JP7518286B2 - Hivを標的とする多重特異性抗原結合分子及び使用方法 - Google Patents

Hivを標的とする多重特異性抗原結合分子及び使用方法 Download PDF

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関連出願の相互参照
本出願は、合衆国法典第35巻第119条(e)に基づき、2020年8月25日に出願された米国仮出願第63/070,141号及び2021年3月19日に出願された米国仮出願第63/163,713号の利益を主張し、これらは、全ての目的のためにそれらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。
ヒト免疫不全ウイルス(human immunodeficiency virus、HIV)感染症の治療及び予防のうちの一方又は両方のための、多重特異性抗原結合分子及びその抗原結合断片が提供される。
配列表
本出願は、ASCIIフォーマットで電子的に提出された配列表を含み、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。2021年6月25日に作成された当該ASCIIコピーの名称は1337-WO-PCT_SL.txtであり、サイズは1,167,237バイトである。
ヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染症及び関連する疾患は、世界中で大きな公衆衛生問題である。現在承認されているHIV感染症の療法のほとんどは、ウイルス逆転写酵素、プロテアーゼ酵素、及びインテグラーゼを標的とする。しかし、これらの既存の薬物に対するHIVの耐性、長期毒性、及び毎日の投与レジメンに対する患者の順守の欠如が、これらの療法と関連付けられている。したがって、治療的使用に好適な有利な特性を有する新しい抗HIV抗体を発見し、開発することが重要である。
国際公開第2005/058963号、国際公開第2010/107939号、国際公開第2012/030904号、国際公開第2012/158948号、国際公開第2013/090644号、国際公開第2013/016468号、国際公開第2013/192589号、国際公開第2014/063059号、及び国際公開第2018/125813号は、複数のクレードからのHIV-1種による感染を阻害することができる、HIV感染ドナーの記憶B細胞に由来するヒト抗HIV抗体を記載している。しかしながら、抗体の治療的使用は、それらの患者内ウイルス適用範囲、薬物動態、抗薬物抗体の誘導、オフターゲット結合(すなわち、多特異性)、並びに効率的な製造及び貯蔵を妨げる他の特性のために制限される。
多重特異性抗原結合分子は、少なくとも2つの異なる抗原に結合することができる単一分子である。二重特異性抗原結合分子は、2つの異なる抗原に結合することができる単一分子である。この特性は、例えば、1つではなく2つの疾患メディエーターの活性を中和することによって、正常組織よりも疾患への選択的な結合を増強することによって、新規機能(例えば、エミシズマブの第VIII因子模倣)を生成することによって、又は標的化された死滅のために免疫細胞を直接動員することによって(例えば、CD19+B細胞を死滅させるためのCD3+T細胞のブリナツモマブ動員)、生物学的治療薬の効力及び/又は選択性を改善するために、いくつかの方法で活用することができる。このように、二重特異性抗体の分野は急速に成長しており、ほぼ全ての治療領域において可能な用途がある。現在、3つの承認された二重特異性製品(ブリナツモマブ、エブミシズマブ、及びカツマキソマブ)があり、50を超える臨床試験が進行中である(antibodysociety.org)。
多数の異なる二重特異性抗体フォーマットが記載されており、これらの多くは、治療分子を開発するために使用されている(例えば、Spiess and Carter,2015,Mol.Immunol,67:95-106で概説されている)。二重特異性抗体の産生は、典型的には、従来の抗体の産生よりも複雑である。例えば、Genmab Duobodyプラットフォーム(Labrijn et.al.,2013,PNAS,110:5145-5150)などのFabアーム交換二重特異性体(bispecifics)の生成は、各半抗体(IgGとして)の別個の産生、次いで、2つの半抗体のFabアーム交換を可能にする特別な条件下でこれらを一緒に混合して、所望の二重特異性分子を生成することを必要とする。各半抗体(又は親未反応還元抗体)IgGを産生するための別個の細胞株の必要性、これらの中間体の精製、並びに残留半抗体IgGから標的二重特異性を精製するためのFabアーム交換反応及びプロセスの最適化は、研究開発に著しい時間及び複雑性を加える。
他の二重特異性フォーマット戦略、例えば、scFv融合タンパク質をFab-Fc融合タンパク質と対合する戦略(例えば、国際公開第2016/086196号、国際公開第2016/071004号)は、Fabアーム交換を回避する戦略として単一の軽鎖のみが存在することを確実にする。scFv部分は、多くの場合、所望の親和性で標的抗原に結合せず、望ましくないオフターゲット結合を有し得、また十分に発現せず、精製が困難であり、意図された適応症に対する有効性を可能にするのに十分な血清半減期を有しない二重特異性分子に寄与し得るため、scFvを含む二重特異性フォーマットでの課題が生じる。
国際公開第2005/058963号 国際公開第2010/107939号 国際公開第2012/030904号 国際公開第2012/158948号 国際公開第2013/090644号 国際公開第2013/016468号 国際公開第2013/192589号 国際公開第2014/063059号 国際公開第2018/125813号
Spiess and Carter,2015,Mol.Immunol,67:95-106 Genmab Duobodyプラットフォーム(Labrijn et.al.,2013,PNAS,110:5145-5150
一態様では、ヒトCD3及びHIV抗原に結合する多重特異性(例えば、二重特異性)抗原結合分子が提供される。
いくつかの実施形態では、多重特異性(例えば、二重特異性)抗原結合分子は、(a)第1の重鎖可変ドメイン(VH)及び第1の軽鎖可変ドメイン(VL)を含む、第1の抗原結合ドメインであって、第1の抗原結合ドメインが、CD3に結合し、(i)TYAMN(配列番号1)のアミノ酸を含む、第1のVH相補性決定領域(complementarity determining region、CDR)1、(ii)RIRSKYNNYATYYAXSVKX(配列中、Xは、A又はDであり、Xは、G又はSである)(配列番号2)のアミノ酸配列を含む、第1のVH-CDR2、(iii)HGNFGXSYVSWFAY(配列中、Xは、H又はNである)(配列番号3)のアミノ酸配列を含む、第1のVH-CDR3、(iv)GSSTGAVTTGHYAN(配列番号4)のアミノ酸配列を含む、第1のVL-CDR1、(v)GTXRAP(配列中、Xは、SN又はNKである)(配列番号5)のアミノ酸配列を含む、第1のVL-CDR2、及び(vi)ALWYSNXWV(配列中、Xは、L又はRである)(配列番号6)のアミノ酸配列を含む、第1のVL-CDR3を含み、第1のVH-CDR1、第1のVH-CDR2、第1のVH-CDR3、第1のVL-CDR1、第1のVL-CDR2、及び第1のVH-CDR3が、Kabatに従う、第1の抗原結合ドメインと、(b)HIV抗原に結合する、第2の抗原結合ドメインと、を含む。いくつかの実施形態では、ヒトCD3及び第2の抗原に結合する多重特異性(例えば、二重特異性)抗原結合分子であり、抗原結合分子は、(a)第1の重鎖可変ドメイン(VH)及び第1の軽鎖可変ドメイン(VL)を含む、第1の抗原結合ドメインであって、第1の抗原結合ドメインが、CD3に結合し、(i)TYAMN(配列番号1)のアミノ酸を含む、第1のVH相補性決定領域(CDR)1、(ii)RIRSKYNNYATYYAXSVKX(配列中、XはA又はDであり、XはG又はSである)(配列番号2)のアミノ酸配列を含む、第1のVH-CDR2、(iii)HGNFGXSYVSWFAY(配列中、Xは、H又はNである)(配列番号3)のアミノ酸配列を含む、第1のVH-CDR3、(iv)GSSTGAVTTGHYAN(配列番号4)のアミノ酸配列を含む、第1のVL-CDR1、(v)GTXRAP(配列中、Xは、SN又はNKである)(配列番号5)のアミノ酸配列を含む、第1のVL-CDR2、及び(vi)ALWYSNXWV(配列中、Xは、L又はRである)(配列番号6)のアミノ酸配列を含む、第1のVL-CDR3を含み、第1のVH-CDR1、第1のVH-CDR2、第1のVH-CDR3、第1のVL-CDR1、第1のVL-CDR2、及び第1のVH-CDR3が、Kabatに従う、第1の抗原結合ドメインと、(b)第2の抗原に結合する、第2の抗原結合ドメインと、を含む。いくつかの実施形態では、(i)第1のVH相補性決定領域(CDR)1は、TYAMN(配列番号1)のアミノ酸配列を含み、(ii)第1のVH-CDR2は、RIRSKYNNYATYYADSVKX(Xは、G又はSである)(配列番号7)のアミノ酸を含み、(iii)第1のVH-CDR3は、HGNFGHSYVSWFAY(配列番号8)のアミノ酸配列を含み、(iv)第1のVL-CDR1は、GSSTGAVTTGHYAN(配列番号4)のアミノ酸配列を含み、(v)第1のVL-CDR2は、GTSNRAP(配列番号9)のアミノ酸配列を含み、かつ(vi)第1のVL-CDR3は、ALWYSNRWV(配列番号10)のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、第1のVH-CDR1、第1のVH-CDR2、第1のVH-CDR3、第1のVL-CDR1、第1のVL-CDR2、及び第1のVL-CDR3は、それぞれ、以下のアミノ酸配列(Kabatに従う):(i)配列番号1、11、8、4、5、及び10、(ii)配列番号1、11、8、4、9、及び10、(iii)配列番号1、12、8、4、9、及び10、(iv)配列番号1、13、8、4、14、及び15、(v列番号1、13、16、4、14)配、及び15、又は(vi)配列番号1、11、8、4、14、及び10を含む。いくつかの実施形態では、第1のVH-CDR1、第1のVH-CDR2、第1のVH-CDR3、第1のVL-CDR1、第1のVL-CDR2、及び第1のVL-CDR3は、それぞれ、以下のアミノ酸配列(Kabatに従う):(i)配列番号1、11、8、4、9、及び10、又は(ii)配列番号1、12、8、4、9、及び10を含む。いくつかの実施形態では、第1のVH-CDR1、第1のVH-CDR2、第1のVH-CDR3、第1のVL-CDR1、第1のVL-CDR2、及び第1のVL-CDR3は、それぞれ、以下のアミノ酸配列(Kabatに従う):配列番号1、11、8、4、9、及び10を含む。いくつかの実施形態では、第1のVH-CDR1、第1のVH-CDR2、第1のVH-CDR3、第1のVL-CDR1、第1のVL-CDR2、及び第1のVL-CDR3は、それぞれ、以下のアミノ酸配列(Kabatに従う):配列番号1、12、8、4、9、及び10を含む。
いくつかの実施形態では、多重特異性(例えば、二重特異性)抗原結合分子は、(a)第1の重鎖可変ドメイン(VH)及び第1の軽鎖可変ドメイン(VL)を含む、第1の抗原結合ドメインであって、第1の抗原結合ドメインが、CD3に結合し、(i)GFTFNTY(配列番号17)のアミノ酸を含む、第1のVH-CDR1、(ii)SKYNNY(配列番号18)のアミノ酸配列を含む、第1のVH-CDR2、(iii)GNFGXSYVSWFA(配列中、Xは、H又はNである)(配列番号19)のアミノ酸配列を含む、第1のVH-CDR3、(iv)SSTGAVTTGHY(配列番号20)のアミノ酸配列を含む、第1のVL-CDR1、(v)GTX(配列中、Xは、N又はSである)(配列番号21)のアミノ酸を含む、第1のVL-CDR2、及び(vi)WYSNXW(配列中、Xは、L又はRである)(配列番号22)のアミノ酸配列を含む、第1のVL-CDR3を含み、第1のVH-CDR1、第1のVH-CDR2、第1のVH-CDR3、第1のVL-CDR1、第1のVL-CDR2、及び第1のVH-CDR3が、Chothiaに従う、第1の抗原結合ドメインと、(b)HIV抗原に結合する、第2の抗原結合ドメインと、を含む。いくつかの実施形態では、多重特異性(例えば、二重特異性)抗原結合分子は、(a)第1の重鎖可変ドメイン(VH)及び第1の軽鎖可変ドメイン(VL)を含む、第1の抗原結合ドメインであって、第1の抗原結合ドメインが、CD3に結合し、(i)GFTFNTY(配列番号17)のアミノ酸を含む、第1のVH-CDR1、(ii)SKYNNY(配列番号18)のアミノ酸配列を含む、第1のVH-CDR2、(iii)GNFGXSYVSWFA(配列中、Xは、H又はNである)(配列番号19)のアミノ酸配列を含む、第1のVH-CDR3、(iv)SSTGAVTTGHY(配列番号20)のアミノ酸配列を含む、第1のVL-CDR1、(v)GTX(配列中、Xは、N又はSである)(配列番号21)のアミノ酸を含む、第1のVL-CDR2、及び(vi)WYSNXW(配列中、Xは、L又はRである)(配列番号22)のアミノ酸配列を含む、第1のVL-CDR3を含み、第1のVH-CDR1、第1のVH-CDR2、第1のVH-CDR3、第1のVL-CDR1、第1のVL-CDR2、及び第1のVH-CDR3が、Chothiaに従う、第1の抗原結合ドメインと、(b)第2の抗原に結合する、第2の抗原結合ドメインと、を含む。いくつかの実施形態では、第1のVH-CDR1、第1のVH-CDR2、第1のVH-CDR3、第1のVL-CDR1、第1のVL-CDR2、及び第1のVL-CDR3は、それぞれ、以下のアミノ酸配列(Chothiaに従う):(i)配列番号17、18、23、20、21、及び25、(ii)配列番号17、18、23、20、24、及び25、(iii)配列番号17、18、23、20、26、及び27、(iv)配列番号17、18、75、20、26、及び27、又は(v)配列番号17、18、23、20、26、及び25を含む。いくつかの実施形態では、第1のVH-CDR1、第1のVH-CDR2、第1のVH-CDR3、第1のVL-CDR1、第1のVL-CDR2、及び第1のVL-CDR3は、それぞれ、以下のアミノ酸配列(Chothiaに従う):配列番号17、18、23、20、24、及び25を含む。
いくつかの実施形態では、多重特異性(例えば、二重特異性)抗原結合分子は、(a)第1の重鎖可変ドメイン(VH)及び第1の軽鎖可変ドメイン(VL)を含む、第1の抗原結合ドメインであって、第1の抗原結合ドメインが、CD3に結合し、(i)GFTFNTYA(配列番号28)のアミノ酸を含む、第1のVH-CDR1、(ii)IRSKYNNYAT(配列番号29)のアミノ酸配列を含む、第1のVH-CDR2、(iii)VRHGNFGXSYVSWFAY(配列中、Xは、H又はNである)(配列番号30)のアミノ酸配列を含む、第1のVH-CDR3、(iv)TGAVTTGHY(配列番号31)のアミノ酸配列を含む、第1のVL-CDR1、(v)GTX(配列中、Xは、N又はSである)(配列番号21)のアミノ酸を含む、第1のVL-CDR2、及び(vi)ALWYSNXWV(配列中、Xは、L又はRである)(配列番号6)のアミノ酸配列を含む、第1のVL-CDR3を含み、第1のVH-CDR1、第1のVH-CDR2、第1のVH-CDR3、第1のVL-CDR1、第1のVL-CDR2、及び第1のVH-CDR3が、IMGTに従う、第1の抗原結合ドメインと、(b)HIV抗原に結合する、第2の抗原結合ドメインと、を含む。いくつかの実施形態では、多重特異性(例えば、二重特異性)抗原結合分子は、(a)第1の重鎖可変ドメイン(VH)及び第1の軽鎖可変ドメイン(VL)を含む、第1の抗原結合ドメインであって、第1の抗原結合ドメインが、CD3に結合し、(i)GFTFNTYA(配列番号28)のアミノ酸を含む、第1のVH-CDR1、(ii)IRSKYNNYAT(配列番号29)のアミノ酸配列を含む、第1のVH-CDR2、(iii)VRHGNFGXSYVSWFAY(配列中、Xは、H又はNである)(配列番号30)のアミノ酸配列を含む、第1のVH-CDR3、(iv)TGAVTTGHY(配列番号31)のアミノ酸配列を含む、第1のVL-CDR1、(v)GTX(配列中、Xは、N又はSである)(配列番号21)のアミノ酸を含む、第1のVL-CDR2、及び(vi)ALWYSNXWV(配列中、Xは、L又はRである)(配列番号6)のアミノ酸配列を含む、第1のVL-CDR3を含み、第1のVH-CDR1、第1のVH-CDR2、第1のVH-CDR3、第1のVL-CDR1、第1のVL-CDR2、及び第1のVH-CDR3が、IMGTに従う、第1の抗原結合ドメインと、(b)第2の抗原に結合する、第2の抗原結合ドメインと、を含む。いくつかの実施形態では、第1のVH-CDR1、第1のVH-CDR2、第1のVH-CDR3、第1のVL-CDR1、第1のVL-CDR2、及び第1のVL-CDR3は、それぞれ、以下のアミノ酸配列(IMGTに従う):(i)配列番号28、29、32、31、21、及び10、(ii)配列番号28、29、32、31、24、及び10、(iii)配列番号28、29、32、31、26、及び15、(iv)配列番号28、29、33、31、26、及び15、又は(v)配列番号28、29、32、31、26、及び10を含む。いくつかの実施形態では、第1のVH-CDR1、第1のVH-CDR2、第1のVH-CDR3、第1のVL-CDR1、第1のVL-CDR2、及び第1のVL-CDR3は、それぞれ、以下のアミノ酸配列(IMGTに従う):配列番号28、29、32、31、24、及び10を含む。
いくつかの実施形態では、多重特異性(例えば、二重特異性)抗原結合分子は、(a)第1の重鎖可変ドメイン(VH)及び第1の軽鎖可変ドメイン(VL)を含む、第1の抗原結合ドメインであって、第1の抗原結合ドメインは、CD3に結合し、(i)ASGFTFNTYA(配列番号34)のアミノ酸を含む、第1のVH-CDR1、(ii)IRSKYNNYATYYAXSVKXR(配列中、Xは、A又はDであり、Xは、G又はSである)(配列番号35)のアミノ酸配列を含む、第1のVH-CDR2、(iii)HGNFGXSYVSWFA(Xは、H又はNである)(配列番号36)のアミノ酸配列を含む、第1のVH-CDR3、(iv)SSTGAVTTGHY(配列番号37)のアミノ酸配列を含む、第1のVL-CDR1、(v)GTXNRAPXVPAR(配列中、XはN又はSであり、XはG又はWである)(配列番号38)のアミノ酸配列を含む、第1のVL-CDR2、及び(vi)WYSNXW(配列中、Xは、L又はRである)(配列番号22)のアミノ酸配列を含む、第1のVL-CDR3を含み、第1のVH-CDR1、第1のVH-CDR2、第1のVH-CDR3、第1のVL-CDR1、第1のVL-CDR2、及び第1のVH-CDR3が、Honeggerに従う、第1の抗原結合ドメインと、(b)HIV抗原に結合する、第2の抗原結合ドメインと、を含む。いくつかの実施形態では、多重特異性(例えば、二重特異性)抗原結合分子は、(a)第1の重鎖可変ドメイン(VH)及び第1の軽鎖可変ドメイン(VL)を含む、第1の抗原結合ドメインであって、第1の抗原結合ドメインが、CD3に結合し、(i)ASGFTFNTYA(配列番号34)のアミノ酸を含む、第1のVH-CDR1、(ii)IRSKYNNYATYYAXSVKXR(配列中、Xは、A又はDであり、Xは、G又はSである)(配列番号35)のアミノ酸配列を含む、第1のVH-CDR2、(iii)HGNFGXSYVSWFA(Xは、H又はNである)(配列番号36)のアミノ酸配列を含む、第1のVH-CDR3、(iv)SSTGAVTTGHY(配列番号37)のアミノ酸配列を含む、第1のVL-CDR1、(v)GTXNRAPXVPAR(配列中、Xは、N又はSであり、Xは、G又はWである)(配列番号38)のアミノ酸配列を含む、第1のVL-CDR2、及び(vi)WYSNXW(配列中、Xは、L又はRである)(配列番号22)のアミノ酸配列を含む、第1のVL-CDR3を含み、第1のVH-CDR1、第1のVH-CDR2、第1のVH-CDR3、第1のVL-CDR1、第1のVL-CDR2、及び第1のVH-CDR3が、Honeggerに従う、第1の抗原結合ドメインと、(b)第2の抗原に結合する、第2の抗原結合ドメインと、を含む。いくつかの実施形態では、(i)第1のVH-CDR1は、ASGFTFNTYA(配列番号34)のアミノ酸配列を含み、(ii)第1のVH-CDR2は、IRSKYNNYATYYADSVKXR(Xは、G又はSである)(配列番号39)のアミノ酸を含み、(iii)第1のVH-CDR3は、HGNFGHSYVSWFA(配列番号40)のアミノ酸配列を含み、(iv)第1のVL-CDR1は、SSTGAVTTGHY(配列番号37)のアミノ酸配列を含み、(v)第1のVL-CDR2は、GTSNRAPGVPAR(配列番号41)のアミノ酸配列を含み、(vi)第1のVL-CDR3は、WYSNRW(配列番号25)のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、第1のVH-CDR1、第1のVH-CDR2、第1のVH-CDR3、第1のVL-CDR1、第1のVL-CDR2、及び第1のVL-CDR3は、それぞれ、以下のアミノ酸配列(Honeggerに従う):(i)配列番号34、39、40、37、41、及び25、(ii)配列番号34、42、40、37、41、及び25、(iii)配列番号34、43、40、37、41、及び25、(iv)配列番号34、44、40、37、45、及び27、(v)配列番号34、44、46、37、45、及び27、又は(vi)配列番号34、42、40、37、47、及び25を含む。いくつかの実施形態では、第1のVH-CDR1、第1のVH-CDR2、第1のVH-CDR3、第1のVL-CDR1、第1のVL-CDR2、及び第1のVL-CDR3は、それぞれ、以下のアミノ酸配列(Honeggerに従う):(i)配列番号34、42、40、37、41、及び25、又は(ii)配列番号34、43、40、37、41、及び25を含む。いくつかの実施形態では、第1のVH-CDR1、第1のVH-CDR2、第1のVH-CDR3、第1のVL-CDR1、第1のVL-CDR2、及び第1のVL-CDR3は、それぞれ、以下のアミノ酸配列(Honeggerに従う):配列番号34、42、40、37、41、及び25を含む。いくつかの実施形態では、第1のVH-CDR1、第1のVH-CDR2、第1のVH-CDR3、第1のVL-CDR1、第1のVL-CDR2、及び第1のVL-CDR3は、それぞれ、以下のアミノ酸配列(Honeggerに従う):配列番号34、42、40、37、41、及び25を含む。いくつかの実施形態では、第1のVH-CDR1、第1のVH-CDR2、第1のVH-CDR3、第1のVL-CDR1、第1のVL-CDR2、及び第1のVL-CDR3は、それぞれ、以下のアミノ酸配列(Honeggerに従う):配列番号34、43、40、37、41、及び25を含む。いくつかの実施形態では、第1のVH-CDR1、第1のVH-CDR2、第1のVH-CDR3、第1のVL-CDR1、第1のVL-CDR2、及び第1のVL-CDR3は、それぞれ、以下のアミノ酸配列(Honeggerに従う):配列番号34、43、40、37、41、及び25を含む。
CD3を標的とするか又はそれに結合する多重特異性(例えば、二重特異性)抗原結合分子の第1の抗原結合ドメインの更なる実施形態に関して、いくつかの実施形態では、多重特異性(例えば、二重特異性)抗原結合分子は、以下のアミノ酸置換(ナンバリングはKabatに従う)のうちの1つ以上を含む:第1のVHの81位は、Q又はEである、第1のVHの83位は、K又はRである、第1のVHの89位は、M又はVである、第1のVHの100位は、Hである、第1のVLの57位は、G又はWである、及び/あるいは第1のVLの75位は、I又はLである。いくつかの実施形態では、多重特異性(例えば、二重特異性)抗原結合分子は、以下のアミノ酸置換(ナンバリングはKabatに従う)のうちの1つ以上を含む:(i)第1のVHの81位は、Q又はEである、(ii)第1のVHの83位は、Rである、(iii)第1のVHの89位は、Vである、(iv)第1のVHの100位は、Hである、(v)第1のVLの57位は、Gである、及び/あるいは(vi)第1のVLの75位は、Iである。いくつかの実施形態では、第1のVHの81位(ナンバリングはKabatに従う)はEである。いくつかの実施形態では、第1のVHの81位(ナンバリングはKabatに従う)はQである。いくつかの実施形態では、第1のVHの100位(ナンバリングはKabatに従う)はHである。いくつかの実施形態では、第1のVHは、配列番号48~53からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むか、又は配列番号48~53からなる群から選択されるアミノ酸配列と、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%若しくは少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、第1のVHは、配列番号50のアミノ酸配列と、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、第1のVHは、配列番号50のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、第1のVHは、配列番号51のアミノ酸配列と、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、第1のVHは、配列番号51のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、第1のVLは、配列番号54~58からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むか、又は配列番号54~58からなる群から選択されるアミノ酸配列と、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、若しくは少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、第1のVLは、配列番号56のアミノ酸配列と、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、第1のVLは、配列番号56のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、第1のVHは、配列番号48~53からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むか、又は配列番号48~53からなる群から選択されるアミノ酸配列と、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、若しくは少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含み、第1のVLは、配列番号54~58からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むか、又は配列番号54~58からなる群から選択されるアミノ酸配列と、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、若しくは少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、第1のVH及び第1のVLは、それぞれ、以下に示されるアミノ酸配列を含むか、又はそれぞれ、以下に示されるアミノ酸配列と、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、若しくは少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む:配列番号48及び54、配列番号49及び55、配列番号50及び55、配列番号50及び56、配列番号51及び55、配列番号51及び56、配列番号52及び56、配列番号53及び57、又は配列番号50及び58。いくつかの実施形態では、第1のVH及び第1のVLは、それぞれ、以下に示されるアミノ酸配列を含むか、又はそれぞれ、以下に示されるアミノ酸配列と、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、若しくは少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む:配列番号49及び55、配列番号50及び55、配列番号50及び56、配列番号51及び55、又は配列番号51及び56。いくつかの実施形態では、第1のVH及び第1のVLは、それぞれ、以下に示されるアミノ酸配列を含むか、又はそれぞれ、以下に示されるアミノ酸配列と、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、若しくは少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む:配列番号50及び56。いくつかの実施形態では、第1のVH及び第1のVLは、それぞれ、以下に示されるアミノ酸配列を含むか、又はそれぞれ、以下に示されるアミノ酸配列と、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、若しくは少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む:配列番号51及び56。いくつかの実施形態では、第1の抗原結合ドメイン及び第2の抗原結合ドメインのうちの少なくとも1つは、独立して、Fab、F(ab)2、Fv、scFv、sc(Fv)2、又はダイアボディを含む。いくつかの実施形態では、第1の抗原結合ドメインはscFvを含み、第2の抗原結合ドメインはFabを含む。いくつかの実施形態では、第1の抗原結合ドメインはscFvを含み、第2の抗原結合ドメインはFabを含み、第1のVH及び第1のVLは、それぞれ、以下に示されるアミノ酸配列を含む:配列番号50及び56。いくつかの実施形態では、第1の抗原結合ドメインはFabを含み、第2の抗原結合ドメインはscFvを含む。いくつかの実施形態では、第1の抗原結合ドメインはFabを含み、第2の抗原結合ドメインはFabを含む。いくつかの実施形態では、第1の抗原結合ドメインはscFvを含み、第2の抗原結合ドメインはscFvを含む。いくつかの実施形態では、第1の抗原結合ドメインはFabを含み、第2の抗原結合ドメインはCD4の細胞外ドメインを含む。いくつかの実施形態では、第1の抗原結合ドメインはFabを含み、第2の抗原結合ドメインはCD4の細胞外ドメインを含み、第1のVH及び第1のVLは、それぞれ、以下に示されるアミノ酸配列を含む:配列番号51及び56。いくつかの実施形態では、第1の抗原結合ドメインはscFvを含み、第2の抗原結合ドメインはCD4の細胞外ドメインを含む。いくつかの実施形態では、第1の抗原結合ドメインは、scFv可変重ドメインの44位にシステイン(cysteine、C)、及びscFv可変軽ドメインの100位のシステイン(C)を含むscFvである。いくつかの実施形態では、第1の抗原結合ドメインは、VH及びVLを含むscFvであり、scFvは、配列番号59~66から選択されるアミノ酸配列を含むか、又は配列番号59~66から選択されるアミノ酸配列と、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、若しくは少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、第1の抗原結合ドメインは、VH及びVLを含むscFvであり、scFvは、配列番号59~63から選択されるアミノ酸配列を含むか、又は配列番号59~63から選択されるアミノ酸配列と、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、若しくは少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、第1の抗原結合ドメインは、VH及びVLを含むscFvであり、scFvは、配列番号62~63から選択されるアミノ酸配列を含むか、又は配列番号62~63から選択されるアミノ酸配列と、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、若しくは少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む。
HIV抗原を標的とするか又はそれに結合する多重特異性(例えば、二重特異性)抗原結合分子の第2の抗原結合ドメインの更なる実施形態に関して、いくつかの実施形態では、第2の抗原結合ドメインは、gp120及びgp41からなる群から選択されるHIVエンベロープタンパク質に結合する。いくつかの実施形態では、第2の抗原結合ドメインは、HIV抗原に結合する広域中和抗体(broadly neutralizing antibody、bNAb)のVH及びVL可変ドメインと競合するか、又はそれらを含む。いくつかの実施形態では、第2の抗原結合ドメインは、N332オリゴマンノースグリカンを含む第3の可変ループ(V3)(例えば、高マンノースパッチ)、第2の可変ループ(V2)(例えば、Env三量体頂点)、CD4結合部位(CD4 binding site、CD4bs)、gp120/gp41界面、又はgp120のサイレント面からなる群から選択されるgp120のエピトープ又は領域に結合する。いくつかの実施形態では、第2の抗原結合ドメインは、N332オリゴマンノースグリカンを含む第3の可変ループ(V3)(例えば、高マンノースパッチ)内のgp120のエピトープ又は領域に結合し、GS-9722(エリポビマブ(elipovimab))、GS-2872、PGT-121、PGT-121.66、PGT-121.414、PGT-122、PGT-123、PGT-124、PGT-125、PGT-126、PGT-128、PGT-130、PGT-133、PGT-134、PGT-135、PGT-136、PGT-137、PGT-138、PGT-139、10-1074、10-1074-J、VRC24、2G12、BG18、354BG8、354BG18、354BG42、354BG33、354BG129、354BG188、354BG411、354BG426、DH270.1、DH270.6、PGDM12、VRC41.01、PGDM21、PCDN-33A、BF520.1、及びVRC29.03からなる群から選択される抗体由来のVH及びVL領域と競合するか、又はそれらを含む。いくつかの実施形態では、第2の抗原結合ドメインは、第2の可変ループ(V2)(例えば、Env三量体頂点)内のgp120のエピトープ又は領域に結合し、PG9、PG16、PGC14、PGG14、PGT-142、PGT-143、PGT-144、PGT-145、CH01、CH59、PGDM1400、CAP256、CAP256-VRC26.08、CAP256-VRC26.09、CAP256-VRC26.25、PCT64-24E、及びVRC38.01からなる群から選択される抗体由来のVH及びVL領域と競合するか又はそれらを含む。いくつかの実施形態では、第2の抗原結合ドメインは、CD4結合部位(CD4bs)内のgp120のエピトープ又は領域に結合し、3BNC117、GS-9723、GS-5423、3BNC60、b12、F105、VRC01、VRC07、VRC07-523、VRC03、VRC06、VRC06b01 VRC08、VRC0801、NIH45-46、PGV04(別名、VRC-PG04);CH103、44-VRC13.01、1NC9、12A12、N6、1-18、N49-P7、NC-Cow1、IOMA、CH235及びCH235.12、N49P6、N49P7、N49P11、N49P9、並びにN60P25からなる群から選択される抗体由来のVH及びVL領域と競合するか又はそれらを含む。いくつかの実施形態では、第2の抗原結合ドメインは、CD4結合部位(CD4bs)内のgp120のエピトープ又は領域に結合し、CD4の1つ以上の細胞外(EC)ドメインを含む。いくつかの実施形態では、CD4の1つ以上の細胞外(EC)ドメインは、以下に示される配列、又は以下からなる群から選択される配列と、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、若しくは少なくとも99%同一である配列を含む:
(i)KKVVYGKKGDTVELTCTASQKKNIQFHWKNSNQIKILGNQGSFLTKGPSKLNDRVDSRRSLWDQGNFPLIIKNLKPEDSDTYICEVEDQKEEVQLVVVG(配列番号746)、
(ii)KKVVYGKKGDTVELTCTASQKKNIQFHWKNSNQIKILGNQGSFLTKGPSKLNDRVDSRRSLWDQGNFPLIIKNLKPEDSDTYICEVEDQKEEVQLVVVGGGGSGKKVVYGKKGDTVELTCTASQKKNIQFHWKNSNQIKILGNQGSFLTKGPSKLNDRVDSRRSLWDQGNFPLIIKNLKPEDSDTYICEVEDQKEEVQLVVVG(配列番号747)、
(iii)KKVVLGKKGDTVELTCTASQKKSIQFHWKNSNQIKILGNQGSFLTKGPSKLNDRADSRRSLWDQGNFPLIIKNLKIEDSDTYICEVEDQKEEVQLLVFG(配列番号748)、又は
(iv)KKVVLGKKGDTVELTCTASQKKSIQFHWKNSNQIKILGNQGSFLTKGPSKLNDRADSRRSLWDQGNFPLIIKNLKIEDSDTYICEVEDQKEEVQLLVFGGGGSGKKVVLGKKGDTVELTCTASQKKSIQFHWKNSNQIKILGNQGSFLTKGPSKLNDRADSRRSLWDQGNFPLIIKNLKIEDSDTYICEVEDQKEEVQLLVFG(配列番号749)。
いくつかの実施形態では、CD4のCドメインは、配列番号746の配列と、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は少なくとも99%同一である配列を含む。いくつかの実施形態では、CD4のECドメインは、配列番号746の配列と少なくとも95%同一である配列を含む。いくつかの実施形態では、CD4のECドメインは、配列番号746の配列と少なくとも99%同一である配列を含む。いくつかの実施形態では、CD4のECドメインは、配列番号746の配列を含む。いくつかの実施形態では、第2の抗原結合ドメインは、gp120/gp41界面のgp120のエピトープ又は領域に結合し、PGT-151、CAP248-2B、35O22、8ANC195、ACS202、VRC34、及びVRC34.01からなる群から選択される抗体由来のVH及びVL領域と競合するか又はそれらを含む。いくつかの実施形態では、第2の抗原結合ドメインは、gp120サイレント面のエピトープ又は領域に結合し、VRC-PG05及びSF12から選択される抗体由来のVH及びVL領域と競合するか又はそれらを含む。いくつかの実施形態では、第2の抗原結合ドメインは、膜近位領域(membrane proximal region、MPER)のgp41のエピトープ又は領域に結合する。いくつかの実施形態では、第2の抗原結合ドメインは、膜近位領域(MPER)のgp41のエピトープ又は領域に結合し、10E8、10E8v4、10E8-5R-100cF、4E10、DH511.11P、2F5、7b2、及びLN01からなる群から選択される抗体由来のVH及びVL領域と競合するか又はそれらを含む。いくつかの実施形態では、第2の抗原結合ドメインは、gp41融合ペプチドのエピトープ又は領域に結合し、VRC34及びACS202からなる群から選択される抗体由来のVH及びVL領域と競合するか又はそれらを含む。いくつかの実施形態では、第2の抗原結合ドメインは、第2のVH-CDR1、第2のVH-CDR2、及び第2のVH-CDR3を含む、第2のVHと、第2のVL-CDR1、第2のVL-CDR2、及び第2のVH-CDR3を含む、第2のVLと、を含み、それぞれ、以下に示されるアミノ酸配列(Kabatに従う):配列番号76、77、78、79、80、及び81、配列番号76、82、78、79、80、及び81、配列番号83、84、85、86、80、及び87、配列番号83、88、85、86、80、及び87、配列番号90、91、92、93、94、及び95、配列番号90、91、96、93、94、及び95、配列番号97、98、99、100、101、及び102、配列番号103、104、105、106、94、及び107、配列番号108、109、110、111、112、及び113、配列番号114、115、116、117、118、及び119、配列番号114、120、121、122、118、及び123、配列番号124、125、126、127、128、及び113、配列番号129、115、131、127、118、及び113、配列番号132、133、134、135、136、及び137、配列番号138、139、140、141、142、及び143、配列番号144、145、146、147、148、及び143、配列番号149、150、151、152、153、及び143、配列番号154、155、156、157、158、及び159、配列番号160、161、162、163、164、及び165、配列番号166、161、167、163、164、及び165、配列番号168、169、170、171、172、及び173、配列番号168、174、170、171、172、及び173、配列番号175、176、177、171、172、及び173、配列番号178、179、180、181、182、及び183、配列番号184、185、186、187、188、及び189、配列番号190、191、192、193、194、及び195、配列番号196、197、198、199、200、及び201、配列番号202、203、204、205、206、及び207、配列番号208、209、210、211、212、及び213、配列番号214、215、216、217、218、及び219、配列番号214、220、216、221、218、及び219、配列番号214、220、222、221、218、及び219、配列番号223、224、225、226、227、及び228、配列番号229、230、231、232、233、及び234、配列番号902、903、904、905、906、及び907、配列番号908、909、910、911、912、及び913、配列番号914、915、916、917、918、及び919、又は配列番号920、921、922、923、924、及び925を含む。いくつかの実施形態では、第2の抗原結合ドメインは、第2のVH-CDR1、第2のVH-CDR2、及び第2のVH-CDR3を含む、第2のVHと、第2のVL-CDR1、第2のVL-CDR2、及び第2のVH-CDR3を含む、第2のVLと、を含み、それぞれ、以下に示されるアミノ酸配列(Chothiaに従う):配列番号235、236、237、238、239、及び240、配列番号241、242、243、244、239、及び245、配列番号246、242、247、244、239、及び245、配列番号248、249、250、251、239、及び252、配列番号248、249、253、251、239、及び252、配列番号254、255、256、257、258、及び259、配列番号260、261、262、263、239、及び264、配列番号265、266、267、268、269、及び270、配列番号271、272、273、274、275、及び270、配列番号271、276、277、278、275、及び279、配列番号280、281、282、283、284、及び270、配列番号285、272、286、283、275、及び270、配列番号287、288、289、290、291、及び292、配列番号293、294、295、296、297、及び298、配列番号299、300、301、302、303、及び298、配列番号304、300、305、406、307、及び298、配列番号308、309、310、311、312、及び313、配列番号314、315、316、317、318、及び165、配列番号320、315、321、317、318、及び165、配列番号322、323、324、325、326、及び327、配列番号322、328、324、325、326、及び327、配列番号329、323、330、325、326、及び327、配列番号331、332、333、334、335、及び336、配列番号337、338、339、340、341、及び342、配列番号343、344、345、346、341、及び347、配列番号348、349、350、351、352、及び353、配列番号354、355、356、357、358、及び359、配列番号360、361、362、363、364、及び365、配列番号366、367、368、369、370、及び371、配列番号366、361、368、369、370、及び371、配列番号372、361、373、369、370、及び371、配列番号374、375、376、377、378、及び379、配列番号380、381、382、383、384、及び385、配列番号926、927、928、929、930、及び931、配列番号932、933、934、935、936、及び937、配列番号938、939、940、941、942、及び943、又は配列番号944、945、946、947、948、及び949を含む。いくつかの実施形態では、第2の抗原結合ドメインは、第2のVH-CDR1、第2のVH-CDR2、及び第2のVH-CDR3を含む、第2のVHと、第2のVL-CDR1、第2のVL-CDR2、及び第2のVH-CDR3を含む、第2のVLと、を含み、それぞれ、以下に示されるアミノ酸配列(IMGTに従う):配列番号386、387、388、389、239、及び81、配列番号390、391、392、393、239、及び87、配列番号390、391、394、393、239、及び87、配列番号395、396、397、393、239、及び87、配列番号398、399、400、401、239、及び95、配列番号398、399、402、401、239、及び95、配列番号403、404、405、406、258、及び102、配列番号407、408、409、410、239、及び107、配列番号411、412、413、414、269、及び113、配列番号415、416、417、418、275、及び119、配列番号415、419、420、421、275、及び123、配列番号422、423、424、425、275、及び113、配列番号426、416、427、425、275、及び113、配列番号428、429、430、431、291、及び137、配列番号432、433、434、435、297、及び143、配列番号436、437、438、439、303、及び143、配列番号440、437、441、442、307、及び143、配列番号443、444、445、446、312、及び159、配列番号447、448、449、450、318、及び165、配列番号451、448、452、450、318、及び165、配列番号453、454、455、456、326、及び173、配列番号453、457、455、456、326、及び173、配列番号458、459、460、456、326、及び173、配列番号461、462、463、464、335、及び183、配列番号465、466、467、468、341、及び189、配列番号469、470、471、472、341、及び195、配列番号473、474、475、476、352、及び201、配列番号477、478、479、480、358、及び207、配列番号481、482、483、484、364、及び213、配列番号485、486、487、488、370、及び219、配列番号485、482、487、488、370、及び219、配列番号489、482、490、488、370、及び219、配列番号491、492、493、494、378、及び228、配列番号495、496、497、498、384、及び234、配列番号950、951、952、953、930、及び907、配列番号954、955、956、957、936、及び913、配列番号958、959、960、961、942、及び919、又は配列番号962、963、964、965、948、及び925を含む。いくつかの実施形態では、第2の抗原結合ドメインは、第2のVH-CDR1、第2のVH-CDR2、及び第2のVH-CDR3を含む、第2のVHと、第2のVL-CDR1、第2のVL-CDR2、及び第2のVH-CDR3を含む、第2のVLと、を含み、それぞれ、以下に示されるアミノ酸配列(Honeggerに従う):配列番号499、500、501、238、502、及び240、配列番号499、503、501、238、502、及び240、配列番号505、506、507、244、502、及び245、配列番号508、509、510、244、502、及び245、配列番号511、512、513、251、514、及び252、配列番号511、512、515、251、514、及び252、配列番号516、517、518、257、519、及び259、配列番号520、521、522、264、523、及び264、配列番号524、525、526、268、527、及び270、配列番号528



、529、530、274、531、及び270、配列番号528、532、533、278、531、及び279、配列番号534、535、536、283、537、及び270、配列番号1090、529、538、283、531、及び270、配列番号539、540、541、290、542、及び292、配列番号543、544、545、546、547、及び298、配列番号548、549、550、1091、551、及び298、配列番号552、553、554、555、556、及び298、配列番号557、558、559、311、560、及び313、配列番号561、562、563、564、565、及び165、配列番号566、562、1092、564、567、及び165、配列番号568、569、570、571、572、及び327、配列番号568、573、570、571、572、及び327、配列番号574、575、576、571、572、及び327、配列番号577、578、579、580、581、及び336、配列番号582、583、584、340、585、及び342、配列番号586、587、588、346、589、及び347、配列番号590、591、592、351、593、及び353、配列番号594、595、596、597、598、及び359、配列番号599、600、601、602、603、及び365、配列番号604、605、606、607、608、及び371、配列番号604、609、606、607、608、及び371、配列番号610、609、611、607、608、及び371、配列番号612、613、614、615、616、及び379、配列番号617、618、619、620、621、及び385、配列番号966、967、968、969、970、及び931、配列番号971、972、973、974、975、及び937、配列番号976、977、978、941、979、及び943、又は配列番号980、981、982、983、984、及び949を含む。いくつかの実施形態では、第2のVH及び第2のVLは、それぞれ、以下に示されるアミノ酸配列を含むか、又はそれぞれ、以下に示されるアミノ酸配列と、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、若しくは少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む:配列番号622及び623、配列番号624及び625、配列番号624及び626、配列番号627及び628、配列番号629及び630、配列番号631及び632、配列番号633及び634、配列番号635及び636、配列番号637及び638、配列番号639及び640、配列番号641及び642、配列番号643及び644、配列番号645及び646、配列番号647及び648、配列番号649及び650、配列番号651及び652、配列番号653及び654、配列番号655及び656、配列番号657及び658、配列番号659及び660、配列番号661及び662、配列番号663及び664、配列番号665及び666、配列番号667及び668、配列番号669及び670、配列番号671及び672、配列番号673及び670、配列番号674及び675、配列番号676及び677、配列番号678及び679、配列番号680及び681、配列番号682及び683、配列番号684及び685、配列番号686及び687、配列番号688及び689、配列番号690及び691、配列番号692及び693、配列番号694及び695、配列番号985及び986、配列番号987及び988、配列番号989及び990、又は配列番号991及び992。いくつかの実施形態では、第2のVH及び第2のVLは、それぞれ、以下に示されるアミノ酸配列と、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は少なくとも99%同一であり、以下に示される位置(位置のナンバリングはKabatに従う)に以下のアミノ酸:(i)82a~82c位のSer-Ser-Val(SSV)若しくはThr-Gly-Val(TGV)、39位のGln(Q)、60位のAsn(N)、68位のHis(H)、105位のLys(K)、His(H)、若しくはThr(T)のうちのいずれか1つ、2位のLeu(L)、32位のAla(A)、及び95位のAla(A)のうちの1つ以上を含む、配列番号622、624、若しくは627、並びに67位のGly(G)、67a位のTyr(Y)、Phe(F)、若しくはThr(T)、67b位のArg(R)、67c位のPro(P)、及び103位のLys(K)のうちの1つ以上を含む、配列番号623、625、626、若しくは628、又は(ii)3位のHis(H)、5位のSer(S)若しくはVal(V)、10位のGlu(E)、12位のLys(K)、23位のLys(K)、28位のAsn(N)、30位のArg(R)、32位のTyr(Y)、68位のThr(T)、69位のMet(M)、72位のGln(Q)若しくはHis(H)、74a位のTyr(Y)、Phe(F)、76位のPhe(F)若しくはSer(S)、77位のSer(S)、78位のAla(A)、82a位のSer(S)、82b位のArg(R)、82c位のVal(V)、89位のIle(I)若しくはThr(T)、98位のPhe(F)、99位のTyr(Y)若しくはGly(G)、105位のGln(Q)、108位のMet(M)、74a、74b、74c、及び74d位のPhe-Asp-Phe-Asp(FDFD)(配列番号1040)、並びに74a、74b、74c、及び74d位のTrp-Asp-Phe-Asp(WDFD)(配列番号1042)のうちの1つ以上を含む、配列番号663、665、若しくは667、並びに14位のArg(R)、18位のArg(R)、19位のAla(A)、39位のLys(L)、40位のPro(P)、56位のThr(T)、60位のAla(A)、65位のSer(S)、72位のThr(T)若しくはHis(H)、74位のLys(K)、76位のSer(S)、77位のSer(S)、83位のVal(V)、98位のIle(I)若しくはPhe(F)、99位のThr(T)若しくはGly(G)、103位のAsn(N)、及び106位のIle(I)のうちの1つ以上を含む、配列番号664、666、若しくは668を含む、アミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、第2のVH及び第2のVLは、それぞれ、以下に示されるアミノ酸配列と、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は少なくとも99%同一であり、以下に示される位置(位置のナンバリングはKabatに従う)に以下のアミノ酸:(i)82a~82c位のThr-Gly-Val(TGV)、60位のAsn(N)、68位のHis(H)、105位のLys(K)、His(H)、及びThr(T)のうちのいずれか1つ、のうちの1つ以上を含む、配列番号622、624、若しくは627、並びに67位のGly(G)、67a位のTyr(Y)、Phe(F)、若しくはThr(T)、67b位のArg(R)、67c位のPro(P)のうちの1つ以上を含む、配列番号623、625、626、若しくは628、又は(ii)74a位のPhe(F)を含む、配列番号663、665、若しくは667、並びに19位のAla(A)を含む、配列番号664、666、若しくは668を含む、アミノ酸配列を含む。
多重特異性抗原結合分子の第1及び第2のFc領域又はドメインに関して、いくつかの実施形態の、多重特異性(例えば、二重特異性)抗原結合分子は、第1のFc領域及び第2のFc領域を含むヘテロ二量体ヒトIgG1又はIgG4を含む。いくつかの実施形態では、第1のFc領域及び第2のFc領域は、IgG1m17に由来しない。いくつかの実施形態では、多重特異性(例えば、二重特異性)抗原結合分子は、第1のFc領域及び第2のFc領域を含むヘテロ二量体ヒトIgG1又はIgG4を含み、第1及び第2のFc領域のうちの一方又は両方は、示された位置(EUナンバリング)に以下のアミノ酸:234位のアラニン、235位のアラニン、及び331位のセリンのうちの1つ以上を含む。いくつかの実施形態では、多重特異性(例えば、二重特異性)抗原結合分子は、第1のFc領域及び第2のFc領域を含むヘテロ二量体ヒトIgG1を含み、第1及び第2のFc領域の両方は、示された位置(EUナンバリング)に以下のアミノ酸:234位のアラニン、235位のアラニン、及び331位のセリンのうちの1つ以上を含む。いくつかの実施形態では、多重特異性(例えば、二重特異性)抗原結合分子は、第1のFc領域及び第2のFc領域を含むヘテロ二量体ヒトIgG1を含み、第1及び第2のFc領域の両方が、示された位置(EUナンバリング)に以下のアミノ酸:234位のアラニン、235位のアラニン、及び331位のセリンを含む。いくつかの実施形態では、多重特異性(例えば、二重特異性)抗原結合分子は、第1のFc領域及び第2のFc領域を含むヘテロ二量体ヒトIgG1又はIgG4を含み、第1及び第2のFc領域のうちの一方又は両方は、示された位置(EUナンバリング)に以下のアミノ酸:252位のチロシン、254位のスレオニン、及び256位のグルタミン酸(YTE)、又は428位のロイシン、及び434位位のリン(LS)を含む。いくつかの実施形態では、多重特異性(例えば、二重特異性)抗原結合分子は、第1のFc領域及び第2のFc領域を含むヘテロ二量体ヒトIgG1を含み、第1及び第2のFc領域のうちの一方は、示された位置(EUナンバリング)に以下のアミノ酸:252位のチロシン、254位のスレオニン、及び256位のセリンを含む(YTE)を含む。いくつかの実施形態では、多重特異性(例えば、二重特異性)抗原結合分子は、第1のFc領域及び第2のFc領域を含むヘテロ二量体ヒトIgG1を含み、第2のFc領域は、示された位置(EUナンバリング)に以下のアミノ酸:252位のチロシン、254位のスレオニン、及び256位のグルタミン酸(YTE)を含む。いくつかの実施形態では、多重特異性(例えば、二重特異性)抗原結合分子は、第1のFc領域及び第2のFc領域を含むヘテロ二量体ヒトIgG1又はIgG4を含み、示された位置(EUナンバリング)に以下のアミノ酸を含む:第1のFc領域が、366位のトリプトファン(T366W)を含み、第2のFc領域が、366位のセリン(T366S)、368位のアラニン(L368A)、及び407位のバリン(Y407V)を含む;第1のFc領域が、366位のセリン(T366S)、368位のアラニン(L368A)、及び407位のバリン(Y407V)を含み、第2のFc領域が、366位のトリプトファン(T366W)を含む;第1のFc領域が、354位のシステイン(S354C)、366位のトリプトファン(T366W)を含み、第2のFc領域が、349位のシステイン(Y349C)、366位のセリン(T366S)、368位のアラニン(L368A)、及び407位のバリン(Y407V)を含む;第1のFc領域が、349位のシステイン(Y349C)、366位のセリン(T366S)、368位のアラニン(L368A)、及び407位のバリン(Y407V)を含み、第2のFc領域が、354位のシステイン(S354C)、366位のトリプトファン(T366W)を含む。いくつかの実施形態では、多重特異性(例えば、二重特異性)抗原結合分子は、第1のFc領域及び第2のFc領域を含むヘテロ二量体ヒトIgG1を含み、示された位置(EUナンバリング)に以下のアミノ酸を含む:第1のFc領域が、366位のトリプトファン(T366W)を含み、第2のFc領域が、366位のセリン(T366S)、368位のアラニン(L368A)、及び407位のバリン(Y407V)を含む;又は第1のFc領域が、366位のセリン(T366S)、368位のアラニン(L368A)、及び407位のバリン(Y407V)を含み、第2のFc領域が、366位のトリプトファン(T366W)を含む。いくつかの実施形態では、多重特異性(例えば、二重特異性)抗原結合分子は、第1のFc領域及び第2のFc領域を含むヘテロ二量体ヒトIgG1を含み、示された位置(EUナンバリング)に以下のアミノ酸を含む:第1のFc領域が、366位のセリン(T366S)、368位のアラニン(L368A)、及び407位のバリン(Y407V)を含み、第2のFc領域が、366位のトリプトファン(T366W)を含む。いくつかの実施形態では、多重特異性(例えば、二重特異性)抗原結合分子は、第1のヒンジ領域及び第2のヒンジ領域を含むヘテロ二量体ヒトIgG1又はIgG4を含み、第1及び第2ヒンジ領域のうちの一方又は両方は、220位のセリン(C220S)(EUナンバリング)を含む。いくつかの実施形態では、多重特異性(例えば、二重特異性)抗原結合分子は、第1のFc領域及び第2のFc領域を含むヘテロ二量体ヒトIgG1又はIgG4を含み、第1のFc領域又は第2のFc領域のうちの一方は、示された位置(EUナンバリング)に以下のアミノ酸:435位のアルギニン(H435R)、又は435位のアルギニン(H435R)、及び436位のフェニルアラニン(Y436F)を含む。いくつかの実施形態では、多重特異性(例えば、二重特異性)抗原結合分子は、第1のFc領域及び第2のFc領域を含むヘテロ二量体ヒトIgG1を含み、第1のFc領域又は第2のFc領域のうちの一方は、示された位置(EUナンバリング)に以下のアミノ酸:435位のアルギニン(H435R)を含む。いくつかの実施形態では、多重特異性(例えば、二重特異性)抗原結合分子は、第1のFc領域及び第2のFc領域を含むヘテロ二量体ヒトIgG1を含み、第1のFc領域は、435位のアルギニン(H435R)を含む。いくつかの実施形態では、多重特異性(例えば、二重特異性)抗原結合分子は、第1のFc領域及び第2のFc領域を含むヘテロ二量体ヒトIgG1を含み、示された位置(EUナンバリング)に以下のアミノ酸を含む:第1のFc領域が、234位のアラニン(L234)、235位のアラニン(L235A)、331位のセリン(P331S)、及び366位のトリプトファン(T366W)を含み、第2のFc領域が、234位のアラニン(L234)、235位のアラニン(L235A)、331位のセリン(P331S)、366位のセリン(T366S)、368位のアラニン(L368A)、407位のバリン(Y407V)、及び435位のアルギニン(H435R)を含む;第1のFc領域が、234位のアラニン(L234)、235位のアラニン(L235A)、331位のセリン(P331S)、及び366位のトリプトファン(T366W)を含み、第2のFc領域が、234位のアラニン(L234)、235位のアラニン(L235A)、331位のセリン(P331S)、366位のセリン(T366S)、368位のアラニン(L368A)、407位のバリン(Y407V)、435位のアルギニン(H435R)、及び436位のフェニルアラニン(Y436F)を含む;第1のFc領域が、234位のアラニン(L234)、235位のアラニン(L235A)、331位のセリン(P331S)、366位のセリン(T366S)、368位のアラニン(L368A)、及び407位のバリン(Y407V)を含み、第2のFc領域が、234位のアラニン(L234)、235位のアラニン(L235A)、331位のセリン(P331S)、及び366位のトリプトファン(T366W)を含む;第1のFc領域が、234位のアラニン(L234)、235位のアラニン(L235A)、331位のセリン(P331S)、366位のトリプトファン(T366W)、428位のロイシン(M428L)、及び434位のセリン(N434S)を含み、第2のFc領域が、234位のアラニン(L234)、235位のアラニン(L235A)、331位のセリン(P331S)、366位のセリン(T366S)、368位のアラニン(L368A)、407位のバリン(Y407V)、及び435位のアルギニン(H435R)を含む;又は第1のFc領域が、234位のアラニン(L234)、235位のアラニン(L235A)、331位のセリン(P331S)、366位のトリプトファン(T366W)、252位のチロシン(M252Y)、254位のスレオニン(S254T)、及び256位のグルタミン酸(T256E)を含み、第2のFc領域が、234位のアラニン(L234)、235位のアラニン(L235A)、331位のセリン(P331S)、366位のセリン(T366S)、368位のアラニン(L368A)、407位のバリン(Y407V)、及び435位のアルギニン(H435R)を含む。いくつかの実施形態では、多重特異性(例えば、二重特異性)抗原結合分子は、第1のFc領域及び第2のFc領域を含むヘテロ二量体ヒトIgG1を含み、示された位置(EUナンバリング)に以下のアミノ酸を含む:第1のFc領域が、234位のアラニン(L234)、235位のアラニン(L235A)、331位のセリン(P331S)、366位のセリン(T366S)、368位のアラニン(L368A)、407位のバリン(Y407V)、及び435位のアルギニン(H435R)を含み、第2のFc領域が、234位のアラニン(L234)、235位のアラニン(L235A)、331位のセリン(P331S)、366位のトリプトファン(T366W)、252位のチロシン(M252Y)、254位のスレオニン(S254T)、及び256位のグルタミン酸(T256E)を含む。いくつかの実施形態では、多重特異性(例えば、二重特異性)抗原結合分子は、それぞれ、以下に示されるアミノ酸配列を含むか、又はそれぞれ、以下に示されるアミノ酸配列と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、若しくは少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む第1のFc領域及び第2のFc領域を含む、ヘテロ二量体ヒトIgG1を含む:配列番号696及び697、配列番号697及び696、配列番号696及び698、配列番号698及び696、配列番号699及び700、配列番号700及び699、配列番号701及び698、配列番号698及び701、配列番号702及び703、配列番号703及び702、配列番号704及び698、配列番号698及び704、配列番号705及び703、配列番号703及び705、配列番号706及び704、配列番号704及び706、配列番号707及び703、配列番号703及び707、配列番号708及び704、配列番号704及び708、配列番号709及び710、又は配列番号710及び709。いくつかの実施形態では、多重特異性(例えば、二重特異性)抗原結合分子は、それぞれ、以下に示されるアミノ酸配列と、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む第1のFc領域及び第2のFc領域を含む、ヘテロ二量体ヒトIgG1を含む:配列番号703及び705。いくつかの実施形態では、多重



特異性(例えば、二重特異性)抗原結合分子は、それぞれ、以下に示されるアミノ酸配列と少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含む第1のFc領域及び第2のFc領域を含む、ヘテロ二量体ヒトIgG1を含む:配列番号703及び705。いくつかの実施形態では、多重特異性(例えば、二重特異性)抗原結合分子は、それぞれ、以下に示されるアミノ酸配列と少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む第1のFc領域及び第2のFc領域を含む、ヘテロ二量体ヒトIgG1を含む:配列番号703及び705。いくつかの実施形態では、多重特異性(例えば、二重特異性)抗原結合分子は、それぞれ、以下に示されるアミノ酸配列を含む第1のFc領域及び第2のFc領域を含む、ヘテロ二量体ヒトIgG1を含む:配列番号703及び705。
多重特異性(例えば、二重特異性)抗原結合分子の更なる実施形態に関して、いくつかの実施形態では、第1の抗原結合ドメインは、CD3に結合するscFvであり、第2の抗原結合ドメインは、HIV gp120に結合するFabであり、第1の抗原結合ドメインは、第1の重鎖(heavy chain、HC)を含み、第2の抗原結合ドメインは、第2のHC及び軽鎖(light chain、LC)を含み、第1のHC、第2のHC、及びLCは、それぞれ、以下に示されるアミノ酸配列を含むか、又はそれぞれ、以下に示されるアミノ酸配列と、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、若しくは少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む:配列番号800、801、及び802、配列番号800、803、及び802、配列番号804、803、及び802、配列番号804、805、及び802、配列番号806、801、及び802、配列番号806、803、及び802、配列番号807、803、及び802、配列番号807、805、及び802、配列番号808、809、及び802、配列番号808、810、及び802、配列番号811、801、及び802、配列番号812、809、及び802、配列番号812、810、及び802、配列番号813、805、及び802、配列番号812、814、及び802、配列番号815、801、及び802、配列番号816、805、及び802、配列番号817、801、及び802、配列番号818、805、及び802、配列番号819、810、及び802、配列番号820、810、及び802、配列番号821、822、及び823、配列番号824、825、及び823、配列番号826、825、及び823、配列番号826、827、及び823、配列番号828、829、及び823、配列番号830、822、及び823、配列番号830、825、及び823、配列番号831、825、及び823、配列番号831、827、及び823、配列番号832、833、及び823、配列番号832、829、及び823、配列番号834、827、及び823、配列番号835、829、及び823、配列番号836、829、及び823、配列番号837、833、及び823、配列番号837、838、及び823、配列番号839、840、及び823、配列番号841、829、及び823、配列番号842、829、及び823、配列番号843、829、及び823、配列番号844、829、及び823、配列番号845、829、及び823、配列番号846、829、及び823、配列番号846、833、及び823、配列番号846、838、及び823、配列番号847、827、及び823、配列番号848、829、及び823、配列番号849、829、及び823、配列番号850、829、及び823、配列番号851、829、及び823、配列番号852、829、及び823、配列番号853、829、及び823、配列番号854、829、及び823、配列番号855、829、及び823、配列番号856、829、及び823、配列番号857、829、及び823、配列番号858、829、及び823、配列番号859、829、及び823、配列番号860、829、及び823、配列番号861、862、及び863、配列番号861、864、及び863、配列番号865、864、及び863、配列番号865、866、及び863、配列番号867、868、及び863、配列番号869、862、及び863、配列番号869、864、及び863、配列番号870、864、及び863、配列番号870、866、及び863、配列番号871、872、及び863、配列番号871、868、及び863、配列番号873、862、及び863、配列番号874、866、及び863、配列番号875、872、及び863、配列番号875、868、及び863、配列番号875、876、及び863、配列番号877、862、及び863、配列番号878、866、及び863、配列番号879、862、及び863、配列番号880、866、及び863、配列番号881、882、及び883、配列番号881、884、及び883、配列番号885、884、及び883、配列番号885、886、及び883、配列番号887、888、及び883、配列番号889、882、及び883、配列番号889、884、及び883、配列番号890、884、及び883、配列番号890、886、及び883、配列番号891、892、及び883、配列番号891、888、及び883、配列番号893、882、及び883、配列番号894、886、及び883、配列番号895、892、及び883、配列番号895、888、及び883、配列番号895、896、及び883、配列番号897、882、及び883、配列番号898、886、及び883、配列番号899、882、及び883、又は配列番号900、886、及び883。いくつかの実施形態では、第1の抗原結合ドメインは、CD3に結合するscFvであり、第2の抗原結合ドメインは、HIV gp120に結合するFabであり、第1の抗原結合ドメインは第1の重鎖(HC)を含み、第2の抗原結合ドメインは第2のHC及び軽鎖(LC)を含み、第1のHC、第2のHC、及びLCは、それぞれ、以下に示されるアミノ酸配列を含むか、又はそれぞれ、以下に示されるアミノ酸配列と、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、若しくは少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む:配列番号800、801、及び802、配列番号800、803、及び802、配列番号804、803、及び802、配列番号804、805、及び802、配列番号806、801、及び802、配列番号806、803、及び802、配列番号807、803、及び802、配列番号807、805、及び802、配列番号808、809、及び802、配列番号808、810、及び802、配列番号821、822、及び823、配列番号824、825、及び823、配列番号826、825、及び823、配列番号826、827、及び823、配列番号828、829、及び823、配列番号830、822、及び823、配列番号830、825、及び823、配列番号831、825、及び823、配列番号831、827、及び823、配列番号832、833、及び823、配列番号832、829、及び823、配列番号861、862、及び863、配列番号861、864、及び863、配列番号865、864、及び863、配列番号865、866、及び863、配列番号867、868、及び863、配列番号869、862、及び863、配列番号869、864、及び863、配列番号870、864、及び863、配列番号870、866、及び863、配列番号871、872、及び863、配列番号871、868、及び863、配列番号881、882、及び883、配列番号881、884、及び883、配列番号885、884、及び883、配列番号885、886、及び883、配列番号887、888、及び883、配列番号889、882、及び883、配列番号889、884、及び883、配列番号890、884、及び883、配列番号890、886、及び883、配列番号891、892、及び883、又は配列番号891、888、及び883。いくつかの実施形態では、第1の抗原結合ドメインは、CD3に結合するscFvであり、第2の抗原結合ドメインは、HIV gp120に結合するFabであり、第1の抗原結合ドメインは第1の重鎖(HC)を含み、第2の抗原結合ドメインは第2のHC及び軽鎖(LC)を含み、第1のHC、第2のHC、及びLCは、それぞれ、以下に示されるアミノ酸配列を含むか、又はそれぞれ、以下に示されるアミノ酸配列と、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、若しくは少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む:配列番号800、801、及び802、配列番号800、803、及び802、配列番号804、803、及び802、配列番号804、805、及び802、配列番号821、822、及び823、配列番号824、825、及び823、配列番号826、825、及び823、配列番号826、827、及び823、配列番号828、829、及び823、配列番号861、862、及び863、配列番号861、864、及び863、配列番号865、864、及び863、配列番号865、866、及び863、配列番号867、868、及び863、配列番号881、882、及び883、配列番号881、884、及び883、配列番号885、884、及び883、配列番号885、886、及び883、又は配列番号887、888、及び883。いくつかの実施形態では、第1の抗原結合ドメインは、CD3に結合するscFvであり、第2の抗原結合ドメインは、HIV gp120に結合するFabであり、第1の抗原結合ドメインは第1の重鎖(HC)を含み、第2の抗原結合ドメインは第2のHC及び軽鎖(LC)を含み、第1のHC、第2のHC、及びLCは、それぞれ、以下に示されるアミノ酸配列を含むか、又はそれぞれ、以下に示されるアミノ酸配列と、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、若しくは少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む:配列番号800、801、及び802、配列番号800、803、及び802、配列番号804、803、及び802、配列番号804、805、及び802、配列番号821、822、及び823、配列番号824、825、及び823、配列番号826、825、及び823、配列番号826、827、及び823、配列番号828、829、及び823、配列番号861、862、及び863、配列番号861、864、及び863、配列番号865、864、及び863、配列番号865、866、及び863、又は配列番号867、868、及び863。
多重特異性(例えば、二重特異性)抗原結合分子の更なる実施形態に関して、いくつかの実施形態では、多重特異性(例えば、二重特異性)抗原結合分子は、(a)第1の重鎖可変ドメイン(VH)及び第1の軽鎖可変ドメイン(VL)を含む第1の抗原結合ドメインであって、第1の抗原結合ドメインがCD3に結合する、第1の抗原結合ドメインと、(b)CD4の1つ以上の細胞外(EC)ドメインを含むHIV gp120に結合する第2の抗原結合ドメインであって、CD4の1つ以上のECドメインが、以下に示される配列、又は以下からなる群から選択される配列と、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、若しくは少なくとも99%同一である配列を含む、第2の抗原結合ドメインと、を含む:
(i)KKVVYGKKGDTVELTCTASQKKNIQFHWKNSNQIKILGNQGSFLTKGPSKLNDRVDSRRSLWDQGNFPLIIKNLKPEDSDTYICEVEDQKEEVQLVVVG(配列番号746)、
(ii)KKVVYGKKGDTVELTCTASQKKNIQFHWKNSNQIKILGNQGSFLTKGPSKLNDRVDSRRSLWDQGNFPLIIKNLKPEDSDTYICEVEDQKEEVQLVVVGGGGSGKKVVYGKKGDTVELTCTASQKKNIQFHWKNSNQIKILGNQGSFLTKGPSKLNDRVDSRRSLWDQGNFPLIIKNLKPEDSDTYICEVEDQKEEVQLVVVG(配列番号747)、
(iii)KKVVLGKKGDTVELTCTASQKKSIQFHWKNSNQIKILGNQGSFLTKGPSKLNDRADSRRSLWDQGNFPLIIKNLKIEDSDTYICEVEDQKEEVQLLVFG(配列番号748)、又は
(iv)KKVVLGKKGDTVELTCTASQKKSIQFHWKNSNQIKILGNQGSFLTKGPSKLNDRADSRRSLWDQGNFPLIIKNLKIEDSDTYICEVEDQKEEVQLLVFGGGGSGKKVVLGKKGDTVELTCTASQKKSIQFHWKNSNQIKILGNQGSFLTKGPSKLNDRADSRRSLWDQGNFPLIIKNLKIEDSDTYICEVEDQKEEVQLLVFG(配列番号749)。
いくつかの実施形態では、第1の抗原結合ドメインは、それぞれ、以下のアミノ酸配列(Kabatに従う):配列番号1、11、8、4、9、及び10、又は配列番号1、12、8、4、9、及び10を含む、第1のVH-CDR1、第1のVH-CDR2、第1のVH-CDR3、第1のVL-CDR1、第1のVL-CDR2、及び第1のVL-CDR3を含み、第2の抗原結合ドメインは、配列番号746~749からなる群、例えば、配列番号746から選択されるCD4 ECドメインを含むか、又はそれと、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、若しくは少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む、CD4の1つ以上のECドメインを含む。いくつかの実施形態では、第1の抗原結合ドメインは、それぞれ、以下のアミノ酸配列(Kabatに従う):配列番号1、12、8、4、9、及び10を含む、第1のVH-CDR1、第1のVH-CDR2、第1のVH-CDR3、第1のVL-CDR1、第1のVL-CDR2、及び第1のVL-CDR3を含み、第2の抗原結合ドメインは、配列番号746のCD4 ECドメインと、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、若しくは少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む、CD4の1つのECドメインを含む。いくつかの実施形態では、第1の抗原結合ドメインは、それぞれ、以下のアミノ酸配列(Kabatに従う):配列番号1、12、8、4、9、及び10を含む、第1のVH-CDR1、第1のVH-CDR2、第1のVH-CDR3、第1のVL-CDR1、第1のVL-CDR2、及び第1のVL-CDR3を含み、第2の抗原結合ドメインは、配列番号746のCD4 ECドメインと少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含む、CD4の1つのECドメインを含む。いくつかの実施形態では、第1の抗原結合ドメインは、それぞれ、以下のアミノ酸配列(Kabatに従う):配列番号1、12、8、4、9、及び10を含む、第1のVH-CDR1、第1のVH-CDR2、第1のVH-CDR3、第1のVL-CDR1、第1のVL-CDR2、及び第1のVL-CDR3を含み、第2の抗原結合ドメインは、配列番号746のCD4 ECドメインと少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む、CD4の1つのECドメインを含む。いくつかの実施形態では、第1の抗原結合ドメインは、それぞれ、以下のアミノ酸配列(Kabatに従う):配列番号1、12、8、4、9、及び10を含む、第1のVH-CDR1、第1のVH-CDR2、第1のVH-CDR3、第1のVL-CDR1、第1のVL-CDR2、及び第1のVL-CDR3を含み、第2の抗原結合ドメインは、配列番号746のアミノ酸配列を含む、CD4の1つのECドメインを含む。いくつかの実施形態では、第1の抗原結合ドメインは、それぞれ、以下のアミノ酸配列(Chothiaに従う):配列番号17、18、23、20、24、及び25を含む、第1のVH-CDR1、第1のVH-CDR2、第1のVH-CDR3、第1のVL-CDR1、第1のVL-CDR2、及び第1のVL-CDR3を含み、第2の抗原結合ドメインは、配列番号746~749からなる群、例えば、配列番号746から選択されるCD4 ECドメインを含むか、又はそれと、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、若しくは少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む、CD4の1つ以上のECドメインを含む。いくつかの実施形態では、第1の抗原結合ドメインは、それぞれ、以下のアミノ酸配列(Chothiaに従う):配列番号17、18、23、20、24、及び25を含む、第1のVH-CDR1、第1のVH-CDR2、第1のVH-CDR3、第1のVL-CDR1、第1のVL-CDR2、及び第1のVL-CDR3を含み、第2の抗原結合ドメインは、配列番号746のCD4 ECドメインと、少なくとも95%(例えば、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は少なくとも99%)同一であるアミノ酸配列を含む、CD4の1つのECドメインを含む。いくつかの実施形態では、第1の抗原結合ドメインは、それぞれ、以下のアミノ酸配列(Chothiaに従う):配列番号17、18、23、20、24及び25を含む、第1のVH-CDR1、第1のVH-CDR2、第1のVH-CDR3、第1のVL-CDR1、第1のVL-CDR2、及び第1のVL-CDR3を含み、第2の抗原結合ドメインは、配列番号746のアミノ酸配列を含む、CD4の1つのECドメインを含む。いくつかの実施形態では、第1の抗原結合ドメインは、それぞれ、以下のアミノ酸配列(IMGTに従う):配列番号28、29、32、31、24、及び10を含む、第1のVH-CDR1、第1のVH-CDR2、第1のVH-CDR3、第1のVL-CDR1、第1のVL-CDR2、及び第1のVL-CDR3を含み、第2の抗原結合ドメインは、配列番号746~749からなる群、例えば、配列番号746から選択されるCD4 ECドメインを含むか、又はそれと、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、若しくは少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む、CD4の1つ以上のECドメインを含む。いくつかの実施形態では、第1の抗原結合ドメインは、それぞれ、以下のアミノ酸配列(IMGTに従う):配列番号28、29、32、31、24、及び10を含む、第1のVH-CDR1、第1のVH-CDR2、第1のVH-CDR3、第1のVL-CDR1、第1のVL-CDR2、及び第1のVL-CDR3を含み、第2の抗原結合ドメインは、配列番号746のCD4 ECドメインと、少なくとも95%(例えば、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は少なくとも99%)同一であるアミノ酸配列を含む、CD4の1つのECドメインを含む。いくつかの実施形態では、第1の抗原結合ドメインは、それぞれ、以下のアミノ酸配列(IMGTに従う):配列番号28、29、32、31、24及び10を含む、第1のVH-CDR1、第1のVH-CDR2、第1のVH-CDR3、第1のVL-CDR1、第1のVL-CDR2、及び第1のVL-CDR3を含み、第2の抗原結合ドメインは、配列番号746のアミノ酸配列を含む、CD4の1つのECドメインを含む。いくつかの実施形態では、第1の抗原結合ドメインは、それぞれ、以下のアミノ酸配列(Honeggerに従う):配列番号34、42、40、37、41、及び25、又は配列番号34、43、40、37、41、及び25を含む、第1のVH-CDR1、第1のVH-CDR2、第1のVH-CDR3、第1のVL-CDR1、第1のVL-CDR2、及び第1のVL-CDR3を含み、第2の抗原結合ドメインは、配列番号746~749からなる群、例えば、配列番号746から選択されるCD4 ECドメインを含むか、又はそれと、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、若しくは少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む、CD4の1つ以上のECドメインを含む。いくつかの実施形態では、第1の抗原結合ドメインは、それぞれ、以下のアミノ酸配列(Honeggerに従う):配列番号34、43、40、37、41、及び25を含む、第1のVH-CDR1、第1のVH-CDR2、第1のVH-CDR3、第1のVL-CDR1、第1のVL-CDR2、及び第1のVL-CDR3を含み、第2の抗原結合ドメインは、配列番号746のCD4 ECドメインを含むか、又はそれと、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、若しくは少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む、CD4の1つのECドメインを含む。いくつかの実施形態では、第1の抗原結合ドメインは、それぞれ、以下のアミノ酸配列(Honeggerに従う):配列番号34、43、40、37、41、及び25を含む、第1のVH-CDR1、第1のVH-CDR2、第1のVH-CDR3、第1のVL-CDR1、第1のVL-CDR2、及び第1のVL-CDR3を含み、第2の抗原結合ドメインは、配列番号746のCD4 ECドメインと、少なくとも95%(例えば、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は少なくとも99%)同一であるアミノ酸配列を含む、CD4の1つのECドメインを含む。いくつかの実施形態では、第1の抗原結合ドメインは、それぞれ、以下のアミノ酸配列(Honeggerに従う):配列番号34、43、40、37、41及び25を含む、第1のVH-CDR1、第1のVH-CDR2、第1のVH-CDR3、第1のVL-CDR1、第1のVL-CDR2、及び第1のVL-CDR3を含み、第2の抗原結合ドメインは、配列番号746のアミノ酸配列を含む、CD4の1つのECドメインを含む。いくつかの実施形態では、第1の抗原結合ドメインは、それぞれ、以下に示されるアミノ酸配列を含むか、又はそれぞれ、以下に示されるアミノ酸配列:配列番号49及び55、配列番号50及び55、配列番号50及び56、配列番号51及び55、若しくは配列番号51及び56と、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、若しくは少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む、第1のVH及び第1のVLを含み、第2の抗原結合ドメインは、配列番号746~749からなる群、例えば、配列番号746から選択されるCD4 ECドメインを含むか、又はそれと、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、若しくは少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む、CD4の1つ以上のECドメインを含む。いくつかの実施形態では、第1の抗原結合ドメインは、それぞれ、以下に示されるアミノ酸配列:配列番号50及び56と、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、若しくは少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む、第1のVH及び第1のVLを含み、第2の抗原結合ドメインは、配列番号746のCD4 ECドメインと、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、若しくは少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む、CD4の1つのECドメインを含む。いくつかの実施形態では、第1の抗原結合ドメインは、それぞれ、以下に示されるアミノ酸配列:配列番号51及び56と、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%



、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、若しくは少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む、第1のVH及び第1のVLを含み、第2の抗原結合ドメインは、配列番号746のCD4 ECドメインと、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、若しくは少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む、CD4の1つのECドメインを含む。いくつかの実施形態では、第1の抗原結合ドメインは、CD3に結合するFabであり、第2の抗原結合ドメインは、HIV gp120に結合するscFv又はCD4のECドメインであり、第1の抗原結合ドメインは第1のHC及びLCを含み、第2の抗原結合ドメインは第2のHCを含み、第2のHC、第1のHC、及びLCは、それぞれ、以下に示されるアミノ酸配列を含むか、又はそれぞれ、以下に示されるアミノ酸配列と、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、若しくは少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む:配列番号751、752、及び753、配列番号754、752、及び753、配列番号755、756、及び753、配列番号755、757、及び753、配列番号758、757、及び753、配列番号759、756、及び753、配列番号754、760、及び761、配列番号762、760、及び761、配列番号751、763、及び753、配列番号764、752、及び753、配列番号765、752、及び753、配列番号766、767、及び753、配列番号766、768、及び753、配列番号769、768、及び753、配列番号770、767、及び753、配列番号765、771、及び761、配列番号772、771、及び761、配列番号774、775、及び776、配列番号777、778、及び776、配列番号779、778、及び776、配列番号779、780、及び776、配列番号777、781、及び776、配列番号782、752、及び753、配列番号783、752、及び753、配列番号784、785、及び753、配列番号784、786、及び753、配列番号787、786、及び753、配列番号788、785、及び753、配列番号783、789、及び761、配列番号790、789、及び761、配列番号792、793、及び794、配列番号795、796、及び794、配列番号797、796、及び794、配列番号797、798、及び794、又は配列番号795、799、及び794。いくつかの実施形態では、第1の抗原結合ドメインは、CD3に結合するFabであり、第2の抗原結合ドメインは、HIV gp120に結合するscFv又はCD4のECドメインであり、第1の抗原結合ドメインは第1のHC及びLCを含み、第2の抗原結合ドメインは第2のHCを含み、第2のHC、第1のHC、及びLCは、それぞれ、以下に示されるアミノ酸配列を含むか、又はそれぞれ、以下に示されるアミノ酸配列と、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、若しくは少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む:配列番号751、752、及び753、配列番号754、752、及び753、配列番号755、756、及び753、配列番号755、757、及び753、配列番号758、757、及び753、配列番号759、756、及び753、配列番号764、752、及び753、配列番号765、752、及び753、配列番号766、767、及び753、配列番号766、768、及び753、配列番号769、768、及び753、配列番号770、767、及び753、配列番号777、778、及び776、配列番号779、778、及び776、配列番号779、780、及び776、配列番号777、781、及び776、配列番号782、752、及び753、配列番号783、752、及び753、配列番号784、785、及び753、配列番号784、786、及び753、配列番号787、786、及び753、配列番号788、785、及び753、配列番号795、796、及び794、配列番号797、796、及び794、配列番号797、798、及び794、又は配列番号795、799、及び794。いくつかの実施形態では、第1の抗原結合ドメインは、CD3に結合するFabであり、第2の抗原結合ドメインは、HIV gp120に結合するscFv又はCD4のECドメインであり、第1の抗原結合ドメインは第1のHC及びLCを含み、第2の抗原結合ドメインは第2のHCを含み、第2のHC、第1のHC、及びLCは、それぞれ、以下に示されるアミノ酸配列を含むか、又はそれぞれ、以下に示されるアミノ酸配列と、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、若しくは少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む:配列番号751、752、及び753、配列番号754、752、及び753、配列番号755、756、及び753、配列番号755、757、及び753、配列番号758、757、及び753、又は配列番号759、756、及び753。いくつかの実施形態では、第1の抗原結合ドメインは、CD3に結合するFabであり、第2の抗原結合ドメインは、HIV gp120に結合するscFv又はCD4のECドメインであり、第1の抗原結合ドメインは第1のHC及びLCを含み、第2の抗原結合ドメインは第2のHCを含み、第2のHC、第1のHC、及びLCは、それぞれ、以下に示されるアミノ酸配列を含むか、又はそれぞれ、以下に示されるアミノ酸配列と、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、若しくは少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む:配列番号751、752、及び753、又は配列番号755、756、及び753。いくつかの実施形態では、第1の抗原結合ドメインは、CD3に結合するFabであり、第2の抗原結合ドメインは、HIV gp120に結合するscFv又はCD4のECドメインであり、第1の抗原結合ドメインは第1のHC及びLCを含み、第2の抗原結合ドメインは第2のHCを含み、第2のHC、第1のHC、及びLCは、それぞれ、以下に示されるアミノ酸配列を含むか、又はそれぞれ、以下に示されるアミノ酸配列と、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、若しくは少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む:配列番号751、752、及び753。いくつかの実施形態では、第1の抗原結合ドメインは、CD3に結合するFabであり、第2の抗原結合ドメインは、HIV gp120に結合するscFv又はCD4のECドメインであり、第1の抗原結合ドメインは第1のHC及びLCを含み、第2の抗原結合ドメインは第2のHCを含み、第2のHC、第1のHC、及びLCは、それぞれ、以下に示されるアミノ酸配列を含むか、又はそれぞれ、以下に示されるアミノ酸配列と、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、若しくは少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む:配列番号755、756、及び753。
多重特異性(例えば、二重特異性)抗原結合分子の更なる実施形態に関して、いくつかの実施形態では、多重特異性抗原結合分子は、二重特異性抗原結合分子である。いくつかの実施形態では、多重特異性抗原結合分子は、ヒトCD3及びHIV gp120に結合するか、又はそれを標的とする。いくつかの実施形態では、第1のVH及び第1のVLは、それぞれヒト生殖系列VH及びヒト生殖系列VLと、少なくとも80%、81%、82%、83%、84%、85%以上の配列類似性を有する。いくつかの実施形態では、第1の抗原結合ドメインは、プロテインAへの結合が低減されているか若しくはわずかであるか若しくは実質的にないか、又はプロテインAに検出可能に結合しない。いくつかの実施形態では、第1の抗原結合ドメインは、10-6Mを超える結合平衡解離定数(K)でプロテインAに結合する。いくつかの実施形態では、第1の抗原結合ドメインは、10nM未満、例えば、9.5nM、9.0nM、8.5nM、8.0nM、7.5nM、7.0nM、6.5nM、6.0nM、5.5nM、5.0nM、4.5nM、4.0nM、3.5nM、3.0nM未満のKでCD3に結合する。いくつかの実施形態では、第1の抗原結合ドメインは、3.0nM未満(例えば、2.5nM)のKでCD3に結合する。いくつかの実施形態では、多重特異性(例えば、二重特異性)抗原結合分子は、ヒト又はカニクイザルにおいて、少なくとも3日、例えば、少なくとも4日、少なくとも5日、少なくとも6日、少なくとも7日、少なくとも8日、少なくとも9日、少なくとも10日、少なくとも11日、少なくとも12日、少なくとも13日、少なくとも14日、少なくとも15日、少なくとも16日以上の血清半減期を有する。いくつかの実施形態では、多重特異性(例えば、二重特異性)抗原結合分子は、ヒト又はカニクイザルにおいて、少なくとも7日の血清半減期を有する。いくつかの実施形態では、多重特異性(例えば、二重特異性)抗原結合分子は、ヒトにおいて、少なくとも7日の血清半減期を有する。いくつかの実施形態では、第1の抗原結合ドメインは、7.0nM未満、例えば、6.5nM、6.0nM、5.5nM、5.0nM、4.5nM、4.0nM、3.5nM、3.0nM未満のKでCD3に結合し、多重特異性(例えば、二重特異性)抗原結合分子は、ヒト又はカニクイザルにおいて、少なくとも少なくとも5日、例えば、少なくとも5.5日、少なくとも6日、少なくとも6.5日、少なくとも7日、少なくとも7.5日、少なくとも8日、少なくとも8.5日、少なくとも9日、少なくとも10日、少なくとも11日、少なくとも12日、少なくとも13日、少なくとも14日以上の血清半減期を有する。いくつかの実施形態では、第1の抗原結合ドメインは、3.0nM未満(例えば、2.5nM)のKでCD3に結合し、多重特異性(例えば、二重特異性)抗原結合分子は、ヒト又はカニクイザルにおいて、少なくとも7日の血清半減期を有する。いくつかの実施形態では、第1の抗原結合ドメインは、3.0nM未満(例えば、2.5nM)のKでCD3に結合し、多重特異性(例えば、二重特異性)抗原結合分子は、ヒトにおいて、少なくとも7日の血清半減期を有する。いくつかの実施形態では、第1のVH、第1のVL、第2のVH、及び第2のVLのうちの少なくとも1つにおける少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%以上のN結合型グリコシル化部位がシアル化されている。いくつかの実施形態では、第1のVH、第1のVL、第2のVH、及び第2のVLのうちの少なくとも1つにおけるN結合型グリコシル化部位は、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%以上のシアル酸占有率(例えば、1つ又は2つの末端シアル酸残基を含むグリカン)を有する。いくつかの実施形態では、第1のVH、第1のVL、第2のVH、及び第2のVLのうちの少なくとも1つにおけるシアル化N結合型グリコシル化部位は、1~5個のシアル酸残基、例えば、1~4個のシアル酸残基、例えば、1~3個のシアル酸残基、例えば、1~2個のシアル酸残基を含む。いくつかの実施形態では、第1のVH、第1のVL、第2のVH、及び第2のVLのうちの少なくとも1つが、N-アセチルノイラミン酸(N-acetylneuraminic acid、NANA)でシアル化されている。いくつかの実施形態では、シアル酸残基は、二分岐構造で存在する。いくつかの実施形態では、シアル酸残基は、複合N結合型グリカン構造で存在する。いくつかの実施形態では、シアル酸残基は、ハイブリッドN結合型グリカン構造で存在する。いくつかの実施形態では、グリカンは、末端シアリル化されている。
別の態様では、多重特異性(例えば、二重特異性)抗原結合分子の少なくとも第1のVH及び第1のVLをコードするポリヌクレオチド又は複数のポリヌクレオチドが提供される。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチド(複数可)は、本明細書に記載される多重特異性(例えば、二重特異性)抗原結合分子の第2のVH及び第2のVLをコードするポリヌクレオチド又は複数のポリヌクレオチドを更に含む。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチド(複数可)は、本明細書に記載される多重特異性(例えば、二重特異性)抗原結合分子の、scFvである第1の抗原結合ドメインのHC、並びにFabである第2の抗原結合ドメインのHC及びLCをコードするポリヌクレオチド又は複数のポリヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチド(複数可)は、本明細書に記載される多重特異性(例えば、二重特異性)抗原結合分子の、Fabである第1の抗原結合ドメインのHC及びLC、並びにscFv又はCD4のECドメインである第2の抗原結合ドメインのHCをコードするポリヌクレオチド又は複数のポリヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチド(複数可)は、多重特異性(例えば、二重特異性)抗原結合分子の、Fabである第1の抗原結合ドメインのHC及びLC、並びにCD4のECドメインである第2の抗原結合ドメインのHCをコードするポリヌクレオチド又は複数のポリヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチド(複数可)は、以下のポリヌクレオチド配列、又はそれぞれ、以下に示されるポリヌクレオチド配列と、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、若しくは少なくとも99%同一であるポリヌクレオチド配列を含む、本明細書に記載される多重特異性抗原結合分子をコードする:配列番号995、996及び997、配列番号998、999、及び1000、配列番号1001、1002、及び1003、配列番号1004、1005、及び1000、配列番号1006、1002、及び997、配列番号1007、1093、及び1000、配列番号998、1008、及び1000、配列番号998、1009、及び1000、配列番号1010、1011、及び1012、配列番号1013、1014、及び1015、配列番号1016、1017、及び1012、配列番号1018、1019、及び1012、配列番号1018、1020、及び1012、配列番号1021、1022、及び1023、又は配列番号1024、1025、及び1023。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチド(複数可)は、それぞれ、以下に示されるポリヌクレオチド配列と、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は少なくとも99%同一であるポリヌクレオチド配列を含む、本明細書に記載される多重特異性抗原結合分子をコードする:配列番号995、996、及び997。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチド(複数可)は、示されるポリヌクレオチド配列と、少なくとも95%(例えば、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は少なくとも99%)同一であるポリヌクレオチド配列を含む、本明細書に記載される多重特異性抗原結合分子をコードする:配列番号995、996及び997。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチド(複数可)は、以下のポリヌクレオチド配列を含む、本明細書に記載される多重特異性抗原結合分子をコードする:配列番号995、996及び997。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチド(複数可)は、それぞれ、以下に示されるポリヌクレオチド配列と、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は少なくとも99%同一であるポリヌクレオチド配列を含む、本明細書に記載される多重特異性抗原結合分子をコードする:配列番号998、999、及び1000。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチド(複数可)は、示されるポリヌクレオチド配列と、少なくとも95%(例えば、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は少なくとも99%)同一であるポリヌクレオチド配列を含む、本明細書に記載される多重特異性抗原結合分子をコードする:配列番号998、999、及び1000。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチド(複数可)は、以下のポリヌクレオチド配列を含む、本明細書に記載される多重特異性抗原結合分子をコードする:配列番号998、999、及び1000。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチド(複数可)は、DNA又はRNAから構成される。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチド(複数可)は、mRNAから構成される。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチド(複数可)は、ヒト細胞における効率的な発現のためのコドンバイアスを含む。更なる態様では、本明細書に記載されるポリヌクレオチド(複数可)を含む、リポプレックス、例えば、脂質ナノ粒子(lipid nanoparticle、LNP)が提供される。更なる態様では、本明細書に記載されるポリヌクレオチド(複数可)に作動可能に連結された1つ以上の制御配列を含む発現カセット又は複数の発現カセットが提供される。
更なる態様では、本明細書に記載されるポリヌクレオチド(複数可)又は発現カセットに作動可能に連結された1つ以上の制御配列を含む発現ベクター又は複数の発現ベクターが提供される。いくつかの実施形態では、発現ベクター(複数可)には、プラスミドベクター又はウイルスベクターが含まれる。いくつかの実施形態では、発現ベクターは、3、4、又は5つの発現カセット又はシストロンを含む。いくつかの実施形態では、発現ベクターは、任意選択で、5’から3’の順に、(i)抗HIV gp120 VL-軽鎖定常ドメイン(CL)融合タンパク質をコードする第1のポリヌクレオチドを含む、第1の発現カセット又はシストロン、(ii)抗HIV gp120 VH-Fc融合タンパク質をコードする第2のポリヌクレオチドを含む、第2の発現カセット又はシストロン、及び(iii)抗CD3 scFv-Fc融合タンパク質をコードする第3のポリヌクレオチドを含む、第3の発現カセット又はシストロンを含む。いくつかの実施形態では、抗HIV gp120 VL-CL融合タンパク質、抗HIV gp120 VH-Fc融合タンパク質、及び抗CD3 scFv-Fc融合タンパク質は、それぞれ、以下に示されるアミノ酸配列を含むか、又はそれぞれ、以下に示されるアミノ酸配列と、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、若しくは少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む:配列番号802、801、及び800、配列番号802、803、及び800、配列番号802、803、及び804、配列番号802、805、及び804、配列番号802、801、及び806、配列番号802、803、及び806、配列番号802、803、及び807、配列番号802、805、及び807、配列番号802、809、及び808、配列番号802、810、及び808、配列番号802、801、及び811、配列番号802、809、及び812、配列番号802、810、及び812、配列番号802、805、及び813、配列番号802、814、及び812、配列番号802、801、及び815、配列番号802、805、及び816、配列番号802、801、及び817、配列番号802、805、及び818、配列番号802、810、及び819、配列番号802、810、及び820、配列番号823、822、及び821、配列番号823、825、及び824、配列番号823、825、及び826、配列番号823、827、及び826、配列番号823、829、及び828、配列番号823、822、及び830、配列番号823、825、及び830、配列番号823、825、及び831、配列番号823、827、及び831、配列番号823、833、及び832、配列番号823、829、及び832、配列番号823、827、及び834、配列番号823、829、及び835、配列番号823、829、及び836、配列番号823、833、及び837、配列番号823、838、及び837、配列番号823、840、及び839、配列番号823、829、及び841、配列番号823、829、及び842、配列番号823、829、及び843、配列番号823、829、及び844、配列番号823、829、及び845、配列番号823、829、及び846、配列番号823、833、及び846、配列番号823、838、及び846、配列番号823、827、及び847、配列番号823、829、及び848、配列番号823、829、及び849、配列番号823、829、及び850、配列番号823、829、及び851、配列番号823、829、及び852、配列番号823、829、及び853、配列番号823、829、及び854、配列番号823、829、及び855、配列番号823、829、及び856、配列番号823、829、及び857、配列番号823、829、及び858、配列番号823、829、及び859、配列番号823、829、及び860、配列番号863、862、及び861、配列番号863、864、及び861、配列番号863、864、及び865、配列番号863、866、及び865、配列番号863、868、及び867、配列番号863、862、及び869、配列番号863、864、及び869、配列番号863、864、及び870、配列番号863、866、及び870、配列番号863、872、及び871、配列番号863、868、及び871、配列番号863、862、及び873、配列番号863、866、及び874、配列番号863、872、及び875、配列番号863、868、及び875、配列番号863、876、及び875、配列番号863、862、及び877、配列番号863、866、及び878、配列番号863、862、及び879、配列番号863、866、及び880、配列番号883、882、及び881、配列番号883、884、及び881、配列番号883、884、及び885、配列番号883、886、及び885、配列番号883、888、及び887、配列番号883、882、及び889、配列番号883、884、及び889、配列番号883、884、及び890、配列番号883、886、及び890、配列番号883、892、及び891、配列番号883、888、及び891、配列番号883、882、及び883、配列番号883、886、及び894、配列番号883、892、及び895、配列番号883、888、及び895、配列番号883、896、及び895、配列番号883、882、及び897、配列番号883、886、及び898、配列番号883、882、及び899、又は配列番号886及び900のアミノ酸配列。いくつかの実施形態では、発現ベクターは、任意選択で、5’から3’の順に、(i)抗CD3 VL-CL融合タンパク質をコードする第1のポリヌクレオチドを含む、第1の発現カセット又はシストロン、(ii)抗CD3 VH-Fc融合タンパク質をコードする第2のポリヌクレオチドを含む、第2の発現カセット又はシストロン、及び(iii)CD4細胞外(EC)ドメイン-Fc融合タンパク質をコードする第3のポリヌクレオチドを含む、第3の発現カセット又はシストロンを含む。いくつかの実施形態では、抗CD3 VL-CL融合タンパク質、抗CD3 VH-Fc融合タンパク質、及び抗CD4 ECドメイン-Fc融合タンパク質は、それぞれ、以下に示されるアミノ酸配列を含むか、又はそれぞれ、以下に示されるアミノ酸配列と、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、若しくは少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む:配列番号:753、752、及び751、配列番号753、752、及び754、配列番号753、756、及び755、配列番号753、757、及び755、配列番号753、757、及び758、配列番号753、756、及び759、配列番号761、760、及び754、配列番号761、760、及び762、配列番号753、763、及び751、配列番号753、752、及び764、配列番号753、752、及び765、配列番号753、767、及び766、配列番号753、768、及び766、配列番号753、768、及び769、配列番号753、767、及び770、配列番号761、771、及び765、配列番号761、771、及び772、配列番号776、775、及び774、配列番号776、778、及び777、配列番号776、778、及び779、配列番号776、780、及び779、配列番号776、781、及び777、配列番号753、752、及び782、配列番号753、752、及び783、配列番号753、785、及び784、配列番号753、786、及び784、配列番号753、786、及び787、配列番号753、785、及び788、配列番号761、789、及び783、配列番号761、789、及び790、配列番号794、793、及び792、配列番号794、796、及び795、配列番号794、796、及び797、配列番号794、798、及び797、又は配列番号794、799、及び795。いくつかの実施形態では、抗CD3 VL-CL融合タンパク質、抗CD3 VH-Fc融合タンパク質、及び抗CD4 ECドメイン-Fc融合タンパク質は、それぞれ、以下に示されるアミノ酸配列と、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む:配列番号753、752、及び751。いくつかの実施形態では、抗CD3 VL-CL融合タンパク質、抗CD3 VH-Fc融合タンパク質、及びCD4 ECドメイン-Fc融合タンパク質は、それぞれ、以下に示されるアミノ酸配列を含む:配列番号753、752、及び751。いくつかの実施形態では、第1、第2、及び第3の発現カセット又はシストロンは各々、同一の又は同等の転写強度のプロモータ、例えば、構成的プロモータ、例えば、サイトメガロウイルス(CMV)、SV40、RSV、EF1a、UBC、PGK、及びCAGGから選択されるプロモータを含む。いくつかの実施形態では、第1、第2、及び第3の発現カセット又はシストロンは、異なる転写強度の1つ以上のプロモータを含む。実施形態では、発現ベクターは、真核生物選択マーカタンパク質、例えば、グルタミン合成酵素(glutamine synthetase、GS)をコードするポリヌクレオチドを含む、第1の発現カセット又はシストロンの5’側に位置する第4の発現カセット又はシストロンを更に含む。概して、第1の発現カセットの5’側に位置し、真核生物選択マーカタンパク質をコードするポリヌクレオチドを含む第4の発現カセット又はシストロンは、第1、第2、及び第3の発現カセット又はシストロンと同じ鎖から翻訳される。
更なる態様では、細胞又は細胞集団が提供される。様々な実施形態では、細胞又は細胞集団は、本明細書に記載される発現カセット若しくは複数の発現カセット、又は発現ベクター(複数可)のポリヌクレオチド(複数可)を含む。いくつかの実施形態では、細胞又は細胞集団は、真核細胞を含む。いくつかの実施形態では、細胞又は細胞集団は、哺乳動物細胞、昆虫細胞、植物細胞、又は酵母細胞を含む。いくつかの実施形態では、哺乳動物細胞は、チャイニーズハムスター卵巣(Chinese Hamster Ovary、CHO)細胞である。いくつかの実施形態では、哺乳動物細胞は、ヒト細胞である。いくつかの実施形態では、細胞は、ヒト胎児由来腎臓細胞である。いくつかの実施形態では、細胞は、発現された抗原結合分子の可変ドメイン(Fv)内のN結合型グリコシル化部位を主にシアル化する。いくつかの実施形態では、発現された抗原結合分子の可変ドメイン(Fv)内の少なくとも50%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%以上のN結合型グリコシル化部位がシアル化されている。
更なる態様では、本明細書に記載される1つ以上の多重特異性抗原結合分子と、薬学的に許容される担体と、を含む医薬組成物が提供される。関連する態様では、本明細書に記載の1つ以上の多重特異性抗原結合分子、又は本明細書に記載のリポプレックス(例えば、LNP)をコードする本明細書に記載の1つ以上のポリヌクレオチドと、薬学的に許容される担体と、を含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、水性製剤を含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、本明細書に記載の1つ以上の多重特異性抗原結合分子を、0.1mg/mL~150mg/mL、例えば、0.1mg/mL~100mg/mL、例えば、1mg/mL~100mg/mL、例えば、5mg/mL~60mg/mL、例えば、20mg/mL~150mg/mL、又は10mg/mL~50mg/mLの濃度で含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、凍結乾燥されている。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、静脈内投与、筋肉内、又は皮下投与のために製剤化される。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、HIV感染症を治療するための第2の薬剤を更に含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、toll様受容体(toll-like receptor、TLR)アゴニスト又はIL-15受容体アゴニストを更に含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、CD3に結合する第1の抗原結合ドメイン、及びCD4結合部位(CD4bs)のgp120のエピトープ又は領域に結合し、CD4の1つ以上の細胞外(EC)ドメインを含む第2の抗原結合ドメインを有する多重特異性抗原結合分子と、任意選択で、IL-15受容体アゴニストと、を含む。いくつかの実施形態では、CD4の1つ以上のECドメインは、配列番号746~749に示される配列、又は配列番号746~749(例えば、配列番号746)のアミノ酸配列と、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、若しくは少なくとも99%同一である配列を含む。いくつかの実施形態では、CD4のCドメインは、配列番号746の配列と、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は少なくとも99%同一である配列を含む。いくつかの実施形態では、CD4のECドメインは、配列番号746の配列と少なくとも95%同一である配列を含む。いくつかの実施形態では、CD4のECドメインは、配列番号746の配列と少なくとも99%同一である配列を含む。いくつかの実施形態では、CD4のECドメインは、配列番号746の配列を含む。いくつかの実施形態では、第1の抗原結合ドメインは、それぞれ、以下のアミノ酸配列(Kabatに従う):配列番号1、11、8、4、9、及び10、又は配列番号1、12、8、4、9、及び10を含む、第1のVH-CDR1、第1のVH-CDR2、第1のVH-CDR3、第1のVL-CDR1、第1のVL-CDR2、及び第1のVL-CDR3を含み、第2の抗原結合ドメインは、配列番号746~749からなる群(例えば、配列番号746)から選択されるCD4 ECドメインを含むか、又はそれと、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、若しくは少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む、CD4の1つ以上のECドメインを含む。いくつかの実施形態では、第1の抗原結合ドメインは、それぞれ、以下のアミノ酸配列(Kabatに従う):配列番号1、12、8、4、9、及び10を含む、第1のVH-CDR1、第1のVH-CDR2、第1のVH-CDR3、第1のVL-CDR1、第1のVL-CDR2、及び第1のVL-CDR3を含み、第2の抗原結合ドメインは、配列番号746のCD4 ECドメインと、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、若しくは少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む、CD4の1つのECドメインを含む。いくつかの実施形態では、第1の抗原結合ドメインは、それぞれ、以下のアミノ酸配列(Kabatに従う):配列番号1、12、8、4、9、及び10を含む、第1のVH-CDR1、第1のVH-CDR2、第1のVH-CDR3、第1のVL-CDR1、第1のVL-CDR2、及び第1のVL-CDR3を含み、第2の抗原結合ドメインは、配列番号746のCD4 ECドメインと少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含む、CD4の1つのECドメインを含む。いくつかの実施形態では、第1の抗原結合ドメインは、それぞれ、以下のアミノ酸配列(Kabatに従う):配列番号1、12、8、4、9、及び10を含む、第1のVH-CDR1、第1のVH-CDR2、第1のVH-CDR3、第1のVL-CDR1、第1のVL-CDR2、及び第1のVL-CDR3を含み、第2の抗原結合ドメインは、配列番号746のCD4 ECドメインと少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む、CD4の1つのECドメインを含む。いくつかの実施形態では、第1の抗原結合ドメインは、それぞれ、以下のアミノ酸配列(Kabatに従う):配列番号1、12、8、4、9、及び10を含む、第1のVH-CDR1、第1のVH-CDR2、第1のVH-CDR3、第1のVL-CDR1、第1のVL-CDR2、及び第1のVL-CDR3を含み、第2の抗原結合ドメインは、配列番号746のアミノ酸配列を含む、CD4の1つのECドメインを含む。いくつかの実施形態では、第1の抗原結合ドメインは、それぞれ、以下のアミノ酸配列(Chothiaに従う):配列番号17、18、23、20、24、及び25を含む、第1のVH-CDR1、第1のVH-CDR2、第1のVH-CDR3、第1のVL-CDR1、第1のVL-CDR2、及び第1のVL-CDR3を含み、第2の抗原結合ドメインは、配列番号746~749からなる群(例えば、配列番号746)から選択されるCD4 ECドメインを含むか、又はそれと、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、若しくは少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む、CD4の1つ以上のECドメインを含む。いくつかの実施形態では、第1の抗原結合ドメインは、それぞれ、以下のアミノ酸配列(Chothiaに従う):配列番号17、18、23、20、24、及び25を含む、第1のVH-CDR1、第1のVH-CDR2、第1のVH-CDR3、第1のVL-CDR1、第1のVL-CDR2、及び第1のVL-CDR3を含み、第2の抗原結合ドメインは、配列番号746のCD4 ECドメインと、少なくとも95%(例えば、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は少なくとも99%)同一であるアミノ酸配列を含む、CD4の1つのECドメインを含む。いくつかの実施形態では、第1の抗原結合ドメインは、それぞれ、以下のアミノ酸配列(Chothiaに従う):配列番号17、18、23、20、24及び25を含む、第1のVH-CDR1、第1のVH-CDR2、第1のVH-CDR3、第1のVL-CDR1、第1のVL-CDR2、及び第1のVL-CDR3を含み、第2の抗原結合ドメインは、配列番号746のアミノ酸配列を含む、CD4の1つのECドメインを含む。いくつかの実施形態では、第1の抗原結合ドメインは、それぞれ、以下のアミノ酸配列(IMGTに従う):配列番号28、29、32、31、24、及び10を含む、第1のVH-CDR1、第1のVH-CDR2、第1のVH-CDR3、第1のVL-CDR1、第1のVL-CDR2、及び第1のVL-CDR3を含み、第2の抗原結合ドメインは、配列番号746~749からなる群(例えば、配列番号746)から選択されるCD4 ECドメインを含むか、又はそれと、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、若しくは少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む、CD4の1つ以上のECドメインを含む。いくつかの実施形態では、第1の抗原結合ドメインは、それぞれ、以下のアミノ酸配列(IMGTに従う):配列番号28、29、32、31、24、及び10を含む、第1のVH-CDR1、第1のVH-CDR2、第1のVH-CDR3、第1のVL-CDR1、第1のVL-CDR2、及び第1のVL-CDR3を含み、第2の抗原結合ドメインは、配列番号746のCD4 ECドメインと、少なくとも95%(例えば、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は少なくとも99%)同一であるアミノ酸配列を含む、CD4の1つのECドメインを含む。いくつかの実施形態では、第1の抗原結合ドメインは、それぞれ、以下のアミノ酸配列(IMGTに従う):配列番号28、29、32、31、24及び10を含む、第1のVH-CDR1、第1のVH-CDR2、第1のVH-CDR3、第1のVL-CDR1、第1のVL-CDR2、及び第1のVL-CDR3を含み、第2の抗原結合ドメインは、配列番号746のアミノ酸配列を含む、CD4の1つのECドメインを含む。いくつかの実施形態では、第1の抗原結合ドメインは、それぞれ、以下のアミノ酸配列(Honeggerに従う):配列番号34、42、40、37、41、及び25、又は配列番号34、43、40、37、41、及び25を含む、第1のVH-CDR1、第1のVH-CDR2、第1のVH-CDR3、第1のVL-CDR1、第1のVL-CDR2、及び第1のVL-CDR3を含み、第2の抗原結合ドメインは、配列番号746~749からなる群(例えば、配列番号746)から選択されるCD4 ECドメインを含むか、又はそれと、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、若しくは少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む、CD4の1つ以上のECドメインを含む。いくつかの実施形態では、第1の抗原結合ドメインは、それぞれ、以下のアミノ酸配列(Honeggerに従う):配列番号34、43、40、37、41、及び25を含む、第1のVH-CDR1、第1のVH-CDR2、第1のVH-CDR3、第1のVL-CDR1、第1のVL-CDR2、及び第1のVL-CDR3を含み、第2の抗原結合ドメインは、配列番号746のCD4 ECドメインを含むか、又はそれと、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、若しくは少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む、CD4の1つのECドメインを含む。いくつかの実施形態では、第1の抗原結合ドメインは、それぞれ、以下のアミノ酸配列(Honeggerに従う):配列番号34、43、40、37、41、及び25を含む、第1のVH-CDR1、第1のVH-CDR2、第1のVH-CDR3、第1のVL-CDR1、第1のVL-CDR2、及び第1のVL-CDR3を含み、第2の抗原結合ドメインは、配列番号746のCD4 ECドメインと、少なくと



も95%(例えば、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は少なくとも99%)同一であるアミノ酸配列を含む、CD4の1つのECドメインを含む。いくつかの実施形態では、第1の抗原結合ドメインは、それぞれ、以下のアミノ酸配列(Honeggerに従う):配列番号34、43、40、37、41及び25を含む、第1のVH-CDR1、第1のVH-CDR2、第1のVH-CDR3、第1のVL-CDR1、第1のVL-CDR2、及び第1のVL-CDR3を含み、第2の抗原結合ドメインは、配列番号746のアミノ酸配列を含む、CD4の1つのECドメインを含む。いくつかの実施形態では、第1の抗原結合ドメインは、それぞれ、以下に示されるアミノ酸配列を含むか、又はそれぞれ、以下に示されるアミノ酸配列:配列番号49及び55、配列番号50及び55、配列番号50及び56、配列番号51及び55、若しくは配列番号51及び56と、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、若しくは少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む、第1のVH及び第1のVLを含み、第2の抗原結合ドメインは、配列番号746~749からなる群(例えば、配列番号746)から選択されるCD4 ECドメインを含むか、又はそれと、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、若しくは少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む、CD4の1つ以上のECドメインを含む。いくつかの実施形態では、TLRアゴニストは、TLR2アゴニスト、TLR3アゴニスト、TLR7アゴニスト、TLR8アゴニスト、又はTLR9アゴニストである。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、ベサトリモド、イミキモド、及びレシキモドからなる群から選択されるTLR7アゴニストを更に含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、第1の多重特異性抗原結合分子及び第2の又は追加の抗原結合分子を含み、第1の多重特異性抗原結合分子及び第2の又は追加の抗原結合分子は、(i)N332オリゴマンノースグリカンを含む第3の可変ループ(V3)(例えば、高マンノースパッチ)、(ii)第2の可変ループ(V2)(例えば、Env三量体頂点)、(iii)CD4結合部位(CD4bs)、(iv)gp120/gp41界面、又は(v)gp120のサイレント面からなる群から選択されるgp120の異なるエピトープ又は領域に結合する。いくつかの実施形態では、第1の多重特異性抗原結合分子は、N332オリゴマンノースグリカンを含む第3の可変ループ(V3)(例えば、高マンノースパッチ)に結合し、第2の又は追加の抗原結合分子は、CD4結合部位(CD4bs)に結合する。いくつかの実施形態では、第1の多重特異性抗原結合分子は、GS-9722(エリポビマブ)、GS-2872、PGT-121、PGT-121.66、PGT-121.414、PGT-122、PGT-123、PGT-124、PGT-125、PGT-126、PGT-128、PGT-130、PGT-133、PGT-134、PGT-135、PGT-136、PGT-137、PGT-138、PGT-139、10-1074、10-1074-J、VRC24、2G12、BG18、354BG8、354BG18、354BG42、354BG33、354BG129、354BG188、354BG411、354BG426、DH270.1、DH270.6、PGDM12、VRC41.01、PGDM21、PCDN-33A、BF520.1、及びVRC29.03からなる群から選択される抗体由来のVH及びVL領域と競合するか又はそれらを含み、第2の又は追加の抗原結合分子は、GS-9723、GS-5423、3BNC117、3BNC60、b12、F105、VRC01、VRC07、VRC07-523、VRC03、VRC06、VRC06b01 VRC08、VRC0801、NIH45-46、PGV04(別名、VRC-PG04);CH103、44-VRC13.01、1NC9、12A12、N6、1-18、N49-P7、NC-Cow1、IOMA、CH235及びCH235.12、N49P6、N49P7、N49P11、N49P9、並びにN60P25からなる群から選択される抗体由来のVH及びVL領域と競合するか又はそれらを含む。いくつかの実施形態では、第1の多重特異性抗原結合分子は、10-1074、10-1074-J、GS-9722(エリポビマブ)、GS-2872、PGT-121、PGT-121.66、PGT-121.414、及びPGT-134からなる群から選択される抗体由来のVH及びVL領域と競合するか又はそれらを含み、第2の又は追加の抗原結合分子は、GS-9723、GS-5423、3BNC117、VRC07、及びVRC07-523からなる群から選択される抗体由来のVH及びVL領域と競合するか又はそれらを含む。いくつかの実施形態では、第1の多重特異性抗原結合分子は、10-1074、10-1074-J、GS-9722(エリポビマブ)、GS-2872、PGT-121、PGT-121.66、PGT-121.414、及びPGT-134からなる群から選択される抗体由来のVH及びVL領域と競合するか又はそれらを含み、第2の又は追加の抗原結合分子は、CD4のECドメインを含む。いくつかの実施形態では、第1の多重特異性抗原結合分子は、CD4結合部位(CD4bs)に結合し、第2の又は追加の抗原結合分子は、N332オリゴマンノースグリカンを含む第3の可変ループ(V3)(例えば、高マンノースパッチ)に結合する。いくつかの実施形態では、第1の多重特異性抗原結合分子は、GS-9723、GS-5423、3BNC117、3BNC60、b12、F105、VRC01、VRC07、VRC07-523、VRC03、VRC06、VRC06b01 VRC08、VRC0801、NIH45-46、PGV04(別名、VRC-PG04);CH103、44-VRC13.01、1NC9、12A12、N6、1-18、N49-P7、NC-Cow1、IOMA、CH235及びCH235.12、N49P6、N49P7、N49P11、N49P9、並びにN60P25からなる群から選択される抗体由来のVH及びVL領域と競合するか又はこれらを含み、第2の又は追加の抗原結合分子は、GS-9722(エリポビマブ)、GS-2872、PGT-121、PGT-121.66、PGT-121.414、PGT-122、PGT-123、PGT-124、PGT-125、PGT-126、PGT-128、PGT-130、PGT-133、PGT-134、PGT-135、PGT-136、PGT-137、PGT-138、PGT-139、10-1074、10-1074-J、VRC24、2G12、BG18、354BG8、354BG18、354BG42、354BG33、354BG129、354BG188、354BG411、354BG426、DH270.1、DH270.6、PGDM12、VRC41.01、PGDM21、PCDN-33A、BF520.1、及びVRC29.03からなる群から選択される抗体由来のVH及びVL領域と競合するか又はそれらを含む。いくつかの実施形態では、第1の多重特異性抗原結合分子は、GS-9723、GS-5423、3BNC117、VRC07、及びVRC07-523からなる群から選択される抗体由来のVH及びVL領域と競合するか又はそれらを含み、第2の又は追加の抗原結合分子は、10-1074、10-1074-J、GS-9722(エリポビマブ)、GS-2872、PGT-121、PGT-121.66、PGT-121.414、及びPGT-134からなる群から選択される抗体由来のVH及びVL領域と競合するか又はそれらを含む。いくつかの実施形態では、第1の多重特異性抗原結合分子は、CD4のECドメインと競合するか又はそれを含み、第2の又は追加の抗原結合分子は、GS-9722(エリポビマブ)、GS-2872、PGT-121、PGT-121.66、PGT-121.414、PGT-122、PGT-123、PGT-124、PGT-125、PGT-126、PGT-128、PGT-130、PGT-133、PGT-134、PGT-135、PGT-136、PGT-137、PGT-138、PGT-139、10-1074、10-1074-J、VRC24、2G12、BG18、354BG8、354BG18、354BG42、354BG33、354BG129、354BG188、354BG411、354BG426、DH270.1、DH270.6、PGDM12、VRC41.01、PGDM21、PCDN-33A、BF520.1、及びVRC29.03からなる群から選択される抗体由来のVH及びVL領域と競合するか又はそれらを含む。いくつかの実施形態では、第1の多重特異性抗原結合分子は、CD4のECドメインと競合するか又はそれを含み、第2の又は追加の抗原結合分子は、10-1074、10-1074-J、GS-9722(エリポビマブ)、GS-2872、PGT-121、PGT-121.66、PGT-121.414、及びPGT-134からなる群から選択される抗体由来のVH及びVL領域と競合するか又はそれらを含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、GS-9723、GS-5423、3BNC117、3BNC60、b12、F105、VRC01、VRC07、VRC07-523、VRC03、VRC06、VRC06b01 VRC08、VRC0801、NIH45-46、PGV04(別名、VRC-PG04);CH103、44-VRC13.01、1NC9、12A12、N6、1-18、N49-P7、NC-Cow1、IOMA、CH235及びCH235.12、N49P6、N49P7、N49P11、N49P9、並びにN60P25からなる群から選択される抗体由来のVH及びVL領域と競合するか又はそれらを含む、追加の抗原結合分子を更に含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、GS-9723、GS-5423、3BNC117、VRC07、及びVRC07-523からなる群から選択される抗体由来のVH及びVL領域と競合するか又はそれらを含む、追加の抗原結合分子を更に含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、(i)本明細書に記載されるCD4のECドメインを含む、多重特異性(例えば、二重特異性)抗原結合分子、(ii)10-1074、10-1074-J、GS-9722(エリポビマブ)、GS-2872、PGT-121、PGT-121.66、PGT-121.414、及びPGT-134からなる群から選択される抗体由来のVH及びVL領域と競合するか又はそれらを含む、抗体又は多重特異性抗原結合分子、及び(iii)GS-9723、GS-5423、3BNC117、VRC07、及びVRC07-523からなる群から選択される抗体由来のVH及びVL領域と競合するか又はそれらを含む、抗体又は多重特異性抗原結合分子を含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、gp120の第2の可変ループ(V2)(例えば、Env三量体頂点)に結合する抗体由来のVH及びVL領域と競合するか又はそれらを含む、追加の多重特異性抗原結合分子を含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、PG9、PG16、PGC14、PGG14、PGT-142、PGT-143、PGT-144、PGT-145、CH01、CH59、PGDM1400、CAP256、CAP256-VRC26.08、CAP256-VRC26.09、CAP256-VRC26.25、PCT64-24E、及びVRC38.01からなる群から選択される抗体由来のVH及びVL領域と競合するか又はそれら



を含む、追加の多重特異性抗原結合分子を含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、gp120/gp41界面に結合する抗体由来のVH及びVL領域と競合するか又はそれらを含む、追加の多重特異性抗原結合分子を含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、PGT-151、CAP248-2B、35O22、8ANC195、ACS202、VRC34、及びVRC34.01からなる群から選択される抗体由来のVH及びVL領域と競合するか又はそれらを含む、追加の多重特異性抗原結合分子を含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、膜近位領域(MPER)のgp41のエピトープ又は領域に結合する抗体由来のVH及びVL領域と競合するか又はそれらを含む、追加の多重特異性抗原結合分子を含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、10E8、10E8v4、10E8-5R-100cF、4E10、DH511.11P、2F5、7b2、及びLN01からなる群から選択される抗体由来のVH及びVL領域と競合するか又はそれらを含む、追加の多重特異性抗原結合分子を含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、HIVへの結合、それの阻害、及びそれの中和のうちの少なくとも1つを行う追加の抗原結合分子若しくはその抗原結合断片、又は追加の抗原結合分子若しくはその抗原結合断片をコードするポリヌクレオチドを含み、追加の抗原結合分子又は抗原結合断片は、gp120への結合について1つ以上の多重特異性抗原結合分子と競合しない。
更なる態様では、本明細書に記載される多重特異性(例えば、二重特異性)抗原結合分子、ポリヌクレオチド(複数可)、リポプレックス(例えば、LNP)、又は医薬組成物のうちの1つ以上を含む1つ以上の容器を含むキットが提供される。いくつかの実施形態では、キットは、1つ以上の容器(例えば、1つ以上のバイアル、アンプル、シリンジ)に、1つ以上の単位用量の1つ以上の多重特異性抗原結合分子又はポリヌクレオチド(複数可)を含む。いくつかの実施形態では、キットは、1つ以上の単位用量の1つ以上の多重特異性抗原結合分子及びHIV感染症を治療するための第2の薬剤を、別個の容器に含む。いくつかの実施形態では、キットは、toll様受容体(TLR)アゴニスト及びIL-15受容体アゴニストのうちの少なくとも一方を更に含む。いくつかの実施形態では、キットは、CD3に結合する第1の抗原結合ドメイン、及びCD4結合部位(CD4bs)のgp120のエピトープ又は領域に結合し、CD4の1つ以上の細胞外(EC)ドメインを含む第2の抗原結合ドメインを有する多重特異性抗原結合分子と、任意選択で、IL-15受容体アゴニストと、を含む。いくつかの実施形態では、CD4の1つ以上のECドメインは、配列番号746~749(例えば、配列番号746)に示される配列、又は配列番号746~749(例えば、配列番号746)のアミノ酸配列と、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、若しくは少なくとも99%同一である配列を含む。いくつかの実施形態では、CD4のCドメインは、配列番号746の配列と、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は少なくとも99%同一である配列を含む。いくつかの実施形態では、CD4のECドメインは、配列番号746の配列と少なくとも95%同一である配列を含む。いくつかの実施形態では、CD4のECドメインは、配列番号746の配列と少なくとも99%同一である配列を含む。いくつかの実施形態では、CD4のECドメインは、配列番号746の配列を含む。いくつかの実施形態では、第1の抗原結合ドメインは、それぞれ、以下のアミノ酸配列(Kabatに従う):配列番号1、11、8、4、9、及び10、又は配列番号1、12、8、4、9、及び10を含む、第1のVH-CDR1、第1のVH-CDR2、第1のVH-CDR3、第1のVL-CDR1、第1のVL-CDR2、及び第1のVL-CDR3を含み、第2の抗原結合ドメインは、配列番号746~749からなる群(例えば、配列番号746)から選択されるCD4 ECドメインを含むか、又はそれと、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、若しくは少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む、CD4の1つ以上のECドメインを含む。いくつかの実施形態では、第1の抗原結合ドメインは、それぞれ、以下のアミノ酸配列(Chothiaに従う):配列番号17、18、23、20、24、及び25を含む、第1のVH-CDR1、第1のVH-CDR2、第1のVH-CDR3、第1のVL-CDR1、第1のVL-CDR2、及び第1のVL-CDR3を含み、第2の抗原結合ドメインは、配列番号746~749からなる群(例えば、配列番号746)から選択されるCD4 ECドメインを含むか、又はそれと、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、若しくは少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む、CD4の1つ以上のECドメインを含む。いくつかの実施形態では、第1の抗原結合ドメインは、それぞれ、以下のアミノ酸配列(IMGTに従う):配列番号28、29、32、31、24、及び10を含む、第1のVH-CDR1、第1のVH-CDR2、第1のVH-CDR3、第1のVL-CDR1、第1のVL-CDR2、及び第1のVL-CDR3を含み、第2の抗原結合ドメインは、配列番号746~749からなる群(例えば、配列番号746)から選択されるCD4 ECドメインを含むか、又はそれと、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、若しくは少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む、CD4の1つ以上のECドメインを含む。いくつかの実施形態では、第1の抗原結合ドメインは、それぞれ、以下のアミノ酸配列(Honeggerに従う):配列番号34、42、40、37、41、及び25、又は配列番号34、43、40、37、41、及び25を含む、第1のVH-CDR1、第1のVH-CDR2、第1のVH-CDR3、第1のVL-CDR1、第1のVL-CDR2、及び第1のVL-CDR3を含み、第2の抗原結合ドメインは、配列番号746~749からなる群(例えば、配列番号746)から選択されるCD4 ECドメインを含むか、又はそれと、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、若しくは少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む、CD4の1つ以上のECドメインを含む。いくつかの実施形態では、第1の抗原結合ドメインは、それぞれ、以下に示されるアミノ酸配列を含むか、又はそれぞれ、以下に示されるアミノ酸配列:配列番号49及び55、配列番号50及び55、配列番号50及び56、配列番号51及び55、若しくは配列番号51及び56と、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、若しくは少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む、第1のVH及び第1のVLを含み、第2の抗原結合ドメインは、配列番号746~749からなる群(例えば、配列番号746)から選択されるCD4 ECドメインを含むか、又はそれと、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、若しくは少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む、CD4の1つ以上のECドメインを含む。いくつかの実施形態では、TLRアゴニストは、TLR2アゴニスト、TLR3アゴニスト、TLR7アゴニスト、TLR8アゴニスト、又はTLR9アゴニストである。いくつかの実施形態では、TLR7アゴニストは、ベサトリモド、イミキモド、及びレシキモドからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、キットは、第1の多重特異性抗原結合分子及び第2の又は追加の抗原結合分子を含み、第1の多重特異性抗原結合分子及び第2の又は追加の抗原結合分子は、(i)N332オリゴマンノースグリカンを含む第3の可変ループ(V3)(例えば、高マンノースパッチ)、(ii)第2の可変ループ(V2)(例えば、Env三量体頂点)、(iii)CD4結合部位(CD4bs)、(iv)gp120/gp41界面、又は(v)gp120のサイレント面からなる群から選択されるgp120の異なるエピトープ又は領域に結合する。いくつかの実施形態では、第1の多重特異性抗原結合分子は、N332オリゴマンノースグリカンを含む第3の可変ループ(V3)(例えば、高マンノースパッチ)に結合し、第2の又は追加の抗原結合分子は、CD4結合部位(CD4bs)に結合する。いくつかの実施形態では、第1の多重特異性抗原結合分子は、GS-9722(エリポビマブ)、GS-2872、PGT-121、PGT-121.66、PGT-121.414、PGT-122、PGT-123、PGT-124、PGT-125、PGT-126、PGT-128、PGT-130、PGT-133、PGT-134、PGT-135、PGT-136、PGT-137、PGT-138、PGT-139、10-1074、VRC24、2G12、BG18、354BG8、354BG18、354BG42、354BG33、354BG129、354BG188、354BG411、354BG426、DH270.1、DH270.6、PGDM12、VRC41.01、PGDM21、PCDN-33A、BF520.1、及びVRC29.03からなる群から選択される抗体由来のVH及びVL領域と競合するか又はそれらを含み、第2の又は追加の抗原結合分子は、GS-9723、GS-5423、3BNC117、3BNC60、b12、F105、VRC01、VRC07、VRC07-523、VRC03、VRC06、VRC06b01 VRC08、VRC0801、NIH45-46、PGV04(別名、VRC-PG04);CH103、44-VRC13.01、1NC9、12A12、N6、1-18、N49-P7、NC-Cow1、IOMA、CH235及びCH235.12、N49P6、N49P7、N49P11、N49P9、並びにN60P25からなる群から選択される抗体由来のVH及びVL領域と競合するか又はそれらを含む。いくつかの実施形態では、第1の多重特異性抗原結合分子は、10-1074、10-1074-J、GS-9722(エリポビマブ)、GS-2872、PGT-121、PGT-121.66、PGT-121.414、及びPGT-134からなる群から選択される抗体由来のVH及びVL領域と競合するか又はそれらを含み、第2の又は追加の抗原結合分子は、GS-9723、GS-5423、3BNC117、VRC07、及びVRC07-523からなる群から選択される抗体由来のVH及びVL領域と競合するか又はそれらを含む。いくつかの実施形態では、第1の多重特異性抗原結合分子は、10-1074、10-1074-J、GS-9722、及びPGT-121からなる群から選択される抗体由来のVH及びVL領域と競合するか又はそれらを含み、第2の又は追加の抗原結合分子は、CD4のECドメインを含む。いくつかの実施形態では、第1の多重特異性抗原結合分子は、CD4結合部位(CD4bs)に結合し、第2の又は追加の抗原結合分子は、N332オリゴマンノースグリカンを含む第3の可変ループ(V3)(例えば、高マンノースパッチ)に結合する。いくつかの実施形態では、第1の多重特異性抗原結合分子は、GS-9723、GS-5423、3BNC117、3BNC60、b12、F105、VRC01、VRC07、VRC07-523、VRC03、VRC06、VRC06b01 VRC08、VRC0801、NIH45-46、PGV04(別名、VRC-PG04);CH103、44-VRC13.01、1NC9、12A12、N6、1-18、N49-P7、NC-Cow1、IOMA、CH235及びCH235.12、N49P6、N49P7、N49P11、N49P9、並びにN60P25からなる群から選択される抗体由来のVH及びVL領域と競合するか又はこれらを含み、第2の又は追加の抗原結合分子は、GS-9722(エリポビマブ)、GS-2872、PGT-121、PGT-121.66、PGT-121.414、PGT-122、PGT-123、PGT-124、PGT-125、PGT-126、PGT-128、PGT-130、PGT-



