JP7508559B2 - 画像解析処理装置、内視鏡システム、画像解析処理装置の作動方法、及び画像解析処理装置用プログラム - Google Patents

画像解析処理装置、内視鏡システム、画像解析処理装置の作動方法、及び画像解析処理装置用プログラム

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本発明は、画像解析処理装置、内視鏡システム、画像解析処理装置の作動方法、及び画像解析処理装置用プログラムに関する。
医療分野においては、光源装置、内視鏡、及びプロセッサ装置を備える内視鏡システムを用いた診断が広く行われている。内視鏡システムを用いた診断では、画像強調内視鏡又は画像強調観察(IEE、image enhanced endoscopy)と称される方法により、観察対象を内視鏡で撮影して得た画像(以下、内視鏡画像という)を用いて、観察対象の表面構造、病変又は生体情報等を強調して表示し、医師が観察対象を診断するための診断支援情報を得ることが行われている。
IEEには、観察対象を撮像して得た内視鏡画像をデジタル画像処理して用いる方法、又は、観察対象を特定の照明光により照明して撮像した内視鏡画像を用いる方法等により、各種類の内視鏡画像とする方法が知られている。例えば、医師が特定の種類の内視鏡画像を選択することにより、観察対象において血管が密集する領域、又は酸素飽和度が低い領域等の生体情報を判定し、これらの領域を強調してディスプレイ等に表示する。このような表示は、医師が観察対象を診断するための診断支援情報として有用である。
また、IEE等による各種の内視鏡画像を画像解析することにより、観察対象における病変の可能性がある領域の範囲、又は、炎症度等から、疾患のステージ等を判定し、得られた判定結果を診断支援情報としてディスプレイに表示して提供するCAD(Computer-Aided Diagnosis)技術も開発されている。例えば、IEEによる内視鏡画像を用いて、潰瘍性大腸炎のステージ等の疾患の重症度又は進行度を高い精度で判定する内視鏡システムが知られている(特許文献1)。
特開2020-65685号公報
IEE又はCAD等では、内視鏡のユーザである医師の指示に従って、特定の種類の内視鏡画像をディスプレイに表示し、また、ディスプレイに表示した内視鏡画像の画像解析により画像解析結果を得て診断支援情報とする。例えば、医師が、観察対象を明るく自然な色により観察することを希望した場合、照明光を白色光として観察対象を撮像した内視鏡画像がディスプレイに表示され、この内視鏡画像を用いて画像解析が行われ、画像解析結果に基づく診断支援情報が得られる。一方、医師が、観察対象の表層血管が密集する病変の詳細な観察を希望した場合、白色光による内視鏡画像と比べて明るさは劣るが、表層血管が強調されたIEEによる内視鏡画像がディスプレイに表示され、この内視鏡画像を用いて画像解析が行われ、画像解析結果に基づく診断支援情報が得られる。
このように、IEE又はCADによる内視鏡画像の種類により、得られる効果、目的又は用途が異なるため、医師の指示等によりディスプレイに表示された内視鏡画像の種類の画像解析では、必ずしも良好に得られない診断支援情報があり得る。一方、別の種類の内視鏡画像では、この診断支援情報が良好に得られる場合がある。したがって、内視鏡による観察において、IEE又はCADを用いる際に、例えば、別の種類の内視鏡画像を用いた画像解析では良好に得られる診断支援情報であるにもかかわらず、内視鏡画像の種類によっては、同じ画像解析を行ってもこの診断支援情報が良好に得られないために、病変等の観察対象の異常を見逃す可能性があった。
本発明は、内視鏡画像において注目すべき領域の見逃しを防ぐ画像解析処理装置、内視鏡システム、画像解析処理装置の作動方法、及び画像解析処理装置用プログラムを提供することを目的とする。
本発明は、内視鏡を用いて観察対象を撮像することにより得られる画像に基づいて画像解析を行う画像解析処理装置であって、プロセッサを備える。プロセッサは、画像解析に用いる複数種類の解析用画像を取得し、解析用画像の種類毎に並列して、解析用画像の画像解析を行い、画像解析による解析結果を複数取得し、複数の解析結果に基づく解析結果表示と、複数種類の解析用画像のうち少なくとも1種類の解析用画像に基づく表示画像とを、ディスプレイに表示する制御を行う。
プロセッサは、解析用画像の種類毎に独立して、画像解析を行うことが好ましい。
プロセッサは、観察対象における特定の状態と、特定の状態を含む観察対象を撮像することにより得た解析用画像とを、予め対応付けた対応情報を取得し、解析用画像と対応情報とに基づき、解析結果を得ることが好ましい。
プロセッサは、対応情報を解析用画像の種類毎に取得し、解析用画像と、解析用画像の種類に対応して取得された対応情報とに基づき、解析結果を得ることが好ましい。
特定の状態は、観察対象の構造が異常である状態、観察対象が特定の病変である状態、及び、観察対象の生体情報の値が異常である状態のうち少なくとも1つであることが好ましい。
解析結果は、観察対象における特定の状態の領域の情報を含むことが好ましい。
解析結果は、解析結果に関する確度を含むことが好ましい。
プロセッサは、複数の解析結果を比較することにより、解析結果に関する確度が最も高い解析結果を注目解析結果として選択し、注目解析結果を含む解析結果表示を作成することが好ましい。
プロセッサは、画像に対し強調処理を行うことにより、第1解析用画像を生成し、解析用画像の1種として第1解析用画像を取得することが好ましい。
プロセッサは、画像に対し色彩強調処理又は構造強調処理を行うことが好ましい。
プロセッサは、解析結果を、解析結果が得られた解析用画像の種類と対応付けて取得し、解析結果と解析結果が得られた解析用画像の種類との関連付けを示す凡例表示をディスプレイに表示する制御を行うことが好ましい。
また、本発明は、内視鏡システムであって、画像解析処理装置と、観察対象に照射する照明光を発する光源部とを備える。
プロセッサは、光源部が発する互いに分光スペクトルが異なる複数の照明光のそれぞれにより照明した観察対象を撮像することにより得られる画像を、互いに異なる種類の解析用画像として取得することが好ましい。
プロセッサは、光源部が発する白色の照明光により照明した観察対象を撮像することにより得られる画像を、解析用画像の1種として取得することが好ましい。
プロセッサは、光源部が発する予め設定した波長帯域の狭帯域光を含む照明光により照明した観察対象を撮像することにより得られる画像を、解析用画像の1種として取得することが好ましい。
光源部は、互いに分光スペクトルが異なる複数の照明光のそれぞれを、予め設定した順序により繰り返し発光することが好ましい。
プロセッサは、解析結果を、解析結果が得られた解析用画像の種類と対応付けて取得し、解析結果と解析結果が得られた解析用画像の種類との関連付けを示す凡例表示をディスプレイに表示する制御を行うことが好ましい。
また、本発明は、内視鏡を用いて観察対象を撮像することにより得られる画像に基づいて画像解析を行う画像解析処理装置の作動方法であって、画像解析に用いる複数種類の解析用画像を取得する解析用画像取得ステップと、解析用画像の種類毎に並列して、解析用画像に対する画像解析を行う画像解析処理ステップと、画像解析による解析結果を複数取得する解析結果取得ステップと、複数の解析結果に基づく解析結果表示と、複数種類の解析用画像のうち少なくとも1種類の解析用画像とを含む表示画像をディスプレイに表示する制御を行う表示制御ステップとを備える。
また、本発明は、内視鏡を用いて観察対象を撮像することにより得られる画像に基づいて画像解析を行う画像解析処理装置にインストールされる画像解析処理装置用プログラムであって、コンピュータに、画像解析に用いる複数種類の解析用画像を取得する解析用画像取得機能と、解析用画像の種類毎に並列して、解析用画像に対する画像解析を行う画像解析処理機能と、画像解析による解析結果を複数取得する解析結果取得機能と、複数の解析結果に基づく解析結果表示と、複数種類の解析用画像のうち少なくとも1種類の解析用画像とを含む表示画像をディスプレイに表示する制御を行う表示制御機能とをを実現させるための画像解析処理装置用プログラムである。
本発明によれば、内視鏡画像において注目すべき領域の見逃しを防ぐことができる。
