。この際の特定確定表示時間は、上記第2の実施の形態のように、強制終了される普図遊技回の確定表示時間(例えば0.5sec)よりも長い時間(例えば0.8sec)としてもよいし、上記変形例2のように、強制終了される普図遊技回の確定表示時間と、第2時短遊技状態に対応した普図遊技回の変動表示期間(例えば0.5sec)と、第2時短遊技状態に対応した普図遊技回の確定表示時間(例えば0.5sec)との合計期間(例えば1.5sec)よりも長い時間(例えば4sec)としてもよい。
ステップSb5905又はステップSb5906の実行後はステップSb1504にて、上記各種フラグ格納エリア314eに確定表示フラグをセットし、その後、ステップSb1505及びステップSb1506の処理を順次実行する。
ステップSb3512では、特図遊技回の実行を通知するための遊技回実行信号や、今回の特図当否抽選の結果を通知するための抽選結果信号を遊技ホール側の管理制御装置に対して出力するための外部信号設定処理を行う。なお、本変形例では、時短遊技状態である状況で特殊外れ結果になった場合、第3時短遊技状態への移行が制限されるが、外部信号設定処理では、そのような場合でも特殊外れ結果に対応した外部信号が出力されるように設定する。
<遊技状態の流れについて>
本変形例における遊技状態の流れについて図190を参照しながら説明する。
通常遊技状態である状況で外れ遊技回の回数が天井回数に到達した場合(事象A)は、通常遊技状態から第2時短遊技状態に移行する。この場合、天井到達した特図遊技回では、遊技回用演出として天井到達用演出(図183)が図柄表示装置75にて実行される。天井到達用演出では、図柄列Z1~Z3による完全外れ演出と、天井回数への到達を報知する到達報知演出とが実行される。
ここで、本変形例では、外れ回数カウンタエリアHCの更新(外れ遊技回の回数の更新)が特図遊技回における変動表示の開始時に行われるが(図182、図185)、外れ回数画像475(図128)における外れ回数の更新は、上記第2の実施の形態と同様に、その特図遊技回において確定表示時間が経過してから行われる。
例えば、外れ回数カウンタエリアHCの更新タイミングで外れ回数画像475の表示回数を更新すると、図柄列Z1~Z3が停止表示される前に外れ回数画像475の表示回数が1加算されることになる。この場合、図柄列Z1~Z3により当否抽選結果が報知される前に遊技者が外れ結果を予測できてしまい、その特図遊技回において大当たりへの期待感を持続させることが困難となる懸念がある。
この点、本変形例のように、外れ回数カウンタエリアHCの更新タイミングに対して外れ回数画像475の更新タイミングを遅らせ、確定表示時間が経過してから外れ回数画像475を更新することで、図柄列Z1~Z3により外れ結果が報知されてから外れ回数画像475の表示回数が1加算される流れとすることができる。これにより、遊技者が外れ結果を事前予測できてしまうことが抑制され、大当たりへの期待感を持続させることが可能になる。
上記構成では、次の特図遊技回に対応する保留情報が存在する場合は、その特図遊技回が開始される場合に外れ回数画像475が更新されることになり、次の特図遊技回に対応する保留情報が存在しない場合は、外れ回数カウンタエリアHCが更新された特図遊技回が終了してから外れ回数画像475が更新されることになる。
なお、外れ回数画像475の更新は、必ずしも確定表示時間の経過時に行われる必要はなく、他のタイミングであってもよい。すなわち、外れ結果の事前予測を回避する上では、図柄列Z1~Z3の停止表示により当否抽選結果が報知されてから外れ回数画像475が更新されれば足りるため、外れ回数カウンタエリアHCが更新された特図遊技回において変動表示が終了してから確定表示が終了するまでの期間におけるいずれかのタイミングで外れ回数画像475が更新される構成としてもよい。
通常遊技状況である状況で特殊外れ結果になった場合(事象B)は、通常遊技状態から第3時短遊技状態に移行する。この場合、特殊外れ結果になった特図遊技回では、特殊リーチ外れ演出(図183)が図柄表示装置75にて実行される。
第1時短遊技状態又は第2時短遊技状態の最終遊技回以外の遊技回で特殊外れ結果になった場合(事象C)は、第3時短遊技状態への移行が制限され、第1時短遊技状態又は第2時短遊技状態が継続される。この場合、特殊外れ結果になった特図遊技回では、遊技回用演出として完全外れ演出が図柄表示装置75にて実行される。なお、特図用表示部43では、特殊外れ結果に対応した絵柄が停止表示される。
第1時短遊技状態又は第2時短遊技状態の最終遊技回で特殊外れ結果になった場合(事象D)は、第1時短遊技状態又は第2時短遊技状態から第3時短遊技状態に移行する。なお、特殊外れ結果になった遊技回が各時短遊技状態の最終遊技回である場合に第3時短遊技状態への移行が許容されるのは、高頻度サポートモードの残り回数の更新処理(ステップSb5301の高頻度サポートモード更新用処理)を実行して時短遊技状態の終了を認識し、その後に第3時短遊技状態の移行判定処理(ステップSb5303の第3時短遊技状態の移行判定用処理)を実行するためである。
上記の場合、特殊外れ結果になった特図遊技回では、遊技回用演出として特殊リーチ外れ演出が図柄表示装置75にて実行される。また、その特図遊技回における確定表示時間の少なくとも一部において、高頻度サポートモードの残り回数が増えたことを報知する上乗せ演出(例えば図130(c)の上乗せ演出)が実行される。この際、上乗せ演出により報知される上乗せ回数は、第3時短遊技状態の上限回数に対応した回数(例えば300回)となる。
第3時短遊技状態の最終遊技回以外の遊技回で外れ遊技回の回数が天井回数に到達した場合(事象E)は、第2時短遊技状態への移行が制限され、第3時短遊技状態が継続される。この場合、天井到達した特図遊技回では、遊技回用演出として完全外れ演出が図柄表示装置75にて実行される。
第3時短遊技状態の最終遊技回で外れ遊技回の回数が天井回数に到達した場合(事象F)は、第3時短遊技状態から第2時短遊技状態に移行する。この場合、天井到達した特図遊技回では、遊技回用演出として天井到達用演出が図柄表示装置75にて実行される。また、その特図遊技回における確定表示時間の少なくとも一部において上記上乗せ演出が実行される。
なお、本変形例では第1時短遊技状態の上限回数が天井回数よりも少ない数に設定されているため、第1時短遊技状態の途中や最終遊技回で外れ遊技回の回数が天井回数に到達することはないが、上記第2の実施の形態のように第1時短遊技状態の上限回数と天井回数とを同じ回数に設定した場合には、第1時短遊技状態の最終遊技回で外れ結果となることで第1時短遊技状態から第2時短遊技状態に移行する。
通常遊技状態における同一の特図遊技回で天井到達と特殊外れ結果とが成立した場合(事象G)は、第2時短遊技状態の移行判定(ステップSb5302の第2時短遊技状態の移行判定用処理)→第3時短遊技状態の移行判定(ステップSb5303の第3時短遊技状態の移行判定用処理)の順で処理が実行されることにより、第2時短遊技状態への移行が優先される。すなわち、時短遊技状態中である場合は第2時短遊技状態又は第3時短遊技状態への移行が制限されるため、先の第2時短遊技状態の移行判定で第2時短遊技状態への移行が決定されることにより、後の第3時短遊技状態の移行判定において第3時短遊技状態への移行が制限される。これにより、遊技者にとって不利な側の第3時短遊技状態への移行を回避し、有利な側の第2時短遊技状態に移行させることができる。
この場合、天井到達と特殊外れ結果との両方が成立した特図遊技回では、遊技回用演出として天井到達用演出が図柄表示装置75にて実行される。なお、特図用表示部43では、特殊外れ結果に対応した絵柄が停止表示される。
以上詳述した本変形例によれば、以下の優れた効果を奏することができる。
外れ遊技回の回数が天井回数となることを契機として移行する第2時短遊技状態と、第2時短遊技状態よりも遊技者にとって不利な時短遊技状態であって、特殊外れ結果となることを契機として移行する第3時短遊技状態とを有する構成において、第2時短遊技状態の途中で特殊外れ結果となっても第3時短遊技状態への移行が制限されるようにした上で、1の特図遊技回において、第2時短遊技状態の移行判定が行われてから第3時短遊技状態の移行判定が行われる構成とした。
この構成によれば、天井回数への到達と特殊外れ結果の当選とが同一の特図遊技回で成立した場合に、第2時短遊技状態の移行判定にて第2時短遊技状態への移行条件の成立が判定された後、第3時短遊技状態の移行判定にて第3時短遊技状態への移行条件の成立が判定されても、上記制限により第3時短遊技状態への移行が回避される。これにより、有利な側の第2時短遊技状態への移行が実施され、遊技状態の制御を好適に行うことが可能になる。
第2時短遊技状態の移行判定及び第3時短遊技状態の移行判定を特図遊技回の開始時に行う構成とした。
上記構成では、第2時短遊技状態の移行判定及び第3時短遊技状態の移行判定を特図遊技回の開始時に行うため、遊技回用演出として、天井回数の到達に対応した天井到達用演出や、特殊外れ結果となったことに対応した特殊リーチ外れ演出の実行が設定されるよりも前に、それら各移行判定を行うことができる。例えば、天井回数への到達と特殊外れ結果の当選とが同一の特図遊技回で成立した場合は、上記天井到達用演出と特殊リーチ外れ演出のいずれもが遊技回用演出の実行対象として成立することになるが、本構成によれば、第3時短遊技状態への移行が回避され、第2時短遊技状態への移行が優先されることを踏まえて上記各演出の選択を行うことができる。これにより、移行先の時短遊技状態がいずれか一方に調整される場合において、調整された移行先の時短遊技状態と整合する遊技回用演出を好適に実行することが可能になる。
第2時短遊技状態の移行判定及び第3時短遊技状態の移行判定を特図遊技回の開始時に行う一方で、それら各時短遊技状態への移行は確定表示の開始に合わせて行う構成とした。
第2時短遊技状態の移行判定や第3時短遊技状態の移行判定を実行し、それら各時短遊技状態に移行させることや移行先の時短遊技状態を決定した場合は、あとはその決定結果に従って時短遊技状態に移行させるだけ(RAM314の各種フラグ格納エリア314eに対応する時短フラグをセットするだけ)の状態となる。このため、それら各移行判定を特図遊技回の開始時に行う構成では、時短遊技状態への移行についても特図遊技回の開始時に行うことが自然となる。
しかしながら、特図遊技回の開始時に時短遊技状態への移行を行うと、特図当否抽選の結果が報知される前であるにもかかわらず、時短遊技状態への移行に遊技者の関心が移ってしまい、遊技回の役割が適切に果たされなくなる懸念がある。この点、時短遊技状態への移行を確定表示の開始を待ってから行うことで、普電役物63aの挙動から遊技者が時短遊技状態に気付くことがあったとしても、特図当否抽選の結果が報知されるまで遊技回に注目させてから時短遊技状態への移行に関心が移る構成とすることができる。よって、遊技回への注目度が損なわれることを抑制しつつ、上記各移行判定を特図遊技回の開始時に実行し、調整された移行先の時短遊技状態と整合する遊技回用演出を実行することが可能になる。
また、第2時短遊技状態への移行条件及び第3時短遊技状態への移行条件は、いずれも特図当否抽選の結果が外れ結果となる場合に成立するものとなっている。このため、時短遊技状態への移行を特図遊技回の開始時に行うと、特図当否抽選の結果が報知される前であるにもかかわらず、遊技者が時短遊技状態への気付きから外れ結果を事前判別できてしまう不都合もある。この点、時短遊技状態への移行を確定表示の開始を待ってから行うことで、そのような不都合の発生を好適に抑制することが可能になる。
時短遊技状態の残り回数の更新が行われてから第2時短遊技状態の移行判定及び第3時短遊技状態の移行判定が行われる構成とした。
この構成によれば、例えば、第2時短遊技状態の最終遊技回にて特殊外れ結果となった場合に、その最終遊技回の中で第2時短遊技状態を終了させてから第3時短遊技状態に移行させることができる。これにより、特殊外れ結果への当選が無効化されて第3時短遊技状態への移行が制限されることを抑制できるほか、通常遊技状態での特図遊技回を介在させることなく、第2時短遊技状態から第3時短遊技状態への切り替えを行うことが可能になる。
第3時短遊技状態への移行に関するものとして特図当否抽選の結果に基づいて特殊リーチ外れ演出(特殊外れ結果になったこと又は第3時短遊技状態への移行に対応した報知)の実行を設定する処理(ステップSb3313)と、第2時短遊技状態への移行に関するものとして外れ遊技回の回数を更新する処理(ステップSb5504)とを備える場合において、1の遊技回(特殊外れ結果になった特図遊技回)において、前者の設定処理が行われるよりも前に後者の更新処理が行われるように構成した。
例えば、後者の更新処理に先立って前者の設定処理を実行する構成であると、天井回数への到達と特殊外れ結果の当選との両方が成立する特図遊技回において、設定処理の段階では、パチンコ機10が特殊外れ結果への当選のみを認識し、天井回数への到達を認識していない状態となる。この場合、必然的に特殊リーチ外れ演出を実行するという設定結果になるが、実際に移行する時短遊技状態は第2時短遊技状態に調整されるため、調整先の時短遊技状態と整合しない報知が行われることになる。この点、前者の設定処理に先立って後者の更新処理を実行することで、設定処理の段階でパチンコ機10が天井回数への到達を認識可能となり、特殊リーチ外れ演出の実行を取り止めることができる。これにより、実際に移行する時短遊技状態の種別と整合しない報知が特図遊技回にて行われることを抑制しながら移行先の時短遊技状態を調整することができ、遊技状態の制御を好適に行うことが可能になる。
なお、外れ遊技回の累積回数が天井回数に到達しない特図遊技回にて特殊外れ結果になった場合は、外れ遊技回の回数が更新された後に特殊リーチ外れ演出の実行が設定される。すなわち、第3時短遊技状態への移行条件のみが成立した場合は、それに対応した報知が適切に行われるようにすることができる。
図柄表示装置75にて外れ回数画像475を表示するとともに、その表示内容の更新を確定表示時間が経過してから行う構成とした。
上記構成では、外れ回数画像475が表示されることにより、累積回数の途中経過や天井回数までの残り回数等を遊技者が把握することができ、その後の遊技を進める上で有用な情報として活用することができる。この場合において特殊外れ結果に対応した報知の設定に先立ち外れ回数の更新処理を行う構成では、特図遊技回における比較的早い段階で当該更新処理が行われるものとなる。このような場合に、外れ回数が更新されたことに対応して直ちに外れ回数画像475の表示内容を更新すると、特図当否抽選の結果を報知する前であるにもかかわらず、遊技者が外れ結果であることを判別できてしまう懸念がある。この点、外れ回数画像475の更新を確定表示の終了まで待って行うことで、外れ結果の事前判別が可能となることが抑制される。これにより、大当たりへの期待感を持続させることができ、遊技回への注目度の低下を抑制することが可能になる。
<変形例7>
上記変形例6では、時短遊技状態中に天井到達や特殊外れ結果となっても第2時短遊技状態又は第3時短遊技状態への移行が制限されるが、本変形例では、これらの移行が許容されるように構成されている。以下、本変形例の構成について図191~図194を参照しながら説明する。これらの図において上記第2の実施の形態や各変形例と同様の構成については同一の符号を付し、その説明を省略する。
本変形例における特図遊技回の当否テーブルや種別テーブルの構成は、図178~図179に示す上記変形例6の当否テーブルや種別テーブルと同様である。また、第2時短遊技状態や第3時短遊技状態についても、図179に示す上記変形例6の第2時短遊技状態や第3時短遊技状態と同様である。すなわち、第3時短遊技状態よりも第2時短遊技状態の方が継続回数が多く、遊技者にとって第2時短遊技状態の方が有利な時短遊技状態となっている。
<変動開始処理>
本変形例に係る変動開始処理について図191のフローチャートを参照しながら説明する。この処理は、特図遊技回制御処理(図181)のステップSb5201で実行されるものであり、図182の変動開始処理に代えて実行されるものである。図191において図182と同様の処理については同一のステップ番号を付し、その説明を省略又は簡略化する。
ステップSb3307、ステップSb3311又はステップSb3312の実行後、すなわち、各当否抽選結果に対応する停止結果を設定した後は、ステップSb5301にて、高頻度サポートモードでの特図遊技回の回数を更新するための高頻度サポートモード更新用処理を実行する。ステップSb6101では、第3時短遊技状態の移行契機が成立したか否かを判定するための第3時短遊技状態の移行判定用処理を実行し、ステップSb6102では、第2時短遊技状態の移行契機が成立したか否かを判定するための第2時短遊技状態の移行判定用処理を実行する。すなわち、上記変形例6では、第2時短遊技状態の移行判定用処理を実行してから第3時短遊技状態の移行判定用処理を実行したが、本変形例では、第3時短遊技状態の移行判定用処理を実行してから第2時短遊技状態の移行判定用処理を実行する。ステップSb6101、ステップSb6102の詳細については後述する。
ステップSb6102の実行後はステップSb3313にて、第1特図表示部AS又は第2特図表示部BSにおける今回の遊技回の変動表示時間を設定するための変動表示時間の設定処理を実行する。本変形例においても、上記変形例6と同様に、天井到達時用の変動パターンR1(例えば18sec)と、特殊外れ結果用の変動パターンR2(例えば15sec)とが設定されている(図183)。ステップSb3313の実行後はステップSb712以降の処理を実行する。
<第3時短遊技状態の移行判定用処理>
ステップSb6101の第3時短遊技状態の移行判定用処理について図192のフローチャートを参照しながら説明する。図192において図186の第3時短遊技状態の移行判定用処理と同様の処理については同一のステップ番号を付し、その説明を省略又は簡略化する。
先ずステップSb5601では、RAM314の各種フラグ格納エリア314eに特殊外れフラグがセットされているか否かを判定する。特殊外れフラグがセットされている場合は、ステップSb5602にて、上記各種フラグ格納エリア314eに高確率フラグがセットされているか否かを判定する。
高確率フラグがセットされていない場合は、ステップSb6201にて、上記各種フラグ格納エリア314eに第1サポートフラグ、第2サポートフラグ又は第3サポートフラグのいずれかがセットされているか否かを判定する。これらサポートフラグのいずれかがセットされている場合、すなわち、現在の遊技状態が第1時短遊技状態、第2時短遊技状態又は第3時短遊技状態のいずれかである場合は、ステップSb6202にて、上記各種フラグ格納エリア314eに時短終了用フラグをセットする。すなわち、本変形例では、第1時短遊技状態、第2時短遊技状態又は第3時短遊技状態である状況で特殊外れ結果になった場合、滞在中の時短遊技状態を終了させるように構成されている。
ステップSb6202の実行後又はステップSb6201で否定判定した場合(いずれのサポートフラグもセットされていない場合)は、ステップSb6203にて、上記各種フラグ格納エリア314eに第3時短開始用フラグをセットし、その後、第3時短遊技状態の移行判定用処理を終了する。第3時短開始用フラグは、第3時短遊技状態に移行すべきであることをMPU312が把握するためのものである。
<第2時短遊技状態の移行判定用処理>
ステップSb6102の第2時短遊技状態の移行判定用処理について図193のフローチャートを参照しながら説明する。図193において図185の第2時短遊技状態の移行判定用処理と同様の処理については同一のステップ番号を付し、その説明を省略又は簡略化する。
ステップSb5503で否定判定した場合(高確率フラグがセットされていない場合)は、ステップSb5504にて、RAM314の各種カウンタエリア314dに設けられた外れ回数カウンタエリアHCの値を更新する。ステップSb5505では、上記外れ回数カウンタエリアHCの値が「0」であるか否かを判定する。外れ回数カウンタエリアHCの値が「0」である場合、すなわち、外れ遊技回の回数が天井回数に到達した場合には、ステップSb5506に進み、上記各種フラグ格納エリア314eに到達済みフラグをセットする。
ステップSb6301では、上記各種フラグ格納エリア314eに第1サポートフラグ、第2サポートフラグ又は第3サポートフラグのいずれかがセットされているか否かを判定する。これらサポートフラグのいずれかがセットされている場合、すなわち、現在の遊技状態が第1時短遊技状態、第2時短遊技状態又は第3時短遊技状態のいずれかである場合は、ステップSb6302にて、上記各種フラグ格納エリア314eに時短終了用フラグをセットする。
ステップSb6302の実行後又はステップSb6301で否定判定した場合(いずれのサポートフラグもセットされていない場合)は、ステップSb6303にて、上記各種フラグ格納エリア314eに第3時短開始用フラグがセットされているか否かを判定する。第3時短開始用フラグがセットされている場合、すなわち、天井到達した特図遊技回で特殊外れ結果となっている場合は、ステップSb6304に進み、上記第3時短開始用フラグをクリアする処理を実行する。これにより、第3時短遊技状態への移行がキャンセルされる。
ステップSb6304の実行後又はステップSb6303で否定判定した場合(第3時短開始用フラグがセットされていない場合)は、ステップSb6305にて上記各種フラグ格納エリア314eに第2時短開始用フラグをセットし、その後、第2時短遊技状態の移行判定用処理を終了する。第2時短開始用フラグは、第2時短遊技状態に移行すべきであることをMPU312が把握するためのものである。
このように本変形例では、天井到達と特殊外れ結果との両方が同一の遊技回で成立した場合に、先ずは、特殊外れ結果への当選に基づいて第3時短遊技状態に移行すべきと設定され、その後、天井到達の成立に基づいて第2時短遊技状態に移行すべきと書き換えられる。第2時短遊技状態は、第3時短遊技状態よりも上限回数が多く、遊技者にとって有利な時短遊技状態であるところ、上記のような構成であることで、両方の移行契機が同時に成立した場合に有利な側の時短遊技状態に移行させることができる。
また、ステップSb5301の高頻度サポートモード更新用処理、ステップSb6101の第3時短遊技状態の移行判定用処理、ステップSb6102の第2時短遊技状態の移行判定用処理は、ステップSb3313の変動表示時間の設定処理に先立って実行される。このため、天井到達と特殊外れ結果との両方が成立した特図遊技回において、第2時短遊技状態への移行を優先する決定結果を変動表示時間(変動パターン)の選択に反映させることができる。具体的には、外れ遊技回の回数が天井回数に到達した特図遊技回において同時に特殊外れ結果にもなっている場合に、その遊技回の変動パターンとして天井到達に対応した変動パターンR1(図183)を設定することができる。これにより、移行する遊技状態に整合した遊技回用演出を実行することが可能になる。
<遊技状態の流れについて>
本変形例における遊技状態の流れについて図194を参照しながら説明する。なお、事象A~事象Bについては上記変形例6における事象A~事象Bの場合と同様であるため、説明を省略する。
第1時短遊技状態又は第2時短遊技状態である状況で特殊外れ結果になった場合(事象C)は、それらの各時短遊技状態から第3時短遊技状態に移行する。この場合、特殊外れ結果になった特図遊技回では、遊技回用演出として特殊リーチ外れ演出が図柄表示装置75にて実行される。
第3時短遊技状態である状況で外れ遊技回の回数が天井回数に到達した場合(事象D)は、第3時短遊技状態から第2時短遊技状態に移行する。この場合、天井到達した特図遊技回では、遊技回用演出として天井到達用演出が図柄表示装置75にて実行される。
通常遊技状態における同一の特図遊技回で天井到達と特殊外れ結果とが成立した場合(事象E)は、第3時短遊技状態の移行判定(ステップSb6101の第3時短遊技状態の移行判定用処理)→第2時短遊技状態の移行判定(ステップSb6102の第2時短遊技状態の移行判定用処理)の順で処理が実行されることにより、第2時短遊技状態への移行が優先される。すなわち、時短遊技状態中に移行契機が成立した場合に第2時短遊技状態又は第3時短遊技状態への移行が許容されるため、先の第3時短遊技状態の移行判定で第3時短遊技状態への移行が決定されても、後の第2時短遊技状態の移行判定で第2時短遊技状態に移行するように決定結果が変更されるからである。これにより、遊技者にとって不利な側の第3時短遊技状態への移行を回避し、有利な側の第2時短遊技状態に移行させることができる。
この場合、天井到達と特殊外れ結果との両方が成立した特図遊技回では、遊技回用演出として天井到達用演出が図柄表示装置75にて実行される。なお、特図用表示部43では、特殊外れ結果に対応した絵柄が停止表示される。
以上詳述した本変形例によれば、以下の優れた効果を奏することができる。
外れ遊技回の回数が天井回数となることを契機として移行する第2時短遊技状態と、第2時短遊技状態よりも遊技者にとって不利な時短遊技状態であって、特殊外れ結果となることを契機として移行する第3時短遊技状態とを有する構成において、第2時短遊技状態の途中で特殊外れ結果となった場合に第3時短遊技状態への移行が許容されるようにした上で、1の特図遊技回において、第3時短遊技状態の移行判定が行われてから第2時短遊技状態の移行判定が行われる構成とした。
この構成によれば、天井回数への到達と特殊外れ結果の当選とが同一の特図遊技回で成立した場合に、第3時短遊技状態の移行判定にて第3時短遊技状態への移行が判定されても、その後、第2時短遊技状態の移行判定にて第2時短遊技状態への移行が判定されることで、先の第3時短遊技状態の移行判定の結果をキャンセルすることができる。これにより、有利な側の第2時短遊技状態への移行が実施され、遊技状態の制御を好適に行うことが可能になる。
<変形例8>
上記変形例6及び変形例7では、第2時短遊技状態の移行判定用処理と第3時短遊技状態の移行判定用処理との順序を固定化したが、本変形例では、これらの順序を切り替え可能に構成されている。以下、本変形例の構成について図195~図200を参照しながら説明する。これらの図において上記第2の実施の形態や各変形例と同様の構成については同一の符号を付し、その説明を省略する。
本変形例では、上記変形例6と同様に、時短遊技状態である状況で外れ遊技回の回数が天井回数に到達したり、当否抽選結果が特殊外れ結果になったりした場合に、第2時短遊技状態又は第3時短遊技状態への移行が制限されるように構成されている。
また、本変形例における特図遊技回の当否テーブルや種別テーブルの構成は、図178~図179に示す上記変形例6の当否テーブルや種別テーブルと同様である。また、外れ遊技回の回数が天井回数に到達したことを契機として移行する第2時短遊技状態についても図179に示す上記変形例6の第2時短遊技状態と同様である。
但し、本変形例では、特殊外れ結果の種別が複数設定され、第3時短遊技状態の種別も複数設定されている。
<特殊外れ用の種別テーブル及び第3時短遊技状態>
本変形例に係る特殊外れ用の種別テーブル及び第3時短遊技状態について図195を参照しながら説明する。
本変形例では、大当たり用の種別テーブルとは別の種別テーブルとして、特殊外れ用の種別テーブル(第1特図用)を備えている。特殊外れ用の種別テーブル(第1特図用)は、第1特図の当否抽選結果が特殊外れ結果になった場合に参照される種別テーブルであり、ROM313の種別テーブル記憶エリア313bに記憶されている。
図195(a)に示すように、特殊外れ用の種別テーブル(第1特図用)では、選択可能な特殊外れ種別として特殊外れ結果Aと特殊外れ結果Bとが設定されている。特殊外れ結果Aは第3時短遊技状態Aに移行する特殊外れ結果であり、特殊外れ結果Bは第3時短遊技状態Bに移行する特殊外れ結果である。
図195(b)に示すように、第3時短遊技状態Aは、特図遊技回の実行回数が予め定められた第6上限回数(例えば300回)に達するまで継続される時短遊技状態である。第6上限回数は第2時短遊技状態の第5上限回数(例えば500回)よりも少ない回数であり、第3時短遊技状態Aよりも第2時短遊技状態の方が遊技者にとって有利な時短遊技状態となっている。
第3時短遊技状態Bは、特図遊技回の実行回数が予め定められた第7上限回数(例えば700回)に達するまで継続される時短遊技状態である。第7上限回数は第2時短遊技状態の第5上限回数よりも多い回数であり、第2時短遊技状態よりも第3時短遊技状態Bの方が遊技者にとって有利な時短遊技状態となっている。
特殊外れ用の種別テーブル(第1特図用)では、大当たり種別カウンタC2の「0」~「89」が特殊外れ結果Aに対応し、「90」~「99」が特殊外れ結果Bに対応している。すなわち、特殊外れ結果Aに振り分けられる確率は90%、特殊外れ結果Bに振り分けられる確率は10%に設定されている。
第2特図の当否抽選においても特殊外れ結果が設定されているが(図178(a))、第2特図の特殊外れ結果については1種類のみが設定されている。すなわち、第2特図に対応する特殊外れ用の種別テーブルは設定されていない。第2特図の当否抽選で特殊外れ結果になった場合には第3時短遊技状態Aに移行する。なお、この構成は、理解や説明の容易化を図るための便宜上のものであり、第2特図の特殊外れ結果の種別を複数設定しても構わない。
<変動開始処理>
本変形例に係る変動開始処理について図196のフローチャートを参照しながら説明する。この処理は、特図遊技回制御処理(図181)のステップSb5201で実行されるものであり、図182の変動開始処理に代えて実行されるものである。図196において図182と同様の処理については同一のステップ番号を付し、その説明を省略又は簡略化する。
ステップSb3307、ステップSb3311又はステップSb3312の実行後、すなわち、各当否抽選結果に対応する停止結果を設定した後は、ステップSb5301にて、高頻度サポートモードでの特図遊技回の回数を更新するための高頻度サポートモード更新用処理を実行する。
ステップSb6501では、RAM314の各種フラグ格納エリア314eに特殊外れフラグがセットされているか否かを判定する。特殊外れフラグがセットされている場合、すなわち、今回の特図当否抽選の結果が特殊外れ結果である場合は、ステップSb6502に進み、特殊外れ結果の種別が特殊外れ結果Bであるか否かを判定する。特殊外れ結果Bは、第3時短遊技状態Bの移行契機となるものであり、第3時短遊技状態Bは、天井到達を契機とする第2時短遊技状態よりも遊技者にとって有利な時短遊技状態である。
特殊外れ結果の種別が特殊外れ結果Bでない場合は、特殊外れ結果Aであることを意味する。特殊外れ結果Aは、第3時短遊技状態Aの移行契機となるものであり、第3時短遊技状態Aは、第2時短遊技状態よりも遊技者にとって不利な時短遊技状態である。この場合はステップSb6503に進み、第2時短遊技状態の移行用判定処理Aを実行し、その後、ステップSb6504にて、第3時短遊技状態の移行用判定処理Aを実行する。
ステップSb6503の第2時短遊技状態の移行用判定処理AとステップSb6504の第3時短遊技状態の移行用判定処理Aとは、上記変形例6に係るステップSb5302の第2時短遊技状態の移行用判定処理(図185)とステップSb5303の第3時短遊技状態の移行用判定処理(図186)と同様のものである。よって、天井回数への到達と特殊外れ結果への当選が同一の遊技回で成立した場合において特殊外れ結果の種別が特殊外れ結果Aである場合は、天井回数への到達を反映させて時短遊技状態への移行処理が行われる。すなわち、第3時短遊技状態Aへの移行が制限され、第2時短遊技状態に移行する旨が決定される。
また、ステップSb6501で否定判定した場合(特殊外れフラグがセットされていない場合)、すなわち、今回の特図当否抽選結果が通常外れ結果である場合も、ステップSb6503に進む。
ステップSb6502で肯定判定した場合(特殊外れ結果の種別が特殊外れ結果Bである場合)は、ステップSb6505にて第3時短遊技状態の移行用判定処理Bを実行し、その後、ステップSb6506にて第2時短遊技状態の移行用判定処理Bを実行する。すなわち、ステップSb6502で否定判定した場合とは逆の順序で処理を行う。
ここで、ステップSb6505の第3時短遊技状態の移行用判定処理Bについて図197のフローチャートに基づいて説明する。図197において図186の第3時短遊技状態の移行用判定処理と同様の処理については同一のステップ番号を付し、その説明を省略又は簡略化する。
図197に示すように、ステップSb6505の第3時短遊技状態の移行用判定処理Bは、基本的に図186の第3時短遊技状態の移行用判定処理と同様であるが、ステップSb5605の処理を備えていない点で異なっている。ステップSb5605は、第2時短開始用フラグがセットされている場合(第2時短遊技状態に移行すべき状況である場合)に第3時短遊技状態への移行を制限するものであるが、ステップSb6505の第3時短遊技状態の移行用判定処理Bでは、このような処理を実行しない。すなわち、第2時短遊技状態に移行すべき状況であるか否かを考慮することなく、他の時短遊技状態の滞在中でなければ、第3時短遊技状態に移行すべきとして第3時短開始用フラグをセットする。
次に、ステップSb6506の第2時短遊技状態の移行用判定処理Bについて図198のフローチャートを参照しながら説明する。図198において図185の第2時短遊技状態の移行用判定処理と同一の処理については同一のステップ番号を付し、その説明を省略又は簡略化する。
図198に示すように、ステップSb6506の第3時短遊技状態の移行用判定処理Bは、基本的に図185の第2時短遊技状態の移行用判定処理と同様であるが、ステップSb6601の処理を備えている点で異なっている。ステップSb6601は、第3時短開始用フラグがセットされている場合に第2時短遊技状態への移行を制限するものである。よって、天井回数への到達と特殊外れ結果への当選が同一の遊技回で成立した場合において特殊外れ結果の種別が特殊外れ結果Bである場合には、特殊外れ結果への当選を反映させて時短遊技状態への移行処理が行われる。すなわち、第2時短遊技状態への移行が制限され、第3時短遊技状態Bに移行する旨が決定される。
変動開始処理(図196)の説明に戻り、ステップSb6504又はステップSb6506の実行後は、ステップSb3313にて変動表示時間の設定処理を実行する。変動表示時間の設定処理では、外れ遊技回の回数が天井回数に到達している場合は、天井到達に対応した変動パターンR1(図183)を設定し、当否抽選結果が特殊外れ結果である場合は、特殊外れ結果に対応した変動パターンR2を設定する。但し、天井回数への到達と特殊外れ結果への当選との両方が同一の遊技回で成立している場合は、いずれの時短遊技状態に移行させるかの決定結果を加味して変動パターンを設定する。具体的には、第2時短遊技状態に移行する旨を決定している場合は、天井到達に対応した変動パターンR1を設定し、第3時短遊技状態Bに移行する旨を決定している場合は、特殊外れ結果に対応した変動パターンR2を設定する。ステップSb3313の実行後はステップSb712以降の処理を実行する。
<時短遊技状態移行用処理>
本変形例に係る時短遊技状態移行用処理について図199のフローチャートを参照しながら説明する。この処理は、特図遊技回制御処理(図181)のステップSb5203で実行されるものであり、図188の時短遊技状態移行用処理に代えて実行されるものである。図199において図188と同様の処理については同一のステップ番号を付し、その説明を省略又は簡略化する。
ステップSb5801で否定判定した場合(第2時短開始用フラグがセットされていない場合)は、ステップSb5805にて、RAM314の各種フラグ格納エリア314eに第3時短開始用フラグがセットされているか否かを判定する。第3時短開始用フラグがセットされている場合は、ステップSb5806にて、上記各種フラグ格納エリア314eに第3サポートフラグをセットする。これにより、第3時短遊技状態に移行する。
ステップSb6701では、特殊外れ結果の種別が特殊外れ結果Bであるか否かを判定する。特殊外れ結果Bでない場合、すなわち、特殊外れ結果Aである場合は、ステップSb6702に進み、RAM314の各種カウンタエリア314dに設けられたサポートカウンタエリアSCに第6上限回数に対応する値(例えば300)をセットする。これにより、移行する第3時短遊技状態が第3時短遊技状態Aに設定される。
ステップSb6701で肯定判定した場合(特殊外れ結果Bである場合)は、ステップSb6703に進み、上記サポートカウンタエリアSCに第7上限回数に対応する値(例えば700)をセットする。これにより、移行する第3時短遊技状態が第3時短遊技状態Bに設定される。
ステップSb6702又はステップSb6703の実行後はステップSb6704にて、演出制御装置143への送信対象として第3時短遊技状態開始コマンドを設定する。その際、第3時短遊技状態Aに移行する場合は、第3時短遊技状態Aに対応した開始コマンドを設定し、第3時短遊技状態Bに移行する場合は、第3時短遊技状態Bに対応した開始コマンドを設定する。それら各開始コマンドには上限回数を示す情報が含まれる。
ステップSb5804又はステップSb6704の実行後はステップSb5809にて、時短開始用フラグをクリアする処理を実行する。その後、ステップSb5810以降の処理を実行する。
<遊技状態の流れについて>
本変形例における遊技状態の流れについて図200を参照しながら説明する。なお、事象Aについては上記変形例6における事象Aの場合と同様であるため、説明を省略する。
通常遊技状況である状況で特殊外れ結果A又は特殊外れ結果Bになった場合(事象B)には、通常遊技状態から第3時短遊技状態A又は第3時短遊技状態Bに移行する。この場合、特殊外れ結果になった特図遊技回では、遊技回用演出として特殊リーチ外れ演出(図183)が図柄表示装置75にて実行される。
第1時短遊技状態又は第2時短遊技状態の最終遊技回以外の遊技回で特殊外れ結果A又は特殊外れ結果Bになった場合(事象C)は、第3時短遊技状態A又は第3時短遊技状態Bへの移行が制限され、第1時短遊技状態又は第2時短遊技状態が継続される。この場合、特殊外れ結果になった特図遊技回では、遊技回用演出として完全外れ演出が図柄表示装置75にて実行される。なお、特図用表示部43では、特殊外れ結果に対応した絵柄が停止表示される。
第1時短遊技状態又は第2時短遊技状態の最終遊技回で特殊外れ結果A又は特殊外れ結果Bになった場合(事象D)は、それら各時短遊技状態から第3時短遊技状態A又は第3時短遊技状態Bに移行する。この場合、特殊外れ結果になった特図遊技回では、遊技回用演出として特殊リーチ外れ演出が図柄表示装置75にて実行される。
第3時短遊技状態A又は第3時短遊技状態Bの最終遊技回以外の遊技回で外れ遊技回の回数が天井回数に到達した場合(事象E)は、第2時短遊技状態への移行が制限され、第3時短遊技状態A又は第3時短遊技状態Bが継続される。この場合、天井到達した特図遊技回では、遊技回用演出として完全外れ演出が図柄表示装置75にて実行される。
第3時短遊技状態A又は第3時短遊技状態Bの最終遊技回で外れ遊技回の回数が天井回数に到達した場合(事象F)は、それらの各第3時短遊技状態から第2時短遊技状態に移行する。この場合、天井到達した特図遊技回では、遊技回用演出として天井到達用演出が図柄表示装置75にて実行される。
通常遊技状態における同一の特図遊技回で天井到達と特殊外れ結果Aとが成立した場合(事象G)は、第2時短遊技状態の移行判定(ステップSb6503の第2時短遊技状態の移行判定用処理A)→第3時短遊技状態の移行判定(ステップSb6504の第3時短遊技状態の移行判定用処理A)の順で処理が実行されることにより、第2時短遊技状態への移行が優先される。すなわち、時短遊技状態中である場合は第2時短遊技状態又は第3時短遊技状態Aへの移行が制限されるため、先の第2時短遊技状態の移行判定で第2時短遊技状態への移行が決定されることにより、後の第3時短遊技状態の移行判定において第3時短遊技状態Aへの移行が制限される。これにより、遊技者にとって不利な側の第3時短遊技状態Aへの移行を回避し、有利な側の第2時短遊技状態に移行させることができる。
この場合、天井到達と特殊外れ結果との両方が成立した特図遊技回では、遊技回用演出として天井到達用演出が図柄表示装置75にて実行される。なお、特図用表示部43では、特殊外れ結果Aに対応した絵柄が停止表示される。
通常遊技状態における同一の特図遊技回で天井到達と特殊外れ結果Bとが成立した場合(事象H)は、第3時短遊技状態の移行判定(ステップSb6505の第3時短遊技状態の移行判定用処理B)→第2時短遊技状態の移行判定(ステップSb6506の第2時短遊技状態の移行判定用処理B)の順で処理が実行されることにより、第3時短遊技状態Bへの移行が優先される。すなわち、時短遊技状態中である場合は第2時短遊技状態又は第3時短遊技状態Bへの移行が制限されるため、先の第3時短遊技状態の移行判定で第3時短遊技状態Bへの移行が決定されることにより、後の第2時短遊技状態の移行判定において第2時短遊技状態への移行が制限される。これにより、遊技者にとって不利な側の第2時短遊技状態への移行を回避し、有利な側の第3時短遊技状態Bに移行させることができる。この場合、天井到達と特殊外れ結果との両方が成立した特図遊技回では、遊技回用演出として特殊リーチ外れ演出が図柄表示装置75にて実行される。
以上詳述した本変形例によれば、以下の優れた効果を奏することができる。
外れ遊技回の回数が天井回数となることを契機として移行する第2時短遊技状態と、第2時短遊技状態よりも遊技者にとって有利な時短遊技状態であって、特殊外れ結果となることを契機として移行する第3時短遊技状態Bとを有する構成において、第2時短遊技状態の途中で特殊外れ結果となっても第3時短遊技状態Bへの移行が制限されるようにした上で、1の特図遊技回において、第3時短遊技状態Bの移行判定(ステップSb6505)が行われてから第2時短遊技状態の移行判定(ステップSb6506)が行われる構成とした。
この構成によれば、天井回数への到達と特殊外れ結果の当選とが同一の特図遊技回で成立した場合に、第3時短遊技状態Bの移行判定にて第3時短遊技状態Bへの移行条件の成立が判定された後、第2時短遊技状態の移行判定にて第2時短遊技状態への移行条件の成立が判定されても、上記制限により第2時短遊技状態への移行が回避される。これにより、有利な側の第3時短遊技状態Bへの移行が実施され、遊技状態の制御を好適に行うことが可能になる。
第2時短遊技状態よりも不利な第3時短遊技状態Aと、第2時短遊技状態よりも有利な第3時短遊技状態Bとを有し、天井回数への到達と特殊外れ結果の当選とが同一の特図遊技回で成立した場合に、特殊外れ結果の種別(移行先の第3時短遊技状態の種別)を参照し、その結果に基づいて移行判定の順序を切り替える構成とした。
この構成によれば、天井回数への到達と特殊外れ結果の当選とが同一の特図遊技回で成立した場合において、特殊外れ結果の種別が特殊外れ結果A(第2時短遊技状態よりも不利な第3時短遊技状態Aへの移行に対応する種別)である場合には、第2時短遊技状態の移行判定(ステップSb6503)→第3時短遊技状態Aの移行判定(ステップSb6504)の順で処理を実行し、特殊外れ結果の種別が特殊外れ結果B(第2時短遊技状態よりも有利な第3時短遊技状態Bへの移行に対応する種別)である場合には、第3時短遊技状態Bの移行判定(ステップSb6505)→第2時短遊技状態の移行判定(ステップSb6506)の順で処理を実行することができる。このような構成であることで、複数の第3時短遊技状態を有し、第2時短遊技状態よりも不利なものと有利なものとが混在する状況であっても、常に有利な側の時短遊技状態への移行を優先させることができる。
<変形例9>
本変形例では、外れ遊技回の回数が天井回数に到達し、第2時短遊技状態への移行条件が成立した特図遊技回において、第3時短遊技状態に移行させるか否かの判定処理を実行しないように構成されている。以下、本変形例の構成について図201及び図202を参照しながら説明する。
本変形例では、上記変形例8と同様に、時短遊技状態である状況で外れ遊技回の回数が天井回数に到達したり、当否抽選結果が特殊外れ結果になったりした場合に、第2時短遊技状態又は第3時短遊技状態への移行が制限されるように構成されている。
本変形例における特図遊技回の当否テーブルや大当たり種別テーブル、第2時短遊技状態については、図178~図179に示す上記変形例6の当否テーブルや大当たり種別テーブル、第2時短遊技状態と同様である。また、本変形例における特殊外れ種別テーブルや第3時短遊技状態については、図195に示す上記変形例8の特殊外れ種別テーブルや第3時短遊技状態と同様である。すなわち、第3時短遊技状態として第3時短遊技状態Aと第3時短遊技状態Bとを有し、第3時短遊技状態Aは第2時短遊技状態よりも上限回数が少なく、第3時短遊技状態Bは第2時短遊技状態よりも上限回数が多い時短遊技状態となっている。
<変動開始処理>
本変形例に係る変動開始処理について図201のフローチャートを参照しながら説明する。この処理は、主制御装置162による特図遊技回制御処理(図181)のステップSb5201で実行されるものであり、図196の変動開始処理に代えて実行されるものである。図201において図196と同様の処理については同一のステップ番号を付し、その説明を省略又は簡略化する。
ステップSb3307、ステップSb3311又はステップSb3312の実行後、すなわち、各当否抽選結果に対応する停止結果を設定した後は、ステップSb5301にて、高頻度サポートモードでの特図遊技回の回数を更新するための高頻度サポートモード更新用処理を実行する。
ステップSb7201では、第2時短遊技状態に移行させるか否かを判定するための第2時短遊技状態の移行判定用処理を実行する。この処理は、上記変形例6に係る図185の第2時短遊技状態の移行判定用処理と同様のものである。
図185を援用してステップSb7201の第2時短遊技状態の移行判定用処理について説明すると、先ずステップSb5501では、今回の特図当否抽選の結果が大当たり結果であるか否かを判定する。大当たり結果でない場合には、ステップSb5502に進み、RAM314の各種フラグ格納エリア314eに到達済みフラグがセットされているか否かを判定する。
到達済みフラグがセットされていない場合は、ステップSb5503にて、上記各種フラグ格納エリア314eに高確率フラグがセットされているか否かを判定する。高確率フラグがセットされていない場合は、ステップSb5504に進み、RAM314の各種カウンタエリア314dに設けられた外れ回数カウンタエリアHCの値を更新する。
ステップSb5505では、上記外れ回数カウンタエリアHCの値が「0」であるか否かを判定する。外れ回数カウンタエリアHCの値が「0」である場合、すなわち、外れ遊技回の回数が天井回数に到達した場合には、ステップSb5506に進み、上記各種フラグ格納エリア314eに到達済みフラグをセットする。
ステップSb5507では、第1サポートフラグ、第2サポートフラグ又は第3サポートフラグのいずれかがセットされているか否かを判定する。いずれかのサポートフラグがセットされている場合は、ステップSb5509にて、上記各種フラグ格納エリア314eに時短終了用フラグがセットされているか否かを判定する。
ステップSb5507で否定判定した場合(いずれのサポートフラグもセットされていない場合)又はステップSb5509で肯定判定した場合(時短終了用フラグがセットされている場合)は、ステップSb5508にて、上記各種フラグ格納エリア314eに第2時短開始用フラグをセットする。第2時短開始用フラグは、第2時短遊技状態に移行すべきであることをMPU312が把握するためのものである。
変動開始処理(図201)の説明に戻り、ステップSb7201の第2時短遊技状態の移行判定用処理を実行した後は、ステップSb7202にて、上記各種フラグ格納エリア314eに第2時短開始用フラグがセットされているか否かを判定する。第2時短開始用フラグがセットされていない場合、すなわち、第2時短遊技状態に移行すべき状況でない場合は、ステップSb7203にて、第3時短遊技状態に移行させるか否かを判定するための第3時短遊技状態の移行判定用処理を実行する。この処理は、上記変形例8に係る図197の第3時短遊技状態の移行判定用処理Bと同様のものである。
図197を援用してステップSb7203の第3時短遊技状態の移行判定用処理について説明すると、先ずステップSb5601では、上記各種フラグ格納エリア314eに特殊外れフラグがセットされているか否かを判定する。特殊外れフラグがセットされている場合、すなわち、今回の特図当否抽選の結果が特殊外れ結果(特殊外れ結果A又は特殊外れ結果B)となった場合は、ステップSb5602に進み、上記各種フラグ格納エリア314eに高確率フラグがセットされているか否かを判定する。
高確率フラグがセットされていない場合は、ステップSb5603にて、上記各種フラグ格納エリア314eに第1サポートフラグ、第2サポートフラグ又は第3サポートフラグのいずれかがセットされているか否かを判定する。これらサポートフラグのいずれかがセットされている場合は、ステップSb5604にて、上記各種フラグ格納エリア314eに時短終了用フラグがセットされているか否かを判定する。
ステップSb5603で否定判定した場合(いずれのサポートフラグもセットされておらず、現在の遊技状態が通常遊技状態である場合)又はステップSb5604で肯定判定した場合(時短終了用フラグがセットされており、各時短遊技状態の最終遊技回である場合)は、ステップSb5606にて、上記各種フラグ格納エリア314eに第3時短開始用フラグをセットする。第3時短開始用フラグは、第3時短遊技状態に移行すべきであることをMPU312が把握するためのものである。
変動開始処理(図201)の説明に戻り、ステップSb7202で肯定判定した場合(第2時短開始用フラグがセットされている場合)は、ステップSb7204に進み、上記各種フラグ格納エリア314eに特殊外れフラグがセットされているか否かを判定する。特殊外れフラグがセットされている場合、すなわち、今回の特図当否抽選の結果が特殊外れ結果である場合は、ステップSb7205にて、セットされている特殊外れフラグをクリアする処理を実行する。
ステップSb7203、ステップSb7205の実行後又はステップSb7204で否定判定した場合(特殊外れフラグがセットされていない場合)はステップSb3313にて、第1特図表示部AS又は第2特図表示部BSにおける今回の遊技回の変動表示時間を設定するための変動表示時間の設定処理を実行する。本変形例においても、上記変形例6と同様に、天井到達時用の変動パターンR1(例えば18sec)と、特殊外れ結果用の変動パターンR2(例えば15sec)とが設定されている(図183)。ステップSb3313の実行後はステップSb712以降の処理を実行する。
<遊技状態の流れについて>
本変形例における遊技状態の流れについて図202を参照しながら説明する。なお、事象A~事象Fについては上記変形例8における事象A~事象Fの場合と同様であるため、説明を省略する。
本変形例では、第2時短遊技状態の移行判定用処理(ステップSb7201)→第3時短遊技状態の移行判定用処理(ステップSb7203)の順で処理が実行され、第2時短遊技状態の移行判定用処理において第2時短開始用フラグがセットされた場合には、第3時短遊技状態の移行判定用処理の実行が回避される。よって、通常遊技状態における同一の特図遊技回で天井到達と特殊外れ結果A又はBとが成立した場合(事象G)は、第3時短遊技状態A又はBへの移行が制限され、通常遊技状態から第2時短遊技状態に移行する。
この場合、天井到達と特殊外れ結果A又はBとの両方が成立した特図遊技回では、遊技回用演出として天井到達用演出が図柄表示装置75にて実行される。この際、特図用表示部43では、特殊外れ結果A又はBに対応した絵柄が停止表示される。
なお、第3時短遊技状態Aは第2時短遊技状態よりも遊技者にとって不利な時短遊技状態であるのに対し、第3時短遊技状態Bは第2時短遊技状態よりも遊技者にとって有利な時短遊技状態であり、それら各第3時短遊技状態は第2時短遊技状態との関係において有利不利が異なる構成となっている。本変形例では、そのような有利関係の相違にかかわらず、天井到達と同時に成立した特殊外れ結果の種別がいずれであっても、第2時短遊技状態への移行を優先する構成としている。このような構成とすることで、次の効果を期待することができる。
第2時短遊技状態は、外れ遊技回の累積回数により移行するため、外れ遊技回が天井回数に到達する前(移行契機が成立する前)から遊技者が第2時短遊技状態への移行を予測できるという特性がある。このため、実際に外れ遊技回が天井回数に到達して移行契機が成立しているにもかかわらず、第2時短遊技状態に移行させないでいると、第2時短遊技状態に移行していないことに遊技者が気付きやすい。この場合、天井到達は一体どうなってしまったのかと困惑するおそれがあり、他の時短遊技状態に移行させるにしても、第2時短遊技状態ではないことについて不自然な印象を与える懸念がある。
一方、第3時短遊技状態は特殊外れ結果への当選を移行契機とし、1の遊技回の中で成立する条件に基づいて移行するため、当該移行契機が成立する前の段階から遊技者が第3時短遊技状態への移行を予測することができない。このため、内部的に特殊外れ結果への当選状態となっていても、それを積極的に報知しなければ、遊技者が第3時短遊技状態への移行を意識することを回避できる。
これらのことより、第2時短遊技状態への移行契機と第3時短遊技状態への移行契機とが同時に成立し、いずれかの時短遊技状態を選ばざるを得ない場合にあっては、第3時短遊技状態への移行を制限し、第2時短遊技状態への移行を優先させる方が、移行の制限を遊技者に気付かれにくくすることができると考えられる。よって、本変形例のように、有利不利を問わず一律に第2時短遊技状態を優先させることで、遊技者の気付きを抑制しながら移行先の時短遊技状態を調整することが可能になる。
なお、第3時短遊技状態として第2時短遊技状態よりも遊技者にとて不利なものしか存在しない上記変形例6や変形例7においても、天井回数への到達と特殊外れ結果への当選とが同一の遊技回で成立した場合に第2時短遊技状態への移行を優先させる点では、本変形例と同様であるため、上記の効果は、それら変形例6や変形例7の構成においても期待することができる。
<変形例10>
本変形例では、当否抽選結果が特殊外れ結果となり、第3時短遊技状態への移行条件が成立した特図遊技回において、第2時短遊技状態に移行させるか否かの判定処理を実行しないように構成されている。以下、本変形例の構成について図203~図206を参照しながら説明する。
本変形例では、上記変形例8と同様に、時短遊技状態である状況で外れ遊技回の回数が天井回数に到達したり、当否抽選結果が特殊外れ結果になったりした場合に、第2時短遊技状態又は第3時短遊技状態への移行が制限されるように構成されている。
本変形例における特図遊技回の当否テーブルや大当たり種別テーブル、第2時短遊技状態については、図178~図179に示す上記変形例6の当否テーブルや大当たり種別テーブル、第2時短遊技状態と同様である。また、本変形例における特殊外れ種別テーブルや第3時短遊技状態については、図195に示す上記変形例8の特殊外れ種別テーブルや第3時短遊技状態と同様である。すなわち、第3時短遊技状態として第3時短遊技状態Aと第3時短遊技状態Bとを有し、第3時短遊技状態Aは第2時短遊技状態よりも上限回数が少なく、第3時短遊技状態Bは第2時短遊技状態よりも上限回数が多い時短遊技状態となっている。
<変動開始処理>
本変形例に係る変動開始処理について図203のフローチャートを参照しながら説明する。この処理は、主制御装置162による特図遊技回制御処理(図181)のステップSb5201で実行されるものであり、図196の変動開始処理に代えて実行されるものである。図203において図196と同様の処理については同一のステップ番号を付し、その説明を省略又は簡略化する。
ステップSb3307、ステップSb3311又はステップSb3312の実行後、すなわち、各当否抽選結果に対応する停止結果を設定した後は、ステップSb5301にて、高頻度サポートモードでの特図遊技回の回数を更新するための高頻度サポートモード更新用処理を実行する。
ステップSb7501では、第3時短遊技状態に移行させるか否かを判定するための第3時短遊技状態の移行判定用処理を実行する。この処理は、上記変形例8に係る図197の第3時短遊技状態の移行判定用処理Bと同様のものである。
図197を援用してステップSb7501の第3時短遊技状態の移行判定用処理について説明すると、先ずステップSb5601では、上記各種フラグ格納エリア314eに特殊外れフラグがセットされているか否かを判定する。特殊外れフラグがセットされている場合、すなわち、今回の特図当否抽選の結果が特殊外れ結果(特殊外れ結果A又は特殊外れ結果B)となった場合は、ステップSb5602に進み、上記各種フラグ格納エリア314eに高確率フラグがセットされているか否かを判定する。
高確率フラグがセットされていない場合は、ステップSb5603にて、上記各種フラグ格納エリア314eに第1サポートフラグ、第2サポートフラグ又は第3サポートフラグのいずれかがセットされているか否かを判定する。これらサポートフラグのいずれかがセットされている場合は、ステップSb5604にて、上記各種フラグ格納エリア314eに時短終了用フラグがセットされているか否かを判定する。
ステップSb5603で否定判定した場合(いずれのサポートフラグもセットされておらず、現在の遊技状態が通常遊技状態である場合)又はステップSb5604で肯定判定した場合(時短終了用フラグがセットされており、各時短遊技状態の最終遊技回である場合)は、ステップSb5606にて、上記各種フラグ格納エリア314eに第3時短開始用フラグをセットする。第3時短開始用フラグは、第3時短遊技状態に移行すべきであることをMPU312が把握するためのものである。
変動開始処理(図203)の説明に戻り、ステップSb7501の第3時短遊技状態の移行判定用処理を実行した後は、ステップSb7502にて、第2時短遊技状態に移行させるか否かを判定するための第2時短遊技状態の移行判定用処理を実行する。ステップSb7502の詳細については後述する。
続くステップSb3313では、第1特図表示部AS又は第2特図表示部BSにおける今回の遊技回の変動表示時間を設定するための変動表示時間の設定処理を実行する。本変形例においても、上記変形例6と同様に、天井到達時用の変動パターンR1(例えば18sec)と、特殊外れ結果用の変動パターンR2(例えば15sec)とが設定されている(図183)。ステップSb3313の実行後はステップSb712以降の処理を実行する。
<第2時短遊技状態の移行判定用処理>
ステップSb7502の第2時短遊技状態の移行判定用処理について図204のフローチャートを参照しながら説明する。図204において図185の第2時短遊技状態の移行判定用処理と同様の処理については同一のステップ番号を付し、その説明を省略又は簡略化する。
ステップSb5503で否定判定した場合(高確率フラグがセットされていない場合)は、ステップSb7601にて、RAM314の各種フラグ格納エリア314eに第3時短開始用フラグがセットされているか否かを判定する。第3時短開始用フラグがセットされていない場合、すなわち、第3時短遊技状態に移行すべき状況でない場合は、ステップSb7602に進み、上記各種フラグ格納エリア314eに第3サポートフラグがセットされているか否かを判定する。
第3サポートフラグがセットされている場合、すなわち、現在の遊技状態が第3時短遊技状態である場合は、ステップSb7603にて、上記各種フラグ格納エリア314eに時短終了用フラグがセットされているか否かを判定する。時短終了用フラグがセットされている場合は、今回の特図遊技回が第3時短遊技状態での最終遊技回であることを意味する。
ステップSb7602で否定判定した場合(第3サポートフラグがセットされていない場合)又はステップSb7603で肯定判定した場合(時短終了用フラグがセットされている場合)は、ステップSb7604にて、RAM314の各種カウンタエリア314dに設けられた外れ回数カウンタエリアHCの値を更新する。具体的には、外れ回数カウンタエリアHCの値を1減算する。外れ回数カウンタエリアHCは、天井回数までの残り回数をMPU312が把握するためのものである。
ステップSb7605では、上記外れ回数カウンタエリアHCの値が「0」であるか否かを判定する。外れ回数カウンタエリアHCの値が「0」である場合、すなわち、外れ遊技回の回数が天井回数に到達した場合には、ステップSb7606に進み、上記各種フラグ格納エリア314eに到達済みフラグをセットする。
ステップSb7607では、上記各種フラグ格納エリア314eに第1サポートフラグがセットされているか否かを判定する。第1サポートフラグがセットされている場合、すなわち、現在の遊技状態が第1時短遊技状態である場合は、ステップSb7608に進み、上記各種フラグ格納エリア314eに時短終了用フラグがセットされているか否かを判定する。時短終了用フラグがセットされている場合は、今回の特図遊技回が第1時短遊技状態での最終遊技回であることを意味する。
なお、本変形例では、第1時短遊技状態の上限回数が天井回数(例えば800回)よりも少ない回数(例えば100回)に設定されているとともに、大当たり結果となることで、外れ回数カウンタエリアHCの値が天井回数に対応した値(例えば800)に設定し直されるように構成されている。このため、第1時短遊技状態である状況で外れ遊技回の回数が天井回数に到達することがなく、ステップSb7607の判定処理では必ず否定判定することになる。但し、第1時短遊技状態の上限回数を天井回数よりも少なくするか否かは任意であり、天井回数以上の回数に設定しても構わないため、そのような構成では、ステップSb7607の判定処理で否定判定する場合もあれば、肯定判定する場合もあることになる。
ステップSb7607で否定判定した場合(第1サポートフラグがセットされていない場合)又はステップSb7608で肯定判定した場合(時短終了用フラグがセットされている場合)は、ステップSb5508に進み、上記各種フラグ格納エリア314eに第2時短開始用フラグをセットする。第2時短開始用フラグは、第2時短遊技状態に移行すべきであることをMPU312が把握するためのものである。
ステップSb7601で肯定判定した場合(第3時短開始用フラグがセットされている場合)、すなわち、第3時短遊技状態に移行すべき状況である場合は、ステップSb7602以降の処理を実行することなく、第2時短遊技状態の移行判定用処理を終了する。すなわち、ステップSb7604の処理を実行せず、外れ回数カウンタエリアHCの値を更新しない。このため、外れ遊技回の回数が天井回数目となる特図遊技回において当否抽選の結果が特殊外れ結果となった場合は、外れ遊技回の回数更新が制限され、天井回数への到達が保留される。
また、ステップSb7603で否定判定した場合(時短終了フラグがセットされていない場合)、すなわち、第3時短遊技状態中(最終遊技回を除く)である場合は、ステップSb7604以降の処理を実行することなく、第2時短遊技状態の移行判定用処理を終了する。つまり、第3時短遊技状態中(最終遊技回を除く)である場合も、外れ回数カウンタエリアHCの値を更新しない。よって、第3時短遊技状態に滞在している間は、特図当否抽選の結果が外れ結果となっても外れ遊技回の回数が更新されず、同じ値が保持され続ける。
なお、第3サポートフラグがクリアされて第3時短遊技状態が終了した場合には、ステップSb7602で否定判定し、ステップSb7604の処理を実行する。すなわち、外れ遊技回の回数更新が制限される状態は、第3時短遊技状態が終了することにより解除される。
ちなみに、ステップSb7602で否定判定する場合(第3サポートフラグがセットされていないと判定する場合)としては、第3サポートフラグと第1サポートフラグの両方がセットされておらず、その時点での遊技状態が通常遊技状態である場合のほか、上記各種フラグ格納エリア314eに第1サポートフラグがセットされ、その時点での遊技状態が第1時短遊技状態である場合もある。この場合は、ステップSb7604の処理を実行し、外れ回数カウンタエリアHCの値を更新する。つまり、第1時短遊技状態中である場合は、第3時短遊技状態中である場合とは異なり、特図当否抽選の結果が外れ結果となることに応じて外れ遊技回の回数を更新する。
<遊技状態の流れについて>
本変形における遊技状態の流れについて図205を参照しながら説明する。
図205(a)に示すように、第3時短遊技状態A又は第3時短遊技状態Bである状況(最終遊技回を除く)では、外れ遊技回の回数更新が制限される。この場合について図206を参照しながら説明する。ここでは、4R通常大当たり結果となって第1時短遊技状態に移行し、その後、特殊外れ結果Aとなって第3時短遊技状態Aに移行する場合を例にとって説明する。
タイミングt1において4R通常大当たり結果に対応した開閉実行モードが終了すると、第1サポートフラグがセットされて第1時短遊技状態に移行する(図206(a)、(b))。この際、サポートカウンタエリアSCの値が第2上限回数(例えば100回)に対応した値にセットされる。なお、外れ回数カウンタエリアHCについては、4R通常大当たり結果になった特図遊技回における確定表示の開始タイミングにて天井回数(例えば800回)に対応した値にセットされる(図206(d)、(e))。
タイミングt2においてサポートカウンタエリアSCの値が「0」になると、第1サポートフラグがクリアされて第1時短遊技状態が終了し、通常遊技状態に移行する。第1時短遊技状態の開始から終了までの間(タイミングt1~タイミングt2)にあっては、各特図遊技回において当否抽選結果が外れ結果(特殊外れ結果又は通常外れ結果)になることに基づき、外れ回数カウンタエリアHCの値が更新される(図206(e))。
タイミングt3において当否抽選の結果が特殊外れ結果Aになると、第3サポートフラグがセットされ、通常遊技状態から第3時短遊技状態Aに移行する(図206(c))。この際、サポートカウンタエリアSCの値が第6上限回数(例えば300回)に対応した値にセットされる。
また、第3時短遊技状態Aに移行したタイミングt3では、外れ回数カウンタエリアHCの更新が制限される制限状態に移行する。この制限状態は、第3時短遊技状態Aが終了するまで継続される(図206(e))。これにより、第3時短遊技状態の途中で外れ回数が天井回数となり、第2時短遊技状態への移行が制限されること、換言すれば、天井到達が無効化されることを抑制できる。
タイミングt4においてサポートカウンタエリアSCの値が「0」になると、第3サポートフラグがクリアされて第3時短遊技状態Aが終了し、通常遊技状態に移行する。これに伴い、上記制限状態が解除され、外れ回数カウンタエリアHCの更新が再開される。
その後、タイミングt5において外れ回数カウンタエリアHCの値が「0」になると、第2サポートフラグがセットされ、第2時短遊技状態に移行する(図206(f))。
上記構成において、外れ回数カウンタエリアHCの更新が制限されるタイミングt3~タイミングt4においては、図柄表示装置75に表示される外れ回数画像475においても外れ回数が更新されない。すなわち、第3時短遊技状態Aに移行する直前の外れ回数が保持された状態となる。その際、図206(g)に示すように、外れ回数が保持されていることに対応した保持用画像481が表示され、外れ回数の更新が停止されていることが報知される。この保持用画像481は、タイミングt4で外れ回数カウンタエリアHCの更新が再開されることに合わせて消去される。
外れ回数カウンタエリアHCの値が更新されるタイミングt1~タイミングt3、タイミングt4~タイミングt5においては、上記第2の実施の形態と同様に、特図当否抽選の結果が外れ結果となることに応じて表示回数が増えるように外れ回数画像475が表示される。本変形例では、外れ回数カウンタエリアHCの更新(外れ遊技回の回数の更新)が特図遊技回の開始時に行われるが(図203、図204)、外れ回数画像475おける外れ回数の更新は、上記第2の実施の形態と同様に、その特図遊技回において確定表示時間が経過してから行われる。なお、外れ回数画像475の更新は、必ずしも確定表示時間の経過時に行われる必要はなく、外れ回数カウンタエリアHCが更新された特図遊技回において変動表示が終了してから確定表示が終了するまでの期間におけるいずれかのタイミングで外れ回数画像475が更新される構成としてもよい。
次に、図205(b)に示す各事象A~Eが発生した場合の遊技状態の流れについて説明する。このうち事象A~事象Dについては上記変形例8における事象A~事象Dの場合と同様であるため、説明を省略する。
外れ遊技回の回数が天井回数に到達する特図遊技回(天井回数目の遊技回)で当否抽選結果が特殊外れ結果A又は特殊外れ結果Bになった場合(事象E)は、外れ回数カウンタエリアHCの更新が制限される(図204のステップSb7601)。その結果、外れ回数カウンタエリアHCの値が天井到達の直前値である「1」に保持され、天井到達が保留される。よって、MPU312において特殊外れ結果への当選のみが認識され、遊技状態が第3時短遊技状態A又は第3時短遊技状態Bに移行する。この場合、その特図遊技回では、遊技回用演出として特殊リーチ外れ演出(図153)が図柄表示装置75にて実行される。
本変形例では、当否抽選結果が特殊外れ結果になった遊技回だけでなく、第3時短遊技状態である場合も外れ回数カウンタエリアHCの更新が制限される。このため、外れ回数カウンタエリアHCの値が「1」とされた状態は、第3時短遊技状態である間も維持される。
そして、第3時短遊技状態が終了すると、外れ回数カウンタエリアHCの更新制限が解除される。その際、本変形では、高頻度サポートモードの残り回数の更新処理(ステップSb5301の高頻度サポートモード更新用処理)→外れ回数の更新処理(ステップSb7502の第2時短遊技状態の移行判定用処理)の順で処理が実行されるため、第3時短遊技状態の最終遊技回にて第3時短遊技状態の終了処理が行われた後、その特図遊技回の中で外れ回数の更新が再開される。
つまり、それまで「1」に保持されていた外れ回数カウンタエリアHCの値が第3時短遊技状態の最終遊技回で1減算されて「0」となり、その結果、第2サポートフラグがセットされて第2時短遊技状態に移行する。このように、第3時短遊技状態の終了と天井到達の保留状態の解除とが同じ遊技回の中で行われ、第3時短遊技状態から第2時短遊技状態へと通常遊技状態を介することなく移行する。この場合、図柄表示装置75では、高頻度サポートモードの残り回数が増えたことを報知する上乗せ演出(例えば図130(c)の上乗せ演出)が実行される。この際、上乗せ演出により報知される上乗せ回数は、第2時短遊技状態の上限回数に対応した回数(例えば500回)となる。
なお、上記上乗せ演出は、最終遊技回の確定表示時間の一部又は全部を利用して行われてもよいし、変動表示時間(変動表示時間の一部)と確定表示時間(確定表示時間の一部又は全部)とに跨って行われてもよい。
以上詳述した本変形例によれば、以下の優れた効果を奏することができる。
外れ遊技回の回数が天井回数となることを契機として移行する第2時短遊技状態と、特殊外れ結果となることを契機として移行する第3時短遊技状態とを有する構成において、第3時短遊技状態である場合に外れ遊技回の回数の更新を制限する構成とした。
第3時短遊技状態は特図当否抽選の結果が特殊外れ結果となることに基づいて移行し、第3時短遊技状態の移行はランダムに発生するため、第3時短遊技状態である状況で外れ遊技回の累積回数が天井回数に到達することが生じ得る。この場合、第2時短遊技状態への移行を制限して第3時短遊技状態を継続すれば、複数の時短遊技状態が重複して処理が複雑化することを回避できるが、その反面、天井回数への到達を目指して重ねた遊技が無に帰す結果を招いてしまう。特に天井回数への到達は遊技者が事前に予測することができるため、天井回数への到達が無効化された場合に、遊技者がそのことに気付きやすく、不愉快な気分にさせる懸念がある。この点、第3時短遊技状態である場合に外れ遊技回の回数の更新を制限することで、第3時短遊技状態の途中で外れ遊技回の累積回数(パチンコ機10が認識する回数)が天井回数に到達することを抑制できる。これにより、天井回数への到達が無効化されることが抑制され、遊技状態の制御を好適に行うことが可能になる。
第3時短遊技状態が終了することに基づいて上記制限を解除する構成とした。この構成によれば、第3時短遊技状態が終了することで、外れ遊技回の回数の更新が再開される。これにより、遊技者は、第3時短遊技状態に移行する前の累積回数の続きから再び天井回数への到達を目指して遊技を行うことが可能になる。
特図当否抽選の結果が特殊外れ結果となった場合に外れ遊技回の回数の更新を制限する構成とした。
この構成によれば、外れ遊技回の累積回数が天井回数目となる遊技回で特殊外れ結果となった場合に、特殊外れ結果への当選を優先しつつ、天井回数への到達を留保して持ち越すことができる。よって、第2時短遊技状態への移行を回避して第3時短遊技状態に移行させることができ、複数の時短遊技状態が重複することを抑制できる。そして、第3時短遊技状態が終了した後は、外れ遊技回の回数の更新が再開されることで、更新結果が自ずと天井回数に到達し、第2時短遊技状態に移行することになる。つまり、外れ遊技回の累積回数が天井回数目となる遊技回で特殊外れ結果となった場合は、第3時短遊技状態及び第2時短遊技状態に順次に移行させることができ、それら各時短遊技状態における両方の恩恵を遊技者が享受し得る構成とすることが可能になる。
1の遊技回において、第3時短遊技状態への移行判定を実行した後、外れ遊技回の回数の更新を実行する構成とした。
この構成によれば、外れ遊技回の累積回数が天井回数目となる遊技回で特殊外れ結果となった場合に、第3時短遊技状態への移行判定の結果を踏まえて外れ遊技回の回数を更新するか否かを切り替えることができる。よって、上記のように特殊外れ結果への当選を優先し、天井回数への到達を留保する構成を実現する上で好ましい態様とすることができる。
第1時短遊技状態である場合に外れ遊技回の回数の更新を許容する構成とした。
開閉実行モードを経由して移行する第1時短遊技状態については、パチンコ機の設計段階において、第1時短遊技状態中に外れ遊技回の累積回数が天井回数に到達しないように調整することができる。具体的には、第1時短遊技状態の上限回数を天井回数よりも少ない回数とすればよい。このような特性を踏まえ、第3時短遊技状態である場合に外れ遊技回の回数更新を制限する一方で、その途中での天井回数への到達を事前回避することが可能な第1時短遊技状態については外れ遊技回の回数更新を許容することで、設計段階での事前予測ができない第3時短遊技状態中での天井到達を回避しながらも、外れ遊技回の回数更新が過度に停滞して第2時短遊技状態への移行に大きな遅れが生じることを抑制できる。
外れ遊技回の回数の更新が制限される場合に外れ回数画像475の表示内容を当該制限が行われる直前の状態にて保持する構成とした。
第3時短遊技状態である場合に外れ遊技回の回数更新が制限される構成では、遊技における実際の外れ累積回数と、パチンコ機10が認識する内部的な外れ累積回数とにずれが生じる。このため、天井回数との関係において内部的に認識されている累積回数が何回であるのかを遊技者が把握しにくくなる懸念があり、このような傾向は第3時短遊技状態での遊技が進んで上記ずれが大きくなるほど顕著となる。この点、回数更新の制限が行われる場合に、その直前の状態が保持された態様で外れ回数画像475が表示されることで、内部的な認識回数を遊技者が容易に理解することができる。これにより、遊技者の困惑を好適に抑制することが可能になる。
<変形例11>
本変形例は、特殊外れ結果になった場合の外部信号の出力態様が上記変形例3とは異なる。
従来のパチンコ機では、開閉実行モードを経由して移行する第1時短遊技状態しか備えなかったため、遊技ホールのホールコンピュータ(管理制御装置)や遊技島に設置される報知部(データカウンタ等)のホール機器においても、それのみに対応した構成となっていることが想定される。このため、開閉実行モードを経由せずに移行する第3時短遊技状態(特殊外れ結果になった場合に移行する時短遊技状態)を備えたパチンコ機において専用の外部信号を出力する構成としても、ホール機器がそれに対応することができず、特殊外れ結果や第3時短遊技状態の発生を遊技ホール側が把握できない懸念がある。この場合、ホール機器を入れ替えれば対応することができるが、それでは遊技ホールの負担が大きくなってしまう。
本変形例は、そのような事情を踏まえて構成を工夫したものであり、以下、本変形例の構成について図207を参照しながら説明する。
先ず、特図当否抽選にて通常大当たり結果となり、開閉実行モードを経由して第1時短遊技状態に移行する場合の外部信号について図207(a)を参照しながら説明する。本変形例では、この場合に使用する外部信号として第1外部信号(図207(a4))と第2外部信号(図207(a5))とを有している。第1外部信号と第2外部信号とは外部出力端子213における各別の出力端子を用いて遊技機外部に出力される。
第1外部信号は、開閉実行モードに対応して出力される信号であり、図207(a4)に示すように、開閉実行モード(図207(a2))の開始から終了までの期間(タイミングt2~タイミングt3)にてオン状態とされる。第2外部信号は、開閉実行モード及び時短遊技状態(第1時短遊技状態)に対応して出力される信号であり、図207(a5)に示すように、開閉実行モードの開始から時短遊技状態(図207(a3))の終了までの期間(タイミングt2~タイミングt4)にてオン状態とされる。
ちなみに特図遊技回の期間では通常大当たり結果に対応した直接の外部信号(大当たり当選信号等)は出力されず、特図遊技回が実行されたことを示す遊技回実行信号が出力されるのみである。遊技回実行信号は、特図遊技回における確定表示の開始時や終了時に出力される。
ホールコンピュータや報知部等では、遊技回実行信号を受信することで特図遊技回の実行(終了)を認識し、その後、第1外部信号を受信することで、大当たりの発生や大当たり遊技(開閉実行モード)の発生を認識する。また、第1外部信号がオフ状態となった後、第2外部信号がオン状態とされていることで、時短遊技状態への移行(時短遊技状態の発生)を認識する。
次に、特図当否抽選にて特殊外れ結果となり、開閉実行モードを経由しないで第3時短遊技状態に移行する場合の外部信号について図207(b)を参照しながら説明する。
特図当否抽選にて特殊外れ結果となった場合、特図遊技回の期間では、特殊外れ結果に対応した直接の外部信号(特殊外れ結果当選信号等)は出力されず、特図遊技回が実行されたことを示す遊技回実行信号のみが出力される。
その後、第3時短遊技状態への移行タイミングにて第1外部信号が出力される(図207(b4))。本変形例では、特殊外れ結果となった特図遊技回における確定表示の開始タイミングにて第3時短遊技状態に移行するため、第1外部信号は、上記確定表示の開始タイミングにて出力される。
前述のとおり、第1外部信号はホール機器に対して開閉実行モード中であることを通知する大当たり信号であるが、第3時短遊技状態への移行に際しては開閉実行モードが行われないため、図207(b4)の第1外部信号は、開閉実行モードに対応していない疑似的な大当たり信号となる。そこで、実際に開閉実行モードに対応する場合(通常大当たり結果になった場合)との区別が可能なように、そのような場合よりも短い期間にてオン状態とされる(タイミングt12~タイミングt13)。
第1外部信号の具体的な出力期間は、通常大当たり結果となった場合の第1外部信号との区別が可能であれば特に限定されないが、開閉実行モードでの1ラウンド分の最短期間(遊技球の発射周期×可変入賞装置65への上限入賞個数)よりも短い期間であることが好ましい。このような構成とすることで、第3時短遊技状態への移行の場合に出力される第1外部信号の出力期間が、実際に開閉実行モードが行われる場合の出力期間以上となることを抑制でき、両者の区別を好適に行うことが可能なる。本変形例では、第1外部信号の出力期間が例えば200msecとされる。
また、特殊外れ結果となった場合には、上記移行タイミングに対応させて第2外部信号が出力される(図207(b5))。この第2外部信号は、上記移行タイミングから時短遊技状態の終了までの期間(タイミングt12~タイミングt14)にてオン状態とされる。
上記のように、特殊外れ結果への当選により第3時短遊技状態に移行する場合において、通常大当たり結果への当選により第1時短遊技状態に移行する場合に使用する外部信号と同じ外部信号(同じ外部端子から出力される信号)を用いるため、ホール機器において受信端子の増設等を行わなくても第3時短遊技状態に移行する場合の外部信号を受信することが可能となる。
その際、ホール機器において第1外部信号の出力期間(長さの違い)を判別できる機能を備えている場合は、短い出力期間の第1外部信号を受信することで、特殊外れ結果の発生を認識できる。よって、ホールコンピュータにおいて特殊外れ結果の発生を管理したり、特殊外れ結果への当選に対応した報知をデータカウンタ等にて実施したりすることが可能となる。
仮に出力期間の違いを判別できない場合でも、特殊外れ結果となった場合の外部信号の挙動が通常大当たり結果の場合と共通化されているため、時短遊技状態への移行や発生をホール機器が把握することができる。すなわち、特殊外れ結果となった場合についても、通常大当たり結果の場合と同じく、第1外部信号及び第2外部信号がオン状態となり、その後、第1外部信号がオフ状態で且つ第2外部信号がオン状態となる流れとしたため、通常大当たり結果と特殊外れ結果との区別が困難であるとしても、時短遊技状態への移行については認識することができる。
また、データカウンタ等の種類によっては、第1外部信号に基づいて開閉実行モードに対応した発光演出を行う構成となっていることも想定される。この点、本変形例では、特殊外れ結果となった場合の第1外部信号が時短遊技状態(第3時短遊技状態)に移行してから出力される構成となっている。よって、特殊外れ結果となった場合において、時短遊技状態への移行前に開閉実行モードに対応した発光演出が実行されることを抑制できる。
その際、時短遊技状態への開始時に上記発光演出が行われ得るが、特殊外れ結果となった場合における第1外部信号の出力期間が短くされているため、かかる発光演出を短時間で終了させることができる。よって、当該発光演出を目立ちにくくすることができ、遊技者に不自然な印象を与えることを抑制可能となる。
なお、上記説明では、開閉実行モードを経由することなく移行する時短遊技状態として、特殊外れ結果への当選を契機とする第3時短遊技状態を例示したが、本変形例の構成は、天井回数への到達を契機として移行する第2時短遊技状態についても適用することが可能である。具体的には、図207(b1)における特殊外れ結果の特図遊技回(タイミングt11~タイミングt12)を天井回数に到達した特図遊技回に置き換えればよい。すなわち、天井回数への到達を契機として第2時短遊技状態に移行する場合に、当該時短遊技状態への移行タイミングに対応させて図207(b4)、(b5)の第1外部信号及び第2外部信号を出力する構成とすればよい。
<変形例12>
本変形例は、特殊外れ結果になった場合の外部信号の出力態様が上記変形例3や上記変形例11とは異なる。本変形例の構成について図208~図210を参照しながら説明する。
本変形例では、図208に示すように、外部信号として、第1外部信号A、第1外部信号B、第2外部信号A、第2外部信号B及び第3外部信号を出力可能となっている。このうち第1外部信号A及び第2外部信号Aは、変形例11の第1外部信号及び第2外部信号と同様のものであるため、説明を省略する。すなわち、本変形例は、変形例11の構成に対して第1外部信号B、第2外部信号B及び第3外部信号が追加された構成を有している。
第1外部信号Bは、開閉実行モードに対応して出力される信号であり、特図当否抽選にて通常大当たり結果となり、開閉実行モードを経由して第1時短遊技状態に移行する場合には、図208(e)に示すように、開閉実行モードの開始から終了までの期間(タイミングt2~タイミングt3)にてオン状態とされる。つまり、第1外部信号Aと同様の出力態様とされる。
但し、図209(e)に示すように、特図当否抽選にて特殊外れ結果となり、開閉実行モードを経由しないで第3時短遊技状態に移行する場合は、オン状態とされず、開閉実行モードが実行されないことに対応してオフ状態が維持される。すなわち、第1外部信号A(図209(d))では、第3時短遊技状態への移行である場合に、疑似的な大当たり信号として所定期間(タイミングt12~タイミングt13)に亘りオン状態とされるが、第1外部信号Bではこのようなオン状態への切り替えが行われない。
第2外部信号Bは、開閉実行モード及び時短遊技状態に対応して出力される信号であり、第1時短遊技状態への移行の場合は、図208(g)に示すように、開閉実行モードの開始から時短遊技状態の終了までの期間(タイミングt2~タイミングt4)にてオン状態とされる。つまり、第2外部信号Aと同様の出力態様とされる。
但し、図209(g)に示すように、第3時短遊技状態への移行の場合は、時短遊技状態である期間においてオフ状態とされる。すなわち、第2外部信号A(図209(f))では、時短遊技状態においてオン状態とされたが、第2外部信号Bではこのようなオン状態への切り替えが行われない。
第3外部信号は、時短遊技状態に対応して出力される信号であり、時短遊技状態の開始から終了までの期間にてオン状態とされる。このことは、移行対象の時短遊技状態が第1時短遊技状態又は第3時短遊技状態のいずれであっても同様である(図208(h)、図209(h))。
上記第1外部信号B、第2外部信号B及び第3外部信号は、それぞれ異なる出力端子から遊技機外部に出力されるものである。
パチンコ機の機能として第3時短遊技状態(開閉実行モードを経由することなく時短遊技状態)が追加された場合、遊技ホールでは、そのような機能に対処すべく、第3時短遊技状態に対応した新設のホール機器(ホールコンピュータやデータカウンタ等)を導入したり、既存のホール機器に対して機能追加を行ったりすることが考えられる。
しかしながら、すべての遊技ホールがそのような対応を取るとは限らず、従前からのホール機器を継続使用する可能性も見込まれる。すなわち、外部信号の受信が想定されるホール機器として第3時短遊技状態に対応していない非対応機器と、第3時短遊技状態に対応している対応機器とが混在した状態となる可能性がある。
本変形例の構成は、このような混在状態を踏まえて構成を工夫したものである。なお、上記対応機器としては、上記第3外部信号から時短遊技状態を認識できる機能を備えたものを想定している。
パチンコ機10からの外部信号をデータカウンタ等が受信するには、データカウンタ等からの配線をパチンコ機10における外部出力端子213の各端子に接続する必要がある。この際、本変形例では、遊技ホール側のホール機器が非対応機器であるか、対応機器であるかによって外部出力端子213における各端子への接続態様を異ならせるようにする。
具体的には、パチンコ機10に接続されるホール機器が非対応機器である場合は、図210(a)に示すように、外部出力端子213に設けられた第1外部信号A用の出力端子及び第2外部信号A用の出力端子に上記配線を接続する。これにより、ホール機器は、パチンコ機10から外部出力される第1外部信号A及び第2外部信号Bを受信可能な状態となる。この場合、ホール機器では、変形例11にて説明した態様にて第1時短遊技状態や第3時短遊技状態の移行等を認識する。
一方、パチンコ機10に接続されるホール機器が対応機器である場合は、外部出力端子213に設けられた第1外部信号B用の出力端子及び第3外部信号用の出力端子に上記配線を接続する。これにより、ホール機器は、パチンコ機10から外部出力される第1外部信号B及び第3外部信号を受信可能な状態となる。
前述のとおり、第1時短遊技状態への移行である場合は、第1外部信号Bが開閉実行モードにてオン状態となり、第3外部信号が時短遊技状態にてオン状態となる(図210(b))。この場合、ホール機器では、開閉実行モードの認識を経てから時短遊技状態を認識することで、開閉実行モードを経由して時短遊技状態に移行したこと、すなわち、第1時短遊技状態に移行したことを把握できる。
また、第3時短遊技状態への移行である場合は、第1外部信号Bがオン状態となることなく第3外部信号が時短遊技状態にてオン状態となる(図210(b))。この場合、ホール機器では、開閉実行モードの認識を経ずに時短遊技状態を認識することで、開閉実行モードを経由することなく時短遊技状態に移行したこと、すなわち、第3時短遊技状態に移行したことを把握できる。
なお、データカウンタ等において第1外部信号(大当たり信号)がオン状態となることに基づいて自動的に大当たり回数を加算する機能が搭載されていることがあり得る。この場合、第3時短遊技状態への移行である場合(開閉実行モードを経由しない時短遊技状態への移行である場合)において、第1外部信号Aのように所定期間のオン状態が設けられると、特殊外れ結果であるにもかかわらず、データカウンタ等にて報知される大当たり回数が増える結果を招くおそれがある。この点、第3外部信号から時短遊技状態を認識できる対応機器がパチンコ機10に接続される場合であれば、オフ状態に維持される第1外部信号Bを用いることで、特殊外れ結果になる都度、報知される大当たり回数が増加することを抑制できる。
なお、上記説明では、パチンコ機10に接続されるホール機器が対応機器である場合の接続端子として第1外部信号B用の出力端子及び第3外部信号用の出力端子を例示したが、これに代えて、第2外部信号B用の出力端子及び第3外部信号用の出力端子を接続端子としてもよい。この場合、ホール機器では、第2外部信号B及び第3外部信号の両方がオン状態となることで第1時短遊技状態への移行を認識することができ、第2外部信号Bがオフ状態とされた状態で第3外部信号がオン状態となることで第3時短遊技状態への移行を認識することができる。第1外部信号Bと第2外部信号Bとのいずれの出力端子にホール機器を接続するかは、ホール機器の仕様等に応じて任意に選択することができる。
また、開閉実行モードを経由することなく移行する時短遊技状態として、特殊外れ結果への当選を契機とする第3時短遊技状態を例示したが、本変形例の構成は、天井回数への到達を契機として移行する第2時短遊技状態についても適用することが可能である。具体的には、図209(a)における特殊外れ結果の特図遊技回(タイミングt11~タイミングt12)を天井回数に到達した特図遊技回に置き換えればよい。
<その他の変形例>
なお、上述した第2の実施の形態や各変形例の記載内容に限定されず例えば次のように実施してもよい。ちなみに、以下の各構成を個別に上記第2の実施の形態や各変形例に対して適用してもよく、一部又は全部を組み合わせて上記第2の実施の形態や各変形例に対して適用してもよい。また、上記第2の実施の形態や各変形例に示した各種構成の全て又は一部を任意に組み合わせることも可能である。この場合、組み合わせの対象となる各構成の技術的意義(発揮される効果)が担保されることが好ましい。
(1)上記第2の実施の形態や各変形例では、第1作動口62への入賞に基づく保留情報が4個を上限として記憶される構成としたが、4個未満であってもよいし(1個であってもよい)、5個以上であってもよい。また、第2作動口63への入賞に基づく保留情報の上限記憶数についても、4個未満であってもよいし(1個であってもよい)、5個以上であってもよい。また、各作動口62,63への入賞に基づく保留情報の上限記憶数が相違する構成としてもよい。
また、第1作動口62(第1特図)又は第2作動口63(第2特図)の少なくとも一方について保留機能を備えない構成としてもよい。特に変形例3については、第2作動口63への入賞に対する保留機能を備えない構成とすることで、最終遊技回(特殊外れ結果となった場合に残り回数の増加が許容される特図遊技回)の優位性を際立たせることが可能になる。
(2)上記第2の実施の形態や各変形例では、第1作動口62及び第2作動口63への入賞に基づく保留情報が区別される構成としたが、区別されない構成としてもよい。また、第2作動口63への入賞に基づく保留情報のほうが、第1作動口62への入賞に基づく保留情報よりも優先して当否判定の対象となる構成としたが、その関係が逆であったり、入賞順に当否判定が行われたりする構成であってもよい。
(3)上記第2の実施の形態や各変形例では、右ルートを流下する遊技球のみがスルーゲート64、第2作動口63を通過又は入賞可能となる構成としたが、左ルートを流下する遊技球のみが通過又は入賞可能となる構成としてもよいし、右ルートと左ルートのいずれからでも通過又は入賞可能となる構成としてもよい。但し、遊技のメリハリを付ける上では、右ルートと左ルートの一方を流下する遊技球のみが第1作動口62に入賞可能となり、右ルートと左ルートの他方を流下する遊技球のみがスルーゲート64、第2作動口63を通過又は入賞可能となる構成とするとよい。
(4)上記第2の実施の形態や各変形例では、当否判定の結果が大当たり結果となることにより大当たり遊技(開閉実行モード)に移行する構成としたが、いわゆる1種2種混合機のように、当否判定の結果が小当たり結果となり、小当たり遊技(内部にV入賞口を有する又はV入賞口及び外れ口を有する可変入賞装置が開閉される遊技状態)においてV入賞口(V入賞センサ)を遊技球が通過した場合(付与判定の結果が所定結果となり、所定の遊技結果となった場合)に大当たり遊技に移行する構成としてもよい。
なお、本発明における本発明における「特別判定の結果が特定結果となることに基づいて遊技者に所定の特典を付与可能」や「第1判定の結果が特定結果となることに基づいて遊技者に所定の特典を付与可能」、「特別判定の結果が特定結果となることに基づいて通常遊技状態よりも遊技者に有利な特別遊技状態に移行させる」等には、上記のように、当否判定の結果が小当たり結果となり、V入賞を介して大当たり遊技に移行する場合も含まれると解することができる。
(5)上記第2の実施の形態や各変形例では、第1時短遊技状態、第2時短遊技状態及び第3時短遊技状態について第1サポートフラグ、第2サポートフラグ及び第3サポートフラグといった具合に異なるサポートフラグを対応付ける構成としたが、このような区別を行わず、それら各時短遊技状態に共通するフラグとして1のサポートフラグを設ける構成としてもよい。
このような構成とした場合、例えば、上記第2の実施の形態では、第1時短遊技状態への移行に対応させてサポートフラグをセットし、その第1時短遊技状態での最終遊技回で外れ遊技回の累積回数が天井回数に到達した際には、第1時短遊技状態に移行してからの遊技回の回数が上限回数に到達したことに応じて上記サポートフラグを一旦クリアし、その後、第2時短遊技状態への移行判定により第2時短遊技状態への移行が判定されることに応じて上記サポートフラグを再セットする構成とすればよい。
(6)上記第2の実施の形態や各変形例では、RAM114の各種フラグ格納エリア114eに各種サポートフラグがセットされた場合に高頻度サポートモード(時短遊技状態)に移行し、各種フラグ格納エリア114eから各種サポートフラグが消去された場合に高頻度サポートモードが終了する構成としたが、各種フラグ格納エリア114eに設けられた特定の記憶領域に第1の値に対応する情報(例えば、サポート中フラグ)が記憶された場合に高頻度サポートモードに移行し、上記特定の記憶領域に第1の値とは異なる第2の値に対応する情報(例えば、非サポート中フラグ)が記憶された場合に高頻度サポートモードが終了する構成としてもよい。すなわち、高頻度サポートモード中であることに対応した情報と、高頻度サポートモード中でないことに対応した情報とが設けられ、いずれの情報が記憶(セット)されるかにより、高頻度サポートモードへの移行や高頻度サポートモードの終了が制御される構成としてもよい。
また、上記特定の記憶領域とは異なる記憶領域に上記第1の値と同一又は異なる第2の値に対応する情報が記憶された場合に高頻度サポートモードが終了する構成としてもよい。すなわち、高頻度サポートモード中であることに対応した記憶領域と、高頻度サポートモード中でないことに対応した記憶領域とが設けられ、いずれの記憶領域に情報が記憶(セット)されるかにより、高頻度サポートモードへの移行や高頻度サポートモードの終了が制御される構成としてもよい。
(7)上記第2の実施の形態や各変形例では、外れ遊技回の累積回数が天井回数に到達したり、特殊外れ結果になったりしたことを契機として時短遊技状態に移行する構成としたが、高確遊技状態に移行する構成としてもよい。この場合、高確遊技状態でのサポートモードは高頻度サポートモードであってもよいし、低頻度サポートモードであってもよい。
また、時短遊技状態や高確遊技状態に移行する構成に代えて、通常遊技状態では見ることができない特殊な演出が行われたり、特殊なキャラクタ等が登場したりする特定の演出モードに移行するものであってもよい。また、通常遊技状態では行われない特殊な抽選が行われる状態に移行するものであってもよい。これらの場合、特殊な演出等を見ることができたり、特殊な抽選が受けられたりする点で通常遊技状態よりも遊技者にとって有利な状態となる。なお、特殊な抽選の一例としてはポイント抽選が考えられる。当該ポイント抽選にて付与されたポイントやその合計数により時短遊技状態や高確遊技状態、開閉実行モードに移行したりする構成としてもよい。また、特殊な演出(例えばキャラクタの衣装等)が解放されたり、パチンコ機10に関する開発秘話が表示されたりしてもよい。
(8)上記第2の実施の形態や各変形例では、第2時短遊技状態や第3時短遊技状態とは別に、開閉実行モードを経由して移行する第1時短遊技状態を有する構成としたが、第1時短遊技状態を備えない構成としてもよい。また、高確遊技状態を備えない構成としてもよい。
(9)上記第2の実施の形態や各変形例では、外れ遊技回の累積回数が天井回数に到達したり、特殊外れ結果になったりしたことを契機として、開閉実行モードを経由しない時短遊技状態に移行する構成としたが、それら以外の事象を契機として当該時短遊技状態に移行する構成としてもよい。例えば、遊技領域PEや所定入球部の内部に設けられた特定の入球部や特定の通過部に遊技球が入球又は通過することに基づいて上記時短遊技状態に移行する構成としてもよい。この場合、上記入球又は通過に基づく賞球の払い出しは行われてもよいし、行われなくてもよい。
なお、特定の入球部について、開閉機構を備えず、常時開放しているタイプの入球部としてもよいし、開閉機構を備え、遊技球が入球可能又は入球しやすい開状態と、遊技球が入球不可又は開状態よりも入球しにくい閉状態とに切り替わり可能な可変タイプの入球部としてもよい。このことは上記所定入球部についても同様である。
また、特定の入球部や通過部が所定入球部内に設けられる構成では、当該所定入球部内に特定の入球部や通過部のみが設けられ、所定入球部に入球した遊技球が特定の入球部や通過部に必ず入球又は通過する構成としてもよいし、所定入球部内に特定の入球部や通過部とは異なる1又は複数の他の入球部や通過部が設けられ、所定入球部に入球した遊技球が振り分けられることにより、所定入球部に入球した遊技球が特定の入球部に入球しなかったり、特定の通過部を通過しなかったりする場合が生じる構成としてもよい。後者の構成では、所定入球部に入球した遊技球が特定の入球部に入球したり、特定の通過部を通過したりすることにより、時短遊技状態への移行契機が成立する一方で、所定入球部に入球した遊技球が上記他の入球部に入球したり、他の通過部を通過したりしても、時短遊技状態への移行契機が成立しない構成とすることができる。
(10)上記第2の実施の形態や各変形例では、時短遊技状態の残り回数の上乗せが行われる場合に、先行する時短遊技状態の終了と後続の時短遊技状態への移行とを伴う構成としたが、時短遊技状態が継続したまま残り回数が増加される構成としてもよい。例えば、変形例3のように、第1時短遊技状態の最終遊技回で特殊外れ結果になることで、時短遊技状態の残り回数が増加する場合であれば、時短遊技状態の終了処理(サポートフラグのクリア)が行われることなく、残り回数の書き換え(サポートカウンタエリアSCに第3時短遊技状態の上限回数に対応した値をセットする処理)が実行される構成としてもよい。
なお、上記のように時短遊技状態の残り回数の増加に際して時短遊技状態の終了を介さない場合には、上記(5)で述べたように、第1時短遊技状態、第2時短遊技状態及び第3時短遊技状態に共通する1つのフラグとしてサポートフラグを対応付ける構成とすることが好ましい。このような構成とすることで、残り回数の書き換えに合わせてサポートフラグの種類を書き換える処理を不要化することができる。
(11)上記第2の実施の形態や各変形例では、特図遊技回の確定表示時間が変動表示時間とは別に選択されるように構成したが、変動表示時間とセットで選択されるようにしてもよい。例えば、予め各変動表示時間(変動パターン)に対して確定表示時間が紐付けられており、変動表示時間を選択することで、同時に確定表示時間も選択される構成とすることができる。その場合、選択した確定表示時間の設定は、確定表示の開始時に行われてもよいし、変動表示時間の設定と併せて変動表示の開始時に行われてもよい。
(12)上記第2の実施の形態や確変例では、第1時短遊技状態、第2時短遊技状態及び第3時短遊技状態において普図遊技回や役物開閉遊技の態様を共通させたが、普図遊技回及び役物開閉遊技の少なくとも一方において態様が異なる構成してもよい。例えば、第1時短遊技状態では、普図遊技回におけるサポート抽選が通常遊技状態よりも高い当選確率で行われる一方で、第2時短遊技状態や第3時短遊技状態では上記サポート抽選が通常遊技状態と同じ当選確率で行われる構成としてもよい。また、第3時短遊技状態では、例えば普電役物63aの開放時間が長いなど第2時短遊技状態よりも有利な態様で役物開閉遊技が行われてもよい。また、第3時短遊技状態として第3時短遊技状態Aと第3時短遊技状態Bとを含む複数の状態を有し、第3時短遊技状態Aでは第3時短遊技状態Bよりも有利な態様で役物開閉遊技が行われてもよい。
(13)上記第2の実施の形態や各変形例では、天井回数が1種類のみ設定されるが、回数が異なる複数種類が設定されてもよい。また、第2時短遊技状態についても上限回数が異なる複数種類が設定されてもよい。この場合、複数種類の天井回数が設定され、各天井回数に対して第2時短遊技状態の種別が対応付けられる構成としてもよいし、1の天井回数が設定され、その天井回数に到達した場合にいずれの第2時短遊技状態に移行するかが抽選される構成としてもよい。
(14)上記第2の実施の形態や各変形例では、外れ回数が天井回数に到達して第2時短遊技状態に移行し、大当たり結果となることなく当該第2時短遊技状態が終了した場合は、その後の外れ回数に関係なく2回目の天井到達が発生しない構成としたが、大当たり結果となることなく第2時短遊技状態が終了した場合に外れ回数カウンタエリアHCに天井回数に対応した値が再セットされ、2回目以降の天井到達が生じる構成としてもよい。その場合、天井到達回数(第2時短遊技状態への移行回数)に所定の上限回数(例えば3回)を設けてもよいし、そのような上限回数を設けない構成としてもよい。
なお、天井到達が1回のみ許容される構成では、天井到達する前(第2時短遊技状態に移行する前)の通常遊技状態と、大当たり結果となることなく第2時短遊技状態が終了した後の通常遊技状態とで、遊技状態としては同じ通常遊技状態であっても、前者の通常遊技状態では、第2時短遊技状態への移行し得る点で後者の通常遊技状態に比べて有利なものであるということもできる。本明細書では、前者の通常遊技状態と後者の通常遊技状態とを区別せず、それらの状態をまとめて例えば所定遊技状態ということがあるし、前者の通常遊技状態と後者の通常遊技状態とを区別し、それらの一方を例えば所定遊技状態といい、他方を例えば所定遊技状態とは遊技者にとっての有利度合が異なる遊技状態ということがある。
(15)上記第2の実施の形態や各変形例では、変動パターンと遊技回用演出とが1対1の関係で対応するが、1対複数の関係で対応してもよい。この場合、演出制御装置143にて演出抽選用の乱数を取得し、1の変動パターンに対応付けられている複数の遊技回用演出の中から上記取得した乱数を用いて1の遊技回用演出が選択される構成とすることができる。
(16)上記第2の実施の形態や各変形例では、第2時短遊技状態や第3時短遊技状態への移行に対応させて普図遊技回を終了させるに際し、各サポートフラグがセットされてから普図遊技回が終了されるが、各時短遊技状態への移行条件が成立したことや移行先の時短遊技状態が決定されたことに基づいて普図遊技回が終了され、その後、各サポートフラグがセットされる構成としてもよい。
(17)上記第2の実施の形態や各変形例では、通常遊技状態から第2時短遊技状態に移行する場合(第2の実施の形態等)、通常遊技状態から第3時短遊技状態に移行する場合(変形例4、変形例6等)、第1時短遊技状態から通常遊技状態に移行する場合(変形例3等)に普図遊技回を終了させる構成としたが、第2時短遊技状態や第3時短遊技状態から通常遊技状態に移行する場合に移行させる構成としてもよい。
また、例えば、第1時短遊技状態から第3時短遊技状態に移行する場合や、第2時短遊技状態から第3時短遊技状態に移行する場合、第3時短遊技状態Aから第3時短遊技状態Bに移行する場合など、所定の時短遊技状態から他の時短遊技状態に移行する場合に普図遊技回を終了させる構成としてもよい。これらの場合、上記(12)のように各時短遊技状態で普図遊技回や役物開閉遊技の態様が異なる構成において有益となることが期待される。
(18)上記第2の実施の形態や各変形例では、第2時短遊技状態や第3時短遊技状態への移行タイミングに対応させ、それら各時短遊技状態への移行条件が成立した特図遊技回の確定表示の開始タイミングで普図遊技回が終了されるが、確定表示の途中タイミングや確定表示の終了タイミングで普図遊技回が終了されてもよい。なお、猶予期間(遊技状態としては第2時短遊技状態に移行しているが、第2時短遊技状態に移行してからの特図遊技回は未だ行われていない状態の期間)を確保する観点では、確定表示の終了タイミングよりも前のタイミングで普図遊技回が終了されることが好ましい。
(19)上記第2の実施の形態や各変形例では、普図遊技回の終了処理に際して終了対象の普図遊技回のサポート抽選結果がサポート当選結果である場合に外れ結果に変更される構成としたが、外れ結果への変更処理を行わない構成としてもよい。通常遊技状態で行われるサポート抽選は外れ結果となる確率が高く、時短遊技状態への移行時に実行中の普図遊技回においてそのサポート抽選の結果がサポート当選結果となるケースは稀になると想定されるためである。
(20)上記第2の実施の形態や各変形例では、第2時短遊技状態や第3時短遊技状態への移行条件が成立した特図遊技回が第2特図の遊技回である場合(時短遊技状態である状況で第2時短遊技状態や第3時短遊技状態への移行条件が成立した場合)に、普図遊技回の終了処理が実行されない構成としたが、第1特図、第2特図を区別しないで上記終了処理が実行される構成としてもよい。すなわち、時短遊技状態である状況で第2時短遊技状態や第3時短遊技状態への移行条件が成立した場合にも当該終了処理が実行される構成としてもよい。
(21)上記第2の実施の形態や各変形例では、第2時短遊技状態や第3時短遊技状態への移行条件が成立した特図遊技回が第2特図の遊技回である場合に一律に普図遊技回の終了処理が実行されない構成としたが、その第2特図の遊技回が時短遊技状態中の特図遊技回であるか、時短遊技状態が終了した後の残り保留の特図遊技回であるかを識別し、後者の特図遊技回である場合は普図遊技回の終了処理を実行する構成としてもよい。時短遊技状態の終了時に保留されていた第2特図の遊技回は通常遊技状態の下で行われるため、これらの特図遊技回の実行中に開始された普図遊技回は通常遊技状態に対応した態様で行われる。この場合に普図遊技回の終了処理を行うことで、上記第2の実施の形態や変形例1で述べた効果と同様の効果を期待することができる。
(22)上記第2の実施の形態や各変形例では、時短遊技状態への移行時にサポートカウンタエリアSCに上限回数に対応した値をセットし、特図遊技回が行われるごとにその値を1ずつ減算することで、時短遊技状態の残り回数を更新する構成としたが、時短遊技状態への移行時にサポートカウンタエリアSCへの上限回数に対応した値をセットせず、特図遊技回が行われるごとにサポートカウンタエリアSCの値を1ずつ加算することで、時短遊技状態において実行された特図遊技回の回数を更新する構成としてもよい。この場合、その更新されたカウント値が上限回数に達した場合に時短遊技状態を終了させる構成とすればよい。
(23)上記第2の実施の形態や各変形例では、特図遊技回の確定表示時間が経過してから外れ回数画像475の表示内容が更新される構成としたが、特図遊技回の変動表示時間が経過してから外れ回数画像475の表示内容が更新される構成としてもよい。このような構成でも、各図柄列Z1~Z3の停止表示により特図当否抽選の結果が報知される前に、外れ回数画像475の表示内容が更新されることを抑制できる。また、次の特図遊技回の開始時又は開始後に外れ回数画像475の表示内容が更新される構成としてもよい。
(24)上記第2の実施の形態や各変形例では、天井回数への到達や特殊外れ結果への当選に対応した報知が図柄表示装置75にて実行される構成としたが、他の報知部にて実行される構成としてもよい。また、画像表示による報知に限らず、LED等の発光手段を用いて報知してもよいし、可動演出用の装飾可動体(可動役物)を所定の動作態様で動作させることにより報知してもよい。また、上記各報知は、必ずしも視覚的な報知である必要はなく、スピーカ部29からの音声による聴覚的な報知であってもよい。このことは、時短回数の残り回数の報知や外れ回数の報知、右打ち報知等についても同様である。
(25)上記第2の実施の形態、変形例1、変形例2、変形例6~変形例10(天井回数への到達を契機として移行する第2時短遊技状態を備える構成)では、時短遊技状態の残り回数の更新処理が実行された後に外れ遊技回の回数(外れ回数カウンタエリアHC)の更新処理(第2の実施の形態であればステップSb1405の処理)が実行される構成としたが、第2時短遊技状態に移行させるか否かの判定処理(第2の実施の形態であればステップSb1406の処理)が時短遊技状態の残り回数の更新処理よりも後に行われるものであれば、残り回数の更新処理に先行して外れ遊技回の回数の更新処理が行われてもよい。このような構成としては、例えば、特図遊技回の開始時に外れ遊技回の回数の更新処理を実行することが考えられる。この場合、天井回数への到達をパチンコ機が特図遊技回の開始時に認識することができ、上記到達に対応した遊技回用演出を特図遊技回の開始時から実行したい場合や、上記到達に対応した専用の変動表示時間(変動パターン)を設定したい場合等に対して有効となる。
(26)上記第2の実施の形態、変形例1、変形例2、変形例6~変形例10では、第2時短遊技状態への移行が、外れ遊技回の累積回数が天井回数に到達した特図遊技回における確定表示の開始時に実行される構成としたが、確定表示の開始後に実行される構成としてもよい。具体的には、天井回数に到達した特図遊技回における確定表示の途中タイミングや確定表示の終了タイミング、次の特図遊技回の開始タイミングにて第2時短遊技状態への移行が実行されてもよい。但し、普図遊技回の終了処理に際して猶予期間(遊技状態としては第2時短遊技状態に移行しているが、第2時短遊技状態に移行してからの特図遊技回は未だ行われていない状態の期間)を確保する上では、天井回数に到達した特図遊技回の確定表示が終了する前に第2時短遊技状態に移行させるとよい。
なお、確定表示の終了タイミングで第2時短遊技状態に移行させる場合において、普図遊技回の終了処理を当該終了タイミングで実行する構成としてもよい。
その場合、通常処理(図107)において第2時短遊技状態移行用処理(ステップSb512)→普図遊技回制御処理(ステップSb405)の順で処理が行われることで、第2時短遊技状態での最初の特図遊技回が開始されるよりも前に第2時短遊技状態での最初の普図遊技回が開始される構成とすることができる。すなわち、第2時短遊技状態への移行処理が行われた処理回(通常処理における1の定期処理)において、第2時短遊技状態への移行後(サポートフラグのセット後)、普図遊技回制御処理が実行されることで、第2時短遊技状態での最初の普図遊技回を開始させ、その後、次の処理回において第2時短遊技状態での最初の特図遊技回を開始させることができる。
また、普図遊技回制御処理の後に第2時短遊技状態移行用処理が行われる構成であっても、通常処理においてステップSb405の普図遊技回制御処理がステップSb403の特図遊技回制御処理に先行して行われる構成とすれば、第2時短遊技状態への移行後において特図遊技回に先行して普図遊技回を開始させることができる。すなわち、第2時短遊技状態への移行が行われた次の処理回において、普図遊技回の変動開始→特図遊技回の変動開始の順で処理を行うことができ、第2時短遊技状態に対応した普図遊技回を早く開始させることができる。
(27)上記第2の実施の形態、変形例1、変形例2、変形例6~変形例10では、外れ遊技回の累積回数が天井回数に到達することに基づいて第2時短遊技状態に移行する構成としたが、内部ポイント情報等のポイント数の合計が所定ポイント数に到達することに基づいて第2時短遊技状態に移行する構成としてもよい。この場合におけるポイント数の付与は、例えば、外れ遊技回の回数が予め定められた回数に到達することに基づいて行われてもよいし、特図当否抽選の結果が外れ結果となった場合や、取得した大当たり乱数カウンタC1や変動種別カウンタCSの値が予め定められた所定値になった場合に所定のポイント抽選が実行され、その抽選に当選することによりポイント数が付与される構成としてもよい。また、付与されるポイント数は付与契機が成立することに基づいて一定数が付与されるものであってもよいし、付与可能なポイント数として複数のポイント数が準備され、それらの中からポイント数抽選により選ばれたポイント数が付与されるものであってもよい。なお、ポイントの付与及び付与されたポイント数は、報知により遊技者に教示又は示唆されてもよいし、報知が行われず、遊技者が識別不可又は識別困難な構成としてもよい。
(28)上記第2の実施の形態、変形例1、変形例2、変形例6~変形例10では、特図当否抽選の結果が大当たり結果となった特図遊技回にて外れ回数カウンタエリアHCの値が天井回数にセットされる構成としたが、開閉実行モードの開始時や終了時、開閉実行モードの途中タイミング、第1時短遊技状態への移行時にセットされてもよい。
また、上記第2の実施の形態、変形例1、変形例2、変形例6~変形例10では、天井回数までの残り回数を更新する構成としたが、外れ回数カウンタエリアHCの値を天井回数にセットせず、開閉実行モードの終了後において外れ遊技回が実行されるごとに外れ回数カウンタエリアHCの値を1ずつ加算し、その合計値が天井回数に達することに基づいて第2時短遊技状態に移行する構成としてもよい。この場合、天井回数に達する前に特図当否抽選の結果が大当たり結果となった場合には、その特図遊技回や開閉実行モード等にて、外れ結果の更新結果がクリア(初期化)される構成とするとよい。
(29)上記第2の実施の形態や変形例1では、大当たり結果となった特図遊技回にて外れ回数カウンタエリアHCに天井回数に対応する値をセットする構成としたが、開閉実行モードの開始時や開閉実行モード中、開閉実行モードの終了時、第1時短遊技状態への移行時に上記セットを実行する構成としてもよい。なお、上記(28)のように、外れ回数カウンタエリアHCの値を1ずつ加算する構成とする場合は、開閉実行モードの開始時や開閉実行モード中、開閉実行モードの終了時、第1時短遊技状態への移行時にて外れ回数カウンタエリアHCの値を0に初期化する構成とするとよい。
(30)上記第2の実施の形態、変形例1及び変形例2では、第2時短遊技状態に移行させるか否かの移行判定が特図遊技回における確定表示の開始時に実行される構成としたが、変形例6~変形例10のように特図遊技回の開始時に実行されてもよい。その場合、移行判定は特図遊技回の開始時に行う一方で、第2時短遊技状態への移行は確定表示の開始時に行う構成としてもよいし、第2時短遊技状態への移行についても特図遊技回の開始時に行う構成としてもよい。
また、上記移行判定は、外れ遊技回の累積回数が天井回数に到達した特図遊技回における変動表示の途中タイミングで実行されてもよい。また、確定表示の開始後に第2時短遊技状態に移行させる場合は、上記移行判定が確定表示の開始後に実行される構成としてもよい。
(31)上記第2の実施の形態において、変形例1のように、外れ遊技回の回数が天井回数に到達した特図遊技回の確定表示時間にて、右打ち報知(第2作動口63への入賞を促す報知)が行われる構成としてもよい。この場合、確定表示時間の全般で上記報知が行われてもよいし、確定表示時間の少なくとも一部で上記報知が行われてもよい。また、変形例1において、右打ち報知が確定表示時間の全般で行われる構成としてもよい。
(32)上記第2の実施の形態の変形例1では、外れ遊技回の回数が天井回数に到達した特図遊技回の確定表示時間を、強制終了される普図遊技回の確定表示時間と、第2時短遊技状態に対応した普図遊技回の変動表示時間と、第2時短遊技状態に対応した普図遊技回の確定表示時間との合計期間よりも長くしたが、強制終了される普図遊技回の確定表示時間を含めず、第2時短遊技状態に対応した普図遊技回の変動表示時間と、第2時短遊技状態に対応した普図遊技回の確定表示時間との合計期間よりも長くする構成としてもよい。通常遊技状態(左打ち遊技)ではスルーゲート64への入賞が基本的に発生せず、多くの場合で普図遊技回の強制終了が行われないと想定されるため、上記のような構成でも、第2時短遊技状態に移行してからの最初の普図遊技回の終了(第2時短遊技状態に移行してからの最初の役物開閉遊技の開始)が、第2時短遊技状態に移行してからの最初の特図遊技回の開始よりも先行して行われる構成を実現できると考えられるためである。
(33)上記第2の実施の形態の変形例1では、第2時短遊技状態に移行してからの最初の普図遊技回の終了(確定表示の終了)が、第2時短遊技状態に移行してからの最初の特図遊技回の開始よりも先行して行われる構成としたが、上記最初の普図遊技回における変動表示の終了が上記最初の特図遊技回の開始よりも先行して行われる構成としてもよい。この場合、外れ遊技回の回数が天井回数に到達した特図遊技回の確定表示時間を、強制終了される普図遊技回の確定表示時間と、第2時短遊技状態に対応した普図遊技回の変動表示時間との合計期間よりも長くするか、第2時短遊技状態に対応した普図遊技回の変動表示時間よりも長くすればよい。このような構成でも、上記最初の特図遊技回が開始された後に上記最初の普図遊技回の変動表示が終了する構成と比べれば、第2時短遊技状態に移行してからの最初の役物開閉遊技が早く開始されるものとなり、普電役物63aが開放状態とされるタイミングを早める効果を期待することができる。
(34)上記第2の実施の形態の変形例3~変形例10では、特図当否抽選の結果の一部として特殊外れ結果が設けられる構成としたが、特図当否抽選では大当たり結果であるか、それとも外れ結果であるかの抽選のみを行い、その結果が外れ結果となった場合に別抽選(外れ結果の種別抽選)にて特殊外れ結果であるか否かを抽選する構成としてもよい。この場合の別抽選は、大当たり種別カウンタC2や変動種別カウンタCS等の他の既存の乱数値を利用して行われてもよいし、外れ結果の種別を抽選するための専用乱数を用いて行われてもよい。
また、外れ結果の種別抽選に代えて第3時短遊技状態への移行条件を成立させるか否かの移行抽選が行われる構成としてもよい。この場合の抽選は、大当たり種別カウンタC2や変動種別カウンタCS等の他の既存の乱数値を利用して行われてもよいし、移行条件の成立有無を抽選するための専用乱数を用いて行われてもよい。
(35)上記第2の実施の形態の変形例3~変形例10では、特殊外れ結果に対応した報知として特殊リーチ演出が実行される構成としたが、リーチ演出を伴わない遊技回用演出により特殊外れ結果に対応した報知が行われてもよい。また、図柄列Z1~Z3を用いた報知でなくてもよく、例えば、図柄表示装置75に所定キャラクタ等の所定絵柄が表示されることにより、特殊外れ結果に対応した報知が行われてもよい。
また、特図用表示部43に変動表示される特図絵柄と完全同期するものであって、図柄列Z1~Z3の各図柄よりも小サイズで表示される図柄(いわゆる第4図柄)が図柄表示装置75に表示されるパチンコ機にあっては、その第4図柄が通常態様とは異なる特定態様で表示されることにより特殊外れ結果に対応した報知が行われてもよい。また、停止表示される上記第4図柄の態様と、停止表示される図柄列Z1~Z3の少なくとも一部の図柄列との組合せにより特殊外れ結果に対応した報知が行われてもよい。
なお、特殊外れ結果に対応した報知は、特図遊技回の全般で行われてもよいし、特図遊技回における一部の期間にて行われてもよい。ちなみに、上記第2の実施の形態の変形例3~変形例10で例示した特殊リーチ演出は、特図遊技回の開始時には特殊外れ結果であるか否かを遊技者が判別できず、特図遊技回の終盤で特殊外れ結果であることを遊技者が判別できる構成としているため、特図遊技回における一部の期間で特殊外れ結果に対応した報知を実行するものといえる。
(36)上記第2の実施の形態の変形例3~変形例10では、特殊外れ結果となった場合に特殊外れ結果に対応した外部信号を出力する構成としたが、当該外部信号を出力しない構成としてもよい。
また、当該外部信号を出力するか否かを切り替え可能な構成としてもよい。例えば、切り替えスイッチ等の切替操作部をパチンコ機10に設け、当該切替操作部を操作することで上記外部信号の出力可否を切り替えられる構成とするとよい。その際、前扉枠14の裏面側や遊技盤60の背面側など、前扉枠14や内枠13を開放した場合に操作可能となる位置に上記切替操作部を配置するとよい。このような構成とすることで、ホール従業員に限定して切り替え操作が許容されるものとなり、不正行為への悪用を抑制することができる。
(37)上記第2の実施の形態の変形例3~変形例10では、第1時短遊技状態において最終遊技回以外の特図遊技回で特殊外れ結果となった場合(第3時短遊技状態への移行が制限される状況で特殊外れ結果となった場合)にも、特殊外れ結果に対応した外部信号を出力する構成としたが、当該外部信号を出力しない構成としてもよい。この場合、特殊外れ結果に対応した外部信号を出力しないだけの構成としてもよいし、特殊外れ結果に対応した外部信号に代えて通常外れ結果に対応した外部信号を出力する構成としてもよい。
例えば、パチンコ機から出力される特殊外れ結果用の外部信号に基づいて、特殊外れ結果に関する遊技実績(例えば、特殊外れ結果になったことや実遊技における特殊外れ結果の当選確率等)を遊技ホールの所定報知部(例えば、遊技島において各パチンコ機の上方にそれぞれ設置されるデータカウンタやその発光部等)にて報知する構成においては、第3時短遊技状態への移行が制限される状況で特殊外れ結果用の外部信号が出力されると、第3時短遊技状態への移行が生じないにもかかわらず、特殊外れ結果への当選に対応した報知等が上記所定報知部にて行われ、遊技者やホール従業員の誤解や混乱を招く懸念がある。この点、(37)の構成とすることで、第3時短遊技状態への移行が制限される状況で特殊外れ結果になった場合に、それが所定報知部での報知に反映されないようにすることができ、誤解等の発生を好適に抑制することができる。
(38)上記第2の実施の形態の変形例3~変形例10では、第3時短遊技状態である状況で特殊外れ結果になった場合に第3時短遊技状態への再移行(残り回数の再度の上乗せ)を制限する構成としたが、再移行が許容される構成としてもよい。その際、再移行の契機である特殊外れ結果について当該特殊外れ結果に対応した外部信号を出力する構成としてもよい。
また、上記特殊外れ結果について、第3時短遊技状態への移行が生じるものの、当該特殊外れ結果に対応した外部信号を出力しない構成としてよい。このような構成とすることで、遊技ホールの所定報知部において、初回移行時における特殊外れ結果について報知を行う一方で、再移行時の特殊外れ結果については報知を行わないようにすることができる。
(39)上記第2の実施の形態の変形例3~変形例10では、第3時短遊技状態への移行が特殊外れ結果になった特図遊技回における確定表示の開始時に実行される構成としたが、確定表示が開始された後に実行される構成としてもよい。具体的には、特殊外れ結果になった特図遊技回における確定表示中の途中タイミングや確定表示の終了タイミング、次の特図遊技回の開始タイミングにて第3時短遊技状態への移行が実行される構成としてもよい。
なお、確定表示の終了タイミングで第3時短遊技状態に移行させる場合において、普図遊技回の終了処理を当該終了タイミングで実行する構成としてもよい。
その場合、通常処理(図107)において第3時短遊技状態移行用処理(ステップSb3202)→普図遊技回制御処理(ステップSb405)の順で処理が行われることで、第3時短遊技状態での最初の特図遊技回が開始されるよりも前に第3時短遊技状態での最初の普図遊技回が開始される構成とすることができる。すなわち、第3時短遊技状態への移行処理が行われた処理回(通常処理における1の定期処理)において、第3時短遊技状態への移行後(サポートフラグのセット後)、普図遊技回制御処理が実行されることで、第3時短遊技状態での最初の普図遊技回を開始させ、その後、次の処理回において第3時短遊技状態での最初の特図遊技回を開始させることができる。
また、普図遊技回制御処理の後に第3時短遊技状態移行用処理が行われる構成であっても、通常処理においてステップSb405の普図遊技回制御処理がステップSb403の特図遊技回制御処理に先行して行われる構成とすれば、第3時短遊技状態への移行後において特図遊技回に先行して普図遊技回を開始させることができる。すなわち、第3時短遊技状態への移行が行われた次の処理回において、普図遊技回の変動開始→特図遊技回の変動開始の順で処理を行うことができ、第3時短遊技状態に対応した普図遊技回を早く開始させることができる。
(40)上記第2の実施の形態の変形例3~変形例10において、時短遊技状態であることに対応した外部信号がパチンコ機10の外部に出力される構成としてもよい。この場合の外部信号は、例えば、時短遊技状態である場合にオン状態又はオフ状態の一方(例えばオン状態)となり、時短遊技状態でない場合にオン状態又はオフ状態の他方(例えばオフ状態)となるものであればよい。上記外部信号を出力することで、現在の遊技状態が時短遊技状態であるか否かを遊技ホールの管理制御装置に把握させることが可能になる。また、時短遊技状態である状況で時短遊技状態の移行条件が成立しても移行を制限する構成の下では、上記外部信号を出力することで、時短遊技状態への移行が制限されている状況であることを遊技ホールの管理制御装置に把握させることも可能になる。なお、上記外部信号は、必ずしも時短遊技状態(低確率モード且つ高頻度サポートモードの状態)を示すものである必要はなく、サポートモードが高頻度サポートモードであることに対応した信号であってもよい。
また、時短遊技状態であることに対応した外部信号を出力する構成にあっては、時短遊技状態の最終遊技回(時短遊技状態が終了する特図遊技回)にて特図当否抽選の結果が特殊外れ結果になった場合に、時短遊技状態に対応した外部信号がオフ状態とされてから、特殊外れ結果に対応した外部信号(抽選結果信号や遊技回実行信号)がオン状態とされる構成とするとよい。
上記の場合、特殊外れ結果になったことを契機として後続の時短遊技状態に移行するが、例えば、特殊外れ結果に対応した外部信号のオン→時短遊技状態に対応した外部信号のオフの順で処理を実行すると、遊技ホール側の管理制御装置では、時短遊技状態への移行が制限される状況であるにもかかわらず時短遊技状態に移行したとして認識される懸念がある。この点、時短遊技状態に対応した外部信号のオフ→特殊外れ結果に対応した外部信号のオンの順とすることで、上記管理制御装置に対して時短遊技状態が終了してから特殊外れ結果になったと把握させることができ、その後に時短遊技状態に移行しても不自然な挙動として認識されることを抑制可能となる。
(41)上記第2の実施の形態の変形例3~変形例10では、特殊外れ結果に対応した外部信号が特図遊技回にて確定表示が開始される場合に出力される構成としたが、確定表示の途中タイミングや確定表示の終了タイミングで出力されてもよい。また、特殊外れ結果になった特図遊技回における変動表示の途中タイミングで出力されてもよい。
(42)上記第2の実施の形態の変形例3~変形例10では、第3時短遊技状態への移行が制限される状況で特殊外れ結果となった場合に、特殊外れ結果に対応する停止結果を特図用表示部43に停止表示させる構成としたが、通常外れ結果に対応する停止結果を停止表示させる構成としてもよい。また、第3時短遊技状態への移行が制限される状況で特殊外れ結果となったことに対応する停止結果(特殊外れ結果に対応するが、上記移行が制限されない状況で特殊外れ結果になった場合に停止表示される停止結果とは異なるもの)が停止表示される構成としてもよい。
(43)上記第2の実施の形態の変形例3~変形例5では、第3時短遊技状態に移行させるか否かの移行判定が特図遊技回における確定表示の開始時に実行される構成としたが、変形例6~変形例10のように特図遊技回が開始される場合に実行されてもよい。その場合、移行判定は特図遊技回の開始時に行う一方で、第3時短遊技状態への移行は確定表示の開始時に行う構成としてもよいし、第3時短遊技状態への移行についても特図遊技回の開始時に行う構成としてもよい。
また、上記移行判定は、特殊外れ結果になった特図遊技回における変動表示の途中タイミングで行われてもよい。また、確定表示の開始後に第3時短遊技状態に移行させる場合は、上記移行判定が確定表示の開始後に実行される構成としてもよい。
(44)上記第2の実施の形態の変形例3では、第1時短遊技状態における最終遊技回でのみ第3時短遊技状態への移行が許容される構成としたが、最終遊技回以外の特図遊技回で第3時短遊技状態への移行が許容される構成としてもよい。例えば、特殊外れ結果になった場合に第3時短遊技状態への移行を許容することを示す許容フラグを備える構成とした上で、その許容フラグを最終遊技回以外の特図遊技回(例えば70回目~80回目の特図遊技回)でセットしたり、最終遊技回以外の特図遊技回が実行される期間(例えば、第1時短遊技状態に移行してから所定期間が経過するまでの間)でセットしたりして許容状態とする構成が考えられる。この構成では、許容フラグがセットされている特図遊技回や期間で特殊外れ結果になった場合には第3時短遊技状態への移行が許容され、許容フラグがセットされていない特図遊技回や期間で特殊外れ結果になった場合には第3時短遊技状態への移行が制限される。
なお、許容フラグに代えて又は加えて、特殊外れ結果になった場合に第3時短遊技状態への移行を制限することを示す制限フラグを備える構成としてもよい。この場合、特殊外れ結果になっても第3時短遊技状態に移行させない特図遊技回や期間にて、上記制限フラグをセットして非許容状態となるように構成する。
最終遊技回以外の特図遊技回で第3時短遊技状態への移行を許容する場合は、第1時短遊技状態における後半側の特図遊技回に第3時短遊技状態への移行が許容される遊技回が含まれる構成とするとよい。時短遊技状態の残り回数が少なくなるほど時短遊技状態の中で大当たり結果に当選する期待値が低下するため、時短遊技状態の後半側の遊技では、前半側の遊技よりも遊技者の期待感が持続されにくくなる。そのような状況で特殊外れ結果による第3時短遊技状態への移行を許容することで、期待感を好適に持続させることが可能になる。
(45)上記第2の実施の形態の変形例3において、第1時短遊技状態の最終遊技回と、残り保留分の第2特図の遊技回(通常遊技状態の下で行われる第2特図の遊技回)とで異なる遊技回用演出が行われる構成としてもよい。例えば、図柄表示装置75での背景画像等を異ならせることなどが考えられる。
(46)上記第2の実施の形態の変形例3において、第1時短遊技状態の最終遊技回や残り保留分の第2特図の遊技回で特殊外れ結果になった場合の確定表示時間が通常確定表示よりも短い時間に設定される構成としてもよい。このような構成によれば、第3時短遊技状態に移行してからの遊技(特図遊技回)を迅速に開始させることが可能になる。
(47)上記第2の実施の形態の変形例3、変形例5、変形例6~10において、変形例4のように第1特図に特殊外れ結果を有する構成としてもよい。第1特図及び第2特図の両方に特殊外れ結果を有する場合において第1特図での特殊外れ結果の当選確率は、第2特図での特殊外れ結果の当選確率と同じであってもよいし、異なるものであってもよい。また、第1特図で特殊外れ結果になった場合に移行する第3時短遊技状態の上限回数は、第2特図で特殊外れ結果になった場合に移行する第3時短遊技状態の上限回数と同じであってもよいし、異なるものであってもよい。
また、上記第2の実施の形態の変形例4において、他の変形例のように第1特図に特殊外れ結果が設けられない構成としてもよい。
(48)上記第2の実施の形態の変形例3、変形例4、変形例6~10において、変形例5のように特殊リーチ外れ演出(ガセ演出)が実行される構成としてもよい。
(49)上記第2の実施の形態の変形例4では、第1時短遊技状態で特殊外れ結果になった場合に遊技者にとって不利となる構成としたが、不利になりやすい構成としてもよい。具体的には、上限回数が相対的に少ない第3時短遊技状態(例えば上限回数が10回の第3時短遊技状態)と、上限回数が相対的に多い第3時短遊技状態(例えば上限回数が1000回の第3時短遊技状態)とを有し、特殊外れ結果となった場合に前者の第3時短遊技状態の方が選ばれやすい構成としてもよい。
(50)上記第2の実施の形態の変形例4では、第1時短遊技状態で特殊外れ結果になることで、時短遊技状態の残り回数が少なくなる構成としたが、これに加えて、第3時短遊技状態における普図遊技回や役物開閉遊技の態様が第1時短遊技状態のそれよりも不利な態様に設定されてもよい。例えば、普図遊技回の変動表示時間が長くなったり、普電役物63aの開放時間が短くなったり、1回の役物開閉遊技における普電役物63aの開放回数が少なくなったりするものが考えられる。
(51)上記第2の実施の形態の変形例4では、第1時短遊技状態の全般で時短遊技状態の残り回数を非明示としたが、第1時短遊技状態の残り回数が所定回数(例えば10回)よりも多い状況で残り回数を非明示とし、所定回数以下となったら明示する構成としてもよい。このような構成とすることで、第1時短遊技状態の最後まで特殊外れ結果とならない場合に、その終了前に残り回数を遊技者に知らせることができ、時短遊技状態が突然終了した印象になることを抑制できる。
(52)上記第2の実施の形態の変形例5では、第1時短遊技状態Aと第1時短遊技状態Bとの2種類の第1時短遊技状態を備える構成としたが、第1時短遊技状態の種類数は3種類以上であってもよい。
(53)上記第2の実施の形態の変形例5では、第1時短遊技状態の残り回数と第3時短遊技状態の上限回数とを比較して多い側を優先することで、第3時短遊技状態への移行が許容される遊技回の範囲が異なる複数の第1時短遊技状態が設けられる構成としたが、残り回数の比較に基づく優先処理を用いないで、第3時短遊技状態への移行が許容される遊技回の範囲が異なる複数の第1時短遊技状態が設けられる構成としてもよい。例えば、特殊外れ結果になった場合に第3時短遊技状態への移行を許容することを示す許容フラグを備える構成とした上で、その許容フラグがセットされて許容状態となる遊技回の範囲が各第1時短遊技状態で異なる構成とすることが考えられる。
この場合、特図遊技回の範囲を対象として許容フラグがセットされる場合に限らず、1の特図遊技回や、範囲としての連続性がない複数回の特図遊技回を対象として許容フラグがセットされる構成としてもよい。例えば、第1時短遊技状態Aでは60回目の特図遊技回が許容状態の特図遊技回として設定されたり、40回目、50回目、60回目の特図遊技回が許容状態の特図遊技回として設定されたりする一方で、第1時短遊技状態Bでは80回目の特図遊技回が許容状態の特図遊技回として設定されたり、80回目、90回目、100回目の特図遊技回が許容状態の特図遊技回として設定されたりするといった具合である。
また、期間を対象として許容フラグがセットされてもよい。例えば、第1時短遊技状態Aでは、時短遊技状態に移行してから所定回数目(例えば20回目)の特図遊技回が開始されてからの第1期間(例えば5分)が許容状態とされる一方で、第1時短遊技状態Bでは、時短遊技状態に移行してから特定回数目(例えば20回目や25回目)の特図遊技回が開始されてからの第2期間(例えば10分)が許容状態とされるといった具合である。
上記のように許容フラグを用いて許容状態を設定する場合も、変形例5のように、第1時短遊技状態Bでの許容状態は70回目以降の特図遊技回に含まれたり、第1時短遊技状態と第2時短遊技状態とで第3時短遊技状態への移行が制限される特図遊技回、特図遊技回の範囲又は期間が共通に設定されたりするなどの構成とすれば、変形例5で述べた各効果を奏することができる。
なお、許容フラグを用いて許容状態を設定する場合は、第1時短遊技状態Aと第1時短遊技状態Bとで共通の上限回数が設定される構成としてもよい。また、許容フラグに代えて又は加えて、特殊外れ結果になった場合に第3時短遊技状態への移行を制限することを示す制限フラグを備える構成としてもよい。
(54)上記第2の実施の形態の変形例6~変形例10において、天井到達した特図遊技回や特殊外れ結果になった特図遊技回にて、変動表示の終了タイミングに対して他の特図遊技回よりも早く各図柄列Z1~Z3が停止表示(仮停止表示と本停止表示のいずれでも構わない)される構成としておき、その停止表示後、変動表示が終了するまでの残り期間を利用して天井到達や特殊外れ結果に対応する報知の少なくとも一部が行われる構成としてもよい。
(55)上記第2の実施の形態の変形例6~変形例10では、第2時短遊技状態に移行させるか否かの移行判定と第3時短遊技状態に移行させるか否かの移行判定とが特図遊技回の開始時に実行される構成としたが、第2の実施の形態や変形例1~変形例5のように確定表示の開始時(各時短遊技状態への移行タイミング)に実行されてもよい。また、上記各移行判定は、各時短遊技状態への移行条件が成立した特図遊技回における変動表示の途中タイミングで実行されてもよい。また、確定表示の開始後に各時短遊技状態に移行させる場合は、上記移行判定が確定表示の開始後に実行される構成としてもよい。
(56)上記第2の実施の形態の変形例6~変形例10では、第2時短遊技状態に移行させるか否かの移行判定が変動パターンの設定処理(遊技回用演出の設定処理)の前に実行される構成としたが、天井到達や特殊外れ結果に対応した報知の実行前であれば、上記移行判定が変動パターンの設定処理の後に実行されてもよい。このような構成では、天井回数への到達と特殊外れ結果への当選との両方が1の特図遊技回で成立した場合に、先ず、特殊外れ結果に当選したことの把握に基づき、特殊外れ結果に対応した報知が実行されるように設定されるが、その後、第2時短遊技状態に移行させるか否かの移行判定にて天井回数への到達が把握されることに基づき、実行対象の報知が特殊外れ結果に対応した報知から天井到達に対応した報知に変更されるようにするとよい。
(57)上記第2の実施の形態の変形例6~変形例10では、第2時短遊技状態に移行させるか否かの移行判定が変動パターンの設定処理の前に実行される構成としたが、移行判定については変動パターンの設定処理の後に実行され、外れ遊技回の回数を更新する処理のみが変動パターンの設定処理の前に実行される構成としてもよい。このような構成でも、変動パターンを設定する前に特殊外れ結果への当選と天井回数への到達との両方が成立したことを把握し、天井到達に対応した報知が実行されるように変動パターンの設定を行うことができるためである。
(58)上記第2の実施の形態の変形例6~変形例10では、第2時短遊技状態と第3時短遊技状態との有利不利が上限回数の大小により生じる構成としたが、これに代えて又は加えて、時短遊技状態における普図遊技回や役物開閉遊技の態様により有利不利が生じる構成としてもよい。例えば、第2時短遊技状態が第3時短遊技状態よりも遊技者にとって有利となる場合は、第2時短遊技状態での普図遊技回の変動表示時間が第3時短遊技状態のそれよりも短くなったり、第2時短遊技状態での1回の役物開閉遊技における普電役物63aの開放回数が第3時短遊技状態のそれよりも多くなったりするなどの構成が考えられる。
(59)上記第2の実施の形態の変形例7では、第2時短遊技状態の方が第3時短遊技状態よりも遊技者にとって有利となる構成としたが、第3時短遊技状態の方が第2時短遊技状態よりも遊技者にとって有利となる構成としてもよい。この場合、特殊外れ結果への当選と天井回数への到達とが同一の特図遊技回で成立した際に有利な側の第3時短遊技状態に移行させる上では、第2時短遊技状態に移行させるか否かの移行判定→第3時短遊技状態に移行させるか否かの移行判定の順で処理が実行される構成とするとよい。
(60)上記第2の実施の形態の変形例7において、変形例5のように、時短遊技状態である状況で他の時短遊技状態への移行条件が成立した場合(天井回数への到達又は特殊外れ結果への当選が成立した場合)に、その時点での時短遊技状態の残り回数と、移行予定である他の時短遊技状態の上限回数とを比較し、回数が多い側の時短遊技状態が優先される構成としてもよい。
(61)上記第2の実施の形態の変形例8では、時短遊技状態である状況で他の時短遊技状態への移行条件が成立した場合に他の時短遊技状態への移行が制限される構成としたが、変形例7のように当該移行が許容される構成としてもよい。この場合、特殊外れ結果への当選と天井回数への到達とが同一の特図遊技回で成立した際に有利な側の時短遊技状態に移行させる上では、第2時短遊技状態に移行させるか否かの移行判定と第3時短遊技状態に移行させるか否かの移行判定との順序が変形例8の場合と逆の順序となるように構成するとよい。
(62)上記第2の実施の形態の変形例10では、外れ遊技回の回数が天井回数目となる特図遊技回で特殊外れ結果になった場合に外れ回数の更新が制限されるように構成したが、当該更新が許容される構成としてもよい。すなわち、天井回数目の特図遊技回で特殊外れ結果になった場合には天井回数への到達が無効化され、第2時短遊技状態への移行が制限される構成としてもよい。
(63)上記第2の実施の形態の変形例10では、第3時短遊技状態である場合に外れ遊技回の回数の更新が制限される一方で、その最終遊技回では当該更新が実行される構成としたが、最終遊技回でも外れ遊技回の回数の更新が制限される構成としてもよい。すなわち、外れ遊技回の回数が天井回数目となる特図遊技回で特殊外れ結果になった場合に、先ず第3時短遊技状態に移行し、その第3時短遊技状態が終了してから行われる特図遊技回(通常遊技状態での特図遊技回)で外れ遊技回の回数の更新が再開される構成としてもよい。この場合、通常遊技状態での特図遊技回が介在するものの、第3時短遊技状態と第2時短遊技状態のそれぞれに移行させることができる。
(64)上記第2の実施の形態の変形例10において、第3時短遊技状態の一部で外れ遊技回の回数の更新が許容される構成としてもよい。例えば、第3時短遊技状態である状況で、外れ遊技回の回数が天井回数よりも小さい所定値(例えば、天井回数の直前値)になるまでは外れ遊技回の回数の更新が許容され、所定値に到達した後は更新が制限される構成としてもよい。この場合でも、第3時短遊技状態の途中で天井回数に到達する事象の発生を抑制することができる。
(65)上記第2の実施の形態の変形例10において、天井回数までの残り回数を参照して外れ回数の更新を制限するか否かを切り替える構成としてもよい。具体的には、天井回数までの残り回数が第3時短遊技状態の上限回数よりも少ない場合は、第3時短遊技状態において外れ回数の更新が制限され、多い場合は、第3時短遊技状態において当該更新が許容される構成としてもよい。
(66)上記第2の実施の形態の変形例10では、第2時短遊技状態が第1時短遊技状態や第3時短遊技状態よりも上限回数が多く、遊技者にとって有利な構成としたが、第2時短遊技状態が第1時短遊技状態や第3時短遊技状態よりも上限回数が少なく、遊技者にとって不利な構成としてもよい。
(67)上記第2の実施の形態の変形例10では、第1時短遊技状態である場合に外れ回数の更新が許容される構成としたが、第1時短遊技状態である場合に当該更新が制限される構成としてもよい。この場合、第1時短遊技状態の上限回数として天井回数以上の回数を設定しても、第1時短遊技状態である場合に天井回数に到達することを抑制できる。
なお、上限回数が天井回数以上である第1時短遊技状態と、上限回数が天井回数未満である第1時短遊技状態との両方を有するパチンコ機にあっては、前者の場合に外れ回数の更新が制限され、後者の場合に外れ回数の更新が許容される構成としてもよい。
(68)上記第2の実施の形態の変形例10では、外れ回数の更新が制限される場合に、当該制限が行われる直前の状態を保持して外れ回数画像475が表示される構成としたが、外れ回数画像475が表示されない構成としてもよい。この場合、保持用画像481のみが表示される構成としてもよいし、「チャンスタイム中」などの第3時短遊技状態に関する他の画像が表示される構成としてもよい。また、制限状態に移行することに伴い外れ回数画像475が消去されるのみで、外れ回数画像475の表示箇所に他の画像が表示されない構成としてもよい。
(69)上記第2の実施の形態の変形例10において、外れ回数の更新の制限が開始される場合や制限中である場合に所定の外部信号がパチンコ機10の外部に出力される構成としてもよい。このような構成によれば、パチンコ機10において外れ遊技回の回数が更新されていないことを遊技ホール側の管理制御装置に把握させることができ、外れ遊技回の回数が天井回数を超えても第2時短遊技状態に移行しないことに対してパチンコ機10の異常でないことを即座に判断することが可能になる。
(70)上記第2の実施の形態の変形例11では第2外部信号を備えるが、これを省略してもよい。すなわち、出力期間の違いを判別できるホール機器であれば、第1外部信号に基づいて特殊外れ結果の発生を判別できるためである。なお、通常大当たり結果である場合と特殊外れ結果である場合との第1外部信号の違いは、出力期間(オン状態の期間)に限定されるものではなく、例えば出力レベル等であってもよい。
(71)上記第2の実施の形態の変形例11では第2外部信号を開閉実行モード及び時短遊技状態である期間中にオン状態とする構成としたが、開閉実行モード中にオフ状態とし、時短遊技状態中にオン状態とする構成としてもよい。このことは変形例12における第2外部信号A、Bについても同様である。
(72)上記第2の実施の形態の変形例11、変形例12では、特殊外れ結果になった場合の第1外部信号及び第2外部信号を時短遊技状態への移行タイミングでオン状態としたが、時短遊技状態に移行する前(例えば移行する直前)や移行した後(例えば移行した直後)にオン状態としてもよい。要は時短遊技状態への移行に対応させてそれらの外部信号がオン状態とされればよい。
(73)上記第2の実施の形態の変形例11、変形例12では、通常大当たり結果になった場合の第1外部信号を開閉実行モード中にオン状態とする構成としたが、開閉実行モードに移行する前(例えば移行する直前)や移行した後(例えば移行した直後)にオン状態としてもよい。すなわち、開閉実行モードへの移行に対応させて第1外部信号をオン状態としてもよい。
(74)上記第2の実施の形態の変形例12では、第1外部信号Bと第2外部信号Bの両方を出力可能な構成としたが、これらのうちの一方を出力しない構成としてもよい。
(75)上記第2の実施の形態や各変形例では、図柄表示装置75の表示画面Gにて変動表示される図柄が左右方向にスクロールする構成としたが、左、中及び右に並べて図柄が表示され、これらの図柄が上下方向にスクロールされるようにして変動表示される構成としてもよい。すなわち、図柄の並び方向やスクロール方向は特に限定されるものではない。また、図柄の数(図柄列の列数)についても3個に限定されるものではなく、2個であってもよいし、4個以上であってもよい。
(76)上記実施の形態とは異なる他のタイプのパチンコ機等、例えば特別装置の特定領域に遊技球が入ると電動役物が所定回数開放するパチンコ機や、特別装置の特定領域に遊技球が入ると権利が発生して大当たりとなるパチンコ機、他の役物を備えたパチンコ機、アレンジボール機、雀球等の遊技機にも本発明を適用できる。
また、弾球式でない遊技機、例えば、複数種の図柄が周方向に付された複数のリールを備え、メダルの投入及びスタートレバーの操作によりリールの回転を開始し、ストップスイッチが操作されるか所定時間が経過することでリールが停止した後に、表示窓から視認できる有効ライン上に特定図柄又は特定図柄の組み合わせが成立していた場合にはメダルの払い出し等といった特典を遊技者に付与するスロットマシンにも本発明を適用できる。
更に、外枠に開閉可能に支持された遊技機本体に貯留部及び取込装置を備え、貯留部に貯留されている所定数の遊技球が取込装置により取り込まれた後にスタートレバーが操作されることによりリールの回転を開始する、パチンコ機とスロットマシンとが融合された遊技機にも本発明を適用できる。
<第3の実施の形態>
以下、本実施の形態に係る遊技機について説明する。なお、上記第1の実施の形態において図1~図10を参照して説明したパチンコ機10の基本構成については、本実施の形態においても同様であるため、その説明を省略する。
<主制御装置162のMPU312にて各種抽選を行うための電気的構成>
主制御装置162のMPU312にて各種抽選を行うための電気的な構成について図211を用いて説明する。
MPU312は遊技に際し各種カウンタ情報を用いて、大当たり発生抽選、特図用表示部43の表示の設定、普図用表示部44の表示の設定などを行うこととしており、具体的には、図211に示すように、大当たり発生の抽選に使用する大当たり乱数カウンタC1と、確変大当たり結果や通常大当たり結果等の大当たり種別を判定する際に使用する大当たり種別カウンタC2と、大当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する乱数初期値カウンタCINIと、特図用表示部43における各特図表示部AS,BSでの変動表示時間を決定する変動種別カウンタCSとを用いることとしている。さらに、第2作動口63の普電役物63aをサポート状態(開放状態)とするか否かの抽選に使用する普図当たり乱数カウンタC3を用いることとしている。
各カウンタC1~C3,CINI,CSは、その更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。各カウンタは短時間間隔で更新され、その更新値がRAM314の所定領域に設定された抽選カウンタ用バッファ314aに適宜格納される。抽選カウンタ用バッファ314aにおいて、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及び変動種別カウンタCSに対応した情報は、第1作動口62又は第2作動口63への入賞が発生した場合に、取得情報記憶手段としての保留球格納エリア314bに格納される。
保留球格納エリア314bは、第1特図用保留エリアRa及び第2特図用保留エリアRbからなる保留エリアREと、実行エリアAEとを備えている。保留エリアRa,Rbは、それぞれ、第1エリア、第2エリア、第3エリア、第4エリアを備えており、第1作動口62又は第2作動口63への入賞履歴に合わせて、抽選カウンタ用バッファ314aに格納されている大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及び変動種別カウンタCSの各数値情報が、保留情報(特別情報)としていずれかのエリアに格納される。
この場合、第1エリア~第4エリアには、第1作動口62又は第2作動口63への入賞が複数回連続して発生した場合に、第1エリア→第2エリア→第3エリア→第4エリアの順に各数値情報が時系列的に格納されていく。このようにそれぞれ4つのエリアが設けられていることにより、第1作動口62又は第2作動口63への遊技球の入賞履歴がそれぞれ最大4個まで保留記憶されるようになっている。また、保留球格納エリア314bには総保留数記憶領域が設けられており、当該総保留数記憶領域には第1作動口62又は第2作動口63への入賞履歴を保留記憶している数を特定するための情報が格納される。
実行エリアAEは、特図用表示部43の変動表示を開始する際に、保留エリアREの第1エリアに格納された各値を移動させるためのエリアであり、1遊技回の開始に際しては実行エリアAEに記憶されている各種数値情報に基づいて、当否判定などが行われる。
各カウンタについて詳しくは、大当たり乱数カウンタC1は、例えば0~2999の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり2999)に達した後0に戻る構成となっている。特に大当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の乱数初期値カウンタCINIの値が当該大当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。なお、乱数初期値カウンタCINIは、大当たり乱数カウンタC1と同様のループカウンタである(値=0~2999)。
大当たり乱数カウンタC1は定期的に更新され、遊技球が第1作動口62又は第2作動口63に入賞したタイミングでRAM314の保留球格納エリア314bに格納される。より詳しくは、第1作動口62に遊技球が入賞したタイミングでRAM314の第1特図用保留エリアRaに格納され、第2作動口63に遊技球が入賞したタイミングでRAM314の第2特図用保留エリアRbに格納される。
大当たり乱数カウンタC1は、大当たりであるか否かを抽選する当否抽選に用いられるものであり、大当たり当選となる乱数の値は、ROM313の当否テーブル記憶エリア313aに記憶されている当否テーブルにて設定されている。図212に示すように、当否テーブルとしては、低確率モード用の当否テーブルと、高確率モード用の当否テーブルとが設定されている。本パチンコ機10では、当否抽選における抽選モードとして、大当たりとなる確率が相対的に低い低確率モード(低確率状態)と、大当たりとなる確率が相対的に高い高確率モード(高確率状態)とが設けられている。当否抽選に際して抽選モードが低確率モードである場合は低確率モード用の当否テーブルが参照され、高確率モードである場合は高確率モード用の当否テーブルが参照される。
図212(a)に示すように、低確率モード用の当否テーブルでは、大当たりとなる乱数の値として「0」~「9」の計10個が設定されている。すなわち、低確率モードでの大当たり当選確率は1/300に設定されている。
大当たり当選となる乱数の値以外は抽選結果が外れ結果となるが、本実施の形態では外れ結果として特殊外れ結果と通常外れ結果とが含まれている。上記低確率モード用の当否テーブルにおいて特殊外れ結果となる乱数の値としては「10」~「29」の計20個が設定されており、特殊外れ結果となる確率は1/150となっている。
図212(b)に示すように、高確率モード用の当否テーブルでは、大当たりとなる乱数の値として「0」~「49」の計50個が設定されている。すなわち、高確率モードでの大当たり当選確率は1/60に設定されている。高確率モード用の当否テーブルには特殊外れ結果が設定されておらず、大当たり当選となる乱数の値以外はすべて通常外れ結果となる。
なお、各確率モードでの大当たり当選確率は上記に限定されるものではなく、任意に設定することができる。すなわち、高確率モードにおいて低確率モードよりも大当たりの当選確率が高くなるのであれば、大当たりに対応する乱数の数及び値は任意である。また、低確率モード用の当否テーブルでの特殊外れ結果の確率についても上記に限定されるものではなく、任意に設定することができる。この場合において特殊外れ結果の確率を必ずしも大当たり当選確率よりも高くする必要はなく、大当たり当選確率と同じとしてもよい。また、特殊外れ結果の確率を大当たり当選確率よりも低くしてもよい。
大当たり種別カウンタC2は、大当たりとなった場合にその種別を振り分けるためのものであり、0~99の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり99)に達した後0に戻る構成となっている。大当たり種別カウンタC2は定期的に更新され、遊技球が第1作動口62又は第2作動口63に入賞したタイミングでRAM314の保留球格納エリア314bに格納される。より詳しくは、第1作動口62に遊技球が入賞したタイミングでRAM314の第1特図用保留エリアRaに格納され、第2作動口63に遊技球が入賞したタイミングでRAM314の第2特図用保留エリアRbに格納される。
大当たり種別カウンタC2に対する遊技結果の振分先は、ROM313の種別テーブル記憶エリア313bに大当たり種別テーブルとして記憶されている。図213に示すように、大当たり種別テーブルとしては、第1特図用の大当たり種別テーブルと第2特図用の大当たり種別テーブルとが設定されている。第1作動口62への入賞に基づいて大当たりとなった場合には第1特図用の大当たり種別テーブルが参照され、第2作動口63への入賞に基づいて大当たりとなった場合には第2特図用の大当たり種別テーブルが参照される。
図213(a)に示すように、第1特図用の大当たり種別テーブルでは、選択可能な大当たり種別として、4R確変大当たり結果と、4R通常大当たり結果Aと、4R通常大当たり結果Bとが設定されている。これらの大当たり結果はいずれも実行されるラウンド遊技の回数が4回となるものである。ここで、ラウンド遊技とは、可変入賞装置65を閉鎖状態から開放状態とし、その後、閉鎖状態とする可変入賞制御が少なくとも1回実行されるものである。本実施の形態では、1のラウンド遊技につき上記可変入賞制御が1回実行されるように構成されている。
4R確変大当たり結果は、開閉実行モードの終了後、抽選モードが高確率モードに設定されるとともに、第2作動口63の普電役物63aにおけるサポートモードが高頻度サポートモードに設定される大当たり結果である。すなわち、4R確変大当たり結果となった場合は、開閉実行モード終了後の遊技状態が高確率モード且つ高頻度サポートモードの状態(高確遊技状態、確変遊技状態)となる。この場合の高確遊技状態は次回の大当たりが発生するまで(次回の開閉実行モードが開始されるまで)継続される。ちなみに、開閉実行モードの実行中は抽選モードが低確率モードに設定されるとともに、サポートモードが低頻度サポートモードに設定される。
高頻度サポートモード及び低頻度サポートモードは、遊技領域PEに対して同様の態様で遊技球の発射が継続されている状況で比較した場合に、第2作動口63への入賞頻度が相対的に高低となるように、普電役物63aの駆動態様が制御されるものである。具体的には、高頻度サポートモードでは、普電役物63aが開放状態とされる頻度が低頻度サポートモードよりも高く、また、1回の開放における開放期間についても低頻度サポートモードよりも長くなるようになっている。
このため、高頻度サポートモードでは、低頻度サポートモードよりも第2作動口63への入賞が発生する確率が高くなる。換言すれば、低頻度サポートモードでは、第2作動口63よりも第1作動口62への入賞が発生する確率が高くなるが、高頻度サポートモードでは、第1作動口62よりも第2作動口63への入賞が発生する確率が高くなる。そして、第2作動口63への入賞が発生した場合には、所定個数の遊技球の払出が実行されるため、高頻度サポートモードでは、遊技者は持ち球をあまり減らさないようにしながら遊技を行うことができる。
なお、本実施の形態では、高頻度サポートモードとして第1高頻度サポートモードと第2高頻度サポートモードとが設けられている。このうち4R確変大当たり結果となった場合に移行するのは第1高頻度サポートモードである。第1高頻度サポートモードと第2高頻度サポートモードとの違いについては後に説明する。
4R通常大当たり結果は、開閉実行モードの終了後、抽選モードが低確率モードに設定されるとともに、第2作動口63の普電役物63aにおけるサポートモードが第1高頻度サポートモードに設定される大当たり結果である。すなわち、4R通常大当たり結果となった場合は、開閉実行モード終了後の遊技状態が低確率モード且つ高頻度サポートモードの状態(時短遊技状態)となる。
4R通常大当たり結果Aになった場合の時短遊技状態は、外れ結果の特図遊技回(外れ遊技回)の回数が予め定められた第1上限回数(例えば50回)に達するまで継続される。この場合の外れ遊技回の回数は、開閉実行モードが終了した後の特図遊技回を対象としてカウントされる。また、4R通常大当たり結果Bになった場合の時短遊技状態は、開閉実行モード後の外れ遊技回の回数が予め定められた第2上限回数(例えば200回)に達するまで継続される。第1上限回数又は第2状態回数に達した場合は、時短遊技状態が終了して通常遊技状態(低確率モード且つ低頻度サポートモード)に移行する。なお、各上限回数に達する前に大当たり結果となった場合には、当該大当たり結果に基づく開閉実行モードへの移行に伴って時短遊技状態が終了する。
本実施の形態では、大当たり種別カウンタC2の「0」~「64」が4R確変大当たり結果に対応し、「65」~「94」が4R通常大当たり結果Aに対応し、「95」~「99」が4R通常大当たり結果Bに対応している。すなわち、4R確変大当たり結果に振り分けられる確率は65%、4R通常大当たり結果Aに振り分けられる確率は30%、4R通常大当たり結果Bに振り分けられる確率は5%に設定されている。
図213(b)に示すように、第2特図用の大当たり種別テーブルでは、選択可能な大当たり種別として10R確変大当たり結果と、4R通常大当たり結果Aと、4R通常大当たり結果Bとが設定されている。
10R確変大当たり結果は、実行されるラウンド遊技の回数が10回となるものであり、また、開閉実行モード終了後の遊技状態が高確遊技状態となる大当たり結果である。この場合の高確遊技状態は次回の大当たりが発生するまで継続される。4R通常大当たり結果A,Bは、第1特図用の大当たり種別テーブルにおける4R通常大当たり結果A,Bと同様のものである。
本実施の形態では、大当たり種別カウンタC2の「0」~「64」が4R確変大当たり結果に対応し、「65」~「94」が4R通常大当たり結果Aに対応し、「95」~「99」が4R通常大当たり結果Bに対応している。すなわち、10R確変大当たり結果に振り分けられる確率は65%、4R通常大当たり結果Aに振り分けられる確率は30%、4R通常大当たり結果Bに振り分けられる確率は5%に設定されている。
このように、第1特図表示部の種別テーブルと第2特図表示部の種別テーブルとのいずれであっても、確変大当たり結果に振り分けられる確率は同一となっている。但し、確変大当たり結果が選択される場合に、第2特図表示部の種別テーブルでは10R大当たり結果となるのに対して、第1特図表示部の種別テーブルでは4R大当たり結果となるように設定されている。つまり、第2作動口63への入賞に基づいて確変大当たり結果となった場合は、第1作動口62への入賞に基づいて確変大当たり結果となった場合よりも開閉実行モードでのラウンド数が多くなり、より多くの遊技球の払い出しを期待することが可能になる。すなわち、第1作動口62に遊技球を入賞させる遊技よりも第2作動口63に遊技球を入賞させる遊技の方が遊技者にとって有利となっている。
以上のとおり、第1作動口62と第2作動口63とにおいて、遊技者にとっての有利性に明確な差異が設けられている。したがって、遊技者は第1作動口62及び第2作動口63のうち、第2作動口63への入賞が発生することを期待しながら遊技を行うこととなり、それに伴って、第2作動口63への入賞頻度が高くなる高頻度サポートモードへの遊技者の注目度が高くなる。
なお、本実施の形態では、第1特図表示部の種別テーブルと第2特図表示部の種別テーブルとで確変大当たり結果に振り分けられる確率を同一としているが、異なる確率としてもよい。具体的には、第2特図表示部の種別テーブルにおいて、第1特図表示部の種別テーブルよりも確変大当たり結果に振り分けられる確率が高くなる構成としてもよい。このような構成によっても、第1作動口62に入賞させるよりも第2作動口63に入賞させる方が遊技者にとって有利な構成とすることができる。その際、必ずしも開閉実行モードでのラウンド数と確変大当たり結果への振分確率との両方について第1作動口62よりも第2作動口63の方が優遇される構成とする必要はなく、確変大当たり結果への振分確率のみが優遇される構成としてもよい。
大当たり種別カウンタC2は、作動口62,63への入賞に基づく当否抽選の結果が大当たりになった場合に、各特図表示部AS,BSに停止表示される絵柄の停止結果の決定にも用いられる。停止結果の決定は、ROM313の停止結果テーブル記憶エリア313dに記憶されている停止結果テーブルを参照して行われる。停止結果テーブルには、大当たり種別カウンタC2の値と対応させて、大当たりである場合の停止結果(各特図表示部AS,BSに停止表示される大当たり絵柄)のデータが複数設定されており、停止結果の決定に際しては、それら複数の停止結果のデータの中から、取得された大当たり種別カウンタC2に対応するものが読み出される。ここで、停止結果の決定と大当たり種別の決定とにはいずれも同じ大当たり種別カウンタC2を用いるため、各特図表示部AS,BSに停止表示される大当たり絵柄と、その大当たり時に決定される大当たり種別とは対応したものとなる。
ここで、本実施の形態では、通常大当たり結果になったことを契機として移行する時短遊技状態とは別に、大当たり乱数カウンタC1を用いた当否抽選の結果が特殊外れ結果になったことを契機として移行する時短遊技状態が設けられている。この場合の時短遊技状態は、抽選モードが低確率モードとなり、サポートモードが第2高頻度サポートモードとなる状態である。
なお、特殊外れ結果は外れ結果の一種であるため、上記時短遊技状態へは開閉実行モードを経由せずに移行する。すなわち、特殊外れ結果になった場合、その特図遊技回が終了するのに合わせて遊技状態が時短遊技状態に移行する。以下においては、通常大当たり結果を契機とする時短遊技状態と、特殊外れ結果を契機とする時短遊技状態とを区別する場合に、前者を「通常時短遊技状態」、後者を「突然時短遊技状態」ということがある。
図214(a)に示すように、特殊外れ結果には複数種類の結果が設けられている。具体的には、特殊外れ結果A~特殊外れ結果Cの3種類の特殊外れ結果が設けられている。これら各特殊外れ結果は、大当たり乱数カウンタC1の値に対応付けられている。詳しくは、特殊外れ結果となる大当たり乱数カウンタC1の値「10」~「29」のうち、「10」~「17」が特殊外れ結果Aに対応し、「18」~「27」が特殊外れ結果Bに対応し、「28」~「29」が特殊外れ結果Cに対応する。すなわち、特殊外れ結果となる場合において特殊外れ結果Aとなる確率は40%、特殊外れ結果Bとなる確率は50%、特殊外れ結果Cとなる確率は10%に設定されている。
なお、各種特殊外れ結果に対応する乱数の数及び値は一例に過ぎず、各種特殊外れ結果の確率や対応する乱数等は任意に設定することができる。
図214(b)に示すように、特殊外れ結果Aは、突然時短遊技状態A(低確率モード且つ第2高頻度サポートモード)の移行契機となる特殊外れ結果である。突然時短遊技状態Aは、突然時短遊技状態Aに移行してからの外れ遊技回の回数が予め定められた第3上限回数(例えば50回)に達するまで継続される。
特殊外れ結果Bは、突然時短遊技状態B(低確率モード且つ第2高頻度サポートモード)の移行契機となる特殊外れ結果である。突然時短遊技状態Bは、突然時短遊技状態Bに移行してからの外れ遊技回の回数が予め定められた第4上限回数(例えば100回)に達するまで継続される。
特殊外れ結果Cは、突然時短遊技状態C(低確率モード且つ第2高頻度サポートモード)の移行契機となる特殊外れ結果である。突然時短遊技状態Cは、突然時短遊技状態Cに移行してからの外れ遊技回の回数が予め定められた第5上限回数(例えば200回)に達するまで継続される。
突然時短遊技状態A~Cにおいて外れ遊技回の回数が各上限回数に達した場合は、滞在中の突然時短遊技状態が終了して通常遊技状態(低確率モード且つ低頻度サポートモード)に移行する。なお、各上限回数に達する前に大当たり結果となった場合には、当該大当たり結果に基づく開閉実行モードへの移行に伴って各突然時短遊技状態が終了する。
図211の説明に戻り、変動種別カウンタCSは、例えば0~99の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり99)に達した後0に戻る構成となっている。変動種別カウンタCSは、特図用表示部43の第1特図表示部AS及び第2特図表示部BSにおける変動表示時間をMPU312において決定する上で用いられる。
変動種別カウンタCSは、後述する通常処理が1回実行される毎に1回更新され、当該通常処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。そして、変動種別カウンタCSは、遊技球が第1作動口62又は第2作動口63に入賞したタイミングでRAM314の保留球格納エリア314bに格納される。より詳しくは、第1作動口62に遊技球が入賞したタイミングでRAM314の第1特図用保留エリアRaに格納され、第2作動口63に遊技球が入賞したタイミングでRAM314の第2特図用保留エリアRbに格納される。
変動種別カウンタCSに対する変動表示時間の振分先は、ROM313の変動表示時間テーブル記憶エリア313cに変動表示時間テーブルとして記憶されている。変動表示時間テーブルの詳細については後述する。
普図当たり乱数カウンタC3は、例えば、0~99の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり99)に達した後0に戻る構成となっている。普図当たり乱数カウンタC3は定期的に更新され、スルーゲート64に遊技球が入賞したタイミングでRAM314の普図保留エリア314cに格納される。
普図当たり乱数カウンタC3は、普図当たり(サポート当選)であるか否かを抽選する普図当否抽選(サポート抽選)に用いられるものであり、サポート当選結果になった場合には、普電役物63aを閉鎖状態から開放状態とし、その後、閉鎖状態とする開閉制御が少なくとも1回行われる役物開閉遊技が実行される。
サポート当選となる乱数の値は、ROM313の当否テーブル記憶エリア313aに記憶されたサポート抽選テーブルにて設定されている。図215に示すように、サポート抽選テーブルとしては、低頻度サポートモード用のサポート抽選テーブルと、第1高頻度サポートモード用のサポート抽選テーブルと、第2高頻度サポートモード用のサポート抽選テーブルとが設定されている。サポート抽選に際してサポートモードが低頻度サポートモードである場合は低頻度サポートモード用のサポート抽選テーブルが参照され、第1高頻度サポートモードである場合は第1高頻度サポートモード用のサポート抽選テーブルが参照され、第2高頻度サポートモードである場合は第2高頻度サポートモード用のサポート抽選テーブルが参照される。
図215(a)に示すように、低頻度サポートモード用のサポート抽選テーブルでは、サポート当選となる乱数の値として「0」~「9」の計10個が設定されており、サポート当選確率は1/10となっている。
図215(b)に示すように、第1高頻度サポートモード用のサポート抽選テーブルでは、「0」~「89」の計90個が設定されており、サポート当選確率は9/10となっている。すなわち、第1高頻度サポートモードである場合は、サポート抽選における抽選モードが高確率モードとなり、低頻度サポートモードの場合よりもサポート当選となりやすくなっている。
図215(c)に示すように、第2高頻度サポートモード用のサポート抽選テーブルでは、サポート当選となる乱数の値として「0」~「9」の計10個が設定されており、サポート当選確率は1/10となっている。すなわち、第2高頻度サポートモードである場合は、サポート抽選における抽選モードが低確率モードとされ、第1高頻度サポートモードである場合よりもサポート当選確率が低い状態でサポート抽選が行われる。
各サポートモードにおいて、サポート当選となる乱数の値以外は、抽選結果が普図外れ結果となる。この場合は役物開閉遊技が実行されない。
なお、各サポートモードでのサポート当選確率は上記に限定されるものではなく、任意に設定することができる。例えば、第1高頻度サポートモードにおいて低頻度サポートモードよりもサポート当選の確率が高くなるのであれば、サポート当選となる乱数の数及び値は任意である。また、上記構成では、第2高頻度サポートモードでのサポート当選確率を低頻度サポートモードの場合と同じ確率としているが、第2高頻度サポートモードでのサポート当選確率が低頻度サポートモードでのサポート当選確率よりも高くなる構成であってもよい。その場合、第2高頻度サポートモードでのサポート当選確率を第1高頻度サポートモードでのサポート当選確率と同じにしてもよいし、第1高頻度サポートモードでのサポート当選確率よりも低くしてもよいし、第1高頻度サポートモードでのサポート当選確率よりも高くしてもよい。また、低頻度サポートモード、第1高頻度サポートモード及び第2高頻度サポートモードでサポート当選確率が等しくなる構成としてもよい。
ちなみに本実施の形態のように、低頻度サポートモードと第2高頻度サポートモードとでサポート当選確率を等しくする場合、すなわち、これら各モード間でサポート当選の確率変動を生じさせない場合は、これら各モード用のサポート抽選テーブルを共通化し、1の抽選テーブルを備える構成としてもよい。
<主制御装置162にて実行される各種処理について>
次に、主制御装置162内のMPU312にて遊技を進行させるために実行されるタイマ割込み処理及び通常処理を説明する。なお、MPU312では、タイマ割込み処理及び通常処理の他に、電源投入に伴い起動されるメイン処理とNMI端子(ノンマスカブル端子)への停電信号の入力により起動されるNMI割込み処理とが実行されるが、これらの処理については説明を省略する。
<タイマ割込み処理>
タイマ割込み処理について図216のフローチャートを参照しながら説明する。本処理はMPU312により定期的に(例えば2msec周期で)起動される。
ステップSc101では、各種入賞センサの読み込み処理を実行する。すなわち、主制御装置162に接続されている各種入賞センサの状態を読み込むとともに、当該入賞センサの状態(入賞センサからの検知情報)を判定して検出情報(入賞検知情報)を保存する。例えば、第1作動口62への入賞が発生したと判定した場合には、RAM314の各種フラグ格納エリア314eに第1特図用の入賞検知フラグを格納し、第2作動口63への入賞が発生したと判定した場合には、各種フラグ格納エリア314eに第2特図用の入賞検知フラグを格納する。また、スルーゲート64を遊技球が通過したと判定した場合には、RAM314の各種フラグ格納エリア314eにスルーゲート用の入賞検知フラグを格納する。
ステップSc102では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1加算するとともに、そのカウンタ値が最大値に達した際0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM314の該当するバッファ領域に格納する。
ステップSc103では、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及び普図当たり乱数カウンタC3の更新を実行する。具体的には、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及び普図当たり乱数カウンタC3をそれぞれ1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値に達した際それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1~C3の更新値を、RAM314の該当するバッファ領域に格納する。
ステップSc104では、スルーゲート64への入賞に伴うスルー用の入賞処理を実行する。スルー用の入賞処理では、RAM314の各種フラグ格納エリア314eにスルーゲート用の入賞検知フラグが格納されているか否かを判定し、同フラグが格納されている場合には普図保留エリア314cに記憶されている役物保留記憶数が4未満であることを条件として、前記ステップSc103にて更新した普図当たり乱数カウンタC3の値を普図保留エリア314cに格納する。また、各種フラグ格納エリア314eにスルーゲート用の入賞検知フラグが格納されている場合には、同入賞検知フラグを消去して当該スルーゲート用の入賞処理を終了する。
ステップSc105では、作動口62,63への入賞に伴う作動口用の入賞処理を実行し、その後、タイマ割込み処理を終了する。
<作動口用の入賞処理>
ステップSc105の作動口用の入賞処理について図217のフローチャートを参照しながら説明する。
先ずステップSc201にて、遊技球が第1作動口62に入賞(始動入賞)したか否かを第1作動口用入賞センサ62aの検知状態により判定する。遊技球が第1作動口62に入賞したと判定すると、ステップSc202にて払出制御装置181に遊技球を3個払い出させるための賞球コマンドをセットする。
ステップSc203では、第1作動口62に遊技球が入賞したことを遊技ホール側の管理制御装置に対して信号出力すべく、外部信号設定処理を行う。ステップSc204では、第1特図用保留エリアRaの保留数記憶領域に格納された値を読み出し、当該第1特図用保留エリアRaに保留記憶されている始動保留記憶数RaNをセットする(以下、第1始動保留記憶数RaNともいう)。その後、ステップSc205では、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及び変動種別カウンタCSの各値を格納する情報取得処理を行い、本入賞処理を終了する。
また、ステップSc201で否定判定した場合(第1作動口62への入賞が発生していない場合)は、ステップSc206に進み、遊技球が第2作動口63に入賞(始動入賞)したか否かを第2作動口用入賞センサ63cの検知状態により判定する。遊技球が第2作動口63に入賞したと判定すると、ステップSc207にて払出制御装置181に遊技球を1個払い出させるための賞球コマンドをセットする。
ステップSc208では、第2作動口63に遊技球が入賞したことを遊技ホール側の管理制御装置に対して信号出力すべく、外部信号設定処理を行う。ステップSc209では、第2特図用保留エリアRbの保留数記憶領域に格納された値を読み出し、当該第2特図用保留エリアRbに保留記憶されている始動保留記憶数RbNをセットする(以下、第2始動保留記憶数RbNともいう)。その後、ステップSc205にて情報取得処理を行い、本入賞処理を終了する。
また、ステップSc206で否定判定した場合(第2作動口63への入賞が発生していない場合)は、そのまま本入賞処理を終了する。
なお、上記ステップSc202又はステップSc207にてセットした賞球コマンドは、後述する通常処理の外部出力処理にて払出制御装置181に対して送信される。
ここで、ステップSc205の情報取得処理について図218のフローチャートを参照しながら説明する。
先ずステップSc301にて、上述したステップSc204又はステップSc209にてセットした始動保留記憶数N(RaN又はRbN)が上限値(本実施の形態では4)未満であるか否かを判定する。始動保留記憶数Nが上限値である場合にはそのまま本情報取得処理を終了し、上限値未満である場合には、ステップSc302にて対応する特図用保留エリアRa,Rbの始動保留記憶数Nを1加算する。ステップSc303では、総保留数記憶領域に格納された値(以下、共通保留数CRNと言う)を1加算する。
ステップSc304では、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及び変動種別カウンタCSの各値を、対応する特図表示部用保留エリアの空き記憶領域エリアのうち最初の記憶エリア、すなわち上記ステップSc302にて1加算した保留記憶数と対応する記憶エリアに格納する。
つまり、第1特図用の始動保留記憶数RaNがセットされている場合には、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及び変動種別カウンタCSの各値を、第1特図用保留エリアRaの空き記憶エリアのうち最初の記憶エリア、すなわち上記ステップSc302にて1加算した第1特図用の始動保留記憶数RaNと対応する保留エリアRaに格納する。
また、第2特図用の始動保留記憶数RbNがセットされている場合には、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及び変動種別カウンタCSの各値を、第2特図用の保留エリアRbの空き記憶エリアのうち最初の記憶エリア、すなわち上記ステップSc302にて1加算した第2特図用の始動保留記憶数RbNと対応する保留エリアRbに格納する。
ステップSc305では、主表示ユニット81の特図保留数表示部AMについて表示更新処理を実行する。特図保留数表示部AMでは、第1特図用の保留数と第2特図用の保留数とを各別に表示することが可能となっている。ステップSc305の表示更新処理では、今回の入球先(入賞先)が第1作動口62の場合には第1特図用の保留数の表示を更新し、今回の入球先(入賞先)が第2作動口63の場合には第2特図用の保留数の表示を更新する。
ステップSc306では、演出制御装置143への送信対象として保留コマンドを設定する。保留コマンドには、第1特図又は第2特図のいずれの始動入賞であるかを示す情報や、保留数を示す情報等が含まれる。ステップSc306の実行後は、本情報取得処理を終了する。
<通常処理>
次に、通常処理の流れを図219のフローチャートを参照しながら説明する。通常処理は電源投入に伴い起動されるメイン処理が実行された後に開始される処理であり、通常処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、ステップSc401~ステップSc408の処理が4msec周期の定期処理として実行され、その残余時間でステップSc409~ステップSc411のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
通常処理においては先ず、ステップSc401にて外部信号出力処理を実行する。ステップSc401の外部信号出力処理では、タイマ割込み処理又は前回の通常処理で設定したコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置に送信する。具体的には、賞球コマンドの有無を判定し、賞球コマンドが設定されていればそれを払出制御装置181に対して送信する。また、変動開始コマンド、種別コマンド、変動終了コマンド等の演出用コマンドが設定されている場合にはそれを演出制御装置143に対して送信する。
ステップSc402では、変動種別カウンタCSの更新を実行する。具体的には、変動種別カウンタCSを1加算するとともに、カウンタ値が最大値に達した際にはカウンタ値を0にクリアする。そして、変動種別カウンタCSの更新値を、RAM314の該当するバッファ領域に格納する。
ステップSc403では、各特図遊技回における遊技を制御するための特図遊技回制御処理を実行する。特図遊技回制御処理では、大当たり判定、特図用表示部43の表示制御などを行う。ステップSc404では、遊技状態移行処理を実行する。この遊技状態移行処理により、遊技状態が開閉実行モード、高確率モード、高頻度サポートモードなどに移行する。ステップSc403の特図遊技回制御処理及びステップSc404の遊技状態移行処理についての詳細は後述する。
ステップSc405では、普図遊技回における遊技を制御するための普図遊技回制御処理を実行する。普図遊技回制御処理では、サポート抽選(普図当否抽選)、普図用表示部44の表示制御などを行う。ステップSc406では、第2作動口63に設けられた普電役物63aを駆動制御するための電役サポート用処理を実行する。ステップSc405の普図遊技回制御処理及びステップSc406の電役サポート用処理についての詳細は後述する。
ステップSc407では、遊技球発射制御処理を実行する。遊技球発射制御処理では、電源及び発射制御装置191から発射許可信号を入力していることを条件として、所定期間(例えば、0.6sec)に1回、遊技球発射機構110のソレノイドを励磁する。これにより、遊技球が遊技領域PEに向けて打ち出される。
ステップSc408では、RAM314のバックアップエリアに停電フラグが格納されているか否かを判定する。停電フラグは、電断状態の発生時に実行されるNMI割込み処理でセットされるものであり、電断状態の発生をMPU312が把握するためのものである。
停電フラグが格納されていない場合(電断状態が発生していない場合)は、ステップSc409にて、次の通常処理の実行タイミングに至ったか否か、すなわち今回の通常処理の開始から所定時間(本実施の形態では4msec)が経過したか否かを判定する。今回の通常処理の開始から所定時間が経過していない場合は、ステップSc410にて、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1加算するとともに、そのカウンタ値が最大値に達した際0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM314の該当するエリアに格納する。
ステップSc411では、変動種別カウンタCSの更新を実行する。具体的には、変動種別カウンタCSを1加算するとともに、それらのカウンタ値が最大値に達した際0にクリアする。そして、変動種別カウンタCSの更新値を、RAM314の該当するエリアに格納する。
ステップSc409で肯定判定した場合(今回の通常処理の開始から所定時間が経過した場合)は、ステップSc401に処理を戻り、ステップSc401以降の処理を実行する。
このように、ステップSc408の処理を実行した後、次の通常処理の実行タイミングが到来するまでの残余期間を利用し、乱数初期値カウンタCINI及び変動種別カウンタCSの更新を繰り返し実行する。ここで、ステップSc401~ステップSc408の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して乱数初期値カウンタCINIの更新を繰り返し実行することにより、乱数初期値カウンタCINI(すなわち、大当たり乱数カウンタC1の初期値)をランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCSについてもランダムに更新することができる。
ステップSc408で肯定判定した場合(停電フラグが格納されている場合)は、ステップSc412に進み、各割込み処理の発生を禁止する。ステップSc413では、MPU312のスタックポインタの値をRAM314のバックアップエリアに記憶し、ステップSc414では、演出制御装置143への送信対象として停電コマンドを設定する。停電コマンドが送信されることにより、電断状態の発生が演出制御装置143に通知される。
ステップSc415ではRAM判定値を算出し、バックアップエリアに保存する。RAM判定値は、例えばRAM314の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。ステップSc416では、RAM314へのアクセスを禁止し、その後は、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。なお、電源が完全に遮断された後も、電源及び発射制御装置191からRAM314のデータ記憶保持用電源が供給されるため、電源遮断前にRAM314に記憶されていた情報はそのままの状態で所定の期間内(例えば、1日や2日)保持される。
<特図遊技回制御処理>
ステップSc403の遊技回制御処理について図220のフローチャートを参照しながら説明する。
先ずステップSc501にて、可変入賞装置65を用いた開閉実行モード中であるか否かを判定する。具体的には、RAM314の各種フラグ格納エリア314eに開閉実行モードフラグがセットされているか否かを判定する。開閉実行モードフラグは、開閉実行モードの実行中であることをMPU312が把握するためのものである。
開閉実行モード中でない場合には、ステップSc502にて、特図用表示部43が確定表示中であるか否かを判定する。具体的には、上記各種フラグ格納エリア314eに確定表示フラグがセットされているか否かを判定する。確定表示フラグは、第1特図表示部AS又は第2特図表示部BSで確定表示中であることをMPU312が把握するためのものである。
特図用表示部43が確定表示中でない場合は、ステップSc503にて、特図用表示部43が変動表示中であるか否かを判定する。具体的には、上記各種フラグ格納エリア314eに変動表示中フラグがセットされているか否かを判定する。変動表示中フラグは、第1特図表示部AS又は第2特図表示部BSで変動表示中であることをMPU312が把握するためのものである。
特図用表示部43が変動表示中でない場合は、ステップSc504にて、共通保留数CRNが「0」であるか否かを判定する。共通保留数CRNが「0」である場合とは、第1作動口62及び第2作動口63のいずれについても始動保留記憶数RaN,RbNが「0」であることを意味する。よって、共通保留数CRNが「0」である場合は、実行対象となる保留情報が存在しないことになるため、そのまま特図遊技回制御処理を終了する。
共通保留数CRNが「0」でない場合には、ステップSc505にて第1特図用保留エリアRa又は第2特図用保留エリアRbに記憶されているデータを変動表示用に設定するためのデータ設定処理を実行し、さらにステップSc506にて特図用表示部43における変動表示を開始させるための変動開始処理を実行した後に、本遊技回制御処理を終了する。
ここで、ステップSc505のデータ設定処理及びステップSc506の変動開始処理について、以下に詳細に説明する。
先ず、データ設定処理について図221のフローチャートを参照して説明する。
先ずステップSc601では、第2特図用保留エリアRbに保留記憶されている第2始動保留記憶数RbNが「0」であるか否かを判定する。第2始動保留記憶数RbNが「0」である場合にはステップSc602~ステップSc608の第1特図(第1作動口62)用のデータ設定処理を実行し、第2始動保留記憶数RbNが「0」でない場合にはステップSc609~ステップSc615の第2特図(第2作動口63)用のデータ設定処理を実行する。
既に説明したように、共通保留数CRNが1以上である場合にデータ設定処理が行われるところ、データ設定処理が実行される状況とは、第1始動保留記憶数RaN及び第2始動保留記憶数RbNの少なくとも一方が1以上であることを意味する。この場合にデータ設定処理では、先ず第2始動保留記憶数RbNが「0」であるか否かを判定し、第2始動保留記憶数RbNが「0」であること、すなわち、第2特図用の保留情報が存在しないことを条件として第1特図用の保留情報に関する処理を実行するように構成されている。このため、第1特図用保留エリアRa及び第2特図用保留エリアRbの両方に保留情報が記憶されている場合には、第2特図用保留エリアRbに記憶されている第2特図(第2作動口63)用の保留情報が優先して処理されることになる。
第1特図用のデータ設定処理では、先ずステップSc602にて、第1特図用保留エリアRaの第1始動保留記憶数RaNを1減算する。ステップSc603では共通保留数CRNを1減算する。ステップSc604では、第1特図用保留エリアRaの第1エリアに格納されたデータを実行エリアAEに移動する。
ステップSc605では、第1特図用保留エリアRaの記憶エリアに格納されたデータ(大当たり乱数カウンタC1等の保留情報)をシフトさせる処理を実行する。この処理では、第1エリアのデータをクリアするとともに、第2エリア~第4エリアのデータを下位側のエリアに順次移動させる処理を実行する。
ステップSc606では、RAM314の各種フラグ格納エリア314eに第2特図フラグが格納されているか否かを判定する。第2特図フラグは、第2作動口63の保留情報が存在することをMPU312が把握するためのものである。第2特図フラグが格納されている場合は、ステップSc607にて第2特図フラグを消去する。
ステップSc607の実行後又はステップSc606で否定判定した場合(第2特図フラグが格納されていない場合)は、ステップSc608に進み、保留エリアのデータのシフトが行われたことを演出制御装置143に通知するためのシフトコマンド(シフト発生情報)を設定する。この場合、ROM313のコマンド情報記憶エリア313eから、今回のデータのシフトの対象となった保留エリアが、第1特図用保留エリアRaに対応していることの情報、すなわち第1作動口62に対応していることの情報を含むシフトコマンドを選定し、その選定したシフトコマンドを演出制御装置143への送信対象のコマンドとして設定する。その後、本データ設定処理を終了する。
ステップSc608にて設定されたシフトコマンドは、通常処理(図219)におけるステップSc401にて、演出制御装置143に送信される。演出制御装置143では、受信したシフトコマンドに基づいて、図柄表示装置75の第1保留表示領域Gaにおける表示を、保留個数の減少に対応させて変更するための処理を実行する。
第2特図用のデータ設定処理では、先ずステップSc609にて、第2特図用保留エリアRbの第2始動保留記憶数RbNを1減算する。ステップSc610では共通保留数CRNを1減算する。ステップSc611では、第2特図用保留エリアRbの第1エリアに格納されたデータを実行エリアAEに移動する。
ステップSc612では、第2特図用保留エリアRbの記憶エリアに格納されたデータ(大当たり乱数カウンタC1等の保留情報)をシフトさせる処理を実行する。ステップSc613では、上記各種フラグ格納エリア314eに第2特図フラグが格納されているか否かを判定する。第2特図フラグが格納されていない場合は、ステップSc614にて第2特図フラグをセットする。
ステップSc614の実行後又はステップSc613で肯定判定した場合(第2特図フラグが格納されている場合)は、ステップSc615に進み、保留エリアのデータのシフトが行われたことをサブ側の制御装置である演出制御装置143に認識させるための情報であるシフトコマンド(シフト発生情報)を設定する。この場合、ROM313のコマンド情報記憶エリア313eから、今回のデータのシフトの対象となった保留エリアが第2特図用保留エリアRbに対応していることの情報、すなわち第2作動口63に対応していることの情報を含むシフトコマンドを選定し、その選定したシフトコマンドを演出制御装置143への送信対象のコマンドとして設定する。その後、本データ設定処理を終了する。
ステップSc615にて設定されたシフトコマンドは、通常処理(図219)におけるステップSc401にて、演出制御装置143に送信される。演出制御装置143では、受信したシフトコマンドに基づいて、図柄表示装置75の第2保留表示領域Gbにおける表示を、保留個数の減少に対応させて変更するための処理を実行する。
次に、変動開始処理について図222のフローチャートを参照して説明する。
先ずステップSc701では、現在の遊技状態に対応する当否テーブルを参照して当否判定を行う。具体的には、現在の抽選モードが低確率モードである場合は低確率モード用の当否テーブル(図212(a))を参照して当否判定を行い、現在の抽選モードが高確率モードである場合は高確率モード用の当否テーブル(図212(b))を参照して当否判定を行う。本ステップでは、実行エリアAEに格納されている大当たり乱数カウンタC1の値が、参照する当否テーブルにて大当たり用の乱数として設定されている値と一致しているか否かを判定する。
ステップSc702では、ステップSc701における当否判定の結果が大当たり当選であるか否かを判定する。大当たり当選である場合には、ステップSc703にて、対応する大当たり種別テーブルを参照して大当たり種別判定(大当たり種別の抽選)を行う。具体的には、今回の大当たり結果が第1特図の当否抽選による大当たり結果である場合は第1特図用の大当たり種別テーブル(図213(a))を参照して種別判定を行い、今回の大当たり結果が第2特図の当否抽選による大当たり結果である場合は第2特図用の大当たり種別テーブル(図213(b))を参照して種別判定を行う。例えば、第1特図用の大当たり種別テーブルを参照した種別判定の場合であれば、実行エリアAEに格納されている大当たり種別カウンタC2の値が、4R確変大当たり結果、4R通常大当たり結果A、4R通常大当たり結果Bのいずれの数値範囲に属しているかを判定する。
ステップSc704では、ステップSc703の種別判定により選択された大当たり種別に対応した大当たり種別フラグをRAM314の各種フラグ格納エリア314eにセットする。例えば、選択された大当たり種別が4R通常大当たり結果Aである場合は、4R通常大当たりAフラグをセットする。
ステップSc705では、ROM313の停止結果テーブル記憶エリア313dに記憶されている停止結果テーブルを参照して大当たり用の停止結果を設定する。具体的には、実行エリアAEに格納されている大当たり種別カウンタC2に対応する停止結果を停止結果テーブルから読み出し、今回の遊技回の停止結果として設定する。
ステップSc702で否定判定した場合(大当たり当選でない場合)は、ステップSc706に進み、ステップSc701の当否判定の結果が特殊外れ結果であるか否かを判定する。特殊外れ結果である場合は、ステップSc707にて、特殊外れ結果の種別に対応した特殊外れ種別フラグを上記各種フラグ格納エリア314eにセットする。例えば、特殊外れ結果の種別が特殊外れ結果Aである場合は、特殊外れAフラグをセットする。
ステップSc708では、上記停止結果テーブルを参照して特殊外れ用の停止結果を設定する。停止結果テーブルでは、特殊外れ結果の種別ごとに固有の停止結果が設定されており、具体的には、大当たり乱数カウンタC1の値と対応づけて各種特殊外れ結果ごとの停止結果が設定されている。本ステップでは、実行エリアAEに格納されている大当たり乱数カウンタC1に対応する特殊外れ用の停止結果を停止結果テーブルから読み出し、今回の遊技回の停止結果として設定する。既に説明したように、特殊外れ結果の種別は突然時短遊技状態の種別に対応するため、特図用表示部43に停止表示される特殊外れ結果用の停止結果と突然時短遊技状態の種別とは対応したものとなる。
ステップSc706で否定判定した場合(特殊外れ結果でない場合)は、ステップSc709に進み、今回の遊技回の停止結果として通常外れ用の停止結果を設定する。本実施の形態では、通常外れ用の停止結果が1種類のみ設けられており、ステップSc709ではその停止結果を設定する。
ステップSc705、ステップSc708又はステップSc709の実行後は、ステップSc710にて、高頻度サポートモードでの特図遊技回の回数を更新するための高頻度サポートモード更新用処理を実行する。ステップSc711では、突然時短遊技状態の移行契機が成立したか否かを判定するための突然時短遊技状態の移行判定用処理を実行する。ステップSc712では、変動パターンを抽選して変動表示時間を設定するための変動表示時間の設定処理を実行する。ステップSc710~ステップSc712の詳細については後述する。
ステップSc713では、上記各種フラグ格納エリア314eに変動表示フラグをセットする。変動表示フラグは、特図遊技回の変動表示中であることをMPU312が把握するためのものである。
ステップSc714では、演出制御装置143への送信対象として変動開始コマンド及び種別コマンドを設定する。変動開始コマンドには変動パターンの情報が含まれるところ、遊技状態ごとに各別の変動パターンが設定され、また、大当たりであるか外れであるかによっても各別の変動パターンが設定される。よって、演出制御装置143では、変動開始コマンドから変動パターンを解析することで、変動表示時間の情報だけでなく、大当たりの有無や現在の遊技状態についても把握することが可能になる。また、種別コマンドには大当たり種別の情報が含まれる。なお、種別コマンドは、当否判定の結果が大当たりである場合にのみ設定される。
ステップSc715では、特図用表示部43の変動表示を開始する。その際、今回の特図遊技回が第1作動口62への入賞に基づくものである場合は第1特図表示部ASの絵柄を変動表示させ、第2作動口63への入賞に基づくものである場合は第2特図表示部BSの絵柄を変動表示させる。ステップSc715の実行後は変動開始処理を終了する。
特図遊技回制御処理(図220)の説明に戻り、ステップSc506の実行後は、特図遊技回制御処理を終了する。また、ステップSc501で肯定判定した場合(開閉実行モード中)である場合は、ステップSc502以降の処理を実行することなく特図遊技回制御処理を終了する。すなわち、開閉実行モード中である場合は、保留情報が存在していても特図用表示部43での変動表示は行われない。
ステップSc503で肯定判定した場合(特図用表示部43が変動表示中である場合)は、ステップSc507に進み、今回の特図遊技回における変動表示時間が経過したか否かを判定する。変動表示時間が経過していない場合には、ステップSc508にて変動表示用処理を実行する。変動表示用処理では、今回の遊技回に係る特図表示部において各表示用セグメントが所定の順番で点灯及び消灯されていくように当該特図表示部を表示制御(各表示用セグメントを発光制御)する。ステップSc508の実行後は特図遊技回制御処理を終了する。
変動表示時間が経過している場合には、ステップSc509に進み、上記各種フラグ格納エリア314eにセットされている変動表示フラグをクリアする。続くステップSc510では、高頻度サポートモードを終了させるための高頻度サポートモード終了用処理を実行する。ステップSc511では突然時短遊技状態の第1移行用処理を実行する。突然時短遊技状態の第1移行用処理は、遊技状態を突然時短遊技状態に移行させるためのものである。ステップSc510及びステップSc511の詳細については後述する。
ステップSc512では、確定表示開始用処理を実行し、その後、特図遊技回制御処理を終了する。確定表示開始用処理では、ステップSc705、ステップSc708又はステップSc709で設定した停止結果にて絵柄の停止表示を行うように特図用表示部43を制御する。また、ステップSc512では、上記停止表示を継続する確定表示時間の設定も行う。
ステップSc502で肯定判定した場合(特図用表示部43が確定表示中である場合)は、ステップSc513に進み、確定表示終了用処理を実行する。確定表示終了用処理では、ステップSc512で設定した確定表示時間が経過したか否かを判定し、経過している場合は絵柄の停止表示を終了させるように特図用表示部43を制御する。なお、確定表示時間の経過時において次の保留情報が存在しない場合は、作動口62,63への入賞が発生するまで、そのまま上記停止表示を継続するように制御する。ステップSc513の終了後は特図遊技回制御処理を終了する。
<遊技状態移行処理>
ステップSc404(図219)の遊技状態移行処理について、図223のフローチャートを参照しながら説明する。
先ずステップSc901では、開閉実行モード中であるか否かを判定する。開閉実行モード中でない場合にはステップSc902に進み、特図遊技回が終了したタイミングであるか否か(特図用表示部43での確定表示が終了したタイミングであるか否か)を判定する。特図遊技回の終了タイミングでない場合は、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。
特図遊技回の終了タイミングである場合には、ステップSc903にて、今回の特図遊技回の遊技結果が開閉実行モードへの移行に対応したもの、すなわち、当否判定の結果が大当たりであるか否かを判定する。本ステップでは、RAM314の各種フラグ格納エリア314eに大当たり種別フラグ(ステップSc705)が格納されているか否かを参照することで大当たりであるか否かの判定を行う。今回の特図遊技回の遊技結果が開閉実行モードへの移行に対応しないものである場合は、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。
ステップSc903で肯定判定した場合(今回の特図遊技回の遊技結果が開閉実行モードへの移行に対応するものである場合)は、ステップSc904に進み、開閉実行モードの開始処理を実行する。当該開始処理では、上記各種フラグ格納エリア314eに開閉実行モードフラグをセットする。また、可変入賞装置65を閉鎖状態としたまま初回ラウンドの開始を待機するためのオープニング期間を設定する。さらに、後述する高確率フラグやサポートフラグ、留保用フラグが上記各種フラグ格納エリア314eにセットされている場合は、これらのフラグをクリアする。
ステップSc905では、開閉実行モードのラウンド数を報知するためのラウンド表示の開始処理を実行する。本ステップでは、上記各種フラグ格納エリア314eに格納されている種別フラグに基づいて今回の大当たり種別を把握し、その大当たり種別に対応するラウンド数が表示されるようにラウンド表示部を制御する。なお、ラウンド表示部におけるラウンド数の表示は、開閉実行モードが終了するまで継続される。
ステップSc906では、今回の大当たり種別が10R確変大当たり結果であるか否かを判定する。10R確変大当たり結果でない場合、すなわち、4R確変大当たり又は4R通常大当たり結果のいずれかである場合は、ステップSc907にて、RAM314の各種カウンタエリア314dに設けられたラウンドカウンタエリアRC1に「4」をセットする。一方、今回の大当たり種別が10R確変大当たり結果である場合は、ステップSc908にて、上記ラウンドカウンタエリアRC1に「10」をセットする。
ステップSc907又はステップSc908の実行後は、ステップSc909にて、オープニングの開始及びオープニング期間を演出制御装置143に通知するためのオープニングコマンドを設定する。この設定されたオープニングコマンドは、通常処理(図219)におけるステップSc401にて、演出制御装置143に送信される。
ステップSc910では、外部信号設定処理を実行した後に、本遊技状態移行処理を終了する。外部信号設定処理では、外部出力端子213に設けられた大当たり信号用の出力端子を出力状態とする。これにより、大当たり信号用の出力端子が遊技ホール側の管理制御装置に接続されている場合には、当該管理制御装置に大当たり信号が出力され、当該管理制御装置においてパチンコ機10にて大当たりが発生したことを把握することができる。
ステップSc901で肯定判定した場合(開閉実行モード中である場合)は、ステップSc911に進み、オープニング期間が経過したか否かを判定する。オープニング期間が経過していない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。オープニング期間が経過している場合には、ステップSc912にて大入賞口開閉処理を実行する。
ここで、大入賞口開閉処理について図224のフローチャートを参照しながら説明する。
先ずステップSc1001では、大入賞口65aを開放中であるか否かを判定する。この判定は駆動部65dの駆動状態に基づいて行う。大入賞口65aを開放中でない場合には、ステップSc1002にてラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」であるか否かを判定する。ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」でない場合、すなわち、実行すべきラウンド遊技が存在する場合は、ステップSc1003にて、RAM314の各種カウンタエリア344bに設けられたタイマエリアT1の値が「0」であるか否かを判定する。この処理は、ラウンド間の待機期間(ラウンドインターバル期間)が経過したか否かを判定するものである。
タイマエリアT1の値が「0」である場合は、ステップSc1004に進み、1回のラウンド遊技での可変入賞装置65の上限開放時間(30sec)に対応する値として上記タイマエリアT1に「15000」をセットする。ここでセットされた値は、タイマ割込み処理(図216)が起動される都度、1減算される。ステップSc1005では、1回のラウンド遊技における可変入賞装置65への上限入賞個数(10個)に対応する値として、上記各種カウンタエリア344bに設けられた入賞カウンタエリアPC1に「10」をセットする。
ステップSc1006では、大入賞口65aを開放すべく駆動部65dを駆動状態とする。ステップSc1007では、大入賞口65a(可変入賞装置65)の開放が開始されたことを演出制御装置143に通知するための開放コマンドを設定し、その後、本大入賞口開閉処理を終了する。この設定された開放コマンドは、通常処理(図219)におけるステップSc401にて演出制御装置143に送信される。
ステップSc1102で肯定判定した場合(ラウンドカウンタエリアRC1の値が0である場合)又はステップSc1103で否定判定した場合(タイマエリアT1の値が「0」でない場合)は、そのまま本大入賞口開閉処理を終了する。
ステップSc1001で肯定判定した場合(大入賞口65aの開放中である場合)は、ステップSc1008に進み、タイマエリアT1の値が「0」か否かを判定する。この処理は、ステップSc1004で設定した可変入賞装置65の上限開放時間が経過したか否かを判定するものである。
タイマエリアT1の値が「0」でない場合は、ステップSc1009に進み、大入賞口用入賞センサ65cの検知状態に基づいて大入賞口65aへの入賞が発生したか否かを判定する。入賞が発生していない場合には、そのまま本大入賞口開閉処理を終了する。一方、入賞が発生している場合には、ステップSc1010にて入賞カウンタエリアPC1の値を1減算し、その後、ステップSc1011にて入賞カウンタエリアPC1の値が「0」であるか否かを判定する。入賞カウンタエリアPC1の値が「0」でない場合にはそのまま本大入賞口開閉処理を終了する。
ステップSc1008で肯定判定した場合(タイマエリアT1の値が「0」である場合)又はステップSc1011で肯定判定した場合(入賞カウンタエリアPC1の値が「0」である場合)は、ステップSc1012に進み、駆動部65dを非駆動状態に切り替えて大入賞口65aを閉鎖する。ステップSc1013では、ラウンドカウンタエリアRC1の値を1減算し、ステップSc1014では、ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」であるか否かを判定する。
ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」でない場合、すなわち、残りのラウンド遊技が存在する場合は、ステップSc1015に進み、可変入賞装置65を閉鎖状態としたまま次のラウンド遊技の開始を待機する期間(2sec)に対応する値として、上記タイマエリアT1に「1000」をセットする。
ステップSc1016では、可変入賞装置65を閉鎖したこと(ラウンド遊技が終了したこと)を演出制御装置143に通知するための閉鎖コマンドを設定し、その後、本大入賞口開閉処理を終了する。設定された閉鎖コマンドは、通常処理(図219)におけるステップSc401にて演出制御装置143に送信される。
ステップSc1014で肯定判定した場合(ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」である場合)、すなわち、開閉実行モードの最終ラウンドが終了した場合は、ステップSc1017に進み、エンディングの開始処理を実行する。当該開始処理では、可変入賞装置65を閉鎖状態としたまま次の遊技回(開閉実行モードが終了した後の最初の遊技回)の開始を待機するエンディング期間を設定する。ステップSc1018では、エンディングの開始及びエンディング期間を演出制御装置143に通知するためのエンディングコマンドを設定し、その後、本大入賞口開閉処理を終了する。設定されたエンディングコマンドは、通常処理(図219)におけるステップSc401にて演出制御装置143に送信される。
遊技状態移行処理(図223)の説明に戻り、ステップSc912の大入賞口開閉処理を実行した後は、ステップSc913にてラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」であるか否かを判定する。ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」でない場合は、開閉実行モードを継続させるべく、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。
ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」である場合は、ステップSc914に進み、エンディングが終了したか否か(エンディング期間が経過したか否か)を判定する。エンディングが終了していない場合は、エンディングを継続させるべく、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。一方、エンディングが終了している場合は、ステップSc915に進み、開閉実行モード終了時の移行処理を実行する。
ここで、開閉実行モード終了時の移行処理について図225のフローチャートを参照しながら説明する。
先ずステップSc1201では、RAM314の各種フラグ格納エリア314eにセットされた大当たり種別フラグを参照し、今回の大当たりが確変大当たり結果であるか否かを判定する。確変大当たり結果である場合は、ステップSc1202にて、上記各種フラグ格納エリア314eに高確率フラグをセットする。これにより、抽選モードが高確率モードに移行する。
ステップSc1203では、上記各種フラグ格納エリア314eにサポートAフラグをセットする。サポートAフラグは第1高頻度サポートモードに対応するものであり、ステップSc1203の処理によりサポートモードが第1高頻度サポートモードに移行する。
なお、上記各種フラグ格納エリア314eにサポートAフラグがセットされている状況で大当たり結果となった場合、その大当たり結果に対応する開閉実行モードの開始に際してサポートAフラグがクリアされる(ステップS904)。また、上記各種フラグ格納エリア314eに高確率フラグがセットされている状況で大当たり結果となった場合も、その大当たり結果に対応する開閉実行モードの開始に際して高確率フラグがクリアされる(ステップS904)。このため、開閉実行モードでは、抽選モードが低確率モードで且つサポートモードが低頻度サポートモードの状態となる。この状態は、開閉実行モードが終了するまで継続される。
ステップSc1204では、演出制御装置143への送信対象として高確遊技状態開始コマンドを設定し、その後、開閉実行モード終了時の移行処理を終了する。ステップSc1204で設定された高確遊技状態開始コマンドは、通常処理(図219)におけるステップSc401にて演出制御装置143に送信される。高確遊技状態開始コマンドが送信されることにより、高確遊技状態(高確率モード且つ第1高頻度サポートモード)の開始が演出制御装置143に通知される。
ステップSc1201で否定判定した場合(今回の大当たり結果が通常大当たり結果である場合)は、ステップSc1205に進み、上記各種フラグ格納エリア314eにサポートAフラグをセットする。これにより、サポートモードが第1高頻度サポートモードに移行する。
ステップSc1206では、今回の大当たり結果に対応する上限回数をセットする。例えば、今回の大当たり結果が4R通常大当たり結果Aである場合は、RAM314の各種カウンタエリア314dに設けられたサポートカウンタエリアSCに第1上限回数に対応する値(例えば50)をセットする。サポートカウンタエリアSCは、高頻度サポートモードの残り回数(高頻度サポートモードに滞在可能な特図遊技回の残り回数)をMPU312が把握するためのものであり、高頻度サポートモードである状況で特図遊技回が行われるごとに1ずつ減算される。
ステップSc1207では、演出制御装置143への送信対象として時短遊技状態開始コマンドを設定し、その後、開閉実行モード終了時の移行処理を終了する。ステップSc1207で設定された時短遊技状態開始コマンドは、通常処理(図219)におけるステップSc401にて演出制御装置143に送信される。時短遊技状態開始コマンドが送信されることにより、時短遊技状態(低確率モード且つ第1高頻度サポートモード)の開始が演出制御装置143に通知される。
遊技状態移行処理(図223)の説明に戻り、ステップSc915の開閉実行モード終了時の移行処理が終了した後は、ステップSc916にて、ラウンド表示の終了処理を実行する。当該処理では、特図用表示部43におけるラウンド表示部が消灯されるように当該ラウンド表示部を制御する。
ステップSc917では、開閉実行モードの終了処理を実行し、その後、本遊技状態移行処理を終了する。開閉実行モードの終了処理では、上記各種フラグ格納エリア314eに格納された種別フラグ及び開閉実行モードフラグを消去する処理を実行する。
次に、ステップSc710の高頻度サポートモード更新用処理、ステップSc711の突然時短遊技状態の移行判定用処理について説明する。これらの処理は、変動開始処理(図222)にて実行されるものであり、換言すれば、特図遊技回での変動表示が開始される場合に実行されるものである。
<高頻度サポートモード更新用処理>
ステップSc710の高頻度サポートモード更新用処理について図226のフローチャートを参照しながら説明する。
先ずステップSc1301では、今回の特図当否抽選の結果が大当たり結果であるか否かを判定する。大当たり結果でない場合は、ステップSc1302にて、RAM314の各種フラグ格納エリア314eにいずれかのサポートフラグがセットされているか否かを判定する。具体的には、サポートAフラグ、サポートB1フラグ、サポートB2フラグ、サポートB3フラグのいずれかがセットされているか否かを判定する。サポートB1フラグ~サポートB3フラグは第2高頻度サポートモード(突然時短遊技状態)に対応するものである。
いずれかのサポートフラグがセットされている場合、すなわち、高頻度サポートモード中である場合は、ステップSc1303に進み、RAM314の各種カウンタエリア314dに設けられたサポートカウンタエリアSCの値を更新する。具体的には、サポートカウンタエリアSCの値を1減算する。これにより、各時短遊技状態の残り回数が1減算される。
ステップSc1304では、上記サポートカウンタエリアSCの値が「0」であるか否かを判定する。サポートカウンタエリアSCの値が「0」である場合、すなわち、各時短遊技状態での遊技回の実行回数が上限回数に到達している場合には、ステップSc1305に進み、上記各種フラグ格納エリア314eに時短終了用フラグをセットする。時短終了用フラグは、各時短遊技状態を終了すべきであることをMPU312が把握するためのものである。
ステップSc1305の実行後は高頻度サポートモード更新用処理を終了する。ステップSc1301で肯定判定した場合(大当たり結果である場合)又はステップSc1302で否定判定した場合(いずれのサポートフラグもセットされていない場合)は、各時短遊技状態の残り回数を更新しないとして、ステップSc1303以降の処理を実行せずに高頻度サポートモード更新用処理を終了する。また、ステップSc1304で否定判定した場合(サポートカウンタエリアSCの値が「0」でない場合)は、各時短遊技状態を終了すべきではないとして、ステップSc1305の処理を実行せずに高頻度サポートモード更新用処理を終了する。
<突然時短遊技状態の移行判定用処理>
ステップSc711の突然時短遊技状態の移行判定用処理について図227(a)のフローチャートを参照しながら説明する。
先ずステップSc1401では、今回の特図当否抽選の結果が特殊外れ結果であるか否かを判定する。具体的には、RAM314の各種フラグ格納エリア314eに特殊外れ種別フラグがセットされているか否かを判定する。特殊外れ種別フラグは、ステップSc701の当否判定で特殊外れ結果と判定された場合にセットされるものである(ステップSc707)。
特図当否抽選の結果が特殊外れ結果でない場合(特殊外れ種別フラグがセットされていない場合)は、そのまま突然時短遊技状態の移行判定用処理を終了する。一方、特図当否抽選の結果が特殊外れ結果である場合は、ステップSc1402に進み、上記各種フラグ格納エリア314eにいずれかのサポートフラグがセットされているか否かを判定する。
いずれのサポートフラグもセットされていない場合、すなわち、現在の遊技状態が通常遊技状態である場合は、ステップSc1403にて、上記各種フラグ格納エリア314eに突然時短開始用フラグをセットする。突然時短開始用フラグは、突然時短遊技状態に移行すべきであることをMPU312が把握するためのものである。ステップSc1403の実行後は、突然時短遊技状態の移行判定用処理を終了する。
ステップSc1402で肯定判定した場合(いずれかのサポートフラグがセットされている場合)、すなわち、現在の遊技状態が通常時短遊技状態又は突然時短遊技状態である場合は、ステップSc1404に進み、上記各種フラグ格納エリア314eに留保用フラグがセットされているか否かを判定する。留保用フラグは、時短遊技状態への移行が留保されている状態であることをMPU312が把握するためのものである。なお、時短遊技状態の留保については後に詳細に説明する。
留保用フラグがセットされていない場合は、留保状態とされた時短遊技状態が存在しないことを意味する。この場合は、ステップSc1405に進んで留保用処理を実行し、その後、突然時短遊技状態の移行判定用処理を終了する。留保用処理は時短遊技状態への移行を留保(待機)するためのものである。
ステップSc1404で肯定判定した場合(留保用フラグがセットされている場合)は、ステップSc1406にて時短遊技状態の留保数が留保上限値に達しているか否かを判定する。本実施の形態では留保上限値として1が設定されている。留保数が留保上限値に達していない場合は、ステップSc1405に進んで留保用処理を実行する。移行留保数が留保上限値に達している場合は、ステップSc1405の処理を実行することなく突然時短遊技状態の移行判定用処理を終了する。
<留保用処理>
ステップSc1405の留保用処理について図228のフローチャートを参照しながら説明する。
先ずステップSc1501では、滞在中の時短遊技状態(滞在時短)における残り回数を把握する。この処理は、サポートカウンタエリアSCの値を参照することで行う。ステップSc1502では、今回の特殊外れ結果の種別に対応する突然時短遊技状態(対応時短)の上限回数を把握する。例えば、今回の特殊外れ結果が特殊外れ結果Bである場合は、上記上限回数として突然時短遊技状態Bの第4上限回数(例えば100回)を把握する。
ステップSc1503では、ステップSc1501で把握した残り回数とステップSc1502で把握した上限回数との差分回数を算出する。具体的には、ステップSc1502で把握した上限回数からステップSc1501で把握した残り回数を減算する。
ステップSc1504では、ステップSc1503で算出した差分回数(減算結果)が1以上であるか否かを判定する。すなわち、ステップSc1502で把握した上限回数がステップSc1501で把握した残り回数よりも多いか否かを判定する。差分回数が1以上である場合(上限回数が残り回数よりも多い場合)は、ステップSc1505に進み、今回の特殊外れ結果の種別に対応する突然時短遊技状態を示す種別情報と、ステップSc1503で算出した差分回数を示す差分回数情報とを記憶(保存)する。
本実施の形態では、図227(b)に示すように、RAM314において、移行が留保された突然時短遊技状態に関する情報の記憶領域として留保用エリア314fが設けられている。ステップSc1505では、上記種別情報及び差分回数情報を留保用エリア314fに記憶する。
続くステップSc1506では、RAM314の各種フラグ格納エリア314eに留保用フラグをセットする。これにより、今回の特殊外れ結果に対応した突然時短遊技状態への移行が留保(待機)される。このようにして移行を留保した場合は、その後、留保解除タイミングが到来することに応じて、留保対象となった突然時短遊技状態への移行を実行する。この処理の詳細については後に説明する。
なお、留保用フラグがセットされた後、滞在中の時短遊技状態において再び特殊外れ結果となる場合もある。この場合、突然時短遊技状態の移行判定用処理(図227(a))のステップSc1401、ステップSc1402、ステップSc1404で肯定判定した後、ステップSc1406の処理を実行するが、本実施の形態では留保上限値が1とされているため、ステップSc1406でも肯定判定し、突然時短開始用フラグのセット処理(ステップSc1403)と留保用処理(ステップSc1405)とのいずれも実施することなく、突然時短遊技状態の移行判定用処理を終了する。
すなわち、留保後における再度の特殊外れ結果の場合、その特殊外れ結果に対応した突然時短遊技状態は留保の対象外となり、当該突然時短遊技状態への移行がキャンセル(無効化)される。このように本実施の形態では、時短遊技状態中に特殊外れ結果に当選すると突然時短遊技状態の留保(ストック)が発生するものの、その対象は初回目当選の場合に制限されるように構成されている。
ステップSc1507では、演出制御装置143への送信対象として留保コマンドを設定し、その後、留保用処理を終了する。留保コマンドは時短遊技状態の留保が発生したことを通知するものであり、当該コマンドには留保状態とされた時短遊技状態の種別や差分回数を示す情報が含まれる。ステップSc1507の実行後は留保用処理を終了する。
ステップSc1504で否定判定した場合(差分回数が1未満である場合)は、ステップSc1505~ステップSc1507の処理を実行することなく、留保用処理を終了する。すなわち、今回の特殊外れ結果に対応する突然時短遊技状態の上限回数が滞在中の時短遊技状態の残り回数以下である場合は、当該突然時短遊技状態を留保状態としない。この場合、滞在中の時短遊技状態において再度の特殊外れ結果が発生し、それに対応する突然時短遊技状態の上限回数がその時点での残り回数よりも多ければ、その突時時短遊技状態を留保状態とする。
<変動表示時間の設定処理>
ステップSc712の変動表示時間の設定処理について図229のフローチャートを参照しながら説明する。
先ずステップSc1601では、現在の遊技状態を把握する。具体的には、高確率フラグや各種サポートフラグのいずれがRAM314の各種フラグ格納エリア314eにセットされているかを把握し、その結果に基づいて現在の遊技状態が通常遊技状態、高確遊技状態、通常時短遊技状態、突然時短遊技状態のいずれであるかを特定する。本ステップでは、高確率フラグ及び第1高頻度サポートモードがセットされている場合に高確遊技状態であると特定し、第1高頻度サポートモードのみがセットされている場合に通常時短遊技状態であると特定し、第2高頻度サポートモードのみがセットされている場合に突然時短遊技状態であると特定し、いずれのフラグもセットされていない場合に通常遊技状態であると特定する。
ステップSc1602では、ステップSc1601で把握した遊技状態が通常遊技状態であるか否かを判定する。通常遊技状態である場合は、ステップSc1603に進み、通常遊技状態用の変動表示時間テーブルを取得する。変動表示時間テーブルは、変動種別カウンタCSの値に基づいて変動表示時間(変動パターン)を選択するために用いられるものである。
ここで、通常遊技状態用の変動表示時間テーブルについて図230を参照しながら説明する。通常遊技状態用の変動表示時間テーブルとしては、大当たり用の変動表示時間テーブル(図230(a))と、特殊外れ用の変動表示時間テーブル(図230(b))と、通常外れ用の変動表示時間テーブル(図230(c))とが設定されている。
各変動表示時間テーブルでは、変動種別カウンタCSの数値範囲と、変動パターンの情報とが対応付けられて設定されている。なお、図230では、理解の容易化を図るため、変動パターンとともに変動表示時間の情報を記載しているが、変動表示時間の情報は、各変動パターンに対応する時間情報として変動表示時間テーブルとは別にROM313に記憶されている。
図230(a)に示すように、通常遊技状態に対応する大当たり用の変動表示時間テーブルでは、選択可能な変動パターンとして変動パターン1A(15sec)と、変動パターン2A(60sec)と、変動パターン3A(120sec)とが設定されている。変動種別カウンタCSを用いて変動パターンが選択された場合には、第1特図表示部AS又は第2特図表示部BSにおける絵柄の変動表示時間として、選択された変動パターンに対応する変動表示時間が設定される。
また、変動パターンが選択された場合は、その変動パターンを示す情報が変動開始コマンドとして演出制御装置143に送信される。演出制御装置143では、受信した変動開始コマンドに基づき、主制御装置162で選択された変動パターンを把握する。そして、その把握した変動パターンに対応する変動表示時間にて各図柄列Z1~Z3の変動表示が行われるように表示制御装置350を制御する。これにより、第1特図表示部AS又は第2特図表示部BSでの絵柄の変動表示に同期して図柄表示装置75にて各図柄列Z1~Z3が変動表示される。
また、各変動パターンは、図柄表示装置75で行われるリーチ演出等の遊技回用演出にも対応している。具体的には、変動パターン1Aはノーマルリーチ当たり演出に対応し、変動パターン2AはSPリーチ(スーパーリーチ)当たり演出に対応し、変動パターン3AはSPSPリーチ当たり演出に対応している。すなわち、演出制御装置143では、受信した変動開始コマンドから変動パターンを把握した場合に、その変動パターンに対応する遊技回用演出が図柄表示装置75で行われるように表示制御装置350を制御する。
上記各リーチ当たり演出は、リーチ表示が行われた後、図柄列Z1~Z3の各図柄が大当たりの図柄組み合わせで停止表示されるものである。ここで、リーチ表示(リーチ状態)とは、図柄(絵柄)の変動表示(又は可変表示)を行うことが可能な図柄表示装置75を備え、変動表示後の停止表示結果が特別表示結果(大当たり結果)になった場合に、遊技状態が遊技者に有利な特別遊技状態(開閉実行モード)となる遊技機において、図柄表示装置75における図柄(絵柄)の変動表示(又は可変表示)が開始されてから停止表示結果が導出表示される前段階で、前記特別表示結果となり易い変動表示状態であると遊技者に思わせるための表示状態をいう。
換言すれば、図柄表示装置75の表示画面Gに表示される複数の図柄列のうち一部の図柄列について図柄を停止表示させることで、大当たり状態の発生に対応した大当たりの図組み合わせが成立する可能性があるリーチ図柄の組み合わせを表示し、その状態で残りの図柄列において図柄の変動表示を行う表示状態のことである。より具体的には、図柄の変動表示を終了させる前段階として、最終停止列の図柄が変動表示された状態で、表示画面G内の有効ライン上に最終停止列以外の図柄列の図柄を大当たりの図柄組み合わせを構成する態様で停止表示させることによりリーチラインを形成させることである。
ノーマルリーチ当たり演出は、上記リーチ表示が行われた後に大当たりの図柄組み合わせで図柄が停止表示されるものである。SPリーチ演出は、ノーマルリーチ演出よりも上位のリーチ演出であり、リーチラインの形成後にキャラクタ等が登場する所定演出が行われ、当該所定演出の後に大当たりの図柄組み合わせで図柄が停止表示されるものである。SPSPリーチ演出は、SPリーチ演出よりも上位のリーチ演出であり、SPリーチ演出から発展する発展演出が行われた後、大当たりの図柄組み合わせで図柄が停止表示されるものである。なお、図230(a)における「備考(演出態様)」欄の項目は、便宜上付したものであり、変動表示時間テーブルに設定されるものではない。
図230(b)に示すように、通常遊技状態に対応する特殊外れ用の変動表示時間テーブルでは、選択可能な変動パターンとして変動パターンZ1(15sec)が設定されている。すなわち、変動種別カウンタCSの値にかかわらず、常に変動パターンZ1が選択される。既に説明したように、特殊外れ結果は突然時短遊技状態への移行契機となるものである。
変動パターンZ1は特殊リーチ外れA演出に対応しており、変動パターンZ1に対応する変動開始コマンドが演出制御装置143に送信された場合、図柄表示装置75では遊技回用演出として特殊リーチ外れA演出が実行される。ここで、特殊リーチ外れA演出について図233を参照しながら説明する。
特殊リーチ外れA演出では先ず、図233(a)に示すように、表示画面G上の有効ラインL1~L5のいずれかに上図柄列Z1と下図柄列Z3がリーチの組み合わせで停止表示され、リーチ表示が実行される。その後、中図柄列Z2(最終停止列の図柄列)が高速変動表示から低速変動表示に切り替えられるが、その際、図233(b)に示すように、大当たりの組合せとなる図柄とは異なる図柄の位置に、例えば「LUCKY」等の文字が付された特殊図柄511が配置された状態で低速変動表示が行われる。これにより、特殊図柄511の存在を遊技者が把握できるようにして変動表示が行われる。なお、図233(b)には、大当たりの組合せとなる「3」図柄に対して次の図柄となる「4」図柄の位置に特殊図柄511が配置された例を示している。
次いで、図233(c)に示すように、低速変動表示している特殊図柄511がリーチライン上に停止表示される。本実施の形態では、上図柄列Z1及び下図柄列Z3によりリーチラインが形成された後、そのリーチライン上に中図柄列Z2の特殊図柄511が停止表示される図柄組合せが特殊外れ結果に対応する図柄組合せとなっており、これにより、特殊外れ結果になったことが報知される。
図230(c)に示すように、通常遊技状態に対応する通常外れ用の変動表示時間テーブルでは、選択可能な変動パターンとして変動パターン1Hと、変動パターン2H(15sec)と、変動パターン3H(60sec)と、変動パターン4H(120sec)とが設定されている。各変動パターンに対応して変動表示時間が定められている点は大当たり用の変動表示時間テーブルと同様であるが、変動パターン1Hに対応する変動表示時間については、そのときの第1特図又は第2特図の保留数によって変動するようになっている。具体的には、保留数が2個以下である状況で変動パターン1Hが選択された場合には変動表示時間が8secとなり、保留数が3個以上である状況で変動パターン1Hが選択された場合には変動表示時間が8secよりも短い4secとなるように構成されている。
変動パターン1Hは図柄表示装置75での完全外れ演出に対応し、変動パターン2Hはノーマルリーチ外れ演出に対応し、変動パターン3HはSPリーチ外れ演出に対応し、変動パターン4HはSPSPリーチ外れ演出に対応している。
完全外れ演出は、リーチ表示が行われることなく、外れの図柄組み合わせで図柄が停止表示されるものである。また、上記各リーチ外れ演出は、リーチ表示が行われた後、図柄列Z1~Z3の各図柄がリーチ外れの図柄組み合わせ(リーチライン上に停止表示する最終停止列の図柄が、リーチ図柄との組み合わせにより大当たりを形成する図柄以外の図柄となる状態)で停止表示されるものである。なお、SPリーチ外れ演出は、SPリーチ当たり演出に対応するものであり、SPリーチ当たり演出と同種の所定演出が行われた後、リーチ外れの図柄組み合わせで図柄が停止表示されるものである。また、SPSPリーチ外れ演出についてもSPSPリーチ当たり演出に対応するものである。
大当たり用の変動表示時間テーブルでは、変動種別カウンタCSの「0」が変動パターン1Aに対応し、「1」~「29」が変動パターン2Aに対応し、「30」~「99」が変動パターン3Aに対応している。一方、通常外れ用の変動表示時間テーブルでは、変動種別カウンタCSの「0」~「64」が変動パターン1Hに対応し、「65」~「84」が変動パターン2Hに対応し、「85」~「94」が変動パターン3Hに対応し、「95」~「98」が変動パターン4Hに対応している。
作動口62,63への入賞に基づく当否抽選の結果が大当たり結果である場合には、SPSPリーチ演出に対応する変動パターン3Aが最も選ばれやすく、上記当否抽選の結果が通常外れ結果である場合には、SPSPリーチ演出に対応する変動パターン4Hが最も選ばれにくくなっている。つまり、SPSPリーチ演出は、大当たりである場合に最も実行されやすく、通常外れである場合に最も実行されにくいリーチ演出となるため、大当たりの期待度が最も高い最上位のリーチ演出として機能することになる。