133、PGT-134、PGT-135、PGT-136、PGT-137、PGT-138、PGT-139、10-1074、VRC24、2G12、BG18、354BG8、354BG18、354BG42、354BG33、354BG129、354BG188、354BG411、354BG426、DH270.1、DH270.6、PGDM12、VRC41.01、PGDM21、PCDN-33A、BF520.1、及びVRC29.03からなる群から選択される抗体由来のVH及びVL領域と競合するか又はそれらを含む。いくつかの実施形態では、第1の多重特異性抗原結合分子は、GS-9723、GS-5423、3BNC117、VRC07、及びVRC07-523からなる群から選択される抗体由来のVH及びVL領域と競合するか又はそれらを含み、第2の又は追加の抗原結合分子は、10-1074、10-1074-J、GS-9722(エリポビマブ)、GS-2872、PGT-121、PGT-121.66、PGT-121.414、及びPGT-134からなる群から選択される抗体由来のVH及びVL領域と競合するか又はそれらを含む。いくつかの実施形態では、第1の多重特異性抗原結合分子は、CD4のECドメインと競合するか又はそれを含み、第2の又は追加の抗原結合分子は、GS-9722(エリポビマブ)、GS-2872、PGT-121、PGT-121.66、PGT-121.414、PGT-122、PGT-123、PGT-124、PGT-125、PGT-126、PGT-128、PGT-130、PGT-133、PGT-134、PGT-135、PGT-136、PGT-137、PGT-138、PGT-139、10-1074、VRC24、2G12、BG18、354BG8、354BG18、354BG42、354BG33、354BG129、354BG188、354BG411、354BG426、DH270.1、DH270.6、PGDM12、VRC41.01、PGDM21、PCDN-33A、BF520.1、及びVRC29.03からなる群から選択される抗体由来のVH及びVL領域と競合するか又はそれらを含む。いくつかの実施形態では、第1の多重特異性抗原結合分子は、CD4のECドメインと競合するか又はそれを含み、第2の又は追加の抗原結合分子は、10-1074、10-1074-J、GS-9722(エリポビマブ)、GS-2872、PGT-121、PGT-121.66、PGT-121.414、及びPGT-134からなる群から選択される抗体由来のVH及びVL領域と競合するか又はそれらを含む。いくつかの実施形態では、キットは、第2の又は追加の抗原結合分子を更に含み、GS-9723、GS-5423、3BNC117、3BNC60、b12、F105、VRC01、VRC07、VRC07-523、VRC03、VRC06、VRC06b01 VRC08、VRC0801、NIH45-46、PGV04(別名、VRC-PG04);CH103、44-VRC13.01、1NC9、12A12、N6、1-18、N49-P7、NC-Cow1、IOMA、CH235及びCH235.12、N49P6、N49P7、N49P11、N49P9、並びにN60P25からなる群から選択される抗体由来のVH及びVL領域と競合するか又はそれらを含む。いくつかの実施形態では、キットは、第2の又は追加の抗原結合分子を更に含み、GS-9723、GS-5423、3BNC117、VRC07、及びVRC07-523からなる群から選択される抗体由来のVH及びVL領域と競合するか又はそれらを含む。いくつかの実施形態では、キットは、(i)本明細書に記載のCD4のECドメインを含む、多重特異性抗原結合分子、(ii)10-1074、10-1074-J、GS-9722(エリポビマブ)、GS-2872、PGT-121、PGT-121.66、PGT-121.414、及びPGT-134からなる群から選択される抗体由来のVH及びVL領域と競合するか又はそれらを含む、抗体又は多重特異性抗原結合分子、及び(iii)GS-9723、GS-5423、3BNC117、VRC07、及びVRC07-523からなる群から選択される抗体由来のVH及びVL領域と競合するか又はそれらを含む、抗体又は多重特異性抗原結合分子を含む。いくつかの実施形態では、キットは、2つ以上の単位用量を含み、これらの単位用量は、同じであっても異なっていてもよい。
更なる態様では、本明細書に記載の多重特異性(例えば、二重特異性)抗原結合分子を産生する方法が提供される。いくつかの実施形態では、産生方法は、(a)本明細書に記載のポリヌクレオチド(複数可)、又は本明細書に記載の発現カセット(複数可)で形質転換された本明細書に記載の細胞又は細胞集団を、多重特異性抗原結合分子を発現させるのに十分な条件下、細胞培養物中で培養することと、(b)細胞培養物から抗原結合分子を単離又は精製することと、を含む。いくつかの実施形態では、第1の抗原結合ドメインはscFvであり、第2の抗原結合ドメインはFabである。いくつかの実施形態では、第1の抗原結合ドメインはFabであり、第2の抗原結合ドメインは、Fab又はCD4のECドメインである。いくつかの実施形態では、第1の抗原結合ドメインはFabであり、第2の抗原結合ドメインはCD4のECドメインである。いくつかの実施形態では、第1の抗原結合ドメインを含むポリペプチド及び第2の抗原結合ドメインを含むポリペプチドは、同じ細胞内で発現され、組み立てられる。いくつかの実施形態では、単離又は精製工程は、プロテインAアフィニティクロマトグラフィを含む。いくつかの実施形態では、多重特異性抗原結合分子の少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%以上が、単離又は精製される。いくつかの実施形態では、単離又は精製工程は、イオン交換クロマトグラフィを更に含む。いくつかの実施形態では、多重特異性抗原結合分子の少なくとも95%、96%、97%、98%、99%以上が、単離又は精製される。いくつかの実施形態では、サイズ排除クロマトグラフィ(size exclusion chromatography、SEC)を使用して決定された場合、多重特異性抗原結合分子の少なくとも95%、96%、97%、98%、99%以上が、非凝集可溶性ヘテロ二量体として単離又は精製される。いくつかの実施形態では、単離又は精製された多重特異性抗原結合分子は、分析用イオン交換クロマトグラフィによって評価された場合、均一性が増加し、非修飾標的種を表すメインピークの積分面積が、全ての積分タンパク質ピーク面積の合計の少なくとも95%、96%、97%、98%以上である。いくつかの実施形態では、単離又は精製された抗原結合分子は、35%、30%、25%、20%、15%、10%、9%、8%、7%未満の酸性夾雑物を有する。いくつかの実施形態では、細胞又は細胞集団は、少なくとも2L、例えば、少なくとも5L、10L、50L、100L、150L、200L、250L以上の培養体積で培養される。いくつかの実施形態では、方法は、抗原結合分子を、ヒト対象への投与に好適な滅菌医薬組成物に製剤化することを更に含む。
別の態様では、HIVの治療又は予防を必要とするヒト対象においてそれを行う方法が提供される。いくつかの実施形態では、方法は、対象に、有効量の、本明細書に記載の1つ以上の多重特異性(例えば、二重特異性)抗原結合分子又は本明細書に記載の医薬組成物を投与することを含む。関連する態様では、HIV感染症又はHIV関連疾患を予防又は治療する方法が提供される。いくつかの実施形態では、方法は、そのような予防又は治療を必要とする患者を特定する工程と、当該患者に、治療有効量の、本明細書に記載の少なくとも1つの多重特異性(例えば、二重特異性)抗原結合分子又は本明細書に記載の医薬組成物を含む第1の治療薬を投与する工程と、を含む。いくつかの実施形態では、方法は、HIV感染症を治療するための第2の薬剤を対象に投与することを更に含む。いくつかの実施形態では、対象は、抗レトロウイルス療法(antiretroviral therapy、ART)を受けていないか、又はARTが、1つ以上の多重特異性抗原結合分子の投与前に中止される。いくつかの実施形態では、ARTは、1つ以上の多重特異性抗原結合分子の1回以上の投与後に中止される。いくつかの実施形態では、方法は、1種以上の抗レトロウイルス療法(ART)薬を対象に投与することを更に含む。いくつかの実施形態では、方法は、TLRアゴニスト及びIL-15受容体アゴニストのうちの少なくとも一方を対象に投与することを更に含む。いくつかの実施形態では、方法は、CD3に結合する第1の抗原結合ドメイン、及びCD4結合部位(CD4bs)のgp120のエピトープ又は領域に結合し、CD4の1つ以上の細胞外(EC)ドメインを含む第2の抗原結合ドメインを有する多重特異性抗原結合分子、並びに任意選択で、IL-15受容体アゴニストを投与することを含む。いくつかの実施形態では、CD4の1つ以上のECドメインは、配列番号746~749(例えば、配列番号746)に示される配列、又は配列番号746~749(例えば、配列番号746)のアミノ酸配列と、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、若しくは少なくとも99%同一である配列を含む。いくつかの実施形態では、CD4のCドメインは、配列番号746の配列と、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は少なくとも99%同一である配列を含む。いくつかの実施形態では、CD4のECドメインは、配列番号746の配列と少なくとも95%同一である配列を含む。いくつかの実施形態では、CD4のECドメインは、配列番号746の配列と少なくとも99%同一である配列を含む。いくつかの実施形態では、CD4のECドメインは、配列番号746の配列を含む。いくつかの実施形態では、第1の抗原結合ドメインは、それぞれ、以下のアミノ酸配列(Kabatに従う):配列番号1、11、8、4、9、及び10、又は配列番号1、12、8、4、9、及び10を含む、第1のVH-CDR1、第1のVH-CDR2、第1のVH-CDR3、第1のVL-CDR1、第1のVL-CDR2、及び第1のVL-CDR3を含み、第2の抗原結合ドメインは、配列番号746~749からなる群(例えば、配列番号746)から選択されるCD4 ECドメインを含むか、又はそれと、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、若しくは少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む、CD4の1つ以上のECドメインを含む。いくつかの実施形態では、第1の抗原結合ドメインは、それぞれ、以下のアミノ酸配列(Chothiaに従う):配列番号17、18、23、20、24、及び25を含む、第1のVH-CDR1、第1のVH-CDR2、第1のVH-CDR3、第1のVL-CDR1、第1のVL-CDR2、及び第1のVL-CDR3を含み、第2の抗原結合ドメインは、配列番号746~749からなる群(例えば、配列番号746)から選択されるCD4 ECドメインを含むか、又はそれと、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、若しくは少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む、CD4の1つ以上のECドメインを含む。いくつかの実施形態では、第1の抗原結合ドメインは、それぞれ、以下のアミノ酸配列(IMGTに従う):配列番号28、29、32、31、24、及び10を含む、第1のVH-CDR1、第1のVH-CDR2、第1のVH-CDR3、第1のVL-CDR1、第1のVL-CDR2、及び第1のVL-CDR3を含み、第2の抗原結合ドメインは、配列番号746~749からなる群(例えば、配列番号746)から選択されるCD4 ECドメインを含むか、又はそれと、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、若しくは少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む、CD4の1つ以上のECドメインを含む。いくつかの実施形態では、第1の抗原結合ドメインは、それぞれ、以下のアミノ酸配列(Honeggerに従う):配列番号34、42、40、37、41、及び25、又は配列番号34、43、40、37、41、及び25を含む、第1のVH-CDR1、第1のVH-CDR2、第1のVH-CDR3、第1のVL-CDR1、第1のVL-CDR2、及び第1のVL-CDR3を含み、第2の抗原結合ドメインは、配列番号746~749からなる群(例えば、配列番号746)から選択されるCD4 ECドメインを含むか、又はそれと、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、若しくは少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む、CD4の1つ以上のECドメインを含む。いくつかの実施形態では、第1の抗原結合ドメインは、それぞれ、以下に示されるアミノ酸配列を含むか、又はそれぞれ、以下に示されるアミノ酸配列:配列番号49及び55、配列番号50及び55、配列番号50及び56、配列番号51及び55、若しくは配列番号51及び56と、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、若しくは少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む、第1のVH及び第1のVLを含み、第2の抗原結合ドメインは、配列番号746~749からなる群(例えば、配列番号746)から選択されるCD4 ECドメインを含むか、又はそれと、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、若しくは少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む、CD4の1つ以上のECドメインを含む。いくつかの実施形態では、TLRアゴニストは、TLR2アゴニスト、TLR3アゴニスト、TLR7アゴニスト、TLR8アゴニスト、又はTLR9アゴニストである。いくつかの実施形態では、TLR7アゴニストは、ベサトリモド、イミキモド、及びレシキモドからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、方法は、第1の多重特異性抗原結合分子及び第2の又は追加の抗原結合分子を投与することを含み、第1の多重特異性抗原結合分子及び第2の又は追加の抗原結合分子は、(i)N332オリゴマンノースグリカンを含む第3の可変ループ(V3)(例えば、高マンノースパッチ)、(ii)第2の可変ループ(V2)(例えば、Env三量体頂点)、(iii)CD4結合部位(CD4bs)、(iv)gp120/gp41界面、又は(v)gp120のサイレント面からなる群から選択されるgp120の異なるエピトープ又は領域に結合する。いくつかの実施形態では、第1の多重特異性抗原結合分子は、N332オリゴマンノースグリカンを含む第3の可変ループ(V3)(例えば、高マンノースパッチ)に結合し、第2の又は追加の抗原結合分子は、CD4結合部位(CD4bs)に結合する。いくつかの実施形態では、第1の多重特異性抗原結合分子は、10-1074、10-1074-J、GS-9722(エリポビマブ)、GS-2872、PGT-121、PGT-121.66、PGT-121.414、PGT-122、PGT-123、PGT-124、PGT-125、PGT-126、PGT-128、PGT-130、PGT-133、PGT-134、PGT-135、PGT-136、PGT-137、PGT-138、PGT-139、VRC24、2G12、BG18、354BG8、354BG18、354BG42、354BG33、354BG129、354BG188、354BG411、354BG426、DH270.1、DH270.6、PGDM12、VRC41.01、PGDM21、PCDN-33A、BF520.1、及びVRC29.03からなる群から選択される抗体由来のVH及びVL領域と競合するか又はそれらを含み、第2の又は追加の抗原結合分子は、GS-9723、GS-5423、3BNC117、3BNC60、b12、F105、VRC01、VRC07、VRC07-523、VRC03、VRC06、VRC06b01 VRC08、VRC0801、NIH45-46、PGV04(別名、VRC-PG04);CH103、44-VRC13.01、1NC9、12A12、N6、1-18、N49-P7、NC-Cow1、IOMA、CH235及びCH235.12、N49P6、N49P7、N49P11、N49P9、並びにN60P25からなる群から選択される抗体由来のVH及びVL領域と競合するか又はそれらを含む。いくつかの実施形態では、第1の多重特異性抗原結合分子は、10-1074、10-1074-J、GS-9722(エリポビマブ)、GS-2872、PGT-121、PGT-121.66、PGT-121.414、及びPGT-134からなる群から選択される抗体由来のVH及びVL領域と競合するか又はそれらを含み、第2の又は追加の抗原結合分子は、GS-9723、GS-5423、3BNC117、VRC07、及びVRC07-523由来のVH及びVL領域と競合するか又はそれらを含む。いくつかの実施形態では、第1の多重特異性抗原結合分子は、10-1074、10-1074-J、GS-9722(エリポビマブ)、GS-2872、PGT-121、PGT-121.66、PGT-121.414、及びPGT-134からなる群から選択される抗体由来のVH及びVL領域と競合するか又はそれらを含み、第2の又は追加の抗原結合分子は、CD4のECドメインを含む。いくつかの実施形態では、第1の多重特異性抗原結合分子は、CD4結合部位(CD4bs)に結合し、第2の又は追加の抗原結合分子は、N332オリゴマンノースグリカンを含む第3の可変ループ(V3)(例えば、高マンノースパッチ)に結合する。いくつかの実施形態では、第1の多重特異性抗原結合分子は、GS-9723、GS-5423、3BNC117、3BNC60、b12、F105、VRC01、VRC07、VRC07-523、VRC03、VRC06、VRC06b01 VR



C08、VRC0801、NIH45-46、PGV04(別名、VRC-PG04);CH103、44-VRC13.01、1NC9、12A12、N6、1-18、N49-P7、NC-Cow1、IOMA、CH235及びCH235.12、N49P6、N49P7、N49P11、N49P9、並びにN60P25からなる群から選択される抗体由来のVH及びVL領域と競合するか又はこれらを含み、第2の又は追加の抗原結合分子は、GS-9722(エリポビマブ)、GS-2872、PGT-121、PGT-121.66、PGT-121.414、PGT-122、PGT-123、PGT-124、PGT-125、PGT-126、PGT-128、PGT-130、PGT-133、PGT-134、PGT-135、PGT-136、PGT-137、PGT-138、PGT-139、10-1074、10-1074-J、VRC24、2G12、BG18、354BG8、354BG18、354BG42、354BG33、354BG129、354BG188、354BG411、354BG426、DH270.1、DH270.6、PGDM12、VRC41.01、PGDM21、PCDN-33A、BF520.1、及びVRC29.03からなる群から選択される抗体由来のVH及びVL領域と競合するか又はそれらを含む。いくつかの実施形態では、第1の多重特異性抗原結合分子は、GS-9723、GS-5423、3BNC117、VRC07、及びVRC07-523からなる群から選択される抗体由来のVH及びVL領域と競合するか又はそれらを含み、第2の又は追加の抗原結合分子は、10-1074、10-1074-J、GS-9722(エリポビマブ)、GS-2872、PGT-121、PGT-121.66、PGT-121.414、及びPGT-134由来のVH及びVL領域と競合するか又はそれらを含む。いくつかの実施形態では、第1の多重特異性抗原結合分子は、CD4のECドメインと競合するか又はそれを含み、第2の又は追加の抗原結合分子は、GS-9722(エリポビマブ)、GS-2872、PGT-121、PGT-121.66、PGT-121.414、PGT-122、PGT-123、PGT-124、PGT-125、PGT-126、PGT-128、PGT-130、PGT-133、PGT-134、PGT-135、PGT-136、PGT-137、PGT-138、PGT-139、10-1074、10-1074-J、VRC24、2G12、BG18、354BG8、354BG18、354BG42、354BG33、354BG129、354BG188、354BG411、354BG426、DH270.1、DH270.6、PGDM12、VRC41.01、PGDM21、PCDN-33A、BF520.1、及びVRC29.03からなる群から選択される抗体由来のVH及びVL領域と競合するか又はそれらを含む。いくつかの実施形態では、第1の多重特異性抗原結合分子は、CD4のECドメインと競合するか又はそれを含み、第2の又は追加の抗原結合分子は、10-1074、10-1074-J、GS-9722(エリポビマブ)、GS-2872、PGT-121、PGT-121.66、PGT-121.414、及びPGT-134からなる群から選択される抗体由来のVH及びVL領域と競合するか又はそれらを含む。いくつかの実施形態では、方法は、第2の又は追加の抗原結合分子を投与することを更に含み、GS-9723、GS-5423、3BNC117、3BNC60、b12、F105、VRC01、VRC07、VRC07-523、VRC03、VRC06、VRC06b01 VRC08、VRC0801、NIH45-46、PGV04(別名、VRC-PG04);CH103、44-VRC13.01、1NC9、12A12、N6、1-18、N49-P7、NC-Cow1、IOMA、CH235及びCH235.12、N49P6、N49P7、N49P11、N49P9、並びにN60P25からなる群から選択される抗体由来のVH及びVL領域と競合するか又はそれらを含む。いくつかの実施形態では、方法は、第2の又は追加の抗原結合分子を投与することを更に含み、GS-9723、GS-5423、3BNC117、VRC07、及びVRC07-523からなる群から選択される抗体由来のVH及びVL領域と競合するか又はそれらを含む。いくつかの実施形態では、方法は、(i)本明細書に記載のCD4のECドメインを含む、多重特異性抗原結合分子、(ii)10-1074、10-1074-J、GS-9722(エリポビマブ)、GS-2872、PGT-121、PGT-121.66、PGT-121.414、及びPGT-134からなる群から選択される抗体由来のVH及びVL領域と競合するか又はそれらを含む、抗体又は多重特異性抗原結合分子、及び(iii)GS-9723、GS-5423、3BNC117、VRC07、及びVRC07-523からなる群から選択される抗体由来のVH及びVL領域と競合するか又はそれらを含む、抗体又は多重特異性抗原結合分子を共投与することを含む。いくつかの実施形態では、方法は、HIVへの結合、それの阻害、及びそれの中和のうちの少なくとも1つを行う追加の抗原結合分子若しくはその抗原結合断片、又は追加の抗原結合分子若しくはその抗原結合断片をコードするポリヌクレオチドを、ヒト対象に投与することを更に含む。いくつかの実施形態では、方法は、N332オリゴマンノースグリカンを含むgp120の第3の可変ループ(V3)(例えば、高マンノースパッチ)に結合するVH及びVL領域と競合するか又はそれらを含む抗体又は多特異性抗原結合分子を投与することを含み、ヒト対象は、以下のアミノ酸残基:N332glycan、D325、及びT63、N332glycan、D325、及びL179、N332glycan、D325、及びT320、N332glycan、D325、及びH330、N332glycan、D325、T63、及びL179;N332glycan、D325、T63、及びT320;N332glycan、D325、T63、及びH330;N332glycan、D325、L179、及びT320;N332glycan、D325、L179、及びH330;N332glycan、D325、T320、及びH330;N332glycan、D325、T63、T320、及びH330;N332glycan、D325、T63、L179、及びT320;N332glycan、D325、T63、L179、及びH330;N332glycan、D325、L179、T320、及びH330;又はN332glycan、D325、T63、L179、T320、及びH330を含むgp120を発現するHIVに感染しており、位置及び残基は、配列番号69を基準とする。いくつかの実施形態では、方法は、gp120のCD4結合部位に結合するVH及びVL領域と競合するか又はそれらを含む抗体又は多特異性抗原結合分子を投与することを含み、ヒト対象は、以下のアミノ酸残基:I201及びF353、I201、I108、及びF353、I201、I108、A281、及びF353;I201、E102、I108、A281、及びF353;又はI201、E102、I108、A281、Y318、及びF353を含むgp120を発現するHIVに感染しており、位置及び残基は、配列番号73を基準とする。いくつかの実施形態では、方法は、1つ以上の多重特異性抗原結合分子を、任意選択でTLRアゴニスト又はIL-15受容体アゴニストとともに、所定の間隔で複数回投与することを伴う。いくつかの実施形態では、方法は、CD3に結合する第1の抗原結合ドメイン、及びCD4結合部位(CD4bs)のgp120のエピトープ又は領域に結合し、CD4の1つ以上の細胞外(EC)ドメインを含む第2の抗原結合ドメインを有する多重特異性抗原結合分子、並びに任意選択で、IL-15受容体アゴニストを投与することを含み、多重特異性抗原結合分子及びIL-15受容体アゴニストは、独立して、所定の間隔で投与される。いくつかの実施形態では、CD4の1つ以上のECドメインは、配列番号746~749に示される配列、又は配列番号746~749(例えば、配列番号746)のアミノ酸配列と、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、若しくは少なくとも99%同一である配列を含む。いくつかの実施形態では、第1の抗原結合ドメインは、それぞれ、以下のアミノ酸配列(Kabatに従う):配列番号1、11、8、4、9、及び10、又は配列番号1、12、8、4、9、及び10を含む、第1のVH-CDR1、第1のVH-CDR2、第1のVH-CDR3、第1のVL-CDR1、第1のVL-CDR2、及び第1のVL-CDR3を含み、第2の抗原結合ドメインは、配列番号746~749からなる群(例えば、配列番号746)から選択されるCD4 ECドメインを含むか、又はそれと、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、若しくは少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む、CD4の1つ以上のECドメインを含む。いくつかの実施形態では、第1の抗原結合ドメインは、それぞれ、以下のアミノ酸配列(Chothiaに従う):配列番号17、18、23、20、24、及び25を含む、第1のVH-CDR1、第1のVH-CDR2、第1のVH-CDR3、第1のVL-CDR1、第1のVL-CDR2、及び第1のVL-CDR3を含み、第2の抗原結合ドメインは、配列番号746~749からなる群(例えば、配列番号746)から選択されるCD4 ECドメインを含むか、又はそれと、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、若しくは少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む、CD4の1つ以上のECドメインを含む。いくつかの実施形態では、第1の抗原結合ドメインは、それぞれ、以下のアミノ酸配列(IMGTに従う):配列番号28、29、32、31、24、及び10を含む、第1のVH-CDR1、第1のVH-CDR2、第1のVH-CDR3、第1のVL-CDR1、第1のVL-CDR2、及び第1のVL-CDR3を含み、第2の抗原結合ドメインは、配列番号746~749からなる群(例えば、配列番号746)から選択されるCD4 ECドメインを含むか、又はそれと、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、若しくは少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む、CD4の1つ以上のECドメインを含む。いくつかの実施形態では、第1の抗原結合ドメインは、それぞれ、以下のアミノ酸配列(Honeggerに従う):配列番号34、42、40、37、41、及び25、又は配列番号34、43、40、37、41、及び25を含む、第1のVH-CDR1、第1のVH-CDR2、第1のVH-CDR3、第1のVL-CDR1、第1のVL-CDR2、及び第1のVL-CDR3を含み、第2の抗原結合ドメインは、配列番号746~749からなる群(例えば、配列番号746)から選択されるCD4 ECドメインを含むか、又はそれと、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%



、若しくは少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む、CD4の1つ以上のECドメインを含む。いくつかの実施形態では、第1の抗原結合ドメインは、それぞれ、以下に示されるアミノ酸配列を含むか、又はそれぞれ、以下に示されるアミノ酸配列:配列番号49及び55、配列番号50及び55、配列番号50及び56、配列番号51及び55、若しくは配列番号51及び56と、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、若しくは少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む、第1のVH及び第1のVLを含み、第2の抗原結合ドメインは、配列番号746~749からなる群(例えば、配列番号746)から選択されるCD4 ECドメインを含むか、又はそれと、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、若しくは少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む、CD4の1つ以上のECドメインを含む。いくつかの実施形態では、対象は、HIVに慢性感染している。いくつかの実施形態では、1つ以上の多重特異性抗原結合分子、ポリヌクレオチド、ベクター、LNP、及び/又は医薬組成物は、全身又は局所で投与される。いくつかの実施形態では、1つ以上の多重特異性抗原結合分子、ポリヌクレオチド、ベクター、LNP、及び/又は医薬組成物は、静脈内、皮下、筋肉内、皮内、及び粘膜(例えば、口腔内、鼻腔内、直腸内、膣内)から選択される経路を介して投与される。いくつかの実施形態では、1つ以上の多重特異性抗原結合分子、ポリヌクレオチド、ベクター、LNP、及び/又は医薬組成物、並びに1つ以上の追加の治療薬は、同じ投与経路によって投与される。いくつかの実施形態では、1つ以上の多重特異性抗原結合分子、ポリヌクレオチド、ベクター、LNP、及び/又は医薬組成物、並びに1つ以上の追加の治療薬は、異なる投与経路によって投与される。いくつかの実施形態では、1つ以上の多重特異性抗原結合分子、ポリヌクレオチド、ベクター、LNP、及び/又は医薬組成物、並びに1つ以上の追加の治療薬は、同じスケジュール(例えば、同じ時間間隔で共投与)に従って共投与される。いくつかの実施形態では、1つ以上の多重特異性抗原結合分子、ポリヌクレオチド、ベクター、LNP、及び/又は医薬組成物、並びに1つ以上の追加の治療薬は、異なるスケジュール(例えば、異なる時間間隔で共投与)に従って共投与される。いくつかの実施形態では、1つ以上の多重特異性抗原結合分子、ポリヌクレオチド、ベクター、LNP、及び/又は医薬組成物は、1回の投与当たり1μg/kg~5μg/kg、例えば、350μg/kg~550μg/kg、例えば、0.3mg/kg~30mg/kg、例えば、2mg/kg~10mg/kg、例えば、1μg/kg~最大2μg/kg、3μg/kg、4μg/kg、5μg/kg、10μg/kg、50μg/kg、100μg/kg、250μg/kg、300μg/kg、350μg/kg、400μg/kg、410μg/kg、420μg/kg、430μg/kg、440μg/kg、450μg/kg、460μg/kg、470μg/kg、480μg/kg、490μg/kg、500μg/kg、750μg/kg、1mg/kg、1.5mg/kg、2mg/kg、2.5mg/kg、3mg/kg、3.5mg/kg、4mg/kg、4.5mg/kg、5mg/kg、6mg/kg、7mg/kg、8mg/kg、9mg/kg、10mg/kg、15mg/kg、20mg/kg、25mg/kg、30mg/kg、35mg/kg、40mg/kg、45mg/kg、又は50mg/kg体重の範囲の用量で投与される。いくつかの実施形態では、1つ以上の多重特異性抗原結合分子、ポリヌクレオチド、ベクター、LNP、及び/又は医薬組成物は、1回の投与当たり0.05mg~1000mg、例えば、1回の投与当たり0.05mg~150mg、例えば、1回の投与当たり0.05mg~0.35mg、例えば、1回の投与当たり25mg~50mg、例えば、1回の投与当たり30mg~35mg、例えば、1回の投与当たり10mg~1000mg、例えば、1回の投与当たり50mg~1000mg、例えば、1回の投与当たり100mg~700mg、例えば、1回の投与当たり少なくとも0.05mg~最大0.1mg、0.2mg、0.3mg、0.35mg、0.4mg、0.5mg、0.6mg、0.7mg、0.8mg、1.0mg、5mg、10mg、25mg、30mg、35mg、40mg、45mg、50mg、60mg、70mg、80mg、90mg、100mg、200mg、300mg、400mg、500mg、600mg、700mg、800mg、900mg、又は1000mgの範囲の用量で投与される。いくつかの実施形態では、方法は、1つ以上の多重特異性抗原結合分子、ポリヌクレオチド、ベクター、LNP、及び/又は医薬組成物を、任意選択で1つ以上の追加の治療薬とともに、所定の間隔で複数回投与することを伴う。いくつかの実施形態では、方法は、少なくとも約2週間、3週間、1ヶ月、6週間、2ヶ月、10週間、3ヶ月、4ヶ月、5ヶ月、6ヶ月、7ヶ月、8ヶ月、9ヶ月、10ヶ月、11ヶ月、12ヶ月、13ヶ月、14ヶ月、15ヶ月、16ヶ月、17ヶ月、18ヶ月、19ヶ月、20ヶ月、21ヶ月、22ヶ月、23ヶ月、24ヶ月以上の期間にわたって投与することを伴う。いくつかの実施形態では、方法は、少なくとも1週間、及び最大少なくとも2週間、3週間、1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月、4ヶ月、5ヶ月、又は6ヶ月の間隔を空けた所定の間隔で1回以上回投与することを伴う。いくつかの実施形態では、方法は、1つ以上の多重特異性抗原結合分子、ポリヌクレオチド、ベクター、LNP、及び/又は医薬組成物は、週1回(すなわち、QW)、隔週1回(すなわち、1週間おきに1回若しくは2週間毎に1回、又はQ2W)、3週に1回(すなわち、3週間毎に1回又はQ3W)、月1回(すなわち、QM)、又は隔月1回投与(すなわち、1ヶ月おきに1回若しくは2ヶ月毎に1回、又はQ2M)、3ヶ月毎に1回(Q3M)、4ヶ月毎に1回(Q4M)、5ヶ月毎に1回(Q5M)、6ヶ月毎に1回(Q6M)、又はこれらより少ない頻度で投与される。いくつかの実施形態では、1つ以上の多重特異性抗原結合分子、ポリヌクレオチド、ベクター、LNP、及び/又は医薬組成物は、隔週1回(すなわち、1週間おきに1回若しくは2週間毎に1回、又はQ2W)~3週に1回(すなわち、3週間毎に1回又はQ3W)の間隔(複数可)で、静脈内又は皮下で、2、3、4、5回以上投与される。いくつかの実施形態では、方法は、1つ以上の多重特異性抗原結合分子が、ヒトにおいて、少なくとも3日、例えば、少なくとも4日、少なくとも5日、少なくとも6日、少なくとも7日、少なくとも8日、少なくとも9日、少なくとも10日、少なくとも11日、少なくとも12日、少なくとも13日、少なくとも14日、少なくとも15日、少なくとも16日以上の血清半減期を有することを伴う。いくつかの実施形態では、対象又は哺乳動物は、ヒトである。いくつかの実施形態では、対象は、抗レトロウイルス治療(ART)の非存在下で、少なくとも6ヶ月、少なくとも1年、少なくとも2年、少なくとも3年以上にわたってHIV又はAIDSの症状を示さない。いくつかの実施形態では、対象は、抗レトロウイルス治療(ART)の非存在下で、少なくとも6ヶ月、少なくとも1年、少なくとも2年、少なくとも3年以上にわたって、500未満、例えば、400未満、300未満、200未満、100未満、50未満のコピー/mL血液のウイルス量を有する。
関連する態様では、HIVの治療又は予防を必要とするヒト対象においてそれを行う方法が提供される。いくつかの実施形態では、方法は、(a)以下のアミノ酸残基:N332glycan、D325、及びT63、N332glycan、D325、及びL179、N332glycan、D325、及びT320、N332glycan、D325、及びH330、N332glycan、D325、T63、及びL179、N332glycan、D325、T63、及びT320、N332glycan、D325、T63、及びH330、N332glycan、D325、L179、及びT320、N332glycan、D325、L179、及びH330、N332glycan、D325、T320、及びH330、N332glycan、D325、T63、T320、及びH330、N332glycan、D325、T63、L179、及びT320、N332glycan、D325、T63、L179、及びH330、N332glycan、D325、L179、T320、及びH330、又はN332glycan、D325、T63、L179、T320、及びH330を含むgp120を発現するHIVに感染しているヒト対象を特定することであって、位置及び残基が、配列番号69を基準とする、特定することと、(b)対象に、有効量の、本明細書に記載の多重特異性抗原結合分子又は本明細書に記載の医薬組成物を投与することであって、第2の結合ドメインが、N332オリゴマンノースグリカンを含む第3の可変ループ(V3)(例えば、高マンノースパッチ)に結合するVH及びVL領域と競合するか又はそれを含む、投与することと、を含む。いくつかの実施形態では、方法は、以下のアミノ酸残基:N332glycan、D325、及びT63、N332glycan、D325、及びL179、N332glycan、D325、及びT320、又はN332glycan、D325、及びH330を含むgp120を発現するHIV又はHIV集団に感染している対象を特定することを含む。いくつかの実施形態では、方法は、以下のアミノ酸残基:N332glycan、D325、T63、及びL179、N332glycan、D325、T63、及びT320、N332glycan、D325、T63、及びH330、N332glycan、D325、L179、及びT320、N332glycan、D325、L179、及びH330、又はN332glycan、D325、T320、及びH330を含むgp120を発現するHIV又はHIV集団に感染している対象を特定することを含む。いくつかの実施形態では、方法は、以下のアミノ酸残基:N332glycan、D325、L179、T320、及びH330、N332glycan、D325、T63、T320、及びH330、N332glycan、D325、T63、L179、及びT320、N332glycan、D325、T63、L179、及びH330を含むgp120を発現するHIV又はHIV集団に感染している対象を特定することを含む。いくつかの実施形態では、方法は、以下のアミノ酸残基:N332glycan、D325、T63、及びH330、N332glycan、D325、T320、及びH330、N332glycan、D325、L179、T320、及びH330、又はN332glycan、D325、T63、L179、T320、及びH330を含むgp120を発現するHIV又はHIV集団に感染している対象を特定することを含む。いくつかの実施形態では、第2の抗原結合ドメインは、10-1074、10-1074-J、GS-9722(エリポビマブ)、GS-9721、GS-2872、PGT-121、PGT-121.66、PGT-121.414、PGT-122、PGT-123、PGT-124、PGT-125、PGT-126、PGT-128、PGT-130、PGT-133、PGT-134、PGT-135、PGT-136、PGT-137、PGT-138、PGT-139、VRC24、2G12、BG18、354BG8、354BG18、354BG42、354BG33、354BG129、354BG188、354BG411、354BG426、DH270.1、DH270.6、PGDM12、VRC41.01、PGDM21、PCDN-33A、BF520.1、及びVRC29.03からなる群から選択される抗体由来のVH及びVL領域と競合するか又はそれらを含む。いくつかの実施形態では、第2の抗原結合ドメインは、10-1074、10-1074-J、GS-9722(エリポビマブ)、GS-9721、GS-2872、PGT-121、PGT-121.66、PGT-121.414、及びPGT-134からなる群から選択される抗体由来のVH及びVL領域と競合するか又はそれらを含む。いくつかの実施形態では、方法は、HIVの治療又は予防を必要とするヒト対象においてそれを行うことを伴い、方法は、(a)以下のアミノ酸残基:(i)I201及びF353、(ii)I201、I108、及びF353、(iii)I201、I108、A281、及びF353、(iv)I201、E102、I108、A281、及びF353、(v)I201、E102、I108、A281、Y318、及びF353を含むgp120を発現するHIVに感染しているヒト対象を特定することであって、位置及び残基が、配列番号73を基準とする、特定することと、(b)対象に、有効量の、請求項123~154のいずれか一項に記載の多重特異性抗原結合分子又は医薬組成物を投与することであって、第2の結合ドメインが、gp120 CD4結合部位(CD4bs)に結合するVH及びVL領域と競合するか又はそれを含む、投与することと、を含む。いくつかの実施形態では、第2の抗原結合ドメインは、3BNC117、GS-9723、GS-5423、3BNC60、b12、F105、VRC01、VRC07、VRC07-523、VRC03、VRC06、VRC06b01 VRC08、VRC0801、NIH45-46、PGV04(別名、VRC-PG04);CH103、44-VRC13.01、1NC9、12A12、N6、1-18、N49-P7、NC-Cow1、IOMA、CH235及びCH235.12、N49P6、N49P7、N49P11、N49P9、並びにN60P25からなる群から選択される抗体由来のVH及びVL領域と競合するか又はそれらを含む。いくつかの実施形態では、第2の原結合ドメインは、3BNC117、GS-9723、GS-5423、3BNC60、VRC01、VRC07、及びVRC07-523からなる群から選択される抗体由来のVH及びVL領域と競合するか又はそれらを含む。いくつかの実施形態では、方法は、HIV感染症を治療するための第2の薬剤を対象に投与することを更に含む。いくつかの実施形態では、対象は、抗レトロウイルス療法(ART)を受けていないか、又はARTが、1つ以上の多重特異性抗原結合分子の投与前に中止される。いくつかの実施形態では、ARTは、1つ以上の多重特異性抗原結合分子の1回以上の投与後に中止される。いくつかの実施形態では、方法は、1種以上の抗レトロウイルス療法(ART)薬を対象に投与することを更に含む。いくつかの実施形態では、方法は、TLRアゴニスト及びIL-15受容体アゴニストのうちの少なくとも一方を対象に投与することを更に含む。いくつかの実施形態では、方法は、CD3に結合する第1の抗原結合ドメイン、及びCD4結合部位(CD4bs)のgp120のエピトープ又は領域に結合し、CD4の1つ以上の細胞外(EC)ドメインを含む第2の抗原結合ドメインを有する多重特異性抗原結合分子、並びに任意選択で、IL-15受容体アゴニストを投与することを含む。いくつかの実施形態では、CD4の1つ以上のECドメインは、配列番号746~749に示される配列、又は配列番号746~749(例えば、配列番号746)のアミノ酸配列と、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、若しくは少なくとも99%同一である配列を含む。いくつかの実施形態では、第1の抗原結合ドメインは、それぞれ、以下のアミノ酸配列(Kabatに従う):配列番号1、11、8、4、9、及び10、又は配列番号1、12、8、4、9、及び10を含む、第1のVH-CDR1、第1のVH-CDR2、第1のVH-CDR3、第1のVL-CDR1、第1のVL-CDR2、及び第1のVL-CDR3を含み、第2の抗原結合ドメインは、配列番号746~749からなる群(例えば、配列番号746)から選択されるCD4 ECドメインを含むか、又はそれと、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、若しくは少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む、CD4の1つ以上のECドメインを含む。いくつかの実施形態では、第1の抗原結合ドメインは、それぞれ、以下のアミノ酸配列(Chothiaに従う):配列番号17、18、23、20、24、及び25を含む、第1のVH-CDR1、第1のVH-CDR2、第1のVH-CDR3、第1のVL-CDR1、第1のVL-CDR2、及び第1のVL-CDR3を含み、第2の抗原結合ドメインは、配列番号746~749からなる群(例えば、配列番号746)から選択されるCD4 ECドメインを含むか、又はそれと、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、若しくは少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む、CD4の1つ以上のECドメインを含む。いくつかの実施形態では、第1の抗原結合ドメインは、それぞれ、以下のアミノ酸配列(IMGTに従う):配列番号28、29、32、31、24、及び10を含む、第1のVH-CDR1、第1のVH-CDR2、第1のVH-CDR3、第1のVL-CDR1、第1のVL-CDR2、及び第1のVL-CDR3を含み、第2の抗原結合ドメインは、配列番号746~749からなる群(例えば、配列番号746)から選択されるCD4 ECドメインを含むか、又はそれと、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、若しくは少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む、CD4の1つ以上のECドメインを含む。いくつかの実施形態では、第1の抗原結合ドメインは、それぞれ、以下のアミノ酸配列(Honeggerに従う):配列番号34、42、40、37、41、及び25、又は配列番号34、43、40、37、41、及び25を含む、第1のVH-CDR1、第1のVH-CDR2、第1のVH-CDR3、第1のVL-CDR1、第1のVL-CDR2、及び第1のVL-CDR3を含み、第2の抗原結合ドメインは、配列番号746~749からなる群(例えば、配列番号746)から選択されるCD4 ECドメインを含むか、又はそれと、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、若しくは少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む、CD4の1つ以上のECドメインを含む。いくつかの実施形態では、第1の抗原結合ドメインは、それぞれ、以下に示されるアミノ酸配列を含むか、又はそれぞれ、以下に示されるアミノ酸配列:配列番号49及び55、配列番号



50及び55、配列番号50及び56、配列番号51及び55、若しくは配列番号51及び56と、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、若しくは少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む、第1のVH及び第1のVLを含み、第2の抗原結合ドメインは、配列番号746~749からなる群(例えば、配列番号746)から選択されるCD4 ECドメインを含むか、又はそれと、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、若しくは少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む、CD4の1つ以上のECドメインを含む。いくつかの実施形態では、TLRアゴニストは、TLR2アゴニスト、TLR3アゴニスト、TLR7アゴニスト、TLR8アゴニスト、又はTLR9アゴニストである。いくつかの実施形態では、TLR7アゴニストは、ベサトリモド、イミキモド、及びレシキモドからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、方法は、1つ以上の多重特異性抗原結合分子を、任意選択でTLRアゴニストとともに、所定の間隔で複数回投与することを伴う。いくつかの実施形態では、対象は、抗レトロウイルス治療(ART)の非存在下で、少なくとも6ヶ月、少なくとも1年、少なくとも2年、少なくとも3年以上にわたってHIV又はAIDSの症状を示さない。いくつかの実施形態では、対象は、抗レトロウイルス治療(ART)の非存在下で、少なくとも6ヶ月、少なくとも1年、少なくとも2年、少なくとも3年以上にわたって、500未満、例えば、400未満、300未満、200未満、100未満、50未満のコピー/mL血液のウイルス量を有する。
更なる態様では、HIVの治療、予防、及び阻害を必要とするヒト対象においてそれらのうちの少なくとも1つを行う方法における、本明細書に記載される多重特異性(例えば、二重特異性)抗原結合分子若しくはその抗原結合断片、又は医薬組成物の使用が提供される。更なる態様では、HIVの治療、予防、及び阻害を必要とするヒト対象においてそれらのうちの少なくとも1つを行う方法において使用するための、本明細書に記載される多重特異性(例えば、二重特異性)抗原結合分子若しくはその抗原結合断片、又は医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、使用は、HIV感染症を治療するための第2の薬剤を対象に投与することを更に含む。いくつかの実施形態では、使用は、TLRアゴニスト及びIL-15受容体アゴニストのうちの少なくとも一方を対象に投与することを更に含む。いくつかの実施形態では、使用は、CD3に結合する第1の抗原結合ドメイン、及びCD4結合部位(CD4bs)のgp120のエピトープ又は領域に結合し、CD4の1つ以上の細胞外(EC)ドメインを含む第2の抗原結合ドメインを有する多重特異性抗原結合分子、並びに任意選択で、IL-15受容体アゴニストを投与することを伴う。いくつかの実施形態では、CD4の1つ以上のECドメインは、配列番号746~749に示される配列、又は配列番号746~749(例えば、配列番号746)のアミノ酸配列と、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、若しくは少なくとも99%同一である配列を含む。いくつかの実施形態では、第1の抗原結合ドメインは、それぞれ、以下のアミノ酸配列(Kabatに従う):配列番号1、11、8、4、9、及び10、又は配列番号1、12、8、4、9、及び10を含む、第1のVH-CDR1、第1のVH-CDR2、第1のVH-CDR3、第1のVL-CDR1、第1のVL-CDR2、及び第1のVL-CDR3を含み、第2の抗原結合ドメインは、配列番号746~749からなる群(例えば、配列番号746)から選択されるCD4 ECドメインを含むか、又はそれと、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、若しくは少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む、CD4の1つ以上のECドメインを含む。いくつかの実施形態では、第1の抗原結合ドメインは、それぞれ、以下のアミノ酸配列(Chothiaに従う):配列番号17、18、23、20、24、及び25を含む、第1のVH-CDR1、第1のVH-CDR2、第1のVH-CDR3、第1のVL-CDR1、第1のVL-CDR2、及び第1のVL-CDR3を含み、第2の抗原結合ドメインは、配列番号746~749からなる群(例えば、配列番号746)から選択されるCD4 ECドメインを含むか、又はそれと、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、若しくは少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む、CD4の1つ以上のECドメインを含む。いくつかの実施形態では、第1の抗原結合ドメインは、それぞれ、以下のアミノ酸配列(IMGTに従う):配列番号28、29、32、31、24、及び10を含む、第1のVH-CDR1、第1のVH-CDR2、第1のVH-CDR3、第1のVL-CDR1、第1のVL-CDR2、及び第1のVL-CDR3を含み、第2の抗原結合ドメインは、配列番号746~749からなる群(例えば、配列番号746)から選択されるCD4 ECドメインを含むか、又はそれと、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、若しくは少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む、CD4の1つ以上のECドメインを含む。いくつかの実施形態では、第1の抗原結合ドメインは、それぞれ、以下のアミノ酸配列(Honeggerに従う):配列番号34、42、40、37、41、及び25、又は配列番号34、43、40、37、41、及び25を含む、第1のVH-CDR1、第1のVH-CDR2、第1のVH-CDR3、第1のVL-CDR1、第1のVL-CDR2、及び第1のVL-CDR3を含み、第2の抗原結合ドメインは、配列番号746~749からなる群(例えば、配列番号746)から選択されるCD4 ECドメインを含むか、又はそれと、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、若しくは少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む、CD4の1つ以上のECドメインを含む。いくつかの実施形態では、第1の抗原結合ドメインは、それぞれ、以下に示されるアミノ酸配列を含むか、又はそれぞれ、以下に示されるアミノ酸配列:配列番号49及び55、配列番号50及び55、配列番号50及び56、配列番号51及び55、若しくは配列番号51及び56と、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、若しくは少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む、第1のVH及び第1のVLを含み、第2の抗原結合ドメインは、配列番号746~749からなる群(例えば、配列番号746)から選択されるCD4 ECドメインを含むか、又はそれと、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、若しくは少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む、CD4の1つ以上のECドメインを含む。いくつかの実施形態では、TLRアゴニストは、TLR2アゴニスト、TLR3アゴニスト、TLR7アゴニスト、TLR8アゴニスト、又はTLR9アゴニストである。いくつかの実施形態では、TLR7アゴニストは、ベサトリモド、イミキモド、及びレシキモドからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、使用は、第1の多重特異性抗原結合分子及び第2の又は追加の抗原結合分子を投与することを含み、第1の多重特異性抗原結合分子及び第2の又は追加の抗原結合分子は、(i)N332オリゴマンノースグリカンを含む第3の可変ループ(V3)(例えば、高マンノースパッチ)、(ii)第2の可変ループ(V2)(例えば、Env三量体頂点)、(iii)CD4結合部位(CD4bs)、(iv)gp120/gp41界面、又は(v)gp120のサイレント面からなる群から選択されるgp120の異なる第1及び第2のエピトープ又は領域に結合する。いくつかの実施形態では、第1の多重特異性抗原結合分子は、N332オリゴマンノースグリカンを含む第3の可変ループ(V3)(例えば、高マンノースパッチ)に結合し、第2の抗原結合分子は、CD4結合部位(CD4bs)に結合する。いくつかの実施形態では、第1の多重特異性抗原結合分子は、10-1074、10-1074-J、GS-9722(エリポビマブ)、GS-2872、PGT-121、PGT-121.66、PGT-121.414、PGT-122、PGT-123、PGT-124、PGT-125、PGT-126、PGT-128、PGT-130、PGT-133、PGT-134、PGT-135、PGT-136、PGT-137、PGT-138、PGT-139、VRC24、2G12、BG18、354BG8、354BG18、354BG42、354BG33、354BG129、354BG188、354BG411、354BG426、DH270.1、DH270.6、PGDM12、VRC41.01、PGDM21、PCDN-33A、BF520.1、及びVRC29.03からなる群から選択される抗体由来のVH及びVL領域と競合するか又はそれらを含み、第2の抗原結合分子は、b12、F105、VRC01、VRC07、VRC07-523、VRC03、VRC06、VRC06b01、VRC08、VRC0801、NIH45-46、3BNC117、3BNC60、PGV04(別名、VRC-PG04);CH103、44-VRC13.01、1NC9、12A12、N6、1-18、N49-P7、NC-Cow1、IOMA、CH235及びCH235.12、N49P6、N49P7、N49P11、N49P9、並びにN60P25からなる群から選択される抗体由来のVH及びVL領域と競合するか又はそれらを含む。いくつかの実施形態では、第1の多重特異性抗原結合分子は、10-1074、10-1074-J、GS-9722(エリポビマブ)、GS-2872、PGT-121、PGT-121.66、PGT-121.414、及びPGT-134からなる群から選択される抗体由来のVH及びVL領域と競合するか又はそれらを含み、第2の抗原結合分子は、3BNC117、GS-9723、VRC07、又はVRC07-523由来のVH及びVL領域と競合するか又はそれらを含む。いくつかの実施形態では、第1の多重特異性抗原結合分子は、10-1074、10-1074-J、GS-9722(エリポビマブ)、GS-2872、PGT-121、PGT-121.66、PGT-121.414、及びPGT-134からなる群から選択される抗体由来のVH及びVL領域と競合するか又はそれらを含み、第2の抗原結合分子は、CD4のECドメインを含む。いくつかの実施形態では、第1の多重特異性抗原結合分子は、CD4結合部位(CD4bs)に結合し、第2の又は追加の抗原結合分子は、N332オリゴマンノースグリカンを含む第3の可変ループ(V3)(例えば、高マンノースパッチ)に結合する。いくつかの実施形態では、第1の多重特異性抗原結合分子は、GS-9723、GS-5423、3BNC117、3BNC60、b12、F105、VRC01、VRC07、VRC07-523、VRC03、VRC06、VRC06b01 VRC08、VRC0801、NIH45-46、PGV04(別名、VRC-PG04);CH103、44-VRC13.01、1NC9、12A12、N6、1-18、N49-P7、NC-Cow1、IOMA、CH235及びCH235.12、N49P6、N49P7、N49P11、N49P9、並びにN60P25からなる群から選択される抗体由来のVH及びVL領域と競合するか又はこれらを含み、第2の又は追加の抗原結合分子は、GS-9722(エリポビマブ)、GS-2872、PGT-121、PGT-121.66、PGT-121.414、PGT-122、PGT-123、PGT-124、PGT-125、PGT-126、PGT-128、PGT-130、PGT-133、PGT-134、PGT-135、PGT-136、PGT-137、PGT-138、PGT-139、10-1074、10-1074-J、VRC24、2G12、BG18、354BG8、354BG18、354BG42、354BG33、354BG129、354BG188、354BG411、354BG426、DH270.1、DH270.6、PGDM12、VRC41.01、PGDM21、PCDN-33A、BF520.1、及びVRC29.03からなる群から選択される抗体由来のVH及びVL領域と競合するか又はそれらを含む。いくつかの実施形態では、第1の多重特異性抗原結合分子は、G