内視鏡システムの外観図である。 内視鏡の操作部の外観図である。 内視鏡システムの機能を示すブロック図である。 通常光のスペクトルを示すグラフである。 特殊光のスペクトルを示すグラフである。 照明光パターンを説明する説明図である。 画像処理部の機能を示すブロック図である。 画像解析処理部の機能を示すブロック図である。 対応情報取得部の機能を説明する説明図である。 各対応情報処理部を備える画像解析処理部の機能を示すブロック図である。 表示画像生成部の機能を示すブロック図である。 第1解析結果表示を説明する画像図である。 第2解析結果表示を説明する画像図である。 観察画像の画像図である。 観察画像に2種類の解析結果表示である図形を重畳した表示画像を説明する画像図である。 第2解析結果表示である図形と文字とを説明する画像図である。 注目解析結果選択部を備える画像処理部の機能を示すブロック図である。 注目解析結果選択部が選択した解析結果を示す図形等を説明する画像図である。 注目解析結果選択部が選択した解析結果を示す図形等を観察画像に重畳した表示画像を説明する画像図である。 第1解析結果表示である図形と文字とを説明する画像図である。 解析結果表示である図形と文字とを観察画像に重畳した表示画像を説明する画像図である。 凡例表示を備える表示画像を説明する画像図である。 表示されない画像に基づく解析結果表示を目立たないように表示する表示画像を説明する画像図である。 表示されない画像に基づく解析結果表示を文字により表示する表示画像を説明する画像図である。 第2特殊光のスペクトルを示すグラフである。 第2特殊光を含む照明光パターンを説明する説明図である。 3種類の解析結果表示を観察画像に重畳した表示画像を説明する画像図である。 画像解析処理装置の処理の流れを説明するフロー図である。 診断支援装置を示す説明図である。 医療業務支援装置を示す説明図である。
図1に示すように、内視鏡システム10は、内視鏡12と、光源装置14と、プロセッサ装置16と、ディスプレイ18と、キーボード19とを備える。内視鏡12は、観察対象を撮影する。光源装置14は、観察対象に照射する照明光を発する。プロセッサ装置16は、画像解析処理装置であり、内視鏡システム10のシステム制御、及び、内視鏡画像の画像解析処理等を行う。ディスプレイ18は、内視鏡画像等を含む表示画像を表示する表示部である。キーボード19は、プロセッサ装置16等への設定入力等を行う入力デバイスである。
内視鏡システム10は、観察モードとして、通常モードと特殊モードと画像解析モードとの3つのモードを備える。通常モードでは、通常光を観察対象に照射して撮像することによって、自然な色合いの通常光画像を表示画像としてディスプレイ18に表示する。特殊モードでは、通常光と波長帯域又は分光スペクトルが異なる特殊光を観察対象に照明して撮像することによって、観察対象の特定の構造等を強調した特殊光画像を表示画像としてディスプレイ18に表示する。画像解析モードでは、通常光又は特殊光を観察対象に照射して撮像することによって得た通常光画像又は特殊光画像をディスプレイ18に表示する際に、通常光画像又は特殊光画像等に基づく複数種類の解析用画像を画像解析することにより、複数の解析結果を得る。そして、通常光画像又は特殊光画像等の観察画像に、複数の解析結果に基づく解析結果表示を重畳した表示画像をディスプレイ18に表示する。なお、通常モード又は画像解析モードにおいて、視認性が良い画像であれば、強調処理等を行った強調画像であっても、通常光画像又は特殊光画像として表示に用いてもよい。
画像解析に用いる解析用画像の種類は、照明光の種類及び強調処理の種類により区分する。したがって、照明光が同じである内視鏡画像は、同種の解析用画像であり、照明光が異なる内視鏡画像は、別種の解析用画像である。また、同じ方法により強調処理を行った内視鏡画像は、同種の解析用画像であり、別の方法により強調処理を行った内視鏡画像は、別種の解析用画像である。照明光の種類は、照明光の分光スペクトルにより区分する。照明光が異なる場合は、照明光の分光スペクトルが異なる。したがって、例えば、白色光により撮像された内視鏡画像と、白色光以外の照明光により撮像された内視鏡画像とは、別種の解析用画像である。また、強調処理の種類は、強調処理の方法により区分する。したがって、例えば、白色光により撮像され、色彩強調処理を実施した内視鏡画像と、白色光により撮像され、構造強調処理を実施した内視鏡画像とは、別種の解析用画像である。
内視鏡12は、観察対象を有する被検体内に挿入する挿入部12aと、挿入部12aの基端部分に設けた操作部12bと、挿入部12aの先端側に設けた湾曲部12cと、先端部12dとを有している。操作部12bのアングルノブ12e(図2参照)を操作することにより、湾曲部12cが湾曲する。その結果、先端部12dが所望の方向に向く。また、図2に示すように、操作部12bには、アングルノブ12eの他、処置具挿入口12f、スコープボタン12g、及び、ズーム操作部13が設けられている。処置具挿入口12fは、生検鉗子、スネア、または、電気メス等の処置具を挿入する入り口である。処置具挿入口12fに挿入した処置具は、先端部12dから突出する。スコープボタン12gには各種の操作を割り当てることができ、本実施形態では観察モードを切り替える操作に使用する。ズーム操作部13を操作することによって、観察対象を拡大または縮小して撮影できる。
図3に示すように、光源装置14は、照明光を発する光源を備える光源部20と、光源部20の動作を制御する光源制御部22とを備える。光源部20は、観察対象を照明する照明光を発する。照明光には、照明光を発するために使用する励起光等の発光を含む。光源部20は、例えば、レーザーダイオード、LED(Light Emitting Diode)、キセノンランプ、または、ハロゲンランプの光源を含み、少なくとも、白色の照明光、または、白色の照明光を発するために使用する励起光を発する。白色には、内視鏡12を用いた観察対象の撮影において実質的に白色と同等な、いわゆる擬似白色を含む。
光源部20は、必要に応じて、励起光の照射を受けて発光する蛍光体、または、照明光または励起光の波長帯域、分光スペクトル、もしくは光量等を調節する光学フィルタ等を含む。この他、光源部20は、少なくとも狭帯域な光(以下、狭帯域光という)からなる照明光を発することができる。また、光源部20は、互いに分光スペクトルが異なる複数の照明光を発することができる。照明光は、狭帯域光を含んでも良い。また、光源部20は、例えば、観察対象が含むヘモグロビンの酸素飽和度等の生体情報を算出するために使用する画像の撮影に必要な、特定の波長帯域又は分光スペクトルを有する光を発することができる。
「狭帯域」とは、観察対象の特性及び/またはイメージセンサ45が有するカラーフィルタの分光特性との関係において、実質的にほぼ単一の波長帯域であることをいう。例えば、波長帯域が例えば約±20nm以下(好ましくは約±10nm以下)である場合、この光は狭帯域である。
本実施形態では、光源部20は、V-LED20a、B-LED20b、G-LED20c、及びR-LED20dの4色のLEDを有する。V-LED20aは、中心波長405nm、波長帯域380~420nmの紫色光VLを発光する。B-LED20bは、中心波長460nm、波長帯域420~500nmの青色光BLを発光する。G-LED20cは、波長帯域が480~600nmに及ぶ緑色光GLを発光する。R-LED20dは、中心波長620~630nmで、波長帯域が600~650nmに及ぶ赤色光RLを発光する。なお、V-LED20aとB-LED20bの中心波長は約±20nm、好ましくは約±5nmから約±10nm程度の幅を有する。なお、紫色光VLは、特殊モード又は画像解析モードにて用いる表層血管の密集、粘膜内出血、及び粘膜外出血を検出するために用いられる短波長の光であり、中心波長又はピーク波長に410nmを含めることが好ましい。また、紫色光VLは、狭帯域光であることが好ましい。
光源制御部22は、光源部20を構成する各光源の点灯または消灯もしくは遮蔽のタイミング、及び、発光量等を制御する。その結果、光源部20は、分光スペクトルが異なる複数種類の照明光を、予め設定した期間及び発光量で発することができる。本実施形態においては、光源制御部22は、各LED20a~20dの点灯や消灯、点灯時の発光量、又は光学フィルタの挿抜等を、各々に独立した制御信号を入力することにより、照明光の分光スペクトルを調節する。これにより、光源部20は白色の照明光、分光スペクトルが異なる複数種類の照明光、又は、少なくとも狭帯域光からなる照明光等を発する。白色光の照明光を含め、互いに分光スペクトルが異なる複数の照明光のそれぞれにより照明した観察対象を撮像することにより得られる内視鏡画像は、互いに異なる種類の解析用画像である。
本実施形態では、図4に示すように、光源部20は、光源制御部22の制御により、通常光NLとして、白色の照明光を発する。通常モード又は画像解析モードに設定している場合、光源制御部22は、紫色光VL、青色光BL、緑色光GL、及び赤色光RL間の光強度比がVc:Bc:Gc:Rcとなる白色光を発するように、各LED20a~20dを制御する。光強度比Vc:Bc:Gc:Rcは、白色の照明光の光量条件に対応する。光源部20が発する白色の照明光により照明した観察対象を撮像することにより得られる通常光画像は、解析用画像の1種である。
