JP7522449B2 - 植物体を食害する有害節足動物を防除する方法及びキット - Google Patents

植物体を食害する有害節足動物を防除する方法及びキット Download PDF

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Description

本発明は、植物体を食害する有害節足動物を防除する方法及びキットに関する。
有害節足動物防除の分野では、近年化学農薬に対する抵抗性系統の出現が大きな問題となっており、抵抗性を打破する新規防除技術の開発が望まれている。特に既存薬剤とは異なる作用点や作用機作をもつ薬剤の開発が求められている。RNA干渉(RNAi)は、有害節足動物の特定の遺伝子発現だけを抑制するため、防除対象の有害節足動物だけを標的として周辺環境に対する影響が低い新防除技術として期待されている。しかし、有害節足動物は摂食による二本鎖RNAの取込み効率が著しく低いため、遺伝子組換えトウモロコシを用いた方法以外は実用化に至っていない。
また、RNA干渉を利用してdsRNA/siRNAを植物において発現させる技術として、宿主誘導遺伝子サイレンシング(Host-Induced Gene Silencing (HIGs))があるが(非特許文献1)、外来のdsRNA/siRNAを発現させる組換え植物を作出することになるため、規制により栽培が困難であったり、遺伝子組換え植物に抵抗感を覚えたりする人々には受け入れられにくかったりという問題が存在する。
Qi et al, "Host-Induced GeneSilencing: A Powerful Strategy to Control Diseases of Wheat and Barley",International Journal of Molecular Sciences, 20, 206, 2019
本発明は、遺伝子組換え植物の作出を必要とせず、RNA干渉により効果的に有害節足動物を防除できる方法を提供することを目的とする。
本発明者は、特定の3種類の遺伝子の発現を抑制するsiRNAを食害対象の植物体又はバンカー植物体の細胞内に導入することにより、植物体においてRNA干渉により植物体を食害する有害節足動物を防除することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、例えば、以下の発明を提供する。
[1]
植物体を食害する有害節足動物を防除する方法であって、
有害節足動物の発育、生存、発生及び/又は生殖に関与する少なくとも一つの遺伝子、又は天敵節足動物における有害節足動物捕食能力に関与する少なくとも一つの遺伝子の発現を抑制する低分子二本鎖RNA(siRNA)と、
有害節足動物又は有害節足動物の天敵節足動物のRNA分解酵素をコードする少なくとも一つの遺伝子の発現を抑制するsiRNAと、
有害節足動物又は有害節足動物の天敵節足動物の脂肪酸合成酵素をコードする少なくとも一つの遺伝子の発現を抑制するsiRNAとを含む溶液を有害節足動物の食害対象の植物体又はバンカー植物体の細胞内に導入することを含む、方法。
[2]
上記溶液が、
有害節足動物の発育、生存、発生及び/又は生殖に関与する少なくとも一つの遺伝子を抑制するsiRNAと、
有害節足動物のRNA分解酵素をコードする少なくとも一つの遺伝子の発現を抑制するsiRNAと、
有害節足動物の脂肪酸合成酵素をコードする少なくとも一つの遺伝子の発現を抑制するsiRNAと
を含む、[1]に記載の方法。
[3]
上記溶液を上記植物体又はバンカー植物体の細胞内に導入することが、上記溶液を植物体の損傷部位より直接導入することである、[1]又は[2]に記載の方法。
[4]
siRNAを有害節足動物の食害対象の植物体又は天敵のバンカー植物体の細胞内に導入することで植物体を食害する有害節足動物を防除するためのキットであって、
有害節足動物の発育、生存、発生及び/又は生殖に関与する少なくとも一つの遺伝子、又は天敵節足動物における有害節足動物捕食能力に関与する少なくとも一つの遺伝子の発現を抑制する低分子二本鎖RNA(siRNA)と、
有害節足動物又は有害節足動物の天敵節足動物のRNA分解酵素をコードする少なくとも一つの遺伝子の発現を抑制するsiRNAと、
有害節足動物又は有害節足動物の天敵節足動物の脂肪酸合成酵素をコードする少なくとも一つの遺伝子の発現を抑制するsiRNAと
を含む、キット。
[5]
有害節足動物の発育、生存、発生及び/又は生殖に関与する少なくとも一つの遺伝子を抑制するsiRNAと、
有害節足動物のRNA分解酵素をコードする少なくとも一つの遺伝子の発現を抑制するsiRNAと、
有害節足動物の脂肪酸合成酵素をコードする少なくとも一つの遺伝子の発現を抑制するsiRNAと
を含む、[4]に記載のキット。
[6]
siRNAを食害対象の植物体又はバンカー植物体の細胞内に導入することが、植物体の損傷部位より直接導入することである、[4]又は[5]に記載のキット。
[7]
すべてのsiRNAを一つの混合溶液の形態で含む、[4]~[6]のいずれかに記載のキット。
本発明によれば、遺伝子組換え植物の作出を必要とせず、RNA干渉により有害節足動物を防除できる方法を提供することができる。また、本発明によれば、siRNA溶液を植物に適用することにより、有害節足動物防除のタイミングの制御も可能となる。
実施例1の各試験区における、ミナミキイロアザミウマの成虫化率を示す。 実施例1の各試験区における、キュウリ葉のミナミキイロアザミウマによる食害の様子を示す写真である。 実施例1において、Real-time PCR法により、ミナミキイロアザミウマ幼虫のiap1遺伝子及びiap2遺伝子の発現が抑制されたことを確認したグラフである。 実施例2において、Real-time PCR法により、ネギアザミウマのcyp6k1遺伝子の発現が抑制されたことを確認したグラフである。
[植物体を食害する有害節足動物を防除する方法]