S-9723、GS-5423、3BNC117、VRC07、及びVRC07-523からなる群から選択される抗体由来のVH及びVL領域と競合するか又はそれらを含み、第2の又は追加の抗原結合分子は、10-1074、10-1074-J、GS-9722(エリポビマブ)、GS-2872、PGT-121、PGT-121.66、PGT-121.414、及びPGT-134由来のVH及びVL領域と競合するか又はそれらを含む。いくつかの実施形態では、第1の多重特異性抗原結合分子は、CD4のECドメインと競合するか又はそれを含み、第2の又は追加の抗原結合分子は、GS-9722(エリポビマブ)、GS-2872、PGT-121、PGT-121.66、PGT-121.414、PGT-122、PGT-123、PGT-124、PGT-125、PGT-126、PGT-128、PGT-130、PGT-133、PGT-134、PGT-135、PGT-136、PGT-137、PGT-138、PGT-139、10-1074、10-1074-J、VRC24、2G12、BG18、354BG8、354BG18、354BG42、354BG33、354BG129、354BG188、354BG411、354BG426、DH270.1、DH270.6、PGDM12、VRC41.01、PGDM21、PCDN-33A、BF520.1、及びVRC29.03からなる群から選択される抗体由来のVH及びVL領域と競合するか又はそれらを含む。いくつかの実施形態では、第1の多重特異性抗原結合分子は、CD4のECドメインと競合するか又はそれを含み、第2の又は追加の抗原結合分子は、10-1074、10-1074-J、GS-9722(エリポビマブ)、GS-2872、PGT-121、PGT-121.66、PGT-121.414、及びPGT-134からなる群から選択される抗体由来のVH及びVL領域と競合するか又はそれらを含む。いくつかの実施形態では、使用は、第2の又は追加の抗原結合分子を投与することを更に含み、GS-9723、GS-5423、3BNC117、3BNC60、b12、F105、VRC01、VRC07、VRC07-523、VRC03、VRC06、VRC06b01 VRC08、VRC0801、NIH45-46、PGV04(別名、VRC-PG04);CH103、44-VRC13.01、1NC9、12A12、N6、1-18、N49-P7、NC-Cow1、IOMA、CH235及びCH235.12、N49P6、N49P7、N49P11、N49P9、並びにN60P25からなる群から選択される抗体由来のVH及びVL領域と競合するか又はそれらを含む。いくつかの実施形態では、使用は、第2の又は追加の抗原結合分子を投与することを更に含み、GS-9723、GS-5423、3BNC117、VRC07、及びVRC07-523からなる群から選択される抗体由来のVH及びVL領域と競合するか又はそれらを含む。いくつかの実施形態では、使用は、(i)本明細書に記載のCD4のECドメインを含む、多重特異性抗原結合分子、(ii)10-1074、10 1074-J、GS-9722(エリポビマブ)、GS-2872、PGT-121、PGT-121.66、PGT-121.414、及びPGT-134からなる群から選択される抗体由来のVH及びVL領域と競合するか又はそれらを含む、抗体、並びに(iii)GS-9723、GS 5423、3BNC117、VRC07、及びVRC07-523からなる群から選択される抗体由来のVH及びVL領域と競合するか又はそれらを含む、抗体を共投与することを含む。いくつかの実施形態では、使用は、HIVへの結合、それの阻害、及びそれの中和のうちの少なくとも1つを行う追加の抗原結合分子若しくはその抗原結合断片、又は追加の抗原結合分子若しくはその抗原結合断片をコードするポリヌクレオチドを、ヒト対象に投与することを更に含む。いくつかの実施形態では、ヒト対象は、以下のアミノ酸残基:N332/D325、N332/D325/H330、N332/D325/H330/T320、N332/D325/H330/T63、N332/D325/H330/T63/T320、又はN332/D325/H330/T63/T320/L179を含むgp120を発現するHIVに感染している。
別段定義されない限り、本明細書で使用される全ての技術用語及び科学用語は、本発明が関連する当業者により一般的に理解されるのと同じ意味を有する。本明細書に記載されているものと同様又は同等の方法及び材料を、本明細書に記載の本二重特異性分子を実施又は試験する際に使用することが可能であるが、例示的な方法及び材料を以下に記載する。本明細書で言及される全ての刊行物、特許出願、特許、及び他の参考文献は、参照によりそれらの全体が組み込まれる。矛盾する場合、定義を含む本出願が優先される。材料、方法、及び実施例は、単なる例示であり、限定することを意図するものではない。
本発明の他の特徴及び利点は、以下の発明を実施するための形態及び特許請求の範囲から明らかになるであろう。
本発明の実施形態において、例えば以下の項目が提供される。
(項目1)
ヒトCD3及びHIV抗原に結合する多重特異性抗原結合分子であって、前記抗原結合分子が、
(a)第1の重鎖可変ドメイン(VH)及び第1の軽鎖可変ドメイン(VL)を含む、第1の抗原結合ドメインであって、CD3に結合し、
(i)TYAMN(配列番号1)のアミノ酸配列を含む、第1のVH相補性決定領域(CDR)1、
(ii)RIRSKYNNYATYYAX SVKX (配列中、X はA又はDであり、X はG又はSである)(配列番号2)のアミノ酸配列を含む、第1のVH-CDR2、
(iii)HGNFGX SYVSWFAY(配列中、X は、H又はNである)(配列番号3)のアミノ酸配列を含む、第1のVH-CDR3、
(iv)GSSTGAVTTGHYAN(配列番号4)のアミノ酸配列を含む、第1のVL-CDR1、
(v)GTX RAP(配列中、X は、SN又はNKである)(配列番号5)のアミノ酸配列を含む、第1のVL-CDR2、及び
(vi)ALWYSNX WV(配列中、X は、L又はRである)(配列番号6)のアミノ酸配列を含む、第1のVL-CDR3を含み、前記第1のVH-CDR1、前記第1のVH-CDR2、前記第1のVH-CDR3、前記第1のVL-CDR1、前記第1のVL-CDR2、及び前記第1のVH-CDR3が、Kabatに従う、第1の抗原結合ドメインと、
(b)HIV抗原に結合する第2の抗原結合ドメインと、を含む、多重特異性抗原結合分子。
(項目2)
ヒトCD3及び第2の抗原に結合する多重特異性抗原結合分子であって、前記抗原結合分子が、
(a)第1の重鎖可変ドメイン(VH)及び第1の軽鎖可変ドメイン(VL)を含む、第1の抗原結合ドメインであって、CD3に結合し、
(i)TYAMN(配列番号1)のアミノ酸配列を含む、第1のVH相補性決定領域(CDR)1、
(ii)RIRSKYNNYATYYAX SVKX (配列中、X はA又はDであり、X はG又はSである)(配列番号2)のアミノ酸配列を含む、第1のVH-CDR2、
(iii)HGNFGX SYVSWFAY(配列中、X は、H又はNである)(配列番号3)のアミノ酸配列を含む、第1のVH-CDR3、
(iv)GSSTGAVTTGHYAN(配列番号4)のアミノ酸配列を含む、第1のVL-CDR1、
(v)GTX RAP(配列中、X は、SN又はNKである)(配列番号5)のアミノ酸配列を含む、第1のVL-CDR2、及び
(vi)ALWYSNX WV(配列中、X は、L又はRである)(配列番号6)のアミノ酸配列を含む、第1のVL-CDR3を含み、前記第1のVH-CDR1、前記第1のVH-CDR2、前記第1のVH-CDR3、前記第1のVL-CDR1、前記第1のVL-CDR2、及び前記第1のVH-CDR3が、Kabatに従う、第1の抗原結合ドメインと、
(b)第2の抗原に結合する第2の抗原結合ドメインと、を含む、多重特異性抗原結合分子。
(項目3)
(i)前記第1のVH相補性決定領域(CDR)1が、TYAMN(配列番号1)のアミノ酸配列を含み、
(ii)前記第1のVH-CDR2が、RIRSKYNNYATYYADSVKX (X は、G又はSである)(配列番号7)のアミノ酸を含み、
(iii)前記第1のVH-CDR3が、HGNFGHSYVSWFAY(配列番号8)のアミノ酸配列を含み、
(iv)前記第1のVL-CDR1が、GSSTGAVTTGHYAN(配列番号4)のアミノ酸配列を含み、
(v)前記第1のVL-CDR2が、GTSNRAP(配列番号9)のアミノ酸配列を含み、
(vi)前記第1のVL-CDR3が、ALWYSNRWV(配列番号10)のアミノ酸配列を含む、項目1又は2に記載の多重特異性抗原結合分子。
(項目4)
前記第1のVH-CDR1、前記第1のVH-CDR2、前記第1のVH-CDR3、前記第1のVL-CDR1、前記第1のVL-CDR2、及び前記第1のVL-CDR3が、それぞれ、以下のアミノ酸配列:
(i)配列番号1、11、8、4、5、及び10、
(ii)配列番号1、11、8、4、9、及び10、
(iii)配列番号1、12、8、4、9、及び10、
(iv)配列番号1、13、8、4、14、及び15、
(v)配列番号1、13、16、4、14、及び15、又は
(vi)配列番号1、11、8、4、14、及び10を含む、項目1~3のいずれか一項に記載の多重特異性抗原結合分子。
(項目5)
前記第1のVH-CDR1、前記第1のVH-CDR2、前記第1のVH-CDR3、前記第1のVL-CDR1、前記第1のVL-CDR2、及び前記第1のVL-CDR3が、それぞれ、以下のアミノ酸配列:
(i)配列番号1、11、8、4、9、及び10、又は
(ii)配列番号1、12、8、4、9、及び10を含む、項目1~4のいずれか一項に記載の多重特異性抗原結合分子。
(項目6)
前記第1のVH-CDR1、前記第1のVH-CDR2、前記第1のVH-CDR3、前記第1のVL-CDR1、前記第1のVL-CDR2、及び前記第1のVL-CDR3が、それぞれ、以下のアミノ酸配列:配列番号1、11、8、4、9、及び10を含む、項目1~5のいずれか一項に記載の多重特異性抗原結合分子。
(項目7)
前記第1のVH-CDR1、前記第1のVH-CDR2、前記第1のVH-CDR3、前記第1のVL-CDR1、前記第1のVL-CDR2、及び前記第1のVL-CDR3が、それぞれ、以下のアミノ酸配列:配列番号1、12、8、4、9、及び10を含む、項目1~5のいずれか一項に記載の多重特異性抗原結合分子。
(項目8)
ヒトCD3及びHIV抗原に結合する多重特異性抗原結合分子であって、前記抗原結合分子が、
(a)第1の重鎖可変ドメイン(VH)及び第1の軽鎖可変ドメイン(VL)を含む、第1の抗原結合ドメインであって、CD3に結合し、
(i)GFTFNTY(配列番号17)のアミノ酸配列を含む、第1のVH-CDR1、
(ii)SKYNNY(配列番号18)のアミノ酸配列を含む、第1のVH-CDR2、
(iii)GNFGX SYVSWFA(配列中、X は、H又はNである)(配列番号19)のアミノ酸配列を含む、第1のVH-CDR3、
(iv)SSTGAVTTGHY(配列番号20)のアミノ酸配列を含む、第1のVL-CDR1、
(v)GTX (配列中、X は、N又はSである)(配列番号21)のアミノ酸配列を含む、第1のVL-CDR2、及び
(vi)WYSNX W(配列中、X は、L又はRである)(配列番号22)のアミノ酸配列を含む、第1のVL-CDR3を含み、前記第1のVH-CDR1、前記第1のVH-CDR2、前記第1のVH-CDR3、前記第1のVL-CDR1、前記第1のVL-CDR2、及び前記第1のVH-CDR3が、Chothiaに従う、第1の抗原結合ドメインと、
(b)HIV抗原に結合する第2の抗原結合ドメインと、を含む、多重特異性抗原結合分子。
(項目9)
ヒトCD3及び第2の抗原に結合する多重特異性抗原結合分子であって、前記抗原結合分子が、
(a)第1の重鎖可変ドメイン(VH)及び第1の軽鎖可変ドメイン(VL)を含む、第1の抗原結合ドメインであって、CD3に結合し、
(i)GFTFNTY(配列番号17)のアミノ酸配列を含む、第1のVH-CDR1、
(ii)SKYNNY(配列番号18)のアミノ酸配列を含む、第1のVH-CDR2、
(iii)GNFGX SYVSWFA(配列中、X は、H又はNである)(配列番号19)のアミノ酸配列を含む、第1のVH-CDR3、
(iv)SSTGAVTTGHY(配列番号20)のアミノ酸配列を含む、第1のVL-CDR1、
(v)GTX (配列中、X は、N又はSである)(配列番号21)のアミノ酸を含む、第1のVL-CDR2、及び
(vi)WYSNX W(配列中、X は、L又はRである)(配列番号22)のアミノ酸配列を含む、第1のVL-CDR3を含み、前記第1のVH-CDR1、前記第1のVH-CDR2、前記第1のVH-CDR3、前記第1のVL-CDR1、前記第1のVL-CDR2、及び前記第1のVH-CDR3が、Chothiaに従う、第1の抗原結合ドメインと、
(b)第2の抗原に結合する第2の抗原結合ドメインと、を含む、多重特異性抗原結合分子。
(項目10)
前記第1のVH-CDR1、前記第1のVH-CDR2、前記第1のVH-CDR3、前記第1のVL-CDR1、前記第1のVL-CDR2、及び前記第1のVL-CDR3が、それぞれ、以下のアミノ酸配列:
(i)配列番号17、18、23、20、21、及び25、
(ii)配列番号17、18、23、20、24、及び25、
(iii)配列番号17、18、23、20、26、及び27、
(iv)配列番号17、18、75、20、26、及び27、又は
(v)配列番号17、18、23、20、26、及び25を含む、項目8又は9に記載の多重特異性抗原結合分子。
(項目11)
前記第1のVH-CDR1、前記第1のVH-CDR2、前記第1のVH-CDR3、前記第1のVL-CDR1、前記第1のVL-CDR2、及び前記第1のVL-CDR3が、それぞれ、以下のアミノ酸配列:配列番号17、18、23、20、24、及び25を含む、項目8~10のいずれか一項に記載の多重特異性抗原結合分子。
(項目12)
ヒトCD3及びHIV抗原に結合する多重特異性抗原結合分子であって、前記抗原結合分子が、
(a)第1の重鎖可変ドメイン(VH)及び第1の軽鎖可変ドメイン(VL)を含む、第1の抗原結合ドメインであって、CD3に結合し、
(i)GFTFNTYA(配列番号28)のアミノ酸配列を含む、第1のVH-CDR1、
(ii)IRSKYNNYAT(配列番号29)のアミノ酸配列を含む、第1のVH-CDR2、
(iii)VRHGNFGX3SYVSWFAY(配列中、X3は、H又はNである)(配列番号30)のアミノ酸配列を含む、第1のVH-CDR3、
(iv)TGAVTTGHY(配列番号31)のアミノ酸配列を含む、第1のVL-CDR1、
(v)GTX (配列中、X は、N又はSである)(配列番号21)のアミノ酸配列を含む、第1のVL-CDR2、及び
(vi)ALWYSNX6WV(配列中、X は、L又はRである)(配列番号6)のアミノ酸配列を含む、第1のVL-CDR3を含み、前記第1のVH-CDR1、前記第1のVH-CDR2、前記第1のVH-CDR3、前記第1のVL-CDR1、前記第1のVL-CDR2、及び前記第1のVH-CDR3が、IMGTに従う、第1の抗原結合ドメインと、
(b)HIV抗原に結合する第2の抗原結合ドメインと、を含む、多重特異性抗原結合分子。
(項目13)
ヒトCD3及び第2の抗原に結合する多重特異性抗原結合分子であって、前記抗原結合分子が、
(a)第1の重鎖可変ドメイン(VH)及び第1の軽鎖可変ドメイン(VL)を含む、第1の抗原結合ドメインであって、CD3に結合し、
(i)GFTFNTYA(配列番号28)のアミノ酸配列を含む、第1のVH-CDR1、
(ii)IRSKYNNYAT(配列番号29)のアミノ酸配列を含む、第1のVH-CDR2、
(iii)VRHGNFGX3SYVSWFAY(配列中、X3は、H又はNである)(配列番号30)のアミノ酸配列を含む、第1のVH-CDR3、
(iv)TGAVTTGHY(配列番号31)のアミノ酸配列を含む、第1のVL-CDR1、
(v)GTX (配列中、X は、N又はSである)(配列番号21)のアミノ酸配列を含む、第1のVL-CDR2、及び
(vi)ALWYSNX6WV(配列中、X は、L又はRである)(配列番号6)のアミノ酸配列を含む、第1のVL-CDR3を含み、前記第1のVH-CDR1、前記第1のVH-CDR2、前記第1のVH-CDR3、前記第1のVL-CDR1、前記第1のVL-CDR2、及び前記第1のVH-CDR3が、IMGTに従う、第1の抗原結合ドメインと、
(b)第2の抗原に結合する第2の抗原結合ドメインと、を含む、多重特異性抗原結合分子。
(項目14)
前記第1のVH-CDR1、前記第1のVH-CDR2、前記第1のVH-CDR3、前記第1のVL-CDR1、前記第1のVL-CDR2、及び前記第1のVL-CDR3が、それぞれ、以下のアミノ酸配列:
(i)配列番号28、29、32、31、21、及び10、
(ii)配列番号28、29、32、31、24、及び10、
(iii)配列番号28、29、32、31、26、及び15、
(iv)配列番号28、29、33、31、26、及び15、又は
(v)配列番号28、29、32、31、26、及び10を含む、項目12又は13に記載の多重特異性抗原結合分子。
(項目15)
前記第1のVH-CDR1、前記第1のVH-CDR2、前記第1のVH-CDR3、前記第1のVL-CDR1、前記第1のVL-CDR2、及び前記第1のVL-CDR3が、それぞれ、以下のアミノ酸配列:配列番号28、29、32、31、24、及び10を含む、項目12~14のいずれか一項に記載の多重特異性抗原結合分子。
(項目16)
ヒトCD3及びHIV抗原に結合する多重特異性抗原結合分子であって、前記抗原結合分子が、
(a)第1の重鎖可変ドメイン(VH)及び第1の軽鎖可変ドメイン(VL)を含む、第1の抗原結合ドメインであって、CD3に結合し、
(i)ASGFTFNTYA(配列番号34)のアミノ酸配列を含む、第1のVH-CDR1、
(ii)IRSKYNNYATYYAX SVKX R(配列中、X は、A又はDであり、X は、G又はSである)(配列番号35)のアミノ酸配列を含む、第1のVH-CDR2、
(iii)HGNFGX SYVSWFA(X は、H又はNである)(配列番号36)のアミノ酸配列を含む、第1のVH-CDR3、
(iv)SSTGAVTTGHY(配列番号37)のアミノ酸配列を含む、第1のVL-CDR1、
(v)GTX NRAPX VPAR(配列中、X は、N又はSであり、X は、G又はWである)(配列番号38)のアミノ酸配列を含む、第1のVL-CDR2、及び
(vi)WYSNX W(配列中、X は、L又はRである)(配列番号22)のアミノ酸配列を含む、第1のVL-CDR3を含み、前記第1のVH-CDR1、前記第1のVH-CDR2、前記第1のVH-CDR3、前記第1のVL-CDR1、前記第1のVL-CDR2、及び前記第1のVH-CDR3が、Honeggerに従う、第1の抗原結合ドメインと、
(b)HIV抗原に結合する第2の抗原結合ドメインと、を含む、多重特異性抗原結合分子。
(項目17)
ヒトCD3及び第2の抗原に結合する多重特異性抗原結合分子であって、前記抗原結合分子が、
(a)第1の重鎖可変ドメイン(VH)及び第1の軽鎖可変ドメイン(VL)を含む、第1の抗原結合ドメインであって、CD3に結合し、
(i)ASGFTFNTYA(配列番号34)のアミノ酸配列を含む、第1のVH-CDR1、
(ii)IRSKYNNYATYYAX SVKX R(配列中、X は、A又はDであり、X は、G又はSである)(配列番号35)のアミノ酸配列を含む、第1のVH-CDR2、
(iii)HGNFGX SYVSWFA(X は、H又はNである)(配列番号36)のアミノ酸配列を含む、第1のVH-CDR3、
(iv)SSTGAVTTGHY(配列番号37)のアミノ酸配列を含む、第1のVL-CDR1、
(v)GTX NRAPX VPAR(配列中、X は、N又はSであり、X は、G又はWである)(配列番号38)のアミノ酸配列を含む、第1のVL-CDR2、及び
(vi)WYSNX W(配列中、X は、L又はRである)(配列番号22)のアミノ酸配列を含む、第1のVL-CDR3を含み、前記第1のVH-CDR1、前記第1のVH-CDR2、前記第1のVH-CDR3、前記第1のVL-CDR1、前記第1のVL-CDR2、及び前記第1のVH-CDR3が、Honeggerに従う、第1の抗原結合ドメインと、
(b)第2の抗原に結合する第2の抗原結合ドメインと、を含む、多重特異性抗原結合分子。
(項目18)
(i)前記第1のVH-CDR1が、ASGFTFNTYA(配列番号34)のアミノ酸配列を含み、
(ii)前記第1のVH-CDR2が、IRSKYNNYATYYADSVKX R(X は、G又はSである)(配列番号39)のアミノ酸配列を含み、
(iii)前記第1のVH-CDR3が、HGNFGHSYVSWFA(配列番号40)のアミノ酸配列を含み、
(iv)前記第1のVL-CDR1が、SSTGAVTTGHY(配列番号37)のアミノ酸配列を含み、
(v)前記第1のVL-CDR2が、GTSNRAPGVPAR(配列番号41)のアミノ酸配列を含み、
(vi)前記第1のVL-CDR3が、WYSNRW(配列番号25)のアミノ酸配列を含む、項目16又は17に記載の多重特異性抗原結合分子。
(項目19)
前記第1のVH-CDR1、前記第1のVH-CDR2、前記第1のVH-CDR3、前記第1のVL-CDR1、前記第1のVL-CDR2、及び前記第1のVL-CDR3が、それぞれ、以下のアミノ酸配列:
(i)配列番号34、39、40、37、41、及び25、
(ii)配列番号34、42、40、37、41、及び25、
(iii)配列番号34、43、40、37、41、及び25、
(iv)配列番号34、44、40、37、45、及び27、
(v)配列番号34、44、46、37、45、及び27、又は
(vi)配列番号34、42、40、37、47、及び25を含む、項目16~18のいずれか一項に記載の多重特異性抗原結合分子。
(項目20)
前記第1のVH-CDR1、前記第1のVH-CDR2、前記第1のVH-CDR3、前記第1のVL-CDR1、前記第1のVL-CDR2、及び前記第1のVL-CDR3が、それぞれ、以下のアミノ酸配列:
(i)配列番号34、42、40、37、41、及び25、又は
(ii)配列番号34、43、40、37、41、及び25を含む、項目16~19のいずれか一項に記載の多重特異性抗原結合分子。
(項目21)
前記第1のVH-CDR1、前記第1のVH-CDR2、前記第1のVH-CDR3、前記第1のVL-CDR1、前記第1のVL-CDR2、及び前記第1のVL-CDR3が、それぞれ、以下のアミノ酸配列:配列番号34、42、40、37、41、及び25を含む、項目16~20のいずれか一項に記載の多重特異性抗原結合分子。
(項目22)
前記第1のVH-CDR1、前記第1のVH-CDR2、前記第1のVH-CDR3、前記第1のVL-CDR1、前記第1のVL-CDR2、及び前記第1のVL-CDR3が、それぞれ、以下のアミノ酸配列:配列番号34、43、40、37、41、及び25を含む、項目16~20のいずれか一項に記載の多重特異性抗原結合分子。
(項目23)
以下のアミノ酸置換(ナンバリングはKabatに従う):
(i)前記第1のVHの81位が、Q又はEである、
(ii)前記第1のVHの83位が、K又はRである、
(iii)前記第1のVHの89位が、M又はVである、
(iv)前記第1のVHの100位が、Hである、
(v)前記第1のVLの57位が、G又はWである、及び/又は
(vi)前記第1のVLの75位が、I又はLである、のうちの1つ以上を含む、項目1~22のいずれか一項に記載の多重特異性抗原結合分子。
(項目24)
前記第1のVHの81位(ナンバリングはKabatに従う)が、Eである、項目23に記載の多重特異性抗原結合分子。
(項目25)
前記第1のVHの81位(ナンバリングはKabatに従う)が、Qである、項目23に記載の多重特異性抗原結合分子。
(項目26)
以下のアミノ酸置換(ナンバリングはKabatに従う):
(i)前記第1のVHの81位が、Q又はEである、
(ii)前記第1のVHの83位が、Rである、
(iii)前記第1のVHの89位が、Vである、
(iv)前記第1のVHの100位が、Hである、
(v)前記第1のVLの57位が、Gである、及び/又は
(vi)前記第1のVLの75位が、Iである、のうちの1つ以上を含む、項目23に記載の多重特異性抗原結合分子。
(項目27)
前記第1のVHが、配列番号48~53からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むか、又は配列番号48~53からなる群から選択されるアミノ酸配列と、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、若しくは少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む、項目1~25のいずれか一項に記載の多重特異性抗原結合分子。
(項目28)
前記第1のVHが、配列番号50のアミノ酸配列と、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む、項目1~27のいずれか一項に記載の多重特異性抗原結合分子。
(項目29)
前記第1のVHが、配列番号50のアミノ酸配列と少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含む、項目1~28のいずれか一項に記載の多重特異性抗原結合分子。
(項目30)
前記第1のVHが、配列番号50のアミノ酸配列と少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む、項目1~29のいずれか一項に記載の多重特異性抗原結合分子。
(項目31)
前記第1のVHが、配列番号50のアミノ酸配列を含む、項目1~30のいずれか一項に記載の多重特異性抗原結合分子。
(項目32)
前記第1のVHが、配列番号51のアミノ酸配列と、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む、項目1~27のいずれか一項に記載の多重特異性抗原結合分子。
(項目33)
前記第1のVHが、配列番号51のアミノ酸配列と少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含む、項目1~32のいずれか一項に記載の多重特異性抗原結合分子。
(項目34)
前記第1のVHが、配列番号51のアミノ酸配列と少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む、項目1~33のいずれか一項に記載の多重特異性抗原結合分子。
(項目35)
前記第1のVHが、配列番号51のアミノ酸配列を含む、項目1~34のいずれか一項に記載の多重特異性抗原結合分子。
(項目36)
前記第1のVLが、配列番号54~58からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むか、又は配列番号54~58からなる群から選択されるアミノ酸配列と、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、若しくは少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む、項目1~35のいずれか一項に記載の多重特異性抗原結合分子。
(項目37)
前記第1のVLが、配列番号56のアミノ酸配列と、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む、項目1~36のいずれか一項に記載の多重特異性抗原結合分子。
(項目38)
前記第1のVLが、配列番号56のアミノ酸配列と少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含む、項目1~37のいずれか一項に記載の多重特異性抗原結合分子。
(項目39)
前記第1のVLが、配列番号56のアミノ酸配列と少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む、項目1~38のいずれか一項に記載の多重特異性抗原結合分子。
(項目40)
前記第1のVLが、配列番号56のアミノ酸配列を含む、項目1~39のいずれか一項に記載の多重特異性抗原結合分子。
(項目41)
前記第1のVHが、配列番号48~53からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むか、又は配列番号48~53からなる群から選択されるアミノ酸配列と、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、若しくは少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含み、前記第1のVLが、配列番号54~58からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むか、又は配列番号54~58からなる群から選択されるアミノ酸配列と、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、若しくは少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む、項目1~40のいずれか一項に記載の多重特異性抗原結合分子。
(項目42)
前記第1のVH及び前記第1のVLが、それぞれ、以下に示されるアミノ酸配列を含むか、又はそれぞれ、以下に示されるアミノ酸配列:
i.配列番号48及び54、
ii.配列番号49及び55、
iii.配列番号50及び55、
iv.配列番号50及び56、
v.配列番号51及び55、
vi.配列番号51及び56、
vii.配列番号52及び56、
viii.配列番号53及び57、又は
ix.配列番号50及び58と、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、若しくは少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む、項目1~41のいずれか一項に記載の多重特異性抗原結合分子。
(項目43)
前記第1のVH及び前記第1のVLが、それぞれ、以下に示されるアミノ酸配列を含むか、又はそれぞれ、以下に示されるアミノ酸配列:
i.配列番号49及び55、
ii.配列番号50及び55、
iii.配列番号50及び56、
iv.配列番号51及び55、又は
v.配列番号51及び56と、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、若しくは少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む、項目1~42のいずれか一項に記載の多重特異性抗原結合分子。
(項目44)
前記第1のVH及び前記第1のVLが、それぞれ、以下に示されるアミノ酸配列を含むか、又はそれぞれ、以下に示されるアミノ酸配列:配列番号50及び56と、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、若しくは少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む、項目1~43のいずれか一項に記載の多重特異性抗原結合分子。
(項目45)
前記第1のVH及び前記第1のVLが、それぞれ、以下に示されるアミノ酸配列:配列番号50及び56と少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含む、項目1~44のいずれか一項に記載の多重特異性抗原結合分子。
(項目46)
前記第1のVH及び前記第1のVLが、それぞれ、以下に示されるアミノ酸配列:配列番号50及び56と少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む、項目1~45のいずれか一項に記載の多重特異性抗原結合分子。
(項目47)
前記第1のVH及び前記第1のVLが、それぞれ、以下に示されるアミノ酸配列:配列番号50及び56を含む、項目1~46のいずれか一項に記載の多重特異性抗原結合分子。
(項目48)
前記第1のVH及び前記第1のVLが、それぞれ、以下に示されるアミノ酸配列を含むか、又はそれぞれ、以下に示されるアミノ酸配列:配列番号51及び56と、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、若しくは少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む、項目1~43のいずれか一項に記載の多重特異性抗原結合分子。
(項目49)
前記第1のVH及び前記第1のVLが、それぞれ、以下に示されるアミノ酸配列:配列番号51及び56と少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含む、項目1~48のいずれか一項に記載の多重特異性抗原結合分子。
(項目50)
前記第1のVH及び前記第1のVLが、それぞれ、以下に示されるアミノ酸配列:配列番号51及び56と少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む、項目1~49のいずれか一項に記載の多重特異性抗原結合分子。
(項目51)
前記第1のVH及び前記第1のVLが、それぞれ、以下に示されるアミノ酸配列:配列番号51及び56を含む、項目1~50のいずれか一項に記載の多重特異性抗原結合分子。
(項目52)
前記第1のVHの100位(ナンバリングはKabatに従う)のアミノ酸残基が、Hである、項目23~51のいずれか一項に記載の多重特異性抗原結合分子。
(項目53)
前記第1の抗原結合ドメイン及び前記第2の抗原結合ドメインのうちの少なくとも1つが、独立して、Fab、F(ab) 、Fv、scFv、sc(Fv) 、又はダイアボディを含む、項目1~52のいずれか一項に記載の多重特異性抗原結合分子。
(項目54)
i.前記第1の抗原結合ドメインがscFvを含み、前記第2の抗原結合ドメインがFabを含むか、
ii.前記第1の抗原結合ドメインがFabを含み、前記第2の抗原結合ドメインがscFvを含むか、
iii.前記第1の抗原結合ドメインがFabを含み、前記第2の抗原結合ドメインがFabを含むか、又は
iv.前記第1の抗原結合ドメインがscFvを含み、前記第2の抗原結合ドメインがscFvを含む、項目1~53のいずれか一項に記載の多重特異性抗原結合分子。
(項目55)
前記第1の抗原結合ドメインがscFvを含み、前記第2の抗原結合ドメインがFabを含む、項目1~54のいずれか一項に記載の多重特異性抗原結合分子。
(項目56)
i.前記第1の抗原結合ドメインがFabを含み、前記第2の抗原結合ドメインがCD4の細胞外ドメインを含むか、又は
ii.前記第1の抗原結合ドメインがscFvを含み、前記第2の抗原結合ドメインがCD4の細胞外ドメインを含む、項目1~53のいずれか一項に記載の多重特異性抗原結合分子。
(項目57)
前記第1の抗原結合ドメインがFabを含み、前記第2の抗原結合ドメインがCD4の細胞外ドメインを含む、項目1~53のいずれか一項に記載の多重特異性抗原結合分子。
(項目58)
以下のアミノ酸置換(ナンバリングはKabatに従う):
i.前記scFv可変重ドメインの44位のシステイン(C)、及び
ii.前記scFv可変軽ドメインの100位のシステイン(C)を含む、項目56又は57に記載の多重特異性抗原結合分子。
(項目59)
前記第1の抗原結合ドメインが、VH及びVLを含むscFvであり、前記scFvが、配列番号59~66から選択されるアミノ酸配列を含むか、又は配列番号59~66から選択されるアミノ酸配列と、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、若しくは少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む、項目1~56及び58のいずれか一項に記載の多重特異性抗原結合分子。
(項目60)
前記第1の抗原結合ドメインが、VH及びVLを含むscFvであり、前記scFvが、配列番号59~63から選択されるアミノ酸配列を含むか、又は配列番号59~63から選択されるアミノ酸配列と、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、若しくは少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む、項目1~56及び58又は59のいずれか一項に記載の多重特異性抗原結合分子。
(項目61)
前記第1の抗原結合ドメインが、VH及びVLを含むscFvであり、前記scFvが、配列番号62若しくは63から選択されるアミノ酸配列を含むか、又は配列番号62若しくは63から選択されるアミノ酸配列と、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、若しくは少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む、項目1~56及び58又は59のいずれか一項に記載の多重特異性抗原結合分子。
(項目62)
前記第1の抗原結合ドメインが、VH及びVLを含むscFvであり、前記scFvが、配列番号62から選択されるアミノ酸配列を含むか、又は配列番号62のアミノ酸配列と、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、若しくは少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む、項目61に記載の多重特異性抗原結合分子。
(項目63)
前記第1の抗原結合ドメインが、VH及びVLを含むscFvであり、前記scFvが、配列番号63から選択されるアミノ酸配列を含むか、又は配列番号若しくは63のアミノ酸配列と、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、若しくは少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む、項目61に記載の多重特異性抗原結合分子。
(項目64)
前記第2の抗原結合ドメインが、gp120及びgp41からなる群から選択されるHIVエンベロープタンパク質に結合する、項目1~54及び58~61のいずれか一項に記載の多重特異性抗原結合分子。
(項目65)
前記第2の抗原結合ドメインが、HIVに対する広域中和抗体(bNAb)のVH及びVL可変ドメインと競合するか、又はそれらを含む、項目1~64のいずれか一項に記載の多重特異性抗原結合分子。
(項目66)
前記第2の抗原結合ドメインが、
i.N332オリゴマンノースグリカンを含む第3の可変ループ(V3)(例えば、高マンノースパッチ)、
ii.第2の可変ループ(V2)(例えば、Env三量体頂点)、
iii.CD4結合部位(CD4bs)、
iv.gp120/gp41界面、又は
v.gp120のサイレント面からなる群から選択されるgp120のエピトープ又は領域に結合する、項目1~54及び58~65のいずれか一項に記載の多重特異性抗原結合分子。
(項目67)
前記第2の抗原結合ドメインが、N332オリゴマンノースグリカンを含む前記第3の可変ループ(V3)(例えば、高マンノースパッチ)内のgp120のエピトープ又は領域に結合し、GS-9722(エリポビマブ)、GS-2872、PGT-121、PGT-121.66、PGT-121.414、PGT-122、PGT-123、PGT-124、PGT-125、PGT-126、PGT-128、PGT-130、PGT-133、PGT-134、PGT-135、PGT-136、PGT-137、PGT-138、PGT-139、10-1074、10-1074-J、VRC24、2G12、BG18、354BG8、354BG18、354BG42、354BG33、354BG129、354BG188、354BG411、354BG426、DH270.1、DH270.6、PGDM12、VRC41.01、PGDM21、PCDN-33A、BF520.1、及びVRC29.03からなる群から選択される抗体由来のVH及びVL領域と競合するか、又はそれらを含む、項目1~54及び58~66のいずれか一項に記載の多重特異性抗原結合分子。
(項目68)
前記第2の抗原結合ドメインが、前記第2の可変ループ(V2)(例えば、Env三量体頂点)内のgp120のエピトープ又は領域に結合し、PG9、PG16、PGC14、PGG14、PGT-142、PGT-143、PGT-144、PGT-145、CH01、CH59、PGDM1400、CAP256、CAP256-VRC26.08、CAP256-VRC26.09、CAP256-VRC26.25、PCT64-24E、及びVRC38.01からなる群から選択される抗体由来のVH及びVL領域と競合するか、又はそれらを含む、項目1~54及び58~66のいずれか一項に記載の多重特異性抗原結合分子。
(項目69)
前記第2の抗原結合ドメインが、前記CD4結合部位(CD4bs)内のgp120のエピトープ又は領域に結合し、3BNC117、GS-9723、GS-5423、3BNC60、b12、F105、VRC01、VRC07、VRC07-523、VRC03、VRC06、VRC06b01 VRC08、VRC0801、NIH45-46、PGV04(別名、VRC-PG04);CH103、44-VRC13.01、1NC9、12A12、N6、1-18、N49-P7、NC-Cow1、IOMA、CH235及びCH235.12、N49P6、N49P7、N49P11、N49P9、並びにN60P25からなる群から選択される抗体由来のVH及びVL領域と競合するか、又はそれらを含む、項目1~54及び58~66のいずれか一項に記載の多重特異性抗原結合分子。
(項目70)
前記第2の抗原結合ドメインが、前記CD4結合部位(CD4bs)内のgp120のエピトープ又は領域に結合し、CD4の1つ以上の細胞外(EC)ドメインを含む、項目1~64及び66のいずれか一項に記載の多重特異性抗原結合分子。
(項目71)
前記CD4の1つ以上のECドメインが、以下に示される配列、又は以下からなる群から選択される配列:
(i)KKVVYGKKGDTVELTCTASQKKNIQFHWKNSNQIKILGNQGSFLTKGPSKLNDRVDSRRSLWDQGNFPLIIKNLKPEDSDTYICEVEDQKEEVQLVVVG(配列番号746)、
(ii)KKVVYGKKGDTVELTCTASQKKNIQFHWKNSNQIKILGNQGSFLTKGPSKLNDRVDSRRSLWDQGNFPLIIKNLKPEDSDTYICEVEDQKEEVQLVVVGGGGSGKKVVYGKKGDTVELTCTASQKKNIQFHWKNSNQIKILGNQGSFLTKGPSKLNDRVDSRRSLWDQGNFPLIIKNLKPEDSDTYICEVEDQKEEVQLVVVG(配列番号747)、
(iii)KKVVLGKKGDTVELTCTASQKKSIQFHWKNSNQIKILGNQGSFLTKGPSKLNDRADSRRSLWDQGNFPLIIKNLKIEDSDTYICEVEDQKEEVQLLVFG(配列番号748)、又は
(iv)KKVVLGKKGDTVELTCTASQKKSIQFHWKNSNQIKILGNQGSFLTKGPSKLNDRADSRRSLWDQGNFPLIIKNLKIEDSDTYICEVEDQKEEVQLLVFGGGGSGKKVVLGKKGDTVELTCTASQKKSIQFHWKNSNQIKILGNQGSFLTKGPSKLNDRADSRRSLWDQGNFPLIIKNLKIEDSDTYICEVEDQKEEVQLLVFG(配列番号749)と、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、若しくは少なくとも99%同一である配列を含む、項目70に記載の多重特異性抗原結合分子。
(項目72)
前記CD4のECドメインが、配列番号746の配列と、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は少なくとも99%同一である配列を含む、項目71に記載の多重特異性抗原結合分子。
(項目73)
前記CD4のECドメインが、配列番号746の配列と少なくとも95%同一である配列を含む、項目71又は72に記載の多重特異性抗原結合分子。
(項目74)
前記CD4のECドメインが、配列番号746の配列と少なくとも99%同一である配列を含む、項目71~73のいずれか一項に記載の多重特異性抗原結合分子。
(項目75)
前記CD4のECドメインが、配列番号746の配列を含む、項目71~74のいずれか一項に記載の多重特異性抗原結合分子。
(項目76)
前記第1の抗原結合ドメインが、それぞれ、以下のアミノ酸配列(Kabatに従う):配列番号1、11、8、4、9、及び10、又は配列番号1、12、8、4、9、及び10を含む、第1のVH-CDR1、第1のVH-CDR2、第1のVH-CDR3、第1のVL-CDR1、第1のVL-CDR2、及び第1のVL-CDR3を含み、前記第2の抗原結合ドメインが、配列番号746~749からなる群から選択されるCD4 ECドメインを含むか、又はそれと、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、若しくは少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む、CD4の1つ以上のECドメインを含む、項目71~75のいずれか一項に記載の多重特異性抗原結合分子。
(項目77)
前記第1の抗原結合ドメインが、それぞれ、以下のアミノ酸配列(Kabatに従う):配列番号1、12、8、4、9、及び10を含む、第1のVH-CDR1、第1のVH-CDR2、第1のVH-CDR3、第1のVL-CDR1、第1のVL-CDR2、及び第1のVL-CDR3を含み、前記第2の抗原結合ドメインが、配列番号746からなる群から選択されるCD4 ECドメインを含むか、又はそれと、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、若しくは少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む、CD4の1つ以上のECドメインを含む、項目76に記載の多重特異性抗原結合分子。
(項目78)
前記第1の抗原結合ドメインが、それぞれ、以下のアミノ酸配列(Chothiaに従う):配列番号17、18、23、20、24、及び25を含む、第1のVH-CDR1、第1のVH-CDR2、第1のVH-CDR3、第1のVL-CDR1、第1のVL-CDR2、及び第1のVL-CDR3を含み、前記第2の抗原結合ドメインが、配列番号746~749からなる群から選択されるCD4 ECドメインを含むか、又はそれと、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、若しくは少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む、CD4の1つ以上のECドメインを含む、項目71~75のいずれか一項に記載の多重特異性抗原結合分子。
(項目79)
前記第1の抗原結合ドメインが、それぞれ、以下のアミノ酸配列(Chothiaに従う):配列番号17、18、23、20、24、及び25を含む、第1のVH-CDR1、第1のVH-CDR2、第1のVH-CDR3、第1のVL-CDR1、第1のVL-CDR2、及び第1のVL-CDR3を含み、前記第2の抗原結合ドメインが、配列番号746からなる群から選択されるCD4 ECドメインを含むか、又はそれと、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、若しくは少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む、CD4の1つ以上のECドメインを含む、項目78に記載の多重特異性抗原結合分子。
(項目80)
前記第1の抗原結合ドメインが、それぞれ、以下のアミノ酸配列(IMGTに従う):配列番号28、29、32、31、24、及び10を含む、第1のVH-CDR1、第1のVH-CDR2、第1のVH-CDR3、第1のVL-CDR1、第1のVL-CDR2、及び第1のVL-CDR3を含み、前記第2の抗原結合ドメインが、配列番号746~749からなる群から選択されるCD4 ECドメインを含むか、又はそれと、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、若しくは少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む、CD4の1つ以上のECドメインを含む、項目71~75のいずれか一項に記載の多重特異性抗原結合分子。
(項目81)
前記第1の抗原結合ドメインが、それぞれ、以下のアミノ酸配列(IMGTに従う):配列番号28、29、32、31、24、及び10を含む、第1のVH-CDR1、第1のVH-CDR2、第1のVH-CDR3、第1のVL-CDR1、第1のVL-CDR2、及び第1のVL-CDR3を含み、前記第2の抗原結合ドメインが、配列番号746からなる群から選択されるCD4 ECドメインを含むか、又はそれと、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、若しくは少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む、CD4の1つ以上のECドメインを含む、項目80に記載の多重特異性抗原結合分子。
(項目82)
前記第1の抗原結合ドメインが、それぞれ、以下のアミノ酸配列(Honeggerに従う):配列番号34、42、40、37、41、及び25、又は配列番号34、43、40、37、41、及び25を含む、第1のVH-CDR1、第1のVH-CDR2、第1のVH-CDR3、第1のVL-CDR1、第1のVL-CDR2、及び第1のVL-CDR3を含み、前記第2の抗原結合ドメインが、配列番号746~749からなる群から選択されるCD4 ECドメインを含むか、又はそれと、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、若しくは少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む、CD4の1つ以上のECドメインを含む、項目71~75のいずれか一項に記載の多重特異性抗原結合分子。
(項目83)
前記第1の抗原結合ドメインが、それぞれ、以下のアミノ酸配列(Honeggerに従う):配列番号34、43、40、37、41、及び25を含む、第1のVH-CDR1、第1のVH-CDR2、第1のVH-CDR3、第1のVL-CDR1、第1のVL-CDR2、及び第1のVL-CDR3を含み、前記第2の抗原結合ドメインが、配列番号746からなる群から選択されるCD4 ECドメインを含むか、又はそれと、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、若しくは少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む、CD4の1つ以上のECドメインを含む、項目82に記載の多重特異性抗原結合分子。
(項目84)
前記第1の抗原結合ドメインが、それぞれ、以下に示されるアミノ酸配列を含むか、又はそれぞれ、配列番号49及び55、配列番号50及び55、配列番号50及び56、配列番号51及び55、又は配列番号51及び56に示されるアミノ酸配列と、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、若しくは少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む、第1のVH及び第1のVLを含み、前記第2の抗原結合ドメインが、第1のVH-CDR1、第1のVH-CDR2、第1のVH-CDR3、第1のVL-CDR1、第1のVL-CDR2、及び第1のVL-CDR3を含み、前記第2の抗原結合ドメインが、配列番号746~749からなる群から選択されるCD4 ECドメインを含むか、又はそれと、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、若しくは少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む、CD4の1つ以上のECドメインを含む、項目71~75のいずれか一項に記載の多重特異性抗原結合分子。
(項目85)
前記第1の抗原結合ドメインが、それぞれ、配列番号51及び56に示されるアミノ酸配列を含むか、又はそれぞれ、それらに示されるアミノ酸配列と、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、若しくは少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む、第1のVH及び第1のVLを含み、前記第2の抗原結合ドメインが、配列番号746のCD4 ECドメインを含むか、又はそれと、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、若しくは少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む、CD4の1つのECドメインを含む、項目71~84のいずれか一項に記載の多重特異性抗原結合分子。
(項目86)
前記第1の抗原結合ドメインが、それぞれ、配列番号51及び56に示されるアミノ酸配列と少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含む第1のVH及び第1のVLを含み、前記第2の抗原結合ドメインが、配列番号746のCD4 ECドメインと少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含むCD4の1つのECドメインを含む、項目85に記載の多重特異性抗原結合分子。
(項目87)
前記第1の抗原結合ドメインが、それぞれ、配列番号51及び56に示されるアミノ酸配列と少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む第1のVH及び第1のVLを含み、前記第2の抗原結合ドメインが、配列番号746のCD4 ECドメインと少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含むCD4の1つのECドメインを含む、項目86に記載の多重特異性抗原結合分子。
(項目88)
前記第1の抗原結合ドメインが、それぞれ、配列番号51及び56に示されるアミノ酸配列を含む第1のVH及び第1のVLを含み、前記第2の抗原結合ドメインが、配列番号746のアミノ酸配列を含むCD4の1つのECドメインを含む、項目87に記載の多重特異性抗原結合分子。
(項目89)
前記第2の抗原結合ドメインが、前記gp120/gp41界面のgp120のエピトープ又は領域に結合し、PGT-151、CAP248-2B、35O22、8ANC195、ACS202、VRC34、及びVRC34.01からなる群から選択される抗体由来のVH及びVL領域と競合するか、又はそれらを含む、項目1~54及び58~69のいずれか一項に記載の多重特異性抗原結合分子。
(項目90)
前記第2の抗原結合ドメインが、前記gp120サイレント面のエピトープ又は領域に結合し、VRC-PG05及びSF12から選択される抗体由来のVH及びVL領域と競合するか、又はそれらを含む、項目1~54及び58~69のいずれか一項に記載の多重特異性抗原結合分子。
(項目91)
前記第2の抗原結合ドメインが、膜近位領域(MPER)のgp41のエピトープ又は領域に結合する、項目1~54及び58~69のいずれか一項に記載の多重特異性抗原結合分子。
(項目92)
前記第2の抗原結合ドメインが、膜近位領域(MPER)のgp41のエピトープ又は領域に結合し、10E8、10E8v4、10E8-5R-100cF、4E10、DH511.11P、2F5、7b2、及びLN01からなる群から選択される抗体由来のVH及びVL領域と競合するか、又はそれらを含む、項目91に記載の多重特異性抗原結合分子。
(項目93)
前記第2の抗原結合ドメインが、前記gp41融合ペプチドのエピトープ又は領域に結合し、VRC34及びACS202からなる群から選択される抗体由来のVH及びVL領域と競合するか、又はそれらを含む、項目1~54及び58~66のいずれか一項に記載の多重特異性抗原結合分子。
(項目94)
前記第2の抗原結合ドメインが、第2のVH-CDR1、第2のVH-CDR2、及び第2のVH-CDR3を含む、第2のVHと、第2のVL-CDR1、第2のVL-CDR2、及び第2のVH-CDR3を含む、第2のVLと、を含み、それぞれ、以下に示されるアミノ酸配列(Kabatに従う):
a)配列番号76、77、78、79、80、及び81、
b)配列番号76、82、78、79、80、及び81、
c)配列番号83、84、85、86、80、及び87、
d)配列番号83、88、85、86、80、及び87、
e)配列番号90、91、92、93、94、及び95、
f)配列番号90、91、96、93、94、及び95、
g)配列番号97、98、99、100、101、及び102、
h)配列番号103、104、105、106、94、及び107、
i)配列番号108、109、110、111、112、及び113、
j)配列番号114、115、116、117、118、及び119、
k)配列番号114、120、121、122、118、及び123、
l)配列番号124、125、126、127、128、及び113、
m)配列番号129、115、131、127、118、及び113、
n)配列番号132、133、134、135、136、及び137、
o)配列番号138、139、140、141、142、及び143、
p)配列番号144、145、146、147、148、及び143、
q)配列番号149、150、151、152、153、及び143、
r)配列番号154、155、156、157、158、及び159、
s)配列番号160、161、162、163、164、及び165、
t)配列番号166、161、167、163、164、及び165、
u)配列番号168、169、170、171、172、及び173、
v)配列番号168、174、170、171、172、及び173、
w)配列番号175、176、177、171、172、及び173、
x)配列番号178、179、180、181、182、及び183、
y)配列番号184、185、186、187、188、及び189、
z)配列番号190、191、192、193、194、及び195、
aa)配列番号196、197、198、199、200、及び201、
bb)配列番号202、203、204、205、206、及び207、
cc)配列番号208、209、210、211、212、及び213、
dd)配列番号214、215、216、217、218、及び219、
ee)配列番号214、220、216、221、218、及び219、
ff)配列番号214、220、222、221、218、及び219、
gg)配列番号223、224、225、226、227、及び228、
hh)配列番号229、230、231、232、233、及び234、
ii)配列番号902、903、904、905、906、及び907、
jj)配列番号908、909、910、911、912、及び913、
kk)配列番号914、915、916、917、918、及び919、又は
ll)配列番号920、921、922、923、924、及び925を含む、項目1~54、58~69、及び89~93のいずれか一項に記載の多重特異性抗原結合分子。
(項目95)
前記第2の抗原結合ドメインが、第2のVH-CDR1、第2のVH-CDR2、及び第2のVH-CDR3を含む、第2のVHと、第2のVL-CDR1、第2のVL-CDR2、及び第2のVH-CDR3を含む、第2のVLと、を含み、それぞれ、以下に示されるアミノ酸配列(Chothiaに従う):
a)配列番号235、236、237、238、239、及び240、
b)配列番号241、242、243、244、239、及び245、
c)配列番号246、242、247、244、239、及び245、
d)配列番号248、249、250、251、239、及び252、
e)配列番号248、249、253、251、239、及び252、
f)配列番号254、255、256、257、258、及び259、
g)配列番号260、261、262、263、239、及び264、
h)配列番号265、266、267、268、269、及び270、
i)配列番号271、272、273、274、275、及び270、
j)配列番号271、276、277、278、275、及び279、
k)配列番号280、281、282、283、284、及び270、
l)配列番号285、272、286、283、275、及び270、
m)配列番号287、288、289、290、291、及び292、
n)配列番号293、294、295、296、297、及び298、
o)配列番号299、300、301、302、303、及び298、
p)配列番号304、300、305、406、307、及び298、
q)配列番号308、309、310、311、312、及び313、
r)配列番号314、315、316、317、318、及び165、
s)配列番号320、315、321、317、318、及び165、
t)配列番号322、323、324、325、326、及び327、
u)配列番号322、328、324、325、326、及び327、
v)配列番号329、323、330、325、326、及び327、
w)配列番号331、332、333、334、335、及び336、
x)配列番号337、338、339、340、341、及び342、
y)配列番号343、344、345、346、341、及び347、
z)配列番号348、349、350、351、352、及び353、
aa)配列番号354、355、356、357、358、及び359、
bb)配列番号360、361、362、363、364、及び365、
cc)配列番号366、367、368、369、370、及び371、
dd)配列番号366、361、368、369、370、及び371、
ee)配列番号372、361、373、369、370、及び371、
ff)配列番号374、375、376、377、378、及び379、
gg)配列番号380、381、382、383、384、及び385、
hh)配列番号926、927、928、929、930、及び931、
ii)配列番号932、933、934、935、936、及び937、
jj)配列番号938、939、940、941、942、及び943、又は
kk)配列番号944、945、946、947、948、及び949を含む、項目1~54、58~69、及び89~94のいずれか一項に記載の多重特異性抗原結合分子。
(項目96)
前記第2の抗原結合ドメインが、第2のVH-CDR1、第2のVH-CDR2、及び第2のVH-CDR3を含む、第2のVHと、第2のVL-CDR1、第2のVL-CDR2、及び第2のVH-CDR3を含む、第2のVLと、を含み、それぞれ、以下に示されるアミノ酸配列(IMGTに従う):
a)配列番号386、387、388、389、239、及び81、
b)配列番号390、391、392、393、239、及び87、
c)配列番号390、391、394、393、239、及び87、
d)配列番号395、396、397、393、239、及び87、
e)配列番号398、399、400、401、239、及び95、
f)配列番号398、399、402、401、239、及び95、
g)配列番号403、404、405、406、258、及び102、
h)配列番号407、408、409、410、239、及び107、
i)配列番号411、412、413、414、269、及び113、
j)配列番号415、416、417、418、275、及び119、
k)配列番号415、419、420、421、275、及び123、
l)配列番号422、423、424、425、275、及び113、
m)配列番号426、416、427、425、275、及び113、
n)配列番号428、429、430、431、291、及び137、
o)配列番号432、433、434、435、297、及び143、
p)配列番号436、437、438、439、303、及び143、
q)配列番号440、437、441、442、307、及び143、
r)配列番号443、444、445、446、312、及び159、
s)配列番号447、448、449、450、318、及び165、
t)配列番号451、448、452、450、318、及び165、
u)配列番号453、454、455、456、326、及び173、
v)配列番号453、457、455、456、326、及び173、
w)配列番号458、459、460、456、326、及び173、
x)配列番号461、462、463、464、335、及び183、
y)配列番号465、466、467、468、341、及び189、
z)配列番号469、470、471、472、341、及び195、
aa)列番号473、474、475、476、352、及び201、
bb)列番号477、478、479、480、358、及び207、
cc)列番号481、482、483、484、364、及び213、
dd)列番号485、486、487、488、370、及び219、
ee)列番号485、482、487、488、370、及び219、
ff)列番号489、482、490、488、370、及び219、
gg)列番号491、492、493、494、378、及び228、
hh)列番号495、496、497、498、384、及び234、
ii)列番号950、951、952、953、930、及び907、
jj)列番号954、955、956、957、936、及び913、
kk)列番号958、959、960、961、942、及び919、又は
ll)列番号962、963、964、965、948、及び925を含む、項目1~54、58~69、及び89~95のいずれか一項に記載の多重特異性抗原結合分子。
(項目97)
前記第2の抗原結合ドメインが、第2のVH-CDR1、第2のVH-CDR2、及び第2のVH-CDR3を含む、第2のVHと、第2のVL-CDR1、第2のVL-CDR2、及び第2のVH-CDR3を含む、第2のVLと、を含み、それぞれ、以下に示されるアミノ酸配列(Honeggerに従う):
a)配列番号499、500、501、238、502、及び240、
b)配列番号499、503、501、238、502、及び240、
c)配列番号505、506、507、244、502、及び245、
d)配列番号508、509、510、244、502、及び245、
e)配列番号511、512、513、251、514、及び252、
f)配列番号511、512、515、251、514、及び252、
g)配列番号516、517、518、257、519、及び259、
h)配列番号520、521、522、264、523、及び264、
i)配列番号524、525、526、268、527、及び270、
j)配列番号528、529、530、274、531、及び270、
k)配列番号528、532、533、278、531、及び279、
l)配列番号534、535、536、283、537、及び270、
m)配列番号1090、529、538、283、531、及び270、
n)配列番号539、540、541、290、542、及び292、
o)配列番号543、544、545、546、547、及び298、
p)配列番号548、549、550、1091、551、及び298、
q)配列番号552、553、554、555、556、及び298、
r)配列番号557、558、559、311、560、及び313、
s)配列番号561、562、563、564、565、及び165、
t)配列番号566、562、1092、564、567、及び165、
u)配列番号568、569、570、571、572、及び327、
v)配列番号568、573、570、571、572、及び327、
w)配列番号574、575、576、571、572、及び327、
x)配列番号577、578、579、580、581、及び336、
y)配列番号582、583、584、340、585、及び342、
z)配列番号586、587、588、346、589、及び347、
aa)配列番号590、591、592、351、593、及び353、
bb)配列番号594、595、596、597、598、及び359、
cc)配列番号599、600、601、602、603、及び365、
dd)配列番号604、605、606、607、608、及び371、
ee)配列番号604、609、606、607、608、及び371、
ff)配列番号610、609、611、607、608、及び371、
gg)配列番号612、613、614、615、616、及び379、
hh)配列番号617、618、619、620、621、及び385、
ii)配列番号966、967、968、969、970、及び931、
jj)配列番号971、972、973、974、975、及び937、
kk)配列番号976、977、978、941、979、及び943、又は
ll)配列番号980、981、982、983、984、及び949を含む、項目1~54、58~69、及び89~96のいずれか一項に記載の多重特異性抗原結合分子のいずれか一項に記載の多重特異性抗原結合分子。
(項目98)
前記第2のVH及び前記第2のVLが、それぞれ、以下に示されるアミノ酸配列を含むか、又はそれぞれ、以下に示されるアミノ酸配列と、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、若しくは少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む、項目1~54、58~69、及び89~97のいずれか一項に記載の多重特異性抗原結合分子:
a)配列番号622及び623、
b)配列番号624及び625、
c)配列番号624及び626、
d)配列番号627及び628、
e)配列番号629及び630、
f)配列番号631及び632、
g)配列番号633及び634、
h)配列番号635及び636、
i)配列番号637及び638、
j)配列番号639及び640、
k)配列番号641及び642、
l)配列番号643及び644、
m)配列番号645及び646、
n)配列番号647及び648、
o)配列番号649及び650、
p)配列番号651及び652、
q)配列番号653及び654、
r)配列番号655及び656、
s)配列番号657及び658、
t)配列番号659及び660、
u)配列番号661及び662、
v)配列番号663及び664、
w)配列番号665及び666、
x)配列番号667及び668、
y)配列番号669及び670、
z)配列番号671及び672、
aa)配列番号673及び670、
bb)配列番号674及び675、
cc)配列番号676及び677、
dd)配列番号678及び679、
ee)配列番号680及び681、
ff)配列番号682及び683、
gg)配列番号684及び685、
hh)配列番号686及び687、
ii)配列番号688及び689、
jj)配列番号690及び691、
kk)配列番号692及び693、
ll)配列番号694及び695、
mm)配列番号985及び986、
nn)配列番号987及び988、
oo)配列番号989及び990、又は
pp)配列番号991及び992。
(項目99)
前記第2のVH及び前記第2のVLが、それぞれ、以下に示されるアミノ酸配列と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含み、以下に示される位置(位置のナンバリングはKabatに従う)に以下のアミノ酸:
(i)82a~82c位のSer-Ser-Val(SSV)若しくはThr-Gly-Val(TGV)、39位のGln(Q)、60位のAsn(N)、68位のHis(H)、105位のLys(K)、His(H)、若しくはThr(T)のいずれか1つ、2位のLeu(L)、32位のAla(A)、及び95位のAla(A)のうちの1つ以上を含む、配列番号622、624、若しくは627、並びに67位のGly(G)、67a位のTyr(Y)、Phe(F)、若しくはThr(T)、67b位のArg(R)、67c位のPro(P)、及び103位のLys(K)のうちの1つ以上を含む、配列番号623、625、626、若しくは628、又は
(ii)3位のHis(H)、5位のSer(S)若しくはVal(V)、10位のGlu(E)、12位のLys(K)、23位のLys(K)、28位のAsn(N)、30位のArg(R)、32位のTyr(Y)、68位のThr(T)、69位のMet(M)、72位のGln(Q)若しくはHis(H)、74a位のTyr (Y)、Phe (F)、76位のPhe(F)若しくはSer(S)、77位のSer(S)、78位のAla(A)、82a位のSer(S)、82b位のArg(R)、82c位のVal(V)、89位のIle(I)若しくはThr(T)、98位のPhe(F)、99位のTyr(Y)若しくはGly(G)、105位のGln(Q)、108位のMet(M)、74a、74b、74c、及び74d位のPhe-Asp-Phe-Asp(FDFD)(配列番号1040)、並びに74a、74b、74c、及び74d位のTrp-Asp-Phe-Asp(WDFD)(配列番号1042)のうちの1つ以上を含む、配列番号663、665、若しくは667、並びに14位のArg(R)、18位のArg(R)、19位のAla(A)、39位のLys(L)、40位のPro(P)、56位のThr(T)、60位のAla(A)、65位のSer(S)、72位のThr(T)若しくはHis(H)、74位のLys(K)、76位のSer(S)、77位のSer(S)、83位のVal(V)、98位のIle(I)若しくはPhe(F)、99位のThr(T)若しくはGly(G)、103位のAsn(N)、及び106位のIle(I)のうちの1つ以上を含む、配列番号664、666、若しくは668、を含む、項目1~54、58~69、及び89~98のいずれか一項に記載の多重特異性抗原結合分子
(項目100)
前記第2のVH及び前記第2のVLが、それぞれ、以下に示されるアミノ酸配列と、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、若しくは少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含み、以下に示される位置(位置のナンバリングはKabatに従う)に以下のアミノ酸:
(i)82a~82c位のThr-Gly-Val(TGV)、60位のAsn(N)、68位のHis(H)、105位のLys(K)、His(H)、及びThr(T)のいずれか1つ、のうちの1つ以上を含む、配列番号622、624、若しくは627、並びに67位のGly(G)、67a位のTyr(Y)、Phe(F)、若しくはThr(T)、67b位のArg(R)、67c位のPro(P)のうちの1つ以上を含む、配列番号623、625、626、若しくは628、又は
(ii)74a位のPhe(F)を含む、配列番号663、665、若しくは667、並びに19位のAla(A)を含む、配列番号664、666、若しくは668、を含む、項目1~54、58~69、及び89~99のいずれか一項に記載の多重特異性抗原結合分子。
(項目101)
第1のFc領域及び第2のFc領域を含む、ヘテロ二量体ヒトIgG1又はIgG4を含む、項目1~100のいずれか一項に記載の多重特異性抗原結合分子。
(項目102)
前記第1のFc領域及び前記第2のFc領域が、IgG1m17に由来する、項目101に記載の多重特異性抗原結合分子。
(項目103)
第1のFc領域及び第2のFc領域を含む、ヘテロ二量体ヒトIgG1又はIgG4を含み、前記第1及び第2のFc領域のうちの一方又は両方が、以下に示される位置(EUナンバリング)に以下のアミノ酸:
(i)234位のアラニン
(ii)235位のアラニン、及び
(iii)331位のセリン、のうちの1つ以上を含む、項目1~102のいずれか一項に記載の多重特異性抗原結合分子。
(項目104)
第1のFc領域及び第2のFc領域を含む、ヘテロ二量体ヒトIgG1又はIgG4を含み、前記第1及び第2のFc領域のうちの一方又は両方が、以下に示される位置(EUナンバリング)に以下のアミノ酸:
(i)252位のチロシン、254位のスレオニン、及び256位のグルタミン酸(YTE)、又は
(ii)428位のロイシン及び434位のセリン(LS)を含む、項目1~103のいずれか一項に記載の多重特異性抗原結合分子。
(項目105)
第1のFc領域及び第2のFc領域を含む、ヘテロ二量体ヒトIgG1を含み、前記第1及び第2のFc領域の両方が、以下に示される位置(EUナンバリング)に以下のアミノ酸:252位のチロシン、254位のトレオニン、及び256位のグルタミン酸(YTE)を含む、項目1~104のいずれか一項に記載の多重特異性抗原結合分子。
(項目106)
以下に示される位置(EUナンバリング)に以下のアミノ酸を含む第1のFc領域及び第2のFc領域であって、
(i)前記第1のFc領域が、366位のトリプトファン(T366W)を含み、前記第2のFc領域が、366位のセリン(T366S)、368位のアラニン(L368A)、及び407位のバリン(Y407V)を含む;
(ii)前記第1のFc領域が、366位のセリン(T366S)、368位のアラニン(L368A)、及び407位のバリン(Y407V)を含み、前記第2のFc領域が、366位のトリプトファン(T366W)を含む;
(iii)第1のFc領域が、354位のシステイン(S354C)、366位のトリプトファン(T366W)を含み、前記第2のFc領域が、349位のシステイン(Y349C)、366位のセリン(T366S)、368位のアラニン(L368A)、及び407位のバリン(Y407V)を含む;
(iv)前記第1のFc領域が、349位のシステイン(Y349C)、366位のセリン(T366S)、368位のアラニン(L368A)、及び407位のバリン(Y407V)を含み、前記第2のFc領域が、354位のシステイン(S354C)、366位のトリプトファン(T366W)を含む、第1のFc領域及び第2のFc領域を含む、ヘテロ二量体ヒトIgG1又はIgG4を含む、項目1~105のいずれか一項に記載の多重特異性抗原結合分子。
(項目107)
以下に示される位置(EUナンバリング)に以下のアミノ酸を含む第1のFc領域及び第2のFc領域であって、前記第1のFc領域が、366位のセリン(T366S)、368位のアラニン(L368A)、及び407位のバリン(Y407V)を含み、前記第2のFc領域が、366位のトリプトファン(T366W)を含む、第1のFc領域及び第2のFc領域を含む、ヘテロ二量体ヒトIgG1を含む、項目1~106のいずれか一項に記載の多重特異性抗原結合分子。
(項目108)
第1のヒンジ領域及び第2のヒンジ領域を含む、ヘテロ二量体ヒトIgG1又はIgG4を含み、前記第1及び第2のヒンジ領域のうちの一方又は両方が、220位のセリン(C220S)(EUナンバリング)を含む、項目1~107のいずれか一項に記載の多重特異性抗原結合分子。
(項目109)
第1のFc領域及び第2のFc領域を含む、ヘテロ二量体ヒトIgG1又はIgG4を含み、前記第1のFc領域又は前記第2のFc領域のうちの一方が、以下に示される位置(EUナンバリング)に以下のアミノ酸:
(i)435位のアルギニン(H435R)、又は
(ii)435位のアルギニン(H435R)及び436位のフェニルアラニン(Y436F)を含む、項目1~108のいずれか一項に記載の多重特異性抗原結合分子。
(項目110)
第1のFc領域及び第2のFc領域を含む、ヘテロ二量体ヒトIgG1を含み、前記第1のFc領域が、以下に示される位置(EUナンバリング)に以下のアミノ酸:435位のアルギニン(H435R)を含む、項目1~109のいずれか一項に記載の多重特異性抗原結合分子。
(項目111)
以下に示される位置(EUナンバリング)に以下のアミノ酸を含む第1のFc領域及び第2のFc領域であって、
(i)前記第1のFc領域が、234位のアラニン(L234)、235位のアラニン(L235A)、331位のセリン(P331S)、及び366位のトリプトファン(T366W)を含み、前記第2のFc領域が、234位のアラニン(L234)、235位のアラニン(L235A)、331位のセリン(P331S)、366位のセリン(T366S)、368位のアラニン(L368A)、407位のバリン(Y407V)、及び435位のアルギニン(H435R)を含む;
(ii)前記第1のFc領域が、234位のアラニン(L234)、235位のアラニン(L235A)、331位のセリン(P331S)、及び366位のトリプトファン(T366W)を含み、前記第2のFc領域が、234位のアラニン(L234)、235位のアラニン(L235A)、331位のセリン(P331S)、366位のセリン(T366S)、368位のアラニン(L368A)、407位のバリン(Y407V)、435位のアルギニン(H435R)、及び436位のフェニルアラニン(Y436F)を含む;
(iii)前記第1のFc領域が、234位のアラニン(L234)、235位のアラニン(L235A)、331位のセリン(P331S)、366位のセリン(T366S)、368位のアラニン(L368A)、及び407位のバリン(Y407V)を含み、前記第2のFc領域が、234位のアラニン(L234)、235位のアラニン(L235A)、331位のセリン(P331S)、及び366位のトリプトファン(T366W)を含む;
(iv)前記第1のFc領域が、234位のアラニン(L234)、235位のアラニン(L235A)、331位のセリン(P331S)、366位のトリプトファン(T366W)、428位のロイシン(M428L)、及び434位のセリン(N434S)を含み、前記第2のFc領域が、234位のアラニン(L234)、235位のアラニン(L235A)、331位のセリン(P331S)、366位のセリン(T366S)、368位のアラニン(L368A)、407位のバリン(Y407V)、及び435位のアルギニン(H435R)を含む;又は
(v)前記第1のFc領域が、234位のアラニン(L234)、235位のアラニン(L235A)、331位のセリン(P331S)、366位のトリプトファン(T366W)、252位のチロシン(M252Y)、254位のスレオニン(S254T)、及び256位のグルタミン酸(T256E)を含み、前記第2のFc領域が、234位のアラニン(L234)、235位のアラニン(L235A)、331位のセリン(P331S)、366位のセリン(T366S)、368位のアラニン(L368A)、407位のバリン(Y407V)、及び435位のアルギニン(H435R)を含む、第1のFc領域及び第2のFc領域を含む、ヘテロ二量体ヒトIgG1又はIgG4を含む、項目1~110のいずれか一項に記載の多重特異性抗原結合分子。
(項目112)
以下に示される位置(EUナンバリング)に以下のアミノ酸を含む第1のFc領域及び第2のFc領域であって、前記第1のFc領域が、234位のアラニン(L234)、235位のアラニン(L235A)、331位のセリン(P331S)、366位のセリン(T366S)、368位のアラニン(L368A)、407位のバリン(Y407V)、及び435位のアルギニン(H435R)を含み、前記第2のFc領域が、234位のアラニン(L234)、235位のアラニン(L235A)、331位のセリン(P331S)、366位のトリプトファン(T366W)、252位のチロシン(M252Y)、254位のスレオニン(S254T)、及び256位のグルタミン酸(T256E)を含む、第1のFc領域及び第2のFc領域を含む、ヘテロ二量体ヒトIgG1を含む、項目1~111のいずれか一項に記載の多重特異性抗原結合分子。
(項目113)
それぞれ、以下に示されるアミノ酸配列を含むか、又はそれぞれ、以下に示されるアミノ酸配列と、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、若しくは少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む、第1のFc領域及び第2のFc領域を含む、ヘテロ二量体ヒトIgG1を含む、項目1~112のいずれか一項に記載の多重特異性抗原結合分子:
a)配列番号696及び697、
b)配列番号697及び696、
c)配列番号696及び698、
d)配列番号698及び696、
e)配列番号699及び700、
f)配列番号700及び699、
g)配列番号701及び698、
h)配列番号698及び701、
i)配列番号702及び703、
j)配列番号703及び702、
k)配列番号704及び698、
l)配列番号698及び704、
m)配列番号705及び703、
n)配列番号703及び705、
o)配列番号706及び704、
p)配列番号704及び706、
q)配列番号707及び703、
r)配列番号703及び707、
s)配列番号708及び704、
t)配列番号704及び708、
u)配列番号709及び710、又は
v)配列番号710及び709。
(項目114)
それぞれ、配列番号703及び705に示されるアミノ酸配列と、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む、第1のFc領域及び第2のFc領域を含む、ヘテロ二量体ヒトIgG1を含む、項目1~113のいずれか一項に記載の多重特異性抗原結合分子。
(項目115)
それぞれ、配列番号703及び705に示されるアミノ酸配列と少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含む、第1のFc領域及び第2のFc領域を含む、ヘテロ二量体ヒトIgG1を含む、項目1~114のいずれか一項に記載の多重特異性抗原結合分子。
(項目116)
それぞれ、配列番号703及び705に示されるアミノ酸配列と少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む、第1のFc領域及び第2のFc領域を含む、ヘテロ二量体ヒトIgG1を含む、項目1~115のいずれか一項に記載の多重特異性抗原結合分子。
(項目117)
それぞれ、配列番号703及び705に示されるアミノ酸配列を含む、ヘテロ二量体ヒトIgG1を含む、項目1~116のいずれか一項に記載の多重特異性抗原結合分子。
(項目118)
前記第1の抗原結合ドメインがscFvであり、前記第2の抗原結合ドメインがFabであり、前記第1の抗原結合ドメインが第1の重鎖(HC)を含み、前記第2の抗原結合ドメインが第2のHC及び軽鎖(LC)を含み、前記第1のHC、前記第2のHC、及び前記LCが、それぞれ、以下に示されるアミノ酸配列を含むか、又はそれぞれ、以下に示されるアミノ酸配列と、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、若しくは少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む、項目1~117のいずれか一項に記載の多重特異性抗原結合分子:
1)配列番号800、801、及び802、
2)配列番号800、803、及び802、
3)配列番号804、803、及び802、
4)配列番号804、805、及び802、
5)配列番号806、801、及び802、
6)配列番号806、803、及び802、
7)配列番号807、803、及び802、
8)配列番号807、805、及び802、
9)配列番号808、809、及び802、
10)配列番号808、810、及び802、
11)配列番号811、801、及び802、
12)配列番号812、809、及び802、
13)配列番号812、810、及び802、
14)配列番号813、805、及び802、
15)配列番号812、814、及び802、
16)配列番号815、801、及び802、
17)配列番号816、805、及び802、
18)配列番号817、801、及び802、
19)配列番号818、805、及び802、
20)配列番号819、810、及び802、
21)配列番号820、810、及び802、
22)配列番号821、822、及び823、
23)配列番号824、825、及び823、
24)配列番号826、825、及び823、
25)配列番号826、827、及び823、
26)配列番号828、829、及び823、
27)配列番号830、822、及び823、
28)配列番号830、825、及び823、
29)配列番号831、825、及び823、
30)配列番号831、827、及び823、
31)配列番号832、833、及び823、
32)配列番号832、829、及び823、
33)配列番号834、827、及び823、
34)配列番号835、829、及び823、
35)配列番号836、829、及び823、
36)配列番号837、833、及び823、
37)配列番号837、838、及び823、
38)配列番号839、840、及び823、
39)配列番号841、829、及び823、
40)配列番号842、829、及び823、
41)配列番号843、829、及び823、
42)配列番号844、829、及び823、
43)配列番号845、829、及び823、
44)配列番号846、829、及び823、
45)配列番号846、833、及び823、
46)配列番号846、838、及び823、
47)配列番号847、827、及び823、
48)配列番号848、829、及び823、
49)配列番号849、829、及び823、
50)配列番号850、829、及び823、
51)配列番号851、829、及び823、
52)配列番号852、829、及び823、
53)配列番号853、829、及び823、
54)配列番号854、829、及び823、
55)配列番号855、829、及び823、
56)配列番号856、829、及び823、
57)配列番号857、829、及び823、
58)配列番号858、829、及び823、
59)配列番号859、829、及び823、
60)配列番号860、829、及び823、
61)配列番号861、862、及び863、
62)配列番号861、864、及び863、
63)配列番号865、864、及び863、
64)配列番号865、866、及び863、
65)配列番号867、868、及び863、
66)配列番号869、862、及び863、
67)配列番号869、864、及び863、
68)配列番号870、864、及び863、
69)配列番号870、866、及び863、
70)配列番号871、872、及び863、
71)配列番号871、868、及び863、
72)配列番号873、862、及び863、
73)配列番号874、866、及び863、
74)配列番号875、872、及び863、
75)配列番号875、868、及び863、
76)配列番号875、876、及び863、
77)配列番号877、862、及び863、
78)配列番号878、866、及び863、
79)配列番号879、862、及び863、
80)配列番号880、866、及び863、
81)配列番号881、882、及び883、
82)配列番号881、884、及び883、
83)配列番号885、884、及び883、
84)配列番号885、886、及び883、
85)配列番号887、888、及び883、
86)配列番号889、882、及び883、
87)配列番号889、884、及び883、
88)配列番号890、884、及び883、
89)配列番号890、886、及び883、
90)配列番号891、892、及び883、
91)配列番号891、888、及び883、
92)配列番号893、882、及び883、
93)配列番号894、886、及び883、
94)配列番号895、892、及び883、
95)配列番号895、888、及び883、
96)配列番号895、896、及び883、
97)配列番号897、882、及び883、
98)配列番号898、886、及び883、
99)配列番号899、882、及び883、又は
100)配列番号900、886、及び883。
(項目119)
前記第1の抗原結合ドメインがscFvであり、前記第2の抗原結合ドメインがFabであり、前記第1の抗原結合ドメインが第1の重鎖(HC)を含み、前記第2の抗原結合ドメインが第2のHC及び軽鎖(LC)を含み、前記第1のHC、前記第2のHC、及び前記LCが、それぞれ、以下に示されるアミノ酸配列を含むか、又はそれぞれ、以下に示されるアミノ酸配列と、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、若しくは少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む、項目1~118のいずれか一項に記載の多重特異性抗原結合分子:
1)配列番号800、801、及び802、
2)配列番号800、803、及び802、
3)配列番号804、803、及び802、
4)配列番号804、805、及び802、
5)配列番号806、801、及び802、
6)配列番号806、803、及び802、
7)配列番号807、803、及び802、
8)配列番号807、805、及び802、
9)配列番号808、809、及び802、
10)配列番号808、810、及び802、
11)配列番号821、822、及び823、
12)配列番号824、825、及び823、
13)配列番号826、825、及び823、
14)配列番号826、827、及び823、
15)配列番号828、829、及び823、
16)配列番号830、822、及び823、
17)配列番号830、825、及び823、
18)配列番号831、825、及び823、
19)配列番号831、827、及び823、
20)配列番号832、833、及び823、
21)配列番号832、829、及び823、
22)配列番号861、862、及び863、
23)配列番号861、864、及び863、
24)配列番号865、864、及び863、
25)配列番号865、866、及び863、
26)配列番号867、868、及び863、
27)配列番号869、862、及び863、
28)配列番号869、864、及び863、
29)配列番号870、864、及び863、
30)配列番号870、866、及び863、
31)配列番号871、872、及び863、
32)配列番号871、868、及び863、
33)配列番号881、882、及び883、
34)配列番号881、884、及び883、
35)配列番号885、884、及び883、
36)配列番号885、886、及び883、
37)配列番号887、888、及び883、
38)配列番号889、882、及び883、
39)配列番号889、884、及び883、
40)配列番号890、884、及び883、
41)配列番号890、886、及び883、
42)配列番号891、892、及び883、又は
43)配列番号891、888、及び883。
(項目120)
前記第1の抗原結合ドメインがscFvであり、前記第2の抗原結合ドメインがFabであり、前記第1の抗原結合ドメインが第1の重鎖(HC)を含み、前記第2の抗原結合ドメインが第2のHC及び軽鎖(LC)を含み、前記第1のHC、前記第2のHC、及び前記LCが、それぞれ、以下に示されるアミノ酸配列を含むか、又はそれぞれ、以下に示されるアミノ酸配列と、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、若しくは少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む、項目1~119のいずれか一項に記載の多重特異性抗原結合分子:
1)配列番号800、801、及び802、
2)配列番号800、803、及び802、
3)配列番号804、803、及び802、
4)配列番号804、805、及び802、
5)配列番号821、822、及び823、
6)配列番号824、825、及び823、
7)配列番号826、825、及び823、
8)配列番号826、827、及び823、
9)配列番号828、829、及び823、
10)配列番号861、862、及び863、
11)配列番号861、864、及び863、
12)配列番号865、864、及び863、
13)配列番号865、866、及び863、
14)配列番号867、868、及び863、
15)配列番号881、882、及び883、
16)配列番号881、884、及び883、
17)配列番号885、884、及び883、
18)配列番号885、886、及び883、又は
19)配列番号887、888、及び883。
(項目121)
前記第1の抗原結合ドメインがscFvであり、前記第2の抗原結合ドメインがFabであり、前記第1の抗原結合ドメインが第1の重鎖(HC)を含み、前記第2の抗原結合ドメインが第2のHC及び軽鎖(LC)を含み、前記第1のHC、前記第2のHC、及び前記LCが、それぞれ、以下に示されるアミノ酸配列を含むか、又はそれぞれ、以下に示されるアミノ酸配列と、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、若しくは少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む、項目1~120のいずれか一項に記載の多重特異性抗原結合分子:
1)配列番号800、801、及び802、
2)配列番号800、803、及び802、
3)配列番号804、803、及び802、
4)配列番号804、805、及び802、
5)配列番号821、822、及び823、
6)配列番号824、825、及び823、
7)配列番号826、825、及び823、
8)配列番号826、827、及び823、
9)配列番号828、829、及び823、
10)配列番号861、862、及び863、
11)配列番号861、864、及び863、
12)配列番号865、864、及び863、
13)配列番号865、866、及び863、又は
14)配列番号867、868、及び863。
(項目122)
ヒトCD3及びHIV gp120に結合する多重特異性抗原結合分子であって、前記抗原結合分子が、
(a)第1の重鎖可変ドメイン(VH)及び第1の軽鎖可変ドメイン(VL)を含む、第1の抗原結合ドメインであって、CD3に結合する、第1の抗原結合ドメインと、
(b)CD4の1つ以上の細胞外(EC)ドメインを含むHIV gp120に結合する第2の抗原結合ドメインであって、前記CD4の1つ以上のECドメインが、以下に示される配列、又は以下からなる群から選択される配列と、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、若しくは少なくとも99%同一である配列を含む、第2の抗原結合ドメインと、を含む、多重特異性抗原結合分子:
(i)KKVVYGKKGDTVELTCTASQKKNIQFHWKNSNQIKILGNQGSFLTKGPSKLNDRVDSRRSLWDQGNFPLIIKNLKPEDSDTYICEVEDQKEEVQLVVVG(配列番号746)、
(ii)KKVVYGKKGDTVELTCTASQKKNIQFHWKNSNQIKILGNQGSFLTKGPSKLNDRVDSRRSLWDQGNFPLIIKNLKPEDSDTYICEVEDQKEEVQLVVVGGGGSGKKVVYGKKGDTVELTCTASQKKNIQFHWKNSNQIKILGNQGSFLTKGPSKLNDRVDSRRSLWDQGNFPLIIKNLKPEDSDTYICEVEDQKEEVQLVVVG(配列番号747)、
(iii)KKVVLGKKGDTVELTCTASQKKSIQFHWKNSNQIKILGNQGSFLTKGPSKLNDRADSRRSLWDQGNFPLIIKNLKIEDSDTYICEVEDQKEEVQLLVFG(配列番号748)、又は
(iv)KKVVLGKKGDTVELTCTASQKKSIQFHWKNSNQIKILGNQGSFLTKGPSKLNDRADSRRSLWDQGNFPLIIKNLKIEDSDTYICEVEDQKEEVQLLVFGGGGSGKKVVLGKKGDTVELTCTASQKKSIQFHWKNSNQIKILGNQGSFLTKGPSKLNDRADSRRSLWDQGNFPLIIKNLKIEDSDTYICEVEDQKEEVQLLVFG(配列番号749)。
(項目123)
前記CD4の1つ以上のECドメインが、以下に示される配列を含むか、又は以下に示される配列と、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、若しくは少なくとも99%同一である配列を含む、項目122に記載の多重特異性抗原結合分子:配列番号746。
(項目124)
前記第1の抗原結合ドメインがFabであり、前記第2の抗原結合ドメインがscFv又はCD4のECドメインであり、前記第1の抗原結合ドメインが第1のHC及びLCを含み、前記第2の抗原結合ドメインが第2のHCを含み、前記第2のHC、前記第1のHC、及び前記LCが、それぞれ、以下に示されるアミノ酸配列を含むか、又はそれぞれ、以下に示されるアミノ酸配列と、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、若しくは少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む、項目1~88、101~117、及び122~123のいずれか一項に記載の多重特異性抗原結合分子:
1)配列番号751、752、及び753、
2)配列番号754、752、及び753、
3)配列番号755、756、及び753、
4)配列番号755、757、及び753、
5)配列番号758、757、及び753、
6)配列番号759、756、及び753、
7)配列番号754、760、及び761、
8)配列番号762、760、及び761、
9)配列番号751、763、及び753、
10)配列番号764、752、及び753、
11)配列番号765、752、及び753、
12)配列番号766、767、及び753、
13)配列番号766、768、及び753、
14)配列番号769、768、及び753、
15)配列番号770、767、及び753、
16)配列番号765、771、及び761、
17)配列番号772、771、及び761、
18)配列番号774、775、及び776、
19)配列番号777、778、及び776、
20)配列番号779、778、及び776、
21)配列番号779、780、及び776、
22)配列番号777、781、及び776、
23)配列番号782、752、及び753、
24)配列番号783、752、及び753、
25)配列番号784、785、及び753、
26)配列番号784、786、及び753、
27)配列番号787、786、及び753、
28)配列番号788、785、及び753、
29)配列番号783、789、及び761、
30)配列番号790、789、及び761、
31)配列番号792、793、及び794、
32)配列番号795、796、及び794、
33)配列番号797、796、及び794、
34)配列番号797、798、及び794、又は
35)配列番号795、799、及び794。
(項目125)
前記第1の抗原結合ドメインがFabであり、前記第2の抗原結合ドメインがscFv又はCD4のECドメインであり、前記第1の抗原結合ドメインが第1のHC及びLCを含み、前記第2の抗原結合ドメインが第2のHCを含み、前記第2のHC、前記第1のHC、及び前記LCが、それぞれ、以下に示されるアミノ酸配列を含むか、又はそれぞれ、以下に示されるアミノ酸配列と、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、若しくは少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む、項目1~88、101~117、及び122~124のいずれか一項に記載の多重特異性抗原結合分子:
1)配列番号751、752、及び753、
2)配列番号754、752、及び753、
3)配列番号755、756、及び753、
4)配列番号755、757、及び753、
5)配列番号758、757、及び753、
6)配列番号759、756、及び753、
7)配列番号764、752、及び753、
8)配列番号765、752、及び753、
9)配列番号766、767、及び753、
10)配列番号766、768、及び753、
11)配列番号769、768、及び753、
12)配列番号770、767、及び753、
13)配列番号777、778、及び776、
14)配列番号779、778、及び776、
15)配列番号779、780、及び776、
16)配列番号777、781、及び776、
17)配列番号782、752、及び753、
18)配列番号783、752、及び753、
19)配列番号784、785、及び753、
20)配列番号784、786、及び753、
21)配列番号787、786、及び753、
22)配列番号788、785、及び753、
23)配列番号795、796、及び794、
24)配列番号797、796、及び794、
25)配列番号797、798、及び794、又は
26)配列番号795、799、及び794。
(項目126)
前記第1の抗原結合ドメインがFabであり、前記第2の抗原結合ドメインがscFv又はCD4のECドメインであり、前記第1の抗原結合ドメインが第1のHC及びLCを含み、前記第2の抗原結合ドメインが第2のHCを含み、前記第2のHC、前記第1のHC、及び前記LCが、それぞれ、以下に示されるアミノ酸配列を含むか、又はそれぞれ、以下に示されるアミノ酸配列と、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、若しくは少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む、項目1~88、101~117、及び122~125のいずれか一項に記載の多重特異性抗原結合分子:
1)配列番号751、752、及び753、
2)配列番号754、752、及び753、
3)配列番号755、756、及び753、
4)配列番号755、757、及び753、
5)配列番号758、757、及び753、又は
6)配列番号759、756、及び753。
(項目127)
前記第1の抗原結合ドメインがFabであり、前記第2の抗原結合ドメインがscFv又はCD4のECドメインであり、前記第1の抗原結合ドメインが第1のHC及びLCを含み、前記第2の抗原結合ドメインが第2のHCを含み、前記第2のHC、前記第1のHC、及び前記LCが、それぞれ、以下に示されるアミノ酸配列を含むか、又はそれぞれ、以下に示されるアミノ酸配列と、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、若しくは少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む、項目1~88、101~117、及び122~126のいずれか一項に記載の多重特異性抗原結合分子:
1)配列番号751、752、及び753、又は
2)配列番号755、756、及び753。
(項目128)
前記第1の抗原結合ドメインがFabであり、前記第2の抗原結合ドメインがCD4のECドメインであり、前記第1の抗原結合ドメインが第1のHC及びLCを含み、前記第2の抗原結合ドメインが第2のHCを含み、前記第2のHC、前記第1のHC、及び前記LCが、それぞれ、以下に示されるアミノ酸配列:配列番号751、752、及び753と、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、若しくは少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む、項目1~88、101~117、及び122~127のいずれか一項に記載の多重特異性抗原結合分子。
(項目129)
前記第1の抗原結合ドメインがFabであり、前記第2の抗原結合ドメインがCD4のECドメインであり、前記第1の抗原結合ドメインが第1のHC及びLCを含み、前記第2の抗原結合ドメインが第2のHCを含み、前記第2のHC、前記第1のHC、及び前記LCが、それぞれ、以下に示されるアミノ酸配列:配列番号751、752、及び753と少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含む、項目1~88、101~117、及び122~128のいずれか一項に記載の多重特異性抗原結合分子。
(項目130)
前記第1の抗原結合ドメインがFabであり、前記第2の抗原結合ドメインがCD4のECドメインであり、前記第1の抗原結合ドメインが第1のHC及びLCを含み、前記第2の抗原結合ドメインが第2のHCを含み、前記第2のHC、前記第1のHC、及び前記LCが、それぞれ、以下に示されるアミノ酸配列:配列番号751、752、及び753と少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む、項目1~88、101~117、及び122~129のいずれか一項に記載の多重特異性抗原結合分子。
(項目131)
前記第1の抗原結合ドメインがFabであり、前記第2の抗原結合ドメインがCD4のECドメインであり、前記第1の抗原結合ドメインが第1のHC及びLCを含み、前記第2の抗原結合ドメインが第2のHCを含み、前記第2のHC、前記第1のHC、及び前記LCが、それぞれ、以下に示されるアミノ酸配列:配列番号751、752、及び753を含む、項目1~88、101~117、及び122~130のいずれか一項に記載の多重特異性抗原結合分子。
(項目132)
前記多重特異性抗原結合分子が、二重特異的抗原結合分子である、項目1~131のいずれか一項に記載の多重特異性抗原結合分子。
(項目133)
ヒトCD3及びHIV gp120に結合するか、又はそれを標的とする、項目132に記載の多重特異性抗原結合分子。
(項目134)
前記第1のVH及び前記第1のVLが、それぞれヒト生殖系列VH及びヒト生殖系列VLと、少なくとも80%、81%、82%、83%、84%、85%以上の配列類似性を有する、項目1~133のいずれか一項に記載の多重特異性抗原結合分子。
(項目135)
前記第1の抗原結合ドメインが、プロテインAへの結合が低減されているか若しくはわずかであるか若しくは実質的にないか、又はプロテインAに検出可能に結合しない、項目1~134のいずれか一項に記載の多重特異性抗原結合分子。
(項目136)
前記第1の抗原結合ドメインが、10 -6 Mを超えるK でプロテインAに結合する、項目1~134のいずれか一項に記載の多重特異性抗原結合分子。
(項目137)
前記第1の抗原結合ドメインが、10nM未満、例えば、9.5nM、9.0nM、8.5nM、8.0nM、7.5nM、7.0nM、6.5nM、6.0nM、5.5nM、5.0nM、4.5nM、4.0nM、3.5nM、3.0nM未満のK でCD3に結合する、項目1~136のいずれか一項に記載の多重特異性抗原結合分子。
(項目138)
前記第1の抗原結合ドメインが、3.0nM未満(例えば、2.5nM)のKDでCD3に結合する、項目137に記載の多重特異性抗原結合分子。
(項目139)
前記第1の抗原結合分子が、ヒト又はカニクイザルにおいて、少なくとも3日、例えば、少なくとも4日、少なくとも5日、少なくとも6日、少なくとも7日、少なくとも8日、少なくとも9日、少なくとも10日、少なくとも11日、少なくとも12日、少なくとも13日、少なくとも14日、少なくとも15日、少なくとも16日以上の血清半減期を有する、項目1~137のいずれか一項に記載の多重特異性抗原結合分子。
(項目140)
前記第1の抗原結合分子が、ヒト又はカニクイザルにおいて、少なくとも7日の血清半減期を有する、項目1~139のいずれか一項に記載の多重特異性抗原結合分子。
(項目141)
前記第1の抗原結合ドメインが、7.0nM未満、例えば、6.5nM、6.0nM、5.5nM、5.0nM、4.5nM、4.0nM、3.5nM、3.0nM未満のK でCD3に結合し、前記抗原結合分子が、ヒト又はカニクイザルにおいて、少なくとも少なくとも5日、例えば、少なくとも5.5日、少なくとも6日、少なくとも6.5日、少なくとも7日、少なくとも7.5日、少なくとも8日、少なくとも8.5日、少なくとも9日、少なくとも10日、少なくとも11日、少なくとも12日、少なくとも13日、少なくとも14日以上の血清半減期を有する、項目1~139のいずれか一項に記載の多重特異性抗原結合分子。
(項目142)
前記第1の抗原結合ドメインが、3.0nM未満(例えば、2.5 nM)のKDでCD3に結合し、前記抗原結合分子が、ヒト又はカニクイザルにおいて、少なくとも7日の血清半減期を有する、項目1~141のいずれか一項に記載の多重特異性抗原結合分子。
(項目143)
前記第1のVH、前記第1のVL、前記第2のVH、及び前記第2のVLのうちの少なくとも1つにおける少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%以上のN結合型グリコシル化部位がシアル化されている、項目1~142のいずれか一項に記載の多重特異性抗原結合分子。
(項目144)
前記第1のVH、前記第1のVL、前記第2のVH、及び前記第2のVLのうちの少なくとも1つにおける前記N結合型グリコシル化部位が、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%以上のシアル酸占有率(例えば、1つ又は2つの末端シアル酸残基を含むグリカン)を有する、項目1~143のいずれか一項に記載の多重特異性抗原結合分子。
(項目145)
前記第1のVH、前記第1のVL、前記第2のVH、及び前記第2のVLのうちの少なくとも1つにおける前記シアル化N結合型グリコシル化部位が、1~5個のシアル酸残基、例えば、1~4個のシアル酸残基、例えば、1~3個のシアル酸残基、例えば、1~2個のシアル酸残基を含む、項目143又は144に記載の多重特異性抗原結合分子。
(項目146)
前記第1のVH、前記第1のVL、前記第2のVH、及び前記第2のVLのうちの少なくとも1つが、N-アセチルノイラミン酸(NANA)でシアル化されている、項目143~145のいずれか一項に記載の多重特異性抗原結合分子。
(項目147)
前記シアル酸残基が、二分岐構造で存在する、項目143~146のいずれか一項に記載の多重特異性抗原結合分子。
(項目148)
前記シアル酸残基が、複合N結合型グリカン構造で存在する、項目143~147のいずれか一項に記載の多重特異性抗原結合分子。
(項目149)
前記シアル酸残基が、ハイブリッドN結合型グリカン構造で存在する、項目143~147のいずれか一項に記載の多重特異性抗原結合分子。
(項目150)
前記グリカンが、末端シアル化されている、項目143~147のいずれか一項に記載の多重特異性抗原結合分子。
(項目151)
項目1~124のいずれか一項に記載の多重特異性抗原結合分子の第1のVH及び第1のVLをコードする、ポリヌクレオチド又は複数のポリヌクレオチド。
(項目152)
項目64~132のいずれか一項に記載の多重特異性抗原結合分子の第2のVH及び第2のVLをコードする、ポリヌクレオチド又は複数のポリヌクレオチドを更に含む、項目151に記載のポリヌクレオチド(複数可)。
(項目153)
項目64~121のいずれか一項に記載の多重特異性抗原結合分子の、scFvである第1の抗原結合ドメインのHC、並びにFabである第2の抗原結合ドメインのHC及びLCをコードするポリヌクレオチド又は複数のポリヌクレオチドを含む、項目151又は152に記載のポリヌクレオチド(複数可)。
(項目154)
項目64~132のいずれか一項に記載の多重特異性抗原結合分子の、Fabである第1の抗原結合ドメインのHC及びLC、並びにscFv又はCD4のECドメインである第2の抗原結合ドメインのHCをコードするポリヌクレオチド又は複数のポリヌクレオチドを含む、項目151又は152に記載のポリヌクレオチド(複数可)。
(項目155)
以下のポリヌクレオチド配列、又はそれぞれ、以下に示されるポリヌクレオチド配列と、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、若しくは少なくとも99%同一であるポリヌクレオチド配列を含む、項目122~132のいずれか一項に記載の多重特異性抗原結合分子をコードする、項目151~154のいずれか一項に記載のポリヌクレオチド(複数可):
i.配列番号995、996、及び997、
ii.配列番号998、999、及び1000、
iii.配列番号1001、1002、及び1003、
iv.配列番号1004、1005、及び1000、
v.配列番号1006、1002、及び997、
vi.配列番号1007、1093、及び1000、
vii.配列番号998、1008、及び1000、
viii.配列番号998、1009、及び1000、
ix.配列番号1010、1011、及び1012、
x.配列番号1013、1014、及び1015、
xi.配列番号1016、1017、及び1012、
xii.配列番号1018、1019、及び1012、
xiii.配列番号1018、1020、及び1012、
xiv.配列番号1021、1022、及び1023、又は
xv.配列番号1024、1025、及び1023。
(項目156)
以下のポリヌクレオチド配列、又はそれぞれ、以下に示されるポリヌクレオチド配列と、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、若しくは少なくとも99%同一であるポリヌクレオチド配列を含む、項目122~132のいずれか一項に記載の多重特異性抗原結合分子をコードする、項目151~155のいずれか一項に記載のポリヌクレオチド(複数可):配列番号995、996、及び997。
(項目157)
それぞれ、以下に示されるポリヌクレオチド配列と少なくとも95%同一であるポリヌクレオチド配列を含む、項目156に記載のポリヌクレオチド(複数可):配列番号995、996、及び997。
(項目158)
それぞれ、以下に示されるポリヌクレオチド配列と少なくとも99%同一であるポリヌクレオチド配列を含む、項目156又は157に記載のポリヌクレオチド(複数可):配列番号995、996、及び997。
(項目159)
それぞれ、以下のポリヌクレオチド配列を含む、項目156~158のいずれか一項に記載のポリヌクレオチド(複数可):配列番号995、996、及び997。
(項目160)
以下のポリヌクレオチド配列、又はそれぞれ、以下に示されるポリヌクレオチド配列と、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、若しくは少なくとも99%同一であるポリヌクレオチド配列を含む、項目122~132のいずれか一項に記載の多重特異性抗原結合分子をコードする、項目151~155のいずれか一項に記載のポリヌクレオチド(複数可):配列番号998、999、及び1000。
(項目161)
それぞれ、以下に示されるポリヌクレオチド配列と少なくとも95%同一であるポリヌクレオチド配列を含む、項目156に記載のポリヌクレオチド(複数可):配列番号998、999、及び1000。
(項目162)
それぞれ、以下に示されるポリヌクレオチド配列と少なくとも99%同一であるポリヌクレオチド配列を含む、項目156又は157に記載のポリヌクレオチド(複数可):配列番号998、999、及び1000。
(項目163)
それぞれ、以下のポリヌクレオチド配列を含む、項目156~158のいずれか一項に記載のポリヌクレオチド(複数可):配列番号998、999、及び1000。
(項目164)
前記ポリヌクレオチド(複数可)が、DNA又はRNAから構成される、項目151~163のいずれか一項に記載のポリヌクレオチド(複数可)。
(項目165)
前記ポリヌクレオチド(複数可)が、mRNAから構成される、項目151~164のいずれか一項に記載のポリヌクレオチド(複数可)。
(項目166)
ヒト細胞における効率的な発現のための、コドンバイアスを含む、項目151~165のいずれか一項に記載のポリヌクレオチド(複数可)。
(項目167)
項目151~166のいずれか一項に記載のポリヌクレオチド(複数可)を含む、リポプレックス、例えば、脂質ナノ粒子(LNP)。
(項目168)
項目151~166のいずれか一項に記載のポリヌクレオチド(複数可)に作動可能に結合された、1つ以上の制御配列を含む、発現カセット又は複数の発現カセット。
(項目169)
項目151~166のいずれか一項に記載のポリヌクレオチド(複数可)、又は項目168に記載の発現カセット(複数可)に作動可能に結合された1つ以上の制御配列を含む、発現ベクター又は複数の発現ベクター。
(項目170)
前記発現ベクター(複数可)が、プラスミドベクター又はウイルスベクターを含む、項目169に記載の発現ベクター(複数可)。
(項目171)
前記発現ベクターが、
(i)抗HIV gp120 VL-CL融合タンパク質をコードする第1のポリヌクレオチドを含む、第1の発現カセット、
(ii)抗HIV gp120 VH-Fc融合タンパク質をコードする第2のポリヌクレオチドを含む、第2の発現カセット、及び
(iii)抗CD3 scFv-Fc融合タンパク質をコードする第3のポリヌクレオチドを含む、第3の発現カセットを含む、項目169又は170に記載の発現ベクター。
(項目172)
前記発現ベクターが、5’から3’の順に、
(i)抗HIV gp120 VL-CL融合タンパク質をコードする第1のポリヌクレオチドを含む、第1の発現カセット、
(ii)抗HIV gp120 VH-Fc融合タンパク質をコードする第2のポリヌクレオチドを含む、第2の発現カセット、及び
(iii)抗CD3 scFv-Fc融合タンパク質をコードする第3のポリヌクレオチドを含む、第3の発現カセットを含む、項目169又は170に記載の発現ベクター。
(項目173)
前記抗HIV gp120 VL-CL融合タンパク質、前記抗HIV gp120 VH-Fc融合タンパク質、及び前記抗CD3 scFv-Fc融合タンパク質が、それぞれ、以下に示されるアミノ酸配列を含むか、又はそれぞれ、以下に示されるアミノ酸配列と、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、若しくは少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む、項目171又は172に記載の発現ベクター:
1)配列番号802、801、及び800、
2)配列番号802、803、及び800、
3)配列番号802、803、及び804、
4)配列番号802、805、及び804、
5)配列番号802、801、及び806、
6)配列番号802、803、及び806、
7)配列番号802、803、及び807、
8)配列番号802、805、及び807、
9)配列番号802、809、及び808、
10)配列番号802、810、及び808、
11)配列番号802、801、及び811、
12)配列番号802、809、及び812、
13)配列番号802、810、及び812、
14)配列番号802、805、及び813、
15)配列番号802、814、及び812、
16)配列番号802、801、及び815、
17)配列番号802、805、及び816、
18)配列番号802、801、及び817、
19)配列番号802、805、及び818、
20)配列番号802、810、及び819、
21)配列番号802、810、及び820、
22)配列番号823、822、及び821、
23)配列番号823、825、及び824、
24)配列番号823、825、及び826、
25)配列番号823、827、及び826、
26)配列番号823、829、及び828、
27)配列番号823、822、及び830、
28)配列番号823、825、及び830、
29)配列番号823、825、及び831、
30)配列番号823、827、及び831、
31)配列番号823、833、及び832、
32)配列番号823、829、及び832、
33)配列番号823、827、及び834、
34)配列番号823、829、及び835、
35)配列番号823、829、及び836、
36)配列番号823、833、及び837、
37)配列番号823、838、及び837、
38)配列番号823、840、及び839、
39)配列番号823、829、及び841、
40)配列番号823、829、及び842、
41)配列番号823、829、及び843、
42)配列番号823、829、及び844、
43)配列番号823、829、及び845、
44)配列番号823、829、及び846、
45)配列番号823、833、及び846、
46)配列番号823、838、及び846、
47)配列番号823、827、及び847、
48)配列番号823、829、及び848、
49)配列番号823、829、及び849、
50)配列番号823、829、及び850、
51)配列番号823、829、及び851、
52)配列番号823、829、及び852、
53)配列番号823、829、及び853、
54)配列番号823、829、及び854、
55)配列番号823、829、及び855、
56)配列番号823、829、及び856、
57)配列番号823、829、及び857、
58)配列番号823、829、及び858、
59)配列番号823、829、及び859、
60)配列番号823、829、及び860、
61)配列番号863、862、及び861、
62)配列番号863、864、及び861、
63)配列番号863、864、及び865、
64)配列番号863、866、及び865、
65)配列番号863、868、及び867、
66)配列番号863、862、及び869、
67)配列番号863、864、及び869、
68)配列番号863、864、及び870、
69)配列番号863、866、及び870、
70)配列番号863、872、及び871、
71)配列番号863、868、及び871、
72)配列番号863、862、及び873、
73)配列番号863、866、及び874、
74)配列番号863、872、及び875、
75)配列番号863、868、及び875、
76)配列番号863、876、及び875、
77)配列番号863、862、及び877、
78)配列番号863、866、及び878、
79)配列番号863、862、及び879、
80)配列番号863、866、及び880、
81)配列番号883、882、及び881、
82)配列番号883、884、及び881、
83)配列番号883、884、及び885、
84)配列番号883、886、及び885、
85)配列番号883、888、及び887、
86)配列番号883、882、及び889、
87)配列番号883、884、及び889、
88)配列番号883、884、及び890、
89)配列番号883、886、及び890、
90)配列番号883、892、及び891、
91)配列番号883、888、及び891、
92)配列番号883、882、及び883、
93)配列番号883、886、及び894、
94)配列番号883、892、及び895、
95)配列番号883、888、及び895、
96)配列番号883、896、及び895、
97)配列番号883、882、及び897、
98)配列番号883、886、及び898、
99)配列番号883、882、及び899、又は
100)配列番号883、886、及び900。
(項目174)
前記発現ベクターが、
(i)抗CD3 VL-CL融合タンパク質をコードする第1のポリヌクレオチドを含む、第1の発現カセット、
(ii)抗CD3 VH-Fc融合タンパク質をコードする第2のポリヌクレオチドを含む、第2の発現カセット、及び
(iii)CD4細胞外(EC)ドメイン-Fc融合タンパク質をコードする第3のポリヌクレオチドを含む、第3の発現カセットを含む、項目169又は170に記載の発現ベクター。
(項目175)
前記発現ベクターが、5’から3’の順に、
(i)抗CD3 VL-CL融合タンパク質をコードする第1のポリヌクレオチドを含む、第1の発現カセット、
(ii)抗CD3 VH-Fc融合タンパク質をコードする第2のポリヌクレオチドを含む、第2の発現カセット、及び
(iii)CD4 ECドメイン-Fc融合タンパク質をコードする第3のポリヌクレオチドを含む、第3の発現カセットを含む、項目169又は170に記載の発現ベクター。
(項目176)
前記抗CD3 VL-CL融合タンパク質、前記抗CD3 VH-Fc融合タンパク質、及び前記CD4 ECドメイン-Fc融合タンパク質が、それぞれ、以下に示されるアミノ酸配列を含むか、又はそれぞれ、以下に示されるアミノ酸配列と、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、若しくは少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む、項目174又は175に記載の発現ベクター:
1)配列番号753、752、及び751、
2)配列番号753、752、及び754、
3)配列番号753、756、及び755、
4)配列番号753、757、及び755、
5)配列番号753、757、及び758、
6)配列番号753、756、及び759、
7)配列番号761、760、及び754、
8)配列番号761、760、及び762、
9)配列番号753、763、及び751、
10)配列番号753、752、及び764、
11)配列番号753、752、及び765、
12)配列番号753、767、及び766、
13)配列番号753、768、及び766、
14)配列番号753、768、及び769、
15)配列番号753、767、及び770、
16)配列番号761、771、及び765、
17)配列番号761、771、及び772、
18)配列番号776、775、及び774、
19)配列番号776、778、及び777、
20)配列番号776、778、及び779、
21)配列番号776、780、及び779、
22)配列番号776、781、及び777、
23)配列番号753、752、及び782、
24)配列番号753、752、及び783、
25)配列番号753、785、及び784、
26)配列番号753、786、及び784、
27)配列番号753、786、及び787、
28)配列番号753、785、及び788、
29)配列番号761、789、及び783、
30)配列番号761、789、及び790、
31)配列番号794、793、及び792、
32)配列番号794、796、及び795、
33)配列番号794、796、及び797、
34)配列番号794、798、及び797、又は
35)配列番号794、799、及び795。
(項目177)
前記抗CD3 VL-CL融合タンパク質、前記抗CD3 VH-Fc融合タンパク質、及び前記CD4 ECドメイン-Fc融合タンパク質が、それぞれ、以下に示されるアミノ酸配列を含むか、又はそれぞれ、以下に示されるアミノ酸配列と、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、若しくは少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む、項目176に記載の発現ベクター:配列番号753、752、及び751。
(項目178)
前記抗CD3 VL-CL融合タンパク質、前記抗CD3 VH-Fc融合タンパク質、及び前記CD4 ECドメイン-Fc融合タンパク質が、それぞれ、以下に示されるアミノ酸配列と少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含む、項目177に記載の発現ベクター:配列番号753、752、及び751。
(項目179)
前記抗CD3 VL-CL融合タンパク質、前記抗CD3 VH-Fc融合タンパク質、及び前記CD4 ECドメイン-Fc融合タンパク質が、それぞれ、以下に示されるアミノ酸配列と少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む、項目178に記載の発現ベクター:配列番号753、752、及び751。
(項目180)
前記抗CD3 VL-CL融合タンパク質、前記抗CD3 VH-Fc融合タンパク質、及び前記CD4 ECドメイン-Fc融合タンパク質が、それぞれ、以下に示されるアミノ酸配列を含む、項目179に記載の発現ベクター:配列番号753、752、及び751。
(項目181)
前記第1、第2、及び第3の発現カセットが各々、同等の転写強度のプロモータ、例えば、構成的プロモータ、例えば、サイトメガロウイルス(CMV)、SV40、RSV、EF1a、UBC、PGK、及びCAGGから選択されるプロモータを含む、項目169~180のいずれか一項に記載の発現ベクター。
(項目182)
前記第1の発現カセットの5’側に位置する第4の発現カセットであって、真核生物選択マーカタンパク質、例えば、グルタミン合成酵素(GS)をコードするポリヌクレオチドを含む、第4の発現カセットを更に含む、項目169~180のいずれか一項に記載の発現ベクター。
(項目183)
項目151~166のいずれか一項に記載のポリヌクレオチド(複数可)、項目168に記載の発現カセット若しくは複数の発現カセット、又は項目169~182のいずれか一項に記載の発現ベクター(複数可)を含む、細胞又は細胞集団。
(項目184)
前記細胞又は細胞集団が、真核細胞を含む、項目183に記載の細胞又は細胞集団。
(項目185)
前記細胞又は細胞集団が、哺乳動物細胞、昆虫細胞、植物細胞、又は酵母細胞を含む、項目183又は184に記載の細胞又は細胞集団。
(項目186)
前記哺乳動物細胞が、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞である、項目183~185のいずれか一項に記載の細胞又は細胞集団。
(項目187)
前記哺乳動物細胞が、ヒト細胞である、項目183~185のいずれか一項に記載の細胞又は細胞集団。
(項目188)
前記細胞が、ヒト胎児由来腎臓細胞である、項目187に記載の細胞又は細胞集団。
(項目189)
前記細胞が、発現された抗原結合分子の可変ドメイン(Fv)内のN結合型グリコシル化部位を主にシアル化する、項目183~188のいずれか一項に記載の細胞又は細胞集団。
(項目190)
前記発現された抗原結合分子の可変ドメイン(Fv)内の少なくとも50%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%以上のN結合型グリコシル化部位がシアル化されている、項目189に記載の細胞又は細胞集団。
(項目191)
項目1~149のいずれか一項に記載の1つ以上の多重特異性抗原結合分子と、薬学的に許容される担体と、を含む、医薬組成物。
(項目192)
項目1~149のいずれか一項に記載の1つ以上の多重特異性抗原結合分子をコードする項目151~166のいずれか一項に記載の1つ以上のポリヌクレオチド、又は項目167に記載のリポプレックス(例えば、LNP)と、薬学的に許容される担体と、を含む、医薬組成物。
(項目193)
前記組成物が、水性製剤を含む、項目191又は192に記載の医薬組成物。
(項目194)
項目1~149のいずれか一項に記載の1つ以上の多重特異性抗原結合分子を、0.1mg/mL~150mg/mL、例えば、0.1mg/mL~100mg/mL、例えば、1mg/mL~100mg/mL、例えば、5mg/mL~60mg/mL、例えば、20mg/mL~150mg/mL、又は10mg/mL~50mg/mLの濃度で含む、項目193に記載の医薬組成物。
(項目195)
前記組成物が、凍結乾燥される、項目191又は192に記載の医薬組成物。
(項目196)
HIV感染症を治療するための第2の薬剤を更に含む、項目191~195のいずれか一項に記載の医薬組成物。
(項目197)
toll様受容体(TLR)アゴニスト又はIL-15受容体アゴニストを更に含む、項目196に記載の医薬組成物。
(項目198)
項目70~84のいずれか一項に記載の多重特異性抗原結合分子と、IL-15受容体アゴニストと、を含む、項目197に記載の医薬組成物。
(項目199)
前記TLRアゴニストが、TLR2アゴニスト、TLR3アゴニスト、TLR7アゴニスト、TLR8アゴニスト、又はTLR9アゴニストである、項目197に記載の医薬組成物。
(項目200)
前記TLR7アゴニストが、ベサトリモド、イミキモド、及びレシキモドからなる群から選択される、項目199に記載の医薬組成物。
(項目201)
前記TLR8アゴニストが、セルガントリモド(GS-9688)、モトリモド、及びレシキモドからなる群から選択される、項目199に記載の医薬組成物。
(項目202)
前記TLR9アゴニストが、カブロトリモド(cavrotolimod)、コビトリモド(cobitolimod)、アガトリモド、レフィトリモド(leftolimod)、リテニモド(litenimod)、及びチルソトリモドからなる群から選択される、項目199に記載の医薬組成物。
(項目203)
第1の多重特異性抗原結合分子及び第2の又は追加の抗原結合分子を含み、前記第1の多重特異性抗原結合分子及び前記第2の又は追加の抗原結合分子が、
(i)N332オリゴマンノースグリカンを含む第3の可変ループ(V3)(例えば、高マンノースパッチ)、
(ii)第2の可変ループ(V2)(例えば、Env三量体頂点)、
(iii)CD4結合部位(CD4bs)、
(iv)gp120/gp41界面、又は
(v)gp120のサイレント面からなる群から選択されるgp120の異なるエピトープ又は領域に結合する、項目191~202のいずれか一項に記載の医薬組成物。
(項目204)
前記第1の多重特異性抗原結合分子が、前記N332オリゴマンノースグリカンを含む第3の可変ループ(V3)(例えば、高マンノースパッチ)に結合し、前記第2の抗原結合分子が、前記CD4結合部位(CD4bs)に結合する、項目203に記載の医薬組成物。
(項目205)
前記第1の多重特異性抗原結合分子が、GS-9722(エリポビマブ)、GS-2872、PGT-121、PGT-121.66、PGT-121.414、PGT-122、PGT-123、PGT-124、PGT-125、PGT-126、PGT-128、PGT-130、PGT-133、PGT-134、PGT-135、PGT-136、PGT-137、PGT-138、PGT-139、10-1074、10-1074-J、VRC24、2G12、BG18、354BG8、354BG18、354BG42、354BG33、354BG129、354BG188、354BG411、354BG426、DH270.1、DH270.6、PGDM12、VRC41.01、PGDM21、PCDN-33A、BF520.1、及びVRC29.03からなる群から選択される抗体由来のVH及びVL領域と競合するか又はそれらを含み、前記第2の抗原結合分子が、GS-9723、GS-5423、3BNC117、3BNC60、b12、F105、VRC01、VRC07、VRC07-523、VRC03、VRC06、VRC06b01 VRC08、VRC0801、NIH45-46、PGV04(別名、VRC-PG04);CH103、44-VRC13.01、1NC9、12A12、N6、1-18、N49-P7、NC-Cow1、IOMA、CH235及びCH235.12、N49P6、N49P7、N49P11、N49P9、並びにN60P25からなる群から選択される抗体由来のVH及びVL領域と競合するか、又はそれらを含む、項目203又は204に記載の医薬組成物。
(項目206)
前記第1の多重特異性抗原結合分子が、10-1074、10-1074-J、GS-9722(エリポビマブ)、GS-2872、PGT-121、PGT-121.66、PGT-121.414、及びPGT-134からなる群から選択される抗体由来のVH及びVL領域と競合するか又はそれらを含み、前記第2の抗原結合分子が、GS-9723、GS-5423、3BNC117、VRC07、及びVRC07-523からなる群から選択される抗体由来のVH及びVL領域と競合するか又はそれらを含む、項目203~205のいずれか一項に記載の医薬組成物。
(項目207)
前記第1の多重特異性抗原結合分子が、10-1074、10-1074-J、GS-9722(エリポビマブ)、GS-2872、PGT-121、PGT-121.66、PGT-121.414、及びPGT-134からなる群から選択される抗体由来のVH及びVL領域と競合するか又はそれらを含み、前記第2の抗原結合分子が、CD4のECドメインを含む、項目203~205のいずれか一項に記載の医薬組成物。
(項目208)
前記第1の多重特異性抗原結合分子が、前記CD4結合部位(CD4bs)に結合し、前記第2の抗原結合分子が、前記N332オリゴマンノースグリカンを含む第3の可変ループ(V3)(例えば、高マンノースパッチ)に結合する、項目203に記載の医薬組成物。
(項目209)
前記第1の多重特異性抗原結合分子が、GS-9723、GS-5423、3BNC117、3BNC60、b12、F105、VRC01、VRC07、VRC07-523、VRC03、VRC06、VRC06b01 VRC08、VRC0801、NIH45-46、PGV04(別名、VRC-PG04);CH103、44-VRC13.01、1NC9、12A12、N6、1-18、N49-P7、NC-Cow1、IOMA、CH235及びCH235.12、N49P6、N49P7、N49P11、N49P9、並びにN60P25からなる群から選択される抗体由来のVH及びVL領域と競合するか又はこれらを含み、前記第2の抗原結合分子が、GS-9722(エリポビマブ)、GS-2872、PGT-121、PGT-121.66、PGT-121.414、PGT-122、PGT-123、PGT-124、PGT-125、PGT-126、PGT-128、PGT-130、PGT-133、PGT-134、PGT-135、PGT-136、PGT-137、PGT-138、PGT-139、10-1074、10-1074-J、VRC24、2G12、BG18、354BG8、354BG18、354BG42、354BG33、354BG129、354BG188、354BG411、354BG426、DH270.1、DH270.6、PGDM12、VRC41.01、PGDM21、PCDN-33A、BF520.1、及びVRC29.03からなる群から選択される抗体由来のVH及びVL領域と競合するか、又はそれらを含む、項目208に記載の医薬組成物。
(項目210)
前記第1の多重特異性抗原結合分子が、GS-9723、GS-5423、3BNC117、VRC07、及びVRC07-523からなる群から選択される抗体由来のVH及びVL領域と競合するか又はそれらを含み、前記第2の抗原結合分子が、10-1074、10-1074-J、GS-9722(エリポビマブ)、GS-2872、PGT-121、PGT-121.66、PGT-121.414、及びPGT-134からなる群から選択される抗体由来のVH及びVL領域と競合するか又はそれらを含む、項目208又は209に記載の医薬組成物。
(項目211)
前記第1の多重特異性抗原結合分子が、CD4のECドメインと競合するか又はそれを含み、前記第2の抗原結合分子が、GS-9722(エリポビマブ)、GS-2872、PGT-121、PGT-121.66、PGT-121.414、PGT-122、PGT-123、PGT-124、PGT-125、PGT-126、PGT-128、PGT-130、PGT-133、PGT-134、PGT-135、PGT-136、PGT-137、PGT-138、PGT-139、10-1074、10-1074-J、VRC24、2G12、BG18、354BG8、354BG18、354BG42、354BG33、354BG129、354BG188、354BG411、354BG426、DH270.1、DH270.6、PGDM12、VRC41.01、PGDM21、PCDN-33A、BF520.1、及びVRC29.03からなる群から選択される抗体由来のVH及びVL領域と競合するか又はそれらを含む、項目208に記載の医薬組成物。
(項目212)
前記第1の多重特異性抗原結合分子が、CD4のECドメインと競合するか又はそれを含み、前記第2の抗原結合分子が、10-1074、10-1074-J、GS-9722(エリポビマブ)、GS-2872、PGT-121、PGT-121.66、PGT-121.414、及びPGT-134からなる群から選択される抗体由来のVH及びVL領域と競合するか又はそれらを含む、項目208又は211に記載の医薬組成物。
(項目213)
GS-9723、GS-5423、3BNC117、3BNC60、b12、F105、VRC01、VRC07、VRC07-523、VRC03、VRC06、VRC06b01 VRC08、VRC0801、NIH45-46、PGV04(別名、VRC-PG04);CH103、44-VRC13.01、1NC9、12A12、N6、1-18、N49-P7、NC-Cow1、IOMA、CH235及びCH235.12、N49P6、N49P7、N49P11、N49P9、並びにN60P25からなる群から選択される抗体由来のVH及びVL領域と競合するか又はそれらを含む、第2の抗原結合分子を更に含む、項目208及び211又は212のいずれか一項に記載の医薬組成物。
(項目214)
GS-9723、GS-5423、3BNC117、VRC07、及びVRC07-523からなる群から選択される抗体由来のVH及びVL領域と競合するか又はそれらを含む第2の抗原結合分子を更に含む、項目208及び211~213のいずれか一項に記載の医薬組成物。
(項目215)
(i)項目122~127のいずれか一項に記載のCD4のECドメインを含む、多重特異性抗原結合分子、
(ii)10-1074、10-1074-J、GS-9722(エリポビマブ)、GS-2872、PGT-121、PGT-121.66、PGT-121.414、及びPGT-134からなる群から選択される抗体由来のVH及びVL領域と競合するか又はそれらを含む、抗体又は多重特異性抗原結合分子、並びに
(iii)GS-9723、GS-5423、3BNC117、VRC07、及びVRC07-523からなる群から選択される抗体由来のVH及びVL領域と競合するか又はそれらを含む、抗体又は多重特異性抗原結合分子を含む、項目208、211~214のいずれか一項に記載の医薬組成物。
(項目216)
前記gp120の第2の可変ループ(V2)(例えば、Env三量体頂点)に結合する抗体由来のVH及びVL領域と競合するか又はそれらを含む、追加の多重特異性抗原結合分子を含む、項目191~215のいずれか一項に記載の医薬組成物。
(項目217)
PG9、PG16、PGC14、PGG14、PGT-142、PGT-143、PGT-144、PGT-145、CH01、CH59、PGDM1400、CAP256、CAP256-VRC26.08、CAP256-VRC26.09、CAP256-VRC26.25、PCT64-24E、及びVRC38.01からなる群から選択される抗体由来のVH及びVL領域と競合するか又はそれらを含む、追加の多重特異性抗原結合分子を含む、項目191~216のいずれか一項に記載の医薬組成物。
(項目218)
前記gp120/gp41界面に結合する抗体由来のVH及びVL領域と競合するか又はそれらを含む、追加の多重特異性抗原結合分子を含む、項目191~217のいずれか一項に記載の医薬組成物。
(項目219)
PGT-151、CAP248-2B、35O22、8ANC195、ACS202、VRC34、及びVRC34.01からなる群から選択される抗体由来のVH及びVL領域と競合するか又はそれらを含む、追加の多重特異性抗原結合分子を含む、項目191~218のいずれか一項に記載の医薬組成物。
(項目220)
膜近位領域(MPER)のgp41のエピトープ又は領域に結合する抗体由来のVH及びVL領域と競合するか又はそれらを含む、追加の多重特異性抗原結合分子を含む、項目191~219のいずれか一項に記載の医薬組成物。
(項目221)
10E8、10E8v4、10E8-5R-100cF、4E10、DH511.11P、2F5、7b2、及びLN01からなる群から選択される抗体由来のVH及びVL領域と競合するか又はそれらを含む、追加の多重特異性抗原結合分子を含む、項目191~220のいずれか一項に記載の医薬組成物。
(項目222)
HIVへの結合、それの阻害、及びそれの中和のうちの少なくとも1つを行う追加の抗原結合分子若しくはその抗原結合断片、又は前記追加の抗原結合分子若しくはその抗原結合断片をコードするポリヌクレオチドを含み、前記追加の抗原結合分子又は抗原結合断片が、gp120への結合について前記1つ以上の多重特異性抗原結合分子と競合しない、項目191~221のいずれか一項に記載の医薬組成物。
(項目223)
静脈内、筋肉内、又は皮下投与用に製剤化された、項目191~222のいずれか一項に記載の医薬組成物。
(項目224)
項目1~149のいずれか一項に記載の多重特異性抗原結合分子、項目151~166のいずれか一項に記載のポリヌクレオチド(複数可)、若しくは項目167に記載のリポプレックス(例えば、LNP)、項目169~182のいずれか一項に記載の発現ベクター(複数可)、又は項目191~223のいずれか一項に記載の医薬組成物、のうちの1つ以上を含む1つ以上の容器を含む、キット。
(項目225)
1つ以上の容器に、1つ以上の単位用量の前記1つ以上の多重特異性抗原結合分子、又は前記ポリヌクレオチド(複数可)を含む、項目224に記載のキット。
(項目226)
1つ以上の単位用量の前記1つ以上の多重特異性抗原結合分子及びHIV感染症を治療するための第2の薬剤を、別個の容器に含む、項目224又は225に記載のキット。
(項目227)
toll様受容体(TLR)アゴニスト及びIL-15受容体アゴニストのうちの少なくとも一方を更に含む、項目226に記載のキット。
(項目228)
項目70~84のいずれか一項に記載の多重特異性抗原結合分子と、IL-15受容体アゴニストと、を含む、項目227に記載のキット。
(項目229)
前記TLRアゴニストが、TLR2アゴニスト、TLR3アゴニスト、TLR7アゴニスト、TLR8アゴニスト、又はTLR9アゴニストである、項目227に記載のキット。
(項目230)
前記TLR7アゴニストが、ベサトリモド、イミキモド、及びレシキモドからなる群から選択される、項目229に記載のキット。
(項目231)
第1の多重特異性抗原結合分子及び第2の又は追加の抗原結合分子を含み、前記第1の多重特異性抗原結合分子及び前記第2の又は追加の抗原結合分子が、
(i)N332オリゴマンノースグリカンを含む第3の可変ループ(V3)(例えば、高マンノースパッチ)、
(ii)第2の可変ループ(V2)(例えば、Env三量体頂点)、
(iii)CD4結合部位(CD4bs)、
(iv)gp120/gp41界面、又は
(v)gp120のサイレント面からなる群から選択されるgp120の異なるエピトープ又は領域に結合する、項目224~230のいずれか一項に記載のキット。
(項目232)
前記第1の多重特異性抗原結合分子が、前記N332オリゴマンノースグリカンを含む第3の可変ループ(V3)(例えば、高マンノースパッチ)に結合し、前記第2の又は追加の抗原結合分子が、前記CD4結合部位(CD4bs)に結合する、項目231に記載の医薬組成物。
(項目233)
前記第1の多重特異性抗原結合分子が、GS-9722(エリポビマブ)、GS-2872、PGT-121、PGT-121.66、PGT-121.414、PGT-122、PGT-123、PGT-124、PGT-125、PGT-126、PGT-128、PGT-130、PGT-133、PGT-134、PGT-135、PGT-136、PGT-137、PGT-138、PGT-139、10-1074、VRC24、2G12、BG18、354BG8、354BG18、354BG42、354BG33、354BG129、354BG188、354BG411、354BG426、DH270.1、DH270.6、PGDM12、VRC41.01、PGDM21、PCDN-33A、BF520.1、及びVRC29.03からなる群から選択される抗体由来のVH及びVL領域と競合するか又はそれらを含み、前記第2の又は追加の抗原結合分子が、GS-9723、GS-5423、3BNC117、3BNC60、b12、F105、VRC01、VRC07、VRC07-523、VRC03、VRC06、VRC06b01 VRC08、VRC0801、NIH45-46、PGV04(別名、VRC-PG04)、PGV04;CH103、44-VRC13.01、1NC9、12A12、N6、1-18、N49-P7、NC-Cow1、IOMA、CH235及びCH235.12、N49P6、N49P7、N49P11、N49P9、並びにN60P25からなる群から選択される抗体由来のVH及びVL領域と競合するか、又はそれらを含む、項目231又は232に記載のキット。
(項目234)
前記第1の多重特異性抗原結合分子が、10-1074、10-1074-J、GS-9722(エリポビマブ)、GS-2872、PGT-121、PGT-121.66、PGT-121.414、及びPGT-134からなる群から選択される抗体由来のVH及びVL領域と競合するか又はそれらを含み、前記第2の又は追加の抗原結合分子が、GS-9723、GS-5423、3BNC117、VRC07、及びVRC07-523からなる群から選択される抗体由来のVH及びVL領域と競合するか又はそれらを含む、項目231~233のいずれか一項に記載のキット。
(項目235)
前記第1の多重特異性抗原結合分子が、10-1074、10-1074-J、GS-9722、及びPGT-121からなる群から選択される抗体由来のVH及びVL領域と競合するか又はそれらを含み、前記第2の又は追加の抗原結合分子が、CD4のECドメインを含む、項目231~234のいずれか一項に記載のキット。
(項目236)
前記第1の多重特異性抗原結合分子が、前記CD4結合部位(CD4bs)に結合し、前記第2の又は追加の抗原結合分子が、前記N332オリゴマンノースグリカンを含む第3の可変ループ(V3)(例えば、高マンノースパッチ)に結合する、項目231に記載のキット。
(項目237)
前記第1の多重特異性抗原結合分子が、GS-9723、GS-5423、3BNC117、3BNC60、b12、F105、VRC01、VRC07、VRC07-523、VRC03、VRC06、VRC06b01 VRC08、VRC0801、NIH45-46、PGV04(別名、VRC-PG04);CH103、44-VRC13.01、1NC9、12A12、N6、1-18、N49-P7、NC-Cow1、IOMA、CH235及びCH235.12、N49P6、N49P7、N49P11、N49P9、並びにN60P25からなる群から選択される抗体由来のVH及びVL領域と競合するか又はこれらを含み、前記第2の又は追加の抗原結合分子が、GS-9722(エリポビマブ)、GS-2872、PGT-121、PGT-121.66、PGT-121.414、PGT-122、PGT-123、PGT-124、PGT-125、PGT-126、PGT-128、PGT-130、PGT-133、PGT-134、PGT-135、PGT-136、PGT-137、PGT-138、PGT-139、10-1074、VRC24、2G12、BG18、354BG8、354BG18、354BG42、354BG33、354BG129、354BG188、354BG411、354BG426、DH270.1、DH270.6、PGDM12、VRC41.01、PGDM21、PCDN-33A、BF520.1、及びVRC29.03からなる群から選択される抗体由来のVH及びVL領域と競合するか又はそれらを含む、項目236に記載のキット。
(項目238)
前記第1の多重特異性抗原結合分子が、GS-9723、GS-5423、3BNC117、VRC07、及びVRC07-523からなる群から選択される抗体由来のVH及びVL領域と競合するか又はそれらを含み、前記第2の又は追加の抗原結合分子が、10-1074、10-1074-J、GS-9722(エリポビマブ)、GS-2872、PGT-121、PGT-121.66、PGT-121.414、及びPGT-134からなる群から選択される抗体由来のVH及びVL領域と競合するか又はそれらを含む、項目236又は237に記載のキット。
(項目239)
前記第1の多重特異性抗原結合分子が、CD4のECドメインと競合するか又はそれを含み、前記第2の又は追加の抗原結合分子が、GS-9722(エリポビマブ)、GS-2872、PGT-121、PGT-121.66、PGT-121.414、PGT-122、PGT-123、PGT-124、PGT-125、PGT-126、PGT-128、PGT-130、PGT-133、PGT-134、PGT-135、PGT-136、PGT-137、PGT-138、PGT-139、10-1074、VRC24、2G12、BG18、354BG8、354BG18、354BG42、354BG33、354BG129、354BG188、354BG411、354BG426、DH270.1、DH270.6、PGDM12、VRC41.01、PGDM21、PCDN-33A、BF520.1、及びVRC29.03からなる群から選択される抗体由来のVH及びVL領域と競合するか又はそれらを含む、項目236に記載のキット。
(項目240)
前記第1の多重特異性抗原結合分子が、CD4のECドメインと競合するか又はそれを含み、前記第2の又は追加の抗原結合分子が、10-1074、10-1074-J、GS-9722(エリポビマブ)、GS-2872、PGT-121、PGT-121.66、PGT-121.414、及びPGT-134からなる群から選択される抗体由来のVH及びVL領域と競合するか又はそれらを含む、項目236又は239に記載のキット。
(項目241)
GS-9723、GS-5423、3BNC117、3BNC60、b12、F105、VRC01、VRC07、VRC07-523、VRC03、VRC06、VRC06b01 VRC08、VRC0801、NIH45-46、PGV04(別名、VRC-PG04);CH103、44-VRC13.01、1NC9、12A12、N6、1-18、N49-P7、NC-Cow1、IOMA、CH235及びCH235.12、N49P6、N49P7、N49P11、N49P9、並びにN60P25からなる群から選択される抗体由来のVH及びVL領域と競合するか又はそれらを含む、第2の又は追加の抗原結合分子を更に含む、項目236及び239又は240のいずれか一項に記載のキット。
(項目242)
GS-9723、GS-5423、3BNC117、VRC07、及びVRC07-523からなる群から選択される抗体由来のVH及びVL領域と競合するか又はそれらを含む、第2の又は追加の抗原結合分子を更に含む、項目236及び239~241のいずれか一項に記載のキット。
(項目243)
(i)項目122~127のいずれか一項に記載のCD4のECドメインを含む、多重特異性抗原結合分子、
(ii)10-1074、10-1074-J、GS-9722(エリポビマブ)、GS-2872、PGT-121、PGT-121.66、PGT-121.414、及びPGT-134からなる群から選択される抗体由来のVH及びVL領域と競合するか又はそれらを含む、抗体又は多重特異性抗原結合分子、並びに
(iii)GS-9723、GS-5423、3BNC117、VRC07、及びVRC07-523からなる群から選択される抗体由来のVH及びVL領域と競合するか又はそれらを含む、抗体又は多重特異性抗原結合分子を含む、項目236及び239~242のいずれか一項に記載のキット。
(項目244)
2つ以上の単位用量を含み、前記単位用量が同じである、項目224~243のいずれか一項に記載のキット。
(項目245)
2つ以上の単位用量を含み、前記単位用量が異なる、項目224~243のいずれか一項に記載のキット。
(項目246)
多重特異性抗原結合分子を産生する方法であって、
a)項目151~166のいずれか一項に記載のポリヌクレオチド(複数可)、又は項目168に記載の発現カセット又は複数の発現カセットで形質転換された項目183~190のいずれか一項に記載の細胞又は細胞集団を、前記多重特異性抗原結合分子を発現させるのに十分な条件下、細胞培養物中で培養することと、
b)前記細胞培養物から前記抗原結合分子を単離又は精製することと、を含む、方法。
(項目247)
前記第1の抗原結合ドメインがscFvであり、前記第2の抗原結合ドメインがFabである、項目246に記載の方法。
(項目248)
前記第1の抗原結合ドメインがFabであり、前記第2の抗原結合ドメインがFab又はCD4のECドメインである、項目246に記載の方法。
(項目249)
前記第1の抗原結合ドメインがFabであり、前記第2の抗原結合ドメインがCD4のECドメインである、項目248に記載の方法。
(項目250)
前記第1の抗原結合ドメインを含む前記ポリペプチド及び前記第2の抗原結合ドメインを含む前記ポリペプチドが、同じ細胞内で発現され、組み立てられる、項目247~249のいずれか一項に記載の方法。
(項目251)
前記単離又は精製工程が、プロテインAクロマトグラフィを含む、項目246~250のいずれか一項に記載の方法。
(項目252)
前記多重特異性抗原結合分子の少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%以上が、単離又は精製される、項目251に記載の方法。
(項目253)
前記単離又は精製工程が、イオン交換クロマトグラフィを更に含む、項目251又は252に記載の方法。
(項目254)
前記多重特異性抗原結合分子の少なくとも95%、96%、97%、98%、99%以上が、単離又は精製される、項目246~253のいずれか一項に記載の方法。
(項目255)
サイズ排除クロマトグラフィ(SEC)を使用して決定された場合、前記多重特異性抗原結合分子の少なくとも95%、96%、97%、98%、99%以上が、非凝集可溶性ヘテロ二量体として単離又は精製される、項目246~254のいずれか一項に記載の方法。
(項目256)
前記単離又は精製された多重特異性抗原結合分子が、分析用イオン交換クロマトグラフィによって評価された場合、均一性が増加し、非修飾標的種を表すメインピークの積分面積が、全ての積分タンパク質ピーク面積の合計の少なくとも95%、96%、97%、98%以上である、項目246~255のいずれか一項に記載の方法。
(項目257)
前記単離又は精製された抗原結合分子が、35%、30%、25%、20%、15%、10%、9%、8%、7%未満の酸性夾雑物を有する、項目246~256のいずれか一項に記載の方法。
(項目258)
前記細胞又は細胞集団が、少なくとも2L、例えば、少なくとも5L、10L、50L、100L、150L、200L、250L以上の培養体積で培養される、項目246~257のいずれか一項に記載の方法。
(項目259)
前記抗原結合分子を、ヒト対象への投与に好適な滅菌医薬組成物に製剤化することを更に含む、項目246~258のいずれか一項に記載の方法。
(項目260)
HIVの治療又は予防を必要とするヒト対象においてそれを行う方法であって、前記対象に、有効量の、項目1~149のいずれか一項に記載の1つ以上の多重特異性抗原結合分子、項目151~166のいずれか一項に記載の1つ以上のポリヌクレオチド、項目167に記載のリポプレックス(例えば、LNP)、又は項目191~223のいずれか一項に記載の医薬組成物を投与することを含む、方法。
(項目261)
HIV感染症又はHIV関連疾患を予防又は治療する方法であって、そのような予防又は治療を必要とする患者を特定する工程と、前記患者に、治療有効量の、項目1~149のいずれか一項に記載の1つ以上の多重特異性抗原結合分子、項目151~166のいずれか一項に記載の1つ以上のポリヌクレオチド、項目167に記載のリポプレックス(例えば、LNP)、又は項目191~223のいずれか一項に記載の医薬組成物を含む第1の治療薬を投与する工程と、を含む、方法。
(項目262)
HIV感染症を治療するための第2の薬剤を前記対象に投与することを更に含む、項目260又は261に記載の方法。
(項目263)
前記対象が、抗レトロウイルス療法(ART)を受けていないか、又はARTが、前記1つ以上の多重特異性抗原結合分子の投与前に中止される、項目260~262のいずれか一項に記載の方法。
(項目264)
ARTが、前記1つ以上の多重特異性抗原結合分子の1回以上の投与後に中止される、項目260~262のいずれか一項に記載の方法。
(項目265)
1つ以上の抗レトロウイルス療法(ART)薬を前記対象に投与することを更に含む、項目260~262のいずれか一項に記載の方法。
(項目266)
TLRアゴニスト及びIL-15受容体アゴニストのうちの少なくとも一方を前記対象に投与することを更に含む、項目260~265のいずれか一項に記載の方法。
(項目267)
項目70~84のいずれか一項に記載の多重特異性抗原結合分子及びIL-15受容体アゴニストを投与することを含む、項目266に記載の方法。
(項目268)
前記TLRアゴニストが、TLR2アゴニスト、TLR3アゴニスト、TLR7アゴニスト、TLR8アゴニスト、又はTLR9アゴニストである、項目266に記載の方法。
(項目269)
前記TLR7アゴニストが、ベサトリモド、イミキモド、及びレシキモドからなる群から選択される、項目268に記載の方法。
(項目270)
前記TLR8アゴニストが、セルガントリモド、モトリモド、及びレシキモドからなる群から選択される、項目268に記載の方法。
(項目271)
前記TLR9アゴニストが、カブロトリモド、コビトリモド、アガトリモド、レフィトリモド、リテニモド、及びチルソトリモドからなる群から選択される、項目268に記載の方法。
(項目272)
第1の多重特異性抗原結合分子及び第2の又は追加の抗原結合分子を投与することを含み、前記第1の多重特異性抗原結合分子及び前記第2の又は追加の抗原結合分子が、
(i)N332オリゴマンノースグリカンを含む第3の可変ループ(V3)(例えば、高マンノースパッチ)、
(ii)第2の可変ループ(V2)(例えば、Env三量体頂点)、
(iii)CD4結合部位(CD4bs)、
(iv)gp120/gp41界面、又は
(v)gp120のサイレント面からなる群から選択されるgp120の異なるエピトープ又は領域に結合する、項目260~269のいずれか一項に記載の方法。
(項目273)
前記第1の多重特異性抗原結合分子が、前記N332オリゴマンノースグリカンを含む第3の可変ループ(V3)(例えば、高マンノースパッチ)に結合し、前記第2の抗原結合分子が、前記CD4結合部位(CD4bs)に結合する、項目272に記載の方法。
(項目274)
前記第1の多重特異性抗原結合分子が、10-1074、10-1074-J、GS-9722(エリポビマブ)、GS-2872、PGT-121、PGT-121.66、PGT-121.414、PGT-122、PGT-123、PGT-124、PGT-125、PGT-126、PGT-128、PGT-130、PGT-133、PGT-134、PGT-135、PGT-136、PGT-137、PGT-138、PGT-139、VRC24、2G12、BG18、354BG8、354BG18、354BG42、354BG33、354BG129、354BG188、354BG411、354BG426、DH270.1、DH270.6、PGDM12、VRC41.01、PGDM21、PCDN-33A、BF520.1、及びVRC29.03からなる群から選択される抗体由来のVH及びVL領域と競合するか又はそれらを含み、前記第2の抗原結合分子が、GS-9723、GS-5423、3BNC117、3BNC60、b12、F105、VRC01、VRC07、VRC07-523、VRC03、VRC06、VRC06b01 VRC08、VRC0801、NIH45-46、PGV04(別名、VRC-PG04);CH103、44-VRC13.01、1NC9、12A12、N6、1-18、N49-P7、NC-Cow1、IOMA、CH235及びCH235.12、N49P6、N49P7、N49P11、N49P9、並びにN60P25からなる群から選択される抗体由来のVH及びVL領域と競合するか又はそれらを含む、項目272又は273に記載の方法。
(項目275)
前記第1の多重特異性抗原結合分子が、10-1074、10-1074-J、GS-9722(エリポビマブ)、GS-2872、PGT-121、PGT-121.66、PGT-121.414、及びPGT-134からなる群から選択される抗体由来のVH及びVL領域と競合するか又はそれらを含み、前記第2の抗原結合分子が、GS-9723、GS-5423、3BNC117、VRC07、及びVRC07-523由来のVH及びVL領域と競合するか又はそれらを含む、項目272~274のいずれか一項に記載の方法。
(項目276)
前記第1の多重特異性抗原結合分子が、10-1074、10-1074-J、GS-9722(エリポビマブ)、GS-2872、PGT-121、PGT-121.66、PGT-121.414、及びPGT-134からなる群から選択される抗体由来のVH及びVL領域と競合するか又はそれらを含み、前記第2の抗原結合分子が、CD4のECドメインを含む、項目272~275のいずれか一項に記載の方法。
(項目277)
前記第1の多重特異性抗原結合分子が、前記CD4結合部位(CD4bs)に結合し、前記第2の抗原結合分子が、前記N332オリゴマンノースグリカンを含む第3の可変ループ(V3)(例えば、高マンノースパッチ)に結合する、項目272に記載の方法。
(項目278)
前記第1の多重特異性抗原結合分子が、GS-9723、GS-5423、3BNC117、3BNC60、b12、F105、VRC01、VRC07、VRC07-523、VRC03、VRC06、VRC06b01 VRC08、VRC0801、NIH45-46、PGV04(別名、VRC-PG04);CH103、44-VRC13.01、1NC9、12A12、N6、1-18、N49-P7、NC-Cow1、IOMA、CH235及びCH235.12、N49P6、N49P7、N49P11、N49P9、並びにN60P25からなる群から選択される抗体由来のVH及びVL領域と競合するか又はそれらを含み、前記第2の抗原結合分子が、GS-9722(エリポビマブ)、GS-2872、PGT-121、PGT-121.66、PGT-121.414、PGT-122、PGT-123、PGT-124、PGT-125、PGT-126、PGT-128、PGT-130、PGT-133、PGT-134、PGT-135、PGT-136、PGT-137、PGT-138、PGT-139、10-1074、10-1074-J、VRC24、2G12、BG18、354BG8、354BG18、354BG42、354BG33、354BG129、354BG188、354BG411、354BG426、DH270.1、DH270.6、PGDM12、VRC41.01、PGDM21、PCDN-33A、BF520.1、及びVRC29.03からなる群から選択される抗体由来のVH及びVL領域と競合するか又はそれらを含む、項目272又は273に記載の方法。
(項目279)
前記第1の多重特異性抗原結合分子が、GS-9723、GS-5423、3BNC117、VRC07、及びVRC07-523からなる群から選択される抗体由来のVH及びVL領域と競合するか又はそれらを含み、前記第2の抗原結合分子が、10-1074、10-1074-J、GS-9722(エリポビマブ)、GS-2872、PGT-121、PGT-121.66、PGT-121.414、及びPGT-134由来のVH及びVL領域と競合するか又はそれらを含む、項目278に記載の方法。
(項目280)
前記第1の多重特異性抗原結合分子が、CD4のECドメインと競合するか又はそれを含み、前記第2の抗原結合分子が、GS-9722(エリポビマブ)、GS-2872、PGT-121、PGT-121.66、PGT-121.414、PGT-122、PGT-123、PGT-124、PGT-125、PGT-126、PGT-128、PGT-130、PGT-133、PGT-134、PGT-135、PGT-136、PGT-137、PGT-138、PGT-139、10-1074、10-1074-J、VRC24、2G12、BG18、354BG8、354BG18、354BG42、354BG33、354BG129、354BG188、354BG411、354BG426、DH270.1、DH270.6、PGDM12、VRC41.01、PGDM21、PCDN-33A、BF520.1、及びVRC29.03からなる群から選択される抗体由来のVH及びVL領域と競合するか又はそれらを含む、項目277に記載の方法。
(項目281)
前記第1の多重特異性抗原結合分子が、CD4のECドメインと競合するか又はそれを含み、前記第2の抗原結合分子が、10-1074、10-1074-J、GS-9722(エリポビマブ)、GS-2872、PGT-121、PGT-121.66、PGT-121.414、及びPGT-134からなる群から選択される抗体由来のVH及びVL領域と競合するか又はそれらを含む、項目277又は280に記載の方法。
(項目282)
GS-9723、GS-5423、3BNC117、3BNC60、b12、F105、VRC01、VRC07、VRC07-523、VRC03、VRC06、VRC06b01 VRC08、VRC0801、NIH45-46、PGV04(別名、VRC-PG04);CH103、44-VRC13.01、1NC9、12A12、N6、1-18、N49-P7、NC-Cow1、IOMA、CH235及びCH235.12、N49P6、N49P7、N49P11、N49P9、並びにN60P25からなる群から選択される抗体由来のVH及びVL領域と競合するか又はそれらを含む、追加の抗原結合分子を更に含む、項目277及び280又は281のいずれか一項に記載の方法。
(項目283)
GS-9723、GS-5423、3BNC117、VRC07、及びVRC07-523からなる群から選択される抗体由来のVH及びVL領域と競合するか又はそれらを含む、追加の抗原結合分子を更に含む、項目277及び280~282のいずれか一項に記載の方法。
(項目284)
(i)項目122~127のいずれか一項に記載のCD4のECドメインを含む、多重特異性抗原結合分子、
(ii)10-1074、10-1074-J、GS-9722(エリポビマブ)、GS-2872、PGT-121、PGT-121.66、PGT-121.414、及びPGT-134からなる群から選択される抗体由来のVH及びVL領域と競合するか又はそれらを含む、抗体又は多重特異性抗原結合分子、並びに
(iii)GS-9723、GS-5423、3BNC117、VRC07、及びVRC07-523からなる群から選択される抗体由来のVH及びVL領域と競合するか又はそれらを含む、抗体又は多重特異性抗原結合分子を共投与することを含む、項目277及び280~283のいずれか一項に記載の方法。
(項目285)
HIVへの結合、それの阻害、及びそれの中和のうちの少なくとも1つを行う追加の抗原結合分子若しくはその抗原結合断片、又は前記追加の抗原結合分子若しくはその抗原結合断片をコードするポリヌクレオチドを、前記ヒト対象に投与することを更に含む、項目260~284のいずれか一項に記載の方法。
(項目286)
N332オリゴマンノースグリカンを含む前記gp120の第3の可変ループ(V3)(例えば、高マンノースパッチ)に結合するVH及びVL領域と競合するか又はそれらを含む抗体又は多特異性抗原結合分子を投与することを含み、前記ヒト対象が、以下のアミノ酸残基:
(i)N332glycan、D325、及びT63、
(ii)N332glycan、D325、及びL179、
(iii)N332glycan、D325、及びT320、
(iv)N332glycan、D325、及びH330、
(v)N332glycan、D325、T63、及びL179、
(vi)N332glycan、D325、T63、及びT320、
(vii)N332glycan、D325、T63、及びH330、
(viii)N332glycan、D325、L179、及びT320、
(ix)N332glycan、D325、L179、及びH330、
(x)N332glycan、D325、T320、及びH330、
(xi)N332glycan、D325、T63、T320、及びH330、
(xii)N332glycan、D325、T63、L179、及びT320、
(xiii)N332glycan、D325、T63、L179、及びH330、
(xiv)N332glycan、D325、L179、T320、及びH330、又は
(xv)N332glycan、D325、T63、L179、T320、及びH330を含むgp120を発現するHIVに感染しており、前記位置及び残基が、配列番号69を基準とする、項目260~285のいずれか一項に記載の方法。
(項目287)
前記gp120のCD4結合部位に結合するVH及びVL領域と競合するか又はそれらを含む抗体又は多特異性抗原結合分子を投与することを含み、前記ヒト対象が、以下のアミノ酸残基:
(i)I201及びF353、
(ii)I201、I108、及びF353、
(iii)I201、I108、A281、及びF353、
(iv)I201、E102、I108、A281、及びF353、又は
(v)I201、E102、I108、A281、Y318、及びF353を含むgp120を発現するHIVに感染しており、前記位置及び残基が、配列番号73を基準とする、項目260~286のいずれか一項に記載の方法。
(項目288)
前記1つ以上の多重特異性抗原結合分子を、任意選択でTLRアゴニスト又はIL-15受容体アゴニストとともに、所定の間隔で複数回投与することを含む、項目260~287のいずれか一項に記載の方法。
(項目289)
項目70~84のいずれか一項に記載の多重特異性抗原結合分子及びIL-15受容体アゴニストの複数回投与を含み、前記多重特異性抗原結合分子及び前記IL-15受容体アゴニストが、独立して、所定の間隔で投与される、項目288に記載の方法。
(項目290)
前記対象が、HIVに慢性感染している、項目260~269のいずれか一項に記載の方法又は使用。
(項目291)
前記1つ以上の多重特異性抗原結合分子、前記ポリヌクレオチド、前記ベクター、前記LNP、及び/又は前記医薬組成物が、全身又は局所で投与される、項目260~290のいずれか一項に記載の方法又は使用。
(項目292)
前記1つ以上の多重特異性抗原結合分子、前記ポリヌクレオチド、前記ベクター、前記LNP、及び/又は前記医薬組成物が、静脈内、皮下、筋肉内、皮内、及び粘膜(例えば、口腔内、鼻腔内、直腸内、膣内)から選択される経路を介して投与される、項目260~291のいずれか一項に記載の方法又は使用。
(項目293)
前記1つ以上の多重特異性抗原結合分子、前記ポリヌクレオチド、前記ベクター、前記LNP、及び/又は前記医薬組成物、並びに前記1つ以上の追加の治療薬が、同じ投与経路によって投与される、項目262~292のいずれか一項に記載の方法又は使用。
(項目294)
前記1つ以上の多重特異性抗原結合分子、前記ポリヌクレオチド、前記ベクター、前記LNP、及び/又は前記医薬組成物、並びに前記1つ以上の追加の治療薬が、異なる投与経路によって投与される、項目262~292のいずれか一項に記載の方法又は使用。
(項目295)
前記1つ以上の多重特異性抗原結合分子、前記ポリヌクレオチド、前記ベクター、前記LNP、及び/又は前記医薬組成物、並びに前記1つ以上の追加の治療薬が、同じスケジュール(例えば、同じ時間間隔で共投与)に従って共投与される、項目262~294のいずれか一項に記載の方法又は使用。
(項目296)
前記1つ以上の多重特異性抗原結合分子、前記ポリヌクレオチド、前記ベクター、前記LNP、及び/又は前記医薬組成物、並びに前記1つ以上の追加の治療薬が、異なるスケジュール(例えば、異なる時間間隔で共投与)に従って共投与される、項目262~294のいずれか一項に記載の方法又は使用。
(項目297)
前記1つ以上の多重特異性抗原結合分子、前記ポリヌクレオチド、前記ベクター、前記LNP、及び/又は前記医薬組成物が、1回の投与当たり1μg/kg~5μg/kg、例えば、350μg/kg~550μg/kg、例えば、0.3mg/kg~30mg/kg、例えば、2mg/kg~10mg/kg、例えば、1μg/kg~最大2μg/kg、3μg/kg、4μg/kg、5μg/kg、10μg/kg、50μg/kg、100μg/kg、250μg/kg、300μg/kg、350μg/kg、400μg/kg、410μg/kg、420μg/kg、430μg/kg、440μg/kg、450μg/kg、460μg/kg、470μg/kg、480μg/kg、490μg/kg、500μg/kg、750μg/kg、1mg/kg、1.5mg/kg、2mg/kg、2.5mg/kg、3mg/kg、3.5mg/kg、4mg/kg、4.5mg/kg、5mg/kg、6mg/kg、7mg/kg、8mg/kg、9mg/kg、10mg/kg、15mg/kg、20mg/kg、25mg/kg、30mg/kg、35mg/kg、40mg/kg、45mg/kg、又は50mg/kg体重の範囲の用量で投与される、項目260~296のいずれか一項に記載の方法又は使用。
(項目298)
前記1つ以上の多重特異性抗原結合分子、前記ポリヌクレオチド、前記ベクター、前記LNP、及び/又は前記医薬組成物が、1回の投与当たり0.05mg~1000mg、例えば、1回の投与当たり0.05mg~150mg、例えば、1回の投与当たり0.05mg~0.35mg、例えば、1回の投与当たり25mg~50mg、例えば、1回の投与当たり30mg~35mg、例えば、1回の投与当たり10mg~1000mg、例えば、1回の投与当たり50mg~1000mg、例えば、1回の投与当たり100mg~700mg、例えば、1回の投与当たり少なくとも0.05mg~最大0.1mg、0.2mg、0.3mg、0.35mg、0.4mg、0.5mg、0.6mg、0.7mg、0.8mg、1.0mg、5mg、10mg、25mg、30mg、35mg、40mg、45mg、50mg、60mg、70mg、80mg、90mg、100mg、200mg、300mg、400mg、500mg、600mg、700mg、800mg、900mg、又は1000mgの範囲の用量で投与される、項目260~296のいずれか一項に記載の方法又は使用。
(項目299)
前記1つ以上の多重特異性抗原結合分子、前記ポリヌクレオチド、前記ベクター、前記LNP、及び/又は前記医薬組成物を、任意選択で1つ以上の追加の治療薬とともに、所定の間隔で複数回投与することを含む、項目260~298のいずれか一項に記載の方法又は使用。
(項目300)
少なくとも約2週間、3週間、1ヶ月、6週間、2ヶ月、10週間、3ヶ月、4ヶ月、5ヶ月、6ヶ月、7ヶ月、8ヶ月、9ヶ月、10ヶ月、11ヶ月、12ヶ月、13ヶ月、14ヶ月、15ヶ月、16ヶ月、17ヶ月、18ヶ月、19ヶ月、20ヶ月、21ヶ月、22ヶ月、23ヶ月、24ヶ月以上の期間にわたって投与することを含む、項目260~299のいずれか一項に記載の方法又は使用。
(項目301)
少なくとも1週間、及び最大少なくとも2週間、3週間、1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月、4ヶ月、5ヶ月、又は6ヶ月の間隔を空けた所定の間隔で1回以上回投与することを含む、項目260~300のいずれか一項に記載の方法又は使用。
(項目302)
前記1つ以上の多重特異性抗原結合分子、前記ポリヌクレオチド、前記ベクター、前記LNP、及び/又は前記医薬組成物が、週1回(すなわち、QW)、隔週1回(すなわち、1週間おきに1回若しくは2週間毎に1回、又はQ2W)、3週に1回(すなわち、3週間毎に1回又はQ3W)、月1回(すなわち、QM)、又は隔月1回投与(すなわち、1ヶ月おきに1回若しくは2ヶ月毎に1回、又はQ2M)、3ヶ月毎に1回(Q3M)、4ヶ月毎に1回(Q4M)、5ヶ月毎に1回(Q5M)、6ヶ月毎に1回(Q6M)、又はこれらより少ない頻度で投与される、項目260~301のいずれか一項に記載の方法又は使用。
(項目303)
前記1つ以上の多重特異性抗原結合分子、前記ポリヌクレオチド、前記ベクター、前記LNP、及び/又は前記医薬組成物が、隔週1回(すなわち、1週間おきに1回若しくは2週間毎に1回、又はQ2W)~3週に1回(すなわち、3週間毎に1回又はQ3W)の間隔(複数可)で、静脈内又は皮下で、2、3、4、5回以上投与される、項目260~302のいずれか一項に記載の方法又は使用。
(項目304)
前記1つ以上の多重特異性抗原結合分子が、ヒトにおいて、少なくとも3日、例えば、少なくとも4日、少なくとも5日、少なくとも6日、少なくとも7日、少なくとも8日、少なくとも9日、少なくとも10日、少なくとも11日、少なくとも12日、少なくとも13日、少なくとも14日、少なくとも15日、少なくとも16日以上の血清半減期を有する、項目260~303のいずれか一項に記載の方法又は使用。
(項目305)
前記対象又は前記哺乳動物が、ヒトである、項目260~304のいずれか一項に記載の方法又は使用。
(項目306)
前記対象が、抗レトロウイルス治療(ART)の非存在下で、少なくとも6ヶ月、少なくとも1年、少なくとも2年、少なくとも3年以上にわたってHIV又はAIDSの症状を示さない、項目260~288のいずれか一項に記載の方法。
(項目307)
前記対象が、抗レトロウイルス治療(ART)の非存在下で、少なくとも6ヶ月、少なくとも1年、少なくとも2年、少なくとも3年以上にわたって、500未満、例えば、400未満、300未満、200未満、100未満、50未満のコピー/mL血液のウイルス量を有する、項目260~306のいずれか一項に記載の方法。
(項目308)
HIVの治療又は予防を必要とするヒト対象においてそれを行う方法であって、
a)以下のアミノ酸残基:
(i)N332glycan、D325、及びT63、
(ii)N332glycan、D325、及びL179、
(iii)N332glycan、D325、及びT320、
(iv)N332glycan、D325、及びH330、
(v)N332glycan、D325、T63、及びL179、
(vi)N332glycan、D325、T63、及びT320、
(vii)N332glycan、D325、T63、及びH330、
(viii)N332glycan、D325、L179、及びT320、
(ix)N332glycan、D325、L179、及びH330、
(x)N332glycan、D325、T320、及びH330、
(xi)N332glycan、D325、T63、T320、及びH330、
(xii)N332glycan、D325、T63、L179、及びT320、
(xiii)N332glycan、D325、T63、L179、及びH330、
(xiv)N332glycan、D325、L179、T320、及びH330、又は
(xv)N332glycan、D325、T63、L179、T320、及びH330を含むgp120を発現するHIVに感染しているヒト対象を特定することであって、前記位置及び残基が、配列番号69を基準とする、特定することと、
b)前記対象に、有効量の、項目1~149のいずれか一項に記載の多重特異性抗原結合分子、又は項目191~223のいずれか一項に記載の医薬組成物を投与することであって、前記第2の結合ドメインが、N332オリゴマンノースグリカンを含む前記gp120の第3の可変ループ(V3)(例えば、高マンノースパッチ)に結合するVH及びVL領域と競合するか又はそれらを含む、投与することと、を含む、方法。
(項目309)
以下のアミノ酸残基:
(i)N332glycan、D325、及びT63、
(ii)N332glycan、D325、及びL179、
(iii)N332glycan、D325、及びT320、又は
(iv)N332glycan、D325、及びH330を含むgp120を発現するHIV又はHIV集団に感染した対象を特定することを含む、項目308に記載の方法。
(項目310)
以下のアミノ酸残基:
(i)N332glycan、D325、T63、及びL179、
(ii)N332glycan、D325、T63、及びT320、
(iii)N332glycan、D325、T63、及びH330、
(iv)N332glycan、D325、L179、及びT320、
(v)N332glycan、D325、L179、及びH330、又は
(vi)N332glycan、D325、T320、及びH330を含むgp120を発現するHIV又はHIV集団に感染した対象を特定することを含む、項目308又は309に記載の方法。
(項目311)
以下のアミノ酸残基:
(i)N332glycan、D325、L179、T320、及びH330、
(ii)N332glycan、D325、T63、T320、及びH330、
(iii)N332glycan、D325、T63、L179、及びT320、又は
(iv)N332glycan、D325、T63、L179、及びH330を含むgp120を発現するHIV又はHIV集団に感染した対象を特定することを含む、項目308~310のいずれか一項に記載の方法。
(項目312)
以下のアミノ酸残基:
(i)N332glycan、D325、T63、及びH330、
(ii)N332glycan、D325、T320、及びH330、
(iii)N332glycan、D325、L179、T320、及びH330、又は
(iv)N332glycan、D325、T63、L179、T320、及びH330を含むgp120を発現するHIV又はHIV集団に感染した対象を特定することを含む、項目308~311のいずれか一項に記載の方法。
(項目313)
前記第2の抗原結合ドメインが、10-1074、10-1074-J、GS-9722(エリポビマブ)、GS-9721、GS-2872、PGT-121、PGT-121.66、PGT-121.414、PGT-122、PGT-123、PGT-124、PGT-125、PGT-126、PGT-128、PGT-130、PGT-133、PGT-134、PGT-135、PGT-136、PGT-137、PGT-138、PGT-139、VRC24、2G12、BG18、354BG8、354BG18、354BG42、354BG33、354BG129、354BG188、354BG411、354BG426、DH270.1、DH270.6、PGDM12、VRC41.01、PGDM21、PCDN-33A、BF520.1、及びVRC29.03からなる群から選択される抗体由来のVH及びVL領域と競合するか又はそれらを含む、項目308~312のいずれか一項に記載の方法。
(項目314)
前記第2の抗原結合ドメインが、10-1074、10-1074-J、GS-9722(エリポビマブ)、GS-9721、GS-2872、PGT-121、PGT-121.66、PGT-121.414、及びPGT-134からなる群から選択される抗体由来のVH及びVL領域と競合するか又はそれらを含む、項目308~313のいずれか一項に記載の方法。
(項目315)
HIVの治療又は予防を必要とするヒト対象においてそれを行う方法であって、
a)以下のアミノ酸残基:
(i)I201及びF353、
(ii)I201、I108、及びF353、
(iii)I201、I108、A281、及びF353、
(iv)I201、E102、I108、A281、及びF353、又は
(v)I201、E102、I108、A281、Y318、及びF353を含むgp120を発現するHIVに感染しているヒト対象を特定することであって、前記位置及び残基が、配列番号73を基準とする、特定することと、
b)前記対象に、有効量の、項目1~149のいずれか一項に記載の多重特異性抗原結合分子、又は項目191~223のいずれか一項に記載の医薬組成物を投与することであって、前記第2の結合ドメインが、前記gp120 CD4結合部位(CD4bs)に結合するVH及びVL領域と競合するか又はそれらを含む、投与することと、を含む、方法。
(項目316)
前記第2の抗原結合ドメインが、3BNC117、GS-9723、GS-5423、3BNC60、b12、F105、VRC01、VRC07、VRC07-523、VRC03、VRC06、VRC06b01 VRC08、VRC0801、NIH45-46、PGV04(別名、VRC-PG04);CH103、44-VRC13.01、1NC9、12A12、N6、1-18、N49-P7、NC-Cow1、IOMA、CH235及びCH235.12、N49P6、N49P7、N49P11、N49P9、並びにN60P25からなる群から選択される抗体由来のVH及びVL領域と競合するか又はそれらを含む、項目315に記載の方法。
(項目317)
前記第2の抗原結合ドメインが、3BNC117、GS-9723、GS-5423、3BNC60、VRC01、VRC07、及びVRC07-523からなる群から選択される抗体由来のVH及びVL領域と競合するか又はそれらを含む、項目315又は316に記載の方法。
(項目318)
HIV感染症を治療するための第2の薬剤を前記対象に投与することを更に含む、項目308~317のいずれか一項に記載の方法。
(項目319)
前記対象が、抗レトロウイルス療法(ART)を受けていないか、又はARTが、前記1つ以上の多重特異性抗原結合分子の投与前に中止される、項目308~318のいずれか一項に記載の方法。
(項目320)
ARTが、前記1つ以上の多重特異性抗原結合分子の1回以上の投与後に中止される、項目308~318のいずれか一項に記載の方法。
(項目321)
1つ以上の抗レトロウイルス療法(ART)薬を前記対象に投与することを更に含む、項目308~318のいずれか一項に記載の方法。
(項目322)
TLRアゴニスト及びIL-15受容体アゴニストのうちの少なくとも一方を前記対象に投与することを更に含む、項目308~321のいずれか一項に記載の方法。
(項目323)
項目70~84のいずれか一項に記載の多重特異性抗原結合分子及びIL-15受容体アゴニストを投与することを含む、項目322に記載の方法。
(項目324)
前記TLRアゴニストが、TLR2アゴニスト、TLR3アゴニスト、TLR7アゴニスト、TLR8アゴニスト、又はTLR9アゴニストである、項目322に記載の方法。
(項目325)
前記TLR7アゴニストが、ベサトリモド、イミキモド、及びレシキモドからなる群から選択される、項目324に記載の方法。
(項目326)
前記1つ以上の多重特異性抗原結合分子を、任意選択でTLRアゴニストとともに、所定の間隔で複数回投与することを含む、項目308~325のいずれか一項に記載の方法。
(項目327)
前記対象が、抗レトロウイルス治療(ART)の非存在下で、少なくとも6ヶ月、少なくとも1年、少なくとも2年、少なくとも3年以上にわたってHIV又はAIDSの症状を示さない、項目308~326のいずれか一項に記載の方法。
(項目328)
前記対象が、抗レトロウイルス治療(ART)の非存在下で、少なくとも6ヶ月、少なくとも1年、少なくとも2年、少なくとも3年以上にわたって、500未満、例えば、400未満、300未満、200未満、100未満、50未満のコピー/mL血液のウイルス量を有する、項目308~327のいずれか一項に記載の方法。
(項目329)
HIVの治療、予防、及び阻害を必要とするヒト対象においてそれらのうちの少なくとも1つを行う方法における、項目1~149のいずれか一項に記載の多重特異性抗原結合分子若しくはその抗原結合断片、又は項目191~223のいずれか一項に記載の医薬組成物の使用。
(項目330)
HIV感染症を治療するための第2の薬剤を前記対象に投与することを更に含む、項目329に記載の使用。
(項目331)
TLRアゴニスト及びIL-15受容体アゴニストのうちの少なくとも一方を前記対象に投与することを更に含む、項目329又は330に記載の使用。
(項目332)
項目70~84のいずれか一項に記載の多重特異性抗原結合分子及びIL-15受容体アゴニストを投与することを含む、項目331に記載の使用。
(項目333)
前記TLRアゴニストが、TLR2アゴニスト、TLR3アゴニスト、TLR7アゴニスト、TLR8アゴニスト、又はTLR9アゴニストである、項目331に記載の使用。
(項目334)
前記TLR7アゴニストが、ベサトリモド、イミキモド、及びレシキモドからなる群から選択される、項目333に記載の使用。
(項目335)
第1の多重特異性抗原結合分子及び第2の又は追加の抗原結合分子を投与することを含み、前記第1の多重特異性抗原結合分子及び前記第2の又は追加の抗原結合分子が、
(i)N332オリゴマンノースグリカンを含む第3の可変ループ(V3)(例えば、高マンノースパッチ)、
(ii)第2の可変ループ(V2)(例えば、Env三量体頂点)、
(iii)CD4結合部位(CD4bs)、
(iv)gp120/gp41界面、又は
(v)gp120のサイレント面からなる群から選択されるgp120の異なる第1及び第2のエピトープ又は領域に結合する、項目329~334のいずれか一項に記載の使用。
(項目336)
前記第1の多重特異性抗原結合分子が、前記N332オリゴマンノースグリカンを含む第3の可変ループ(V3)(例えば、高マンノースパッチ)に結合し、前記第2の抗原結合分子が、前記CD4結合部位(CD4bs)に結合する、項目335に記載の使用。
(項目337)
前記第1の多重特異性抗原結合分子が、10-1074、10-1074-J、GS-9722(エリポビマブ)、GS-2872、PGT-121、PGT-121.66、PGT-121.414、PGT-122、PGT-123、PGT-124、PGT-125、PGT-126、PGT-128、PGT-130、PGT-133、PGT-134、PGT-135、PGT-136、PGT-137、PGT-138、PGT-139、VRC24、2G12、BG18、354BG8、354BG18、354BG42、354BG33、354BG129、354BG188、354BG411、354BG426、DH270.1、DH270.6、PGDM12、VRC41.01、PGDM21、PCDN-33A、BF520.1、及びVRC29.03からなる群から選択される抗体由来のVH及びVL領域と競合するか又はそれらを含み、前記第2の抗原結合分子が、b12、F105、VRC01、VRC07、VRC07-523、VRC03、VRC06、VRC06b01、VRC08、VRC0801、NIH45-46、3BNC117、3BNC60、PGV04(別名、VRC-PG04);CH103、44-VRC13.01、1NC9、12A12、N6、1-18、N49-P7、NC-Cow1、IOMA、CH235及びCH235.12、N49P6、N49P7、N49P11、N49P9、並びにN60P25からなる群から選択される抗体由来のVH及びVL領域と競合するか又はそれらを含む、項目335又は336に記載の使用。
(項目338)
前記第1の多重特異性抗原結合分子が、10-1074、10-1074-J、GS-9722(エリポビマブ)、GS-2872、PGT-121、PGT-121.66、PGT-121.414、及びPGT-134からなる群から選択される抗体由来のVH及びVL領域と競合するか又はそれらを含み、前記第2の抗原結合分子が、3BNC117、GS-9723、VRC07、又はVRC07-523由来のVH及びVL領域と競合するか又はそれらを含む、項目335~337のいずれか一項に記載の使用。
(項目339)
前記第1の多重特異性抗原結合分子が、10-1074、10-1074-J、GS-9722(エリポビマブ)、GS-2872、PGT-121、PGT-121.66、PGT-121.414、及びPGT-134からなる群から選択される抗体由来のVH及びVL領域と競合するか又はそれらを含み、前記第2の抗原結合分子が、CD4のECドメインを含む、項目335~338のいずれか一項に記載の使用。
(項目340)
前記第1の多重特異性抗原結合分子が、前記CD4結合部位(CD4bs)に結合し、前記第2の抗原結合分子が、前記N332オリゴマンノースグリカンを含む第3の可変ループ(V3)(例えば、高マンノースパッチ)に結合する、項目335に記載の使用。
(項目341)
前記第1の多重特異性抗原結合分子が、GS-9723、GS-5423、3BNC117、3BNC60、b12、F105、VRC01、VRC07、VRC07-523、VRC03、VRC06、VRC06b01 VRC08、VRC0801、NIH45-46、PGV04(別名、VRC-PG04);CH103、44-VRC13.01、1NC9、12A12、N6、1-18、N49-P7、NC-Cow1、IOMA、CH235及びCH235.12、N49P6、N49P7、N49P11、N49P9、並びにN60P25からなる群から選択される抗体由来のVH及びVL領域と競合するか又はこれらを含み、前記第2の抗原結合分子が、GS-9722(エリポビマブ)、GS-2872、PGT-121、PGT-121.66、PGT-121.414、PGT-122、PGT-123、PGT-124、PGT-125、PGT-126、PGT-128、PGT-130、PGT-133、PGT-134、PGT-135、PGT-136、PGT-137、PGT-138、PGT-139、10-1074、10-1074-J、VRC24、2G12、BG18、354BG8、354BG18、354BG42、354BG33、354BG129、354BG188、354BG411、354BG426、DH270.1、DH270.6、PGDM12、VRC41.01、PGDM21、PCDN-33A、BF520.1、及びVRC29.03からなる群から選択される抗体由来のVH及びVL領域と競合するか又はそれらを含む、項目335又は340に記載の使用。
(項目342)
前記第1の多重特異性抗原結合分子が、GS-9723、GS-5423、3BNC117、VRC07、及びVRC07-523からなる群から選択される抗体由来のVH及びVL領域と競合するか又はそれらを含み、前記第2の抗原結合分子が、10-1074、10-1074-J、GS-9722(エリポビマブ)、GS-2872、PGT-121、PGT-121.66、PGT-121.414、及びPGT-134由来のVH及びVL領域と競合するか又はそれらを含む、項目335、340、及び341のいずれか一項に記載の使用。
(項目343)
前記第1の多重特異性抗原結合分子が、CD4のECドメインと競合するか又はそれを含み、前記第2の抗原結合分子が、GS-9722(エリポビマブ)、GS-2872、PGT-121、PGT-121.66、PGT-121.414、PGT-122、PGT-123、PGT-124、PGT-125、PGT-126、PGT-128、PGT-130、PGT-133、PGT-134、PGT-135、PGT-136、PGT-137、PGT-138、PGT-139、10-1074、10-1074-J、VRC24、2G12、BG18、354BG8、354BG18、354BG42、354BG33、354BG129、354BG188、354BG411、354BG426、DH270.1、DH270.6、PGDM12、VRC41.01、PGDM21、PCDN-33A、BF520.1、及びVRC29.03からなる群から選択される抗体由来のVH及びVL領域と競合するか又はそれらを含む、項目335又は340に記載の使用。
(項目344)
前記第1の多重特異性抗原結合分子が、CD4のECドメインと競合するか又はそれを含み、前記第2の抗原結合分子が、10-1074、10-1074-J、GS-9722(エリポビマブ)、GS-2872、PGT-121、PGT-121.66、PGT-121.414、及びPGT-134からなる群から選択される抗体由来のVH及びVL領域と競合するか又はそれらを含む、項目335、340、及び343のいずれか一項に記載の使用。
(項目345)
GS-9723、GS-5423、3BNC117、3BNC60、b12、F105、VRC01、VRC07、VRC07-523、VRC03、VRC06、VRC06b01 VRC08、VRC0801、NIH45-46、PGV04(別名、VRC-PG04);CH103、44-VRC13.01、1NC9、12A12、N6、1-18、N49-P7、NC-Cow1、IOMA、CH235及びCH235.12、N49P6、N49P7、N49P11、N49P9、並びにN60P25からなる群から選択される抗体由来のVH及びVL領域と競合するか又はそれらを含む、第2の抗原結合分子を更に含む、項目335、340、及び343又は344のいずれか一項に記載の使用。
(項目346)
GS-9723、GS-5423、3BNC117、VRC07、及びVRC07-523からなる群から選択される抗体由来のVH及びVL領域と競合するか又はそれらを含む、第2の抗原結合分子を更に含む、項目335、340、及び343~345のいずれか一項に記載の使用。
(項目347)
(i)項目122~127のいずれか一項に記載の多重特異性抗原結合分子、
(ii)10-1074、10-1074-J、GS-9722(エリポビマブ)、GS-2872、PGT-121、PGT-121.66、PGT-121.414、及びPGT-134からなる群から選択される抗体由来のVH及びVL領域と競合するか又はそれらを含む、抗体、並びに
(iii)GS-9723、GS-5423、3BNC117、VRC07、及びVRC07-523からなる群から選択される抗体由来のVH及びVL領域と競合するか又はそれらを含む、抗体を共投与することを含む、項目335、340、及び343~346のいずれか一項に記載の使用。
(項目348)
HIVへの結合、それの阻害、及びそれの中和のうちの少なくとも1つを行う追加の抗原結合分子若しくはその抗原結合断片、又は前記追加の抗原結合分子若しくはその抗原結合断片をコードするポリヌクレオチドを、前記ヒト対象に投与することを更に含む、項目335~347のいずれか一項に記載の使用。
(項目349)
前記ヒト対象が、以下のアミノ酸残基:
(i)N332/D325、
(ii)N332/D325/H330、
(iii)N332/D325/H330/T320、
(iv)N332/D325/H330/T63、
(v)N332/D325/H330/T63/T320、又は
(vi)N332/D325/H330/T63/T320/L179を含むgp120を発現するHIVに感染している、項目329~348のいずれか一項に記載の使用。