特殊モード及び画像解析モードに設定している場合、光源制御部22は、特殊光として、紫色光VL、青色光BL、緑色光GL、及び赤色光RL間の光強度比がVs1:Bs1:Gs1:Rs1となる特殊光を発するように、各LED20a~20dを制御する。光強度比Vs1:Bs1:Gs1:Rs1は、特殊光の光量条件に対応する。特殊光は、表層血管及びポリープ等の構造を強調することが好ましい。そのため、特殊光は、紫色光VLの光強度を青色光BLの光強度よりも大きくすることが好ましい。例えば、図5に示すように、紫色光VLの光強度Vs1と青色光BLの光強度Bs1との比率を「4:1」とする。本実施形態の特殊光SLは、狭帯域光の紫色光VLを含む照明光である。光源部20が発する特殊光SLにより照明した観察対象を撮像することにより得られる特殊光画像は、解析用画像の1種である。
なお、本明細書において、光強度比は、少なくとも1つの半導体光源の比率が0(ゼロ)の場合を含む。したがって、各半導体光源のいずれか1つまたは2つ以上が点灯しない場合を含む。例えば、紫色光VL、青色光BL、緑色光GL、及び赤色光RL間の光強度比が1:0:0:0の場合のように、半導体光源の1つのみを点灯し、他の3つは点灯しない場合も、光強度比を有するものとする。
光源部20は、互いに分光スペクトルが異なる複数の照明光のそれぞれを、予め設定した順序により繰り返し発することが好ましい。本実施形態では、通常光NLと特殊光SLとは、予め設定した順序により繰り返し発光する。本実施形態では、光源制御部22は、例えば、図6に示すように、通常光NLを5フレーム(5FL)続けて発光し、次に、特殊光SLを1フレーム(1FL)発光し、再度通常光NLを5フレーム(5FL)続けて発光し、再度特殊光SLを1フレーム(1FL)発光する。通常光NLを5フレーム(5FL)続けて発光し、次に、特殊光SLを1フレーム(1FL)発光する順序からなる照明パターンを1周期(1CY)として、この周期を繰り返す。
内視鏡12の先端部12dには、照明光学系30aと撮影光学系30bが設けられている(図3参照)。照明光学系30aは、照明レンズ42を有しており、この照明レンズ42を介して照明光が観察対象に向けて出射する。
撮影光学系30bは、対物レンズ43、ズームレンズ44、及びイメージセンサ45を有する。イメージセンサ45は、対物レンズ43及びズームレンズ44を介して、観察対象から戻る照明光の反射光等(反射光の他、散乱光、観察対象が発光する蛍光、または、観察対象に投与等した薬剤に起因した蛍光等を含む)を用いて観察対象を撮影する。ズームレンズ44は、ズーム操作部13の操作をすることで移動し、観察対象像を拡大または縮小する。
イメージセンサ45は、画素ごとに、複数色のカラーフィルタのうち1色のカラーフィルタを有する。本実施形態においては、イメージセンサ45は原色系のカラーフィルタを有するカラーセンサである。具体的には、イメージセンサ45は、赤色カラーフィルタ(Rフィルタ)を有するR画素と、緑色カラーフィルタ(Gフィルタ)を有するG画素と、青色カラーフィルタ(Bフィルタ)を有するB画素と、を有する。
なお、イメージセンサ45としては、CCD(Charge Coupled Device)センサや、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサを利用可能である。また、本実施形態のイメージセンサ45は、原色系のカラーセンサであるが、補色系のカラーセンサを用いることもできる。補色系のカラーセンサは、例えば、シアンカラーフィルタが設けられたシアン画素、マゼンタカラーフィルタが設けられたマゼンタ画素、イエローカラーフィルタが設けられたイエロー画素、及び、グリーンカラーフィルタが設けられたグリーン画素を有する。補色系カラーセンサを用いる場合に上記各色の画素から得る画像は、補色-原色色変換をすれば、原色系のカラーセンサで得る画像と同様の画像に変換できる。原色系または補色系のセンサにおいて、W画素(ほぼ全波長帯域の光を受光するホワイト画素)等、上記以外の特性を有する画素を1または複数種類有する場合も同様である。また、本実施形態のイメージセンサ45はカラーセンサであるが、カラーフィルタを有しないモノクロのセンサを使用してもよい。
プロセッサ装置16には、後述するような制御部51、画像取得部52、画像処理部56、及び表示制御部57等が行う処理等に関するプログラムがメモリ(図示せず)に組み込まれている。画像解析処理装置として機能するプロセッサ装置16が備えるプロセッサにより構成される制御部51によってそのプログラムが動作することで、制御部51、画像取得部52、画像処理部56、及び表示制御部57の機能が実現する。
制御部51は、照明光の照射タイミングと撮影のタイミングの同期制御等の内視鏡システム10の統括的な制御を行う。キーボード19等を用いて、各種設定の入力等をした場合には、制御部51は、その設定を、光源制御部22、イメージセンサ45、又は画像処理部56等の内視鏡システム10の各部に入力する。
画像取得部52は、イメージセンサ45から、各色の画素を用いて観察対象を撮影した画像、すなわちRAW画像を取得する。また、RAW画像は、デモザイク処理を実施する前の画像(内視鏡画像)である。デモザイク処理を実施する前の画像であれば、イメージセンサ45から取得した画像に対してノイズ低減処理等の任意の処理を実施した画像もRAW画像に含む。
画像取得部52は、取得したRAW画像に必要に応じて各種処理を施すために、DSP(Digital Signal Processor)53と、ノイズ低減部54と、変換部55と、を備える。
DSP53は、例えば、オフセット処理部、欠陥補正処理部、デモザイク処理部、リニアマトリクス処理部、及び、YC変換処理部、等(いずれも図示しない)を備える。DSP53は、これらを用いてRAW画像またはRAW画像を用いて生成した画像に対して各種処理を施す。
オフセット処理部は、RAW画像に対してオフセット処理を施す。オフセット処理は、RAW画像から暗電流成分を低減し、正確な零レベルを設定する処理である。オフセット処理は、クランプ処理と称する場合がある。欠陥補正処理部は、RAW画像に対して欠陥補正処理を施す。欠陥補正処理は、イメージセンサ45が製造工程または経時変化に起因する欠陥を有する画素(欠陥画素)を含む場合に、イメージセンサ45の欠陥画素に対応するRAW画素の画素値を補正または生成する処理である。
デモザイク処理部は、各色のカラーフィルタに対応する各色のRAW画像に対してデモザイク処理を施す。デモザイク処理は、RAW画像においてカラーフィルタの配列に起因して欠落する画素値を補間によって生成する処理である。リニアマトリクス処理部は、1または複数のRAW画像をRGB各色のチャンネルに割り当てることにより生成する内視鏡画像に対してリニアマトリクス処理を行う。リニアマトリクス処理は、内視鏡画像の色再現性を高める処理である。YC変換処理部が行うYC変換処理は、1または複数のRAW画像をRGB各色のチャンネルに割り当てることにより生成する内視鏡画像を、輝度チャンネルYと色差チャンネルCb及び色差チャンネルCrを有する内視鏡画像に変換する処理である。
ノイズ低減部54は、輝度チャンネルY、色差チャンネルCb及び色差チャンネルCrを有する内視鏡画像に対して、例えば、移動平均法またはメディアンフィルタ法等を用いてノイズ低減処理を施す。変換部55は、ノイズ低減処理後の輝度チャンネルY、色差チャンネルCb及び色差チャンネルCrを再びBGRの各色のチャンネルを有する内視鏡画像に再変換する。
画像処理部56は、画像取得部52が出力する内視鏡画像に対し、必要な画像処理、画像解析、又は演算等を行う。図7に示すように、画像処理部56は、強調処理部61、解析用画像取得部62、画像解析処理部63、解析結果取得部64、及び、表示画像生成部65、を備える。強調処理部61は、色彩強調部66、及び構造強調部67を備える。
強調処理部61は、画像取得部52が出力する内視鏡画像に強調処理を行う。解析用画像取得部62は、画像解析に用いる複数種類の解析用画像を取得する。画像解析処理部63は、解析用画像の種類毎に、並列して、解析用画像の画像解析を行う。解析結果取得部64は、画像解析による解析結果を複数取得する。表示画像生成部65は、ディスプレイ18に表示するための解析結果表示と観察画像とを生成する。
強調処理部61が行う強調処理とは、強調処理前の内視鏡画像に対し、他の組織または構造等と区別して、特定の部分の情報を得られるように処理することをいう。例えば、特定の特徴を有する部分を、他の部分(例えば正常な粘膜等)に対して相対的に色彩もしくは明るさを変更する等の処理は強調処理である。強調処理部61が処理を行う内視鏡画像は、通常光画像でも特殊光画像でもよい。強調処理を行った内視鏡画像は、解析用画像の1種として用いる。