本発明は一実施形態において、植物体を食害する有害節足動物を防除する方法(以下、「本防除方法」ともいう)であって、
有害節足動物の発育、生存、発生及び/又は生殖に関与する少なくとも一つの遺伝子、又は天敵節足動物における有害節足動物捕食能力に関与する少なくとも一つの遺伝子の発現を抑制する低分子二本鎖RNA(siRNA)と、
有害節足動物又は有害節足動物の天敵節足動物のRNA分解酵素をコードする少なくとも一つの遺伝子の発現を抑制するsiRNAと、
有害節足動物又は有害節足動物の天敵節足動物の脂肪酸合成酵素をコードする少なくとも一つの遺伝子の発現を抑制するsiRNAとを含む溶液を、有害節足動物の食害対象の植物体又はバンカー植物体の細胞内に導入することを含む、方法を提供する。
本防除方法は、有害節足動物の発育、生存、発生及び/又は生殖に関与する少なくとも一つの遺伝子を抑制するsiRNAと、有害節足動物のRNA分解酵素をコードする遺伝子の発現を抑制するsiRNAと、有害節足動物の脂肪酸合成酵素をコードする遺伝子の発現を抑制するsiRNAとを含む溶液を、食害対象の植物体の細胞内に導入することで、例えば、有害節足動物の発育阻害若しくは致死が誘導され、当該植物体を食害対象とする有害節足動物を防除することができる。有害節足動物防除の効果は、例えば、成体(例えば、成虫)率の減少、有害節足動物(例えば、幼生又は成体、昆虫であれば幼虫又は成虫)の数の減少、有害節足動物の死骸の数の増加等によりはかることができる。
また、本防除方法は、天敵節足動物における有害節足動物捕食能力に関与する少なくとも一つの遺伝子の発現を抑制するsiRNAと、有害節足動物の天敵節足動物のRNA分解酵素をコードする遺伝子の発現を抑制するsiRNAと、有害節足動物の天敵節足動物の脂肪酸合成酵素をコードする遺伝子の発現を抑制するsiRNAとを含む溶液を、バンカー植物体の細胞内に導入することで、例えば、天敵節足動物の有害節足動物捕食能力を向上させ、天敵節足動物による捕食により有害節足動物を防除することもできる。天敵節足動物による捕食の効果は、例えば、有害節足動物(幼虫又は成虫)の数の減少によりはかることができる。
本明細書において、植物体は、特に制限されず、裸子植物又は被子植物であってもよく、単子葉植物又は双子葉植物であってもよく、果菜類、根菜類、葉菜類、穀物類、花き類等の農作物であってもよい。植物体としては、例えば、トマト、ピーマン、ジャガイモ、ナス等のナス科植物、キュウリ、カボチャ、メロン、スイカ等のウリ科植物、キャベツ、アブラナ、カブ、ダイコン、ワサビ、カリフラワー、クレソン、コマツナ、ハクサイ、タカナ、ブロッコリー、ミズナ等のアブラナ科植物、インゲンマメ、エダマメ、ダイズ、エンドウマメ、ソラマメ、アズキ、ラッカセイ、シロツメクサ等のマメ科植物、サツマイモ等のヒルガオ科植物、ネギ、ワケギ、ニンニク、タマネギ、ラッキョウ等のヒガンバナ科植物、イチゴ、バラ、ナシ、リンゴ、サクラ等のバラ科植物、ビート等のアカザ科植物、クワイ等のオモダカ科植物、ゴボウ、キクイモ、シュンギク、フキ、レタス、ヨモギ、キク等のキク科植物、サトイモ等のサトイモ科植物、ショウガ等のショウガ科植物、ニンジン、セリ、セルリー、パセリー、ミツバ等のセリ科植物、ヤマノイモ等のヤマノイモ科植物、ホウレンソウ等のヒユ科植物、ウド等のウコギ科植物、ミョウガ、ショウガ等のショウガ科植物、アスパラガス等のキジカクシ科植物、カーネーション等のナデシコ科植物、ウンシュウミカン等のミカン科植物、ブドウ等のブドウ科植物、イネ、コムギ、オオムギ、ライムギ、エンバク、モロコシ(ソルゴー)、エンバク等のイネ科植物、オオバコ等のオオバコ科植物、カタバミ、ムラサキカタバミ等のカタバミ科植物、ギシギシ等のタデ科植物、キスゲ等のススキノキ科植物、が挙げられる。有害節足動物の食害から防除する対象である植物体は、例えば、上記に挙げられた植物からなる群から選択されるものであってもよく、上記に挙げられた植物のうち、果菜類、根菜類、葉菜類、穀物類、花き類に該当する植物からなる群から選択されるものであってもよく、キュウリ、ナス、インゲン、ネギ、ピーマン、キャベツ、トマト、イチゴ、メロン、スイカ、ジャガイモ、サツマイモ、キク、カーネーション、イネ、麦、ミカン、及びブドウからなる群から選択されるものであってもよく、ウリ科植物であってもよい。また、植物体は遺伝子組み換え植物でない植物であってもよい。
バンカー植物体とは、おとり植物とも呼ばれ、天敵節足動物を温存するために防除対象である植物の周囲に植える植物を意味する。バンカー植物体としては、例えば、ソルゴー、オオバコ、エンバク、ヨモギ、ギシギシ、キスゲ、シロツメクサ等が挙げられる。
siRNAを含む溶液を細胞内に導入する植物体の器官は、特に制限されず、例えば、葉、茎、蕾、根、花又は実であってよく、これらの組み合わせであってもよい。
本明細書において、植物体を食害する有害節足動物は、植物体を食害する昆虫類、甲殻類、クモ類、ムカデ類等が含まれる。食害する植物体の器官は特に限定されず、害虫の種類によって異なるが、例えば、葉、茎、蕾、根、花又は実であってよい。また、害虫の食害の形態も害虫の種類のよって異なるが、例えば、植物体の器官を直接食する形態、及び植物の器官を吸汁する形態が挙げられる。例えば、後述するチョウ目昆虫の幼虫は、直接植物体の器官をかじって食べる昆虫であるが、アザミウマ目昆虫、カメムシ目昆虫及びアブラムシ類昆虫は植物の器官に口針を突き刺して中身を吸汁する形態で植物体を食害する吸汁性昆虫である。本実施形態の防除方法は、植物体の細胞内にsiRNAを導入する方法であるため、RNA干渉を誘導する二本鎖RNA等の植物体の表面への散布では効果が期待できない吸汁性昆虫に対しても防除効果を発揮できる。