mSP34の相同性モデルを図示する。可能な溶媒曝露配列障害の側鎖は、球として示され、一文字アミノ酸命名法を使用して標識され、Kabatに従ってナンバリングされる。
図2Aは、mSP34重鎖可変ドメイン、及び臨床段階の抗体において見出された5つの比較例の配列アラインメントを図示する。可能な溶媒曝露配列障害(図1)を下線で示す。図2Aは、出現順に、それぞれ配列番号1044~1049を示す。図2Bは、mSP34重鎖可変ドメイン、及び臨床段階の抗体において見出された5つの比較例の配列アラインメントを図示する。図2Bは、出現順に、それぞれ配列番号1050~1055を示す。 図2Aは、mSP34重鎖可変ドメイン、及び臨床段階の抗体において見出された5つの比較例の配列アラインメントを図示する。可能な溶媒曝露配列障害(図1)を下線で示す。図2Aは、出現順に、それぞれ配列番号1044~1049を示す。図2Bは、mSP34重鎖可変ドメイン、及び臨床段階の抗体において見出された5つの比較例の配列アラインメントを図示する。図2Bは、出現順に、それぞれ配列番号1050~1055を示す。
IMGTドメインギャップアライメントサーバーを使用して見出されたmSP34(白色)及び最も近いヒト生殖系列(黒色)の相同性モデルの構造的重ね合わせを図示する。モデルは、Discovery Studio 2017r2(Biovia)を使用して作成し、PyMOL(Schrodinger,Inc.)を使用して重ね合わせた。Cα骨格トレースを示す。
図4Aは、最も近いヒト生殖系列であるmSP34と、第1ラウンドのhuSP34重鎖バリアント(出現順に、それぞれ配列番号1064~1075)との重鎖(HC)配列アラインメントを図示する。図4Bは、最も近いヒト生殖系列であるmSP34と、第1ラウンドのhuSP34軽鎖バリアント(出現順に、それぞれ配列番号1056~1063)との軽鎖(LC)配列アラインメントを図示する。 図4Aは、最も近いヒト生殖系列であるmSP34と、第1ラウンドのhuSP34重鎖バリアント(出現順に、それぞれ配列番号1064~1075)との重鎖(HC)配列アラインメントを図示する。図4Bは、最も近いヒト生殖系列であるmSP34と、第1ラウンドのhuSP34軽鎖バリアント(出現順に、それぞれ配列番号1056~1063)との軽鎖(LC)配列アラインメントを図示する。
図5Aは、最も近いヒト生殖系列であるmSP34と、第2ラウンドのhuSP34重鎖バリアント(出現順に、それぞれ配列番号1082~1087)との重鎖(HC)配列アラインメントを図示する。図5Bは、最も近いヒト生殖系列であるmSP34と、第2ラウンドのhuSP34軽鎖バリアント(出現順に、それぞれ配列番号1076~1081)との軽鎖(LC)配列アラインメントを図示する。 図5Aは、最も近いヒト生殖系列であるmSP34と、第2ラウンドのhuSP34重鎖バリアント(出現順に、それぞれ配列番号1082~1087)との重鎖(HC)配列アラインメントを図示する。図5Bは、最も近いヒト生殖系列であるmSP34と、第2ラウンドのhuSP34軽鎖バリアント(出現順に、それぞれ配列番号1076~1081)との軽鎖(LC)配列アラインメントを図示する。
第1ラウンド及び第2ラウンドのhuSP34 Fabバリアント、mSP34ヒトキメラFab及び比較例huSP34 Fab分子についての抗CD3親和性(Octet BLI)(図6A)、電荷均一性(CX-1)(図6B)、凝集傾向(サイズ排除カラム(SEC))(図6C)、並びにヒト生殖系列との一致(図6D)の分析を図示する。 第1ラウンド及び第2ラウンドのhuSP34 Fabバリアント、mSP34ヒトキメラFab及び比較例huSP34 Fab分子についての抗CD3親和性(Octet BLI)(図6A)、電荷均一性(CX-1)(図6B)、凝集傾向(サイズ排除カラム(SEC))(図6C)、並びにヒト生殖系列との一致(図6D)の分析を図示する。 第1ラウンド及び第2ラウンドのhuSP34 Fabバリアント、mSP34ヒトキメラFab及び比較例huSP34 Fab分子についての抗CD3親和性(Octet BLI)(図6A)、電荷均一性(CX-1)(図6B)、凝集傾向(サイズ排除カラム(SEC))(図6C)、並びにヒト生殖系列との一致(図6D)の分析を図示する。 第1ラウンド及び第2ラウンドのhuSP34 Fabバリアント、mSP34ヒトキメラFab及び比較例huSP34 Fab分子についての抗CD3親和性(Octet BLI)(図6A)、電荷均一性(CX-1)(図6B)、凝集傾向(サイズ排除カラム(SEC))(図6C)、並びにヒト生殖系列との一致(図6D)の分析を図示する。
図7Aは、本二重特異性分子の一部として設計されたscFv-Fc/Fab-Fc二重特異性抗体の例を図示する。図7Bは、本二重特異性分子の一部として設計されたCD4 ECD-Fc/Fab-Fc二重特異性融合タンパク質の例を図示する。図7Cは、本二重特異性分子の一部として設計されたCD4 ECD-Fc/scFv-Fc二重特異性融合タンパク質の例を図示する。図7Dは、二価又はタンデムCD4 ECDを組み込み、本二重特異性分子の一部として設計されたCD4 ECD-Fc/scFv-Fc又はCD4 ECD-Fc/Fab-Fc二重特異性融合タンパク質の例を図示する。図示される全ての技術は、任意選択であり、省略されるか又はこれらの図に示されるものを超えて組み合わせて使用されてもよい。凡例:ΔEF=エフェクタ機能を除去する(例えば、FcγR結合がL234A及びL235A(LALA)変異のうちの少なくとも1つにより低減又は排除される、C1q結合がP331S変異により低減又は排除される、集合的に「AAS」)、ノブ及びホール=操作されたFcヘテロ二量体(例えば、「ホール」(H)変異は、T366S、L368A、及びY407V(「SAV」)を含む、「ノブ」(K)変異はT366W(「W」)を含む、HLE=半減期延長(例えば、M252Y、S254T、及びT256E(「YTE」)又はM428L及びN434S(「LS」))、ΔProA=プロテインA結合を低減又は排除する(例えば、H435R又はH435R+Y436F(「RF」)、リンカー=scFvリンカー(例えば、(GGGS)(配列番号711)又は(GGGGS)(配列番号750))。 図7Aは、本二重特異性分子の一部として設計されたscFv-Fc/Fab-Fc二重特異性抗体の例を図示する。図7Bは、本二重特異性分子の一部として設計されたCD4 ECD-Fc/Fab-Fc二重特異性融合タンパク質の例を図示する。図7Cは、本二重特異性分子の一部として設計されたCD4 ECD-Fc/scFv-Fc二重特異性融合タンパク質の例を図示する。図7Dは、二価又はタンデムCD4 ECDを組み込み、本二重特異性分子の一部として設計されたCD4 ECD-Fc/scFv-Fc又はCD4 ECD-Fc/Fab-Fc二重特異性融合タンパク質の例を図示する。図示される全ての技術は、任意選択であり、省略されるか又はこれらの図に示されるものを超えて組み合わせて使用されてもよい。凡例:ΔEF=エフェクタ機能を除去する(例えば、FcγR結合がL234A及びL235A(LALA)変異のうちの少なくとも1つにより低減又は排除される、C1q結合がP331S変異により低減又は排除される、集合的に「AAS」)、ノブ及びホール=操作されたFcヘテロ二量体(例えば、「ホール」(H)変異は、T366S、L368A、及びY407V(「SAV」)を含む、「ノブ」(K)変異はT366W(「W」)を含む、HLE=半減期延長(例えば、M252Y、S254T、及びT256E(「YTE」)又はM428L及びN434S(「LS」))、ΔProA=プロテインA結合を低減又は排除する(例えば、H435R又はH435R+Y436F(「RF」)、リンカー=scFvリンカー(例えば、(GGGS)(配列番号711)又は(GGGGS)(配列番号750))。 図7Aは、本二重特異性分子の一部として設計されたscFv-Fc/Fab-Fc二重特異性抗体の例を図示する。図7Bは、本二重特異性分子の一部として設計されたCD4 ECD-Fc/Fab-Fc二重特異性融合タンパク質の例を図示する。図7Cは、本二重特異性分子の一部として設計されたCD4 ECD-Fc/scFv-Fc二重特異性融合タンパク質の例を図示する。図7Dは、二価又はタンデムCD4 ECDを組み込み、本二重特異性分子の一部として設計されたCD4 ECD-Fc/scFv-Fc又はCD4 ECD-Fc/Fab-Fc二重特異性融合タンパク質の例を図示する。図示される全ての技術は、任意選択であり、省略されるか又はこれらの図に示されるものを超えて組み合わせて使用されてもよい。凡例:ΔEF=エフェクタ機能を除去する(例えば、FcγR結合がL234A及びL235A(LALA)変異のうちの少なくとも1つにより低減又は排除される、C1q結合がP331S変異により低減又は排除される、集合的に「AAS」)、ノブ及びホール=操作されたFcヘテロ二量体(例えば、「ホール」(H)変異は、T366S、L368A、及びY407V(「SAV」)を含む、「ノブ」(K)変異はT366W(「W」)を含む、HLE=半減期延長(例えば、M252Y、S254T、及びT256E(「YTE」)又はM428L及びN434S(「LS」))、ΔProA=プロテインA結合を低減又は排除する(例えば、H435R又はH435R+Y436F(「RF」)、リンカー=scFvリンカー(例えば、(GGGS)(配列番号711)又は(GGGGS)(配列番号750))。 図7Aは、本二重特異性分子の一部として設計されたscFv-Fc/Fab-Fc二重特異性抗体の例を図示する。図7Bは、本二重特異性分子の一部として設計されたCD4 ECD-Fc/Fab-Fc二重特異性融合タンパク質の例を図示する。図7Cは、本二重特異性分子の一部として設計されたCD4 ECD-Fc/scFv-Fc二重特異性融合タンパク質の例を図示する。図7Dは、二価又はタンデムCD4 ECDを組み込み、本二重特異性分子の一部として設計されたCD4 ECD-Fc/scFv-Fc又はCD4 ECD-Fc/Fab-Fc二重特異性融合タンパク質の例を図示する。図示される全ての技術は、任意選択であり、省略されるか又はこれらの図に示されるものを超えて組み合わせて使用されてもよい。凡例:ΔEF=エフェクタ機能を除去する(例えば、FcγR結合がL234A及びL235A(LALA)変異のうちの少なくとも1つにより低減又は排除される、C1q結合がP331S変異により低減又は排除される、集合的に「AAS」)、ノブ及びホール=操作されたFcヘテロ二量体(例えば、「ホール」(H)変異は、T366S、L368A、及びY407V(「SAV」)を含む、「ノブ」(K)変異はT366W(「W」)を含む、HLE=半減期延長(例えば、M252Y、S254T、及びT256E(「YTE」)又はM428L及びN434S(「LS」))、ΔProA=プロテインA結合を低減又は排除する(例えば、H435R又はH435R+Y436F(「RF」)、リンカー=scFvリンカー(例えば、(GGGS)(配列番号711)又は(GGGGS)(配列番号750))。
図8Aは、所望の二重特異性抗体又は融合タンパク質Fcヘテロ二量体を、低等電点(pI)を有するFcホモ二量体又は他の夾雑物から単離する、代表的なHiTrap(登録商標)SP HP(Cytiva Life Sciences)陽イオン交換クロマトグラフィ(20mMリン酸ナトリウムpH7.0中0~30%の1M NaClの勾配を使用して、二重特異性抗体又は融合タンパク質Fcヘテロ二量体を、低等電点(pI)を有するFcホモ二量体又は他の夾雑物から単離するために用いられた)、及びhPGT121.66(例えば、国際公開第2018/237148号を参照)AAS+W/huSP34.13.10 scFv AAS+SAV+RF Fab-scFv-Fc二重特異性抗体(Ab 265;配列番号848、829、及び823)(本明細書に記載の二重特異性分子を表53に要約する)の精製についてのSDS-PAGE分析を図示する。図8Bは、代表的なHiTrap(登録商標)SP HP(Cytiva Life Sciences)陽イオン交換クロマトグラフィの結果、及びhCD4 D1.22 Fc AAS+SAV+YTE/huSP34.3.13 AAS+W+YTE Fab-Fc-Fc融合二重特異性分子185の精製についてのSDS-PAGE分析を図示する。 図8Aは、所望の二重特異性抗体又は融合タンパク質Fcヘテロ二量体を、低等電点(pI)を有するFcホモ二量体又は他の夾雑物から単離する、代表的なHiTrap(登録商標)SP HP(Cytiva Life Sciences)陽イオン交換クロマトグラフィ(20mMリン酸ナトリウムpH7.0中0~30%の1M NaClの勾配を使用して、二重特異性抗体又は融合タンパク質Fcヘテロ二量体を、低等電点(pI)を有するFcホモ二量体又は他の夾雑物から単離するために用いられた)、及びhPGT121.66(例えば、国際公開第2018/237148号を参照)AAS+W/huSP34.13.10 scFv AAS+SAV+RF Fab-scFv-Fc二重特異性抗体(Ab 265;配列番号848、829、及び823)(本明細書に記載の二重特異性分子を表53に要約する)の精製についてのSDS-PAGE分析を図示する。図8Bは、代表的なHiTrap(登録商標)SP HP(Cytiva Life Sciences)陽イオン交換クロマトグラフィの結果、及びhCD4 D1.22 Fc AAS+SAV+YTE/huSP34.3.13 AAS+W+YTE Fab-Fc-Fc融合二重特異性分子185の精製についてのSDS-PAGE分析を図示する。
全てのラウンド1のhuSP34 Fabバリアントについての分析CX-1%メインピーク値を図示する。対応のないt検定を使用して、重鎖(HC)100位のアスパラギン(N)を含有するバリアントを、重鎖100位のヒスチジンを含有するバリアントと比較した。結果は、H100が電荷均一性の改善に有意に寄与したことを示唆する。
SPR実験から得られた固定化CD3への二重特異性の代表的な結合を図示する。黒線は、120秒間にわたる様々な濃度の二重特異性249の注入を示す。次いで、解離を10.5分間監視した最高濃度を除いて、解離を80秒間監視した。平滑化された灰色の線は、単純な動態モデルから得られたこのデータへの適合を表す。このモデルを使用して、これらの相互作用についてのkon、koff、及びKを導いた。
PGT121.66×huSP34二重特異性抗体265(丸)、251(四角)、259(上向き三角、点線)の代表的な結合濃度応答曲線を図示する。CD4+T細胞(ドナー4574由来)に対する、258(逆三角形、実線)、及び260(菱形)。本明細書に記載の二重特異性分子を表53に要約する。
PGT121.66×huSP34二重特異性抗体265(丸)、251(四角)、259(上向き三角、点線)の代表的な結合濃度応答曲線を図示する。CD4+T細胞(ドナー4574由来)に対する、258(逆三角形、実線)、及び260(菱形)。
(A)PBMC中のヒトCD4+T細胞(ドナーhu151由来)に対する、PGT121.66×huSP34二重特異性抗体257(黒丸)、274(黒四角)、273(黒上向き三角)、275(黒逆三角)、256(黒菱形)、243(半黒丸)、251(半黒四角)、及び261(半黒上向き三角)、並びに(B)PBMC中のヒトCD4+T細胞(ドナーhu921由来)に対するCD4×huSP34二重特異性180の代表的な結合濃度応答曲線を図示する。 (A)PBMC中のヒトCD4+T細胞(ドナーhu151由来)に対する、PGT121.66×huSP34二重特異性抗体257(黒丸)、274(黒四角)、273(黒上向き三角)、275(黒逆三角)、256(黒菱形)、243(半黒丸)、251(半黒四角)、及び261(半黒上向き三角)、並びに(B)PBMC中のヒトCD4+T細胞(ドナーhu921由来)に対するCD4×huSP34二重特異性180の代表的な結合濃度応答曲線を図示する。
(A)PBMC中のサルCD4+T細胞(アカゲザルドナーrh3563由来)に対する、PGT121.66×huSP34二重特異性抗体257(黒丸)、274(黒四角)、273(黒上向き三角)、275(黒逆三角)、256(黒菱形)、243(半黒丸)、251(半黒四角)、及び261(半黒上向き三角)、並びに(B)PBMC中のサルCD4+T細胞(カニクイザルドナーcy2177由来)に対するCD4×huSP34二重特異性180の代表的な結合濃度応答曲線を図示する。 (A)PBMC中のサルCD4+T細胞(アカゲザルドナーrh3563由来)に対する、PGT121.66×huSP34二重特異性抗体257(黒丸)、274(黒四角)、273(黒上向き三角)、275(黒逆三角)、256(黒菱形)、243(半黒丸)、251(半黒四角)、及び261(半黒上向き三角)、並びに(B)PBMC中のサルCD4+T細胞(カニクイザルドナーcy2177由来)に対するCD4×huSP34二重特異性180の代表的な結合濃度応答曲線を図示する。
(A)PBMC中のヒトCD8+T細胞(ドナーhu151由来)に対する、PGT121.66×huSP34二重特異性抗体257(黒丸)、274(黒四角)、273(黒上向き三角)、275(黒逆三角)、256(黒菱形)、243(半黒丸)、251(半黒四角)、及び261(半黒上向き三角)、並びに(B)PBMC中のヒトCD8+T細胞(ドナーhu921由来)に対するCD4×huSP34二重特異性180の代表的な結合濃度応答曲線を図示する。 (A)PBMC中のヒトCD8+T細胞(ドナーhu151由来)に対する、PGT121.66×huSP34二重特異性抗体257(黒丸)、274(黒四角)、273(黒上向き三角)、275(黒逆三角)、256(黒菱形)、243(半黒丸)、251(半黒四角)、及び261(半黒上向き三角)、並びに(B)PBMC中のヒトCD8+T細胞(ドナーhu921由来)に対するCD4×huSP34二重特異性180の代表的な結合濃度応答曲線を図示する。
(A)アカゲザルCD8+PBMC(ドナーrh3563由来)に対する、PGT121.66×huSP34二重特異性抗体257(黒丸)、274(黒四角)、273(黒上向き三角)、275(黒逆三角)、256(黒菱形)、243(半黒丸)、251(半黒四角)、及び261(半黒上向き三角)、並びに(B)PBMC中のサルCD8+T細胞(カニクイザルドナーcy2177由来)に対するCD4×huSP34二重特異性180の代表的な結合濃度応答曲線を図示する。 (A)アカゲザルCD8+PBMC(ドナーrh3563由来)に対する、PGT121.66×huSP34二重特異性抗体257(黒丸)、274(黒四角)、273(黒上向き三角)、275(黒逆三角)、256(黒菱形)、243(半黒丸)、251(半黒四角)、及び261(半黒上向き三角)、並びに(B)PBMC中のサルCD8+T細胞(カニクイザルドナーcy2177由来)に対するCD4×huSP34二重特異性180の代表的な結合濃度応答曲線を図示する。
ヒト(hu)及びアカゲザル(rh)CD4+PBMCへのPGT121.66×huSP34二重特異性抗体257(黒丸)、274(黒四角)、273(黒上向き三角)、275(黒逆三角)、256(黒菱形)、243(白丸)、251(白四角)、及び261(白上向き三角)の結合の濃度応答曲線から導出されたEC50値を図示する。
ヒト(hu)及びアカゲザル(rh)CD8+PBMCへのPGT121.66×huSP34二重特異性抗体257(黒丸)、274(黒四角)、273(黒上向き三角)、275(黒逆三角)、256(黒菱形)、243(白丸)、251(白四角)、及び261(白上向き三角)の結合の濃度応答曲線から導出されたEC50値を図示する。
PBMCエフェクタ細胞を使用した、PGT121.66×huSP34二重特異性抗体265(黒丸)、259(上向き三角)、258(逆三角)、251(四角)、及び260(半黒丸)による代表的な死滅濃度応答曲線を図示する。
PGT121.66×huSP34二重特異性抗体(最高~最低のPBMC死滅EC50値)258、260、259、251、及び265のピアソン相関を図示する。huSP34バリアントCD3結合親和性対PBMC死滅EC50値。死滅EC50値は、2人のドナーで試験した5つのウイルスの幾何平均EC50値である。
PGT121.66×huSP34二重特異性抗体(最高~最低のT細胞死滅EC50値)260、258、259、251、及び265のピアソン相関を図示する。huSP34バリアントCD3結合親和性対単離されたT細胞死滅EC50値。死滅EC50値は、2人のドナーで試験した5つのウイルスの幾何平均EC50値である。
PBMCエフェクタ細胞を使用した、3BNC117.52.64×huSP34二重特異性抗体237(丸)、230(四角)、及び232(三角)による死滅の代表的な濃度応答曲線を図示する。
3BNC117.52.64×huSP34二重特異性抗体(最高~最低のPBMC細胞死滅EC50値)238、230、及び237のピアソン相関を図示する。huSP34バリアントCD3結合親和性対PBMC死滅EC50値。死滅EC50値は、2人のドナーで試験した5つのウイルスの幾何平均EC50値である。
PBMCエフェクタ細胞(E:T=3:1)を使用したPGT121.66xhuSP34二重特異性分子265(丸)、251(四角)、及び259(三角)による初代HIV感染(ウイルス657)CD4+細胞の代表的な死滅濃度応答曲線を図示する。
PBMCエフェクタ細胞(E:T=3:1)を使用した、PGT121.66×huSP34二重特異性分子265(丸)、251(四角)、及び259(三角)による初代HIV感染(ウイルス7552)CD4+細胞の代表的な死滅濃度応答曲線を図示する。
CD4 ECD×α-CD3二重特異性分子(右から左に:212、211、213、198、187、199、及び186)にわたってプロットした死滅曲線のEC50値を図示する。全てのウイルス/ドナーから計算した各分子(-)についての幾何平均EC50値を示す。
異なるHIV分離株に感染させた初代CD4+T細胞の抗体及び二重特異性媒介死滅を図示する。初代CD4+T細胞を32個のHIV単離株のパネルに感染させ、示された抗体又は抗体の組み合わせ、及びエフェクタ細胞としての自家PBMCとともにインキュベートした。グラフ上のデータは、各HIV分離株及び抗体、二重特異性又は抗体/二重特異性の組合せ(左から右に:PGT121.42、h3BNC117.52.64、二重特異性180、PGT121.42+h3BNC117.52.64の組み合せ、PGT121.42+h3BNC117.52.64+二重特異性180の組み合せ)についての死滅アッセイにおいて決定されたEC50値を表す。水平バーは、中央値及び95%信頼区間を示す。
試験二重特異性分子186、255、及び230にわたってプロットされた24個のウイルス分離株感染細胞についての結合曲線のEC50値。
ナイーブ雄カニクイザル(n=3)に1mg/kg IVで投与されたPGT121.66×huSP34二重特異性分子250(丸)、252(四角)、及び251(三角)の薬物動態(pharmacokinetic、PK)プロファイルを図示する。比較のために、0日目及び7日目に、30mg/kg IVで投与された比較例#7二重特異性(破線)の個々のサルPKプロファイルを用量正規化した。各記号は、測定された平均±標準偏差(SD)血清濃度である。
ナイーブ雄カニクイザル(n=3)への1mg/kg IV投与後のPGT121.66×huSP34二重特異性分子264(黒丸)、265(黒四角)、261(黒三角)、262(白丸)、及び263(白四角)のPKプロファイルを図示する。各記号は、測定された平均±SD血清濃度である。
ナイーブ雄カニクイザル(n=2)への1mg/kg IV投与後のPGT121.66×huSP34二重特異性分子257(黒丸)、274(白丸)、273(黒四角)、275(白四角)、256(黒三角)、及び243(白三角)のPKプロファイルを図示する。各記号は、測定された平均血清濃度である。
ナイーブ雄カニクイザル(n=2又は3)への1mg/kg IV投与後のPGT121.66×huSP34二重特異性分子249(黒丸)、276(黒四角)、277(黒三角)、及び218(白丸)のPKプロファイルを図示する。各記号は、測定された平均±SD血清濃度である。
ナイーブ雄カニクイザル(n=3)への1mg/kg IV投与後のCD4 ECD×huSP34二重特異性分子186(黒丸)、187(黒四角)、180(白丸)、182(白四角)、及び185(白三角)のPKプロファイルを図示する。二重特異性分子186及び187を、0日目及び14日目に投与した。各記号は、測定された平均±SD血清濃度である。
抗HIV gp120 Fab及び抗CD3 scFvを有する非対称二重特異性分子の3つのポリペプチド鎖の発現をコードするポリヌクレオチド配列を有する発現ベクターの構成を図示する。ベクターは、3つのポリペプチド鎖:抗gp120 Fabの重鎖及び軽鎖、並びに3つの別個の発現カセットからの抗CD3のscFvの発現を駆動するように設計され、各々は、等しい転写強度のそれ自体のプロモータ(例えば、サイトメガロウイルス(CMV)プロモータ)によって駆動される。比較的弱い転写強度のプロモータ(例えば、SV40プロモータ)を使用して真核生物選択マーカ(例えば、グルタミン合成酵素(GS)をコードするポリヌクレオチドを有する追加のDNAカセットを、発現ベクターに含めた。細菌の複製起点(例えば、Ori)及び抗生物質の選択マーカ(例えば、アンピシリン、(AmpR))をコードするDNAを、E.coliにおける発現ベクター産生に利用した。
抗HIV gp120 Fab及び抗CD3 scFvを有する非対称二重特異性分子を発現する細胞株の発現性能の評価を図示する。発現性能は、二重特異性分子を発現する細胞を流加プロセスで培養し、ベースライン(D0)及び老化時(D30)にそれらの性能を評価することによって評価した。目的の二重特異性分子を含む複数の種の発現を、ProAベースのバイオレイヤー干渉法を使用して測定し、非対称二重特異性分子を含むヘテロ三量体の相対レベル(Het%、ヘテロ三量体%)を、サイズ分離法(非還元キャピラリー電気泳動)を使用して監視した。
抗CD3 Fab及びCD4細胞外(EC)ドメイン-Fc融合タンパク質を有する非対称二重特異性分子の3つのポリペプチド鎖の発現をコードするポリヌクレオチド配列を有する発現ベクターの構成を図示する。ベクターは、3つのポリペプチド鎖:抗CD3 Fabの重鎖及び軽鎖、並びに3つの別個の発現カセットからのCD4-Fc融合タンパク質の発現を駆動するように設計され、各々は、等しい転写強度のそれ自体のプロモータ(例えば、サイトメガロウイルス(CMV)プロモータ)によって駆動される。比較的弱い転写強度のプロモータ(例えば、SV40プロモータ)を使用して真核生物選択マーカ(例えば、グルタミン合成酵素(GS)をコードするポリヌクレオチドを有する追加のDNAカセットを、発現ベクターに含めた。細菌の複製起点(例えば、Ori)及び抗生物質の選択マーカ(例えば、アンピシリン、(AmpR))をコードするDNAを、E.coliにおける発現ベクター産生に利用した。
抗CD3 Fab及びCD4-Fc融合タンパク質を有する非対称二重特異性分子を発現する細胞株の発現性能の評価を図示する。発現性能は、産生モード(流加プロセス)下で細胞を培養することによって評価した。各ドットは選択されたクローンを表し、所望の種の比(Het%、ヘテロ三量体%)をサイズ分離法(非還元キャピラリー電気泳動)によって監視した。非対称二重特異性分子を含む所望のヘテロ三量体の量を、全二重特異性分子の量(ProA Biosensorsを介して検出された)として計算し、次いで、ヘテロ三量体%(g/Lでの特異的力価)を掛けた。
ART中止前の血清中のPGT121/抗CD3二重特異性抗体薬物動態を図示する。ピーク血清抗体レベルは、抗体の12回の注入(抗CD3KOバージョンを最初に2回注入し、続いて抗CD3バージョンを10回注入)の各々の後、及びウォッシュアウト期間中に示される。点線は検出限界を示す。点線は検出限界を示す。
ART中止後のSHIVウイルス量を図示する。ART中止後168日間の血漿ウイルス量。ウイルスリバウンドを示さなかった動物の数及びパーセンテージを示す。検出限界は、1mL当たり1.7log RNAコピーである。
ART中止後のウイルスリバウンドのない動物(n=1)及びウイルスリバウンドのある動物(n=4)におけるCD8+細胞枯渇の前後の血漿ウイルス量を図示する。非ウイルス血症のままであった動物の数及び動物の総数を示す。矢印は、ART中止後245日目(77週目)のCD8+細胞枯渇を示す。検出限界は、1mL当たり1.7log RNAコピーである。
1. 序論
CD3及びHIV抗原(例えば、gp120又はgp41)を標的とし、製造効率の改善、コストの低減、薬物様特性の改善(例えば、ヒト生殖系列に対する配列同一性の増加、並びに抗薬物抗体(ADA)のオフターゲット結合及び誘導の低減)のために設計された多重特異性又は二重特異性抗原結合分子が提供される。本明細書に記載のFc含有多重特異性又は二重特異性分子は、単一の細胞株を使用して、簡略化された精製プロセスで、高収率で効率的に産生され得る。本発明者らは、(1)ヒト及び非ヒト霊長類(NHP)CD3に対する高い親和性(例えば、前臨床毒性研究を容易にするために)、(2)ヒト生殖系列に対する高い配列類似性(例えば、ヒト患者における免疫原性及び抗薬物抗体(ADA)反応のリスクを低減又は排除するため)、(3)非ヒト霊長類におけるADAの証拠のないIgG様薬物動態(PK)特性(例えば、前臨床有効性及び毒性研究を容易にするため)、(4)製造を改善するための配列障害(例えば、脱アミド、アスパラギン酸異性化)の除去による産物の不均一性の低減、(5)高い熱力学的安定性(例えば、生成物の安定性を確保するため)、(6)低凝集体含量(例えば、免疫原性のリスクを低減するため)、(7)低い多特異性(免疫原性のリスクを低減し、PK特性を改善するため)、及び(8)プロテインAアフィニティクロマトグラフィ樹脂への結合が低いか又は結合がない重鎖可変領域(VH)(例えば、二重特異性抗体ヘテロ二量体の効率的な精製を容易にするため)を伴う抗CD3抗体可変ドメインを有する、多重特異性又は二重特異性分子を開発した。更に、抗CD3抗体可変ドメインは、例えば、軽鎖ミスペアリング又は二重特異性抗体産物の不均一性の他の原因を制限するために、3つ以下のポリペプチド鎖を含有する様々な二重特異性抗体フォーマットに組み込むことができるように、scFv及びFabフォーマットの両方において前述の望ましい特性全てを有する。
いくつかの実施形態では、多重特異性又は二重特異性分子は、Fcに融合した単鎖可変断片(scFv)である、ヒトCD3を標的とする第1の抗原結合ドメインを含み、一方、HIV抗原(例えば、gp120又はgp41)を標的とする第2の抗原結合ドメインは、Fcに融合したFab抗原結合断片から構成される。得られた分子は、単一の細胞株において共発現される、3つのポリペプチド鎖(すなわち、scFv重鎖、Fab重鎖、Fab軽鎖)を有する。所望の二重特異性ヘテロ二量体分子の形成は、いずれかの半分子の望ましくないホモ二量体化を制限するFc領域における変異の使用を介して容易になるが、抗原結合アームのうちの1つとしてのscFv断片の使用により、別様には不正確な軽鎖ペアリングから生じる不均一性をもたらし得る2つの異なる軽鎖を共発現する必要性が排除される。多重特異性抗原結合分子の精製は、可変領域及びFc領域のうちの1つがプロテインAに結合する能力を排除することによって簡略化及び改善される。この設計戦略を用いて、2つの可能なホモ二量体不純物のうちの1つは、細胞培養培地からの二重特異性のプロテインAベースの捕捉中に保持されない。
本多重特異性抗原結合分子の様々な実施形態では、天然ヒトIgG配列の第1及び第2のFc領域は、重鎖ヘテロ二量体化を促進し、簡略化された効率的な精製を可能にし、FcγR及びC1qへの結合を低減又は除去するように修飾することができる。
第1及び第2のFc領域のヘテロ二量体化は、「ノブ・イントゥ・ホール(knobs-into-hole)」変異の導入によって容易にすることができる(Atwell et al.1997.JMB 270:26-35)。「ホール」変異(T366S、L368A、及びY407V)は一方のFc含有鎖に組み込まれ、T366W「ノブ」変異は他方の鎖に使用される(Atwell et al.、上記)。加えて、C220S変異をscFv含有アームのIgG1ヒンジ領域に組み込んで、さもなければ免疫グロブリン軽鎖中の対応するシステインとジスルフィド結合を形成するであろう遊離システインを、排除することができる。単一の宿主細胞へのそのような構築物の同時形質移入は、低レベルのホモ二量体夾雑物を有する、ヘテロ二量体Fcの形成を促進する。S354C(「ノブ」変異を含有するFc変異において作製される)及びY349C(「ホール」変異を含有するFcにおいて作製される)変異は、追加の熱力学的安定性が望まれる場合、任意選択で、ヘテロ二量体Fcの二等分の間に共有結合を生成するために組み込むことができる(Merchant et al.1998.Nat.Biotechnol.16:677-81)。本明細書に記載されるように、第1及び第2のFc領域における置換のためのアミノ酸位置のナンバリングは、Euインデックスに従う。
夾雑ホモ二量体産物からのヘテロ二量体分子の精製は、第1又は第2のFc領域にH435R又はH435R+Y436F変異を導入して、プロテインA結合を低減又は排除することによって容易にすることができ(Jendeberg,L.et al.1997 J.Immunol.Methods 201:25-34)、任意選択で、同じ鎖の任意の可変重(VH)領域における変異と、そのようなVHがヒトVH3生殖系列に由来する場合は、組み合わされる。例えば、追加のVH変異は、Kabatナンバリングシステムに従ってナンバリングされた位置R19、T57、G65、Q81、及びN82aのうちの1つ以上で行うことができる。Fc領域における、及び任意選択でVH領域におけるそのようなアミノ酸置換の組み込みは、ホモ二量体夾雑物のプロテインA結合を低減又は排除することができ、追加のクロマトグラフィ工程(例えば、イオン交換)による残りのホモ二量体夾雑物からの所望のヘテロ二量体の精製を大幅に簡略化することができる。
ある特定の実施形態では、第1及び第2のFcドメイン又はFc領域は、エフェクタ機能(抗体依存性細胞傷害(ADCC)、抗体依存性細胞食作用(ADCP)、及び補体依存性細胞傷害(CDC))のうちの1つ以上を低減又は排除するためにアミノ酸置換を組み込む。これらの状況において、第1及び第2のFc領域のうちの少なくとも一方は、FcγR結合を低減又は排除するために、L234A及びL235A変異のうちの一方若しくは両方(Chappel,M.S.et al.1991 PNAS 88:9036-9040)、及び/又はC1q結合を低減若しくは排除するためのP331S変異を組み込むことができる(Xu Y,et al.J Biol Chem.1994.269:3469-74)。
scFv断片は、最小抗体由来抗原結合単位を表し、可撓性ポリペプチドリンカーを介した可変重及び可変軽ドメインの直接融合によって生成される(Huston et al.,1988,PNAS 85:5879-5883)。このリンカーの配列は、GGGGSモチーフ(配列番号712)の3つ又は4つの反復を含有することができる(Desplancq et al.1994,Protein Engineering 7:1027-1033)。様々な実施形態では、追加の熱力学的安定性が所望される場合、G44C変異(可変重ドメイン)及びG100C変異(可変軽ドメイン)は、scFvのVHドメインとVLドメインとの間に共有ジスルフィド結合を生成するために組み込まれ得る(Brinkmann,U et al.,1993,PNAS 90:7538-7542)。
scFvの形態の第1の抗原結合ドメイン及びFabの形態の第2の抗原結合ドメインを含む実施形態では、3つのポリペプチド鎖は、単一の宿主細胞において共発現され、プロテインAクロマトグラフィにより精製され得る。所望のFab-scFv-Fcヘテロ二量体は、非還元SDS-PAGE分析において観察される優勢種である。第1又は第2のFc領域におけるH435R又はH435R+Y436F変異を使用して、夾雑ホモ二量体種は更に軽減することができる。イオン交換クロマトグラフィ及び標準製剤緩衝液への透析を使用するその後の洗練(polishing)は、例えば、少なくとも90%、例えば、少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%以上純粋である、高純度で均一性を有する最終材料を生成する。
2. 抗CD3エフェクタアーム
表面抗原分類(CD3)は、4つの異なるポリペプチド鎖:イプシロン(ε)(CD3E、NCBI遺伝子ID:916)、ガンマ(γ)(CD3G;NCBI遺伝子ID:917)、デルタ(δ)(CD3D;NCBI遺伝子ID:915)、及びゼータ(ζ)(CD247;NCBI遺伝子ID:919)で構成される多量体タンパク質複合体であり、こらは、3対の二量体(εγ、εδ、ζζ)として集合し、機能する。CD3タンパク質は、N末端細胞外領域、膜貫通ドメイン、及び免疫受容体チロシン活性化モチーフ(ITAM)が位置する細胞質尾部を有する。CD3ε、γ、及びδの細胞外ドメインは、免疫グロブリン様ドメインを含み、したがって、免疫グロブリンスーパーファミリーの一部と考えられる。CD3/T細胞共受容体は、CD8T細胞及びCD4T細胞の両方を活性化するのに役立つ。
ヒトCD3εのアミノ酸配列は、UNiProtKB-P07766に見出すことができ、以下に提供される(シグナル配列を下線で示す)。
ヒトCD3δのアミノ酸配列は、UNiProtKB-P04234に見出すことができ、以下に提供される(シグナル配列を下線で示す)。
ヒトCD3に結合する抗体は、例えば、Kuhn & Weiner,Immunotherapy,8(8):889-906(2016)、国際公開第2015/001085号、国際公開第2015/104346号に記載されている。CD3εに対して指向された抗CD3抗体であるOKT3(ムロモナブ-CD3)は、拒絶反応の予防及び治療のための実質臓器移植における免疫抑制の誘導のための、ヒトにおける使用が臨床的に承認されている(Norman,Therapeutic Drug Monitoring,17,615-620(1995))。hOKT3γ1(Ala-Ala)及びMGA031の名称でも知られているテプリズマブは、OKT3の相補性決定領域をヒトIgG1骨格に移植することによって開発されたヒト化IgG1抗体である。そのFc部分における2つの点変異の導入は、FcRへの結合を減少させる。オテリキシズマブ(ChAglyCD3、TRX4、GSK2136525)は、ラット抗体YTH12.5に由来した。このヒト化IgG1は、グリコシル化を回避し、したがってFcR結合を阻害するために、γ1 Fc部分に単一変異を有する。ビジリズマブ(Nuvion、HuM291)は、そのFc領域における2つの点変異によって非分裂促進性にされたヒト化IgG2抗体である。フォラルマブ(28F11-AE;(NI-0401)は、完全ヒト抗CD3 mAbであり、このヒトIgG1のFc部分は、mAbがインビトロで非FcR結合性であり、CD3/TCR及びT細胞枯渇の調節を維持しながら、インビボでわずかなサイトカイン放出しか示さないように変異された。抗CD3抗体の非限定的な例は、米国特許出願公開第2016/0333095A1号にも開示されている。
ある特定の実施形態では、本明細書に記載の抗CD3抗原結合ドメインは、ヒトCD3に結合する。いくつかの例では、本明細書に記載の抗CD3抗原結合ドメインは、ヒトCD3εに結合する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の抗CD3抗原結合ドメインは、ヒトCD3δに結合する。
例示的な抗CD3抗原結合ドメイン配列
様々な実施形態では、ヒトCD3を標的とするか、又はそれに結合するか、又はそれに特異的に結合する第1の抗原結合ドメインは、第1の重鎖可変ドメイン(VH)及び第1の軽鎖可変ドメイン(VL)を含み、(i)TYAMN(配列番号1)のアミノ酸配列を含む、第1のVH相補性決定領域(CDR)1、(ii)RIRSKYNNYATYYAXSVKX(配列中、XはA又はDであり、XはG又はSである)(配列番号2)のアミノ酸配列を含む、第1のVH-CDR2、(iii)HGNFGXSYVSWFAY(配列中、Xは、H又はNである)(配列番号3)のアミノ酸配列を含む、第1のVH-CDR3、(iv)GSSTGAVTTGHYAN(配列番号4)のアミノ酸配列を含む、第1のVL-CDR1、(v)GTXRAP(配列中、Xは、SN又はNKである)(配列番号5)のアミノ酸配列を含む、第1のVL-CDR2、及び(vi)ALWYSNXWV(配列中、Xは、L又はRである)(配列番号6)のアミノ酸配列を含む、第1のVL-CDR3を含み、第1のVH-CDR1、第1のVH-CDR2、第1のVH-CDR3、第1のVL-CDR1、第1のVL-CDR2、及び第1のVH-CDR3は、Kabatに従う。いくつかの実施形態では、(i)第1のVH相補性決定領域(CDR)1は、TYAMN(配列番号1)のアミノ酸配列を含み、(ii)第1のVH-CDR2は、RIRSKYNNYATYYADSVKX(Xは、G又はSである)(配列番号7)のアミノ酸を含み、(iii)第1のVH-CDR3は、HGNFGHSYVSWFAY(配列番号8)のアミノ酸配列を含み、(iv)第1のVL-CDR1は、GSSTGAVTTGHYAN(配列番号4)のアミノ酸配列を含み、(v)第1のVL-CDR2は、GTSNRAP(配列番号9)のアミノ酸配列を含み、かつ(vi)第1のVL-CDR3は、ALWYSNRWV(配列番号10)のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、第1のVH-CDR1、第1のVH-CDR2、第1のVH-CDR3、第1のVL-CDR1、第1のVL-CDR2、及び第1のVL-CDR3は、それぞれ、以下のアミノ酸配列を含む:配列番号1、11、8、4、5、及び10、配列番号1、11、8、4、9、及び10、配列番号1、12、8、4、9、及び10、配列番号1、13、8、4、14、及び15、配列番号1、13、16、4、14、及び15、又は配列番号1、11、8、4、14、及び10。いくつかの実施形態では、第1のVH-CDR1、第1のVH-CDR2、第1のVH-CDR3、第1のVL-CDR1、第1のVL-CDR2、及び第1のVL-CDR3は、それぞれ、以下のアミノ酸配列を含む:配列番号1、11、8、4、9、及び10、又は配列番号1、12、8、4、9、及び10。いくつかの実施形態では、第1のVH-CDR1、第1のVH-CDR2、第1のVH-CDR3、第1のVL-CDR1、第1のVL-CDR2、及び第1のVL-CDR3は、それぞれ、以下のアミノ酸配列を含む:配列番号1、11、8、4、9、及び10。いくつかの実施形態では、第1のVH-CDR1、第1のVH-CDR2、第1のVH-CDR3、第1のVL-CDR1、第1のVL-CDR2、及び第1のVL-CDR3は、それぞれ、以下のアミノ酸配列を含む:配列番号1、12、8、4、9、及び10。
様々な実施形態では、ヒトCD3を標的とするか、又はそれに結合するか、又はそれに特異的に結合する第1の抗原結合ドメインは、第1の重鎖可変ドメイン(VH)及び第1の軽鎖可変ドメイン(VL)を含み、(i)GFTFNTY(配列番号17)のアミノ酸配列を含む、第1のVH-CDR1、(ii)SKYNNY(配列番号18)のアミノ酸配列を含む、第1のVH-CDR2、(iii)GNFGXSYVSWFA(配列中、Xは、H又はNである)(配列番号19)のアミノ酸配列を含む、第1のVH-CDR3、(iv)SSTGAVTTGHY(配列番号20)のアミノ酸配列を含む、第1のVL-CDR1、(v)GTX(配列中、Xは、N又はSである)(配列番号21)のアミノ酸を含む、第1のVL-CDR2、(vi)WYSNXW(配列中、Xは、L又はRである)のアミノ酸配列(配列番号22)を含む、第1のVL-CDR3を含み、第1のVH-CDR1、第1のVH-CDR2、第1のVH-CDR3、第1のVL-CDR1、第1のVL-CDR2、及び第1のVH-CDR3は、Chothiaに従う。いくつかの実施形態では、第1のVH-CDR1、第1のVH-CDR2、第1のVH-CDR3、第1のVL-CDR1、第1のVL-CDR2、及び第1のVL-CDR3は、それぞれ、以下のアミノ酸配列を含む:配列番号17、18、23、20、21、及び25、配列番号17、18、23、20、24、及び25、配列番号17、18、23、20、26、及び27、配列番号17、18、75、20、26、及び27、又は配列番号17、18、23、20、26、及び25。いくつかの実施形態では、第1のVH-CDR1、第1のVH-CDR2、第1のVH-CDR3、第1のVL-CDR1、第1のVL-CDR2、及び第1のVL-CDR3は、それぞれ、以下のアミノ酸配列を含む:配列番号17、18、23、20、24、及び25。
様々な実施形態では、ヒトCD3を標的とするか、又はそれに結合するか、又はそれに特異的に結合する第1の抗原結合ドメインは、第1の重鎖可変ドメイン(VH)及び第1の軽鎖可変ドメイン(VL)を含み、(i)GFTFNTYA(配列番号28)のアミノ酸配列を含む、第1のVH-CDR1、(ii)IRSKYNNYAT(配列番号29)のアミノ酸配列を含む、第1のVH-CDR2、(iii)VRHGNFGXSYVSWFAY(配列中、Xは、H又はNである)(配列番号30)のアミノ酸配列を含む、第1のVH-CDR3、(iv)TGAVTTGHY(配列番号31)のアミノ酸配列を含む、第1のVL-CDR1、(v)GTX(配列中、Xは、N又はSである)(配列番号21)のアミノ酸を含む、第1のVL-CDR2、及び(vi)ALWYSNXWV(配列中、Xは、L又はRである)(配列番号6)のアミノ酸配列を含む、第1のVL-CDR3を含み、第1のVH-CDR1、第1のVH-CDR2、第1のVH-CDR3、第1のVL-CDR1、第1のVL-CDR2、及び第1のVH-CDR3は、IMGTに従う。いくつかの実施形態では、第1のVH-CDR1、第1のVH-CDR2、第1のVH-CDR3、第1のVL-CDR1、第1のVL-CDR2、及び第1のVL-CDR3は、それぞれ、以下のアミノ酸配列を含む:配列番号28、29、32、31、21、及び10、配列番号28、29、32、31、24、及び10、配列番号28、29、32、31、26、及び15、配列番号28、29、33、31、26、及び15、又は配列番号28、29、32、31、26、及び10。いくつかの実施形態では、第1のVH-CDR1、第1のVH-CDR2、第1のVH-CDR3、第1のVL-CDR1、第1のVL-CDR2、及び第1のVL-CDR3は、それぞれ、以下のアミノ酸配列を含む:配列番号28、29、32、31、24、及び10。
様々な実施形態では、ヒトCD3を標的とするか、又はそれに結合するか、又はそれに特異的に結合する第1の抗原結合ドメインは、第1の重鎖可変ドメイン(VH)及び第1の軽鎖可変ドメイン(VL)を含み、(i)ASGFTFNTYA(配列番号34)のアミノ酸配列を含む、第1のVH-CDR1、(ii)IRSKYNNYATYYAXSVKXR(配列中、XはA又はDであり、XはG又はSである)(配列番号35)のアミノ酸配列を含む、第1のVH-CDR2、(iii)HGNFGXSYVSWFA(Xは、H又はNである)(配列番号36)のアミノ酸配列を含む、第1のVH-CDR3、(iv)SSTGAVTTGHY(配列番号37)のアミノ酸配列を含む、第1のVL-CDR1、(v)GTXNRAPXVPAR(配列中、XはN又はSであり、XはG又はWである)(配列番号38)のアミノ酸配列を含む、第1のVL-CDR2、(vi)WYSNXW(配列中、Xは、L又はRである)のアミノ酸配列(配列番号22)を含む、第1のVL-CDR3を含み、第1のVH-CDR1、第1のVH-CDR2、第1のVH-CDR3、第1のVL-CDR1、第1のVL-CDR2、及び第1のVH-CDR3は、Honeggerに従う。いくつかの実施形態では、(i)第1のVH-CDR1は、ASGFTFNTYA(配列番号34)のアミノ酸配列を含み、(ii)第1のVH-CDR2は、IRSKYNNYATYYADSVKXR(Xは、G又はSである)(配列番号39)のアミノ酸を含み、
(iii)第1のVH-CDR3は、HGNFGHSYVSWFA(配列番号40)のアミノ酸配列を含み、(iv)第1のVL-CDR1は、SSTGAVTTGHY(配列番号37)のアミノ酸配列を含み、(v)第1のVL-CDR2は、GTSNRAPGVPAR(配列番号41)のアミノ酸配列を含み、(vi)第1のVL-CDR3は、WYSNRW(配列番号25)のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、第1のVH-CDR1、第1のVH-CDR2、第1のVH-CDR3、第1のVL-CDR1、第1のVL-CDR2、及び第1のVL-CDR3は、それぞれ、以下のアミノ酸配列を含む:配列番号34、39、40、37、41、及び25、配列番号34、42、40、37、41、及び25、配列番号34、43、40、37、41、及び25、配列番号34、44、40、37、45、及び27、配列番号34、44、46、37、45、及び27、又は配列番号34、42、40、37、47、及び25。いくつかの実施形態では、第1のVH-CDR1、第1のVH-CDR2、第1のVH-CDR3、第1のVL-CDR1、第1のVL-CDR2、及び第1のVL-CDR3は、それぞれ、以下のアミノ酸配列を含む:配列番号34、42、40、37、41、及び25、又は配列番号34、43、40、37、41、及び25。いくつかの実施形態では、第1のVH-CDR1、第1のVH-CDR2、第1のVH-CDR3、第1のVL-CDR1、第1のVL-CDR2、及び第1のVL-CDR3は、それぞれ、以下のアミノ酸配列を含む:配列番号34、42、40、37、41、及び25。いくつかの実施形態では、第1のVH-CDR1、第1のVH-CDR2、第1のVH-CDR3、第1のVL-CDR1、第1のVL-CDR2、及び第1のVL-CDR3は、それぞれ、以下のアミノ酸配列を含む:配列番号34、43、40、37、41、及び25。
Kabat定義、Chothia定義、IMGT定義、及びHonegger定義に従う、ヒトCD3を標的とする多重特異性抗原結合分子の例示的な第1の抗原結合ドメインの相補性決定領域(CDR)の例示的な配列を、それぞれ、表A1、A2、A3、及びA4に提供する。本明細書において同定されるCDRを含む多重特異性抗原結合分子は、本出願によって包含される。本開示はまた、本明細書に開示される抗CD3/抗HIV多重特異性抗原結合分子の任意の他のCDR定義(例えば、Honegger定義、拡張Chothia定義、Martin定義、Gelfand定義、AbM定義、contact定義、例えば、bioinf.org.uk/abs/#cdrdef and Dondelinger,et al.,Front Immunol.(2018)9:2278を参照)に従うCDRを含む、多重特異性抗原結合分子(例えば、抗CD3/抗HIV抗原二重特異性抗体)を包含することが理解される。
Figure 0007518286000003
Figure 0007518286000004
Figure 0007518286000005
Figure 0007518286000006
加えて、VH3ファミリー生殖系列に由来する重鎖可変ドメインは、プロテインAアフィニティクロマトグラフィ樹脂への直接結合を示し得ることが報告されている(Bach,et al.,J Chromatogr A.(2015)1409:60-9)。したがって、ある特定の実施形態では、多重特異性又は二重特異性抗原結合分子の1つの重鎖含有サブユニットによるプロテインAへの結合を低減するか、又は実質的に若しくは完全に排除するために、第1又は第2の重鎖のFc領域におけるH435R又はH435R+Y436F変異を、同じ重鎖のVHにおける1つ以上のアミノ酸置換と、そのVH領域がヒトVH3ファミリー生殖系列に由来する場合は、組み合わせることができる。いくつかの実施形態では、第1のVH(及び/又はヒトVH3ファミリー生殖系列に由来する第2のVH)は、以下に示される位置(本明細書に記載されるように、第1及び第2のVH及びVL領域における置換のためのアミノ酸位置のナンバリングは、Kabatに従う)に以下のアミノ酸のうちの1つ以上を含む:19に対応する位置は、A、S、T、又はKである、57に対応する位置は、A、E、又はTである、65に対応する位置は、G、S、又はTである、81に対応する位置は、E、K、又はTである、そして82aに対応する位置は、S、T、又はRである。いくつかの実施形態では、第1(及び/又はヒトVH3ファミリー生殖系列に由来する第2のVH)のVHは、以下に示される位置(位置のナンバリングはKabatに従う)に以下のアミノ酸のうちの1つ以上を含む:19に対応する位置は、A又はSである、57に対応する位置は、A又はEである、65に対応する位置は、Sである、そして81に対応する位置は、Eである。いくつかの実施形態では、第1のVH(及び/又はヒトVH3ファミリー生殖系列に由来する第2のVH)は、以下に示される位置(位置のナンバリングはKabatに従う)に以下のアミノ酸のうちの1つ以上を含む:19に対応する位置は、Sであり、57に対応する位置は、Aである、19に対応する位置は、A又はSであり、57に対応する位置は、Eである、19に対応する位置は、Aであり、57に対応する位置は、Eである、19に対応する位置は、Sであり、57に対応する位置は、Eである、19に対応する位置は、Sであり、65に対応する位置は、Sである、19に対応する位置は、Sであり、81に対応する位置は、Eである、19に対応する位置は、Kであり、81に対応する位置は、Eである、57に対応する位置は、Aであり、81に対応する位置は、Eである、57に対応する位置は、Aであり、65に対応する位置は、Sである、57に対応する位置は、Eであり、65に対応する位置は、Sである、57に対応する位置は、Eであり、81に対応する位置は、Eである、65に対応する位置は、Sであり、81に対応する位置は、Eであるか、又は81に対応する位置は、Eであり、82aに対応する位置は、Sである。
いくつかの実施形態では、第1の抗原結合ドメインは、プロテインAへの結合が低減されているか若しくはわずかであるか若しくは実質的にないか、又はプロテインAに検出可能に結合しない。いくつかの実施形態では、第1の抗原結合ドメインは、10-6Mを超えるKでプロテインAに結合する。タンパク質結合親和性は、当技術分野で既知の任意の方法によって、例えば、表面プラズモン共鳴(SPR)によって、例えば、本明細書に記載のOctetを使用して決定することができる。
本明細書で使用する場合、所与のアミノ酸ポリマー又は核酸ポリマーのナンバリングは、任意の所与のポリマー構成成分(例えば、一般に「残基」とも呼ばれる、アミノ酸、ヌクレオチド)の位置が、所与のポリマー中の構成成分の実際の数値位置ではなく、選択されたアミノ酸又は核酸ポリマー中の同じ又は同等の位置(例えば、最適なアラインメント又はコンセンサス配列に基づく)を参照することによって指定される場合、選択された又は参照されるアミノ酸ポリマー又は核酸ポリマーのナンバリング、「に対応する(corresponds to)」、「に対応している(corresponding to)」、又は「関連する(relative to)」。
いくつかの実施形態では、第1のVH及び第1のVLは、以下のアミノ酸置換(ナンバリングはKabatに従う)のうちの1つ以上を含む:第1のVHの81位は、Q又はEである、第1のVHの83位は、K又はRである、第1のVHの89位は、M又はVである、第1のVHの100位は、Hである、第1のVLの57位は、G又はWである、かつ/あるいは第1のVLの75位は、I又はLである。いくつかの実施形態では、第1のVHの位置81は、Q又はEである。いくつかの実施形態では、第1のVHの81位は、Eである。いくつかの実施形態では、第1のVHの81位は、Qである。いくつかの実施形態では、第1のVHの81位のうちの1つ以上は、Q又はEである、第1のVHの83位は、Rである、第1のVHの89位は、Vである、第1のVHの100位は、Hである、第1のVLの57位は、Gである、かつ/あるいは第1のVLの75位は、Iである。
いくつかの実施形態では、第1のVHは、配列番号48~53からなる群から選択されるアミノ酸配列と、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%同一であるか、又は100%同一であるアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、第1のVHは、配列番号50のアミノ酸配列と、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、第1のVHは、配列番号50のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、第1のVHは、配列番号51のアミノ酸配列と、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、第1のVHは、配列番号51のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、第1のVLは、配列番号54~58のアミノ酸配列と、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%同一であるか、又は100%同一であるアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、第1のVLは、配列番号56のアミノ酸配列と、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、第1のVLは、配列番号56のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、第1のVHは、配列番号48~53からなる群から選択されるアミノ酸配列と、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%同一であるか、又は100%同一であるアミノ酸配列を含み、第1のVLは、配列番号54~58のアミノ酸配列と、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%同一であるか、又は100%同一であるアミノ酸配列を含む。
いくつかの実施形態では、第1のVHは、配列番号50のアミノ酸配列と、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含み、第1のVLは、配列番号56のアミノ酸配列と、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、第1のVHは、配列番号50のアミノ酸配列を含み、第1のVLは、配列番号56のアミノ酸配列と少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、第1のVHは、配列番号50のアミノ酸配列を含み、第1のVLは、配列番号56のアミノ酸配列と少なくとも96%同一であるアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、第1のVHは、配列番号50のアミノ酸配列を含み、第1のVLは、配列番号56のアミノ酸配列と少なくとも97%同一であるアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、第1のVHは、配列番号50のアミノ酸配列を含み、第1のVLは、配列番号56のアミノ酸配列と少なくとも98%同一であるアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、第1のVHは、配列番号50のアミノ酸配列を含み、第1のVLは、配列番号56のアミノ酸配列と少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、第1のVHは、配列番号50のアミノ酸配列と少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含み、第1のVLは、配列番号56のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、第1のVHは、配列番号50のアミノ酸配列と少なくとも96%同一であるアミノ酸配列を含み、第1のVLは、配列番号56のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、第1のVHは、配列番号50のアミノ酸配列と少なくとも97%同一であるアミノ酸配列を含み、第1のVLは、配列番号56のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、第1のVHは、配列番号50のアミノ酸配列と少なくとも98%同一であるアミノ酸配列を含み、第1のVLは、配列番号56のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、第1のVHは、配列番号50のアミノ酸配列と少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含み、第1のVLは、配列番号56のアミノ酸配列を含む。
いくつかの実施形態では、第1のVHは、配列番号51のアミノ酸配列と、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含み、第1のVLは、配列番号56のアミノ酸配列と、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、第1のVHは、配列番号51のアミノ酸配列を含み、第1のVLは、配列番号56のアミノ酸配列と少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、第1のVHは、配列番号51のアミノ酸配列を含み、第1のVLは、配列番号56のアミノ酸配列と少なくとも96%同一であるアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、第1のVHは、配列番号51のアミノ酸配列を含み、第1のVLは、配列番号56のアミノ酸配列と少なくとも97%同一であるアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、第1のVHは、配列番号51のアミノ酸配列を含み、第1のVLは、配列番号56のアミノ酸配列と少なくとも98%同一であるアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、第1のVHは、配列番号51のアミノ酸配列を含み、第1のVLは、配列番号56のアミノ酸配列と少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、第1のVHは、配列番号51のアミノ酸配列と少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含み、第1のVLは、配列番号56のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、第1のVHは、配列番号51のアミノ酸配列と少なくとも96%同一であるアミノ酸配列を含み、第1のVLは、配列番号56のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、第1のVHは、配列番号51のアミノ酸配列と少なくとも97%同一であるアミノ酸配列を含み、第1のVLは、配列番号56のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、第1のVHは、配列番号51のアミノ酸配列と少なくとも98%同一であるアミノ酸配列を含み、第1のVLは、配列番号56のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、第1のVHは、配列番号51のアミノ酸配列と少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含み、第1のVLは、配列番号56のアミノ酸配列を含む。
いくつかの実施形態では、第1のVH及び第1のVLは、それぞれ、以下に示されるアミノ酸配列を含むか、又はそれぞれ、以下に示されるアミノ酸配列と、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む:配列番号48及び54、配列番号49及び55、配列番号50及び55、配列番号50及び56、配列番号51及び55、配列番号51及び56、配列番号52及び56、配列番号53及び57、又は配列番号50及び58。いくつかの実施形態では、第1のVH及び第1のVLは、それぞれ、以下に示されるアミノ酸配列を含むか、又はそれぞれ、以下に示されるアミノ酸配列と、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む:配列番号49及び55、配列番号50及び55、配列番号50及び56、配列番号51及び55、又は配列番号51及び56。いくつかの実施形態では、第1のVH及び第1のVLは、それぞれ、以下に示されるアミノ酸配列を含むか、又はそれぞれ、以下に示されるアミノ酸配列と、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む:配列番号50及び56、又は配列番号51及び56。いくつかの実施形態では、第1のVHの100位(ナンバリングはKabatに従う)は、ヒスチジン(H)である。
いくつかの実施形態では、第1のVHは、配列番号50のアミノ酸配列と、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含み、第1のVLは、配列番号56のアミノ酸配列と、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、第1のVHは、配列番号50のアミノ酸配列を含み、第1のVLは、配列番号56のアミノ酸配列と少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、第1のVHは、配列番号50のアミノ酸配列を含み、第1のVLは、配列番号56のアミノ酸配列と少なくとも96%同一であるアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、第1のVHは、配列番号50のアミノ酸配列を含み、第1のVLは、配列番号56のアミノ酸配列と少なくとも97%同一であるアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、第1のVHは、配列番号50のアミノ酸配列を含み、第1のVLは、配列番号56のアミノ酸配列と少なくとも98%同一であるアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、第1のVHは、配列番号50のアミノ酸配列を含み、第1のVLは、配列番号56のアミノ酸配列と少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、第1のVHは、配列番号50のアミノ酸配列と少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含み、第1のVLは、配列番号56のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、第1のVHは、配列番号50のアミノ酸配列と少なくとも96%同一であるアミノ酸配列を含み、第1のVLは、配列番号56のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、第1のVHは、配列番号50のアミノ酸配列と少なくとも97%同一であるアミノ酸配列を含み、第1のVLは、配列番号56のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、第1のVHは、配列番号50のアミノ酸配列と少なくとも98%同一であるアミノ酸配列を含み、第1のVLは、配列番号56のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、第1のVHは、配列番号50のアミノ酸配列と少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含み、第1のVLは、配列番号56のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、第1のVH及び第1のVLは、それぞれ、以下に示されるアミノ酸配列と、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む:配列番号50及び56。いくつかの実施形態では、第1のVH及び第1のVLは、それぞれ、以下に示されるアミノ酸配列と少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含む:配列番号50及び56。いくつかの実施形態では、第1のVH及び第1のVLは、それぞれ、以下に示されるアミノ酸配列と少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む:配列番号50及び56。いくつかの実施形態では、第1のVH及び第1のVLは、それぞれ、以下に示されるアミノ酸配列を含む:配列番号50及び56。いくつかの実施形態では、第1のVH-CDR1、第1のVH-CDR2、第1のVH-CDR3、第1のVL-CDR1、第1のVL-CDR2、及び第1のVL-CDR3は、それぞれ、以下のアミノ酸配列(Kabatに従う):配列番号1、11、8、4、9、及び10を含み、第1のVH及び第1のVLは、それぞれ、以下に示されるアミノ酸配列:配列番号50及び56と少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、第1のVH-CDR1、第1のVH-CDR2、第1のVH-CDR3、第1のVL-CDR1、第1のVL-CDR2、及び第1のVL-CDR3は、それぞれ、以下のアミノ酸配列(Kabatに従う):配列番号1、11、8、4、9、及び10を含み、第1のVH及び第1のVLは、それぞれ、以下に示されるアミノ酸配列:配列番号50及び56と少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、第1のVH-CDR1、第1のVH-CDR2、第1のVH-CDR3、第1のVL-CDR1、第1のVL-CDR2、及び第1のVL-CDR3は、それぞれ、以下のアミノ酸配列(Chothiaに従う):配列番号17、18、23、20、24、及び25を含み、第1のVH及び第1のVLは、それぞれ、以下に示されるアミノ酸配列:配列番号50及び56と少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、第1のVH-CDR1、第1のVH-CDR2、第1のVH-CDR3、第1のVL-CDR1、第1のVL-CDR2、及び第1のVL-CDR3は、それぞれ、以下のアミノ酸配列(Chothiaに従う):配列番号17、18、23、20、24、及び25を含み、第1のVH及び第1のVLは、それぞれ、以下に示されるアミノ酸配列:配列番号50及び56と少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、第1のVH-CDR1、第1のVH-CDR2、第1のVH-CDR3、第1のVL-CDR1、第1のVL-CDR2、及び第1のVL-CDR3は、それぞれ、以下のアミノ酸配列(IMGTに従う):配列番号28、29、32、31、24、及び10を含み、第1のVH及び第1のVLは、それぞれ、以下に示されるアミノ酸配列:配列番号50及び56と少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、第1のVH-CDR1、第1のVH-CDR2、第1のVH-CDR3、第1のVL-CDR1、第1のVL-CDR2、及び第1のVL-CDR3は、それぞれ、以下のアミノ酸配列(IMGTに従う):配列番号28、29、32、31、24、及び10を含み、第1のVH及び第1のVLは、それぞれ、以下に示されるアミノ酸配列:配列番号50及び56と少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、第1のVH-CDR1、第1のVH-CDR2、第1のVH-CDR3、第1のVL-CDR1、第1のVL-CDR2、及び第1のVL-CDR3は、それぞれ、以下のアミノ酸配列(Honeggerに従う):配列番号34、42、40、37、41、及び25を含み、第1のVH及び第1のVLは、それぞれ、以下に示されるアミノ酸配列:配列番号50及び56と少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、第1のVH-CDR1、第1のVH-CDR2、第1のVH-CDR3、第1のVL-CDR1、第1のVL-CDR2、及び第1のVL-CDR3は、それぞれ、以下のアミノ酸配列(Honeggerに従う):配列番号34、42、40、37、41、及び25を含み、第1のVH及び第1のVLは、それぞれ、以下に示されるアミノ酸配列:配列番号50及び56と少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む。
いくつかの実施形態では、第1のVHは、配列番号51のアミノ酸配列と、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含み、第1のVLは、配列番号56のアミノ酸配列と、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、第1のVHは、配列番号51のアミノ酸配列を含み、第1のVLは、配列番号56のアミノ酸配列と少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、第1のVHは、配列番号51のアミノ酸配列を含み、第1のVLは、配列番号56のアミノ酸配列と少なくとも96%同一であるアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、第1のVHは、配列番号51のアミノ酸配列を含み、第1のVLは、配列番号56のアミノ酸配列と少なくとも97%同一であるアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、第1のVHは、配列番号51のアミノ酸配列を含み、第1のVLは、配列番号56のアミノ酸配列と少なくとも98%同一であるアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、第1のVHは、配列番号51のアミノ酸配列を含み、第1のVLは、配列番号56のアミノ酸配列と少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、第1のVHは、配列番号51のアミノ酸配列と少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含み、第1のVLは、配列番号56のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、第1のVHは、配列番号51のアミノ酸配列と少なくとも96%同一であるアミノ酸配列を含み、第1のVLは、配列番号56のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、第1のVHは、配列番号51のアミノ酸配列と少なくとも97%同一であるアミノ酸配列を含み、第1のVLは、配列番号56のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、第1のVHは、配列番号51のアミノ酸配列と少なくとも98%同一であるアミノ酸配列を含み、第1のVLは、配列番号56のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、第1のVHは、配列番号51のアミノ酸配列と少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含み、第1のVLは、配列番号56のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、第1のVH及び第1のVLは、それぞれ、以下に示されるアミノ酸配列と、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む:配列番号51及び56。いくつかの実施形態では、第1のVH及び第1のVLは、それぞれ、以下に示されるアミノ酸配列と少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含む:配列番号51及び56。いくつかの実施形態では、第1のVH及び第1のVLは、それぞれ、以下に示されるアミノ酸配列と少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む:配列番号51及び56。いくつかの実施形態では、第1のVH及び第1のVLは、それぞれ、以下に示されるアミノ酸配列を含む:配列番号51及び56。いくつかの実施形態では、第1のVH-CDR1、第1のVH-CDR2、第1のVH-CDR3、第1のVL-CDR1、第1のVL-CDR2、及び第1のVL-CDR3は、それぞれ、以下のアミノ酸配列(Kabatに従う):配列番号1、12、8、4、9、及び10を含み、第1のVH及び第1のVLは、それぞれ、以下に示されるアミノ酸配列:配列番号51及び56と少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、第1のVH-CDR1、第1のVH-CDR2、第1のVH-CDR3、第1のVL-CDR1、第1のVL-CDR2、及び第1のVL-CDR3は、それぞれ、以下のアミノ酸配列(Kabatに従う):配列番号1、12、8、4、9、及び10を含み、第1のVH及び第1のVLは、それぞれ、以下に示されるアミノ酸配列:配列番号51及び56と少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、第1のVH-CDR1、第1のVH-CDR2、第1のVH-CDR3、第1のVL-CDR1、第1のVL-CDR2、及び第1のVL-CDR3は、それぞれ、以下のアミノ酸配列(Chothiaに従う):配列番号17、18、23、20、24、及び25を含み、第1のVH及び第1のVLは、それぞれ、以下に示されるアミノ酸配列:配列番号51及び56と少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、第1のVH-CDR1、第1のVH-CDR2、第1のVH-CDR3、第1のVL-CDR1、第1のVL-CDR2、及び第1のVL-CDR3は、それぞれ、以下のアミノ酸配列(Chothiaに従う):配列番号17、18、23、20、24、及び25を含み、第1のVH及び第1のVLは、それぞれ、以下に示されるアミノ酸配列:配列番号51及び56と少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、第1のVH-CDR1、第1のVH-CDR2、第1のVH-CDR3、第1のVL-CDR1、第1のVL-CDR2、及び第1のVL-CDR3は、それぞれ、以下のアミノ酸配列(IMGTに従う):配列番号28、29、32、31、24、及び10を含み、第1のVH及び第1のVLは、それぞれ、以下に示されるアミノ酸配列:配列番号51及び56と少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、第1のVH-CDR1、第1のVH-CDR2、第1のVH-CDR3、第1のVL-CDR1、第1のVL-CDR2、及び第1のVL-CDR3は、それぞれ、以下のアミノ酸配列(IMGTに従う):配列番号28、29、32、31、24、及び10を含み、第1のVH及び第1のVLは、それぞれ、以下に示されるアミノ酸配列:配列番号51及び56と少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、第1のVH-CDR1、第1のVH-CDR2、第1のVH-CDR3、第1のVL-CDR1、第1のVL-CDR2、及び第1のVL-CDR3は、それぞれ、以下のアミノ酸配列(Honeggerに従う):配列番号34、43、40、37、41、及び25を含み、第1のVH及び第1のVLは、それぞれ、以下に示されるアミノ酸配列:配列番号51及び56と少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、第1のVH-CDR1、第1のVH-CDR2、第1のVH-CDR3、第1のVL-CDR1、第1のVL-CDR2、及び第1のVL-CDR3は、それぞれ、以下のアミノ酸配列(Honeggerに従う):配列番号34、43、40、37、41、及び25を含み、第1のVH及び第1のVLは、それぞれ、以下に示されるアミノ酸配列:配列番号51及び56と少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む。
ヒトCD3を標的とする多重特異性抗原結合分子の第1の抗原結合ドメインのVH及びVLの例示的な配列を、表B1及びB2に提供する。
核酸及びポリペプチドの文脈において本明細書で使用する場合、「相同性」又は「同一性」又は「類似性」は、それぞれ、アミノ酸配列又は核酸配列のアラインメントに基づく2つのポリペプチド間又は2つの核酸分子間の関係を指す。相同性及び同一性は各々、比較の目的でアラインメントされ得る各配列中の位置を比較することによって決定され得る。比較される配列中の同等の位置が同じ塩基又はアミノ酸によって占有されている場合、分子はその位置で同一である。等価な部位が同じ又は類似のアミノ酸残基(例えば、立体的及び/又は電子的性質において類似する)によって占有される場合、分子は、その位置において相同(類似)であると称され得る。相同性/類似性又は同一性のパーセンテージとしての表現は、比較される配列によって共有される位置での同一又は類似のアミノ酸の数の関数を指す。2つの配列の比較において、残基(アミノ酸又は核酸)の非存在又は余分な残基の存在もまた、同一性及び相同性/類似性を減少させる。
本明細書で使用する場合、「同一性」は、配列の一致を最大化するように、すなわち、ギャップ及び挿入を考慮して配列をアライメントさせた場合の、2つ以上の配列における対応する位置での同一のヌクレオチド又はアミノ酸残基のパーセンテージを意味する。配列は、概して、指定された領域、例えば、長さが少なくとも20、25、30、35、40、45、50、55、60、65以上のアミノ酸又はヌクレオチドの領域にわたって対応を最大にするようにアライメントされ、最長で参照ポリペプチド又はポリヌクレオチド配列の全長であり得る。配列比較のために、典型的には、1つの配列が参照配列として作用し、その配列が試験配列と比較される。配列比較アルゴリズムを使用する場合、試験及び参照配列がコンピュータプログラムに入力され、必要に応じて、サブシーケンス座標が指定され、配列アルゴリズムプログラムパラメータが指定される。別様には、標準パラメータを使用することができる。次いで、配列比較アルゴリズムは、指定されたプログラムパラメータに基づいて、参照配列に対する試験配列の配列同一性パーセントを計算する。
ポリヌクレオチド及びポリペプチド配列を比較する場合、2つの配列は、以下に記載されるように対応を最大にするようにアラインメントされた場合、2つの配列中のヌクレオチド又はアミノ酸の配列が同一である場合、「同一」であると言われる。2つの配列間の比較は、典型的には、配列類似性の局所領域を同定及び比較するために、比較ウインドウにわたって比較することによって行われる。本明細書で使用する場合、「比較ウインドウ」とは、少なくとも20個の連続する位置、通常は30~75、40~50、又は配列の全長のセグメントを指し、配列は、2つの配列が最適にアラインメントされた後の同数の連続位置の参照配列と比較され得る。
比較のための最適な配列のアラインメントは、Smith and Waterman(1981)Add.APL.Math 2:482の局所同一性アルゴリズムによって、Needleman and Wunsch(1970)J.Mol.Biol.48:443の同一性アラインメントアルゴリズムによって、Pearson and Lipman(1988)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 85:2444の類似法の検索によって、これらのアルゴリズム(例えば、Wisconsin Genetics Software PackageにおけるGAP、BESTFIT、BLAST、FASTA、及びTFASTA、Genetics Computer Group(GCG),575 Science Dr.,Madison,WI)のコンピュータ化実装によって、又は検査によって行われてもよい。
配列同一性パーセントを決定するのに好適であるアルゴリズムの一例は、Basic Local Alignment Search Tool(BLAST)、BLAST 2.0、及びPSI-BLASTアルゴリズムであり、これらは、それぞれ、Altschul,et al.,J.Mol.Biol.(1990)215:403-410,Altschul,et al.,Nucleic Acids Res.(1977)25:3389-3402、及びAltschul,et al.,Nucleic Acids Res.(1997)25(17):3389-402に記載されている。BLAST分析を行うソフトウェアは、National Center for Biotechnology Informationを介して公的に入手可能である(blast.ncbi.nlm.nih.gov/Blast.cgi)。
例示的な一例では、累積スコアは、ヌクレオチド配列について、パラメータM(一対の一致する残基の報酬スコア(reward score;常に>0)及びN(ミスマッチ残基についてのペナルティスコア;常に<0)を用いて計算することができる。各方向におけるワードヒットの延長は、以下の場合に停止する:累積アラインメントスコアがその最大達成値から分量Xの分だけ低下する場合;累積スコアが1つ以上の負スコア残基のアラインメントの蓄積に起因してゼロ以下になる場合;又は、いずれかの配列の末端に到達する場合。BLASTアルゴリズムパラメータW、T、及びXは、アラインメントの感度及び速度を決定する。BLASTNプログラム(ヌクレオチド配列用)は、ワード長(W)11、期待値(E)10をデフォルトとして使用し、BLOSUM62は、スコアリングマトリックス(以下を参照されたい:Henikoff and Henikoff(1989)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 89:10915)アラインメント、(B)50、期待値(E)10、M=5、N=-4、及び両鎖の比較をデフォルトとして使用する。
アミノ酸配列については、スコアリングマトリックスを使用して累積スコアを計算することができる。各方向におけるワードヒットの延長は、以下の場合に停止する:累積アラインメントスコアがその最大達成値から分量Xの分だけ低下する場合;累積スコアが1つ以上の負スコア残基のアラインメントの蓄積に起因してゼロ以下になる場合;又は、いずれかの配列の末端に到達する場合。BLASTPアルゴリズムパラメータW、T、及びXは、アラインメントの感度及び速度を決定する。
1つのアプローチでは、「配列同一性の百分率」は、少なくとも20の位置の比較ウインドウにわたって最適にアラインメントされた2つの配列を比較することによって決定される。比較ウインドウにおけるポリヌクレオチド又はポリペプチド配列の部分は、2つの配列の最適なアラインメントのための参照配列(付加又は欠失を含まない)と比較して、20%以下、通常は5~15%、又は10~12%の付加又は欠失(すなわち、ギャップ)を含み得る。この百分率は、同一の核酸塩基又はアミノ酸残基が両方の配列において生じる位置の数を決定して一致した位置の数を得ることによって、計算され、この一致した位置の数を参照配列内の位置の総数(すなわち、ウインドウサイズ)で割り、結果に100を乗じることによって、配列同一性の百分率が得られる。
同一でない残基位置は、保存的アミノ酸置換によって異なり得る。保存的アミノ酸置換とは、類似の側鎖を有する残基の互換性を指す。例えば、脂肪族側鎖を有するアミノ酸の群は、グリシン(Gly、G)、アラニン(Ala、A)、バリン(Val、V)、ロイシン(Leu、L)、及びイソロイシン(Ile、I)であり、脂肪族ヒドロキシル側鎖を有するアミノ酸の群は、セリン(Ser、S)及びスレオニン(Thr、T)であり、アミド含有側鎖を有するアミノ酸の群は、アスパラギン(Asn、N)及びグルタミン(Gln、Q)であり、芳香族側鎖を有するアミノ酸の群は、フェニルアラニン(Phe、F)、チロシン(Tyr、Y)、及びトリプトファン(Trp、W)であり、塩基性側鎖を有するアミノ酸の群は、リジン(Lys、K)、アルギニン(Arg、R)、及びヒスチジン(His、H)であり、硫黄含有側鎖を有するアミノ酸群は、システイン(Cys、C)及びメチオニン(Met、M)である。更に、グルタミン酸(Glu、E)及びアスパラギン酸(Asp、D)は保存的アミノ酸置換である。
様々な実施形態では、第1の抗原結合ドメイン及び第2の抗原結合ドメインの一方又は両方は、独立して、Fab、F(ab)2、Fv、scFv、sc(Fv)2、又はダイアボディを含む。いくつかの実施形態では、第1の抗原結合ドメインはscFvを含み、第2の抗原結合ドメインはFabを含む。いくつかの実施形態では、第1の抗原結合ドメインはFabを含み、第2の抗原結合ドメインはscFvを含む。いくつかの実施形態では、第1の抗原結合ドメインはFabを含み、第2の抗原結合ドメインはFabを含む。いくつかの実施形態では、第1の抗原結合ドメインはscFvを含み、第2の抗原結合ドメインはscFvを含む。いくつかの実施形態では、第1の抗原結合ドメインはFabを含み、第2の抗原結合ドメインは、例えば、本明細書に示されるCD4の1つ以上の細胞外ドメインを含む。いくつかの実施形態では、第1の抗原結合ドメインはscFvを含み、第2の抗原結合ドメインは、例えば、本明細書に示されるCD4の1つ以上の細胞外ドメインを含む。scFvを含む実施形態は、以下のアミノ酸置換(ナンバリングはKabatに従う):(i)scFv可変重ドメインの44位のシステイン(C)及び(ii)scFv可変軽ドメインの100位のシステイン(C)の一方又は両方を有し得る。
いくつかの実施形態では、第1の抗原結合ドメインは、VH及びVLを含むscFvであり、scFvは、配列番号59~66から選択されるか、又は配列番号59~66から選択されるアミノ酸配列と、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、若しくは少なくとも99%同一である、アミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、第1の抗原結合ドメインは、VH及びVLを含むscFvであり、scFvは、配列番号59~63から選択されるか、又は配列番号59~63から選択されるアミノ酸配列と、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、若しくは少なくとも99%同一である、アミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、第1の抗原結合ドメインは、VH及びVLを含むscFvであり、scFvは、配列番号59~66、例えば、配列番号59~63、例えば、配列番号61、62、又は63、例えば、配列番号62又は63から選択されるアミノ酸配列を含む。ヒトCD3を標的とする多重特異性抗原結合分子の第1の抗原結合ドメインのscFvの例示的な配列を、表Cに提供する。
いくつかの実施形態では、例えば、scFv又はFabフォーマットの第1の抗原結合ドメインは、10nM未満、例えば、9.5nM、9.0nM、8.5nM、8.0nM、7.5nM、7.0nM、6.5nM、6.0nM、5.5nM、5.0nM、4.5nM、4.0nM、3.5nM、3.0nM未満のKdでCD3に結合する。いくつかの実施形態では、第1の抗原結合ドメインは、10nM未満、例えば、5.0nM、4.5nM、4.0nM、3.5nM、3.0nM未満のKでCD3に結合する。タンパク質結合親和性は、当技術分野で既知の任意の方法、例えば、表面プラズモン共鳴(SPR)によって、例えば、本明細書に記載されるOctetを使用して決定することができる。
3. 抗HIV抗原アーム
HIV-1は、HIVの主要なファミリーであり、世界中の全感染の95%を占める。HIV-2は、主にいくつかの西アフリカ諸国で見られる。
HIVウイルスは特定の群、M、N、O、及びPに分類され、そのうちMは「主要な」群であり、世界的にHIV/AIDSの大部分の原因である。それらの遺伝子配列に基づいて、M群は、異なる地理的位置における有病率によりサブタイプ(クレードとも呼ばれる)に更に細分される。
グループM「サブタイプ」又は「クレード」は、遺伝子配列データによって定義されるHIV-1グループMのサブタイプである。グループMサブタイプの例としては、サブタイプA~Kが挙げられる。サブタイプのうちのいくつかは、より毒性であるか、又は異なる薬物に対して耐性であることが知られている。異なるサブタイプのウイルス間の組換えに由来する「循環組換え型」又はCRFも存在し、各々に番号が与えられている。CRF12_BFは、例えば、サブタイプBとFとの間の組換えである。サブタイプAは、西アフリカにおいて一般的である。サブタイプBは、欧州、アメリカ、日本、タイ、及びオーストラリアにおいて優勢な形態である。サブタイプCは、南アフリカ、東アフリカ、インド、ネパール、及び中国の一部において優勢な形態である。サブタイプDは、概して、東部及び中央アフリカにおいてのみ見られる。サブタイプEは、非組換え体として同定されたことはなく、CRF01_AEとしてサブタイプAと組換えられただけである。サブタイプFは、中央アフリカ、南アメリカ、及び東ヨーロッパにおいて見出されている。サブタイプG(及びCRF02_AG)は、アフリカ及び中央ヨーロッパにおいて見出されている。サブタイプHは、中央アフリカに限定される。サブタイプIは、元来、CRF04_cpxとして現在説明されている株を説明するために使用され、cpxは、いくつかのサブタイプの「複雑な」組換えを表す。サブタイプJは、主に北アフリカ、中央アフリカ、及び西アフリカにおいて見出され、カリブ海サブタイプKは、コンゴ民主共和国及びカメルーンに限定される。これらのサブタイプは、A1及びA2、又はF1及びF2などの下位サブタイプ(sub-subtype)に更に分割されることもある。2015年に、サブタイプDプロテアーゼを有するサブタイプA、サブタイプD、及びサブタイプGの組換え体であるCRF19株が、キューバにおいてAIDSへの急速な進行と強く関連していることが見出された。
本開示は、とりわけ、HIV感染細胞の表面上のgp120ポリペプチドを標的とするヒト抗HIV中和抗体(例えば、広域中和Ab)に由来する第2の抗原結合ドメインを含む、多重特異性抗原結合分子を提供する。ウイルスエンベロープタンパク質に対する中和抗体は、感受性細胞の感染を遮断することによって、HIV-1曝露に対する適応免疫防御を提供する。広域の中和は、抗体が異なるクレードからのHIV-1分離株を中和し得ることを示す。したがって、本明細書に記載の多重特異性抗原結合分子は、交差クレード結合活性を有する。
gp120
エンベロープ糖タンパク質gp120(又はgp120)は、HIVの外層の一部である120kDaの糖タンパク質である。それは、一緒に結合し、gp41タンパク質によって膜に固定されたgp120の3つの分子からなるウイルス膜スパイクとしてそれ自体を提示する。Gp120は、細胞表面受容体との相互作用を介して宿主細胞へのHIVの侵入を容易にするため、ウイルス感染に必須である。これらの受容体には、DC-SIGN、ヘパラン硫酸プロテオグリカン、及びCD4受容体が含まれる。ヘルパーT細胞上のCD4への結合は、gp120及びgp41における高次構造変化のカスケードの開始を誘導し、これはウイルスと宿主細胞膜との融合をもたらす。
Gp120は、HIVenv遺伝子によってコードされる。env遺伝子は、約850アミノ酸の遺伝子産物をコードする。初代env産物はタンパク質gp160であり、これは小胞体中で細胞プロテアーゼフリンによってgp120(約480アミノ酸)及びgp41(約345アミノ酸)に切断される。
HIVクローンWITOの例示的なgp160ポリペプチドのアミノ酸配列を以下に提供する(V3超可変ループを太字で示し、N332の可能なN結合グリコシル化部位を太字及び下線で示す)。
NCBI Ref Seq No.NP_057856.1において同定されたHIVクローンの例示的なgp160ポリペプチドのアミノ酸配列を以下に提供する(V3超可変ループを太字で示し、N332の可能なN結合グリコシル化部位を太字及び下線で示す)。
HXB2サブタイプB HIV-1分離株の例示的なgp120ポリペプチドのアミノ酸配列(GenBank受託番号K0345;NCBI Ref Seq No.NP_057856.1の残基1~511に対応する)を以下に提供する(V3超可変ループを太字で示し、N332の可能なN結合型グリコシル化部位を太字及び下線で示す;シグナルペプチドを下線で示す)。
例示的なgp120ポリペプチドのアミノ酸配列を以下に提供する:
別の例示的なgp120ポリペプチド(bioafrica.net/proteomics/ENV-GP120prot.htmlを参照)のアミノ酸を以下に提供する。
TEKLWVTVYY GVPVWKEATT TLFCASDAKA YDTEVHNVWA THACVPTDPN PQEVVLVNVT ENFNMWKNDM VEQMHEDIIS LWDQSLKPCV KLTPLCVSLK CTDLKNDTNT NSSSGRMIME KGEIKNCSFN ISTSIRGKVQ KEYAFFYKLD IIPIDNDTTS YKLTSCNTSV ITQACPKVSF EPIPIHYCAP AGFAILKCNN KTFNGTGPCT NVSTVQCTHG IRPVVSTQLL LNGSLAEEEV VIRSVNFTDN AKTIIVQLNT SVEINCTRPN NNTRKRIRIQ RGPGRAFVTI GKIGNMRQAH CNISRAKWNN TLKQIASKLR EQFGNNKTII FKQSSGGDPE IVTHSFNCGG EFFYCNSTQL FNSTWFNSTW STEGSNNTEG SDTITLPCRI KQIINMWQKV GKAMYAPPIS GQIRCSSNIT GLLLTRDGGN SNNESEIFRP GGGDMRDNWR SELYKYKVVK IEPLGVAPTK AKRRVVQREK R(配列番号71)
独立したヒト免疫不全ウイルス1型(HIV-1)分離株間のゲノム多様性は、同じ患者由来の連続的な分離株間ではより程度が低く、単一の患者分離株内でさえも、HIV-1の良く知られた特徴である。この配列不均一性はゲノム全体に分布しているが、不均一性の大部分はenv遺伝子に位置する。いくつかの異なる単離株由来の推定アミノ酸配列の比較は、配列不均一性が、表面糖タンパク質gp120の5つの可変領域(V1~V5と命名される)においてクラスター化されることを示した。V3領域は、わずか35アミノ酸長であるが、かなりの配列可変性を示す。興味深いことに、この可変性にもかかわらず、V3領域は、CD4細胞との相互作用を媒介する決定因子を含む。gp120可変性の増加により、ウイルス複製のレベルがより高くなり、多様なHIV-1バリアントに感染した個体におけるウイルス適応性の増加を示唆する。可能なN結合型グリコシル化部位(PNGS)における可変性もまた、ウイルス適応性の増加をもたらす。PNGSは、gp120の高可変領域への長鎖炭水化物の結合を可能にする。したがって、envにおけるPNGSの数は、中和抗体に対して多かれ少なかれ感受性を提供することによって、ウイルスの適合性に影響を及ぼし得る。
gp120のV3領域のコンセンサス配列(Milich et al.,J Virol.,(1993)67(9):5623-5634)を以下に提供する:
CTRPNNNTRKSIHIGPGRAFYTTGEIIGDIRQAHC(配列番号72)。
抗gp120及び抗gp41抗原結合ドメイン
本開示は、それぞれ、gp120又はgp41を標的とし、それに結合する第2の抗原結合ドメインを含む抗gp120又は抗gp41多重特異性抗原結合分子を特徴とする。ある特定の実施形態では、これらの多重特異性抗原結合分子は、細胞表面上に発現されるHIV-1抗原に結合し、感染細胞を排除するか又は死滅させる。
ある特定の実施形態では、本明細書に記載の多重特異性抗原結合分子中の第2の抗原結合ドメインは、HIV-1を標的とするヒト中和抗体(例えば、モノクローナル)に由来する。「中和抗体」は、インビボの宿主及び/又はインビトロの標的細胞のうちの少なくとも1つにおける感染を開始及び持続するHIVの能力を中和することができるものである。本開示は、抗体がHIVからの抗原、例えば、gp120ポリペプチドを認識する中和モノクローナルヒト抗体を提供する。ある特定の実施形態では、「中和抗体」は、HIV-1ウイルス、例えば、SF162及び/又はJR-CSFの侵入を、>1.5又は>2.0の中和指数で阻害し得る(Kostrikis LG et al.,J.Virol.,70(1):445-458(1996))。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の多重特異性抗原結合分子中の第2の抗原結合ドメインは、HIV-1を標的とするヒト広域中和抗体(例えば、モノクローナル)に由来する。「広域中和抗体」とは、中和アッセイにおいて、2つ以上のHIV-1ウイルス種(クレード内の多様なクレード及び異なる株から)を中和する抗体を意味する。広域中和抗体は、少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、又はそれ以上の異なる株のHIV-1を中和してもよく、株は、同じ又は異なるクレードに属する株である。特定の実施形態では、広域中和抗体は、少なくとも2、3、4、5、又は6つの異なるクレードに属する複数のHIV-1種を中和し得る。ある特定の実施形態では、多重特異性抗原結合分子の阻害濃度は、中和アッセイにおいて投入ウイルスの50%を中和するために、0.0001μg/ml未満、0.001μg/ml未満、0.01μg/ml未満、0.1μg/ml未満、0.5μg/ml未満、1.0μg/ml未満、5μg/ml未満、10μg/ml未満、25μg/ml未満、50μg/ml未満、又は100μg/ml未満であり得る。
いくつかの実施形態では、多重特異性抗原結合分子の第2の抗原結合ドメインは、(i)N332オリゴマンノースグリカンを含む第3の可変ループ(V3)(例えば、高マンノースパッチ)、(ii)第2の可変ループ(V2)(例えば、Env三量体頂点)、(iii)CD4結合部位(CD4bs)、(iv)gp120/gp41界面、又は(v)gp120のサイレント面からなる群から選択されるgp120のエピトープ又は領域に結合する。広域中和抗体によって結合された前述のエピトープ又はgp120の領域は、例えば、McCoy,Retrovirology(2018)15:70、Sok and Burton,Nat Immunol.2018 19(11):1179-1188;Possas,et al.,Expert Opin Ther Pat.2018 Jul;28(7):551560、及びStephenson and Barouch,Curr HIV/AIDS Rep(2016)13:31-37に記載されており、これらは、全ての目的のためにその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
いくつかの実施形態では、第2の抗原結合ドメインは、N332オリゴマンノースグリカンを含む第3の可変ループ(V3)(例えば、高マンノースパッチ)内のgp120のエピトープ又は領域に結合し、GS-9722(エリポビマブ)、GS-2872、PGT-121、PGT-121.66、PGT-121.414、PGT-122、PGT-123、PGT-124、PGT-125、PGT-126、PGT-128、PGT-130、PGT-133、PGT-134、PGT-135、PGT-136、PGT-137、PGT-138、PGT-139、10-1074、10-1074-J、VRC24、2G12、BG18、354BG8、354BG18、354BG42、354BG33、354BG129、354BG188、354BG411、354BG426、DH270.1、DH270.6、PGDM12、VRC41.01、PGDM21、PCDN-33A、BF520.1、及びVRC29.03からなる群から選択される抗体由来のVH及びVL領域と競合するか、又はそれらを含む。N332オリゴマンノースグリカンを含む第3の可変ループ(V3)内のgp120(例えば、高マンノースパッチ)に結合し、本明細書に記載の多重特異性抗原結合分子の第2の抗原結合ドメインにおいて使用することができる追加の広域中和抗体は、例えば、国際公開第2012/030904号、国際公開第2014/063059号、国際公開第2016/149698号、国際公開第2017/106346号、国際公開第2018/075564号、国際公開第2018/125813号;国際公開第2018/237148号、国際公開第2019/226829号、国際公開第2020/023827号、国際公開第2020/056145号、及びKerwin,et al.,J Pharm Sci.2020 Jan;109(1):233-246に記載されており、これらは、全ての目的のためにその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
いくつかの実施形態では、第2の抗原結合ドメインは、第2の可変ループ(V2)(例えば、Env三量体頂点)内のgp120のエピトープ又は領域に結合し、PG9、PG16、PGC14、PGG14、PGT-142、PGT-143、PGT-144、PGT-145、CH01、CH59、PGDM1400、CAP256、CAP256-VRC26.08、CAP256-VRC26.09、CAP256-VRC26.25、PCT64-24E、及びVRC38.01からなる群から選択される抗体由来のVH及びVL領域と競合するか又はそれらを含む。第2の可変ループ(V2)(例えば、Env三量体頂点)内のgp120に結合し、本明細書に記載の多重特異性抗原結合分子の第2の抗原結合ドメインにおいて使用することができる追加の広域中和抗体は、例えば、国際公開第2010/107939号、国際公開第2012/030904号、国際公開第2018/075564号、及び国際公開第2018/125813号に記載されており、これらは、全ての目的のためにその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
gp120 CD4結合部位
本明細書に記載の抗体バリアントは、HIV gp120のCD4結合部位(CD4bs)に結合する。CD4結合部位(CD4bs)は、CD4結合を決定し、CD4bsに指向された抗体のエピトープに関与する、gp120のβ1-α1、ループD、β20-β21(架橋シート)、及びβ24-α5内に位置する構造的に保存された部位を含む(Qiao,et al.,Antiviral Res.2016 Aug;132:252-61)。gp120のCD4bsは、Thr278、Asp279、Ala281、Thr283、Asp368、Trp427、Glu460、Ser461、Glu462、Leu452、Leu453、及びArg476から選択される1つ以上のアミノ酸残基を伴う抗CD4bs抗体によって認識される高次構造エピトープを形成する。アミノ酸残基及び位置ナンバリングは、以下に提供されるNCBI Ref Seq No.NP_057856.1の残基1~511に対応するHXB2サブタイプB HIV-1分離株を基準としている。gp120 CD4bsに寄与し得る残基Thr278、Asp279、Asn280、Ala281、Thr283、Asp368、Trp427、Leu452、Leu453、Gly459、Glu464、Ser465、Glu466、Ile467、Gly472、Gly473、及びArg476を太字及び下線で示す:
gp120 CD4bsに寄与するアミノ酸残基を示す三次元モデルは、例えば、Canducci,et al.,Retrovirology.2009 Jan 15;6:4、Falkowska,et al.,J Virol. 2012 Apr;86(8):4394-403、及びLi,et al.,J.Virol.2012 Oct;86(20):11231-41、Gristick,et al.,Nat Struct Mol Biol.2016 Oct;23(10):906-915、Kwon,et al.,Nat Struct Mol Biol.2015 Jul;22(7):522-31、Liu,et al.,Nat Struct Mol Biol.2017 Apr;24(4):370-378、Chen,et al.,Science.2009 Nov 20;326(5956):1123-7、並びにLyumkis,et al.,Science.2013 Dec 20;342(6165):1484-90に提供されている。いくつかの実施形態では、第2の抗原結合ドメインは、CD4結合部位(CD4bs)内のgp120のエピトープ又は領域に結合し、gp120 CD4bsに結合するための3BNC117、GS-9723、GS-5423、3BNC60、b12、CH103、1NC9、12A12、VRC01、VRC07、VRC07-523、N6、NIH45-46、及びPGV04(別名、VRC-PG04)からなる群から選択される抗体由来のVH及びVL領域と競合するか又はそれらを含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される抗体バリアントは、抗CD4bs抗体3BNC117、GS-9723、GS-5423、3BNC60、b12、CH103、1NC9、12A12、VRC01、VRC07、VRC07-523、N6、NIH45-46、及びPGV04(別名、VRC-PG04)のうちの1つ以上によって結合されるエピトープと重複する又は同一のエピトープに結合する。
いくつかの実施形態では、第2の抗原結合ドメインは、CD4結合部位(CD4bs)内のgp120のエピトープ又は領域に結合し、b12、F105、VRC01、VRC07、VRC07-523、VRC03、VRC06、VRC06b01 VRC08、VRC0801、NIH45-46、3BNC117、GS-9723、GS-5423、3BNC60、PGV04(別名、VRC-PG04);CH103、44-VRC13.01、1NC9、12A12、N6、1-18、N49-P7、NC-Cow1、IOMA、CH235及びCH235.12、N49P6、N49P7、N49P11、N49P9、並びにN60P25からなる群から選択される抗体由来のVH及びVL領域と競合するか又はそれらを含む。CD4結合部位(CD4bs)のgp120に結合し、本明細書に記載の多重特異性抗原結合分子の第2の抗原結合ドメインにおいて使用することができる追加の広域中和抗体は、例えば、国際公開第2011/038290号、国際公開第2012/158948号、国際公開第2013/016468号、国際公開第2013/192589号、国際公開第2013/086533号、国際公開第2015/128846号、国際公開第2016/149698号、国際公開第2016/149695号、国際公開第2018/075564号、国際公開第2018/125813号、国際公開第2018/237357号、国際公開第2020/010107号、国際公開第2020/086446号、並びに米国特許第9,493,549号、及び同第9,879,068号に記載されており、これらは、全ての目的のためにその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
いくつかの実施形態では、第2の抗原結合ドメインは、CD4結合部位(CD4bs)のgp120のエピトープ又は領域に結合し、3BNC117由来のVH及びVL領域と競合するか又はそれらを含み、VHの74a位、74b位、74c位、及び74d位(位置のナンバリングはKabatに従う)にPhe-Asp-Phe-Asp(FDFD)(配列番号1040)を含む。いくつかの実施形態では、第2の抗原結合ドメインは、CD4結合部位(CD4bs)のgp120のエピトープ又は領域に結合し、3BNC117由来のVH及びVL領域と競合するか又はそれらを含み、以下のアミノ酸RVSLTRHASFDFDTFSFYMDLKALRSDDTAVYFCAR(配列番号74)を含むVHのフレームワーク領域3(FR3)を含む。結晶学的研究は、VH Kabat位置番号74a、74b、74c、及び74dのフレームワーク領域3が、抗原標的gp120に直接接触する3BNC117バリアントのパラトープの一部を形成することを示した。例えば、Lee,et al.,Immunity(2017)46(4):690-702(図1G、残基W71dを同定)、Klein,et al.,Cell.(2013)153(1):126-38(図4及び5)、及びZhou,et al.,(2013)Immunity(2013)39 245-258(表1)を参照されたく、5V8L、5V8M、4JPV、及び4LSVの結晶化構造のリボン図は、rcsb.orgで見ることができる。いくつかの実施形態では、第1のVH、第1のVL、第2のVH、及び第2のVLのうちの少なくとも1つにおける少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%以上のN結合型グリコシル化部位がシアル化されている。いくつかの実施形態では、第1のVH、第1のVL、第2のVH、及び第2のVLのうちの少なくとも1つにおけるN結合型グリコシル化部位は、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%以上のシアル酸占有率(例えば、1つ又は2つの末端シアル酸残基を含むグリカン)を有する。いくつかの実施形態では、Kabatナンバリングに従うVLアスパラギンアミノ酸72位(N72)におけるN結合型グリコシル化部位は、シアル化されている。いくつかの実施形態では、第1のVH、第1のVL、第2のVH、及び第2のVLのうちの少なくとも1つにおけるシアル化N結合型グリコシル化部位は、1~5個のシアル酸残基、例えば、1~4個のシアル酸残基、例えば、1~3個のシアル酸残基、例えば、1~2個のシアル酸残基を含む。いくつかの実施形態では、第1のVH、第1のVL、第2のVH、及び第2のVLのうちの少なくとも1つが、N-アセチルノイラミン酸(NANA)でシアル化されている。いくつかの実施形態では、シアル酸残基は、二分岐構造で存在する。いくつかの実施形態では、シアル酸残基は、複合N結合型グリカン構造で存在する。いくつかの実施形態では、シアル酸残基は、ハイブリッドN結合型グリカン構造で存在する。
いくつかの実施形態では、第2の抗原結合ドメインは、CD4結合部位(CD4bs)内のgp120のエピトープ又は領域に結合し、CD4のECドメイン(例えば、ドメイン1(D1)、D1-D1(タンデム)、D1-D2、D1-D2-D3-D3、又はD1-D2-D3-D4)を含む。本明細書に記載の多重特異性抗原結合分子において使用することができる例示的なCD4細胞外ドメインは、例えば、国際公開第2011/146891号、国際公開第2014/150748号、及び国際公開第2016/153572号に記載されている。いくつかの実施形態では、CD4の1つ以上のECドメインは、以下から選択されるCD4 ECドメインと、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%同一であるアミノ酸配列を含む:
(i)KKVVYGKKGDTVELTCTASQKKNIQFHWKNSNQIKILGNQGSFLTKGPSKLNDRVDSRRSLWDQGNFPLIIKNLKPEDSDTYICEVEDQKEEVQLVVVG(配列番号746;例えば、Chen,et al.,J Virol.2014 Jan;88(2):1125-39を参照)、
(ii)KKVVYGKKGDTVELTCTASQKKNIQFHWKNSNQIKILGNQGSFLTKGPSKLNDRVDSRRSLWDQGNFPLIIKNLKPEDSDTYICEVEDQKEEVQLVVVGGGGSGKKVVYGKKGDTVELTCTASQKKNIQFHWKNSNQIKILGNQGSFLTKGPSKLNDRVDSRRSLWDQGNFPLIIKNLKPEDSDTYICEVEDQKEEVQLVVVG(配列番号747)、
(iii)KKVVLGKKGDTVELTCTASQKKSIQFHWKNSNQIKILGNQGSFLTKGPSKLNDRADSRRSLWDQGNFPLIIKNLKIEDSDTYICEVEDQKEEVQLLVFG(配列番号748)、又は
(iv)KKVVLGKKGDTVELTCTASQKKSIQFHWKNSNQIKILGNQGSFLTKGPSKLNDRADSRRSLWDQGNFPLIIKNLKIEDSDTYICEVEDQKEEVQLLVFGGGGSGKKVVLGKKGDTVELTCTASQKKSIQFHWKNSNQIKILGNQGSFLTKGPSKLNDRADSRRSLWDQGNFPLIIKNLKIEDSDTYICEVEDQKEEVQLLVFG(配列番号749)。
いくつかの実施形態では、CD4のCドメインは、配列番号746の配列と、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は少なくとも99%同一である配列を含む。いくつかの実施形態では、CD4のECドメインは、配列番号746の配列と少なくとも95%同一である配列を含む。いくつかの実施形態では、CD4のECドメインは、配列番号746の配列と少なくとも99%同一である配列を含む。いくつかの実施形態では、CD4のECドメインは、配列番号746の配列を含む。いくつかの実施形態では、ヒトCD3に結合する第1の抗原結合ドメインと、HIV gp120に結合する第2の抗原結合ドメインとを含む、多重特異性抗原結合分子が提供され、第1の抗原結合ドメインは、それぞれ、以下のアミノ酸配列(Kabatに従う):配列番号1、11、8、4、9、及び10:又は配列番号1、12、8、4、9、及び10を含む、第1のVH-CDR1、第1のVH-CDR2、第1のVH-CDR3、第1のVL-CDR1、第1のVL-CDR2、及び第1のVL-CDR3を含み、第2の抗原結合ドメインは、配列番号746~749からなる群、例えば、配列番号746から選択されるCD4 ECドメインを含むか、又はそれと、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、若しくは少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む、CD4の1つ以上のECドメインを含む。
いくつかの実施形態では、第1の抗原結合ドメインは、それぞれ、以下のアミノ酸配列(Kabatに従う):配列番号1、12、8、4、9、及び10を含む、第1のVH-CDR1、第1のVH-CDR2、第1のVH-CDR3、第1のVL-CDR1、第1のVL-CDR2、及び第1のVL-CDR3を含み、第2の抗原結合ドメインは、配列番号746のCD4 ECドメインと、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、若しくは少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む、CD4の1つのECドメインを含む。いくつかの実施形態では、第1の抗原結合ドメインは、それぞれ、以下のアミノ酸配列(Kabatに従う):配列番号1、12、8、4、9、及び10を含む、第1のVH-CDR1、第1のVH-CDR2、第1のVH-CDR3、第1のVL-CDR1、第1のVL-CDR2、及び第1のVL-CDR3を含み、第2の抗原結合ドメインは、配列番号746のCD4 ECドメインと少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含む、CD4の1つのECドメインを含む。いくつかの実施形態では、第1の抗原結合ドメインは、それぞれ、以下のアミノ酸配列(Kabatに従う):配列番号1、12、8、4、9、及び10を含む、第1のVH-CDR1、第1のVH-CDR2、第1のVH-CDR3、第1のVL-CDR1、第1のVL-CDR2、及び第1のVL-CDR3を含み、第2の抗原結合ドメインは、配列番号746のCD4 ECドメインと少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む、CD4の1つのECドメインを含む。いくつかの実施形態では、第1の抗原結合ドメインは、それぞれ、以下のアミノ酸配列(Kabatに従う):配列番号1、12、8、4、9、及び10を含む、第1のVH-CDR1、第1のVH-CDR2、第1のVH-CDR3、第1のVL-CDR1、第1のVL-CDR2、及び第1のVL-CDR3を含み、第2の抗原結合ドメインは、配列番号746のアミノ酸配列を含む、CD4の1つのECドメインを含む。
いくつかの実施形態では、ヒトCD3に結合する第1の抗原結合ドメインと、HIV gp120に結合する第2の抗原結合ドメインとを含む、多重特異性抗原結合分子が提供され、第1の抗原結合ドメインは、それぞれ、以下のアミノ酸配列(Chothiaに従う):配列番号17、18、23、20、24、及び25を含む、第1のVH-CDR1、第1のVH-CDR2、第1のVH-CDR3、第1のVL-CDR1、第1のVL-CDR2、及び第1のVL-CDR3を含み、第2の抗原結合ドメインは、配列番号746~749からなる群、例えば、配列番号746から選択されるCD4 ECドメインを含むか、又はそれと、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、若しくは少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む、CD4の1つ以上のECドメインを含む。
いくつかの実施形態では、第1の抗原結合ドメインは、それぞれ、以下のアミノ酸配列(Chothiaに従う):配列番号17、18、23、20、24、及び25を含む、第1のVH-CDR1、第1のVH-CDR2、第1のVH-CDR3、第1のVL-CDR1、第1のVL-CDR2、及び第1のVL-CDR3を含み、第2の抗原結合ドメインは、配列番号746のCD4 ECドメインと、少なくとも95%(例えば、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は少なくとも99%)同一であるアミノ酸配列を含む、CD4の1つのECドメインを含む。いくつかの実施形態では、第1の抗原結合ドメインは、それぞれ、以下のアミノ酸配列(Chothiaに従う):配列番号17、18、23、20、24及び25を含む、第1のVH-CDR1、第1のVH-CDR2、第1のVH-CDR3、第1のVL-CDR1、第1のVL-CDR2、及び第1のVL-CDR3を含み、第2の抗原結合ドメインは、配列番号746のアミノ酸配列を含む、CD4の1つのECドメインを含む。
いくつかの実施形態では、ヒトCD3に結合する第1の抗原結合ドメインと、HIV gp120に結合する第2の抗原結合ドメインとを含む、多重特異性抗原結合分子が提供され、第1の抗原結合ドメインは、それぞれ、以下のアミノ酸配列(IMGTに従う):配列番号28、29、32、31、24、及び10を含む、第1のVH-CDR1、第1のVH-CDR2、第1のVH-CDR3、第1のVL-CDR1、第1のVL-CDR2、及び第1のVL-CDR3を含み、第2の抗原結合ドメインは、配列番号746~749からなる群、例えば、配列番号746から選択されるCD4 ECドメインを含むか、又はそれと、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、若しくは少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む、CD4の1つ以上のECドメインを含む。
いくつかの実施形態では、第1の抗原結合ドメインは、それぞれ、以下のアミノ酸配列(IMGTに従う):配列番号28、29、32、31、24、及び10を含む、第1のVH-CDR1、第1のVH-CDR2、第1のVH-CDR3、第1のVL-CDR1、第1のVL-CDR2、及び第1のVL-CDR3を含み、第2の抗原結合ドメインは、配列番号746のCD4 ECドメインと、少なくとも95%(例えば、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は少なくとも99%)同一であるアミノ酸配列を含む、CD4の1つのECドメインを含む。いくつかの実施形態では、第1の抗原結合ドメインは、それぞれ、以下のアミノ酸配列(IMGTに従う):配列番号28、29、32、31、24及び10を含む、第1のVH-CDR1、第1のVH-CDR2、第1のVH-CDR3、第1のVL-CDR1、第1のVL-CDR2、及び第1のVL-CDR3を含み、第2の抗原結合ドメインは、配列番号746のアミノ酸配列を含む、CD4の1つのECドメインを含む。
いくつかの実施形態では、ヒトCD3に結合する第1の抗原結合ドメインと、HIV gp120に結合する第2の抗原結合ドメインとを含む、多重特異性抗原結合分子が提供され、第1の抗原結合ドメインは、それぞれ、以下のアミノ酸配列(Honeggerに従う):配列番号34、42、40、37、41、及び25、又は配列番号34、43、40、37、41、及び25を含む、第1のVH-CDR1、第1のVH-CDR2、第1のVH-CDR3、第1のVL-CDR1、第1のVL-CDR2、及び第1のVL-CDR3を含み、第2の抗原結合ドメインは、配列番号746~749からなる群、例えば、配列番号746から選択されるCD4 ECドメインを含むか、又はそれと、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、若しくは少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む、CD4の1つ以上のECドメインを含む。
いくつかの実施形態では、第1の抗原結合ドメインは、それぞれ、以下のアミノ酸配列(Honeggerに従う):配列番号34、43、40、37、41、及び25を含む、第1のVH-CDR1、第1のVH-CDR2、第1のVH-CDR3、第1のVL-CDR1、第1のVL-CDR2、及び第1のVL-CDR3を含み、第2の抗原結合ドメインは、配列番号746のCD4 ECドメインを含むか、又はそれと、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、若しくは少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む、CD4の1つのECドメインを含む。いくつかの実施形態では、第1の抗原結合ドメインは、それぞれ、以下のアミノ酸配列(Honeggerに従う):配列番号34、43、40、37、41、及び25を含む、第1のVH-CDR1、第1のVH-CDR2、第1のVH-CDR3、第1のVL-CDR1、第1のVL-CDR2、及び第1のVL-CDR3を含み、第2の抗原結合ドメインは、配列番号746のCD4 ECドメインと、少なくとも95%(例えば、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は少なくとも99%)同一であるアミノ酸配列を含む、CD4の1つのECドメインを含む。いくつかの実施形態では、第1の抗原結合ドメインは、それぞれ、以下のアミノ酸配列(Honeggerに従う):配列番号34、43、40、37、41及び25を含む、第1のVH-CDR1、第1のVH-CDR2、第1のVH-CDR3、第1のVL-CDR1、第1のVL-CDR2、及び第1のVL-CDR3を含み、第2の抗原結合ドメインは、配列番号746のアミノ酸配列を含む、CD4の1つのECドメインを含む。
いくつかの実施形態では、ヒトCD3に結合する第1の抗原結合ドメインと、HIV gp120に結合する第2の抗原結合ドメインとを含む、多重特異性抗原結合分子が提供され、第1の抗原結合ドメインは、それぞれ、以下に示されるアミノ酸配列を含むか、又はそれぞれ、以下に示されるアミノ酸配列:配列番号49及び55、配列番号50及び55、配列番号50及び56、配列番号51及び55、若しくは配列番号51及び56と、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、若しくは少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む、第1のVH及び第1のVLを含み、第2の抗原結合ドメインは、配列番号746~749からなる群、例えば、配列番号746から選択されるCD4 ECドメインを含むか、又はそれと、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、若しくは少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む、CD4の1つ以上のECドメインを含む。
いくつかの実施形態では、第1の抗原結合ドメインは、それぞれ、以下に示されるアミノ酸配列:配列番号50及び56と、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、若しくは少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む、第1のVH及び第1のVLを含み、第2の抗原結合ドメインは、配列番号746のCD4 ECドメインと、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、若しくは少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む、CD4の1つのECドメインを含む。いくつかの実施形態では、第1の抗原結合ドメインは、それぞれ、以下に示されるアミノ酸配列:配列番号50及び56と少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含む第1のVH及び第1のVLを含み、第2の抗原結合ドメインは、配列番号746のCD4 ECドメインと少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含むCD4の1つのECドメインを含む。いくつかの実施形態では、第1の抗原結合ドメインは、それぞれ、以下に示されるアミノ酸配列:配列番号50及び56と少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含む第1のVH及び第1のVLを含み、第2の抗原結合ドメインは、配列番号746のCD4 ECドメインと少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含むCD4の1つのECドメインを含む。いくつかの実施形態では、第1の抗原結合ドメインは、それぞれ、以下に示されるアミノ酸配列:配列番号50及び56と少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含む第1のVH及び第1のVLを含み、第2の抗原結合ドメインは、配列番号746のアミノ酸配列を含むCD4の1つのECドメインを含む。いくつかの実施形態では、第1の抗原結合ドメインは、それぞれ、以下に示されるアミノ酸配列:配列番号50及び56と少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む第1のVH及び第1のVLを含み、第2の抗原結合ドメインは、配列番号746のCD4 ECドメインと少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含むCD4の1つのECドメインを含む。いくつかの実施形態では、第1の抗原結合ドメインは、それぞれ、以下に示されるアミノ酸配列:配列番号50及び56を含む第1のVH及び第1のVLを含み、第2の抗原結合ドメインは、配列番号746のCD4 ECドメインと少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含むCD4の1つのECドメインを含む。いくつかの実施形態では、第1の抗原結合ドメインは、それぞれ、以下に示されるアミノ酸配列:配列番号50及び56と少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む第1のVH及び第1のVLを含み、第2の抗原結合ドメインは、配列番号746のCD4 ECドメインと少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含むCD4の1つのECドメインを含む。いくつかの実施形態では、第1の抗原結合ドメインは、配列番号50のアミノ酸配列を含む第1のVHと、配列番号56のアミノ酸配列と少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含む第1のVLとを含み、第2の抗原結合ドメインは、配列番号746のCD4 ECドメインと少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含むCD4の1つのECドメインを含む。いくつかの実施形態では、第1の抗原結合ドメインは、配列番号50のアミノ酸配列を含む第1のVHと、配列番号56のアミノ酸配列と少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含む第1のVLとを含み、第2の抗原結合ドメインは、配列番号746のCD4 ECドメインと少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含むCD4の1つのECドメインを含む。いくつかの実施形態では、第1の抗原結合ドメインは、配列番号50のアミノ酸配列を含む第1のVHと、配列番号56のアミノ酸配列と少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む第1のVLとを含み、第2の抗原結合ドメインは、配列番号746のCD4 ECドメインと少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含むCD4の1つのECドメインを含む。いくつかの実施形態では、第1の抗原結合ドメインは、配列番号50のアミノ酸配列を含む第1のVHと、配列番号56のアミノ酸配列と少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む第1のVLとを含み、第2の抗原結合ドメインは、配列番号746のCD4 ECドメインと少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含むCD4の1つのECドメインを含む。いくつかの実施形態では、第1の抗原結合ドメインは、配列番号50のアミノ酸配列と少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含む第1のVHと、配列番号56のアミノ酸配列を含む第1のVLとを含み、第2の抗原結合ドメインは、配列番号746のCD4 ECドメインと少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含むCD4の1つのECドメインを含む。いくつかの実施形態では、第1の抗原結合ドメインは、配列番号50のアミノ酸配列と少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含む第1のVHと、配列番号56のアミノ酸配列を含む第1のVLとを含み、第2の抗原結合ドメインは、配列番号746のCD4 ECドメインと少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含むCD4の1つのECドメインを含む。いくつかの実施形態では、第1の抗原結合ドメインは、配列番号50のアミノ酸配列と少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む第1のVHと、配列番号56のアミノ酸配列を含む第1のVLとを含み、第2の抗原結合ドメインは、配列番号746のCD4 ECドメインと少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含むCD4の1つのECドメインを含む。いくつかの実施形態では、第1の抗原結合ドメインは、配列番号50のアミノ酸配列と少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む第1のVHと、配列番号56のアミノ酸配列を含む第1のVLとを含み、第2の抗原結合ドメインは、配列番号746のCD4 ECドメインと少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含むCD4の1つのECドメインを含む。いくつかの実施形態では、第1の抗原結合ドメインは、それぞれ、以下に示されるアミノ酸配列:配列番号50及び56を含む第1のVH及び第1のVLを含み、第2の抗原結合ドメインは、配列番号746のアミノ酸配列を含むCD4の1つのECドメインを含む。
いくつかの実施形態では、第1の抗原結合ドメインは、それぞれ、以下に示されるアミノ酸配列:配列番号51及び56と、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、若しくは少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む、第1のVH及び第1のVLを含み、第2の抗原結合ドメインは、配列番号746のCD4 ECドメインと、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、若しくは少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む、CD4の1つのECドメインを含む。いくつかの実施形態では、第1の抗原結合ドメインは、それぞれ、以下に示されるアミノ酸配列:配列番号51及び56と少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含む第1のVH及び第1のVLを含み、第2の抗原結合ドメインは、配列番号746のCD4 ECドメインと少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含むCD4の1つのECドメインを含む。いくつかの実施形態では、第1の抗原結合ドメインは、それぞれ、以下に示されるアミノ酸配列:配列番号51及び56と少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含む第1のVH及び第1のVLを含み、第2の抗原結合ドメインは、配列番号746のCD4 ECドメインと少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含むCD4の1つのECドメインを含む。いくつかの実施形態では、第1の抗原結合ドメインは、それぞれ、以下に示されるアミノ酸配列:配列番号51及び56と少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含む第1のVH及び第1のVLを含み、第2の抗原結合ドメインは、配列番号746のアミノ酸配列を含むCD4の1つのECドメインを含む。いくつかの実施形態では、第1の抗原結合ドメインは、それぞれ、以下に示されるアミノ酸配列:配列番号51及び56と少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む第1のVH及び第1のVLを含み、第2の抗原結合ドメインは、配列番号746のCD4 ECドメインと少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含むCD4の1つのECドメインを含む。いくつかの実施形態では、第1の抗原結合ドメインは、それぞれ、以下に示されるアミノ酸配列:配列番号51及び56を含む第1のVH及び第1のVLを含み、第2の抗原結合ドメインは、配列番号746のCD4 ECドメインと少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含むCD4の1つのECドメインを含む。いくつかの実施形態では、第1の抗原結合ドメインは、それぞれ、以下に示されるアミノ酸配列:配列番号51及び56と少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む第1のVH及び第1のVLを含み、第2の抗原結合ドメインは、配列番号746のCD4 ECドメインと少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含むCD4の1つのECドメインを含む。いくつかの実施形態では、第1の抗原結合ドメインは、配列番号51のアミノ酸配列を含む第1のVHと、配列番号56のアミノ酸配列と少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含む第1のVLとを含み、第2の抗原結合ドメインは、配列番号746のCD4 ECドメインと少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含むCD4の1つのECドメインを含む。いくつかの実施形態では、第1の抗原結合ドメインは、配列番号51のアミノ酸配列を含む第1のVHと、配列番号56のアミノ酸配列と少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含む第1のVLとを含み、第2の抗原結合ドメインは、配列番号746のCD4 ECドメインと少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含むCD4の1つのECドメインを含む。いくつかの実施形態では、第1の抗原結合ドメインは、配列番号51のアミノ酸配列を含む第1のVHと、配列番号56のアミノ酸配列と少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む第1のVLとを含み、第2の抗原結合ドメインは、配列番号746のCD4 ECドメインと少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含むCD4の1つのECドメインを含む。いくつかの実施形態では、第1の抗原結合ドメインは、配列番号51のアミノ酸配列を含む第1のVHと、配列番号56のアミノ酸配列と少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む第1のVLとを含み、第2の抗原結合ドメインは、配列番号746のCD4 ECドメインと少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含むCD4の1つのECドメインを含む。いくつかの実施形態では、第1の抗原結合ドメインは、配列番号51のアミノ酸配列と少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含む第1のVHと、配列番号56のアミノ酸配列を含む第1のVLとを含み、第2の抗原結合ドメインは、配列番号746のCD4 ECドメインと少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含むCD4の1つのECドメインを含む。いくつかの実施形態では、第1の抗原結合ドメインは、配列番号51のアミノ酸配列と少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含む第1のVHと、配列番号56のアミノ酸配列を含む第1のVLとを含み、第2の抗原結合ドメインは、配列番号746のCD4 ECドメインと少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含むCD4の1つのECドメインを含む。いくつかの実施形態では、第1の抗原結合ドメインは、配列番号51のアミノ酸配列と少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む第1のVHと、配列番号56のアミノ酸配列を含む第1のVLとを含み、第2の抗原結合ドメインは、配列番号746のCD4 ECドメインと少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含むCD4の1つのECドメインを含む。いくつかの実施形態では、第1の抗原結合ドメインは、配列番号51のアミノ酸配列と少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む第1のVHと、配列番号56のアミノ酸配列を含む第1のVLとを含み、第2の抗原結合ドメインは、配列番号746のCD4 ECドメインと少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含むCD4の1つのECドメインを含む。いくつかの実施形態では、第1の抗原結合ドメインは、それぞれ、以下に示されるアミノ酸配列:配列番号51及び56を含む第1のVH及び第1のVLを含み、第2の抗原結合ドメインは、配列番号746のアミノ酸配列を含むCD4の1つのECドメインを含む。
いくつかの実施形態では、第2の抗原結合ドメインは、gp120/gp41界面のgp120のエピトープ又は領域に結合し、PGT-151、CAP248-2B、35O22、8ANC195、ACS202、VRC34、及びVRC34.01からなる群から選択される抗体由来のVH及びVL領域と競合するか又はそれらを含む。gp120/gp41界面のgp120に結合し、本明細書に記載の多重特異性抗原結合分子の第2の抗原結合ドメインにおいて使用することができる追加の広域中和抗体は、例えば、国際公開第2011/038290号、同第2012/030904号及び同第2017/079479号に記載されており、これらは、全ての目的のためにその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
いくつかの実施形態では、第2の抗原結合ドメインは、gp120サイレント面のエピトープ又は領域に結合し、VRC-PG05及びSF12から選択される抗体由来のVH及びVL領域と競合するか、又はそれらを含む。例えば、Schoofs,et al.,Immunity.(2019)50(6):1513-1529を参照されたい。
いくつかの実施形態では、第2の抗原結合ドメインは、膜近位領域(MPER)のgp41のエピトープ又は領域に結合する。MPERのgp41に結合し、本明細書に記載の多重特異性抗原結合分子の第2の抗原結合ドメインにおいて使用することができる追加の広域中和抗体は、例えば、国際公開第2011/034582号、国際公開第2011/038290号、同第2011/046623号及び同第2013/070776号に記載されており、これらは、全ての目的のためにその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
いくつかの実施形態では、第2の抗原結合ドメインは、膜近位領域(MPER)のgp41のエピトープ又は領域に結合し、10E8、10E8v4、10E8-5R-100cF、4E10、DH511.11P、2F5、7b2、及びLN01からなる群から選択される抗体由来のVH及びVL領域と競合するか又はそれらを含む。
いくつかの実施形態では、第2の抗原結合ドメインは、gp41融合ペプチドのエピトープ又は領域に結合し、VRC34及びACS202からなる群から選択される抗体由来のVH及びVL領域と競合するか又はそれらを含む。
本明細書に記載の多重特異性抗原結合分子の第2の抗原結合ドメインにおいて使用することができる追加の広域中和抗体は、例えば、米国特許第8,673,307号、同第9,493,549号、同第9,783,594号、同第10,239,935号、及び米国特許出願公開第2018371086号、米国特許出願公開第2020/223907号、国際公開第2012/154312号、国際公開第2012/158948号、国際公開第2013/086533号、国際公開第2013/142324号、国際公開第2014/063059号、国際公開第2014/089152号、国際公開第2015/048462号、国際公開第2015/103549号、国際公開第2015/117008号、国際公開第2016/014484号、国際公開第2016/154003号、国際公開第2016/196975号、国際公開第2016/149710号、国際公開第第2017/096221号、国際公開第2017/133639号、及び国際公開第2017/133640号に記載されており、これらは、全ての目的のためにその全体が参照により本明細書に組み込まれる。追加の例としては、Sajadi,et al.,Cell.(2018)173(7):1783-1795、Sajadi,et al.,J Infect Dis.(2016)213(1):156-64、Klein et al.,Nature,492(7427):118-22(2012)、Horwitz et al.,Proc Natl Acad Sci U S A,110(41):16538-43(2013)、Scheid,et al.,Science,333:1633-1637(2011)、Scheid,et al.,Nature,458:636-640(2009)、Eroshkin et al,Nucleic Acids Res.,42(Database issue):Dl 133-9(2014)、Mascola et al.,Immunol Rev.,254(l):225-44(2013)に記載されているもの、例えば、2F5、4E10、M66.6、CAP206-CH12、10E8、10E8v4、10E8-5R-100cF、DH511.11P、7b2、及びLN01など(これらは全てgp41のMPERに結合する);PG9、PG16、CAP256、CAP256-VRC26、CAP256-VRC26.25、CH01-04(これらは全てV1V2-グリカンに結合する)、2G12(外側ドメイングリカンに結合する);b12、F105、VRC01、VRC07、VRC07-523、VRC03、VRC06、VRC06b01 VRC08、VRC0801、NIH45-46、3BNC117、3BNC60、PGV04(別名、VRC-PG04);CH103、44-VRC13.01、1NC9、12A12、N6、1-18、N49-P7、NC-Cow1、IOMA、CH235及びCH235.12、N49P6、N49P7、N49P11、N49P9、並びにN60P25(これらは全てCD4結合部位に結合する)が挙げられ、これらは全ての目的のためにその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
いくつかの実施形態では、第2の抗原結合ドメインは、第2のVH-CDR1、第2のVH-CDR2、及び第2のVH-CDR3を含む、第2のVHと、第2のVL-CDR1、第2のVL-CDR2、及び第2のVH-CDR3を含む、第2のVLと、を含み、それぞれ、以下に示されるアミノ酸配列(Kabatに従う):配列番号76、77、78、79、80、及び81、配列番号76、82、78、79、80、及び81、配列番号83、84、85、86、80、及び87、配列番号83、88、85、86、80、及び87、配列番号90、91、92、93、94、及び95、配列番号90、91、96、93、94、及び95、配列番号97、98、99、100、101、及び102、配列番号103、104、105、106、94、及び107、配列番号108、109、110、111、112、及び113、配列番号114、115、116、117、118、及び119、配列番号114、120、121、122、118、及び123、配列番号124、125、126、127、128、及び113、配列番号129、115、131、127、118、及び113、配列番号132、133、134、135、136、及び137、配列番号138、139、140、141、142、及び143、配列番号144、145、146、147、148、及び143、配列番号149、150、151、152、153、及び143、配列番号154、155、156、157、158、及び159、配列番号160、161、162、163、164、及び165、配列番号166、161、167、163、164、及び165、配列番号168、169、170、171、172、及び173、配列番号168、174、170、171、172、及び173、配列番号175、176、177、171、172、及び173、配列番号178、179、180、181、182、及び183、配列番号184、185、186、187、188、及び189、配列番号190、191、192、193、194、及び195、配列番号196、197、198、199、200、及び201、配列番号202、203、204、205、206、及び207、配列番号208、209、210、211、212、及び213、配列番号214、215、216、217、218、及び219、配列番号214、220、216、221、218、及び219、配列番号214、220、222、221、218、及び219、配列番号223、224、225、226、227、及び228、若しくは配列番号229、230、231、232、233、及び234、配列番号902、903、904、905、906、及び907、配列番号908、909、910、911、912、及び913、配列番号914、915、916、917、918、及び919、又は配列番号920、921、922、923、924、及び925を含む。
いくつかの実施形態では、第2の抗原結合ドメインは、第2のVH-CDR1、第2のVH-CDR2、及び第2のVH-CDR3を含む、第2のVHと、第2のVL-CDR1、第2のVL-CDR2、及び第2のVH-CDR3を含む、第2のVLと、を含み、それぞれ、以下に示されるアミノ酸配列(Chothiaに従う):配列番号235、236、237、238、239、及び240、配列番号241、242、243、244、239、及び245、配列番号246、242、247、244、239、及び245、配列番号248、249、250、251、239、及び252、配列番号248、249、253、251、239、及び252、配列番号254、255、256、257、258、及び259、配列番号260、261、262、263、239、及び264、配列番号265、266、267、268、269、及び270、配列番号271、272、273、274、275、及び270、配列番号271、276、277、278、275、及び279、配列番号280、281、282、283、284、及び270、配列番号285、272、286、283、275、及び270、配列番号287、288、289、290、291、及び292、配列番号293、294、295、296、297、及び298、配列番号299、300、301、302、303、及び298、配列番号304、300、305、406、307、及び298、配列番号308、309、310、311、312、及び313、配列番号314、315、316、317、318、及び165、配列番号320、315、321、317、318、及び165、配列番号322、323、324、325、326、及び327、配列番号322、328、324、325、326、及び327、配列番号329、323、330、325、326、及び327、配列番号331、332、333、334、335、及び336、配列番号337、338、339、340、341、及び342、配列番号343、344、345、346、341、及び347、配列番号348、349、350、351、352、及び353、配列番号354、355、356、357、358、及び359、配列番号360、361、362、363、364、及び365、配列番号366、367、368、369、370、及び371、配列番号366、361、368、369、370、及び371、配列番号372、361、373、369、370、及び371、配列番号374、375、376、377、378、及び379、配列番号380、381、382、383、384、及び385、配列番号926、927、928、929、930、及び931、配列番号932、933、934、935、936、及び937、配列番号938、939、940、941、942、及び943、又は配列番号944、945、946、947、948、及び949を含む。
いくつかの実施形態では、第2の抗原結合ドメインは、第2のVH-CDR1、第2のVH-CDR2、及び第2のVH-CDR3を含む、第2のVHと、第2のVL-CDR1、第2のVL-CDR2、及び第2のVH-CDR3を含む、第2のVLと、を含み、それぞれ、以下に示されるアミノ酸配列(IMGTに従う):配列番号386、387、388、389、239、及び81、配列番号390、391、392、393、239、及び87、配列番号390、391、394、393、239、及び87、配列番号395、396、397、393、239、及び87、配列番号398、399、400、401、239、及び95、配列番号398、399、402、401、239、及び95、配列番号403、404、405、406、258、及び102、配列番号407、408、409、410、239、及び107、配列番号411、412、413、414、269、及び113、配列番号415、416、417、418、275、及び119、配列番号415、419、420、421、275、及び123、配列番号422、423、424、425、275、及び113、配列番号426、416、427、425、275、及び113、配列番号428、429、430、431、291、及び137、配列番号432、433、434、435、297、及び143、配列番号436、437、438、439、303、及び143、配列番号440、437、441、442、307、及び143、配列番号443、444、445、446、312、及び159、配列番号447、448、449、450、318、及び165、配列番号451、448、452、450、318、及び165、配列番号453、454、455、456、326、及び173、配列番号453、457、455、456、326、及び173、配列番号458、459、460、456、326、及び173、配列番号461、462、463、464、335、及び183、配列番号465、466、467、468、341、及び189、配列番号469、470、471、472、341、及び195、配列番号473、474、475、476、352、及び201、配列番号477、478、479、480、358、及び207、配列番号481、482、483、484、364、及び213、配列番号485、486、487、488、370、及び219、配列番号485、482、487、488、370、及び219、配列番号489、482、490、488、370、及び219、配列番号491、492、493、494、378、及び228、配列番号495、496、497、498、384、及び234、配列番号950、951、952、953、930、及び907、配列番号954、955、956、957、936、及び913、配列番号958、959、960、961、942、及び919、又は配列番号962、963、964、965、948、及び925を含む。
いくつかの実施形態では、第2の抗原結合ドメインは、第2のVH-CDR1、第2のVH-CDR2、及び第2のVH-CDR3を含む、第2のVHと、第2のVL-CDR1、第2のVL-CDR2、及び第2のVH-CDR3を含む、第2のVLと、を含み、それぞれ、以下に示されるアミノ酸配列(Honeggerに従う):配列番号499、500、501、238、502、及び240、配列番号499、503、501、238、502、及び240、配列番号505、506、507、244、502、及び245、配列番号508、509、510、244、502、及び245、配列番号511、512、513、251、514、及び252、配列番号511、512、515、251、514、及び252、配列番号516、517、518、257、519、及び259、配列番号520、521、522、264、523、及び264、配列番号524、525、526、268、527、及び270、配列番号528、529、530、274、531、及び270、配列番号528、532、533、278、531、及び279、配列番号534、535、536、283、537、及び270、配列番号1090、529、538、283、531、及び270、配列番号539、540、541、290、542、及び292、配列番号543、544、545、546、547、及び298、配列番号548、549、550、1091、551、及び298、配列番号552、553、554、555、556、及び298、配列番号557、558、559、311、560、及び313、配列番号561、562、563、564、565、及び165、配列番号566、562、1092、564、567、及び165、配列番号568、569、570、571、572、及び327、配列番号568、573、570、571、572、及び327、配列番号574、575、576、571、572、及び327、配列番号577、578、579、580、581、及び336、配列番号582、583、584、340、585、及び342、配列番号586、587、588、346、589、及び347、配列番号590、591、592、351、593、及び353、配列番号594、595、596、597、598、及び359、配列番号599、600、601、602、603、及び365、配列番号604、605、606、607、608、及び371、配列番号604、609、606、607、608、及び371、配列番号610、609、611、607、608、及び371、配列番号612、613、614、615、616、及び379、配列番号617、618、619、620、621、及び385、配列番号966、967、968、969、970、及び931、配列番号971、972、973、974、975、及び937、配列番号976、977、978、941、979、及び943、又は配列番号980、981、982、983、984、及び949を含む。
いくつかの実施形態では、第2のVH及び第2のVLは、それぞれ、以下に示されるアミノ酸配列を含むか、又はそれぞれ、以下に示されるアミノ酸配列と、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む:配列番号622及び623、配列番号624及び625、配列番号624及び626、配列番号627及び628、配列番号629及び630、配列番号631及び632、配列番号633及び634、配列番号635及び636、配列番号637及び638、配列番号639及び640、配列番号641及び642、配列番号643及び644、配列番号645及び646、配列番号647及び648、配列番号649及び650、配列番号651及び652、配列番号653及び654、配列番号655及び656、配列番号657及び658、配列番号659及び660、配列番号661及び662、配列番号663及び664、配列番号665及び666、配列番号667及び668、配列番号669及び670、配列番号671及び672、配列番号673及び670、配列番号674及び675、配列番号676及び677、配列番号678及び679、配列番号680及び681、配列番号682及び683、配列番号684及び685、配列番号686及び687、配列番号688及び689、配列番号690及び691、配列番号692及び693、配列番号694及び695、配列番号985及び986、配列番号987及び988、配列番号989及び990、又は配列番号991及び992。
HIV gp120を標的とする多重特異性抗原結合分子の第1の抗原結合ドメインの相補性決定領域(CDR)の例示的な配列を、表D1、D2、D3、及びD4に提供する。HIV gp120を標的とする多重特異性抗原結合分子の第2の抗原結合ドメインのVH及びVLの例示的な配列を、表Eに提供する。
4. Fcドメイン又はFc領域
ある特定の実施形態では、CD3標的化重鎖及びHIV抗原標的化重鎖の一方又は両方のFc領域又はFcドメインは、ヒトIgGからである。一実施形態では、多重特異性抗原結合分子のFc領域又はFcドメインは、IgG1、IgG2、IgG4、又はそれらのキメラである。いくつかの実施形態では、抗体は、キメラ重鎖定常領域を有する(例えば、IgG4のCH1、ヒンジ、CH2領域、及びIgG1のCH3領域を有する)。いくつかの実施形態では、Fc領域は、ヒトIgG1又はIgG4からである。いくつかの実施形態では、Fc領域は、ヒトIgG1からである。いくつかの実施形態では、Fc領域は、ヒトIgG4からである。
ある特定の実施形態では、CD3標的化重鎖及びHIV抗原標的化重鎖の一方又は両方のFc領域又はFcドメインは、1~10個(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10)のアミノ酸置換を伴うヒトIgG1(例えば、野生型又は変異体IgG1m3配列)、IgG2、IgG3、又はIgG4に直接結合されるか、又は介在アミノ酸配列(例えば、G-Sリンカー)を介して結合される。いくつかの実施形態では、Fc修飾は、分子の血清半減期の増加又は抗体エフェクタ機能の減少のうち1つ以上を促進することができる。他の実施形態では、特定のこれらの修飾は、抗体エフェクタ機能を低下させ、抗体の半減期を増加させる。いくつかの実施形態では、CD3標的化重鎖及びHIV抗原標的化重鎖の一方又は両方のFc領域又はFcドメインは、2個以上、3個以上、4個以上、5個以上、6個以上、6個以下、5個以下、4個以下、3個以下、2個以下、又は1個の修飾Fcアミノ酸残基を含む。必要に応じて、CD3標的化重鎖及びHIV抗原標的化重鎖の一方又は両方のFc領域又はFcドメインは、同じであっても異なっていてもよい。いくつかの実施形態では、CD3標的化重鎖及びHIV抗原標的化重鎖の一方又は両方のFc領域又はFcドメインは、2個以上、3個以上、4個以上、5個以上、6個以上、6個以下、5個以下、4個以下、3個以下、2個以下、又は1個の修飾Fcアミノ酸残基を含み得る。例示的なアミノ酸置換を以下に記載する。
IgG1アイソタイプFc
一実施形態では、Fc領域は、ヒトIgG1を含むか、又はヒトIgG4に由来する。いくつかの実施形態では、抗体は、キメラ重鎖定常領域を有する(例えば、IgG4のCH1、ヒンジ、CH2領域、及びIgG1のCH3領域を有する)。
IgG1抗体は、様々なアロタイプ及び同型アロタイプで存在する。様々な実施形態では、CD3標的化重鎖及びHIV抗原標的化重鎖のFc領域又はFcドメインの一方又は両方は、G1m1、nG1m2、G1m3、G1m17,1、G1m17,1,2、G1m3,1、又はG1m17のアロタイプを有するIgG1重鎖を含む。これらのアロタイプ又は同型アロタイプの各々は、IgG1重鎖定常領域(Fc)内の指示位置にある以下のアミノ酸残基によって、特徴付けられる(EUナンバリング):
G1m1:D356、L358;
nG1m1:E356、M358;
G1m3:R214、E356、M358、A431;
G1m17,1:K214、D356、L358、A431;
G1m17,1.2:K214、D356、L358、G431;
G1m3,1:R214、D356、L358、A431;及び
G1m17:K214、E356、M358、A431。
ある特定の実施形態では、多重特異性抗原結合分子のFc領域又はFcドメインは、以下に提供される、野生型IgG1m3配列(例えば、配列番号1089)を含むか、又は野生型IgG1m3配列(例えば、配列番号1089)と、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも98%、若しくは少なくとも99%同一を有する。
ASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKRVEPKSCDKTHTCPPCPAPELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSREEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK(配列番号1089)。
ある特定の実施形態では、CD3標的化重鎖及びHIV抗原標的化重鎖の一方又は両方のFc領域又はFcドメインは、IgG1アイソタイプからである。いくつかの実施形態では、CD3標的化重鎖及びHIV抗原標的化重鎖の一方又は両方のFc領域又はFcドメインは、ヒトIgG1定常領域を含有する。いくつかの実施形態では、ヒトIgG1 Fc領域は、1つ以上の修飾を含有する。例えば、いくつかの実施形態では、Fc領域は、1つ以上のアミノ酸置換(例えば、同じアイソタイプの野生型Fc領域に対して)を含有する。いくつかの実施形態では、1つ以上のアミノ酸置換は、N297A、N297Q(Bolt S et al.(1993)Eur J Immunol23:403-411)、D265A、L234A、L235A(McEarchem et al.,(2007)Blood,109:1185-1192)、C226S、C229S(McEarchem et al.,(2007)Blood.109:1185-1192)、P238S(Davis et al.,(2007)J Rheumatol,34:2204-2210)、E233P、L234V(McEarchern et al.,(2007)Blood,109:1185-1192)、P238A、A327Q、A327G、P329A(Shields R L.et al.,(2001)J Biol Chem.276(9):6591-604)、K322A、L234F、L235E(Hezareh,et al.,(2001)J Virol 75,12161-12168、Oganesyan et al.,(2008).Acta Crystallographica 64,700-704)、P331S(Oganesyan et al.,(2008)Acta Crystallographica 64,700-704)、T394D(Wilkinson et al.(2013)MAbs 5(3):406-417)、A330L、M252Y、S254T、及びT256Eから選択され、アミノ酸位置は、EUナンバリング協定に従う。ある特定の実施形態では、Fc領域は、EUナンバリング協定に従って、グリシン236に対応する位置にアミノ酸欠失を更に含む。
いくつかの実施形態では、CD3標的化重鎖及びHIV抗原標的化重鎖の一方又は両方のFc領域又はFcドメインは、EUナンバリング協定に従うC220Sアミノ酸置換を含有する重鎖定常領域を有するIgG1アイソタイプを有する。
いくつかの実施形態では、Fc領域は、ヒトIgG1アイソタイプを含み、かつN297A、N297G、N297Q、N297G、D265A、L234A、L235A、C226S、C229S、P238S、E233P、L234V、P238A、A327Q、A327G、P329A、P329G、K322A、L234F、L235E、P331S、T394D、A330L、M252Y、S254T、T256E、M428L、N434S、T366W、T366S、L368A、Y407V、及びこれらの任意の組合せからなる群から選択される残基位置でのFc領域における1つ以上のアミノ酸置換を含み、残基のナンバリングは、EUナンバリングに従う。いくつかの実施形態では、Fc領域は、ヒトIgG1アイソタイプを含み、かつL234A、L234V、L234F、L235A、L235E、A330L、P331S、及びこれらの任意の組合せからなる群から選択される残基位置でのFc領域における1つ以上のアミノ酸置換を含み、残基のナンバリングは、EUナンバリングに従う。いくつかの実施形態では、Fc領域は、ヒトIgG1アイソタイプを含み、Fc領域内にL234A、L235A、及びP331Sのアミノ酸置換を含み、残基のナンバリングは、EUナンバリングに従う。いくつかの実施形態では、Fc領域は、ヒトIgG1アイソタイプを含み、Fc領域内にM252Y、S254T、T256Eのアミノ酸置換を含み、残基のナンバリングは、EUナンバリングに従う。いくつかの実施形態では、Fc領域は、ヒトIgG1アイソタイプを含み、Fc領域内にT366S、L368A、Y407Vのアミノ酸置換を含み、残基のナンバリングは、EUナンバリングに従う。いくつかの実施形態では、Fc領域は、ヒトIgG1アイソタイプを含み、Fc領域内にL234A、L235A、P331S、T366S、L368A、及びY407Vを含み、残基のナンバリングは、EUナンバリングに従う。いくつかの実施形態では、Fc領域は、ヒトIgG1アイソタイプを含み、Fc領域内にL234A、L235A、P331S、M252Y、S254T、及びT256Eを含み、残基のナンバリングは、EUナンバリングに従う。
IgG4アイソタイプFc
エフェクタ機能を完全に回避すべき使用の場合、例えば、抗原結合のみで所望の治療上の利益を生じさせるのに充分であり、かつエフェクタ機能が望ましくない副作用をもたらす(又はそのリスクを増大させる)だけである場合、IgG4抗体が使用されてもよく、又はFc領域若しくはその実質的な部分を欠く抗体若しくは断片が考案され得るか、又はFcを変異させてグリコシル化を完全に排除してもよい(例えば、N297A)。あるいは、エフェクタ機能を欠き、FcγRに結合する能力を欠き(IgG2のように)、かつ補体を活性化することができない(IgG4のように)、ヒトIgG2(CH1ドメイン及びヒンジ領域)とヒトIgG4(CH2ドメイン及びCH3ドメイン)とのハイブリッド構築物が作製されている。(Rother et al.(2007)Nat.Biotechnol.25:1256、Mueller et al.(1997)Mol.Immunol.34:441、及びLabrijn et al.(2008)Curr.Op.Immunol.20:479(概して、エフェクタ機能を低減するためのFc修飾を論じている)を参照されたい)。
ある特定の実施形態では、CD3標的化重鎖及びHIV抗原標的化重鎖の一方又は両方のFc領域又はFcドメインは、IgG4アイソタイプを有する。いくつかの実施形態では、CD3標的化重鎖及びHIV抗原標的化重鎖の一方又は両方のFc領域又はFcドメインは、ヒトIgG4定常領域を含有する。いくつかの実施形態では、ヒトIgG4定常領域は、Fc領域を含む。いくつかの実施形態では、Fc領域は、1つ以上の修飾を含有する。例えば、いくつかの実施形態では、Fc領域は、1つ以上のアミノ酸置換(例えば、同じアイソタイプの野生型Fc領域に対して)を含有する。いくつかの実施形態では、1つ以上のアミノ酸置換は、E233P、F234V、F234A、L235A、G237A、E318A、S228P、L235E、T394D、M252Y、S254T、T256E、N297A、N297G、N297Q、T366W、T366S、L368A、Y407V、M428L、N434S、及びこれらの任意の組合せから選択され、アミノ酸位置は、EUナンバリング協定に従う。例えばHutchins et al.(1995)Proc Natl Acad Sci USA,92:11980-11984、Reddy et al.,(2000)J Immunol,164:1925-1933、Angal et al.,(1993)Mol Immunol.30(1):105-8、米国特許第8,614,299(B2)号、Vafa O.et al.,(2014)Methods 65:114-126、及びJacobsen et.al.,J.Biol.Chem.(2017)292(5):1865-1875を参照されたい。いくつかの実施形態では、Fc領域は、ヒトIgG4アイソタイプを含み、かつF234V、F234A、L235A、L235E、S228P、及びこれらの任意の組合せからなる群から選択される残基位置でのFc領域における1つ以上のアミノ酸置換を含み、残基のナンバリングは、EUナンバリングに従う。
いくつかの実施形態では、本開示のIgG4バリアントは、EUナンバリング協定(Angal et al.,(1993)Mol Immunol,30:105-108)に従うS228Pのうちの少なくとも1つ、及びPeters et al.,(2012)J Biol Chem.13;287(29):24525-33)に記載される1つ以上の変異を組み合わせて、抗体安定化を増強してもよい。
IgG2アイソタイプFc
ある特定の実施形態では、CD3標的化重鎖及びHIV抗原標的化重鎖の一方又は両方のFc領域又はFcドメインは、IgG2アイソタイプを有する。いくつかの実施形態では、CD3標的化重鎖及びHIV抗原標的化重鎖の一方又は両方のFc領域又はFcドメインは、ヒトIgG2定常領域を含有する。いくつかの実施形態では、ヒトIgG2定常領域は、Fc領域を含む。いくつかの実施形態では、Fc領域は、1つ以上の修飾を含有する。例えば、いくつかの実施形態では、Fc領域は、1つ以上のアミノ酸置換(例えば、同じアイソタイプの野生型Fc領域に対して)を含有する。いくつかの実施形態では、1つ以上のアミノ酸置換は、P238S、V234A、G237A、H268A、H268Q、H268E、V309L、N297A、N297G、N297Q、V309L、A330S、P331 S、C232S、C233S、M252Y、S254T、及びT256Eから選択され、アミノ酸位置は、EUナンバリング協定に従う(Vafa,et al.,(2014)Methods 65:114-126)。
血清半減期を増加させるFc変異
いくつかの実施形態では、CD3標的化重鎖及びHIV抗原標的化重鎖の一方又は両方のFc領域又はFcドメインは、多重特異性抗原結合分子の血清半減期の増加を促進するアミノ酸修飾を含む。抗体の半減期を増加させる変異が記載されている。一実施形態では、CD3標的化重鎖及びHIV抗原標的化重鎖の一方又は両方のFc領域又はFcドメインは、252位でのメチオニンからチロシンへの置換(EUナンバリング)、254位でのセリンからトレオニンへの置換(EUナンバリング)、及び256位でのトレオニンからグルタミン酸への置換(EUナンバリング)を含む。例えば、米国特許第7,658,921号を参照されたい。「YTE変異体」と命名されたこのタイプの変異体は、同じ抗体の野生型バージョンと比較して、4倍増加した半減期を呈する(Dall’Acquaet al.J Biol Chem,281:23514-24(2006);Robbieet al.Antimicrob Agents Chemotherap.,57(12):6147-6153(2013))。特定の実施形態では、CD3標的化重鎖及びHIV抗原標的化重鎖の一方又は両方のFc領域又はFcドメインは、251~257位、285~290位、308~314位、385~389位、及び428~436位でのアミノ酸残基の1つ、2つ、3つ又はそれ以上のアミノ酸置換を含むIgG定常ドメインを含む(EUナンバリング)。あるいは、M428L及びN434S(「LS」)置換は、多重特異性抗原結合分子の薬物動態(PK)半減期を増加させることができる。他の実施形態では、CD3標的化重鎖及びHIV抗原標的化重鎖の一方又は両方のFc領域又はFcドメインは、M428L及びN434S置換(EUナンバリング)を含む。他の実施形態では、CD3標的化重鎖及びHIV抗原標的化重鎖の一方又は両方のFc領域又はFcドメインは、T250Q及びM428L(EUナンバリング)変異を含む。他の実施形態では、CD3標的化重鎖及びHIV抗原標的化重鎖の一方又は両方のFc領域又はFcドメインは、H433K及びN434F(EUナンバリング)変異を含む。
エフェクタ活性を低減又は排除するFc変異
いくつかの実施形態では、CD3標的化重鎖及びHIV抗原標的化重鎖の一方又は両方のFc領域又はFcドメインは、Fcエフェクタ機能(例えば、抗体依存性細胞傷害(ADCC)、抗体依存性細胞貪食作用(ADCP)、及び補体依存性細胞傷害(CDC)を含む)を低減又は排除するアミノ酸置換を有する。
いくつかの実施形態では、Fc領域は、少なくとも1つのアミノ酸残基を異なるアミノ酸残基で置換して、抗体のエフェクタ機能を低減又は排除することによって変更される。例えば、多重特異性抗原結合分子がエフェクタリガンドに対して低減された親和性を有するように、アミノ酸残基234、235、236、237、297、318、320、及び322(EUナンバリング)から選択される1つ以上のアミノ酸を、異なるアミノ酸残基で置き換えることができる。親和性が変更されるエフェクタリガンドは、例えば、Fc受容体(例えば、残基位置234、235、236、237、297(EUナンバリング))、又はC1補体成分(例えば、残基位置297、318、320、322(EUナンバリング))であり得る。米国特許第5,624,821号及び同第5,648,260号は、どちらもWinterらによる。
エフェクタ機能を低減又は排除するFc修飾としては、例えば、234、235、236、237、267、269、325、及び328を含む1つ以上の位置、例えば、234G、235G、236R、237K、267R、269R、325L、及び328R(EUナンバリング)における、置換、挿入、及び欠失が挙げられる。更に、Fcバリアントは、236R/328Rを含み得る。FcγR及び補体相互作用を減少させるための他の修飾としては297A、234A、235A、318A、228P、236E、268Q、309L、330S、331S、220S、226S、229S、238S、233P、及び234V(EUナンバリング)の位置での置換が挙げられる。これらの修飾及び他の修飾は、Strohl(2009)Current Opinion in Biotechnology 20:685-691に概説されている。エフェクタ機能(ADCC及び補体活性化の両方)は、新生児FcR結合を維持しながら(半減期を維持しながら)、233~236位及び327~331位の1つ以上の位置(IgG1において、E233P、L234V、L235A、任意選択的に、G236A、A327G、A330S、及びP331S;IgG4において、E233P、F234V、L235A、任意選択的にG236A;IgG2においてA330S及びP331S(EUナンバリング)など)で、IgG残基を変異させることによって、低下させることができる。Armour et al.(1999)Eur.J.Immunol.29:2613、国際公開第99/58572号を参照されたい。エフェクタ機能を低下させる他の変異としては、IgG1におけるL234A及びL235A(「LALA」)(Alegre et al.(1994)Transplantation 57:1537)、IgG2におけるV234A及びG237A(Cole et al.(1997)J.Immunol.159:3613、また、米国特許第5,834,597号参照);並びに、IgG4におけるS228P及びL235E(Reddy et al.(2000)J.Immunol.164:1925)が挙げられる。ヒトIgG1におけるエフェクタ機能を低下させるための変異の別の組合せとしては、L234F、L235E、及びP331Sが挙げられる。Oganesyan et al.(2008)Acta Crystallogr.D.Biol.Crystallogr.64:700。全般的には、Labrijn et gal.(2008)Curr.Op.Immunol.20:479を参照されたい。Fc(IgG1)融合タンパク質(アバタセプト)に関連してエフェクタ機能を低下させることが見出された追加の変異としては、C226S、C229S、及びP238S(EUナンバリング)が挙げられる。Davis et al.(2007)J.Immunol.34:2204。
ADCC活性は、Fc領域を修飾することによって低減され得る。ある特定の実施形態では、Fc受容体への結合に影響を及ぼす部位、例えばサルベージ受容体結合部位以外の部位を、除去してもよい。他の実施形態では、Fc領域は、ADCC部位を除去するように修飾されてもよい。例示的なADCC部位は、IgG1のADCC部位に関して記載されている(Sarmay,et al,(1992)Molec.Immunol.29(5):633-9)。一実施形態では、ヒトIgG1のG236R及びL328Rバリアントは、FcγR結合を効果的に排除するHorton,et al.(2011)J.Immunol.186:4223、及びChu,et al.(2008)Mol.Immunol.45:3926)。他の実施形態では、FcγRへの結合が減少したFcとしては、アミノ酸置換L234A、L235E、及びG237Aが挙げられる。Gross,et al.(2001)Immunity 15:289。国際公開第88/007089号で同定された、ADCCが減少するようにFcγRIへの結合を減少させるためのIgGFc領域における修飾(例えば、234A、235E、236A、G237A)を、本発明の融合タンパク質に使用することができる。また、Duncan & Winter(1988)Nature 332:563、Chappel et al.(1991)Proc.Nat’l Acad.Sci.(USA)88:9036、及びSondermann et al.(2000)Nature 406:267(FcγRIII結合に対するこれらの変異の効果を議論している)も参照されたい。いくつかの実施形態では、FcγRへの結合が低減したFcとしては、アミノ酸置換L234A及びL235Aが挙げられる。
CDC活性はまた、Fc領域を修飾することによって低減され得る。IgG1位置D270、K322、P329、及びP331における変異、具体的にはアラニン変異D270A、K322A、P329A、及びP331Aは、対応する抗体がC1qに結合し補体を活性化する能力を、有意に低下させる(Idusogie et al.(2000)J.Immunol.164:4178、国際公開第99/51642号。IgG1の331位の修飾(例えば、P331S)は、補体結合を低減することが示されている(Tao et al.(1993)J.Exp.Med.178:661、Xu Y,et al.J Biol Chem.1994.269:3469-74、及びCanfield & Morrison(1991)J.Exp.Med.173:1483)。別の例では、アミノ酸231~239位内の1つ以上のアミノ酸残基を変更して、それにより、抗体が補体を固定する能力を低下させる(国際公開第94/29351号)。補体成分C1qへの結合を低減又は排除し、ひいてはCDC(例えば、E318A又はV/K320A及びK322A/Q)を低減又は排除する、国際公開第88/007089号で同定されているIgG Fc領域の修飾を、本発明の融合タンパク質に使用することができる。
いくつかの実施形態では、補体固定が低下したFcは、アミノ酸置換A330S及びP331Sを有する。Gross et al.(2001)Immunity 15:289。いくつかの実施形態では、補体固定が低下したFcは、アミノ酸置換P331Sを有する。
ある特定の実施態様では、CD3標的化重鎖及びHIV抗原標的化重鎖の一方又は両方のFc領域又はFcドメインは、本質的にエフェクタ機能を有さず、例えば、Fcドメインの一方又は両方は、FcγRへの結合が低減又は排除され、補体固定が低減又は排除され、例えば、エフェクタを有しない。エフェクタを有しない例示的なIgG1 Fcは、以下の5つの変異を含む:L234A、L235E、G237A、A330S、及びP331S(EUナンバリング)(Gross et al.(2001)Immunity 15:289)。これら5つの置換をN297Aと組み合わせて、グリコシル化もまた排除してもよい。
ある特定の実施形態では、多重特異性抗原結合分子は、L234F、L235E、D264A変異を含み、これらはまとめて「FEA」と称される。FEA変異は、エフェクタ機能を減少させるか又は消失させる。ある特定の実施形態では、多重特異性抗原結合分子は、L234F、L235E、D264A、及びF405L変異を含み、これらはまとめて「FEAL」と称される。ある特定の実施形態では、多重特異性抗原結合分子は、L234F、L235E、D264Aと、F405L、F405A、F405D、F405E、F405H、F405I、F405K、F405M、F405N、F405Q、F405S、F405T、F405V、F405W、及びF405Yからなる群から選択される変異と、を含む。ある特定の実施形態では、多重特異性抗原結合分子は、L234F、L235E、D264A、及びK409R変異を含み、これらはまとめて「FEAR」と称される。ある特定の実施形態では、FEAL及びFEARは、本明細書に記載の多重特異性抗原結合分子に含まれる。ある特定の実施形態では、多重特異性抗原結合分子は、M428L及びN434S変異を含み、これらはまとめてLSと称される。ある特定の実施形態では、多重特異性抗原結合分子は、L234F、L235E、D264A、F405L、M428L、及びN434S変異を含み、これらはまとめて「FEALLS」と称される。ある特定の実施形態では、多重特異性抗原結合分子は、L234F、L235E、D264A、M428L、及びN434S変異を、F405L、F405A、F405D、F405E、F405H、F405I、F405K、F405M、F405N、F405Q、F405S、F405T、F405V、F405W、及びF405Yからなる群から選択される1つの更なる変異とともに含む。ある特定の実施形態では、多重特異性抗原結合分子は、L234F、L235E、D264A、K409R、M428L、及びN434S変異を含み、これらはまとめて「FEARLS」と称される。ある特定の実施形態では、FEALLS及びFEARLSは、本明細書に記載の多重特異性抗原結合分子に含まれる。
低減されたADCC及び低減されたCDCの一方又は両方を有する他のFcバリアントは、Glaesner et al.(2010)Diabetes Metab.Res.Rev.26:287(IgG4におけるADCC及びADCPを減少させるためのF234A及びL235A)、Hutchins et al.(1995)Proc.Nat’l Acad.Sci.(USA)92:11980(IgG4におけるF234A、G237A、及びE318A)、An et al.(2009)MAbs 1:572、及び米国特許出願公開第2007/0148167号(IgG2におけるH268Q、V309L、A330S、及びP331S);McEarchern et al.(2007)Blood 109:1185(IgG1におけるC226S、C229S、E233P、L234V、L235A)、Vafa et al.(2014)Methods(IgG2におけるV234A、G237A、P238S、H268A、V309L、A330S、P331S)(EUナンバリング)にて開示されている。
CD3 X gp120多重特異性/二重特異性抗原結合分子のFcドメイン上のエフェクタ機能を低減するか又は消失させることによって、(i)HIVに感染していないものを含む、分子によって結合されたT細胞は、自然エフェクタ細胞、例えば、NK細胞、マクロファージにより死滅ない、かつ(ii)T細胞は、自然エフェクタ細胞上のFcγRへの結合の低減に起因して、標的細胞の非存在下で活性化されない。標的細胞の非存在下でのT細胞の活性化は、許容できないサイトカイン応答をもたらし得る。自然エフェクタ細胞上のFcγRへの二重特異性分子の結合は、T細胞上のCD3分子のクラスター化をもたらし、抗原非依存性T細胞活性化をもたらし得る。
ヘテロ二量体化を容易にするFc変異
いくつかの実施形態では、第1及び第2のFcドメインは、ヘテロ二量体化を容易にする変異を有する。ヘテロ二量体化を容易にするか又は促進するFcドメイン対における変異は、Ha,et al.,Front.Immunol.(2016)7:394に概説されている。いくつかの実施形態では、第1のFcドメイン及び第2のFcドメインは、それぞれ、以下のアミノ酸置換(EUナンバリング):T366W及びT366S/L368A/Y407V、T366W/S354C及びT366S/L368A/Y407V/Y349C、S364H/F405A及びY349T/T394、T350V/L351Y/F405A/Y407V及びT350V/T366L/K392L/T394W、K360D/D399M/Y407A及びE345R/Q347R/T366V/K409V、K409D/K392D及びD399K/E356K、K360E/K409W及びQ347R/D399V/F405T、K360E/K409W/Y349C及びQ347R/D399V/F405T/S354C、又はK370E/K409W及びE357N/D399V/F405Tを含む(又はその逆)。いくつかの実施形態では、第1のFcドメイン及び第2のFcドメインは、それぞれ、以下のアミノ酸置換(EUナンバリング):T366W及びT366S/L368A/Y407Vを含む。
いくつかの実施形態では、2つの異なる重鎖含有種のFc領域ヘテロ二量体化は、いわゆる「ノブ・イントゥ・ホール」変異によって容易にされ得る(Atwell et al.1997.JMB 270:26-35)。「ホール」変異(T366S、L368A、及びY407V(「SAV」))は一方のFc含有鎖に組み込まれ、T366W「ノブ」(「W」)変異は他方の鎖に組み込まれる。加えて、C220S変異をscFv含有アームのIgG1ヒンジ領域に組み込んで、別法では野生型IgG1の軽鎖中の対応するシステインとジスルフィド結合を形成する遊離システインを、排除することができる。そのような構築物の同時形質移入は、低レベルのホモ二量体夾雑物を有する、ヘテロ二量体Fcの優先的形成をもたらす。加えて、S354C変異の組込みは「ノブ」変異を含有するFcに組み込むことができ、追加の熱力学的安定性が望まれる場合、「ホール」変異を含有するFcへのY349C変異の組込みを任意選択的に使用して、ヘテロ二量体Fcの二等分の間に共有結合を生成することができる(Merchant et al.1998.Nat.Biotechnol.16:677-81)。
夾雑ホモ二量体産物からのヘテロ二量体分子の精製を容易にするために、プロテインA結合を低減又は排除するためのH435R(「R」)又はH435R+Y436F(「RF」)変異を、Fc含有鎖の両方ではなく一方に導入することができる(Jendeberg,L.et al.1997 J.Immunol.Methods 201:25-34)。これにより、これらの変異を含有するホモ二量体夾雑物のプロテインA結合が低減又は排除され、追加のクロマトグラフィ工程(例えば、イオン交換)を介した残りのホモ二量体夾雑物からの所望のヘテロ二量体の精製が、大幅に簡略化される。重鎖の第1又は第2のFc領域にH435R(又はH435R+Y436F)変異を組み込んだ実施形態では、同じ重鎖のVH領域がVH3ファミリー可変領域に由来する場合、このVH領域はまた、重鎖全体のプロテインA結合を低減又は排除するために、本明細書に記載のアミノ酸置換を含むことができる。いくつかの実施形態では、H435Rは、Fc含有鎖のうちの1つに導入される。
特定の実施形態では、1つ以上の修飾は、次のFcアミノ酸置換(EUナンバリング)又はこれらの組合せから選択される:L234F;L235E;G236A;S239D;F243L;D265E;D265A;S267E;H268F;R292P;N297Q;N297A;S298A;S324T;I332E;S239D;A330L;L234F;L235E;P331S;F243L;Y300L;V305I;P396L;S298A;E333A;K334A;E345R;L235V;F243L;R292P;Y300L;P396L;M428L;E430G;N434S;G236A、S267E、H268F、S324T、及びI332E;G236A、S239D、及びI332E;S239D、A330L、I332E;L234F、L235E、及びP331S;F243L、R292P、Y300L、V305I、及びP396L;G236A、H268F、S324T、及びI332E;S239D、H268F、S324T、及びI332E;S298A、E333A、及びK334A;L235V、F243L、R292P、Y300L、及びP396L;S239D、I332E;S239D、S298A、及びI332E;G236A、S239D、I332E、M428L、及びN434S;G236A、S239D、A330L、I332E、M428L、及びN434S;S239D、I332E、G236A、及びA330L;M428L及びN4343S;M428L、N434S;G236A、S239D、A330L、及びI332E;並びに、G236A及びI332E。特定の実施形態では、1つ以上の修飾は、N297A、D265A、L234F、L235E、N297Q、及びP331Sからなる群から選択される。ある特定の実施形態では、1つ以上の修飾は、N297A又はD265Aである。ある特定の実施形態では、1つ以上の修飾は、L234F及びL235Eである。ある特定の実施形態では、1つ以上の修飾は、L234F、L234E、及びD265Aである。ある特定の実施形態では、1つ以上の修飾は、L234F、L234E、及びN297Qである。ある特定の実施形態では、1つ以上の修飾は、L234F、L235E、及びP331Sである。ある特定の実施形態では、1つ以上の修飾は、D265A及びN297Qである。ある特定の実施形態では、1つ以上の修飾は、L234F、L235E、D265A、N297Q、及びP331Sである。いくつかの実施形態では、修飾は、L234A、L235A、P331S、T366S、L368A、Y407V、及びH435Rである。いくつかの実施形態では、修飾は、L234A、L235A、P331S、T366W、M252Y、S254T、及びT256Eである。
Fc受容体結合を低減し、本抗原結合分子における使用を見出す組み合わされた変異としては、例えば、N297A、N297Q、D265A、L234F/L235E、L234F/L235E/N297Q、L234F/L235E/P331S、D265A/N297Q、並びにL234F/L235E/D265A/N297Q/P331S(全てEUナンバリング)が挙げられる。ある特定の実施形態では、本明細書に記載の多重特異性抗原結合分子は、L234F及びL235E変異を含む。ある特定の実施形態では、本明細書に記載の多重特異性抗原結合分子は、L234F、L235E、及びD265A変異を含む。ある特定の実施形態では、本明細書に記載の多重特異性抗原結合分子は、L234F、L235E、及びN297Q変異を含む。ある特定の実施形態では、本明細書に記載の多重特異性抗原結合分子は、N297A又はN297Q変異を含む。ある特定の実施形態では、本明細書に記載の多重特異性抗原結合分子は、N297A又はN297Q変異、並びにL234F、L235E、及びD265A変異を含む。ある特定の実施形態では、1つ、2つ、3つ、4つ、又はそれ以上のアミノ酸置換が、抗原結合分子のエフェクタ機能を変化させるためにFc領域に導入される。例えば、これらの置換は、アミノ酸残基234、235、236、237、265、297、318、320、及び322からなる群から選択される位置に配置される(EUナンバリングによる)。抗原結合分子がエフェクタリガンド(例えば、補体のFc受容体又はC1成分)に対して変化した(例えば、低減した)親和性を有するが、親抗体の抗原結合能力を保持するように、これらの位置を異なるアミノ酸残基で置き換えることができる。ある特定の実施形態では、本明細書に記載の多重特異性抗原結合分子は、E233P、L234V、L235A、及びG236A変異(EUナンバリング)のうちの1つ以上を含む。いくつかの実施形態では、多重特異性抗原結合分子は、A327G、A330S、及びP331S変異(EUナンバリング)のうちの1つ以上を含む。いくつかの実施形態では、多重特異性抗原結合分子は、K322A変異(EUナンバリング)を含む。いくつかの実施形態では、多重特異性抗原結合分子は、E318A、K320A、及びK322A(EUナンバリング)変異を含む。ある特定の実施形態では、多重特異性抗原結合分子は、L235E(EUナンバリング)変異を含む。
いくつかの実施形態では、CD3標的化重鎖及びHIV抗原標的化重鎖の一方又は両方のFc領域又はFcドメインは、ヒンジ領域を含まないか、又はヒンジ領域は、全体的又は部分的に切断又は削除される。ヒトIgG1、IgG2、及びIgG4抗体の構造的ヒンジ領域は、2個~4個のシステイン残基を含有する19個~23個のアミノ酸のペプチドリンカーであり、CH2エクソンの5’末端とともにヒンジエクソン上に遺伝的にコードされ、第1及び第2のFcドメイン間のジスルフィド架橋を可能にする(Roux,et al.,J.Immunol.(1998)161:4083)。構造的ヒンジ領域は、アミノ酸残基位置216~238(EUナンバリング)又は226~251(Kabatナンバリング)(imgt.orgで同定)から構成される。いくつかの実施形態では、CD3標的化重鎖及びHIV抗原標的化重鎖の一方又は両方のFc領域又はFcドメインは、ヒトIgG4アイソタイプを含むか又はそれに由来し、アミノ酸配列ESKYGPPCPPCP(配列番号504)を含まない。いくつかの実施形態では、CD3標的化重鎖及びHIV標的化重鎖の一方又は両方のFc領域又はFcドメインは、ヒトIgG1アイソタイプを含むか又はそれに由来し、アミノ酸配列EPKSCDKTHTCPPCP(配列番号993)又はEPKSCDKTHTCPPCPAPELL(配列番号994)を含まない。必要に応じて、CD3標的化重鎖及びHIV抗原標的化重鎖の一方又は両方のFcドメインのヒンジ領域は、同じであっても異なっていてもよい。
様々な実施形態では、CD3標的化重鎖及びHIV抗原標的化重鎖のFc領域又はFcドメインは、それぞれ、以下に示されるアミノ酸配列を含むか、又はそれぞれ、以下に示されるアミノ酸配列と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、若しくは少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む、ヘテロ二量体ヒトIgG1を含む:配列番号696及び697:配列番号697及び696、配列番号696及び698、配列番号698及び696、配列番号699及び700、配列番号700及び699、配列番号701及び698、配列番号698及び701、配列番号702及び703、配列番号703及び702、配列番号704及び698、配列番号698及び704、配列番号705及び703、配列番号703及び705、配列番号706及び704、配列番号704及び706、配列番号707及び703、配列番号703及び707、配列番号708及び704、配列番号704及び708、配列番号709及び710、又は配列番号710及び709。
いくつかの実施形態では、CD3標的化重鎖及びHIV抗原標的化重鎖のFc領域又はFcドメインは、それぞれ、以下に示されるアミノ酸配列と、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む、ヘテロ二量体ヒトIgG1を含む:配列番号703及び705。いくつかの実施形態では、CD3標的化重鎖及びHIV抗原標的化重鎖のFc領域又はFcドメインは、それぞれ、以下に示されるアミノ酸配列と少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含む、ヘテロ二量体ヒトIgG1を含む:配列番号703及び705。いくつかの実施形態では、CD3標的化重鎖及びHIV抗原標的化重鎖のFc領域又はFcドメインは、それぞれ、以下に示されるアミノ酸配列と少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む、ヘテロ二量体ヒトIgG1を含む:配列番号703及び705。いくつかの実施形態では、CD3標的化重鎖及びHIV抗原標的化重鎖のFc領域又はFcドメインは、それぞれ、以下に示されるアミノ酸配列を含む、ヘテロ二量体ヒトIgG1を含む:配列番号703及び705。
HIV gp120を標的とする多重特異性抗原結合分子の相補性の第1及び第2のFcドメイン対の例示的な配列を、表Fに提供する。いくつかの実施形態では、Fcドメイン対内の第1のFcドメインは、CD3を標的とする第1の抗原結合ドメインに融合される。そのような実施形態では、Fcドメイン対内の第2のFcドメインは、HIV抗原を標的とする第2の抗原結合ドメインに融合される。いくつかの実施形態では、Fcドメイン対内の第2のFcドメインは、CD3を標的とする第1の抗原結合ドメインに融合される。そのような実施形態では、Fcドメイン対内の第1のFcドメインは、HIV抗原を標的とする第2の抗原結合ドメインに融合される。
いくつかの実施形態では、多重特異性抗原結合分子は、scFvである第1の抗原結合ドメインと、Fabである第2の抗原結合ドメインとを含み、第1の抗原結合ドメインは、第1の重鎖(HC)を含み、第2の抗原結合ドメインは、第2のHC及び軽鎖(LC)を含み、第1のHC、第2のHC、及びLCは、それぞれ、以下に示されるアミノ酸配列を含むか、又はそれぞれ、以下に示されるアミノ酸配列と、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、若しくは少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む:配列番号800、801、及び802、配列番号800、803、及び802、配列番号804、803、及び802、配列番号804、805、及び802、配列番号806、801、及び802、配列番号806、803、及び802、配列番号807、803、及び802、配列番号807、805、及び802、配列番号808、809、及び802、配列番号808、810、及び802、配列番号811、801、及び802、配列番号812、809、及び802、配列番号812、810、及び802、配列番号813、805、及び802、配列番号812、814、及び802、配列番号815、801、及び802、配列番号816、805、及び802、配列番号817、801、及び802、配列番号818、805、802、配列番号819、810、及び802配列番号820、810、及び802、配列番号821、822、及び823、配列番号824、825、及び823、配列番号826、825、及び823、配列番号826、827、及び823、配列番号828、829、及び823、配列番号830、822、及び823、配列番号830、825、及び823、配列番号831、825、及び823、配列番号831、827、及び823、配列番号832、833、及び823、配列番号832、829、及び823、配列番号834、827、及び823、配列番号835、829、及び823、配列番号836、829、及び823、配列番号837、833、及び823、配列番号837、838、及び823、配列番号839、840、及び823、配列番号841、829、及び823、配列番号842、829、及び823、配列番号843、829、及び823、配列番号844、829、及び823、配列番号845、829、及び823、配列番号846、829、及び823、配列番号846、833、及び823、配列番号846、838、及び823、配列番号847、827、及び823、配列番号848、829、及び823、配列番号849、829、及び823、配列番号850、829、及び823、配列番号851、829、及び823、配列番号852、829、及び823、配列番号853、829、及び823、配列番号854、829、及び823、配列番号855、829、及び823、配列番号856、829、及び823、配列番号857、829、及び823、配列番号858、829、及び823、配列番号859、829、及び823、配列番号860、829、及び823、配列番号861、862、及び863、配列番号861、864、及び863、配列番号865、864、及び863、配列番号865、866、及び863、配列番号867、868、及び863、配列番号869、862、及び863、配列番号869、864、及び863、配列番号870、864、及び863、配列番号870、866、及び863、配列番号871、872、及び863、配列番号871、868、及び863、配列番号873、862、及び863、配列番号874、866、及び863、配列番号875、872、及び863、配列番号875、868、及び863、配列番号875、876、及び863、配列番号877、862、及び863、配列番号878、866、及び863、配列番号879、862、及び863、配列番号880、866、及び863、配列番号881、882、及び883、配列番号881、884、及び883、配列番号885、884、及び883、配列番号885、886、及び883、配列番号887、888、及び883、配列番号889、882、及び883、配列番号889、884、及び883、配列番号890、884、及び883、配列番号890、886、及び883、配列番号891、892、及び883、配列番号891、888、及び883、配列番号893、882、及び883、配列番号894、886、及び883、配列番号895、892、及び883、配列番号895、888、及び883、配列番号895、896、及び883、配列番号897、882、及び883、配列番号898、886、及び883、配列番号899、882、及び883、又は配列番号900、886、及び883。
いくつかの実施形態では、多重特異性抗原結合分子は、scFvである第1の抗原結合ドメインと、Fabである第2の抗原結合ドメインとを含み、第1の抗原結合ドメインは、第1の重鎖(HC)を含み、第2の抗原結合ドメインは、第2のHC及び軽鎖(LC)を含み、第1のHC、第2のHC、及びLCは、それぞれ、以下に示されるアミノ酸配列を含むか、又はそれぞれ、以下に示されるアミノ酸配列と、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、若しくは少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む:配列番号800、801、及び802、配列番号800、803、及び802、配列番号804、803、及び802、配列番号804、805、及び802、配列番号806、801、及び802、配列番号806、803、及び802、配列番号807、803、及び802、配列番号807、805、及び802、配列番号808、809、及び802、配列番号808、810、及び802、配列番号821、822、及び823、配列番号824、825、及び823、配列番号826、825、及び823、配列番号826、827、及び823、配列番号828、829、及び823、配列番号830、822、及び823、配列番号830、825、及び823、配列番号831、825、及び823、配列番号831、827、及び823、配列番号832、833、及び823、配列番号832、829、及び823、配列番号861、862、及び863、配列番号861、864、及び863、配列番号865、864、及び863、配列番号865、866、及び863、配列番号867、868、及び863、配列番号869、862、及び863、配列番号869、864、及び863、配列番号870、864、及び863、配列番号870、866、及び863、配列番号871、872、及び863、配列番号871、868、及び863、配列番号881、882、及び883、配列番号881、884、及び883、配列番号885、884、及び883、配列番号885、886、及び883、配列番号887、888、及び883、配列番号889、882、及び883、配列番号889、884、及び883、配列番号890、884、及び883、配列番号890、886、及び883、配列番号891、892、及び883、又は配列番号891、888、及び883。
いくつかの実施形態では、多重特異性抗原結合分子は、scFvである第1の抗原結合ドメインと、Fabである第2の抗原結合ドメインとを含み、第1の抗原結合ドメインは、第1の重鎖(HC)を含み、第2の抗原結合ドメインは、第2のHC及び軽鎖(LC)を含み、第1のHC、第2のHC、及びLCは、それぞれ、以下に示されるアミノ酸配列を含むか、又はそれぞれ、以下に示されるアミノ酸配列と、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、若しくは少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む:配列番号800、801、及び802、配列番号800、803、及び802、配列番号804、803、及び802、配列番号804、805、及び802、配列番号821、822、及び823、配列番号824、825、及び823、配列番号826、825、及び823、配列番号826、827、及び823、配列番号828、829、及び823、配列番号861、862、及び863、配列番号861、864、及び863、配列番号865、864、及び863、配列番号865、866、及び863、配列番号867、868、及び863、配列番号881、882、及び883、配列番号881、884、及び883、配列番号885、884、及び883、配列番号885、886、及び883、又は配列番号887、888、及び883。
いくつかの実施形態では、多重特異性抗原結合分子は、scFvである第1の抗原結合ドメインと、Fabである第2の抗原結合ドメインとを含み、第1の抗原結合ドメインは、第1の重鎖(HC)を含み、第2の抗原結合ドメインは、第2のHC及び軽鎖(LC)を含み、第1のHC、第2のHC、及びLCは、それぞれ、以下に示されるアミノ酸配列を含むか、又はそれぞれ、以下に示されるアミノ酸配列と、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、若しくは少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む:配列番号800、801、及び802、配列番号800、803、及び802、配列番号804、803、及び802、配列番号804、805、及び802、配列番号821、822、及び823、配列番号824、825、及び823、配列番号826、825、及び823、配列番号826、827、及び823、配列番号828、829、及び823、配列番号861、862、及び863、配列番号861、864、及び863、配列番号865、864、及び863、配列番号865、866、及び863、又は配列番号867、868、及び863。
いくつかの実施形態では、多重特異性抗原結合分子は、Fabである第1の抗原結合ドメインと、scFv又はCD4のECドメインである第2の抗原結合ドメインとを含み、第1の抗原結合ドメインは、第1のHC及びLCを含み、第2の抗原結合ドメインは第2のHCを含み、第2のHC、第1のHC、及びLCは、それぞれ、以下に示されるアミノ酸配列を含むか、又はそれぞれ、以下に示されるアミノ酸配列と、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、若しくは少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む:配列番号751、752、及び753、配列番号754、752、及び753、配列番号755、756、及び753、配列番号755、757、及び753、配列番号758、757、及び753、配列番号759、756、及び753、配列番号754、760、及び761、配列番号762、760、及び761、配列番号751、763、及び753、配列番号764、752、及び753、配列番号765、752、及び753、配列番号766、767、及び753、配列番号766、768、及び753、配列番号769、768、及び753、配列番号770、767、及び753、配列番号765、771、及び761、配列番号772、771、及び761、配列番号774、775、及び776、配列番号777、778、及び776、配列番号779、778、及び776、配列番号779、780、及び776、配列番号777、781、及び776、配列番号782、752、及び753、配列番号783、752、及び753、配列番号784、785、及び753、配列番号784、786、及び753、配列番号787、786、及び753、配列番号788、785、及び753、配列番号783、789、及び761、配列番号790、789、及び761、配列番号792、793、及び794、配列番号795、796、及び794、配列番号797、796、及び794、配列番号797、798、及び794、又は配列番号795、799、及び794。
いくつかの実施形態では、多重特異性抗原結合分子は、Fabである第1の抗原結合ドメインと、scFv又はCD4のECドメインである第2の抗原結合ドメインとを含み、第1の抗原結合ドメインは、第1のHC及びLCを含み、第2の抗原結合ドメインは第2のHCを含み、第2のHC、第1のHC、及びLCは、それぞれ、以下に示されるアミノ酸配列を含むか、又はそれぞれ、以下に示されるアミノ酸配列と、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、若しくは少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む:配列番号751、752、及び753、配列番号754、752、及び753、配列番号755、756、及び753、配列番号755、757、及び753、配列番号758、757、及び753、配列番号759、756、及び753、配列番号764、752、及び753、配列番号765、752、及び753、配列番号766、767、及び753、配列番号766、768、及び753、配列番号769、768、及び753、配列番号770、767、及び753、配列番号777、778、及び776、配列番号779、778、及び776、配列番号779、780、及び776、配列番号777、781、及び776、配列番号782、752、及び753、配列番号783、752、及び753、配列番号784、785、及び753、配列番号784、786、及び753、配列番号787、786、及び753、配列番号788、785、及び753、配列番号795、796、及び794、配列番号797、796、及び794、配列番号797、798、及び794、又は配列番号795、799、及び794。
いくつかの実施形態では、多重特異性抗原結合分子は、Fabである第1の抗原結合ドメインと、scFv又はCD4のECドメインである第2の抗原結合ドメインとを含み、第1の抗原結合ドメインは、第1のHC及びLCを含み、第2の抗原結合ドメインは第2のHCを含み、第2のHC、第1のHC、及びLCは、それぞれ、以下に示されるアミノ酸配列を含むか、又はそれぞれ、以下に示されるアミノ酸配列と、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、若しくは少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む:配列番号751、752、及び753、配列番号754、752、及び753、配列番号755、756、及び753、配列番号755、757、及び753、配列番号758、757、及び753、又は配列番号759、756、及び753。
いくつかの実施形態では、多重特異性抗原結合分子は、Fabである第1の抗原結合ドメインと、scFv又はCD4のECドメインである第2の抗原結合ドメインとを含み、第1の抗原結合ドメインは、第1のHC及びLCを含み、第2の抗原結合ドメインは第2のHCを含み、第2のHC、第1のHC、及びLCは、それぞれ、以下に示されるアミノ酸配列を含むか、又はそれぞれ、以下に示されるアミノ酸配列と、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、若しくは少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む:配列番号751、752、及び753、又は配列番号755、756、及び753。いくつかの実施形態では、多重特異性抗原結合分子は、Fabである第1の抗原結合ドメインと、scFv又はCD4のECドメインである第2の抗原結合ドメインとを含み、第1の抗原結合ドメインは、第1のHC及びLCを含み、第2の抗原結合ドメインは第2のHCを含み、第2のHC、第1のHC、及びLCは、それぞれ、以下に示されるアミノ酸配列を含むか、又はそれぞれ、以下に示されるアミノ酸配列と、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、若しくは少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む:配列番号751、752、及び753。いくつかの実施形態では、多重特異性抗原結合分子は、Fabである第1の抗原結合ドメインと、scFv又はCD4のECドメインである第2の抗原結合ドメインとを含み、第1の抗原結合ドメインは、第1のHC及びLCを含み、第2の抗原結合ドメインは第2のHCを含み、第2のHC、第1のHC、及びLCは、それぞれ、以下に示されるアミノ酸配列を含むか、又はそれぞれ、以下に示されるアミノ酸配列と、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、若しくは少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む:配列番号755、756、及び753。様々な実施形態では、多重特異性抗原結合分子は、少なくとも30の異なるHIV分離株に対して、EC50によって測定された場合、0.15μg/mL未満、例えば、0.14μg/mL、0.13μg/mL、0.12μg/mL、又は0.11μg/mL未満の効力を有する。いくつかの実施形態では、多重特異性抗原結合分子は、少なくとも30の異なるHIV分離株に対して、EC50で測定された場合、0.11μg/mL未満の効力を有する。
いくつかの実施形態では、多重特異性抗原結合分子は、Fabである第1の抗原結合ドメインと、CD4のECドメインである第2の抗原結合ドメインとを含み、第1の抗原結合ドメインは、第1のHC及びLCを含み、第2の抗原結合ドメインは第2のHCを含み、第2のHC、第1のHC、及びLCは、それぞれ、以下に示されるアミノ酸配列を含むか、又はそれぞれ、以下に示されるアミノ酸配列と、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、若しくは少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む:配列番号751、752、及び753。いくつかの実施形態では、多重特異性抗原結合分子は、Fabである第1の抗原結合ドメインと、CD4のECドメインである第2の抗原結合ドメインとを含み、第1の抗原結合ドメインは、第1のHC及びLCを含み、第2の抗原結合ドメインは第2のHCを含み、第2のHC、第1のHC、及びLCは、それぞれ、以下に示されるアミノ酸配列と少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含む:配列番号751、752、及び753。いくつかの実施形態では、多重特異性抗原結合分子は、Fabである第1の抗原結合ドメインと、CD4のECドメインである第2の抗原結合ドメインとを含み、第1の抗原結合ドメインは第1のHC及びLCを含み、第2の抗原結合ドメインは第2のHCを含み、第2のHC、第1のHC、及びLCは、それぞれ、以下に示されるアミノ酸配列と少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む:配列番号751、752、及び753。いくつかの実施形態では、多重特異性抗原結合分子は、Fabである第1の抗原結合ドメインと、CD4のECドメインである第2の抗原結合ドメインとを含み、第1の抗原結合ドメインは、第1のHC及びLCを含み、第2の抗原結合ドメインは、第2のHCを含み、第2のHCは、配列番号751のアミノ酸配列と少なくとも95%(例えば、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は少なくとも99%)同一であるアミノ酸配列を含み、第1のHC及びLCは、それぞれ、以下に示されるアミノ酸配列と少なくとも955(例えば、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は少なくとも99%)同一であるアミノ酸配列を含む:配列番号752及び753。
いくつかの実施形態では、多重特異性抗原結合分子は、Fabである第1の抗原結合ドメインと、CD4のECドメインである第2の抗原結合ドメインとを含み、第1の抗原結合ドメインは、第1のHC及びLCを含み、第2の抗原結合ドメインは、第2のHCを含み、第2のHCは、配列番号751のアミノ酸配列と少なくとも95%(例えば、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は少なくとも99%)同一であるアミノ酸配列を含み、第1のHCは、配列番号752のアミノ酸配列と少なくとも95%(例えば、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は少なくとも99%)同一であるアミノ酸配列を含み、LCは、配列番号753のアミノ酸配列と少なくとも95%(例えば、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は少なくとも99%)同一であるアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、多重特異性抗原結合分子は、Fabである第1の抗原結合ドメインと、CD4のECドメインである第2の抗原結合ドメインとを含み、第1の抗原結合ドメインは、第1のHC及びLCを含み、第2の抗原結合ドメインは、第2のHCを含み、第2のHCは、配列番号751のアミノ酸配列と少なくとも95%(例えば、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は少なくとも99%)同一であるアミノ酸配列を含み、第1のHCは、配列番号752のアミノ酸配列を含み、LCは、配列番号753のアミノ酸配列と少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、多重特異性抗原結合分子は、Fabである第1の抗原結合ドメインと、CD4のECドメインである第2の抗原結合ドメインとを含み、第1の抗原結合ドメインは、第1のHC及びLCを含み、第2の抗原結合ドメインは、第2のHCを含み、第2のHCは、配列番号751のアミノ酸配列と少なくとも95%(例えば、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は少なくとも99%)同一であるアミノ酸配列を含み、第1のHCは、配列番号752のアミノ酸配列を含み、LCは、配列番号753のアミノ酸配列と少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、多重特異性抗原結合分子は、Fabである第1の抗原結合ドメインと、CD4のECドメインである第2の抗原結合ドメインとを含み、第1の抗原結合ドメインは、第1のHC及びLCを含み、第2の抗原結合ドメインは、第2のHCを含み、第2のHCは、配列番号751のアミノ酸配列と少なくとも95%(例えば、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は少なくとも99%)同一であるアミノ酸配列を含み、第1のHCは、配列番号752のアミノ酸配列と少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含み、LCは、配列番号753のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、多重特異性抗原結合分子は、Fabである第1の抗原結合ドメインと、CD4のECドメインである第2の抗原結合ドメインとを含み、第1の抗原結合ドメインは、第1のHC及びLCを含み、第2の抗原結合ドメインは、第2のHCを含み、第2のHCは、配列番号751のアミノ酸配列と少なくとも95%(例えば、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は少なくとも99%)同一であるアミノ酸配列を含み、第1のHCは、配列番号752のアミノ酸配列と少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含み、LCは、配列番号753のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、多重特異性抗原結合分子は、Fabである第1の抗原結合ドメインと、CD4のECドメインである第2の抗原結合ドメインとを含み、第1の抗原結合ドメインは第1のHC及びLCを含み、第2の抗原結合ドメインは第2のHCを含み、第2のHC、第1のHC、及びLCは、それぞれ、以下に示されるアミノ酸配列:配列番号751、752、及び753を含む。
本明細書に記載の、CD3及びHIV gp120を標的とする二重特異性分子の例示的な配列を、表Gに提供する。本明細書に記載の二重特異性分子を、表53に要約する。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の多特異性抗原結合分子を含むポリペプチドのうちの1つ以上は、N末端シグナルペプチドを含む。シグナルペプチドは、内因性シグナルペプチド(例えば、天然又は野生型免疫グロブリン又はCD4 ECDタンパク質から)、又は異種ポリペプチドからであり得る。様々な実施形態では、シグナルペプチド又はリーダー配列は、血清タンパク質、免疫グロブリン、サイトカイン、ケモカイン、シャペロンタンパク質、インバリアントタンパク質、及びタンパク質をリソソーム区画に指向するタンパク質から選択されるソースタンパク質に由来する。様々な実施形態では、シグナルペプチド又はリーダー配列は、コロニー刺激因子2(CSF2、GM-CSF)、組織型プラスミノゲン活性化因子(PLAT、t-PA)、C-Cモチーフケモカインリガンド7(CCL7、MCP-3)、C-X-Cモチーフケモカインリガンド10(CXCL10、IP-10)、カテニンベータ1(CTNNB1)、CD74(p33;DHLAG、HLADG、免疫グロブリンカッパ、Ia-GAMMA、インバリアント鎖)、血清アルブミン(ALB)、SPARC(オステオネクチン)、cwcv及びkazal様ドメインプロテオグリカン1(SPOCK1)、SPARC(オステオネクチン)、cwcv及びkazal様ドメインプロテオグリカン2(SPOCK2)、ポリユビキチンB/C(UBB/UBC)、カルレティキュリン(CALR)、水疱性口内炎ウイルスGタンパク質(VSV-G)、リソソーム関連膜タンパク質1(LAMP-1)、並びにリソソーム関連膜タンパク質2(LAMP-2)から選択されるソースタンパク質に由来する。いくつかの実施形態では、シグナルペプチドは、血清アルブミンシグナルペプチド(例えば、アミノ酸配列KWVTFISLLFLFSSAYS(配列番号1026)を含む)からである。様々な実施形態では、シグナルペプチド又はリーダー配列は、配列番号1026~1039のうちのうちのいずれか1つのアミノ酸配列、又は配列番号1026~1039のうちのいずれか1つと少なくとも95%、96%、97%、98%、若しくは99%同一である配列から選択される。本多重特異性結合タンパク質で使用することができる例示的なシグナル配列を、表Hに提供する。
シグナルペプチドは、例えば細胞からの分泌後に切断されて、成熟融合タンパク質を形成するように設計することができる。本融合タンパク質の発現における使用が見出され得る細胞においてタンパク質を分泌するための修飾ヒト血清アルブミンシグナルペプチドは、例えば、Attallah,et al.,Protein Expr Purif.(2017)132:27-33に記載されている。本明細書に記載の融合タンパク質の発現に使用するための追加のシグナルペプチド配列は、例えば、Kober,et al.,Biotechnol Bioeng.(2013)110(4):1164-73に記載されている。
様々な実施形態では、本明細書に記載の多重特異性抗原結合分子、及び/又はそのようなポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、単離された形態で提供される。これは、そのようなポリペプチド又はポリヌクレオチドが、その産生又は精製から生じる干渉タンパク質、細胞及び他の夾雑物の純度が少なくとも50%w/wであるが、その薬剤が、その使用を容易にすることを目的とした薬学的に許容される過剰の担体又は他のビヒクルと組み合わされる可能性を排除しないことを意味する。「単離された」という用語は、本明細書に記載されるポリペプチド又はポリヌクレオチドに適用される場合、ポリペプチド又はポリヌクレオチドが、天然の状態で結合している細胞成分を本質的に含まないことを示す。それは、例えば、均一な状態であってもよく、乾燥又は水溶液のいずれかであってもよい。純度及び均一性は、既知の方法、例えば、ポリアクリルアミドゲル電気泳動、カラムクロマトグラフィ、薄層クロマトグラフィ、又は高速液体クロマトグラフィ(HPLC)分析などの分析化学技術を使用して決定することができる。調製物中に存在する主要な種であるタンパク質は、実質的に精製されている。「単離された」又は「精製された」ポリペプチド又はポリヌクレオチドは、他の細胞物質、又は組換え技法によって産生される場合には培養培地、又は化学的に合成される場合には化学的前駆体若しくは他の化学物質を実質的に含まない。様々な実施形態では、精製されたポリペプチド及び/又はポリヌクレオチドは、少なくとも60%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%(w/w)、産生又は精製からの干渉タンパク質及び夾雑物から分離されるか、精製されるか、又はそれらを含まれない。多くの場合、多重特異性抗原結合分子は、その精製後に残る主要な巨大分子種である。
5. コンジュゲートされた多重特異性抗原結合分子
本明細書に記載の多重特異性抗原結合分子のいずれかは、ポリマー(例えば、ポリエチレングリコール(polyethylene glycol、PEG)、PEGで修飾されたポリエチレンイミン(polyethylenimine、PEI)(PEI-PEG)、ポリグルタミン酸(polyglutamic acid、PGA)(N-(2-ヒドロキシプロピル)メタクリルアミド(HPMA)コポリマー)、ヒアルロン酸、放射性物質(例えば、90Y、131I、125I、35S、H、121In、99Tc)、蛍光物質(例えば、フルオレセイン及びローダミン)、発光物質(例えば、ルミノール)、ハプテン、酵素(例えば、グルコースオキシダーゼ)、金属キレート、ビオチン、アビジン、及び薬物などの、巨大分子物質を含むが、これらに限定されない、様々な分子(例えば、標識)に結合するコンジュゲートされた抗原結合分子質であり得る。
上述のコンジュゲートされた多重特異性抗原結合分子は、例えば、本明細書に記載の抗原結合分子又はその低分子量形態に化学修飾を行う既知の方法により調製することができる。抗体を修飾するための方法は当技術分野で周知である(例えば、米国特許出願公開第5,057,313号及び米国特許出願公開第5,156,840号)。
6. 多重特異性抗原結合分子をコードするポリヌクレオチド
本明細書に記載の多重特異性抗原結合分子をコードするポリヌクレオチド、そのようなポリヌクレオチドを含むベクター、及びそのようなポリヌクレオチド又は発現ベクターを含む宿主細胞(例えば、哺乳動物細胞、植物細胞、酵母細胞、E.coliを含む細菌細胞)が提供される。本明細書では、本明細書に提供される多重特異性抗原結合分子のいずれかをコードするヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチド、並びにそのようなポリヌクレオチド配列を含む発現カセット及びベクター、例えば、宿主細胞、例えば、哺乳動物細胞におけるそれらの効率的な発現のための発現ベクターが提供される。
本明細書に記載される多重特異性抗原結合分子又はその抗原結合断片をコードするポリヌクレオチド又は核酸分子が更に提供される。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドは、抗CD3結合ドメイン及び抗HIV抗原(例えば、抗gp120、抗gp41)の一方又は両方の免疫グロブリン重鎖可変領域(又はその断片)及び免疫グロブリン軽鎖可変領域(又はその断片)をコードする。他の実施形態では、ポリヌクレオチド又は核酸分子は、DNA、cDNA、又はmRNAである。いくつかの他の実施形態では、ポリヌクレオチド又は核酸分子は、所望の宿主細胞における発現を増強するためにコドンバイアスされる。
いくつかの実施形態では、gp120に結合する多重特異性抗原結合分子又は抗原結合断片の第1及び第2の結合ドメインの一方又は両方のVH、VL、又はVH及びVLをコードするポリヌクレオチドが提供される。ある特定の例では、ポリヌクレオチドは、本明細書に記載される表A1~A4、B1~B2、C、D1~D4、E、F、及びGのうちの1つ以上に示される多重特異性抗原結合分子のアミノ酸配列を含むCDR、VH、VL、HC、LC、及びFc領域のうちの1つ以上をコードする。
本明細書に記載の多重特異性抗原結合分子のCDR、VH、VL、軽鎖、又は重鎖をコードするポリヌクレオチドが、本明細書に提供される。一実施形態では、ポリヌクレオチドは、本明細書に記載の抗体のVH CDRを含む、CD3を標的とする重鎖又は重鎖可変ドメインをコードするヌクレオチド配列を含むことができる(例えば、本明細書の表A1~A4、B1、C、及びGを参照)。一実施形態では、ポリヌクレオチドは、本明細書に記載の多重特異性抗原結合分子のVL CDRを含む、CD3を標的とする軽鎖又は軽鎖可変ドメインをコードするヌクレオチド配列を含むことができる(例えば、本明細書の表A1~A4、B1、C、及びGを参照)。一実施形態では、本明細書に記載のポリヌクレオチドは、それぞれ、表A1、A2、A3、又はA4に示されるアミノ酸配列を含む、CD3を標的とするVH-CDRを含む重鎖可変領域又は重鎖をコードする。一実施形態では、本明細書に記載のポリヌクレオチドは、それぞれ、表A1、A2、A3、又はA4に示されるアミノ酸配列を含む、CD3を標的とするVL-CDRを含む軽鎖可変領域又は軽鎖をコードする。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチド(複数可)は、それぞれ、以下のアミノ酸配列(Kabatに従う)を含む、第1のVH-CDR1、第1のVH-CDR2、第1のVH-CDR3、第1のVL-CDR1、第1のVL-CDR2、及び第1のVL-CDR3を含む、CD3を標的とする、それに結合する、又はそれに特異的に結合する、第1の重鎖可変ドメイン(VH)及び第1の軽鎖可変ドメイン(VL)をコードする:配列番号1、11、8、4、9、及び10、配列番号1、12、8、4、9、及び10、配列番号1、13、8、4、14、及び15、配列番号1、13、16、4、14、及び15、又は配列番号1、11、8、4、14、及び10。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチド(複数可)は、それぞれ、以下のアミノ酸配列(Kabatに従う)を含む、第1のVH-CDR1、第1のVH-CDR2、第1のVH-CDR3、第1のVL-CDR1、第1のVL-CDR2、及び第1のVL-CDR3を含む、CD3を標的とする、それに結合する、又はそれに特異的に結合する、第1の重鎖可変ドメイン(VH)及び第1の軽鎖可変ドメイン(VL)をコードする:配列番号1、11、8、4、9、及び10、又は配列番号1、12、8、4、9、及び10。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチド(複数可)は、それぞれ、以下のアミノ酸配列(Kabatに従う)を含む、第1のVH-CDR1、第1のVH-CDR2、第1のVH-CDR3、第1のVL-CDR1、第1のVL-CDR2、及び第1のVL-CDR3を含む、CD3を標的とする、それに結合する、又はそれに特異的に結合する、第1の重鎖可変ドメイン(VH)及び第1の軽鎖可変ドメイン(VL)をコードする:配列番号1、11、8、4、9、及び10。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチド(複数可)は、それぞれ、以下のアミノ酸配列(Kabatに従う)を含む、第1のVH-CDR1、第1のVH-CDR2、第1のVH-CDR3、第1のVL-CDR1、第1のVL-CDR2、及び第1のVL-CDR3を含む、CD3を標的とする、それに結合する、又はそれに特異的に結合する、第1の重鎖可変ドメイン(VH)及び第1の軽鎖可変ドメイン(VL)をコードする:配列番号1、12、8、4、9、及び10。
いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチド(複数可)は、それぞれ、以下のアミノ酸配列(Chothiaに従う)を含む、第1のVH-CDR1、第1のVH-CDR2、第1のVH-CDR3、第1のVL-CDR1、第1のVL-CDR2、及び第1のVL-CDR3を含む、CD3を標的とする、それに結合する、又はそれに特異的に結合する、第1の重鎖可変ドメイン(VH)及び第1の軽鎖可変ドメイン(VL)をコードする:配列番号17、18、23、20、24、及び25、配列番号17、18、23、20、26、及び27、配列番号17、18、75、20、26、及び27、又は配列番号17、18、23、20、26、及び25。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチド(複数可)は、それぞれ、以下のアミノ酸配列(Chothiaに従う)を含む、第1のVH-CDR1、第1のVH-CDR2、第1のVH-CDR3、第1のVL-CDR1、第1のVL-CDR2、及び第1のVL-CDR3を含む、CD3を標的とする、それに結合する、又はそれに特異的に結合する、第1の重鎖可変ドメイン(VH)及び第1の軽鎖可変ドメイン(VL)をコードする:配列番号17、18、23、20、24、及び25。
いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチド(複数可)は、それぞれ、以下のアミノ酸配列(IMGTに従う)を含む、第1のVH-CDR1、第1のVH-CDR2、第1のVH-CDR3、第1のVL-CDR1、第1のVL-CDR2、及び第1のVL-CDR3を含む、CD3を標的とする、それに結合する、又はそれに特異的に結合する、第1の重鎖可変ドメイン(VH)及び第1の軽鎖可変ドメイン(VL)をコードする:配列番号28、29、32、31、24、及び10、配列番号28、29、32、31、26、及び15、配列番号28、29、33、31、26、及び15、又は配列番号28、29、32、31、26、及び10。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチド(複数可)は、それぞれ、以下のアミノ酸配列(IMGTに従う)を含む、第1のVH-CDR1、第1のVH-CDR2、第1のVH-CDR3、第1のVL-CDR1、第1のVL-CDR2、及び第1のVL-CDR3を含む、CD3を標的とする、それに結合する、又はそれに特異的に結合する、第1の重鎖可変ドメイン(VH)及び第1の軽鎖可変ドメイン(VL)をコードする:配列番号28、29、32、31、24、及び10。
いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチド(複数可)は、それぞれ、以下のアミノ酸配列(Honeggerに従う)を含む、第1のVH-CDR1、第1のVH-CDR2、第1のVH-CDR3、第1のVL-CDR1、第1のVL-CDR2、及び第1のVL-CDR3を含む、CD3を標的とする、それに結合する、又はそれに特異的に結合する、第1の重鎖可変ドメイン(VH)及び第1の軽鎖可変ドメイン(VL)をコードする:配列番号34、42、40、37、41、及び25、配列番号34、43、40、37、41、及び25、配列番号34、44、40、37、45、及び27、配列番号34、44、46、37、45、及び27、又は配列番号34、42、40、37、47、及び25。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチド(複数可)は、それぞれ、以下のアミノ酸配列(Honeggerに従う)を含む、第1のVH-CDR1、第1のVH-CDR2、第1のVH-CDR3、第1のVL-CDR1、第1のVL-CDR2、及び第1のVL-CDR3を含む、CD3を標的とする、それに結合する、又はそれに特異的に結合する、第1の重鎖可変ドメイン(VH)及び第1の軽鎖可変ドメイン(VL)をコードする:配列番号34、42、40、37、41、及び25、又は配列番号34、43、40、37、41、及び25。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチド(複数可)は、それぞれ、以下のアミノ酸配列(Honeggerに従う)を含む、第1のVH-CDR1、第1のVH-CDR2、第1のVH-CDR3、第1のVL-CDR1、第1のVL-CDR2、及び第1のVL-CDR3を含む、CD3を標的とする、それに結合する、又はそれに特異的に結合する、第1の重鎖可変ドメイン(VH)及び第1の軽鎖可変ドメイン(VL)をコードする:配列番号34、42、40、37、41、及び25。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチド(複数可)は、それぞれ、以下のアミノ酸配列(Honeggerに従う)を含む、第1のVH-CDR1、第1のVH-CDR2、第1のVH-CDR3、第1のVL-CDR1、第1のVL-CDR2、及び第1のVL-CDR3を含む、CD3を標的とする、それに結合する、又はそれに特異的に結合する、第1の重鎖可変ドメイン(VH)及び第1の軽鎖可変ドメイン(VL)をコードする:配列番号34、43、40、37、41、及び25。
一実施形態では、本明細書に記載のポリヌクレオチドは、表B1に示されるアミノ酸配列を含む、CD3を標的とする、重鎖可変領域又は重鎖をコードする。一実施形態では、本明細書に記載のポリヌクレオチドは、表B2に記載されるアミノ酸配列を含む、CD3を標的とする、軽鎖可変領域又は軽鎖をコードする。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドは、配列番号48~53からなる群から選択されるアミノ酸配列と、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%同一であるか、又は100%同一であるアミノ酸配列を含む、第1のVHをコードする。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドは、配列番号50のアミノ酸配列と、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%同一であるか、又は100%同一であるアミノ酸配列を含む、第1のVHをコードする。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドは、配列番号51のアミノ酸配列と、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%同一であるか、又は100%同一であるアミノ酸配列を含む、第1のVHをコードする。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドは、配列番号54~58のアミノ酸配列と、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%同一であるか、又は100%同一であるアミノ酸配列を含む、第1のVLをコードする。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドは、配列番号56のアミノ酸配列と、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%同一であるか、又は100%同一であるアミノ酸配列を含む、第1のVLをコードする。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドは、配列番号48~53からなる群から選択されるアミノ酸配列と、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%同一であるか、又は100%同一であるアミノ酸配列を含む、第1のVHをコードし、配列番号54~58のアミノ酸配列と、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%同一であるか、又は100%同一であるアミノ酸配列を含む、第1のVLをコードする。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドは、配列番号51のアミノ酸配列と、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%同一であるか、又は100%同一であるアミノ酸配列を含む、第1のVHをコードし、配列番号56のアミノ酸配列と、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%同一であるか、又は100%同一であるアミノ酸配列を含む、第1のVLをコードする。
様々な実施形態では、ポリヌクレオチド(複数可)は、第1のVH及び第1のVLをコードし、第1のVH及び第1のVLは、それぞれ、以下に示されるアミノ酸配列と、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%同一であるか、又は100%同一であるアミノ酸配列を含む:配列番号48及び54、配列番号49及び55、配列番号50及び55、配列番号50及び56、配列番号51及び55、配列番号51及び56、配列番号52及び56、配列番号53及び57、又は配列番号50及び58。様々な実施形態では、ポリヌクレオチド(複数可)は、第1のVH及び第1のVLをコードし、第1のVH及び第1のVLは、それぞれ、以下に示されるアミノ酸配列と、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%同一であるか、又は100%同一であるアミノ酸配列を含む:配列番号49及び55、配列番号50及び55、配列番号50及び56、配列番号51及び55、又は配列番号51及び56。
いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチド(複数可)は、第1のVH及び第1のVLをコードし、第1のVH及び第1のVLは、それぞれ、以下に示されるアミノ酸配列と、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%同一であるか、又は100%同一であるアミノ酸配列を含む:配列番号50及び56。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチド(複数可)は、第1のVH及び第1のVLをコードし、第1のVH及び第1のVLは、それぞれ、以下に示されるアミノ酸配列と少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含む:配列番号50及び56。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチド(複数可)は、第1のVH及び第1のVLをコードし、第1のVH及び第1のVLは、それぞれ、以下に示されるアミノ酸配列と少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む:配列番号50及び56。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチド(複数可)は、第1のVH及び第1のVLをコードし、第1のVH及び第1のVLは、それぞれ、以下に示されるアミノ酸配列と100%同一であるアミノ酸配列を含む:配列番号50及び56。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチド(複数可)は、第1のVH及び第1のVLをコードし、第1のVHは、配列番号50のアミノ酸配列を含み、第1のVLは、配列番号56のアミノ酸配列と少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチド(複数可)は、第1のVH及び第1のVLをコードし、第1のVHは、配列番号50のアミノ酸配列を含み、第1のVLは、配列番号56のアミノ酸配列と少なくとも96%同一であるアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチド(複数可)は、第1のVH及び第1のVLをコードし、第1のVHは、配列番号50のアミノ酸配列を含み、第1のVLは、配列番号56のアミノ酸配列と少なくとも97%同一であるアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチド(複数可)は、第1のVH及び第1のVLをコードし、第1のVHは、配列番号50のアミノ酸配列を含み、第1のVLは、配列番号56のアミノ酸配列と少なくとも98%同一であるアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチド(複数可)は、第1のVH及び第1のVLをコードし、第1のVHは、配列番号50のアミノ酸配列を含み、第1のVLは、配列番号56のアミノ酸配列と少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチド(複数可)は、第1のVH及び第1のVLをコードし、第1のVHは、配列番号50のアミノ酸配列と少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含み、第1のVLは、配列番号56のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチド(複数可)は、第1のVH及び第1のVLをコードし、第1のVHは、配列番号50のアミノ酸配列と少なくとも96%同一であるアミノ酸配列を含み、第1のVLは、配列番号56のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチド(複数可)は、第1のVH及び第1のVLをコードし、第1のVHは、配列番号50のアミノ酸配列と少なくとも97%同一であるアミノ酸配列を含み、第1のVLは、配列番号56のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチド(複数可)は、第1のVH及び第1のVLをコードし、第1のVHは、配列番号50のアミノ酸配列と少なくとも98%同一であるアミノ酸配列を含み、第1のVLは、配列番号56のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチド(複数可)は、第1のVH及び第1のVLをコードし、第1のVHは、配列番号50のアミノ酸配列と少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含み、第1のVLは、配列番号56のアミノ酸配列を含む。
いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチド(複数可)は、第1のVH及び第1のVLをコードし、第1のVH及び第1のVLは、それぞれ、以下に示されるアミノ酸配列と、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%同一であるか、又は100%同一であるアミノ酸配列を含む:配列番号51及び56。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチド(複数可)は、第1のVH及び第1のVLをコードし、第1のVH及び第1のVLは、それぞれ、以下に示されるアミノ酸配列と少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含む:配列番号51及び56。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチド(複数可)は、第1のVH及び第1のVLをコードし、第1のVH及び第1のVLは、それぞれ、以下に示されるアミノ酸配列と少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む:配列番号51及び56。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチド(複数可)は、第1のVH及び第1のVLをコードし、第1のVH及び第1のVLは、それぞれ、以下に示されるアミノ酸配列と100%同一であるアミノ酸配列を含む:配列番号51及び56。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチド(複数可)は、第1のVH及び第1のVLをコードし、第1のVHは、配列番号51のアミノ酸配列を含み、第1のVLは、配列番号56のアミノ酸配列と少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチド(複数可)は、第1のVH及び第1のVLをコードし、第1のVHは、配列番号51のアミノ酸配列を含み、第1のVLは、配列番号56のアミノ酸配列と少なくとも96%同一であるアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチド(複数可)は、第1のVH及び第1のVLをコードし、第1のVHは、配列番号51のアミノ酸配列を含み、第1のVLは、配列番号56のアミノ酸配列と少なくとも97%同一であるアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチド(複数可)は、第1のVH及び第1のVLをコードし、第1のVHは、配列番号51のアミノ酸配列を含み、第1のVLは、配列番号56のアミノ酸配列と少なくとも98%同一であるアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチド(複数可)は、第1のVH及び第1のVLをコードし、第1のVHは、配列番号51のアミノ酸配列を含み、第1のVLは、配列番号56のアミノ酸配列と少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチド(複数可)は、第1のVH及び第1のVLをコードし、第1のVHは、配列番号51のアミノ酸配列と少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含み、第1のVLは、配列番号56のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチド(複数可)は、第1のVH及び第1のVLをコードし、第1のVHは、配列番号51のアミノ酸配列と少なくとも96%同一であるアミノ酸配列を含み、第1のVLは、配列番号56のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチド(複数可)は、第1のVH及び第1のVLをコードし、第1のVHは、配列番号51のアミノ酸配列と少なくとも97%同一であるアミノ酸配列を含み、第1のVLは、配列番号56のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチド(複数可)は、第1のVH及び第1のVLをコードし、第1のVHは、配列番号51のアミノ酸配列と少なくとも98%同一であるアミノ酸配列を含み、第1のVLは、配列番号56のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチド(複数可)は、第1のVH及び第1のVLをコードし、第1のVHは、配列番号51のアミノ酸配列と少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含み、第1のVLは、配列番号56のアミノ酸配列を含む。
いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドは、VH及びVLを含むscFvをコードし、scFvは、配列番号59~66、例えば、配列番号59~66、例えば、配列番号59~63、例えば、配列番号61、62、又は63、例えば、配列番号62又は63から選択されるアミノ酸配列と、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は少なくとも100%同一であるアミノ酸配列を含む。
本明細書に記載の多重特異性抗原結合分子のCDR、VH、VL、軽鎖、又は重鎖をコードするポリヌクレオチドが、本明細書に提供される。一実施形態では、ポリヌクレオチドは、本明細書に記載の抗体のVH CDRを含むHIV抗原(例えば、HIV gp120)を標的とする重鎖又は重鎖可変ドメインをコードするヌクレオチド配列を含むことができる(例えば、本明細書の表D1~D4、E、及びGを参照)。一実施形態では、ポリヌクレオチドは、本明細書に記載の多重特異性抗原結合分子のVL CDRを含むHIV抗原(例えば、HIV gp120)を標的とする軽鎖又は軽鎖可変ドメインをコードするヌクレオチド配列を含むことができる(例えば、本明細書の表D1~D4、E、及びGを参照)。一実施形態では、本明細書に記載のポリヌクレオチドは、それぞれ、表D1、D2、D3、又はD4に示されるアミノ酸配列を含むHIV抗原(例えば、HIV gp120)を標的とするVH-CDRを含む重鎖可変領域又は重鎖をコードする。一実施形態では、本明細書に記載のポリヌクレオチドは、それぞれ、表D1、D2、D3、又はD4に示されるアミノ酸配列を含むHIV抗原(例えば、HIV gp120)を標的とするVL-CDRを含む軽鎖可変領域又は軽鎖をコードする。
一実施形態では、ポリヌクレオチド(複数可)は、それぞれ、以下に示されるアミノ酸配列(Kabatに従う)を含む、第2のVH-CDR1、第2のVH-CDR2、第2のVH-CDR3、第2のVL-CDR1、第2のVL-CDR2、及び第2のVL-CDR3を含む、HIV抗原(例えば、HIV gp120)を標的とする、それに結合する、又はそれに特異的に結合する、第2の重鎖可変ドメイン(VH)及び第2の軽鎖可変ドメイン(VL)をコードする:配列番号76、77、78、79、80、及び81、配列番号76、82、78、79、80、及び81、配列番号83、84、85、86、80、及び87、配列番号83、88、85、86、80、及び87、配列番号90、91、92、93、94、及び95、配列番号90、91、96、93、94、及び95、配列番号97、98、99、100、101、及び102、配列番号103、104、105、106、94、及び107、配列番号108、109、110、111、112、及び113、配列番号114、115、116、117、118、及び119、配列番号114、120、121、122、118、及び123、配列番号124、125、126、127、128、及び113、配列番号129、115、131、127、118、及び113、配列番号132、133、134、135、136、及び137、配列番号138、139、140、141、142、及び143、配列番号144、145、146、147、148、及び143、配列番号149、150、151、152、153、及び143、配列番号154、155、156、157、158、及び159、配列番号160、161、162、163、164、及び165、配列番号166、161、167、163、164、及び165、配列番号168、169、170、171、172、及び173、配列番号168、174、170、171、172、及び173、配列番号175、176、177、171、172、及び173、配列番号178、179、180、181、182、及び183、配列番号184、185、186、187、188、及び189、配列番号190、191、192、193、194、及び195、配列番号196、197、198、199、200、及び201、配列番号202、203、204、205、206、及び207、配列番号208、209、210、211、212、及び213、配列番号214、215、216、217、218、及び219、配列番号214、220、216、221、218、及び219、配列番号214、220、222、221、218、及び219、配列番号223、224、225、226、227、及び228、配列番号229、230、231、232、233、及び234、配列番号902、903、904、905、906、及び907、配列番号908、909、910、911、912、及び913、配列番号914、915、916、917、918、及び919、又は配列番号920、921、922、923、924、及び925。
一実施形態では、ポリヌクレオチド(複数可)は、それぞれ、以下に示されるアミノ酸配列(Chothiaに従う)を含む、第2のVH-CDR1、第2のVH-CDR2、第2のVH-CDR3、第2のVL-CDR1、第2のVL-CDR2、及び第2のVL-CDR3を含む、HIV抗原(例えば、HIV gp120)を標的とする、それに結合する、又はそれに特異的に結合する、第2の重鎖可変ドメイン(VH)及び第2の軽鎖可変ドメイン(VL)をコードする:配列番号235、236、237、238、239、及び240、配列番号241、242、243、244、239、及び245、配列番号246、242、247、244、239、及び245、配列番号248、249、250、251、239、及び252、配列番号248、249、253、251、239、及び252、配列番号254、255、256、257、258、及び259、配列番号260、261、262、263、239、及び264、配列番号265、266、267、268、269、及び270、配列番号271、272、273、274、275、及び270、配列番号271、276、277、278、275、及び279、配列番号280、281、282、283、284、及び270、配列番号285、272、286、283、275、及び270、配列番号287、288、289、290、291、及び292、配列番号293、294、295、296、297、及び298、配列番号299、300、301、302、303、及び298、配列番号304、300、305、406、307、及び298、配列番号308、309、310、311、312、及び313、配列番号314、315、316、317、318、及び165、配列番号320、315、321、317、318、及び165、配列番号322、323、324、325、326、及び327、配列番号322、328、324、325、326、及び327、配列番号329、323、330、325、326、及び327、配列番号331、332、333、334、335、及び336、配列番号337、338、339、340、341、及び342、配列番号343、344、345、346、341、及び347、配列番号348、349、350、351、352、及び353、配列番号354、355、356、357、358、及び359、配列番号360、361、362、363、364、及び365、配列番号366、367、368、369、370、及び371、配列番号366、361、368、369、370、及び371、配列番号372、361、373、369、370、及び371、配列番号374、375、376、377、378、及び379、又は配列番号380、381、382、383、384、及び385。
一実施形態では、ポリヌクレオチド(複数可)は、それぞれ、以下に示されるアミノ酸配列(IMGTに従う)を含む、第2のVH-CDR1、第2のVH-CDR2、第2のVH-CDR3、第2のVL-CDR1、第2のVL-CDR2、及び第2のVL-CDR3を含む、HIV抗原(例えば、HIV gp120)を標的とする、それに結合する、又はそれに特異的に結合する、第2の重鎖可変ドメイン(VH)及び第2の軽鎖可変ドメイン(VL)をコードする:配列番号386、387、388、389、239、及び81、配列番号390、391、392、393、239、及び87、配列番号390、391、394、393、239、及び87、配列番号395、396、397、393、239、及び87、配列番号398、399、400、401、239、及び95、配列番号398、399、402、401、239、及び95、配列番号403、404、405、406、258、及び102、配列番号407、408、409、410、239、及び107、配列番号411、412、413、414、269、及び113、配列番号415、416、417、418、275、及び119、配列番号415、419、420、421、275、及び123、配列番号422、423、424、425、275、及び113、配列番号426、416、427、425、275、及び113、配列番号428、429、430、431、291、及び137、配列番号432、433、434、435、297、及び143、配列番号436、437、438、439、303、及び143、配列番号440、437、441、442、307、及び143、配列番号443、444、445、446、312、及び159、配列番号447、448、449、450、318、及び165、配列番号451、448、452、450、318、及び165、配列番号453、454、455、456、326、及び173、配列番号453、457、455、456、326、及び173、配列番号458、459、460、456、326、及び173、配列番号461、462、463、464、335、及び183、配列番号465、466、467、468、341、及び189、配列番号469、470、471、472、341、及び195、配列番号473、474、475、476、352、及び201、配列番号477、478、479、480、358、及び207、配列番号481、482、483、484、364、及び213、配列番号485、486、487、488、370、及び219、配列番号485、482、487、488、370、及び219、配列番号489、482、490、488、370、及び219、配列番号491、492、493、494、378、及び228、配列番号495、496、497、498、384、及び234、配列番号950、951、952、953、930、及び907、配列番号954、955、956、957、936、及び913、配列番号958、959、960、961、942、及び919、又は配列番号962、963、964、965、948、及び925。
一実施形態では、ポリヌクレオチド(複数可)は、それぞれ、以下に示されるアミノ酸配列(Honeggerに従う)を含む、第2のVH-CDR1、第2のVH-CDR2、第2のVH-CDR3、第2のVL-CDR1、第2のVL-CDR2、及び第2のVL-CDR3を含む、HIV抗原(例えば、HIV gp120)を標的とする、それに結合する、又はそれに特異的に結合する、第2の重鎖可変ドメイン(VH)及び第2の軽鎖可変ドメイン(VL)をコードする:配列番号499、500、501、238、502、及び240、配列番号499、503、501、238、502、及び240、配列番号505、506、507、244、502、及び245、配列番号508、509、510、244、502、及び245、配列番号511、512、513、251、514、及び252、配列番号511、512、515、251、514、及び252、配列番号516、517、518、257、519、及び259、配列番号520、521、522、264、523、及び264、配列番号524、525、526、268、527、及び270、配列番号528、529、530、274、531、及び270、配列番号528、532、533、278、531、及び279、配列番号534、535、536、283、537、及び270、配列番号1090、529、538、283、531、及び270、配列番号539、540、541、290、542、及び292、配列番号543、544、545、546、547、及び298、配列番号548、549、550、1091、551、及び298、配列番号552、553、554、555、556、及び298、配列番号557、558、559、311、560、及び313、配列番号561、562、563、564、565、及び165、配列番号566、562、1092、564、567、及び165、配列番号568、569、570、571、572、及び327、配列番号568、573、570、571、572、及び327、配列番号574、575、576、571、572、及び327、配列番号577、578、579、580、581、及び336、配列番号582、583、584、340、585、及び342、配列番号586、587、588、346、589、及び347、配列番号590、591、592、351、593、及び353、配列番号594、595、596、597、598、及び359、配列番号599、600、601、602、603、及び365、配列番号604、605、606、607、608、及び371、配列番号604、609、606、607、608、及び371、配列番号610、609、611、607、608、及び371、配列番号612、613、614、615、616、及び379、配列番号617、618、619、620、621、及び385、配列番号966、967、968、969、970、及び931、配列番号971、972、973、974、975、及び937、配列番号976、977、978、941、979、及び943、又は配列番号980、981、982、983、984、及び949。
一実施形態では、本明細書に記載のポリヌクレオチドは、表Eに示されるアミノ酸配列を含む、HIV抗原(例えば、HIV gp120)を標的とする、重鎖可変領域及び重鎖をコードする。様々な実施形態では、ポリヌクレオチド(複数可)は、第2のVH及び第2のVLをコードし、第2のVH及び第2のVLは、それぞれ、以下に示されるアミノ酸配列と、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%同一であるか、又は100%同一であるアミノ酸配列を含む:配列番号622及び623、配列番号624及び625、配列番号624及び626、配列番号627及び628、配列番号629及び630、配列番号631及び632、配列番号633及び634、配列番号635及び636、配列番号637及び638、配列番号639及び640、配列番号641及び642、配列番号643及び644、配列番号645及び646、配列番号647及び648、配列番号649及び650、配列番号651及び652、配列番号653及び654、配列番号655及び656、配列番号657及び658、配列番号659及び660、配列番号661及び662、配列番号663及び664、配列番号665及び666、配列番号667及び668、配列番号669及び670、配列番号671及び672、配列番号673及び670、配列番号674及び675、配列番号676及び677、配列番号678及び679、配列番号680及び681、配列番号682及び683、配列番号684及び685、配列番号686及び687、配列番号688及び689、配列番号690及び691、配列番号692及び693、配列番号694及び695、配列番号985及び986、配列番号987及び988、配列番号989及び990、又は配列番号991及び992。
いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチド(複数可)は、表Fに示される第1のFc領域及び第2のFc領域をコードする。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチド(複数可)は、それぞれ、以下に示されるアミノ酸配列と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%同一であるか、又は100%同一であるアミノ酸配列を含む、第1のFc領域及び第2のFc領域をコードする:配列番号696及び697、配列番号697及び696、配列番号696及び698、配列番号698及び696、配列番号699及び700、配列番号700及び699、配列番号701及び698、配列番号698及び701、配列番号702及び703、配列番号703及び702、配列番号704及び698、配列番号698及び704、配列番号705及び703、配列番号703及び705、配列番号706及び704、配列番号704及び706、配列番号707及び703、配列番号703及び707、配列番号708及び704、配列番号704及び708、配列番号709及び710、又は配列番号710及び709。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチド(複数可)は、それぞれ、以下に示されるアミノ酸配列と、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%同一であるか、又は100%同一であるアミノ酸配列を含む、第1のFc領域及び第2のFc領域をコードする:配列番号703及び705。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチド(複数可)は、それぞれ、以下に示されるアミノ酸配列と少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含む、第1のFc領域及び第2のFc領域をコードする:配列番号703及び705。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチド(複数可)は、それぞれ、以下に示されるアミノ酸配列と少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む、第1のFc領域及び第2のFc領域をコードする:配列番号703及び705。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチド(複数可)は、示されるアミノ酸配列と100%同一であるアミノ酸配列を含む、第1のFc領域及び第2のFc領域をコードする:配列番号703及び705。
いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチド(複数可)は、表Gに示される対応のない重鎖、Fabアーム重鎖、及びFabアーム軽鎖をコードする。例示的なポリヌクレオチド配列を表Jに提供する。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチド(複数可)は、それぞれ、以下に示されるアミノ酸配列と、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%同一であるか、又は100%同一であるアミノ酸配列を含むアミノ酸配列を含む、対応のない重鎖、Fabアーム重鎖、及びFabアーム軽鎖をコードする:配列番号995、996、及び997、配列番号998、999、及び1000、配列番号1001、1002、及び1003、配列番号1004、1005、及び1000、配列番号1006、1002、及び997、配列番号1007、1093、及び1000、配列番号998、1008、及び1000、配列番号998、1009、及び1000、配列番号1010、1011、及び1012、配列番号1013、1014、及び1015、配列番号1016、1017、及び1012、配列番号1018、1019、及び1012、配列番号1018、1020、及び1012、配列番号1021、1022、及び1023、又は配列番号1024、1025、及び1023。
いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチド(複数可)は、それぞれ、以下に示されるアミノ酸配列と、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%同一であるか、又は100%同一であるアミノ酸配列を含む、対応のない重鎖、Fabアーム重鎖、及びFabアーム軽鎖をコードする:配列番号995、996、及び997。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチド(複数可)は、それぞれ、以下に示されるアミノ酸配列と少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含む、対応のない重鎖、Fabアーム重鎖、及びFabアーム軽鎖をコードする:配列番号995、996、及び997。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチド(複数可)は、それぞれ、以下に示されるアミノ酸配列と少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む、対応のない重鎖、Fabアーム重鎖、及びFabアーム軽鎖をコードする:配列番号995、996、及び997。いくつかの実施態様では、ポリヌクレオチド(複数可)は、それぞれ、以下に示されるアミノ酸配列と100%同一であるアミノ酸配列を含む、対応のない重鎖、Fabアーム重鎖、及びFabアーム軽鎖をコードする:配列番号995、996、及び997。
いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチド(複数可)は、それぞれ、以下に示されるアミノ酸配列と、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%同一であるか、又は100%同一であるアミノ酸配列を含む、対応のない重鎖、Fabアーム重鎖、及びFabアーム軽鎖をコードする:配列番号998、999、及び1000。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチド(複数可)は、それぞれ、以下に示されるアミノ酸配列と少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含む、対応のない重鎖、Fabアーム重鎖、及びFabアーム軽鎖をコードする:配列番号998、999、及び1000。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチド(複数可)は、それぞれ、以下に示されるアミノ酸配列と少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む、対応のない重鎖、Fabアーム重鎖、及びFabアーム軽鎖をコードする:配列番号998、999、及び1000。いくつかの実施態様では、ポリヌクレオチド(複数可)は、それぞれ、以下に示されるアミノ酸配列と100%同一であるアミノ酸配列を含む、対応のない重鎖、Fabアーム重鎖、及びFabアーム軽鎖をコードする:配列番号998、999、及び1000。
所望の宿主細胞における改善された発現のためのコドンバイアス配列、置換異種シグナル配列、及び低減又は排除されたmRNA不安定性エレメントのうちの少なくとも1つを有する、抗gp120抗原結合分子若しくはその抗原結合断片、又は抗CD3抗原結合ドメイン若しくはその抗原結合断片をコードするポリヌクレオチドも本開示によって包含される。コドンバイアスされた核酸を作製するための方法は、例えば、米国特許第5,965,726号、同第6,174,666号、同第6,291,664号、同第6,414,132号、及び同第6,794,498号に記載の方法を適応することによって行うことができる。所望の宿主細胞における多重特異性抗原結合分子の発現のための好ましいコドン使用は、例えば、kazusa.or.jp/codon/、及びgenscript.com/tools/codon-frequency-tableに提供されている。
必要に応じて、ある特定の実施形態では、多重特異性抗原結合分子をコードするポリヌクレオチドの3’末端は、1つ以上のタンデム停止コドン、例えば、2つ以上のタンデムTAG(「アンバー」)、TAA(「オーカー」)、又はTGA(「オパール」又は「アンバー」)停止コドンを含む。複数のタンデム停止コドンは同じであっても異なっていてもよい。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の抗体又は抗原結合性断片をコードする1つ以上のポリヌクレオチドは、リポプレックス、例えば、脂質ナノ粒子(LNP)に製剤化又は封入される。本明細書で使用する場合、「リポプレックス」は、DNAの非ウイルス性(合成)脂質キャリアである、カチオン性リポソームを指す。いくつかの実施形態では、リポプレックスは、脂質ナノ粒子(LNP)である。本明細書で使用する場合、「脂質ナノ粒子」という用語は、10~1000ナノメートルの平均直径を有し、親油性分子を可溶化することができる固体脂質コアマトリックスを含む、1つ以上の球状ナノ粒子を指す。ある特定の実施形態では、脂質コアは、界面活性剤(例えば、乳化剤)によって安定化され、トリグリセリド(例えば、トリステアリン)、ジグリセリド(例えば、ベヘン酸グリセリル)、モノグリセリド(例えば、モノステアリン酸グリセロール)、脂肪酸(例えば、ステアリン酸)、ステロイド(例えば、コレステロール)、及びこれらの組合せを含むワックス(例えば、パルミチン酸セチル)のうち、1つ以上を含むことができる。脂質ナノ粒子は、例えば、Petrilli et al.,Curr Pharm Biotechnol.15:847-55,2014、並びに米国特許第6,217,912号、同第6,881,421号、同第7,402,573号、同第7,404,969号、同第7,550,441号、同第7,727,969号、同第8,003,621号、同第8,691,750号、同第8,871,509号、同第9,017,726号、同第9,173,853号、同第9,220,779号、同第9,227,917号、及び同第9,278,130号に記載されており、その各々は、参照によりその全体が組み込まれる。広域中和抗体をコードするLNP封入mRNA分子は、例えば、Pardi,et al.Nat Commun.(2017)8:14630に記載されている。ある特定の実施形態では、本明細書に記載の抗体又は抗原結合性断片をコードする1つ以上のポリヌクレオチドは、例えば、イオン化可能なカチオン性脂質/ホスファチジルコリン/コレステロール/PEG-脂質から構成されるLNPに、それぞれ、約50:10:38.5:1.5mol mol-1のモル比で製剤化又は封入される。
7. ベクター及び宿主細胞
本明細書に記載の多重特異性抗原結合分子のうちの1つ以上をコードする、1つ以上のポリヌクレオチドを含むベクターが、更に提供される。ベクターは、任意のタイプ、例えば、発現ベクターなどの組換えベクターであり得る。ベクターとしては、プラスミド、コスミド、細菌人工染色体(bacterial artificial chromosome、BAC)、及び酵母人工染色体(yeast artificial chromosome、YAC)、並びにバクテリオファージ、又は植物若しくは動物(ヒト含む)ウイルスに由来するベクターが挙げられるが、これらに限定されない。ベクターは、提案される宿主細胞(例えば、原核及び真核宿主細胞を含む)によって認識される複製起点、並びに発現ベクターの場合、プロモータ、及び宿主細胞によって認識される他の制御領域を含むことができる。追加の実施形態では、ベクターは、プロモータ及び任意選択的な追加の制御性要素に作動可能に結合された、本開示の抗体をコードするポリヌクレオチドを含む。ある特定のベクターは、それらが導入される宿主において自律複製することができる(例えば、細菌複製起点を有するベクターは、細菌内で複製することができる)。他のベクターは、宿主への導入時に宿主のゲノムに組み込むことができ、それによって、宿主ゲノムと共に複製される。ベクターとしては、本明細書に開示される抗体の組換え産生に好適なベクターが挙げられるが、これらに限定されない。
ベクターの選択は、従う組換え手順及び使用する宿主に依存する。宿主細胞へのベクターの導入は、とりわけ、リン酸カルシウム形質移入、ウイルス感染、DEAE-デキストラン媒介形質移入、リポフェクタミン形質移入、又は電気穿孔によって行われ得る。ベクターは、自律的に複製され得るか、又はそれらが組み込まれた染色体と一緒に複製され得る。ある特定の実施形態では、ベクターは、1つ以上の選択マーカを含有する。マーカの選択は、選択される宿主細胞に依存してもよい。これらとしては、カナマイシン、ネオマイシン、ピューロマイシン、ハイグロマイシン、ゼオシン、アンピシリン(AmpR)、単純ヘルペスウイルス由来チミジンキナーゼ遺伝子(HSV-TK)、哺乳動物グルタミン合成酵素(GS)、及びマウス由来ジヒドロ葉酸レダクターゼ遺伝子(dhfr)が挙げられるが、これらに限定されない。抗体を単離するために使用することができるタンパク質又はペプチドをコードする1つ以上の核酸分子に作動可能に連結された、本明細書に記載の抗体をコードする1つ以上の核酸分子を含むベクターもまた、本開示によって網羅される。これらのタンパク質又はペプチドとしては、グルタチオン-S-転移酵素、マルトース結合タンパク質、金属結合ポリヒスチジン、緑色蛍光タンパク質、ルシフェラーゼ、及びβ-ガラクトシダーゼが挙げられるが、これらに限定されない。他の実施形態では、使用されるベクターは、pcDNA(商標)3.1+(ThermoFisher、MA)又はpCGS3である。様々な実施形態では、ベクターは、1、2、3、4、若しくは5つのオープンリーディングフレーム又は発現カセットを有し得る。様々な実施形態では、ベクターは、1、2、3、4、若しくは5つのシストロンを有し得る。いくつかの実施形態では、第1、第2、及び第3の発現カセット(例えば、以下に示されるような)は各々、同一又は同等の転写強度のプロモータを含む。様々な実施形態では、プロモータは構成的プロモータである。いくつかの実施形態では、第1、第2、及び第3の発現カセット(例えば、以下に示されるような)は、異なる転写強度の1つ以上のプロモータを含む。有用な例示的なプロモータとしては、サイトメガロウイルス(CMV)、SV40、RSV、EF1a、UBC、PGK、及びCAGGが挙げられるが、これらに限定されない(例えば、Qin,et al.,PLoS One.(2010)5(5):e10611を参照)。実施形態では、発現ベクターは、真核生物選択マーカタンパク質、例えば、グルタミン合成酵素(GS)をコードするポリヌクレオチドを含む、第1の発現カセットの5’側に位置する第4の発現カセットを更に含む。概して、真核生物選択マーカタンパク質をコードするポリヌクレオチドの発現を駆動するプロモータ(第4の発現カセット)は、第1、第2、及び第3の発現カセット中のポリヌクレオチドの発現を駆動するプロモータと比較して、比較的弱い転写強度を有する。
いくつかの実施形態では、発現ベクター(複数可)には、プラスミドベクター又はウイルスベクターが含まれる。いくつかの実施形態では、発現ベクターは、3、4、又は5つの発現カセット又はシストロンを含む。いくつかの実施形態では、発現ベクターは、任意選択で、5’から3’の順に、(i)抗HIV gp120 VL-軽鎖定常ドメイン(CL)融合タンパク質をコードする第1のポリヌクレオチドを含む、第1の発現カセット、(ii)抗HIV gp120 VH-Fc融合タンパク質をコードする第2のポリヌクレオチドを含む、第2の発現カセット、及び(iii)抗CD3 scFv-Fc融合タンパク質をコードする第3のポリヌクレオチドを含む、第3の発現カセットを含む。いくつかの実施形態では、抗HIV gp120 VL-CL融合タンパク質、抗HIV gp120 VH-Fc融合タンパク質、及び抗CD3 scFv-Fc融合タンパク質は、それぞれ、以下に示されるアミノ酸配列を含むか、又はそれぞれ、以下に示されるアミノ酸配列のアミノ酸配列と、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、若しくは少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む:配列番号802、801、及び800、配列番号802、803、及び800、配列番号802、803、及び804、配列番号802、805、及び804、配列番号802、801、及び806、配列番号802、803、及び806、配列番号802、803、及び807、配列番号802、805、及び807、配列番号802、809、及び808、配列番号802、810、及び808、配列番号802、801、及び811、配列番号802、809、及び812、配列番号802、810、及び812、配列番号802、805、及び813、配列番号802、814、及び812、配列番号802、801、及び815、配列番号802、805、及び816、配列番号802、801、及び817、配列番号802、805、及び818、配列番号802、810、及び819、配列番号802、810、及び820、配列番号823、822、及び821、配列番号823、825、及び824、配列番号823、825、及び826、配列番号823、827、及び826、配列番号823、829、及び828、配列番号823、822、及び830、配列番号823、825、及び830、配列番号823、825、及び831、配列番号823、827、及び831、配列番号823、833、及び832、配列番号823、829、及び832、配列番号823、827、及び834、配列番号823、829、及び835、配列番号823、829、及び836、配列番号823、833、及び837、配列番号823、838、及び837、配列番号823、840、及び839、配列番号823、829、及び841、配列番号823、829、及び842、配列番号823、829、及び843、配列番号823、829、及び844、配列番号823、829、及び845、配列番号823、829、及び846、配列番号823、833、及び846、配列番号823、838、及び846、配列番号823、827、及び847、配列番号823、829、及び848、配列番号823、829、及び849、配列番号823、829、及び850、配列番号823、829、及び851、配列番号823、829、及び852、配列番号823、829、及び853、配列番号823、829、及び854、配列番号823、829、及び855、配列番号823、829、及び856、配列番号823、829、及び857、配列番号823、829、及び858、配列番号823、829、及び859、配列番号823、829、及び860、配列番号863、862、及び861、配列番号863、864、及び861、配列番号863、864、及び865、配列番号863、866、及び865、配列番号863、868、及び867、配列番号863、862、及び869、配列番号863、864、及び869、配列番号863、864、及び870、配列番号863、866、及び870、配列番号863、872、及び871、配列番号863、868、及び871、配列番号863、862、及び873、配列番号863、866、及び874、配列番号863、872、及び875、配列番号863、868、及び875、配列番号863、876、及び875、配列番号863、862、及び877、配列番号863、866、及び878、配列番号863、862、及び879、配列番号863、866、及び880、配列番号883、882、及び881、配列番号883、884、及び881、配列番号883、884、及び885、配列番号883、886、及び885、配列番号883、888、及び887、配列番号883、882、及び889、配列番号883、884、及び889、配列番号883、884、及び890、配列番号883、886、及び890、配列番号883、892、及び891、配列番号883、888、及び891、配列番号883、882、及び883、配列番号883、886、及び894、配列番号883、892、及び895、配列番号883、888、及び895、配列番号883、896、及び895、配列番号883、882、及び897、配列番号883、886、及び898、配列番号883、882、及び899、又は配列番号886及び900。
いくつかの実施形態では、発現ベクターは、任意選択で、5’から3’の順に、(i)抗CD3 VL-CL融合タンパク質をコードする第1のポリヌクレオチドを含む、第1の発現カセット、(ii)抗CD3 VH-Fc融合タンパク質をコードする第2のポリヌクレオチドを含む、第2の発現カセット、及び(iii)CD4細胞外(EC)ドメイン-Fc融合タンパク質をコードする第3のポリヌクレオチドを含む、第3の発現カセットを含む。いくつかの実施形態では、抗CD3 VL-CL融合タンパク質、抗CD3 VH-Fc融合タンパク質、及び抗CD4 ECドメイン-Fc融合タンパク質は、それぞれ、以下に示されるアミノ酸配列を含むか、又はそれぞれ、以下に示されるアミノ酸配列と、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、若しくは少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む:配列番号:753、752、及び751、配列番号753、752、及び754、配列番号753、756、及び755、配列番号753、757、及び755、配列番号753、757、及び758、配列番号753、756、及び759、配列番号761、760、及び754、配列番号761、760、及び762、配列番号753、763、及び751、配列番号753、752、及び764、配列番号753、752、及び765、配列番号753、767、及び766、配列番号753、768、及び766、配列番号753、768、及び769、配列番号753、767、及び770、配列番号761、771、及び765、配列番号761、771、及び772、配列番号776、775、及び774、配列番号776、778、及び777、配列番号776、778、及び779、配列番号776、780、及び779、配列番号776、781、及び777、配列番号753、752、及び782、配列番号753、752、及び783、配列番号753、785、及び784、配列番号753、786、及び784、配列番号753、786、及び787、配列番号753、785、及び788、配列番号761、789、及び783、配列番号761、789、及び790、配列番号794、793、及び792、配列番号794、796、及び795、配列番号794、796、及び797、配列番号794、798、及び797、又は配列番号794、799、及び795。いくつかの実施形態では、抗CD3 VL-CL融合タンパク質、抗CD3 VH-Fc融合タンパク質、及び抗CD4 ECドメイン-Fc融合タンパク質は、それぞれ、以下に示されるアミノ酸配列と、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む:配列番号753、752、及び751。いくつかの実施形態では、抗CD3 VL-CL融合タンパク質、抗CD3 VH-Fc融合タンパク質、及びCD4 ECドメイン-Fc融合タンパク質は、それぞれ、以下に示されるアミノ酸配列を含む:配列番号753、752、及び751。
いくつかの実施形態では、抗CD3 VL-CL融合タンパク質、抗CD3 VH-Fc融合タンパク質、及び抗CD4 ECドメイン-Fc融合タンパク質は、それぞれ、以下に示されるアミノ酸配列と、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む:配列番号753、752、及び751。いくつかの実施形態では、抗CD3 VL-CL融合タンパク質、抗CD3 VH-Fc融合タンパク質、及びCD4 ECドメイン-Fc融合タンパク質は、それぞれ、以下に示されるアミノ酸配列と少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含む:配列番号753、752、及び751。いくつかの実施形態では、抗CD3 VL-CL融合タンパク質、抗CD3 VH-Fc融合タンパク質、及びCD4 ECドメイン-Fc融合タンパク質は、それぞれ、以下に示されるアミノ酸配列と少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む:配列番号753、752、及び751。いくつかの実施形態では、抗CD3 VL-CL融合タンパク質は、配列番号753のアミノ酸配列と少なくとも95%(例えば、99%)同一であるアミノ酸配列を含み、抗CD3 VH-Fc融合タンパク質は、配列番号752のアミノ酸配列と少なくとも95%(例えば、99%)同一であるアミノ酸配列を含み、CD4 ECドメイン-Fc融合タンパク質は、配列番号751のアミノ酸配列と少なくとも95%(例えば、99%)同一であるアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、抗CD3 VL-CL融合タンパク質は、配列番号753のアミノ酸配列と少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含み、抗CD 3 VH-Fc融合タンパク質は、配列番号752のアミノ酸配列を含み、CD4 ECドメイン-Fc融合タンパク質は、配列番号751のアミノ酸配列と少なくとも95%(例えば、99%)同一であるアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、抗CD3 VL-CL融合タンパク質は、配列番号753のアミノ酸配列と少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含み、抗CD3 VH-Fc融合タンパク質は、配列番号752のアミノ酸配列を含み、CD4 ECドメイン-Fc融合タンパク質は、配列番号751のアミノ酸配列と少なくとも95%(例えば、99%)同一であるアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、抗CD3 VL-CL融合タンパク質は、配列番号753のアミノ酸配列を含み、抗CD3 VH-Fc融合タンパク質は、配列番号752のアミノ酸配列と少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含み、CD4 ECドメイン-Fc融合タンパク質は、配列番号751のアミノ酸配列と少なくとも95%(例えば、99%)同一であるアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、抗CD3 VL-CL融合タンパク質は、配列番号753のアミノ酸配列を含み、抗CD3 VH-Fc融合タンパク質は、配列番号752のアミノ酸配列と少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含み、CD4 ECドメイン-Fc融合タンパク質は、配列番号751のアミノ酸配列と少なくとも95%(例えば、99%)同一であるアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、抗CD3 VL-CL融合タンパク質、抗CD3 VH-Fc融合タンパク質、及びCD4 ECドメイン-Fc融合タンパク質は、それぞれ、以下に示されるアミノ酸配列を含む:配列番号753、752、及び751。
本開示はまた、本明細書に記載される1つ以上の組換えポリヌクレオチド又は1つ以上のベクターを含む宿主細胞を提供する。様々な宿主細胞のいずれを使用することもできる。一実施形態では、宿主細胞は、原核細胞、例えばE.coliである。別の実施形態では、宿主細胞は、真核細胞、例えば、酵母細胞、植物細胞、昆虫細胞、哺乳動物細胞、例えば、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)ベース若しくはCHO起源の細胞(例えば、CHO-S、CHO DG44、ExpiCHO(商標)、CHOZN(登録商標)ZFN修飾GS-/-CHO細胞株、又はCHO-K1、CHO-K1a細胞)、COS細胞、BHK細胞、NSO細胞、又はBowesメラノーマ細胞である。ヒト宿主細胞の例は、とりわけ、HeLa、911、AT1080、A549、293、Expi293(商標)、及びHEK293T細胞である。
「ポリヌクレオチド」及び「核酸分子」という用語は、互換的にヌクレオチドのポリマー形態を指し、RNA、cDNA、ゲノムDNA、並びに上記の合成形態及び混合ポリマーの、センス鎖及びアンチセンス鎖の両方を含む。本明細書で使用する場合、核酸分子という用語は、ポリヌクレオチドという用語と互換的であり得る。いくつかの実施形態では、ヌクレオチドは、リボヌクレオチド、デオキシヌクレオチド、又はヌクレオチドのいずれかの種類の修飾された形態、及びこれらの組合せを指す。この用語はまた、DNAの一本鎖及び二本鎖形態も含むが、これらに限定されない。加えて、ポリヌクレオチド、例えば、cDNA又はmRNAは、自然発生及び非自然発生ヌクレオチド結合の一方又は両方によって一緒に結合された自然発生及び修飾ヌクレオチドの一方又は両方を含み得る。核酸分子は、化学的又は生化学的に修飾されてもよく、又は当業者に容易に理解されるように、非天然又は誘導体化ヌクレオチド塩基を含有してもよい。そのような修飾としては、例えば、標識、メチル化、類似体による自然発生ヌクレオチドの1つ以上の置換、ヌクレオチド間修飾、例として、非荷電結合(uncharged linkage)(例えば、メチルホスホネート、ホスホトリエステル、ホスホルアミデート、カルバメート等)、荷電結合(charged linkage)(例えば、ホスホロチオエート、ホスホロジチオエート等)、懸垂部分(例えば、ポリペプチド)、インターカレータ(例えば、アクリジン、ソラレン等)、キレート剤、アルキル化剤、及び修飾結合(例えば、αアノマー核酸等)が挙げられる。上記の用語はまた、一本鎖、二本鎖、部分的な二本鎖型(duplexed)、三重鎖、ヘアピン型(hairpinned)、円形、及びパドロック高次構造(padlocked conformation)を含む、任意のトポロジカル高次構造(topological conformation)を含むことも意図される。核酸配列への参照は、別段明記されない限り、その相補体を包含する。したがって、特定の配列を有する核酸分子の参照は、その相補的配列を有する相補鎖を包含すると理解されるべきである。この用語はまた、所望の宿主細胞における改善された発現のためのコドンバイアスポリヌクレオチドも含む。
「作動可能に連結された」という用語は、通常、物理的に連結され、互いに機能的に関係している2つ以上の核酸配列要素を指す。例として、プロモータは、プロモータがコード配列の転写又は発現を開始又は調節することができる場合、コード配列に作動可能に結合され、この場合、コード配列は、「プロモータの制御下」にある理解されるべきである。
本明細書で使用する場合、「置換」は、それぞれ異なるアミノ酸又はヌクレオチドによる、1つ以上のアミノ酸又はヌクレオチドの置換を示す。
「単離された」核酸は、その自然環境の構成成分から分離された核酸分子を指す。単離された核酸は、核酸分子を通常は含有する細胞中に含有される核酸分子を含むが、核酸分子は、染色体外、又はその天然染色体位置とは異なる染色体位置に存在する。「多重特異性抗原結合ドメイン又はその断片をコードする単離された核酸」は、第1の抗原結合ドメイン、並びに任意選択で第2の抗原結合ドメイン、抗体の重鎖及び軽鎖(又はその断片)をコードする1つ以上の核酸分子(単一のベクター又は別個のベクター内のそのような核酸分子(複数可)、及び宿主細胞内の1つ以上の位置に存在するそのような核酸分子(複数可))を指す。
本明細書で使用する場合、「ベクター」という用語は、それが結合される別の核酸を増殖させることができる核酸分子を指す。この用語は、自己複製核酸構造としてのベクターと、導入された宿主細胞のゲノムに組み込まれたベクターとを含む。いくつかのベクターは、本出願の核酸分子又はポリヌクレオチドを送達するのに適している。ある特定のベクターは、それらが作動可能に結合された核酸の発現を誘導することができる。そのようなベクターは、本明細書では、発現ベクターと呼ばれる。
「宿主細胞」、「宿主細胞株」、及び「宿主細胞培養物」という用語は、互換的に使用され、外因性核酸が導入された細胞を指し、そのような細胞の子孫を含む。宿主細胞には、「形質転換体」及び「形質転換細胞」が含まれ、これらには、初代形質転換細胞、及び継代数を問わずそれに由来する子孫が含まれる。子孫は、親細胞と核酸含有量が完全に同一でない場合があるが、変異を含有する場合がある。最初に形質転換された細胞においてスクリーニング又は選択されたものと同じ機能又は生物学的活性を有する変異体子孫が、本明細書に含まれる。
「ポリヌクレオチドバリアント」は、この用語が本明細書で使用される場合、本明細書で具体的に開示されるポリヌクレオチドと、1つ以上の置換、欠失、付加、及び挿入が典型的に異なるポリヌクレオチドである。そのようなバリアントは、自然発生であり得るか、又は例えば、本明細書に記載のポリヌクレオチド配列のうちの1つ以上を修飾し、本明細書に記載のコードされたポリペプチドのうちの1つ以上の生物学的活性を評価することによって、例えば、当技術分野で周知のいくつかの技法のいずれかを使用して、合成的に生成され得る。
ポリペプチド「バリアント」は、この用語が本明細書で使用される場合、本明細書で具体的に開示されるポリペプチドと、1つ以上の置換、欠失、付加、及び挿入が、典型的に異なるポリペプチドである。そのようなバリアントは、自然発生であり得るか、又は例えば、本明細書に記載の上記のポリペプチド配列のうちの1つ以上を修飾し、本明細書に記載のポリペプチドの1つ以上の生物学的活性を評価することによって、例えば、当技術分野で周知のいくつかの技法のいずれかを使用して、合成的に生成され得る。
「バリアント」という用語はまた、1つ以上のヌクレオチド又はアミノ酸変異を含む、任意の自然発生又は遺伝子操作された分子を指してもよい。一実施形態では、多重特異性抗原結合分子は、二重特異性抗原結合分子である。一実施形態では、多重特異性抗原結合分子は、二重特異性抗体である。例えば、体細胞バリアントは、同じB細胞系統の一部であるか又は同じB細胞系統に由来する、全ての関連する自然発生抗体を包含し得る。遺伝子操作されたバリアントは、抗体に対して作製された全ての単一の変異又はコンビナトリアル変異を包含し得る。
8. 多重特異性抗原結合分子を産生する方法
HIV抗原(例えば、gp120、gp41)及びヒトCD3(例えば、ヒトCD3ε又はヒトCD3δ)に結合する多重特異性及び二重特異性抗原結合分子は、多重特異性抗体の合成のための当技術分野で既知の任意の方法によって、例えば、化学合成によって、又は組換え発現技法によって産生することができる。
単一特異性抗体を作製する方法は既知である。二重特異性抗体を作製する方法は既知であり、例えば、PCT公開第WO2011/038290号,同第WO2012/158818号、同第WO2012/162067号、同WO2015/104346号、同第WO2016/086189号、同第WO2016/182751号、同第WO2017/009442号、同第WO2017/125897号、同第WO2017/136659号、同第WO2017/157305号、同第WO2017/201493号、同第WO2018/183139号、同第WO2018/191438号、同第WO2019/034580号、同第WO2019/078697号、及び同第WO2019/143636号、米国特許第5,731,168号、同第5,807,706号、同第5,821,333号、並びに米国出願公開第2003/020734号、同第2002/0155537号、同第2014/242079号、同第2015/133640号、同第2016/297885号、及び同第2017/037130号に記載されている。二重特異性四価抗体、及びそれらを作製する方法は、例えば、国際公開第02/096948号及び国際公開第00/44788号に記載されており、これらの両方の開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。加えて、二重特異性抗体の作製に関する他の刊行物としては、国際公開第91/00360号、国際公開第92/08802号、国際公開第92/05793号、及び国際公開第93/17715号、Tutt et al.,J.Immunol.147:60-69(1991)、米国特許第4,474,893号、同第4,714,681号、同第4,925,648号、同第5,573,920号、同第5,601,819号、同第9,212,230号、及び同第9,701,759号、並びにKostelny et al.,J.Immunol.148:1547-1553(1992)に記載されている。scFv第1抗原結合ドメイン及びFab第2抗原結合ドメインを有するヘテロ二量体二重特異性抗体は、例えば、国際公開第2013/163427号及び米国特許第9,701,759号に記載されている。
本明細書に記載の二重特異性抗体及び多重特異性抗原結合分子を作製する1つの方法は、いわゆる「ノブ・イントゥ・ホール」技術を用いる(Ridgway et al.,Protein Eng.,9:617-621(1996)、国際公開第2006/028936号)。二重特異性抗体を作製するための主な欠点であるIg重鎖のミスペアリング問題は、IgG中のCH3ドメインの界面を形成する選択されたアミノ酸を変異させることによって、この技術において低減される。2つの重鎖が直接相互作用するCH3ドメイン内の位置で、小さい側鎖(ホール)を有するアミノ酸を一方の重鎖の配列に導入し、大きい側鎖(ノブ)を有するアミノ酸を他方の重鎖上の対応する相互作用残基位置に導入する。場合によっては、本明細書に記載の多重特異性抗原結合分子は、CH3ドメインが、二重特異性抗原結合分子を優先的に形成するように、2つのポリペプチド間の界面で相互作用する選択されたアミノ酸を変異させることによって修飾されている免疫グロブリン鎖を有する。いくつかの実施形態では、多重特異性抗原結合分子は、同じサブクラス又は異なるサブクラスの免疫グロブリン鎖から構成され得る。一例では、gp120及びCD3に結合する多重特異性抗原結合分子は、「ノブ鎖」にT366W(EUナンバリング)変異を含み、「ホール鎖」にT366S、L368A、Y407V(EUナンバリング)変異を含む。ある特定の実施形態では、例えば、Y349C変異を「ノブ鎖」に導入し、E356C変異又はS354C変異を「ホール鎖」に導入することによって、追加の鎖間ジスルフィド架橋がCH3ドメイン間に導入される。ある特定の実施形態では、R409D、K370E変異が「ノブ鎖」に導入され、D399K、E357K変異が「ホール鎖」に導入される。他の実施形態では、Y349C、T366W変異が鎖の1つに導入され、E356C、T366S、L368A、Y407V変異が対応鎖に導入される。いくつかの実施形態では、Y349C、T366W変異が1つの鎖に導入され、S354C、T366S、L368A、Y407V変異が対応鎖に導入される。いくつかの実施形態では、Y349C、T366W変異が1つの鎖に導入され、S354C、T366S、L368A、Y407V変異が対応鎖に導入される。更に他の実施形態では、Y349C、T366W変異が1つの鎖に導入され、S354C、T366S、L368A、Y407V変異が対応鎖に導入される(全てEUナンバリング)。
二重特異性抗体を作製する別の例示的な方法は、二重特異性T細胞エンゲージャー(BiTE(登録商標))プラットフォームを使用することによるものである。BiTEは、柔軟なペプチドリンカー(例えば、GGGGS(配列番号1088))を介して第1のscFv(例えば、gp120に結合するscFv)を第2のscFv(例えば、ヒトCD3に結合するscFv)に遺伝的に融合させることによって作製される。例えば、Staerz et al.,Nature,314:628-631(1985)、Mack et al.,PNAS,92:7021-7025(1995)、Huehls et al.,Immunol.Cell Biol.,93:290-296(2015)を参照されたい。
二重特異性抗体を作製する別の例示的な方法は、Dual-Affinity Re-targeting(DART)プラットフォームを使用することによるものである。この技術は、Holligerら(PNAS,90:6444-6448(1993))のダイアボディフォーマットに基づいており、VH鎖及びVL鎖の安定性及び最適なペアリングのために更に改善されている(Johnson et al.,J Mol.Biol.,399:436-449(2010)、Sung et al.,J Clin Invest.,125(11):4077-4090(2015))。
二重特異性抗体を作製する更に別の例示的な方法は、三官能性ハイブリッド抗体プラットフォーム、Triomab(登録商標)を用いることによるものである。このプラットフォームは、異なるアイソタイプの2つの全長抗体、マウスIgG2a及びラットIgG2bの半分で構成される、キメラ構築物を使用する。この技術は種優先的な重鎖/軽鎖ペアリング会合に依存する。Lindhofer et al.,J Immunol.,155:219-225(1995)を参照されたい。
二重特異性抗体を作製する更なる例示的な方法は、TandAb(登録商標)プラットフォームを使用することによるものである。この技術は、ダイアボディ概念に基づくが、鎖内ペアリングを防止するための短いリンカーを含む単一ポリペプチド鎖VH1-VL2-VH2-VL1として設計される。この単鎖の頭-尾二量体化は、四価ホモ二量体の形成をもたらす(Kipriyanov et al.,J Mol.Biol.,293:41-56(1999))。
二重特異性抗体を作製するための更に別の方法は、CrossMab技術である。CrossMabとは、2つの全長抗体の半分によって構成されるキメラ抗体である。正しい鎖のペアリングのために、2つの技術(i)2つの重鎖間の正しいペアリングを有利にする、ノブ・イントゥ・ホールと、(ii)軽鎖のミスペアリングを回避する非対称性を導入するための2つのFabのうちの1つの重鎖と軽鎖との間の交換とが組み合わされ。Ridgway et al.,Protein Eng.,9:617-621(1996)、Schaefer et al.,PNAS,108:11187-11192(2011)を参照されたい。CrossMabは、2つ以上の標的を標的化するために、又は2:1フォーマットなどの1つの標的に対して二価性を導入するために、2つ以上の抗原結合ドメインを組み合わせることができる。
様々な実施形態では、本明細書に記載の多重特異性抗原結合分子は、細菌又は真核細胞において産生され得る。多重特異性抗原結合分子はまた、形質転換細胞株(例えば、CHO、CHO-S、293E、293T、Expi293(商標)、COS、NIH3T3)などの真核細胞において産生され得る。加えて、本明細書に記載の多重特異性抗原結合分子(例えば、Fab、Fab-scFv、scFv)は、Pichia(例えば、Powers et al.,J Immunol Methods.251:123-35(2001))、Hanseula、又はSaccharomycesなどの酵母細胞で発現させることができる。一実施形態では、本明細書に記載の二重特異性抗体は、CHOベース又はCHO起源の細胞株(例えば、CHO-S、CHO DG44、ExpiCHO(商標)、CHOZN(登録商標)ZFN修飾GS-/-CHO細胞株、又はCHO-K1、CHO-K1a)又はHEK293(例えば、Expi293(商標))細胞株において産生される。目的の多重特異性抗原結合分子を産生するために、多重特異性抗原結合分子をコードする1つ以上のポリヌクレオチドが構築され、発現ベクターに導入され、次いで1つ以上の好適な宿主細胞において発現される。いくつかの実施形態では、第1の抗原結合ドメインを含むscFv重鎖、Fab重鎖、及び第2の抗原結合ドメインを含むFab軽鎖をコードする3つのポリヌクレオチドが、単一の宿主細胞において共発現される。いくつかの実施形態では、第1の抗原結合ドメインを含むFab重鎖及びFab軽鎖、並びに第2の抗原結合ドメインを含むECドメインをコードする3つのポリヌクレオチドは、単一の宿主細胞において共発現される。標準的な分子生物学技法を使用して、組換え発現ベクターを調製し、宿主細胞に形質移入し、形質転換体を選択し、宿主細胞を培養し、多重特異性抗原結合分子を回収する。
いくつかの実施形態では、宿主細胞は、免疫グロブリン抗原結合ドメインの可変領域内のN結合型グリコシル化部位を主にシアル化する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される多重特異性抗原結合分子をコードするポリヌクレオチドは、発現された抗原結合分子の可変ドメイン(Fv)における、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%以上のN結合型グリコシル化部位をシアル化する宿主細胞において発現される。様々な実施形態では、そのような宿主細胞から発現される多重特異性抗原結合分子において、多重特異性抗原結合分子の第1のVH、第1のVL、第2のVH、及び第2のVLのうちの少なくとも1つにおける、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%以上のN結合型グリコシル化部位がシアル化されている。様々な実施形態では、そのような宿主細胞から発現される多重特異性抗原結合分子において、第1のVL、第2のVH、及び第2のVLのうちの少なくとも1つにおけるN結合型グリコシル化部位は、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%以上のシアル酸占有率(例えば、1つ又は2つの末端シアル酸残基を含むグリカン)を有する。いくつかの実施形態では、多重特異性抗原結合分子の第1のVL、第2のVH、及び第2のVLのうちの少なくとも1つにおけるシアル化N結合型グリコシル化部位は、1~5個のシアル酸残基、例えば、1~4個のシアル酸残基、例えば、1~3個のシアル酸残基、例えば、1~2個のシアル酸残基を含む。いくつかの実施形態では、第1のVL、第2のVH、及び第2のVLのうちの少なくとも1つは、N-アセチルノイラミン酸(NANA)でシアル化される。いくつかの実施形態では、シアル酸残基は、二分岐構造で存在する。いくつかの実施形態では、シアル酸残基は、複合N結合型グリカン構造で存在する。いくつかの実施形態では、シアル酸残基は、ハイブリッドN結合型グリカン構造で存在する。いくつかの実施形態では、グリカンは、末端シアル化されている。
多重特異性抗原結合分子を細菌細胞(例えば、E.coli)において発現させる場合、発現ベクターは、細菌細胞におけるベクターの増幅を可能にする特徴を有するべきである。加えて、JM109、DH5α、HB101、又はXL1-BlueなどのE.coliを宿主として使用する場合、ベクターは、E.coliでの効率的な発現を可能にすることができるプロモータ、例えば、lacZプロモータ(Ward et al.,341:544-546(1989)、araBプロモータ(Better et al.,Science,240:1041-1043(1988))、又はT7プロモータを有する必要がある。そのようなベクターの例としては、例えば、M13シリーズベクター、pUCシリーズベクター、pBR322、pBluescript、pCR-Script、pGEX-5X-1(Pharmacia)、「QIAexpress system」(QIAGEN)、pEGFP、及びpET(この発現ベクターを使用する場合、宿主は、好ましくはBL21発現T7 RNAポリメラーゼである)が挙げられる。発現ベクターは、多重特異性抗原結合分子の分泌のためのシグナル配列を含有してもよい。E.coliのペリプラズムへの産生のために、pelBシグナル配列(Lei et al.,J.Bacteriol.,169:4379(1987))を、多重特異性抗原結合分子の分泌のためのシグナル配列として使用してもよい。細菌発現のために、塩化カルシウム法又は電気穿孔法を使用して、発現ベクターを細菌細胞に導入してもよい。
多重特異性抗原結合分子が、例えば、CHOベース又はCHO起源の細胞、COS、及びNIH3T3細胞などの動物細胞において発現される場合、発現ベクターは、これらの細胞における発現に有用なプロモータを含む。様々な実施形態では、哺乳動物細胞における多重特異性抗原結合分子の発現のためのプロモータは、構成的プロモータ又は誘導性プロモータである。哺乳動物細胞における多重特異性抗原結合分子の発現のための例示的なプロモータとしては、SV40プロモータ(Mulligan et al.,Nature,277:108 (1979))、MMLV-LTRプロモータ、EF1αプロモータ(Mizushima et al.,Nucleic Acids Res.,18:5322(1990))、又はCMVプロモータが挙げられるが、これらに限定されない。免疫グロブリン又はそのドメインをコードする核酸配列に加えて、組換え発現ベクターは、宿主細胞(例えば、複製起点)及び選択性マーカ遺伝子におけるベクターの複製を調節する配列などの、追加の配列を有し得る。選択性マーカ遺伝子は、ベクターが導入された宿主細胞(例えば、米国特許第4,399,216号、同第4,634,665号、及び同第5,179,017号)の選択を容易にする。例えば、典型的には、選択性マーカ遺伝子は、ベクターが導入された宿主細胞上の、G418、ハイグロマイシン、又はメトトレキサートなどの薬物に対する耐性を付与する。選択性マーカを有するベクターの例としては、pMAM、pDR2、pBK-RSV、pBK-CMV、pOPRSV、及びpOP13が挙げられる。
一実施形態では、多重特異性抗原結合分子は、哺乳動物細胞において産生される。多重特異性抗原結合分子を発現させるための例示的な哺乳動物宿主細胞としては、チャイニーズハムスター卵巣(CHO細胞)(dhfr-CHO細胞(例えば、Urlaub and Chasin(1980)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 77:4216-4220に記載されている)(例えば、Kaufman and Sharp(1982)Mol.Biol.159:601 621に記載されているDHFR選択可能マーカとともに使用される)、及びGS選択可能マーカとともに使用される細胞であるグルタミン合成酵素(GS)(例えば、Lin,et al.,MAbs.(2019)11(5):965-976、及びNoh,et al.,Sci Rep.(2018)8(1):5361)を含む)、ヒト胎児由来腎臓293細胞(例えば、293、293E、293T、Expi293(商標))、COS細胞、NIH3T3細胞、リンパ球細胞株、例えば、NS0骨髄腫細胞及びSP2細胞、並びにトランスジェニック動物、例えば、トランスジェニック哺乳動物由来の細胞が挙げられる。例えば、細胞は、乳腺上皮細胞である。組換え抗体産生のためのCHO及びNS0細胞株は、Dhara,et al.,BioDrugs.(2018)32(6):571-584によって概説されている。
多重特異性抗原結合分子の発現のための例示的な系では、第1及び第2の結合ドメイン(例えば、抗CD3標的化アームのVH及びVL、並びに抗gp120標的化アームのVH及びVL)をコードする組換え発現ベクターが、リン酸カルシウム媒介形質移入によってdhfr-CHO細胞に導入される。具体的な実施形態では、dhfr-CHO細胞は、DG44iなどのDG44細胞株の細胞である(例えば、Derouaz et al.,Biochem Biophys Res Commun.,(2006)340(4):1069-77を参照)。組換え発現ベクター内で、免疫グロブリン重鎖及び軽鎖遺伝子は、増強剤/プロモータ制御要素(例えば、CMV増強剤/AdMLPプロモータ制御要素、又はSV40増強剤/AdMLPプロモータ制御要素などのSV40、CMV、アデノウイルスに由来)に各々作動可能に結合されて、遺伝子の高レベルな転写を駆動する。組換え発現ベクターはまた、DHFR遺伝子も有し、これにより、メトトレキサート選択/増幅を用いてベクターで形質移入されているCHO細胞の選択が可能になる。選択された形質転換体宿主細胞は、免疫グロブリン重鎖及び軽鎖の発現を可能にするように培養され、多重特異性抗原結合分子が培養培地から回収される。一実施形態では、本明細書に記載される二重特異性抗原結合分子の3つ全てのポリペプチドは、単一細胞において発現される。一実施形態では、本明細書に記載される二重特異性抗原結合分子の3つ全てのポリペプチドは、単一ベクターから単一細胞において発現される。
多重特異性抗原結合分子は、トランスジェニック動物によって産生することもできる。例えば、米国特許第5,849,992号には、トランスジェニック哺乳動物の乳腺において抗体を発現させる方法が記載されている。乳特異的プロモータと、目的の多重特異性抗原結合分子及び分泌のためのシグナル配列をコードする1つ以上のポリヌクレオチドとを含む、導入遺伝子が構築される。そのようなトランスジェニック哺乳動物の雌によって生成される乳には、そこで分泌された、目的の多重特異性抗原結合分子が含まれる。多重特異性抗原結合分子は、乳から精製され得るか、又はいくつかの適用のために、直接使用され得る。本明細書に記載される核酸のうちの1つ以上を含む動物もまた、提供される。
多重特異性抗原結合分子は、宿主細胞の内部又は外部(培地など)から単離し、実質的に純粋かつ均一な非凝集多重特異性抗原結合分子(例えば、ヘテロ二量体性二重特異性抗原結合分子)として精製することができる。必要に応じて、又は所望により、細胞又は細胞集団は、少なくとも2L、例えば、少なくとも5L、10L、50L、100L、150L、200L、250L以上の培養体積で培養される。抗体精製のために一般的に使用される単離及び精製のための方法は、本明細書に記載される多重特異性抗原結合分子の単離及び精製のために使用されてもよく、いかなる特定の方法にも限定されない。多重特異性抗原結合分子は、例えば、カラムクロマトグラフィ、濾過、限外濾過、塩析、溶媒沈殿、溶媒抽出、蒸留、免疫沈降、SDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動、等電点電気泳動、透析、及び再結晶を適切に選択し組み合わせることにより、単離及び精製することができる。クロマトグラフィとしては、例えば、アフィニティクロマトグラフィ、イオン交換クロマトグラフィ、疎水性クロマトグラフィ、ゲル濾過、逆相クロマトグラフィ、及び吸着クロマトグラフィが挙げられる(Strategies for Protein Purification and Characterization:A Laboratory Course Manual.Ed Daniel R.Marshak et al.,Cold Spring Harbor Laboratory Press,1996)。クロマトグラフィは、HPLC及びFPLCなどの液相クロマトグラフィを用いて行うことができる。アフィニティクロマトグラフィに使用されるカラムとしては、プロテインAカラム及びプロテインGカラムが挙げられる。プロテインAカラムを使用したカラムの例としては、Hyper D、POROS、及びSepharose FF(GE Healthcare Biosciences)が挙げられる。本開示には、これらの精製方法を使用して高度に精製される多重特異性抗原結合分子も含まれる。様々な実施形態では、単離又は精製工程はプロテインAクロマトグラフィを含み、多重特異性抗原結合分子の少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又はそれ以上が単離又は精製される。様々な実施形態では、単離又は精製工程は、プロテインAクロマトグラフィ、続いてイオン交換クロマトグラフィを含み、多重特異性抗原結合分子の少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又はそれ以上が単離又は精製される。様々な実施形態では、サイズ排除クロマトグラフィ(SEC)を使用して決定された場合、多重特異性抗原結合分子の少なくとも95%、96%、97%、98%、99%以上が、非凝集可溶性ヘテロ二量体として単離又は精製される。いくつかの実施形態では、単離又は精製された多重特異性抗原結合分子は、分析用イオン交換クロマトグラフィによって評価された場合、均一性が増加し、非修飾標的種を表すメインピークの積分面積が、全ての積分タンパク質ピーク面積の合計の少なくとも95%、96%、97%、98%以上である。いくつかの実施形態では、単離又は精製された抗原結合分子は、35%、30%、25%、20%、15%、10%、9%、8%、7%未満の酸性夾雑物を有する。
9. HIVを治療及び予防する方法
HIV感染症又は関連する疾患若しくは障害の治療又は予防を必要とする対象(例えば、ヒト対象)においてそれを行うための方法が提供され、本方法には、それを必要とする対象に、有効量の本明細書に記載の多重特異性抗原結合分子(例えば、二重特異性抗原結合分子、二重特異性抗体)のうちの1つ以上、又は多重特異性抗原結合分子をコードする1つ以上のポリヌクレオチドを提供することが含まれる。
いくつかの実施形態では、方法は、CD3に結合する第1の抗原結合ドメイン、及びCD4結合部位(CD4bs)のgp120のエピトープ又は領域に結合し、CD4の1つ以上の細胞外(EC)ドメインを含む第2の抗原結合ドメインを有する多重特異性抗原結合分子、並びに任意選択で、IL-15受容体アゴニストを投与することを伴う。いくつかの実施形態では、CD4の1つ以上のECドメインは、配列番号746~749に示される配列、又は配列番号746~749(例えば、配列番号746)のアミノ酸配列と、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、若しくは少なくとも99%同一である配列を含む。いくつかの実施形態では、CD4のCドメインは、配列番号746の配列と、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は少なくとも99%同一である配列を含む。いくつかの実施形態では、CD4のECドメインは、配列番号746の配列と少なくとも95%同一である配列を含む。いくつかの実施形態では、CD4のECドメインは、配列番号746の配列と少なくとも99%同一である配列を含む。いくつかの実施形態では、CD4のECドメインは、配列番号746の配列を含む。いくつかの実施形態では、第1の抗原結合ドメインは、それぞれ、以下のアミノ酸配列(Kabatに従う):配列番号1、11、8、4、9、及び10、又は配列番号1、12、8、4、9、及び10を含む、第1のVH-CDR1、第1のVH-CDR2、第1のVH-CDR3、第1のVL-CDR1、第1のVL-CDR2、及び第1のVL-CDR3を含み、第2の抗原結合ドメインは、配列番号746~749からなる群(例えば、配列番号746)から選択されるCD4 ECドメインを含むか、又はそれと、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、若しくは少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む、CD4の1つ以上のECドメインを含む。いくつかの実施形態では、第1の抗原結合ドメインは、それぞれ、以下のアミノ酸配列(Kabatに従う):配列番号1、12、8、4、9、及び10を含む、第1のVH-CDR1、第1のVH-CDR2、第1のVH-CDR3、第1のVL-CDR1、第1のVL-CDR2、及び第1のVL-CDR3を含み、第2の抗原結合ドメインは、配列番号746のCD4 ECドメインと、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、若しくは少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む、CD4の1つのECドメインを含む。いくつかの実施形態では、第1の抗原結合ドメインは、それぞれ、以下のアミノ酸配列(Kabatに従う):配列番号1、12、8、4、9、及び10を含む、第1のVH-CDR1、第1のVH-CDR2、第1のVH-CDR3、第1のVL-CDR1、第1のVL-CDR2、及び第1のVL-CDR3を含み、第2の抗原結合ドメインは、配列番号746のCD4 ECドメインと少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含む、CD4の1つのECドメインを含む。いくつかの実施形態では、第1の抗原結合ドメインは、それぞれ、以下のアミノ酸配列(Kabatに従う):配列番号1、12、8、4、9、及び10を含む、第1のVH-CDR1、第1のVH-CDR2、第1のVH-CDR3、第1のVL-CDR1、第1のVL-CDR2、及び第1のVL-CDR3を含み、第2の抗原結合ドメインは、配列番号746のCD4 ECドメインと少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む、CD4の1つのECドメインを含む。いくつかの実施形態では、第1の抗原結合ドメインは、それぞれ、以下のアミノ酸配列(Kabatに従う):配列番号1、12、8、4、9、及び10を含む、第1のVH-CDR1、第1のVH-CDR2、第1のVH-CDR3、第1のVL-CDR1、第1のVL-CDR2、及び第1のVL-CDR3を含み、第2の抗原結合ドメインは、配列番号746のアミノ酸配列を含む、CD4の1つのECドメインを含む。いくつかの実施形態では、第1の抗原結合ドメインは、それぞれ、以下のアミノ酸配列(Chothiaに従う):配列番号17、18、23、20、24、及び25を含む、第1のVH-CDR1、第1のVH-CDR2、第1のVH-CDR3、第1のVL-CDR1、第1のVL-CDR2、及び第1のVL-CDR3を含み、第2の抗原結合ドメインは、配列番号746~749からなる群(例えば、配列番号746)から選択されるCD4 ECドメインを含むか、又はそれと、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、若しくは少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む、CD4の1つ以上のECドメインを含む。いくつかの実施形態では、第1の抗原結合ドメインは、それぞれ、以下のアミノ酸配列(Chothiaに従う):配列番号17、18、23、20、24、及び25を含む、第1のVH-CDR1、第1のVH-CDR2、第1のVH-CDR3、第1のVL-CDR1、第1のVL-CDR2、及び第1のVL-CDR3を含み、第2の抗原結合ドメインは、配列番号746のCD4 ECドメインと少なくとも95%(例えば、少なくとも99%)同一であるアミノ酸配列を含む、CD4の1つのECドメインを含む。いくつかの実施形態では、第1の抗原結合ドメインは、それぞれ、以下のアミノ酸配列(Chothiaに従う):配列番号17、18、23、20、24及び25を含む、第1のVH-CDR1、第1のVH-CDR2、第1のVH-CDR3、第1のVL-CDR1、第1のVL-CDR2、及び第1のVL-CDR3を含み、第2の抗原結合ドメインは、配列番号746のアミノ酸配列を含む、CD4の1つのECドメインを含む。いくつかの実施形態では、第1の抗原結合ドメインは、それぞれ、以下のアミノ酸配列(IMGTに従う):配列番号28、29、32、31、24、及び10を含む、第1のVH-CDR1、第1のVH-CDR2、第1のVH-CDR3、第1のVL-CDR1、第1のVL-CDR2、及び第1のVL-CDR3を含み、第2の抗原結合ドメインは、配列番号746~749からなる群(例えば、配列番号746)から選択されるCD4 ECドメインを含むか、又はそれと、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、若しくは少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む、CD4の1つ以上のECドメインを含む。いくつかの実施形態では、第1の抗原結合ドメインは、それぞれ、以下のアミノ酸配列(IMGTに従う):配列番号28、29、32、31、24、及び10を含む、第1のVH-CDR1、第1のVH-CDR2、第1のVH-CDR3、第1のVL-CDR1、第1のVL-CDR2、及び第1のVL-CDR3を含み、第2の抗原結合ドメインは、配列番号746のCD4 ECドメインと少なくとも95%(例えば、少なくとも99%)同一であるアミノ酸配列を含む、CD4の1つのECドメインを含む。いくつかの実施形態では、第1の抗原結合ドメインは、それぞれ、以下のアミノ酸配列(IMGTに従う):配列番号28、29、32、31、24及び10を含む、第1のVH-CDR1、第1のVH-CDR2、第1のVH-CDR3、第1のVL-CDR1、第1のVL-CDR2、及び第1のVL-CDR3を含み、第2の抗原結合ドメインは、配列番号746のアミノ酸配列を含む、CD4の1つのECドメインを含む。いくつかの実施形態では、第1の抗原結合ドメインは、それぞれ、以下のアミノ酸配列(Honeggerに従う):配列番号34、42、40、37、41、及び25、又は配列番号34、43、40、37、41、及び25を含む、第1のVH-CDR1、第1のVH-CDR2、第1のVH-CDR3、第1のVL-CDR1、第1のVL-CDR2、及び第1のVL-CDR3を含み、第2の抗原結合ドメインは、配列番号746~749からなる群(例えば、配列番号746)から選択されるCD4 ECドメインを含むか、又はそれと、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、若しくは少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む、CD4の1つ以上のECドメインを含む。いくつかの実施形態では、第1の抗原結合ドメインは、それぞれ、以下のアミノ酸配列(Honeggerに従う):配列番号34、43、40、37、41、及び25を含む、第1のVH-CDR1、第1のVH-CDR2、第1のVH-CDR3、第1のVL-CDR1、第1のVL-CDR2、及び第1のVL-CDR3を含み、第2の抗原結合ドメインは、配列番号746のCD4 ECドメインを含むか、又はそれと、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、若しくは少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む、CD4の1つのECドメインを含む。いくつかの実施形態では、第1の抗原結合ドメインは、それぞれ、以下のアミノ酸配列(Honeggerに従う):配列番号34、43、40、37、41、及び25を含む、第1のVH-CDR1、第1のVH-CDR2、第1のVH-CDR3、第1のVL-CDR1、第1のVL-CDR2、及び第1のVL-CDR3を含み、第2の抗原結合ドメインは、配列番号746のCD4 ECドメインと少なくとも95%(例えば、少なくとも99%)同一であるアミノ酸配列を含む、CD4の1つのECドメインを含む。いくつかの実施形態では、第1の抗原結合ドメインは、それぞれ、以下のアミノ酸配列(Honeggerに従う):配列番号34、43、40、37、41及び25を含む、第1のVH-CDR1、第1のVH-CDR2、第1のVH-CDR3、第1のVL-CDR1、第1のVL-CDR2、及び第1のVL-CDR3を含み、第2の抗原結合ドメインは、配列番号746のアミノ酸配列を含む、CD4の1つのECドメインを含む。いくつかの実施形態では、第1の抗原結合ドメインは、それぞれ、以下に示されるアミノ酸配列を含むか、又はそれぞれ、以下に示されるアミノ酸配列:配列番号49及び55、配列番号50及び55、配列番号50及び56、配列番号51及び55、若しくは配列番号51及び56と、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、若しくは少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む、第1のVH及び第1のVLを含み、第2の抗原結合ドメインは、配列番号746~749からなる群(例えば、配列番号746)から選択されるCD4 ECドメインを含むか、又はそれと、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも9