変動パターン3Aや変動パターン4H以外の変動パターンについても、上位リーチ演出に対応する変動パターンほど大当たりである場合に選ばれやすく、通常外れである場合に選ばれにくくなっている。すなわち、ノーマルリーチ演出<SPリーチ演出<SPSPリーチ演出の順で大当たりの期待度が高くなっている。
また、図230(c)に示すように、通常遊技状態に対応する通常外れ用の変動表示時間テーブルでは、選択可能な変動パターンとして変動パターンZ2が設定されている。変動パターンZ2は、変動種別カウンタの値が「99」である場合に選択されるものである。
変動パターンZ2は特殊リーチ外れB演出に対応しており、変動パターンZ2に対応する変動開始コマンドが演出制御装置143に送信された場合、演出制御装置143では、図柄表示装置75にて特殊リーチ外れB演出が実行されるように制御する。特殊リーチ外れB演出は、特殊リーチ外れA演出と対をなす所謂ガセ演出であり、特殊外れへの期待感を煽った上でそれとは異なる図柄組合せで図柄列Z1~Z3を停止表示させるものである。
特殊リーチ外れB演出では、図233(a)、(b)に示すように、上図柄列Z1及び下図柄列Z3によるリーチ表示が実行された後、特殊図柄511を含む状態で中図柄列Z2が低速変動表示される。すなわち、特殊リーチ外れA演出と同様の態様にて図柄変動演出の途中までが実行される。その後、例えば、特殊図柄511がリーチラインを通り過ぎるなどして、図233(d)に示すように、中図柄列Z2において特殊図柄511とは異なる図柄がリーチライン上に停止表示される。つまり、特殊外れ結果に対応する図柄組合せが成立するかのように見せかけつつ、最終的には当該組合せが成立しないようにして図柄列Z1~Z3が停止表示される。
変動表示時間の設定処理(図229)の説明に戻り、ステップSc1603では、通常遊技状態用の各種変動表示時間テーブルの中から今回の特図当否判定(ステップSc701)の結果に対応したものを取得する。具体的には、今回の特図当否判定の結果が大当たり結果である場合は大当たり用の変動表示時間テーブルを取得し、今回の特図当否判定の結果が特殊外れ結果である場合は特殊外れ用の変動表示時間テーブルを取得し、今回の特図当否判定の結果が通常外れ結果である場合は通常外れ用の変動表示時間テーブルを取得する。
ステップSc1602で否定判定した場合(通常遊技状態でない場合)は、ステップSc1604に進み、ステップSc1601で把握した現在の遊技状態が高確遊技状態であるか否かを判定する。高確遊技状態である場合はステップSc1605にて、高確遊技状態用の変動表示時間テーブルを取得する。
高確遊技状態用の変動表示時間テーブルについて図231を参照しながら説明する。高確遊技状態用の変動表示時間テーブルとしては、大当たり用の変動表示時間テーブル(図231(a))と、通常外れ用の変動表示時間テーブル(図231(b))とが設定されている。
図231(a)に示すように、高確遊技状態に対応する大当たり用の変動表示時間テーブルでは、選択可能な変動パターンとしてSPリーチ当たりに対応する変動パターン11A(60sec)と、SPSPリーチ当たりに対応する変動パターン12A(120sec)とが設定されている。
また、図231(b)に示すように、高確遊技状態に対応する通常外れ用の変動表示時間テーブルでは、選択可能な変動パターンとして完全外れに対応する変動パターン11Hと、SPリーチ外れに対応する変動パターン12H(60sec)と、SPSPリーチ外れに対応する変動パターン13H(120sec)とが設定されている。高確遊技状態での通常外れ用の変動表示時間テーブルでは、完全外れに対応する変動種別カウンタCSの範囲が通常遊技状態での通常外れ用の変動表示時間テーブルよりも広くなっている。すなわち、リーチ外れ演出が発生しにくくなっており、スピーディに遊技を進められるようになっている。
なお、完全外れに対応する変動パターン11Hの変動表示時間については、通常遊技状態での通常外れ用の変動表示時間テーブルよりも早く変動表示時間の短縮機能が発動するものとなっている。具体的には、保留数が1個以下である場合は8secとなり、保留数が2個以上である場合は4secとなるように構成されている。
ステップSc1605では、高確遊技状態用の各種変動表示時間テーブルの中から今回の特図当否判定の結果に対応したものを取得する。なお、高確遊技状態用の当否テーブルには特殊外れ結果が設定されていないため(図212(b))、高確遊技状態用の変動表示時間テーブルにおいても特殊外れ結果に対応するものは設定されていない。
ステップSc1604で否定判定した場合(高確遊技状態でない場合)は、現在の遊技状態が時短遊技状態(通常時短遊技状態又は突然時短遊技状態)であることを意味する。この場合はステップSc1606にて、時短遊技状態用の変動表示時間テーブルを取得する。
時短遊技状態用の変動表示時間テーブルについて図232を参照しながら説明する。時短遊技状態用の変動表示時間テーブルとしては、大当たり用の変動表示時間テーブル(図232(a))と、特殊外れ用の変動表示時間テーブルA(図232(b))と、特殊外れ用の変動表示時間テーブルB(図232(c))と、通常外れ用の変動表示時間テーブル(図232(d))とが設定されている。
図232(a)に示すように、時短遊技状態に対応する大当たり用の変動表示時間テーブルでは、選択可能な変動パターンとしてノーマルリーチ当たりに対応する変動パターン21A(15sec)と、SPリーチ当たりに対応する変動パターン22A(60sec)と、SPSPリーチ当たりに対応する変動パターン23A(120sec)とが設定されている。
特殊外れ用の変動表示時間テーブルAは、今回の特図当否判定の結果が特殊外れ結果である場合において、突然時短遊技状態に移行する場合や、突然時短遊技状態が留保状態とされる場合に用いられるものである。突然時短遊技状態に移行する場合とは、通常遊技状態において特殊外れ結果となり、特殊外れ結果になった特図遊技回の終了に合わせて通常遊技状態から突然時短遊技状態への切り替えが行われる場合である。また、突然時短遊技状態が留保状態とされる場合とは、時短遊技状態(通常時短遊技状態又は突然時短遊技状態)の滞在中に特殊外れ結果となったことに応じて、その特殊外れ結果が対応する突然時短遊技状態への移行が留保(待機又はストック)される場合である。なお、本実施の形態では、留保上限値が1に設定されているため、留保がない状態で特殊外れ結果になった場合が留保状態とされる場合に該当する。但し、差分回数が1未満である場合は留保が回避されるため、この場合は該当しない。
図232(b)に示すように、時短遊技状態に対応する特殊外れ用の変動表示時間テーブルAでは、選択可能な変動パターンとして特殊リーチ外れA演出に対応する変動パターンZ1(15sec)が設定されている。すなわち、突然時短遊技状態への移行や留保が生じる状況で特殊外れ結果になった場合には、特殊リーチ外れA演出が実行され、特殊外れ結果になったことが報知される。
特殊外れ用の変動表示時間テーブルBは、今回の特図当否判定の結果が特殊外れ結果である場合において、突然時短遊技状態への移行が留保されない場合に用いられるものである。突然時短遊技状態への移行が留保されない場合とは、時短遊技状態(通常時短遊技状態又は突然時短遊技状態)の滞在中において、移行留保数が留保上限数に達している状況で特殊外れ結果になった場合や、留保上限数に達していなくても差分回数が1未満である場合である。
図232(c)に示すように、時短遊技状態に対応する特殊外れ用の変動表示時間テーブルBでは、選択可能な変動パターンとして完全外れ演出に対応する変動パターン21H(8sec又は4sec)と、特殊リーチ外れB演出に対応する変動パターンZ2(15sec)とが設定されている。すなわち、突然時短遊技状態への移行が留保されない状況で特殊外れ結果になった場合には、完全外れ演出又は特殊リーチ外れB演出のいずれかが実行され、特殊外れ結果になったことが報知されない。これにより、特殊外れ結果への当選を遊技者が認識不可又は認識困難とされる。
図232(d)に示すように、時短遊技状態に対応する通常外れ用の変動表示時間テーブルでは、選択可能な変動パターンとして完全外れに対応する変動パターン21Hと、ノーマルリーチ外れに対応する変動パターン22H(15sec)と、SPリーチ外れに対応する変動パターン23H(60sec)と、SPSPリーチ外れに対応する変動パターン24H(120sec)と、特殊リーチ外れB演出に対応する変動パターンZ2(15sec)とが設定されている。時短遊技状態の通常外れ用変動表示時間テーブルでは、通常遊技状態の通常外れ用変動表示時間テーブルに比べて完全外れの割合が少なくなっているが、これは、リーチ演出の発生頻度を高めることで、リーチ演出が発生しないまま時短遊技状態が終了してしまうことを抑制するためである。なお、完全外れに対応する変動パターン21Hの変動表示時間については、高確遊技状態の通常外れ用変動表示時間テーブルと同様に、保留数が1個以下である場合は8secとなり、保留数が2個以上である場合には4secとなるように構成されている。
変動表示時間の設定処理(図229)の説明に戻り、ステップSc1606では、時短遊技状態用の各種変動表示時間テーブルの中からその時点での状況に対応したものを取得する。具体的には、今回の特図当否判定の結果と、当該結果に基づく突然時短遊技状態への移行又は留保の有無とを参照し、それらに対応したテーブルを取得する。
なお、図230~図232に示す各変動表示時間テーブルは一例に過ぎず、変動パターンの種類数や各変動パターンに対応する変動種別カウンタCSの数値範囲は任意に設定することができる。
ステップSc1603、ステップSc1605又はステップSc1606の実行後は、ステップSc1607にて、それら各ステップで取得した変動表示時間テーブルを用い、変動表示時間(変動パターン)の抽選処理を実行する。具体的には、変動表示時間テーブルに設定されている変動パターン群の中から、実行エリアAEに格納されている変動種別カウンタCSに対応する1の変動パターンを特定する。
ステップSc1608では、上記ステップSc1607で特定した変動パターンに対応する変動表示時間を今回の特図遊技回における変動表示時間としてセットする。本ステップでは、特定した変動パターンに対応する変動表示時間の値を、RAM314の各種カウンタエリア314dに設けられた変動表示時間カウンタエリアにセットする。例えば、変動表示時間が15secである場合は、それに対応する値として上記変動表示時間カウンタエリアに7500をセットする。このセットされた値は、タイマ割込み処理(図216)が起動される度に1減算される。
ステップSc1609では、RAM314の各種フラグ格納エリア314eに特殊外れ種別フラグがセットされているか否かを判定する。特殊外れ種別フラグがセットされている場合は、ステップSc1610に進み、当該フラグをクリアする処理を実行する。ステップSc1610の実行後又はステップSc1609で否定判定した場合(特殊外れ種別フラグがセットされていない場合)は変動表示時間の設定処理を終了する。
次に、ステップSc510(図220)の高頻度サポートモード終了用処理、ステップSc511の突然時短遊技状態の第1移行用処理について説明する。これらの処理は、特図遊技回において変動表示時間が経過した場合に実行されるものであり、換言すれば、特図遊技回での確定表示が開始される場合に実行されるものである。
<高頻度サポートモード終了用処理>
ステップSc510の高頻度サポートモード終了用処理について図234のフローチャートを参照しながら説明する。
先ずステップSc1701では、RAM314の各種フラグ格納エリア314eにいずれかのサポートフラグがセットされているか否かを判定する。いずれかのサポートフラグがセットされている場合、すなわち、通常時短遊技状態又は突然時短遊技状態のいずれかに滞在中である場合は、ステップSc1702に進み、時短終了用フラグがセットされているか否かを判定する。時短終了用フラグは、滞在中の時短遊技状態を終了すべきであることを示すものであり、換言すれば、今回の特図遊技回が、滞在中の時短遊技状態における最終回の特図遊技回であることを示すものである。
時短終了用フラグがセットされている場合は、ステップSc1703に進み、上記各種フラグ格納エリア314eにセットされているサポートフラグをクリアする。これにより、滞在中の時短遊技状態が終了する。すなわち、本実施の形態では、今回の特図遊技回が時短遊技状態の最終遊技回である場合にその遊技回における確定表示の開始タイミングにて時短遊技状態が終了するように構成されている。
ステップSc1704では、上記各種フラグ格納エリア314eにセットされている時短終了用フラグをクリアする。続くステップSc1705では、演出制御装置143への送信対象として、対応する時短遊技状態終了コマンドを設定する。例えば、通常時短遊技状態を終了させた場合には、通常遊技状態の終了に対応した時短遊技状態終了コマンドを設定する。
ステップSc1705の実行後は高頻度サポートモード終了用処理を終了する。また、ステップSc1701で否定判定した場合(いずれのサポートフラグもセットされていない場合)又はステップSc1702で否定判定した場合(時短終了用フラグがセットされていない場合)は、ステップSc1703以降の処理を実行することなく、高頻度サポートモード終了用処理を終了する。
<突然時短遊技状態の第1移行用処理>
ステップSc511の突然時短遊技状態の第1移行用処理について図235のフローチャートを参照しながら説明する。
先ずステップSc1801では、RAM314の各種フラグ格納エリア314eに留保用フラグがセットされているか否かを判定する。留保用フラグがセットされていない場合は、ステップSc1802に進み、上記各種フラグ格納エリア314eに突然時短開始用フラグがセットされているか否かを判定する。突然時短開始用フラグは、変動開始時におけるステップSc711の移行判定処理でセットされるものであり(ステップSc1403)、突然時短遊技状態に移行すべきであることを示すものである。
突然時短開始用フラグがセットされている場合、すなわち、突然時短遊技状態に移行すべき状況である場合は、ステップSc1803に進み、その種別に対応したサポートBフラグを上記各種フラグ格納エリア314eにセットする。例えば、移行すべき突然時短遊技状態が突然時短遊技状態Aである場合はサポートB1フラグをセットする。これにより、突然時短遊技状態Aに移行する。
ステップSc1804では、RAM314の各種カウンタエリア314dに設けられたサポートカウンタエリアSCに、対応する上限回数をセットする。例えば、移行すべき突然時短遊技状態が突然時短遊技状態Aである場合は、サポートカウンタエリアSCに第3上限回数に対応する値(例えば50)をセットする。サポートカウンタエリアSCは、高頻度サポートモード(通常時短遊技状態又は突然時短遊技状態)の残り回数をMPU312が把握するためのものである。
ステップSc1805では、上記各種フラグ格納エリア314eにセットされている突然時短開始用フラグをクリアし、ステップSc1806では、演出制御装置143への送信対象として突然時短遊技状態開始コマンドを設定する。突然時短遊技状態開始コマンドは、突然時短遊技状態に移行することを通知するためのものであり、当該コマンドには、移行する突然時短遊技状態の種別を示す情報が含まれる。ステップSc1806で設定された突然時短遊技状態開始コマンドは、通常処理(図219)におけるステップSc401にて演出制御装置143に送信される。
ステップSc1806の実行後は突然時短遊技状態の第1移行用処理を終了する。また、ステップSc1802で否定判定した場合(突然時短開始用フラグがセットされていない場合)は、突然時短遊技状態への移行を実行しないとしてステップSc1803以降の処理を実行することなく突然時短遊技状態の第1移行用処理を終了する。
ステップSc1801で肯定判定した場合(留保用フラグがセットされている場合)、すなわち、突然時短遊技状態の留保中である場合は、ステップSc1807にて突然時短遊技状態の第2移行用処理を実行する。突然時短遊技状態の第2移行用処理は、留保状態とされた突然時短遊技状態について移行を実施するための処理である。
<突然時短遊技状態の第2移行用処理>
ステップSc1807の突然時短遊技状態の第2移行用処理について図236のフローチャートを参照しながら説明する。
先ずステップSc1901では、RAM314の各種フラグ格納エリア314eにいずれかのサポートフラグがセットされているか否かを判定する。突然時短遊技状態の第2移行用処理は突然時短遊技状態が留保されている場合、すなわち、少なくとも現在の遊技状態が時短遊技状態である場合に実行されるため、ステップSc1901の処理は、実質的に滞在中の時短遊技状態が終了したか否かを判定するものとなる。
いずれのサポートフラグもセットされていない場合、すなわち、滞在中の時短遊技状態が終了した場合は、ステップSc1902にて、RAM314の留保用エリア314fに記憶されている種別情報を読み出す。ステップSc1903では、上記各種フラグ格納エリア314eに、ステップSc1902で読み出した種別情報に対応するサポートBフラグをセットする。例えば、種別情報により示される突然時短遊技状態が突然時短遊技状態Bである場合は、対応するフラグとしてサポートB2フラグをセットする。
ステップSc1904では、上記留保用エリア314fに記憶されている差分回数情報を読み出す。ステップSc1905では、RAM314の各種カウンタエリア314dに設けられたサポートカウンタエリアSCに対し、今回の上限回数(移行する突然時短遊技状態の上限回数)として、ステップSc1904で読み出した差分回数情報に対応する値をセットする。例えば、差分回数情報により示される差分回数が73回である場合は、サポートカウンタエリアSCに73をセットする。
なお、差分回数は、留保契機となった特殊外れ結果の発生タイミングにおいて、その特殊外れ結果の種別に対応する突然時短遊技状態の本来の上限回数(突然時短遊技状態Bであれば100回)から滞在中の時短遊技状態における残り回数を減算したものである。すなわち、本実施の形態では、滞在中の時短遊技状態と、その途中で発生した特殊外れ結果に対応する突然時短遊技状態とにおいて、両者が重複する期間では滞在中の時短遊技状態(先行する時短遊技状態)を優先させて継続し、その時短遊技状態の終了後、途中発生した特殊外れ結果に対応する突然時短遊技状態について残り分を実施するように構成されている。
ステップSc1906では、演出制御装置143への送信対象として、留保状態が解除された突然時短遊技状態に対応する突然時短遊技状態開始コマンドを設定する。ステップSc1907では、上記各種フラグ格納エリア314eにセットされている留保用フラグをクリアし、その後、突然時短遊技状態の第2移行用処理を終了する。ステップSc1902~ステップSc1907の処理が実行されることにより、留保中の突然時短遊技状態について留保状態が解除され、その突然時短遊技状態への移行が実行される。
ステップSc1901で肯定判定した場合(いずれかのサポートフラグがセットされている場合)は、留保状態を継続すべきとしてステップSc1902以降の処理を実行することなく突然時短遊技状態の第2移行用処理を終了する。
<普図遊技回制御処理>
ステップSc405(図219)の普図遊技回制御処理について図237のフローチャートを参照しながら説明する。
先ずステップSc2001では、普電役物63aを用いた役物開閉遊技中であるか否かを判定する。具体的には、RAM314の各種フラグ格納エリア314eに役物開閉中フラグが格納されているか否かを判定する。役物開閉中フラグは、役物開閉遊技の実行中であることをMPU312が把握するためのものであり、役物開閉遊技が実行される場合にセットされる。
役物開閉遊技中である場合は、そのまま普図遊技回制御処理を終了する。一方、役物開閉遊技中でない場合は、ステップSc2002にて、普図用表示部44において普図遊技回の実行中であるか否かを判定する。この場合における普図遊技回は、普図用表示部44における絵柄の変動表示と、普図用表示部44における絵柄の停止表示(確定表示)とを含む概念であり、ステップSc2002では上記変動表示又は停止表示のいずれかを実行中であるか否かを判定する。
なお、特図用表示部43における特図遊技回では、可変入賞装置65を用いた開閉実行モードの実行中であると変動表示の実行が制限されるが、普図遊技回では開閉実行モード中であっても変動表示が許容される。また、普図遊技回では、普電役物63aを用いた役物開閉遊技中であると変動表示の実行が制限されるが、特図遊技回では役物開閉遊技中であっても変動表示が許容される。
ステップSc2002で否定判定した場合(普図遊技回の実行中でない場合)は、ステップSc2003に進み、普図保留記憶数FNが「0」であるか否かを判定する。普図保留記憶数FNが「0」である場合には、そのまま普図遊技回制御処理を終了する。
普図保留記憶数FNが「0」でない場合には、ステップSc2004にて電役用保留エリアRcに記憶されているデータを変動表示用に設定するための普図データ設定処理を実行する。普図データ設定処理では、普図保留記憶数FNを1減算するとともに、電役用保留エリアRcの第1エリアに格納されたデータを普図用の実行エリアに移動する。その後、電役用保留エリアRcの各記憶エリアに格納されたデータをシフトさせる処理を実行し、さらに、普図側の保留エリアのデータのシフトが行われたことを演出制御装置143に認識させるための情報である普図シフトコマンドを設定する。
ステップSc2005では普図変動開始処理を実行し、その後、普図遊技回制御処理を終了する。ここで、普図変動開始処理について図238(a)のフローチャートを参照しながら説明する。
先ずステップSc2101では、現在のサポートモードに対応するサポート抽選テーブルを参照してサポート抽選を行う。具体的には、現在のサポートモードが低頻度サポートモードである場合は低頻度サポートモード用のサポート抽選テーブル(図215(a))を参照してサポート抽選を行い、現在のサポートモードが第1高頻度サポートモードである場合は第1高頻度サポートモード用のサポート抽選テーブル(図215(b))を参照してサポート抽選を行い、現在のサポートモードが第2高頻度サポートモードである場合は第2高頻度サポートモード用のサポート抽選テーブル(図215(c))を参照してサポート抽選を行う。
ステップSc2102では、ステップSc2101のサポート抽選の結果がサポート当選結果(普図当たり結果)であるか否かを判定する。サポート当選結果である場合には、ステップSc2103に進み、ROM313の停止結果テーブル記憶エリア313dに記憶されている停止結果テーブルを参照して普図当たり用の停止結果を設定する。サポート当選結果でない場合、すなわち、普図外れ結果である場合には、ステップSc2104に進み、ROM313の停止結果テーブル記憶エリア313dに記憶されている停止結果テーブルを参照して普図外れ用の停止結果を設定する。
ステップSc2103又はステップSc2104の実行後は、ステップSc2105にて普図変動表示時間の設定処理を実行する。当該設定処理では、普図用表示部44における今回の普図遊技回の変動表示時間を設定する。本実施の形態では、ステップSc2105で設定可能な変動表示時間として、サポートモードの種別に応じて長さの異なる複数の変動表示時間が設けられている。具体的には、図238(b)に示すように、低頻度サポートモード用として最も長い変動表示時間(例えば100sec)が設けられ、第2高頻度サポートモード用として最も短い変動表示時間(例えば0.5sec)が設けられ、第1高頻度サポート用として低頻度サポートモード用より短く、第2高頻度サポートモード用より長い変動表示時間(例えば2sec)が設けられている。ステップSc2105では、今回の変動表示時間として現在のサポートモードに対応した変動表示時間を設定する。
なお、上記構成では、各サポートモードに1つずつ変動表示時間が対応付けられているが、上記各サポートモードの少なくとも1つにおいて複数の変動表示時間が対応付けられてもよい。例えば、低頻度サポートモード用、第2高頻度サポートモード用及び第1高頻度サポート用のそれぞれにおいて、複数の変動表示時間の中から1の時間を選択可能となっている場合には、各サポートモードでの変動表示時間の期待値(「変動表示時間×その変動表示時間の選択確率」の和)が上記長短関係となるようにするとよい。
ステップSc2106では、演出制御装置143への送信対象として普図変動開始コマンドを設定する。普図変動開始コマンドには、普図変動パターンの情報(普図当否結果及び変動表示時間を示す情報)が含まれる。設定された普図変動開始コマンドは、通常処理(図219)におけるステップSc401にて演出制御装置143に送信される。
ステップSc2107では、普図用表示部44において絵柄の変動表示を開始させる処理を実行し、その後、本普図変動開始処理を終了する。
普図遊技回制御処理(図237)の説明に戻り、ステップSc2002で肯定判定した場合(普図遊技回の実行中である場合)は、ステップSc2006に進み、ステップSc2105で設定した変動表示時間が経過したか否かを判定する。変動表示時間が経過していない場合は、ステップSc2007に進み、変動表示用処理を実行する。変動表示用処理では、普図用表示部44において各表示用セグメントが所定の順番で点灯及び消灯されていくように当該普図用表示部44を表示制御(各表示用セグメントの発光制御)する。その後、普図遊技回制御処理を終了する。
ステップSc2006で肯定判定した場合(変動表示時間が経過している場合)は、ステップSc2008にて普図確定表示用処理を実行し、その後、普図遊技回制御処理を終了する。普図確定表示用処理では、ステップSc2103又はステップSc2104で設定した停止結果にて絵柄が停止表示されるように普図用表示部44を制御する。その際、確定表示時間を予め定められた所定時間(例えば0.5sec)に設定する。また、普図確定表示用処理では、演出制御装置143への送信対象として普図変動終了コマンドを設定する。普図変動終了コマンドには、今回の普図遊技回の確定表示時間の情報が含まれる。
<電役サポート用処理>
ステップSc406(図219)の電役サポート用処理について図239(a)のフローチャートを参照しながら説明する。
先ずステップSc2201では、役物開閉遊技中であるか否かを判定する。具体的には、RAM314の各種フラグ格納エリア314eに役物開閉中フラグがセットされているか否かを判定する。
役物開閉遊技中でない場合は、ステップSc2202に進み、普図遊技回が終了したタイミングか否かを判定する。普図遊技回の終了タイミングでない場合は、そのまま電役サポート用処理を終了する。
普図遊技回の終了タイミングである場合は、ステップSc2203に進み、今回の普図遊技回におけるサポート抽選の結果がサポート当選結果であるか否かを判定する。サポート当選結果でない場合は、そのまま電役サポート用処理を終了する。
サポート当選結果である場合は、ステップSc2204にて、RAM314の各種カウンタエリア314dに設けられた開放回数カウンタエリアRC2に対し、サポートモードの種別に対応した開放回数をセットする。例えば、図239(b)に示すように、現在のサポートモードが低頻度サポートモードである場合は1回をセットし、現在のサポートモードが第1高頻度サポートモード又は第2高頻度サポートモードである場合は2回をセットする。
ステップSc2205では、RAM314の各種フラグ格納エリア314eに役物開閉中フラグをセットする。続くステップSc2206では、外部信号設定処理を実行し、その後、電役サポート用処理を終了する。外部信号設定処理では、外部出力端子213に設けられた役物開放信号用の出力端子の信号出力状態を開放信号出力状態とする。
ステップSc2201で肯定判定した場合(役物開閉遊技中である場合)は、ステップSc2207にて役物開閉処理を実行する。ここで、役物開閉処理について図240のフローチャートを参照しながら説明する。
先ずステップSc2301では、普電役物63aを開放中であるか否かを判定する。具体的には、駆動部63bの駆動状態に基づいてかかる判定を行う。普電役物63aを開放中でない場合は、ステップSc2302にて開放回数カウンタエリアRC2の値が「0」であるか否かを判定する。
開放回数カウンタエリアRC2の値が「0」でない場合は、ステップSc2303に進み、RAM314の各種カウンタエリア344bに設けられたタイマエリアT2の値が「0」であるか否かを判定する。この処理は、役物開閉遊技にて普電役物63aを複数回開放する場合において、各開放間の待機期間が経過したか否かを判定するものである。
タイマエリアT2の値が「0」である場合は、ステップSc2304にて、上記タイマエリアT2に対し、現在のサポートモードに対応した上限開放時間をセットする。例えば、図239(b)に示すように、現在のサポートモードが低頻度サポートモードである場合は最短の開放時間(例えば0.1sec)をセットし、現在のサポートモードが第1高頻度サポートモードである場合は最長の開放時間(例えば2sec)をセットし、現在のサポートモードが第2高頻度サポートモードである場合は中間の開放時間(例えば1sec)をセットする。なお、ステップSc2304でセットされる値は、役物開閉遊技における1開放当たりの上限開放時間に対応するものである。
ステップSc2305では、上記各種カウンタエリア344bに設けられた入賞カウンタエリアPC2に「6」をセットする。この値は、役物開閉遊技における普電役物63a(第2作動口63)への上限入賞個数(6個)に対応するものである。
ステップSc2306では、普電役物63aを開放すべく駆動部63bを駆動状態とする。ステップSc2307では、演出制御装置143への送信対象として役物開放コマンドを設定する。設定された役物開放コマンドは、通常処理(図219)におけるステップSc401にて演出制御装置143に送信される。これにより、普電役物63aの閉鎖状態から開放状態への切り替えが演出制御装置143に通知される。
ステップSc2307の実行後は役物開閉処理を終了する。また、ステップSc2302で肯定判定した場合(開放回数カウンタエリアRC2の値が「0」である場合)又はステップSc2303で否定判定した場合(タイマエリアT2の値が「0」でない場合)は、普電役物63aを開放しないとして、ステップSc2304以降の処理を実行せずに役物開閉処理を終了する。
ステップSc2301で肯定判定した場合(普電役物63aが開放中である場合)は、ステップSc2308に進み、上記タイマエリアT2の値が「0」であるか否かを判定する。この処理は、ステップSc2304で設定した普電役物63aの上限開放時間が経過したか否かを判定するものである。
タイマエリアT2の値が「0」でない場合、すなわち、普電役物63aの上限開放時間が経過していない場合は、ステップSc2309にて、第2作動口63に遊技球が入賞したか否かを判定する。入賞が発生している場合は、ステップSc2310にて、上記入賞カウンタエリアPC2の値を1減算する。ステップSc2311では、入賞カウンタエリアPC2の値が「0」であるか否か、すなわち、第2作動口63への入賞個数が上限入賞個数に達したか否かを判定する。
ステップSc2309で否定判定した場合(第2作動口63への入賞が発生していない場合)又はステップSc2311で否定判定した場合(入賞カウンタエリアPC2の値が「0」でない場合)は、普電役物63aの開放状態を継続すべく、そのまま役物開閉処理を終了する。
ステップSc2308で肯定判定した場合(普電役物63aの上限開放時間が経過している場合)又はステップSc2311で肯定判定した場合(入賞カウンタエリアPC2の値が「0」である場合)は、ステップSc2312にて、普電役物63aを閉鎖すべく駆動部63bを非駆動状態とする。
ステップSc2313では、演出制御装置143への送信対象として役物閉鎖コマンドを設定する。設定された役物閉鎖コマンドは、通常処理(図219)におけるステップSc401にて演出制御装置143に送信される。これにより、普電役物63aの開放状態から閉鎖状態への切り替えが演出制御装置143に通知される。
ステップSc2314では、上記開放回数カウンタエリアRC2の更新処理を実行する。当該更新処理では、入賞カウンタエリアPC2の値を参照し、入賞カウンタエリアPC2の値が「0」でない場合(第2作動口63への入賞個数が上限入賞個数に達していない場合)は、開放回数カウンタエリアRC2の値を1減算する。一方、入賞カウンタエリアPC2の値が「0」である場合(第2作動口63への入賞個数が上限入賞個数に達している場合)は、開放回数カウンタエリアRC2の値に「0」をセットする。
ステップSc2315では、開放回数カウンタエリアRC2の値が「0」であるか否かを判定する。開放回数カウンタエリアRC2の値が「0」である場合は、そのまま役物開閉処理を終了する。開放回数カウンタエリアRC2の値が「0」でない場合、すなわち、普電役物63aの残り開放が存在する場合は、ステップSc2316にて、上記タイマエリアT2にインターバル時間(例えば0.2sec)をセットし、その後、役物開閉処理を終了する。ステップSc2316でセットされる値は、普電役物63aを閉鎖状態として次の開放を待機する待機時間に対応するものである。
電役サポート用処理(図239(a))の説明に戻り、ステップSc2207の役物開閉処理を実行した後はステップSc2208にて、上記開放回数カウンタエリアRC2の値が「0」であるか否かを判定する。開放回数カウンタエリアRC2の値が「0」でない場合は、そのまま電役サポート用処理を終了する。開放回数カウンタエリアRC2の値が「0」である場合、すなわち、役物開閉遊技が終了した場合は、ステップSc2208にて、上記各種フラグ格納エリア314eにセットされている役物開閉中フラグをクリアし、その後、電役サポート用処理を終了する。
<演出制御装置143及び表示制御装置350の電気的構成について>
本実施の形態に係る演出制御装置143及び表示制御装置350の電気的構成について、図241のブロック図を参照して以下に説明する。
演出制御装置143に設けられた演出制御基板341には、MPU342が搭載されている。MPU342には、当該MPU342により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM343と、そのROM343内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM344と、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路などが内蔵されている。
MPU342には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU342の入力側には主制御装置162が接続されている。主制御装置162からは、変動開始コマンド、種別コマンド、変動終了コマンドといった遊技回制御用コマンドや、オープニングコマンド、エンディングコマンドといった開閉実行モード用コマンドなどの各種コマンドを受信する。
MPU342の出力側には、既に説明したように、前扉枠14に設けられたランプ部26~28やスピーカ部29が接続されているとともに、表示制御装置350が接続されている。
また、MPU342の入力側には、前扉枠14に設けられた演出用操作部36が接続されている。演出用操作部36には、当該演出用操作部36の操作を検知する検知センサが設けられており、当該検知センサからの検知情報(検知信号)が入力される。MPU342では、当該検知情報に基づいて演出用操作部36が操作されたか否かを判定したり、どのような操作が行われたかの操作態様の判別を行ったりする。
表示制御装置350は、プログラムROM373及びワークRAM374が複合的にチップ化されたMPU372と、ビデオディスプレイプロセッサ(VDP)375と、キャラクタROM376と、ビデオRAM377とがそれぞれ搭載された表示制御基板351を備えている。
MPU372は、演出制御装置143から受信したコマンドを解析し又は受信したコマンドに基づき所定の演算処理を行ってVDP375の制御(具体的にはVDP375に対する内部コマンドの生成)を実施する。
プログラムROM373は、MPU372により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶するためのメモリであり、背景画像用のJPEG形式画像データも併せて記憶保持されている。
ワークRAM374は、MPU372による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグ等を一時的に記憶するためのメモリである。これらワークデータやフラグ等はワークRAM374の各エリアに記憶される。
VDP375は、図柄表示装置75に組み込まれた液晶表示部ドライバとしての画像処理デバイスを直接操作する一種の描画回路である。VDP375はICチップ化されているため「描画チップ」とも呼ばれ、その実体は、描画処理専用のファームウェアを内蔵したマイコンチップとでも言うべきものである。VDP375は、MPU372、ビデオRAM377等のそれぞれのタイミングを調整してデータの読み書きに介在するとともに、ビデオRAM377に記憶させる画像データを、キャラクタROM376から所定のタイミングで読み出して図柄表示装置75に表示させる。
キャラクタROM376は、図柄表示装置75に表示される図柄などのキャラクタデータを記憶するための画像データライブラリとしての役割を担うものである。このキャラクタROM376には、各種の表示図柄のビットマップ形式画像データ、ビットマップ画像の各ドットでの表現色を決定する際に参照する色パレットテーブル等が保持されている。
なお、キャラクタROM376を複数設け、各キャラクタROM376に分担して画像データ等を記憶させておくことも可能である。また、前記プログラムROM373に記憶した背景画像用のJPEG形式画像データをキャラクタROM376に記憶する構成とすることも可能である。
ビデオRAM377は、図柄表示装置75に表示させる表示データを記憶するためのメモリであり、ビデオRAM377の内容を書き替えることにより図柄表示装置75の表示内容が変更される。
<演出制御装置143にて実行される各種処理について>
次に、演出制御装置143のMPU342にて実行される各制御処理を説明する。
<演出設定処理>
演出設定処理について図242のフローチャートを参照しながら説明する。演出設定処理は、MPU342により所定周期(例えば2msec周期)で起動される処理である。
先ずステップSc2501では、主制御装置162からのエンディングコマンド(ステップSc1018)を受信しているか否かを判定する。エンディングコマンドは、特図遊技回での当否判定結果が大当たりになった場合に行われる開閉実行モードにおいてエンディングが開始される場合に送信されるものである。
なお、主制御装置162から受信する各種コマンドは、演出制御装置143のRAM344に設けられたコマンド格納エリア344aに格納される。コマンド格納エリア344aは、複数のコマンドを個別に記憶可能であって先に記憶したコマンドから読み出し可能なリングバッファとして構成されている。よって、複数のコマンドを同時期に受信した場合であってもそれら各コマンドに対応した処理を良好に実行することができる。
ステップSc2501の判定に際しては、コマンド格納エリア344aにおける今回の読み出し対象のエリアにエンディングコマンドが格納されているか否かを判定する。エンディングコマンドが格納されている場合(エンディングコマンドを受信している場合)には、ステップSc2502にて、高確遊技状態や通常時短遊技状態への移行に対応した移行用演出を設定するための第1移行用演出設定処理を実行する。第1移行用演出設定処理の詳細については後述する。
ステップSc2502の実行後又はステップSc2501で否定判定した場合(エンディングコマンドを受信していない場合)は、ステップSc2503にて、図柄表示装置75の表示画面Gにて図柄列Z1~Z3の変動表示等を行うための特図変動表示用処理を実行する。特図変動表示用処理の詳細については後述する。
ステップSc2504では、主制御装置162からの突然時短遊技状態開始コマンド(ステップSc1806、ステップSc1906)を受信しているか否かを判定する。突然時短遊技状態開始コマンドは、突然時短遊技状態への移行を演出制御装置143に通知するものであり、突然時短遊技状態への移行タイミングにて送信されるものである。なお、本実施の形態では、突然時短遊技状態への移行が特殊外れ結果となった特図遊技回における確定表示の開始タイミングにて行われるため、当該開始タイミングにて突然時短遊技状態開始コマンドが送信される。
突然時短遊技状態開始コマンドを受信している場合は、ステップSc2505にて、突然時短遊技状態への移行に対応した移行用演出を設定するための第2移行用演出設定処理を実行する。第2移行用演出設定処理の詳細については後述する。
ステップSc2505の実行後又はステップSc2504で否定判定した場合(突然時短遊技状態開始コマンドを受信していない場合)は、ステップSc2506にて、主制御装置162からの留保コマンド(ステップSc1507)を受信しているか否かを判定する。留保コマンドは、時短遊技状態中の特図遊技回で特殊外れ結果となり、突然時短遊技状態への移行が留保されたことを演出制御装置143に通知するものであり、当該留保が発生した場合に送信されるものである。
留保コマンドを受信している場合は、ステップSc2507にて留保用演出設定処理を実行する。留保用演出設定処理では、突然時短遊技状態の留保が発生した場合の演出として留保用演出が実行されるように設定する。留保用演出設定処理の詳細については後述する。
ステップSc2507の実行後又はステップSc2506で否定判定した場合(留保コマンドを受信していない場合)は、ステップSc2508にて、いずれかの遊技状態終了コマンドを受信しているか否かを判定する。具体的には、高確遊技状態終了コマンド、時短遊技状態終了コマンド(ステップSc1705)のいずれかを受信しているか否かを判定する。
これらのコマンドのいずれかを受信している場合は、ステップSc2509にて、高確遊技状態又は各時短遊技状態の終了に対応した終了用演出を設定するための終了用演出設定処理を実行する。終了用演出設定処理の詳細については後述する。
ステップSc2510では、その他の処理を実行し、その後、演出設定処理を終了する。その他の処理では、始動入賞が所定期間に亘って発生しない場合のデモ画面表示や、図柄表示装置75の表示画面Gにおける映像表示を停止して低消費電力化を図る節電モードへの切り替え等を行うための処理を実行する。
<第1移行用演出設定処理>
ステップSc2502の第1移行用演出設定処理について図243のフローチャートを参照しながら説明する。この処理は、主制御装置162からのエンディングコマンドを受信した場合に実行されるものであり、換言すれば、開閉実行モードのエンディング開始タイミングに合わせて実行されるものである。
先ずステップSc2601では、高確遊技状態又は通常時短遊技状態への移行が生じる状況であるか否かを判定する。すなわち、エンディングコマンドが送信された開閉実行モードが高確遊技状態又は通常時短遊技状態への移行を生じさせる大当たり結果に対応するものであるか否かを判定する。この判定は、主制御装置162から送信される種別コマンドに基づいて行う。
高確遊技状態又は通常時短遊技状態への移行が生じない場合は、そのまま第1移行用演出設定処理を終了する。なお、本実施の形態のように開閉実行モードの終了後、高確遊技状態又は通常時短遊技状態のいずれかに必ず移行する大当たり種別しか存在しない場合は、ステップSc2601の処理を省略することが可能である。
高確遊技状態又は通常時短遊技状態への移行が生じる場合は、ステップSc2602にて各遊技状態に対応した開始演出を設定する。具体的には、高確遊技状態への移行が生じる場合であれば、上記開始演出として高確遊技状態用の開始演出を設定し、通常時短遊技状態への移行が生じる場合であれば、上記開始演出として通用時短遊技状態用の開始演出を設定する。
高確遊技状態用の開始演出では、図244(a)に示すように、図柄表示装置75の表示画面Gにて、例えば「ラッキータイム」等の高確遊技状態に対応したタイトル画像521が表示される。また、通常時短遊技状態用の開始演出では、図244(b)に示すように、例えば「チャンスタイム」等の通常時短遊技状態に対応したタイトル画像522と、残り回数画像523とが表示される。残り回数画像523は、通常時短遊技状態に滞在可能な特図遊技回の残り回数を報知するものである。
なお、図244(c)は、通常時短遊技状態への滞在中に実行される時短中演出を示すものである。時短中演出は、図244(b)の開始演出の終了後、通常時短遊技状態が終了するまで行われる。この時短中演出では、例えば、通常遊技状態中の通常時演出とは背景画像等が異なるなど、通常時演出との識別が可能な構成となっている。
ステップSc2602では、開閉実行モードのエンディング期間にて上記各種開始演出が表示画面Gに表示されるように設定する。この場合、それら開始演出がエンディング期間の全体で表示される構成としてもよいし、エンディング期間の一部で表示される構成としてもよい。
ステップSc2603では、今回の移行が通常時短遊技状態への移行であるか否かを判定する。ステップSc2603で肯定判定した場合は、ステップSc2604にて、RAM344の各種カウンタエリア344bに設けられた残り回数カウンタエリアに上限回数に対応した値を設定する。残り回数カウンタエリアは、通常時短遊技状態に滞在可能な特図遊技回の残り回数をMPU342が把握するためのものであり、それら各遊技状態において特図遊技回が実行されるごとに1ずつ減算される。
本実施の形態では、演出制御装置143にて主制御装置162とは別に各遊技状態の残り回数をカウントする構成としているが、主制御装置162での更新結果に基づいて演出制御装置143が各遊技状態の残り回数を把握する構成としてもよい。例えば、サポートカウンタエリアSCの更新結果(ステップSc1303)を所定コマンドの送信により主制御装置162から演出制御装置143に通知し、演出制御装置143が当該コマンドを解析して上記各更新結果を把握する構成としてもよい。その際、変動開始コマンド(ステップSc714)等の既存コマンドに上記各更新結果の情報を含ませて上記所定コマンドとしてもよいし、上記各更新結果を通知するための専用コマンドにより上記所定コマンドを構成してもよい。
ステップSc2605では、残り回数画像523の表示を開始するように設定する。その際、ステップSc2602で設定した各開始演出(エンディング期間を利用して行われる演出)にて残り回数画像523の表示が開始されるように設定してもよいし、開始演出の終了後、通常時短遊技状態に移行してから残り回数画像523の表示が開始されるように設定してもよい。
ステップSc2606では、RAM344の各種フラグ格納エリア344dに残り回数表示フラグをセットし、その後、第1移行用演出設定処理を終了する。残り回数表示フラグは、残り回数画像523の表示中であることをMPU342が把握するためのものである。
ステップSc2603で否定判定した場合、すなわち、今回の移行が高確遊技状態への移行である場合は、残り回数画像523を表示しないとしてステップSc2604以降の処理を実行することなく第1移行用演出設定処理を終了する。
<特図変動表示用処理>
ステップSc2503の特図変動表示用処理について図245のフローチャートを参照しながら説明する。
先ずステップSc2701では、特図遊技回の実行中であるか否かを判定する。具体的には、第1特図又は第2特図のいずれかの遊技回の実行中であるか否かを判定する。いずれの遊技回も実行中でない場合は、ステップSc2702に進み、主制御装置162からの変動開始コマンドを受信しているか否かを判定する。
変動開始コマンドには、主制御装置162における変動表示時間の設定処理で抽選された変動パターンの情報が含まれる。この変動パターンの情報を参照することで、主制御装置162にて表示制御される特図用表示部43での特図遊技回がいずれの変動表示時間で行われるのかを把握することができる。また、既に説明したように、大当たり用の変動パターンと外れ用の変動パターンとが各別に設定されるため、変動パターンから当否判定の結果を判別することもできる。
変動開始コマンドを受信していない場合は、そのまま特図変動表示用処理を終了する。一方、変動開始コマンドを受信している場合は、ステップSc2703に進み、遊技回用の演出を開始させるための変動開始用処理を実行する。
変動開始用処理では、主制御装置162からの変動開始コマンドを解析し、今回の特図遊技回に関する変動パターンを特定する。さらに特定した変動パターンに基づいて今回の特図遊技回における変動表示時間を把握する。ROM343の各種テーブル記憶エリア343aには、各変動パターンと対応付けて変動表示時間が定められた演出パターンテーブルが記憶されている。
演出パターンテーブルで定められる変動表示時間は、主制御装置162において各変動パターン(図230~図232)が対応する変動表示時間に対応しており、演出制御装置143と主制御装置162とでは、1つの変動パターンに対して共通の変動表示時間が割り当てられている。例えば、変動パターンが変動パターン1Aである場合、それに対応する変動表示時間は、演出制御装置143及び主制御装置162のいずれも15secとなる。変動開始処理では、演出パターンテーブルを参照して変動開始コマンドから解析した変動パターンに対応する変動表示時間を特定し、これを今回の特図遊技回の変動表示時間として把握する。
また、演出パターンテーブルには、各変動パターンと対応付けて遊技回演出用の演出パターンが対応付けられている。それら各演出パターンとしては、変動表示時間テーブルの説明の際に述べたノーマルリーチ当たり、SPリーチ当たり、SPSPリーチ当たり、完全外れ、ノーマルリーチ外れ、SPリーチ外れ、SPSPリーチ外れ、特殊リーチ外れA演出、特殊リーチ外れB演出が設定されている。変動パターンと演出パターンとの対応関係については、図230~図232を参照して既に述べているため、説明を省略する。変動用開始処理では、演出パターンテーブルを参照して今回の変動パターンに対応する演出パターンを特定し、これを今回の特図遊技回の演出パターンとして設定する。
また、変動開始用処理では、今回の特図遊技回に関する当否判定の結果が大当たりである場合、主制御装置162からの種別コマンドに基づいて大当たり種別を特定する。大当たり種別が確変大当たりである場合は、図柄表示装置75の表示画面Gに表示される図柄列Z1~Z3の停止結果として確変大当たり用の停止結果を設定する。逆に、大当たり種別が通常大当たりである場合は、図柄列Z1~Z3の停止結果として通常大当たり用の停止結果を設定する。これらの場合、大当たり用の停止結果が停止表示される有効ラインL1~L5は抽選等によってランダムに決定される。
また、今回の特図遊技回に関する当否判定の結果が通常外れ結果である場合は、図柄列Z1~Z3の各停止図柄をランダムに決定する。但し、変動パターンに対応する演出パターンがリーチ演出を行うものである場合は、抽選で決定した有効ラインL1~L5にリーチが形成されるように各停止図柄を決定する。すなわち、少なくも1つの有効ラインL1~L5上に外れリーチ図柄の組合せが成立する停止結果を、今回の停止結果として設定する。
また、今回の特図遊技回に関する当否判定の結果が特殊外れ結果である場合も、抽選で決定した有効ラインL1~L5にリーチが形成されるように上図柄列Z1及び下図柄列Z3の停止図柄を決定し、さらに、リーチライン上の中図柄列Z2に特殊図柄511が停止表示されるように停止図柄を決定する。すなわち、少なくも1つの有効ラインL1~L5上に特殊外れ結果の図柄組み合わせが成立する停止結果を、今回の停止結果として設定する。
変動開始用処理では、上記各処理を実行した後、表示制御装置350への出力対象として、今回の停止図柄の情報や演出パターンの情報を含むコマンドを設定する。表示制御装置350では、受信したコマンドに従い、演出制御装置143にて決定された停止結果で各図柄列Z1~Z3の図柄が停止したり、演出制御装置143にて決定された演出パターンで遊技回用演出が行われたりするように図柄表示装置75を制御する。
ステップSc2703の実行後はステップSc2704にて残り回数表示の更新用処理を実行し、その後、特図変動表示用処理を終了する。残り回数表示の更新用処理では、RAM344の各種フラグ格納エリア344dに残り回数表示フラグがセットされているか否かを判定し、残り回数表示フラグがセットされている場合(残り回数画像523の表示中である場合)は、残り回数カウンタエリアの値を1減算して更新する。さらに、残り回数カウンタエリアの更新結果を参照して残り回数画像523の表示内容を更新する。これにより、残り回数画像523により報知される残り回数が1減算される。
ステップSc2701で肯定判定した場合(特図遊技回の実行中である場合)は、ステップSc2705に進み、主制御装置162から変動終了コマンドを受信しているか否かを判定する。変動終了コマンドを受信していない場合は、今回の特図遊技回において変動表示時間が未経過の状態であることを意味する。この場合は、ステップSc2706にて、変動中用処理を実行する。変動中用処理では、変動開始用処理により開始された図柄列Z1~Z3の変動表示を継続したり、各図柄列Z1~Z3の図柄を順番に仮停止表示させたり、各リーチ演出を実行したりするための処理を実行する。
ステップSc2705で肯定判定した場合(変動終了コマンドを受信している場合)は、ステップSc2707にて変動終了用処理を実行し、その後、特図変動表示用処理を終了する。変動終了用処理では、各図柄列Z1~Z3の変動表示や実行されている演出を終了させる。また、ステップSc2707では、主制御装置162で設定された確定表示時間にて各図柄列Z1~Z3の図柄を確定停止させるように制御する。
<第2移行用演出設定処理>
ステップSc2505(図242)の第2移行用演出設定処理について図246(a)のフローチャートを参照しながら説明する。この処理は、主制御装置162からの突然時短遊技状態開始コマンドを受信した場合に実行されるものであり、換言すれば、突然時短遊技状態が開始される場合に実行されるものである。
先ずステップSc2801では、突然時短遊技状態用の開始演出を設定する。突然時短遊技状態用の開始演出では、図246(b)に示すように、例えば「突然チャンスタイム」等の突然時短遊技状態に対応したタイトル画像525と、残り回数画像523とが表示される。残り回数画像523は、突然時短遊技状態に滞在可能な特図遊技回の残り回数を報知するものである。
本ステップでは、上記突然時短遊技状態用の開始演出が特図遊技回における確定表示時間にて実行されるように当該開始演出の設定処理を行う。その際、開始演出のすべてが上記確定表示時間にて実行されてもよいし、開始演出の一部が上記確定表示時間にて実行されてもよい。なお、開始演出の一部が確定表示時間内に実行される場合は、当該確定表示時間と次の特図遊技回とを跨いで上記開始演出が実行される。
ステップSc2802では、移行する突然時短遊技状態の上限回数に対応した値をRAM344の残り回数カウンタエリアにセットする。具体的には、移行する突然時短遊技状態の種別が第3時短遊技状態Aである場合は第3上限回数(例えば50回)に対応した値をセットし、第3時短遊技状態Bである場合は第4上限回数(例えば100回)に対応した値をセットし、第3時短遊技状態Cである場合は第5上限回数(200回)に対応した値をセットする。
ステップSc2803では、残り回数画像523の表示を開始するように設定する。その際、ステップSc2801で設定した開始演出にて残り回数画像523の表示が開始されるように設定してもよいし、開始演出の終了後、通常時短遊技状態に移行してから残り回数画像523の表示が開始されるように設定してもよい。
ステップSc2804では、RAM344の各種フラグ格納エリア344dに残り回数表示フラグをセットし、その後、第2移行用演出設定処理を終了する。
<留保用演出設定処理>
ステップSc2506の留保用演出設定処理について図247(a)のフローチャートを参照しながら説明する。この処理は、主制御装置162からの留保コマンドを受信した場合に実行されるものであり、換言すれば、突然時短遊技状態への移行が留保される場合に実行されるものである。
先ずステップSc2901では、主制御装置162からの留保コマンドを解析し、主制御装置162の留保用処理(図228)で導出された差分回数を把握する。差分回数は、時短遊技状態中に特殊外れ結果になった場合において、当該特殊外れ結果に対応する突然時短遊技状態の本来の上限回数から滞在中の時短遊技状態における残り回数を減算したものである。すなわち、差分回数は、特殊外れ結果になったタイミングで突然時短遊技状態が開始されたと仮定した場合において、滞在中の時短遊技状態が終了した後の残り分に相当するものである。
ステップSc2902では、留保用画像の表示態様を抽選する。留保用画像は突然時短遊技状態への移行が留保されたことを報知するものであり、遊技者の目線では、時短遊技状態がストックされ、滞在中の時短遊技状態が終了した後(換言すれば、残り回数画像523により示される回数が0回になった後)も時短遊技状態が続くことを意味するものとなる。
留保用画像は表示画面G上の所定領域(例えば右下部)に表示されて遊技者により視認可能とされるが、その表示態様により上記差分回数(ストックされた時短遊技状態が発動した場合の残り回数)が示唆又は報知されるように構成されている。留保用画像の表示態様としては、差分回数の示唆等が行われない場合の通常表示態様と、差分回数の示唆等が行われる場合の特定表示態様とが設定されており、さらに特定表示態様には複数種類の表示態様が設定されている。
本実施の形態では、留保用画像の表示色(色彩)により差分回数を示唆等するものとしている。具体的には、図247(b)に示すように、通常表示態様として主たる表示色が通常色(例えば白色)とされる通常表示態様SMwと、特定表示態様として、主たる表示色が青色とされる青色表示態様SMbと、主たる表示色が緑色とされる緑色表示態様SMgと、主たる表示色が赤色とされる赤色表示態様SMrとの3種類が設定されている。
特定表示態様では、青色表示態様SMb<緑色表示態様SMg<赤色表示態様SMrの順で差分回数が多いことを示唆等している。図247(b)では、表示色の違いに合わせて異なるハッチングを付している。なお、差分回数の示唆等は表示色以外の態様を用いて行うこともでき、例えば、留保用画像の種類、形状、表示サイズ等を用いることができる。
留保用画像は、特図遊技回の保留数を示す保留用画像との混同を避けるため、当該保留用画像とは異なる態様(例えば形状や大きさ)で表示される。例えば、保留用画像が球状画像とされる場合には、留保用画像をハート形状の画像で表示することができる。
ステップSc2902では、今回の留保に対応する留保用画像を特定表示態様で表示するか否かを抽選し、特定表示態様で表示する場合にはその種別抽選を行う。具体的には、ROM343の各種テーブル記憶エリア343aから取得した表示態様抽選テーブルと、RAM344の各カウンタエリア344bから取得した抽選用のカウンタ(乱数値)とを用いて通常表示態様と特定表示態様のいずれで表示するかを抽選する。また、特定表示態様で表示するとの抽選結果になった場合には、ステップSc2901で把握した差分回数と、ROM343の各種テーブル記憶エリア343aから取得した種別テーブルと、RAM344の各カウンタエリア344bから取得した抽選用のカウンタ(乱数値)とを用い、青色表示態様SMb、緑色表示態様SMg、赤色表示態様SMrのいずれで表示するかを抽選する。種別抽選テーブルでは、例えば、差分回数が50回以下の場合は青色表示態様SMbが最も選ばれやすく、差分回数が50回よりも多く100回以下である場合は緑色表示態様SMgが最も選ばれやすく、差分回数が100回よりも多い場合は赤色表示態様SMrが最も選ばれやすいように、差分回数と各表示色の数値範囲との関係が設定されている。
ステップSc2903では、留保用演出を実行するための設定処理を行い、その後、留保用演出設定処理を終了する。留保用演出は、突然時短遊技状態への移行留保の契機となった特図遊技回(時短遊技状態の途中で特殊外れ結果になった遊技回)にて実行されるものである。具体的には、図248(a)に示すように、図柄列Z1~Z3が特殊外れ結果の図柄組合せで停止表示された後、図248(b)に示すように、例えば「ストック!!」等の文字画像527と第1留保用画像528とが表示画面Gに表示されるようにして行われる。これにより、突然時短遊技状態の留保(ストック)の発生が報知される。
上記のような表示が行われた後、次の特図遊技回からは、第1留保用画像528よりも小サイズの第2留保用画像529が表示画面Gの隅部に表示され、留保状態であることが報知される(図248(c))。第2留保用画像529は、表示画面G上で変動表示又は停止表示される図柄列Z1~Z3と重ならないように表示され、滞在中の時短遊技状態が終了するまで継続して表示される。
ステップSc2903では、文字画像527、第1留保用画像528及び第2留保用画像529が上記各タイミングで表示されるように設定処理を行うほか、第1留保用画像528及び第2留保用画像529における表示色の設定処理を行う。この際、ステップSc2902で抽選した表示態様にて各留保用画像528,529を表示するように設定する。
なお、特定表示態様での表示に際しては、上記のように当初から抽選された表示態様で表示する場合に限らず、通常表示態様で第1留保用画像528を表示した後、第2留保用画像529の表示期間にて特定表示態様に変更する場合が生じる構成としてもよい。また、当初は下位の特定表示態様(例えば青色表示態様SMb)で表示し、その後、上位の特定表示態様(例えば緑色表示態様SMg)に変更する場合が生じる構成としてもよい。
これらの構成とする場合は、ステップSc2902において留保用画像の最終表示態様を抽選するとよい。例えば、最終表示態様として緑色表示態様SMgが抽選された場合は、第1留保用画像528を通常表示態様、青色表示態様SMb、緑色表示態様SMgのいずれで表示するかを選択し、通常表示態様又は青色表示態様SMbで第1留保用画像528を表示すると決定した場合は、第2留保用画像529をいずれのタイミングで上位の表示態様に昇格させるかを選択する。このような選択・決定は、演出シナリオを抽選するためのシナリオ抽選テーブルを用いて行うことができる。
<終了用演出設定処理>
ステップSc2509の終了用演出設定処理について図249(a)を参照しながら説明する。この処理は、高確遊技状態、通常時短遊技状態、突然時短遊技状態の各遊技状態の終了コマンドを受信した場合に実行されるものであり、換言すれば、それら各遊技状態が終了する場合に実行されるものである。
ステップSc3101では、突然時短遊技状態の留保中であるか否かを判定する。留保中でない場合は、ステップSc3102にて、終了対象の遊技状態に対応した終了演出を設定する。例えば、通常時短遊技状態の終了である場合には、通常時短遊技状態用の終了演出が実行されるように設定する。
ステップSc3103では、RAM344の各種カウンタエリア344bに設けられた残り回数カウンタの値をクリア(初期化)する。この際、残り回数カウンタの値が既に0(初期値)となっている場合はその状態のままとする。
ステップSc3104では、図柄表示装置75の表示画面Gに表示されている残り回数画像523を消去する。続くステップSc3105では、RAM344の各種フラグ格納エリア344dにセットされている残り回数表示フラグをクリアし、その後、終了用演出設定処理を終了する。
ステップSc3101で肯定判定した場合(留保中である場合)は、ステップSc3106にて放出用演出の実行設定を行い、その後、終了用演出設定処理を終了する。放出用演出は、留保されていた突然時短遊技状態の移行が発動されることを報知するものであり、例えば、図249(b)に示すように、「ストック放出!!」等の文字表示531が表示されるようにして行われる。
なお、放出用演出の実行設定を行う場合は、ステップSc3102の処理を実行しない。すなわち、時短遊技状態の終了演出を実行しないように処理する。よって、突然時短遊技状態への移行が留保されている状況で滞在中の時短遊技状態が終了した場合は、滞在中の時短遊技状態における最終遊技回にて放出用演出が実行された後、当該最終遊技回又は次の特図遊技回にて突然時短遊技状態の開始演出が実行される。
<時短遊技状態中に特殊外れ結果になった場合の流れについて>
時短遊技状態中に特殊外れ結果になった場合の流れについて図250を参照しながら説明する。ここでは、4R通常大当たり結果Aになったことを契機として第1上限回数(例えば50回)の通常時短遊技状態に移行し、その時短遊技状態が終了する前に特殊外れ結果になった場合を例示する。
例えば、上記通常時短遊技状態における29回目の特図遊技回(タイミングt1)において例えば特殊外れ結果Bになると、特殊外れ結果Bが対応する突然時短遊技状態Bの第4上限回数(例えば100回)から滞在中の時短遊技状態の残り回数(21回)が減算され、その結果が1以上であるか否かが判定される。本例では減算結果が1以上となるところ、このような場合には、滞在中の通常時短遊技状態が継続されつつ(図250(a))、留保用フラグがセットされ(図250(c))、途中当選した突然時短遊技状態Bへの移行が留保される。
この場合、特殊外れ結果になった特図遊技回では、図柄表示装置75(表示画面G)において特殊リーチ外れA演出が実行され、特殊外れ結果になったことが報知される(図250(e))。また、特殊リーチ外れA演出の終了後、同一の遊技回にて、例えば「ストック!!」等の文字画像527と第1留保用画像528とが表示される留保用演出が実行される(図250(f))。留保用演出の実行により、時短遊技状態の留保(ストック)が発生したことが報知される。これらの際、特図用表示部43では特殊外れ結果に対応した停止結果が停止表示される。
上記の後、次の特図遊技回からは第2留保用画像529が表示され、時短遊技状態の留保中であることが報知される(図250(g))。第1留保用画像528及び第2留保用画像529の表示に際しては、それら各保留用画像528,529を特定表示態様で表示するか否かが抽選されるとともに、特定表示態様で表示する場合には、上記減算結果(差分回数)が参照されてその種別が抽選される。
その後、例えば、上記通常時短遊技状態における40回目の特図遊技回(タイミングt2)において再び特殊外れ結果になると、この場合は、時短遊技状態の留保数が留保上限値に達しているとして突然時短遊技状態が留保されない。すなわち、再当選した特殊外れ結果に対応する突然時短遊技状態への移行が無効化される。
この場合、特殊外れ結果に再当選した特図遊技回では、図柄表示装置75において完全外れ演出又は特殊リーチ外れB演出が実行される。すなわち、通常外れ結果になったように報知され、特殊外れ結果への当選を遊技者が認識不可又は認識困難な状態とされる。但し、特図用表示部43では特殊外れ結果に対応した停止結果が停止表示される。なお、図250(h)には完全外れ演出が実行される場合を示している。
その後、50回目の特図遊技回において特図当否抽選の結果が通常外れ結果となり、その確定表示の開始タイミング(タイミングt3)になると、滞在していた通常時短遊技状態が終了する。これに伴い、突然時短遊技状態Bの留保状態が解除され、当該時短遊技状態への移行が実施される(図250(a)、(d))。この際、移行が実施される突然時短遊技状態Bの残り回数は、上記減算結果に対応した差分回数(79回)となる。
上記の際、50回目の特図遊技回(滞在していた通常時短遊技状態の最終遊技回)では、図柄表示装置75において放出用演出が実行された後、突然時短遊技状態の開始演出が実行される(図250(i)、(j))。これにより、ストックされていた時短遊技状態の発動が報知される。放出用演出及び開始演出は上記最終遊技回の確定表示時間を利用して実行される。なお、それら各演出の少なくとも一方が次の特図遊技回(突然時短遊技状態の初回遊技回)が開始されてから実行されてもよい。
突然時短遊技状態Bへの移行後、79回目の特図遊技回において特図当否抽選の結果が通常外れ結果となり、その確定表示の開始タイミング(タイミングt4)になると、突然時短遊技状態Bが終了する。この場合、図柄表示装置75では時短遊技状態の終了演出が実行される。
ちなみに、突然時短遊技状態Bへの移行後、当該時短遊技状態が終了する前に特殊外れ結果になった場合は、その特殊外れ結果に対応する突然時短遊技状態が再び留保(ストック)される。この際、上記タイミングt1の場合と同様に、図柄表示装置75にて特殊リーチ外れA演出や留保用演出が実行され、特殊外れ結果になったこと等が報知される。
以上詳述した本実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏することができる。
特殊外れ結果となった場合に突然時短遊技状態への移行を留保し、その後、その実行条件が成立することに基づいてその留保した突然時短遊技状態への移行を実施する構成とした。この構成によれば、特殊外れ結果への当選に応じて直ちに突然時短遊技状態に移行する場合だけでなく、特殊外れ結果への当選から遅れて突然時短遊技状態に移行する場合が生じる。このため、突然時短遊技状態に移行するか否かに留まらず、突然時短遊技状態が留保(ストック)されているか否かについても遊技者を楽しませることができ、興趣性を好適に高めることが可能になる。
時短遊技状態である状況で特殊外れ結果となった場合に、その特殊外れ結果に対応した突然時短遊技状態が留保される構成とした。この構成によれば、時短遊技状態の複数獲得が可能となるため、さらなる時短遊技状態の獲得にチャレンジする楽しみを付与することができ、興趣性を大きく向上させることが可能になる。
留保を経由して移行する時短遊技状態の上限回数が留保を経由しないで移行する場合の上限回数よりも少なくなる構成とした。上記のとおり、時短遊技状態の複数獲得が可能となることで興趣の向上が期待されるが、その反面、時短遊技状態の期間が占める割合が高くなりやすく、遊技者に有利となりがちになる。この点、留保される時短遊技状態、すなわち、2個目の獲得となる時短遊技状態については、当該時短遊技状態への移行が実施された場合の上限回数を少なく抑えるため、遊技者に過度に有利となることが抑制され、バランスを取ることが可能になる。
その際、留保を経由して移行する時短遊技状態(留保時短)の上限回数を、当該時短遊技状態の本来の上限回数(留保を経由しない場合の上限回数)から特殊外れ結果となったときの滞在時短の残り回数を減算した差分回数とする構成とした。この場合、上記のように遊技者に過度に有利となることを抑制できるが、それとは別に、特殊外れ結果となったタイミングによって留保時短の上限回数を変動させられるという特性を発揮させることができる。すなわち、同じ種別の特殊外れ結果であっても、その当選タイミングが遅い方が留保時短の上限回数(差分回数)が多くなるため、留保が生じるか否かだけでなく、その発生タイミングについても遊技者を楽しませることができ、興趣性を一層好適に高めることが可能になる。
時短遊技状態である状況で特殊外れ結果となった場合に特殊リーチ外れA演出を実行し、特殊外れ結果となったことを報知し、さらに留保用画像529を表示するため、突然時短遊技状態の留保発生を遊技者に明確に認識させることが可能になる。その際、留保用画像529の態様を差分回数に基づいて設定する構成としため、留保用画像529の態様により差分回数を示唆することができる。これにより、留保用画像529を参照して留保時短の有利度合を推測する遊技を付与することができる。
突然時短遊技状態の留保数の上限を1個とした。例えば、留保数が多大になると、その管理や制御が複雑化して処理負荷が高まる懸念がある。この点、本構成では、留保可能な時短遊技状態の数を1個に制限したため、処理負荷の増大を抑制することが可能になる。また、時短遊技状態を一時的に留保状態としてから移行を実施するには、その留保時において対象となった時短遊技状態の情報(種別や上限回数を示す情報等)を記憶し、移行時においてその情報を利用することになる。このため、そのための記憶領域を確保する必要があるが、本構成によれば、留保した特定遊技状態の情報を記憶するための領域数を少なく抑えることもできる。さらに、留保上限数が突然時短遊技状態の種別数(例えば3個)よりも少ない数であることで、全ての突然時短遊技状態を同時に留保することができず、一部に制限して留保されることになる。これにより、いずれの突然時短遊技状態が留保されるかについて遊技者を楽しませることができ、興趣性を高めることが可能になる。
時短遊技状態の留保数が上限数に到達している状況で特殊外れ結果となった場合に、完全外れ演出又は特殊リーチ外れB演出を実行し、特殊外れ結果になったことを報知しない構成とした。これにより、特殊外れ結果となったことに気づかせにくくすることができ、特殊外れ結果になったにもかかわらず留保が生じないことに遊技者が不快感を抱くことを抑制可能となる。
<変形例1>
上記第3の実施の形態の変形例1について図251~図255を参照しながら説明する。これらの図において第3の実施の形態と同様の構成については同一の符号を付し、その説明を省略する。
上記第3の実施の形態では、突然時短遊技状態の留保中に特殊外れ結果となった場合に、その特殊外れ結果に対応する突然時短遊技状態が留保の対象外とされる構成としたが、本変形例では、突然時短遊技状態の留保中に特殊外れ結果となった場合に、その特殊外れ結果に対応する突然時短遊技状態が留保対象となるように構成されている。なお、本変形例において留保上限値は上記第3の実施の形態と同様に1となっており、時短遊技状態を1個のみ留保可能となっている。以下、本変形例の構成について詳細に説明する。
<突然時短遊技状態の移行判定用処理>
本変形例に係る突然時短遊技状態の移行判定用処理について図251のフローチャートを参照しながら説明する。この処理は、主制御装置162による変動開始処理(図222)のステップSc711で実行されるものであり、図227(a)の突然時短遊技状態の移行判定用処理に代えて実行されるものである。図251において図227(a)と同様の処理については同一のステップ番号を付し、その説明を省略又は簡略化する。
先ずステップSc1401では、今回の特図当否抽選の結果が特殊外れ結果であるか否かを判定する。特図当否抽選の結果が特殊外れ結果である場合は、ステップSc1402に進み、上記各種フラグ格納エリア314eにいずれかのサポートフラグがセットされているか否かを判定する。いずれのサポートフラグもセットされていない場合、すなわち、現在の遊技状態が通常遊技状態である場合は、ステップSc1403にて、上記各種フラグ格納エリア314eに突然時短開始用フラグをセットする。
ステップSc1402で肯定判定した場合(いずれかのサポートフラグがセットされている場合)、すなわち、現在の遊技状態が通常時短遊技状態又は突然時短遊技状態である場合は、ステップSc1404に進み、上記各種フラグ格納エリア314eに留保用フラグがセットされているか否かを判定する。留保用フラグがセットされていない場合、すなわち、時短遊技状態の留保状態でない場合は、ステップSc1405にて留保用処理を実行する。留保用処理は、今回の特殊外れ結果が対応する突然時短遊技状態を留保状態とするためのものである。
ステップSc1404で肯定判定した場合(留保用フラグがセットされている場合)は、ステップSc1406にて時短遊技状態の留保数が留保上限値に達しているか否かを判定する。本実施の形態では留保上限値として1が設定されている。留保数が留保上限値に達していない場合は、ステップSc1405に進んで留保用処理を実行する。
移行留保数が留保上限値に達している場合は、ステップSc3301にて留保更新用処理を実行する。留保更新用処理は、今回の特殊外れ結果が対応する突然時短遊技状態と留保中の突然時短遊技状態とを比較し、いずれを留保状態とするかを判別するための処理である。ステップSc3301の実行後は突然時短遊技状態の移行判定用処理を終了する。
<留保更新用処理>
ステップSc3301の留保更新用処理について図252のフローチャートを参照しながら説明する。
先ずステップSc3401では、滞在中の時短遊技状態における残り回数を把握する。この処理は、サポートカウンタエリアSCの値を参照することで行う。ステップSc3402では、今回の特殊外れ結果の種別に対応する突然時短遊技状態の上限回数を把握する。例えば、今回の特殊外れ結果が特殊外れ結果Aである場合は、上記上限回数として突然時短遊技状態Aの第3上限回数(例えば50回)を把握する。
ステップSc3403では、ステップSc3401で把握した残り回数とステップSc3402で把握した上限回数との差分回数を算出する。具体的には、ステップSc3402で把握した上限回数からステップSc3401で把握した残り回数を減算する。
ステップSc3404では、ステップSc3403で算出した差分回数(減算結果)が1以上であるか否かを判定する。すなわち、ステップSc3402で把握した上限回数がステップSc3401で把握した残り回数よりも多いか否かを判定する。差分回数が1以上である場合(上限回数が残り回数よりも多い場合)は、ステップSc3405に進み、今回の差分回数と、留保されている突然時短遊技状態(留保時短)の差分回数とを比較する。具体的には、RAM314の留保用エリア314fに記憶されている留保時短の差分回数を読み出し、当該読み出した差分回数よりもステップSc3403で導出した今回の差分回数の方が多いか否かを判定する。
ステップSc3405で肯定判定した場合(今回の差分回数の方が多い場合)はステップSc3406に進み、留保用エリア314fの種別情報・差分回数情報を更新する。具体的には、留保時短の種別情報及び差分回数情報が記憶されている留保用エリア314fにおいて、今回の特殊外れ結果に対応する種別情報と今回の差分回数に対応する差分回数情報とを上書きする。これにより、それまでの留保状態がキャンセル(中止)され、今回の特殊外れ結果に対応する突然時短遊技状態が新たに留保状態とされる。
このように留保時短を変更した場合、ステップSc712の変動表示時間の設定処理(図222)では、特殊外れ用の変動表示時間テーブルA(図232(b))を参照して変動表示時間(変動パターン)の抽選を行う。すなわち、突然時短遊技状態の留保中において特殊外れ結果になったことにより別の突然時短遊技状態が留保された場合には、その特図遊技回にて特殊リーチ外れA演出が実行され、特殊外れ結果になったことが報知される。
ステップSc3407では、演出制御装置143への送信対象として留保更新コマンドを設定し、その後、留保更新用処理を終了する。留保更新コマンドは留保状態の突然時短遊技状態が変更されたことを通知するためのものであり、当該コマンドには新たに留保状態とされた突然時短遊技状態の種別や差分回数を示す情報が含まれる。
ステップSc3404で否定判定した場合(差分回数が1未満である場合)は、ステップSc3405以降の処理を実行することなく留保更新用処理を終了する。
また、ステップSc3405で否定判定した場合(今回の差分回数が留保時短の差分回数以下である場合)は、留保時短の変更(更新)を行わないとして、ステップSc3406以降の処理を実行せずに留保更新用処理を終了する。留保時短を変更しない場合、ステップSc712の変動表示時間の設定処理では、特殊外れ用の変動表示時間テーブルB(図232(c))を参照して変動表示時間(変動パターン)の抽選を行う。すなわち、特殊外れ結果になっても留保中の突然時短遊技状態が引き続き留保される場合は、その特図遊技回にて完全外れ演出又は特殊リーチ外れB演出が実行され、特殊外れ結果になったことが報知されない。
<演出設定処理>
本変形例に係る演出設定処理について図253(a)のフローチャートを参照しながら説明する。この処理は演出制御装置143にて所定周期(例えば2msec周期)で起動されるものであり、図242の演出設定処理に代えて実行されるものである。図253(a)において図242と同様の処理については同一のステップ番号を付し、その説明を省略又は簡略化する。
ステップSc2506では、主制御装置162からの留保コマンドを受信しているか否かを判定する。留保コマンドを受信している場合は、ステップSc2507にて留保用演出設定処理を実行する。留保用演出設定処理では、突然時短遊技状態の留保が発生した場合の演出として留保用演出が実行されるように設定する。
ステップSc2506で否定判定した場合(留保コマンドを受信していない場合)又はステップSc2507の実行後は、ステップSc3501にて、主制御装置162からの留保更新コマンドを受信しているか否かを判定する。留保更新コマンドを受信している場合、すなわち、留保状態の突然時短遊技状態が変更された場合は、ステップSc3502に進み、留保用画像の更新処理を実行する。留保用画像の更新処理は、図柄表示装置75(表示画面G)に表示される留保用画像529(図248(c))の表示態様を更新するための処理である。
ここで、ステップSc3502の留保用画像の更新処理について図253(b)のフローチャートを参照しながら説明する。
当該更新処理では先ずステップSc3601にて、更新後の差分回数、すなわち、変更後の留保時短の差分回数を把握する。この処理は、受信した今回の留保更新コマンドを解析することで行う。
ステップSc3602では、ステップSc3601で把握した差分回数を加味し、留保用画像の表示態様を抽選する。この処理は、既に説明したステップSc2902の抽選処理と同様のものであり、今回の留保に対応する留保用画像を特定表示態様で表示するか否かを抽選し、特定表示態様で表示する場合にはその種別抽選を行う。
ステップSc3603では、ステップSc3602で抽選した表示態様が、現在の表示態様(変更前の留保時短に対応して実行された留保用画像の表示態様)よりも上位の表示態様であるか否かを判定する。例えば、現在の表示態様が青色表示態様SMbであり、ステップSc3602で抽選した表示態様が緑色表示態様SMgである場合は、上位の表示態様であるとして本ステップを肯定判定する。
ステップSc3603で肯定判定した場合は、ステップSc3604に進み、表示されている留保用画像529の表示態様を変更するための設定処理を実行する。本ステップでは、留保用画像529の表示態様がステップSc3602で抽選した表示態様に変更されるように設定する。表示態様の変更は特殊外れ結果になった特図遊技回(上記表示態様の抽選が行われた遊技回)で行われ、これにより、留保用画像529の表示態様が昇格されるようにして変更後の留保時短の差分回数が示唆又は報知される。
なお、表示態様の変更は、特殊外れ結果になった特図遊技回に限らず、次の特図遊技回で行われてもよいし、それよりも後の特図遊技回で行われてもよい。また、複数回に亘って段階的に行われてもよい。
ステップSc3604の実行後又はステップSc3603で否定判定した場合(上位の表示態様でない場合)は留保用画像の更新処理を終了する。
演出設定処理(図253(a))の説明に戻り、ステップSc3502の実行後又はステップSc3501で否定判定した場合(留保更新コマンドを受信していない場合)は、ステップSc2508にて、いずれかの遊技状態終了コマンドを受信しているか否かを判定する。
<時短遊技状態中に特殊外れ結果になった場合の流れについて>
時短遊技状態中に特殊外れ結果になった場合の流れについて図254を参照しながら説明する。ここでは、通常時短遊技状態において特殊外れ結果Aになり、その後、同一の通常時短遊技状態の中で特殊外れ結果Bになった場合を例示する。
例えば、通常時短遊技状態における29回目の特図遊技回(タイミングt1)において特殊外れ結果Aになると、特殊外れ結果Aが対応する突然時短遊技状態Aの第3上限回数(例えば50回)から滞在中の時短遊技状態の残り回数(21回)が減算され、差分回数A(29回)が導出される。また、留保用フラグがセットされ、突然時短遊技状態Aが留保状態とされる(図254(b)、(c))。
この場合、特殊外れ結果になった特図遊技回では、図柄表示装置75にて特殊リーチ外れA演出が実行され、特殊外れ結果になったことが報知される。この際、特図用表示部43では特殊外れ結果Aに対応した停止結果が停止表示される。
また、特殊リーチ外れA演出の終了後、同一の遊技回にて、例えば「ストック!!」等の文字画像527と第1留保用画像528とが表示される留保用演出が実行される。留保用演出の実行により、時短遊技状態の留保(ストック)が発生したことが報知される。次の特図遊技回からは第2留保用画像529が表示され、時短遊技状態の留保中であることが報知される。
その後、例えば、上記通常時短遊技状態における40回目の特図遊技回(タイミングt2)において特殊外れ結果Bになると、特殊外れ結果Bが対応する突然時短遊技状態Bの第4上限回数(例えば100回)から滞在中の時短遊技状態の残り回数(10回)が減算され、差分回数B(90回)が導出される。そして、導出された今回の差分回数Bと、留保中の突然時短遊技状態Aに対応した差分回数Aとが比較される。
その結果、差分回数Aよりも差分回数Bが多いことにより、留保状態の時短遊技状態を突然時短遊技状態Aから突然時短遊技状態Bに切り替える旨が判定される。この判定に基づき、RAM314の留保用エリア314fに記憶されている種別情報及び差分回数情報が突然時短遊技状態Aに対応する値から突然時短遊技状態Bに対応する値に更新される。
このようにして留保時短が更新されることにより、通常時短遊技状態の終了後に実施される突然時短遊技状態の残り回数が増加することになる。本変形例では、突然時短遊技状態Aと突然時短遊技状態Bにおいて普図遊技回や役物開閉遊技の態様が共通とされるため、残り回数の増加により、第2作動口63への入賞が発生しやすい状態がそのまま延長されることになり、遊技者にとって有利となる。
特殊外れ結果Bになった特図遊技回では、図柄表示装置75にて特殊リーチ外れA演出が実行され、特殊外れ結果になったことが報知される。この際、特図用表示部43では特殊外れ結果Bに対応した停止結果が停止表示される。なお、時短遊技状態の留保数が追加されたとの誤解を避けるため、文字画像527及び第1留保用画像528は表示されない。
また、上記特図遊技回では、表示中の第2留保用画像529について差分回数Bを加味した表示態様の抽選が実行される。その結果、現在の表示態様よりも上位の表示態様が抽選された場合には、次の特図遊技回にて第2留保用画像529の表示態様が昇格される。
図255(a)に示すように、留保用画像529が青色表示態様SMbで表示されている状況で特殊外れ結果Bになり、上記表示態様の抽選にて緑色表示態様SMgが選ばれた場合を例にとると、先ず、特殊外れ結果Bになった特図遊技回で図柄列Z1~Z3が特殊外れ結果の組合せで停止表示され、特殊外れ結果になったことが報知される(図255(b))。その後、その特図遊技回の確定表示時間の少なくとも一部を利用して、留保用画像529の表示態様が青色表示態様SMbから緑色表示態様SMgに変更される(図255(c))。これにより、留保状態の突然時短遊技状態についてその移行後の残り回数が増えたことが示唆又は報知される。
なお、表示態様の変更は変動表示時間の残りを利用して行われてもよいし、変動表示時間及び確定表示時間を跨いで行われてもよい。また、次の特図遊技回で行われてもよいし、それよりも後の特図遊技回で行われてもよい。
その後、50回目の特図遊技回において特図当否抽選の結果が通常外れ結果となり、その確定表示の開始タイミング(タイミングt3)になると、滞在していた通常時短遊技状態が終了するとともに、留保状態が解除され、突然時短遊技状態Bへの移行が実施される(図254(a)、(e))。この際、突然時短遊技状態Bの残り回数は上記タイミングt2で更新された差分回数B(90回)となる。
上記の際、50回目の特図遊技回(滞在していた通常時短遊技状態の最終遊技回)では、図柄表示装置75において放出用演出(図249(b))が実行された後、突然時短遊技状態の開始演出が実行される。これにより、ストックされていた時短遊技状態の発動が報知される。
突然時短遊技状態Bへの移行後、90回目の特図遊技回において特図当否抽選の結果が通常外れ結果となり、その確定表示の開始タイミング(タイミングt4)になると、突然時短遊技状態Bが終了する。この場合、図柄表示装置75では時短遊技状態の終了演出が実行される。
以上詳述した本変形例によれば、以下の優れた効果を奏することができる。
時短遊技状態の留保数が上限数に到達している状況で特殊外れ結果になった場合に留保時短を更新する構成とした。すなわち、留保中の時短遊技状態との入れ替えで特殊外れ結果への当選に対応した時短遊技状態が留保されるため、上限数への到達後における特殊外れ結果への当選を留保される時短遊技状態の種別に反映させることができる。これにより、留保数が上限数に到達した後も特殊外れ結果になることを期待して遊技することができ、期待感を長く持続させることが可能になる。
時短遊技状態の留保数が上限数に到達している状況で特殊外れ結果になった場合に、留保時短を更新するか否かを判定し、その上で当該更新を行う構成とした。留保中の時短遊技状態と上限到達後に当選した特殊外れ結果に対応する時短遊技状態との組合せによっては、留保時短の変更(更新)が却って遊技者に不利な状況を招く懸念がある。この点、上記組合せを参照して更新を実行するか否かを判別する構成としたため、いたずらに変更が行われることがなく、上記不都合の発生を抑制することが可能になる。特に、途中当選した特殊外れ結果が対応する時短遊技状態の差分回数が、留保中の時短遊技状態の差分回数よりも多い場合に更新を行うと判定するため、時短遊技状態の遊技回の残り回数が増える場合を対象に留保時短を更新することが可能となる。
留保時短の更新が行われた場合に、更新後の差分回数に基づいて留保用画像529の態様を変更する構成とした。すなわち、留保用画像529における変更後の態様によって更新後の差分回数が示唆されるため、当該画像529の変化から留保時短の昇格(留保時短の変更や残り回数の増加等)を推測する面白みを付与することが可能になる。
<変形例2>
上記第3の実施の形態の変形例2について図256~図259を参照しながら説明する。これらの図において第3の実施の形態や変形例1と同様の構成については同一の符号を付し、その説明を省略する。
上記変形例1では、突然時短遊技状態の留保中に特殊外れ結果になった場合に差分回数を加味して留保時短の更新が行われるが、本変形例では、突然時短遊技状態の種別ごとに優先度が設定されており、突然時短遊技状態の留保中に特殊外れ結果となった場合に、その優先度を踏まえて留保時短の更新が行われるように構成されている。なお、本変形例において留保上限値は上記第3の実施の形態と同様に1となっており、時短遊技状態を1個のみ留保可能となっている。以下、本変形例の構成について詳細に説明する。
<突然時短遊技状態について>
本変形例に係る突然時短遊技状態について図256及び図257を参照しながら説明する。本変形例では、図256(a)に示すように、第2作動口63への入賞期待値が異なるように突然時短遊技状態A~Cが構成されている。具体的には、突然時短遊技状態C<突然時短遊技状態B<突然時短遊技状態Aの順で入賞期待値が高くなるように構成されている。入賞期待値をこのような関係とする構成は特に限定されるものではないが、例えば、各突然時短遊技状態における普図遊技回及び役物開閉遊技の態様を図257に示す構成とすることで実現することができる。
図257(a)に示すように、突然時短遊技状態A及び突然時短遊技状態Bにおける普図遊技回の変動表示時間を突然時短遊技状態Cのそれよりも短くし、突然時短遊技状態A及び突然時短遊技状態Bにおける単位時間当たりのサポート当選回数(サポート抽選の実行回数)が突然時短遊技状態Cのそれよりも多くなるようにする。また、図257(b)に示すように、突然時短遊技状態Aでの普電役物63aの開放期間を突然時短遊技状態B及び突然時短遊技状態Cのそれよりも長くし、役物開閉遊技が実施された場合の第2作動口63への入賞可能期間について、突然時短遊技状態B及び突然時短遊技状態Cよりも突然時短遊技状態Aの方が長くなるようにする。
上記の構成により、第2作動口63への入賞について突然時短遊技状態Aが最も発生しやすく、突然時短遊技状態Cが最も発生しにくくなる。また、突然時短遊技状態Bがその中間の発生しやさとなる。つまり、突然時短遊技状態Aが遊技者にとって最も有利な突然時短遊技状態となる。
なお、各突然時短遊技状態の上限回数は共通となっており、例えば100回に設定されている(図256(a))。また、役物開閉遊技における普電役物63aの開放回数やインターバル期間(1回目開放と2回目開放との間の閉鎖期間)についても各突然時短遊技状態で共通となっている(図257(b))。但し、この構成に限定されるものではなく、上限回数や開放回数を各突然時短遊技状態で異ならせる構成としてもよい。
図256(a)に示すように、本変形例では各突然時短遊技状態に対して優先度が設定されている。図256(a)では数値が小さいほど優先度が高いことを示しており、突然時短遊技状態C<突然時短遊技状態B<突然時短遊技状態Aの順で順位が高くなるように優先度が設定されている。本変形例では、図256(b)に示すように、ROM313に優先度情報記憶エリア551が設けられており、優先度を示す優先度情報は、突然時短遊技状態の種別と対応付けて優先度情報記憶エリア551に記憶されている。
<留保更新用処理>
本変形例に係る留保更新用処理について図258のフローチャートを参照しながら説明する。この処理は、主制御装置162による突然時短遊技状態の移行判定用処理(図251)のステップSc3301で実行されるものであり、詳しくは、突然時短遊技状態が留保されている状態で特殊外れ結果になった場合に実行されるものである。この処理は、図252の留保更新用処理に代えて実行されるものであり、図258において図252と同様の処理については同一のステップ番号を付し、その説明を省略又は簡略化する。
先ずステップSc3401では、滞在中の時短遊技状態における残り回数を把握する。ステップSc3402では、今回の特殊外れ結果の種別に対応する突然時短遊技状態の上限回数を把握する。ステップSc3403では、ステップSc3402で把握した上限回数からステップSc3401で把握した残り回数を減算し、差分回数を導出する。
ステップSc3404では、ステップSc3403で導出した差分回数が1以上であるか否かを判定する。差分回数が1以上である場合は、ステップSc4101に進み、今回の特殊外れ結果に対応した突然時短遊技状態(今回時短)の優先度を把握する。この処理は、RAM314の各種フラグ格納エリア314eにセットされている特殊外れ種別フラグと、ROM313の優先度情報記憶エリア551に記憶されている優先度情報とを参照して行う。
ステップSc4102では、留保されている突然時短遊技状態(留保時短)の優先度を把握する。具体的には、RAM314の留保用エリア314fに記憶されている種別情報に基づいて、留保されている突然時短遊技状態の種別を特定するとともに、その特定した突然時短遊技状態の優先度を上記優先度情報記憶エリア551の優先度情報を参照して特定する。
ステップSc4103では、ステップSc4101で把握した今回時短の優先度とステップSc4102で把握した留保時短の優先度とを比較し、今回時短の優先度が留保時短の優先度よりも上位であるか否かを判定する。ステップSc4103で肯定判定した場合は、ステップSc4104に進み、留保用エリア314fの種別情報・差分回数情報を更新する。具体的には、留保時短の種別情報及び差分回数情報が記憶されている留保用エリア314fにおいて、今回の特殊外れ結果に対応する種別情報と今回の差分回数(ステップSc3403で導出した差分回数)に対応する差分回数情報とを上書きする。これにより、それまでの留保状態がキャンセル(中止)され、今回の特殊外れ結果に対応する突然時短遊技状態が新たに留保状態とされる。
このように留保時短を変更した場合、ステップSc712の変動表示時間の設定処理(図222)では、特殊外れ用の変動表示時間テーブルA(図232(b))を参照して変動表示時間(変動パターン)の抽選を行う。すなわち、突然時短遊技状態の留保中において特殊外れ結果になったことにより別の突然時短遊技状態が留保された場合には、その特図遊技回にて特殊リーチ外れA演出が実行され、特殊外れ結果になったことが報知される。
ステップSc4105では、演出制御装置143への送信対象として留保更新コマンドを設定し、その後、留保更新用処理を終了する。留保更新コマンドは留保状態の突然時短遊技状態が変更されたことを通知するためのものであり、当該コマンドには新たに留保状態とされた突然時短遊技状態の種別や差分回数を示す情報が含まれる。
ステップSc4103で否定判定した場合(今回時短の優先度が下位である場合)は、それまでの留保状態を維持し、留保されている突然時短遊技状態を変更しないとして、ステップSc4104以降の処理を実行せずに留保更新用処理を終了する。留保時短を変更しない場合、ステップSc712の変動表示時間の設定処理では、特殊外れ用の変動表示時間テーブルB(図232(c))を参照して変動表示時間(変動パターン)の抽選を行う。すなわち、特殊外れ結果になっても留保中の突然時短遊技状態が引き続き留保される場合は、その特図遊技回にて完全外れ演出又は特殊リーチ外れB演出が実行され、特殊外れ結果になったことが明示されない。
<時短遊技状態中に特殊外れ結果になった場合の流れについて>
時短遊技状態中に特殊外れ結果になった場合の流れについて図259を参照しながら説明する。ここでは、通常時短遊技状態において特殊外れ結果B、特殊外れ結果C、特殊外れ結果Aの順で複数回、特殊外れ結果になった場合を例示する。
例えば、通常時短遊技状態における20回目の特図遊技回(タイミングt1)において特殊外れ結果Bになると、特殊外れ結果Bが対応する突然時短遊技状態Bの上限回数(例えば100回)から滞在中の時短遊技状態の残り回数(30回)が減算され、差分回数B(70回)が導出される。この場合、差分回数Bは1以上であるため、留保用フラグがセットされ、突然時短遊技状態Bが留保状態とされる(図259(b)、(c))。
特殊外れ結果Bになった特図遊技回では、図柄表示装置75にて特殊リーチ外れA演出が実行され、特殊外れ結果になったことが報知される。この際、特図用表示部43では特殊外れ結果Bに対応した停止結果が停止表示される。
また、特殊リーチ外れA演出の終了後、同一の遊技回にて、例えば「ストック!!」等の文字画像527と第1留保用画像528とが表示される留保用演出が実行される。留保用演出の実行により、時短遊技状態の留保(ストック)が発生したことが報知される。次の特図遊技回からは第2留保用画像529が表示され、時短遊技状態の留保中であることが報知される。
その後、例えば、上記通常時短遊技状態における30回目の特図遊技回(タイミングt2)において特殊外れ結果Cになると、特殊外れ結果Cが対応する突然時短遊技状態Cの上限回数(例えば100回)から滞在中の時短遊技状態の残り回数(20回)が減算され、差分回数C(80回)が導出される。この場合、差分回数Cが1以上となり、また、突然時短遊技状態Bを留保済みの状態であるため、突然時短遊技状態Cの優先度と突然時短遊技状態Bの優先度とがROM313の優先度情報記憶エリア551から読み出されて比較される。突然時短遊技状態Cの優先度は突然時短遊技状態Bの優先度よりも低いため、留保対象として突然時短遊技状態Bが優先される。
すなわち、突然時短遊技状態Cの留保が無効化され、突然時短遊技状態Bの留保状態が維持される。このような構成であることで、留保されている時短遊技状態が、第2作動口63への入賞が相対的に発生しやすい突然時短遊技状態Bから第2作動口63への入賞が相対的に発生しにくい突然時短遊技状態Cに切り替えられることを抑制できる。
上記の際、特殊外れ結果Cになった特図遊技回では、図柄表示装置75にて完全外れ演出又は特殊リーチ外れB演出が実行される。すなわち、通常外れ結果になったように報知され、特殊外れ結果への当選を遊技者が認識不可又は認識困難な状態とされる。但し、特図用表示部43では特殊外れ結果Cに対応した停止結果が停止表示される。
その後、例えば、上記通常時短遊技状態における40回目の特図遊技回(タイミングt3)において特殊外れ結果Aになると、特殊外れ結果Aが対応する突然時短遊技状態Aの上限回数(例えば100回)から滞在中の時短遊技状態の残り回数(10回)が減算され、差分回数A(90回)が導出される。この場合、差分回数Aは1以上となり、また、突然時短遊技状態Bを留保済みの状態であるため、突然時短遊技状態Aの優先度と突然時短遊技状態Bの優先度とが上記優先度情報記憶エリア551から読み出されて比較される。突然時短遊技状態Aの優先度は突然時短遊技状態Bの優先度よりも高いため、留保対象として突然時短遊技状態Aが優先される。
この場合、RAM314の留保用エリア314fに記憶されている種別情報及び差分回数情報が突然時短遊技状態Bに対応する値から突然時短遊技状態Aに対応する値に更新される。具体的には、留保用エリア314fの種別情報が突然時短遊技状態Aに対応する値に書き換えられるとともに、差分回数情報が差分回数Aに対応する値に書き換えられる。
これにより、突然時短遊技状態Bの留保状態がキャンセル(中止)され、突然時短遊技状態Aが新たに留保される。すなわち、留保状態の突然時短遊技状態が、突然時短遊技状態Bから第2作動口63への入賞がより発生しやすい突然時短遊技状態Aに切り替えられ、遊技者にとってより有利な時短遊技状態がストックされる状態となる。
また、留保時短の上記変更により、通常時短遊技状態の終了後に実施される突然時短遊技状態の残り回数(差分回数)が増加することになる。すなわち、第2作動口63への入賞が発生しやすい状態が変更前よりも延長されることになり、遊技者にとって有利となる。
なお、本変形例では、各突然時短遊技状態の上限回数を共通化しているため、突然時短遊技状態の留保状態で特殊外れ結果となった場合に、その差分回数が留保中の突然時短遊技状態の差分回数よりも必然的に大きくなるが、各突然時短遊技状態で上限回数を異ならせた場合、後の特殊外れ結果に対応する突然時短遊技状態の方が留保中の突然時短遊技状態よりも差分回数が少ないことがあり得る。このような場合でも、後の突然時短遊技状態に対応する優先度の方が留保中の突然時短遊技状態に対応する優先度よりも上位であれば、留保時短の変更が行われる。
特殊外れ結果Aになった特図遊技回では、図柄表示装置75にて特殊リーチ外れA演出が実行され、特殊外れ結果になったことが報知される。この際、特図用表示部43では特殊外れ結果Aに対応した停止結果が停止表示される。なお、時短遊技状態の留保数が追加されたとの誤解を避けるため、文字画像527及び第1留保用画像528は表示されない。
また、上記特図遊技回では、表示中の第2留保用画像529について差分回数Aを加味した表示態様の抽選が実行される。その結果、現在の表示態様よりも上位の表示態様が抽選された場合には、次の特図遊技回にて第2留保用画像529の表示態様が昇格される。これにより、変更後の留保時短についての残り回数が示唆又は報知される。
なお、表示態様の変更は変動表示時間の残りを利用して行われてもよいし、変動表示時間及び確定表示時間を跨いで行われてもよい。また、次の特図遊技回で行われてもよいし、それよりも後の特図遊技回で行われてもよい。
その後、50回目の特図遊技回において特図当否抽選の結果が通常外れ結果となり、その確定表示の開始タイミング(タイミングt4)になると、滞在していた通常時短遊技状態が終了するとともに、留保状態が解除され、突然時短遊技状態Aへの移行が実施される(図259(a)、(e))。この際、突然時短遊技状態Aの残り回数は上記タイミングt3で更新された差分回数A(90回)となる。
上記の際、50回目の特図遊技回(滞在していた通常時短遊技状態の最終遊技回)では、図柄表示装置75において放出用演出(図249(b))が実行された後、突然時短遊技状態の開始演出が実行される。これにより、ストックされていた時短遊技状態の発動が報知される。
突然時短遊技状態Aへの移行後、90回目の特図遊技回において特図当否抽選の結果が通常外れ結果となり、その確定表示の開始タイミング(タイミングt4)になると、突然時短遊技状態Aが終了する。この場合、図柄表示装置75では時短遊技状態の終了演出が実行される。
以上詳述した本変形例によれば、以下の優れた効果を奏することができる。
留保時短の更新を行うか否かの判定を時短遊技状態の種別に基づいて行う構成とした。すなわち、留保中の時短遊技状態の種別と、上限到達後に当選した特殊外れ結果が対応する時短遊技状態の種別との比較により更新(変更)の有無が判定されるため、それら両特定遊技状態における特性の違いを踏まえて変更すべきか否かを判別することが可能になる。
突然時短遊技状態A~C(留保が可能な複数種の時短遊技状態)のそれぞれに予め優先度を設定し、その優先度に基づいて更新の有無を判定する構成とした。この場合、第2作動口63への入賞期待値が高い側の突然時短遊技状態(例えば突然時短遊技状態A)に対して低い側の突然時短遊技状態(例えば突然時短遊技状態C)よりも上位の優先度を設定しておけば、留保時短の更新により、第2作動口63への入賞が発生しにくくなる方向への切り替えが発生することを抑制できる。これにより、遊技者が留保時短の格下げを気にせずに特殊外れ結果への当選を狙うことができ、特殊外れ結果への当選により留保時短を昇格させる遊技を楽しみやすくすることが可能になる。
また、遊技機設計時の作業負担を軽減できるという効果も期待できる。すなわち、留保中の時短遊技状態と上限到達後に当選した特殊外れ結果が対応する時短遊技状態との全ての組合せを前提とし、例えば、突然時短遊技状態Aを留保中の状態で特殊外れ結果B(突然時短遊技状態Bに対応)となった場合は留保を実行しないなど、それぞれの組合せにつて更新の有無を制御プログラムの中で規定しようとすると、組合せの数が増えるほど、制御プログラムが複雑化して作業負担の増大を招く懸念がある。この点、優先度を利用して更新の有無を判定することで、各時短遊技状態に対して優先度を設定するだけで足り、制御プログラムを簡単化することができる。さらには、事後的に設計変更が求められる場合でも、制御プログラムの全面的な変更が強いられず、優先度の設定を変更するだけで足りる。すなわち、設計変更を容易に行えるという利点もある。
<変形例3>
上記第3の実施の形態の変形例3について図260~図268を参照しながら説明する。これらの図において第3の実施の形態や各変形例と同様の構成については同一の符号を付し、その説明を省略する。
上記第3の実施の形態や各変形例では、留保上限値が1とされ、突然時短遊技状態を1個留保することが可能な構成としたが、本変形例では、複数個の突然時短遊技状態を留保することが可能に構成されている。以下、本変形例の構成について詳細に説明する。
<突然時短遊技状態について>
本変形例に係る突然時短遊技状態について図260(a)を参照しながら説明する。本変形例では、図260(a)に示すように、第2作動口63への入賞期待値が異なるように突然時短遊技状態A~Cが構成されている。具体的には、上記変形例2と同様に、突然時短遊技状態C<突然時短遊技状態B<突然時短遊技状態Aの順で入賞期待値が高くなるように構成されている。なお、入賞期待値をこのような関係にするための構成例については上記変形例2で述べたため、説明を省略する。
また、本変形例では、突然時短遊技状態A~Cの上限回数が異なるように構成されている。具体的には、突然時短遊技状態C<突然時短遊技状態B<突然時短遊技状態Aの順で上限回数が多くなるように構成されている。なお、上限回数を相違させることは必須の構成ではなく、上記変形例2のように突然時短遊技状態A~Cで上限回数が等しい構成としてもよい。
<各種カウンタエリア314dについて>
本変形例に係るRAM314の各種カウンタエリア314dについて図260(b)を参照しながら説明する。
RAM314の各種カウンタエリア314dは、RAM314における記憶領域の一部に設定されるものであり、遊技の制御に関わる各種カウンタ値がセットされ、所定の更新タイミングの都度、1ずつディクリメントするように値が書き換えられることで、ソフトカウンタとして使用されるものである。本変形例では、当該カウンタエリア314dに時短遊技状態用カウンタエリア560が含まれるように構成されている。この時短遊技状態用カウンタエリア560は時短遊技状態の残り回数をカウントするための領域として使用されるものである。
時短遊技状態用カウンタエリア560には、滞在中の時短遊技状態における残り回数をカウントするための実行時短用エリア561と、留保中の時短遊技状態における残り回数をカウントするための留保時短用エリア562とが設けられている。このうち留保時短用エリア562には複数のカウンタエリアが設定され、具体的には、突然時短遊技状態の種別数に対応した数のカウンタエリアが確保されている。すなわち、第1留保時短用エリア562a、第2留保時短用エリア562b、第3留保時短用エリア562cからなる3つのカウンタエリアが設定された状態となっている。
<突然時短遊技状態の移行判定用処理>
本変形例に係る突然時短遊技状態の移行判定用処理について図261(a)のフローチャートを参照しながら説明する。この処理は、主制御装置162による変動開始処理(図222)のステップSc711で実行されるものであり、図227(a)の突然時短遊技状態の移行判定用処理に代えて実行されるものである。図261(a)において図227(a)と同様の処理については同一のステップ番号を付し、その説明を省略又は簡略化する。
先ずステップSc1401では、今回の特図当否抽選の結果が特殊外れ結果であるか否かを判定する。特図当否抽選の結果が特殊外れ結果である場合は、ステップSc1402に進み、上記各種フラグ格納エリア314eにいずれかのサポートフラグがセットされているか否かを判定する。いずれのサポートフラグもセットされていない場合、すなわち、現在の遊技状態が通常遊技状態である場合は、ステップSc1403にて、上記各種フラグ格納エリア314eに突然時短開始用フラグをセットする。
ステップSc1402で肯定判定した場合(いずれかのサポートフラグがセットされている場合)、すなわち、現在の遊技状態が通常時短遊技状態又は突然時短遊技状態である場合は、ステップSc4301にて留保用処理を実行し、その後、突然時短遊技状態の移行判定用処理を終了する。留保用処理は、時短遊技状態の途中で特殊外れ結果になった場合に、その特殊外れ結果が対応する突然時短遊技状態を留保状態とするための処理である。
<留保用処理>
ステップSc4301の留保用処理について図262のフローチャートを参照しながら説明する。
先ずステップSc4401では、RAM314の各種フラグ格納エリア314eにいずれかの留保用フラグがセットされているか否かを判定する。本変形例では、突然時短遊技状態A~Cに対応して留保用フラグA~Cが設定されており、例えば、留保用フラグCが上記各種フラグ格納エリア314eにセットされている場合には突然時短遊技状態Cの留保中であることを示すものとなっている。
いずれの留保用フラグもセットされていない場合、すなわち、突然時短遊技状態の留保中でない場合は、ステップSc4402に進み、今回の特殊外れ結果に対応する留保用フラグを上記各種フラグ格納エリア314eにセットする。例えば、今回の特殊外れ結果が特殊外れ結果Aである場合は留保用フラグAをセットする。
ステップSc4403では、RAM314の各種カウンタエリア314dにおける留保時短用エリア562に、今回の特殊外れ結果が対応する突然時短遊技状態の上限回数に対応する値をセットする。より詳しくは、第1留保時短用エリア562a~第3留保時短用エリア562cのうち空き領域となっているエリアの最上位エリアに上記値をセットする。ステップSc4401で否定判定した状況(突然時短遊技状態の留保中でない状況)で本ステップの処理を実行する場合、すべてのエリアが空き領域となっているため、第1留保時短用エリア562aに上記値をセットする。
ステップSc4404では、今回の特殊外れ結果についてその発生順を記憶する。本変形例においてRAM314には、図261(b)に示すように、上記発生順の情報を記憶するための記憶領域として発生順情報記憶エリア565が設定されている。この発生順情報記憶エリア565には、第1エリア565a、第2エリア565b、第3エリア565cからなる複数の記憶領域が設定されている。これら第1エリア565a~第3エリア565cは特殊外れ結果の当選順(留保時短の発生順)に対応しており、具体的には、第1エリア565aが最も早い当選順に対応し、第3エリア565cが最も遅い当選順に対応している。
本ステップでは、第1エリア565a~第3エリア565cのうち空き領域となっているエリアの最上位エリアに今回の特殊外れ結果の種別に対応した種別情報を記憶する。いずれの突然時短遊技状態も留保しておらず、今回の特殊外れ結果への当選が時短遊技状態において最初の当選である場合は、第1エリア565aに上記種別情報を記憶する。
ステップSc4405では、演出制御装置143への送信対象として留保コマンドを設定し、その後、留保用処理を終了する。留保コマンドは時短遊技状態の留保が発生したことを通知するものであり、当該コマンドには留保状態とされた時短遊技状態の種別を示す情報が含まれる。
ステップSc4401で肯定判定した場合(いずれかの留保用フラグがセットされている場合)、すなわち、突然時短遊技状態の留保状態である場合は、ステップSc4406に進み、今回の特殊外れ結果が対応する突然時短遊技状態と同種の時短遊技状態を留保中であるか否かを判定する。この判定はRAM314の発生順情報記憶エリア565を参照して行ってもよいし、各種フラグ格納エリア314eの留保用フラグを参照して行ってもよい。例えば、発生順情報記憶エリア565を参照する場合であれば、第1エリア565a~第3エリア565cのいずれかに今回の特殊外れ結果の種別に対応した種別情報が記憶されているか否かを判定し、当該種別情報が記憶されている場合は同種の時短遊技状態を留保中であると認識する。
同種の時短遊技状態を留保中でない場合は、ステップSc4402に進み、今回の特殊外れ結果に対応する留保用フラグを上記各種フラグ格納エリア314eにセットする。続くステップSc4403では、上記留保時短用エリア562の第1留保時短用エリア562a~第3留保時短用エリア562cにおいて空き領域のエリアのうち最上位のエリアに上限回数に対応する値をセットする。例えば、第2留保時短用エリア562b、第3留保時短用エリア562cが空き領域となっている場合は第2留保時短用エリア562bに上記値をセットする。
ステップSc4404では、発生順情報記憶エリア565の第1エリア565a~第3エリア565cにおいて空き領域のエリアのうち最上位のエリアに今回の特殊外れ結果の種別に対応した種別情報を記憶する。
ステップSc4406で肯定判定した場合(同種の時短遊技状態を留保中である場合)は、ステップSc4402~ステップSc4405の処理を実行することなく留保用処理を終了する。すなわち、同種の時短遊技状態を既に留保している場合は、その時短遊技状態の留保を継続しつつ、今回の特殊外れ結果に対応した突然時短遊技状態の留保を実行しない。
<変動表示時間の設定処理>
本変形例に係る変動表示時間の設定処理について図263のフローチャートを参照しながら説明する。この処理は、変動開始処理(図222)のステップSc712で実行されるものであり、図229の変動表示時間の設定処理に代えて実行されるものである。図263において図229と同様の処理については同一のステップ番号を付し、その説明を省略又は簡略化する。
ステップSc1604で否定判定した場合(高確遊技状態でない場合)は、現在の遊技状態が時短遊技状態(通常時短遊技状態又は突然時短遊技状態)であることを意味する。この場合はステップSc4501にて今回の特図当否抽選の結果が特殊外れ結果であるか否かを判定する。特殊外れ結果である場合はステップSc4502に進み、RAM314の各種フラグ格納エリア314eにいずれかの留保用フラグがセットされているか否かを判定する。
いずれの留保用フラグもセットされていない場合は、ステップSc4503に進み、今回の変動表示時間テーブルとして特殊外れ用の変動表示時間テーブルA(図232(b))を取得する。この変動表示時間テーブルAには選択可能な変動パターンとして変動パターンZ1(特殊リーチ外れA演出)のみが設定されている。すなわち、留保時短が存在しない状況で特殊外れ結果になった場合は、特殊リーチ外れA演出の実行に対応した変動パターンが選択されるように変動表示時間の抽選処理(ステップSc1607)が実行される。
ステップSc4502で肯定判定した場合(いずれかの留保用フラグが設定されている場合)は、ステップSc4504に進み、今回の変動表示時間テーブルとして特殊外れ用の変動表示時間テーブルB(図232(c))を取得する。この変動表示時間テーブルBには選択可能な変動パターンとして変動パターン21H(完全外れ演出)又は変動パターンZ2(特殊リーチ外れB演出)が設定されている。すなわち、留保時短が存在する状況で特殊外れ結果になった場合は、完全外れ演出又は特殊リーチ外れB演出に対応した変動パターンが選択されるように変動表示時間の抽選処理(ステップSc1607)が実行される。
なお、留保時短が存在する状況で特殊外れ結果となった場合に該当する事象としては、今回の特殊外れ結果が対応する突然時短遊技状態と同種の時短遊技状態が留保されておらず、その特殊外れ結果が対応する突然時短遊技状態が留保状態とされるものと、今回の特殊外れ結果が対応する突然時短遊技状態と同種の時短遊技状態が既に留保されており、その特殊外れ結果が対応する突然時短遊技状態が留保状態とされないものとがある。本変形例では、そのいずれにおいても上記変動表示時間テーブルBを用いて変動表示時間(変動パターン)の抽選が行われる。すなわち、時短遊技状態への滞在中において最初の特殊外れ結果への当選については、図柄表示装置75にて特殊リーチ外れA演出が実行され、特殊外れ結果になったことが報知されるものの、2度目以降の当選については留保の有無にかかわらず、図柄表示装置75にて完全外れ演出又は特殊リーチ外れB演出が実行され、特殊外れ結果になったことが報知されない。
ステップSc4501で否定判定した場合(特殊外れ結果でない場合)は、ステップSc4505に進み、対応する時短遊技状態用の変動表示時間テーブルを取得する。具体的には、今回の当否抽選の結果が大当たり結果である場合は大当たり用の変動表示時間テーブル(図232(a))を取得し、今回の当否抽選の結果が通常外れ結果である場合は通常外れ用の変動表示時間テーブル(図232(d))を取得する。
<高頻度サポートモード更新用処理>
本変形例に係る高頻度サポートモード更新用処理について図264のフローチャートを参照しながら説明する。この処理は、変動開始処理(図222)のステップSc710で実行されるものであり、図226の高頻度サポートモード更新用処理に代えて実行されるものである。図264において図226と同様の処理については同一のステップ番号を付し、その説明を省略又は簡略化する。
ステップSc1302で肯定判定した場合(いずれかのサポートフラグがセットされている場合)、すなわち、現在の遊技状態が時短遊技状態(通常時短遊技状態又は突然時短遊技状態)である場合は、ステップSc4601に進み、RAM314の各種カウンタエリア314dに設けられた実行時短用エリア561のカウンタ値SCを更新する。具体的には、カウンタ値SCを1減算する。これにより、滞在中の時短遊技状態の残り回数が1減算される。この場合の残り回数は、その時短遊技状態に滞在することが可能な特図遊技回の残回数ということができる。
ステップSc4602では、更新後のカウンタ値SCが「0」であるか否かを判定する。カウンタ値SCが「0」である場合、すなわち、滞在中の時短遊技状態での遊技回の実行回数が上限回数に到達している場合には、ステップSc1305に進み、上記各種フラグ格納エリア314eに時短終了用フラグをセットする。
ステップSc1305の実行後又はステップSc4602で否定判定した場合(カウンタ値SCが「0」でない場合)は、ステップSc4603にて、上記各種フラグ格納エリア314eにいずれかの留保用フラグがセットされているか否かを判定する。いずれかの留保用フラグがセットされている場合、すなわち、突然時短遊技状態の留保中である場合は、ステップSc4604に進み、上記各種カウンタエリア314dに設けられた留保時短用エリア562のカウンタ値YCを更新する。
ステップSc4604について詳しくは、第1留保時短用エリア562a~第3留保時短用エリア562cのうち上限回数がセットされているエリア(値が「0」でないエリア)についてカウンタ値YCを1減算する。例えば、カウンタ値YCが「0」ではないエリアとして第1留保時短用エリア562a及び第2留保時短用エリア562bがある場合、それら各エリアについてそれぞれのカウンタ値YCを更新する。これにより、留保中の各時短遊技状態についてその残り回数が1減算される。
ステップSc4605では、ステップSc4604でカウンタ値YCを更新したエリアのうち更新後の値が「0」となったエリアがあるか否かを判定する。更新後の値が「0」となったエリアがある場合は、ステップSc4606に進み、そのエリアに対応する突然時短遊技状態の留保用フラグをクリアする。
例えば、時短遊技状態中に特殊外れ結果Cとなって突然時短遊技状態Cを留保した後、特殊外れ結果Aとなって突然時短遊技状態Aを留保した場合において、ステップSc4604の更新処理の結果、突然時短遊技状態Cの上限回数がセットされている第1留保時短用エリア562aのカウンタ値YCが「0」となった場合には、突然時短遊技状態Cに対応する留保用フラグCをクリアする。これにより、突然時短遊技状態Cの留保が終了する。なお、カウンタ値YCが「0」になることで留保状態が終了する点において、上記ステップSc4604で更新される留保時短の残り回数は、留保状態を継続することが可能な特図遊技回の残回数ということができる。
ステップSc4607では、発生順情報記憶エリア565に記憶されている発生順を更新する。上記の例であれば、第1エリア565aに記憶されている突然時短遊技状態Cの種別情報を消去し、第2エリア565bに記憶されている突然時短遊技状態Aの種別情報を第1エリア565aにシフトさせる。これにより、後発の突然時短遊技状態Aの発生順が繰り上がり、最先の留保時短として把握される。
ステップSc4608では、留保時短用エリア562における第1留保時短用エリア562a~第3留保時短用エリア562cのうち更新後のカウンタ値YCが「0」となったエリアよりも下位のエリアについてカウンタ値を上位のエリアにシフトさせる。上記の例であれば、第1留保時短用エリア562aのカウンタ値が「0」となるため、第2留保時短用リア562bのカウンタ値(突然時短遊技状態Aの残り回数に対応する値)を第1留保時短用エリア562aにシフトさせる。この際、第3留保時短用エリア562cの値が「0」でない場合には、当該エリアのカウンタ値を第2留保時短用リア562bにシフトさせる。ステップSc4608の実行後は高頻度サポートモード更新用処理を終了する。
ステップSc4603で否定判定した場合(いずれの留保用フラグもセットされていない場合)は、留保時短用エリアを更新する必要がないため、ステップSc4604以降の処理を実行することなく高頻度サポートモード更新用処理を終了する。また、ステップSc4605で否定判定した場合(更新後の値が「0」となったエリアがない場合)は、その時点での留保状況を維持するとしてステップSc4606以降の処理を実行することなく高頻度サポートモード更新用処理を終了する。
<突然時短遊技状態の第1移行用処理>
本変形例に係る突然時短遊技状態の第1移行用処理について図265のフローチャートを参照しながら説明する。この処理は、特図遊技回制御処理(図220)のステップSc511で実行されるものであり、図235の突然時短遊技状態の第1移行用処理に代えて実行されるものである。図265において図235と同様の処理については同一のステップ番号を付し、その説明を省略又は簡略化する。
先ずステップSc4701では、RAM314の各種フラグ格納エリア314eにいずれかの留保用フラグがセットされているか否かを判定する。いずれの留保用フラグもセットされていない場合、すなわち、留保時短が存在しない場合は、ステップSc1802に進み、上記各種フラグ格納エリア314eに突然時短開始用フラグがセットされているか否かを判定する。
突然時短開始用フラグがセットされている場合、すなわち、突然時短遊技状態に移行すべき状況である場合は、ステップSc1803に進み、その種別に対応したサポートBフラグを上記各種フラグ格納エリア314eにセットする。例えば、移行すべき突然時短遊技状態が突然時短遊技状態Aである場合はサポートB1フラグをセットする。
ステップSc4702では、RAM314の各種カウンタエリア314dに設けられた実行時短用エリア561に上限回数に対応する値をセットする。実行時短用エリア561は、滞在中の時短遊技状態における残り回数をMPU312が把握するためのカウンタ領域である。ステップSc1805では、上記各種フラグ格納エリア314eにセットされている突然時短開始用フラグをクリアし、ステップSc1806では、演出制御装置143への送信対象として突然時短遊技状態開始コマンドを設定する。
ステップSc4701で肯定判定した場合(いずれかの留保用フラグがセットされている場合)、すなわち、留保時短が存在する場合は、ステップSc4703にて突然時短遊技状態の第2移行用処理を実行する。突然時短遊技状態の第2移行用処理は、留保状態とされた突然時短遊技状態について移行を実施するための処理である。
<突然時短遊技状態の第2移行用処理>
ステップSc4703の突然時短遊技状態の第2移行用処理について図266のフローチャートを参照しながら説明する。
先ずステップSc4801では、RAM314の各種フラグ格納エリア314eにいずれかのサポートフラグがセットされているか否かを判定する。突然時短遊技状態の第2移行用処理は突然時短遊技状態が留保されている場合、すなわち、少なくとも現在の遊技状態が時短遊技状態である場合に実行されるため、ステップSc4801の処理は、実質的に滞在中の時短遊技状態が終了したか否かを判定するものとなる。
いずれのサポートフラグもセットされていない場合、すなわち、滞在中の時短遊技状態が終了した場合は、ステップSc4802にて最先の留保時短を把握する。具体的には、RAM314の発生順記憶エリア565における第1エリア565aに記憶されている種別情報を読み出して最初に当選した特殊外れ結果の種別を把握し、その把握した種別に対応する突然時短遊技状態を特定する。
ステップSc4803では、ステップSc4802で把握した留保時短に対応するサポートBフラグを上記各種フラグ格納エリア314eにセットする。例えば、最先の留保時短が突然時短遊技状態Bである場合はサポートB2フラグをセットする。
ステップSc4804では、RAM314の各種カウンタエリア314dに設けられた第1留保時短用エリア562aのカウンタ値YCを実行時短用エリア561にシフトさせる。ここで、第1留保時短用エリア562aのカウンタ値YCは、滞在中の時短遊技状態において実行時短用エリア561のカウンタ値SCとともに更新され、特図遊技回ごとに1ずつ減算されている。よって、上記シフトが行われるときのカウンタ値YCは、滞在中の時短遊技状態において特殊外れ結果に当選した際の残り回数を、当該当選を契機として留保された突然時短遊技状態の本来の上限回数から差し引いたものとなる。つまり、上記第3の実施の形態や変形例1等における差分回数と同様のものとなる。
ステップSc4805では、第2留保時短用エリア562b、第3留保時短用エリア562cに格納されている値をそれぞれ上位エリアにシフトさせる。すなわち、第2留保時短用エリア562bの値を第1留保時短用エリア562aにシフトさせるとともに、第3留保時短用エリア562cの値を第2留保時短用エリア562bにシフトさせる。
ステップSc4806では、上記各種フラグ格納エリア314eにセットされている留保用フラグのうち、ステップSc4802で把握した留保時短に対応する留保用フラグをクリアする。続くステップSc4807では、発生順情報記憶エリア565に記憶されている発生順を更新する。具体的には、第1エリア565aに記憶されている種別情報を消去し、第2エリア565b及び第3エリア565cに記憶されている種別情報をそれぞれ第1エリア565a及び第2エリア565bにシフトさせる。
ステップSc4808では、演出制御装置143への送信対象として突然時短遊技状態開始コマンドを設定し、その後、突然時短遊技状態の第2移行用処理を終了する。
ステップSc4801で肯定判定した場合(いずれかのサポートフラグがセットされている場合)、すなわち、時短遊技状態に滞在中である場合は、留保時短についての移行を実施しないとしてステップSc4802以降の処理を実行することなく突然時短遊技状態の第2移行用処理を終了する。
<時短遊技状態中に特殊外れ結果になった場合の流れについて>
時短遊技状態中に特殊外れ結果になった場合の流れについて図267及び図268を参照しながら説明する。ここでは、通常時短遊技状態において特殊外れ結果A、特殊外れ結果C、特殊外れ結果A、特殊外れ結果Bの順で複数回、特殊外れ結果になった場合を例示する。便宜上、通常時短遊技状態の上限回数が100回であるとして説明を行う。
通常時短遊技状態において突然時短遊技状態の留保中でない状況で、例えば、30回目の特図遊技回(タイミングt1)にて特殊外れ結果Aになると、留保用フラグAがセットされ、突然時短遊技状態Aが留保状態とされる(図267(b)、(c))。この際、特殊外れ結果A(突然時短遊技状態A)の種別情報が発生順情報記憶エリア565の第1エリア565aに記憶され、突然時短遊技状態Aが最初に発生した留保時短として記憶される。
また、図268(a)に示すように、突然時短遊技状態Aの上限回数(例えば100回)に対応する値が時短遊技状態用カウンタエリア560の第1留保時短用エリア562aにセットされる。第1留保時短用エリア562aのカウンタ値は、滞在中の通常時短遊技状態において特図遊技回が実行されるごとに更新される(図267(d))。すなわち、上記カウンタ値(留保時短の残り回数)は、実行時短用エリア561のカウンタ値SC(滞在中の通常時短遊技状態の残り回数に対応)と並行して減数されていく。
特殊外れ結果Aになった特図遊技回では、図柄表示装置75にて特殊リーチ外れA演出が実行され、特殊外れ結果になったことが報知される。この際、特図用表示部43では特殊外れ結果Aに対応した停止結果が停止表示される。
また、特殊リーチ外れA演出の終了後、同一の遊技回にて、例えば「ストック!!」等の文字画像527と第1留保用画像528とが表示される留保用演出が実行される。留保用演出の実行により、時短遊技状態の留保(ストック)が発生したことが報知される。次の特図遊技回からは第2留保用画像529が表示され、時短遊技状態の留保中であることが報知される。
その後、例えば、上記通常時短遊技状態における60回目の特図遊技回(タイミングt2)において特殊外れ結果Cになると、留保用フラグCがセットされ、突然時短遊技状態Cが留保状態とされる(図267(b)、(e))。この際、特殊外れ結果C(突然時短遊技状態C)の種別情報が発生順情報記憶エリア565の第2エリア565bに記憶され、突然時短遊技状態Cが2番目に発生した留保時短として記憶される。
また、図268(b)に示すように、突然時短遊技状態Cの上限回数(例えば50回)に対応する値が時短遊技状態用カウンタエリア560の第2留保時短用エリア562bにセットされる。第2留保時短用エリア562bのカウンタ値についても、滞在中の通常時短遊技状態において特図遊技回が実行されるごとに更新される(図267(f))。
上記の際、特殊外れ結果への当選に対応して突然時短遊技状態が留保されるものの、特殊外れ結果Cになった特図遊技回において図柄表示装置75では完全外れ演出又は特殊リーチ外れB演出が実行される。すなわち、特殊外れ結果になったことが明示されず、新たな留保が発生したことを遊技者が認識不可又は認識困難な状態とされる。なお、特図用表示部43では特殊外れ結果Cに対応した停止結果が停止表示される。
その後、例えば、上記通常時短遊技状態における70回目の特図遊技回(タイミングt3)において再び特殊外れ結果Aになったとする。この場合、既に突然時短遊技状態Aが留保されていることにより、今回の特殊外れ結果Aに対応する突然時短遊技状態Aの留保が無効化される。すなわち、発生順情報記憶エリア565の情報や各留保時短用エリア562a~562cに格納されている値の書き換えは行われない。
特殊外れ結果Aに再当選した特図遊技回では、図柄表示装置75にて完全外れ演出又は特殊リーチ外れB演出が実行され、特殊外れ結果になったことが非明示とされる。なお、特図用表示部43では特殊外れ結果Aに対応した停止結果が停止表示される。
その後、上記通常時短遊技状態における85回目の特図遊技回(タイミングt4)において特殊外れ結果Bになると、留保用フラグBがセットされ、突然時短遊技状態Bが留保状態とされる(図267(b)、(g))。この際、特殊外れ結果B(突然時短遊技状態B)の種別情報が発生順情報記憶エリア565の第3エリア565cに記憶され、突然時短遊技状態Bが3番目に発生した留保時短として記憶される。
また、図268(c)に示すように、突然時短遊技状態Bの上限回数(例えば80回)に対応する値が時短遊技状態用カウンタエリア560の第3留保時短用エリア562cにセットされる。第3留保時短用エリア562cのカウンタ値についても、滞在中の通常時短遊技状態において特図遊技回が実行されるごとに更新される(図267(h))。特殊外れ結果Bになった特図遊技回では、図柄表示装置75にて完全外れ演出又は特殊リーチ外れB演出が実行され、特殊外れ結果になったことが報知されない。
その後、100回目の特図遊技回において特図当否抽選の結果が通常外れ結果となり、その確定表示の開始タイミング(タイミングt5)になると、実行時短用エリア561の値が「0」であることに基づいてサポートフラグがクリアされ、滞在していた通常時短遊技状態が終了する。この場合、発生順情報記憶エリア565の第1エリア565aが参照され、突然時短遊技状態Aが最先の留保時短として把握される。そして、その把握した突然時短遊技状態Aに対応するサポートB1フラグがセットされ、突然時短遊技状態Aへの移行が実施される(図267(i))。
また、図268(d)に示すように、時短遊技状態用カウンタエリア560において第1留保時短用エリア562aのカウンタ値(突然時短遊技状態Aの残り回数に対応)が実行時短用エリア561にシフトされる。これにより、突然時短遊技状態Aに滞在可能な特図遊技回の回数として、通常時短遊技状態の終了時における第1留保時短用エリア562aのカウンタ値がセットされる。この値は、突然時短遊技状態Aの上限回数(100回)から特殊外れ結果Aへの当選時における通常時短遊技状態の残り回数(70回)を減算した差分回数A(30回)となる(図267(i))。
さらに時短遊技状態用カウンタエリア560では、上記シフトに伴い、第2留保時短用エリア562b及び第3留保時短用エリア562cの各カウンタ値がそれぞれ第1留保時短用エリア562a及び第2留保時短用エリア562bにシフトされる(図268(d))。また、発生順情報記憶エリア565において第1エリア565aの種別情報が消去され、第2エリア565b及び第3エリア565cの各種別情報がそれぞれ第1エリア565a及び第2エリア565bにシフトされる。
上記の際、100回目の特図遊技回(滞在していた通常時短遊技状態の最終遊技回)では、図柄表示装置75において放出用演出(図249(b))が実行され、その後、突然時短遊技状態の開始演出が実行される。これにより、ストックされていた時短遊技状態の発動が報知される。
突然時短遊技状態Aへの移行後、当該状態Aの終了前であるタイミングt6において、第1留保時短用エリア562aのカウンタ値(突然時短遊技状態Cの残り回数に対応)が「0」になると、留保用フラグCがクリアされる(図267(e)、(f))。これにより、突然時短遊技状態Cの留保状態が終了する。この場合、その時点で突然時短遊技状態Aに滞在中となっているため、突然時短遊技状態Cへの移行は行われない。すなわち、突然時短遊技状態Cへの移行が生じないまま、その留保状態が終了することになる。この際、かかる留保状態の終了に対応した報知は行われず、遊技者が当該終了を認識不可又は認識困難な状態とされる。
上記留保状態の終了に伴い時短遊技状態用カウンタエリア560では、図268(e)に示すように、第2留保時短用エリア562bのカウンタ値(突然時短遊技状態Bの残り回数に対応)が第1留保時短用エリア562aにシフトされる。また、発生順情報記憶エリア565では、第1エリア565aの種別情報(突然時短遊技状態Cに対応)が消去され、第2エリア565aの種別情報(突然時短遊技状態Bに対応)が第1エリア565aにシフトされる。
タイミングt7において突然時短遊技状態Aが終了すると、発生順情報記憶エリア565の第1エリア565aが参照され、突然時短遊技状態Bが最先の留保時短として把握される。そして、その把握した突然時短遊技状態Bに対応するサポートB2フラグがセットされ、突然時短遊技状態Bへの移行が実施される(図267(j))。
また、図268(f)に示すように、時短遊技状態用カウンタエリア560において第1留保時短用エリア562aのカウンタ値(突然時短遊技状態Bの残り回数に対応)が実行時短用エリア561にシフトされる。これにより、突然時短遊技状態Bに滞在可能な特図遊技回の回数として、突然時短遊技状態Aの終了時における第1留保時短用エリア562aのカウンタ値がセットされる。この値は、特殊外れ結果Bへの当選時における通常時短遊技状態の残り回数(15回)と上記差分回数A(30回)との合計回数を突然時短遊技状態Bの上限回数(80回)から減算した差分回数B(35回)となる。
上記の際、突然時短遊技状態Aの最終遊技回では、図柄表示装置75において放出用演出が実行された後、突然時短遊技状態の開始演出が実行される。これにより、ストックされていた時短遊技状態の発動が報知される。なお、本変形例では、突然時短遊技状態Bへの移行前において当該状態Bの留保(ストック)発生が明示されないため、放出用演出に代えて突然時短遊技状態Aの終了演出が実行され、その後、突然時短遊技状態Bの開始演出が実行されてもよい。
突然時短遊技状態Bへの移行後、35回目の特図遊技回において特図当否抽選の結果が通常外れ結果となり、その確定表示の開始タイミング(タイミングt8)になると、突然時短遊技状態Bが終了する。この場合、図柄表示装置75では時短遊技状態の終了演出が実行される。
以上詳述した本変形例によれば、以下の優れた効果を奏することができる。
複数の留保時短用エリア562a~562cを設け、時短遊技状態の留保を複数行うことが可能な構成とした。複数の留保が行われた場合、それら留保された時短遊技状態について順次に移行が果たされるため、多くの留保を生じさせるほど遊技者にとって有利になる。これにより、留保が生じるか否かだけでなく、いくつ留保できるかについても遊技者を楽しませることができ、興趣性を好適に高めることが可能になる。
突然時短遊技状態(留保が可能な時短遊技状態)の種別数に対応した数の留保時短用エリア562a~562cを設け、留保数の上限数を上記種別数と同数に設定した。この場合、留保数が多大となって処理負荷の増大や記憶領域の逼迫を招いたりすることを抑制しながら、全ての突然時短遊技状態を同時に留保可能とすることができる。
時短遊技状態である状況で特殊外れ結果となった場合に、当該結果に基づく留保時短の上限回数に対応するカウンタ値を留保時短用エリア562にセットし、遊技回が実行されるごとに、留保時短用エリア562のカウンタ値を実行時短用エリア561のカウンタ値とともに更新する構成とした。この場合、実行中の時短遊技状態の残り回数と留保状態の時短遊技状態の残り回数とを並行して更新することができ、それら両時短遊技状態の残り回数を同時に管理することが可能になる。
特に留保された時短遊技状態について移行後の残り回数を差分回数とする構成において複数の留保を許容すると、それぞれの留保時短において移行タイミングが異なるため、差分回数が多様化し、その導出処理が複雑化することが懸念される。この点、本構成であることで、各留保時短の差分回数を簡単に導出することが可能になる。
留保時短用エリア562で更新されるカウンタ値の更新結果が終了値となり、残り回数が0となることに応じて、当該カウンタ値が対応する留保時短の留保状態を終了させる構成とした。この場合、特殊外れ結果への当選時に滞在していた時短遊技状態の残り回数よりも、当該当選に対応する留保時短の残り回数(本来の上限回数)が少ない場合には、当該留保時短への移行を実施させずに留保状態を自動解除することができる。よって、特殊外れ結果への当選時において滞在時短の残り回数と留保時短の残り回数との比較や、その結果に基づく留保の有無判断を要することなく、留保時短用エリア562のカウンタ値をセットすることができ、処理構成を簡単化することが可能になる。
複数の留保時短用エリア562a~562cを特殊外れ結果の当選順に対応させ、滞在時短が終了することに応じて、最も早い当選順に対応する第1留保時短用エリア562aのカウンタ値を滞在時短の残り回数を管理するための実行時短用エリア561にシフトさせる構成とした。このような構成であることにより、複数の留保が行われた場合において、それら留保の発生順に対応する順番で各留保時短への移行を順次に実行することができる。すなわち、留保の順番がそのまま移行の順番に反映されるため、第2作動口63への入賞期待値が高い時短遊技状態を早い順番で留保させることで、特図当否抽選を受けやすく且つ持ち球の減りも抑えやすい状態を早く到来させることができ、遊技者が有利に遊技を進めることが可能になる。つまり、留保される時短遊技状態の順番によって、その後の遊技の展開に差異が生じるため、どのような順番で留保が発生するかに対しても遊技者を注目させることができ、興趣性を高めることが可能になる。
時短遊技状態である状況で特殊外れ結果となった場合において、特殊リーチ外れA演出を実行して特殊外れ結果になったことを報知するものの、留保された突然時短遊技状態の種別については遊技者が認識不可又は認識困難な構成とした。このような構成とすることで、移行順に関する規則性を遊技者が仮に知っていたとしても、実際の移行順を分かりにくくすることができ、いずれの時短遊技状態に移行するのかを予測して楽しませることが可能になる。
留保時短がない状態で特殊外れ結果となった場合に特殊リーチ外れA演出を実行して特殊外れ結果になったことを報知する一方で、留保時短がある状態で特殊外れ結果となった場合は完全外れ演出又は特殊リーチ外れB演出を実行して特殊外れ結果になったことを報知しない構成とした。すなわち、2回目以降の留保発生については非報知の状態とされるため、複数の留保が発生したこと自体、遊技者が分からないようにすることができ、留保の数や移行順を予測して楽しませることが可能になる。
<変形例4>
上記第3の実施の形態の変形例4について図269~図274を参照しながら説明する。これらの図において第3の実施の形態と同様の構成については同一の符号を付し、その説明を省略する。
上記変形例3では、突然時短遊技状態の留保上限数が突然時短遊技状態の種別数と同数となるように構成したが、本変形例では、突然時短遊技状態の留保可能数が突然時短遊技状態の種別数よりも多い数となるように構成されている。以下、本変形例の構成について詳細について説明する。なお、本変形例に係る突然時短遊技状態は上記変形例3に係る突然時短遊技状態と同様である。
<各種カウンタエリア314dについて>
本変形例に係るRAM314の各種カウンタエリア314dについて図269を参照しながら説明する。図269(a)に示すように、上記各種カウンタエリア314dには、時短遊技状態の残り回数をカウントするための領域として時短遊技状態用カウンタエリア560が設定されている。時短遊技状態用カウンタエリア560には、滞在中の時短遊技状態における残り回数をカウントするための実行時短用エリア561と、留保中の時短遊技状態における残り回数をカウントするための留保時短用エリア562とが設けられている。
留保時短用エリア562には複数のカウンタエリアが設定されている。詳しくは、突然時短遊技状態の種別数(3)より多い数のカウンタエリアが設定され、具体的には第1留保時短用エリア562a~第10留保時短用エリア562jを有する10個のカウンタエリアが設定されている。なお、カウンタエリアの数は10個に限定されるものではなく、突然時短遊技状態の種別数より多い数であれば他の数であってもよい。
また、図269(b)に示すように、RAM314には発生順情報記憶エリア565が設けられている。発生順情報記憶エリア565には、留保時短用エリア562のエリア数と同数の第1エリア565a~第10エリア565jが設定されており、これら第1エリア565a~第10エリア565jは特殊外れ結果の当選順(留保時短の発生順)に対応している。具体的には、第1エリア565aが最も早い当選順に対応し、第10エリア565jが最も遅い当選順に対応している。
<留保用処理>
本変形例に係る留保用処理について図270のフローチャートを参照しながら説明する。この処理は、主制御装置162による突然時短遊技状態の移行判定用処理(図261)のステップSc4301で実行されるものであり、図262の留保用処理に代えて実行されるものである。
先ずステップSc5101では、RAM314の各種フラグ格納エリア314eにいずれかの留保用フラグがセットされているか否かを判定する。本変形例では、突然時短遊技状態A~Cに対応して留保用フラグA~Cが設定されており、例えば、留保用フラグCが上記各種フラグ格納エリア314eにセットされている場合には突然時短遊技状態Cの留保中であることを示すものとなっている。
いずれの留保用フラグもセットされていない場合、すなわち、突然時短遊技状態の留保中でない場合は、ステップSc5102に進み、今回の特殊外れ結果に対応する留保用フラグを上記各種フラグ格納エリア314eにセットする。例えば、今回の特殊外れ結果が特殊外れ結果Aである場合は留保用フラグAをセットする。
ステップSc5103では、RAM314の各種カウンタエリア314dにおける留保時短用エリア562に、今回の特殊外れ結果が対応する突然時短遊技状態の上限回数に対応する値をセットする。より詳しくは、第1留保時短用エリア562a~第10留保時短用エリア562jのうち空き領域となっているエリアの最上位エリアに上記値をセットする。ステップSc5101で否定判定した状況(突然時短遊技状態の留保中でない状況)で本ステップの処理を実行する場合、すべてのエリアが空き領域となっているため、第1留保時短用エリア562aに上記値をセットする。
ステップSc5104では、今回の特殊外れ結果についてその発生順を記憶する。本ステップでは、発生順情報記憶エリア565の第1エリア565a~第10エリア565jのうち空き領域となっているエリアの最上位エリアに今回の特殊外れ結果の種別に対応した種別情報を記憶する。ステップSc5101で否定判定した状況(突然時短遊技状態の留保中でない状況)で本ステップの処理を実行する場合、すべてのエリアが空き領域となっているため、第1エリア565aに上記種別情報を記憶する。
ステップSc5105では、演出制御装置143への送信対象として留保コマンドを設定し、その後、留保用処理を終了する。留保コマンドは時短遊技状態の留保が発生したことを通知するものであり、当該コマンドには留保状態とされた時短遊技状態の種別を示す情報が含まれる。
ステップSc5101で肯定判定した場合(いずれかの留保用フラグがセットされている場合)、すなわち、突然時短遊技状態の留保状態である場合は、ステップSc5106に進み、上記留保時短用エリア562の第1留保時短用エリア562a~第10留保時短用エリア562jにおいて空き領域のエリアが存在するか否かを判定する。空き領域のエリアが存在する場合は、ステップSc5102に進み、今回の特殊外れ結果に対応する留保用フラグを上記各種フラグ格納エリア314eにセットする。
ステップSc5103では、第1留保時短用エリア562a~第10留保時短用エリア562jにおいて空き領域のエリアのうち最上位のエリアに上限回数に対応する値をセットする。例えば、第6留保時短用エリア562f~第10留保時短用エリア562jが空き領域となっている場合は第6留保時短用エリア562fに上記値をセットする。
ステップSc5104では、発生順情報記憶エリア565の第1エリア565a~第3エリア565cにおいて空き領域のエリアのうち最上位のエリアに今回の特殊外れ結果の種別に対応した種別情報を記憶する。
ステップSc5106で否定判定した場合(空き領域のエリアが存在しない場合)は、ステップSc5102~ステップSc5105の処理を実行することなく留保用処理を終了する。すなわち、突然時短遊技状態の留保数が既に留保上限値に到達している場合は、今回の特殊外れ結果に対応した突然時短遊技状態の留保を実行しない。
本変形例において変動表示時間の設定処理は、上記変形例3に係る変動表示時間の設定処理(図263)と同様である。
<高頻度サポートモード更新用処理>
本変形例に係る高頻度サポートモード更新用処理について図271のフローチャートを参照しながら説明する。この処理は、変動開始処理(図222)のステップSc710で実行されるものであり、図264の高頻度サポートモード更新用処理に代えて実行されるものである。図271において図264と同様の処理については同一のステップ番号を付し、その説明を省略又は簡略化する。
ステップSc4602で否定判定した場合(実行時短用エリア561のカウンタ値SCが「0」でない場合)又はステップSc1305(時短終了用フラグのセット)の実行後は、ステップSc4603にて、RAM314の各種フラグ格納エリア314eにいずれかの留保用フラグがセットされているか否かを判定する。いずれかの留保用フラグがセットされている場合、すなわち、突然時短遊技状態の留保中である場合は、ステップSc4604に進み、上記各種カウンタエリア314dに設けられた留保時短用エリア562のカウンタ値YCを更新する。
ステップSc4605では、ステップSc4604でカウンタ値YCを更新したエリアのうち更新後の値が「0」となったエリアがあるか否かを判定する。更新後の値が「0」となったエリアがある場合は、ステップSc5201に進み、更新後の値が「0」となったエリアの突然時短遊技状態と同種の時短遊技状態を留保中であるか否かを判定する。例えば、第4留保時短用エリア562dに突然時短遊技状態Cの上限回数がセットされた状態において、当該エリア562dのカウンタ値YCがステップSc4604の更新により「0」になった場合は、発生順情報記憶エリア565を参照し、他の留保として突然時短遊技状態Cの留保が存在するか否かを判定する。
同種の時短遊技状態を留保中でない場合は、ステップSc4606に進み、そのエリアに対応する突然時短遊技状態の留保用フラグをクリアする。上記の例であれば、突然時短遊技状態Cに対応する留保用フラグCをクリアする。これにより、突然時短遊技状態Cの留保が終了する。
ステップSc4606の実行後又はステップSc5201で肯定判定した場合(同種の時短遊技状態を留保中である場合)は、ステップSc4607にて、留保が終了した突然時短遊技状態の種別情報が削除されるように発生順情報記憶エリア565の情報を更新する。続くステップSc4608では、留保時短用エリア562において更新後のカウンタ値YCが「0」となったエリアよりも下位のエリアについてカウンタ値を上位のエリアにシフトさせる。ステップSc4608の実行後は高頻度サポートモード更新用処理を終了する。
<突然時短遊技状態の第2移行用処理>
本変形例に係る突然時短遊技状態の第2移行用処理について図272を参照しながら説明する。この処理は、突然時短遊技状態の第1移行用処理(図265)のステップSc4703で実行されるものであり、図266の突然時短遊技状態の第2移行用処理に代えて実行されるものである。図272において図266と同様の処理については同一のステップ番号を付し、その説明を省略又は簡略化する。
先ずステップSc4801では、RAM314の各種フラグ格納エリア314eにいずれかのサポートフラグがセットされているか否かを判定する。突然時短遊技状態の第2移行用処理は突然時短遊技状態が留保されている場合に実行されるものであるところ(ステップSc4701でYES)、かかる留保は時短遊技状態への滞在中に生じるため、ステップSc4801の処理は、実質的に滞在中の時短遊技状態が終了したか否かを判定するものとなる。
いずれのサポートフラグもセットされていない場合、すなわち、滞在中の時短遊技状態が終了した場合は、ステップSc4802にて最先の留保時短を把握する。具体的には、RAM314の発生順記憶エリア565における第1エリア565aに記憶されている種別情報を読み出して最初に当選した特殊外れ結果の種別を把握し、その把握した種別に対応する突然時短遊技状態を特定する。ステップSc4803では、ステップSc4802で把握した留保時短に対応するサポートBフラグを上記各種フラグ格納エリア314eにセットする。
ステップSc4804では、RAM314の各種カウンタエリア314dに設けられた第1留保時短用エリア562aのカウンタ値YCを実行時短用エリア561にシフトさせる。ここで、第1留保時短用エリア562aのカウンタ値は、滞在中の時短遊技状態において実行時短用エリア561のカウンタ値SCとともに更新され、特図遊技回ごとに1ずつ減算されている。よって、上記シフトが行われるときのカウンタ値YCは、滞在中の時短遊技状態において特殊外れ結果に当選した際の残り回数を、当該当選を契機として留保された突然時短遊技状態の本来の上限回数から差し引いたものとなる。つまり、上記第3の実施の形態や変形例1等における差分回数と同様のものとなる。ステップSc4805では、第2留保時短用エリア562b~第10留保時短用エリア562jのカウンタ値YCをそれぞれ上位エリアにシフトさせる。
ステップSc5301では、ステップSc4802で把握した留保時短と同種の時短遊技状態を留保中であるか否かを判定する。例えば、ステップSc4802で把握した留保時短が突然時短遊技状態Bである場合は、発生順情報記憶エリア565を参照し、他の留保として突然時短遊技状態Bの留保が存在するか否かを判定する。
同種の時短遊技状態を留保中でない場合は、ステップSc4806に進み、上記各種フラグ格納エリア314eにセットされている留保用フラグのうち、ステップSc4802で把握した留保時短に対応する留保用フラグをクリアする。
ステップSc4806の実行後又はステップSc5301で肯定判定した場合(同種の時短遊技状態を留保中である場合)は、ステップSc4807にて、発生順情報記憶エリア565の情報を更新する。具体的には、第1エリア565aの種別情報を削除し、第2エリア565b以降の種別情報をそれぞれ上位エリアにシフトさせる。
<終了用演出設定処理>
本変形例に係る終了用演出設定処理について図273のフローチャートを参照しながら説明する。この処理は、演出制御装置143による演出設定処理(図242)のステップSc2509で実行されるものであり、図249(a)の終了用演出設定処理に代えて実行されるものである。図273において図249(a)と同様の処理については同一のステップ番号を付し、その説明を省略又は簡略化する。
なお、終了用演出設定処理は、主制御装置162から時短遊技状態終了コマンドを受信した場合に実行されるものであり、時短遊技状態の終了に合わせて実行されるものである。
ステップSc3101では、突然時短遊技状態の留保中であるか否かを判定する。留保中である場合は、ステップSc5401に進み、終了する今回の時短遊技状態(終了時短)と移行する次回の時短遊技状態(移行時短)とが同種の時短遊技状態であるか否かを判定する。例えば、主制御装置162にて終了処理が実行される今回の時短遊技状態が突然時短遊技状態Aである場合には、最先の留保時短として移行が実施される時短遊技状態が突然時短遊技状態Aであるか否かを判定する。この判定は、例えば主制御装置162からの時短遊技状態終了コマンド及び留保コマンドに含まれる時短遊技状態の種別情報を参照することで行うことができる。
終了時短と移行時短とが同種の時短遊技状態である場合は、ステップSc5402に進み、残り回数の上乗せ演出を実行するように設定する。ここで、当該上乗せ演出について図274を参照しながら説明する。
上記上乗せ演出を行うにあたっては、図274(a)に示すように、滞在時短の最終遊技回において図柄表示装置75の表示画面Gに図柄列Z1~Z3を外れ結果の組み合わせで停止表示させる。この場合の停止表示は、特殊な停止形態を取るものではなく、外れ結果を報知するものとして、滞在時短における他の特図遊技回と同様に各図柄列Z1~Z3を順番に停止表示させるものである。
各図柄列Z1~Z3を停止表示させた後、図274(b)に示すように、それら図柄列Z1~Z3を停止表示させた特図遊技回にて、例えば「+30回!!」等の文字からなる上乗せ画像581を表示する。これにより、時短遊技状態の残り回数が追加されたことが遊技者に報知される。なお、上乗せ画像581により報知される上乗せ回数は、差分回数(例えば30回)に対応した回数である。
上乗せ画像581は、確定表示時間の一部又は全部を利用して表示してもよいし、変動表示時間(変動表示時間の一部)と確定表示時間(確定表示時間の一部又は全部)とを跨いで表示してもよい。その際、停止表示された図柄列Z1~Z3の画像を消去した上で上乗せ画像581を表示してもよいし、図柄列Z1~Z3の画像を消去せず、図柄列Z1~Z3の手前側に上乗せ画像581が配置されるようにして表示してもよい。
ステップSc5402の実行後はステップSc5403にて、残り回数カウンタエリアの値に差分回数に対応した値を加算する。これにより、次の突然時短遊技状態に移行した後の遊技では、図274(c)に示すように、加算分が反映された残り回数画像523が表示される。
ステップSc5403の実行後は終了用演出設定処理を終了する。また、ステップSc5401で否定判定した場合(終了時短と移行時短とが同種の時短遊技状態でない場合)は、ステップSc3106にて放出用演出の設定処理を実行し、その後、終了用演出設定処理を終了する。
<時短遊技状態中に特殊外れ結果になった場合の流れについて>
時短遊技状態中に特殊外れ結果になった場合の流れについて説明する。本変形例では、突然時短遊技状態の留保可能数が突然時短遊技状態の種別数よりも多い数に設定されている。このため、時短遊技状態への滞在中において同種の特別外れ結果に複数回当選した場合、それら各当選に対応する突然時短遊技状態がそれぞれ留保される。すなわち、同種の突然時短遊技状態について複数留保することができる。
また、本変形例では、時短遊技状態中に特殊外れ結果になった場合に、その種別と当選順を認識できるようにして発生順情報記憶エリア565に情報が記憶され、留保時短の移行が実施される場合は、その記憶された当選順(留保時短の発生順)に従って当該移行が実施される。このため、滞在中の時短遊技状態が終了する場合において、その終了する時短遊技状態と、その直後に移行が実施される留保状態の時短遊技状態との種別が同じとなる事象が生じ得る。そのような場合、図柄表示装置75では上乗せ演出(図274)が実行される。これにより、滞在中の時短遊技状態が延長されたかのような印象を遊技者に与えることができる。
なお、終了時短と移行時短との種別が異なる場合は、上記第3の実施の形態や変形例1等の場合と同様に、放出用演出が実行される。その後、突然時短遊技状態の開始演出が実行され、ストックされていた時短遊技状態の発動が報知される。
<変形例5>
上記第3の実施の形態の変形例5について図275~図282を参照しながら説明する。これらの図において第3の実施の形態と同様の構成については同一の符号を付し、その説明を省略する。
上記変形例3及び変形例4では、時短遊技状態中に発生した複数の留保時短についてその発生順に対応する順番で移行を実施する構成としたが、本変形例では、それとは異なる順番で移行を実施するように構成されている。なお、突然時短遊技状態の留保上限数は、上記変形例3と同様に突然時短遊技状態の種別数と同数に設定されている。以下、本変形例の構成について詳細に説明する。
<突然時短遊技状態について>
本変形例に係る突然時短遊技状態は、上記変形例2に係る突然時短遊技状態(図256(a))と同様になっている。図256(a)を援用して説明すると、本変形例に係る突然時短遊技状態A~Cは第2作動口63への入賞期待値が異なるものとなっており、具体的には、突然時短遊技状態C<突然時短遊技状態B<突然時短遊技状態Aの順で入賞期待値が高くなるように構成されている。なお、入賞期待値をこのような関係とするための構成例については上記変形例2で述べたため、説明を省略する。
また、突然時短遊技状態A~Cの上限回数は共通となっており、例えば100回に設定されている。なお、上限回数を共通化させることは必須の構成ではなく、上記変形例3のように突然時短遊技状態A~Cで上限回数が相違する構成としてもよい。
<各種カウンタエリア314dについて>
本変形例に係るRAM314の各種カウンタエリア314dについて図275を参照しながら説明する。図275(a)に示すように、上記各種カウンタエリア314dには、時短遊技状態の残り回数をカウントするための領域として時短遊技状態用カウンタエリア610が設定されている。この時短遊技状態用カウンタエリア610には、滞在中の時短遊技状態における残り回数をカウントするための実行時短用エリア611と、留保中の時短遊技状態における残り回数をカウントするための留保時短用エリア612とが設けられている。
留保時短用エリア612には複数のカウンタエリアが設定され、具体的には、突然時短遊技状態の種別数に対応した数のカウンタエリアが確保されている。すなわち、第1留保時短用エリア612a、第2留保時短用エリア612b、第3留保時短用エリア612cからなる3つのカウンタエリアが設定された状態となっている。
これら各留保時短用エリア612a~612cには、図275(b)に示すように、突然時短遊技状態の種別が対応付けられている。具体的には、第1留保時短用エリア612aは突然時短遊技状態A用のカウンタエリアとなっており、第2留保時短用エリア612bは突然時短遊技状態B用のカウンタエリアとなっており、第3留保時短用エリア612cは突然時短遊技状態C用のカウンタエリアとなっている。
また、各留保時短用エリア612a~612cには優先度が設定されている。図275(b)では数値が小さいほど優先度が高いことを示しており、突然時短遊技状態C用の第3留保時短用エリア612c<突然時短遊技状態B用の第2留保時短用エリア612b<突然時短遊技状態A用の第1留保時短用エリア612aの順で順位が高くなるように優先度が設定されている。
各留保時短用エリア612a~612cに対する時短遊技状態の種別の対応付けや優先度の設定を行うための構成は特に限定されるものではないが、例えば、そのような対応付けや優先度の情報をROM313の所定領域に記憶したり、制御プログラムに組み込んだりすることで行うことができる。
なお、上記構成は、第1留保時短用エリア612a~第3留保時短用エリア612c(各種カウンタエリア314dの記憶領域)に優先度を設定するものであるが、これら各エリアは突然時短遊技状態の種別と1対1で対応しているため、突然時短遊技状態A~Cについて優先度を設定したものということもできる。
<突然時短遊技状態の移行判定用処理>
本変形例に係る突然時短遊技状態の移行判定用処理について図276(a)のフローチャートを参照しながら説明する。この処理は、主制御装置162による変動開始処理(図222)のステップSc711で実行されるものであり、図227(a)の突然時短遊技状態の移行判定用処理に代えて実行されるものである。図276(a)において図227(a)と同様の処理については同一のステップ番号を付し、その説明を省略又は簡略化する。
先ずステップSc1401では、今回の特図当否抽選の結果が特殊外れ結果であるか否かを判定する。特図当否抽選の結果が特殊外れ結果である場合は、ステップSc1402に進み、上記各種フラグ格納エリア314eにいずれかのサポートフラグがセットされているか否かを判定する。いずれのサポートフラグもセットされていない場合、すなわち、現在の遊技状態が通常遊技状態である場合は、ステップSc1403にて、上記各種フラグ格納エリア314eに突然時短開始用フラグをセットする。
ステップSc1402で肯定判定した場合(いずれかのサポートフラグがセットされている場合)、すなわち、現在の遊技状態が通常時短遊技状態又は突然時短遊技状態である場合は、ステップSc6101にて留保用処理を実行し、その後、突然時短遊技状態の移行判定用処理を終了する。留保用処理は、時短遊技状態の途中で特殊外れ結果になった場合に、その特殊外れ結果が対応する突然時短遊技状態を留保状態とするための処理である。
<留保用処理>
ステップSc6101の留保用処理について図277(a)のフローチャートを参照しながら説明する。
先ずステップSc6201では、RAM314の各種フラグ格納エリア314eにいずれかの留保用フラグがセットされているか否かを判定する。本変形例では、突然時短遊技状態A~Cに対応して留保用フラグA~Cが設定されており、例えば、留保用フラグCが上記各種フラグ格納エリア314eにセットされている場合には突然時短遊技状態Cの留保中であることを示すように構成されている。
いずれの留保用フラグもセットされていない場合、すなわち、留保時短が存在しない場合は、ステップSc6202に進み、今回の特殊外れ結果に対応する留保用フラグを上記各種フラグ格納エリア314eにセットする。例えば、今回の特殊外れ結果が特殊外れ結果Aである場合は留保用フラグAをセットする。
ステップSc6203では、RAM314の各種カウンタエリア314dにおける留保時短用エリア612に今回の特殊外れ結果が対応する突然時短遊技状態の上限回数に対応する値をセットする。具体的には、第1留保時短用エリア612a~第3留保時短用エリア612cのうち今回の特殊外れ結果が対応する突然時短遊技状態用のエリアに上記値をセットする。例えば、今回の特殊外れ結果が特殊外れ結果Cである場合は、図276(b)に示すように、突然時短遊技状態C用の第3留保時短用エリア612cに突然時短遊技状態Cの上限回数(例えば100回)に対応する値をセットする。
ステップSc6204では、演出制御装置143への送信対象として留保コマンドを設定し、その後、留保用処理を終了する。留保コマンドは時短遊技状態の留保が発生したことを通知するものであり、当該コマンドには留保状態とされた時短遊技状態の種別を示す情報が含まれる。
ステップSc6201で肯定判定した場合(いずれかの留保用フラグがセットされている場合)、すなわち、留保時短が存在する場合は、ステップSc6205に進み、今回の特殊外れ結果が対応する突然時短遊技状態と同種の時短遊技状態を留保中であるか否かを判定する。本ステップでは、RAM314の各種フラグ格納エリア314eを参照し、今回の特殊外れ結果の種別に対応した留保用フラグが既にセットされている状況であれば、同種の時短遊技状態を留保中であると認識する。
同種の時短遊技状態を留保中でない場合は、ステップSc6202~ステップSc6204の処理を実行する。すなわち、今回の特殊外れ結果に対応する留保用フラグを上記各種フラグ格納エリア314eにセットするとともに、第1留保時短用エリア612a~第3留保時短用エリア612cのうち対応するエリアに今回の特殊外れ結果が対応する突然時短遊技状態の上限回数に対応する値をセットする。
ステップSc6205で肯定判定した場合(同種の時短遊技状態を留保中である場合)は、ステップSc6206に進み、対応する留保時短用エリア612の値を書き換える。すなわち、対応する留保時短用エリア612のカウンタ値として上限回数に対応する値を再セットする。例えば、突然時短遊技状態Cを留保中である状況で今回の特殊外れ結果が特殊外れ結果Cとなった場合は、図277(b1),(b2)に示すように、第3留保時短用エリア612cのカウンタ値を上限回数に対応した値に変更する。これにより、留保状態とされている突然時短遊技状態Cの残り回数が増大され、換言すれば、突然時短遊技状態Cの留保可能期間が延長される。ステップSc6206の実行後は留保用処理を終了する。
<変動表示時間の設定処理>
本変形例に係る変動表示時間の設定処理は上記変形例3に係る変動表示時間の設定処理と同様になっている。図263を参照して説明すると、いずれの留保用フラグもセットされていない場合(ステップSc4502で否定判定した場合)、すなわち、突然時短遊技状態の留保中でない状況で特殊外れ結果となった場合は、今回の変動表示時間テーブルとして特殊外れ用の変動表示時間テーブルA(図232(b))を取得する。この変動表示時間テーブルAには選択可能な変動パターンとして変動パターンZ1(特殊リーチ外れA演出)のみが設定されており、特殊リーチ外れA演出の実行に対応した変動パターンが選択されるように変動表示時間の抽選処理(ステップSc1607)が実行される。
また、いずれかの留保用フラグがセットされている場合(ステップSc4502で肯定判定した場合)、すなわち、突然時短遊技状態の留保中である状況で特殊外れ結果となった場合は、今回の変動表示時間テーブルとして特殊外れ用の変動表示時間テーブルB(図232(c))を取得する。この変動表示時間テーブルBには選択可能な変動パターンとして変動パターン21H(完全外れ演出)又は変動パターンZ2(特殊リーチ外れB演出)が設定されており、完全外れ演出又は特殊リーチ外れB演出に対応した変動パターンが選択されるように変動表示時間の抽選処理(ステップSc1607)が実行される。
なお、突然時短遊技状態の留保中である状況で特殊外れ結果となる場合には、今回の特殊外れ結果が対応する突然時短遊技状態と同種の時短遊技状態が留保されておらず、その特殊外れ結果が対応する突然時短遊技状態が留保される場合と、今回の特殊外れ結果が対応する突然時短遊技状態と同種の時短遊技状態が既に留保されており、対応する留保時短用エリア612に上限回数に対応する値が再セットされる場合とがある。本変形例では、そのいずれの場合も上記変動表示時間テーブルBを用いて変動表示時間(変動パターン)の抽選が行われる。すなわち、時短遊技状態への滞在中において最初の特殊外れ結果への当選については、図柄表示装置75にて特殊リーチ外れA演出が実行され、特殊外れ結果になったことが明示されるものの、2度目以降の当選については図柄表示装置75にて完全外れ演出又は特殊リーチ外れB演出が実行され、特殊外れ結果になったことが非明示とされる。
<高頻度サポートモード更新用処理>
本変形例に係る高頻度サポートモード更新用処理について図278のフローチャートを参照しながら説明する。この処理は、変動開始処理(図222)のステップSc710で実行されるものであり、図226の高頻度サポートモード更新用処理に代えて実行されるものである。図278において図226と同様の処理については同一のステップ番号を付し、その説明を省略又は簡略化する。
ステップSc1302で肯定判定した場合(いずれかのサポートフラグがセットされている場合)、すなわち、現在の遊技状態が時短遊技状態(通常時短遊技状態又は突然時短遊技状態)である場合は、ステップSc6301に進み、RAM314の各種カウンタエリア314dに設けられた実行時短用エリア561のカウンタ値SCを更新する。具体的には、カウンタ値SCを1減算する。これにより、滞在中の時短遊技状態の残り回数が1減算される。この場合の残り回数は、その時短遊技状態に滞在することが可能な特図遊技回の残回数ということができる。
ステップSc6302では、更新後のカウンタ値SCが「0」であるか否かを判定する。カウンタ値SCが「0」である場合、すなわち、滞在中の時短遊技状態での遊技回の実行回数が上限回数に到達している場合には、ステップSc1305に進み、上記各種フラグ格納エリア314eに時短終了用フラグをセットする。
ステップSc1305の実行後又はステップSc6302で否定判定した場合(カウンタ値SCが「0」でない場合)は、ステップSc6303にて、上記各種フラグ格納エリア314eにいずれかの留保用フラグがセットされているか否かを判定する。いずれかの留保用フラグがセットされている場合、すなわち、突然時短遊技状態の留保中である場合は、ステップSc6304に進み、上記各種カウンタエリア314dに設けられた留保時短用エリア612のカウンタ値YCを更新する。
ステップSc6304について詳しくは、第1留保時短用エリア612a~第3留保時短用エリア612cのうち上限回数がセットされているエリア(値が「0」でないエリア)を対象としてカウンタ値YCを1減算する。例えば、カウンタ値YCが「0」ではないエリアとして第1留保時短用エリア612a及び第2留保時短用エリア612bが存在する場合は、それら各エリアについてそれぞれカウンタ値YCを更新する。これにより、留保中の各時短遊技状態についてその残り回数が1減算される。なお、ステップSc6304の実行タイミングにて既にカウンタ値が「0」となっているエリア(上記例では第3留保時短用エリア612c)についてはカウンタ値YCを「0」のままで維持する。
ステップSc6305では、ステップSc6304でカウンタ値YCを更新したエリアのうち更新後の値が「0」となったエリアがあるか否かを判定する。更新後の値が「0」となったエリアがある場合は、ステップSc6306に進み、そのエリアに対応する突然時短遊技状態の留保用フラグをクリアする。
例えば、第1留保時短用エリア562aのカウンタ値を更新した結果、その値が「0」になった場合には、突然時短遊技状態Aに対応する留保用フラグAをクリアする。これにより、突然時短遊技状態Aの留保が終了する。なお、カウンタ値YCが「0」になることで留保状態が終了する点において、上記ステップSc6304で更新されるカウンタ値YC(留保時短の残り回数)は、留保状態を継続することが可能な特図遊技回の残回数ということができる。ステップSc6306の実行後は高頻度サポートモード更新用処理を終了する。
ステップSc6303で否定判定した場合(いずれの留保用フラグもセットされていない場合)は、留保時短用エリアを更新する必要がないため、ステップSc6304以降の処理を実行することなく高頻度サポートモード更新用処理を終了する。また、ステップSc6305で否定判定した場合(更新後の値が「0」となったエリアがない場合)は、留保中の突然時短遊技状態について留保を継続するとしてステップSc6306の処理を実行することなく高頻度サポートモード更新用処理を終了する。
<突然時短遊技状態の第1移行用処理>
本変形例に係る突然時短遊技状態の第1移行用処理について図279のフローチャートを参照しながら説明する。この処理は、特図遊技回制御処理(図220)のステップSc511で実行されるものであり、図235の突然時短遊技状態の第1移行用処理に代えて実行されるものである。図279において図235と同様の処理については同一のステップ番号を付し、その説明を省略又は簡略化する。
先ずステップSc6401では、RAM314の各種フラグ格納エリア314eにいずれかの留保用フラグがセットされているか否かを判定する。いずれの留保用フラグもセットされていない場合、すなわち、突然時短遊技状態の留保中でない場合は、ステップSc1802に進み、上記各種フラグ格納エリア314eに突然時短開始用フラグがセットされているか否かを判定する。
突然時短開始用フラグがセットされている場合、すなわち、突然時短遊技状態に移行すべき状況である場合は、ステップSc1803に進み、その種別に対応したサポートBフラグを上記各種フラグ格納エリア314eにセットする。例えば、移行すべき突然時短遊技状態が突然時短遊技状態Aである場合はサポートB1フラグをセットする。
ステップSc6402では、RAM314の各種カウンタエリア314dに設けられた実行時短用エリア611に上限回数に対応する値をセットする。実行時短用エリア611は、滞在中の時短遊技状態における残り回数をMPU312が把握するためのカウンタ領域である。ステップSc1805では、上記各種フラグ格納エリア314eにセットされている突然時短開始用フラグをクリアし、ステップSc1806では、演出制御装置143への送信対象として突然時短遊技状態開始コマンドを設定する。
ステップSc6401で肯定判定した場合(いずれかの留保用フラグがセットされている場合)、すなわち、突然時短遊技状態の留保中である場合は、ステップSc6403にて突然時短遊技状態の第2移行用処理を実行する。突然時短遊技状態の第2移行用処理は、留保状態とされていた突然時短遊技状態について移行を実施するための処理である。
<突然時短遊技状態の第2移行用処理>
ステップSc6403の突然時短遊技状態の第2移行用処理について図280(a)のフローチャートを参照しながら説明する。
先ずステップSc6501では、RAM314の各種フラグ格納エリア314eにいずれかのサポートフラグがセットされているか否かを判定する。突然時短遊技状態の第2移行用処理は突然時短遊技状態が留保されている場合に実行されるものであるところ(ステップSc6401でYES)、かかる留保は時短遊技状態への滞在中に生じるため、ステップSc6501の処理は、実質的に滞在中の時短遊技状態が終了したか否かを判定するものとなる。
いずれのサポートフラグもセットされていない場合、すなわち、滞在中の時短遊技状態が終了した場合は、ステップSc6502に進み、留保状態の突然時短遊技状態のうち最上位の優先度に対応する突然時短遊技状態を把握する。具体的には、RAM314の各種カウンタエリア314dに設けられた第1留保時短用エリア612a~第3留保時短用エリア612cにおいて、そのカウンタ値が「0」でないエリア(残り回数をカウント中のエリア)を対象として優先度が最も高いエリアを把握し、その把握したエリアに対応する突然時短遊技状態を最上位の優先度に対応する突然時短遊技状態として特定する。例えば、第2留保時短用エリア612b及び第3留保時短用エリア612cにてカウンタ値が「0」でない場合であれば、優先度が上位の第2留保時短用エリア612bに対応する突然時短遊技状態Bを優先度が最も高い突然時短遊技状態として特定する。
なお、留保用フラグに優先度を設定しておき、その優先度に基づいて最上位の優先度に対応する突然時短遊技状態を把握する構成としてもよい。例えば、留保用フラグA~Cに対して第1留保時短用エリア612a~第3留保時短用エリア612cと同順位の優先度を設定しておき、上記各種フラグ格納エリア314eにセットされている留保用フラグのうちから最上位の優先度が設定された留保用フラグを把握することで、最上位の優先度に対応する突然時短遊技状態を特定することができる。
ステップSc6503では、ステップSc6502で把握した突然時短遊技状態に対応するBフラグを上記各種フラグ格納エリア314eにセットする。例えば、把握した突然時短遊技状態が突然時短遊技状態Bである場合はサポートB2フラグをセットする。
ステップSc6504では、第1留保時短用エリア612a~第3留保時短用エリア612cにおいてそのカウンタ値が「0」でないエリアを対象とし、優先度が最も高いエリアのカウンタ値を実行時短用エリア611にシフトさせる。例えば、図280(b)に示すように、第2留保時短用エリア612b及び第3留保時短用エリア612cにてカウンタ値が「0」でない場合であれば、第2留保時短用エリア612bのカウンタ値を実行時短用エリア611にシフトさせる。
このように本変形例では、滞在中の時短遊技状態が終了した場合に、その時点で留保されている突然時短遊技状態のうち最上位の優先度が設定された突然時短遊技状態のサポートBフラグがセットされるとともに、最上位の優先度が設定された留保時短用エリア612のカウンタ値が実行時短用エリア611にセットされる。すなわち、複数の突然時短遊技状態が留保されている場合、予め定められた優先度に基づいて移行の順番が決定されるものとなっている。
ここで、第2留保時短用エリア612baのカウンタ値YCは、滞在中の時短遊技状態において実行時短用エリア611のカウンタ値SCとともに更新され、特図遊技回ごとに1ずつ減算されている。よって、上記シフトが行われるときのカウンタ値YCは、滞在中の時短遊技状態において特殊外れ結果に当選した際の残り回数を、当該当選を契機として留保された突然時短遊技状態の本来の上限回数から差し引いたものとなる。つまり、上記第3の実施の形態や変形例1等における差分回数と同様のものとなる。
ステップSc6505では、上記各種フラグ格納エリア314eにセットされている留保用フラグのうち、ステップSc6502で把握した留保時短に対応する留保用フラグをクリアする。続くステップSc6506では、演出制御装置143への送信対象として突然時短遊技状態開始コマンドを設定し、その後、突然時短遊技状態の第2移行用処理を終了する。
ステップSc6501で肯定判定した場合(いずれかのサポートフラグがセットされている場合)、すなわち、時短遊技状態に滞在中である場合は、留保時短についての移行を実施しないとしてステップSc6502以降の処理を実行することなく突然時短遊技状態の第2移行用処理を終了する。
<時短遊技状態中に特殊外れ結果になった場合の流れについて>
時短遊技状態中に特殊外れ結果になった場合の流れについて図281及び図282を参照しながら説明する。ここでは、通常時短遊技状態において特殊外れ結果C、特殊外れ結果B、特殊外れ結果A、特殊外れ結果Bの順で複数回、特殊外れ結果になった場合を例示する。便宜上、通常時短遊技状態の上限回数が100回であるとして説明を行う。
通常時短遊技状態において留保時短がない状況で、例えば10回目の特図遊技回(タイミングt1)にて特殊外れ結果Cになると、留保用フラグCがセットされ、突然時短遊技状態Cが留保状態とされる(図281(b)、(c))。また、図282(a)に示すように、突然時短遊技状態Cの上限回数(例えば100回)に対応する値が時短遊技状態用カウンタエリア610の第3留保時短用エリア612cにセットされる。第3留保時短用エリア612cのカウンタ値は、滞在中の通常時短遊技状態において特図遊技回が実行されるごとに更新される(図281(d))。すなわち、上記カウンタ値(留保時短の残り回数)は、実行時短用エリア611のカウンタ値SC(滞在中の通常時短遊技状態の残り回数に対応)と並行して減数されていく。
特殊外れ結果Cになった特図遊技回では、図柄表示装置75にて特殊リーチ外れA演出が実行され、特殊外れ結果になったことが報知される。この際、特図用表示部43では特殊外れ結果Cに対応した停止結果が停止表示される。
また、特殊リーチ外れA演出の終了後、同一の遊技回にて、例えば「ストック!!」等の文字画像527と第1留保用画像528とが表示される留保用演出が実行される。留保用演出の実行により、時短遊技状態の留保(ストック)が発生したことが報知される。次の特図遊技回からは第2留保用画像529が表示され、時短遊技状態の留保中であることが報知される。
その後、例えば、上記通常時短遊技状態における30回目の特図遊技回(タイミングt2)にて特殊外れ結果Bになると、留保用フラグBがセットされ、突然時短遊技状態Bが留保状態とされる(図281(b)、(e))。また、図282(b)に示すように、突然時短遊技状態Bの上限回数(例えば100回)に対応する値が時短遊技状態用カウンタエリア610の第2留保時短用エリア612bにセットされる。第2留保時短用エリア612bのカウンタ値についても、滞在中の通常時短遊技状態において特図遊技回が実行されるごとに更新される(図281(f))。
上記の際、特殊外れ結果への当選に対応して突然時短遊技状態が留保されるものの、特殊外れ結果Bになった特図遊技回において図柄表示装置75では完全外れ演出又は特殊リーチ外れB演出が実行される。すなわち、特殊外れ結果になったことが明示されず、新たな留保が発生したことを遊技者が認識不可又は認識困難な状態とされる。なお、特図用表示部43では特殊外れ結果Bに対応した停止結果が停止表示される。
その後、例えば、上記通常時短遊技状態における60回目の特図遊技回(タイミングt3)において特殊外れ結果Aになると、留保用フラグAがセットされ、突然時短遊技状態Aが留保状態とされる(図281(b)、(g))。また、図282(c)に示すように、突然時短遊技状態Aの上限回数(例えば100回)に対応する値が時短遊技状態用カウンタエリア610の第1留保時短用エリア612aにセットされる。第1留保時短用エリア612aのカウンタ値についても、他のエリアと同様に滞在中の通常時短遊技状態において特図遊技回が実行されるごとに更新される(図281(h))。
上記の際、特殊外れ結果Aになった特図遊技回では、図柄表示装置75にて完全外れ演出又は特殊リーチ外れB演出が実行され、特殊外れ結果になったことが非明示とされる。なお、特図用表示部43では特殊外れ結果Aに対応した停止結果が停止表示される。
その後、例えば、上記通常時短遊技状態における80回目の特図遊技回(タイミングt4)において特殊外れ結果Bになったとする。突然時短遊技状態Bを既に留保している状態で再び特殊外れ結果Bとなったことになるが、この場合は、突然時短遊技状態Bの留保状態が継続されつつ(図281(e))、第2留保時短用エリア612bに上限回数(例えば100回)に対応する値が再セットされる(図278(d))。すなわち、第2留保時短用エリア612bのカウンタ値が上限回数に対応する値に復帰され、留保されている突然時短遊技状態Bの残り回数が増大する。
特殊外れ結果Bに再当選した特図遊技回では、図柄表示装置75にて完全外れ演出又は特殊リーチ外れB演出が実行され、特殊外れ結果になったことが非明示とされる。なお、特図用表示部43では特殊外れ結果Bに対応した停止結果が停止表示される。
その後、100回目の特図遊技回において特図当否抽選の結果が通常外れ結果となり、その確定表示の開始タイミング(タイミングt5)になると、実行時短用エリア611の値が「0」であることに基づいてサポートフラグがクリアされ、滞在していた通常時短遊技状態が終了する。この場合、各種カウンタエリア314dの留保時短用エリア612が参照され、留保状態の突然時短遊技状態のうち優先度が最も高い突然時短遊技状態への移行が実施される。
具体的には、突然時短遊技状態Aに対応するサポートB1フラグがセットされるとともに、時短遊技状態用カウンタエリア610において第1留保時短用エリア612aのカウンタ値(突然時短遊技状態Aの残り回数に対応)が実行時短用エリア611にシフトされる(図282(e))。つまり、特殊外れ結果への当選順としては最先ではないものの、優先度が最上位の突然時短遊技状態Aへの移行が他の突然時短遊技状態よりも先行して実施される(図281(i))。
突然時短遊技状態Aへの移行後、当該状態Aの終了前であるタイミングt6において、第3留保時短用エリア612cのカウンタ値(突然時短遊技状態Cの残り回数に対応)が「0」になると、留保用フラグCがクリアされる(図281(c)、(d))。これにより、突然時短遊技状態Cの留保状態が終了する。この場合、その時点で突然時短遊技状態Aに滞在中となっているため、突然時短遊技状態Cへの移行は行われない。すなわち、突然時短遊技状態Cへの移行が生じないまま、その留保状態が終了することになる。この際、かかる留保状態の終了に対応した報知は行われず、遊技者が当該終了を認識不可又は認識困難な状態とされる。
タイミングt7において突然時短遊技状態Aが終了すると、各種カウンタエリア314dの留保時短用エリア612が参照され、留保状態の突然時短遊技状態のうち優先度が最も高い突然時短遊技状態への移行が実施される。この際、突然時短遊技状態Bの優先度が最上位となるため、突然時短遊技状態Bへの移行が実施される。
すなわち、突然時短遊技状態Bに対応するサポートB2フラグがセットされるとともに、時短遊技状態用カウンタエリア610において第2留保時短用エリア612bのカウンタ値(突然時短遊技状態Aの残り回数に対応)が実行時短用エリア611にシフトされる(図282(f))。第2留保時短用エリア612bのカウンタ値は、特殊外れ結果Bへの再当選時における通常時短遊技状態の残り回数(20回)と上記差分回数A(60回)との総和を突然時短遊技状態Bの上限回数(100回)から減算した差分回数B(20回)となる。
突然時短遊技状態Bへの移行後、20回目の特図遊技回において特図当否抽選の結果が通常外れ結果となり、その確定表示の開始タイミング(タイミングt8)になると、突然時短遊技状態Bが終了する。この場合、図柄表示装置75では時短遊技状態の終了演出が実行される。
以上詳述した本変形例によれば、以下の優れた効果を奏することができる。
突然時短遊技状態A~C(留保が可能な複数種の時短遊技状態)のそれぞれに予め優先度を設定し、複数の留保が行われた場合にその優先度に対応した順序で移行が行われるように構成した。この場合、特殊外れ結果への当選順にかかわらず、突然時短遊技状態の種別に対応した順番に移行させることができ、各突然時短遊技状態の特性を踏まえて移行順を設定することが可能になる。例えば、本変形例のように、第2作動口63への入賞期待値が高い突然時短遊技状態Aの優先度を高くすることで、複数の留保時短が存在する場合に突然時短遊技状態Aの発動順を早めることができる。これにより、特図当否抽選を受けやすく且つ持ち球の減りも抑えやすい状態を早く到来させることができ、遊技者にとって遊技しやすい構成とすることができる。
また、遊技機設計時の作業負担を軽減できるという効果も期待できる。すなわち、留保が可能な時短遊技状態の全ての組合せについてその移行順を1つ1つ制御プログラムの中で規定しようとすると、組合せの数が増えるほど、制御プログラムが複雑化して作業負担の増大を招く懸念がある。この点、優先度を利用して移行順を制御することで、各時短遊技状態に対して優先度を設定するだけで足り、制御プログラムを簡単化することができる。さらには、事後的に設計変更が求められる場合でも、制御プログラムの全面的な変更が強いられず、優先度の設定を変更するだけで足りる。すなわち、移行順の変更や時短遊技状態の追加等の設計変更の要望が生じても簡単に対応できるという利点もある。
時短遊技状態である状況で特殊外れ結果となった場合に、当該結果に基づく留保時短の上限回数に対応するカウンタ値を留保時短用エリア612にセットし、遊技回が実行されるごとに、留保時短用エリア612のカウンタ値を実行時短用エリア611のカウンタ値とともに更新する構成とした。この場合、実行中の時短遊技状態の残り回数と留保状態の時短遊技状態の残り回数とを並行して更新することができ、それら両時短遊技状態の残り回数を同時に管理することが可能になる。
特に優先度に基づいて移行順を制御する構成では、留保中の時短遊技状態よりも優先度が上位の時短遊技状態に対応する特殊外れ結果に当選することで、移行順の入れ替わりが生じて移行タイミングが変動するため、各留保時短の差分回数の導出処理が複雑化することが懸念される。この点、本構成であることで、各留保時短の差分回数を簡単に導出することが可能になる。
留保時短用エリア612a~612cに突然時短遊技状態A~Cの種別を対応させるとともに、それら留保時短用エリア612a~612cに優先度を設定する構成とした。この場合、滞在時短の終了時においてカウンタ値がセットされている留保時短用エリア612のうち優先度が最上位のエリアの更新結果を実行時短用エリア611にシフトさせることで、優先度に応じた順番での移行制御を簡単に行うことができる。
<変形例6>
上記第3の実施の形態の変形例6について図283~図291を参照しながら説明する。これらの図において第3の実施の形態と同様の構成については同一の符号を付し、その説明を省略する。
上記変形例5では、突然時短遊技状態(留保が可能な時短遊技状態)を対象に優先度が設定されるが、本変形例では、他の時短遊技状態も含めて優先度が設定されている。なお、突然時短遊技状態の留保上限数は、上記変形例5と同様に突然時短遊技状態の種別数と同数に設定されている。以下、本変形例の構成について詳細に説明する。
<時短遊技状態について>
本変形例に係る時短遊技状態について図283及び図284を参照しながら説明する。図283(a)に示すように、本変形例では時短遊技状態として、通常時短遊技状態と突然時短遊技状態Aと突然時短遊技状態Bとが設定されている。なお、通常時短遊技状態を1種類にしたり、突然時短遊技状態を2種類にしたりすることは必須の構成ではなく、上記変形例1等のように通常時短遊技状態を2種類以上にしたり、突然時短遊技状態を3種類以上にしたりしてもよい。
上記各時短遊技状態では第2作動口63への入賞期待値に差異が設けられている。具体的には、突然時短遊技状態Aにおける第2作動口63への入賞期待値が、通常時短遊技状態及び突然時短遊技状態Bよりも高くなるように構成されている。入賞期待値をこのような関係とする構成は特に限定されるものではなく、例えば、各時短遊技状態における普図遊技回及び役物開閉遊技の態様を図284に示す構成とすることで実現することができる。
図284(a)に示すように、各時短遊技状態でのサポート当選確率を等しくした上で、突然時短遊技状態Aにおける普図遊技回の変動表示時間を通常時短遊技状態及び突然時短遊技状態Bのそれよりも短くし、突然時短遊技状態Aにおいて単位時間当たりのサポート当選回数(サポート抽選の実行回数)が他の時短遊技状態よりも多くなるようにする。また、図284(b)に示すように、突然時短遊技状態Aでの普電役物63aの開放期間を通常時短遊技状態及び突然時短遊技状態Bのそれよりも長くし、突然時短遊技状態Aにおいて役物開閉遊技が実施された場合の第2作動口63への入賞可能期間が他の時短遊技状態よりも長くなるようにする。
上記の構成により、第2作動口63への入賞について突然時短遊技状態Aが最も発生しやすくなる。この場合、第2作動口63への入賞に基づく賞球の払い出しを頻繁に受けやすくなるため、持ち球の減りを好適に抑えつつ、第2作動口63に対応する第2特図の当否抽選を受けることができ、遊技者にとって最も有利な時短遊技状態(最も望ましい時短遊技状態)となる。
また、図283(a)に示すように、通常時短遊技状態の上限回数が突然時短遊技状態A及び突然時短遊技状態Bのそれよりも多くなるように構成されている。例えば、通常時短遊技状態の上限回数が150回に設定され、突然時短遊技状態A及び突然時短遊技状態Bの上限回数が100回に設定されている。なお、上限回数を相違させることは必ずしも必要ではなく、これら時短遊技状態において上限回数が等しい構成としてもよい。
図283(b)に示すように、通常時短遊技状態、突然時短遊技状態A及び突然時短遊技状態Bにおいて、それぞれに対し優先度が設定されている。図283(b)では数値が小さいほど優先度が高いことを示しており、突然時短遊技状態B<通常時短遊技状態<突然時短遊技状態Aの順で順位が高くなるように優先度が設定されている。これら優先度を示す優先度情報は、ROM313の優先度情報記憶エリア551(図256(b))に時短遊技状態の種別と対応付けて記憶されている。
<突然時短遊技状態の移行判定用処理>
本変形例に係る突然時短遊技状態の移行判定用処理について図285のフローチャートを参照しながら説明する。この処理は、主制御装置162による変動開始処理(図222)のステップSc711で実行されるものであり、図276(a)の突然時短遊技状態の移行判定用処理に代えて実行されるものである。図285において図276(a)と同様の処理については同一のステップ番号を付し、その説明を省略又は簡略化する。
先ずステップSc1401では、今回の特図当否抽選の結果が特殊外れ結果であるか否かを判定する。特図当否抽選の結果が特殊外れ結果である場合は、ステップSc1402に進み、RAM314の各種フラグ格納エリア314eにいずれかのサポートフラグがセットされているか否かを判定する。
いずれかのサポートフラグがセットされている場合、すなわち、現在の遊技状態が時短遊技状態である場合は、ステップSc6801に進み、今回の特殊外れ結果が対応する時短遊技状態(対応時短)が滞在中の時短遊技状態(滞在時短)と同種であるか否かを判定する。より詳しくは、上記各種フラグ格納エリア314eにセットされている特殊外れ種別フラグ及びサポートフラグに基づいて対応時短及び滞在時短の種別を把握するとともに、それら把握した種別が合致するか否かを判定する。例えば、通常時短遊技状態に滞在している状況で特殊外れ結果A(突然時短遊技状態Aに対応する特殊外れ結果)になった場合は本ステップを否定判定し、突然時短遊技状態Bに滞在している状況で特殊外れ結果B(突然時短遊技状態Bに対応する特殊外れ結果)になった場合は本ステップを肯定判定する。
対応時短が滞在時短と同種の時短遊技状態でない場合は、ステップSc6802にて滞在時短の優先度を把握する。具体的には、RAM314の優先度情報記憶エリア551を参照し、上記ステップSc6801で把握した滞在時短の種別に基づいて滞在時短の優先度を特定する。
ステップSc6803では対応時短の優先度を把握する。具体的には、上記優先度情報記憶エリア551を参照し、上記ステップSc6801で把握した対応時短の種別に基づいて対応時短の優先度を特定する。
ステップSc6804では、ステップSc6802で把握した滞在時短の優先度とステップSc6803で把握した滞在時短の優先度とを比較し、対応時短の優先度が滞在時短の優先度よりも上位であるか否かを判定する。対応時短の優先度が滞在時短の優先度よりも上位である場合は、ステップSc1403にて上記各種フラグ格納エリア314eに突然時短開始用フラグをセットし、その後、突然時短遊技状態の移行判定用を終了する。突然時短開始用フラグは、突然時短遊技状態に移行すべきであることをMPU312が把握するためのものであり、この場合は対応時短への移行を実施すべきであることを示すものとなる。
ステップSc6804で否定判定した場合(対応時短の優先度が滞在時短の優先度よりも上位でない場合)は、ステップSc6101にて留保用処理を実行し、その後、突然時短遊技状態の移行判定用処理を終了する。留保用処理は、時短遊技状態の途中で特殊外れ結果になった場合に、その特殊外れ結果が対応する突然時短遊技状態を留保状態とするための処理である。
ステップSc6801で肯定判定した場合(対応時短が滞在時短と同種の時短遊技状態である場合)は、ステップSc6101に進み、留保用処理を実行する。すなわち、滞在時短と同種の時短遊技状態に対応する特殊外れ結果になった場合は、当該特殊外れ結果が対応する時短遊技状態(対応時短)を留保状態とするように制御する。
<変動表示時間の設定処理>
本変形例に係る変動表示時間の設定処理について図286のフローチャートを参照しながら説明する。この処理は、変動開始処理(図222)のステップSc712で実行されるものであり、図263の変動表示時間の設定処理に代えて実行されるものである。図286において図263と同様の処理については同一のステップ番号を付し、その説明を省略又は簡略化する。
ステップSc1604で否定判定した場合(高確遊技状態でない場合)は、現在の遊技状態が時短遊技状態(通常時短遊技状態又は突然時短遊技状態)であることを意味する。この場合はステップSc6901にて今回の特図当否抽選の結果が特殊外れ結果であるか否かを判定する。特殊外れ結果である場合はステップSc602に進み、RAM314の上記各種フラグ格納エリア314eに突然時短開始用フラグがセットされているか否かを判定する。
現在の遊技状態が時短遊技状態である状況で突然時短開始用フラグがセットされている場合とは、滞在時短の途中で当選した特殊外れ結果に対応する時短遊技状態(対応時短)に移行すべき状況であることを意味する。この場合は、ステップSc6903に進み、今回の変動表示時間テーブルとして特殊外れ用の変動表示時間テーブルA(図232(b))を取得する。この変動表示時間テーブルAには選択可能な変動パターンとして変動パターンZ1(特殊リーチ外れA演出)のみが設定されている。
よって、滞在時短の途中で当該滞在時短よりも優先度が上位の時短遊技状態に対応する特殊外れ結果に当選した場合には、特殊リーチ外れA演出の実行に対応した変動パターンが選択されるように変動表示時間の抽選処理(ステップSc1607)が実行される。すなわち、当該特殊外れ結果に当選した特図遊技回にて特殊リーチ外れA演出が実行され、特殊外れ結果になったことが報知されるように制御される。
ステップSc6902で否定判定した場合(突然時短開始用フラグがセットされていない場合)、すなわち、滞在時短の途中で当選した特殊外れ結果に対応する時短遊技状態(対応時短)の優先度が滞在時短と同位であるか、滞在時短よりも下位である場合は、ステップSc6904に進み、今回の変動表示時間テーブルとして特殊外れ用の変動表示時間テーブルB(図232(c))を取得する。この変動表示時間テーブルBには選択可能な変動パターンとして変動パターン21H(完全外れ演出)又は変動パターンZ2(特殊リーチ外れB演出)が設定されており、今回の特殊外れ結果が対応する対応時短の優先度が滞在時短の優先度以下である場合は、完全外れ演出又は特殊リーチ外れB演出に対応した変動パターンが選択されるように変動表示時間の抽選処理(ステップSc1607)が実行される。つまり、特殊外れ結果になったことが非明示とされる。
ステップSc6901で否定判定した場合(特殊外れ結果でない場合)は、大当たり結果又は通常外れ結果であることを意味する。この場合はステップSc4505に進み、対応する時短遊技状態用の変動表示時間テーブルを取得する。具体的には、今回の当否抽選の結果が大当たり結果である場合は大当たり用の変動表示時間テーブル(図232(a))を取得し、今回の当否抽選の結果が通常外れ結果である場合は通常外れ用の変動表示時間テーブル(図232(d))を取得する。
ステップSc6903、ステップSc6904又はステップSc4505の実行後はステップSc1607にて、それら各ステップで取得した動表示時間テーブルを用い、変動表示時間(変動パターン)の抽選処理を実行する。その後、ステップSc1608以降の処理を実行する。
<突然時短遊技状態の第1移行用処理>
本変形例に係る突然時短遊技状態の第1移行用処理について図287のフローチャートを参照しながら説明する。この処理は、特図遊技回制御処理(図220)のステップSc511で実行されるものであり、図279の突然時短遊技状態の第1移行用処理に代えて実行されるものである。図287において図279と同様の処理については同一のステップ番号を付し、その説明を省略又は簡略化する。
先ずステップSc7101では、RAM314の各種フラグ格納エリア314eに突然時短開始用フラグがセットされているか否かを判定する。突然時短開始用フラグがセットされている場合、すなわち、突然時短遊技状態に移行すべき状況である場合は、ステップSc7102にて上記各種フラグ格納エリア314eにいずれかのサポートフラグがセットされているか否かを判定する。
いずれかのサポートフラグがセットされている場合、すなわち、現在の遊技状態が時短遊技状態である場合は、時短遊技状態である状況で優先度が上位の時短遊技状態に対応する特殊外れ結果に当選したことを意味する。この場合は、ステップSc7103に進み、そのセットされているサポートフラグ、すなわち、滞在時短のサポートフラグをクリアする。これにより滞在時短が終了する。このように、滞在時短の途中で優先度が上位の対応時短に対応する特殊外れ結果に当選した場合、言い換えれば、途中当選の対応時短よりも滞在時短の優先度が下位である場合は、その滞在時短を途中で強制終了させる。
ステップSc7103の実行後又はステップSc7102で否定判定した場合(いずれのサポートフラグもセットされておらず、現在の遊技状態が通常遊技状態である場合)は、ステップSc1803に進み、今回の特殊外れ結果が対応する突然時短遊技状態のサポートBフラグを上記各種フラグ格納エリア314eにセットする。例えば、移行すべき突然時短遊技状態が突然時短遊技状態Aである場合はサポートB1フラグをセットする。
なお、今回の特殊外れ結果が時短遊技状態である状況で発生したものである場合(ステップSc7102で肯定判定した場合)は、滞在時短を途中終了させた後、直ちに今回の特殊外れ結果が対応する時短遊技状態が開始されることになる。すなわち、優先度が上位の時短遊技状態に対応する特殊外れ結果に途中当選した場合は、その対応時短が滞在時短に割り込んで実施される。
ステップSc6402では、RAM314の各種カウンタエリア314dに設けられた実行時短用エリア611に上限回数に対応する値をセットする。実行時短用エリア611は、滞在中の時短遊技状態における残り回数をMPU312が把握するためのカウンタ領域である。ステップSc1805では、上記各種フラグ格納エリア314eにセットされている突然時短開始用フラグをクリアし、ステップSc1806では、演出制御装置143への送信対象として突然時短遊技状態開始コマンドを設定する。
ステップSc1806の実行後又はステップSc7101で否定判定した場合(突然時短開始用フラグがセットされていない場合)は、ステップSc7104にて、上記各種フラグ格納エリア314eにいずれかの留保用フラグがセットされているか否かを判定する。いずれかの留保用フラグがセットされている場合、すなわち、突然時短遊技状態の留保中である場合は、ステップSc6403にて突然時短遊技状態の第2移行用処理を実行する。突然時短遊技状態の第2移行用処理は、留保状態とされていた突然時短遊技状態について移行を実施するための処理である。
ステップSc6403の実行後又はステップSc7104で否定判定した場合(いずれの留保用フラグもセットされていない場合)は、突然時短遊技状態の第1移行用処理を終了する。
<時短遊技状態中に特殊外れ結果になった場合の流れについて>
時短遊技状態中に特殊外れ結果になった場合の流れについて図288~図292を参照しながら説明する。
先ず、通常時短遊技状態である状況で特殊外れ結果A(突然時短遊技状態Aに対応)になった場合について図288及び図289を参照しながら説明する。例えば、通常時短遊技状態における110回目の特図遊技回(タイミングt1)において特殊外れ結果Aになると、滞在時短である通常時短遊技状態の優先度と、対応時短である突然時短遊技状態Aの優先度とが比較される。この場合、対応時短の優先度が滞在時短の優先度よりも上位であるため、対応時短への移行が優先される。すなわち、通常時短遊技状態が途中終了され、突然時短遊技状態Aへの移行が実施される。
特殊外れ結果Aになった特図遊技回では、図柄表示装置75にて特殊リーチ外れA演出が実行され、特殊外れ結果になったことが報知される(図289(a))。この際、特図用表示部43では特殊外れ結果Aに対応した停止結果が停止表示される。
また、それまでの時短遊技状態(通常時短遊技状態)よりも第2作動口63への入賞期待値が高い時短遊技状態(突然時短遊技状態A)に切り替わったことに対応させて、図柄表示装置75にて昇格演出が実行される。本変形例では、上記入賞期待値又はその高低を示唆する指標として時短遊技状態のレベル値が設定されており、時短遊技状態においては、当該レベル値に対応する報知としてのレベル報知画像621が図柄表示装置75に表示されるように構成されている。図289(a)には、一例として通常時短遊技状態にレベル1が対応付けられている場合を示している。
上記昇格演出では、図289(b)に示すように、例えば「レベルアップ」の文字表示等からなる昇格報知画像622が図柄表示装置75に表示されるとともに、レベル報知画像621により示されるレベル値がレベル1からレベル2(上位レベル)に変更される。これにより、時短遊技状態の格上げが遊技者に報知される。
昇格演出は、特殊外れ結果Aになった特図遊技回における変動表示時間の残りを利用して実行されてもよいし、確定表示時間の一部又は全部を利用して実行されてもよいし、変動表示時間(変動表示時間の一部)と確定表示時間(確定表示時間の一部又は全部)とを跨いで実行されてもよい。その際、停止表示された図柄列Z1~Z3の画像を消去した上で昇格演出が実行されてもよいし、図柄列Z1~Z3の画像を消去せず、図柄列Z1~Z3の手前側に昇格報知画像622が配置されるようにして実行されてもよい。なお、変動表示時間を利用して昇格演出を実行する場合は、図柄列Z1~Z3が特殊外れ結果の組合せで停止表示された後に昇格演出が開始されるようにするとよい。
上記のように昇格演出が実行された後は、次回以降の特図遊技回においても、引き続きレベル2を示す状態のレベル報知画像621が表示される(図289(c))。レベル2を示す状態のレベル報知画像621の表示は、突然時短遊技状態Aに滞在中において継続して実行される。
上記の際、時短遊技状態の残り回数を報知する残り回数画像523については、突然時短遊技状態Aの残り回数には対応しない値を報知するように表示される。詳しくは、通常時短遊技状態の上限回数を基準とし、通常時短遊技状態が途中終了されずに継続していたと仮定した場合の残り回数に対応する値を報知するように表示される。
例えば、通常時短遊技状態における110回目(残り40回)の特図遊技回で突然時短遊技状態Aへの移行が行われた場合は、突然時短遊技状態Aの初回目の特図遊技回(通常時短遊技状態の開始から見て111回目の特図遊技回)において「残り39回」を報知するように残り回数画像523が表示される。これにより、通常時短遊技状態がその途中でレベルアップし、そのレベルアップした状態が通常時短遊技状態の上限回数の範囲内で継続可能なように遊技者に感受させる。
その後、通常遊技状態の開始から見て150回目の特図遊技回(タイミングt2)になると、残り回数画像523が「ラスト」と表示され、その特図遊技回が時短遊技状態の最終遊技回であるかのように報知される(図289(d))。また、当該遊技回の特図当否抽選の結果が通常外れ結果である場合は、図柄列Z1~Z3が完全外れの組合せで停止表示され、通常外れ結果が報知される。
但し、上記特図遊技回は内部的に突然時短遊技状態Aの途中遊技回(突然時短遊技状態Aの開始から見て40回目の特図遊技回)であり、その後も時短遊技状態が継続する状態となっている。これに対応させて図柄表示装置75では、図柄列Z1~Z3が完全外れの組合せで停止表示された後、継続演出が実行される。継続演出では、例えば「まだまだ!」の表示画像等からなる継続報知画像623が図柄表示装置75に表示され、これにより時短遊技状態の継続が報知される(図289(e))。
継続演出は、上記特図遊技回における変動表示時間の残りを利用して実行されてもよいし、確定表示時間の一部又は全部を利用して実行されてもよいし、変動表示時間(変動表示時間の一部)と確定表示時間(確定表示時間の一部又は全部)とを跨いで実行されてもよい。その際、停止表示された図柄列Z1~Z3の画像を消去した上で昇格演出が実行されてもよいし、図柄列Z1~Z3の画像を消去せず、図柄列Z1~Z3の手前側に昇格報知画像622が配置されるようにして実行されてもよい。
その後、次の特図遊技回では、残り回数画像523が「残り?回」と表示され、残り回数を遊技者が認識不可又は認識困難な状態とされる(図289(f))。すなわち、滞在している突然時短遊技状態Aの残り回数が報知されず、当該回数が非明示な状態とされる。この状態はその後の特図遊技回においても継続される。これにより、時短遊技状態の終了タイミングが分からないようにして遊技者のドキドキ感を煽ったり、時短遊技状態がいつまで続くかを予測しながら遊技する楽しみを付加したりすることができる。
なお、突然時短遊技状態Aの残り回数を非明示な状態とするに際しては、残り回数画像523が表示されない構成としてもよい。つまり、残り回数画像523が「ラスト」と表示された特図遊技回の後、その次の特図遊技回において残り回数画像523が消去される構成としてもよい。
その後、例えば、突然時短遊技状態における70回目の特図遊技回(タイミングt3)において特殊外れ結果Aになると、留保用フラグAがセットされ、その特殊外れ結果Aへの当選に対応した突然時短遊技状態Aが留保状態とされる(図288(b)、(c))。この場合、図柄表示装置75では完全外れ演出又は特殊リーチ外れB演出が実行され、特殊外れ結果になったことが明示されない。なお、特図用表示部43では特殊外れ結果Aに対応した停止結果が停止表示される。
その後、突然時短遊技状態Aの最終遊技回において特図当否抽選の結果が通常外れ結果となり、その確定表示の開始タイミング(タイミングt4)になると、滞在中の突然時短遊技状態Aが終了する。これに伴い、留保されていた後発の突然時短遊技状態Aの留保状態が解除され、当該時短遊技状態への移行が実施される。つまり、実質的に突然時短遊技状態Aが継続する状態となる。
上記の際、移行が実施される突然時短遊技状態Aの残り回数は、その突然時短遊技状態Aの上限回数(例えば100回)から先行の突然時短遊技状態Aの残り回数(30回)を減算した差分回数(70回)となる。この場合も残り回数画像523において「残り?回」の表示が継続され、残り回数が非明示とされる。
後発の突然時短遊技状態Aへの移行後、当該遊技状態に滞在可能な特図遊技回の残り回数が所定回数(例えば10回)になると(タイミングt5)、「残り10回」の残り回数画像523が表示され、滞在時短の残り回数が報知される(図289(g))。このように滞在時短の残り回数が所定回数以下になることに応じて、滞在時短の残り回数を明示する状態に切り替えることで、時短遊技状態が突然終了した印象となって遊技者が困惑することを好適に抑制することができる。
そして、後発の突然時短遊技状態Aにおいて最終遊技回が終了すると(タイミングt5)、当該突然時短遊技状態Aが終了する。この場合、図柄表示装置75では時短遊技状態の終了演出が実行される。
なお、上記では、通常時短遊技状態である状況で特殊外れ結果Aになった場合を例示したが、突然時短遊技状態Bである状況で特殊外れ結果Aになった場合も同様の流れとなる。すなわち、特殊外れ結果Aになった特図遊技回において突然時短遊技状態Bが途中終了され、突然時短遊技状態Aへの移行が実施される。
次に、突然時短遊技状態Aである状況で特殊外れ結果B(突然時短遊技状態Bに対応)になった場合について図290を参照しながら説明する。
本例では、滞在中の時短遊技状態が突然時短遊技状態Aであるため、図柄表示装置75では、Lv2のレベル報知画像621が表示される(図290(e))。そして、例えば、突然時短遊技状態Aにおける70回目の特図遊技回(タイミングt1)において特殊外れ結果Bになると、滞在時短である突然時短遊技状態Aの優先度と、対応時短である突然時短遊技状態Bの優先度とが比較される。この場合、対応時短の優先度が滞在時短の優先度よりも下位であるため、滞在時短の継続が優先される。すなわち、突然時短遊技状態Aが継続され、突然時短遊技状態Bが留保状態とされる(図290(a)~(d))。
特殊外れ結果Bになった特図遊技回では、図柄表示装置75にて完全外れ演出又は特殊リーチ外れB演出が実行される(図290(f))。すなわち、通常外れ結果になったように報知され、特殊外れ結果になったことが明示されない。但し、特図用表示部43では特殊外れ結果Bに対応した停止結果が停止表示される。なお、図290(f)には特殊リーチ外れB演出が実行された場合を示している。
その後、突然時短遊技状態Aの最終遊技回において特図当否抽選の結果が通常外れ結果となり、その確定表示の開始タイミング(タイミングt2)になると、滞在していた突然時短遊技状態Aが終了し、留保されていた突然時短遊技状態Bへの移行が実施される(図290(a)~(d))。この場合の突然時短遊技状態Bの残り回数は、突然時短遊技状態Bの上限回数(例えば100回)から突然時短遊技状態Aの残り回数(30回)を減算した差分回数(70回)となる。
上記の際、それまでの時短遊技状態(突然時短遊技状態A)よりも第2作動口63への入賞期待値が低い時短遊技状態(突然時短遊技状態B)に切り替わったことに対応させて、図柄表示装置75にて降格演出が実行される。この降格演出では、図290(h)に示すように、例えば「レベルダウン」の文字表示等からなる降格報知画像624が図柄表示装置75に表示されるとともに、レベル報知画像621により示されるレベル値がレベル2からレベル1(下位レベル)に変更される。これにより、時短遊技状態の格下げが遊技者に報知される。
降格演出は、特殊外れ結果Bになった特図遊技回における変動表示時間の残りを利用して実行されてもよいし、確定表示時間の一部又は全部を利用して実行されてもよいし、変動表示時間(変動表示時間の一部)と確定表示時間(確定表示時間の一部又は全部)とを跨いで実行されてもよい。その際、停止表示された図柄列Z1~Z3の画像を消去した上で降格演出が実行されてもよいし、図柄列Z1~Z3の画像を消去せず、図柄列Z1~Z3の手前側に降格報知画像624が配置されるようにして実行されてもよい。なお、変動表示時間を利用して降格演出を実行する場合は、図柄列Z1~Z3により通常外れ結果が報知された後に降格演出が開始されるようにするとよい。
上記のように降格演出が実行された後は、次回以降の特図遊技回においても、引き続きレベル1を示す状態のレベル報知画像621が表示される(図290(i))。また、残り回数画像523が「残り?回」と表示され、突然時短遊技状態Bの残り回数が非明示とされる。そして、突然時短遊技状態Bの残り回数が所定回数(例えば10回)になると、「残り10回」の残り回数画像523が表示され、滞在時短の残り回数が報知される。
その後、突然時短遊技状態Bの最終遊技回において特図当否抽選の結果が通常外れ結果となり、その確定表示の開始タイミング(タイミングt3)になると、突然時短遊技状態Bが終了する。この場合、図柄表示装置75では時短遊技状態の終了演出が実行される。
次に、通常遊技状態である状況で特殊外れ結果B(突然時短遊技状態Bに対応)になった場合について図291を参照しながら説明する。
本例では、滞在中の時短遊技状態が突然時短遊技状態Bであるため、図柄表示装置75では、Lv1のレベル報知画像621が表示される(図291(e))。そして、例えば、通常時短遊技状態における68回目の特図遊技回(タイミングt1)において特殊外れ結果Bになると、滞在時短である通常時短遊技状態の優先度と、対応時短である突然時短遊技状態Bの優先度とが比較される。この場合、対応時短の優先度と滞在時短の優先度とが同位であるため、滞在時短の継続が優先される。すなわち、通常時短遊技状態が継続され、突然時短遊技状態Bが留保状態とされる(図291(a)~(d))。
特殊外れ結果Bになった特図遊技回では、図柄表示装置75にて完全外れ演出又は特殊リーチ外れB演出が実行される(図291(f))。すなわち、通常外れ結果になったように報知され、特殊外れ結果になったことが明示されない。但し、特図用表示部43では特殊外れ結果Bに対応した停止結果が停止表示される。なお、図291(f)には特殊リーチ外れB演出が実行された場合を示している。
その後、通常時短遊技状態の最終遊技回において特図当否抽選の結果が通常外れ結果となり、その確定表示の開始タイミング(タイミングt2)になると、滞在していた通常時短遊技状態が終了し、留保されていた突然時短遊技状態Bへの移行が実施される(図291(a)~(d))。この場合の突然時短遊技状態Bの残り回数は、突然時短遊技状態Bの上限回数(例えば100回)から通常時短遊技状態の残り回数(82回)を減算した差分回数(18回)となる。
次の特図遊技回(突然時短遊技状態Bの初回目遊技回)では、残り回数画像523が「残り?回」と表示され、突然時短遊技状態Bの残り回数が非明示とされる。そして、突然時短遊技状態Bの残り回数が所定回数(例えば10回)になると、「残り10回」の残り回数画像523が表示され、滞在時短の残り回数が報知される。
その後、突然時短遊技状態Bの最終遊技回において特図当否抽選の結果が通常外れ結果となり、その確定表示の開始タイミング(タイミングt3)になると、突然時短遊技状態Bが終了する。この場合、図柄表示装置75では時短遊技状態の終了演出が実行される。
上記の際、それまでの時短遊技状態(突然時短遊技状態A)よりも第2作動口63への入賞期待値が低い時短遊技状態(突然時短遊技状態B)に切り替わったことに対応させて、図柄表示装置75にて降格演出が実行される。この降格演出では、図291(h)に示すように、例えば「レベルダウン」の文字表示等からなる降格報知画像624が図柄表示装置75に表示されるとともに、レベル報知画像621により示されるレベル値がレベル2からレベル1(下位レベル)に変更される。これにより、時短遊技状態の格下げが遊技者に報知される。
降格演出は、特殊外れ結果Bになった特図遊技回における変動表示時間の残りを利用して実行されてもよいし、確定表示時間の一部又は全部を利用して実行されてもよいし、変動表示時間(変動表示時間の一部)と確定表示時間(確定表示時間の一部又は全部)とを跨いで実行されてもよい。その際、停止表示された図柄列Z1~Z3の画像を消去した上で降格演出が実行されてもよいし、図柄列Z1~Z3の画像を消去せず、図柄列Z1~Z3の手前側に降格報知画像624が配置されるようにして実行されてもよい。なお、変動表示時間を利用して降格演出を実行する場合は、図柄列Z1~Z3により通常外れ結果が報知された後に降格演出が開始されるようにするとよい。
上記のように降格演出が実行された後は、次回以降の特図遊技回においても、引き続きレベル1を示す状態のレベル報知画像621が表示される(図291(i))。また、残り回数画像523が「残り?回」と表示され、突然時短遊技状態Bの残り回数が非明示とされる。
その後、突然時短遊技状態Bへの移行後、その最終遊技回において特図当否抽選の結果が通常外れ結果となり、その確定表示の開始タイミング(タイミングt3)になると、突然時短遊技状態Bが終了する。この場合、図柄表示装置75では時短遊技状態の終了演出が実行される。
なお、上記では、通常時短遊技状態である状況で特殊外れ結果Bになった場合を例示したが、突然時短遊技状態Bである状況で特殊外れ結果Bになった場合も同様の流れとなる。すなわち、特殊外れ結果Bになった特図遊技回において滞在中の突然時短遊技状態Bが継続され、後発の突然時短遊技状態Bが留保状態とされる。
ここで、本変形例に係る構成において時短遊技状態の継続や切り替えについてまとめると、図292に示すとおりとなる。
通常時短遊技状態である状況で特殊外れ結果Aになった場合(事象A)は、特殊外れ結果Aが対応する突然時短遊技状態Aの優先度が通常時短遊技状態の優先度よりも上位であることにより、通常時短遊技状態が途中終了され、突然時短遊技状態Aへの移行が実行される。
通常時短遊技状態である状況で特殊外れ結果Bになった場合(事象B)は、特殊外れ結果Bが対応する突然時短遊技状態Bの優先度が通常時短遊技状態の優先度よりも下位であることにより、通常時短遊技状態が継続され、突然時短遊技状態Bが留保状態とされる。この場合、上限回数への到達により通常時短遊技状態が終了した後、突然時短遊技状態Bへの移行が実施される。
突然時短遊技状態Aである状況で特殊外れ結果Bになった場合(事象C)は、突然時短遊技状態Bの優先度が突然時短遊技状態Aの優先度よりも下位であることにより、突然時短遊技状態Aが継続され、突然時短遊技状態Bが留保状態とされる。この場合、上限回数への到達により突然時短遊技状態Aが終了した後、突然時短遊技状態Bへの移行が実施される。
突然時短遊技状態Bである状況で特殊外れ結果Aになった場合(事象D)は、突然時短遊技状態Aの優先度が突然時短遊技状態Bの優先度よりも上位であることにより、突然時短遊技状態Bが途中終了され、突然時短遊技状態Aへの移行が実行される。
ちなみに突然時短遊技状態Aである状況や突然時短遊技状態Bである状況で通常大当たり結果になった場合は、それら各突然時短遊技状態と通常時短遊技状態との優先度にかかわらず開閉実行モードへの移行が実行され、当該モードの終了後、通常時短遊技状態への移行が実行される。
以上詳述した本変形例によれば、以下の優れた効果を奏することができる。
突然時短遊技状態B<通常時短遊技状態<突然時短遊技状態Aの順で順位が高くなるように優先度を設定し、通常遊技状態である状況で特殊外れ結果Bになった場合には、突然時短遊技状態Bへの移行に対する制限として当該移行を留保し、通常時短遊技状態である状況で特殊外れ結果Aになった場合には、上記制限を付加することなく突然時短遊技状態Aへの移行を直ちに行う構成とした。すなわち、滞在時短の種別と途中当選した特殊外れ結果が対応する時短遊技状態との組合せによって移行に制限を加えたり、加えなかったりするため、当該組合せに応じてその後の遊技の展開に差異を生じさせることができる。これにより、特定遊技状態に移行するか否かだけでなく、どの組合せとなるかについても遊技者を楽しませることができ、興趣性を高めることが可能になる。
上記の際、第2作動口63への入賞期待値が高い突然時短遊技状態Aの優先度を高くすることで、滞在中の時短遊技状態と途中当選した特殊外れ結果に対応する時短遊技状態との組合せが2作動口63への入賞しやすさが高まる方向の組合せである場合は、制限を付さずに突然時短遊技状態Aへの移行を実施させることができる。すなわち、特図当否抽選を受けやすく且つ持ち球の減りも抑えやすい状態を早く到来させることができ、遊技者にとって遊技しやすい構成とすることができる。
通常時短遊技状態である状況で特殊外れ結果Aとなり、突然時短遊技状態Aに移行した場合において、残り回数画像523として、通常時短遊技状態が継続していたと仮定した場合の残り回数を表示する構成とした。これにより、突然時短遊技状態Aへの移行後も通常時短遊技状態が継続しているように見せることができ、それまでの時短遊技状態が特殊外れ結果への当選により昇格したような印象を与えることができる。また、その後の残り回数画像523として「残り?回」を表示することで、そのような昇格状態が終了するかもしれないドキドキ感を与えながら遊技させることができ、興趣性を好適に高めることが可能になる。
<変形例7>
上記第3の実施の形態の変形例6について図293~図298を参照しながら説明する。これらの図において第3の実施の形態と同様の構成については同一の符号を付し、その説明を省略する。
上記変形例5や変形例6では、時短遊技状態として通常時短遊技状態と突然時短遊技状態とが設定されているが、本変形例ではさらに天井時短遊技状態が設定されている。以下、本変形例の構成について詳細に説明する。
<時短遊技状態について>
本変形例に係る時短遊技状態について図293を参照しながら説明する。上述したように本変形例では、時短遊技状態の一種として天井時短遊技状態を備えている。この天井時短遊技状態は、図293(a)に示すように、当選抽選結果が外れ結果となった特図遊技回(外れ遊技回)の累積回数(所謂ハマリ回数)が予め定められた天井回数(例えば800回)になったことを契機として移行するものである。
外れ遊技回の計数においては、天井回数への到達前に大当たり結果になると、天井回数までの残り回数が初期値(例えば800回)に再設定され、それまでの外れ回数が破棄される。また、高確遊技状態中の外れ遊技回は計数の対象外とされる。よって、天井時短遊技状態に移行するには、開閉実行モードが終了してからの外れ遊技回の回数が天井回数に到達することが必要となり、また、開閉実行モード後に高確遊技状態に移行した場合は、高確遊技状態が終了してからの外れ遊技回の回数が天井回数に到達することが必要となる。
天井時短遊技状態は、突然時短遊技状態と同様に、抽選モードが低確率モードとなり、サポートモードが第2高頻度サポートモードとなる状態である。なお、天井時短遊技状態への移行契機は外れ結果であるため、天井時短遊技状態には開閉実行モードを経由せずに移行する。すなわち、外れ遊技回の回数が天井回数に到達した場合、その特図遊技回が終了するのに合わせて遊技状態が天井時短遊技状態に移行する。天井時短遊技状態は、天井時短遊技状態に移行してからの特図遊技回の実行回数が予め定められた上限回数に達するまで継続される。
図293(b)に示すように、天井時短遊技状態、通常時短遊技状態、突然時短遊技状態A及び突然時短遊技状態Bについて、第2作動口63への入賞期待値に差異が設けられている。具体的には、突然時短遊技状態Aにおける第2作動口63への入賞期待値が、通常時短遊技状態、天井時短遊技状態及び突然時短遊技状態Bよりも高くなるように構成されている。
入賞期待値をこのような関係とする構成は特に限定されるものではなく、通常時短遊技状態、突然時短状態A及び突然時短遊技状態Bについては、例えば上記変形例6にて説明した普図遊技回及び役物開閉遊技の態様(図284)を有する構成とすることができる。また、天井時短遊技状態についても、例えば突然時短遊技Bと同様の普図遊技回及び役物開閉遊技の態様を有する構成とすればよい。
また、天井時短遊技状態の上限回数が通常時短遊技状態、突然時短遊技状態A及び突然時短遊技状態Bのそれよりも多くなるように構成されている。例えば、天井時短遊技状態の上限回数が500回に設定され、通常時短遊技状態の上限回数が150回に設定され、突然時遊技状態A及び突然時短遊技状態Bの上限回数が100回に設定されている。なお、上限回数を相違させることは必ずしも必要ではなく、これら時短遊技状態において上限回数が等しい構成としてもよい。
図293(c)に示すように、天井時短遊技状態、通常時短遊技状態、突然時短遊技状態A及び突然時短遊技状態Bにおいて、それぞれに対し優先度が設定されている。図293(c)では数値が小さいほど優先度が高いことを示しており、突然時短遊技状態B<通常時短遊技状態<突然時短遊技状態A<天井時短遊技状態の順で順位が高くなるように優先度が設定されている。これら優先度を示す優先度情報は、ROM313の優先度情報記憶エリア551(図256(b))に時短遊技状態の種別と対応付けて記憶されている。
<変動開始処理>
本変形例に係る変動開始処理について図294(a)のフローチャートを参照しながら説明する。この処理は、主制御装置162による特図遊技回制御処理(図220)のステップSc506で実行されるものであり、図222の変動開始処理に代えて実行されるものである。図294(a)において図222と同様の処理のついては同一のステップ番号を付し、その説明を省略又は簡略化する。
ステップSc710で高頻度サポートモード更新用処理を実行した後は、ステップSc7401にて、天井時短遊技状態の移行判定用処理を実行する。天井時短遊技状態の移行判定用処理は、天井時短遊技状態への移行契機が成立したか否かを判定するものである。ここで、ステップSc7401の天井時短遊技状態の移行判定用処理について図295のフローチャートを参照しながら説明する。
先ずステップSc7501では、今回の特図当否抽選の結果が大当たり結果であるか否かを判定する。大当たり結果でない場合には、ステップSc7502に進み、RAM314の各種フラグ格納エリア314eに到達済みフラグがセットされているか否かを判定する。到達済みフラグは、外れ遊技回の回数が天井回数に到達済みであることをMPU312が把握するためのものである。
到達済みフラグがセットされていない場合は、ステップSc7503にて、上記各種フラグ格納エリア314eに高確率フラグがセットされているか否かを判定する。高確率フラグがセットされていない場合、すなわち、現在の抽選モードが低確率モードである場合は、ステップSc7504に進み、RAM314の各種カウンタエリア314dに設けられた外れ回数カウンタエリアHCの値を更新する。具体的には、外れ回数カウンタエリアHCの値を1減算する。外れ回数カウンタエリアHCは、天井回数までの残り回数をMPU312が把握するためのものである。
なお、天井回数までの残り回数は直接的には遊技者に報知されないものの、それまでの外れ回数を報知することによって間接的に報知される。具体的には、図296に示すように、図柄表示装置75の表示画面Gに外れ回数画像651が表示され、この外れ回数画像651により開閉実行モード後(大当たり後)の外れ遊技回の回数が報知されるように構成されている。
外れ回数画像651は、天井回数までの残り回数が計数されている場合において表示が継続され、外れ遊技回が終了するごとにその報知回数が加算更新される。このため、当該画像651を遊技者が見ることで、天井到達までの過程における途中経過を知ることができ、さらに、天井回数を知っている遊技者であれば、外れ回数画像651により示される外れ回数の累積値を参照することで、天井回数までの残り回数を把握することができる。
ちなみに本変形例では、外れ回数カウンタエリアHCの更新処理(ステップSc7504)が変動開始処理に組み込まれ、天井回数までの残り回数の更新が外れ遊技回の変動開始時に実行されるが、外れ回数画像651の更新は、図柄列Z1~Z3により外れ結果を報知してから行われる(図296(b))。これにより、図柄列Z1~Z3による結果報知が行われる前に、外れ回数画像651の更新から外れ結果を遊技者が判別可能となってしまうことを抑制できる。具体的な外れ回数画像651の更新タイミングは、確定表示の開始時や確定表示中、確定表示時間の経過時等の外れ遊技回の終了時や、次の遊技回の開始時等とすることができる。
なお、上記構成では、それまでの外れ遊技回の累積回数を報知するが、これに代えて天井回数までの残り回数を報知する構成としてもよい。
天井時短遊技状態の移行判定用処理(図295)の説明に戻り、ステップSc7504の実行後はステップSc7505にて、上記外れ回数カウンタエリアHCの値が「0」であるか否かを判定する。外れ回数カウンタエリアHCの値が「0」である場合、すなわち、外れ遊技回の回数が天井回数に到達した場合には、ステップSc7506に進み、上記各種フラグ格納エリア314eに到達済みフラグをセットする。
ステップSc7507では、上記各種フラグ格納エリア314eに天井時短開始用フラグをセットする。天井時短開始用フラグは、天井時短遊技状態に移行すべきであることをMPU312が把握するためのものである。ステップSc7507の実行後は、天井時短遊技状態の移行判定用処理を終了する。
ステップSc7502で肯定判定した場合(到達済みフラグがセットされている場合)又はステップSc7503で肯定判定した場合(高確率フラグがセットされている場合)は、ステップSc7504以降の処理を実行することなく、天井時短遊技状態の移行判定用処理を終了する。また、ステップSc7505で否定判定した場合(外れ回数カウンタエリアHCの値が「0」でない場合)は、ステップSc7506以降の処理を実行することなく、天井時短遊技状態の移行判定用処理を終了する。
ステップSc7501で肯定判定した場合(大当たり結果である場合)は、ステップSc7508に進み、上記カウンタエリアHCの値に天井回数に対応した値(例えば800)をセットする。ステップSc7509では、上記各種フラグ格納エリア314eに到達済みフラグがセットされているか否かを判定する。
到達済みフラグがセットされている場合は、ステップSc7510にて、その到達済みフラグをクリアする処理を実行する。ステップSc7510の実行後又はステップSc7509で否定判定した場合(到達済みフラグがセットされていない場合)は、第2時短遊技状態の移行判定用処理を終了する。
変動開始処理(図294(a))の説明に戻り、ステップSc7401の実行後はステップSc711にて突然時短遊技状態の移行判定用処理を実行する。当該処理は上記変形例6に係る突然時短遊技状態の移行判定用処理(図285)と同様のものである。
ステップSc711の突然時短遊技状態の移行判定用処理について図285を援用して説明すると、先ずステップSc1401では、今回の特図当否抽選の結果が特殊外れ結果であるか否かを判定する。特図当否抽選の結果が特殊外れ結果である場合は、ステップSc1402に進み、RAM314の各種フラグ格納エリア314eにいずれかのサポートフラグがセットされているか否かを判定する。
いずれかのサポートフラグがセットされている場合、すなわち、現在の遊技状態が時短遊技状態である場合は、ステップSc6801に進み、今回の特殊外れ結果に対応する時短遊技状態(対応時短)が滞在中の時短遊技状態(滞在時短)と同種であるか否かを判定する。対応時短が滞在時短と同種の時短遊技状態でない場合は、ステップSc6802にて滞在時短の優先度を把握し、その後、ステップSc6803にて対応時短の優先度を把握する。
ステップSc6804では、ステップSc6802で把握した滞在時短の優先度とステップSc6803で把握した滞在時短の優先度とを比較し、対応時短の優先度が滞在時短の優先度よりも上位であるか否かを判定する。対応時短の優先度が滞在時短の優先度よりも上位である場合は、ステップSc1403にて上記各種フラグ格納エリア314eに突然時短開始用フラグをセットする。突然時短開始用フラグは、突然時短遊技状態に移行すべきであることをMPU312が把握するためのものであり、この場合は対応時短への移行を実施すべきであることを示すものとなる。
ステップSc6804で否定判定した場合(対応時短の優先度が滞在時短の優先度よりも上位でない場合)は、ステップSc6101にて留保用処理を実行する。留保用処理は、時短遊技状態の途中で特殊外れ結果になった場合に、その特殊外れ結果が対応する突然時短遊技状態を留保状態とするための処理である。
