JP7524529B2 - 新規樹脂組成物およびその製造方法 - Google Patents

新規樹脂組成物およびその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP7524529B2
JP7524529B2 JP2019200098A JP2019200098A JP7524529B2 JP 7524529 B2 JP7524529 B2 JP 7524529B2 JP 2019200098 A JP2019200098 A JP 2019200098A JP 2019200098 A JP2019200098 A JP 2019200098A JP 7524529 B2 JP7524529 B2 JP 7524529B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
water
resin composition
resin
soluble branched
polysaccharide
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2019200098A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2021070794A (ja
Inventor
紘基 竹本
大輔 村松
大介 重實
均 高口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nihon Shokuhin Kako Co Ltd
Original Assignee
Nihon Shokuhin Kako Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nihon Shokuhin Kako Co Ltd filed Critical Nihon Shokuhin Kako Co Ltd
Priority to JP2019200098A priority Critical patent/JP7524529B2/ja
Publication of JP2021070794A publication Critical patent/JP2021070794A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7524529B2 publication Critical patent/JP7524529B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Biological Depolymerization Polymers (AREA)

Description

本発明は、新規な樹脂組成物およびその製造方法に関する。本発明はまた、前記樹脂組成物を原料とする樹脂成形物およびその製造方法に関する。
石油資源等に基づくプラスチック成形品は、飲食用容器をはじめ、シート、フィルム等の各種包装材料、緩衝材、生活用品、農業用品等の産業資材として広範囲の用途に用いられている。一方で、大量消費により温室効果ガスによる地球温暖化や石油資源の枯渇が地球規模で長期的に取り組む重要な課題となっている。
こうした課題に対し、石油系プラスチックに澱粉質系材料またはセルロース系材料に代表されるバイオマス材料を混合するという試みが多くなされている。しかしながら、一般に石油系プラスチックと前記バイオマス素材は親和性が悪く、均一化された混合物を形成できないことが知られ、相溶性を向上するためにはバイオマス材料自体の変性または相溶化剤と呼ばれる物質の使用が必要であった。
実際、特許文献1は澱粉質系材料の水酸基をアルキレンオキサイドおよびエーテル、エステル、ウレタン、カルバメートまたはイソシアネートを形成する他の物質との反応により変性することで澱粉質系材料を熱可塑性プラスチックに分散させている。また、特許文献2では、不飽和ジカルボン酸やその酸無水物で変性された酸変性ポリオレフィン樹脂を相溶化剤として用いることで本課題の解決を試みている。
特開平5-239265号公報 特開2004-2613号公報
特許文献1および2の技術はバイオマス材料自体を変性させたり相溶化剤を使用したりするため、石油系プラスチックへのバイオマス材料の混合に先立って追加工程が必要となる点で必ずしも簡便な手法であるとはいえない。また、相溶化剤を構成する物質は主に石油原料由来であることから、石油由来プラスチックをバイオマス材料で置換するという目的とも適合しない。
このような背景のもと、本発明者らはバイオマス原料である水溶性分岐多糖に着目して鋭意研究を進めていたところ、特定の水溶性分岐多糖が樹脂組成物で良好な分散性を示すことを見出した。本発明者らはまた、相溶化剤を使用せずに水溶性分岐多糖を良好に分散させた樹脂組成物が得られることを見出した。本発明はこれらの知見に基づくものである。
本発明は、バイオマス由来原料を含む新規な樹脂組成物およびその製造方法を提供することを目的とする。本発明はまた、バイオマス由来原料を含む樹脂組成物を原料とする新規な樹脂成形物およびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明によれば以下の発明が提供される。