1%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、若しくは少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む、CD4の1つ以上のECドメインを含む。いくつかの実施形態では、第1の抗原結合ドメインは、それぞれ、以下に示されるアミノ酸配列:配列番号51及び56と、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、若しくは少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む、第1のVH及び第1のVLを含み、第2の抗原結合ドメインは、配列番号746のCD4 ECドメインと、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、若しくは少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む、CD4の1つのECドメインを含む。いくつかの実施形態では、第1の抗原結合ドメインは、それぞれ、以下に示されるアミノ酸配列:配列番号51及び56と少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含む第1のVH及び第1のVLを含み、第2の抗原結合ドメインは、配列番号746のCD4 ECドメインと少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含むCD4の1つのECドメインを含む。いくつかの実施形態では、第1の抗原結合ドメインは、それぞれ、以下に示されるアミノ酸配列:配列番号51及び56と少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含む第1のVH及び第1のVLを含み、第2の抗原結合ドメインは、配列番号746のCD4 ECドメインと少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含むCD4の1つのECドメインを含む。いくつかの実施形態では、第1の抗原結合ドメインは、それぞれ、以下に示されるアミノ酸配列:配列番号51及び56と少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含む第1のVH及び第1のVLを含み、第2の抗原結合ドメインは、配列番号746のアミノ酸配列を含むCD4の1つのECドメインを含む。いくつかの実施形態では、第1の抗原結合ドメインは、それぞれ、以下に示されるアミノ酸配列:配列番号51及び56と少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む第1のVH及び第1のVLを含み、第2の抗原結合ドメインは、配列番号746のCD4 ECドメインと少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含むCD4の1つのECドメインを含む。いくつかの実施形態では、第1の抗原結合ドメインは、それぞれ、以下に示されるアミノ酸配列:配列番号51及び56を含む第1のVH及び第1のVLを含み、第2の抗原結合ドメインは、配列番号746のCD4 ECドメインと少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含むCD4の1つのECドメインを含む。いくつかの実施形態では、第1の抗原結合ドメインは、それぞれ、以下に示されるアミノ酸配列:配列番号51及び56と少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む第1のVH及び第1のVLを含み、第2の抗原結合ドメインは、配列番号746のCD4 ECドメインと少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含むCD4の1つのECドメインを含む。いくつかの実施形態では、第1の抗原結合ドメインは、配列番号51のアミノ酸配列を含む第1のVHと、配列番号56のアミノ酸配列と少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含む第1のVLとを含み、第2の抗原結合ドメインは、配列番号746のCD4 ECドメインと少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含むCD4の1つのECドメインを含む。いくつかの実施形態では、第1の抗原結合ドメインは、配列番号51のアミノ酸配列を含む第1のVHと、配列番号56のアミノ酸配列と少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含む第1のVLとを含み、第2の抗原結合ドメインは、配列番号746のCD4 ECドメインと少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含むCD4の1つのECドメインを含む。いくつかの実施形態では、第1の抗原結合ドメインは、配列番号51のアミノ酸配列を含む第1のVHと、配列番号56のアミノ酸配列と少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む第1のVLとを含み、第2の抗原結合ドメインは、配列番号746のCD4 ECドメインと少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含むCD4の1つのECドメインを含む。いくつかの実施形態では、第1の抗原結合ドメインは、配列番号51のアミノ酸配列を含む第1のVHと、配列番号56のアミノ酸配列と少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む第1のVLとを含み、第2の抗原結合ドメインは、配列番号746のCD4 ECドメインと少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含むCD4の1つのECドメインを含む。いくつかの実施形態では、第1の抗原結合ドメインは、配列番号51のアミノ酸配列と少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含む第1のVHと、配列番号56のアミノ酸配列を含む第1のVLとを含み、第2の抗原結合ドメインは、配列番号746のCD4 ECドメインと少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含むCD4の1つのECドメインを含む。いくつかの実施形態では、第1の抗原結合ドメインは、配列番号51のアミノ酸配列と少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含む第1のVHと、配列番号56のアミノ酸配列を含む第1のVLとを含み、第2の抗原結合ドメインは、配列番号746のCD4 ECドメインと少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含むCD4の1つのECドメインを含む。いくつかの実施形態では、第1の抗原結合ドメインは、配列番号51のアミノ酸配列と少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む第1のVHと、配列番号56のアミノ酸配列を含む第1のVLとを含み、第2の抗原結合ドメインは、配列番号746のCD4 ECドメインと少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含むCD4の1つのECドメインを含む。いくつかの実施形態では、第1の抗原結合ドメインは、配列番号51のアミノ酸配列と少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む第1のVHと、配列番号56のアミノ酸配列を含む第1のVLとを含み、第2の抗原結合ドメインは、配列番号746のCD4 ECドメインと少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含むCD4の1つのECドメインを含む。いくつかの実施形態では、第1の抗原結合ドメインは、それぞれ、以下に示されるアミノ酸配列:配列番号51及び56を含む第1のVH及び第1のVLを含み、第2の抗原結合ドメインは、配列番号746のアミノ酸配列を含むCD4の1つのECドメインを含む。
疾患又は状態に関して、「治療」又は「治療すること」という用語は、疾患又は状態が発生するのを予防すること、疾患又は状態を阻害すること、疾患又は状態を排除すること、及び疾患又は状態の1つ以上の症状を緩和すること、のうちの1つ以上を含む。本明細書で使用する場合、「治療すること」及び「治療」という用語は、HIV感染症の症状を軽減若しくは排除するため、及び患者におけるウイルス量を低減するため、のうちの少なくとも1つのために、本明細書に開示される実施形態による化合物又は組成物を投与することを意味するように意図される。本明細書で使用される場合、対象への治療の投与の文脈における「有効量」という用語は、所望の予防効果又は治療効果を達成する療法の量を指す。様々な実施形態では、ポリヌクレオチド(複数可)は、脂質ナノ粒子(LNP)又はベクター、例えば、プラスミドベクター若しくはウイルスベクター中に存在し得る。一部の実施形態では、関連する疾患又は障害は、HIVでの感染によって引き起こされる。他の実施形態では、それは、後天性免疫不全症候群(AIDS)である。ある特定の実施形態では、対象は、ウイルスの観点から抑制されたHIV感染哺乳動物であり、他の実施形態では、対象は、治療未経験のHIV感染哺乳動物である。ある特定の実施形態では、治療未経験の対象は、10~10コピー/mLのウイルス量を有し、ある特定の実施形態では、ウイルスの観点から抑制された対象は、500未満、例えば、400未満、300未満、200未満、100未満、50未満の血液中のコピー/mLのウイルス量を有する。別の実施形態では、対象は、哺乳動物、例えば、ヒトである。特定の実施形態では、対象は、HIVと診断されており、例えば、HIV-1若しくはHIV-2、感染、又は関連する疾患若しくは障害、例えば、AIDSと診断されているか、又はHIV、例えば、HIV-1若しくはHIV-2、感染、又は関連する疾患若しくは障害、例えば、AIDSを発症するリスクがあると考えられる。HIV関連疾患又は障害のリスクがある対象には、感染した人と接触した患者、又はいくつかの他の方法でHIVに曝露された患者が含まれる。予防剤の投与は、疾患又は障害が予防されるか、あるいはその進行において遅延するように、HIV関連疾患又は障害に特徴的な症状の発現の前に起こり得る。
また、対象(例えば、ヒト対象)におけるHIVウイルス力価、ウイルス複製、ウイルス増殖、又はHIVウイルスDNA、HIVプロウイルスDNA、又はHIVウイルスタンパク質の量の増加を予防又は阻害するための方法も提供される。一実施形態では、方法は、対象におけるHIV力価、ウイルス複製、ウイルス増殖、又は1つ以上のHIV株若しくは分離株のHIVタンパク質の量の増加を予防、低減、又は阻害するのに有効な、ある量の本明細書に記載の1つ以上の多重特異性抗原結合分子、又は1つ以上の多重特異性抗原結合分子(若しくはそれらの抗原結合断片)をコードする1つ以上のポリヌクレオチドを、それを必要とする対象に提供することを含む。ある特定の実施形態では、方法は、例えば、対象に本開示の抗体(複数可)を提供する前後の1つ以上の時点で、HIVウイルス又はプロウイルスDNA若しくはタンパク質の量を測定することを更に含む。対象におけるHIVウイルス又はプロウイルスDNA又はタンパク質の量を決定するための方法及びバイオマーカは、当該技術分野において既知であり、利用可能であり、例えば、Siliciano,J.D.et al.,Curr Opin.HIV AIDS,5(6):491-7(2010)、及びRouzioux,C.et al.,Curr Opin HIV AIDS,8(3):170-5(2013)に記載されている。様々な実施形態では、ヒト対象は、成人、若年者、又は乳児である。対象は、症候性(例えば、ウイルス血症)であっても無症候性(例えば、急性感染又はART抑制)であってもよい。いくつかの実施形態では、ヒトは、HIVに急性感染しているか、又は最近感染した。ある特定の実施形態では、対象は、血清転換されていない。いくつかの実施形態では、ヒト対象は、HIVに慢性感染している。対象は、抗レトロウイルス療法(ART)のレジメンを受けていても受けていなくてもよい。
患者は、陽性HIV-1臨床診断アッセイ(PCRによって測定されたウイルスRNA、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)によって測定されたp24及びp31ウイルス抗原)における連続的獲得に基づくFiebigステージI~VIに分類することができる。p24抗原は、HIV-1 RNAレベルが10,000コピー/mLを超えて上昇した後、検出可能なHIV抗体が発生する前の上昇期の間に血液中に一時的に出現するウイルスコアタンパク質である。FiebigステージIでは、上昇ウイルス血症の間、血液中のHIV-1 RNAのみを検出することができる。FiebigステージIIは、p24抗原を検出する試験の結果が陽性になった約7日後に始まる。FiebigステージIIIでは、p24抗原試験結果が陽性になった後約5日以内に、IgM抗HIV-1抗体を、十分に感度の高い酵素免疫アッセイ(EIA)(例えば、第3世代EIA)を用いて検出することができる。ステージIIIは、典型的には、急性レトロウイルス症状の発症の1~2週間後に起こる。FiebigステージIVは、ウェスタンブロット試験が不確定の進行を表し、EIA試験が陽性結果を示した約3日後に起こる。明らかに陽性のウェスタンブロット試験、FiebigステージVへの転換は、概して、最初の感染から更に7日後、又は約1ヶ月後に起こる。HIV感染症のFiebigステージは、例えば、Fiebig,et al.,AIDS.(2003)17(13):1871-9、Cohen,et al.,J Infect Dis.(2010)202 Suppl 2:S270-7、及びMcMichael,et al.,Nature Reviews Immunology(2010)10:11-23に記載されており、これらは、全ての目的のために参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の1つ以上の多重特異性抗原結合分子、又は1つ以上の多重特異性抗原結合分子をコードする1つ以上のポリヌクレオチド(又はそれらの抗原結合断片)は、FiebigステージIV若しくはそれより前、例えば、FiebigステージI、FiebigステージII、FiebigステージIII、又はFiebigステージIVのHIV感染症を有するヒト対象に投与される。いくつかの実施形態では、評価される生体試料は、FiebigステージV又はFiebigステージVIのHIV感染症のHIV感染症を有するヒト対象からのものである。
いくつかの実施形態では、多重特異性抗原結合分子は、N332オリゴマンノースグリカンを含む第3の可変ループ(V3)(例えば、高マンノースパッチ)に結合するVH及びVL領域と競合するか又はそれらを含む第2のVH及びVL領域を含む、第2の結合ドメインを含むか、又は抗体若しくはその抗原結合断片と共投与され、例えば、本明細書に記載のHIV分離株などのある特定のウイルスを阻害する方法、本明細書に記載のHIV分離株などのある特定のウイルスの感染症を予防的に阻害若しくは予防する方法、試料中の本明細書に記載のHIV分離株などのある特定のウイルスを検出する方法、本明細書に記載のHIV分離株などのある特定のウイルスを阻害する方法、又は本明細書に記載のHIV分離株などのある特定のウイルスを診断する方法において使用され得る。したがって、いくつかの実施形態では、方法は、a)以下のアミノ酸残基:アミノ酸残基332位に対応する位置のグリコシル化アスパラギン(N332glycan)、アミノ酸残基325位に対応する位置のアスパラギン酸(D325)、並びにアミノ酸残基63位に対応する位置のスレオニン(T63)、アミノ酸残基179位に対応する位置のロイシン(L179)、アミノ酸残基320位に対応する位置のスレオニン(T320)、及びアミノ酸残基330位に対応する位置のヒスチジン(H330)からなる群から選択される1つ以上のアミノ酸残基を含むgp120を発現するHIVに感染しているヒト対象を特定すること(アミノ酸位置は、配列番号69(すなわち、NCBI Ref Seq No.NP_057856.1の残基1~511)を参照している)と、b)上述の及び本明細書に記載される、有効量の、1つ以上の多重特異性抗原結合分子、1つ以上の多重特異性抗原結合分子をコードするポリヌクレオチド(複数可)、又は1つ以上の多重特異性抗原結合分子若しくは1つ以上の多重特異性抗原結合分子をコードするポリヌクレオチド(複数可)を含むLNP又は医薬組成物を対象に投与すること(少なくとも1つの多重特異性抗原結合分子の第2の結合ドメインは、N332オリゴマンノースグリカンを含む第3の可変ループ(V3)(例えば、高マンノースパッチ)に結合する第2のVH及びVL領域と競合するか又はそれらを含む)とを含む。いくつかの実施形態では、方法は、以下のアミノ酸残基:i.N332glycan、D325、及びT63、ii.N332glycan、D325、及びL179、iii.N332glycan、D325、及びT320、iv.N332glycan、D325、及びH330、v.N332glycan、D325、T63、及びL179、vi.N332glycan、D325、T63、及びT320、vii.N332glycan、D325、T63、及びH330、viii.N332glycan、D325、L179、及びT320、ix.N332glycan、D325、L179、及びH330、x.N332glycan、D325、T320、及びH330、xi.N332glycan、D325、T63、T320、及びH330、xii.N332glycan、D325、T63、L179、及びT320、xiii.N332glycan、D325、T63、L179、及びH330、xiv.N332glycan、D325、L179、T320、及びH330、又はxv.N332glycan、D325、T63、L179、T320、及びH330を含むgp120を発現するHIV又はHIV集団に感染している対象を特定することを伴い、アミノ酸位置は、配列番号69を基準としている。いくつかの実施形態では、方法は、以下のアミノ酸残基:i.N332glycan、D325、及びT63、ii.N332glycan、D325、及びL179、iii.N332glycan、D325、及びT320、又はiv.N332glycan、D325、及びH330を含むgp120を発現するHIV又はHIV集団に感染している対象を特定することを伴い、アミノ酸位置は、配列番号69を基準としている。いくつかの実施形態では、方法は、以下のアミノ酸残基:i.N332glycan、D325、T63、及びL179、ii.N332glycan、D325、T63、及びT320、iii.N332glycan、D325、T63、及びH330、iv.N332glycan、D325、L179、及びT320、v.N332glycan、D325、L179、及びH330、又はvi.N332glycan、D325、T320、及びH330を含むgp120を発現するHIV又はHIV集団に感染している対象を特定することを伴い、アミノ酸位置は、配列番号69を基準としている。いくつかの実施形態では、方法は、以下のアミノ酸残基:i.N332glycan、D325、L179、T320、及びH330、ii.N332glycan、D325、T63、T320、及びH330、iii.N332glycan、D325、T63、L179、及びT320、又はiv.N332glycan、D325、T63、L179、及びH330を含むgp120を発現するHIV又はHIV集団に感染している対象を特定することを伴い、アミノ酸位置は、配列番号69を基準としている。いくつかの実施形態では、方法は、以下のアミノ酸残基:i.N332glycan、D325、T63、及びH330、ii.N332glycan、D325、T320、及びH330、iii.N332glycan、D325、L179、T320、及びH330、又はiv.N332glycan、D325、T63、L179、T320、及びH330のうちの少なくとも1つを含むgp120を発現するHIV又はHIV集団に感染している対象を特定することを伴い、アミノ酸位置は、配列番号69を基準としている。いくつかの実施形態では、対象は、以下のアミノ酸残基:アミノ酸残基301のグリカン(glycan301)、アミノ酸残基677のリジン(K677)、17位のトリプトファン以外のアミノ酸残基(例えば、A、C、D、E、F、G、H、I、K、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、又はY)(_W17ではない)、位置747のアルギニン以外のアミノ酸残基(例えば、A、C、D、E、F、G、H、I、K、L、M、N、P、Q、S、T、V、W、又はY)(_R747ではない)、挿入_321.01(例えば、位置G321とK322との間の任意のアミノ酸(例えば、A、C、D、E、F、G、H、I、K、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、W、又はY)の挿入)、429位のグルタミン酸(E429)、442位のグルタミン(Q442)、335位のアルギニン(R335)、165位のイソロイシン(I165)、393位のセリン(S393)、307位のイソロイシン(I307)、295位のグリカン(295グリカン)、及び300位のアスパラギン(N300)(アミノ酸位置は配列番号69を基準としている)のうちの1つ以上を更に含むgp120を発現するHIV又はHIV集団に感染している。いくつかの実施形態では、第2の抗原結合ドメインは、GS-9722(エリポビマブ)、GS-9721、GS-2872、PGT-121、PGT-121.66、PGT-121.414、PGT-122、PGT-123、PGT-124、PGT-125、PGT-126、PGT-128、PGT-130、PGT-133、PGT-134、PGT-135、PGT-136、PGT-137、PGT-138、PGT-139、10-1074、10-1074-J、VRC24、2G12、BG18、354BG8、354BG18、354BG42、354BG33、354BG129、354BG188、354BG411、354BG426、DH270.1、DH270.6、PGDM12、VRC41.01、PGDM21、PCDN-33A、BF520.1、及びVRC29.03からなる群から選択される抗体由来の第2のVH及びVL領域と競合するか又はそれらを含む。いくつかの実施形態では、第2の抗原結合ドメインは、GS-9722(エリポビマブ)、GS-9721、GS-2872、PGT-121.66、PGT-121、PGT-121.414、10-1074、10-1074-J、及びPGT-134からなる群から選択される抗体由来の第2のVH及びVL領域と競合するか又はそれらを含む。国際公開第2020/236753号として公開された、共同及び同時係属中の国際出願PCT/米国特許出願公開第2020/033470号、表題「METHODS OF IDENTIFYING HIV PATIENTS SENSITIVE TO THERAPY WITH GP120 V3 GLYCAN-DIRECTED ANTIBODIES」を参照されたく、これは、あらゆる目的のためにその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
いくつかの実施形態では、多重特異性抗原結合分子は、CD4結合部位(CD4bs)に結合するVH及びVL領域と競合するか又はそれらを含む第2のVH及びVL領域を含む、第2の結合ドメインを含むか、又は抗体若しくはその抗原結合断片と共投与され、例えば、本明細書に記載のHIV分離株などのある特定のウイルスを阻害する方法、本明細書に記載のHIV分離株などのある特定のウイルスの感染を予防的に阻害若しくは予防する方法、試料中の本明細書に記載のHIV分離株などのある特定のウイルスを検出する方法、本明細書に記載のHIV分離株などのある特定のウイルスを阻害する方法、又は本明細書に記載のHIV分離株などのある特定のウイルスを診断する方法において使用され得る。したがって、いくつかの実施形態では、方法は、(a)以下のアミノ酸残基:I201、並びにE102、I108、A281、Y318、及びF353からなる群から選択されるアミノ酸残基のうちの1つ以上を含むgp120を発現するHIV又はHIV集団に感染しているヒト対象を特定すること(アミノ酸位置は、配列73を基準としている)と、(b)有効量の、CD4結合部位(CD4bs)を含むgp120のエピトープに結合するVH及びVL領域と競合するか又はそれらを含む抗体又はその抗原結合断片を対象に投与することとを伴う。いくつかの実施形態では、方法は、以下のアミノ酸残基:I201及びF353、I201、I108、及びF353、I201、I108、A281、及びF353、I201、E102、I108、A281、及びF353、又はI201、E102、I108、A281、Y318、及びF353を含むgp120を発現するHIV又はHIV集団に感染している対象を特定することを伴う。いくつかの実施形態では、方法は、以下のアミノ酸残基:I201、I108、及びF353、I201、I108、A281、及びF353、I201、E102、I108、A281、及びF353、又はI201、E102、I108、A281、Y318、及びF353を含むgp120を発現するHIV又はHIV集団に感染している対象を特定することを伴う。いくつかの実施形態では、方法は、以下のアミノ酸残基:I201、I108、A281、及びF353、I201、E102、I108、A281、及びF353、又はI201、E102、I108、A281、Y318、及びF353を含むgp120を発現するHIV又はHIV集団に感染している対象を特定することを伴う。いくつかの実施形態では、投与される抗体又はその抗原結合ドメインは、3BNC117、GS-9723、GS-5423、3BNC60、b12、F105、VRC01、VRC07、VRC07-523、VRC03、VRC06、VRC06b01 VRC08、VRC0801、NIH45-46、PGV04(別名、VRC-PG04);CH103、44-VRC13.01、1NC9、12A12、N6、1-18、N49-P7、NC-Cow1、IOMA、CH235及びCH235.12、N49P6、N49P7、N49P11、N49P9、並びにN60P25からなる群から選択される抗体由来のVH及びVL領域と競合するか又はそれらを含む。いくつかの実施形態では、投与される抗体又はその抗原結合断片は、3BNC117、GS-9723、GS-5423、3BNC60、VRC01、VRC07、及びVRC07-523からなる群から選択される抗体由来のVH及びVL領域と競合するか又はそれらを含む。共同及び同時係属中の仮出願第63/112,512号、表題「METHODS OF IDENTIFYING HIV PATIENTS SENSITIVE TO THERAPY WITH gp120 CD4 BINDING SITE-DIRECTED ANTIBODIES」を参照されたく、これは、あらゆる目的のためにその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
哺乳動物対象、例えば、ヒトのインビボ治療について、対象は、本明細書に記載の1つ以上の多重特異性抗原結合分子と、任意選択で、追加の抗HIV治療薬(例えば、抗HIV広域中和抗体(bNAb)、TLRアゴニスト)とを含む医薬組成物を投与又は提供され得る。インビボ療法のために使用される場合、本明細書に記載の抗体(複数可)は、典型的には、治療有効量(すなわち、患者のウイルス負荷及びウイルスリザーバのうちの少なくとも1つを排除又は低減する量)で患者に投与又は提供される。いくつかの実施形態では、多重特異性抗原結合分子は、1回の投与当たり0.05mg~1000mg、例えば、1回の投与当たり0.05mg~150mg、例えば、1回の投与当たり0.05mg~0.35mg、例えば、1回の投与当たり25mg~50mg、例えば、1回の投与当たり30mg~35mg、例えば、1回の投与当たり10mg~1000mg、例えば、1回の投与当たり50mg~1000mg、例えば、1回の投与当たり100mg~700mg、例えば、1回の投与当たり少なくとも0.05mg~最大0.1mg、0.2mg、0.3mg、0.35mg、0.4mg、0.5mg、0.6mg、0.7mg、0.8mg、1.0mg、5mg、10mg、25mg、30mg、35mg、40mg、45mg、50mg、60mg、70mg、80mg、90mg、100mg、200mg、300mg、400mg、500mg、600mg、700mg、800mg、900mg、又は1000mgの範囲の用量で投与される。いくつかの実施形態では、多重特異性抗原結合分子は、1回の投与当たり1μg/kg~5μg/kg体重、例えば、350μg/kg~550μg/kg、例えば、0.3mg/kg~30mg/kg、例えば、2mg/kg~10mg/kg、例えば、1μg/kg~最大2μg/kg、3μg/kg、4μg/kg、5μg/kg、10μg/kg、50μg/kg、100μg/kg、250μg/kg、300μg/kg、350μg/kg、400μg/kg、410μg/kg、420μg/kg、430μg/kg、440μg/kg、450μg/kg、460μg/kg、470μg/kg、480μg/kg、490μg/kg、500μg/kg、750μg/kg、1mg/kg、1.5mg/kg、2mg/kg、2.5mg/kg、3mg/kg、3.5mg/kg、4mg/kg、4.5mg/kg、5mg/kg、6mg/kg、7mg/kg、8mg/kg、9mg/kg、10mg/kg、15mg/kg、20mg/kg、25mg/kg、30mg/kg、35mg/kg、40mg/kg、45mg/kg、又は50mg/kg体重の用量で投与される。いくつかの実施形態では、多重特異性抗原結合分子の投与は、第2の治療薬、例えば、第2の抗原結合分子及びTLRアゴニストのうちの少なくとも一方と組み合わせる場合、低減又は減少させることができる。
特定の実施形態では、本明細書に記載の多重特異性抗原結合分子は、≦0.1μg/mL、≦0.5μg/mL、≦1μg/mL、≦10μg/mL、≦20μg/mL、≦25μg/mL、≦30μg/mL、≦40μg/mL、≦50μg/mL、≦75μg/mL、≦100μg/mLのCtroughレベルを達成するのに十分な量で、例えば、2週間間隔(Q2W)で2~10mg/kgの範囲の投与レジメンで対象に提供され得る。ある特定の実施形態では、本明細書に記載の多重特異性抗原結合分子は、0.0025μg/mL~100μg/mL、例えば、0.1μg/mL~100μg/mL、例えば、0.1μg/mL~25μg/mLの範囲のCtroughレベルを達成するのに十分な量で対象に提供され得る。特定の実施形態では、本明細書に記載の多重特異性抗原結合分子は、0.25μg/mL~1000μg/mLの範囲、例えば、50μg/mL~250μg/mLの範囲、例えば、>0.25μg/mL、>0.5μg/mL、>0.75μg/mL、>1μg/mL、>5μg/mL、>10μg/mL、>50μg/mL、>100μg/mL、>200μg/mL、>300μg/mL、>400μg/mL、>500μg/mL、又は≧1000μg/mLのCmaxレベルを達成するのに十分な量で対象に提供され得る。ある特定の実施形態では、本明細書に記載の多重特異性抗原結合分子は、1μg/mL~1000μg/mL、例えば、50μg/mL~250μg/mLの範囲のCmaxレベルを達成するのに十分な量で、例えば、2週間間隔(Q2W)で2~10mg/kgの範囲の投与レジメンで対象に提供され得る。より低い用量の投与及び/又はより少ない頻度の間隔での反復投与は、より低いCtroughレベル及びより低いCmaxレベルをもたらす。より高い用量の投与及び/又はより頻繁な間隔での反復投与は、より高いCtroughレベル及びより高いCmaxレベルをもたらす。
様々な実施形態では、多重特異性抗原結合分子は、ヒト又はカニクイザルにおいて、少なくとも3日、例えば、少なくとも4日、少なくとも5日、少なくとも6日、少なくとも7日、少なくとも8日、少なくとも9日、少なくとも10日、少なくとも11日、少なくとも12日、少なくとも13日、少なくとも14日、少なくとも15日、少なくとも16日以上の血清半減期を有する。様々な実施形態では、多重特異性抗原結合分子は、ヒト又はカニクイザルにおいて、少なくとも少なくとも5日、例えば、少なくとも5.5日、少なくとも6日、少なくとも6.5日、少なくとも7日、少なくとも7.5日、少なくとも8日、少なくとも8.5日、少なくとも9日、少なくとも10日、少なくとも11日、少なくとも12日、少なくとも13日、少なくとも14日、少なくとも15日、少なくとも16日以上の血清半減期を有する。いくつかの実施形態では、多重特異性抗原結合分子は、ヒト又はカニクイザルにおいて、少なくとも7日の血清半減期を有する。いくつかの実施形態では、多重特異性抗原結合分子は、10nM未満、例えば、5.0nM、4.5nM、4.0nM、3.5nM、3.0nM未満のKでCD3に結合する第1の抗原結合ドメインを有し、抗原結合分子は、ヒト又はカニクイザルにおいて、少なくとも少なくとも5日、例えば、少なくとも5.5日、少なくとも6日、少なくとも6.5日、少なくとも7日、少なくとも7.5日、少なくとも8日、少なくとも8.5日、少なくとも9日、少なくとも10日、少なくとも11日、少なくとも12日、少なくとも13日、少なくとも14日、少なくとも15日、少なくとも16日以上の血清半減期を有する。いくつかの実施形態では、多重特異性抗原結合分子は、3.0nM未満(例えば、2.5nM)のKでCD3に結合する第1の抗原結合ドメインを有し、抗原結合分子は、ヒト又はカニクイザルにおいて、少なくとも7日の血清半減期を有する。
様々な実施形態では、本明細書に記載の1つ以上の多重特異性抗原結合分子は、1回又は複数回投与される。複数回投与レジメンを用いる実施形態では、必要に応じて、本明細書に記載の1つ以上の多重特異性抗原結合分子は、1日1回、週1回(すなわち、QW)、隔週1回(すなわち、1週間おきに1回若しくは2週間毎に1回、又はQ2W)、月1回(すなわち、QM)、又は隔月1回投与(すなわち、1ヶ月おきに1回若しくは2ヶ月毎に1回、又はQ2M)投与又は投与間隔で投与され得る。いくつかの実施形態では、1つ以上の多重特異性抗原結合分子は、1日1回、週1回(すなわち、QW)、隔週1回(すなわち、1週間おきに1回若しくは2週間毎に1回、又はQ2W)、月1回(すなわち、QM)、隔月1回(すなわち、1ヶ月おきに1回若しくは2ヶ月毎に1回、又はQ2M)、3ヶ月に1回(すなわち、Q3M)、4ヶ月に1回(すなわち、Q4M)、5ヶ月に1回(すなわち、Q5M)、又は6ヶ月に1回(すなわち、Q6M)投与で投与される。いくつかの実施形態では、1つ以上の多重特異性抗原結合分子は、隔週で(すなわち、1週間おきに1回若しくは2週間毎に1回、又はQ2W)、静脈内、皮下、又は筋肉内に投与される。いくつかの実施形態では、1つ以上の多重特異性抗原結合分子は、毎月(例えば、4週間毎に1回(Q4W)又は毎月1回(Q1M))、静脈内、皮下、又は筋肉内に投与される。必要に応じて、複数回投与レジメンで投与される用量は、第1の多重特異性抗原結合分子の初回用量とその後の用量とで同じであっても異なっていてもよい。必要に応じて、複数回投与レジメンで投与される用量は、第1の多重特異性抗原結合分子と第2の治療薬(例えば、第2の抗原結合分子又は抗HIV広域中和抗体(bNAb))とで同じであっても異なっていてもよい。
本明細書に記載の1つ以上の多重特異性抗原結合分子は、哺乳動物対象、例えば、ヒトに、静脈内投与、例えば、ボーラスとして、又は一定期間にわたる連続注入により、筋肉内、皮下、腹腔内、脳脊髄内、関節内、滑液包内、髄腔内、経口、局所、又は吸入経路などであるがこれらに限定されない、既知の方法に従って投与又は提供される。必要に応じて、多重特異性抗原結合分子は、可能であれば非経口的に、標的細胞部位に、又は静脈内に投与することができる。一実施形態では、対象への1つ以上の多重特異性抗原結合分子の投与は、静脈内経路を介する。別の実施形態では、対象への1つ以上の多重特異性抗原結合分子の投与は、皮下経路を介する。別の実施形態では、対象への1つ以上の多重特異性抗原結合分子の投与は、筋肉内経路を介する。様々な実施形態では、多重特異性抗原結合分子をコードするポリヌクレオチドは、例えば、経皮送達のために電気穿孔され得る。いくつかの実施形態では、本開示の医薬組成物は、対象に全身的に、非経口的に、又は局所的に投与される。
治療有効量の、本明細書に開示される1つ以上の多重特異性抗原結合分子を、HIV感染症の治療を必要とするヒト対象に投与することを含む、HIV感染症を治療するための方法が更に提供される。いくつかの実施形態では、本開示は、治療有効量の、本明細書に開示される1つ以上の多重特異性抗原結合分子を、HIV感染症の予防を必要とするヒト対象に投与することを含む、HIV感染症を予防するための方法が提供される。
一実施形態では、感染症を有するか、又はそれを有するリスクのあるヒト対象におけるHIV感染症を治療するための方法が提供され、方法は、ヒト対象に、治療有効量の本明細書に開示される1つ以上の多重特異性抗原結合分子を、治療有効量の1つ以上(例えば、1つ、2つ、3つ、1つ若しくは2つ、又は1~3つ)の追加の治療薬と組み合わせて投与することを含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の1つ以上の多重特異性抗原結合分子を、任意選択で1つ以上の追加の治療薬と組み合わせて1回以上投与した後、対象は、抗レトロウイルス療法(ART)の非存在下で、少なくとも6ヶ月、少なくとも1年、少なくとも2年、少なくとも3年以上にわたってHIV又はAIDSの症状を示さない。いくつかの実施形態では、1つ以上の多重特異性抗原結合分子を、任意選択で1つ以上の追加の治療薬と組み合わせて1回以上投与した後、対象は、抗レトロウイルス療法(ART)の非存在下で、少なくとも6ヶ月、少なくとも1年、少なくとも2年、少なくとも3年以上にわたって、500未満、例えば、400未満、300未満、200未満、100未満、50未満のコピー/mL血液のウイルス量を有する。
10. 併用療法
ある特定の実施形態では、本開示は、HIV感染症を有するか、又はそれを有するリスクがあるヒト対象においてHIV感染症を治療又は予防するための方法を提供する。方法は、ヒト対象に、治療有効量の本明細書に開示される1つ以上の多重特異性抗原結合分子又はその医薬組成物を、治療有効量の1つ以上(例えば、1つ、2つ、3つ、1つ若しくは2つ、又は1~3つ)の追加の治療薬と組み合わせて投与することを含む。一実施形態では、感染症を有するか、又はそれを有するリスクのあるヒト対象におけるHIV感染症を治療するための方法が提供され、方法は、ヒト対象に、治療有効量の1つ以上の多重特異性抗原結合分子又はその薬学的に許容される塩を、治療有効量の1つ以上(例えば、1つ、2つ、3つ、1つ若しくは2つ、又は1~3つ)の追加の治療薬と組み合わせて投与することを含む。
一実施形態では、1つ以上(例えば、1つ、2つ、3つ、1つ若しくは2つ、又は1つ~3つ)の追加の治療薬と組み合わせた、本明細書に開示される多重特異性抗原結合分子のうちの1つ以上又はその薬学的に許容される塩と、薬学的に許容される担体、希釈剤、又は賦形剤とを含む医薬組成物が提供される。
ある特定の実施形態では、HIV感染症を治療するための方法が提供され、これには、それを必要とする対象に、治療有効量の、本明細書記載の多重特異性抗原結合分子のうちの1つ以上又はその薬学的に許容される塩を、治療有効量の、HIV感染症を治療するのに好適な1つ以上の追加の治療薬と組み合わせて投与することが含まれる。
ある特定の実施形態では、本明細書に記載の多重特異性抗原結合分子のうちの1つ以上又はその医薬組成物は、1、2、3、4つ以上の追加の治療薬と組み合わせられるか、又は共投与される。ある特定の実施形態では、本明細書に記載の多重特異性抗原結合分子のうちの1つ以上又はその医薬組成物は、2つの追加の治療薬と組み合わせられるか、又は共投与される。他の実施形態では、本明細書に記載の多重特異性抗原結合分子のうちの1つ以上又はその医薬組成物は、3つの追加の治療薬と組み合わせられるか、又は共投与される。更なる実施形態では、本明細書に記載の多重特異性抗原結合分子のうちの1つ以上又はその医薬組成物は、4つの追加の治療薬と組み合わせられるか、又は共投与される。1、2、3、4つ以上の追加の治療薬は、同じクラスの治療薬(例えば、1つ以上の抗HIV広域中和抗体)から選択される異なる治療薬であり得る、及び/又はそれらは、異なるクラスの治療薬(例えば、1つ以上の抗HIV広域中和抗体及び1つ以上のTLRアゴニスト)から選択され得る。
HIV併用療法の投与
ある特定の実施形態では、本明細書に記載の多重特異性抗原結合分子のうちの1つ以上は、1つ以上の追加の治療薬と共投与される。本明細書に開示される1つ以上の多重特異性抗原結合分子と1つ以上の追加の治療薬との共投与は、概して、治療有効量の本明細書に開示される1つ以上の多重特異性抗原結合分子及び1つ以上の追加の治療薬が両方とも患者の体内に存在するように、本明細書に開示される1つ以上の多重特異性抗原結合分子と1つ以上の追加の治療薬とを同時又は連続投与することを指す。連続的に投与される場合、組み合わせは、2回以上の投与で投与されてもよい。
共投与は、単位投与量の1つ以上の追加の治療薬の投与の前又は後の、単位投与量の本明細書に記載の多重特異性抗原結合分子のうちの1つ以上の同時投与及び連続投与を含む。例えば、本明細書に記載の多重特異性抗原結合分子のうちの1つ以上は、1つ以上の追加の治療薬の投与の数秒、数分、数時間、又は数日以内に投与され得る。いくつかの実施形態では、単位用量の本明細書に開示される1つ以上の多重特異性抗原結合分子を最初に投与し、続いて数秒、数分、数時間、又は数日以内に単位用量の1つ以上の追加の治療薬を投与する。あるいは、単位用量の1つ以上の追加の治療薬を最初に投与し、続いて単位用量の本明細書に開示される1つ以上の多重特異性抗原結合分子を数秒、数分、数時間、又は数日以内に投与する。他の実施形態では、単位用量の本明細書に開示される1つ以上の多重特異性抗原結合分子を最初に投与し、続いて、数時間(例えば、1~12時間、1~24時間、1~36時間、1~48時間、1~60時間、1~72時間)後に、単位用量の1つ以上の追加の治療薬を投与する。更に他の実施形態では、単位用量の1つ以上の追加の治療薬を最初に投与し、続いて、数時間(例えば、1~12時間、1~24時間、1~36時間、1~48時間、1~60時間、1~72時間)後に、単位用量の本明細書に開示される1つ以上の多重特異性抗原結合分子を投与する。
ある特定の実施形態では、本明細書に開示される1つ以上の多重特異性抗原結合分子は、例えば、静脈内、筋肉内、又は皮下投与のために、例えば、液体又は懸濁液剤形として患者への同時投与のための単位剤形において、1つ以上の追加の治療薬と組み合わされるか、又は共投与される。
ある特定の実施形態では、1つ以上の多重特異性抗原結合分子は、HIVを治療するのに有用な1つ以上の他の追加の治療薬を任意選択で含有し得る液体溶液又は懸濁液として製剤化される。ある特定の実施形態では、液体溶液又は懸濁液は、別の抗HIV抗体又はその抗原結合断片、HIVプロテアーゼ阻害剤、逆転写酵素のHIV非ヌクレオシド又は非ヌクレオチド阻害剤、逆転写酵素のHIVヌクレオシド又はヌクレオチド阻害剤、HIVインテグラーゼ阻害剤、HIV非触媒部位(又はアロステリック)インテグラーゼ阻害剤、薬物動態増強剤、及びこれらの組み合わせとして、HIVを治療するための別の活性成分を含むことができる。
ある特定の実施形態では、1つ以上の多重特異性抗原結合分子は、複数の投与レジメンで投与することができる、すなわち、第1の時点及びその後の時点で2回以上投与される。ある特定の実施形態では、そのような液体溶液又は懸濁液は、1日1回、週1回(すなわち、QW)、隔週1回(すなわち、1週間おきに1回若しくは2週間毎に1回、又はQ2W)、月1回(すなわち、QM)、又は隔月1回投与(すなわち、1ヶ月おきに1回若しくは2ヶ月毎に1回、又はQ2M)投与又は投与間隔に好適である。いくつかの実施形態では、1つ以上の多重特異性抗原結合分子は、1日1回、週1回(すなわち、QW)、隔週1回(すなわち、1週間おきに1回若しくは2週間毎に1回、又はQ2W)、月1回(すなわち、QM)、隔月1回(すなわち、1ヶ月おきに1回若しくは2ヶ月毎に1回、又はQ2M)、3ヶ月に1回(すなわち、Q3M)、4ヶ月に1回(すなわち、Q4M)、5ヶ月に1回(すなわち、Q5M)、又は6ヶ月に1回(すなわち、Q6M)投与で投与される。いくつかの実施形態では、1つ以上の多重特異性抗原結合分子は、隔週で(すなわち、1週間おきに1回若しくは2週間毎に1回、又はQ2W)、静脈内、皮下、又は筋肉内に投与される。いくつかの実施形態では、1つ以上の多重特異性抗原結合分子は、毎月(例えば、4週間毎に1回(Q4W)又は毎月1回(Q1M))、静脈内、皮下、又は筋肉内に投与される。
a. 1つ以上の追加の広域中和抗体との併用療法
ある特定の実施形態では、本明細書に開示される多重特異性抗原結合分子は、1つ以上の追加の抗HIV広域中和抗体(bNAb)又はその断片と組み合わされるか、又は共投与される。1つ以上の追加のbNAbは、任意のフォーマット(例えば、単一特異性、多特異性、IgG、scFv)であり得る。概して、1つ以上の追加のbNAbは、第1の多重特異性抗原結合分子と競合しないHIVの異なる抗原、又は領域若しくはエピトープに結合する。現在、複数の臨床研究により、単一の広域中和抗体(bNAb)によるHIV感染個体の治療が、感受性ウイルスの一時的な抑制、その後の耐性ウイルスの急速な増殖をもたらすことが示されている(これらの多くは、稀な既存のウイルスバリアントであると思われる)。
Scheidらは、VRC01(V3-グリカン結合bNAb)及び3BNC117(bNAbを結合するCD4結合部位)が、インビトロで試験された118種の交差クレードウイルスの96%を中和したことを報告した(Scheid et al.,Science,333:1633-1637(2011))。更に、臨床試験は、抗体治療を受けている多くのHIV感染患者が、彼らの血漿HIV分離株が抗体に対して感受性であるように見えた場合であっても、稀な既存の耐性クローンを示すことを示した(Caskey et al.,Nature,522:487-491(2016)、Scheid et al.,Nature,535:556-560(2016))。これらの結果は、3BNC117が、異なる患者(患者間のブレッド)から収集されたHIV分離株に対して試験された場合、広域であり得るが、個々の患者内(患者内の幅)のウイルス分離株の100%を中和し得ないことを示唆した。
PGT121系統の一部であり、同じドナーから採取され、同様の中和幅を有する、10-1074として知られる抗体もまた、臨床試験において試験されている(Mouquet et al.,PNAS,109:E3268-3277(2012)、Caskey et al.,Nature Medicine,23:185-191(2017))。10-1074は当初、50μg/mL未満のIC50で試験した60種のウイルスのおよそ66%を中和することが示された(Mouquet et al.,PNAS(上記))。10-1074試験は、10-1074療法を受けた多くの患者において、血漿HIV分離株が抗体に対して感受性であるように見えた場合であっても、耐性クローンが存在することを示した(Caskey et al.Nature Medicine(上記))。このデータは、ほとんどの患者が、10-1074に対して耐性である稀な既存ウイルスバリアントを保有し得ることを示唆する。これらの10-1074耐性バリアントは、10-1074とPGT121との間の密接な進化的関係と一致して、PGT121に対する相関交差耐性を示した。しかしながら、10-1074年の臨床試験中に単離された耐性ウイルスのほぼ全てが、3BNC117による中和に対して感受性であった(Caskey et al.Nature Medicine(上記))。このデータは、gp120の異なる領域に結合する相補的bNAbを使用する併用抗体療法が、より完全な患者内ウイルス適用範囲を可能にするという結論と一致する。
ある特定の実施形態では、bNAbの組み合わせは、完全な患者内ウイルス適用範囲を達成することができる。いくつかの実施形態では、併用療法は、第1及び第2の抗原結合分子を含み、第1及び第2の抗原結合分子は、gp120、又はgp120及びgp41の異なる第1及び第2のエピトープ又は領域に結合する。いくつかの実施形態では、併用療法は、多重特異性抗原結合分子及び抗HIV広域中和抗体(bNAb)を含み、多重特異性抗原結合分子及びbNAbは、gp120、又はgp120及びgp41の異なる第1及び第2のエピトープ又は領域に結合する。いくつかの実施形態では、gp120の異なる第1及び第2のエピトープ又は領域は、(i)N332オリゴマンノースグリカンを含む第3の可変ループ(V3)(例えば、高マンノースパッチ)、(ii)第2の可変ループ(V2)(例えば、Env三量体頂点)、(iii)CD4結合部位(CD4bs)、(iv)gp120/gp41界面、又は(v)gp120のサイレント面からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、併用療法は、本明細書に記載の第1の多重特異性抗原結合分子と、別の抗HIV広域中和抗体又はbNAb(すなわち、複数のHIV-1ウイルス株を中和する中和抗体)とを含む。様々なbNAbが当技術分野で既知であり、併用治療薬の一方又は両方として、及び本明細書で同定される本明細書に記載の多重特異性抗原結合分子の抗HIV抗原標的化アーム又は第2の抗原結合ドメインにおいて使用され得る。有用な更なる例示的なbNAbとしては、限定するものではないが、米国特許第8,673,307号、同第9,493,549号、米国特許第9,783,594号、及び国際公開第2012/154312号、国際公開第2012/158948号、国際公開第2013/086533号、国際公開第2013/142324号、国際公開第2014/063059号、国際公開第2014/089152号、国際公開第2015/048462号、国際公開第2015/103549号、国際公開第2015/117008号、国際公開第2016/014484号、国際公開第2016/154003号、国際公開第2016/196975号、国際公開第2016/149710号、国際公開第第2017/096221号、国際公開第2017/133639号、国際公開第2017/133640号、国際公開第2018/125813号(抗体12A12、12A21、NIH45-46、bANC131、8ANC134、IB2530、INC9、8ANC195、8ANC196、10-259、10-303、10-410、10-847、10-996、10-1074、10-1121、10-1130、10-1146、10-1341、10-1369、10-1074GM、及びBG18を含む)に記載されているものが挙げられる。追加の例としては、Sajadi,et al.,Cell.(2018)173(7): 1783-1795、Sajadi,et al.,J Infect Dis.(2016)213(1):156-64、Klein et al.,Nature,492(7427):118-22 (2012)、Horwitz et al.,Proc Natl Acad Sci U S A,110(41):16538-43(2013)、Scheid,et al.,Science, 333:1633-1637(2011)、Scheid,et al.,Nature,458:636-640(2009)、Eroshkin et al,Nucleic Acids Res.,42(Database issue): Dl 133-9(2014)、Mascola et al.,Immunol Rev.,254(l):225-44 (2013)に記載されているもの、例えば、2F5、4E10、M66.6、CAP206-CH12、10E8、10E8v4、10E8-5R-100cF、DH511.11P、7b2、及びLN01など(これらは全てgp41のMPERに結合する)、PG9、PG16、CH01-04(全てV1V2-グリカンに結合する)、2G12(外側ドメイングリカンに結合する);b12、F105、VRC01、VRC07、VRC07-523、VRC03、VRC06、VRC06b01 VRC08、VRC0801、NIH45-46、3BNC117、3BNC60、PGV04(別名、VRC-PG04);CH103、44-VRC13.01、1NC9、12A12、N6、1-18、N49-P7、NC-Cow1、IOMA、CH235及びCH235.12、N49P6、N49P7、N49P11、N49P9、並びにN60P25(これらは全てCD4結合部位に結合する)が挙げられるが、それらに限られない。
いくつかの実施形態では、併用療法は、N332オリゴマンノースグリカンを含む第3の可変ループ(V3)(例えば、高マンノースパッチ)内のgp120のエピトープ又は領域に結合し、GS-9722(エリポビマブ)、GS-2872、PGT-121、PGT-121.66、PGT-121.414、PGT-122、PGT-123、PGT-124、PGT-125、PGT-126、PGT-128、PGT-130、PGT-133、PGT-134、PGT-135、PGT-136、PGT-137、PGT-138、PGT-139、10-1074、10-1074-J、VRC24、2G12、BG18、354BG8、354BG18、354BG42、354BG33、354BG129、354BG188、354BG411、354BG426、DH270.1、DH270.6、PGDM12、VRC41.01、PGDM21、PCDN-33A、BF520.1、及びVRC29.03からなる群から選択される抗体由来のCDR並びにVH及びVL領域のうちの1つ以上と競合するか又はそれらを含む、多重特異性抗原結合分子又は抗体を含む。いくつかの実施形態では、併用療法は、CD4結合部位(CD4bs)内のgp120のエピトープ又は領域に結合し、b12、F105、VRC01、VRC07、VRC07-523、VRC03、VRC06、VRC06b01、VRC08、VRC0801、NIH45-46、VRC08、3BNC60、NIH45-46、PGV04(別名、VRC-PG04);CH103、44-VRC13.01、1NC9、12A12、N6、1-18、N49-P7、NC-Cow1、IOMA、CH235及びCH235.12、N49P6、N49P7、N49P11、N49P9、並びにN60P25からなる群から選択される抗体由来のCDR並びにVH及びVL領域と競合するか又はそれらを含む、多重特異性抗原結合分子又は抗体を含む。いくつかの実施形態では、併用療法は、(i)本明細書に記載される、CD3を標的とし、CD4の可溶性細胞外領域(例えば、ドメイン1(D1)、D1-D2、D1-D3、D1-Dを含む、多重特異性抗原結合分子、(ii)10-1074、10-1074-J、GS-9722(エリポビマブ)、GS-2872、PGT-121、PGT-121.66、PGT-121.414、及びPGT-134からなる群から選択される抗体由来のVH及びVL領域と競合するか又はそれらを含む、抗体、並びに(iii)GS-9723、GS-5423、3BNC117、VRC07、及びVRC07-523からなる群から選択される抗体由来のVH及びVL領域と競合するか又はそれらを含む、抗体を共投与することを含む。
いくつかの実施形態では、併用療法は、第2の可変ループ(V2)(例えば、Env三量体頂点)内のgp120のエピトープ又は領域に結合し、PG9、PG16、PGC14、PGG14、PGT-142、PGT-143、PGT-144、PGT-145、CH01、CH59、PGDM1400、CAP256、CAP256-VRC26.08、CAP256-VRC26.09、CAP256-VRC26.25、PCT64-24E、及びVRC38.01からなる群から選択される抗体由来のCDR並びにVH及びVL領域のうちの1つ以上と競合するか又はそれらを含む、多重特異性抗原結合分子又は抗体を含む。いくつかの実施形態では、併用療法は、gp120/gp41界面のgp120のエピトープ又は領域に結合し、PGT-151、CAP248-2B、35O22、8ANC195、ACS202、VRC34、及びVRC34.01からなる群から選択される抗体由来の第2のVH及びVL領域と競合するか又はそれらを含む、多重特異性抗原結合分子又は抗体を含む。いくつかの実施形態では、併用療法は、gp120サイレント面のエピトープ又は領域に結合し、VRC-PG05及びSF12から選択される抗体由来の第2のVH及びVL領域と競合するか又はそれらを含む、多重特異性抗原結合分子又は抗体を含む。いくつかの実施形態では、併用療法は、膜近位領域(MPER)のgp41のエピトープ又は領域に結合し、10E8、10E8v4、10E8-5R-100cF、4E10、DH511.11P、2F5、7b2、及びLN01からなる群より選択される抗体由来の第2のVH及びVL領域と競合するか又はそれらを含む、多重特異性抗原結合分子又は抗体を含む。いくつかの実施形態では、併用療法は、gp41融合ペプチドのエピトープ又は領域に結合し、VRC34及びACS202からなる群から選択される抗体由来の第2のVH及びVL領域と競合するか又はそれらを含む、多重特異性抗原結合分子又は抗体を含む。
ある特定の実施形態では、多重特異性抗原結合分子及び/又はbNAbは、増強された薬物様特性、低減された免疫原性、増強されたADCC、及び好適な薬物動態特性を有するように改善され得る。そのような抗体は、ビリオン又は感染細胞の表面上に発現されるHIVエンベロープ糖タンパク質に結合し、ウイルスの直接的な中和並びにこれらの細胞の強力なNK、単球、及びPBMC死滅の両方を媒介することが示された。この特性は、抗体がウイルスを中和することによってHIV感染症を治療することを可能にし、感染した個体における潜伏HIV感染細胞を死滅させ排除することも可能にし、HIVの滅菌治癒をもたらす可能性がある。
b.1つ以上の追加の抗HIV治療薬との併用療法
HIVの併用療法
いくつかの実施形態では、追加の治療薬は、潜伏感染再活性化剤(latency reversing agent、LRA)である。例示的なLRAとしては、IL-15受容体アゴニスト(例えば、ALT-803、インターロイキン-15/Fc融合タンパク質(例えば、XmAb24306))、組換えインターロイキン-15(例えば、AM0015、NIZ-985)、ペグ化IL-15(例えば、NKTR-255))、及びtoll様受容体(TLR)のアゴニスト、例えば、TLR1(NCBI遺伝子ID:7096)、TLR2(NCBI遺伝子ID:7097)、TLR3(NCBI遺伝子ID:7098)、TLR4(NCBI遺伝子ID:7099)、TLR5(NCBI遺伝子ID:7100)、TLR6(NCBI遺伝子ID:10333)、TLR7(NCBI遺伝子ID:51284)、TLR8(NCBI遺伝子ID:51311)、TLR9(NCBI遺伝子ID:54106)、及びTLR10(NCBI遺伝子ID:81793)のうちの1つ以上のアゴニストが挙げられる。いくつかの実施形態では、LRA阻害剤は、TLR7アゴニストである。他の実施形態では、追加の治療薬は、潜伏感染再活性化剤(LRA)、例えば、TLR8アゴニストである。TLRアゴニストの例としては、ベサトリモドが挙げられるが、これに限定されない。更なる例としては、米国特許第8,367,670号に記載の化合物及び米国特許出願公開第2016/0289229号に記載の化合物が挙げられるが、これらに限定されない。一実施形態では、本明細書に記載の抗体は、ベサトリモドなどのTLR7アゴニストと組み合わされ得る。別の実施形態では、本明細書に記載の抗体は、TLR8アゴニスト、例えば、セルガントリモド(GS-9688)と組み合わされ得る。いくつかの実施形態では、追加の治療薬は、TLRモジュレーターである。TLRモジュレーターとしては、TLR1、TLR2、TLR3、TLR4、TLR5、TLR6、TLR7、TLR8、TLR9、TLR10、TLR11、TLR12、及びTLR13のモジュレーターを挙げることができる。TLR3モジュレーターの例としては、リンタトリモド(rintatolimod)、ポリ-ICLC、RIBOXXON(登録商標)、Apoxxim、RIBOXXIM(登録商標)、IPH-33、MCT-465、MCT-475、及びND-1.1が挙げられる。TLR7モジュレーターの例としては、GS-9620、GSK-2245035、イミキモド、レシキモド、DSR-6434、DSP-3025、IMO-4200、MCT-465、MEDI-9197、3M-051、SB-9922、3M-052、Limtop、TMX-30X、TMX-202、RG-7863、RG-7795、及び米国特許出願公開第2010/0143301号(Gilead Sciences)、米国特許出願公開第2011/0098248号(Gilead Sciences)、及び米国特許出願公開第2009/0047249号(Gilead Sciences)に開示されている化合物が挙げられる。TLR8モジュレーターの例としては、セルガントリモド(GS-9688)、モトリモド、レシキモド、3M-051、3M-052、MCT-465、IMO-4200、VTX-763、VTX-1463、並びに米国特許出願公開第2014/0045849号(Janssen)、米国特許出願公開第2014/0073642号(Janssen)、国際公開第2014/056953号(Janssen)、国際公開第2014/076221号(Janssen)、国際公開第2014/128189号(Janssen)、米国特許出願公開第2014/0350031号(Janssen)、国際公開第2014/023813号(Janssen)、米国特許出願公開第2008/0234251号(Array Biopharma)、米国特許出願公開第2008/0306050号(Array Biopharma)、米国特許出願公開第2010/0029585号(Ventirx Pharma)、米国特許出願公開第2011/0092485号(Ventirx Pharma)、米国特許出願公開第2011/0118235号(VentirxPharma)、米国特許出願公開第2012/0082658号(Ventirx Pharma)、米国特許出願公開第2012/0219615号(Ventirx Pharma)、米国特許出願公開第2014/0066432号(Ventirx Pharma)、米国特許出願公開第2014/0088085号(Ventirx Pharma)、米国特許出願公開第2014/0275167号(Novira Therapeutics)、及び米国特許出願公開第2013/0251673号(Novira Therapeutics)に開示される化合物が挙げられる。TLR9モジュレーター(例えば、アゴニスト)の例としては、BB-001、BB-006、CYT-003、IMO-2055、IMO-2125、IMO-3100、IMO-8400、IR-103、IMO-9200、AST-008(カブロトリモド)、コビトリモド、CMP-001、アガトリモド、DIMS-9054、DV-1079、DV-1179、AZD-1419、レフィトリモド(MGN-1703)、リテニモド、CYT-003-QbG10、チルソトリモド、及びPUL-042が挙げられる。
一部の実施形態では、追加の治療薬は、DExD/H-ボックスヘリカーゼ58(DDX58;別名、RIG-I、RIG1、RIGI、RLR-1、SGMRT2;NCBI遺伝子ID:23586)のアゴニストである。例示的なRIG-Iアゴニストは、Hemann,et al.,JImmunol May 1,2016,196(1 Supplement)76.1.によって記載されているKIN1148である。追加のRIG-Iアゴニストは、例えば、Elion,et al.,Cancer Res.(2018)78(21):6183-6195、及びLiu,et al.,J Virol.(2016)90(20):9406-19に記載されている。RIG-Iアゴニストは、例えば、invivogen(invivogen.com)から市販されている。
ある特定の実施形態では、そのような製剤は、1日1回、週1回、隔週1回、月1回、2ヶ月に1回、又は3ヶ月に1回の投与に好適である。
いくつかの実施形態では、追加の治療薬は抗HIV剤であってもよい。場合によっては、追加の治療薬は、HIVプロテアーゼ阻害剤、逆転写酵素のHIV非ヌクレオシド又は非ヌクレオチド阻害剤、逆転写酵素のHIVヌクレオシド又はヌクレオチド阻害剤、HIVインテグラーゼ阻害剤、HIV非触媒部位(又はアロステリック)インテグラーゼ阻害剤、HIV侵入阻害剤、HIV成熟阻害剤、HIVカプシド阻害剤、ヌクレオカプシドタンパク質7(NCp7)阻害剤、HIV Tat又はRev阻害剤、Tat-TAR-P-TEFbの阻害剤、免疫調節剤(例えば、免疫賦活剤)、免疫療法剤、抗体-薬物複合体、遺伝子修飾剤、遺伝子エディタ(CRISPR/Cas9、ジンクフィンガーヌクレアーゼ、ホーミングヌクレアーゼ、合成ヌクレアーゼ、TALENなど)、細胞療法(キメラ抗原受容体T細胞、CAR-T、及び操作されたT細胞受容体、TCR-T、自家T細胞療法、操作されたB細胞、NK細胞など)、潜伏感染再活性化剤、HIVカプシドを標的とする化合物、免疫に基づく療法、ホスファチジルイノシトール3-キナーゼ(PI3K)阻害剤、HIV抗体、二重特異性抗体及び「抗体様」治療タンパク質、HIV p17マトリックスタンパク質阻害剤、IL-13アンタゴニスト、ペプチジルプロリルシストランスイソメラーゼAモジュレーター、タンパク質ジスルフィドイソメラーゼ阻害剤、相補体C5a受容体アンタゴニスト、DNAメチルトランスフェラーゼ阻害剤、脂肪酸合成酵素阻害剤、HIV vif遺伝子モジュレーター、Vif二量体化アンタゴニスト、HIV-1ウイルス感染性因子阻害剤、HIV-1 Nefモジュレーター、TNF αリガンド阻害剤、HIV Nef阻害剤、Hckチロシンキナーゼモジュレーター、混合系統キナーゼ-3(MLK-3)阻害剤、HIV-1スプライシング阻害剤、インテグリンアンタゴニスト、ヌクレオタンパク質阻害剤、スプライシング因子モジュレーター、COMMドメイン含有タンパク質1モジュレーター、HIVリボヌクレアーゼH阻害剤、IFNアンタゴニスト、レトロサイクリンモジュレーター、CD3アンタゴニスト、CDK-4阻害剤、CDK-6阻害剤、CDK-9阻害剤、シトクロムP450 3阻害剤、CXCR4モジュレーター、樹状ICAM-3グラビング非インテグリン1阻害剤、HIV GAGタンパク質阻害剤、HIV POLタンパク質阻害剤、補体因子Hモジュレーター、ユビキチンリガーゼ阻害剤、デオキシシチジンキナーゼ阻害剤、サイクリン依存性キナーゼ阻害剤、HPK1 (MAP4K1)阻害剤、プロタンパク質転換酵素PC9刺激因子、ATP依存性RNAヘリカーゼDDX3X阻害剤、逆転写酵素プライミング複合体阻害剤、G6PD及びNADH-オキシダーゼ阻害剤、mTOR複合体1阻害剤、mTOR複合体2阻害剤、P-糖タンパク質モジュレーター、RNAポリメラーゼモジュレーター、TATタンパク質阻害剤、プロリルエンドペプチダーゼ阻害剤、ホスホリパーゼA2阻害剤、薬物動態増強剤、HIV遺伝子療法、HIVワクチン、抗HIVペプチド、並びにこれらの組み合わせであり得る。
いくつかの実施形態では、追加の治療薬は、HIVの併用薬、他のHIV治療薬、HIVプロテアーゼ阻害剤、HIV逆転写酵素阻害剤、HIVインテグラーゼ阻害剤、HIV非触媒部位(又はアロステリック)インテグラーゼ阻害剤、HIV侵入(融合)阻害剤、HIV成熟阻害剤、潜伏感染再活性化剤、カプシド阻害剤、免疫系治療薬、PI3K阻害剤、HIV抗体、及び二重特異性抗体、及び「抗体様」治療タンパク質、並びにこれらの組み合わせからなる群から選択される。
いくつかの実施形態では、追加の治療薬(複数可)は、HIVプロテアーゼ阻害剤、逆転写酵素のHIV非ヌクレオシド又は非ヌクレオチド阻害剤、逆転写酵素のHIVヌクレオシド又はヌクレオチド阻害剤、HIVインテグラーゼ阻害剤、HIVカプシド阻害剤、gp41阻害剤、CXCR4阻害剤、gp120阻害剤、CCR5阻害剤、Nef阻害剤、潜伏感染再活性化剤、HIV bNAb、TLR7、TLR8、及びTLR9のアゴニスト、HIVワクチン、サイトカイン、免疫チェックポイント阻害剤、FLT3リガンド、T細胞及びNK細胞を動員する二重特異性抗体、HIV抗原標的化キメラT細胞受容体、薬物動態増強剤、及びHIVを治療するための他の薬物、並びにそれらの組み合わせから選択される。
いくつかの実施形態では、追加の治療薬(複数可)は、ドルテグラビル、カボテグラビル、イスラトラビル、ダルナビル、ビクテグラビル、エルスルファビリン、リルピビリン、及びレナカパビル、並びにそれらの組み合わせから選択される。
いくつかの実施形態では、追加の治療薬(複数可)は、ドルテグラビル、カボテグラビル、イスラトラビル、ダルナビル、ビクテグラビル、エルスルファビリン、リルピビリン、及びレナカパビルから選択される。
HIV長時間作用療法
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の1つ以上の多重特異性抗原結合分子は、HIV長時間作用型抗HIVレジメンと組み合わせられるか、又は共投与される。組み合わされ得る又は共投与され得る長時間作用型レジメンとしての例としては、カボテグラビル、リルピビリン、任意のインテグラーゼLA、VM-1500 LAI、マラビロク(LAI)、テノホビルインプラント、イスラトラビルインプラント、ドラビリン、ラルテグラビル、及び長時間作用型ドルテグラビルが挙げられるが、これらに限定されない。
HIV併用薬
ある特定の実施形態では、本明細書に記載の1つ以上の多重特異性抗原結合分子は、HIV併用薬と組み合わされるか、又は共投与される。本明細書に記載の1つ以上の多重特異性抗原結合分子とともに用いることができる併用薬の例としては、ATRIPL(登録商標)(エファビレンツ、テノホビルジソプロキシルフマル酸塩、及びエムトリシタビン)、COMPLERA(登録商標)(EVIPLERA(登録商標);リルピビリン、テノホビルジソプロキシルフマレート、及びエムトリシタビン)、STRIBILD(登録商標)(エルビテグラビル、コビシスタット、テノホビルジソプロキシルフマレート、及びエムトリシタビン)、TRUVADA(登録商標)(テノホビルジソプロキシルフマレート及びエムトリシタビン;TDF+FTC)、DESCOVY(登録商標)(テノホビルアラフェナミド及びエムトリシタビン)、ODEFSEY(登録商標)(テノホビルアラフェナミド、エムトリシタビン、及びリルピビリン)、GENVOYA(登録商標)(テノホビルアラフェナミド、エムトリシタビン、コビシスタット、及びエルビテグラビル)、ダルナビル、テノホビルアラフェナミドヘミフマレート、エムトリシタビン、及びコビシスタット、エファビレンツ、ラミブジン、及びテノホビルジソプロキシルフマレート、ラミブジン及びテノホビルジソプロキシルフマレート、テノホビル及びラミブジン、テノホビルアラフェナミド及びエムトリシタビン;テノホビルアラフェナミドヘミフマレート及びエムトリシタビン、テノホビルアラフェナミドヘミフマレート、エムトリシタビン、及びリルピビリン、テノホビルアラフェナミドヘミフマレート、エムトリシタビン、コビシスタット、及びエルビテグラビル、テノホビル類似体、COMBIVIR(登録商標)(ジドブジン及びラミブジン、AZT+3TC)、EPZICOM(登録商標)(LIVEXA(登録商標);アバカビル硫酸塩及びラミブジン;ABC+3TC)、KALETRA(登録商標)(ALUVIA(登録商標)、ロピナビル及びリトナビル)、TRIUMEQ(登録商標)(ドルテグラビル、アバカビル、及びラミブジン)、BIKTARVY(登録商標)(ビクテグラビル+エムトリシタビン+テノホビルアラフェナミド)、DOVATO(登録商標)(ドルテグラビル+ラミブジン)、TRIZIVIR(登録商標)(アバカビル硫酸塩、ジドブジン、及びラミブジン;ABC+AZT+3TC)、アタザナビル及びコビシスタット、アタザナビル硫酸塩及びコビシスタット、アタザナビル硫酸塩及びリトナビル、ダルナビル及びコビシスタット、ドルテグラビル及びリルピビリン、ドルテグラビル及びリルピビリン塩酸塩、ドルテグラビル、アバカビル硫酸塩、及びラミブジン、ラミブジン、ネビラピン、及びジドブジン、ラルテグラビル及びラミブジン、ドラビリン、ラミブジン、及びテノホビルジソプロキシルフマレート、ドラビリン、ラミブジン、及びテノホビルジソプロキシル、ドルテグラビル+ラミブジン、ラミブジン+アバカビル+ジドブジン、ラミブジン+アバカビル、ラミブジン+テノホビルジソプロキシルフマル酸塩、ラミブジン+ジドブジン+ネビラピン、ロピナビル+リトナビル、ロピナビル+リトナビル+アバカビル+ラミブジン、ロピナビル+リトナビル+ジドブジン+ラミブジン、テノホビル+ラミブジン、及びテノホビルジソプロキシルフマル酸塩+エムトリシタビン+リルピビリン塩酸塩、ロピナビル、リトナビル、ジドブジン、ロピナビル+リトナビル+ラミブジン、及びラミブジン、カボテグラビル+リルピビリン、3BNC117+アルブビルチド、エルピダ(エルスルファビリン;VM-1500)、VM-1500A、レナカパビル+イスラトラビル(経口、注射剤)、並びに二重標的HIV-1逆転写酵素/ヌクレオカプシドタンパク質7阻害剤が挙げられる。
他のHIV薬
本明細書に記載の1つ以上の多重特異性抗原結合分子と組み合わせることができる、HIVを治療するための他の薬物の例としては、アスペルニグリンC、アセマンナン、アリスポリビル、BanLec、デフェリプロン、Gamimune、メトエンケファリン、ナルトレキソン、プロラスチン、REP9、RPI-MN、VSSP、H1ウイルス性、SB-728-T、1,5-ジカフェオイルキナ酸、rHIV7-shl-TAR-CCR5RZ、AAV-eCD4-Ig遺伝子療法、MazF遺伝子療法、BlockAide、ベビリマット誘導体、ABX-464、AG-1105、APH-0812、ブリオスタチン類似体、BIT-225、BRII-732、BRII-778、CYT-107、CS-TATI-1、フルオロ-β-D-アラビノース核酸(FANA)-修飾アンチセンスオリゴヌクレオチド、FX-101、GILENYA(登録商標)(フィンゴリモド)、グリフィフィスシン、HGTV-43、HPH-116、HS-10234、ヒドロキシクロロキン、IMB-10035、IMO-3100、IND-02、JL-18008、LADAVRU、MK-1376、MK-2048、MK-4250、MK-8507、MK-8558、イスラトラビル(MK-8591)、NOV-205、OB-002H、ODE-Bn-TFV、PA-1050040(PA-040)、PC-707、PGN-007、QF-036、S-648414、SCY-635、SB-9200、SCB-719、TR-452、TEV-90110、TEV-90112、TEV-90111、TEV-90113、RN-18、DIACC-1010、Fasnall、Immuglo、2-CLIPSペプチド、HRF-4467、トロンボスポンジン類似体、TBL-1004HI、VG-1177、xl-081、AVI-CO-004、rfhSP-D、[18F]-MC-225、URMC-099-C、RES-529、ベルジネクソル(Verdinexor)、IMC-M113V、IML-106、抗ウイルスfcコンジュゲート(AVC)、VIR-576、及びニパモビル(nipamovir)、Covimro、及びABBV-1882が挙げられる。
HIVプロテアーゼ阻害剤
ある特定の実施形態では、本明細書に記載の1つ以上の多重特異性抗原結合分子は、HIVプロテアーゼ阻害剤と組み合わされるか、又は共投与される。本明細書に記載の1つ以上の多重特異性抗原結合分子と組み合わせることができるHIVプロテアーゼ阻害剤の例としては、アンプレナビル、アタザナビル、ブレカナビル、ダルナビル、ホスアンプレナビル、ホスアンプレナビルカルシウム、インジナビル、インジナビル硫酸塩、ロピナビル、ネルフィナビル、ネルフィナビルメシル酸塩、リトナビル、サキナビル、サキナビルメシル酸塩、チプラナビル、ASC-09+リトナビル、AEBL-2、DG-17、GS-1156、TMB-657(PPL-100)、T-169、BL-008、MK-8122、TMB-607、GRL-02031、及びTMC-310911が挙げられる。組み合わされ得る又は共投与され得るプロテアーゼ阻害剤の追加の例は、米国特許第10,294,234号、米国特許出願公開第2020/030327号、及び米国特許出願公開第2019/210978号に開示されている。
HIVリボヌクレアーゼH阻害剤
ある特定の実施形態では、本明細書に記載の1つ以上の多重特異性抗原結合分子は、HIVリボヌクレアーゼH阻害剤と組み合わされるか、又は共投与される。本明細書に記載の1つ以上の多重特異性抗原結合分子と組み合わせることができるHIVリボヌクレアーゼH阻害剤の例としては、NSC-727447が挙げられる。
HIV Nef阻害剤
ある特定の実施形態では、本明細書に記載の1つ以上の多重特異性抗原結合分子は、HIV Nef阻害剤と組み合わされるか、又は共投与される。本明細書に記載の1つ以上の多重特異性抗原結合分子と組み合わせることができるHIV Nef阻害剤の例としては、FP-1が挙げられる。
HIV逆転写酵素阻害剤
ある特定の実施形態では、本明細書に記載の1つ以上の多重特異性抗原結合分子は、非ヌクレオシド又は非ヌクレオチド阻害剤と組み合わされるか、又は共投与される。本明細書に記載の1つ以上の多重特異性抗原結合分子と組み合わせることができる逆転写酵素のHIV非ヌクレオシド又は非ヌクレオチド阻害剤の例としては、ダピビリン、デラビルジン、デラビルジンメシル酸塩、ドラビリン、エファビレンツ、エトラビリン、レンチナン、ネビラピン、リルピビリン、ACC-007、ACC-008、AIC-292、F-18、KM-023、PI-1005、M1-TFV、M2-TFV、VM-1500A-LAI、PF-3450074、エルスルファビリン(徐放性経口、HIV感染症)、ドラビリン+イスラトラビル(一定用量併用/経口錠剤製剤、HIV-1感染症)、エルスルファビリン(長時間作用型注射可能ナノ懸濁液、HIV感染症)、及びエルスルファビリン(VM-1500)が挙げられる。
ある特定の実施形態では、本明細書に記載の1つ以上の多重特異性抗原結合分子は、長時間作用型抗HIVレジメンと組み合わせられるか、又は共投与される。共投与され得る長時間作用型抗HIVレジメンとして開発されている薬物の例としては、カボテグラビルLA、リルピビリンLA、カボテグラビルLA+リルピビリンLA、エルビテグラビル(徐放性)、レナカパビル長時間作用型、ラルテグラビル長時間作用型、ダルナビル長時間作用型、任意のインテグラーゼLA、VM-1500A-LAI、VM-3500、マラビロク(LAI)、T-1144、ODE-Bn-TFV、CP-112、S-648414、テノホビルインプラント、テノホビル長時間作用型、テノホビルプロドラッグ長時間作用型、イスラトラビル(MK-8591)皮下インプラント、長時間作用型ドルテグラビル、長時間作用型ラルテグラビル+ラミブジン、経皮テノホビル(国際公開第2020/092990号)などのHIV薬物を送達することができる経皮デバイスが挙げられるが、これらに限定されない。
ある特定の実施形態では、本明細書に記載の1つ以上の多重特異性抗原結合分子は、HIVヌクレオシド又はヌクレオチド阻害剤と組み合わされるか、又は共投与される。本明細書に記載の1つ以上の多重特異性抗原結合分子と組み合わせることができる逆転写酵素のHIVヌクレオシド又はヌクレオチド阻害剤の例としては、アデホビル、アデホビルジピボキシル、アズブジン、エムトリシタビン、テノホビル、テノホビルアラフェナミド、テノホビルアラフェナミドフマル酸塩、テノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩、テノホビルジソプロキシル、テノホビルジソプロキシルフマル酸塩、テノホビルオクタデシルオキシエチルエステル(AGX-1009)、テノホビルジソプロキシルヘミフマル酸塩、VIDEX(登録商標)及びVIDEX EC(登録商標)(ジダノシン、ddl)、アバカビル、アバカビル硫酸塩、アロブジン、アプリシタビン、センサブジン、ジダノシン、エルブシタビン、フェスチナビル、フォサルブジンチドキシル、CMX-157、ダピビリン、ドラビリン、エトラビリン、OCR-5753、テノホビルジソプロキシルオロチン酸塩、フォジブジンチドキシル、ラミブジン、ホスファジド、スタブジン、ザルシタビン、ジドブジン、ロバフォビルエタラフェナミド(GS-9131)、GS-9148、MK-8504、イスラトラビル(MK-8591)、MK-8583、VM-2500、及びKP-1461が挙げられる。
逆転写酵素のHIVヌクレオシド又はヌクレオチド阻害剤の追加の例としては、米国特許出願公開第2007/049754号、米国特許出願公開第2016/250215号、米国特許出願公開第2016/237062号、米国特許出願公開第2016/251347号、米国特許出願公開第2002/119443号、米国特許出願公開第2013/065856号、米国特許出願公開第2013/090473号、米国特許出願公開第2014/221356号、及び国際公開第04/096286号に記載されているものが挙げられるが、これらに限定されない。
HIVインテグラーゼ阻害剤
ある特定の実施形態では、本明細書に記載の1つ以上の多重特異性抗原結合分子は、HIVインテグラーゼ阻害剤と組み合わされるか、又は共投与される。本明細書に記載の1つ以上の多重特異性抗原結合分子と組み合わせられ得るHIVインテグラーゼ阻害剤の例としては、エルビテグラビル、エルビテグラビル(持続放出性マイクロカプセル)、クルクミン、クルクミン誘導体、チコリ酸、チコリ酸誘導体、3,5-ジカフェオイルキナ酸、3,5-ジカフェオイルキナ酸誘導体、アウリントリカルボン酸、アウリントリカルボン酸誘導体、コーヒー酸フェネチルエステル、コーヒー酸フェネチルエステル誘導体、チロホスチン、チロホスチン誘導体、ケルセチン、ケルセチン誘導体、ラルテグラビル、ペグ化ラルテグラビル、ドルテグラビル、JTK-351、ビクテグラビル、AVX-15567、カボテグラビル、カボテグラビル(長時間作用性注射剤)、ジケトキノリン4-1誘導体、インテグラーゼ-LEDGF阻害剤、ledgins、M-522、M-532、MK-0536、NSC-310217、NSC-371056、NSC-48240、NSC-642710、NSC-699171、NSC-699172、NSC-699173、NSC-699174、スチルベンジスルホン酸、T-169、STP-0404、VM-3500、XVIR-110、及びACC-01が挙げられる。
ある特定の実施形態では、本明細書に記載の1つ以上の多重特異性抗原結合分子は、HIV非触媒部位、又はアロステリックインテグラーゼ阻害剤(NCINI)と組み合わされるか、又は共投与される。本明細書に記載の1つ以上の多重特異性抗原結合分子と組み合わせることができるHIV非触媒部位、又はアロステリックインテグラーゼ阻害剤(NCINI)の例としては、CX-05045、CX-05168、及びCX-14442が挙げられる。組み合わされ得る又は共投与され得るHIVカプシド阻害剤の追加の例としては、米国特許の米国特許出願公開第2014/221356号及び米国特許出願公開第2016/016973号に記載されているものが挙げられるが、これらに限定されない。
HIVウイルス感染性因子阻害剤
ある特定の実施形態では、本明細書に記載の1つ以上の多重特異性抗原結合分子は、HIVウイルス感染性因子阻害剤と組み合わされるか、又は共投与される。本明細書に記載される1つ以上の多重特異性抗原結合分子と組み合わせることができるHIVウイルス感染性因子阻害剤の例としては、2-アミノ-N-(2-メトキシフェニル)-6-((4-ニトロフェニル)チオ)ベンザミド誘導体、及びIrino-Lが挙げられる。
HIV侵入(融合)阻害剤
ある特定の実施形態では、本明細書に記載の1つ以上の多重特異性抗原結合分子は、HIV侵入(融合)阻害剤と組み合わされるか、又は共投与される。本明細書に記載の1つ以上の多重特異性抗原結合分子と組み合わせることができるHIV侵入(融合)阻害剤の例としては、AAR-501、LBT-5001、セニクリビロク、CCR5阻害剤、gp41阻害剤、CD4付着阻害剤、gp120阻害剤、gp160阻害剤、CXCR4阻害剤、及びD-ペプチドHIV侵入阻害剤(例えば、コレステロール-PIE12-三量体(CPT31))が挙げられる。
ある特定の実施形態では、本明細書に記載の1つ以上の多重特異性抗原結合分子は、C-Cモチーフケモカイン受容体5(CCR5;NCBI遺伝子ID:1234)阻害剤と組み合わされるか、又は共投与される。本明細書に記載の1つ以上の多重特異性抗原結合分子と組み合わせることができるCCR5阻害剤の例としては、アプラビロク、MK-7690(ビクリビロク)、マラビロク、マラビロク(長時間作用型注射可能ナノエマルジョン)、セニクリビロク、レロンリマブ(PRO-140)、アダプタビル(RAP-101)、ニフェビロク(TD-0232)、抗GP120/CD 4又はCCR5二重特異性抗体、B-07、MB-66、ポリペプチドC25P、TD-0680、チオラビロク(thioraviroc)、vMIP(Haimipu)、CCR5/CCR2二重阻害剤、例えば、セニクリビロク、BMS-813160が挙げられる。
ある特定の実施形態では、本明細書に記載の1つ以上の多重特異性抗原結合分子は、CXCR4阻害剤と組み合わされるか、又は共投与される。本明細書に記載の1つ以上の多重特異性抗原結合分子と組み合わせることができるCXCR4阻害剤の例としては、プレリキサフォル、ALT-1188、N15ペプチド、vMIP(Haimipu)、BL-8040、LY2510924、ブリキサフォル(burixafor)(TGO-0054)、X4P-002、及びX4P-001-IOが挙げられる。
ある特定の実施形態では、本明細書に記載の1つ以上の多重特異性抗原結合分子は、gp41阻害剤と組み合わされるか、又は共投与される。本明細書に記載の1つ以上の多重特異性抗原結合分子と組み合わせることができるgp41阻害剤の例としては、アルブビルジド(albuvirtide)、エンフビルチド、グリフィフィスシン(gp41/gp120/gp160阻害剤)、BMS-986197、エンフビルチドバイオベター、エンフビルチドバイオシミラー、HIV-1融合阻害剤(P26-Bapc)、ITV-1、ITV-2、ITV-3、ITV-4、CPT-31、Cl3hmAb、リプビルチド(lipuvirtide)、PIE-12三量体、及びシフビルチドが挙げられる。
ある特定の実施形態では、本明細書に記載の1つ以上の多重特異性抗原結合分子は、CD4付着阻害剤と組み合わされるか、又は共投与される。本明細書に記載の1つ以上の多重特異性抗原結合分子と組み合わせることができるCD4付着阻害剤の例としては、イバリズマブ及びCADA類似体が挙げられる。
ある特定の実施形態では、本明細書に記載の1つ以上の多重特異性抗原結合分子は、gp120阻害剤と組み合わされるか、又は共投与される。本明細書に記載の1つ以上の多重特異性抗原結合分子と組み合わせることができるgp120阻害剤の例としては、抗HIV殺菌剤、Radha-108(レセプトール)3B3-PE38、BMS818251、BanLec、ベントナイト系ナノメディシン、ホステムサビルトロメタミン、IQP-0831、VVX-004、及びBMS-663068が挙げられる。
ある特定の実施形態では、本明細書に記載の1つ以上の多重特異性抗原結合分子は、gp160阻害剤と組み合わされるか、又は共投与される。本明細書に記載の1つ以上の多重特異性抗原結合分子と組み合わせることができるgp160阻害剤の例としては、ファングキノリンが挙げられる。
HIV成熟阻害剤
ある特定の実施形態では、本明細書に記載の1つ以上の多重特異性抗原結合分子は、HIV成熟阻害剤と組み合わされるか、又は共投与される。本明細書に記載の1つ以上の多重特異性抗原結合分子と組み合わせることができるHIV成熟阻害剤の例としては、BMS-955176、GSK-3640254、及びGSK-2838232が挙げられる。
カプシド阻害剤
ある特定の実施形態では、本明細書に記載の1つ以上の多重特異性抗原結合分子は、カプシド阻害剤と組み合わされるか、又は共投与される。本明細書に記載の1つ以上の多重特異性抗原結合分子と組み合わせることができるカプシド阻害剤の例としては、カプシド重合阻害剤又はカプシド破壊化合物、HIVヌクレオカプシドp7(NCp7)阻害剤、例えば、アゾジカルボンアミド、HIV p24カプシドタンパク阻害剤、レナカパビル(GS-6207)、GS-CA1、AVI-621、AVI-101、AVI-201、AVI-301、及びAVI-CAN1-15シリーズ、PF-3450074、HIV-1カプシド阻害剤(HIV-1感染症、Shandong University)、並びに国際特許公開第2019/087016号に記載の化合物が挙げられる。組み合わされ得る又は共投与され得るカプシド阻害剤の追加の例としては、米国特許公開の米国特許出願公開第2014/221356号及び米国特許出願公開第2016/016973号に記載されているものが挙げられるが、これらに限定されない。
シトクロムP450 3阻害剤
ある特定の実施形態では、本明細書に記載の1つ以上の多重特異性抗原結合分子は、シトクロムP450 3阻害剤と組み合わされるか、又は共投与される。組み合わされ得る又は共投与され得るシトクロムP450 3阻害剤の例としては、米国特許第7,939,553号に記載されているものが挙げられるが、これらに限定されない。
RNAポリメラーゼモジュレーター
ある特定の実施形態では、本明細書に記載の1つ以上の多重特異性抗原結合分子は、RNAポリメラーゼモジュレーター(例えば、阻害剤)と組み合わされるか、又は共投与される。RNAポリメラーゼモジュレーター(例えば、阻害剤)の例としては、米国特許第10,065,958号及び同第8,008,264号に記載されているものが挙げられるが、これらに限定されない。
潜伏感染再活性化剤
ある特定の実施形態では、本明細書に記載の1つ以上の多重特異性抗原結合分子は、HIV潜伏感染再活性化剤と組み合わされるか、又は共投与される。本明細書に記載の1つ以上の多重特異性抗原結合分子と組み合わせることができる潜伏感染再活性化剤の例としては、IL-15受容体アゴニスト(例えば、ALT-803;インターロイキン-15/Fc融合タンパク質(例えば、XmAb24306)、組換えインターロイキン-15(例えば、AM0015、NIZ-985)、ペグ化IL-15(例えば、NKTR-255))、toll様受容体(toll-like receptor、TLR)アゴニスト(TLR7アゴニスト、例えば、GS-9620及びTLR8アゴニスト、例えば、セルガントリモド(GS-9688)を含む)、TLR9アゴニスト、例えば、レフィトリモド(MGN-1703))、ヒストンデアセチラーゼ(histone deacetylase、HDAC)阻害剤、プロテアソーム阻害剤、例えば、ベルケイド、プロテインキナーゼC(protein kinase C、PKC)活性化因子、Smyd2阻害剤、BET-ブロモドメイン4(BRD4)阻害剤(ZL-0580、アパベタロン)、イオノマイシン、IAPアンタゴニスト(APG-1387、LBW-242などのアポトーシスタンパク質の阻害剤)、SMACミメティック(シアパビル(ciapavir)、BI-891065、TL32711、LCL161、GDC-0917、HGS1029、AT-406、APG-1387、LCL-161(NVP-LCL161)を含むを含む)、Debio-1143)、PMA、SAHA(スベロイルアニリドヒドロキサム酸又はスベロイル、アニリド、及びヒドロキサム酸)、NIZ-985、IL-15調節抗体(IL-15、IL-15融合タンパク質、及びIL-15受容体アゴニスト、例えば、ALT-803を含む)、JQ1、ジスルフィラム、アンホテリシンB、及びユビキチン阻害剤、例えば、ラルガゾール類似体、APH-0812、及びGSK-343が挙げられる。HDAC阻害剤の例には、ロミデプシン、ボリノスタット、及びパノビノスタットが挙げられる。PKC活性化因子の例には、インドラクタム、プロストラチン、インゲノールB、及びDAG-ラクトンが挙げられる。組み合わされ得る又は共投与され得るTLR7アゴニストの追加の例としては、米国特許公開の米国特許出願公開第2010/143301号に記載されるものが挙げられるが、これらに限定されない。組み合わされ得る又は共投与され得るTLR8アゴニストの追加の例としては、米国特許公開の米国特許出願公開第2017/071944号に記載されているものが挙げられるが、これらに限定されない。
ヒストンデアセチラーゼ(HDAC)阻害剤
様々な実施形態では、本明細書に記載の1つ以上の多重特異性抗原結合分子は、ヒストンデアセチラーゼ、例えば、ヒストンデアセチラーゼ1(HDAC1;NCBI遺伝子ID:3065)、ヒストンデアセチラーゼ2(HDAC2;NCBI遺伝子ID:3066)、ヒストンデアセチラーゼ3(HDAC3;NCBI遺伝子ID:8841)、ヒストンデアセチラーゼ4(HDAC4;NCBI遺伝子ID:9759)、ヒストンデアセチラーゼ5(HDAC5;NCBI遺伝子ID:10014)、ヒストンデアセチラーゼ6(HDAC6;NCBI遺伝子ID:10013)、ヒストンデアセチラーゼ7(HDAC7;NCBI遺伝子ID:51564)、ヒストンデアセチラーゼ8(HDAC8;NCBI遺伝子ID:55869)、ヒストンデアセチラーゼ9(HDAC9;NCBI遺伝子ID:9734)、ヒストンデアセチラーゼ11(HDAC11;NCBI遺伝子ID:79885)の阻害剤と組み合わされるか、又は共投与される。1つ以上の多重特異性抗原結合分子と組み合わされ得る又は共投与され得るHDAC阻害剤の例としては、アベキシノスタット、ACY-241、AR-42、BEBT-908、ベリノスタット、CKD-581、CS-055(HBI-8000)、CT-101、CUDC-907(フィメピノスタット)、エンチノスタット、ギビノスタット、モセチノスタット、パノビノスタット、プラシノスタット、キシノスタット(JNJ-26481585)、レスミノスタット、リコリノスタット、ロミデプシン、SHP-141、TMB-ADC、バルプロ酸(VAL-001)、ボリノスタット、チノスタムスチン、レメチノスタット、及びエンチノスタットが挙げられるが、これらに限定されない。
免疫系療法
ある特定の実施形態では、本明細書に記載の1つ以上の多重特異性抗原結合分子は、免疫系療法と組み合わされるか、又は共投与される。免疫系治療薬の例としては、toll様受容体(TLR)(例えば、TLR1、TLR2、TLR3、TLR4、TLR5、TLR6、TLR7、TLR8、TLR9、及びTLR10のちの1つ以上)のアゴニスト又は刺激因子、プログラム細胞死タンパク質1(PD-1)モジュレーター、プログラム死リガンド1(PD-L1)モジュレーター、IL-15受容体アゴニスト(例えば、ALT-803;インターロイキン-15/Fc融合タンパク質(例えば、XmAb24306)、組換えインターロイキン-15(例えば、AM0015、NIZ-985)、ペグ化IL-15(例えば、NKTR-255))、DermaVir、インターロイキン-7、プラケニル(ヒドロキシクロロキン)、プロロイキン(アルデスロイキン、IL-2)、インターフェロンα、インターフェロンα-2b、インターフェロンα-n3、PEG化インターフェロンα、インターフェロンγ、ヒドロキシ尿素、ミコフェノール酸モフェチル(mycophenolate mofetil、MPA)及びそのエステル誘導体ミコフェノール酸モフェチル(mycophenolate mofetil、MMF)、リバビリン、ポリマーポリエチレンイミン(polymer polyethyleneimine、PEI)、gepon、IL-12、WF-10、VGV-1、MOR-22、BMS-936559、CYT-107、ノルムフェロン、ペグインターフェロンα-2a、ペグインターフェロンα-2b、RPI-MN、STINGモジュレーター、RIG-Iモジュレーター、NOD2モジュレーター、SB-9200、及びIR-103が挙げられる。
トール様受容体(Toll-Like Receptor、TLR)アゴニスト
様々な実施形態では、本明細書に記載の1つ以上の多重特異性抗原結合分子は、toll様受容体(TLR)のアゴニスト、例えば、TLR1、TLR2、TLR3、TLR4、TLR5、TLR6、TLR7、TLR8、TLR9、及びTLR10のうちの1つ以上)のアゴニストと組み合わされるか、又は共投与される。1つ以上の多重特異性抗原結合分子と共投与するか又は組み合わせることができる例示的なTLR7アゴニストは、AL-034、DSP-0509、GS-9620(ベサトリモド)、ベサトリモド類似体、LHC-165、TMX-101(イミキモド)、GSK-2245035、レシキモド、DSR-6434、DSP-3025、IMO-4200、MCT-465、MEDI-9197、3M-051、SB-9922、3M-052、Limtop、TMX-30X、TMX-202、RG-7863、RG-7854、RG-7795、並びに米国特許出願公開第2010/0143301号(Gilead Sciences)、米国特許出願公開第2011/0098248号(Gilead Sciences)、及び米国特許出願公開第2009/0047249号(Gilead Sciences)、米国特許出願公開第2014/0045849号(Janssen)、米国特許出願公開第2014/0073642号(Janssen)、国際公開第2014/056953号(Janssen)、国際公開第2014/076221号(Janssen)、国際公開第2014/128189号(Janssen)、米国特許出願公開第2014/0350031号(Janssen)、国際公開第2014/023813号(Janssen)、米国特許出願公開第2008/0234251号(Array Biopharma)、米国特許出願公開第2008/0306050号(Array Biopharma)、米国特許出願公開第2010/0029585号(Ventirx Pharma)、米国特許出願公開第2011/0092485号(Ventirx Pharma)、米国特許出願公開第2011/0118235号(Ventirx Pharma)、米国特許出願公開第2012/0082658号(Ventirx Pharma)、米国特許出願公開第2012/0219615号(Ventirx Pharma)、米国特許出願公開第2014/0066432号(Ventirx Pharma)、米国特許出願公開第2014/0088085号(Ventirx Pharma)、米国特許出願公開第2014/0275167号(Novira Therapeutics)、及び米国特許出願公開第2013/0251673号(Novira Therapeutics)に開示されている化合物が挙げられるが、これらに限定されない。共投与され得るTLR7/TLR8アゴニストは、NKTR-262、テルラトリモド、及びBDB-001である。1つ以上の多重特異性抗原結合分子と共投与するか又は組み合わせることができるTLR8アゴニストの例としては、E-6887、IMO-4200、IMO-8400、IMO-9200、MCT-465、MEDI-9197、モトリモド、レシキモド、セルガントリモド(GS-9688)、VTX-1463、VTX-763、3M-051、3M-052、並びに米国特許出願公開第2014/0045849号(Janssen)、米国特許出願公開第2014/0073642号(Janssen)、国際公開第2014/056953号(Janssen)、国際公開第2014/076221号(Janssen)、同第2014/128189号(Janssen)、米国特許出願公開第2014/0350031号(Janssen)、国際公開第2014/023813号(Janssen)、米国特許出願公開第2008/0234251号(Array Biopharma)、米国特許出願公開第2008/0306050号(Array Biopharma)、米国特許出願公開第2010/0029585号(Ventirx Pharma)、米国特許出願公開第2011/0092485号(Ventirx Pharma)、米国特許出願公開第2011/0118235号(Ventirx Pharma)、米国特許出願公開第2012/0082658号(Ventirx Pharma)、米国特許出願公開第2012/0219615号(Ventirx Pharma)、米国特許出願公開第2014/0066432号(Ventirx Pharma)、米国特許出願公開第2014/0088085号(Ventirx Pharma)、米国特許出願公開第2014/0275167号(Novira Therapeutics)、及び米国特許出願公開第2013/0251673号(Novira Therapeutics)に開示される化合物が挙げられるが、これらに限定されない。共投与され得る例示的なTLR9アゴニストとしては、AST-008、コビトリモド、CMP-001、IMO-2055、IMO-2125、S-540956、リテニモド、MGN-1601、BB-001、BB-006、IMO-3100、IMO-8400、IR-103、IMO-9200、アガトリモド、DIMS-9054、DV-1079、DV-1179、AZD-1419、レフィトリモド(MGN-1703)、CYT-003、CYT-003-QbG10、チルソトリモド、及びPUL-042が挙げられるが、これらに限定されない。TLR3アゴニストの例としては、リンタトリモド、ポリ-ICLC、RIBOXXON(登録商標)、Apoxxim、RIBOXXIM(登録商標)、IPH-33、MCT-465、MCT-475、及びND-1.1が挙げられる。TLR4アゴニストの例としては、G-100及びGSK-1795091が挙げられる。
CDK阻害剤又はアンタゴニスト
ある特定の実施形態では、本明細書に記載の1つ以上の多重特異性抗原結合分子は、サイクリン依存性キナーゼ1(CDK1、CDC2;CDC28A;P34CDC2;NCBI遺伝子ID:983)、サイクリン依存性キナーゼ2(CDK2、CDKN2;p33(CDK2);NCBI遺伝子ID:1017)、サイクリン依存性キナーゼ3(CDK3;NCBI遺伝子ID:1018)、サイクリン依存性キナーゼ4(CDK4、CMM3;PSK-J3;NCBI遺伝子ID:1019)、サイクリン依存性キナーゼ6(CDK6、MCPH12;PLSTIRE;NCBI遺伝子ID:1021)、サイクリン依存性キナーゼ7(CDK7、CAK;CAK1;HCAK;MO15;STK1;CDKN7;p39MO15;NCBI遺伝子ID:1022)、サイクリン依存性キナーゼ9(CDK9、TAK;C-2k;CTK1;CDC2L4;PITALRE;NCBI遺伝子ID:1025)の阻害剤と組み合わされるか、又は共投与される。組み合わされる、又は共投与され得るCDK1、2、3、4、6、7、及び/又は9のうちの1つ以上の阻害剤としては、アベマシクリブ、アルボシジブ(HMR-1275、フラボピリドール)、AT-7519、ジナシクリブ、イブランセ、FLX-925、LEE001、パルボシクリブ、リボシクリブ、リゴセルチブ、セリネクソル、UCN-01、SY1365、CT-7001、SY-1365、G1T38、ミルシクリブ、トリラシクリブ、PF-06873600、AZD4573、及びTG-02が挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、CDK4/CDK6/CDK9阻害剤又はアンタゴニストは、VS2-370からなる群から選択される。
インターフェロン遺伝子刺激因子(Stimulator of Interferon Genes、STING)
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の1つ以上の多重特異性抗原結合分子は、インターフェロン応答の刺激因子cGAMP相互作用物質1(STING1;NCBI遺伝子ID:340061)のアゴニストと組み合わされるか、又は共投与される。いくつかの実施形態では、STING受容体アゴニスト又は活性化因子は、ADU-S100(MIW-815)、SB-11285、MK-1454、SR-8291、AdVCA0848、GSK-532、SYN-STING、MSA-1、SR-8291、STINGアゴニスト(潜伏HIV)、GSK3745417、5,6-ジメチルキサンテノン-4-酢酸(DMXAA)、サイクリックGAMP(cGAMP)、及びサイクリックジAMPからなる群から選択される。
RIG-Iアゴニスト
ある特定の実施形態では、本明細書に記載の1つ以上の多重特異性抗原結合分子は、DExD/H-ボックスヘリカーゼ58のアゴニスト(DDX58;別名、RIG-I、RIG1、RIGI、RLR-1、SGMRT2;NCBI遺伝子ID:23586)のアゴニストである。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の薬剤は、RGT-100などのRIG-Iモジュレーター、又はSB-9200(別名、GS 9992;イナリギビルソプロキシル)、及びIR-103などのNOD2モジュレーターと組み合わされるか、又は共投与される。例示的なRIG-Iアゴニストは、Hemann,et al.,J Immunol May 1,2016,196(1 Supplement)76.1によって記載されているKIN1148である。追加のRIG-Iアゴニストは、例えば、Elion,et al.,Cancer Res.(2018)78(21):6183-6195、及びLiu,et al.,J Virol.(2016)90(20):9406-19に記載されている。RIG-Iアゴニストは、例えば、invivogen(invivogen.com)から市販されている。
LAG-3及びTIM-3阻害剤
ある特定の実施形態では、本明細書に記載の1つ以上の多重特異性抗原結合分子は、抗TIM-3(別名、A型肝炎ウイルス細胞受容体2抗体(HAVCR2;NCBI遺伝子ID:84868)、例えば、TSR-022、LY-3321367、MBG-453、INCAGN-2390と組み合わされるか、又は共投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の1つ以上の多重特異性抗原結合分子は、抗リンパ球活性化3(LAG3、別名、CD223;NCBI遺伝子ID:3902)リラリマブ(ONO-4482)、LAG-525、MK-4280、REGN-3767、INCAGN2385などの抗体と組み合わされるか、又は共投与される。
サイトカイン受容体アゴニスト
様々な実施形態では、本明細書に記載の1つ以上の多重特異性抗原結合分子は、1つ以上のサイトカイン受容体又はケモカイン受容体アゴニストと組み合わされるか、又は共投与される。共投与され得る例示的なサイトカイン又はケモカイン受容体アゴニストとしては、IL-12、IL-18、γ鎖依存性サイトカイン(例えば、IL-2、IL-7、IL-9、IL-15、及びIL-21)、及びfms関連チロシンキナーゼ3(FLT3)リガンド(FLT3LG)が挙げられるが、これらに限定されない。
組み合わされ得る又は共投与され得るIL-2受容体アゴニストの例としては、プロロイキン(アルデスロイキン、IL-2);BC-IL(Cel-Sci)、ペグ化IL-2(例えば、NKTR-214(ベンペガルドスルキン))、IL-2の修飾されたバリアント(例えば、THOR-707)、AIC-284、ALKS-4230、CUI-101、及びNeo-2/15が挙げられるが、これらに限定されない。
組み合わされ得る又は共投与され得るIL-15受容体アゴニストの例としては、PRGN-3006、ALT-803、NKTR-255、及びhetIL-15、インターロイキン-15/Fc融合タンパク質(例えば、XmAb24306)組換えインターロイキン-15(例えば、AM0015、NIZ-985)、ペグ化IL-15(例えば、NKTR-255、Synthorin)、hetIL-15、SO-C101、P-22339、及びIL-15-PD-1融合蛋白質N-809が挙げられるが、これらに限定されない。
組み合わされ得る又は共投与され得るIL-12受容体アゴニストの例としては、IL-12A(NCBI遺伝子ID:3592)+IL-12B(NCBI遺伝子ID:3593)mRNA、例えば、MEDI1191、IL-12遺伝子刺激因子、例えば、EGEN-001、タボキノゲンテルセプラスミド、DC-RTS-IL-12などの、IL-12を発現するように形質導入された樹状細胞、IL-12を分泌し、ムチン16、細胞表面関連(MUC16、別名、CA125;NCBI遺伝子ID:94025)、例えば、JCAR-020を標的とするように遺伝子操作された自家T細胞、並びにサイトカインインターロイキン-12単鎖(IL-12sc)、インターロイキン-15+IL15RAスシドメイン(IL-15スシ)、インターフェロンα(IFNα)、及び顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM-CSF)、例えば、SAR441000(BNT131)をコードするmRNAが挙げられる。
共投与され得る例示的なIL-7受容体アゴニストとしては、CYT-107が挙げられる。
組み合わされ得る又は共投与され得る例示的なfms関連チロシンキナーゼ3(FLT3)リガンド(FLT3LG)アゴニストとしては、GS-3583及びCDX-301が挙げられる。
インターフェロン受容体リガンド
様々な実施形態では、本明細書に記載の1つ以上の多重特異性抗原結合分子は、1つ以上のインターフェロン受容体(例えば、インターフェロンα及びβ受容体サブユニット1(IFNAR1;NCBI遺伝子ID:3454)、インターフェロンα及びβ受容体サブユニット2(IFNAR2;NCBI遺伝子ID:3455)、インターフェロンγ受容体1(IFNGR1;NCBI遺伝子ID:3459)、インターフェロンγ受容体2(IFNGR2;NCBI遺伝子ID:3460)リガンド(組換え、PEG化、融合タンパク質、及びコンジュゲートのうちの1つ以上であり得る)と組み合わされるか、又は共投与される。組み合わされ得る又は共投与され得るインターフェロン受容体リガンドの例としては、インターフェロンα-1b、インターフェロンα-2a、インターフェロンα-2b、インターフェロンβ-1a、及びインターフェロンγが挙げられる。組み合わされ得る又は共投与され得る例示的なインターフェロンα-1bとしては、組換えヒトインターフェロンα-1b、インターフェロンα1b、PEG化インターフェロンα-1b、インターフェロンα1b(HAPGEN(登録商標))が挙げられるが、これらに限定されない。組み合わされ得る又は共投与され得る例示的なインターフェロンα-2aとしては、組換えヒトインターフェロンα-2a、インターフェロンα2a、PEG-IFN-α、ペグ化インターフェロンα-2a(PEGASYS(登録商標))、YPEG-インターフェロンα-2a(YPEG-rhIFNalpha-2a)、インターフェロンα-2aバイオシミラー(Biogenomics)、rHSA-IFNα-2a(組換えヒト血清アルブミンインターフェロンα2a融合蛋白質)、インターフェロンα-2a後続生物製剤(Biosidus)(Inmutag、Inter 2A)が挙げられるが、これらに限定されない。組み合わされ得る又は共投与され得る例示的なインターフェロンα-2bとしては、組換えヒトインターフェロンα-2b、α-2b(INTRON A(登録商標))、インターフェロンα-2b(例えば、Amega、Axxo、IFN、Laboratorios Bioprofarma、Virchow、Zydus-Cadila、BioGeneric Pharma、Changchun Institute of Biological Productsを含む多数の供給源からのもの)、ロペグインターフェロンα-2b(AOP-2014、P-1101、PEG IFNα-2b)、ペグインターフェロンα-2b(Amega)、Ypeginterferonα-2b(YPEG-rhIFNalpha-2b)、ペグインターフェロンα-2b(PEG-INTRON(登録商標))、rHSA-IFNα2b(組換えヒト血清アルブミンインターフェロンα2b融合蛋白質)、ベルツズマブ-IFNα2bコンジュゲート、インターフェロンα-2b後続生物製剤(Biosidus-Bioferon、Citopheron、Ganapar、Beijing Kawin Technology-Kaferon)が挙げられるが、これらに限定されない。組み合わされ得る又は共投与され得る追加の例示的なインターフェロンα及びβ受容体リガンドとしては、ベルドナ(Veldona)、インフラデュレ(Infradure)、ロフェロン-A(Roferon-A)、アルゲロン(Algeron)、アルファロナ(Alfarona)、インガロン(Ingaron)(インターフェロンγ)、rSIFN-co(組換え超複合インターフェロン)、MOR-22、ビオフェロン(Bioferon)、ノバフェロン(Novaferon)、インムタグ(Inmutag)(Inferon)、MULTIFERON(登録商標)(Alfanative、Viragen)、インターフェロンα-n 1(HUMOFERON(登録商標)、SM-10500、スミフェロン(Sumiferon))、シャフェロン(Shaferon)、アルファフェロン(Alfaferone)、インターフェロンα2(CJ)、ラフェロナム(Laferonum)、VIPEG、BLAUFERON-A、BLAUFERON-B、ダイナバックス(Dynavax)(SD-101)、インターマックスアルファ(Intermax Alpha)、レアルジロン(Realdiron)、ランスチオン(Lanstion)、ペガフェロン(Pegaferon)、PDferon-B PDferon-B、ペグナノ(Pegnano)、フェロンスレ(Feronsure)、PegiHep、オプティペグA(Optipeg A)、レアルファ2B(Realfa 2B)、レリフェロン(Reliferon)、レアフェロン-C(Reaferon-C)、ロフェロン-A(Roferon-A)(カンフェロン(Canferon)、Ro-25-3036)、プロキフェロン(Proquiferon)、ユニフェロン(Uniferon)、ウリフェロン(Urifron)、アンターフェロン(Anterferon)、シャンフェロン(Shanferon)、ライフェロン(Layfferon)、シャン・シェン・レイ・タイ(Shang Sheng Lei Tai)、INTEFEN、INTEFEN、SINOGEN、フカンタイ(Fukangtai)、ペグスタット(Pegstat)、SFR-9216、インテラポ(Interapo)(Interapa)、GEPON(登録商標)、NORMFERON(商標)が挙げられるが、これらに限定されない。組み合わされ得る又は共投与され得る例示的なインターフェロンベータ-1aとしては、インターフェロンベータ-1a(AVONEX(登録商標))が挙げられるが、これに限定されない。組み合わされ得る又は共投与され得る例示的なインターフェロンγ受容体リガンドとしては、インターフェロンγ(OH-6000、オーガンマ100)及びRPI-MN(修飾されたコブラトキシン)が挙げられるが、これらに限定されない。
免疫チェックポイント受容体タンパク質モジュレーター
様々な実施形態では、本明細書に記載の1つ以上の多重特異性抗原結合分子は、阻害性免疫チェックポイントタンパク質若しくは受容体の、1つ以上の遮断薬若しくは阻害剤、及び/又は1つ以上の刺激性免疫チェックポイントタンパク質若しくは受容体の、1つ以上の刺激因子、活性化因子、又はアゴニストと組み合わされるか、又は共投与される。阻害性免疫チェックポイントの遮断又は阻害は、T細胞又はNK細胞の活性化を確実に調節し、感染細胞の免疫漏れを防止することができる。刺激性免疫チェックポイントの活性化又は刺激は、感染治療薬における免疫チェックポイント阻害剤の効果を増強することができる。様々な実施形態では、免疫チェックポイントタンパク質又は受容体は、T細胞応答を調節する(例えば、Xu,et al.,J Exp Clin Cancer Res.(2018)37:110に概説されている)。様々な実施形態では、免疫チェックポイントタンパク質又は受容体は、NK細胞応答を調節する(例えば、Davis,et al.,Semin Immunol.(2017)31:64-75、及びChiossone,et al.,Nat Rev Immunol.(2018)18(11):671-688に概説されている)。
本明細書に記載の1つ以上の多重特異性抗原結合分子と組み合わせることができる免疫チェックポイントタンパク質又は受容体の例としては、限定されないが、以下が挙げられる:CD27(NCBI遺伝子ID:939)、CD70(NCBI遺伝子ID:970)、CD40(NCBI遺伝子ID:958)、CD40LG(NCBI遺伝子ID:959)、CD47(NCBI遺伝子ID:961)、CD48(SLAMF2)、NCBI遺伝子ID:962)、膜貫通及び免疫グロブリンドメイン含有2(TMIGD2、CD28H、NCBI遺伝子ID:126259)、CD84(LY9B、SLAMF5、NCBI遺伝子ID:8832)、CD96(NCBI遺伝子ID:10225)、CD160(NCBI遺伝子ID:11126)、MS4A1(CD20)、NCBI遺伝子ID:931)、CD244(SLAMF4)、NCBI遺伝子ID:51744)、CD276(B7H3)、NCBI遺伝子ID:80381)、Vセットドメイン含有T細胞活性化阻害剤1(VTCN1、B7H4;NCBI遺伝子ID:79679)、Vセット免疫調節性受容体(VSIR、B7H5、VISTA;NCBI遺伝子ID:64115)、免疫グロブリンスーパーファミリーメンバー11(IGSF11、VSIG3;NCBI遺伝子ID:152404)、ナチュラルキラー細胞傷害性受容体3リガンド1(NCR3LG1、B7H6;NCBI遺伝子ID:374383)、HERV-H LTR関連2(HHLA2、B7H7;NCBI遺伝子ID:11148)、誘導性T細胞共刺激分子(ICOS、CD278;NCBI遺伝子ID:29851)、誘導性T細胞共刺激分子リガンド(ICOSLG、B7H2;NCBI遺伝子ID:23308)、TNF受容体スーパーファミリーメンバー4(TNFRSF4、OX40;NCBI遺伝子ID:7293)、TNFスーパーファミリーメンバー4(TNFSF4、OX40L;NCBI遺伝子ID:7292)、TNFRSF8(CD30)、NCBI遺伝子ID:943)、TNFSF8(CD30L)、NCBI遺伝子ID:944)、TNFRSF10A(CD261、DR4、TRAILR1;NCBI遺伝子ID:8797)、TNFRSF9(CD137)、NCBI遺伝子ID:3604)、TNFSF9(CD137L)、NCBI遺伝子ID:8744)、TNFRSF10B(CD262、DR5、TRAILR2;NCBI遺伝子ID:8795)、TNFRSF10(TRAIL;NCBI遺伝子ID:8743)、TNFRSF14(HVEM、CD270;NCBI遺伝子ID:8764)、TNFSF14(HVEML;NCBI遺伝子ID:8740)、CD272(B及びTリンパ球関連(BTLA);NCBI遺伝子ID:151888)、TNFRSF17(BCMA、CD269;NCBI遺伝子ID:608)、TNFSF13B(BAFF;NCBI遺伝子ID:10673)、TNFRSF18(GITR;NCBI遺伝子ID:8784)、TNFSF18(GITRL;NCBI遺伝子ID:8995)、MHCクラスIポリペプチド関連配列A(MICA;NCBI遺伝子ID:100507436)、MHCクラスIポリペプチド関連配列B(MICB;NCBI遺伝子ID:4277)、CD274(CD274、PDL1、PD-L1;NCBI遺伝子ID:29126)、プログラム細胞死1(PDCD1、PD1、PD-1;NCBI遺伝子ID:5133)、細胞傷害性Tリンパ球関連タンパク質4(CTLA4、CD152;NCBI遺伝子ID:1493)、CD80(B7-1)、NCBI遺伝子ID:941)、CD28(NCBI遺伝子ID:940)、ネクチン細胞接着分子2(NECTIN2、CD112;NCBI遺伝子ID:5819)、CD226(DNAM-1)、NCBI遺伝子ID:10666)、ポリオウイルス受容体(PVR)細胞接着分子(PVR、CD155;NCBI遺伝子ID:5817)、PVR関連免疫グロブリンドメイン含有(PVRIG、CD112R;NCBI遺伝子ID:79037)、Ig及びITIMドメインを有するT細胞免疫受容体(TIGIT;NCBI遺伝子ID:201633)、T細胞免疫グロブリン及びムチンドメイン含有4(TIMD4;TIM4; NCBI遺伝子ID:91937)、A型肝炎ウイルス細胞受容体2(HAVCR2、TIMD3、TIM3;TIM-3;NCBI遺伝子ID:84868)、ガレクチン9(LGALS9;NCBI遺伝子ID:3965)、リンパ球活性化3(LAG3、LAG-3;CD223;NCBI遺伝子ID:3902)、シグナル伝達リンパ球活性化分子ファミリーメンバー1(SLAMF1、SLAM、CD150;NCBI遺伝子ID:6504)、リンパ球抗原9(LY9、CD229、シアル酸結合Ig様レクチン7(SIGLEC7);p75;QA79;AIRM1;CD328;CDw328;D-シグレック;SIGLEC-7;SIGLECP2;SIGLEC19P;p75/AIRM1;NCBI遺伝子ID:27036)、シアル酸結合Ig様レクチン9(SIGLEC9;CD329;CDw329;FOAP-9;siglec-9;OBBP-LIKE;NCBI遺伝子ID:27180)、SLAMF3;NCBI遺伝子ID:4063)、SLAMファミリーメンバー6(SLAMF6、CD352;NCBI遺伝子ID:114836)、SLAMファミリーメンバー7(SLAMF7、CD319;NCBI遺伝子ID:57823)、UL16結合タンパク質1(ULBP1;NCBI遺伝子ID:80329)、UL16結合タンパク質2(ULBP2;NCBI遺伝子ID:80328)、UL16結合タンパク質3(ULBP3;NCBI遺伝子ID:79465)、レチノイン酸初期転写物1E(RAET1E;ULBP4;NCBI遺伝子ID:135250)、レチノイン酸初期転写物1G(RAET1G;ULBP5;NCBI遺伝子ID:353091)、レチノイン酸初期転写物1L(RAET1L;ULBP6;NCBI遺伝子ID:154064)、キラー細胞レクチン様受容体C1(KLRC1、NKG2A、CD159A;NCBI遺伝子ID:3821)、キラー細胞レクチン様受容体K1(KLRK1、NKG2D、CD314;NCBI遺伝子ID:22914)、キラー細胞レクチン様受容体C2(KLRC2、CD159c、NKG2C;NCBI遺伝子ID:3822)、キラー細胞レクチン様受容体C3(KLRC3、NKG2E;NCBI遺伝子ID:3823)、キラー細胞レクチン様受容体C4(KLRC4、NKG2F;NCBI遺伝子ID:8302)、キラー細胞レクチン様受容体D1(KLRD1;NCBI遺伝子ID:3824)、キラー細胞レクチン様受容体G1(KLRG1;2F1;MAFA;MAFA-L;CLEC15A;MAFA-2F1;MAFA-LIKE;NCBI遺伝子ID:10219)、キラー細胞免疫グロブリン様受容体、2つのIgドメイン、及び長い細胞質側末端1(KIR2DL1;NCBI遺伝子ID:3802)、キラー細胞免疫グロブリン様受容体、2つのIgドメイン、及び長い細胞質側末端2(KIR2DL2;NCBI遺伝子ID:3803)、キラー細胞免疫グロブリン様受容体、2つのIgドメイン、及び長い細胞質側末端3(KIR2DL3;NCBI遺伝子ID:3804)、キラー細胞免疫グロブリン様受容体、3つのIgドメイン、及び長い細胞質テール1(KIR3DL1、KIR、CD158E1;NCBI遺伝子ID:3811)(例えば、Lirilumab(IPH2102/BMS-986015)、IPH-4102)、及び造血前駆細胞キナーゼ1(HPK1、MAP4K1)。
様々な実施形態では、本明細書に記載の1つ以上の多重特異性抗原結合分子は、1つ以上のT細胞阻害性免疫チェックポイントタンパク質又は受容体の、1つ以上の遮断薬又は阻害剤と組み合わされるか、又は共投与される。例示的なT細胞阻害性免疫チェックポイントタンパク質又は受容体は、以下を含むが、これらに限定されない:CD274(CD274、PDL1、PD-L1)、プログラム細胞死1リガンド2(PDCD1LG2、PD-L2、CD273)、プログラム細胞死1(PDCD1、PD1、PD-1)、細胞傷害性Tリンパ球関連タンパク質4(CTLA4、CD152)、CD276(B7H3)、Vセットドメイン含有T細胞活性化阻害因子1(VTCN1、B7H4)、Vセット免疫調節受容体(VSIR、B7H5、VISTA)、免疫グロブリンスーパーファミリーメンバー11(IGSF11、VSIG3)、TNFRSF14(HVEM、CD270)、TNFSF14(HVEML)、CD272(B及びTリンパ球関連(BTLA))、PVR関連免疫グロブリンドメイン含有(PVRIG、CD112R)、Ig及びITIMドメインを有するT細胞免疫受容体(TIGIT)、リンパ球活性化3(LAG3、CD223)、A型肝炎ウイルス細胞受容体2(HAVCR2、TIMD3、TIM3)、ガレクチン9(LGALS9)、キラー細胞免疫グロブリン様受容体、3つのIgドメイン、及び長い細胞質側末端1(KIR、CD158E1)、キラー細胞免疫グロブリン様受容体、1つのIgドメイン、及び長い細胞質尾部2(KIR2DL1)、キラー細胞免疫グロブリン様受容体、2つのIgドメイン、及び長い細胞質尾部2(KIR2DL2)、キラー細胞免疫グロブリン様受容体、3つのIgドメイン、及び長い細胞質尾部2(KIR2DL3)、並びにキラー細胞免疫グロブリン様受容体、3つのIgドメイン、及び長い細胞質尾部1(KIR3DL1)。様々な実施形態では、本明細書に記載される1つ以上の多重特異性抗原結合分子は、1つ以上のT細胞刺激性免疫チェックポイントタンパク質又は受容体の、1つ以上のアゴニスト又は活性化因子と組み合わされるか、又は共投与される。例示的なT細胞刺激性免疫チェックポイントタンパク質又は受容体としては、限定されるものではないが、以下が挙げられる:CD27、CD70、CD40、CD40LG、誘導性T細胞共刺激分子(ICOS、CD278)、誘導性T細胞共刺激分子リガンド(ICOSLG、B7H2)、TNF受容体スーパーファミリーメンバー4(TNFRSF4、OX40)、TNFスーパーファミリーメンバー4(TNFSF4、OX40L)、TNFRSF9(CD137)、TNFSF9(CD137L)、TNFRSF18(GITR)、TNFSF18(GITRL)、CD80(B7-1)、CD28、ネクチン細胞接着分子2(NECTIN2、CD112)、CD226(DNAM-1)、CD244(2B4、SLAMF4)、ポリオウイルス受容体(PVR)細胞接着分子(PVR、CD155)。例えば、Xu,et al.,J Exp Clin Cancer Res.(2018)37:110を参照されたい。
様々な実施形態では、本明細書に記載の1つ以上の多重特異性抗原結合分子は、1つ以上のNK細胞阻害性免疫チェックポイントタンパク質又は受容体の、1つ以上の遮断薬又は阻害剤と組み合わされるか、又は共投与される。例示的なNK細胞抑制性免疫チェックポイントタンパク質又は受容体としては、限定されるものではないが、以下が挙げられる:キラー細胞免疫グロブリン様受容体、3つのIgドメイン、及び長い細胞質尾部(KIR、CD158E1)、キラー細胞免疫グロブリン様受容体、1つのIgドメイン、及び長い細胞質尾部2(KIR2DL1)、キラー細胞免疫グロブリン様受容体、2つのIgドメイン、及び長い細胞質尾部2(KIR2DL2)、キラー細胞免疫グロブリン様受容体、3つのIgドメイン、及び長い細胞質尾部2(KIR2DL3)、キラー細胞免疫グロブリン様受容体、3つのIgドメイン、及び長い細胞質尾部1(KIR3DL1)、キラー細胞レクチン様受容体C1(KLRC1、NKG2A、CD159A)、及びキラー細胞レクチン様受容体D1(KLRD1、CD94)。様々な実施形態では、本明細書に記載の1つ以上の多重特異性抗原結合分子は、1つ以上のNK細胞刺激性免疫チェックポイントタンパク質又は受容体の、1つ以上のアゴニスト又は活性化因子と組み合わされるか、又は共投与される。例示的なNK細胞刺激性免疫チェックポイントタンパク質又は受容体としては、限定されるものではないが、以下が挙げられる:CD16、CD226(DNAM-1)、CD244(2B4、SLAMF4)、キラー細胞レクチン様受容体K1(KLRK1、NKG2D、CD314)、SLAMファミリーメンバー7(SLAMF7)。例えば、Davis,et al.,Semin Immunol.(2017)31:64-75;Fang,et al.,Semin Immunol.(2017)31:37-54、及びChiossone,et al.,Nat Rev Immunol.(2018)18(11):671-688を参照されたい。
いくつかの実施形態では、1種以上の免疫チェックポイント阻害剤は、PD-L1(CD274)、PD-1(PDCD1)、又はCTLA4のタンパク質性阻害剤(例えば、抗体若しくはその断片、又は抗体ミメティック)を含む。いくつかの実施形態では、1種以上の免疫チェックポイント阻害剤は、PD-L1(CD274)、PD-1(PDCD1)、又はCTLA4の有機小分子阻害剤を含む。
共投与され得るCTLA4の阻害剤の例としては、イピリムマブ、トレメリムマブ、BMS-986218、AGEN1181、AGEN1884、BMS-986249、MK-1308、REGN-4659、ADU-1604、CS-1002、BCD-145、APL-509、JS-007、BA-3071、ONC-392、AGEN-2041、JHL-1155、KN-044、CG-0161、ATOR-1144、PBI-5D3H5、BPI-002、並びに多重特異性阻害剤FPT-155(CTLA4/PD-L1/CD28)、PF-06936308(PD-1/CTLA4)、MGD-019(PD-1/CTLA4)、KN-046(PD-1/CTLA4)、MEDI-5752(CTLA4/PD-1)、XmAb-20717(PD-1/CTLA4)、及びAK-104(CTLA4/PD-1)が挙げられるが、これらに限定されない。
共投与され得るPD-L1(CD274)又はPD-1(PDCD1)の阻害剤の例としては、ペンブロリズマブ、ニボルマブ、セミプリマブ、ピディリズマブ、AMP-224、MEDI0680(AMP-514)、スパルタリズマブ、アテゾリズマブ、アベルマブ、デュルバルマブ、BMS-936559、CK-301、PF-06801591、BGB-A317(ティスレリズマブ)、GLS-010(WBP-3055)、AK-103(HX-008)、AK-105、CS-1003、HLX-10、MGA-012、BI-754091、AGEN-2034、JS-001(トリパリマブ)、JNJ-63723283、ゲノリムズマブ(CBT-501)、LZM-009、BCD-100、LY-3300054、SHR-1201、SHR-1210(カムレリズマブ)、Sym-021、ABBV-181(ブディジャリマブ(budigalimab))、PD1-PIK、BAT-1306、(MSB0010718C)、CX-072、CBT-502、TSR-042(ドスタルリマブ)、MSB-2311、JTX-4014、BGB-A333、SHR-1316、CS-1001(WBP-3155、KN-035、IBI-308(シンチリマブ)、HLX-20、KL-A167、STI-A1014、STI-A1015(IMC-001)、BCD-135、FAZ-053、TQB-2450、MDX1105-01、GS-4224、GS-4416、INCB086550、MAX10181、並びに多重特異性阻害剤FPT-155(CTLA4/PD-L1/CD28)、PF-06936308(PD-1/CTLA4)、MGD-013(PD-1/LAG-3)、FS-118(LAG-3/PD-L1)MGD-019(PD-1/CTLA4)、KN-046(PD-1/CTLA4)、MEDI-5752(CTLA4/PD-1)、RO-7121661(PD-1/TIM-3)、XmAb-20717(PD-1/CTLA4)、AK-104(CTLA4/PD-1)、M7824(PD-L1/TGFβ-ECドメイン)、CA-170(PD-L1/VISTA)、CDX-527(CD27/PD-L1)、LY-3415244(TIM3/PDL1)、及びINBRX-105(4-1BB/PDL1)が挙げられるが、これらに限定されない。
いくつかの実施形態では、CD274又はPDCD1の小分子阻害剤は、GS-4224、GS-4416、INCB086550、及びMAX10181からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、CTLA4の小分子阻害剤は、BPI-002を含む。
Ig及びITIMドメインを有するT細胞免疫受容体(TIGIT)の阻害剤
様々な実施形態では、本明細書に記載される免疫原性ポリペプチド、そのようなポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、ベクター、LNP、及びそのようなポリペプチド又はポリヌクレオチドを含む免疫原性組成物は、Ig及びITIMドメインを有するT細胞免疫受容体(TIGIT)(NCBI遺伝子ID201633)の1つ以上の阻害剤と組み合わされるか、又は共投与される。組み合わせられ得る又は共投与され得る抗TIGIT抗体の例としては、エチジリマブ(etigilimab)、BMS-986207、チラゴルマブ(tiragolumab)(別名、MTIG-7192A;RG-6058;RO7092284)、ビボストリマブ(vibostolimab)(MK-7684)、オシペルリマブ(ociperlimab)(BGB-A1217)、ドムバナリマブ(domvanalimab)(AB154)、AGEN1307、AGEN1327、AGEN1777、COM-902、IBI-939、AB154、SGN-TGT、MG1131、及びEOS884448(EOS-448)が挙げられる。
TNF受容体スーパーファミリー(TNFRSF)メンバーのアゴニスト又は活性化因子
様々な実施形態では、本明細書に記載の1つ以上の多重特異性抗原結合分子は、1つ以上のTNF受容体スーパーファミリー(TNFRSF)メンバーのアゴニスト、例えば、TNFRSF1A(NCBI遺伝子ID:7132)、TNFRSF1B(NCBI遺伝子ID:7133)、TNFRSF4(OX40、CD134;NCBI遺伝子ID:7293)、TNFRSF5(CD40;NCBI遺伝子ID:958)、TNFRSF6(FAS、NCBI遺伝子ID:355)、TNFRSF7(CD27、NCBI遺伝子ID:939)、TNFRSF8(CD30、NCBI遺伝子ID:943)、TNFRSF9(4-1BB、CD137、NCBI遺伝子ID:3604)、TNFRSF10A(CD261、DR4、TRAILR1、NCBI遺伝子ID:8797)、TNFRSF10B(CD262、DR5、TRAILR2、NCBI遺伝子ID:8795)、TNFRSF10C(CD263、TRAILR3、NCBI遺伝子ID:8794)、TNFRSF10D(CD264、TRAILR4、NCBI遺伝子ID:8793)、TNFRSF11A(CD265、RANK、NCBI遺伝子ID:8792)、TNFRSF11B(NCBI遺伝子ID:4982)、TNFRSF12A(CD266、NCBI遺伝子ID:51330)、TNFRSF13B(CD267、NCBI遺伝子ID:23495)、TNFRSF13C(CD268、NCBI遺伝子ID:115650)、TNFRSF16(NGFR、CD271、NCBI遺伝子ID:4804)、TNFRSF17(BCMA、CD269、NCBI遺伝子ID:608)、TNFRSF18(GITR、CD357、NCBI遺伝子ID:8784)、TNFRSF19(NCBI遺伝子ID:55504)、TNFRSF21(CD358、DR6、NCBI遺伝子ID:27242)、及びTNFRSF25(DR3、NCBI遺伝子ID:8718)のうちの1つ以上のアゴニストと組み合わされる。
共投与され得る例示的な抗TNFRSF4(OX40)抗体としては、MEDI6469、MEDI6383、MEDI0562(タボリキシズマブ)、MOXR0916、PF-04518600、RG-7888、GSK-3174998、INCAGN1949、BMS-986178、GBR-8383、ABBV-368、並びに国際公開第2016179517号、国際公開第2017096179号、国際公開第2017096182号、国際公開第2017096281号、及び国際公開第2018089628号に記載の抗体が挙げられるが、これらに限定されない。
共投与され得る例示的な抗TNFRSF5(CD40)抗体としては、RG7876、SEA-CD40、APX-005M、及びABBV-428が挙げられるが、これらに限定されない。
いくつかの実施形態では、抗TNFRSF7(CD27)抗体バルリルマブ(CDX-1127)は、共投与される。
共投与され得る例示的な抗TNFRSF9(4-1BB、CD137)抗体としては、限定されるものではないが、ウレルマブ、ウトミルマブ(PF-05082566)、AGEN2373、及びADG-106が挙げられる。
共投与され得る例示的な抗TNFRSF18(GITR)抗体としては、MEDI1873、FPA-154、INCAGN-1876、TRX-518、BMS-986156、MK-1248、GWN-323、並びに国際公開第2017096179号、国際公開第2017096276号、国際公開第2017096189号、及び国際公開第2018089628号に記載の抗体が挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、TNFRSF4(OX40)及びTNFRSF18(GITR)を同時に標的とする抗体又はその断片が共投与される。かかる抗体は、例えば、国際公開第2017/096179号及び同第2018/089628号に記載されている。
二重特異性及び三重特異性ナチュラルキラー(NK)細胞エンゲージャー
様々な実施形態では、本明細書に記載の1つ以上の多重特異性抗原結合分子は、NK細胞活性化受容体、例えば、CD16A、C型レクチン受容体(CD94/NKG2C、NKG2D、NKG2E/H、及びNKG2F)、天然細胞傷害性受容体(NKp30、NKp44、及びNKp46)、キラー細胞C型レクチン様受容体(NKp65、NKp80)、Fc受容体FcγR(抗体依存性細胞傷害を媒介する)、SLAMファミリー受容体(例えば、2B4、SLAM6、及びSLAM7)、キラー細胞免疫グロブリン様受容体(KIR)(KIR-2DS及びKIR-3DS)、DNAM-1、及びCD137(4-1BB)に対する二重特異性NK細胞エンゲージャー(bi-specific NK-cell engager、BiKE)若しくは三重特異性NK細胞エンゲージャー(tri-specific NK-cell engager、TriKE)(例えば、Fcを有しない)又は二重特異性抗体(例えば、Fcを有する)と組み合わされるか、又は共投与される。共投与され得る例示的な抗CD16二重特異性抗体、BiKE、又はTriKEとしては、AFM26(BCMA/CD16A)及びAFM-13(CD16/CD30)が挙げられる。必要に応じて、抗CD16結合二重特異性分子は、Fcを有していても有していなくてもよい。BiKE及びTriKEは、例えば、Felices,et al.,Methods Mol Biol.(2016)1441:333-346;Fang,et al.,Semin Immunol.(2017)31:37-54に記載されている。三重特異性NK細胞エンゲージャー(TRiKE)の例としては、OXS-3550、HIV-TriKE、及びCD16-IL-15-B7H3 TriKeが挙げられる。
ホスファチジルイノシトール3-キナーゼ(PI3K)阻害剤
ある特定の実施形態では、本明細書に記載の1つ以上の多重特異性抗原結合分子は、ホスファチジルイノシトール-4,5-二リン酸3-キナーゼ触媒サブユニット、例えば、ホスファチジルイノシトール-4,5-二リン酸3-キナーゼ触媒サブユニットα(PIK3CA、CLAPO、CLOVE、CWS5、MCAP、MCM、MCMTC、PI3K、PI3K-α、p110-α;NCBI遺伝子ID:5290)、ホスファチジルイノシトール-4,5-二リン酸3-キナーゼ触媒サブユニットβ(PIK3CB、P110BETA、PI3K、PI3KBETA、PIK3C1;NCBI遺伝子ID:5291)、ホスファチジルイノシトール-4,5-二リン酸3-キナーゼ触媒サブユニットγ(PIK3CG、PI3CG、PI3K、PI3Kγ、PIK3、p110γ、p120-PI3K;遺伝子ID:5494)、及びホスファチジルイノシトール-4,5-二リン酸3-キナーゼ触媒サブユニットδ(PIK3CD、APDS、IMD14、P110δ、PI3K、p110D、NCBI遺伝子ID:5293)のうちの少なくとも1つの阻害剤と組み合わされるか、又は共投与される。いくつかの実施形態では、PI3K阻害剤は、pan-PI3K阻害剤である。組み合わされ得る又は共投与され得るPI3K阻害剤の例としては、限定するものではないが、ACP-319、AEZA-129、AMG-319、AS252424、AZD8186、BAY 1082439、BEZ235、ビミラリシブ(PQR309)、ブパリシブ(BKM120)、BYL719(アルペリシブ)、カルボキシアミドトリアゾールオロチン酸(CTO)、CH5132799、CLR-457、CLR-1401、コパンリシブ(BAY 80-6946)、DS-7423、ドゥベリシブ(IPI-145)、フィメピノスタット(CUDC-907)、ゲダトリシブ(PF-05212384)、GDC-0032、GDC-0084(RG7666)、GDC-0077、ピクチリシブ(GDC-0941)、GDC-0980、GSK2636771、GSK2269577、イデラリシブ(Zydelig(登録商標))、INCB040093、INCB50465、IPI-443、IPI-549、KAR4141、LY294002、LY3023414、NERLYNX(登録商標)(ネラチニブ)、ネミラリシブ(GSK2269557)、オミパリシブ(GSK2126458、GSK458)、OXY111A、パヌリシブ(P7170、AK151761)、PA799、ペリホシン(KRX-0401)、ピララリシブ(SAR245408;XL147)、プキチニブメシラート(XC-302)、SAR260301、セレタリシブ(UCB-5857)、セラベリシブ(INK-1117、MLN-1117、TAK-117)、SF1126、ソノリシブ(PX-866)、RG7604、リゴセルチブナトリウム(ON-01910ナトリウム)、RP5090、テナリシブ(RP6530)、RV-1729、SRX3177、タセリシブ、TG100115、ウンブラリシブ(TGR-1202)、TGX221、ボックスタリシブ(SAR245409)、VS-5584、WX-037、X-339、X-414、XL499、XL756、ウォルトマンニン、ZSTK474、並びに国際公開第2005/113556号(ICOS)、同第2013/052699号(Gilead Calistoga)、同第2013/116562号(Gilead Calistoga)、同第2014/100765号(Gilead Calistoga)、同第2014/100767号(Gilead Calistoga)、及び同第2014/201409号(Gilead Sciences)に記載の化合物が挙げられる。
α-4/β-7アンタゴニスト
ある特定の実施形態では、本明細書に記載の1つ以上の多重特異性抗原結合分子は、アルファ-4/ベータ-7アンタゴニストと組み合わされるか、又は共投与される。インテグリンα-4/β-7アンタゴニストの例には、PTG-100、TRK-170、アブリルマブ、エトロリズマブ、カロテグラストメチル、及びベドリズマブが挙げられる。
HPK1阻害剤
ある特定の実施形態では、本明細書に記載の1つ以上の多重特異性抗原結合分子は、マイトジェン活性化プロテインキナーゼキナーゼキナーゼキナーゼ1(MAP4K1;NCBI遺伝子ID:11184、別名、造血前駆体キナーゼ1(HPK1))と組み合わされるか、又は共投与される。HPK1モジュレーターの例としては、ZYF-0272及びZYF-0057が挙げられるが、これらに限定されない。
薬物動態増強剤
ある特定の実施形態では、本明細書に記載の1つ以上の多重特異性抗原結合分子は、薬物動態増強剤と組み合わされるか、又は共投与される。薬物動態増強剤の例には、コビシスタット及びリトナビルが挙げられる。
追加の治療薬
追加の治療薬の例としては、国際公開第2004/096286号(Gilead Sciences)、国際公開第2006/015261号(Gilead Sciences)、国際公開第2006/110157号(Gilead Sciences)、国際公開第2012/003497号(Gilead Sciences)、国際公開第2012/003498号(Gilead Sciences)、国際公開第2012/145728号(Gilead Sciences)、国際公開第2013/006738号(Gilead Sciences)、国際公開第2013/159064号(Gilead Sciences)、国際公開第2014/100323号(Gilead Sciences)、米国特許出願公開第2013/0165489号(University of Pennsylvania)、米国特許出願公開第2014/0221378号(Japan Tobacco)、米国特許出願公開第2014/0221380号(Japan Tobacco);、こう際k公開第2009/062285号(Boehringer Ingelheim)、国際公開第2010/130034(Boehringer Ingelheim)、国際公開第2013/006792号(Pharma Resources)、米国特許出願公開第20140221356号(Gilead Sciences)、米国特許出願公開第20100143301号(Gilead Sciences)、及び米国特許出願公開第2013/091096号(Boehringer Ingelheim)に開示されている化合物が挙げられる。
長時間作用型HIV阻害剤
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の1つ以上の多重特異性抗原結合分子は、長時間作用型HIV阻害剤と組み合わせられ得るか、又は共投与され得る。長時間作用型HIV阻害剤として開発されている薬物の例としては、カボテグラビルLA、リルピビリンLA、任意のインテグラーゼLA、VM-1500 LAI、マラビロク(LAI)、テノホビルインプラント、イスラトラビル(MK-8591)インプラント、長時間作用型ドルテグラビルが挙げられるが、これらに限定されない。
HIVワクチン
ある特定の実施形態では、本明細書に記載の1つ以上の多重特異性抗原結合分子は、HIVワクチンと組み合わされるか、又は共投与される。本開示の薬剤と組み合わせられ得るHIVワクチンの実例としては、ペプチドワクチン、組換えサブユニットタンパク質ワクチン、生ベクターワクチン、DNAワクチン、HIV MAG DNAワクチン、CD4由来ペプチドワクチン、ワクチン併用、アデノウイルスベクターワクチン(Ad5、Ad26、又はAd35などのアデノウイルスベクター)、サルアデノウイルス(チンパンジー、ゴリラ、アカゲザル、すなわち、rhAd)、アデノ随伴ウイルスベクターワクチン、チンパンジーアデノウイルスワクチン(例えば、ChAdOX1、ChAd68、ChAd3、ChAd63、ChAd83、ChAd155、ChAd157、Pan5、Pan6、Pan7、Pan9)、コクサッキーウイルス系ワクチン、腸管系ウイルス系ワクチン、ゴリラアデノウイルスワクチン、レンチウイルスベクター系ワクチン、アレナウイルスワクチン(例えば、LCMV、Pichinde)、二分割型又は三分割型アレナウイルス系ワクチン、三量体系HIV-1ワクチン、はしかウイルス系ワクチン、フラビウイルスベクター系ワクチン、タバコモザイクウイルスベクター系ワクチン、水痘帯状疱疹ウイルス系ワクチン、ヒトパラインフルエンザウイルス3(PIV3)系ワクチン、ポックスウイルス系ワクチン(変異ワクシニアウイルスアンカラ(MVA)、オルソポックスウイルス由来NYVAC、及びアビポックスウイルス由来ALVAC(カナリアポックスウイルス)株);鶏痘ウイルス系ワクチン、ラブドウイルス系ワクチン、例えば、VSV及びマラバウイルス;組換えヒトCMV(rhCMV)系ワクチン、アルファウイルス系ワクチン、例えば、セムリキ森林ウイルス、ベネズエラウマ脳炎ウイルス、及びシンドビスウイルスなど(例えば、Lauer,et al.,Clin Vaccine Immunol(2017)24(1):e00298-16;LNP配合mRNA系治療用ワクチン;LNP配合自己複製RNA/自己増幅RNAワクチンが挙げられる。
ワクチンの例としては、AAVLP-HIVワクチン、抗CD40.Env-gp140ワクチン、Ad4-EnvC150、BG505 SOSIP.664 gp140アジュバント化ワクチン、BG505 SOSIP.GT1.1 gp140アジュバント化ワクチン、ChAdOx1.tHIVconsv1ワクチン、CMV-MVA三種ワクチン、ChAdOx1.HTI、Chimigen HIVワクチン、cConM SOSIP.v7 gp140、rgp120(AIDSVAX)、ALVAC HIV(vCP1521)/AIDSVAX B/E(gp120)(RV144)、単量体gp120 HIV-1サブタイプCワクチン、MPER-656リポソームサブユニットワクチン、Remune、ITV-1、Contre Vir、Ad5-ENVA-48、DCVax-001(CDX-2401)、Vacc-4x、Vacc-C5、VAC-3S、マルチクレードDNA組換えアデノウイルス-5(rAd5)、rAd5 gag-pol env A/B/Cワクチン、Pennvax-G、Pennvax-GP、Pennvax-G/MVA-CMDR、HIV-TriMix-mRNAワクチン、HIV-LAMP-vax、Ad35、Ad35-GRIN、NAcGM3/VSSP ISA-51、ポリ-ICLCアジュバント化ワクチン、TatImmune、GTU-multiHIV(FIT-06)、ChAdV63.HIVconsv、gp140[デルタ]V2.TV1+MF-59、rVSVIN HIV-1 gagワクチン、SeV-EnvF、SeV-Gagワクチン、AT-20、DNK-4、ad35-Grin/ENV、TBC-M4、HIVAX、HIVAX-2、N123-VRC-34.01(エピトープ系HIVワクチンを含む)、NYVAC-HIV-PT1、NYVAC-HIV-PT4、DNA-HIV-PT123、rAAV1-PG9DP、GOVX-B11、GOVX-B21、GOVX-C55、TVI-HIV-1、Ad-4(Ad4-envクレードC+Ad4-mGag)、Paxvax、EN41-UGR7C、EN41-FPA2、ENOB-HV-11、PreVaxTat、AE-H、MYM-V101、CombiHIVvac、ADVAX、MYM-V201、MVA-CMDR、MagaVax、DNA-Ad5 gag/pol/nef/nev(HVTN505)、MVATG-17401、ETV-01、CDX-1401、SCaVIIを発現するDNA及びSevベクターワクチン、rcAD26.MOS1.HIV-Env、Ad26.Mod.HIVワクチン、Ad26.Mod.HIV+MVAモザイクワクチン+gp140、AGS-004、AVX-101、AVX-201、PEP-6409、SAV-001、ThV-01、TL-01、TUTI-16、VGX-3300、VIR-1111、IHV-001、及び擬似ビリオンワクチンなどのウイルス様粒子ワクチン、CombiVICHvac、LFn-p24 B/C融合ワクチン、GTU系DNAワクチン、HIV gag/pol/nef/env DNAワクチン、抗TAT HIVワクチン、コンジュゲートポリペプチドワクチン、樹状細胞ワクチン(DermaVirなど)、gag系DNAワクチン、GI-2010、gp41 HIV-1ワクチン、HIVワクチン(PIKAアジュバント)、i-key/MHCクラスIIエピトープハイブリッドペプチドワクチン、ITV-2、ITV-3、ITV-4、LIPO-5、マルチクレードEnvワクチン、MVAワクチン、Pennvax-GP、pp71欠損HCMVベクターHIV gagワクチン、rgp160 HIVワクチン、RNActive HIVワクチン、SCB-703、Tat Oyiワクチン、TBC-M4、UBI HIV gp120、Vacc-4x+ロミデプシン、変異gp120ポリペプチドワクチン、rAd5 gag-pol env A/B/Cワクチン、DNA.HTI及びMVA.HTI、VRC-HIVDNA016-00-VP+VRC-HIVADV014-00-VP、INO-6145、JNJ-9220、gp145 C.6980、eOD-GT8 60mer系ワクチン、PD-201401、env(A、B、C、A/E)/gag(C)DNA Vaccine、gp120(A,B,C,A/E)タンパク質ワクチン、PDPHV-201401、Ad4-EnvCN54、EnvSeq-1 Envs HIV-1ワクチン(GLA-SEアジュバント化)、HIV p24gagプライムブーストプラスミドDNAワクチン、HIV-1 iglb12中和VRC-01抗体刺激抗CD4ワクチン、アレナウイルスベクター系ワクチン(Vaxwave,TheraT)、MVA-BN HIV-1ワクチンレジメン、UBI HIV gp120、mRNA系予防ワクチン、VPI-211、並びにTBL-1203HI、CH505 TF chTrimer、CD40.HIVRI.Envワクチン、Drep-HIV-PT-1、mRNA-1644、及びmRNA-1574が挙げられる。
受胎調節(避妊)併用療法
ある特定の実施形態では、本明細書に記載の1つ以上の多重特異性抗原結合分子は受胎調節又は避妊レジメンと組み合わされるか、又は共投与される。受胎調節(避妊)に使用される治療薬には、酢酸シプロテロン、デソゲストレル、ジエノゲスト、ドロスピレノン、吉草酸エストラジオール、エチニルエストラジオール、エチノジオール、エトノゲストレル、レボメフォラート、レボノルゲストレル、リネストレノール、酢酸メドロキシプロゲステロン、メストラノール、ミフェプリストン、ミソプロストール、酢酸ノメゲストロール、ノルレゲストロミン、ノルエチンドロン、ノルチノドレル、ノルゲスチマート、オルメロキシフェン、酢酸セゲステルソン、酢酸ウリプリスタル酢酸、及びそれらの任意の組み合わせが含まれる。
遺伝子療法及び細胞療法
ある特定の実施形態では、本明細書に記載の1つ以上の多重特異性抗原結合分子は、遺伝子又は細胞療法レジメンと組み合わされるか、又は共投与される。遺伝子療法及び細胞療法としては、遺伝子をサイレンシングするための遺伝子修飾;感染細胞を直接死滅させるための遺伝的アプローチと;感染細胞に対する免疫応答を増強するために患者自身の免疫系の大部分を置換するか、又は感染細胞を殺傷するために患者自身の免疫系を活性化するか、又は感染細胞を見つけて殺傷するように設計された、免疫細胞の注入;細胞活性を改変して、感染に対する内因性免疫応答性を更に変更するための遺伝的アプローチが含まれる。細胞療法の例としては、LB-1903、ENOB-HV-01、ENOB-HV-21、ENOB-HV-31、GOVX-B01、HSPC過剰発現ALDH1(LV-800、HIV感染症)、AGT103-T、及びSupT1細胞ベースの療法が挙げられる。樹状細胞療法の例には、AGS-004が挙げられる。CCR5遺伝子編集剤には、SB-728Tが含まれる。CCR5遺伝子阻害剤には、Cal-1、及びレンチウイルスベクターCCR5 shRNA/TRIM5α/TARデコイ形質導入自家CD34陽性造血前駆細胞(HIV感染症/HIV関連リンパ腫)が含まれる。いくつかの実施形態では、C34-CCR5/C34-CXCR4発現CD4陽性T細胞は、1つ以上の多重特異性抗原結合分子と共投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の薬剤は、AGT-103形質導入自家T細胞療法又はAAV-eCD4-Ig遺伝子療法と共投与される。
遺伝子エディタ
ある特定の実施形態では、本明細書に記載の1つ以上の多重特異性抗原結合分子は、遺伝子エディタ、例えば、HIV標的化遺伝子エディタと組み合わされるか、又は共投与される。様々な実施形態では、ゲノム編集システムは、CRISPR/Cas9複合体、亜鉛フィンガーヌクレアーゼ複合体、TALEN複合体、ホーミングエンドヌクレアーゼ複合体、及びメガヌクレアーゼ複合体からなる群から選択することができる。CRISPR/Cas9系を標的とする例示的なHIVは、EBT-101を含むが、これらに限定されない。
CAR-T細胞療法
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の1つ以上の多重特異性抗原結合分子は、キメラ抗原受容体(CAR)を発現するように操作された免疫エフェクタ細胞の集団と共投与することができ、CARは、HIV抗原結合ドメインを含む。HIV抗原は、HIVエンベロープタンパク質又はその一部、gp120又はその一部、gp120上のCD4結合部位、gp120上のCD4誘導結合部位、gp120上のNグリカン、gp120のV2、gp41上の膜近位領域を含む。免疫エフェクタ細胞は、T細胞又はNK細胞である。いくつかの実施形態では、T細胞は、CD4+T細胞、CD8+T細胞、又はこれらの組み合わせである。細胞は、自家であることも同種異系であることもできる。HIV CAR-Tの例としては、転換可能CAR-T、VC-CAR-T、CMV-N6-CART、抗CD4 CART細胞療法、CD4 CAR+C34-CXCR4+CCR5 ZFN T細胞、デュアル抗-CD4 CART-T細胞療法(CD4 CAR+C34-CXCR4 T細胞)、抗CD4 MicAbody抗体+抗MicAbody CAR T細胞療法(iNKG2D CAR、HIV感染症)、GP-120 CAR-T療法、CD4 CARを発現するように遺伝子操作された自家造血幹細胞、及びC46ペプチドが挙げられる。
TCR-T細胞療法
ある特定の実施形態では、本明細書に記載の1つ以上の多重特異性抗原結合分子は、TCR-T細胞集団と組み合わされるか、又は共投与される。TCR-T細胞は、ウイルス感染細胞、例えばImmTAVの表面上に存在するHIV由来ペプチドを標的とするよう遺伝子操作される。
B細胞療法
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の1つ以上の多重特異性抗原結合分子は、3BNC117などの広域中和抗体を発現するように遺伝子操作されたB細胞集団と組み合わされるか、又は共投与される(Hartweger,et al,J.Exp.Med.(2019)1301、Moffett,et al.,Sci.Immunol.4,eaax0644(2019)17 May 2019)。
例示的な併用療法
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の1つ以上の多重特異性抗原結合分子は、以下から選択される1つ、2つ、3つ、4つ以上の追加の治療薬と組み合わされるか、又は共投与される:ATRPIA(登録商標)(エファビレンツ、テノホビルジソプロキシルフマル酸塩、及びエムトリシタビン)、COMPLERA(登録商標)(EVIPLERA(登録商標);リルピビリン、テノホビルジソプロキシルフマレート、及びエムトリシタビン)、STRIBILD(登録商標)(エルビテグラビル、コビシスタット、テノホビルジソプロキシルフマレート、及びエムトリシタビン)、TRUVADA(登録商標)(テノホビルジソプロキシルフマレート及びエムトリシタビン;TDF+FTC)、DESCOVY(登録商標)(テノホビルアラフェナミド及びエムトリシタビン)、ODEFSEY(登録商標)(テノホビルアラフェナミド、エムトリシタビン、及びリルピビリン)、GENVOYA(登録商標)(テノホビルアラフェナミド、エムトリシタビン、コビシスタット、及びエルビテグラビル)、BIKTARVY(登録商標)(ビクテグラビル+エムトリシタビン+テノホビルアラフェナミド)、アデホビル、アデホビルジピボキシル、コビシスタット、エムトリシタビン、テノホビル、テノホビルアラフェナミド及びエルビテグラビル、テノホビルアラフェナミド+エルビテグラビル(直腸製剤、HIV感染症)、テノホビルジソプロキシル、テノホビルジソプロキシルフマル酸塩、テノホビルアラフェナミド、テノホビルアラフェナミドヘミフマレート、TRIUMEQ(登録商標)(ドルテグラビル、アバカビル、及びラミブジン)、ドルテグラビル、アバカビル硫酸塩、及びラミブジン、ラルテグラル、ペグ化ラルテグラビル、ラルテグラビル及びラミブジン、マラビロク、テノホビル+エムトリシタビン+マラビロク、エンフビルチド、ALUVIA(登録商標)(KALETRA(登録商標);ロピナビル及びリトナビル)、COMBIVIR(登録商標)(ジドブジン及びラミブジン;AZT+3TC)、EPZICOM(登録商標)(LIVEXA(登録商標);アバカビル硫酸塩及びラミブジン;ABC+3TC)、TRIZIVIR(登録商標)(アバカビル硫酸塩、ジドブジン、及びラミブジン;ABC+AZT+3TC)、リルピビリン、リルピビリン塩酸塩、アタザナビル硫酸塩及びコビシスタット、アタザナビル及びコビシスタット、ダルナビル及びコビシスタット、アタザナビル、アタザナビル硫酸塩、ドルテグラビル、エルビテグラビル、リトナビル、アタザナビル硫酸塩及びリトナビル、ダルナビル、ラミブジン、プロラスチン、ホサンプレナビル、ホサンプレナビルカルシウムエファビレンツ、エトラビリン、ネルフィナビル、ネルフィナビルメシル酸塩、インターフェロン、ジダノシン、スタブジン、インジナビル、インジナビル硫酸塩、テノホビル及びラミブジン、ジドブジン、ネビラピン、サキナビル、サキナビルメシル酸塩、アルデスロイキン、ザルシタビン、チプラナビル、アンプレナビル、デラビルジン、デラビルジンメシル酸塩、Radha-108(receptol)、ラミブジン及びテノホビルジソプロキシルフマレート、エファビレンツ、ラミブジン、及びテノホビルジソプロキシルフマレート、ホスファジド、ラミブジン、ネビラピン、及びジドブジン、アバカビル、及びアバカビル硫酸塩。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の1つ以上の多重特異性抗原結合分子は、逆転写酵素のHIVヌクレオシド又はヌクレオチド阻害剤、及び逆転写酵素のHIV非ヌクレオシド阻害剤と組み合わされるか、又は共投与される。別の具体的な実施形態では、本明細書に記載の1つ以上の多重特異性抗原結合分子、又はその医薬組成物は、逆転写酵素のHIVヌクレオシド又はヌクレオチド阻害剤、及びHIVプロテアーゼ阻害化合物と組み合わされるか、又は共投与される。追加の実施形態では、本明細書に記載の1つ以上の多重特異性抗原結合分子、又はその医薬組成物は、逆転写酵素のHIVヌクレオシド又はヌクレオチド阻害剤、逆転写酵素のHIV非ヌクレオシド阻害剤、及び薬物動態増強剤と組み合わされるか、又は共投与される。ある特定の実施形態では、本明細書に記載の1つ以上の多重特異性抗原結合分子、又はその医薬組成物は、逆転写酵素の少なくとも1つのHIVヌクレオシド阻害剤、インテグラーゼ阻害剤、及び薬物動態増強剤と組み合わされるか、又は共投与される。別の実施形態では、本明細書に記載の1つ以上の多重特異性抗原結合分子、又はその医薬組成物は、逆転写酵素の2つのHIVヌクレオシド又はヌクレオチド阻害剤と組み合わされるか、又は共投与される。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の1つ以上の多重特異性抗原結合分子は、アバカビル硫酸塩、テノホビル、テノホビルジソプロキシル、テノホビルジソプロキシルフマル酸塩、テノホビルジソプロキシルヘミフマル酸塩、テノホビルアラフェナミド、又はテノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩と組み合わされるか、又は共投与される。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の1つ以上の多重特異性抗原結合分子は、テノホビル、テノホビルジソプロキシル、テノホビルジソプロキシルフマル酸塩、テノホビルアラフェナミド、又はテノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩と組み合わされるか、又は共投与される。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の1つ以上の多重特異性抗原結合分子は、アバカビル硫酸塩、テノホビル、テノホビルジソプロキシル、テノホビルジソプロキシルフマル酸塩、テノホビルアラフェナミド、及びテノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩からなる群から選択される第1の追加の治療薬、並びにエムトリシタビン及びラミブジンからなる群から選択される第2の追加の治療薬と組み合わされるか、又は共投与される。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の1つ以上の多重特異性抗原結合分は、テノホビル、テノホビルジソプロキシル、テノホビルジソプロキシルフマル酸塩、テノホビルアラフェナミド、及びテノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩からなる群から選択される第1の追加の治療薬、並びに第2の追加の治療薬がエムトリシタビンである、第2の追加の治療薬と組み合わされるか、又は共投与される。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の1つ以上の多重特異性抗原結合分子は、ドルテグラビル、カボテグラビル、イスラトラビル、ダルナビル、ビクテグラビル、エルスルファビリン、リルピビリン、及びレナカパビルから選択される第1の追加の治療薬、並びにエムトリシタビン及びラミブジンから選択される第2の追加の治療薬と組み合わされるか、又は共投与される。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の1つ以上の多重特異性抗原結合分子は、酢酸シプロテロン、デソゲストレル、ジエノゲスト、ドロスピレノン、吉草酸エストラジオール、エチニルエストラジオール、エチノジオール、エトノゲストレル、レボメフォラート、レボノルゲストレル、リネストレノール、酢酸メドロキシプロゲステロン、メストラノール、ミフェプリストン、ミソプロストール、酢酸ノメゲストロール、ノルエルゲストロミン、ノルエチンドロン、ノルエチノドレル、ノルゲスチメート、オルメロキシフェン、酢酸セゲステロン、酢酸ウリプリスタル、及びこれらの任意の組み合わせからなる群から選択される、第1の追加の治療薬(避妊薬)と組み合わされるか、又は共投与される。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の1つ以上の多重特異性抗原結合分子は、例えば、多重特異性抗原結合分子の1回の投与当たり0.05mg~1000mgの範囲で、例えば、1回の投与当たり0.05mg~150mg、例えば、1回の投与当たり0.05mg~0.35mg、例えば、1回の投与当たり25mg~50mg、例えば、1回の投与当たり30mg~35mg、例えば、1回の投与当たり10mg~1000mg、例えば、1回の投与当たり50mg~1000mg、例えば、1回の投与当たり100mg~700mg、例えば、1回の投与当たり少なくとも0.05mg~最大0.1mg、0.2mg、0.3mg、0.35mg、0.4mg、0.5mg、0.6mg、0.7mg、0.8mg、1.0mg、5mg、10mg、25mg、30mg、35mg、40mg、45mg、50mg、60mg、70mg、80mg、90mg、100mg、200mg、300mg、400mg、500mg、600mg、700mg、800mg、900mg、又は1000mgの範囲の量で治療有効量で、1つ以上の追加の治療薬と組み合わされるか、又は共投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の1つ以上の多重特異性抗原結合分子は、1つ以上の追加の治療薬と組み合わされるか、又は共投与され、多重特異性抗原結合分子は、例えば、1回の投与当たり1μg/kg~5μg/kgの範囲で、例えば、350μg/kg~550μg/kg、例えば、0.3mg/kg~30mg/kg、例えば、2mg/kg~10mg/kg、例えば、1μg/kg~最大2μg/kg、3μg/kg、4μg/kg、5μg/kg、10μg/kg、50μg/kg、100μg/kg、250μg/kg、300μg/kg、350μg/kg、400μg/kg、410μg/kg、420μg/kg、430μg/kg、440μg/kg、450μg/kg、460μg/kg、470μg/kg、480μg/kg、490μg/kg、500μg/kg、750μg/kg、1mg/kg、1.5mg/kg、2mg/kg、2.5mg/kg、3mg/kg、3.5mg/kg、4mg/kg、4.5mg/kg、5mg/kg、6mg/kg、7mg/kg、8mg/kg、9mg/kg、10mg/kg、15mg/kg、20mg/kg、25mg/kg、30mg/kg、35mg/kg、40mg/kg、45mg/kg、又は50mg/kg体重の範囲の用量で治療有効量で投与される。
ある特定の実施形態では、本明細書に記載の1つ以上の多重特異性抗原結合分子は、5~30mgのテノホビルアラフェナミドフマル酸塩、テノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩、又はテノホビルアラフェナミド、及び200mgのエムトリシタビンと組み合わされるか、又は共投与される。ある特定の実施形態では、本明細書に記載の1つ以上の多重特異性抗原結合分子は、5~10、5~15、5~20、5~25、25~30、20~30、15~30、又は10~30mgのテノホビルアラフェナミドフマル酸塩、テノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩、又はテノホビルアラフェナミド、及び200mgのエムトリシタビンと組み合わされるか、又は共投与される。ある特定の実施形態では、本明細書に記載の1つ以上の多重特異性抗原結合分子は、10mgのテノホビルアラフェナミドフマル酸塩、テノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩、又はテノホビルアラフェナミド、及び200mgのエムトリシタビンと組み合わされるか、又は共投与される。ある特定の実施形態では、本明細書に記載の1つ以上の多重特異性抗原結合分子は、25mgのテノホビルアラフェナミドフマル酸塩、テノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩、又はテノホビルアラフェナミド、及び200mgのエムトリシタビンと組み合わされるか、又は共投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の1つ以上の多重特異性抗原結合分子は、投与量の各組み合わせが具体的かつ個別に列挙されているかのように、1つ以上の多重特異性抗原結合分子の任意の投与量(例えば、本明細書に記載されるように、1mg~500mgの1つ以上の多重特異性抗原結合分子)で、本明細書に提供される薬剤と組み合わされるか、又は共投与される。
ある特定の実施形態では、本明細書に記載の1つ以上の多重特異性抗原結合分子は、200~400mgのテノホビルジソプロキシルフマル酸塩、テノホビルジソプロキシルヘミフマル酸塩、又はテノホビルジソプロキシル、及び200mgのエムトリシタビンと組み合わされるか、又は共投与される。ある特定の実施形態では、本明細書に記載の1つ以上の多重特異性抗原結合分子は、200~250、200~300、200~350、250~350、250~400、350~400、300~400、又は250~400mgのテノホビルジソプロキシルフマル酸塩、テノホビルジソプロキシルヘミフマル酸塩、又はテノホビルジソプロキシル、及び200mgのエムトリシタビンと組み合わされるか、又は共投与される。ある特定の実施形態では、本明細書に記載の1つ以上の多重特異性抗原結合分子は、300mgのテノホビルジソプロキシルフマル酸塩、テノホビルジソプロキシルヘミフマル酸塩、又はテノホビルジソプロキシル、及び200mgのエムトリシタビンと組み合わされるか、又は共投与される。1つ以上の多重特異性抗原結合分子は、投与量の各組み合わせが具体的かつ個別に列挙されているかのように、任意の投与量(例えば、1mg~500mgの1つ以上の多重特異性抗原結合分子)で本明細書に提供される薬剤と組み合わされてもよい。
11. 医薬組成物
本明細書に記載される、1つ以上(例えば、1つ、2つ、又は3つ)の多重特異性抗原結合分子、又は本明細書に記載される1つ以上の多重特異性抗原結合分子をコードする1つ以上のポリヌクレオチド、及び薬学的に許容される希釈剤、担体、又は賦形剤を含む医薬組成物が更に提供される。ある特定の実施形態では、医薬組成物は、治療有効量の1つ以上の単位用量の1つ以上の多重特異性抗原結合分子、又は1つ以上の多重特異性抗原結合分子をコードする1つ以上のポリヌクレオチドを含む。
様々な薬学的に許容される希釈剤、キャリア、及び賦形剤、並びに医薬組成物の調製及び使用のための技術は、本開示に照らして当業者に公知である。例示的な医薬組成物、並びに薬学的に許容される希釈剤、担体、及び賦形剤はまた、例えば、Remington:The Science and Practice of Pharmacy 20th Ed.(Lippincott,Williams & Wilkins 2003)、Loyd V.Allen Jr(Editor),「Remington:The Science and Practice of Pharmacy,」22nd Edition,2012,Pharmaceutical Press、Brunton,Knollman and Hilal-Dandan,「Goodman and Gilman’s The Pharmacological Basis of Therapeutics,」13th Edition,2017,McGraw-Hill Education/Medical、McNally and Hastedt(Editors),「Protein Formulation and Delivery,2nd Edition,2007,CRC Press、Banga,「Therapeutic Peptides and Proteins:Formulation,Processing,and Delivery Systems,」3rd Edition,2015,CRC Press、Lars Hovgaard,Frokjaer and van de Weert(Editors),「Pharmaceutical Formulation Development of Peptides and Proteins,」2nd Edition,2012,CRC Press、Carpenter及びManning(Editors),「Rational Design of Stable Protein Formulations:Theory and Practice,」2002,Springer(Pharmaceutical Biotechnology(Book 13))、Meyer(Editor),「Therapeutic Protein Drug Products:Practical Approaches to Formulation in the Laboratory,Manufacturing,and the Clinic,2012,Woodhead Publishing、及びShire,」Monoclonal Antibodies:Meeting the Challenges in Manufacturing,Formulation,Delivery and Stability of Final Drug Product,2015,Woodhead Publishingに記載されている。
いくつかの実施形態では、各キャリア、希釈剤、又は賦形剤は、医薬組成物の他の成分と適合性であり、対象に有害ではないという意味で、「許容される(acceptable)」。多くの場合、薬学的に許容されるキャリアは、pH緩衝水溶液である。薬学的に許容され得るキャリア、希釈剤、又は賦形剤として役立ち得る材料のいくつかの例としては、以下が挙げられる:水;緩衝液、例えば、リン酸緩衝食塩水;ラクトース、トレハロース、グルコース、及びスクロースなどの糖;トウモロコシデンプン及びジャガイモデンプンなどのデンプン;セルロース、並びにカルボキシメチルセルロース、エチルセルロース、及び酢酸セルロースなどのその誘導体;トラガント末;麦芽;ゼラチン;タルク;カカオバター及び坐剤ワックスなどの賦形剤;落花生油、綿実油、ベニバナ油、ゴマ油、オリーブ油、トウモロコシ油、大豆油などの油;プロピレングリコールなどのグリコール;グリセリン、ソルビトール、マンニトール、及びポリエチレングリコールなどのポリオール;オレイン酸エチル及びラウリン酸エチルなどのエステル;寒天;水酸化マグネシウム及び水酸化アルミニウムなどの緩衝剤;アルギン酸;パイロジェンフリー水;等張性生理食塩水;リンゲル液、エチルアルコール;リン酸緩衝液;2-アミノ-2-(ヒドロキシメチル)プロパン-1,3-ジオール(すなわち、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン;Tris)緩衝液、アミノ酸(例えば、アスパラギン酸、アスパラギン、グルタミン酸、グルタミン、ヒスチジン、リジン、アルギニンを含むが、これらに限定されない、荷電アミノ酸)、並びに、医薬製剤に使用される、他の非毒性適合性物質。ラウリル硫酸ナトリウム、ポリソルベート(例えば、ポリソルベート20、ポリソルベート40、ポリソルベート60、ポリソルベート80)、及びステアリン酸マグネシウムなどの湿潤剤、乳化剤、及び潤滑剤、並びに着色剤、離型剤、コーティング剤、甘味剤、香味剤及び芳香剤、防腐剤及び抗酸化剤もまた、組成物中に存在することができる。一実施形態では、医薬組成物は、生理学的に許容される緩衝液、pH5.5~8.5、例えば、pH 5.5~6.5、スクロース、及びポリソルベート80を含む。一実施形態では、医薬組成物は、ヒスチジン、スクロース、及びポリソルベート80を含む。一実施形態では、医薬組成物は、リン酸ナトリウム、スクロース、及びポリソルベート80を含む。一実施形態では、医薬組成物は、Tris緩衝液、スクロース、及びポリソルベート80を含む。ある特定の実施形態では、医薬組成物は、無菌である。ある特定の実施形態では、医薬組成物は、4.5~8.5、5.5~7.4、4.5~6.5、6.4~7.0、6.5~8.5、7.2~7.8の範囲のpH、又は5.0、5.5、5.6、5.7、5.8、5.9、6.0、6.5、7.0、7.5、8.0、若しくは8.5のpHを有する。一実施形態では、医薬組成物は、240~260又は250~330mOsmol/Lの範囲のモル浸透圧濃度を有する。ある特定の実施形態では、医薬組成物は、等張性又はほぼ等張性である。
医薬組成物の製剤化及び送達方法は、概して、治療される部位及び疾患に従って適合される。例示的な製剤としては、非経口投与、例えば、静脈内、動脈内、筋肉内、又は皮下投与に好適なもの(ミセル、リポソーム又は薬物放出カプセル(徐放のために設計された生体適合性コーティング内に組み込まれた活性薬剤)に封入された製剤を含む)、摂取可能な製剤;クリーム、軟膏、及びゲルなどの局所使用のための製剤;並びに、吸入剤、エアロゾル、及びスプレーなどの他の製剤が含まれるが、これらに限定されない。
いくつかの実施形態では、医薬組成物は、非経口投与、例えば、静脈内、皮下、又は筋肉内)のために製剤化される。特定の実施形態では、非経口投与のために、抗体又はその抗原結合性断片は、薬学的に許容される非経口ビヒクルとともに単位投与量注射可能形態(溶液、懸濁液、エマルジョン)で製剤化される。そのようなビヒクルの例としては、水、生理食塩水、リンガー溶液、デキストロース溶液、及び5%ヒト血清アルブミンが挙げられる。固定油及びオレイン酸エチルなどの非水性ビヒクルも使用することができる。リポソームを担体として使用してもよい。ビヒクルは、等張性及び化学的安定性を増強する物質、例えば、緩衝剤及び防腐剤などの少量の添加剤を含有してもよい。ある特定の実施形態では、多重特異性抗原結合分子は、0.10mg/mL~150mg/mL、例えば、0.11mg/mL~100mg/mL、例えば、1mg/mL~100mg/mL、例えば、5mg/mL~60mg/mL、例えば、20mg/mL~150mg/mL、例えば、10mg/mL~50mg/mL、例えば、5mg/mL、10mg/mL、15mg/mL、20mg/mL、25mg/mL、30mg/mL、35mg/mL、40mg/mL、45mg/mL、50mg/mL、60mg/mL、70mg/mL、80mg/mL、90mg/mL、100mg/mL、125mg/mL、又は150mg/mLの濃度でそのようなビヒクル中に製剤化される。
いくつかの実施形態では、医薬組成物は、CD3に結合する第1の抗原結合ドメイン、及びCD4結合部位(CD4bs)のgp120のエピトープ又は領域に結合し、CD4の1つ以上の細胞外(EC)ドメインを含む第2の抗原結合ドメインを有する多重特異性抗原結合分子と、任意選択で、IL-15受容体アゴニストと、を含む。いくつかの実施形態では、CD4の1つ以上のECドメインは、配列番号746~749に示される配列、又は配列番号746~749(例えば、配列番号746)のアミノ酸配列と、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、若しくは少なくとも99%同一である配列を含む。いくつかの実施形態では、CD4のCドメインは、配列番号746の配列と、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は少なくとも99%同一である配列を含む。いくつかの実施形態では、CD4のECドメインは、配列番号746の配列と少なくとも95%同一である配列を含む。いくつかの実施形態では、CD4のECドメインは、配列番号746の配列と少なくとも99%同一である配列を含む。いくつかの実施形態では、CD4のECドメインは、配列番号746の配列を含む。いくつかの実施形態では、第1の抗原結合ドメインは、それぞれ、以下のアミノ酸配列(Kabatに従う):配列番号1、11、8、4、9、及び10、又は配列番号1、12、8、4、9、及び10を含む、第1のVH-CDR1、第1のVH-CDR2、第1のVH-CDR3、第1のVL-CDR1、第1のVL-CDR2、及び第1のVL-CDR3を含み、第2の抗原結合ドメインは、配列番号746~749からなる群(例えば、配列番号746)から選択されるCD4 ECドメインを含むか、又はそれと、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、若しくは少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む、CD4の1つ以上のECドメインを含む。いくつかの実施形態では、第1の抗原結合ドメインは、それぞれ、以下のアミノ酸配列(Kabatに従う):配列番号1、12、8、4、9、及び10を含む、第1のVH-CDR1、第1のVH-CDR2、第1のVH-CDR3、第1のVL-CDR1、第1のVL-CDR2、及び第1のVL-CDR3を含み、第2の抗原結合ドメインは、配列番号746のCD4 ECドメインと、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、若しくは少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む、CD4の1つのECドメインを含む。いくつかの実施形態では、第1の抗原結合ドメインは、それぞれ、以下のアミノ酸配列(Kabatに従う):配列番号1、12、8、4、9、及び10を含む、第1のVH-CDR1、第1のVH-CDR2、第1のVH-CDR3、第1のVL-CDR1、第1のVL-CDR2、及び第1のVL-CDR3を含み、第2の抗原結合ドメインは、配列番号746のCD4 ECドメインと少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含む、CD4の1つのECドメインを含む。いくつかの実施形態では、第1の抗原結合ドメインは、それぞれ、以下のアミノ酸配列(Kabatに従う):配列番号1、12、8、4、9、及び10を含む、第1のVH-CDR1、第1のVH-CDR2、第1のVH-CDR3、第1のVL-CDR1、第1のVL-CDR2、及び第1のVL-CDR3を含み、第2の抗原結合ドメインは、配列番号746のCD4 ECドメインと少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む、CD4の1つのECドメインを含む。いくつかの実施形態では、第1の抗原結合ドメインは、それぞれ、以下のアミノ酸配列(Kabatに従う):配列番号1、12、8、4、9、及び10を含む、第1のVH-CDR1、第1のVH-CDR2、第1のVH-CDR3、第1のVL-CDR1、第1のVL-CDR2、及び第1のVL-CDR3を含み、第2の抗原結合ドメインは、配列番号746のアミノ酸配列を含む、CD4の1つのECドメインを含む。いくつかの実施形態では、第1の抗原結合ドメインは、それぞれ、以下のアミノ酸配列(Chothiaに従う):配列番号17、18、23、20、24、及び25を含む、第1のVH-CDR1、第1のVH-CDR2、第1のVH-CDR3、第1のVL-CDR1、第1のVL-CDR2、及び第1のVL-CDR3を含み、第2の抗原結合ドメインは、配列番号746~749からなる群(例えば、配列番号746)から選択されるCD4 ECドメインを含むか、又はそれと、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、若しくは少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む、CD4の1つ以上のECドメインを含む。いくつかの実施形態では、第1の抗原結合ドメインは、それぞれ、以下のアミノ酸配列(Chothiaに従う):配列番号17、18、23、20、24、及び25を含む、第1のVH-CDR1、第1のVH-CDR2、第1のVH-CDR3、第1のVL-CDR1、第1のVL-CDR2、及び第1のVL-CDR3を含み、第2の抗原結合ドメインは、配列番号746のCD4 ECドメインと少なくとも95%(例えば、少なくとも99%)同一であるアミノ酸配列を含む、CD4の1つのECドメインを含む。いくつかの実施形態では、第1の抗原結合ドメインは、それぞれ、以下のアミノ酸配列(Chothiaに従う):配列番号17、18、23、20、24及び25を含む、第1のVH-CDR1、第1のVH-CDR2、第1のVH-CDR3、第1のVL-CDR1、第1のVL-CDR2、及び第1のVL-CDR3を含み、第2の抗原結合ドメインは、配列番号746のアミノ酸配列を含む、CD4の1つのECドメインを含む。いくつかの実施形態では、第1の抗原結合ドメインは、それぞれ、以下のアミノ酸配列(IMGTに従う):配列番号28、29、32、31、24、及び10を含む、第1のVH-CDR1、第1のVH-CDR2、第1のVH-CDR3、第1のVL-CDR1、第1のVL-CDR2、及び第1のVL-CDR3を含み、第2の抗原結合ドメインは、配列番号746~749からなる群(例えば、配列番号746)から選択されるCD4 ECドメインを含むか、又はそれと、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、若しくは少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む、CD4の1つ以上のECドメインを含む。いくつかの実施形態では、第1の抗原結合ドメインは、それぞれ、以下のアミノ酸配列(IMGTに従う):配列番号28、29、32、31、24、及び10を含む、第1のVH-CDR1、第1のVH-CDR2、第1のVH-CDR3、第1のVL-CDR1、第1のVL-CDR2、及び第1のVL-CDR3を含み、第2の抗原結合ドメインは、配列番号746のCD4 ECドメインと少なくとも95%(例えば、少なくとも99%)同一であるアミノ酸配列を含む、CD4の1つのECドメインを含む。いくつかの実施形態では、第1の抗原結合ドメインは、それぞれ、以下のアミノ酸配列(IMGTに従う):配列番号28、29、32、31、24及び10を含む、第1のVH-CDR1、第1のVH-CDR2、第1のVH-CDR3、第1のVL-CDR1、第1のVL-CDR2、及び第1のVL-CDR3を含み、第2の抗原結合ドメインは、配列番号746のアミノ酸配列を含む、CD4の1つのECドメインを含む。いくつかの実施形態では、第1の抗原結合ドメインは、それぞれ、以下のアミノ酸配列(Honeggerに従う):配列番号34、42、40、37、41、及び25、又は配列番号34、43、40、37、41、及び25を含む、第1のVH-CDR1、第1のVH-CDR2、第1のVH-CDR3、第1のVL-CDR1、第1のVL-CDR2、及び第1のVL-CDR3を含み、第2の抗原結合ドメインは、配列番号746~749からなる群(例えば、配列番号746)から選択されるCD4 ECドメインを含むか、又はそれと、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、若しくは少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む、CD4の1つ以上のECドメインを含む。いくつかの実施形態では、第1の抗原結合ドメインは、それぞれ、以下のアミノ酸配列(Honeggerに従う):配列番号34、43、40、37、41、及び25を含む、第1のVH-CDR1、第1のVH-CDR2、第1のVH-CDR3、第1のVL-CDR1、第1のVL-CDR2、及び第1のVL-CDR3を含み、第2の抗原結合ドメインは、配列番号746のCD4 ECドメインを含むか、又はそれと、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、若しくは少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む、CD4の1つのECドメインを含む。いくつかの実施形態では、第1の抗原結合ドメインは、それぞれ、以下のアミノ酸配列(Honeggerに従う):配列番号34、43、40、37、41、及び25を含む、第1のVH-CDR1、第1のVH-CDR2、第1のVH-CDR3、第1のVL-CDR1、第1のVL-CDR2、及び第1のVL-CDR3を含み、第2の抗原結合ドメインは、配列番号746のCD4 ECドメインと少なくとも95%(例えば、少なくとも99%)同一であるアミノ酸配列を含む、CD4の1つのECドメインを含む。いくつかの実施形態では、第1の抗原結合ドメインは、それぞれ、以下のアミノ酸配列(Honeggerに従う):配列番号34、43、40、37、41及び25を含む、第1のVH-CDR1、第1のVH-CDR2、第1のVH-CDR3、第1のVL-CDR1、第1のVL-CDR2、及び第1のVL-CDR3を含み、第2の抗原結合ドメインは、配列番号746のアミノ酸配列を含む、CD4の1つのECドメインを含む。いくつかの実施形態では、第1の抗原結合ドメインは、それぞれ、以下に示されるアミノ酸配列を含むか、又はそれぞれ、以下に示されるアミノ酸配列:配列番号49及び55、配列番号50及び55、配列番号50及び56、配列番号51及び55、若しくは配列番号51及び56と、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、若しくは少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む、第1のVH及び第1のVLを含み、第2の抗原結合ドメインは、配列番号746~749からなる群(例えば、配列番号746)から選択されるCD4 ECドメインを含むか、又はそれと、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少



なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、若しくは少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む、CD4の1つ以上のECドメインを含む。いくつかの実施形態では、第1の抗原結合ドメインは、それぞれ、以下に示されるアミノ酸配列:配列番号51及び56と、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、若しくは少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む、第1のVH及び第1のVLを含み、第2の抗原結合ドメインは、配列番号746のCD4 ECドメインと、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、若しくは少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む、CD4の1つのECドメインを含む。いくつかの実施形態では、第1の抗原結合ドメインは、それぞれ、以下に示されるアミノ酸配列:配列番号51及び56と少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含む第1のVH及び第1のVLを含み、第2の抗原結合ドメインは、配列番号746のCD4 ECドメインと少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含むCD4の1つのECドメインを含む。いくつかの実施形態では、第1の抗原結合ドメインは、それぞれ、以下に示されるアミノ酸配列:配列番号51及び56と少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含む第1のVH及び第1のVLを含み、第2の抗原結合ドメインは、配列番号746のCD4 ECドメインと少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含むCD4の1つのECドメインを含む。いくつかの実施形態では、第1の抗原結合ドメインは、それぞれ、以下に示されるアミノ酸配列:配列番号51及び56と少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含む第1のVH及び第1のVLを含み、第2の抗原結合ドメインは、配列番号746のアミノ酸配列を含むCD4の1つのECドメインを含む。いくつかの実施形態では、第1の抗原結合ドメインは、それぞれ、以下に示されるアミノ酸配列:配列番号51及び56と少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む第1のVH及び第1のVLを含み、第2の抗原結合ドメインは、配列番号746のCD4 ECドメインと少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含むCD4の1つのECドメインを含む。いくつかの実施形態では、第1の抗原結合ドメインは、それぞれ、以下に示されるアミノ酸配列:配列番号51及び56を含む第1のVH及び第1のVLを含み、第2の抗原結合ドメインは、配列番号746のCD4 ECドメインと少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含むCD4の1つのECドメインを含む。いくつかの実施形態では、第1の抗原結合ドメインは、それぞれ、以下に示されるアミノ酸配列:配列番号51及び56と少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む第1のVH及び第1のVLを含み、第2の抗原結合ドメインは、配列番号746のCD4 ECドメインと少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含むCD4の1つのECドメインを含む。いくつかの実施形態では、第1の抗原結合ドメインは、配列番号51のアミノ酸配列を含む第1のVHと、配列番号56のアミノ酸配列と少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含む第1のVLとを含み、第2の抗原結合ドメインは、配列番号746のCD4 ECドメインと少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含むCD4の1つのECドメインを含む。いくつかの実施形態では、第1の抗原結合ドメインは、配列番号51のアミノ酸配列を含む第1のVHと、配列番号56のアミノ酸配列と少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含む第1のVLとを含み、第2の抗原結合ドメインは、配列番号746のCD4 ECドメインと少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含むCD4の1つのECドメインを含む。いくつかの実施形態では、第1の抗原結合ドメインは、配列番号51のアミノ酸配列を含む第1のVHと、配列番号56のアミノ酸配列と少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む第1のVLとを含み、第2の抗原結合ドメインは、配列番号746のCD4 ECドメインと少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含むCD4の1つのECドメインを含む。いくつかの実施形態では、第1の抗原結合ドメインは、配列番号51のアミノ酸配列を含む第1のVHと、配列番号56のアミノ酸配列と少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む第1のVLとを含み、第2の抗原結合ドメインは、配列番号746のCD4 ECドメインと少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含むCD4の1つのECドメインを含む。いくつかの実施形態では、第1の抗原結合ドメインは、配列番号51のアミノ酸配列と少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含む第1のVHと、配列番号56のアミノ酸配列を含む第1のVLとを含み、第2の抗原結合ドメインは、配列番号746のCD4 ECドメインと少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含むCD4の1つのECドメインを含む。いくつかの実施形態では、第1の抗原結合ドメインは、配列番号51のアミノ酸配列と少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含む第1のVHと、配列番号56のアミノ酸配列を含む第1のVLとを含み、第2の抗原結合ドメインは、配列番号746のCD4 ECドメインと少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含むCD4の1つのECドメインを含む。いくつかの実施形態では、第1の抗原結合ドメインは、配列番号51のアミノ酸配列と少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む第1のVHと、配列番号56のアミノ酸配列を含む第1のVLとを含み、第2の抗原結合ドメインは、配列番号746のCD4 ECドメインと少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含むCD4の1つのECドメインを含む。いくつかの実施形態では、第1の抗原結合ドメインは、配列番号51のアミノ酸配列と少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む第1のVHと、配列番号56のアミノ酸配列を含む第1のVLとを含み、第2の抗原結合ドメインは、配列番号746のCD4 ECドメインと少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含むCD4の1つのECドメインを含む。いくつかの実施形態では、第1の抗原結合ドメインは、それぞれ、以下に示されるアミノ酸配列:配列番号51及び56を含む第1のVH及び第1のVLを含み、第2の抗原結合ドメインは、配列番号746のアミノ酸配列を含むCD4の1つのECドメインを含む。
いくつかの実施形態では、医薬組成物は、第1及び第2の抗原結合分子を含む。いくつかの実施形態では、第1の多重特異性抗原結合分子は、GS-9722(エリポビマブ)、GS-2872、PGT-121、PGT-121.66、PGT-121.414、PGT-122、PGT-123、PGT-124、PGT-125、PGT-126、PGT-128、PGT-130、PGT-133、PGT-134、PGT-135、PGT-136、PGT-137、PGT-138、PGT-139、10-1074、10-1074-J、VRC24、2G12、BG18、354BG8、354BG18、354BG42、354BG33、354BG129、354BG188、354BG411、354BG426、DH270.1、DH270.6、PGDM12、VRC41.01、PGDM21、PCDN-33A、BF520.1、及びVRC29.03からなる群から選択される抗体由来のVH及びVL領域と競合するか又はそれらを含み、第2の抗原結合分子又は抗体若しくはその断片は、3BNC117、GS-9723、GS-5423、3BNC60、b12、F105、VRC01、VRC07、VRC07-523、VRC03、VRC06、VRC06b01 VRC08、VRC0801、NIH45-46、PGV04(別名、VRC-PG04);CH103、44-VRC13.01、1NC9、12A12、N6、1-18、N49-P7、NC-Cow1、IOMA、CH235及びCH235.12、N49P6、N49P7、N49P11、N49P9、並びにN60P25からなる群から選択される抗体由来のVH及びVL領域と競合するか又はそれらを含む。いくつかの実施形態では、第1の多重特異性抗原結合分子は、GS-9722(エリポビマブ)、GS-2872、PGT-121、PGT121.414、10-1074、10-1074-J、及びPGT-134からなる群から選択される抗体由来のVH及びVL領域と競合するか又はそれらを含み、第2の抗原結合分子又は抗体若しくはその抗原結合断片は、3BNC117、GS-9723、VRC07、又はVRC07-523由来のVH及びVL領域と競合するか又はそれらを含む。
いくつかの実施形態では、第1の多重特異性抗原結合分子は、3BNC117、GS-9723、GS-5423、3BNC60、b12、F105、VRC01、VRC07、VRC07-523、VRC03、VRC06、VRC06b01 VRC08、VRC0801、NIH45-46、PGV04(別名、VRC-PG04);CH103、44-VRC13.01、1NC9、12A12、N6、1-18、N49-P7、NC-Cow1、IOMA、CH235及びCH235.12、N49P6、N49P7、N49P11、N49P9、並びにN60P25からなる群から選択される抗体由来のVH及びVL領域と競合するか又はこれらを含み、第2の抗原結合分子又は抗体若しくはその断片は、GS-9722(エリポビマブ)、GS-2872、PGT-121、PGT-121.66、PGT-121.414、PGT-122、PGT-123、PGT-124、PGT-125、PGT-126、PGT-128、PGT-130、PGT-133、PGT-134、PGT-135、PGT-136、PGT-137、PGT-138、PGT-139、10-1074、10-1074-J、VRC24、2G12、BG18、354BG8、354BG18、354BG42、354BG33、354BG129、354BG188、354BG411、354BG426、DH270.1、DH270.6、PGDM12、VRC41.01、PGDM21、PCDN-33A、BF520.1、及びVRC29.03からなる群から選択される抗体由来のVH及びVL領域と競合するか又はそれらを含む。いくつかの実施形態では、第1の多重特異性抗原結合分子は、3BNC117、GS-9723、VRC07、又はVRC07-523からなる群から選択される抗体由来のVH及びVL領域と競合するか又はこれらを含み、第2の抗原結合分子又は抗体若しくはその抗原結合断片は、GS-9722(エリポビマブ)、GS-2872、PGT-121、PGT121.414、10-1074、10-1074-J、及びPGT-134からのVH及びVL領域と競合するか又はそれらを含む。
いくつかの実施形態では、第1の多重特異性抗原結合分子は、GS-9722(エリポビマブ)、GS-2872、PGT-121、PGT121.414、10-1074、10-1074-J、及びPGT-134からなる群から選択される抗体由来のVH及びVL領域と競合するか又はそれらを含み、第2の抗原結合分子は、CD4の可溶性細胞外領域(例えば、ドメイン1(D1)、D1~D2、D1~D3、D1~D4)を含む。いくつかの実施形態では、第1の多重特異性抗原結合分子は、CD4の可溶性細胞外領域(例えば、ドメイン1(D1)、D1~D2、D1~D3、D1~D4)を含み、第2の抗原結合分子又は抗体若しくはその断片は、GS-9722(エリポビマブ)、GS-2872、PGT-121、PGT-121.66、PGT-121.414、PGT-122、PGT-123、PGT-124、PGT-125、PGT-126、PGT-128、PGT-130、PGT-133、PGT-134、PGT-135、PGT-136、PGT-137、PGT-138、PGT-139、10-1074、10-1074-J、VRC24、2G12、BG18、354BG8、354BG18、354BG42、354BG33、354BG129、354BG188、354BG411、354BG426、DH270.1、DH270.6、PGDM12、VRC41.01、PGDM21、PCDN-33A、BF520.1、及びVRC29.03からなる群から選択される抗体由来のVH及びVL領域と競合するか又はそれらを含む。いくつかの実施形態では、第1の多重特異性抗原結合分子は、CD4の可溶性細胞外領域(例えば、ドメイン1(D1)、D1~D2、D1~D3、D1~D4)を含み、第2の抗原結合分子又は抗体若しくはその抗原結合断片は、GS-9722(エリポビマブ)、GS-2872、PGT-121、PGT121.414、10-1074、10-1074-J、及びPGT-134からのVH及びVL領域と競合するか又はそれらを含む。
いくつかの実施形態では、医薬組成物は、第1、第2、及び第3の抗原結合分子を含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、第1の多重特異性抗原結合分子と、第2及び第3の多重特異性抗原結合分子又は抗体若しくはその断片とを含む。いくつかの実施形態では、第1の多重特異性抗原結合分子は、CD4の可溶性細胞外領域(例えば、ドメイン1(D1)、D1~D2、D1~D3、D1~D4)を含み、第2の原結合分子又は抗体若しくはその断片は、GS-9722(エリポビマブ)、GS-2872、PGT-121、PGT-121.66、PGT-121.414、PGT-122、PGT-123、PGT-124、PGT-125、PGT-126、PGT-128、PGT-130、PGT-133、PGT-134、PGT-135、PGT-136、PGT-137、PGT-138、PGT-139、10-1074、10-1074-J、VRC24、2G12、BG18、354BG8、354BG18、354BG42、354BG33、354BG129、354BG188、354BG411、354BG426、DH270.1、DH270.6、PGDM12、VRC41.01、PGDM21、PCDN-33A、BF520.1、及びVRC29.03からなる群から選択される抗体由来のVH及びVL領域と競合するか又はそれらを含み、第3の多重特異性抗原結合分子又は抗体若しくはその断片は、3BNC117、GS-9723、GS-5423、3BNC60、b12、F105、VRC01、VRC07、VRC07-523、VRC03、VRC06、VRC06b01 VRC08、VRC0801、NIH45-46、PGV04(別名、VRC-PG04);CH103、44-VRC13.01、1NC9、12A12、N6、1-18、N49-P7、NC-Cow1、IOMA、CH235及びCH235.12、N49P6、N49P7、N49P11、N49P9、並びにN60P25からなる群から選択される抗体由来のCDR並びにVH及びVL領域と競合するか又はそれらを含む、多重特異性抗原結合分子又は抗体を含む。いくつかの実施形態では、第1の多重特異性抗原結合分子は、CD4の可溶性細胞外領域(例えば、ドメイン1(D1)、D1~D2、D1~D3、D1~D4)を含み、第2の原結合分子又は抗体若しくはその断片は、GS-9722(エリポビマブ)、GS-2872、PGT-121、PGT121.414、10-1074、10-1074-J、及びPGT-134からなる群から選択される抗体由来のVH及びVL領域と競合するか又はそれらを含み、第3の多重特異性抗原結合分子又は抗体若しくはその抗原結合断片は、3BNC117、GS-9723、VRC07、又はVRC07-523からのVH及びVL領域と競合するか又はそれらを含む。
12. キット
本明細書に記載の多重特異性抗原結合分子のうちの1つ以上(そのポリヌクレオチド、医薬組成物、及びコンジュゲートを含む)を含むキットが更に提供される。
いくつかの実施形態では、キットは、CD3に結合する第1の抗原結合ドメイン、及びCD4結合部位(CD4bs)のgp120のエピトープ又は領域に結合し、CD4の1つ以上の細胞外(EC)ドメインを含む第2の抗原結合ドメインを有する多重特異性抗原結合分子と、任意選択で、IL-15受容体アゴニストと、を含む。いくつかの実施形態では、CD4の1つ以上のECドメインは、配列番号746~749に示される配列、又は配列番号746~749(例えば、配列番号746)のアミノ酸配列と、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、若しくは少なくとも99%同一である配列を含む。いくつかの実施形態では、CD4のCドメインは、配列番号746の配列と、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は少なくとも99%同一である配列を含む。いくつかの実施形態では、CD4のECドメインは、配列番号746の配列と少なくとも95%同一である配列を含む。いくつかの実施形態では、CD4のECドメインは、配列番号746の配列と少なくとも99%同一である配列を含む。いくつかの実施形態では、CD4のECドメインは、配列番号746の配列を含む。いくつかの実施形態では、第1の抗原結合ドメインは、それぞれ、以下のアミノ酸配列(Kabatに従う):配列番号1、11、8、4、9、及び10、又は配列番号1、12、8、4、9、及び10を含む、第1のVH-CDR1、第1のVH-CDR2、第1のVH-CDR3、第1のVL-CDR1、第1のVL-CDR2、及び第1のVL-CDR3を含み、第2の抗原結合ドメインは、配列番号746~749からなる群(例えば、配列番号746)から選択されるCD4 ECドメインを含むか、又はそれと、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、若しくは少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む、CD4の1つ以上のECドメインを含む。いくつかの実施形態では、第1の抗原結合ドメインは、それぞれ、以下のアミノ酸配列(Kabatに従う):配列番号1、12、8、4、9、及び10を含む、第1のVH-CDR1、第1のVH-CDR2、第1のVH-CDR3、第1のVL-CDR1、第1のVL-CDR2、及び第1のVL-CDR3を含み、第2の抗原結合ドメインは、配列番号746のCD4 ECドメインと、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、若しくは少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む、CD4の1つのECドメインを含む。いくつかの実施形態では、第1の抗原結合ドメインは、それぞれ、以下のアミノ酸配列(Kabatに従う):配列番号1、12、8、4、9、及び10を含む、第1のVH-CDR1、第1のVH-CDR2、第1のVH-CDR3、第1のVL-CDR1、第1のVL-CDR2、及び第1のVL-CDR3を含み、第2の抗原結合ドメインは、配列番号746のCD4 ECドメインと少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含む、CD4の1つのECドメインを含む。いくつかの実施形態では、第1の抗原結合ドメインは、それぞれ、以下のアミノ酸配列(Kabatに従う):配列番号1、12、8、4、9、及び10を含む、第1のVH-CDR1、第1のVH-CDR2、第1のVH-CDR3、第1のVL-CDR1、第1のVL-CDR2、及び第1のVL-CDR3を含み、第2の抗原結合ドメインは、配列番号746のCD4 ECドメインと少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む、CD4の1つのECドメインを含む。いくつかの実施形態では、第1の抗原結合ドメインは、それぞれ、以下のアミノ酸配列(Kabatに従う):配列番号1、12、8、4、9、及び10を含む、第1のVH-CDR1、第1のVH-CDR2、第1のVH-CDR3、第1のVL-CDR1、第1のVL-CDR2、及び第1のVL-CDR3を含み、第2の抗原結合ドメインは、配列番号746のアミノ酸配列を含む、CD4の1つのECドメインを含む。いくつかの実施形態では、第1の抗原結合ドメインは、それぞれ、以下のアミノ酸配列(Chothiaに従う):配列番号17、18、23、20、24、及び25を含む、第1のVH-CDR1、第1のVH-CDR2、第1のVH-CDR3、第1のVL-CDR1、第1のVL-CDR2、及び第1のVL-CDR3を含み、第2の抗原結合ドメインは、配列番号746~749からなる群(例えば、配列番号746)から選択されるCD4 ECドメインを含むか、又はそれと、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、若しくは少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む、CD4の1つ以上のECドメインを含む。いくつかの実施形態では、第1の抗原結合ドメインは、それぞれ、以下のアミノ酸配列(Chothiaに従う):配列番号17、18、23、20、24、及び25を含む、第1のVH-CDR1、第1のVH-CDR2、第1のVH-CDR3、第1のVL-CDR1、第1のVL-CDR2、及び第1のVL-CDR3を含み、第2の抗原結合ドメインは、配列番号746のCD4 ECドメインと少なくとも95%(例えば、少なくとも99%)同一であるアミノ酸配列を含む、CD4の1つのECドメインを含む。いくつかの実施形態では、第1の抗原結合ドメインは、それぞれ、以下のアミノ酸配列(Chothiaに従う):配列番号17、18、23、20、24及び25を含む、第1のVH-CDR1、第1のVH-CDR2、第1のVH-CDR3、第1のVL-CDR1、第1のVL-CDR2、及び第1のVL-CDR3を含み、第2の抗原結合ドメインは、配列番号746のアミノ酸配列を含む、CD4の1つのECドメインを含む。いくつかの実施形態では、第1の抗原結合ドメインは、それぞれ、以下のアミノ酸配列(IMGTに従う):配列番号28、29、32、31、24、及び10を含む、第1のVH-CDR1、第1のVH-CDR2、第1のVH-CDR3、第1のVL-CDR1、第1のVL-CDR2、及び第1のVL-CDR3を含み、第2の抗原結合ドメインは、配列番号746~749からなる群(例えば、配列番号746)から選択されるCD4 ECドメインを含むか、又はそれと、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、若しくは少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む、CD4の1つ以上のECドメインを含む。いくつかの実施形態では、第1の抗原結合ドメインは、それぞれ、以下のアミノ酸配列(IMGTに従う):配列番号28、29、32、31、24、及び10を含む、第1のVH-CDR1、第1のVH-CDR2、第1のVH-CDR3、第1のVL-CDR1、第1のVL-CDR2、及び第1のVL-CDR3を含み、第2の抗原結合ドメインは、配列番号746のCD4 ECドメインと少なくとも95%(例えば、少なくとも99%)同一であるアミノ酸配列を含む、CD4の1つのECドメインを含む。いくつかの実施形態では、第1の抗原結合ドメインは、それぞれ、以下のアミノ酸配列(IMGTに従う):配列番号28、29、32、31、24及び10を含む、第1のVH-CDR1、第1のVH-CDR2、第1のVH-CDR3、第1のVL-CDR1、第1のVL-CDR2、及び第1のVL-CDR3を含み、第2の抗原結合ドメインは、配列番号746のアミノ酸配列を含む、CD4の1つのECドメインを含む。いくつかの実施形態では、第1の抗原結合ドメインは、それぞれ、以下のアミノ酸配列(Honeggerに従う):配列番号34、42、40、37、41、及び25、又は配列番号34、43、40、37、41、及び25を含む、第1のVH-CDR1、第1のVH-CDR2、第1のVH-CDR3、第1のVL-CDR1、第1のVL-CDR2、及び第1のVL-CDR3を含み、第2の抗原結合ドメインは、配列番号746~749からなる群(例えば、配列番号746)から選択されるCD4 ECドメインを含むか、又はそれと、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、若しくは少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む、CD4の1つ以上のECドメインを含む。いくつかの実施形態では、第1の抗原結合ドメインは、それぞれ、以下のアミノ酸配列(Honeggerに従う):配列番号34、43、40、37、41、及び25を含む、第1のVH-CDR1、第1のVH-CDR2、第1のVH-CDR3、第1のVL-CDR1、第1のVL-CDR2、及び第1のVL-CDR3を含み、第2の抗原結合ドメインは、配列番号746のCD4 ECドメインを含むか、又はそれと、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、若しくは少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む、CD4の1つのECドメインを含む。いくつかの実施形態では、第1の抗原結合ドメインは、それぞれ、以下のアミノ酸配列(Honeggerに従う):配列番号34、43、40、37、41、及び25を含む、第1のVH-CDR1、第1のVH-CDR2、第1のVH-CDR3、第1のVL-CDR1、第1のVL-CDR2、及び第1のVL-CDR3を含み、第2の抗原結合ドメインは、配列番号746のCD4 ECドメインと少なくとも95%(例えば、少なくとも99%)同一であるアミノ酸配列を含む、CD4の1つのECドメインを含む。いくつかの実施形態では、第1の抗原結合ドメインは、それぞれ、以下のアミノ酸配列(Honeggerに従う):配列番号34、43、40、37、41及び25を含む、第1のVH-CDR1、第1のVH-CDR2、第1のVH-CDR3、第1のVL-CDR1、第1のVL-CDR2、及び第1のVL-CDR3を含み、第2の抗原結合ドメインは、配列番号746のアミノ酸配列を含む、CD4の1つのECドメインを含む。いくつかの実施形態では、第1の抗原結合ドメインは、それぞれ、以下に示されるアミノ酸配列を含むか、又はそれぞれ、以下に示されるアミノ酸配列:配列番号49及び55、配列番号50及び55、配列番号50及び56、配列番号51及び55、若しくは配列番号51及び56と、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、若しくは少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む、第1のVH及び第1のVLを含み、第2の抗原結合ドメインは、配列番号746~749からなる群(例えば、配列番号746)から選択されるCD4 ECドメインを含むか、又はそれと、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なく