植物体を食害する有害節足動物としては、例えば、ミカンキイロアザミウマ、ミナミキイロアザミウマ及びネギアザミウマ等のアザミウマ目昆虫、カメムシ目昆虫、モモアカアブラムシ及びワタアブラムシ等のアブラムシ類昆虫、ツマグロヨコバイ等のヨコバイ類昆虫、トビイロウンカ及びセジロウンカ等のウンカ類昆虫、チャバネアオカメムシ及びホソヘリカメムシ等のカメムシ類昆虫、オンシツコナジラミ等のコナジラミ類昆虫、コナガ、ヨトウムシ、ハスモンヨトウ、シロイチモジヨトウ、コドリンガ、ボールワーム、タバコバッドワーム、マイマイガ、タバコガ及びスズメガ等のチョウ目昆虫、コロラドハムシ、ウリハムシ、アリモドキゾウムシ、マメコガネ及びニジュウヤホシテントウ等のコウチュウ目昆虫、トノサマバッタ及びサバクトビバッタ等のバッタ目昆虫、ハナバエ及びハモグリバエ等のハエ目昆虫、ハキリアリ及びハバチ等のハチ目昆虫、並びにナミハダニ等のダニ類等が挙げられる。防除対象となる植物体を食害する有害節足動物は、例えば、上記に挙げられた種からなる群から選択されるものであってもよく、アザミウマ目昆虫であってもよい。
植物体を食害する昆虫の天敵節足動物には、昆虫類、甲殻類、クモ類及びムカデ類等が含まれ、防除すべき有害節足動物の種類から適宜選択することができる。例えば、ハナカメムシ科に属する種、カスミカメムシ科に属する雑食性の種、ナガカメムシ科に属する種、サシガメ科に属する種、寄生バチ下目に属する種、ヤドリバエ科に属する種、ヒラタアブ亜科に属する種、テントウムシ科に属する肉食性の種、及びダニ目に属する肉食性の種は好適な天敵である。いずれの天敵を使用するかは、防除すべき対象生物の種類により適宜定まる。例えば、アザミウマ目やアブラムシ上科に属する種の天敵としては、ハナカメムシ科に属する種が挙げられる。特にアザミウマ目に属する種の天敵としては、ヒメハナカメムシ属に属する種、例えば、タイリクヒメハナカメムシ、ナミヒメハナカメムシ、コヒメハナカメムシ、ツヤヒメハナカメムシ、ミナミヒメハナカメムシ、シノビハナカメムシ、トリスチコロルヒメハナカメムシ又はオウシュウヒメハナカメムシが好適な天敵昆虫となる。また、アブラムシ上科に属する種やカイガラムシ上科に属する種の天敵としては、テントウムシ科に属する肉食性の種、例えば、ナミテントウ、フタモンテントウ、ナナホシテントウ、ダンダラテントウ、アカホシテントウ、ヒメアカホシテントウ、ヒメカメノコテントウ、オオテントウ、ヨツボシテントウ、ベダリアテントウ、アカヘリテントウ、ベニヘリテントウ又はシロジュウシホシテントウが好適な天敵昆虫となる。さらに、ハダニ科に属する種やアザミウマ目に属する種の天敵としては、カブリダニ科に属する種、例えば、スワルスキーカブリダニ、ミヤコカブリダニ、ケナガカブリダニ、ニセラーゴカブリダニ、ククメリスカブリダニ、キイカブリダニ、ヘアカブリダニ又はチリカブリダニが好適な天敵節足動物となる。また、ハダニ科に属する種、アザミウマ目に属する種及びアブラムシ上科に属する種のいずれにも好適な天敵節足動物としては、ナガカメムシ科に属する種、例えば、オオメカメムシが挙げられる。そして、コナジラミ科に属する種の天敵としては、カスミカメムシ科に属する種、例えば、タバコカスミカメ、クロヒョウタンカスミカメ又はコミドリチビトビカスミカメが好適な天敵昆虫となる。天敵昆虫は、例えば、上記に挙げられた種からなる群から選択されるものであってもよく、例えば、ヒメハナカメムシ属に属する種、カスミカメムシ科に属する種及びテントウムシ科に属する肉食性の種からなる群から選択されてもよく、ヒメハナカメムシ、タバコカスミカメ及びヒメカメノコテントウからなる群から選択されてもよい。
本防除方法は、標的とする遺伝子(標的遺伝子)の転写産物の分解を介してその遺伝子の発現を抑制する配列特異的な転写後遺伝子サイレンシングであるRNA干渉(RNA inteference(RNAi))を利用した防除方法である。
低分子二本鎖RNA(small interference RNA(siRNA))は、標的遺伝子の塩基配列の一部に相当する塩基配列で構成されるセンス鎖(パッセンジャー鎖)、及びそのアンチセンス鎖(ガイド鎖)からなる小分子二本鎖リボ核酸(RNA)である。siRNAを真核細胞に導入することによってRNA干渉を誘導することができる。siRNAの長さは通常18~25ヌクレオチド長(bp)である。例えば、siRNAは、発現を抑制する遺伝子の部分配列と同一の塩基配列で構成されるsiRNAであってもよい。
本防除方法における有害節足動物又は有害節足動物の天敵節足動物の遺伝子発現を抑制するsiRNAは、標的遺伝子のヌクレオチド配列に基づいて公知の方法により設計することができる。例えば、Kosterにより開発された「亜りん酸トリエステル法」等が挙げられる。
本防除方法は、上記特定の3種類の遺伝子の発現を抑制するsiRNAを準備する工程、及び/又は上記特定の3種類の遺伝子の発現を抑制するsiRNAを混合する工程をさらに含んでもよい。上記混合する工程は、乾燥状態で行われてもよく、溶液中で行われてもよい。siRNAは、例えば、以下のように設計することができる。標的遺伝子のセンス鎖の塩基配列として、15~35塩基等の連続した塩基配列を選択領域として選択する。アンチセンス鎖の塩基配列は、選択したセンス鎖の塩基配列に相補的な塩基配列とする。センス鎖の選択領域は、標的遺伝子において特異的な配列であれば特に限定されない。siRNAの設計は、ウェブサイト上でも多数公開されており、標的遺伝子の塩基配列を入力すれば、有効且つ適切なsiRNAをウェブ上で設計することができる。siRNAの一方の末端又は両末端には、標的遺伝子の塩基配列又はそれに相補的な塩基配列とは関連しない一以上のDNA、RNA、及び/又は核酸類似体からなる塩基配列が存在していてもよい。このようなsiRNAの末端に存在する塩基数は、特に限定はしないが、1~20個の範囲内であることが好ましい。具体的には、例えば、siRNAのセンス鎖側及びsiRNAアンチセンス鎖側の3’末端側にTT(チミン‐チミン)又はUU(ウラシル‐ウラシル)等を付加する場合が挙げられる。設計したsiRNAは、、当該技術分野における公知の化学合成(例えば、ホスホロアミダイト法)により合成することができる。
