JP7510112B2 - ヘッドホン - Google Patents
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この発明は、ヘッドホンに関する。
スピーカ、ヘッドホン等の音響装置には、スピーカユニットをバッフル板により支持した構成のものが多い。この種の音響装置では、バッフル板が音響特性に大きな影響を与える。従って、この種の音響装置の分野では、バッフル板の改良により音響特性を改善する各種の技術が提案されている。例えば特許文献1は、スピーカのバッフル板に関連した課題を解決する技術を開示している。
ヘッドホンでは、バッフル板の前面とイヤパッドと利用者の頭部とにより取り囲まれた密閉空間において発生する定在波を抑制することが求められる。また、ヘッドホンの中には、バッフル板の背面が筐体により覆われた密閉型ヘッドホンがある。この種の密閉型ヘッドホンでは、バッフル板の前面とイヤパッドと利用者の頭部とにより取り囲まれた密閉空間において発生する定在波と、バッフル板の背面と筐体とにより取り囲まれた密閉空間において発生する定在波の両方を抑制することが求められる。
この発明は、以上説明した事情に鑑みてなされたものであり、バッフル板と対面する空間に発生する定在波を抑制することができるヘッドホンを提供することを目的とする。
この発明は、スピーカユニットと、前記スピーカユニットを支持するバッフル板と、前記バッフル板の前面に取り付けられ、利用者の耳を囲むイヤパッドと、を有し、前記バッフル板は、少なくとも1の空洞のセルを有し、前記セルの少なくとも一部は、前記バッフル板の前面または前記バッフル板において前記前面の反対側にある背面の少なくとも一方に、前記空洞に繋がる孔を有することを特徴とするヘッドホンを提供する。
以下、図面を参照し、この発明の実施形態を説明する。
図1は、この発明の一実施形態であるヘッドホン100の構成を示す断面斜視図である。ヘッドホン100において、スピーカユニット1は、略円形のバッフル板2の略中央において支持されている。ここで、スピーカユニット1は、電磁型のスピーカユニットであり、周辺が固定された略円板状の振動板11と、振動板11の下面に取り付けられたボイスコイルボビン12と、ボイスコイルボビン12が挿入される磁気ギャップ13を有する磁気回路14とを有する。このスピーカユニット1では、ボイスコイルボビン12への通電により振動板11が図面上下方向に振動し、音が図面上方および図面下方に放射される。
バッフル板2の前面2fの周辺には略円環状のイヤパッド3が取り付けられている。このイヤパッド3はヘッドホン10の利用時に利用者の頭部に接触する部材である。
バッフル板2において、前面2fの反対側は背面2bとなっている。ヘッドホン100は、このバッフル板2の背面2bを覆う中空蓋状の筐体4を有する。
ヘッドホン10の利用時には、バッフル板2の前面2fと、イヤパッド3の内側壁面3dと、利用者の頭部とにより囲まれたフロントキャビティ5fが生じる。また、バッフル板2の背面2b側には、背面2bと筐体4の内壁面とにより囲まれた密閉空間であるバックキャビティ5bがある。すなわち、筐体4は、バッフル板2の背面2bとの間に密閉された空間を形成する背面部材である。
ヘッドホン100において、スピーカユニット1の振動板11からバッフル板2の前面2f側に放射される音は、フロントキャビティ5f内に伝わる。また、スピーカユニット1の振動板11からバッフル板2の背面2b側に放射される音は、バックキャビティ5b内に伝わる。
図2はバッフル板2の構成を示す透視図である。本実施形態では、バッフル板2の板面に平行な平面内の互いに異なる位置に、正六角柱形状の空洞のセルCが複数形成されている。さらに詳述すると、各セルCは、正六角柱をなす6つの側面の各々が隣のセルCの6つの側面の中の1つと平行になり、かつ、一定の距離を保つように、バッフル板2内に形成されている。本実施形態では、全てのセルCが同じ形状および容積を有する。