とも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、若しくは少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む、CD4の1つ以上のECドメインを含む。いくつかの実施形態では、第1の抗原結合ドメインは、それぞれ、以下に示されるアミノ酸配列:配列番号51及び56と、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、若しくは少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む、第1のVH及び第1のVLを含み、第2の抗原結合ドメインは、配列番号746のCD4 ECドメインと、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、若しくは少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む、CD4の1つのECドメインを含む。いくつかの実施形態では、第1の抗原結合ドメインは、それぞれ、以下に示されるアミノ酸配列:配列番号51及び56と少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含む第1のVH及び第1のVLを含み、第2の抗原結合ドメインは、配列番号746のCD4 ECドメインと少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含むCD4の1つのECドメインを含む。いくつかの実施形態では、第1の抗原結合ドメインは、それぞれ、以下に示されるアミノ酸配列:配列番号51及び56と少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含む第1のVH及び第1のVLを含み、第2の抗原結合ドメインは、配列番号746のCD4 ECドメインと少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含むCD4の1つのECドメインを含む。いくつかの実施形態では、第1の抗原結合ドメインは、それぞれ、以下に示されるアミノ酸配列:配列番号51及び56と少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含む第1のVH及び第1のVLを含み、第2の抗原結合ドメインは、配列番号746のアミノ酸配列を含むCD4の1つのECドメインを含む。いくつかの実施形態では、第1の抗原結合ドメインは、それぞれ、以下に示されるアミノ酸配列:配列番号51及び56と少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む第1のVH及び第1のVLを含み、第2の抗原結合ドメインは、配列番号746のCD4 ECドメインと少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含むCD4の1つのECドメインを含む。いくつかの実施形態では、第1の抗原結合ドメインは、それぞれ、以下に示されるアミノ酸配列:配列番号51及び56を含む第1のVH及び第1のVLを含み、第2の抗原結合ドメインは、配列番号746のCD4 ECドメインと少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含むCD4の1つのECドメインを含む。いくつかの実施形態では、第1の抗原結合ドメインは、それぞれ、以下に示されるアミノ酸配列:配列番号51及び56と少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む第1のVH及び第1のVLを含み、第2の抗原結合ドメインは、配列番号746のCD4 ECドメインと少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含むCD4の1つのECドメインを含む。いくつかの実施形態では、第1の抗原結合ドメインは、配列番号51のアミノ酸配列を含む第1のVHと、配列番号56のアミノ酸配列と少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含む第1のVLとを含み、第2の抗原結合ドメインは、配列番号746のCD4 ECドメインと少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含むCD4の1つのECドメインを含む。いくつかの実施形態では、第1の抗原結合ドメインは、配列番号51のアミノ酸配列を含む第1のVHと、配列番号56のアミノ酸配列と少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含む第1のVLとを含み、第2の抗原結合ドメインは、配列番号746のCD4 ECドメインと少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含むCD4の1つのECドメインを含む。いくつかの実施形態では、第1の抗原結合ドメインは、配列番号51のアミノ酸配列を含む第1のVHと、配列番号56のアミノ酸配列と少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む第1のVLとを含み、第2の抗原結合ドメインは、配列番号746のCD4 ECドメインと少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含むCD4の1つのECドメインを含む。いくつかの実施形態では、第1の抗原結合ドメインは、配列番号51のアミノ酸配列を含む第1のVHと、配列番号56のアミノ酸配列と少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む第1のVLとを含み、第2の抗原結合ドメインは、配列番号746のCD4 ECドメインと少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含むCD4の1つのECドメインを含む。いくつかの実施形態では、第1の抗原結合ドメインは、配列番号51のアミノ酸配列と少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含む第1のVHと、配列番号56のアミノ酸配列を含む第1のVLとを含み、第2の抗原結合ドメインは、配列番号746のCD4 ECドメインと少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含むCD4の1つのECドメインを含む。いくつかの実施形態では、第1の抗原結合ドメインは、配列番号51のアミノ酸配列と少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含む第1のVHと、配列番号56のアミノ酸配列を含む第1のVLとを含み、第2の抗原結合ドメインは、配列番号746のCD4 ECドメインと少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含むCD4の1つのECドメインを含む。いくつかの実施形態では、第1の抗原結合ドメインは、配列番号51のアミノ酸配列と少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む第1のVHと、配列番号56のアミノ酸配列を含む第1のVLとを含み、第2の抗原結合ドメインは、配列番号746のCD4 ECドメインと少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含むCD4の1つのECドメインを含む。いくつかの実施形態では、第1の抗原結合ドメインは、配列番号51のアミノ酸配列と少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む第1のVHと、配列番号56のアミノ酸配列を含む第1のVLとを含み、第2の抗原結合ドメインは、配列番号746のCD4 ECドメインと少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含むCD4の1つのECドメインを含む。いくつかの実施形態では、第1の抗原結合ドメインは、それぞれ、以下に示されるアミノ酸配列:配列番号51及び56を含む第1のVH及び第1のVLを含み、第2の抗原結合ドメインは、配列番号746のアミノ酸配列を含むCD4の1つのECドメインを含む。
いくつかの実施形態では、キットは、本明細書に記載の多重特異性抗原結合分子、そのような多重特異性抗原結合分子をコードするポリヌクレオチド、そのような多重特異性抗原結合分子を含有するLNP又は医薬組成物のうちの1つ以上を含む、1つ以上の容器(例えば、バイアル、アンプル)を含む。
一実施形態では、キットは、本明細書に記載の1つ以上の多重特異性抗原結合分子を、1つ以上(例えば、1つ、2つ、3つ、1つ若しくは2つ、又は1~3つ)の追加の治療薬と組み合わせて含む。いくつかの実施形態では、キットは、1つ以上の容器に、1つ以上の単位用量の1つ以上の多重特異性抗原結合分子、又はポリヌクレオチド(複数可)を含む。いくつかの実施形態では、キットは、1つ以上の単位用量の1つ以上の多重特異性抗原結合分子及びHIV感染症を治療するための第2の薬剤を、別個の容器に含む。
いくつかの実施形態では、キットは、1つ以上の単位用量のToll様受容体(TLR)アゴニストを更に含む。いくつかの実施形態では、TLRアゴニストは、TLR7アゴニスト又はTLR8アゴニストである。いくつかの実施形態では、TLR7アゴニストは、ベサトリモド、イミキモド、及びレシキモドからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、キットは、第1の多重特異性抗原結合分子及び第2の抗原結合分子又は抗体若しくはその抗原結合断片を含み、第1の多重特異性抗原結合分子及び第2の抗原結合分子又は抗体若しくはその抗原結合断片は、(i)N332オリゴマンノースグリカンを含む第3の可変ループ(V3)(例えば、高マンノースパッチ)、(ii)第2の可変ループ(V2)(例えば、Env三量体頂点)、(iii)CD4結合部位(CD4bs)、(iv)gp120/gp41界面、又は(v)gp120のサイレント面からなる群から選択されるgp120の異なる第1及び第2のエピトープ又は領域に結合する。いくつかの実施形態では、第1の多重特異性抗原結合分子は、N332オリゴマンノースグリカンを含む第3の可変ループ(V3)(例えば、高マンノースパッチ)に結合し、第2の抗原結合分子は、CD4結合部位(CD4bs)に結合する。
いくつかの実施形態では、第1の多重特異性抗原結合分子は、GS-9722(エリポビマブ)、GS-2872、PGT-121、PGT-121.66、PGT-121.414、PGT-122、PGT-123、PGT-124、PGT-125、PGT-126、PGT-128、PGT-130、PGT-133、PGT-134、PGT-135、PGT-136、PGT-137、PGT-138、PGT-139、10-1074、10-1074-J、VRC24、2G12、BG18、354BG8、354BG18、354BG42、354BG33、354BG129、354BG188、354BG411、354BG426、DH270.1、DH270.6、PGDM12、VRC41.01、PGDM21、PCDN-33A、BF520.1、及びVRC29.03からなる群から選択される抗体由来のVH及びVL領域と競合するか又はそれらを含み、第2の抗原結合分子又は抗体若しくはその断片は、3BNC117、GS-9723、GS-5423、3BNC60、b12、F105、VRC01、VRC07、VRC07-523、VRC03、VRC06、VRC06b01 VRC08、VRC0801、NIH45-46、PGV04(別名、VRC-PG04);CH103、44-VRC13.01、1NC9、12A12、N6、1-18、N49-P7、NC-Cow1、IOMA、CH235及びCH235.12、N49P6、N49P7、N49P11、N49P9、並びにN60P25からなる群から選択される抗体由来のCDR並びにVH及びVL領域と競合するか又はそれらを含む、多重特異性抗原結合分子又は抗体を含む。いくつかの実施形態では、第1の多重特異性抗原結合分子は、GS-9722(エリポビマブ)、GS-2872、PGT-121、PGT121.414、10-1074、10-1074-J、及びPGT-134からなる群から選択される抗体由来のVH及びVL領域と競合するか又はそれらを含み、第2の抗原結合分子又は抗体若しくはその抗原結合断片は、3BNC117、GS-9723、VRC07、又はVRC07-523由来のVH及びVL領域と競合するか又はそれらを含む。
いくつかの実施形態では、第1の多重特異性抗原結合分子は、3BNC117、GS-9723、GS-5423、3BNC60、b12、F105、VRC01、VRC07、VRC07-523、VRC03、VRC06、VRC06b01 VRC08、VRC0801、NIH45-46、PGV04(別名、VRC-PG04);CH103、44-VRC13.01、1NC9、12A12、N6、1-18、N49-P7、NC-Cow1、IOMA、CH235及びCH235.12、N49P6、N49P7、N49P11、N49P9、並びにN60P25からなる群から選択される抗体由来のVH及びVL領域と競合するか又はこれらを含み、第2の抗原結合分子又は抗体若しくはその断片は、GS-9722(エリポビマブ)、GS-2872、PGT-121、PGT-121.66、PGT-121.414、PGT-122、PGT-123、PGT-124、PGT-125、PGT-126、PGT-128、PGT-130、PGT-133、PGT-134、PGT-135、PGT-136、PGT-137、PGT-138、PGT-139、10-1074、10-1074-J、VRC24、2G12、BG18、354BG8、354BG18、354BG42、354BG33、354BG129、354BG188、354BG411、354BG426、DH270.1、DH270.6、PGDM12、VRC41.01、PGDM21、PCDN-33A、BF520.1、及びVRC29.03からなる群から選択される抗体由来のVH及びVL領域と競合するか又はそれらを含む。いくつかの実施形態では、第1の多重特異性抗原結合分子は、3BNC117、GS-9723、VRC07、又はVRC07-523からなる群から選択される抗体由来のVH及びVL領域と競合するか又はこれらを含み、第2の抗原結合分子又は抗体若しくはその抗原結合断片は、GS-9722(エリポビマブ)、GS-2872、PGT-121、PGT121.414、10-1074、10-1074-J、及びPGT-134からのVH及びVL領域と競合するか又はそれらを含む。
いくつかの実施形態では、第1の多重特異性抗原結合分子は、GS-9722(エリポビマブ)、GS-2872、PGT-121、PGT121.414、10-1074、10-1074-J、及びPGT-134からなる群から選択される抗体由来のVH及びVL領域と競合するか又はそれらを含み、第2の抗原結合分子は、CD4の可溶性細胞外領域(例えば、ドメイン1(D1)、D1~D2、D1~D3、D1~D4)を含む。いくつかの実施形態では、第1の多重特異性抗原結合分子は、CD4の可溶性細胞外領域(例えば、ドメイン1(D1)、D1~D2、D1~D3、D1~D4)を含み、第2の抗原結合分子又は抗体若しくはその断片は、GS-9722(エリポビマブ)、GS-2872、PGT-121、PGT-121.66、PGT-121.414、PGT-122、PGT-123、PGT-124、PGT-125、PGT-126、PGT-128、PGT-130、PGT-133、PGT-134、PGT-135、PGT-136、PGT-137、PGT-138、PGT-139、10-1074、10-1074-J、VRC24、2G12、BG18、354BG8、354BG18、354BG42、354BG33、354BG129、354BG188、354BG411、354BG426、DH270.1、DH270.6、PGDM12、VRC41.01、PGDM21、PCDN-33A、BF520.1、及びVRC29.03からなる群から選択される抗体由来のVH及びVL領域と競合するか又はそれらを含む。いくつかの実施形態では、第1の多重特異性抗原結合分子は、CD4の可溶性細胞外領域(例えば、ドメイン1(D1)、D1~D2、D1~D3、D1~D4)を含み、第2の抗原結合分子又は抗体若しくはその抗原結合断片は、GS-9722(エリポビマブ)、GS-2872、PGT-121、PGT121.414、10-1074、10-1074-J、及びPGT-134からのVH及びVL領域と競合するか又はそれらを含む。
いくつかの実施形態では、キットは、第1の多重特異性抗原結合分子と、第2及び第3の多重特異性抗原結合分子又は抗体若しくはその断片とを含む。いくつかの実施形態では、第1の多重特異性抗原結合分子は、CD4の可溶性細胞外領域(例えば、ドメイン1(D1)、D1~D2、D1~D3、D1~D4)を含み、第2の原結合分子又は抗体若しくはその断片は、GS-9722(エリポビマブ)、GS-2872、PGT-121、PGT-121.66、PGT-121.414、PGT-122、PGT-123、PGT-124、PGT-125、PGT-126、PGT-128、PGT-130、PGT-133、PGT-134、PGT-135、PGT-136、PGT-137、PGT-138、PGT-139、10-1074、10-1074-J、VRC24、2G12、BG18、354BG8、354BG18、354BG42、354BG33、354BG129、354BG188、354BG411、354BG426、DH270.1、DH270.6、PGDM12、VRC41.01、PGDM21、PCDN-33A、BF520.1、及びVRC29.03からなる群から選択される抗体由来のVH及びVL領域と競合するか又はそれらを含み、第3の多重特異性抗原結合分子又は抗体若しくはその断片は、3BNC117、GS-9723、GS-5423、3BNC60、b12、F105、VRC01、VRC07、VRC07-523、VRC03、VRC06、VRC06b01 VRC08、VRC0801、NIH45-46、PGV04(別名、VRC-PG04);CH103、44-VRC13.01、1NC9、12A12、N6、1-18、N49-P7、NC-Cow1、IOMA、CH235及びCH235.12、N49P6、N49P7、N49P11、N49P9、並びにN60P25からなる群から選択される抗体由来のCDR並びにVH及びVL領域と競合するか又はそれらを含む、多重特異性抗原結合分子又は抗体を含む。いくつかの実施形態では、第1の多重特異性抗原結合分子は、CD4の可溶性細胞外領域(例えば、ドメイン1(D1)、D1~D2、D1~D3、D1~D4)を含み、第2の原結合分子又は抗体若しくはその断片は、GS-9722(エリポビマブ)、GS-2872、PGT-121、PGT121.414、10-1074、10-1074-J、及びPGT-134からなる群から選択される抗体由来のVH及びVL領域と競合するか又はそれらを含み、第3の多重特異性抗原結合分子又は抗体若しくはその抗原結合断片は、3BNC117、GS-9723、VRC07、又はVRC07-523からのVH及びVL領域と競合するか又はそれらを含む。
いくつかの実施形態では、キットは、2つ以上の単位用量の1つ以上の多重特異性抗原結合分子、及び任意選択で、1つ以上の抗HIV bNAbを含み、単位用量は同じである。いくつかの実施形態では、キットは、2つ以上の単位用量の1つ以上の多重特異性抗原結合分子、及び任意選択で、1つ以上の抗HIV bNAbを含み、単位用量は異なる。
一実施形態では、キットの追加の治療薬(複数可)は、HIVプロテアーゼ阻害剤、逆転写酵素のHIV非ヌクレオシド又は非ヌクレオチド阻害剤、逆転写酵素のHIVヌクレオシド又はヌクレオチド阻害剤、HIVインテグラーゼ阻害剤、HIV非触媒部位(又はアロステリック)インテグラーゼ阻害剤、HIV侵入阻害剤、HIV成熟阻害剤、免疫調節剤、免疫療法剤、抗体-薬物複合体、遺伝子修飾剤、遺伝子エディタ(CRISPR/Cas9、ジンクフィンガーヌクレアーゼ、ホーミングヌクレアーゼ、合成ヌクレアーゼ、TALENsなど)、細胞療法(キメラ抗原受容体T細胞、CAR-T、及び操作されたT細胞受容体、TCR-T、自家T細胞療法など)、HIVカプシドを標的とする化合物、潜伏感染再活性化剤、HIV bNAb、免疫に基づく療法、ホスファチジルイノシトール3-キナーゼ(PI3K)阻害剤、HIV抗体、広域中和HIV抗体、二重特異性抗体及び「抗体様」治療タンパク質、HIV p17マトリックスタンパク質阻害剤、IL-13アンタゴニスト、ペプチジルプロリルシストランスイソメラーゼAモジュレーター、タンパク質ジスルフィドイソメラーゼ阻害剤、相補体C5a受容体アンタゴニスト、DNAメチルトランスフェラーゼ阻害剤、HIV vif遺伝子モジュレーター、Vif二量体化アンタゴニスト、HIVウイルス感染性因子阻害剤、TATタンパク質阻害剤、HIV Nefモジュレーター、Hckチロシンキナーゼモジュレーター、混合系統キナーゼ-3(MLK-3)阻害剤、HIV スプライシング阻害剤、Revタンパク質阻害剤、インテグリンアンタゴニスト、ヌクレオタンパク質阻害剤、スプライシング因子モジュレーター、COMMドメイン含有タンパク質1モジュレーター、HIVリボヌクレアーゼH阻害剤、レトロサイクリンモジュレーター、CDK-9阻害剤、樹状ICAM-3グラビング非インテグリン1阻害剤、HIV GAGタンパク質阻害剤、HIV POLタンパク質阻害剤、補体因子Hモジュレーター、ユビキチンリガーゼ阻害剤、デオキシシチジンキナーゼ阻害剤、サイクリン依存性キナーゼ阻害剤、プロタンパク質転換酵素PC9刺激因子、ATP依存性RNAヘリカーゼDDX3X阻害剤、逆転写酵素プライミング複合体阻害剤、G6PD及びNADH-オキシダーゼ阻害剤、薬物動態増強剤、HIV遺伝子療法、HIVワクチン、及びこれらの組み合わせから選択される抗HIV剤である。
いくつかの実施形態では、キットの追加の治療薬又は追加の複数の治療薬は、HIVの併用薬、他のHIV治療薬、HIVプロテアーゼ阻害剤、HIV逆転写酵素阻害剤、HIVインテグラーゼ阻害剤、HIV非触媒部位(又はアロステリック)インテグラーゼ阻害剤、HIV侵入(融合)阻害剤、HIV成熟阻害剤、潜伏感染再活性化剤、カプシド阻害剤、免疫系治療薬、PI3K阻害剤、HIV抗体、及び二重特異性抗体、及び「抗体様」治療タンパク質、並びにこれらの組み合わせから選択される。
特定の実施形態では、キットは、多重特異性抗原結合分子と、それをコードするポリヌクレオチド又はそれを含む医薬組成物と、逆転写酵素のHIVヌクレオシド又はヌクレオチド阻害剤とを含む。特定の実施形態では、キットは、多重特異性抗原結合分子と、それをコードするポリヌクレオチド又はそれを含む医薬組成物と、逆転写酵素のHIVヌクレオシド又はヌクレオチド阻害剤と、逆転写酵素のHIV非ヌクレオシド阻害剤とを含む。別の特定の実施形態では、キットは、多重特異性抗原結合分子と、それをコードするポリヌクレオチド又はそれを含む医薬組成物と、逆転写酵素のHIVヌクレオシド又はヌクレオチド阻害剤と、HIVプロテアーゼ阻害化合物とを含む。追加の実施形態では、キットは、多重特異性抗原結合分子と、それをコードするポリヌクレオチド又はそれを含む医薬組成物と、逆転写酵素のHIVヌクレオシド又はヌクレオチド阻害剤と、逆転写酵素のHIV非ヌクレオシド阻害剤と、薬物動態増強剤とを含む。ある特定の実施形態では、キットは、多重特異性抗原結合分子と、それをコードするポリヌクレオチド又はそれを含む医薬組成物と、逆転写酵素の少なくとも1つのHIVヌクレオシド阻害剤と、インテグラーゼ阻害剤と、薬物動態増強剤とを含む。別の実施形態では、キットは、多重特異性抗原結合分子と、それをコードするポリヌクレオチド又はそれを含む医薬組成物と、逆転写酵素の2つのHIVヌクレオシド又はヌクレオチド阻害剤とを含む。特定の実施形態では、キットは、多重特異性抗原結合分子と、それをコードするポリヌクレオチド又はそれを含む医薬組成物と、逆転写酵素のHIVヌクレオシド又はヌクレオチド阻害剤と、HIVカプシド阻害剤とを含む。特定の実施形態では、キットは、多重特異性抗原結合分子と、それをコードするポリヌクレオチド又はそれを含む医薬組成物と、逆転写酵素のHIVヌクレオシド阻害剤と、HIVカプシド阻害剤とを含む。特定の実施形態では、キットは、多重特異性抗原結合分子と、それをコードするポリヌクレオチド又はそれを含む医薬組成物と、HIVカプシド阻害剤とを含む。特定の実施形態では、キットは、多重特異性抗原結合分子と、それをコードするポリヌクレオチド又はそれを含む医薬組成物と、1つ、2つ、3つ、又は4つのHIV bNAbとを含む。特定の実施形態では、キットは、多重特異性抗原結合分子と、それをコードするポリヌクレオチド又はそれを含む医薬組成物と、1つ、2つ、3つ、又は4つのHIV bNAbと、HIVカプシド阻害剤とを含む。特定の実施形態では、キットは、多重特異性抗原結合分子と、それをコードするポリヌクレオチド又はそれを含む医薬組成物と、1つ、2つ、3つ、又は4つのHIV bNAbと、HIVカプシド阻害剤と、逆転写酵素のHIVヌクレオシド阻害剤とを含む。
一実施形態では、キットは、本明細書で提供される1つ以上の多重特異性(例えば、二重特異性抗体)などの、本明細書に記載の医薬組成物の成分のうちの1つ以上を含有する1つ以上の容器(例えば、バイアル、アンプル)を含む1つ以上の医薬パックを含む。いくつかの例では、キットは、本明細書に記載の医薬組成物を含む。一実施形態では、本明細書に開示される多重特異性抗原結合分子又はその約組成物を、1つ以上(例えば、1つ、2つ、3つ、1つ若しくは2つ、又は1~3つ)の追加の治療薬と組み合わせて含むキットが提供される。
任意選択的に、このような容器(複数可)に関連するものは、医薬品又は生物学的製品の製造、使用、又は販売を規制する政府機関によって規定される形態の通知であり得、この通知は、ヒト投与のための製造、使用、又は販売の機関による承認を反映する。
以下の実施例は、特許請求される発明を例示するために提供されるが、これを限定するものではない。
実施例1
マウスSP34可変ドメインのヒト化
抗原結合ドメインのうちの1つがヒトCD3細胞外ドメインと相互作用する二重特異性抗体(以下、「CD3二重特異性抗体」と称する)は、第2の抗原を発現する標的細胞を死滅させるようにCD3+T細胞を再指向することができる(例えば、CD19+B細胞を死滅させるためのCD3+T細胞のブリナツモマブ動員)。抗CD3結合ドメインは、目的の任意の標的抗原(例えば、腫瘍抗原又はウイルス抗原)を発現する細胞を攻撃するようにT細胞を再指向するためにモジュール様式で使用することができる。ほとんどの場合、抗CD3抗体は、非ヒト霊長類(non-human primate:NHP)CD3に対して交差反応性であるように選択され、したがって、動物有効性及び毒性研究を容易にする。これらの動物研究は、CD3結合二重特異性抗体に関連する毒性の可能性を考えると、非常に重要である。しかしながら、文献の概説は、現世代の抗CD3二重特異性抗体が前臨床研究において多数の課題を抱えていることを示唆している。
臨床段階のCD3二重特異性抗体のための治験薬(investigational new drug:IND)適用の2017年のFDA分析は、抗薬物抗体(anti-drug-antibodies:ADA)が、分析された10種のIND全てについて重要な前臨床課題を提示したことを見出した(Saber,et al.Regul.Toxicol.Pharmacol.(2017)90:144-152)。これらの高い前臨床ADA率は、前臨床有効性及び毒性研究の実施及び/又は解釈を困難にする可能性がある。臨床データも利用可能であったSaberらによって分析された例のうちの少なくとも1つにおいて、患者のおよそ60%がADAを発症した。このデータは決して決定的なものではないが、NHPにおける高いADA率はヒトにおける高いADA率と相関しないことが一般的に受け入れられており(van Meer,et al.mAbs(2013)5:810-816)、これらの結果は、本開示の前に、ヒト疾患の治療のためのCD3二重特異性抗体の前臨床及び臨床研究の両方を容易にするために、NHP及びヒトの両方において低い免疫原性を有する抗CD3抗体が存在しなかったことを示唆する。これは、標的細胞型(例えば、B細胞)の排除が宿主免疫応答を制限し、ADAの悪影響を低減又は排除し得ることもあるヘム悪性腫瘍(例えば、固形腫瘍、感染性疾患)以外で特に重要であり得る。更に、高用量が用量関連毒性に起因してADAを克服する(例えば、ADA「を介した投与」)場合、ADAが観察されるNHPにおける免疫活性化生物製剤の毒性試験において高用量戦略を実施することは実現可能ではない。
マウスSP34(mSP34)は、ヒトCD3に結合し、類似の親和性で多くの霊長類CD3タンパク質と交差反応する(Pessano,et al.,EMBO J.(1985)4:337-344,Conrad,et al.Cytometry A.(2007)71:925-933)。この理由から、mSP34(huSP34)のヒト化バリアントは、臨床段階の二重特異性抗体において最も一般的に使用される抗CD3ドメインの1つである。免疫原性の可能性のある供給源をよりよく理解するために、本発明者らは、mSP34及び6つの臨床段階のhuSP34バリアントのパネルの一次配列分析を行った。配列は、WHO Drug Information INNリスト(who.int/medicines/publications/druginformation/innlists/en/)から入手し、CDR H3及びCDR L3の両方にわたってmSP34に対して2以下のアミノ酸ミスマッチを有する全ての抗体を編集した。IMGT domain-gap-alignサーバー(imgt.org/3Dstructure-DB/cgi/DomainGapAlign.cgi)を使用して、これらの抗体の可変重鎖(VH)及び可変軽鎖(VL)配列を、トラスツズマブ(抗HER 2)の配列とともに、最も近いヒト生殖系列と比較した。この分析結果(表1)は、mSP34及び分析された全ての臨床段階の比較例が、低い臨床ADA率を有するヒト化抗体であるトラスツズマブ(82%ID)と比較した場合に、ヒト生殖系列に対してより低い可変(Fv)同一性(≦80%ID)を示すことを実証する(Jackisch,et al.,Annals of Oncology(2015)26:320-325)。
一次配列に加えて、酸化、脱アミド化、及びアスパラギン酸異性化などの抗体への翻訳後修飾もまた、生物学的治療薬の免疫原性に関与している(FDA Guidance For Industry「Immunogenicity Assessment for Therapeutic Protein Products,」by U.S.Department of Health and Human Services Food and Drug Administration,Center for Drug Evaluation and Research(CDER),Center for Biologics Evaluation and Research(CBER),August 2014,Clinical/Medical;fda.gov/media/85017/downloadで入手可能)。生物学的治療薬の一次配列は、これらの修飾のリスクに寄与し、したがって、それらはしばしば「配列障害(sequence liabilities)」と呼ばれる。配列障害の修飾はまた、製造及び産物安定性を複雑にし得る最終精製産物における構造的及び機能的不均一性をもたらし得る(Lu,et al.,mAbs(2019)11:45-57)。mSP34及び臨床段階のhuSP34バリアントが溶媒曝露配列障害を有するかどうかをよりよく理解するために、本発明者らは、mSP34相同性モデルを作製し、mSP34及び臨床段階の比較例Fvドメインにおける全ての溶媒曝露配列障害の一次配列分析を行った(図1~2)。これらの結果は、mSP34及び多くのhuSP34バリアントが、産物の不均一性、製造困難、及び免疫原性リスクの増加をもたらす可能性があるいくつかの理論的配列障害を含むことを示唆する。
凝集傾向はまた、生物学的製剤の免疫原性と関連付けられている(Rosenberg,AAPS J.(2006)8:E501-507、Seidl,et al.Pharm Res.(2012)29:1454-1467)。ヒト化及びscFv形式への変換を含む抗体の操作は、凝集傾向の意図されない増加をもたらし得る(Glockshuber,et al.,Biochemistry(1990)29:1362-1367、Worn and Pluckthun.J.Mol.Biol.(2001)305:989-1010)。mSP34又は他の抗CD3結合ドメインのヒト化が、CD3結合二重特異性抗体の凝集傾向及び/又は免疫原性リスクに影響を及ぼし得るかどうかは分かっていない。
抗CD3抗体の親和性は、標的化細胞死滅効力及び薬物動態(PK)の両方に影響を与えることが報告されている(Ellerman,Methods(2019)154:102-117)。交差反応性CD3抗原を含有する動物モデルにおいて、より高い親和性(<10nM)を有する抗CD3抗体は、抗体半減期の低減と関連し、一方、より低い親和性(>10nM)を有する抗CD3抗体は、交差反応性CD3抗原を有さない同じ動物モデルにおいて観察されるものと同様の抗体半減期の改善と関連する(Leong,et al.,Blood(2017)129:609-618)。これは、CD3標的媒介性薬物動態(TMDD)が、高親和性抗CD3 mAbのPK半減期を制限する役割を果たし得ることを示唆する。しかしながら、抗体の多特異性又は多反応性は、抗体のPK半減期にも影響を及ぼす可能性があり(Hotzel,et al.,mAbs(2012)4:753-760)、抗体の親和性を増加させる変異は、抗体の特異性の低減と関連することがある(Rabia et al.,Biochem Eng.J.(2018)137:365-374)。高いCD3親和性及び典型的なIgGのPK特徴を有する対応する高い標的化死滅効力の両方を有する抗CD3抗体を同定することが可能であるかどうかは明らかではない。
これらの課題及び考察に基づいて、本発明者らは、(i)ヒト及び非ヒト霊長類(NHP)CD3に対する高い親和性(例えば、前臨床毒性研究を容易にするため)、(ii)ヒト生殖系列に対する高い配列類似性(例えば、ヒト患者における免疫原性及びADA反応のリスクを低減又は排除するため)、(iii)非ヒト霊長類におけるADAの証拠のないIgG様PK特性(例えば、前臨床有効性及び毒性研究を容易にするため)、(iv)製造の容易さを改善するための配列障害(例えば、脱アミド化、アスパラギン酸異性化)の除去による産物の不均一性の低減、(v)高い熱力学的安定性(産物の安定性を確実にするため)、(vi)低凝集体含量(免疫原性のリスクを低減するため)、及び(vii)低い多特異性(免疫原性のリスクを低減し、PK特性を改善するため)を伴う、抗CD3抗体可変ドメインを開発しようとした。本発明者らはまた、二重特異性抗体ヘテロ二量体の精製を容易にするために、(viii)プロテインAアフィニティクロマトグラフィ樹脂への結合が低いか又はそれに結合しない重鎖可変領域(VH)を有するそのような抗CD3抗体を開発しようとした。最後に、本発明者らは、軽鎖ミスペアリング又は二重特異性抗体産物の不均一性の他の原因を制限するために、3つ以下のポリペプチド鎖を含有する様々な二重特異性抗体フォーマットに組み込むことができるように、scFv又はFabとしてのこれらの特性の全てを有する抗CD3抗体可変ドメインを開発しようとした(実施例2)。
本発明者らは、ヒトCD3に結合し、多くの霊長類CD3タンパク質と交差反応するため(Pessano,et al.EMBO J.(1985)4:337-344、Conrad,et al.,Cytometry A(2007)71:925-933)、マウスSP34抗体を選択した。
マウスSP34(mSP34)可変重鎖(VH)及び可変軽鎖(VL)ドメインの配列を以下に示す。
mSP34 VH
EVKLLESGGGLVQPKGSLKLSCAASGFTFNTYAMNWVRQAPGKGLEWVARIRSKYNNYATYYADSVKDRFTISRDDSQSILYLQMNNLKTEDTAMYYCVRHGNFGNSYVSWFAYWGQGTLVTVSA(配列番号713)
mSP34 VL
QAVVTQESALTTSPGETVTLTCRSSTGAVTTSNYANWVQEKPDHLFTGLIGGTNKRAPGVPARFSGSLIGDKAALTITGAQTEDEAIYFCALWYSNLWVFGGGTKLTVLG(配列番号714)
mSP34 VH及びVL配列をIMGTデータベース(imgt.org)と比較し、ヒト化に好適な標的ヒト生殖系列を同定した。同定された最も近い重鎖可変(V)及び結合(J)セグメントマッチは、それぞれ、IGHV3-72及びIGHJ6であった。同定された最も近い軽鎖可変(V)及び結合(J)セグメントマッチは、それぞれ、IGLV7-46及びIGLJ3であった。次に、本発明者らは、Discovery Studio 2017r2(Biovia)においてデフォルト相同性モデリングプロトコルを使用して、相同性モデリングのための鋳型として二重親和性再標的化(DART(登録商標))二重特異性分子を使用して、mSP34の構造モデルを生成した(Root,et al.,Antibodies(Basel)(2016)5(1):6;RCSB Protein Data Bank(PDB)ID:5FCS;rcsb.org/structure/5FCS)。本発明者らは更に、Discovery Studio 2017r2におけるデフォルト抗体モデリングカスケードプロトコルを使用して、標的ヒト生殖系列抗体の構造モデルを生成した。これらの2つの相同性モデルを重ね合わせることによって(図3)、本発明者らは、huSP34において保持されるCDRグラフト点及びmSP34由来のフレームワーク残基を同定した。上記で説明した目標と一致して、本発明者らはまた、mSP34 CDR残基が、ヒト生殖系列に対する同一性を増加させ、免疫原性のリスクを更に低減するためにヒト生殖系列残基に変異され得るかどうか、生殖系列コンセンサス残基及び構造誘導塩架橋が、構造又は機能特性を安定化及び/又は改善するために使用され得るかどうか、そしてまた、産物の不均一性におけるそれらの役割を評価するために、推定配列障害に関与する変異残基を調査した。
mSP34についての第1ラウンドの構造ベースのヒト化は、6つのVLバリアント及び10つのVHバリアントの設計をもたらした。これらのバリアントの配列は、図4A~4Bにおいて、mSP34並びにヒト生殖系列標的VH及びVL配列に対してアライメントさせて示す。60の全ての可能なhuSP34の組み合わせのヒト生殖系列同一性を表2に示す。HC1~HC10の可変領域配列のアミノ酸配列を表3に提供する。LC1~LC6の可変領域配列のアミノ酸配列を表4に提供する。
次いで、huSP34重鎖及び軽鎖バリアント(第1ラウンドのhuSP34バリアント)、並びにmSP34親抗体及び比較例huSP34分子(比較例#6)の60全ての可能な組み合わせを、ヒトCH1ドメイン及びヒトλ軽鎖定常ドメインを組み込んだFabとしてHEK293細胞において発現させた。重鎖Fabポリペプチドは、標準的なニッケルアフィニティクロマトグラフィ法を使用した精製を容易にするために、C末端His8-Flagタグ(配列番号1041として開示されるHis8又はHHHHHHHH)を組み込んだ(Porath,et al.,Nature(1975)258:598-599)。実施例4、5、7、及び8に概説されるように、得られたFabを、以下の方法を使用する分析に供した:発現力価評価、構造不均一性を評価するための分析的サイズ排除クロマトグラフィ(SEC)、電荷不均一性を評価するための分析的CX-1イオン交換クロマトグラフィ、融解温度(Tm)及び凝集温度(Tagg)を決定するための熱変性、mSP34と比較した相対的T細胞結合を評価するための初代T細胞への競合フローサイトメトリー結合、相対的結合動態(kon及びkoff)及び解離定数(K)を評価するためのOctetを使用する親和性分析、並びにヒトT細胞への相対的結合親和性を評価するための競合フローサイトメトリーアッセイ。
得られたデータは、いくつかの予想外の観察を明らかにした。ラウンド1からのヒト化Fabバリアントの大部分は、ヒト定常ドメインに融合したmSP34可変領域を含有するキメラmSP34 Fabよりも著しく高い融解温度を有した。これは、構造誘導ヒト化がこの分子の熱力学的安定性を改善したことを示唆した(実施例4)。しかしながら、競合フローサイトメトリー及びOctetバイオレイヤー干渉法(BLI)アッセイの両方は、ラウンド1のhuSP34バリアントがmSP34キメラFabと比較してCD3結合親和性を低減したことを示唆した(実施例5及び8)。更に、精製されたラウンド1のhuSP34 Fabバリアントの大部分は、強陽イオン交換クロマトグラフィを使用して分析した場合、より多くの電荷に基づく不均一性、及びmSP34キメラFabと比較した場合、サイズ排除クロマトグラフィによって測定される凝集体レベルの増加を実証した(実施例4)。huSP34バリアントの配列とそれらの機能的及び生物物理学的特性との間の関係(配列-活性関係(sequence-activity relationship)又はSAR)を分析することによって、本発明者らは、改善された特性と関連する複数のアミノ酸を同定した(実施例4及び5)。これにより、アッセイされる様々な機能的及び生物物理学的特性を最適化するように設計された変異を組み込んだ新しいバリアント(第2ラウンドのhuSP34バリアント)の合理的設計が可能になった(実施例4、5、7、及び8)。第2ラウンドのhuSP34バリアントで使用した重鎖及び軽鎖可変ドメインの配列を図5A~5Bに示す。
第2ラウンドのhuSP34重鎖及び軽鎖バリアントの16全ての可能な組み合わせを、ヒトCH1ドメイン及びヒトλ軽鎖定常ドメインを組み込んだFabとしてHEK293細胞において発現させた。第2ラウンドのhuSP34バリアントのヒト生殖系列同一性を表5に示す。HC11~HC13の可変領域配列のアミノ酸配列を表6に提供する。LC7~LC10の可変領域配列のアミノ酸配列を表7に提供する。重鎖Fabポリペプチドは、標準的なニッケルアフィニティクロマトグラフィ法を使用した精製を容易にするために、C末端His8-Flagタグ(配列番号1041として開示されるHis8又はHHHHHHHH)を組み込んだ(Porath,et al.、上記)。実施例4、5、及び8に概説されるように、精製後、得られたFabを、以下の方法を使用する分析に供した:分析的サイズ排除クロマトグラフィ(SEC)、分析的CX-1イオン交換クロマトグラフィ、Octetを使用する親和性分析、及びヒトT細胞に対する競合フローサイトメトリー。分析の結果は、第1ラウンドのバリアント、mSP34キメラFab、及び比較例分子と比較した場合、ヒト生殖系列との高い一致を維持しながら、第2ラウンドのhuSP34バリアントの多くが改善された親和性、改善されたCX-1プロファイル(例えば、不均一性の低減)、及び改善されたSECプロファイル(例えば、凝集レベルの低減)の全てを有したため、本発明者らのSAR誘導アプローチが成功したことを明らかにした(図6)。
次に、選択された第1及び第2ラウンドのhuSP34 Fabバリアントを、抗HIV gp120二重特異性抗体として再フォーマットした(実施例2)。これらの抗体を、HIV感染細胞を標的とするT細胞結合アッセイ(実施例9)及びT細胞媒介死滅アッセイ(実施例10~11)においてインビトロで評価した。結果は、huSP34抗CD3結合アームを組み込んだ二重特異性抗体がHIV感染細胞を強力に死滅させることを実証し、死滅効力が抗CD3親和性と直接相関することも示した。
次に、第1及び第2ラウンドのhuSP34バリアントを含有する選択された二重特異性抗体を、非ヒト霊長類PKアッセイにおいて試験した(実施例13)。プロテインA結合に影響を与え、FcRn結合を増強することが知られている、2つのFcドメインのうちの1つのみにおいて各々作製された、Fc変異の存在下及び非存在下で、抗体を試験した。驚くべきことに、より低い親和性の第1ラウンドのhuSP34.1.3 scFvを組み込んだ二重特異性抗体は、理想的なIgG様PK特性を示し、本発明者らの設計目標と一致するADAの証拠がなかったが、より高い親和性の第2ラウンドのhuSP34.13.10 scFvを組み込んだ二重特異性抗体は、クリアランスの増加、半減期の低減、及びADA誘導の高い見かけの速度を実証した。プロテインA結合を排除した変異(例えば、H435R、H435R+Y436F、Jendeberg,et al.,J.Immunol.Methods(1997)201:25-34)は、PKに著しく影響を与えるようには見えなかったが、pH依存FcRn結合(YTE)を改善したある特定の変異は、高親和性huSP34.13.8バリアントによって導入された望ましくないPK特性の一部を軽減するように見えた。残念ながら、これらのFcRn結合変異は、より高い親和性の第2ラウンドのhuSP34 scFvドメインを組み込んだ二重特異性抗体について観察された見かけ上の高いADA率を排除するようには見えなかった。huSP34.1.3バリアントは、本発明者らの死滅アッセイにおいて最高の効力を示さず、産物の不均一性の増加と関連すると思われるCDR H3にN100残基も含有した。したがって、本発明者らは、CDRH3にN100H変異を含有し、理想的なIgG様PK特性を実証し、非ヒト霊長類においてADA誘導の証拠がない高親和性huSP34バリアントを同定しようとする第3ラウンドのヒト化を行うことに着手した。
CD3親和性は、二重特異性抗体のPK特性に直接関与しているが(Ellerman,Methods(2019)154:102-117)、抗体多特異性もPKに影響を及ぼす可能性があり(Hotzel,et al.,mAbs(2012)4:753-760)、第1ラウンド及び第2ラウンドのヒト化の間に試験されなかった。したがって、本発明者らは、ヒトIgG1抗体としてラウンド1及び2から最も高い親和性のhuSP34バリアントのパネルを作製し、したがって、バキュロウイルス粒子(BVP)アッセイ(実施例7)を使用する多特異性分析を含む追加の生物物理学的評価(実施例4)を可能にした。BVPの結果は、huSP34 IgG1パネル内の多特異性における著しい差を明らかにした。huSP34.1.3及びhuSP34.13.10 scFvを含有するものを含む選択された二重特異性抗体もまた、BVPアッセイにおいて試験し、中程度から高いBVPスコアと不十分なPKパラメータとの間の直接相関を明らかにした。
次に、本発明者らは、BVPデータを使用して、第3ラウンドのヒト化の出発点として使用される3つの異なるhuSP34バリアントの選択を導いた。huSP34.1.3バリアントを、その低いBVPスコア及び理想的なPK特性に基づいて選択した。huSP34.3.8バリアントは、その低いBVPスコア、高い親和性、及び全ての生物物理学的スクリーニングアッセイにわたる優れた結果に基づいて選択された。huSP34.1.10バリアントは、いかなる形態においてもまだ産生又は試験されていなかったが、HC1及びLC10周辺のSARの観察(これらの両方は、最も低いBVPスコアと関連した)に基づいて選択された。多特異性又は親和性属性がhuSP34含有二重特異性抗体のインビボPK特性に寄与したかどうかを決定するために、本発明者らは、第1ラウンド及び第2ラウンドのヒト化からのSARデータを使用して、ある範囲の親和性を有するバリアントを生成した。本発明者らは更に、HC CDR H3脱アミド化モチーフを排除し、分析的CX-1分析において観察されるような産物の不均一性を低減するために、N100H変異を全ての試験したバリアント(3つのリードバリアントのいずれにもまだ存在しない場合)に組み込んだ。ヒト生殖系列と比較した第3ラウンドのhuSP34バリアントの同一性を表8に示す。HC34~HC38の可変領域配列のアミノ酸配列を表9に提供する。LC11~LC20の可変領域配列のアミノ酸配列を表10に提供する。
次に、第3ラウンドのhuSP34バリアントをFabとして生成するか、又は抗HIV gp120標的化二重特異性抗体に組み込んだ。次いで、これらの分子を、BLI(実施例5)及びSPR(実施例6)親和性アッセイ、BVP多特異性アッセイ(実施例7)、T細胞結合アッセイ(実施例9)、並びに非ヒト霊長類PK分析(実施例13)において特徴付けた。T細胞結合アッセイにより、ヒト及びNHP T細胞への結合が、試験した全てのバリアントの間でほぼ同一であることが確認された(実施例9)。驚くべきことに、以前の文献報告(Leong,et al.,Blood(2017)129:609-618)とは対照的に、本明細書に示される結果は、CD3親和性と抗体クリアランスとの間に関係がないことを実証している。より具体的には、huSP34.3.8及びその変異体huSP34.3.13は、試験した全ての分子の中で最も高い抗CD3親和性(実施例6)及び最も長い血清半減期(実施例13)の両方を有した。huSP34.3.13バリアントは、最も低い多特異性リスク及び最も低いクリアランスの両方を有し、BVPスコアが抗CD3親和性よりも抗CD3二重特異性mAb PK特性のより良い予測因子であり得ることを示唆している。
実施例2
huSP34抗CD3結合ドメインを含有する抗HIV-gp120二重特異性抗体及びFc融合タンパク質の設計、発現、及び精製
多くの異なる二重特異性抗体フォーマットが記載されており、これらの多くは治療用分子を開発するために使用されている(Spiess and Carter,Mol.Immunol.,(2015)67:95-106,Labrijn,et al.,Nat.Rev.Drug Disc.(2019)18,585-608に概説されている)。1つ又は2つのポリペプチド鎖の周囲に構築され、IgG Fcを欠く初期世代の断片ベースのフォーマットは容易に製造することができるが、それらはPKが低いという欠点がある。短い半減期は、CD3指向性二重特異性抗体のCmax駆動毒性を増加させ得、複雑な投与(例えば、ブリナツモマブによる連続注入)を必要とする。Fcドメインのヘテロ二量化を容易にするために多くの技術が開発されているが、重鎖と軽鎖との固有のペアリングを容易にする強固な技術は存在せず、したがって、一般的な軽鎖抗体の使用(Shiraiwa,et al.,Methods(2019)154:10-20)、又は複数の安定した細胞株の生成とそれに続く複雑な酸化還元化学、又は軽鎖ミスペアリングを伴わずに二重特異性抗体を産生するための共培養法(Gramer,et al.,mAbs(2013)5:962-973、Spiess,et al.,Nat.Biotechnol.(2013)31:753-758、Shatz,et al.,mAbs(2016)8:1487-1497)のいずれかが必要である。最後に、Fcヘテロ二量体化及び適切な軽鎖ペアリングが達成され得る場合であっても、ホモ二量体夾雑物は、製造中に除去することが困難であり得、最終収率を低減し、かつ/又は安全性リスクを提示する。したがって、本発明者らは、IgG様製造特性、IgG様PK特性、及び精製を簡略化するための組み込み技術を有する二重特異性抗体を設計及び産生しようとした。これらの課題に対処し得る二重特異性抗体設計の例を、図7A~7Dに図示する。これらの設計に組み込むことができる技術を以下に説明する。
2つの抗原標的化抗体可変ドメインを組み込んだ二重特異性抗体において、単鎖断片可変(scFv)ドメインの使用は、構築物から1つの軽鎖ポリペプチドを除去することによって、軽鎖のミスペアリングを直接排除することができる。scFv断片は、最小抗体由来抗原結合単位を表し、柔軟なポリペプチドリンカーを介した可変重鎖及び可変軽鎖ドメインの直接融合によって生成される(Huston et al.,Proc Natl Acad Sci U S A(1988)85(16):5879-83)。このリンカーの配列は、GGGGSモチーフ(配列番号712)の3つ又は好ましくは4つの反復を含有し得る(Desplancq,et al.,Protein Engineering(1994)7:1027-1033)。追加の熱力学的安定性が必要とされる場合、G44C変異(可変重ドメイン)及びG100C変異(可変軽ドメイン)を使用して、scFvのVHドメインとVLドメインとの間に共有ジスルフィド結合を生成することもできる(Brinkmann,et al.,Proc Natl Acad Sci U S A(1993)90(16):7538-42)。
2つの異なる重鎖含有種のヘテロ二量体化を最大にするために、いわゆる「ノブ・イントゥ・ホール」変異をFc領域に導入することができる(Atwell,et al.,J Mol Biol(1997)270(1):26-35)。「ホール」変異(T366S、L368A、及びY407V)は一方のFc含有鎖に組み込まれるが、T366W「ノブ」変異は他方の鎖に使用される(Atwellら、上記)。これらの変異はまた、本明細書において、それぞれ、「SAV」及び「W」と称される。加えて、C220S変異をscFv含有アームのIgG1ヒンジ領域に組み込んで、遊離システインを排除する(天然IgGの状況では、このシステインは、軽鎖中の対応するシステインとのジスルフィド結合の形成に関与する)。そのような構築物の同時形質移入は、低レベルのホモ二量体夾雑物を有する、ヘテロ二量体Fcの優先的形成をもたらす。S354C(「ノブ」変異を含有するFc変異において作製される)及びY349C(「ホール」変異を含有するFcにおいて作製される)変異は、追加の熱力学的安定性が望まれる場合、任意選択で、ヘテロ二量体Fcの二等分の間に共有結合を生成するために使用することができる(Merchant,et al.,Nat.Biotechnol.(1998)16:677-81)。
夾雑ホモ二量体産物からのヘテロ二量体分子の精製を容易にするために、IgG3アロタイプにおいて見出されるH435R又はH435R+Y436F変異を、Fc含有鎖のいずれかに導入することができる(Jendebergら、上記)。それぞれ「R」又は「RF」と称されるこれらの変異は、IgG1 Fcに導入された場合、プロテインA及びFcRn結合を排除する。二重特異性抗体構築物の状況において単一のFcドメインのみに組み込まれる場合、これらの変異は、これらの変異を含有する任意のホモ二量体夾雑物のプロテインA結合を排除することができ、追加のクロマトグラフィ工程(例えば、イオン交換)を介した単一の残りのホモ二量体夾雑物からの所望のヘテロ二量体の精製を大幅に簡略化する。抗体可変ドメインの1つがVH3ファミリーメンバー(Fcに加えてプロテインAに結合することが知られている)である場合、更なる操作を行って、残りのVH3プロテインA結合を除去することができる(実施例3)。
IgG抗体のPK半減期を増強するための技術は、FcRnへのpH依存性結合を改善し、抗体半減期を著しく改善することが示されているM428L+N434S(LS)又はM252Y+S254T+T256E(YTE)などのFc変異を含む二重特異性抗体に導入することができる(Zalevsky,et al.,Nat.Biotechnol.(2010)28:157-159;Dall’Acqua,et al.,J.Biol.Chem.(2006)281:23514-23524)。二重特異性抗体、特に、FcプロテインA結合をノックアウトする(FcRn結合も低減する)ための変異を含有する二重特異性抗体の状況において、LS又はYTE変異は、プロテインA結合ノックアウト変異を欠くFcポリペプチドにのみ導入され得る。
二重特異性抗体の多くの適用は、Fcドメインがエフェクタ機能(ADCC、ADCP、CDC)を欠いていることを必要とする。これらの状況において、FcγR結合を低減又は排除するためのL234A及びL235A変異(Chappel,et al.,Proc Natl Acad Sci U S A(1991)88(20):9036-40)、及びC1q結合を低減又は排除するためのP331S変異(Xu,et al.,J Biol Chem.(1994)269:3469-74)が使用されもよい。この変異のセットは、本明細書で「AAS」と称される。
本明細書に記載の抗HIV gp120二重特異性抗体を発現させるために(図7A)、抗HIV gp120広域中和抗体バリアントのVHコード配列を、改善されたHomo sapiens発現のためにコドンバイアスし、様々な組み合わせでAAS、SAV、W、R、又はRF変異(HC1)を有する免疫グロブリンFc(CH1-CH3)を含有するpcDNA3.1ベクターにクローニングした。使用される広域中和抗体可変ドメインには、PGT121.66及びPGT121.42(国際公開第2018/237148号に記載)、並びに3BNC117 1.52.64-1(国際公開第2020/010107号に記載)が含まれる。コドンバイアスVL配列を、ヒト軽鎖定常領域(LC)を含有するpcDNA3.1ベクターにクローニングした。G4Sリンカー(GGGGS)(配列番号750)の4つの反復によって連結された様々なhuSP34バリアントのVH及びVLコード配列を、様々な組み合わせでAAS、SAV、W、R、又はRF変異(HC2)を含有する免疫グロブリンFc(CH2-CH3)を含有するpcDNA3.1ベクターにクローニングした。Expi293細胞の形質移入は、製造業者のプロトコルに従って行った。1mLの形質移入当たり1マイクログラムの全DNAを使用した。プラスミドは、Expi293細胞に同時形質移入する場合、25%HCl:50%LC:25%HC2(w/w)の比で組み合わせた。形質移入の4日後、無細胞培養培地を採取した。200μLの清澄した上清を使用して、20μLのMabSelect(商標)SuRe(商標)樹脂を有するPhyTips(登録商標)を使用することによって、発現力価を決定した。ヘテロ二量体の形成を、SDS/ポリアクリルアミドゲル電気泳動でのサイズ分画によって監視した。
ヒトCD4タンパク質の細胞外ドメイン1及び2(D1D2)は、HIV gp120に結合し、Fcドメインに融合されるか、又は操作されたT細胞に組み込まれると、HIVを中和し、かつ/又はHIV感染細胞を死滅させる能力も有する(例えば、Capon,et al.,Nature(1989)337(6207):525-31、Zhen,et al.,PLoS Pathog(2017)13(12):e1006753、Leibman,et al.,PLoS Pathog.(2017)13(10):e1006613;Carillo,et al,Transl Res.(2017)187:83-92、Kamata,et al.,Biochem Biophys Res Commun.(2015)463(3):216-21、Liu,et al.,J Virol.(2015)89(13):6685-94、Sahu,et al.,Virology.(2013)446(1-2):268-75、Scholler,et al.,Sci Transl Med.(2012)4(132):132ra53)を参照)。CD4の誘導体は、広範な抗ウイルス活性を示した。例えば、PRO542は、CD4の細胞外ドメイン1及び2を含有する四価CD4-IgG2融合物である。PRO542は、インビトロで異なるHIVクレード(A~F)にわたって強力で広範な抗ウイルス活性を示し(Trkola,et al.,J Virol.(1998)72(3):1876-85、Trkola,et al.,J Virol.(1995)69(11):6609-17)、臨床において抗ウイルス活性を実証した(Jacobson JM,2000)。しかしながら、CD4 D1D2を組み込んだタンパク質治療薬はまた、MHCII結合又は多特異性のいずれかの結果であると仮定された不十分なPK特性を実証した(Chen,et al.,J Virol.(2014)88(2):1125-39)。最近の研究は、より高いgp120結合親和性及び低減された多特異性について改善された、CD4 D1.22として知られる操作されたCD4ドメインを同定した(Chen,et al.,J Virol(2011)85(18):9395-405、Chen,et al.,J Virol.(2014)88(2):1125-39、Myszka,et al.,Proc Natl Acad Sci U S A(2000)97(16):9026-31)。HIV gp120結合親和性における10倍超の増加が野生型2ドメインCD4(D1D2)と比較して、CD4 D1.22に関して報告された(Chen,et al.,J Virol(2011)上記)。加えて、CD4 D1.22は、野生型CD4(D1D2)と比較して、MHCクラスII発現B細胞への非特異的結合の低減を示した(Chen,et al.,J Virol.(2014)上記)。CD4 D1D2又はCD4 D1.22がHIV標的化ドメインとして機能し得るかどうかを理解するために、次に、本発明者らは、第1のFcドメインに融合したhuSP34 scFv又はFabバリアント、及び第2のFcドメインに融合したCD4 D1D2又はCD4 D1.22細胞外ドメイン(ECD)を組み込んだ二重特異性融合タンパク質のパネルを設計し、発現させ、精製した。一価、二価、及びタンデムのCD4 ECDドメインを有するバージョン(図7B~7D)を、CD3結合アッセイ(実施例6)、感染T細胞死滅及び結合アッセイ(実施例10及び11)においてスクリーニングし、それらのPKをNHPにおいて評価した(実施例13)。
本明細書に記載の抗HIV-gp120 ECD-Fc二重特異性融合構築物(図7B~7D)を発現させるために、CD4 D1.22又はCD4 D1-D2コード配列を、様々な組み合わせでAAS、SAV、W、R、又はRF変異(HC1)を有する免疫グロブリンFc(CH2-CH3)を有するpcDNA3.1発現ベクターにクローニングした。ヒト化SP34バリアントのVHコード配列を、Homo sapiens発現のためにコドンバイアスし、様々な組み合わせでAAS、SAV、W、R、又はRF変異(HC2)を有する免疫グロブリンFc(CH1-CH3)を含有するpcDNA3.1にクローニングした。ヒト化SP34バリアントVL配列のコドンバイアスを、ヒトλ軽鎖(LC)を含有するpcDNA3.1ベクターにクローニングした。場合によっては、G4Sリンカー(GGGGS)4(配列番号750)の4回の反復によって連結されたVH及びVLコード配列を、AAS、SAV、W、R、又はRF変異(HC2’)を有する免疫グロブリンCH2-CH3 Fcを含有するpcDNA3.1ベクターにクローニングした。Expi293細胞の形質移入は、製造業者のプロトコルに従って行った。1mLの形質移入当たり1マイクログラムの全DNAを使用した。プラスミドは、Expi293細胞に同時形質移入する場合、25%HC1:50%LC:25%HC2(w/w)又は50%HC1:50%HC2’(w/w)の比で組み合わせた。形質移入の4日後、無細胞培養培地を採取した。200μLの清澄した上清を使用して、20μLのMabSelect(商標)SuRe(商標)樹脂を有するPhyTips(登録商標)を使用することによって、発現力価を決定した。ヘテロ二量体の形成を、SDS/ポリアクリルアミドゲル電気泳動でのサイズ分画によって監視する。
本明細書に記載の二重特異性抗体及びタンパク質融合構築物を精製するために、培養上清をMabSelect(商標)SuRe(商標)親和性精製に供し、続いてイオン交換クロマトグラフィに供して、4.0℃のクロマトグラフィチャンバー内に封入されたAKTA FPLC(Cytiva Life Sciences)を使用して純粋なヘテロ二量体を単離した。細胞培養培地をMabSelect(商標)SuRe(商標)(Cytiva Life Sciences)カラムに充填した。カラムを、10カラム体積(CV)の25mM Tris HCl pH7.5、25mM NaClの低塩緩衝液で洗浄し、次いで、5CVの25mM Tris HCl pH7.5、500mM NaClの高塩緩衝液で洗浄して、非特異的結合を除去し、最後に10CVの25mM Tris HCl pH7.5、25mM NaClの低塩洗浄液で洗浄した。抗体を溶出するために、100mM酢酸ナトリウムpH3.7(huSP34 VH及びFc中のプロテインAノックアウト変異とともに使用)又は100mMグリシンpH2.8(huSP34 VH及びFc中にプロテインAノックアウト変異が存在しない場合に使用)の定組成溶出工程を使用した。溶出したプールを1M Tris HCl pH9.0でpH6.0に中和し、陽イオン精製、HiTrap(登録商標)SP HP(Cytiva Life Sciences)に供して不純物を更に除去した。陽イオン捕捉タンパク質を、10CVの10mMリン酸ナトリウムpH7.0で洗浄し、次いで、50CVの10mMリン酸ナトリウムpH7.0、1M NaClの0~30%勾配で溶出して、所望の二重特異性抗体又は融合タンパク質Fcヘテロ二量体を、Fcホモ二量体又は低等電点(pI)を有する他の夾雑物から分離した。次いで、カチオン捕捉タンパク質を、10CVの、30~100%の10mMリン酸ナトリウムpH7.0、1M NaClの勾配溶出に供して、所望の二重特異性抗体又は融合タンパク質Fcヘテロ二量体を、高等電点(pI)を有するFcホモ二量体夾雑物から、又は凝集体から分離した。次いで、所望の抗体ヘテロ二量体を表す画分をプールし、スクロース/tween-80を補充した20mMヒスチジンpH5.8中で透析し、滅菌濾過し、4℃で保存した。製剤化タンパク質の濃度を、280nM(A280)でのUV吸光度を使用して決定した。純度は、分析的サイズ排除クロマトグラフィ及びSDS-PAGE電気泳動によって評価した。二重特異性抗体の同一性を質量分析(MS)によって確認した。
抗gp120二重特異性抗体及び抗gp120二重特異性Fc融合タンパク質についてのHiTrap(登録商標)SP HP(Cytiva Life Sciences)陽イオン交換クロマトグラフィプロファイル及びSDS-PAGE純度分析の例を図8A~8Bに示す。これらの結果は、純粋な二重特異性抗体及びFc融合タンパク質が、本明細書に記載の設計及び方法を使用して発現及び精製され得ることを実証する(例えば、陽イオン交換クロマトグラフィが、20mMリン酸ナトリウムpH7.0中0~30%1M NaClの勾配を使用して、所望の二重特異性抗体又は融合タンパク質Fcヘテロ二量体を、低等電点(pI)を有するFcホモ二量体又は他の夾雑物から単離するのに成功した、HiTrap(登録商標)SP HP(Cytiva Life Sciences))。
実施例3
プロテインAに結合しないヒト化SP34抗体可変ドメインの操作
プロテインAアフィニティクロマトグラフィは、研究用途及び治療用途の両方のためにヒトIgGを精製するために一般的に使用される(Shukla,et al.,J,Chromatogr.B Analyt. Technol.Biomed.Life Sci.(2007)848:29-39)。この方法は、中性pHでIgG1 Fcドメインに高い親和性で結合するが、酸性pHでは結合せず、したがって細胞上清からのIgGの捕捉、及び酸性緩衝液を使用した精製されたIgGの溶出を可能にする、Staphylococcus aureusプロテインAを利用する。IgGのFcドメインとのその相互作用に加えて、プロテインAは、VH3由来ヒト可変ドメインのサブセットに結合することができる。場合によっては、VH3由来抗体は、プロテインAから溶出されるために、より過酷でより酸性の溶出緩衝液を必要とする場合があり、これは、抗体の構造を不安定化させ、凝集及び/又は沈殿、並びに全収率の低減をもたらし得る。MabSelect(商標)Sure(商標)樹脂で使用されるものなどのプロテインAの操作されたバリアントは、VH3ドメインに対する親和性が低減しているが、いくつかのVH3ドメインは依然としてこの樹脂に結合することができる(Bach,et al.,Journal of Chromatography A.(2015)1409:60-69)。
本明細書に記載の二重特異性抗原結合分子のある特定の実施態様では、H435R(R)又はH435R+Y436F(RF)変異は、一方の重鎖のCH3ドメインに組み込まれるが、他方には組み込まれない。結果として、二重特異性ヘテロ二量体はプロテインAへの結合を保持するが、2つの可能なホモ二量体夾雑物のうちの1つはプロテインAに結合せず、したがって精製中に排除される。しかしながら、H435R含有CH3ドメインに融合されたVH3ドメイン中に存在する残留プロテインA結合は、そのようなホモ二量体夾雑物をプロテインAに結合させ、H435R変異の有用性を除去する可能性がある。
プロテインAへのヒト化抗CD3 VH3ドメインの残留結合を最小にする又は排除するために、本発明者らは、構造モデリングを使用して、プロテインA結合を低減又は排除すると予測される一連の一点及び二点変異体を設計した。huSP34.13.18の相同性モデル(Discovery Studio 2017r2におけるデフォルト抗体相同性モデリングプロトコルを使用して作製)、VH3ドメインに結合したプロテインAの構造(PDB:1 DEE)、及びMabSelect(商標)Sure(商標)に見出される操作されたプロテインA Zドメインの配列(Nilsson,et al.,Protein Engineering(1987)1:107-113)を使用して、プロテインA Zドメインに結合したhuSP34.13.8のモデルを生成した。次に、本発明者らは、プロテインA結合に寄与する可能性がある残基を同定するために、ZドメインとhuSP34.13.8との間の界面を調べた。この分析に基づいて、本発明者らは、更なる分析のために、残基S17、R19、T57、Y59、G65、T68、S70、Q81、N82a、及びS82bを選択した。最初に、Discovery Studio 2017r2におけるデフォルトプロトコルを使用して、インシリコでプロテインAへの結合を破壊する能力について、各位置における様々な変異を試験した。更なる実験分析のために選択された変異は、ZドメインとhuSP34.13.8 Fvとの間の結合自由エネルギーを増加させることが予測された。
次に、本発明者らは、huSP34.13.8及び設計されたバリアント(全てH435R変異を含有するFcに融合されている)に対して小規模プロテインA精製を行った。5μgのscFv-Fc構築物をコードするDNAを、製造業者のプロトコールに従って5mLのExpi293細胞に形質移入した。各形質移入の清澄した上清を形質移入の4日後に収集した。15μLの上清をゲル充填のために保存した。Bravo Liquid Handlingプラットフォーム上でPhyTips(登録商標)において20μLプロテインA樹脂を使用して、200μLの上清からscFv-Fcプロテインを精製した。PhyTips(登録商標)上に捕捉されたタンパク質を1×PBSで3回洗浄した後、60μLの100mM酢酸ナトリウムpH3.7を使用して溶出した。30μLの各溶出液を12ウェル4~20%Criterion TGX Stain-freeゲルウェル上で分画し、画像化した。様々なscFv-Fcバリアントのホモ二量体バンドの相対強度を、Bio-Rad Image Lab(商標)6.0ソフトウェアを使用して定量化した。プロテインAに対する各バリアントの相対的結合を、親scFv(huSP34.13.8 scFv-AAS+SAV+R)のバンド強度に対して正規化し、表11に示す。
全てのバリアントはプロテインAへの結合の低減を実証したが、いくつかははるかに有効であり、プロテインAクロマトグラフィ中の保持のほぼ完全な喪失をもたらした。これらのデータに基づいて、一連の二重変異体、例えば、R19S及びT57A、R19S及びT57E;R19S及びG65S;R19S及びQ81E;T57A及びQ81E;T57E及びG65S;T57E及びQ81E、並びにG65S及びQ81Eを、プロテインAへの抗CD3結合VHドメインの結合を更に低減又は排除するために生成した。結果を表12に提供する。
次に、プロテインA樹脂上の相対的充填濃度を増加させ、したがってプロテインAノックアウトスクリーニングのストリンジェンシーを増加させるために、1つ又は2つのVH領域変異を非変異対照とともに含有するバリアントhuSP34 scFv-Fc融合タンパク質の選択物をより大規模に発現させた。500mLのExpi293細胞を、製造業者のプロトコルに従って、選択されたhuSP34 scFv-FcプロテインAノックアウトバリアントをコードする0.5mgのDNAで形質移入した。形質移入の4日後、無細胞清澄した上清を収集し、MabSelect(商標)SuRe(商標)(Cytiva Life Sciences)カラムに充填した。カラムを、10カラム体積(CV)の25mM Tris HCl pH7.5、25mM NaClの低塩緩衝液で洗浄し、次いで、5CVの25mM Tris HCl pH7.5、500mM NaClの高塩洗浄液で洗浄して、非特異的結合を除去し、最後に10CVの25mM Tris HCl pH7.5、25mM NaClの低塩洗浄液で洗浄した。抗体を溶出するために、100mM酢酸ナトリウムpH3.7の定組成溶出工程を実施した。溶出したプールを1M Tris HCl pH9.0でpH6.0に中和し、陽イオン精製、HiTrap SP HP(Cytiva Life Sciences)に供して不純物を更に除去した。陽イオン捕捉タンパク質を、10CVの10mMリン酸ナトリウムpH7.0で洗浄し、次いで、50CVの10mMリン酸ナトリウムpH7.0、1M NaClの0~30%勾配で溶出して、所望の2標的化アーム抗体(ヘテロ二量体)を、1つの標的化アーム抗体(ホモ二量体)から分離した。続いて、10CVの30~100%の10mMリン酸ナトリウムpH7.0、1M NaClの勾配溶出を行って、より高い等電点(pI)における凝集又はホモ二量体を除去した。全てのタンパク質を透析によって20mMヒスチジンpH5.8に製剤化し、スクロース/tween-80の添加剤を添加し、滅菌濾過し、4℃で保存した。製剤化したタンパク質の濃度をA280によって測定した。純度は、分析用サイズ排除クロマトグラフィによって単分散パーセントとして評価した。二重特異性抗体の同一性を質量分析(MS)によって決定した。最も低い残留プロテインA結合を有する3つのVH領域バリアントを、親構築物とともに、抗gp120二重特異性抗体として更にスケールアップし、最終収率を評価した。この研究の結果を以下の表13に示す。
n.d.-決定せず
上位3つの変異体を抗gp120二重特異性抗体のバックグラウンドに組み込み、CD4 ECD-Fc融合体をhuSP34.3.13バリアントの周囲に構築した。BLI及びSPR分析は、これらの変異が抗CD3親和性に影響を及ぼさなかったことを確認したが(実施例6)、BVP(実施例7)及びPK分析は、試験された様々な二重特異性抗体間の明確な差を明らかにした(実施例13)。
実施例4
huSP34 Fab及びIgGバリアントの発現、精製、及び生物物理学的評価
Fab産生のために、mSP34、huSP34バリアント、及び比較例分子のVHコード配列を、Homo sapiens発現のためにコドン最適化し、ヒトIgG1のCH1ドメイン、続いてC末端His8-FLAGタグ(配列番号1041として開示されるHis8又はHHHHHHHH)を含有するpcDNA3.1ベクターにクローニングした。コドン最適化VL配列を、ヒトλ軽鎖のCLドメインを有するpcDNA3.1ベクターにクローニングした。Expi293細胞の形質移入は、製造業者のプロトコルに従って行った。1mLの形質移入当たり1マイクログラムの全DNAを使用した。重鎖及び軽鎖をコードする発現ベクターを、それぞれ、2:3(w:w)のDNA比で混合した後、希釈したExpifectamine試薬に添加した。室温で20分間インキュベートした後、DNA形質移入複合体を、1mL当たり300万でExpi293細胞に添加した。形質移入の4日後、清澄した上清を採取した。Hamilton Star Liquid Handlingプラットフォーム上でNi-IMAC PhyTips(登録商標)を使用してFabを精製した。結合したFabを、250mMイミダゾール含有25mM Tris、pH8及び300mM NaClを用いてNi-IMAC樹脂から溶出し、溶出緩衝液でブランキングした後にNanodropを使用してA280での吸光度測定によって定量化した。回収された各Fabの濃度を、A280読み取り値をそれぞれの吸光係数で割ることによって決定した。発現力価(mg/L)を以下のように計算した:[(濃度(mg/mL)×溶出液の体積(mL)1000]/30mL。mSP34及び比較例#6の発現力価は、それぞれ、58mg/L及び128mg/Lであったが、第1ラウンドのhuSP34 Fabの値は表14に示される。重鎖6及び8は、最高レベルの発現を有するhuSP34バリアントと関連した。
一部これらの結果に基づいて、第2ラウンドのヒト化SP34バリアントを設計した。比較例#1及び比較例#5のFabの発現力価は、それぞれ、80mg/mL及び184mg/mLであったが、第2ラウンドのhuSP34 Fabの値は表15に示される。重鎖12及び13は、最も高い発現力価と関連したが、重鎖3は、最も低い発現力価と関連した。
ヒトIgG1抗体としてのhuSP34バリアントの産生のために、ヒト化SP34バリアントのVH及びVLコード配列を、それぞれ、免疫グロブリンアイソタイプ1 Fc及びヒトλ定常領域配列を含有するpcDNA3.1ベクターにクローニングした。Expi293細胞の形質移入は、製造業者のプロトコルに従って実施した。1mLの形質移入当たり1マイクログラムの全DNAを使用した。DNAを、細胞に添加する前に、希釈したExpifectamine(登録商標)試薬と60%LC対40%HCの比で合わせた。形質移入の4日後、無細胞培養培地を、Hamilton Star Liquid Handlingプラットフォーム上でMabSelect(商標)SuRe(商標)樹脂包埋PhyTips(登録商標)を使用して精製した。結合したIgGを、100mM酢酸ナトリウムpH3.7を使用してチップから溶出し、1/10体積の1M Tris pH9.0を添加することによって中和した。溶出したIgGを、溶出緩衝液でブランキングした後、Nanodropを使用してA280での吸光度測定によって定量化した。回収された各IgGの濃度を、A280読み取り値をそれぞれの吸光係数で割ることによって決定した。発現力価(mg/L)を以下のように計算した:[(濃度(mg/mL)×溶出液の体積(mL)1000]/30mL(形質移入体積)。
huSP34 IgG1バリアント(n=1)の発現力価を表16に示す。全てのhuSP34 IgG1バリアントは、比較例#1(121mg/L、n=2)に対して発現力価の低下を示す。
n.d.測定せず
精製したhuSP34バリアント試料を、分析的サイズ排除クロマトグラフィ(SEC)によって分析して、凝集体レベルを決定した。全ての分析は、Shodex LW-803、8×300mm、3ミクロンカラムを使用してAgilent 1200 HPLCシステムで行った。カラム内の樹脂は、特定のサイズ分布の孔を含有する球状ビーズを有する。分離は、異なるサイズの分子がマトリックス内の孔に含まれるか又は孔から排除される場合に生じる。移動相は、200mM KPO、25mM KCl、pH6.0であり、カラムは0.5mL/分の流速で流した。タンパク質検出は、OD280検出を介して達成され、較正実行は、異なる分子量を有するタンパク質の正確な分離を確実にするために、Bio-Rad SEC標準を使用して実施された。公称注入量を20μgの試験タンパク質に設定し、各溶出タンパク質含有ピークの総面積を計算した。これらのデータから、各試料のSEC純度を単量体Fab材料のパーセンテージとして定義し、これは、単量体含有ピークの面積を、このピークと任意の先に溶出する凝集体含有ピークとを合わせた面積で割ることによって計算した(タンパク質を含有する後に溶出するピークは観察されなかった)。
mSP34及び比較例#6についての平均(n=2)SEC純度は、それぞれ、81%及び84%であったが、各huSP34 Fabについての値(n=1)は表17に示される。第1ラウンドのhuSP34 FabのSEC純度は、75%~92%の範囲であった。重鎖1、2、4、5、及び8は最も低いレベルの凝集と関連し、軽鎖6は最も高いレベルの凝集と関連した。興味深いことに、重鎖2(HC2)は、試験した全ての軽鎖バリアントと対にした場合、最も低いレベルの凝集と関連した。
n.d.=決定せず
第2ラウンドのhuSP34 FabのSEC結果を表18に示す。全ての第2ラウンドのhuSP34 Fabは、第1ラウンドのhuSP34 Fabと比較した場合、改善された単分散%値を示し、比較例#5(97.4%)Fabと類似した。
huSP34 IgG1分子のSEC結果を表19に示す。全てのhuSP34 IgG1抗体は、凝集レベル<6%の高純度の精製を示した。重鎖3(HC3)は、最低レベルの凝集と関連している。
n.d.=決定せず
精製されたhuSP34 Fabの電荷不均一性を決定し、可能な配列障害に関連する任意の変異を同定するために、本発明者らは強陽イオン交換クロマトグラフィを行った。全ての分析は、MabPac(商標)SCX 4×50mm、5μm強陽イオン交換カラム(Thermo Scientific)を30℃で使用して、Agilent 1200 HPLCシステムで行った。線形pHを生成するように設計された「CX-1 pH勾配緩衝液」としてとして既知の独自の移動相を使用して、製造者のガイドラインに従って短い分析スケールCX-1法を実行した。緩衝液を10倍濃縮物として提供し、使用時に脱イオン滅菌水で希釈した。緩衝液AはpH5.6である。緩衝液BはpH10.2である。公称注入量を20μgの試験タンパク質に設定した。
以下の勾配を使用した:0.5mL/分で0~1分0%B、1~16分0~100%B、18.7~19.5分0%B、23分0%B。得られたOD280対体積クロマトグラフが正確に描かれたベースラインを有する場合、タンパク質ピークは正確にアノテートされ得る。各試料のクロマトグラフィプロファイルから、各ピークの総面積を計算し、総面積に対するメインピークのパーセンテージ(メインピーク%)を決定した。ヒト化SP34試料中の不純物は、主にメインピークよりも早く溶出し、したがって、本質的に酸性であると考えられた。
分析的CX-1分析から得られた各huSP34 Fabのメインピークパーセントを表20に示す。第1ラウンドのhuSP34 Fabの値は66.8%~90.6%の範囲であったが、mSP34 Fabは90.9%の値を与え、比較例#6は83.1%の値を与えた。重鎖6(HC6)を有するFabは、他の重鎖よりも実質的に低いメインピークパーセントを有したが、重鎖4(HC4)を含有するFabは、最も高いメインピークパーセントを有した。低減した酸性種(メインピークにおいてより高いパーセンテージ)に関連する変異を同定するために、次に、本発明者らは、表20のデータセットを、図4Bに示される重鎖可変ドメイン配列と比較した。ペアワイズ比較、配列障害分析、及び構造分析を使用して、huSP34電荷不均一性において役割を果たす変異を同定した。より高いメインピークパーセント値と強い関連を示す重鎖残基には、S30、D73、V89、及びH100が含まれるが、N30、N73、M89、及びN100は、メインピーク値の低減及び酸性バリアントの増加と関連した。これらの残基の中で、H100は、酸性バリアントのレベルの低減と最も強く関連しているように思われ(図9)、重鎖CDR3の先端で溶媒に曝露された脱アミド化モチーフを除去するという予測と一致した(図1~2)。この分析に基づいて、D73及びH100は、第2ラウンドのヒト化の間、一定に保たれた。
n.d.=決定せず
第2ラウンドのhuSP34 Fabの分析スケールCX-1の結果を表21に示す。第2ラウンドのhuSP34 Fabの多くは、第1ラウンドのhuSP34 Fabと比較した場合、改善されたメインピーク%値を示し、比較例#5(99.3%)Fabとより類似した。重鎖3は、最も低いものであったHC3+LC7対を除いて、最も高いメインピークパーセント値と関連した。
分析スケールCX-1イオン交換を使用してhuSP34 IgG分子も分析し、結果を表22に示す。結果は、huSP34 Fabの結果と一致し、第2ラウンドのヒト化のからのバリアント(HC3、HC11-13、及びLC7-10)が、第1ラウンドのヒト化からのバリアント(HC1~4及びLC1~6)と比較した場合、産物の均一性において著しい改善を示すことを実証する。
n.d.=決定せず
huSP34バリアントの熱力学的安定性を特徴付けるために、本発明者らは、単一の分析プロセスにおいてUNcleシステム(Unchained Labs)を使用して、精製されたFabの実験的融点及び凝集の開始を評価した。9μLのタンパク質試料を、0.1~150mg/mLの間の濃度で、製剤緩衝液(95mM酢酸ナトリウム50mM Tris、pH6.0)において三つ組で調製した。この分析に使用されるプロトコルは、0.4℃/分に設定された熱勾配を有する。Tmの決定は蛍光検出によって達成され、Taggは静的光散乱検出によって達成される。温度変化に対するアンフォールディング蛍光シフト及び静的光散乱の得られたクロマトグラフは、アルゴリズム分析によって定義され、Tm変曲点をもたらし、凝集の開始はTaggである。
第1ラウンドのhuSP34 FabバリアントについてのTm分析の結果を表23に示す。全ての第1ラウンドのFabは、mSP34 Fab(60.1℃)及び比較例#6(58.8℃)と比較して改善された熱力学的安定性を示し、構造誘導ヒト化アプローチが、本明細書で試験されたhuSP34バリアントについて熱力学的安定性の著しい改善をもたらしたことを示唆した。
n.d.=決定せず
第1ラウンドのhuSP34 FabバリアントについてのTagg分析の結果を表24に示す。第1ラウンドのhuSP34 Fabの多くは、mSP34 Fab(57.7℃)及び比較例#6(54.3℃)と比較して凝集傾向の低減を示し、構造誘導ヒト化アプローチが、本明細書で試験されたhuSP34バリアントについて熱力学的安定性の改善をもたらしたことを示唆した。驚くべきことに、SEC分析において比較的高レベルの凝集物含有量を示したHC3(表17)は、表24に提示されるTagg分析において最も低い凝集傾向を示した。
実施例5
バイオレイヤー干渉法(BLI)を使用したCD3親和性スクリーニング
精製されたhuSP34 FabのCD3結合動態を、OctetRed384(Pall ForteBio,CA)バイオレイヤー干渉法(BLI)を使用して決定した。試料又は緩衝液をポリプロピレン384ウェル黒色平底プレート(Greiner,Germany 781209)にウェル当たり100μLの体積で分注し、全ての測定を1000rpmで撹拌しながら30℃で実施した。ストレプトアビジン(SA)コーティングバイオセンサーチップ(Pall ForteBio,CA)を使用してビオチン化CD3ε:δヘテロ二量体を捕捉し、SAセンサー上に捕捉された典型的な固定化レベルは1nmであり、これはおよそ300ng/mLの捕捉タンパク質に換算される。動態測定のために、バイオセンサーをまずアッセイ緩衝液で10分間予備湿潤させて保護スクロースコーティングを除去し、続いて、実験のためのバイオセンサー表面の標準化のために推奨される再生条件を行った。バイオセンサーに抗原を充填するために、300ng/mLのビオチン化CD3ε:δヘテロ二量体タンパク質(Amsbio AMS.CDD-H52WO)をSAセンサー上に900秒間固定した。次いで、CD3を充填したバイオセンサーを、20μg/mLのビオシチン(sigma)で200秒間遮断し、次いで、アッセイ緩衝液含有ウェルに200秒間浸漬して、任意の非特異的タンパク質又は非結合CD3ヘテロ二量体を除去した。
次いで、CD3を充填し、ビオシチンで遮断したバイオセンサーを新鮮なアッセイ緩衝液に200秒間移して、ベースライン読み取り値を収集した。抗CD3 Fab及び二重特異性抗体結合についての動態測定を、CD3コーティングバイオセンサーを複数の濃度のFab又はAb(0~300nM)を含有するウェルに100秒間浸漬することにより行い、続いて、300秒の解離時間の動態測定を、バイオセンサーをアッセイ緩衝液含有ウェルに移すことにより行った。次いで、CD3を充填したセンサーを、次の動態測定のために再生した。バイオセンサーは、SAバイオセンサー上の固定化CD3から結合したFab又はAbを除去することによって生成した。使用した再生条件は、再生緩衝液(10mMグリシンHCl、pH1.5)、続いてアッセイ緩衝液(10mMリン酸ナトリウム、pH7.4、140mM塩化ナトリウム、0.2%BSAを含む0.005%Tween20)中にバイオセンサーを5秒間浸漬する3サイクルからなった。
全てのセンサーグラムを緩衝効果について参照し、Octet Data Analysis Software V.11(Pall ForteBio,CA)を使用して1部位結合モデルに適合させ、会合(kon)、解離(koff)速度定数、及び平衡解離定数(K)についての親和性値を生成した。
第1ラウンドのhuSP34 Fab及び関連する比較例についての結果を表25に示す。全ての第1ラウンドのhuSP34 Fabは、mSP34 Fab及び比較例#6に対して低減した親和性を示す。しかしながら、このデータセットを図3に示される配列と比較することにより、huSP34の親和性を改善すると予測される残基、及び機能特性に悪影響を及ぼすことなくmSP34 CDRに組み込まれ得るか又は直接隣接し得るヒト残基を含む、多数のSAR関係が明らかになった。重鎖残基T31、I51、D73、及びY102は全て、より高い親和性を有するバリアントと関連した。重鎖残基S30(CDR1)及びG49(CDR2に隣接する)は、huSP34バリアントに組み込まれた場合に親和性に影響を及ぼさないようであったが、両方ともヒト生殖系列に対するhuSP34バリアントの一致を増加させた。残基S30は、分析CX-1パーセントメインピーク値に対する改善にも関連した。驚くべきことに、改善された電荷不均一性と強く関連した重鎖残基H100(図9)は、CDR H3の中心にあるにもかかわらず、CD3親和性に対して悪影響を有しなかった(図1)。軽鎖残基は親和性に対して最も顕著な影響を有し、N52、K53、G57、V58、及びN94は、改善された親和性を有するhuSP34バリアントと関連した。
結果は、2回の独立した実行の平均を表す。
**NBD=結合が検出されなかった。
第2ラウンドのhuSP34 Fab及び関連する比較例についての結果を表26に示す。第2ラウンドのhuSP34 Fabの多くは、第1ラウンドのhuSP34 Fab及び比較例分子に対して改善された親和性を示す。重鎖13(HC13)及び軽鎖10(LC10)は、最も高い親和性の第2ラウンドのhuSP34バリアントと関連した。
結果は、2回の独立した実行の平均を表す。
**NBD=結合が検出されなかった。
第3ラウンドのhuSP34 Fab及び関連する比較例についての結果を表27に示す。親和性バリアントの範囲を調査した。
結果は、2回の独立した実行の平均を表す。
次に、選択したhuSP34 Fabを二重特異性抗体に再フォーマットし(実施例2)、Octetによって評価されたそれらのCD3親和性を表28に示す。
結果は、2回の独立した実行の平均を表す。
二重特異性抗体の精製を容易にするために、huSP34 VH3ドメインへのプロテインA結合を低減又は除去するように設計された変異を組み込んだ一連のhuSP34バリアントを設計した。プロテインAノックアウトは、huSP34.13.8バリアントのバックグラウンドにおいて生成した。これらのhuSP34プロテインAノックアウトバリアント及びhuSP34.13.8バリアントを組み込んだ二重特異性抗体のCD3親和性(Octet)を表29に示す。結果は、プロテインAノックアウト変異がCD3結合親和性に最小限の影響しか及ぼさなかったことを示唆する。
結果は、2回の独立した実行の平均を表す。
実施例6
表面プラズモン共鳴を使用したCD3親和性スクリーニング
選択されたFab又は二重特異性抗体のCD3結合動態を決定するために、次に、本発明者らは表面プラズモン共鳴バイオセンサー研究を行った。実験はBiacore 4000装置で実施した。ストレプトアビジンをC1チップ上に化学的に固定化した。ビオチン化CD3(Acro Biosystems、ビオチン化ヒトCD3E及びCD3D Cat CDD-H82W1、ロットBVG51-93TF1-NY)を様々な密度で捕捉した。次いで、huSP34抗CD3 scFv又はFabドメインを含有する様々な二重特異性融合タンパク質を、CD3表面上に様々な濃度で注入した。次いで、動態データを単純な動態モデルに当てはめて、会合相及び解離相の速度定数kon及びkoff、並びに平衡解離定数Kを得た。図10は、この研究から得られたデータの例を示す。hPGT121.66 AAS W/huSP34.39.13 scFv AAS+SAV+Rの相互作用から得られた応答を示し、全て120秒の接触時間にわたって、CD3表面上に様々な濃度で注入され、次いで、様々な解離時間にわたって監視される。データを単純な動態モデルに当てはめた。この例では、黒線はデータを示し、灰色線はデータへの適合を示す。kon、koff、及びKDの値を表30にまとめた。
実施例7
huSP34バリアント抗体の多特異性評価
治療用抗体の多特異性は、PK特性に悪影響を及ぼし、安全性の懸念の可能性を提示し得る。この実施例では、本発明者らは、抗バキュロウイルス粒子(BVP)ELISAアッセイにおいて抗体の多特異性リスクを評価した(BVP)ELISA assay(Hotzel,et al.,mAbs(2012)4:753-760)。各実験において75μg/mL濃度で試験品を二つ組でアッセイし、BVPスコアをOD450対非mAbバックグラウンドの比として計算した。次いで、二価IgGの多特異性についてのリスクを、多特異性のリスクなし、低リスク、中リスク、及び高リスクの4つのベンチマーク抗体によって設定された閾値とBVPスコアを比較することによって決定した(Jain,et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA(2017)114:944-949)。
異なる抗CD3親和性を有するhuSP34バリアントの多特異性を比較するために、28個のIgG1のパネルをBVPアッセイにおいて試験した。計算されたBVPスコア及びベンチマーク対照によって決定された閾値に基づいて分類された多特異性リスクを含む、BVPアッセイの結果を表31に示す。多特異性リスクにおける著しい差が、試験したバリアント間で観察された。
様々な二重特異性抗体フォーマットにおける選択された抗CD3 SP34バリアントの多特異性リスクを更に評価するために、選択されたhuSP34重鎖及び軽鎖変バリアント対を選択して抗HIV gp120二重特異性抗体を産生し、いくつかの関連ヒトIgG1及びエフェクタ増強ヒトIgG1抗体とともに試験した。このBVP分析の結果を以下の表32に示す。結果は、これらの研究に使用されたPGT121.66抗gp120結合アームが、エフェクタ機能増強ヒトIgG1としてフォーマットされた場合、低いBVPスコアを有することを示唆する。結果はまた、IgG1として低いBVPスコアを有するhuSP34バリアントもまた、二重特異性抗体としてフォーマットされた場合に低いBVPスコアを有することを示唆する。最後に、結果は、「ホール」FcドメインにおけるプロテインA結合を排除するために導入されたH435R+Y436F Fc変異が、多特異性に影響を及ぼさないことを示唆する。
huSP34の可変ドメインに作製された抗CD3親和性及び抗CD3プロテインAノックアウト変異の両方の役割を評価するために(実施例3を参照)、本発明者らは、異なる抗CD3 huSP34バリアントアームを有するが、同じPGT121.66標的化アーム及びH435R FcプロテインAノックアウト変異を組み込んだ同一のノブ・イン・ホール二重特異性Fcドメインを含有するHIV抗gp120二重特異性抗体のパネルを産生した。これらの抗体について行ったBVP分析の結果を表33に示す。結果は、プロテインAノックアウトバリアントがhuSP34.13.8と比較して多特異性においてわずかな増加しか示さず、更に、huSP34.3.13バリアントを最も低い多特異性を有する分子として同定することを示唆する。
次に、本発明者は、huSP34.3.13 scFvバックグラウンド中に3つの最も有効なプロテインAノックアウトバリアントを含有する抗HIV-gp120二重特異性抗体のパネルに対して、関連対照とともにBVPアッセイを行った。この評価の結果を表34に示し、huSP34プロテインAノックアウトバリアントhuSP34.39.13がhuSP34.3.13と非常に類似した多特異性リスクを有することを実証する。対照的に、huSP34.40.13及びhuSP34.41.13は、huSP34.34.10により近い高いBVPスコアを示す。
実施例8
フローサイトメトリーによるhuSP34バリアントFab及び抗HIV gp120二重特異性抗体のT細胞結合の特徴付け
初代ヒトT細胞の細胞表面上に発現させたCD3へのヒト化SP34 Fabバリアントの結合を、フローサイトメトリーに基づく競合アッセイにおいて評価した。異なる濃度のhuSP34 Fabバリアント及びmSP34を、0.2μLのマウスSP34-Alexa Fluor 488(BD Pharmingenカタログ番号557705)、0.5μLの抗CD4-BV711 mAb(BD Biosciencesカタログ番号563028)、及び0.5μLの抗CD8-APC/Cy7 mAb(BD Biosciencesカタログ番号560179)を含有するRPMI中で1×106T細胞とともに室温で1時間インキュベートした。次いで、細胞を洗浄し、固定し、細胞表面CD3へのマウスSP34-AF488結合をフローサイトメーター(BD LSRFortessa)で測定した。細胞表面CD3へのマウスSP34-AF488結合の50%阻害(IC50)をもたらした各huSP34 Fabバリアント又は対照の濃度を、GraphPad Prismを使用して計算した。
ラウンド1のhuSP34バリアント
表35に要約されるように、試験した第1ラウンドのhuSP34 Fabバリアントは全て、1.3μg/mL~20μg/mL超の範囲の平均IC50値を示し、mSP34(0.70μg/mL)よりも高かった(すなわち、より弱い結合)。
ラウンド2のhuSP34バリアント
第2ラウンドのhuSP34 Fabバリアントを、上記と同じフローサイトメトリーに基づく競合アッセイを使用して特徴付けた。表36に要約されるように、このラウンドからの全てのバリアントは、0.15~0.73μg/mLの範囲の幾何平均IC50値を示し、その多くは、mSP34(IC50 0.68μg/mL)に対して改善された。
実施例9
T細胞結合アッセイにおけるHIV×CD3二重特異性分子の特徴付け
本発明者らは、バイオレイヤー干渉法(BLI)及びフローサイトメトリーに基づく競合アッセイによって以前に決定されたCD3結合親和性の範囲を網羅するように選択されたhuSP34バリアント(scFvフォーマット)と対になった共通のa-HIVエンベロープ結合アーム、PGT121.66を保有する5つのHIV×CD3二重特異性分子のパネルのT細胞結合活性を特徴付けた。簡潔に述べると、末梢血単核細胞(PBMC)を、異なる濃度のHIV×CD3二重特異性分子とともに室温で1時間インキュベートした。次いで、細胞を洗浄し、α-huIgG-APC(Jackson ImmunoResearch、カタログ番号109-136-098)、α-CD4-BV711(BD Biosciences、カタログ番号563028)、及びα-CD8-APC-Cy7(BD Biosciences、カタログ番号560179)を用いて室温で20分間染色した。次いで、細胞を洗浄し、固定/透過処理し、製造業者のプロトコルに従ってBD LSRFortessaを使用して分析した。α-huIgG-APC陽性CD4+及びCD8+T細胞のパーセンテージ、並びにCD4+及びCD8+細胞のα-huIgG-APCの平均蛍光強度を収集し、GraphPad Prismを使用してデータを分析した。
2人の健康なヒトドナーからのPBMCを使用して結合実験を実施した。全体として、HIV×CD3二重特異性分子のこのパネルについてのEC50順位を、FabフォーマットのhuSP34バリアントについてBLIによって以前に決定されたK順位と十分に比較し、これは、CD4+及びCD8+T細胞集団の両方において観察された。データを図11及び12に示し、表37に要約する。
ヒト化SP34バリアントが類似の親和性で非ヒト霊長類CD3と交差反応するかどうかを評価するために、本発明者らは、BLI又はフローサイトメトリーに基づく競合アッセイによって以前に決定されたCD3結合親和性の範囲を網羅するhuSP34バリアント(scFv又はFab形式)と対になった、共通のα-HIVエンベロープ結合アーム、PGT121.66、又はCD4 D1.22ドメインを保有する8つのHIV×CD3二重特異性分子のパネルのヒト及びアカゲザルT細胞結合活性を特徴付けた。簡潔には、健康なヒトドナー及び健康なアカゲザル又はカニクイザルドナー由来のPBMCを、異なる濃度のHIV×CD3二重特異性分子とともに室温で1時間インキュベートした。次いで、細胞を洗浄し、α-huIgG-APC(Jackson ImmunoResearch、カタログ番号109-136-098)、α-CD4-BV711(BD Biosciences、カタログ番号563028)、及びα-CD8-APC-Cy7(BD Biosciences、カタログ番号560179)を用いて室温で20分間染色した。次いで、細胞を洗浄し、固定/透過処理し、BD LSRFortessaで分析した。α-huIgG-APC陽性CD4+及びCD8+T細胞のパーセンテージ、並びにCD4+及びCD8+細胞のα-huIgG-APCのmFIを収集し、GraphPad Prismを使用してデータを分析した。
図13~18は、代表的な結合濃度反応曲線を示す。このパネルで試験した8つ全ての二重特異性分子について、ヒト及びアカゲザルT細胞結合について決定されたEC50値は、互いの2倍以内であり、huSP34バリアントアームがヒト及びサルT細胞に類似の親和性で結合したことを示唆した。データを表38~39に要約する)。これは、CD4+及びCD8+T細胞集団の両方において観察された。
実施例10
HIV感染CEM-NKr-CCr5-LucR+CD4+T細胞のインビトロ死滅
CD3二重特異性体死滅活性に対するCD3親和性の影響を、Env標的化アームとしてPGT121.66及びhuSP34(scFvフォーマット)を使用して作製したHIV×CD3二重特異性分子を使用して、BLIによって以前に決定されたCD3親和性の範囲で評価した。HIV×CD3分子を作製するために使用したCD3 Fabの平衡解離定数(KD)を表40に示す。
標的細胞として5つの異なるHIV-1初代分離株又は分子クローンに感染させたCEM-NKr-CCR5-LucR+リンパ芽球様レポーター細胞株、及びエフェクタ細胞として2人の健康なドナーからのPBMC又は単離したT細胞を使用して、HIV感染細胞死滅活性を評価した。CEM-NKr-CCR5-LucR+細胞を3日間感染させ、洗浄し、PGT121.66×CD3二重特異性分子及びPBMC(25:1のエフェクタ:標的細胞比)又は単離したT細胞(20:1エフェクタ:標的細胞比)と2日間共培養し、tat駆動ルシフェラーゼの発現を、One-Gloルシフェラーゼ試薬(Promega)を使用して定量化した。感染細胞死滅パーセントを、以下の式を使用して計算した:
100-((処理されたウェル中のHIV感染標的細胞のRLU/未処理のウェル中のHIV感染標的細胞のRLU)100)。
見かけのEmax<20%を有する濃度応答曲線について、Emax値は<20%として報告され、EC50値は>100μg/mLとして報告された(試験した最大濃度)。
結果を表41~42に示す。図19は、代表的な死滅濃度応答曲線を示す(BaL感染CEM-NKr-CCR5-LucR+細胞、PBMCエフェクタ細胞、ドナー4408)。より高いCD3親和性は、エフェクタ細胞として全PBMC(図20;r=0.8403、P=0.0285)又は単離したT細胞(図21;r=0.9618、P=0.0032)のいずれかを使用して、より低い(すなわち、より強力な)死滅EC50値と有意に相関した。したがって、CD3親和性の増加は、HIV×CD3二重特異性分子媒介性死滅効力の増加をもたらした。
CD3二重特異性体死滅活性に対するCD3親和性の影響を、Env標的化アームとしてh3BNC117.52.64及びhuSP34(scFvフォーマット)を使用して作製したHIV×CD3二重特異性分子を使用して、BLIによって以前に決定されたCD3親和性の範囲で評価した。HIV×CD3分子を作製するために使用したCD3 Fabの平衡解離定数(KD)を表43に示す。
標的細胞として5つの異なるHIV-1初代分離株に感染させたCEM-NKr-CCR5-LucR+リンパ芽球様レポーター細胞株、及びエフェクタ細胞として2人の健康なドナーからのPBMCを使用して、HIV感染細胞死滅活性を評価した。CEM-NKr-CCR5-LucR+細胞を3日間感染させ、洗浄し、3BNC117×CD3二重特異性分子及びPBMC(25:1のエフェクタ:標的細胞比)と2日間共培養し、tat駆動ルシフェラーゼの発現を、One-Gloルシフェラーゼ試薬(Promega)を使用して定量化した。感染細胞死滅パーセントを、以下の式を使用して計算した:
100-((処理されたウェル中のHIV感染標的細胞のRLU/未処理のウェル中のHIV感染標的細胞のRLU)100)。
見かけのEmax<20%を有する濃度応答曲線について、Emax値は<20%として報告され、EC50値は>100μg/mLとして報告された(試験した最大濃度)。
結果を表44に示す。図22は、代表的な死滅濃度応答曲線を示す(PV_12感染細胞、ドナー4622)。より高いCD3親和性は、より低い死滅EC50値と有意に相関した(図23;r=0.9968、P=0.0362)。したがって、CD3親和性の増加は、HIV×CD3二重特異性分子媒介性死滅効力の増加をもたらした。
実施例11
HIV感染初代細胞又はCEM細胞のインビトロ死滅
PBMCを健康なドナー(HIV-/HBV-/HCV-)由来のleukopakからフィコール分離によって単離し、一晩休ませた。CD4+T細胞を、Stemcells EasySep Human CD4+T Cell Enrichment Kit(カタログ番号19052)を使用して単離した。単離したCD4+T細胞を、1200×gで2時間、HIV単離株とともにスピンフェクション(spinfect)し、次いで5日間培養してデノボ発現を可能にした。標的細胞を洗浄し、200,000細胞/ウェルを播種し、CD3-bsAb及び600,000 FITC膜染色(Sigma Aldrich、カタログ番号PKH67GL)PBMC/ウェルと共培養し、2日間インキュベートした。細胞を洗浄し、生/死膜染色(Thermo Fisher、カタログ番号L34966)及びa-CD4-BV711(BD Biosciences、カタログ番号563028)で染色した。次いで、細胞を固定/透過処理し、α-p24-PE(Beckman Coulter、カタログ番号6604667)で染色し、フローサイトメーター(BD LSRFortessa)で読み取った。p24+CD4-生標的細胞の低減パーセントを測定し、以下の式を用いて定量化した:
100-((処理されたウェル中のp24+CD4-生標的細胞%/未処理のウェル中のp24+CD-生標的細胞%)100)。
二重特異性分子のパネルを、SPR及び競合FACアッセイによって測定されたある範囲の親和性及び共通のa-HIVエンベロープ配列を有するa-CD3 SP34由来配列を用いて生成した。α-CD3 SP34由来配列の最初に誘導された親和性と抗体媒介細胞傷害性との間に相関があるかどうかを決定するために、二重特異性分子を、2つの異なるHIV分離株に感染させたCD4細胞及び単一のドナーから得られた自家PBMCを用いた初代細胞殺傷アッセイにおいて実行した。結果を図24及び25に示し、表45に要約する。
PGT121.66×CD3二重特異性抗体-一次死滅に対するCD3親和性相関
CD4 ECDxCD3二重特異性分子評価-インビトロでのHIV感染CEM-NKr-CCr5-LucR+CD4+T細胞の死滅。
最適な再指向された殺滅活性を付与するCD4×α-CD3二重特異性フォーマットを同定するために、本発明者らは、scFv又はFabフォーマットのhuSP34と対になった、ドメイン組成又は価数が異なるCD4アームを有する分子のパネルを生成した(表46、図7B~7D)。
標的細胞として3つの異なるHIV-1初代分離株に感染させたCEM-NKr-CCR5-LucR+リンパ芽球様レポーター細胞株、及びエフェクタ細胞として2人の健康なドナーからのPBMCを使用して、HIV感染細胞死滅活性を評価した。CEM-NKr-CCR5-LucR+細胞を3日間感染させ、洗浄し、CD4×α-CD3二重特異性分子及びPBMC(25:1のエフェクタ:標的細胞比)と2日間共培養し、tat駆動ルシフェラーゼの発現を、One-Gloルシフェラーゼ試薬(Promega)を使用して定量化した。感染細胞死滅パーセントを、以下の式を使用して計算した:
100-((処理ウェル中のHIV感染標的細胞のRLU/未処理ウェル中のHIV感染標的細胞のRLU)100)。
見かけのEmax<20%を有する濃度応答曲線について、Emax値は<20%として報告され、EC50値は>100μg/mLとして報告された(試験した最大濃度)。
表47及び図26は、2つのドナーPBMCによる3つ全てのウイルス分離株に対する各二重特異性試験品の死滅曲線から計算されたEC50値を要約する。このパネルの平均EC50値は、0.026~0.684μg/mLの範囲である。異なるCD4標的化ドメインを、さもなければ同一の分子、すなわち、D1.22対D1D2(例えば、187対211、199対213)において用いた場合、EC50値は、D1.22含有分子について約4~5倍低く、D1.22が、それらの2ドメイン対応物よりも、HIV感染細胞についてより有効な標的化アームであることを示唆した。212のEC50値は、211の値よりも約3倍高く、これらの2つの分子は、同一のCD4標的化アームを用いたが、それらのhuSP34ドメインフォーマット(scFv対Fab)が異なり、huSP34が、これらの2つの分子の状況において、FabフォーマットよりもscFvフォーマットにおいてより強力な死滅活性を付与したことを示す。価数及び空間的配置が異なるCD4ドメインを保有する分子のEC50値を比較すると、結果は、二価CD4ドメインがそれらの一価対応物よりもHIV感染細胞の標的化においてより有効であり(例えば、213対212)、CD4ドメインの2つのコピーを有する分子については、「二価」配置が「タンデム」配置よりも強力な死滅活性を付与する(例えば、199対198)ことを示唆した(図7Dに定義される;実施例2)。
異なるHIV分離株に感染させた初代CD4+T細胞のCD4 ECD×CD3二重特異性分子媒介死滅
二重特異性分子180によるHIV感染細胞の死滅を、HIV分離株のパネルに感染させた初代CD4+T細胞及びエフェクタ細胞として自家PBMCを使用した初代細胞死滅アッセイにおいて評価及び実証した。二重特異性分子180を単独で、又はbNAb PGT121.42(国際公開第2017/106346号に記載)若しくはh3BNC117.52.64(国際公開第2020/010107号に記載)と組み合わせて試験した。アッセイを実施するために、PBMCを健康なドナー(HIV-/HBV-/HCV-)由来のleukopakからフィコール分離によって単離し、一晩休ませた。次いで、CD4細胞を、Stemcells EasySep Human CD4+T Cell Enrichment Kit(カタログ番号19052)を使用して単離した。単離したCD4細胞を、1200×gで2時間、HIV単離株とともにスピンフェクションし、次いで、5日間培養してデノボ発現を可能にした。標的細胞を洗浄し、200,000細胞/ウェルを播種し、異なる濃度の示された抗体の存在下又は非存在下で、600,000 FITC膜染色(Sigma Aldrich、カタログ番号PKH67GL)PBMC/ウェルと2日間共培養した。細胞を洗浄し、生/死膜染色(Thermo Fisher、カタログ番号L34966)及び抗CD4-BV711(BD Biosciences、カタログ番号563028)で染色した。次いで、細胞を固定/透過処理し、抗p24-PE(Beckman Coulter、カタログ番号6604667)で染色し、フローサイトメーター(BD LSRFortessa)で分析した。p24+CD4-生標的細胞を各条件について定量化し、対照(抗体なし)に対するp24+CD4-生標的細胞の低減パーセントを、以下の式を使用して決定した:
100-((処理されたウェル中のp24+CD4-生標的細胞%/未処理のウェル中のp24+CD-生標的細胞%)100)。
これらの結果を使用して、各抗体又は抗体の組み合わせについての死滅EC50値を決定した。有効な死滅を、50μg/mL未満のEC50値として定義した。図27及び表48に示すように、PGT121.42及びh3BNC117.52.64は、それぞれ、試験したHIV分離株の23/32及び26/32に感染させたCD4+T細胞の死滅を媒介し、EC50中央値は、それぞれ、0.21及び0.41μg/mLであった。二重特異性分子180は、試験したHIV分離株の29/32に感染させたCD4+T細胞の死滅を媒介し、EC50中央値は、0.12μg/mLであった。アッセイにおけるbNAb PGT121.42及びh3BNC117.52.64の組み合わせは、試験したHIV分離株の28/32に感染させたCD4+T細胞の死滅を媒介し、EC50中央値は、0.14μg/mLであった。3つ全ての二重特異性分子をアッセイにおいて組み合わせた場合、PGT121.42、h3BNC117.52.64、及び二重特異性180は、試験した32全てのHIV分離株に感染させたCD4+T細胞の死滅を媒介し、EC50中央値は、0.069μg/mLであった(図27、表48)。これらのデータに基づいて、三剤併用は、改善されたHIV分離株適用範囲及び死滅効力によって実証されるように、インビトロ死滅アッセイにおいて試験された最も有効なレジメンであった。
実施例12
インビトロでの感染CEM細胞結合の特徴付け
本発明者らは、異なるEnv標的化特異性を保有する3つのHIV×α-CD3二重特異性分子の、HIV感染細胞上の表面発現Envへの結合を評価した(表49)。
HIV感染細胞結合活性を、24の異なるHIV-1初代分離株に感染させたCEM-NKr-CCR5-LucR+リンパ芽球様レポーター細胞株を使用して評価した。CEM-NKr-CCR5-LucR+細胞を3日間感染させ、洗浄し、異なる濃度のHIV×α-CD3二重特異性分子とともに1時間共インキュベートした。次いで、細胞を洗浄し、α-huIgG-APC(Jackson ImmunoResearch、カタログ番号109-136-098)、α-CD4-BV711(BD Biosciences、カタログ番号563028)、及びa-CD8-APC-Cy7(BD Biosciences、カタログ番号560179)を用いて染色した。次いで、細胞を洗浄し、固定/透過処理し、BD LSRFortessa装置を使用して分析した。α-huIgG-APC陽性であった細胞のパーセンテージ及び全ての試料のα-huIgG-APCの平均蛍光強度(mFI)値を収集した。結合曲線を生成し、GraphPad Prismを使用してEC50値を分析した。
図28及び表50に要約されるように、CD4 D1.22 Env標的化アームを有する二重特異性分子186及び180は、HIV-1感染CEM-NKr-CCR5-LucR+細胞に対して最も高い結合効力を示し、試験した全ての分離株のEC50値の幾何平均は、それぞれ、7.2nM及び21.39であったが、二重特異性分子255及び230のEC50値の幾何平均は、それぞれ、68.8nM及び99.1nMであった。この結果は、4つ全てのEnv結合特異性がHIV Env発現細胞に結合し、CD4 D1.22ドメインが、HIV分離株のこのパネルを評価した場合に最も強力な結合親和性を示すことを実証した。
Figure 0007518286000159
n/d=決定せず
実施例13
HIV標的化CD3二重特異性分子の薬物動態
選択された抗gp120及びCD4 D1.22標的化抗CD3二重特異性抗体を、静脈内(IV)ボーラス注射によりナイーブ雄カニクイザル又はアカゲザルサル(Covance,TX)に投与して、単回又は反復投与後のそれらのPK及びADAプロファイルを特徴付けた。サルから収集した血清試料を、非コンパートメント分析(NCA)によって血清濃度-時間プロファイル及び平均血清PKパラメータを決定するのに十分な感度の選択的生物分析法を使用して分析した。生物分析法は、SULFOTAG標識ストレプトアビジン(MesoScale Discovery,MD)とともに、捕捉試薬としてクレードB gp120抗原(Immune-tech,CA)、及び二次試薬としてビオチンコンジュゲートヤギ抗ヒトIgG抗体(Southern Biotech,AL)を、Mesoscale Discovery Quickplex SQ 120プレートリーダーでの電気化学的検出に利用した。抗gp120×CD3二重特異性分子の血清濃度時間プロファイルを、図29~32に示す。CD4 D1.22×CD3二重特異性分子の血清濃度時間プロファイルを、図33に示す。定量限界未満のレベルへの曝露の異常な低下は、ADAの形成に起因し、ある特定の例では、異常な濃度時点をPK分析から除外した。抗gp120及びCD4 D1.22標的化CD3二重特異性抗体について計算されたNCA PKパラメータを、それぞれ、表51及び52に提示する。
抗gp120抗体、PGT121.66を、比較例#6のhuSP34可変ドメインを含有する比較例二重特異性プラットフォーム(比較例6の二重特異性抗体)との関連で評価した。比較例#6の二重特異性抗体は、カニクイザルにおいてIgG様PK(Cl≒12.5mL/日/kg)を有するが、試験したほぼ全ての動物及び状況において高ADA率も有することが見出された。高ADA率は、反復負荷(30mg/kgまで)、免疫抑制剤メトトレキサートとの同時皮下投与、又はサルIgG1 Fcとのキメラ化などの様々な一般的な戦略によって軽減されず、ADAはカニクイザル及びアカゲザルの両方で観察された。FcRn増強突変異(LS及びYTE)の導入もまた、ADA発生率を低減せず、曝露を改善しなかった。そのような高率のNHP ADAは、非臨床的薬理学的評価を制限し、臨床転帰を予測してもしなくてもよい望ましくない免疫原性関連毒性を導入し、したがって開発経路を複雑にする可能性がある。
第1及び第2ラウンドのhuSP34操作から選択されたPGT121 scFv-Fc/Fab-Fc二重特異性抗体を、カニクイザルにおけるPK及びADAについて評価した(表51)。全ての場合において、抗gp120結合ドメインをFabとしてフォーマットし、一方、huSP34抗CD3ε結合ドメインをscFvとしてフォーマットした。同一のPGT121.66抗gp120結合ドメインを使用して生成され、全ての動物がADAを発達させた代表的な比較例6の二重特異性(図29)とは対照的に、huSP34.1.3 scFv二重特異性体250、252、及び251は、同等のIgG様PKを有し、ADAの発生がないことが見出された。250(10.4mL/日/kg)のClは、FcプロテインA結合を除去するFc変異を有する252(14.1mL/日/kg)及び251(18.1mL/日/kg)よりもわずかに改善されたが、huSP34.1.3治療動物(n=9)のいずれも観察可能なADAを有さなかった。効力を増加させるための修飾(図30)は、場合によっては、ADA発生率を増加させ、曝露を低減することが見出された(264、265、及び261)。LSなどのPKを改善するためのFc変異は影響を及ぼさないか(263)、又はYTEの場合には、中程度の2倍の改善があったが(262)、より高い効力のバリアントは概して、より低い曝露及びより高いADA率を有した。次に、第3ラウンドのhuSP34最適化からのCD3親和性及びBVP ELISA結果に基づいて選択された二重特異性体を、カニクイザルにおいて評価した(図31)。以前の文献報告(Leong et.al,2017)とは対照的に、最も低い効力の二重特異性257(Cl=10.5mL/日/kg)は、2つの最も高いCD3親和性二重特異性体256(10.7mL/日/kg)及び243(Cl=8.23mL/日/kg)と同等のクリアランスを有したため、CD3親和性と抗体クリアランスとの関係はなかった。PK転帰の最良の相関はBVPスコアとの相関であることが観察された(実施例7)。
最も長い血清半減期を有し、検出可能なADAを有さないhuSP34バリアント3.13(243)を更に操作して、CD3可変ドメインにおけるプロテインA結合を除去し、次に、これらのバリアントを含有するscFv-Fc/Fab-Fc二重特異性抗体を、カニクイザルにおいて評価した(図32)。評価されたプロテインAノックアウト二重特異性バリアントのうち、249は、最も長い血清半減期(Cl=34.4mL/日/kg)を有したが、243に対して曝露が低減した(約4倍)。huSP34.3.13バリアントの優れたPK特性を確認するために、bNAb(185)を標的とする第2の抗gp120との関連で評価した。二重特異性185asは、優れたIgG様PK特性(Cl=8.7mL/日/kg)を保持することが見出された。
0日目及び7日目に投与
PK分析はADAの証拠によって影響を受けた
次に、CD4 D1.22 ECD及びhuSP34バリアントFabを組み込んだECD-Fc/Fab-Fc二重特異性抗体を、NHP PK研究において試験した。これらの分子は、pH依存性FcRn結合を増強するように設計されたFc変異を伴って、及び伴わずに、並びにhuSP34.1.3若しくはhuSP34.3.13抗CD3結合アーム、又は可変ドメインプロテインAノックアウト変異を含有するそのバリアントを伴って生成された(表52及び図33)。FcRn変異を有する(187)又は有さない(186)バリアントは、同等のIgG様PKを有し、Clは、それぞれ、12.0及び13.3mL/日/kgであった。PGT121由来抗gp120標的化ドメインを組み込んだscFv-Fc/Fab-Fc二重特異性抗体を用いて得られた結果とは対照的に、huSP34可変ドメインプロテインAノックアウト変異を有する(180)又は有さない(185)ECD-Fc/Fab-Fcバリアントは、同等のIgG様PKを示し、Clは、それぞれ、14.4及び17.0mL/日/kgであった。
0日目及び14日目に投与
PK分析はADAの証拠によって影響を受けた
実施例14
3つのポリペプチド鎖を有する非対称二重特異性分子の産生のための発現ベクター構成
抗HIV gp120 Fab及び抗CD3 scFvを有する二重特異性分子。本明細書に記載されるように、CD3及びHIV gp120に結合し、3つのポリペプチド鎖、すなわち、gp120に結合するFabの重鎖(HC)及び軽鎖(LC)、並びにCD3に結合する単鎖可変断片(scFv)を有する二重特異性分子を、単一のトリシストロンプラスミドベクター(真核生物選択マーカ及び原核生物選択マーカを発現させるための2つの追加のシストロンを含む)から発現させた。各ポリペプチドの発現は、それ自体のプロモータによって駆動され、各プロモータは等しい転写強度であった(例えば、サイトメガロウイルス(CMV)プロモータ)。ベクターの構成を図34に図示する。シストロン又は発現カセットは、複製起点から5’から3’に、以下のように配置される:(1)リバース又はマイナス鎖上で翻訳された、及びフォワード鎖又はプラス鎖上で翻訳された原核生物選択マーカ、(2)真核生物選択マーカ(例えば、グルタミン合成酵素(GS)、(3)Fab軽鎖、(4)Fab重鎖、及び(5)scFv-Fc融合タンパク質。発現ベクターを、内因性グルタミン合成酵素(GS)遺伝子が除去されたチャイニーズハムスター卵巣(CHO)哺乳動物細胞株に導入した。導入したベクターからのグルタミン合成酵素の発現は、L-グルタミンを含まない培地を使用して細胞を培養する際の選択マーカとして利用した。二重特異性分子の発現をプロテインA(ProA)バイオセンサーによって測定し、一方、二重特異性分子の所望のフォーマット(すなわち、Fab重鎖及び軽鎖、並びにscFv-Fc融合タンパク質のアセンブリ)を、サイズ分離を使用して更に選択した。図35に示されるように、様々なクローンを30日間増殖させ(老齢集団、D30)、流加産生発現性能を評価し、親クローン(D0)と比較した。結果は、このプラットフォームが、この分子の安定かつ高い発現(ProAバイオセンサーを介して検出された全二重特異性分子の量によって計算され、次いでヘテロ三量体%を掛ける、特異的力価>1g/L)を可能にしたことを実証する。
抗CD3 Fab及びCD4細胞外(EC)ドメイン-Fc融合タンパク質を有する二重特異性分子。本明細書に記載される、CD3及びHIV gp120に結合し、3つのポリペプチド鎖、すなわち、CD3に結合するFabの重鎖(HC)及び軽鎖(LC)、並びにCD4細胞外ドメイン-Fc融合タンパク質を有する二重特異性分子を、単一のトリシストロンプラスミドベクター(真核生物選択マーカ及び原核生物選択マーカを発現させるための2つの追加のシストロンを含む)から発現させた。各ポリペプチドの発現は、それ自体のプロモータによって駆動され、各プロモータは等しい転写強度であった(例えば、CMVプロモータ)。ベクターの構成を図36に図示する。シストロン又は発現カセットは、複製起点から5’から3’に、以下のように配置される:(1)リバース又はマイナス鎖上で翻訳された、及びフォワード鎖又はプラス鎖上で翻訳された原核生物選択マーカ、(2)真核生物選択マーカ(例えば、GS、(3)Fab軽鎖、(4)Fab重鎖、及び(5)CD4 ECドメイン-Fc融合タンパク質。発現ベクターを、内因性GS遺伝子が除去されたCHO哺乳動物細胞株に導入した。導入したベクターからのグルタミン合成酵素の発現は、L-グルタミンを含まない培地を使用して細胞を培養する際の選択マーカとして利用した。二重特異性分子の発現をProAバイオセンサーによって測定し、一方、二重特異性分子の所望のフォーマット(すなわち、Fab重鎖及び軽鎖、並びにCD4 EC-Fc融合タンパク質のアセンブリ)を、サイズ分離を使用して更に選択した。図37に示すように、様々なクローンを評価し、結果は、この分子の高発現(特異的力価>1g/L)を実証する。
実施例15
二重特異性抗体とTLR7アゴニストとの組み合わせは、慢性的にSHIVに感染したサルにおけるウイルスリバウンドを予防することができる。
ウイルス複製は、HIV-1感染個体においてARTによって効率的に抑制することができるが、潜伏感染したCD4+Tリンパ球におけるウイルスリザーバは、感染中の非常に初期に形成される(Colb,et al.,Nat Med(2018)24(7):923-6、Finzi,et al.,Science(1997)278(5341):1295-300、Siliciano,et al.,Nat Med(2003)9(6):727-8、及びWong,et al.,Science(1997)278(5341):1291-5)。このウイルスリザーバは、HIV-1に対する治療法の開発のための課題であり、ウイルスリザーバを標的とする様々な戦略が研究されており、これには、抗HIV抗体及び免疫調節因子のペアリングが含まれる(Barouch,et al.,Science(2014)345(6193):169-74、Deeks,et al.,Nat Med 2016;22(8):839-50)。ベサトリモド(VES)とHIV-1 bNAb PGT121との組み合わせは、ART中止後のSHIVに感染したアカゲザルにおけるウイルスリバウンドを遅延又は予防することが示されている{Borducchi,et al.,Nature(2018)563(7731):360-4、Tsa,et al.,J Virol(2017)91(8):e02166-16、及びWalker,et al.,Nature(2011)477(7365):466-70)。
PGT121 Fv(SHIVエンベロープ認識のため)、抗CD3 Fv(T細胞エフェクタ細胞動員のため)、及びアカゲザルFcドメインを含有するDUOBODY(登録商標)プラットフォームで生成された二重特異性PGT 121/抗CD3(Labrijn,et al.,Proc Natl Acad Sci U S A.(2013)110(13):5145-50)を、ART中のSHIV SHIV感染アカゲザル(Macaca mulatta)にVESと組み合わせて投与した。投与前に、アカゲザルを1年間感染させ、続いて2.5年間ARTを行った。動物は、2隔週用量のCD3不活性二重特異性PGT121/抗CD3KO(5mg/kgの静脈内注入)、続いて10隔週用量の二重特異性PGT121/抗CD3(5mg/kgの静脈内注入)を受けた。VES(0.15mg/kgの経口投与)を、最初の二重特異性PGT121/抗CD 3投与の日に、最初の投与と同時に10用量与えた。以前に記載されたように、二重特異性PGT121/抗CD3KOを含めて、動物を二重特異性抗体に対して寛容化した(Somerfield,et al.,J Immunol(2010)Jul 1;185(1):763-8)。7匹のART抑制SHIV感染アカゲザルの偽群(生理食塩水プラセボ投与)を、対照として含めた。
二重特異性PGT121/抗CD3KO抗体の投与にもかかわらず、動物は、計画された投与期間中に広範な抗薬物抗体(ADA)を発達させた。曝露の喪失に起因して、二重特異性PGT121/抗CD3抗体の4回目、5回目、及び6回目の投与後に、3匹の動物において投与を時期尚早に停止した。ADAの出現前に、抗体血清濃度は、投与の30分後に70~180μg/mLに達し、投与の2週間後に1.7~11μg/mLに低下した(図38)。最後の二重特異性PGT121/抗CD3投与の2週間後、2.3μg/mLの血清濃度を有する1匹の動物を除いて、全ての動物が1μg/mL未満の血清濃度を有した。
最終抗体投与の20週間後、ARTを中止し、動物を24週間(168日間)監視して、ウイルスリバウンドについて評価した(図39)。偽群では、7匹の動物のうち7匹がリバウンドし、24週間の監視においてウイルス血症のままであった。対照的に、二重特異性-PGT121/抗CD3/VES群では、9匹の動物のうち1匹がリバウンドせず、最初にリバウンドした3匹の動物が再抑制した。ART中止後にリバウンドしなかった二重特異性-PGT121/抗CD3/VES治療動物は非ウイルス血症のままであったため、CD8+T及びNK細胞枯渇(抗CD8αCDR移植アカゲザルIgG1抗体の静脈内注入)は、いかなる残留複製コンピテントウイルスも同定しなかった(図40)。対照的に、ART中止後にリバウンドした動物のうち4匹におけるCD8+T及びNK細胞枯渇は、枯渇時に非ウイルス血症であった3匹の動物を含む全ての動物において血漿ウイルススパイクをもたらし、これらの動物において、ウイルス制御がCD8T又はNK細胞媒介性であったことを実証した(図40)。
結果は、免疫調節因子VESと組み合わせた二重特異性-PGT121/抗CD3抗体による、慢性感染症中にARTを開始するSHIV感染動物の治療が、ART中止後の動物のサブセットにおいてウイルスリバウンドの抑制及び/又はウイルス制御をもたらしたという結論と一致する。
本明細書に記載された実施例及び実施形態は例示のみを目的としており、それらに照らして様々な修正又は変更が当業者に示唆され、本出願の趣旨及び範囲並びに添付の特許請求の範囲内に含まれるべきであることが理解される。本明細書で引用される全ての刊行物、特許、及び特許出願は、あらゆる目的のためにその全体が参照により本明細書に組み込まれる。