色彩強調部66は、例えば、観察対象における正常な領域と異常な領域との境界が色及び彩度により明瞭に表される内視鏡画像となるように、取得した内視鏡画像に対して色彩強調処理を行う。色彩強調部66は、取得した内視鏡画像において、色情報変換処理を行う。色情報変換処理は、取得した内視鏡画像について、色空間上に分布する複数の範囲のそれぞれを、変換前の範囲と対応付けられた変換先の範囲に移す処理である。色彩強調部66により処理された内視鏡画像は、正常な領域と異常な領域との境界が明瞭であるため、より容易に、また、精度良く、異常な領域を特定領域として判定することができる画像である。色彩強調処理を行った内視鏡画像は、解析用画像の1種である、第1解析用画像である。
構造強調部67は、例えば、観察対象における血管が強調されて表された内視鏡画像となるように、取得した内視鏡画像に対して構造強調処理を行う。構造強調部67は、取得した内視鏡画像において、横軸に画素値(輝度値)を、縦軸に頻度を取ったグラフである濃度ヒストグラムを求め、画像処理部56のメモリ(図示せず)等に予め記憶しておいた階調補正テーブルにより、階調補正を行う。階調補正テーブルは、横軸が入力値を、縦軸が出力値を表し、入力値と出力値の対応関係を示す階調補正カーブを有しており、例えば、略S字形状の階調補正カーブに基づいて階調補正を行って、取得した内視鏡画像のダイナミックレンジを広げる。これにより、構造強調の強調処理前の原画像において濃度が低い部分は、濃度がより低く、濃度が高い部分はより高くなるようになるため、例えば、血管領域と血管が存在しない領域の濃度差が広がって、血管のコントラストが向上する。したがって、構造強調部67により処理された内視鏡画像は、血管のコントラストが向上されているため、血管の構造の視認性が高められており、より容易に、また、精度良く、例えば、血管の密集度が高い領域を特定領域として判定することができる画像である。構造強調処理を行った内視鏡画像は、解析用画像の1種である、第1解析用画像である。
解析用画像取得部62は、複数種類の解析用画像を取得する。解析用画像は、画像取得部52から出力する通常光画像又は特殊光画像に基づく画像である。強調処理を行わない通常光画像又は特殊光画像、及び、強調処理を行った通常光画像又は特殊光画像を解析用画像とする。解析用画像の種類は、照明光の種類、及び強調処理の方法により区別する。本実施形態では、複数種類の解析用画像として、通常光により照明した観察対象を撮像して得られた通常光画像と、特殊光により照明した観察対象を撮像して得られた特殊光画像との2種類の解析用画像を取得する。なお、本実施形態では、強調処理を行わない。
画像解析処理部63は、解析用画像取得部62が取得した解析用画像に対し、解析用画像の種類毎に並列して、画像解析を行う。並列して画像解析を行うとは、解析用画像の各種類毎の画像解析処理部(図8参照)が複数あり、これらの画像解析をそれぞれ行うことを意味する。解析用画像の各種類毎の画像解析処理は、同時に実施しても、同時でなくそれぞれ実施してもよい。したがって、画像解析処理部63は、解析用画像の種類毎に、独立して、画像解析を行うことができる。本実施形態では、解析用画像が取得される度に、取得された解析用画像に対して、対応する画像解析処理部により画像解析を行う。
図8に示すように、画像解析処理部63は、解析用画像の種類毎に設けた、第1画像用解析部71、第2画像用解析部72、及び第3画像用解析部73を備え、解析用画像の種類の数に対応して、第n画像用解析部74までの各画像用解析部を備える。このように、画像解析処理部63は、解析用画像の種類毎に、解析用画像の各種類に対応する画像用解析部を備え、各画像用解析部により解析用画像の種類毎に画像解析を行うため、解析用画像の種類毎に並列して画像解析を行う。本実施形態では、第1画像用解析部71において通常光画像の画像解析を実施し、第2画像用解析部72において特殊光画像の画像解析を実施し、第1画像用解析部71と第2画像用解析部72は、並列して作動する。
画像解析は、従来行われている画像解析の方法を用いることができる。画像解析処理部63において、第1画像用解析部71から第n画像用解析部74までの各画像用解析部が、同じ方法の画像解析を実施しても良いし、解析用画像の種類に応じて、各画像用解析部が互いに異なる方法の画像解析を実施してもよい。解析用画像の種類に応じて異なる方法の画像解析を実施する場合は、解析用画像の種類に応じて、良好な解析結果が得られる画像解析の方法を選択して行うことが好ましい。
画像解析の方法としては、画像処理を用いる方法、又は、機械学習の手法を用いる方法等が挙げられる。具体的には、例えば、画像の画素値及び/又は輝度値等の値を用いる方法、画像から算出した酸素飽和度等の生体情報の値を算出する方法、又は、観察対象における特定の状態と、特定の状態を含む観察対象を撮像することにより得た各解析用画像とを、予め対応付けた対応情報を用いる方法等が挙げられる。画像解析のこれらの方法により、病変の有無、病変である確率、病変の進行度等、又は解析結果の確度等を判定する。
画像解析処理部63は、観察対象における特定の状態と、特定の状態を含む観察対象を撮像することにより得た解析用画像とを、予め対応付けた対応情報を取得する対応情報取得部を備えることが好ましい。そして、画像解析処理部63は、解析用画像と対応情報とに基づき、解析結果を得ることが好ましい。
観察対象における特定の状態とは、例えば、観察対象の色味の状態、又は構造等が異常である状態、観察対象が特定の病変である状態、観察対象の生体情報の値が異常である状態、又は、観察対象に病変等が存在せず正常もしくは健康な状態等であり、予め設定する。具体的には、観察対象が大腸である場合、特定の状態とは、例えば、大腸粘膜における炎症、発赤、潰瘍、ポリープ、もしくは出血等の異常、がん、もしくは潰瘍性大腸炎等の病変、又は、酸素飽和度が極端に低い等の生体情報の異常を有する状態として設定する。
対応情報は、予め観察対象がある特定の状態であることが判明している場合に、この観察対象を撮像することにより得た解析用画像と、観察対象の特定の状態の詳細及びその領域の情報等を対応させた情報である。対応情報取得部は、予め対応情報を複数取得している。したがって、図9に示すように、特定の状態について未知である取得した解析用画像を、対応情報取得部に入力することにより、対応情報取得部は、複数の対応情報に基づきこの解析用画像を画像解析し、この解析用画像が含む観察対象の特定の状態に関する領域又は詳細等を出力する。なお、特定の状態に関する領域又は詳細等の出力には、「特定の状態の領域がない」といった内容も含む。
対応情報取得部は、対応情報を解析用画像の種類毎に取得し、画像解析処理部63は、解析用画像と、解析用画像の種類に対応して取得された対応情報とに基づき、解析結果を得ることが好ましい。解析用画像の種類に対応して取得された対応情報は、予め観察対象がある特定の状態であることが判明している場合に、この観察対象を撮像することにより得た特定の種類の解析用画像と、観察対象の特定の状態に関する領域又は詳細等の情報等を対応させた情報である。また、対応情報取得部は、画像解析処理部63により処理した後の解析結果を、対応情報として取得するフィードバック又は学習を行ってもよい。図10に示すように、画像解析処理部63において、第1画像用解析部71は第1対応情報取得部75を備え、第2画像用解析部72は第2対応情報取得部76を備え、第3画像用解析部73は第3対応情報取得部77を備え、第n画像用解析部74は第n対応情報取得部78を備える。
解析用画像の種類により、画像解析により良好な結果を得ることができる観察対象の特定の状態が異なる場合がある。したがって、解析用画像の種類のそれぞれが、対応情報取得部を備えることにより、例えば、解析用画像が特殊光画像である場合、画像解析において明るさが足りず、特殊光画像では遠景における病変を検出することが難しい場合、並行して画像解析を行った別の種類の解析用画像である通常光画像が、特殊光画像において検出が難しかった遠景における病変について容易に検出することができる。また、例えば、特殊光画像は、観察対象の表層又は中層の血管の密集箇所を容易に検出し、通常光画像は、特殊光画像の場合とは異なる観察対象の特定の状態としてポリープ等の構造を容易に検出することができるため、異なる種類の注目領域を検出することができる。
対応情報取得部は、例えば、機械学習における学習済みモデルである。より迅速に又は精度良く、画像解析により解析結果である診断支援情報が得られることから、機械学習による学習済みモデルを対応情報取得部として用いた画像解析を行うことが好ましい。本実施形態においては、各対応情報取得部として、機械学習における学習済みモデルを用いて病変の有無を判定するための画像解析を行う。なお、この場合、学習済みモデルは、それぞれの種類の解析用画像について学習したものを用いる。したがって、第1対応情報取得部75と第2対応情報取得部76とは、互いに異なる学習済みモデルであることが好ましい。例えば、本実施形態では、第1対応情報取得部75は通常光画像に対応する学習済みモデルであり、第2対応情報取得部76は特殊光画像に対応する学習済みモデルである。なお、各学習済みモデルは、画像解析処理部63により得た解析結果について学習するフィードバックを行ってもよい。