なお、天井時短遊技状態の移行判定用処理(図295)では、各時短遊技状態の優先度を比較し、その結果に基づいて移行又は留保を切り替える処理が存在しないが、これは天井時短遊技状態の優先度が最上位に設定されているためである。すなわち、他の時短遊技状態への滞在中に外れ回数が天井回数に到達した場合は、常に天井時短遊技状態への移行が実施される。
変動開始処理(図294(a))の説明に戻り、ステップSc711の実行後はステップSc712にて変動表示時間の設定処理を実行する。この処理は上記変形例6に係る変動表示時間の設定処理(図285)と同様のものである。
続くステップSc713では、上記各種フラグ格納エリア314eに変動表示フラグをセットする。変動表示フラグは、特図遊技回の変動表示中であることをMPU312が把握するためのものである。
<特図遊技回制御処理>
本変形例に係る変動開始処理について図294(b)のフローチャートを参照しながら説明する。この処理は、通常処理(図219)のステップSc403で実行されるものであり、図220の特図遊技回制御に代えて実行されるものである。図294(b)において図220と同様の処理のついては同一のステップ番号を付し、その説明を省略又は簡略化する。
ステップSc507で肯定判定した場合(変動表示時間が経過している場合)は、ステップSc509にて、RAM314の各種フラグ格納エリア314eにセットされている変動表示フラグをクリアする。続くステップSc510では、高頻度サポートモードを終了させるための高頻度サポートモード終了用処理を実行する。
ステップSc7402では天井時短遊技状態の移行用処理を実行する。天井時短遊技状態の移行用処理は、遊技状態を天井時短遊技状態に移行させるためのものである。ここで、ステップSc7402の天井時短遊技状態の移行用処理について図297のフローチャートを参照しながら説明する。
先ずステップSc7601では、RAM314の各種フラグ格納エリア314eに天井時短開始用フラグがセットされているか否かを判定する。天井時間開始用フラグがセットされていない場合はそのまま天井時短遊技状態の移行用処理を終了する。
天井時短開始用フラグがセットされている場合、すなわち、突然時短遊技状態に移行すべき状況である場合は、ステップSc7602にて上記各種フラグ格納エリア314eにいずれかのサポートフラグがセットされているか否かを判定する。いずれかのサポートフラグがセットされている場合、すなわち、現在の遊技状態が時短遊技状態である場合は、時短遊技状態である状況で外れ遊技回の回数が天井回数に到達したことを意味する。
この場合は、ステップSc7603に進み、そのセットされているサポートフラグ、すなわち、滞在時短のサポートフラグをクリアする。これにより滞在時短が終了する。このように、時短遊技状態の途中で天井回数への到達が成立した場合は、滞在中の時短遊技状態が途中で強制終了される。
ステップSc7603の実行後又はステップSc7602で否定判定した場合(いずれのサポートフラグもセットされておらず、現在の遊技状態が通常遊技状態である場合)は、ステップSc7604に進み、上記各種フラグ格納エリア314eにサポートCフラグをセットする。サポートCフラグは天井時短遊技状態に対応するものであり、当該フラグがセットされることにより天井時短遊技状態への移行が実施される。
ステップSc7605では、RAM314の各種カウンタエリア314dに設けられた実行時短用エリア611に天井時短遊技状態の上限回数(例えば500回)に対応する値をセットする。ステップSc7606では、上記各種フラグ格納エリア314eにセットされている天井時短開始用フラグをクリアする。
ステップSc7607では、演出制御装置143への送信対象として天井時短遊技状態開始コマンドを設定し、その後、天井時短遊技状態の移行用処理を終了する。天井時短遊技状態開始コマンドは、天井時短遊技状態への移行を演出制御装置143に通知するためのものである。
<時短遊技状態中の遊技の流れについて>
時短遊技状態中に外れ遊技回の回数が天井回数に到達した場合や特殊外れ結果になった場合の流れについて図298を参照しながら説明する。
天井時短遊技状態である状況で特殊外れ結果Aになった場合(事象A)は、特殊外れ結果Aが対応する突然時短遊技状態Aの優先度が天井時短遊技状態の優先度よりも下位であることにより、天井時短遊技状態が継続され、突然時短遊技状態Aが留保状態とされる。この場合、上限回数への到達により天井時短遊技状態が終了した後、突然時短遊技状態Aへの移行が実施される。この際、突然時短遊技状態Aの残り回数は、突然時短遊技状態Aの本来の上限回数(例えば100回)から突然時短遊技状態Aが留保されたときの天井時短遊技状態の残り回数を減算した差分回数とされる。
突然時短遊技状態Bである状況で特殊外れ結果Aになった場合(事象B)は、突然時短遊技状態Aの優先度が突然時短遊技状態Bの優先度よりも上位であることにより、突然時短遊技状態Bが途中終了され、突然時短遊技状態Aへの移行が実行される。すなわち、滞在時短が天井時短遊技状態であった場合のような制限(留保)が課されることなく、突然時短遊技状態Aへの移行が速やかに実施される。この場合の突然時短遊技状態Aの残り回数は、当該状態Aの本来の上限回数(例えば100回)となる。
天井時短遊技状態である状況で特殊外れ結果Bになった場合(事象C)は、特殊外れ結果Bが対応する突然時短遊技状態Bの優先度が天井時短遊技状態の優先度よりも下位であることにより、天井時短遊技状態が継続され、突然時短遊技状態Bが留保状態とされる。この場合、上限回数への到達により天井時短遊技状態が終了した後、突然時短遊技状態Bへの移行が実施される。この際、突然時短遊技状態Bの残り回数は、本来の上限回数(例えば100回)よりも少ない差分回数とされる。
突然時短遊技状態Aである状況で外れ遊技回の回数が天井回数に到達した場合(事象D)は、天井時短遊技状態の優先度が突然時短遊技状態Aの優先度よりも上位であることにより、突然時短遊技状態Aが途中終了され、天井時短遊技状態への移行が実行される。
突然時短遊技状態Bである状況で外れ遊技回の回数が天井回数に到達した場合(事象E)は、天井時短遊技状態の優先度が突然時短遊技状態Bの優先度よりも上位であることにより、突然時短遊技状態Bが途中終了され、天井時短遊技状態への移行が実行される。
なお、天井時短遊技状態の天井回数(例えば800回)が通常時短遊技状態の上限回数(例えば150回)よりも多い回数に設定されているため、通常時短遊技状態である状況で外れ遊技回の回数が天井回数に到達することはない。すなわち、通常時短遊技状態と天井時短遊技状態との競合については生じない構成となっている。
また、通常時短遊技状態である状況で特殊外れ結果Aになった場合や特殊外れ結果Bになった場合の流れについては、上記変形例6と同様であるため、説明を省略する。
以上詳述した本変形例によれば、以下の優れた効果を奏することができる。
突然時短遊技状態B<突然時短遊技状態A<天井時短遊技状態の順で順位が高くなるように優先度を設定し、天井時短遊技状態である状況で特殊外れ結果Aになった場合には、突然時短遊技状態Aへの移行に対する制限として当該移行を留保し、突然時短遊技状態Bである状況で特殊外れ結果Aになった場合には、上記制限を付加することなく突然時短遊技状態Aへの移行を直ちに行う構成とした。すなわち、滞在時短の種別と途中当選した特殊外れ結果が対応する時短遊技状態との組合せによって移行に制限を加えたり、加えなかったりするため、当該組合せに応じてその後の遊技の展開に差異を生じさせることができる。これにより、特定遊技状態に移行するか否かだけでなく、どの組合せとなるかについても遊技者を楽しませることができ、興趣性を高めることが可能になる。
天井時短遊技状態の優先度を他の時短遊技状態よりも高くし、突然時短遊技状態A、Bのいずれで天井回数への到達が成立しても天井時短遊技状態への移行が優先される構成とした。より詳しくは、第2作動口63への入賞期待値が天井時短遊技状態よりも高い突然時短遊技状態Aである状況で天井回数への到達が成立しても、天井時短遊技状態への切り替えが行われるように構成した。
天井時短遊技状態は、外れ遊技回の累積回数により移行するため、外れ遊技回が天井回数に到達する前(移行契機が成立する前)から遊技者が天井時短遊技状態への移行を予測できるという特性がある。このため、実際に外れ遊技回が天井回数に到達して移行契機が成立しているにもかかわらず、天井時短遊技状態に移行させないでいると、天井時短遊技状態に移行していないことに遊技者が気付きやすい。この場合、天井到達は一体どうなってしまったのかと困惑し、遊技意欲の減退を招く懸念がある。この点、突然時短遊技状態Aの継続よりも天井時短遊技状態への移行を優先させることで、そのような困惑の発生を回避し、上記不都合の発生を抑制することが可能になる。
<変形例8>
上記第3の実施の形態の変形例6について図299~図308を参照しながら説明する。これらの図において第3の実施の形態と同様の構成については同一の符号を付し、その説明を省略する。
本変形例では、時短遊技状態中の特殊外れ結果への当選により留保状態とされた突然時短遊技状態について、その移行タイミングとなる前に所定の解除条件が成立すると、その留保状態が解除されるように構成されている。以下、本変形例の構成について詳細について説明する。
なお、本変形例に係る突然時短遊技状態は、上記変形例3に係る突然時短遊技状態(図260(a))と同様である。また、突然時短遊技状態の留保上限数は、上記変形例3と同様に突然時短遊技状態の種別数と同数(例えば3個)に設定されている。また、RAM314に時短遊技状態用カウンタエリア560及び発生順情報記憶エリア565が設けられており、上記変形例3と同様に時短遊技状態中に発生した複数の留保時短についてその発生順に対応する順番で移行を実施するように構成されている。
<低確率モード用の特図当否テーブル及び特殊外れ結果について>
本変形例に係る低確率モード用の特図当否テーブル及び特殊外れ結果について図299及び図300を参照しながら説明する。
図299(a)に示すように、本変形例に係る低確率モード用の特図当否テーブルでは、取り得る結果として大当たり結果、特殊外れ結果及び通常外れ結果が設定されている。そのうち特殊外れ結果については、上記第3の実施の形態に係る低確率モード用の特図当否テーブル(図215(a))よりもその割合が高くなっている。具体的には、大当たり乱数カウンタC1として取り得る「0」~「2999」の値のうち「10」~「49」の計40個が特殊外れ結果に割り当てられ、特殊外れ結果となる確率は40/3000に設定されている。
図299(b)に示すように、本変形例では特殊外れ結果の種別として特殊外れ結果A~Fの6種類が設定されている。このうち特殊外れ結果A~Cの3種類は、上記第3の実施の形態や変形例1等の特殊外れ結果A~Cと同様であり、突然時短遊技状態A~Cへの移行や留保の発生に対応している。但し、特殊外れ結果A~Cのいずれかに当選する確率は上記第3の実施の形態や変形例1等の場合(1/300)よりも高くなっており、1/100に設定されている。
図300(a)に示すように、特殊外れ結果A~Cの各割合は、特殊外れ結果C<特殊外れ結果A<特殊外れ結果Bの順で高くなっている。すなわち、特殊外れ結果A~Cのうち特殊外れ結果Cが最も当選しやすく、時短遊技状態に滞在中の場合は突然時短遊技状態Bの留保が最も発生しやすくなっている。
図299(b)において残りの特殊外れ結果D~Fの3種類は、留保状態の取り消し(解除)に対応する結果となっている。すなわち、時短遊技状態の留保中である状況で特図当否抽選の結果が特殊外れ結果D~Fになると、その時短遊技状態への移行が実行されることなく留保状態だけが解除される。
図300(c)に示すように、特殊外れ結果D~Fは突然時短遊技状態の種別と対応しており、具体的には、特殊外れ結果Dが突然時短遊技状態Aに対応し、特殊外れ結果Eが突然時短遊技状態Bに対応し、特殊外れ結果Fが突然時短遊技状態Cに対応している。すなわち、特殊外れ結果Dになると突然時短遊技状態Aの留保が取り消され、特殊外れ結果Eになると突然時短遊技状態Bの留保が取り消され、特殊外れ結果Fになると突然時短遊技状態Cの留保が取り消されるように構成されている。
但し、例えば、突然時短遊技状態Aが留保されていない状況で特殊外れ結果Dになるなど、対応する留保時短が存在しない状況で特殊外れ結果D~Fになった場合は留保状態の取り消しは実行されない。つまり、大当たり遊技状態への移行が生じない抽選結果として機能するに留まり、通常外れ結果と同等のものになる。
図299(b)に示すように、特殊外れ結果D~Fのいずれかに当選する確率は、特殊外れ結果A~Cのいずれかに当選する確率(1/100)よりも低くなっており、具体的には1/300に設定されている。つまり、留保よりも取り消しの方が発生しにくい構成となっている。
また、図300(b)に示すように、特殊外れ結果D~Fの各割合は異なっており、具体的には、特殊外れ結果E、Fよりも特殊外れ結果Dの割合が少なくなっている。すなわち、特殊外れ結果Dとなる確率は特殊外れ結果E、Fとなる確率よりも低くなっており、突然時短遊技状態Aは一旦留保されると、他の突然時短遊技状態B、Cよりも取り消しが発生しにくいものとなっている。
なお、図299、図300に示す乱数の数及び値は一例に過ぎず、例えば、特殊外れ結果A~Cのいずれかに当選する確率よりも特殊外れ結果D~Fのいずれかに当選する確率の方が高いなど、各種結果の確率や対応する乱数等は任意に設定することができる。
<突然時短遊技状態の移行判定用処理>
本変形例に係る突然時短遊技状態の移行判定用処理について図301のフローチャートを参照しながら説明する。この処理は、主制御装置162による変動開始処理(図222)のステップSc711で実行されるものであり、図261(a)の突然時短遊技状態の移行判定用処理に代えて実行されるものである。図301において図261(a)と同様の処理については同一のステップ番号を付し、その説明を省略又は簡略化する。
先ずステップSc1401では、今回の特図当否抽選の結果が特殊外れ結果であるか否かを判定する。特図当否抽選の結果が特殊外れ結果である場合は、ステップSc8101に進み、今回の特殊外れ結果が特殊外れ結果A~Cのいずれかであるか、すなわち、突然時短遊技状態への移行や留保の発生に対応したものであるか否かを判定する。この判定はRAM314の各種フラグ格納エリア314eにセットされる特殊外れ種別フラグ(ステップSc707)を参照して行う。
今回の特殊外れ結果が特殊外れ結果A~Cのいずれかである場合は、ステップSc1402にて、上記各種フラグ格納エリア314eにいずれかのサポートフラグがセットされているか否かを判定する。いずれのサポートフラグもセットされていない場合、すなわち、現在の遊技状態が通常遊技状態である場合は、ステップSc1403にて、上記各種フラグ格納エリア314eに突然時短開始用フラグをセットする。
ステップSc1402で肯定判定した場合(いずれかのサポートフラグがセットされている場合)、すなわち、現在の遊技状態が通常時短遊技状態又は突然時短遊技状態である場合は、ステップSc4301にて留保用処理を実行し、その後、突然時短遊技状態の移行判定用処理を終了する。留保用処理は、時短遊技状態の途中で特殊外れ結果になった場合に、その特殊外れ結果が対応する突然時短遊技状態を留保状態とするための処理である。
ステップSc8101で否定判定した場合(特殊外れ結果A~Cのいずれでもない場合)、すなわち、今回の特殊外れ結果が特殊外れ結果D~Fのいずれかであり、留保状態の取り消し(解除)に対応するものである場合は、ステップSc8102に進み、留保解除用処理を実行する。留保解除用処理は留保状態を取り消すためのものである。ステップSc8102の実行後は突然時短遊技状態の移行判定用処理を終了する。
<留保解除用処理>
ステップSc8102の留保解除用処理について図302のフローチャートを参照しながら説明する。
先ずステップSc8201では、RAM314の各種フラグ格納エリア314eにいずれかの留保用フラグがセットされているか否かを判定する。いずれかの留保用フラグがセットされている場合、すなわち、突然時短遊技状態の留保状態である場合は、ステップSc8202に進み、今回の特殊外れ結果の種別を把握する。留保解除用処理は今回の特殊外れ結果が特殊外れ結果D~Fである場合に実行されるところ、ステップSc8202では今回の特殊外れ結果が特殊外れ結果D~Fのうちのいずれであるかを特定する。
ステップSc8203では、対応する留保時短が存在するか否かを判定する。具体的には、ステップSc8202で把握した特殊外れ結果の種別に対応する突然時短遊技状態が留保中であるか否かを判定する。例えば、ステップSc8202で把握した特殊外れ結果の種別が特殊外れ結果Dである場合は、上記各種フラグ格納エリア314eを参照し、突然時短遊技状態Aが留保中であることを示す留保用フラグAがセットされているか否かを判定する。
対応する留保時短が存在する場合はステップSc8204に進み、上記各種フラグ格納エリア314eにおいて対応する留保用フラグをクリアする。これにより、今回の特殊外れ結果に対応する突然時短遊技状態の留保が取り消される(解除される)。
ステップSc8205では、上記各種フラグ格納エリア314eに留保解除用フラグをセットする。留保解除用フラグは留保状態の取り消しを行ったことをMPU312が把握するためのものである。
ステップSc8206では、演出制御装置143への送信対象として留保解除コマンドを設定する。留保解除コマンドは留保状態を取り消したことを通知するものであり、当該コマンドには留保状態が取り消された時短遊技状態の種別を示す情報が含まれる。
ステップSc8207では、発生順情報記憶エリア565に記憶されている発生順を更新する。例えば、突然時短遊技状態C、突然時短遊技状態B、突然時短遊技状態Aの順で発生順が記憶されている場合において突然時短遊技状態Bの留保が取り消された場合は、突然時短遊技状態Aの発生順を繰り上げるように発生順情報記憶エリア565の記憶内容を変更する。
ステップSc8207の実行後は留保解除用処理を終了する。また、ステップSc8201で否定判定した場合(いずれの留保用フラグもセットされていない場合)やステップSc8203で否定判定した場合(対応する留保時短が存在しない場合)は、留保状態の取り消し(解除)を実行しないとしてステップSc8204以降の処理を実行せずに留保解除用処理を終了する。
<変動表示時間の設定処理>
本変形例に係る変動表示時間の設定処理について図303のフローチャートを参照しながら説明する。この処理は、変動開始処理(図222)のステップSc712で実行されるものであり、図263の変動表示時間の設定処理に代えて実行されるものである。図303において図263と同様の処理については同一のステップ番号を付し、その説明を省略又は簡略化する。
ステップSc1604で否定判定した場合(高確遊技状態でない場合)は、現在の遊技状態が時短遊技状態(通常時短遊技状態又は突然時短遊技状態)であることを意味する。この場合はステップSc8301にて今回の特図当否抽選の結果が特殊外れ結果であるか否かを判定する。特殊外れ結果である場合はステップSc8302に進み、今回の特殊外れ結果が特殊外れ結果A~Cのいずれかであるか、すなわち、突然時短遊技状態への移行や留保の発生に対応したものであるか否かを判定する。
特殊外れ結果A~Cのいずれかである場合は、ステップSc8303にて、今回の変動表示時間テーブルとして特殊外れ用の変動表示時間テーブルA(図232(b))を取得する。この変動表示時間テーブルAには選択可能な変動パターンとして変動パターンZ1(特殊リーチ外れA演出)のみが設定されている。よって、今回の特殊外れ結果が特殊外れ結果A~Cのいずれかである場合は、特殊リーチ外れA演出の実行に対応した変動パターンが選択されるように変動表示時間の抽選処理(ステップSc1607)が実行される。すなわち、突然時短遊技状態への移行や留保の発生に対応した特殊外れ結果となった場合は、その都度、そのような抽選結果になったことが図柄表示装置75にて報知される。
ステップSc8302で否定判定した場合、すなわち、今回の特殊外れ結果が特殊外れ結果D~Fのいずれかである場合は、ステップSc8304にてRAM314の各種フラグ格納エリア314eに留保解除用フラグがセットされているか否かを判定する。留保解除用フラグがセットされている場合、すなわち、今回の遊技回で留保の取り消しを行う場合は、ステップSc8305に進み、今回の変動表示時間テーブルとして特殊外れ用の変動表示時間テーブルCを取得する。
図304(a)に示すように、変動表示時間テーブルCには選択可能な変動パターンとして変動パターンZ3(20sec)のみが設定されている。変動パターンZ3は特殊リーチ外れC演出に対応しており、変動パターンZ3に対応する変動開始コマンドが演出制御装置143に送信された場合、図柄表示装置75では遊技回用演出として特殊リーチ外れC演出が実行される。ここで、特殊リーチ外れC演出について図305を参照しながら説明する。
特殊リーチ外れC演出では先ず、図305(a)に示すように、表示画面G上の有効ラインL1~L5のいずれかに上図柄列Z1と下図柄列Z3がリーチの組み合わせで停止表示され、リーチ表示が実行される。その後、中図柄列Z2(最終停止列の図柄列)が高速変動表示から低速変動表示に切り替えられるが、その際、図305(b)に示すように、大当たりの組合せとなる図柄とは異なる図柄の位置に、例えば「BAD」等の文字が付された特殊図柄721が配置された状態で低速変動表示が行われる。これにより、特殊図柄721の存在を遊技者が把握できるようにして変動表示が行われる。なお、図305(b)には、大当たりの組合せとなる「4」図柄に対して次の図柄となる「5」図柄の位置に特殊図柄721が配置された例を示している。
次いで、図305(c)に示すように、低速変動表示している特殊図柄721がリーチライン上に停止表示される。本実施の形態では、上図柄列Z1及び下図柄列Z3によりリーチラインが形成された後、そのリーチライン上に中図柄列Z2の特殊図柄721が停止表示される図柄組合せが特殊外れ結果D~Fに対応する図柄組合せとなっている。よって、かかる図柄組合せで図柄列Z1~Z3が停止表示されることにより、特殊外れ結果D~Fのいずれかになったこと、換言すれば、抽選の結果として留保の取り消しに対応した結果を引き当ててしまったことが報知される。
なお、特殊リーチ外れC演出に対応する変動パターンZ3(20sec)は、特殊外れ結果A~Cのいずれかになった場合に実行される特殊リーチ外れA演出に対応する変動パターンZ1(15sec)よりも変動表示時間が長くなっている。これは後述する解除用演出の実行期間を確保するためである。
変動表示時間の設定処理(図303)の説明に戻り、ステップSc8305の実行後はステップSc8306にて上記各種フラグ格納エリア314eにセットされている留保解除用フラグをクリアする。
ステップSc8304で否定判定した場合(留保解除用フラグがセットされていない場合)、すなわち、今回の特殊外れ結果が特殊外れ結果D~Fのいずれかであるものの、留保の取り消しを行わない場合は、ステップSc8307に進み、今回の変動表示時間テーブルとして特殊外れ用の変動表示時間テーブルDを取得する。
図304(b)に示すように、特殊外れ用の変動表示時間テーブルDには選択可能な変動パターンとして変動パターン21H(完全外れ演出)と変動パターンZ4とが設定されている。変動パターンZ4は特殊リーチ外れD演出に対応しており、変動パターンZ4に対応する変動開始コマンドが演出制御装置143に送信された場合、図柄表示装置75では遊技回用演出として特殊リーチ外れD演出が実行される。特殊リーチ外れD演出は、特殊リーチ外れC演出と対をなす所謂ガセ演出であり、特殊外れD~F(留保の取り消し)への危機感を煽った上でそれとは異なる図柄組合せで図柄列Z1~Z3を停止表示させるものである。
特殊リーチ外れD演出では、図305(a)、(b)に示すように、上図柄列Z1及び下図柄列Z3によるリーチ表示が実行された後、特殊図柄721を含む状態で中図柄列Z2が低速変動表示される。すなわち、特殊リーチ外れC演出と同様の態様にて図柄変動演出の途中までが実行される。その後、例えば、特殊図柄721がリーチラインを通り過ぎるなどして、図305(d)に示すように、中図柄列Z2において特殊図柄721とは異なる図柄がリーチライン上に停止表示される。つまり、特殊外れ結果D~Fに対応する図柄組合せが成立するかのように見せかけつつ、最終的には当該組合せが成立しないようにして図柄列Z1~Z3が停止表示される。
変動表示時間の設定処理(図303)の説明に戻り、ステップSc8301で否定判定した場合(特殊外れ結果でない場合)は、大当たり結果又は通常外れ結果であることを意味する。この場合はステップSc4505に進み、対応する時短遊技状態用の変動表示時間テーブルを取得する。具体的には、今回の当否抽選の結果が大当たり結果である場合は大当たり用の変動表示時間テーブル(図232(a))を取得し、今回の当否抽選の結果が通常外れ結果である場合は通常外れ用の変動表示時間テーブル(図304(c))を取得する。なお、通常外れ用の変動表示時間テーブルには、選択可能な変動パターンとして変動パターンZ4(特殊リーチ外れD演出)が含まれている。
ステップSc8303、ステップSc8306、ステップSc8307又はステップSc4505の実行後はステップSc1607にて、それら各ステップで取得した動表示時間テーブルを用い、変動表示時間(変動パターン)の抽選処理を実行する。その後、ステップSc1608以降の処理を実行する。
<演出設定処理>
本変形例に係る演出設定処理について図306のフローチャートを参照しながら説明する。この処理は演出制御装置143にて所定周期(例えば2msec周期)で起動されるものであり、図242の演出設定処理に代えて実行されるものである。図306において図242と同様の処理については同一のステップ番号を付し、その説明を省略又は簡略化する。
ステップSc2506では、主制御装置162からの留保コマンドを受信しているか否かを判定する。留保コマンドを受信している場合、すなわち、突然時短遊技状態の留保が行われる場合は、ステップSc8401にて、留保される時短遊技状態(留保時短)を把握する。本ステップでは、主制御装置162からの留保コマンドを解析し、突然時短遊技状態A~Cのいずれについて留保が発生したかを特定する。
ステップSc8402では、ステップSc8401の把握結果に基づいて留保表示部731の表示設定を行う。ここで、図307を参照して留保表示部731について説明する。
図307(a)に示すように、本変形例では、時短遊技状態において表示画面Gに留保表示部731が表示されるように設定されている。留保表示部731は、留保時短の有無やいずれの突然時短遊技状態が留保されているかなどを報知する報知部として機能するものである。この留保表示部731は、表示画面Gにおいて図柄列Z1~Z3と重ならないように表示され、また、保留数を示す保留用画像が表示画面Gに表示される場合は、それら保留用画像の表示領域とも重ならないように表示される。なお、図307(a)では、留保表示部731が表示画面Gの右下部に配置されているが、例えば右上部や左上部など他の領域に配置されてもよい。
図307(b1)に示すように、留保表示部731には、突然時短遊技状態Aに対応した第1留保表示領域731aと、突然時短遊技状態Bに対応した第2留保表示領域731bと、突然時短遊技状態Cに対応した第3留保表示領域731cとが設定されている。これら各表示領域731a~731cには、各突然時短遊技状態について留保の有無を示す留保用画像732a~732cが表示される。
図307(b1)には、留保の有無のほか、対応する突然時短遊技状態を容易に認識できるように、時短遊技状態の種別を文字により示す画像で各留保用画像732a~732cを構成した例を示している。但し、留保用画像732a~732cの具体的態様はこれに限定されるものではなく、例えば記号やキャラクタ等の所定の絵柄画像等により留保用画像732a~732cを構成するなど、遊技者が留保の有無を認識できるものであれば任意の態様とすることができる。
留保表示部731において各留保用画像732a~732cは、対応する突然時短遊技状態が留保されていない状況では半透明の状態で表示される。
ステップSc8402では、留保用画像732a~732cのうち、ステップSc8401で把握した種別に対応するものについて留保状態に対応した表示態様とするように設定する。例えば、ステップSc8401で把握した突然時短遊技状態が突然時短遊技状態Aである場合は、図307(b2)に示すように留保用画像732aを半透明な状態から不透明な状態に変更するように設定する。これにより、突然時短遊技状態Aの留保が発生したことが報知される。この不透明な状態の留保用画像732aは、時短遊技状態において突然時短遊技状態Aの留保中である期間に亘り継続して表示される。
また、ステップSc8402では、各留保用画像732a~732cの表示態様を変更する上記演出が特殊外れ結果A~Cとなった遊技回にて実行されるように設定する。この際、当該演出がその遊技回の変動表示時間の少なくとも一部にて実行されてもよいし、確定表示時間の少なくとも一部にて実行されてもよいし、変動表示時間と確定表示時間を跨いで実行されてもよい。なお、変動表示時間を利用する場合は、図柄列Z1~Z3が特殊外れ結果D~Fに対応する図柄組合せで停止表示されてから上記演出が開始されるように構成する。
ステップSc8402の実行後又はステップSc2506で否定判定した場合(留保コマンドを受信していない場合)は、ステップSc8403にて、主制御装置162からの留保解除コマンドを受信しているか否かを判定する。留保解除コマンドを受信している場合、すなわち、留保の取り消し(解除)が行われる場合は、ステップSc8404にて、留保状態が解除される時短遊技状態(解除時短)を把握する。本ステップでは、主制御装置162からの留保解除コマンドを解析し、突然時短遊技状態A~Cのいずれについて解除が発生したかを特定する。
ステップSc8405では、ステップSc8404の把握結果に基づいて留保表示部731の表示設定を行う。具体的には、留保用画像732a~732cのうち、ステップSc8404で把握した種別に対応するものについて非留保状態に対応した表示態様となるように設定する。例えば、ステップSc8404で把握した突然時短遊技状態が突然時短遊技状態Cである場合は、図307(c1)、(c2)に示すように留保用画像732cを不透明な状態から半透明な状態に変更するように設定する。これにより、突然時短遊技状態Cの留保が取り消されたことが報知される。
留保表示部731の表示設定では、各留保用画像732a~732cの表示態様を変更する上記演出が特殊外れ結果A~Cとなった遊技回にて実行されるように設定する。この際、当該演出がその遊技回の変動表示時間の一部にて実行されるように設定し、留保の取り消しがより分かりやすくなるように次の態様で行われるようにする。
図308に示すように、上記変動表示時間内のタイミングt3にて図柄列Z1~Z3を特殊外れ結果D~Fに対応する図柄組合せで停止表示した後、図308(d)に示すように留保表示部731を拡大表示する。次いで、リーチライン上に表示されている特殊図柄721を第3留保表示領域731c(留保状態が解除される突然時短遊技状態に対応する領域)に移動させ、不透明な状態で表示された留保用画像732cの前方を通過させるように表示する。
特殊図柄721の通過に伴い、第3留保表示領域731cの留保用画像732cを半透明な状態に変更し、留保されていない状態に対応した表示態様に切り替える(図308(e))。その後、留保表示部731を元の表示サイズに縮小表示するとともに、リーチライン上の中図柄列Z2にリーチ外れの組合せを構成する図柄を表示し、外れ結果であることを報知する(図308(f))。
上記構成とすることで、特殊図柄721を含む態様で図柄列Z1~Z3が停止表示されたが故に留保が取り消されたかのような印象を遊技者に与えることができる。これにより、留保が取り消されたことや、停止表示された図柄組合せが留保の取り消しに対応することを分かりやすくできる。また、上記構成とすることで、遊技者において特殊図柄721と留保の取り消しとが強く関連付けられ、特殊図柄721を視認できる態様で図柄列Z2を低速変動表示させたり、ガセ演出としての特殊リーチ外れD演出を実行したりした場合に遊技者の危機感を好適に煽ることができ、演出効果を高めることが可能になる。なお、図308(d)~図308(f)の演出は、変動表示時間の残り分、すなわち、確定表示が開始されるまでの期間(タイミングt3~タイミングt4)を利用して行うとよい。
演出設定処理(図306)の説明に戻り、ステップSc8405の実行後又はステップSc8403で否定判定した場合(留保解除コマンドを受信していない場合)は、ステップSc2508に進み、いずれかの遊技状態終了コマンドを受信しているか否かを判定する。
<時短遊技状態中に特殊外れ結果になった場合の流れについて>
時短遊技状態中に特殊外れ結果になった場合の流れについて説明する。ここでは、突然時短遊技状態Cを留保済みの状況で特殊外れ結果になった場合を例にとって説明する。
時短遊技状態において突然時短遊技状態Cを留保中である状況で特殊外れ結果Aになると、突然時短遊技状態Aが留保状態とされる。この場合、特殊外れ結果Aになった特図遊技回では、特殊リーチ外れA演出が実行され、特殊外れ結果Aに対応した停止態様(特殊図柄511を含むリーチ外れの図柄組合せ)で図柄列Z1~Z3が停止表示される(図233(c))。
また、当該遊技回では、表示画面G上の留保表示部731において突然時短遊技状態Aに対応する第1留保表示領域731aが留保状態に対応した表示態様とされる。具体的には、第1留保表示領域731aの留保用画像732aが半透明な状態から不透明な状態に変更される。これにより、遊技者に対して突然時短遊技状態Aの留保を獲得したことが報知される。
その後、突然時短遊技状態C、突然時短遊技状態Aをそれぞれ留保中である状況で特殊外れ結果Fになると、突然時短遊技状態Cの留保状態が取り消される。つまり、突然時短遊技状態Cと突然時短遊技状態Aを留保中であった状態から突然時短遊技状態Aのみを留保中である状態に変更される。
この場合、特殊外れ結果Fになった特図遊技回では、特殊リーチ外れC演出が実行され、特殊外れ結果Fに対応した停止態様(特殊図柄721を含むリーチ外れの図柄組合せ)で図柄列Z1~Z3が停止表示される(図305(c))。また、当該遊技回では、留保表示部731において突然時短遊技状態Cに対応する第3留保表示領域731cが非留保状態に対応した態様に変更される。具体的には、第3留保表示領域731cの留保用画像732cが不透明な状態から半透明な状態に変更される。これにより、突然時短遊技状態Cの留保が取り消されたこと(消失したこと)が報知される。
ここで、特殊外れ結果D~Fはいずれも留保の取り消しに対応する結果であるところ、それら各結果の当選確率に差異が設けられており、具体的には特殊外れ結果Dになる確率が特殊外れ結果E、Fになる確率よりも低くなっている。このため、突然時短遊技状態Aは、他の突然時短遊技状態に比べて留保状態の取り消しが生じにくく、遊技者にとって移行の実施を期待しやすいものとなっている。このように取り消しの発生しやすさに差異を設けることで、遊技者にとって特に留保を獲得したい突然時短遊技状態を創出することができ、留保の獲得を目指す上で興趣性を高めることが可能になる。
なお、特殊外れ結果Fになった場合において突然時短遊技状態Cを留保中でない場合は、留保の取り消しが実行されない。この場合は、完全外れ演出又は特殊リーチ外れD演出が実行され、通常外れ結果又はリーチ外れ結果の図柄組合せで図柄列Z1~Z3が停止表示される。すなわち、留保の取り消しに対応した抽選結果となったことが明示されない。
以上詳述した本変形例によれば、以下の優れた効果を奏することができる。
時短遊技状態を留保中である状況で特殊外れ結果D~Fのいずれになると、留保の取り消しが実行される構成とした。この場合、時短遊技状態を留保させたとしても遊技者としては安心することができず、留保が消失してしまうかもしれないスリルを味合わせながら遊技させることができる。さらに、留保の実行後、それを事後的に取り消し可能な構成としたことで、そのような取り消し機能を備えない場合に比べてそもそもの留保発生確率を高く設定することができる。よって、留保の発生頻度を高めることができ、遊技意欲を好適に喚起することが可能になる。
留保取り消しに対応した特殊外れ結果として特殊外れ結果D~Fを設定し、それら各特殊外れ結果に対して留保が取り消される突然時短遊技状態の種別を対応させる構成とした。この場合、留保の取り消しが実行されるか否かだけでなく、いずれの時短遊技状態の留保が取り消されるかについて遊技者をドキドキさせることができる。
留保取り消しの実行条件を特殊外れ結果D~Fへの当選とし、留保を取り消すか否かの判定と留保を発生させるか否かの判定とが同一の抽選処理(特図当否抽選)により実行される構成とした。これにより、時短遊技状態の留保と留保の取り消しとが同時に成立することが回避され、処理が複雑化したり、遊技者から見て分かりにくくなったりすることを抑制できる。また、複数の判定が一の抽選処理にまとめられることにより、それら各判定を各別に行う場合に比べて処理構成を簡単化することが可能になる。
突然時短遊技状態の種別により留保取り消しの発生確率が異なる構成とした。この場合、留保が取り消されやすい時短遊技状態と、留保が取り消されにくい時短遊技状態とを創出することができる。これにより、留保の発生時において、留保された時短遊技状態の有利度合(例えば第2作動口63への入賞期待値)だけでなく、取り消しの発生しやすさによっても、遊技者の嬉しさに差異を生じさせることができ、興趣性を高めることが可能になる。
特殊外れ結果D~Fになった場合に特殊リーチ外れC演出を実行し、停止表示される図柄列Z1~Z3の組合せにより留保の取り消しを報知する構成とした。図柄列Z1~Z3は大当たりであるか否かの結果報知に用いられるため、遊技者の注目度が高く、本構成とすることで、取り消し報知の見落とし等を好適に抑制することが可能になる。また、留保の取り消し対応した組合せが追加されることにより、遊技者の関心が高い図柄列Z1~Z3の停止パターンが多様化されることになり、図柄遊技の面白みを高めることも可能になる。
特殊図柄721を留保表示部731に移動表示させ、停止表示された図柄列Z1~Z3の一部を用いて留保の取り消し演出(図308(d)~(e))を実行する構成とした。この場合、特殊図柄721と留保の取り消しとが直接的に結び付けられるため、変動表示において特殊図柄721が視認された際や特殊図柄721が停止表示されそうになった際のドキドキ感を強烈に煽ることができる。これにより、留保の取り消しに対応した組合せで図柄列Z1~Z3が停止表示されることを回避する遊技を好適に盛り上げることが可能になる。
<その他の変形例>
なお、上述した第3の実施の形態や各変形例の記載内容に限定されず例えば次のように実施してもよい。ちなみに、以下の各構成を個別に上記第3の実施の形態や各変形例に対して適用してもよく、一部又は全部を組み合わせて上記第3の実施の形態や各変形例に対して適用してもよい。また、上記第3の実施の形態や各変形例に示した各種構成の全て又は一部を任意に組み合わせることも可能である。この場合、組み合わせの対象となる各構成の技術的意義(発揮される効果)が担保されることが好ましい。
また、理解の容易のため、例えば「第3の実施の形態の変形例1では」などとし、前提構成として一部の実施例を特定するものがあるが、以下の各構成は、特定した前提構成(実施例)に限定して適用されるものではなく、他の実施の形態や変形例に対しても適用することが可能である。
(1)上記第3の実施の形態や各変形例では、時短遊技状態に移行してからの特図遊技回の回数が上限回数に達することで時短遊技状態が終了するように構成したが、これに代えて又は加えて、時短遊技状態に移行してからの小当たり結果の回数が予め定められた特定回数(例えば5回)に達することで時短遊技状態が終了するように構成してもよい。
上記の際、時短遊技状態である状況で特殊外れ結果となり、その特殊外れ結果に対応した時短遊技状態への移行が留保される場合は、その留保時短の本来の残り小当たり回数(例えば5回)から滞在時短の残り小当たり回数(例えば2回)を減算した差分回数(例えば3回)を留保時短の実際の残り小当たり回数(例えば3回)とすることができる。
なお、特図遊技回の回数が上限回数に達することと、小当たり結果の回数が特定回数に達することとの両方の条件を備える場合は、それら条件の一方が成立したら時短遊技状態が終了する構成としてもよいし、それら条件の両方が成立したら時短遊技状態が終了する構成としてもよい。
(2)上記第3の実施の形態や各変形例では、RAM314の各種フラグ格納エリア314eに各種サポートフラグがセットされた場合に高頻度サポートモード(時短遊技状態)に移行し、各種フラグ格納エリア314eから各種サポートフラグが消去された場合に高頻度サポートモードが終了する構成としたが、各種フラグ格納エリア314eに設けられた特定の記憶領域に第1の値に対応する情報(例えば、サポート中フラグ)が記憶された場合に高頻度サポートモードに移行し、上記特定の記憶領域に第1の値とは異なる第2の値に対応する情報(例えば、非サポート中フラグ)が記憶された場合に高頻度サポートモードが終了する構成としてもよい。すなわち、高頻度サポートモード中であることに対応した情報と、高頻度サポートモード中でないことに対応した情報とが設けられ、いずれの情報が記憶(セット)されるかにより、高頻度サポートモードへの移行や高頻度サポートモードの終了が制御される構成としてもよい。
また、上記特定の記憶領域とは異なる記憶領域に上記第1の値と同一又は異なる第2の値に対応する情報が記憶された場合に高頻度サポートモードが終了する構成としてもよい。すなわち、高頻度サポートモード中であることに対応した記憶領域と、高頻度サポートモード中でないことに対応した記憶領域とが設けられ、いずれの記憶領域に情報が記憶(セット)されるかにより、高頻度サポートモードへの移行や高頻度サポートモードの終了が制御される構成としてもよい。
(3)上記第3の実施の形態や各変形例では、変動パターンと遊技回用演出とが1対1の関係で対応するが、1対複数の関係で対応してもよい。この場合、演出制御装置143にて演出抽選用の乱数を取得し、1の変動パターンに対応付けられている複数の遊技回用演出の中から上記取得した乱数を用いて1の遊技回用演出が選択される構成とすることができる。
(4)上記第3の実施の形態や各変形例では、時短遊技状態への移行時にサポートカウンタエリアSCに上限回数に対応した値をセットし、特図遊技回が行われるごとにその値を1ずつ減算することで、時短遊技状態の残り回数を更新する構成としたが、時短遊技状態への移行時にサポートカウンタエリアSCへの上限回数に対応した値をセットせず、特図遊技回が行われるごとにサポートカウンタエリアSCの値を1ずつ加算することで、時短遊技状態において実行された特図遊技回の回数を更新する構成としてもよい。この場合、その更新されたカウンタ値が上限回数に達した場合に時短遊技状態を終了させる構成とすればよい。
(5)上記第3の実施の形態や各変形例では、時短遊技状態である状況で特殊外れ結果になった場合に時短遊技状態が留保される構成としたが、高確遊技状態である状況で特殊外れ結果になった場合に時短遊技状態が留保される構成としてもよい。また、開閉実行モード中に特図当否抽選が実行され、当該モードである状況で特殊外れ結果になった場合に、その特殊外れ結果に対応する時短遊技状態への移行が留保される構成としてもよい。この場合、その留保された時短遊技状態は、開閉実行モードの終了後に移行が実施される構成としてもよいし、他の時短遊技状態の終了後に移行が実施される構成としてもよい。
(6)上記第3の実施の形態や各変形例では、特殊外れ結果になったことを契機として、時短遊技状態の留保や移行が行われる構成としたが、高確遊技状態の留保や移行が行われる構成としてもよい。この場合、高確遊技状態でのサポートモードは高頻度サポートモードであってもよいし、低頻度サポートモードであってもよい。
また、時短遊技状態や高確遊技状態の留保や移行が行われる構成に代えて、通常の演出モードでは見ることができない特殊な演出が行われたり、特殊なキャラクタ等が登場したりする特定の演出モードの留保や移行が行われるものであってもよい。また、通常遊技状態では行われない特殊な抽選が行われる状態の留保や移行が行われるものであってもよい。これらの場合、特殊な演出等を見ることができたり、特殊な抽選が受けられたりする点で遊技者にとって有利な状態となる。なお、特殊な抽選の一例としてはポイント抽選が考えられる。当該ポイント抽選にて付与されたポイントやその合計数により時短遊技状態や高確遊技状態、開閉実行モードに移行したりする構成としてもよい。また、特殊な演出(例えばキャラクタの衣装等)が解放されたり、パチンコ機10に関する開発秘話が表示されたりしてもよい。
(7)上記第3の実施の形態や各変形例では、時短遊技状態である状況で特殊外れ結果になった場合に突然時短遊技状態が留保される構成としたが、これに代えて又は加えて、時短遊技状態である状況で外れ遊技回の累積回数が天井回数に到達した場合に天井時短遊技状態が留保状態とされる構成としてもよい。
(8)上記第3の実施の形態や各変形例では、特図当否抽選の結果の一部として特殊外れ結果が設けられる構成としたが、特図当否抽選では大当たり結果であるか、それとも外れ結果であるかを抽選し、その結果が外れ結果となった場合に別抽選(外れ結果の種別抽選)にて特殊外れ結果であるか否かを抽選する構成としてもよい。この場合の別抽選は、大当たり種別カウンタC2や変動種別カウンタCS等の他の既存の乱数値を利用して行われてもよいし、外れ結果の種別を抽選するための専用乱数を用いて行われてもよい。
また、外れ結果の種別抽選に代えて第3時短遊技状態への移行条件を成立させるか否かの移行抽選が行われる構成としてもよい。この場合の抽選は、大当たり種別カウンタC2や変動種別カウンタCS等の他の既存の乱数値を利用して行われてもよいし、移行条件の成立有無を抽選するための専用乱数を用いて行われてもよい。
また、特図当否抽選において大当たり結果であるか、特殊外れ結果であるか、それとも通常外れ結果であるかを抽選し、その結果が特殊外れ結果になった場合に別抽選にて特殊外れ結果の種別を抽選してもよい。この場合の別抽選は、大当たり種別カウンタC2や変動種別カウンタCS等の他の既存の乱数値を利用して行われてもよいし、特殊外れ結果の種別を抽選するための専用乱数を用いて行われてもよい。
(9)上記第3の実施の形態や各変形例では、突然時短遊技状態や天井時短遊技状態とは別に、開閉実行モードを経由して移行する通常時短遊技状態を有する構成としたが、通常時短遊技状態を備えない構成としてもよい。また、高確遊技状態を備えない構成としてもよい。
(10)上記第3の実施の形態や各変形例では、特殊外れ結果になったことを契機として突然時短遊技状態の留保や移行が行われる構成としたが、他の事象を契機として当該時短遊技状態の留保や移行が行われる構成としてもよい。例えば、遊技領域PEや所定入球部の内部に設けられた特定の入球部や特定の通過部に遊技球が入球又は通過することに基づいて上記時短遊技状態の留保や移行が行われる構成としてもよい。この場合、上記入球又は通過に基づく賞球の払い出しは行われてもよいし、行われなくてもよい。
なお、特定の入球部について、開閉機構を備えず、常時開放しているタイプの入球部としてもよいし、開閉機構を備え、遊技球が入球可能又は入球しやすい開状態と、遊技球が入球不可又は開状態よりも入球しにくい閉状態とに切り替わり可能な可変タイプの入球部としてもよい。このことは上記所定入球部についても同様である。
また、特定の入球部や通過部が所定入球部内に設けられる構成では、当該所定入球部内に特定の入球部や通過部のみが設けられ、所定入球部に入球した遊技球が特定の入球部や通過部に必ず入球又は通過する構成としてもよいし、所定入球部内に特定の入球部や通過部とは異なる1又は複数の他の入球部や通過部が設けられ、所定入球部に入球した遊技球が振り分けられることにより、所定入球部に入球した遊技球が特定の入球部に入球しなかったり、特定の通過部を通過しなかったりする場合が生じる構成としてもよい。後者の構成では、所定入球部に入球した遊技球が特定の入球部に入球したり、特定の通過部を通過したりすることにより、時短遊技状態への移行契機が成立する一方で、所定入球部に入球した遊技球が上記他の入球部に入球したり、他の通過部を通過したりしても、時短遊技状態への移行契機が成立しない構成とすることができる。
(11)上記第3の実施の形態や各変形例では、特殊外れ結果になった場合の突然時短遊技状態として普図サポート抽選の当選確率が通常遊技状態と同じ確率とされる第2高頻度サポートモードが実施される構成としたが、普図サポート抽選の当選確率が通常遊技状態よりも高確率となる第1高頻度サポートモードが実施される構成としてもよい。この場合、突然時短遊技状における普図サポート抽選の当選確率について、開閉実行モードを経由する通常時短遊技状態と同じ確率としてもよいし、異なる確率としてもよい。例えば、開閉実行モード後の遊技状態における優位性を確保する上では、通常時短遊技状態よりも突然時短遊技状態のサポート当選確率を低くするとよい。
また、開閉実行モードを経由する通常時短遊技状態について、普図サポート抽選の当選確率が通常遊技状態と同じ確率とされる第2高頻度サポートモードが実施される構成としてもよい。
(12)上記第3の実施の形態や各変形例では、突然時短遊技状態の種別と特殊外れ結果の種別とが1対1で対応するが、1対複数の関係で対応してもよい。この場合、1の突然時短遊技状態に対応する特殊外れ結果の数が各突然時短遊技状態で同じである構成としてもよいし、異なる構成としてもよい。
(13)上記第3の実施の形態や各変形例では、途中当選した特殊外れ結果が対応する突然時短遊技状態(対応時短)の上限回数から滞在時短の残り回数を減算した差分回数が1以上である場合に対応時短を留保状態とする構成としたが、上記差分回数が1よりも大きい所定値(例えば10)以上である場合に対応時短を留保状態とする構成としてもよい。例えば、滞在時短の終了後、留保時短(対応時短)への移行が実施された場合において、その時短遊技状態がすぐに終了してしまうと、物足りない印象が強調されてしまい、寧ろ逆効果となる懸念がある。この点、上記構成であることで、移行した際の残り回数(差分回数)が少ない場合は留保が不実行とされるため、留保時短への移行後、早期に時短遊技状態が終了する事象の発生が抑制され、上記不都合の発生を好適に抑制することが可能になる。
(14)上記第3の実施の形態や各変形例では、滞在時短の終了時に留保時短の移行が実行される構成としたが、滞在時短の途中における所定タイミングにて留保時短の移行が実行されてもよい。例えば、留保の発生から所定回数の遊技回(例えば3回の特図遊技回)が実行された後、上記移行が実行される構成としてもよい。この際、当該留保の期間を利用して、留保発生の有無等を報知するための連続演出(複数の遊技回に亘って行う一連の演出)を実行する構成としてもよい。
また、滞在時短の終了前に所定の実行条件が成立することで上記移行が実行される構成としてもよい。所定の実行条件としては、同種の特殊外れ結果や移行用の特殊外れ結果に当選したことや、遊技領域PEや所定入球部の内部に設けられた特定の入球部や特定の通過部に遊技球が入球又は通過することなどが考えられる。なお、滞在時短が終了するまでの間に上記実行条件が成立しない場合は、留保状態の取り消し(無効化)が行われてもよいし、滞在時短の終了に応じて留保時短への移行が行われてもよい。
また、留保時短への移行タイミングが抽選により決定される構成としてもよい。当該抽選は、留保の発生時に行われてもよいし、留保の発生後、滞在時短中の各遊技回にて行われてもよい。
(15)上記第3の実施の形態や各変形例では、留保時短に移行した場合の残り回数が差分回数(留保時短の本来の上限回数から特殊外れ結果になったときの滞在時短の残り回数を減算した回数)に設定される構成としたが、本来の上限回数よりも少ない所定回数(留保用上限回数)が設定される構成としてもよい。例えば、特殊外れの当選タイミング(滞在時短の残り回数)にかかわらず、本来の上限回数よりも少ない1の回数(例えば本来の上限回数が50回である場合は30回)が設定される構成としてもよい。また、本来の上限回数よりも少ない複数の回数から1の回数が選ばれる構成としてもよい。
また、上記第3の実施の形態や各変形例において、留保時短に移行した場合の残り回数として本来の上限回数が設定される構成としてもよい。また、留保用上限回数として本来の上限回数よりも多い回数(例えば本来の上限回数が50回である場合は80回)が設定される構成としてもよい。
(16)上記第3の実施の形態や各変形例では、留保時短に移行した場合の残り回数を導出するに際し、留保時短の本来の上限回数から特殊外れ結果になったときの滞在時短の残り回数が減算される構成としたが、当該残り回数が本来の上限回数に加算される構成としてもよい。また、滞在時短の残り回数の一部が減算されたり、当該残り回数の一部が加算されたりする構成であってもよい。
(17)上記第3の実施の形態や各変形例では、特殊外れ結果になったものの留保が実行されない場合に、留保される場合よりも長い変動表示時間が選択されて完全外れ演出が実行される構成としたが、留保される場合と同じ長さの変動表示時間が選択されて完全外れ演出が実行される構成としてもよい。また、留保が実行されない場合に、留保される場合と同じ長さの変動表示時間が選択されて特殊リーチ外れB演出が実行される構成としたが、留保される場合と異なる長さの変動表示時間(例えば留保される場合よりも短い変動表示時間)が選択されて特殊リーチ外れB演出が実行される構成としてもよい。また、特殊リーチ外れB演出に代えて特殊リーチ外れA演出に対応しない演出(例えばリーチを伴わない所定の演出)が実行される構成としてもよい。また、留保が実行されない場合に特殊リーチ外れA演出(留保が実行される場合と同種又は同様の演出)が実行される構成としてもよい。この場合、留保される場合と同じ長さの変動表示時間が選択される構成としてもよいし、異なる長さ(例えば留保される場合よりも短い変動表示時間)の変動表示時間が選択される構成としてもよい。
(18)上記第3の実施の形態や各変形例では、特殊外れ結果への当選に対応した報知が図柄表示装置75にて実行される構成としたが、他の報知部にて実行される構成としてもよい。また、画像表示による報知に限らず、LED等の発光手段を用いて報知してもよいし、可動演出用の装飾可動体(可動役物)を所定の動作態様で動作させることにより報知してもよい。また、上記各報知は、必ずしも視覚的な報知である必要はなく、スピーカ部29からの音声による聴覚的な報知であってもよい。このことは、時短回数の残り回数の報知や留保発生の報知、留保時短の移行実施の報知等についても同様である。
(19)上記第3の実施の形態や各変形例では、特殊外れ結果に対応した報知として特殊リーチ外れ演出が実行される構成としたが、リーチ演出を伴わない遊技回用演出により特殊外れ結果に対応した報知が行われてもよい。また、図柄列Z1~Z3を用いた報知でなくてもよく、例えば、図柄表示装置75に所定キャラクタ等の所定絵柄が表示されることにより、特殊外れ結果に対応した報知が行われてもよい。
また、特図用表示部43に変動表示される特図絵柄と完全同期するものであって、図柄列Z1~Z3の各図柄よりも小サイズで表示される図柄(いわゆる第4図柄)が図柄表示装置75に表示されるパチンコ機にあっては、その第4図柄が通常態様とは異なる特定態様で表示されることにより特殊外れ結果に対応した報知が行われてもよい。また、停止表示される上記第4図柄の態様と、停止表示される図柄列Z1~Z3の少なくとも一部の図柄列との組合せにより特殊外れ結果に対応した報知が行われてもよい。
なお、特殊外れ結果に対応した報知は、特図遊技回の全般で行われてもよいし、特図遊技回における一部の期間にて行われてもよい。ちなみに、上記第3の実施の形態や各変形例で例示した特殊リーチ演出は、特図遊技回の開始時には特殊外れ結果であるか否かを遊技者が判別できず、特図遊技回の終盤で特殊外れ結果であることを遊技者が判別できる構成としているため、特図遊技回における一部の期間で特殊外れ結果に対応した報知を実行するものといえる。
(20)上記第3の実施の形態や各変形例では、図柄列Z1~Z3の停止態様から特殊外れ結果になったことを遊技者が認識できるに留まり、特殊外れ結果の種別(突然時短遊技状態の種別)までは認識できない又は認識することが困難な構成としたが、これに代えて又は加えて、当該種別を図柄列Z1~Z3の停止態様から認識可能又は認識容易な構成としてもよい。例えば、突然時短遊技状態Aが留保される場合は、特殊リーチ外れA演出におけるリーチ図柄として7図柄が設定されたり、他の突然時短遊技状態(例えば突然時短遊技状態B)よりも7図柄が設定されやすくなったりする構成が考えられる。また、突然時短遊技状態Aが留保される場合は、ダブルリーチが設定されたり、他の突然時短遊技状態(例えば突然時短遊技状態B)よりもダブルリーチが設定されやすくなったりする構成が考えられる。
(21)上記第3の実施の形態や各変形例では、時短遊技状態の留保が行われる遊技回において留保用演出(図248)が実行され、留保の発生が報知されるように構成したが、これに代えて又は加えて、留保が行われる遊技回では留保の発生が報知されず、当該遊技回よりも後の遊技回(特殊外れ結果ではない遊技回)において留保の発生が報知される構成としてもよい。すなわち、留保の発生が直ちに報知される場合と遅れて報知される場合とが生じる構成としてもよい。なお、上記後の遊技回としては、滞在時短の最終遊技回としてもよいし、滞在時短における途中の遊技回(最終遊技回以外の遊技回)としてもよい。
(22)上記第3の実施の形態や各変形例では、特図当否抽選の結果が特殊外れ結果である状況で完全外れ演出又は特殊リーチ外れB演出を実行して特殊外れ結果への当選を非明示とした場合に、特図用表示部43にて特殊外れ結果に対応する停止結果を表示したが、通常外れ結果に対応する停止結果を表示する構成としてもよい。このような構成とすることで、特殊外れ結果になったことを一層分かりにくくすることができる。
(23)上記第3の実施の形態や各変形例では、留保時短への移行が実施される場合に放出用演出(図249(b))が実行される構成としたが、これに代えて又は加えて、残り回数の追加を報知する上乗せ演出が実行される構成としてもよい。なお、上乗せ演出は、残り回数の追加を報知することができれば特に限定されるものではないが、例えば、変形例4における図274の上乗せ演出を実行することができる。
また、留保時短の残り回数(差分回数)に応じて留保時短への移行が実施される場合の演出を異ならせる構成としてもよい。例えば、上記残り回数が所定回数(例えば20回)以上である場合に放出演出が実行され、所定回数未満の場合に上乗せ演出が実行される構成としたり、所定回数以上の場合に所定回数未満の場合よりも放出演出が実行されやすく、所定回数未満の場合に所定回数以上の場合よりも上乗せ演出が実行されやすい構成としたりするとよい。残り回数が少ない中で放出演出を実行すると、遊技者が演出インパクトの大きさに対して残り回数に物足りなさを感じる懸念があるが、上記構成とすることで、そのような不都合を好適に解消することができる。
(24)上記第3の実施の形態や各変形例では、留保時短の残り回数がその移行時に報知される構成としたが、当該残り回数の全部又は一部が移行後に報知される構成としてもよい。例えば、残り回数(差分回数)の一部が留保時短への移行時に報知され、当該時短遊技状態の途中で上乗せ演出により回数が追加されるように報知される構成とすることができる。
(25)上記第3の実施の形態や各変形例では、留保可能数に上限数が設定される構成としたが、当該上限数が設定されない構成としてもよい。具体的には、時短遊技状態の上限回数が100回の場合は100個の留保時短用エリア562,612を有するなど、時短遊技状態に滞在可能な遊技回の回数に対応した数の留保時短用エリア562,612が設定される構成としてもよい。この場合、滞在時短における各回の遊技回で特殊外れ結果になったとしても、そのすべてについて時短遊技状態を留保させることが可能になる。なお、時短遊技状態の種別によって上限回数が異なる場合は、そのうちの最大回数に対応する数の留保時短用エリア562,612が設定される構成とすればよい。
(26)上記第3の実施の形態や各変形例では、留保可能数の上限数として1の上限値が設定される構成としたが、複数の上限値が設定される構成としてもよい。例えば、滞在時短が通常時短遊技状態の場合は1個、突然時短遊技状態Aの場合は2個等のように、滞在時短の種別により上限値が異なる構成としてもよい。時短遊技状態に滞在可能な遊技回の回数が多いほど留保の発生頻度が高くなりやすいため、滞在時短の上限回数が相対的に多い時短遊技状態と相対的に少ない時短遊技状態とを比較した場合、前者の方が留保可能数の上限値が大きい構成とすることが好ましい。
(27)上記第3の実施の形態や各変形例では、突然時短遊技状態への移行が特殊外れ結果となった特図遊技回における確定表示の開始時に実行される構成としたが、確定表示の開始後に実行される構成としてもよい。具体的には、特殊外れ結果となった特図遊技回における確定表示の途中タイミングや確定表示の終了タイミング、次の特図遊技回の開始タイミングにて突然時短遊技状態への移行が実行されてもよい。
(28)上記第3の実施の形態や各変形例において、時短遊技状態中に特殊外れ結果となったことを契機として移行する突然時短遊技状態について、通常遊技状態中に特殊外れ結果となったことを契機として移行する突然時短遊技状態よりも、遊技者にとって有利となる構成としてもよい。例えば、通常遊技状態中に特殊外れ結果になった場合に、上限回数が相対的に少ない第1所定回数の突然時短遊技状態に移行し、その突然時短遊技状態の中でさらに特殊外れ結果になると、上限回数が相対的に多い(第1所定回数よりも多い)第2所定回数の突然時短遊技状態に移行する構成とすることが考えられる。
その際、特殊外れ結果の種別にかかわらず、突然時短遊技状態への滞在中に特殊外れ結果となれば、上限回数が上記第2所定回数の突然時短遊技状態に移行する構成としてもよいし、突然時短遊技状態中の特殊外れ結果であっても、その種別により、上限回数が上記第2所定回数の突然時短遊技状態に移行する場合と、上限回数がそれよりも少ない特定回数(例えば上記第1所定回数又はそれとは異なる第3所定回数)の突然時短遊技状態に移行する場合とが生じる構成としてもよい。また、通常遊技状態中の特殊外れ結果の種別により、第1所定回数の突然時短遊技状態を介さずに第2所定回数の突然時短遊技状態に移行する場合がある構成としてもよい。なお、上限回数に代えて又は加えて、第2作動口63への入賞期待値を異ならせることにより、突然時短遊技状態の有利度合を異ならせる構成としてもよい。
(29)上記第3の実施の形態の変形例1では、当選した特殊外れ結果に対応する時短遊技状態の残り回数(差分回数)が留保済みの時短遊技状態の残り回数(差分回数)よりも多い場合に留保時短を更新する構成としたが、残り回数にかかわらず、特殊外れ結果になる都度、留保時短を更新する構成としてもよい。この場合、滞在時短において最後に当選した特殊外れ結果に対応する突然時短遊技状態が最終的な留保時短となり、当該時短遊技状態への移行が実施されるものとなる。
(30)上記第3の実施の形態の変形例1では、留保時短の更新が行われる場合に、当該更新が行われる特図遊技回にて特殊リーチ外れA演出を実行し、特殊外れ結果になったことを報知する構成としたが、完全外れ演出又は特殊リーチB演出を実行し、特殊外れ結果になったことを報知しない構成としてもよい。この場合、留保用画像529の更新は行ってもよいし、行わなくてもよい。また、留保時短の更新が行われる場合において、特殊外れ結果になったことを報知する場合と報知しない場合とが生じる構成としてもよい。この際、滞在時短における特殊外れ結果の初回目当選時よりも留保時短の更新が行われる場合の方が特殊外れリーチA演出が実行されにくい構成とするとよい。
(31)上記第3の実施の形態の変形例1では、留保時短が更新される場合に、留保中の時短遊技状態の残り回数と、当選した特殊外れ結果に対応する時短遊技状態の残り回数とが置換されるように構成したが、それらの加算値(合計値)が残り回数の更新結果とされる構成としてもよい。また、留保時短が更新される場合に、留保時短の種別と残り回数との両方が更新される構成としたが、いずれか一方のみが更新される構成としてもよい。例えば、種別のみが変更され(普図遊技回や役物開閉遊技の態様のみが変更され)、残り回数は変更されない構成としてもよい。これらのことは変形例2においても同様である。
(32)上記第3の実施の形態の変形例1では、留保可能数の上限値を1としたが、2以上としてもよい。なお、2以上の留保時短がある状況で特殊外れ結果になった場合は、それら留保時短のうち差分回数が少ない側を対象として今回の特殊外れ結果が対応する突然時短遊技状態の差分回数との比較を行う。なお、2以上の留保時短がある場合の移行順は、変形例3のように特殊外れ結果の当選順としてもよいし、変形例5のように優先度順としてもよい。
(33)上記第3の実施の形態の変形例2では、第2作動口63への入賞期待値が相対的に高い時短遊技状態に対して相対的に低い時短遊技状態よりも上位の優先度が設定される構成としたが、入賞期待値と優先度との関係を逆とし、入賞期待値が相対的に高い時短遊技状態に対して相対的に低い時短遊技状態よりも下位の優先度が設定される構成としてもよい。
(34)上記第3の実施の形態の変形例2において、各突然時短遊技状態の上限回数を異ならせ、上限回数に対応させて優先度を設定する構成としてもよい。例えば、上限回数が相対的に多い時短遊技状態に対して上限回数が相対的に少ない時短遊技状態よりも上位の優先度が設定される構成としてもよい。また、上限回数が相対的に多い時短遊技状態に対して上限回数が相対的に少ない時短遊技状態よりも下位の優先度が設定される構成としてもよい。
(35)上記第3の実施の形態の変形例2において、滞在中の時短遊技状態と同種の時短遊技状態について異種の時短遊技状態よりも優先度が高くなる構成としてもよい。この場合、滞在時短の終了後、それと同種の時短遊技状態に移行する機会を増加させることができる。その際、変形例4のように上乗せ演出が実行される構成とすれば、当該演出の実行頻度を高めることができ、残り回数の上乗せが生じやすい印象を遊技者に与えることが可能になる。
(36)上記第3の実施の形態の変形例2では、留保可能数の上限値を1としたが、2以上としてもよい。なお、2以上の留保時短がある状況で特殊外れ結果になった場合は、それら留保時短のうち優先度が低い側を対象として今回の特殊外れ結果が対応する突然時短遊技状態の優先度との比較を行う。なお、2以上の留保時短がある場合の移行順は、変形例3のように特殊外れ結果の当選順としてもよいし、変形例5のように優先度順としてもよい。
(37)上記第3の実施の形態の変形例3において、留保時短の数を報知する構成としてもよい。例えば、留保時短の数に対応した数の留保用画像を表示したり、当該数を数字により報知したりする構成としてもよい。また、留保時短の数に対応しない数の留保用画像を表示する構成(例えば、留保時短の数にかかわらず1個の留保用画像を表示する構成)とした上で、その留保用画像の態様を留保時短の数に基づいて設定する構成としてもよい。この場合、留保用画像の態様により留保時短の数を示唆することができる。この際、留保用画像の態様として第1態様(例えば青色態様)と第2態様(例えば緑色態様)を含む複数の態様を有しており、留保時短の数が所定数(例えば2個)以上の場合に第2態様が設定され、所定数未満の場合に第1態様が設定される構成したり、留保時短の数が所定数以上の場合に所定数未満の場合よりも第2態様が設定されやすく、所定数未満の場合に所定数以上の場合よりも第1態様が設定されやすい構成としたりするとよい。これらのことは他の変形例においても同様である。
(38)上記第3の実施の形態の変形例3では、時短遊技状態の滞在中において2回目以降に特殊外れ結果になった場合に特殊外れ結果になったことを報知しない構成としたが、当選回数にかかわらず特殊外れ結果になる都度、特殊外れ結果になったことを報知する構成としてもよい。
また、留保時短が有効となるか否か(留保時短用エリア562にセットされたカウンタ値が「0」となって留保状態が解除される前に移行が実施されるか否か)を判別し、その結果に基づいて特殊外れ結果になったこと(時短遊技状態の留保が発生したこと)を報知するか否かを切り替えてもよい。すなわち、有効となる場合に特殊外れ結果になったことの報知を実行し、有効とならない場合に当該報知を実行しない構成としてもよい。
(39)上記第3の実施の形態の変形例3では、複数の留保時短がある状況でその移行順を報知しない構成としたが、これを報知する構成としてもよい。この場合、滞在時短において常に報知する構成としてもよいし、所定の場合に報知する構成としてもよい。所定の場合としては、演出用操作部36等の遊技者が操作可能な操作手段により所定操作が行われた場合や、始動口への入賞に基づく所定抽選の結果が予め定められた所定結果になった場合等が考えられる。
(40)上記第3の実施の形態の変形例3では、時短遊技状態の留保が行われる場合にその時短遊技状態の上限回数に対応する値を留保時短用エリア562にセットし、当該エリアにセットしたカウンタ値を実行時短用エリア561のカウンタ値と並行して更新することで、移行した場合の残り回数(差分回数)を導出する構成としたが、留保時において差分回数を算出し、その算出した差分回数により移行した場合の残り回数を設定する構成としてもよい。この場合、第3の実施の形態のようにRAM314に留保用エリア314fが設定され、その留保用エリア314fに算出した差分回数の情報が記憶される構成とするとよい。
(41)上記第3の実施の形態の変形例3では、第1留保時短用エリア562aのカウンタ値が実行時短用エリア561にシフトされることで、移行が実施された場合の留保時短の残り回数が設定される構成としたが、参照するカウンタエリアがシフトされることで、上記残り回数が設定される構成としてもよい。例えば、第1留保時短用エリア562a及び第2留保時短用エリア562bにカウンタ値がセットされている場合であれば、先ずは第1留保時短用エリア562aが実行時短用エリア561として機能し、当該エリア562aのカウンタ値が参照されて滞在時短の残り回数が管理され、その後、第1留保時短用エリア562aのカウンタ値が更新されて「0」となることにより滞在時短が終了され、それに伴い、参照エリアが第2留保時短用エリア562bに切り替えられることで、次の時短遊技状態の残り回数が管理される構成としてもよい。
(42)上記第3の実施の形態の変形例3では、複数の留保時短がある場合に特殊外れ結果に対応する順番で移行が実施される構成としたが、残り回数に基づいて移行順が設定される構成としてもよい。例えば、残り回数が少ないものから移行させる構成とすることで、移行が実施されないまま留保時短用エリア562のカウンタ値が「0」となる時短遊技状態の数を減らすことができ、無効化の発生を抑制することが可能になる。
(43)上記第3の実施の形態の変形例3において、複数の留保時短がある場合の移行順を抽選により決定する構成としてもよい。この場合、複数の留保時短について移行の順番を抽選により決定する構成としてもよいし、次に移行する1つの留保時短を抽選により決定する構成としてもよい。後者の場合には、例えば、滞在時短の終了時において複数の留保時短のうちいずれの留保時短に移行するかを抽選により決定する構成としてもよい。
(44)上記第3の実施の形態の変形例4では、滞在時短と同種の留保時短に移行する場合に、滞在時短の終了時に上乗せ演出が実行される構成としたが、滞在時短の途中タイミングで上乗せ演出が実行される構成としてもよい。滞在時短の途中における上乗せ演出の実行タイミングとしては、例えば、特殊外れ結果への当選時や、当該当選後で且つ滞在時短の終了前の所定タイミング等が考えられる。その際、特殊外れ結果になったときの滞在時短の残り回数に応じて各タイミングの選ばれやすさが異なる構成としてもよい。例えば、上乗せ演出の実行タイミングとして特殊外れ結果への当選時と当選後の所定タイミングとがある場合において、滞在時短の残り回数が多い方が当選後のタイミングで上乗せ演出が実行されやすい構成とすることが考えられる。
(45)上記第3の実施の形態の変形例4において、突然時短遊技状態の種別ごとに留保上限数が設定される構成としてもよい。例えば、各突然時短遊技状態について所定数ずつ(例えば3個ずつ)留保が許容される構成としてもよい。また、時短遊技状態の種別によって留保上限数が異なる構成としてもよい。例えば、対応する特殊外れ結果の当選確率が相対的に高い時短遊技状態の留保上限数を当該当選確率が相対的に低い時短遊技状態の留保上限数よりも大きい数とすることが考えられる。
(46)上記第3の実施の形態の変形例5では、第2作動口63への入賞期待値が最も高い突然時短遊技状態Aに対して最上位の優先度が設定される構成としたが、必ずしも入賞期待値の順位と優先度の順位とを対応させる必要はない。例えば、突然時短遊技状態Aよりも上記入賞期待値が低い突然時短遊技状態Bや突然時短遊技状態Cに対して最上位の優先度が設定されたり、上記入賞期待値が最も高い突然時短遊技状態Aに対して最下位の優先度が設定されたりしてもよい。
(47)上記第3の実施の形態の変形例5において、優先度順と特殊外れ結果への当選順とが組み合わされて留保時短の移行順が決定される構成としてもよい。例えば、突然時短遊技状態B、Cについては、特殊外れ結果の当選順に基づいて移行順が調整され、突然時短遊技状態Aについては、特殊外れ結果の当選順にかかわらず、移行が最初に行われるように最上位の優先度が設定される構成としてもよい。
(48)上記第3の実施の形態の変形例5では、留保時短用エリア612a~612cに対して優先度が設定されるが、突然時短遊技状態(又は特殊外れ結果)の種別に対して優先度が設定され、留保時短用エリアについては変形例3の留保時短用エリア562a~562cのように移行順に対応する構成としてもよい。この場合、滞在時短において初回目の特殊外れ結果への当選時には第1留保時短用エリア562aに上限回数に対応するカウンタ値がセットされ、2回目の当選において初回目よりも優先度が上位の特殊外れ結果となった場合は、第1留保時短用エリア562aのカウンタ値が第2留保時短用エリア562bにシフトされつつ、2回目当選の上限回数に対応するカウンタ値が第1留保時短用エリア562aにシフトされるものとなる。
(49)上記第3の実施の形態の変形例5では、留保可能数の上限値を留保が可能な時短遊技状態の種別数と同数にする構成としたが、複数で且つ種別数より少ない数(例えば2個)とする構成としてもよい。この場合、各突然時短遊技状態に設定された優先度を留保するか否かの制御にも用いる構成としてよい。具体的には、2以上の留保時短がある状況で特殊外れ結果になった場合は、それら留保時短のうち優先度が低い側を対象として対応時短(今回の特殊外れ結果が対応する突然時短遊技状態)の優先度との比較を行い、対応時短の優先度の方が高い場合に留保時短を入れ替える構成としてもよい。その際、移行順用の優先度が留保用の優先度としても用いられる構成であってもよいし、それらの優先度が各別に設定される構成であってもよい。
(50)上記第3の実施の形態の変形例6では、途中当選した特殊外れ結果が対応する時短遊技状態(対応時短)の優先度が滞在時短の優先度よりも上位である場合に対応時短への移行が直ちに実行され、対応時短の優先度が滞在時短の優先度よりも下位である場合に対応時短への移行が留保される構成としたが、前者の場合に対応時短への移行が留保され、後者の場合に対応時短への移行が無効化される構成としてもよい。また、前者の場合に対応時短への移行が直ちに実行され、後者の場合に対応時短への移行が無効化される構成としてもよい。このことは変形例7においても同様である。
(51)上記第3の実施の形態の変形例6において、優先度を設定しない構成としてもよい。すなわち、通常時短遊技状態である状況で特殊外れ結果Aになった場合は突然時短遊技状態Aの移行を直ちに実行し、特殊外れ結果Bになった場合は突然時短遊技状態Bを留保状態とするなどの対応について時短遊技状態の組み合わせごとに制御プログラムの中で規定する構成としてもよい。このことは変形例7においても同様である。
(52)上記第3の実施の形態の変形例6では、対応時短の優先度が滞在時短の優先度よりも上位である場合に、滞在時短が中止されて対応時短への移行が実施される構成としたが、滞在時短が中断されて対応時短への移行が実施される構成としてもよい。すなわち、対応時短の終了後、滞在時短の続きが再開される構成としてもよい。このことは変形例7においても同様である。
(53)上記第3の実施の形態の変形例6では、対応時短の優先度が滞在時短の優先度よりも上位である状況で対応時短への移行が行われた場合に対応時短の残り回数が報知されない構成としたが、当該残り回数が報知される構成としてもよい。また、対応時短の残り回数について基本的に報知されない構成としたうえで、所定条件が成立した場合に報知される構成としてもよい。所定条件としては、演出用操作部36等の遊技者が操作可能な操作手段により所定操作が行われることなどが考えられる。
(54)上記第3の実施の形態の変形例6では、残り回数画像523として「残り?回」を表示することで、対応時短の残り回数が非明示となる状態とされたが、残り回数画像523の表示が不実行とされることにより、対応時短の残り回数が非明示となる状態とされてもよい。また、残り回数画像523の手前側に他の所定画像が表示されることで残り回数画像523の少なくとも一部が隠れて視認不能又は視認困難な状態となり、それによって対応時短の残り回数が非明示となる構成であってもよい。
(55)上記第3の実施の形態の変形例6では、対応時短の優先度が滞在時短の優先度よりも上位である状況で対応時短への移行が行われた場合において、滞在時短が継続していると仮定した場合の残り回数に対応する報知が実行される構成したが、当該報知が実行されることなく、対応時短の残り回数が非明示となる状態とされてもよい。例えば、対応時短への移行後、残り回数画像523の表示が直ちに「残り?回」に切り替えられる構成としてもよい。
(56)上記第3の実施の形態の変形例7では、天井回数が1種類のみ設定されるが、回数が異なる複数種類が設定されてもよい。また、天井時短遊技状態についても上限回数が異なる複数種類が設定されてもよい。この場合、複数種類の天井回数が設定され、各天井回数に対して天井時短遊技状態の種別が対応付けられる構成としてもよいし、1の天井回数が設定され、その天井回数に到達した場合にいずれの天井時短遊技状態に移行するかが抽選される構成としてもよい。
(57)上記第3の実施の形態の変形例8では、特殊外れ結果D~Fになることで留保状態が解除される構成としたが、他の事象を契機として留保状態が解除される構成としてもよい。例えば、遊技領域PEや所定入球部の内部に設けられた特定の入球部や特定の通過部に遊技球が入球又は通過することに基づいて留保状態の解除が行われる構成としてもよい。この場合、留保が可能な時短遊技状態の種別に対応させて複数の入球部を設け、入球が発生した場合に対応する種別の時短遊技状態の留保が解除される構成とするとよい。なお、上記入球又は通過に基づく賞球の払い出しは行われてもよいし、行われなくてもよい。
(58)上記第3の実施の形態の変形例8では、留保時短がある場合において常に留保状態の解除が発生し得る構成としたが、解除が発生し得る期間と発生し得ない期間とを有する構成としてもよい。例えば、滞在時短の残り回数が所定回数(例えば10回)以下の場合は、特殊外れ結果D~Fとなっても留保状態が解除されない構成としてもよい。これにより、留保時短の移行が実施される間際で留保状態が解除され、遊技者を過度に落胆させることを抑制できる。
(59)上記第3の実施の形態の変形例8では、留保状態が1つずつ解除される構成としたが、これに代えて又は加えて、複数の留保時短がある状況で解除条件が成立すると、それら留保時短のすべてについて留保状態が解除される構成としてもよい。また、すべての留保状態でなくても、1の解除条件の成立により複数の留保状態が解除される構成としてもよい。
(60)上記第3の実施の形態の変形例8では、留保表示部731において留保されていない突然時短遊技状態が半透明で表示される構成としたが、表示自体が行われない構成としてもよい。但し、半透明の状態とすることで、各表示領域731a~731cがいずれの突然時短遊技状態に対応するのかや、留保中の時短遊技状態と非留保の時短遊技状態とが混在する場合にいずれの時短遊技状態が非留保であるかが一見して分かりやすくなる。そのような観点では上記変形例8の構成とすることが好ましい。
(61)上記第3の実施の形態の変形例8では、特殊外れ結果D~Fになることで留保状態が解除される構成としたが、併せて滞在時短の終了が実行される構成としてもよい。このような構成とすることで、特殊外れ結果D~Fになった場合の落差を拡大することができ、さらにスリリングな遊技性を実現することが可能になる。
(62)上記第3の実施の形態の変形例8では、特殊外れ結果D~Fになった遊技回において特殊外れ結果A~Cになった遊技回よりも長い変動表示時間が設定される構成としたが、長い変動表示時間が設定されやすい構成としてもよい。例えば、相対的に長い第1変動表示時間と相対的に短い第2変動表示時間とを有しており、特殊外れ結果D~Fになった遊技回では、特殊外れ結果A~Cになった遊技回よりも第1変動表示時間が選択されやすく、特殊外れ結果A~Cになった遊技回では、特殊外れ結果D~Fになった遊技回よりも第2変動表示時間が選択されやすい構成としてもよい。
(63)上記第3の実施の形態の変形例8では、図柄列Z1~Z3の停止態様から特殊外れ結果D~Fのいずれかになったことを遊技者が認識できるに留まり、いずれの種別になったか(いずれの留保時短が解除されるか)までは図柄列Z1~Z3の停止態様から認識できない又は認識することが困難な構成としたが、これに代えて又は加えて、当該種別を図柄列Z1~Z3の停止態様から認識可能又は認識容易な構成としてもよい。例えば、特殊図柄721の態様が複数設定されており、それら各態様が特殊外れ結果の種別(留保状態が解除される時短遊技状態の種別)に対応している構成としてもよい。すなわち、いずれの態様の特殊図柄721が停止表示されているかを見ることで、特殊外れ結果の種別(留保状態が解除される時短遊技状態の種別)を認識できる構成としてよい。
(64)上記第3の実施の形態の変形例8において、可変入賞装置65が開閉される開閉実行モードとして第1開閉実行モードと第2開閉実行モードとを含む複数の開閉実行モードを有し、留保時短がある状況で第1開閉実行モードに対応する当否抽選結果となった場合に留保時短の留保状態が解除され、留保時短がある状況で第2開閉実行モードに対応する当否抽選結果となった場合に留保時短の留保状態が解除されない構成としてもよい。このような構成とすることで、第1開閉実行モードに対応する当否抽選結果となるか、第2開閉実行モードに対応する当否抽選結果となるかにより、移行する開閉実行モードに差異を生じさせるだけでなく、留保の解除が行われるか否かについても差異を生じさせることができ、興趣性を高めることが可能になる。
また、上記構成において、第2開閉実行モードが第1開閉実行モードよりも遊技者にとって不利な開閉実行モードである構成としてよい。この場合、有利な第1開閉実行モードに移行する場合は留保の解除が行われるものの、不利な第2開閉実行モードに移行する場合は留保の解除が回避される。すなわち、開閉実行モードの不利分が留保解除の不実行により補われるため、第2開閉実行モードに移行した場合の遊技者の落胆を軽減することが可能になる。
なお、第2開閉実行モードが第1開閉実行モードよりも不利になる構成としては、期待される遊技球の総払い出し球数について第2開閉実行モードの方が第1開閉実行モードよりも少なくなる構成がある。このような構成としては、第2開閉実行モードの方が第1開閉実行モードよりもラウンド数が少なかったり、1ラウンドあたりの可変入賞装置65の開放期間について第2開閉実行モードの方が第1開閉実行モードよりも短かったり、1ラウンドあたりの可変入賞装置65への上限入賞個数について第2開閉実行モードの方が第1開閉実行モードよりも少なかったりする構成が考えられる。
(65)上記第3の実施の形態や各変形例では、当否判定の結果が大当たり結果となることにより大当たり遊技(開閉実行モード)に移行する構成としたが、いわゆる1種2種混合機のように、当否判定の結果が小当たり結果となり、小当たり遊技(内部にV入賞口を有する又はV入賞口及び外れ口を有する可変入賞装置が開閉される遊技状態)においてV入賞口(V入賞センサ)を遊技球が通過した場合(付与判定の結果が所定結果となり、所定の遊技結果となった場合)に大当たり遊技に移行する構成としてもよい。
なお、本発明における「特別判定の結果が特定結果となることに基づいて所定遊技状態よりも遊技者に有利な特別遊技状態に移行させる」等には、上記のように、当否判定の結果が小当たり結果となり、V入賞を介して大当たり遊技に移行する場合も含まれると解することができる。
(66)上記第3の実施の形態や各変形例では、遊技球の払い出しが行われるタイプのパチンコ機としたが、遊技機外部に遊技球が排出されない封入タイプのパチンコ機としてもよい。このような封入タイプのパチンコ機においては、入賞等に対する特典として賞球を付与する場合に、例えば、賞球数に対応した所定の遊技価値(クレジット等の仮想遊技媒体)を遊技者に付与するとともに、賞球数を示す情報を報知する構成とするとよい。
(67)上記第3の実施の形態や各変形例では、第1作動口62への入賞に基づく保留情報が4個を上限として記憶される構成としたが、4個未満であってもよいし(1個であってもよい)、5個以上であってもよい。また、第2作動口63への入賞に基づく保留情報の上限記憶数についても、4個未満であってもよいし(1個であってもよい)、5個以上であってもよい。また、各作動口62,63への入賞に基づく保留情報の上限記憶数が相違する構成としてもよい。
(68)上記第3の実施の形態や各変形例では、第1作動口62及び第2作動口63への入賞に基づく保留情報が区別される構成としたが、区別されない構成としてもよい。また、第2作動口63への入賞に基づく保留情報のほうが、第1作動口62への入賞に基づく保留情報よりも優先して当否判定の対象となる構成としたが、その関係が逆であったり、入賞順に当否判定が行われたりする構成であってもよい。
(69)上記第3の実施の形態や各変形例では、右ルートを流下する遊技球のみがスルーゲート64、第2作動口63を通過又は入賞可能となる構成としたが、左ルートを流下する遊技球のみが通過又は入賞可能となる構成としてもよいし、右ルートと左ルートのいずれからでも通過又は入賞可能となる構成としてもよい。但し、遊技のメリハリを付ける上では、右ルートと左ルートの一方を流下する遊技球のみが第1作動口62に入賞可能となり、右ルートと左ルートの他方を流下する遊技球のみがスルーゲート64、第2作動口63を通過又は入賞可能となる構成とするとよい。
(70)上記第3の実施の形態や各変形例では、図柄表示装置75の表示画面Gにて変動表示される図柄が左右方向にスクロールする構成としたが、左、中及び右に並べて図柄が表示され、これらの図柄が上下方向にスクロールされるようにして変動表示される構成としてもよい。すなわち、図柄の並び方向やスクロール方向は特に限定されるものではない。また、図柄の数(図柄列の列数)についても3個に限定されるものではなく、2個であってもよいし、4個以上であってもよい。
(71)上記実施の形態とは異なる他のタイプのパチンコ機等、例えば特別装置の特定領域に遊技球が入ると電動役物が所定回数開放するパチンコ機や、特別装置の特定領域に遊技球が入ると権利が発生して大当たりとなるパチンコ機、他の役物を備えたパチンコ機、アレンジボール機、雀球等の遊技機にも本発明を適用できる。
また、弾球式でない遊技機、例えば、複数種の図柄が周方向に付された複数のリールを備え、メダルの投入及びスタートレバーの操作によりリールの回転を開始し、ストップスイッチが操作されるか所定時間が経過することでリールが停止した後に、表示窓から視認できる有効ライン上に特定図柄又は特定図柄の組み合わせが成立していた場合にはメダルの払い出し等といった特典を遊技者に付与するスロットマシンにも本発明を適用できる。
更に、外枠に開閉可能に支持された遊技機本体に貯留部及び取込装置を備え、貯留部に貯留されている所定数の遊技球が取込装置により取り込まれた後にスタートレバーが操作されることによりリールの回転を開始する、パチンコ機とスロットマシンとが融合された遊技機にも本発明を適用できる。
<第4の実施の形態>
以下、本実施の形態に係る遊技機について説明する。なお、上記第1の実施の形態において図1~図10を参照して説明したパチンコ機10の基本構成については、本実施の形態においても同様であるため、その説明を省略する。
<主制御装置162のMPU312にて各種抽選を行うための電気的構成>
主制御装置162のMPU312にて各種抽選を行うための電気的な構成について図309を用いて説明する。
MPU312は遊技に際し各種カウンタ情報を用いて、大当たり発生抽選、特図用表示部43の表示の設定、普図用表示部44の表示の設定などを行うこととしており、具体的には、図309に示すように、大当たり発生の抽選に使用する大当たり乱数カウンタC1と、確変大当たり結果や通常大当たり結果等の大当たり種別を判定する際に使用する大当たり種別カウンタC2と、大当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する乱数初期値カウンタCINIと、特図用表示部43における各特図表示部AS,BSでの変動表示時間を決定する変動種別カウンタCSとを用いることとしている。さらに、第2作動口63の普電役物63aをサポート状態(開放状態)とするか否かの抽選に使用する普図当たり乱数カウンタC3と、サポート当選結果(普図当たり結果)の種別を判定する際に使用する普図当たり種別カウンタC4とを用いることとしている。
各カウンタC1~C4,CINI,CSは、その更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。各カウンタは短時間間隔で更新され、その更新値がRAM314の所定領域に設定された抽選カウンタ用バッファ314aに適宜格納される。抽選カウンタ用バッファ314aにおいて、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及び変動種別カウンタCSに対応した情報は、第1作動口62又は第2作動口63への入賞が発生した場合に、取得情報記憶手段としての保留球格納エリア314bに格納される。
保留球格納エリア314bは、第1特図用保留エリアRa及び第2特図用保留エリアRbからなる保留エリアREと、実行エリアAEとを備えている。保留エリアRa,Rbは、それぞれ、第1エリア、第2エリア、第3エリア、第4エリアを備えており、第1作動口62又は第2作動口63への入賞履歴に合わせて、抽選カウンタ用バッファ314aに格納されている大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及び変動種別カウンタCSの各数値情報が、保留情報(特別情報)としていずれかのエリアに格納される。
この場合、第1エリア~第4エリアには、第1作動口62又は第2作動口63への入賞が複数回連続して発生した場合に、第1エリア→第2エリア→第3エリア→第4エリアの順に各数値情報が時系列的に格納されていく。このようにそれぞれ4つのエリアが設けられていることにより、第1作動口62又は第2作動口63への遊技球の入賞履歴がそれぞれ最大4個まで保留記憶されるようになっている。また、保留球格納エリア314bには総保留数記憶領域が設けられており、当該総保留数記憶領域には第1作動口62又は第2作動口63への入賞履歴を保留記憶している数を特定するための情報が格納される。
実行エリアAEは、特図用表示部43の変動表示を開始する際に、保留エリアREの第1エリアに格納された各値を移動させるためのエリアであり、1遊技回の開始に際しては実行エリアAEに記憶されている各種数値情報に基づいて、当否判定などが行われる。
各カウンタについて詳しくは、大当たり乱数カウンタC1は、例えば0~2999の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり2999)に達した後0に戻る構成となっている。特に大当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の乱数初期値カウンタCINIの値が当該大当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。なお、乱数初期値カウンタCINIは、大当たり乱数カウンタC1と同様のループカウンタである(値=0~2999)。
大当たり乱数カウンタC1は定期的に更新され、遊技球が第1作動口62又は第2作動口63に入賞したタイミングでRAM314の保留球格納エリア314bに格納される。より詳しくは、第1作動口62に遊技球が入賞したタイミングでRAM314の第1特図用保留エリアRaに格納され、第2作動口63に遊技球が入賞したタイミングでRAM314の第2特図用保留エリアRbに格納される。
大当たり乱数カウンタC1は、大当たりであるか否かを抽選する当否抽選に用いられるものであり、大当たり当選となる乱数の値は、ROM313の当否テーブル記憶エリア313aに記憶されている当否テーブルにて設定されている。図310に示すように、当否テーブルとしては、低確率モード用の当否テーブルと、高確率モード用の当否テーブルとが設定されている。本パチンコ機10では、当否抽選における抽選モードとして、大当たりとなる確率が相対的に低い低確率モード(低確率状態)と、大当たりとなる確率が相対的に高い高確率モード(高確率状態)とが設けられている。当否抽選に際して抽選モードが低確率モードである場合は低確率モード用の当否テーブルが参照され、高確率モードである場合は高確率モード用の当否テーブルが参照される。
図310(a)に示すように、低確率モード用の当否テーブルでは、大当たりとなる乱数の値として「0」~「9」の計10個が設定されている。すなわち、低確率モードでの大当たり当選確率は1/300に設定されている。
大当たり当選となる乱数の値以外は抽選結果が外れ結果となるが、本実施の形態では外れ結果として特殊外れ結果と通常外れ結果とが含まれている。上記低確率モード用の当否テーブルにおいて特殊外れ結果となる乱数の値としては「10」~「29」の計20個が設定されており、特殊外れ結果となる確率は1/150となっている。
図310(b)に示すように、高確率モード用の当否テーブルでは、大当たりとなる乱数の値として「0」~「49」の計50個が設定されている。すなわち、高確率モードでの大当たり当選確率は1/60に設定されている。高確率モード用の当否テーブルには特殊外れ結果が設定されておらず、大当たり当選となる乱数の値以外はすべて通常外れ結果となる。
なお、各確率モードでの大当たり当選確率は上記に限定されるものではなく、任意に設定することができる。すなわち、高確率モードにおいて低確率モードよりも大当たりの当選確率が高くなるのであれば、大当たりに対応する乱数の数及び値は任意である。また、低確率モード用の当否テーブルでの特殊外れ結果の確率についても上記に限定されるものではなく、任意に設定することができる。この場合において特殊外れ結果の確率を必ずしも大当たり当選確率よりも高くする必要はなく、大当たり当選確率と同じとしてもよい。また、特殊外れ結果の確率を大当たり当選確率よりも低くしてもよい。
大当たり種別カウンタC2は、大当たりとなった場合にその種別を振り分けるためのものであり、0~99の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり99)に達した後0に戻る構成となっている。大当たり種別カウンタC2は定期的に更新され、遊技球が第1作動口62又は第2作動口63に入賞したタイミングでRAM314の保留球格納エリア314bに格納される。より詳しくは、第1作動口62に遊技球が入賞したタイミングでRAM314の第1特図用保留エリアRaに格納され、第2作動口63に遊技球が入賞したタイミングでRAM314の第2特図用保留エリアRbに格納される。
大当たり種別カウンタC2に対する遊技結果の振分先は、ROM313の種別テーブル記憶エリア313bに大当たり種別テーブルとして記憶されている。図311に示すように、大当たり種別テーブルとしては、第1特図用の大当たり種別テーブルと第2特図用の大当たり種別テーブルとが設定されている。第1作動口62への入賞に基づいて大当たりとなった場合には第1特図用の大当たり種別テーブルが参照され、第2作動口63への入賞に基づいて大当たりとなった場合には第2特図用の大当たり種別テーブルが参照される。
図311(a)に示すように、第1特図用の大当たり種別テーブルでは、選択可能な大当たり種別として4R確変大当たり結果と4R通常大当たり結果とが設定されている。これらの大当たり結果はいずれも実行されるラウンド遊技の回数が4回となるものである。ここで、ラウンド遊技とは、可変入賞装置65を閉鎖状態から開放状態とし、その後、閉鎖状態とする可変入賞制御が少なくとも1回実行されるものである。本実施の形態では、1のラウンド遊技につき上記可変入賞制御が1回実行されるように構成されている。
4R確変大当たり結果は、開閉実行モードの終了後、抽選モードが高確率モードに設定されるとともに、第2作動口63の普電役物63aにおけるサポートモードが高頻度サポートモードに設定される大当たり結果である。すなわち、4R確変大当たり結果となった場合は、開閉実行モード終了後の遊技状態が高確率モード且つ高頻度サポートモードの状態(高確遊技状態、確変遊技状態)となる。この場合の高確遊技状態は次回の大当たりが発生するまで(次回の開閉実行モードが開始されるまで)継続される。ちなみに、開閉実行モードの実行中は抽選モードが低確率モードに設定されるとともに、サポートモードが低頻度サポートモードに設定される。
高頻度サポートモード及び低頻度サポートモードは、遊技領域PEに対して同様の態様で遊技球の発射が継続されている状況で比較した場合に、第2作動口63への入賞頻度が相対的に高低となるように、普電役物63aの駆動態様が制御されるものである。具体的には、高頻度サポートモードでは、普電役物63aが開放状態とされる頻度が低頻度サポートモードよりも高く、また、1回の開放における開放期間についても低頻度サポートモードよりも長くなるようになっている。
このため、高頻度サポートモードでは、低頻度サポートモードよりも第2作動口63への入賞が発生する確率が高くなる。換言すれば、低頻度サポートモードでは、第2作動口63よりも第1作動口62への入賞が発生する確率が高くなるが、高頻度サポートモードでは、第1作動口62よりも第2作動口63への入賞が発生する確率が高くなる。そして、第2作動口63への入賞が発生した場合には、所定個数の遊技球の払出が実行されるため、高頻度サポートモードにおいて遊技者は持ち球の減りを抑えながら遊技を行うことができる。
なお、本実施の形態では、高頻度サポートモードとして第1高頻度サポートモードと第2高頻度サポートモードとが設けられている。このうち4R確変大当たり結果となった場合に移行するのは第1高頻度サポートモードである。第1高頻度サポートモードと第2高頻度サポートモードとの違いについては後に説明する。
4R通常大当たり結果は、開閉実行モードの終了後、抽選モードが低確率モードに設定されるとともに、第2作動口63の普電役物63aにおけるサポートモードが第1高頻度サポートモードに設定される大当たり結果である。すなわち、4R通常大当たり結果となった場合は、開閉実行モード終了後の遊技状態が低確率モード且つ高頻度サポートモードの状態(時短遊技状態)となる。
4R通常大当たり結果になった場合の時短遊技状態は、外れ結果の特図遊技回(外れ遊技回)の回数が予め定められた上限回数(例えば100回)に達するまで継続される。この場合の外れ遊技回の回数は、開閉実行モードが終了した後の特図遊技回を対象としてカウントされる。外れ遊技回の回数が上限回数に達した場合は、時短遊技状態が終了して通常遊技状態(低確率モード且つ低頻度サポートモード)に移行する。なお、上限回数に達する前に大当たり結果となった場合には、当該大当たり結果に基づく開閉実行モードへの移行に伴って時短遊技状態が終了する。
本実施の形態では、大当たり種別カウンタC2の「0」~「64」が4R確変大当たり結果に対応し、「65」~「99」が4R通常大当たり結果に対応している。すなわち、4R確変大当たり結果に振り分けられる確率は65%、4R通常大当たり結果に振り分けられる確率は35%に設定されている。
図311(b)に示すように、第2特図用の大当たり種別テーブルでは、選択可能な大当たり種別として10R確変大当たり結果と4R通常大当たり結果とが設定されている。
10R確変大当たり結果は、実行されるラウンド遊技の回数が10回となるものであり、また、開閉実行モード終了後の遊技状態が高確遊技状態となる大当たり結果である。この場合の高確遊技状態は次回の大当たりが発生するまで継続される。4R通常大当たり結果は、第1特図用の大当たり種別テーブルにおける4R通常大当たり結果と同様のものである。
本実施の形態では、大当たり種別カウンタC2の「0」~「64」が10R確変大当たり結果に対応し、「65」~「99」が4R通常大当たり結果に対応している。すなわち、10R確変大当たり結果に振り分けられる確率は65%、4R通常大当たり結果に振り分けられる確率は35%に設定されている。
このように、第1特図表示部の種別テーブルと第2特図表示部の種別テーブルとのいずれであっても、確変大当たり結果に振り分けられる確率は同一となっている。但し、確変大当たり結果が選択される場合に、第2特図表示部の種別テーブルでは10R大当たり結果となるのに対して、第1特図表示部の種別テーブルでは4R大当たり結果となるように設定されている。つまり、第2作動口63への入賞に基づいて確変大当たり結果となった場合は、第1作動口62への入賞に基づいて確変大当たり結果となった場合よりも開閉実行モードでのラウンド数が多くなり、より多くの遊技球の払い出しを期待することが可能になる。すなわち、第1作動口62に遊技球を入賞させる遊技よりも第2作動口63に遊技球を入賞させる遊技の方が遊技者にとって有利となっている。
以上のとおり、第1作動口62と第2作動口63とにおいて、遊技者にとっての有利性に明確な差異が設けられている。したがって、遊技者は第1作動口62及び第2作動口63のうち、第2作動口63への入賞が発生することを期待しながら遊技を行うこととなり、それに伴って、第2作動口63への入賞頻度が高くなる高頻度サポートモードへの遊技者の注目度が高くなる。
なお、本実施の形態では、第1特図表示部の種別テーブルと第2特図表示部の種別テーブルとで確変大当たり結果に振り分けられる確率を同一としているが、異なる確率としてもよい。具体的には、第2特図表示部の種別テーブルにおいて、第1特図表示部の種別テーブルよりも確変大当たり結果に振り分けられる確率が高くなる構成としてもよい。このような構成によっても、第1作動口62に入賞させるよりも第2作動口63に入賞させる方が遊技者にとって有利な構成とすることができる。その際、必ずしも開閉実行モードでのラウンド数と確変大当たり結果への振分確率との両方について第1作動口62よりも第2作動口63の方が優遇される構成とする必要はなく、確変大当たり結果への振分確率のみが優遇される構成としてもよい。
大当たり種別カウンタC2は、作動口62,63への入賞に基づく当否抽選の結果が大当たりになった場合に、各特図表示部AS,BSに停止表示される絵柄の停止結果の決定にも用いられる。停止結果の決定は、ROM313の停止結果テーブル記憶エリア313dに記憶されている停止結果テーブルを参照して行われる。停止結果テーブルには、大当たり種別カウンタC2の値と対応させて、大当たりである場合の停止結果(各特図表示部AS,BSに停止表示される大当たり絵柄)のデータが複数設定されており、停止結果の決定に際しては、それら複数の停止結果のデータの中から、取得された大当たり種別カウンタC2に対応するものが読み出される。停止結果の決定と大当たり種別の決定とにはいずれも同じ大当たり種別カウンタC2を用いるため、各特図表示部AS,BSに停止表示される大当たり絵柄と、その大当たり時に決定される大当たり種別とは対応したものとなる。
ここで、本実施の形態では、通常大当たり結果になったことを契機として移行する時短遊技状態とは別に、大当たり乱数カウンタC1を用いた当否抽選の結果が特殊外れ結果になったことを契機として移行する時短遊技状態が設けられている。この場合の時短遊技状態は、抽選モードが低確率モードとなり、サポートモードが第2高頻度サポートモードとなる状態である。
なお、特殊外れ結果は外れ結果の一種であるため、上記時短遊技状態へは開閉実行モードを経由せずに移行する。すなわち、特殊外れ結果になった場合、その特図遊技回が終了するのに合わせて遊技状態が時短遊技状態に移行する。以下においては、通常大当たり結果を契機とする時短遊技状態と、特殊外れ結果を契機とする時短遊技状態とを区別する場合に、前者を「通常時短遊技状態」、後者を「突然時短遊技状態」ということがある。
図311(c)に示すように、特殊外れ結果になったことを契機として移行する突然時短遊技状態は、当該状態に移行してからの外れ遊技回の回数が予め定められた上限回数(例えば100回)に達するまで継続される。外れ遊技回の回数が上限回数に達した場合は、突然時短遊技状態が終了して通常遊技状態(低確率モード且つ低頻度サポートモード)に移行する。なお、上限回数に達する前に大当たり結果となった場合には、当該大当たり結果に基づく開閉実行モードへの移行に伴って突然時短遊技状態が終了する。
図309の説明に戻り、変動種別カウンタCSは、例えば0~99の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり99)に達した後0に戻る構成となっている。変動種別カウンタCSは、特図用表示部43の第1特図表示部AS及び第2特図表示部BSにおける変動表示時間をMPU312において決定する上で用いられる。
変動種別カウンタCSは、後述する通常処理が1回実行される毎に1回更新され、当該通常処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。そして、変動種別カウンタCSは、遊技球が第1作動口62又は第2作動口63に入賞したタイミングでRAM314の保留球格納エリア314bに格納される。より詳しくは、第1作動口62に遊技球が入賞したタイミングでRAM314の第1特図用保留エリアRaに格納され、第2作動口63に遊技球が入賞したタイミングでRAM314の第2特図用保留エリアRbに格納される。
変動種別カウンタCSに対する変動表示時間の振分先は、ROM313の変動表示時間テーブル記憶エリア313cに変動表示時間テーブルとして記憶されている。変動表示時間テーブルの詳細については後述する。
普図当たり乱数カウンタC3は、例えば、0~99の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり99)に達した後0に戻る構成となっている。普図当たり乱数カウンタC3は定期的に更新され、スルーゲート64に遊技球が入賞したタイミングでRAM314の普図保留エリア314cに格納される。
普図当たり乱数カウンタC3は、普図当たり(サポート当選)であるか否かを抽選する普図当否抽選(サポート抽選)に用いられるものであり、サポート当選結果になった場合には、普電役物63aを閉鎖状態から開放状態とし、その後、閉鎖状態とする開閉制御が少なくとも1回行われる役物開閉遊技が実行される。
サポート当選となる乱数の値は、ROM313の当否テーブル記憶エリア313aに記憶されたサポート抽選テーブルにて設定されている。図312に示すように、サポート抽選テーブルとしては、低頻度サポートモード用のサポート抽選テーブルと、第1高頻度サポートモード用のサポート抽選テーブルと、第2高頻度サポートモード用のサポート抽選テーブルとが設定されている。サポート抽選に際してサポートモードが低頻度サポートモードである場合は低頻度サポートモード用のサポート抽選テーブルが参照され、第1高頻度サポートモードである場合は第1高頻度サポートモード用のサポート抽選テーブルが参照され、第2高頻度サポートモードである場合は第2高頻度サポートモード用のサポート抽選テーブルが参照される。
図312(a)に示すように、低頻度サポートモード用のサポート抽選テーブルでは、サポート当選となる乱数の値として「0」~「49」の計50個が設定されており、サポート当選確率は1/2となっている。
図312(b)に示すように、第1高頻度サポートモード用のサポート抽選テーブルでは、「0」~「89」の計90個が設定されており、サポート当選確率は9/10となっている。すなわち、第1高頻度サポートモードである場合は、サポート抽選における抽選モードが高確率モードとなり、低頻度サポートモードの場合よりもサポート当選となりやすくなっている。
図312(c)に示すように、第2高頻度サポートモード用のサポート抽選テーブルでは、サポート当選となる乱数の値として「0」~「49」の計50個が設定されており、サポート当選確率は1/2となっている。すなわち、第2高頻度サポートモードである場合は、サポート抽選における抽選モードが低確率モードとされ、第1高頻度サポートモードである場合よりもサポート当選確率が低い状態でサポート抽選が行われる。
各サポートモードにおいて、サポート当選となる乱数の値以外は、抽選結果が普図外れ結果となる。この場合は役物開閉遊技が実行されない。
なお、各サポートモードでのサポート当選確率は上記に限定されるものではなく、任意に設定することができる。例えば、第1高頻度サポートモードにおいて低頻度サポートモードよりもサポート当選の確率が高くなるのであれば、サポート当選となる乱数の数及び値は任意である。また、上記構成では、第2高頻度サポートモードでのサポート当選確率を低頻度サポートモードの場合と同じ確率としているが、第2高頻度サポートモードでのサポート当選確率が低頻度サポートモードでのサポート当選確率よりも高くなる構成であってもよい。その場合、第2高頻度サポートモードでのサポート当選確率を第1高頻度サポートモードでのサポート当選確率と同じにしてもよいし、第1高頻度サポートモードでのサポート当選確率よりも低くしてもよいし、第1高頻度サポートモードでのサポート当選確率よりも高くしてもよい。また、低頻度サポートモード、第1高頻度サポートモード及び第2高頻度サポートモードでサポート当選確率が等しくなる構成としてもよい。
ちなみに本実施の形態のように、低頻度サポートモードと第2高頻度サポートモードとでサポート当選確率を等しくする場合、すなわち、これら各モード間でサポート当選の確率変動を生じさせない場合は、これら各モード用のサポート抽選テーブルを共通化し、1の抽選テーブルを備える構成としてもよい。
図309の説明に戻り、普図当たり種別カウンタC4は、サポート当選となった場合にその種別を振り分けるためのものであり、0~99の範囲内で順次に1ずつ加算され、最大値(つまり99)に達した後0に戻る構成となっている。普図当たり種別カウンタC4は定期的に更新され、スルーゲート64に遊技球が入賞したタイミングでRAM314の普図保留エリア314cに格納される。
普図当たり種別カウンタC4に対する遊技結果の振分先は、ROM313の種別テーブル記憶エリア313bに普図当たり種別テーブルとして記憶されている。図313(a)に示すように、普図当たり種別テーブルでは、選択可能なサポート当選の種別としてサポート当選結果Aとサポート当選結果Bとが設定されている。
本実施の形態では、サポート当選になったことを契機として行われる役物開閉遊技(普電役物63aの開閉遊技)として複数種類の役物開閉遊技が設定されており、サポート当選の種別は、それら役物開閉遊技の種別に対応している。但し、滞在するサポートモードの種別によって、各サポート当選結果が対応する役物開閉遊技の種別が異なるように構成されている。具体的には、低頻度サポートモードである状況でサポート当選結果A又はサポート当選結果Bとなった場合は低入賞役物開閉遊技が実行され、第1又は第2高頻度サポートモードである状況でサポート当選結果Aとなった場合は第1高入賞役物開閉遊技が実行され、第1又は第2高頻度サポートモードである状況でサポート当選結果Bとなった場合は第2高入賞役物開閉遊技が実行される。
低入賞役物開閉遊技は、後述する第1高入賞役物開閉遊技や第2高入賞役物開閉遊技よりも第2作動口63への入賞率(入賞期待値)が低く、遊技者が第2作動口63への入賞を期待しにくい役物開閉遊技である。低入賞役物開閉遊技の具体的な態様は特に限定されないが、例えば、比較的に長めの期間とされるオープニング及びエンディングと、比較的に短めの期間とされる開放期間とを有する態様に設定される。
例えば、図313(b)に示すように、普電役物63aの開放回数(開閉制御の回数)が2回に設定された上で、5secのオープニングと、0.1secの1回目開放と、1.5secの閉鎖と、0.1secの2回目開放と、5secのエンディングとを順に有する構成とすることができる。この場合、普電役物63aの各回の開放期間が遊技球の発射周期(0.6sec)よりも短いため、第2作動口63への入賞が発生しにくくなる。また、オープニング及びエンディングの期間が長く、役物開閉遊技の全体期間において開放期間の占める割合が少ないことからも、第2作動口63への入賞が困難化されている。
第1高入賞役物開閉遊技は、第2作動口63への入賞率(入賞期待値)が低入賞役物開閉遊技よりも高く、遊技者が第2作動口63への入賞を期待しやすい役物開閉遊技である。但し、後述する第2高入賞役物開閉遊技よりも上記入賞率が低くなっている。第1高入賞役物開閉遊技の具体的な態様は特に限定されないが、例えば、比較的に短めの期間とされるオープニング及びエンディングと比較的に長めの期間とされる開放期間とを有する態様に設定される。
例えば、図314(a)に示すように、普電役物63aの開放回数が1回に設定された上で、0.1secのオープニングと、1.5secの開放と、0.1secのエンディングとを順に有する構成とすることができる。この場合、普電役物63aの開放期間が遊技球の発射周期(0.6sec)よりも長いため、第2作動口63への入賞が発生しやすくなる。また、オープニング及びエンディングの期間が短く、役物開閉遊技の全体期間において開放期間の占める割合が多いことからも、第2作動口63への入賞が容易化されている。
第2高入賞役物開閉遊技は、第2作動口63への入賞率(入賞期待値)が第1高入賞役物開閉遊技よりもさらに高く、遊技者が第2作動口63への入賞を期待しやすい役物開閉遊技である。第2高入賞役物開閉遊技の具体的な態様は特に限定されないが、例えば、比較的に短めの期間とされるオープニング及びエンディングと比較的に長めの期間とされる開放期間とを有する態様に設定される。
例えば、図314(b)に示すように、普電役物63aの開放回数が2回に設定された上で、0.1secのオープニングと、2secの1回目開放と、0.3secの閉鎖と、2secの2回目開放と、0.1secのエンディングとを順に有する構成とすることができる。この場合、普電役物63aの開放期間が遊技球の発射周期(0.6sec)よりも長いため、第2作動口63への入賞が発生しやすくなる。また、オープニング及びエンディングの期間が短く、役物開閉遊技の全体期間において開放期間の占める割合が多いことからも、第2作動口63への入賞が容易化されている。
図313(a)に示すように、普図当たり種別テーブルでは、普図当たり種別カウンタC4の「0」~「49」がサポート当選結果Aに対応し、「50」~「99」がサポート当選結果Bに対応している。すなわち、サポート当選結果Aに振り分けられる確率は50%、サポート当選結果Bに振り分けられる確率は50%に設定されている。
なお、各サポート当選結果の振分確率は上記に限定されるものではなく、任意に設定することができる。例えば、サポート当選結果Aの確率よりもサポート当選結果Bの確率を高くしてもよいし、その逆としてもよい。また、サポート当選の種別数は2つに限定されるものではなく、1つとしてもよいし、3つ以上としてもよい。
普図当たり種別カウンタC4は、サポート抽選結果がサポート当選になった場合に、普図用表示部44に停止表示される絵柄の停止結果の決定にも用いられる。停止結果の決定は、ROM313の停止結果テーブル記憶エリア313dに記憶されている停止結果テーブルを参照して行われる。停止結果テーブルには、普図当たり種別カウンタC4の値と対応させて、サポート当選である場合の停止結果(普図用表示部44に停止表示される普図当たり絵柄)のデータが複数設定されており、停止結果の決定に際しては、それら複数の停止結果のデータの中から、取得された普図当たり種別カウンタC4に対応するものが読み出される。停止結果の決定とサポート当選種別の決定とにはいずれも同じ普図当たり種別カウンタC4を用いるため、普図用表示部44に停止表示される普図当たり絵柄と、そのサポート当選時に決定されるサポート当選の種別とは対応したものとなる。
<主制御装置162にて実行される各種処理について>
次に、主制御装置162内のMPU312にて遊技を進行させるために実行されるタイマ割込み処理及び通常処理を説明する。なお、MPU312では、タイマ割込み処理及び通常処理の他に、電源投入に伴い起動されるメイン処理とNMI端子(ノンマスカブル端子)への停電信号の入力により起動されるNMI割込み処理とが実行されるが、これらの処理については説明を省略する。
<タイマ割込み処理>
タイマ割込み処理について図315のフローチャートを参照しながら説明する。本処理はMPU312により定期的に(例えば2msec周期で)起動される。
ステップSd101では、各種入賞センサの読み込み処理を実行する。すなわち、主制御装置162に接続されている各種入賞センサの状態を読み込むとともに、当該入賞センサの状態(入賞センサからの検知情報)を判定して検出情報(入賞検知情報)を保存する。例えば、第1作動口62への入賞が発生したと判定した場合には、RAM314の各種フラグ格納エリア314eに第1特図用の入賞検知フラグを格納し、第2作動口63への入賞が発生したと判定した場合には、各種フラグ格納エリア314eに第2特図用の入賞検知フラグを格納する。また、スルーゲート64を遊技球が通過したと判定した場合には、RAM314の各種フラグ格納エリア314eにスルーゲート用の入賞検知フラグを格納する。
ステップSd102では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1加算するとともに、そのカウンタ値が最大値に達した際0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM314の該当するバッファ領域に格納する。
ステップSd103では、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、普図当たり乱数カウンタC3及び普図当たり種別カウンタC4の更新を実行する。具体的には、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、普図当たり乱数カウンタC3及び普図当たり種別カウンタC4をそれぞれ1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値に達した際それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1~C4の更新値を、RAM314の該当するバッファ領域に格納する。
ステップSd104では、スルーゲート64への入賞に伴うスルー用の入賞処理を実行する。スルー用の入賞処理では、RAM314の各種フラグ格納エリア314eにスルーゲート用の入賞検知フラグが格納されているか否かを判定し、同フラグが格納されている場合には普図保留エリア314cに記憶されている役物保留記憶数が4未満であることを条件として、前記ステップSd103にて更新した普図当たり乱数カウンタC3及び普図当たり種別カウンタC4の値を普図保留エリア314cに格納する。また、各種フラグ格納エリア314eにスルーゲート用の入賞検知フラグが格納されている場合には、同入賞検知フラグを消去して当該スルーゲート用の入賞処理を終了する。
ステップSd105では、作動口62,63への入賞に伴う作動口用の入賞処理を実行し、その後、タイマ割込み処理を終了する。
<作動口用の入賞処理>
ステップSd105の作動口用の入賞処理について図316のフローチャートを参照しながら説明する。
先ずステップSd201にて、遊技球が第1作動口62に入賞(始動入賞)したか否かを第1作動口用入賞センサ62aの検知状態により判定する。遊技球が第1作動口62に入賞したと判定すると、ステップSd202にて払出制御装置181に遊技球を3個払い出させるための賞球コマンドをセットする。
ステップSd203では、第1作動口62に遊技球が入賞したことを遊技ホール側の管理制御装置に対して信号出力すべく、外部信号設定処理を行う。ステップSd204では、第1特図用保留エリアRaの保留数記憶領域に格納された値を読み出し、当該第1特図用保留エリアRaに保留記憶されている始動保留記憶数RaNをセットする(以下、第1始動保留記憶数RaNともいう)。その後、ステップSd205では、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及び変動種別カウンタCSの各値を格納する情報取得処理を行い、本入賞処理を終了する。
また、ステップSd201で否定判定した場合(第1作動口62への入賞が発生していない場合)は、ステップSd206に進み、遊技球が第2作動口63に入賞(始動入賞)したか否かを第2作動口用入賞センサ63cの検知状態により判定する。遊技球が第2作動口63に入賞したと判定すると、ステップSd207にて払出制御装置181に遊技球を1個払い出させるための賞球コマンドをセットする。
ステップSd208では、第2作動口63に遊技球が入賞したことを遊技ホール側の管理制御装置に対して信号出力すべく、外部信号設定処理を行う。ステップSd209では、第2特図用保留エリアRbの保留数記憶領域に格納された値を読み出し、当該第2特図用保留エリアRbに保留記憶されている始動保留記憶数RbNをセットする(以下、第2始動保留記憶数RbNともいう)。その後、ステップSd205にて情報取得処理を行い、本入賞処理を終了する。
また、ステップSd206で否定判定した場合(第2作動口63への入賞が発生していない場合)は、そのまま本入賞処理を終了する。
なお、上記ステップSd202又はステップSd207にてセットした賞球コマンドは、後述する通常処理の外部出力処理にて払出制御装置181に対して送信される。
ここで、ステップSd205の情報取得処理について図317のフローチャートを参照しながら説明する。
先ずステップSd301にて、上述したステップSd204又はステップSd209にてセットした始動保留記憶数N(RaN又はRbN)が上限値(本実施の形態では4)未満であるか否かを判定する。始動保留記憶数Nが上限値である場合にはそのまま本情報取得処理を終了し、上限値未満である場合には、ステップSd302にて対応する特図用保留エリアRa,Rbの始動保留記憶数Nを1加算する。ステップSd303では、総保留数記憶領域に格納された値(以下、共通保留数CRNと言う)を1加算する。
ステップSd304では、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及び変動種別カウンタCSの各値を、対応する特図表示部用保留エリアの空き記憶領域エリアのうち最初の記憶エリア、すなわち上記ステップSd302にて1加算した保留記憶数と対応する記憶エリアに格納する。
つまり、第1特図用の始動保留記憶数RaNがセットされている場合には、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及び変動種別カウンタCSの各値を、第1特図用保留エリアRaの空き記憶エリアのうち最初の記憶エリア、すなわち上記ステップSd302にて1加算した第1特図用の始動保留記憶数RaNと対応する保留エリアRaに格納する。
また、第2特図用の始動保留記憶数RbNがセットされている場合には、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及び変動種別カウンタCSの各値を、第2特図用の保留エリアRbの空き記憶エリアのうち最初の記憶エリア、すなわち上記ステップSd302にて1加算した第2特図用の始動保留記憶数RbNと対応する保留エリアRbに格納する。
ステップSd305では、主表示ユニット81の特図保留数表示部AMについて表示更新処理を実行する。特図保留数表示部AMでは、第1特図用の保留数と第2特図用の保留数とを各別に表示することが可能となっている。ステップSd305の表示更新処理では、今回の入球先(入賞先)が第1作動口62の場合には第1特図用の保留数の表示を更新し、今回の入球先(入賞先)が第2作動口63の場合には第2特図用の保留数の表示を更新する。
ステップSd306では、演出制御装置143への送信対象として保留コマンドを設定する。保留コマンドには、第1特図又は第2特図のいずれの始動入賞であるかを示す情報や、保留数を示す情報等が含まれる。ステップSd306の実行後は、本情報取得処理を終了する。
<通常処理>
次に、通常処理の流れを図318のフローチャートを参照しながら説明する。通常処理は電源投入に伴い起動されるメイン処理が実行された後に開始される処理であり、通常処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、ステップSd401~ステップSd408の処理が4msec周期の定期処理として実行され、その残余時間でステップSd409~ステップSd411のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
通常処理においては先ず、ステップSd401にて外部信号出力処理を実行する。ステップSd401の外部信号出力処理では、タイマ割込み処理又は前回の通常処理で設定したコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置に送信する。具体的には、賞球コマンドの有無を判定し、賞球コマンドが設定されていればそれを払出制御装置181に対して送信する。また、変動開始コマンド、種別コマンド、変動終了コマンド等の演出用コマンドが設定されている場合にはそれを演出制御装置143に対して送信する。
ステップSd402では、変動種別カウンタCSの更新を実行する。具体的には、変動種別カウンタCSを1加算するとともに、カウンタ値が最大値に達した際にはカウンタ値を0にクリアする。そして、変動種別カウンタCSの更新値を、RAM314の該当するバッファ領域に格納する。
ステップSd403では、各特図遊技回における遊技を制御するための特図遊技回制御処理を実行する。特図遊技回制御処理では、大当たり判定、特図用表示部43の表示制御などを行う。ステップSd404では、遊技状態移行処理を実行する。この遊技状態移行処理により、遊技状態が開閉実行モード、高確率モード、高頻度サポートモードなどに移行する。ステップSd403の特図遊技回制御処理及びステップSd404の遊技状態移行処理についての詳細は後述する。
ステップSd405では、普図遊技回における遊技を制御するための普図遊技回制御処理を実行する。普図遊技回制御処理では、サポート抽選(普図当否抽選)、普図用表示部44の表示制御などを行う。ステップSd406では、第2作動口63に設けられた普電役物63aを駆動制御するための電役サポート用処理を実行する。ステップSd405の普図遊技回制御処理及びステップSd406の電役サポート用処理についての詳細は後述する。
ステップSd407では、遊技球発射制御処理を実行する。遊技球発射制御処理では、電源及び発射制御装置191から発射許可信号を入力していることを条件として、所定期間(例えば、0.6sec)に1回、遊技球発射機構110のソレノイドを励磁する。これにより、遊技球が遊技領域PEに向けて打ち出される。
ステップSd408では、RAM314のバックアップエリアに停電フラグが格納されているか否かを判定する。停電フラグは、電断状態の発生時に実行されるNMI割込み処理でセットされるものであり、電断状態の発生をMPU312が把握するためのものである。
停電フラグが格納されていない場合(電断状態が発生していない場合)は、ステップSd409にて、次の通常処理の実行タイミングに至ったか否か、すなわち今回の通常処理の開始から所定時間(本実施の形態では4msec)が経過したか否かを判定する。今回の通常処理の開始から所定時間が経過していない場合は、ステップSd410にて、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1加算するとともに、そのカウンタ値が最大値に達した際0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM314の該当するエリアに格納する。
ステップSd411では、変動種別カウンタCSの更新を実行する。具体的には、変動種別カウンタCSを1加算するとともに、それらのカウンタ値が最大値に達した際0にクリアする。そして、変動種別カウンタCSの更新値を、RAM314の該当するエリアに格納する。
ステップSd409で肯定判定した場合(今回の通常処理の開始から所定時間が経過した場合)は、ステップSd401に処理を戻り、ステップSd401以降の処理を実行する。
このように、ステップSd408の処理を実行した後、次の通常処理の実行タイミングが到来するまでの残余期間を利用し、乱数初期値カウンタCINI及び変動種別カウンタCSの更新を繰り返し実行する。ここで、ステップSd401~ステップSd408の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して乱数初期値カウンタCINIの更新を繰り返し実行することにより、乱数初期値カウンタCINI(すなわち、大当たり乱数カウンタC1の初期値)をランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCSについてもランダムに更新することができる。
ステップSd408で肯定判定した場合(停電フラグが格納されている場合)は、ステップSd412に進み、各割込み処理の発生を禁止する。ステップSd413では、MPU312のスタックポインタの値をRAM314のバックアップエリアに記憶し、ステップSd414では、演出制御装置143への送信対象として停電コマンドを設定する。停電コマンドが送信されることにより、電断状態の発生が演出制御装置143に通知される。
ステップSd415ではRAM判定値を算出し、バックアップエリアに保存する。RAM判定値は、例えばRAM314の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。ステップSd416では、RAM314へのアクセスを禁止し、その後は、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。なお、電源が完全に遮断された後も、電源及び発射制御装置191からRAM314のデータ記憶保持用電源が供給されるため、電源遮断前にRAM314に記憶されていた情報はそのままの状態で所定の期間内(例えば、1日や2日)保持される。
<特図遊技回制御処理>
ステップSd403の遊技回制御処理について図319のフローチャートを参照しながら説明する。
先ずステップSd501にて、可変入賞装置65を用いた開閉実行モード中であるか否かを判定する。具体的には、RAM314の各種フラグ格納エリア314eに開閉実行モードフラグがセットされているか否かを判定する。開閉実行モードフラグは、開閉実行モードの実行中であることをMPU312が把握するためのものである。
開閉実行モード中でない場合には、ステップSd502にて、特図用表示部43が確定表示中であるか否かを判定する。具体的には、上記各種フラグ格納エリア314eに確定表示フラグがセットされているか否かを判定する。確定表示フラグは、第1特図表示部AS又は第2特図表示部BSで確定表示中であることをMPU312が把握するためのものである。
特図用表示部43が確定表示中でない場合は、ステップSd503にて、特図用表示部43が変動表示中であるか否かを判定する。具体的には、上記各種フラグ格納エリア314eに変動表示中フラグがセットされているか否かを判定する。変動表示中フラグは、第1特図表示部AS又は第2特図表示部BSで変動表示中であることをMPU312が把握するためのものである。
特図用表示部43が変動表示中でない場合は、ステップSd504にて、共通保留数CRNが「0」であるか否かを判定する。共通保留数CRNが「0」である場合とは、第1作動口62及び第2作動口63のいずれについても始動保留記憶数RaN,RbNが「0」であることを意味する。よって、共通保留数CRNが「0」である場合は、実行対象となる保留情報が存在しないことになるため、そのまま特図遊技回制御処理を終了する。
共通保留数CRNが「0」でない場合には、ステップSd505にて第1特図用保留エリアRa又は第2特図用保留エリアRbに記憶されているデータを変動表示用に設定するためのデータ設定処理を実行し、さらにステップSd506にて特図用表示部43における変動表示を開始させるための変動開始処理を実行した後に、本遊技回制御処理を終了する。
ここで、ステップSd505のデータ設定処理及びステップSd506の変動開始処理について、以下に詳細に説明する。
先ず、データ設定処理について図320のフローチャートを参照して説明する。
先ずステップSd601では、第2特図用保留エリアRbに保留記憶されている第2始動保留記憶数RbNが「0」であるか否かを判定する。第2始動保留記憶数RbNが「0」である場合にはステップSd602~ステップSd608の第1特図(第1作動口62)用のデータ設定処理を実行し、第2始動保留記憶数RbNが「0」でない場合にはステップSd609~ステップSd615の第2特図(第2作動口63)用のデータ設定処理を実行する。
既に説明したように、共通保留数CRNが1以上である場合にデータ設定処理が行われるところ、データ設定処理が実行される状況とは、第1始動保留記憶数RaN及び第2始動保留記憶数RbNの少なくとも一方が1以上であることを意味する。この場合にデータ設定処理では、先ず第2始動保留記憶数RbNが「0」であるか否かを判定し、第2始動保留記憶数RbNが「0」であること、すなわち、第2特図用の保留情報が存在しないことを条件として第1特図用の保留情報に関する処理を実行するように構成されている。このため、第1特図用保留エリアRa及び第2特図用保留エリアRbの両方に保留情報が記憶されている場合には、第2特図用保留エリアRbに記憶されている第2特図(第2作動口63)用の保留情報が優先して処理されることになる。
第1特図用のデータ設定処理では、先ずステップSd602にて、第1特図用保留エリアRaの第1始動保留記憶数RaNを1減算する。ステップSd603では共通保留数CRNを1減算する。ステップSd604では、第1特図用保留エリアRaの第1エリアに格納されたデータを実行エリアAEに移動する。
ステップSd605では、第1特図用保留エリアRaの記憶エリアに格納されたデータ(大当たり乱数カウンタC1等の保留情報)をシフトさせる処理を実行する。この処理では、第1エリアのデータをクリアするとともに、第2エリア~第4エリアのデータを下位側のエリアに順次移動させる処理を実行する。
ステップSd606では、RAM314の各種フラグ格納エリア314eに第2特図フラグが格納されているか否かを判定する。第2特図フラグは、第2作動口63の保留情報が存在することをMPU312が把握するためのものである。第2特図フラグが格納されている場合は、ステップSd607にて第2特図フラグを消去する。
ステップSd607の実行後又はステップSd606で否定判定した場合(第2特図フラグが格納されていない場合)は、ステップSd608に進み、保留エリアのデータのシフトが行われたことを演出制御装置143に通知するためのシフトコマンド(シフト発生情報)を設定する。この場合、ROM313のコマンド情報記憶エリア313eから、今回のデータのシフトの対象となった保留エリアが、第1特図用保留エリアRaに対応していることの情報、すなわち第1作動口62に対応していることの情報を含むシフトコマンドを選定し、その選定したシフトコマンドを演出制御装置143への送信対象のコマンドとして設定する。その後、本データ設定処理を終了する。
ステップSd608にて設定されたシフトコマンドは、通常処理(図318)におけるステップSd401にて、演出制御装置143に送信される。演出制御装置143では、受信したシフトコマンドに基づいて、図柄表示装置75の第1保留表示領域Gaにおける表示を、保留個数の減少に対応させて変更するための処理を実行する。
第2特図用のデータ設定処理では、先ずステップSd609にて、第2特図用保留エリアRbの第2始動保留記憶数RbNを1減算する。ステップSd610では共通保留数CRNを1減算する。ステップSd611では、第2特図用保留エリアRbの第1エリアに格納されたデータを実行エリアAEに移動する。
ステップSd612では、第2特図用保留エリアRbの記憶エリアに格納されたデータ(大当たり乱数カウンタC1等の保留情報)をシフトさせる処理を実行する。ステップSd613では、上記各種フラグ格納エリア314eに第2特図フラグが格納されているか否かを判定する。第2特図フラグが格納されていない場合は、ステップSd614にて第2特図フラグをセットする。
ステップSd614の実行後又はステップSd613で肯定判定した場合(第2特図フラグが格納されている場合)は、ステップSd615に進み、保留エリアのデータのシフトが行われたことをサブ側の制御装置である演出制御装置143に認識させるための情報であるシフトコマンド(シフト発生情報)を設定する。この場合、ROM313のコマンド情報記憶エリア313eから、今回のデータのシフトの対象となった保留エリアが第2特図用保留エリアRbに対応していることの情報、すなわち第2作動口63に対応していることの情報を含むシフトコマンドを選定し、その選定したシフトコマンドを演出制御装置143への送信対象のコマンドとして設定する。その後、本データ設定処理を終了する。
ステップSd615にて設定されたシフトコマンドは、通常処理(図318)におけるステップSd401にて、演出制御装置143に送信される。演出制御装置143では、受信したシフトコマンドに基づいて、図柄表示装置75の第2保留表示領域Gbにおける表示を、保留個数の減少に対応させて変更するための処理を実行する。
次に、変動開始処理について図321のフローチャートを参照して説明する。
先ずステップSd701では、現在の遊技状態に対応する当否テーブルを参照して当否判定を行う。具体的には、現在の抽選モードが低確率モードである場合は低確率モード用の当否テーブル(図310(a))を参照して当否判定を行い、現在の抽選モードが高確率モードである場合は高確率モード用の当否テーブル(図310(b))を参照して当否判定を行う。本ステップでは、実行エリアAEに格納されている大当たり乱数カウンタC1の値が、参照する当否テーブルにて大当たり用の乱数として設定されている値と一致しているか否かを判定する。
ステップSd702では、ステップSd701における当否判定の結果が大当たり当選であるか否かを判定する。大当たり当選である場合には、ステップSd703にて、対応する大当たり種別テーブルを参照して大当たり種別判定(大当たり種別の抽選)を行う。具体的には、今回の大当たり結果が第1特図の当否抽選による大当たり結果である場合は第1特図用の大当たり種別テーブル(図311(a))を参照して種別判定を行い、今回の大当たり結果が第2特図の当否抽選による大当たり結果である場合は第2特図用の大当たり種別テーブル(図311(b))を参照して種別判定を行う。例えば、第1特図用の大当たり種別テーブルを参照した種別判定の場合であれば、実行エリアAEに格納されている大当たり種別カウンタC2の値が、4R確変大当たり結果、4R通常大当たり結果のいずれの数値範囲に属しているかを判定する。
ステップSd704では、ステップSd703の種別判定により選択された大当たり種別に対応した大当たり種別フラグをRAM314の各種フラグ格納エリア314eにセットする。例えば、選択された大当たり種別が4R通常大当たり結果Aである場合は、4R通常大当たりAフラグをセットする。
ステップSd705では、ROM313の停止結果テーブル記憶エリア313dに記憶されている停止結果テーブルを参照して大当たり用の停止結果を設定する。具体的には、実行エリアAEに格納されている大当たり種別カウンタC2に対応する停止結果を停止結果テーブルから読み出し、今回の遊技回の停止結果として設定する。
ステップSd702で否定判定した場合(大当たり当選でない場合)は、ステップSd706に進み、ステップSd701の当否判定の結果が特殊外れ結果であるか否かを判定する。特殊外れ結果である場合は、ステップSd707にて特殊外れフラグを上記各種フラグ格納エリア314eにセットする。特殊外れフラグは、今回の当否判定の結果が特殊外れ結果であることをMPU312が把握するためのものである。
ステップSd708では、上記停止結果テーブルを参照して特殊外れ用の停止結果を設定する。停止結果テーブルでは、特殊外れ結果に対応した固有の停止結果のデータが設定されており、本ステップでは、当該データを読み出して今回の遊技回の停止結果として設定する。
ステップSd706で否定判定した場合(特殊外れ結果でない場合)は、ステップSd709に進み、今回の遊技回の停止結果として通常外れ用の停止結果を設定する。本実施の形態では、通常外れ用の停止結果が1種類のみ設けられており、ステップSd709ではその停止結果を設定する。
ステップSd705、ステップSd708又はステップSd709の実行後は、ステップSd710にて、高頻度サポートモードでの特図遊技回の回数を更新するための高頻度サポートモード更新用処理を実行する。ステップSd711では、突然時短遊技状態の移行契機が成立したか否かを判定するための突然時短遊技状態の移行判定用処理を実行する。ステップSd712では、変動パターンを抽選して変動表示時間を設定するための変動表示時間の設定処理を実行する。ステップSd710~ステップSd712の詳細については後述する。
ステップSd713では、上記各種フラグ格納エリア314eに変動表示フラグをセットする。変動表示フラグは、特図遊技回の変動表示中であることをMPU312が把握するためのものである。
ステップSd714では、演出制御装置143への送信対象として変動開始コマンド及び種別コマンドを設定する。変動開始コマンドには変動パターンの情報が含まれるところ、遊技状態ごとに各別の変動パターンが設定され、また、大当たりであるか外れであるかによっても各別の変動パターンが設定される。よって、演出制御装置143では、変動開始コマンドから変動パターンを解析することで、変動表示時間の情報だけでなく、大当たりの有無や現在の遊技状態についても把握することが可能になる。また、種別コマンドには大当たり種別の情報が含まれる。なお、種別コマンドは、当否判定の結果が大当たりである場合にのみ設定される。
ステップSd715では、特図用表示部43の変動表示を開始する。その際、今回の特図遊技回が第1作動口62への入賞に基づくものである場合は第1特図表示部ASの絵柄を変動表示させ、第2作動口63への入賞に基づくものである場合は第2特図表示部BSの絵柄を変動表示させる。ステップSd715の実行後は変動開始処理を終了する。
特図遊技回制御処理(図319)の説明に戻り、ステップSd506の実行後は、特図遊技回制御処理を終了する。また、ステップSd501で肯定判定した場合(開閉実行モード中)である場合は、ステップSd502以降の処理を実行することなく特図遊技回制御処理を終了する。すなわち、開閉実行モード中である場合は、保留情報が存在していても特図用表示部43での変動表示は行われない。
ステップSd503で肯定判定した場合(特図用表示部43が変動表示中である場合)は、ステップSd507に進み、今回の特図遊技回における変動表示時間が経過したか否かを判定する。変動表示時間が経過していない場合には、ステップSd508にて変動表示用処理を実行する。変動表示用処理では、今回の遊技回に係る特図表示部において各表示用セグメントが所定の順番で点灯及び消灯されていくように当該特図表示部を表示制御(各表示用セグメントを発光制御)する。ステップSd508の実行後は特図遊技回制御処理を終了する。
変動表示時間が経過している場合には、ステップSd509に進み、上記各種フラグ格納エリア314eにセットされている変動表示フラグをクリアする。続くステップSd510では、高頻度サポートモードを終了させるための高頻度サポートモード終了用処理を実行する。ステップSd511では突然時短遊技状態の移行用処理を実行する。突然時短遊技状態の移行用処理は、遊技状態を突然時短遊技状態に移行させるためのものである。ステップSd510及びステップSd511の詳細については後述する。
ステップSd512では、確定表示開始用処理を実行し、その後、特図遊技回制御処理を終了する。確定表示開始用処理では、ステップSd705、ステップSd708又はステップSd709で設定した停止結果にて絵柄の停止表示を行うように特図用表示部43を制御する。また、ステップSd512では、上記停止表示を継続する確定表示時間の設定も行う。
ステップSd502で肯定判定した場合(特図用表示部43が確定表示中である場合)は、ステップSd513に進み、確定表示終了用処理を実行する。確定表示終了用処理では、ステップSd512で設定した確定表示時間が経過したか否かを判定し、経過している場合は絵柄の停止表示を終了させるように特図用表示部43を制御する。なお、確定表示時間の経過時において次の保留情報が存在しない場合は、作動口62,63への入賞が発生するまで、そのまま上記停止表示を継続するように制御する。ステップSd513の終了後は特図遊技回制御処理を終了する。
<遊技状態移行処理>
ステップSd404(図318)の遊技状態移行処理について、図322のフローチャートを参照しながら説明する。
先ずステップSd901では、開閉実行モード中であるか否かを判定する。開閉実行モード中でない場合にはステップSd902に進み、特図遊技回が終了したタイミングであるか否か(特図用表示部43での確定表示が終了したタイミングであるか否か)を判定する。特図遊技回の終了タイミングでない場合は、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。
特図遊技回の終了タイミングである場合には、ステップSd903にて、今回の特図遊技回の遊技結果が開閉実行モードへの移行に対応したもの、すなわち、当否判定の結果が大当たりであるか否かを判定する。本ステップでは、RAM314の各種フラグ格納エリア314eに大当たり種別フラグ(ステップSd704)が格納されているか否かを参照することで大当たりであるか否かの判定を行う。今回の特図遊技回の遊技結果が開閉実行モードへの移行に対応しないものである場合は、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。
ステップSd903で肯定判定した場合(今回の特図遊技回の遊技結果が開閉実行モードへの移行に対応するものである場合)は、ステップSd904に進み、開閉実行モードの開始処理を実行する。当該開始処理では、上記各種フラグ格納エリア314eに開閉実行モードフラグをセットする。また、可変入賞装置65を閉鎖状態としたまま初回ラウンドの開始を待機するためのオープニング期間を設定する。さらに、後述する高確率フラグや高頻度サポートフラグが上記各種フラグ格納エリア314eにセットされている場合は、これらのフラグをクリアする。
ステップSd905では、開閉実行モードのラウンド数を報知するためのラウンド表示の開始処理を実行する。本ステップでは、上記各種フラグ格納エリア314eに格納されている種別フラグに基づいて今回の大当たり種別を把握し、その大当たり種別に対応するラウンド数が表示されるようにラウンド表示部を制御する。なお、ラウンド表示部におけるラウンド数の表示は、開閉実行モードが終了するまで継続される。
ステップSd906では、今回の大当たり種別が10R確変大当たり結果であるか否かを判定する。10R確変大当たり結果でない場合、すなわち、4R確変大当たり又は4R通常大当たり結果のいずれかである場合は、ステップSd907にて、RAM314の各種カウンタエリア314dに設けられたラウンドカウンタエリアRC1に「4」をセットする。一方、今回の大当たり種別が10R確変大当たり結果である場合は、ステップSd908にて、上記ラウンドカウンタエリアRC1に「10」をセットする。
ステップSd907又はステップSd908の実行後は、ステップSd909にて、オープニングの開始及びオープニング期間を演出制御装置143に通知するためのオープニングコマンドを設定する。この設定されたオープニングコマンドは、通常処理(図318)におけるステップSd401にて、演出制御装置143に送信される。
ステップSd910では、外部信号設定処理を実行した後に、本遊技状態移行処理を終了する。外部信号設定処理では、外部出力端子213に設けられた大当たり信号用の出力端子を出力状態とする。これにより、大当たり信号用の出力端子が遊技ホール側の管理制御装置に接続されている場合には、当該管理制御装置に大当たり信号が出力され、当該管理制御装置においてパチンコ機10にて大当たりが発生したことを把握することができる。
ステップSd901で肯定判定した場合(開閉実行モード中である場合)は、ステップSd911に進み、オープニング期間が経過したか否かを判定する。オープニング期間が経過していない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。オープニング期間が経過している場合には、ステップSd912にて大入賞口開閉処理を実行する。
ここで、大入賞口開閉処理について図323のフローチャートを参照しながら説明する。
先ずステップSd1001では、大入賞口65aを開放中であるか否かを判定する。この判定は駆動部65dの駆動状態に基づいて行う。大入賞口65aを開放中でない場合には、ステップSd1002にてラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」であるか否かを判定する。ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」でない場合、すなわち、実行すべきラウンド遊技が存在する場合は、ステップSd1003にて、RAM314の各種カウンタエリア344bに設けられたタイマエリアT1の値が「0」であるか否かを判定する。この処理は、ラウンド間の待機期間(ラウンドインターバル期間)が経過したか否かを判定するものである。
タイマエリアT1の値が「0」である場合は、ステップSd1004に進み、1回のラウンド遊技での可変入賞装置65の上限開放時間(30sec)に対応する値として上記タイマエリアT1に「15000」をセットする。ここでセットされた値は、タイマ割込み処理(図315)が起動される都度、1減算される。ステップSd1005では、1回のラウンド遊技における可変入賞装置65への上限入賞個数(10個)に対応する値として、上記各種カウンタエリア344bに設けられた入賞カウンタエリアPC1に「10」をセットする。
ステップSd1006では、大入賞口65aを開放すべく駆動部65dを駆動状態とする。ステップSd1007では、大入賞口65a(可変入賞装置65)の開放が開始されたことを演出制御装置143に通知するための開放コマンドを設定し、その後、本大入賞口開閉処理を終了する。この設定された開放コマンドは、通常処理(図318)におけるステップSd401にて演出制御装置143に送信される。
ステップSd1102で肯定判定した場合(ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」である場合)又はステップSd1103で否定判定した場合(タイマエリアT1の値が「0」でない場合)は、そのまま本大入賞口開閉処理を終了する。
ステップSd1001で肯定判定した場合(大入賞口65aの開放中である場合)は、ステップSd1008に進み、タイマエリアT1の値が「0」か否かを判定する。この処理は、ステップSd1004で設定した可変入賞装置65の上限開放時間が経過したか否かを判定するものである。
タイマエリアT1の値が「0」でない場合は、ステップSd1009に進み、大入賞口用入賞センサ65cの検知状態に基づいて大入賞口65aへの入賞が発生したか否かを判定する。入賞が発生していない場合には、そのまま本大入賞口開閉処理を終了する。一方、入賞が発生している場合には、ステップSd1010にて入賞カウンタエリアPC1の値を1減算し、その後、ステップSd1011にて入賞カウンタエリアPC1の値が「0」であるか否かを判定する。入賞カウンタエリアPC1の値が「0」でない場合にはそのまま本大入賞口開閉処理を終了する。
ステップSd1008で肯定判定した場合(タイマエリアT1の値が「0」である場合)又はステップSd1011で肯定判定した場合(入賞カウンタエリアPC1の値が「0」である場合)は、ステップSd1012に進み、駆動部65dを非駆動状態に切り替えて大入賞口65aを閉鎖する。ステップSd1013では、ラウンドカウンタエリアRC1の値を1減算し、ステップSd1014では、ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」であるか否かを判定する。
ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」でない場合、すなわち、残りのラウンド遊技が存在する場合は、ステップSd1015に進み、可変入賞装置65を閉鎖状態としたまま次のラウンド遊技の開始を待機する期間(2sec)に対応する値として、上記タイマエリアT1に「1000」をセットする。
ステップSd1016では、可変入賞装置65を閉鎖したこと(ラウンド遊技が終了したこと)を演出制御装置143に通知するための閉鎖コマンドを設定し、その後、本大入賞口開閉処理を終了する。設定された閉鎖コマンドは、通常処理(図318)におけるステップSd401にて演出制御装置143に送信される。
ステップSd1014で肯定判定した場合(ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」である場合)、すなわち、開閉実行モードの最終ラウンドが終了した場合は、ステップSd1017に進み、エンディングの開始処理を実行する。当該開始処理では、可変入賞装置65を閉鎖状態としたまま次の遊技回(開閉実行モードが終了した後の最初の遊技回)の開始を待機するエンディング期間を設定する。ステップSd1018では、エンディングの開始及びエンディング期間を演出制御装置143に通知するためのエンディングコマンドを設定し、その後、本大入賞口開閉処理を終了する。設定されたエンディングコマンドは、通常処理(図318)におけるステップSd401にて演出制御装置143に送信される。
遊技状態移行処理(図322)の説明に戻り、ステップSd912の大入賞口開閉処理を実行した後は、ステップSd913にてラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」であるか否かを判定する。ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」でない場合は、開閉実行モードを継続させるべく、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。
ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」である場合は、ステップSd914に進み、エンディングが終了したか否か(エンディング期間が経過したか否か)を判定する。エンディングが終了していない場合は、エンディングを継続させるべく、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。一方、エンディングが終了している場合は、ステップSd915に進み、開閉実行モード終了時の移行処理を実行する。
ここで、開閉実行モード終了時の移行処理について図324のフローチャートを参照しながら説明する。
先ずステップSd1201では、RAM314の各種フラグ格納エリア314eにセットされた大当たり種別フラグを参照し、今回の大当たりが確変大当たり結果であるか否かを判定する。確変大当たり結果である場合は、ステップSd1202にて、上記各種フラグ格納エリア314eに高確率フラグをセットする。これにより、抽選モードが高確率モードに移行する。
ステップSd1203では、上記各種フラグ格納エリア314eにサポートAフラグをセットする。サポートAフラグは第1高頻度サポートモードに対応するものである。サポートAフラグがセットされることにより、第1高頻度サポートモードに対応した内部状態となる。
ステップSd1204では、演出制御装置143への送信対象として高確遊技状態開始コマンドを設定し、その後、開閉実行モード終了時の移行処理を終了する。ステップSd1204で設定された高確遊技状態開始コマンドは、通常処理(図318)におけるステップSd401にて演出制御装置143に送信される。高確遊技状態開始コマンドが送信されることにより、高確遊技状態(高確率モード且つ第1高頻度サポートモード)の開始が演出制御装置143に通知される。
ステップSd1201で否定判定した場合(今回の大当たり結果が通常大当たり結果である場合)は、ステップSd1205に進み、上記各種フラグ格納エリア314eにサポートAフラグをセットする。これにより、サポートモードが第1高頻度サポートモードに移行する。
ステップSd1206では、今回の大当たり結果に対応する上限回数をセットする。例えば、今回の大当たり結果が4R通常大当たり結果である場合は、RAM314の各種カウンタエリア314dに設けられたサポートカウンタエリアSCに上限回数に対応する値(例えば100)をセットする。サポートカウンタエリアSCは、高頻度サポートモードの残り回数(高頻度サポートモードに滞在可能な特図遊技回の残り回数)をMPU312が把握するためのものであり、高頻度サポートモードである状況で特図遊技回が行われるごとに1ずつ減算される。
ステップSd1207では、演出制御装置143への送信対象として時短遊技状態開始コマンドを設定し、その後、開閉実行モード終了時の移行処理を終了する。ステップSd1207で設定された時短遊技状態開始コマンドは、通常処理(図318)におけるステップSd401にて演出制御装置143に送信される。時短遊技状態開始コマンドが送信されることにより、時短遊技状態(低確率モード且つ第1高頻度サポートモード)の開始が演出制御装置143に通知される。
遊技状態移行処理(図322)の説明に戻り、ステップSd915の開閉実行モード終了時の移行処理が終了した後は、ステップSd916にて、ラウンド表示の終了処理を実行する。当該処理では、特図用表示部43におけるラウンド表示部が消灯されるように当該ラウンド表示部を制御する。
ステップSd917では、開閉実行モードの終了処理を実行し、その後、本遊技状態移行処理を終了する。開閉実行モードの終了処理では、上記各種フラグ格納エリア314eに格納された種別フラグ及び開閉実行モードフラグを消去する処理を実行する。
次に、ステップSd710の高頻度サポートモード更新用処理、ステップSd711の突然時短遊技状態の移行判定用処理について説明する。これらの処理は、変動開始処理(図321)にて実行されるものであり、換言すれば、特図遊技回での変動表示が開始される場合に実行されるものである。
<高頻度サポートモード更新用処理>
ステップSd710の高頻度サポートモード更新用処理について図325のフローチャートを参照しながら説明する。
先ずステップSd1301では、今回の特図当否抽選の結果が大当たり結果であるか否かを判定する。大当たり結果でない場合は、ステップSd1302にて、RAM314の各種フラグ格納エリア314eにいずれかのサポートフラグがセットされているか否かを判定する。具体的には、サポートAフラグ、サポートBフラグのいずれかがセットされているか否かを判定する。サポートBフラグは第2高頻度サポートモード(突然時短遊技状態)に対応するものである。
いずれかのサポートフラグがセットされている場合、すなわち、高頻度サポートモード中である場合は、ステップSd1303に進み、RAM314の各種カウンタエリア314dに設けられたサポートカウンタエリアSCの値を更新する。具体的には、サポートカウンタエリアSCの値を1減算する。これにより、時短遊技状態の残り回数(時短遊技状態に滞在可能な遊技回の残り回数)が1減算される。
ステップSd1304では、上記サポートカウンタエリアSCの値が「0」であるか否かを判定する。サポートカウンタエリアSCの値が「0」である場合、すなわち、時短遊技状態での遊技回の実行回数が上限回数に到達している場合には、ステップSd1305に進み、上記各種フラグ格納エリア314eに時短終了用フラグをセットする。時短終了用フラグは、各時短遊技状態を終了すべきであることをMPU312が把握するためのものである。
ステップSd1305の実行後は高頻度サポートモード更新用処理を終了する。ステップSd1301で肯定判定した場合(大当たり結果である場合)又はステップSd1302で否定判定した場合(いずれのサポートフラグもセットされていない場合)は、時短遊技状態の残り回数を更新しないとして、ステップSd1303以降の処理を実行せずに高頻度サポートモード更新用処理を終了する。また、ステップSd1304で否定判定した場合(サポートカウンタエリアSCの値が「0」でない場合)は、時短遊技状態を終了すべきではないとして、ステップSd1305の処理を実行せずに高頻度サポートモード更新用処理を終了する。
<突然時短遊技状態の移行判定用処理>
ステップSd711の突然時短遊技状態の移行判定用処理について図326のフローチャートを参照しながら説明する。
先ずステップSd1401では、今回の特図当否抽選の結果が特殊外れ結果であるか否かを判定する。具体的には、RAM314の各種フラグ格納エリア314eに特殊外れフラグがセットされているか否かを判定する。特殊外れフラグは、ステップSd701の当否判定で特殊外れ結果と判定された場合にセットされるものである(ステップSd707)。
特図当否抽選の結果が特殊外れ結果でない場合(特殊外れフラグがセットされていない場合)は、そのまま突然時短遊技状態の移行判定用処理を終了する。一方、特図当否抽選の結果が特殊外れ結果である場合は、ステップSd1402に進み、上記各種フラグ格納エリア314eにいずれかのサポートフラグがセットされているか否かを判定する。
いずれのサポートフラグもセットされていない場合、すなわち、現在の遊技状態が通常遊技状態である場合は、ステップSd1403にて、上記各種フラグ格納エリア314eに突然時短開始用フラグをセットする。突然時短開始用フラグは、突然時短遊技状態に移行すべきであることをMPU312が把握するためのものである。ステップSd1403の実行後は、突然時短遊技状態の移行判定用処理を終了する。
ステップSd1402で肯定判定した場合(いずれかのサポートフラグがセットされている場合)、すなわち、現在の遊技状態が通常時短遊技状態又は突然時短遊技状態である場合は、ステップSd1403の処理を実行することなく、突然時短遊技状態の移行判定用処理を終了する。つまり、時短遊技状態である状況で特殊外れ結果となった場合、換言すれば、時短遊技状態である状況で時短遊技状態への移行契機が成立した場合には、当該結果に対応した突然時短遊技状態への移行が無効化される。ステップSd1403の実行後は突然時短遊技状態の移行判定用処理を終了する。
ここで、本実施の形態では、高頻度サポートモード更新用処理(図325)を実行してから突然時短遊技状態の移行判定用処理(図326)を実行するように構成され、時短遊技状態の残り回数(サポートカウンタエリアSC)を更新した後、突然時短遊技状態に移行すべきか否かを判定する順序となっている。このため、時短遊技状態に滞在している状況で、その時短遊技状態の最終遊技回以外の遊技回で特殊外れ結果となった場合は前述のとおり突然時短遊技状態への移行が生じないが、最終遊技回で特殊外れ結果となった場合は突然時短遊技状態への移行が許容されるようになっている。
すなわち、最終遊技回では、時短遊技状態の残り回数が「0」となり、内部的に時短遊技状態が終了した状態(サポートフラグがクリアされた状態)となってから、突然時短遊技状態の移行判定用処理が行われる。このため、最終遊技回にて実行される突然時短遊技状態の移行判定用処理では、ステップSd1402にてサポートフラグがセットされていないと判定することになり、特殊外れ結果となって特殊外れフラグがセットされていれば、ステップSd1403にて突然時短開始用フラグがセットされることになる。
なお、本実施の形態では、最終遊技回以外の遊技回で特殊外れ結果となった場合に、突然時短遊技状態への移行が無効化される構成としたが、上記第3の実施の形態やその各変形例のように、留保用フラグがセットされて突然時短遊技状態への移行が留保される構成としてもよい。
<変動表示時間の設定処理>
ステップSd712の変動表示時間の設定処理について図327のフローチャートを参照しながら説明する。
先ずステップSd1601では、現在の遊技状態を把握する。具体的には、高確率フラグ、第1高頻度サポートフラグ、第2高頻度サポートフラグのいずれがRAM314の各種フラグ格納エリア314eにセットされているかを把握し、その結果に基づいて現在の遊技状態が通常遊技状態、高確遊技状態、通常時短遊技状態、突然時短遊技状態のいずれであるかを特定する。本ステップでは、高確率フラグ及び第1高頻度サポートモードがセットされている場合に高確遊技状態であると特定し、第1高頻度サポートモードのみがセットされている場合に通常時短遊技状態であると特定し、第2高頻度サポートモードのみがセットされている場合に突然時短遊技状態であると特定し、いずれのフラグもセットされていない場合に通常遊技状態であると特定する。
ステップSd1602では、ステップSd1601で把握した遊技状態が通常遊技状態であるか否かを判定する。通常遊技状態である場合は、ステップSd1603に進み、通常遊技状態用の変動表示時間テーブルを取得する。変動表示時間テーブルは、変動種別カウンタCSの値に基づいて変動表示時間(変動パターン)を選択するために用いられるものである。
ここで、通常遊技状態用の変動表示時間テーブルについて図328を参照しながら説明する。通常遊技状態用の変動表示時間テーブルとしては、大当たり用の変動表示時間テーブル(図328(a))と、特殊外れ用の変動表示時間テーブル(図328(b))と、通常外れ用の変動表示時間テーブル(図328(c))とが設定されている。各変動表示時間テーブルでは、変動種別カウンタCSの数値範囲と、変動パターンの情報とが対応付けられて設定されている。
図328(a)に示すように、通常遊技状態に対応する大当たり用の変動表示時間テーブルでは、選択可能な変動パターンとして変動パターン1A(15sec)と、変動パターン2A(60sec)と、変動パターン3A(120sec)とが設定されている。変動種別カウンタCSを用いて変動パターンが選択された場合には、第1特図表示部AS又は第2特図表示部BSにおける絵柄の変動表示時間として、選択された変動パターンに対応する変動表示時間が設定される。
また、変動パターンが選択された場合は、その変動パターンを示す情報が変動開始コマンドとして演出制御装置143に送信される。演出制御装置143では、受信した変動開始コマンドに基づき、主制御装置162で選択された変動パターンを把握する。そして、その把握した変動パターンに対応する変動表示時間にて各図柄列Z1~Z3の変動表示が行われるように表示制御装置350を制御する。これにより、第1特図表示部AS又は第2特図表示部BSでの絵柄の変動表示に同期して図柄表示装置75にて各図柄列Z1~Z3が変動表示される。
また、各変動パターンは、図柄表示装置75で行われるリーチ演出等の遊技回用演出にも対応している。具体的には、変動パターン1Aはノーマルリーチ当たり演出に対応し、変動パターン2AはSPリーチ(スーパーリーチ)当たり演出に対応し、変動パターン3AはSPSPリーチ当たり演出に対応している。すなわち、演出制御装置143では、受信した変動開始コマンドから変動パターンを把握した場合に、その変動パターンに対応する遊技回用演出が図柄表示装置75で行われるように表示制御装置350を制御する。
上記各リーチ当たり演出は、リーチ表示が行われた後、図柄列Z1~Z3の各図柄が大当たりの図柄組み合わせで停止表示されるものである。ここで、リーチ表示(リーチ状態)とは、図柄(絵柄)の変動表示(又は可変表示)を行うことが可能な図柄表示装置75を備え、変動表示後の停止表示結果が特別表示結果(大当たり結果)になった場合に、遊技状態が遊技者に有利な特別遊技状態(開閉実行モード)となる遊技機において、図柄表示装置75における図柄(絵柄)の変動表示(又は可変表示)が開始されてから停止表示結果が導出表示される前段階で、前記特別表示結果となり易い変動表示状態であると遊技者に思わせるための表示状態をいう。
換言すれば、図柄表示装置75の表示画面Gに表示される複数の図柄列のうち一部の図柄列について図柄を停止表示させることで、大当たり状態の発生に対応した大当たりの図組み合わせが成立する可能性があるリーチ図柄の組み合わせを表示し、その状態で残りの図柄列において図柄の変動表示を行う表示状態のことである。より具体的には、図柄の変動表示を終了させる前段階として、最終停止列の図柄が変動表示された状態で、表示画面G内の有効ライン上に最終停止列以外の図柄列の図柄を大当たりの図柄組み合わせを構成する態様で停止表示させることによりリーチラインを形成させることである。
ノーマルリーチ当たり演出は、上記リーチ表示が行われた後に大当たりの図柄組み合わせで図柄が停止表示されるものである。SPリーチ演出は、ノーマルリーチ演出よりも上位のリーチ演出であり、リーチラインの形成後にキャラクタ等が登場する所定演出が行われ、当該所定演出の後に大当たりの図柄組み合わせで図柄が停止表示されるものである。SPSPリーチ演出は、SPリーチ演出よりも上位のリーチ演出であり、SPリーチ演出から発展する発展演出が行われた後、大当たりの図柄組み合わせで図柄が停止表示されるものである。なお、図328(a)における「備考(演出態様)」欄の項目は、便宜上付したものであり、変動表示時間テーブルに設定されるものではない。
図328(b)に示すように、通常遊技状態に対応する特殊外れ用の変動表示時間テーブルでは、選択可能な変動パターンとして変動パターンZ1(15sec)が設定されている。すなわち、変動種別カウンタCSの値にかかわらず、常に変動パターンZ1が選択される。既に説明したように、特殊外れ結果は突然時短遊技状態への移行契機となるものである。
変動パターンZ1は特殊リーチ外れA演出に対応しており、変動パターンZ1に対応する変動開始コマンドが演出制御装置143に送信された場合、図柄表示装置75では遊技回用演出として特殊リーチ外れA演出が実行される。ここで、特殊リーチ外れA演出について図329を参照しながら説明する。
特殊リーチ外れA演出では先ず、図329(a)に示すように、表示画面G上の有効ラインL1~L5のいずれかに上図柄列Z1と下図柄列Z3がリーチの組み合わせで停止表示され、リーチ表示が実行される。その後、中図柄列Z2(最終停止列の図柄列)が高速変動表示から低速変動表示に切り替えられるが、その際、図329(b)に示すように、大当たりの組合せとなる図柄とは異なる図柄の位置に、例えば「LUCKY」等の文字が付された特殊図柄711が配置された状態で低速変動表示が行われる。これにより、特殊図柄711の存在を遊技者が把握できるようにして変動表示が行われる。なお、図329(b)には、大当たりの組合せとなる「3」図柄に対して次の図柄となる「4」図柄の位置に特殊図柄711が配置された例を示している。
次いで、図329(c)に示すように、低速変動表示している特殊図柄711がリーチライン上に停止表示される。本実施の形態では、上図柄列Z1及び下図柄列Z3によりリーチラインが形成された後、そのリーチライン上に中図柄列Z2の特殊図柄711が停止表示される図柄組合せが特殊外れ結果に対応する図柄組合せとなっており、これにより、特殊外れ結果になったことが報知される。
図328(c)に示すように、通常遊技状態に対応する通常外れ用の変動表示時間テーブルでは、選択可能な変動パターンとして変動パターン1Hと、変動パターン2H(15sec)と、変動パターン3H(60sec)と、変動パターン4H(120sec)とが設定されている。各変動パターンに対応して変動表示時間が定められている点は大当たり用の変動表示時間テーブルと同様であるが、変動パターン1Hに対応する変動表示時間については、そのときの第1特図又は第2特図の保留数によって変動するようになっている。具体的には、保留数が2個以下である状況で変動パターン1Hが選択された場合には変動表示時間が8secとなり、保留数が3個以上である状況で変動パターン1Hが選択された場合には変動表示時間が8secよりも短い4secとなるように構成されている。
変動パターン1Hは図柄表示装置75での完全外れ演出に対応し、変動パターン2Hはノーマルリーチ外れ演出に対応し、変動パターン3HはSPリーチ外れ演出に対応し、変動パターン4HはSPSPリーチ外れ演出に対応している。
完全外れ演出は、リーチ表示が行われることなく、外れの図柄組み合わせで図柄が停止表示されるものである。また、上記各リーチ外れ演出は、リーチ表示が行われた後、図柄列Z1~Z3の各図柄がリーチ外れの図柄組み合わせ(リーチライン上に停止表示する最終停止列の図柄が、リーチ図柄との組み合わせにより大当たりを形成する図柄以外の図柄となる状態)で停止表示されるものである。なお、SPリーチ外れ演出は、SPリーチ当たり演出に対応するものであり、SPリーチ当たり演出と同種の所定演出が行われた後、外れ対応の結末映像が表示され、リーチ外れの図柄組み合わせで図柄が停止表示されるものである。また、SPSPリーチ外れ演出についてもSPSPリーチ当たり演出に対応するものである。
大当たり用の変動表示時間テーブルでは、変動種別カウンタCSの「0」が変動パターン1Aに対応し、「1」~「29」が変動パターン2Aに対応し、「30」~「99」が変動パターン3Aに対応している。一方、通常外れ用の変動表示時間テーブルでは、変動種別カウンタCSの「0」~「64」が変動パターン1Hに対応し、「65」~「84」が変動パターン2Hに対応し、「85」~「94」が変動パターン3Hに対応し、「95」~「98」が変動パターン4Hに対応している。
作動口62,63への入賞に基づく当否抽選の結果が大当たり結果である場合には、SPSPリーチ演出に対応する変動パターン3Aが最も選ばれやすく、上記当否抽選の結果が通常外れ結果である場合には、SPSPリーチ演出に対応する変動パターン4Hが最も選ばれにくくなっている。つまり、SPSPリーチ演出は、大当たりである場合に最も実行されやすく、通常外れである場合に最も実行されにくいリーチ演出となるため、大当たりの期待度が最も高い最上位のリーチ演出として機能することになる。
変動パターン3Aや変動パターン4H以外の変動パターンについても、上位リーチ演出に対応する変動パターンほど大当たりである場合に選ばれやすく、通常外れである場合に選ばれにくくなっている。すなわち、ノーマルリーチ演出<SPリーチ演出<SPSPリーチ演出の順で大当たりの期待度が高くなっている。
また、図328(c)に示すように、通常遊技状態に対応する通常外れ用の変動表示時間テーブルでは、選択可能な変動パターンとして変動パターンZ2が設定されている。変動パターンZ2は、変動種別カウンタの値が「99」である場合に選択されるものである。
変動パターンZ2は特殊リーチ外れB演出に対応しており、変動パターンZ2に対応する変動開始コマンドが演出制御装置143に送信された場合、演出制御装置143では、図柄表示装置75にて特殊リーチ外れB演出が実行されるように制御する。特殊リーチ外れB演出は、特殊リーチ外れA演出と対をなす所謂ガセ演出であり、特殊外れへの期待感を煽った上でそれとは異なる図柄組合せで図柄列Z1~Z3を停止表示させるものである。
特殊リーチ外れB演出では、図329(a)、(b)に示すように、上図柄列Z1及び下図柄列Z3によるリーチ表示が実行された後、特殊図柄711を含む状態で中図柄列Z2が低速変動表示される。すなわち、特殊リーチ外れA演出と同様の態様にて図柄変動演出の途中までが実行される。その後、例えば、特殊図柄711がリーチラインを通り過ぎるなどして、図329(d)に示すように、中図柄列Z2において特殊図柄711とは異なる図柄がリーチライン上に停止表示される。つまり、特殊外れ結果に対応する図柄組合せが成立するかのように見せかけつつ、最終的には当該組合せが成立しないようにして図柄列Z1~Z3が停止表示される。
変動表示時間の設定処理(図327)の説明に戻り、ステップSd1603では、通常遊技状態用の各種変動表示時間テーブルの中から今回の特図当否判定(ステップSd701)の結果に対応したものを取得する。具体的には、今回の特図当否判定の結果が大当たり結果である場合は大当たり用の変動表示時間テーブルを取得し、今回の特図当否判定の結果が特殊外れ結果である場合は特殊外れ用の変動表示時間テーブルを取得し、今回の特図当否判定の結果が通常外れ結果である場合は通常外れ用の変動表示時間テーブルを取得する。
ステップSd1602で否定判定した場合(通常遊技状態でない場合)は、ステップSd1604に進み、ステップSd1601で把握した現在の遊技状態が高確遊技状態であるか否かを判定する。高確遊技状態である場合はステップSd1605にて、高確遊技状態用の変動表示時間テーブルを取得する。
高確遊技状態用の変動表示時間テーブルについて図330を参照しながら説明する。高確遊技状態用の変動表示時間テーブルとしては、大当たり用の変動表示時間テーブル(図330(a))と、通常外れ用の変動表示時間テーブル(図330(b))とが設定されている。
図330(a)に示すように、高確遊技状態に対応する大当たり用の変動表示時間テーブルでは、選択可能な変動パターンとしてSPリーチ当たりに対応する変動パターン11A(60sec)と、SPSPリーチ当たりに対応する変動パターン12A(120sec)とが設定されている。
また、図330(b)に示すように、高確遊技状態に対応する通常外れ用の変動表示時間テーブルでは、選択可能な変動パターンとして完全外れに対応する変動パターン11Hと、SPリーチ外れに対応する変動パターン12H(60sec)と、SPSPリーチ外れに対応する変動パターン13H(120sec)とが設定されている。高確遊技状態での通常外れ用の変動表示時間テーブルでは、完全外れに対応する変動種別カウンタCSの範囲が通常遊技状態での通常外れ用の変動表示時間テーブルよりも広くなっている。すなわち、リーチ外れ演出が発生しにくくなっており、スピーディに遊技を進められるようになっている。
なお、完全外れに対応する変動パターン11Hの変動表示時間については、通常遊技状態での通常外れ用の変動表示時間テーブルよりも早く変動表示時間の短縮機能が発動するものとなっている。具体的には、保留数が1個以下である場合は8secとなり、保留数が2個以上である場合は4secとなるように構成されている。
ステップSd1605では、高確遊技状態用の各種変動表示時間テーブルの中から今回の特図当否判定の結果に対応したものを取得する。なお、高確遊技状態用の当否テーブルには特殊外れ結果が設定されていないため(図310(b))、高確遊技状態用の変動表示時間テーブルにおいても特殊外れ結果に対応するものは設定されていない。
ステップSd1604で否定判定した場合(高確遊技状態でない場合)は、現在の遊技状態が時短遊技状態(通常時短遊技状態又は突然時短遊技状態)であることを意味する。この場合はステップSd1606にて、時短遊技状態用の変動表示時間テーブルを取得する。
時短遊技状態用の変動表示時間テーブルについて図331及び図332を参照しながら説明する。時短遊技状態用の変動表示時間テーブルとしては、大当たり用の変動表示時間テーブル(図331(a))と、第1特図における外れ用の変動表示時間テーブル(図331(b))と、第2特図における特殊外れ用の変動表示時間テーブル(図332(a))と、第2特図における通常外れ用の変動表示時間テーブル(図332(b))とが設定されている。
図331(a)に示すように、時短遊技状態に対応する大当たり用の変動表示時間テーブルでは、選択可能な変動パターンとしてノーマルリーチ当たりに対応する変動パターン21A(15sec)と、SPリーチ当たりに対応する変動パターン22A(60sec)と、SPSPリーチ当たりに対応する変動パターン23A(120sec)とが設定されている。
第1特図における外れ用の変動表示時間テーブル(時短遊技状態用)は、時短遊技状態下での第1特図の当否抽選にて特殊外れ結果や通常外れ結果になった場合に参照されるものである。本テーブルでは、図331(b)に示すように、選択可能な変動パターンとしてノーマルリーチ外れに対応する変動パターンW1(15sec)と、SPリーチ外れに対応する変動パターンW2(60sec)とが設定されている。
第2特図における特殊外れ用の変動表示時間テーブル(時短遊技状態用)は、時短遊技状態下での第2特図の当否抽選にて特殊外れ結果になった場合に参照されるものである。この変動表示時間テーブルでは、図332(a)に示すように、時短遊技状態に移行してからの特図遊技回の実行回数によって変動パターンの選択態様が異なるように構成されている。
具体的には、時短遊技状態に移行してからの特図遊技回の実行回数が1回目~99回目である状況で特殊外れ結果になった場合には変動パターンX1(例えば8sec又は4sec)が選択され、時短遊技状態に移行してからの特図遊技回の実行回数が100回目、すなわち、時短遊技状態での最終遊技回にて特殊外れ結果になった場合には変動パターンX2(例えば15sec)が選択されるように構成されている。変動パターンX1は完全外れ演出に対応し、変動パターンX2は特殊リーチ外れA演出に対応する。
すなわち、時短遊技状態への移行後、1回目~99回目の特図遊技回で特殊外れ結果となった場合には、図柄表示装置75にて完全外れ演出が実行され、特殊外れ結果となったことが報知されない。これは、時短遊技状態である状況で特殊外れ結果となっても、当該結果に対応した突然時短遊技状態への移行が行われないことに対応させたものである。
その一方で、100回目の特図遊技回で特殊外れ結果となった場合には、図柄表示装置75にて特殊リーチ外れA演出が実行され、特殊外れ結果となったことが報知される。既に説明したように、時短遊技状態であっても特殊外れ結果となった遊技回が最終遊技回である場合は、当該結果に対応した突然時短遊技状態への移行が行われるように構成されており、特殊外れ結果となったことを報知するのはこのためである。
第2特図における通常外れ用の変動表示時間テーブル(時短遊技状態用)は、時短遊技状態下での第2特図の当否抽選にて通常外れ結果になった場合に参照されるものである。この変動表示時間テーブルでも、図332(b)に示すように、第1時短遊技状態に移行してからの特図遊技回の実行回数によって変動パターンの選択態様が異なるように構成されている。
時短遊技状態に移行してからの特図遊技回の実行回数が1回目~99回目である状況で通常外れ結果となった場合は、選択可能な変動パターンとして完全外れに対応する変動パターン21Hと、ノーマルリーチ外れに対応する変動パターン22H(15sec)と、SPリーチ外れに対応する変動パターン23H(60sec)と、SPSPリーチ外れに対応する変動パターン24H(120sec)とが設定されている。通常遊技状態の外れ用変動表示時間テーブルに比べて完全外れの割合が少なくなっているが、これは、リーチ演出の発生頻度を高めることで、リーチ演出が発生しないまま時短遊技状態が終了してしまうことを抑制するためである。なお、完全外れに対応する変動パターン21Hの変動表示時間については、高確遊技状態の外れ用変動表示時間テーブルと同様に、保留数が1個以下である場合は8secとなり、保留数が2個以上である場合には4secとなるように構成されている。
また、時短遊技状態での最終遊技回にて通常外れ結果になった場合は、変動種別カウンタCSの値にかかわらず、変動パターンX3(8sec又は4sec)が選択されるように構成されている。変動パターンX3は完全外れ演出に対応する。
図332(c)、(d)に示すように、時短遊技状態が終了した後の通常遊技状態で参照される変動表示時間テーブルとして、時短遊技状態後の保留分用の変動表示時間テーブルが設定されている。ここでの保留分とは、時短遊技状態の終了時に存在する第2特図の保留情報に基づき、時短遊技状態が終了した後の通常遊技状態で実行される特図遊技回に相当するものである。第2特図の保留上限数は4個であるため、上記保留分の特図遊技回は最大で4回実行される。
第2特図における特殊外れ用の変動表示時間テーブル(保留分の通常遊技状態)は、上記保留分の特図遊技回にて特殊外れ結果になった場合に参照されるものである。この変動表示時間テーブルでは、図332(c)に示すように、変動種別カウンタCSの値にかかわらず、変動パターンX4(15sec)が選択されるように構成されている。変動パターンX4は特殊リーチ外れA演出に対応する。
第2特図における通常外れ用の変動表示時間テーブル(保留分の通常遊技状態)は、上記保留分の特図遊技回にて通常外れ結果になった場合に参照されるものである。この変動表示時間テーブルでは、図332(d)に示すように、変動種別カウンタCSの値にかかわらず、変動パターンX5(8sec)が選択されるように構成されている。変動パターンX5は完全外れ演出に対応する。
上記のように各変動表示時間テーブルが構成されているため、最終遊技回~保留分の遊技回においては、特図当否抽選の結果が大当たり結果又は特殊外れ結果であるとリーチ演出が実行され、特図当否抽選の結果が通常外れ結果であるとリーチ演出の実行が制限される。よって、最終遊技回~保留分の遊技回にてリーチ演出が実行された場合は、大当たり結果又は特殊外れ結果が確定することになり、図柄列Z1~Z3が全停止される前に遊技者が通常外れ結果でないことを予測することが可能になる。つまり、これらの遊技回では、遊技者はリーチ演出が発生することを強く期待して遊技するものとなり、図柄列Z1~Z3の挙動に対する注目度を大いに高めることが可能になる。
なお、図332(a)、(b)に示すように、時短遊技状態において第2特図での当否抽選にて外れ結果となった場合は、比較的に変動表示時間が短い完全外れ演出に対応した変動パターンが一定の確率で選択される一方で、図331(b)に示すように、時短遊技状態において第1特図での当否抽選にて外れ結果となった場合は、完全外れ演出に対応した変動パターンが選択されず、比較的に変動表示時間が長いリーチ外れ演出に対応した変動パターンが選択されるように構成されている。すなわち、第1特図の遊技回が実行される場合は、第2特図の遊技回が実行される場合よりも長い変動表示時間が選択されやすくなっている。
このような構成であることで、時短遊技状態にて第1特図の保留数が2個以上で且つ第2特図の保留数が0個の状況で第1特図の遊技回が開始された場合において、次の第1特図の遊技回が実行される前に第2特図の保留情報を取得する期間を長く確保することができる。これにより、次の第1特図の遊技回の実行を回避しやすくし、第1特図の当否抽選(遊技者にとって不利な側の当否抽選)が実行される回数を少なく抑えることが可能になる。
変動表示時間の設定処理(図327)の説明に戻り、ステップSd1606では、時短遊技状態用の各種変動表示時間テーブルの中からその時点での状況に対応したものを取得する。具体的には、今回の特図当否判定の結果と、当該結果に基づく突然時短遊技状態への移行の有無とを参照し、それらに対応したテーブルを取得する。
なお、図328、図330~図332に示す各変動表示時間テーブルは一例に過ぎず、変動パターンの種類数や各変動パターンに対応する変動種別カウンタCSの数値範囲は任意に設定することができる。
ステップSd1603、ステップSd1605又はステップSd1606の実行後は、ステップSd1607にて、それら各ステップで取得した変動表示時間テーブルを用い、変動表示時間(変動パターン)の抽選処理を実行する。具体的には、変動表示時間テーブルに設定されている変動パターン群の中から、実行エリアAEに格納されている変動種別カウンタCSに対応する1の変動パターンを特定する。
ステップSd1608では、上記ステップSd1607で特定した変動パターンに対応する変動表示時間を今回の特図遊技回における変動表示時間としてセットする。本ステップでは、特定した変動パターンに対応する変動表示時間の値を、RAM314の各種カウンタエリア314dに設けられた変動表示時間カウンタエリアにセットする。例えば、変動表示時間が15secである場合は、それに対応する値として上記変動表示時間カウンタエリアに7500をセットする。このセットされた値は、タイマ割込み処理(図315)が起動される度に1減算される。
ステップSd1609では、RAM314の各種フラグ格納エリア314eに特殊外れフラグがセットされているか否かを判定する。特殊外れフラグがセットされている場合は、ステップSd1610に進み、当該フラグをクリアする処理を実行する。ステップSd1610の実行後又はステップSd1609で否定判定した場合(特殊外れフラグがセットされていない場合)は変動表示時間の設定処理を終了する。
次に、ステップSd510(図319)の高頻度サポートモード終了用処理、ステップSd511の突然時短遊技状態の移行用処理について説明する。これらの処理は、特図遊技回において変動表示時間が経過した場合に実行されるものであり、換言すれば、特図遊技回での確定表示が開始される場合に実行されるものである。
<高頻度サポートモード終了用処理>
ステップSd510の高頻度サポートモード終了用処理について図333のフローチャートを参照しながら説明する。
先ずステップSd1701では、RAM314の各種フラグ格納エリア314eにいずれかのサポートフラグがセットされているか否かを判定する。いずれかのサポートフラグがセットされている場合、すなわち、通常時短遊技状態又は突然時短遊技状態のいずれかに滞在中である場合は、ステップSd1702に進み、時短終了用フラグがセットされているか否かを判定する。時短終了用フラグは、滞在中の時短遊技状態を終了すべきであることを示すものであり、換言すれば、今回の特図遊技回が、滞在中の時短遊技状態における最終回の特図遊技回であることを示すものである。
時短終了用フラグがセットされている場合は、ステップSd1703に進み、上記各種フラグ格納エリア314eにセットされているサポートフラグをクリアする。これにより、高頻度サポートモードの終了に対応した内部状態となる。なお、実際の高頻度サポートモードの終了、すなわち、普電役物63aが低頻度サポートモードに対応した態様で動作するように制御される状態は、本ステップの実行タイミングよりも後に到来するものとなる。
ステップSd1704では、上記各種フラグ格納エリア314eにセットされている時短終了用フラグをクリアする。続くステップSd1705では、演出制御装置143への送信対象として、対応する時短遊技状態終了コマンドを設定する。例えば、通常時短遊技状態を終了させた場合には、通常遊技状態の終了に対応した時短遊技状態終了コマンドを設定する。
ステップSd1705の実行後は高頻度サポートモード終了用処理を終了する。また、ステップSd1701で否定判定した場合(いずれのサポートフラグもセットされていない場合)又はステップSd1702で否定判定した場合(時短終了用フラグがセットされていない場合)は、ステップSd1703以降の処理を実行することなく、高頻度サポートモード終了用処理を終了する。
<突然時短遊技状態の移行用処理>
ステップSd511の突然時短遊技状態の第1移行用処理について図334のフローチャートを参照しながら説明する。
先ずステップSd1801では、RAM314の各種フラグ格納エリア314eに突然時短開始用フラグがセットされているか否かを判定する。突然時短開始用フラグは、変動開始時におけるステップSd711の移行判定処理でセットされるものであり(ステップSd1403)、突然時短遊技状態に移行すべきであることを示すものである。
突然時短開始用フラグがセットされている場合、すなわち、突然時短遊技状態に移行すべき状況である場合は、ステップSd1802に進み、サポートBフラグを上記各種フラグ格納エリア314eにセットする。これにより、突然時短遊技状態(第2高頻度サポートモード)に対応した内部状態に移行する。なお、実際の第2高頻度サポートモードへの移行、すなわち、普電役物63aが高頻度サポートモードに対応した態様で動作するように制御される状態は、本ステップの実行タイミングよりも後に到来するものとなる。
ステップSd1803では、RAM314の各種カウンタエリア314dに設けられたサポートカウンタエリアSCに突然時短遊技状態の上限回数(例えば100回)に対応する値をセットする。サポートカウンタエリアSCは、高頻度サポートモード(通常時短遊技状態又は突然時短遊技状態)の残り回数をMPU312が把握するためのものである。
ステップSd1804では、上記各種フラグ格納エリア314eにセットされている突然時短開始用フラグをクリアし、ステップSd1805では、演出制御装置143への送信対象として突然時短遊技状態開始コマンドを設定する。突然時短遊技状態開始コマンドは、突然時短遊技状態に移行することを通知するためのものであり、当該コマンドには、移行する突然時短遊技状態の種別を示す情報が含まれる。ステップSd1805で設定された突然時短遊技状態開始コマンドは、通常処理(図318)におけるステップSd401にて演出制御装置143に送信される。
ステップSd1805の実行後は突然時短遊技状態の第1移行用処理を終了する。また、ステップSd1801で否定判定した場合(突然時短開始用フラグがセットされていない場合)は、突然時短遊技状態への移行を実行しないとしてステップSd1802以降の処理を実行することなく突然時短遊技状態の移行用処理を終了する。
<普図遊技回制御処理>
ステップSd405(図318)の普図遊技回制御処理について図335(a)のフローチャートを参照しながら説明する。
先ずステップSd1901では、普電役物63aを用いた役物開閉遊技中であるか否かを判定する。具体的には、RAM314の各種フラグ格納エリア314eに役物開閉中フラグが格納されているか否かを判定する。役物開閉中フラグは、役物開閉遊技の実行中であることをMPU312が把握するためのものであり、役物開閉遊技が実行される場合にセットされる。
役物開閉遊技中である場合は、そのまま普図遊技回制御処理を終了する。一方、役物開閉遊技中でない場合は、ステップSd1902にて、普図用表示部44において普図遊技回の実行中であるか否かを判定する。この場合における普図遊技回は、普図用表示部44における絵柄の変動表示と、普図用表示部44における絵柄の停止表示(確定表示)とを含む概念であり、ステップSd1902では上記変動表示又は停止表示のいずれかを実行中であるか否かを判定する。
なお、特図用表示部43における特図遊技回では、可変入賞装置65を用いた開閉実行モードの実行中であると変動表示の実行が制限されるが、普図遊技回では開閉実行モード中であっても変動表示が許容される。また、普図遊技回では、普電役物63aを用いた役物開閉遊技中であると変動表示の実行が制限されるが、特図遊技回では役物開閉遊技中であっても変動表示が許容される。また、普図遊技回は特図遊技回の実行中に開始することができ、特図遊技回は普図遊技回の実行中に開始することができる。すなわち、これらの遊技回は並行して実行することが可能である。但し、連携しておらず、互いに独立して実行制御されるため、普図遊技回と特図遊技回は非同期に実行されるものとなる。
ステップSd1902で否定判定した場合(普図遊技回の実行中でない場合)は、ステップSd1903に進み、普図保留記憶数FNが「0」であるか否かを判定する。普図保留記憶数FNが「0」である場合には、そのまま普図遊技回制御処理を終了する。
普図保留記憶数FNが「0」でない場合には、ステップSd1904にて電役用保留エリアRcに記憶されているデータを変動表示用に設定するための普図データ設定処理を実行する。普図データ設定処理では、普図保留記憶数FNを1減算するとともに、電役用保留エリアRcの第1エリアに格納されたデータを普図用の実行エリアに移動する。その後、電役用保留エリアRcの各記憶エリアに格納されたデータをシフトさせる処理を実行し、さらに、普図側の保留エリアのデータのシフトが行われたことを演出制御装置143に認識させるための情報である普図シフトコマンドを設定する。
ステップSd1905では普図変動開始処理を実行し、その後、普図遊技回制御処理を終了する。ここで、普図変動開始処理について図336のフローチャートを参照しながら説明する。
先ずステップSd2001では、現在の遊技状態を把握する。具体的には、現在のサポートモードが低頻度サポートモード、第1高頻度サポートモード、第2高頻度サポートモードのいずれであるかを特定する。この判定は、RAM314に各種フラグ格納エリア314eがセットされているか否かや、セットされている場合はサポートAフラグとサポートBフラグのいずれがセットされているかを参照することにより行う。
ステップSd2002では、ステップSd2001で把握した遊技状態に対応するサポート抽選テーブルを参照してサポート抽選を行う。具体的には、現在のサポートモードが低頻度サポートモードである場合は低頻度サポートモード用のサポート抽選テーブル(図312(a))を参照してサポート抽選を行い、現在のサポートモードが第1高頻度サポートモードである場合は第1高頻度サポートモード用のサポート抽選テーブル(図312(b))を参照してサポート抽選を行い、現在のサポートモードが第2高頻度サポートモードである場合は第2高頻度サポートモード用のサポート抽選テーブル(図312(c))を参照してサポート抽選を行う。
ステップSd2003では、ステップSd2002のサポート抽選の結果がサポート当選結果(普図当たり結果)であるか否かを判定する。サポート当選結果である場合には、ステップSd2004にて普図当たり種別判定(普図当たり種別の抽選)を行う。本ステップでは、普図当たり種別テーブル(図313(a))を参照し、今回の普図遊技回に対応する普図当たり種別カウンタC4に対応する普図当たり種別(サポート当選の種別)を特定する。
ステップSd2005では、ステップSd2004の種別判定により選択された普図当たり種別に対応した普図当たり種別フラグをRAM314の各種フラグ格納エリア314eにセットする。例えば、選択された普図当たり種別がサポート当選結果Aである場合は普図当たりAフラグをセットする。
ステップSd2006では、ROM313の停止結果テーブル記憶エリア313dに記憶されている停止結果テーブルを参照して普図当たり用の停止結果を設定する。具体的には、今回の普図遊技回に対応する普図当たり種別カウンタC4に対応する停止結果を停止結果テーブルから読み出し、今回の普図遊技回の停止結果として設定する。
その際、低頻度サポートモード(通常遊技状態)と第1又は第2高頻度サポートモード(時短遊技状態又は高確遊技状態)とで共通の停止結果テーブルが用いられる。このため、図337(a)に示すように、取得された普図当たり種別カウンタC4の値に対して低頻度サポートモードと高頻度サポートモードとで同じ停止結果が設定される。すなわち、取得された普図当たり種別カウンタC4が0~49の範囲内の値であれば、低頻度サポートモードと高頻度サポートモードとのいずれであるかにかかわらず、普図当たり用の停止結果として停止結果Aが設定され、取得された普図当たり種別カウンタC4が50~99の範囲内の値であれば、低頻度サポートモードと高頻度サポートモードとのいずれであるかにかかわらず、普図当たり用の停止結果として停止結果Bが設定される。
ステップSd2003で否定判定した場合(サポート当選結果でない場合)、すなわち、普図外れ結果である場合には、ステップSd2007に進み、ROM313の停止結果テーブル記憶エリア313dに記憶されている停止結果テーブルを参照して普図外れ用の停止結果を設定する。なお、普図外れ用の停止結果においても低頻度サポートモードと高頻度サポートモードとで共通の停止結果が用いられる。
ステップSd2006又はステップSd2007の実行後は、ステップSd2008にて普図変動表示時間の設定処理を実行する。当該設定処理では、普図用表示部44における今回の普図遊技回の変動表示時間を設定する。本実施の形態では、ステップSd2008で設定可能な変動表示時間として、サポートモードの種別に応じて長さの異なる複数の変動表示時間が設けられている。具体的には、図337(b)に示すように、低頻度サポートモード用として最も長い変動表示時間(例えば30sec)が設けられ、第2高頻度サポートモード用として最も短い変動表示時間(例えば0.5sec)が設けられ、第1高頻度サポート用として低頻度サポートモード用より短く、第2高頻度サポートモード用より長い変動表示時間(例えば2sec)が設けられている。ステップSd2008では、ステップSd2001で把握したサポートモードに対応した変動表示時間を今回の変動表示時間として設定する。
なお、上記構成では、各サポートモードに1つずつ変動表示時間が対応付けられているが、上記各サポートモードの少なくとも1つにおいて複数の変動表示時間が対応付けられてもよい。例えば、低頻度サポートモード用、第2高頻度サポートモード用及び第1高頻度サポート用のそれぞれにおいて、複数の変動表示時間の中から1の時間を選択可能となっている場合には、各サポートモードでの変動表示時間の期待値(「変動表示時間×その変動表示時間の選択確率」の和)が上記長短関係となるようにするとよい。
ステップSd2009では、演出制御装置143への送信対象として普図変動開始コマンド及び普図種別コマンドを設定する。普図変動開始コマンドには、普図変動パターンの情報(普図当否結果及び変動表示時間を示す情報)が含まれる。また、普図種別コマンドにはサポート当選種別の情報が含まれる。なお、普図種別コマンドは、サポート抽選の結果がサポート当選である場合にのみ設定される。設定された普図変動開始コマンド及び普図種別コマンドは、通常処理(図318)におけるステップSd401にて演出制御装置143に送信される。
ステップSd2010では、普図用表示部44において絵柄の変動表示を開始させる処理を実行し、その後、本普図変動開始処理を終了する。
普図遊技回制御処理(図335)の説明に戻り、ステップSd1902で肯定判定した場合(普図遊技回の実行中である場合)は、ステップSd1906に進み、ステップSd1905で設定した変動表示時間が経過したか否かを判定する。変動表示時間が経過していない場合は、ステップSd1907に進み、変動表示用処理を実行する。変動表示用処理では、普図用表示部44において各表示用セグメントが所定の順番で点灯及び消灯されていくように当該普図用表示部44を表示制御(各表示用セグメントの発光制御)する。
ステップSd1907では、高頻度サポートモード(第1又は第2高頻度サポートモード)から低頻度サポートモードへの移行が生じたか否かを判定する。具体的には、サポートフラグがセットされている状態からセットされていない状態への変化が生じたか否かを判定する。なお、このような変化が生じる場合としては、高頻度サポートモードに移行してからの特図遊技回の実行回数が上限回数に到達し、当該上限回数目の特図遊技回にてサポートフラグがクリアされた場合等がある。
低頻度サポートモードへの移行が生じた場合は、ステップSd1909に進み、上記各種フラグ格納エリア314eに低サポ移行フラグをセットする。低サポ移行フラグは、サポートフラグの非セット状態への変化が生じたことをMPU312が把握するためのものである。
ステップSd1909の実行後は普図遊技回制御処理を終了する。また、ステップSd1908で否定判定した場合(低頻度サポートモードへの移行が生じていない場合)は、ステップSd1909の処理を実行することなく普図遊技回制御処理を終了する。
ステップSd1906で肯定判定した場合(変動表示時間が経過している場合)は、ステップSd1910にて普図確定表示用処理を実行し、その後、普図遊技回制御処理を終了する。普図確定表示用処理では、ステップSd2006又はステップSd2007で設定した停止結果にて絵柄が停止表示されるように普図用表示部44を制御する。
その際、上記停止表示を行う停止表示期間(確定表示時間)の設定を行う。本実施の形態では、ステップSd1910で設定可能な確定表示時間として、サポートモードの種別に応じて長さの異なる複数の確定表示時間が設けられている。具体的には、図335(b)に示すように、低頻度サポートモード用として相対的に長い確定表示時間(例えば2sec)が設けられ、第1又は第2高頻度サポートモード用として相対的に短い確定表示時間(例えば0.2sec)が設けられている。ステップSd1910では、ステップSd2001で把握したサポートモードに対応した確定表示時間を今回の確定表示時間として設定する。また、普図確定表示用処理では、演出制御装置143への送信対象として普図変動終了コマンドを設定する。普図変動終了コマンドには、今回の普図遊技回の確定表示時間の情報が含まれる。
なお、図335(b)では、第1高頻度サポートモード用の確定表示時間と第2高頻度サポートモード用の確定表示時間とを同じ長さとしているが、異なる長さとしてもよい。例えば、変動表示時間の長短関係(図336(b))に合わせて、第2高頻度サポートモード用の確定表示時間を第1高頻度サポートモード用の確定表示時間よりも短くする構成としてもよい。
<電役サポート用処理>
ステップSd406(図318)の電役サポート用処理について図338のフローチャートを参照しながら説明する。
先ずステップSd2101では、役物開閉遊技中であるか否かを判定する。具体的には、RAM314の各種フラグ格納エリア314eに役物開閉中フラグがセットされているか否かを判定する。
役物開閉遊技中でない場合は、ステップSd2102に進み、普図遊技回が終了したタイミングか否かを判定する。普図遊技回の終了タイミングでない場合は、そのまま電役サポート用処理を終了する。
普図遊技回の終了タイミングである場合は、ステップSd2103に進み、今回の普図遊技回におけるサポート抽選の結果がサポート当選結果であるか否かを判定する。サポート当選結果でない場合は、そのまま電役サポート用処理を終了する。
サポート当選結果である場合は、ステップSd2104にて、役物開閉遊技の開始処理を実行する。当該開始処理では、RAM314の各種フラグ格納エリア314eに役物開閉中フラグをセットする。また、普電役物63aを閉鎖状態としたまま当該役物36aの1回目開放を待機するためのオープニング期間を設定する。この際、オープニング期間は、当該役物開閉遊技の契機となったサポート抽選の実行時におけるサポートモードに対応した期間を設定する。サポート抽選時のサポートモードが低頻度サポートモードである場合は例えば5secを設定し、第1又は第2高頻度サポートモードである場合は例えば0.1secを設定する(図313(b)、図314)。
ステップSd2105では、現在の遊技状態を把握する。具体的には、上記各種フラグ格納エリア314eにサポートフラグがセットされているかや、セットされている場合はその種別を参照することにより、現在のサポートモードが低頻度サポートモード、第1高頻度サポートモード、第2高頻度サポートモードのいずれであるかを特定する。続くステップSd2106では、上記各種フラグ格納エリア314eにセットされている普図当たり種別フラグに基づいて今回の普図当たり種別を把握する。
なお、既に説明したように、普図当たり種別カウンタC4により抽選される普図当たり種別(サポート当選の種別)と、普図用表示部44に停止表示される普図当たり用の停止結果とは対応しているため、ステップSd2106の処理は、今回の普図遊技回における普図当たり用の停止結果を把握するものということもできる。
ステップSd2107では、今回の役物開閉遊技の開放回数を設定するための開放回数設定処理を実行する。ここで、ステップSd2107の開放回数設定処理について図339(a)のフローチャートを参照しながら説明する。
先ずステップSd2201では、ステップSd2105での把握結果が高頻度サポートモード(第1又は第2高頻度サポートモード)であるか否かを判定する。なお、高頻度サポートモードであるとは、換言すれば、上記各種フラグ格納エリア314eにサポートフラグがセットされている状態である。
高頻度サポートモードである場合は、ステップSd2202に進み、今回の役物開閉遊技における普電役物63aの開放回数として高頻度サポートモード用の開放回数を設定する。ここで、ステップSd2105にて高頻度サポートモードであると把握する場合としては、今回の役物開閉遊技の契機となった普図遊技回の開始前から高頻度サポートモードであった場合と、当該契機となった普図遊技回の途中で低頻度サポートモードから高頻度サポートモードに切り替わった場合とがある。本実施の形態では、そのいずれの場合も今回の開放回数として高頻度サポートモード用の開放回数を設定する。すなわち、低頻度サポートモードの下で開始された普図遊技回の実行中に高頻度サポートモードへの移行が生じた場合、その普図遊技回の後に行われる役物開閉遊技では、高頻度サポートモードに対応した回数にて普電役物63aが開放される。
高頻度サポートモードに対応した回数としては1回と2回があるが(図314)、その振分はステップSd2106における普図当たり種別の把握結果に基づいて行う。具体的には、把握した普図当たり種別がサポート当選結果Aであれば開放回数を1回に設定し、サポート当選結果Bであれば開放回数を1回に設定する。
その際、上記契機となった普図遊技回の途中で高頻度サポートモードへの移行が生じた場合も同様に、ステップSd2106における普図当たり種別の把握結果を利用する。すなわち、高頻度サポートモードへの移行が生じる前に行われた種別抽選の結果に基づき、高頻度サポートモードへの移行後における役物開閉遊技の開放回数を設定する。
ステップSd2202では、上記開放回数に対応する値をRAM314の各種カウンタエリア314dに設けられた開放回数カウンタエリアRC2にセットする。例えば、開放回数が2回である場合は、開放回数カウンタエリアRC2の値として「2」をセットする。ステップSd2202の実行後は開放回数設定処理を終了する。
ステップSd2201で否定判定した場合、すなわち、ステップSd2105での把握結果が低頻度サポートモードである場合(各種フラグ格納エリア314eにサポートフラグがセットされていない状態である場合)は、ステップSd2203に進み、上記各種フラグ格納エリア314eに低サポ移行フラグがセットされているか否かを判定する。
低サポ移行フラグがセットされていない場合、すなわち、今回の役物開閉遊技の契機となった普図遊技回の途中で高頻度サポートモードから低頻度サポートモードへの移行が生じていない場合(換言すれば、上記契機となった普図遊技回の開始前から低頻度サポートモードである場合)は、ステップSd2204に進み、今回の役物開閉遊技における普電役物63aの開放回数として低頻度サポートモード用の開放回数を設定する。具体的には2回を設定する(図313(b))。ステップSd2204の実行後は開放回数設定処理を終了する。
ステップSd2203で肯定判定した場合(低サポ移行フラグがセットされている場合)は、上記契機となった普図遊技回の途中で低頻度サポートモードへの移行が生じたことを意味する。この場合はステップSd2202に進み、今回の役物開閉遊技における普電役物63aの開放回数として高頻度サポートモード用の開放回数を設定する。すなわち、普図遊技回の実行中にサポートフラグがセットされている状態からセットされていない状態への切り替えが行われた場合は、普電役物63aの開放時においてサポートフラグがセットされていない状態であっても、高頻度サポートモードに対応した回数にて普電役物63aが開放される。
電役サポート用処理(図338)の説明に戻り、ステップSd2107の開放回数設定処理を実行した後は、ステップSd2108にて、オープニングの開始及びオープニング期間を演出制御装置143に通知するための普図オープニングコマンドを設定する。この設定されたオープニングコマンドは、通常処理(図318)におけるステップSd401にて演出制御装置143に送信される。
ステップSd2109では、外部信号設定処理を実行し、その後、電役サポート用処理を終了する。外部信号設定処理では、外部出力端子213に設けられた役物開放信号用の出力端子の信号出力状態を開放信号出力状態とする。
ステップSd2101で肯定判定した場合(役物開閉遊技中である場合)は、ステップSd2110にてオープニング期間が経過したか否かを判定する。オープニング期間が経過していない場合には、そのまま電役サポート用処理を終了する。オープニング期間が経過している場合には、ステップSd2111にて役物開閉処理を実行する。ここで、役物開閉処理について図340のフローチャートを参照しながら説明する。
先ずステップSd2301では、普電役物63aを開放中であるか否かを判定する。具体的には、駆動部63bの駆動状態に基づいてかかる判定を行う。普電役物63aを開放中でない場合は、ステップSd2302にて開放回数カウンタエリアRC2の値が「0」であるか否かを判定する。
開放回数カウンタエリアRC2の値が「0」でない場合は、ステップSd2303に進み、RAM314の各種カウンタエリア344bに設けられたタイマエリアT2の値が「0」であるか否かを判定する。この処理は、役物開閉遊技にて普電役物63aを複数回開放する場合において、各開放間の待機期間が経過したか否かを判定するものである。
タイマエリアT2の値が「0」である場合は、ステップSd2304にて、今回の開放における普電役物63aの上限開放時間を設定するための上限開放時間設定処理を実行する。ここで、ステップSd2304の上限開放時間設定処理について図339(b)のフローチャートを参照しながら説明する。
先ずステップSd2211では、ステップSd2105での把握結果が高頻度サポートモード(第1又は第2高頻度サポートモード)であるか否かを判定する。高頻度サポートモードである場合(各種フラグ格納エリア314eにサポートフラグがセットされている状態である場合)は、ステップSd2212に進み、今回の開放における上限開放時間として高頻度サポートモード用の上限開放時間を設定する。
ここで、ステップSd2105にて高頻度サポートモードであると把握する場合としては、今回の役物開閉遊技の契機となった普図遊技回の開始前から高頻度サポートモードであった場合と、当該契機となった普図遊技回の途中で低頻度サポートモードから高頻度サポートモードに切り替わった場合とがある。本実施の形態では、そのいずれの場合も今回の上限開放時間として高頻度サポートモード用の上限開放時間を設定する。すなわち、低頻度サポートモードの下で開始された普図遊技回の実行中に高頻度サポートモードへの移行が生じた場合、その普図遊技回の後に行われる役物開閉遊技では、高頻度サポートモードに対応した上限開放時間にて普電役物63aが開放される。
高頻度サポートモードに対応した上限開放時間としては1.5secと2secがあるが(図314)、その振分はステップSd2106における普図当たり種別の把握結果に基づいて行う。把握した普図当たり種別がサポート当選結果Aであれば上限開放時間を1.5secに設定し、サポート当選結果Bであれば上限開放時間を2secに設定する。
その際、上記契機となった普図遊技回の途中で高頻度サポートモードへの移行が生じた場合も同様に、ステップSd2106における普図当たり種別の把握結果を利用する。すなわち、高頻度サポートモードへの移行が生じる前に行われた種別抽選の結果に基づき、高頻度サポートモードへの移行後における役物開閉遊技での上限開放時間を設定する。
ステップSd2212では、上記上限開放時間に対応する値を上記タイマエリアT2にセットし、その後、上限開放時間設定処理を終了する。なお、役物開閉遊技にて普電役物63aを2回開放する場合において1回目開放と2回目開放とで上限開放時間を異ならせる場合は、今回の開放が何回目の開放であるかを把握し、その結果に対応した上限開放時間をセットする。
ステップSd2211で否定判定した場合、すなわち、ステップSd2105での把握結果が低頻度サポートモードである場合(各種フラグ格納エリア314eにサポートフラグがセットされていない状態である場合)は、ステップSd2213に進み、上記各種フラグ格納エリア314eに低サポ移行フラグがセットされているか否かを判定する。
低サポ移行フラグがセットされていない場合、すなわち、今回の役物開閉遊技の契機となった普図遊技回の途中で高頻度サポートモードから低頻度サポートモードへの移行が生じていない場合(換言すれば、上記契機となった普図遊技回の開始前から低頻度サポートモードである場合)は、ステップSd2214に進み、今回の開放における上限開放時間として低頻度サポートモード用の上限開放時間を設定する。具体的には上限開放時間を0.1secに設定する(図313(b))。
ステップSd2213で肯定判定した場合(低サポ移行フラグがセットされている場合)は、開放回数カウンタエリアRC2の値が「1」であるか否かを判定する。すなわち、今回の開放が最終回目の開放であるか否かを判定する。開放回数カウンタエリアRC2の値が「1」である場合は、ステップSd2216に進み、RAM314の各種フラグ格納エリア314eにセットされている低サポ移行フラグをクリアする。
ステップSd2216の実行後又はステップSd2215で否定判定した場合(開放回数カウンタエリアRC2の値が「1」でない場合)は、ステップSd2212に進み、今回の開放における上限開放時間として高頻度サポートモード用の上限開放時間を設定する。すなわち、普図遊技回の実行中にサポートフラグがセットされている状態からセットされていない状態への切り替えが行われた場合は、普電役物63aの開放時においてサポートフラグがセットされていない状態であっても、高頻度サポートモードに対応した上限開放時間にて普電役物63aが開放される。
役物開閉処理(図340)の説明に戻り、ステップSd2304の上限開放時間設定処理を実行した後は、ステップSd2305にて、上記各種カウンタエリア344bに設けられた入賞カウンタエリアPC2に「6」をセットする。この値は、役物開閉遊技における普電役物63a(第2作動口63)への上限入賞個数(6個)に対応するものである。
ステップSd2306では、普電役物63aを開放すべく駆動部63bを駆動状態とする。ステップSd2307では、演出制御装置143への送信対象として役物開放コマンドを設定する。設定された役物開放コマンドは、通常処理(図318)におけるステップSd401にて演出制御装置143に送信される。これにより、普電役物63aの閉鎖状態から開放状態への切り替えが演出制御装置143に通知される。
ステップSd2307の実行後は役物開閉処理を終了する。また、ステップSd2302で肯定判定した場合(開放回数カウンタエリアRC2の値が「0」である場合)又はステップSd2303で否定判定した場合(タイマエリアT2の値が「0」でない場合)は、普電役物63aを開放しないとして、ステップSd2304以降の処理を実行せずに役物開閉処理を終了する。
ステップSd2301で肯定判定した場合(普電役物63aが開放中である場合)は、ステップSd2308に進み、上記タイマエリアT2の値が「0」であるか否かを判定する。この処理は、ステップSd2304で設定した普電役物63aの上限開放時間が経過したか否かを判定するものである。
タイマエリアT2の値が「0」でない場合、すなわち、普電役物63aの上限開放時間が経過していない場合は、ステップSd2309にて、第2作動口63に遊技球が入賞したか否かを判定する。入賞が発生している場合は、ステップSd2310にて、上記入賞カウンタエリアPC2の値を1減算する。ステップSd2311では、入賞カウンタエリアPC2の値が「0」であるか否か、すなわち、第2作動口63への入賞個数が上限入賞個数に達したか否かを判定する。
ステップSd2309で否定判定した場合(第2作動口63への入賞が発生していない場合)又はステップSd2311で否定判定した場合(入賞カウンタエリアPC2の値が「0」でない場合)は、普電役物63aの開放状態を継続すべく、そのまま役物開閉処理を終了する。
ステップSd2308で肯定判定した場合(普電役物63aの上限開放時間が経過している場合)又はステップSd2311で肯定判定した場合(入賞カウンタエリアPC2の値が「0」である場合)は、ステップSd2312にて、普電役物63aを閉鎖すべく駆動部63bを非駆動状態とする。
ステップSd2313では、上記開放回数カウンタエリアRC2の更新処理を実行する。当該更新処理では、入賞カウンタエリアPC2の値を参照し、入賞カウンタエリアPC2の値が「0」でない場合(第2作動口63への入賞個数が上限入賞個数に達していない場合)は、開放回数カウンタエリアRC2の値を1減算する。一方、入賞カウンタエリアPC2の値が「0」である場合(第2作動口63への入賞個数が上限入賞個数に達している場合)は、開放回数カウンタエリアRC2の値に「0」をセットする。
ステップSd2314では、開放回数カウンタエリアRC2の値が「0」であるか否かを判定する。開放回数カウンタエリアRC2の値が「0」でない場合、すなわち、普電役物63aの残り開放が存在する場合は、ステップSd2315にて、上記タイマエリアT2に対し、普電役物63aを閉鎖状態として次の開放を待機するインターバル時間(待機時間)の値をセットする。
この際、ステップSd2105(図338)で把握した遊技状態と、ステップSd2106(図338)で把握した普図当たり種別とに対応したインターバル時間の値をセットする。サポートモードが低頻度サポートモードである場合は普図当たり種別がサポート当選結果A,Bのいずれの場合も1.5secに対応する値をセットし、サポートモードが第1又は第2高頻度サポートモードであり、サポート当選結果Bである場合は0.3secに対応する値をセットする(図313(b)、図314)。なお、役物開閉遊技にて普電役物63aを3回以上開放する場合において各開放間のインターバル時間を異ならせる場合は、今回のインターバルが何回目のものであるかを把握し、その結果に対応したインターバル時間をセットする。
ステップSd2316では、演出制御装置143への送信対象として役物閉鎖コマンドを設定し、その後、役物開閉処理を終了する。設定された役物閉鎖コマンドは、通常処理(図318)におけるステップSd401にて演出制御装置143に送信される。これにより、普電役物63aの開放状態から閉鎖状態への切り替えが演出制御装置143に通知される。
ステップSd2314で肯定判定した場合(開放回数カウンタエリアRC2の値が「0」である場合)は、ステップSd2317にてエンディングの開始処理を実行する。当該開始処理では、普電役物63aを閉鎖状態としたまま次の遊技回(役物開閉遊技が終了した後の最初の普図遊技回)の開始を待機するエンディング期間を設定する。
この際、ステップSd2205(図338)で把握した遊技状態と、ステップSd2206(図338)で把握した普図当たり種別とに対応したエンディング期間の値をセットする。サポートモードが低頻度サポートモードである場合は普図当たり種別がサポート当選結果A,Bのいずれの場合も5secに対応する値をセットし、サポートモードが第1又は第2高頻度サポートモードであり、サポート当選結果Bである場合は0.1secに対応する値をセットする(図313(b)、図314)。
ステップSd2318では、エンディングの開始及びエンディング期間を演出制御装置143に通知するための普図エンディングコマンドを設定し、その後、役物開閉処理を終了する。設定された普図エンディングコマンドは、通常処理(図318)におけるステップSd401にて演出制御装置143に送信される。
電役サポート用処理(図338)の説明に戻り、ステップSd2111の役物開閉処理を実行した後はステップSd2112にて、上記開放回数カウンタエリアRC2の値が「0」であるか否かを判定する。開放回数カウンタエリアRC2の値が「0」でない場合は、役物開閉遊技を継続させるべく、そのまま電役サポート用処理を終了する。
開放回数カウンタエリアRC2の値が「0」である場合は、ステップSd2113に進み、エンディングが終了したか否か(エンディング期間が経過したか否か)を判定する。エンディングが終了していない場合は、エンディングを継続させるべく、そのまま電役サポート用処理を終了する。
エンディングが終了している場合は、ステップSd2114にて役物開閉遊技の終了処理を実行し、その後、電役サポート用処理を終了する。役物開閉遊技の終了処理では、上記各種フラグ格納エリア314eに格納された普図当たり種別フラグや役物開閉中フラグを消去する処理を実行する。
<演出制御装置143及び表示制御装置350の電気的構成について>
本実施の形態に係る演出制御装置143及び表示制御装置350の電気的構成について、図341のブロック図を参照して以下に説明する。
演出制御装置143に設けられた演出制御基板341には、MPU342が搭載されている。MPU342には、当該MPU342により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM343と、そのROM343内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM344と、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路などが内蔵されている。
MPU342には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU342の入力側には主制御装置162が接続されている。主制御装置162からは、変動開始コマンド、種別コマンド、変動終了コマンドといった遊技回制御用コマンドや、オープニングコマンド、エンディングコマンドといった開閉実行モード用コマンドなどの各種コマンドを受信する。
MPU342の出力側には、既に説明したように、前扉枠14に設けられたランプ部26~28やスピーカ部29が接続されているとともに、表示制御装置350が接続されている。
また、MPU342の入力側には、前扉枠14に設けられた演出用操作部36が接続されている。演出用操作部36には、当該演出用操作部36の操作を検知する検知センサが設けられており、当該検知センサからの検知情報(検知信号)が入力される。MPU342では、当該検知情報に基づいて演出用操作部36が操作されたか否かを判定したり、どのような操作が行われたかの操作態様の判別を行ったりする。
表示制御装置350は、プログラムROM373及びワークRAM374が複合的にチップ化されたMPU372と、ビデオディスプレイプロセッサ(VDP)375と、キャラクタROM376と、ビデオRAM377とがそれぞれ搭載された表示制御基板351を備えている。
MPU372は、演出制御装置143から受信したコマンドを解析し又は受信したコマンドに基づき所定の演算処理を行ってVDP375の制御(具体的にはVDP375に対する内部コマンドの生成)を実施する。
プログラムROM373は、MPU372により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶するためのメモリであり、背景画像用のJPEG形式画像データも併せて記憶保持されている。
ワークRAM374は、MPU372による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグ等を一時的に記憶するためのメモリである。これらワークデータやフラグ等はワークRAM374の各エリアに記憶される。
VDP375は、図柄表示装置75に組み込まれた液晶表示部ドライバとしての画像処理デバイスを直接操作する一種の描画回路である。VDP375はICチップ化されているため「描画チップ」とも呼ばれ、その実体は、描画処理専用のファームウェアを内蔵したマイコンチップとでも言うべきものである。VDP375は、MPU372、ビデオRAM377等のそれぞれのタイミングを調整してデータの読み書きに介在するとともに、ビデオRAM377に記憶させる画像データを、キャラクタROM376から所定のタイミングで読み出して図柄表示装置75に表示させる。
キャラクタROM376は、図柄表示装置75に表示される図柄などのキャラクタデータを記憶するための画像データライブラリとしての役割を担うものである。このキャラクタROM376には、各種の表示図柄のビットマップ形式画像データ、ビットマップ画像の各ドットでの表現色を決定する際に参照する色パレットテーブル等が保持されている。
なお、キャラクタROM376を複数設け、各キャラクタROM376に分担して画像データ等を記憶させておくことも可能である。また、前記プログラムROM373に記憶した背景画像用のJPEG形式画像データをキャラクタROM376に記憶する構成とすることも可能である。
ビデオRAM377は、図柄表示装置75に表示させる表示データを記憶するためのメモリであり、ビデオRAM377の内容を書き替えることにより図柄表示装置75の表示内容が変更される。
<演出制御装置143にて実行される各種処理について>
次に、演出制御装置143のMPU342にて実行される各制御処理を説明する。
<演出設定処理>
演出設定処理について図342のフローチャートを参照しながら説明する。演出設定処理は、MPU342により所定周期(例えば2msec周期)で起動される処理である。
先ずステップSd2501では、主制御装置162からのエンディングコマンド(ステップSd1018)を受信しているか否かを判定する。エンディングコマンドは、特図遊技回での当否判定結果が大当たりになった場合に行われる開閉実行モードにおいてエンディングが開始される場合に送信されるものである。
なお、主制御装置162から受信する各種コマンドは、演出制御装置143のRAM344に設けられたコマンド格納エリア344aに格納される。コマンド格納エリア344aは、複数のコマンドを個別に記憶可能であって先に記憶したコマンドから読み出し可能なリングバッファとして構成されている。よって、複数のコマンドを同時期に受信した場合であってもそれら各コマンドに対応した処理を良好に実行することができる。
ステップSd2501の判定に際しては、コマンド格納エリア344aにおける今回の読み出し対象のエリアにエンディングコマンドが格納されているか否かを判定する。エンディングコマンドが格納されている場合(エンディングコマンドを受信している場合)には、ステップSd2502にて、高確遊技状態や通常時短遊技状態への移行に対応した移行用演出を設定するための第1移行用演出設定処理を実行する。第1移行用演出設定処理の詳細については後述する。
ステップSd2502の実行後又はステップSd2501で否定判定した場合(エンディングコマンドを受信していない場合)は、ステップSd2503にて、図柄表示装置75の表示画面Gにて図柄列Z1~Z3の変動表示等を行うための特図変動表示用処理を実行する。特図変動表示用処理の詳細については後述する。
ステップSd2504では、主制御装置162からの突然時短遊技状態開始コマンド(ステップSd1805)を受信しているか否かを判定する。突然時短遊技状態開始コマンドは、突然時短遊技状態への移行を演出制御装置143に通知するものであり、突然時短遊技状態への移行タイミングにて送信されるものである。なお、本実施の形態では、突然時短遊技状態への移行が特殊外れ結果となった特図遊技回における確定表示の開始タイミングにて行われるため、当該開始タイミングにて突然時短遊技状態開始コマンドが送信される。
突然時短遊技状態開始コマンドを受信している場合は、ステップSd2505にて、突然時短遊技状態への移行に対応した移行用演出を設定するための第2移行用演出設定処理を実行する。第2移行用演出設定処理の詳細については後述する。
ステップSd2505の実行後又はステップSd2504で否定判定した場合(突然時短遊技状態開始コマンドを受信していない場合)は、ステップSd2506にて、いずれかの遊技状態終了コマンドを受信しているか否かを判定する。具体的には、高確遊技状態終了コマンド、時短遊技状態終了コマンド(ステップSd1705)のいずれかを受信しているか否かを判定する。
これらのコマンドのいずれかを受信している場合は、ステップSd2507にて、高確遊技状態又は各時短遊技状態の終了に対応した終了用演出を設定するための終了用演出設定処理を実行する。終了用演出設定処理の詳細については後述する。
ステップSd2508では、図柄表示装置75の表示画面Gに設定された普図表示領域P(図349(a))の変動表示等を行うための普図変動表示用処理を実行する。普図変動表示用処理の詳細については後述する。
ステップSd2509では、特別発光演出を行うための特別発光演出用処理を実行する。特別発光演出は、普電役物63aやその周辺部に設けられた発光部を用いて行われる演出である。特別発光演出用処理の詳細については後述する。
ステップSd2510では、その他の処理を実行し、その後、演出設定処理を終了する。その他の処理では、始動入賞が所定期間に亘って発生しない場合のデモ画面表示や、図柄表示装置75の表示画面Gにおける映像表示を停止して低消費電力化を図る節電モードへの切り替え等を行うための処理を実行する。
<第1移行用演出設定処理>
ステップSd2502の第1移行用演出設定処理について図343のフローチャートを参照しながら説明する。この処理は、主制御装置162からのエンディングコマンドを受信した場合に実行されるものであり、換言すれば、開閉実行モードのエンディング開始タイミングに合わせて実行されるものである。
先ずステップSd2601では、高確遊技状態又は通常時短遊技状態への移行が生じる状況であるか否かを判定する。すなわち、エンディングコマンドが送信された開閉実行モードが高確遊技状態又は通常時短遊技状態への移行を生じさせる大当たり結果に対応するものであるか否かを判定する。この判定は、主制御装置162から送信される種別コマンドに基づいて行う。
高確遊技状態又は通常時短遊技状態への移行が生じない場合は、そのまま第1移行用演出設定処理を終了する。なお、本実施の形態のように開閉実行モードの終了後、高確遊技状態又は通常時短遊技状態のいずれかに必ず移行する大当たり種別しか存在しない場合は、ステップSd2601の処理を省略することが可能である。
高確遊技状態又は通常時短遊技状態への移行が生じる場合は、ステップSd2602にて各遊技状態に対応した開始演出を設定する。具体的には、高確遊技状態への移行が生じる場合であれば、上記開始演出として高確遊技状態用の開始演出を設定し、通常時短遊技状態への移行が生じる場合であれば、上記開始演出として通用時短遊技状態用の開始演出を設定する。
高確遊技状態用の開始演出では、図344(a)に示すように、図柄表示装置75の表示画面Gにて、例えば「ラッキータイム」等の高確遊技状態に対応したタイトル画像721が表示される。また、通常時短遊技状態用の開始演出では、図344(b)に示すように、例えば「チャンスタイム」等の通常時短遊技状態に対応したタイトル画像722と、残り回数画像723とが表示される。残り回数画像723は、通常時短遊技状態に滞在可能な特図遊技回の残り回数を報知するものである。
なお、図344(c)は、通常時短遊技状態への滞在中に実行される時短中演出を示すものである。時短中演出は、図344(b)の開始演出の終了後、通常時短遊技状態が終了するまで行われる。この時短中演出では、例えば、通常遊技状態中の通常時演出とは背景画像等が異なるなど、通常時演出との識別が可能な構成となっている。
ステップSd2602では、開閉実行モードのエンディング期間にて上記各種開始演出が表示画面Gに表示されるように設定する。この場合、それら開始演出がエンディング期間の全体で表示される構成としてもよいし、エンディング期間の一部で表示される構成としてもよい。