バッフル板2内の複数のセルCの中にはバッフル板2の前面2fまたは背面2bに当該セルCの空洞に繋がる孔21を有するものがある。このようなセルCはヘルムホルツ共鳴器として機能する。孔21の断面積をS、孔21の深さをL、孔21が繋がるセルCの空洞の容積をV、音速をcとした場合、このヘルムホルツ共鳴器の共鳴周波数frは次式により与えられる。
fr=(c/2π)√(S/(V・L)) ……(1)
fr=(c/2π)√(S/(V・L)) ……(1)
例えば孔21の断面積Sを0.79mm2(直径1mmの円の面積に相当)、孔21の深さLを2mm、孔21が繋がるセルCの空洞の容積Vを65mm2とした場合、ヘルムホルツ共鳴周波数frは4.2kHz付近の値となる。
図3はバッフル板2内に形成される第1のセルC1を、図4はバッフル板2内に形成される第2のセルC2を、図5はバッフル板2内に形成される第3のセルC3を各々示す断面図である。
図3に示す第1のセルC1は、その空洞がバッフル板2の前面2fに設けられた孔21fに繋がっている。この第1のセルC1は、フロントキャビティ5fに発生する定在波を抑制する手段として用いられる。
この第1のセルC1は、フロントキャビティ5f内に発生する抑圧対象の定在波の音圧の腹の位置に孔21fが対向するように設けるのが効果的である。また、この第1のセルC1は、孔21fが対向する位置に音圧の腹が生じる定在波の周波数がヘルムホルツ共鳴周波数frとなるように、空洞の容積S、孔21fの深さLおよび面積Sの少なくとも1つを適切に定める必要がある。
図4に示す第2のセルC2は、その空洞がバッフル板2の背面2bに設けられた孔21bに繋がっている。この第2のセルC2は、バックキャビティ5bに発生する定在波を抑制する手段として用いられる。
この第2のセルC2は、バックキャビティ5b内に発生する抑圧対象の定在波の音圧の腹の位置に孔21bが対向するように設けるのが効果的である。また、この第2のセルC2は、孔21bが対向する位置に音圧の腹が生じる定在波の周波数がヘルムホルツ共鳴周波数frとなるように、空洞の容積S、孔21fの深さLおよび面積Sの少なくとも1つを適切に定める必要がある。
図5に示す第3のセルC3は、その空洞がバッフル板2の前面2fに設けられた孔21fと背面2bに設けられた孔21bの両方に繋がっている。この第3のセルC3は、フロントキャビティ5fとバックキャビティ5bとを繋ぐ。
この第3のセルC3のように、バッフル板2の前面2fの空気層と背面2bの空気層を連結させるセルを設けると、フロントキャビティ5f内の音圧と逆位相のバックキャビティ5b内の音圧がフロントキャビティ5fに漏れてくる。とりわけの波長の長い低周波数帯域ではその影響が顕著である。このため、第3のセルC3の数を増やすことで低域の放射音圧レベルを低下させることが可能となる。
本願発明者は、本実施形態の効果を確認するため、4~5kHz付近のヘルムホルツ共鳴周波数を有する第1のセルC1をバッフル板2に設けたヘッドホン100を試作し、その音響特性を測定した。
図6はこの試作品のスピーカユニット1から放音を行い、フロントキャビティ5f内の所定の位置において測定した音圧の周波数特性を示す図である。図6において、横軸は周波数、縦軸は音圧である。そして、P1はバッフル板2に第1のセルC1を設けない比較例における音圧の周波数特性、P2はバッフル板2に第1のセルC1を設けた試作品における音圧の周波数特性である。
比較例では、フロントキャビティ5f内に発生する定在波の影響により、4~5kHz付近において周波数特性P1にディップが生じる。これに対し、試作品の音圧の周波数特性P2では、4~5kHz付近の音圧が3~4dB程上昇し、ディップがなくなっていることが確認できる。これは第1のセルC1のヘルムホルツ共鳴により4~5kHz付近の周波数の定在波が抑制されたためと考えられる。