解析結果取得部64は、画像解析処理部63が、各解析処理部により解析用画像の種類毎に画像解析を行って得た解析結果を取得する。各解析処理部がそれぞれ解析結果を得るため、解析結果取得部64は、解析結果を複数取得する。解析結果は、実施した画像解析の方法に応じた内容を含む。本実施形態では、画像解析の方法が学習済みモデルを用いた病変の有無の判定であるため、解析結果は、画像解析を行った解析用画像が含む観察対象の病変の有無及び病変がある場合の領域である。
本実施形態では、通常光画像を解析して得られる第1解析結果と、特殊光画像を解析して得られる第2解析結果と、2種類の解析結果を得る。第1解析結果は、通常光画像に基づいて得た、観察対象における特定の状態である、病変の有無及び病変がある場合の領域であり、第2解析結果は、特殊光画像に基づいて得た、同じ観察対象における特定の状態である、病変の有無及び病変がある場合の領域である。
図11に示すように、表示画像生成部65は、解析結果表示生成部79と、観察画像生成部80とを備える。解析結果表示生成部79は、複数の解析結果に基づく解析結果表示を生成する。観察画像生成部80は、複数種類の解析用画像のうち少なくとも1種類の解析用画像に基づいて観察対象を含む観察画像を生成する。解析結果表示は、複数の解析結果を医師等のユーザに通知するための表示であり、複数の解析結果をユーザが把握することができる表示であれば表示形態を問わない。複数の解析結果は、予め設定した条件により選択する。例えば、本実施形態では、照明光が特殊光SLである特殊光画像を1フレーム取得すると、照明光が通常光NLである通常光画像を5フレーム続けて取得する。この場合に予め設定する条件は、例えば、1フレーム取得した特殊光画像に基づく第2解析結果と、この特殊光画像を取得した前後の複数の特定個数のフレームの通常光画像に基づく第1解析結果を、複数の解析結果として選択する。
複数の解析結果は、互いに区別して表示してもよいし、場合により、区別しないで表示してもよい。具体的には、例えば、図形、色、模様、文字、又はこれらの組み合わせによる表示とする。図形等の大きさは、例えば観察対象が特定の状態である領域の大きさに合わせることが好ましい。複数の解析結果の表示が同じ領域に同じ大きさの図形で示される場合は、それぞれの解析結果の表示の大きさを調整し、図形が重ならないように表示することが好ましい。なお、病変等の特定の状態が検出されない場合等、解析結果の表示が必要ない場合は、解析結果を表示しない。
本実施形態では、第1解析結果と第2解析結果との2つの解析結果を取得し、これらを区別して表示する。また、解析結果表示は、解析結果が観察対象の病変の有無及び病変がある場合の領域であり、第1解析結果と第2解析結果とが区別可能な態様の表示である。
第1解析結果及び第2解析結果において、観察対象の特定の状態として病変が検出された場合、図12に示すように、第1解析結果を示す第1解析結果表示81は、観察対象における病変の領域を、四角の図形82で囲むことにより示す。また、図13に示すように、第2解析結果を示す第2解析結果表示83は、観察対象における病変の領域を、四角の図形84で囲むことにより示す。図形82と図形84とは、異なる色により表す。図11及び図12において、異なる向きの斜線は異なる色を示す。
表示画像生成部65は、また、複数種類の解析用画像のうち少なくとも1種類の解析用画像に基づく観察画像を生成する。観察画像は、ユーザがディスプレイ18に表示することを選択した解析用画像である。表示画像生成部65は、表示のために選択された解析用画像に対し、ディスプレイ18に表示するために必要な場合は画像処理を行うことにより、観察画像を生成する。本実施形態では、観察画像は、表示の切り替え指示が行われるまで、継続して表示する。
図14に示すように、本実施形態では、ユーザがディスプレイ18に通常光画像を表示することを選択しているため、表示画像生成部65は、通常光画像をディスプレイ18に表示するために必要な画像処理を実施して観察画像85とする。したがって、ディスプレイには、観察対象を撮像した通常光画像が継続して表示される。本実施形態では、特殊光画像が6フレームに1フレームの割合で取得されるが、特殊光画像はディスプレイ18に表示せず、1フレーム取得した特殊光画像を表示する代わりに、特殊光画像を取得した1フレームの前の通常光画像の1フレームを継続して表示する等を行う。なお、ユーザの設定により、観察画像85を特殊光画像等に切り替えることができる。この場合は、通常光画像が6フレームに1フレームの割合で取得され、通常光画像はディスプレイ18に表示されない。
表示制御部57は、複数の解析結果に基づく解析結果表示と、複数種類の解析用画像のうち少なくとも1種類の解析用画像に基づく観察画像85とをディスプレイ18に表示する制御を行う。具体的には、表示制御部57は、観察画像85に、複数の解析結果表示を、位置を合わせた上で重畳して表示画像とし、表示画像をディスプレイ18に表示する制御を行う。複数の解析結果表示は、それぞれの解析結果表示を区別して認識できる態様で観察画像85に重畳する。本実施形態では、第1解析結果を表示する図形82と第2解析結果を表示する図形84とのそれぞれを、互いに異なる色により表示する。図15に示すように、表示制御部57は、第1解析結果を表示する図形82と第2解析結果を表示する図形84とを異なる色により、観察画像85に重畳する制御を行う。
以上のとおり、画像解析処理装置であるプロセッサ装置16又は内視鏡システム10によれば、内視鏡画像の種類毎に画像解析を並行して行うことにより、例えば、ディスプレイに表示することを選択した1種類の内視鏡画像に基づく画像解析結果のみならず、別の種類の内視鏡画像に基づく画像解析結果を、迅速に得ることができる。また、内視鏡画像の種類により、良好に得られる解析結果が異なる場合は、一方の内視鏡画像において検出されなかった解析結果であっても、他方の内視鏡画像において良好に検出される場合があり、病変等の注目すべき領域の見逃しを防ぐことができる。
本実施形態では、通常光画像と特殊光画像とを解析用画像としたため、通常光画像では十分な明るさがあり、第1画像用解析部71による画像解析により、遠景において病変を良好に検出し、特殊光画像では明るさが足りず、第2画像用解析部72による画像解析により、遠景においてこの病変を検出できない場合であっても、図形82として観察画像85に重畳してディスプレイ18に表示される。特に、観察画像85を特殊光画像として近景の観察を主に行っている場合、ディスプレイ18に暗く表示される遠景における病変等が図形82として表示されるため、特殊光画像をディスプレイ18に継続して表示していても、目視では判定し難い、暗く表示される領域における病変等の注目領域について、病変等の見逃しが防止できる。
なお、解析結果は、解析結果に関する確度を含むことが好ましい。解析結果に関する確度とは、解析結果が正確である度合、又は、誤差を含まない度合である。特定の状態の有無を解析結果とした場合に、解析結果として特定の状態の領域の情報を検出するのとあわせて、画像解析における領域の情報の検出に際し、誤差又はノイズ等をどの程度含むかを確度により示す。解析結果に関する確度は、具体的には、数値により示す。例えば、特定の病変をがんとした場合、解析用画像の種類によってがんの検出を良好に行うことができる解析用画像の種類と、良好に行うことができない解析用画像の種類とがありえるため、がんの検出に関する解析結果に関する確度は異なる。また、同じ種類の解析用画像であっても、解析用画像の状況により、例えば、ぶれが生じている等の画像の状態により、解析結果としてがんの検出がされても、その解析結果に関する確度は異なる場合がある。したがって、それぞれの画像解析の状況に応じて、解析結果の確度を数値により示すことが好ましい。
画像解析処理部63において、選択した解析用画像に対する画像解析により、解析結果として解析結果に関する確度も表示するように設定することにより、解析結果である病変の有無及び病変がある場合の領域とあわせて、解析結果自体に関する確度を数値及び/又は文字により表示してもよい。確度を数値により示す場合は、百分率等により、数値が高いほど確度が高いものとして示すことが好ましい。例えば、画像解析において機械学習による学習済みモデルを用いる場合は、解析結果として解析結果に関する確度を数値として出力可能であるため好ましい。
図16に示すように、解析結果が、解析結果に関する確度を含む場合、本実施形態では、第2解析結果を表示する際に、第2解析結果表示83は、解析結果である病変の領域を示す図形84と解析結果に関する確度を示す確度表示86とを含む。