ステップSd2603では、今回の移行が通常時短遊技状態への移行であるか否かを判定する。ステップSd2603で肯定判定した場合は、ステップSd2604にて、RAM344の各種カウンタエリア344bに設けられた残り回数カウンタエリアに上限回数に対応した値を設定する。残り回数カウンタエリアは、通常時短遊技状態に滞在可能な特図遊技回の残り回数をMPU342が把握するためのものであり、それら各遊技状態において特図遊技回が実行されるごとに1ずつ減算される。
本実施の形態では、演出制御装置143にて主制御装置162とは別に各遊技状態の残り回数をカウントする構成としているが、主制御装置162での更新結果に基づいて演出制御装置143が各遊技状態の残り回数を把握する構成としてもよい。例えば、サポートカウンタエリアSCの更新結果(ステップSd1303)を所定コマンドの送信により主制御装置162から演出制御装置143に通知し、演出制御装置143が当該コマンドを解析して上記各更新結果を把握する構成としてもよい。その際、変動開始コマンド(ステップSd714)等の既存コマンドに上記各更新結果の情報を含ませて上記所定コマンドとしてもよいし、上記各更新結果を通知するための専用コマンドにより上記所定コマンドを構成してもよい。
ステップSd2605では、残り回数画像723の表示を開始するように設定する。その際、ステップSd2602で設定した各開始演出(エンディング期間を利用して行われる演出)にて残り回数画像723の表示が開始されるように設定してもよいし、開始演出の終了後、通常時短遊技状態に移行してから残り回数画像723の表示が開始されるように設定してもよい。
ステップSd2606では、RAM344の各種フラグ格納エリア344cに残り回数表示フラグをセットし、その後、第1移行用演出設定処理を終了する。残り回数表示フラグは、残り回数画像723の表示中であることをMPU342が把握するためのものである。
ステップSd2603で否定判定した場合、すなわち、今回の移行が高確遊技状態への移行である場合は、残り回数画像723を表示しないとしてステップSd2604以降の処理を実行することなく第1移行用演出設定処理を終了する。
<特図変動表示用処理>
ステップSd2503の特図変動表示用処理について図345のフローチャートを参照しながら説明する。
先ずステップSd2701では、特図遊技回の実行中であるか否かを判定する。具体的には、第1特図又は第2特図のいずれかの遊技回の実行中であるか否かを判定する。いずれの遊技回も実行中でない場合は、ステップSd2702に進み、主制御装置162からの変動開始コマンドを受信しているか否かを判定する。
変動開始コマンドには、主制御装置162における変動表示時間の設定処理で抽選された変動パターンの情報が含まれる。この変動パターンの情報を参照することで、主制御装置162にて表示制御される特図用表示部43での特図遊技回がいずれの変動表示時間で行われるのかを把握することができる。また、既に説明したように、大当たり用の変動パターンと外れ用の変動パターンとが各別に設定されるため、変動パターンから当否判定の結果を判別することもできる。
変動開始コマンドを受信していない場合は、そのまま特図変動表示用処理を終了する。一方、変動開始コマンドを受信している場合は、ステップSd2703に進み、遊技回用の演出を開始させるための変動開始用処理を実行する。
変動開始用処理では、主制御装置162からの変動開始コマンドを解析し、今回の特図遊技回に関する変動パターンを特定する。さらに特定した変動パターンに基づいて今回の特図遊技回における変動表示時間を把握する。ROM343の各種テーブル記憶エリア343aには、各変動パターンと対応付けて変動表示時間が定められた演出パターンテーブルが記憶されている。
演出パターンテーブルで定められる変動表示時間は、主制御装置162において各変動パターン(図328、図330~図333)が対応する変動表示時間に対応しており、演出制御装置143と主制御装置162とでは、1つの変動パターンに対して共通の変動表示時間が割り当てられている。例えば、変動パターンが変動パターン1Aである場合、それに対応する変動表示時間は、演出制御装置143及び主制御装置162のいずれも15secとなる。変動開始処理では、演出パターンテーブルを参照して変動開始コマンドから解析した変動パターンに対応する変動表示時間を特定し、これを今回の特図遊技回の変動表示時間として把握する。
また、演出パターンテーブルには、各変動パターンと対応付けて遊技回演出用の演出パターンが対応付けられている。それら各演出パターンとしては、変動表示時間テーブルの説明の際に述べたノーマルリーチ当たり、SPリーチ当たり、SPSPリーチ当たり、完全外れ、ノーマルリーチ外れ、SPリーチ外れ、SPSPリーチ外れ、特殊リーチ外れA演出、特殊リーチ外れB演出が設定されている。変動パターンと演出パターンとの対応関係については、図328、図330~図333を参照して既に述べているため、説明を省略する。変動用開始処理では、演出パターンテーブルを参照して今回の変動パターンに対応する演出パターンを特定し、これを今回の特図遊技回の演出パターンとして設定する。
また、変動開始用処理では、今回の特図遊技回に関する当否判定の結果が大当たりである場合、主制御装置162からの種別コマンドに基づいて大当たり種別を特定する。大当たり種別が確変大当たりである場合は、図柄表示装置75の表示画面Gに表示される図柄列Z1~Z3の停止結果として確変大当たり用の停止結果を設定する。逆に、大当たり種別が通常大当たりである場合は、図柄列Z1~Z3の停止結果として通常大当たり用の停止結果を設定する。これらの場合、大当たり用の停止結果が停止表示される有効ラインL1~L5は抽選等によってランダムに決定される。
また、今回の特図遊技回に関する当否判定の結果が通常外れ結果である場合は、図柄列Z1~Z3の各停止図柄をランダムに決定する。但し、変動パターンに対応する演出パターンがリーチ演出を行うものである場合は、抽選で決定した有効ラインL1~L5にリーチが形成されるように各停止図柄を決定する。すなわち、少なくも1つの有効ラインL1~L5上に外れリーチ図柄の組合せが成立する停止結果を、今回の停止結果として設定する。
また、今回の特図遊技回に関する当否判定の結果が特殊外れ結果である場合も、抽選で決定した有効ラインL1~L5にリーチが形成されるように上図柄列Z1及び下図柄列Z3の停止図柄を決定し、さらに、リーチライン上の中図柄列Z2に特殊図柄711が停止表示されるように停止図柄を決定する。すなわち、少なくも1つの有効ラインL1~L5上に特殊外れ結果の図柄組み合わせが成立する停止結果を、今回の停止結果として設定する。
変動開始用処理では、上記各処理を実行した後、表示制御装置350への出力対象として、今回の停止図柄の情報や演出パターンの情報を含むコマンドを設定する。表示制御装置350では、受信したコマンドに従い、演出制御装置143にて決定された停止結果で各図柄列Z1~Z3の図柄が停止したり、演出制御装置143にて決定された演出パターンで遊技回用演出が行われたりするように図柄表示装置75を制御する。
ステップSd2703の実行後はステップSd2704にて残り回数表示の更新用処理を実行し、その後、特図変動表示用処理を終了する。残り回数表示の更新用処理では、RAM344の各種フラグ格納エリア344cに残り回数表示フラグがセットされているか否かを判定し、残り回数表示フラグがセットされている場合(残り回数画像723の表示中である場合)は、残り回数カウンタエリアの値を1減算して更新する。さらに、残り回数カウンタエリアの更新結果を参照して残り回数画像723の表示内容を更新する。これにより、残り回数画像723により報知される残り回数が1減算される。
ステップSd2701で肯定判定した場合(特図遊技回の実行中である場合)は、ステップSd2705に進み、主制御装置162から変動終了コマンドを受信しているか否かを判定する。変動終了コマンドを受信していない場合は、今回の特図遊技回において変動表示時間が未経過の状態であることを意味する。この場合は、ステップSd2706にて、変動中用処理を実行する。変動中用処理では、変動開始用処理により開始された図柄列Z1~Z3の変動表示を継続したり、各図柄列Z1~Z3の図柄を順番に仮停止表示させたり、各リーチ演出を実行したりするための処理を実行する。
ステップSd2705で肯定判定した場合(変動終了コマンドを受信している場合)は、ステップSd2707にて変動終了用処理を実行し、その後、特図変動表示用処理を終了する。変動終了用処理では、各図柄列Z1~Z3の変動表示や実行されている演出を終了させる。また、ステップSd2707では、主制御装置162で設定された確定表示時間にて各図柄列Z1~Z3の図柄を確定停止させるように制御する。
<第2移行用演出設定処理>
ステップSd2505(図342)の第2移行用演出設定処理について図346(a)のフローチャートを参照しながら説明する。この処理は、主制御装置162からの突然時短遊技状態開始コマンドを受信した場合に実行されるものであり、換言すれば、突然時短遊技状態が開始される場合に実行されるものである。
先ずステップSd2801では、突然時短遊技状態用の開始演出を設定する。突然時短遊技状態用の開始演出では、図346(b)に示すように、例えば「突然チャンスタイム」等の突然時短遊技状態に対応したタイトル画像725と、残り回数画像723とが表示される。残り回数画像723は、突然時短遊技状態に滞在可能な特図遊技回の残り回数を報知するものである。
本ステップでは、上記突然時短遊技状態用の開始演出が特図遊技回における確定表示時間にて実行されるように当該開始演出の設定処理を行う。その際、開始演出のすべてが上記確定表示時間にて実行されてもよいし、開始演出の一部が上記確定表示時間にて実行されてもよい。なお、開始演出の一部が確定表示時間内に実行される場合は、当該確定表示時間と次の特図遊技回とを跨いで上記開始演出が実行される。
ステップSd2802では、突然時短遊技状態の上限回数(例えば100回)に対応した値をRAM344の残り回数カウンタエリアにセットする。続くステップSd2803では、残り回数画像723の表示を開始するように設定する。その際、ステップSd2801で設定した開始演出にて残り回数画像723の表示が開始されるように設定してもよいし、開始演出の終了後、通常時短遊技状態に移行してから残り回数画像723の表示が開始されるように設定してもよい。
ステップSd2804では、RAM344の各種フラグ格納エリア344cに残り回数表示フラグをセットし、その後、第2移行用演出設定処理を終了する。
<終了用演出設定処理>
ステップSd2507(図342)の終了用演出設定処理について図347のフローチャートを参照しながら説明する。この処理は、高確遊技状態、通常時短遊技状態、突然時短遊技状態の各遊技状態の終了コマンドを受信した場合に実行されるものであり、換言すれば、それら各遊技状態が終了する場合に実行されるものである。
ステップSd2901では、終了対象の遊技状態に対応した終了演出を設定する。例えば、通常時短遊技状態の終了である場合には、通常時短遊技状態用の終了演出が実行されるように設定する。
ステップSd2902では、RAM344の各種カウンタエリア344bに設けられた残り回数カウンタの値をクリア(初期化)する。この際、残り回数カウンタの値が既に0(初期値)となっている場合はその状態のままとする。
ステップSd2903では、図柄表示装置75の表示画面Gに表示されている残り回数画像723を消去する。続くステップSd2904では、RAM344の各種フラグ格納エリア344cにセットされている残り回数表示フラグをクリアし、その後、終了用演出設定処理を終了する。
<普図変動表示用処理>
ステップSd2508(図342)の普図変動表示用処理について図348のフローチャートを参照しながら説明する。
本実施の形態では、図349に示すように、図柄表示装置75の表示画面Gに普図表示領域Pが設定されている。この普図表示領域Pには複数(2個)の絵柄F1,F2が表示され、これら各絵柄における表示色の切換により変動表示が可能となっている。普図変動表示用処理は、当該普図表示領域Pでの絵柄の変動表示を制御するための処理である。
なお、普図表示領域Pは、特図遊技回用の図柄列Z1~Z3等と重ならない領域(例えば表示画面Gの上部)に設定されている。また、普図表示領域Pは各図柄列Z1~Z3における変動表示領域よりも小さく、また、普図表示領域Pにおける各絵柄は図柄列Z1~Z3における各図柄よりも小さい。
ここで、絵柄F1,F2による普図遊技回の変動表示について図350を参照しながら説明する。
上述のとおり、普図表示領域Pにおける普図遊技回の変動表示は、絵柄F1,F2の表示色の切換によって行われる。例えば、図350(a)に示すように、絵柄F1,F2の表示色が第1表示色(例えば白色)で表示された状況から普図遊技回が開始されると、図350(b)に示すように、一方の絵柄である絵柄F2の表示色がそれまでの色とは異なる色である第2表示色(例えば青色)に切り換えられる(図では表示色の違いをハッチにより異ならせて表示している)。
その後、図350(c)に示すように、第2表示色に切り換えられた絵柄F2の色が元の第1表示色に切り換えられるとともに、他方の絵柄である絵柄F1の色が第1表示色から第2表示色に切り換えられる。さらにその後、図350(d)に示すように、再度それぞれの絵柄の色の切り換えが行われる。普図遊技回の変動表示は、基本的には上記表示色の切り換えの繰り返し(図350(b)→図350(c)→図350(d)→図350(b)の繰り返し)によって行われる。この表示色の切り換えは約0.05secで1周するように設定されており、切り換え前後のそれぞれの表示を遊技者が識別することは困難となっている。
普図遊技回の変動表示時間が経過すると、絵柄F1,F2の停止表示が行われ、サポート抽選の結果が報知される。サポート抽選の結果がサポート当選結果(普図当たり結果)である場合は、第1停止結果(図350(e))、第2停止結果(図350(f))、第3停止結果(図350(g))のいずれかの表示態様で絵柄F1,F2の停止表示が行われる。第1停止結果は、絵柄F1が第2表示色で且つ絵柄F2が第1表示色の停止態様であり、第2停止結果は、絵柄F1が第1表示色で且つ絵柄F2が第2表示色の停止態様であり、第3停止結果は、絵柄F1,F2が第2表示色の停止態様である。また、サポート抽選の結果が外れ結果である場合は、絵柄F1,F2が第1表示色である第4停止結果(図350(h))で絵柄F1,F2の停止表示が行われる。
さて、図348に示すように、普図変動表示用処理では、先ずステップSd3101にて普図遊技回の実行中であるか否かを判定する。普図遊技回の実行中でない場合は、ステップSd3102に進み、主制御装置162からの普図変動開始コマンドを受信しているか否かを判定する。普図変動開始コマンドには、主制御装置162にて行われたサポート抽選結果の情報と、主制御装置162にて設定された普図遊技回の変動表示時間の情報とが含まれる。
普図変動開始コマンドを受信していない場合は、そのまま普図変動表示用処理を終了する。一方、普図変動開始コマンドを受信している場合は、ステップSd3103にて普図変動開始コマンドを解析し、今回の普図遊技回におけるサポート抽選結果及び変動表示時間を把握する。
ステップSd3104では、普図表示領域Pにおける絵柄F1,F2の停止結果を設定するための停止結果設定処理を実行する。ここで、停止結果設定処理について図351のフローチャートを参照しながら説明する。
停止結果設定処理では先ずステップSd3201にて、現在のサポートモードが高頻度サポートモード(第1又は第2高頻度サポートモード)であるか否かを判定する。なお、サポートモードが高頻度サポートモードである場合とは、現在の遊技状態が通常時短遊技状態、突然時短遊技状態又は高確遊技状態であることを意味する。
現在のサポートモードが高頻度サポートモードでない場合、すなわち、低頻度サポートモードである場合(現在の遊技状態が通常遊技状態である場合)は、ステップSd3202にて今回のサポート抽選の結果がサポート当選結果であるか否かを判定する。この判定は、ステップSd3103の把握結果を参照して行う。
サポート当選結果である場合は、ステップSd3203に進み、普図表示領域Pにおける今回の停止結果として第1停止結果(図350(e))を設定する。一方、今回のサポート抽選の結果がサポート当選結果でない場合、すなわち、外れ結果である場合は、ステップSd3204に進み、普図表示領域Pにおける今回の停止結果として第4停止結果(図350(h))を設定する。ステップSd3203又はステップSd3204の実行後は停止結果設定処理を終了する。
ステップSd3201で肯定判定した場合(現在のサポートモードが高頻度サポートモード)である場合は、ステップSd3205にて今回のサポート抽選の結果がサポート当選結果であるか否かを判定する。サポート当選結果である場合は、ステップSd3206に進み、サポート当選の種別がサポート当選結果Aであるか否かを判定する。この判定は、主制御装置162から送信される普図種別コマンドに基づいて行う。
サポート当選の種別がサポート当選結果Aである場合は、ステップSd3207に進み、普図表示領域Pにおける今回の停止結果として第2停止結果(図350(f))を設定する。すでに説明したように、サポート当選の種別は役物開閉遊技の種別(態様)に対応し、サポート当選結果Aは第1高入賞役物開閉遊技に対応している(図313(a))。このため、遊技者は、第2停止結果が停止表示されることにより、第1高入賞役物開閉遊技の態様(図314(a))で役物開閉遊技が実行されることを認識することが可能になる。
なお、低頻度サポートモードである場合は、サポート当選の種別にかかわらず、サポート当選結果に対応する停止結果が第1停止結果に設定されるが、これは、低頻度サポートモードの状況下では、サポート当選結果A,Bのいずれの場合も同じ態様の役物開閉遊技(低入賞役物開閉遊技)が実行されることに対応するものである(図313(a))。
ステップSd3206で否定判定した場合、すなわち、サポート当選の種別がサポート当選結果Bである場合は、ステップSd3208に進み、普図表示領域Pにおける今回の停止結果として第3停止結果(図350(h))を設定する。サポート当選結果Bは第2高入賞役物開閉遊技に対応しているため(図313(a))、遊技者は、第3停止結果が停止表示されることにより、第2高入賞役物開閉遊技の態様(図314(b))で役物開閉遊技が実行されることを認識することが可能になる。
また、今回のサポート抽選の結果がサポート当選結果でない場合、すなわち、外れ結果である場合は、ステップSd3204にて今回の停止結果を第4停止結果に設定する。ステップSd3207、ステップSd3208又はステップSd3204の実行後は停止結果設定処理を終了する。
普図変動表示用処理(図348)の説明に戻り、ステップSd3104の停止結果設定処理の実行後はステップSd3105にて、普図表示領域Pでの変動表示を開始する処理を実行する。具体的には、ステップSd3104で設定された停止結果の情報を含むコマンドを表示制御装置350に出力し、絵柄F1,F2の変動表示を開始させる。ステップSd3105の実行後は普図変動表示用処理を終了する。
ステップSd3101で肯定判定した場合(普図遊技回の実行中である場合)は、ステップSd3106に進み、主制御装置162から変動表示終了コマンドを受信しているか否かを判定する。変動終了コマンドを受信していない場合は、今回の普図遊技回において変動表示時間が未経過の状態であることを意味する。この場合は、ステップSd3107にて、変動中用処理を実行する。変動中用処理では、絵柄F1,F2の変動表示を継続させるように処理する。
ステップSd3108では、ステップSd3104で設定された停止結果を変更するための停止結果変更用処理を実行する。ここで、停止結果変更用処理について図352のフローチャートを参照しながら説明する。
先ずステップSd3301では、低頻度サポートモードから高頻度サポートモード(第1又は第2高頻度サポートモード)への移行が発生したか否かを判定する。具体的には、普図遊技回の変動表示中において主制御装置162からの時短遊技状態開始コマンドを受信したか否かを判定する。
高頻度サポートモードへの移行が発生した場合は、ステップSd3302に進み、実行中の普図遊技回におけるサポート抽選の結果がサポート当選結果であるか否かを判定する。サポート当選結果である場合は、ステップSd3303にてサポート当選の種別がサポート当選結果Aであるか否かを判定する。
サポート当選の種別がサポート当選結果Aである場合は、ステップSd3304にて、普図表示領域Pにおける今回の停止結果を第1停止結果から第2停止結果に変更する。すなわち、変動表示の途中で低頻度サポートモードから高頻度サポートモードへの切り替えが生じた場合、普図遊技回の開始時におけるステップSd3104の停止結果設定処理では、普図表示領域Pにおける今回の停止結果として、低頻度サポートモード中にサポート当選結果となった場合に対応した停止結果である第1停止結果が設定される。ステップSd3304では、そのようにして設定された停止結果について、高頻度サポートモード中にサポート当選結果となり且つその種別がサポート当選結果Aとなった場合に対応した第2停止結果となるように、停止結果に関する設定結果の書き換えを行う。
ステップSd3303で否定判定した場合、すなわち、サポート当選の種別がサポート当選結果Bである場合は、ステップSd3305にて、普図表示領域Pにおける今回の停止結果を第1停止結果から第3停止結果に変更する。第3停止結果は、高頻度サポートモード中にサポート当選結果となり且つその種別がサポート当選結果Bとなった場合に対応する停止結果である。
ステップSd3304又はステップSd3305の実行後は、停止結果変更用処理を終了する。また、ステップSd3301で否定判定した場合(高頻度サポートモードへの移行が発生していない場合)、ステップSd3302で否定判定した場合(サポート抽選の結果が外れ結果である場合)は、停止結果の設定を変更しないとして、ステップSd3303以降の処理を実行することなく停止結果変更用処理を終了する。
普図変動表示用処理(図348)の説明に戻り、ステップSd3106で肯定判定した場合(変動終了コマンドを受信している場合)は、ステップSd3109にて変動終了用処理を実行する。変動終了用処理では、ステップSd3104で設定された停止結果やステップSd3108で変更された停止結果で絵柄F1,F2が停止表示されるように制御する。ステップSd3109の実行後は普図変動表示用処理を終了する。
<特別発光演出用処理>
ステップSd2509(図342)の特別発光演出用処理について図353のフローチャートを参照しながら説明する。
特別発光演出用処理は、普電役物63aやその周辺部に配置された発光部を用いて行われる演出である。ここで、上記発光部について図354を参照しながら説明する。
図354(a)に示すように、普電役物63aには、第2作動口63を遊技機前方側から覆うようにして前壁部751が設けられている。前壁部751は遊技盤60の前面(遊技領域PE)よりも前方に突出しており、その後方側には遊技球が通過可能な空間部が形成されている。普電役物63aの開放状態において左右の可動片により前壁部751の後方側に導かれた遊技球は、上記空間部を通って第2作動口63に入賞する。
前壁部751には第1発光部752が設けられている。具体的には、発光素子753が搭載された発光基板が前壁部751の内側に配置されているとともに、その発光基板を前方から覆うようにして透明性の透過部754が配置されている。発光素子753(発光基板)は演出制御装置143に電気的に接続されており、演出制御装置143によって発光素子753(第1発光部752)の発光制御が行われる。
また、普電役物63aの上方には第2発光部761が配置されている。第2発光部761は遊技盤60の背面側に配置されている。すなわち、遊技盤60の後方において普電役物63aの上方位置には発光素子762が搭載された発光基板が配置されており、遊技盤60において当該発光基板の前方領域が透明性を有するか、遊技盤60が透明性を有する透明遊技盤により形成されることにより、前方から遊技盤を通じて発光素子762からの光を視認可能となっている。
遊技球の流れで見て第2発光部761は普電役物63aの上流側に位置しており、第2作動口63に向かって遊技領域PEを流下する遊技球が第2発光部761の前方を通過することが可能となっている。発光素子762(発光基板)は演出制御装置143に電気的に接続されており、演出制御装置143によって発光素子762(第2発光部761)の発光制御が行われる。
次に、第1発光部752及び第2発光部761にて行われる特別発光演出について図354(b),(c)を参照しながら説明する。
サポートモードが低頻度サポートモードである場合(遊技状態が通常遊技状態である場合)は、第1発光部752及び第2発光部761が通常発光態様となるように制御される。通常発光態様は、例えば、図354(b)に示すように、各発光部752,761が第1発光色(例えば白色)で発光する態様である。
そして、サポートモードが高頻度サポートモードになると(遊技状態が時短遊技状態又は高確遊技状態になると)、第1発光部752及び第2発光部761の発光態様が特別発光態様となるように切り替えられ、特別発光演出が実行される。特別発光態様は、例えば、図354(c)に示すように、各発光部752,761が第1発光色とは異なる第2発光色(例えば青色)で発光する態様である。これにより、普電役物63aやその周辺部を目立たせ、第2作動口63への入賞が生じやすい状態であることを遊技者にアピールする。
なお、特別発光態様の具体的態様は、通常発光態様と発光色が異なるものに限定されず、通常発光態様との見分けができるものであれば、特に限定されるものではない。例えば、通常発光態様が連続発光であるのに対し、特別発光態様が点滅発光であるなど、発光パターンが異なるものであってもよい。
特別発光演出は、その開始後、サポートモードが高頻度サポートモードである期間は継続して実行される。そして、高頻度サポートモードである状況で大当たりに当選し、開閉実行モードに移行する場合は、開閉実行モードへの移行に対応して特別発光演出が終了する。特別発光演出の終了後は開閉実行モード用の発光態様への切り替えが行われるか、通常発光態様への切り替えが行われる。
また、特図遊技回の消化回数が上限回数に到達したことにより高頻度サポートモードが終了する場合には、それに対応して特別発光演出が終了する。その際、高頻度サポートモードの終了に応じて特別発光演出が直ちに終了する構成としてもよいし、高頻度サポートモードの終了後、残り保留分として第2特図の遊技回が実行されている間は特別発光演出が継続され、当該遊技回の終了に応じて特別発光演出が終了する構成としてもよい。特別発光演出の終了後は通常発光態様への切り替えが行われる。
さて、図353に示すように、特別発光演出用処理では、先ずステップSd3501にて、特別発光演出(図354(c))の実行中であるか否かを判定する。特別発光演出の実行中でない場合は、ステップSd3502にてRAM344の各種フラグ格納エリア344cに開始用フラグがセットされているか否かを判定する。開始用フラグは、特別発光演出を実行すべき状態であることをMPU342が把握するためのものである。
開始用フラグがセットされていない場合はステップSd3503に進み、低頻度サポートモードから高頻度サポートモード(第1又は第2高頻度サポートモード)への移行が発生したか否かを判定する。具体的には、主制御装置162からの時短遊技状態開始コマンドを受信したか否かを判定する。
高頻度サポートモードへの移行が発生した場合は、ステップSd3504にて開始タイミング設定処理を実行する。開始タイミング設定処理は、特別発光演出の開始タイミングを設定するためのものである。ここで、開始タイミング設定処理について図355のフローチャートを参照しながら説明する。
先ずステップSd3601では普図遊技回の実行中であるか否かを判定する。普図遊技回の実行中でない場合はステップSd3602に進み、役物開閉遊技の実行中であるか否かを判定する。
ステップSd3602で否定判定した場合は、普図遊技回及び役物開閉遊技のいずれも実行中でない状況で高頻度サポートモードへの移行が発生したことを意味する。この場合はステップSd3603に進み、特別発光演出の開始タイミングを第1タイミングに設定する。第1タイミングは、主制御装置162でのサポートフラグのセット処理に対応したタイミングであり、換言すれば、特図側遊技(特図遊技回や開閉実行モードの終了)に対応したタイミングである。第1タイミングについて具体的にはサポートフラグのセット時であり、特別発光演出の開始タイミングが第1タイミングに設定されることにより、特別発光演出を直ちに実行すべきことを指定するものとなる。ステップSd3602の実行後は開始タイミング設定処理を終了する。
ステップSd3602で肯定判定した場合は、低頻度サポートモードに対応した態様の役物開閉遊技が実行されている状況で高頻度サポートモードへの移行が発生したことを意味する。この場合はステップSd3604に進み、その役物開閉遊技の残り期間を把握する。具体的には当該役物開閉遊技におけるエンディング終了までの期間を把握する。
ステップSd3605では、ステップSd3604で把握した期間が第1特定期間以下であるか否かを判定する。第1特定期間は、実行中の役物開閉遊技(低頻度サポートモードに対応した態様の役物開閉遊技)が終了するまでの期間が比較的に短期間であるか否かを判別するためのものである。第1特定期間の具体的な長さは特に限定されるものではないが、本実施の形態では、例えば5secとする。
役物開閉遊技の残り期間が第1特定期間以下である場合は、ステップSd3603に進み、特別発光演出の開始タイミングを第1タイミングに設定する。すなわち、高頻度サポートモードへの移行タイミングから、低頻度サポートモード用の役物開閉遊技が終了して次の普図遊技回(高頻度サポートモード用の普図遊技回)が開始されるまでの期間が比較的に短いと想定される場合は、特別発光演出を直ちに実行するように設定する。
ステップSd3605で否定判定した場合(役物開閉遊技の残り期間が第1特定期間よりも長い場合)は、ステップSd3606にて開始タイミングを第2タイミングに設定する。第2タイミングは、実行中の役物開閉遊技に対応したタイミングであり、換言すれば普図側遊技に対応するタイミングである。第2タイミングについて具体的には役物開閉遊技の終了時であり、第2タイミングは上記第1タイミングよりも後のタイミングである。
すなわち、高頻度サポートモードへの移行タイミングから次の普図遊技回が開始されるまでの期間が比較的に長いと想定される場合は、役物開閉遊技の終了を待って特別発光演出を実行するものとし、当該期間が比較的に短いと想定される場合よりも特別発光演出が遅れて開始されるように設定する。なお、第2タイミングは役物開閉遊技の終了時に限定されるものではなく、当該終了の所定期間前(例えば1sec前)のタイミングであってもよい。また、次の普図遊技回(高頻度サポートモード用の普図遊技回)の開始時であってもよい。ステップSd3606の実行後は開始タイミング設定処理を終了する。
ステップSd3601で肯定判定した場合(普図遊技回の実行中である場合)は、ステップSd3607に進み、実行中の遊技回におけるサポート抽選の結果がサポート当選結果であるか否かを判定する。サポート当選結果である場合には、ステップSd3608にて普電役物63aが開放されるまでの期間を把握する。具体的には、実行中の普図遊技回の残り期間と役物開閉遊技におけるオープニング期間との合計期間を把握する。
ステップSd3609では、ステップSd3608で把握した期間が第2特定期間以下であるか否かを判定する。第2特定期間は、普電役物63aの開放タイミングまでの期間が比較的に短期間であるか否かを判別するためのものである。第2特定期間の具体的な長さは特に限定されるものではないが、本実施の形態では、例えば10secとする。
開放までの期間が第2特定期間以下である場合は、ステップSd3603にて特別発光演出の実行開始タイミングを第1タイミングに設定し、特別発光演出を直ちに実行するように設定する。一方、開放までの期間が第2特定期間よりも長い場合は、ステップSd3610に進み、特別発光演出の開始タイミングを第3タイミングに設定する。
第3タイミングは普電役物63aの開放に対応したタイミングであり、換言すれば普図側遊技に対応するタイミングである。第3タイミングについて具体的には普電役物63aの1回目開放時であり、第3タイミングは上記第1タイミングよりも後のタイミングである。
既に説明したように、本実施の形態では、サポート抽選結果が当たりである普図遊技回の途中で高頻度サポートモードへの移行が発生した場合、その普図遊技回の終了後に実行される役物開閉遊技は高頻度サポートモードに対応した態様で実行されるように構成されているところ(ステップSd2205~ステップSd2207、ステップSd2304)、その1回目開放までの期間が比較的に長いと想定される場合は、当該開放の開始を待って特別発光演出を実行するように設定する。なお、第3タイミングは1回目開放の開始時に限定されるものではなく、当該開始の所定期間前(例えば1sec前)のタイミングであってもよい。すなわち、1回目開放に先立って特別発光演出を開始する構成としてもよい。ステップSd3610の実行後は開始タイミング設定処理を終了する。
ステップSd3607で否定判定した場合、すなわち、実行中の普図遊技回におけるサポート抽選結果が外れ結果である場合は、ステップSd3611に進み、その普図遊技回の残り期間を把握する。ステップSd3612では、ステップSd3611で把握した期間が第3特定期間以下であるか否かを判定する。第3特定期間は、実行中の普図遊技回(低頻度サポートモードに対応した態様の普図遊技回)の終了までの期間が比較的に短期間であるか否かを判別するためのものである。第3特定期間の具体的な長さは特に限定されるものではないが、本実施の形態では、例えば5secとする。
普図遊技回の残り期間が第3特定期間以下である場合は、ステップSd3603にて特別発光演出の実行開始タイミングを第1タイミングに設定し、特別発光演出を直ちに実行するように設定する。一方、普図遊技回の残り期間が第3特定期間よりも長い場合は、ステップSd3613に進み、特別発光演出の開始タイミングを第4タイミングに設定する。
第4タイミングは次の普図遊技回の開始に対応したタイミングであり、換言すれば普図側遊技に対応するタイミングである。第4タイミングについて具体的には次の普図遊技回の開始時であり、第4タイミングは上記第1タイミングよりも後のタイミングである。
すなわち、低頻度サポートモードに対応した態様の普図遊技回が終了し、高頻度サポートモードに対応した態様の次の普図遊技回が開始されるまでの期間が比較的に長いと想定される場合は、次の普図遊技回の開始を待って特別発光演出を実行するように設定する。なお、第4タイミングは次の普図遊技回の開始時に限定されるものではなく、当該開始の所定期間前(例えば1sec前)のタイミングであってもよい。ステップSd3613の実行後は開始タイミング設定処理を終了する。
特別発光演出用処理(図353)の説明に戻り、ステップSd3504の開始タイミング設定処理の実行後はステップSd3505にて、RAM344の各種フラグ格納エリア344cに開始用フラグをセットする。ステップSd3505の実行後は特別発光演出用処理を終了する。
ステップSd3502で肯定判定した場合(開始用フラグがセットされている場合)は、ステップSd3506に進み、特別発光演出の開始タイミングであるか否かを判定する。すなわち、ステップSd3504で設定した開始タイミングが到来したか否かを判定する。
特別発光演出の開始タイミングである場合はステップSd3507にて、上記各種フラグ格納エリア344cにセットされている開始用フラグをクリアする。続くステップSd3508では特別発光演出が実行されるように第1発光部752及び第2発光部761を制御する。これにより、第1発光部752及び第2発光部761の発光態様が通常発光態様から特別発光態様に切り替えられ、それら各発光部752,761の発光色が第1発光色から第2発光色に変化する。
ステップSd3508の実行後は特別発光演出用処理を終了する。また、ステップSd3506で否定判定した場合(特別発光演出の開始タイミングでない場合)は、特別発光演出の実行を待機するとして、ステップSd3507以降の処理を実行することなく特別発光演出用処理を終了する。
ステップSd3501で肯定判定した場合(特別発光演出の実行中である場合)は、ステップSd3509に進み、特別発光演出の終了タイミングであるか否かを判定する。特別発光演出の終了タイミングである場合は、ステップSd3510にて特別発光演出を終了するように第1発光部752及び第2発光部761を制御する。この際、高頻度サポートモード中の大当たり当選に基づく開閉実行モードへの移行により特別発光演出が終了する場合は、開閉実行モード用の発光態様への切り替えが行われるか、通常発光態様への切り替えが行われるように各発光部752,761を制御する。また、上限回数への到達に基づく高頻度サポートモードの終了により特別発光演出が終了する場合は、通常発光態様への切り替えが行われるように各発光部752,761を制御する。
ステップSd3510の実行後は特別発光演出用処理を終了する。また、ステップSd3509で否定判定した場合(特別発光演出の終了タイミングでない場合)は、特別発光演出を継続するとして、ステップSd3510の処理を実行することなく特別発光演出用処理を終了する。
<遊技状態の変更に伴う普図側遊技の動作態様の切り替えについて>
普図遊技回及び役物開閉遊技を含む普図側遊技に関して遊技状態の変更に伴う動作態様の切り替えの流れを説明する。先ず、普図遊技回及び役物開閉遊技の実行中でない状況でサポートフラグがセットされた場合の流れについて図356を参照しながら説明する。ここでは、特図遊技回の当否抽選にて特殊外れ結果となり、突然時短遊技状態に移行する場合を例にとって説明する。
タイミングt1において通常遊技状態中に行われた特図当否抽選にて特殊外れ結果になると、その当否抽選に対応する特図遊技回での確定表示の開始タイミング(タイミングt2)にて主制御装置162のRAM314にサポートフラグがセットされる(図356(a),(b))。このとき、普図側遊技では普図遊技回及び役物開閉遊技のいずれも実行されていなかったとする。
その後、タイミングt3においてスルーゲート64への入賞が発生すると、サポート抽選が行われる。この場合のサポート抽選は、サポートフラグがセットされた状態(高頻度サポートモードに対応した内部状態)であることに基づき、高頻度サポートモード(詳しくは第2高頻度サポートモード)に対応した態様で実行される。但し、第2高頻度サポートモードである場合は、低頻度サポートモードの場合と同じ当選確率でサポート抽選が行われるため(図312(a)、(c))、タイミングt3でのサポート抽選は、低頻度サポートモード時のサポート抽選と同じ態様で行われる。なお、移行する高頻度サポートモードが第1高頻度サポートモードである場合は、低頻度サポートモード時よりも高い当選確率でサポート抽選が行われる(図312(b))。
ここでは、上記サポート抽選の結果がサポート当選結果であったとする。サポート当選結果となった場合、普図当たり種別の抽選が行われるが、ここではその結果としてサポート当選結果Aが選ばれたものとする。
また、タイミングt3では、上記サポート抽選が行われることに基づき、普図遊技回が実行される。この普図遊技回においても高頻度サポートモードに対応した態様で実行され、低頻度サポートモードである場合より短い変動表示時間、短い確定表示時間にて実行される。例えば、変動表示時間として0.5secが設定され(図337(b))、確定表示時間として0.2secが設定される(図335(b))。
確定表示に際し普図用表示部44では、普図当たり種別としてサポート当選結果Aが抽選されたことに基づき、サポート当選に対応する停止結果として停止結果Aが停止表示される(図337(a))。また、図柄表示装置75の普図表示領域Pでは、絵柄F1,F2の停止結果として第2停止結果が停止表示される(図350、図351)。なお、これら各停止結果の設定は普図遊技回の開始時に行われる。
タイミングt4において普図遊技回が終了すると、サポート当選となったことに基づき、普電役物63aによる役物開閉遊技が実行される(図356(d)~(f))。この場合の役物開閉遊技は、サポートフラグがセットされており且つサポート当選結果Aが抽選されたことに基づき、第1高入賞役物開閉遊技の態様にて行われる(図313)。
上記役物開閉遊技においては、先ず、普電役物63aを閉鎖状態として例えば0.1sec間に亘りオープニングが実行され、その後、普電役物63aが閉鎖状態から開放状態に切り替えられる(タイミングt5)。この開放状態の上限開放時間は、低頻度サポートモードである場合の期間(例えば0.1sec)よりも長い期間(例えば1.5sec)に設定される。遊技球発射ハンドル41を操作し続けた場合の遊技球の発射周期は0.6secであるため、上記のような態様で普電役物63aが開放された場合、第2作動口63への入賞を好適に果たすことができる。
普電役物63aの開放時間が上限開放時間に達した場合又は第2作動口63への遊技球の入賞個数が上限入賞個数に達した場合は、普電役物63aが閉鎖状態とされる(タイミングt6)。これに伴い、例えば0.1secに亘りエンディングが実行される。
以上のように、サポートフラグのセット時において普図側遊技が不実行である場合は、その後の普図遊技回の開始に合わせて低頻度サポートモードに対応した態様から高頻度サポートモードに対応した態様への切り替えが行われる(図356(g))。
次に、サポート当選結果の普図遊技回を実行中である状況でサポートフラグがセットされた場合の流れについて図357を参照しながら説明する。
通常遊技状態(低頻度サポートモード)中のタイミングt1においてサポート抽選が行われると、それに基づき普図遊技回が実行される(図357(c))。ここでは、そのサポート抽選の結果がサポート当選となり、普図当たり種別抽選にてサポート当選結果Bが選ばれたものとする。
この際、主制御装置162のRAM314にはサポートフラグがセットされておらず、低頻度サポートモードに対応する内部状態となっているため(図357(b))、上記普図遊技回は低頻度サポートモードに対応した態様で実行される。例えば、変動表示時間として30secが設定され(図337(b))、確定表示時間として2secが設定される(図335(b))。
普図遊技回の開始時には普図用表示部44での停止結果が設定される。ここでは、普図当たり種別としてサポート当選結果Bが抽選されたことに基づき、上記停止結果として停止結果Bが設定される(図337(b))。また、図柄表示装置75の普図表示領域Pでの停止結果の設定も行われるが、ここでは、その時点でのサポートモードが低頻度サポートモードであることに基づき、絵柄F1,F2の停止結果として第1停止結果が設定される(図350、図351)。
上記普図遊技回の開始後(上記サポート抽選の実行後)、その変動表示の実行中であるタイミングt2において、特図当否抽選にて特殊外れ結果になると(図357(a))、その当否抽選に対応する特図遊技回での確定表示の開始タイミング(タイミングt3)にて主制御装置162のRAM314にサポートフラグがセットされ、高頻度サポートモードに対応した内部状態に移行する(図357(b))。この際、実行中の普図遊技回における変動表示は低頻度サポートモードに対応した態様となっているが、サポートフラグのセット後もその態様が維持される。すなわち、上記変動表示は、その途中でサポートフラグがセットされたとしても、タイミングt1で設定された変動表示時間が経過するまで継続される。
上記のように、サポート抽選の実行後において普図遊技回での変動表示の途中でサポートフラグがセットされた場合は、普図表示領域Pでの絵柄F1,F2の停止結果の設定が低頻度サポートモードに対応したものから高頻度サポートモードに対応したものに変更される(図348、図352)。その際、タイミングt1で実行された普図当たり種別抽選にてサポート当選結果Bが選ばれたことに基づき、高頻度サポートモードに対応した停止結果の中でも第3停止結果が設定されるように上記変更が行われる。
一方、普図用表示部44での停止結果については、普図表示領域Pのような変更は行われず、タイミングt1で実行された停止結果の設定(停止結果B)がそのまま維持される。これは、低頻度サポートモードと高頻度サポートモードとにおいて普図当たり種別カウンタC4の各値に対応する停止結果を共通化しているためである。
タイミングt4にて普図遊技回の変動表示が終了すると、確定表示が実行される。この時点ではサポートフラグがセットされているが、サポートフラグのセット前であるタイミングt1にて設定された確定表示時間(例えば2sec)に亘って確定表示が行われる。すなわち、低頻度サポートモードに対応した態様(例えば2secの確定表示時間)で確定表示が実行される。この際、普図用表示部44では停止結果Bが停止表示され、図柄表示装置75の普図表示領域Pでは第3停止結果が停止表示される。
タイミングt5において確定表示が終了し、普図遊技回が終了すると、サポート当選となったことに基づいて普電役物63aによる役物開閉遊技が実行される(図357(d)~(f))。その際、サポートフラグがセットされた状態となっているが、役物開閉遊技でのオープニングは、その役物開閉遊技の契機となったサポート抽選が低頻度サポートモードの下で行われたことに基づき、低頻度サポートモードに対応した態様で実行される。具体的には、普電役物63aを閉鎖状態として例えば5secに亘りオープニングが実行される。
タイミングt6においてオープニングが終了すると、今回の役物開閉遊技における普電役物63aの開閉態様が設定される。その際、サポートフラグがセットされていることに基づき、高頻度サポートモードに対応した態様で当該開閉が行われるように設定される。つまり、サポート当選結果である普図遊技回の実行中にサポートフラグがセットされた場合には、そのサポート当選結果を契機とする役物開閉遊技での普電役物63aの開放開始に合わせて低頻度サポートモードに対応した態様から高頻度サポートモードに対応した態様への切り替えが行われる(図357(g))。
高頻度サポートモードに対応する開閉の態様として第1高入賞役物開閉遊技と第2高入賞役物開閉遊技とからなる複数種類の態様が設けられているため、普電役物63aの開閉態様の設定に際してはそのうちのいずれの態様とするのかを選択する必要がある。この際、サポートフラグがセットされる前に行われた当たり種別抽選の結果に基づいて上記選択が行われる。
本例では、タイミングt1で行われた当たり種別抽選にてサポート当選結果Bが選ばれているため、普電役物63aの開閉態様として第2高入賞役物開閉遊技の態様が設定される。具体的には、上限開放時間が例えば2secの1回目開放と、例えば0.3secの閉鎖と、上限開放時間が例えば2secの2回目開放とが設定される。既に説明したように遊技球の発射周期は0.6secであるため、このような態様で普電役物63aが開放された場合、第2作動口63への入賞を好適に果たすことができる。
上限開放時間の到達により2回目開放が終了した場合又は第2作動口63への遊技球の入賞個数が上限入賞個数に達した場合は、普電役物63aが閉鎖状態とされる(タイミングt7)。その後、今回の役物開閉遊技におけるエンディングが実行される。このエンディングは、高頻度サポートモードに対応した態様で実行され、例えば0.1secに亘り継続される。なお、役物開閉遊技の開始から終了までの間においては、普図用表示部44にて停止結果Bが継続して表示されるとともに、普図表示領域Pにて第3停止結果が継続して表示される。
タイミングt8にて役物開閉遊技が終了すると、普図保留情報がある場合は次の普図遊技回が実行される。この普図遊技回は高頻度サポートモードに対応した態様で実行される。
上記では、普図遊技回での変動表示中にサポートフラグがセットされた場合を例示したが、普図遊技回での確定表示中にサポートフラグがセットされた場合や、役物開閉遊技におけるオープニングの実行中にサポートフラグがセットされた場合も、上記と同様に、役物開閉遊技での開放開始から高頻度サポートモードに対応した態様への動作切り替えが行われる。但し、これらの場合、普図表示領域Pでの停止結果の変更は実行されない。すなわち、サポートフラグのセット前から表示されている停止結果がサポートフラグのセット後もそのまま継続して表示される。
なお、役物開閉遊技でのオープニングの終了後にサポートフラグがセットされる場合も想定されるが、この場合、その役物開閉遊技の終了後に行われる次の普図遊技回の開始に合わせて高頻度サポートモードに対応した態様への動作切り替えが行われる。すなわち、開放状態の開始以後にサポートフラグがセットされた場合は、その開放は低頻度サポートモードに対応した態様で実行される。
また、特図当否抽選にて特殊外れ結果になり、突然時短遊技状態(第2高頻度サポートモード)に移行する場合を例示したが、特図当否抽選で大当たり結果になり、開閉実行モードを経て高確遊技状態又は通常時短遊技状態(第1高頻度サポートモード)に移行する場合も上記と同様に動作する。すなわち、普図遊技回は開閉実行モード中にも行われるため、サポート当選結果の普図遊技回の実行中に開閉実行モードが終了してサポートフラグがセットされた場合には、その普図遊技回に対応する役物開閉遊技での開放開始から高頻度サポートモードに対応した態様への動作切り替えが行われる。
次に、外れ結果の普図遊技回を実行中である状況でサポートフラグがセットされた場合の流れについて図358を参照しながら説明する。
通常遊技状態(低頻度サポートモード)中のタイミングt1においてサポート抽選が行われると、それに基づき普図遊技回が実行される(図358(c))。ここでは、そのサポート抽選の結果が外れ結果になったとする。
この際、主制御装置162のRAM314にはサポートフラグがセットされておらず、低頻度サポートモードに対応する内部状態となっているため(図358(b))、上記普図遊技回は低頻度サポートモードに対応した態様で実行される。例えば、変動表示時間として30secが設定され(図337(b))、確定表示時間として2secが設定される(図335(b))。
上記普図遊技回の開始後(上記サポート抽選の実行後)、その変動表示の実行中であるタイミングt2において、特図当否抽選にて特殊外れ結果になると(図358(a))、その当否抽選に対応する特図遊技回での確定表示の開始タイミング(タイミングt3)にて主制御装置162のRAM314にサポートフラグがセットされ、高頻度サポートモードに対応した内部状態に移行する(図358(b))。この際、実行中の変動表示は低頻度サポートモードに対応した態様となっているが、サポートフラグのセット後もその態様が維持される。
その後、タイミングt4にて普図遊技回の変動表示が終了すると、低頻度サポートモードに対応した態様で確定表示が実行される。この際、普図用表示部44では普図外れ用の停止結果が停止表示され、図柄表示装置75の普図表示領域Pでは第4停止結果が停止表示される(図350、図351)。
タイミングt5において確定表示が終了し、普図遊技回が終了すると、次の普図遊技回が実行される。この場合の普図遊技回は、サポートフラグがセットされていることに基づき、高頻度サポートモード(詳しくは第2高頻度サポートモード)に対応した態様で実行される。
このように、外れ結果である普図遊技回の実行中にサポートフラグがセットされた場合には、その次に実行される普図遊技回の開始に合わせて低頻度サポートモードに対応した態様から高頻度サポートモードに対応した態様への切り替えが行われる(図358(g))。
次に、サポート当選結果の普図遊技回を実行中である状況でサポートフラグがクリアされた場合の流れについて図359を参照しながら説明する。ここでは、時短遊技状態(高頻度サポートモード)での特図遊技回の実行回数が上限回数に到達したことにより通常遊技状態(低頻度サポートモード)に移行する場合を例にとって説明する。
時短遊技状態中のタイミングt1においてサポート抽選が行われると、それに基づき普図遊技回が実行される(図359(c))。ここでは、そのサポート抽選の結果がサポート当選となり、普図当たり種別抽選にてサポート当選結果Bが選ばれたものとする。
この際、主制御装置162のRAM314にはサポートフラグがセットされ、高頻度サポートモードに対応する内部状態となっているため(図359(b))、上記普図遊技回は高頻度サポートモードに対応した態様で実行される。例えば、変動表示時間として0.5secが設定され、確定表示時間として0.2secが設定される。
上記普図遊技回の開始後(上記サポート抽選の実行後)、その変動表示の実行中であるタイミングt2において、上限回数目となる特図遊技回の変動表示が終了すると、サポートフラグがクリアされ、低頻度サポートモードに対応した内部状態に移行する。この際、実行中の変動表示は高頻度サポートモードに対応した態様となっているが、サポートフラグのクリア後もその態様が維持される。また、その変動表示の終了後における確定表示についても高頻度サポートモードに対応した態様で実行される。
タイミングt3において確定表示が終了し、普図遊技回が終了すると、サポート当選となったことに基づいて普電役物63aによる役物開閉遊技が実行される(図359(d)~(f))。その際、サポートフラグがクリアされた状態となっているが、高頻度サポートモードに対応した態様で役物開閉遊技が実行される。具体的には、例えば0.1secのオープニングと、上限開放時間が例えば2secの1回目開放と、例えば0.3secの閉鎖と、上限開放時間が例えば2secの2回目開放と、例えば0.1secのエンディングとが順に行われる。
タイミングt4においてエンディングが終了し、役物開閉遊技が終了すると、次の普図遊技回が実行される。この場合の普図遊技回は、サポートフラグがセットされていないことに基づき、低頻度サポートモードに対応した態様で実行される。
このように、サポート当選結果である普図遊技回の実行中にサポートフラグがクリアされた場合は、そのサポート当選結果に対応する役物開閉遊技が終了するまで高頻度サポートモードに対応した態様が適用され、低頻度サポートモードに対応した態様への切り替えは次の普図遊技回の開始を待って行われる。このような構成であることにより、高頻度サポートモード中に開始された普図遊技回の途中でサポートフラグがクリアされた場合に、その普図遊技回に対応した役物開閉遊技が終了するまで第2作動口63への入賞が発生しやすい状態が継続するものとなり、高頻度サポートモードの恩恵を遊技者がより長く受けることが可能になる。
なお、役物開閉遊技の実行中や外れ結果である普図遊技回の実行中にサポートフラグがクリアされた場合も、次の普図遊技回の開始に合わせて低頻度サポートモードに対応した態様への切り替えが行われる。また、普図遊技回及び役物開閉遊技の実行中でない状況でサポートフラグがクリアされた場合は、その後の普図遊技回の開始に合わせて低頻度サポートモードに対応した態様への切り替えが行われる。
<特別発光演出の開始タイミングについて>
第1発光部752及び第2発光部761を用いた特別発光演出の開始タイミングについて図360を参照しながら説明する。特別発光演出は、第1発光部752や第2発光部761を通常発光態様とは異なる特別発光態様で発光させることで、普電役物63a(第2作動口63)や、第2作動口63への入賞ルートを目立たせながら、高頻度サポートモードである(第2作動口63への入賞が生じやすい状態である)ことを遊技者に報知する演出である。
この特別発光演出は、高頻度サポートモードに対応するものであるため、基本的にサポートフラグのセットに対応したタイミングで開始されるが、フラグセット時における普図側動作の状況によっては他のタイミングで開始されるようになっている。以下、その開始タイミングの使い分けについて説明する。
図360(a)に示すように、フラグセット時の状況として、低頻度サポートモードに対応した態様の役物開閉遊技の実行中にサポートフラグがセットされる場合がある。この場合、役物開閉遊技の残り期間が把握され、その期間が比較的に短いものであるか否かが判定される。具体的には、把握された残り期間が予め定められた第1特定期間(例えば5sec)以下であるか否かが判定される。
残り期間が第1特定期間以下であり、比較的に短いものである場合は、サポートフラグのセット時(第1タイミング)にて特別発光演出が開始される。これにより、内部状態の変化に対応する対応で高頻度サポートモードへの移行を遊技者に知らせることができる。なお、第1タイミングは、必ずしもサポートフラグがセットされたタイミングである必要はなく、例えば、サポートフラグのセットから所定期間(例えば1sec)が経過した後のタイミングであってもよい。要はサポートフラグがセットされたタイミングを基準とするものであればよい。
一方、残り期間が第1特定期間より長く、比較的に長いものである場合は、役物開閉遊技の終了時(第2タイミング)にて特別発光演出が開始される。すなわち、役物開閉遊技の残り期間が比較的に短いものである場合よりも遅いタイミングで特別発光演出が開始される。
サポートフラグがセットされてから高頻度サポートモード用の普電役物63aの開放が行われるまでの期間が長い状況で、フラグセット時のタイミングで特別発光演出が開始されると、高頻度サポートモードであることが報知されているにもかかわらず、実際には第2作動口63への入賞がなかなか発生しない状態となり、遊技者に不自然な印象を与えるおそれがある。特に普電役物63aや第2作動口63への入賞ルートを目立たせるため、それらに遊技者の注目が寄せられやすく、第2作動口63への入賞が発生しないことに気づきやすくなるため、逆効果となる懸念もある。
この点、上記のように特別発光演出の開始タイミングを遅らせることで、当該演出の開始から高頻度サポートモード用の開放が行われるまでの期間を短く抑えることができる。これにより、第2作動口63への入賞がなかなか発生しない印象となることを好適に抑制しつつ、普電役物63aや第2作動口63への入賞ルートを目立たせる効果を好適に発揮させることが可能になる。
また、図360(b)に示すように、フラグセット時の他の状況として、サポート当選結果である普図遊技回(低頻度サポートモードに対応した態様の普図遊技回)の実行中にサポートフラグがセットされる場合がある。この場合、そのサポート当選結果を契機とする役物開閉遊技にて普電役物63aの開放が開始されるまでの期間が把握され、その期間が比較的に短いものであるか否かが判定される。具体的には、把握された期間が予め定められた第2特定期間(例えば10sec)以下であるか否かが判定される。
残り期間が第2特定期間以下であり、比較的に短いものである場合は、サポートフラグのセット時(第1タイミング)にて特別発光演出が開始される。一方、残り期間が第2特定期間より長く、比較的に長いものである場合は、普電役物63aの開放時(第3タイミング)にて特別発光演出が開始される。すなわち、開放までの期間が比較的に短いものである場合よりも遅いタイミングで特別発光演出が開始される。このような構成とすることで、特別発光演出の開始後、速やかに第2作動口63への入賞が発生する状態とすることができ、上記と同様の効果を得ることが可能になる。
また、図360(c)に示すように、フラグセット時の他の状況として、外れ結果である普図遊技回(低頻度サポートモードに対応した態様の普図遊技回)の実行中にサポートフラグがセットされる場合がある。この場合、その普図遊技回の残り期間が把握され、その期間が比較的に短いものであるか否かが判定される。具体的には、把握された残り期間が予め定められた第3特定期間(例えば5sec)以下であるか否かが判定される。
残り期間が第3特定期間以下であり、比較的に短いものである場合は、サポートフラグのセット時(第1タイミング)にて特別発光演出が開始される。一方、残り期間が第3特定期間より長く、比較的に長いものである場合は、次の普図遊技回(高頻度サポートモードに対応した態様の普図遊技回)の開始時(第4タイミング)にて特別発光演出が開始される。すなわち、普図遊技回の残り期間が比較的に短いものである場合よりも遅いタイミングで特別発光演出が開始される。上記次の普図遊技回は、高頻度サポートモードに対応した態様となり、短時間で終了することが見込まれるため、上記構成とすることで、特別発光演出の開始から高頻度サポートモード用の開放が行われるまでの期間を短く抑えることができる。
その他、図360(d)に示すように、普図遊技回及び役物開閉遊技のいずれもが実行中でない状況でサポートフラグがセットされた場合は、サポートフラグのセット時(第1タイミング)にて特別発光演出が開始される。
以上詳述した本実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏することができる。
サポートフラグがセットされて高頻度サポートモードに対応した内部状態とされた後、普図遊技回及び役物開閉遊技を含む普図側遊技の動作態様について高頻度サポートモードに対応した態様への切り替えが行われるパチンコ機において、当該切り替えを実行可能なタイミングが1の普図側遊技(普図遊技回の開始からその普図遊技回に対応する役物開閉遊技の終了までの遊技)の中で複数設けられる構成とした。
このような構成であることで、低頻度サポートモードである状況で開始されたサポート当選結果の普図遊技回の実行中にサポートフラグがセットされた場合に、その普図遊技回に対応した役物開閉遊技の終了を待たずに高頻度サポートモードに対応した態様への切り替えを行うことができる。これにより、高頻度サポートモードに対応した態様での普電役物63aの開閉動作を早く発動させることができ、高頻度サポートモードへの移行条件が成立した場合にその恩恵を遊技者が早く受けることが可能になる。
なお、本実施の形態に係る上記構成は、サポートフラグがセットされた場合に、高頻度サポートモードに対応した態様への切り替えを普図側遊技の途中である特定タイミングにて実行され得るように構成されたものと見ることもできる。この場合、その普図側遊技の終了を待たずに上記切り替えを行うことができるため、サポートフラグがセットされてから上記切り替えが行われるまでの待機期間を短縮することができ、高頻度サポートモードに対応した態様での普電役物63aの開閉動作を早く発動させることが可能になる。
高頻度サポートモードに対応した態様への切り替えを実行可能なタイミングとして、普図遊技回の開始時に対応したタイミング(第1タイミング)と、役物開閉遊技における普電役物63aの1回目開放時に対応したタイミング(第2タイミング)とを設ける構成とした。この場合、サポートフラグがセットされたタイミングと普図側動作の状況とを踏まえて、それら各タイミングのうちのいずれで上記切り替えを行うかを使い分けることができる。すなわち、上記各タイミングのうちサポートフラグがセットされたタイミングと近い側のタイミングを選んで上記切り替えを行うことができ、サポートフラグがセットされた後、高頻度サポートモードに対応した態様への切り替えを早く行うことが可能になる。
普図遊技回及び役物開閉遊技の実行中でない場合にサポートフラグがセットされた場合や外れ結果の普図遊技回の実行中にサポートフラグがセットされた場合に上記第1タイミングにて上記切り替えを行う一方で、サポート当選結果の普図遊技回の実行中にサポートフラグがセットされた場合に上記第2タイミングにて上記切り替えを行う構成とした。これにより、切り替えタイミングの最適化を図ることができ、サポートフラグがセットされた後、高頻度サポートモードに対応した態様への切り替えを早く行うことが可能になる。
時短遊技状態(高頻度サポートモード)としてサポート抽選の当選確率が通常遊技状態(低頻度サポートモード)と同じ確率の突然時短遊技状態(第2高頻度サポートモード)を有するパチンコ機において、上記切り替えのタイミングを複数設ける構成とした。
高頻度サポートモードを第2作動口63への入賞が発生しやすい遊技状態として機能させるには、サポート抽選での当選確率を一定値以上とし、第2作動口63(普電役物63a)が開放状態となる頻度をある程度確保する必要がある。その際、サポート抽選の当選確率が低頻度サポートモードでの確率と同じであるため、低頻度サポートモードでも開放状態となる頻度が高まることになってしまい、それら両モード間で第2作動口63への遊技球の入賞しやすさに明確な差異を生じさせにくくなる。そこで、低頻度サポートモードにおいて1回の普図遊技回や1回の役物開閉遊技に要する期間を長くすることで、単位時間当たりのサポート抽選の頻度を少なく抑え、第2作動口63への入賞を生じさせにくくすることが考えられる。
しかしながら、その反面、それらの期間が長くなることによって、サポートフラグがセットされた後、高頻度サポートモードに対応した態様への切り替えが行われるまでの待機期間も長くなり、内部的に高頻度サポートモードに対応した状態になっているにもかかわらず、第2作動口63への入賞が発生しやすい状態がなかなか到来しないという事態を招く懸念がある。このように構成に対し、本実施の形態に係る切り替えタイミングを多様化した構成を適用することで、上記待機期間を効果的に短縮することができ、可変入球手段への入球が生じやすい状態を早く到来させることが可能となる。
サポート当選結果の普図遊技回の実行中にサポートフラグがセットされ、役物開閉遊技での普電役物63aの開放が高頻度サポートモード用の態様に切り替えられて実行される場合に、その高頻度サポートモード用の開放について、第1高入賞役物開閉遊技と第2高入賞役物開閉遊技のいずれを設定するかの選択を、サポートフラグのセット前に行われた普図当たり種別抽選の結果を活用して行う構成とした。この場合、普図当たり種別抽選のやり直しが不要となるため、制御処理の煩雑化や複雑化を抑制することができ、遊技状態の切り替えに関する制御を好適に行うことが可能になる。
普図用表示部44に停止表示されるサポート当選結果用の停止結果について、普図当たり種別カウンタC4の値に対する結果(停止結果の態様)を時短遊技状態用の停止結果と通常遊技状態用の停止結果とで同じにする構成とした。
普図当たり種別の抽選結果は、役物開閉遊技をいずれの態様で実施するかの選択と、サポート当選結果用の停止結果の選択との両方に利用されるため、普図用表示部44に停止表示される停止結果により、サポート抽選の結果だけでなく、役物開閉遊技の態様も示されることになる。その際、普図当たり種別カウンタC4の値に対する結果(停止結果の態様)を時短遊技状態用の停止結果と通常遊技状態用の停止結果とで共通にすることで、高頻度サポートモード用に切り替えられた開放動作の態様を、サポートフラグのセット前に行われた普図当たり種別抽選の結果により設定する構成としても、停止表示される停止結果(通常遊技状態用の停止結果)と、切り替え後の開放動作の態様(時短遊技状態用の開放動作の態様)とを整合させることができる。これにより、停止表示される停止結果と開放動作の態様とに不整合が生じて遊技者が困惑する不都合の発生を好適に抑制することが可能になる。
普図遊技回の実行中にサポートフラグがセットされた場合に、図柄表示装置75の普図表示領域Pでの停止結果を変更する構成とした。具体的には、絵柄F1,F2の停止結果を第1停止結果から第2又は第3停止結果に切り替える構成とした。このような構成であることにより、低頻度サポートモード用の普図遊技回の実行中にサポートフラグがセットされ、役物開閉遊技が高頻度サポート用の態様に切り替えられて実行される場合であっても、その役物開閉遊技の態様に対応した停止結果を報知することができる。
ちなみに、図柄表示装置75にて行われる図柄列Z1~Z3の特図遊技回において特殊外れ結果になったことが明示されない構成であれば、遊技者は、その特図遊技回からは特殊外れ結果への当選を認識することが困難であるものの、普図表示領域Pでの停止結果を視認することで、特殊外れ結果になったこと(換言すれば、サポートフラグがセットされたこと)を察知することが可能になる。すなわち、サポート抽選の結果だけでなく、サポートフラグがセットされたか否かも反映された状態で絵柄F1,F2の停止結果が停止表示されるため、当該停止結果に対する遊技者の関心を高めることができ、遊技への注目度を向上させることが可能になる。
時短遊技状態に対応した特別発光演出(第1発光部752、第2発光部761での発光演出)を実行する場合において、その開始タイミングを普図側遊技の状況により異ならせる構成とした。例えば、時短遊技状態に対応した特別発光演出が実行されているにもかかわらず、第2作動口63への入賞が発生しやすい状態への切り替えがなかなか行われない場合は、遊技者に対して不自然な印象を与える懸念がある。かかる場合において、特別発光演出の開始タイミングを普図側遊技の状況に応じて変動させられる構成であることにより、高頻度サポートモードへの切り替えに応じた適切なタイミングで特別発光演出を開始させることができ、上記不都合の発生を好適に抑制することが可能になる。
サポートフラグがセットされてから、高頻度サポートモードに対応した態様の普電役物63aの開放が行われるまでの期間を把握し、その期間が第2特定期間よりも長い場合に、当該開放の実行タイミングに対応した第3タイミングに遅らせて特別発光演出を開始する構成とした。この場合、特別発光演出が開始されてから高頻度サポートモード用の開放動作が行われるまでのタイムラグを短く抑えることができる。これにより、第2作動口63への入賞が生じやすい状態であることを高頻度サポートモードに対応した態様への切り替えに応じた好適なタイミングで遊技者に知らせることが可能になる。
<変形例1>
上記第4の実施の形態の変形例1について図361~図365を参照しながら説明する。これらの図において第4の実施の形態と同様の構成については同一の符号を付し、その説明を省略する。
上記第4の実施の形態では、普図遊技回の開始時と役物開閉遊技の1回目開放時とにおいて低頻度サポートモードに対応した態様から高頻度サポートモードに対応した態様への切り替えが行われるが、本変形例ではさらに別のタイミングでの切り替えが可能となっている。以下、本変形例の構成について詳細に説明する。
本変形例に係る高入賞役物開閉遊技について図361を参照しながら説明する。
高頻度サポートモードである場合の役物開閉遊技の態様として第1高入賞役物開閉遊技と第2高入賞役物開閉遊技とが設けられる。図361(a)に示すように、第1高入賞役物開閉遊技は、普電役物63aの開放回数が2回に設定された上で、0.1secのオープニングと、1.5secの1回目開放と、0.3secの閉鎖と、1.5secの2回目開放と、0.1secのエンディングとが順に行われるように構成されている。また、図361(b)に示すように、第2高入賞役物開閉遊技は、普電役物63aの開放回数が2回に設定された上で、0.1secのオープニングと、2secの1回目開放と、0.3secの閉鎖と、2secの2回目開放と、0.1secのエンディングとが順に行われるように構成されている。これら各開閉遊技では、普電役物63aの開放回数は同じであるものの、各回の開放における上限開放時間が異なるようになっている。
<役物開閉処理>
本変形例に係る役物開閉処理について図362のフローチャートを参照しながら説明する。この処理は、主制御装置162による電役サポート用処理(図338)のステップSd2111で実行されるものであり、図340の役物開閉処理に代えて実行されるものである。図362において図340と同様の処理については同一のステップ番号を付し、その説明を省略又は簡略化する。
先ずステップSd2301では、普電役物63aを開放中であるか否かを判定する。具体的には、駆動部63bの駆動状態に基づいてかかる判定を行う。普電役物63aを開放中でない場合は、ステップSd2302にて開放回数カウンタエリアRC2の値が「0」であるか否かを判定する。
開放回数カウンタエリアRC2の値が「0」でない場合は、ステップSd2303に進み、RAM314の各種カウンタエリア344bに設けられたタイマエリアT2の値が「0」であるか否かを判定する。タイマエリアT2の値が「0」である場合は、ステップSd4101にて、今回の開放における普電役物63aの上限開放時間を設定するための上限開放時間設定処理を実行する。ここで、ステップSd4101の上限開放時間設定処理について図363(a)のフローチャートを参照しながら説明する。
先ずステップSd4201では、現在の遊技状態を把握する。具体的には、RAM314の各種フラグ格納エリア314eにサポートフラグがセットされているかや、セットされている場合はその種別を参照することにより、現在のサポートモードが低頻度サポートモード、第1高頻度サポートモード、第2高頻度サポートモードのいずれであるかを特定する。
ステップSd4202では、ステップSd4201での把握結果が高頻度サポートモード(第1又は第2高頻度サポートモード)であるか否かを判定する。高頻度サポートモードである場合(各種フラグ格納エリア314eにサポートフラグがセットされている状態である場合)は、ステップSd4203に進み、今回の開放における上限開放時間として高頻度サポートモード用の上限開放時間を設定する。
高頻度サポートモードに対応した上限開放時間としては1.5secと2secがあるが(図361)、その振分は、電役サポート用処理(図338)のステップSd2106における普図当たり種別の把握結果に基づいて行う。具体的には、把握した普図当たり種別がサポート当選結果Aであれば上限開放時間を1.5secに設定し、サポート当選結果Bであれば上限開放時間を2secに設定する。ステップSd4203では、上限開放時間に対応する値をRAM314の各種カウンタエリア344bに設けられたタイマエリアT2にセットする。ステップSd4203の実行後は上限開放時間設定処理を終了する。
ステップSd4202で否定判定した場合、すなわち、ステップSd4201での把握結果が低頻度サポートモードである場合(各種フラグ格納エリア314eにサポートフラグがセットされていない状態である場合)は、ステップSd4204に進み、RAM314の各種フラグ格納エリア314eに低サポ移行フラグがセットされているか否かを判定する。
低サポ移行フラグがセットされていない場合は、ステップSd4205に進み、今回の開放における上限開放時間として低頻度サポートモード用の上限開放時間を設定する。具体的には上限開放時間を0.1secに設定する(図313(b))。ステップSd4205の実行後は上限開放時間設定処理を終了する。
ステップSd4204で肯定判定した場合(低サポ移行フラグがセットされている場合)は、開放回数カウンタエリアRC2の値が「1」であるか否かを判定する。開放回数カウンタエリアRC2の値が「1」である場合は、ステップSd4207に進み、上記各種フラグ格納エリア314eにセットされている低サポ移行フラグをクリアする。
ステップSd4207の実行後又はステップSd4206で否定判定した場合(開放回数カウンタエリアRC2の値が「1」でない場合)は、ステップSd4203に進み、今回の開放における上限開放時間として高頻度サポートモード用の上限開放時間を設定する。なお、ステップSd4204~ステップSd4207の処理は上記第4の実施の形態におけるステップSd2213~ステップSd2216(図339(b))と同様のものである。
役物開閉処理(図362)の説明に戻り、ステップSd4101の上限開放時間設定処理を実行した後は、ステップSd2305にて、上記各種カウンタエリア344bに設けられた入賞カウンタエリアPC2に「6」をセットする。この値は、役物開閉遊技における普電役物63a(第2作動口63)への上限入賞個数(6個)に対応するものである。
また、ステップSd2314で否定判定した場合(開放回数カウンタエリアRC2の値が「0」でない場合)は、ステップSd4102にて閉鎖時間設定処理を実行する。閉鎖時間設定処理は、普電役物63aを閉鎖状態として次の開放を待機するインターバル時間(待機時間)を設定するためのものである。ここで、ステップSd4102の閉鎖時間設定処理について図363(b)のフローチャートを参照しながら説明する。
先ずステップSd4301では、現在の遊技状態を把握する。具体的には、上記各種フラグ格納エリア314eにサポートフラグがセットされているかや、セットされている場合はその種別を参照することにより、現在のサポートモードが低頻度サポートモード、第1高頻度サポートモード、第2高頻度サポートモードのいずれであるかを特定する。
ステップSd4302では、ステップSd4301での把握結果が高頻度サポートモード(第1又は第2高頻度サポートモード)であるか否かを判定する。高頻度サポートモードである場合(各種フラグ格納エリア314eにサポートフラグがセットされている状態である場合)は、ステップSd4303に進み、今回の閉鎖時間として高頻度サポートモード用の閉鎖時間(例えば0.3sec)を設定する。詳しくは、当該閉鎖時間に対応する値をRAM314の各種カウンタエリア344bに設けられたタイマエリアT2にセットする。ステップSd4303の実行後は閉鎖時間設定処理を終了する。
ステップSd4302で否定判定した場合、すなわち、ステップSd4301での把握結果が低頻度サポートモードである場合(各種フラグ格納エリア314eにサポートフラグがセットされていない状態である場合)は、ステップSd4304にて、上記各種フラグ格納エリア314eに低サポ移行フラグがセットされているか否かを判定する。低サポ移行フラグがセットされていない場合は、ステップSd4305に進み、今回の閉鎖時間として低頻度サポートモード用の閉鎖時間(例えば1.5sec)を設定する。ステップSd4305の実行後は閉鎖時間設定処理を終了する。
ステップSd4304で肯定判定した場合(低サポ移行フラグがセットされている場合)は、ステップSd4303にて、今回の閉鎖時間として高頻度サポートモード用の閉鎖時間(例えば0.3sec)を設定し、その後、閉鎖時間設定処理を終了する。
役物開閉処理(図362)の説明に戻り、ステップSd4102の閉鎖時間設定処理を実行した後は、ステップSd2316にて、演出制御装置143への送信対象として役物閉鎖コマンドを設定する。役物閉鎖コマンドが送信されることにより、普電役物63aの開放状態から閉鎖状態への切り替えが演出制御装置143に通知される。役物閉鎖コマンドには、ステップSd4102で設定された閉鎖時間を示す情報が含まれる。
<遊技状態の変更に伴う普図側遊技の動作態様の切り替えについて>
普図遊技回及び役物開閉遊技を含む普図側遊技に関して遊技状態の変更に伴う動作態様の切り替えの流れを説明する。なお、普図遊技回及び役物開閉遊技の実行中でない状況でサポートフラグがセットされた場合(図356)や、普図遊技回の実行中にサポートフラグがセットされた場合(図357)の切り替えについては、上記第4の実施の形態と同様であるため、説明を省略する。
先ず、低頻度サポートモードに対応する態様で開始された役物開閉遊技のインターバル(1回目開放と2回目開放との間の閉鎖)中にサポートフラグがセットされた場合の流れについて図364を参照しながら説明する。ここでは、特図遊技回の当否抽選にて特殊外れ結果となり、突然時短遊技状態に移行する場合を例にとって説明する。
通常遊技状態(低頻度サポートモード)中にサポート抽選が行われると、それに基づき普図遊技回が実行される。ここでは、そのサポート抽選の結果がサポート当選となり、普図当たり種別抽選にてサポート当選結果Aが選ばれたものとする。
この際、主制御装置162のRAM314ではサポートフラグがセットされておらず、低頻度サポートモードに対応した内部状態となっているため、上記普図遊技回は低頻度サポートモードに対応した態様で実行される。例えば、変動表示時間として30secが設定され、確定表示時間として2secが設定される(図364(c))。確定表示に際しては普図用表示部44にてサポート当選結果Aに対応する停止結果が停止表示され、図柄表示装置75の普図表示領域Pでは絵柄F1,F2の停止結果として第1停止結果が設定される。
タイミングt1において上記普図遊技回が終了すると、サポート当選となったことに基づいて普電役物63aによる役物開閉遊技が実行される。役物開閉遊技でのオープニングは、その役物開閉遊技の契機となったサポート抽選が低頻度サポートモードの下で行われたことに基づき、低頻度サポートモードに対応した態様で実行される(図364(d))。具体的には、普電役物63aを閉鎖状態として例えば5secに亘りオープニングが実行される。
タイミングt2においてオープニングが終了すると、今回の役物開閉遊技における1回目開放の開放態様が設定される。この際、RAM314の各種フラグ格納エリア314eが参照され、サポートフラグがセットされているか否かが把握される。そして、その把握結果に基づいて当該1回目開放の開放態様が設定される。この時点ではサポートフラグがセットされていないため、上記開放態様として低頻度サポートモードに対応した態様が設定される。具体的には1回目開放の上限開放時間として例えば0.1secが設定される。
タイミングt3において1回目開放が終了すると、今回の役物開閉遊技におけるインターバル(1回目開放と2回目開放との間の閉鎖)の態様が設定される。このときもRAM314の各種フラグ格納エリア314eが参照され、サポートフラグがセットされているか否かが把握される。そして、その把握結果に基づいて上記インターバルの態様が設定される。この時点ではサポートフラグがセットされていないため、上記インターバルの態様として低頻度サポートモードに対応した態様が設定される。具体的には閉鎖期間として例えば1.5secが設定される。
インターバル中であるタイミングt4において、特図当否抽選の結果が特殊外れ結果になった特図遊技回の確定表示の開始タイミングになると、主制御装置162のRAM314にサポートフラグがセットされる(図364(b))。
その後、タイミングt5においてインターバルが終了すると、今回の役物開閉遊技における2回目開放の開放態様が設定される。このときもRAM314の各種フラグ格納エリア314eが参照され、サポートフラグがセットされているか否かが把握される。そして、その把握結果に基づいて2回目開放の開放態様が設定される。この時点ではサポートフラグがセットされているため、上記開放態様として高頻度サポートモードに対応した態様が設定される。
高頻度サポートモードに対応した態様としては第1高入賞役物開閉遊技(図361(a))と第2高入賞役物開閉遊技(図361(b))とが設けられているところ、上記設定に際しては、上記普図遊技回の開始時に行われた普図当たり種別抽選の結果が参照され、その結果に基づいて上記各開閉遊技のうちのいずれを設定するかが選択される。ここでは、上記普図当たり種別抽選にてサポート当選結果Aが選ばれているため、今回の開放(2回目開放)に関する上限開放時間として第1高入賞役物開閉遊技における2回目開放の上限開放時間(例えば1.5sec)が設定される。
このように1回目開放の終了後、インターバルの途中でサポートフラグがセットされた場合は、2回目開放の開始に合わせて低頻度サポートモードに対応した態様から高頻度サポートモードに対応した態様への切り替えが行われる(図364(g))。
タイミングt6において今回の役物開閉遊技における2回目開放が終了すると、エンディングが実行される。このエンディングは高頻度サポートモードに対応した態様で実行され、例えば0.1secに亘って継続される。なお、2回目開放が終了する前に第2作動口63への遊技球の入賞個数が上限入賞個数に達した場合は、その時点で普電役物63aが閉鎖状態とされ、上記エンディングが実行される。
普図遊技回の確定表示期間にて停止表示された普図用表示部44の停止結果及び普図表示領域Pの停止結果は、役物開閉遊技の実行中も表示され続ける。役物開閉遊技の途中で高頻度サポートモードに対応した態様の動作に切り替えられるが、それら各停止結果は変更されず、当該切り替えの前から表示されていた停止結果がそのまま継続して表示される。
次に、低頻度サポートモードに対応する態様で開始された役物開閉遊技の1回目開放中である状況でサポートフラグがセットされた場合の流れについて図365を参照しながら説明する。
通常遊技状態(低頻度サポートモード)中にサポート抽選が行われると、それに基づき普図遊技回が実行される。ここでは、そのサポート抽選の結果がサポート当選となり、普図当たり種別抽選にてサポート当選結果Bが選ばれたものとする。この際、主制御装置162のRAM314ではサポートフラグがセットされていない状態となっているため、上記普図遊技回は低頻度サポートモードに対応した態様で実行される。例えば、変動表示時間として30secが設定され、確定表示時間として2secが設定される(図365(c))。
タイミングt1において上記普図遊技回が終了すると、サポート当選となったことに基づいて普電役物63aによる役物開閉遊技が実行される。役物開閉遊技でのオープニングは、その役物開閉遊技の契機となったサポート抽選が低頻度サポートモードの下で行われたことに基づき、低頻度サポートモードに対応した態様で実行される(図365(d))。
タイミングt2においてオープニングが終了すると、今回の役物開閉遊技における1回目開放の開放態様が設定される。この際、RAM314の各種フラグ格納エリア314eにサポートフラグがセットされているか否かが参照されるが、この時点ではサポートフラグがセットされていないため、上記開放態様として低頻度サポートモードに対応した態様(例えば0.1secの上限開放時間)が設定される。
その1回目開放の途中であるタイミングt3において、特図当否抽選の結果が特殊外れ結果になった特図遊技回の確定表示の開始タイミングになると、主制御装置162のRAM314にサポートフラグがセットされる(図365(b))。
その後、タイミングt4において1回目開放が終了すると、今回の役物開閉遊技におけるインターバルが設定される。この際、RAM314の各種フラグ格納エリア314eが参照され、サポートフラグがセットされているか否かが把握される。この場合、サポートフラグがセットされているため、上記インターバルの態様として高頻度サポートモードに対応した態様(例えば0.3secの閉鎖期間)が設定される。
このように1回目開放の途中でサポートフラグがセットされた場合は、インターバルの開始に合わせて低頻度サポートモードに対応した態様から高頻度サポートモードに対応した態様への切り替えが行われる(図365(g))。その後の流れは、図364のタイミングt5以降と同様であるため、説明を省略する。
ちなみに、2回目開放やエンディングの途中でサポートフラグがセットされた場合は、その役物開閉遊技の終了後に行われる次の普図遊技回の開始に合わせて低頻度サポートモードに対応した態様から高頻度サポートモードに対応した態様への切り替えが行われる。
以上詳述した本変形例によれば、以下の優れた効果を奏することができる。
普図遊技回及び役物開閉遊技を含む普図側遊技について、低頻度サポートモードに対応した態様から高頻度サポートモードに対応した態様への切り替えを実行可能なタイミングとして、役物開閉遊技における2回目開放の開始タイミングを設ける構成とした。この場合、役物開閉遊技の途中でサポートフラグがセットされた場合に、次の普図遊技回の開始を待つことなく、実行中の役物開閉遊技にて高頻度サポートモードに対応した態様への切り替えを行うことができる。よって、第2作動口63への入賞が発生しやすい普電役物63aの開放動作を早く発動させることが可能になる。
上記切り替えを実行可能なタイミングとして1回目開放の直後におけるインターバルの開始タイミングを設ける構成とした。この場合、1回目開放の実行中にサポートフラグがセットされた場合に、2回目開放の開始を待つことなく、インターバルの開始タイミングから高頻度サポートモードに対応した態様への切り替えを行うことができる。役物開閉遊技において、高頻度サポートモード用のインターバル(例えば0.3sec)が低頻度サポートモード用のインターバル(例えば1.5sec)よりも短い構成であれば、高頻度サポートモードに対応した態様の2回目開放を早く到来させることに繋がり、第2作動口63への入賞が発生しやすい普電役物63aの開放動作をより早く発動させることが可能になる。
<変形例2>
上記第4の実施の形態の変形例2について図366~図369を参照しながら説明する。これらの図において第4の実施の形態や変形例1と同様の構成については同一の符号を付し、その説明を省略する。
本変形例では、役物開閉遊技の途中でサポートフラグがセットされた場合に普電役物63aの開放回数を変更可能に構成されている。以下、本変形例の構成について詳細に説明する。
本変形例に係る高入賞役物開閉遊技について図366を参照しながら説明する。本変形例に係る第2高入賞役物開閉遊技は、普電役物63aの開放回数が3回に設定された上で、0.1secのオープニングと、2secの1回目開放と、0.3secの1回目閉鎖と、2secの2回目開放と、0.3secの2回目閉鎖と、2secの3回目開放と、0.1secのエンディングとが順に行われるように構成されている。なお、第1高入賞役物開閉遊技については上記変形例1と同様の構成となっている。
<役物開閉処理>
本変形例に係る役物開閉処理について図367のフローチャートを参照しながら説明する。この処理は、主制御装置162による電役サポート用処理(図338)のステップSd2111で実行されるものであり、図362の役物開閉処理に代えて実行されるものである。図367において図362と同様の処理については同一のステップ番号を付し、その説明を省略又は簡略化する。
先ずステップSd2301では、普電役物63aを開放中であるか否かを判定する。具体的には、駆動部63bの駆動状態に基づいてかかる判定を行う。普電役物63aを開放中でない場合は、ステップSd2302にて開放回数カウンタエリアRC2の値が「0」であるか否かを判定する。
開放回数カウンタエリアRC2の値が「0」でない場合は、ステップSd2303に進み、RAM314の各種カウンタエリア344bに設けられたタイマエリアT2の値が「0」であるか否かを判定する。タイマエリアT2の値が「0」である場合は、ステップSd5101にて、普電役物63aの開放回数を変更するための開放回数変更処理を実行する。ここで、ステップSd5101の開放回数変更処理について図368のフローチャートを参照しながら説明する。
先ずステップSd5201では、今回の開放が1回目開放であるか否かを判定する。1回目開放でない場合は、ステップSd5202にて現在の遊技状態を把握する。具体的には、上記各種フラグ格納エリア314eにサポートフラグがセットされているかや、セットされている場合はその種別を参照することにより、現在のサポートモードが低頻度サポートモード、第1高頻度サポートモード、第2高頻度サポートモードのいずれであるかを特定する。
ステップSd5203では、前回の開放が低頻度サポートモードに対応する態様で実行されたか否かを判定する。例えば、今回の開放が2回目開放である場合は、その役物開閉遊技における1回目開放が低頻度サポートモードに対応する態様で実行されたか否かを判定する。
前回の開放が低頻度サポートモードに対応する態様で実行された場合は、ステップSd5204に進み、ステップSd5202での把握結果が高頻度サポートモード(第1又は第2高頻度サポートモード)であるか否かを判定する。高頻度サポートモードである場合(各種フラグ格納エリア314eにサポートフラグがセットされている状態である場合)は、役物開閉遊技の開始から今回開放の開始までの間においてサポートフラグの非セット状態からセット状態への変化が生じたことを意味する。この場合はステップSd5205に進み、残り開放回数を変更するための処理を実行する。
ステップSd5205の処理では、今回の役物開閉遊技の契機となった普図遊技回の開始時に抽選された普図当たり種別の結果を参照する。そして、今回の開放が2回目開放である場合において、抽選された普図当たり種別がサポート当選結果Bである場合は、残り開放回数を1加算するように開放回数カウンタエリアRC2の値を変更する。これにより、今回の役物開閉遊技における普電役物63aの開放回数が高頻度サポートモード用の第2高入賞役物開閉遊技に対応した3回に変更される。
なお、抽選された普図当たり種別がサポート当選結果Aである場合は、第1高入賞役物開閉遊技と低入賞役物開閉遊技の開放回数が等しいことから、残り開放回数の加算処理は実行されない。
ステップSd5205の実行後は開放回数変更処理を終了する。また、ステップSd5201で肯定判定した場合(1回目開放である場合)は、ステップSd2107(図338)で設定された結果に基づいて1回目開放を実行するとして、ステップSd5202以降の処理を実行することなく開放回数変更処理を終了する。また、ステップSd5203で否定判定した場合(前回開放が低頻度サポートモードに対応した態様で実行されていない場合)又はステップSd5204で否定判定した場合(高頻度サポートモードでない場合)は、サポートフラグの非セット状態からセット状態への変化が生じていないとして、ステップSd5205の処理を実行することなく開放回数変更処理を終了する。
ステップSd5101の開放回数変更処理を実行した後は、ステップSd4101に進み、上限開放時間設定処理を実行する。
<遊技状態の変更に伴う普図側遊技の動作態様の切り替えについて>
普図遊技回及び役物開閉遊技を含む普図側遊技に関して遊技状態の変更に伴う動作態様の切り替えの流れを説明する。低頻度サポートモードに対応する態様で開始された役物開閉遊技の1回目開放中である状況でサポートフラグがセットされた場合の流れについて図369を参照しながら説明する。
通常遊技状態(低頻度サポートモード)中にサポート抽選が行われると、それに基づき普図遊技回が実行される。ここでは、そのサポート抽選の結果がサポート当選となり、普図当たり種別抽選にてサポート当選結果Bが選ばれたものとする。この際、主制御装置162のRAM314ではサポートフラグがセットされていない状態となっているため、上記普図遊技回は低頻度サポートモードに対応した態様で実行される。例えば、変動表示時間として30secが設定され、確定表示時間として2secが設定される(図369(c))。
タイミングt1において上記普図遊技回が終了すると、サポート当選となったことに基づいて普電役物63aによる役物開閉遊技が実行される。役物開閉遊技でのオープニングは、その役物開閉遊技の契機となったサポート抽選が低頻度サポートモードの下で行われたことに基づき、低頻度サポートモードに対応した低入賞役物開閉遊技(図313(b))にて実行される(図369(d))。この際、普電役物63aの開放回数が設定されるが、低入賞役物開閉遊技での開放回数は2回となっているため、今回の役物開閉遊技での開放回数として2回が設定される。
タイミングt2においてオープニングが終了すると、今回の役物開閉遊技における1回目開放の開放態様が設定される。この際、RAM314の各種フラグ格納エリア314eにサポートフラグがセットされているか否かが参照されるが、この時点ではサポートフラグがセットされていないため、上記開放態様として低頻度サポートモードに対応した態様(例えば0.1secの上限開放時間)が設定される。
その1回目開放の途中であるタイミングt3において、特図当否抽選の結果が特殊外れ結果になった特図遊技回の確定表示の開始タイミングになると、主制御装置162のRAM314にサポートフラグがセットされる(図369(b))。
その後、タイミングt4において1回目開放が終了すると、今回の役物開閉遊技におけるインターバルが設定される。この際、サポートフラグがセットされた状態となっているため、上記インターバルの態様として高頻度サポートモードに対応した態様(例えば0.3secの閉鎖期間)が設定される。
その後、タイミングt5においてインターバルが終了すると、今回の役物開閉遊技における2回目開放の開放態様が設定される。この際、RAM314の各種フラグ格納エリア314eが参照され、サポートフラグがセットされているか否かが把握される。そして、その把握結果に基づいて2回目開放の開放態様が設定される。この時点ではサポートフラグがセットされているため、上記開放態様として高頻度サポートモードに対応した態様が設定される。
高頻度サポートモードに対応した態様としては第1高入賞役物開閉遊技(図361(a))と第2高入賞役物開閉遊技(図366)とが設けられているところ、上記設定に際しては、上記普図遊技回の開始時に行われた普図当たり種別抽選の結果が参照され、その結果に基づいて上記各開閉遊技のうちのいずれを設定するかが選択される。ここでは、上記普図当たり種別抽選にてサポート当選結果Bが選ばれているため、今回の開放(2回目開放)に関する上限開放時間として第2高入賞役物開閉遊技における2回目開放の上限開放時間(例えば2sec)が設定される。
また、第2高入賞役物開閉遊技での開放回数は3回となっており、タイミングt1で設定された低入賞役物開閉遊技用の開放回数(2回)よりも多いため、その差分(1回)が残り開放回数に追加される。これにより、今回の役物開閉遊技における普電役物63aの開放回数が3回に増加される。
タイミングt6において今回の役物開閉遊技における3回目開放が終了すると、エンディングが実行される。このエンディングは高頻度サポートモードに対応した態様で実行され、例えば0.1secに亘って継続される。なお、3回目開放が終了する前に第2作動口63への遊技球の入賞個数が上限入賞個数に達した場合は、その時点で普電役物63aが閉鎖状態とされ、上記エンディングが実行される。
上記説明では、役物開閉遊技の1回目開放中にサポートフラグがセットされた場合を例示したが、1回目開放と2回目開放との間のインターバル中にサポートフラグがセットされた場合についても、普図当たり種別抽選の結果がサポート当選結果Bであれば、残り開放回数の追加が行われる。その際、上記インターバルについては低頻度サポートモードに対応した態様(例えば1.5sec)で実行される。
以上詳述した本変形例によれば、以下の優れた効果を奏することができる。
役物開閉遊技の残り開放回数(上限開放回数)をその役物開閉遊技の途中で変更し得る構成とした。この構成によれば、役物開閉遊技の実行中にサポートフラグがセットされ、その役物開閉遊技の途中で低頻度サポートモードに対応した態様から高頻度サポートモードに対応した態様への切り替えが行われる場合において、低頻度サポートモード用の開放回数が高頻度サポートモード用の開放回数よりも少ない場合に、その不足分を事後的に追加することができる。これにより、高頻度サポートモードに対応した態様への切り替え後、普電役物63aの開放回数が少なく留まることが抑制され、開放回数の面でも高頻度サポートモードの恩恵を遊技者が早く受けられる構成とすることができる。
<その他の変形例>
なお、上述した第4の実施の形態や各変形例の記載内容に限定されず例えば次のように実施してもよい。ちなみに、以下の各構成を個別に上記第4の実施の形態や各変形例に対して適用してもよく、一部又は全部を組み合わせて上記第4の実施の形態や各変形例に対して適用してもよい。また、上記第4の実施の形態や各変形例に示した各種構成の全て又は一部を任意に組み合わせることも可能である。この場合、組み合わせの対象となる各構成の技術的意義(発揮される効果)が担保されることが好ましい。
また、理解の容易のため、例えば「第4の実施の形態の変形例1では」などとし、前提構成として一部の実施例を特定するものがあるが、以下の各構成は、特定した前提構成(実施例)に限定して適用されるものではなく、他の実施の形態や変形例に対しても適用することが可能である。
(1)上記第4の実施の形態や各変形例では、特図当否抽選の結果の一部として特殊外れ結果が設けられる構成としたが、特図当否抽選では大当たり結果であるか、それとも外れ結果であるかを抽選し、その結果が外れ結果となった場合に別抽選(外れ結果の種別抽選)にて特殊外れ結果であるか否かを抽選する構成としてもよい。この場合の別抽選は、大当たり種別カウンタC2や変動種別カウンタCS等の他の既存の乱数値を利用して行われてもよいし、外れ結果の種別を抽選するための専用乱数を用いて行われてもよい。
また、外れ結果の種別抽選に代えて突然時短遊技状態への移行条件を成立させるか否かの移行抽選が行われる構成としてもよい。この場合の抽選は、大当たり種別カウンタC2や変動種別カウンタCS等の他の既存の乱数値を利用して行われてもよいし、移行条件の成立有無を抽選するための専用乱数を用いて行われてもよい。
(2)上記第4の実施の形態や各変形例では、特殊外れ結果への当選に対応した報知が図柄表示装置75にて実行される構成としたが、他の報知部にて実行される構成としてもよい。また、画像表示による報知に限らず、LED等の発光手段を用いて報知してもよいし、可動演出用の装飾可動体(可動役物)を所定の動作態様で動作させることにより報知してもよい。また、上記各報知は、必ずしも視覚的な報知である必要はなく、スピーカ部29からの音声による聴覚的な報知であってもよい。このことは、時短回数の残り回数の報知や、図柄表示装置75の普図表示領域Pに停止表示される各種停止結果、発光部752,761での特別発光演出等についても同様である。
(3)上記第4の実施の形態や各変形例では、特殊外れ結果に対応した報知として特殊リーチ演出が実行される構成としたが、リーチ演出を伴わない遊技回用演出により特殊外れ結果に対応した報知が行われてもよい。また、図柄列Z1~Z3を用いた報知でなくてもよく、例えば、図柄表示装置75に所定キャラクタ等の所定絵柄が表示されることにより、特殊外れ結果に対応した報知が行われてもよい。
また、特図用表示部43に変動表示される特図絵柄と完全同期するものであって、図柄列Z1~Z3の各図柄よりも小サイズで表示される図柄(いわゆる第4図柄)が図柄表示装置75に表示されるパチンコ機にあっては、その第4図柄が通常態様とは異なる特定態様で表示されることにより特殊外れ結果に対応した報知が行われてもよい。また、停止表示される上記第4図柄の態様と、停止表示される図柄列Z1~Z3の少なくとも一部の図柄列との組合せにより特殊外れ結果に対応した報知が行われてもよい。
なお、特殊外れ結果に対応した報知は、特図遊技回の全般で行われてもよいし、特図遊技回における一部の期間にて行われてもよい。ちなみに、上記第4の実施の形態や各変形例で例示した特殊リーチ演出は、特図遊技回の開始時には特殊外れ結果であるか否かを遊技者が判別できず、特図遊技回の終盤で特殊外れ結果であることを遊技者が判別できる構成としているため、特図遊技回における一部の期間で特殊外れ結果に対応した報知を実行するものといえる。
(4)上記第4の実施の形態や各変形例では、突然時短遊技状態への移行(サポートフラグのセット処理)が特殊外れ結果となった特図遊技回における確定表示の開始タイミングにて実行される構成としたが、確定表示の開始後に実行される構成としてもよい。具体的には、特殊外れ結果となった特図遊技回における確定表示の途中タイミングや確定表示の終了タイミング、次の特図遊技回の開始タイミングにて突然時短遊技状態への移行が実行されてもよい。
(5)上記第4の実施の形態や各変形例では、特殊外れ結果になったことを契機として突然時短遊技状態に移行する構成としたが、他の事象を契機として当該時短遊技状態に移行する構成としてもよい。例えば、遊技領域PEや所定入球部の内部に設けられた特定の入球部や特定の通過部に遊技球が入球又は通過することに基づいて上記時短遊技状態への移行が行われる構成としてもよい。
これらの場合、サポートフラグのセットは、特定の入球部に遊技球が入球したタイミングや特定の通過部を遊技球が通過したタイミングにて行われる。また、サポートフラグのセットに代えて上記入球に対応した入球フラグや上記通過に対応した通過フラグがセットされる構成としてもよい。この場合、入球フラグや通過フラグがセットされた後、それらのフラグがセットされていることに基づいて高頻度サポートモードに対応した態様への切り替えが行われる構成とすればよい。
なお、特定の入球部について、開閉機構(開閉体等)を備えず、常時開放しているタイプの入球部としてもよいし、開閉機構を備え、遊技球が入球可能又は入球しやすい開状態と、遊技球が入球不可又は開状態よりも入球しにくい閉状態とに切り替わり可能な可変タイプの入球部としてもよい。また、上記所定入球部についても、開閉機構を備えず、常時開放しているタイプの入球部としてもよいし、開閉機構を備え、開状態と閉状態とに切り替わり可能な可変タイプの入球部としてもよい。これらの際、特定の入球部又は所定入球部としての可変タイプの入球部は、普電役物63aであってもよいし、可変入賞装置65であってもよいし、それらとは別の入球部であってもよい。
また、特定の入球部や通過部が所定入球部内に設けられる構成では、当該所定入球部内に特定の入球部や通過部のみが設けられ、所定入球部に入球した遊技球が特定の入球部や通過部に必ず入球又は通過する構成としてもよいし、所定入球部内に特定の入球部や通過部とは異なる1又は複数の他の入球部や通過部が設けられ、所定入球部に入球した遊技球が振り分けられることにより、所定入球部に入球した遊技球が特定の入球部に入球しなかったり、特定の通過部を通過しなかったりする場合が生じる構成としてもよい。後者の構成では、所定入球部に入球した遊技球が特定の入球部に入球したり、特定の通過部を通過したりすることにより、時短遊技状態への移行契機が成立する一方で、所定入球部に入球した遊技球が上記他の入球部に入球したり、他の通過部を通過したりしても、時短遊技状態への移行契機が成立しない構成とすることができる。
(6)上記第4の実施の形態や各変形例では、突然時短遊技状態及び通常時短遊技状態を備える構成としたが、突然時短遊技状態を備えずに通常時短遊技状態を備える構成としてもよいし、通常時短遊技状態を備えずに突然時短遊技状態を備える構成としてもよい。また、突然時短遊技状態及び通常時短遊技状態の少なくとも一方を備えつつ、高確遊技状態を備えない構成としてもよい。
(7)上記第4の実施の形態や各変形例では、RAM314の各種フラグ格納エリア314eに各種サポートフラグがセットされた場合に高頻度サポートモード(時短遊技状態)に移行し、各種フラグ格納エリア314eから各種サポートフラグが消去された場合に高頻度サポートモードが終了する構成としたが、各種フラグ格納エリア314eに設けられた特定の記憶領域に第1の値に対応する情報(例えば、サポート中フラグ)が記憶された場合に高頻度サポートモードに移行し、上記特定の記憶領域に第1の値とは異なる第2の値に対応する情報(例えば、非サポート中フラグ)が記憶された場合に高頻度サポートモードが終了する構成としてもよい。すなわち、高頻度サポートモード中であることに対応した情報と、高頻度サポートモード中でないことに対応した情報とが設けられ、いずれの情報が記憶(セット)されるかにより、高頻度サポートモードへの移行や高頻度サポートモードの終了が制御される構成としてもよい。
また、上記特定の記憶領域とは異なる記憶領域に上記第1の値と同一又は異なる第2の値に対応する情報が記憶された場合に高頻度サポートモードが終了する構成としてもよい。すなわち、高頻度サポートモード中であることに対応した記憶領域と、高頻度サポートモード中でないことに対応した記憶領域とが設けられ、いずれの記憶領域に情報が記憶(セット)されるかにより、高頻度サポートモードへの移行や高頻度サポートモードの終了が制御される構成としてもよい。
(8)上記第4の実施の形態や各変形例では、時短遊技状態の終了(サポートフラグのクリア処理)が最終遊技回の確定表示の開始タイミングにて実行される構成としたが、確定表示の開始後に実行される構成としてもよい。具体的には、最終遊技回における確定表示の途中タイミングや確定表示の終了タイミング、次の特図遊技回の開始タイミングにて時短遊技状態の終了が実行されてもよい。
(9)上記第4の実施の形態や各変形例では、時短遊技状態に移行してからの特図遊技回の回数が上限回数に達することで時短遊技状態の終了(サポートフラグのクリア処理)が行われる構成としたが、これに代えて又は加えて、時短遊技状態への移行後、特図当否抽選にて小当たり結果となった回数が予め定められた特定回数(例えば5回)に達することで時短遊技状態の終了が行われる構成としてもよい。なお、特図遊技回の回数が上限回数に達することと、小当たり結果の回数が特定回数に達することとの両方の条件を備える場合は、それら条件の一方が成立したら時短遊技状態の終了が行われる構成としてもよいし、それら条件の両方が成立したら時短遊技状態の終了が行われる構成としてもよい。
ちなみに、特図当否抽選の結果が小当たり結果となった場合には、可変入賞装置が開閉される小当たり遊技(小当たり結果を契機とする開閉実行モード)が実行される。この小当たり遊技は、大当たり遊技(大当たり結果を契機とする開閉実行モード)よりも遊技者に不利な態様で実行される。例えば、可変入賞装置への上限入賞個数が大当たり遊技よりも少なく設定されたり、1開放当たりの上限開放時間が大当たり遊技での1ラウンド遊技又は1開放当たりの上限開放時間よりも短く設定されたりすることで、大当たり遊技よりも少ない期待獲得球数となる態様で実行される。
また、上記に代えて又は加えて、時短遊技状態に移行してからの普図遊技回の回数が予め定められた特定回数(例えば100回)に達することで時短遊技状態の終了が行われる構成としてもよい。この場合、サポート抽選の結果が当たり結果となった普図遊技回の回数が特定回数に達することで時短遊技状態が終了してもよいし、サポート抽選の結果が外れ結果となった普図遊技回の回数が特定回数に達することで時短遊技状態が終了してもよいし、サポート抽選の結果にかかわらず普図遊技回の回数が特定回数に達することで時短遊技状態が終了してもよい。なお、特図遊技回の回数が上限回数に達することや小当たり結果の回数が特定回数に達することと併せて、普図遊技回の回数が特定回数に達することを時短遊技状態の終了条件として備える場合は、それらの条件のいずれか1つが成立したら時短遊技状態の終了が行われる構成としてもよいし、それらの条件の全てが成立したら時短遊技状態の終了が行われる構成としてもよい。
(10)上記第4の実施の形態や各変形例では、時短遊技状態への移行時にサポートカウンタエリアSCに上限回数に対応した値をセットし、特図遊技回が行われるごとにその値を1ずつ減算することで、時短遊技状態の残り回数を更新する構成としたが、時短遊技状態への移行時にサポートカウンタエリアSCへの上限回数に対応した値をセットせず、特図遊技回が行われるごとにサポートカウンタエリアSCの値を1ずつ加算することで、時短遊技状態において実行された特図遊技回の回数を更新する構成としてもよい。この場合、その更新されたカウンタ値が上限回数に達した場合に時短遊技状態を終了させる構成とすればよい。
(11)上記第4の実施の形態や各変形例では、普図遊技回の実行中にサポートフラグがセットされた場合に、その普図遊技回に対応して行われる役物開閉遊技の1回目開放の開始時に高頻度サポートモードに対応した態様への切り替えが行われる構成としたが、上記役物開閉遊技のオープニングの開始時に上記切り替えが行われる構成としてもよい。すなわち、当該オープニングが高頻度サポートモード用の短い態様(例えば0.1sec)で行われ、低頻度サポートモードの場合よりも早くオープニングが終了する構成としてもよい。なお、低頻度サポートモードに対応したオープニングの実行中にサポートフラグがセットされた場合は、1回目開放の開始時に高頻度サポートモードに対応した態様への切り替えが行われる。
また、普図遊技回の変動表示中にサポートフラグがセットされた場合に、その普図遊技回の確定表示の開始時に高頻度サポートモードに対応した態様への切り替えが行われる構成としてもよい。すなわち、当該確定表示が高頻度サポートモード用の短い態様(0.2sec)で行われる構成としてもよい。なお、確定表示の実行中にサポートフラグがセットされた場合は、オープニングや1回目開放の開始時に高頻度サポートモードに対応した態様への切り替えが行われる。
また、役物開閉遊技の最終開放(上限開放回数が2回の場合は2回目開放)の実行中にサポートフラグがセットされた場合に、その役物開閉遊技におけるエンディングの開始時に高頻度サポートモードに対応した態様への切り替えが行われる構成としてもよい。すなわち、当該エンディングが高頻度サポートモード用の短い態様(0.1sec)で行われる構成としてもよい。
(12)上記第4の実施の形態や各変形例では、高頻度サポートモードに対応した態様への切り替えタイミングとして普図遊技回の開始タイミングを備える構成としたが、これを備えない構成としてもよい。すなわち、第4の実施の形態であれば、上記切り替えタイミングとして1回目開放の開始タイミングのみを備え、変形例1であれば、上記切り替えタイミングとして1回目開放の開始タイミング、インターバルの開始タイミング、2回目開放の開始タイミングを備える構成としてもよい。
(13)上記第4の実施の形態や各変形例では、普図遊技回の実行中にサポートフラグがクリアされた場合に、その普図遊技回に対応して行われる役物開閉遊技が終了してから低頻度サポートモードに対応した態様への切り替えを行う構成としたが、上記役物開閉遊技の1回目開放の開始タイミングやオープニングの開始タイミング、普図遊技回の確定表示の開始タイミングにて上記切り替えを行う構成としてもよい。
また、普図遊技回の実行中にサポートフラグがセットされた場合に、その普図遊技回に対応して行われる役物開閉遊技が終了してから高頻度サポートモードに対応した態様への切り替えを行う構成としてもよい。
(14)上記第4の実施の形態や各変形例では、特殊外れ結果になったことを契機として、時短遊技状態に移行する構成としたが、高確遊技状態に移行する構成としてもよい。この場合、高確遊技状態でのサポートモードは高頻度サポートモードであってもよいし、低頻度サポートモードであってもよい。
(15)上記第4の実施の形態や各変形例において、当否抽選とは別に特殊抽選が行われる構成とした上で、通常遊技状態のほか、特殊外れ結果への当選を契機として移行する特殊遊技状態を有し、上記特殊抽選での当選確率や実行確率等について通常遊技状態よりも特殊遊技状態が優遇される構成としてもよい。特殊抽選の実行契機としては、例えば、特図当否抽選や普図当否抽選の結果が特定の外れ結果(特殊外れ結果とは異なる外れ結果)等になることなどが考えられる。このような構成において、特殊遊技状態に対応した内部状態(特殊遊技状態用フラグのセット状態)に移行した場合の特殊抽選の態様を切り替えるタイミングについて上記第4の実施の形態や各変形例の構成を適用してもよい。この場合、特殊遊技状態が「特定遊技状態」に相当し、特殊抽選が「特定制御」に相当する。
なお、特殊抽選の一例としてはポイント抽選が考えられる。当該ポイント抽選にて付与されたポイントやその合計数により時短遊技状態や高確遊技状態、開閉実行モード、役物開閉遊技に移行したりする構成としてもよい。また、特殊な演出(例えばキャラクタの衣装等)が解放されたり、パチンコ機10に関する開発秘話が表示されたりしてもよい。また、遊技領域PEや所定入球部の内部に設けられた特定の入球部や特定の通過部に遊技球が入球又は通過することに基づいてポイント抽選が行われてもよい。
(16)上記第4の実施の形態や各変形例において、低頻度サポートモードである状況でサポート当選結果になった場合に外れ結果になった場合よりも短い変動表示時間(例えば5sec)が選ばれる、又は、外れ結果になった場合よりも短い変動表示時間が選ばれやすい構成としてもよい。このような構成とすることで、外れ時の変動表示時間が長いことで、単位時間当たりのサポート抽選の実行頻度を少なく抑えて第2作動口63への入賞が発生しにくい状態を担保しつつも、当たり時の変動表示時間が短いことで、普図遊技回の実行中にサポートフラグがセットされ、高頻度サポートモード用の1回目開放が行われる場合には、その1回目開放を早く到来させることができる。これにより、高頻度サポートモードに対応した態様の開放動作をより早く発動させることが可能になる。
(17)上記第4の実施の形態や各変形例では、低頻度サポートモード用の役物開閉遊技として1種類の低入賞役物開閉遊技を備える構成としたが、態様の異なる複数種類の低入賞役物開閉遊技を備える構成としてもよい。例えば、1回開放の低入賞役物開閉遊技と、複数回開放の低入賞役物開閉遊技とを備える構成としてもよい。
(18)上記第4の実施の形態や各変形例では、役物開閉遊技の態様と、普図用表示部44に停止表示されるサポート当選結果用の停止結果の種類とが1対1で対応する構成としたが、1対複数で対応する構成としてもよい。すなわち、役物開閉遊技の1の態様に対して複数の停止結果が対応する構成であってもよい。
(19)上記第4の実施の形態や各変形例では、普図当たり種別の抽選結果(普図用の停止結果の抽選結果)に基づいて役物開閉遊技の態様を選択する構成としたが、普図当たり種別の抽選とは別に、役物開閉遊技の態様を選択するための特定抽選を行い、その結果に基づいて役物開閉遊技の態様を選択する構成としてもよい。低頻度サポートモード用の普図遊技回の実行中にサポートフラグがセットされ、高頻度サポートモード用の1回目開放が実行される場合は、サポートフラグがセットされる前に行われた上記特定抽選の結果を活用し、上記高頻度サポートモード用の1回目開放の態様を設定する構成とするとよい。
(20)上記第4の実施の形態や各変形例において、低頻度サポートモード用の普図遊技回の実行中にサポートフラグがセットされ、高頻度サポートモード用の1回目開放が実行される場合に、普図当たり種別の抽選を再実行し、その結果に基づいて1回目開放の態様を設定する構成としてもよい。上記再実行の抽選は、サポートフラグがセットされてから1回目開放が実行されるまでのいずれかのタイミングで実行されればよい。また、再実行の抽選は、普図当たり種別の抽選とは異なる抽選(1回目開放の態様を選択するための専用抽選)であってもよい。
(21)上記第4の実施の形態や各変形例では、普図表示領域Pに停止表示される停止結果について、通常遊技状態での普図変動表示中にサポートフラグがセットされた場合に、時短遊技状態に対応した態様の停止結果を表示する構成としたが、これに代えて又は加えて、普図変動表示中にサポートフラグがセットされた場合に、当該フラグがセットされない場合には表示されない特定画像が表示される構成としてもよい。例えば、通常遊技状態での普図変動表示にサポートフラグがセットされた場合にはハート画像が表示される一方で、サポートフラグがセットされない場合には当該画像が表示されない構成としてもよい。この場合、当該画像の有無により遊技者が状態変化を推測することが可能になる。
上記の際、特定画像は、停止結果が表示される図柄表示装置75の表示画面Gに表示される構成とするとよい。このような構成とすることで、注目箇所の集約化が図られ、遊技者が大きく視線移動しなくても停止結果と特定画像の両方を視認することが可能になる。このような意味では、表示画面G上でも普図表示領域P内又はその周辺部に上記特定画像を表示する構成とすることが好ましい。
また、上記特定画像は、サポートフラグがセットされてからその普図遊技回が終了するまでのいずれかのタイミングで表示することができる。但し、変動表示中に表示すると、遊技者が予告演出(その遊技回における当たりの期待度を示唆する演出)と誤認する懸念があるため、停止結果の表示開始以後に表示することが好ましい。
(22)上記第4の実施の形態や各変形例では、普図表示領域Pに停止表示される停止結果の種別(絵柄F1,F2の第1停止結果~第3停止結果)が役物開閉遊技の態様に対応する構成としたが、遊技状態に対応する構成としてもよい。すなわち、役物開閉遊技の態様にかかわらず、通常遊技状態(低頻度サポートモード)用に設定されたサポート当選の停止結果と、時短遊技状態(高頻度サポートモード)用に設定されたサポート当選の停止結果とを備える構成としてもよい。
(23)上記第4の実施の形態や各変形例において、普図表示領域Pに停止表示される外れ結果用の停止結果に関し、通常遊技状態(低頻度サポートモード)用の停止結果(第4停止結果)と、時短遊技状態(高頻度サポートモード)用の停止結果(第4停止結果とは異なる第5停止結果)とを有し、外れ結果である普図遊技回の実行中にサポートフラグがセットされた場合に第4停止結果から第5停止結果に変更する構成としてもよい。このような構成でも、内部状態の変化が反映された停止結果を停止表示することが可能になる。
(24)上記第4の実施の形態や各変形例では、普図表示領域Pに停止表示される停止結果の種別を普図遊技回の変動表示の開始時に設定する構成としたが、確定表示の開始時に設定する構成としてもよい。低頻度サポートモード用の普図遊技回の変動表示中にサポートフラグがセットされ、高頻度サポートモード用の1回目開放が行われる場合は、上記普図遊技回の確定表示の開始タイミングにて第2停止結果又は第3停止結果(高頻度サポートモード用の停止結果)が設定されることになる。この場合、停止結果の変更処理は実行されない。
(25)上記第4の実施の形態や各変形例において、普図表示領域Pに停止表示される停止結果について、通常遊技状態(低頻度サポートモード)用に設定されるサポート当選の停止結果と、時短遊技状態(高頻度サポートモード)用に設定されるサポート当選の停止結果とが同じ態様(種別)となるようにしてもよい。すなわち、それら各遊技状態で停止結果の態様を共通にする構成としてもよい。
(26)上記第4の実施の形態や各変形例では、通常遊技状態である場合に発光部752,761を通常発光態様で発光させたが、これら発光部752,761を消灯させる構成としてもよい。すなわち、特別発光演出の実行により発光部752,761が発光する構成としてもよい。
(27)上記第4の実施の形態や各変形例において、発光部752,761とは別に、普電役物63a(第2作動口63)に対して発光部752,761よりも遠い位置の報知部(例えば、前扉枠14に設けられたランプ部26)にて、時短遊技状態であることに対応した発光演出が行われる構成としてもよい。この際、サポートフラグがセットされてから1回目開放が実行されるまでの期間が第2特定期間よりも長く、発光部752,761での発光演出が普電役物63aの開放に対応した第3タイミングで開始される場合に、上記遠い位置の報知部では、サポートフラグのセットに対応した第1タイミングで上記発光演出が開始される構成としてもよい。また、第1タイミングに代えて、第1タイミングより後で且つ第3タイミングよりも前のタイミングで上記発光演出が開始されてもよい。
ちなみにサポートフラグがセットされてから1回目開放が実行されるまでの期間が第2特定期間以下であり、発光部752,761での発光演出が第1タイミングで実行される場合は、上記遠い位置の報知部でも上記発光演出が第1タイミングで開始されればよい。なお、上記遠い位置の報知部で行われる発光演出は、必ずしも発光部752,761での特別発光演出と同一の発光態様である必要はなく、時短遊技状態中であることを示す報知として機能するものであれば足りる。
(28)上記第4の実施の形態や各変形例では、普電役物63aによる役物開閉遊技の実行中に所定の状態変化(時短フラグのセット状態への変化)が生じた場合に、その状態変化が実行中である当該役物開閉遊技に反映される構成としたが、可変入賞装置65による開閉実行モードの実行中に所定の状態変化が生じた場合に、その状態変化が実行中である開閉実行モードに反映される構成としてもよい。すなわち、本発明は、役物開閉遊技に限らず、開閉実行モードを対象に適用されるものであってもよい。
開閉実行モードを対象に適用する場合としては、例えば、特定の入球部への入賞に基づいて時短フラグがセットされるものとした上で、開閉実行モードでの可変入賞装置65の開閉態様として、時短フラグの非セット状態に対応した非セット態様と、時短フラグのセット状態に対応したセット態様とが設けられ、開閉実行モード中の所定回目のラウンド遊技が上記非セット態様で実施されている状況で上記特定の入球部に遊技球が入賞して時短フラグがセットされた場合に、その次のラウンド遊技が上記セット態様で実施されたり、それら両ラウンド遊技間の閉鎖期間(ラウンドインターバル)が上記セット態様で実施されたりする構成が考えられる。
また、他の例としては、第1特図遊技回及び第2特図遊技回を並行して実行することが可能、換言すれば、それらの特図遊技回の一方を実行中である状況で他方の特図遊技回を実行することが可能な同時変動タイプの遊技機において、一方の特図遊技回で大当たり結果となり、その開閉実行モードの実行中において、他方の特図遊技回を実施することが可能となっており、その他方の特図遊技回でも大当たり結果になった場合は、その開閉実行モードでのラウンド遊技の回数が増えるなどして後者の大当たり結果が反映される構成が考えられる。
また、ラウンド遊技が増える構成に代えて又は加えて、開閉実行モード後の有利度合に差異が生じる構成としてもよい。例えば、開閉実行モード後に通常時短遊技状態に移行する場合において、上記他方の特図遊技回でも大当たり結果になった場合は、当該大当たりが生じない場合に比べて時短遊技状態の上限回数が多くなったり、第2作動口63への入賞期待値が高くなる態様で役物開閉遊技が実施されたりする構成とすることができる。
(29)上記第4の実施の形態の変形例1において、高頻度サポートモードに対応した態様への切り替えを2回目開放の開始タイミングで行える一方で、インターバルの開始タイミングで行えない構成としてもよい。この場合、低頻度サポートモード用の役物開閉遊技における1回目開放の実行中にサポートフラグがセットされた場合は、低頻度サポートモードに対応した態様のインターバルが実行され、その後、高頻度サポートモードに対応した態様の2回目開放が実行される。
また、上記第4の実施の形態の変形例1において、高頻度サポートモードに対応した態様への切り替えをインターバルの開始タイミングで行える一方で、2回目開放の開始タイミングで行えない構成としてもよい。
(30)上記第4の実施の形態の変形例1において、低入賞役物開閉遊技及び高入賞役物開閉遊技の態様として3回開放の態様を備える構成としてもよい。この場合、2回目開放と3回目開放とのそれぞれで高頻度サポートモードに対応した態様への切り替えを行える構成であってもよいし、2回目開放と3回目開放とのいずれか一方で上記切り替えを行える構成としてもよい。また、4回以上の開放が行われる態様を備える構成としてもよい。
(31)上記第4の実施の形態の変形例1において、低頻度サポートモード用の役物開閉遊技(低入賞役物開閉遊技)にて、1回目開放の開始からインターバルの終了までの所要期間が異なる複数種類の態様を備える構成としてもよい。上記所要期間が長い側の態様では、役物開閉遊技の途中でサポートフラグがセットされた場合に、上記所要期間が短い側の態様よりもサポートフラグのセットタイミングが2回目開放の開始前になりやすくなるため、2回目開放が高頻度サポートモードに対応した態様で行われやすくなる。つまり、サポートフラグがセットされたときに実行されている役物開閉遊技の種別によって、高頻度サポートモード用の2回目開放の実行されやすさに差異を生じさせることができる。
なお、上記所要期間が異なる具体的構成としては、1回目開放の長さが異なるものであってもよいし、インターバルの長さが異なるものであってもよいし、それらの両方が異なるものであってもよい。但し、第2作動口63への入賞を発生しにくくする上では、インターバルの長さについて一方の態様よりも他方の態様の方を長くしたものであることが好ましい。
(32)上記第4の実施の形態の変形例2では、高頻度サポートモードに対応した態様への切り替えにより役物開閉遊技の残り回数が増加する構成としたが、これに代えて又は加えて、役物開閉遊技の残り回数が減少する構成としてもよい。例えば、低入賞役物開閉遊技として2回開放の態様を備えるとともに、高入賞役物開閉遊技として2回開放の態様と1回開放の態様とを備える構成とする。低頻度サポートモード用の役物開閉遊技(低入賞役物開閉遊技)におけるインターバルの実行中にサポートフラグがセットされると、2回目開放の開始時に普図当たり種別の抽選結果が参照されることになるが、その際、1回開放の態様に対応する抽選結果であった場合には、差分としての1回が残り開放回数から減算され、残り開放回数が0回に変更される。つまり、2回目開放の実行がキャンセルされ、役物開閉遊技の開放回数が2回から1回に減少することになる。
(33)上記第4の実施の形態や各変形例では、当否判定の結果が大当たり結果となることにより大当たり遊技(開閉実行モード)に移行する構成としたが、いわゆる1種2種混合機のように、当否判定の結果が小当たり結果となり、小当たり遊技(内部にV入賞口を有する又はV入賞口及び外れ口を有する可変入賞装置が開閉される遊技状態)においてV入賞口(V入賞センサ)を遊技球が通過した場合(付与判定の結果が所定結果となり、所定の遊技結果となった場合)に大当たり遊技に移行する構成としてもよい。
なお、「特別判定の結果が特定結果となることに基づいて通常遊技状態よりも遊技者に有利な特別遊技状態に移行させる」等には、上記のように、当否判定の結果が小当たり結果となり、V入賞を介して大当たり遊技に移行する場合も含まれると解することができる。
(34)上記第4の実施の形態や各変形例では、遊技球の払い出しが行われるタイプのパチンコ機としたが、遊技機外部に遊技球が排出されない封入タイプのパチンコ機としてもよい。このような封入タイプのパチンコ機においては、入賞等に対する特典として賞球を付与する場合に、例えば、賞球数に対応した所定の遊技価値(クレジット等の仮想遊技媒体)を遊技者に付与するとともに、賞球数を示す情報を報知する構成とするとよい。
(35)上記第4の実施の形態や各変形例では、第1作動口62への入賞に基づく保留情報が4個を上限として記憶される構成としたが、4個未満であってもよいし(1個であってもよい)、5個以上であってもよい。また、第2作動口63への入賞に基づく保留情報の上限記憶数についても、4個未満であってもよいし(1個であってもよい)、5個以上であってもよい。また、各作動口62,63への入賞に基づく保留情報の上限記憶数が相違する構成としてもよい。
(36)上記第4の実施の形態や各変形例では、第1作動口62及び第2作動口63への入賞に基づく保留情報が区別される構成としたが、区別されない構成としてもよい。また、第2作動口63への入賞に基づく保留情報のほうが、第1作動口62への入賞に基づく保留情報よりも優先して当否判定の対象となる構成としたが、その関係が逆であったり、入賞順に当否判定が行われたりする構成であってもよい。
(37)上記第4の実施の形態や各変形例では、右ルートを流下する遊技球のみがスルーゲート64、第2作動口63を通過又は入賞可能となる構成としたが、左ルートを流下する遊技球のみが通過又は入賞可能となる構成としてもよいし、右ルートと左ルートのいずれからでも通過又は入賞可能となる構成としてもよい。但し、遊技のメリハリを付ける上では、右ルートと左ルートの一方を流下する遊技球のみが第1作動口62に入賞可能となり、右ルートと左ルートの他方を流下する遊技球のみがスルーゲート64、第2作動口63を通過又は入賞可能となる構成とするとよい。
(38)上記第4の実施の形態や各変形例では、変動パターンと遊技回用演出とが1対1の関係で対応するが、1対複数の関係で対応してもよい。この場合、演出制御装置143にて演出抽選用の乱数を取得し、1の変動パターンに対応付けられている複数の遊技回用演出の中から上記取得した乱数を用いて1の遊技回用演出が選択される構成とすることができる。
(39)上記第4の実施の形態や各変形例では、図柄表示装置75の表示画面Gにて変動表示される図柄が左右方向にスクロールする構成としたが、左、中及び右に並べて図柄が表示され、これらの図柄が上下方向にスクロールされるようにして変動表示される構成としてもよい。すなわち、図柄の並び方向やスクロール方向は特に限定されるものではない。また、図柄の数(図柄列の列数)についても3個に限定されるものではなく、2個であってもよいし、4個以上であってもよい。
(40)上記実施の形態とは異なる他のタイプのパチンコ機等、例えば特別装置の特定領域に遊技球が入ると電動役物が所定回数開放するパチンコ機や、特別装置の特定領域に遊技球が入ると権利が発生して大当たりとなるパチンコ機、他の役物を備えたパチンコ機、アレンジボール機、雀球等の遊技機にも本発明を適用できる。
また、弾球式でない遊技機、例えば、複数種の図柄が周方向に付された複数のリールを備え、メダルの投入及びスタートレバーの操作によりリールの回転を開始し、ストップスイッチが操作されるか所定時間が経過することでリールが停止した後に、表示窓から視認できる有効ライン上に特定図柄又は特定図柄の組み合わせが成立していた場合にはメダルの払い出し等といった特典を遊技者に付与するスロットマシンにも本発明を適用できる。
更に、外枠に開閉可能に支持された遊技機本体に貯留部及び取込装置を備え、貯留部に貯留されている所定数の遊技球が取込装置により取り込まれた後にスタートレバーが操作されることによりリールの回転を開始する、パチンコ機とスロットマシンとが融合された遊技機にも本発明を適用できる。
<第5の実施の形態>
以下、本実施の形態に係る遊技機について説明する。なお、上記第1の実施の形態において図1~図10を参照して説明したパチンコ機10の基本構成については、本実施の形態においても同様であるため、その説明を省略する。
<特図用表示部43の構成>
本実施の形態に係る特図用表示部43の構成について図370を参照しながら説明する。図370(a)は特図用表示部43の正面図、(b)は特図用表示部43及びその前方側を含めた領域の縦断面図である。特図用表示部43には、第1特図表示部AS及び第2特図表示部BSが設けられているところ、これらは同一の構成を有するため、第1特図表示部ASを例にとってその構成を説明する。
図370(a)に示すように、第1特図表示部ASには、セグメント表示器801が設けられている。セグメント表示器801の表示面には表示領域805が形成されており、表示領域805には7個の表示用セグメントSG1~SG7が設けられている。各表示用セグメントSG1~SG7は、LEDからなる個別の光源を有しており、それら個別の光源がオンオフ制御されることで、任意の1個の表示用セグメントのみを点灯させたり、任意の組み合わせで複数個の表示用セグメントを点灯させたりすることができる。なお、上記個別の光源はいずれも同一色の光を照射するものであるため、表示用セグメントSG1~SG7による表示は単一色でなされる。
各表示用セグメントSG1~SG7は、パチンコ機10前方からの正面視において直線状をなしており、表示領域805では、これら各表示用セグメントSG1~SG7が数字の「8」の字状に並ぶようにして配置されている。そして、それら各表示用セグメントSG1~SG7のうちいずれを点灯させ、いずれを消灯させるかを制御することで、表示態様(見た目)が互いに異なる複数種類の絵柄を表示することが可能となっている。
表示領域805では、第1作動口62への入賞を契機として各表示用セグメントSG1~SG7の点灯及び消灯が繰り返され、絵柄の変動表示(可変表示又は切換表示)が行われる。そして、変動表示が行われた後、点灯対象に設定された表示用セグメントSG1~SG7が停止表示期間に亘って継続点灯され、停止結果としての絵柄が停止表示される。これにより、第1作動口62への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が報知される。
なお、第2特図表示部BSの表示領域805では、第2作動口63への入賞を契機として各表示用セグメントSG1~SG7の点灯及び消灯による絵柄の変動表示が行われ、その後、停止結果としての絵柄が停止表示される。
このように各特図表示部AS,BSの表示領域805にて絵柄の停止表示が行われるところ、この表示領域805は、図柄表示装置75の表示画面G(又は表示画面Gのうちパチンコ機10前方からの正面視で視認可能な領域)よりも表面積が小さく形成されている。すなわち、表示領域805での絵柄は、図柄表示装置75に表示される図柄よりも表示サイズが小さく、各図柄列Z1~Z3の図柄よりも目立ちにくい態様で表示される。
図370(b)に示すように、セグメント表示器801は表示器用基板802上に搭載されている。表示器用基板802は主制御装置162と電気配線を通じて電気的に接続されており、主制御装置162から表示器用基板802に駆動信号が出力されることで、各表示用セグメントSG1~SG7が点灯される。表示器用基板802は、遊技盤60上の装飾部材39に設けられた開口部39aからセグメント表示器801の表示領域805の全体が露出するように、装飾部材39に対して位置決めされ、装飾部材39の裏側から固定されている。
セグメント表示器801の前方には、表示領域805と対向するようにしてカバーパネル803が設けられている。カバーパネル803は、装飾部材39の開口部39aを後方から塞ぐようにして配置され、パチンコ機10前方からガラスパネル23及びカバーパネル803を通じて表示領域805の表示が視認可能となるように半透明に形成されている。具体的には、カバーパネル803は、黒色半透明の合成樹脂により形成されている。
このようにカバーパネル803を半透明とすることで、第1特図表示部ASにおける表示を視認可能としつつ、カバーパネル803を無色透明とする場合に比べて第1特図表示部ASにおける表示を目立ちにくくできる。これにより、第1特図表示部ASにおける表示よりも図柄表示装置75の表示などに遊技者の注意を引き付けることが可能となる。但し、これに限定されることはなく、カバーパネル803を無色透明に形成したり、当該カバーパネル803を備えない構成としてもよい。
<主制御装置162のMPU312にて各種抽選を行うための電気的構成>
主制御装置162のMPU312にて各種抽選を行うための電気的な構成について図371を用いて説明する。
MPU312は遊技に際し各種カウンタ情報を用いて、大当たり発生抽選、特図用表示部43の表示の設定、普図用表示部44の表示の設定などを行うこととしており、具体的には、図371に示すように、大当たり発生の抽選に使用する大当たり乱数カウンタC1と、確変大当たり結果や通常大当たり結果等の大当たり種別を判定する際に使用する大当たり種別カウンタC2と、大当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する乱数初期値カウンタCINIと、特図用表示部43における各特図表示部AS,BSでの変動表示時間を決定する変動種別カウンタCSとを用いることとしている。さらに、第2作動口63の普電役物63aをサポート状態(開放状態)とするか否かの抽選に使用する普図当たり乱数カウンタC3を用いることとしている。
各カウンタC1~C4,CINI,CSは、その更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。各カウンタは短時間間隔で更新され、その更新値がRAM314の所定領域に設定された抽選カウンタ用バッファ314aに適宜格納される。抽選カウンタ用バッファ314aにおいて、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及び変動種別カウンタCSに対応した情報は、第1作動口62又は第2作動口63への入賞が発生した場合に、取得情報記憶手段としての保留球格納エリア314bに格納される。
保留球格納エリア314bは、第1特図用保留エリアRa及び第2特図用保留エリアRbからなる保留エリアREと、実行エリアAEとを備えている。保留エリアRa,Rbは、それぞれ、第1エリア、第2エリア、第3エリア、第4エリアを備えており、第1作動口62又は第2作動口63への入賞履歴に合わせて、抽選カウンタ用バッファ314aに格納されている大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及び変動種別カウンタCSの各数値情報が、保留情報(特別情報)としていずれかのエリアに格納される。
この場合、第1エリア~第4エリアには、第1作動口62又は第2作動口63への入賞が複数回連続して発生した場合に、第1エリア→第2エリア→第3エリア→第4エリアの順に各数値情報が時系列的に格納されていく。このようにそれぞれ4つのエリアが設けられていることにより、第1作動口62又は第2作動口63への遊技球の入賞履歴がそれぞれ最大4個まで保留記憶されるようになっている。また、保留球格納エリア314bには総保留数記憶領域が設けられており、当該総保留数記憶領域には第1作動口62又は第2作動口63への入賞履歴を保留記憶している数を特定するための情報が格納される。
実行エリアAEは、特図用表示部43の変動表示を開始する際に、保留エリアREの第1エリアに格納された各値を移動させるためのエリアであり、1遊技回の開始に際しては実行エリアAEに記憶されている各種数値情報に基づいて、当否判定などが行われる。
各カウンタについて詳しくは、大当たり乱数カウンタC1は、例えば0~2999の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり2999)に達した後0に戻る構成となっている。特に大当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の乱数初期値カウンタCINIの値が当該大当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。なお、乱数初期値カウンタCINIは、大当たり乱数カウンタC1と同様のループカウンタである(値=0~2999)。
大当たり乱数カウンタC1は定期的に更新され、遊技球が第1作動口62又は第2作動口63に入賞したタイミングでRAM314の保留球格納エリア314bに格納される。より詳しくは、第1作動口62に遊技球が入賞したタイミングでRAM314の第1特図用保留エリアRaに格納され、第2作動口63に遊技球が入賞したタイミングでRAM314の第2特図用保留エリアRbに格納される。
大当たり乱数カウンタC1は、大当たりであるか否かを抽選する当否抽選に用いられるものであり、大当たり当選となる乱数の値は、ROM313の当否テーブル記憶エリア313aに記憶されている当否テーブルにて設定されている。図372に示すように、当否テーブルとしては、低確率モード用の当否テーブル(図372(a))と、高確率モード用の当否テーブル(図372(b))とが設定されている。本パチンコ機10では、当否抽選における抽選モードとして、大当たりとなる確率が相対的に低い低確率モード(低確率状態)と、大当たりとなる確率が相対的に高い高確率モード(高確率状態)とが設けられている。当否抽選に際して抽選モードが低確率モードである場合は低確率モード用の当否テーブルが参照され、高確率モードである場合は高確率モード用の当否テーブルが参照される。
図372(a)に示すように、低確率モード用の当否テーブルでは、大当たりとなる乱数の値として「0」~「9」の計10個が設定されている。すなわち、低確率モードでの大当たり当選確率は1/300に設定されている。
大当たり当選となる乱数の値以外は抽選結果が外れ結果となるが、本実施の形態では外れ結果として特殊外れ結果と通常外れ結果とが含まれている。上記低確率モード用の当否テーブルにおいて特殊外れ結果となる乱数の値としては「10」~「29」の計20個が設定されており、特殊外れ結果となる確率は1/150となっている。
図372(b)に示すように、高確率モード用の当否テーブルでは、大当たりとなる乱数の値として「0」~「49」の計50個が設定されている。すなわち、高確率モードでの大当たり当選確率は1/60に設定されている。高確率モード用の当否テーブルには特殊外れ結果が設定されておらず、大当たり当選となる乱数の値以外はすべて通常外れ結果となる。
なお、各確率モードでの大当たり当選確率は上記に限定されるものではなく、任意に設定することができる。すなわち、高確率モードにおいて低確率モードよりも大当たりの当選確率が高くなるのであれば、大当たりに対応する乱数の数及び値は任意である。また、低確率モード用の当否テーブルでの特殊外れ結果の確率についても上記に限定されるものではなく、任意に設定することができる。この場合において特殊外れ結果の確率を必ずしも大当たり当選確率よりも高くする必要はなく、大当たり当選確率と同じとしてもよい。また、特殊外れ結果の確率を大当たり当選確率よりも低くしてもよい。
大当たり種別カウンタC2は、大当たりとなった場合にその種別を振り分けるためのものであり、0~99の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり99)に達した後0に戻る構成となっている。大当たり種別カウンタC2は定期的に更新され、遊技球が第1作動口62又は第2作動口63に入賞したタイミングでRAM314の保留球格納エリア314bに格納される。より詳しくは、第1作動口62に遊技球が入賞したタイミングでRAM314の第1特図用保留エリアRaに格納され、第2作動口63に遊技球が入賞したタイミングでRAM314の第2特図用保留エリアRbに格納される。
大当たり種別カウンタC2に対する遊技結果の振分先は、ROM313の種別テーブル記憶エリア313bに大当たり種別テーブルとして記憶されている。図373に示すように、大当たり種別テーブルとしては、第1特図用の大当たり種別テーブル(図373(a))と第2特図用の大当たり種別テーブル(図373(b))とが設定されている。第1作動口62への入賞に基づいて大当たりとなった場合には第1特図用の大当たり種別テーブルが参照され、第2作動口63への入賞に基づいて大当たりとなった場合には第2特図用の大当たり種別テーブルが参照される。
図373(a)に示すように、第1特図用の大当たり種別テーブルでは、選択可能な大当たり種別として、10R確変大当たり結果と、7R確変大当たり結果と、3R確変大当たり結果と、7R通常大当たり結果と、3R通常大当たり結果とが設定されている。これら各大当たり結果は、実行されるラウンド遊技の回数がそれぞれ10回、7回、3回、7回、3回となるものである。ここで、ラウンド遊技とは、可変入賞装置65を閉鎖状態から開放状態とし、その後、閉鎖状態とする可変入賞制御が少なくとも1回実行されるものである。本実施の形態では、1のラウンド遊技につき上記可変入賞制御が1回実行されるように構成されている。
10R確変大当たり結果、7R確変大当たり結果、3R確変大当たり結果の各確変大当たり結果は、開閉実行モードの終了後、抽選モードが高確率モードに設定されるとともに、第2作動口63の普電役物63aにおけるサポートモードが高頻度サポートモードに設定される大当たり結果である。すなわち、確変大当たり結果となった場合は、開閉実行モード終了後の遊技状態が高確率モード且つ高頻度サポートモードの状態(高確遊技状態、確変遊技状態)となる。この場合の高確遊技状態は次回の大当たりが発生するまで(次回の開閉実行モードが開始されるまで)継続される。ちなみに、開閉実行モードの実行中は抽選モードが低確率モードに設定されるとともに、サポートモードが低頻度サポートモードに設定される。
高頻度サポートモード及び低頻度サポートモードは、遊技領域PEに対して同様の態様で遊技球の発射が継続されている状況で比較した場合に、第2作動口63への入賞頻度が相対的に高低となるように、普電役物63aの駆動態様が制御されるものである。具体的には、高頻度サポートモードでは、普電役物63aが開放状態とされる頻度が低頻度サポートモードよりも高く、また、1回の開放における開放期間についても低頻度サポートモードよりも長くなるようになっている。
このため、高頻度サポートモードでは、低頻度サポートモードよりも第2作動口63への入賞が発生する確率が高くなる。換言すれば、低頻度サポートモードでは、第2作動口63よりも第1作動口62への入賞が発生する確率が高くなるが、高頻度サポートモードでは、第1作動口62よりも第2作動口63への入賞が発生する確率が高くなる。そして、第2作動口63への入賞が発生した場合には、所定個数の遊技球の払出が実行されるため、高頻度サポートモードにおいて遊技者は持ち球の減りを抑えながら遊技を行うことができる。
なお、本実施の形態では、高頻度サポートモードとして第1高頻度サポートモードと第2高頻度サポートモードとが設けられている。このうち確変大当たり結果となった場合に移行するのは第1高頻度サポートモードである。第1高頻度サポートモードと第2高頻度サポートモードとの違いについては後に説明する。
7R通常大当たり結果、3R通常大当たり結果の各通常大当たり結果は、開閉実行モードの終了後、抽選モードが低確率モードに設定されるとともに、第2作動口63の普電役物63aにおけるサポートモードが第1高頻度サポートモードに設定される大当たり結果である。すなわち、これらの通常大当たり結果となった場合は、開閉実行モード終了後の遊技状態が低確率モード且つ高頻度サポートモードの状態(時短遊技状態)となる。
7R通常大当たり結果、3R通常大当たり結果になった場合の時短遊技状態は、外れ結果の特図遊技回(外れ遊技回)の回数が例えば100回に達するまで継続される。この場合の外れ遊技回の回数は、開閉実行モードが終了した後の特図遊技回を対象としてカウントされる。外れ遊技回の回数が上限回数(100回)に達した場合は、時短遊技状態が終了して通常遊技状態(低確率モード且つ低頻度サポートモード)に移行する。なお、上限回数に達する前に大当たり結果となった場合には、当該大当たり結果に基づく開閉実行モードへの移行に伴って時短遊技状態が終了する。
第1特図用の大当たり種別テーブルでは、大当たり種別カウンタC2の「0」~「4」が10R確変大当たり結果に対応し、「5」~「14」が7R確変大当たり結果に対応し、「15」~「60」が3R確変大当たり結果に対応し、「61」~「80」が7R通常大当たり結果に対応し、「81」~「99」が3R大当たり結果に対応している。すなわち、第1作動口62への入賞に基づく当否抽選にて大当たりとなった場合に10R確変大当たり結果に振り分けられる確率は5%、7R確変大当たり結果に振り分けられる確率は10%、3R確変大当たり結果に振り分けられる確率は36%、7R通常大当たり結果に振り分けられる確率は20%、3R通常大当たり結果に振り分けられる確率は19%に設定されている。
図373(b)に示すように、第2特図用の大当たり種別テーブルでは、選択可能な大当たり種別として、10R確変大当たり結果と、7R確変大当たり結果と、3R確変大当たり結果と、10R通常大当たり結果A~Dと、7R通常大当たり結果A~Dと、3R通常大当たり結果A~Dとが設定されている。10R確変大当たり結果、7R確変大当たり結果、3R確変大当たり結果については、第1特図用の大当たり種別テーブルにおける10R確変大当たり結果、7R確変大当たり結果、3R確変大当たり結果と同様であるため、説明を省略する。
10R通常大当たり結果A~D、7R通常大当たり結果A~D、3R通常大当たり結果A~Dの各通常大当たり結果は、開閉実行モードの終了後、抽選モードが低確率モードに設定されるとともに、第2作動口63の普電役物63aにおけるサポートモードが第1高頻度サポートモードに設定される大当たり結果である。すなわち、これらの通常大当たり結果となった場合は、開閉実行モード終了後の遊技状態が低確率モード且つ高頻度サポートモードの状態(時短遊技状態)となる。
10R通常大当たり結果A~Dは、実行されるラウンド遊技の回数が10回となるものである。10R通常大当たり結果Aになった場合の時短遊技状態は、外れ遊技回の回数が例えば3000回に達するまで継続され、10R通常大当たり結果Bになった場合の時短遊技状態は、外れ遊技回の回数が例えば300回に達するまで継続される。また、10R通常大当たり結果Cになった場合の時短遊技状態は、外れ遊技回の回数が例えば200回に達するまで継続され、10R通常大当たり結果Dになった場合の時短遊技状態は、外れ遊技回の回数が例えば100回に達するまで継続される。
7R通常大当たり結果A~Dは、実行されるラウンド遊技の回数が7回となるものである。7R通常大当たり結果Aになった場合の時短遊技状態は、外れ遊技回の回数が例えば3000回に達するまで継続され、7R通常大当たり結果Bになった場合の時短遊技状態は、外れ遊技回の回数が例えば300回に達するまで継続される。また、7R通常大当たり結果Cになった場合の時短遊技状態は、外れ遊技回の回数が例えば200回に達するまで継続され、7R通常大当たり結果Dになった場合の時短遊技状態は、外れ遊技回の回数が例えば100回に達するまで継続される。
3R通常大当たり結果A~Dは、実行されるラウンド遊技の回数が3回となるものである。3R通常大当たり結果Aになった場合の時短遊技状態は、外れ遊技回の回数が例えば3000回に達するまで継続され、3R通常大当たり結果Bになった場合の時短遊技状態は、外れ遊技回の回数が例えば300回に達するまで継続される。また、3R通常大当たり結果Cになった場合の時短遊技状態は、外れ遊技回の回数が例えば200回に達するまで継続され、3R通常大当たり結果Dになった場合の時短遊技状態は、外れ遊技回の回数が例えば100回に達するまで継続される。
第2特図用の大当たり種別テーブルでは、大当たり種別カウンタC2の「0」~「50」が10R確変大当たり結果に対応し、「51」~「55」が7R確変大当たり結果に対応し、「56」~「60」が3R確変大当たり結果に対応し、「61」が10R通常大当たり結果Aに対応し、「62」~「65」、「66」~「69」、「70」~「73」がそれぞれ10R通常大当たり結果B、10R通常大当たり結果C、10R通常大当たり結果Dに対応している。また、大当たり種別カウンタC2の「74」が7R通常大当たり結果に対応し、「75」~「78」、「79」~「82」、「83」~「86」がそれぞれ7R通常大当たり結果B、7R通常大当たり結果C、7R通常大当たり結果Dに対応し、「87」が3R通常大当たり結果に対応し、「88」~「91」、「92」~「95」、「96」~「99」がそれぞれ3R通常大当たり結果B、3R通常大当たり結果C、3R通常大当たり結果Dに対応している。すなわち、第2作動口63への入賞に基づく当否抽選にて大当たりとなった場合に10R確変大当たり結果に振り分けられる確率は51%、7R確変大当たり結果、3R確変大当たり結果に振り分けられる確率はいずれも5%となっている。また、10R通常大当たり結果A、7R通常大当たり結果A、3R通常大当たり結果Aに振り分けられる確率はいずれも1%となり、それら以外の通常大当たり結果に振り分けられる確率はいずれも4%となっている。
ここで、第1特図表示部の種別テーブルと第2特図表示部の種別テーブルとのいずれであっても、確変大当たり結果に振り分けられる確率は61%に設定され、同一となっている。但し、確変大当たり結果が選択される場合に、第2特図表示部の種別テーブルでは10R大当たり結果となる確率が51%に設定され、第1特図表示部の種別テーブルにおける5%よりも高くなっている。つまり、第2作動口63への入賞に基づいて確変大当たり結果となった場合は、第1作動口62への入賞に基づいて確変大当たり結果となった場合よりも開閉実行モードでのラウンド数が多くなり、より多くの遊技球の払い出しを期待することが可能になる。すなわち、第1作動口62に遊技球を入賞させる遊技よりも第2作動口63に遊技球を入賞させる遊技の方が遊技者にとって有利となっている。
このように、第1作動口62と第2作動口63とにおいて、遊技者にとっての有利性に明確な差異が設けられている。したがって、遊技者は第1作動口62及び第2作動口63のうち、第2作動口63への入賞が発生することを期待しながら遊技を行うこととなり、それに伴って、第2作動口63への入賞頻度が高くなる高頻度サポートモードへの遊技者の注目度が高くなる。
なお、本実施の形態では、第1特図表示部の種別テーブルと第2特図表示部の種別テーブルとで確変大当たり結果に振り分けられる確率を同一としているが、異なる確率としてもよい。具体的には、第2特図表示部の種別テーブルにおいて、第1特図表示部の種別テーブルよりも確変大当たり結果に振り分けられる確率が高くなる構成としてもよい。このような構成によっても、第1作動口62に入賞させるよりも第2作動口63に入賞させる方が遊技者にとって有利な構成とすることができる。その際、必ずしも開閉実行モードでのラウンド数と確変大当たり結果への振分確率との両方について第1作動口62よりも第2作動口63の方が優遇される構成とする必要はなく、確変大当たり結果への振分確率のみが優遇される構成としてもよい。
大当たり種別カウンタC2は、作動口62,63への入賞に基づく当否抽選の結果が大当たりになった場合に、各特図表示部AS,BSに停止表示される絵柄の停止結果の決定にも用いられる。停止結果の決定は、ROM313の停止結果テーブル記憶エリア313dに記憶されている停止結果テーブルを参照して行われる。停止結果テーブルには、大当たり種別カウンタC2の値と対応させて、大当たりである場合の停止結果(各特図表示部AS,BSに停止表示される大当たり絵柄)のデータが複数設定されており、停止結果の決定に際しては、それら複数の停止結果のデータの中から、取得された大当たり種別カウンタC2に対応するものが読み出される。停止結果の決定と大当たり種別の決定とにはいずれも同じ大当たり種別カウンタC2を用いるため、各特図表示部AS,BSに停止表示される大当たり絵柄と、その大当たり時に決定される大当たり種別とは対応したものとなる。
ここで、本実施の形態では、通常大当たり結果になったことを契機として移行する時短遊技状態とは別に、大当たり乱数カウンタC1を用いた当否抽選の結果が特殊外れ結果になったことを契機として移行する時短遊技状態が設けられている。この場合の時短遊技状態は、抽選モードが低確率モードとなり、サポートモードが第2高頻度サポートモードとなる状態である。
なお、特殊外れ結果は外れ結果の一種であるため、上記時短遊技状態へは開閉実行モードを経由せずに移行する。すなわち、特殊外れ結果になった場合、その特図遊技回が終了するのに合わせて遊技状態が時短遊技状態に移行する。以下においては、通常大当たり結果を契機とする時短遊技状態と、特殊外れ結果を契機とする時短遊技状態とを区別する場合に、前者を「通常時短遊技状態」、後者を「突然時短遊技状態」ということがある。
図374(a)に示すように、特殊外れ結果には複数種類の結果が設けられている。具体的には、特殊外れ結果A~特殊外れ結果Cの3種類の特殊外れ結果が設けられている。これら各特殊外れ結果は、大当たり乱数カウンタC1の値に対応付けられている。詳しくは、特殊外れ結果となる大当たり乱数カウンタC1の値「10」~「29」のうち、「10」~「13」が特殊外れ結果Aに対応し、「14」~「19」が特殊外れ結果Bに対応し、「20」~「29」が特殊外れ結果Cに対応する。すなわち、特殊外れ結果となる場合において特殊外れ結果Aとなる確率は20%、特殊外れ結果Bとなる確率は30%、特殊外れ結果Cとなる確率は50%に設定されている。
なお、各種特殊外れ結果に対応する乱数の数及び値は一例に過ぎず、各種特殊外れ結果の確率や対応する乱数等は任意に設定することができる。
図374(b)に示すように、特殊外れ結果Aは、突然時短遊技状態A(低確率モード且つ第2高頻度サポートモード)の移行契機となる特殊外れ結果である。突然時短遊技状態Aは、突然時短遊技状態Aに移行してからの外れ遊技回の回数が例えば200回に達するまで継続される。
特殊外れ結果Bは、突然時短遊技状態B(低確率モード且つ第2高頻度サポートモード)の移行契機となる特殊外れ結果である。突然時短遊技状態Bは、突然時短遊技状態Bに移行してからの外れ遊技回の回数が例えば100回に達するまで継続される。
特殊外れ結果Cは、突然時短遊技状態C(低確率モード且つ第2高頻度サポートモード)の移行契機となる特殊外れ結果である。突然時短遊技状態Cは、突然時短遊技状態Cに移行してからの外れ遊技回の回数が例えば50回に達するまで継続される。
突然時短遊技状態A~Cにおいて外れ遊技回の回数が各上限回数に達した場合は、滞在中の突然時短遊技状態が終了して通常遊技状態(低確率モード且つ低頻度サポートモード)に移行する。なお、各上限回数に達する前に大当たり結果となった場合には、当該大当たり結果に基づく開閉実行モードへの移行に伴って各突然時短遊技状態が終了する。
さらに本実施の形態では、図374(c)に示すように、通常時短遊技状態や突然時短遊技状態とは別に、当否抽選結果が外れ結果となった特図遊技回(外れ遊技回)の累積回数(所謂ハマリ回数)が予め定められた天井回数(例えば990回)になったことを契機として移行する時短遊技状態が設けられている。以下においては、この時短遊技状態を他の時短遊技状態と区別するため、「天井時短遊技状態」ということがある。
外れ遊技回の計数においては、天井回数への到達前に大当たり結果になると、天井回数までの残り回数が初期値(例えば990回)に再設定され、それまでの外れ回数が破棄される。また、高確遊技状態中の外れ遊技回は計数の対象外とされる。よって、天井時短遊技状態に移行するには、開閉実行モードが終了してからの外れ遊技回の回数が天井回数に到達することが必要となり、また、開閉実行モード後に高確遊技状態に移行した場合は、高確遊技状態が終了してからの外れ遊技回の回数が天井回数に到達することが必要となる。
天井時短遊技状態は、突然時短遊技状態と同様に、抽選モードが低確率モードとなり、サポートモードが第2高頻度サポートモードとなる状態である。天井時短遊技状態への移行契機は外れ結果であるため、天井時短遊技状態には開閉実行モードを経由せずに移行する。すなわち、外れ遊技回の回数が天井回数に到達した場合、その特図遊技回が終了するのに合わせて遊技状態が天井時短遊技状態に移行する。天井時短遊技状態は、天井時短遊技状態に移行してからの特図遊技回の実行回数が例えば1100回に達するまで継続される。なお、上限回数(1100回)に達する前に大当たり結果となった場合には、当該大当たり結果に基づく開閉実行モードへの移行に伴って天井時短遊技状態が終了する。天井時短遊技状態が終了した場合は通常遊技状態に移行する。
図371の説明に戻り、変動種別カウンタCSは、例えば0~99の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり99)に達した後0に戻る構成となっている。変動種別カウンタCSは、特図用表示部43の第1特図表示部AS及び第2特図表示部BSにおける変動表示時間をMPU312において決定する上で用いられる。
変動種別カウンタCSは、後述する通常処理が1回実行される毎に1回更新され、当該通常処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。そして、変動種別カウンタCSは、遊技球が第1作動口62又は第2作動口63に入賞したタイミングでRAM314の保留球格納エリア314bに格納される。より詳しくは、第1作動口62に遊技球が入賞したタイミングでRAM314の第1特図用保留エリアRaに格納され、第2作動口63に遊技球が入賞したタイミングでRAM314の第2特図用保留エリアRbに格納される。
変動種別カウンタCSに対する変動表示時間の振分先は、ROM313の変動表示時間テーブル記憶エリア313cに変動表示時間テーブルとして記憶されている。変動表示時間テーブルの詳細については後述する。
普図当たり乱数カウンタC3は、例えば、0~99の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり99)に達した後0に戻る構成となっている。普図当たり乱数カウンタC3は定期的に更新され、スルーゲート64に遊技球が入賞したタイミングでRAM314の普図保留エリア314cに格納される。
普図当たり乱数カウンタC3は、普図当たり(サポート当選)であるか否かを抽選する普図当否抽選(サポート抽選)に用いられるものであり、サポート当選結果になった場合には、普電役物63aを閉鎖状態から開放状態とし、その後、閉鎖状態とする開閉制御が少なくとも1回行われる役物開閉遊技が実行される。
サポート当選となる乱数の値は、ROM313の当否テーブル記憶エリア313aに記憶されたサポート抽選テーブルにて設定されている。図375に示すように、サポート抽選テーブルとしては、低頻度サポートモード用のサポート抽選テーブル(図375(a))と、第1高頻度サポートモード用のサポート抽選テーブル(図375(b))と、第2高頻度サポートモード用のサポート抽選テーブル(図375(c))とが設定されている。サポート抽選に際してサポートモードが低頻度サポートモードである場合は低頻度サポートモード用のサポート抽選テーブルが参照され、第1高頻度サポートモードである場合は第1高頻度サポートモード用のサポート抽選テーブルが参照され、第2高頻度サポートモードである場合は第2高頻度サポートモード用のサポート抽選テーブルが参照される。
図375(a)に示すように、低頻度サポートモード用のサポート抽選テーブルでは、サポート当選となる乱数の値として「0」~「49」の計50個が設定されており、サポート当選確率は1/2となっている。
図375(b)に示すように、第1高頻度サポートモード用のサポート抽選テーブルでは、「0」~「89」の計90個が設定されており、サポート当選確率は9/10となっている。すなわち、第1高頻度サポートモードである場合は、サポート抽選における抽選モードが高確率モードとなり、低頻度サポートモードの場合よりもサポート当選となりやすくなっている。
図375(c)に示すように、第2高頻度サポートモード用のサポート抽選テーブルでは、サポート当選となる乱数の値として「0」~「49」の計50個が設定されており、サポート当選確率は1/2となっている。すなわち、第2高頻度サポートモードである場合は、サポート抽選における抽選モードが低確率モードとされ、第1高頻度サポートモードである場合よりもサポート当選確率が低い状態でサポート抽選が行われる。
各サポートモードにおいて、サポート当選となる乱数の値以外は、抽選結果が普図外れ結果となる。この場合は役物開閉遊技が実行されない。
なお、各サポートモードでのサポート当選確率は上記に限定されるものではなく、任意に設定することができる。例えば、第1高頻度サポートモードにおいて低頻度サポートモードよりもサポート当選の確率が高くなるのであれば、サポート当選となる乱数の数及び値は任意である。また、上記構成では、第2高頻度サポートモードでのサポート当選確率を低頻度サポートモードの場合と同じ確率としているが、第2高頻度サポートモードでのサポート当選確率が低頻度サポートモードでのサポート当選確率よりも高くなる構成であってもよい。その場合、第2高頻度サポートモードでのサポート当選確率を第1高頻度サポートモードでのサポート当選確率と同じにしてもよいし、第1高頻度サポートモードでのサポート当選確率よりも低くしてもよいし、第1高頻度サポートモードでのサポート当選確率よりも高くしてもよい。また、低頻度サポートモード、第1高頻度サポートモード及び第2高頻度サポートモードでサポート当選確率が等しくなる構成としてもよい。
ちなみに本実施の形態のように、低頻度サポートモードと第2高頻度サポートモードとでサポート当選確率を等しくする場合、すなわち、これら各モード間でサポート当選の確率変動を生じさせない場合は、これら各モード用のサポート抽選テーブルを共通化し、1の抽選テーブルを備える構成としてもよい。
<主制御装置162にて実行される各種処理について>
次に、主制御装置162内のMPU312にて遊技を進行させるために実行されるタイマ割込み処理及び通常処理を説明する。なお、MPU312では、タイマ割込み処理及び通常処理の他に、電源投入に伴い起動されるメイン処理とNMI端子(ノンマスカブル端子)への停電信号の入力により起動されるNMI割込み処理とが実行されるが、これらの処理については説明を省略する。
<タイマ割込み処理>
タイマ割込み処理について図376のフローチャートを参照しながら説明する。本処理はMPU312により定期的に(例えば2msec周期で)起動される。
ステップSe101では、各種入賞センサの読み込み処理を実行する。すなわち、主制御装置162に接続されている各種入賞センサの状態を読み込むとともに、当該入賞センサの状態(入賞センサからの検知情報)を判定して検出情報(入賞検知情報)を保存する。例えば、第1作動口62への入賞が発生したと判定した場合には、RAM314の各種フラグ格納エリア314eに第1特図用の入賞検知フラグを格納し、第2作動口63への入賞が発生したと判定した場合には、各種フラグ格納エリア314eに第2特図用の入賞検知フラグを格納する。また、スルーゲート64を遊技球が通過したと判定した場合には、RAM314の各種フラグ格納エリア314eにスルーゲート用の入賞検知フラグを格納する。
ステップSe102では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1加算するとともに、そのカウンタ値が最大値に達した際0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM314の該当するバッファ領域に格納する。
ステップSe103では、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及び普図当たり乱数カウンタC3の更新を実行する。具体的には、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及び普図当たり乱数カウンタC3をそれぞれ1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値に達した際それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1~C3の更新値を、RAM314の該当するバッファ領域に格納する。
ステップSe104では、スルーゲート64への入賞に伴うスルー用の入賞処理を実行する。スルー用の入賞処理では、RAM314の各種フラグ格納エリア314eにスルーゲート用の入賞検知フラグが格納されているか否かを判定し、同フラグが格納されている場合には普図保留エリア314cに記憶されている役物保留記憶数が4未満であることを条件として、ステップSe103にて更新した普図当たり乱数カウンタC3の値を普図保留エリア314cに格納する。また、各種フラグ格納エリア314eにスルーゲート用の入賞検知フラグが格納されている場合には、同入賞検知フラグを消去して当該スルーゲート用の入賞処理を終了する。
ステップSe105では、作動口62,63への入賞に伴う作動口用の入賞処理を実行し、その後、タイマ割込み処理を終了する。
<作動口用の入賞処理>
ステップSe105の作動口用の入賞処理について図377のフローチャートを参照しながら説明する。
先ずステップSe201にて、遊技球が第1作動口62に入賞(始動入賞)したか否かを第1作動口用入賞センサ62aの検知状態により判定する。遊技球が第1作動口62に入賞したと判定すると、ステップSe202にて払出制御装置181に遊技球を3個払い出させるための賞球コマンドをセットする。
ステップSe203では、第1作動口62に遊技球が入賞したことを遊技ホール側の管理制御装置に対して信号出力すべく、外部信号設定処理を行う。ステップSe204では、第1特図用保留エリアRaの保留数記憶領域に格納された値を読み出し、当該第1特図用保留エリアRaに保留記憶されている始動保留記憶数RaNをセットする(以下、第1始動保留記憶数RaNともいう)。その後、ステップSe205では、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及び変動種別カウンタCSの各値を格納する情報取得処理を行い、本入賞処理を終了する。
また、ステップSe201で否定判定した場合(第1作動口62への入賞が発生していない場合)は、ステップSe206に進み、遊技球が第2作動口63に入賞(始動入賞)したか否かを第2作動口用入賞センサ63cの検知状態により判定する。遊技球が第2作動口63に入賞したと判定すると、ステップSe207にて払出制御装置181に遊技球を1個払い出させるための賞球コマンドをセットする。
ステップSe208では、第2作動口63に遊技球が入賞したことを遊技ホール側の管理制御装置に対して信号出力すべく、外部信号設定処理を行う。ステップSe209では、第2特図用保留エリアRbの保留数記憶領域に格納された値を読み出し、当該第2特図用保留エリアRbに保留記憶されている始動保留記憶数RbNをセットする(以下、第2始動保留記憶数RbNともいう)。その後、ステップSe205にて情報取得処理を行い、本入賞処理を終了する。
また、ステップSe206で否定判定した場合(第2作動口63への入賞が発生していない場合)は、そのまま本入賞処理を終了する。
なお、上記ステップSe202又はステップSe207にてセットした賞球コマンドは、後述する通常処理の外部出力処理にて払出制御装置181に対して送信される。
ここで、ステップSe205の情報取得処理について図378のフローチャートを参照しながら説明する。
先ずステップSe301にて、上述したステップSe204又はステップSe209にてセットした始動保留記憶数N(RaN又はRbN)が上限値(本実施の形態では4)未満であるか否かを判定する。始動保留記憶数Nが上限値である場合にはそのまま本情報取得処理を終了し、上限値未満である場合には、ステップSe302にて対応する特図用保留エリアRa,Rbの始動保留記憶数Nを1加算する。ステップSe303では、総保留数記憶領域に格納された値(以下、共通保留数CRNと言う)を1加算する。
ステップSe304では、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及び変動種別カウンタCSの各値を、対応する特図表示部用保留エリアの空き記憶領域エリアのうち最初の記憶エリア、すなわち上記ステップSe302にて1加算した保留記憶数と対応する記憶エリアに格納する。
つまり、第1特図用の始動保留記憶数RaNがセットされている場合には、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及び変動種別カウンタCSの各値を、第1特図用保留エリアRaの空き記憶エリアのうち最初の記憶エリア、すなわち上記ステップSe302にて1加算した第1特図用の始動保留記憶数RaNと対応する保留エリアRaに格納する。
また、第2特図用の始動保留記憶数RbNがセットされている場合には、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及び変動種別カウンタCSの各値を、第2特図用の保留エリアRbの空き記憶エリアのうち最初の記憶エリア、すなわち上記ステップSe302にて1加算した第2特図用の始動保留記憶数RbNと対応する保留エリアRbに格納する。
ステップSe305では、主表示ユニット81の特図保留数表示部AMについて表示更新処理を実行する。特図保留数表示部AMでは、第1特図用の保留数と第2特図用の保留数とを各別に表示することが可能となっている。ステップSe305の表示更新処理では、今回の入球先(入賞先)が第1作動口62の場合には第1特図用の保留数の表示を更新し、今回の入球先(入賞先)が第2作動口63の場合には第2特図用の保留数の表示を更新する。
ステップSe306では、演出制御装置143への送信対象として保留コマンドを設定する。保留コマンドには、第1特図又は第2特図のいずれの始動入賞であるかを示す情報や、保留数を示す情報等が含まれる。ステップSe306の実行後は、本情報取得処理を終了する。
<通常処理>
次に、通常処理の流れを図379のフローチャートを参照しながら説明する。通常処理は電源投入に伴い起動されるメイン処理が実行された後に開始される処理であり、通常処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、ステップSe401~ステップSe408の処理が4msec周期の定期処理として実行され、その残余時間でステップSe409~ステップSe411のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
通常処理においては先ず、ステップSe401にて外部信号出力処理を実行する。ステップSe401の外部信号出力処理では、タイマ割込み処理又は前回の通常処理で設定したコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置に送信する。具体的には、賞球コマンドの有無を判定し、賞球コマンドが設定されていればそれを払出制御装置181に対して送信する。また、変動開始コマンド、種別コマンド、変動終了コマンド等の演出用コマンドが設定されている場合にはそれを演出制御装置143に対して送信する。
ステップSe402では、変動種別カウンタCSの更新を実行する。具体的には、変動種別カウンタCSを1加算するとともに、カウンタ値が最大値に達した際にはカウンタ値を0にクリアする。そして、変動種別カウンタCSの更新値を、RAM314の該当するバッファ領域に格納する。
ステップSe403では、各特図遊技回における遊技を制御するための特図遊技回制御処理を実行する。特図遊技回制御処理では、大当たり判定、特図用表示部43の表示制御などを行う。ステップSe404では、遊技状態移行処理を実行する。この遊技状態移行処理により、遊技状態が開閉実行モード、高確率モード、高頻度サポートモードなどに移行する。ステップSe403の特図遊技回制御処理及びステップSe404の遊技状態移行処理についての詳細は後述する。
ステップSe405では、普図遊技回における遊技を制御するための普図遊技回制御処理を実行する。普図遊技回制御処理では、サポート抽選(普図当否抽選)、普図用表示部44の表示制御などを行う。ステップSe406では、第2作動口63に設けられた普電役物63aを駆動制御するための電役サポート用処理を実行する。ステップSe405の普図遊技回制御処理及びステップSe406の電役サポート用処理についての詳細は後述する。
ステップSe407では、遊技球発射制御処理を実行する。遊技球発射制御処理では、電源及び発射制御装置191から発射許可信号を入力していることを条件として、所定期間(例えば、0.6sec)に1回、遊技球発射機構110のソレノイドを励磁する。これにより、遊技球が遊技領域PEに向けて打ち出される。
ステップSe408では、RAM314のバックアップエリアに停電フラグが格納されているか否かを判定する。停電フラグは、電断状態の発生時に実行されるNMI割込み処理でセットされるものであり、電断状態の発生をMPU312が把握するためのものである。
停電フラグが格納されていない場合(電断状態が発生していない場合)は、ステップSe409にて、次の通常処理の実行タイミングに至ったか否か、すなわち今回の通常処理の開始から所定時間(本実施の形態では4msec)が経過したか否かを判定する。今回の通常処理の開始から所定時間が経過していない場合は、ステップSe410にて、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1加算するとともに、そのカウンタ値が最大値に達した際0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM314の該当するエリアに格納する。
ステップSe411では、変動種別カウンタCSの更新を実行する。具体的には、変動種別カウンタCSを1加算するとともに、それらのカウンタ値が最大値に達した際0にクリアする。そして、変動種別カウンタCSの更新値を、RAM314の該当するエリアに格納する。
ステップSe409で肯定判定した場合(今回の通常処理の開始から所定時間が経過した場合)は、ステップSe401に処理を戻り、ステップSe401以降の処理を実行する。
このように、ステップSe408の処理を実行した後、次の通常処理の実行タイミングが到来するまでの残余期間を利用し、乱数初期値カウンタCINI及び変動種別カウンタCSの更新を繰り返し実行する。ここで、ステップSe401~ステップSe408の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して乱数初期値カウンタCINIの更新を繰り返し実行することにより、乱数初期値カウンタCINI(すなわち、大当たり乱数カウンタC1の初期値)をランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCSについてもランダムに更新することができる。
ステップSe408で肯定判定した場合(停電フラグが格納されている場合)は、ステップSe412に進み、各割込み処理の発生を禁止する。ステップSe413では、MPU312のスタックポインタの値をRAM314のバックアップエリアに記憶し、ステップSe414では、演出制御装置143への送信対象として停電コマンドを設定する。停電コマンドが送信されることにより、電断状態の発生が演出制御装置143に通知される。
ステップSe415ではRAM判定値を算出し、バックアップエリアに保存する。RAM判定値は、例えばRAM314の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。ステップSe416では、RAM314へのアクセスを禁止し、その後は、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。なお、電源が完全に遮断された後も、電源及び発射制御装置191からRAM314のデータ記憶保持用電源が供給されるため、電源遮断前にRAM314に記憶されていた情報はそのままの状態で所定の期間内(例えば、1日や2日)保持される。
<特図遊技回制御処理>
ステップSe403の特図遊技回制御処理について図380のフローチャートを参照しながら説明する。
先ずステップSe501にて、可変入賞装置65を用いた開閉実行モード中であるか否かを判定する。具体的には、RAM314の各種フラグ格納エリア314eに開閉実行モードフラグがセットされているか否かを判定する。開閉実行モードフラグは、開閉実行モードの実行中であることをMPU312が把握するためのものである。
開閉実行モード中でない場合には、ステップSe502にて、特図用表示部43が確定表示中であるか否かを判定する。具体的には、上記各種フラグ格納エリア314eに確定表示フラグがセットされているか否かを判定する。確定表示フラグは、第1特図表示部AS又は第2特図表示部BSで確定表示中であることをMPU312が把握するためのものである。
特図用表示部43が確定表示中でない場合は、ステップSe503にて、特図用表示部43が変動表示中であるか否かを判定する。具体的には、上記各種フラグ格納エリア314eに変動表示フラグがセットされているか否かを判定する。変動表示フラグは、第1特図表示部AS又は第2特図表示部BSで変動表示中であることをMPU312が把握するためのものである。
特図用表示部43が変動表示中でない場合は、ステップSe504にて、共通保留数CRNが「0」であるか否かを判定する。共通保留数CRNが「0」である場合とは、第1作動口62及び第2作動口63のいずれについても始動保留記憶数RaN,RbNが「0」であることを意味する。よって、共通保留数CRNが「0」である場合は、実行対象となる保留情報が存在しないことになるため、そのまま特図遊技回制御処理を終了する。
共通保留数CRNが「0」でない場合には、ステップSe505にて第1特図用保留エリアRa又は第2特図用保留エリアRbに記憶されているデータを変動表示用に設定するためのデータ設定処理を実行し、さらにステップSe506にて特図用表示部43における変動表示を開始させるための変動開始処理を実行した後に、本遊技回制御処理を終了する。
ここで、ステップSe505のデータ設定処理及びステップSe506の変動開始処理について、以下に詳細に説明する。
先ず、データ設定処理について図381のフローチャートを参照して説明する。
先ずステップSe601では、第2特図用保留エリアRbに保留記憶されている第2始動保留記憶数RbNが「0」であるか否かを判定する。第2始動保留記憶数RbNが「0」である場合にはステップSe602~ステップSe608の第1特図(第1作動口62)用のデータ設定処理を実行し、第2始動保留記憶数RbNが「0」でない場合にはステップSe609~ステップSe615の第2特図(第2作動口63)用のデータ設定処理を実行する。
既に説明したように、共通保留数CRNが1以上である場合にデータ設定処理が行われるところ、データ設定処理が実行される状況とは、第1始動保留記憶数RaN及び第2始動保留記憶数RbNの少なくとも一方が1以上であることを意味する。この場合にデータ設定処理では、先ず第2始動保留記憶数RbNが「0」であるか否かを判定し、第2始動保留記憶数RbNが「0」であること、すなわち、第2特図用の保留情報が存在しないことを条件として第1特図用の保留情報に関する処理を実行するように構成されている。このため、第1特図用保留エリアRa及び第2特図用保留エリアRbの両方に保留情報が記憶されている場合には、第2特図用保留エリアRbに記憶されている第2特図(第2作動口63)用の保留情報が優先して処理されることになる。
第1特図用のデータ設定処理では、先ずステップSe602にて、第1特図用保留エリアRaの第1始動保留記憶数RaNを1減算する。ステップSe603では共通保留数CRNを1減算する。ステップSe604では、第1特図用保留エリアRaの第1エリアに格納されたデータを実行エリアAEに移動する。
ステップSe605では、第1特図用保留エリアRaの記憶エリアに格納されたデータ(大当たり乱数カウンタC1等の保留情報)をシフトさせる処理を実行する。この処理では、第1エリアのデータをクリアするとともに、第2エリア~第4エリアのデータを下位側のエリアに順次移動させる処理を実行する。
ステップSe606では、RAM314の各種フラグ格納エリア314eに第2特図フラグが格納されているか否かを判定する。第2特図フラグは、第2作動口63の保留情報が存在することをMPU312が把握するためのものである。第2特図フラグが格納されている場合は、ステップSe607にて第2特図フラグを消去する。
ステップSe607の実行後又はステップSe606で否定判定した場合(第2特図フラグが格納されていない場合)は、ステップSe608に進み、保留エリアのデータのシフトが行われたことを演出制御装置143に通知するためのシフトコマンド(シフト発生情報)を設定する。この場合、ROM313のコマンド情報記憶エリア313eから、今回のデータのシフトの対象となった保留エリアが、第1特図用保留エリアRaに対応していることの情報、すなわち第1作動口62に対応していることの情報を含むシフトコマンドを選定し、その選定したシフトコマンドを演出制御装置143への送信対象のコマンドとして設定する。その後、本データ設定処理を終了する。
ステップSe608にて設定されたシフトコマンドは、通常処理(図379)におけるステップSe401にて、演出制御装置143に送信される。演出制御装置143では、受信したシフトコマンドに基づいて、図柄表示装置75の第1保留表示領域Gaにおける表示を、保留個数の減少に対応させて変更するための処理を実行する。
第2特図用のデータ設定処理では、先ずステップSe609にて、第2特図用保留エリアRbの第2始動保留記憶数RbNを1減算する。ステップSe610では共通保留数CRNを1減算する。ステップSe611では、第2特図用保留エリアRbの第1エリアに格納されたデータを実行エリアAEに移動する。
ステップSe612では、第2特図用保留エリアRbの記憶エリアに格納されたデータ(大当たり乱数カウンタC1等の保留情報)をシフトさせる処理を実行する。ステップSe613では、上記各種フラグ格納エリア314eに第2特図フラグが格納されているか否かを判定する。第2特図フラグが格納されていない場合は、ステップSe614にて第2特図フラグをセットする。
ステップSe614の実行後又はステップSe613で肯定判定した場合(第2特図フラグが格納されている場合)は、ステップSe615に進み、保留エリアのデータのシフトが行われたことをサブ側の制御装置である演出制御装置143に認識させるための情報であるシフトコマンド(シフト発生情報)を設定する。この場合、ROM313のコマンド情報記憶エリア313eから、今回のデータのシフトの対象となった保留エリアが第2特図用保留エリアRbに対応していることの情報、すなわち第2作動口63に対応していることの情報を含むシフトコマンドを選定し、その選定したシフトコマンドを演出制御装置143への送信対象のコマンドとして設定する。その後、本データ設定処理を終了する。
ステップSe615にて設定されたシフトコマンドは、通常処理(図379)におけるステップSe401にて、演出制御装置143に送信される。演出制御装置143では、受信したシフトコマンドに基づいて、図柄表示装置75の第2保留表示領域Gbにおける表示を、保留個数の減少に対応させて変更するための処理を実行する。
次に、変動開始処理について図382のフローチャートを参照して説明する。
先ずステップSe701では、現在の遊技状態に対応する当否テーブルを参照して当否判定を行う。具体的には、現在の抽選モードが低確率モードである場合は低確率モード用の当否テーブル(図372(a))を参照して当否判定を行い、現在の抽選モードが高確率モードである場合は高確率モード用の当否テーブル(図372(b))を参照して当否判定を行う。本ステップでは、実行エリアAEに格納されている大当たり乱数カウンタC1の値が、参照する当否テーブルにて大当たり用の乱数として設定されている値と一致しているか否かを判定する。
ステップSe702では、ステップSe701における当否判定の結果が大当たり当選であるか否かを判定する。大当たり当選である場合には、ステップSe703にて、対応する大当たり種別テーブルを参照して大当たり種別判定(大当たり種別の抽選)を行う。具体的には、今回の大当たり結果が第1特図の当否抽選による大当たり結果である場合は第1特図用の大当たり種別テーブル(図373(a))を参照して種別判定を行い、今回の大当たり結果が第2特図の当否抽選による大当たり結果である場合は第2特図用の大当たり種別テーブル(図373(b))を参照して種別判定を行う。例えば、第1特図用の大当たり種別テーブルを参照した種別判定の場合であれば、実行エリアAEに格納されている大当たり種別カウンタC2の値が、10R確変大当たり結果、7R確変大当たり結果、3R確変大当たり結果、7R通常大当たり結果、3R通常大当たり結果のいずれの数値範囲に属しているかを判定する。
ステップSe704では、ステップSe703の種別判定により選択された大当たり種別に対応した大当たり種別フラグをRAM314の各種フラグ格納エリア314eにセットする。例えば、選択された大当たり種別が10R確変大当たり結果である場合は、10R確変大当たりフラグをセットする。
ステップSe705では、ROM313の停止結果テーブル記憶エリア313dに記憶されている大当たり用の停止結果テーブルを参照して大当たり用の停止結果(大当たり図柄)を設定する。ここで、大当たり用の停止結果テーブルについて図383、図384(a)を参照しながら説明する。
大当たり用の停止結果テーブルとしては、大当たり用の第1特図停止結果テーブル(図384(a))と大当たり用の第2特図停止結果テーブル(図383)とが設定されている。大当たり用の第1特図停止結果テーブルは、第1作動口62への入賞に基づく当否抽選で大当たりとなった場合に参照されるものであり、第1特図に対応するものである。一方、大当たり用の第2特図停止結果テーブルは、第2作動口63への入賞に基づく当否抽選で大当たりとなった場合に参照されるものであり、第2特図に対応するものである。
先ず、大当たり用の第2特図停止結果テーブルについて説明する。図383に示すように、大当たり用の第2特図停止結果テーブルには、大当たり結果用の第2特図の停止結果として複数の停止結果データが記憶されており、具体的には、停止結果SD0~SD14からなる15種類の停止結果データが記憶されている。これら各停止結果SD0~SD14には大当たり種別カウンタC2の値が対応付けられており、例えば、停止結果SD0には、大当たり種別カウンタC2の「0」~「50」が割り当てられている。
ここで、大当たり種別の抽選に用いられる第2特図用の大当たり種別テーブル(図373(b))では、大当たり種別カウンタC2の「0」~「50」に対して10R確変大当たり結果が割り当てられている。停止結果テーブルを参照した大当たり図柄の抽選と、大当たり種別テーブルを参照した大当たり種別の抽選とには、同じタイミングで取得された同一の大当たり種別カウンタC2(取得乱数)が用いられるため、大当たり種別として10R確変大当たり結果が選ばれる場合、大当たり図柄として停止結果SD0が選ばれることになる。このため、停止結果SD0は、10R確変大当たり結果に対応した停止結果として機能し得るものとなる。
図383に示すように、大当たり用の第2特図停止結果テーブルでは、停止結果SD0以外の停止結果SD1~SD14においても、それぞれ7R確変大当たり結果、3R確変大当たり結果、10R通常大当たり結果A~D、7R通常大当たり結果A~D、3R通常大当たり結果A~Dに対応した停止結果となるように、大当たり種別カウンタC2の値が対応付けられている。
既に述べたように、第2特図表示部BSには停止結果を表示するための手段として複数の表示用セグメントSG1~SG7が設けられており、停止結果データは、それら表示用セグメントSG1~SG7のうち、どの表示用セグメントを点灯させ、どの表示用セグメントを消灯させるかを示す情報となっている。図383の「結果表示」欄に示す各絵柄は、各停止結果データによって表示される絵柄を示すものである。
例えば、大当たり種別カウンタC2の値が「0」である場合の停止結果SD0に対応する停止結果データは、表示用セグメントSG1,SG6,SG7を点灯させる一方、表示用セグメントSG2~SG5を消灯させるものとなっている。このため、停止結果として停止結果SD0が設定された場合には、第2特図表示部BSにおいて数字の「7」に類似する表示態様の絵柄が表示される。
停止結果SD0~SD14に対応する各停止結果データでは、点灯させる表示用セグメントと消灯させる表示用セグメントとの組み合わせが相違しており、これによって、それらの停止結果ごとに固有の絵柄が表示される。大当たり用の停止結果SD0~SD14はいずれも、セグメント表示器801に配置される7個の表示用セグメントSG1~SG7のうち、2個以上の表示セグメントを点灯させて絵柄(大当たり図柄)が表示されるように設定されている。
なお、図383では、各停止結果の表示絵柄がどのような絵柄であるのかや、各停止結果(各大当たり図柄)がいずれの大当たり種別と組みになっているのかを分かりやすくするために、「結果表示」及び「大当たり種別」の項目を記載しているが、これらは停止結果テーブルに記憶されるものではない。
図384(a)に示すように、大当たり用の第1特図停止結果テーブルには、大当たり結果用の第1特図の停止結果として複数の停止結果データが記憶されており、具体的には、停止結果SD0~SD2、SD10、SD14からなる5種類の停止結果データが記憶されている。これらにおいても、第1特図用の大当たり種別テーブル(図373(a))に設定された10R確変大当たり結果、7R確変大当たり結果、3R確変大当たり結果、7R通常大当たり結果、3R通常大当たり結果にそれぞれ対応するように、大当たり種別カウンタC2の値が割り当てられている。
本実施の形態では、第1特図用の大当たり図柄と第2特図用の大当たり図柄とで停止結果データを共有しており、例えば、大当たり種別として10R確変大当たり結果が選ばれる場合には、第1特図及び第2特図のいずれにおいても停止結果SD0が選択され、数字の「7」に類似する絵柄が表示されるように構成されている。なお、これに限定されるものではなく、例えば、大当たり種別として10R確変大当たり結果が選ばれる場合において第1特図と第2特図とで表示される絵柄が異なるなど、別々の停止結果が設定される構成としてもよい。
変動開始処理(図382)の説明に戻り、ステップSe705では、今回の大当たりが第1特図と第2特図のいずれの当否抽選によるものなのかを判定し、その判定結果に対応する停止結果テーブルを参照する。そして、参照した停止結果テーブルにおいて、実行エリアAEに格納されている大当たり種別カウンタC2に対応する停止結果を読み出し、今回の遊技回の停止結果として設定する。
ステップSe702で否定判定した場合(大当たり当選でない場合)は、ステップSe706に進み、ステップSe701の当否判定の結果が特殊外れ結果であるか否かを判定する。特殊外れ結果である場合は、ステップSe707にて、特殊外れ結果の種別に対応した特殊外れ種別フラグを上記各種フラグ格納エリア314eにセットする。例えば、特殊外れ結果の種別が特殊外れ結果Aである場合は、特殊外れAフラグをセットする。
ステップSe708では、上記停止結果テーブル記憶エリア313dに記憶されている特殊外れ用の停止結果テーブルを参照して特殊外れ用の停止結果(特殊外れ図柄)を設定する。ここで、特殊外れ用の停止結果テーブルについて図384(b)参照しながら説明する。
特殊外れ用の停止結果テーブルには、特殊外れ用の停止結果として複数の停止結果データが記憶されており、具体的には、停止結果SD15~SD17よりなる3種類の停止結果データが記憶されている。これら各停止結果SD15~SD17には大当たり乱数カウンタC1の値が対応付けられており、例えば、停止結果SD15には、大当たり乱数カウンタC1の「10」~「13」が割り当てられている。
ここで、特殊外れ種別の抽選に用いられる特殊外れ用の種別テーブル(図374(a))では、大当たり乱数C1の「10」~「13」に対して特殊外れ結果Aが割り当てられている。このため、当否抽選の結果が特殊外れ結果となった場合において特殊外れ結果Aが得られる場合は、特殊外れ図柄として停止結果SD15が選ばれることになり、停止結果SD15は、特殊外れ結果Aに対応した停止結果として機能し得るものとなる。
図384(b)に示すように、特殊外れ用の停止結果テーブルでは、他の停止結果SD16、SD17においても、それぞれ特殊外れ結果B、特殊外れ結果Cに対応した停止結果となるように、大当たり乱数カウンタC1の値が対応付けられている。
停止結果SD15~SD17に対応する各停止結果データは、それらの停止結果間において、点灯させる表示用セグメントと消灯させる表示用セグメントとの組み合わせが異なるだけでなく、大当たり用の停止結果SD0~SD14のいずれに対しても上記組み合わせが異なるようになっている。このため、停止結果SD15~SD17は、表示される際の見た目(絵柄)が相互に異なり、大当たり用の停止結果SD0~SD14との関係でも絵柄が重複しないようになっている。特殊外れ用の停止結果SD15~SD17はいずれも、セグメント表示器801に配置される7個の表示用セグメントSG1~SG7のうち、2個以上の表示セグメントを点灯させて絵柄(特殊外れ図柄)が表示されるように設定されている。
なお、本実施の形態では、第1特図の当否抽選と第2特図の当否抽選との両方において特殊外れ結果となり得るが、前者の抽選で特殊外れ結果になった場合と、後者の抽選で特殊外れ結果になった場合とで同一の停止結果テーブルを用いることとしている。すなわち、第1作動口62への入賞により特殊外れ結果になった場合と、第2作動口63への入賞により特殊外れ結果になった場合とで、同じ特殊外れ図柄が表示されるように構成されている。
但し、これに限定されるものではなく、第1特図に対応する特殊外れ結果用の停止結果テーブルと第2特図に対応する特殊外れ結果用の停止結果テーブルとが各別に設けられ、第1作動口62への入賞により特殊外れ結果になった場合と第2作動口63への入賞により特殊外れ結果になった場合とで異なる停止結果テーブルが参照される構成としてもよい。この場合、両者の場合で同じ特殊外れ図柄が表示されてもよいし、異なる特殊外れ図柄が表示されてもよい。
変動開始処理(図382)の説明に戻り、ステップSe708では、実行エリアAEに格納されている大当たり乱数カウンタC1に対応する停止結果を特殊外れ用の停止結果テーブルから読み出し、今回の遊技回の停止結果として設定する。
ステップSe706で否定判定した場合(特殊外れ結果でない場合)は、今回の当否判定の結果が通常外れ結果であることを意味する。この場合は、ステップSe709に進み、上記停止結果テーブル記憶エリア313dに記憶されている通常外れ用の停止結果テーブルを参照して通常外れ用の停止結果(通常外れ図柄)を設定する。ここで、通常外れ用の停止結果テーブルについて図385を参照しながら説明する。
通常外れ用の停止結果テーブルとしては、通常外れ用の第1特図停止結果テーブル(図385(b))と通常外れ用の第2特図停止結果テーブル(図385(a))とが設定されている。通常外れ用の第1特図停止結果テーブルは、第1作動口62への入賞に基づく当否抽選で通常外れとなった場合に参照されるものであり、通常外れ用の第2特図停止結果テーブルは、第2作動口63への入賞に基づく当否抽選で通常外れとなった場合に参照されるものである。
先ず、通常外れ用の第2特図停止結果テーブルについて説明する。図385(a)に示すように、通常外れ用の第2特図停止結果テーブルには、通常外れ用の停止結果として複数の停止結果データが記憶されており、具体的には、停止結果SD18、SD19からなる2種類の停止結果データが記憶されている。
停止結果SD18、SD19に対応する各停止結果データは、それらの停止結果間において、点灯させる表示用セグメントと消灯させる表示用セグメントとの組み合わせが異なるだけでなく、大当たり用や特殊外れ用の停止結果SD0~SD17のいずれに対しても上記組み合わせが異なるようになっている。このため、停止結果SD18、SD19は、表示される際の見た目(絵柄)が相互に異なり、他の停止結果SD0~SD17との関係でも絵柄が重複しないようになっている。
停止結果SD18は、複数の表示用セグメントSG1~SG7のうち中央の表示用セグメントSG3のみが点灯されるものである。すなわち、1個の表示セグメントの点灯により表示される絵柄となっており、見た目がシンプルな絵柄となっている。このため、2個以上の表示用セグメントが点灯される見た目が複雑な大当たり用の停止結果SD0~SD14や特殊外れ用の停止結果SD15~SD17との見分けが付きやすくなっている。一方、停止結果SD19は、2個以上の表示用セグメントが点灯されて絵柄が表示されるものであり、上記各停止結果との見分けが付きにくくなっている。すなわち、停止結果SD18は、通常外れ結果であることを識別しやすく、停止結果SD19は、通常外れ結果であることを識別しにくいものとなっている。
ここで、停止結果SD19は、特殊外れ結果に対応する停止結果SD15~SD17のうち選択確率が最も高い停止結果SD17との間において、点灯される表示用セグメントの少なくとも1つが重複するように設定されている。すなわち、停止結果SD17では、表示用セグメントSG2、SG3、SG4が点灯され、その他の表示用セグメントが消灯されるところ(図384(b))、停止結果SD19では、表示用セグメントSG1、SG2、SG4が点灯され、その他の表示用セグメントが消灯されるように、その停止結果データが設定される。
つまり、通常外れ結果に対応する停止結果SD19と、特殊外れ結果に対応する停止結果SD17とでは、表示用セグメントSG2、SG4にて点灯される表示用セグメントが共通している。よって、停止結果SD19の絵柄は、特殊外れ結果に対応する3種類の絵柄のうち最も表示されやすい絵柄に類似するようになっている。
通常外れ用の第2特図停止結果テーブルでは、停止結果SD18、SD19のそれぞれに対して大当たり乱数カウンタC1の値が対応付けられている。具体的には、大当たり乱数カウンタC1の「30」~「2977」が停止結果SD18に対応し、大当たり乱数カウンタC1の「2978」~「2999」が停止結果SD19に対応している。すなわち、停止結果SD19に対応する大当たり乱数カウンタC1の範囲が停止結果SD18に対応する大当たり乱数カウンタC1の範囲よりも狭くされ、停止結果SD19の選択確率が停止結果SD18の選択確率よりも低く抑えられている。
図385(b)に示すように、通常外れ用の第1特図停止結果テーブルには、通常外れ用の停止結果として停止結果SD18からなる1種類の停止結果データが記憶されている。すなわち、第1特図の当否抽選で通常外れ結果となった場合には、そのときの大当たり乱数カウンタC1の値にかかわらず、停止結果SD18が選択されるように設定されている。
変動開始処理(図382)の説明に戻り、ステップSe709では、今回の通常外れ結果が第1特図と第2特図のいずれの当否抽選によるものなのかを判定し、その判定結果に対応する停止結果テーブルを参照する。そして、参照した停止結果テーブルにおいて、実行エリアAEに格納されている大当たり乱数カウンタC1に対応する停止結果を読み出し、今回の遊技回の停止結果として設定する。
ステップSe705、ステップSe708又はステップSe709の実行後は、ステップSe710にて、高頻度サポートモードでの特図遊技回の回数を更新するための高頻度サポートモード更新用処理を実行する。ステップSe711では、天井時短遊技状態の移行契機が成立したか否かを判定するための天井時短遊技状態の移行判定用処理を実行する。ステップSe712では、突然時短遊技状態の移行契機が成立したか否かを判定するための突然時短遊技状態の移行判定用処理を実行する。ステップSe713では、変動パターンを抽選して変動表示時間を設定するための変動表示時間の設定処理を実行する。ステップSe710~ステップSe713の詳細については後述する。
ステップSe714では、上記各種フラグ格納エリア314eに変動表示フラグをセットする。変動表示フラグは、特図遊技回の変動表示中であることをMPU312が把握するためのものである。
ステップSe715では、演出制御装置143への送信対象として変動開始コマンド及び種別コマンドを設定する。変動開始コマンドには変動パターンの情報が含まれるところ、遊技状態ごとに各別の変動パターンが設定され、また、大当たりであるか外れであるかによっても各別の変動パターンが設定される。よって、演出制御装置143では、変動開始コマンドから変動パターンを解析することで、変動表示時間の情報だけでなく、大当たりの有無や現在の遊技状態についても把握することが可能になる。また、種別コマンドには大当たり種別や特殊外れ種別の情報が含まれる。なお、種別コマンドは、当否判定の結果が大当たりである場合や特殊外れである場合に設定される。
ステップSe716では、特図用表示部43の変動表示を開始する。その際、今回の特図遊技回が第1作動口62への入賞に基づくものである場合は第1特図表示部ASの絵柄を変動表示させ、第2作動口63への入賞に基づくものである場合は第2特図表示部BSの絵柄を変動表示させる。ステップSe716の実行後は変動開始処理を終了する。
特図遊技回制御処理(図380)の説明に戻り、ステップSe506の実行後は、特図遊技回制御処理を終了する。また、ステップSe501で肯定判定した場合(開閉実行モード中)である場合は、ステップSe502以降の処理を実行することなく特図遊技回制御処理を終了する。すなわち、開閉実行モード中である場合は、保留情報が存在していても特図用表示部43での変動表示は行われない。
ステップSe503で肯定判定した場合(特図用表示部43が変動表示中である場合)は、ステップSe507に進み、今回の特図遊技回における変動表示時間が経過したか否かを判定する。変動表示時間が経過していない場合には、ステップSe508にて変動表示用処理を実行する。変動表示用処理では、今回の遊技回に係る特図表示部において各表示用セグメントが所定の順番で点灯及び消灯されていくように当該特図表示部を表示制御(各表示用セグメントを発光制御)する。ステップSe508の実行後は特図遊技回制御処理を終了する。
ステップSe507で肯定判定した場合(変動表示時間が経過している場合)には、ステップSe509に進み、上記各種フラグ格納エリア314eにセットされている変動表示フラグをクリアする。続くステップSe510では、高頻度サポートモードを終了させるための高頻度サポートモード終了用処理を実行する。ステップSe511では時短遊技状態の移行用処理を実行する。時短遊技状態の移行用処理は、遊技状態を突然時短遊技状態や天井時短遊技状態に移行させるためのものである。ステップSe510及びステップSe511の詳細については後述する。
ステップSe512では、確定表示開始用処理を実行し、その後、特図遊技回制御処理を終了する。確定表示開始用処理では、ステップSe705、ステップSe708又はステップSe709で設定した停止結果にて絵柄の停止表示を行うように特図用表示部43を制御する。また、ステップSe512では、上記停止表示を継続する確定表示時間の設定も行う。
ステップSe502で肯定判定した場合(特図用表示部43が確定表示中である場合)は、ステップSe513に進み、確定表示終了用処理を実行する。確定表示終了用処理では、ステップSe512で設定した確定表示時間が経過したか否かを判定し、経過している場合は絵柄の停止表示を終了させるように特図用表示部43を制御する。なお、確定表示時間の経過時において次の保留情報が存在しない場合は、作動口62,63への入賞が発生するまで、そのまま上記停止表示を継続するように制御する。ステップSe513の終了後は特図遊技回制御処理を終了する。
<遊技状態移行処理>
ステップSe404(図379)の遊技状態移行処理について、図386のフローチャートを参照しながら説明する。
先ずステップSe901では、開閉実行モード中であるか否かを判定する。開閉実行モード中でない場合にはステップSe902に進み、特図遊技回が終了したタイミングであるか否か(特図用表示部43での確定表示が終了したタイミングであるか否か)を判定する。特図遊技回の終了タイミングでない場合は、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。
特図遊技回の終了タイミングである場合には、ステップSe903にて、今回の特図遊技回の遊技結果が開閉実行モードへの移行に対応したもの、すなわち、当否判定の結果が大当たりであるか否かを判定する。本ステップでは、RAM314の各種フラグ格納エリア314eに大当たり種別フラグ(ステップSe704)が格納されているか否かを参照することで大当たりであるか否かの判定を行う。今回の特図遊技回の遊技結果が開閉実行モードへの移行に対応しないものである場合は、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。
ステップSe903で肯定判定した場合(今回の特図遊技回の遊技結果が開閉実行モードへの移行に対応するものである場合)は、ステップSe904に進み、開閉実行モードの開始処理を実行する。当該開始処理では、上記各種フラグ格納エリア314eに開閉実行モードフラグをセットする。また、可変入賞装置65を閉鎖状態としたまま初回ラウンドの開始を待機するためのオープニング期間を設定する。さらに、後述する高確率フラグや各種サポートフラグが上記各種フラグ格納エリア314eにセットされている場合は、これらのフラグをクリアする。
ステップSe905では、開閉実行モードのラウンド数を報知するためのラウンド表示の開始処理を実行する。本ステップでは、上記各種フラグ格納エリア314eに格納されている種別フラグに基づいて今回の大当たり種別を把握し、その大当たり種別に対応するラウンド数が表示されるようにラウンド表示部を制御する。なお、ラウンド表示部におけるラウンド数の表示は、開閉実行モードが終了するまで継続される。
ステップSe906では、対応するラウンド数をセットする。具体的には、上記ステップSe905で把握した大当たり種別に対応するラウンド数を特定し、そのラウンド数に対応する値をRAM314の各種カウンタエリア314dに設けられたラウンドカウンタエリアRC1にセットする。例えば、今回の大当たり種別が10R確変大当たり結果である場合はラウンドカウンタエリアRC1に「10」をセットし、7R確変大当たり結果である場合はラウンドカウンタエリアRC1に「7」をセットする。
ステップSe907では、オープニングの開始及びオープニング期間を演出制御装置143に通知するためのオープニングコマンドを設定する。この設定されたオープニングコマンドは、通常処理(図379)におけるステップSe401にて、演出制御装置143に送信される。
ステップSe908では、外部信号設定処理を実行した後に、本遊技状態移行処理を終了する。外部信号設定処理では、外部出力端子213に設けられた大当たり信号用の出力端子を出力状態とする。これにより、大当たり信号用の出力端子が遊技ホール側の管理制御装置に接続されている場合には、当該管理制御装置に大当たり信号が出力され、当該管理制御装置においてパチンコ機10にて大当たりが発生したことを把握することができる。
ステップSe901で肯定判定した場合(開閉実行モード中である場合)は、ステップSe909に進み、オープニング期間が経過したか否かを判定する。オープニング期間が経過していない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。オープニング期間が経過している場合には、ステップSe910にて大入賞口開閉処理を実行する。
ここで、大入賞口開閉処理について図387のフローチャートを参照しながら説明する。
先ずステップSe1001では、大入賞口65aを開放中であるか否かを判定する。この判定は駆動部65dの駆動状態に基づいて行う。大入賞口65aを開放中でない場合には、ステップSe1002にてラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」であるか否かを判定する。ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」でない場合、すなわち、実行すべきラウンド遊技が存在する場合は、ステップSe1003にて、RAM314の各種カウンタエリア344bに設けられたタイマエリアT1の値が「0」であるか否かを判定する。この処理は、ラウンド間の待機期間(ラウンドインターバル期間)が経過したか否かを判定するものである。
タイマエリアT1の値が「0」である場合は、ステップSe1004に進み、1回のラウンド遊技での可変入賞装置65の上限開放時間(30sec)に対応する値として上記タイマエリアT1に「15000」をセットする。ここでセットされた値は、タイマ割込み処理(図376)が起動される都度、1ずつ減算される。ステップSe1005では、1回のラウンド遊技における可変入賞装置65への上限入賞個数(10個)に対応する値として、上記各種カウンタエリア344bに設けられた入賞カウンタエリアPC1に「10」をセットする。
ステップSe1006では、大入賞口65aを開放すべく駆動部65dを駆動状態とする。ステップSe1007では、大入賞口65a(可変入賞装置65)の開放が開始されたことを演出制御装置143に通知するための開放コマンドを設定し、その後、本大入賞口開閉処理を終了する。この設定された開放コマンドは、通常処理(図379)におけるステップSe401にて演出制御装置143に送信される。
ステップSe1002で肯定判定した場合(ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」である場合)又はステップSe1003で否定判定した場合(タイマエリアT1の値が「0」でない場合)は、そのまま本大入賞口開閉処理を終了する。
ステップSe1001で肯定判定した場合(大入賞口65aの開放中である場合)は、ステップSe1008に進み、タイマエリアT1の値が「0」か否かを判定する。この処理は、ステップSe1004で設定した可変入賞装置65の上限開放時間が経過したか否かを判定するものである。
タイマエリアT1の値が「0」でない場合は、ステップSe1009に進み、大入賞口用入賞センサ65cの検知状態に基づいて大入賞口65aへの入賞が発生したか否かを判定する。入賞が発生していない場合には、そのまま本大入賞口開閉処理を終了する。一方、入賞が発生している場合には、ステップSe1010にて入賞カウンタエリアPC1の値を1減算し、その後、ステップSe1011にて入賞カウンタエリアPC1の値が「0」であるか否かを判定する。入賞カウンタエリアPC1の値が「0」でない場合にはそのまま本大入賞口開閉処理を終了する。
ステップSe1008で肯定判定した場合(タイマエリアT1の値が「0」である場合)又はステップSe1011で肯定判定した場合(入賞カウンタエリアPC1の値が「0」である場合)は、ステップSe1012に進み、駆動部65dを非駆動状態に切り替えて大入賞口65aを閉鎖する。ステップSe1013では、ラウンドカウンタエリアRC1の値を1減算し、ステップSe1014では、ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」であるか否かを判定する。
ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」でない場合、すなわち、残りのラウンド遊技が存在する場合は、ステップSe1015に進み、可変入賞装置65を閉鎖状態としたまま次のラウンド遊技の開始を待機する期間(2sec)に対応する値として、上記タイマエリアT1に「1000」をセットする。
ステップSe1016では、可変入賞装置65を閉鎖したこと(ラウンド遊技が終了したこと)を演出制御装置143に通知するための閉鎖コマンドを設定し、その後、本大入賞口開閉処理を終了する。設定された閉鎖コマンドは、通常処理(図379)におけるステップSe401にて演出制御装置143に送信される。
ステップSe1014で肯定判定した場合(ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」である場合)、すなわち、開閉実行モードの最終ラウンドが終了した場合は、ステップSe1017に進み、エンディングの開始処理を実行する。当該開始処理では、可変入賞装置65を閉鎖状態としたまま次の遊技回(開閉実行モードが終了した後の最初の遊技回)の開始を待機するエンディング期間を設定する。ステップSe1018では、エンディングの開始及びエンディング期間を演出制御装置143に通知するためのエンディングコマンドを設定し、その後、本大入賞口開閉処理を終了する。設定されたエンディングコマンドは、通常処理(図379)におけるステップSe401にて演出制御装置143に送信される。
遊技状態移行処理(図386)の説明に戻り、ステップSe910の大入賞口開閉処理を実行した後は、ステップSe911にてラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」であるか否かを判定する。ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」でない場合は、開閉実行モードを継続させるべく、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。
ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」である場合は、ステップSe912に進み、エンディングが終了したか否か(エンディング期間が経過したか否か)を判定する。エンディングが終了していない場合は、エンディングを継続させるべく、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。一方、エンディングが終了している場合は、ステップSe913に進み、開閉実行モード終了時の移行処理を実行する。
ここで、開閉実行モード終了時の移行処理について図388のフローチャートを参照しながら説明する。
先ずステップSe1101では、RAM314の各種フラグ格納エリア314eにセットされた大当たり種別フラグを参照し、今回の大当たりが確変大当たり結果であるか否かを判定する。確変大当たり結果である場合は、ステップSe1102にて、上記各種フラグ格納エリア314eに高確率フラグをセットする。これにより、抽選モードが高確率モードに移行する。
ステップSe1103では、上記各種フラグ格納エリア314eにサポートAフラグをセットする。サポートAフラグは第1高頻度サポートモードに対応するものである。サポートAフラグがセットされることにより、第1高頻度サポートモードに対応した内部状態となる。
ステップSe1104では、演出制御装置143への送信対象として高確開始コマンドを設定し、その後、開閉実行モード終了時の移行処理を終了する。ステップSe1104で設定された高確開始コマンドは、通常処理(図379)におけるステップSe401にて演出制御装置143に送信される。高確開始コマンドが送信されることにより、高確遊技状態(高確率モード且つ第1高頻度サポートモード)への移行が演出制御装置143に通知される。
ステップSe1101で否定判定した場合(今回の大当たり結果が通常大当たり結果である場合)は、ステップSe1105に進み、上記各種フラグ格納エリア314eにサポートAフラグをセットする。これにより、通常時短遊技状態に移行する。
なお、サポートAフラグは、通常大当たり結果として、第1特図に対応した7R通常大当たり結果、3R通常大当たり結果に対応した2種類と、第2特図に対応した10R通常大当たり結果A~3R通常大当たり結果Dの15種類との計17種類が設定されていることに対応して、サポートA1フラグ~サポートA17フラグの17種類のフラグが設定されている。例えば、今回の通常大当たり結果が第1特図の7R通常大当たり結果である場合は、サポートAフラグとしてサポートA1フラグがセットされる。
ステップSe1106では、今回の大当たり結果に対応する上限回数をセットする。例えば、今回の大当たり結果が10R通常大当たり結果Aである場合は、RAM314の各種カウンタエリア314dに設けられたサポートカウンタエリアSCに例えば「3000」をセットし、10R通常大当たり結果Bである場合はサポートカウンタエリアSCに例えば「300」をセットし、10R通常大当たり結果Cである場合はサポートカウンタエリアSCに例えば「200」をセットし、10R通常大当たり結果Dである場合はサポートカウンタエリアSCに例えば「100」をセットする。サポートカウンタエリアSCは、高頻度サポートモードの残り回数(高頻度サポートモードに滞在可能な特図遊技回の残り回数)をMPU312が把握するためのものであり、高頻度サポートモードである状況で特図遊技回が行われるごとに1ずつ減算される。
ステップSe1107では、演出制御装置143への送信対象として通常時短開始コマンドを設定し、その後、開閉実行モード終了時の移行処理を終了する。ステップSe1107で設定された通常時短開始コマンドは、通常処理(図379)におけるステップSe401にて演出制御装置143に送信される。通常時短開始コマンドが送信されることにより、通常時短遊技状態(低確率モード且つ第1高頻度サポートモード)への移行が演出制御装置143に通知される。なお、通常時短開始コマンドには、移行対象となる通常時短遊技状態の種別を示す情報のほか、その上限回数を示す情報が含まれる。
遊技状態移行処理(図386)の説明に戻り、ステップSe913の開閉実行モード終了時の移行処理が終了した後は、ステップSe914にて、ラウンド表示の終了処理を実行する。当該処理では、特図用表示部43におけるラウンド表示部が消灯されるように当該ラウンド表示部を制御する。
ステップSe915では、開閉実行モードの終了処理を実行し、その後、本遊技状態移行処理を終了する。開閉実行モードの終了処理では、上記各種フラグ格納エリア314eに格納された種別フラグ及び開閉実行モードフラグを消去する処理を実行する。
次に、ステップSe710の高頻度サポートモード更新用処理、ステップSe711の天井時短遊技状態の移行判定用処理、ステップSe712の突然時短遊技状態の移行判定用処理について説明する。これらの処理は、変動開始処理(図382)にて実行されるものであり、換言すれば、特図遊技回での変動表示が開始される場合に実行されるものである。
<高頻度サポートモード更新用処理>
ステップSe710の高頻度サポートモード更新用処理について図389のフローチャートを参照しながら説明する。
先ずステップSe1201では、RAM314の各種フラグ格納エリア314eにいずれかのサポートフラグがセットされているか否かを判定する。具体的には、サポートAフラグ、サポートBフラグ、サポートCフラグのいずれかがセットされているか否かを判定する。サポートAフラグは通常時短遊技状態に対応し、サポートBフラグは天井時短遊技状態に対応し、サポートCフラグは突然時短遊技状態に対応する。
いずれかのサポートフラグがセットされている場合、すなわち、高頻度サポートモード中である場合は、ステップSe1202に進み、今回の特図当否抽選の結果が大当たり結果であるか否かを判定する。大当たり結果でない場合は、ステップSe1203にて、RAM314の各種カウンタエリア314dに設けられたサポートカウンタエリアSCの値を更新する。具体的には、サポートカウンタエリアSCの値を1減算する。これにより、時短遊技状態の残り回数(時短遊技状態に滞在可能な遊技回の残り回数)が1減算される。
ステップSe1204では、上記サポートカウンタエリアSCの値が「0」であるか否かを判定する。サポートカウンタエリアSCの値が「0」である場合、すなわち、時短遊技状態での遊技回の実行回数が上限回数に到達している場合には、ステップSe1205に進み、上記各種フラグ格納エリア314eに時短終了用フラグをセットする。時短終了用フラグは、各時短遊技状態を終了すべきであることをMPU312が把握するためのものである。
また、ステップSe1202で肯定判定した場合(今回の特図当否抽選の結果が大当たり結果である場合)は、ステップSe1203及びステップSe1204の処理をスキップした上でステップSe1205の処理を実行する。すなわち、時短遊技状態の途中で大当たり結果となった場合には、その残り回数にかかわらず、当該時短遊技状態を終了させる。
ステップSe1205の実行後は高頻度サポートモード更新用処理を終了する。ステップSe1201で否定判定した場合(いずれのサポートフラグもセットされていない場合)は、時短遊技状態の残り回数を更新しないとして、ステップSe1202以降の処理を実行せずに高頻度サポートモード更新用処理を終了する。また、ステップSe1204で否定判定した場合(サポートカウンタエリアSCの値が「0」でない場合)は、時短遊技状態を終了すべきではないとして、ステップSe1205の処理を実行せずに高頻度サポートモード更新用処理を終了する。
<天井時短遊技状態の移行判定用処理>
ステップSe711の天井時短遊技状態の移行判定用処理について図390のフローチャートを参照しながら説明する。
先ずステップSe1301では、今回の特図当否抽選の結果が大当たり結果であるか否かを判定する。大当たり結果でない場合には、ステップSe1302に進み、RAM314の各種フラグ格納エリア314eに到達済みフラグがセットされているか否かを判定する。到達済みフラグは、外れ遊技回の回数が天井回数に到達済みであることをMPU312が把握するためのものである。
到達済みフラグがセットされていない場合は、ステップSe1303にて、上記各種フラグ格納エリア314eに高確率フラグがセットされているか否かを判定する。高確率フラグがセットされていない場合、すなわち、現在の抽選モードが低確率モードである場合は、ステップSe1304に進み、RAM314の各種カウンタエリア314dに設けられた外れ回数カウンタエリアHCの値を更新する。具体的には、外れ回数カウンタエリアHCの値を1減算する。外れ回数カウンタエリアHCは、天井回数までの残り回数をMPU312が把握するためのものである。
ステップSe1305では、上記外れ回数カウンタエリアHCの値が「0」であるか否かを判定する。外れ回数カウンタエリアHCの値が「0」である場合、すなわち、外れ遊技回の回数が天井回数に到達した場合には、ステップSe1306に進み、上記各種フラグ格納エリア314eに到達済みフラグをセットする。
ステップSe1307では、上記各種フラグ格納エリア314eにいずれかのサポートフラグがセットされているか否かを判定する。すなわち、通常時短遊技状態又は突然時短遊技状態のいずれかの時短遊技状態に滞在中であるか否かを判定する。
いずれのサポートフラグもセットされておらず、現在の遊技状態が時短遊技状態でない場合は、通常遊技状態である状況で外れ回数が天井回数に到達したことを意味する。この場合は、ステップSe1308に進み、上記各種フラグ格納エリア314eに天井時短開始用フラグをセットする。天井時短開始用フラグは、天井時短遊技状態に移行すべきであることをMPU312が把握するためのものである。
ステップSe1307で否定判定した場合(いずれかのサポートフラグがセットされている場合)は、時短遊技状態に滞在している状況で外れ回数が天井回数に到達したことを意味する。この場合は、ステップSe1309に進み、滞在中の時短遊技状態と天井時短遊技状態とのいずれを優先するかを選択するための優先用処理を実行する。ステップSe1309の詳細については後述する。
ステップSe1308又はステップSe1309の実行後は天井時短遊技状態の移行判定用処理を終了する。また、ステップSe1302で肯定判定した場合(到達済みフラグがセットされている場合)又はステップSe1303で肯定判定した場合(高確率フラグがセットされている場合)は、ステップSe1304以降の処理を実行することなく、天井時短遊技状態の移行判定用処理を終了する。また、ステップSe1305で否定判定した場合(外れ回数カウンタエリアHCの値が「0」でない場合)は、ステップSe1306以降の処理を実行することなく、天井時短遊技状態の移行判定用処理を終了する。
ステップSe1301で肯定判定した場合(大当たり結果である場合)は、ステップSe1310に進み、上記カウンタエリアHCに天井回数に対応した値(例えば990)をセットする。ステップSe1311では、上記各種フラグ格納エリア314eに到達済みフラグがセットされているか否かを判定する。
到達済みフラグがセットされている場合は、ステップSe1312にて、その到達済みフラグをクリアする処理を実行する。ステップSe1312の実行後又はステップSe1311で否定判定した場合(到達済みフラグがセットされていない場合)は、天井時短遊技状態の移行判定用処理を終了する。
<優先用処理>
ステップSe1309の優先用処理について図391のフローチャートを参照しながら説明する。
先ずステップSe1401では、RAM314の各種フラグ格納エリア314eに時短終了用フラグがセットされているか否かを判定する。すなわち、今回の特図遊技回が滞在中の時短遊技状態(滞在時短)における最終遊技回であるか否かを判定する。
時短終了用フラグがセットされていない場合は、時短遊技状態に滞在している状況において、その最終遊技回よりも前の特図遊技回にて外れ遊技回の回数が天井回数に到達したことを意味する。この場合はステップSe1402に進み、滞在時短の残り回数(その時短遊技状態に滞在可能な特図遊技回の残り回数)を把握する。この把握は、RAM314の各種カウンタエリア314dにおける外れ回数カウンタエリアHCの値を参照して行う。
ステップSe1403では、天井時短遊技状態の上限回数(今回の上限回数)を把握する。本ステップでは、当該上限回数として990回を把握する。
ステップSe1404では、ステップSe1402で把握した滞在時短の残り回数と、ステップSe1403で把握した今回の上限回数とを比較し、後者が前者よりも多いか否かを判定する。今回の上限回数(天井時短遊技状態の上限回数)が滞在時短の残り回数よりも多い場合、すなわち、天井時短遊技状態に移行することで時短遊技状態の残り回数が増えることになる場合は、滞在時短の継続よりも天井時短遊技状態への移行を優先すべきと認識する。
この場合は、ステップSe1405にて、滞在中の時短遊技状態を終了させるべく、上記各種フラグ格納エリア314eに時短終了用フラグをセットする。続くステップSe1406では、天井時短遊技状態(今回の時短遊技状態)に移行させるべく、上記各種フラグ格納エリア314eに天井時短開始用フラグをセットし、その後、優先用処理を終了する。
ステップSe1404で否定判定した場合(今回の上限回数が滞在時短の残り回数以下である場合)は、天井時短遊技状態への移行よりも滞在時短の継続を優先すべきと認識する。この場合は、ステップSe1405及びステップSe1406の処理を実行することなく、そのまま優先用処理を終了する。
また、ステップSe1401で肯定判定した場合(時短終了用フラグがセットされている場合)は、今回の特図遊技回が滞在時短の最終遊技回であり、今回の特図遊技回の終了により滞在時短が終了することを意味する。この場合は、ステップSe1402~ステップSe1405をスキップしてステップSe1406に進み、天井時短遊技状態に移行させるべく、上記各種フラグ格納エリア314eに天井時短開始用フラグをセットする。
<突然時短遊技状態の移行判定用処理>
ステップSe712の突然時短遊技状態の移行判定用処理について図392のフローチャートを参照しながら説明する。
先ずステップSe1501では、今回の特図当否抽選の結果が特殊外れ結果であるか否かを判定する。具体的には、RAM314の各種フラグ格納エリア314eに特殊外れ種別フラグがセットされているか否かを判定する。特殊外れ種別フラグは、ステップSe701(図382)の当否判定で特殊外れ結果と判定された場合にセットされるものである(ステップSe707)。
特図当否抽選の結果が特殊外れ結果でない場合(特殊外れ種別フラグがセットされていない場合)は、そのまま突然時短遊技状態の移行判定用処理を終了する。一方、特図当否抽選の結果が特殊外れ結果である場合は、ステップSe1502に進み、上記各種フラグ格納エリア314eに天井時短開始用フラグがセットされているか否かを判定する。
天井時短開始用フラグがセットされている場合は、今回の特図遊技回が天井回数への到達遊技回であることを意味し、換言すれば、外れ遊技回の回数の天井回数への到達と特殊外れ結果への当選とが同一の特図遊技回で発生したことを意味する。この場合は、天井時短遊技状態への移行を優先すべく、突然時短遊技状態への移行を行わないとして、そのまま突然時短遊技状態の移行判定用処理を終了する。
なお、天井時短遊技状態への移行と突然時短遊技状態への移行とが競合した場合に前者を優先するのは次の理由による。
天井時短遊技状態は、外れ遊技回の累積回数により移行するため、外れ遊技回が天井回数に到達する前(移行契機が成立する前)から遊技者が天井時短遊技状態への移行を予測できるという特性がある。一方、突然時短遊技状態は特殊外れ結果への当選を移行契機とし、1の遊技回の中で成立する条件に基づいて移行するため、当該移行契機が成立する前の段階から遊技者が突然時短遊技状態への移行を予測することができない。これらのことより、天井時短遊技状態への移行契機と突然時短遊技状態への移行契機とが同時に成立し、いずれかの時短遊技状態を選ばざるを得ない場合にあっては、突然時短遊技状態への移行を制限し、天井時短遊技状態への移行を優先させることで、遊技者の気付きを抑制しながら移行先の時短遊技状態を調整することができる。
ステップSe1502で否定判定した場合(天井時短開始用フラグがセットされていない場合)は、ステップSe1503にて、上記各種フラグ格納エリア314eにいずれかのサポートフラグがセットされているか否かを判定する。いずれのサポートフラグもセットされていない場合、すなわち、現在の遊技状態が通常遊技状態である場合は、ステップSe1504にて、上記各種フラグ格納エリア314eに突然時短開始用フラグをセットする。突然時短開始用フラグは、突然時短遊技状態に移行すべきであることをMPU312が把握するためのものである。ステップSe1504の実行後は突然時短遊技状態の移行判定用処理を終了する。
ステップSe1503で肯定判定した場合(いずれかのサポートフラグがセットされている場合)は、現在の遊技状態が時短遊技状態であり、時短遊技状態に滞在している状況で特殊外れ結果となったことを意味する。この場合は、ステップSe1505にて、滞在中の時短遊技状態と突然時短遊技状態とのいずれを優先するかを選択するための優先用処理を実行し、その後、突然時短遊技状態の移行判定用処理を終了する。
ステップSe1505の優先用処理は、ステップSe1309(図390)の優先用処理(図391)と基本的に同じである。図391を援用して説明すると、ステップSe1401では、RAM314の各種フラグ格納エリア314eに時短終了用フラグがセットされているか否かを判定する。時短終了用フラグがセットされていない場合、すなわち、時短遊技状態に滞在している状況において、その最終遊技回よりも前の特図遊技回にて特殊外れ結果となった場合は、ステップSe1402に進み、滞在時短の残り回数(その時短遊技状態に滞在可能な特図遊技回の残り回数)を把握する。
ステップSe1403では、今回の特殊外れ結果の種別に対応する突然時短遊技状態の上限回数(今回の上限回数)を把握する。この把握は、上記各種フラグ格納エリア314eにセットされている特殊外れ種別フラグを参照して今回の特殊外れ結果の種別を特定し、その特定に基づいて今回の突然時短遊技状態の種別を導出することにより行う。例えば、セットされている特殊外れ種別フラグが特殊外れ結果Aに対応するフラグである場合は、突然時短遊技状態Aの上限回数(例えば200回)を今回の上限回数として把握する。
