JP7505133B1 - グラウト充填の学習データ生成システム、グラウト充填の学習データ生成プログラム、コンクリート空隙評価の学習データ生成システム及びコンクリート空隙評価の学習データ生成プログラム - Google Patents

グラウト充填の学習データ生成システム、グラウト充填の学習データ生成プログラム、コンクリート空隙評価の学習データ生成システム及びコンクリート空隙評価の学習データ生成プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】グラウトの充填状況等のコンクリートの空隙の評価のための学習データを生成可能なグラウト充填の学習データ生成システム、グラウト充填の学習データ生成プログラム、コンクリート空隙評価の学習データ生成システム及びコンクリート空隙評価の学習データ生成プログラムを提供する。【解決手段】グラウト充填の学習データ生成システムは、PC構造物のケーブルシースに対する非破壊検査により得られる生成用波形データと、グラウト充填の条件に関する条件データとを取得する第1取得手段と、前記第1取得手段により取得された生成用波形データと条件データとに基づいて、前記条件に基づく学習用波形データを生成する生成手段とを備えることを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、PC構造物のケーブルシース内へのグラウト充填状況を非破壊検査により評価するためのグラウト充填の学習データ生成システム及びグラウト充填の学習データ生成プログラムに関する。
従来より、ポストテンション方式の橋梁や高架橋、建築物等のPC構造物のケーブルシース内にグラウトを注入する際には、ケーブルシースのグラウト注入側に圧送ポンプを接続する。そして、圧送ポンプを運転してケーブルシース内にグラウトを充填する。
ところで、近年において、PC構造物中のケーブルシース内へのグラウトの充填不良に起因する緊張材の腐食、破断事故が散見されるようになった。このような場合、ケーブルシース内のグラウト充填状況を把握する手法として削孔を行い、内部を直接観察する方法が一般的であるが、構造物に与える影響を最小限に留める配慮から非破壊検査により評価することが望まれている。
例えば、特許文献1には、PC構造物のケーブルシース内へのグラウト充填状況を評価するためのグラウト充填状況評価システムにおいて、グラウト充填状況を評価するケーブルシースに対して非破壊検査を行うことにより得られた波形データを取得する取得手段と、波形データを学習データとして機械学習により生成され、入力した波形データにおいて特徴を有する周波数を限定し、限定した特徴に基づいて評価用波形データを復元した復元データを出力する復元モデルを参照し、波形データに基づく復元データを出力する出力手段と、復元データと波形データとに基づいて、グラウト充填状況を評価する評価手段とを備えることを特徴とするグラウト充填状況評価システムが開示されている。
特許第7216238号公報
一方で、グラウト未充填検査において電磁波、打音、衝撃弾性波や超音波を用いて判定をする場合、この判定の結果は、使用するPC鋼材の材質と位置、鉄筋の位置、シース材質と位置、充填率、構造物エッジの影響、構造物の部材厚さの変化、弾性波のコンクリート伝搬速度、付属する金物等の様々な影響をうける。また、構造物の対する部材面が平行でない場合等は、弾性波が発散するため得られる共振周波数強度が弱くなる等により、計測精度が低下する。これらのことから、特許文献1の開示技術を用いて、このグラウト充填状況を評価する場合、評価精度を向上させるためには、多数の学習データが必要となる。
しかしながら、特許文献1の開示技術では、この多数の学習データを取得するためには、様々な条件下の元で検査を行う必要があり、多大なコストと労力が必要となるという問題点があった。
そこで、本発明は、上述した問題点に鑑みて案出されたものであり、その目的とするところは、グラウトの充填状況等のコンクリートの空隙の評価のための学習データを生成可能なグラウト充填の学習データ生成システム、グラウト充填の学習データ生成プログラム、コンクリート空隙評価の学習データ生成システム及びコンクリート空隙評価の学習データ生成プログラムを提供することにある。
第1発明に係るグラウト充填の学習データ生成システムは、PC構造物のケーブルシースに対する非破壊検査により得られる生成用波形データと、グラウト充填の条件に関する条件データとを取得する第1取得手段と、前記第1取得手段により取得された生成用波形データと条件データとに基づいて、前記条件に基づく学習用波形データを生成する生成手段とを備え、前記生成手段は、生成用波形データと条件データとを入力データとし、生成用波形データに条件データの条件を反映させた学習用波形データを出力データとする生成モデルであって、学習データを用いて学習された前記生成モデルを参照し、前記第1取得手段により取得された生成用波形データに、前記第1取得手段により取得された条件データの条件を反映させた前記学習用波形データを生成することを特徴とする。