解析結果が、解析結果に関する確度を含むことにより、ひと目で解析結果の詳細を把握することができる。例えば、解析結果により病変の領域が図形により表示された場合に、解析結果に関する確度も表示されるため、ユーザは診断支援情報を詳細に把握することができる。
また、複数の解析結果を比較することにより、解析結果の確度が最も高い解析結果を注目解析結果として選択する注目解析結果選択部を備え、表示画像生成部65において、注目解析結果を含む解析結果表示を作成することが好ましい。図17に示すように、この場合、画像処理部56は、注目解析結果選択部91を備える。
注目解析結果選択部91は、複数の解析結果を比較する。比較する場合は、複数の解析結果が、観察対象における同じ領域を含む際に、これらの解析結果を比較する。そして、複数の解析結果のうち、解析結果が含む解析結果の確度が最も高い解析結果を注目解析結果として選択する。なお、複数の解析結果が、観察対象に同じ領域を含むことを判定するために、複数の解析結果のもととなる複数の解析用画像に対し、領域判別処理を行った上で、注目解析結果選択部91が複数解析結果を比較するようにしてもよい。
図18に示すように、本実施形態において、第1解析結果が、第2解析結果を示す図形84と同じ領域についても病変であることを検出し、第1解析結果表示81が、図形87と確度表示88とを含む場合、注目解析結果選択部91は、図形84が示す第2解析結果の確度80%(図16参照)と、図形87が示す第1解析結果の確度60%とを比較する。そして、解析結果の確度が高い解析結果である第2解析結果を注目解析結果として選択する。
解析結果表示生成部79(図11参照)は、注目解析結果を含むように、解析結果表示を作成する。図19に示すように、本実施形態において、注目解析結果選択部91が第2解析結果を注目解析結果として選択した場合、観察対象における図形84及び図形87が示す領域の病変については、第1解析結果による図形87及び確度表示88は示さず、第2解析結果による図形84及び確度表示86により示した解析結果表示を生成する。表示制御部57は、この解析結果表示を観察画像85に重畳してディスプレイ18に表示する。
注目解析結果選択部91により、複数の解析結果においてより高い確度により解析結果を表示することができる。したがって、画像解析の精度又は信頼性を向上させることができる。
なお、解析結果は、観察対象において領域が特定の状態である確率を含んでもよい。特定の状態である確率とは、観察状態が予め設定した特定の状態である確からしさを示す数値である。具体的には、例えば、特定の病変をがんとした場合、観察対象において、がんであることが確実であるほど高い数値が確率として表示され、がんである可能性があるが確実ではないほど低い数値が確率として表示される。特に、機械学習による学習済みモデルを用いた画像解析において、解析結果として、画像において予め設定した特定の状態である領域とその確率とが出力可能である。したがって、画像解析処理部63において、選択した解析用画像に対する画像解析部の画像解析の方法を、例えば、がんである領域とその確率とを検出するように設定することにより、がんの領域とその確率を表示する。
図20に示すように、解析結果が、観察対象において領域が特定の状態である確率を含む場合、本実施形態では、第1解析結果を表示する際に、第1解析結果表示81は、解析結果である病変の領域を示す図形82と観察対象において領域が特定の状態である確率表示89とを含む。確率表示89は、例えば、「がん疑い率50%」等とする。
解析結果が、観察対象において領域が特定の状態である確率を含むことにより、ひと目で解析結果を詳細に把握することができる。例えば、解析結果により、病変の領域が図形により表示された場合に、領域が特定の状態である確率も表示されるため、ユーザは診断支援情報を容易にかつ詳細に把握することができ、病変等の見逃しをより良く防ぐことができる。
なお、解析結果が、観察対象において領域が特定の状態である確率を含む場合についても、解析結果が解析結果に関する確度を含む場合と同様とすることができる。例えば、複数の解析結果において、観察対象の同じ領域について異なる確率が出された場合は、これらの確率のうち、最も高い確率の解析結果を含む解析結果表示とする。図21に示すように、本実施形態において、観察対象における図形84又は図形87(図18参照)が示す領域の病変については、解析結果が含む観察対象における領域が特定の状態である確率について、第1解析結果による図形87及び確率表示は示さず、確率が最も高い第2解析結果を図形84及び確率表示90により示した解析結果表示を、観察画像85に重畳してディスプレイ18に表示する。そして、第1解析結果表示81における図形82の領域については、第2解析結果は病変であるとの解析結果を含まなかったため、図形82の領域は、第1解析結果表示81の図形82及び確率表示89をそのまま示す。このように、複数の解析結果のうち少なくとも1つが病変であるとした観察対象の領域は、解析結果表示に含めて表示画像に表示することが好ましい。
複数の解析結果から注目解析結果を選択した上で、解析結果が観察対象において領域が特定の状態である確率を含むことにより、画像解析の精度又は信頼性をさらに向上させることができ、病変等の注目領域の見逃しをより良く防ぐことができる。
なお、解析結果取得部64は、解析結果を、解析結果が得られた解析用画像の種類と対応付けて取得し、表示制御部57は、解析結果と解析結果が得られた解析用画像の種類との関連付けを示す凡例表示をディスプレイ18に表示する制御を行うことが好ましい。凡例表示は、解析結果表示における表示が、どのような解析用画像の種類の解析結果であるかをひと目で把握できるように、解析結果表示における表示と、同じ色等の形態により、解析用画像の種類について示す表示である。凡例表示により、解析結果表示が、どのような種類の解析用画像に基づいて得られたのかを迅速にかつ容易に把握できるため、例えば、解析結果表示の信頼性等も把握することができる。
図22に示すように、本実施形態では、第1解析結果を示す図形82は通常光を用いて得られた内視鏡画像を解析用画像としたものであり、第2解析結果を示す図形84は特殊光を用いて得られた内視鏡画像を解析用画像としたものである。したがって、図形82と同じ色にて通常光により得られたことを示す「通常光」と、図形84と同じ色にて特殊光により得られたことを示す「特殊光」とを、観察画像85の左下に、凡例表示95として表示する。
解析結果がどのような解析用画像により得られたものかを凡例として表示することにより、解析結果を示す図形等が表示された際に、どのような病変等の検出が良好に行われる画像により解析結果が出されたのかをひと目で容易に把握することができる。また、凡例表示95により、表示画像が通常光画像である際に、観察対象に病変等が存在せず、解析結果を示す図形等が1つも表示されない場合でも、現在どのような種類の解析用画像が取得されているのか、すなわち、どのようなIEEが行われているのかを把握することができる。例えば、照明光の1周期(図6、1CY)において、どのような種類の特殊光による照明光が用いられているのかを把握することができる。したがって、凡例表示95は、内視鏡検査において、その時点でおこなわれているIEEが何であるかを示す表示としても有用である。
また、ディスプレイ18に表示している観察画像85以外の種類の解析用画像に基づいた解析結果を、観察画像85のもととなる解析用画像に基づいた解析結果と区別した解析結果表示としてもよい。図23に示すように、観察画像85のもととなる通常光画像に基づいた解析結果表示である図形82及び確率表示89は目立つように濃い色で示し、観察画像85のように表示がされない特殊光画像に基づいた解析結果表示である図形84及び確度表示86は目立たないように薄い色又は点線等で表示してもよい。図23において、斜線の間隔が広いものは、薄い色又は点線を示す。
また、観察画像85のように表示がされない特殊光画像に基づいた解析結果表示である図形84及び確度表示86は、観察画像85に重畳する以外の方法で示しても良い。例えば、図24に示すように、特殊光画像に基づいた解析結果は、凡例表示95と合わせて文章で示すことができる。また、観察画像85の外部に、サブ画面として第2解析結果表示83を示してもよい。
なお、複数種類の解析用画像は、2種類に限らず、3種類以上であってもよい。例えば、解析用画像は、通常光により照明して得られる内視鏡画像を1種類目の解析用画像とし、図5に示す分光スペクトルによる特殊光を第1特殊光とし、第1特殊光により照明して得られる内視鏡画像を2種類目の解析用画像とし、第1特殊光と異なる第2特殊光により照明して得られる内視鏡画像を3種類目の解析用画像とする。
光源制御部22は、第2特殊光として、紫色光VL、青色光BL、緑色光GL、及び赤色光RL間の光強度比がVs2:Bs2:Gs2:Rs2となる特殊光を発するように、各LED20a~20dを制御する。光強度比Vs2:Bs2:Gs2:Rs2は、第2特殊光の光量条件に対応する。第2特殊光は、表層血管を強調することが好ましい。そのため、第2特殊光は、図25に示すように、光強度比を1:0:0:0にして、短波長の狭帯域光としての紫色光VLのみを発する。