また、標的遺伝子の全体又は部分配列に対する二本鎖RNAを(例えば、インビトロ転写により)合成し、合成した二本鎖RNA(dsRNA)を二本鎖RNA切断酵素によりランダムに切断することにより得られた、様々な配列のsiRNA混合物を利用することもできる。本防除方法において、各標的遺伝子の発現を抑制するsiRNAとして、このように準備されたsiRNA混合物の形で用いることもできる。標的遺伝子の部分配列は、標的遺伝子の種類及び遺伝子のDNAの長さにもよるが、例えば、200bp~1000bp又は300bp~600bpであってよい。標的遺伝子の全体又は部分配列に対する二本鎖RNAは、例えば、標的遺伝子の全体又は部分配列のオリゴヌクレオチドを鋳型DNAとして、インビトロ転写システムにより合成することができる。このような二本鎖RNA合成のための市販キット、例えば、T7 RiboMAX(商標)Express RNAi System(Promega社)を使用してもよい。合成した二本鎖RNAを、ランダムに短く切断する二本鎖RNA切断酵素としては、例えば、RNaseIII及びDicerが挙げられる。このような二本鎖RNAをランダムに短く切断するための市販キット、例えば、ShortCut(登録商標)RNaseIIIを使用してもよい。得られた様々な配列のsiRNA混合物に含まれるsiRNAの長さは、例えば、18bp~25bpであってよい。
本防除方法において、siRNAにより発現が抑制される少なくとも3種の標的遺伝子は、有害節足動物の発育、生存、発生及び/若しくは生殖に関与する遺伝子、又は天敵節足動物における有害節足動物捕食能力に関与する遺伝子と、有害節足動物又は有害節足動物の天敵節足動物のRNA分解酵素をコードする遺伝子と、有害節足動物又は有害節足動物の天敵節足動物の脂肪酸合成酵素をコードする遺伝子である。
有害節足動物の発育、生存、発生及び/又は生殖に関与する遺伝子としては、例えば、抑制することで有害節足動物の発育阻害若しくは致死を誘導又は増殖を抑制する遺伝子が挙げられる。このような遺伝子としては、例えば、アポトーシス阻害遺伝子、解毒酵素遺伝子、神経ペプチド及びその受容体をコードする遺伝子、液胞型ATPase(V-ATPase)サブユニットをコードする遺伝子、リボソームタンパク質の構造サブユニットであるタンパク質をコードする遺伝子、膜小胞膜を形成する多量体複合体のサブユニットであるタンパク質をコードする遺伝子等が挙げられる。有害節足動物の発育、生存、発生及び/又は生殖に関与する少なくとも一つの遺伝子は、アポトーシス阻害遺伝子、解毒酵素遺伝子、神経ペプチド及びその受容体をコードする遺伝子、液胞型ATPaseサブユニットをコードする遺伝子、リボソームタンパク質の構造サブユニットであるタンパク質をコードする遺伝子、並びに膜小胞膜を形成する多量体複合体のサブユニットであるタンパク質をコードする遺伝子からなる群から選択される1以上の遺伝子であってよい。
アポトーシス阻害遺伝子は、細胞死を阻害する遺伝子であり、発現を抑制すると細胞死が起こり、発育阻害又は致死が誘導される。アポトーシス阻害遺伝子としては、例えば、Inhibitor of apoptosis 1(IAP1)及びInhibitor of apoptosis 2(IAP2)が挙げられる。本防除方法において、アポトーシス阻害遺伝子は、IAP1又はIAP2を含んでもよく、IAP1及びIAP2の両方を含んでもよい。
解毒酵素遺伝子は、生体外異物の解毒代謝を担う。例えば、植物防御物質及び殺虫剤等の薬剤に対して解毒作用を持つ酵素の遺伝子が含まれ、具体例としては、シトクロムP450(CYP)遺伝子が挙げられる。例えば、解毒酵素CYP6k1は、ネギアザミウマで薬剤抵抗性に関与することが知られている。
神経ペプチド及びその受容体は、Gタンパク質共役型受容体に作用するニューロンによって生成される小さなタンパク質であり、シナプス伝達の遅発性で長期的な調節を担うペプチドとその受容体である。神経ペプチド及びその受容体としては、例えば、神経ペプチドCAPA受容体(capaR)、脱皮行動誘導ホルモン(Ecdysis triggering hormone(ETH))及びその受容体(ETHR)の遺伝子が挙げられる。capaRは、昆虫の水分調節に関わる遺伝子であり、抑制することで昆虫が干からびて死亡する。また、ETH及びETHRは、脱皮及び変態を誘導する遺伝子であり、抑制することで脱皮及び変態が抑制されるため、昆虫の発育阻害若しくは致死が誘導される。実際に、RNA干渉によりETH及びETHRの発現を抑制することでミカンキイロアザミウマが致死したことが報告されている(特開2017-131201)。
液胞型ATPase(V-ATPase)サブユニットとしては、例えば、V-ATPase-B(vascuolar ATP synthase subunit B)が挙げられる。実際に、この遺伝子の発現をRNAiにより抑制することでミカンキイロアザミウマが致死することが報告されている。
タンパク質合成に関与する構造成分であるリボソームタンパク質としては、例えば、細胞質のリボソーム小サブユニットの成分であるS4(RpS4)及びS9(RpS9)、リボソームに局在するL9およびL19等が挙げられる。
膜小胞膜を形成する多量体複合体のサブユニットであるタンパク質をコードする遺伝子としては、例えば、β-coatamer遺伝子が挙げられる。
有害節足動物の発育、生存、発生及び/又は生殖に関与する少なくとも一つの遺伝子は、例えば、IAP1をコードする遺伝子、IAP2をコードする遺伝子、シトクロムP450(CYP)をコードする遺伝子、P-450モノオキシゲナーゼをコードする遺伝子、capaRをコードする遺伝子、ETHをコードする遺伝子、ETHRをコードする遺伝子、V-ATPaseサブユニットをコードする遺伝子、RpS4をコードする遺伝子、RpS9をコードする遺伝子、β-coatamerをコードする遺伝子、ニトロフェリン2をコードする遺伝子、カルボキシエステラーゼをコードする遺伝子、フェロモン結合タンパク質をコードする遺伝子、及びTsetseEPをコードする遺伝子からなる群から選択されてもよく、IAP1をコードする遺伝子、IAP2をコードする遺伝子及びシトクロムP450(CYP)をコードする遺伝子からなる群から選択されてもよい。