[1]水溶性分岐多糖を分散状態で含む樹脂組成物であって、前記水溶性分岐多糖の重量平均分子量が1000~10000であり、かつ、前記水溶性分岐多糖の水溶液(水溶性多糖濃度1.0質量%、エタノール濃度40質量%)の吸光度が25℃において0.7以下である、樹脂組成物。
[2]水溶性分岐多糖が、水溶性分岐グルコースポリマーである、上記[1]に記載の樹脂組成物。
[3]水溶性分岐グルコースポリマーが、難消化性グルカン、難消化性デキストリン、焙焼デキストリン、ポリデキストロースおよびイソマルトデキストリンからなる群から選択される1種または2種以上である、上記[1]または[2]に記載の樹脂組成物。
[4]樹脂組成物中の樹脂および水溶性分岐多糖の総質量に対する水溶性分岐多糖の質量の比率が60%以下である、上記[1]~[3]のいずれかに記載の樹脂組成物。
[5]上記[1]~[4]のいずれかに記載の樹脂組成物を原料として含んでなる、樹脂成形物。
[6]水溶性分岐多糖と樹脂原料とを混合する工程を含んでなる、上記[1]~[4]のいずれかに記載の樹脂組成物の製造方法。
[7]上記[1]~[4]のいずれかに記載の樹脂組成物を成形する工程を含む、樹脂成形物の製造方法。
本発明によれば、バイオマス原料である水溶性分岐多糖を分散状態で含む新規な樹脂組成物と、前記樹脂組成物を原料とする新規な樹脂成形物が提供される。
「◎」と評価した樹脂成形物(フィルム)の顕微鏡写真の一例を示す。顕微鏡の倍率は100倍で、スケールバーは100μmを示す。 「○」と評価した樹脂成形物(フィルム)の顕微鏡写真の一例を示す。円で囲まれた箇所は、わずかに確認されるフィラーの例を示す。顕微鏡の倍率は100倍で、スケールバーは100μmを示す。 「×」と評価した樹脂成形物(フィルム)の顕微鏡写真の一例を示す。円または楕円で囲まれた箇所は、多数確認されるフィラーの例を示す。顕微鏡の倍率は100倍で、スケールバーは100μmを示す。
発明の具体的説明
本発明に用いる水溶性分岐多糖は、重量平均分子量が1000~10000であり、かつ、吸光度が0.7以下であるという特徴を有する。上記性質を有する水溶性分岐多糖は、化石原料由来の樹脂(例えば、石油系プラスチック)のフィラーとして使用した場合、樹脂中に良好に分散するため化石原料由来の樹脂割合を低減しつつ品質の高い樹脂組成物と、品質の高い樹脂成形物を得ることができる。
本発明において重量平均分子量は、ゲルろ過クロマトグラフィーや多角度光散乱法等の公知の方法により求められ、重合体の構造によって適宜選択することができるが、本発明においては例えば、実施例の例1に記載した方法により重量平均分子量を測定することができる。本発明に用いる水溶性分岐多糖は、その重量平均分子量が1000~10000であり、好ましくは1200~9000、より好ましくは1400~8000である。
本発明において吸光度は、水溶性分岐多糖濃度1.0質量%およびエタノール濃度40質量%で調製した水溶液の25℃(室温)の条件下における660nmの吸光度である。本発明に用いる水溶性分岐多糖は分岐構造に富む多糖であり、その分岐度合いを直接測定することは困難であるが、分岐度合いが不十分な場合には多糖が凝集または会合するため、吸光度は増加する傾向にある。従って、本発明に用いる水溶性分岐多糖は水溶性分岐多糖のうち吸光度が低いもの(例えば吸光度が0.7以下のもの)を用いることができ、好ましくは0.5以下(より好ましくは0.3以下、さらに好ましくは0.1以下)の水溶性分岐多糖を用いることができる。
本発明に用いる水溶性分岐多糖は、上記性質を有していれば特に制限はないが、入手し易さやコストの点から水溶性分岐グルコースポリマーを用いることが好ましい。水溶性分岐グルコースポリマーは、分岐構造を有する水溶性のグルコースポリマー(グルカン)を意味する。前記ポリマーを構成する糖はグルコースを主構成成分とするが、これに限られるものではない。水溶性分岐多糖は、後述のポリデキストロース(グルコースポリマーの骨格に一部ソルビトール等が結合した構造を有する)のようにグルコースポリマーとしての骨格を有するものであればよく、一部はグルコース以外の糖を有するものでもよい。水溶性分岐多糖はまた、澱粉等のバイオマス原料をその由来とすることができる。本発明に用いることができる水溶性分岐多糖としては、例えば、難消化性グルカン、難消化性デキストリン、焙焼デキストリン、ポリデキストロースおよびイソマルトデキストリンが挙げられるが、これらに限定されるものではない。本発明では1種の水溶性分岐多糖を用いても、2種以上の水溶性分岐多糖を組み合わせて用いてもよい。
本発明の樹脂組成物を構成する樹脂としては、プラスチックの原料となるものが挙げられる。本発明に用いることができる樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリ乳酸、ポリブチレンサクシネート等のポリエステル、ナイロン等のポリアミド、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリエーテル系樹脂、アクリル樹脂が挙げられるが、これらに限定されるものではない。本発明では1種の樹脂を用いても、2種以上の樹脂を組み合わせて用いてもよい。