本実施形態では、光源制御部22は、例えば、図26に示すように、通常光NLを5フレーム(5FL)続けて発光し、次に、第1特殊光1SLを1フレーム(1FL)発光し、再度通常光NLを5フレーム(5FL)続けて発光し、次に、第2特殊光2SLを1フレーム(1FL)発光する。この順序からなる照明パターンを1周期(1CY)として、この周期を繰り返す。
上記実施形態と同様に、第2特殊光に基づく解析用画像は、第3画像用解析部73(図10参照)により画像解析され、第3解析結果が解析結果取得部64に送られる。解析結果取得部64は、通常光に基づく解析用画像における第1解析結果、第1特殊光に基づく解析用画像における第2解析結果、及び、第2特殊光に基づく解析用画像における第3解析結果を取得する。図27に示すように、第3解析結果は、図形96により表示される。
図27に示すように、場合によっては、第3解析結果が含む検出結果である図形96は、第2解析結果が含む検出結果である図形84に重なる。第1特殊光による内視鏡画像は、表層血管及びポリープ等の構造を良好に示し、第2特殊光による内視鏡画像は、表層血管を強調して示すことから、第2解析結果が含む図形84の領域と第3解析結果が含む図形96の領域とが重なる領域は、表層血管等の構造に異常がある可能性が高い領域であり、解析結果として、ユーザに特に注意を喚起するアラート表示98を含む。
また、画像解析処理部63は、特定の複数の解析用画像における解析結果が同じ領域を含む場合、この領域に対する解析結果は、観察対象が特定の状態であることを含むようにしてもよい。本実施形態のように、第2解析結果と、第3解析結果とが、同じ領域を含む場合、第2解析結果のみ又は第3解析結果のみに特定の領域が含まれる場合と異なる解析結果としてもよい。異なる解析結果としては、第2解析結果及び第3解析結果が、それぞれ、特定の病変の確率を含む場合、第2解析結果及び第3解析結果の両方を含む領域は、特定の病変の深さ方向を表示する等が挙げられる。例えば、機械学習を用いた画像解析により、がん等の特定の病変が軽度であっても検出できること、又は、特定の病変の領域を深さ方向等でも精度良く示すこと等、これらを組み合わせることにより、より精度が良い解析結果を含むことができる。
次に、画像解析処理装置であるプロセッサ装置16又は内視鏡システム10が行う画像解析に関する処理の一連の流れについて、図28に示すフローチャートに沿って説明を行う。観察を開始すると、所定の照明光パターン(図6参照)に従って、予め設定した順序により照明光が発せられる。まず、照明光が通常光であり、通常光画像が取得される(ステップST110)。次に、照明光が特殊光となり、特殊光画像が取得される(ステップST120)。通常光画像解析(ステップST130)と特殊光画像解析(ステップST140)とを並列して実施する。通常光画像解析による第1解析結果と、特殊光画像解析による第2解析結果とは、解析結果取得部により取得される(ステップST150)。複数の解析結果は、観察対象の同じ領域に対する解析結果を含む場合、注目解析結果選択部により注目解析結果が選択される(ステップST160)。選択された注目解析結果に従い、解析結果表示が作成され、また、予め設定されたとおり、複数の解析用画像の1種類に基づき表示画像が生成される(ステップST170)。解析結果表示と表示画像とは、表示制御部57によりディスプレイ18に表示される(ステップST180)。
上記実施形態及び変形例等においては、プロセッサ装置16が画像解析処理装置として機能するが、プロセッサ装置16とは別に、画像処理部56を含む画像解析処理装置を設けてもよい。この他、図29に示すように、画像処理部56は、例えば内視鏡システム10から直接的に、または、PACS(Picture Archiving and Communication Systems)910から間接的に、内視鏡12で撮影したRAW画像を取得する診断支援装置911に設けることができる。また、図30に示すように、内視鏡システム10を含む、第1検査装置921、第2検査装置922、…、第K検査装置923等の各種検査装置と、ネットワーク926を介して接続する医療業務支援装置930に、画像処理部56を設けることができる。
上記各実施形態及び変形例は、その一部または全部を任意に組み合わせて実施することができる。また、上記各実施形態及び変形例においては、内視鏡12は可撓性の挿入部12aを有するいわゆる軟性内視鏡を用いているが、観察対象が嚥下して使用するカプセル型の内視鏡、外科手術等に使用する硬性内視鏡(腹腔鏡)を用いる場合も本発明は好適である。
上記実施形態及び変形例等は、プロセッサを備え、内視鏡を用いて観察対象を撮像することにより得られる画像に基づいて画像解析を行う画像解析処理装置の作動方法であって、画像解析に用いる複数種類の解析用画像を取得する解析用画像取得ステップと、解析用画像の種類毎に並列して、解析用画像に対する画像解析を行う画像解析処理ステップと、画像解析による解析結果を複数取得する解析結果取得ステップと、複数の解析結果に基づく解析結果表示と、複数種類の解析用画像のうち少なくとも1種類の解析用画像とを含む表示画像をディスプレイに表示する制御を行う表示制御ステップとを備える画像解析処理装置の作動方法を含む。
また、上記実施形態及び変形例等は、プロセッサを備え、内視鏡を用いて観察対象を撮像することにより得られる画像に基づいて画像解析を行う画像解析処理装置にインストールされる画像解析処理装置用プログラムにおいて、コンピュータに、画像解析に用いる複数種類の解析用画像を取得する解析用画像取得機能と、解析用画像の種類毎に並列して、解析用画像に対する画像解析を行う画像解析処理機能と、画像解析による解析結果を複数取得する解析結果取得機能と、複数の解析結果に基づく解析結果表示と、複数種類の解析用画像のうち少なくとも1種類の解析用画像とを含む表示画像をディスプレイに表示する制御を行う表示制御機能とをを実現させるための画像解析処理装置用プログラムを含む。
上記実施形態において、画像解析処理装置であるプロセッサ装置16に含まれる制御部51、画像取得部52、DSP53、ノイズ低減部54、変換部55、画像処理部56、及び表示制御部57といった各種の処理を実行する処理部(processing unit)のハードウェア的な構造は、次に示すような各種のプロセッサ(processor)である。各種のプロセッサには、ソフトウエア(プログラム)を実行して各種の処理部として機能する汎用的なプロセッサであるCPU(Central Processing Unit)、FPGA (Field Programmable Gate Array) などの製造後に回路構成を変更可能なプロセッサであるプログラマブルロジックデバイス(Programmable Logic Device:PLD)、各種の処理を実行するために専用に設計された回路構成を有するプロセッサである専用電気回路などが含まれる。
1つの処理部は、これら各種のプロセッサのうちの1つで構成されてもよいし、同種または異種の2つ以上のプロセッサの組み合せ(例えば、複数のFPGAや、CPUとFPGAの組み合わせ)で構成されてもよい。また、複数の処理部を1つのプロセッサで構成してもよい。複数の処理部を1つのプロセッサで構成する例としては、第1に、クライアントやサーバなどのコンピュータに代表されるように、1つ以上のCPUとソフトウエアの組み合わせで1つのプロセッサを構成し、このプロセッサが複数の処理部として機能する形態がある。第2に、システムオンチップ(System On Chip:SoC)などに代表され
るように、複数の処理部を含むシステム全体の機能を1つのIC(Integrated Circuit)チップで実現するプロセッサを使用する形態がある。このように、各種の処理部は、ハードウェア的な構造として、上記各種のプロセッサを1つ以上用いて構成される。
さらに、これらの各種のプロセッサのハードウェア的な構造は、より具体的には、半導体素子などの回路素子を組み合わせた形態の電気回路(circuitry)である。
なお、本発明は、内視鏡画像を取得等する内視鏡システム、プロセッサ装置、その他関連する装置等の他に、内視鏡画像以外の医療画像(動画を含む)を取得するシステムまたは装置等においても利用できる。例えば、本発明は、超音波検査装置、X線画像撮影装置(CT(Computed Tomography)検査装置及びマンモグラフィ装置等を含む)、MRI(magnetic resonance imaging)装置、等に適用できる。
10 内視鏡システム
12 内視鏡
12a 挿入部
12b 操作部
12c 湾曲部
12d 先端部
12e アングルノブ
12f 処置具挿入口