Claims (55)

  1. ヒトCD3及びHIV gp120に結合する多重特異性抗原結合分子であって、前記抗原結合分子が、
    (a)第1の重鎖可変ドメイン(VH)及び第1の軽鎖可変ドメイン(VL)を含む1の抗原結合ドメインであって、前記第1の抗原結合ドメインが、CD3に結合し、
    前記第1の抗原結合ドメインが、それぞれ、(Kabatに従う)
    (i)配列番号1、11、8、4、5及び10;
    (ii)配列番号1、11、8、4、9及び10;
    (iii)配列番号1、12、8、4、9及び10;
    (iv)配列番号1、13、8、4、14及び15;又は、
    (v)配列番号1、11、8、4、14及び10
    のアミノ酸配列を含む、第1のVH相補性決定領域(CDR)1(VH-CDR1)、第1のVH-CDR2、第1のVH-CDR3、第1のVL-CDR1、第1のVL-CDR2、及び第1のVL-CDR3を含み、
    前記第1のVHが、配列番号48~53からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むか、又は、配列番号48~53からなる群から選択されるアミノ酸に対して少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含み、かつ、
    前記第1のVLが、配列番号54~58からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むか、又は、配列番号54~58からなる群から選択されるアミノ酸に対して少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含み、
    前記第1の抗原結合ドメインが、3.0nM未満のK でCD3に結合する、第1の抗原結合ドメインと、
    (b)CD4の1つ以上の細胞外(EC)ドメインを含むHIV gp120に結合する第2の抗原結合ドメインであって、前記CD4の1つ以上のECドメインが、
    (i)KKVVYGKKGDTVELTCTASQKKNIQFHWKNSNQIKILGNQGSFLTKGPSKLNDRVDSRRSLWDQGNFPLIIKNLKPEDSDTYICEVEDQKEEVQLVVVG(配列番号746)、
    (ii)KKVVYGKKGDTVELTCTASQKKNIQFHWKNSNQIKILGNQGSFLTKGPSKLNDRVDSRRSLWDQGNFPLIIKNLKPEDSDTYICEVEDQKEEVQLVVVGGGGSGKKVVYGKKGDTVELTCTASQKKNIQFHWKNSNQIKILGNQGSFLTKGPSKLNDRVDSRRSLWDQGNFPLIIKNLKPEDSDTYICEVEDQKEEVQLVVVG(配列番号747)、
    (iii)KKVVLGKKGDTVELTCTASQKKSIQFHWKNSNQIKILGNQGSFLTKGPSKLNDRADSRRSLWDQGNFPLIIKNLKIEDSDTYICEVEDQKEEVQLLVFG(配列番号748)、若しくは
    (iv)KKVVLGKKGDTVELTCTASQKKSIQFHWKNSNQIKILGNQGSFLTKGPSKLNDRADSRRSLWDQGNFPLIIKNLKIEDSDTYICEVEDQKEEVQLLVFGGGGSGKKVVLGKKGDTVELTCTASQKKSIQFHWKNSNQIKILGNQGSFLTKGPSKLNDRADSRRSLWDQGNFPLIIKNLKIEDSDTYICEVEDQKEEVQLLVFG(配列番号749)
    に示される配列を含むか、又はこれらの配列からなる群から選択される配列と少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、若しくは少なくとも99%同一である配列を含む、第2の抗原結合ドメインと
    を含む、多重特異性抗原結合分子
  2. 前記CD4の1つ以上のECドメインが、配列番号746に示される配列を含むか、又は配列番号746に示される配列となくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、若しくは少なくとも99%同一である配列を含む、請求項1に記載の多重特異性抗原結合分子
  3. 前記第1の抗原結合ドメインが、
    a)それぞれ、以下のアミノ酸配列(Kabatに従う):配列番号1、11、8、4、9、及び10、又は配列番号1、12、8、4、9、及び10を含む、第1のVH相補性決定領域(CDR)1(VH-CDR1)、第1のVH-CDR2、第1のVH-CDR3、第1のVL-CDR1、第1のVL-CDR2、及び第1のVL-CDR3を含み、
    b)第2の抗原結合ドメインが、CD4の1つ以上のECドメインを含み、ここで、前記CD4の1つ以上のECドメインが、
    配列番号746~749からなる群から選択されるCD4 ECドメインと少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、若しくは少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含むか、又は、
    配列番号746~749からなる群から選択されるCD4 ECドメインを含むアミノ酸配列を含む
    請求項1~2のいずれか一項に記載の多重特異性抗原結合分子。
  4. 前記第1の抗原結合ドメインが、それぞれ、以下のアミノ酸配列(Kabatに従う):配列番号1、12、8、4、9、及び10を含む、第1のVH-CDR1、第1のVH-CDR2、第1のVH-CDR3、第1のVL-CDR1、第1のVL-CDR2、及び第1のVL-CDR3を含み、
    前記第2の抗原結合ドメインが、CD4の1つ以上のECドメインを含み、ここで、前記CD4の1つ以上のECドメインが、
    配列番号746からなる群から選択されるCD4 ECドメインと少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、若しくは少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含むか、又は、
    配列番号746からなる群から選択されるCD4 ECドメインを含むアミノ酸配列を含む、
    求項1~3のいずれか一項に記載の多重特異性抗原結合分子。
  5. 前記第1の抗原結合ドメインが、それぞれ、配列番号51及び56に示されるアミノ酸配列を含むか、又はそれぞれ、それらに示されるアミノ酸配列となくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、若しくは少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む、第1のVH及び第1のVLを含み、
    前記第2の抗原結合ドメインが、CD4の1つのECドメインを含み、ここで、前記CD4の1つのECドメインが、
    配列番号746のCD4 ECドメインと少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、若しくは少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含むか、又は、
    配列番号746のCD4 ECドメインを含むアミノ酸配列を含む、
    請求項1~4のいずれか一項に記載の多重特異性抗原結合分子。
  6. 前記第1の抗原結合ドメインが、それぞれ、配列番号51及び56に示されるアミノ酸配列を含む第1のVH及び第1のVLを含み、前記第2の抗原結合ドメインが、配列番号746のアミノ酸配列を含むCD4の1つのECドメインを含む、請求項5に記載の多重特異性抗原結合分子。
  7. 第1のFc領域及び第2のFc領域を含む、ヘテロ二量体ヒトIgG1又はIgG4を含み、前記第1及び第2のFc領域のうちの一方又は両方が、以下に示される位置(EUナンバリング)に以下のアミノ酸:
    (i)234位のアラニン
    (ii)235位のアラニン、及び
    (iii)331位のセリン、のうちの1つ以上を含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の多重特異性抗原結合分子。
  8. 第1のFc領域及び第2のFc領域を含む、ヘテロ二量体ヒトIgG1又はIgG4を含み、前記第1及び第2のFc領域のうちの一方又は両方が、以下に示される位置(EUナンバリング)に以下のアミノ酸:
    (i)252位のチロシン、254位のスレオニン、及び256位のグルタミン酸(YTE)、又は
    (ii)428位のロイシン及び434位のセリン(LS)を含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の多重特異性抗原結合分子。
  9. 第1のFc領域及び第2のFc領域を含む、ヘテロ二量体ヒトIgG1を含み、前記第1及び第2のFc領域の両方が、以下に示される位置(EUナンバリング)に以下のアミノ酸:252位のチロシン、254位のトレオニン、及び256位のグルタミン酸(YTE)を含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の多重特異性抗原結合分子。
  10. 以下に示される位置(EUナンバリング)に以下のアミノ酸を含む第1のFc領域及び第2のFc領域であって、
    (i)前記第1のFc領域が、366位のトリプトファン(T366W)を含み、前記第2のFc領域が、366位のセリン(T366S)、368位のアラニン(L368A)、及び407位のバリン(Y407V)を含む;
    (ii)前記第1のFc領域が、366位のセリン(T366S)、368位のアラニン(L368A)、及び407位のバリン(Y407V)を含み、前記第2のFc領域が、366位のトリプトファン(T366W)を含む;
    (iii)第1のFc領域が、354位のシステイン(S354C)、366位のトリプトファン(T366W)を含み、前記第2のFc領域が、349位のシステイン(Y349C)、366位のセリン(T366S)、368位のアラニン(L368A)、及び407位のバリン(Y407V)を含む;又は、
    (iv)前記第1のFc領域が、349位のシステイン(Y349C)、366位のセリン(T366S)、368位のアラニン(L368A)、及び407位のバリン(Y407V)を含み、前記第2のFc領域が、354位のシステイン(S354C)、366位のトリプトファン(T366W)を含む、第1のFc領域及び第2のFc領域を含む、ヘテロ二量体ヒトIgG1又はIgG4を含む、請求項1~9のいずれか一項に記載の多重特異性抗原結合分子。
  11. 以下に示される位置(EUナンバリング)に以下のアミノ酸を含む第1のFc領域及び第2のFc領域であって、前記第1のFc領域が、366位のセリン(T366S)、368位のアラニン(L368A)、及び407位のバリン(Y407V)を含み、前記第2のFc領域が、366位のトリプトファン(T366W)を含む、第1のFc領域及び第2のFc領域を含む、ヘテロ二量体ヒトIgG1を含む、請求項1~10のいずれか一項に記載の多重特異性抗原結合分子。
  12. 第1のFc領域及び第2のFc領域を含む、ヘテロ二量体ヒトIgG1又はIgG4を含み、前記第1のFc領域又は前記第2のFc領域のうちの一方が、以下に示される位置(EUナンバリング)に以下のアミノ酸:
    (i)435位のアルギニン(H435R)、又は
    (ii)435位のアルギニン(H435R)及び436位のフェニルアラニン(Y436F)を含む、請求項1~11のいずれか一項に記載の多重特異性抗原結合分子。
  13. 以下に示される位置(EUナンバリング)に以下のアミノ酸を含む第1のFc領域及び第2のFc領域であって、
    (i)前記第1のFc領域が、234位のアラニン(L234)、235位のアラニン(L235A)、331位のセリン(P331S)、及び366位のトリプトファン(T366W)を含み、前記第2のFc領域が、234位のアラニン(L234)、235位のアラニン(L235A)、331位のセリン(P331S)、366位のセリン(T366S)、368位のアラニン(L368A)、407位のバリン(Y407V)、及び435位のアルギニン(H435R)を含む;
    (ii)前記第1のFc領域が、234位のアラニン(L234)、235位のアラニン(L235A)、331位のセリン(P331S)、及び366位のトリプトファン(T366W)を含み、前記第2のFc領域が、234位のアラニン(L234)、235位のアラニン(L235A)、331位のセリン(P331S)、366位のセリン(T366S)、368位のアラニン(L368A)、407位のバリン(Y407V)、435位のアルギニン(H435R)、及び436位のフェニルアラニン(Y436F)を含む;
    (iii)前記第1のFc領域が、234位のアラニン(L234)、235位のアラニン(L235A)、331位のセリン(P331S)、366位のセリン(T366S)、368位のアラニン(L368A)、及び407位のバリン(Y407V)を含み、前記第2のFc領域が、234位のアラニン(L234)、235位のアラニン(L235A)、331位のセリン(P331S)、及び366位のトリプトファン(T366W)を含む;
    (iv)前記第1のFc領域が、234位のアラニン(L234)、235位のアラニン(L235A)、331位のセリン(P331S)、366位のトリプトファン(T366W)、428位のロイシン(M428L)、及び434位のセリン(N434S)を含み、前記第2のFc領域が、234位のアラニン(L234)、235位のアラニン(L235A)、331位のセリン(P331S)、366位のセリン(T366S)、368位のアラニン(L368A)、407位のバリン(Y407V)、及び435位のアルギニン(H435R)を含む;又は
    (v)前記第1のFc領域が、234位のアラニン(L234)、235位のアラニン(L235A)、331位のセリン(P331S)、366位のトリプトファン(T366W)、252位のチロシン(M252Y)、254位のスレオニン(S254T)、及び256位のグルタミン酸(T256E)を含み、前記第2のFc領域が、234位のアラニン(L234)、235位のアラニン(L235A)、331位のセリン(P331S)、366位のセリン(T366S)、368位のアラニン(L368A)、407位のバリン(Y407V)、及び435位のアルギニン(H435R)を含む、第1のFc領域及び第2のFc領域を含む、
    ヘテロ二量体ヒトIgG1又はIgG4を含む、請求項1~12のいずれか一項に記載の多重特異性抗原結合分子。
  14. 前記第1の抗原結合ドメインがFabであり、前記第2の抗原結合ドメインがD4のECドメインであり、前記第1の抗原結合ドメインが第1のHC及びLCを含み、前記第2の抗原結合ドメイン前記第1のHC、及び前記LCが、それぞれ、
    1)配列番号751、752、及び753、
    2)配列番号754、752、及び753、
    3)配列番号755、756、及び753、
    4)配列番号755、757、及び753、
    5)配列番号758、757、及び753、若しくは、
    6)配列番号759、756、及び753
    示されるアミノ酸配列を含むか、又はそれぞれ、これらの配列番号に示されるアミノ酸配列となくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、若しくは少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む、請求項1~13のいずれか一項に記載の多重特異性抗原結合分子
  15. 前記第1の抗原結合ドメインがFabであり、前記第2の抗原結合ドメインがD4のECドメインであり、前記第1の抗原結合ドメインが第1のHC及びLCを含み、前記第2の抗原結合ドメイン前記第1のHC、及び前記LCが、それぞれ、
    1)配列番号751、752、及び753、若しくは、
    2)配列番号755、756、及び753
    示されるアミノ酸配列を含むか、又はそれぞれ、これらの配列番号に示されるアミノ酸配列となくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、若しくは少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む、請求項1~14のいずれか一項に記載の多重特異性抗原結合分子
  16. 前記第1の抗原結合ドメインがFabであり、前記第2の抗原結合ドメインがCD4のECドメインであり、前記第1の抗原結合ドメインが第1のHC及びLCを含み、前記第2の抗原結合ドメイン前記第1のHC、及び前記LCが、それぞれ、列番号751、752、及び753に示されるアミノ酸配列なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、若しくは少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む、請求項1~15のいずれか一項に記載の多重特異性抗原結合分子。
  17. 前記第1の抗原結合ドメインがFabであり、前記第2の抗原結合ドメインがCD4のECドメインであり、前記第1の抗原結合ドメインが第1のHC及びLCを含み、前記第2の抗原結合ドメイン前記第1のHC、及び前記LCが、それぞれ、以下に示されるアミノ酸配列:配列番号751、752、及び753を含む、請求項1~16のいずれか一項に記載の多重特異性抗原結合分子。
  18. 前記多重特異性抗原結合分子が、二重特異的抗原結合分子である、請求項1~17のいずれか一項に記載の多重特異性抗原結合分子。
  19. 前記第1の抗原結合ドメインが、3.0nM未満でCD3に結合し、前記抗原結合分子が、ヒト又はカニクイザルにおいて、少なくとも7日の血清半減期を有する、請求項1~18のいずれか一項に記載の多重特異性抗原結合分子。
  20. 請求項1~18のいずれか一項に記載の多重特異性抗原結合分子の、Fabである第1の抗原結合ドメインのHC及びLC、並びにD4のECドメインである第2の抗原結合ドメインコードするポリヌクレオチド又は複数のポリヌクレオチド。
  21. それぞれ、i.配列番号995、996、及び997、
    ii.配列番号998、999、及び1000、
    iii.配列番号1001、1002、及び1003、
    iv.配列番号1004、1005、及び1000、
    v.配列番号1006、1002、及び997、
    vi.配列番号1007、1093、及び1000、
    vii.配列番号998、1008、及び1000、若しくは
    viii.配列番号998、1009、及び1000
    に示されるポリヌクレオチド配列を含むか、又は
    それぞれ、これらの配列番号に示されるポリヌクレオチド配列となくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、若しくは少なくとも99%同一であるポリヌクレオチド配列を含む、請求項1~18のいずれか一項に記載の多重特異性抗原結合分子をコードする、請求項20に記載のポリヌクレオチド(複数可)
  22. それぞれ、配列番号995、996、及び997に示されるポリヌクレオチド配列を含むか、又はそれぞれ、これらの配列番号に示されるポリヌクレオチド配列となくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、若しくは少なくとも99%同一であるポリヌクレオチド配列を含む、請求項20~21のいずれか一項に記載のポリヌクレオチド(複数可)
  23. それぞれ、配列番号995、996、及び997に示されるポリヌクレオチド配列を含む、請求項22に記載のポリヌクレオチド(複数可)
  24. それぞれ、配列番号998、999、及び1000に示されるポリヌクレオチド配列を含むか、又はそれぞれ、これらの配列番号に示されるポリヌクレオチド配列となくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、若しくは少なくとも99%同一であるポリヌクレオチド配列を含む、請求項20~21のいずれか一項に記載のポリヌクレオチド(複数可)
  25. それぞれ、配列番号998、999、及び1000に示されるポリヌクレオチド配列を含む、請求項24に記載のポリヌクレオチド(複数可)
  26. 前記ポリヌクレオチド(複数可)が、DNA又はRNAから構成される、請求項20~25のいずれか一項に記載のポリヌクレオチド(複数可)。
  27. 前記ポリヌクレオチド(複数可)が、mRNAから構成される、請求項20~26のいずれか一項に記載のポリヌクレオチド(複数可)。
  28. 請求項20~27のいずれか一項に記載のポリヌクレオチド(複数可)に作動可能に結合された、1つ以上の制御配列を含む、発現カセット又は複数の発現カセット。
  29. 請求項20~27のいずれか一項に記載のポリヌクレオチド(複数可)、又は請求項28に記載の発現カセット(複数可)に作動可能に結合された1つ以上の制御配列を含む、発現ベクター又は複数の発現ベクター。
  30. 前記発現ベクター(複数可)が、プラスミドベクター又はウイルスベクターを含む、請求項29に記載の発現ベクター(複数可)。
  31. 前記発現ベクターが、
    (i)抗CD3 VL-CL融合タンパク質をコードする第1のポリヌクレオチドを含む、第1の発現カセット、
    (ii)抗CD3 VH-Fc融合タンパク質をコードする第2のポリヌクレオチドを含む、第2の発現カセット、及び
    (iii)CD4細胞外(EC)ドメイン-Fc融合タンパク質をコードする第3のポリヌクレオチドを含む、第3の発現カセットを含む、請求項29~30のいずれか一項に記載の発現ベクター。
  32. 前記抗CD3 VL-CL融合タンパク質、前記抗CD3 VH-Fc融合タンパク質、及び前記CD4 ECドメイン-Fc融合タンパク質が、それぞれ、配列番号753、752、及び751に示されるアミノ酸配列を含むか、又はそれぞれ、これらの配列番号に示されるアミノ酸配列となくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、若しくは少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む、請求項31に記載の発現ベクター
  33. 前記抗CD3 VL-CL融合タンパク質、前記抗CD3 VH-Fc融合タンパク質、及び前記CD4 ECドメイン-Fc融合タンパク質が、それぞれ、配列番号753、752、及び751に示されるアミノ酸配列を含む、請求項32に記載の発現ベクター
  34. 前記第1、第2、及び第3の発現カセットが各々、同等の転写強度のプロモータ、例えば、構成的プロモータ、例えば、サイトメガロウイルス(CMV)、SV40、RSV、EF1a、UBC、PGK、及びCAGGから選択されるプロモータを含む、請求項29~33のいずれか一項に記載の発現ベクター。
  35. 請求項20~27のいずれか一項に記載のポリヌクレオチド(複数可)、請求項28に記載の発現カセット若しくは複数の発現カセット、又は請求項29~34のいずれか一項に記載の発現ベクター(複数可)を含む、細胞又は細胞集団。
  36. 前記細胞又は細胞集団が、真核細胞を含む、請求項35に記載の細胞又は細胞集団。
  37. 請求項1~19のいずれか一項に記載の1つ以上の多重特異性抗原結合分子と、薬学的に許容される担体と、を含む、医薬組成物。
  38. 前記組成物が、水性製剤を含む、請求項37に記載の医薬組成物。
  39. .1mg/mL~150mg/mL濃度を有する、請求項37~38のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  40. 静脈内、筋肉内、又は皮下投与用に製剤化された、請求項37~39のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  41. それを必要とするヒト対象においてHIVにより引き起こされた感染症を治療又は防止するためのキットであって、
    請求項1~19のいずれか一項に記載の多重特異性抗原結合分子、請求項20~27のいずれか一項に記載のポリヌクレオチド(複数可)、請求項29~34のいずれか一項に記載の発現ベクター(複数可)、又は請求項37~40のいずれか一項に記載の医薬組成物、のうちの1つ以上を含む1つ以上の容器を含む、キット。
  42. 1つ以上の容器に、1つ以上の単位用量の前記1つ以上の多重特異性抗原結合分子、又は前記ポリヌクレオチド(複数可)を含む、請求項41に記載のキット。
  43. 1つ以上の単位用量の前記1つ以上の多重特異性抗原結合分子及びHIV感染症を治療するための第2の薬剤を、別個の容器に含む、請求項41~42のいずれか一項に記載のキット。
  44. toll様受容体(TLR)アゴニスト及びIL-15受容体アゴニストのうちの少なくとも一方を更に含む、請求項43に記載のキット。
  45. ベサトリモド、イミキモド、及びレシキモドからなる群から選択されるTLR7アゴニストを含む、請求項44に記載のキット。
  46. 0-1074、10-1074-J、GS-9722(エリポビマブ)、GS-2872、PGT-121、PGT-121.66、PGT-121.414、及びPGT-134からなる群から選択される抗体由来のVH及びVL領域を含む、第2の又は追加の抗原結合分子を更に含む、請求項41~45のいずれか一項に記載のキット。
  47. GS-9723、GS-5423、3BNC117、VRC07、及びVRC07-523からなる群から選択される抗体由来のVH及びVL領域を含む、第2の又は追加の抗原結合分子を更に含む、請求項41~46のいずれか一項に記載のキット。
  48. (i)請求項1~19のいずれか一項に記載のCD4のECドメインを含む、多重特異性抗原結合分子、
    (ii)10-1074、10-1074-J、GS-9722(エリポビマブ)、GS-2872、PGT-121、PGT-121.66、PGT-121.414、及びPGT-134からなる群から選択される抗体由来のVH及びVL領域を含む、抗体又は多重特異性抗原結合分子、並びに
    (iii)GS-9723、GS-5423、3BNC117、VRC07、及びVRC07-523からなる群から選択される抗体由来のVH及びVL領域を含む、抗体又は多重特異性抗原結合分子
    を含む、請求項41~47のいずれか一項に記載のキット。
  49. 多重特異性抗原結合分子を産生する方法であって、
    a)請求項20~27のいずれか一項に記載のポリヌクレオチド(複数可)、又は請求項28に記載の発現カセット又は複数の発現カセットで形質転換された請求項35~36のいずれか一項に記載の細胞又は細胞集団を、前記多重特異性抗原結合分子を発現させるのに十分な条件下、細胞培養物中で培養することと、
    b)前記細胞培養物から前記抗原結合分子を単離又は精製することと、を含む、方法。
  50. HIVにより引き起こされた感染症の治療又は予防を必要とするヒト対象においてそれを行うための組成物であって、請求項1~19のいずれか一項に記載の1つ以上の多重特異性抗原結合分子、請求項20~27のいずれか一項に記載の1つ以上のポリヌクレオチド、又は請求項37~40のいずれか一項に記載の医薬組成物を含む、成物。
  51. HIV感染症を治療するための第2の薬剤と組み合わせて投与されることを特徴とする、請求項50に記載の組成物。
  52. TLRアゴニスト及びIL-15受容体アゴニストのうちの少なくとも一方と組み合わせて投与されることを特徴とする、請求項50~51のいずれか一項に記載の組成物。
  53. 0-1074、10-1074-J、GS-9722(エリポビマブ)、GS-2872、PGT-121、PGT-121.66、PGT-121.414、及びPGT-134からなる群から選択される抗体由来のVH及びVL領域を含む、第2の抗原結合分子を更に含む、請求項50~52のいずれか一項に記載の組成物。
  54. GS-9723、GS-5423、3BNC117、VRC07、及びVRC07-523からなる群から選択される抗体由来のVH及びVL領域を含む、追加の抗原結合分子を更に含む、請求項50~53のいずれか一項に記載の組成物。
  55. (i10-1074、10-1074-J、GS-9722(エリポビマブ)、GS-2872、PGT-121、PGT-121.66、PGT-121.414、及びPGT-134からなる群から選択される抗体由来のVH及びVL領域を含む、抗体又は多重特異性抗原結合分子、並びに
    (iiGS-9723、GS-5423、3BNC117、VRC07、及びVRC07-523からなる群から選択される抗体由来のVH及びVL領域を含む、抗体又は多重特異性抗原結合分子
    と共投与されることを特徴とする、請求項50~54のいずれか一項に記載の組成物。
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