発明に係るグラウト充填の学習データ生成システムは、第1発明において、グラウト充填状況を評価するケーブルシースに対する非破壊検査により得られる評価用波形データを取得する第2取得手段と、前記生成手段により生成された学習用波形データを学習データとして機械学習により生成され、入力した評価用波形データにおいて特徴を有する周波数を限定し、限定した前記特徴に基づいて評価用波形データを復元した復元データを出力する復元モデルを参照し、前記第2取得手段により取得された評価用波形データに基づく復元データを出力する出力手段と、前記出力手段により出力された復元データと前記第2取得手段により取得された評価用波形データとに基づいて、前記グラウト充填状況を評価する評価手段とを備えることを特徴とする。
発明に係るグラウト充填の学習データ生成システムは、第1発明において、前記第1取得手段は、前記PC構造物の構成部材に関する構成データを含む前記条件データを取得することを特徴とする。
発明に係るグラウト充填の学習データ生成システムは、第1発明において、前記第1取得手段は、前記PC構造物の断面形状に関する形状データを含む前記条件データを取得することを特徴とする。
発明に係るグラウト充填の学習データ生成システムは、第1発明において、前記第1取得手段は、前記PC構造物の表面から前記ケーブルシースまでの深さに関する深さデータを含む前記条件データを取得することを特徴とする。
発明に係るグラウト充填の学習データ生成システムは、第1発明において、前記取得手段は、前記ケーブルシースに関する付帯データを含む前記条件データを取得することを特徴とする。
第7発明に係るグラウト充填の学習データ生成プログラムは、PC構造物のケーブルシースに対する非破壊検査により得られる生成用波形データと、グラウト充填の条件に関する条件データとを取得する第1取得ステップと、前記第1取得ステップにより取得された生成用波形データと条件データとに基づいて、前記条件に基づく学習用波形データを生成する生成ステップとをコンピュータに実行させ、前記生成ステップは、生成用波形データと条件データとを入力データとし、生成用波形データに条件データの条件を反映させた学習用波形データを出力データとする生成モデルであって、学習データを用いて学習された前記生成モデルを参照し、前記第1取得ステップにより取得された生成用波形データに、前記第1取得ステップにより取得された条件データの条件を反映させた前記学習用波形データを生成することを特徴とする。
第8発明に係るコンクリート空隙評価の学習データ生成システムは、コンクリート構造物に対する非破壊検査により得られる生成用波形データと、コンクリート構造物の条件に関する条件データとを取得する第1取得手段と、前記第1取得手段により取得された生成用波形データと条件データとに基づいて、前記条件に基づく学習用波形データを生成する生成手段とを備え、前記生成手段は、生成用波形データと条件データとを入力データとし、生成用波形データに条件データの条件を反映させた学習用波形データを出力データとする生成モデルであって、学習データを用いて学習された前記生成モデルを参照し、前記第1取得手段により取得された生成用波形データに、前記第1取得手段により取得された条件データの条件を反映させた前記学習用波形データを生成することを特徴とする。
発明に係るコンクリート空隙評価の学習データ生成システムは、第8発明において、空隙を評価するコンクリートに対する非破壊検査により得られる評価用波形データを取得する第2取得手段と、前記生成手段により生成された学習用波形データを学習データとして機械学習により生成され、入力した評価用波形データにおいて特徴を有する周波数を限定し、限定した前記特徴に基づいて評価用波形データを復元した復元データを出力する復元モデルを参照し、前記第2取得手段により取得された評価用波形データに基づく復元データを出力する出力手段と、前記出力手段により出力された復元データと前記第2取得手段により取得された評価用波形データとに基づいて、前記コンクリートの空隙を評価する評価手段とを備えることを特徴とする。
第10発明に係るコンクリート空隙評価の学習データ生成プログラムは、コンクリート構造物に対する非破壊検査により得られる生成用波形データと、コンクリート構造物の条件に関する条件データとを取得する第1取得ステップと、前記第1取得ステップにより取得された生成用波形データと条件データとに基づいて、前記条件に基づく学習用波形データを生成する生成ステップとをコンピュータに実行させ、前記生成ステップは、生成用波形データと条件データとを入力データとし、生成用波形データに条件データの条件を反映させた学習用波形データを出力データとする生成モデルであって、学習データを用いて学習された前記生成モデルを参照し、前記第1取得ステップにより取得された生成用波形データに、前記第1取得ステップにより取得された条件データの条件を反映させた前記学習用波形データを生成することを特徴とする。