また、本願発明者は、バッフル板2における第3のセルC3の数が異なる複数種のヘッドホン100を試作し、その音響特性を測定した。試作品において、第3のセルC3に設けられた2つの孔の各々の面積は、1.57mm2程度である。
図7は測定により得られた音圧の周波数特性を示す図である。図7において、P11はバッフル板2に設けられた第3のセルC3の数がN1個である場合の音圧の周波数特性、P12はバッフル板2に設けられた第3のセルC3の数がN2(>N1)個である場合の音圧の周波数特性、P13はバッフル板2に設けられた第3のセルC3の数がN3(>N2)個である場合の音圧の周波数特性である。
図7に示すように、第3のセルC3の個数を各種変化させ、増やすことで低域の放射音の音圧を低下させることが可能となる。また、第3のセルC3の個数を調整することにより、例えば図7の周波数特性P12のように音圧の周波数特性が平坦になるように低域の量感を調整することも可能となる。
以下、本実施形態の具体的な設計例を説明する。
図8は設計例においてフロントキャビティ5fおよびバックキャビティ5bに発生する定在波を例示する図である。図8では、バッフル板2の前面2fと、利用者の頭部(図示略)と、イヤパッド3の内側面とにより囲まれた円筒形状のフロントキャビティ5fが形成されている。
図8は設計例においてフロントキャビティ5fおよびバックキャビティ5bに発生する定在波を例示する図である。図8では、バッフル板2の前面2fと、利用者の頭部(図示略)と、イヤパッド3の内側面とにより囲まれた円筒形状のフロントキャビティ5fが形成されている。
この設計例では、音を反射する素材により構成されたイヤパッド3が用いられている。このため、イヤパッド3の内側壁面3dにおいて音の反射が発生し、フロントキャビティ5fには、略円筒形状をなすフロントキャビティ5fの内側壁面の直径D1を半波長とする定在波W0aと、直径D1を1波長とする定在波W1aと、直径D1を2波長とする定在波W2aと、それより高次の定在波(図示略)が発生する。音速cを347m/s、直径D1を4cmとした場合、定在波W0aの周波数f0aは、次式のようになる。
f0a=c/λ
=c/(2D1)
=4.3kHz ……(2)
f0a=c/λ
=c/(2D1)
=4.3kHz ……(2)
上述したように、第1のセルC1において、孔21の断面積Sを0.79mm2(直径1mmの円の面積に相当)、孔21の深さLを2mm、孔21が繋がるセルCの空洞の容積Vを65mm2とした場合には、第1のセルC1のヘルムホルツ共鳴周波数frが4.2kHzとなるので、ヘルムホルツ共鳴周波数frをこの定在波W0aの周波数f0aに近い周波数にすることができる。
また、設計例では、バックキャビティ5bを内包する筐体4も音を反射する素材により構成されている。このため、筐体4の内側壁面において音の反射が発生し、バックキャビティ5bには、略円筒形状をなすバックキャビティ5bの直径D2を半波長とする定在波W0bと、直径D2を1波長とする定在波W1bと、直径D2を2波長とする定在波W2bと、それより高次の定在波(図示略)が発生する。
図8に示すように、フロントキャビティ5fでは、イヤパッド3の内側壁面3dの位置に定在波W0a、W1aおよびW2aの音圧の腹が発生する。そこで、設計例では、図9に示すように、バッフル板2内の全てのセルCのうちイヤパッド3の内側壁面3dに最も接近した複数のセルCを第1のセルC1とする。このような複数の第1のセルC1は、バッフル板2において円を描いて並ぶ。設計例では、この円に沿って、共鳴周波数が定在波W0aの周波数f0aである第1のセルC1と、共鳴周波数が定在波W1aの周波数f1aである第1のセルC1と、共鳴周波数が定在波W2aの周波数f2aである第1のセルC1とを順次設ける。