ミナミキイロアザミウマのIAP1遺伝子の配列としては、配列番号1に示される配列が挙げられ、ミナミキイロアザミウマのIAP2遺伝子の配列としては、配列番号2に示される配列が挙げられる。IAP1遺伝子は、配列番号1に示される配列と少なくとも85%、88%、90%、92%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%の配列同一性を有する配列からなるポリヌクレオチドを含んでよく、IAP2遺伝子は、配列番号2に示される配列と少なくとも85%、88%、90%、92%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%の配列同一性を有する配列からなるポリヌクレオチドを含んでもよい。上述した、dRNAを二本鎖RNA切断酵素によりランダムに切断することにより得られた、様々な配列のsiRNA混合物を利用する場合、dsRNAの合成に使用するIAP1遺伝子の部分配列は、例えば、配列番号6に示される配列と少なくとも85%、88%、90%、92%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%の配列同一性を有する配列からなるポリヌクレオチドを含んでよく、dsRNAの合成に使用するIAP2遺伝子の部分配列は、例えば、配列番号7に示される配列と少なくとも85%、88%、90%、92%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%の配列同一性を有する配列からなるポリヌクレオチドを含んでよい。また、合成されたdsIAP1遺伝子のdsRNAは、配列番号11に示される配列と少なくとも85%、88%、90%、92%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%の配列同一性を有する配列からなるポリヌクレオチドを含んでもよく、合成されたdsIAP2遺伝子のdsRNAは、配列番号12に示される配列と少なくとも85%、88%、90%、92%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%の配列同一性を有する配列からなるポリヌクレオチドを含んでもよい。
有害節足動物の発育、生存、発生及び/又は生殖に関与する少なくとも一つの遺伝子は、複数選択されてもよく、少なくとも2つの遺伝子であってもよい。複数の遺伝子である場合には、有害節足動物の発育、生存、発生及び/又は生殖に関与する少なくとも一つの遺伝子の発現を抑制するsiRNAは、複数の遺伝子を同時に抑制するsiRNAであってもよく、それぞれの遺伝子を抑制するsiRNAであってもよい。
天敵節足動物における有害節足動物捕食能力に関与する少なくとも一つの遺伝子の発現を抑制するsiRNAと、有害節足動物の天敵節足動物のRNA分解酵素をコードする遺伝子の発現を抑制するsiRNAと、有害節足動物の天敵昆虫の脂肪酸合成酵素をコードする遺伝子の発現を抑制するsiRNAとを含む溶液を、食害対象のバンカー植物体の細胞内に導入することで、例えば、天敵節足動物の有害節足動物捕食能力を向上させ、天敵節足動物による捕食により植物体を食害する有害節足動物を防除することができる。天敵節足動物における有害節足動物捕食能力に関与する遺伝子としては、例えば、抑制することで有害節足動物捕食能力を向上する天敵節足動物の遺伝子が挙げられる。このような遺伝子としては、例えば、抑制することで天敵節足動物の食性を肉食に変更する遺伝子、及び抑制することで天敵節足動物の食欲を高める遺伝子が挙げられる。
有害節足動物防除に天敵を使う上では、最初から有害節足動物ばかり食べる天敵では維持が大変である。そこで、普段は天敵節足動物には、バンカー植物とよばれる作物の近くにある植物を食べさせ増殖させる。例えば、植物を食害する有害節足動物が当該植物において増殖し出したところで、バンカー植物の細胞内にsiRNAを導入することで天敵節足動物の食性を肉食に変更したり、天敵節足動物を飢餓状態にさせたりすることで、天敵節足動物の有害節足動物捕食能力を向上することが期待できる。抑制することで天敵節足動物の食性を肉食に変更する遺伝子としては、例えば、植物成分を受容する味覚受容体遺伝子が挙げられる。植物成分を受容する味覚受容体遺伝子の発現を抑制することにより、草食から肉食(アザミウマやアブラムシ等の害虫)へと食性の好みを変化することが考えられる。また、抑制することで天敵節足動物を飢餓状態にする遺伝子としては、例えば、インシュリン様ペプチド遺伝子が挙げられる。インシュリン様ペプチド遺伝子の発現を抑制することで昆虫を飢餓状態にさせ、食欲を高めることができることがショウジョウバエで報告されている。
本防除方法は、天敵の有害節足動物捕食能力向上のタイミングをコントロールできるという利点を有する。例えば、天敵の有害節足動物捕食能力向上する遺伝子を導入した組換え植物体を用いる場合には、最初から天敵の有害節足動物捕食能力が向上されることとなり、望ましいタイミングで天敵の有害節足動物捕食能力を向上させるということは困難である。
天敵節足動物における有害節足動物捕食能力に関与する少なくとも一つの遺伝子は、複数選択されてもよく、少なくとも2つの遺伝子であってもよい。複数の遺伝子である場合には、天敵節足動物における有害節足動物捕食能力に関与する少なくとも一つの遺伝子の発現を抑制するsiRNAは、複数の遺伝子を同時に抑制するsiRNAであってもよく、それぞれの遺伝子を抑制するsiRNAであってもよい。
有害節足動物又は有害節足動物の天敵節足動物のRNA分解酵素(RNase)をコードする遺伝子としては、例えば、dsRNase1及びdsRNase2が挙げられる。これらの遺伝子は、消化管等で二本鎖RNAを分解する作用を持つ。