ステップSe1404では、ステップSe1402で把握した滞在時短の残り回数と、ステップSe1403で把握した今回の上限回数とを比較し、後者が前者よりも多いか否かを判定する。今回の上限回数(当選した特殊外れ結果に対応する突然時短遊技状態の上限回数)が滞在時短の残り回数よりも多い場合、すなわち、突然時短遊技状態に移行することで時短遊技状態の残り回数が増えることになる場合は、滞在時短の継続よりも突然時短遊技状態への移行を優先すべきと認識する。
この場合は、ステップSe1405にて、滞在中の時短遊技状態を終了させるべく、上記各種フラグ格納エリア314eに時短終了用フラグをセットする。続くステップSe1406では、突然時短遊技状態(今回の時短遊技状態)に移行させるべく、上記各種フラグ格納エリア314eに突然時短開始用フラグをセットする。
ステップSe1404で否定判定した場合(今回の上限回数が滞在時短の残り回数以下である場合)は、突然時短遊技状態への移行よりも滞在時短の継続を優先すべきと認識する。この場合は、ステップSe1405及びステップSe1406の処理を実行することなく、そのまま優先用処理を終了する。
<変動表示時間の設定処理>
ステップSe713の変動表示時間の設定処理について図393のフローチャートを参照しながら説明する。
先ずステップSe1601では、現在の遊技状態を把握する。具体的には、高確率フラグ、各種サポートフラグのいずれがRAM314の各種フラグ格納エリア314eにセットされているかを把握し、その結果に基づいて現在の遊技状態が通常遊技状態、高確遊技状態、通常時短遊技状態、突然時短遊技状態、天井時短遊技状態のいずれであるかを特定する。本ステップでは、高確率フラグ及びサポートAフラグがセットされている場合に高確遊技状態であると特定し、サポートAフラグのみがセットされている場合に通常時短遊技状態であると特定し、サポートBフラグがセットされている場合に天井時短遊技状態であると特定し、サポートCフラグがセットされている場合に突然時短遊技状態であると特定する。
ステップSe1602では、ステップSe1601で把握した遊技状態が通常遊技状態であるか否かを判定する。通常遊技状態である場合は、ステップSe1603に進み、通常遊技状態用の変動表示時間テーブルを取得する。変動表示時間テーブルは、変動種別カウンタCSの値に基づいて変動表示時間(変動パターン)を選択するために用いられるものである。
ここで、通常遊技状態用の変動表示時間テーブルについて図394を参照しながら説明する。通常遊技状態用の変動表示時間テーブルとしては、大当たり用の変動表示時間テーブル(図394(a))と、特殊外れ用の変動表示時間テーブル(図394(b))と、通常外れ用の変動表示時間テーブル(図394(c))とが設定されている。各変動表示時間テーブルでは、変動種別カウンタCSの数値範囲と、変動パターンの情報とが対応付けられて設定されている。
通常遊技状態に対応する大当たり用の変動表示時間テーブルは、通常遊技状態中の特図遊技回にて大当たり結果となった場合に参照されるものである。図394(a)に示すように、この変動表示時間テーブルでは、選択可能な変動パターンとして変動パターン1A(15sec)と、変動パターン2A(60sec)と、変動パターン3A(120sec)とが設定されている。変動種別カウンタCSを用いて変動パターンが選択された場合には、第1特図表示部AS又は第2特図表示部BSにおける絵柄の変動表示時間として、選択された変動パターンに対応する変動表示時間が設定される。
また、変動パターンが選択された場合は、その変動パターンを示す情報が変動開始コマンドとして演出制御装置143に送信される。演出制御装置143では、受信した変動開始コマンドに基づき、主制御装置162で選択された変動パターンを把握する。そして、その把握した変動パターンに対応する変動表示時間にて各図柄列Z1~Z3の変動表示が行われるように表示制御装置350を制御する。これにより、第1特図表示部AS又は第2特図表示部BSでの絵柄の変動表示に同期して図柄表示装置75にて各図柄列Z1~Z3が変動表示される。
また、各変動パターンは、図柄表示装置75で行われるリーチ演出等の遊技回用演出にも対応している。具体的には、変動パターン1Aはノーマルリーチ当たり演出に対応し、変動パターン2AはSPリーチ(スーパーリーチ)当たり演出に対応し、変動パターン3AはSPSPリーチ当たり演出に対応している。すなわち、演出制御装置143では、受信した変動開始コマンドから変動パターンを把握した場合に、その変動パターンに対応する遊技回用演出が図柄表示装置75で行われるように表示制御装置350を制御する。
上記各リーチ当たり演出は、リーチ表示が行われた後、図柄列Z1~Z3の各図柄が大当たりの図柄組み合わせで停止表示されるものである。ここで、リーチ表示(リーチ状態)とは、図柄(絵柄)の変動表示(又は可変表示)を行うことが可能な図柄表示装置75を備え、変動表示後の停止表示結果が特別表示結果(大当たり結果)になった場合に、遊技状態が遊技者に有利な特別遊技状態(開閉実行モード)となる遊技機において、図柄表示装置75における図柄(絵柄)の変動表示(又は可変表示)が開始されてから停止表示結果が導出表示される前段階で、前記特別表示結果となり易い変動表示状態であると遊技者に思わせるための表示状態をいう。
換言すれば、図柄表示装置75の表示画面Gに表示される複数の図柄列のうち一部の図柄列について図柄を停止表示させることで、大当たり状態の発生に対応した大当たりの図組み合わせが成立する可能性があるリーチ図柄の組み合わせを表示し、その状態で残りの図柄列において図柄の変動表示を行う表示状態のことである。より具体的には、図柄の変動表示を終了させる前段階として、最終停止列の図柄が変動表示された状態で、表示画面G内の有効ライン上に最終停止列以外の図柄列の図柄を大当たりの図柄組み合わせを構成する態様で停止表示させることによりリーチラインを形成させることである。
ノーマルリーチ当たり演出は、上記リーチ表示が行われた後に大当たりの図柄組み合わせで図柄が停止表示されるものである。SPリーチ演出は、ノーマルリーチ演出よりも上位のリーチ演出であり、リーチラインの形成後にキャラクタ等が登場する所定演出が行われ、当該所定演出の後に大当たりの図柄組み合わせで図柄が停止表示されるものである。SPSPリーチ演出は、SPリーチ演出よりも上位のリーチ演出であり、SPリーチ演出から発展する発展演出が行われた後、大当たりの図柄組み合わせで図柄が停止表示されるものである。なお、図394(a)における「備考(演出態様)」欄の項目は、便宜上付したものであり、変動表示時間テーブルに設定されるものではない。
通常遊技状態に対応する特殊外れ用の変動表示時間テーブルは、通常遊技状態中の特図遊技回にて特殊外れ結果となった場合に参照されるものである。図394(b)に示すように、この特殊外れ用の変動表示時間テーブルでは、選択可能な変動パターンとして変動パターンZ1(15sec)が設定されている。すなわち、変動種別カウンタCSの値にかかわらず、常に変動パターンZ1が選択される。既に説明したように、特殊外れ結果は突然時短遊技状態への移行契機となるものである。
変動パターンZ1は特殊リーチ外れA演出に対応しており、変動パターンZ1に対応する変動開始コマンドが演出制御装置143に送信された場合、図柄表示装置75では遊技回用演出として特殊リーチ外れA演出が実行される。ここで、特殊リーチ外れA演出について図395を参照しながら説明する。
特殊リーチ外れA演出では先ず、図395(a)に示すように、表示画面G上の有効ラインL1~L5のいずれかに上図柄列Z1と下図柄列Z3がリーチの組み合わせで停止表示され、リーチ表示が実行される。その後、中図柄列Z2(最終停止列の図柄列)が高速変動表示から低速変動表示に切り替えられるが、その際、図395(b)に示すように、大当たりの組合せとなる図柄とは異なる図柄の位置に、例えば「LUCKY」等の文字が付された特殊図柄811が配置された状態で低速変動表示が行われる。これにより、特殊図柄811の存在を遊技者が把握できるようにして変動表示が行われる。なお、図395(b)には、大当たりの組合せとなる「3」図柄に対して次の図柄となる「4」図柄の位置に特殊図柄811が配置された例を示している。
次いで、図395(c)に示すように、低速変動表示している特殊図柄811がリーチライン上に停止表示される。本実施の形態では、上図柄列Z1及び下図柄列Z3によりリーチラインが形成された後、そのリーチライン上に中図柄列Z2の特殊図柄811が停止表示される図柄組合せが特殊外れ結果に対応する図柄組合せとなっており、これにより、特殊外れ結果になったことが報知される。
通常遊技状態に対応する通常外れ用の変動表示時間テーブルは、通常遊技状態中の特図遊技回にて通常外れ結果となった場合に参照されるものである。図394(c)に示すように、この変動表示時間テーブルでは、選択可能な変動パターンとして変動パターン1Hと、変動パターン2H(15sec)と、変動パターン3H(60sec)と、変動パターン4H(120sec)とが設定されている。各変動パターンに対応して変動表示時間が定められている点は大当たり用の変動表示時間テーブルと同様であるが、変動パターン1Hに対応する変動表示時間については、そのときの第1特図又は第2特図の保留数によって変動するようになっている。具体的には、保留数が2個以下である状況で変動パターン1Hが選択された場合には変動表示時間が8secとなり、保留数が3個以上である状況で変動パターン1Hが選択された場合には変動表示時間が8secよりも短い4secとなるように構成されている。
変動パターン1Hは図柄表示装置75での完全外れ演出に対応し、変動パターン2Hはノーマルリーチ外れ演出に対応し、変動パターン3HはSPリーチ外れ演出に対応し、変動パターン4HはSPSPリーチ外れ演出に対応している。
完全外れ演出は、リーチ表示が行われることなく、外れの図柄組み合わせで図柄が停止表示されるものである。また、上記各リーチ外れ演出は、リーチ表示が行われた後、図柄列Z1~Z3の各図柄がリーチ外れの図柄組み合わせ(リーチライン上に停止表示する最終停止列の図柄が、リーチ図柄との組み合わせにより大当たりを形成する図柄以外の図柄となる状態)で停止表示されるものである。なお、SPリーチ外れ演出は、SPリーチ当たり演出に対応するものであり、SPリーチ当たり演出と同種の所定演出が行われた後、外れ対応の結末映像が表示され、リーチ外れの図柄組み合わせで図柄が停止表示されるものである。また、SPSPリーチ外れ演出についてもSPSPリーチ当たり演出に対応するものである。
大当たり用の変動表示時間テーブルでは、変動種別カウンタCSの「0」が変動パターン1Aに対応し、「1」~「29」が変動パターン2Aに対応し、「30」~「99」が変動パターン3Aに対応している。一方、通常外れ用の変動表示時間テーブルでは、変動種別カウンタCSの「0」~「64」が変動パターン1Hに対応し、「65」~「84」が変動パターン2Hに対応し、「85」~「94」が変動パターン3Hに対応し、「95」~「98」が変動パターン4Hに対応している。
作動口62,63への入賞に基づく当否抽選の結果が大当たり結果である場合には、SPSPリーチ演出に対応する変動パターン3Aが最も選ばれやすく、上記当否抽選の結果が通常外れ結果である場合には、SPSPリーチ演出に対応する変動パターン4Hが最も選ばれにくくなっている。つまり、SPSPリーチ演出は、大当たりである場合に最も実行されやすく、通常外れである場合に最も実行されにくいリーチ演出となるため、大当たりの期待度が最も高い最上位のリーチ演出として機能することになる。
変動パターン3Aや変動パターン4H以外の変動パターンについても、上位リーチ演出に対応する変動パターンほど大当たりである場合に選ばれやすく、通常外れである場合に選ばれにくくなっている。すなわち、ノーマルリーチ演出<SPリーチ演出<SPSPリーチ演出の順で大当たりの期待度が高くなっている。
また、図394(c)に示すように、通常遊技状態に対応する通常外れ用の変動表示時間テーブルでは、選択可能な変動パターンとして変動パターンZ2が設定されている。変動パターンZ2は、変動種別カウンタの値が「99」である場合に選択されるものである。
変動パターンZ2は特殊リーチ外れB演出に対応しており、変動パターンZ2に対応する変動開始コマンドが演出制御装置143に送信された場合、演出制御装置143では、図柄表示装置75にて特殊リーチ外れB演出が実行されるように制御する。特殊リーチ外れB演出は、特殊リーチ外れA演出と対をなす所謂ガセ演出であり、特殊外れへの期待感を煽った上でそれとは異なる図柄組合せで図柄列Z1~Z3を停止表示させるものである。
特殊リーチ外れB演出では、図395(a)、(b)に示すように、上図柄列Z1及び下図柄列Z3によるリーチ表示が実行された後、特殊図柄711を含む状態で中図柄列Z2が低速変動表示される。すなわち、特殊リーチ外れA演出と同様の態様にて図柄変動演出の途中までが実行される。その後、例えば、特殊図柄711がリーチラインを通り過ぎるなどして、図395(d)に示すように、中図柄列Z2において特殊図柄711とは異なる図柄がリーチライン上に停止表示される。つまり、特殊外れ結果に対応する図柄組合せが成立するかのように見せかけつつ、最終的には当該組合せが成立しないようにして図柄列Z1~Z3が停止表示される。
変動表示時間の設定処理(図393)の説明に戻り、ステップSe1603では、通常遊技状態用の各種変動表示時間テーブルの中から今回の特図当否判定(ステップSe702)の結果に対応したものを取得する。具体的には、今回の特図当否判定の結果が大当たり結果である場合は大当たり用の変動表示時間テーブルを取得し、今回の特図当否判定の結果が特殊外れ結果である場合は特殊外れ用の変動表示時間テーブルを取得し、今回の特図当否判定の結果が通常外れ結果である場合は通常外れ用の変動表示時間テーブルを取得する。
ステップSe1602で否定判定した場合(通常遊技状態でない場合)は、ステップSe1604に進み、ステップSe1601で把握した現在の遊技状態が高確遊技状態であるか否かを判定する。高確遊技状態である場合はステップSe1605にて、高確遊技状態用の変動表示時間テーブルを取得する。
高確遊技状態用の変動表示時間テーブルについて図396を参照しながら説明する。高確遊技状態用の変動表示時間テーブルとしては、大当たり用の変動表示時間テーブル(図396(a))と、通常外れ用の変動表示時間テーブル(図396(b))とが設定されている。
高確遊技状態に対応する大当たり用の変動表示時間テーブルは、高確遊技状態中の特図遊技回にて大当たり結果となった場合に参照されるものである。図396(a)に示すように、この変動表示時間テーブルでは、選択可能な変動パターンとしてSPリーチ当たりに対応する変動パターン11A(60sec)と、SPSPリーチ当たりに対応する変動パターン12A(120sec)とが設定されている。
高確遊技状態に対応する通常外れ用の変動表示時間テーブルは、高確遊技状態中の特図遊技回にて通常外れ結果となった場合に参照されるものである。図396(b)に示すように、この変動表示時間テーブルでは、選択可能な変動パターンとして完全外れに対応する変動パターン11Hと、SPリーチ外れに対応する変動パターン12H(60sec)と、SPSPリーチ外れに対応する変動パターン13H(120sec)とが設定されている。高確遊技状態での通常外れ用の変動表示時間テーブルでは、完全外れに対応する変動種別カウンタCSの範囲が通常遊技状態での通常外れ用の変動表示時間テーブルよりも広くなっている。すなわち、リーチ外れ演出が発生しにくくなっており、スピーディに遊技を進められるようになっている。
なお、完全外れに対応する変動パターン11Hの変動表示時間については、通常遊技状態での通常外れ用の変動表示時間テーブルよりも早く変動表示時間の短縮機能が発動するものとなっている。具体的には、保留数が1個以下である場合は8secとなり、保留数が2個以上である場合は4secとなるように構成されている。
ステップSe1605では、高確遊技状態用の各種変動表示時間テーブルの中から今回の特図当否判定の結果に対応したものを取得する。なお、高確遊技状態用の当否テーブルには特殊外れ結果が設定されていないため(図372(b))、高確遊技状態用の変動表示時間テーブルにおいても特殊外れ結果に対応するものは設定されていない。
ステップSe1604で否定判定した場合(高確遊技状態でない場合)は、現在の遊技状態が時短遊技状態(通常時短遊技状態、天井時短遊技状態又は突然時短遊技状態)であることを意味する。この場合はステップSe1606にて、時短遊技状態用の変動表示時間テーブルを取得する。
時短遊技状態用の変動表示時間テーブルについて図397を参照しながら説明する。時短遊技状態用の変動表示時間テーブルとしては、大当たり用の変動表示時間テーブル(図397(a))と、特殊外れ用の変動表示時間テーブル(図397(b))と、通常外れ用の変動表示時間テーブルA(図397(c))と、通常外れ用の変動表示時間テーブルB(図397(d))とが設定されている。
時短遊技状態に対応する大当たり用の変動表示時間テーブルは、時短遊技状態中の特図遊技回にて大当たり結果となった場合に参照されるものである。図397(a)に示すように、この変動表示時間テーブルでは、選択可能な変動パターンとしてノーマルリーチ当たりに対応する変動パターン21A(15sec)と、SPリーチ当たりに対応する変動パターン22A(60sec)と、SPSPリーチ当たりに対応する変動パターン23A(120sec)とが設定されている。
時短遊技状態に対応する特殊外れ用の変動表示時間テーブルは、時短遊技状態中の特図遊技回にて特殊外れ結果となった場合に参照されるものである。図397(b)に示すように、この変動表示時間テーブルでは、突然時短遊技状態への移行の有無により変動パターンの選択態様が異なるように構成されている。具体的には、突然時短遊技状態への移行がある場合は変動パターンW1(15sec)が選択され、突然時短遊技状態への移行がない場合は変動パターンW2(15sec)が選択されるようになっている。
変動パターンW1は特殊リーチ外れA演出に対応し、変動パターンW2は特殊リーチ外れA演出及び特殊リーチ外れB演出に対応している。変動パターンW2に対応する変動開始コマンドが送信された場合、演出制御装置143では、特殊リーチ外れA演出と特殊リーチ外れB演出とのいずれかを選択して実行する。特殊リーチ外れA演出又は特殊リーチ外れB演出を選択して実行するための構成については、後に詳細に説明する。
時短遊技状態に対応する通常外れ用の変動表示時間テーブルAは、時短遊技状態中の特図遊技回にて通常外れ結果となり、特図用表示部43での停止結果として停止結果SD18(図385(a))が選択された場合に参照されるものである。図397(c)に示すように、この変動表示時間テーブルAでは、選択可能な変動パターンとして完全外れに対応する変動パターン21Hと、ノーマルリーチ外れに対応する変動パターン22H(15sec)と、SPリーチ外れに対応する変動パターン23H(60sec)と、SPSPリーチ外れに対応する変動パターン24H(120sec)とが設定されている。
時短遊技状態の通常外れ用変動表示時間テーブルAでは、通常遊技状態の通常外れ用変動表示時間テーブルに比べて完全外れの割合が少なくなっているが、これは、リーチ演出の発生頻度を高めることで、リーチ演出が発生しないまま時短遊技状態が終了してしまうことを抑制するためである。なお、完全外れに対応する変動パターン21Hの変動表示時間については、高確遊技状態の通常外れ用変動表示時間テーブルと同様に、保留数が1個以下である場合は8secとなり、保留数が2個以上である場合には4secとなるように構成されている。
時短遊技状態に対応する通常外れ用の変動表示時間テーブルBは、時短遊技状態中の特図遊技回にて通常外れ結果となり、特図用表示部43での停止結果として停止結果SD19(図385(a))が選択された場合に参照されるものである。図397(d)に示すように、選択可能な変動パターンとして特殊リーチ外れA演出、特殊リーチ外れB演出及びノーマルリーチ外れに対応する変動パターンW3(15sec)が設定されている。変動パターンW3は、特殊リーチ外れA演出、特殊リーチ外れB演出及びノーマルリーチ外れの3種類のリーチ外れ演出に対応するところ、変動パターンW3が送信された場合、演出制御装置143では、特殊リーチ外れA演出、特殊リーチ外れB演出及びノーマルリーチ外れのいずれかを選択して実行する。それら各リーチ外れ演出を選択して実行するための構成については、後に詳細に説明する。
なお、本実施の形態では、通常時短遊技状態、天井時短遊技状態及び突然時短遊技状態に対して共通の変動表示時間テーブルが設定されるが、これら各時短遊技状態に対して各別に変動表示時間テーブルが設定される構成としてもよい。また、図394、図396、図397に示す各変動表示時間テーブルは一例に過ぎず、変動パターンの種類数や各変動パターンに対応する変動種別カウンタCSの数値範囲は任意に設定することができる。
変動表示時間の設定処理(図393)の説明に戻り、ステップSe1606では、時短遊技状態用の各種変動表示時間テーブルの中からその時点での状況に対応したものを取得する。具体的には、今回の特図当否判定の結果と、当該結果に基づく突然時短遊技状態への移行の有無とを参照し、それらに対応したテーブルを取得する。
ステップSe1603、ステップSe1605又はステップSe1606の実行後は、ステップSe1607にて、それら各ステップで取得した変動表示時間テーブルを用い、変動表示時間(変動パターン)の抽選処理を実行する。具体的には、変動表示時間テーブルに設定されている変動パターン群の中から、実行エリアAEに格納されている変動種別カウンタCSに対応する1の変動パターンを特定する。
ステップSe1608では、上記ステップSe1607で特定した変動パターンに対応する変動表示時間を今回の特図遊技回における変動表示時間としてセットする。本ステップでは、特定した変動パターンに対応する変動表示時間の値を、RAM314の各種カウンタエリア314dに設けられた変動表示時間カウンタエリアにセットする。例えば、変動表示時間が15secである場合は、それに対応する値として上記変動表示時間カウンタエリアに7500をセットする。このセットされた値は、タイマ割込み処理(図376)が起動される度に1減算される。
ステップSe1609では、RAM314の各種フラグ格納エリア314eに特殊外れフラグがセットされているか否かを判定する。特殊外れフラグがセットされている場合は、ステップSe1610に進み、当該フラグをクリアする処理を実行する。ステップSe1610の実行後又はステップSe1609で否定判定した場合(特殊外れフラグがセットされていない場合)は変動表示時間の設定処理を終了する。
次に、ステップSe510(図380)の高頻度サポートモード終了用処理、ステップSe511の時短遊技状態の移行用処理について説明する。これらの処理は、特図遊技回において変動表示時間が経過した場合に実行されるものであり、換言すれば、特図遊技回での確定表示が開始される場合に実行されるものである。
<高頻度サポートモード終了用処理>
ステップSe510の高頻度サポートモード終了用処理について図398のフローチャートを参照しながら説明する。
先ずステップSe1701では、RAM314の各種フラグ格納エリア314eにいずれかのサポートフラグがセットされているか否かを判定する。いずれかのサポートフラグがセットされている場合、すなわち、通常時短遊技状態、天井時短遊技状態又は突然時短遊技状態のいずれかに滞在中である場合は、ステップSe1702に進み、時短終了用フラグがセットされているか否かを判定する。時短終了用フラグは時短遊技状態を終了すべきであることを示すものであり、今回の特図遊技回が時短遊技状態における上限回数目の遊技回(最終回の遊技回)である場合や、優先用処理(ステップSe1309、ステップSe1505)において、滞在時短を終了させて突然時短遊技状態への移行を実行する旨を判定した場合等に当該フラグがセットされる。
時短終了用フラグがセットされている場合は、ステップSec1703に進み、上記各種フラグ格納エリア314eにセットされているサポートフラグをクリアする。これにより、滞在中の時短遊技状態が終了する。すなわち、本実施の形態では、時短遊技状態の終了条件が成立した特図遊技回の確定表示の開始タイミングにて時短遊技状態の終了処理が行われる。
ステップSe1704では、上記各種フラグ格納エリア314eにセットされている時短終了用フラグをクリアする。続くステップSe1705では、演出制御装置143への送信対象として、対応する時短遊技状態終了コマンドを設定する。例えば、通常時短遊技状態を終了させた場合には、通常遊技状態の終了に対応した時短遊技状態終了コマンドを設定する。
ステップSe1705の実行後は高頻度サポートモード終了用処理を終了する。また、ステップSe1701で否定判定した場合(いずれのサポートフラグもセットされていない場合)又はステップSe1702で否定判定した場合(時短終了用フラグがセットされていない場合)は、ステップSe1703以降の処理を実行することなく、高頻度サポートモード終了用処理を終了する。
<時短遊技状態の移行用処理>
ステップSe511の時短遊技状態の移行用処理について図399のフローチャートを参照しながら説明する。
先ずステップSe1801では、RAM314の各種フラグ格納エリア314eに天井時短開始用フラグがセットされているか否かを判定する。天井時短開始用フラグは、変動開始時におけるステップSe711の移行判定用処理でセットされるものであり(ステップSe1308、ステップSe1406)、天井時短遊技状態に移行すべきであることを示すものである。
天井時短開始用フラグがセットされている場合、すなわち、天井時短遊技状態に移行すべき状況である場合は、ステップSe1802に進み、上記各種フラグ格納エリア314eにサポートBフラグをセットする。これにより、天井時短遊技状態に移行する。
ステップSe1801で否定判定した場合(天井時短開始用フラグがセットされていない場合)は、ステップSe1803に進み、上記各種フラグ格納エリア314eに突然時短開始用フラグがセットされているか否かを判定する。突然時短開始用フラグは、変動開始時におけるステップSe712の移行判定処理でセットされるものであり(ステップSe1504、ステップSe1406)、突然時短遊技状態に移行すべきであることを示すものである。
突然時短開始用フラグがセットされている場合、すなわち、突然時短遊技状態に移行すべき状況である場合は、ステップSe1804に進み、サポートCフラグを上記各種フラグ格納エリア314eにセットする。これにより、突然時短遊技状態に移行する。なお、サポートCフラグは、突然時短遊技状態として突然時短遊技状態A~突然時短遊技状態Cの3種類が設定されていることに対応して、サポートC1フラグ~サポートC3フラグの3種類のフラグが設定されている。例えば、移行すべき突然時短遊技状態が突然時短遊技状態Aである場合(今回の特殊外れ結果の種別が特殊外れ結果Aである場合)は、サポートCフラグとしてサポートC1フラグがセットされる。
ステップSe1802又はステップSe1804の実行後は、ステップSe1805にて、移行する時短遊技状態に対応した上限回数をセットする。具体的には、当該上限回数に対応する値を、RAM314の各種カウンタエリア314dに設けられたサポートカウンタエリアSCにセットする。例えば、移行対象の時短遊技状態が天井時短遊技状態である場合は、上限回数に対応する値として1100をセットし、移行対象の時短遊技状態が突然時短遊技状態Aである場合は、上限回数に対応する値として200をセットする。サポートカウンタエリアSCは、時短遊技状態の残り回数をMPU312が把握するためのものである。
ステップSe1806では、上記各種フラグ格納エリア314eにセットされている時短開始用フラグをクリアし、ステップSe1807では、演出制御装置143への送信対象として、移行対象の時短遊技状態に対応する時短開始コマンドを設定する。例えば、移行対象の時短遊技状態が天井時短遊技状態である場合は天井時短開始コマンドを設定し、移行対象の時短遊技状態が突然時短遊技状態である場合は突然時短開始コマンドを設定する。
ステップSe1807で設定された各時短開始コマンドは、通常処理(図379)におけるステップSe401にて演出制御装置143に送信される。これらの時短開始コマンドが送信されることにより、天井時短遊技状態又は突然時短遊技状態への移行が通知される。なお、各時短開始コマンドには、移行対象となる時短遊技状態の種別を示す情報のほか、その上限回数を示す情報が含まれる。
ステップSe1807の実行後は時短遊技状態の移行用処理を終了する。また、ステップSe1803で否定判定した場合(突然時短開始用フラグがセットされていない場合)は、時短遊技状態への移行を実行しないとして、そのまま時短遊技状態の移行用処理を終了する。
<普図遊技回制御処理>
ステップSe405(図379)の普図遊技回制御処理について図400のフローチャートを参照しながら説明する。
先ずステップSe2001では、普電役物63aを用いた役物開閉遊技中であるか否かを判定する。具体的には、RAM314の各種フラグ格納エリア314eに役物開閉中フラグが格納されているか否かを判定する。役物開閉中フラグは、役物開閉遊技の実行中であることをMPU312が把握するためのものであり、役物開閉遊技が実行される場合にセットされる。
役物開閉遊技中である場合は、そのまま普図遊技回制御処理を終了する。一方、役物開閉遊技中でない場合は、ステップSe2002にて、普図用表示部44において普図遊技回の実行中であるか否かを判定する。この場合における普図遊技回は、普図用表示部44における絵柄の変動表示と、普図用表示部44における絵柄の停止表示(確定表示)とを含む概念であり、ステップSe2002では上記変動表示又は停止表示のいずれかを実行中であるか否かを判定する。
なお、特図用表示部43における特図遊技回では、可変入賞装置65を用いた開閉実行モードの実行中であると変動表示の実行が制限されるが、普図遊技回では開閉実行モード中であっても変動表示が許容される。また、普図遊技回では、普電役物63aを用いた役物開閉遊技中であると変動表示の実行が制限されるが、特図遊技回では役物開閉遊技中であっても変動表示が許容される。また、普図遊技回は特図遊技回の実行中に開始することができ、特図遊技回は普図遊技回の実行中に開始することができる。すなわち、これらの遊技回は並行して実行することが可能である。但し、連携しておらず、互いに独立して実行制御されるため、普図遊技回と特図遊技回は非同期に実行されるものとなる。
ステップSe2002で否定判定した場合(普図遊技回の実行中でない場合)は、ステップSe2003に進み、普図保留記憶数FNが「0」であるか否かを判定する。普図保留記憶数FNが「0」である場合には、そのまま普図遊技回制御処理を終了する。
普図保留記憶数FNが「0」でない場合には、ステップSe2004にて電役用保留エリアRcに記憶されているデータを変動表示用に設定するための普図データ設定処理を実行する。普図データ設定処理では、普図保留記憶数FNを1減算するとともに、電役用保留エリアRcの第1エリアに格納されたデータを普図用の実行エリアに移動する。その後、電役用保留エリアRcの各記憶エリアに格納されたデータをシフトさせる処理を実行し、さらに、普図側の保留エリアのデータのシフトが行われたことを演出制御装置143に認識させるための情報である普図シフトコマンドを設定する。
ステップSe2005では普図変動開始処理を実行し、その後、普図遊技回制御処理を終了する。ここで、普図変動開始処理について図401(a)のフローチャートを参照しながら説明する。
先ずステップSe2101では、現在のサポートモードに対応するサポート抽選テーブルを参照してサポート抽選を行う。具体的には、現在のサポートモードが低頻度サポートモードである場合は低頻度サポートモード用のサポート抽選テーブル(図375(a))を参照してサポート抽選を行い、現在のサポートモードが第1高頻度サポートモードである場合は第1高頻度サポートモード用のサポート抽選テーブル(図375(b))を参照してサポート抽選を行い、現在のサポートモードが第2高頻度サポートモードである場合は第2高頻度サポートモード用のサポート抽選テーブル(図375(c))を参照してサポート抽選を行う。
ステップSe2102では、ステップSe2101のサポート抽選の結果がサポート当選結果(普図当たり結果)であるか否かを判定する。サポート当選結果である場合には、ステップSe2103に進み、ROM313の停止結果テーブル記憶エリア313dに記憶されている停止結果テーブルを参照して普図当たり用の停止結果を設定する。サポート当選結果でない場合、すなわち、普図外れ結果である場合には、ステップSe2104に進み、ROM313の停止結果テーブル記憶エリア313dに記憶されている停止結果テーブルを参照して普図外れ用の停止結果を設定する。
ステップSe2103又はステップSe2104の実行後は、ステップSe2105にて普図変動表示時間の設定処理を実行する。当該設定処理では、普図用表示部44における今回の普図遊技回の変動表示時間を設定する。
本実施の形態では、ステップSe2105で設定可能な変動表示時間として、遊技状態の種別に応じて長さの異なる複数の変動表示時間が設けられている。具体的には、図401(b)に示すように、通常遊技状態用(低頻度サポートモード用)として最も長い第1変動表示時間(例えば100sec)が設けられ、通常時短遊技状態用として第1変動表示時間よりも短い第2変動表示時間(例えば2sec)が設けられ、天井時短遊技状態用として第2変動表示時間よりも短い第3変動表示時間(例えば1sec)が設けられ、突然時短遊技状態用として第3変動表示時間よりも短い第4変動表示時間(例えば0.5sec)が設けられている。ステップSe2105では、今回の変動表示時間として現在の遊技状態に対応した変動表示時間を設定する。
なお、上記構成では、各遊技状態に1つずつ変動表示時間が対応付けられているが、上記各遊技状態の少なくとも1つにおいて複数の変動表示時間が対応付けられてもよい。その際、遊技状態間において普図変動表示時間の長短の順序を上記のように定める場合には、各遊技状態での変動表示時間の期待値(「変動表示時間×その変動表示時間の選択確率」の和)が上記長短関係を満たすように変動表示時間の長さや選択確率を設定すればよい。
ステップSe2106では、演出制御装置143への送信対象として普図変動開始コマンドを設定する。普図変動開始コマンドには、普図変動パターンの情報(普図当否結果及び変動表示時間を示す情報)が含まれる。設定された普図変動開始コマンドは、通常処理(図379)におけるステップSe401にて演出制御装置143に送信される。
ステップSe2107では、普図用表示部44において絵柄の変動表示を開始させる処理を実行し、その後、本普図変動開始処理を終了する。
普図遊技回制御処理(図400)の説明に戻り、ステップSe2002で肯定判定した場合(普図遊技回の実行中である場合)は、ステップSe2006に進み、ステップSe2105で設定した変動表示時間が経過したか否かを判定する。変動表示時間が経過していない場合は、ステップSe2007に進み、変動表示用処理を実行する。変動表示用処理では、普図用表示部44において各表示用セグメントが所定の順番で点灯及び消灯されていくように当該普図用表示部44を表示制御(各表示用セグメントの発光制御)する。その後、普図遊技回制御処理を終了する。
ステップSe2006で肯定判定した場合(変動表示時間が経過している場合)は、ステップSe2008にて普図確定表示用処理を実行し、その後、普図遊技回制御処理を終了する。普図確定表示用処理では、ステップSe2103又はステップSe2104で設定した停止結果にて絵柄が停止表示されるように普図用表示部44を制御する。その際、確定表示時間を予め定められた所定時間(例えば0.5sec)に設定する。また、普図確定表示用処理では、演出制御装置143への送信対象として普図変動終了コマンドを設定する。普図変動終了コマンドには、今回の普図遊技回の確定表示時間の情報が含まれる。
なお、本実施の形態では、その時点での遊技状態にかかわらず、同じ長さの確定表示時間が設定される構成としているが、遊技状態に応じて長さの異なる確定表示時間が設定される構成としてもよい。例えば、通常遊技状態での確定表示時間として各時短遊技状態での確定表示時間よりも長い時間が設定される構成としてもよい。
<電役サポート用処理>
ステップSe406(図379)の電役サポート用処理について説明する。電役サポート用処理は、普電役物63aを開閉する役物開閉遊技を制御するための処理であるところ、本実施の形態では、役物開閉遊技として複数種類の役物開閉遊技が設定されている。先ず、これらの役物開閉遊技について図402を参照しながら説明する。
役物開閉遊技としては、低入賞役物開閉遊技(図402(a))と、第1高入賞役物開閉遊技(図402(b))、第2高入賞役物開閉遊技(図402(c))と、第3高入賞役物開閉遊技(図402(d))が設定されている。
低入賞役物開閉遊技は、通常遊技状態である状況でサポート抽選の結果がサポート当選結果となった場合に実行されるものである。低入賞役物開閉遊技は、普電役物63aの開放期間が他の役物開閉遊技よりも短く、他の役物開閉遊技に比べて第2作動口63への入賞率(入賞期待値)が低くなっている。
低入賞役物開閉遊技の具体的な態様は特に限定されないが、例えば、比較的に長めの期間とされるオープニング及びエンディングと、比較的に短めの期間とされる開放期間とを有する態様に設定される。なお、オープニングとは、役物開閉遊技の開始後、普電役物63aを閉鎖した状態で普電役物63aの初回目開放を待機する期間である。また、エンディングとは、普電役物63aの最終開放の終了後、普電役物63aを閉鎖した状態で役物開閉遊技の終了を待機する期間である。
低入賞役物開閉遊技は、例えば、図402(a)に示すように、普電役物63aの開放回数(開閉制御の回数)が1回に設定された上で、5secのオープニングと、0.1secの開放と、5secのエンディングとを順に有する構成となっている。この場合、普電役物63aの開放期間が遊技球の発射周期(0.6sec)よりも短いため、第2作動口63への入賞が発生しにくくなる。また、オープニング及びエンディングの期間が長く、役物開閉遊技の全体期間において開放期間の占める割合が少ないことからも、第2作動口63への入賞が困難化されている。
第1高入賞役物開閉遊技は、高確遊技状態又は通常時短遊技状態である状況でサポート抽選の結果がサポート当選結果となった場合に実行されるものである。第1高入賞役物開閉遊技は、普電役物63aの開放期間が低入賞役物開閉遊技よりも長く、低入賞役物開閉遊技に比べて第2作動口63への入賞率(入賞期待値)が高くなっている。
第1高入賞役物開閉遊技の具体的な態様は特に限定されないが、例えば、比較的に短めの期間とされるオープニング及びエンディングと比較的に長めの期間とされる開放期間とを有する態様に設定される。例えば、図402(b)に示すように、普電役物63aの開放回数が1回に設定された上で、0.5secのオープニングと、2secの開放と、0.5secのエンディングとを順に有する構成となっている。この場合、普電役物63aの開放期間が遊技球の発射周期よりも長いため、第2作動口63への入賞が発生しやすくなる。また、オープニング及びエンディングの期間が短く、役物開閉遊技の全体期間において開放期間の占める割合が多いことからも、第2作動口63への入賞が容易化されている。
第2高入賞役物開閉遊技は、天井時短遊技状態で状況でサポート抽選の結果がサポート当選結果となった場合に実行されるものである。第2高入賞役物開閉遊技は、第1高入賞役物開閉遊技と同じく低入賞役物開閉遊技よりも普電役物63aの開放期間が長く、第2作動口63への入賞の発生を遊技者が期待できるものとなっている。
但し、第1高入賞役物開閉遊技と比べると、普電役物63aの開放期間、オープニング期間、エンディング期間が異なっており、高確遊技状態や通常時短遊技状態にて実行される役物開閉遊技の態様とは異なるものとなっている。第2高入賞役物開閉遊技の具体的な態様は特に限定されないが、例えば、図402(c)に示すように、普電役物63aの開放回数が1回に設定された上で、0.1secのオープニングと、2secの開放と、0.1secのエンディングとを順に有する構成となっている。
第3高入賞役物開閉遊技は、突然時短遊技状態である状況でサポート抽選の結果がサポート当選結果となった場合に実行されるものである。第3高入賞役物開閉遊技は、第1及び第2高入賞役物開閉遊技と同じく低入賞役物開閉遊技よりも普電役物63aの開放期間が長く、第2作動口63への入賞の発生を遊技者が期待できるものとなっている。
但し、第1及び第2高入賞役物開閉遊技と比べると、普電役物63aの開放回数が異なっており、高確遊技状態、通常時短遊技状態、天井時短遊技状態にて実行される役物開閉遊技の態様とは異なるものとなっている。例えば、図402(d)に示すように、普電役物63aの開放回数が2回に設定された上で、0.1secのオープニングと、0.2secの1回目開放と、0.3secの閉鎖と、2secの2回目開放と、0.1secのエンディングとを順に有する構成となっている。この場合、1回目開放の開放期間が遊技球の発射周期よりも短く、当該開放での第2作動口63への入賞は見込みにくいものの、2回目開放の開放期間が遊技球の発射周期よりも長く、当該開放にて第2作動口63への入賞を期待することができる。
次に、電役サポート用処理の流れについて図403のフローチャートを参照しながら説明する。
先ずステップSe2201では、役物開閉遊技中であるか否かを判定する。具体的には、RAM314の各種フラグ格納エリア314eに役物開閉中フラグがセットされているか否かを判定する。
役物開閉遊技中でない場合は、ステップSe2202に進み、普図遊技回が終了したタイミングであるか否かを判定する。普図遊技回の終了タイミングでない場合は、そのまま電役サポート用処理を終了する。
普図遊技回の終了タイミングである場合は、ステップSe2203に進み、今回の普図遊技回におけるサポート抽選の結果がサポート当選結果であるか否かを判定する。サポート当選結果でない場合は、そのまま電役サポート用処理を終了する。
サポート当選結果である場合は、ステップSe2204にて、役物開閉遊技の開始処理を実行する。当該開始処理では、RAM314の各種フラグ格納エリア314eに役物開閉中フラグをセットする。また、普電役物63aを閉鎖状態としたまま当該役物36aの1回目開放を待機するためのオープニング期間を設定する。
この際、オープニング期間は、役物開閉遊技の契機となったサポート抽選の実行時における遊技状態に対応した期間を設定する。サポート抽選時の遊技状態が通常遊技状態である場合は例えば5secを設定し、高確遊技状態又は通常時短遊技状態である場合は例えば0.5secを設定し、天井時短遊技状態又は突然時短遊技状態である場合は例えば0.1secを設定する。
なお、オープニング期間として、その設定時における遊技状態に対応した期間を設定する構成としてもよい。例えば、サポート抽選の実行時における遊技状態が通常時短遊技状態であり、オープニング期間の設定時における遊技状態が突然時短遊技状態である場合は、突然時短遊技状態に対応した期間(例えば0.1sec)を設定してもよい。
ステップSe2205では、今回の役物開閉遊技における普電役物63aの開放回数を設定する。この際、開放回数は、役物開閉遊技の契機となったサポート抽選の実行時における遊技状態に対応した回数を設定する。サポート抽選時の遊技状態が通常遊技状態、高確遊技状態、通常時短遊技状態又は天井時短遊技状態である場合は例えば1回を設定し、突然時短遊技状態である場合は例えば2回を設定する。本ステップでは、これらの開放回数に対応する値をRAM314の各種カウンタエリア314dに設けられた開放回数カウンタエリアRC2にセットする。例えば、開放回数が2回である場合は、これに対応する値として「2」を開放回数カウンタエリアRC2にセットする。
なお、開放回数として、その設定時における遊技状態に対応した回数を設定する構成としてもよい。例えば、サポート抽選の実行時における遊技状態が通常時短遊技状態であり、開放回数の設定時における遊技状態が突然時短遊技状態である場合は、突然時短遊技状態に対応した回数(例えば2回)を設定してもよい。
ステップSe2206では、オープニングの開始及びオープニング期間を演出制御装置143に通知するための普図オープニングコマンドを設定する。この設定されたオープニングコマンドは、通常処理(図379)におけるステップSe401にて演出制御装置143に送信される。
ステップSe2207では、外部信号設定処理を実行し、その後、電役サポート用処理を終了する。外部信号設定処理では、外部出力端子213に設けられた役物開放信号用の出力端子の信号出力状態を開放信号出力状態とする。
ステップSe2201で肯定判定した場合(役物開閉遊技中である場合)は、ステップSe2208にてオープニング期間が経過したか否かを判定する。オープニング期間が経過していない場合には、そのまま電役サポート用処理を終了する。オープニング期間が経過している場合には、ステップSe2209にて役物開閉処理を実行する。ここで、役物開閉処理について図404のフローチャートを参照しながら説明する。
先ずステップSe2301では、普電役物63aを開放中であるか否かを判定する。具体的には、駆動部63bの駆動状態に基づいてかかる判定を行う。普電役物63aを開放中でない場合は、ステップSe2302にて開放回数カウンタエリアRC2の値が「0」であるか否かを判定する。
開放回数カウンタエリアRC2の値が「0」でない場合は、ステップSe2303に進み、RAM314の各種カウンタエリア344bに設けられたタイマエリアT2の値が「0」であるか否かを判定する。この処理は、役物開閉遊技にて普電役物63aを複数回開放する場合において、各開放間の待機期間が経過したか否かを判定するものである。
タイマエリアT2の値が「0」である場合は、ステップSe2304にて、今回の開放における普電役物63aの上限開放時間を設定する。この際、上限開放時間は、役物開閉遊技の契機となったサポート抽選の実行時における遊技状態に対応した期間を設定する。サポート抽選時の遊技状態が通常遊技状態である場合は例えば0.1secを設定し、高確遊技状態又は通常時短遊技状態である場合は例えば1.5secを設定し、天井時短遊技状態である場合は例えば2secを設定する。また、突然時短遊技状態である場合において1回目開放の場合は例えば0.2secを設定し、2回目開放である場合は例えば2secを設定する。
本ステップでは、上記上限開放時間に対応する値を上記タイマエリアT2にセットする。例えば、上限開放時間が0.1secである場合は、これに対応する値として「100」をセットする。ここでセットされた値は、タイマ割込み処理(図376)が起動される都度、1ずつ減算される。
なお、上限開放時間として、その設定時における遊技状態に対応した期間を設定する構成としてもよい。例えば、サポート抽選の実行時における遊技状態が通常時短遊技状態であり、開放回数の設定時における遊技状態が突然時短遊技状態である場合は、突然時短遊技状態に対応した上限開放時間(例えば0.1sec)を設定してもよい。
ステップSe2305では、上記各種カウンタエリア344bに設けられた入賞カウンタエリアPC2に「6」をセットする。この値は、役物開閉遊技における普電役物63a(第2作動口63)への上限入賞個数(6個)に対応するものである。
ステップSe2306では、普電役物63aを開放すべく駆動部63bを駆動状態とする。ステップSe2307では、演出制御装置143への送信対象として役物開放コマンドを設定する。設定された役物開放コマンドは、通常処理(図379)におけるステップSe401にて演出制御装置143に送信される。これにより、普電役物63aの閉鎖状態から開放状態への切り替えが演出制御装置143に通知される。
ステップSe2307の実行後は役物開閉処理を終了する。また、ステップSe2302で肯定判定した場合(開放回数カウンタエリアRC2の値が「0」である場合)又はステップSe2303で否定判定した場合(タイマエリアT2の値が「0」でない場合)は、普電役物63aを開放しないとして、ステップSe2304以降の処理を実行せずに役物開閉処理を終了する。
ステップSe2301で肯定判定した場合(普電役物63aが開放中である場合)は、ステップSe2308に進み、上記タイマエリアT2の値が「0」であるか否かを判定する。この処理は、ステップSe2304で設定した普電役物63aの上限開放時間が経過したか否かを判定するものである。
タイマエリアT2の値が「0」でない場合、すなわち、普電役物63aの上限開放時間が経過していない場合は、ステップSe2309にて、第2作動口63に遊技球が入賞したか否かを判定する。入賞が発生している場合は、ステップSe2310にて、上記入賞カウンタエリアPC2の値を1減算する。ステップSe2311では、入賞カウンタエリアPC2の値が「0」であるか否か、すなわち、第2作動口63への入賞個数が上限入賞個数に達したか否かを判定する。
ステップSe2309で否定判定した場合(第2作動口63への入賞が発生していない場合)又はステップSe2311で否定判定した場合(入賞カウンタエリアPC2の値が「0」でない場合)は、普電役物63aの開放状態を継続すべく、そのまま役物開閉処理を終了する。
ステップSe2308で肯定判定した場合(普電役物63aの上限開放時間が経過している場合)又はステップSe2311で肯定判定した場合(入賞カウンタエリアPC2の値が「0」である場合)は、ステップSe2312にて、普電役物63aを閉鎖すべく駆動部63bを非駆動状態とする。
ステップSe2313では、上記開放回数カウンタエリアRC2の更新処理を実行する。当該更新処理では、入賞カウンタエリアPC2の値を参照し、入賞カウンタエリアPC2の値が「0」でない場合(第2作動口63への入賞個数が上限入賞個数に達していない場合)は、開放回数カウンタエリアRC2の値を1減算する。一方、入賞カウンタエリアPC2の値が「0」である場合(第2作動口63への入賞個数が上限入賞個数に達している場合)は、開放回数カウンタエリアRC2の値に「0」をセットする。
ステップSe2314では、開放回数カウンタエリアRC2の値が「0」であるか否かを判定する。開放回数カウンタエリアRC2の値が「0」でない場合、すなわち、普電役物63aの残り開放が存在する場合は、ステップSe2315にて、上記タイマエリアT2に対し、普電役物63aを閉鎖状態として次の開放を待機するインターバル時間(待機時間)の値をセットする。
ステップSe2316では、演出制御装置143への送信対象として役物閉鎖コマンドを設定し、その後、役物開閉処理を終了する。設定された役物閉鎖コマンドは、通常処理(図379)におけるステップSe401にて演出制御装置143に送信される。これにより、普電役物63aの開放状態から閉鎖状態への切り替えが演出制御装置143に通知される。
ステップSe2314で肯定判定した場合(開放回数カウンタエリアRC2の値が「0」である場合)は、ステップSe2317にてエンディングの開始処理を実行する。当該開始処理では、普電役物63aを閉鎖状態としたまま次の遊技回(役物開閉遊技が終了した後の最初の普図遊技回)の開始を待機するエンディング期間を設定する。
この際、エンディング期間は、役物開閉遊技の契機となったサポート抽選の実行時における遊技状態に対応した期間を設定する。サポート抽選時の遊技状態が通常遊技状態である場合は例えば5secを設定し、高確遊技状態又は通常時短遊技状態である場合は例えば0.5secを設定し、天井時短遊技状態又は突然時短遊技状態である場合は例えば0.1secを設定する。
なお、エンディング期間として、その設定時における遊技状態に対応した期間を設定する構成としてもよい。例えば、サポート抽選の実行時における遊技状態が通常時短遊技状態であり、エンディング期間の設定時における遊技状態が突然時短遊技状態である場合は、突然時短遊技状態に対応した期間(例えば0.1sec)を設定してもよい。
ステップSe2318では、エンディングの開始及びエンディング期間を演出制御装置143に通知するための普図エンディングコマンドを設定し、その後、役物開閉処理を終了する。設定された普図エンディングコマンドは、通常処理(図379)におけるステップSe401にて演出制御装置143に送信される。
電役サポート用処理(図403)の説明に戻り、ステップSe2209の役物開閉処理を実行した後はステップSe2210にて、上記開放回数カウンタエリアRC2の値が「0」であるか否かを判定する。開放回数カウンタエリアRC2の値が「0」でない場合は、役物開閉遊技を継続させるべく、そのまま電役サポート用処理を終了する。
開放回数カウンタエリアRC2の値が「0」である場合は、ステップSe2211に進み、エンディングが終了したか否か(エンディング期間が経過したか否か)を判定する。エンディングが終了していない場合は、エンディングを継続させるべく、そのまま電役サポート用処理を終了する。
エンディングが終了している場合は、ステップSe2212にて役物開閉遊技の終了処理を実行し、その後、電役サポート用処理を終了する。役物開閉遊技の終了処理では、上記各種フラグ格納エリア314eにセットされた役物開閉中フラグをクリアしたりするなどの処理を実行する。
<演出制御装置143及び表示制御装置350の電気的構成について>
本実施の形態に係る演出制御装置143及び表示制御装置350の電気的構成について、図405のブロック図を参照して以下に説明する。
演出制御装置143に設けられた演出制御基板341には、MPU342が搭載されている。MPU342には、当該MPU342により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM343と、そのROM343内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM344と、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路などが内蔵されている。
MPU342には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU342の入力側には主制御装置162が接続されている。主制御装置162からは、変動開始コマンド、種別コマンド、変動終了コマンドといった遊技回制御用コマンドや、オープニングコマンド、エンディングコマンドといった開閉実行モード用コマンドなどの各種コマンドを受信する。
MPU342の出力側には、既に説明したように、前扉枠14に設けられたランプ部26~28やスピーカ部29が接続されているとともに、表示制御装置350が接続されている。
また、MPU342の入力側には、前扉枠14に設けられた演出用操作部36が接続されている。演出用操作部36には、当該演出用操作部36の操作を検知する検知センサが設けられており、当該検知センサからの検知情報(検知信号)が入力される。MPU342では、当該検知情報に基づいて演出用操作部36が操作されたか否かを判定したり、どのような操作が行われたかの操作態様の判別を行ったりする。
表示制御装置350は、プログラムROM373及びワークRAM374が複合的にチップ化されたMPU372と、ビデオディスプレイプロセッサ(VDP)375と、キャラクタROM376と、ビデオRAM377とがそれぞれ搭載された表示制御基板351を備えている。
MPU372は、演出制御装置143から受信したコマンドを解析し又は受信したコマンドに基づき所定の演算処理を行ってVDP375の制御(具体的にはVDP375に対する内部コマンドの生成)を実施する。
プログラムROM373は、MPU372により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶するためのメモリであり、背景画像用のJPEG形式画像データも併せて記憶保持されている。
ワークRAM374は、MPU372による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグ等を一時的に記憶するためのメモリである。これらワークデータやフラグ等はワークRAM374の各エリアに記憶される。
VDP375は、図柄表示装置75に組み込まれた液晶表示部ドライバとしての画像処理デバイスを直接操作する一種の描画回路である。VDP375はICチップ化されているため「描画チップ」とも呼ばれ、その実体は、描画処理専用のファームウェアを内蔵したマイコンチップとでも言うべきものである。VDP375は、MPU372、ビデオRAM377等のそれぞれのタイミングを調整してデータの読み書きに介在するとともに、ビデオRAM377に記憶させる画像データを、キャラクタROM376から所定のタイミングで読み出して図柄表示装置75に表示させる。
キャラクタROM376は、図柄表示装置75に表示される図柄などのキャラクタデータを記憶するための画像データライブラリとしての役割を担うものである。このキャラクタROM376には、各種の表示図柄のビットマップ形式画像データ、ビットマップ画像の各ドットでの表現色を決定する際に参照する色パレットテーブル等が保持されている。
なお、キャラクタROM376を複数設け、各キャラクタROM376に分担して画像データ等を記憶させておくことも可能である。また、前記プログラムROM373に記憶した背景画像用のJPEG形式画像データをキャラクタROM376に記憶する構成とすることも可能である。
ビデオRAM377は、図柄表示装置75に表示させる表示データを記憶するためのメモリであり、ビデオRAM377の内容を書き替えることにより図柄表示装置75の表示内容が変更される。
<演出制御装置143にて実行される各種処理について>
次に、演出制御装置143のMPU342にて実行される各制御処理を説明する。
<演出設定処理>
演出設定処理について図406のフローチャートを参照しながら説明する。演出設定処理は、MPU342により所定周期(例えば2msec周期)で起動される処理である。
先ずステップSe2501では、主制御装置162からのエンディングコマンド(ステップSe1018)を受信しているか否かを判定する。エンディングコマンドは、特図遊技回での当否判定結果が大当たりになった場合に行われる開閉実行モードにおいてエンディングが開始される場合に送信されるものである。
なお、主制御装置162から受信する各種コマンドは、演出制御装置143のRAM344に設けられたコマンド格納エリア344aに格納される。コマンド格納エリア344aは、複数のコマンドを個別に記憶可能であって先に記憶したコマンドから読み出し可能なリングバッファとして構成されている。よって、複数のコマンドを同時期に受信した場合であってもそれら各コマンドに対応した処理を良好に実行することができる。
ステップSe2501の判定に際しては、コマンド格納エリア344aにおける今回の読み出し対象のエリアにエンディングコマンドが格納されているか否かを判定する。これらのコマンドが格納されている場合(エンディングコマンドを受信している場合)には、ステップSe2502にて、高確遊技状態や通常時短遊技状態への移行に対応した移行用演出を設定するための第1移行用演出設定処理を実行する。第1移行用演出設定処理の詳細については後述する。
ステップSe2502の実行後又はステップSe2501で否定判定した場合(エンディングコマンドを受信していない場合)は、ステップSe2503にて、図柄表示装置75の表示画面Gにて図柄列Z1~Z3の変動表示等を行うための特図変動表示用処理を実行する。特図変動表示用処理の詳細については後述する。
ステップSe2504では、主制御装置162からの突然時短開始コマンド(ステップSe1807)を受信しているか否かを判定する。突然時短開始コマンドは、突然時短遊技状態への移行を演出制御装置143に通知するものであり、突然時短遊技状態への移行タイミングにて送信されるものである。なお、本実施の形態では、特殊外れ結果となった特図遊技回における確定表示の開始タイミングにて突然時短遊技状態への移行が行われるため、確定表示の開始タイミングにて突然時短開始コマンドが送信される。
突然時短開始コマンドを受信している場合は、ステップSe2505にて、突然時短遊技状態への移行に対応した移行用演出を設定するための第2移行用演出設定処理を実行する。第2移行用演出設定処理の詳細については後述する。
ステップSe2505の実行後又はステップSe2504で否定判定した場合(突然時短開始コマンドを受信していない場合)は、ステップSe2506にて、主制御装置162からの天井時短開始コマンド(ステップSe1807)を受信しているか否かを判定する。天井時短開始コマンドは、天井時短遊技状態への移行を演出制御装置143に通知するものであり、天井時短遊技状態への移行タイミングにて送信されるものである。なお、本実施の形態では、外れ遊技回の回数が天井回数に到達した特図遊技回における確定表示の開始タイミングにて天井時短遊技状態への移行が行われるため、確定表示の開始タイミングにて天井時短開始コマンドが送信される。
天井時短開始コマンドを受信している場合は、ステップSe2507にて、天井時短遊技状態への移行に対応した移行用演出を設定するための第3移行用演出設定処理を実行する。第3移行用演出設定処理の詳細については後述する。
ステップSe2507の実行後又はステップSe2506で否定判定した場合(天井時短開始コマンドを受信していない場合)は、ステップSe2508にて、いずれかの遊技状態終了コマンドを受信しているか否かを判定する。具体的には、高確遊技状態終了コマンド、時短遊技状態終了コマンド(ステップSe1705)のいずれかを受信しているか否かを判定する。
これらのコマンドのいずれかを受信している場合は、ステップSe2509にて、高確遊技状態又は各時短遊技状態の終了に対応した終了用演出を設定するための終了用演出設定処理を実行する。終了用演出設定処理の詳細については後述する。
ステップSe2510では、その他の処理を実行し、その後、演出設定処理を終了する。その他の処理では、始動入賞が所定期間に亘って発生しない場合のデモ画面表示や、図柄表示装置75の表示画面Gにおける映像表示を停止して低消費電力化を図る節電モードへの切り替え等を行うための処理を実行する。
<第1移行用演出設定処理>
ステップSe2502の第1移行用演出設定処理について図407のフローチャートを参照しながら説明する。この処理は、主制御装置162からのエンディングコマンドを受信した場合に実行されるものであり、換言すれば、開閉実行モードのエンディング開始タイミングに合わせて実行されるものである。
先ずステップSe2601では、高確遊技状態又は通常時短遊技状態への移行が生じる状況であるか否かを判定する。すなわち、エンディングコマンドが送信された開閉実行モードが高確遊技状態又は通常時短遊技状態への移行を生じさせる大当たり結果に対応するものであるか否かを判定する。この判定は、主制御装置162からの高確開始コマンド(ステップSe1104)や通常時短開始コマンド(ステップSe1107)を受信しているか否かに基づいて行う。
高確遊技状態又は通常時短遊技状態への移行が生じない場合は、そのまま第1移行用演出設定処理を終了する。一方、高確遊技状態又は通常時短遊技状態への移行が生じる場合は、ステップSe2602にて、高確遊技状態又は通常時短遊技状態に対応した開始演出を設定する。
高確遊技状態用の開始演出では、図408(a)に示すように、図柄表示装置75の表示画面Gにて、例えば「ラッキータイム」等の高確遊技状態に対応したタイトル画像821が表示される。また、通常時短遊技状態用の開始演出では、図408(b)に示すように、例えば「チャンスタイム」等の通常時短遊技状態に対応したタイトル画像822と、残り回数画像823とが表示される。残り回数画像823は、通常時短遊技状態に滞在可能な特図遊技回の残り回数を報知するものである。
なお、図408(c)は、通常時短遊技状態への滞在中に実行される時短中演出を示すものである。時短中演出は、図408(b)の開始演出の終了後、通常時短遊技状態が終了するまで行われる。この時短中演出では、例えば、通常遊技状態中の通常時演出とは背景画像等が異なるなど通常時演出とは異なる態様の表示演出が実施される。
ステップSe2602では、開閉実行モードのエンディング期間にて上記各種開始演出が表示画面Gに表示されるように設定する。この場合、それら開始演出がエンディング期間の全体で表示される構成としてもよいし、エンディング期間の一部で表示される構成としてもよい。
ステップSe2603では、今回の移行が通常時短遊技状態への移行であるか否かを判定する。ステップSe2603で肯定判定した場合は、ステップSe2604にて残り回数用処理を実行する。残り回数用処理は、時短遊技状態の残り回数等に関連した各種カウンタ値を設定するためのものである。ここで、ステップSe2604の残り回数用処理について図409のフローチャートを参照しながら説明する。
先ずステップSe2701では、移行対象となる時短遊技状態(移行時短)の上限回数を把握する。例えば、移行時短が10R通常大当たり結果Bに対応する通常時短遊技状態である場合は、上記上限回数として300回を把握する(図373(b))。この把握は、主制御装置162から送信される通常時短開始コマンドを解析することで行う。
ステップSe2702では、ステップSe2701で把握した上限回数に対応する値を、RAM344の各種カウンタエリア344bに設けられた実残り回数カウンタエリアSS1にセットする。例えば、移行時短が10R通常大当たり結果Bに対応する通常時短遊技状態である場合は、上限回数に対応する値として実残り回数カウンタエリアSS1に「300」をセットする。実残り回数カウンタエリアSS1は、時短遊技状態の実際の残り回数をMPU342が把握するためのものであり、特図遊技回が実行されるごとに1ずつ減算される。
ステップSe2703では、初期報知回数の抽選処理を実行する。初期報知回数は、時短遊技状態の開始時において報知する残り回数であり、ステップSe2701で把握した実際の上限回数の範囲内で抽選される。例えば、実際の上限回数が300回である場合は、初期報知回数が300回以下の数となるように当該報知回数が抽選される。
ステップSe2704では、ステップSe2703で抽選した初期報知回数に対応する値を、上記各種カウンタエリア344bに設けられた報知残り回数カウンタエリアSS2にセットする。例えば、初期報知回数として50回が抽選された場合は、それに対応する値として「50」を報知残り回数カウンタエリアSS2にセットする。報知残り回数カウンタエリアSS2は、報知上の残り回数をMPU342が把握するためのものであり、実残り回数カウンタエリアSS1と同様に、特図遊技回が実行されるごとに1ずつ減算される。
ステップSe2705では、未報知回数を把握する。未報知回数は、実際の残り回数(上限回数)のうち遊技者に報知していない回数であり、移行対象となる時短遊技状態の上限回数から初期報知回数を差し引いたものである。例えば、ステップSe2701で把握した上限回数が300回であり、ステップSe2703で抽選した初期報知回数が50回である場合は、未報知回数として250回を導出する。
ステップSe2706では、ステップSe2705で把握した未報知回数に対応する値を、上記各種カウンタエリア344bに設けられた未報知回数カウンタエリアSS3にセットする。上記の例であれば、未報知回数に対応する値として「250」を未報知回数カウンタエリアSS3にセットする。未報知回数カウンタエリアSS3は、実際の残り回数のうち報知していないものが何回であるかや、報知していない回数の有無をMPU342が把握するためのものである。
ステップSe2707では、残り回数画像823の表示を開始するように設定する。その際、ステップSe2703で抽選された初期報知回数の残り回数画像823が表示されるように設定する。ここで、ステップSe2703で抽選された初期報知回数が実際の残り回数よりも少ない回数である場合には、残り回数画像823を通じて遊技者に報知される残り回数が実際の残り回数よりも少ないものとなる。なお、残り回数画像823の表示は、ステップSe2602で設定した開始演出(エンディング期間を利用して行われる演出)にて開始されてもよいし、開始演出の終了後、通常時短遊技状態に移行してから開始されてもよい。
ステップSe2708では、RAM344の各種フラグ格納エリア344cに残り回数表示フラグをセットし、その後、残り回数用処理を終了する。残り回数表示フラグは、残り回数画像823の表示中であることをMPU342が把握するためのものである。
第1移行用演出設定処理(図407)の説明に戻り、ステップSe2604の残り回数用処理を実行した後は、ステップSe2605にて、外れ回数画像824の表示を開始するように設定する。外れ回数画像824は、外れ遊技回の回数を報知するものであり、図柄表示装置75の表示画面Gに表示される(図408(c))。外れ回数画像824の初期表示は「0回」であり、外れ回数画像824の天井回数に到達するまで継続される。なお、外れ回数画像824の表示は、ステップSe2602で設定した開始演出にて開始されてもよいし、開始演出の終了後、通常時短遊技状態に移行してから開始されてもよい。
ステップSe2606では、上記各種フラグ格納エリア344cに外れ回数表示フラグをセットし、その後、第1移行用演出設定処理を終了する。外れ回数表示フラグは、外れ回数画像824の表示中であることをMPU342が把握するためのものである。
<特図変動表示用処理>
ステップSe2503の特図変動表示用処理について図410のフローチャートを参照しながら説明する。
先ずステップSe2801では、特図遊技回の実行中であるか否かを判定する。具体的には、第1特図又は第2特図のいずれかの遊技回の実行中であるか否かを判定する。いずれの遊技回も実行中でない場合は、ステップSe2802に進み、主制御装置162からの変動開始コマンドを受信しているか否かを判定する。
変動開始コマンドには、主制御装置162における変動表示時間の設定処理で抽選された変動パターンの情報が含まれる。この変動パターンの情報を参照することで、主制御装置162にて表示制御される特図用表示部43での特図遊技回がいずれの変動表示時間で行われるのかを把握することができる。また、既に説明したように、大当たり用の変動パターンと外れ用の変動パターンとが各別に設定されるため、変動パターンから当否判定の結果を判別することもできる。
変動開始コマンドを受信していない場合は、そのまま特図変動表示用処理を終了する。一方、変動開始コマンドを受信している場合は、ステップSe2803に進み、RAM344の各種カウンタエリア344bにおける実残り回数カウンタエリアSS1の値を更新する。具体的には、実残り回数カウンタエリアSS1の値を1減算する。これにより、MPU342(演出制御装置143)にて把握される時短遊技状態の実際の残り回数が1減算される。
なお、本実施の形態では、演出制御装置143にて主制御装置162とは別に時短遊技状態の残り回数をカウントする構成としているが、主制御装置162での更新結果に基づいて演出制御装置143が時短遊技状態の残り回数を把握する構成としてもよい。例えば、サポートカウンタエリアSCの更新結果(ステップSe1203)を所定コマンドの送信により主制御装置162から演出制御装置143に通知し、演出制御装置143が当該コマンドを解析して上記更新結果を把握する構成としてもよい。その際、変動開始コマンド等の既存コマンドに上記各更新結果の情報を含ませて上記所定コマンドとしてもよいし、上記各更新結果を通知するための専用コマンドにより上記所定コマンドを構成してもよい。
ステップSe2804では、上記各種カウンタエリア344bの報知残り回数カウンタエリアSS2の値を更新する。具体的には、報知残り回数カウンタエリアSS2の値を1減算する。これにより、MPU342にて把握される報知上の残り回数が1減算される。
ステップSe2805では、遊技回用の演出を開始させるための変動開始用処理を実行する。変動開始用処理では、主制御装置162からの変動開始コマンドを解析し、今回の特図遊技回に関する変動パターンを特定する。さらに特定した変動パターンに基づいて今回の特図遊技回における変動表示時間を把握する。ROM343の各種テーブル記憶エリア343aには、各変動パターンと対応付けて変動表示時間が定められた演出パターンテーブルが記憶されている。
演出パターンテーブルで定められる変動表示時間は、主制御装置162において各変動パターン(図394、図396、図397)が対応する変動表示時間に対応しており、演出制御装置143と主制御装置162とでは、1つの変動パターンに対して共通の変動表示時間が割り当てられている。例えば、変動パターンが変動パターン1Aである場合、それに対応する変動表示時間は、演出制御装置143及び主制御装置162のいずれも15secとなる。変動開始処理では、演出パターンテーブルを参照して変動開始コマンドから解析した変動パターンに対応する変動表示時間を特定し、これを今回の特図遊技回の変動表示時間として把握する。
また、演出パターンテーブルには、各変動パターンと対応付けて遊技回演出用の演出パターンが対応付けられている。それら各演出パターンとしては、変動表示時間テーブルの説明の際に述べたノーマルリーチ当たり、SPリーチ当たり、SPSPリーチ当たり、完全外れ、ノーマルリーチ外れ、SPリーチ外れ、SPSPリーチ外れ、特殊リーチ外れA演出、特殊リーチ外れB演出が設定されている。変動パターンと演出パターンとの対応関係については、図394、図396、図397を参照して既に述べているため、説明を省略する。
なお、ステップSe2805の変動開始用処理における遊技回演出の設定に関する詳細については後述する。
ステップSe2806では、残り回数表示の更新用処理を実行し、その後、特図変動表示用処理を終了する。残り回数表示の更新用処理では、RAM344の各種フラグ格納エリア344cに残り回数表示フラグがセットされているか否かを判定し、残り回数表示フラグがセットされている場合(残り回数画像823の表示中である場合)は、ステップSe2804で更新した報知残り回数カウンタエリアSS2の値を参照して残り回数画像823の表示内容を更新する。これにより、残り回数画像823により報知される残り回数が1減算される。
ステップSe2801で肯定判定した場合(特図遊技回の実行中である場合)は、ステップSe2807に進み、主制御装置162から変動終了コマンドを受信しているか否かを判定する。変動終了コマンドを受信していない場合は、今回の特図遊技回において変動表示時間が未経過の状態であることを意味する。この場合は、ステップSe2808にて、変動中用処理を実行する。変動中用処理では、変動開始用処理により開始された図柄列Z1~Z3の変動表示を継続したり、各図柄列Z1~Z3の図柄を順番に仮停止表示させたり、各リーチ演出を実行したりするための処理を実行する。
ステップSe2807で肯定判定した場合(変動終了コマンドを受信している場合)は、ステップSe2809にて変動終了用処理を実行する。変動終了用処理では、各図柄列Z1~Z3の変動表示や実行されている演出を終了させる。また、ステップSe2809では、主制御装置162で設定された確定表示時間にて各図柄列Z1~Z3の図柄を確定停止させるように制御する。
ステップSe2810では、外れ回数画像824の表示内容を更新したりするための外れ回数表示の更新用処理を実行し、その後、特図変動表示用処理を終了する。ステップSe2810の詳細については後述する。
<変動開始用処理>
ステップSe2805の変動開始用処理について図411のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップSe2901では、主制御装置162からの変動開始コマンドを解析し、今回の特図遊技回に関する変動パターンを把握する。ステップSe2902では、ステップSe2901で把握した変動パターンが変動パターンW1であるか否かを判定する。変動パターンW1は、時短遊技状態である状況で特殊外れ結果となり、且つ、その結果に基づいて突然時短遊技状態への移行が行われる場合に選択されるものである(図397(b))。
把握した変動パターンが変動パターンW1である場合は、ステップSe2903に進み、遊技回用演出の第1設定処理を実行する。遊技回用演出の第1設定処理では、今回の遊技回用演出として特殊リーチ外れA演出が実行されるとともに、今回の特殊外れ結果に対応した突然時短遊技状態の上限回数の一部又は全部が上乗せ演出にて報知されるように設定する。ここで、遊技回用演出の第1設定処理について図412のフローチャートを参照しながら説明する。
先ずステップSe3101では、今回の遊技回用演出として特殊リーチ外れA演出が図柄表示装置75の表示画面Gにて実行されるように設定する。特殊リーチ外れA演出は、特殊外れ結果になったことを報知する遊技回用演出であり、図395(a)~(c)に示すように、所定のリーチラインにてリーチ表示を行った後、そのリーチライン上の中図柄列Z2に特殊図柄811を停止表示させるものである。ステップSe3101では、抽選で決定した有効ラインL1~L5のいずれかにリーチが形成されるように上図柄列Z1及び下図柄列Z3の停止図柄を決定し、さらに、リーチライン上の中図柄列Z2に特殊図柄811が停止表示されるように停止図柄を決定する。このように、時短遊技状態である状況で特殊外れ結果となり、滞在時短の途中で突然時短遊技状態に移行する場合は、図柄表示装置75の表示画面Gにて特殊外れ結果になったことが遊技者に報知される。
ステップSe3102では、今回の特殊外れ結果の種別を把握する。この把握は主制御装置162から送信される種別コマンド(ステップSe715)に基づいて行う。続くステップSe3103では、ステップSe3102で把握した特殊外れ結果の種別に基づき、移行する突然時短遊技状態の上限回数Kを把握する。例えば、把握した特殊外れ結果の種別が特殊外れ結果Aであり、移行する突然時短遊技状態が突然時短遊技状態Aである場合は、上限回数Kとして200回を把握する(図374(b))。
ステップSe3104では、RAM344の各種カウンタエリア344bにおける実残り回数カウンタエリアSS1に、ステップSe3103で把握した上限回数Kに対応する値を上書きする。これにより、実残り回数カウンタエリアSS1の値が滞在時短の残り回数から上限回数Kに対応する値に変更され、MPU342にて把握される時短遊技状態の残り回数が、今回の特殊外れ結果に対応した突然時短遊技状態の上限回数(残り回数)に置き換えられる。
ステップSe3105では、上記各種カウンタエリア344bの未報知回数カウンタエリアSS3の値を更新する。具体的には、ステップSe3103で把握した上限回数Kから上記各種カウンタエリア344bにおける報知残り回数カウンタエリアSS2の値を減算し、その減算結果を未報知回数カウンタエリアSS3に上書きする。これにより、MPU342にて把握される未報知回数が、今回の特殊外れ結果に対応した突然時短遊技状態の上限回数から、残り回数画像823により報知されている現在の残り回数を差し引いた回数に置き換えられる。
ステップSe3106では、報知上乗せ回数Mの抽選処理を実行する。本実施の形態では、滞在時短の途中で突然時短遊技状態に移行する場合、後述する上乗せ演出を行って時短遊技状態の残り回数が追加されたように見せるところ、報知上乗せ回数Mは、その上乗せ演出に際して報知する追加の残り回数である。本ステップでは、ステップSe3105で更新した未報知回数カウンタエリアSS3の値を参照し、その範囲内で報知上乗せ回数Mを抽選する。例えば、更新後の未報知回数が150回である場合は、報知上乗せ回数Mが150回以下の回数となるように当該回数Mが抽選される。
ステップSe3107では、上記報知残り回数カウンタエリアSS2の値を更新する。具体的には、その時点での報知残り回数カウンタエリアSS2の値に、ステップSe3106で抽選した報知上乗せ回数Mに対応する値を加算する。これにより、MPU342にて把握される報知上の残り回数が、その時点で残り回数と、上乗せ演出により報知する追加の残り回数との合計回数に変更される。
ステップSe3108では、未報知回数カウンタエリアSS3の値の再更新を行う。具体的には、ステップSe3105で更新された未報知回数カウンタエリアSS3の値から、ステップSe3106で抽選した報知上乗せ回数Mに対応する値を減算する。
ステップSe3109では、第1上乗せ演出(残り回数の上乗せ演出)が図柄表示装置75の表示画面Gにて実行されるように設定する。第1上乗せ演出では、図413(a)、(b)に示すように、特殊外れ結果に対応する図柄組合せで図柄列Z1~Z3の各図柄が停止表示された後、その特図遊技回にて、ステップSe3106で抽選した報知上乗せ回数Mを文字等により報知する上乗せ画像826が表示される。これにより、時短遊技状態の残り回数の追加が遊技者に報知される。
上乗せ画像826は、確定表示時間の一部又は全部を利用して表示されてもよいし、変動表示時間(変動表示時間の一部)と確定表示時間(確定表示時間の一部又は全部)とを跨いで表示されてもよい。その際、停止表示された図柄列Z1~Z3の画像が消去された上で上乗せ画像826が表示されてもよいし、図柄列Z1~Z3の画像が消去されず、図柄列Z1~Z3の手前側に上乗せ画像826が配置されるように表示されてもよい。
なお、上乗せ画像826が表示された後は、ステップSe3107で更新された報知残り回数カウンタエリアSS2の値が参照され、図413(c)に示すように、上乗せ画像826により報知された追加の残り回数が反映された残り回数画像823が表示される。
ステップSe3110では、RAM344の各種フラグ格納エリア344cに上乗せ報知フラグをセットし、その後、遊技回用演出の第1設定処理を終了する。上乗せ報知フラグは、第1上乗せ演出を実行したことをMPU342が把握するためのものである。
変動開始用処理(図411)の説明に戻り、ステップSe2902で否定判定した場合(把握した変動パターンが変動パターンW1でない場合)は、ステップSe2904に進み、把握した変動パターンが変動パターンW2であるか否かを判定する。変動パターンW2は、時短遊技状態である状況で特殊外れ結果になったものの、突然時短遊技状態への移行が行われない場合に選択されるものである(図397(b))。
把握した変動パターンが変動パターンW2である場合は、ステップSe2905に進み、遊技回用演出の第2設定処理を実行する。遊技回用演出の第2設定処理では、今回の遊技回用演出として特殊リーチ外れA演出又は特殊リーチ外れB演出のいずれかが実行されるように設定する。ここで、遊技回用演出の第2設定処理について図414のフローチャートを参照しながら説明する。
先ずステップSe3201では、RAM344の各種カウンタエリア344bにおける未報知回数カウンタエリアSS3の値が第1所定数より大きいか否かを判定する。未報知回数カウンタエリアSS3は、滞在している時短遊技状態の実際の残り回数のうち未だ報知していない回数がいくつかあるかを把握するためのものである。このため、本ステップの判定処理は、遊技者に未だ知らせていない残り回数が一定数以上存在するか否かを判定するものとなっている。
なお、本実施の形態では、第1所定数を0回としており、ステップSe3201において未報知の残り回数が存在するか否かを判定する構成となっている。但し、これに限定されるものではなく、例えば10回等の0回よりも大きい数を第1所定数としてもよい。
未報知回数カウンタエリアSS3の値が第1所定数より大きい場合(未報知の残り回数が存在する場合)は、ステップSe3202に進み、今回の遊技回用演出として特殊リーチ外れA演出が図柄表示装置75の表示画面Gにて実行されるように設定する。特殊リーチ外れA演出は、特殊外れ結果になったことを報知する遊技回用演出である。本ステップの処理は、既に説明したステップSe3101(図412)と同様のものである。
ステップSe3203では、報知上乗せ回数Mの抽選処理を実行する。前述のように、報知上乗せ回数Mは、上乗せ演出に際して報知する追加の残り回数である。本ステップでは、未報知回数カウンタエリアSS3の値を参照し、その範囲内で報知上乗せ回数Mを抽選する。例えば、その時点での未報知回数が50回である場合は、報知上乗せ回数Mが50回以下の回数となるように当該回数Mが抽選される。
ステップSe3204では、上記各種カウンタエリア344bにおける報知残り回数カウンタエリアSS2の値を更新する。具体的には、その時点での報知残り回数カウンタエリアSS2の値に、ステップSe3203で抽選した報知上乗せ回数Mに対応する値を加算する。
ステップSe3205では、上記未報知回数カウンタエリアSS3の値を更新する。具体的には、その時点での未報知回数カウンタエリアSS3の値からステップSe3203で抽選した報知上乗せ回数Mを減算する。
ステップSe3206では、第1上乗せ演出が図柄表示装置75の表示画面Gにて実行されるように設定する。この場合の第1上乗せ演出では、ステップSe3203で抽選した報知上乗せ回数Mに対応した上乗せ画像826が表示されるように設定される。
このように、時短遊技状態である状況で特殊外れ結果になり、突然時短遊技状態への移行が行われない場合において、未報知の残り回数が残存している場合は、その範囲内で追加の回数が報知される上乗せ演出を実行するように構成されている。これにより、実際には突然時短遊技状態への移行が制限されて残り回数が増えていない状態であっても、あたかも、突然時短遊技状態への移行が発生して残り回数が増えたかのような印象を与えることができる。
ステップSe3206の実行後は遊技回用演出の第2設定処理を終了する。ステップSe3201で否定判定した場合(未報知回数カウンタエリアSS3の値が第1所定数以下である場合)は、ステップSe3207に進み、今回の遊技回用演出として特殊リーチ外れB演出が図柄表示装置75の表示画面Gにて実行されるように設定する。特殊リーチ外れB演出は、特殊リーチ外れA演出と対をなす所謂ガセ演出であり、特殊外れへの期待感を煽った上でそれとは異なる図柄組合せで図柄列Z1~Z3を停止表示させるものである。ステップSe3207では、抽選で決定した有効ラインL1~L5のいずれかにリーチが形成されるように上図柄列Z1及び下図柄列Z3の停止図柄を決定し、さらに、そのリーチライン上の中図柄列Z2に特殊図柄811とは異なる図柄が停止表示されるように決定する。
ステップSe3207の実行後は遊技回用演出の第2設定処理を終了する。すなわち、第1上乗せ演出の実行設定を行うことなく、遊技回用演出の第2設定処理を終了する。このように、時短遊技状態である状況で特殊外れ結果になり、突然時短遊技状態への移行が行われない場合において、未報知の残り回数が不足している場合(或いは残存しない場合)は、特殊リーチ外れA演出とは異なる遊技回用演出を実行し、特殊外れ結果になったことを報知せず、また、上乗せ演出も実行しない。
変動開始用処理(図411)の説明に戻り、ステップSe2904で否定判定した場合(把握した変動パターンが変動パターンW1でない場合)は、ステップSe2906に進み、把握した変動パターンが変動パターンW3であるか否かを判定する。変動パターンW3は、時短遊技状態である状況で通常外れ結果となり、特図用表示部43での停止結果として停止結果SD19(図385(a))が決定された場合に選択されるものである(図397(d))。変動パターンW3は、特殊リーチ外れA演出、特殊リーチ外れB演出及びノーマルリーチ外れに対応する変動パターンである。
把握した変動パターンが変動パターンW3である場合は、ステップSe2907に進み、遊技回用演出の第3設定処理を実行する。遊技回用演出の第3設定処理では、今回の遊技回用演出として特殊リーチ外れA演出、特殊リーチ外れB演出又はノーマルリーチ外れ演出のいずれかが実行されるように設定する。ここで、遊技回用演出の第3設定処理について図415のフローチャートを参照しながら説明する。
先ずステップSe3301では、RAM344の各種カウンタエリア344bにおける未報知回数カウンタエリアSS3の値が第1所定数より大きいか否かを判定する。この処理は、既に説明したステップSe3201と同様のものである。
未報知回数カウンタエリアSS3の値が第1所定数より大きい場合(未報知の残り回数が一定数以上である場合又は存在する場合)は、ステップSe3302に進み、今回の遊技回用演出として特殊リーチ外れA演出が実行されるように設定する。特殊リーチ外れA演出は、特殊外れ結果になったことを報知する遊技回用演出である。本ステップの処理は、既に説明したステップSe3101(図412)と同様のものである。
ステップSe3303では、未報知回数カウンタエリアSS3の値を参照し、その範囲内で報知上乗せ回数Mを抽選する。例えば、その時点での未報知回数が50回である場合は、報知上乗せ回数Mが50回以下の回数となるように当該回数Mが抽選される。
ステップSe3304では、報知残り回数カウンタエリアSS2の値にステップSe3303で抽選した報知上乗せ回数Mを加算し、MPU342により把握される報知上の残り回数を更新する。続くステップSe3305では、未報知回数カウンタエリアSS3の値からステップSe3303で抽選した報知上乗せ回数Mを減算し、MPU342により把握される未報知の残り回数(換言すれば、上乗せ演出により追加の回数として報知することが可能な余裕分)を更新する。
ステップSe3306では、第1上乗せ演出が図柄表示装置75の表示画面Gにて実行されるように設定し、その後、遊技回用演出の第3設定処理を終了する。ステップSe3306の第1上乗せ演出では、ステップSe3304で抽選した報知上乗せ回数Mに対応した上乗せ画像826が表示されるように設定される。
ステップSe3301で否定判定した場合(未報知回数カウンタエリアSS3の値が第1所定数以下である場合)は、ステップSe3307に進み、特殊リーチ外れB演出を実行するか否かの抽選処理を行う。ステップSe3307では、ROM343に記憶された実行抽選用テーブルと、各種カウンタエリア344bから取得した抽選用のカウンタ(乱数値)とに基づいて特殊リーチ外れB演出の実行抽選を行う。
ステップSe3308では、ステップSe3307の実行抽選に当選したか否かを判定する。当選した場合はステップSe3309に進み、今回の遊技回用演出として特殊リーチ外れB演出が実行されるように設定する。本ステップの処理はステップSe3207と同様のものである。
ステップSe3308で否定判定した場合(実行抽選に外れた場合)は、ステップSe3310に進み、今回の遊技回用演出としてノーマルリーチ外れ演出が図柄表示装置75の表示画面Gにて実行されるように設定する。ステップSe3310では、抽選で決定した有効ラインL1~L5のいずれかにリーチが形成されるように上図柄列Z1及び下図柄列Z3の停止図柄を決定し、さらに、その停止図柄とは異なる図柄がリーチライン上の中図柄列Z2に停止表示されるように中図柄列Z2の停止図柄を決定する。
ステップSe3309又はステップSe3310の実行後は、第1上乗せ演出の実行設定を行うことなく、そのまま遊技回用演出の第3設定処理を終了する。
変動開始用処理(図411)の説明に戻り、ステップSe2906で否定判定した場合(把握した変動パターンが変動パターンW3でない場合)は、ステップSe2908に進み、把握した変動パターンが変動パターン21Hであるか否かを判定する。変動パターン21Hは、時短遊技状態である状況で通常外れ結果となり、特図用表示部43での停止結果として停止結果SD18(図385(a))が決定された場合に選択され得る複数種類の変動パターン21H~24Hのうち、完全外れ演出用の変動表示時間に対応付けられた変動パターンである(図397(c))。
把握した変動パターンが変動パターン21Hである場合は、ステップSe2909に進み、遊技回用演出の第4設定処理を実行する。遊技回用演出の第4設定処理では、今回の遊技回用演出として完全外れ演出が実行されるように設定する。ここで、遊技回用演出の第4設定処理について図416のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップSe3401では、RAM344の各種カウンタエリア344bにおける未報知回数カウンタエリアSS3の値が第1所定数より大きいか否かを判定する。この処理は、既に説明したステップSe3201と同様のものである。
未報知回数カウンタエリアSS3の値が第1所定数より大きい場合(未報知の残り回数が一定数以上である場合又は存在する場合)は、ステップSe3402に進み、上記各種カウンタエリア344bにおける報知残り回数カウンタエリアSS2の値が第2所定数以下であるか否かを判定する。報知残り回数カウンタエリアSS2は、残り回数画像823(図408(c))により報知される残り回数をMPU342が把握するためのものである。このため、本ステップの判定処理は、遊技者に報知している残り回数が一定数以下になったか否かを判定するものとなっている。
本実施の形態では、第2所定数を5としており、ステップSe3402では報知上の残り回数が5回以下となったか否かを判定する構成となっている。これにより、報知上の残り回数が僅かであるか否かが判定される。なお、第2所定数は上記に限定されるものではなく、例えば第2所定数を0回として今回の特図遊技回が報知上の最終遊技回であるか否かを判定する構成としてもよい。
報知残り回数カウンタエリアSS2が第2所定数以下である場合は、ステップSe3403に進み、報知上乗せ回数Mの抽選を行う。続くステップSe3404では、報知残り回数カウンタエリアSS2の値にステップSe3403で抽選した報知上乗せ回数Mを加算し、ステップSe3405では、未報知回数カウンタエリアSS3の値からステップSe3403で抽選した報知上乗せ回数Mを減算する。これらステップSe3403~ステップSe3405の処理はステップSe3106~ステップSe3108と同様のものである。
ステップSe3406では、図柄表示装置75の表示画面Gにて第2上乗せ演出Aが実行されるように設定する。第2上乗せ演出Aは、特殊リーチ外れA演出(特殊外れ結果となったことの報知)の実行を伴わずに、時短遊技状態の残り回数の上乗せを報知するものである。
第2上乗せ演出Aでは、図417(a)、(b)に示すように、各図柄列Z1~Z3の図柄が完全外れの組合わせで停止表示された後、例えば「押せ!」等の文字表示からなる操作指示画像831と、演出用操作部36を模したボタン画像832とが表示され、遊技者に対して演出用操作部36の押し下げ操作が指示される。これと併せ、演出用操作部36の有効操作期間(操作残り期間)を示す操作期間用画像833が表示される。
そして、有効操作期間内に演出用操作部36の押し下げ操作が行われた場合には、図417(c)に示すように、ステップSe3403で抽選した報知上乗せ回数Mを文字等により報知する上乗せ画像826が表示される。これにより、時短遊技状態の残り回数の追加が遊技者に報知される。
なお、有効操作期間内に押し下げ操作が行われなかった場合は、有効操作期間の経過タイミングにて上記上乗せ画像826が表示されるか、又は、上乗せ画像826が表示されることなく、操作指示画像831やボタン画像832等が消去される。
第2上乗せ演出Aは、確定表示時間の一部又は全部を利用して実行されてもよいし、変動表示時間(変動表示時間の一部)と確定表示時間(確定表示時間の一部又は全部)とを跨いで実行されてもよい。その際、停止表示された図柄列Z1~Z3の画像が消去された上で第2上乗せ演出Aが実行されてもよいし、図柄列Z1~Z3の画像が消去されず、図柄列Z1~Z3の手前側に操作指示画像831やボタン画像832等が表示されるように実行されてもよい。
このように、完全外れ用の変動パターンが選択された場合でも上乗せ演出を実行し得る構成であることで、報知上の残り回数が第3所定数以下となった際に、第2上乗せ演出Aを実行して上乗せ画像826により報知される残り回数を増加させることができる。これにより、報知上の残り回数を時短遊技状態の継続状況と整合させることができ、報知される残り回数が0回となった後も時短遊技状態が継続して遊技者に不自然な印象を与えることを好適に抑制可能となる。
ステップSe3406の実行後はステップSe3407にて、今回の遊技回用演出として完全外れ演出が図柄表示装置75の表示画面Gにて実行されるように設定する。ステップSe3407では、有効ラインL1~L5のいずれにも大当たり、リーチ外れ、特殊リーチ外れの図柄組合せが成立しないように、各図柄列Z1~Z3の停止図柄を決定する。
なお、変動表示時間の一部を利用して第2上乗せ演出Aを実行する場合は、第2上乗せ演出Aを実行しない場合よりも早く各図柄列Z1~Z3の変動表示が終了するように設定する。これにより、第2上乗せ演出の実行前において、遊技者が各図柄列Z1~Z3の停止結果を視認するための期間を好適に確保することができる。
このように、報知上の残り回数が第2所定数以下となった状況で通常外れ結果となり、完全外れ用の変動パターンが選択された場合は、第2上乗せ演出Aを実行して報知上の残り回数の追加を行う。これにより、報知上の残り回数を時短遊技状態の継続状況と整合させることができ、報知される残り回数が0回となった後も時短遊技状態が継続して遊技者に不自然な印象を与えることを抑制することが可能となる。
ステップSe3407の実行後は遊技回用演出の第4設定処理を終了する。ステップSe3402で否定判定した場合(報知残り回数カウンタエリアSS2が第2所定数より大きい場合)は、ステップSe3408に進み、第2上乗せ演出Aを実行するか否かの抽選処理を行う。ステップSe3408では、ROM343に記憶された実行抽選用テーブルと、各種カウンタエリア344bから取得した抽選用のカウンタ(乱数値)とに基づいて第2上乗せ演出Aの有無を抽選する。なお、ステップSe3408での実行抽選における当選確率は特に限定されるものではないが、例えば、当選確率よりも外れ確率の方が高くなるように設定することができる。
ステップSe3409では、ステップSe3408の実行抽選に当選したか否かを判定する。当選した場合はステップSe3403に進み、第2上乗せ演出Aが実行されるように設定する。また、ステップSe3407にて、今回の遊技回用演出として完全外れ演出が実行されるように設定する。
ステップSe3409で否定判定した場合(実行抽選に外れた場合)は、ステップSe3410に進み、第2上乗せ演出Bを実行するか否かの抽選を行う。第2上乗せ演出Bは、第2上乗せ演出Aと対をなす所謂ガセ演出である。第2上乗せ演出Bでは、図417(b)に示すように、操作指示画像831及びボタン画像832が表示された後、有効操作期間内に演出用操作部36の押し下げ操作が行われると、図417(d)に示すように、上乗せ画像826が表示されることなく、操作指示画像831及びボタン画像832が消去される。なお、有効操作期間内に押し下げ操作が行われなかった場合も、有効操作期間の経過タイミングにて上記と同様の表示態様とされる。
ステップSe3410では、ROM343に記憶された実行抽選用テーブルと、各種カウンタエリア344bから取得した抽選用のカウンタ(乱数値)とに基づいて第2上乗せ演出Bの実行抽選を行う。
ステップSe3411では、ステップSe3410の実行抽選に当選したか否かを判定する。当選した場合はステップSe3412に進み、第2上乗せ演出Bが実行されるように設定する。その後、ステップSe3407に進み、今回の遊技回用演出として完全外れ演出が実行されるように設定する。一方、ステップSe3411で否定判定した場合(実行抽選に外れた場合)は、そのままステップSe3407に進み、完全外れ演出の実行設定を行う。
変動開始用処理(図411)の説明に戻り、ステップSe2908で否定判定した場合(把握した変動パターンが変動パターン21Hでない場合)は、ステップSe2910に進み、ステップSe2901で把握した変動パターンに対応する遊技回用演出が実行されるように設定する。例えば、把握した変動パターンが変動パターン3A(図394(a))である場合はSPSPリーチ当たり演出が実行されるように設定する。
ステップSe2903、ステップSe2905、ステップSe2907、ステップSe2909、ステップSe2910の実行後はステップSe2911にて、表示制御装置350への出力対象として停止結果コマンド及びパターンコマンドを送信する。停止結果コマンドは、図柄列Z1~Z3の停止結果を指定するコマンドであり、パターンコマンドは、実行すべき遊技回用演出を指定する演出パターンコマンドである。表示制御装置350では、受信したコマンドに従い、指定された停止結果で各図柄列Z1~Z3の図柄が停止したり、指定された演出パターンで遊技回用演出が行われたりするように図柄表示装置75を制御する。ステップSe2911の実行後は変動開始用処理を終了する。
<外れ回数表示の更新用処理>
ステップSe2310(図410)の外れ回数表示の更新用処理について図418のフローチャートを参照しながら説明する。この処理は、主制御装置162からの変動終了コマンドを受信した場合に実行されるものであり、特図遊技回における確定表示の開始タイミングにて実行されるものである。
先ずステップSe3601では、RAM344の各種フラグ格納エリア344dに外れ回数表示フラグがセットされているか否か、すなわち、外れ回数画像824(図408(c))の表示中であるか否かを判定する。外れ回数表示フラグがセットされている場合は、ステップSe3602にて、今回の特図当否抽選の結果が外れ結果(通常外れ結果又は特殊外れ結果)であるか否かを判定する。
外れ結果である場合は、ステップSe3603に進み、RAM344の各種カウンタエリア344bに設けられた外れ回数カウンタエリアの値を更新する。具体的には、外れ回数カウンタエリアの値を1加算する。外れ回数カウンタエリアは、天井回数までの残り回数をMPU342が把握するためのものである。
ステップSe3604では、ステップSe3603の更新結果を参照して外れ回数画像824の表示内容を更新する。これにより、外れ回数画像824により報知される外れ回数が1加算される。
ステップSe3603における外れ回数カウンタの更新処理は確定表示の開始タイミングにて実行されるが、ステップSe3604では、確定表示時間が経過した以後に外れ回数画像824が更新されるように設定する。この場合における外れ回数画像824の更新タイミングは、確定表示の終了タイミングであってもよいし、次の特図遊技回が開始されてからのタイミングであってもよい。
外れ遊技回の終了ごとに外れ回数画像824の表示が更新されることで、遊技者は天井到達までの過程における進捗状況を知ることができる。具体的には、現在の外れ遊技回の回数を把握したり、天井回数を知っている遊技者であれば、天井回数までの残り回数を把握したりすることができる。
ステップSe3604の実行後は外れ回数表示の更新用処理を終了する。また、ステップSe3601で否定判定した場合(外れ回数表示フラグがセットされていない場合)又はステップSe3602で否定判定した場合(今回の特図遊技回の当否結果が大当たり結果である場合)は、ステップSe3603以降の処理を実行することなく外れ回数表示の更新用処理を終了する。
<第2移行用演出設定処理>
ステップSe2505(図406)の第2移行用演出設定処理について図419(a)のフローチャートを参照しながら説明する。この処理は、主制御装置162からの突然時短開始コマンドを受信した場合に実行されるものであり、換言すれば、突然時短遊技状態が開始される場合に実行されるものである。
先ずステップSe3701では、RAM344の各種フラグ格納エリア344cに上乗せ報知フラグがセットされているか否かを判定する。上乗せ報知フラグがセットされていない場合、すなわち、特殊外れ結果となった特図遊技回にて第1上乗せ演出Aを実行していない場合は、ステップSe3702に進み、突然時短遊技状態用の開始演出を設定する。突然時短遊技状態用の開始演出では、図419(b)に示すように、例えば「突然チャンスタイム」等の突然時短遊技状態に対応したタイトル画像835と、残り回数画像823とが表示される。残り回数画像823は、突然時短遊技状態に滞在可能な特図遊技回の残り回数を報知するものである。
本ステップでは、突然時短遊技状態用の開始演出が特図遊技回における確定表示時間にて実行されるように当該開始演出の設定処理を行う。その際、開始演出のすべてが上記確定表示時間にて実行されてもよいし、開始演出の一部が上記確定表示時間にて実行されてもよい。なお、開始演出の一部が確定表示時間内に実行される場合は、当該確定表示時間と次の特図遊技回とを跨いで上記開始演出が実行される。
ステップSe3703では、残り回数用処理を実行する。残り回数用処理は、時短遊技状態の残り回数等に関連した各種カウンタ値を設定するためのものである。この処理は、第1移行用演出設定処理(図407)に係る図409の残り回数用処理と同様のものである。
図409を援用してステップSe3703の残り回数用処理を説明すると、先ずステップSe2701では、移行する突然時短遊技状態(移行時短)の上限回数を把握する。例えば、移行時短が突然時短遊技状態Aである場合は上記上限回数として200回を把握する(図374(b))。この把握は、主制御装置162から送信される突然時短開始コマンドを解析することで行う。
ステップSe2702では、ステップSe2701で把握した上限回数に対応する値を、RAM344の各種カウンタエリア344bに設けられた実残り回数カウンタエリアSS1にセットする。ステップSe2703では、初期報知回数の抽選処理を実行する。初期報知回数は、時短遊技状態の開始時において報知する残り回数であり、ステップSe2701で把握した実際の上限回数の範囲内で抽選される。
ステップSe2704では、ステップSe2703で抽選した初期報知回数に対応する値を、上記各種カウンタエリア344bに設けられた報知残り回数カウンタエリアSS2にセットする。ステップSe2705では、ステップSe2701で把握した実際の上限回数からステップSe2703で抽選した初期報知回数を減算し、未報知回数を把握する。
ステップSe2706では、ステップSe2705で把握した未報知回数に対応する値を、上記各種カウンタエリア344bに設けられた未報知回数カウンタエリアSS3にセットする。ステップSe2707では、残り回数画像823の表示を開始するように設定する。その際、ステップSe2703で抽選された初期報知回数の残り回数画像823が表示されるように設定する。ステップSe2708では、RAM344の各種フラグ格納エリア344cに残り回数表示フラグをセットし、その後、残り回数用処理を終了する。残り回数表示フラグは、残り回数画像823の表示中であることをMPU342が把握するためのものである。
第2移行用演出設定処理(図419)の説明に戻り、ステップSe3701で肯定判定した場合(上乗せ報知フラグがセットされている場合)は、ステップSe3704に進み、上記各種フラグ格納エリア344cにセットされている上乗せ報知フラグをクリアし、その後、第2移行用演出設定処理を終了する。すなわち、特殊外れ結果となった特図遊技回にて第1上乗せ演出を実行する場合は、突然時短遊技状態用の開始演出を実行しない。
<第3移行用演出設定処理>
ステップSe2507(図406)の第3移行用演出設定処理について図420(a)のフローチャートを参照しながら説明する。この処理は、主制御装置162からの天井時短開始コマンドを受信した場合に実行されるものであり、換言すれば、天井時短遊技状態が開始される場合に実行されるものである。
ステップSe3801では、天井時短遊技状態用の開始演出を設定する。天井時短遊技状態用の開始演出では、通常時短遊技状態の開始演出(図408(b))と同様に、例えば「チャンスタイム」等の天井時短遊技状態に対応したタイトル画像822と、残り回数画像823とが表示される。
本ステップでは、天井時短遊技状態用の開始演出が特図遊技回における確定表示時間にて実行されるように当該開始演出の設定処理を行う。その際、開始演出のすべてが上記確定表示時間にて実行されてもよいし、開始演出の一部が上記確定表示時間にて実行されてもよい。なお、開始演出の一部が確定表示時間内に実行される場合は、当該確定表示時間と次の特図遊技回とを跨いで上記開始演出が実行される。
ステップSe3802では、時短遊技状態の残り回数等に関連した各種カウンタ値を設定するための残り回数用処理を実行する。この処理は、第1移行用演出設定処理(図407)に係る図409の残り回数用処理と同様のものであるため、説明を省略する。
ステップSe3803では、RAM344の各種カウンタエリア344bに設けられた外れ回数カウンタエリアの値をクリアする。外れ回数カウンタエリアは、外れ結果の特図遊技回をカウントするものであり、外れ回数画像824を表示する場合に参照される。
ステップSe3804では、図柄表示装置75の表示画面Gに表示されている外れ回数画像824を消去する処理を実行する。続くステップSe3805では、RAM344の各種フラグ格納エリア344dにセットされている外れ回数表示フラグをクリアし、その後、第3移行用演出設定処理を終了する。
<終了用演出設定処理>
ステップSe2509(図406)の終了用演出設定処理について図420(b)のフローチャートを参照しながら説明する。この処理は、主制御装置162からの時短遊技状態終了コマンドを受信した場合に実行されるものであり、換言すれば、各時短遊技状態が終了する場合に実行されるものである。
ステップSe3901では、RAM344の各種フラグ格納エリア344cに上乗せ報知フラグがセットされているか否かを判定する。上乗せ報知フラグがセットされていない場合は、ステップSe3902にて、終了対象の遊技状態に対応した終了演出を設定する。例えば、通常時短遊技状態の終了である場合には、通常時短遊技状態用の終了演出が実行されるように設定する。
ステップSe3903では、図柄表示装置75の表示画面Gに表示されている残り回数画像823を消去する。続くステップSe3904では、RAM344の各種フラグ格納エリア344dにセットされている残り回数表示フラグをクリアし、その後、終了用演出設定処理を終了する。
ステップSe3901で肯定判定した場合(上乗せ報知フラグがセットされている場合)、すなわち、時短遊技状態が終了する特図遊技回で上乗せ演出が実行される場合は、ステップSe3902以降の処理を実行することなく終了用演出設定処理を終了する。例えば、滞在時短の途中で特殊外れ結果となり、滞在時短を終了させて突然時短遊技状態に移行する場合は、滞在時短が終了する特図遊技回にて上乗せ演出が実行されるが、このような場合には時短遊技状態の終了演出を実行しない。
なお、時短遊技状態中に大当たりに当選して開閉実行モードに移行する場合も時短遊技状態が終了するが、この場合は上記ステップSe3902~ステップSe3904の処理を実行した後、さらに、RAM344の各種カウンタエリア344bに設けられた実残り回数カウンタエリアSS1、報知残り回数カウンタエリアSS2、未報知回数カウンタエリアSS3の値をクリアする処理を実行する。
<時短遊技状態中の遊技の流れについて>
時短遊技状態中の遊技の流れについて説明する。先ず図421を参照しつつ、時短遊技状態中に特殊外れ結果になった場合の基本的な流れについて説明する。ここでは、現在の遊技状態が通常時短遊技状態であり、第2作動口63を狙った右打ち遊技の状況において通常大当たり結果となり、その後、その通常大当たり結果に対応した通常時短遊技状態への滞在中に特殊外れ結果になった場合を例にとって説明する。
タイミングt1において第2特図の当否抽選により大当たり結果になり、その大当たり種別として7R通常大当たり結果C(図373(b))が選択されると、当該当否抽選に対応する特図遊技回にて、図柄表示装置75に変動表示される図柄列Z1~Z3が通常大当たり結果に対応する図柄組合せで停止表示される(図421(f))。また、特図用表示部43には、上記特図遊技回での確定表示の期間にて7R通常大当たり結果Cに対応した停止結果SD9(図383)が停止表示される。
タイミングt2において上記特図遊技回が終了すると、可変入賞装置65が開閉する開閉実行モードが開始される(図421(b))。この場合の開閉実行モードでは、今回の大当たり結果が7R通常大当たり結果Cであることに基づき、7ラウンド分のラウンド遊技が実行される。
タイミングt3において開閉実行モードが終了すると、通常時短遊技状態への移行が行われる(図421(c))。図柄表示装置75では、通常時短遊技状態への移行に対応した開始演出が実行される(図421(g))。
その際、主制御装置162では、今回の大当たり結果の種別である7R通常大当たり結果Cに対応した上限回数(例えば200回、図373)が把握され、その把握した上限回数に対応する値がRAM314のサポートカウンタエリアSCにセットされる。これにより、通常時短遊技状態に滞在可能な特図遊技回の回数(残り回数)が200回に設定される。
また、演出制御装置143では、主制御装置162からの通常時短開始コマンドに基づいて今回の通常時短遊技状態における残り回数が把握されるとともに、初期報知回数の抽選が実行される。初期報知回数は、時短遊技状態の開始時に報知する残り回数であり、上記開始演出にて残り回数画像823により報知される。初期報知回数の抽選は実際の残り回数の範囲内で行われ、当該初期報知回数が実際の残り回数以下となるように抽選される。
ここでは、初期報知回数として例えば100回が抽選されたものとする。よって、通常時短遊技状態の開始時点では、実際の残り回数である200回のうち、その一部である100回のみが報知され、残りの100回は未報知分の残り回数となる。
演出制御装置143では、実際の残り回数(200回)に対応した値、初期報知回数(100回)に対応した値、未報知分の残り回数(100回)に対応した値がRAM344の実残り回数カウンタエリアSS1、報知残り回数カウンタエリアSS2、未報知回数カウンタエリアSS3にそれぞれセットされる。このうち、実残り回数カウンタエリアSS1及び報知残り回数カウンタエリアSS2の値は、特図遊技回が実行される都度、1ずつ減算される。これにより、演出制御装置143において実際の残り回数及び報知上の残り回数(残り回数画像823を通じて遊技者が認識する残り回数)が更新・管理される。
通常時短遊技状態に移行してからの80回目の特図遊技回(タイミングt4)において特殊外れ結果になり、その種別が特殊外れ結果A(図374(b))であったとする。特殊外れ結果Aになったことに基づき、特図用表示部43では、その特図遊技回における確定表示の期間にて停止結果SD15(図384(b))が停止表示される。
また、主制御装置162では、滞在中の通常時短遊技状態(滞在時短)を継続させるか、それとも、今回の特殊外れ結果に対応した突然時短遊技状態に移行させるかの振り分けが実行される。当該振り分けに際しては、先ず特殊外れ結果に対応した突然時短遊技状態の上限回数が把握される。前述のとおり、今回の特殊外れ結果は特殊外れ結果Aであるため、対応上限回数として200回が把握される。
そして、滞在時短における現在の残り回数(120回)と、今回の特殊外れ結果に対応する上限回数(200回)とが比較され、回数の多い側の時短遊技状態を優先実施するように上記振り分けが行われる。ここでは、今回の特殊外れ結果に対応する上限回数の方が滞在時短における現在の残り回数よりも多いため、突然時短遊技状態に移行させる旨が決定される。
特殊外れ結果になった特図遊技回では、遊技回用演出として特殊リーチ外れA演出が図柄表示装置75にて実行される(図421(h))。これにより、図柄表示装置75での演出表示にて特殊外れ結果になったことが報知される。
また、その特図遊技回における確定表示の開始タイミング(タイミングt5)では、滞在中の通常時短遊技状態の終了処理と、今回の特殊外れ結果に対応した突然時短遊技状態(突然時短遊技状態A)への移行処理とがそれぞれ行われる(図421(c)、(e))。その際、RAM314のサポートカウンタエリアSCの値が、滞在時短に対応する値から移行先の突然時短遊技状態に対応する値に書き換えられ、時短遊技状態の残り回数が120回から200回に変更される。
演出制御装置143では、主制御装置162からの変動開始コマンドに基づき、突然時短遊技状態への移行とともにその上限回数K(200回)が把握され、RAM344の実残り回数カウンタエリアSS1の値が上限回数Kに対応した値に変更される。また、RAM344の未報知回数カウンタエリアSS3の値が、上限回数Kからその時点での報知残り回数カウンタエリアSS2の値(20)を減算した減算値(180)に変更される。
さらに、演出制御装置143では、報知上乗せ回数Mの抽選が実行される。報知上乗せ回数Mは、上乗せ演出により追加の残り回数として遊技者に報知されるものである。報知上乗せ回数Mの抽選は、上記変更された未報知回数カウンタエリアSS3の値(180)の範囲内で行われる。例えば、報知上乗せ回数Mとして150回が抽選された場合は、特殊外れ結果になった特図遊技回において特殊リーチ外れA演出の実行後、150回の残り回数の上乗せを報知する第1上乗せ演出が図柄表示装置75にて実行される(図421(i))。
なお、図421では、上記第1上乗せ演出が確定表示時間にて実行されるように図示しているが、当該演出は、確定表示時間に限らず、変動表示時間の一部にて実行されてもよいし、変動表示時間と確定表示時間とに跨って実行されてもよい。
また、演出制御装置143では、報知上乗せ回数Mの抽選結果に基づいてRAM344の報知残り回数カウンタエリアSS2の値が更新される。具体的には、その時短での報知残り回数カウンタエリアSS2の値(20)に報知上乗せ回数M(150)を加算した加算値(170)が新たな値として報知残り回数カウンタエリアSS2にセットされる。これにより、第1上乗せ演出で報知された上乗せ回数が反映された状態の残り回数画像823が表示される。
さらに、報知上乗せ回数Mの抽選結果に基づいてRAM344の未報知回数カウンタエリアSS3の値が更新される。具体的には、その時短での未報知回数カウンタエリアSS3の値(180)から報知上乗せ回数M(150)を減算した減算値(30)が新たな値として未報知回数カウンタエリアSS3にセットされる。これにより、演出制御装置143にて把握される未報知分の残り回数が、第1上乗せ演出で報知した分だけ減らされた回数に変更される。
これら報知残り回数カウンタエリアSS2及び未報知回数カウンタエリアSS3の各値の更新は、特殊外れ結果になった特図遊技回の変動開始タイミングにて実行される。但し、これに限定されるものではなく、例えば、突然時短遊技状態への移行に対応したタイミング(確定表示の開始タイミング)で行われてもよい。すなわち、特殊外れ結果になった特図遊技回の中で処理が完了するものであれば、いずれのタイミングで行われてもよい。
次に、時短遊技状態中に特殊外れ結果になった場合の他の流れについて図422を参照しながら説明する。なお、タイミングt1からタイミングt3までの流れは、上記図421の場合と同様であるため、その説明を省略する。
通常時短遊技状態に移行してからの80回目の特図遊技回(タイミングt4)において特殊外れ結果になり、その種別が特殊外れ結果C(図374(b))であったとする。特殊外れ結果Cになったことに基づき、特図用表示部43では、その特図遊技回における確定表示の期間にて停止結果SD17が停止表示される(図422(g))。
また、滞在中の通常時短遊技状態(滞在時短)を継続させるか、それとも、今回の特殊外れ結果に対応した突然時短遊技状態に移行させるかを振り分けるべく、今回の特殊外れ結果に対応する上限回数(50回)が把握されるとともに、その把握した上限回数と滞在時短における現在の残り回数(120回)とが比較される。ここでは、滞在時短における現在の残り回数の方が今回の特殊外れ結果に対応する上限回数よりも多いため、突然時短遊技状態への移行を制限(無効化)して滞在時短を継続させる旨が決定される。
演出制御装置143では、主制御装置162からの変動開始コマンドに基づき、特殊外れ結果への当選とともに突然時短遊技状態への移行が実施されないことが把握される。そして、その時点での未報知回数カウンタエリアSS3の値(未報知分の残り回数である100回に対応した値)が第1所定数(例えば0)よりも大きいことを条件として、特殊外れ結果となった今回の特図遊技回にて特殊リーチ外れA演出が実行されるように設定される(図422(g))。
また、演出制御装置143では報知上乗せ回数Mの抽選が実行される。報知上乗せ回数Mの抽選は、その時点での未報知回数カウンタエリアSS3の値(100)の範囲内で行われる。例えば、報知上乗せ回数Mとして50回が抽選された場合は、特殊外れ結果になった特図遊技回において特殊リーチ外れA演出の実行後、50回の残り回数の上乗せを報知する第1上乗せ演出Aが図柄表示装置75にて実行される(図422(h))。
ここで、時短遊技状態への滞在中に特殊外れ結果となった場合に、突然時短遊技状態への移行を行うか、それとも滞在時短をそのまま継続するかを振り分けるのは、複数の時短遊技状態の重複実施を回避するための対策であるが、その場合において、特殊外れ結果になったにもかかわらず突然時短遊技状態への移行を実施しない場合は、特殊外れ結果になったことの恩恵が遊技者に提供されないことを踏まえ、例えば、その特図遊技回において完全外れ演出を実行するなど、特殊外れ結果となったことを非明示とすることが考えられる。しかしながら、特図用表示部43には特殊外れ結果に対応した停止結果が停止表示されるため、仮に図柄表示装置75上での演出において特殊外れ結果となったことを秘匿化しても、遊技者が特図用表示部43の停止結果を見てしまえば、特殊外れ結果となったことに気づかれてしまうおそれがある。その結果、内部的に突然時短遊技状態への移行が制限されたことを悟られてしまい、せっかく特殊外れ結果を引き当てたにもかかわらず、その恩恵を得られないとして遊技者の気分を害する懸念がある。
この点、本実施の形態では、特殊外れ結果になった場合において突然時短遊技状態への移行が行われない場合に、特殊リーチ外れA演出及び第1上乗せ演出が実行され、突然時短遊技状態への移行が行われる場合と同じ態様の報知(例えば特殊図柄811や上乗せ画像826等)を含む報知演出が行われる。このため、特図用表示部43に停止表示される停止結果から特殊外れ結果への当選が察知されたとしても、突然時短遊技状態への移行の有無を演出内容から判別しにくくすることができる。特に、図柄表示装置75にて特殊リーチ外れA演出を実行して特殊外れ結果になったことを報知し、さらにその後、第1上乗せ演出を実行して時短遊技状態の残り回数が増加したように報知するため、実際には時短遊技状態の残り回数が増えていない中でも、あたかも残り回数の増加を引き当てたかのような印象を与えることができる。これにより、突然時短遊技状態への移行が制限される場合でも遊技者の気分を害することが抑制され、遊技意欲の低下を好適に抑制することが可能になる。
しかも、実際の残り回数よりも少ない回数を報知して未報知分の回数を確保し、それを利用して、突然時短遊技状態への移行がなされない場合の第1上乗せ演出A(疑似的な上乗せ)が実行されるため、実際の残り回数と整合させながら当該演出を実行することができる。この場合、移行がなされない状況で第1上乗せ演出Aが行われたとしても、少なくとも当該演出により報知された回数の分だけ実際に時短遊技状態が継続するものとなるため、当該演出による上乗せ回数の真偽を遊技者が判別しにくくなり、残り回数の増加を引き当てた印象をより好適に与えることができる。
演出制御装置143では、報知上乗せ回数Mの抽選結果に基づいてRAM344の報知残り回数カウンタエリアSS2の値が更新される。具体的には、その時短での報知残り回数カウンタエリアSS2の値(20)に報知上乗せ回数M(50)を加算した加算値(70)が新たな値として報知残り回数カウンタエリアSS2にセットされる。これにより、第1上乗せ演出で報知された上乗せ回数が反映された状態の残り回数画像823が表示される。
また、報知上乗せ回数Mの抽選結果に基づいてRAM344の未報知回数カウンタエリアSS3の値が更新される。具体的には、その時短での未報知回数カウンタエリアSS3の値(100)から報知上乗せ回数M(50)を減算した減算値(50)が新たな値として未報知回数カウンタエリアSS3にセットされる。これにより、演出制御装置143にて把握される未報知分の残り回数が、第1上乗せ演出で報知した分だけ減らされた回数に変更される。
なお、特殊外れ結果となった特図遊技回において、その時点での未報知回数カウンタエリアSS3の値が第1所定数以下である場合は、当該遊技回での演出として、特殊外れ結果になっていないことに対応した特殊リーチ外れB演出が実行される。この場合、第1上乗せ演出は実行されない。
ところで、本実施の形態では、通常時短遊技状態と突然時短遊技状態とにおいて、普図遊技回での変動表示時間の長さや役物開閉遊技の態様が異なるものとなっている。具体的には、突然時短遊技状態では、普図遊技回における変動表示時間が通常時短遊技状態の場合よりも短く(図401(b))、また、役物開閉遊技における普電役物63aの開放回数が多くなっている(図402(b)、(d))。さらには、通常時短遊技状態でのサポート抽選における当選確率は、突然時短遊技状態のそれよりも高くなっている(図375(b)、(c))。このため、特殊外れ結果になった特図遊技回を境界として普図遊技回の実行期間や役物開閉遊技での普電役物63aの挙動等が変化した場合は、通常時短遊技状態の途中で突然時短遊技状態に移行したと遊技者が気付くことができ、逆に、特殊外れ結果になった特図遊技回の前後でそれらの挙動等が変化しない場合は、突然時短遊技状態への移行が行われず、通常時短遊技状態が継続されたと遊技者が気付くことができるようになっている。
さらに本実施の形態では、時短遊技状態である状況で特殊外れ結果となった場合に、滞在時短の残り回数と今回の特殊外れ結果に対応した上限回数とが比較され、回数が多い側の時短遊技状態が採用されるように構成されている。このため、突然時短遊技状態への移行が行われず、通常時短遊技状態が継続されたと遊技者が気付いた場合には、滞在時短である通常時短遊技状態の残り回数が今回の特殊外れ結果に対応した上限回数よりも多いと予測することができる。
そのような状況において、特殊外れ結果に対応する停止結果SD15~SD17の表示態様を遊技者が覚えており、特図用表示部43に停止表示される絵柄から、その絵柄に対応する上限回数を導出することができれば、滞在時短の残り回数がどの程度であるかを予測することが可能になる。例えば、特図用表示部43に停止結果SD16が停止表示され、それに対応した上限回数として100回を導出することができれば、滞在時短におけるそれ以降の残り回数が少なくとも100回より多いものであることを予測することができる。このような構成であることで、遊技者が特殊外れ結果に対応する各停止結果を覚えた場合のメリットとして、特殊外れ結果となったことを契機に滞在時短の残り回数を予測する遊技を付与することができ、興趣性を高めることが可能になる。
さらに、時短遊技状態において残り回数画像823を通じて報知される残り回数が実際の残り回数とは異なったものとなっており、滞在時短の実際の残り回数が分かりにくくなっている。これにより、特殊外れ結果に対応する各停止結果を覚えて滞在時短の残り回数の予測に挑む意欲を喚起することができ、当該予測する遊技を好適に盛り上げることが可能になる。
なお、本実施の形態では、通常時短遊技状態と突然時短遊技状態とにおいて、それら各時短遊技状態中における図柄表示装置75の表示画面G上での演出態様(例えば背景画像等)に差異がなく、遊技者が表示画面Gだけを見ていても通常時短遊技状態であるのか、それとも突然時短遊技状態であるのかを判別しにくくなっている。すなわち、普図遊技回の実行期間や役物開閉遊技での普電役物63aの挙動等を注意深く見ていることで、通常時短遊技状態から突然時短遊技状態に切り替わったのか、それとも、そのような切り替わりが行われておらず、通常時短遊技状態がそのまま維持されているのかを判別可能となり、当該判別の難易度が一定程度引き上げられている。これにより、特殊外れ結果となった状況で突然時短遊技状態への移行が行われない場合に特殊リーチ外れA演出及び第1上乗せ演出を実行し、突然時短遊技状態への移行制限を遊技者に悟られにくくしたことの効果が過度に損なわれないようにし、当該構成との好適な両立が図られている。
図421及び図422では、通常時短遊技状態である状況で特殊外れ結果になった場合を例示したが、天井時短遊技状態である状況で特殊外れ結果になった場合や、突然時短遊技状態である状況で特殊外れ結果になった場合も、滞在時短の残り回数と今回の上限回数とが比較され、いずれの回数が多いかに応じて、滞在時短の継続か、突然時短遊技状態への移行かが振り分けられる。そして、図柄表示装置75では、上記と同様に、突然時短遊技状態への移行が実行される場合は、特殊外れ結果になった特図遊技回にて特殊リーチ外れA演出及び第1上乗せ演出Aが実行され、滞在時短が継続される場合は、未報知回数カウンタエリアSS3の値(未報知分の残り回数の状況)に基づいて特殊リーチ外れA演出及び第1上乗せ演出Aを実行するか否かが振り分けられる。
なお、通常時短遊技状態である状況で外れ遊技回が天井回数(990回)に到達した場合については、上限回数が3000回である通常時短遊技状態でのみ通常時短遊技状態の途中で天井回数への到達が成立し得るところ、この場合は天井時短遊技状態の上限回数(1100回)よりも滞在時短の残り回数(2010回)の方が多くなる。このため、天井時短遊技状態への移行が制限され、滞在中の通常時短遊技状態が継続される。
また、突然時短遊技状態である状況で外れ遊技回が天井回数に到達した場合には、突然時短遊技状態への移行タイミングやその種別によって、滞在時短の残り回数と天井時短遊技状態の上限回数との大小が変化するため、都度の比較結果に応じて、突然時短遊技状態が継続されるか、天井時短遊技状態への移行が行われるかが振り分けられる。
次に、時短遊技状態において特殊外れ結果になっていない状況で上乗せ演出を行う場合の流れについて図423及び図424を参照しながら説明する。ここでは、第2作動口63を狙った右打ち遊技の状況において3R通常大当たり結果B(図373)となり、開閉実行モードの終了後、上限回数が300回である通常時短遊技状態に移行した場合を例にとって説明する。
タイミングt1において上限回数が300回である通常時短遊技状態への移行が行われると、演出制御装置143では、RAM344の実残り回数カウンタエリアSS1に上記上限回数に対応した値(300)がセットされる。また、演出制御装置143では初期報知回数の抽選が実行される。ここでは初期報知回数として70回が抽選されたものとする。
これに伴い、RAM344の報知残り回数カウンタエリアSS2に上記初期報知回数に対応する値(70)がセットされるとともに、RAM344の未報知回数カウンタエリアSS3に、上限回数から初期報知回数を減算した減算値(230)がセットされる。このうち、実残り回数カウンタエリアSS1及び報知残り回数カウンタエリアSS2の値は、特図遊技回が実行される都度、1ずつ減算される。
通常時短遊技状態に移行してから40回目の特図遊技回(タイミングt2)において、通常外れ結果となり、それに対応する停止結果として停止結果SD19(図385(a))が選択されたものとする。この場合、特図用表示部43では、その選択された停止結果SD19がその特図遊技回の確定表示の期間にて停止表示される(図424(a))。また、主制御装置162では、その特図遊技回の変動パターンとして変動パターンW3(図397(d))が選択される。
演出制御装置143では、主制御装置162からの変動開始コマンドに基づいて変動パターンW3の選択が把握される。この場合、その時点での未報知回数カウンタエリアSS3の値(未報知分の残り回数である190回に対応した値)が第1所定数よりも大きいことを条件として今回の特図遊技回にて特殊リーチ外れA演出が実行されるように設定される(図424(a))。
また、演出制御装置143では報知上乗せ回数Mの抽選が実行される。例えば、報知上乗せ回数Mとして50回が抽選された場合は、特殊外れ結果になった特図遊技回において特殊リーチ外れA演出の実行後、50回の残り回数の上乗せを報知する第1上乗せ演出が図柄表示装置75にて実行される(図424(b))。
このように、特殊外れ結果になった場合に限らず、通常外れ結果になった場合にも特殊リーチ外れA演出及び第1上乗せ演出が実行されるため、遊技者に対して特殊外れ結果となる確率を実際の確率よりも高いように感じさせることができる。これにより、時短遊技状態中において残り回数の上乗せが発生しやすい印象を与え、遊技意欲を好適に高めることが可能になる。
その際、通常外れ結果となった場合のうち、通常外れ結果を報知する停止結果として停止結果SD19が停止表示される場合を対象として特殊リーチ外れA演出及び第1上乗せ演出が実行される。ここで、停止結果SD19は、表示用セグメントSG1~SG8のうち点灯状態とされる表示用セグメントの数が複数個となっており、点灯状態の表示用セグメントの数が1個である停止結果SD18(図385(a))と比べて、特殊外れ結果に対応するSD15~SD17との識別が困難となっている。このため、遊技者が特図用表示部43を見ていても、その特図遊技回における当否抽選の結果が特殊外れ結果ではなく、実際には通常外れ結果であることを悟られにくくすることができ、その状態で特殊リーチ外れA演出及び第1上乗せ演出が実行されるものとなる。これにより、特殊外れ結果となった状況で残り回数の上乗せが報知されたと思わせやすくすることができ、上乗せが発生しやすい印象をより好適に与えることが可能になる。
演出制御装置143では、停止結果SD19が停止表示される特図遊技回において、報知上乗せ回数Mの抽選結果に基づきRAM344の報知残り回数カウンタエリアSS2の値が更新される。具体的には、その時短での報知残り回数カウンタエリアSS2の値(30)に報知上乗せ回数M(50)を加算した加算値(80)が新たな値として報知残り回数カウンタエリアSS2にセットされる。これにより、第1上乗せ演出で報知された上乗せ回数が反映された状態の残り回数画像823が表示される。
また、報知上乗せ回数Mの抽選結果に基づいてRAM344の未報知回数カウンタエリアSS3の値が更新される。具体的には、その時短での未報知回数カウンタエリアSS3の値(230)から報知上乗せ回数M(50)を減算した減算値(180)が新たな値として未報知回数カウンタエリアSS3にセットされる。これにより、演出制御装置143にて把握される未報知分の残り回数が、第1上乗せ演出で報知した分だけ減らされた回数に変更される。
これら報知残り回数カウンタエリアSS2及び未報知回数カウンタエリアSS3の更新は、上記特図遊技回の変動開始タイミングにて実行される。但し、これに限定されるものではなく、例えば、確定表示の開始タイミングにて行われてもよい。すなわち、上記特図遊技回の中で処理が完了するものであれば、いずれのタイミングで行われてもよい。
なお、上記特図遊技回において、その時点での未報知回数カウンタエリアSS3の値が第1所定数以下である場合は、当該遊技回での演出として特殊リーチ外れB演出又はノーマルリーチ外れ演出が実行される。特殊リーチ外れB演出は、特殊リーチ外れA演出と対をなすガセ演出であり、特殊外れ結果とならなかったことに対応する遊技回用演出である。これらのリーチ外れ演出が実行される場合、第1上乗せ演出は実行されない。
報知上乗せ回数Mが反映されて報知残り回数カウンタエリアSS2の値が80に更新されたタイミングt2から75回目の特図遊技回が開始されると(タイミングt3)、報知残り回数カウンタエリアSS2の値が第2所定数(例えば5)以下となる。すなわち、残り回数画像823を通じて遊技者に報知される残り回数が0回に近い一定値以下となる。ここでは、上記75回目の特図遊技回において当否抽選の結果が通常外れ結果となり、変動パターンとして完全外れ演出に対応した変動パターン21Hが選択されたものとする。
この場合、演出制御装置143では、その特図遊技回の遊技回用演出として完全外れ演出が実行されるように設定される(図424(c))。また、その時点での未報知回数カウンタエリアSS3の値(未報知分の残り回数である190回に対応した値)が第1所定数よりも大きいことを条件として、その特図遊技回の中で第2上乗せ演出Aが実行されるように設定される(図417(b))。
第2上乗せ演出Aの実行に際しては、その時点での未報知回数カウンタエリアSS3の値(180)が参照され、その範囲内で報知上乗せ回数Mが抽選される。例えば、報知上乗せ回数Mとして100回が抽選された場合は、図417(b)のボタン操作指示画像の後、残り回数の100回の追加が報知される報知画像が表示される。
このように、報知上の残り回数が第2所定数以下となると、第2上乗せ演出Aが実行されて報知上の残り回数が増加され、当該残り回数が0回となることが回避される。例えば、残り回数画像823を通じて遊技者が認識する残り回数が尽きた後も時短遊技状態が継続すると、不自然な印象になり、実際の残り回数とずれた状態で残り回数が報知されていることへの気づきが促される懸念がある。この点、本構成であることで、その後も時短遊技状態が継続する中で報知上の残り回数が0回となることが抑制され、実際の残り回数の一部が秘匿化された状態で報知が行われていることに気づかせにくくすることが可能になる。
第2上乗せ演出Aが実行される特図遊技回において、演出制御装置143では、報知残り回数カウンタエリアSS2及び未報知回数カウンタエリアSS3の更新が行われる。すなわち、その時短での報知残り回数カウンタエリアSS2の値(5)に報知上乗せ回数M(100)を加算した加算値(105)が新たな値として報知残り回数カウンタエリアSS2にセットされるとともに、その時短での未報知回数カウンタエリアSS3の値(180)から報知上乗せ回数M(100)を減算した減算値(80)が新たな値として未報知回数カウンタエリアSS3にセットされる。
なお、上記特図遊技回において変動パターン21H以外の変動パターンが選択された場合は、第2上乗せ演出Aは実行されない。
その後、55回目の特図遊技回(タイミングt4)において、当否抽選の結果が通常外れ結果となり、変動パターンとして完全外れ演出に対応した変動パターン21Hが選択されたものとする。また、この特図遊技回では、演出制御装置143での第2上乗せ演出Aの実行抽選に当選したものとする。
この場合、演出制御装置143では、その特図遊技回の遊技回用演出として完全外れ演出が実行され、さらに第2上乗せ演出Aが実行されるように設定される。このため、残り回数画像823により報知される残り回数が第2所定数より大きい場合でも第2上乗せ演出Aが発生し得るものとなり、不自然な印象となることを抑制できる。これにより、当該演出による残り回数の上乗せが疑似的なものであることに気づかせにくくすることができ、演出効果を好適に高めることが可能になる。
<特図用表示部43での停止結果について>
前述のとおり、本実施の形態では、遊技者が特殊外れ結果に対応する各停止結果を覚えることで、特殊外れ結果となったことを契機に滞在時短の残り回数を予測することが可能となっている。これを踏まえて、特図用表示部43に停止表示される停止結果について構成が工夫されており、以下、かかる工夫について図383~図385を参照しながら説明する。
図383及び図384(b)に示すように、通常大当たり結果に対応する停止結果(停止結果SD3~SD14)の数が相対的に多く、特殊外れ結果に対応する停止結果(停止結果SD15~SD17)の数が相対的に少なくなっている。これにより、遊技者が通常大当たり結果に対応する各停止結果の表示態様を覚えにくく、特殊外れ結果に対応する各停止結果の表示態様を覚えやすくすることができる。よって、通常時短遊技状態への移行が行われた後、その途中で特殊外れ結果になるという流れの中で、先に移行する通常時短遊技状態の上限回数(残り回数)については特図用表示部43の停止結果から識別しにくく、後の特殊外れ結果への当選時における突然時短遊技状態の上限回数については特図用表示部43の停止結果から識別しやすい特性とすることができ、特殊外れ結果となったことを契機に滞在時短の残り回数を予測する遊技をより好適に楽しませることが可能になる。
但し、特殊外れ結果に対応する停止結果が停止表示された場合に、それを遊技者があまりにも簡単に識別できてしまう構成であると、滞在時短の残り回数の予測が容易になり過ぎてしまう。その結果、実際の残り回数が報知上の残り回数よりも多く残っていることが簡単に判明する構成となってしまい、上乗せ演出による演出効果が損なわれてしまう懸念がある。そこで、本実施の形態では、特殊外れ結果に対応する停止結果が停止表示された際にその識別が容易になり過ぎることを抑制するための構成も盛り込まれている。以下、これらの構成について説明する。
図384(b)及び図385(a)に示すように、特殊外れ結果に対応する停止結果と通常外れ結果に対応する停止結果とにおいて複数種の停止結果が設定されている。この場合、それぞれに表示態様が複数存在するため、遊技者が特殊外れ結果に対応する停止結果と通常外れ結果に対応する停止結果との各表示態様を記憶する負荷が高まる。その分、それらの見分けが困難化し、特殊外れ結果になったことの識別難易度を高めることができる。
特殊外れ結果に対応する停止結果と通常外れ結果に対応する停止結果とのそれぞれにおいて、点灯される表示用セグメントが複数個である停止結果を含むように設定されている。点灯される表示用セグメントの数が多くなるほど表示態様が複雑化して覚えにくくなるところ、そのような表示態様の停止結果が特殊外れ結果と通常外れ結果とのそれぞれで存在するため、外れ結果の特図遊技回にて特図用表示部43に停止表示された停止結果が特殊外れ結果と通常外れ結果とのいずれに対応するかの識別難易度を高めることができる。
但し、その場合でも、点灯状態の表示用セグメントが複数である停止結果の数について、特殊外れ結果に対応する停止結果では3個であるのに対し、通常外れ結果に対応する停止結果では1個とされ、後者が前者よりも少なく抑えられている。このため、外れ結果の特図遊技回において点灯される表示用セグメントが複数である停止結果が停止表示された場合に、遊技者が特殊外れ結果に対応する可能性が高いと予測することが可能となっており、識別難易度が過度に高くなることが抑制されている。
図385(a)に示すように、通常外れ結果に対応する停止結果として停止結果SD18、SD19を含む複数種の停止結果が設けられ、停止結果SD18では点灯される表示用セグメントの数が1個となり、停止結果SD19では点灯される表示用セグメントの数が複数個となるように設定されている。この場合、停止結果SD18、SD19において点灯状態の表示用セグメントの数が異なることで、それらの停止結果SD18,SD19が同種の外れ結果(通常外れ結果)に対応するものであることを分かりにくくすることができる。これにより、停止表示された停止結果が通常外れ結果に対応するものであるか否かの識別難易度を高めることができ、延いては、特殊外れ結果になったことの識別難易度を高めることが可能になる。
図384(b)及び図385(a)に示すように、特殊外れ結果に対応する停止結果SD15~SD17の中に、点灯される表示用セグメントの数が通常外れ結果に対応する停止結果SD19と同数(3個)である停止結果SD17が含まれるように設定されている。この場合、遊技者が点灯状態の表示用セグメントの数から特殊外れ結果と通常外れ結果とのいずれに対応するかを識別することが困難となり、特殊外れ結果になったことの識別難易度を高めることが可能になる。
図384(b)及び図385(a)に示すように、通常外れ結果に対応する停止結果SD19と、特殊外れ結果に対応する停止結果SD17とにおいて、点灯される表示用セグメントが重複するように設定されている。具体的には、それら停止結果SD19、SD17のいずれにおいても表示用セグメントSG2、SG4が点灯されるようになっている。これにより、これらの停止結果SD19、SD17の見た目を類似させることができ、見分けにくくすることが可能になる。
以上詳述した本実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏することができる。
時短遊技状態である状況で特殊外れ結果になった場合において突然時短遊技状態への移行が制限される場合に、突然時短遊技状態への移行が行われる場合と同様に特殊リーチ外れA演出や第1上乗せ演出Aを実行する構成とした。
パチンコ遊技機では、当否抽選の結果に対応した報知を特図用表示部43にて行わざるを得ないところ、特殊外れ結果になった場合において突然時短遊技状態への移行が制限される場合に、遊技者が特図用表示部43を視認することで、特殊外れ結果になったことを把握できてしまい、延いては移行制限の実施が察知されてしまうおそれがある。突然時短遊技状態への移行が制限される場合、遊技者としては、特殊外れ結果を引き当てたにもかかわらず、その恩恵を受けられないことになるため、当該制限の実施に遊技者が気付くと、損をしたような印象になって遊技者の気分を害する懸念がある。
この点、本構成では、突然時短遊技状態への移行制限を行う場合に、移行の実施に対応した特殊リーチ外れA演出や第1上乗せ演出Aを実行するため、制限の実施を分かりにくくすることができ、遊技者の気分を害することを抑制できる。しかも、突然時短遊技状態への移行(演出上は残り回数の上乗せ)を生じさせた印象を付与できるため、遊技者の気分を高揚させ、遊技の興趣を高めることが可能になる。
突然時短遊技状態への移行に対応する演出として、時短遊技状態の残り回数の上乗せを報知する上乗せ演出を実行する構成とした。
上記構成では、時短遊技状態の残り回数が増加した又は追加されたと遊技者に認識させることができる。これにより、内部的には突然時短遊技状態への移行制限を実施しているものの、遊技者の目線では特殊外れ結果を引き当てて時短遊技状態の延長を勝ち取ったかのような印象となり、上記移行制限を行う中でも遊技者の遊技意欲が低下することを抑制できる。
また、上乗せ演出を実施することで、時短遊技状態が継続しているかのような印象とすることができ、移行制限が行われる場合の不自然さを軽減することが可能になる。例えば、突然時短遊技状態への移行が行われる場合に、滞在時短の終了用演出を実行し、その後、突然時短遊技状態の開始用演出を実行すると、演出上、前後の時短遊技状態の境界が明確になる。これを上記移行が制限される場合にも同様に実施すると、実際には移行が生じていないため、不自然な印象となる懸念がある。この点、終了と開始を明示しないで上乗せ演出により繋ぐ構成とすることで、時短遊技状態間の境界を曖昧化することができ、実際には移行が生じておらず滞在時短が継続しているだけであっても、不自然な印象となることを抑制することが可能になる。
特図当否抽選の結果が通常外れ結果である場合に、特殊リーチ外れA演出や第1上乗せ演出Aを実行し得る構成とした。
上記構成では、突然時短遊技状態への移行が制限される場合だけでなく、特殊外れ結果になっていない場合にも特殊リーチ外れA演出や第1上乗せ演出Aが実行されるため、移行制限時における特殊リーチ外れA演出等の実施を目立ちにくくして不自然な印象となることを抑制することができる。これにより、移行制限の実施をより一層分かりにくくすることができる。
また、上記構成では、特殊外れ結果になった場合と通常外れ結果になった場合との両方で特殊リーチ外れA演出や第1上乗せ演出Aが実行されるため、これらの演出の出現回数が特殊外れ結果となった回数よりも多くなる。これにより、特殊外れ結果を引き当てやすい(換言すれば、残り回数の上乗せが発生しやすい)印象を与えることができ、遊技の興趣を高めることが可能になる。
時短遊技状態の残り回数を報知する残り回数画像823を表示するとともに、その残り回数画像823での報知において実際の残り回数よりも少ない回数を報知する構成とした。
上記構成では、滞在中の時短遊技状態についての残り回数が実際の残り分より少なく減らされて報知されるため、実際の残り回数の一部を未報知分の残り回数として確保することができる。この未報知分の残り回数を利用し、突然時短遊技状態への移行が制限される場合の上乗せ演出や通常外れ結果である場合の上乗せ演出を実施すれば、これらの上乗せ演出を実際の残り回数と整合させながら行うことができる。すなわち、遊技者の目線では、当該上乗せ演出で報知された回数どおりに時短遊技状態が継続しているように見えるため、実際に残り回数の上乗せが行われた印象を与えることができる。これにより、疑似的な報知であることが分かりにくくなり、移行制限の実施に気づきにくくすることが可能になる。
報知上の残り回数が所定数(第2所定数)以下であるか否かを判定し、その結果に基づいて上乗せ演出を実行する構成とした。
滞在中の時短遊技状態について実際の残り分よりも少ない数を報知する構成では、時短遊技状態の終了よりも早く報知上の残り回数が尽きてしまう可能性がある。この点、報知上の残り回数が少なくなると、当否抽選の結果や移行制限の有無にかかわらず上乗せ演出を実行するため、報知上の残り回数が少なくなる都度、当該残り回数を補充することができる。これにより、時短遊技状態の途中で報知上の残り回数が尽きてしまうことが抑制され、遊技者に不自然な印象を与えることを抑制することが可能になる。
その際、上乗せ演出として演出期間が異なる第1上乗せ演出と第2上乗せ演出を設ける構成とした。この構成によれば、リーチ外れ演出用の変動パターン(変動表示時間)が選択された場合に限らず、完全外れ演出用の変動パターンが選択された場合にも上乗せ演出を実行することができ、上記残り回数の補充を適宜に行うことが可能になる。
通常時短遊技状態と突然時短遊技状態とにおいて、普図遊技回における変動表示時間の長さ、役物開閉遊技における普電役物63aの挙動、サポート抽選における当選確率等の態様を異ならせ、通常時短遊技状態である状況で特殊外れ結果となった場合に、滞在中の通常時短遊技状態におけるその時点での残り回数と、その特殊外れ結果に対応する突然時短遊技状態の上限回数とを比較し、回数が多い側の時短遊技状態を優先して採用する構成とした。
上記構成では、通常時短遊技状態である状況で特殊外れ結果となった場合に、普図遊技回における変動表示時間の長さ、役物開閉遊技における普電役物63aの挙動、サポート抽選における当選確率等の態様の変化が生じるか否かを遊技者が判別することにより、通常時短遊技状態の継続と突然時短遊技状態の移行とのいずれが選ばれたかを推測して楽しむことが可能になる。その際、残り回数の多い側の時短遊技状態が選択される構成であるため、例えば、遊技者が通常時短遊技状態の継続が選択されていると推測した場合には、特殊外れ結果になった時点での通常時短遊技状態の残り回数が突然時短遊技状態の上限回数よりも多いことを推測することができ、態様変化の有無からいずれの時短遊技状態が選択されているかを推測する遊技の面白みを高めることが可能になる。
また、突然時短遊技状態として、上限回数が異なる突然時短遊技状態A~Cが設けられるとともに、それら突然時短遊技状態A~Cに対応して停止結果SD15~SD17が設けられるため、遊技者が停止結果SD15~SD17の表示態様を覚えることで、特殊外れ結果になった際に停止表示される停止結果から突然時短遊技状態の種別や上限回数を特定することができる。この特定結果を選択時短の推測に利用することで、より具体的に通常時短遊技状態の残り回数を推測することができ、例えば、停止結果から特定した上限回数が200回であれば、通常時短遊技状態の残り回数が少なくとも200回あることを推測することが可能になる。これにより、態様変化の有無からいずれの時短遊技状態が選択されているかを推測する遊技をより好適に盛り上げることができる。
特殊外れ結果に対応する停止結果(停止結果SD15~SD17)の種類数を通常大当たり結果に対応する停止結果(停止結果SD3~SD14)の種類数よりも少なくする構成とした。
上記構成によれば、遊技者が通常大当たり結果に対応する各停止結果の表示態様を覚えにくく、特殊外れ結果に対応する各停止結果の表示態様を覚えやすくすることができる。よって、通常時短遊技状態への移行が行われた後、その途中で特殊外れ結果になるという流れの中で、先に移行する通常時短遊技状態の上限回数(残り回数)については特図用表示部43の停止結果から識別しにくく、後の特殊外れ結果への当選時における突然時短遊技状態の上限回数については特図用表示部43の停止結果から識別しやすい特性とすることができ、特殊外れ結果となったことを契機に滞在時短の残り回数を予測する遊技をより好適に楽しませることが可能になる。
<変形例1>
上記第5の実施の形態の変形例1について図425~図427を参照しながら説明する。これらの図において第5の実施の形態と同様の構成については同一の符号を付し、その説明を省略する。
本変形例では、時短遊技状態中の演出態様が上記第5の実施の形態と異なっている。以下、本変形例の構成について詳細に説明する。
突然時短遊技状態、通常時短遊技状態及び天井時短遊技状態では、図柄表示装置75の表示画面Gにおける背景画像の態様が異なっている。具体的には、時短遊技状態中に実施される時短中演出での背景色が各時短遊技状態ごとに相違している。すなわち、図425に示すように、突然時短遊技状態の時短中演出では背景色が第1表示色(例えば紫色)となり、通常時短遊技状態の時短中演出では背景色が第2表示色(例えば赤紫)となり、天井時短遊技状態の時短中演出では背景色が第3表示色(例えば青紫)となるように差別化されている。
また、時短遊技状態中に特殊外れ結果になった場合の演出態様についても上記第5の実施の形態と異なっている。以下、本変形例に係る時短遊技状態中に特殊外れ結果になった場合の演出の流れについて説明する。先ず、通常時短遊技状態への滞在中に特殊外れ結果となり、突然時短遊技状態に移行する場合について図426を参照しながら説明する。
通常時短遊技状態の時短中演出では図425(b)に示すように背景色が第2表示色(例えば赤紫)とされる。そして、通常時短遊技状態に滞在中の所定の特図遊技回にて特殊外れ結果になり、その時点における滞在中の通常時短遊技状態の残り回数が120回であり、今回の特殊外れ結果に対応する上限回数が200回であったとする。この場合、今回の特殊外れ結果に対応する上限回数の方が滞在時短における現在の残り回数よりも多いため、突然時短遊技状態に移行させる旨が決定される。
特殊外れ結果になった特図遊技回では、特殊リーチ外れA演出が図柄表示装置75にて実行され(図426(a))、特殊外れ結果になったことが報知される。その特図遊技回における確定表示の開始タイミングでは、滞在中の通常時短遊技状態の終了処理と、今回の特殊外れ結果に対応した突然時短遊技状態への移行処理とがそれぞれ行われる。
また、特殊外れ結果になった特図遊技回では、特殊リーチ外れA演出の実行後、時短遊技状態の切り替わりや残り回数の変化を示唆するチェンジ演出が実行される。このチェンジ演出では、先ず、表示画面Gの全体が黒表示861とされて暗転(ブラックアウト)される(図426(b))。この暗転表示は、確定表示の開始前に行われてもよいし、開始後に行われてもよい。
その後、時短遊技状態の残り回数を報知するための回数報知画面862が表示される。この際、回数報知画面862の表示画面では、突然時短遊技状態への移行が行われることに対応して、その背景色が突然時短遊技状態用の背景色(第1表示色)とされる(図426(c))。
なお、回数報知画像863により報知される残り回数は、必ずしも移行先の突然時短遊技状態における実際の残り回数と一致するとは限らない。すなわち、実際の残り回数の一部が報知される場合もあれば、全部が報知される場合もある。その際、一部を報知する場合でも、残り回数が増えた印象を遊技者に与えるべく、上記回数報知画像863により報知される残り回数が、残り回数画像823により報知されていた直前の残り回数(図426の場合であれば40回)よりも多くなるように設定される。
その後、次の特図遊技回(突然時短遊技状態に移行してからの最初の特図遊技回)が開始されると、突然時短遊技状態に対応した背景色(第1表示色)とされた時短中演出が開始される(図426(d))。当該時短中演出では、表示画面Gの隅部において上記回数報知画像863により報知された回数に対応する残り回数画像823が表示される。
次に、通常時短遊技状態への滞在中に特殊外れ結果となったものの、通常時短遊技状態が継続される場合について図427を交えて参照しながら説明する。
通常時短遊技状態に滞在中の所定の特図遊技回にて特殊外れ結果になり、その時点における滞在中の通常時短遊技状態の残り回数が120回であり、今回の特殊外れ結果に対応する上限回数が50回であったとする。この場合、滞在時短における現在の残り回数の方が今回の特殊外れ結果に対応する上限回数よりも多いため、突然時短遊技状態への移行を制限(無効化)して滞在時短を継続させる旨が決定される。
特殊外れ結果になった特図遊技回では、特殊リーチ外れA演出が図柄表示装置75にて実行され(図426(a))、特殊外れ結果になったことが報知される。また、その特図遊技回では、突然時短遊技状態への移行が行われる場合と同様に、特殊リーチ外れA演出の実行後、チェンジ演出が実行される。
チェンジ演出では、表示画面Gの全体が黒表示861とされた後、時短遊技状態の残り回数を報知するための回数報知画面862が表示される。この際、回数報知画面862の表示画面では、通常時短遊技状態が継続されることに対応して、その背景色が通常時短遊技状態用の背景色(第2表示色)とされる(図427(a))。なお、図427(a)には、実際の残り回数の全部を回数報知画像863にて報知する場合を示している。
上記チェンジ演出の実行後、次の特図遊技回(通常時短遊技状態の継続が決定された後の最初の特図遊技回)が開始されると、通常時短遊技状態に対応した背景色(第2表示色)とされた時短中演出が開始される(図427(b))。当該時短中演出では、表示画面Gの隅部において上記回数報知画像863により報知された回数に対応する残り回数画像823が表示される。
以上のように本変形例では、通常時短遊技状態、天井時短遊技状態、突然時短遊技状態において、図柄表示装置75の表示画面Gにおける背景色を相違させ、時短遊技状態の種別ごとに時短中演出での表示態様が異なる構成とした。
上記構成によれば、遊技者が図柄表示装置75の表示画面Gを視認している状態で、態様変化の有無を判別することができ、延いては、特殊外れ結果になった際にいずれの時短遊技状態が選択されたかを推測することができる。すなわち、注目箇所の集約が図られるため、上記表示画面Gにて行われる遊技演出の見落とし等の発生を抑制しながら、上記推測する遊技を楽しませることができる。
なお、本変形では、突然時短遊技状態用の第1表示色を基本色とし、通常時短遊技状態用の第2表示色と天井時短遊技状態用の第3表示色とは、上記基本色に対して他の色味を加えたものとなっている。具体的には、第2表示色は、第1表示色の紫に対して若干の赤みを加えた赤紫であり、第3表示色は、第1表示色の紫に対して若干の青みを加えた青紫である。三者を比較すると、第1表示色と第2表示色、第1表示色と第3表示色の差分(相違度)は、第2表示色と第3表示色の差分よりも小さくなっている。これは、本変形例の前提である上記第5の実施の形態に係る構成では、通常時短遊技状態の途中で突然時短遊技状態に移行したり、突然時短遊技状態の途中で天井時短遊技状態に移行したりすること(第2表示色から第1表示色への変化、第1表示色から第3表示色への変化)がある一方で、通常時短遊技状態の途中で天井時短遊技状態に移行すること(第2表示色から第3表示色への変化)がないことを踏まえたものである。
例えば、通常時短遊技状態の途中で突然時短遊技状態に移行する場合に、その背景色が大きく変化すると、時短遊技状態の種別が切り替わった印象が強調され過ぎ、残り回数が増えたように遊技者に感じさせる上で妨げになる懸念がある。この点、途中での切り替わりが想定される時短遊技状態間では、背景色の変化度合を比較的に小さく抑えることで、時短遊技状態の種別の切り替わりが目立ち過ぎることが抑制され、残り回数が増えた印象を与えやすくすることが可能になる。
<変形例2>
上記第5の実施の形態の変形例2について図428~図432を参照しながら説明する。これらの図において第5の実施の形態や変形例1と同様の構成については同一の符号を付し、その説明を省略する。
本変形例では、特図用表示部43に停止表示される絵柄について特殊外れ結果となった場合の設定態様が上記第5の実施の形態や変形例1と異なっている。以下、本変形例の構成について詳細に説明する。
<変動開始処理>
本変形例に係る変動開始処理について図428のフローチャートを参照しながら説明する。この処理は、主制御装置162による特図遊技回制御処理(図380)のステップSe506で実行されるものであり、図382の変動開始処理に代えて実行されるものである。図428において図382と同様の処理については同一のステップ番号を付し、その説明を省略又は簡略化する。
先ずステップSe4101では、大当たりであるか否かの大当たり判定(当否判定)を行う。当該判定では、現在の遊技状態(抽選モード)に対応する当否テーブルを参照し、実行エリアAEに格納されている大当たり乱数カウンタC1の値が、参照する当否テーブルにて大当たり用の乱数として設定されている値と一致しているか否かを判定する。例えば、現在の遊技状態が通常遊技状態(低確率モード)である場合は、低確率モード用の当否テーブル(図372(a))を参照して上記判定を行う。
ステップSe710では、高頻度サポートモードに滞在可能な特図遊技回の残り回数を更新するための高頻度サポートモード更新用処理を実行し、続くステップSe711では、天井時短遊技状態の移行契機が成立したか否かを判定するための天井時短遊技状態の移行判定用処理を実行する。ステップSe712では、突然時短遊技状態の移行契機が成立したか否かを判定するための突然時短遊技状態の移行判定用処理を実行する。ステップSe710~ステップSe712の詳細については図389~図392を参照して説明したとおりである。
ここで、ステップSe711の天井時短遊技状態の移行判定用処理及びステップSe712の突然時短遊技状態の移行判定用処理には、時短遊技状態への滞在中に天井時短遊技状態又は突然時短遊技状態の移行契機が成立した場合に実行される優先用処理(ステップSe1309、ステップSe1505)が含まれている。優先用処理では、滞在中の時短遊技状態の残り回数(滞在時短の残り回数)と、成立した移行契機に対応する時短遊技状態の上限回数(今回の上限回数)とに基づいて、いずれの時短遊技状態を優先すべきかを判定する。
具体的には、滞在時短の残り回数と今回の上限回数とを比較し、今回の上限回数よりも滞在時短の残り回数の方が多い場合は、滞在時短を優先すべく、成立契機に対応する時短遊技状態への移行を不実行として滞在時短を継続させる旨を判定する。逆に、滞在時短の残り回数よりも今回の上限回数の方が多い場合は、移行契機に対応する時短遊技状態を優先すべく、滞在時短を終了して成立契機に対応する時短遊技状態への移行を行う旨を判定する。そして、成立契機に対応する時短遊技状態への移行を行う旨を判定した場合は、その旨を記憶すべく、移行契機が成立した時短遊技状態の時短開始用フラグをRAM314の各種フラグ格納エリア314eにセットする(ステップSe1404でYES、ステップSe1406)。例えば、移行契機が成立した時短遊技状態が突然時短遊技状態である場合は突然時短開始用フラグをセットする。
ステップSe4102では、ステップSe4101における大当たり判定の結果が大当たり当選であるか否かを判定する。大当たり当選である場合には、ステップSe4103にて、対応する大当たり種別テーブルを参照して大当たり種別判定(大当たり種別の抽選)を行う。具体的には、今回の大当たり結果が第1特図の当否抽選による大当たり結果である場合は第1特図用の大当たり種別テーブル(図373(a))を参照して種別判定を行い、今回の大当たり結果が第2特図の当否抽選による大当たり結果である場合は第2特図用の大当たり種別テーブル(図373(b))を参照して種別判定を行う。
ステップSe4104では、ステップSe4103の種別判定により選択された大当たり種別に対応した大当たり種別フラグをRAM314の各種フラグ格納エリア314eにセットする。続くステップSe4105では、ROM313の停止結果テーブル記憶エリア313dに記憶されている大当たり用の停止結果テーブルを参照して大当たり用の停止結果(大当たり図柄)を設定する。なお、大当たり用の停止結果テーブルの詳細については図383、図384(a)を参照して説明したとおりである。
ステップSe4102で否定判定した場合(大当たり当選でない場合)は、ステップSe4106に進み、ステップSe4101の当否判定の結果が特殊外れ結果であるか否かを判定する。特殊外れ結果である場合は、ステップSe4107にて、特殊外れ結果の種別に対応した特殊外れ種別フラグを上記各種フラグ格納エリア314eにセットする。例えば、特殊外れ結果の種別が特殊外れ結果Aである場合は、特殊外れAフラグをセットする。
ステップSe4108では、特図用表示部43に停止表示させる特殊外れ用の停止結果(特殊外れ図柄)を設定するための特殊外れ用の停止結果設定処理を実行する。ここで、ステップSe4108の特殊外れ用の停止結果設定処理について図429のフローチャートを参照しながら説明する。
特殊外れ用の停止結果設定処理では先ずステップSe4201にて、上記各種フラグ格納エリア314eに突然時短開始用フラグがセットされているか否かを判定する。突然時短開始用フラグがセットされている場合は、当否判定の結果が特殊外れ結果となり、それに基づいて突然時短遊技状態への移行を行う状況であることを意味する。このような状況としては、通常遊技状態中に特殊外れ結果となり、突然時短遊技状態に移行する場合や、時短遊技状態中に特殊外れ結果となり、上記優先用処理での判定により突然時短遊技状態への移行が判定された場合が該当する。
ステップSe4201で肯定判定した場合(突然時短開始用フラグがセットされている場合)は、ステップSe4202に進み、特殊外れ用の第1停止結果テーブルを取得する。この第1停止結果テーブルは、突然時短遊技状態への移行を行う場合に参照すべくROM313の停止結果テーブル記憶エリア313dに記憶されているものであり、上記第5の実施の形態に係る特殊外れ用の停止結果テーブル(図384(b))と同様のものである。特殊外れ用の第1停止結果テーブルでは、図430(a)に示すように、選択可能な停止結果として停止結果SD15~SD17が設定されている。これら停止結果SD15~SD17は、上記第5の実施の形態に係る停止結果SD15~SD17と同様のものであり、セグメント表示器801に配置される7個の表示用セグメントSG1~SG7のうち、2個以上の表示セグメントを点灯させて絵柄(特殊外れ図柄)が表示されるものである。
ステップSe4203では、ステップSe4202で取得した特殊外れ用の第1停止結果テーブルを参照し、特図用表示部43に停止表示させる停止結果を設定する。具体的には、実行エリアAEに格納されている大当たり乱数カウンタC1に対応する停止結果を上記第1停止結果テーブルから読み出し、今回の遊技回の停止結果として設定する。例えば、大当たり乱数カウンタC1の値が「23」であれば、今回の停止結果として停止結果SD17を設定する。ステップSe4203の実行後は、特殊外れ用の停止結果設定処理を終了する。
ステップSe4201で否定判定した場合、すなわち、突然時短開始用フラグがセットされていない場合は、当否判定の結果が特殊外れ結果となったものの、突然時短遊技状態への移行が行われない状況であることを意味する。このような状況には、時短遊技状態中に特殊外れ結果となり、上記優先用処理での判定により滞在時短の継続が判定された場合が該当する。
かかる場合は、ステップSe4204に進み、特殊外れ用の第2停止結果テーブルを取得する。この第2停止結果テーブルは、突然時短遊技状態への移行を制限する場合に参照すべく上記各種テーブル記憶エリア313aに記憶されているものである。ここで、特殊外れ用の第2停止結果テーブルについて図430(b)を参照しながら説明する。
上記第2停止結果テーブルには、特殊外れ用の停止結果として停止結果SD20からなる1種類の停止結果データが記憶されている。停止結果データSD20は、複数の表示用セグメントSG1~SG7のうち左下の表示用セグメントSG4のみが点灯されるものである。すなわち、1個の表示セグメントの点灯により表示される絵柄となっており、通常外れ用の停止結果に類似した表示態様となっている。
特殊外れ用の第2停止結果テーブルでは、停止結果SD20に対して大当たり乱数カウンタC1の「10」~「29」が対応付けられている。すなわち、当否判定の結果が特殊外れ結果となった状況で当該第2停止結果テーブルが参照された場合には、必ず停止結果SD20が選択されるものとなっている。
特殊外れ用の停止結果設定処理(図429)の説明に戻り、ステップSe4204の処理を実行した後はステップSe4203にて停止結果の設定を行う。ここでは、特殊外れ用の第2停止結果テーブルから読み出した停止結果SD20を今回の遊技回の停止結果として設定する。
変動開始処理(図428)の説明に戻り、ステップSe4106で否定判定した場合(特殊外れ結果でない場合)は、今回の当否判定の結果が通常外れ結果であることを意味する。この場合は、ステップSe4109に進み、上記停止結果テーブル記憶エリア313dに記憶されている通常外れ用の停止結果テーブルを参照して通常外れ用の停止結果(通常外れ図柄)を設定する。ここで、通常外れ用の停止結果テーブルについて図430(c)を参照しながら説明する。
通常外れ用の停止結果テーブルとしては、通常外れ用の第1特図停止結果テーブルと通常外れ用の第2特図停止結果テーブルとが設定されている。通常外れ用の第1特図停止結果テーブルは、第1作動口62への入賞に基づく当否抽選で通常外れとなった場合に参照されるものであり、通常外れ用の第2特図停止結果テーブルは、第2作動口63への入賞に基づく当否抽選で通常外れとなった場合に参照されるものである。通常外れ用の第1特図停止結果テーブルについては上記第5の実施の形態に係るテーブル(図385(b))と同様であるため、説明を省略する。
図430(c)に示すように、通常外れ用の第2特図停止結果テーブルには、通常外れ用の停止結果として複数の停止結果データが記憶されており、具体的には停止結果SD18、SD21からなる2種類の停止結果データが記憶されている。停止結果SD18は、複数の表示用セグメントSG1~SG7のうち中央の表示用セグメントSG3のみが点灯されるものであり、停止結果SD21は、右上の表示用セグメントSG7のみが点灯されるものである。すなわち、これら各停止結果SD18、SD21は、1個の表示セグメントの点灯により表示される絵柄となっており、シンプルな表示態様になっている。
通常外れ用の第2特図停止結果テーブルでは、停止結果SD18に対して大当たり乱数カウンタC1の「30」~「1977」が対応付けられ、停止結果SD21に対して「1978」~「2999」が対応付けられている。すなわち、停止結果SD18の方が選択確率が高く、停止結果SD21よりも選ばれやすくなっている。但し、これに限定されるものではなく、例えば、両者の選択確率が等しくてもよいし、停止結果SD21の方が停止結果SD18よりも選択されやすい構成でもよい。
変動開始処理(図428)の説明に戻り、ステップSe4109では、今回の通常外れ結果が第1特図と第2特図のいずれの当否抽選によるものなのかを判定し、その判定結果に対応する停止結果テーブルを参照する。そして、参照した停止結果テーブルにおいて、実行エリアAEに格納されている大当たり乱数カウンタC1に対応する停止結果を読み出し、今回の遊技回の停止結果として設定する。
ステップSe4105、ステップSe4108又はステップSe4109の実行後は、ステップSe713にて変動表示時間の設定処理を実行する。変動表示時間の設定処理では、今回の遊技回における変動パターンの選択・設定を行う。
主制御装置162にて行う変動表示時間の設定処理については上記第5の実施の形態の場合(図393)と同様であるが、上記のとおり本変形例では、当否判定にて特殊外れ結果が判定された場合に突然時短遊技状態への移行制限を実行するか否かに応じて異なる停止結果が設定されるように構成されている。これに合わせ、特殊外れ結果用の変動表示時間テーブルの構成を上記第5の実施の形態の場合とは異ならせている。ここで、上記変動表示時間テーブルについて図431を参照しながら説明する。
図431の特殊外れ用の変動表示時間テーブル(時短遊技状態用)は、時短遊技状態中の特図遊技回にて特殊外れ結果になった場合に参照されるものである。この変動表示時間テーブルは、図397(b)の特殊外れ用の変動表示時間テーブル(時短遊技状態用)に代えてROM313の変動表示時間テーブル記憶エリア313cに記憶されるものである。
図431に示す本変形例に係る特殊外れ用の変動表示時間テーブルでは、突然時短遊技状態への移行の有無により変動パターンの選択態様が異なっており、より詳しくは、上記移行の有無に応じて異なる変動パターンが選択されるように構成されている。具体的には、突然時短遊技状態への移行がある場合は変動パターンW1(15sec)が選択され、突然時短遊技状態への移行がない場合は変動パターンW4(8sec又は4sec)が選択されるようになっている。変動パターンW1は特殊リーチ外れA演出に対応し、変動パターンW4は完全外れ演出に対応している。このため、当否抽選の結果が特殊外れ結果とった状況で変動パターンW4が選択された場合、演出制御装置143では、その特図遊技回での遊技回用演出として通常外れ結果に対応した完全外れ演出を選択して実行する。
変動開始処理(図428)の説明に戻り、ステップSe713の変動表示時間の設定処理を実行した後は、ステップSe714に進み、RAM314の各種フラグ格納エリア314eに変動表示フラグをセットする。その後、ステップSe715以降の処理を実行する。
<時短遊技状態中の遊技の流れについて>
時短遊技状態中の遊技の流れについて図432を参照しながら説明する。ここでは、現在の遊技状態が通常時短遊技状態(第2作動口63を狙った右打ち遊技の状況)である場合を例にとって説明する。
通常時短遊技状態中の特図遊技回にて特殊外れ結果となり、これに基づいて突然時短遊技状態への移行が実行される場合は、図432(a)に示すように、特図用表示部43にて停止結果SD15~SD17のいずれかが停止表示される。この停止結果は、特殊外れ結果に対応しており、特殊外れ用の第1停止結果テーブル(図430(a))を参照して選択されるものである。当該停止結果の停止表示は、上記特図遊技回の確定表示期間にて行われる。図432(a)には、特殊外れ結果の種別が特殊外れ結果Cであり、停止結果SD17が停止表示される場合を示している。
また、上記特図遊技回では、遊技回用演出として特殊リーチ外れA演出が図柄表示装置75にて実行される。これにより、図柄表示装置75での演出表示にて特殊外れ結果になったことが報知される。特殊リーチ外れA演出の実行後は第1上乗せ演出が実行され、時短遊技状態の残り回数の追加が報知される。
通常時短遊技状態中の特図遊技回にて通常外れ結果となった場合は、図432(b)に示すように、特図用表示部43にて停止結果SD18、SD21のいずれかが停止表示される。この停止結果は、通常外れ結果に対応しており、第2特図に対応する通常外れ用の停止結果テーブル(図430(c))を参照して選択されるものである。図432(b)には、停止結果SD18、SD21のうち停止結果SD18が選ばれて停止表示される場合を示している。
また、上記特図遊技回にて変動パターン21Hが選択された場合は、遊技回用演出として完全外れ演出が図柄表示装置75にて実行される。これにより、図柄表示装置75での演出表示にて通常外れ結果になったことが報知される。なお、変動パターン22H~変動パターン24Hのいずれかが選択された場合は、それら各変動パターンに対応する各種リーチ外れ演出が実行される。
通常時短遊技状態中の特図遊技回にて特殊外れ結果となったものの、当該結果に基づく突然時短遊技状態への移行が制限される場合は、図432(c)に示すように、特図用表示部43にて停止結果SD20が停止表示される。この停止結果SD20は、特殊外れ用の第2停止結果テーブル(図430(b))を参照して選択されるものである。
停止結果SD20は、特殊外れ結果に対応するものであるが、点灯される表示用セグメントの数が1個とされ、通常外れ結果に対応する停止結果SD18、SD21と混同しやすい表示態様となっている。このため、遊技者が特図用表示部43を視認していたとしても、特殊外れ結果になったとは気づきにくく、むしろ通常外れ結果になったと認識しやすくなっている。
また、上記特図遊技回では、遊技回用演出として完全外れ演出が図柄表示装置75にて実行される。すなわち、図柄表示装置75での演出表示でも通常外れ結果に対応した報知が行われるため、今回の当否判定の結果が特殊外れ結果であるとより一層気づきにくくなっている。この場合、第1上乗せ演出は実行されない。
このように特殊外れ結果となったにもかかわらず、突然時短遊技状態への移行が行われない場合は、通常外れ結果時に停止表示される停止結果と類似する態様の停止結果が停止表示されるため、遊技者が特図用表示部43の表示内容から特殊外れ結果になったと認識することが抑制される。このため、突然時短遊技状態への移行がなされなくても不自然な印象とはならず、遊技者が移行の制限に気づくことが抑制される。
以上詳述した本変形例によれば、以下の優れた効果を奏することができる。
特殊外れ結果になった場合に、特図用表示部43に停止表示する停止結果を、突然時短遊技状態への移行が行われるか否かの判定結果を加味して決定する構成とした。
この構成によれば、突然時短遊技状態への移行の有無を踏まえて特図用表示部43での停止結果の調整を行うことができ、突然時短遊技状態への移行が制限される場合に、遊技者が特殊外れ結果を連想しにくい表示態様の停止結果を選択・設定することができる。これにより、特図用表示部43の表示内容から特殊外れ結果が把握されることが抑制され、移行制限の実施に遊技者が気付きにくい構成とすることができる。
特殊外れ結果になった遊技回において、突然時短遊技状態への移行有無の判定処理を実行した後、特図用表示部43の停止結果を決定する処理を実行する構成とした。この構成によれば、特殊外れ結果に対応する停止結果を決定する場合に、上記移行有無の判定結果を反映させた決定を好適に行うことが可能になる。
特殊外れ結果用の停止結果として、点灯される表示用セグメント(点灯表示部)の数が通常外れ結果用の停止結果(停止結果SD18、SD21)と同数である停止結果(停止結果SD20)が設けられる構成とした。
上記構成では、特殊外れ結果になった場合において突然時短遊技状態への移行が制限される場合に、点灯表示部の数が通常外れ結果用の停止結果SD18、SD21と同数である停止結果SD20が特図用表示部43に停止表示されるようにすることで、特殊外れ結果に対応する停止表示を通常外れ結果に対応する停止表示に似せて行うことができる。これにより、通常外れ結果になったと遊技者に思わせることができ、特図用表示部43の表示内容から特殊外れ結果を簡単に把握できてしまうことを抑制可能となる。
特殊外れ結果用の停止結果として複数種の停止結果を設け、上記停止結果SD20のほか、点灯表示部の数が通常外れ結果用の停止結果SD18、SD21よりも多い停止結果SD15~SD17が設けられる構成とした。
上記構成では、特殊外れ結果になった場合において突然時短遊技状態への移行が行われる場合に、点灯表示部の数が通常外れ結果用の停止結果SD18、SD21よりも多い停止結果SD15~SD17が停止表示されるようにすることで、通常外れ結果との識別が行いやすい態様で特殊外れ結果に対応する停止表示を行うことができる。すなわち、特殊外れ結果になった場合の停止表示のうち、一部について通常外れ結果である場合との識別が行いにくく、他の一部について識別が行いやすい構成とすることができる。よって、特殊外れ結果になった場合の結果報知としての機能が過度に損なわれることを抑制しつつ、特図用表示部43の表示内容から特殊外れ結果を簡単に把握できてしまうことを抑制可能となる。
通常外れ結果用の停止結果として複数種の停止結果(停止結果SD18、SD21)が設けられる構成とした。
上記構成では、特殊外れ結果用の停止結果SD20を含め、類似する態様の停止結果の数が増えるため、遊技者がそれらを区別して覚える負荷が高まる。その結果、特殊外れ結果用の停止結果SD20と通常外れ結果用の停止結果SD18、SD21とを遊技者が混同しやすくなり、特殊外れ結果用の停止結果SD20が特図用表示部43に停止表示された場合に通常外れ結果になったと思わせやすくすることができる。よって、特図用表示部43の表示内容から特殊外れ結果が把握されることを抑制でき、移行制限の実施に遊技者が気付きにくくすることが可能になる。
特殊外れ結果になった場合において突然時短遊技状態への移行が行われる場合に、図柄表示装置75の表示画面Gにて通常外れ結果に対応する完全外れ演出が実行されるように構成した。この構成によれば、遊技者に対してより強く通常外れ結果になったと思わせることができ、移行制限の実施に一層気づきにくい構成とすることが可能になる。
<その他の変形例>
なお、上述した第5の実施の形態や各変形例の記載内容に限定されず例えば次のように実施してもよい。ちなみに、以下の各構成を個別に上記第5の実施の形態や各変形例に対して適用してもよく、一部又は全部を組み合わせて上記第5の実施の形態や各変形例に対して適用してもよい。また、上記第5の実施の形態や各変形例に示した各種構成の全て又は一部を任意に組み合わせることも可能である。この場合、組み合わせの対象となる各構成の技術的意義(発揮される効果)が担保されることが好ましい。
また、理解の容易のため、例えば「第5の実施の形態の変形例1では」などとし、前提構成として一部の実施例を特定するものがあるが、以下の各構成は、特定した前提構成(実施例)に限定して適用されるものではなく、他の実施の形態や変形例に対しても適用することが可能である。
(1)上記第5の実施の形態や各変形例では、特図当否抽選の結果の一部として特殊外れ結果が設けられる構成としたが、特図当否抽選では大当たり結果であるか、それとも外れ結果であるかを抽選し、その結果が外れ結果となった場合に別抽選(外れ結果の種別抽選)にて特殊外れ結果であるか否かを抽選する構成としてもよい。この場合の別抽選は、大当たり種別カウンタC2や変動種別カウンタCS等の他の既存の乱数値を利用して行われてもよいし、外れ結果の種別を抽選するための専用乱数を用いて行われてもよい。
また、外れ結果の種別抽選に代えて突然時短遊技状態への移行条件を成立させるか否かの移行抽選が行われる構成としてもよい。この場合の抽選は、大当たり種別カウンタC2や変動種別カウンタCS等の他の既存の乱数値を利用して行われてもよいし、移行条件の成立有無を抽選するための専用乱数を用いて行われてもよい。
また、特図当否抽選において大当たり結果であるか、特殊外れ結果であるか、それとも通常外れ結果であるかを抽選し、その結果が特殊外れ結果になった場合に別抽選にて特殊外れ結果の種別を抽選してもよい。この場合の別抽選は、大当たり種別カウンタC2や変動種別カウンタCS等の他の既存の乱数値を利用して行われてもよいし、特殊外れ結果の種別を抽選するための専用乱数を用いて行われてもよい。
(2)上記第5の実施の形態や各変形例では、突然時短遊技状態への移行(サポートフラグのセット処理)が特殊外れ結果となった特図遊技回における確定表示の開始タイミングにて実行される構成としたが、確定表示の開始後に実行される構成としてもよい。具体的には、特殊外れ結果となった特図遊技回における確定表示の途中タイミングや確定表示の終了タイミング、次の特図遊技回の開始タイミングにて突然時短遊技状態への移行が実行されてもよい。
(3)上記第5の実施の形態や各変形例では、特殊外れ結果になったことを契機として突然時短遊技状態に移行する構成としたが、他の事象を契機として当該時短遊技状態に移行する構成としてもよい。例えば、遊技領域PEや所定入球部の内部に設けられた特定の入球部や特定の通過部に遊技球が入球又は通過することに基づいて上記時短遊技状態への移行が行われる構成としてもよい。
これらの場合、サポートフラグのセットは、特定の入球部に遊技球が入球したタイミングや特定の通過部を遊技球が通過したタイミングにて行われる。また、サポートフラグのセットに代えて上記入球に対応した入球フラグや上記通過に対応した通過フラグがセットされる構成としてもよい。この場合、入球フラグや通過フラグがセットされた後、それらのフラグがセットされていることに基づいて高頻度サポートモードに対応した態様への切り替えが行われる構成とすればよい。
なお、特定の入球部について、開閉機構を備えず、常時開放しているタイプの入球部としてもよいし、開閉機構を備え、遊技球が入球可能又は入球しやすい開状態と、遊技球が入球不可又は開状態よりも入球しにくい閉状態とに切り替わり可能な可変タイプの入球部としてもよい。このことは上記所定入球部についても同様である。
また、特定の入球部や通過部が所定入球部内に設けられる構成では、当該所定入球部内に特定の入球部や通過部のみが設けられ、所定入球部に入球した遊技球が特定の入球部や通過部に必ず入球又は通過する構成としてもよいし、所定入球部内に特定の入球部や通過部とは異なる1又は複数の他の入球部や通過部が設けられ、所定入球部に入球した遊技球が振り分けられることにより、所定入球部に入球した遊技球が特定の入球部に入球しなかったり、特定の通過部を通過しなかったりする場合が生じる構成としてもよい。後者の構成では、所定入球部に入球した遊技球が特定の入球部に入球したり、特定の通過部を通過したりすることにより、時短遊技状態への移行契機が成立する一方で、所定入球部に入球した遊技球が上記他の入球部に入球したり、他の通過部を通過したりしても、時短遊技状態への移行契機が成立しない構成とすることができる。
(4)上記第5の実施の形態や各変形例では、特殊外れ結果になった場合の突然時短遊技状態や外れ回数が天井回数に到達した場合の天井時短遊技状態として普図サポート抽選の当選確率が通常遊技状態と同じ確率とされる第2高頻度サポートモードが実施される構成としたが、普図サポート抽選の当選確率が通常遊技状態よりも高確率となる第1高頻度サポートモードが実施される構成としてもよい。この場合、突然時短遊技状等における普図サポート抽選の当選確率について、開閉実行モードを経由する通常時短遊技状態と同じ確率としてもよいし、異なる確率としてもよい。例えば、開閉実行モード後の遊技状態における優位性を確保する上では、通常時短遊技状態よりも突然時短遊技状態等のサポート当選確率を低くするとよい。
また、開閉実行モードを経由する通常時短遊技状態について、普図サポート抽選の当選確率が通常遊技状態と同じ確率とされる第2高頻度サポートモードが実施される構成としてもよい。
(5)上記第5の実施の形態や各変形例では、突然時短遊技状態の種別と特殊外れ結果の種別とが1対1で対応するが、1対複数の関係で対応してもよい。この場合、1の突然時短遊技状態に対応する特殊外れ結果の数が各突然時短遊技状態で同じである構成としてもよいし、異なる構成としてもよい。
(6)上記第5の実施の形態や各変形例では、通常時短遊技状態、天井時短遊技状態及び突然時短遊技状態を備える構成としたが、これらのうちの1つ又は2つを備えない構成としてもよい。例えば、通常時短遊技状態を備えずに天井時短遊技状態及び突然時短遊技状態を備える構成としてもよいし、通常時短遊技状態及び天井時短遊技状態を備えずに突然時短遊技状態を備える構成としてもよい。
また、上記第5の実施の形態や各変形例では複数種類の突然時短遊技状態を備える構成としたが、1種類のみの突然時短遊技状態を備える構成としてもよい。このことは通常時短遊技状態についても同様であり、1種類のみ通常時短遊技状態を備える構成としてもよい。
また、上記第5の実施の形態や各変形例では高確遊技状態を備えるが、高確遊技状態を備えない構成としてもよい。
(7)上記第5の実施の形態や各変形例では、時短遊技状態の終了(サポートフラグのクリア処理)が最終遊技回の確定表示の開始タイミングにて実行される構成としたが、確定表示の開始後に実行される構成としてもよい。具体的には、最終遊技回における確定表示の途中タイミングや確定表示の終了タイミング、次の特図遊技回の開始タイミングにて時短遊技状態の終了が実行されてもよい。
(8)上記第5の実施の形態や各変形例では、時短遊技状態に移行してからの特図遊技回の回数が上限回数に達することで時短遊技状態の終了(サポートフラグのクリア処理)が行われる構成としたが、これに代えて又は加えて、時短遊技状態への移行後、特図当否抽選にて小当たり結果となった回数が予め定められた上限回数(例えば5回)に達することで時短遊技状態が終了する構成としてもよい。
かかる構成において時短遊技状態である状況で時短遊技状態への移行条件が成立した場合には、滞在時短における残りの小当たり回数と、移行条件の成立に対応した時短遊技状態における上限回数としての小当たり回数とが比較され、多い側の時短遊技状態が採用される構成とすればよい。
なお、特図遊技回の回数が上限回数に達することと、小当たり結果の回数が上限回数に達することとの両方の条件を備える場合は、それら条件の一方が成立したら時短遊技状態の終了が行われる構成としてもよいし、それら条件の両方が成立したら時短遊技状態の終了が行われる構成としてもよい。
ちなみに、特図当否抽選の結果が小当たり結果となった場合には、可変入賞装置が開閉される小当たり遊技(小当たり結果を契機とする1ラウンド分の開閉実行モード)が実行される。この小当たり遊技は、大当たり遊技(大当たり結果を契機とする開閉実行モード)よりも遊技者に不利な態様で実行され得る。例えば、可変入賞装置への上限入賞個数が大当たり遊技よりも少なく設定されたり、1開放当たりの上限開放時間が大当たり遊技での1ラウンド遊技又は1開放当たりの上限開放時間よりも短く設定されたりすることで、大当たり遊技よりも少ない期待獲得球数となる態様で実行される。
また、上記に代えて又は加えて、時短遊技状態に移行してからの普図遊技回の回数が上限回数に達することで時短遊技状態が終了する構成としてもよい。この場合、サポート抽選の結果にかかわらず全ての普図遊技回を対象とし、その回数が上限回数に達したら時短遊技状態が終了する構成としてもよいし、サポート抽選の結果が当たり結果となった普図遊技回を対象とし、その回数が上限回数に達したら時短遊技状態が終了する構成としてもよいし、サポート抽選の結果が外れ結果となった普図遊技回を対象とし、その回数が上限回数に達したら時短遊技状態が終了する構成としてもよい。
例えば、特図遊技回の回数が上限回数に達することと、普図遊技回の回数が上限回数に達することとの両方の条件を備える場合は、それら条件の一方が成立したら時短遊技状態の終了が行われる構成としてもよいし、それら条件の両方が成立したら時短遊技状態の終了が行われる構成としてもよい。
また、上記に代えて又は加えて、時短遊技状態に移行してからの期間が予め定められた上限期間に達することで時短遊技状態が終了する構成としてもよい。かかる構成において時短遊技状態である状況で時短遊技状態への移行条件が成立した場合には、滞在時短の残り期間と、移行条件の成立に対応した時短遊技状態の上限期間とが比較され、長い側の時短遊技状態が採用される構成とすればよい。
(9)上記第5の実施の形態や各変形例では、時短遊技状態への移行時にサポートカウンタエリアSCに上限回数に対応した値をセットし、特図遊技回が行われるごとにその値を1ずつ減算することで、時短遊技状態の残り回数を更新する構成としたが、時短遊技状態への移行時にサポートカウンタエリアSCへの上限回数に対応した値をセットせず、特図遊技回が行われるごとにサポートカウンタエリアSCの値を1ずつ加算することで、時短遊技状態において実行された特図遊技回の回数を更新する構成としてもよい。この場合、その更新されたカウンタ値が上限回数に達した場合に時短遊技状態を終了させる構成とすればよい。
(10)上記第5の実施の形態や各変形例では、特殊外れ結果になったことを契機として、時短遊技状態への移行が行われる構成としたが、高確遊技状態への移行が行われる構成としてもよい。この場合、高確遊技状態でのサポートモードは高頻度サポートモードであってもよいし、低頻度サポートモードであってもよい。
また、時短遊技状態や高確遊技状態への移行が行われる構成に代えて、通常の演出モードでは見ることができない特殊な演出が行われたり、特殊なキャラクタ等が登場したりする特定の演出モードへの移行が行われるものであってもよい。また、通常遊技状態では行われない特殊な抽選が行われる状態への移行が行われるものであってもよい。これらの場合、特殊な演出等を見ることができたり、特殊な抽選が受けられたりする点で遊技者にとって有利な状態となる。なお、特殊な抽選の一例としてはポイント抽選が考えられる。当該ポイント抽選にて付与されたポイントやその合計数により時短遊技状態や高確遊技状態、開閉実行モードに移行したりする構成としてもよい。また、特殊な演出(例えばキャラクタの衣装等)が解放されたり、パチンコ機10に関する開発秘話が表示されたりしてもよい。また、遊技領域PEや所定入球部の内部に設けられた特定の入球部や特定の通過部に遊技球が入球又は通過することに基づいてポイント抽選が行われてもよい。
(11)上記第5の実施の形態や各変形例では、特殊外れ結果への当選に対応した報知が特図用表示部43や図柄表示装置75にて実行される構成としたが、他の報知部にて実行される構成としてもよい。また、画像表示による報知に限らず、LED等の発光手段を用いて報知してもよいし、可動演出用の装飾可動体(可動役物)を所定の動作態様で動作させることにより報知してもよい。また、上記各報知は、必ずしも視覚的な報知である必要はなく、スピーカ部29からの音声による聴覚的な報知であってもよい。このことは、時短回数の残り回数の報知や上乗せ演出等についても同様である。
(12)上記第5の実施の形態や各変形例では、特殊外れ結果に対応した報知として特殊リーチ演出が実行される構成としたが、リーチ演出を伴わない遊技回用演出により特殊外れ結果に対応した報知が行われてもよい。また、図柄列Z1~Z3を用いた報知でなくてもよく、例えば、図柄表示装置75に所定キャラクタ等の所定絵柄が表示されることにより、特殊外れ結果に対応した報知が行われてもよい。
また、特図用表示部43に変動表示される特図絵柄と完全同期するものであって、図柄列Z1~Z3の各図柄よりも小サイズで表示される図柄(いわゆる第4図柄)が図柄表示装置75に表示されるパチンコ機にあっては、その第4図柄が通常態様とは異なる特定態様で表示されることにより特殊外れ結果に対応した報知が行われてもよい。また、停止表示される上記第4図柄の態様と、停止表示される図柄列Z1~Z3の少なくとも一部の図柄列との組合せにより特殊外れ結果に対応した報知が行われてもよい。
なお、特殊外れ結果に対応した報知は、特図遊技回の全般で行われてもよいし、特図遊技回における一部の期間にて行われてもよい。ちなみに、上記第5の実施の形態や各変形例で例示した特殊リーチ演出は、特図遊技回の開始時には特殊外れ結果であるか否かを遊技者が判別できず、特図遊技回の終盤で特殊外れ結果であることを遊技者が判別できる構成としているため、特図遊技回における一部の期間で特殊外れ結果に対応した報知を実行するものといえる。
(13)上記第5の実施の形態や各変形例では、図柄列Z1~Z3の停止態様から特殊外れ結果になったことを遊技者が認識できるに留まり、特殊外れ結果の種別(突然時短遊技状態の種別)までは認識できない又は認識することが困難な構成としたが、これに代えて又は加えて、当該種別を図柄列Z1~Z3の停止態様から認識可能又は認識容易な構成としてもよい。例えば、突然時短遊技状態Aへの移行が行われる場合は、特殊リーチ外れA演出におけるリーチ図柄として7図柄が設定されたり、他の突然時短遊技状態(例えば突然時短遊技状態B)よりも7図柄が設定されやすくなったりする構成が考えられる。また、突然時短遊技状態Aへの移行が行われる場合は、ダブルリーチが設定されたり、他の突然時短遊技状態(例えば突然時短遊技状態B)よりもダブルリーチが設定されやすくなったりする構成が考えられる。
(14)上記第5の実施の形態や各変形例では、第1作動口62への入賞に基づく当否抽選と第2作動口63への入賞に基づく当否抽選との両方において抽選結果の種別に特殊外れ結果が含まれる構成としたが、いずれかの作動口62,63への入賞に基づく当否抽選の結果にのみ特殊外れ結果が含まれる構成としてもよい。例えば、第2作動口63への入賞に基づく当否抽選の結果に特殊外れ結果が含まれる一方、第1作動口62への入賞に基づく当否抽選の結果には特殊外れ結果が含まれない構成としてもよい。
(15)上記第5の実施の形態や各変形例では、高確遊技状態中に行われる当否抽選の結果に特殊外れ結果が含まれない構成としたが、特殊外れ結果が含まれる構成としてもよい。すなわち、高確遊技状態である状況で特殊外れ結果となり、突然時短遊技状態への移行が行われ得る構成としてもよい。
(16)上記第5の実施の形態や各変形例では、時短遊技状態である状況で特殊外れ結果となった場合に優先用処理が実行され、突然時短遊技状態への移行が行われる場合と、当該移行が制限される場合とが生じる構成としたが、時短遊技状態中に特殊外れ結果になった場合について一律に突然時短遊技状態への移行が制限される構成としてもよい。
また、上記第5の実施の形態や各変形例では、時短遊技状態である状況で外れ回数が天井回数に到達した場合も優先用処理が実行される構成としたが、当該処理が行われずに一律に天井時短遊技状態への移行が制限される構成としてもよい。
(17)上記第5の実施の形態や各変形例では、時短遊技状態である状況で特殊外れ結果となった場合に、滞在時短の残り回数と今回の上限回数(今回の特定外れ結果の種別に対応する突然時短遊技状態の上限回数)とが比較され、その結果に基づいて突然時短遊技状態への移行と滞在時短の継続とのいずれを採用するかが振り分けられる構成としたが、上記比較を行わず、滞在中の時短遊技状態と今回の特殊外れ結果に基づく突然時短遊技状態とのいずれを採用するかが予め定められる構成としてもよい。例えば、各種の時短遊技状態に対して固有の優先度を設定しておき、時短遊技状態である状況で時短遊技状態への移行条件が成立した場合にそれら各時短遊技状態の優先度を比較し、優先度が高い側の時短遊技状態を採用する構成とすることができる。
なお、上記構成によっても、通常時短遊技状態と突然時短遊技状態とで何らかの態様が異なる構成とすることで、通常時短遊技状態を遊技する過程で態様の変化が生じたか否かを遊技者が判別することにより、特殊外れ結果となった際に通常時短遊技状態の継続と突然時短遊技状態の移行とのいずれが選ばれたかを推測する遊技を付与することができる。
(18)上記第5の実施の形態や各変形例では、今回の上限回数が滞在時短の残り回数よりも多い場合に突然時短遊技状態への移行が行われる構成としたが、滞在時短の残り回数以上である場合に突然時短遊技状態への移行が行われる構成としてもよい。すなわち、今回の上限回数と滞在時短の残り回数とが同じである場合に突然時短遊技状態への移行が行われる構成としてもよい。
(19)上記第5の実施の形態や各変形例において、時短遊技状態である状況で時短遊技状態への移行条件が成立した場合に、当該成立に基づく時短遊技状態への移行が制限されることなく、常に当該移行が行われる構成としてもよい。
(20)上記第5の実施の形態や各変形例では、特殊外れ結果になった場合において突然時短遊技状態への移行が実行されるか否かにかかわらず、特図用表示部43にて特殊外れ結果に対応する停止結果が停止表示される構成としたが、突然時短遊技状態への移行が制限される場合に特殊外れ結果に対応する停止結果が停止表示されない構成としてもよい。例えば、かかる場合において通常外れ結果に対応する停止結果が停止表示される構成としてもよい。
(21)上記第5の実施の形態や各変形例では、滞在中の時短遊技状態と、その滞在時短の途中から移行する時短遊技状態との態様が異なる構成として、普図遊技回における変動表示時間の長さや、役物開閉遊技における普電役物63aの挙動、サポート抽選における当選確率、図柄表示装置75にて行われる時短中演出での背景色等が異なる構成を例示したが、必ずしもこれらのすべてが異なる必要はなく、少なくとも1つが異なればよい。
(22)上記第5の実施の形態や各変形例では、時短遊技状態である状況で時短遊技状態への移行条件が成立した場合に、それら各時短遊技状態に滞在可能な残り回数の比較によりいずれの時短遊技状態を採用するかが決定される構成としたが、他の要素も加味されて当該決定が行われる構成としてもよい。例えば、所定の突然時短遊技状態にて行われる役物開閉遊技での開放回数が1回であるのに対し、所定の通常時短遊技状態にて行われる役物開閉遊技での開放回数が2回であり、第2作動口63への入賞期待値が通常時短遊技状態である場合の2倍である構成において、上記所定の通常時短遊技状態への滞在中に上記所定の突然時短遊技状態の移行条件が成立した場合の上記比較において、開放回数や入賞期待値に対応する重み付けを行ってもよい。具体的には、滞在中である所定の通常時短遊技状態の残り回数に対し上記重み付けとして2を乗算し、その乗算結果と、所定の突然時短遊技状態の上限回数とが比較される構成としてもよい。
(23)上記第5の実施の形態や各変形例では、残り回数画像823により時短遊技状態の残り回数を報知する構成としたが、残り回数画像823を表示せず、時短遊技状態の残り回数を報知しない構成としてもよい。すなわち、実際の残り回数のすべてを非明示とする構成としてもよい。
この際、全ての時短遊技状態で残り回数を報知しない構成としてもよいし、一部の時短遊技状態で残り回数を報知しない構成としてもよい。例えば、突然時短遊技状態では残り回数を報知する一方で、通常時短遊技状態では残り回数を報知しない構成としてもよい。
また、時短遊技状態の途中で時短遊技状態に移行する場合において、先の時短遊技状態と後の時短遊技状態との一方で残り回数を報知し、それら時短遊技状態の他方で残り回数を報知しない構成としてもよい。その際、先の時短遊技状態と後の時短遊技状態とは必ずしも異種の時短遊技状態である必要はなく、同種の時短遊技状態であってもよい。例えば、突然時短遊技状態の途中で特殊外れ結果となり、当該結果に基づいて突然時短遊技状態への移行が行われる場合において、それらの一方で残り回数を報知し、他方で残り回数を報知しない構成としてもよい。
(24)上記第5の実施の形態や各変形例では、通常時短遊技状態の最大上限回数を天井回数(例えば990回)と天井時短遊技状態の上限回数(1100回)との合計値(2090回)よりも多い回数(3000回)とし、通常時短遊技状態の途中で外れ遊技回が天井回数に到達した場合に天井時短遊技状態への移行が制限される構成としたが、上記最大上限回数を上記合計値よりも小さい回数(例えば1000回)とし、通常時短遊技状態の途中で外れ回数が天井回数に到達した場合に天井時短遊技状態に移行する構成としてもよい。
(25)上記第5の実施の形態や各変形例では、突然時短遊技状態の最大上限回数を天井時短遊技状態の上限回数(1100回)よりも少ないとし、突然時短遊技状態の途中で外れ遊技回が天井回数に到達した場合に天井時短遊技状態に移行する構成としたが、上記最大上限回数を上記上限回数よりも多い回数(例えば1500回)とし、突然時短遊技状態の途中で外れ回数が天井回数に到達した場合に天井時短遊技状態への移行が制限され得る構成としてもよい。
(26)上記第5の実施の形態や各変形例において、時短遊技状態である状況で外れ遊技回が天井回数に到達した場合に、滞在時短の残り回数にかかわらず、滞在時短の継続よりも天井時短遊技状態への移行が優先される構成としてもよい。天井時短遊技状態は、外れ遊技回の累積回数により移行するため、外れ遊技回が天井回数に到達する前(移行契機が成立する前)から遊技者が天井時短遊技状態への移行を予測できるという特性がある。このため、実際に外れ遊技回が天井回数に到達して移行契機が成立しているにもかかわらず、天井時短遊技状態に移行させないでいると、天井時短遊技状態に移行していないことに遊技者が気付きやすい。この場合、天井到達は一体どうなってしまったのかと困惑し、遊技意欲の減退を招く懸念がある。そのような特性を踏まえ、滞在時短の継続よりも天井時短遊技状態への移行を優先し、時短遊技状態である状況で天井回数への到達が成立したら必ず天井時短遊技状態への移行が生じる構成とすることで、遊技者の予測どおりに時短遊技状態の切り替えを生じさせることができ、遊技者の困惑を招く不都合を抑制することが可能になる。
(27)上記第5の実施の形態や各変形例では、7個の表示用セグメントSG1~SG7が数字の8の形状に配列された表示領域805により特図用表示部43を構成したが、特図用表示部43の構成は複数の表示部により停止結果が停止表示されるものであれば、これに限定されるものではない。例えば、図433(a)に示すように、さらにドットとしての8個目の表示用セグメントSG8を備える表示領域により特図用表示部43を構成してもよい。また、図433(b)に示すように、8個のLED(表示部)865を直線状に配列した表示領域866により特図用表示部43を構成してもよいし、図433に示すうに、8個のLED(表示部)867を複数列に配列した表示領域868により特図用表示部43を構成してもよい。また、上記各種の表示領域を複数配置し、これらの複数の表示領域により1の停止結果を停止表示する構成としてもよい。
(28)上記第5の実施の形態や各変形例では、各種停止結果が特図用表示部43に停止表示される構成としたが、例えば、図柄表示装置75の表示画面Gなど、特図用表示部43以外の表示装置に停止表示される構成としてもよい。
(29)上記第5の実施の形態や各変形例では、点灯させる表示部(表示用セグメント)と消灯させる表示部との組み合わせにより停止結果が停止表示されるが、これに限定されるものではない。例えば、表示色(発光色)が第1表示色とされる表示部と第1表示色とは異なる第2表示色とされる表示部との組み合わせにより停止結果が停止表示されてもよいし、点滅状態とされる表示部と連続発光される表示部との組み合わせにより停止結果が停止表示されてもよい。
(30)上記第5の実施の形態や各変形例において、特殊外れ結果に対応する停止結果SD15~SD17に関し、点灯される表示部の数が突然時短遊技状態の有利度合に対応する構成としてもよい。例えば、有利度合が最も高い突然時短遊技状態Aに対応する停止結果SD15で点灯表示部の数が最も多く、有利度合が最も低い突然時短遊技状態Cに対応する停止結果SD17で点灯表示部の数が最も少なく、突然時短遊技状態Bに対応する停止結果SD16で点灯表示部の数がそれらの中間値となるようにすることができる。このような構成によれば、特殊外れ結果に対応する停止結果同士の識別において遊技者が各停止結果の詳細まで記憶していなくても、点灯表示部の数に基づいて感覚的に有利度合を把握することが可能になる。
(31)上記第5の実施の形態や各変形例では、通常外れ用の停止結果として停止結果SD18、SD19からなる2種類の停止結果が設けられるが、それらのうちの一方のみを有する構成としてもよい。すなわち、通常外れ用の停止結果が1種類のみであってもよい。また、通常外れ用の停止結果として3種類以上の停止結果が設けられてもよい。
(32)上記第5の実施の形態や各変形例では、1の大当たり種別に対して1の停止結果(大当たり図柄)が対応付けられる構成としたが、1の大当たり種別に対して複数種の停止結果が対応付けられる構成としてもよい。また、上記第5の実施の形態や各変形例では、1の特殊外れ種別に対して1の停止結果(特殊外れ図柄)が対応付けられる構成としたが、1の特殊外れ種別に対して複数種の停止結果が対応付けられる構成としてもよい。
このような場合、特殊外れ結果に対応する停止結果の種類数が通常大当たり結果に対応する停止結果の種類数よりも少ないという関係を構築するには、特殊外れ結果に対応する停止結果の総数が通常大当たり結果に対応する停止結果の総数よりも少ない構成であってもよいし、1個の特殊外れ結果に対する停止結果数の平均値が1個の通常大当たり結果に対する停止結果数の平均値よりも少ない構成であってもよい。また、所定の特殊外れ結果に対応する停止結果の数が所定の通常大当たり結果に対応する停止結果の数よりも少ない構成であってもよい。
(33)上記第5の実施の形態や各変形例では、特殊外れ結果に対応する停止結果の種類数が通常大当たり結果に対応する停止結果の種類数よりも少ない構成としたが、これに限定されるものではない。前者の停止結果の種類数が後者の停止結果の種類数よりも多い構成としてもよいし、両者の停止結果の種類数が同じである構成としてもよい。
(34)上記第5の実施の形態や各変形例において、特殊外れ結果に対応する所定の停止結果の停止表示期間を通常大当たり結果に対応する所定の停止結果の停止表示期間よりも短くする構成としてもよい。例えば、停止結果SD15の停止表示期間を停止結果SD3の停止表示期間よりも短くしてもよい。この場合、特殊外れ結果に対応する停止結果が停止表示された際に、その停止結果を遊技者が視認できる期間が短く抑えられることで、特殊外れ結果になったことの識別難易度をある程度高めることができる。これにより、特殊外れ結果に対応する停止結果を遊技者が覚えやすい構成でありながらも、その識別が簡単化し過ぎることを抑制できる。
なお、特殊外れ結果に対応するすべての停止結果SD15~SD17において、通常大当たり結果に対応する停止結果SD3~SD14のいずれか又はそれら停止結果SD3~SD14のいずれよりも停止表示期間が短くされる構成としてもよい。
(35)上記第5の実施の形態や各変形例では、特定報知としての第1上乗せ演出が確定表示の開始後に実行され、突然時短遊技状態への移行が制限された場合に特定報知が実行される構成としたが、第1上乗せ演出が確定表示の開始前に実行され、突然時短遊技状態への移行が制限される場合に特定報知が実行される構成としてもよい。なお、上記第5の実施の形態や各変形例では、第1上乗せ演出が一律に特殊外れ結果になった特図遊技回にて実行されるが、当該特図遊技回より後(次の特図遊技回の開始後)に第1上乗せ演出が実行されることがある構成としてもよい。
(36)上記第5の実施の形態や各変形例では、特殊外れ結果となり、突然時短遊技状態への移行が行われる場合や、特殊外れ結果になったものの、突然時短遊技状態への移行が制限される場合において、特定報知として第1上乗せ演出を実行することにより、遊技者が残り回数の増加や追加を認識できる報知が実行される構成としたが、特定報知として遊技者が突然時短遊技状態への移行を認識できる報知が実行される構成としてもよい。例えば、第1上乗せ演出に代えて時短遊技状態の開始用演出が実行される構成としてもよい。
また、第1上乗せ演出に代えて、残り回数に関しての報知を含まない特定報知が実行される構成としてもよい。例えば、上乗せ画像826が表示されることなく、「ストック」や「まだまだ続くよ」等の文字表示が行われる構成としてもよい。
(37)上記第5の実施の形態や各変形例では、特殊外れ結果となり、突然時短遊技状態への移行が行われる場合に、特殊外れ結果となった特図遊技回にて常に特殊リーチ外れA演出(特殊外れ結果になったことに対応する遊技回用演出)が実行される構成としたが、特殊リーチ外れB演出やノーマルリーチ外れ演出等の特殊外れ結果になったことに対応しない遊技回用演出が実行される場合がある構成としてもよい。この場合、上記特殊外れ結果となった特図遊技回において、特殊リーチ外れA演出に実行するか否かの抽選を行い、当該抽選に当選した場合に特殊リーチ外れA演出を実行し、当該抽選に外れた場合に特殊リーチ外れB演出又はノーマルリーチ演出を実行する構成とすればよい。この場合、第1上乗せ演出は実行しない。
上記のような構成とすることで、特図用表示部43に特殊外れ結果に対応する停止結果が停止表示される場合において特殊リーチ外れA演出が実行されない場合でも、突然時短遊技状態への移行が行われるケースを生じさせることができる。これにより、突然時短遊技状態への移行が制限される場合において未報知分の残り回数が不足し、特殊リーチ外れA演出に代えて特殊リーチ外れB演出を実行した場合でも、残り回数の上乗せが行われている(突然時短遊技状態への移行が行われている)ことへの遊技者の期待感を喚起することが可能になる。
(38)上記第5の実施の形態や各変形例では、完全外れ演出に対応する変動パターン21Hが選択された場合に、抽選により第2上乗せ演出を実行する構成としたが、これを実行しない構成としてもよい。すなわち、完全外れ演出用の変動表示時間が設定される特図遊技回では上乗せ演出が実行されず、特定の変動表示時間(ノーマルリーチ外れ用の変動表示時間)が設定される特図遊技回でのみ上乗せ演出が実行される構成としてもよい。
(39)上記第5の実施の形態や各変形例では、完全外れ演出に対応する変動パターン21Hが選択された場合に第2上乗せ演出を実行し得る構成としたが、他の変動パターンが選択された場合にも第2上乗せ演出を実行し得る構成としてもよい。具体的には、変動パターンW1~W3以外の変動パターンが選択された場合、すなわち、変動パターン21Hに限らず、外れ結果に対応した他の変動パターン22H~24Hが選択された場合にも第2上乗せ演出を実行し得る構成としてもよい。
(40)上記第5の実施の形態や各変形例において、第1上乗せ演出にてボタン画像832が表示され、演出用操作部36の押し下げ操作が行われることにより上乗せ画像826が表示される構成としてもよい。演出用操作部36の操作を介在させることで、特図用表示部43から注意をそらすことができ、特図用表示部43の表示内容から特殊外れ結果になったことを把握しにくくすることが可能になる。
また、特図用表示部43での停止表示の期間(確定表示期間)における少なくとも一部で第1上乗せ演出が実行され、確定表示期間と第1上乗せ演出の実行期間とが重複する構成としてもよい。この場合、特殊外れ結果に対応した停止結果が停止表示される期間にて遊技者の注意を第1上乗せ演出(図柄表示装置75)に向けさせることにより、特図用表示部43の表示内容から特殊外れ結果になったことを把握しにくくすることが可能になる。
また、第2上乗せ演出においても確定表示期間の少なくとも一部で実行され、確定表示期間と第2上乗せ演出の実行期間とが重複する構成としてもよい。この場合、通常外れ結果に対応した停止結果が停止表示されていることに気づかせにくくすることができ、第2上乗せ演出が疑似的なものであることを悟られにくくすることが可能になる。
(41)上記第5の実施の形態や各変形例では、特殊外れ結果となり、突然時短遊技状態への移行が行われる変動パターンW1と、特殊外れ結果になったものの、突然時短遊技状態への移行が制限される変動パターンW2と、通常外れ結果となり、特図用表示部43に停止結果SD19が停止表示される場合の変動パターンW3とが対応する変動表示時間が等しい構成としたが、特殊リーチ外れA演出及び第1上乗せ演出の実行期間が確保される範囲で各変動パターンが対応する変動表示時間の長さが異なる構成としてもよい。
(42)上記第5の実施の形態や変形例1では、点灯される表示部(点灯表示部)の数について、停止結果SD18が1個であり、他の停止結果が2個以上である構成としたが、これに限定されるものではない。例えば、停止結果SD18が2個であり、他の停止結果が3個以上である構成としてもよい。
(43)上記第5の実施の形態や変形例1では、特殊外れ結果に対応する停止結果SD15~SD17のいずれにおいても点灯表示部が複数とされるが、それらのうちの1つ又は2つの停止結果において点灯表示部が1個である構成としてもよい。但し、それらの停止結果にあっては、通常外れ結果に対応する停止結果SD18とは異なる表示部が点灯される態様とする。
(44)上記第5の実施の形態や変形例1では、特殊外れ結果に対応する停止結果SD15~SD17のうち停止結果SD15、SD17では、通常外れ結果に対応する停止結果SD19と点灯表示部が重複し、停止結果SD16では、通常外れ結果に対応する停止結果SD19と点灯表示部が重複しない構成としたが、停止結果SD15~SD17のすべてで停止結果SD19と点灯表示部が重複する構成としてもよい。また、停止結果SD15~SD17のうちの1つでのみ停止結果SD19と点灯表示部が重複する構成としてもよい。
(45)上記第5の実施の形態の変形例1では、各時短遊技状態において図柄表示装置75に表示される背景画像の背景色が異なる構成としたが、これに代えて又は加えて、図柄表示装置75の表示画面G上に各時短遊技状態を報知又は示唆する特定画像が表示される構成としてもよい。例えば、図434に示すように、複数の黒点画像871が表示画面Gの隅部に表示される構成とした上で、それら黒点画像871の表示位置が時短遊技状態によって異なる構成としてもよい。具体的には、突然時短遊技状態の表示位置(図434(b1))を基準位置とした上で、通常時短遊技状態では基準位置から左側にずらした表示位置(図434(b2))とし、天井時短遊技状態では基準位置から右側にずらした表示位置(図434(b3))とする。この構成では、黒点画像871の表示位置によって時短遊技状態の種別が示唆されることになり、特殊外れ結果となった特図遊技回を境界として上記黒点画像871の表示位置が変化するか否かにより、滞在時短が継続されたのか、突然時短遊技状態への移行が行われたのかを遊技者が判別することができる。
(46)上記第5の実施の形態の変形例2では、通常外れ結果に対応する停止結果の数を複数としたが、1個としてもよい。但し、通常外れ結果に対応する停止結果の数が増えるほど、当該停止結果を遊技者が覚えにくくなり、特殊外れ結果に対応する停止結果SD20との混同が生じやすくなる観点では、上記変形例2のように複数とするのが好ましい。この際、通常外れ結果に対応する停止結果の数は2個に限定されるものではなく、3個以上であってもよい。
(47)上記第5の実施の形態の変形例2では、通常外れ結果に対応する停止結果SD18、SD21と、特殊外れ結果に対応する停止結果SD20とにおいて、点灯表示部の数が同じである構成としたが、例えば、停止結果SD18、SD21又はそれらのいずれかの点灯表示部の数を2個とし、停止結果SD20の点灯表示部の数が停止結果SD18、SD21又はそれらのいずれかよりも少ない構成としてもよい。
(48)上記第5の実施の形態の変形例2では、突然時短遊技状態への移行が制限される場合の特殊外れ結果用の停止結果が1種類のみ設けられる構成としたが、複数種類設けられる構成としてもよい。この場合、これらの停止結果において点灯表示部の数が停止結果SD18、SD21の点灯表示部の数以下とされる。
上記の際、突然時短遊技状態への移行が行われる場合の停止結果SD15~SD17のそれぞれに対応して上記移行が制限される場合の停止結果が所定個ずつ設定される構成でもよいし、停止結果SD15~SD17とは関係なく、上記移行が制限される場合の停止結果が複数存在するという構成でもよい。
(49)上記第5の実施の形態の変形例2では、突然時短遊技状態への移行が制限される場合に必ず停止結果SD20が選択される構成としたが、停止結果SD15~SD17よりも停止結果SD20が選択されやすい構成としてもよい。また、上記第5の実施の形態の変形例2では、突然時短遊技状態への移行が行われる場合に必ず停止結果SD15~SD17が選択される構成としたが、停止結果SD20よりも停止結果SD15~SD17が選択されやすい構成としてもよい。
(50)上記第5の実施の形態の変形例2では、特殊外れ結果に対応する停止結果SD20の表示態様が通常外れ結果SD18、SD21の表示態様と異なる構成としたが、これらの表示態様が共通する構成としてもよい。例えば、停止結果SD20と停止結果SD18との両方において、表示用セグメントSG3が点灯され、それ以外の表示用セグメントが消灯される表示態様としてもよい。
(51)上記第5の実施の形態や各変形例では、当否判定の結果が大当たり結果となることにより大当たり遊技(開閉実行モード)に移行する構成としたが、いわゆる1種2種混合機のように、当否判定の結果が小当たり結果となり、小当たり遊技(内部にV入賞口を有する又はV入賞口及び外れ口を有する可変入賞装置が開閉される遊技状態)においてV入賞口(V入賞センサ)を遊技球が通過した場合(付与判定の結果が所定結果となり、所定の遊技結果となった場合)に大当たり遊技に移行する構成としてもよい。
なお、「特定判定の結果が特定結果となることに基づいて所定遊技状態よりも遊技者に有利な特別遊技状態に移行させる」、「特定判定の結果が所定の第1結果となることに基づいて所定特典を付与する」等には、上記のように、当否判定の結果が小当たり結果となり、V入賞を介して大当たり遊技に移行する場合も含まれると解することができる。
(52)上記第5の実施の形態や各変形例では、遊技球の払い出しが行われるタイプのパチンコ機としたが、遊技機外部に遊技球が排出されない封入タイプのパチンコ機としてもよい。このような封入タイプのパチンコ機においては、入賞等に対する特典として賞球を付与する場合に、例えば、賞球数に対応した所定の遊技価値(クレジット等の仮想遊技媒体)を遊技者に付与するとともに、賞球数を示す情報を報知する構成とするとよい。
(53)上記第5の実施の形態や各変形例では、第1作動口62への入賞に基づく保留情報が4個を上限として記憶される構成としたが、4個未満であってもよいし(1個であってもよい)、5個以上であってもよい。また、第2作動口63への入賞に基づく保留情報の上限記憶数についても、4個未満であってもよいし(1個であってもよい)、5個以上であってもよい。また、各作動口62,63への入賞に基づく保留情報の上限記憶数が相違する構成としてもよい。
(54)上記第5の実施の形態や各変形例では、第1作動口62及び第2作動口63への入賞に基づく保留情報が区別される構成としたが、区別されない構成としてもよい。また、第2作動口63への入賞に基づく保留情報のほうが、第1作動口62への入賞に基づく保留情報よりも優先して当否判定の対象となる構成としたが、その関係が逆であったり、入賞順に当否判定が行われたりする構成であってもよい。
(55)上記第5の実施の形態や各変形例において、予め定められた契機により実行される所定抽選の結果に基づき、高確遊技状態(高確率モード且つ高頻度サポートモード、又は高確率モード且つ低頻度サポートモード)と低確遊技状態(低確率モード且つ低頻度サポートモード、又は低確率モード且つ高頻度サポートモード)との一方から他方に移行する構成であってもよい。この場合、上記所定抽選の結果が第1所定結果である場合に上記各状態の一方から他方への移行が行われ、上記所定抽選の結果が第1所定結果とは異なる第2所定結果である場合に上記各状態の他方から一方への移行が行われてもよいし、上記所定抽選の結果が所定結果である場合に上記各状態の一方から他方への移行が行われ、上記所定抽選とは異なる特定抽選の結果が特定結果である場合に上記各状態の他方から一方への移行が行われてもよい。
これらの場合において移行条件が成立しても上記各状態の一方から他方への移行が制限され得る構成としてもよい。この際、移行条件の成立に対応した停止結果が特図用表示部43に停止表示される構成にあっては、上記制限が行われる場合でも移行条件の成立に対応した停止結果が停止表示されてもよい。また、上記の各移行に際して開閉実行モードを経由する構成でもよいし、経由しない構成でもよい。
(56)上記第5の実施の形態や各変形例では、右ルートを流下する遊技球のみがスルーゲート64、第2作動口63を通過又は入賞可能となる構成としたが、左ルートを流下する遊技球のみが通過又は入賞可能となる構成としてもよいし、右ルートと左ルートのいずれからでも通過又は入賞可能となる構成としてもよい。但し、遊技のメリハリを付ける上では、右ルートと左ルートの一方を流下する遊技球のみが第1作動口62に入賞可能となり、右ルートと左ルートの他方を流下する遊技球のみがスルーゲート64、第2作動口63を通過又は入賞可能となる構成とするとよい。
(57)上記第5の実施の形態や各変形例において特図当否抽選の結果に小当たり結果が含まれる構成としてもよい。この場合、第1作動口62への入賞に基づく当否抽選と第2作動口63への入賞に基づく当否抽選との両方に小当たり結果が含まれてもよいし、いずれに一方に小当たり結果が含まれてもよい。なお、小当たり結果は、特典の付与(開閉実行モードへの移行)に対応した結果であるという点で当たり結果の1種であると解することもできるし、大当たり結果となった場合ほどの特典は得られないという点で外れ結果の1種であると解することもできる。
(58)上記第5の実施の形態や各変形例では、変動パターンと遊技回用演出とが1対1の関係で対応するが、1対複数の関係で対応してもよい。この場合、演出制御装置143にて演出抽選用の乱数を取得し、1の変動パターンに対応付けられている複数の遊技回用演出の中から上記取得した乱数を用いて1の遊技回用演出が選択される構成とすることができる。
(59)上記第5の実施の形態や各変形例では、図柄表示装置75の表示画面Gにて変動表示される図柄が左右方向にスクロールする構成としたが、左、中及び右に並べて図柄が表示され、これらの図柄が上下方向にスクロールされるようにして変動表示される構成としてもよい。すなわち、図柄の並び方向やスクロール方向は特に限定されるものではない。また、図柄の数(図柄列の列数)についても3個に限定されるものではなく、2個であってもよいし、4個以上であってもよい。
(60)上記第5の実施の形態や各変形例では、主制御装置162において当否判定が行われたことに基づいて特図用表示部43における1の遊技回が開始される構成としたが、主制御装置162において当否判定が行われる条件が成立した場合に実際に当否判定が行われるタイミングよりも前のタイミングで上記遊技回が開始され、その後に当否判定が行われたことに基づいてその遊技回におけるその後の変動表示パターン、変動表示時間及び停止結果が決定される構成としてもよい。この場合、主制御装置162では遊技回の開始タイミングとなった場合に、先ず変動用コマンドを送信し、その後に当否判定、変動表示時間の決定及び種別判定を行った場合に、変動開始コマンド及び種別コマンドを送信する構成としてもよく、これら変動開始コマンド及び種別コマンドの送信タイミングもずれている構成としてもよい。この際、変動開始コマンドや種別コマンドが送信されるタイミングは、図柄表示装置75において図柄列Z1~Z3の変動表示が高速変動から低速変動に切り換えられるまでのタイミングとするとよい。
(61)上記実施の形態とは異なる他のタイプのパチンコ機等、例えば特別装置の特定領域に遊技球が入ると電動役物が所定回数開放するパチンコ機や、特別装置の特定領域に遊技球が入ると権利が発生して大当たりとなるパチンコ機、他の役物を備えたパチンコ機、アレンジボール機、雀球等の遊技機にも本発明を適用できる。
また、弾球式でない遊技機、例えば、複数種の図柄が周方向に付された複数のリールを備え、メダルの投入及びスタートレバーの操作によりリールの回転を開始し、ストップスイッチが操作されるか所定時間が経過することでリールが停止した後に、表示窓から視認できる有効ライン上に特定図柄又は特定図柄の組み合わせが成立していた場合にはメダルの払い出し等といった特典を遊技者に付与するスロットマシンにも本発明を適用できる。
更に、外枠に開閉可能に支持された遊技機本体に貯留部及び取込装置を備え、貯留部に貯留されている所定数の遊技球が取込装置により取り込まれた後にスタートレバーが操作されることによりリールの回転を開始する、パチンコ機とスロットマシンとが融合された遊技機にも本発明を適用できる。
<上記実施の形態から抽出される発明群について>
以下、上述した各実施の形態から抽出される発明群の特徴について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、上記各実施の形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
<特徴aA群~特徴aI群>
下記の特徴aA群~特徴aI群に記載された発明は、上述した第1の実施の形態やその各変形例から抽出されるものである。これらの特徴群に記載された発明は、「例えばパチンコ機等の遊技機においては、所定の抽選契機に基づいて抽選処理を実行し、その抽選結果が特定結果となった場合、遊技者に所定の特典を付与するものが知られている(例えば特開2004-81853号公報)。」という背景技術について、「ここで、上記例示したような遊技機等においては遊技演出を行う上で未だ改善の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
<特徴aA群>
特徴aA群は、上述した各実施の形態や各変形例又はこれらの組み合わせから抽出される発明群であり、主に上記第1の実施の形態、第1の実施の形態の変形例1~変形例6に基づいて抽出されるものである。
特徴aA1.予め定められた取得条件が成立したことに基づいて特別情報を取得する情報取得手段(主制御装置162における情報取得処理を実行する機能)と、
前記情報取得手段の取得した特別情報を予め定められた所定数を上限として記憶する取得情報記憶手段(保留球格納エリア314b)と、
前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報が付与情報に対応しているか否かの付与判定を行う付与判定手段(主制御装置162における当否判定処理等を実行する機能)と、
前記付与判定手段による付与判定の結果が、判定対象の特別情報が前記付与情報に対応しているとする付与対応結果となったことに基づいて、遊技者に対して特典を付与可能な特典付与手段(主制御装置162における大入賞口開閉処理を実行する機能)と、
前記付与判定手段により付与判定が行われることに基づいて遊技回用動作が開始され、前記付与判定の判定結果に対応した報知結果とし前記遊技回用動作が終了されることを遊技回の1回として、前記遊技回用動作が行われるように所定の報知手段を制御する遊技回制御手段(主制御装置162における遊技回制御処理を実行する機能)と、
少なくとも実行前の遊技回の保留数を遊技者が認識できるように保留用報知(保留用画像)を前記所定の報知手段又は当該所定の報知手段とは異なる報知手段にて行う保留用報知手段(演出制御装置143における保留コマンド対応処理を実行する機能)と、
前記情報取得手段により取得された所定の特別情報について当該所定の特別情報が前記付与判定の対象となった場合における判定結果に対応する情報を、その特別情報が前記付与判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて特定する先特定処理を実行する先特定手段(第1の実施の形態、第1の実施の形態の変形例1~変形例3、変形例5~変形例6において主制御装置162による保留先読み処理を実行する機能、第1の実施の形態の変形例4において主制御装置162による保留コマンドの設定処理、演出制御装置143による第1保留先読み処理を実行する機能)と、
前記先特定処理の結果に基づいて前記保留用報知の報知態様を通常態様(通常表示態様)とは異なる特定態様(特定表示態様)とすることが可能な特定態様手段(第1の実施の形態、第1の実施の形態の変形例1~変形例6において演出制御装置143により保留予告用の設定処理、保留予告の第1実行用処理を実行する機能)と、
を備え、
前記特定態様には、前記付与対応結果となることへの期待度が異なるようにして複数種類の態様(青色表示態様HMb、緑色表示態様HMc、赤色表示態様HMd、虹色表示態様HMe)が設定されており、
前記保留用報知の報知態様が特定態様とされた状態で所定事象が発生した場合(第1の実施の形態、第1の実施の形態の変形例1~変形例2において演出モードが切り替えられた場合、第1の実施の形態の変形例3~変形例4において開閉実行モードが行われた場合、第1の実施の形態の変形例5~変形例6において電断状態が発生した場合)、少なくとも特定態様とされた保留用報知について特定態様又は保留用報知が不実行とされた特定状態となるように構成されており(第1の実施の形態、第1の実施の形態の変形例1~変形例2において演出モードの切り替えにより保留用画像の表示態様を通常表示態様HMaに変更する構成、第1の実施の形態の変形例3~変形例4において開閉実行モードの実行により保留用画像を非表示とする構成、第1の実施の形態の変形例5~変形例6において電断状態の発生により保留用画像が消えた状態となる構成)、
前記特定状態の終了後、当該特定状態の対象となった保留用報知の報知態様を前記所定事象が発生する前の報知態様と同格であると遊技者が認識することが可能な所定の第1態様(同じ特定表示態様、同順位の表示態様、同じキャラクタ等)又は前記所定事象が発生する前の報知態様より上位であると遊技者が認識することが可能な所定の第2態様(上位の特定表示態様等)とすることが可能な特定手段(第1の実施の形態、第1の実施の形態の変形例1~変形例4において演出制御装置143による予告復帰用の設定処理、保留予告の第2実行用処理、保留予告の第3実行用処理を実行する機能、変形例5において演出制御装置143による保留予告の復帰用処理、保留予告の第4実行用処理を実行する機能、変形例6において演出制御装置143による表示態様の設定処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成では、いわゆる保留先読みの結果に基づいて保留用報知の報知態様が特定態様とされるため、遊技回の開始前から付与対応結果となることへの遊技者の期待感を喚起することができる。さらに、特定態様として付与対応結果の期待度が異なるようにして複数種類の態様が設定されるため、期待度に大小を付与して示唆することができ、遊技者の期待感を喚起する上で有利な構成とすることができる。このような構成において、保留用報知が特定態様とされた状況で所定事象が発生した場合、その特定態様又は保留用報知が不実行とされた特定状態に移行する。この場合、特定態様等の不実行により特定態様により示唆される期待度までが消失したとの誤解や不安を遊技者に与える懸念がある。この点、本構成では、特定状態の終了後において、所定事象の発生前の報知態様と同格の第1態様又はそれよりも上位の第2態様として保留用報知を実施するため、改めて期待度を示唆することができ、付与対応結果となることへの期待感を持続させることが可能になる。
特徴aA2.少なくとも特定態様とされた保留用報知の報知態様に対応する情報を所定の記憶部(RAM344の復帰用エリア344f)に記憶可能な構成となっており、
前記特定手段は、前記特定状態の対象となった保留用報知の報知態様を前記所定の第1態様とする場合、前記所定の記憶部に記憶された情報に基づいて前記所定の第1態様とする手段(第1の実施の形態、第1の実施の形態の変形例1~変形例4において演出制御装置143における予告復帰用の設定処理を実行する機能、変形例5において表示態様の設定処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴aA1に記載の遊技機。
上記構成では、特定報知の報知態様に対応する情報が記憶されるとともに、特定状態の終了後、その記憶された情報に基づいて特定報知の報知態様が設定される。これにより、特定状態の終了後において、保留用報知の報知態様を特定状態となる前(所定事象の発生前)と同格の態様に好適に復帰させることが可能になる。
特徴aA3.保留されていた遊技回の実行を遊技者が認識できるように所定報知(実行表示領域Dへの保留用画像の表示)が行われる実行用報知部(実行表示領域D)を備え、
前記特定手段は、前記特定状態の対象となった保留用報知に対応する特別情報の遊技回において、前記実行用報知部にて行われる所定報知の態様を前記所定の第1態様又は前記所定の第2態様とすることが可能な特定用手段(第1の実施の形態、第1の実施の形態の変形例1~変形例4において演出制御装置143による保留予告の第3実行処理を実行する機能、変形例5~変形例6において演出制御装置143による保留予告の第4実行処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴aA1又は特徴aA2に記載の遊技機。
上記構成では、特定状態の終了後において、所定事象の発生前の報知態様と同格の第1態様又はそれよりも上位の第2態様とする処理を実施する場合に、特定状態の対象となった保留用報知の遊技回までその実施期間に含めることができる。これにより、報知態様を同格の態様等に復帰させるための処理期間を長く確保することができ、例えば、特定態様とされた保留用報知の遊技回が開始される直前に所定事象が発生した場合でも、特定状態の終了後における遊技回の実行期間を利用して復帰処理を行うことができる。よって、特定状態の終了後における期待度の示唆を好適に行うことが可能になる。
特徴aA4.遊技回が実行される場合、当該遊技回の契機である前記付与判定の対象となった特別情報(保留情報)又は当該特別情報から導出される特定情報(変動パターン)に基づいて前記遊技回にて行われる遊技回演出(リーチ演出等)を設定する遊技回演出設定手段(演出制御装置143における特図変動表示用処理を実行する機能)を備え、