また、図8に示すように、バックキャビティ5bでは、筐体4の内側壁面の位置に定在波W0b、W1bおよびW2bの音圧の腹が発生する。そこで、設計例では、図10に示すように、バッフル板2内の全てのセルCのうち筐体4の内側壁面に最も接近した複数のセルCを第2のセルC2とする。このような複数の第2のセルC2は、バッフル板2において円を描いて並ぶ。設計例では、この円に沿って、共鳴周波数が定在波W0bの周波数f0bである第2のセルC2と、共鳴周波数が定在波W1bの周波数f1bである第2のセルC2と、共鳴周波数が定在波W2bの周波数f2bである第2のセルC2とを順次設ける。
そして、設計例では、バッフル板2の前面2f側においてイヤパッド3とスピーカユニット1とに挟まれた領域内にあるセルCのうち第1のセルC1または第2のセルC2のいずれにもならなかったセルCを第3のセルC3とする。図9および図10に示す例では、バッフル板2において、第1のセルC1の配置された領域の内側であり、かつ、第2のセルC2の配置された領域の外側である領域内のセルCが第3のセルC3となっている。ここで、第1のセルC1または第2のセルC2のいずれにもならないセルCがあったとしても、このセルCがイヤパッド3の占める領域内にある場合には第3のセルC3となることができない。このため、図9および図10に示す例では、第1のセルC1、第2のセルC2および第3のセルC3のいずれにもならないセルCが生じている。
第1のセルC1の孔21fと第2のセルC2の孔21bは、各セルの底面の中心に設けてもよいが、音響特性を重視する場合には、孔21fおよび21bを定在波の音圧の腹の位置に極力近づけた方がよい。
例えば図9には、イヤパッド3の内側壁面3dが描く円が横切る第1のセルC1と、イヤパッド3の内側壁面から内側(スピーカユニット1側)に離れて配置された第1のセルC1が示されているが、これらの第1のセルC1については、バッフル板2において当該セルの底面をなす領域内においてイヤパッド3の内側壁面に最も接近した位置に孔21fを設ける。
また、図8には、筐体4の内側壁面から内側(スピーカユニット1側)に離れて配置された第2のセルC2が示されているが、このような第2のセルC1については、バッフル板2において当該セルの底面をなす領域内において筐体4の内側壁面に最も接近した位置に孔21bを設ける。
以上のように、この設計例では、フロントキャビティ5f内に発生する定在波の音圧の腹の位置に孔がある第1のセルC1と、バックキャビティ5b内に発生する定在波の音圧の腹の位置に孔がある第2のセルC2とをバッフル板2に設け、このバッフル板2において第1のセルC1および第2のセルC2が配置されていない領域に第3のセルC3を設ける。この設計例によれば、フロントキャビティ5f内に発生する定在波およびバックキャビティ5b内に発生する定在波を十分に抑制し、かつ、スピーカユニット1から放射される音のうちの低域の音を抑制することができる。
次に本実施形態の効果について説明する。
従来のヘッドホンには、イヤパッドと利用者の頭部とで形成されるフロントキャビティにおいて音の定在波(音響モード)が発生し、放射音の周波数特性にピークディップを発生させ、音質を悪化させる問題があった。
従来のヘッドホンには、イヤパッドと利用者の頭部とで形成されるフロントキャビティにおいて音の定在波(音響モード)が発生し、放射音の周波数特性にピークディップを発生させ、音質を悪化させる問題があった。
この場合に吸音材等をフロントキャビティ内に設けることで音響モード対策をすることも多いが、吸音材等を設けるとコストアップに繋がる。また、吸音材をフロントキャビティ内に設けると、高周波帯域を含む全周波数帯域に影響を及ぼすため、不必要に放射音を吸収するといった別の問題が発生する。
本実施形態によれば、バッフル板2に設けられた第1のセルC1がヘルムホルツ共鳴器として働き、フロントキャビティ5fに発生する定在波を抑制するので、音質の悪化を防止することができる。その際、本実施形態では、吸音材等を利用しないので、コストアップを招くことがなく、また、不必要に放射音を吸収するという問題が発生することもない。