本発明の樹脂組成物における樹脂および水溶性分岐多糖の配合比率は、樹脂成形物に求められる性質に合わせて適宜調整することができるが、樹脂および水溶性分岐多糖の総質量に対する水溶性分岐多糖の質量の比率の上限値は60%、55%、50%、45%または40%とすることができ、石油由来プラスチックをバイオマス材料で置換するという観点から前記比率の下限値は0.5%、1%、5%、7%、10%または15%とすることができる。これらの上限値および下限値はそれぞれ任意に組み合わせることができ、上記比率の範囲は、例えば、0.5~60%、1%~55%または1%~50%とすることができる。
本発明の樹脂組成物は、特定の水溶性分岐多糖を含む以外は、通常の樹脂組成物に配合される原料を配合してもよい。このような配合原料としては、相溶化剤、充填剤、透明化剤、可塑剤、結合剤、抗菌剤等が挙げられる。
本発明に用いる水溶性分岐多糖は相溶化剤を配合しない場合でも、樹脂と混合した際に良好に分散するという特徴を有する。従って、本発明の樹脂組成物は相溶化剤を実質的に含まないものとすることができるが、水溶性分岐多糖の分散性をより向上させる観点から相溶化剤を配合してもよい。本発明の樹脂組成物に用いることができる相溶化剤としては、例えば、無水マレイン酸変性ポリプロピレン等の酸変性ポリオレフィンや、シラン変性ポリオレフィンが挙げられる。本発明の樹脂組成物における相溶化剤の配合比率は、樹脂組成物全体に対する比率(質量比)で0.1~10%とすることができ、好ましくは1~5%である。
本発明の樹脂成形物は、樹脂組成物を例えば押出成形、射出成形、プレス成形、充填、モールド成形、インフレーション成形といった手段により成形したものや、接着剤のように流動性を有する状態で使用しその後固化させたものであり、その形状等は特に制限されるものでない。上記の成形や固化は常法に従って実施することができる。また、樹脂成形物の形状は、具体的には、フィルム、ペレット、ビーズ、フォーム、ゲルといった形状とすることができる。
本発明の樹脂成形物は、本発明の樹脂組成物に加え、充填剤(例えば、ガラス繊維、タルク)、難燃剤(例えば、塩素系難燃剤、リン系難燃剤、臭素系難燃剤、無機系難燃剤)、酸化防止剤(例えば、フェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、アミン系酸化防止剤)、透明化剤、可塑剤、帯電防止剤に例示されるような通常の樹脂成形物に配合される原料を含んでいてもよい。
本発明の樹脂組成物は、特定の水溶性分岐多糖を配合すること以外は通常の樹脂組成物の製造方法と同様の方法で製造することができる。すなわち、本発明の樹脂組成物は、前記のような特定の水溶性分岐多糖と樹脂原料とを混合(例えば、混錬)することにより製造することができる。混合工程では、水溶性分岐多糖と樹脂原料とに加えて、他の配合原料(例えば、相溶化剤、充填剤、透明化剤、可塑剤)を添加して混合してもよい。水溶性分岐多糖と樹脂との混合は、溶融混錬法、溶液撹拌混合法、粉体コーティング、乳液重合法等の公知の方法により実施することができ、混合装置としては、単軸軸混練押出機、二軸混練押出機、加圧ニーダー、撹拌タンク、ミキサー等の公知の装置を使用することができる。
本発明の樹脂成形物は、本発明の樹脂組成物を成形することにより製造することができる。成形工程は通常の樹脂成形と同様の方法で実施することができる。樹脂組成物の成形は、押出成形、射出成形、プレス成形、充填、モールド成形、インフレーション成形、真空成形、ブロー成形、発泡ビーズ成形、乳液ビーズ成形、スプレービーズ成形等の公知の方法により実施することができる。
以下の例に基づき本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。なお、以下の例における「%」とは特段の記載が無い限り、質量%を意味する。
例1:フィルム中の各種多糖の分散性評価
(1)方法
ア 多糖
各種多糖は表1に示すものを使用し、単糖はグルコース(無水結晶ぶどう糖(日本食品化工株式会社))を使用した。なお、いずれも粉末状のものを用いた。
Figure 0007524529000001
<吸光度の測定>
各種多糖溶液の吸光度は以下の手法で測定した。多糖濃度1.0質量%およびエタノール濃度40質量%の水溶液を調製し室温(25℃)条件下にて当該水溶液の660nmの吸光度を、分光光度計(U-2900、株式会社日立ハイテクサイエンス)を用いて測定した。なお、水溶性分岐多糖として知られるキサンタンガムに関しては、その粘度の影響で気泡が生じたため、気泡を除去した後に測定を行った。各多糖の吸光度は表3に示す通りであった。なお、吸光度が0.7より大きい多糖(デキストリン、クラスターデキストリン、コーンスターチ)は、分析に用いた溶液が目視で確認できるほど白濁していた。
<重量平均分子量の測定>
各種多糖の重量平均分子量を以下の手法で測定した。各多糖を10%(w/v)となるよう純水で溶解し、1%(w/v)活性炭を添加し、煮沸後、0.45μmメンブレンフィルターろ過した。ろ液をイオン交換樹脂(MB4、オルガノ)処理後、0.45μmメンブレンフィルターろ過した。ろ液を終濃度50mM 硝酸ナトリウムとなるよう調整し、分子量分析を行なった。較正曲線のスタンダードは、グルコース(富士フイルム和光純薬株式会社)、マルトトリオース(富士フイルム和光純薬株式会社)、プルランスタンダードP-5およびP-10(昭和電工株式会社)を用いた。分析条件は表2に示す通りであった。