前記特定用手段は、前記所定報知の報知態様を前記所定の第2態様とする場合、前記遊技回演出設定手段にて参照される前記特別情報又は前記特定情報に基づいて前記所定の第2態様とする手段(第1の実施の形態、第1の実施の形態の変形例1~変形例4において演出制御装置143による保留予告の第3実行処理を実行する機能、変形例5~変形例6において保留予告の第4実行処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴aA3に記載の遊技機。
例えば、特定状態の終了後に報知態様を同格の態様に戻すだけであると、所定事象の発生前に示唆していた以上の期待度を示唆することができない。かと言って報知態様をいたずらに上位のものに設定すると、遊技回にて実際に行われる遊技回演出と整合しなくなり、却って遊技者の信頼を損なう結果を招くおそれがある。この点、本構成では、特定状態の対象となった保留用報知の遊技回において遊技回演出の設定に用いられる特別情報又は特定情報に基づいて、当該保留用報知に対応する所定報知の報知態様を所定事象の発生前よりも上位の態様に昇格させる。これにより、所定報知の報知態様が遊技回にて実際に行われる遊技回演出と整合しなくなることを抑制しつつ、所定報知の報知態様を昇格させることが可能になる。
特徴aA5.前記特定用手段は、前記遊技回演出設定手段にて参照される前記特別情報又は前記特定情報に基づいて前記所定報知の報知態様を前記所定の第2態様とするか否かを判定する判定手段(第1の実施の形態、第1の実施の形態の変形例1~変形例4において演出制御装置143による保留予告の第3実行処理を実行する機能、変形例5~変形例6において保留予告の第4実行処理を実行する機能)を備え、当該判定手段により前記所定の第2態様とすると判定された場合、前記所定報知の報知態様を前記所定の第2態様とすることを特徴とする特徴aA4に記載の遊技機。
上記構成では、遊技回演出の設定に用いられる特別情報又は特定情報に基づいて上位の態様とするか否かが判定され、その判定により上位態様への昇格が許容された場合に、昇格処理が行われる。これにより、特定状態の終了後、実際に行われる遊技回演出の期待度を超えない範囲で所定報知の報知態様を昇格させることができる。
特徴aA6.前記特定手段は、前記特定状態の終了後において、前記特定状態の対象となった保留用報知の報知態様を前記所定の第1態様としてから前記所定の第2態様とする手段を備えていることを特徴とする特徴aA1乃至特徴aA5のいずれかに記載の遊技機。
特定状態の終了後において保留用報知の報知態様を元の態様よりも上位の態様とする場合に、いきなり上位の態様に設定すると、遊技者から見て所定事象の発生前になされていた特定態様との対応関係が分かりにくく、混乱を招くおそれがある。この点、本構成では、一旦同格の報知態様としてから上位の報知態様に変更するため、報知態様が復帰したと分かりやすくすることができ、上記混乱を抑制することが可能になる。
特徴aA7.前記特定態様手段は、保留用報知の報知態様を特定態様とする場合、当該保留用報知の報知態様を特定態様とするための報知シナリオ(演出シナリオ)を設定する第1シナリオ設定手段(演出制御装置143における保留予告用の設定処理を実行する機能)を備え、
前記特定手段は、前記特定状態の終了後において、前記特定状態の対象となった保留用報知の報知態様を前記所定の第1態様又は前記所定の第2態様とする場合、当該保留用報知の報知態様を前記所定の第1態様又は前記所定の第2態様とするための報知シナリオ(復帰シナリオ)を設定する第2シナリオ設定手段(演出制御装置143における予告復帰用の設定処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴aA1乃至特徴aA6のいずれかに記載の遊技機。
例えば、特定状態において遊技が可能な構成にあっては、特定状態中に遊技回が消化されるため、所定事象の発生前に特定態様とされた保留用報知における特定状態後の実行期間(残存期間)が、特定状態への滞在期間の長短により変動することが想定される。この点、本構成では、所定事象の発生前に設定された報知シナリオとは別に、特定状態の終了後において、特定状態の対象となった保留用報知を同格の態様等とするための報知シナリオが再設定されるため、特定状態後における保留用報知の残存期間が変動する中でも保留用報知の報知態様を同格の態様等に好適に変更することができる。
特徴aA8.前記特定状態の終了後において、前記特定状態の対象となった保留用報知に対応する特別情報以前又はそれより前の遊技回の保留数を把握する保留数把握手段(ステップSa2103の処理を実行する機能)を備え、
前記第2シナリオ設定手段は、前記保留数把握手段により把握された保留数に基づいて前記所定の第1態様又は前記所定の第2態様とするための報知シナリオを設定することを特徴とする特徴aA7に記載の遊技機。
上記構成では、特定状態が終了した場合、保留数を把握し、その結果を加味して同格の態様等とするための報知シナリオが再設定されるため、特定状態への滞在期間にかかわらず、保留用報知の報知態様を同格の態様等に好適に変更することができる。
特徴aA9.前記特定状態は、少なくとも特定態様とされた保留用報知について、その報知態様が前記通常態様となるものであることを特徴とする特徴aA1乃至特徴aA8のいずれかに記載の遊技機。
特定状態への移行に伴って保留用報知の報知態様が特定態様から通常態様に変更(格下げ)された場合、所定事象の発生前において特定態様により示唆されていた期待度が消失したとの誤解や不安を遊技者に与えやすくなる。このような構成に対し、上記特徴aA1から特徴aA8のいずれかの構成を適用することで、それら各特徴を有効に機能させ、上記各効果を好適に発揮させることができる。
なお、特定状態にて保留用報知を通常態様とする場合、特定状態の終了後において通常態様から同格の態様等に変更(格上げ)する処理が必要となるが、本特徴を特徴aA7又は特徴aA8に適用することで、特定状態後における保留用報知の残存期間が変動する中でも、通常態様から同格の態様等への変更を好適に行うことができる。
特徴aA10.前記特定状態中に取得された特別情報に対応する保留用報知について、前記特定状態において前記特定態様の実行が制限されるようにする手段(演出モードBで取得された保留情報を契機とする保留予告演出の実行を制限する機能)を備えていることを特徴とする特徴aA9に記載の遊技機。
例えば、特定態様とされていた保留用報知の報知態様を特定状態にて通常態様とする一方で、特定状態中に取得された特別情報については特定態様への変更が行われる構成とすると、特定状態前に取得された特別情報と特定状態中に取得された特別情報とで扱いを区別する必要があるため、処理が煩雑化する懸念がある。また、特定態様から通常態様に変更された保留用報知が存在するにもかかわらず、それよりも後に取得された特別情報の保留用報知が特定態様とされると、先の保留用報知における通常態様への変更について期待度が消失してしまったのではないかとの不安感をより一層煽るおそれもある。この点、本構成では、特定状態中に取得された特別情報に対応する保留用報知について、特定状態において特定態様への変更を制限するため、そのような不都合の発生を好適に抑制することが可能になる。
特徴aA11.前記特定態様の実行が制限された保留用報知について、前記特定状態の終了後に前記特定態様手段による処理が行われるようにする手段(第1の実施の形態の変形例1における保留予告用の第2設定処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴aA10に記載の遊技機。
上記特徴aA10の効果で述べたように、特定状態中に取得された特別情報について特定態様への変更を制限することで、先の保留用報知における通常態様への変更について期待度が消失してしまったのではないかとの不安感を煽ってしまうことを抑制できる。しかしながらその反面、特定状態中に取得された特別情報について期待度示唆の機会が失われてしまう懸念がある。この点、上記構成では、そのような制限を課した保留用報知について特定状態の終了後に特定態様への変更が許容されるため、期待度示唆の機会を確保することができる。
特徴aA12.前記特定状態は、少なくとも特定態様とされた保留用報知について、その保留用報知が不実行となるものであることを特徴とする特徴aA1乃至特徴aA8のいずれかに記載の遊技機。
特定状態への移行に伴って保留用報知の報知態様が不実行とされた場合、所定事象の発生前において特定態様により示唆されていた期待度が消失したとの誤解や不安を遊技者に与えやすくなる。このような構成に対し、上記特徴aA1から特徴aA8のいずれかの構成を適用することで、それら各特徴を有効に機能させ、上記各効果を好適に発揮させることができる。
特徴aA13.前記特定状態が終了した後、当該特定状態の対象となった保留用報知が前記通常態様で実行されるように構成されており、
前記特定手段は、前記通常態様とされた保留用報知の報知態様が前記所定の第1態様又は前記所定の第2態様に変更されるようにする手段(演出制御装置143における予告復帰用の設定処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴aA12に記載の遊技機。
特定状態への移行に伴って保留用報知の報知態様が不実行とされた後、通常態様とされた状態で保留用報知が再開されると、所定事象の発生前において特定態様により示唆されていた期待度が消失してしまったのではないかとの不安感をより一層煽るおそれがある。このような構成に対し、上記特徴aA1から特徴aA8のいずれかの構成を適用することで、それら各特徴を有効に機能させ、上記各効果を好適に発揮させることができる。
なお、特定状態にて保留用報知を不実行とし、特定状態の終了後に通常態様とされた状態で保留用報知が復帰する構成の場合、特定状態の終了後において通常態様から同格の態様等に変更(格上げ)する処理が必要となるが、本特徴を特徴aA7又は特徴aA8に適用することで、特定状態後における保留用報知の残存期間が変動する中でも、通常態様から同格の態様等への変更を好適に行うことができる。
なお、本特徴は、「前記特定手段は、前記特定状態の終了後において、特定状態の対象となった保留用報知が前記通常態様で実行された後、前記所定の第1態様又は前記所定の第2態様に変更されるようにする手段(演出制御装置143における予告復帰用の設定処理を実行する機能)を備えている」と表現することもできる。
特徴aA14.保留用報知の報知態様が上位の報知態様に変化することを示唆する特定演出(変化示唆演出)を実行する特定演出手段(ステップSa1603~ステップSa1605の処理を実行する機能)と、
前記特定状態の終了後において、特定状態の対象となった保留用報知の報知態様を前記所定の第1態様とする場合、前記特定演出の実行が制限されるようにする手段(変化示唆演出の実行が制限されるようにする機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴aA1乃至特徴aA13のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、特定演出により保留用報知の報知態様が上位の報知態様に変化することが示唆されるため、上位の態様に変化することへの期待感が喚起され、保留用報知への遊技者の注目度を高めることができる。このような構成において、例えば、特定状態の終了後に同格の態様とする場合に特定演出を行うと、実際には同格の態様となるだけにもかかわらず、遊技者が自身の記憶する報知態様(所定事象の発生前の態様)を基準として上位の報知態様を連想してしまうことが想定される。この場合、実際の報知態様が遊技者の連想する態様と一致しなくなるため、特定演出への遊技者の信頼を損なうおそれがある。この点、本構成では、特定状態の終了後に同格の態様とする場合は、特定演出の実行を制限するため、実際の報知態様よりも上位の態様を遊技者が連想することが抑制され、上記不都合の発生を好適に抑制することが可能になる。
なお、上記特徴aA1乃至特徴aA14の各構成に対して、特徴aA1乃至特徴aA14、特徴aB1乃至特徴aB14、特徴aC1乃至特徴aC9、特徴aD1乃至特徴aD10、特徴aE1乃至特徴aE19、特徴aF1乃至特徴aF12、特徴aG1乃至特徴aG15、特徴aH1乃至特徴aH11、特徴aI1乃至特徴aI12のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴aB群>
特徴aB群は、上述した各実施の形態や各変形例又はこれらの組み合わせから抽出される発明群であり、主に上記第1の実施の形態に基づいて抽出されるものである。
特徴aB1.予め定められた取得条件が成立したことに基づいて特別情報を取得する情報取得手段(主制御装置162における情報取得処理を実行する機能)と、
前記情報取得手段の取得した特別情報を予め定められた所定数を上限として記憶する取得情報記憶手段(保留球格納エリア314b)と、
前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報が付与情報に対応しているか否かの付与判定を行う付与判定手段(主制御装置162における当否判定処理等を実行する機能)と、
前記付与判定手段による付与判定の結果が、判定対象の特別情報が前記付与情報に対応しているとする付与対応結果となったことに基づいて、遊技者に対して特典を付与可能な特典付与手段(主制御装置162における大入賞口開閉処理を実行する機能)と、
所定の実行契機(先読み結果)に基づいて、所定の報知手段(図柄表示装置75、保留ランプ部)にて特定報知(保留予告演出)が行われるようにする特定報知手段(演出制御装置143における保留コマンド対応処理を実行する機能)と、
を備え、
前記特定報知手段は、前記特定報知の報知態様を複数種類の報知態様(青色表示態様HMb、緑色表示態様HMc、赤色表示態様HMd、虹色表示態様HMe)のいずれかに設定する第1報知態様設定手段(演出制御装置143における保留予告用の設定処理、保留予告の第1実行用処理を実行する機能)を備え、前記第1報知態様設定手段の設定結果に基づいて前記特定報知を実行するように構成されており、
所定の移行条件が成立した場合(演出用操作部36により所定操作が行われた場合)、所定演出状態を含む複数種類の演出状態(演出モードA、演出モードB)のうちの1の演出状態から他の演出状態に移行させる演出状態移行手段(演出制御装置143における演出モード切替用処理を実行する機能)と、
前記特定報知(保留用画像HWによる保留予告演出)の実行中に前記所定演出状態から他の演出状態に移行し、その後、前記所定演出状態に移行した場合に、後の所定演出状態での特定報知の報知態様を先の所定演出状態における特定報知の報知態様に基づいて設定する第2報知態様設定手段(第1の実施の形態において演出制御装置143による予告復帰用の設定処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成では、複数種類の演出状態が設けられ、所定の移行条件が成立することで、演出状態の切り替えが行われる。これにより、遊技中に遊技者の気分転換が図られ、遊技への飽きを抑制することができる。このような構成において、例えば、特定報知の実行中に演出状態が切り替えられた際に特定報知の実行が解除される構成とした場合、特定報知により報知又は示唆されていたチャンスまで消失したとの誤解や不安を遊技者に与える懸念がある。このような場合、特定報知の実行中は演出状態の切り替えを制限することが考えられるが、演出状態の切り替え頻度が低下する事態を招き、複数種類の演出状態を設けた意義が損なわれるおそれがある。
この点、本特徴では、特定報知の実行中に所定演出状態から他の演出状態に移行し、その後、所定演出状態に移行した場合に、後の所定演出状態での特定報知の報知態様を先の所定演出状態における報知態様に基づいて設定するため、演出状態が元の状態に戻ることで特定報知を元の報知態様に復帰させることができる。これにより、チャンスが消失していないことを遊技者に知らせることができ、演出状態の切り替えに制約を生じさせることなく、特定報知を実行することができる。つまり、特定報知の実行と演出状態の切り替えとを好適に両立させることが可能になる。
特徴aB2.前記付与判定手段により付与判定が行われることに基づいて遊技回用動作が開始され、前記付与判定の判定結果に対応した報知結果とし前記遊技回用動作が終了されることを遊技回の1回として、前記遊技回用動作が行われるように制御する遊技回制御手段(主制御装置162における遊技回制御処理を実行する機能)を備え、
前記特定報知手段は、前記特定報知を遊技回を跨いで実行することが可能に構成されていることを特徴とする特徴aB1に記載の遊技機。
上記構成では、特定報知が比較的長い期間に亘って行われるため、特定報知の実行中に演出状態が切り替わる事象が生じやすくなる。このような構成に対し、上記特徴aB1の構成を適用することで、その特徴を有効に機能させ、上記効果を好適に発揮させることができる。
なお、本特徴的において「前記演出状態移行手段は、演出状態の切り替えを遊技回の実行に合わせて行う手段を備えている」という特徴を備えていてもよい。特定報知が遊技回を跨いで行われつつ、遊技回の区切りに合わせて演出状態が切り替えられる構成では、特定報知の実行中に演出状態が切り替わる事象が特に生じやすくなるため、特徴aB1の上記効果をより一層好適に発揮させることが可能になる。
特徴aB3.前記特定報知の報知態様に対応する情報を所定の記憶部(RAM344の復帰用エリア344f)に記憶可能な構成となっており、
前記第2報知態様設定手段は、前記所定の記憶部に記憶された情報に基づいて後の所定演出状態での特定報知の報知態様を設定することを特徴とする特徴aB1又は特徴aB2に記載の遊技機。
上記構成では、特定報知の報知態様が記憶されるとともに、後の所定演出状態に移行した場合に、その記憶された情報に基づいて特定報知の報知態様が設定される。これにより、後の所定演出状態での特定報知を先の所定演出状態で実行されていた元の報知態様に好適に復帰させることができる。
特徴aB4.前記付与判定手段により付与判定が行われることに基づいて遊技回用動作が開始され、前記付与判定の判定結果に対応した報知結果とし前記遊技回用動作が終了されることを遊技回の1回として、前記遊技回用動作が行われるように制御する遊技回制御手段(主制御装置162における遊技回制御処理を実行する機能)と、
前記情報取得手段により取得された所定の特別情報について当該所定の特別情報が前記付与判定の対象となった場合における判定結果に対応する情報を、その特別情報が前記付与判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて特定する先特定処理を実行する先特定手段(主制御装置162における保留先読み処理を実行する機能)と、
を備え、
前記特定報知手段は、前記先特定処理の結果に基づいて、当該先特定処理の対象となった特別情報が前記付与判定の対象となるよりも前に前記特定報知を実行可能に構成されており、
前記特定報知手段は、特定の特別情報(対象保留用画像HWの保留情報)を契機とする特定報知の実行中に先の所定演出状態から前記他の演出状態に移行し、その後、前記特定の特別情報の遊技回が終了する前又は前記特定の特別情報が前記付与判定手段による前記付与判定の対象となる前に後の所定演出状態に移行した場合、後の所定演出状態において、前記特定の特別情報に対応させて特定報知を実行する特定手段(演出制御装置143における予告復帰用の設定処理、保留予告の第2実行用処理、保留予告の第3実行用処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴aB1乃至特徴aB3のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、いわゆる保留先読みの結果に基づいて特定報知が実行されるため、特定報知の報知態様によって付与判定の結果が付与対応結果となることへの期待度を示唆し、付与判定が行われる事前に付与対応結果となることへの遊技者の期待感を好適に喚起することができる。このような場合、上述のように演出状態の切り替えに伴って特定報知の実行が解除される構成した場合、遊技者に対して付与対応結果が消失した又はその期待度が低下したとの誤解を与える懸念がある。
この点、本構成によれば、特定報知の契機となった特別情報の遊技回が終了する前又は当該特別情報が付与判定の対象となる前に元の演出状態に戻った場合、元の報知態様に対応させて特定報知の報知態様を設定する。このため、付与対応結果が消失していないこと等を遊技者に知らせることができるほか、特定報知の契機となった特別情報についての付与判定結果が報知される前に、当該特別情報に対する期待度を改めて示唆することができる。よって、上記懸念に対して好適に対処することができ、特定報知の実行と演出状態の切り替えとを好適に両立させることが可能になる。
特徴aB5.前記第2報知態様設定手段は、先の所定演出状態での前記先特定処理の結果にかかわらず、先の所定演出状態における特定報知の報知態様に基づいて後の所定演出状態での特定報知の報知態様を設定することを特徴とする特徴aB4に記載の遊技機。
例えば、後の所定演出状態での特定報知の報知態様を、先の所定演出状態で行われた保留先読みの結果に基づいて設定する構成であると、先の所定演出状態での特定報知の報知態様とは異なる態様が設定されることが想定される。また、特定報知の報知態様を段階的に変化させる(ランクアップさせる)構成では、同じ先読み結果であっても、演出状態の切替タイミングによって切り替え時における特定報知の報知態様に差異が生じ得るため、保留先読みの結果に基づいて後の所定演出状態での報知態様を設定すると、先の所定演出状態での特定報知の報知態様とは異なる態様が設定されやすくなる。
この点、本構成では、後の所定演出状態での特定報知の報知態様を、先の所定演出状態で行われた保留先読みの結果ではなく、当該演出状態から他の演出状態に切り替わるときの特定報知の報知態様に基づいて設定するため、演出状態が元の状態に戻った場合、実際に報知された特定報知と同様の報知態様に設定することができる。これにより、先の所定演出状態での報知態様と後の所定演出状態での報知態様とを好適に整合させることができ、遊技者から見て報知態様が復帰したと認識させやすくすることが可能になる。
特徴aB6.前記特定報知手段は、
先の所定演出状態において前記特定の特別情報を契機とする特定報知を行う場合、当該特定報知の報知態様を変更するための報知シナリオ(演出シナリオ)を設定する第1シナリオ設定手段(保留予告用の設定処理を実行する機能)と、
後の所定演出状態において前記特定の特別情報に対応させて特定報知を行う場合、当該特定報知の報知態様を変更するための報知シナリオ(復帰シナリオ)を再設定する第2シナリオ設定手段(予告復帰用の設定処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴aB4又は特徴aB5に記載の遊技機。
後の所定演出状態にて特定報知を行う場合において、他の演出状態での滞在期間の長短により、後の所定演出状態に切り替わってから、その特定報知が対応する特別情報の遊技回が開始又は終了するまでの期間、すなわち、特定報知を実行できる期間が変動することが想定される。この点、本構成では、後の所定演出状態にて特定報知を行う場合、報知態様を変更するための報知シナリオが再設定されるため、上記期間が変動する中でも特定報知の報知態様を元の態様に好適に変更することができる。
特徴aB7.後の所定演出状態に移行した場合、前記特定の特別情報以前又はそれよりも前の遊技回の保留数を把握する保留数把握手段(ステップSa2103の処理を実行する機能)を備え、
前記第2シナリオ設定手段は、前記保留数把握手段により把握された保留数に基づいて前記報知シナリオを再設定することを特徴とする特徴aB6に記載の遊技機。
上記構成では、後の所定演出状態に切り替わった場合、保留数を把握し、その結果を加味して特定報知の報知シナリオが再設定されるため、他の演出状態での滞在期間にかかわらず、特定報知の報知態様を元の態様に好適に変更することができる。
特徴aB8.特定報知の実行中に先の所定演出状態から前記他の演出状態に移行した場合、その特定報知の継続を制限する手段(保留用画像HWの表示態様を通常表示態様HMaとする機能)を備えていることを特徴とする特徴aB1乃至特徴aB7のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、演出状態の切り替えに伴いそれまで実行されていた特定報知の継続が制限(規制)されるため、チャンスが消失してしまったとの誤解を遊技者に与えやすい。このような構成に対し、上記特徴aB1から特徴aB7のいずれかの構成を適用することで、それら各特徴を有効に機能させ、上記各効果を好適に発揮させることができる。
特徴aB9.前記所定演出状態は、前記他の演出状態とは前記特定報知の実行されやすさが異なる演出状態であることを特徴とする特徴aB1乃至特徴aB8のいずれかに記載の遊技機。
演出状態によって特定報知の実行されやすさが異なる構成の場合、特定報知を実行したままで演出状態を切り替えると、その特定報知により示唆される期待度等が演出状態の切替前後で相違する事態を招くおそれがある。この場合、演出状態の切り替えに伴い特定報知の実行を解除することで、そのような期待度等の不整合を抑制することができる。しかしながらその反面、特定報知により示唆されていたチャンスが消失してしまったとの誤解や不安を遊技者に与える懸念が生じる。このような構成に対し、上記特徴aB1から特徴aB8のいずれかの構成を適用することで、それら各特徴を有効に機能させ、上記各効果を好適に発揮させることができる。
なお、本特徴における「前記所定演出状態は、前記他の演出状態とは前記特定報知の実行されやすさが異なる演出状態である」には、他の演出状態が特定報知を実行し得る状態として設定される構成だけでなく、他の演出状態が特定報知を実行しない状態として設定される構成も含まれると解することができる。
特徴aB10.前記特定報知における複数種類の報知態様は、前記付与対応結果となることへの期待度が異なるようにして設定されるものであり、
前記第2報知態様設定手段は、後の所定演出状態での特定報知の報知態様を先の所定演出状態における特定報知の報知態様と同格であると遊技者が認識することが可能な所定の第1態様(同じ特定表示態様、同順位の表示態様、同じキャラクタ等)に設定する第1手段(演出制御装置143における予告復帰用の設定処理)を備えていることを特徴とする特徴aB1乃至特徴aB9のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、後の所定演出状態での特定報知の報知態様を、先の所定演出状態における報知態様と同格であると遊技者が認識することが可能な態様に設定するため、特定報知が復帰したと遊技者に認識させやすくすることができる。
特徴aB11.前記第2報知態様設定手段は、後の所定演出状態において特定報知の報知態様を前記所定の第1態様に設定した後、先の所定演出状態における特定報知の報知態様より上位であると遊技者が認識することが可能な所定の第2態様(上位の特定表示態様等)に設定する第2手段(演出制御装置143における予告復帰用の設定処理)を備えていることを特徴とする特徴aB10に記載の遊技機。
上記構成では、後の所定演出状態での特定報知の報知態様を、先の所定演出状態における報知態様より上位の報知態様とすることができるため、後の所定演出状態での報知態様が先の所定演出状態での報知態様までに制限され、示唆可能な期待度等の範囲が狭くなることを抑制できる。その際、いきなり上位の報知態様とすると、先の所定演出状態でなされていた報知態様との対応関係が分かりにくく、演出が分かりにくくなるおそれがある。この点、本構成では、一旦同格の報知態様としてから上位の報知態様に変更するため、報知態様が復帰したと分かりやすくすることができ、遊技者の混乱を抑制することが可能になる。
特徴aB12.前記特定報知の報知態様が上位の報知態様に変化することを示唆する特定演出(変化示唆演出)を実行する特定演出手段(ステップSa1603~ステップSa1605の処理を実行する機能)と、
後の所定演出状態において特定報知の報知態様を前記所定の第1態様とする場合、前記特定演出の実行が制限されるようにする手段(変化示唆演出の実行が制限されるようにする機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴aB10又は特徴aB11に記載の遊技機。
上記構成では、特定演出により特定報知の報知態様が上位の報知態様に変化することが示唆されるため、上位の態様に変化することへの期待感が喚起され、特定報知への遊技者の注目度を高めることができる。このような構成において、例えば、特定報知の報知態様を同格の態様とする場合に特定演出を行うと、実際には同格の態様となるだけにもかかわらず、遊技者が自身の記憶する先の所定演出状態での報知態様を基準として上位の報知態様を連想してしまうことが想定される。この場合、実際の報知態様が遊技者の連想する態様と一致しなくなるため、特定演出への遊技者の信頼を損なうおそれがある。この点、本構成では、上位の報知態様への変更に該当するものであっても、先の所定演出状態での報知態様に戻すだけの場合は、特定演出の実行を制限するため、実際の報知態様よりも上位の態様を遊技者が連想することを抑制することができ、上記不都合の発生を好適に抑制することが可能になる。
特徴aB13.前記付与判定手段により付与判定が行われることに基づいて遊技回用動作が開始され、前記付与判定の判定結果に対応した報知結果とし前記遊技回用動作が終了されることを遊技回の1回として、前記遊技回用動作が行われるように制御する遊技回制御手段(主制御装置162における遊技回制御処理を実行する機能)と、
少なくとも実行前の遊技回の保留数を遊技者が認識できるように保留用報知(保留用画像)を行う保留用報知手段(演出制御装置143における保留コマンド対応処理を実行する機能)と、
を備え、
前記特定報知は、前記保留用報知の報知態様を通常態様(通常表示態様)とは異なる特定態様(特定表示態様)とするものであることを特徴とする特徴aB1乃至特徴aB12のいずれかに記載の遊技機。
保留用報知を利用して特定報知を行う場合、特定報知の実行期間が比較的長く、特定報知の実行中に演出状態が切り替わる事象が生じやすくなる。加えて、特定報知が示唆する期待度等の対象がいずれの特別情報であるかが明確となるため、演出状態の切り替えに伴い特定報知の実行が解除された場合の影響が大きいことが想定される。このような構成に対し、上記特徴aB1から特徴aB12のいずれかの構成を適用することで、それら各特徴を有効に機能させ、上記各効果を好適に発揮させることができる。
特徴aB14.特定の特別情報(保留用画像HWの保留情報)に対応する前記保留用報知の報知態様を特定態様としている状況で先の所定演出状態から前記他の演出状態に移行した場合、前記特定の特別情報に対応する前記保留用報知の報知態様を前記通常態様に設定する手段(保留用画像HWの表示態様を通常表示態様HMaとする機能)を備えていることを特徴とする特徴aB13に記載の遊技機。
上記構成では、演出状態の切り替えに伴いそれまで特定態様とされていた保留用報知が通常態様に変更されるため、遊技者からすると、格下げされた印象を受けやすく、期待度が低下したとの誤解を与えやすい。このような構成に対し、上記特徴aB1から特徴aB12のいずれかの構成を適用することで、それら各特徴を有効に機能させ、上記各効果を好適に発揮させることができる。
なお、上記特徴aB1乃至特徴aB14の各構成に対して、特徴aA1乃至特徴aA14、特徴aB1乃至特徴aB14、特徴aC1乃至特徴aC9、特徴aD1乃至特徴aD10、特徴aE1乃至特徴aE19、特徴aF1乃至特徴aF12、特徴aG1乃至特徴aG15、特徴aH1乃至特徴aH11、特徴aI1乃至特徴aI12のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴aC群>
特徴aC群は、上述した各実施の形態や各変形例又はこれらの組み合わせから抽出される発明群の特徴であり、主に上記第1の実施の形態の変形例1に基づいて抽出されるものである。
特徴aC1.予め定められた取得条件が成立したことに基づいて特別情報を取得する情報取得手段(主制御装置162における情報取得処理を実行する機能)と、
前記情報取得手段の取得した特別情報を予め定められた所定数を上限として記憶する取得情報記憶手段(保留球格納エリア314b)と、
前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報が付与情報に対応しているか否かの付与判定を行う付与判定手段(主制御装置162における当否判定処理等を実行する機能)と、
前記付与判定手段による付与判定の結果が、判定対象の特別情報が前記付与情報に対応しているとする付与対応結果となったことに基づいて、遊技者に対して特典を付与可能な特典付与手段(主制御装置162における大入賞口開閉処理を実行する機能)と、
前記付与判定手段により付与判定が行われることに基づいて遊技回用動作が開始され、前記付与判定の判定結果に対応した報知結果とし前記遊技回用動作が終了されることを遊技回の1回として、前記遊技回用動作が行われるように所定の報知手段(図柄表示装置75)を制御する遊技回制御手段(主制御装置162における遊技回制御処理を実行する機能)と、
少なくとも実行前の遊技回の保留数を遊技者が認識できるように保留用報知(保留用画像)を前記所定の報知手段又は当該所定の報知手段とは異なる報知手段(図柄表示装置75、保留ランプ部)にて行う保留用報知手段(演出制御装置143における保留コマンド対応処理を実行する機能)と、
前記情報取得手段により取得された所定の特別情報について当該所定の特別情報が前記付与判定の対象となった場合における判定結果に対応する情報を、その特別情報が前記付与判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて特定する先特定処理を実行する先特定手段(主制御装置162における保留先読み処理を実行する機能)と、
前記先特定処理の結果に基づいて前記保留用報知の報知態様を通常態様(通常表示態様)とは異なる特定態様(特定表示態様)とする特定態様処理を実行することが可能な特定態様手段(第1の実施の形態の変形例1において演出制御装置143における保留予告用の設定処理及び保留予告の第1実行用処理を実行する機能)と、
を備え、
予め定められた所定条件が成立した場合(演出モードAから演出モードBに切り替えられた場合)、前記特定態様又は前記保留用報知の実行が制限される制限状態に移行するように構成されており、
前記制限状態中に取得された特別情報に対応する前記保留用報知について、前記制限状態後の報知態様を前記制限状態中に実行された前記先特定処理の結果に基づいて設定する設定手段(第1の実施の形態の変形例1において演出制御装置143による保留予告用の第2設定処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成では、いわゆる保留先読みの結果に基づいて保留用報知の報知態様が特定態様とされるため、遊技回の開始前から付与対応結果となることへの遊技者の期待感を喚起することができる。このような構成の下、既に特定態様とされている保留用報知について特定態様又は保留用報知の実行を制限する制限状態を設ける場合がある。しかしながら、その制限状態において新たな特別情報が取得された場合、そうような特別情報についてまで特定態様への変更が行われないものとすると、制限状態中に取得された特別情報について遊技者の期待感を喚起できなくなる懸念がある。
この点、本構成によれば、制限状態中に取得された特別情報に対応する保留用報知の報知態様を制限状態の終了後に特定態様に変更することができるため、制限状態中に取得された特別情報について遊技者の期待感を喚起することができる。その際、制限状態後における特定態様への変更を制限状態中に実行された先特定処理(保留先読み処理)の結果に基づいて行うため、制限状態ではない場合と同様にして先特定処理を行うことができる。すなわち、先特定処理の構成を変更する必要がないため、構成が複雑化することを抑制しながら、制限状態中に取得された特別情報に対応する保留用報知の報知態様を制限状態後に変更することが可能になる。
特徴aC2.前記先特定手段は、取得された特別情報についての前記先特定処理を、前記制限状態であるか否かにかかわらず、特別情報の取得タイミングに合わせて行うように構成されていることを特徴とする特徴aC1に記載の遊技機。
上記構成によれば、制限状態である場合とそうではない場合とのいずれにおいても特別情報の取得タイミングに合わせて先特定処理を行うことができるため、前者の場合と後者の場合とで先特定処理を区別する必要がない。よって、構成が複雑化することを抑制しながら、制限状態中に取得された特別情報に対応する保留用報知の報知態様を制限状態後に変更することが可能になる。
特徴aC3.前記設定手段は、前記設定を前記制限状態が終了する場合又は前記制限状態が終了した後に実行することを特徴とする特徴aC1又は特徴aC2に記載の遊技機。
例えば、制限状態中に実行された先特定処理の結果に基づいて制限状態後の報知態様を設定する場合にその設定を制限状態中に行う構成とすると、報知態様を設定した保留用報知に対応する特別情報の遊技回が制限状態中に実行された場合、報知態様の設定が反映されないまま保留用報知が終了し、設定が無駄になるおそれがある。この点、本構成では、報知態様の設定を制限状態の終了時又は終了後に行うため、そのような無駄が発生することを抑制し、効率的な処理を行うことが可能になる。
特徴aC4.前記制限状態は前記特定態様の実行を制限するものであり、
前記制限状態中に取得された特別情報に対応する前記保留用報知について、前記制限状態中の報知態様を前記通常態様、又は前記通常態様及び前記特定態様のいずれとも異なる所定態様(黒色表示態様)とする手段(保留用画像HB1,HB2の表示態様を通常表示態様HMa又は黒色表示態様に強制設定する機能)を備えていることを特徴とする特徴aC1乃至特徴aC3のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、特定態様の実行が制限される制限状態において保留用報知が通常態様、又は通常態様と特定態様のいずれとも異なる所定態様で行われるため、遊技者が遊技回の保留数を認識できるようにしながら特定態様を不実行とすることができる。このような構成に対し、上記特徴aC1から特徴aC3のいずれかの構成を適用することで、それら各特徴を有効に機能させ、上記各効果を好適に発揮させることができる。
特徴aC5.前記制限状態中に特別情報が取得された場合、その特別情報が前記制限状態中に取得されたものであることを前記制限状態後に把握できるように所定の情報(制限期間中の発生保留であることの情報)を所定の記憶部(RAM344の保留用記憶エリア344c)に記憶可能に構成されていることを特徴とする特徴aC1乃至特徴aC4のいずれかに記載の遊技機。
上記構成によれば、制限状態の終了後において、制限状態となる前に取得された特別情報と制限状態中に取得された特別情報とが混在する場合でも、所定の記憶部に記憶された所定の情報に基づいて制限状態中に取得された特別情報を特定することができる。これにより、特徴aC1に係る設定手段において、制限状態中に取得された特別情報と、そうではない特別情報とを識別し、制限状態中に取得された特別情報のみを対象として処理を行うことが可能になる。
特徴aC6.演出状態として、第1演出状態(演出モードA)と第2演出状態(演出モードB)とを含む複数の演出状態が設定されており、
所定の移行条件が成立した場合(演出用操作部36により所定操作が行われた場合)、複数種類の演出状態のうちの1の演出状態から他の演出状態に移行させる演出状態移行手段(演出制御装置143における演出モード切替用処理を実行する機能)を備え、
前記第1演出状態から前記第2演出状態に移行した場合、前記制限状態に移行するように構成されていることを特徴とする特徴aC1乃至特徴aC5のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、演出状態の切り替えに伴い制限状態に移行する。この場合、切り替え後の演出状態において遊技者が遊技を行うと考えられるため、制限状態中に特別情報が取得されることが想定される。このような構成に対し、上記特徴aC1から特徴aC5のいずれかの構成を適用することで、それら各特徴を有効に機能させ、上記各効果を好適に発揮させることができる。
特徴aC7.前記第2演出状態は、前記第1演出状態とは前記特定態様処理の実行されやすさが異なる演出状態であることを特徴とする特徴aC6に記載の遊技機。
演出状態によって特定態様への変更されやすさが異なる構成の場合、特定態様を維持した状態で演出状態を切り替えると、その切り替え前後で特定態様が示唆する期待度が整合しなくなるおそれがある。この場合、第1演出状態から第2演出状態への移行に伴い特定態様や保留用報知の実行を制限することで、そのような期待度の不整合を抑制することができる。しかしながら、第2演出状態への移行前に特定態様とされていた保留用報知に対して上記制限を適用するとしても、第2演出状態で特別情報が取得されることにより行われる新たな保留用報知についてはどのように扱うべきであるかという懸念が生じる。このような構成に対し、上記特徴aC1から特徴aC6のいずれかの構成を適用することで、それら各特徴を有効に機能させ、上記各効果を好適に発揮させることができる。
なお、本特徴における「前記第2演出状態は、前記第1演出状態とは前記特定態様処理の実行されやすさが異なる演出状態である」には、第1演出状態と第2演出状態の双方で特定報知が実行され得るものとなっており、それら各演出状態で特定報知の実行頻度(実行確率)が相違する場合だけでなく、第1演出状態と第2演出状態の一方で特定報知が実行されない構成も含まれると解することができる。
特徴aC8.前記第2演出状態が終了した場合、前記制限状態が終了するように構成されていることを特徴とする特徴aC6又は特徴aC7に記載の遊技機。
上記構成では、第2演出状態が終了した場合に制限状態が解除されるため、第2演出状態中に取得された特別情報の保留用報知について、第2演出状態中は特定態様又は保留用報知の実行を制限し、その後、第2演出状態の終了に応じて特定態様とすることができる。
特徴aC9.保留されていた遊技回の実行を遊技者が認識できるように前記保留用報知に対応する所定報知(実行表示領域Dに保留用画像を表示すること)が行われる実行用報知部(実行表示領域D)を備え、
前記制限状態中に取得された特別情報の遊技回が前記制限状態中に行われた場合、その特別情報に対応するものであって前記実行用報知部にて行われる前記所定報知の報知態様を、前記制限状態中に行われた前記先特定処理の結果に基づいて通常態様とは異なる特定態様に設定する手段(ステップSa2901~ステップSa2903の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴aC1乃至特徴aC8のいずれかに記載の遊技機。
上記構成によれば、制限状態への移行により報知態様の変更が制限された保留用報知について、その保留用報知の遊技回まで遊技が進むことにより特定態様への変更が許容される。このため、制限状態中に取得された特別情報の遊技回が制限状態中に実行される場合でも、その特別情報についての期待度を示唆することができる。
なお、上記特徴aC1乃至特徴aC9の各構成に対して、特徴aA1乃至特徴aA14、特徴aB1乃至特徴aB14、特徴aC1乃至特徴aC9、特徴aD1乃至特徴aD10、特徴aE1乃至特徴aE19、特徴aF1乃至特徴aF12、特徴aG1乃至特徴aG15、特徴aH1乃至特徴aH11、特徴aI1乃至特徴aI12のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴aD群>
特徴aD群は、上述した各実施の形態や各変形例又はこれらの組み合わせから抽出される発明群であり、主に上記第1の実施の形態の変形例2に基づいて抽出されるものである。
特徴aD1.予め定められた取得条件が成立したことに基づいて特別情報を取得する情報取得手段(主制御装置162における情報取得処理を実行する機能)と、
前記情報取得手段の取得した特別情報を予め定められた所定数を上限として記憶する取得情報記憶手段(保留球格納エリア314b)と、
前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報が付与情報に対応しているか否かの付与判定を行う付与判定手段(主制御装置162における当否判定処理等を実行する機能)と、
前記付与判定手段による付与判定の結果が、判定対象の特別情報が前記付与情報に対応しているとする付与対応結果となったことに基づいて、遊技者に対して特典を付与可能な特典付与手段(主制御装置162における大入賞口開閉処理を実行する機能)と、
前記付与判定手段により前記付与判定が行われることに基づいて遊技回用動作が開始され、前記付与判定手段の判定結果に対応した報知結果とし前記遊技回用動作が終了されることを遊技回の1回として、前記遊技回用動作が行われるように所定の報知手段(図柄表示装置75)を制御する遊技回制御手段(主制御装置162における遊技回制御処理を実行する機能)と、
少なくとも実行前の遊技回の保留数を遊技者が認識できるように保留用報知(保留用画像)を前記所定の報知手段又は当該所定の報知手段とは異なる報知手段(図柄表示装置75、保留ランプ部)にて行う保留用報知手段(演出制御装置143における保留コマンド対応処理を実行する機能)と、
所定の実行契機(先読み結果)に基づいて、前記保留用報知の報知態様を通常態様(通常表示態様)とは異なる特定態様(特定表示態様)とする特定態様処理を実行することが可能な特定態様手段(演出制御装置143における保留予告用の設定処理、保留予告の第1実行用処理を実行する機能)と、
を備え、
前記特定態様には、前記付与対応結果となることへの期待度が異なるようにして複数種類の態様(青色表示態様HMb、緑色表示態様HMc、赤色表示態様HMd、虹色表示態様HMe)が設定されており、
第1状態(演出モードA)と、前記第1状態とは前記特定態様処理の実行されやすさが異なる第2状態(演出モードB)とを含む複数種類の状態が設定されており、
前記第1状態において前記特定態様処理が実行され、前記保留用報知の報知態様が複数種類の態様のうちのいずれかとされた後に前記第2状態に移行した場合、その保留用報知の報知態様を前記第1状態での報知態様と遊技者が同格であると認識することが可能な所定態様(同じ特定表示態様、同順位の表示態様、同じキャラクタ等)とするか否かを判定する態様判定手段(第1の実施の形態の変形例2における演出制御装置143による演出モード切替用処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成では、保留用報知の報知態様が特定態様とされ、その特定態様には、付与対応結果となることへの期待度が異なるようにして複数種類の態様が設定されている。このため、保留用報知をいずれかの特定態様とすることで期待度を示唆することができ、付与対応結果となることへの遊技者の期待感を好適に喚起することができる。また、本構成では、第1状態と、第1状態とは特定態様への変更されやすさが異なる第2状態とを含む複数種類の状態が設定されている。それら状態間での切り替えが行われるため、遊技中に遊技者の気分転換が図られ、遊技への飽きを抑制することができる。
そのような構成の下、特定態様の保留用報知が行われている状況で第1状態から第2状態に移行した場合、特定態様を維持すると、その種類によっては、対応する期待度が第2状態への移行前と懸け離れたものとなり、遊技者の誤解を招くおそれがある。この点、本構成では、そのような移行が生じた場合、第2状態への移行後においてその保留用報知の報知態様を第1状態での報知態様と遊技者が同格であると認識することが可能な態様とするか否かを判定する。これにより、期待度の不整合が生じることを抑制でき、第2状態への移行後における保留用報知を好適に行うことが可能になる。
なお、本特徴における「前記第1状態とは前記特定態様処理の実行されやすさが異なる第2状態」には、第2状態が保留用報知の特定態様への変更を実行し得る状態として設定される構成だけでなく、第2状態が保留用報知の特定態様への変更を実行しない状態として設定される構成も含まれると解することができる。
特徴aD2.前記第2状態は、前記第1状態よりも前記特定態様処理が実行されにくい状態であることを特徴とする特徴aD1に記載の遊技機。
上記構成では、第2状態は、第1状態よりも保留用報知が特定態様とされにくくなっているため、保留用報知の報知態様が特定態様に変更された場合の付与対応結果への期待度を比較すると、第1状態よりも第2状態の方が高くなることが想定される。この場合、第1状態から第2状態への移行が、特定態様に対する付与対応結果への期待度が低い状態から高い状態への移行するものとなるが、このような移行に対し、上記特徴aD1の構成を適用することで、期待度の不整合を抑制し、第2状態への移行後における保留用報知を好適に行うことが可能になる。
なお、本特徴における「前記第2状態は、前記第1状態よりも前記特定態様処理が実行されにくい状態である」には、第2状態において保留用報知が特定態様とされる確率が第1状態のそれよりも低くなるように設定される構成のほか、第2状態が保留用報知の特定態様への変更を実行しない状態として設定される構成も含まれると解することができる。
特徴aD3.前記態様判定手段は、前記第2状態に移行する場合の前記保留用報知の報知態様が所定の報知態様(上限表示態様)より上位の態様である場合、当該保留用報知の報知態様を前記所定態様とすることを許容しないと判定し、前記第2状態に移行する場合の前記保留用報知の報知態様が前記所定の報知態様以下の態様である場合、当該保留用報知の報知態様を前記所定態様とすることを許容すると判定することを特徴とする特徴aD1又は特徴aD2に記載の遊技機。
上記構成では、第2状態への移行時における報知態様と第2状態に対応して設定された所定の報知態様との比較により、第1状態での報知態様と同格の態様とすることの可否が判定される。これにより、第2状態において各態様が対応する期待度を踏まえて同格の態様とするか否かを振り分けることができ、第2状態への移行後における保留用報知を好適に行うことが可能になる。
なお、本特徴において「所定の報知態様」を「前記第2状態に対応して設定される所定の報知態様」と表現することもできる。
特徴aD4.前記情報取得手段により取得された所定の特別情報について当該所定の特別情報が前記付与判定の対象となった場合における判定結果に対応する情報(変動パターン等)を、その特別情報が前記付与判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて特定する先特定処理を実行する先特定手段(主制御装置162における保留先読み処理を実行する機能)を備え、
前記特定態様手段は、前記先特定処理の結果に基づいて前記特定態様処理を実行するように構成されており、
前記態様判定手段は、当該態様判定手段の判定対象となる保留用報知が対応する特別情報についての前記先特定処理の結果に基づいて前記判定を行うことを特徴とする特徴aD1乃至特徴aD3のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、特定態様への変更が先特定処理の結果(いわゆる先読み結果)に基づいて行われる。そして、態様判定手段により同格の態様とするか否かを判定する場合には、その判定対象である保留用報知の先読み結果に基づいて上記判定が行われる。これにより、その保留用報知の先読み結果、つまりは、その保留用報知の特別情報が付与判定手段の判定対象となった場合に実行される遊技回での報知結果や当該遊技回での遊技回演出を踏まえて、同格の態様とするか否かを判定することができる。
特徴aD5.前記先特定処理の結果に対応させて複数種類の上限態様(上限表示態様)が設定されており(復帰判定用テーブル)、
前記態様判定手段は、
当該態様判定手段の判定対象となる保留用報知が対応する特別情報について前記先特定処理の結果を把握する把握手段(ステップSa3105の処理を実行する機能)と、
前記複数種類の態様のうち前記把握手段により把握された結果に対応する上限態様に基づいて前記判定を行う手段(ステップSa3106の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴aD4に記載の遊技機。
上記構成では、先読み結果に対応させて複数種類の上限態様が設定され、態様判定手段により同格の態様とするか否かを判定する場合には、その判定対象である保留用報知の先読み結果に対応する上限態様が適用されて上記判定が行われる。これにより、第2状態に移行した場合の保留用報知の報知態様が、第1状態で対応する期待度を超えないようにして、同格の態様とするか否かを判定することができる。
特徴aD6.前記特定態様手段は、前記特定態様処理を実行する場合、前記複数種類の態様のうちのいずれかの態様である第1特定態様(青色表示態様HMb)で前記保留用報知を実行した後、当該保留用報知の報知態様を前記第1特定態様より上位の第2特定態様(緑色表示態様HMc、赤色表示態様HMd、虹色表示態様HMe)に変更する手段(演出制御装置143における保留予告用の設定処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴aD1乃至特徴aD5のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、保留用報知の報知態様が特定態様とされた後、その報知態様が段階的に上位の態様に変更される。このような構成では、第1状態で保留用報知の報知態様を特定態様とする処理が行われた場合において、例えば、特定態様にされてからの序盤で第2状態への移行が生じた場合には、そのときの特定態様は比較的に下位の態様(期待度が低い態様)となることが想定され、逆に終盤で上記移行が生じた場合には、比較的に上位の態様(期待度が高い態様)となることが想定される。つまり、第2状態への移行タイミングによって、保留用報知における特定態様がいずれの態様となっているかに差異が生じる。このように構成に対し、特徴aD1から特徴aD5のいずれかの構成を適用することで、都度の報知態様に応じて同格の態様とするか否かを振り分けることができ、第2状態への移行後における保留用報知を好適に行うことが可能になる。
なお、本特徴において「前記態様判定手段は、前記第2状態に移行する直前の前記第1態様での報知態様と遊技者が同格であると認識することが可能な所定態様とするか否かを判定する手段を備えている」という特徴をさらに備えていてもよい。
特徴aD7.前記第2状態は、前記第1状態よりも前記特定態様処理が実行されにくい状態であり、
前記第2状態において前記特定態様処理が実行され、前記保留用報知の報知態様が複数種類の態様のうちのいずれかとされた後に前記第1状態に移行した場合、前記態様判定手段による前記判定を不実行とする手段(ステップSa3104で否定判定した場合にステップSa3105~ステップSa3107の処理をスキップする機能)を備えていることを特徴とする特徴aD1乃至特徴aD6のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、保留用報知が相対的に特定態様とされにくい第2状態から、相対的に特定態様とされやすい第1状態への移行、すなわち、特定態様に対する付与対応結果への期待度が高い状態から低い状態への切り替わりである場合、同格の態様するか否かを判定しない構成としている。これにより、保留用報知の報知態様が維持される機会が過度に制限されることを抑制できるほか、処理負荷の軽減を図ることが可能になる。
特徴aD8.前記態様判定手段により前記所定態様にすると判定された場合、当該判定の対象となった前記保留用報知の報知態様を前記通常態様としてから前記所定態様に変更する変更手段(ステップSa3110の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴aD1乃至特徴aD7のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、保留用報知の報知態様を同格の態様にする場合に、一旦通常態様としてから同格の態様に変更される。この場合、同格の態様にする場合と同格の態様にしない場合とのいずれにおいても、保留用報知の報知態様が第1状態から第2状態への切り替えに伴って通常態様に切り替わる構成とできる。これにより、同格の態様にしないと判定されたことに起因して特定態様から通常態様に変更される場合の不自然さを軽減することが可能になる。また、通常態様となってから特定態様に変化する構成とすることで、同格の態様にしないと判定された場合も含め、第2状態への移行後、通常態様とされた保留用報知が特定態様に変更されるのではないかとの期待感を喚起することができ、その保留用報知への期待感を持続させることが可能になる。
特徴aD9.前記保留用報知の報知態様が上位の報知態様に変化することを示唆する特定演出(変化示唆演出)を実行する特定演出手段(ステップSa1603~ステップSa1605の処理を実行する機能)と、
前記変更手段により前記保留用報知の報知態様が前記所定態様に変更される場合、前記特定演出の実行が制限されるようにする手段(変化示唆演出の実行が制限されるようにする機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴aD8に記載の遊技機。
上記構成では、特定演出により保留用報知の報知態様が上位の報知態様に変化することが示唆されるため、上位の報知態様に変化することへの期待感が喚起され、保留用報知への遊技者の注目度を高めることができる。このような構成において、例えば、同格の態様に変更する場合に特定演出を行うと、遊技者が記憶している第1状態での報知態様を基準とし、それよりも上位の報知態様を連想してしまうことが想定される。この場合、特定演出が行われたにもかかわらず、元の態様に戻っただけではないかといった不自然な印象を与える懸念がある。この点、本構成では、上位の報知態様に変更されるものであっても、通常態様から同格の態様に変更する場合は、特定演出の実行を制限するため、そのような不都合の発生を好適に抑制することが可能になる。
特徴aD10.前記態様判定手段により前記所定態様にしないと判定された場合、当該判定の対象となった保留用報知の報知態様を前記通常態様とするか、前記所定態様より下位の報知態様とする手段(ステップSa3108の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴aD1乃至特徴aD9のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、同格の態様にしないと判定された場合、判定対象となった保留用報知の報知態様を通常態様又は下位の報知態様とするため、第2状態に移行した場合の保留用報知の報知態様が第1状態で対応する期待度を超えることを抑制でき、第2状態への移行後おける保留用報知を好適に行うことが可能になる。
なお、上記特徴aD1乃至特徴aD10の各構成に対して、特徴aA1乃至特徴aA14、特徴aB1乃至特徴aB14、特徴aC1乃至特徴aC9、特徴aD1乃至特徴aD10、特徴aE1乃至特徴aE19、特徴aF1乃至特徴aF12、特徴aG1乃至特徴aG15、特徴aH1乃至特徴aH11、特徴aI1乃至特徴aI12のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴aE群>
特徴aE群は、上述した各実施の形態や各変形例又はこれらの組み合わせから抽出される発明群であり、主に上記第1の実施の形態の変形例3に基づいて抽出されるものである。
特徴aE1.予め定められた取得条件が成立したことに基づいて特別情報を取得する情報取得手段(主制御装置162における情報取得処理を実行する機能)と、
前記情報取得手段の取得した特別情報を予め定められた所定数を上限として記憶する取得情報記憶手段(保留球格納エリア314b)と、
前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報が付与情報に対応しているか否かの付与判定を行う付与判定手段(主制御装置162における当否判定処理等を実行する機能)と、
前記付与判定手段による付与判定の結果が、判定対象の特別情報が前記付与情報に対応しているとする付与対応結果となったことに基づいて遊技者に有利な特別遊技状態(開閉実行モード)に移行させる特別遊技状態手段(主制御装置162における大入賞口開閉処理を実行する機能)と、
前記付与判定手段により付与判定が行われることに基づいて遊技回用動作が開始され、前記付与判定の判定結果に対応した報知結果とし前記遊技回用動作が終了されることを遊技回の1回として、前記遊技回用動作が行われるように所定の報知手段(図柄表示装置75)を制御する遊技回制御手段(主制御装置162における遊技回制御処理を実行する機能)と、
少なくとも実行前の遊技回の保留数を遊技者が認識できるように保留用報知(保留用画像)を前記所定の報知手段又は当該所定の報知手段とは異なる報知手段(図柄表示装置75、保留ランプ部)にて行う保留用報知手段(演出制御装置143における保留コマンド対応処理を実行する機能)と、
前記情報取得手段により取得された所定の特別情報について当該所定の特別情報が前記付与判定の対象となった場合における判定結果に対応する情報を、その特別情報が前記付与判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて特定する先特定処理を実行する先特定手段(主制御装置162における保留先読み処理を実行する機能)と、
前記先特定処理の結果に基づいて前記保留用報知の報知態様を通常態様(通常表示態様)とは異なる特定態様(特定表示態様)とすることが可能な特定態様手段(演出制御装置143における保留予告用の設定処理、保留予告の第1実行用処理を実行する機能)と、を備え、
前記特別遊技状態とは別に、遊技状態として複数種類の遊技状態(通常遊技状態、高確遊技状態、時短遊技状態)が設定されており、
前記付与判定手段の判定結果が前記付与対応結果となり、前記特別遊技状態が実行された場合、前記複数種類の遊技状態のうちのいずれかの遊技状態に移行させる状態移行手段(主制御装置162における開閉実行モード終了時の移行処理を実行する機能)と、
前記特別遊技状態前に特定態様とされた前記保留用報知について、前記特別遊技状態前の遊技状態と前記特別遊技状態後の遊技状態とが異なる場合に前記特別遊技状態後の報知態様が前記特別遊技状態前の報知態様とは異なる態様となるようにする特定手段(第1の実施の形態の変形例3における演出制御装置143による予告復帰用の設定処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成では、いわゆる保留先読みの結果に基づいて保留用報知の報知態様が特定態様とされるため、付与対応結果となることへの期待度を示唆することができ、遊技者の期待感を好適に喚起することができる。また、本構成では、遊技状態として複数種類の遊技状態が設定され、付与判定手段の判定結果が付与対応結果となり、特別遊技状態が実行された場合、それら複数種類の遊技状態のうちのいずれかの遊技状態に移行される。このように複数種類の遊技状態を設けた構成にあっては、付与判定に用いられる特別情報が同じでも遊技状態によって付与判定の結果や遊技回にて行われる遊技回演出等に差異が生じることがある。この点、本構成では、特別遊技状態の実行前に特定態様とされた保留用報知について、特別遊技状態の実行前と実行後の遊技状態が異なる場合に、特別遊技状態後の報知態様が特別遊技状態前の報知態様と異なるものとされるため、遊技状態の違いに起因する付与判定結果や遊技回演出等が変化しても、保留用報知により遊技者に誤解を与えることが抑制され、移行後の遊技状態における保留用報知を好適に行うことが可能になる。
特徴aE2.前記特定手段は、前記特別遊技状態前の遊技状態と前記特別遊技状態後の遊技状態とが異なる場合、前記特別遊技状態前に特定態様とされた前記保留用報知について、前記特別遊技状態後の報知態様を前記通常態様に設定する手段(ステップSa3504で否定判定した後、ステップSa3417の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴aE1に記載の遊技機。
上記構成では、特別遊技状態後の遊技状態が特別遊技状態前の遊技状態と異なる場合、通常態様に変更されて保留用報知が行われる。これにより、特別遊技状態後において実際の期待度とは整合しない保留用報知が行われ、遊技者の誤解を招くことを好適に抑制できる。また、一律に通常態様とすることで、期待度の変化に合わせた報知態様の細かな調整を不要化することができ、処理構成の簡単化を図ることも可能になる。
特徴aE3.前記特定手段は、
前記通常態様に設定する手段としての第1手段と、
前記第1手段により前記通常態様とされた後、前記通常態様とされた前記保留用報知の報知態様を特定態様とするか否かを判定し、その結果に基づいて当該保留用報知の報知態様を設定する第2手段(保留予告の第3実行用処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴aE2に記載の遊技機。
特別遊技状態前に特定態様とされた保留用報知の報知態様を、特別遊技状態後の遊技状態と特別遊技状態前の遊技状態とが異なることに基づき、特別遊技状態後に通常態様に変更することで、遊技状態の変化に起因する付与判定結果や遊技回演出等の変動を吸収できる反面、その保留用報知に対応する特別情報の期待度を報知又は示唆できなくなってしまう懸念がある。この点、本構成によれば、通常態様とされた保留用報知について、その後に特定態様に変化する機会が付与されるため、事後的に特定態様へと昇格させることができ、期待度を報知等することが可能になる。
特徴aE4.保留されていた遊技回の実行を遊技者が認識できるように前記保留用報知に対応する所定報知(実行表示領域Dに保留用画像を表示すること)が行われる実行用報知部(実行表示領域D)を備え、
前記特定手段は、
前記通常態様に設定する手段としての第1手段と、
前記第1手段により通常態様とされた保留用報知の遊技回において、当該保留用報知に対応する前記所定報知の報知態様を通常態様とは異なる特定態様とするか否かを判定し、その結果に基づいて前記所定報知の報知態様を設定する第2手段(保留予告の第3実行用処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴aE2又は特徴aE3に記載の遊技機。
特別遊技状態前に特定態様とされた保留用報知の報知態様を、特別遊技状態後の遊技状態と特別遊技状態前の遊技状態とが異なることに基づき、特別遊技状態後に通常態様に変更することで、遊技状態の変化に起因する付与判定結果や遊技回演出等の変動を吸収できる反面、その保留用報知に対応する特別情報の期待度を報知又は示唆できなくなってしまう懸念がある。この点、本構成では、通常態様とされた保留用報知について、その保留用報知の遊技回まで遊技が進むことにより特定態様への変更機会が付与される。このため、報知態様が特定態様から通常態様へと変更された場合であっても、事後的に特定態様へと昇格させることができ、期待度を報知等することが可能になる。
特徴aE5.遊技回が実行される場合、当該遊技回の契機である前記付与判定の対象となった特別情報(保留情報)又は当該特別情報から導出される特定情報(変動パターン)に基づいて前記遊技回にて行われる遊技回演出(リーチ演出等)を設定する遊技回演出設定手段(演出制御装置143における特図変動表示用処理を実行する機能)を備え、
前記第2手段は、前記遊技回演出設定手段にて参照される前記特別情報又は前記特定情報に基づいて前記所定報知の報知態様を特定態様とするか否かを判定することを特徴とする特徴aE4に記載の遊技機。
上記構成では、遊技回演出設定手段にて遊技回演出の設定に用いられる特別情報又は特定情報に基づき、所定報知の報知態様を特定態様とするか否かが判定される。これにより、特別遊技状態後の遊技状態と特別遊技状態前の遊技状態とが異なる場合において、特別遊技状態後の遊技回にて実際に行われる遊技回演出に適合させながら、所定報知の報知態様を特定態様に変更することができる。
なお、本特徴を上記特徴aE2に適用する場合、「前記第2手段は、前記遊技回演出設定手段にて参照される前記特別情報又は前記特定情報に基づいて前記所定報知の報知態様を特定態様とするか否かを判定する」を「前記第2手段は、前記所定の記憶部に記憶された情報にかかわらず、前記遊技回演出設定手段にて参照される前記特別情報又は前記特定情報に基づいて前記所定報知の報知態様を特定態様とするか否かを判定する」と表現することができる。
特徴aE6.前記特定態様には、前記付与対応結果となることへの期待度が異なるようにして複数種類の態様(青色表示態様HMb、緑色表示態様HMc、赤色表示態様HMd、虹色表示態様HMe)が設定されており、
前記特別遊技状態の実行前に特定態様とされた前記保留用報知の報知態様に対応する情報を所定の記憶部(RAM344の復帰用エリア344f)に記憶可能な構成となっており、
前記特定手段は、前記特別遊技状態前の遊技状態と前記特別遊技状態後の遊技状態とが同じである場合、前記特別遊技状態前に特定態様とされた前記保留用報知について、前記所定の記憶部に記憶された情報に基づいて前記特別遊技状態後の報知態様を設定する態様設定手段(演出制御装置143における予告復帰用の設定処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴aE1乃至特徴aE5のいずれかに記載の遊技機。
例えば、特別遊技状態後の報知態様を特別遊技状態前に行われた保留先読みの結果に基づいて設定する構成であると、特別遊技状態前の報知態様とは異なる報知態様に設定される懸念がある。この点、本構成では、特定態様の保留用報知が存在する状況で特別遊技状態が実行された場合、そのときの報知態様の情報を記憶し、特別遊技状態後の遊技状態が特別遊技状態前の遊技状態と同じである場合、その記憶された情報に基づいて特別遊技状態後の報知態様を設定する。これにより、特別遊技状態後の報知態様を特別遊技状態前の元の態様に好適に復帰させることが可能になる。
なお、本特徴において「前記特別遊技状態前に特定態様とされた前記保留用報知について、前記所定の記憶部に記憶された情報に基づいて前記特別遊技状態後の報知態様を設定する態様設定手段」を「前記特別遊技状態前に特定態様とされた前記保留用報知について、前記先特定処理の結果にかかわらず、前記所定の記憶部に記憶された情報に基づいて前記特別遊技状態後の報知態様を設定する態様設定手段」と表現することもできる。
特徴aE7.前記特定態様には、前記付与対応結果となることへの期待度が異なるようにして複数種類の態様(青色表示態様HMb、緑色表示態様HMc、赤色表示態様HMd、虹色表示態様HMe)が設定されており、
前記特定手段は、前記特別遊技状態前の遊技状態と前記特別遊技状態後の遊技状態とが同じである場合、前記特別遊技状態前に特定態様とされた前記保留用報知について、前記特別遊技状態後の報知態様を前記特別遊技状態前の報知態様と遊技者が同格であると認識することが可能な所定態様(同じ特定表示態様、同順位の表示態様、同じキャラクタ等)に設定する態様設定手段(演出制御装置143における予告復帰用の設定処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴aE1乃至特徴aE6のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、特別遊技状態後の遊技状態が特別遊技状態前の遊技状態と同じである場合、特別遊技状態後の報知態様を特別遊技状態前の報知態様と遊技者が同格であると認識することが可能な態様とするため、特別遊技状態前において特定態様への変更により遊技者の期待感を喚起した保留用報知について、特別遊技状態後においても同じように期待感を喚起することができる。
特徴aE8.前記特定態様には、前記付与対応結果となることへの期待度が異なるようにして複数種類の態様(青色表示態様HMb、緑色表示態様HMc、赤色表示態様HMd、虹色表示態様HMe)が設定されており、
前記特定手段は、
前記特別遊技状態前の遊技状態と前記特別遊技状態後の遊技状態とが異なる場合、前記特別遊技状態前に特定態様とされた前記保留用報知について、前記特別遊技状態後の報知態様を前記通常態様に設定する第1手段(ステップSa3504で否定判定した後、ステップSa3417の処理を実行する機能)と、
前記特別遊技状態前の遊技状態と前記特別遊技状態後の遊技状態とが同じである場合、前記特別遊技状態前に特定態様とされた前記保留用報知について、前記特別遊技状態後の報知態様を前記特別遊技状態前の報知態様と遊技者が同格であると認識することが可能な所定態様(同じ特定表示態様、同順位の表示態様、同じキャラクタ等)に設定する第2手段(演出制御装置143における予告復帰用の設定処理を実行する機能)と、
を備え、
前記第2手段は、前記特別遊技状態後の報知態様を前記通常態様に設定した後、前記所定態様に設定することが可能な手段(ステップSa3507の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴aE1乃至特徴aE7のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、特別遊技状態後の報知態様を特別遊技状態前の報知態様と同格の態様にする場合に、一旦通常態様としてから同格の態様に変更する。この場合、特別遊技状態後の遊技状態と特別遊技状態前の遊技状態とが同じであるか否かにかかわらず、特別遊技状態が実行されることに伴い、保留用報知の報知態様が特定態様から通常態様に変更される。これにより、遊技状態が相違することに起因して通常態様に変更される場合の不自然さを軽減することが可能になる。また、通常態様となってから特定態様に変化する構成とすることで、遊技状態が相違する場合も含め、特別遊技状態後の遊技状態において、通常態様とされた保留用報知が特定態様に変更されるのではないかとの期待感を喚起することができ、その保留用報知への期待感を持続させることが可能になる。
特徴aE9.前記特定手段は、前記特別遊技状態において又は前記特別遊技状態が終了する場合に、前記特別遊技状態前の遊技状態と前記特別遊技状態後の遊技状態とが同じであるか否かを判定する遊技状態判定手段(ステップSa3416の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴aE1乃至特徴aE8のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、遊技状態が同じであるか否かの同否判定が特別遊技状態の実行中又は特別遊技状態が終了する場合に行われる。これにより、特別遊技状態前に特定態様とされた保留用報知の報知態様を特別遊技状態後に如何なる態様とするかについて、特別遊技状態後に速やかに対応することができる。よって、特別遊技状態後において、その保留用報知よりも前の保留数が少ない状況であっても、当該保留用報知の報知態様を好適に調整することができる。
特徴aE10.遊技球が入球可能又は入球しやすい第1状態(開放状態)と、遊技球が入球不可又は前記第1状態よりも入球しにくい第2状態(閉鎖状態)とに切り替わり可能な可変入球手段(可変入賞装置65)と、
前記可変入球手段を前記第2状態から前記第1状態とし、その後、前記第2状態とする切替制御を実行する切替制御手段(主制御装置162における大入賞口開閉処理を実行する機能)と、
を備え、
前記特別遊技状態は、少なくとも1回の前記切替制御が行われる状態であり、
前記遊技状態判定手段は、前記判定を前記可変入球手段が前記第2状態とされている期間において行うものであることを特徴とする特徴aE9に記載の遊技機。
特別遊技状態において可変入球手段が第1状態となっている場合、可変入球手段への遊技球の入球に基づく演出等を行う必要があるなど処理負荷が比較的高い状態となっていることが想定される。そのような期間を利用して同否判定を行うと、一層の高負荷を招く懸念がある。この点、本構成では、可変入球手段が第2状態とされている期間を利用して同否判定を行うため、処理負荷の軽減を図ることが可能になる。
特徴aE11.前記付与判定手段は、特別情報に含まれる第1情報(大当たり乱数カウンタC1の値)に基づいて前記付与判定を行うものであり、
前記特別情報に含まれる第2情報(変動種別カウンタCSの値)又は当該第2情報から導出される特定情報(変動パターン)に基づいて前記遊技回にて行われる遊技回演出(リーチ演出)を設定する遊技回演出設定手段(演出制御装置143における特図変動表示用処理を実行する機能)を備え、
前記先特定処理は、前記情報取得手段により取得された所定の特別情報に含まれる前記第2情報又は当該第2情報に対応する前記特定情報を、前記所定の特別情報に含まれる前記第1情報が前記付与判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて特定するものであり、
前記複数種類の遊技状態は、第1遊技状態(通常遊技状態、時短遊技状態、高確遊技状態のいずれか)と、所定の第2情報(値が80である変動種別カウンタCS)に対応する遊技回演出又は特定情報が前記第1遊技状態とは異なる第2遊技状態(通常遊技状態、時短遊技状態、高確遊技状態のいずれかであって第1遊技状態とは異なる遊技状態)とを含むものであることを特徴とする特徴aE1乃至特徴aE9のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、特別情報に含まれる第2情報に基づいて遊技回演出が設定されるとともに、第1遊技状態と第2遊技状態とでは、第2情報の値が同じであっても対応する遊技回演出が相違するように構成されている。このため、特別遊技状態後の遊技状態が特別遊技状態前の遊技状態と異なる場合に、保留用報知における特別遊技状態後の報知態様を特別遊技状態前の報知態様と同じにすると、特別遊技状態前と特別遊技状態後とで保留用報知により示唆される遊技回演出が整合しなくなるおそれがある。このような構成に対し、上記特徴aE1から特徴aE9のいずれかの構成を適用することで、それら各特徴を有効に機能させ、上記各効果を好適に発揮させることができる。
特徴aE12.前記特別遊技状態において前記保留用報知を不実行とする手段(ステップSa3411の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴aE1乃至特徴aE10のいずれかに記載の遊技機。
特別遊技状態の終了に伴い保留用報知の報知態様を変更する場合に、それまで行われていた保留用報知を特別遊技状態の終了時に突然、他の態様に変更すると、遊技者が不自然な印象を受ける懸念がある。例えば、保留用報知の報知態様を通常態様や下位の報知態様に格下げする場合等は遊技者の目に付きやすく、不自然な印象を与えやすいことが想定される。この点、本構成では、特別遊技状態において保留用報知が不実行とされるため、報知態様を変更するにあたり、他の保留用報知も含めて保留用報知自体が行われない期間を介在させることができる。これにより、報知態様の変更が目立つことが抑制され、不自然さを緩和することが可能になる。また、特定報知が不実行とされることで、特別遊技状態用の演出に遊技者を注目させやすくなるというメリットもある。
特徴aE13.予め定められた取得条件が成立したことに基づいて特別情報を取得する情報取得手段(主制御装置162における情報取得処理を実行する機能)と、
前記情報取得手段の取得した特別情報を予め定められた所定数を上限として記憶する取得情報記憶手段(保留球格納エリア314b)と、
前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報が付与情報に対応しているか否かの付与判定を行う付与判定手段(主制御装置162における当否判定処理等を実行する機能)と、
前記付与判定手段による付与判定の結果が、判定対象の特別情報が前記付与情報に対応しているとする付与対応結果となったことに基づいて遊技者に有利な特別遊技状態(開閉実行モード)に移行させる特別遊技状態手段(主制御装置162における大入賞口開閉処理を実行する機能)と、
前記付与判定手段により付与判定が行われることに基づいて遊技回用動作が開始され、前記付与判定の判定結果に対応した報知結果とし前記遊技回用動作が終了されることを遊技回の1回として、前記遊技回用動作が行われるように所定の報知手段(図柄表示装置75)を制御する遊技回制御手段(主制御装置162における遊技回制御処理を実行する機能)と、
少なくとも実行前の遊技回の保留数を遊技者が認識できるように保留用報知(保留用画像)を前記所定の報知手段又は当該所定の報知手段とは異なる報知手段(図柄表示装置75、保留ランプ部)にて行う保留用報知手段(演出制御装置143における保留コマンド対応処理を実行する機能)と、
前記情報取得手段により取得された所定の特別情報について当該所定の特別情報が前記付与判定の対象となった場合における判定結果に対応する情報を、その特別情報が前記付与判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて特定する先特定処理を実行する先特定手段(主制御装置162における保留先読み処理を実行する機能)と、
前記先特定処理の結果に基づいて前記保留用報知の報知態様を通常態様(通常表示態様)とは異なる特定態様(特定表示態様)とすることが可能な特定態様手段(演出制御装置143における保留予告用の設定処理、保留予告の第1実行用処理を実行する機能)と、を備え、
前記特別遊技状態とは別に、遊技状態として複数種類の遊技状態(通常遊技状態、高確遊技状態、時短遊技状態)が設定されており、
前記付与判定手段の判定結果が前記付与対応結果となり、前記特別遊技状態が実行された場合、前記複数種類の遊技状態のうちのいずれかの遊技状態に移行させる状態移行手段(主制御装置162における開閉実行モード終了時の移行処理を実行する機能)と、
前記特別遊技状態前に特定態様とされた前記保留用報知について、前記特別遊技状態後の報知態様を、前記特別遊技状態前の遊技状態と前記特別遊技状態後の遊技状態とが同じである場合とそうでない場合とで異ならせる特定手段(第1の実施の形態の変形例3における演出制御装置143による予告復帰用の設定処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成では、いわゆる保留先読みの結果に基づいて保留用報知の報知態様が特定態様とされるため、付与対応結果となることへの期待度を示唆することができ、遊技者の期待感を好適に喚起することができる。また、本構成では、遊技状態として複数種類の遊技状態が設定され、付与判定手段の判定結果が付与対応結果となり、特別遊技状態が実行された場合、それら複数種類の遊技状態のうちのいずれかの遊技状態に移行される。このように複数種類の遊技状態を設けた構成にあっては、付与判定に用いられる特別情報が同じでも遊技状態によって付与判定の結果や遊技回にて行われる遊技回演出等に差異が生じることがある。この点、本構成では、特別遊技状態の実行前に特定態様とされた保留用報知について、特別遊技状態後の遊技状態での報知態様を、特別遊技状態の実行前と実行後の遊技状態が同じであるか否かによって異ならせるため、遊技状態の違いに起因する付与判定結果や遊技回演出等の変化を踏まえて報知態様を設定することができ、移行後の遊技状態における保留用報知を好適に行うことが可能になる。
特徴aE14.前記特定態様には、前記付与対応結果となることへの期待度が異なるようにして複数種類の態様(青色表示態様HMb、緑色表示態様HMc、赤色表示態様HMd、虹色表示態様HMe)が設定されており、
前記特別遊技状態の実行前に特定態様とされた前記保留用報知の報知態様に対応する情報を所定の記憶部(RAM344の復帰用エリア344f)に記憶可能な構成となっており、
前記特定手段は、前記特別遊技状態前の遊技状態と前記特別遊技状態後の遊技状態とが同じである場合、前記特別遊技状態前に特定態様とされた前記保留用報知について、前記所定の記憶部に記憶された情報に基づいて前記特別遊技状態後の報知態様を設定する態様設定手段(演出制御装置143における予告復帰用の設定処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴aE13に記載の遊技機。
例えば、特別遊技状態後の報知態様を特別遊技状態前に行われた保留先読みの結果に基づいて設定する構成であると、特別遊技状態前の報知態様とは異なる報知態様に設定される懸念がある。この点、本構成では、特定態様の保留用報知が存在する状況で特別遊技状態が実行された場合、そのときの報知態様の情報を記憶し、特別遊技状態後の遊技状態が特別遊技状態前の遊技状態と同じである場合、その記憶された情報に基づいて特別遊技状態後の報知態様を設定する。これにより、特別遊技状態後の報知態様を特別遊技状態前の元の態様に好適に復帰させることが可能になる。
なお、本特徴において「前記特別遊技状態前に特定態様とされた前記保留用報知について、前記所定の記憶部に記憶された情報に基づいて前記特別遊技状態後の報知態様を設定する態様設定手段」を「前記特別遊技状態前に特定態様とされた前記保留用報知について、前記先特定処理の結果にかかわらず、前記所定の記憶部に記憶された情報に基づいて前記特別遊技状態後の報知態様を設定する態様設定手段」と表現することもできる。
特徴aE15.前記特定態様には、前記付与対応結果となることへの期待度が異なるようにして複数種類の態様(青色表示態様HMb、緑色表示態様HMc、赤色表示態様HMd、虹色表示態様HMe)が設定されており、
前記特定手段は、前記特別遊技状態前の遊技状態と前記特別遊技状態後の遊技状態とが同じである場合、前記特別遊技状態前に特定態様とされた前記保留用報知について、前記特別遊技状態後の報知態様を前記特別遊技状態前の報知態様と遊技者が同格であると認識することが可能な所定態様(同じ特定表示態様、同順位の表示態様、同じキャラクタ等)に設定する態様設定手段(演出制御装置143における予告復帰用の設定処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴aE13又は特徴aE14に記載の遊技機。
上記構成では、特別遊技状態後の遊技状態が特別遊技状態前の遊技状態と同じである場合、特別遊技状態後の報知態様を特別遊技状態前の報知態様と遊技者が同格であると認識することが可能な態様とするため、特別遊技状態前において特定態様への変更により遊技者の期待感を喚起した保留用報知について、特別遊技状態後においても同じように期待感を喚起することができる。
特徴aE16.前記特定手段は、前記特別遊技状態前の遊技状態と前記特別遊技状態後の遊技状態とが異なる場合、前記特別遊技状態前に特定態様とされた前記保留用報知について、前記特別遊技状態後の報知態様を前記通常態様に設定する手段(ステップSa3504で否定判定した後、ステップSa3417の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴aE13乃至特徴aE15のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、特別遊技状態後の遊技状態が特別遊技状態前の遊技状態と異なる場合、通常態様に変更されて保留用報知が行われる。これにより、特別遊技状態後において実際の期待度とは整合しない保留用報知が行われ、遊技者の誤解を招くことを好適に抑制できる。また、一律に通常態様とすることで、期待度の変化に合わせた報知態様の細かな調整を不要化することができ、処理構成の簡単化を図ることも可能になる。
特徴aE17.保留されていた遊技回の実行を遊技者が認識できるように前記保留用報知に対応する所定報知(実行表示領域Dに保留用画像を表示すること)が行われる実行用報知部(実行表示領域D)を備え、
前記特定手段は、
前記通常態様に設定する手段としての第1手段と、
前記第1手段により通常態様とされた保留用報知の遊技回において、当該保留用報知に対応する前記所定報知の報知態様を通常態様とは異なる特定態様とするか否かを判定し、その結果に基づいて前記所定報知の報知態様を設定する第2手段(保留予告の第3実行用処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴aE16に記載の遊技機。
特別遊技状態前に特定態様とされた保留用報知の報知態様を、特別遊技状態後の遊技状態と特別遊技状態前の遊技状態とが異なることに基づき、特別遊技状態後に通常態様に変更することで、遊技状態の変化に起因する付与判定結果や遊技回演出等の変動を吸収できる反面、その保留用報知に対応する特別情報の期待度を報知又は示唆できなくなってしまう懸念がある。この点、本構成では、通常態様とされた保留用報知について、その保留用報知の遊技回まで遊技が進むことにより特定態様への変更機会が付与される。このため、報知態様が特定態様から通常態様へと変更された場合であっても、事後的に特定態様へと昇格させることができ、期待度を報知等することが可能になる。
特徴aE18.遊技回が実行される場合、当該遊技回の契機である前記付与判定の対象となった特別情報(保留情報)又は当該特別情報から導出される特定情報(変動パターン)に基づいて前記遊技回にて行われる遊技回演出(リーチ演出等)を設定する遊技回演出設定手段(演出制御装置143における特図変動表示用処理を実行する機能)を備え、
前記第2手段は、前記遊技回演出設定手段にて参照される前記特別情報又は前記特定情報に基づいて前記所定報知の報知態様を特定態様とするか否かを判定することを特徴とする特徴aE17に記載の遊技機。
上記構成では、遊技回演出設定手段にて遊技回演出の設定に用いられる特別情報又は特定情報に基づき、所定報知の報知態様を特定態様とするか否かが判定される。これにより、特別遊技状態後の遊技状態と特別遊技状態前の遊技状態とが異なる場合において、特別遊技状態後の遊技回にて実際に行われる遊技回演出に適合させながら、所定報知の報知態様を特定態様に変更することができる。
なお、本特徴を上記特徴aE2に適用する場合、「前記第2手段は、前記遊技回演出設定手段にて参照される前記特別情報又は前記特定情報に基づいて前記所定報知の報知態様を特定態様とするか否かを判定する」を「前記第2手段は、前記所定の記憶部に記憶された情報にかかわらず、前記遊技回演出設定手段にて参照される前記特別情報又は前記特定情報に基づいて前記所定報知の報知態様を特定態様とするか否かを判定する」と表現することができる。
特徴aE19.前記特定態様には、前記付与対応結果となることへの期待度が異なるようにして複数種類の態様(青色表示態様HMb、緑色表示態様HMc、赤色表示態様HMd、虹色表示態様HMe)が設定されており、
前記特定手段は、
前記特別遊技状態前の遊技状態と前記特別遊技状態後の遊技状態とが同じである場合、前記特別遊技状態前に特定態様とされた前記保留用報知について、前記特別遊技状態後の報知態様を前記特別遊技状態前の報知態様と遊技者が同格であると認識することが可能な所定態様(同じ特定表示態様、同順位の表示態様、同じキャラクタ等)に設定する第1手段(演出制御装置143における予告復帰用の設定処理を実行する機能)と、
前記特別遊技状態前の遊技状態と前記特別遊技状態後の遊技状態とが異なる場合、前記特別遊技状態前に特定態様とされた前記保留用報知について、前記特別遊技状態後の報知態様を前記通常態様に設定する第2手段(ステップSa3504で否定判定した後、ステップSa3417の処理を実行する機能)と、
を備え、
前記第1手段は、前記特別遊技状態後の報知態様を前記通常態様に設定した後、前記所定態様に設定することが可能な手段(ステップSa3507の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴aE13乃至特徴aE18のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、特別遊技状態後の報知態様を特別遊技状態前の報知態様と同格の態様にする場合に、一旦通常態様としてから同格の態様に変更する。この場合、特別遊技状態後の遊技状態と特別遊技状態前の遊技状態とが同じであるか否かにかかわらず、特別遊技状態が実行されることに伴い、保留用報知の報知態様が特定態様から通常態様に変更される。これにより、遊技状態が相違することに起因して通常態様に変更される場合の不自然さを軽減することが可能になる。また、通常態様となってから特定態様に変化する構成とすることで、遊技状態が相違する場合も含め、特別遊技状態後の遊技状態において、通常態様とされた保留用報知が特定態様に変更されるのではないかとの期待感を喚起することができ、その保留用報知への期待感を持続させることが可能になる。
なお、上記特徴aE13から特徴aE19に対して上記特徴aE9から特徴aE12の構成を適用することが可能である。この場合、これらの構成を適用したことによる更なる効果を奏することができる。
なお、上記特徴aE1乃至特徴aE19の各構成に対して、特徴aA1乃至特徴aA14、特徴aB1乃至特徴aB14、特徴aC1乃至特徴aC9、特徴aD1乃至特徴aD10、特徴aE1乃至特徴aE19、特徴aF1乃至特徴aF12、特徴aG1乃至特徴aG15、特徴aH1乃至特徴aH11、特徴aI1乃至特徴aI12のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴aF群>
特徴aF群は、上述した各実施の形態や各変形例又はこれらの組み合わせから抽出される発明群であり、主に上記第1の実施の形態の変形例4に基づいて抽出されるものである。
特徴aF1.予め定められた取得条件が成立したことに基づいて特別情報を取得する情報取得手段(主制御装置162における情報取得処理を実行する機能)と、
前記情報取得手段の取得した特別情報(保留情報)を予め定められた所定数を上限として記憶する取得情報記憶手段(保留球格納エリア314b)と、
前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報が付与情報に対応しているか否かの付与判定を行う付与判定手段(主制御装置162における当否判定処理等を実行する機能)と、
前記情報取得手段により取得された所定の特別情報に対応する特定報知(保留用画像の表示)を当該所定の特別情報が前記付与判定の対象となるよりも前に実行する特定報知手段(演出制御装置143における保留予告の第1実行用処理を実行する機能)と、
を備え、
前記所定の特別情報について当該所定の特別情報が前記付与判定の対象となった場合における判定結果に対応する情報(変動パターン等)を、その特別情報が前記付与判定の対象となるよりも前の所定タイミング(保留情報の取得タイミング)において特定する第1先特定手段(第1の実施の形態の変形例4において演出制御装置143による第1保留先読み処理を実行する機能)と、
前記所定の特別情報に対応する特定報知の実行中に所定事象(開閉実行モード等)が発生した場合、前記所定の特別情報について当該所定の特別情報が前記付与判定の対象となった場合における判定結果に対応する情報(変動パターン等)を、前記所定事象後である特定タイミング(開閉実行モードの終了タイミング等)において特定する第2先特定手段(第1の実施の形態の変形例4において演出制御装置143による第2保留先読み処理を実行する機能)と、
を備え、
前記特定報知手段は、
前記第1先特定手段の特定結果に基づいて前記所定事象前における前記所定の特別情報に対応する特定報知の報知態様を設定する第1手段(演出制御装置143における保留予告用の設定処理を実行する機能)と、
前記第2先特定手段の特定結果に基づいて前記所定事象後における前記所定の特別情報に対応する特定報知の報知態様を設定する第2手段(演出制御装置143における予告復帰用の設定処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成では、いわゆる先読み処理の結果に基づいて特定報知が行われるため、特定報知により付与対応結果となることへの期待度を示唆することができ、遊技者の期待感を好適に喚起することができる。このような構成において、所定事象の発生に伴い状態が変化し、付与判定に用いる特別情報の値が同じであっても、所定事象の前後で付与判定の結果等に差異が生じることがある。この点、本構成では、特定報知の実行中に所定事象が発生した場合、その特定報知の契機となった特別情報を対象として所定事象後に改めて先読み処理を実行し、その結果に基づいて特定報知の報知態様を設定する。このため、所定事象前に行われていた特定報知の報知態様を所定事象後に適した態様となるように調整することができ、所定事象後における特定報知を好適に行うことが可能になる。
特徴aF2.前記付与判定手段により付与判定が行われることに基づいて遊技回用動作が開始され、前記付与判定の判定結果に対応した報知結果とし前記遊技回用動作が終了されることを遊技回の1回として、前記遊技回用動作が行われるように制御する遊技回制御手段(主制御装置162における遊技回制御処理を実行する機能)を備え、
前記特定報知手段は、前記特定報知を遊技回を跨いで実行することが可能に構成されていることを特徴とする特徴aF1に記載の遊技機。
上記構成では、特定報知が比較的長い期間に亘って行われるため、特定報知の実行中に所定事象が発生する事態を招きやすい。このような構成に対し、上記特徴aF1の構成を適用することで、その特徴を有効に機能させ、上記効果を好適に発揮させることができる。
特徴aF3.前記所定事象前と前記所定事象後とで、前記付与情報(大当たりに対応する乱数値)又は前記付与判定手段での判定条件(当選確率)が異なり得るように構成されていることを特徴とする特徴aF1又は特徴aF2に記載の遊技機。
上記構成では、特別情報の値が同じであっても、所定事象前と所定事象後とで付与判定の結果に差異が生じ得る。このため、所定事象前の報知態様で所定事象後の特定報知を行うと、遊技回で実際に報知される報知結果(付与判定の結果)とは異なる結果を示唆する事態を招く懸念がある。このような構成に対し、上記特徴aF1又は特徴aF2の構成を適用することで、遊技回での実際の報知結果と整合するように報知態様を調整して所定事象後の報知を行うことができ、所定事象後における特定報知を好適に行うことが可能になる。
特徴aF4.前記第2先特定手段は、前記所定事象後に対応する前記付与情報又は前記判定条件を適用して前記特定を行うことを特徴とする特徴aF3に記載の遊技機。
上記構成では、特定報知の契機となった特別情報を対象として所定事象後に改めて先読み処理を実行する場合に、所定事象後の状態に対応する付与情報や判定条件が適用されて先読み処理が行われる。これにより、所定事象前に行われていた特定報知について、遊技回での実際の報知結果と整合するように報知態様を調整して所定事象後の報知を行うことができ、所定事象後における特定報知を好適に行うことが可能になる。
特徴aF5.前記付与判定手段により付与判定が行われることに基づいて遊技回用動作が開始され、前記付与判定の判定結果に対応した報知結果とし前記遊技回用動作が終了されることを遊技回の1回として、前記遊技回用動作が行われるように遊技回制御手段(主制御装置162における遊技回制御処理を実行する機能)と、
特別情報(保留情報)又は当該特別情報から導出される特定情報(変動パターン)に基づいて遊技回にて行われる遊技回演出(リーチ演出等)を設定する遊技回演出設定手段(演出制御装置143における特図変動表示用処理を実行する機能)と、
を備え、
所定の特別情報又は当該所定の特別情報から導出される所定の特定情報(値が80の変動パターン)に対応する遊技回演出が前記所定事象前と前記所定事象後とで異なり得るように構成されていることを特徴とする特徴aF1乃至特徴aF4のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、特別情報又は特定情報の値が同じであっても、所定事象前と所定事象後とで遊技回設定手段により設定される遊技回演出に差異が生じ得る。このため、所定事象前の報知態様で所定事象後の特定報知を行うと、遊技回で実際に行われる遊技回演出とは別の演出を示唆する事態を招く懸念がある。このような構成に対し、上記特徴aF1から特徴aF4のいずれかに記載の構成を適用することで、所定事象前に行われていた特定報知について、実際の遊技回演出と整合するように報知態様を調整して所定事象後の報知を行うことができ、所定事象後における特定報知を好適に行うことが可能になる。
特徴aF6.前記第1先特定手段及び前記第2先特定手段は、前記判定結果に対応する情報として、前記所定の特別情報に対応する遊技回演出又は前記所定の特別情報に対応する特定情報を特定する手段を備え、
前記第2先特定手段は、前記所定事象後に対応させて前記所定の特別情報に対応する遊技回演出又は前記所定の特別情報に対応する特定情報を特定することを特徴とする特徴aF5に記載の遊技機。
上記構成では、特定報知の契機となった特別情報を対象として所定事象後に改めて先読み処理を実行する場合に、所定事象後の状態に対応させて遊技回演出や特定情報が先読みされる。これにより、所定事象前に行われていた特定報知について、実際の遊技回演出と整合するように報知態様を調整して所定事象後の報知を行うことができ、所定事象後における特定報知を好適に行うことが可能になる。
特徴aF7.前記第2手段は、前記所定事象前の報知態様と前記第2先特定手段の特定結果とに基づいて前記所定事象後の報知態様を設定することを特徴とする特徴aF1乃至特徴aF6のいずれかに記載の遊技機。
例えば、所定事象の発生に伴い特定報知の報知態様が頻繁に変化する構成であると、遊技者が違和感を抱く懸念がある。この点、本構成では、第2先特定手段の特定結果だけではなく、所定事象前の報知態様も加味して所定事象後の報知態様を設定するため、例えば、所定事象前の報知態様を第2先特定手段の特定結果に照らし、所定事象後も同じ態様としても支障がなければ、所定事象前の報知態様を引き継いで特定報知を行うことができる。これにより、所定事象を境として報知態様が過度に変化することを抑制でき、自然な態様で所定事象後の特定報知を実行することが可能になる。
特徴aF8.前記特定報知には、前記付与判定の結果が前記付与情報に対応しているとする付与判定結果となることへの期待度が異なるようにして複数種類の態様(通常表示態様HMa、青色表示態様HMb、緑色表示態様HMc、赤色表示態様HMd、虹色表示態様HMe)が設定されており、
前記第2手段は、前記所定事象前の報知態様と前記第2先特定手段の特定結果とに基づいて、前記所定事象後の報知態様を前記所定事象前の報知態様と遊技者が同格であると認識することが可能な所定態様(同じ特定表示態様、同順位の表示態様、同じキャラクタ等)とするか否かを判定する態様判定手段(ステップSa4703~ステップSa4705の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴aF7に記載の遊技機。
上記構成では、特定報知の報知態様として、付与対応結果となることへの期待度が異なるようにして複数種類の態様が設定されている。このように期待度を段階的に設定して多数の報知態様を設けた構成にあっては、1の報知態様が対応する期待度の範囲が狭くなるため、所定事象前の報知態様で所定事象後の特定報知を行うと、所定事象の前後で示唆する期待度に差異が生じやすい。この点、本構成では、所定事象前の報知態様と第2先特定手段の特定結果とに基づいて、所定事象後の報知態様を所定事象前の報知態様と遊技者が同格であると認識することが可能な態様とするか否かを判定するため、多数の報知態様が設定されている状況でも、期待度を整合させて所定事象後の特定報知を好適に行うことが可能になる。
特徴aF9.前記第2手段は、前記態様判定手段により前記所定態様にしないと判定された場合、前記所定事象後の報知態様を通常態様(通常表示態様HMa)又は前記所定事象前の報知態様より下位の報知態様に設定する手段(ステップSa4706で否定判定した後、ステップSa3417の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴aF8に記載の遊技機。
上記構成では、同格の態様としないと判定された場合、判定対象となった特定報知の報知態様を通常態様又は下位の報知態様とするため、所定事象後の報知態様が所定事象前で対応する期待度を超えることを抑制でき、所定事象後の特定報知を好適に行うことが可能になる。
特徴aF10.前記付与判定手段により付与判定が行われることに基づいて遊技回用動作が開始され、前記付与判定の判定結果に対応した報知結果とし前記遊技回用動作が終了されることを遊技回の1回として、前記遊技回用動作が行われるように制御する遊技回制御手段(主制御装置162における遊技回制御処理を実行する機能)と、
少なくとも実行前の遊技回の保留数を遊技者が認識できるように保留用報知(保留用画像)を行う保留用報知手段(演出制御装置143における保留コマンド対応処理を実行する機能)と、
を備え、
前記特定報知は前記保留用報知であることを特徴とする特徴aF1乃至特徴aF9のいずれかに記載の遊技機。
保留用報知を利用して特定報知を行う場合、特定報知の実行期間が比較的長く、特定報知の実行中に所定事象が発生する事態が生じやすくなる。加えて、特定報知が示唆する期待度の対象がいずれの特別情報であるかが明確となるため、所定事象の前後で期待度に差異が生じる場合の影響が大きいことが想定される。このような構成に対し、上記特徴aF1から特徴aF9のいずれかの構成を適用することで、それら各特徴を有効に機能させ、上記各効果を好適に発揮させることができる。
特徴aF11.前記付与判定手段による付与判定の結果が、判定対象の特別情報が前記付与情報に対応しているとする付与対応結果となったことに基づいて遊技者に有利な特別遊技状態(開閉実行モード)に移行させる特別遊技状態(主制御装置162における大入賞口開閉処理を実行する機能)と、
前記特別遊技状態とは別に、遊技状態として複数種類の遊技状態(通常遊技状態、高確遊技状態、時短遊技状態)が設定されており、
前記付与判定手段の判定結果が前記付与対応結果となり、前記特別遊技状態が実行された場合、前記複数種類の遊技状態のうちのいずれかの遊技状態に移行させる状態移行手段(主制御装置162における開閉実行モード終了時の移行処理を実行する機能)と、
を備え、
前記所定事象は前記特別遊技状態であることを特徴とする特徴aF1乃至特徴aF10のいずれかに記載の遊技機。
特別遊技状態への移行を契機として、通常遊技状態、高確遊技状態、時短遊技状態等の遊技状態に移行する遊技機がある。このような遊技機では、特別遊技状態前の遊技状態と特別遊技状態後の遊技状態とで、付与判定に用いる特別情報の値が同じであっても、特別遊技状態の前後で付与判定の結果等に差異が生じることがある。このような構成に対し、上記特徴aF1から特徴aF10のいずれかの構成を適用することで、それら各特徴を有効に機能させ、上記各効果を好適に発揮させることができる。
特徴aF12.特定報知の実行中に前記特別遊技状態に移行した場合、当該特別遊技状態において前記特定報知を不実行とする手段(ステップSa3411の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴aF11に記載の遊技機。
特別遊技状態の終了に伴い特定報知の報知態様を変更する場合に、それまで行われていた特定報知を特別遊技状態の終了時に突然、他の態様に変更すると、遊技者が不自然な印象を受ける懸念がある。例えば、特定報知の報知態様を通常態様や下位の報知態様に格下げする場合等は遊技者の目に付きやすく、不自然な印象を与えやすいことが想定される。この点、本構成では、特別遊技状態において特定報知が不実行とされるため、報知態様を変更するにあたって特定報知自体が行われない期間を介在させることができる。これにより、報知態様の変更が目立つことが抑制され、不自然さを緩和することが可能になる。また、特定報知が不実行とされることで、特別遊技状態用の演出に遊技者を注目させやすくなるというメリットもある。
なお、上記特徴aF1乃至特徴aF12の各構成に対して、特徴aA1乃至特徴aA14、特徴aB1乃至特徴aB14、特徴aC1乃至特徴aC9、特徴aD1乃至特徴aD10、特徴aE1乃至特徴aE19、特徴aF1乃至特徴aF12、特徴aG1乃至特徴aG15、特徴aH1乃至特徴aH11、特徴aI1乃至特徴aI12のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴aG群>
特徴aG群は、上述した各実施の形態や各変形例又はこれらの組み合わせから抽出される発明群であり、主に上記第1の実施の形態の変形例5~変形例6に基づいて抽出されるものである。
特徴aG1.予め定められた取得条件が成立したことに基づいて特別情報を取得する情報取得手段(主制御装置162における情報取得処理を実行する機能)と、
前記情報取得手段の取得した特別情報を予め定められた所定数を上限として記憶する取得情報記憶手段(保留球格納エリア314b)と、
前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報が付与情報に対応しているか否かの付与判定を行う付与判定手段(主制御装置162における当否判定処理等を実行する機能)と、
前記付与判定手段による付与判定の結果が、判定対象の特別情報が前記付与情報に対応しているとする付与対応結果となったことに基づいて、遊技者に対して特典を付与可能な特典付与手段(主制御装置162における大入賞口開閉処理を実行する機能)と、
前記情報取得手段により取得された所定の特別情報について当該所定の特別情報が前記付与判定の対象となった場合における判定結果に対応する情報を、その特別情報が前記付与判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて特定する先特定処理を実行する先特定手段(主制御装置162における保留先読み処理を実行する機能)と、
前記先特定処理の結果に基づいて所定の報知手段(図柄表示装置75)にて特定報知(保留予告演出)が実行されるようにする第1特定報知手段(演出制御装置143における保留予告用の設定処理、保留予告の第1実行用処理を実行する機能)と、
を備え、
前記第1特定報知手段は、前記特定報知の報知態様を複数種類の報知態様(青色表示態様HMb、緑色表示態様HMc、赤色表示態様HMd、虹色表示態様HMe)のいずれかの態様に設定する第1報知態様設定手段(演出制御装置143における保留予告用の設定処理を実行する機能)を備え、前記第1報知態様設定手段の設定結果に基づいて前記特定報知を実行するように構成されており、
前記特定報知の実行中に所定の異常(電断状態)が発生した場合、前記所定の異常が解消された後に前記特定報知を再実行する第2特定報知手段(第1の実施の形態の変形例5において演出制御装置143による保留予告の復帰用処理を実行する機能、第1の実施の形態の変形例6において演出制御装置143による演出設定処理を実行する機能)を備え、
前記第2特定報知手段は、所定の異常が解消した後に再実行される前記特定報知の報知態様を、所定の異常が発生する前の前記特定報知の報知態様、所定の異常が発生する前に実行された前記先特定処理の結果、又は所定の異常が解消した後に行われる前記先特定処理の結果に基づいて設定する第2報知態様設定手段(第1の実施の形態の変形例5~変形例6において演出制御装置143による表示態様の設定処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成では、いわゆる先読み処理の結果に基づいて特定報知が行われるため、特定報知により付与対応結果となることへの期待度を示唆することができ、遊技者の期待感を好適に喚起することができる。その際、特定報知の報知態様として複数種類の態様が設定されるため、それら複数種類の態様のいずれかに設定して特定報知を実行することにより、上記期待度に大小を付与して示唆することができる。このような構成の下、特定報知が行われている状況で所定の異常が発生し、その後、当該異常が解消された場合には、異常発生前に実行されていた特定報知が再実行される。これにより、異常解消後に特定報知を復帰させることができ、異常の発生により特定報知が消滅してしまうことが抑制される。その際、再実行される特定報知の報知態様が異常発生前の報知態様、異常発生前に行われた先読み結果又は異常発生後に改めて行われる先読み結果に基づいて設定されるため、異常発生前に行われていた特定報知を好適に復帰させることが可能になる。
特徴aG2.特定報知の実行中に前記所定の異常が発生した場合、当該特定報知が不実行となるように構成されていることを特徴とする特徴aG1に記載の遊技機。
異常の発生により特定報知が不実行となる構成では、特定報知だけでなく、その特定報知に付随する期待度までが消滅してしまったのではないかとの遊技者の不安感を招きやすい。このような構成に対し、上記特徴aG1の構成を適用することで、その特徴を有効に機能させ、上記効果を好適に発揮させることができる。
特徴aG3.前記第2報知態様設定手段は、前記所定の異常が解消してから前記特定報知の契機となった特別情報が前記付与判定手段による前記付与判定の対象となるまでの期間における所定タイミングで前記設定を行うことを特徴とする特徴aG1又は特徴aG2に記載の遊技機。
上記構成では、再実行される特定報知の報知態様が異常解消から当該特定報知の契機となった特別情報の遊技回が開始されるまでの期間において設定される。このため、特別情報の遊技回が開始される前に特定報知の報知態様を異常発生前の態様に復帰させることができ、当該遊技回の前に期待度を示唆することが可能になる。
特徴aG4.前記第2特定報知手段は、前記再実行される前記特定報知の報知態様を所定の異常が発生する前の前記特定報知の報知態様に基づいて設定するものであり、
特定報知の報知態様に対応する情報(保留用画像に関する情報)を所定の記憶部(バックアップRAM345)に記憶可能な構成とされており、
前記所定の異常が発生した場合、前記所定の記憶部に記憶された情報を保持可能に構成されていることを特徴とする特徴aG1乃至特徴aG3のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、特定報知の報知態様に対応する情報が所定の記憶部に記憶されるとともに、当該記憶部に記憶された情報が異常発生時に消失せずに保持される。このため、異常解消後において上記記憶部の情報に基づいて特定報知の報知態様を決定することができ、異常解消後の特定報知を好適に行うことが可能になる。
特徴aG5.前記第2特定報知手段は、前記再実行される前記特定報知の報知態様を所定の異常が発生する前の前記特定報知の報知態様に基づいて設定するものであり、
前記特定報知は、前記付与対応結果となることへの期待度が異なるようにして前記複数種類の報知態様が設定されており、
所定の異常が発生する前の前記特定報知の報知態様が予め定められた所定態様(緑色表示態様HMc)より上位の報知態様である場合、前記再実行される前記特定報知の報知態様を前記所定態様以下の報知態様に設定するか(ステップSa5407の処理を実行する機能)、又は前記特定報知を不実行とする(異常解消後の保留予告演出を不実行とする機能)特定手段を備えていることを特徴とする特徴aG1乃至特徴aG4のいずれかに記載の遊技機。
例えば、異常の影響により取得情報記憶手段に記憶されていた特別情報に変化が生じた場合、異常発生前に行われた先読み結果と、異常解消後に行われる付与判定の結果とに不整合が生じる。このような場合に、異常発生前において特定報知により高い期待度を示唆しており、異常解消後もそれをそのまま再実行すると、遊技回での報知結果(付与判定の結果)や遊技回で行われる遊技回演出が、特定報知により示唆される期待度と整合しないものとなり、遊技者に不愉快な印象を与える懸念がある。この点、上記構成では、異常発生時に行われていた特定報知の報知態様が所定以上の態様であり、ある程度の期待度を示唆していた場合は、下位の報知態様に制限して特定報知を再実行するか、特定報知自体を不実行とする。これにより、遊技回での報知結果等に適合しない期待度が特定報知により示唆されることが抑制され、上記不都合の発生を好適に抑制することが可能になる。
特徴aG6.前記所定の異常が発生した場合、前記取得情報記憶手段に記憶された特別情報を保持可能に構成されており、
前記所定の異常が解消された後に前記特定報知の契機となった特別情報が前記付与判定手段による前記付与判定の対象となった場合、前記特定手段により前記所定態様以下の報知態様に設定された特定報知又は不実行とされた特定報知の報知態様を前記付与判定手段の判定結果に基づいて設定する設定手段(演出制御装置143における保留予告の第4実行用処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴aG5に記載の遊技機。
上記構成では、所定解消後において下位の報知態様に制限されて特定報知が再実行されたり、特定報知が不実行とされたりした場合でも、特定報知の契機となった特別情報が付与判定の対象となることで、特定報知の報知態様が再設定されたり、不実行とされた特定報知が実行されたりする。このため、示唆される期待度が低く抑えられた状態のままとなったり、特定報知が完全に消失してしまったりすることが回避される。その際、付与判定の結果に基づいて報知態様の再設定等が行われるため、遊技回での報知結果等と整合する適切な態様とされた状態で特定報知を実行することができる。
特徴aG7.前記第2特定報知手段は、前記再実行される前記特定報知の報知態様を所定の異常が発生する前に実行された前記先特定処理の結果に基づいて設定するものであり、
前記先特定処理の結果に対応する情報(変動パターン等)を所定の記憶部(RAM344)に記憶可能な構成とされており、
前記所定の異常が発生した場合、前記所定の記憶部に記憶された情報を保持可能に構成されていることを特徴とする特徴aG1乃至特徴aG6のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、先読み結果に対応する情報が所定の記憶部に記憶されるとともに、当該記憶部に記憶された情報が異常発生時に消失せずに保持される。このため、異常解消後において上記記憶部の情報に基づいて特定報知の報知態様を決定することができ、異常解消後の特定報知を好適に行うことが可能になる。
特徴aG8.前記第2特定報知手段は、前記再実行される前記特定報知の報知態様を所定の異常が発生する前に実行された前記先特定処理の結果に基づいて設定するものであり、
前記特定報知は、前記付与対応結果となることへの期待度が異なるようにして前記複数種類の報知態様が設定されており、
前記所定の異常の発生前において前記先特定手段の特定結果が所定結果(当たり結果)となった場合、前記特定報知の報知態様を所定態様(緑色表示態様HMc)より上位の報知態様(赤色表示態様HMd、虹色表示態様HMe)とすることが許容されており、
前記再実行される前記特定報知の報知態様を前記所定態様以下の報知態様に制限して設定するか(ステップSa6303の処理を実行する機能)、又は所定の異常が発生する前に実行された前記先特定処理の結果が所定結果である場合、前記特定報知を不実行とする(異常解消後の保留予告演出を不実行とする機能)特定手段を備えていることを特徴とする特徴aG1乃至特徴aG7のいずれかに記載の遊技機。
例えば、異常の影響により取得情報記憶手段に記憶されていた特別情報に変化が生じた場合、異常発生前に行われた先読み結果と、異常解消後に行われる付与判定の結果とに不整合が生じる。このような場合に、異常発生前において特定報知により高い期待度を示唆しており、異常解消後もそれをそのまま再実行すると、遊技回での報知結果(付与判定の結果)や遊技回で行われる遊技回演出が、特定報知により示唆される期待度と整合しないものとなり、遊技者に不愉快な印象を与える懸念がある。この点、上記構成では、異常解消後の特定報知を所定態様以下に制限して実行するか、異常発生前の先読み結果が所定結果である場合、異常解消後の特定報知を不実行とするため、遊技回での報知結果等に適合しない期待度が特定報知により示唆されることが抑制され、上記不都合の発生を好適に抑制することが可能になる。
特徴aG9.前記所定の異常が発生した場合、前記取得情報記憶手段に記憶された特別情報を保持可能に構成されており、
前記所定の異常が解消された後に前記特定報知の契機となった特別情報が前記付与判定手段による前記付与判定の対象となった場合、前記特定手段により前記所定態様以下の報知態様に設定された特定報知又は不実行とされた特定報知の報知態様を前記付与判定手段の判定結果に基づいて設定する設定手段(演出制御装置143における保留予告の第4実行用処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴aG8に記載の遊技機。
上記構成では、所定解消後において下位の報知態様に制限されて特定報知が再実行されたり、特定報知が不実行とされたりした場合でも、特定報知の契機となった特別情報が付与判定の対象となることで、特定報知の報知態様が再設定されたり、不実行とされた特定報知が実行されたりする。このため、示唆される期待度が低く抑えられた状態のままとなったり、特定報知が完全に消失してしまったりすることが回避される。その際、付与判定の結果に基づいて報知態様の再設定等が行われるため、遊技回での報知結果等と整合する適切な態様とされた状態で特定報知を実行することができる。
特徴aG10.前記特定報知の実行中に所定の異常が発生した場合において、当該所定の異常が解消された後に異常発生前に行われた前記先特定処理の結果を特定できない場合、異常解消後の前記特定報知の実行が制限されるようにする手段(ステップSa6308で否定判定した場合、ステップSa6311に移行する機能)を備えていることを特徴とする特徴aG1乃至特徴aG9のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、特定報知の実行中に異常が発生した場合において、当該報知の基となった先読み結果を異常解消後に特定できない場合、異常解消後における特定報知の実行を制限するため、誤った期待度が示唆されることを抑制できる。
特徴aG11.前記第2特定報知手段は、前記再実行される前記特定報知の報知態様を所定の異常が解消した後に行われる前記先特定処理の結果に基づいて設定するものであり、
前記付与判定手段により付与判定が行われることに基づいて遊技回用動作が開始され、前記付与判定の判定結果に対応した報知結果とし前記遊技回用動作が終了されることを遊技回の1回として、前記遊技回用動作が行われるように制御する遊技回制御手段(主制御装置162における遊技回制御処理を実行する機能)を備え、
実行が保留されている遊技回の数に対応させて保留用報知(保留用画像)を行う保留用報知手段(演出制御装置143における保留コマンド対応処理を実行する機能)を備え、
前記第1特定報知手段は、前記特定報知として、前記保留用報知の報知態様を通常態様(通常表示態様)とは異なる特定態様(特定表示態様)とするものであり、
複数の前記保留用報知が行われている状況において前記特定報知が行われている前記保留用報知を把握することが可能な特定情報(変化箇所情報)を所定の記憶部(RAM314、RAM344、バックアップRAM345)に記憶可能な構成とされており、
前記所定の異常が発生した場合、前記所定の記憶部に記憶された情報を保持可能に構成されていることを特徴とする特徴aG1乃至特徴aG10のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、いずれの保留用報知にて特定報知が行われているかが所定の記憶部に記憶され、その情報が異常発生時にバックアップされるため、異常解消後において、異常発生前にいずれの保留用報知にて特定報知が行われていたかを好適に把握することができる。
特徴aG12.所定の異常が解消した後、前記所定の記憶部に保持される前記特定情報に基づいて、所定の異常が発生する前に前記特定報知が行われていた前記保留用報知を把握し、その把握した前記保留用報知を対象として前記特定処理を実行することを特徴とする特徴aG11に記載の遊技機。
上記構成では、異常発生前に特定報知が行われていた保留用報知を対象として異常解消後の先特定処理が実行されるため、異常発生前に特定報知が行われていなかった保留用報知まで異常解消後に特定報知が行われ、遊技者に不自然な印象を与えることを抑制することができる。さらに、異常解消後に行われる全ての保留用報知を対象に先特定処理を行う場合に比べ、先特定処理の実行回数を少なく抑えることができ、復帰時の処理負荷を軽減することが可能になる。
特徴aG13.所定の異常が解消した後、前記所定の記憶部に保持される前記特定情報に基づいて、所定の異常が発生する前に前記特定報知が行われていなかった前記保留用報知を把握し、その把握した前記保留用報知の報知態様を通常態様に設定する手段を備えていることを特徴とする特徴aG11又は特徴aG12に記載の遊技機。
上記構成によれば、異常発生前に特定報知が行われていなかった保留用報知について異常解消後に特定報知が行われることが抑制され、異常発生の前後において報知態様の整合を図ることが可能になる。
特徴aG14.前記所定の異常は電断状態であることを特徴とする特徴aG1乃至特徴aG13のいずれかに記載の遊技機。
特定報知の実行中に電断状態が発生した場合、遊技機への電力供給が断たれるため、それまで行われていた特定報知が突然消える状態となる。この場合、遊技者としては、電断状態からの復帰後において、電断前に示唆された期待度が消失せずに復電後も残存しているのか不安になることが想定される。このような構成に対し、上記特徴aG1から特徴aG113のいずれかの構成を適用することで、復電後における特定報知の再実行を好適に行うことができ、それら各特徴を有効に機能させることができる。
なお、本特徴の「電断状態」は、「外部電源(商用電源)から遊技機に電力が供給されていない電断状態」と表現することもできる。
特徴aG15.前記付与判定手段により付与判定が行われることに基づいて遊技回用動作が開始され、前記付与判定の判定結果に対応した報知結果とし前記遊技回用動作が終了されることを遊技回の1回として、前記遊技回用動作が行われるように制御する遊技回制御手段(主制御装置162における遊技回制御処理を実行する機能)を備え、
少なくとも実行前の遊技回の保留数を遊技者が認識できるように保留用報知(保留用画像)を行う保留用報知手段(演出制御装置143における保留コマンド対応処理を実行する機能)を備え、
前記特定報知は、前記保留用報知の報知態様を通常態様(通常表示態様)とは異なる特定態様(特定表示態様)とするものであり、
前記特定態様には前記複数種類の報知態様が設定されていることを特徴とする特徴aG1乃至特徴aG14のいずれかに記載の遊技機。
保留用報知を利用して特定報知を行う場合、特定報知の実行期間が比較的長く、特定報知の実行中に異常が発生する事象が生じやすくなる。加えて、特定報知が示唆する期待度等の対象がいずれの特別情報であるかが明確となるため、異常の発生に伴い特定報知を継続できなくなった場合の影響が大きいことが想定される。このような構成に対し、上記特徴aG1から特徴aG14のいずれかの構成を適用することで、それら各特徴を有効に機能させ、上記各効果を好適に発揮させることができる。
なお、上記特徴aG1乃至特徴aG15の各構成に対して、特徴aA1乃至特徴aA14、特徴aB1乃至特徴aB14、特徴aC1乃至特徴aC9、特徴aD1乃至特徴aD10、特徴aE1乃至特徴aE19、特徴aF1乃至特徴aF12、特徴aG1乃至特徴aG15、特徴aH1乃至特徴aH11、特徴aI1乃至特徴aI12のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴aH群>
特徴aH群は、上述した各実施の形態や各変形例又はこれらの組み合わせから抽出される発明群であり、主に上記第1の実施の形態の変形例7に基づいて抽出されるものである。
特徴aH1.予め定められた取得条件が成立したことに基づいて特別情報を取得する情報取得手段(主制御装置162における情報取得処理を実行する機能)と、
前記情報取得手段の取得した特別情報を予め定められた所定数を上限として記憶する取得情報記憶手段(保留球格納エリア314b)と、
前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報が付与情報に対応しているか否かの付与判定を行う付与判定手段(主制御装置162における当否判定処理等を実行する機能)と、
前記付与判定手段による付与判定の結果が、判定対象の特別情報が前記付与情報に対応しているとする付与対応結果となったことに基づいて、遊技者に対して特典を付与可能な特典付与手段(主制御装置162における大入賞口開閉処理を実行する機能)と、
前記情報取得手段により取得された所定の特別情報について当該所定の特別情報が前記付与判定の対象となった場合における判定結果に対応する情報を、その特別情報が前記付与判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて特定する先特定処理を実行する先特定手段(主制御装置162における保留先読み処理を実行する機能)と、
前記先特定処理の結果に基づいて所定の報知手段(図柄表示装置75、保留ランプ部)にて特定報知(保留予告演出)を実行することが可能な特定報知手段(演出制御装置143における保留予告用の設定処理、保留予告の第1実行用処理を実行する機能)と、
予め定められた所定条件が成立した場合(変形例7において第1モード切替抽選に当選した場合)、複数種類の演出状態(演出モードA、演出モードB)のうちの1の演出状態から他の演出状態に切り替えるための処理を実行する演出状態切替手段(第1の実施の形態の変形例7において演出制御装置143による演出モードの切替処理を実行する機能)と、
特定報知の実行中である場合に前記演出状態切替手段による演出状態の切り替えが制限されるようにすることが可能な切替制限手段(第1の実施の形態の変形例7において演出制御装置143によるモード切替用判定処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成では、いわゆる先読み処理の結果に基づいて特定報知が行われるため、特定報知により付与対応結果となることへの期待度を示唆することができ、遊技者の期待感を好適に喚起することができる。また、複数種類の演出状態が設けられ、それら演出状態間での切り替えが行われるため、遊技中に遊技者の気分転換が図られ、遊技への飽きを抑制することができる。このような構成において、例えば、特定報知の実行中に演出状態が切り替えられた場合、演出状態の変更に気を取られて特定報知への注目度が低下したり、逆に特定報知に集中していた結果、遊技者が気付かないまま演出状態が変更され、混乱を招いたりする懸念がある。
この点、本構成では、特定報知の実行中である場合は演出状態の切り替えを制限するため、特定報知の実行と演出状態の切り替えとが重複することを抑制できる。これにより、特定報知の実行と演出状態の切り替えとのそれぞれについて遊技者が注目しやすいように実施することができ、上記不都合の発生を好適に抑制することが可能になる。また、切替後の演出状態が実行中の特定報知に適さないものである場合、演出設計に際して両者を適合させるための事前調整が必要となるが、本構成によれば、そのような調整が不要となり、設計時の負担を軽減できるという利点もある。
特徴aH2.複数種類の演出状態には、第1演出状態(演出モードA)と、前記第1演出状態とは特定報知の実行されやすさが異なる第2演出状態(演出モードB)とが含まれており、
前記切替制限手段は、前記第1演出状態で特定報知の実行中である場合、前記第2演出状態への切り替えを制限する手段を備えていることを特徴とする特徴aH1に記載の遊技機。
演出状態によって特定報知の実行されやすさが異なる構成の場合、特定報知を実行したままで演出状態を切り替えると、その特定報知により示唆される期待度が演出状態の切替前後で相違する事態を招くおそれがある。この場合、切替後の演出状態において特定報知により示唆される期待度と実際に報知される付与判定の結果とが食い違い、遊技者に不愉快な印象を与える懸念がある。このような構成に対し、上記特徴aH1の構成を適用することで、上記食い違いの発生が回避され、遊技者に不愉快な印象を与えることを好適に抑制可能となる。
なお、本特徴における「前記第1演出状態とは特定報知の実行されやすさが異なる第2演出状態」には、第2演出状態が特定報知を実行し得る演出状態として設定される構成だけでなく、第2状態が特定報知を実行しない演出状態として設定される構成も含まれると解することができる。
特徴aH3.前記第2演出状態は、前記第1演出状態より特定報知が実行されにくいように設定された演出状態であることを特徴とする特徴aH2に記載の遊技機。
第2演出状態における特定報知の実行されやすさが第1演出状態のそれよりも低い場合において、特定報知を実行したままで第1演出状態から第2演出状態に切り替えると、見かけ上の期待度が高まってしまい、実際よりも高い期待度を遊技者に示してしまう懸念がある。この点、本構成では、特定報知の実行されやすさが相対的に高い(特定報知が対応する期待度が相対的に低い)第1演出状態から特定報知の実行されやすさが低い(特定報知が対応する期待度が相対的に高い)第2演出状態の切替に際し、特定報知の実行中である場合は当該切替の実行を制限するため、実際よりも高い期待度が示唆されることを好適に抑制することが可能になる。
なお、本特徴における「前記第2演出状態は、前記第1演出状態より特定報知が実行されにくいように設定された演出状態である」には、第2演出状態において特定報知が実行される確率が第1演出状態のそれよりも低くなるように設定される構成のほか、第2演出状態が特定報知を実行しない演出状態として設定される構成も含まれると解することができる。
特徴aH4.前記切替制限手段は、特定報知の契機となった前記先特定処理の結果に基づいて演出状態の切り替えを制限する手段(ステップSa7207の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴aH1乃至特徴aH3のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、特定報知の契機となった先読み処理の結果に基づいて演出状態の切り替えを制限する。例えば、大当たりが先読みされた場合等の特定報知が行われる可能性が高い場合に、当該先読みが行われたことに基づいて、その先読みが行われた特別情報の遊技回が終了するまで演出状態の切り替えを制限する構成とすることができる。この場合、切り替えの制限を迅速に行うことができ、特定報知の実行と演出状態の切り替えとが重複することを好適に抑制できる。また、かかる構成とすることで、次の効果を期待することもできる。先読み結果が大当たり等である場合、その特別情報が付与判定の対象となる前から遊技者の期待感を煽る予告演出等の煽り演出が行われることが想定される。その煽り演出の実行中に演出状態の切り替えを挟むと、遊技者から見て当該煽り演出が分かりにくくなったりするおそれがある。この際、大当たり等が先読みされたことに基づいて演出状態の切り替えを制限することで、煽り演出の途中で演出状態が切り替わることを抑制でき、当該演出が分かりにくくなることを好適に抑制可能となる。
また、例えば、特定報知の実行中は基本的に演出状態の切り替えを許容しないものとしつつ、大当たりが先読みされた場合等の特別な場合に演出状態の切り替えを許容する構成とすることもできる。この場合、本来は演出状態の切り替えが行われない状況であるにもかかわらず、当該切り替えが生じることで、遊技者から見て法則崩れとなり、大当たり等を示唆することができる。つまり、演出状態の切り替えを期待度示唆演出の1つとして活用することが可能になる。
なお、本特徴の「切り替えを制限する手段」は、「切り替えを制限するか否かを異ならせる手段」と表現することもできる。
特徴aH5.前記切替制限手段は、特定報知の契機となった前記先特定処理の結果が前記付与対応結果に対応する所定の第1結果(大当たりの先読み結果)又は前記付与対応結果となる期待度として所定の期待度に対応する所定の第2結果(SPSPリーチ演出の先読み結果)であるか否かに基づいて演出状態の切り替えを制限する手段(ステップSa7207の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴aH4に記載の遊技機。
先読み結果が大当たり結果(第1結果)や高期待度の結果(第2結果)である場合に演出状態の切り替えを制限したり、逆に許容したりすることで、特徴aH4の上記各効果を好適に発揮させることが可能になる。
特徴aH6.前記特定報知には、前記付与対応結果となることへの期待度が異なるようにして複数種類の報知態様(青色表示態様HMb、緑色表示態様HMc、赤色表示態様HMd、虹色表示態様HMe)が設定されており、
前記切替制限手段は、特定報知の報知態様に基づいて演出状態の切り替えを制限する手段(ステップSa7211)を備えていることを特徴とする特徴aH1乃至特徴aH5のいずれかに記載の遊技機。
例えば、特定報知の実行中は画一的に演出状態の切り替えを制限する構成とした場合、演出状態の切り替えが過剰に制限されたり、特定報知の実行頻度が少なく抑えられたりするおそれがあり、複数種類の演出状態を設けた意義や特定報知の実行機能を搭載した意義が薄れてしまう懸念がある。この点、上記構成では、実行中の特定報知の報知態様に基づいて演出状態の切り替えを制限するため、例えば、一定以下の期待度に対応する特定報知の場合は演出状態の切り替えを制限せず、当該切り替えを許容するといった運用が可能となる。これにより、演出状態の切り替えや特定報知の実行が過度に制限されることを抑制でき、それらの機会を好適に確保することが可能になる。
特徴aH7.前記制限する手段は、特定報知の報知態様が所定態様(緑色表示態様HMc)より上位の報知態様である場合、演出状態の切り替えを制限し、特定報知の報知態様が所定態様以下の態様である場合、演出状態の切り替えを許容するものであることを特徴とする特徴aH6に記載の遊技機。
上記構成によれば、所定態様以上の特定報知が実行されている場合に限定して演出状態の切り替えを制限することができる。これにより、演出状態の切り替えや特定報知の実行が過度に制限されることを抑制でき、それらの機会を好適に確保することが可能になる。
特徴aH8.複数種類の演出状態には、第1演出状態(演出モードA)と、前記第1演出状態より特定報知の実行頻度が低くなるように設定された第2演出状態(演出モードB)とが含まれており、
前記特定報知には、前記付与対応結果となることへの期待度が異なるようにして複数種類の報知態様(青色表示態様HMb、緑色表示態様HMc、赤色表示態様HMd、虹色表示態様HMe)が設定されており、
前記切替制限手段は、
前記第1演出状態で特定報知の実行中である場合、特定報知の報知態様にかかわらず、前記第2演出状態への切り替えを制限する第1手段(ステップSa7206で肯定判定した場合の処理を実行する機能)と、
前記第2演出状態で特定報知の実行中である場合、特定報知の報知態様に基づいて前記第1演出状態への切り替えを制限する第2手段(ステップSa7206で否定判定し、ステップSa7211の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴aH1乃至特徴aH7のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、特定報知が対応する期待度が相対的に低くなる演出状態(第1演出状態)から特定報知が対応する期待度が相対的に高くなる演出状態(第2演出状態)への切り替えの場合は、一律に演出状態の切り替えを制限するため、実際よりも高い期待度が示唆されることを好適に抑制できる。逆に、特定報知が対応する期待度が相対的に高くなる演出状態(第2演出状態)から特定報知が対応する期待度が相対的に低くなる演出状態(第1演出状態)への切り替えの場合は、一部の報知態様に限定して演出状態の切り替えを制限するため、演出状態の切り替えが過度に制限されることが抑制され、当該切り替えの機会を好適に確保することが可能になる。
特徴aH9.前記演出状態切替手段は、
所定契機(切替抽選タイミングとなること)に基づいて演出状態を切り替えるか否かを判定する切替判定手段(ステップSa7102の処理を実行する機能)と、
前記切替判定手段により切り替えると判定された場合、演出状態の切り替えを実行する切替実行手段(ステップSa7106の処理を実行する機能)と、
を備え、
前記切替制限手段は、前記切替判定手段による前記判定と前記切替実行手段による前記実行との少なくとも一方を制限することを特徴とする特徴aH1乃至特徴aH8のいずれかの遊技機。
上記構成では、演出状態の切り替えを制限する場合に、演出状態を切り替えるか否かの切替判定と、切り替えを実行するか否かの実行処理との少なくとも一方を制限するため、演出状態の切り替えを好適に制限することが可能になる。
特徴aH10.前記付与判定手段により付与判定が行われることに基づいて遊技回用動作が開始され、前記付与判定の判定結果に対応した報知結果とし前記遊技回用動作が終了されることを遊技回の1回として、前記遊技回用動作が行われるように制御する遊技回制御手段(主制御装置162における遊技回制御処理を実行する機能)を備え、
前記特定報知手段は、前記特定報知を遊技回を跨いで実行することが可能に構成されていることを特徴とする特徴aH1乃至特徴aH9のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、特定報知が比較的長い期間に亘って行われるため、特定報知の実行中に演出状態が切り替わる事象が生じやすくなる。このような構成に対し、上記特徴aH1から特徴aH9のいずれかの構成を適用することで、それら各特徴を有効に機能させ、上記各効果を好適に発揮させることができる。
特徴aH11.前記付与判定手段により付与判定が行われることに基づいて遊技回用動作が開始され、前記付与判定の判定結果に対応した報知結果とし前記遊技回用動作が終了されることを遊技回の1回として、前記遊技回用動作が行われるように制御する遊技回制御手段(主制御装置162における遊技回制御処理を実行する機能)を備え、
少なくとも実行前の遊技回の保留数を遊技者が認識できるように保留用報知(保留用画像)を行う保留用報知手段(演出制御装置143における保留コマンド対応処理を実行する機能)を備え、
前記特定報知は、前記保留用報知の報知態様を通常態様(通常表示態様)とは異なる特定態様(特定表示態様)とするものであることを特徴とする特徴aH1乃至特徴aH10のいずれかに記載の遊技機。
保留用報知を利用して特定報知を行う場合、特定報知の実行期間が比較的長く、特定報知の実行中に演出状態の切り替わる事象が生じやすくなる。加えて、特定報知が示唆する期待度等の対象がいずれの特別情報であるかが明確となるため、演出状態の切り替えに伴い示唆する期待度が変動する場合の影響が大きいことが想定される。このような構成に対し、上記特徴aH1から特徴aH10のいずれかの構成を適用することで、それら各特徴を有効に機能させ、上記各効果を好適に発揮させることができる。
なお、上記特徴aH1乃至特徴aH11の各構成に対して、特徴aA1乃至特徴aA14、特徴aB1乃至特徴aB14、特徴aC1乃至特徴aC9、特徴aD1乃至特徴aD10、特徴aE1乃至特徴aE19、特徴aF1乃至特徴aF12、特徴aG1乃至特徴aG15、特徴aH1乃至特徴aH11、特徴aI1乃至特徴aI12のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴aI群>
特徴aI群は、上述した各実施の形態や各変形例又はこれらの組み合わせから抽出される発明群であり、主に上記第1の実施の形態の変形例8に基づいて抽出されるものである。
特徴aI1.予め定められた取得条件が成立したことに基づいて特別情報を取得する情報取得手段(主制御装置162における情報取得処理を実行する機能)と、
前記情報取得手段の取得した特別情報を予め定められた所定数を上限として記憶する取得情報記憶手段(保留球格納エリア314b)と、
前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報が付与情報に対応しているか否かの付与判定を行う付与判定手段(主制御装置162における当否判定処理等を実行する機能)と、
前記付与判定手段による付与判定の結果が、判定対象の特別情報が前記付与情報に対応しているとする付与対応結果となったことに基づいて、遊技者に対して特典を付与可能な特典付与手段(主制御装置162における大入賞口開閉処理を実行する機能)と、
前記情報取得手段により取得された所定の特別情報について当該所定の特別情報が前記付与判定の対象となった場合における判定結果に対応する情報を、その特別情報が前記付与判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて特定する先特定処理を実行する先特定手段(主制御装置162における保留先読み処理を実行する機能)と、
前記先特定処理の結果に基づいて所定の報知手段(図柄表示装置75、保留ランプ部)にて特定報知(保留予告演出)を実行することが可能な特定報知手段(演出制御装置143における保留予告用の設定処理、保留予告の第1実行用処理を実行する機能)と、
複数種類の演出状態(演出モードA、演出モードB)のうちの1の演出状態から他の演出状態への演出状態の切り替えを行う演出状態切替手段(第1の実施の形態の変形例8において演出制御装置143による演出モードの切替処理を実行する機能)と、
を備え、
前記演出状態切替手段は、
予め定められた所定の第1条件が成立した場合(第1の実施の形態の変形例8においてステップSa8109の判定処理で肯定判定した場合)、その後に演出状態が切り替わることを把握している特定状態(待機状態)とする第1手段(第1の実施の形態の変形例8においてステップSa8111の処理を実行する機能)と、
前記特定状態である状況で前記所定の第1条件とは異なる所定の第2条件が成立した場合(第1の実施の形態の変形例8においてステップSa8115の判定処理で肯定判定した場合)、演出状態の切り替えを実行する第2手段(第1の実施の形態の変形例8においてステップSa8117の処理を実行する機能)と、
を備え、
前記特定状態である場合に特定報知の実行が制限されるようにすることが可能な制限手段(第1の実施の形態の変形例8においてステップSa8203の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成では、いわゆる先読み処理の結果に基づいて特定報知が行われるため、特定報知により付与対応結果となることへの期待度を示唆することができ、遊技者の期待感を好適に喚起することができる。また、複数種類の演出状態が設けられ、それら演出状態間での切り替えが行われるため、遊技中に遊技者の気分転換が図られ、遊技への飽きを抑制することができる。このような構成において、例えば、特定報知の実行中に演出状態が切り替えられた場合、演出状態の変更に気を取られて特定報知への注目が低下したり、逆に特定報知に集中していた結果、遊技者が気付かないまま演出状態が変更され、混乱を招いたりする懸念がある。
この点、本構成によれば、その後に演出状態が切り替わることを把握している特定状態の下では特定報知の実行を制限するため、特定報知の実行中に演出状態が切り替わることを抑制できる。これにより、特定報知の実行と演出状態の切り替えとのそれぞれについて遊技者が注目しやすいように実施することができ、上記不都合の発生を好適に抑制することが可能になる。また、切替後の演出状態が実行中の特定報知に適さないものである場合、演出設計に際して両者を適合させるための事前調整が必要となるが、本構成によれば、そのような調整が不要となり、設計時の負担を軽減できるという利点もある。
特徴aI2.前記制限手段は、前記特定状態中に取得された特別情報に対応する特定報知の実行を制限可能な手段(演出制御装置143における保留コマンド対応処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴aI1に記載の遊技機。
上記構成では、演出状態の切り替えが待機される特定状態である期間に取得された特別情報を対象として特定報知の実行を制限することができる。これにより、特定報知の制限対象となる特別情報の範囲が広くなり、特定報知の実行機会が過度に制限されることを抑制できる。
特徴aI3.前記制限手段は、前記特定状態中に取得された特別情報に対する前記先特定処理の結果にかかわらず、当該特別情報に対応する特定報知の実行を制限可能であることを特徴とする特徴aI1又は特徴aI2に記載の遊技機。
上記構成によれば、先読み処理の結果とは無関係に特定報知の実行を強制的に制限することができる。これにより、特定報知の実行中に演出状態が切り替わることを好適に抑制できる。また、特定報知の実行制限が先読み処理の結果に影響されないことから、特定状態(特定報知の待機期間中)であっても、非特定状態である場合と同様に先読み処理を進めることができる。すなわち、先読み処理(先特定処理)の構成を変更する必要がないため、構成が複雑化することを抑制しながら、特定状態中の特定報知を制限することができる。
特徴aI4.複数種類の演出状態には、第1演出状態(演出モードA)と、前記第1演出状態とは特定報知の実行されやすさが異なる第2演出状態(演出モードB)とが含まれており、
前記制限手段は、少なくとも前記第1演出状態から前記第2演出状態への切り替えについて前記特定状態である場合、特定報知の実行を制限可能なものであることを特徴とする特徴aI1乃至特徴aI3のいずれかに記載の遊技機。
演出状態によって特定報知の実行されやすさが異なる構成の場合、特定報知を実行したままで演出状態を切り替えると、その特定報知により示唆される期待度が演出状態の切替前後で相違する事態を招くおそれがある。この場合、切替後の演出状態において特定報知により示唆される期待度と実際に報知される付与判定の結果とが食い違い、遊技者に不愉快な印象を与える懸念がある。このような構成に対し、上記特徴aI1から特徴aI3のいずれかの構成を適用することで、上記食い違いの発生が回避され、遊技者に不愉快な印象を与えることを好適に抑制可能となる。
なお、本特徴における「前記第1演出状態とは特定報知の実行されやすさが異なる第2演出状態」には、第2演出状態が特定報知を実行し得る演出状態として設定される構成だけでなく、第2演出状態が特定報知を実行しない演出状態として設定される構成も含まれると解することができる。
特徴aI5.前記第2演出状態は、前記第1演出状態より特定報知が実行されにくいように設定された演出状態であることを特徴とする特徴aI4に記載の遊技機。
第2演出状態における特定報知の実行されやすさが第1演出状態のそれよりも低い場合において、特定報知を実行したままで第1演出状態から第2演出状態に切り替えると、見かけ上の期待度が高まってしまい、実際よりも高い期待度を遊技者に示してしまう懸念がある。この点、本構成では、特定報知の実行されやすさが相対的に高い(特定報知が対応する期待度が相対的に低い)第1演出状態から特定報知の実行されやすさが低い(特定報知が対応する期待度が相対的に高い)第2演出状態に切り替えるための特定状態である場合に特定報知の実行を制限する。これにより、特定報知の実行中に第1演出状態から第2演出状態に切り替わることが抑制され、実際よりも高い期待度が示唆されることを好適に抑制することが可能になる。
なお、本特徴における「前記第2演出状態は、前記第1演出状態より特定報知が実行されにくいように設定された演出状態である」には、第2演出状態において特定報知が実行される確率が第1演出状態のそれよりも低くなるように設定される構成のほか、第2演出状態が特定報知を実行しない演出状態として設定される構成も含まれると解することができる。
特徴aI6.前記特定状態中に取得された特別情報に対応する特定報知が前記制限手段により制限された場合、当該特別情報に対応する特定報知を特定状態後又は演出状態の切り替わり後に実行する特定手段(演出制御装置143における保留予告用の第2設定処理、保留予告の第1実行用処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴aI1乃至特徴aI5のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、特定状態に起因して実行が制限された特定報知を特定状態後又は演出状態の切り替え後に実行するため、特定状態中に取得された特別情報について特定報知の実行が制限されたままとなり、期待度示唆が行えなくなることを抑制できる。
特徴aI7.前記特定手段は、前記制限手段により特定報知の実行が制限された特別情報について、特定状態後又は演出状態の切り替わり後の特定報知を前記特定状態中に行われた前記先特定処理の結果に基づいて実行する手段(ステップSa8302の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴aI6に記載の遊技機。
上記構成によれば、演出状態の切り替わり後の特定報知が特定状態中に行われた先読み結果に基づいて行われるため、演出状態の切り替わり後に改めて先読み処理を実行しなくても特定報知を実行することができる。これにより、先読み処理(先特定処理)について既存の構成をそのまま用いることができ、構成が複雑化することを抑制できる。
特徴aI8.前記特定手段は、前記制限手段により特定報知の実行が制限された特別情報について、前記特定状態中に行われた前記先特定処理の結果に基づいて特定状態後又は演出状態の切り替わり後の特定報知を実行するか否かを判定する特定判定手段(ステップSa8307の処理を実行する機能)を備え、前記特定判定手段により実行すると判定された場合、特定報知を実行するように構成されており、
前記特定判定手段は、切り替わり後の演出状態に対応させて設定された判定条件(実行当選確率)を適用して前記判定を行うことを特徴とする特徴aI6又は特徴aI7に記載の遊技機。
上記構成では、特定状態後又は演出状態の切り替わり後の特定報知を実行するか否かが判定され、実行すると判定された場合に当該特定報知が実行される。その際、上記判定に際しては、特別情報が取得されたときの判定条件(切り替わり前の演出状態に対応させて設定された判定条件)ではなく、切り替わり後の演出状態に対応させて設定された判定条件が適用される。これにより、切替前の演出状態と切替後の演出状態とで特定報知の実行されやすさが異なる場合でも、特定状態後又は演出状態の切り替わり後の特定報知を好適に行うことが可能になる。
特徴aI9.前記特定報知の報知態様には、前記付与対応結果となることへの期待度が異なるようにして複数種類の態様(青色表示態様HMb、緑色表示態様HMc、赤色表示態様HMd、虹色表示態様HMe)が設定されており、
前記特定手段は、特定状態後又は演出状態の切り替わり後の特定報知を実行する場合、切り替わり後の演出状態に対応させて設定された抽選条件(シナリオ抽選テーブル等)を適用して前記複数種類の態様からいずれかの態様を抽選する手段(ステップSa8310~ステップSa8313の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴aI6乃至特徴aI8のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、特定報知の報知態様として複数種類の態様が設定されるため、期待度に大小を付与して示唆することができ、遊技者の期待感をより好適に喚起することができる。そのような構成の下、特定状態後又は演出状態の切り替わり後の特定報知を実行する場合に、切り替わり後の演出状態に対応させて設定された抽選条件を適用して報知態様を抽選するため、切替前の演出状態と切替後の演出状態とで各報知態様が対応する期待度が相違する場合でも、特定状態後又は演出状態の切り替わり後の特定報知を好適に行うことが可能になる。
特徴aI10.前記特定状態中に特別情報が取得された場合、当該取得された特別情報が前記特定状態中に取得されたものであることを前記特定状態後に把握できるように所定の情報(待機中発生情報)を所定の記憶部(RAM344の保留用記憶エリア344c)に記憶するように構成されていることを特徴とする特徴aI6乃至特徴aI9のいずれかに記載の遊技機。
上記構成によれば、特定状態後や演出状態の切り替わり後において、特定状態となる前に取得された特別情報と特定状態中に取得された特別情報とが混在する場合でも、所定の記憶部に記憶された所定の情報に基づいて特定状態中に取得された特別情報を特定することができる。これにより、特定状態中に取得された特別情報と、そうではない特別情報とを識別し、特定状態中に取得された特別情報のみを対象として処理を行うことが可能になる。
特徴aI11.前記付与判定手段により付与判定が行われることに基づいて遊技回用動作が開始され、前記付与判定の判定結果に対応した報知結果とし前記遊技回用動作が終了されることを遊技回の1回として、前記遊技回用動作が行われるように制御する遊技回制御手段(主制御装置162における遊技回制御処理を実行する機能)を備え、
前記特定報知手段は、前記特定報知を遊技回を跨いで実行することが可能に構成されていることを特徴とする特徴aI1乃至特徴aI10のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、特定報知が比較的長い期間に亘って行われるため、特定報知の実行と演出状態の切り替えとが重複しやすくなる。このような構成に対し、上記特徴aI1から特徴aI10のいずれかの構成を適用することで、それら各特徴を有効に機能させ、上記各効果を好適に発揮させることができる。
特徴aI12.前記付与判定手段により付与判定が行われることに基づいて遊技回用動作が開始され、前記付与判定の判定結果に対応した報知結果とし前記遊技回用動作が終了されることを遊技回の1回として、前記遊技回用動作が行われるように制御する遊技回制御手段(主制御装置162における遊技回制御処理を実行する機能)を備え、
少なくとも実行前の遊技回の保留数を遊技者が認識できるように保留用報知(保留用画像)を行う保留用報知手段(演出制御装置143における保留コマンド対応処理を実行する機能)を備え、
前記特定報知は、前記保留用報知の報知態様を通常態様(通常表示態様)とは異なる特定態様(特定表示態様)とするものであることを特徴とする特徴aI1乃至特徴aI11のいずれかに記載の遊技機。
保留用報知を利用して特定報知を行う場合、特定報知の実行期間が比較的長く、特定報知の実行と演出状態の切り替えとが重複しやすくなる。加えて、特定報知が示唆する期待度等の対象がいずれの特別情報であるかが明確となるため、演出状態の切り替えに伴い示唆する期待度が変動する場合の影響が大きいことが想定される。このような構成に対し、上記特徴aI1から特徴aI11のいずれかの構成を適用することで、それら各特徴を有効に機能させ、上記各効果を好適に発揮させることができる。
なお、上記特徴aI1乃至特徴aI12の各構成に対して、特徴aA1乃至特徴aA14、特徴aB1乃至特徴aB14、特徴aC1乃至特徴aC9、特徴aD1乃至特徴aD10、特徴aE1乃至特徴aE19、特徴aF1乃至特徴aF12、特徴aG1乃至特徴aG15、特徴aH1乃至特徴aH11、特徴aI1乃至特徴aI12のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
なお、以上詳述した特徴aA群乃至特徴aI群の各構成に対して、他の特徴群の各構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想を組合せて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
以下に、以上の各特徴を適用し得る遊技機の基本構成を示す。
パチンコ遊技機:遊技者が操作する操作手段と、その操作手段の操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段と、その発射された遊技球を所定の遊技領域に導く球通路と、遊技領域内に配置された各遊技部品とを備え、それら各遊技部品のうち所定の通過部を遊技球が通過した場合に遊技者に特典を付与する遊技機。
スロットマシン等の回胴式遊技機:複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄列を最終停止表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段の操作に起因して図柄の変動が開始され、停止用操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより図柄の変動が停止され、その停止時の最終停止図柄が特定図柄であることを必要条件として遊技者に有利な特別遊技状態(ボーナスゲーム等)を発生させるようにした遊技機。
球使用ベルト式遊技機(球使用回胴式遊技機):複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄列を最終停止表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段の操作に起因して図柄の変動が開始され、停止用操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより図柄の変動が停止され、その停止時の最終停止図柄が特定図柄であることを必要条件として遊技者に有利な特別遊技状態(ボーナスゲーム等)を発生させるようにし、さらに、球受皿を設けてその球受皿から遊技球を取り込む投入処理を行う投入装置と、前記球受皿に遊技球の払出を行う払出装置とを備え、投入装置により遊技球が投入されることにより前記始動用操作手段の操作が有効となるように構成した遊技機。
<特徴bA群~特徴bN群>
下記の特徴bA群~特徴bN群に記載された発明は、上述した第2の実施の形態やその各変形例から抽出されるものである。
<特徴bA群>
特徴bA群は、上述した各実施の形態や各変形例又はこれらの組み合わせから抽出される発明群であり、主に上記第2の実施の形態、第2の実施の形態の変形例1~変形例10に基づいて抽出されるものである。
なお、特徴bA群に記載された発明は、「例えばパチンコ機等の遊技機においては、所定の抽選契機に基づいて抽選処理を実行し、その抽選結果が特定結果となることに基づいて、通常遊技状態よりも遊技者にとって有利な特別遊技状態に移行させるものが知られている(例えば特開2004-81853号公報)。」という背景技術について、「ここで、上記例示したような遊技機等においては遊技状態の制御を行う上で未だ改善の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
特徴bA1.予め定められた判定条件(第1作動口62又は第2作動口63への入賞)の成立に基づいて特別判定(特図当否判定)を実行する特別判定手段(主制御装置162における特図当否判定を実行する機能)と、
前記特別判定の結果が特定結果(大当たり結果)となることに基づいて通常遊技状態よりも遊技者にとって有利な特別遊技状態(開閉実行モード)に移行させることが可能な特別遊技状態用移行手段(主制御装置162における遊技状態移行処理を実行する機能)と、
前記特別判定が行われることに基づいて遊技回用動作が開始され、前記特別判定の結果に対応した報知結果とされることを遊技回の1回として、遊技回が行われるように制御する遊技回制御手段(主制御装置162における特図遊技回制御処理を実行する機能、演出制御装置143における特図変動表示用処理を実行する機能)と、
を備え、
遊技状態として、通常遊技状態よりも遊技者にとって有利なものであって特別遊技状態とは異なる特定遊技状態(高頻度サポートモード等)を有しており、
特定遊技状態に移行させるか否かの移行判定を行う移行判定手段(第2の実施の形態、第2の実施の形態の変形例1及び変形例2に係る主制御装置162により第2時短遊技状態移行用処理を実行する機能、変形例3~変形例5に係る主制御装置162により第3時短遊技状態移行用処理を実行する機能、変形例6~変形例10に係る主制御装置162により第2時短遊技状態の移行判定用処理、第3時短遊技状態の移行判定用処理を実行する機能)と、
前記移行判定の結果が特定遊技状態への移行に対応した移行対応結果となった場合に、特別遊技状態を経由することなく特定遊技状態に移行させることが可能な特定遊技状態用移行手段(第2の実施の形態、第2の実施の形態の変形例1及び変形例2に係る主制御装置162により第2時短遊技状態移行用処理を実行する機能、変形例3~変形例5に係る主制御装置162により第3時短遊技状態移行用処理を実行する機能、変形例6~変形例10に係る主制御装置162により時短遊技状態移行用処理を実行する機能等)と、
を備え、
特定遊技状態の終了条件として、特定遊技状態に移行してからの遊技回の回数が所定の上限回数となることを含み、
特定遊技状態に移行してからの遊技回の回数又は特定遊技状態における遊技回の残り回数を更新する回数更新手段(第2の実施の形態、第2の実施の形態の変形例1~変形例5に係る主制御装置162により高頻度サポートモード更新・終了用処理を実行する機能、変形例6~変形例10に係る主制御装置162により高頻度サポートモード更新用処理を実行する機能等)を備え、
1の遊技回において、前記回数更新手段による前記更新が行われた後、前記移行判定手段による前記移行判定が行われるように構成されていることを特徴とする遊技機。
上記構成では、特別判定の結果が特定結果となることに基づいて移行する特別遊技状態のほか、通常遊技状態よりも遊技者にとって有利な遊技状態として特定遊技状態を有している。この特定遊技状態は、特定遊技状態に移行してからの遊技回の回数が上限回数に達することを条件として終了するため、遊技回の実行期間にて行われる制御では、特定遊技状態に移行してからの遊技回の回数や特定遊技状態における遊技回の残り回数を更新する処理が行われる。
また、上記構成では、特別遊技状態を経由することなく移行する特定遊技状態を有している。従来の特定遊技状態は特別遊技状態を経由して移行するため、特定遊技状態に移行させるか否かの移行判定を特別遊技状態の中で処理することが可能であった。すなわち、移行判定を遊技回から切り離して実施することができたが、特別遊技状態を経由することなく特定遊技状態に移行する場合は、特定遊技状態に移行する直前の状態が遊技回であるため、遊技回の実行期間にて行われる制御の中に移行判定の処理を盛り込まざるを得ない。
つまり、遊技回の実行期間にて行われる制御において、特定遊技状態を終了させるための回数更新と、特定遊技状態に移行させるか否かの移行判定との両方を行う必要があるが、これらの処理順序によっては特定遊技状態の制御を好適に実施できない懸念がある。この点、本構成では、回数更新を実行してから移行判定を実行する順序とするため、ある遊技回で特定遊技状態に移行した直後に、同じ遊技回の中で回数更新が実行されることを抑制できる。すなわち、ある遊技回で特定遊技状態への移行が行われた場合に、次の遊技回から回数更新が開始されるように制御できるため、特定遊技状態に移行してからの残り回数を適切に確保することができ、遊技状態の制御を好適に行うことが可能になる。
特徴bA2.前記移行判定手段は、所定の移行条件(天井回数への到達、特殊外れ結果への当選、特定入球部への入球等)が成立したか否かに基づいて前記移行判定を実行し、前記移行条件が成立している場合に当該移行判定の結果を前記移行対応結果とするように構成されており、
特定遊技状態中の遊技回において前記移行条件が成立可能に構成されていることを特徴とする特徴bA1に記載の遊技機。
本構成では、特定遊技状態への滞在中に特定遊技状態への移行契機が成立し得る構成となっている。このような場合、回数更新を実行してから移行判定を実行する順序であることで、上記特徴bA1で述べた特定遊技状態に移行してからの残り回数を適切に確保できるという効果のほか、移行契機が成立した遊技回が先行する特定遊技状態の最終遊技回(上限回数に達した遊技回)であれば、先行する特定遊技状態を終了させてから、移行契機の成立に基づく後続の特定遊技状態へ移行させることができるという効果を期待できる。
しかも、先行する特定遊技状態の終了と後続の特定遊技状態への移行とを同じ遊技回の中で行うことができるため、通常遊技状態での遊技回を介在させることなく、先行する特定遊技状態から後続の特定遊技状態へのシームレスな移行を実現することができる。これにより、特定遊技状態の残り回数が追加されたのと同等の状態とすることができ、遊技者が後続の特定遊技状態への移行を達成できた場合に、その喜びを好適に喚起することが可能になる。
特徴bA3.特定遊技状態に対応する所定情報(第1サポートフラグ、第2サポートフラグ、第3サポートフラグ等)を所定の記憶手段(RAM314の各種フラグ格納エリア314e)に記憶可能な構成となっており、
前記所定情報が第1状態(上記各種フラグ格納エリア314eにセットされた状態等)とされることに基づいて特定遊技状態に移行し、前記第1状態とされた前記所定情報が前記第1状態とは異なる第2状態(上記各種フラグ格納エリア314eにセットされていない状態等)とされることに基づいて特定遊技状態が終了するように構成されており、
前記終了条件が成立したか否かを判定する終了判定手段(第2の実施の形態、第2の実施の形態の変形例1~変形例5に係る主制御装置162により高頻度サポートモード更新・終了用処理を実行する機能、変形例6~変形例10に係る主制御装置162により高頻度サポートモード更新用処理を実行する機能等)と、
前記終了判定手段の判定結果に基づいて前記所定情報を前記第2状態とする又は前記所定情報を前記第2状態とすべきであると認識する終了用処理実行手段(第2の実施の形態、第2の実施の形態の変形例1~変形例5に係る主制御装置162により高頻度サポートモード更新・終了用処理を実行する機能、変形例6~変形例10に係る主制御装置162により高頻度サポートモード更新用処理を実行する機能等)と、
を備え、
前記終了用処理実行手段による処理が前記回数更新手段による前記更新よりも後であって前記移行判定手段による前記移行判定よりも先に行われるように構成されていることを特徴とする特徴bA1又は特徴bA2に記載の遊技機。
上記構成では、回数更新が行われた後、その結果に基づいて特定遊技状態を内部的に終了又は終了すべきと認識し、その後、特定遊技状態に移行させるか否かの移行判定が行われる。これにより、移行契機が成立した遊技回が先行する特定遊技状態の最終遊技回である場合において、先行する特定遊技状態を終了させた後、同じ遊技回の中で後続の特定遊技状態に移行させることができる。
また、移行契機が成立した遊技回が先行する特定遊技状態の終了遊技回でない場合でも、先行する特定遊技状態の途中で後続の特定遊技状態への移行が許容される構成にあっては、内部的に先行する特定遊技状態を終了させてから後続の特定遊技状態に移行させることができる。これにより、先行する特定遊技状態から後続の特定遊技状態への切り替えを円滑に行うことが可能になる。
特徴bA4.特定遊技状態に対応する所定情報(第1サポートフラグ、第2サポートフラグ、第3サポートフラグ)を所定の記憶手段(RAM314の各種フラグ格納エリア314e)に記憶可能な構成となっており、
前記所定情報が第1状態(上記各種フラグ格納エリア314eにセットされた状態等)とされることに基づいて特定遊技状態に移行し、前記第1状態とされた前記所定情報が前記第1状態とは異なる第2状態(上記各種フラグ格納エリア314eにセットされていない状態等)とされることに基づいて特定遊技状態が終了するように構成されており、
前記終了条件の成立に基づいて前記所定情報を前記第2状態とする又は前記所定情報を前記第2状態とすべきであると認識する終了用処理実行手段(第2の実施の形態、第2の実施の形態の変形例1~変形例5に係る主制御装置162により高頻度サポートモード更新・終了用処理を実行する機能、変形例6~変形例10に係る主制御装置162により高頻度サポートモード更新用処理を実行する機能等)と、
前記所定情報が前記第1状態とされている状況において前記特定遊技状態用移行手段による前記移行を制限する制限手段(第2の実施の形態、第2の実施の形態の変形例1、変形例3、変形例6、変形例8~変形例10における主制御装置162により第2時短遊技状態又は第3時短遊技状態への移行を制限する機能等)を備えていることを特徴とする特徴bA1乃至特徴bA3のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、先行する特定遊技状態の途中で後続の特定遊技状態に移行することが制限される。これにより、先行する特定遊技状態の継続を優先することができ、頻繁に遊技状態の移行が生じ、遊技性が複雑化して遊びやすさが低下することを抑制できる。しかしながら、その反面、特定遊技状態への移行機会が少なく抑えられるおそれがある。この点、回数更新を実行してから移行判定を実行する順序であることで、先行する特定遊技状態の最終遊技回(上限回数に達した遊技回)については、後続の特定遊技状態への移行を許容することができる。これにより、特定遊技状態の全般で後続の特定遊技状態への移行が制限される場合に比べ、特定遊技状態への移行機会を増加させることが可能になる。
特徴bA5.前記移行判定手段は、所定の移行条件(天井回数への到達、特殊外れ結果への当選、特定入球部への入球等)が成立したか否かに基づいて前記移行判定を実行し、前記移行条件が成立している場合に当該移行判定の結果を前記移行対応結果とするように構成されており、
前記移行条件として、前記特別判定の結果が特別遊技状態への移行に対応しない非特定結果(外れ結果)となった遊技回の回数が特定回数(天井回数)となることを含み、
特定遊技状態として、前記上限回数に到達する遊技回が前記特定回数に到達する遊技回と同じ遊技回となり得るように設定された所定の特定遊技状態(第2の実施の形態において4R確変大当たり結果Aを契機として移行する高確遊技状態、4R通常大当たり結果Aを契機として移行する第1時短遊技状態等)を含むことを特徴とする特徴bA1乃至特徴bA4のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、特別判定において特別遊技状態への移行に対応しない非特定結果(いわゆる外れ結果)となった累積回数が特定回数に到達することに基づいて移行する特定遊技状態を有しているとともに、上限回数に到達する遊技回が特定回数に到達する遊技回と同じ遊技回となり得るように設定された所定の特定遊技状態を有している。この場合、先行する特定遊技状態として所定の特定遊技状態が実施されれば、その最終遊技回において自ずと非特定結果の累積回数が特定回数に到達し、所定の特定遊技状態から特定回数への到達を契機とする特定遊技状態に移行させることができる。すなわち、特定結果を引き当てることができないまま所定の特定遊技状態が終了したとしても、特定回数への到達を契機とする特定遊技状態への移行により特定遊技状態の残り回数が追加されることになり、遊技者からすると、そのような残り回数の追加がない場合に比べ、特定遊技状態の中で特定結果を引き当てるチャンスが格段に高められるものとなる。これにより、特定遊技状態として所定の特定遊技状態が選ばれることを期待する楽しみを付与できるばかりか、所定の特定遊技状態の魅力(遊技者への訴求力)を高めることができ、遊技意欲を好適に喚起することが可能になる。
特徴bA6.所定の特定遊技状態は、特別遊技状態を経由して移行する特定遊技状態(第1時短遊技状態)であることを特徴とする特徴bA5に記載の遊技機。
本構成によれば、特別遊技状態の終了後、所定の特定遊技状態に移行した場合において、特定結果を引き当てることができないままその所定の特定遊技状態が終了しても、特定回数への到達を契機とする特定遊技状態への移行により特定遊技状態の残り回数を増加させることができる。これにより、特別遊技状態が終了した後に、有利な特定遊技状態を保ったまま、特定結果を引き当てて再び特別遊技状態に移行させるチャンスを高めることができ、興趣性を向上させることが可能になる。
特徴bA7.前記移行判定手段は、所定の移行条件(天井回数への到達、特殊外れ結果への当選、特定入球部への入球等)が成立したか否かに基づいて前記移行判定を実行し、前記移行条件が成立している場合に当該移行判定の結果を前記移行対応結果とするように構成されており、
前記移行条件として、前記特別判定の結果が前記特定結果とは異なる所定結果(特殊外れ結果)となること又は前記特別判定の結果が特別遊技状態への移行に対応しない非特定結果(外れ結果)となった遊技回にて行われる特定判定(外れ種別判定、移行抽選等)の結果が所定結果(特殊外れ結果、移行抽選の当選結果等)となることを含むことを特徴とする特徴bA1乃至特徴bA4のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、特別判定で特定結果(いわゆる大当たり結果)とは異なる所定結果となること又は特別判定で非特定結果(いわゆる外れ結果)となった遊技回にて行われる特定判定で所定結果となることに基づいて移行する特定遊技状態を有している。この場合、特別判定又は特定判定で所定結果となった遊技回が特定遊技状態の最終遊技回であれば、所定結果への当選を契機とする特定遊技状態への移行が許容されるものとなる。つまり、特定遊技状態の最終遊技回において特別判定又は特定判定で所定結果を引き当てることができれば、特定遊技状態の残り回数が追加されるものとすることができる。一般に特定遊技状態の最終遊技回における遊技者の心理としては、特定遊技状態が終了することへの不安感が強く、落胆した気分になりがちであるが、本構成であることで、特定遊技状態の最終遊技回をチャンス遊技回として機能させることができ、遊技意欲を好適に掻き立てることが可能になる。これにより、特定遊技状態の最後まで遊技を楽しむことができ、興趣性を向上させることが可能になる。
特徴bA8.前記移行判定手段は、所定の移行条件(天井回数への到達、特殊外れ結果への当選、特定入球部への入球等)が成立したか否かに基づいて前記移行判定を実行し、前記移行条件が成立している場合に当該移行判定の結果を前記移行対応結果とするように構成されており、
特定遊技状態に移行した場合に前記上限回数を設定する手段(第2の実施の形態の変形例2~変形例10に係る主制御装置162により開閉実行モード終了時の移行処理を実行する機能)と、
特定遊技状態である状況で前記移行条件が成立した場合に前記上限回数を再設定する手段(第2の実施の形態の変形例2に係る主制御装置162により第2時短遊技状態移行用処理を実行する機能、変形例4、変形例5に係る主制御装置162により第3時短遊技状態移行用処理を実行する機能、変形例7に係る主制御装置162により第2時短遊技状態の移行判定用処理、第3時短遊技状態の移行判定用処理、時短遊技状態移行用処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴bA1乃至特徴bA7のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、特定遊技状態の途中で移行条件が成立した場合に特定遊技状態の上限回数が再設定される。すなわち、先行する特定遊技状態の途中で移行条件が成立した際に後続の特定遊技状態への移行が許容されるところ、上記特徴bA1のように回数更新を実行してから移行判定を実行する順序であることで、後続の特定遊技状態に移行してからの残り回数を適切に確保することが可能になる。
特徴bA9.予め定められた周期で定期処理(主制御装置162による通常処理等)を繰り返し実行することにより遊技の進行を制御するように構成されており、
前記定期処理の1処理回において前記回数更新手段による前記更新と前記移行判定手段による前記移行判定とを実行可能に構成されていることを特徴とする特徴bA1乃至特徴bA8のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、定期処理を繰り返し実行することで遊技の進行が制御される構成の下、回数更新と移行判定が同じ処理回の中で行われるため、先行する特定遊技状態から後続の特定遊技状態に移行する場合に、通常遊技状態での遊技回が介在することを好適に抑制することができる。
特徴bA10.遊技球が入球可能な所定入球手段(第2作動口63)を備え、
特定遊技状態は、通常遊技状態よりも前記所定入球手段への入球が生じやすいものであり、
前記特別判定手段は、前記所定入球手段への入球に基づいて前記特別判定を実行することが可能であることを特徴とする特徴bA1乃至特徴bA9のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、特定遊技状態に移行すると、通常遊技状態よりも所定入球手段への入球が発生しやすくなり、特別判定を受けやすくなるように構成されている。このような構成に対し、上記特徴bA1から特徴bA9のいずれかの構成を適用することで、それら各特徴を有効に機能させ、上記各効果を好適に発揮させることができる。
特徴bA11.予め定められた判定条件(第1作動口62又は第2作動口63への入賞)の成立に基づいて特別判定(特図当否判定)を実行する特別判定手段(主制御装置162における特図当否判定を実行する機能)と、
前記特別判定の結果が特定結果(大当たり結果)となることに基づいて通常遊技状態よりも遊技者にとって有利な特別遊技状態(開閉実行モード)に移行させることが可能な特別遊技状態用移行手段(主制御装置162における遊技状態移行処理を実行する機能)と、
前記特別判定が行われることに基づいて遊技回用動作が開始され、前記特別判定の結果に対応した報知結果とされることを遊技回の1回として、遊技回が行われるように制御する遊技回制御手段(主制御装置162における特図遊技回制御処理を実行する機能、演出制御装置143における特図変動表示用処理を実行する機能)と、
を備え、
遊技状態として、通常遊技状態よりも遊技者にとって有利なものであって特別遊技状態とは異なる特定遊技状態(高頻度サポートモード等)を有しており、
特定遊技状態に移行させるか否かの移行判定を行う移行判定手段(第2の実施の形態、第2の実施の形態の変形例1及び変形例2に係る主制御装置162により第2時短遊技状態移行用処理を実行する機能、変形例3~変形例5に係る主制御装置162により第3時短遊技状態移行用処理を実行する機能、変形例6~変形例10に係る主制御装置162により第2時短遊技状態の移行判定用処理、第3時短遊技状態の移行判定用処理を実行する機能)と、
前記移行判定の結果が特定遊技状態への移行に対応した移行対応結果となった場合に、特別遊技状態を経由することなく特定遊技状態に移行させることが可能な特定遊技状態用移行手段(第2の実施の形態、第2の実施の形態の変形例1及び変形例2に係る主制御装置162により第2時短遊技状態移行用処理を実行する機能、変形例3~変形例5に係る主制御装置162により第3時短遊技状態移行用処理を実行する機能、変形例6~変形例10に係る主制御装置162により時短遊技状態移行用処理を実行する機能等)と、
所定の終了条件(上限回数に到達したこと)が成立した場合に特定遊技状態を終了させる又は特定遊技状態を終了すべきと認識する終了用処理実行手段(第2の実施の形態、第2の実施の形態の変形例1~変形例5に係る主制御装置162により高頻度サポートモード更新・終了用処理を実行する機能、変形例6~変形例10に係る主制御装置162により高頻度サポートモード更新用処理を実行する機能等)と、
を備え、
1の遊技回において、前記終了用処理実行手段による処理が行われた後、前記移行判定手段による前記移行判定が行われるように構成されていることを特徴とする遊技機。
上記構成においては、特定遊技状態として、特別遊技状態を経由することなく移行する特定遊技状態を有している。従来の特定遊技状態は特別遊技状態を経由して移行するため、特定遊技状態に移行させるか否かの移行判定を特別遊技状態の中で処理することが可能であった。すなわち、移行判定を遊技回から切り離して実施することができたが、特別遊技状態を経由することなく特定遊技状態に移行する場合は、特定遊技状態に移行する直前の状態が遊技回であるため、遊技回の実行期間にて行われる制御の中に移行判定の処理を盛り込まざるを得ない。
また、遊技回の実行期間にて行われる制御では、特定遊技状態の終了に対応した所定の終了条件が成立しているか否かを把握し、特定遊技状態を終了させたり、終了すべきと認識したりするための終了用処理を行う必要もある。つまり、遊技回の実行期間にて行われる制御において、特定遊技状態に移行させるか否かの移行判定と、特定遊技状態を終了させるための終了用処理との両方を行う必要があるが、これらの処理順序によっては特定遊技状態の制御を好適に実施できない懸念がある。
この点、本構成では、終了用処理を実行してから移行判定を実行する順序とするため、特定遊技状態中に後続の特定遊技状態への移行契機が成立した場合に、先行する特定遊技状態を終了させてから後続の特定遊技状態に移行させることができる。これにより、複数の特定遊技状態が重複することが抑制され、遊技状態の制御を好適に行うことが可能になる。しかも、先行する特定遊技状態の終了と後続の特定遊技状態への移行とを同じ遊技回の中で処理することができるため、通常遊技状態への移行を介在させることなく、先行する特定遊技状態から後続の特定遊技状態への切り替えを行うことができる。これにより、上記切り替えが生じる状況下でも、遊技者にとって有利な状態である特定遊技状態を保ち続けることができ、遊技しやすさに優れた構成を実現することが可能になる。
特徴bA12.前記移行判定手段は、所定の移行条件(天井回数への到達、特殊外れ結果への当選、特定入球部への入球等)が成立したか否かに基づいて前記移行判定を実行し、前記移行条件が成立している場合に当該移行判定の結果を前記移行対応結果とするように構成されており、
特定遊技状態の終了条件として、特定遊技状態に移行してからの遊技回の回数が所定の上限回数となることを含み、
特定遊技状態に移行した場合に前記上限回数を設定する手段(第2の実施の形態の変形例2~変形例10に係る主制御装置162により開閉実行モード終了時の移行処理を実行する機能)と、
特定遊技状態である状況で前記移行条件が成立した場合に前記上限回数を再設定する手段(第2の実施の形態の変形例2に係る主制御装置162により第2時短遊技状態移行用処理を実行する機能、変形例4、変形例5に係る主制御装置162により第3時短遊技状態移行用処理を実行する機能、変形例7に係る主制御装置162により第2時短遊技状態の移行判定用処理、第3時短遊技状態の移行判定用処理、時短遊技状態移行用処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴bA11に記載の遊技機。
上記構成では、特定遊技状態の途中で移行条件が成立した場合に特定遊技状態の上限回数が再設定される。すなわち、先行する特定遊技状態の途中で移行条件が成立した際に後続の特定遊技状態への移行が許容されるため、先行する特定遊技状態の途中から後続の特定遊技状態に切り替える処理が必要となる。このような構成において、上記特徴bA11のように終了用処理を実行してから移行判定を実行する順序であることで、先行する特定遊技状態から後続の特定遊技状態への切り替えを円滑に行うことが可能になる。
なお、上記特徴bA11又は特徴bA12に対して上記特徴bA1から特徴bA10のいずれかの構成を適用することが可能である。この場合、これらの構成を適用したことによる更なる効果を奏することができる。
なお、上記特徴bA1乃至特徴bA12の各構成に対して、特徴bA1乃至特徴bA12、特徴bB1乃至特徴bB10、特徴bC1乃至特徴bC9、特徴bD1乃至特徴bD6、特徴bE1乃至特徴bE10、特徴bF1乃至特徴bF10、特徴bG1乃至特徴bG8、特徴bH1乃至特徴bH8、特徴bI1乃至特徴bI11、特徴bJ1乃至特徴bJ10、特徴bK1乃至特徴bK10、特徴bL1乃至特徴bL9、特徴bM1乃至特徴bM10、特徴bN1乃至特徴bN7のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴bB群>
特徴bB群は、上述した各実施の形態や各変形例又はこれらの組み合わせから抽出される発明群であり、主に上記第2の実施の形態、第2の実施の形態の変形例1~変形例10に基づいて抽出されるものである。
なお、特徴bB群に記載された発明は、「例えばパチンコ機等の遊技機においては、所定の抽選契機に基づいて抽選処理を実行し、その抽選結果が特定結果となることに基づいて、通常遊技状態よりも遊技者にとって有利な特別遊技状態に移行させるものが知られている(例えば特開2004-81853号公報)。」という背景技術について、「ここで、上記例示したような遊技機等においては遊技状態の制御を行う上で未だ改善の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
特徴bB1.遊技球が入球可能又は入球しやすい第1態様(開放状態)と、遊技球が入球不可又は前記第1態様よりも入球しにくい第2態様(閉鎖状態)とに切り替わり可能な可変入球手段(第2作動口63)と、
前記可変入球手段への遊技球の入球に基づいて第1判定(特図当否判定)を実行する第1判定手段(主制御装置162における特図当否判定を実行する機能)と、
前記第1判定の結果が特定結果(大当たり結果等)となることに基づいて遊技者に所定の特典(開閉実行モード等)を付与することが可能な特典付与手段(主制御装置162における遊技状態移行処理を実行する機能等)と、
予め定められた判定条件(スルーゲート64の遊技球の通過)の成立に基づいて第2判定(普図当否判定)を実行する第2判定手段(主制御装置162における普図当否判定を実行する機能)と、
前記第2判定の結果が所定結果(サポート当選結果)となることに基づいて、前記可変入球手段を前記第2態様から前記第1態様とし、その後、前記第2態様とする切替制御が少なくとも1回行われる可変入球制御(役物開閉遊技)を実行する可変入球制御手段(主制御装置162における電役サポート用処理を実行する機能)と、
前記第2判定が行われることに基づいて遊技回用動作が開始され、前記第2判定の結果に対応した報知結果とされることを遊技回(普図遊技回)の1回として、遊技回が行われるように制御する遊技回制御手段(主制御装置162における普図遊技回制御処理を実行する機能)と、
を備え、
遊技状態として第1遊技状態(通常遊技状態等)及び第2遊技状態(第2時短遊技状態等)を含む複数の遊技状態を有しており、
第1遊技状態から第2遊技状態に変化する状況(通常遊技状態から第2時短遊技状態に変化する状況、通常遊技状態から第3時短遊技状態に変化する状況、第2時短遊技状態から通常遊技状態に変化する状況、第3時短遊技状態から通常遊技状態に変化する状況、第1時短遊技状態から通常遊技状態に変化する状況、第2時短遊技状態又は第3時短遊技状態の一方からそれら各時短遊技状態の他方に変化する状況等)で遊技回が実行中である場合に当該実行中の遊技回を終了させることが可能な特定終了手段(第2の実施の形態、第2の実施の形態の変形例1~変形例10に係る主制御装置162によりステップSb1311~ステップSb1315、ステップSb3509、ステップSb4107、ステップSb5811の処理を実行する機能等)を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成では、可変入球手段への入球に基づいて第1判定が行われ、その結果が特定結果となることで所定の特典が付与される。また、第1判定とは別に第2判定が行われ、その結果を報知するための遊技回が実行されるとともに、上記第2判定の結果が所定結果となることで可変入球手段が第1態様となる可変入球制御が実行される。ここで、そのような構成の遊技機においては、遊技状態の種別によって上記遊技回や可変入球制御の態様が異なり、例えば、変化後の遊技状態での遊技回等が変化前の遊技状態よりも遊技者にとって有利な態様で実行されるものがある。このような場合において、例えば、遊技状態が変化する直前に第2判定が行われると、当該判定は変化前の遊技状態の下で開始されるため、当該判定結果に基づく遊技回等は遊技者にとって不利な態様で行われることになる。この点、本構成では、第1遊技状態から第2遊技状態に変化する状況で遊技回が実行中であると、その遊技回が強制終了されるため、第2遊技状態下での第2判定を速やかに実行させることができる。これにより、第2遊技状態に対応した遊技回等の開始タイミングを迅速化することができ、遊技状態の制御を好適に行うことが可能になる。
なお、本特徴の「第1遊技状態から第2遊技状態に変化する状況で遊技回が実行中である場合に」は、「第1遊技状態から第2遊技状態に変化する状況において第1遊技状態中に開始された遊技回が実行中である場合に」と表現することもできる。
特徴bB2.前記特典付与手段として、前記第1判定の結果が特定結果となることに基づいて遊技者にとって有利な特別遊技状態(開閉実行モード)に移行させることが可能な特別遊技状態用移行手段(主制御装置162における遊技状態移行処理を実行する機能)を備え、
前記特定終了手段は、特別遊技状態を経由することなく第1遊技状態から第2遊技状態に変化する状況で遊技回が実行中である場合に当該実行中の遊技回を終了させることが可能であることを特徴とする特徴bB1に記載の遊技機。
例えば、第1遊技状態→特別遊技状態→第2遊技状態といった具合に特別遊技状態を経由して遊技状態が変化する場合であれば、第1遊技状態で開始された遊技回や可変入球制御を特別遊技状態の中で終了させることができるため、その影響が第2遊技状態に及ぶことを抑制できる。しかしながら、特別遊技状態を経由することなく第1遊技状態から第2遊技状態への変化が行われる場合は、第1遊技状態で開始された遊技回等を吸収する期間を確保できないため、第1遊技状態に対応した遊技回等が第2遊技状態において継続しやすくなる懸念がある。このような場合に対して上記特徴bB1の構成を適用することで、上記効果を好適に発揮させることが可能になる。
特徴bB3.前記特定終了手段により前記終了が行われる場合において、終了対象の遊技回における前記第2判定の結果が前記所定結果である場合に当該所定結果とは異なる結果(普図外れ結果)に変更する手段(主制御装置162によりステップSb1313の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴bB1又は特徴bB2に記載の遊技機。
上記構成では、遊技状態の変化に伴って遊技回を強制終了させる場合に、その遊技回の契機となった第2判定の結果が、可変入球制御を実行させることに対応した所定結果である場合には、可変入球制御を実行させない他の結果に変更される。これにより、遊技回の強制終了後、可変入球制御を介さずに次の遊技回を開始させることができる。その分、だ2遊技状態(変化後の遊技状態)に対応した遊技回等の開始タイミングを早めることができ、遊技状態の変化に対してより迅速に対応させることが可能になる。
特徴bB4.前記遊技回制御手段は、前記遊技回用動作が行われた後、前記第2判定の結果に対応した報知結果として特定報知(普図の停止表示)が行われるように遊技回を制御するものであり、
遊技状態が変化する状況で特定報知の実行中である場合に、前記特定終了手段による前記終了を制限することが可能に構成されていることを特徴とする特徴bB1乃至特徴bB3のいずれかに記載の遊技機。
例えば、特定報知(特定判定の結果報知)が実行されている状況でその報知を強制終了させると、報知期間の短縮化を招く。その結果、特定報知の視認性が低下し、第2判定の結果を把握しにくくなる懸念がある。この点、本構成では、特定報知の実行中である場合は遊技状態の変化に伴う強制終了が制限される。これにより、適切な報知期間を確保することができ、特定報知の視認性が損なわれることを抑制できる。
なお、本特徴を上記特徴bB3に適用した場合には、次の効果を奏することができる。例えば、特定報知の実行中であっても遊技状態の変化に伴う強制終了を実行する構成においては、第2判定の結果を所定結果から異なる結果に変更させた場合に、変更前の結果に対応した特定報知(所定結果になったことの報知)が実行され、その後、強制終了によりその報知が終了される。すなわち、変更前の結果である所定結果が強制終了の実行タイミングまで報知された後、当該強制終了により遊技回自体が終了するため、変更後の結果が報知されない。このため、所定結果が報知されたにもかかわらず可変入球制御が行われない事態を招き、遊技機や遊技ホールに対する遊技者の信頼を低下させるおそれがある。この点、特徴bB4では、特定報知の実行中である場合は例外的に強制終了しないため、特定報知により示される結果と変更後の第2判定の結果との不整合が発生することを抑制でき、延いては、所定結果が報知された状態で可変入球制御が行われない事象の発生を抑制することが可能になる。
特徴bB5.前記第1判定が行われることに基づいて第1遊技回用動作が開始され、当該第1遊技回用動作の終了後、前記第1判定の結果に対応した所定報知(特図の停止表示)が行われることを第1遊技回(特図遊技回)の1回として、第1遊技回が行われるように制御する第1遊技回制御手段(主制御装置162における特図遊技回制御処理を実行する機能)と、
前記遊技回としての第2遊技回が行われるように制御する第2遊技回制御手段と、
所定の移行条件(天井回数への到達、特殊外れ結果の当選、特定入球部への入球、上限回数への到達等)が成立した場合に第2遊技状態に移行させる移行手段(第2の実施の形態、第2の実施の形態の変形例1及び変形例2に係る主制御装置162により第2時短遊技状態移行用処理を実行する機能、変形例3~変形例5に係る主制御装置162により第3時短遊技状態移行用処理を実行する機能、変形例6~変形例10に係る主制御装置162により第2時短遊技状態の移行判定用処理、第3時短遊技状態の移行判定用処理、時短遊技状態移行用処理を実行する機能等)と、
を備え、
前記移行手段は、前記所定の移行条件が成立した第1遊技回において前記所定報知が終了する前の所定タイミング(特図遊技回における確定表示の開始タイミング、確定表示の途中タイミング、変動表示の開始タイミング、変動表示中のタイミング等)にて特定遊技状態への移行を行うように構成されていることを特徴とする特徴bB1乃至特徴bB4のいずれかに記載の遊技機。
移行条件が成立した第1遊技回において所定報知(特別判定結果の報知)が終了することにより、次の第1遊技回として第2遊技状態に移行してからの最初の第1遊技回が開始される。この際、上記構成では、移行条件が成立した第1遊技回において所定報知が終了する前に第2遊技状態への移行が行われるため、第2遊技状態への移行後、最初の第1遊技回が行われるまでの間に猶予期間(遊技状態としては第2遊技状態に移行しているが、第2遊技状態に移行してからの第1遊技回は未だ行われていない状態の期間)を確保することができる。第2遊技状態への移行に対応させて第2遊技回を終了させた場合に、その猶予期間において次の第2遊技回を開始させれば、第2遊技状態への移行後、第1遊技回よりも先行して第2遊技回を開始させることができる。その結果、可変入球制御の開始タイミングが早められ、第2遊技状態への移行後において可変入球手段への入球が生じやすくなる状況を早期に生じさせることが可能になる。
特徴bB6.前記第2遊技回制御手段は、前記第2判定が行われることに基づいて第2遊技回用動作が開始され、当該第2遊技回用動作の終了後、前記第2判定の結果に対応した第2報知(普図の停止表示)が行われることを第2遊技回(普図遊技回)の1回として、第2遊技回が行われるように制御するものであり、
前記所定タイミングから第2遊技状態への移行後における最初の第1遊技回が開始されるまでの期間が、前記特定終了手段による前記終了の対象となった第2遊技回における第2報知の期間よりも長くなるようにすることが可能な手段(第2の実施の形態、第2の実施の形態の変形例1~変形例10に係る主制御装置162により確定表示開始用処理を実行する機能等)を備えていることを特徴とする特徴bB5に記載の遊技機。
上記構成では、所定タイミングで第2遊技状態への移行が行われてから第2遊技状態への移行後における最初の第1遊技回が開始されるまでの期間(猶予期間)が、特定終了手段による終了の対象となった第2遊技回における第2報知の実行期間よりも長くなるように構成されている。この場合、終了対象となった第2遊技回の第2報知は上記猶予期間の途中で終了するため、次の第2遊技回は当該猶予期間が終了する前に開始されるものとなる。その次の第2遊技回は第2遊技状態の下で行われるため、第2遊技状態に対応した第2遊技回を上記最初の第1遊技回に先行して開始させることができる。これにより、第2遊技状態への移行後における可変入球制御の開始タイミングを早め、可変入球手段への入球が生じやすくなる状況を早期に生じさせることが可能になる。
なお、本特徴を上記特徴bB5に適用する場合は上記特徴bB5における「所定報知」を「第1報知」と読み替えることができる。
特徴bB7.前記所定の移行条件が成立した第1遊技回における第1報知の期間を、前記所定の移行条件が成立しない所定の第1遊技回における第1報知の期間よりも長くする手段(第2の実施の形態、第2の実施の形態の変形例1~変形例10に係る主制御装置162において特定確定表示時間を設定する機能等)を備えていることを特徴とする特徴bB5又は特徴bB6に記載の遊技機。
上記構成では、第2遊技状態への移行条件が成立した第1遊技回における第1報知の期間を他の第1遊技回における第1報知の期間よりも長くするため、猶予期間の長期化を図ることができる。
なお、本特徴を特徴bB6に適用した場合は、「猶予期間を第2報知の期間よりも長くする上記特徴bB6の構成を実現する上で、第2報知の期間についての無理な短縮化を回避することが可能になる。これにより、報知期間の短縮により特定判定の結果が視認しにくくなる不都合の発生を抑制しながら、上記特徴bB6の構成を実現することが可能になる。」という更なる効果を期待することができる。
特徴bB8.前記特典付与手段として、前記第1判定の結果が特定結果となることに基づいて通常遊技状態よりも遊技者にとって有利な特別遊技状態(開閉実行モード)に移行させることが可能な特別遊技状態用移行手段(主制御装置162における遊技状態移行処理を実行する機能)を備え、
遊技状態として、通常遊技状態よりも遊技者にとって有利なものであって特別遊技状態とは異なる特定遊技状態(高頻度サポートモード等)を有しており、
第1遊技状態と第2遊技状態の一方が通常遊技状態であり、第1遊技状態と第2遊技状態の他方が特定遊技状態であることを特徴とする特徴bB1乃至特徴bB7のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、通常遊技状態と特定遊技状態の間で遊技状態が変化する場合に遊技回の強制終了が実施される。すなわち、遊技回や可変入球制御の態様が変化する場合に対応させて特定終了手段による上記終了が実行されるため、上記特徴bB1から特徴bB7における上記各効果を好適に発揮させることが可能になる。
特徴bB9.前記特典付与手段として、前記第1判定の結果が特定結果となることに基づいて通常遊技状態よりも遊技者にとって有利な特別遊技状態(開閉実行モード)に移行させることが可能な特別遊技状態用移行手段(主制御装置162における遊技状態移行処理を実行する機能)を備え、
遊技状態として、通常遊技状態よりも遊技者にとって有利なものであって特別遊技状態とは異なる特定遊技状態(高頻度サポートモード等)を有しており、
第1遊技状態が通常遊技状態であり、第2遊技状態が特定遊技状態であることを特徴とする特徴bB1乃至特徴bB7のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、通常遊技状態から特定遊技状態への移行である場合に特定終了手段による遊技回の終了が実行される。すなわち、遊技回や可変入球制御が不利な態様で行われる状況から有利な態様で行われる状況に切り替わることに対応させて特定終了手段による上記終了が実行されるため、上記特徴bB1から特徴bB7における上記各効果を好適に発揮させることが可能になる。
なお、上記特徴bB8又は特徴bB9の「遊技状態として、通常遊技状態よりも遊技者にとって有利なものであって特別遊技状態とは異なる特定遊技状態(高頻度サポートモード等)を有しており」は、「遊技状態として、遊技回及び可変入球制御の少なくとも一方が通常遊技状態よりも遊技者にとって有利な態様で実行される特定遊技状態(高頻度サポートモード)を有しており」と表現することもできる。
特徴bB10.特定遊技状態として複数種の特定遊技状態(第1時短遊技状態、第2時短遊技状態、第3時短遊技状態等)を有しており、
所定の特定遊技状態から当該所定の特定遊技状態とは異なる他の特定遊技状態に変化する状況で遊技回が実行中である場合に前記特定終了手段による前記終了が制限されるように構成されていることを特徴とする特徴bB8又は特徴bB9に記載の遊技機。
1の特定遊技状態から他の特定遊技状態への変化の場合は、当該変化の前から既に遊技回や可変入球制御が特定遊技状態に対応した態様で実行されている。このような状況において遊技回を途中終了させると、却って変化後の遊技状態に対応した遊技回等の開始が遅れるおそれがある。この点、本構成では、1の特定遊技状態から他の特定遊技状態に切り替わる場合は特定終了手段による遊技回の終了を制限するため、そのような不都合の発生を抑制することが可能になる。
なお、上記特徴bB1乃至特徴bB10の各構成に対して、特徴bA1乃至特徴bA12、特徴bB1乃至特徴bB10、特徴bC1乃至特徴bC9、特徴bD1乃至特徴bD6、特徴bE1乃至特徴bE10、特徴bF1乃至特徴bF10、特徴bG1乃至特徴bG8、特徴bH1乃至特徴bH8、特徴bI1乃至特徴bI11、特徴bJ1乃至特徴bJ10、特徴bK1乃至特徴bK10、特徴bL1乃至特徴bL9、特徴bM1乃至特徴bM10、特徴bN1乃至特徴bN7のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴bC群>
特徴bC群は、上述した各実施の形態や各変形例又はこれらの組み合わせから抽出される発明群であり、主に上記第2の実施の形態、第2の実施の形態の変形例1~変形例10に基づいて抽出されるものである。
なお、特徴bC群に記載された発明は、「例えばパチンコ機等の遊技機においては、所定の抽選契機に基づいて抽選処理を実行し、その抽選結果が特定結果となることに基づいて、通常遊技状態よりも遊技者にとって有利な特別遊技状態に移行させるものが知られている(例えば特開2004-81853号公報)。」という背景技術について、「ここで、上記例示したような遊技機等においては遊技状態の制御を行う上で未だ改善の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
特徴bC1.遊技球が入球可能な入球手段(第1作動口62)と、
遊技球が入球可能又は入球しやすい第1態様(開放状態)と、遊技球が入球不可又は前記第1態様よりも入球しにくい第2態様(閉鎖状態)とに切り替わり可能な可変入球手段(第2作動口63)と、
前記入球手段又は前記可変入球手段への遊技球の入球に基づいて特別判定(特図当否判定)を実行する特別判定手段(主制御装置162における特図当否判定を実行する機能)と、
前記特別判定の結果が特定結果(大当たり結果)となることに基づいて、通常遊技状態よりも遊技者にとって有利な特別遊技状態(開閉実行モード)に移行させることが可能な特別遊技状態用移行手段(主制御装置162における遊技状態移行処理を実行する機能)と、
前記特別判定が行われることに基づいて第1遊技回用動作が開始され、前記特別判定の結果に対応した報知結果とされることを第1遊技回(特図遊技回)の1回として、第1遊技回が行われるように制御する第1遊技回制御手段(主制御装置162における特図遊技回制御処理を実行する機能、演出制御装置143における特図変動表示用処理を実行する機能)と、
予め定められた判定条件(スルーゲート64の遊技球の通過)の成立に基づいて特定判定(普図当否判定)を実行する特定判定手段(主制御装置162における普図当否判定を実行する機能)と、
前記特定判定の結果が所定結果(サポート当選結果)となることに基づいて、前記可変入球手段を前記第2態様から前記第1態様とし、その後、前記第2態様とする切替制御が少なくとも1回行われる可変入球制御(役物開閉遊技)を実行する可変入球制御手段(主制御装置162における電役サポート用処理を実行する機能)と、
前記特定判定が行われることに基づいて第2遊技回用動作が開始され、前記特定判定の結果に対応した報知結果とされることを第2遊技回(普図遊技回)の1回として、第2遊技回が行われるように制御する第2遊技回制御手段(主制御装置162における普図遊技回制御処理を実行する機能)と、
を備え、
遊技状態として、第2遊技回及び前記可変入球制御の少なくとも一方が通常遊技状態よりも遊技者にとって有利な態様で実行される特定遊技状態(高頻度サポートモード)を有しており、
所定の移行条件(天井回数への到達、特殊外れ結果の当選、特定入球部への入球等)が成立した場合に、特別遊技状態を経由することなく特定遊技状態に移行させることが可能な特定遊技状態用移行手段(第2の実施の形態の変形例1及び変形例2に係る主制御装置162により第2時短遊技状態移行用処理を実行する機能、変形例3~変形例5に係る主制御装置162により第3時短遊技状態移行用処理を実行する機能、変形例6~変形例10に係る主制御装置162により第2時短遊技状態の移行判定用処理、第3時短遊技状態の移行判定用処理、時短遊技状態移行用処理を実行する機能)と、
特定遊技状態に移行した場合に、特定遊技状態に移行してからの最初の第2遊技回が特定遊技状態に移行してからの最初の第1遊技回に先行して行われるようにすることが可能な特定手段(第2の実施の形態、第2の実施の形態の変形例1~変形例10に係る主制御装置162によりステップSb1311~ステップSb1315、ステップSb3509、ステップSb4107、ステップSb5811の処理、確定表示開始用処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成では、遊技回及び可変入球制御の少なくとも一方が通常遊技状態よりも遊技者にとって有利な態様で実行される特定遊技状態を有している。このため、遊技状態が特定遊技状態に移行することにより、可変入球手段への入球が発生しやすくなり、遊技者が特別判定を受けやすくなって有利に遊技を進めることができる。また、上記構成では、特定遊技状態への移行が特別遊技状態を経由することなく実行される。すなわち、ある第1遊技回にて上記移行条件が成立した場合に、その遊技回の終了後、特定遊技状態に移行してからの最初の第1遊技回として次の遊技回が直ちに開始される。そのような前提の下、上記構成では、特定遊技状態に移行した場合に、特定遊技状態に移行してからの最初の第2遊技回が特定遊技状態に移行してからの最初の第1遊技回に先行して行われるように構成されている。これにより、特定遊技状態への移行後における可変入球制御の開始タイミングを早め、可変入球手段への入球が生じやすくなる状況を早期に生じさせることが可能になる。
特徴bC2.前記第1遊技回制御手段は、前記特別判定の結果に対応した報知結果として所定の報知(特図の停止表示)が行われるように制御するものであり、
前記特定遊技状態用移行手段は、前記移行条件が成立した第1遊技回において前記所定の報知が終了する前の所定タイミング(特図遊技回における確定表示の開始タイミング、確定表示の途中タイミング、変動表示の開始タイミング、変動表示中のタイミング等)にて特定遊技状態への移行を行うように構成されていることを特徴とする特徴bC1に記載の遊技機。
移行条件が成立した第1遊技回において所定の報知(特別判定結果の報知)が終了することにより、次の第1遊技回として特定遊技状態に移行してからの最初の第1遊技回が開始される。この際、上記構成では、移行条件が成立した第1遊技回において所定の報知が終了する前に特定遊技状態への移行が行われるため、特定遊技状態への移行後、最初の第1遊技回が行われるまでの間に猶予期間(遊技状態としては特定遊技状態に移行しているが、特定遊技状態に移行してからの第1遊技回は未だ行われていない状態の期間)を確保することができる。この猶予期間を利用して第2遊技回を開始されれば、特定遊技状態への移行後、第1遊技回よりも先行して第2遊技回を開始させることができ、特徴bC1の構成を実現する上で好ましい態様とすることができる。
特徴bC3.前記入球手段に遊技球が入球した場合よりも前記可変入球手段に入球した場合の方が遊技者にとって有利となるように構成されている(第2特図の大当たり用種別判定を第1特図の大当たり用種別判定よりも優遇した構成)ことを特徴とする特徴bC1又は特徴bC2に記載の遊技機。
上記構成では、入球手段への入球を生じさせるよりも可変入球手段への入球を生じさせる方が遊技者にとって有利であるため、遊技者にとっての特定遊技状態の恩恵は、特別判定を受ける頻度が高まる点に留まらず、可変入球手段への入球に基づく有利な側の遊技が行われやすくなる点にも生じる。この場合、遊技者としては、特定遊技状態への移行後において入球手段への入球に基づく不利な側の遊技が行われることを極力抑えたくなるが、有利な側の可変入球手段への入球タイミングを迅速化できることで、その分、入球手段への入球に基づく遊技が行われる回数や可能性を低減することが可能になる。これにより、特定遊技状態への移行後における遊技が遊技者の要望に応じた態様で行われる構成を好適に実現することが可能になる。
特徴bC4.前記入球手段又は前記可変入球手段への遊技球の入球に基づいて特別情報(保留情報)を取得する情報取得手段(主制御装置162における情報取得処理を実行する機能)と、
前記情報取得手段の取得した特別情報を記憶する取得情報記憶手段(保留球格納エリア314b)と、
を備え、
前記特別判定手段は、前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報に基づいて前記特別判定を行うものであり、
前記入球手段への入球に基づいて取得された特別情報と前記可変入球手段への入球に基づいて取得された特別情報とが前記取得情報記憶手段に記憶されている場合に、前記可変入球手段への入球に基づいて取得された特別情報についての前記特別判定が優先して行われるようにすることが可能な優先手段(主制御装置162によりデータ設定処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴bC1乃至特徴bC3のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、入球手段又は可変入球手段への入球により取得される特別情報に基づいて特別判定手段における特別判定が行われるところ、このような構成に対して上記特徴bC1又は特徴bC2の構成を適用することで、特別遊技状態への移行後において可変入球手段への入球に対応した特別情報を早期に取得しやすくすることが可能になる。加えて、上記構成では、入球手段への入球に基づく特別情報と可変入球手段への入球に基づく特別情報との両方が取得されている場合に、後者の特別情報についての特別判定が優先して実行されるため、可変入球手段への入球に対応した特別情報が取得された際に、入球手段への入球に対応した特別情報が取得情報記憶手段に残存していることがあっても、可変入球手段への入球に基づく特別判定が実行される。すなわち、本構成によれば、特別遊技状態への移行後において可変入球手段への入球に基づく特別判定の実行タイミングを早めることが可能になる。
なお、本特徴を上記特徴bC3に適用した場合には、遊技者にとって有利な可変入球手段への入球に基づく遊技が行われるタイミングを早めることができ、入球手段への入球に基づく不利な側の遊技が行われる回数や可能性を低減することが可能になる。
特徴bC5.前記特定手段は、特定遊技状態に移行した場合に、前記最初の第2遊技回における前記第2遊技回用動作が前記最初の第1遊技回が行われるよりも先行して終了するようにすることが可能である(第2の実施の形態の変形例1に係る主制御装置162により特定確定表示時間を設定する機能)ことを特徴とする特徴bC1乃至特徴bC4のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、特定遊技状態への移行後において最初の第1遊技回が行われる前に最初の第2遊技回における遊技回用動作が終了するため、上記最初の第2遊技回が終了した後の可変入球制御を上記最初の第1遊技回の開始前に実行されやすくすることができる。これにより、特定遊技状態に移行してからの最初の第1遊技回として可変入球手段への入球に基づく遊技回を実施させやすくすることが可能になる。
特徴bC6.前記第2遊技回制御手段は、前記特定判定の結果に対応した報知結果として特定の報知(普図の停止表示)が行われるように制御するものであり、
前記特定手段は、特定遊技状態に移行した場合に、前記最初の第2遊技回における前記特定の報知が前記最初の第1遊技回が行われるよりも先行して終了するようにすることが可能である(第2の実施の形態の変形例1に係る主制御装置162により特定確定表示時間を設定する機能)ことを特徴とする特徴bC1乃至特徴bC5のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、特定遊技状態への移行後において最初の第1遊技回が行われる前に最初の第2遊技回における特定の報知(特定判定結果の報知)が終了するため、上記最初の第2遊技回が終了した後の可変入球制御を上記最初の第1遊技回の開始前に実行させることが可能になる。これにより、特定遊技状態に移行してからの最初の第1遊技回として可変入球手段への入球に基づく遊技回を実施させることが可能になる。
特徴bC7.前記第1遊技回制御手段は、前記特別判定の結果に対応した報知結果として所定の報知(特図の停止表示)が行われるように制御するものであり、
前記特定遊技状態用移行手段は、前記移行条件が成立した第1遊技回において前記所定の報知が終了する前の所定タイミング(特図遊技回における確定表示の開始タイミング、確定表示の途中タイミング、変動表示の開始タイミング、変動表示中のタイミング等)にて特定遊技状態への移行を行うように構成されており、
前記可変入球手段への入球を促す特定報知(右打ち報知画像477aや目標案内画像477bの表示)を実行する特定報知実行手段を備え、
前記特定報知実行手段は、前記所定タイミングから前記最初の第1遊技回が行われるまでの期間における特定タイミング(第2時短遊技状態に移行してから役物開閉遊技が開始される前のタイミング、第2時短遊技状態に移行してから確定表示時間が経過するまでの期間におけるいずれかのタイミング等)にて前記特定報知を実行することが可能に構成されていることを特徴とする特徴bC1乃至特徴bC6のいずれかに記載の遊技機。
移行条件が成立した第1遊技回において所定の報知(特別判定結果の報知)が終了することにより、次の第1遊技回として特定遊技状態に移行してからの最初の第1遊技回が開始される。この際、上記構成では、移行条件が成立した第1遊技回において所定の報知が終了する前に特定遊技状態への移行が行われるため、特定遊技状態への移行後、最初の第1遊技回が行われるまでの間に猶予期間(遊技状態としては特定遊技状態に移行しているが、特定遊技状態に移行してからの第1遊技回は未だ行われていない状態の期間)を確保することができる。特定遊技状態に移行してからの最初の第2遊技回が特定遊技状態に移行してからの最初の第1遊技回に先行して行われる場合において、上記猶予期間において可変入球手段への入球を促す特定報知を行うことにより、可変入球手段への迅速な入球をより好適に促進することが可能になる。
特徴bC8.前記特定手段は、通常遊技状態から特定遊技状態に移行した場合に前記最初の第2遊技回が前記最初の第1遊技回に先行して行われるようにすることが可能であることを特徴とする特徴bC1乃至特徴bC7のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、通常遊技状態から特定遊技状態への移行である場合に特定遊技状態に移行してからの最初の第2遊技回が特定遊技状態に移行してからの最初の第1遊技回に先行して行われるように処理が実行される。すなわち、遊技回や可変入球制御が不利な態様で行われる状況から有利な態様で行われる状況に切り替わることに対応させて上記処理が実行されるため、上記特徴bC1から特徴bC7における上記各効果を好適に発揮させることが可能になる。
特徴bC9.前記入球手段又は前記可変入球手段への遊技球の入球に基づいて特別情報(保留情報)を取得する情報取得手段(主制御装置162における情報取得処理を実行する機能)と、
前記情報取得手段の取得した特別情報を記憶する取得情報記憶手段(保留球格納エリア314b)と、
を備え、
前記特別判定手段は、前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報に基づいて前記特別判定を行うものであり、
次の第1遊技回に対応する特別情報が前記取得情報記憶手段に記憶されている状況で特定遊技状態に移行した場合に、前記最初の第2遊技回が前記最初の第1遊技回に先行して行われるようにすることが可能であることを特徴とする特徴bC1乃至特徴bC8のいずれかに記載の遊技機。
移行条件が成立した第1遊技回に対して次の第1遊技回に対応する特別情報が取得情報記憶手段に記憶されている場合は、可変入球手段への新たな入球が生じなくても、移行条件が成立した第1遊技回の終了後、直ちに特定遊技状態に移行してからの最初の第1遊技回(上記次の第1遊技回)が開始されることになるが、本構成では、そのような場合でも上記最初の第1遊技回が行われる前に最初の第2遊技回が行われるように構成されている。これにより、上記特徴bC1から特徴bC9の各構成を有効に機能させ、上記各効果を好適に発揮させることができる。
なお、上記特徴bC1乃至特徴bC9の各構成に対して、特徴bA1乃至特徴bA12、特徴bB1乃至特徴bB10、特徴bC1乃至特徴bC9、特徴bD1乃至特徴bD6、特徴bE1乃至特徴bE10、特徴bF1乃至特徴bF10、特徴bG1乃至特徴bG8、特徴bH1乃至特徴bH8、特徴bI1乃至特徴bI11、特徴bJ1乃至特徴bJ10、特徴bK1乃至特徴bK10、特徴bL1乃至特徴bL9、特徴bM1乃至特徴bM10、特徴bN1乃至特徴bN7のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴bD群>
特徴bD群は、上述した各実施の形態や各変形例又はこれらの組み合わせから抽出される発明群であり、主に上記第2の実施の形態、第2の実施の形態の変形例1~変形例10に基づいて抽出されるものである。
なお、特徴bD群に記載された発明は、「例えばパチンコ機等の遊技機においては、所定の抽選契機に基づいて抽選処理を実行し、その抽選結果が特定結果となることに基づいて、通常遊技状態よりも遊技者にとって有利な特別遊技状態に移行させるものが知られている(例えば特開2004-81853号公報)。」という背景技術について、「ここで、上記例示したような遊技機等においては遊技状態の制御を行う上で未だ改善の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
特徴bD1.予め定められた判定条件(第1作動口62又は第2作動口63への入賞)の成立に基づいて特別判定(特図当否判定)を実行する特別判定手段(主制御装置162における特図当否判定を実行する機能)と、
前記特別判定の結果が特定結果(大当たり結果)となることに基づいて通常遊技状態よりも遊技者にとって有利な特別遊技状態(開閉実行モード)に移行させることが可能な特別遊技状態用移行手段(主制御装置162における遊技状態移行処理を実行する機能)と、
絵柄を可変表示することが可能な絵柄表示手段(特図用表示部43、図柄表示装置75)と、
前記特別判定が行われることに基づいて前記絵柄表示手段において絵柄の可変表示を開始させ、前記特別判定の結果に対応した停止結果を停止表示することを遊技回の1回として、遊技回が行われるように制御する遊技回制御手段(主制御装置162における特図遊技回制御処理を実行する機能、演出制御装置143における特図変動表示用処理を実行する機能)と、
を備え、
遊技状態として、通常遊技状態よりも遊技者にとって有利なものであって特別遊技状態とは異なる特定遊技状態(高頻度サポートモード等)を有しており、
所定の移行条件(天井回数への到達、特殊外れ結果の当選、特定入球部への入球等)が成立した場合に、特別遊技状態を経由することなく特定遊技状態に移行させることが可能な特定遊技状態用移行手段(第2の実施の形態、第2の実施の形態の変形例1及び変形例2に係る主制御装置162により第2時短遊技状態移行用処理を実行する機能、変形例3~変形例5に係る主制御装置162により第3時短遊技状態移行用処理を実行する機能、変形例6~変形例10に係る主制御装置162により第2時短遊技状態の移行判定用処理、第3時短遊技状態の移行判定用処理、時短遊技状態移行用処理を実行する機能)と、
前記移行条件が成立した遊技回において前記停止表示を行う停止表示期間を前記移行条件が成立しない所定の遊技回の前記停止表示期間とは異なる期間に設定することが可能な期間設定手段(第2の実施の形態、第2の実施の形態の変形例1~変形例10に係る主制御装置162により特定確定表示時間を設定する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成では、特別判定の結果が特定結果となることに基づいて移行する特別遊技状態のほか、通常遊技状態よりも遊技者にとって有利な遊技状態として特定遊技状態を有している。また、上記構成では、そのような特定遊技状態として特別遊技状態を経由することなく移行する遊技状態を有している。この特定遊技状態には所定の移行条件が成立することにより移行するが、特定遊技状態での遊技を遊技者がスムーズに始められるようにする上では、特定遊技状態に移行してからの最初の遊技回が開始されるよりも前に、特定遊技状態への移行を遊技者に知らせることが望ましい。この場合、従来の特定遊技状態のように特別遊技状態を経由して移行する場合であれば、特別遊技状態の期間(例えば、特別遊技状態における終了時演出の期間等)を利用して、特定遊技状態への移行等に対応した報知を行うことが可能であるが、特別遊技状態を経由することなく移行する特定遊技状態の場合は、移行条件が成立した遊技回が終了した後、特定遊技状態に移行してからの最初の遊技回が直ちに行われるため、そのような報知の実行期間を確保することが困難となる。この点、本構成では、移行条件が成立した遊技回において絵柄の停止表示を行う停止表示期間を、移行条件が成立しない他の遊技回の停止表示期間と異ならせるため、特定遊技状態への移行が生じた場合において、その特殊な停止表示期間を利用することで、上記報知の実行期間を好適に確保することが可能になる。
特徴bD2.前記期間設定手段は、前記移行条件が成立した遊技回の前記停止表示期間を前記移行条件が成立しない所定の遊技回の前記停止表示期間よりも長い期間に設定することが可能であることを特徴とする特徴bD1に記載の遊技機。
上記構成では、移行条件が成立した遊技回の停止表示期間を移行条件が成立しない他の遊技回の停止表示期間よりも長くするため、上記報知の実行期間を好適に確保することが可能になる。
特徴bD3.前記期間設定手段は、通常遊技状態から特定遊技状態に移行する場合に、前記移行条件が成立した遊技回の前記停止表示期間を前記移行条件が成立しない所定の遊技回の前記停止表示期間よりも長い期間に設定することが可能であることを特徴とする特徴bD2に記載の遊技機。
上記構成では、通常遊技状態から特定遊技状態への移行である場合に、移行条件が成立した遊技回の停止表示期間を移行条件が成立しない他の遊技回の停止表示期間よりも長くする。この場合、移行条件が成立した遊技回における長めの停止表示期間により、特定遊技状態に切り替わることへの遊技者の準備期間を確保することができる。このような構成は、例えば、通常遊技状態と特定遊技状態とで推奨される遊技球の発射強度が異なるなど、それら各遊技状態での遊技における遊技者の操作態様が相違する場合に特に有効となる。
特徴bD4.前記移行条件の成立又は特定遊技状態への移行に対応した特定報知(第2時短遊技状態や第3時短遊技状態の開始演出、天井到達演出等)を実行する特定報知実行手段(演出制御装置143により第2移行用演出設定処理、特図変動表示用処理を実行する機能等)を備え、
前記特定報知実行手段は、前記移行条件が成立した遊技回の前記停止表示期間の少なくとも一部にて前記特定報知を実行する手段を備えていることを特徴とする特徴bD2又は特徴bD3の遊技機。
特定遊技状態への移行を事前に知らせる上では、移行条件が成立した遊技回において絵柄の可変表示期間を利用し、特定遊技状態への移行等に対応した報知を行うことも考えられる。しかしながら、この構成では、遊技回の途中で遊技者の関心が特定遊技状態への移行に移りがちとなり、遊技回への注目度が損なわれる懸念がある。この点、本構成では、移行条件が成立した遊技回の停止表示期間を移行条件が成立しない他の遊技回の停止表示期間よりも長くし、その期間の少なくとも一部を用いて上記報知を行うため、遊技回への注目度の確保と上記報知のための期間の確保とを好適に両立させることが可能になる。
特徴bD5.前記特定報知実行手段は、前記移行条件が成立した遊技回の前記停止表示期間において前記停止表示が開始された後に前記特定報知を実行することが可能であることを特徴とする特徴bD4に記載の遊技機。
上記構成によれば、絵柄の停止表示により特別判定の結果を知らせてから特定遊技状態への移行を知らせることができ、特別判定の結果と特定遊技状態への移行との両方を遊技者が把握する上で好ましい態様とすることができる。
特徴bD6.遊技球が入球可能な所定入球手段(第2作動口63)を備え、
特定遊技状態は、通常遊技状態よりも前記所定入球手段への入球が生じやすいものであり、
前記特別判定手段は、前記所定入球手段への遊技球の入球に基づいて前記特別判定を実行することが可能であり、
前記所定入球手段への入球を促す所定報知(右打ち報知画像477aや目標案内画像477bの表示)を実行する所定報知実行手段を備え、
前記所定報知実行手段は、前記移行条件が成立した遊技回の前記停止表示期間の少なくとも一部にて前記所定報知を実行する手段を備えていることを特徴とする特徴bD2乃至特徴bD5のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、特定遊技状態が所定入球手段への入球が生じやすい遊技状態であるとともに、所定入球手段への入球を促す所定報知が、移行条件が成立した遊技回における長めの停止表示期間の少なく一部を利用して行われる。これにより、特定遊技状態への移行後における最初の遊技回が開始される前に所定入球手段への入球を促すことができ、特定遊技状態での遊技を遊技者が円滑且つ好適に始めることが可能になる。
なお、上記特徴bD1乃至特徴bD6の各構成に対して、特徴bA1乃至特徴bA12、特徴bB1乃至特徴bB10、特徴bC1乃至特徴bC9、特徴bD1乃至特徴bD6、特徴bE1乃至特徴bE10、特徴bF1乃至特徴bF10、特徴bG1乃至特徴bG8、特徴bH1乃至特徴bH8、特徴bI1乃至特徴bI11、特徴bJ1乃至特徴bJ10、特徴bK1乃至特徴bK10、特徴bL1乃至特徴bL9、特徴bM1乃至特徴bM10、特徴bN1乃至特徴bN7のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴bE群>
特徴bE群は、上述した各実施の形態や各変形例又はこれらの組み合わせから抽出される発明群であり、主に上記第2の実施の形態の変形例3に基づいて抽出されるものである。
なお、特徴bE群に記載された発明は、「例えばパチンコ機等の遊技機においては、所定の抽選契機に基づいて抽選処理を実行し、その抽選結果が特定結果となることに基づいて、通常遊技状態よりも遊技者にとって有利な特別遊技状態に移行させるものが知られている(例えば特開2004-81853号公報)。」という背景技術について、「ここで、上記例示したような遊技機等においては遊技の興趣を向上させる上で未だ改善の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
特徴bE1.予め定められた判定条件(第1作動口62又は第2作動口63への入賞)の成立に基づいて特別判定(特図当否判定)を実行する特別判定手段(主制御装置162における特図当否判定を実行する機能)と、
前記特別判定の結果が特定結果(大当たり結果)となることに基づいて通常遊技状態よりも遊技者にとって有利な特別遊技状態(開閉実行モード)に移行させることが可能な特別遊技状態用移行手段(主制御装置162における遊技状態移行処理を実行する機能)と、
前記特別判定が行われることに基づいて遊技回用動作が開始され、前記特別判定の結果に対応した報知結果とされることを遊技回の1回として、遊技回が行われるように制御する遊技回制御手段(主制御装置162における特図遊技回制御処理を実行する機能、演出制御装置143における特図変動表示用処理を実行する機能)と、
を備え、
遊技状態として、通常遊技状態よりも遊技者にとって有利なものであって特別遊技状態とは異なる特定遊技状態(高頻度サポートモード)を有しており、
特定遊技状態の終了条件として、特定遊技状態に移行してからの遊技回の回数が所定の上限回数となることを含み、
特定遊技状態における特定の遊技回(最終遊技回、許容遊技回、制限遊技回とは異なる遊技回等)にて予め定められた特定条件(特殊外れ結果への当選、特定入球部への入球等)が成立した場合に、特定遊技状態の終了後に特定遊技状態に再移行されるか、又は、特定遊技状態における遊技回の残り回数が増加されるようにする特定処理を実行することが可能な特定手段(第2の実施の形態の変形例3に係る主制御装置162により第3時短遊技状態移行用処理を実行する機能等)を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成では、特別判定の結果が特定結果となることに基づいて移行する特別遊技状態のほか、通常遊技状態よりも遊技者にとって有利な遊技状態として特定遊技状態を有している。この特定遊技状態は、特定遊技状態に移行してからの遊技回の回数が上限回数に達することを条件として終了する。そのような前提の下、上記構成では、特定遊技状態中の特定の遊技回にて特定条件が成立した場合に、特定遊技状態の終了後に特定遊技状態に再移行されるか、又は、特定遊技状態における遊技回の残り回数が増加されるように構成されている。このため、特定の遊技回にて特定条件を成立させることにより、特定遊技状態を遊技できる期間が延長され、有利な特定遊技状態を保ったまま、特定結果を引き当てて特別遊技状態に移行させるチャンスを高めることができる。これにより、特定遊技状態において特定結果を引き当てることだけでなく、特定の遊技回にて特定条件を成立させることを目指す遊技を付加することができ、楽しみ方の幅を拡げて興趣性を向上させることが可能になる。
特徴bE2.前記特定手段は、特定遊技状態における特定の遊技回にて特定条件が成立した場合に特定遊技状態の終了後に特定遊技状態に再移行されるようにすることが可能なものであり、
先の特定遊技状態の終了と後の特定遊技状態への移行とを同一の遊技回にて実行することが可能に構成されていることを特徴とする特徴bE1に記載の遊技機。
上記構成では、特定の遊技回にて特定条件が成立した場合に、特定遊技状態の終了と特定遊技状態への再移行とが同一の遊技回の中で行われる。これにより、通常遊技状態の遊技回を介在させることなく、先行する特定遊技状態から後続の特定遊技状態への切り替えを行うことができ、特定遊技状態の残り回数が上乗せされたのと同等の状態とすることが可能になる。
特徴bE3.先の特定遊技状態の終了を遊技者が認識することが不可又は前記再移行が行われない場合の特定遊技状態の終了に比べて認識しにくい構成とされており、
前記同一の遊技回又はその次の遊技回にて、特定遊技状態における遊技回の残り回数が増加したように遊技者が認識することが可能な所定報知(上乗せ演出)を実行する所定報知実行手段(演出制御装置143における特図変動表示用処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴bE2に記載の遊技機。
上記構成では、先行する特定遊技状態の終了を遊技者が認識不可又は困難とされた上で、後続の特定遊技状態への移行が行われる遊技回又はその次の遊技回にて、特定遊技状態の残り回数が増えたように所定報知が行われる。これにより、残り回数が上乗せされたと遊技者が感受しやすくすることが可能になる。