また、ヘッドホンの中には、バッフル板の背面が筐体により覆われた密閉型ヘッドホンもあるが、この種の密閉型ヘッドホンには、バッフル板の背面と筐体とにより囲まれたバックキャビティにおいて音の定在波(音響モード)が発生し、放射音の周波数特性にピークディップを発生させ、音質を悪化させる問題があった。
本実施形態によれば、バッフル板2に設けられた第2のセルC2がヘルムホルツ共鳴器として働き、バックキャビティ5bに発生する定在波を抑制するので、音質の悪化を防止することができる。この場合にも、本実施形態では、吸音材等を利用しないので、コストアップを招くことがなく、また、不必要に放射音を吸収するという問題が発生することもない。
また、一般にヘッドホンでは、低域の量感を調整するための構造が必要である。そこで、従来のヘッドホンでは、例えば、バッフル板の背面に孔が設けられたケース(Inner Case)を設け、背面の空気ばねを調整することでスピーカユニットから放射される低域の量感を調整していた。しかし、このような構造とした場合、低域の量感を調整することは可能だが、部品を追加しているためコストアップとなる。
本実施形態によれば、バッフル板2に設けられた第3のセルC3がフロントキャビティ5f内の空気層とバックキャビティ5b内の空気層を連結するため、フロントキャビティ5f内の音圧と逆位相のバックキャビティ5b内の音圧がフロントキャビティ5f側に漏れる。従って、この第3のセルC3を設けることにより、新たな部品の追加を行うことなく、低域の量感を調整することができる。
また、ヘッドホンは頭部に取り付けるものであるため、必要十分な剛性を備えつつも軽量化が図られていることが望ましい。本実施形態によれば、バッフル板2において前面2fの互いに異なる位置に空洞のセルCを複数設けたので、必要十分な剛性を維持しつつヘッドホン100を軽量化することができる。
<他の実施形態>
以上、この発明の実施形態について説明したが、この発明には他にも実施形態が考えられる。例えば次の通りである。
以上、この発明の実施形態について説明したが、この発明には他にも実施形態が考えられる。例えば次の通りである。
(1)上記実施形態では、バッフル板2に、第1のセルC1と、第2のセルC2と、第3のセルC3とを設けた。しかし、第3のセルC3を設けず、第1のセルC1および第2のセルC2のみをバッフル板に設けてもよい。
(2)上記実施形態では、バッフル板2に、第1のセルC1と、第2のセルC2と、第3のセルC3とを設けた。しかし、例えばフロントキャビティ5f内の定在波の抑制を重視する場合には、バッフル板2において、第1のセルC1を配置可能な領域(イヤパッド3の内側壁面とスピーカユニット1との間の領域)内の全てのセルCをバッフル板2の前面2fに孔21fを有する第1のセルC1としてもよい。
(3)上記実施形態では、バッフル板2に、第1のセルC1と、第2のセルC2と、第3のセルC3とを設けた。しかし、例えばバックキャビティ5b内の定在波の抑制を重視する場合には、バッフル板2において、第2のセルC2を配置可能な領域(筐体4の内側壁面内の領域)内の全てのセルCをバッフル板2の背面2bに孔21bを有する第2のセルC2としてもよい。
(4)上記実施形態において、バッフル板2に設けられた全てのセルCは互いに同じ大きさであったが、複数種類の大きさのセルCをバッフル板2に設けてもよい。この態様によれば、所望の大きさのセルCに孔21fまたは21bを空けることにより、所望のヘルムホルツ共鳴周波数を有する第1のセルC1または第2のセルC2を構成することができる。
(5)上記実施形態において、複数のセルCに対し、長さLまたは面積Sが異なる複数種類の孔21fまたは21bを設け、所望のヘルムホルツ共鳴周波数を有する複数種類の第1のセルC1または第2のセル2を構成してもよい。
(6)上記実施形態では、正六角柱状の空洞のセルCをバッフル板2に設けたが、セルCの形状は正六角柱に限定されるものではない。多角柱形状や円柱形状等、任意の形状のセルCをバッフル板2に設けることが可能である。