Figure 0007524529000002
各多糖の重量平均分子量は表3に示す通りであった。試験区1~6の水溶性分岐多糖は上記分析手順に従って測定した実測値(有効数字2桁)を示す。また、試験区7~9の水溶性分岐多糖は分子量が大きく本手法で測定するのに適していないことから、書籍や製品パンフレットに記載されている公知の値を使用した。なお、試験区10はグルコース(単糖)の分子量を示す。
イ 相溶化剤
相溶化剤は、無水マレイン酸変性ポリプロピレン(カヤブリッド、化薬ヌーリオン株式会社)を使用した。
ウ 樹脂組成物の作製
樹脂ペレットとして高密度ポリエチレン(プライムポリマー株式会社、以下「HDPE」という)を使用した。HDPE87%、多糖10%、相溶化剤3%を予め200℃に加熱しておいた加圧式ニーダー(Ms式加圧ニーダーDS1-3MHB-E型、日本スピンドル製造株式会社)に同時に投入した。回転速度は40rpmとし、試料の品温が190℃に到達するまで混練を行った。品温が190℃に到達した時点でニーダーから試料を取り出し、室温で放冷し樹脂組成物を得た。
エ フィルム成形
前記ウで得られた樹脂組成物0.68gを140℃に加温した熱プレス機(H300-1、アズワン)を用いて0.5tの加重下で圧縮し、コンパウンドフィルムを得た。
オ フィルム中のフィラー(多糖)の分散性の評価
マイクロスコープ(VHX-5000、株式会社キーエンス)を用いて得られたフィルムを観察し、フィラーとして用いた多糖の分散性を評価した。評価結果は、フィラーが樹脂中に良好に分散しフィラーとして確認できないものを◎、フィラーが僅かに確認できるものを○、フィラーが樹脂中で十分に分散せず多数の大きなフィラー凝集物が確認できるものを×とし、○以上の評価を合格と判断した。
(2)結果
結果は、表3に示す通りであった。フィルム観察の結果、本願所望の性質を有する水溶性分岐多糖を配合したフィルム(試験区1~5)は、フィラーが全く確認できず、分散性は良好であった(図1参照)。一方で、重量平均分子量は所望の範囲を満たすが吸光度が0.7を上回る(分岐度が所望の範囲を下回る)多糖であるデキストリンを配合したフィルム(試験区6)は、フィラーが樹脂中で分散せずフィラーの凝集物が確認された(図3参照)。吸光度(分岐度合い)は所望の範囲を満たすが重量平均分子量が10000を上回る多糖であるキサンタンガムを配合したフィルム(試験区7)も、同様にフィラーが樹脂中で分散せずフィラーの凝集物が確認された。さらに、吸光度および重量平均分子量のいずれも所望の範囲を満たさない多糖であるクラスターデキストリンおよびコーンスターチを配合したフィルム(試験区8および9)も、同様にフィラーが樹脂中で分散せずフィラーの凝集物が確認された。また、参考例として多糖の代わりに単糖であるグルコースを配合したフィルム(試験区10)は、フィラーが樹脂中に良好に分散していたが、着色が著しくフィルムとして許容できないレベルであった。
Figure 0007524529000003
例2:フィルム中のフィラー(多糖)の分散性評価(相溶化剤不使用)
例2では、相溶化剤不使用の場合について検討した。試験は、樹脂はHDPEを使用し、例1の量(87%)に相溶化剤不使用分(3%)を上乗せした90%とした。水溶性分岐多糖として難消化性グルカンA、難消化性デキストリンおよびポリデキストロースを使用しそれぞれの量は例1と同量(10%)としたこと以外は、例1と同様の手順で行った。
結果は、表4に示す通りであった。フィルム観察の結果、試験区12ではわずかにフィラーが確認されたが(図2参照)、その他の2つの試験区ではフィラーは確認されず、3つの試験区いずれも品質に問題ないフィルムが得られた。
Figure 0007524529000004
例3:フィルム中のフィラー(多糖)の分散性評価(各種樹脂)
例3では、例1および2で使用したHDPE以外のポリブチレンサクシネート(三菱ケミカル株式会社)、ナイロン(ダイセルエボニック株式会社)、ポリプロピレン(サンアロマー株式会社)およびポリ乳酸(富士ケミカル株式会社)の各種樹脂を使用した場合についてそれぞれ検討した。使用する樹脂に応じて混練前の予備加熱温度および到達温度を変更した以外は例2と同様の手順で行った。
結果は、表5に示す通りであった。フィルム観察の結果、いずれの試験区でもフィラーは確認できず、分散性は良好であり品質に問題のないフィルムが得られた。
Figure 0007524529000005
例4:フィルム中のフィラー(多糖)の分散性評価(難消化性グルカンA)
例4では、水溶性分岐多糖として難消化性グルカンAの配合量を30%(HDPE配合量70%)、50%(HDPE配合量50%)とした場合についてそれぞれ検討を行った。方法は、上記配合量の変更以外は例1と同様の手順で行った。
結果は、表6に示す通りであった。フィルム観察の結果、難消化性グルカンAを30%配合した試験区18および50%配合した試験区19のいずれもフィラーは確認できず、分散性は良好であった。但し、試験区19はフィルムの熱プレス機への付着が他の試験区と比較して見られ、作業性がやや低下した。
Figure 0007524529000006