特徴bE4.前記特定手段は、特定遊技状態における特定の遊技回にて特定条件が成立した場合に、特別遊技状態を経由することなく、特定遊技状態に再移行されるか又は前記残り回数が増加されるようにする手段(第2の実施の形態の変形例3に係る主制御装置162により第3時短遊技状態移行用処理を実行する機能等)を備えていることを特徴とする特徴bE1乃至特徴bE3のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、特別遊技状態を経由することなく特定遊技状態への再移行や残り回数の増加(上乗せ)を行うことが可能となっている。すなわち、特定遊技状態への再移行等に対して特定結果への当選を要しないため、上記再移行等が行われる確率(特定条件の成立確率)を特別遊技状態への移行確率(特定結果の当選確率)から独立して設定することができる。これにより、例えば、前者の確率を後者の確率よりも高くするなど、遊技設計の自由度を高めることが可能になる。また、特別遊技状態を経由することなく特定遊技状態への再移行等が行われることで、特定条件が成立する前の特定遊技状態と特定条件が成立した後の特定遊技状態とが大きく分断されることを抑制できる。これにより、両者の特定遊技状態について遊技者が一体感を感受しやすくなり、特定遊技状態が延長された印象を与えやすくすることが可能になる。
特徴bE5.特定遊技状態において特定の遊技回とは異なる他の遊技回にて特定条件が成立した場合に前記特定処理の実行が制限されるようにする制限手段(第2の実施の形態の変形例3に係る主制御装置162により第3時短遊技状態移行用処理を実行する機能等)を備えていることを特徴とする特徴bE1乃至特徴bE4のいずれかに記載の遊技機。
上記構成によれば、特定の遊技回で特定条件を成立させた場合に限り特定遊技状態への再移行等が行われる。すなわち、当該再移行等を実現するには、特定条件を成立させることだけでなく、そのタイミングも要求されるため、当該再移行等の難易度を適度に高め、実現することができた場合の遊技者の喜びや達成感を好適に引き出すことが可能になる。また、本構成によれば、特定の遊技回への注目度を好適に高めることができる。
特徴bE6.特定の遊技回が特定遊技状態における後半側の遊技回であることを特徴とする特徴bE5に記載の遊技機。
特定遊技状態での遊技回の残り回数が少なくなるほど、特定遊技状態の中で特定結果を引き当てる期待値が低下するため、特定遊技状態の終盤に近付くほど遊技者が期待感を抱きにくくなる懸念がある。この点、本構成では、特定の遊技回が特定遊技状態の後半側に設定されるため、特定結果への期待が薄くても特定遊技状態への再移行等を実現させるという活路を遊技者に提供することができる。これにより、特定遊技状態の後半遊技を盛り上げることができ、期待感を持続させることが可能になる。
特徴bE7.特定の遊技回において特定報知(チャンス報知画像478)を実行する手段(演出制御装置143によるステップSb3802の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴bE5又は特徴bE6に記載の遊技機。
上記構成では、特定の遊技回において他の遊技回では行われない特定報知が行われるため、遊技者が特定報知を通じて特定の遊技回であることを把握することができる。これにより、特定の遊技回である場合に遊技者が気合を入れて遊技に臨むことができ、遊技への注目度を好適に高めることが可能になる。
なお、本特徴は「特定の遊技回において前記他の遊技回では実行されない特定報知(チャンス報知画像478)を実行する手段(演出制御装置143によるステップSb3802の処理を実行する機能)を備えている」と表現することもでき、また、本特徴において「前記特定報知は前記他の遊技回では実行されないように構成されている」という構成をさらに備えてもよい。
特徴bE8.前記特定条件は、前記特別判定の結果が前記特定結果とは異なる所定判定結果(特殊外れ結果)となること又は前記特別判定の結果が特別遊技状態への移行に対応しない非特定結果(外れ結果)となった場合に行われる特定判定(外れ種別判定、移行抽選等)の結果が所定判定結果(特殊外れ結果、移行抽選の当選結果等)となることであることを特徴とする特徴bE1乃至特徴bE7のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、特別判定の結果が特定結果とは異なる所定判定結果となること、又は特別判定の結果が非特定結果になった場合に行われる特定判定の結果が所定判定結果となることにより、特定条件が成立するため、特別判定の結果が特定結果となるか否かの判定と、特定条件が成立するか否かの判定とを1の遊技回の中で実行することができる。このため、特定の遊技回をそれら両方の判定を受けられるチャンス遊技回(他の遊技回よりも有利な遊技回)として機能させることができ、当該遊技回への期待感や注目度を好適に高めることが可能になる。
特徴bE9.特定遊技状態での前記特別判定又は前記特定判定において前記所定判定結果となる確率が、特定遊技状態での前記特別判定において前記特定結果となる確率よりも高く設定されていることを特徴とする特徴bE8に記載の遊技機。
上記構成では、所定判定結果となる確率が特定結果となる確率よりも高く設定されているため、特定条件が成立することへの期待感を高め、特定の遊技回への注目度を向上させることが可能になる。
特徴bE10.予め定められた判定条件(第1作動口62又は第2作動口63への入賞)の成立に基づいて特別判定(特図当否判定)を実行する特別判定手段(主制御装置162における特図当否判定を実行する機能)と、
前記特別判定の結果が特定結果(大当たり結果)となることに基づいて通常遊技状態よりも遊技者にとって有利な特別遊技状態(開閉実行モード)に移行させることが可能な特別遊技状態用移行手段(主制御装置162における遊技状態移行処理を実行する機能)と、
第1所定状況(第1時短遊技状態での最終遊技回)において前記特別判定の結果が特別遊技状態への移行に対応しない所定結果(特殊外れ結果)となった場合に、前記第1所定状況とは異なる第2所定状況(第1時短遊技状態での最終遊技回以外の特図遊技回)において前記特別判定の結果が前記所定結果となった場合よりも遊技者にとって有利となるようにすることが可能な特定手段(第2の実施の形態の変形例3に係る主制御装置162により第3時短遊技状態移行用処理を実行する機能等)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
従来の遊技機では、特定結果となるか否かの択一的な遊技であったため、遊技に際して遊技者が特定結果になることに対しての期待感しか抱けず、遊技が単調化する懸念があった。この点、本構成では、特別判定の結果が特別遊技状態への移行に対応しない所定結果(いわゆる外れ結果)となった場合でも有利になり得るため、特定結果とならなかった場合でも期待感が喚起され、遊技を多様化することができる。その際、外れ結果となっても有利となるのは、そのときの状況が第1所定状況である場合に制限されるため、特定結果となることの優位性が過度に損なわれることを抑制できる。すなわち、特定結果なることを目指す遊技の面白みを担保しつつ、特定結果にならない場合でも落胆だけで終わらない遊技性を実現することができ、興趣性を向上させることが可能になる。
本特徴に対して上記特徴bE1から特徴bE9の構成を適用することが可能である。この場合、これらの構成を適用したことによる更なる効果を奏することができる。
なお、上記特徴bE1乃至特徴bE10の各構成に対して、特徴bA1乃至特徴bA12、特徴bB1乃至特徴bB10、特徴bC1乃至特徴bC9、特徴bD1乃至特徴bD6、特徴bE1乃至特徴bE10、特徴bF1乃至特徴bF10、特徴bG1乃至特徴bG8、特徴bH1乃至特徴bH8、特徴bI1乃至特徴bI11、特徴bJ1乃至特徴bJ10、特徴bK1乃至特徴bK10、特徴bL1乃至特徴bL9、特徴bM1乃至特徴bM10、特徴bN1乃至特徴bN7のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴bF群>
特徴bF群は、上述した各実施の形態や各変形例又はこれらの組み合わせから抽出される発明群であり、主に第2の実施の形態の変形例3、変形例6、変形例8~変形例12に基づいて抽出されるものである。
なお、特徴bF群に記載された発明は、「例えばパチンコ機等の遊技機においては、所定の抽選契機に基づいて抽選処理を実行し、その抽選結果が特定結果となることに基づいて、通常遊技状態よりも遊技者にとって有利な特別遊技状態に移行させるものが知られている(例えば特開2004-81853号公報)。」という背景技術について、「ここで、上記例示したような遊技機等においては遊技状態の制御を行う上で未だ改善の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
特徴bF1.予め定められた判定条件(第1作動口62又は第2作動口63への入賞)の成立に基づいて特別判定(特図当否判定)を実行する特別判定手段(主制御装置162における当否判定処理等を実行する機能)と、
前記特別判定の結果が特定結果(大当たり結果)となることに基づいて通常遊技状態よりも遊技者にとって有利な特別遊技状態(開閉実行モード)に移行させることが可能な特別遊技状態用移行手段(主制御装置162における遊技状態移行処理を実行する機能)と、
を備え、
遊技状態として、通常遊技状態よりも遊技者にとって有利なものであって特別遊技状態とは異なる特定遊技状態(高頻度サポートモード等)を有しており、
所定条件(特殊外れ結果になること、天井回数に到達することなど)が成立した場合に特別遊技状態を経由することなく特定遊技状態に移行させることが可能な特定遊技状態用移行手段(第2の実施の形態、第2の実施の形態の変形例1及び変形例2に係る主制御装置162により第2時短遊技状態移行用処理を実行する機能、変形例3~変形例5に係る主制御装置162により第3時短遊技状態移行用処理を実行する機能、変形例6~変形例10に係る主制御装置162により時短遊技状態移行用処理を実行する機能等)と、
前記所定条件が成立した場合、前記特定遊技状態用移行手段により前記移行が行われる場合又は前記移行が行われた場合に特定信号(変形例3等の特殊外れ結果に対応した外部信号、変形例11の第1外部信号、変形例12の第1外部信号A等)を遊技機外部に出力することが可能な外部出力手段(第2の実施の形態の変形例3、変形例6、変形例8~変形例10に係る主制御装置162によりステップSb3511の処理を実行する機能、変形例11にて第1外部信号を出力する機能、変形例12の第1外部信号Aを出力する機能等)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成では、特別判定の結果が特定結果となることに基づいて移行する特別遊技状態のほか、通常遊技状態よりも遊技者にとって有利な遊技状態として特定遊技状態を有している。また、上記構成では、特別遊技状態を経由しないで特定遊技状態に移行することが可能となっている。従来の特定遊技状態のように特別遊技状態を経由して移行するものであれば、遊技ホール側においてその発生を把握することができるが、特別遊技状態を経由しないで移行する特定遊技状態については遊技ホール側でその発生を把握できない懸念がある。この点、本特徴では、そのような特定遊技状態への移行契機(所定条件)の成立や当該特定遊技状態への移行に対応させて特定信号を遊技機外部に出力するため、遊技ホール側で上記把握を好適に行うことが可能になる。
特徴bF2.所定の状況(第1時短遊技状態中である状況、第2時短遊技状態である状況、制限遊技回である状況等)で前記所定条件が成立した場合に特定遊技状態への移行を制限することが可能な移行制限手段(第2の実施の形態の変形例3に係る主制御装置162により第3時短遊技状態移行用処理を実行する機能、変形例6、変形例8~変形例10に係る主制御装置162により第3時短遊技状態の移行判定用処理を実行する機能)を備え、
前記所定の状況で前記所定条件が成立し、前記移行制限手段により前記制限が行われる状況において、前記外部出力手段による前記特定信号の出力が実行されるようにすることが可能に構成されている(第2の実施の形態の変形例3、変形例6、変形例8~変形例10に係る主制御装置162にてステップSb3511の処理が実行されることにより、特殊外れ結果に対応した外部信号が出力されるようにする構成)ことを特徴とする特徴bF1に記載の遊技機。
上記構成では、所定条件が成立しても所定の状況である場合には、特定遊技状態への移行が制限されるように構成されている。このような制限が行われる場合においては、特定遊技状態への移行が生じないことに対応させて上記特定信号の出力を取り止めることが考えられる。その後の遊技状態との整合を図る観点では、特定信号を出力するよりもしない方がむしろ理に適ったものといえる。
しかしながら、そのような構成では、遊技において所定条件が成立した実際の回数を遊技ホール側で把握できなくなり、当該条件の成立確率が概ね設計確率通りに推移しているかの特定が困難となる懸念がある。特に特定信号の出力取り止めにより遊技ホール側に通知される回数が間引かれる結果、遊技ホール側で把握される回数が実際の回数よりも少なくなるため、例えば、上記移行条件を不正に成立させるような行為が行われていても、その発見に遅れが生じたりするおそれがある。
この点、本構成では、所定条件が成立した場合において特定遊技状態への移行が制限される場合であっても敢えて特定信号を出力する構成としているため、当該条件が成立した実際の回数を遊技ホール側が適切に把握することができる。これにより、移行条件の成立確率が不正に高められている場合にその発見を容易化することができ、不正抑止効果を高めることが可能になる。
特徴bF3.前記外部出力手段は、
前記所定の状況とは異なる特定の状況(第1時短遊技状態中ではない状況等)で前記所定条件が成立した場合に第1態様の特定信号を出力する手段と、
前記所定の状況で前記所定条件が成立した場合に前記第1態様とは異なる第2態様の特定信号を出力する手段と、
を備えていることを特徴とする特徴bF2に記載の遊技機。
上記構成では、特定遊技状態への移行が許容される場合と特定遊技状態への移行が制限される場合とで異なる態様の特定信号が出力されるため、遊技ホール側において、所定条件が成立したことだけでなく、特定遊技状態に移行すべき状態であるか否かについてまで、1の特定信号から把握することができる。これにより、所定条件が成立したにもかかわらず特定遊技状態に移行しないことに対して遊技機の異常ではないことを即座に判断することが可能になる。
特徴bF4.前記特別判定の結果に関連して前記所定条件が成立可能なように構成されており(当否抽選や外れ種別判定の結果が特殊外れ結果になることで第3時短遊技状態への移行条件が成立する構成)、
前記特別判定の結果に対応した特定外部信号(抽選結果信号)を遊技機外部に出力することが可能な特定外部信号出力手段(主制御装置162によりステップSb3511の処理を実行する機能)を備え、
前記特定外部信号を利用して前記特定信号を出力することが可能に構成されている(抽選結果信号を利用して特殊外れ結果に対応した外部信号を出力する構成)ことを特徴とする特徴bF1乃至特徴bF3のいずれかに記載の遊技機。
上記構成によれば、特別判定の結果を通知するための既存端子や既存配線を利用して特定信号を出力することができるため、特定信号としての専用信号を出力する場合に比べ、遊技機における出力端子等の数を少なく抑えることができる。また、遊技ホール側の管理制御装置においても、特別判定の結果について通知を受けるための入力端子等を従前から備えている場合は、それを利用して特定信号を受信することができる。
なお、本特徴の「前記特定外部信号を利用して前記特定信号を出力することが可能に構成されている」は、「前記特定外部信号出力手段は、前記所定条件が成立しない状況で特定外部信号を出力する場合に第1態様の特定外部信号を出力することが可能な第1手段(大当たり用又は通常外れ用の抽選結果信号を出力する機能)と、前記所定条件が成立する状況で特定外部信号を出力する場合に前記第1態様とは異なる第2態様の特定外部信号を前記特定信号として出力することが可能な、前記外部出力手段としての第2手段(特殊外れ用の抽選結果信号を出力する機能)と、を備えている」と表現することも可能である。
特徴bF5.前記特別判定の結果に関連して前記所定条件が成立可能なように構成されており(当否抽選や外れ種別判定の結果が特殊外れ結果になることで第3時短遊技状態への移行条件が成立する構成)、
前記特別判定が行われることに基づいて遊技回用動作が開始され、前記特別判定の結果に対応した報知結果とされることを遊技回の1回として、遊技回が行われるように制御する遊技回制御手段(主制御装置162における特図遊技回制御処理を実行する機能、演出制御装置143における特図変動表示用処理を実行する機能)と、
各遊技回に対応して所定外部信号(遊技回実行信号、遊技回開始信号等)を遊技機外部に出力することが可能な所定外部信号出力手段(第2の実施の形態の変形例3、変形例6、変形例8~変形例10に係る主制御装置162によりステップSb3511の処理を実行する機能)と、
を備え、
前記所定外部信号を利用して前記特定信号を出力することが可能に構成されている(抽選結果信号を利用して特殊外れ結果に対応した外部信号を出力する構成)ことを特徴とする特徴bF1乃至特徴bF3のいずれかに記載の遊技機。
上記構成によれば、各遊技回に対応して遊技機外部に出力される所定外部信号を利用して特定信号を出力することが可能になる。これにより、特定信号用の信号端子や信号配線を省略して構成を簡略することができるほか、遊技ホール側の管理制御装置においても入力端子の追加等を回避することができる。加えて、所定外部信号と同時に特定信号を出力できることから、遊技機からの信号出力回数を低減させることもでき、遊技機と遊技ホール側の管理制御装置との双方において信号授受に要する処理負荷を軽減することが可能になる。
なお、本特徴の「前記所定外部信号を利用して前記特定信号を出力することが可能に構成されている」は、「前記所定外部信号出力手段は、前記所定条件が成立しない状況で所定外部信号を出力する場合に第1態様の所定外部信号を出力することが可能な第1手段と、前記所定条件が成立する状況で所定外部信号を出力する場合に前記第1態様とは異なる第2態様の所定外部信号を前記特定信号として出力することが可能な、前記外部出力手段としての第2手段と、を備えている」と表現することも可能である。
特徴bF6.前記所定の状況である場合に所定出力信号(時短状態信号、高頻度サポート信号等)を遊技機外部に出力することが可能な手段を備えていることを特徴とする特徴bF2乃至特徴bF5のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、特定遊技状態への移行が制限される所定の状況である場合に所定出力信号が遊技機外部に出力される。これにより、所定条件が成立したことの特定信号が出力された状況で特定遊技状態に移行しない場合において、遊技ホール側の管理制御装置が上記所定出力信号を参照することで、その要因が所定の状況であるか否かを簡単に特定することができる。つまり、遊技ホール側において、所定出力信号を併せて参照することで、特定信号が出力されているにもかかわらず特定遊技状態に移行しないことについて、遊技機の異常であるか否かの判断を容易に行うことが可能になる。
特徴bF7.前記特別判定が行われることに基づいて遊技回用動作が開始され、前記特別判定の結果に対応した報知結果とされることを遊技回の1回として、遊技回が行われるように制御する遊技回制御手段(主制御装置162における特図遊技回制御処理を実行する機能、演出制御装置143における特図変動表示用処理を実行する機能)を備え、
前記所定の状況は所定の終了条件(上限回数への到達等)の成立に基づいて終了するように構成されており、
前記外部出力手段は、前記終了条件が成立する遊技回において前記所定条件が成立した場合に前記所定の状況の終了タイミング又は当該終了タイミングより後の所定タイミングにて前記特定信号を出力することが可能に構成されていることを特徴とする特徴bF6に記載の遊技機。
例えば、所定の状況で所定条件が成立しても特定遊技状態への移行を制限する一方、所定の状況においてその終了遊技回で所定条件が成立した場合は特定遊技状態への移行を許容することが考えられる。このような場合において、所定の状況の終了タイミングよりも早く特定信号を出力すると、遊技ホール側の管理制御装置では、所定の状況で所定条件が成立したにもかかわらず特定遊技状態に移行したとして認識される懸念がある。この点、本構成では、所定の状況の終了タイミング又はその終了タイミングよりも後の所定タイミングにて特定信号が出力されるため、上記管理制御装置に対して所定の状況が終了したことを把握させてから所定条件が成立したことを把握させることができ、その後に特定遊技状態に移行しても不自然な挙動として認識されることを抑制可能となる。
特徴bF8.前記外部出力手段は、
特別遊技状態への移行又は特別遊技状態の実行中に対応させて所定の出力端子(第1外部信号用の出力端子)から信号を遊技機外部に出力することが可能な第1手段(通常大当たり結果になった場合に第1外部信号を出力する機能)と、
前記所定条件が成立した場合、前記特定遊技状態用移行手段により前記移行が行われる場合又は前記移行が行われた場合に特定信号を遊技機外部に出力することが可能な第2手段(特殊外れ結果になった場合に第1外部信号を出力する機能)と、
を備え、
前記第2手段は、特定信号を前記所定の出力端子から出力することが可能であることを特徴とする特徴bF1に記載の遊技機。
上記構成では、特別遊技状態への移行やその実行中である場合に外部信号が出力される出力端子と同じ端子を用い、所定条件の成立や特定遊技状態への移行に対応した特定信号が出力される。これにより、特別遊技状態を経由して移行する特定遊技状態にしか対応していないホール機器であっても、特別遊技状態を経由しないで移行する特定遊技状態を認識させることが可能になる。
特徴bF9.前記第1手段は、所定態様の信号(開閉実行モード中にオン状態となる第1外部信号)で出力することが可能であり、
前記第2手段は、前記特定信号として前記所定態様とは異なる態様の信号(開閉実行モードの期間よりも短い所定期間に亘ってオン状態となる第1外部信号)を出力することが可能であることを特徴とする特徴bF8に記載の遊技機。
上記構成では、特別遊技状態への移行等の場合と所定条件の成立等の場合とで、信号態様を異ならせて所定の出力端子からの外部出力が行われる。これにより、それらの各外部信号を同じ出力端子から出力する場合であっても、両外部信号を区別して認識させることが可能になる。
特徴bF10.前記外部出力手段は、少なくとも特定遊技状態に移行する状況又は特定遊技状態である状況で前記所定の出力端子とは異なる出力端子から信号(第2外部信号)を遊技機外部に出力することが可能な第3手段(第2外部信号を出力する機能)を備えていることを特徴とする特徴bF8又は特徴bF9に記載の遊技機。
上記構成では、特別遊技状態である場合や所定条件が成立した場合に信号が外部出力される所定の出力端子とは別の出力端子から、特定遊技状態への移行やその実行中に対応させて信号が外部出力される。これにより、ホール機器において特定遊技状態への移行や特定遊技状態であることを認識することが可能になる。
なお、上記特徴bF1乃至特徴bF10の各構成に対して、特徴bA1乃至特徴bA12、特徴bB1乃至特徴bB10、特徴bC1乃至特徴bC9、特徴bD1乃至特徴bD6、特徴bE1乃至特徴bE10、特徴bF1乃至特徴bF10、特徴bG1乃至特徴bG8、特徴bH1乃至特徴bH8、特徴bI1乃至特徴bI11、特徴bJ1乃至特徴bJ10、特徴bK1乃至特徴bK10、特徴bL1乃至特徴bL9、特徴bM1乃至特徴bM10、特徴bN1乃至特徴bN7のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴bG群>
特徴bG群は、上述した各実施の形態や各変形例又はこれらの組み合わせから抽出される発明群であり、主に上記第2の実施の形態の変形例4に基づいて抽出されるものである。
なお、特徴bG群に記載された発明は、「例えばパチンコ機等の遊技機においては、所定の抽選契機に基づいて抽選処理を実行し、その抽選結果が特定結果となることに基づいて、通常遊技状態よりも遊技者にとって有利な特別遊技状態に移行させるものが知られている(例えば特開2004-81853号公報)。」という背景技術について、「ここで、上記例示したような遊技機等においては遊技の興趣を向上させる上で未だ改善の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
特徴bG1.予め定められた判定条件(第1作動口62又は第2作動口63への入賞)の成立に基づいて特別判定(特図当否判定)を実行する特別判定手段(主制御装置162における当否判定処理等を実行する機能)と、
前記特別判定の結果が特定結果(大当たり結果)となることに基づいて通常遊技状態よりも遊技者にとって有利な特別遊技状態(開閉実行モード)に移行させることが可能な特別遊技状態用移行手段(主制御装置162における遊技状態移行処理を実行する機能)と、
を備え、
遊技状態として、通常遊技状態よりも遊技者にとって有利なものであって特別遊技状態とは異なる特定遊技状態(高頻度サポートモード)を有しており、
特定遊技状態として、所定の第1条件が成立した場合(第2の実施の形態の変形例4において4R通常大当たり結果となった場合等)に特別遊技状態を経由して移行し得る第1特定遊技状態(第1時短遊技状態)と、前記第1条件とは異なる所定の第2条件が成立した場合(特殊外れ結果となった場合、特定入球部に入球した場合等)に特別遊技状態を経由することなく移行し得る第2特定遊技状態(第3時短遊技状態)とを含む複数種の特定遊技状態を有しており、
第1特定遊技状態である状況で前記第2条件が成立可能な構成となっており、
第1特定遊技状態において前記第2条件が成立した場合に前記第2条件が成立しない場合よりも遊技者にとって不利となるようにすることが可能な特定手段(第2の実施の形態の変形例4に係る主制御装置162により第3時短遊技状態移行用処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成では、特別判定の結果が特定結果となることに基づいて移行する特別遊技状態のほか、通常遊技状態よりも遊技者にとって有利な遊技状態として特定遊技状態を有している。また、このような特定遊技状態として、特別遊技状態を経由して移行する第1特定遊技状態と、特別遊技状態を経由することなく移行する第2特定遊技状態とが設けられている。そして、第1特定遊技状態である状況で第2特定遊技状態への移行契機である第2条件が成立可能となっており、そのような成立が発生して第2特定遊技状態に移行した場合には、第2特定遊技状態への移行が生じない場合よりも不利となるように構成されている。
このような構成であることにより、特別遊技状態を経て第1特定遊技状態に移行した場合に、その後の遊技展開によっては不利な状態に降格してしまうかもしれないスリルを味合わせることができ、特定結果への当選を目指すだけに留まらない面白みを付加することができる。しかしながら、そのようなスリルを提供できる反面、不利な状態に降格した場合の遊技者の落胆があまりも激しいと、その後の遊技意欲を減衰させてしまい、逆効果となる懸念がある。この点、本構成では、第2条件が成立した場合に通常遊技状態よりも有利な第2特定遊技状態に移行するため、通常遊技状態に移行してしまう場合に比べ、遊技者の落胆を軽減することができる。よって、遊技意欲が大きく損なわれることを抑制しながら、上記スリルを味合わうことができる遊技を提供することが可能になる。
特徴bG2.前記特別判定が行われることに基づいて遊技回用動作が開始され、前記特別判定の結果に対応した報知結果とされることを遊技回の1回として、遊技回が行われるように制御する遊技回制御手段(主制御装置162における特図遊技回制御処理を実行する機能、演出制御装置143における特図変動表示用処理を実行する機能)と、
特定遊技状態の終了条件として、特定遊技状態に移行してからの遊技回の回数が所定の上限回数となることを含み、
第2特定遊技状態の上限回数は第1特定遊技状態の上限回数(例えば1000回)よりも少ない所定回数(例えば10回)に設定されており、
前記特定手段は、第1特定遊技状態において前記第2条件が成立した場合に第2特定遊技状態に移行させるものであることを特徴とする特徴bG1に記載の遊技機。
上記構成では、第1特定遊技状態の途中で第2条件を成立させることにより、特定遊技状態を遊技できる回数が少ない第2特定遊技状態に切り替わるように構成されている。この場合、第2特定遊技状態に移行した場合でも、その上限回数までの範囲で特定遊技状態を継続させることができ、特定遊技状態の中で特定結果を引き当てるチャンスを残すことが可能になる。これにより、第2条件が成立して不利な状態に転落するかもしれないドキドキ感を味合わせつつも、第2条件が成立した場合の遊技者の落胆を軽減することが可能となる。
特徴bG3.特定遊技状態への移行に対応して前記上限回数を設定する上限回数設定手段(第2の実施の形態の変形例4に係る主制御装置162により第3時短遊技状態移行用処理を実行する機能)を備え、
前記上限回数設定手段は、第1特定遊技状態において前記第2条件が成立した場合に、第1特定遊技状態での遊技回の残り回数にかかわらず、第2特定遊技状態に移行する場合の前記上限回数として前記所定回数を設定する手段(主制御装置162におけるステップSb4108の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴bG2に記載の遊技機。
上記構成では、第2条件が成立した場合の特定遊技状態の残り回数が、第1特定遊技状態におけるそれまでの遊技回の回数(第1特定遊技状態の残り回数)にかかわらず、一律に第2特定遊技状態の上限回数に設定される。このため、第1特定遊技状態において第2条件を成立させるタイミングが遅くなるほど、特定遊技状態を遊技できるトータルの回数が多くなり、遊技者にとって有利となる。これにより、第1特定遊技状態での遊技を進めるにあたって第2条件の成立を回避する面白みを増強することができ、遊技の興趣性を高めることが可能になる。
特徴bG4.第1特定遊技状態である場合に又は第1特定遊技状態において前記上限回数までの残り回数が所定回数以上である場合に、当該第1特定遊技状態の残り回数を非明示とすることが可能な手段(残り回数画像472に代えて状態報知画像450を表示する機能)を備えていることを特徴とする特徴bG2又は特徴bG3に記載の遊技機。
例えば、第1特定遊技状態の残り回数を明示する構成であると、第2条件が成立する前の残り回数が何回であったのかを遊技者が把握できるため、第2条件が成立し、特定遊技状態の残り回数として第2特定遊技状態の残り回数が設定された場合に、結果的に何回分が減少したのかを遊技者が簡単に特定できるようになる。この点、上記構成では、第1特定遊技状態の残り回数を非明示とすることで、第2条件が成立する前の残り回数を遊技者が把握できない又は把握しにくくすることができる。これにより、第2特定遊技状態に移行した場合の残り回数の減少分を遊技者が特定しにくくなり、仮に当該減少分が大きくなる場合でも遊技者が大きく落胆して遊技意欲が低下してしまうことを抑制できる。
特徴bG5.第1特定遊技状態において前記第2条件が成立し、第2特定遊技状態に移行した場合に、当該第2特定遊技状態の残り回数を遊技者が認識可能となる所定報知(残り回数画像472)を実行する手段(演出制御装置143におけるステップSb4403の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴bG4に記載の遊技機。
上記構成では、第1特定遊技状態への滞在中は残り回数を非明示とする一方で、第2特定遊技状態に移行した場合は残り回数を明示するように構成されている。これにより、第2条件が成立して第2特定遊技状態に移行したことや、第2特定遊技状態に移行してからの特定遊技状態の残り回数を遊技者が容易に把握することができる。
特徴bG6.前記第2条件は、前記特別判定の結果が前記特定結果とは異なる所定判定結果(特殊外れ結果)となること又は前記特別判定の結果が特別遊技状態への移行に対応しない非特定結果(外れ結果)となった場合に行われる特定判定(外れ種別判定、移行抽選等)の結果が所定判定結果(特殊外れ結果、移行抽選の当選結果等)となることであることを特徴とする特徴bG1乃至特徴bG5のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、特別判定の結果が特定結果とは異なる所定判定結果となること、又は特別判定の結果が非特定結果になった場合に行われる特定判定の結果が所定判定結果となることにより、特定条件が成立するため、不利な状態に降格するか否かが毎回の遊技回で判定される構成とすることができる。これにより、上記降格が発生するかもしれないスリルを各回の遊技回で味合わせることができ、そのようなスリルを楽しむ遊技を強化することが可能になる。
特徴bG7.通常遊技状態である状況で前記第2条件が成立可能な構成となっており、
通常遊技状態において前記第2条件が成立した場合に第2特定遊技状態に移行させることが可能な手段(主制御装置162における第3時短遊技状態Aに移行させる機能)を備えていることを特徴とする特徴bG1乃至特徴bG6のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、第1特定遊技状態中だけでなく、通常遊技状態中にも第2条件の成立が可能とされ、通常遊技状態において第2条件が成立した場合は第2特定遊技状態に移行するように構成されている。第2特定遊技状態は通常遊技状態よりも有利な遊技状態であるため、第1特定遊技状態中に第2条件を成立させると不利になる一方で、通常遊技状態中に第2条件を成立させると有利になる構成を実現することができる。すなわち、同じ第2条件であっても成立させたときの遊技状態によって有利不利が逆転するため、第2条件についてその成立を回避するだけの遊技に固定化されることが抑制され、遊技の多様化を図ることが可能になる。
特徴bG8.特定遊技状態の終了条件として、特定遊技状態に移行してからの遊技回の回数が所定の上限回数となることを含み、
特定遊技状態への移行に対応して前記上限回数を設定する上限回数設定手段(第2の実施の形態の変形例4に係る主制御装置162により第3時短遊技状態移行用処理を実行する機能)を備え、
前記上限回数設定手段は、通常遊技状態において前記第2条件が成立した場合に、第1特定遊技状態において前記第2条件が成立した場合よりも多い数の上限回数(例えば100回)を設定することが可能な手段(主制御装置162におけるステップSb4106の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴bG7に記載の遊技機。
第2特定遊技状態は通常遊技状態よりも有利な遊技状態であるため、通常遊技状態から第2特定遊技状態への移行が生じるだけでも遊技者にとって有利となるが、上記構成では、それに留まらず、通常遊技状態中に第2条件が成立すると、第1特定遊技状態中に第2条件が成立した場合よりも多い数の上限回数が設定されるように構成されている。これにより、その優位性を際立たせることができ、通常遊技状態において第2条件の成立を目指す面白みを増強することが可能になる。
なお、上記特徴bG1乃至特徴bG8の各構成に対して、特徴bA1乃至特徴bA12、特徴bB1乃至特徴bB10、特徴bC1乃至特徴bC9、特徴bD1乃至特徴bD6、特徴bE1乃至特徴bE10、特徴bF1乃至特徴bF10、特徴bG1乃至特徴bG8、特徴bH1乃至特徴bH8、特徴bI1乃至特徴bI11、特徴bJ1乃至特徴bJ10、特徴bK1乃至特徴bK10、特徴bL1乃至特徴bL9、特徴bM1乃至特徴bM10、特徴bN1乃至特徴bN7のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴bH群>
特徴bH群は、上述した各実施の形態や各変形例又はこれらの組み合わせから抽出される発明群であり、主に上記第2の実施の形態の変形例5に基づいて抽出されるものである。
なお、特徴bH群に記載された発明は、「例えばパチンコ機等の遊技機においては、所定の抽選契機に基づいて抽選処理を実行し、その抽選結果が特定結果となることに基づいて、通常遊技状態よりも遊技者にとって有利な特別遊技状態に移行させるものが知られている(例えば特開2004-81853号公報)。」という背景技術について、「ここで、上記例示したような遊技機等においては遊技への注目度を向上させる上で未だ改善の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
特徴bH1.予め定められた判定条件(第1作動口62又は第2作動口63への入賞)の成立に基づいて特別判定(特図当否判定)を実行する特別判定手段(主制御装置162における当否判定処理等を実行する機能)と、
前記特別判定の結果が特定結果(大当たり結果)となることに基づいて通常遊技状態よりも遊技者にとって有利な特別遊技状態(開閉実行モード)に移行させることが可能な特別遊技状態用移行手段(主制御装置162における遊技状態移行処理を実行する機能)と、
前記特別判定が行われることに基づいて遊技回用動作が開始され、前記特別判定の結果に対応した報知結果とされることを遊技回の1回として、遊技回が行われるように制御する遊技回制御手段(主制御装置162における特図遊技回制御処理を実行する機能)と、を備え、
遊技状態として、通常遊技状態よりも遊技者にとって有利なものであって特別遊技状態とは異なる特定遊技状態(高頻度サポートモード等)を有しており、
特定遊技状態の終了条件として、特定遊技状態に移行してからの遊技回の回数が所定の上限回数となることを含み、
特定遊技状態において許容状態(第3時短遊技状態の遊技回の回数が第1時短遊技状態の残り回数よりも多い状態)である状況で特定条件が成立した場合(特殊外れ結果となった場合、特定入球部に入球した場合等)に特定遊技状態における遊技回の残り回数を増加させることが可能な手段(第2の実施の形態の変形例5に係る主制御装置162により第3時短遊技状態移行用処理を実行する機能)を備え、
特定遊技状態として、前記許容状態に対応する遊技回、遊技回の範囲又は期間が異なる複数種の特定遊技状態(第1時短遊技状態A、第1時短遊技状態B)を有していることを特徴とする遊技機。
上記構成では、特別判定の結果が特定結果となることに基づいて移行する特別遊技状態のほか、通常遊技状態よりも遊技者にとって有利な遊技状態として特定遊技状態を有している。この特定遊技状態において許容状態である状況で特定条件が成立した場合には、特定遊技状態の残り回数が増加(上乗せ)されるようになっており、遊技者がより有利に遊技を進めることが可能となっている。
そのような構成において、例えば、特定条件の成立により残り回数が増加する遊技回が固定化される構成であると、どのタイミングで特定条件を成立させれば残り回数が増加するのかを遊技者が事前に把握できてしまい、他の遊技回への関心が薄れてしまうおそれがある。この点、上記構成では、残り回数の増加が許容される許容状態となる遊技回、遊技回の範囲又は期間が異なる複数種の特定遊技状態が設けられているため、どのタイミングで特定条件を成立させれば残り回数が増加するのかが一律に定まらなくなる。これにより、各回の特定遊技状態において遊技者の関心が同じ遊技回に集中することが抑制され、特定遊技状態の全体を通して遊技への注目度を高めることが可能になる。
特徴bH2.各特定遊技状態において前記許容状態に対応する遊技回、遊技回の範囲又は期間を遊技者が識別不可又は識別困難な構成とされている(第1時短遊技状態Aと第1時短遊技状態Bの判別を不可又は困難とする構成)ことを特徴とする特徴bH1に記載の遊技機。
例えば、許容状態となる遊技回等が明確化される構成の場合には、仮に許容状態となる遊技回等が異なる複数種の特定遊技状態が設定されていても、それぞれの特定遊技状態において注目すべき遊技回が明確になってしまい、遊技者の関心が特定の遊技回に偏ることを抑止する効果がうまく発揮されない懸念がある。この点、上記構成では、許容状態となる遊技回等を遊技者が識別不可又は識別困難となっているため、それぞれの特定遊技状態においていずれの遊技回等が許容状態であるかを遊技者に予測させながら遊技を楽しませることができ、特定遊技状態の全体を通して遊技への注目度を高めることが可能になる。
特徴bH3.特定遊技状態として、前記上限回数が第1回数(例えば70回)の第1種特定遊技状態(第1時短遊技状態A)と、前記上限回数が前記第1回数よりも多い第2回数(例えば100回)の第2種特定遊技状態(第1時短遊技状態B)とを含む複数種の特定遊技状態を有しており、
少なくとも前記第1種特定遊技状態と前記第2種特定遊技状態とにおいて、前記許容状態に対応する遊技回、遊技回の範囲又は期間が異なることを特徴とする特徴bH1又は特徴bH2に記載の遊技機。
上記構成では、許容状態となる遊技回等が異なる特定遊技状態として、上限回数が第1回数に設定される第1種特定遊技状態と、上限回数がそれよりも多い第2回数に設定される第2種特定遊技状態とが設けられている。これにより、どのタイミングで特定条件を成立させればよいかだけでなく、いつまでに特定条件を成立させればよいかについても特定遊技状態ごとに多様化することができ、興趣性を高めることが可能になる。
特徴bH4.前記第2種特定遊技状態において、前記第1回数に対応した遊技回(例えば70回目の特図遊技回)より後の遊技回(例えば71回目~100回目の遊技回)にて前記許容状態に対応する遊技回、遊技回の範囲又は期間を含むことを特徴とする特徴bH3に記載の遊技機。
上記構成では、第2種特定遊技状態において許容状態となる遊技回等が第1種特定遊技状態の上限回数(第1回数)よりも後の遊技回に含まれるように構成されている。この場合、移行した特定遊技状態が第1種特定遊技状態であると仮定すると、第1回数への到達により特定遊技状態が終了してしまうことになるが、その反面、移行した特定遊技状態が第2種特定遊技状態であると仮定すると、第1回数を超えてからの遊技で特定条件を成立させれば特定遊技状態の残り回数を増やすことができ、遊技者にとって望ましい状況となる。このため、特定遊技状態に移行した場合において遊技回の回数が第1回数に近付いた段階では、特定遊技状態が終了してしまうことへの不安感と、第1回数を超えてからの特定条件の成立により効率的な残り回数の増加が果たされることへの期待感とのせめぎ合いの中で遊技させることができ、興趣性を好適に高めることが可能になる。
特徴bH5.特定遊技状態において非許容状態(第3時短遊技状態の遊技回の回数が第1時短遊技状態の残り回数よりも少ない状態)である状況で特定条件が成立した場合に特定遊技状態における遊技回の残り回数の増加が制限されるように構成されており、
前記第1種特定遊技状態及び前記第2種特定遊技状態において、前記非許容状態に対応する遊技回、遊技回の範囲又は期間として共通の遊技回、遊技回の範囲(1回目~20回目の遊技回)又は期間を含むように構成されていることを特徴とする特徴bH3又は特徴bH4に記載の遊技機。
上記構成では、特定条件が成立しても残り回数が上乗せされない非許容状態として、各特定遊技状態において共通の遊技回、遊技回の範囲又は期間が設定されている。この共通の遊技回等では、移行した特定遊技状態がいずれの特定遊技状態であっても残り回数の上乗せが生じないため、遊技者が特定遊技状態の種類や特定条件の成立を気にせずに、特定結果となることを目指す遊技に集中できる期間を確保することが可能になる。
特徴bH6.前記第1種特定遊技状態と前記第2種特定遊技状態とを遊技者が判別不可又は判別困難と構成されている(第1時短遊技状態Aと第1時短遊技状態Bの判別を不可又は困難とする構成)ことを特徴とする特徴bH3乃至特徴bH5のいずれかに記載の遊技機。
上記構成によれば、移行した特定遊技状態が第1種特定遊技状態であるか、それとも第2種特定遊技状態であるかを遊技者に予測させることができ、上記特徴bH3から特徴bH5の上記各効果を好適に発揮させることが可能になる。
特徴bH7.特定遊技状態の前記許容状態にて特定条件が成立し、遊技回の残り回数が増加された場合において、その特定遊技状態にて再び特定条件が成立した場合に遊技回の残り回数の増加を制限することが可能な手段(主制御装置162によりステップSb4801の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴bH1乃至特徴bH6のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、特定条件の成立に基づく残り回数の上乗せが、移行した特定遊技状態の中で1度だけに限定されるため、どのタイミングで特定条件を成立させるかが、その後の遊技に大きく影響を及ぼすものとなり、上記特徴bH1から特徴bH6の上記各効果を好適に発揮させることが可能になる。
特徴bH8.前記特定条件は、前記特別判定の結果が前記特定結果とは異なる所定判定結果(特殊外れ結果)となること又は前記特別判定の結果が特別遊技状態への移行に対応しない非特定結果(外れ結果)となった場合に行われる特定判定(外れ種別判定、移行抽選等)の結果が所定判定結果(特殊外れ結果、移行抽選の当選結果等)となることであることを特徴とする特徴bH1乃至特徴bH7のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、特別判定の結果が特定結果とは異なる所定判定結果となること、又は特別判定の結果が非特定結果になった場合に行われる特定判定の結果が所定判定結果となることにより、特定条件が成立するため、特別判定の結果が特定結果となるか否かの判定と、特定条件が成立するか否かの判定とを1の遊技回の中で実行することができる。このため、特定遊技状態において許容状態である状況では、遊技者は、特定結果を引き当てることへのチャレンジと、特定遊技状態の残り回数を増加させることへのチャレンジとの両方で遊技することができ、後者のみに留まる場合に比べて有利な条件で遊技することが可能になる。これにより、特定遊技状態での遊技意欲を好適に高めることが可能になる。
なお、上記特徴bH1乃至特徴bH8の各構成に対して、特徴bA1乃至特徴bA12、特徴bB1乃至特徴bB10、特徴bC1乃至特徴bC9、特徴bD1乃至特徴bD6、特徴bE1乃至特徴bE10、特徴bF1乃至特徴bF10、特徴bG1乃至特徴bG8、特徴bH1乃至特徴bH8、特徴bI1乃至特徴bI11、特徴bJ1乃至特徴bJ10、特徴bK1乃至特徴bK10、特徴bL1乃至特徴bL9、特徴bM1乃至特徴bM10、特徴bN1乃至特徴bN7のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴bI群>
特徴bI群は、上述した各実施の形態や各変形例又はこれらの組み合わせから抽出される発明群であり、主に上記第2の実施の形態の変形例6、変形例8、変形例9に基づいて抽出されるものである。
なお、特徴bI群に記載された発明は、「例えばパチンコ機等の遊技機においては、所定の抽選契機に基づいて抽選処理を実行し、その抽選結果が特定結果となることに基づいて、通常遊技状態よりも遊技者にとって有利な特別遊技状態に移行させるものが知られている(例えば特開2004-81853号公報)。」という背景技術について、「ここで、上記例示したような遊技機等においては遊技状態の制御を行う上で未だ改善の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
特徴bI1.予め定められた判定条件(第1作動口62又は第2作動口63への入賞)の成立に基づいて特別判定(特図当否判定)を実行する特別判定手段(主制御装置162における特図当否判定を実行する機能)と、
前記特別判定の結果が特定結果(大当たり結果)となることに基づいて通常遊技状態よりも遊技者にとって有利な特別遊技状態(開閉実行モード)に移行させることが可能な特別遊技状態用移行手段(主制御装置162における遊技状態移行処理を実行する機能)と、
前記特別判定が行われることに基づいて遊技回用動作が開始され、前記特別判定の結果に対応した報知結果とされることを遊技回の1回として、遊技回が行われるように制御する遊技回制御手段(主制御装置162における特図遊技回制御処理を実行する機能、演出制御装置143における特図変動表示用処理を実行する機能)と、
所定の更新契機(当否抽選の結果が外れ結果となること、ポイント抽選に当選すること等)に基づいて所定の更新情報(外れ遊技回の回数、内部ポイント情報等)を更新することが可能な更新手段(第2の実施の形態の変形例6、変形例8、変形例9に係る主制御装置162によりステップSb5504の処理を実行する機能等)と、
を備え、
遊技状態として、通常遊技状態よりも遊技者にとって有利なものであって特別遊技状態とは異なる特定遊技状態(高頻度サポートモード等)を有しており、
特定遊技状態として、前記更新手段の更新結果が所定結果(天井回数、所定ポイント数等)となることに基づいて移行可能な第1特定遊技状態(第2時短遊技状態)と、前記特別判定の結果が前記特定結果とは異なる所定判定結果(特殊外れ結果)となること又は前記特別判定の結果が特別遊技状態への移行に対応しない非特定結果(外れ結果)となった遊技回にて行われる特定判定(外れ種別判定、移行抽選等)の結果が所定判定結果(特殊外れ結果、移行抽選の当選結果等)となることに基づいて移行可能な第2特定遊技状態(第3時短遊技状態)と、を含む複数種の特定遊技状態を有しており、
前記更新手段の更新結果に基づいて第1特定遊技状態に移行させるか否かの第1移行判定を行う第1移行判定手段(第2の実施の形態の変形例6、変形例9に係る主制御装置162により第3時短遊技状態の移行判定用処理を実行する機能、変形例8に係る主制御装置162により第3時短遊技状態の移行判定用処理Aを実行する機能等)と、
前記特別判定又は前記特定判定の結果に基づいて第2特定遊技状態に移行させるか否かの第2移行判定を行う第2移行判定手段(第2の実施の形態の変形例6、変形例9に係る主制御装置162により第2時短遊技状態の移行判定用処理を実行する機能、変形例8に係る主制御装置162により第2時短遊技状態の移行判定用処理Aを実行する機能等)と、
を備え、
1の遊技回において、前記第1移行判定手段による前記第1移行判定が行われた後、前記第2移行判定手段による前記第2移行判定が行われるようにすることが可能に構成されている(第2の実施の形態の変形例6においてステップSb5302の処理を実行した後にステップSb5303の処理を実行する機能、変形例8においてステップSb6502で否定判定した場合にステップSb6503の処理を実行した後にステップSb6504の処理を実行する機能、変形例9においてステップSb7201の処理を実行した後にステップSb7203の処理を実行する機能等)ことを特徴とする遊技機。
上記構成では、特別判定の結果が特定結果となることに基づいて移行する特別遊技状態のほか、通常遊技状態よりも遊技者にとって有利な遊技状態として特定遊技状態を有している。また、このような特定遊技状態として、所定の更新契機により更新される更新情報の結果に基づいて移行する第1特定遊技状態と、特別判定の結果が特定結果とは異なる所定判定結果となること又は特別判定の結果が非特定結果となった遊技回にて行われる特定判定の結果が所定判定結果となることに基づいて移行する第2特定遊技状態とを有している。このような遊技機では、第1特定遊技状態への移行条件と第2特定遊技状態への移行条件とが同一の遊技回で成立することがあり得る。この点、上記構成では、第1特定遊技状態に移行させるか否かの第1移行判定を行ってから第2特定遊技状態に移行させるか否かの第2移行判定を行うため、第1移行判定の結果を踏まえて第2移行判定の結果を採用するか否かを判断することができ、遊技状態の制御を好適に行うことが可能になる。
特徴bI2.前記第1移行判定の結果が第1特定遊技状態に移行させることに対応した結果である場合に、前記第2移行判定の結果が第2特定遊技状態に移行させることに対応した結果であっても第2特定遊技状態への移行を制限するか、又は前記第2移行判定の実行を制限することが可能な手段(第2の実施の形態の変形例6、変形例8に係る主制御装置162によりステップSb5605の処理を実行する機能、変形例9に係る主制御装置162によりステップSb7202の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴bI1に記載の遊技機。
上記構成では、先に行われる第1移行判定にて第1特定遊技状態への移行が判定された場合には、その後に行われる第2移行判定で第2特定遊技状態への移行が判定されてもそれを無効化するか、第2移行判定自体の実行が制限される。これにより、第1特定遊技状態への移行条件と第2特定遊技状態への移行条件とが同一の遊技回で成立した場合に、第1特定遊技状態への移行を優先することができる。
特徴bI3.前記所定の更新情報が、前記特別判定の結果が前記非特定結果となった回数であることを特徴とする特徴bI2に記載の遊技機。
第1特定遊技状態は、特別判定の結果が非特定結果となった回数の更新結果(外れ遊技回の累積回数)に基づいて移行するため、更新結果が所定結果となる前から遊技者が第1特定遊技状態への移行を予測できるという特性がある。このため、更新結果が所定結果となったにもかかわらず、第1特定遊技状態に移行させないでいると、第1特定遊技状態に移行していないことに遊技者が気付きやすい。一方、第2特定遊技状態は、特別判定や特定判定の結果に基づいて移行するため、第2特定遊技状態への移行を遊技者が事前に予測することができない。このような特性を踏まえ、第1特定遊技状態への移行条件と第2特定遊技状態への移行条件とが同一の遊技回で成立した場合に第1特定遊技状態への移行を優先することで、遊技者の気付きを抑制しながら移行先の特定遊技状態を調整することが可能になる。
特徴bI4.第1特定遊技状態が第2特定遊技状態よりも遊技者にとって有利となるように構成されていることを特徴とする特徴bI2又は特徴bI3に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1特定遊技状態への移行条件と第2特定遊技状態への移行条件とが同一の遊技回で成立した場合に第1特定遊技状態への移行を優先させることで、有利な側の特定遊技状態に移行させることが可能になる。
特徴bI5.前記第2移行判定の結果が第2特定遊技状態に移行させることに対応した結果である場合に、前記第1移行判定の結果が第1特定遊技状態に移行させることに対応した結果であっても第2特定遊技状態に移行させることが可能な手段を備えていることを特徴とする特徴bI1に記載の遊技機。
上記構成では、後に行われる第2移行判定にて第2特定遊技状態への移行が判定された場合には、先の第1移行判定で第1特定遊技状態への移行が判定されていても、その結果が無効化される。これにより、第1特定遊技状態への移行条件と第2特定遊技状態への移行条件とが同一の遊技回で成立した場合に、第2特定遊技状態への移行を優先することができる。
特徴bI6.第2特定遊技状態が第1特定遊技状態よりも遊技者にとって有利となるように構成されていることを特徴とする特徴bI5に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1特定遊技状態への移行条件と第2特定遊技状態への移行条件とが同一の遊技回で成立した場合に第2特定遊技状態への移行を優先させることで、有利な側の特定遊技状態に移行させることが可能になる。
特徴bI7.前記更新手段の更新結果が所定結果となった場合又は第1特定遊技状態に移行する場合に所定の第1報知(天井到達用演出)を実行する第1手段(演出制御装置143により天井到達用演出を実行する機能)と、
前記特別判定もしくは前記特定判定の結果が所定判定結果となった場合又は第2特定遊技状態に移行する場合に所定の第2報知(特殊リーチ外れ演出)を実行する第2手段(演出制御装置143により特殊リーチ外れ演出を実行する機能)と、
を備え、
前記第1移行判定及び前記第2移行判定が、前記第1報知及び前記第2報知の実行タイミングよりも前の所定タイミング(変動開始時、変動表示中)にて行われるように構成されていることを特徴とする特徴bI2乃至特徴bI6のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、更新手段の更新結果が所定結果となった場合又は第1特定遊技状態に移行する場合に第1報知を実行し、特別判定もしくは特定判定の結果が所定判定結果となった場合又は第2特定遊技状態に移行する場合に第2報知を実行するため、これらの報知を通じて第1特定遊技状態への移行や第2特定遊技状態への移行を遊技者に報知することができる。この場合において、第1移行判定及び第2移行判定を第1報知及び第2報知の実行タイミングよりも前に行うため、第1特定遊技状態への移行条件と第2特定遊技状態への移行条件とが同一の遊技回で成立した場合に、移行する特定遊技状態の調整結果を踏まえて上記各報知を実行することができる。これにより、移行する特定遊技状態の種別と整合しない報知が行われることを抑制可能となる。
特徴bI8.前記遊技回制御手段は、前記遊技回用動作が行われた後、前記報知結果に対応した報知が所定の報知期間(確定表示時間)にて行われるように遊技回を制御するものであり、
前記第1移行判定手段及び前記第2移行判定手段の判定結果に基づいて遊技状態を第1特定遊技状態又は第2特定遊技状態に移行させることが可能な特定遊技状態用移行手段(第2の実施の形態に変形例6、変形例8、変形例9に係る主制御装置162により時短遊技状態移行用処理を実行する機能)を備え、
前記特定遊技状態用移行手段は、前記遊技回用動作が終了してから次の遊技回が開始されるまでの期間におけるいずれかの特定タイミング(特図遊技回における確定表示の開始タイミング、確定表示の途中タイミング、確定表示の終了タイミング等)にて前記移行を実行することが可能に構成されていることを特徴とする特徴bI1乃至特徴bI7のいずれかに記載の遊技機。
遊技状態が特定遊技状態に移行した場合、遊技機の挙動から遊技者が特定遊技状態であることに気付くことが想定される。このため、例えば、遊技回における遊技回用動作の開始時や途中で特定遊技状態への移行を行うと、特別判定の結果が報知される前であるにもかかわらず、特定遊技状態への移行に遊技者の関心が移ってしまい、遊技回の役割が適切に果たされなくなる懸念がある。この点、本構成では、遊技回用動作が終了してから特定遊技状態への移行を行うため、特別判定の結果を報知してから特定遊技状態への移行に気付かせることができる。これにより、遊技回への注目度が損なわれることを抑制可能となる。
なお、本特徴を上記特徴bI3に適用した場合は、「第1特定遊技状態への移行条件と第2特定遊技状態への移行条件とはいずれも特別判定の結果が非特定結果(いわゆる外れ結果)となった遊技回で成立するところ、このような構成において、それら各移行条件の成立に基づく特定遊技状態への移行を遊技回の開始時や遊技回用動作の途中で行うと、特別判定の結果が報知される前であるにもかかわらず、遊技者が特定遊技状態への気付きから外れ結果を事前把握できてしまい、遊技回の役割が適切に果たされなくなる懸念がある。このような構成に対して本特徴を適用することで、外れ結果の事前把握が可能となることを抑制可能となる。」という効果を奏することができる。
また、本特徴を上記特徴bI7に適用した場合は、「上記第1報知や第2報知の実行タイミングよりも前に第1移行判定及び第2移行判定を行う構成では、それらの各移行判定が遊技回における比較的早い段階で行われるものとなる。この場合、それらの各移行判定を実行した時点で直ちに特定遊技状態への移行を行う構成とすると、特別判定の結果が報知される前であるにもかかわらず、特定遊技状態への移行に遊技者の関心が移ってしまい、遊技回の役割が適切に果たされなくなる懸念がある。この点、本構成では、特別判定の結果報知の前に各移行判定が済まされていたとしても、それら各移行判定の結果を踏まえた特定遊技状態への移行は、結果報知の開始を待ってから行う構成としている。これにより、遊技機の挙動から遊技者が特定遊技状態に気付くことがあったとしても、結果報知まで遊技回に注目させてから特定遊技状態に関心が移る構成とすることができる。よって、遊技回への注目度が損なわれることを抑制しつつ、上記特徴bI7の効果を発揮させることが可能になる。」という効果を奏することができる。
特徴bI9.特定遊技状態の終了条件として、特定遊技状態に移行してからの遊技回の回数が所定の上限回数となることを含み、
特定遊技状態に移行してからの遊技回の回数又は特定遊技状態における遊技回の残り回数を更新する回数更新手段(第2の実施の形態の変形例6、変形例8、変形例9に係る主制御装置162によりステップSb5504の処理を実行する機能等)を備え、
1の遊技回において、前記回数更新手段による前記更新が行われた後、前記第1移行判定手段による前記第1移行判定が行われ、その後、前記第2移行判定手段による前記第2移行判定が行われるようにすることが可能に構成されていることを特徴とする特徴bI1乃至特徴bI8のいずれかに記載の遊技機。
上記構成によれば、特定遊技状態での遊技回数や特定遊技状態を遊技可能な遊技回の残り回数を更新してから第1移行判定及び第2移行判定を実行するため、例えば、第1特定遊技状態の最終遊技回にて第2移行条件が成立した場合に、その最終遊技回の中で第1特定遊技状態を終了させてから第2特定遊技状態に移行させることができる。これにより、通常遊技状態での遊技回を介在させることなく、第1特定遊技状態から第2特定遊技状態に移行させることができ、特定遊技状態の残り回数が増加するのと同等の状態とすることが可能となる。
特徴bI10.予め定められた周期で定期処理(主制御装置162による通常処理等)を繰り返し実行することにより遊技の進行を制御するように構成されており、
前記定期処理の1処理回において前記回数更新手段による前記更新と前記第1移行判定手段による前記第1移行判定と前記第2移行判定手段による前記第2移行判定とを実行可能に構成されていることを特徴とする特徴bI9に記載の遊技機。
上記構成では、定期処理を繰り返し実行することで遊技の進行が制御される構成の下、回数更新と各移行判定とが同じ処理回の中で行われるため、先行する特定遊技状態から後続の特定遊技状態に移行する場合に、通常遊技状態での遊技回が介在することを好適に抑制することができる。
特徴bI11.予め定められた判定条件(第1作動口62又は第2作動口63への入賞)の成立に基づいて特別判定(特図当否判定)を実行する特別判定手段(主制御装置162における特図当否判定を実行する機能)と、
前記特別判定の結果が特定結果(大当たり結果)となることに基づいて通常遊技状態よりも遊技者にとって有利な特別遊技状態(開閉実行モード)に移行させることが可能な特別遊技状態用移行手段(主制御装置162における遊技状態移行処理を実行する機能)と、
前記特別判定が行われることに基づいて遊技回用動作が開始され、前記特別判定の結果に対応した報知結果とされることを遊技回の1回として、遊技回が行われるように制御する遊技回制御手段(主制御装置162における特図遊技回制御処理を実行する機能、演出制御装置143における特図変動表示用処理を実行する機能)と、
を備え、
遊技状態として、通常遊技状態よりも遊技者にとって有利なものであって特別遊技状態とは異なる特定遊技状態(高頻度サポートモード等)を有しており、
特定遊技状態として、所定の第1移行条件(天井回数への到達、所定ポイント数への到達等、又は特殊外れ結果への当選、移行抽選に当選等)の成立に基づいて移行可能な第1特定遊技状態(第2時短遊技状態又は第3時短遊技状態B)と、所定の第2移行条件(特殊外れ結果への当選、移行抽選に当選等、又は天井回数への到達、所定ポイント数への到達等)の成立に基づいて移行可能な第2特定遊技状態(第3時短遊技状態A又は第2時短遊技状態)と、を含む複数種の特定遊技状態を有しており、
第1特定遊技状態に移行させるか否かの第1移行判定を行う第1移行判定手段(第2の実施の形態の変形例6、変形例9に係る主制御装置162により第3時短遊技状態の移行判定用処理を実行する機能、変形例8に係る主制御装置162により第3時短遊技状態の移行判定用処理Aを実行する機能等)と、
第2特定遊技状態に移行させるか否かの第2移行判定を行う第2移行判定手段(第2の実施の形態の変形例6、変形例9に係る主制御装置162により第2時短遊技状態の移行判定用処理を実行する機能、変形例8に係る主制御装置162により第2時短遊技状態の移行判定用処理Aを実行する機能等)と、
を備え、
1の遊技回において、前記第1移行判定手段による前記第1移行判定が行われた後、前記第2移行判定手段による前記第2移行判定が行われるようにすることが可能に構成されている(第2の実施の形態の変形例6においてステップSb5302の処理を実行した後にステップSb5303の処理を実行する機能、変形例8においてステップSb6502で否定判定した場合にステップSb6503の処理を実行した後にステップSb6504の処理を実行する機能、変形例9においてステップSb7201の処理を実行した後にステップSb7203の処理を実行する機能等)ことを特徴とする遊技機。
上記構成では、特別判定の結果が特定結果となることに基づいて移行する特別遊技状態のほか、通常遊技状態よりも遊技者にとって有利な遊技状態として特定遊技状態を有している。また、このような特定遊技状態として、第1移行条件の成立により移行する第1特定遊技状態と、第2移行条件の成立により移行する第2特定遊技状態とを有している。このように、異なる移行条件により移行する複数の特定遊技状態が設けられている遊技機においては、それらの各移行条件が同一の遊技回で成立することがあり得る。この点、上記構成では、第1特定遊技状態に移行させるか否かの第1移行判定を行ってから第2特定遊技状態に移行させるか否かの第2移行判定を行うため、第1移行判定の結果を踏まえて第2移行判定の結果を採用するか否かを判断することができ、遊技状態の制御を好適に行うことが可能になる。
本特徴に対して上記特徴bI2から特徴bI10の構成を適用することが可能である。この場合、これらの構成を適用したことによる更なる効果を奏することができる。
なお、上記特徴bI1乃至特徴bI11の各構成に対して、特徴bA1乃至特徴bA12、特徴bB1乃至特徴bB10、特徴bC1乃至特徴bC9、特徴bD1乃至特徴bD6、特徴bE1乃至特徴bE10、特徴bF1乃至特徴bF10、特徴bG1乃至特徴bG8、特徴bH1乃至特徴bH8、特徴bI1乃至特徴bI11、特徴bJ1乃至特徴bJ10、特徴bK1乃至特徴bK10、特徴bL1乃至特徴bL9、特徴bM1乃至特徴bM10、特徴bN1乃至特徴bN7のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴bJ群>
特徴bJ群は、上述した各実施の形態や各変形例又はこれらの組み合わせから抽出される発明群であり、主に上記第2の実施の形態の変形例7、変形例8、変形例10に基づいて抽出されるものである。
なお、特徴bJ群に記載された発明は、「例えばパチンコ機等の遊技機においては、所定の抽選契機に基づいて抽選処理を実行し、その抽選結果が特定結果となることに基づいて、通常遊技状態よりも遊技者にとって有利な特別遊技状態に移行させるものが知られている(例えば特開2004-81853号公報)。」という背景技術について、「ここで、上記例示したような遊技機等においては遊技状態の制御を行う上で未だ改善の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
特徴bJ1.予め定められた判定条件(第1作動口62又は第2作動口63への入賞)の成立に基づいて特別判定(特図当否判定)を実行する特別判定手段(主制御装置162における特図当否判定を実行する機能)と、
前記特別判定の結果が特定結果(大当たり結果)となることに基づいて通常遊技状態よりも遊技者にとって有利な特別遊技状態(開閉実行モード)に移行させることが可能な特別遊技状態用移行手段(主制御装置162における遊技状態移行処理を実行する機能)と、
前記特別判定が行われることに基づいて遊技回用動作が開始され、前記特別判定の結果に対応した報知結果とされることを遊技回の1回として、遊技回が行われるように制御する遊技回制御手段(主制御装置162における特図遊技回制御処理を実行する機能、演出制御装置143における特図変動表示用処理を実行する機能)と、
所定の更新契機(当否抽選の結果が外れ結果となること、ポイント抽選に当選すること等)に基づいて所定の更新情報(外れ遊技回の回数、ポイント数等)を更新することが可能な更新手段(第2の実施の形態の変形例7、変形例8に係る主制御装置162によりステップSb5504の処理を実行する機能、変形例10に係る主制御装置162によりステップSb7604の処理を実行する機能等)と、
を備え、
遊技状態として、通常遊技状態よりも遊技者にとって有利なものであって特別遊技状態とは異なる特定遊技状態(高頻度サポートモード等)を有しており、
特定遊技状態として、前記更新手段の更新結果が所定結果(天井回数、所定ポイント数等)となることに基づいて移行可能な第1特定遊技状態(第2時短遊技状態)と、前記特別判定の結果が前記特定結果とは異なる所定判定結果(特殊外れ結果)となること又は前記特別判定の結果が特別遊技状態への移行に対応しない非特定結果(外れ結果)となった遊技回にて行われる特定判定(外れ種別判定、移行抽選等)の結果が所定判定結果(特殊外れ結果、移行抽選に当選等)となることに基づいて移行可能な第2特定遊技状態(第3時短遊技状態)と、を含む複数種の特定遊技状態を有しており、
前記更新手段の更新結果に基づいて第1特定遊技状態に移行させるか否かの第1移行判定を行う第1移行判定手段(第2の実施の形態の変形例7、変形例10に係る主制御装置162により第2時短遊技状態の移行判定用処理を実行する機能、変形例8に係る主制御装置162により第2時短遊技状態の移行判定用処理Bを実行する機能等)と、
前記特別判定又は前記特定判定の結果に基づいて第2特定遊技状態に移行させるか否かの第2移行判定を行う第2移行判定手段(第2の実施の形態の変形例7、変形例10に係る主制御装置162により第3時短遊技状態の移行判定用処理を実行する機能、変形例8に係る主制御装置162により第3時短遊技状態の移行判定用処理Bを実行する機能等)と、
を備え、
1の遊技回において、前記第2移行判定手段による前記第2移行判定が実行された後、前記第1移行判定手段による前記第1移行判定が実行されるようにすることが可能に構成されている(第2の実施の形態の変形例7においてステップSb6101の処理を実行した後にステップSb6102の処理を実行する機能、変形例8においてステップSb6502で肯定判定した場合にステップSb6505の処理を実行した後にステップSb6506の処理を実行する機能、変形例10においてステップSb7501の処理を実行した後にステップSb7502の処理を実行する機能等)ことを特徴とする遊技機。
上記構成では、特別判定の結果が特定結果となることに基づいて移行する特別遊技状態のほか、通常遊技状態よりも遊技者にとって有利な遊技状態として特定遊技状態を有している。また、このような特定遊技状態として、所定の更新契機により更新される更新情報の結果に基づいて移行する第1特定遊技状態と、特別判定の結果が特定結果とは異なる所定判定結果となること又は特別判定の結果が非特定結果となった遊技回にて行われる特定判定の結果が所定判定結果となることに基づいて移行する第2特定遊技状態とを有している。このような遊技機では、第1特定遊技状態への移行条件と第2特定遊技状態への移行条件とが同一の遊技回で成立することがあり得る。この点、上記構成では、第2特定遊技状態に移行させるか否かの第2移行判定を行ってから第1特定遊技状態に移行させるか否かの第1移行判定を行うため、第2移行判定の結果を踏まえて第1移行判定の結果を採用するか否かを判断することができ、遊技状態の制御を好適に行うことが可能になる。
特徴bJ2.前記第2移行判定の結果が第2特定遊技状態に移行させることに対応した結果である場合に、前記第1移行判定の結果が第1特定遊技状態に移行させることに対応した結果であっても第1特定遊技状態への移行を制限するか、又は前記第1移行判定の実行を制限することが可能な手段(第2の実施の形態の変形例8に係る主制御装置162によりステップSb6601の処理を実行する機能、変形例10に係る主制御装置162によりステップSb7601の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴bJ1に記載の遊技機。
上記構成では、先に行われる第2移行判定にて第2特定遊技状態への移行が判定された場合には、その後に行われる第1移行判定で第1特定遊技状態への移行が判定されてもそれを無効化するか、第1移行判定自体の実行が制限される。これにより、第1特定遊技状態への移行条件と第2特定遊技状態への移行条件とが同一の遊技回で成立し得る場合に、第2特定遊技状態への移行を優先することができる。
特徴bJ3.前記第2移行判定の結果が第2特定遊技状態に移行させることに対応した結果である場合に、前記更新手段による前記更新を制限することが可能な手段(変形例10に係る主制御装置162によりステップSb7601の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴bJ2に記載の遊技機。
例えば、同一の遊技回で第1特定遊技状態への移行条件と第2特定遊技状態への移行条件との両方が成立したことに基づき、第1特定遊技状態への移行を無効化して第2特定遊技状態に移行させる構成であると、遊技者が第1特定遊技状態の恩恵を受けられなくなる懸念がある。この点、上記構成では、第2移行判定にて第2特定遊技状態への移行が判定された場合に、更新手段による更新の実行が制限される。これにより、第2特定遊技状態への移行条件が成立した遊技回において、更新手段の更新結果が所定結果となることが制限され、延いては、第1特定遊技状態への移行条件と第2特定遊技状態への移行条件とが同一の遊技回で成立することが回避される。よって、遊技者が第1特定遊技状態の恩恵を受けられなくなることを抑制しつつ、第2特定遊技状態への移行を優先させることが可能になる。
特徴bJ4.第2特定遊技状態である場合に前記更新手段による前記更新を制限することが可能な手段(変形例10に係る主制御装置162によりステップSb7602、ステップSb7603の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴bJ3に記載の遊技機。
上記構成では、第2移行判定にて第2特定遊技状態への移行が判定されたことに基づいて更新手段による更新が制限された場合に、第2特定遊技状態に移行した後もその制限が継続される。これにより、第2特定遊技状態が終了してから更新手段による更新を再開させることができ、第2特定遊技状態の途中で第1特定遊技状態の移行条件が成立することを抑制できる。
特徴bJ5.第2特定遊技状態が第1特定遊技状態よりも遊技者にとって有利となるように構成されていることを特徴とする特徴bJ2乃至特徴bJ4のいずれかに記載の遊技機。
上記構成によれば、第1特定遊技状態への移行条件と第2特定遊技状態への移行条件とが同一の遊技回で成立した場合に第2特定遊技状態への移行を優先させることで、有利な側の特定遊技状態に移行させることが可能になる。
特徴bJ6.前記第1移行判定の結果が第1特定遊技状態に移行させることに対応した結果である場合に、前記第2移行判定の結果が第2特定遊技状態に移行させることに対応した結果であっても第1特定遊技状態に移行させることが可能な手段(変形例7に係る主制御装置162によりステップSb6303、ステップSb6304の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴bJ1に記載の遊技機。
上記構成では、後に行われる第1移行判定にて第1特定遊技状態への移行が判定された場合には、先の第2移行判定で第2特定遊技状態への移行が判定されていても、その結果が無効化される。これにより、第1特定遊技状態への移行条件と第2特定遊技状態への移行条件とが同一の遊技回で成立し得る場合に、第1特定遊技状態への移行を優先することができる。
特徴bJ7.前記所定の更新情報が、前記特別判定の結果が前記非特定結果となった回数であることを特徴とする特徴bJ6に記載の遊技機。
第1特定遊技状態は、特別判定の結果が非特定結果となった回数の更新結果(外れ遊技回の累積回数)に基づいて移行するため、更新結果が所定結果となる前から遊技者が第1特定遊技状態への移行を予測できるという特性がある。このため、更新結果が所定結果となったにもかかわらず、第1特定遊技状態に移行させないでいると、第1特定遊技状態に移行していないことに遊技者が気付きやすい。一方、第2特定遊技状態は、特別判定や特定判定の結果に基づいて移行するため、第2特定遊技状態への移行を遊技者が事前に予測することができない。このような特性を踏まえ、第1特定遊技状態への移行条件と第2特定遊技状態への移行条件とが同一の遊技回で成立した場合に第1特定遊技状態への移行を優先することで、遊技者の気付きを抑制しながら移行先の特定遊技状態を調整することが可能になる。
特徴bJ8.前記更新手段の更新結果が所定結果となった場合又は第1特定遊技状態に移行する場合に所定の第1報知(天井到達用演出)を実行する第1手段(演出制御装置143により天井到達用演出を実行する機能)と、
前記特別判定もしくは前記特定判定の結果が所定判定結果となった場合又は第2特定遊技状態に移行する場合に所定の第2報知(特殊リーチ外れ演出)を実行する第2手段(演出制御装置143により特殊リーチ外れ演出を実行する機能)と、
を備え、
前記第1移行判定及び前記第2移行判定が、前記第1報知及び前記第2報知の実行タイミングよりも前の所定タイミング(変動開始時、変動表示中)にて行われるように構成されていることを特徴とする特徴bJ2乃至特徴bJ7のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、更新手段の更新結果が所定結果となった場合又は第1特定遊技状態に移行する場合に第1報知を実行し、特別判定もしくは特定判定の結果が所定判定結果となった場合又は第2特定遊技状態に移行する場合に第2報知を実行するため、これらの報知を通じて第1特定遊技状態への移行や第2特定遊技状態への移行を遊技者に報知することができる。この場合において、第1移行判定及び第2移行判定を第1報知及び第2報知の実行タイミングよりも前に行うため、第1特定遊技状態への移行条件と第2特定遊技状態への移行条件とが同一の遊技回で成立し得る場合に、移行する特定遊技状態の調整結果を踏まえて上記各報知を実行することができる。これにより、移行する特定遊技状態の種別と整合しない報知が行われることを抑制可能となる。
特徴bJ9.特定遊技状態の終了条件として、特定遊技状態に移行してからの遊技回の回数が所定の上限回数となることを含み、
特定遊技状態に移行してからの遊技回の回数又は特定遊技状態における遊技回の残り回数を更新する回数更新手段(第2の実施の形態の変形例7、変形例8、変形例10に係る主制御装置162によりステップSb5504の処理を実行する機能等)を備え、
1の遊技回において、前記回数更新手段による前記更新が行われた後、前記第1移行判定手段による前記第1移行判定が行われ、その後、前記第2移行判定手段による前記第2移行判定が行われるようにすることが可能に構成されていることを特徴とする特徴bJ1乃至特徴bJ8のいずれかに記載の遊技機。
上記構成によれば、特定遊技状態での遊技回数や特定遊技状態を遊技可能な遊技回の残り回数を更新してから第1移行判定及び第2移行判定を実行するため、例えば、第1特定遊技状態の最終遊技回にて第2移行条件が成立した場合に、その最終遊技回の中で第1特定遊技状態を終了させてから第2特定遊技状態に移行させることができる。これにより、通常遊技状態での遊技回を介在させることなく、第1特定遊技状態から第2特定遊技状態に移行させることができ、特定遊技状態の残り回数が増加するのと同等の状態とすることが可能となる。
特徴bJ10.予め定められた周期で定期処理(主制御装置162による通常処理等)を繰り返し実行することにより遊技の進行を制御するように構成されており、
前記定期処理の同じ処理回において前記回数更新手段による前記更新と前記第1移行判定手段による前記第1移行判定と前記第2移行判定手段による前記第2移行判定とを実行可能に構成されていることを特徴とする特徴bJ9に記載の遊技機。
上記構成では、定期処理を繰り返し実行することで遊技の進行が制御される構成の下、回数更新と各移行判定とが同じ処理回の中で行われるため、先行する特定遊技状態から後続の特定遊技状態に移行する場合に、通常遊技状態での遊技回が介在することを好適に抑制することができる。
なお、上記特徴bJ1乃至特徴bJ10の各構成に対して、特徴bA1乃至特徴bA12、特徴bB1乃至特徴bB10、特徴bC1乃至特徴bC9、特徴bD1乃至特徴bD6、特徴bE1乃至特徴bE10、特徴bF1乃至特徴bF10、特徴bG1乃至特徴bG8、特徴bH1乃至特徴bH8、特徴bI1乃至特徴bI11、特徴bJ1乃至特徴bJ10、特徴bK1乃至特徴bK10、特徴bL1乃至特徴bL9、特徴bM1乃至特徴bM10、特徴bN1乃至特徴bN7のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴bK群>
特徴bK群は、上述した各実施の形態や各変形例又はこれらの組み合わせから抽出される発明群であり、主に上記第2の実施の形態の変形例6、変形例8に基づいて抽出されるものである。
なお、特徴bK群に記載された発明は、「例えばパチンコ機等の遊技機においては、所定の抽選契機に基づいて抽選処理を実行し、その抽選結果が特定結果となることに基づいて、通常遊技状態よりも遊技者にとって有利な特別遊技状態に移行させるものが知られている(例えば特開2004-81853号公報)。」という背景技術について、「ここで、上記例示したような遊技機等においては遊技状態の制御を行う上で未だ改善の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
特徴bK1.予め定められた判定条件(第1作動口62又は第2作動口63への入賞)の成立に基づいて特別判定(特図当否判定)を実行する特別判定手段(主制御装置162における特図当否判定を実行する機能)と、
前記特別判定の結果が特定結果(大当たり結果)となることに基づいて通常遊技状態よりも遊技者にとって有利な特別遊技状態(開閉実行モード)に移行させることが可能な特別遊技状態用移行手段(主制御装置162における遊技状態移行処理を実行する機能)と、
を備え、
遊技状態として、通常遊技状態よりも遊技者にとって有利なものであって特別遊技状態とは異なる特定遊技状態(高頻度サポートモード等)を有しており、
特定遊技状態として、所定の第1移行条件(天井回数への到達、所定ポイント数への到達等、又は特殊外れ結果への当選、移行抽選に当選等)の成立に基づいて移行可能な第1特定遊技状態(第2時短遊技状態又は第3時短遊技状態B)と、第1特定遊技状態よりも遊技者にとって不利なものであって前記第1移行条件とは異なる所定の第2移行条件(特殊外れ結果への当選、移行抽選に当選等、又は天井回数への到達、所定ポイント数への到達等)の成立に基づいて移行可能な第2特定遊技状態(第3時短遊技状態A又は第2時短遊技状態)と、を含む複数種の特定遊技状態を有しており、
第1特定遊技状態である状況で前記第2移行条件が成立した場合に第2特定遊技状態への移行を制限することが可能に構成されている(ステップSb5603で肯定判定し、ステップSb5604で否定判定した場合の流れ等)ことを特徴とする遊技機。
上記構成では、特別判定の結果が特定結果となることに基づいて移行する特別遊技状態のほか、通常遊技状態よりも遊技者にとって有利な遊技状態として特定遊技状態を有している。また、このような特定遊技状態として、第1移行条件の成立により移行する第1特定遊技状態と、第1特定遊技状態よりも不利なものであって、第2移行条件の成立により移行する第2特定遊技状態とを有している。このような場合において、第1特定遊技状態である状況で第2移行条件が成立した場合に第2特定遊技状態への移行が制限されるため、遊技者が不利な扱いを受けることを抑制でき、遊技状態の制御を好適に行うことが可能になる。
特徴bK2.前記特別判定が行われることに基づいて遊技回用動作が開始され、前記特別判定の結果に対応した報知結果とされることを遊技回の1回として、遊技回が行われるように制御する遊技回制御手段(主制御装置162における特図遊技回制御処理を実行する機能、演出制御装置143における特図変動表示用処理を実行する機能)と、
第1特定遊技状態に移行させるか否かの第1移行判定を行う第1移行判定手段(第2の実施の形態の変形例6、変形例8に係る主制御装置162によりステップSb5302、ステップSb6503の第2時短遊技状態の移行判定用処理を実行する機能、又は第2の実施の形態の変形例8に係る主制御装置162によりステップSb6505の第3時短遊技状態の移行判定用処理を実行する機能)と、
第2特定遊技状態に移行させるか否かの第2移行判定を行う第2移行判定手段(第2の実施の形態の変形例6、変形例8に係る主制御装置162によりステップSb5303、ステップSb6504の第3時短遊技状態の移行判定用処理を実行する機能、又は第2の実施の形態の変形例8に係る主制御装置162によりステップSb6506の第2時短遊技状態の移行判定用処理を実行する機能等)と、
を備え、
1の遊技回において、前記第1移行判定手段による前記第1移行判定が行われた後、前記第2移行判定手段による前記第2移行判定が行われるようにすることが可能に構成されている(第2の実施の形態の変形例6においてステップSb5302の処理を実行した後にステップSb5303の処理を実行する機能、変形例8においてステップSb6502で否定判定した場合にステップSb6503の処理を実行した後にステップSb6504の処理を実行する機能、ステップSb6502で肯定判定した場合にステップSb6505の処理を実行した後ステップSb6506の処理を実行する機能等)ことを特徴とする特徴bK1に記載の遊技機。
異なる移行条件により移行する複数の特定遊技状態が設けられている遊技機においては、それらの各移行条件が同一の遊技回で成立することがあり得る。そのような状況に鑑み、本特徴では、第1特定遊技状態である状況で第2移行条件が成立した場合に第2特定遊技状態への移行を制限するようにした上で、第1特定遊技状態に移行させるか否かの第1移行判定を行ってから第2特定遊技状態に移行させるか否かの第2移行判定を行うように構成されている。このような構成によれば、第1移行条件及び第2移行条件の両方が同一の遊技回で成立した場合に、第1移行判定により第1特定遊技状態に移行させると判定された後、第2移行判定にて第2移行条件の成立が把握されても、上記制限により第2特定遊技状態への移行が回避される。これにより、有利な側の第1特定遊技状態への移行が実施され、遊技状態の制御を好適に行うことが可能になる。
特徴bK3.前記第1移行条件の成立又は第1特定遊技状態への移行に対応した所定報知(天井到達用演出、特殊リーチ外れ演出)を遊技回にて実行することが可能な所定報知実行手段(演出制御装置143による遊技回用演出を実行する機能)を備え、
前記第1移行判定及び前記第2移行判定が、前記所定報知実行手段による前記所定報知の実行タイミングよりも前の所定タイミング(変動開始時、変動表示中)にて行われるように構成されていることを特徴とする特徴bK2に記載の遊技機。
上記構成では、遊技回での所定報知の実施により、第1移行条件の成立又は第1特定遊技状態への移行を遊技者に報知することが可能になる。この場合において、第1移行判定及び第2移行判定を上記所定報知の実行タイミングよりも前に行う構成としたため、第1移行条件及び第2移行条件の両方が成立した遊技回において、それら各移行判定の結果を踏まえて所定報知を実行するか否かを判断することができる。すなわち、同一の遊技回にて第1移行条件及び第2移行条件の両方が成立し、第1特定遊技状態への移行が実施される場合に、上記所定報知を好適に実施することが可能になる。
特徴bK4.前記第2移行条件の成立又は第2特定遊技状態への移行に対応した特定報知(特殊リーチ外れ演出、天井到達用演出)を遊技回にて実行することが可能な特定報知実行手段(演出制御装置143において主制御装置162からの変動パターンに基づいて遊技回用演出を実行する機能)を備え、
前記第1移行判定及び前記第2移行判定が、前記特定報知実行手段による前記特定報知の実行タイミングよりも前の所定タイミング(変動開始時、変動表示中)にて行われるように構成されていることを特徴とする特徴bK2又は特徴bK3に記載の遊技機。
上記構成では、遊技回での特定報知の実施により、第2移行条件の成立又は第2特定遊技状態への移行を遊技者に報知することが可能になる。この場合において、第1移行判定及び第2移行判定を上記特定報知の実行タイミングよりも前に行う構成としたため、第1移行条件及び第2移行条件の両方が成立した遊技回において、それら各移行判定の結果を踏まえて特定報知を実行するか否かを判断することができる。これにより、第2移行条件が成立した場合であっても、同時に第1移行条件も成立して第2特定遊技状態への移行が制限される場合には、上記特定報知の実施を取り止めることができる。よって、同一の遊技回にて第1移行条件及び第2移行条件の両方が成立した場合に、移行する特定遊技状態の種別と整合しない報知が行われることを抑制できる。
特徴bK5.前記第1移行判定及び前記第2移行判定が、遊技回が開始される場合に実行されるように構成されていることを特徴とする特徴bK2乃至特徴bK4のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、第1移行判定及び第2移行判定が遊技回の開始時に実行されるため、第1移行条件の成立に対応した報知や第2移行条件の成立に対応した報知を遊技回にて行う場合に、上記各移行判定の結果を踏まえてそれら各報知の実施の有無を制御することが可能になる。これにより、同一の遊技回にて第1移行条件及び第2移行条件の両方が成立した場合に、移行する特定遊技状態の種別と整合しない報知が行われることを抑制できる。また、遊技回の結果により第1移行条件や第2移行条件の成立を報知する場合にも有効となる。
なお、本特徴を上記特徴bK3や特徴bK4に適用した場合は、「上記所定報知や特定報知が遊技回の途中で実行される場合は勿論のこと、それら各報知が遊技回の序盤で実行される場合にも好適に対処することができる。また、遊技回にて実行する遊技回用演出を遊技回の開始時に設定するように構成された遊技機において、その設定される遊技回用演出に上記所定報知や特定報知が組み込まれる場合にも柔軟に対応することができる。」という効果を奏することができる。
特徴bK6.前記遊技回制御手段は、前記遊技回用動作が行われた後、前記報知結果に対応した報知が所定の報知期間(確定表示時間)にて行われるように遊技回を制御するものであり、
前記第1移行判定手段及び前記第2移行判定手段の判定結果に基づいて遊技状態を第1特定遊技状態又は第2特定遊技状態に移行させることが可能な特定遊技状態用移行手段(第2の実施の形態に変形例6、変形例8に係る主制御装置162により時短遊技状態移行用処理を実行する機能)を備え、
前記特定遊技状態用移行手段は、前記遊技回用動作が終了してから次の遊技回が開始されるまでの期間におけるいずれかの特定タイミング(特図遊技回における確定表示の開始タイミング、確定表示の途中タイミング、確定表示の終了タイミング等)にて前記移行を実行することが可能に構成されていることを特徴とする特徴bK2乃至特徴bK5のいずれかに記載の遊技機。
遊技状態が特定遊技状態に移行した場合、遊技機の挙動から遊技者が特定遊技状態であることに気付くことが想定される。このため、例えば、遊技回における遊技回用動作の開始時や途中で特定遊技状態への移行を行うと、特別判定の結果が報知される前であるにもかかわらず、特定遊技状態への移行に遊技者の関心が移ってしまい、遊技回の役割が適切に果たされなくなる懸念がある。この点、本構成では、遊技回用動作が終了してから特定遊技状態への移行を行うため、特別判定の結果を報知してから特定遊技状態への移行に気付かせることができる。これにより、遊技回への注目度が損なわれることを抑制可能となる。
なお、本特徴を上記特徴bK3や特徴bK4に適用した場合は、「上記所定報知や特定報知の実行タイミングよりも前に第1移行判定及び第2移行判定を行う構成では、それらの各移行判定が遊技回における比較的早い段階で行われることがある。例えば、所定報知を実行するための設定が遊技回の開始時に行われる構成では、上記各移行判定についても遊技回の開始時に行う必要が生じる。このような場合に、それらの各移行判定を実行した時点で直ちに特定遊技状態への移行を行う構成とすると、特別判定の結果が報知される前であるにもかかわらず、特定遊技状態への移行に遊技者の関心が移ってしまい、遊技回の役割が適切に果たされなくなる懸念がある。この点、本構成では、特別判定の結果報知の前に各移行判定が済まされていたとしても、それら各移行判定の結果を踏まえた特定遊技状態への移行は、結果報知の開始を待ってから行う構成としている。これにより、遊技機の挙動から遊技者が特定遊技状態に気付くことがあったとしても、結果報知まで遊技回に注目させてから特定遊技状態に関心が移る構成とすることができる。よって、遊技回への注目度が損なわれることを抑制しつつ、上記特徴bK3又は特徴bK4の上記各効果を発揮させることが可能になる。」という効果を奏することができる。
また、本特徴を上記特徴bK5に適用した場合は、「第1移行判定及び第2移行判定が終了すれば、あとは特定遊技状態への移行を行うだけの状態となるため、第1移行判定及び第2移行判定を遊技回の開始時に行う構成では、特定遊技状態への移行についても遊技回の開始時に行うのが自然となる。しかしながら、遊技回の開始時に特定遊技状態への移行を行うと、特別判定の結果が報知される前であるにもかかわらず、特定遊技状態への移行に遊技者の関心が移ってしまい、遊技回の役割が適切に果たされなくなる懸念がある。この点、本構成では、上記各移行判定が遊技回の開始時に行われたとしても、それら各移行判定の結果を踏まえた特定遊技状態への移行は、結果報知の開始を待ってから行う構成としている。これにより、遊技機の挙動から遊技者が特定遊技状態に気付くことがあったとしても、結果報知まで遊技回に注目させてから特定遊技状態に関心が移る構成とすることができる。よって、遊技回への注目度が損なわれることを抑制しつつ、上記特徴bK5の上記効果を発揮させることが可能になる。」という効果を奏することができる。
特徴bK7.前記第1移行条件及び前記第2移行条件は、前記特別判定の結果が特別遊技状態への移行に対応しない非特定結果(外れ結果)となった遊技回にて成立し得るものであることを特徴とする特徴bK6に記載の遊技機。
上記構成では、特別判定の結果が非特定結果(いわゆる外れ結果)となった遊技回にて第1移行条件及び第2移行条件が成立するところ、このような構成において、それら各移行条件の成立に基づく特定遊技状態への移行を遊技回の開始時や遊技回用動作の途中で行うと、特別判定の結果が報知される前であるにもかかわらず、遊技者が特定遊技状態への気付きから外れ結果を事前把握できてしまい、遊技回の役割が適切に果たされなくなる懸念がある。このような構成に対して上記特徴bK6を適用することで、外れ結果の事前把握が可能となることを抑制しつつ、上記特徴bK2から特徴bK5の上記各効果を発揮させることが可能になる。
特徴bK8.特定遊技状態の終了条件として、特定遊技状態に移行してからの遊技回の回数が所定の上限回数となることを含み、
特定遊技状態に移行してからの遊技回の回数又は特定遊技状態における遊技回の残り回数を更新する回数更新手段(主制御装置162におけるステップSb5301の処理を実行する機能)を備え、
1の遊技回において、前記回数更新手段による前記更新が行われた後、前記第1移行判定手段による前記第1移行判定が行われ、その後、前記第2移行判定手段による前記第2移行判定が行われるようにすることが可能に構成されていることを特徴とする特徴bK2乃至特徴bK7のいずれかに記載の遊技機。
上記構成によれば、特定遊技状態を遊技可能な遊技回の残り回数を更新してから第1移行判定及び第2移行判定を実行するため、例えば、第1特定遊技状態の最終遊技回にて第2移行条件が成立した場合に、その最終遊技回の中で第1特定遊技状態を終了させてから第2特定遊技状態に移行させることができる。これにより、通常遊技状態での遊技回を介在させることなく、第1特定遊技状態から第2特定遊技状態に移行させることができ、実質的に特定遊技状態の残り回数が追加された状態とすることが可能となる。
特徴bK9.予め定められた周期で定期処理(主制御装置162による通常処理等)を繰り返し実行することにより遊技の進行を制御するように構成されており、
前記定期処理の1処理回において前記回数更新手段による前記更新と前記第1移行判定手段による前記第1移行判定と前記第2移行判定手段による前記第2移行判定とを実行可能に構成されていることを特徴とする特徴bK8に記載の遊技機。
上記構成では、定期処理を繰り返し実行することで遊技の進行が制御される構成の下、回数更新と各移行判定とが同じ処理回の中で行われるため、先行する特定遊技状態から後続の特定遊技状態に移行する場合に、通常遊技状態での遊技回が介在することを好適に抑制することができる。
特徴bK10.特定遊技状態の終了条件として、特定遊技状態に移行してからの遊技回の回数が所定の上限回数となることを含み、
第1特定遊技状態の上限回数が第2特定遊技状態の上限回数よりも多い回数であることを特徴とする特徴bK1乃至特徴bK9のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、第1特定遊技状態の上限回数(残り回数)が第2特定遊技状態の上限回数よりも多くなっており、第1特定遊技状態の方が第2特定遊技状態よりも遊技者にとって有利となっている。このような構成に対し、上記特徴bK1から特徴bK9のいずれかの構成を適用することで、それら各特徴を有効に機能させ、上記各効果を好適に発揮させることができる。
なお、上記特徴bK1乃至特徴bK10の各構成に対して、特徴bA1乃至特徴bA12、特徴bB1乃至特徴bB10、特徴bC1乃至特徴bC9、特徴bD1乃至特徴bD6、特徴bE1乃至特徴bE10、特徴bF1乃至特徴bF10、特徴bG1乃至特徴bG8、特徴bH1乃至特徴bH8、特徴bI1乃至特徴bI11、特徴bJ1乃至特徴bJ10、特徴bK1乃至特徴bK10、特徴bL1乃至特徴bL9、特徴bM1乃至特徴bM10、特徴bN1乃至特徴bN7のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴bL群>
特徴bL群は、上述した各実施の形態や各変形例又はこれらの組み合わせから抽出される発明群であり、主に上記第2の実施の形態の変形例7に基づいて抽出されるものである。
なお、特徴bL群に記載された発明は、「例えばパチンコ機等の遊技機においては、所定の抽選契機に基づいて抽選処理を実行し、その抽選結果が特定結果となることに基づいて、通常遊技状態よりも遊技者にとって有利な特別遊技状態に移行させるものが知られている(例えば特開2004-81853号公報)。」という背景技術について、「ここで、上記例示したような遊技機等においては遊技状態の制御を行う上で未だ改善の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
特徴bL1.予め定められた判定条件(第1作動口62又は第2作動口63への入賞)の成立に基づいて特別判定(特図当否判定)を実行する特別判定手段(主制御装置162における特図当否判定を実行する機能)と、
前記特別判定の結果が特定結果(大当たり結果)となることに基づいて通常遊技状態よりも遊技者にとって有利な特別遊技状態(開閉実行モード)に移行させることが可能な特別遊技状態用移行手段(主制御装置162における遊技状態移行処理を実行する機能)と、
前記特別判定が行われることに基づいて遊技回用動作が開始され、前記特別判定の結果に対応した報知結果とされることを遊技回の1回として、遊技回が行われるように制御する遊技回制御手段(主制御装置162における特図遊技回制御処理を実行する機能、演出制御装置143における特図変動表示用処理を実行する機能)と、
を備え、
遊技状態として、通常遊技状態よりも遊技者にとって有利なものであって特別遊技状態とは異なる特定遊技状態(高頻度サポートモード等)を有しており、
特定遊技状態として、所定の第1移行条件(天井回数への到達、所定ポイント数への到達等)の成立に基づいて移行可能な第1特定遊技状態(第2時短遊技状態)と、第1特定遊技状態よりも遊技者にとって不利なものであって前記第1移行条件とは異なる所定の第2移行条件(特殊外れ結果への当選、移行抽選に当選等)の成立に基づいて移行可能な第2特定遊技状態(第3時短遊技状態)とを含む複数種の特定遊技状態を有しており、
第1特定遊技状態に移行させるか否かの第1移行判定を行う第1移行判定手段(主制御装置162による第2時短遊技状態の移行判定用処理を実行する機能等)と、
第2特定遊技状態に移行させるか否かの第2移行判定を行う第2移行判定手段(主制御装置162による第3時短遊技状態の移行判定用処理を実行する機能等)と、
を備え、
第2特定遊技状態である状況で前記第1移行条件が成立した場合に第1特定遊技状態への移行を許容することが可能となっており(ステップSb6301で肯定判定した場合の流れ)、
1の遊技回において、前記第2移行判定手段による前記第2移行判定が行われた後、前記第1移行判定手段による前記第1移行判定が行われるようにすることが可能に構成されている(第2の実施の形態の変形例7に係る主制御装置162においてステップSb6101の処理を実行した後にステップSb6102の処理を実行する機能等)ことを特徴とする遊技機。
上記構成では、特別判定の結果が特定結果となることに基づいて移行する特別遊技状態のほか、通常遊技状態よりも遊技者にとって有利な遊技状態として特定遊技状態を有している。また、このような特定遊技状態として、第1移行条件の成立により移行する第1特定遊技状態と、第1特定遊技状態よりも不利なものであって、第2移行条件の成立により移行する第2特定遊技状態とを有している。このように、異なる移行条件により移行する複数の特定遊技状態が設けられている遊技機においては、それらの各移行条件が同一の遊技回で成立することがあり得る。
そのような状況に鑑み、上記構成では、第2特定遊技状態である状況で第1移行条件が成立した場合に第1特定遊技状態への移行を許容するようにした上で、第2特定遊技状態に移行させるか否かの第2移行判定を行ってから第1特定遊技状態に移行させるか否かの第1移行判定を行うように構成されている。このような構成によれば、第1移行条件及び第2移行条件の両方が同一の遊技回で成立した場合に、第2移行判定により第2特定遊技状態に移行させると判定されても、その後、第1移行判定により第1特定遊技状態に移行させると判定されることで、先の第2移行判定の結果をキャンセルすることができる。これにより、有利な側の第1特定遊技状態への移行が実施され、遊技状態の制御を好適に行うことが可能になる。
特徴bL2.前記第1移行条件の成立又は第1特定遊技状態への移行に対応した所定報知(天井到達用演出、特殊リーチ外れ演出)を遊技回にて実行することが可能な所定報知実行手段(演出制御装置143による遊技回用演出を実行する機能)を備え、
前記第1移行判定及び前記第2移行判定が、前記所定報知実行手段による前記所定報知の実行タイミングよりも前の所定タイミング(変動開始時、変動表示中)にて行われるように構成されていることを特徴とする特徴bL1に記載の遊技機。
上記構成では、遊技回での所定報知の実施により、第1移行条件の成立又は第1特定遊技状態への移行を遊技者に報知することが可能になる。この場合において、第1移行判定及び第2移行判定を上記所定報知の実行タイミングよりも前に行う構成としたため、第1移行条件及び第2移行条件の両方が成立した遊技回において、それら各移行判定の結果を踏まえて所定報知を実行するか否かを判断することができる。すなわち、同一の遊技回にて第1移行条件及び第2移行条件の両方が成立し、第1特定遊技状態への移行が実施される場合に、上記所定報知を好適に実施することが可能になる。
特徴bL3.前記第2移行条件の成立又は第2特定遊技状態への移行に対応した特定報知(特殊リーチ外れ演出、天井到達用演出)を遊技回にて実行することが可能な特定報知実行手段(演出制御装置143において主制御装置162からの変動パターンに基づいて遊技回用演出を実行する機能)を備え、
前記第1移行判定及び前記第2移行判定が、前記特定報知実行手段による前記特定報知の実行タイミングよりも前の所定タイミング(変動開始時、変動表示中)にて行われるように構成されていることを特徴とする特徴bL1又は特徴bL2に記載の遊技機。
上記構成では、遊技回での特定報知の実施により、第2移行条件の成立又は第2特定遊技状態への移行を遊技者に報知することが可能になる。この場合において、第1移行判定及び第2移行判定を上記特定報知の実行タイミングよりも前に行う構成としたため、第1移行条件及び第2移行条件の両方が成立した遊技回において、それら各移行判定の結果を踏まえて特定報知を実行するか否かを判断することができる。これにより、第2移行条件が成立した場合であっても、同時に第1移行条件も成立して第2特定遊技状態への移行が制限される場合には、上記特定報知の実施を取り止めることができる。よって、同一の遊技回にて第1移行条件及び第2移行条件の両方が成立した場合に、移行する特定遊技状態の種別と整合しない報知が行われることを抑制できる。
特徴bL4.前記第1移行判定及び前記第2移行判定が、遊技回が開始される場合に実行されるように構成されていることを特徴とする特徴bL1乃至特徴bL3のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、第1移行判定及び第2移行判定が遊技回の開始時に実行されるため、第1移行条件の成立に対応した報知や第2移行条件の成立に対応した報知を遊技回にて行う場合に、上記各移行判定の結果を踏まえてそれら各報知の実施の有無を制御することが可能になる。これにより、同一の遊技回にて第1移行条件及び第2移行条件の両方が成立した場合に、移行する特定遊技状態の種別と整合しない報知が行われることを抑制できる。また、遊技回の結果により第1移行条件や第2移行条件の成立を報知する場合にも有効となる。
なお、本特徴を上記特徴bL2や特徴bL3に適用した場合は、「上記所定報知や特定報知が遊技回の途中で実行される場合は勿論のこと、それら各報知が遊技回の序盤で実行される場合にも好適に対処することができる。また、遊技回にて実行する遊技回用演出を遊技回の開始時に設定するように構成された遊技機において、その設定される遊技回用演出に上記所定報知や特定報知が組み込まれる場合にも柔軟に対応することができる。」という効果を奏することができる。
特徴bL5.前記遊技回制御手段は、前記遊技回用動作が行われた後、前記報知結果に対応した報知が所定の報知期間(確定表示時間)にて行われるように遊技回を制御するものであり、
前記第1移行判定手段及び前記第2移行判定手段の判定結果に基づいて遊技状態を第1特定遊技状態又は第2特定遊技状態に移行させることが可能な特定遊技状態用移行手段(第2の実施の形態に変形例7に係る主制御装置162により時短遊技状態移行用処理を実行する機能)を備え、
前記特定遊技状態用移行手段は、前記遊技回用動作が終了してから次の遊技回が開始されるまでの期間におけるいずれかの特定タイミング(特図遊技回における確定表示の開始タイミング、確定表示の途中タイミング、確定表示の終了タイミング等)にて前記移行を実行することが可能に構成されていることを特徴とする特徴bL1乃至特徴bL4のいずれかに記載の遊技機。
遊技状態が特定遊技状態に移行した場合、遊技機の挙動から遊技者が特定遊技状態であることに気付くことが想定される。このため、例えば、遊技回における遊技回用動作の開始時や途中で特定遊技状態への移行を行うと、特別判定の結果が報知される前であるにもかかわらず、特定遊技状態への移行に遊技者の関心が移ってしまい、遊技回の役割が適切に果たされなくなる懸念がある。この点、本構成では、遊技回用動作が終了してから特定遊技状態への移行を行うため、特別判定の結果を報知してから特定遊技状態への移行に気付かせることができる。これにより、遊技回への注目度が損なわれることを抑制可能となる。
なお、本特徴を上記特徴bL2や特徴bL3に適用した場合は、「上記所定報知や特定報知の実行タイミングよりも前に第1移行判定及び第2移行判定を行う構成では、それらの各移行判定が遊技回における比較的早い段階で行われるものとなる。この場合、それらの各移行判定を実行した時点で直ちに特定遊技状態への移行を行う構成とすると、特別判定の結果が報知される前であるにもかかわらず、特定遊技状態への移行に遊技者の関心が移ってしまい、遊技回の役割が適切に果たされなくなる懸念がある。この点、本構成では、特別判定の結果報知の前に各移行判定が済まされていたとしても、それら各移行判定の結果を踏まえた特定遊技状態への移行は、結果報知の開始を待ってから行う構成としている。これにより、遊技機の挙動から遊技者が特定遊技状態に気付くことがあったとしても、結果報知まで遊技回に注目させてから特定遊技状態に関心が移る構成とすることができる。よって、遊技回への注目度が損なわれることを抑制しつつ、上記特徴bL2又は特徴bL3の上記各効果を発揮させることが可能になる。」という効果を奏することができる。
また、本特徴を上記特徴bL4に適用した場合は、「第1移行判定及び第2移行判定が終了すれば、あとは特定遊技状態への移行を行うだけの状態となるため、第1移行判定及び第2移行判定を遊技回の開始時に行う構成では、特定遊技状態への移行についても遊技回の開始時に行うのが自然となる。しかしながら、遊技回の開始時に特定遊技状態への移行を行うと、特別判定の結果が報知される前であるにもかかわらず、特定遊技状態への移行に遊技者の関心が移ってしまい、遊技回の役割が適切に果たされなくなる懸念がある。この点、本構成では、上記各移行判定が遊技回の開始時に行わたとしても、それら各移行判定の結果を踏まえた特定遊技状態への移行は、結果報知の開始を待ってから行う構成としている。これにより、遊技機の挙動から遊技者が特定遊技状態に気付くことがあったとしても、結果報知まで遊技回に注目させてから特定遊技状態に関心が移る構成とすることができる。よって、遊技回への注目度が損なわれることを抑制しつつ、上記特徴bL4の上記各効果を発揮させることが可能になる。」という効果を奏することができる。
特徴bL6.前記第1移行条件及び前記第2移行条件は、前記特別判定の結果が特別遊技状態への移行に対応しない非特定結果(外れ結果)となった遊技回にて成立し得るものであることを特徴とする特徴bL5に記載の遊技機。
上記構成では、特別判定の結果が非特定結果(いわゆる外れ結果)となった遊技回にて第1移行条件及び第2移行条件が成立するところ、このような構成において、それら各移行条件の成立に基づく特定遊技状態への移行を遊技回の開始時や遊技回用動作の途中で行うと、特別判定の結果が報知される前であるにもかかわらず、遊技者が特定遊技状態への気付きから外れ結果を事前把握できてしまい、遊技回の役割が適切に果たされなくなる懸念がある。このような構成に対して上記特徴bL5を適用することで、外れ結果の事前把握が可能となることを抑制しつつ、上記特徴bL1から特徴bL4の上記各効果を発揮させることが可能になる。
特徴bL7.特定遊技状態の終了条件として、特定遊技状態に移行してからの遊技回の回数が所定の上限回数となることを含み、
特定遊技状態に移行してからの遊技回の回数又は特定遊技状態における遊技回の残り回数を更新する回数更新手段(主制御装置162におけるステップSb5301の処理を実行する機能)を備え、
1の遊技回において、前記回数更新手段による前記更新が行われた後、前記第2移行判定手段による前記第2移行判定が行われ、その後、前記第1移行判定手段による前記第1移行判定が行われるようにすることが可能に構成されていることを特徴とする特徴bL1乃至特徴bL6のいずれかに記載の遊技機。
上記構成によれば、特定遊技状態での遊技回数や特定遊技状態を遊技可能な遊技回の残り回数を更新してから第1移行判定及び第2移行判定を実行するため、例えば、第1特定遊技状態の最終遊技回にて第2移行条件が成立した場合に、その最終遊技回の中で第1特定遊技状態を終了させてから第2特定遊技状態に移行させることができる。これにより、通常遊技状態での遊技回を介在させることなく、第1特定遊技状態から第2特定遊技状態に移行させることができ、特定遊技状態の残り回数が増加するのと同等の状態とすることが可能となる。
特徴bL8.予め定められた周期で定期処理(主制御装置162による通常処理等)を繰り返し実行することにより遊技の進行を制御するように構成されており、
前記定期処理の1処理回において前記回数更新手段による前記更新と前記第1移行判定手段による前記第1移行判定と前記第2移行判定手段による前記第2移行判定とを実行可能に構成されていることを特徴とする特徴bL7に記載の遊技機。
上記構成では、定期処理を繰り返し実行することで遊技の進行が制御される構成の下、回数更新と各移行判定とが同じ処理回の中で行われるため、先行する特定遊技状態から後続の特定遊技状態に移行する場合に、通常遊技状態での遊技回が介在することを好適に抑制することができる。
特徴bL9.特定遊技状態の終了条件として、特定遊技状態に移行してからの遊技回の回数が所定の上限回数となることを含み、
第1特定遊技状態の上限回数が第2特定遊技状態の上限回数よりも多い回数であることを特徴とする特徴bL1乃至特徴bL8のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、第1特定遊技状態の上限回数(残り回数)が第2特定遊技状態の上限回数よりも多くなっており、第1特定遊技状態の方が第2特定遊技状態よりも遊技者にとって有利となっている。このような構成に対し、上記特徴bL1から特徴bL8のいずれかの構成を適用することで、それら各特徴を有効に機能させ、上記各効果を好適に発揮させることができる。
なお、上記特徴bL1乃至特徴bL9の各構成に対して、特徴bA1乃至特徴bA12、特徴bB1乃至特徴bB10、特徴bC1乃至特徴bC9、特徴bD1乃至特徴bD6、特徴bE1乃至特徴bE10、特徴bF1乃至特徴bF10、特徴bG1乃至特徴bG8、特徴bH1乃至特徴bH8、特徴bI1乃至特徴bI11、特徴bJ1乃至特徴bJ10、特徴bK1乃至特徴bK10、特徴bL1乃至特徴bL9、特徴bM1乃至特徴bM10、特徴bN1乃至特徴bN7のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴bM群>
特徴bM群は、上述した各実施の形態や各変形例又はこれらの組み合わせから抽出される発明群であり、主に上記第2の実施の形態の変形例10に基づいて抽出されるものである。
なお、特徴bM群に記載された発明は、「例えばパチンコ機等の遊技機においては、所定の抽選契機に基づいて抽選処理を実行し、その抽選結果が特定結果となることに基づいて、通常遊技状態よりも遊技者にとって有利な特別遊技状態に移行させるものが知られている(例えば特開2004-81853号公報)。」という背景技術について、「ここで、上記例示したような遊技機等においては遊技状態の制御を行う上で未だ改善の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
特徴bM1.予め定められた判定条件(第1作動口62又は第2作動口63への入賞)の成立に基づいて特別判定(特図当否判定)を実行する特別判定手段(主制御装置162における特図当否判定を実行する機能)と、
前記特別判定の結果が特定結果(大当たり結果)となることに基づいて通常遊技状態よりも遊技者にとって有利な特別遊技状態(開閉実行モード)に移行させることが可能な特別遊技状態用移行手段(主制御装置162における遊技状態移行処理を実行する機能)と、
を備え、
遊技状態として、通常遊技状態よりも遊技者にとって有利なものであって特別遊技状態とは異なる第1遊技状態(第2時短遊技状態)及び第2遊技状態(第3時短遊技状態、第1時短遊技状態)を有しており、
所定の更新契機(当否抽選の結果が外れ結果となること、ポイント抽選に当選すること等)に基づいて所定の更新情報(外れ遊技回の回数、ポイント数等)を更新することが可能な更新手段(第2の実施の形態の変形例10に係る主制御装置162によりステップSb7604の処理を実行する機能等)と、
前記更新手段の更新結果が所定結果(天井回数、所定ポイント数等)となることに基づいて第1遊技状態に移行させることが可能な移行手段(主制御装置162による第2時短遊技状態の移行判定用処理、時短遊技状態移行用処理を実行する機能等)と、
第2遊技状態である場合に前記更新手段による前記更新を制限することが可能な更新制限手段(第2の実施の形態の変形例10に係る主制御装置162によりステップSb7602、ステップSb7603の処理を実行する機能等)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成では、特別判定の結果が特定結果となることに基づいて移行する特別遊技状態のほか、通常遊技状態よりも遊技者にとって有利な遊技状態として第1遊技状態及び第2遊技状態を有している。このうち第1遊技状態については、所定の更新契機により更新される更新情報の結果が所定結果になることに基づいて移行するものとなっている。
ここで、第2遊技状態への移行タイミングによっては、第2遊技状態の途中で更新手段の更新結果が所定結果となることがあり得る。この場合、第1遊技状態と第2遊技状態の重複実施を避けるべく、そのような状況下での所定結果への到達を無効化することが考えられる。しかしながら、更新結果が所定結果となることを目指して重ねた遊技が無に帰してしまい、遊技者を不愉快な気分にさせる懸念がある。この点、本構成では、第2遊技状態である場合に更新手段による更新が制限されるため、第2遊技状態の途中で更新手段の更新結果が所定結果となることを抑制できる。これにより、所定結果への到達が無効化されることが抑制され、遊技状態の制御を好適に行うことが可能になる。
特徴bM2.第2遊技状態が終了した場合に前記更新制限手段による前記制限を解除することが可能な手段(第2の実施の形態の変形例10に係る主制御装置162によりステップSb7602の処理を実行する機能等)を備えていることを特徴とする特徴bM1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第2遊技状態が終了することで、更新手段による更新が再開される。これにより、遊技者は、第2遊技状態に移行する前の更新結果の続きから再び所定結果を目指して遊技を行うことができる。
特徴bM3.前記特別判定が行われることに基づいて遊技回用動作が開始され、前記特別判定の結果に対応した報知結果とされることを遊技回の1回として、遊技回が行われるように制御する遊技回制御手段(主制御装置162における特図遊技回制御処理を実行する機能、演出制御装置143における特図変動表示用処理を実行する機能)と、
所定の移行契機(特殊外れ結果になること)が成立した場合に第2遊技状態に移行させることが可能な第2遊技状態用移行手段(主制御装置162による第3時短遊技状態の移行判定用処理、時短遊技状態移行用処理を実行する機能等)と、
前記所定の移行契機(特殊外れ結果になること)が成立した所定遊技回において前記更新手段による前記更新を制限することが可能な手段(第2の実施の形態の変形例10に係る主制御装置162によりステップSb7601の処理を実行する機能等)と、
を備えていることを特徴とする特徴bM1又は特徴bM2に記載の遊技機。
上記構成では、第2遊技状態への移行条件が成立した遊技回では、更新手段による更新の実行が制限される。これにより、第2遊技状態への移行契機と、更新手段の更新結果が所定結果になること(第1遊技状態への移行契機)との両方が同一の遊技回で成立し得る状況となった場合に、第2遊技状態への移行を優先しつつ、所定結果への到達(第1遊技状態への移行)を持ち越すことができる。よって、第1遊技状態への移行を回避して第2遊技状態に移行させることができ、それら両遊技状態が重複することを抑制できる。
加えて、上記構成では、第2遊技状態の終了に伴い更新情報の更新が再開されることで、更新結果が所定結果となるため、第2遊技状態の終了後に第1遊技状態に移行させることができる。つまり、それら各遊技状態の移行契機が同一の遊技回で成立し得る状況となった場合には、第2遊技状態及び第1遊技状態に順次に移行させることができ、それら各遊技状態における両方の恩恵を遊技者が享受し得る構成とすることができる。
特徴bM4.第2遊技状態に移行させるか否かの移行判定を行う移行判定手段(第2の実施の形態の変形例10に係る主制御装置162により第3時短遊技状態の移行判定用処理を実行する機能等)を備え、
1の遊技回において、前記移行判定手段による前記移行判定が行われた後に前記更新手段による前記更新が行われるように構成されている(ステップSb7501の処理が実行された後にステップSb7604の処理が実行される構成)ことを特徴とする特徴bM3に記載の遊技機。
上記構成では、第2遊技状態への移行判定が行われた後に更新情報の更新処理が実行されるように構成されている。このため、第2遊技状態への移行契機と、更新手段の更新結果が所定結果になること(第1遊技状態への移行契機)との両方が同一の遊技回で成立し得る状況となった場合に、第2遊技状態への移行判定の結果を踏まえて更新情報を更新するか否かを切り替えることができる。よって、上記特徴bM3のように第2遊技状態への移行条件が成立した遊技回にて更新情報の更新を制限する構成とする上で好ましい態様とすることができる。
特徴bM5.前記特別判定が行われることに基づいて遊技回用動作が開始され、前記特別判定の結果に対応した報知結果とされることを遊技回の1回として、遊技回が行われるように制御する遊技回制御手段(主制御装置162における特図遊技回制御処理を実行する機能、演出制御装置143における特図変動表示用処理を実行する機能)を備え、
前記特別判定の結果が前記特定結果とは異なる所定判定結果(特殊外れ結果)となること又は前記特別判定の結果が特別遊技状態への移行に対応しない非特定結果(外れ結果)となった遊技回にて行われる特定判定(外れ種別判定、移行抽選等)の結果が所定判定結果(特殊外れ結果)となることに基づいて第2遊技状態に移行させることが可能な第2遊技状態用移行手段(主制御装置162による第3時短遊技状態の移行判定用処理、時短遊技状態移行用処理を実行する機能等)を備えていることを特徴とする特徴bM1乃至特徴bM4のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、特別判定の結果が特定結果とは異なる所定判定結果となること又は特別判定の結果が非特定結果となった遊技回にて行われる特定判定の結果が所定判定結果となることに基づいて第2遊技状態に移行するように構成されている。このように特別判定そのものや特別判定の結果に紐づけられた特定判定により第2遊技状態への移行契機が成立する構成では、第2遊技状態への移行タイミングがランダムとなるため、第2遊技状態の途中で更新手段の更新結果が所定結果となる事象が発生し得る。このような場合に対して上記特徴bM1の構成を適用することで、上記事象の発生が抑制され、遊技状態の制御を好適に行うことが可能になる。
特徴bM6.通常遊技状態よりも遊技者にとって有利なものであって特別遊技状態とは異なる第3遊技状態(第1時短遊技状態)を有しており、
第2遊技状態は特別遊技状態を経由することなく移行し得るものであり、第3遊技状態は特別遊技状態を経由して移行し得るものであり、
第3遊技状態である場合に前記更新手段による前記更新が許容されるように構成されていることを特徴とする特徴bM1乃至特徴bM5のいずれかに記載の遊技機。
特別遊技状態を経由して移行する第3遊技状態については、遊技機の設計段階において、第3遊技状態中に更新手段の更新結果が所定結果とならないように調整することが可能である。このような特性を踏まえ、上記構成では、第2遊技状態である場合は更新情報の更新を制限するものの、第3遊技状態である場合はそのような制限を課さないように構成されている。これにより、更新情報の更新が過度に停滞することを抑制し、第1遊技状態への移行に大きな遅れが生じないようにすることができる。
なお、本特徴は、「通常遊技状態よりも遊技者にとって有利なものであって特別遊技状態とは異なる第3遊技状態(第1時短遊技状態)を有しており、前記所定の更新情報が所定の初期値(天井回数に対応する値)とされた状態で第3遊技状態への移行が行われる又は第3遊技状態への移行に対応させて前記所定の更新情報が前記所定の初期値とされるように構成されており、第3遊技状態である場合に前記更新手段による前記更新が許容されるように構成されていることを特徴とする特徴bM1乃至特徴bM5のいずれかに記載の遊技機。」と表現することもできる。
特徴bM7.前記第3遊技状態の終了条件として、前記第3遊技状態に移行してからの遊技回の回数が特定回数(第6上限回数又は第7上限回数)となることを含み、
第1遊技状態は、特別遊技状態が終了した後の遊技を対象として行われた前記更新手段による前記更新の結果が所定結果となることに基づいて移行することが可能なものであることを特徴とする特徴bM6に記載の遊技機。
上記構成では、第3遊技状態に移行してからの遊技回の回数が特定回数になることで第3遊技状態が終了しつつ、更新手段による更新情報の更新が特別遊技状態が終了した後の遊技を対象として行われるように構成されている。この場合、第3遊技状態の上限回数である特定回数を、更新情報の更新結果が所定結果となるのに要する遊技回の回数よりも少ない数とすることで、第3遊技状態が終了してから更新結果が所定結果に到達する構成とすることができる。すなわち、第3遊技状態の途中で更新手段の更新結果が所定結果となることを回避できるため、上記特徴bM6の構成を実現する上で好ましい態様とすることができる。
特徴bM8.前記更新手段の更新結果に対応した特定報知(外れ回数画像475の表示)を実行することが可能な特定報知実行手段(演出制御装置143により外れ回数画像475を表示する機能)を備え、
前記特定報知実行手段は、前記更新手段による前記更新が制限される場合に前記特定報知の報知内容を前記制限が行われる直前の状態にて保持することが可能な手段を備えていることを特徴とする特徴bM1乃至特徴bM7のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、更新手段の更新結果に対応した特定報知が実行されることにより、更新情報の途中経過や所定結果となるまでの残り等を遊技者が把握することができ、その後の遊技を進める上で有用な情報として活用することができる。その際、第2遊技状態であることにより更新が制限される場合には、制限が行われる直前の状態が保持された態様で特定報知が行われるため、更新が行われていないことのほか、制限の解除により更新が再開された場合の残りを遊技者に容易に理解させることができ、遊技者の困惑を好適に抑制することが可能になる。
特徴bM9.前記所定の更新情報が、前記特別判定の結果が特別遊技状態への移行に対応しない非特定結果(外れ結果)となった回数であることを特徴とする特徴bM1乃至特徴bM8のいずれかに記載の遊技機。
第1遊技状態は、特別判定の結果が非特定結果となった回数の更新結果(外れ遊技回の累積回数)に基づいて移行するため、更新結果が所定結果となる前から遊技者が第1遊技状態への移行を予測できるという特性がある。このため、第2遊技状態の途中で更新結果が所定結果となった場合に第1遊技状態に移行させないでいると、第1遊技状態に移行していないことに遊技者が気付きやすい懸念がある。このような構成に対して上記特徴bM1の構成を適用し、そもそもの要因である第2遊技状態の途中で更新結果が所定結果となる事象の発生を回避できれば、第1遊技状態に移行しないことへの不信感が喚起されることを抑制でき、特徴bM1の上記効果を好適に発揮させることが可能になる。
特徴bM10.遊技球が入球可能な所定入球手段(第2作動口63)を備え、
第1遊技状態及び第2遊技状態は、通常遊技状態よりも前記所定入球手段への入球が生じやすいものであり、
前記特別判定手段は、前記所定入球手段への入球に基づいて前記特別判定を実行することが可能であることを特徴とする特徴bM1乃至特徴bM9のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、第1遊技状態又は第2遊技状態に移行すると、通常遊技状態よりも所定入球手段への入球が発生しやすくなり、特別判定を受けやすくなるように構成されている。このような構成に対し、上記特徴bM1から特徴bM9のいずれかの構成を適用することで、それら各特徴を有効に機能させ、上記各効果を好適に発揮させることができる。
なお、特徴bM1乃至特徴bM10の各構成に対して、特徴bA1乃至特徴bA12、特徴bB1乃至特徴bB10、特徴bC1乃至特徴bC9、特徴bD1乃至特徴bD6、特徴bE1乃至特徴bE10、特徴bF1乃至特徴bF10、特徴bG1乃至特徴bG8、特徴bH1乃至特徴bH8、特徴bI1乃至特徴bI11、特徴bJ1乃至特徴bJ10、特徴bK1乃至特徴bK10、特徴bL1乃至特徴bL9、特徴bM1乃至特徴bM10、特徴bN1乃至特徴bN7のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴bN群>
特徴bN群は、上述した各実施の形態や各変形例又はこれらの組み合わせから抽出される発明群であり、主に上記第2の実施の形態の変形例6~変形例10に基づいて抽出されるものである。
なお、特徴bN群に記載された発明は、「例えばパチンコ機等の遊技機においては、所定の抽選契機に基づいて抽選処理を実行し、その抽選結果が特定結果となることに基づいて、通常遊技状態よりも遊技者にとって有利な特別遊技状態に移行させるものが知られている(例えば特開2004-81853号公報)。」という背景技術について、「ここで、上記例示したような遊技機等においては遊技状態の制御を行う上で未だ改善の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
特徴bN1.予め定められた判定条件(第1作動口62又は第2作動口63への入賞)の成立に基づいて特別判定(特図当否判定)を実行する特別判定手段(主制御装置162における特図当否判定を実行する機能)と、
前記特別判定の結果が特定結果(大当たり結果)となることに基づいて通常遊技状態よりも遊技者にとって有利な特別遊技状態(開閉実行モード)に移行させることが可能な特別遊技状態用移行手段(主制御装置162における遊技状態移行処理を実行する機能)と、
前記特別判定が行われることに基づいて遊技回用動作が開始され、前記特別判定の結果に対応した報知結果とされることを遊技回の1回として、遊技回が行われるように制御する遊技回制御手段(主制御装置162における特図遊技回制御処理を実行する機能、演出制御装置143における特図変動表示用処理を実行する機能)と、
所定の更新契機(当否抽選の結果が外れ結果となること、ポイント抽選に当選すること等)に基づいて所定の更新情報(外れ遊技回の回数、ポイント数等)を更新することが可能な更新手段(第2の実施の形態の変形例7~変形例9に係る主制御装置162によりステップSb5504の処理を実行する機能、変形例10に係る主制御装置162によりステップSb7604の処理を実行する機能等)と、
を備え、
遊技状態として、通常遊技状態よりも遊技者にとって有利なものであって特別遊技状態とは異なる特定遊技状態(高頻度サポートモード等)を有しており、
特定遊技状態として、前記更新手段の更新結果が所定結果(天井回数、所定ポイント数等)となることに基づいて移行可能な第1特定遊技状態(第2時短遊技状態)と、前記特別判定の結果が前記特定結果とは異なる所定判定結果(特殊外れ結果)となること又は前記特別判定の結果が特別遊技状態への移行に対応しない非特定結果(外れ結果)となった遊技回にて行われる特定判定(外れ種別判定、移行抽選等)の結果が所定判定結果(特殊外れ結果、移行抽選の当選結果等)となることに基づいて移行可能な第2特定遊技状態(第3時短遊技状態)と、を含む複数種の特定遊技状態を有しており、
前記特別判定もしくは前記特定判定の結果が所定判定結果となった場合又は第2特定遊技状態に移行する場合もしくは移行した場合に所定報知(特殊リーチ外れ演出等)が行われるように設定する報知設定手段(第2の実施の形態の変形例6~変形例10に係る主制御装置162によりステップSb3313の処理を実行する機能、演出制御装置143により遊技回用演出を設定する機能)と、
を備え、
1の遊技回において、前記報知設定手段による前記設定が行われる前に前記更新手段による前記更新が行われるように構成されている(第2の実施の形態の変形例6~変形例9においてステップSb5504の処理を実行した後にステップSb3313の処理を実行する構成、第2の実施の形態の変形例10においてステップSb7604の処理を実行した後にステップSb3313の処理を実行する構成)ことを特徴とする遊技機。
上記構成では、特別判定の結果が特定結果となることに基づいて移行する特別遊技状態のほか、通常遊技状態よりも遊技者にとって有利な遊技状態として特定遊技状態を有している。また、このような特定遊技状態として、所定の更新契機により更新される更新情報の結果に基づいて移行する第1特定遊技状態と、特別判定の結果が特定結果とは異なる所定判定結果となること又は特別判定の結果が非特定結果となった遊技回にて行われる特定判定の結果が所定判定結果となることに基づいて移行する第2特定遊技状態とを有している。この場合、特別判定又は特定判定の結果が所定判定結果になることと、更新手段の更新結果が所定結果になることとの両方が同一の遊技回で成立することがあり、複数の特定遊技状態が重複するのを避けるべく、移行先の特定遊技状態を第1特定遊技状態に調整することが考えられる。
この場合に、例えば、更新情報の更新に先立って、第2特定遊技状態への移行又は第2特定遊技状態への移行条件の成立に対応した所定報知の設定を行うように構成すると、移行先の調整により実際には第1特定遊技状態に移行するにもかかわらず、第2特定遊技状態への移行等に対応した上記所定報知が遊技回にて行われるおそれがある。この点、上記構成では、上記所定報知の設定処理に先立って更新情報の更新が行われるため、所定報知の実行設定を行う前に更新結果が所定結果となったことを遊技機が把握可能となり、移行先の調整結果を踏まえて上記所定報知の実行を取り止めることができる。これにより、実際に移行する特定遊技状態の種別と整合しない報知が遊技回にて行われることを抑制しながら移行先の特定遊技状態を調整することができ、遊技状態の制御を好適に行うことが可能になる。
なお、更新手段の更新結果が所定結果にならない遊技回にて特別判定又は特定判定の結果が所定判定結果になった場合は、更新情報が更新された後に所定報知の実行が設定される。すなわち、第2特定遊技状態への移行条件のみが成立した場合は、それに対応した報知が適切に行われるようにすることができる。
特徴bN2.前記更新手段の更新結果が所定結果となり、且つ、前記特別判定又は前記特定判定の結果が所定判定結果となった場合に、第1特定遊技状態に移行させることが可能な手段(第2の実施の形態の変形例6、変形例8、変形例9に係る主制御装置162により第2時短遊技状態の移行判定用処理、第3時短遊技状態の移行判定用処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴bN1に記載の遊技機。
上記構成では、特別判定又は特定判定の結果が所定判定結果になることと、更新手段の更新結果が所定結果になることとの両方が同一の遊技回で成立した場合に、第1特定遊技状態への移行が優先されるように構成されている。このような場合に上記特徴bN1を適用することで、第2特定遊技状態に対応した報知が行われることを回避できる。
特徴bN3.前記所定の更新情報が、前記特別判定の結果が前記非特定結果となった回数であることを特徴とする特徴bN1又は特徴bN2に記載の遊技機。
第1特定遊技状態は、特別判定の結果が非特定結果となった回数の更新結果(外れ遊技回の累積回数)に基づいて移行するため、更新結果が所定結果となる前から遊技者が第1特定遊技状態への移行を予測できるという特性がある。このため、第2特定遊技状態の途中で更新結果が所定結果となった場合に第1特定遊技状態に移行させないでいると、第1特定遊技状態に移行していないことに遊技者が気付きやすい懸念がある。このような事情を考慮すると、特別判定又は特定判定の結果が所定判定結果になることと、更新手段の更新結果が所定結果になることとの両方が同一の遊技回で成立し得る状態となった場合は、第1特定遊技状態への移行を優先することが好ましい。このような場合に上記特徴bN1の構成を適用することで、実際に移行する特定遊技状態の種別と整合しない報知が遊技回にて行われることを抑制しながら、第1特定遊技状態への移行を優先することが可能になる。
特徴bN4.第1特定遊技状態が第2特定遊技状態よりも遊技者にとって有利となるように構成されていることを特徴とする特徴bN1乃至特徴bN3のいずれかに記載の遊技機。
上記構成によれば、特別判定又は特定判定の結果が所定判定結果になることと、更新手段の更新結果が所定結果になることとの両方が同一の遊技回で成立し得る状態となった場合に、第1特定遊技状態への移行を優先することで、有利な側の特定遊技状態に移行させることができる。このような場合に上記特徴bN1の構成を適用することで、実際に移行する特定遊技状態の種別と整合しない報知が遊技回にて行われることを抑制しながら、第1特定遊技状態への移行を優先することが可能になる。
特徴bN5.遊技回が開始される場合に前記更新手段による前記更新が行われるように構成されていることを特徴bN1乃至特徴bN4のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、更新情報の更新が遊技回の開始時に行われるため、所定報知の実行設定についても遊技回の開始時に行うことが可能になる。これにより、所定報知を遊技回の序盤で行ったり、遊技回の全般で行ったりするような場合にも対処することができ、所定報知の設計に際しての自由度を高めることが可能になる。
特徴bN6.前記更新手段の更新結果に対応した特定報知(外れ回数画像475)を実行することが可能な特定報知実行手段(演出制御装置143により外れ回数画像475を表示する機能)を備え、
前記特定報知実行手段は、前記更新手段により所定の更新情報が更新されたことに基づいて前記特定報知の報知内容を更新する報知更新手段(演出制御装置143により外れ回数画像475の表示内容を更新する機能)を備え、
前記遊技回制御手段は、前記遊技回用動作が行われた後、前記報知結果に対応した報知が所定の報知期間(確定表示時間)にて行われるように遊技回を制御するものであり、
前記報知更新手段は、前記更新手段による前記更新が行われる遊技回の前記遊技回用動作が終了してから次の遊技回が開始されるまでの期間におけるいずれかの所定タイミング(特図遊技回における確定表示の開始タイミング、確定表示の途中タイミング、確定表示の終了タイミング等)にて前記報知内容の更新を実行することが可能な手段を備えていることを特徴とする特徴bN1乃至特徴bN5のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、更新手段の更新結果に対応した特定報知が実行されることにより、更新情報の途中経過や所定結果となるまでの残り等を遊技者が把握することができ、その後の遊技を進める上で有用な情報として活用することができる。この場合において、上記特徴bN1のように更新情報の更新が行われてから所定報知の設定が行われる構成、言い換えれば、所定報知の設定に必要な第2特定遊技状態への移行条件が成立したか否かの判定が行われるのに先立って更新情報が更新される構成では、更新情報の更新処理が遊技回における比較的早い段階で行われることがある。このような場合に、更新情報が更新されたことに対応して直ちに特定報知の内容を更新すると、特別判定の結果が報知される前であるにもかかわらず、更新結果に遊技者の関心が移ってしまい、遊技回の役割が適切に果たされなくなる懸念がある。この点、本構成では、更新情報の更新が既に済まされていたとしても、特定報知への反映は、特別判定の結果報知が開始されるのを待ってから行うため、特別判定の結果が報知されるまで遊技回に注目させることができる。よって、遊技回への注目度が損なわれることを抑制しつつ、上記特徴bN1の上記効果を発揮させることが可能になる。
なお、本特徴においてさらに「前記所定の更新情報が、前記特別判定の結果が前記非特定結果となった回数である」という構成を備えていてもよい。この場合には、「更新情報の更新処理が遊技回における比較的早い段階で行われることがある。このような場合に、更新情報が更新されたことに対応して直ちに特定報知の内容を更新すると、特別判定の結果が報知される前であるにもかかわらず、特別判定の結果が非特定結果(いわゆる外れ結果)であることを遊技者が判別可能となる懸念がある。この点、本構成では、更新情報の更新が既に済まされていたとしても、特定報知への反映は、特別判定の結果報知が開始されるのを待ってから行うため、外れ結果であることの事前判別が可能となることを抑制しつつ、上記特徴bN1の上記効果を発揮させることが可能になる。」という効果を奏することができる。
特徴bN7.前記遊技回制御手段は、前記遊技回用動作が行われた後、前記報知結果に対応した報知が所定の報知期間(確定表示時間)にて行われるように遊技回を制御するものであり、
前記更新手段の更新結果が所定結果となった場合における第1特定遊技状態への移行が、前記遊技回用動作が終了してから次の遊技回が開始されるまでの期間におけるいずれかの特定タイミング(特図遊技回における確定表示の開始タイミング、確定表示の途中タイミング、確定表示の終了タイミング等)にて行われるように構成されていることを特徴とする特徴bN1乃至特徴bN6のいずれかに記載の遊技機。
上記特徴bN1のように更新情報の更新が行われてから所定報知の設定が行われる構成、言い換えれば、所定報知の設定に必要な第2特定遊技状態への移行条件が成立したか否かの判定が行われるのに先立って更新情報が更新される構成では、更新情報の更新処理が遊技回における比較的早い段階で行われることがある。このような場合に、更新結果が所定結果となったことに基づいて直ちに第1特定遊技状態に移行させると、特別判定の結果が報知される前であるにもかかわらず、遊技機の挙動から第1特定遊技状態であることに遊技者が気付き、注意が逸れてしまう結果、遊技回の役割が適切に果たされなくなる懸念がある。この点、本構成では、更新情報の更新が既に済まされていたとしても、第1特定遊技状態への移行は、特別判定の結果報知が開始されるのを待ってから行うため、特別判定の結果が報知されるまで遊技回に注目させることができる。よって、遊技回への注目度が損なわれることを抑制しつつ、上記特徴bN1の上記効果を発揮させることが可能になる。
なお、上記特徴bN1乃至特徴bN7の各構成に対して、特徴bA1乃至特徴bA12、特徴bB1乃至特徴bB10、特徴bC1乃至特徴bC9、特徴bD1乃至特徴bD6、特徴bE1乃至特徴bE10、特徴bF1乃至特徴bF10、特徴bG1乃至特徴bG8、特徴bH1乃至特徴bH8、特徴bI1乃至特徴bI11、特徴bJ1乃至特徴bJ10、特徴bK1乃至特徴bK10、特徴bL1乃至特徴bL9、特徴bM1乃至特徴bM10、特徴bN1乃至特徴bN7のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
なお、以上詳述した特徴bA群乃至特徴bN群の各構成に対して、他の特徴bA群乃至特徴bN群の各構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想を組合せて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
以下に、以上の各特徴を適用し得る遊技機の基本構成を示す。
パチンコ遊技機:遊技者が操作する操作手段と、その操作手段の操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段と、その発射された遊技球を所定の遊技領域に導く球通路と、遊技領域内に配置された各遊技部品とを備え、それら各遊技部品のうち所定の通過部を遊技球が通過した場合に遊技者に特典を付与する遊技機。
スロットマシン等の回胴式遊技機:複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄列を最終停止表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段の操作に起因して図柄の変動が開始され、停止用操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより図柄の変動が停止され、その停止時の最終停止図柄が特定図柄であることを必要条件として遊技者にとって有利な特別遊技状態(ボーナスゲーム等)を発生させるようにした遊技機。
球使用ベルト式遊技機(球使用回胴式遊技機):複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄列を最終停止表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段の操作に起因して図柄の変動が開始され、停止用操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより図柄の変動が停止され、その停止時の最終停止図柄が特定図柄であることを必要条件として遊技者にとって有利な特別遊技状態(ボーナスゲーム等)を発生させるようにし、さらに、球受皿を設けてその球受皿から遊技球を取り込む投入処理を行う投入装置と、前記球受皿に遊技球の払出を行う払出装置とを備え、投入装置により遊技球が投入されることにより前記始動用操作手段の操作が有効となるように構成した遊技機。
<特徴cA群~特徴cI群>
下記の特徴cA群~特徴cI群に記載された発明は、上述した第3の実施の形態やその各変形例から抽出されるものである。
<特徴cA群>
特徴cA群は、上述した各実施の形態や各変形例又はこれらの組み合わせから抽出される発明群であり、主に上記第3の実施の形態、第3の実施の形態の変形例1~変形例8に基づいて抽出されるものである。
なお、特徴cA群は「例えばパチンコ機等の遊技機においては、通常遊技状態と、それよりも遊技者にとって有利な遊技状態とを有し、遊技の結果に基づいて遊技状態を切り替えるなどの制御を行うものが知られている(例えば特開2004-81853号公報)。」という背景技術について、「ここで、上記例示したような遊技機等においては遊技の興趣を向上させる上で未だ改善の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
特徴cA1.予め定められた判定条件(第1作動口62又は第2作動口63への入賞)の成立に基づいて特別判定(特図当否判定)を実行する特別判定手段(主制御装置162における特図当否判定を実行する機能)と、
前記特別判定の結果が特定結果(大当たり結果)となることに基づいて所定遊技状態(通常遊技状態)よりも遊技者に有利な特別遊技状態(開閉実行モード)に移行させることが可能な第1移行手段(主制御装置162における遊技状態移行処理を実行する機能)と、
を備え、
遊技状態として、所定遊技状態よりも遊技者に有利なものであって特別遊技状態とは異なる特定遊技状態(高頻度サポートモード等)を有しており、
特定条件(特殊外れ結果の当選、天井回数への到達、特定入球部への入球等)の成立を契機として特定遊技状態に移行させることが可能な第2移行手段(第3の実施の形態、変形例1~8に係る主制御装置162における突然時短遊技状態の移行判定用処理、突然時短遊技状態の第1移行用処理を実行する機能)と、
所定の状況(時短遊技状態中である状況、高確遊技状態中である状況、開閉実行モード中である状況等)で特定条件が成立した場合に当該成立に基づく特定遊技状態への移行を留保し、その後、所定条件(時短遊技状態等の終了、所定回数の遊技回の実行、特定入球部への入球等)が成立した場合に留保した特定遊技状態について移行を実行することが可能な特定手段(第3の実施の形態、変形例1~8の主制御装置162における突然時短遊技状態の移行判定用処理、突然時短遊技状態の第2移行用処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成では、特別判定の結果が特定結果となることに基づいて移行する特別遊技状態のほか、所定遊技状態よりも遊技者にとって有利な遊技状態として特定遊技状態を有している。この特定遊技状態には特定条件の成立を契機として移行することが可能となっている。このような構成の下、所定の状況で特定条件が成立すると、特定遊技状態への移行が留保され、その後、所定条件が成立することにより、その留保された特定遊技状態について移行が実施される。すなわち、特定条件の成立に応じて直ちに特定遊技状態に移行する場合だけでなく、特定条件の成立から遅れて特定遊技状態に移行する場合が生じる。このため、特定遊技状態に移行するか否かに留まらず、特定遊技状態が留保されているか否かについても遊技者を楽しませることができ、興趣性を好適に高めることが可能になる。
特徴cA2.前記特定手段は、特定遊技状態である状況で特定条件が成立した場合にその成立に対応した特定遊技状態について前記留保を行うことが可能であることを特徴とする特徴cA1に記載の遊技機。
上記構成では、特定遊技状態への滞在中に特定条件が成立すると、その成立に対応した特定遊技状態への移行が留保され、この留保された特定遊技状態は、その後の所定条件の成立により移行が実施される。すなわち、特定遊技状態の重複獲得が可能であるため、さらなる特定遊技状態の獲得にチャレンジする楽しみを付与することができ、興趣性を大きく向上させることが可能になる。
特徴cA3.前記特別判定が行われることに基づいて遊技回用動作が開始され、前記特別判定の結果に対応した報知結果とされることを遊技回の1回として、遊技回が行われるように制御する遊技回制御手段(主制御装置162における特図遊技回制御処理を実行する機能、演出制御装置143における特図変動表示用処理を実行する機能)と、
特定遊技状態に滞在可能な遊技回の回数を設定する回数設定手段(第3の実施の形態、変形例1~2において上限回数、差分回数に対応したカウンタ値をセットする機能、変形例3~8において実行時短用エリア561,611にカウンタ値をセットする機能等)と、
を備え、
前記回数設定手段は、所定の特定遊技状態について前記留保を経由して移行する場合の遊技回の回数が前記留保を経由しないで移行する場合の遊技回の回数(本来の上限回数)と異なる回数となるようにすることが可能な手段(カウンタ値として差分回数、本来の上限回数よりも少ない留保用上限回数、本来の上限回数よりも多い留保用上限回数に対応した値をセットする機能)を備えていることを特徴とする特徴cA1又は特徴cA2に記載の遊技機。
上記構成では、留保を経由して移行する場合と経由しないで移行する場合とで特定遊技状態に滞在可能な遊技回の回数が異なるため、同一の特定遊技状態であっても留保の有無によって有利度合に差異を生じさせることができ、興趣性を高めることが可能になる。
特徴cA4.前記特定手段は、特定遊技状態である状況で特定条件が成立した場合にその成立に対応した特定遊技状態について前記留保を行うことが可能であり、
前記回数設定手段は、所定の特定遊技状態について前記留保を経由して移行する場合の遊技回の回数が前記留保を経由しないで移行する場合の遊技回の回数より少ない数となるようにすることが可能な手段(カウンタ値として差分回数、本来の上限回数よりも少ない留保用上限回数をセットする機能)を備えていることを特徴とする特徴cA3に記載の遊技機。
上記構成では、特定遊技状態である状況で特定条件が成立した場合にその成立に対応した特定遊技状態について留保を行うことが可能であるため、遊技者が特定遊技状態を重複して獲得することが可能となり、興趣性を大きく向上させることができる。その場合において、留保を経由する場合(重複獲得の場合)は、留保を経由しない場合(単独獲得の場合)に比べて特定遊技状態に滞在可能な遊技回の回数を少なく抑えるため、遊技者に過度に有利となることを抑制可能となる。
特徴cA5.前記特別判定が行われることに基づいて遊技回用動作が開始され、前記特別判定の結果に対応した報知結果とされることを遊技回の1回として、遊技回が行われるように制御する遊技回制御手段(主制御装置162における特図遊技回制御処理を実行する機能、演出制御装置143における特図変動表示用処理を実行する機能)と、
特定遊技状態に滞在可能な遊技回の回数を設定する回数設定手段(第3の実施の形態、変形例1~2の主制御装置162における上限回数、差分回数に対応したカウンタ値をセットする機能、変形例3~8に係る主制御装置162により実行時短用エリア561,611にカウンタ値をセットする機能等)と、
を備え、
前記回数設定手段は、特定の特定遊技状態への滞在中に前記特定条件の成立を契機として所定の特定遊技状態の前記留保が行われ、その後、当該所定の特定遊技状態について前記移行が実施される場合に、前記特定条件が成立した場合の前記特定の特定遊技状態の残り回数を加味して前記所定の特定遊技状態に滞在可能な遊技回の回数を設定することが可能である(留保時短の本来の上限回数から滞在時短の残り回数を減算した差分回数をセットする機能等)ことを特徴とする特徴cA1乃至特徴cA4のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、留保が行われた後の特定遊技状態(所定の特定遊技状態)について移行が実施される場合に、その特定遊技状態に滞在可能な遊技回の回数が、特定条件の成立時に滞在していた先の特定遊技状態(特定の特定遊技状態)の残り回数を加味して設定される。この場合、特定条件が成立したときの残り回数によって後の特定遊技状態に滞在可能な遊技回の回数が変化するため、特定条件の成立タイミングに応じて有利度合に差異を生じさせることができる。これにより、留保が生じるか否かだけでなく、その発生タイミングについても遊技者を楽しませることができ、興趣性を好適に高めることが可能になる。
特徴cA6.複数の前記留保を行うことが可能に構成されている(第3の実施の形態の変形例3~8の構成)ことを特徴とする特徴cA1乃至特徴cA5のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、特定遊技状態の留保を複数行うことが可能となっており、留保された複数の特定遊技状態について移行が順次に果たされるため、多くの留保を生じさせるほど遊技者にとって有利になる。これにより、留保が生じるか否かだけでなく、いくつ留保できるかについても遊技者を楽しませることができ、興趣性を好適に高めることが可能になる。
特徴cA7.前記留保が行われる複数の特定遊技状態について前記移行の実行順が所定順となるようにする所定順手段(変形例3~4において発生順情報記憶エリア565に設定した第1エリア565a~第3エリア565b、第1エリア565a~第10エリア565jに特殊外れ結果の当選順に対応させて種別情報を記憶する処理、変形例5~7において最上位優先度の留保時短を把握し、その把握した留保時短を移行対象とする処理、留保時短の移行順を抽選により決定する処理を実行する機能等)を備え、
複数の前記留保が行われている状況で前記所定条件が成立した場合に、前記所定順手段により定められる実行順に基づいて移行が実行されるように構成されていることを特徴とする特徴cA6に記載の遊技機。
上記構成では、特定遊技状態の複数留保が行われた場合に、留保された特定遊技状態について移行の実行順序が定められ、その実行順序に従って移行順の制御が行われる。このため、特定遊技状態同士の競合が生じ得る状況において、特定遊技状態の重複実施を避けつつ好適な順序で移行を実施することができる。
特徴cA8.前記留保が可能な特定遊技状態として複数種の特定遊技状態(突然時短遊技状態A~C、天井時短遊技状態等)を有しており、
それら複数種の特定遊技状態に対して予め優先度が設定されており、
前記所定順手段は、前記優先度に対応した実行順となるようにする手段(変形例5~7の主制御装置162における突然時短遊技状態の第2移行用処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴cA7に記載の遊技機。
上記構成では、留保された複数の特定遊技状態について移行が行われる場合に、それら各特定遊技状態に対して予め設定された優先度に対応した順序で移行が行われるように制御される。これにより、特定条件の成立順にかかわらず、特定遊技状態の種別に対応した順番で移行させることが可能になる。また、遊技機設計時の作業負担を軽減できるという効果も期待できる。すなわち、特定遊技状態の全ての組合せについてその移行順番を1つ1つ制御プログラムにて規定する場合であると、制御プログラムが複雑化して作業負担の増大を招く懸念がある。この点、優先度を利用して移行順を制御することで、各特定遊技状態に対して優先度を設定するだけで足り、制御プログラムを簡単化することができる。さらには、事後的に設計変更が求められる場合でも、制御プログラムの全面的な変更が強いられず、優先度の設定を変更するだけで足りる。すなわち、設計変更を容易に行えるという利点もある。
特徴cA9.前記所定の状況において特定条件が複数回成立し得る構成となっており、
前記留保が行われる特定遊技状態の数を予め定められた所定数以下に制限することが可能な手段(第3の実施の形態、変形例1~2の主制御装置162における突然時短遊技状態の移行判定用処理を実行する機能、変形例3~4に係る留保時短用エリア562、変形例5に係る留保時短用エリア612等)を備えていることを特徴とする特徴cA1乃至特徴cA8のいずれかに記載の遊技機。
特定遊技状態の留保数が多大になると、その管理や制御が複雑化して処理負荷が高まる懸念がある。この点、上記構成では、留保される特定遊技状態の数を所定数以下に抑えるように留保の制限が行われるため、処理負荷の増大を抑制することが可能になる。また、特定遊技状態を一時的に留保状態としてから移行を実施するには、その留保時において対象となった特定遊技状態の情報を記憶し、移行時においてその情報を利用することになる。このため、そのための記憶領域を確保する必要があるが、本特徴によれば、留保した特定遊技状態の情報を記憶するための領域数を少なく抑えることもできる。
特徴cA10.前記特別判定が行われることに基づいて遊技回用動作が開始され、前記特別判定の結果に対応した報知結果とされることを遊技回の1回として、遊技回が行われるように制御する遊技回制御手段(主制御装置162における特図遊技回制御処理を実行する機能、演出制御装置143における特図変動表示用処理を実行する機能)と、
特定遊技状態に移行してからの遊技回の回数が所定の上限回数に到達することに基づいて当該特定遊技状態を終了させることが可能な終了手段(主制御装置162における高頻度サポートモード終了用処理を実行する機能)と、
を備え、
前記特定手段は、特定遊技状態である状況で特定条件が成立した場合にその成立に対応した特定遊技状態について前記留保を行うことが可能であり、滞在中の特定遊技状態が前記終了手段により終了された場合に前記留保した特定遊技状態について移行を実行することが可能であることを特徴とする特徴cA1乃至特徴cA9のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、特定遊技状態である状況で特定条件が成立した場合において、滞在中の特定遊技状態を最後まで実施してから留保した特定遊技状態の移行が実行される。これにより、滞在中の特定遊技状態が途中終了して遊技者に不自然な印象等を与えることが抑制することができる。また、特定遊技状態において当該状態に滞在可能な遊技回の残り回数を報知する場合があるが、その場合でも滞在中の特定遊技状態が最後まで行われることで、特定遊技状態の途中で特定条件が成立しても、残り回数報知をそのまま継続するだけで足り、報知の調整を不要化することが可能になる。
特徴cA11.前記留保が行われた場合に特定報知(留保用画像529の表示等)を所定の報知手段(図柄表示装置75)にて実行することが可能な特定報知実行手段(演出制御装置143における留保用演出設定処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴cA1乃至特徴cA10のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、特定遊技状態の留保が発生した場合に特定報知が実行されるため、留保の発生を遊技者に容易に理解させることができる。
特徴cA12.前記留保が行われた特定遊技状態について、前記移行が実行された場合の滞在可能な遊技回の回数を特定する回数特定手段(演出制御装置143によりステップSc2901の処理を実行する機能)を備え、
前記特定報知実行手段は、前記回数特定手段により特定された回数を加味して前記特定報知の態様を設定する態様設定手段(演出制御装置143によりステップSc2902の処理を実行する機能)を備え、前記態様設定手段により設定された態様にて前記特定報知を実行することが可能であることを特徴とする特徴cA11に記載の遊技機。
上記構成では、留保された特定遊技状態について移行が実行された場合の残り回数(滞在可能な遊技回の回数)が特定され、その結果を加味して特定報知の態様が決定される。このため、特定報知が留保の発生を知らせるだけでなく、上記残り回数を報知又は示唆する役割を果たすものとなる。これにより、特定報知への遊技者の関心を高め、遊技への注目度を向上させることが可能になる。
特徴cA13.遊技球が入球可能な所定入球部(第2作動口63)を備え、
特定遊技状態は、所定遊技状態よりも前記所定入球部への入球が生じやすいものであり、
前記特別判定手段は、前記所定入球部への入球に基づいて前記特別判定を実行することが可能であることを特徴とする特徴cA1乃至特徴cA12のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、特定遊技状態に移行すると、所定遊技状態よりも所定入球部への入球が発生しやすくなり、特別判定を受けやすくなるように構成されている。このような構成に対し、上記特徴cA1から特徴cA12のいずれかの構成を適用することで、それら各特徴を有効に機能させ、上記各効果を好適に発揮させることができる。
なお、上記特徴cA1乃至特徴cA13の各構成に対して、特徴cA1乃至特徴cA13、特徴cB1乃至特徴cB14、特徴cC1乃至特徴cC12、特徴cD1乃至特徴cD9、特徴cE1乃至特徴cE11、特徴cF1乃至特徴cF9、特徴cG1乃至特徴cG14、特徴cH1乃至特徴cH10、特徴cI1乃至特徴cI11のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴cB群>
特徴cB群は、上述した各実施の形態や各変形例又はこれらの組み合わせから抽出される発明群であり、主に上記第3の実施の形態、第3の実施の形態の変形例1~変形例8に基づいて抽出されるものである。
なお、特徴cB群は「例えばパチンコ機等の遊技機においては、通常遊技状態と、それよりも遊技者にとって有利な遊技状態とを有し、遊技の結果に基づいて遊技状態を切り替えるなどの制御を行うものが知られている(例えば特開2004-81853号公報)。」という背景技術について、「ここで、上記例示したような遊技機等においては遊技状態の制御を行う上で未だ改善の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
特徴cB1.遊技状態として、所定遊技状態(通常遊技状態)と、前記所定遊技状態よりも遊技者に有利な特定遊技状態(高頻度サポートモード等)とを含む複数種の遊技状態を有しており、
特定条件(特殊外れ結果の当選、天井回数への到達、特定入球部への入球等)の成立を契機として特定遊技状態に移行させることが可能な特定遊技状態用移行手段(主制御装置162における突然時短遊技状態の第1移行用処理を実行する機能)と、
所定の状況(時短遊技状態中である状況、高確遊技状態中である状況、開閉実行モード中である状況等)で特定条件が成立した場合に当該成立に基づく特定遊技状態への移行を留保することが可能な特定手段(第3の実施の形態、変形例1~8の主制御装置162における留保用処理を実行する機能)と、
を備え、
前記所定の状況において特定条件が複数回成立する状況が生じ得る構成となっており、
前記特定手段により留保が行われる特定遊技状態の数が予め定められた所定数以下となるようにすることが可能な手段(第3の実施の形態、変形例1~2の主制御装置162における突然時短遊技状態の移行判定用処理を実行する機能、変形例3~4に係る留保時短用エリア562、変形例5~8に係る留保時短用エリア612等)を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成では、所定遊技状態よりも遊技者にとって有利な遊技状態として特定遊技状態を有しており、この特定遊技状態には特定条件の成立を通じて移行するものとなっている。このため、遊技者は、特定条件を成立させ、特定遊技状態に移行させることを目指して遊技を楽しむことができる。このような構成の下、特定条件の成立に応じて直ちに特定遊技状態へ移行させるだけでなく、所定の状況で特定条件が成立した場合にはその成立に対応した特定遊技状態への移行が留保されるように構成されている。このため、特定遊技状態に移行するか否かに留まらず、特定遊技状態が留保されているか否かについても遊技者を楽しませることができ、興趣性を高めることが可能になる。しかしながらその反面、特定遊技状態の留保数が多大になると、その管理や制御が複雑化して処理負荷が高まる懸念がある。この点、留保される特定遊技状態の数を所定数以下に抑えるように留保の制限が行われるため、処理負荷の増大を抑制しつつ特定遊技状態の留保を行うことができ、遊技状態の制御を好適に行うことが可能になる。
なお、本特徴の「前記特定手段により留保が行われる特定遊技状態の数を予め定められた所定数以下となるようにすることが可能な手段を備えている」は「前記特定手段は、予め定められた所定数を上限として前記留保を実行することが可能である」と表現することもできる。
特徴cB2.前記留保が可能な特定遊技状態として複数種の特定遊技状態(突然時短遊技状態A~C等)を有しており、
前記所定数が特定遊技状態の種別数以下の特定数(第3の実施の形態、変形例1~2における「1」等)であることを特徴とする特徴cB1に記載の遊技機。
上記構成では、留保可能な上限数が特定遊技状態の種別数以下の特定数とされるため、当該上限数を少ない数に抑え、処理負荷の軽減を好適に図ることが可能になる。また、上記特定数を上記種別数よりも少ない数とした場合には、全ての特定遊技状態を同時に留保することができず、一部に制限して留保されることになる。これにより、いずれの特定遊技状態が留保されるかについて遊技者を楽しませることができ、興趣性を高めることが可能になる。
特徴cB3.前記留保が可能な特定遊技状態として複数種の特定遊技状態(突然時短遊技状態A~C等)を有しており、
前記所定数は前記留保が可能な特定遊技状態の種別数(変形例3、変形例5における「3」等)であることを特徴とする特徴cB1又は特徴cB2に記載の遊技機。
上記構成では、留保可能な上限数が特定遊技状態の種別数とされるため、全種の特定遊技状態を同時に留保可能としながら、留保数が多大となることを抑制して処理負荷を軽減することが可能になる。
特徴cB4.前記留保が可能な特定遊技状態として複数種の特定遊技状態(突然時短遊技状態A~C等)を有しており、
前記留保の数が前記所定数に到達している状況で特定条件が成立した場合にその成立に対応した特定遊技状態について前記留保の実行を制限する手段(第3の実施の形態、変形例1~2に係る主制御装置162における突然時短遊技状態の移行判定用処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴cB1乃至特徴cB3のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、留保数が上限数に到達する前に特定条件が成立した特定遊技状態のみが留保の対象となるため、例えば各種の特定遊技状態に対して有利度合に差異を設けることで、特定遊技状態を留保できるか否かだけでなく、その種別についても遊技者の関心を高めることができる。すなわち、有利な側の特定遊技状態に対応する特定条件を不利な側の特定遊技状態に対応する特定条件よりも早く成立させることができるかにおいて遊技者を大いに楽しませることができ、興趣向上を図ることが可能になる。
特徴cB5.前記留保の数が前記所定数に到達していない状況で特定条件が成立した場合に所定の第1報知(特殊リーチ外れA演出等)を実行する第1手段(第3の実施の形態、変形例1~2の主制御装置162における変動表示時間の設定処理を実行する機能)と、
前記留保の数が前記所定数に到達している状況で特定条件が成立した場合に前記第1報知とは異なる所定の第2報知(完全外れ演出、特殊リーチ外れB演出等)を実行する第2手段(第3の実施の形態、変形例1~2の主制御装置162における変動表示時間の設定処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴cB1乃至特徴cB4のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、留保数が上限数に到達しているか否かに応じて特定条件が成立した場合の報知が異なるため、当該特定条件の成立が上限到達前のものであるか、上限到達後のものであるかを遊技者に認識又は推測させることが可能になる。
特徴cB6.前記第1報知は特定条件の成立を遊技者が認識できるものであり、
前記第2報知は特定条件の成立を遊技者が認識不可又は前記第1報知よりも認識しにくいものであることを特徴とする特徴cB5に記載の遊技機。
上記構成では、留保数が上限数に到達している状況で特定条件が成立した場合に行われる第2報知が、遊技者が特定条件の成立を認識不可又は第1報知よりも認識しにくいものであるため、特定条件の成立自体に気づかせにくくすることができる。これにより、特定条件が成立したにもかかわらず留保が生じないことに遊技者が不快感を抱くことを抑制可能となる。
特徴cB7.前記留保の数が前記所定数に到達していない状況で特定条件が成立した場合に特定報知(特殊リーチ外れA演出等)が実行されるようにする第1手段(第3の実施の形態、変形例1~2の主制御装置162における変動表示時間の設定処理を実行する機能)と、
前記留保の数が前記所定数に到達している状況で特定条件が成立した場合に前記特定報知が実行されないようにする第2手段(第3の実施の形態、変形例1~2において留保数が上限数に達している状況で特殊外れ結果となった場合に、特殊リーチ外れA演出を不実行として完全外れ演出や特殊リーチ外れB演出を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴cB1乃至特徴cB6のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、留保数が上限数に到達していない状況では特定条件の成立に応じて特定報知を実行することにより、特定条件の成立を遊技者に知らせることができ、延いては留保の発生を認識させることができる。その一方で、留保数が上限数に到達している状況では特定条件が成立しても特定報知の実行を制限するため、特定条件の成立自体に気づかせにくくし、特定条件が成立したにもかかわらず留保が生じないことに遊技者が不快感を抱くことを抑制可能となる。
特徴cB8.前記留保が可能な特定遊技状態として複数種の特定遊技状態(突然時短遊技状態A~C等)を有しており、
前記留保の数が前記所定数に到達している状況で特定条件が成立した場合に、留保中の特定遊技状態又は留保中の特定遊技状態のいずれかに代えて当該成立に対応した特定遊技状態について前記留保が行われるように変更する手段(変形例1~2の主制御装置162における留保更新用処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴cB1乃至特徴cB7のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、留保数が上限数に到達している状況で特定条件が成立した場合に、留保中の特定遊技状態との入れ替えで当該成立に対応した特定遊技状態が留保されるため、上限数への到達後に生じた特定条件の成立を留保される特定遊技状態に反映させることができる。これにより、上限数への到達前に留まらず到達後においても特定条件の成立を期待して遊技することができ、当該成立への期待感を長く持続させることが可能になる。
特徴cB9.前記留保の数が前記所定数に到達している状況で特定条件が成立した場合に前記変更を実行するか否かを判定する変更用判定手段(変形例1~2の主制御装置162における留保更新用処理を実行する機能)を備え、前記変更用判定手段により実行すると判定された場合に前記変更を実行することを特徴とする特徴cB8に記載の遊技機。
留保中の特定遊技状態と上限到達後に成立した特定条件に対応する特定遊技状態との組合せによっては、留保される特定遊技状態の変更が却って遊技者に不利な状況を招く懸念がある。この点、本特徴では、上記変更を実行するか否かを判定し、実行すると判定した場合に限定して当該変更が実行されるため、いたずらに変更が行われることがなく、上記不都合の発生を抑制することが可能になる。
特徴cB10.前記変更用判定手段は、特定遊技状態の種別に基づいて前記判定を行うことを特徴とする特徴cB9に記載の遊技機。
上記構成では、留保される特定遊技状態の変更を実行するか否かの判定が特定遊技状態の種別に基づいて行われる。すなわち、特定条件の成立に対応した特定遊技状態と留保中の特定遊技状態との比較により変更の有無が判定されるため、それら両特定遊技状態における特性の違いを踏まえて変更すべきか否かを判別することが可能になる。
特徴cB11.前記複数種の特定遊技状態に対して予め優先度が設定されており、
前記変更用判定手段は前記優先度に基づいて前記判定を行うことを特徴とする特徴cB9又は特徴cB10に記載の遊技機。
上記構成では、留保される特定遊技状態の変更を実行するか否かの判定が、各特定遊技状態に対して予め設定した優先度に基づいて行われるため、変更すべきか否かの判別を好適に行うことができる。また、遊技機設計時の作業負担を軽減できるという効果も期待できる。すなわち、留保中の特定遊技状態と上限到達後に成立した特定条件に対応する特定遊技状態との全ての組合せを前提とし、各組合せについて変更の有無を制御プログラムに組み込むと、制御プログラムが複雑化して作業負担の増大を招く懸念がある。この点、優先度を利用して変更の有無を判定することで、各特定遊技状態に対して優先度を設定するだけで足り、制御プログラムを簡単化することができる。さらには、事後的に設計変更が求められる場合でも、制御プログラムの全面的な変更が強いられず、優先度の設定を変更するだけで足りる。すなわち、設計変更を容易に行えるという利点もある。
特徴cB12.前記留保が可能な特定遊技状態として複数種の特定遊技状態(突然時短遊技状態A~C等)を有しており、
前記留保が行われている状況で特定条件が成立した場合において、その成立に対応した特定遊技状態と同種の特定遊技状態が留保中の特定遊技状態に含まれる場合に、前記成立に対応した特定遊技状態について前記留保を制限することが可能に構成されている(変形例3の主制御装置162における留保用処理を実行する機能)ことを特徴とする特徴cB1乃至特徴cB11のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、特定条件の成立に対応した特定遊技状態と同種の特定遊技状態が既に留保されている場合には、上記成立に対応した留保の実行が制限されるように構成されている。これにより、留保中の特定遊技状態とは異なる種類の特定遊技状態を優先的に留保させることができ、留保される特定遊技状態が同種のものばかりに偏ることを抑制できる。
特徴cB13.前記留保が可能な特定遊技状態として複数種の特定遊技状態(突然時短遊技状態A~C等)を有しており、
前記所定数は前記留保が可能な特定遊技状態の種別数より大きい特定数(第3の実施の形態の変形例4における「10」)であることを特徴とする特徴cB1に記載の遊技機。
上記構成では、留保可能な上限数が特定遊技状態の種別数より大きい数とされるため、全種の特定遊技状態を同時に留保可能としつつ、同種の特定遊技状態について複数の留保を行うことが可能になる。
特徴cB14.前記留保が可能な特定遊技状態として、第1特定遊技状態(突然時短遊技状態A)と第2特定遊技状態(突然時短遊技状態B)とを含む複数種の特定遊技状態(突然時短遊技状態A~C等)を有しており、
前記第1特定遊技状態の留保上限数と前記第2特定遊技状態の留保上限数とがそれぞれ設定されていることを特徴とする特徴cB1乃至特徴cB13のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、留保可能な上限数が特定遊技状態の種別ごとに設定されるため、例えば、第1特定遊技状態に対応した特定条件が成立した場合に、全体としての留保数が上限数に到達していなくても第1特定遊技状態の留保上限数に到達していれば、当該成立に対応した第1特定遊技状態の留保が実行されない。これにより、第2特定遊技状態を留保するための余裕分を確保することができ、留保される特定遊技状態の種別に偏りが生じることを抑制できる。
なお、上記特徴cB1乃至特徴cB14の各構成に対して、特徴cA1乃至特徴cA13、特徴cB1乃至特徴cB14、特徴cC1乃至特徴cC12、特徴cD1乃至特徴cD9、特徴cE1乃至特徴cE11、特徴cF1乃至特徴cF9、特徴cG1乃至特徴cG14、特徴cH1乃至特徴cH10、特徴cI1乃至特徴cI11のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴cC群>
特徴cC群は、上述した各実施の形態や各変形例又はこれらの組み合わせから抽出される発明群であり、主に上記第3の実施の形態、第3の実施の形態の変形例3~変形例8に基づいて抽出されるものである。
なお、特徴cC群は「例えばパチンコ機等の遊技機においては、通常遊技状態と、それよりも遊技者にとって有利な遊技状態とを有し、遊技の結果に基づいて遊技状態を切り替えるなどの制御を行うものが知られている(例えば特開2004-81853号公報)。」という背景技術について、「ここで、上記例示したような遊技機等においては遊技状態の制御を行う上で未だ改善の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
特徴cC1.遊技状態として、所定遊技状態(通常遊技状態)と、前記所定遊技状態よりも遊技者に有利な特定遊技状態(高頻度サポートモード等)と含む複数種の遊技状態を有しており、
特定条件(特殊外れ結果の当選、天井回数への到達、特定入球部への入球等)の成立を契機として特定遊技状態に関する所定情報(上限回数、種別情報等)を所定記憶部(RAM314)に記憶する手段(変形例3~8の主制御装置162における突然時短遊技状態の移行判定用処理を実行する機能等)を備え、
前記所定情報は、特定遊技状態への移行及び特定遊技状態の進行の少なくとも1つの制御を行うに際して参照されるものであり、
前記所定記憶部には、前記所定情報を記憶するための記憶領域として複数の領域(変形例3~4に係る時短遊技状態用カウンタエリア560の実行時短用エリア561、留保時短用エリア562、発生順情報記憶エリア565の各エリア、変形例5~8に係る時短遊技状態用カウンタエリア610の実行時短用エリア611、留保時短用エリア612等)が設定されており、
前記複数の領域のうち所定領域(例えば第1留保時短用エリア562a)に前記所定情報が記憶されている状況で特定条件が成立した場合に、その成立に対応した特定遊技状態の前記所定情報を前記複数の領域のうち前記所定領域とは異なる他の領域(例えば第2留保時短用エリア562b)に記憶する手段(変形例3~8の主制御装置162における留保用処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成では、所定遊技状態よりも遊技者にとって有利な遊技状態として特定遊技状態を有しており、特定条件の成立を契機として特定遊技状態に関する所定情報が記憶され、その記憶された所定状態に基づいて特定遊技状態への移行制御や特定遊技状態の進行制御が行われる。このような構成の下、上記所定情報を記憶するための記憶領域として複数の領域が設けられており、それら領域のいずれかに所定情報が記憶されている状況で特定条件が成立した場合は他の空き領域を利用してその特定条件の成立に対応した特定遊技状態の所定情報が記憶される。このため、複数の特定遊技状態を同時に管理することができ、特定遊技状態への滞在中に特定条件が成立するなど特定遊技状態同士の競合が生じた場合に、それら遊技状態の制御を好適に行うことが可能になる。
特徴cC2.前記所定領域に記憶される所定情報が実行中の特定遊技状態に対応することを特徴とする特徴cC1に記載の遊技機。
上記構成では、実行中である特定遊技状態の情報が所定領域に記憶されている状況で特定条件が成立すると、その成立に対応する特定遊技状態の情報が上記所定領域とは別の他の領域に記憶される。これにより、実行中の特定遊技状態の情報と独立して、その特定遊技状態の途中で発生した特定条件の成立に対応する特定遊技状態の情報を記憶することができ、途中発生の特定遊技状態を有効化することが可能になる。
特徴cC3.前記他の領域に所定情報が記憶された場合にその所定情報が対応する特定遊技状態への移行を留保する手段(変形例3~8の主制御装置162における留保用処理を実行する機能)と、
所定条件(時短遊技状態等の終了、所定回数の遊技回の実行、特定入球部への入球等)が成立した場合に前記留保が行われた特定遊技状態について移行を実行する手段(変形例3~8の主制御装置162における突然時短遊技状態の第2移行用処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴cC1又は特徴cC2に記載の遊技機。
上記構成では、他の領域に情報が記憶された特定遊技状態を留保状態とするため、実行中の特定遊技状態との競合を好適に回避することができる。また、留保状態とした特定遊技状態について、その後の所定条件の成立により移行を実施するため、実行中の特定遊技状態と、その途中で特定条件が成立した特定遊技状態とをそれぞれ実施させることができる。すなわち、特定遊技状態である状況で特定条件を成立させることで、特定遊技状態を実質的に延長したり、続けて他の特定遊技状態に移行させたりすることが可能な遊技を付与することができ、興趣性を高めることが可能になる。
特徴cC4.予め定められた判定条件(第1作動口62又は第2作動口63への入賞)の成立に基づいて特別判定(特図当否判定)を実行する特別判定手段(主制御装置162における特図当否判定を実行する機能)と、
前記特別判定が行われることに基づいて遊技回用動作が開始され、前記特別判定の結果に対応した報知結果とされることを遊技回の1回として、遊技回が行われるように制御する遊技回制御手段(主制御装置162における特図遊技回制御処理を実行する機能、演出制御装置143における特図変動表示用処理を実行する機能)と、
を備え、
前記所定情報が特定遊技状態についての遊技回の残り回数に対応した情報であることを特徴とする特徴cC1乃至特徴cC3のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、所定領域及び他の領域に記憶される所定情報として特定遊技状態についての遊技回の残り回数に対応した情報が記憶される。よって、特定遊技状態である状況で特定条件が成立した場合に、実行中の特定遊技状態の残り回数とは別に、途中発生した特定条件の成立に対応する特定遊技状態の残り回数を記憶することができ、それら両特定遊技状態について遊技回の残数管理を同時に行うことが可能になる。
特徴cC5.前記所定領域に記憶される所定情報が実行中の特定遊技状態に対応しており、
所定の更新契機(遊技回の実行、小当たり結果等)に基づいて前記所定領域の所定情報を更新する手段(変形例3~8の主制御装置162における高頻度サポートモード更新用処理を実行する機能)と、
前記所定領域の所定情報の更新結果が所定結果(0)となった場合に前記実行中の特定遊技状態を終了させる手段(第3の実施の形態の変形例3~8に係る主制御装置162により高頻度サポートモード終了用処理を実行する機能)と、
所定の更新契機に基づいて前記他の領域の所定情報を更新する手段(変形例3~8の主制御装置162における高頻度サポートモード更新用処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴cC1乃至特徴cC4のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、所定の更新契機に基づいて所定領域の所定情報と他の領域の所定情報とを更新するため、実行中の特定遊技状態の残り回数と、途中発生した特定条件の成立に対応する特定遊技状態の残り回数とを並行して更新することができる。よって、両特定遊技状態の残り回数について同時に管理することが可能になる。
特徴cC6.前記他の領域の所定情報が対応する特定遊技状態への移行が行われる場合に、当該他の領域において更新された所定情報の更新結果を前記所定領域に書き込む手段(変形例3~8の主制御装置162における突然時短遊技状態の第2移行用処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴cC5に記載の遊技機。
上記構成では、他の領域の所定情報が対応する特定遊技状態への移行に伴い、当該他の領域でなされた所定情報の更新結果が所定領域に書き込まれ、実行中の特定遊技状態の残り回数に対応する情報として活用される。これにより、途中発生した特定条件の成立に対応する後の特定遊技状態について、その移行後の残り回数を差分回数(後の特定遊技状態についての本来の上限回数から実行中の先の特定遊技状態について特定条件が成立したときの残り回数を減算したもの)とすることができる。この場合、特定条件が成立したタイミングにより、後の特定遊技状態における移行後の残り回数を変化させることができる。よって、特定条件が成立するか否かだけでなく、その成立の発生タイミングについても遊技者を楽しませることができ、興趣性を高めることが可能になる。さらに、後の特定遊技状態における移行後の残り回数を当該特定遊技状態の本来の上限回数よりも少なく抑えることができるため、遊技者が複数の特定遊技状態を重複して獲得可能な構成において、遊技者に過度に有利となることを抑制可能となる。
特徴cC7.前記他の領域に所定情報が記憶された場合にその所定情報が対応する特定遊技状態への移行を留保し、その後、所定条件(時短遊技状態等の終了、所定回数の遊技回の実行、特定入球部への入球等)が成立した場合に前記留保が行われた特定遊技状態について移行を実行する手段(変形例3~8の主制御装置162における留保用処理、突然時短遊技状態の第2移行用処理を実行する機能)と、
前記他の領域に記憶された所定情報が対応する特定遊技状態について前記移行が行われることなく当該他の領域において更新された所定情報の更新結果が所定結果となった場合に前記留保を終了させる手段(変形例3~8の主制御装置162における高頻度サポートモード更新用処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴cC5又は特徴cC6に記載の遊技機。
上記構成では、他の領域に情報が記憶された特定遊技状態を留保状態とし、その後の所定条件の成立により移行を実施するため、実行中の特定遊技状態と、その途中で特定条件が成立した特定遊技状態とをそれぞれ実施させることができる。すなわち、特定遊技状態である状況で特定条件を成立させることで、特定遊技状態を実質的に延長したり、続けて他の特定遊技状態に移行させたりすることが可能な遊技を付与することができ、興趣性を高めることが可能になる。
また、所定領域の更新結果が所定結果になることで、実行中の特定遊技状態が終了する場合において、留保中の特定遊技状態について他の領域の更新結果が所定結果になると、その留保状態が終了するように構成されている。この場合、実行中の先の特定遊技状態についての残り回数よりも、途中で特定条件が成立した後の特定遊技状態の残り回数(本来の上限回数)が少ない場合には、当該後の特定遊技状態について移行を実施させずに留保状態を自動解除することができる。よって、先の特定遊技状態の途中で特定条件が成立した場合に、当該先の特定遊技状態の残り回数と上記後の特定遊技状態の残り回数との比較や、その結果に基づく他の領域への情報記憶の可否判断を要することなく、他の領域に所定情報を記憶することができ、処理構成を簡単化することが可能になる。
特徴cC8.前記複数の領域には、前記所定領域としての第1領域(例えば第1留保時短用エリア562a)と、前記他の領域としての第2領域(例えば第2留保時短用エリア562b~第3留保時短用エリア562c)とが含まれており、
前記第1領域に記憶される前記所定情報が実行中の特定遊技状態に対応しており、
前記第2領域が複数設定されていることを特徴とする特徴cC1乃至特徴cC7のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、第2領域が複数設定されているため、特定遊技状態の留保を複数行うことが可能になる。これにより、留保が生じるか否かだけでなく、いくつ留保できるかについても遊技者を楽しませることができ、興趣性を好適に高めることが可能になる。
特徴cC9.複数の前記第2領域は、特定条件の成立順に対応して設定されている(変形例3~4において留保時短用エリア562の各エリアに特殊外れ結果の当選順が対応付けられている構成)ことを特徴とする特徴cC8に記載の遊技機。
上記構成では、複数の第2領域が特定条件の成立順に対応付けられているため、特定条件の成立が複数回発生した場合に、その発生順に整理しながら所定情報を記憶することができる。よって、留保された複数の特定遊技状態について特定条件の成立順に移行を実施させる場合に、その移行制御を好適に行うことが可能となる。
特徴cC10.複数の前記第2領域のうち特定の領域(例えば第1留保時短用エリア562a)に所定情報が記憶されている状況で特定条件が成立した場合に、その成立に対応した特定遊技状態の所定情報を、複数の前記第2領域のうち前記特定の領域より後の順番に対応する所定の領域(例えば第2留保時短用エリア562b)に記憶する手段(変形例3~4の主制御装置162における留保用処理を実行する機能)と、
前記特定の領域に記憶された所定情報が対応する特定遊技状態に移行させた後、前記所定の領域に記憶された所定情報が対応する特定遊技状態に移行させる手段(変形例3~4の主制御装置162における突然時短遊技状態の第2移行用処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴cC8又は特徴cC9に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定条件の成立が複数回発生して特定遊技状態について複数の留保が行われた場合に、それら留保された特定遊技状態について特定条件の成立に対応する順番で順次に移行させることが可能になる。
特徴cC11.特定遊技状態として複数種の特定遊技状態(突然時短遊技状態A~C等)を有しており、
複数の前記第2領域は、特定遊技状態の種別に対応して設定されている(変形例5において留保時短用エリア612の各エリアに突然時短遊技状態の種別が対応付けられている構成)ことを特徴とする特徴cC8に記載の遊技機。
上記構成では、複数の第2領域が特定遊技状態の種別に対応付けられているため、特定条件の成立が複数回発生した場合に、特定遊技状態の種別ごとに整理しながら所定情報を記憶することができる。よって、留保された複数の特定遊技状態についてその種別に対応した順番で移行を実施させる場合に、その移行制御を好適に行うことが可能となる。
特徴cC12.複数の前記第2領域に前記所定情報が記憶されている場合に、それら所定情報が対応する複数種の特定遊技状態について、特定遊技状態の種別に対応して定められた所定順番(優先度)で移行を実行する手段(変形例5の主制御装置162における突然時短遊技状態の第2移行用処理を実行する機能)を備えていることを特徴cC11に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定条件の成立が複数回発生して特定遊技状態について複数の留保が行われた場合に、それら留保された特定遊技状態について、特定遊技状態の種別に対応して定められた所定順番で順次に移行させることが可能になる。
なお、上記特徴cC1乃至特徴cC12の各構成に対して、特徴cA1乃至特徴cA13、特徴cB1乃至特徴cB14、特徴cC1乃至特徴cC12、特徴cD1乃至特徴cD9、特徴cE1乃至特徴cE11、特徴cF1乃至特徴cF9、特徴cG1乃至特徴cG14、特徴cH1乃至特徴cH10、特徴cI1乃至特徴cI11のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴cD群>
特徴cD群は、上述した各実施の形態や各変形例又はこれらの組み合わせから抽出される発明群であり、主に上記第3の実施の形態の変形例3~変形例8に基づいて抽出されるものである。
なお、特徴cD群は「例えばパチンコ機等の遊技機においては、通常遊技状態と、それよりも遊技者にとって有利な遊技状態とを有し、遊技の結果に基づいて遊技状態を切り替えるなどの制御を行うものが知られている(例えば特開2004-81853号公報)。」という背景技術について、「ここで、上記例示したような遊技機等においては遊技状態の制御を行う上で未だ改善の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
特徴cD1.遊技状態として、所定遊技状態(通常遊技状態)と、前記所定遊技状態よりも遊技者に有利な特定遊技状態(高頻度サポートモード等)と含む複数種の遊技状態を有しており、
特定条件(特殊外れ結果の当選、天井回数への到達、特定入球部への入球等)の成立を契機として特定遊技状態に移行させることが可能な特定遊技状態用移行手段(変形例3~8の主制御装置162における突然時短遊技状態の第1移行用処理を実行する機能)と、
所定の状況(時短遊技状態中である状況、高確遊技状態中である状況、開閉実行モード中である状況等)で特定条件が成立した場合に当該成立に基づく特定遊技状態への移行を留保し、その後、所定条件(時短遊技状態等の終了、所定回数の遊技回の実行、特定入球部への入球等)が成立した場合に留保した特定遊技状態について移行を実行することが可能な特定手段(変形例3~8の主制御装置162における突然時短遊技状態の移行判定用処理を実行する機能)と、
を備え、
特定遊技状態の留保を複数分行うことが可能に構成されており、
前記留保が行われる複数の特定遊技状態について移行の実行順が所定順となるようにする所定順手段(変形例3~4において発生順情報記憶エリア565に設定した第1エリア565a~第3エリア565b、第1エリア565a~第10エリア565jに特殊外れ結果の当選順に対応させて種別情報を記憶する処理、変形例5において最上位優先度の留保時短を把握し、その把握した留保時短を移行対象とする処理、留保時短の移行順を抽選により決定する処理等を実行する機能等)を備え、
複数の前記留保が行われている状況で前記所定条件が成立した場合に、前記所定順手段により定められる実行順に基づいて移行が実行されるように構成されていることを特徴とする遊技機。
上記構成では、所定遊技状態よりも遊技者にとって有利な遊技状態として特定遊技状態を有しており、この特定遊技状態には特定条件の成立を通じて移行するものとなっている。このため、遊技者は、特定条件を成立させ、特定遊技状態に移行させることを目指して遊技を楽しむことができる。このような構成の下、特定条件の成立に応じて直ちに特定遊技状態へ移行させるだけでなく、所定の状況で特定条件が成立した場合にはその成立に対応した特定遊技状態への移行が留保されるように構成されている。このため、特定遊技状態に移行するか否かに留まらず、特定遊技状態が留保されているか否かについても遊技者を楽しませることができ、興趣性を高めることが可能になる。加えて、そのような留保を複数行うことが可能であるため、特定遊技状態の留保中において特定条件が成立すれば、重ねて特定遊技状態が留保される構成とすることができる。これにより、興趣性の一層の向上が図られる。しかも、そのような複数留保が行われた場合に、留保された特定遊技状態について移行の実行順序が定められ、その実行順序に従って移行順の制御が行われる。このため、特定遊技状態同士の競合が生じ得る状況において、特定遊技状態の重複実施を避けつつ好適な順序で移行を実施することができる。
特徴cD2.前記留保が可能な特定遊技状態として複数種の特定遊技状態(突然時短遊技状態A~C等)を有しており、
それら複数種の特定遊技状態に対して予め優先度が設定されており、
前記所定順手段は、移行の実行順が優先度に対応した所定順となるようにする(変形例5の主制御装置162における突然時短遊技状態の第2移行用処理を実行する機能等)ことを特徴とする特徴cD1に記載の遊技機。
上記構成では、留保された複数の特定遊技状態について移行が行われる場合に、それら各特定遊技状態に対して予め設定された優先度に対応した順序で移行が行われるように制御される。これにより、特定条件の成立順にかかわらず、特定遊技状態の種別に対応した順番で移行させることが可能になる。また、遊技機設計時の作業負担を軽減できるという効果も期待できる。すなわち、特定遊技状態の全ての組合せについてその移行順番を1つ1つ制御プログラムにて規定する場合であると、制御プログラムが複雑化して作業負担の増大を招く懸念がある。この点、優先度を利用して移行順を制御することで、各特定遊技状態に対して優先度を設定するだけで足り、制御プログラムを簡単化することができる。さらには、事後的に設計変更が求められる場合でも、制御プログラムの全面的な変更が強いられず、優先度の設定を変更するだけで足りる。すなわち、設計変更を容易に行えるという利点もある。
特徴cD3.所定の発射操作に基づいて遊技球を発射可能な発射手段(遊技球発射機構110)と、
前記発射手段により発射された遊技球が入球可能な所定入球部(第2作動口63)と、を備え、
複数種の特定遊技状態には、第1特定遊技状態(突然時短遊技状態C)と、前記第1特定遊技状態よりも前記所定入球部への入球が発生しやすい第2特定遊技状態(突然時短遊技状態A)とが含まれており、
前記第2特定遊技状態に対して前記第1特定遊技状態よりも上位の優先度が設定されていることを特徴とする特徴cD2に記載の遊技機。
上記構成では、所定入球部への入球が発生しやすい第2特定遊技状態に対し、当該入球が発生しにくい第1特定遊技状態よりも上位の優先度が設定されるため、それら特定遊技状態の両方が留保された場合に第2特定遊技状態への移行を先行させることができる。これにより、持ち球の減りを抑えやすい状態を早く到来させることができ、遊技者が有利に遊技を進めやすい構成とすることが可能になる。
特徴cD4.前記所定入球部への遊技球の入球に基づいて特別判定(特図当否判定)を実行する特別判定手段(主制御装置162における特図当否判定を実行する機能)と、
前記特別判定の結果が特定結果(大当たり結果)となることに基づいて所定遊技状態よりも遊技者に有利なものであって特定遊技状態とは異なる特別遊技状態(開閉実行モード)に移行させることが可能な手段(主制御装置162における遊技状態移行処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴cD3に記載の遊技機。
上記構成では、所定入球部が特別判定の始動口となっており、第1特定遊技状態及び第2特定遊技状態の両方が留保された場合に、上記始動口への入球が発生しやすい第2特定遊技状態への移行を先行させることができる。これにより、特別判定を受けやすく且つ持ち球の減りも抑えやすい状態を早く到来させることができ、遊技者が有利に遊技を進めやすい構成とすることが可能となる。
特徴cD5.前記所定順手段は、特定条件の成立順に対応した実行順となるようにする手段(変形例3~4の主制御装置162における留保用処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴cD1乃至特徴cD4のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、複数の留保が行われた場合に特定条件の成立順に応じた順序で移行が実施される。すなわち、留保の順番がそのまま移行の順番に反映されるため、複数の特定遊技状態において有利度合に差異が設けられた構成であれば、有利な特定遊技状態に対応する特定条件を早く成立させる方が遊技者にとって有利となる。つまり、留保される特定遊技状態の順番によって、その後の遊技の展開に差異が生じるため、どのような順番で留保が発生するかについても遊技者を注目させることができ、興趣性を高めることが可能になる。
特徴cD6.所定の発射操作に基づいて遊技球を発射可能な発射手段(遊技球発射機構110)と、
前記発射手段により発射された遊技球が入球可能な所定入球部(第2作動口63)と、を備え、
複数種の特定遊技状態には、第1特定遊技状態(突然時短遊技状態C)と、前記第1特定遊技状態よりも前記所定入球部への入球が発生しやすい第2特定遊技状態(突然時短遊技状態A)とが含まれていることを特徴とする特徴cD5に記載の遊技機。
上記構成では、所定入球部への入球の発生しやすさが異なる第1特定遊技状態及び第2特定遊技状態を有し、複数種の特定遊技状態において有利度合に差異が設けられている。このような構成に対して上記特徴cD5の構成を適用することで、留保される特定遊技状態の順番への遊技者の関心を高めることができ、興趣性を向上させることが可能になる。
特徴cD7.所定の状況において特定条件が成立した場合に所定の報知手段(図柄表示装置75等)にて特定報知(特殊リーチ外れA演出等)を実行することが可能な手段(変形例3等においてステップSc4502、ステップSc4503の処理を実行する機能)を備え、
前記留保が可能な特定遊技状態として複数種の特定遊技状態(突然時短遊技状態A~C等)を有しており、
前記特定報知は、留保される特定遊技状態の種別を遊技者が認識不可又は認識困難なものである(図柄列Z1~Z3の停止組合せから特殊外れ結果への当選を認識できるものの、特殊外れ結果の種別までは認識不可とした構成等)ことを特徴とする特徴cD1乃至特徴cD6のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、特定条件の成立に応じて特定報知が実行されるため、遊技者は当該報知を参照することで留保の発生を認識することができる。その場合において留保された特定遊技状態の種別までは一義的に導出できない構成としたため、仮に遊技者が移行順の規則性(例えば優先度順、特定条件の成立順)を知っていたとしても、実際の移行順を分かりにくくすることができる。これにより、いずれの特定遊技状態に移行するのかを予測して楽しませることができ、興趣性を高めることが可能になる。
特徴cD8.所定の状況において特定条件が成立した場合に所定の報知手段(図柄表示装置75等)にて特定報知(特殊リーチ外れA演出等)を実行することが可能な第1手段(変形例3等においてステップSc4502、ステップSc4503の処理を実行する機能)と、
前記留保が行われている状況で特定条件が成立した場合に前記第1手段による特定報知の実行を制限する第2手段(変形例3等においてステップSc4502、ステップSc4504の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴cD1乃至特徴cD7のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、特定条件の成立に応じて特定報知が実行されるため、遊技者は当該報知を参照することで留保の発生を認識することができる。但し、特定条件が成立した場合であっても、特定遊技状態の留保中である場合は特定報知が実行されない。すなわち、初回目の留保発生については報知されるものの、2回目以降の留保発生については非報知の状態とされる。これにより、複数の留保が発生したこと自体、遊技者が分からないようにすることができ、留保の数や移行順を予測して楽しませることが可能になる。
特徴cD9.複数の前記留保が行われ、前記所定順手段により定められる実行順に基づいて移行が実行される所定の場合に、その実行順を遊技者が認識不可又は認識困難であるように構成されている(変形例3等において突然時短遊技状態の留保中にそれら各突然時短遊技状態の移行順を遊技者が認識できないようにした構成)ことを特徴とする特徴cD1乃至特徴cD8のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、複数の留保が行われた場合に、それら留保された複数の特定遊技状態についてその移行順を遊技者が認識不可又は認識困難とされるため、移行順を遊技者に予測させて楽しませることが可能になる。
なお、上記特徴cD1乃至特徴cD9の各構成に対して、特徴cA1乃至特徴cA13、特徴cB1乃至特徴cB14、特徴cC1乃至特徴cC12、特徴cD1乃至特徴cD9、特徴cE1乃至特徴cE11、特徴cF1乃至特徴cF9、特徴cG1乃至特徴cG14、特徴cH1乃至特徴cH10、特徴cI1乃至特徴cI11のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴cE群>
特徴cE群は、上述した各実施の形態や各変形例又はこれらの組み合わせから抽出される発明群であり、主に上記第3の実施の形態の変形例2、変形例5~変形例7に基づいて抽出されるものである。
なお、特徴cE群は「例えばパチンコ機等の遊技機においては、通常遊技状態と、それよりも遊技者にとって有利な遊技状態とを有し、遊技の結果に基づいて遊技状態を切り替えるなどの制御を行うものが知られている(例えば特開2004-81853号公報)。」という背景技術について、「ここで、上記例示したような遊技機等においては遊技状態の制御を行う上で未だ改善の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
特徴cE1.予め定められた判定条件(第1作動口62又は第2作動口63への入賞)の成立に基づいて特別判定(特図当否判定)を実行する特別判定手段(主制御装置162における特図当否判定を実行する機能)と、
前記特別判定の結果が特定結果(大当たり結果)となることに基づいて所定遊技状態(通常遊技状態)よりも遊技者に有利な特別遊技状態(開閉実行モード)に移行させることが可能な第1移行手段(主制御装置162における遊技状態移行処理を実行する機能)と、
を備え、
遊技状態として、所定遊技状態よりも遊技者に有利なものであって特別遊技状態とは異なる特定遊技状態(高頻度サポートモード等)を有しており、
特定条件(特殊外れ結果の当選、天井回数への到達、特定入球部への入球等)の成立を契機として特定遊技状態に移行させることが可能な第2移行手段(変形例2、変形例5~7の主制御装置162における突然時短遊技状態の移行判定用処理、突然時短遊技状態の第1移行用処理を実行する機能)を備え、
特定遊技状態として複数種の特定遊技状態(突然時短遊技状態A~C、通常時短遊技状態、天井時短遊技状態等)を有しており、それらの特定遊技状態に対して優先度が設定されている(変形例2、変形例5において突然時短遊技状態A~Cに優先度が設定される構成、変形例6において通常時短遊技状態、突然時短遊技状態A、Bに優先度が設定される構成、変形例7において天井時短遊技状態、突然時短遊技状態A、Bに優先度が設定される構成)ことを特徴とする遊技機。
上記構成では、特別判定の結果が特定結果となることに基づいて移行する特別遊技状態のほか、所定遊技状態よりも遊技者にとって有利な遊技状態として特定遊技状態を有している。この特定遊技状態には特定条件の成立を契機として移行することが可能となっている。また、特定遊技状態として複数種の特定遊技状態が設けられているため、特定遊技状態に移行するか否かだけでなく、いずれの特定遊技状態に移行するかについても遊技者を楽しませることができ、興趣性を高めることが可能になる。しかしながら、このように複数種の特定遊技状態を設けた場合には、一の特定遊技状態である状況で他の特定遊技状態に対応する特定条件が成立するなど、特定遊技状態の重複が生じる懸念がある。この点、各特定遊技状態に対して優先度が設定されているため、重複が生じた場合の特定遊技状態の切り替えや移行順の決定を優先度に基づいて行うことができ、遊技状態の制御を好適に行うことが可能になる。
特徴cE2.前記複数種の特定遊技状態には、第1特定遊技状態(変形例6における通常時短遊技状態、突然時短遊技状態B、変形例7における突然時短遊技状態A、B等)と第2特定遊技状態(変形例6における突然時短遊技状態A、変形例7における天井時短遊技状態等)とが含まれており、
第1特定遊技状態である状況で第2特定遊技状態に対応した特定条件が成立した場合に、それら各特定遊技状態に設定された優先度に基づいて第2特定遊技状態への切り替えを行うか否かを制御する手段(変形例6~7の主制御装置162における突然時短遊技状態の移行判定用処理、突然時短遊技状態の第1移行用処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴cE1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1特定遊技状態の途中で第2特定遊技状態に対応した特定条件が成立した場合に、それら各特定遊技状態の優先度が比較されて第2特定遊技状態への切り替えを行うか否かが制御される。このため、それら各特定遊技状態に対して予め適切な優先度を付すだけで、第2特定遊技状態への切り替えを行うか、それとも第1特定遊技状態を継続させるかの制御を好適に行うことが可能になる。
特徴cE3.前記複数種の特定遊技状態には、第1特定遊技状態(変形例6における通常時短遊技状態、突然時短遊技状態B、変形例7における突然時短遊技状態B等)と、第1特定遊技状態よりも優先度が上位の第2特定遊技状態(変形例6における突然時短遊技状態A、変形例7における天井時短遊技状態等)とが含まれており、
第1特定遊技状態である状況で第2特定遊技状態に対応した特定条件が成立した場合に、第1特定遊技状態から第2特定遊技状態に移行させる手段(変形例6~7の主制御装置162における突然時短遊技状態の移行判定用処理、突然時短遊技状態の第1移行用処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴cE1又は特徴cE2に記載の遊技機。
上記構成では、第1特定遊技状態の途中で優先度が上位の第2特定遊技状態に対応した特定条件が成立すると、第1特定遊技状態から第2特定遊技状態への切り替えが実行される。例えば、第2特定遊技状態を第1特定遊技状態よりも遊技者に有利なものとすれば、不利な状態から有利な状態への切り替えを行うことができ、特定条件が途中成立した場合の制御を好適に行うことが可能になる。
特徴cE4.前記移行させる手段は、第1特定遊技状態を中止又は中断して第2特定遊技状態への移行を実行するものであることを特徴とする特徴cE3に記載の遊技機。
上記構成では、第1特定遊技状態に割り込んで第2特定遊技状態に移行させることができる。例えば第2特定遊技状態が第1特定遊技状態よりも有利なものであれば、そのような有利な状態を早く到来させることができ、遊技者が有利に遊技を進めやすい構成とすることが可能になる。
特徴cE5.所定の発射操作に基づいて遊技球を発射可能な発射手段(遊技球発射機構110)と、
前記発射手段により発射された遊技球が入球可能な所定入球部(第2作動口63)と、を備え、
第2特定遊技状態(変形例6~7における突然時短遊技状態A等)は、第1特定遊技状態(変形例6~7における突然時短遊技状態B等)よりも前記所定入球部への入球が発生しやすいものであることを特徴とする特徴cE2乃至特徴cE4のいずれかに記載の遊技機。
上記構成において第2特定遊技状態は、第1特定遊技状態よりも所定入球部への入球が発生しやすく、第1特定遊技状態よりも持ち球の減りを少なく抑えて有利に遊技を進めることが可能となっている。このような構成に対して特徴cE2から特徴cE4の各構成を適用することで、それら構成の上記各効果を好適に発揮させることが可能になる。
特徴cE6.前記複数種の特定遊技状態には、第1特定遊技状態(変形例6~7における突然時短遊技状態A等)と、第1特定遊技状態よりも優先度が下位の第3特定遊技状態(変形例6~7における突然時短遊技状態B等)とが含まれており、
第1特定遊技状態である状況で第3特定遊技状態に対応する特定条件が成立した場合に、第3特定遊技状態への移行を留保し、その後、所定条件(時短遊技状態等の終了、所定回数の遊技回の実行、特定入球部への入球等)が成立した場合に前記留保した第3特定遊技状態について移行を実行する手段(変形例6~7の主制御装置162における留保用処理、突然時短遊技状態の第2移行用処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴cE1乃至特徴cE5のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、第1特定遊技状態である状況で下位の優先度が設定された第3特定遊技状態に対応する特定条件が成立した場合に、第1特定遊技状態を継続させた後、所定条件の成立に応じて第3特定遊技状態への移行が実行される。すなわち、優先度が上位の特定遊技状態の継続を優先させ、優先度が下位の特定遊技状態を後回しにして移行させることができる。
特徴cE7.特定遊技状態への移行を留保し、その後、所定条件(時短遊技状態等の終了、所定回数の遊技回の実行、特定入球部への入球等)が成立した場合に前記留保した特定遊技状態について移行を実行することが可能な手段(変形例2の主制御装置162における留保用処理、突然時短遊技状態の第2移行用処理を実行する機能)を備え、
前記留保が可能な特定遊技状態として複数種の特定遊技状態(突然時短遊技状態A~C等)を有しており、それらの特定遊技状態に対して優先度が設定されており、
特定条件が成立した場合に当該成立に対応した特定遊技状態について前記留保を実行するか否かを優先度に基づいて制御する手段(変形例2の主制御装置162における留保更新用処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴cE1乃至特徴cE6のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、特定条件の成立に応じて直ちに特定遊技状態へ移行させるだけでなく、特定遊技状態への移行を留保し、その後、所定条件が成立した場合に移行を実行させることが可能となっている。このため、特定遊技状態に移行するか否かに留まらず、特定遊技状態が留保されているか否かについても遊技者を楽しませることができる。その場合において、各特定遊技状態に対して優先度が設定され、その優先度に基づいて留保が実行されるか否かの制御が行われるため、特定条件が複数回成立した場合に優先度が高い特定遊技状態を優先して留保の実行対象とすることができる。
特徴cE8.前記複数種の特定遊技状態には、第1特定遊技状態(変形例2における突然時短遊技状態B等)と第2特定遊技状態(変形例2における突然時短遊技状態A等)とが含まれており、
第1特定遊技状態について前記留保が行われている状況で第2特定遊技状態に対応した特定条件が成立した場合に、それら各特定遊技状態に設定された優先度に基づいて第2特定遊技状態について前記留保を実行するか否かを制御する手段(変形例2の主制御装置162における留保更新用処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴cE7に記載の遊技機。
上記構成では、既に留保されている第1特定遊技状態と新たに特定条件が成立した第2特定遊技状態との優先度の比較により、第2特定遊技状態についての留保を実行するか否かが制御されるため、特定条件が複数回成立した場合の各回について留保の有無を好適に制御することが可能になる。
特徴cE9.前記複数種の特定遊技状態には、第1特定遊技状態(変形例2における突然時短遊技状態B等)と、第1特定遊技状態よりも優先度が上位の第2特定遊技状態(変形例2における突然時短遊技状態A等)とが含まれており、
第1特定遊技状態について前記留保が行われている状況で第2特定遊技状態に対応した特定条件が成立した場合に、前記留保の実行対象を第1特定遊技状態から第2特定遊技状態に変更する手段(変形例2の主制御装置162における留保更新用処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴cE7又は特徴cE8に記載の遊技機。
上記構成では、第1特定遊技状態が留保されている状況で優先度が上位の第2特定遊技状態に対応した特定条件が成立すると、留保の実行対象を第1特定遊技状態から第2特定遊技状態に変更するように構成されている。すなわち、留保される特定遊技状態を入れ替えるように留保の更新が行われるため、留保可能数に上限がある構成において特定条件が複数回成立した場合に、優先度が高い特定遊技状態ほど優先して留保することが可能になる。
特徴cE10.特定遊技状態への移行を留保し、その後、所定条件(時短遊技状態等の終了、所定回数の遊技回の実行、特定入球部への入球等)が成立した場合に前記留保した特定遊技状態について移行を実行することが可能な手段(変形例5の主制御装置162における留保用処理、突然時短遊技状態の第2移行用処理を実行する機能)を備え、
前記留保が可能な特定遊技状態として複数種の特定遊技状態(突然時短遊技状態A~C等)を有しており、それらの特定遊技状態に対して優先度が設定されており、
複数の前記留保が行われている状況で所定条件が成立した場合に、いずれの特定遊技状態に移行させるかを優先度に基づいて制御する手段(変形例5の主制御装置162における突然時短遊技状態の第2移行用処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴cE1乃至特徴cE9のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、特定条件の成立に応じて直ちに特定遊技状態へ移行させるだけでなく、特定遊技状態への移行を留保し、その後、所定条件が成立した場合に移行を実行させることが可能となっている。このため、特定遊技状態に移行するか否かに留まらず、特定遊技状態が留保されているか否かについても遊技者を楽しませることができる。その場合において、各特定遊技状態に対して優先度が設定され、複数の留保が行われている場合に優先度に基づいて移行先の特定遊技状態が制御される。このため、留保されている複数の特定遊技状態についてその移行順を好適に制御することが可能になる。
特徴cE11.前記複数種の特定遊技状態には、第1特定遊技状態(変形例5における突然時短遊技状態B等)と、第1特定遊技状態よりも優先度が上位の第2特定遊技状態(変形例5における突然時短遊技状態A等)とが含まれており、
第1特定遊技状態と第2特定遊技状態とについて前記留保が行われている場合に、第1特定遊技状態よりも第2特定遊技状態についての前記移行を先行させる手段(変形例5の主制御装置162における突然時短遊技状態の第2移行用処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴cE10に記載の遊技機。
上記構成によれば、複数の特定遊技状態について留保が行われている場合に、特定条件の成立順(留保の発生順)にかかわらず、優先度が高い特定遊技状態ほど移行順を早めることができる。例えば、有利度合が高い特定遊技状態ほど優先度を高くすれば、そのような有利な状態を早く到来させることができ、遊技者が有利に遊技を進めやすい構成とすることが可能になる。
なお、上記特徴cE1乃至特徴cE11の各構成に対して、特徴cA1乃至特徴cA13、特徴cB1乃至特徴cB14、特徴cC1乃至特徴cC12、特徴cD1乃至特徴cD9、特徴cE1乃至特徴cE11、特徴cF1乃至特徴cF9、特徴cG1乃至特徴cG14、特徴cH1乃至特徴cH10、特徴cI1乃至特徴cI11のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴cF群>
特徴cF群は、上述した各実施の形態や各変形例又はこれらの組み合わせから抽出される発明群であり、主に第3の実施の形態、第3の実施の形態の変形例1~変形例8に基づいて抽出されるものである。
なお、特徴cF群は「例えばパチンコ機等の遊技機においては、通常遊技状態と、それよりも遊技者にとって有利な遊技状態とを有し、遊技の結果に基づいて遊技状態を切り替えるなどの制御を行うものが知られている(例えば特開2004-81853号公報)。」という背景技術について、「ここで、上記例示したような遊技機等においては遊技の興趣を向上させる上で未だ改善の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
特徴cF1.所定の発射操作に基づいて遊技球を発射可能な発射手段(遊技球発射機構110)と、
前記発射手段により発射された遊技球が入球可能な所定入球部(第1作動口62、第2作動口63)と、
前記所定入球部への遊技球の入球を契機として特定判定(特殊外れ結果に当選したか否かの判定)を実行する特定判定手段(主制御装置162により特図遊技回制御処理、突然時短遊技状態の移行判定用処理を実行する機能)と、
所定の状況(時短遊技状態中である状況、高確遊技状態中である状況、開閉実行モード中である状況等)において前記特定判定の結果が特定結果(特殊外れ結果の当選)となった場合に、当該結果を契機として所定の特典(留保時短の実行)を付与することが可能な特典付与手段(第3の実施の形態、変形例1~8の主制御装置162における留保用処理を実行する機能等)と、
前記所定の状況において前記特定判定の結果が特定結果となったタイミングに応じて前記所定の特典の有利度合(留保時短への移行が実施された場合の残り回数)を異ならせることが可能な手段(第3の実施の形態、変形例1~8において留保時短への移行が実施された場合の残り回数を、その留保時短の上限回数から滞在時短の残り回数を減算した差分回数に設定する機能等)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成では、所定入球部への遊技球の入球を契機として特定判定が実行され、所定の状況においてその判定結果が特定結果になると、所定の特典が付与される。その際、所定の状況において特定結果となったタイミングによって特典の有利度合が変化するように構成されている。これにより、特定判定の結果が特典付与に対応した特定結果になることだけでなく、そのタイミングについても遊技者を楽しませることができ、興趣性を高めることが可能になる。
特徴cF2.前記所定の状況における第1タイミング(例えば通常時短遊技状態における29回目の特図遊技回)で前記特定判定の結果が特定結果となった場合に比べて前記第1タイミングよりも後の第2タイミング(例えば通常時短遊技状態における40回目の特図遊技回)で前記特定判定の結果が特定結果となった場合の方が前記所定の特典として有利な特典を付与することが可能であることを特徴とする特徴cF1に記載の遊技機。
上記構成では、所定の状況において特定結果となるタイミングが遅いほど、所定の特典として有利な特典が付与される。このため、遊技者にとっては特定結果となるタイミングが遅いほど望ましいものとなるが、同時に特定結果とならないまま所定の状況が終了するリスクが高まることにもなる。よって、所定の状況が終了してしまうかもしれないドキドキ感の中で特定結果を引き当てることを期待して遊技させることができ、興趣性を高めることが可能になる。
特徴cF3.前記所定の状況における第1タイミング(例えば通常時短遊技状態における29回目の特図遊技回)で前記特定判定の結果が特定結果となった後、前記第1タイミングよりも後の第2タイミング(例えば通常時短遊技状態における40回目の特図遊技回)で前記特定判定の結果が特定結果となった場合に、前記特典付与手段により付与される所定の特典として前記第2タイミングに対応した特典が付与されるようにする手段(変形例1の主制御装置162における留保更新用処理を実行する機能、変形例5の主制御装置162における留保用処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴cF1又は特徴cF2に記載の遊技機。
上記構成では、所定の状況において第1タイミングとそれよりも後の第2タイミングとの両方で特定結果となった場合に第2タイミングに対応した特典が付与される。例えば、特定結果となるタイミングが遅いほど特典が有利となる構成であれば、第1タイミングで特定結果となっても、その後の第2タイミングで特定結果となることで特典を昇格させることができるため、所定の状況が終了するまで特定結果となることへの期待感を持続させることが可能になる。逆に特定結果となるタイミングが遅いほど特典が不利となる構成であれば、第1タイミングで特定結果となった場合に、その後の特定判定で特定結果となることを回避できるかのスリルを楽しむ遊技を付加することができる。
特徴cF4.前記特典付与手段は、前記特定判定の結果が特定結果となった後、所定条件(時短遊技状態等の終了、所定回数の遊技回の実行、特定入球部への入球等)が成立した場合に所定の特典を付与するものであり、
前記所定の状況における第1タイミング(例えば通常時短遊技状態における29回目の特図遊技回)で前記特定判定の結果が特定結果となった後、所定条件が成立する前に前記第1タイミングよりも後の第2タイミング(例えば通常時短遊技状態における40回目の特図遊技回)で前記特定判定の結果が特定結果となった場合に、所定条件の成立に応じて付与される所定の特典として前記第2タイミングに対応した特典が付与されるようにする手段(変形例1の主制御装置162における留保更新用処理を実行する機能、変形例5の主制御装置162における留保用処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴cF1又は特徴cF2に記載の遊技機。
上記構成では、特定結果となった場合に所定条件の成立により所定の特典が付与される構成において、第1タイミングで特定結果となった後、所定条件の成立前である第2タイミングで特定結果になると、所定条件が成立した際に第2タイミングに対応した特典が付与される。つまり、特定結果となる都度、特典内容が更新されるため、例えば、特定結果となるタイミングが遅いほど特典が有利となる構成であれば、早いタイミングで特定結果となった場合であっても、その後、再び特定結果となることを目指して遊技することができる。よって、所定の状況が終了するまで特定結果となることへの期待感を持続させることができ、最後まで遊技者を楽しませることが可能になる。
特徴cF5.前記所定の状況で前記特定判定の結果が特定結果となった場合に特定報知(特殊リーチ外れA演出)を実行することが可能な特定報知実行手段(主制御装置162における変動表示時間の設定処理を実行する機能、演出制御装置143における特図変動表示用処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴cF1乃至特徴cF4のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、特典付与の対象期間である所定の状況で特定判定の結果が特定結果となった場合に特定報知が実行されるため、特定結果となったタイミングを遊技者が容易に把握することができる。
特徴cF6.前記所定の状況における第1タイミング(例えば通常時短遊技状態における29回目の特図遊技回)で前記特定判定の結果が特定結果となった後、前記第1タイミングよりも後の第2タイミング(例えば通常時短遊技状態における40回目の特図遊技回)で前記特定判定の結果が特定結果となった場合に、前記特典付与手段により付与される所定の特典として前記第2タイミングに対応した特典が付与されるようにする手段(変形例1の主制御装置162における留保更新用処理を実行する機能、変形例5の主制御装置162における留保用処理を実行する機能)と、
前記第1タイミングで前記特定判定の結果が特定結果となった後、前記第2タイミングで前記特定判定の結果が特定結果となった場合に、前記第2タイミングに対応した特定報知が実行されない、又は、前記第2タイミングに対応した特定報知が前記第1タイミングよりも実行されにくくなるようにする手段(特殊外れ結果に再当選した遊技回において特殊リーチ外れA演出が不実行となるようにする機能又は特殊リーチ外れA演出が実行されにくくなるようにする機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴cF5に記載の遊技機。
上記構成では、第1タイミングで特定結果となった後、第2タイミングで特定結果となった場合に第2タイミングに対応した特典が付与される構成において、第2タイミングで特定結果となったことに対応した特定報知を不実行とするか、実行されにくくするように構成されている。これにより、第2タイミングで特定結果となったことに遊技者が気付きにくく、第1タイミングに対応した特典が付与されると思わせることができる。このため、所定の特典として第2タイミングに対応した特典を付与する場合に遊技者を驚かせることができ、興趣性を高めることが可能になる。
特徴cF7.前記所定の状況で前記特定判定の結果が特定結果となった場合に所定報知(留保用画像528,529の表示)を実行することが可能な所定報知実行手段(演出制御装置143における留保用演出設定処理を実行する機能)を備え、
前記所定報知実行手段は、前記特典付与手段により付与される所定の特典に基づいて所定報知の態様を設定する態様設定手段(演出制御装置143における留保用演出設定処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴cF1乃至特徴cF6のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、所定の状況で特定結果となった場合に所定報知が実行されるとともに、付与される所定の特典に基づいて所定報知の態様が設定される。この場合、所定報知の実行により特定結果になったことを知らせることができるほか、当該報知の態様により特典内容を示唆することができる。これにより、定報知を参照して特典を推測する遊技を付与することができ、興趣性を高めることが可能になる。
特徴cF8.前記所定の状況における第1タイミング(例えば通常時短遊技状態における29回目の特図遊技回)で前記特定判定の結果が特定結果となった後、前記第1タイミングよりも後の第2タイミング(例えば通常時短遊技状態における40回目の特図遊技回)で前記特定判定の結果が特定結果となった場合に、前記特典付与手段により付与される所定の特典として前記第2タイミングに対応した特典が付与されるようにする手段(変形例1の主制御装置162における留保更新用処理を実行する機能、変形例5の主制御装置162における留保用処理を実行する機能)と、
前記所定の状況で前記特定判定の結果が特定結果となった場合に所定報知(留保用画像528,529の表示)を実行することが可能な所定報知実行手段(演出制御装置143における留保用演出設定処理を実行する機能)と、
を備え、
前記所定報知実行手段は、所定報知を前記特典付与手段により所定の特典が付与される前に実行し得るように構成されており(留保時短への移行を実施するのに先立ち留保用画像528,529を表示する機能)、
所定報知が実行されている状況で前記第2タイミングで前記特定判定の結果が特定結果となった場合に当該所定報知の態様を変更する手段(変形例1の演出制御装置143における留保用画像の更新処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴cF1乃至特徴cF7のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、第1タイミングで特定結果となった後、第2タイミングで特定結果となった場合に第2タイミングに対応した特典が付与される構成において、所定報知が実行されている状況で第2タイミングにて特定結果になると、その所定報知の態様が変更されるように構成されている。すなわち、変更後の態様によって第2タイミングに対応した特典の内容が示唆されるため、所定報知の変化から実際に付与される特典を推測する面白みを付与することが可能になる。
特徴cF9.前記所定の状況とは異なる特定の状況(通常遊技状態である状況等)で前記特定判定の結果が特定結果となった場合に所定の特典の付与が不実行とされるように構成されている(通常遊技状態である状況で特殊外れ結果になっても突然時短遊技状態が留保されない構成)ことを特徴とする特徴cF1乃至特徴cF8のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、所定の状況とは異なる特定の状況で特定結果となっても所定の特典が付与されず、当該特典を獲得可能となるのが所定の状況に限定される。このため、所定の状況を特別な遊技期間として楽しませることができ、興趣性を向上させることが可能になる。
なお、上記特徴cF1乃至特徴cF9の各構成に対して、特徴cA1乃至特徴cA13、特徴cB1乃至特徴cB12、特徴cC1乃至特徴cC12、特徴cD1乃至特徴cD9、特徴cE1乃至特徴cE11、特徴cF1乃至特徴cF9、特徴cG1乃至特徴cG14、特徴cH1乃至特徴cH10、特徴cI1乃至特徴cI11のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴cG群>
特徴cG群は、上述した各実施の形態や各変形例又はこれらの組み合わせから抽出される発明群であり、主に上記第3の実施の形態の変形例8に基づいて抽出されるものである。
なお、特徴cG群は「例えばパチンコ機等の遊技機においては、通常遊技状態と、それよりも遊技者にとって有利な遊技状態とを有し、遊技の結果に基づいて遊技状態を切り替えるなどの制御を行うものが知られている(例えば特開2004-81853号公報)。」という背景技術について、「ここで、上記例示したような遊技機等においては遊技の興趣を向上させる上で未だ改善の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
特徴cG1.遊技状態として、所定遊技状態(通常遊技状態)と、前記所定遊技状態よりも遊技者に有利な特定遊技状態(高頻度サポートモード等)とを含む複数種の遊技状態を有しており、
特定条件(特殊外れ結果A~Cの当選、天井回数への到達、特定入球部への入球等)の成立を契機として特定遊技状態に移行させることが可能な特定遊技状態用移行手段(主制御装置162における突然時短遊技状態の第1移行用処理を実行する機能)と、
所定の状況(時短遊技状態中である状況、高確遊技状態中である状況、開閉実行モード中である状況等)で特定条件が成立した場合に当該成立に基づく特定遊技状態への移行を留保し、その後、所定の実行条件(時短遊技状態等の終了、所定回数の遊技回の実行、特定入球部への入球等)が成立した場合に留保した特定遊技状態について移行を実行することが可能な第1手段(変形例8の主制御装置162における留保用処理、突然時短遊技状態の第2移行用処理を実行する機能)と、