ミナミキイロアザミウマのdsRNase1遺伝子の配列としては、配列番号3に示される配列が挙げられ、ミナミキイロアザミウマのdsRNase2遺伝子の配列としては、配列番号4に示される配列が挙げられる。dsRNase1遺伝子は、配列番号3に示される配列と少なくとも85%、88%、90%、92%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%の配列同一性を有する配列からなるポリヌクレオチドを含んでよく、dsRNase2遺伝子は、配列番号4に示される配列と少なくとも85%、88%、90%、92%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%の配列同一性を有する配列からなるポリヌクレオチドを含んでもよい。上述した、dRNAを二本鎖RNA切断酵素によりランダムに切断することにより得られた、様々な配列のsiRNA混合物を利用する場合、dsRNAの合成に使用するdsRNase1遺伝子の部分配列は、例えば、配列番号8に示される配列と少なくとも85%、88%、90%、92%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%の配列同一性を有する配列からなるポリヌクレオチドを含んでよく、dsRNAの合成に使用するdsRNase2遺伝子の部分配列は、例えば、配列番号9に示される配列と少なくとも85%、88%、90%、92%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%の配列同一性を有する配列からなるポリヌクレオチドを含んでよい。また、合成されたdsRNase1遺伝子のdsRNAは、配列番号13に示される配列と少なくとも85%、88%、90%、92%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%の配列同一性を有する配列からなるポリヌクレオチドを含んでもよく、合成されたdsRNase2遺伝子のdsRNAは、配列番号14に示される配列と少なくとも85%、88%、90%、92%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%の配列同一性を有する配列からなるポリヌクレオチドを含んでもよい。
有害節足動物又は有害節足動物の天敵節足動物のRNA分解酵素をコードする少なくとも一つの遺伝子は、複数選択されてもよく、少なくとも2つの遺伝子であってもよい。複数の遺伝子である場合には、有害節足動物又は有害節足動物の天敵節足動物のRNA分解酵素をコードする少なくとも一つの遺伝子の発現を抑制するsiRNAは、複数の遺伝子を同時に抑制するsiRNAであってもよく、それぞれの遺伝子を抑制するsiRNAであってもよい。有害節足動物又は有害節足動物の天敵節足動物のRNA分解酵素をコードする少なくとも一つの遺伝子は、dsRNase1、dsRNase2又はこれらの組み合わせを含んでよい。
有害節足動物又は有害節足動物の天敵節足動物の脂肪酸合成酵素(Fatty acid synthase,fasn)は、二本鎖RNAの細胞内への取込みを阻害する(Dong et al., Scientific Reports volume 7, Article number: 5584 (2017))。
ミナミキイロアザミウマの脂肪酸合成酵素をコードする遺伝子の配列としては、配列番号5に示される配列が挙げられる。脂肪酸合成酵素をコードする遺伝子は、配列番号5に示される配列と少なくとも85%、88%、90%、92%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%の配列同一性を有する配列からなるポリヌクレオチドを含んでよい。上述した、dRNAを二本鎖RNA切断酵素によりランダムに切断することにより得られた、様々な配列のsiRNA混合物を利用する場合、dsRNAの合成に使用する脂肪酸合成酵素をコードする遺伝子の部分配列は、例えば、配列番号10に示される配列と少なくとも85%、88%、90%、92%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%の配列同一性を有する配列からなるポリヌクレオチドを含んでよい。また、合成された脂肪酸合成酵素をコードする遺伝子のdsRNAは、配列番号15に示される配列と少なくとも85%、88%、90%、92%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%の配列同一性を有する配列からなるDNAにコードされたポリヌクレオチドを含んでもよい。
有害節足動物又は有害節足動物の天敵節足動物の脂肪酸合成酵素をコードする少なくとも一つの遺伝子は、複数選択されてもよく、少なくとも2つの遺伝子であってもよい。複数の遺伝子である場合には、有害節足動物又は有害節足動物の天敵節足動物の脂肪酸合成酵素をコードする少なくとも一つの遺伝子の発現を抑制するsiRNAは、複数の遺伝子を同時に抑制するsiRNAであってもよく、それぞれの遺伝子を抑制するsiRNAであってもよい。
siRNAを含む溶液の種類は、siRNAが植物細胞内で作用する限り特に制限されないが、例えば、水、TE、展着剤及びこれらの組み合わせ等が挙げられる。展着剤は、農薬が植物表面に吸着、浸透するのを促進する薬剤である。従来、二本鎖RNAをナノカプセルに入れて保護する等により有害節足動物体内への取込み効率を改善することが図られていたが、ナノカプセルを用いるとコストがさらに上昇することが問題であった。本防除方法によれば、少なくとも3種の遺伝子に対するsiRNAを組み合わせて植物の細胞内に導入することで、有害節足動物の細胞内へのsiRNA取込み効率が改善されるため、Lipidや糖、ペプチドなどと共役させたり(X-conjugated siRNA)、特別なナノカプセルを用いたり、特別な溶液を用いたりする必要はなく、簡便である。