Claims (4)

  1. 水溶性分岐多糖を分散状態で含む樹脂組成物であって、水溶性分岐多糖の重量平均分子量が1000~10000であり、かつ、水溶性分岐多糖の水溶液(水溶性多糖濃度1.0質量%、エタノール濃度40質量%)の吸光度が25℃において0.7以下であり、水溶性分岐多糖が、難消化性グルカン、難消化性デキストリンおよびイソマルトデキストリンからなる群から選択される1種または2種以上であり、かつ、樹脂組成物中の樹脂および水溶性分岐多糖の総質量に対する水溶性分岐多糖の質量の比率が60%以下である、樹脂組成物。
  2. 請求項1に記載の樹脂組成物を原料として含んでなる、樹脂成形物。
  3. 水溶性分岐多糖と樹脂原料とを混合する工程を含んでなる、請求項1に記載の樹脂組成物の製造方法。
  4. 請求項1に記載の樹脂組成物を成形する工程を含む、樹脂成形物の製造方法。
JP2019200098A 2019-11-01 2019-11-01 新規樹脂組成物およびその製造方法 Active JP7524529B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019200098A JP7524529B2 (ja) 2019-11-01 2019-11-01 新規樹脂組成物およびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019200098A JP7524529B2 (ja) 2019-11-01 2019-11-01 新規樹脂組成物およびその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2021070794A JP2021070794A (ja) 2021-05-06
JP7524529B2 true JP7524529B2 (ja) 2024-07-30

Family

ID=75712475

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019200098A Active JP7524529B2 (ja) 2019-11-01 2019-11-01 新規樹脂組成物およびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7524529B2 (ja)