前記第1手段による留保が行われた場合において前記所定の実行条件が成立する前に所定条件(特殊外れ結果D~Fの当選、特定入球部への入球等)が成立した場合に、前記留保した特定遊技状態について移行を実行することなく留保状態が解除されるようにする第2手段(変形例8の主制御装置162における留保解除用処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成では、所定遊技状態よりも遊技者にとって有利な遊技状態として特定遊技状態を有しており、この特定遊技状態には特定条件の成立を契機として移行することが可能となっている。このような構成の下、特定条件の成立に応じて直ちに特定遊技状態へ移行させるだけでなく、所定の状況で特定条件が成立した場合にはその成立に対応した特定遊技状態への移行が留保されるように構成されている。このため、特定遊技状態に移行するか否かに留まらず、特定遊技状態が留保されているか否かについても遊技者を楽しませることができる。そればかりか、留保された特定遊技状態の実行条件が成立する前に所定条件が成立すると、留保が取り消されるように構成されている。このため、特定遊技状態を留保させたとしても遊技者が安心できず、その留保が消失してしまうかもしれないスリルを味合わせながら遊技させることができる。さらに、留保の実行後、それを事後的に取り消し可能な構成としたことで、留保の発生確率を高めに設定しても遊技者側に偏って有利となることを抑制できる。つまり、留保の取り消し機能を備えない場合に比べ、そもそもの留保発生確率を高く設定し得るため、留保の発生頻度を高めることが可能となる。よって、留保の発生に対する遊技者の期待感を高めることができ、遊技意欲を好適に喚起することが可能になる。
特徴cG2.前記留保が可能な特定遊技状態として、第1特定遊技状態(突然時短遊技状態A)と第2特定遊技状態(突然時短遊技状態B)とを含む複数種の特定遊技状態を有しており、
前記所定条件として、第1特定遊技状態についての留保解除に対応した第1所定条件(特殊外れ結果Dの当選、突然時短遊技状態Aに対応した入球部への入球等)と、第2特定遊技状態についての留保解除に対応した第2所定条件(特殊外れ結果Eの当選、突然時短遊技状態Bに対応した入球部への入球等)とを含む複数種の条件が設定されていることを特徴とする特徴cG1に記載の遊技機。
上記構成では、複数種の特定遊技状態を有し、それら各特定遊技状態に対応して各別に解除条件が設定されている。これにより、留保の解除が実行されるか否かだけでなく、いずれの特定遊技状態の留保が解除されるかについて遊技者をドキドキさせることができる。特に特定遊技状態の種別によって有利度合に差異が設けられる場合は、有利な特定遊技状態の留保解除が回避されることへの期待感を喚起することができ、興趣性を好適に向上させることが可能になる。
なお、本特徴は「前記留保が可能な特定遊技状態として複数種の特定遊技状態(突然時短遊技状態A~C等)を有しており、前記所定条件として各特定遊技状態に対応した複数種の条件(特殊外れ結果D~Fの当選等)が設定されており、前記第2手段は、前記所定条件が成立した場合に、成立した条件に対応する特定遊技状態の留保を解除する手段(変形例8の主制御装置162における留保解除用処理を実行する機能)を備えている」と表現することもできる。
特徴cG3.所定の抽選契機(第1作動口62又は第2作動口63への入賞等)が成立した場合に所定抽選(特図当否抽選等)を実行する抽選手段(主制御装置162における特図当否判定を実行する機能等)を備え、
前記所定抽選の結果として、第1所定結果(特殊外れ結果A~C)と、前記第1所定結果とは異なる第2所定結果(特殊外れ結果D~F)とを含む複数の結果を取り得るように構成されており、
前記所定抽選の結果が前記第1所定結果となった場合に前記特定条件が成立し、前記第2所定結果となった場合に前記所定条件が成立するように構成されていることを特徴とする特徴cG1又は特徴cG2に記載の遊技機。
上記構成では、所定抽選にて取り得る結果のうち第1所定結果を特定条件の成立に対応させ、第2所定結果を所定条件の成立に対応させている。すなわち、特定遊技状態の留保契機となる特定条件が成立したか否かの判定と、留保解除の契機となる所定条件が成立した否かの判定とが同一の抽選処理によって実行される。これにより、特定遊技状態の留保と留保解除とが同時に成立することが回避され、処理が複雑化したり、遊技者から見て分かりにくくなったりすることを抑制できる。また、複数の判定が一の抽選処理にまとめられることにより、それら各判定を各別に行う場合に比べて処理構成を簡単化することが可能になる。
特徴cG4.予め定められた判定条件(第1作動口62又は第2作動口63への入賞)の成立に基づいて特別判定(特図当否判定)を実行する特別判定手段(主制御装置162における特図当否判定を実行する機能)と、
前記特別判定の結果が特定結果(大当たり結果)となることに基づいて所定遊技状態よりも遊技者に有利なものであって特定遊技状態とは異なる特別遊技状態(開閉実行モード)に移行させることが可能な特別遊技状態用移行手段(主制御装置162における遊技状態移行処理を実行する機能)と、
を備え、
前記特別判定の結果として、前記特定結果と、前記特定結果とは異なる所定結果(特殊外れ結果D~F)とを含む複数の結果を取り得るように構成されており、
前記特別判定の結果が前記所定結果となった場合に前記所定条件が成立するように構成されていることを特徴とする特徴cG1乃至特徴cG3のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、特別判定(当否抽選)にて取り得る結果のうち特定結果を特別遊技状態への移行に対応させ、所定結果を所定条件の成立(留保解除)に対応させている。これにより、特別遊技状態の獲得を狙う遊技と留保の解除を回避する遊技とを遊技者が同時に楽しむことができ、興趣性を高めることが可能になる。
特徴cG5.前記特定条件の成立確率(特殊外れ結果A~Cのいずれかに当選する確率)と前記所定条件の成立確率(特殊外れ結果D~Fのいずれかに当選する確率)とが異なるように構成されていることを特徴とする特徴cG1乃至特徴cG4のいずれかに記載の遊技機。
上記構成によれば、特定遊技状態の留保の発生しやすさと留保の解除されやすさとを各別に設定することができる。
特徴cG6.前記特定条件の成立確率(例えば1/100)が前記所定条件の成立確率(例えば1/300)よりも高い確率に設定されていることを特徴とする特徴cG5に記載の遊技機。
上記構成では、留保発生の確率が留保解除の確率よりも高いため、遊技者に対して留保の解除よりも留保の発生を強く印象付けることができ、遊技意欲を好適に喚起することが可能になる。
特徴cG7.前記留保が可能な特定遊技状態として、第1特定遊技状態(突然時短遊技状態A)と第2特定遊技状態(突然時短遊技状態B)とを含む複数種の特定遊技状態を有しており、
第1特定遊技状態の方が第2特定遊技状態よりも前記第2手段による前記解除が行われにくいように構成されている(変形例8において突然時短遊技状態Aの留保解除確率を突然時短遊技状態Bの留保解除確率よりも低くした構成)ことを特徴とする特徴cG1乃至特徴cG6のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、特定遊技状態の種別によって留保の解除されやすさが異なるため、他の特定遊技状態に比べて留保が解除されにくい特定遊技状態を創出することができる。そのような解除が生じにくい特定遊技状態について留保が生じた場合に遊技者を好適に喜ばせることができ、興趣性を好適に高めることが可能になる。
特徴cG8.前記特定条件が成立した場合又は前記留保が行われる場合に第1特定報知(特殊リーチ外れA演出等)を実行する第1手段(変形例8に係る主制御装置162により変動表示時間の設定処理を実行する機能)と、
前記所定条件が成立した場合又は前記解除が行われる場合に前記第1特定報知とは異なる第2特定報知(特殊リーチ外れC演出等)を実行する第2手段(変形例8に係る主制御装置162により変動表示時間の設定処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴cG1乃至特徴cG7のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、特定条件の留保が行われる場合と留保の解除が行われる場合とで異なる特定報知が行われるため、留保が発生したのか、それとも留保が解除されたのかを遊技者が明確に識別することが可能になる。
特徴cG9.複数の絵柄(図柄列Z1~Z3)を可変表示することが可能な絵柄表示手段(図柄表示装置75)と、
前記所定条件が成立した場合又は前記解除が行われる場合に、前記絵柄表示手段にて可変表示される複数の絵柄が特定の組合せで停止表示されるように表示制御する手段(特殊図柄721を含むリーチ外れの組合せで図柄列Z1~Z3を停止表示させる機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴cG1乃至特徴cG8のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、可変表示される絵柄の停止結果により留保の解除を報知するため、遊技者は、如何なる組合せで絵柄が停止されるかを見ていることで、当否結果と同時に留保解除の有無を認識することができ、見落としの発生等が好適に抑制される。また、留保の解除に対応した組合せが追加されることにより、遊技者の関心が高い絵柄の停止パターンが多様化されることになり、絵柄遊技の面白みを高めることも可能になる。
特徴cG10.前記留保の解除に対応した所定報知(留保表示部731を用いた表示演出等)を前記絵柄表示手段にて実行する所定報知実行手段(変形例8に係る演出制御装置143により留保表示部731の表示設定を実行する機能)を備え、
前記特定の組合せで停止表示された複数の絵柄の少なくとも一部(特殊図柄721等)を用いて前記所定報知が実行されるように構成されていることを特徴とする特徴cG9に記載の遊技機。
上記構成では、第2の絵柄組合せで停止表示された絵柄を用いて、留保の解除に対応した所定報知が実行されるため、遊技者の目線で第2の絵柄組合せと留保の解除とを強く関連づけることができる。これにより、第2の絵柄組合せで絵柄が停止表示されそうになった際のドキドキ感を強烈に煽ることができ、当該組合せとなることを回避する遊技を好適に盛り上げることが可能となる。
特徴cG11.前記特定条件が成立した場合又は前記留保が行われる場合に、前記絵柄表示手段にて可変表示される複数の絵柄が前記特定の組合せとは異なる所定の組合せで停止表示されるように表示制御する手段(特殊図柄511を含むリーチ外れの組合せで図柄列Z1~Z3を停止表示させる機能)を備えていることを特徴とする特徴cG9又は特徴cG10に記載の遊技機。
上記構成では、特定遊技状態の留保発生と留保の解除とを可変表示される絵柄の停止結果を用いて報知するため、遊技者は、如何なる組合せで絵柄が停止されるかを見ていることで、当否結果のほか、留保の発生や留保の解除についても認識することができる。すなわち、注目すべき箇所が集約されるため、見落としの発生を好適に抑制することが可能になる。また、少なくとも留保の発生と留保の解除との分が追加されることにより、遊技者の関心が高い絵柄の停止組合せを増やすことができ、絵柄遊技の面白みを強化することも可能になる。
特徴cG12.予め定められた判定条件(第1作動口62又は第2作動口63への入賞)の成立に基づいて特別判定(特図当否判定)を実行する特別判定手段(主制御装置162における特図当否判定を実行する機能)と、
前記特別判定の結果が特定結果(大当たり結果)となることに基づいて所定遊技状態よりも遊技者に有利なものであって特定遊技状態とは異なる特別遊技状態(開閉実行モード)に移行させることが可能な特別遊技状態用移行手段(主制御装置162における遊技状態移行処理を実行する機能)と、
前記特別判定が行われることに基づいて遊技回用動作が開始され、前記特別判定の結果に対応した報知結果とされることを遊技回の1回として、遊技回が行われるように制御する遊技回制御手段(主制御装置162における特図遊技回制御処理を実行する機能、演出制御装置143における特図変動表示用処理を実行する機能)と、
前記所定条件が成立した遊技回又は前記解除が行われる遊技回における前記遊技回用動作の動作期間が、前記特定条件が成立した遊技回又は前記留保が行われる遊技回の前記遊技回用動作の動作期間よりも長くなるようにするか又は長くなりやすくなるようにする手段(変形例8に係る主制御装置162により変動表示時間の設定処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴cG1乃至特徴cG11のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、留保の解除が行われる遊技回の遊技回用動作期間が、留保が行われる遊技回の遊技回用動作期間よりも長くなる又は長くなりやすいため、留保の解除を報知するための期間を十分に確保して遊技回演出を実行することができ、解除の発生を遊技者に分かりやすく伝えることが可能になる。
特徴cG13.所定遊技状態よりも遊技者にとって有利なものであって特定遊技状態とは異なる第1遊技状態(第1開閉実行モード)及び第2遊技状態(第2開閉実行モード)を有しており、
第1遊技状態である場合と第2遊技状態である場合とにおいて、可変入球手段(可変入賞装置65)が開放する可変入球制御を実行する可変入球制御手段(主制御装置162における大入賞口開閉処理を実行する機能)と、
第1遊技状態への移行に対応した所定の遊技結果(第1開閉実行モードに対応した当否抽選結果)である場合に前記第2手段による留保状態の解除を実行し、第2遊技状態への移行に対応した特定の遊技結果(第2開閉実行モードに対応した当否抽選結果)である場合に前記第2手段による留保状態の解除を不実行とする手段と、
を備えていることを特徴とする特徴cG1乃至特徴cG12のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、可変入球手段が開閉される複数の遊技状態を有する構成において、第1遊技状態への移行に対応した遊技結果となるか、第2遊技状態への移行に対応した遊技結果となるかにより、移行する遊技状態に差異を生じさせるだけでなく、留保の解除が行われるか否かについても差異を生じさせることができ、興趣性を高めることが可能になる。
特徴cG14.第2遊技状態が第1遊技状態よりも遊技者にとって不利な遊技状態であることを特徴とする特徴cG13に記載の遊技機。
上記構成では、相対的に有利な第1遊技状態に移行する場合は留保の解除が行われるものの、相対的に不利な第2遊技状態に移行する場合は留保の解除が回避される。すなわち、遊技状態の不利分が留保解除の不実行により補われるため、第2遊技状態に移行した場合の遊技者の落胆を軽減することが可能になる。
なお、上記特徴cG1乃至特徴cG14の各構成に対して、特徴cA1乃至特徴cA13、特徴cB1乃至特徴cB14、特徴cC1乃至特徴cC12、特徴cD1乃至特徴cD9、特徴cE1乃至特徴cE11、特徴cF1乃至特徴cF9、特徴cG1乃至特徴cG14、特徴cH1乃至特徴cH10、特徴cI1乃至特徴cI11のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴cH群>
特徴cH群は、上述した各実施の形態や各変形例又はこれらの組み合わせから抽出される発明群であり、主に上記第3の実施の形態の変形例6~変形例7に基づいて抽出されるものである。
なお、特徴cH群は「例えばパチンコ機等の遊技機においては、通常遊技状態と、それよりも遊技者にとって有利な遊技状態とを有し、遊技の結果に基づいて遊技状態を切り替えるなどの制御を行うものが知られている(例えば特開2004-81853号公報)。」という背景技術について、「ここで、上記例示したような遊技機等においては遊技の興趣を向上させる上で未だ改善の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
特徴cH1.遊技状態として、所定遊技状態(通常遊技状態)と、前記所定遊技状態よりも遊技者に有利な特定遊技状態(高頻度サポートモード等)とを有しており、
特定条件(特殊外れ結果の当選、天井回数への到達、特定入球部への入球等)の成立を契機として特定遊技状態に移行させることが可能な特定遊技状態用移行手段(形例6~7の主制御装置162における突然時短遊技状態の移行判定用処理、突然時短遊技状態の第1移行用処理を実行する機能)を備え、
特定遊技状態として複数種の特定遊技状態(突然時短遊技状態A~C、天井時短遊技状態、通常時短遊技状態等)を有しており、
前記複数種の特定遊技状態のうち所定の第1特定遊技状態(変形例6における通常時短遊技状態、変形例7における突然時短遊技状態A)である状況で所定の第2特定遊技状態(変形例6における突然時短遊技状態B、変形例7における突然時短遊技状態B)に対応した特定条件が成立した場合に所定の第2特定遊技状態の実施について所定の制限(移行の留保、無効化等)を行う第1手段(変形例6~7の主制御装置162における突然時短遊技状態の移行判定用処理を実行する機能等)と、
所定の第3特定遊技状態(変形例6における通常遊技状態、変形例7における突然時短遊技状態A)である状況で所定の第4特定遊技状態(変形例6における突然時短遊技状態A、変形例7における天井時短遊技状態)に対応した特定条件が成立した場合に、所定の第4特定遊技状態の実施について所定の制限を行うことなく当該実施を許容する第2手段(変形例6の主制御装置162における突然時短遊技状態の移行判定用処理を実行する機能、変形例7の主制御装置162における突然時短遊技状態の移行判定用処理、天井時短遊技状態の移行判定用処理を実行する機能等)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成では、所定遊技状態よりも遊技者にとって有利な遊技状態として特定遊技状態を有しており、この特定遊技状態には特定条件の成立を通じて移行するものとなっている。よって、遊技者は、特定条件を成立させ、特定遊技状態に移行させることを目指して遊技を楽しむことができる。しかも、特定遊技状態として複数種の特定遊技状態を設け、特定遊技状態への滞在中に特定遊技状態への移行条件が成立した場合に、それらの組合せによって移行に制限を加えたり、加えなかったりするため、当該組合せに応じてその後の遊技の展開に差異を生じさせることができる。これにより、特定遊技状態に移行するか否かだけでなく、どの組合せとなるかについても遊技者を楽しませることができ、より好適に興趣性を向上させることが可能になる。
特徴cH2.特定遊技状態への移行を留保し、その後、所定条件(時短遊技状態等の終了、所定回数の遊技回の実行、特定入球部への入球等)が成立した場合に前記留保した特定遊技状態について移行を実行することが可能に構成されており、
前記所定の制限は前記留保であることを特徴とする特徴cH1に記載の遊技機。
上記構成では、所定の制限が移行を留保するものであるため、滞在中の特定遊技状態と、途中成立した特定条件に対応する特定遊技状態との組合せによって、後者の特定遊技状態への移行を遅らせて前者の特定遊技状態を継続させるか、それとも後者の特定遊技状態へ直ちに移行させるかを切り替えることができる。これにより、上記組合せへの遊技者への関心を高め、遊技への注目度を向上させることが可能になる。
特徴cH3.前記第1手段により所定の第2特定遊技状態への移行が留保された場合に、所定の第1特定遊技状態が終了した後、所定の第2特定遊技状態についての移行を実行する手段(変形例6~7の主制御装置162における突然時短遊技状態の第2移行用処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴cH2に記載の遊技機。
上記構成では、先行する第1特定遊技状態が終了してから第2特定遊技状態に移行させるため、第1特定遊技状態を最後まで実施させることが可能になる。これにより、第1特定遊技状態での遊技を最後まで楽しませてから第2特定遊技状態での遊技を楽しませることが可能になる。
特徴cH4.前記所定の制限は特定遊技状態への移行を規制するものである(特殊外れ結果の当選やそれに対応する時短遊技状態への移行を無効化する機能等)ことを特徴とする特徴cH1に記載の遊技機。
上記構成では、所定の制限が特定遊技状態への移行を規制するものであるため、滞在中の特定遊技状態と、途中成立した特定条件に対応する特定遊技状態との組合せによって、後者の特定遊技状態を無効化するか、それとも後者の特定遊技状態への移行を実施させて当該遊技状態を遊技できるかを切り替えることができる。これにより、上記組合せへの遊技者への関心を高め、遊技への注目度を向上させることが可能になる。
特徴cH5.前記所定の制限は、特定遊技状態に滞在可能な遊技回の回数を当該所定の制限を行わない場合よりも少なくするものである(留保時短に移行した場合の遊技回の残り回数として差分回数をセットする構成)ことを特徴とする特徴cH1乃至特徴cH4のいずれかに記載の遊技機。
所定の制限が特定遊技状態に滞在可能な遊技回の回数を少なくするものであるため、滞在中の特定遊技状態と、途中成立した特定条件に対応する特定遊技状態との組合せにより、後者の特定遊技状態を遊技できる遊技回の回数を変化させることができる。これにより、上記組合せへの遊技者への関心を高め、遊技への注目度を向上させることが可能になる。
特徴cH6.所定の発射操作に基づいて遊技球を発射可能な発射手段(遊技球発射機構110)と、
前記発射手段により発射された遊技球が入球可能な所定入球部(第2作動口63)と、を備え、
所定の第4特定遊技状態は、所定の発射強度により遊技球を発射した状態で比較した場合において所定の第3特定遊技状態よりも前記所定入球部への入球が生じやすいものであることを特徴とする特徴cH1乃至特徴cH5のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、滞在中の特定遊技状態と途中成立した特定条件に対応する特定遊技状態との組合せが、所定入球部への入球しやすさが高まる組合せの場合は、制限を付さずに後者の特定遊技状態が実施されるため、持ち球の減りを抑えやすい状態を早く到来させることができ、遊技者が有利に遊技を進めやすい構成とすることが可能になる。
特徴cH7.所定の第1特定遊技状態(変形例6における通常時短遊技状態)と所定の第3特定遊技状態(変形例6における通常時短遊技状態)とが同種の特定遊技状態であり、所定の第2特定遊技状態(変形例6における突然時短遊技状態B)と所定の第4特定遊技状態(変形例6における突然時短遊技状態A)とが異種の特定遊技状態であることを特徴とする特徴cH1乃至特徴cH6のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、特定遊技状態である状況で特定条件が成立した際、その種別によって、当該成立に対応した特定遊技状態の実施について制限の有無が切り替えられる。これにより、特定遊技状態への滞在中にいずれの特定遊技状態に対応する特定条件が成立するかに遊技者を注目させることができ、特定遊技状態での遊技を好適に盛り上げることが可能になる。
特徴cH8.所定の第1特定遊技状態(変形例7における天井時短遊技状態)と所定の第3特定遊技状態(変形例7における突然時短遊技状態B)とが異種の特定遊技状態であることを特徴とする特徴cH1乃至特徴cH5のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、いずれの特定遊技状態に滞在しているかにより、特定条件の成立時における制限の有無が切り替えられる。これにより、特定遊技状態中の遊技を多様化することができ、興趣性を向上させることが可能になる。
特徴cH9.所定の第2特定遊技状態(変形例7における突然時短遊技状態A)と所定の第4特定遊技状態(変形例7における突然時短遊技状態A)とが同種の特定遊技状態であることを特徴とする特徴cH8に記載の遊技機。
上記構成では、特定遊技状態である状況で特定条件が成立した場合に、いずれの特定遊技状態に滞在しているかによって、当該成立に対応した特定遊技状態の実施についての制限の有無が切り替えられる。これにより、特定遊技状態中の遊技を多様化することができ、興趣性を向上させることが可能になる。
特徴cH10.予め定められた判定条件(第1作動口62又は第2作動口63への入賞)の成立に基づいて特別判定(特図当否判定)を実行する特別判定手段(主制御装置162における特図当否判定を実行する機能)と、
前記特別判定の結果が特定結果(大当たり結果)となることに基づいて所定遊技状態よりも遊技者に有利なものであって特定遊技状態とは異なる特別遊技状態(開閉実行モード)に移行させることが可能な特別遊技状態用移行手段(主制御装置162における遊技状態移行処理を実行する機能)と、
を備え、
少なくとも所定の第2特定遊技状態と所定の第4特定遊技状態とが特別遊技状態を経由することなく移行することが可能な特定遊技状態であることを特徴とする特徴cH1乃至特徴cH9のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、第2特定遊技状態と第4特定遊技状態とが特別遊技状態を経由することなく移行することが可能な特定遊技状態となっている。このような構成に対し、上記特徴cH1から特徴cH9のいずれかの構成を適用することで、それら各特徴を有効に機能させ、上記各効果を好適に発揮させることができる。
なお、上記特徴cH1乃至特徴cH10の各構成に対して、特徴cA1乃至特徴cA13、特徴cB1乃至特徴cB14、特徴cC1乃至特徴cC12、特徴cD1乃至特徴cD9、特徴cE1乃至特徴cE11、特徴cF1乃至特徴cF9、特徴cG1乃至特徴cG14、特徴cH1乃至特徴cH10、特徴cI1乃至特徴cI11のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴cI群>
特徴cI群は、上述した各実施の形態や各変形例又はこれらの組み合わせから抽出される発明群であり、主に上記第3の実施の形態の変形例6に基づいて抽出されるものである。
なお、特徴cI群は「例えばパチンコ機等の遊技機においては、通常遊技状態と、それよりも遊技者にとって有利な遊技状態とを有し、遊技の結果に基づいて遊技状態を切り替えるなどの制御を行うものが知られている(例えば特開2004-81853号公報)。」という背景技術について、「ここで、上記例示したような遊技機等においては遊技の興趣を向上させる上で未だ改善の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
特徴cI1.遊技状態として、所定遊技状態(通常遊技状態)と、前記所定遊技状態よりも遊技者に有利な特定遊技状態(高頻度サポートモード等)とを含む複数種の遊技状態を有しており、
特定条件(特殊外れ結果の当選、天井回数への到達、特定入球部への入球等)の成立を契機として特定遊技状態に移行させることが可能な特定遊技状態用移行手段(主制御装置162により突然時短遊技状態の第1移行用処理を実行する機能)と、
特定遊技状態に移行してからの遊技回の回数が所定の上限回数に到達することに基づいて当該特定遊技状態を終了させることが可能な特定遊技状態用終了手段(主制御装置162により高頻度サポートモード終了用処理を実行する機能)と、
を備え、
先の特定遊技状態(例えば通常時短遊技状態)において特定条件が成立した場合に、当該成立を契機として後の特定遊技状態(例えば突然時短遊技状態A)に移行させることが可能となっており、
前記後の特定遊技状態に滞在中の所定状況において当該後の特定遊技状態に滞在可能な遊技回の残り回数が非明示の状態とすることが可能な特定手段(変形例6において、残り回数画像523として通常時短遊技状態が途中終了しなかったとした場合の残り回数に対応した回数を表示する機能、突然時短遊技状態Aの途中から残り回数画像523の表示を「残り?回」とする機能等)を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成では、所定遊技状態よりも遊技者にとって有利な遊技状態として特定遊技状態を有しており、この特定遊技状態には特定条件の成立を通じて移行するものとなっている。このため、遊技者は、特定条件を成立させ、特定遊技状態に移行させることを目指して遊技を楽しむことができる。このような構成の下、先の特定遊技状態において特定条件が成立すると、その成立に基づいて後の特定遊技状態への移行がなされるとともに、当該後の特定遊技状態において遊技回の残り回数が非明示となるように構成されている。これにより、後の特定遊技状態への移行後も先の特定遊技状態が延長して続いているかのように見せつつ、その状態がいつまで続くかについて遊技者を楽しませることができ、興趣性を好適に高めることが可能になる。
特徴cI2.所定の発射操作に基づいて遊技球を発射可能な発射手段(遊技球発射機構110)と、
前記発射手段により発射された遊技球が入球可能な所定入球部(第2作動口63)と、を備え、
前記後の特定遊技状態は、所定の発射強度により遊技球を発射した状態で比較した場合において前記先の特定遊技状態よりも前記所定入球部への入球が生じやすいものであることを特徴とする特徴cI1に記載の遊技機。
上記構成では、後の特定遊技状態が先の特定遊技状態よりも所定入球部への入球が生じやすいものであるため、後の特定遊技状態を上位の特定遊技状態として機能させることができる。この場合において、後の特定遊技状態における遊技回の残り回数を非明示とすることで、昇格した上位の特定遊技状態(後の特定遊技状態)がいつまで続くかを分かりにくくすることができ、興趣性を高めることが可能になる。
特徴cI3.前記先の特定遊技状態において特定条件が成立した場合に、当該先の特定遊技状態の途中で前記後の特定遊技状態に移行させることが可能に構成されていることを特徴とする特徴cI1又は特徴cI2に記載の遊技機。
上記構成では、先の特定遊技状態において特定条件が成立すると、その特定遊技状態が途中終了されて後の特定遊技状態への移行が行われるため、特定遊技状態の途中で昇格したかのような印象を与えることができ、興趣性を高めることが可能になる。
特徴cI4.特定遊技状態に滞在可能な遊技回の回数を遊技者が認識できるように所定報知(残り回数画像523の表示)を実行する手段(演出制御装置143における残り回数画像523の表示設定を行う機能)を有しており、
前記後の特定遊技状態に滞在中の所定状況において当該後の特定遊技状態に滞在可能な遊技回の回数とは異なる数に対応した特定報知を実行する手段(突然時短遊技状態Aへの移行後において通常時短遊技状態の残り回数に対応した残り回数画像523を表示する機能)を備えていることを特徴とする特徴cI1乃至特徴cI3のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、後の特定遊技状態において、当該後の特定遊技状態に滞在可能な遊技回の回数とは異なる数に対応した特定報知を実行するように構成されている。特定報知として、例えば、実際の残り回数よりも少ない数の報知を行えば、後の特定遊技状態が終了すると思わせてから当該特定遊技状態を継続させることができ、遊技者の驚きと喜びを好適に誘うことが可能になる。
特徴cI5.前記特定報知は、前記先の特定遊技状態の途中で前記後の特定遊技状態への移行が行われた状況において、前記先の特定遊技状態が途中終了されなかったとした場合の遊技回の残り回数に対応するものであることを特徴とする特徴cI4に記載の遊技機。
上記構成によれば、後の特定遊技状態において、先の特定遊技状態が途中終了されなかったと仮定した場合の残り回数に対応した報知が行われるため、先の特定遊技状態と後の特定遊技状態とを一連の特定遊技状態として見せることができる。
特徴cI6.特定遊技状態に滞在可能な遊技回の回数を遊技者が認識できるように所定報知(残り回数画像523の表示)を実行する手段(演出制御装置143における残り回数画像523の表示設定を行う機能)を有しており、
前記所定報知に対応する報知として、前記後の特定遊技状態に滞在中の所定状況において当該後の特定遊技状態に滞在可能な遊技回の回数を遊技者が認識不可又は認識困難な特定態様の報知(残り?回の表示)を実行する手段(演出制御装置143における残り回数画像523の表示設定を行う機能)を備えていることを特徴とする特徴cI1乃至特徴cI5のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、後の特定遊技状態において所定報知に対応する報知として、当該後の特定遊技状態に滞在可能な遊技回の回数を遊技者が認識できない特定態様の報知が実行されるため、あたかも所定報知が行われているかのように見せながら、後の特定遊技状態の残り回数を非明示の状態とすることができる。
特徴cI7.特定遊技状態に滞在可能な遊技回の回数を遊技者が認識できるように所定報知(残り回数画像523の表示)を実行する手段(演出制御装置143における残り回数画像523の表示設定を行う機能)を有しており、
前記後の特定遊技状態に滞在中の所定状況において前記所定報知を不実行とする手段(残り回数画像523の表示を消去する機能)を備えていることを特徴とする特徴cI1乃至特徴cI5のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、後の特定遊技状態において所定報知を不実行とすることにより、当該後の特定遊技状態の残り回数を非明示の状態とすることができる。
特徴cI8.予め定められた判定条件(第1作動口62又は第2作動口63への入賞)の成立に基づいて特別判定(特図当否判定)を実行する特別判定手段(主制御装置162における特図当否判定を実行する機能)と、
前記特別判定の結果が特定結果(大当たり結果)となることに基づいて所定遊技状態よりも遊技者に有利なものであって特定遊技状態とは異なる特別遊技状態(開閉実行モード)に移行させることが可能な特別遊技状態用移行手段(主制御装置162における遊技状態移行処理を実行する機能)と、
を備え、
前記先の特定遊技状態において特定条件が成立した場合に特別遊技状態を経由せずに前記後の特定遊技状態に移行させることが可能であることを特徴とする特徴cI1乃至特徴cI7のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、特別遊技状態を介在させずに先の特定遊技状態から後の特定遊技状態への切り替えを行うことができるため、それら両特定遊技状態の境界を分かりにくくすることができる。このような構成に対し、上記特徴cI1から特徴cI7のいずれかの構成を適用することで、それら各特徴を有効に機能させ、上記各効果を好適に発揮させることができる。
特徴cI9.特定遊技状態に滞在可能な遊技回の回数を遊技者が認識できるように所定報知(残り回数画像523の表示)を実行する手段(演出制御装置143における残り回数画像523の表示設定を行う機能)を有しており、
前記後の特定遊技状態において前記特定手段により前記非明示の状態とされた後、所定の場合(突然時短遊技状態Aの残り回数が10回以下となった場合、演出ボタン等の操作手段により所定操作が行われた場合等)に前記後の特定遊技状態における遊技回の残り回数に対応した所定報知を実行することが可能であることを特徴とする特徴cI1乃至特徴cI8のいずれかに記載の遊技機。
上記構成によれば、後の特定遊技状態における遊技回の残り回数が非明示な状態とされたまま当該特定遊技状態が終了することを抑制できる。これにより、特定遊技状態が突然終了したかのような印象になって遊技者が困惑することを抑制することができる。
特徴cI10.前記後の特定遊技状態において前記特定手段により前記非明示の状態とされた後、当該後の特定遊技状態に滞在可能な遊技回の残り回数が所定回数以下になった場合に当該残り回数に対応した前記所定報知を実行可能であることを特徴とする特徴cI9に記載の遊技機。
上記構成では、後の特定遊技状態における遊技回の残り回数が所定回数以下になることに基づいて非明示状態から明示状態に切り替えられるため、後の特定遊技状態の終盤で遊技回の残り回数を遊技者に知らせることができ、特定遊技状態が突然終了したかのような印象となることを抑制できる。
特徴cI11.遊技者が操作可能な操作手段(演出ボタン等)を備え、
前記後の特定遊技状態において前記操作手段による所定操作が行われた場合に当該後の特定遊技状態における遊技回の残り回数に対応した所定報知を実行可能であることを特徴とする特徴cI9又は特徴cI10に記載の遊技機。
上記構成では、遊技者が所定操作を行うことで、後の特定遊技状態における遊技回の残り回数が非明示とされた状態から明示された状態に切り替えられる。このため、当該残り回数を遊技者が認識できるようにするか否かを遊技者の選択に委ねることができ、特定遊技状態がいつまで続くかを早く知りたい遊技者と最後まで知りたくない遊技者とのいずれに対しても対応することが可能になる。
なお、上記特徴cI1乃至特徴cI11の各構成に対して、特徴cA1乃至特徴cA13、特徴cB1乃至特徴cB14、特徴cC1乃至特徴cC12、特徴cD1乃至特徴cD9、特徴cE1乃至特徴cE11、特徴cF1乃至特徴cF9、特徴cG1乃至特徴cG14、特徴cH1乃至特徴cH10、特徴cI1乃至特徴cI11のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
なお、以上詳述した特徴cA群乃至特徴cI群の各構成に対して、他の特徴cA群乃至特徴cI群の各構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想を組合せて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
以下に、以上の各特徴を適用し得る遊技機の基本構成を示す。
パチンコ遊技機:遊技者が操作する操作手段と、その操作手段の操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段と、その発射された遊技球を所定の遊技領域に導く球通路と、遊技領域内に配置された各遊技部品とを備え、それら各遊技部品のうち所定の通過部を遊技球が通過した場合に遊技者に特典を付与する遊技機。
スロットマシン等の回胴式遊技機:複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄列を最終停止表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段の操作に起因して図柄の変動が開始され、停止用操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより図柄の変動が停止され、その停止時の最終停止図柄が特定図柄であることを必要条件として遊技者に有利な特別遊技状態(ボーナスゲーム等)を発生させるようにした遊技機。
球使用ベルト式遊技機(球使用回胴式遊技機):複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄列を最終停止表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段の操作に起因して図柄の変動が開始され、停止用操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより図柄の変動が停止され、その停止時の最終停止図柄が特定図柄であることを必要条件として遊技者に有利な特別遊技状態(ボーナスゲーム等)を発生させるようにし、さらに、球受皿を設けてその球受皿から遊技球を取り込む投入処理を行う投入装置と、前記球受皿に遊技球の払出を行う払出装置とを備え、投入装置により遊技球が投入されることにより前記始動用操作手段の操作が有効となるように構成した遊技機。
<特徴dA群~特徴dF群>
下記の特徴dA群~特徴dF群に記載された発明は、上述した第4の実施の形態やその各変形例から抽出されるものである。
<特徴dA群>
特徴dA群は、上述した各実施の形態や各変形例又はこれらの組み合わせから抽出される発明群であり、主に上記第4の実施の形態、第4の実施の形態の変形例1~変形例2に基づいて抽出されるものである。
なお、特徴dA群は「例えばパチンコ機等の遊技機においては、通常遊技状態と、それよりも遊技者にとって有利な遊技状態とを有し、所定条件の成立に基づいて遊技状態を切り替えるなどの制御を行い、遊技進行に関する各種切り替えを行うものが知られている(例えば特開2004-81853号公報)。」という背景技術について、「ここで、上記例示したような遊技機等においては遊技進行に関する所定の切り替えを行う上で未だ改善の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
特徴dA1.予め定められた判定条件(スルーゲート64への遊技球の入賞等)の成立に基づいて特定判定(普図当否判定等)を実行する特定判定手段(主制御装置162における普図当否判定を実行する機能等)と、
前記特定判定が行われることに基づいて遊技回用動作が開始され、前記特定判定の結果に対応した報知結果とされることを遊技回(普図遊技回等)の1回として、遊技回が行われるように制御する遊技回制御手段(主制御装置162における普図遊技回制御処理を実行する機能、演出制御装置143における普図変動表示用処理を実行する機能等)と、
前記特定判定の結果が所定結果(サポート当選結果等)となることに基づいて特定制御(役物開閉遊技等)を実行する特定制御実行手段(主制御装置162における電役サポート用処理を実行する機能等)と、
を備え、
遊技状態として所定遊技状態よりも遊技者に有利な特定遊技状態(高頻度サポートモード等)を有しており、
予め定められた特定条件(特殊外れ結果の当選、大当たりの当選、特定入球部への入球等)の成立に基づいて所定内部状態(RAM314の各種フラグ格納エリア314eにサポートフラグがセットされた状態、入球フラグがセットされた状態等)とする手段(主制御装置162における開閉実行モード終了時の移行処理、突然時短遊技状態の移行用処理を実行する機能等)と、
前記所定内部状態とされた後、前記遊技回及び前記特定制御を含む所定遊技動作(普図遊技回及び役物開閉遊技を含む普図側遊技)の態様について特定遊技状態に対応した態様への切り替えを行う切替手段(主制御装置162における普図変動開始処理、役物開閉処理を実行する機能等)と、
を備え、
前記切替手段による前記切り替えの実行可能タイミングが前記所定遊技動作において複数設けられている(第4の実施の形態において、低頻度サポートモードに対応した態様から高頻度サポートモードに対応した態様への切り替えを普図遊技回の変動開始時と役物開閉遊技の1回目開放時とで実行可能な構成、変形例1において上記切り替えを2回目開放時とインターバル時とで実行可能な構成等)ことを特徴とする遊技機。
上記構成では、遊技者にとって有利な遊技状態として特定遊技状態を有しており、特定条件が成立すると、所定内部状態となるように構成されている。そして、そのような所定内部状態になると、特定判定の結果を報知するための遊技回と、その特定判定の結果に基づいて行われる特定制御とを含む所定遊技動作の動作態様が特定遊技状態に対応した態様となるように切り替えが実行される。その際、本特徴では、上記切り替えを実行可能なタイミングが所定遊技動作において複数設けられているため、所定内部状態への移行が所定遊技動作の途中で生じた場合に、その所定遊技動作の終了を待たずに上記切り替えを行うことができる。すなわち、特定遊技状態に対応した態様への切り替えを早く行うことができ、遊技者が特定条件を成立させた際に特定遊技状態の恩恵を早く受けることが可能となる。よって、遊技状態の切り替えに関する制御を好適に行うことが可能になる。
なお、本特徴の「予め定められた特定条件の成立に基づいて所定内部状態とする手段」は、「予め定められた特定条件の成立を契機として所定内部状態とする手段」、「予め定められた特定条件が成立した場合に所定内部状態となるようにする手段」、「予め定められた特定条件の成立後に所定内部状態とする手段」と表現することもできる。
特徴dA2.予め定められた所定実行条件(作動口62,63への遊技球の入賞等)の成立に基づいて第1遊技動作(特図遊技回を含む特図側遊技)が行われるように制御する手段(主制御装置162における特図遊技回制御処理、遊技状態移行処理を実行する機能)を備え、
前記第1遊技動作に対応して前記所定内部状態とされるように構成されており(特図遊技回の確定表示や開閉実行モードの終了に対応してサポートフラグをセットする機能等)、
前記所定遊技動作として前記第1遊技動作とは異なる第2遊技動作が行われる構成であり、
前記切替手段による前記切り替えの実行可能タイミングが前記第2遊技動作において複数設けられていることを特徴とする特徴dA1に記載の遊技機。
上記構成では、所定遊技動作としての第2遊技動作とは別に第1遊技動作が実行される。この第1遊技動作に対応して所定内部状態への移行が実行されるため、当該移行は第2遊技動作とは非同期に発生するものとなる。このような状況において、第2遊技動作の態様を特定遊技状態に対応した態様へ切り替える処理を実行可能なタイミングが第2遊技動作において複数設けられているため、所定内部状態への移行が生じた場合に特定遊技状態に対応した態様での動作を早く発動させることができる。
なお、本特徴において「前記第1遊技動作の実行中に前記判定条件が成立した場合に、前記第1遊技動作と並行して前記第2遊技動作を実行可能に構成されている」という特徴をさらに備えてもよい。
特徴dA3.前記切り替えの実行可能タイミングとして、前記遊技回に対応した第1タイミング(普図遊技回の変動開始に対応したタイミング)と、前記特定制御に対応した第2タイミング(役物開閉遊技における普電役物63aの1回目開放、2回目開放に対応したタイミング等)とを含む複数のタイミングが設けられていることを特徴とする特徴dA1又は特徴dA2に記載の遊技機。
上記構成では、特定遊技状態に対応した態様への切り替えを実行可能なタイミングとして、少なくとも、遊技回に対応した第1タイミングと特定制御に対応した第2タイミングとが設けられている。この場合、所定内部状態への移行が発生したタイミングと所定遊技動作の状況とを踏まえて、それら各タイミングのうちのいずれで上記切り替えを行うかを使い分けることができる。すなわち、上記各タイミングのうち所定内部状態への移行が発生したタイミングと近い側のタイミングを選んで上記切り替えを行うことができ、所定内部状態への移行が生じた場合に特定遊技状態に対応した態様への切り替えを早く行うことが可能になる。
特徴dA4.前記切替手段は、前記遊技回の実行中に前記所定内部状態とされた場合に、前記所定遊技動作の態様について特定遊技状態に対応した態様への切り替えを前記第2タイミングにて行う手段(上記第4の実施の形態において主制御装置162により上限開放時間設定処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴dA3に記載の遊技機。
上記構成では、所定内部状態への移行が遊技回の途中で発生した場合に、特定遊技状態に対応した態様への切り替えが特定制御に対応した第2タイミングにて実行される。このため、次の遊技回に対応した第1タイミングの到来を待たずに上記切り替えを行うことができ、所定内部状態への移行が生じた場合に特定遊技状態に対応した態様への切り替えを早く行うことが可能になる。
なお、本特徴において「前記切替手段は、前記遊技回及び前記特定制御が不実行である状況で前記所定内部状態とされた場合に、前記所定遊技動作の態様について特定遊技状態に対応した態様への切り替えを前記第1タイミングにて行う手段(上記第4の実施の形態において主制御装置162により普図変動開始処理を実行する機能)を備えている」という特徴をさらに備えてもよい。
特徴dA5.前記第2タイミングは、前記特定制御の開始に対応したタイミング(オープニングに対応したタイミング)又は前記特定制御の途中における所定タイミング(1回目開放に対応したタイミング)であり、
前記切り替えの実行可能タイミングとして、前記特定制御の途中におけるタイミングであって前記第2タイミングよりも後の第3タイミング(2回目開放、インターバルに対応したタイミング等)がさらに設けられていることを特徴とする特徴dA3又は特徴dA4に記載の遊技機。
上記構成では、特定遊技状態に対応した態様への切り替えを特定制御中に実行できるタイミングとしてさらに第2タイミングよりも後の第3タイミングが設けられている。この場合、特定制御の実行中において第2タイミングより後に所定内部状態への移行が発生した場合に、特定遊技状態に対応した態様への切り替えを上記第3タイミングにて行うことが可能となる。すなわち、次の遊技回に対応した第1タイミングの到来を待つことなく、実行中の特定制御の途中で上記切り替えを行うことができるため、所定内部状態への移行が生じた場合に特定遊技状態に対応した態様への切り替えを早く行うことが可能になる。
特徴dA6.前記切替手段は、前記特定制御の途中において前記第2タイミングよりも後に前記所定内部状態とされた場合に、前記所定遊技動作の態様について特定遊技状態に対応した態様への切り替えを前記第3タイミングにて行う手段(上記第4の実施の形態の変形例1において主制御装置162により上限開放時間設定処理、閉鎖時間設定処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴dA5に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定制御の実行中において第2タイミングより後に所定内部状態への移行が発生した場合に、次の遊技回に対応した第1タイミングの到来を待つことなく、実行中の特定制御の途中で特定遊技状態に対応した態様への切り替えを行うことができる。よって、所定内部状態への移行が生じた場合に特定遊技状態に対応した態様への切り替えを早く行うことが可能になる。
特徴dA7.遊技球が入球可能又は入球しやすい第1状態(開放状態)と、遊技球が入球不可又は前記第1状態よりも入球しにくい第2状態(閉鎖状態)とに切り替わり可能な可変入球手段(第2作動口63)を備え、
前記特定制御実行手段は、前記可変入球手段を前記第2状態から前記第1状態とし、その後、前記第2状態とする切替制御が少なくとも1回行われるように前記特定制御を実行するものであり、
前記切替手段による前記切り替えの実行可能タイミングとして、前記遊技回の開始に対応した第1タイミング(普図遊技回の変動開始に対応したタイミング)と、前記特定制御における前記切替制御の実行に対応した第2タイミング(役物開閉遊技における普電役物63aの1回目開放、2回目開放に対応したタイミング等)とを含む複数のタイミングが設けられている(第4の実施の形態において、低頻度サポートモードに対応した態様から高頻度サポートモードに対応した態様への切り替えを普図遊技回の変動開始時と役物開閉遊技の1回目開放時とで実行可能な構成、変形例1において上記切り替えを2回目開放時とインターバル時とで実行可能な構成等)ことを特徴とする特徴dA1乃至特徴dA6のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、特定遊技状態に対応した態様への切り替えを実行可能なタイミングとして、少なくとも、遊技回の開始に対応した第1タイミングと、特定制御における切替制御の実行(可変入球手段の開放)に対応した第2タイミングとが設けられている。これら各タイミングのうち所定内部状態への移行が発生したタイミングと近い側のタイミングにて上記切り替えを行うことができ、所定内部状態への移行が生じた場合に特定遊技状態に対応した態様への切り替えを早く行うことが可能になる。
特徴dA8.遊技球が入球可能又は入球しやすい第1状態(開放状態)と、遊技球が入球不可又は前記第1状態よりも入球しにくい第2状態(閉鎖状態)とに切り替わり可能な可変入球手段(第2作動口63)を備え、
前記特定制御実行手段は、前記可変入球手段を前記第2状態から前記第1状態とし、その後、前記第2状態とする切替制御が少なくとも1回行われるように前記特定制御を実行するものであり、
前記特定制御の態様として、先の切替制御(1回目開放)と、当該先の切替制御よりも後に行われる後の切替制御(2回目開放)とを含む複数回の前記切替制御が行われる所定制御態様を含み、
前記切替手段による前記切り替えの実行可能タイミングとして、前記遊技回の開始に対応した第1タイミング(普図遊技回の変動開始に対応したタイミング)と、複数回の前記切替制御が行われる前記特定制御において前記後の切替制御の実行に対応した第2タイミング(2回目開放に対応したタイミング)とを含む複数のタイミングが設けられている(変形例1において、低頻度サポートモードに対応した態様から高頻度サポートモードに対応した態様への切り替えを普図遊技回の変動開始時と役物開閉遊技の2回目開放時とで実行可能な構成)ことを特徴とする特徴dA1乃至特徴dA7のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、特定遊技状態に対応した態様への切り替えを実行可能なタイミングとして、少なくとも、遊技回の開始に対応した第1タイミングと、特定制御における後の切替制御(可変入球手段の2回目以降の開放)に対応した第2タイミングとが設けられている。この場合、特定制御の実行中に所定内部状態への移行が発生した場合に、次の遊技回の開始に対応した第1タイミングの到来を待つことなく、実行中の特定制御の途中である第2タイミングにて上記切り替えを行うことができる。よって、所定内部状態への移行が生じた場合に特定遊技状態に対応した態様への切り替えを早く行うことが可能になる。
なお、本特徴を特徴dA7に適用する場合は、特徴dA7の「第2タイミング」を「先の切り替えに対応した第2タイミング」と表現し、本特徴の「第2タイミング」を「後の切り替えに対応した第3タイミング」と表現することができる。
特徴dA9.遊技球が入球可能又は入球しやすい第1状態(開放状態)と、遊技球が入球不可又は前記第1状態よりも入球しにくい第2状態(閉鎖状態)とに切り替わり可能な可変入球手段(第2作動口63)を備え、
前記特定制御実行手段は、前記可変入球手段を前記第2状態から前記第1状態とし、その後、前記第2状態とする切替制御が少なくとも1回行われるように前記特定制御を実行するものであり、
前記特定制御の態様として、先の切替制御(1回目開放)と、当該先の切替制御の次に行われる後の切替制御(2回目開放)とを含む複数回の前記切替制御が行われる所定制御態様を含み、
前記切替手段による前記切り替えの実行可能タイミングとして、前記遊技回の開始に対応した第1タイミング(普図遊技回の変動開始に対応したタイミング)と、複数回の前記切替制御が行われる前記特定制御において前記先の切替制御と前記後の切替制御との間における前記第2状態に対応した第2タイミング(1回目開放と2回目開放との間のインターバルに対応したタイミング)とを含む複数のタイミングが設けられている(変形例1において、低頻度サポートモードに対応した態様から高頻度サポートモードに対応した態様への切り替えを普図遊技回の変動開始時と役物開閉遊技のインターバル時とで実行可能な構成)ことを特徴とする特徴dA1乃至特徴dA8のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、特定遊技状態に対応した態様への切り替えを実行可能なタイミングとして、少なくとも、遊技回の開始に対応した第1タイミングと、特定制御における各切替制御間の第2状態(インターバル)に対応した第2タイミングとが設けられている。この場合、特定制御の実行中に所定内部状態への移行が発生した場合に、次の遊技回の開始に対応した第1タイミングの到来を待つことなく、実行中の特定制御の途中である第2タイミングにて上記切り替えを行うことができる。よって、所定内部状態への移行が生じた場合に特定遊技状態に対応した態様への切り替えを早く行うことが可能になる。
特徴dA10.遊技球が入球可能又は入球しやすい第1状態(開放状態)と、遊技球が入球不可又は前記第1状態よりも入球しにくい第2状態(閉鎖状態)とに切り替わり可能な可変入球手段(第2作動口63)を備え、
前記特定制御実行手段は、前記可変入球手段を前記第2状態から前記第1状態とし、その後、前記第2状態とする切替制御が少なくとも1回行われるように前記特定制御を実行するものであり、
特定遊技状態は、所定遊技状態よりも前記可変入球手段への入球が生じやすいものであることを特徴とする特徴dA1乃至特徴dA9のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、特定遊技状態が所定遊技状態よりも可変入球手段への入球が発生しやすい状態となっている。このような構成に対し、上記特徴dA1から特徴dA9のいずれかの構成を適用することで、所定内部状態への移行が生じた場合に可変入球手段への入球が生じやすい状態を早く到来させることができ、遊技者が特定条件を成立させた際に特定遊技状態の恩恵を早く受けられる構成とすることが可能になる。
特徴dA11.特定遊技状態として、前記特定判定にて前記所定結果となる確率が所定遊技状態と同じである遊技状態(突然時短遊技状態)を含むことを特徴とする特徴dA10に記載の遊技機。
上記構成では、特定遊技状態が所定遊技状態よりも可変入球手段への入球が発生しやすい状態であるため、このような状態を実現するには、特定遊技状態での所定結果の当選確率を一定値以上とし、可変入球手段が第1状態(開状態)となる頻度をある程度確保する必要がある。その際、所定結果の当選確率は所定遊技状態でも同じ確率とされるため、所定遊技状態でも可変入球手段が第1状態となる頻度が高まることになってしまい、所定遊技状態と特定遊技状態とで可変入球手段への入球しやすさに明確な差異を生じさせにくくなる。そこで、所定遊技状態において1回の遊技回や1回の特定制御に要する期間を長くすることで、単位時間当たりの特定判定の頻度を少なく抑え、可変入球手段への入球を生じさせにくくすることが考えられる。
しかしながら、その反面、それらの期間が長くなることによって、所定内部状態への移行が生じた後、特定遊技状態に対応した態様への切り替えが行われるまでの待機期間も長くなり、内部的には特定遊技状態に対応した状態となっているにもかかわらず、可変入球手段への入球が発生しやすい状態がなかなか到来しないという事態を招く懸念がある。このような構成に対し、上記特徴dA1の構成を適用することで、上記待機期間を短縮することができ、可変入球手段への入球が生じやすい状態を早く到来させることが可能となる。
特徴dA12.予め定められた判定条件(スルーゲート64への遊技球の入賞等)の成立に基づいて特定判定(普図当否判定等)を実行する特定判定手段(主制御装置162における普図当否判定を実行する機能等)と、
前記特定判定が行われることに基づいて遊技回用動作が開始され、前記特定判定の結果に対応した報知結果とされることを遊技回(普図遊技回等)の1回として、遊技回が行われるように制御する遊技回制御手段(主制御装置162における普図遊技回制御処理を実行する機能、演出制御装置143における普図変動表示用処理を実行する機能等)と、
前記特定判定の結果が所定結果(サポート当選結果等)となることに基づいて特定制御(役物開閉遊技等)を実行する特定制御実行手段(主制御装置162における電役サポート用処理を実行する機能等)と、
を備え、
遊技状態として所定遊技状態よりも遊技者に有利な特定遊技状態(高頻度サポートモード等)を有しており、
予め定められた特定条件(特殊外れ結果の当選、大当たりの当選、特定入球部への入球等)の成立に基づいて所定内部状態(RAM314の各種フラグ格納エリア314eにサポートフラグがセットされた状態、入球フラグがセットされた状態等)とする手段(主制御装置162における開閉実行モード終了時の移行処理、突然時短遊技状態の移行用処理を実行する機能等)と、
前記所定内部状態とされた後、前記遊技回及び前記特定制御を含む所定遊技動作(普図遊技回及び役物開閉遊技を含む普図側遊技)が特定遊技状態に対応した態様で実行されるように設定する態様設定手段(主制御装置162における普図変動開始処理、役物開閉処理を実行する機能等)と、
を備え、
前記所定遊技動作が特定遊技状態に対応した態様で実行されるようにするための前記態様設定手段による設定の実行可能タイミングが前記所定遊技動作において複数設けられている(第4の実施の形態において、低頻度サポートモードに対応した態様から高頻度サポートモードに対応した態様への切り替えを普図遊技回の変動開始時と役物開閉遊技の1回目開放時とで実行可能な構成、変形例1において上記切り替えを2回目開放時とインターバル時とで実行可能な構成等)ことを特徴とする遊技機。
上記構成では、遊技者にとって有利な遊技状態として特定遊技状態を有しており、特定条件が成立すると、所定内部状態となるように構成されている。そして、そのような所定内部状態になると、特定判定の結果を報知するための遊技回と、その特定判定の結果に基づいて行われる特定制御とを含む所定遊技動作の動作態様が特定遊技状態に対応した態様となるように設定(切り替え)が実行される。その際、本特徴では、所定遊技動作の開始から終了までの間において上記切り替えを実行可能なタイミングが複数設けられているため、所定内部状態への移行が所定遊技動作の途中で生じた場合に、その所定遊技動作の終了を待たずに上記切り替えを行うことができる。すなわち、特定遊技状態に対応した態様への切り替えを早く行うことができ、遊技者が特定条件を成立させた際に特定遊技状態の恩恵を早く受けることが可能となる。よって、遊技状態の制御を好適に行うことが可能になる。
本特徴に対して上記特徴dA2から特徴dA11の構成を適用することが可能であり、この場合、これらの構成を適用したことによる更なる効果を奏することができる。適用に際しては上記特徴dA2から特徴dA11における「前記切替手段による切り替え」を「前記態様設定手段による設定」と読み替えることができる。
なお、上記特徴dA1乃至特徴dA12の各構成に対して、特徴dA1乃至特徴dA12、特徴dB1乃至特徴dB12、特徴dC1乃至特徴dC8、特徴dD1乃至特徴dD10、特徴dE1乃至特徴dE12、特徴dF1乃至特徴dF9のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴dB群>
特徴dB群は、上述した各実施の形態や各変形例又はこれらの組み合わせから抽出される発明群であり、主に上記第4の実施の形態、第4の実施の形態の変形例1~変形例2に基づいて抽出されるものである。
なお、特徴dB群は「例えばパチンコ機等の遊技機においては、通常遊技状態と、それよりも遊技者にとって有利な遊技状態とを有し、所定条件の成立に基づいて遊技状態を切り替えるなどの制御を行い、遊技進行に関する各種切り替えを行うものが知られている(例えば特開2004-81853号公報)。」という背景技術について、「ここで、上記例示したような遊技機等においては遊技進行に関する所定の切り替えを行う上で未だ改善の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
特徴dB1.予め定められた所定実行条件(スルーゲート64への遊技球の入賞等)の成立に基づいて所定遊技動作(普図遊技回及び役物開閉遊技を含む普図側遊技)が行われるように制御する手段(主制御装置162における普図遊技回制御処理、電役サポート用処理を実行する機能)を備え、
遊技状態として所定遊技状態よりも遊技者に有利な特定遊技状態(高頻度サポートモード等)を有しており、
予め定められた特定条件(特殊外れ結果の当選、大当たりの当選、特定入球部への入球等)の成立に基づいて所定内部状態(RAM314の各種フラグ格納エリア314eにサポートフラグがセットされた状態、入球フラグがセットされた状態等)とする手段(主制御装置162における開閉実行モード終了時の移行処理、突然時短遊技状態の移行用処理を実行する機能等)と、
前記所定内部状態とされた後、前記所定遊技動作の態様について特定遊技状態に対応した態様への切り替えを行う切替手段(主制御装置162における普図変動開始処理、役物開閉処理を実行する機能等)と、
を備え、
前記切替手段は、前記所定内部状態とされた後、前記所定遊技動作の途中である特定タイミング(1回目開放、2回目以降の開放、インターバルの開始、オープニングの開始、確定表示の開始に対応したタイミング等)にて前記切り替えを行うことが可能である(第4の実施の形態において、低頻度サポートモードに対応した態様から高頻度サポートモードに対応した態様への切り替えを普図遊技回の変動開始時と役物開閉遊技の1回目開放時とで実行可能な構成、変形例1において上記切り替えを2回目開放時とインターバル時とで実行可能な構成等)ことを特徴とする遊技機。
上記構成では、遊技者にとって有利な遊技状態として特定遊技状態を有しており、特定条件が成立すると、所定内部状態となるように構成されている。そして、そのような所定内部状態になると、所定遊技動作の動作態様が特定遊技状態に対応した態様となるように切り替えが実行される。その際、本特徴では、所定遊技動作の途中である特定タイミングにて特定遊技状態に対応した態様への切り替えを行うことができるため、例えば、所定遊技動作の実行中に所定内部状態への移行が生じた場合に、特定遊技状態に対応した態様への切り替えを早く行うことができる。よって、遊技者が特定条件を成立させた際に特定遊技状態の恩恵を早く受けることができ、遊技状態の切り替えに関する制御を好適に行うことが可能になる。
なお、本特徴の「予め定められた所定実行条件の成立に基づいて所定遊技動作が行われるように制御する手段」は、「予め定められた所定実行条件の成立を契機として所定遊技動作が行われるように制御する手段」、「予め定められた所定実行条件が成立した場合に所定遊技動作が行われるように制御する手段」、「予め定められた所定実行条件の成立後に所定遊技動作が行われるように制御する手段」と表現することもできる。また、本特徴の「予め定められた特定条件の成立に基づいて所定内部状態とする手段」は、「予め定められた特定条件の成立を契機として所定内部状態とする手段」、「予め定められた特定条件が成立した場合に所定内部状態となるようにする手段」、「予め定められた特定条件の成立後に所定内部状態とする手段」と表現することもできる。
特徴dB2.前記切替手段は、前記所定内部状態への移行が前記所定遊技動作の実行中に行われた場合に、その所定遊技動作の途中である前記特定タイミングにて前記切り替えを行うことが可能であることを特徴とする特徴dB1に記載の遊技機。
上記構成では、所定内部状態への移行が所定遊技動作の実行中に生じた場合に、その所定遊技動作の途中である特定タイミングにて特定遊技状態に対応した態様への切り替えを行うことができるため、その所定遊技動作の終了を待たずに当該切り替えを行うことができる。よって、所定内部状態への移行が生じてから上記切り替えが行われるまでの待機期間を短縮することができ、特定遊技状態に対応した所定遊技動作を早く発動させることが可能になる。
特徴dB3.予め定められた第1実行条件(作動口62,63への遊技球の入賞等)の成立に基づいて第1遊技動作(特図遊技回を含む特図側動作)が行われるように制御する手段(主制御装置162における特図遊技回制御処理、遊技状態移行処理を実行する機能)を備え、
前記所定実行条件としての第2実行条件の成立に基づいて前記所定遊技動作としての第2遊技動作が行われるように制御されるものであり、
前記第1遊技動作に対応して前記所定内部状態にされ得る構成であり(開閉実行モードの終了に対応してサポートフラグをセットする構成、特図遊技回の確定表示に対応してサポートフラグをセットする機能)、
前記切替手段は、前記所定内部状態とされた場合に前記第2遊技動作の途中である特定タイミングにて前記切り替えを行うことが可能であることを特徴とする特徴dB1又は特徴dB2に記載の遊技機。
上記構成では、所定遊技動作としての第2遊技動作とは別に第1遊技動作が実行される。この第1遊技動作に対応して所定内部状態への移行が実行されるため、当該移行は第2遊技動作とは非同期に発生するものとなる。このような状況において、所定遊技動作の途中で特定遊技状態に対応した態様への切り替えを行うことができるため、所定内部状態への移行が生じた場合に特定遊技状態に対応した所定遊技動作を早く発動させることができる。
なお、本特徴において「前記第1遊技動作の実行中に前記判定条件が成立した場合に、前記第1遊技動作と並行して前記第2遊技動作を実行可能に構成されている」という特徴をさらに備えてもよい。
特徴dB4.遊技球が入球可能又は入球しやすい第1状態(開放状態)と、遊技球が入球不可又は前記第1状態よりも入球しにくい第2状態(閉鎖状態)とに切り替わり可能な可変入球手段(第2作動口63)と、
予め定められた判定条件(スルーゲート64への遊技球の入賞等)の成立に基づいて特定判定(普図当否判定等)を実行する特定判定手段(主制御装置162における普図当否判定を実行する機能等)と、
前記特定判定が行われることに基づいて遊技回用動作が開始され、前記特定判定の結果に対応した報知結果とされることを遊技回(普図遊技回等)の1回として、遊技回が行われるように制御する遊技回制御手段(主制御装置162における普図遊技回制御処理を実行する機能、演出制御装置143における普図変動表示用処理を実行する機能等)と、
前記特定判定の結果が所定結果(サポート当選結果)となることに基づいて、前記可変入球手段を前記第2状態から前記第1状態とし、その後、前記第2状態とする切替制御が少なくとも1回行われるように特定制御(役物開閉遊技等)を実行する特定制御実行手段(主制御装置162における電役サポート用処理を実行する機能等)と、
を備え、
前記所定遊技動作は前記遊技回及び前記特定制御を含むものであり、
前記特定判定の結果が所定結果である所定遊技回の実行中に前記所定内部状態とされた場合に、少なくとも、前記所定遊技回の後に行われる前記特定制御での前記切替制御が特定遊技状態に対応した態様で実行されるように前記特定タイミングが設定されている(第4の実施の形態において、低頻度サポートモードに対応した態様から高頻度サポートモードに対応した態様への切り替えを普図遊技回の変動開始時と役物開閉遊技の1回目開放時とで実行可能な構成、変形例1において上記切り替えを2回目開放時とインターバル時とで実行可能な構成等)ことを特徴とする特徴dB1乃至特徴dB3のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、所定内部状態への移行が特定判定の結果が所定結果である所定遊技回の実行中に発生した場合に、その遊技回後に行われる特定制御での切替制御(可変入球手段の開放)が特定遊技状態に対応した態様で実行され得るように切替手段による切り替えのタイミングが設定される。このため、所定遊技回後の特定制御が終了するのを待たずに上記切り替えを行うことができ、所定内部状態への移行が生じた場合に特定遊技状態に対応した態様への切り替えを早く行うことが可能になる。
特徴dB5.予め定められた判定条件(スルーゲート64への遊技球の入賞等)の成立に基づいて特定判定(普図当否判定等)を実行する特定判定手段(主制御装置162における普図当否判定を実行する機能等)と、
前記特定判定が行われることに基づいて遊技回用動作が開始され、前記特定判定の結果に対応した報知結果とされることを遊技回(普図遊技回等)の1回として、遊技回が行われるように制御する遊技回制御手段(主制御装置162における普図遊技回制御処理を実行する機能、演出制御装置143における普図変動表示用処理を実行する機能等)と、
前記特定判定の結果が所定結果(サポート当選結果)となることに基づいて特定制御(役物開閉遊技等)を実行する特定制御実行手段(主制御装置162における電役サポート用処理を実行する機能等)と、
を備え、
前記所定遊技動作は前記遊技回及び前記特定制御を含むものであり、
前記特定判定の結果が所定結果である所定遊技回の実行中に前記所定内部状態とされた場合に、前記所定遊技回の後に行われる前記特定制御が特定遊技状態に対応した態様で実行されるように前記特定タイミングが設定されており、
特定遊技状態に対応した特定制御として態様の異なる複数種の特定制御(第1高入賞役物開閉遊技、第2高入賞役物開閉遊技)を有しており、
前記特定判定の結果が前記所定結果である場合に前記特定制御の実行前に所定抽選(普図当たり種別判定等)を実行する手段(主制御装置162におけるステップSd2004の処理を実行する機能等)と、
前記所定遊技回の後の前記特定制御の態様を、前記所定内部状態とされる前に前記所定遊技回に対応して行われた前記所定抽選の結果に基づいて設定する手段(主制御装置162におけるステップSd2206、ステップSd2207、ステップSd2304の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴dB1乃至特徴dB4のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、所定内部状態への移行が特定判定の結果が所定結果である所定遊技回の実行中に発生した場合に、その遊技回後に行われる特定制御が特定遊技状態に対応した態様で実行され得るように切替手段による切り替えのタイミングが設定される。このため、所定遊技回後の特定制御が終了するのを待たずに上記切り替えを行うことができ、所定内部状態への移行が生じた場合に特定遊技状態に対応した態様への切り替えを早く行うことが可能になる。
また、所定内部状態への移行前に実施された所定抽選の結果を活用して、所定内部状態への移行後に実施される特定制御の態様が設定される。すなわち、所定内部状態への移行を跨いで所定抽選の結果が用いられるため、所定抽選のやり直しが不要となり、制御処理の複雑化や煩雑化を抑制することができる。
特徴dB6.遊技球が入球可能又は入球しやすい第1状態(開放状態)と、遊技球が入球不可又は前記第1状態よりも入球しにくい第2状態(閉鎖状態)とに切り替わり可能な可変入球手段(第2作動口63)と、
予め定められた判定条件(スルーゲート64への遊技球の入賞等)の成立に基づいて特定判定(普図当否判定等)を実行する特定判定手段(主制御装置162における普図当否判定を実行する機能等)と、
前記特定判定の結果が所定結果(サポート当選結果)となることに基づいて、前記可変入球手段を前記第2状態から前記第1状態とし、その後、前記第2状態とする切替制御が少なくとも1回行われるように特定制御(役物開閉遊技等)を実行する特定制御実行手段(主制御装置162における電役サポート用処理を実行する機能等)と、
を備え、
前記所定遊技動作は前記特定制御を含むものであり、
前記特定制御の態様として複数回の切替制御が実行される所定制御態様(第2高入賞役物開閉遊技)を含み、
前記複数回の切替制御のうち2回目以降である所定回目の切替制御が特定遊技状態に対応した態様で実行されるように前記特定タイミングが設定されている(変形例1において、低頻度サポートモードに対応した態様から高頻度サポートモードに対応した態様への切り替えを役物開閉遊技の2回目開放時に実行可能な構成等)ことを特徴とする特徴dB1乃至特徴dB5のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、特定制御の態様として複数回の切替制御(可変入球手段の開放)が行われる所定制御態様を含み、その所定制御態様において2回目以降である所定回目の切替制御を特定遊技状態に対応した態様で実行し得るように切替手段による切り替えのタイミングが設定されている。このため、所定内部状態への移行が特定制御の途中で発生した場合に、その特定制御の終了を待たずに上記切り替えを行うことができ、所定内部状態への移行が生じた場合に特定遊技状態に対応した態様への切り替えを早く行うことが可能になる。
特徴dB7.遊技状態が特定遊技状態である場合に所定の報知手段(第1発光部752、第2発光部761等)にて特定報知(特別発光演出)が実行され得るように構成されており(演出制御装置143における特別発光演出用処理を実行する機能)、
前記特定報知が前記特定タイミングに対応した所定タイミング(普電役物63aの開放時に対応した第3タイミング)にて実行されるように制御する手段(演出制御装置143における開始タイミング設定処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴dB1乃至特徴dB6のいずれかに記載の遊技機。
特定遊技状態に対応した態様への切り替えを所定遊技動作の途中である特定タイミングにて行った場合、当該切り替えの実施に遊技者が気付きにくくなることが懸念される。この点、上記構成では、特定遊技状態に対応した特定報知が上記特定タイミングに対応したタイミングで実行されるため、所定遊技動作の途中で上記切り替えが行われる場合でも当該切り替えの実施に遊技者が気付きやすい構成とすることができる。
特徴dB8.遊技状態が特定遊技状態である場合に所定の報知手段(第1発光部752、第2発光部761等)にて特定報知(特別発光演出)が実行され得るように構成されており(演出制御装置143における特別発光演出用処理を実行する機能)、
前記所定内部状態への移行に対応した第1所定タイミング(サポートフラグのセット時に対応した第1タイミング)にて前記特定報知が実行されるように制御する第1手段(演出制御装置143における開始タイミング設定処理を実行する機能)と、
前記特定タイミングに対応した第2所定タイミング(普電役物63aの開放時に対応した第3タイミング)にて前記特定報知が実行されるように制御する第2手段(演出制御装置143における開始タイミング設定処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴dB1乃至特徴dB7のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、特定遊技状態である場合に特定報知が行われるため、特定遊技状態であることを遊技者に容易に理解させることができる。その場合において、その特定報知を実行可能なタイミングとして、所定内部状態への移行に対応した第1所定タイミングと、特定遊技状態に対応した態様への切り替えが行われる特定タイミングに対応した第2所定タイミングとが設けられている。この際、所定内部状態への移行から上記切り替えが行われるまでの期間に応じて、いずれのタイミングで特定報知を実行するかを使い分けることで、好適なタイミングで特定報知を実行することが可能になる。
特徴dB9.前記所定内部状態への移行から前記特定タイミングまでの期間を把握する把握手段(演出制御装置143におけるステップSd3608の処理を実行する機能)と、
前記把握手段により把握された期間に基づいて前記特定報知を前記第1所定タイミングと前記第2所定タイミングのいずれにて実行するかを設定する設定手段(演出制御装置143におけるステップSd3609、ステップSd3610、ステップSd3603の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴dB8に記載の遊技機。
上記構成では、所定内部状態への移行から特定遊技状態に対応した態様への切り替えが行われるまでの期間が把握され、その結果に基づいて特定報知を第1所定タイミングと第2所定タイミングとのいずれで実行するかが設定される。よって、上記移行から上記切り替えまでの期間の長さによって、特定報知を所定内部状態への移行に合わせて実行するか、それとも特定遊技状態に対応した態様への切り替えに合わせて実行するかを使い分けることができる。例えば、上記期間が長い場合に特定報知を上記移行に合わせて実行すると、特定遊技状態であることが報知されたにもかかわらず、特定遊技状態に対応した態様の動作がなかなか実施されない事態を招くおそれがある。そのような場合に上記切り替えに合わせて特定報知を実行することで、特定報知の開始後、速やかに特定遊技状態に対応した動作が開始される状態とすることができ、特定遊技状態であることを好適なタイミングで遊技者に知らせることが可能になる。
特徴dB10.遊技球が入球可能又は入球しやすい第1状態(開放状態)と、遊技球が入球不可又は前記第1状態よりも入球しにくい第2状態(閉鎖状態)とに切り替わり可能な可変入球手段(第2作動口63)と、
予め定められた判定条件(スルーゲート64への遊技球の入賞等)の成立に基づいて特定判定(普図当否判定等)を実行する特定判定手段(主制御装置162における普図当否判定を実行する機能等)と、
前記特定判定の結果が所定結果(サポート当選結果)となることに基づいて、前記可変入球手段を前記第2状態から前記第1状態とし、その後、前記第2状態とする切替制御が少なくとも1回行われるように特定制御(役物開閉遊技等)を実行する特定制御実行手段(主制御装置162における電役サポート用処理を実行する機能等)と、
を備え、
前記所定遊技動作は前記特定制御を含むものであり、
特定遊技状態は、所定遊技状態よりも前記可変入球手段への入球が生じやすいものであることを特徴とする特徴dB1乃至特徴dB9のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、特定遊技状態が所定遊技状態よりも可変入球手段への入球が発生しやすい状態となっている。このような構成に対し、上記特徴dB1から特徴dB9のいずれかの構成を適用することで、所定内部状態への移行が生じた場合に可変入球手段への入球が生じやすい状態を早く到来させることができ、遊技者が特定条件を成立させた際に特定遊技状態の恩恵を早く受けられる構成とすることが可能になる。
特徴dB11.特定遊技状態として、前記特定判定にて前記所定結果となる確率が所定遊技状態と同じである遊技状態(突然時短遊技状態)を含むことを特徴とする特徴dB10に記載の遊技機。
上記構成では、特定遊技状態が所定遊技状態よりも可変入球手段への入球が発生しやすい状態であるため、このような状態を実現するには、特定遊技状態での所定結果の当選確率を一定値以上とし、可変入球手段が第1状態(開状態)となる頻度をある程度確保する必要がある。その際、所定結果の当選確率は所定遊技状態でも同じ確率とされるため、所定遊技状態でも可変入球手段が第1状態となる頻度が高まることになってしまい、所定遊技状態と特定遊技状態とで可変入球手段への入球しやすさに明確な差異を生じさせにくくなる。そこで、所定遊技状態において1回の遊技回や1回の特定制御に要する期間を長くすることで、単位時間当たりの特定判定の頻度を少なく抑え、可変入球手段への入球を生じさせにくくすることが考えられる。
しかしながら、その反面、それらの期間が長くなることによって、所定内部状態への移行が生じた後、特定遊技状態に対応した態様への切り替えが行われるまでの待機期間も長くなり、内部的には特定遊技状態に対応した状態となっているにもかかわらず、可変入球手段への入球が発生しやすい状態がなかなか到来しないという事態を招く懸念がある。このような構成に対し、上記特徴dB1の構成を適用することで、上記待機期間を短縮することができ、可変入球手段への入球が生じやすい状態を早く到来させることが可能となる。
特徴dB12.予め定められた所定実行条件(スルーゲート64への遊技球の入賞等)の成立に基づいて所定遊技動作(普図遊技回及び役物開閉遊技を含む普図側遊技)が行われるように制御する手段(主制御装置162における普図遊技回制御処理、電役サポート用処理を実行する機能)を備え、
遊技状態として所定遊技状態よりも遊技者に有利な特定遊技状態(高頻度サポートモード等)を有しており、
予め定められた特定条件(特殊外れ結果の当選、大当たりの当選、特定入球部への入球等)の成立に基づいて所定内部状態(RAM314の各種フラグ格納エリア314eにサポートフラグがセットされた状態、入球フラグがセットされた状態等)とする手段(主制御装置162における開閉実行モード終了時の移行処理、突然時短遊技状態の移行用処理を実行する機能等)と、
前記所定内部状態とされた後、前記所定遊技動作が特定遊技状態に対応した態様で実行されるように所定設定を行う態様設定手段(主制御装置162における普図変動開始処理、役物開閉処理を実行する機能等)と、
を備え、
前記態様設定手段は、前記所定内部状態とされた場合に前記所定遊技動作の途中である特定タイミング(1回目開放、2回目以降の開放、インターバルの開始、オープニングの開始、確定表示の開始に対応したタイミング等)にて前記所定設定を行うことが可能である(第4の実施の形態において、低頻度サポートモードに対応した態様から高頻度サポートモードに対応した態様への切り替えを普図遊技回の変動開始時と役物開閉遊技の1回目開放時とで実行可能な構成、変形例1において上記切り替えを2回目開放時とインターバル時とで実行可能な構成等)ことを特徴とする遊技機。
上記構成では、遊技者にとって有利な遊技状態として特定遊技状態を有しており、特定条件が成立すると、所定内部状態となるように構成されている。そして、そのような所定内部状態になると、所定遊技動作が特定遊技状態に対応した態様で行われるように所定設定が実行される。その際、本特徴では、所定遊技動作の途中である特定タイミングにて上記所定設定を行うことができるため、例えば、所定遊技動作の実行中に所定内部状態への移行が生じた場合に、特定遊技状態に対応した態様への切り替えを早く行うことができる。よって、遊技者が特定条件を成立させた際に特定遊技状態の恩恵を早く受けることができ、遊技状態の切り替えに関する制御を好適に行うことが可能になる。
本特徴に対して上記特徴dB2から特徴dB11の構成を適用することが可能であり、この場合、これらの構成を適用したことによる更なる効果を奏することができる。適用に際しては上記特徴dB2から特徴dB11における「前記切替手段による切り替え」を「前記態様設定手段による設定」と読み替えることができる。
なお、上記特徴dB1乃至特徴dB12の各構成に対して、特徴dA1乃至特徴dA12、特徴dB1乃至特徴dB12、特徴dC1乃至特徴dC8、特徴dD1乃至特徴dD10、特徴dE1乃至特徴dE12、特徴dF1乃至特徴dF9のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴dC群>
特徴dC群は、上述した各実施の形態や各変形例又はこれらの組み合わせから抽出される発明群であり、主に上記第4の実施の形態、第4の実施の形態の変形例1~変形例2に基づいて抽出されるものである。
なお、特徴dC群は「例えばパチンコ機等の遊技機においては、通常遊技状態と、それよりも遊技者にとって有利な遊技状態とを有し、所定条件の成立に基づいて遊技状態を切り替えるなどの制御を行い、遊技進行に関する各種切り替えを行うものが知られている(例えば特開2004-81853号公報)。」という背景技術について、「ここで、上記例示したような遊技機等においては遊技進行に関する所定の切り替えを行う上で未だ改善の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
特徴dC1.予め定められた判定条件(スルーゲート64への遊技球の入賞等)の成立に基づいて特定判定(普図当否判定等)を実行する特定判定手段(主制御装置162における普図当否判定を実行する機能等)と、
前記特定判定の結果が所定結果(サポート当選結果)となることに基づいて特定制御(役物開閉遊技等)を実行する特定制御実行手段(主制御装置162における電役サポート用処理を実行する機能等)と、
を備え、
当該遊技機は、前記特定判定の結果が所定結果である場合に前記特定制御の実行前に所定抽選(普図当たり種別判定等)を実行する手段(主制御装置162におけるステップSd2004の処理を実行する機能等)を有し、前記所定抽選の結果に基づいて前記特定制御の態様を設定するように構成されており、
前記特定制御実行手段は、その結果が所定結果となった前記特定判定の実行から当該所定結果に対応した前記特定制御の実行までの間における所定期間(普図遊技回の実行中、役物開閉遊技における1回目開放の実行中、インターバルの実行中等)にて所定の状態変化(サポートフラグの非セット状態からセット状態への変化、特定の入球部への入球等)が生じた場合に、前記特定制御を変化後の状態(サポートフラグのセット状態、入球に対応した状態等)に対応した態様(高入賞役物開閉遊技用の開放態様等)で実行することが可能であり、
前記変化後の状態に対応した前記特定制御の態様として複数種の態様(第1、第2高入賞役物開閉遊技)を有しており、
前記所定の状態変化の後における前記特定制御について、前記所定の状態変化の前に行われた前記所定抽選の結果に基づいて前記複数種の態様のうちいずれの態様とするかを設定する態様設定手段(主制御装置162におけるステップSd2106、ステップSd2107、ステップSd2304の処理を実行する機能等)を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成では、特定判定の結果が所定結果になることで、特定制御が実行される。また、特定判定の結果が所定結果となった場合には所定抽選が実行され、その抽選結果に基づいて特定制御の態様が設定される。そのような構成の下、特定判定の実行から特定制御の実行までの間において所定の状態変化が生じると、特定制御が変化後の状態に対応した態様で実行されるように構成されている。この場合、特定判定及び所定抽選は変化前の状態下で実行されるのに対し、特定制御は変化後の状態に対応して実行されるものとなる。そのような場合に、変化後の状態に対応して実行される特定制御の態様を状態変化前に行われた所定抽選の結果を活用して設定するように構成されている。この場合、所定抽選のやり直しが不要となるため、制御処理の煩雑化や複雑化を抑制することができ、遊技状態の切り替えに関する制御を好適に行うことが可能になる。
特徴dC2.遊技状態として第1遊技状態(低頻度サポートモード)と前記第1遊技状態よりも遊技者に有利な第2遊技状態(高頻度サポートモード)とを含む複数種の遊技状態を有しており、
前記所定の状態変化は、前記第1遊技状態に対応した状態(サポートフラグの非セット状態)から前記第2遊技状態に対応した状態(サポートフラグのセット状態)への変化であることを特徴とする特徴dC1に記載の遊技機。
上記構成では、所定の状態変化が第1遊技状態に対応した状態からそれよりも遊技者にとって有利な第2遊技状態に対応した状態への変化となっている。かかる構成において、特定判定の実行から特定制御の実行までの間において所定の状態変化が生じた場合に特定制御が変化後の状態に対応した態様で実行される構成であることで、第2遊技状態に対応した特定制御を早く実施させることができ、第2遊技状態の恩恵を遊技者が早く受けられる構成とすることができる。このような場合において、変化後の状態に対応して実行される特定制御の態様を状態変化前に行われた所定抽選の結果を活用して設定することで、所定抽選のやり直しを伴わずに第2遊技状態に対応した特定制御の態様を設定することができ、第2遊技状態への切り替えに伴う制御を好適に行うことが可能になる。
特徴dC3.遊技球が入球可能又は入球しやすい第1状態(開放状態)と、遊技球が入球不可又は前記第1状態よりも入球しにくい第2状態(閉鎖状態)とに切り替わり可能な可変入球手段(第2作動口63)を備え、
前記特定制御実行手段は、前記可変入球手段を前記第2状態から前記第1状態とし、その後、前記第2状態とする切替制御が少なくとも1回行われるように前記特定制御を実行するものであることを特徴とする特徴dC1又は特徴dC2に記載の遊技機。
上記構成では、特定制御が可変入球手段を開閉するものであるため、所定の状態変化が可変入球手段への入球の発生しやすさに変化をもたらすものとなる。かかる構成において、特定判定の実行から特定制御の実行までの間において所定の状態変化が生じた場合に特定制御が変化後の状態に対応した態様で実行されることで、可変入球手段に入球しやすい状態を早く到来させることができる。そのような場合において、変化後の状態に対応して実行される特定制御の態様を状態変化前に行われた所定抽選の結果を活用して設定することで、所定抽選のやり直しを伴わずに変化後の状態に対応した特定制御の態様を設定することができる。
特徴dC4.前記切替制御が実行される場合に前記第1状態の継続可能期間(上限開放時間)を設定する期間設定手段(主制御装置162における上限開放時間設定処理を実行する機能)を備え、
前記態様設定手段は、前記所定の状態変化の前に行われた前記所定抽選の結果に基づいて、前記所定の状態変化の後における前記特定制御の前記継続可能期間を設定する手段(主制御装置162におけるステップSd2212、ステップSd4203の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴dC3に記載の遊技機。
上記構成では、変化後の状態に対応した特定制御の実行に際して第1状態の継続可能期間を設定する場合に、状態変化前に行われた所定抽選の結果を活用して当該継続可能期間の設定が行われる。これにより、所定抽選のやり直しを伴わずに当該継続可能期間を設定することができ、制御処理の煩雑化や複雑化を抑制することが可能になる。
特徴dC5.前記特定制御にて実行される前記切替制御の回数(開放回数)を設定する回数設定手段(主制御装置162における役物開閉処理を実行する機能)を備え、
前記態様設定手段は、前記所定の状態変化の前に行われた前記所定抽選の結果に基づいて、前記所定の状態変化の後における前記特定制御の前記回数を設定する手段(主制御装置162におけるステップSd5101の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴dC3又は特徴dC4に記載の遊技機。
上記構成では、変化後の状態に対応した特定制御の実行に際して切替制御の回数を設定する場合に、状態変化前に行われた所定抽選の結果を活用して当該回数の設定が行われる。これにより、所定抽選のやり直しを伴わずに当該回数を設定することができ、制御処理の煩雑化や複雑化を抑制することが可能になる。
特徴dC6.前記特定判定が行われることに基づいて遊技回用動作が開始され、前記特定判定の結果に対応した報知結果とされることを遊技回(普図遊技回等)の1回として、遊技回が行われるように制御する遊技回制御手段(主制御装置162における普図遊技回制御処理を実行する機能)を備え、
前記所定結果に対応した報知結果として複数の態様(停止結果A、停止結果B)を有しており、
前記遊技回制御手段は、前記特定判定の結果が前記所定結果である場合に当該所定結果に対応した報知結果の態様を抽選する報知結果態様抽選を行い、当該報知結果態様抽選により抽選された態様の報知結果を報知するように構成されており、
前記所定抽選は前記報知結果態様抽選であることを特徴とする特徴dC1乃至特徴dC5のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、遊技回にて報知される報知結果の態様を抽選する報知結果態様抽選により所定抽選が構成されている。この場合、変化後の状態に対応して実行される特定制御の態様を状態変化前に行われた報知結果態様抽選の結果を活用して設定することで、報知結果態様抽選のやり直しを伴わずに変化後の状態に対応した特定制御の態様を設定することができる。
特徴dC7.前記所定の状態変化は、第1遊技状態に対応した状態(サポートフラグの非セット状態)から第2遊技状態に対応した状態(サポートフラグのセット状態)への変化であり、
前記第1遊技状態である場合の前記所定結果に対応した報知結果(低頻度サポートモードである場合の普図当たり用の停止結果)と前記第2遊技状態である場合の前記所定結果に対応した報知結果(高頻度サポートモードである場合の普図当たり用の停止結果)とにおいて、前記報知結果態様抽選の結果に対する態様が同じ態様とされている(例えば停止結果A)ことを特徴とする特徴dC6に記載の遊技機。
報知結果態様抽選の結果により特定制御の態様を設定する場合、遊技回にて報知される報知結果が、その遊技回後に実行される特定制御の態様に対応するものとなる。つまり、報知結果によって、特定判定の結果だけでなく、特定制御の態様も示されることになる。その場合において、報知結果態様抽選の結果に対する態様を第1遊技状態である場合の報知結果と第2遊技状態である場合の報知結果とで共通にするため、状態変化前に行われた報知結果態様抽選の結果を活用して、変化後の状態に対応して実行される特定制御の態様を設定する場合であっても、特定制御の実行前に報知される報知結果(第1遊技状態に対応した報知結果)と、変化後の状態に対応して実行される特定制御の態様(第2特定遊技状態に対応した特定制御の態様)とを整合させることができる。
特徴dC8.前記所定の状態変化は、第1遊技状態に対応した状態(サポートフラグの非セット状態)から第2遊技状態に対応した状態(サポートフラグのセット状態)への変化であり、
前記報知結果態様抽選は所定の抽選用乱数(普図当たり種別カウンタC4)に基づいて実行されるものであり、
前記第1遊技状態である場合の前記所定結果に対応した報知結果(低頻度サポートモードである場合の普図当たり用の停止結果)と前記第2遊技状態である場合の前記所定結果に対応した報知結果(高頻度サポートモードである場合の普図当たり用の停止結果)とにおいて、前記所定の抽選用乱数に対する態様が同じ態様(停止結果A)とされていることを特徴とする特徴dC6に記載の遊技機。
報知結果態様抽選の結果により特定制御の態様を設定する場合、遊技回にて報知される報知結果が、その遊技回後に実行される特定制御の態様に対応するものとなる。つまり、報知結果によって、特定判定の結果だけでなく、特定制御の態様も示されることになる。その場合において、報知結果態様抽選に用いる抽選用乱数の値に対する結果(報知結果の態様)を、第1遊技状態である場合の報知結果と第2遊技状態である場合の報知結果とで共通にするため、状態変化前に行われた報知結果態様抽選の結果を活用して、変化後の状態に対応して実行される特定制御の態様を設定する場合であっても、特定制御の実行前に報知される報知結果(第1遊技状態に対応した報知結果)と、変化後の状態に対応して実行される特定制御の態様(第2特定遊技状態に対応した特定制御の態様)とを整合させることができる。
なお、上記特徴dC1乃至特徴dC8の各構成に対して、特徴dA1乃至特徴dA12、特徴dB1乃至特徴dB12、特徴dC1乃至特徴dC8、特徴dD1乃至特徴dD10、特徴dE1乃至特徴dE12、特徴dF1乃至特徴dF9のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴dD群>
特徴dD群は、上述した各実施の形態や各変形例又はこれらの組み合わせから抽出される発明群であり、主に上記第4の実施の形態、第4の実施の形態の変形例1~変形例2に基づいて抽出されるものである。
なお、特徴dB群は「例えばパチンコ機等の遊技機においては、通常遊技状態と、それよりも遊技者にとって有利な遊技状態とを有し、所定条件の成立に基づいて遊技状態を切り替えるなどの制御を行い、遊技進行に関する各種切り替えを行うものが知られている(例えば特開2004-81853号公報)。」という背景技術について、「ここで、上記例示したような遊技機等においては遊技への注目度を高める上で未だ改善の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
特徴dD1.予め定められた判定条件(スルーゲート64への遊技球の入賞等)の成立に基づいて特定判定(普図当否判定等)を実行する特定判定手段(主制御装置162における普図当否判定を実行する機能等)と、
前記特定判定が行われることに基づいて遊技回用動作が開始され、前記特定判定の結果に対応した報知結果とされることを遊技回(普図遊技回等)の1回として、遊技回が行われるように制御する遊技回制御手段(演出制御装置143における普図変動表示用処理を実行する機能等)と、
前記特定判定の結果が所定結果(サポート当選結果等)となることに基づいて特定制御(役物開閉遊技等)を実行する特定制御実行手段(主制御装置162における電役サポート用処理を実行する機能等)と、
を備え、
前記特定判定の結果に対応した報知結果を報知する場合の報知用表示として態様の異なる複数種の報知用表示(絵柄F1,F2の第1停止結果、第2停止結果、第3停止結果、第4停止結果等)を行うことが可能であり、
前記特定判定の結果が特定結果(サポート当選結果、普図外れ結果等)となった場合の前記報知用表示として、前記遊技回用動作の実行中に所定の状態変化(サポートフラグの非セット状態からセット状態への変化、特定の入球部への入球等)が生じた場合と所定の状態変化が生じない場合とで異なる態様の前記報知用表示を行うことが可能な特定手段(第4の実施の形態に係る、サポート抽選の結果が当選結果である場合において、普図遊技回中にサポートフラグの非セット状態からセット状態への変化が生じない場合に第1停止結果を表示し、普図遊技回中に上記変化が生じた場合に第2停止結果又は第3停止結果を表示する機能等)を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成では、特定判定の結果が所定結果になると特定制御が実行されるとともに、その特定判定の結果が遊技回において報知結果として報知される。かかる構成の下、報知結果を報知する場合の報知用表示として複数種の報知用表示が設けられ、遊技回における遊技回用動作の実行中に所定の状態変化が生じた場合と生じない場合とで異なる報知用表示が行われるように構成されている。この場合、遊技回にて行われる報知結果(報知用表示)には、特定判定の結果だけでなく、状態変化の有無も反映されるため、報知結果に対する遊技者の関心を高めることができ、遊技への注目度を向上させることが可能になる。
特徴dD2.前記特定手段は、
前記特定判定の結果が前記特定結果となった場合において前記遊技回用動作の実行中に前記所定の状態変化が生じない場合に、前記複数種の報知用表示のうちの第1態様の報知用表示(第1停止結果)を行う第1手段(演出制御装置143においてステップSd3104、ステップSd3108の処理を実行する機能)と、
前記特定判定の結果が前記特定結果となった場合において前記遊技回用動作の実行中に前記所定の状態変化が生じた場合に、前記複数種の報知用表示のうちの前記第1態様の報知用表示とは異なる第2態様の報知用表示(第2又は第3停止結果)を行う第2手段(演出制御装置143においてステップSd3108の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴dD1に記載の遊技機。
上記構成では、特定判定の結果が特定結果である場合において、遊技回用動作中に状態変化が生じない場合は第1態様の報知用表示が実行され、遊技回用動作中に状態変化が生じた場合は第2態様の報知用表示が実行される。つまり、特定判定の結果が同じ結果であっても状態変化の有無により異なる報知用表示がなされるため、遊技者が状態変化の有無を報知結果から察知し得るものとなり、報知結果に対する注目度を好適に高めることが可能になる。
特徴dD3.遊技状態として、遊技者にとっての有利度が異なる第1遊技状態(低頻度サポートモード)及び第2遊技状態(高頻度サポートモード)を含む複数種の遊技状態を有しており、
前記所定の状態変化は、前記第1遊技状態に対応した状態(サポートフラグの非セット状態)から前記第2遊技状態に対応した状態(サポートフラグのセット状態)への変化であることを特徴とする特徴dD1又は特徴dD2に記載の遊技機。
上記構成では、遊技者にとっての有利度合が異なる第1遊技状態及び第2遊技状態を有しており、遊技回用動作中に第1遊技状態に対応した状態から第2遊技状態に対応した状態への変化が生じたか否かにより遊技回での報知結果が異なる報知用表示にて行われる。このため、遊技者が遊技状態の変化を報知結果から察知し得るものとなり、報知結果に対する注目度を好適に高めることが可能になる。
特徴dD4.前記特定結果が前記所定結果であり、
前記所定結果に対応した報知結果を報知する場合の報知用表示として態様の異なる複数種の報知用表示(絵柄F1,F2の第1停止結果、第2停止結果、第3停止結果等)を行うことが可能であることを特徴とする特徴dD1乃至特徴dD3のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では特定結果が所定結果(特定制御が実行される結果)であり、所定結果に対応する報知結果が状態変化の有無により異なる報知用表示にて行われる。この場合、報知結果(報知用表示)により、特定制御が行われるか否かと、遊技回用動作中に状態変化が生じたか否かとが示されるため、報知結果に対する注目度を好適に高めることが可能になる。
特徴dD5.前記所定の状態変化は、第1遊技状態に対応した状態(サポートフラグの非セット状態)から第2遊技状態に対応した状態(サポートフラグのセット状態)への変化であり、
前記特定判定の結果が所定結果である所定遊技回の実行中に前記所定の状態変化が生じた場合に、その所定遊技回後の前記特定制御を前記第2遊技状態に対応した態様(高頻度サポートモードに対応した態様)で実行することが可能に構成されている(第4の実施の形態において、低頻度サポートモードに対応した態様から高頻度サポートモードに対応した態様への切り替えを普図遊技回の変動開始時と役物開閉遊技の1回目開放時とで実行可能な構成、変形例1において上記切り替えを2回目開放時とインターバル時とで実行可能な構成等)ことを特徴とする特徴dD4に記載の遊技機。
上記構成では、特定判定の結果が所定結果となった遊技回の遊技回用動作中に第1遊技状態に対応した状態から第2遊技状態に対応した状態への変化が生じた場合に、その遊技回後に行われる特定制御が第2遊技状態に対応した態様で実行されるように構成されている。この場合、第2遊技状態に対応した態様の特定制御が実行されるか否かについて、遊技者が報知結果(報知用表示)から事前に察知し得るようになり、報知結果に対する注目度を好適に高めることが可能になる。
特徴dD6.遊技球が入球可能又は入球しやすい第1状態(開放状態)と、遊技球が入球不可又は前記第1状態よりも入球しにくい第2状態(閉鎖状態)とに切り替わり可能な可変入球手段(第2作動口63)を備え、
前記特定制御実行手段は、前記可変入球手段を前記第2状態から前記第1状態とし、その後、前記第2状態とする切替制御が少なくとも1回行われるように前記特定制御を実行するものであることを特徴とする特徴dD1乃至特徴dD5のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、特定制御が可変入球手段を開閉するものであるため、所定の状態変化が可変入球手段への入球の発生しやすさに変化をもたらすものとなる。このような構成に対して上記特徴dD1から特徴dD5のいずれかの構成を適用することで、可変入球手段に入球しやすい態様で特定制御が行われるか否かについて、遊技者が報知結果(報知用表示)から事前に察知し得るようになり、報知結果に対する注目度を好適に高めることが可能になる。
特徴dD7.前記所定の状態変化は、第1遊技状態に対応した状態(サポートフラグの非セット状態)から第2遊技状態に対応した状態(サポートフラグのセット状態)への変化であり、
前記特定判定の結果が所定結果である所定遊技回の実行中に前記所定の状態変化が生じた場合に、少なくとも、前記所定遊技回の後に行われる前記特定制御での前記切替制御(普電役物63aの開放)を前記第2遊技状態に対応した態様(第1又は第2高入賞役物開閉遊技)で実行することが可能に構成されている(第4の実施の形態において、低頻度サポートモードに対応した態様から高頻度サポートモードに対応した態様への切り替えを役物開閉遊技の1回目開放時に実行可能な構成、変形例1において、上記切り替えを2回目開放時に実行可能な構成等)ことを特徴とする特徴dD6に記載の遊技機。
上記構成では、特定判定の結果が所定結果となった遊技回の遊技回用動作中に第1遊技状態に対応した状態から第2遊技状態に対応した状態への変化が生じた場合に、その遊技回後に行われる特定制御での切替制御(第1状態から第2状態への切り替え)が第2遊技状態に対応した態様で実行されるように構成されている。このような構成に対して上記特徴dD1から特徴dD5のいずれかの構成を適用することで、第2遊技状態に対応した切替制御が行われるか否かについて、遊技者が報知結果(報知用表示)から事前に察知し得るようになり、報知結果に対する注目度を好適に高めることが可能になる。
特徴dD8.前記遊技回制御手段は、
前記特定判定が実行されることに基づき、前記特定結果に対応した前記報知用表示の態様を設定する設定手段(演出制御装置143における停止結果設定処理を実行する機能)と、
前記設定手段による設定の実行後、前記所定の状態変化が生じた場合に、前記報知用表示の態様を前記設定手段により設定された態様とは異なる態様に変更する変更手段(演出制御装置143における停止結果変更用処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴dD1乃至特徴dD7のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、特定判定の実行に応じて報知用表示の態様が設定され、その後、遊技回用動作中に状態変化が生じた場合は、設定された態様とは別の態様の報知用表示が設定されるように事後的に変更処理が実行される。このような構成であることで、遊技回用動作中に状態変化が生じる場合と生じない場合との報知用表示をそれぞれ良好に行うことができ、上記特徴dD1から特徴dD7の構成を好適に実現することが可能になる。
特徴dD9.前記特定判定の結果が前記特定結果となった場合において前記報知用表示の実行中に前記所定の状態変化が生じた場合に、前記変更手段による変更の実行が制限されるように構成されていることを特徴とする特徴dD8に記載の遊技機。
上記構成では、遊技回用動作中に状態変化が生じた場合は報知用表示を積極的に変更する一方で、報知用表示の実行中に状態変化が生じた場合は報知用表示の変更を制限するように構成されている。これにより、報知用表示を実行している最中に他の報知用表示に切り替わって遊技者が困惑する事態の発生を抑制しながら、上記特徴dD8の上記効果を好適に発揮することが可能になる。
特徴dD10.前記特定判定の結果が前記特定結果となった場合において前記報知用表示の実行中に前記所定の状態変化が生じた場合に、当該状態変化の前から実行していた前記報知用表示の態様をそのまま維持する手段を備えていることを特徴とする特徴dD1乃至特徴dD9のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、報知用表示の実行中に状態変化が生じた場合、その状態変化の前から実行していた報知用表示の態様をそのまま維持するように構成されている。これにより、報知用表示の実行中に他の態様の報知用表示に切り替わって遊技者が困惑する事態の発生を好適に抑制しながら、上記特徴dD1から特徴dD9の上記各効果を好適に発揮することが可能になる。
なお、上記特徴dD1乃至特徴dD10の各構成に対して、特徴dA1乃至特徴dA12、特徴dB1乃至特徴dB12、特徴dC1乃至特徴dC8、特徴dD1乃至特徴dD10、特徴dE1乃至特徴dE12、特徴dF1乃至特徴dF9のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴dE群>
特徴dE群は、上述した各実施の形態や各変形例又はこれらの組み合わせから抽出される発明群であり、主に上記第4の実施の形態、第4の実施の形態の変形例1~変形例2に基づいて抽出されるものである。
なお、特徴dE群は「例えばパチンコ機等の遊技機においては、通常遊技状態と、それよりも遊技者にとって有利な遊技状態とを有し、所定条件の成立に基づいて遊技状態を切り替えるなどの制御を行い、遊技進行に関する各種切り替えを行うものが知られている(例えば特開2004-81853号公報)。」という背景技術について、「ここで、上記例示したような遊技機等においては遊技への注目度を高める上で未だ改善の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
特徴dE1.予め定められた判定条件(スルーゲート64への遊技球の入賞等)の成立に基づいて特定判定(普図当否判定等)を実行する特定判定手段(主制御装置162における普図当否判定を実行する機能等)と、
前記特定判定が行われることに基づいて遊技回用動作が開始され、前記特定判定の結果に対応した報知結果とされることを遊技回(普図遊技回等)の1回として、遊技回が行われるように制御する遊技回制御手段(主制御装置162における普図遊技回制御処理を実行する機能、演出制御装置143における普図変動表示用処理を実行する機能等)と、
前記特定判定の結果が所定結果(サポート当選結果等)となった遊技回の後、特定制御(役物開閉遊技等)を実行することが可能な特定制御実行手段(主制御装置162における電役サポート用処理を実行する機能等)と、
前記特定判定の結果が所定結果となった場合において、その特定判定の実行より後における所定状況(第4の実施の形態に係る普図遊技回の実行中、変形例1に係る役物開閉遊技のインターバルの実行中、1回目開放の実行中等)にて所定条件(サポートフラグのセット、特定の入球部への入球等)が成立した場合の前記特定制御の態様が第1態様(高頻度サポートモードに対応した態様の役物開閉遊技、1回目開放が低頻度サポートモードに対応し且つ2回目開放が高頻度サポートモードに対応した態様の役物開閉遊技)となるようにする第1手段(第4の実施の形態において、低頻度サポートモードに対応した態様から高頻度サポートモードに対応した態様への切り替えを役物開閉遊技の1回目開放時に実行可能な構成、変形例1において上記切り替えを2回目開放時やインターバル時に実行可能な構成等)と、
前記特定判定の結果が所定結果となった場合において、前記所定状況にて前記所定条件が成立しない場合の前記特定制御の態様が前記第1態様とは異なる第2態様(低頻度サポートモードに対応した態様の役物開閉遊技)となるようにする第2手段(第4の実施の形態や変形例1において役物開閉遊技の全体を低頻度サポートモードに対応した態様で実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成では、特定判定の結果が所定結果になることで、特定制御が実行される。また、特定判定が実行されることで遊技回が開始され、その遊技回にて特定判定の結果が報知される。そのような構成の下、特定判定の結果が所定結果となった場合において、その特定判定の実行後に所定条件が成立するか否かにより、異なる態様の特定制御が実行されるように構成されている。これにより、特定制御が実行されるか否かや、どのような特定制御が実行されるかの点において、遊技者の関心を、特定判定の結果が所定結果になるか否かだけでなく、その特定判定に対応する遊技回が開始された後において所定条件が成立するか否かにも寄せることができ、遊技への注目度を好適に高めることが可能になる。
特徴dE2.前記第1態様は前記第2態様よりも遊技者に有利な態様であることを特徴とする特徴dE1に記載の遊技機。
上記構成では、特定判定の結果が所定結果となった場合において、その特定判定の実行後における所定状況にて所定条件が成立すると、その特定判定に対応した遊技回の終了後に行われる特定制御が所定条件が成立しない場合よりも遊技者にとって有利な態様となるようにすることができる。これにより、所定条件が成立することへの期待感を喚起することができ、遊技への注目度を好適に高めることが可能になる。
特徴dE3.遊技状態として、所定遊技状態(低頻度サポートモード)と、前記所定遊技状態よりも遊技者に有利な特定遊技状態(高頻度サポートモード)とを含む複数種の遊技状態を有しており、
前記所定条件は、前記所定遊技状態に対応した状態(サポートフラグの非セット状態)から前記特定遊技状態に対応した状態(サポートフラグのセット状態)への変化であることを特徴とする特徴dE1又は特徴dE2に記載の遊技機。
上記構成によれば、所定遊技状態の下で行われた特定判定の結果が所定結果となった場合において、その特定判定の実行後における所定状況にて所定遊技状態に対応した状態からそれよりも遊技者にとって有利な特定遊技状態に対応した状態への変化が発生することで、遊技回の終了後に行われる特定制御が特定遊技状態に対応する態様となるようにすることができる。これにより、上記変化が発生することへの期待感を喚起することができ、遊技への注目度を好適に高めることが可能になる。
なお、本特徴において「前記第1態様は前記特定遊技状態に対応した態様であり、前記第2態様は前記所定遊技状態に対応した態様である」という特徴をさらに備えてもよい。
特徴dE4.前記所定状況にて前記所定条件が成立した場合に特定報知(普図表示領域Pにおける第2又は第3停止結果の表示、発光部752,761における特別発光演出の実行)を実行する特定報知実行手段(演出制御装置143における停止結果変更用処理、特別発光演出用処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴dE1乃至特徴dE3のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、特定判定の結果が所定結果となった後における所定状況にて所定条件が成立した場合に特定報知が実行されるため、当該所定状況にて所定条件が成立したか否かを遊技者が容易に認識することが可能になる。
特徴dE5.前記遊技回制御手段は、遊技回が所定の報知手段(図柄表示装置75)にて行われるように制御するものであり、
前記特定報知実行手段は、前記特定報知が前記所定の報知手段にて実行されるようにするものであることを特徴とする特徴dE4に記載の遊技機。
上記構成では、遊技回が行われる報知手段と同じ報知手段にて、所定条件が成立した場合の特定報知が行われるため、遊技回に注目している遊技者が視線移動を伴うことなく特定報知を視認することが可能になる。これにより、遊技回への遊技者の集中が途切れたり、特定報知の見逃しが発生したりすることを好適に抑制することが可能になる。
特徴dE6.遊技球が入球可能又は入球しやすい第1状態(開放状態)と、遊技球が入球不可又は前記第1状態よりも入球しにくい第2状態(閉鎖状態)とに切り替わり可能な可変入球手段(第2作動口63)を備え、
前記特定制御実行手段は、前記可変入球手段を前記第2状態から前記第1状態とし、その後、前記第2状態とする切替制御が少なくとも1回行われるように前記特定制御を実行するものであることを特徴とする特徴dE1乃至特徴dE5のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、特定制御が可変入球手段を開閉するものであるため、特定判定の結果が所定結果となった後における所定状況にて所定条件が成立するか否かが、特定制御における可変入球手段への入球の発生しやすさに差異をもたらすものとなる。このような構成であることにより、所定条件が成立するか否かへの遊技者の関心をさらに高めることができ、遊技への注目度を好適に高めることが可能になる。
特徴dE7.前記第1手段は、前記所定状況にて前記所定条件が成立した場合の前記特定制御における前記切替制御の態様が前記第1態様(上限開放時間が例えば1.5sec又は2secの開放)となるようにするものであり、
前記第2手段は、前記所定状況にて前記所定条件が成立しない場合の前記特定制御における前記切替制御の態様が前記第2態様(上限開放時間が例えば0.1secの開放)となるようにするものであり、
前記第1態様の前記切替制御は、前記第2態様の前記切替制御よりも前記可変入球手段への入球が生じやすいものであることを特徴とする特徴dE6に記載の遊技機。
上記構成では、特定判定の結果が所定結果となった後における所定状況にて所定条件が成立することで、特定制御において、所定条件が成立しない場合よりも可変入球手段への入球が発生しやすい態様で切替制御(可変入球手段の開放)が行われる。すなわち、所定条件が成立するか否かに連動して可変入球手段への入球の発生しやすさが変化するため、所定条件の成立有無に対する遊技者の関心をさらに高めることができ、遊技への注目度を好適に高めることが可能になる。
特徴dE8.前記所定状況は、前記特定制御の開始後における特定状況(変形例1における1回目開放の実行中、インターバルの実行中等)であり、
前記第1手段は、前記特定状況にて前記所定条件が成立した場合の前記特定制御の態様が前記第1態様(低頻度サポートモードに対応した態様の1回目開放が実行され、高頻度サポートモードに対応した態様の2回目開放が実行される役物開閉遊技)となるようにするものであり(変形例1において2回目開放時やインターバル時にて低頻度サポートモードに対応した態様から高頻度サポートモードに対応した態様への切り替えを行う機能等)、
前記第2手段は、前記特定状況にて前記所定条件が成立しない場合の前記特定制御の態様が前記第2態様(低頻度サポートモードに対応した態様の1回目開放及び2回目開放が実行される役物開閉遊技)となるようにするものである(変形例1において役物開閉遊技の全体を低頻度サポートモードに対応した態様で実行する機能)ことを特徴とする特徴dE1乃至特徴dE7のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、特定制御が開始された後、特定状況にて所定条件が成立すると、その特定制御の態様が変化するものとなる。これにより、特定制御が開始された場合において遊技者は、その特定制御を単に消化するのではなく、その途中で特定制御の態様が変化するか否かに注目して特定制御を遊技することができる。よって、遊技への注目度を好適に高めることが可能になる。
特徴dE9.前記特定制御は第1特定制御(低頻度サポートモードに対応した普電役物63aの1回目開放)を含むものであり、
前記第1手段は、前記第1特定制御に対応して前記所定条件が成立した場合(変形例1において1回目開放やインターバルの実行中にサポートフラグの非セット状態からセット状態への変化が発生した場合)に、前記第1特定制御の後に前記所定条件の成立に対応した第2特定制御(高頻度サポートモードに対応した態様の2回目開放)を実行するものであり(変形例1において2回目開放時やインターバル時にて低頻度サポートモードに対応した態様から高頻度サポートモードに対応した態様への切り替えを行う機能)、
前記第2手段は、前記第1特定制御に対応して前記所定条件が成立しない場合に、前記第1特定制御の後に前記第2特定制御を実行しないものである(変形例1において役物開閉遊技の全体を低頻度サポートモードに対応した態様で実行する機能)ことを特徴とする特徴dE1乃至特徴dE8のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、第1特定制御を含むように特定制御が構成され、その第1特定制御の実行中に所定条件が成立するか否かにより、第1特定制御の終了後に第2特定制御が実行されるか否かの差異が生じるものとなる。これにより、特定制御が開始された場合において遊技者は、その特定制御を単に消化するのではなく、第2特定制御が実行されるか否かに注目して特定制御を遊技することができる。よって、遊技への注目度を好適に高めることが可能になる。
特徴dE10.前記所定条件が成立していない状況での前記特定判定にて前記所定結果となり、その所定結果に対応して前記第1特定制御が実行されるように構成されている(低頻度サポートモードである状況でサポート当選結果になることに対応して低頻度サポートモードに対応した態様の1回目開放が実行される構成)ことを特徴とする特徴dE9に記載の遊技機。
上記構成では、所定条件が成立していない状況で特定判定の結果が所定結果となることに対応して第1特定制御が実行されるところ、その第1特定制御の実行中に所定条件が成立することで第2特定制御が実行されるものとなる。このような構成であることで、定条件が成立していない状況で特定判定が行われた場合でも、遊技者が特定制御にて第2特定制御が実行されることを期待し得るものとなり、遊技への注目度を好適に高めることが可能になる。
特徴dE11.前記第2特定制御は前記第1特定制御よりも遊技者に有利なものであることを特徴とする特徴dE9又は特徴dE10に記載の遊技機。
上記構成では、第2特定制御が第1特定制御よりも有利なものとなっているため、第2特定制御が実行されることへの遊技者の期待感が喚起され、遊技への注目度を好適に高めることが可能になる。
特徴dE12.前記第2特定制御の態様として複数種の態様(第1高入賞役物開閉遊技、第2高入賞役物開閉遊技)を有しており、
前記特定判定の結果が前記所定結果である場合に前記特定制御の実行前に所定抽選(普図当たり種別判定等)を実行する手段(主制御装置162におけるステップSd2004の処理を実行する機能等)と、
前記第1特定制御に対応して前記所定条件が成立し、前記第1手段により前記第2特定制御が実行される場合に、その第2特定制御の態様を前記所定条件が成立する前に行われた前記所定抽選の結果に基づいて設定する手段(主制御装置162におけるステップSd2106、ステップSd2107、ステップSd2304の処理を実行する機能等)と、を備えていることを特徴とする特徴dE9乃至特徴dE11のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、第2特定制御の態様として複数種の態様が設けられるところ、第1特定制御にて所定条件が成立し、第2特定制御が行われる場合に、その態様が、所定条件の成立前に行われた所定抽選の結果に基づいて決定されるように構成されている。これにより、所定抽選のやり直しを不要化することができ、制御処理の煩雑化や複雑化を抑制することが可能になる。
なお、上記特徴dE1乃至特徴dE12の各構成に対して、特徴dA1乃至特徴dA12、特徴dB1乃至特徴dB12、特徴dC1乃至特徴dC8、特徴dD1乃至特徴dD10、特徴dE1乃至特徴dE12、特徴dF1乃至特徴dF9のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴dF群>
特徴dF群は、上述した各実施の形態や各変形例又はこれらの組み合わせから抽出される発明群であり、主に上記第4の実施の形態、変形例1~変形例2に基づいて抽出されるものである。
なお、特徴dF群は「例えばパチンコ機等の遊技機においては、通常遊技状態と、それよりも遊技者にとって有利な遊技状態とを有し、所定条件の成立に基づいて遊技状態を切り替えるなどの制御を行い、遊技進行に関する各種切り替えを行うものが知られている(例えば特開2004-81853号公報)。」という背景技術について、「ここで、上記例示したような遊技機等においては遊技への注目度を高める上で未だ改善の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
特徴dF1.予め定められた判定条件(スルーゲート64への遊技球の入賞等)の成立に基づいて特定判定(普図当否判定等)を実行する特定判定手段(主制御装置162における普図当否判定を実行する機能等)と、
前記特定判定が行われることに基づいて遊技回用動作が開始され、前記特定判定の結果に対応した報知結果とされることを遊技回(普図遊技回等)の1回として、遊技回が行われるように制御する遊技回制御手段(主制御装置162における普図遊技回制御処理を実行する機能、演出制御装置143における普図変動表示用処理を実行する機能等)と、
前記特定判定の結果が所定結果(サポート当選結果等)となることに基づいて特定制御(役物開閉遊技等)を実行する特定制御実行手段(主制御装置162における電役サポート用処理を実行する機能等)と、
を備え、
遊技状態として所定遊技状態よりも遊技者に有利な特定遊技状態(高頻度サポートモード等)を有しており、
予め定められた特定条件(特殊外れ結果の当選、大当たりの当選、特定入球部への入球等)の成立に基づいて所定内部状態(RAM314の各種フラグ格納エリア314eにサポートフラグがセットされた状態)とする手段(主制御装置162における開閉実行モード終了時の移行処理、突然時短遊技状態の移行用処理を実行する機能等)と、
前記所定内部状態とされた後、前記遊技回及び前記特定制御を含む所定遊技動作(普図遊技回及び役物開閉遊技を含む普図側遊技)の態様について特定遊技状態に対応した態様への切り替えを行う切替手段(主制御装置162における普図変動開始処理、役物開閉処理を実行する機能等)と、
遊技状態が特定遊技状態である場合に所定の報知手段(第1発光部752、第2発光部761等)にて特定報知(特別発光演出等)を実行する特定報知実行手段(演出制御装置143における特別発光演出用処理を実行する機能等)と、
を備え、
前記特定報知実行手段は、前記所定内部状態となった場合の前記所定遊技動作の状況(普電役物63aの開放までの期間が第2特定期間以下となる状況、第2特定期間以下とならない状況、役物開閉遊技の残り期間が第1特定期間以下となる状況、第1特定期間以下とならない状況、普図遊技回の残り期間が第3特定期間以下となる状況、第3特定期間以下とならない状況等)により前記特定報知の実行タイミングが異なるようにすることが可能な特定手段(演出制御装置143における開始タイミング設定処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成では、遊技者にとって有利な遊技状態として特定遊技状態を有しており、特定条件が成立すると、所定内部状態となるように構成されている。そして、そのような所定内部状態になると、特定判定の結果を報知するための遊技回と、その特定判定の結果に基づいて行われる特定制御とを含む所定遊技動作の動作態様が特定遊技状態に対応した態様となるように切り替えが実行される。かかる構成の下、特定遊技状態である場合に実行される特定報知の実行タイミングが、所定内部状態となった場合の所定遊技動作の状況に応じて変動するように構成されている。このような構成であることにより、特定遊技状態に対応した態様への切り替えに応じた適切なタイミングで特定報知を開始させることができ、特定遊技状態に対応した特定報知を好適に行うことが可能になる。
特徴dF2.前記特定手段は、
前記所定内部状態となった場合の前記所定遊技動作の状況が第1所定状況(普電役物63aの開放までの期間が第2特定期間以下となる状況等)である場合に第1タイミング(サポートフラグのセットに対応したタイミング等)にて前記特定報知を実行する第1手段(演出制御装置143におけるステップSd3603の処理を実行する機能)と、
前記所定内部状態となった場合の前記所定遊技動作の状況が前記第1所定状況とは異なる第2所定状況(普電役物63aの開放までの期間が第2特定期間以下とならない状況等)である場合に前記第1タイミングとは異なる第2タイミング(普電役物63aの開放に対応したタイミング等)にて前記特定報知を実行する第2手段(演出制御装置143におけるステップSd3610の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴dF1に記載の遊技機。
上記構成では、所定内部状態となった場合の所定遊技動作の状況が第1所定状況と第2所定状況とのいずれであるかにより、特定報知の開始タイミングを第1タイミングと第2タイミングとで使い分けることができる。これにより、特定遊技状態に対応した態様への切り替えに応じた適切なタイミングで特定報知を開始させることができ、特定遊技状態に対応した特定報知を好適に行うことが可能になる。
特徴dF3.前記第2所定状況は、前記所定内部状態とされてから前記切替手段による前記切り替えまでの期間が前記第1所定状況よりも長い状況であり、
前記第2タイミングは前記第1タイミングよりも後のタイミングであることを特徴とする特徴dF2に記載の遊技機。
例えば、特定報知が行われているにもかかわらず、特定遊技状態に対応した態様の特定制御がなかなか行われない場合は、遊技者に対して不自然な印象を与える懸念がある。この点、所定内部状態とされてから特定遊技状態に対応した態様への切り替えが行われるまでの期間が長い場合に特定報知の開始タイミングを遅らせるため、特定報知が開始されてから特定遊技状態に対応した態様の特定制御が行われるまでの期間を短く抑えることができる。これにより、特定遊技状態であることを当該状態に対応した態様への切り替えに応じた好適なタイミングで遊技者に知らせることができる。
特徴dF4.前記第2タイミングは、前記特定制御の実行に対応したタイミング(普電役物63aの開放時又は当該開放時より若干前のタイミング)であることを特徴とする特徴dF2又は特徴dF3に記載の遊技機。
上記構成では、特定制御の実行に対応した第2タイミングで特定報知が実行される。例えば、所定内部状態とされてから特定遊技状態に対応した態様の特定制御が行われるまでの期間が長い場合に、その特定制御の実行を待って特定報知を開始させることができ、特定報知が開始されてから当該特定制御が行われるまでの期間を短く抑えることが可能になる。
特徴dF5.前記第1タイミングは、前記所定内部状態への移行に対応したタイミング(サポートフラグのセット時又は当該セット時より若干後のタイミング)であることを特徴dF2乃至特徴dF4のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、所定内部状態への移行に対応した第1タイミングで特定報知が実行される。例えば、所定内部状態とされてから特定遊技状態に対応した態様の特定制御が行われるまでの期間が短い場合に、所定内部状態への移行に合わせて特定報知を開始させることができる。これにより、所定内部状態への移行タイミングを遊技者に知らせることが可能になる。
特徴dF6.遊技球が入球可能又は入球しやすい第1状態(開放状態)と、遊技球が入球不可又は前記第1状態よりも入球しにくい第2状態(閉鎖状態)とに切り替わり可能な可変入球手段(第2作動口63)を備え、
前記特定制御実行手段は、前記可変入球手段を前記第2状態から前記第1状態とし、その後、前記第2状態とする切替制御が少なくとも1回行われるように前記特定制御を実行するものであることを特徴とする特徴dF1乃至特徴dF5のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、特定制御が可変入球手段を開閉するものであるため、そのような構成に対して上記特徴dF1から特徴dF5の構成を適用することで、特定遊技状態に対応した態様の開放(切替制御)が行われるまでの期間に応じた適切なタイミングで特定報知を開始させることができる。
特徴dF7.前記所定の報知手段は、前記可変入球手段と当該可変入球手段の周辺部との少なくとも一方に設けられることを特徴とする特徴dF6に記載の遊技機。
上記構成では、可変入球手段又はその周辺部にて特定報知が行われるため、可変入球手段に遊技者を注目させやすくすることができ、特定遊技状態を効果的にアピールして遊技を盛り上げることが可能になる。しかしながら、その反面、特定報知が行われているにもかかわらず、特定遊技状態に対応した態様の切替制御(可変入球手段の開放制御)がなかなか行われない事象が発生した場合に、遊技者の気づきを促す懸念がある。この点、本特徴では、可変入球手段への注目を集めやすい特定報知を対象として、所定内部状態となった場合の所定遊技動作の状況に応じてその実行タイミングを異ならせるため、上記不都合の発生を抑制しながら、特定遊技状態のアピールを好適に行うことが可能になる。
特徴dF8.前記特定報知に対応した報知を実行可能な報知手段として、前記特定制御により制御される被制御体(普電役物63a)に対して相対的に近い側の第1報知手段(第1発光部752、第2発光部761)と、前記被制御体に対して相対的に遠い側の第2報知手段(ランプ部26)とを備え、
前記特定手段は、前記第1報知手段にて実行される前記報知について前記所定内部状態となった場合の前記所定遊技動作の状況に応じて実行タイミングを異ならせることが可能であることを特徴とする特徴dF1乃至特徴dF7のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、特定遊技状態に対応した特定報知を行う報知手段として第1報知手段及び第2報知手段を備え、それら各報知手段のうち、特定制御により制御される被制御体に近い側の第1報知手段にて行われる特定報知について、所定内部状態となった場合の所定遊技動作の状況に応じてその実行タイミングを異ならせるように構成されている。被制御体の近くで特定報知が行われた場合、その被制御体に遊技者の注目が集まりやすく、特定報知が行われているにもかかわらず、特定遊技状態に対応した態様の特定制御がなかなか行われない場合に、そのことに遊技者が気付きやすくなる懸念があるが、本特徴の構成であることにより、そのような不都合の発生を好適に抑制することが可能になる。
特徴dF9.前記第2報知手段にて実行される前記報知について、前記所定内部状態となった場合の前記所定遊技動作の状況にかかわらず、予め定められた所定タイミング(第1タイミング等)で実行されるように制御する手段を備えていることを特徴とする特徴dF8に記載の遊技機。
上記構成では、被制御体に遠い側の第2報知手段について、被制御体に近い側の第1報知手段とは異なり、所定内部状態となった場合の所定遊技動作の状況にかかわらず、予め定められた所定タイミングで特定報知が実行されるように構成されている。例えば、その所定タイミングを所定内部状態への移行に対応したタイミングとすることで、被制御体への注目を促しやすい特定報知については上記状況に応じたタイミングで特定報知を実行しながらも、被制御体への注目を促しにくい特定報知については所定内部状態への移行に対応したタイミングで行うことができる。
なお、上記特徴dF1乃至特徴dF9の各構成に対して、特徴dA1乃至特徴dA12、特徴dB1乃至特徴dB12、特徴dC1乃至特徴dC8、特徴dD1乃至特徴dD10、特徴dE1乃至特徴dE12、特徴dF1乃至特徴dF9のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
なお、以上詳述した特徴dA群乃至特徴dF群の各構成に対して、他の特徴dA群乃至特徴dF群の各構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想を組合せて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
以下に、以上の各特徴を適用し得る遊技機の基本構成を示す。
パチンコ遊技機:遊技者が操作する操作手段と、その操作手段の操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段と、その発射された遊技球を所定の遊技領域に導く球通路と、遊技領域内に配置された各遊技部品とを備え、それら各遊技部品のうち所定の通過部を遊技球が通過した場合に遊技者に特典を付与する遊技機。
スロットマシン等の回胴式遊技機:複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄列を最終停止表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段の操作に起因して図柄の変動が開始され、停止用操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより図柄の変動が停止され、その停止時の最終停止図柄が特定図柄であることを必要条件として遊技者に有利な特別遊技状態(ボーナスゲーム等)を発生させるようにした遊技機。
球使用ベルト式遊技機(球使用回胴式遊技機):複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄列を最終停止表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段の操作に起因して図柄の変動が開始され、停止用操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより図柄の変動が停止され、その停止時の最終停止図柄が特定図柄であることを必要条件として遊技者に有利な特別遊技状態(ボーナスゲーム等)を発生させるようにし、さらに、球受皿を設けてその球受皿から遊技球を取り込む投入処理を行う投入装置と、前記球受皿に遊技球の払出を行う払出装置とを備え、投入装置により遊技球が投入されることにより前記始動用操作手段の操作が有効となるように構成した遊技機。
<特徴eA群~特徴eG群>
下記の特徴eA群~特徴eG群に記載された発明は、上述した各実施の形態や各変形例又はこれらの組み合わせから抽出される発明群であり、主に上述した第5の実施の形態やその各変形例から抽出されるものである。
<特徴eA群>
特徴eA群は、上述した各実施の形態や各変形例又はこれらの組み合わせから抽出される発明群であり、主に上記第5の実施の形態、第5の実施の形態の変形例1に基づいて抽出されるものである。
なお、特徴eA群は「例えばパチンコ機等の遊技機においては、所定の抽選契機に基づいて抽選処理を実行し、その抽選結果が特定結果となった場合に、通常遊技状態よりも遊技者にとって有利な特別遊技状態に移行するなどの特典を付与するものが知られている(例えば特開2004-81853号公報)。」という背景技術について、「ここで、上記例示したような遊技機等においては遊技の興趣を高める上で未だ改善の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
特徴eA1.遊技状態として、所定遊技状態(通常遊技状態)と、所定遊技状態より遊技者に有利な特定遊技状態(時短遊技状態等)とを含む複数の遊技状態を有しており、
特定条件(特殊外れ結果の当選、天井回数への到達、特定入球部への入球等)の成立に基づいて特定遊技状態に移行させることが可能な第1手段(主制御装置162における天井時短遊技状態の移行判定用処理、突然時短遊技状態の移行判定用処理、時短遊技状態の移行用処理を実行する機能)と、
所定の状況(時短遊技状態である状況等)で特定条件が成立した場合に当該成立に基づく特定遊技状態への移行を制限することが可能な第2手段(主制御装置162における優先用処理を実行する機能等)と、
前記第2手段により特定遊技状態への移行が制限される場合又は制限された場合に特定報知(第1上乗せ演出、特殊リーチ外れA演出、開始用演出等)が実行されるようにする特定手段(演出制御装置143における遊技回用演出の第2設定処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成では、所定遊技状態よりも遊技者にとって有利な遊技状態として特定遊技状態を有しており、この特定遊技状態には特定条件の成立を通じて移行するものとなっている。このため、遊技者は、特定条件を成立させ、特定遊技状態に移行させることを目指して遊技を楽しむことができる。但し、特定条件を成立させれば常に特定遊技状態への移行が果たされるわけではなく、所定の状況で特定条件が成立した場合には特定遊技状態への移行が制限されるものとなっている。このような特定遊技状態への移行制限がなされる場合に特定報知が実行されるため、移行制限がなされた印象を軽減することが可能になる。
特徴eA2.前記特定報知は、特定遊技状態への移行又は特定の特典付与(残り回数の増加等)を遊技者が認識できる報知(開始用演出、第1上乗せ演出等)であることを特徴とする特徴eA1に記載の遊技機。
上記構成では、特定遊技状態への移行が制限される場合に、特定報知の実行により特定遊技状態への移行又は特定の特典付与が遊技者に認識されるため、あたかも移行が生じたかのように思わせることができる。これにより、遊技者の気分を高揚させ、遊技の興趣を高めることが可能になる。
特徴eA3.前記第1手段による移行が行われる場合に所定報知(第1上乗せ演出、特殊リーチ外れA演出、開始用演出等)が実行されるようにする手段(演出制御装置143における遊技回用演出の第1設定処理を実行する機能)を備え、
前記特定報知は、前記所定報知に含まれる報知(特殊図柄811、上乗せ画像826等)に対応する態様の報知を含むものであることを特徴とする特徴eA1又は特徴eA2に記載の遊技機。
上記構成では、特定遊技状態に移行する場合に所定報知が実行されるように構成された上で、特定遊技状態への移行が制限される場合に、その所定報知に含まれる報知に対応する態様の報知を含むようにして特定報知が実行される。これにより、移行制限が行われる場合においてあたかも移行が生じたような印象を与えることができる。
なお、本特徴の「前記所定報知に含まれる報知に対応する態様の報知を含むものである」は、「前記所定報知に含まれる報知と同じ態様の報知を含むものである」や「前記所定報知に含まれる報知と同様の報知を含むものである」、「前記所定報知に対応する態様の報知である」、「前記所定報知と同じ態様の報知である」などと表現することもできる。
特徴eA4.特定条件が成立した場合に、特定遊技状態への移行の有無にかかわらず、特定条件の成立に対応した所定の報知(特図用表示部43における特殊外れ結果に対応した絵柄の停止表示等)が実行されるようにする手段(主制御装置162における特図遊技回制御処理を実行する機能等)を備えていることを特徴とする特徴eA1乃至特徴eA3のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、特定遊技状態への移行がなされる場合と移行が制限される場合との両方において、特定条件の成立に対応した所定の報知が行われる。このような構成では、所定の報知を遊技者が見ることで特定条件の成立を認識し得るため、それに伴い特定遊技状態への移行が制限されたことを悟られてしまうおそれがある。この場合、せっかく特定条件を成立させたにもかかわらず、その恩恵を得られないとして、遊技者の気分を害してしまう懸念がある。このような場合において特定報知の実行により移行制限がなされた印象を軽減できることで、遊技者の気分を害することが抑制され、遊技意欲の低下を好適に抑制することが可能になる。
なお、本特徴は、「前記所定の状況で特定条件が成立した場合において特定遊技状態への移行が制限される場合に特定条件の成立に対応した所定の報知(特図用表示部43における特殊外れ結果に対応した絵柄の停止表示等)が実行されるようにする手段(主制御装置162における特図遊技回制御処理を実行する機能等)を備えている」と表現することもできる。
特徴eA5.特定遊技状態において所定の更新契機(特図遊技回の実行、小当たり当選等)に基づいて所定数値情報(時短遊技状態に滞在可能な残りの遊技回の回数、時短遊技状態に移行してからの遊技回の実行回数等)を更新する更新手段(主制御装置162における高頻度サポートモード更新用処理を実行する機能)と、
前記更新手段により更新される所定数値情報が所定値(0回、上限回数)となることに基づいて特定遊技状態を終了させる終了手段(主制御装置162における高頻度サポートモード終了用処理を実行する機能)と、
を備え、
前記特定報知には、特定遊技状態における残りの所定数値情報に関する報知(上乗せ画像826)が含まれることを特徴とする特徴eA1乃至特徴eA4のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、特定遊技状態において所定の更新契機により所定数値情報が更新され、その更新結果が所定値になると特定遊技状態が終了する。このような場合において、特定報知として特定遊技状態における残りの所定数値情報に関する報知がなされ、例えば残りの所定数値情報が増加又は追加される旨の報知がなされれば、特定遊技状態への移行が制限される場合でも当該移行が行われるかのような印象を与えることができる。
特徴eA6.前記所定の状況は特定遊技状態である状況であり、
前記特定報知は、前記残りの所定数値情報が増加した又は追加されたと遊技者が認識できる報知であることを特徴とする特徴eA5に記載の遊技機。
上記構成では、残りの所定数値情報が増加した又は追加されたと遊技者に認識されるようにして特定報知が行われる。これにより、内部的には特定遊技状態への移行制限を実施しているものの、遊技者の目線では特定条件を成立させて特定遊技状態の延長を勝ち取ったかのような印象となり、上記移行制限を行う中でも遊技者の遊技意欲が低下することを抑制できる。
特徴eA7.前記所定の状況は特定遊技状態である状況であり、
滞在中の特定遊技状態についての前記残りの所定数値情報に関する報知として実際の残り分より少ない数に対応した報知が行われるようにする手段(演出制御装置143における遊技回用演出の第1設定処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴eA5又は特徴eA6に記載の遊技機。
上記構成では、特定遊技状態への滞在中に特定条件が成立した場合に特定遊技状態の移行が制限され得る構成において、滞在中の特定遊技状態についての残りの所定数値情報が実際の残り分より少なく減らされて報知される。これにより、実際の残り分の一部を未報知分として確保することができ、その未報知分を利用して特定報知を行うようにすれば、実際の残り分の範囲内で、残りの所定数値情報が増加又は追加される旨の報知を行うことが可能になる。
特徴eA8.前記特定手段は、滞在中の特定遊技状態についての前記実際の残り分と、前記残りの所定数値情報に関する報知による報知上の残り分との差分に基づいて前記特定報知が実行されるようにする手段(演出制御装置143における遊技回用演出の第2設定処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴eA7に記載の遊技機。
上記構成では、滞在中の特定遊技状態についての実際の残り分の一部である未報知分を利用して特定報知が実行されるため、実際には特定遊技状態への移行がなされておらず、残り分に変化がない中でも、残りの所定数値情報が増えたように特定報知を行うことができる。この場合、実際の残り分と整合させながら特定報知を行うことができるため、特定遊技状態への移行が行われたような印象をより好適に与えることが可能になる。
特徴eA9.前記第2手段により特定遊技状態への移行が制限される場合又は制限された場合において前記差分が特定数未満である場合に前記特定報知の実行を制限することが可能な手段(演出制御装置143におけるステップSe3201、ステップSe3207の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴eA8に記載の遊技機。
上記構成では、滞在中の特定遊技状態の残りに関する未報知分が特定数未満である場合に特定報知の実行が制限されるため、特定遊技状態への移行が制限される場合であっても未報知分の残りが僅かである場合は特定報知が実行されない。これにより、実際の残り分を超えて残りの所定数値情報が増加又は追加される旨が報知されたり、不自然なまでに少ない数が増加又は追加される旨の報知がなされたりすることを抑制できる。
特徴eA10.前記特定条件が成立していない状況において前記報知上の残り分に対応した残り数が所定数未満である場合に前記特定報知が実行されるようにする所定手段(演出制御装置143におけるステップSe3302、ステップSe3304~ステップSe3307、ステップSe3402、ステップSe3403~ステップSe3406の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴eA8又は特徴eA9に記載の遊技機。
滞在中の特定遊技状態について実際の残り分よりも少ない数を報知した場合は、特定遊技状態の終了よりも早く報知上の残り分が尽きてしまう可能性がある。このような事情を踏まえ、報知上の残り分が所定数未満になると、特定条件の成立有無や特定遊技状態への移行制限の有無にかかわらず特定報知が実行されるように構成されている。この場合、報知上の残り分が少なくなることに応じて特定報知により残り分を補充することができるため、特定遊技状態の途中で報知上の残り分が尽きてしまうことが抑制され、遊技者に不自然な印象を与えることを抑制することが可能になる。
特徴eA11.予め定められた判定条件(第1作動口62又は第2作動口63への入賞)の成立に基づいて特定判定(特図当否判定)を実行する手段(主制御装置162における特図当否判定を実行する機能)と、
前記特定判定の結果が所定の第1結果(大当たり結果)となることに基づいて所定特典(開閉実行モード)を付与することが可能な手段(主制御装置162における遊技状態移行処理を実行する機能)と、
前記特定判定が行われることに基づいて遊技回用動作が開始され、前記特定判定の結果に対応した報知結果とされることを遊技回の1回として、遊技回が行われるように制御する遊技回制御手段(主制御装置162における特図遊技回制御処理を実行する機能)を備え、
前記遊技回制御手段は、前記遊技回用動作の期間を設定する期間設定手段(主制御装置162における変動表示時間の設定処理を実行する機能)を備え、前記期間設定手段により設定された期間にて前記遊技回用動作が実行されるように遊技回の制御を行うものであり、
前記所定手段は、遊技回において前記特定報知が実行されるようにするものであり、
前記所定手段による特定報知として、長さの異なる前記遊技回用動作の期間に対応した複数種の特定報知(第1上乗せ演出、第2上乗せ演出等)を有していることを特徴とする特徴eA10に記載の遊技機。
上記構成では、長さの異なる遊技回用動作の期間に対応した複数種の特定報知が設けられるため、特定報知の実行にあたり、遊技回用動作の期間長の相違による制約を緩和することができる。これにより、特定報知の実行機会を拡大することができ、報知上の残り分が尽きる前に良好に特定報知を実行することが可能になる。
特徴eA12.前記第2手段は、特定遊技状態である状況で特定条件が成立した場合又は特定遊技状態である状況で特定条件が成立した場合のうち特定の状況(今回の上限回数が滞在時短の残り回数より少ない状況等)である場合に、当該成立に基づく特定遊技状態への移行を制限することが可能であることを特徴とする特徴eA1乃至特徴eA11のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、特定遊技状態である状況で特定条件が成立した場合又はそのような場合の一部で当該成立に基づく特定遊技状態への移行が制限されるため、複数の特定遊技状態が重複して制御処理が複雑化したり、遊技性が分かりにくくなって遊技者の混乱を招いたりする不都合の発生を好適に抑制できる。しかしながらその反面、特定条件が成立したにもかかわらず特定遊技状態への移行が制限されたことを遊技者が察知してしまうと、遊技者の気分を害してしまう懸念がある。そのような場合において上記特徴eA1から特徴eA11のいずれかの構成を適用することで、移行が制限されたことを悟られにくくすることができ、遊技者の気分を害してしまうことを好適に抑制することが可能になる。
特徴eA13.予め定められた判定条件(第1作動口62又は第2作動口63への入賞)の成立に基づいて特定判定(特図当否判定)を実行する手段(主制御装置162における特図当否判定を実行する機能)と、
前記特定判定の結果が特定結果となることに基づいて、所定遊技状態より有利なものであって特定遊技状態とは異なる特別遊技状態(開閉実行モード)に移行させることが可能な手段(主制御装置162における遊技状態移行処理を実行する機能)と、
を備え、
前記特定条件の成立に基づいて移行し得る特定遊技状態は、特別遊技状態を経由しないで移行し得るものであることを特徴とする特徴eA1乃至特徴eA12のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、特定条件の成立に基づいて移行し得る特定遊技状態が特別遊技状態を経由しないで移行し得るものであるため、このような特定遊技状態について移行の制限が行われると、遊技者は、特定条件を成立させたことに対する恩恵を何も受けられない状態となる。このため、移行の制限に遊技者が気付いた場合に気分を害しやすくなり、遊技意欲を大きく低下させてしまう懸念がある。そのような場合において上記特徴eA1から特徴eA12のいずれかの構成を適用することで、移行が制限されたことを悟られにくくすることができ、遊技者の気分を害してしまうことを好適に抑制することが可能になる。
なお、上記特徴eA1乃至特徴eA13の各構成に対して、特徴eA1乃至特徴eA13、特徴eB1乃至特徴eB13、特徴eC1乃至特徴eC8、特徴eD1乃至特徴eD11、特徴eE1乃至特徴eE6、特徴eF1乃至特徴eF11、特徴eG1乃至特徴eG10のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴eB群>
特徴eB群は、上述した各実施の形態や各変形例又はこれらの組み合わせから抽出される発明群であり、主に上記第5の実施の形態、第5の実施の形態の変形例1に基づいて抽出されるものである。
なお、特徴eB群は「例えばパチンコ機等の遊技機においては、所定の抽選契機に基づいて抽選処理を実行し、その抽選結果が特定結果となった場合に、通常遊技状態よりも遊技者にとって有利な特別遊技状態に移行するなどの特典を付与するものが知られている(例えば特開2004-81853号公報)。」という背景技術について、「ここで、上記例示したような遊技機等においては遊技の興趣を高める上で未だ改善の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
特徴eB1.遊技状態として、所定遊技状態(通常遊技状態)と、所定遊技状態より遊技者に有利な特定遊技状態(時短遊技状態等)とを含む複数の遊技状態を有しており、
前記特定遊技状態として、第1特定遊技状態(例えば通常時短遊技状態)と第2特定遊技状態(例えば突然時短遊技状態)とを含む複数の特定遊技状態を有しており、
前記第2特定遊技状態は、前記第1特定遊技状態とは異なる態様(普図遊技回における変動表示時間の長さ、役物開閉遊技における普電役物63aの挙動、サポート抽選における当選確率、背景色等)を少なくとも1つ有しており、予め定められた特定条件(特殊外れ結果の当選、特定入球部への入球等)の成立に基づいて移行させることが可能であり、
前記特定遊技状態を構成する要素には遊技者の有利度合に関連する特定要素(時短遊技状態に滞在可能な特図遊技回の回数、小当たり回数、普図遊技回の回数、時短遊技状態に滞在可能な期間等)が含まれており、
前記第1特定遊技状態である状況で特定条件が成立した場合に、当該成立後の遊技における前記特定要素に関して前記第1特定遊技状態に対応する第1要素(滞在時短の残り回数、残り期間等)と前記第2特定遊技状態に対応する第2要素(今回の上限回数、上限期間等)とのうちいずれか一方を設定することが可能な設定手段(主制御装置162における優先用処理を実行する機能等)を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成では、所定遊技状態よりも遊技者にとって有利な遊技状態として特定遊技状態を有しており、また、そのような特定遊技状態として第1特定遊技状態と第2特定遊技状態とを含む複数の特定遊技状態を有している。これら第1特定遊技状態及び第2特定遊技状態では少なくとも1つの態様が異なっており、また、第1特定遊技状態である状況で第2特定遊技状態への移行に対応した特定条件が成立すると、遊技者の有利度合に関連する特定要素として第1特定遊技状態に対応する第1要素と第2特定遊技状態に対応する第2要素とのいずれかが選ばれて採用される。このような構成であることで、第1特定遊技状態を遊技する過程で態様の変化が生じたか否かを遊技者が判別することにより、上記第1要素と上記第2要素とのいずれが選ばれたかを推測する遊技を付与することができ、遊技の興趣を高めることが可能になる。
なお、本特徴において「遊技者の有利度合に関連する特定要素」は、「遊技者の有利度合に関する特定要素」、「遊技者の有利度合を変動させることが可能な特定要素」、「遊技者の有利度合に影響を及ぼす特定要素」等と表現することもできる。
特徴eB2.前記第1特定遊技状態及び前記第2特定遊技状態の少なくとも一方の前記特定要素又は前記特定要素の少なくとも一部が非明示とされるようにすることが可能な手段(時短遊技状態の残り回数又は残り回数の一部を非明示とする機能)を備えていることを特徴とする特徴eB1に記載の遊技機。
上記構成では、第1特定遊技状態や第2特定遊技状態における特定要素やその少なくとも一部が非明示とされるため、採用される側の特定要素を態様変化の有無から推測する遊技の面白みを高めることが可能になる。
特徴eB3.前記設定手段は、前記第1要素と前記第2要素とのうち、特定条件の成立後における前記第1特定遊技状態の残り分と特定条件の成立に対応した前記第2特定遊技状態とについて有利度合に関わる所定値(時短遊技状態の残り回数等)が大きい側の特定遊技状態に対応した要素を設定することが可能な手段(主制御装置162における優先用処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴eB1又は特徴eB2に記載の遊技機。
上記構成では、第1特定遊技状態への滞在中に特定条件が成立した場合に、第1特定遊技状態の残り分と特定条件の成立に対応した第2特定遊技状態とについて有利度合に関わる所定値が比較され、当該所定値が大きい側の要素が採用される。すなわち、上記第1要素と上記第2要素とのうち有利な側の要素が採用されるため、採用される側の特定要素を態様変化の有無から推測する遊技の面白みを高めることが可能になる。例えば、遊技者が第1要素の有利度合を認識不可又は認識困難で且つ第2要素の有利度合を認識し得る状況で態様変化の有無から第1要素の採用が推測された場合であれば、その採用された第1要素の有利度合は、遊技者が認識する第2要素の有利度合よりも有利なものであることを推測することが可能になる。
特徴eB4.前記設定手段は、前記第1特定遊技状態である状況で特定条件が成立した場合に、滞在中の前記第1特定遊技状態を継続させるか、前記第2特定遊技状態に移行させるかのいずれかを設定することが可能な手段(主制御装置162における優先用処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴eB1乃至特徴eB3のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、第1特定遊技状態への滞在中に特定条件が成立した場合に、第1特定遊技状態を継続するか、それとも第2特定遊技状態に移行するかが選択されて採用される。例えば、第1特定遊技状態と第2特定遊技状態とのいずれとされているかが遊技者に明示されない構成であれば、態様変化の有無から滞在する特定遊技状態の種別を推測する遊技を付与することができ、興趣性を高めることが可能になる。
なお、上記特徴eB4の「滞在中の前記第1特定遊技状態を継続させるか、前記第2特定遊技状態に移行させるか」は、「前記第2特定遊技状態に移行させることなく滞在中の前記第1特定遊技状態を継続させるか、滞在中の前記第1特定遊技状態を終了させて前記第2特定遊技状態に移行させるか」と表現することもできる。
特徴eB5.特定条件が成立した場合に所定の報知手段(特図用表示部43)にて特定報知(特殊外れ結果に対応した停止結果SD15~SD17の停止表示)が実行されるようにする特定報知実行手段(主制御装置162における特図遊技回制御処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴eB1乃至特徴eB4のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、特定条件が成立した場合に特定報知が行われるため、第1特定遊技状態への滞在中において遊技者は特定報知が行われたことを契機として態様変化の判別を開始すればよく、態様変化の有無から滞在する特定遊技状態の種別を推測する遊技を好適に行うことが可能になる。
特徴eB6.前記第2特定遊技状態として有利度合が異なる前記第2要素を有する複数種の第2特定遊技状態(突然時短遊技状態A~C)を有しており、
前記特定報知実行手段は、前記第2特定遊技状態の種類に対応した複数種の前記特定報知が実行されるようにする手段(特殊外れ結果の種別に応じて停止結果SD15~SD17のいずれを選択して停止表示する機能)を備えていることを特徴とする特徴eB5に記載の遊技機。
上記構成では、第2特定遊技状態の種類に応じた態様で特定報知が行われるため、当該特定報知を遊技者が視認することで、特定条件の成立に対応した第2特定遊技状態を把握することができ、さらにはその第2特定遊技状態における第2特定要素の有利度合を把握することができる。このような把握がなされた状態で、態様変化の有無より第1要素の採用が判別された場合には、その第1要素が上記把握した第2特定要素の有利度合よりも有利なものであることを推測可能となるため、態様変化の有無から滞在する特定遊技状態の種別を推測する遊技をより好適に盛り上げることができる。
特徴eB7.予め定められた判定条件(第1作動口62又は第2作動口63への入賞)の成立に基づいて特定判定(特図当否判定)を実行する手段(主制御装置162における特図当否判定を実行する機能)と、
前記特定判定の結果が第1結果(大当たり結果)となることに基づいて所定特典(開閉実行モード)を付与することが可能な手段(主制御装置162における遊技状態移行処理を実行する機能)と、
前記特定判定の結果に対応した特定報知(停止結果SD0~SD19の停止表示)が所定の報知手段(特図用表示部43)にて実行されるようにする手段(主制御装置162における特図遊技回制御処理を実行する機能)と、
を備え、
前記特定判定の結果が前記第1結果とは異なる所定の第2結果(外れ結果)となった場合において特定の場合(特殊外れ結果となった場合)に前記特定条件が成立するように構成されており、
前記第2結果に対応する特定報知の報知態様(外れ結果用の停止結果)には前記特定条件の成立に対応した報知態様(特殊外れ結果に対応した停止結果SD15~SD17)が含まれることを特徴とする特徴eB1乃至特徴eB6のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、特定判定の結果が第1結果となることで所定特典が付与されるとともに、特定判定の結果に対応した特定報知が実行される構成において、特定条件が成立すると、第2結果に対応する特定報知が特定条件の成立に対応した報知態様で実行される。よって、第1特定遊技状態への滞在中において特定態様の特定報知が行われたことを遊技者が視認することで、特定条件が成立したことを把握することができる。これを契機として態様変化の判別を行うことで、採用される側の特定要素を態様変化の有無から推測する遊技を好適に行うことが可能になる。
特徴eB8.遊技状態として、所定遊技状態より遊技者に有利なものであって特定遊技状態とは異なる特別遊技状態(開閉実行モード)を有し、
前記所定特典の付与は特別遊技状態への移行であり、
特定遊技状態として、特別遊技状態を経由して移行し得る第1遊技状態(通常時短遊技状態)と、特別遊技状態を経由しないで移行し得る第2遊技状態(突然時短遊技状態)とを有しており、
前記第1遊技状態は、前記特定判定の結果が前記第1結果となった場合又は前記第1結果となった場合において所定の場合(通常大当たり結果の場合)に移行し得るものであり、
前記第1結果に対応する特定報知の報知態様(大当たり結果用の停止結果)として前記第1遊技状態への移行に対応した報知態様(通常大当たり結果に対応した停止結果SD3~SD14)を有しており、
前記特定条件の成立に対応した報知態様の種類数が前記第1遊技状態への移行に対応した報知態様の種類数より少ないことを特徴とする特徴eB7に記載の遊技機。
上記構成では、特定報知の報知態様において、第1遊技状態への移行に対応した報知態様の種類数が相対的に多く、特定条件の成立に対応した報知態様の種類数が相対的に少ないように構成されている。この場合、遊技者が第1遊技状態への移行に対応した報知態様を覚えにくく、特定条件の成立に対応した報知態様を覚えやすくなる。これにより、第1遊技状態への滞在中に特定条件が成立するという流れの中で、採用される側の特定要素を態様変化の有無から推測する遊技を好適に楽しませることが可能になる。
特徴eB9.特定遊技状態に移行してからの特定回数(遊技回の回数、小当たり当選の回数等)が所定の上限回数に到達したことに基づいて当該特定遊技状態を終了させることが可能な手段(主制御装置162における高頻度サポートモード終了用処理を実行する機能)を備え、
前記第2特定遊技状態として前記上限回数が異なる複数種の第2特定遊技状態(突然時短遊技状態A~C)を有しており、
前記特定条件の成立に対応した報知態様として第2特定遊技状態の種類に対応した複数の報知態様(特殊外れ結果に対応した停止結果SD15~SD17)を有することを特徴とする特徴eB7又は特徴eB8に記載の遊技機。
上記構成では、第2特定遊技状態の種類に応じた態様で特定報知が行われるため、当該特定報知を遊技者が視認することで、特定条件の成立に対応した第2特定遊技状態の種類を把握することができ、さらにはその第2特定遊技状態における第2特定要素の有利度合を把握することができる。このような把握がなされた状態で、態様変化の有無より第1要素の採用が判別された場合には、その第1要素が上記把握した第2特定要素の有利度合よりも有利なものであることを推測可能となるため、態様変化の有無から滞在する特定遊技状態の種別を推測する遊技をより好適に盛り上げることができる。
特徴eB10.予め定められた判定条件(第1作動口62又は第2作動口63への入賞)の成立に基づいて特定判定(特図当否判定)を実行する手段(主制御装置162における特図当否判定を実行する機能)と、
前記特定判定の結果が所定の第1結果(大当たり結果)となることに基づいて所定特典(開閉実行モード)を付与することが可能な手段(主制御装置162における遊技状態移行処理を実行する機能)と、
前記特定判定の結果に対応した特定報知(停止結果SD0~SD19の停止表示)が所定の報知手段(特図用表示部43)にて実行されるようにする手段(主制御装置162における特図遊技回制御処理を実行する機能)と、
を備え、
前記所定の第1結果と異なる結果(外れ結果)として所定の第2結果(通常外れ結果)と所定の第3結果(特殊外れ結果)とを含む複数の結果を有しており、
前記所定の第3結果となった場合に前記特定条件が成立するように構成されており、
前記所定の第2結果に対応する特定報知の報知態様(通常外れ結果用の停止結果)として複数種の報知態様(停止結果SD18、SD19)を有しており、
前記所定の第3結果に対応する特定報知の報知態様(特殊外れ結果用の停止結果)として複数種の報知態様(停止結果SD15~SD17)を有していることを特徴とする特徴eB1乃至特徴eB9のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、所定の第2結果に対応する特定報知と所定の第3結果に対応する特定報知とにおいて報知態様の種別数が複数同士となり、いずれか一方や双方の報知態様の種別数が単数である場合と比べ、両者の特定報知の見分けが付きにくくなり、所定の第3結果に対応する特定報知を識別しにくくなる。これにより、採用される側の特定要素を態様変化の有無から推測する遊技の難易度を一定程度高め、当該遊技を好適に盛り上げることが可能になる。
なお、本特徴の「前記所定の第1結果と異なる結果」は「前記所定特典の付与に対応しない結果」や「前記所定特典の付与が行われない結果」と表現することもできる。
特徴eB11.予め定められた判定条件(第1作動口62又は第2作動口63への入賞)の成立に基づいて特定判定(特図当否判定)を実行する手段(主制御装置162における特図当否判定を実行する機能)と、
前記特定判定の結果が所定の第1結果(大当たり結果)となることに基づいて所定特典(開閉実行モード)を付与することが可能な手段(主制御装置162における遊技状態移行処理を実行する機能)と、
前記特定判定の結果に対応した特定表示(停止結果SD0~SD19)が行われる表示手段(特図用表示部43)と、
を備え、
前記表示手段は、所定表示状態の第1状態(点灯状態、第1表示色等)と前記第1状態とは異なる第2状態(消灯状態、第2表示色等)とに切り替え可能な複数の表示部(表示用セグメントSG1~SG7)を有しており、これらの表示部において前記第1状態とされる第1表示部と前記第2状態とされる第2表示部との組み合わせにより前記特定表示が行われるように構成されており、
前記所定の第1結果と異なる結果(外れ結果)として所定の第2結果(通常外れ結果)と所定の第3結果(特殊外れ結果)とを含む複数の結果を有しており、
前記所定の第3結果となった場合に前記特定条件が成立するように構成されており、
前記所定の第2結果に対応する特定表示の表示態様(通常外れ結果用の停止結果)として前記第1表示部の数が複数である所定態様(停止結果SD19)を含み、
前記所定の第3結果に対応する特定表示の表示態様(特殊外れ結果用の停止結果)として前記第1表示部の数が複数である特定態様(停止結果SD15~SD17)を含むことを特徴とする特徴eB1乃至特徴eB10のいずれかに記載の遊技機。
第1状態とされる第1表示部の数が多くなるほど特定表示の表示態様が複雑化して覚えにくくなるところ、そのような表示態様の特定表示が所定の第2結果と所定の第3結果とのそれぞれで存在する。このため、実際になされた特定表示が所定の第2結果と所定の第3結果とのいずれに対応するかの識別難易度が低くなり過ぎることが抑制され、採用される側の特定要素を態様変化の有無から推測する遊技を好適に盛り上げることができる。
なお、本特徴の「前記所定の第1結果と異なる結果」は「前記所定特典の付与に対応しない結果」や「前記所定特典の付与が行われない結果」と表現することもできる。
特徴eB12.予め定められた判定条件(第1作動口62又は第2作動口63への入賞)の成立に基づいて特定判定(特図当否判定)を実行する手段(主制御装置162における特図当否判定を実行する機能)と、
前記特定判定の結果に基づいて所定特典(開閉実行モード)を付与することが可能な手段(主制御装置162における遊技状態移行処理を実行する機能)と、
前記特定判定の結果に対応した特定表示(停止結果SD0~SD19)が行われる表示手段(特図用表示部43)と、
を備え、
前記表示手段は、所定表示状態の第1状態(点灯状態、第1表示色等)と前記第1状態とは異なる第2状態(消灯状態、第2表示色等)とに切り替え可能な複数の表示部(表示用セグメントSG1~SG7)を有しており、これらの表示部において前記第1状態とされる第1表示部と前記第2状態とされる第2表示部との組み合わせにより前記特定表示が行われるように構成されており、
前記特定判定の結果に関して前記所定特典の付与が行われない外れ結果として、所定外れ結果(通常外れ結果)と、前記所定外れ結果とは異なる特定外れ結果(特殊外れ結果)とを含む複数の外れ結果を有しており、
前記特定外れ結果になった場合に前記特定条件が成立するように構成されており、
前記所定外れ結果に対応する特定表示の表示態様として第1表示態様(停止結果SD18)と第2表示態様(停止結果SD19)とを含む複数の表示態様を有しており、
前記第1表示態様における前記第1表示部の数と前記第2表示態様における前記第1表示部の数とが異なることを特徴とする特徴eB1乃至特徴eB10のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、所定外れ結果に対応する特定表示の表示態様として第1表示態様と第2表示態様とを含む複数の表示態様が設けられるとともに、それら第1表示態様と第2表示態様とにおいて第1状態とされる第1表示部の数が異なるように構成されている。この場合、第1表示態様と第2表示態様とにおいて第1表示部の数が異なることで、それらの表示態様が同種の外れ結果(所定外れ結果)に対応するものであることを分かりにくくすることができる。これにより、実際になされた特定表示から所定外れ結果に対応するものであるか否かを識別する難易度を高めることができ、その結果、特定外れ結果に対応する特定表示との区別が付きにくくなる。よって、特定外れ結果の識別難易度が低くなり過ぎることが抑制され、採用される側の特定要素を態様変化の有無から推測する遊技を好適に盛り上げることができる。
特徴eB13.前記第1表示態様における前記第1表示部の数が前記第2表示態様における前記第1表示部の数より少ない構成となっており、
前記特定外れ結果に対応する特定表示の表示態様として、前記第1表示部の数が前記第1表示態様より多い第3表示態様(停止結果SD15~SD17)を有することを特徴とする特徴eB12に記載の遊技機。
上記構成では、第1表示態様の特定表示がなされた場合に第3表示態様との識別が容易となることで、第2表示態様の特定表示がなされた場合の第3表示態様との識別しにくさが強調され、第2表示態様の特定表示が特定外れ結果に対応する特定表示であると遊技者に思わせやすくすることができる。これにより、実際になされた特定表示が特定外れ結果に対応するか否かの識別難易度が低くなり過ぎることが抑制され、採用される側の特定要素を態様変化の有無から推測する遊技を好適に盛り上げることができる。
なお、上記特徴eB1乃至特徴eB13の各構成に対して、特徴eA1乃至特徴eA13、特徴eB1乃至特徴eB13、特徴eC1乃至特徴eC8、特徴eD1乃至特徴eD11、特徴eE1乃至特徴eE6、特徴eF1乃至特徴eF11、特徴eG1乃至特徴eG10のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴eC群>
特徴eC群は、上述した各実施の形態や各変形例又はこれらの組み合わせから抽出される発明群であり、主に上記第5の実施の形態、第5の実施の形態の変形例1に基づいて抽出されるものである。
なお、特徴eC群は「例えばパチンコ機等の遊技機においては、所定の抽選契機に基づいて抽選処理を実行し、その抽選結果が特定結果となった場合に、通常遊技状態よりも遊技者にとって有利な特別遊技状態に移行するなどの特典を付与するものが知られている(例えば特開2004-81853号公報)。」という背景技術について、「ここで、上記例示したような遊技機等においては遊技の興趣を高める上で未だ改善の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
特徴eC1.予め定められた判定条件(第1作動口62又は第2作動口63への入賞)の成立に基づいて特定判定(特図当否判定)を実行する手段(主制御装置162における特図当否判定を実行する機能)と、
前記特定判定の結果が所定の第1結果(大当たり結果)となることに基づいて所定特典(開閉実行モード)を付与することが可能な手段(主制御装置162における遊技状態移行処理を実行する機能)と、
前記特定判定の結果に対応した特定表示(停止結果SD0~SD19)が行われる表示手段(特図用表示部43)と、
を備え、
前記表示手段は、所定表示状態の第1状態(点灯状態、第1表示色等)と前記第1状態とは異なる第2状態(消灯状態、第2表示色等)とに切り替え可能な複数の表示部(表示用セグメントSG1~SG7)を有しており、これらの表示部において前記第1状態とされる第1表示部と前記第2状態とされる第2表示部との組み合わせにより前記特定表示が行われるように構成されており、
前記所定の第1結果と異なる結果(外れ結果)として所定の第2結果(通常外れ結果)と所定の第3結果(特殊外れ結果)とを含む複数の結果を有しており、
前記所定の第2結果に対応する特定表示の表示態様として前記第1表示部の数が複数である所定態様(停止結果SD19)を含み、
前記所定の第3結果に対応する特定表示の表示態様として前記第1表示部の数が複数である特定態様(停止結果SD15~SD17)を含むことを特徴とする遊技機。
上記構成では、特定判定の結果として所定特典の付与に対応した所定の第1結果が設けられるとともに、所定特典が付与されない結果として所定の第2結果及び所定の第3結果が設けられている。遊技機ではこれらの各結果に対応した特定表示を行わざるを得ないところ、提供する遊技性や演出構成によっては、表示手段にて行われる特定表示に基づいて遊技者が所定の第3結果となったことを容易に把握できてしまうと好ましくないことがある。この点、上記構成では、所定の第2結果に対応する特定表示と所定の第3結果に対応する特定表示とのそれぞれにおいて、第1状態とされる第1表示部の数が複数である表示態様を含むため、遊技者が両者の特定表示を見分けにくくなり、所定の第3結果になった場合とそうでない場合とを特定表示の内容から簡単に判別し得ることを抑制できる。これにより、上記遊技性や演出構成の効果を好適に発揮させることができ、延いては遊技の興趣を高めることが可能になる。
なお、本特徴の「前記所定の第1結果と異なる結果」は「前記所定特典の付与に対応しない結果」や「前記所定特典の付与が行われない結果」と表現することもできる。
特徴eC2.前記特定態様における前記第1表示部の数が前記所定態様における前記第1表示部の数以上であることを特徴とする特徴eC1に記載の遊技機。
上記構成では、所定の第2結果に対応する特定表示と所定の第3結果に対応する特定表示とのそれぞれで、第1表示部の数が複数である表示態様があるというだけでなく、所定の第3結果に対応する特定表示での第1表示部の数が多く、所定の第3結果に対応する特定表示の表示態様を遊技者が覚えにくいため、所定の第3結果になった場合とそうでない場合とを特定表示の内容から簡単に判別し得ることを抑制できる。
特徴eC3.前記特定態様(停止結果SD17)における前記第1表示部の数が前記所定態様における前記第1表示部の数と同じであることを特徴とする特徴eC1又は特徴eC2に記載の遊技機。
上記構成では、特定態様と所定態様とで第1表示部が同数であるため、遊技者が第1表示部の数から両者を識別することができず、所定の第3結果になった場合とそうでない場合とを特定表示の内容から簡単に判別し得ることを抑制できる。
特徴eC4.前記特定態様の数が前記所定態様の数より多いことを特徴とする特徴eC1乃至特徴eC3のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、特定態様の数が所定態様の数より多いため、第2結果に対応するものとして第1表示部の数が複数である特定表示が実行された場合に、多くが所定の第3結果である中で一部に所定の第2結果に対応する特定表示が混在している状態とすることができる。これにより、所定の第2結果に対応する所定態様の特定表示について所定の第3結果に対応するものであると思わせやすくすることができ、所定の第3結果になった場合とそうでない場合とを特定表示の内容から簡単に判別し得ることを抑制できる。
特徴eC5.複数の前記表示部のうち前記所定態様と前記特定態様とのいずれでも前記第1状態とされる特定表示部(停止結果SD17と停止結果SD19とにおける表示用セグメントSG2、SG4)が少なくとも1つ存在するように、前記所定態様での前記第1表示部と前記特定態様での前記第1表示部とが設定されていることを特徴とする特徴eC1乃至特徴eC4のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、第1表示部とされる表示部が所定態様と特定態様とで重複するため、これらの態様を見分けにくくすることができ、所定の第3結果になった場合とそうでない場合とを特定表示の内容から簡単に判別し得ることを抑制できる。
特徴eC6.前記所定態様と前記特定態様とにおいて複数の前記特定表示部を有することを特徴とする特徴eC5に記載の遊技機。
上記構成では、所定態様と特定態様とで重複する第1表示部が複数設けられるため、それらの態様の見た目を類似させることができ、両者の見分けを行いにくくすることができる。これにより、所定の第3結果になった場合とそうでない場合とを特定表示の内容から簡単に判別し得ることを抑制できる。
特徴eC7.前記特定態様として第1特定態様(停止結果SD15)と第2特定態様(停止結果SD17)とを含む複数の前記特定態様を有しており、
前記所定の第3結果となった場合に、複数の前記特定態様を含む前記所定の第3結果に対応する特定表示の表示態様のうちからいずれかが選択され、その選択結果に基づいて前記表示手段での表示が行われるように構成されており、
前記第2特定態様の選択確率が前記第1特定態様の選択確率より高くなっており、
少なくとも前記所定態様と前記第2特定態様とにおいて前記特定表示部を有することを特徴とする特徴eC5又は特徴eC6に記載の遊技機。
上記構成では、選択確率が高く表示頻度が高い側の第2特定態様と所定態様とにおいて重複する第1表示部が設けられるため、所定の第2結果に対応する所定態様の特定表示を所定の第3結果に対応するものと思わせやすくすることができる。これにより、両者の態様を見分けにくくすることができ、所定の第3結果になった場合とそうでない場合とを特定表示の内容から簡単に判別し得ることを抑制できる。
特徴eC8.前記特定判定が行われることに基づいて所定の演出表示(遊技回用演出等)が行われる第1表示手段(図柄表示装置75)と、
前記第1表示手段より小さく形成され、前記表示手段としての第2表示手段(特図用表示部43)と、
を備えていることを特徴とする特徴eC1乃至特徴eC7のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、特定表示が行われる第2表示手段が第1表示手段よりも小さく、第1表示手段での演出表示よりも目立ちにくい態様で特定表示が行われるとはいえ、かかる特定表示を遊技者が視認していた場合、当該特定表示から所定の第3結果になったことを把握できてしまうことが想定される。しかしながら、提供する遊技性や演出構成によっては、そのような把握が容易になり過ぎてしまうと好ましくないことがある。このような構成に対して上記特徴eC1から特徴eC7のいずれかの構成を適用することで、これら各特徴の上記各効果を好適に発揮させることができ、上記把握が容易になり過ぎることを好適に抑制可能となる。
なお、上記特徴eC1乃至特徴eC8の各構成に対して、特徴eA1乃至特徴eA13、特徴eB1乃至特徴eB13、特徴eC1乃至特徴eC8、特徴eD1乃至特徴eD11、特徴eE1乃至特徴eE6、特徴eF1乃至特徴eF11、特徴eG1乃至特徴eG10のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴eD群>
特徴eD群は、上述した各実施の形態や各変形例又はこれらの組み合わせから抽出される発明群であり、主に上記第5の実施の形態、第5の実施の形態の変形例1に基づいて抽出されるものである。
なお、特徴eD群は「例えばパチンコ機等の遊技機においては、所定の抽選契機に基づいて抽選処理を実行し、その抽選結果が特定結果となった場合に、通常遊技状態よりも遊技者にとって有利な特別遊技状態に移行するなどの特典を付与するものが知られている(例えば特開2004-81853号公報)。」という背景技術について、「ここで、上記例示したような遊技機等においては遊技の興趣を高める上で未だ改善の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
特徴eD1.予め定められた判定条件(第1作動口62又は第2作動口63への入賞)の成立に基づいて特定判定(特図当否判定)を実行する手段(主制御装置162における特図当否判定を実行する機能)と、
前記特定判定の結果が特定結果(大当たり結果)となることに基づいて所定遊技状態(通常遊技状態)より遊技者に有利な特別遊技状態(開閉実行モード)に移行させることが可能な手段(主制御装置162における遊技状態移行処理を実行する機能)と、
を備え、
遊技状態として、所定遊技状態より遊技者に有利なものであって特別遊技状態とは異なる特定遊技状態(時短遊技状態等)を有しており、
特定条件(特殊外れ結果の当選、天井回数への到達、特定入球部への入球等)の成立に基づいて特定遊技状態に移行させることが可能な手段(主制御装置162における天井時短遊技状態の移行判定用処理、突然時短遊技状態の移行判定用処理、時短遊技状態の移行用処理を実行する機能)と、
所定の報知手段(図柄表示装置75)にて報知を実行することが可能な報知実行手段(演出制御装置143における演出設定処理を実行する機能)と、
を備え、
前記報知実行手段は、
前記特定条件が成立した場合に特定報知(第1上乗せ演出、特殊リーチ外れA演出、開始用演出等)を実行することが可能な第1手段(演出制御装置143における遊技回用演出の第1設定処理を実行する機能)と、
前記特定条件とは異なる所定条件(特殊外れ結果になっていない状況でリーチ外れ用の変動パターンが選択された場合等)が成立した場合に前記特定報知を実行することが可能な第2手段(演出制御装置143における遊技回用演出の第3設定処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成では、特定判定の結果が特定結果となることに基づいて移行する特別遊技状態のほか、所定遊技状態よりも遊技者にとって有利な遊技状態として特定遊技状態を有している。この特定遊技状態には特定条件の成立により移行する。このため、遊技者は特定判定の結果が特定結果になることだけでなく、特定条件が成立することを目指して遊技を行うことができる。このような構成において、特定条件の成立に対応した特定報知が、特定条件が成立した場合だけでなく、特定条件とは異なる所定条件が成立した場合にも実行され得るものとなっている。この場合、特定条件の成立回数よりも多く特定報知が実行されるため、特定条件が成立しやすい印象を与えることができ、遊技の興趣を高めることが可能になる。
なお、本特徴の「前記特定条件とは異なる所定条件が成立した場合に前記特定報知を実行することが可能な第2手段」は、「前記特定条件が成立していない状況で前記特定報知を実行することが可能な第2手段」と表現することもできる。
特徴eD2.前記第2手段は、特定遊技状態である状況で前記所定条件が成立した場合に前記特定報知を実行することが可能であることを特徴とする特徴eD1に記載の遊技機。
例えば、所定条件の成立に基づく特定報知の実行後、遊技状態が特定遊技状態にならなければ、実際には特定条件が成立していないことを悟られてしまう懸念がある。この点、上記構成では、特定遊技状態である状況で所定条件が成立した場合に特定報知が実行されるように構成されている。この場合、滞在している特定遊技状態の継続を利用することで、報知後の遊技状態を特定遊技状態とさせながら、特定条件が成立していない中での特定報知を行うことができる。よって、実際には特定条件が成立していないことを分かりにくくすることができ、特定条件が成立しやすい印象を与えやすくすることが可能になる。
特徴eD3.特定遊技状態である状況で前記所定条件が成立し得るように構成されており、
特定遊技状態を構成する要素には遊技者の有利度合に関連する特定要素(時短遊技状態に滞在可能な特図遊技回の回数、小当たり回数、普図遊技回の回数、時短遊技状態に滞在可能な期間等)が含まれており、
滞在中の特定遊技状態に関する前記特定要素又は前記特定要素の少なくとも一部に対応する情報が非明示とされるようにすることが可能な手段(演出制御装置143におけるステップSe2703、ステップSe3106の処理等を実行する機能であって、滞在時短の残り回数又は残り回数の一部についてその情報を非明示とする機能)を備えていることを特徴とする特徴eD1又は特徴eD2に記載の遊技機。
上記構成では、滞在中の特定遊技状態における特定要素やその少なくとも一部が非明示とされるため、その非明示分を利用して所定条件の成立に基づく特定報知を実行することができる。これにより、滞在中の特定遊技状態における実際の残り分との整合を好適に図りながら上記特定報知を行うことが可能になる。
特徴eD4.前記第2手段は、特定遊技状態である状況で前記所定条件が成立した場合に、その特定遊技状態に関する前記特定要素又は前記特定要素の少なくとも一部に対応する情報の非明示分に基づいて前記特定報知を実行することが可能な手段(演出制御装置143におけるステップSe3301、ステップSe3306の処理等を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴eD3に記載の遊技機。
上記構成によれば、滞在中の特定遊技状態における特定要素についての非明示分を利用して、所定条件の成立に基づく特定報知が実行されるため、滞在中の特定遊技状態における実際の残り分との整合を好適に図りながら当該特定報知を行うことが可能になる。
特徴eD5.特定遊技状態に移行してからの特定回数(遊技回の回数、小当たり当選の回数等)が所定の上限回数に到達したことに基づいて当該特定遊技状態を終了させることが可能な手段(主制御装置162における高頻度サポートモード終了用処理を実行する機能)と、
特定遊技状態において、当該特定遊技状態に滞在可能な残りの前記特定回数の一部が非明示とされるようにすることが可能な非明示用手段(演出制御装置143におけるステップSe2703、ステップSe3106の処理等を実行する機能であって、滞在時短の残り回数の一部を非明示とした状態で残り回数画像823の表示を行う機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴eD1乃至特徴eD4のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、特定遊技状態に移行してからの特定回数が上限回数となることにより当該特定遊技状態が終了する構成において、特定遊技状態についての残りの特定回数の一部が非明示とされる。この場合、所定条件の成立に基づく特定報知を実行した際に、当該報知後において上記非明示分を利用して特定遊技状態に滞在させることができ、特定遊技状態に移行したように思わせることができる。これにより、所定条件の成立に基づく特定報知が疑似的なものであることを分かりにくくすることができ、特定条件が成立しやすい印象を与えやすくすることが可能になる。
特徴eD6.前記特定報知は、残りの前記特定回数が増加した又は追加されたと遊技者が認識できる報知であり、
前記第2手段は、前記非明示用手段により非明示とされた残りの前記特定回数の一部に基づいて前記特定報知を実行することが可能な手段(演出制御装置143におけるステップSe3301、ステップSe3306の処理等を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴eD5に記載の遊技機。
上記構成では、所定条件の成立に基づく特定報知において、残りの特定回数の非明示分を利用して残りの特定回数が増加した又は追加された旨を報知することができる。これにより、特定遊技状態への移行が生じていない状況において、実際の残り分と整合させながら特定遊技状態への移行が生じたと思わせることができる。よって、所定条件の成立に基づく特定報知が疑似的なものであることを分かりにくくすることができ、特定条件が成立しやすい印象を与えやすくすることが可能になる。
特徴eD7.前記特定判定が行われることに基づいて遊技回用動作が開始され、前記特定判定の結果に対応した報知結果とされることを遊技回の1回として、遊技回が行われるように制御する遊技回制御手段(主制御装置162における特図遊技回制御処理を実行する機能)を備え、
前記第1手段は、前記特定条件が成立した遊技回にて前記特定報知を実行することが可能であり、
前記第2手段は、前記所定条件が成立した遊技回にて前記特定報知を実行することが可能であることを特徴とする特徴eD1乃至特徴eD6のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、特定条件の成立に基づく特定報知と所定条件の成立に基づく特定報知とのいずれもが遊技回の中で実行され、これらの報知が遊技回用演出の一環として行われる。このため、遊技者は遊技回に注目しながら特定報知を視認することができ、特定報知の見落とし等を好適に抑制することが可能になる。
特徴eD8.前記遊技回制御手段は、前記遊技回用動作の期間を設定する期間設定手段(主制御装置162における変動表示時間の設定処理を実行する機能)を備え、前記期間設定手段により設定された期間にて前記遊技回用動作が実行されるように遊技回の制御を行うものであり、
前記遊技回用動作の期間が特定期間(リーチ外れ用の変動表示時間)の遊技回にて前記所定条件が成立可能であり、前記遊技回用動作の期間が前記特定期間とは異なる所定期間(完全外れ用の変動表示時間)の遊技回にて前記所定条件が成立不可であることを特徴とする特徴eD7に記載の遊技機。
上記構成では、遊技回用動作の期間が特定期間の場合に所定条件が成立可能となり、特定期間とは異なる所定期間の場合に所定条件が成立不可となるように構成される。すなわち、所定条件の成立に基づく特定報知が遊技回用動作の期間の長さを踏まえて実行されるため、当該報知を遊技回の中で好適に実行することが可能になる。
特徴eD9.前記特定期間は前記特定報知の実行期間より長い期間であることを特徴とする特徴eD8に記載の遊技機。
上記構成では、特定期間が特定報知の実行期間よりも長い期間とされているため、遊技回用動作の期間が当該特定期間である遊技回において、他の遊技回用演出とともに特定報知を好適に実行することが可能になる。
特徴eD10.所定の状況(時短遊技状態である状況等)で前記特定条件が成立した場合に特定遊技状態への移行が制限されるようにすることが可能な特定手段(主制御装置162における優先用処理を実行する機能等)を備え、
前記報知実行手段は、前記特定手段により特定遊技状態への移行が制限される場合又は制限された場合に前記特定報知を実行することが可能な第3手段(演出制御装置143における遊技回用演出の第2設定処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴eD1乃至特徴eD9のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、所定の状況で特定条件が成立した場合に特定遊技状態への移行が制限される。このような制限が行われた場合、遊技者としては、特定条件を成立させたにもかかわらずその恩恵を受けられないことになるため、遊技者の気分を害する懸念がある。この点、移行制限が行われる場合において特定報知が実行されるため、当該制限が行われる中でも特定遊技状態への移行が生じるように思わせることができる。その際、移行制限が行われる場合だけでなく、特定条件が成立していない場合にも特定報知が行われるため、移行制限時の特定報知を目立ちにくくして不自然な印象となることを抑制することができる。これにより、移行制限が行われたことをより好適に悟られにくくすることが可能になる。
特徴eD11.前記特定条件が成立した場合に特別遊技状態を経由しないで特定遊技状態に移行させ得るように構成されていることを特徴とする特徴eD1乃至特徴eD10のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、特別遊技状態を経由しないで特定遊技状態に移行し得るように構成されており、このような構成に対して上記特徴eD1から特徴eD10のいずれかの構成を適用することで、そのような特定遊技状態の移行条件(特定条件)が成立しやすい印象を与えることができ、遊技の興趣を高めることが可能になる。
なお、上記特徴eD1乃至特徴eD11の各構成に対して、特徴eA1乃至特徴eA13、特徴eB1乃至特徴eB13、特徴eC1乃至特徴eC8、特徴eD1乃至特徴eD11、特徴eE1乃至特徴eE6、特徴eF1乃至特徴eF11、特徴eG1乃至特徴eG10のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴eE群>
特徴eE群は、上述した各実施の形態や各変形例又はこれらの組み合わせから抽出される発明群であり、主に上記第5の実施の形態、第5の実施の形態の変形例1に基づいて抽出されるものである。
なお、特徴eE群は「例えばパチンコ機等の遊技機においては、所定の抽選契機に基づいて抽選処理を実行し、その抽選結果が特定結果となった場合に、通常遊技状態よりも遊技者にとって有利な特別遊技状態に移行するなどの特典を付与するものが知られている(例えば特開2004-81853号公報)。」という背景技術について、「ここで、上記例示したような遊技機等においては抽選結果に対応した特定報知を行う上で未だ改善の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
特徴eE1.予め定められた判定条件(第1作動口62又は第2作動口63への入賞)の成立に基づいて特定判定(特図当否判定)を実行する手段(主制御装置162における特図当否判定を実行する機能)と、
前記特定判定の結果が特定結果(大当たり結果)となることに基づいて所定遊技状態(通常遊技状態)より遊技者に有利な特別遊技状態(開閉実行モード)に移行させることが可能な手段(主制御装置162における遊技状態移行処理を実行する機能)と、
を備え、
遊技状態として、所定遊技状態より遊技者に有利なものであって特別遊技状態とは異なる特定遊技状態(時短遊技状態等)を有しており、
特定遊技状態として、第1所定条件(通常大当たり結果となること)の成立に基づいて特別遊技状態を経由して移行し得る第1特定遊技状態(通常時短遊技状態)と、前記第1所定条件とは異なる第2所定条件(特殊外れ結果になること)の成立に基づいて特別遊技状態を経由しないで移行し得る第2特定遊技状態(突然時短遊技状態)とを含む複数の特定遊技状態を有しており、
前記第1所定条件が成立した場合に第1特定報知(停止結果SD3~SD14)が所定の報知手段(特図用表示部43)にて実行されるようにする手段(主制御装置162におけるステップSe705の処理を実行する機能)と、
前記第2所定条件が成立した場合に第2特定報知(停止結果SD15~SD17)が前記所定の報知手段にて実行されるようにする手段(主制御装置162におけるステップSe708の処理を実行する機能)と、
を備え、
少なくとも前記第1特定報知の報知態様として複数種の報知態様(停止結果SD3~SD)を有しており、
前記第2特定報知の種類数が前記第1特定報知の種類数より少ないことを特徴とする遊技機。
上記構成では、特定判定の結果が特定結果となることに基づいて移行する特別遊技状態のほか、所定遊技状態よりも遊技者にとって有利な遊技状態として特定遊技状態を有している。また、このような特定遊技状態として、特別遊技状態を経由して移行する第1特定遊技状態と、特別遊技状態を経由することなく移行する第2特定遊技状態とが設けられている。さらに第1特定遊技状態への移行条件である第1所定条件が成立した場合に第1特定報知が実行され、第2特定遊技状態への移行条件である第2所定条件が成立した場合に第2特定報知が実行されるように構成されている。このような構成において、第2特定報知の種類数が第1特定報知の種類数よりも少ないため、第2特定報知の報知態様を遊技者が覚えやすくすることができ、特定報知を好適に行うことが可能になる。
特徴eE2.前記第1所定条件は、前記特定判定の結果が前記特定結果となることを少なくとも1の条件とするものであり、
前記第2所定条件は、前記特定判定の結果が前記特定結果とは異なる所定結果(外れ結果)となることを少なくとも1の条件とするものであり、
前記第1特定報知及び前記第2特定報知は、前記特定判定の結果に対応した報知(特図用表示部43での大当たり図柄又は外れ図柄の停止表示)として実行されるものであることを特徴とする特徴eE1に記載の遊技機。
上記構成では、特定判定の結果に対応した結果報知として第1特定報知及び第2特定報知が行われる場合において、第2特定報知の種類数が第1特定報知の種類数よりも少なくなっており、結果報知として行われる第2特定報知の報知態様を遊技者が覚えやすくすることができる。
特徴eE3.前記所定の報知手段として、所定表示状態の第1状態(点灯状態、第1表示色等)と前記第1状態とは異なる第2状態(消灯状態、第2表示色等)とに切り替え可能な複数の表示部(表示用セグメントSG1~SG7)を有しており、
前記複数の表示部において前記第1状態とされる第1表示部と前記第2状態とされる第2表示部との組み合わせにより前記第1特定報知及び前記第2特定報知を実行することが可能に構成されていることを特徴とする特徴eE1又は特徴eE2に記載の遊技機。
上記構成では、第1状態と第2状態とに切り替え可能な複数の表示部を有する表示手段において、第1状態とされる第1表示部と第2状態とされる第2表示部との組み合わせにより第1特定報知と第2特定報知とが実行される。このような場合、各特定報知の識別性が低く、各報知態様を遊技者が覚えにくくなるが、上記特徴eE1や特徴eE2の構成であることで、第2特定報知の報知態様を覚えやすくすることができる。
特徴eE4.前記第2特定遊技状態として、所定の第2特定遊技状態(例えば突然時短遊技状態B)と、前記所定の第2特定遊技状態より遊技者に有利な特定の第2特定遊技状態(例えば突然時短遊技状態A)とを含む複数種の第2特定遊技状態を有しており、
前記第2特定報知として、前記特定の第2特定遊技状態に対応する第1表示態様の報知(例えば突然時短遊技状態Aに対応する停止結果)と、前記所定の第2特定遊技状態に対応する第2表示態様の報知(例えば突然時短遊技状態Bに対応する停止結果)とを有しており、
前記第1表示態様における前記第1表示部の数が前記第2表示態様における前記第1表示部の数より多いことを特徴とする特徴eE3に記載の遊技機。
上記構成では、第2特定遊技状態として有利度合が異なる複数種の第2特定遊技状態を有しており、第2特定報知において、遊技者に有利な第2特定遊技状態に対応する報知ほど第1表示部の数が多くなるように構成されている。これにより、第2特定報知同士の識別において遊技者が各報知の詳細まで記憶していなくても感覚的に有利度合を把握することが可能になる。
特徴eE5.前記第2特定報知の実行期間が前記第1特定報知の実行期間より短くなるようにすることが可能な手段(特殊外れ結果に対応する停止結果の停止表示期間を通常大当たり結果に対応する停止結果の停止表示期間よりも短くする機能)を備えていることを特徴とする特徴eE1乃至特徴eE4のいずれかに記載の遊技機。
第2特定遊技状態に対応する第2特定報知が行われた場合に、それを遊技者があまりにも簡単に識別できてしまうと好ましくないことがある。この点、上記構成では、第2特定報知の実行期間が第1特定報知の実行期間よりも短くされる。すなわち、第2特定報知が実行された際に、当該報知を遊技者が視認することが可能な期間が短く抑えられるため、第2特定報知が行われたことの識別難易度がある程度高められ、第2特定報知の報知態様を遊技者が覚えやすい構成でありながらも、その識別が簡単化し過ぎることを抑制できる。
特徴eE6.前記第1特定報知及び前記第2特定報知は、前記特定判定の結果に対応した結果報知(特図用表示部43での大当たり図柄又は外れ図柄の停止表示)として実行されるものであり、
前記特定判定が行われることに基づいて遊技回用動作が開始され、前記特定判定の結果に対応した前記結果報知が行われることを遊技回の1回として、遊技回が行われるように制御する遊技回制御手段(主制御装置162における特図遊技回制御処理を実行する機能)を備え、
前記遊技回制御手段は、前記結果報知が行われる報知期間を設定する期間設定手段(主制御装置162において確定表示時間を設定する機能)を備え、
前記期間設定手段は、前記第2特定報知を実行する場合の所定の前記報知期間として前記第1特定報知を実行する場合の所定の前記報知期間より短い期間を設定することが可能な手段を備えていることを特徴とする特徴eE1乃至特徴eE5のいずれかに記載の遊技機。
第2特定遊技状態に対応する第2特定報知が行われた場合に、それを遊技者があまりにも簡単に識別できてしまうと好ましくないことがある。この点、上記構成では、第1所定条件、第2所定条件が成立した各遊技回において、第2特定報知を実行する場合の報知期間が第1特定報知実行する場合の報知期間よりも短くされる。すなわち、第2特定報知が実行された際に、当該報知を遊技者が視認することが可能な期間が短く抑えられるため、第2特定報知が行われたことの識別難易度がある程度高められ、第2特定報知の報知態様を遊技者が覚えやすい構成でありながらも、その識別が簡単化し過ぎることを抑制できる。
なお、上記特徴eE1乃至特徴eE6の各構成に対して、特徴eA1乃至特徴eA13、特徴eB1乃至特徴eB13、特徴eC1乃至特徴eC8、特徴eD1乃至特徴eD11、特徴eE1乃至特徴eE6、特徴eF1乃至特徴eF11、特徴eG1乃至特徴eG10のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴eF群>
特徴eF群は、上述した各実施の形態や各変形例又はこれらの組み合わせから抽出される発明群であり、主に上記第5の実施の形態の変形例2に基づいて抽出されるものである。
なお、特徴eF群は「例えばパチンコ機等の遊技機においては、所定の抽選契機に基づいて抽選処理を実行し、その抽選結果が特定結果となった場合に、通常遊技状態よりも遊技者にとって有利な特別遊技状態に移行するなどの特典を付与するものが知られている(例えば特開2004-81853号公報)。」という背景技術について、「ここで、上記例示したような遊技機等においては遊技の興趣を高める上で未だ改善の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
特徴eF1.予め定められた判定条件(第1作動口62又は第2作動口63への入賞)の成立に基づいて特定判定(特図当否判定)を実行する手段(主制御装置162における特図当否判定を実行する機能)と、
前記特定判定の結果が所定の第1結果(大当たり結果)となることに基づいて所定特典(開閉実行モード)を付与することが可能な手段(主制御装置162における遊技状態移行処理を実行する機能)と、
前記特定判定の結果に対応した特定表示(停止結果SD0~SD21)が行われる表示手段(特図用表示部43)と、
を備え、
前記表示手段は、所定表示状態の第1状態(点灯状態、第1表示色等)と前記第1状態とは異なる第2状態(消灯状態、第2表示色等)とに切り替え可能な複数の表示部(表示用セグメントSG1~SG7)を有しており、これらの表示部において前記第1状態とされる第1表示部と前記第2状態とされる第2表示部との組み合わせにより前記特定表示が行われるように構成されており、
前記所定の第1結果と異なる結果(外れ結果)として所定の第2結果(通常外れ結果)と所定の第3結果(特殊外れ結果)とを含む複数の結果を有しており、
前記所定の第3結果に対応する特定表示として、前記第1表示部の数が前記所定の第2結果に対応する所定の特定表示(停止結果SD18、SD21)における前記第1表示部の数以下である特定態様の特定表示(停止結果SD20)を含むことを特徴とする遊技機。
上記構成では、特定判定の結果として所定特典の付与に対応した所定の第1結果が設けられるとともに、所定特典が付与されない結果として所定の第2結果及び所定の第3結果が設けられている。遊技機ではこれらの各結果に対応した特定表示を行わざるを得ないところ、提供する遊技性や演出構成によっては、表示手段にて行われる特定表示に基づいて遊技者が所定の第3結果となったことを容易に把握できてしまうと好ましくないことがある。この点、上記構成では、所定の第3結果用の特定表示の表示態様として、第1状態とされる第1表示部の数が所定の第2結果用の特定表示における第1表示部の数以下である特定態様を有するため、所定の第3結果となった場合の特定表示を所定の第2結果用の特定表示に似せて行うことができ、所定の第3結果になった場合とそうでない場合とを特定表示の内容から簡単に判別し得ることが抑制される。これにより、上記遊技性や演出構成の効果を好適に発揮させることができ、延いては遊技の興趣を高めることが可能になる。
なお、本特徴の「前記所定の第1結果と異なる結果」は「前記所定特典の付与に対応しない結果」や「前記所定特典の付与が行われない結果」と表現することもできる。
特徴eF2.前記所定の第3結果に対応する特定表示として、前記第1表示部の数が前記所定の第2結果に対応する所定の特定表示における前記第1表示部の数と同じである特定態様の特定表示を含むことを特徴とする特徴eF1に記載の遊技機。
上記構成では、特定態様において第1表示部の数が所定の第2結果用の特定表示における第1表示部の数と同じであるため、所定の第3結果となった場合の特定表示を所定の第2結果用の特定表示に似せて行うことができる。また、第1表示部の数に基づいて所定の第2結果と所定の第3結果とを見分けることができないため、所定の第3結果になった場合とそうでない場合とを特定表示の内容から簡単に判別し得ることをより好適に抑制することが可能になる。
特徴eF3.前記所定の第3結果に対応する特定表示の表示態様として複数の表示態様(SD15~SD17、SD20)を有しており、
前記複数の表示態様には、前記特定態様と、前記第1表示部の数が前記所定の第2結果に対応する所定の特定表示(停止結果SD18)における前記第1表示部の数より多い所定態様(停止結果SD15~SD17)とが含まれることを特徴とする特徴eF1又は特徴eF2に記載の遊技機。
上記構成では、所定の第3結果となった場合に行われる特定表示の表示態様として、第1表示部の数が所定の第2結果用の特定表示以下である特定態様と、所定の第2結果用の特定表示より多い所定態様とが設けられている。このため、所定の第3結果用の特定表示のうち一部について所定の第2結果用の特定表示との識別が行いにくく、他の一部について識別が行いやすい構成とすることができる。これにより、所定の第3結果となった場合の結果報知としての機能が過度に損なわれることを抑制しつつ、所定の第3結果になった場合とそうでない場合とを特定表示の内容から簡単に判別し得ることを抑制することが可能になる。
特徴eF4.前記所定の第2結果に対応する特定表示の表示態様として複数の表示態様(SD18、SD21)を有しており、
前記特定態様は、前記第1表示部の数が前記複数の表示態様のうちの所定表示態様(SD18)における前記第1表示部の数以下であることを特徴とする特徴eF1乃至特徴eF3のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、所定の第2結果に対応する特定表示の表示態様が複数設定されるため、遊技者が所定の第2結果用の特定表示を覚えにくくなる。その結果、所定の第3結果となった場合に行われる特定態様の特定表示を遊技者が所定の第2結果用の特定表示と混同しやすくなり、所定の第3結果になった場合とそうでない場合とを特定表示の内容から簡単に判別し得ることをより好適に抑制することが可能になる。
特徴eF5.前記所定の第3結果となった場合に、所定の演出手段(図柄表示装置75)にて前記所定の第2結果に対応した所定報知(完全外れ演出)を実行することが可能な手段(演出制御装置143において変動パターンW3に対応する変動開始コマンドを受信した場合に完全外れ演出を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴eF1乃至特徴eF4のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、所定の第3結果となった場合に、所定の演出手段にて所定の第2結果に対応した所定報知が行われるため、遊技者に所定の第2結果になったと思わせることができる。これにより、所定の第3結果用の特定表示と所定の第2結果用の特定表示との識別が行いにくいこととも相俟って、所定の第3結果になった場合とそうでない場合とを簡単に判別し得ることを好適に抑制することが可能になる。
特徴eF6.前記所定の第3結果となったことに基づいて特定特典(突然時短遊技状態への移行等)を付与することが可能な手段(主制御装置162における天井時短遊技状態の移行判定用処理、突然時短遊技状態の移行判定用処理、時短遊技状態の移行用処理を実行する機能)と、
所定の状況(時短遊技状態である状況等)で前記所定の第3結果となった場合に前記特定特典の付与を制限することが可能な手段(主制御装置162における優先用処理を実行する機能等)と、
を備えていることを特徴とする特徴eF1乃至特徴eF5のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、所定の第3結果となったことに基づいて特定特典が付与されるとともに、所定の状況で所定の第3結果となった場合にはその付与が制限されるように構成されている。このような制限が行われた場合、遊技者としては、所定の第3結果となったにもかかわらずその恩恵を受けられないことになるため、遊技者の気分を害する懸念がある。このような場合において、所定の第3結果になった場合とそうでない場合とを特定表示の内容から簡単に判別し得ることが抑制されることで、特典付与の制限が行われたことを悟られにくくすることが可能になる。
特徴eF7.前記所定の状況で前記所定の第3結果となった場合に前記特定態様の特定表示を実行することが可能な手段(突然時短遊技状態への移行が制限される場合に停止結果SD20を停止表示させる機能)を備えていることを特徴とする特徴eF6に記載の遊技機。
上記構成では、所定の第3結果となったにもかかわらず特定特典の付与が制限される場合を対象に特定態様の特定表示が実行され、所定の第3結果に対応する特定表示が所定の第2結果用の特定表示に類似した態様で行われる。これにより、かかる場合において所定の第3結果となったことに気づかせにくくすることができ、延いては特典付与の制限が行われたことを悟られにくくすることが可能になる。
特徴eF8.前記所定の状況で前記所定の第3結果となった場合に、所定の演出手段(図柄表示装置75)にて前記所定の第2結果に対応した所定報知(完全外れ演出)を実行することが可能な手段(演出制御装置143において変動パターンW3に対応する変動開始コマンドを受信した場合に完全外れ演出を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴eF6又は特徴eF7に記載の遊技機。
上記構成では、所定の第3結果となったにもかかわらず特定特典の付与が制限される場合に所定の第2結果に対応した所定報知が行われるため、所定の第3結果用の特定表示と所定の第2結果用の特定表示との識別が行いにくいことと相俟って、所定の第3結果になったことにより一層気づかせにくくすることができる。
特徴eF9.前記所定の第3結果に対応する特定表示の表示態様として複数の表示態様(SD15~SD17、SD20)を有しており、
前記複数の表示態様には、前記特定態様と、前記第1表示部の数が前記所定の第2結果に対応する所定の特定表示(停止結果SD18)における前記第1表示部の数より多い所定態様(停止結果SD15~SD17)とが含まれており、
前記特定特典が付与される場合に前記所定態様の特定表示を実行することが可能な手段(停止結果SD15~SD17を停止表示させる機能)と、
前記特定特典の付与が制限される場合に前記特定態様の特定表示を実行することが可能な手段(停止結果SD20を停止表示させる機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴eF6乃至特徴eF8のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、所定の第3結果となった場合において特定特典が付与される場合を対象に所定の第2結果用の特定表示より第1表示部の数が多い所定態様の特定表示が行われるため、そのような特性の特定表示と特定特典の付与とが遊技者の中で結び付けられる結果、所定の第3結果となった場合の特定表示として強く印象付けられることが想定される。その印象付けが行われた状況で、所定の第3結果となった場合において特定特典が付与されない場合を対象に上記所定態様とは表示上の特性が異なる特定態様の特定表示が行われることにより、遊技者が当該特定表示を所定の第3結果と結び付けて認識しにくくなる。これにより、特定特典の付与が制限される場合に所定の第3結果になったと気づかせにくくすることができ、当該制限が行われたことを悟られにくくすることが可能になる。
特徴eF10.前記特定判定が行われることに基づいて所定の演出表示(遊技回用演出等)が行われる第1表示手段(図柄表示装置75)と、
前記第1表示手段よりも小さく形成され、前記表示手段としての第2表示手段(特図用表示部43)と、
を備えていることを特徴とする特徴eF1乃至特徴eF9のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、特定表示が行われる第2表示手段が第1表示手段よりも小さく、第1表示手段での演出表示よりも目立ちにくい態様で特定表示が行われるとはいえ、かかる特定表示を遊技者が視認していた場合、当該特定表示から所定の第3結果になったことを把握できてしまうことが想定される。しかしながら、提供する遊技性や演出構成によっては、そのような把握が容易になり過ぎてしまうと好ましくないことがある。このような構成に対して上記特徴eF1から特徴eF9のいずれかの構成を適用することで、これら各特徴の上記各効果を好適に発揮させることができ、上記把握が容易になり過ぎることを好適に抑制可能となる。
特徴eF11.前記特定判定の結果が前記第1結果となることに基づいて所定遊技状態(通常遊技状態)より遊技者に有利な特別遊技状態(開閉実行モード)に移行させることが可能であり、
前記所定特典の付与は特定遊技状態への移行であり、
遊技状態として、所定遊技状態より遊技者に有利なものであって特別遊技状態とは異なる特定遊技状態(時短遊技状態等)を有しており、
前記所定の第3結果となった場合に特別遊技状態を経由しないで特定遊技状態に移行させ得るように構成されていることを特徴とする特徴eF1乃至特徴eF10のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、所定の第3結果となった場合に特別遊技状態を経由しないで特定遊技状態に移行し得るように構成されており、このような構成に対して上記特徴eF1から特徴eF10のいずれかの構成を適用することで、そのような特定遊技状態の移行条件の成立を特定表示から簡単に把握できてしまうことが抑制され、上記移行の制限が行われる場合に好適に適用することができる。
なお、上記特徴eF1乃至特徴eF11の各構成に対して、特徴eA1乃至特徴eA13、特徴eB1乃至特徴eB13、特徴eC1乃至特徴eC8、特徴eD1乃至特徴eD11、特徴eE1乃至特徴eE6、特徴eF1乃至特徴eF11、特徴eG1乃至特徴eG10のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴eG群>
特徴eG群は、上述した各実施の形態や各変形例又はこれらの組み合わせから抽出される発明群であり、主に上記第5の実施の形態の変形例2に基づいて抽出されるものである。
なお、特徴eG群は「例えばパチンコ機等の遊技機においては、所定の抽選契機に基づいて抽選処理を実行し、その抽選結果が特定結果となった場合に、通常遊技状態よりも遊技者にとって有利な特別遊技状態に移行するなどの特典を付与するものが知られている(例えば特開2004-81853号公報)。」という背景技術について、「ここで、上記例示したような遊技機等においては抽選結果に対応した特定報知を行う上で未だ改善の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
特徴eG1.予め定められた判定条件(第1作動口62又は第2作動口63への入賞)の成立に基づいて特定判定(特図当否判定)を実行する手段(主制御装置162における特図当否判定を実行する機能)と、
前記特定判定の結果が所定結果(特殊外れ結果)となった場合に特定制御(突然時短遊技状態への移行等)を実行するか否かに対応した判定を実行する特定制御判定手段(ステップSe1404の処理を実行する機能等)と、
前記特定制御判定手段の判定結果が前記特定制御の実行に対応した結果となることに基づいて前記特定制御が実行されるようにする特定制御実行手段(ステップSe1404で肯定判定した場合にステップSe1405、ステップSe1406の処理を実行する機能等)と、
前記特定判定の結果に対応した特定報知(停止結果SD0~SD21の停止表示)が所定の報知手段(特図用表示部43)にて実行されるようにする特定報知実行手段(主制御装置162における特図遊技回制御処理を実行する機能)と、
を備え、
前記所定結果に対応する特定報知の報知態様として複数種の報知態様(停止結果SD15~SD17、SD20)を有しており、前記特定判定の結果が前記所定結果である場合に、それら複数種の報知態様のうちのいずれかの報知態様により前記所定結果に対応する特定報知が実行されるように構成されており、
前記特定判定の結果が前記所定結果である場合の前記特定報知の報知態様を前記特定制御判定手段の判定結果を参照して決定することが可能な特定手段(主制御装置162における特殊外れ用の停止結果設定処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成では、特定判定の結果が所定結果である場合に特定制御を実行するか否かが判定され、その結果に基づいて特定制御が実行される。また、特定判定が行われた場合に所定の報知手段にて特定報知が実行され、その特定報知により特定判定の結果が報知される。このような構成の下、所定結果に対応する特定報知の報知態様として複数種の報知態様が設けられるとともに、それらの報知態様のうちのいずれで特定報知を行うかの決定に際し、特定制御を実行するか否かの判定結果が参照される。この場合、特定制御を実行するか否かに応じて所定結果に対応する特定報知の報知態様を使い分けることができる。このため、例えば、特定制御が実行されない状況で特定報知から所定結果が把握されてしまうことが好ましくない場合に、所定結果を把握しにくい報知態様となるように特定報知の調整を行うことができ、特定報知を好適に行うことが可能になる。
特徴eG2.前記特定判定の結果が前記所定結果である場合に、前記特定制御判定手段による判定の実行より後、前記複数種の報知態様のうちからいずれかの報知態様を決定することが可能に構成されていることを特徴とする特徴eG1に記載の遊技機。
上記構成では、特定制御を実行するか否かの判定→特定報知の報知態様の選択・決定の順番で処理が行われるため、所定結果に対応する特定報知の報知態様を決定する場合に、上記判定の結果を反映させた決定を好適に行うことが可能になる。
特徴eG3.前記複数種の報知態様は、第1報知態様(停止結果SD15~SD17)と、前記第1報知態様とは異なる第2報知態様(停止結果SD20)とを含むものであり、
前記特定手段は、前記特定制御判定手段の判定結果が前記特定制御の不実行に対応した結果である場合に、前記所定結果である場合の前記特定報知の報知態様として前記第2報知態様を決定する又は前記第1報知態様より前記第2報知態様を決定しやすい手段を備えていることを特徴とする特徴eG1又は特徴eG2に記載の遊技機。
上記構成では、所定結果に対応する特定報知の報知態様として第1報知態様と第2報知態様とを含む複数種の報知態様を有しており、特定制御判定手段により特定制御を実行しないと判定された場合に、所定結果に対応する特定報知の報知態様として第2報知態様が決定される又は第2報知態様が決定されやすい構成となっている。この場合、第2報知態様として遊技者が所定結果を連想しにくい態様を設定することで、特定制御が実行されない状況で所定結果が把握されることを好適に抑制可能となる。
なお、本特徴における「前記特定手段は、前記特定制御判定手段の判定結果が前記特定制御の不実行に対応した結果である場合に、前記所定結果である場合の前記特定報知の報知態様として前記第2報知態様を決定する又は前記第1報知態様より前記第2報知態様を決定しやすい手段を備えている」は、「前記特定手段は、前記特定制御判定手段の判定結果が前記特定制御の実行に対応した結果である場合に、前記所定結果である場合の前記特定報知の報知態様として前記第1報知態様を決定する又は前記第2報知態様より前記第2報知態様を決定しやすい第1手段と、前記特定制御判定手段の判定結果が前記特定制御の不実行に対応した結果である場合に、前記所定結果である場合の前記特定報知の報知態様として前記第2報知態様を決定する又は前記第1報知態様より前記第2報知態様を決定しやすい第2手段と、を備えている」と表現することもできる。
特徴eG4.前記特定判定の結果として前記所定結果とは異なる特定結果(通常外れ結果)を取り得る構成となっており、
前記第2報知態様は、遊技者が前記所定結果より前記特定結果を認識しやすい又は遊技者が前記特定結果を認識できる態様(通常外れ結果に対応する停止結果SD18、SD21に類似する態様)であることを特徴とする特徴eG3に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定制御が実行されない場合に決定される第2報知態様は、遊技者が所定結果よりも特定結果を認識しやすい態様となっている。このため、特定判定にて所定結果となった場合において特定制御が実行されないと判定された場合に、遊技者が特定報知に基づいて特定結果を把握しやすくなり、特定制御が実行されない状況で所定結果が把握されることを好適に抑制可能となる。
特徴eG5.前記特定判定の結果が前記特定結果となった場合に、前記特定制御判定手段による判定が行われることなく前記特定制御が不実行とされるように構成されていることを特徴とする特徴eG4に記載の遊技機。
上記構成では、特定判定の結果が特定結果となった場合に一律に特定制御が実行されないため、所定結果となった場合に行われる第2報知態様の特定報知から遊技者が特定結果を認識した場合に特定制御が実行されない点で整合する。このため、不自然な印象となることが抑制され、特定制御が実行されない状況で所定結果が把握されることを好適に抑制可能となる。
特徴eG6.前記特定判定の結果として前記所定結果とは異なる特定結果(通常外れ結果)を取り得る構成となっており、
前記特定報知としての特定表示が前記所定の報知手段としての表示手段にて行われるように構成されており、
前記表示手段は、所定表示状態の第1状態(点灯状態、第1表示色等)と前記第1状態とは異なる第2状態(消灯状態、第2表示色等)とに切り替え可能な複数の表示部(表示用セグメントSG1~SG7)を有しており、これらの表示部において前記第1状態とされる第1表示部と前記第2状態とされる第2表示部との組み合わせにより前記特定表示が行われるように構成されており、
前記第2報知態様の特定表示における前記第1表示部の数は、前記特定結果に対応する所定の特定表示(停止結果SD18、SD21)における前記第1表示部の数以下であることを特徴とする特徴eG3乃至特徴eG5のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、第1状態とされる第1表示部と第2状態とされる第2表示部との組み合わせにより特定判定の結果に対応した特定表示が行われるところ、第2報知態様の特定表示における第1表示部の数が特定結果に対応する所定の特定表示における第1表示部の数以下であるため、特定判定の結果が所定結果となった場合において特定制御が実行されない場合の特定表示を特定結果用の特定表示に似せて行うことができ、特定制御が実行されない状況で所定結果が把握されることを好適に抑制可能となる。
特徴eG7.前記第1報知態様の特定表示における前記第1表示部の数は、前記特定結果に対応する所定の特定表示における前記第1表示部の数より多いことを特徴とする特徴eG6に記載の遊技機。
上記構成では、所定結果となった場合に行われる特定表示の表示態様として、第1表示部の数が特定結果用の特定表示以下である第2態様と、特定結果用の特定表示より多い第1態様とを有するため、所定結果となった場合に行われる特定表示のうち一部について特定結果との識別が行いにくく、他の一部について識別が行いやすい構成とすることができる。これにより、所定結果となった場合の結果報知としての機能が過度に損なわれることを抑制しつつ、特定制御が実行されない状況で所定結果が把握されることを好適に抑制可能となる。
なお、本特徴において「前記特定手段は、前記特定制御判定手段の判定結果が前記特定制御の実行に対応した結果である場合に、前記所定結果である場合の前記特定報知の報知態様として前記第1報知態様を決定する又は前記第2報知態様より前記第1報知態様を決定しやすい手段を備えている」という構成をさらに備えてもよい。
特徴eG8.前記特定判定の結果として前記所定結果とは異なる特定結果(通常外れ結果)を取り得る構成となっており、
前記特定制御判定手段の判定結果が前記特定制御の不実行に対応した結果である場合に、所定の演出手段(図柄表示装置75)にて前記特定結果に対応した所定報知(完全外れ演出)を実行することが可能な手段(演出制御装置143において変動パターンW3に対応する変動開始コマンドを受信した場合に完全外れ演出を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴eG1乃至特徴eG7のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、特定判定にて所定結果となった場合において特定制御を実行しないと判定された場合に、所定の演出手段にて特定結果に対応した所定報知が行われるため、遊技者に特定結果になったと思わせることができ、特定制御が実行されない状況で所定結果が把握されることを好適に抑制可能となる。
特徴eG9.前記特定制御により遊技者に特定特典(特定遊技状態への移行)を付与することが可能であることを特徴とする特徴eG1乃至特徴eG8のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、特定制御により遊技者に特定特典が付与されるところ、特定制御が実行されない場合、当該特典が付与されないことになる。このため、特定判定で所定結果を引き当てたにもかかわらず、その恩恵を得られないとして、遊技者の気分を害してしまう懸念がある。そのような場合において上記特徴eG1から特徴eG8のいずれかの構成を適用することで、特定制御が実行されない状況で所定結果が把握されることが抑制され、延いては特典付与が制限されたことに気づきにくくすることができる。
特徴eG10.遊技状態として、所定遊技状態(通常遊技状態)と、所定遊技状態より遊技者に有利な特定遊技状態(時短遊技状態等)とを含む複数の遊技状態を有しており、
前記特定制御は特定遊技状態への移行であることを特徴とする特徴eG1乃至特徴eG9のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、遊技状態として、所定遊技状態と、所定遊技状態よりも遊技者にとって有利な特定遊技状態とを有しており、特定制御により特定遊技状態への移行が行われるように構成されている。このような構成では、特定制御が実行されないことにより、特定遊技状態への移行が行われないことになるため、特定判定で所定結果を引き当てたにもかかわらず、その恩恵を得られないとして、遊技者の気分を害してしまう懸念がある。そのような場合において上記特徴eG1から特徴eG9のいずれかの構成を適用することで、特定制御が実行されない状況で所定結果が把握されることが抑制され、延いては特定遊技状態への移行が制限されたことに気づきにくくすることができる。
なお、上記特徴eG1乃至特徴eG10の各構成に対して、特徴eA1乃至特徴eA13、特徴eB1乃至特徴eB13、特徴eC1乃至特徴eC8、特徴eD1乃至特徴eD11、特徴eE1乃至特徴eE6、特徴eF1乃至特徴eF11、特徴eG1乃至特徴eG10のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
なお、以上詳述した特徴eA群乃至特徴eG群の各構成に対して、他の特徴eA群乃至特徴eG群の各構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想を組合せて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
以下に、以上の各特徴を適用し得る遊技機の基本構成を示す。
パチンコ遊技機:遊技者が操作する操作手段と、その操作手段の操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段と、その発射された遊技球を所定の遊技領域に導く球通路と、遊技領域内に配置された各遊技部品とを備え、それら各遊技部品のうち所定の通過部を遊技球が通過した場合に遊技者に特典を付与する遊技機。
スロットマシン等の回胴式遊技機:複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄列を最終停止表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段の操作に起因して図柄の変動が開始され、停止用操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより図柄の変動が停止され、その停止時の最終停止図柄が特定図柄であることを必要条件として遊技者に有利な特別遊技状態(ボーナスゲーム等)を発生させるようにした遊技機。
球使用ベルト式遊技機(球使用回胴式遊技機):複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄列を最終停止表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段の操作に起因して図柄の変動が開始され、停止用操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより図柄の変動が停止され、その停止時の最終停止図柄が特定図柄であることを必要条件として遊技者に有利な特別遊技状態(ボーナスゲーム等)を発生させるようにし、さらに、球受皿を設けてその球受皿から遊技球を取り込む投入処理を行う投入装置と、前記球受皿に遊技球の払出を行う払出装置とを備え、投入装置により遊技球が投入されることにより前記始動用操作手段の操作が有効となるように構成した遊技機。