溶液は、有害節足動物の発育、生存、発生及び/又は生殖に関与する少なくとも一つの遺伝子を抑制するsiRNAと、有害節足動物のRNA分解酵素をコードする少なくとも一つの遺伝子の発現を抑制するsiRNAと、有害節足動物の脂肪酸合成酵素をコードする少なくとも一つの遺伝子の発現を抑制するsiRNAとを含むものであってもよい。
上記溶液に含まれるsiRNAの総量は、植物の種類や器官によって適宜調整できるが、例えば、6ng~2000ngであってよく、10ng~1000ngであってよく、30ng~500ngであってよく、20ng以上、40ng以上又は50ng以上であってよく、5000ng以下、3000ng以下、2000ng以下、1000ng以下又は500ngであってもよい。上記siRNAの総量は、導入(例えば、塗布)1回分当たりの量であってもよく、植物体の葉1枚に相当する面積当たりの量であってもよく、例えば、5~100cm当たりの量であってもよく、10~70cm当たりの量であってもよく、10~50cm当たりの量であってもよい。有害節足動物に直接接触させる目的で植物体の表面に二本鎖RNAを散布するという方法もあるが、効果を得るためには、例えば葉全体(表裏含む)に二本鎖RNAを散布する必要があり、大量散布が必要となる。例えば、dsRNAを10~50cmの葉全体に散布する方法では、1μL/0.01cmで葉表面に散布するとすると、濃度が1μg/μLの場合、2000~10000μLの液量(裏表に散布)、重量では2×10~10×10ngのdsRNAが必要になる。本防除方法によれば、葉の一部の細胞内にsiRNAを導入することにより葉全体に防除効果を及ぼすことができるため、必要量を大幅に減らすことができる。
siRNAを含む溶液を植物体の細胞内に導入する方法としては、例えば、植物体の損傷部位より直接導入する方法、及び加圧により導入する方法等が挙げられる。植物の損傷部位より直接導入する方法としては、例えば、ハサミの先又は紙やすりにより植物体の器官(例えば、葉)の表面の一部又は全体を損傷し、siRNAを含む溶液を塗布又は噴霧する方法が挙げられる。
[植物体を食害する有害節足動物を防除するためのキット]
本発明は一実施形態において、
siRNAを有害節足動物の食害対象の植物体又は天敵のバンカー植物体の細胞内に導入することで植物体を食害する有害節足動物を防除するためのキット(以下、「本キット」ともいう)であって、
有害節足動物の発育、生存、発生及び/又は生殖に関与する少なくとも一つの遺伝子、又は天敵節足動物における有害節足動物捕食能力に関与する少なくとも一つの遺伝子の発現を抑制する低分子二本鎖RNA(siRNA)と、
有害節足動物又は有害節足動物の天敵節足動物のRNA分解酵素をコードする少なくとも一つの遺伝子の発現を抑制するsiRNAと、
有害節足動物又は有害節足動物の天敵節足動物の脂肪酸合成酵素をコードする少なくとも一つの遺伝子の発現を抑制するsiRNAと
を含む、、キットも提供する。
本キットは、
有害節足動物の発育、生存、発生及び/又は生殖に関与する少なくとも一つの遺伝子を抑制するsiRNAと、有害節足動物のRNA分解酵素をコードする少なくとも一つの遺伝子の発現を抑制するsiRNAと、有害節足動物の脂肪酸合成酵素をコードする少なくとも一つの遺伝子の発現を抑制するsiRNAと
を含むものであってもよい。
siRNAを植物体の細胞内に導入することが、植物体の損傷部位より直接導入することである場合には、例えば、紙やすり、ハサミ等の損傷させるための器具をさらに含んでもよい。
siRNAが含まれる形態としては、siRNAの活性を維持する限り、特に限定されず、乾燥状態で含まれても、溶液に含まれてもよい。siRNAが乾燥状態で含まれる場合には、siRNAの種類により別々に包装されても、複数種がまとめて包装されてもよい。siRNAが溶液に含まれる場合には、siRNAの種類により別々の溶液の形態で含まれてもよく、複数種又はすべてのsiRNAを一つの混合溶液の形態で含んでもよい。
siRNAが含まれる溶液は、例えば、水、TE、展着剤及びこれらの組み合わせであってよい。
本キットは、キットを用いて有害節足動物を防除する方法が記載された説明書をさらに含んでもよい。
植物体、有害節足動物、各遺伝子及びsiRNA等、本キットにおける具体的な態様等は、上述した具体的な態様等を制限なく適用できる。
[実施例1 SIGsによるミナミキイロアザミウマの防除]
(1)標的遺伝子の探索及び部分配列の人工合成
防除対象となるミナミキイロアザミウマ(Thrips palmi)の標的遺伝子をGenbankを用いて探索し、以下に示す部分配列(400bp)を株式会社ファスマックに委託して化学合成した。
Figure 0007522449000001
(2)dsRNAの合成
上記部分配列のDNAを鋳型としてPCRにより部分配列を増幅し(set1,2)、T7 RiboMAX(商標)Express RNAi System(Promega社)を用い、製品添付のプロトコルに従ってdsRNAを合成した。
合成したdsRNAの配列を以下に示す。
Figure 0007522449000002
(3)siRNAの合成
合成したdsRNAを10μg用いて、ShortCut(登録商標)RNaseIII(New England Biolabs社)のプロトコルに従って、18bp~25bpの長さのsiRNAの混合物を得た。作製したsiRNAをエタノール沈殿を行って濃縮した後、TEバッファーに溶解して-80℃で保存した。使用の際には、4℃で解凍した後、各siRNAを目的量採って混合した。
(4)キュウリ葉への塗布
図1に示すように各siRNA量を調整したsiRNA混合液を作製し、キュウリ本葉の表面をハサミの先又は紙やすりで傷つけ、siRNA混合液を傷口に滴下(5-20μL)し、そのまま一晩風乾した。なお、キュウリ本葉1枚の大きさは約50cmであった。