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009181890A (ja) 2008-01-31 2009-08-13 Toshiba Corp 絶縁構造材料
JP2011050394A (ja) 2004-09-30 2011-03-17 Monosol Rx Llc 均一の成分を有する多層フィルム
JP2011219633A (ja) 2010-04-09 2011-11-04 Saiden Chemical Industry Co Ltd 水分散型樹脂組成物
JP2013034437A (ja) 2011-08-09 2013-02-21 Matsutani Chem Ind Ltd 低脂肪ケーキ類及びその製造方法
JP2013091763A (ja) 2011-10-27 2013-05-16 Nippon Starch Chemical Co Ltd 生分解性プラスチックおよびその製造方法
JP2015107802A (ja) 2013-12-03 2015-06-11 住友ベークライト株式会社 食品包装用シート、食品包装容器および食品包装体
JP2017184654A (ja) 2016-04-04 2017-10-12 株式会社林原 バターケーキの冷蔵保存時の硬化抑制剤、これを含んでなるバターケーキ用プレミックス及びこれを用いた冷蔵保存時の硬化が抑制されたバターケーキの製造方法

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3874560B2 (ja) * 1998-01-09 2007-01-31 旭化成ケミカルズ株式会社 微細セルロース含有複合物

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011050394A (ja) 2004-09-30 2011-03-17 Monosol Rx Llc 均一の成分を有する多層フィルム
JP2009181890A (ja) 2008-01-31 2009-08-13 Toshiba Corp 絶縁構造材料
JP2011219633A (ja) 2010-04-09 2011-11-04 Saiden Chemical Industry Co Ltd 水分散型樹脂組成物
JP2013034437A (ja) 2011-08-09 2013-02-21 Matsutani Chem Ind Ltd 低脂肪ケーキ類及びその製造方法
JP2013091763A (ja) 2011-10-27 2013-05-16 Nippon Starch Chemical Co Ltd 生分解性プラスチックおよびその製造方法
JP2015107802A (ja) 2013-12-03 2015-06-11 住友ベークライト株式会社 食品包装用シート、食品包装容器および食品包装体
JP2017184654A (ja) 2016-04-04 2017-10-12 株式会社林原 バターケーキの冷蔵保存時の硬化抑制剤、これを含んでなるバターケーキ用プレミックス及びこれを用いた冷蔵保存時の硬化が抑制されたバターケーキの製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2021070794A (ja) 2021-05-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN1032919C (zh) 适于生产可生物降解制品的含淀粉组合物及其制备方法
US20090048368A1 (en) Polyolefin compositions comprising bio-based starch materials
US20140273169A1 (en) Polymer compositions comprising algae materials
CN102492271A (zh) 一种完全生物降解塑料材料及其制备方法
CN110128805A (zh) 一种聚乳酸色母粒及其制备方法
Yamak Thermal, mechanical and water resistance properties of LDPE/starch bio-based polymer blends for food packing applications
CN106905671A (zh) 一种pet水汽阻隔母粒及其制备方法
JP2022173491A (ja) タルクを有するポリエチレンテレフタレート合金
JP6572235B2 (ja) 湿潤天然繊維およびデンプンを熱可塑性プラスチック中に混入する方法
CN104479315A (zh) 一种无机填料全生物降解复合材料及其制备方法和应用
CN106893275A (zh) 一种可降解回收聚乳酸材料及其制备方法
JPWO2005121254A1 (ja) 熱可塑性樹脂組成物および成形品
US10472471B2 (en) Masterbatch comprising colorant particles and a polyol poly(hydroxy fatty acid) ester as dispersing agent
JP7524529B2 (ja) 新規樹脂組成物およびその製造方法
RU2363711C1 (ru) Биологически разрушаемая термопластичная композиция
CN101481484B (zh) 含改性有机纳米蒙脱土及增塑剂的pvb片材及其制备方法
CN114350050B (zh) 一种抗油剂渗透的农药瓶及其制备方法
CN111040304A (zh) 一种高强度高阻氧性的聚丙烯粘接树脂及其制备方法
CN106947118B (zh) 一种生物可降解热塑性材料及其加工方法与应用
CN102146179B (zh) 全密度lldpe/hdpe聚乙烯预混助剂及制备方法
Rahnama et al. Oxygen-barrier films based on low-density polyethylene/ethylene vinyl alcohol/polyethylene-grafted maleic anhydride compatibilizer
CN109370049A (zh) 一种增强增韧玻纤/pp复合材料及其制备方法
CN115505254B (zh) 一种可光-生物降解聚酮淀粉复合材料及其制备方法
CN112654679B (zh) 烯基官能化聚二有机硅氧烷组合物及其在形成木塑复合材料中的使用方法
ES2966148T3 (es) Nuevo procedimiento de reciclaje de polietileno

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20221024

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20230719

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20230725

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20230921

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20240109

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20240304

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20240618

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20240701

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7524529

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150