12g スコープボタン
13 ズーム操作部
14 光源装置
16 プロセッサ装置
18 ディスプレイ
19 キーボード
20 光源部
20a V-LED
20b B-LED
20c G-LED
20d R-LED
22 光源制御部
30a 照明光学系
30b 撮影光学系
41 ライトガイド
42 照明レンズ
43 対物レンズ
44 ズームレンズ
45 イメージセンサ
51 制御部
52 画像取得部
53 DSP
54 ノイズ低減部
55 変換部
56 画像処理部
57 表示制御部
61 強調処理部
62 解析用画像取得部
63 画像解析処理部
64 解析結果取得部
65 表示画像生成部
66 色彩強調部
67 構造強調部
71 第1画像用解析部
72 第2画像用解析部
73 第3画像用解析部
74 第n画像用解析部
75 第1対応情報取得部
76 第2対応情報取得部
77 第3対応情報取得部
78 第n対応情報取得部
79 解析結果表示生成部
80 観察画像生成部
81 第1解析結果表示
82、84、87、96 図形
83 第2解析結果表示
85 観察画像
86、88 確度表示
89、97 確率表示
91 注目解析結果選択部
95 凡例表示
98 アラート表示
910 PACS
911 診断支援装置
921 第1検査装置
922 第2検査装置
923 第K検査装置
926 ネットワーク
930 医療業務支援装置
NL 通常光
SL 特殊光
1SL 第1特殊光
2SL 第2特殊光
ST110~ST180 ステップ

Claims (20)

  1. プロセッサを備え、内視鏡を用いて観察対象を撮像することにより得られる画像に基づいて画像解析を行う画像解析処理装置であって、
    前記プロセッサは、
    互いに分光スペクトルが異なる通常光、第1特殊光、及び第2特殊光でそれぞれ撮像された前記画像を、画像解析に用いる互いに異なる種類の解析用画像として取得し、
    前記解析用画像の種類毎に並列して、前記解析用画像の前記画像解析を行い、
    前記画像解析による解析結果を複数取得し、
    複数の前記解析結果に基づく解析結果表示と、複数種類の前記解析用画像のうち少なくとも1種類の前記解析用画像に基づく表示画像とを、ディスプレイに表示する制御を行い、
    前記第1特殊光における前記解析結果と、前記第2特殊光における前記解析結果において、同じ領域を含む場合、それぞれの前記解析結果とは異なる解析結果である、前記観察対象における特定の状態を含む解析結果を取得して前記ディスプレイに表示させる画像解析処理装置。
  2. 前記プロセッサは、前記解析用画像の種類毎に独立して、前記画像解析を行う請求項1に記載の画像解析処理装置。
  3. 前記プロセッサは、前記観察対象における特定の状態と、前記特定の状態を含む前記観察対象を撮像することにより得た前記解析用画像とを、予め対応付けた対応情報を取得し、
    前記解析用画像と前記対応情報とに基づき、前記解析結果を得る請求項1又は2に記載の画像解析処理装置。
  4. 前記プロセッサは、前記対応情報を前記解析用画像の種類毎に取得し、
    前記解析用画像と、前記解析用画像の種類に対応して取得された前記対応情報とに基づき、前記解析結果を得る請求項3に記載の画像解析処理装置。
  5. 前記特定の状態は、前記観察対象の構造が異常である状態、前記観察対象が特定の病変である状態、及び、前記観察対象の生体情報の値が異常である状態のうち少なくとも1つである請求項3又は4に記載の画像解析処理装置。
  6. 前記解析結果は、前記観察対象における前記特定の状態の領域の情報を含む請求項3ないし5のいずれか1項に記載の画像解析処理装置。
  7. 前記解析結果は、前記解析結果に関する確度を含む請求項1ないし6のいずれか1項に記載の画像解析処理装置。
  8. 前記プロセッサは、複数の前記解析結果を比較することにより、前記解析結果に関する確度が最も高い前記解析結果を注目解析結果として選択し、
    前記注目解析結果を含む前記解析結果表示を作成する請求項7に記載の画像解析処理装置。
  9. 前記プロセッサは、前記通常光における前記解析結果と、少なくとも1つの特殊光における前記解析結果において、同じ領域を含む場合、いずれか1つの前記解析結果を注目解析結果として選択する請求項1ないし6いずれか1項記載の画像解析処理装置。
  10. 前記プロセッサは、前記画像に対し強調処理を行うことにより、第1解析用画像を生成し、
    前記解析用画像の1種として前記第1解析用画像を取得する請求項1ないしのいずれか1項に記載の画像解析処理装置。
  11. 前記プロセッサは、前記画像に対し色彩強調処理又は構造強調処理を行う請求項10に記載の画像解析処理装置。
  12. 前記プロセッサは、前記解析結果を、前記解析結果が得られた前記解析用画像の種類とを対応付けて取得し、
    前記解析結果と前記解析結果が得られた前記解析用画像の種類との関連付けを示す凡例表示を前記ディスプレイに表示する制御を行う請求項1ないし1のいずれか1項に記載の画像解析処理装置。
  13. 請求項1ないし1のいずれか1項に記載の画像解析処理装置と、
    前記観察対象に照射する照明光を発する光源部とを備える内視鏡システム。
  14. 前記プロセッサは、前記光源部が発する互いに分光スペクトルが異なる複数の照明光のそれぞれにより照明した前記観察対象を撮像することにより得られる前記画像を、互いに異なる種類の前記解析用画像として取得する請求項1記載の内視鏡システム。
  15. 前記プロセッサは、前記光源部が発する白色の照明光により照明した前記観察対象を撮像することにより得られる前記画像を、前記解析用画像の1種として取得する請求項1記載の内視鏡システム。
  16. 前記プロセッサは、前記光源部が発する予め設定した波長帯域の狭帯域光を含む照明光により照明した前記観察対象を撮像することにより得られる前記画像を、前記解析用画像の1種として取得する請求項1記載の内視鏡システム。
  17. 前記光源部は、互いに分光スペクトルが異なる複数の照明光のそれぞれを、予め設定した順序により繰り返し発光する請求項1ないし1のいずれか1項に記載の内視鏡システム。
  18. 前記プロセッサは、前記解析結果を、前記解析結果が得られた前記解析用画像の種類とを対応付けて取得し、
    前記解析結果と前記解析結果が得られた前記解析用画像の種類との関連付けを示す凡例表示を前記ディスプレイに表示する制御を行う請求項1ないし1のいずれか1項に記載の内視鏡システム。
  19. 内視鏡を用いて観察対象を撮像することにより得られる画像に基づいて画像解析を行う画像解析処理装置の作動方法であって、
    互いに分光スペクトルが異なる通常光、第1特殊光、及び第2特殊光でそれぞれ撮像された前記画像を、画像解析に用いる互いに異なる種類の解析用画像として取得する解析用画像取得ステップと、
    前記解析用画像の種類毎に並列して、前記解析用画像に対する前記画像解析を行う画像解析処理ステップと、
    前記画像解析による解析結果を複数取得する解析結果取得ステップと、
    複数の前記解析結果に基づく解析結果表示と、複数種類の前記解析用画像のうち少なくとも1種類の前記解析用画像とを含む表示画像をディスプレイに表示する制御を行う表示制御ステップとを備え、
    前記第1特殊光における前記解析結果と、前記第2特殊光における前記解析結果において、同じ領域を含む場合、それぞれの前記解析結果とは異なる解析結果である、前記観察対象における特定の状態を含む解析結果を取得して前記ディスプレイに表示させる画像解析処理装置の作動方法。
  20. 内視鏡を用いて観察対象を撮像することにより得られる画像に基づいて画像解析を行う画像解析処理装置にインストールされる画像解析処理装置用プログラムにおいて、
    コンピュータに、
    互いに分光スペクトルが異なる通常光、第1特殊光、及び第2特殊光でそれぞれ撮像された前記画像を、画像解析に用いる互いに異なる種類の解析用画像として取得する解析用画像取得機能と、
    前記解析用画像の種類毎に並列して、前記解析用画像に対する前記画像解析を行う画像解析処理機能と、
    前記画像解析による解析結果を複数取得する解析結果取得機能と、
    複数の前記解析結果に基づく解析結果表示と、複数種類の前記解析用画像のうち少なくとも1種類の前記解析用画像とを含む表示画像をディスプレイに表示する制御を行う表示制御機能と実現させ、
    前記第1特殊光における前記解析結果と、前記第2特殊光における前記解析結果において、同じ領域を含む場合、それぞれの前記解析結果とは異なる解析結果である、前記観察対象における特定の状態を含む解析結果を取得して前記ディスプレイに表示させる機能を実現させるための画像解析処理装置用プログラム。
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