100……ヘッドホン、1……スピーカユニット、11……振動板、12……ボイスコイルボビン、13……磁気ギャップ、14……磁気回路、2……バッフル板、2f……前面、2b……背面、C……セル、C1……第1のセル、C2……第2のセル、C3……第3のセル、21,21f,21b……孔、3……イヤパッド、4……筐体、5f……フロントキャビティ、5b……バックキャビティ。
Claims (11)
- スピーカユニットと、
前記スピーカユニットを支持するバッフル板と、
前記バッフル板の前面に取り付けられ、音を反射する素材により構成されたイヤパッドと、を有し、
前記バッフル板は、空洞のセルであって、前記バッフル板の前面から前記空洞に繋がる孔を有し、前記イヤパッドの内側壁面の位置に対応するように配置される第1のセルを有することを特徴とするヘッドホン。 - スピーカユニットと、
前記スピーカユニットを支持するバッフル板と、
前記バッフル板の前面に取り付けられたイヤパッドと、
前記バッフル板において前記前面の反対側にある背面を覆い、前記背面とともに空間を取り囲み、音を反射する素材により構成された筐体と、を有し、
前記バッフル板は、空洞のセルであって、前記バッフル板の背面から前記空洞に繋がる孔を有し、前記筐体の内側壁面の位置に対応するように配置される第2のセルを有し、
前記第2のセルが有する孔の断面積、孔の深さおよび空洞の容積が、前記筐体の内側壁の直径に基づいて設定されることを特徴とするヘッドホン。 - 前記第1のセルが有する孔の断面積、孔の深さおよび空洞の容積が、前記イヤパッドの内側壁の直径に基づいて設定されることを特徴とする請求項1に記載のヘッドホン。
- 前記バッフル板は、前面から見て異なる位置に複数の空洞のセルを有し、前記複数のセルは、前記第1のセルと、前記バッフル板の前面または背面のうち前記孔を介して前記空洞に繋がる面が前記第1のセルと異なるセルとを含むことを特徴とする請求項1または3に記載のヘッドホン。
- 前記バッフル板は、前面から見て異なる位置に複数の空洞のセルを有し、前記複数のセルは、前記第2のセルと、前記バッフル板の前面または背面のうち前記孔を介して前記空洞に繋がる面が前記第2のセルと異なるセルとを含むことを特徴とする請求項2に記載のヘッドホン。
- 前記バッフル板において前記前面の反対側にある背面を覆い、前記背面とともに空間を取り囲み、音を反射する素材により構成された筐体を有し、
前記バッフル板は、空洞のセルであって、前記バッフル板の背面から前記空洞に繋がる孔を有し、前記筐体の内側壁面の位置に対応するように配置される第2のセルを有することを特徴とする請求項1に記載のヘッドホン。 - 前記バッフル板は、前面から見て異なる位置に複数の空洞のセルを有し、前記複数のセルは、前記第1のセルと、前記第2のセルと、前記バッフル板の前面または背面のうち前記孔を介して前記空洞に繋がる面が前記第1のセルおよび前記第2のセルのいずれとも異なるセルとを含むことを特徴とする請求項6に記載のヘッドホン。
- 前記バッフル板は、前面から見て異なる位置に複数の空洞のセルを有し、前記複数のセルは、前記バッフル板の前面および背面の両方から前記空洞にそれぞれ繋がる前記孔を有する第3のセルを含むことを特徴とする請求項1~7のいずれか1項に記載のヘッドホン。
- 前記複数のセルは、前記バッフル板の前面、または前記バッフル板において前記前面の反対側にある背面から前記空洞に繋がるいずれの孔も有しないセルを含むことを特徴とする請求項4、5、7または8に記載のヘッドホン。
- 前記複数のセルは、大きさが互いに同じであることを特徴とする請求項4、5、7~9のいずれか1項に記載のヘッドホン。
- 前記複数のセルの大きさには、複数種類の大きさがあることを特徴とする請求項4、5、7~9のいずれか1項に記載のヘッドホン。
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