(5)ミナミキイロアザミウマに対する発育阻害効果の判定
ミナミキイロアザミウマ1,2齢幼虫を処理した葉につけて、10日間の間に成虫化した虫体の割合で効果を判定した。
その結果を図1に示す。dsRNase1,2、Fasn及びIAP1,2の3種のsiRNA混合液(各50ng以上)を葉の傷口に塗布すると成虫化阻害が誘導される(成虫化が約20%~60%に低下する)ことが示された(*;P<0.05、**;P<0.01)。一方、葉の表面を傷つけずにsiRNAを塗布した試験区(試験区6)、及びsiRNAに代えてdsRNAを塗布した試験区(試験区7)では、成虫化の阻害率は低かった。また、IAP1,2のsiRNAのみ使用した試験区(試験区5)においても、成虫化の阻害率は低かった。siRNAによるRNA干渉の効果を昆虫に作用させるためには、昆虫の防除に直接寄与する遺伝子(本実施例ではIAP1,2)を抑制するsiRNAだけでは足らず、dsRNase及びFasnの遺伝子の抑制も必要であることが示唆された。
また、処理後10日目におけるキュウリ葉のミナミキイロアザミウマによる食害の様子を図2に示す。矢印は葉の表面を傷つけてsiRNA又はdsRNAを塗布した部分を示す。それ以外の白くなっている部分は、ミナミキイロアザミウマに食害された部分である。dsRNase1,2、Fasn及びIAP1,2の3種のsiRNA混合液を塗布した葉において、ミナミキイロアザミウマにより食害された部分が顕著に少なかった。
(6)遺伝子発現抑制効果の判定
葉につけてから2~4日後に幼虫を採取し、NucleoSpin RNA(タカラバイオ社)のプロトコルに従いRNAを抽出した。RNAはPrimescript RT Reagent kit(タカラバイオ社)のプロトコルに従いDNAに逆転写し、SYBR Green Real time-PCR master(Thermo Fisher Scientific社)のプロトコルにしたがってReal-time PCR法により遺伝子発現抑制効果を判定した。
その結果を図3に示す。dsRNase1,2、Fasn及びIAP1,2に対するsiRNAを含むsiRNA混合液を処理した場合において、ミナミキイロアザミウマ幼虫のiap1遺伝子及びiap2遺伝子の発現が抑制されていることが確認された(**;P<0.01)。なお、図3において、+gfpはdsRNase1,2、Fasn及びGFPに対するsiRNAを含むsiRNA混合液を処理した結果、+iap1,2はdsRNase1,2、Fasn及びIAP1,2に対するsiRNAを含むsiRNA混合液を処理した結果、無処理は葉を傷つける処理も含め何も処理をしていない結果、を意味する。
[実施例2 SIGsによるネギアザミウマにおける解毒酵素遺伝子発現の抑制]
実施例1と同様の方法により、GFP、ネギアザミウマのCytochrome P450 6k1(CYP6K1)、dsRNase1,2及びFasnの部分配列を用いてdsRNAを合成し、次いでsiRNAを合成してsiRNA混合液を作製した。siRNA混合液は、GFP、dsRNase1,2及びFasnに対するsiRNAを含むものと、CYP6K1、dsRNase1,2及びFasnに対するsiRNAを含むものを作製した。キュウリ本葉の表面をハサミの先又は紙やすりで傷つけ、siRNA混合液を傷口に滴下(5-20μL)し、そのまま一晩風乾した。
ネギアザミウマ薬剤抵抗性系統(成虫)を処理した葉につけ、4日後に雌成虫を採取し、RNAを抽出した。実施例1と同様の方法により、Real-time PCR法により
cyp6k1遺伝子の発現を比較した。
その結果を図4に示す。CYP6K1、dsRNase1,2及びFasnに対するsiRNAを含むsiRNA混合液を処理した試験区において、cyp6k1遺伝子の発現が約60%低下したことが示された(**;P<0.01)。

Claims (5)

  1. 植物体を食害する有害節足動物を防除する方法であって、
    有害節足動物の発育、生存、発生及び/又は生殖に関与する少なくとも一つの遺伝子の発現を抑制する低分子二本鎖RNA(siRNA)と、
    有害節足動物のRNA分解酵素をコードする少なくとも一つの遺伝子の発現を抑制するsiRNAと、
    有害節足動物の脂肪酸合成酵素をコードする少なくとも一つの遺伝子の発現を抑制するsiRNAとを含む溶液を有害節足動物の食害対象の植物体の細胞内に導入することを含
    前記有害節足動物の発育、生存、発生及び/又は生殖に関与する少なくとも一つの遺伝子が、抑制することで有害節足動物の発育阻害若しくは致死を誘導又は増殖を抑制する遺伝子である、方法。
  2. 前記溶液を前記植物体の細胞内に導入することが、前記溶液を植物体の損傷部位より直接導入することである、請求項1に記載の方法。
  3. siRNAを有害節足動物の食害対象の植物体の細胞内に導入することで植物体を食害する有害節足動物を防除するためのキットであって、
    有害節足動物の発育、生存、発生及び/又は生殖に関与する少なくとも一つの遺伝子の発現を抑制する低分子二本鎖RNA(siRNA)と、
    有害節足動物のRNA分解酵素をコードする少なくとも一つの遺伝子の発現を抑制するsiRNAと、
    有害節足動物の脂肪酸合成酵素をコードする少なくとも一つの遺伝子の発現を抑制するsiRNAと
    を含
    前記有害節足動物の発育、生存、発生及び/又は生殖に関与する少なくとも一つの遺伝子が、抑制することで有害節足動物の発育阻害若しくは致死を誘導又は増殖を抑制する遺伝子である、キット。
  4. siRNAを食害対象の植物体の細胞内に導入することが、植物体の損傷部位より直接導入することである、請求項3に記載のキット。
  5. すべてのsiRNAを一つの混合溶液の形態で含む、請求項3又は4に記載のキット。
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