第1発明~第1発明によれば、生成用波形データと条件データとに基づいて、条件に基づく擬似的な学習用波形データを生成する。これにより、生成用波形データに条件を反映した学習用波形データを生成することが可能となる。このため、グラウトの充填状況等のコンクリートの空隙の評価のための学習データを生成することができる。また、第1発明~第10発明によれば、生成モデルを参照し、生成用波形データと条件データとに基づいて、学習用波形データを生成する。これにより、より高精度に条件を反映した学習用波形データを生成することが可能となる。
特に、第発明によれば、学習用波形データを学習データとして機械学習により生成された復元モデルを参照し、評価用波形データに基づく復元データを出力し、復元データと評価用波形データとに基づいて、グラウト充填状況を評価する。これにより、新たにグラウト充填状況を評価するケーブルシースに対して非破壊検査を行うことにより得られた波形データを復元モデルに入力し、出力された復元データと波形データとに基づいて、新たに取得した波形データとグラウトが所定の充填度のときの波形データと比較したときの異常値を評価することが可能となる。これにより、周波数が卓越する場合、又はケーブルシースが複数配置された構造物において、グラウト充填状況の評価を行う場合においても、グラウトの充填状況を高精度に評価することが可能となる。
特に、第発明によれば、PC構造物の構成部材に関する構成データを含む条件データを取得する。これにより、PC構造物の構成部材に応じて、最適な学習用波形データを生成することが可能となり、さらに高精度にグラウト充填状況を評価することができる。
特に、第発明によれば、PC構造物の断面形状に関する形状データを含む条件データを取得する。これにより、断面形状に応じて、最適な学習用波形データを生成することが可能となり、さらに高精度にグラウト充填状況を評価することができる。
特に、第発明によれば、PC構造物の表面から前記ケーブルシースまでの深さに関する深さデータを含む条件データを取得する。これにより、深さに応じて、最適な学習用波形データを生成することが可能となり、さらに高精度にグラウト充填状況を評価することができる。
特に、第発明によれば、ケーブルシースに関する付帯データを含む条件データを取得する。これにより、付帯データに応じて、最適な学習用波形データを生成することが可能となり、さらに高精度にグラウト充填状況を評価することができる。
図1は、本発明を適用したコンクリート空隙評価システムの全体構成を示すブロック図である。 図2は、波形データの一例を示す図である。 図3は、評価装置の具体的な構成例を示す図である。 図4は、本発明を適用したコンクリート空隙評価システムの処理動作を示すフローチャートである。 図5は、復元モデルの模式図である。 図6は、本発明を適用したコンクリート空隙評価システムの学習用波形データを生成する動作を示すフローチャートである。 図7は、生成モデルの模式図である。 図8(a)は、グラウト充填率が100%のケーブルシースの断面を示す図である。図8(b)は、グラウト充填率が50%のケーブルシースの断面を示す図である。図8(c)は、グラウト充填率が100%未満のケーブルシースの断面を示す図である。図8(d)は、PC鋼材間に空間がある場合のケーブルシースの断面を示す図である。 図9は、T字型のコンクリート構造物の断面を示す図である。 図10(a)は、I字型のコンクリート構造物に対する非破壊検査の様子を示す図である。図10(b)は、I字型のコンクリート構造物に対する非破壊検査を行った場合の波形データを示す図である。 図11(a)は、グラウトの充填度が100%のときに取得した波形データと復元データとを示す図である。図11(b)は、グラウトの充填度が0%のときに取得した波形データと復元データとを示す図である。 図12は、コンクリート供試体の模式図である。 図13は、本発明を適用したコンクリート空隙評価システムの評価結果を示す図である。
以下、本発明を適用したコンクリート空隙評価システムついて、図面を参照しながら詳細に説明をする。
図1は、本発明を適用したコンクリート空隙評価システム1の全体構成を示すブロック図である。コンクリート空隙評価システム1は、コンクリート構造物7のケーブルシース71内のグラウト充填状況等のコンクリート構造物の空隙を非破壊検査により評価する。コンクリート空隙評価システム1は、非破壊検査部8と、非破壊検査部8に接続された変換装置9と、変換装置9に接続された評価装置2と、評価装置2に接続されたデータベース3とを備えている。
コンクリート構造物7は、PC鋼材及びケーブルシース71が内部に配設された橋梁や高架橋、建築物等のPC構造物であるが、これに限らず、PC鋼材及びケーブルシース71が内部に配設されていない任意のコンクリート構造物であってもよい。
ケーブルシース71は、内部にPC鋼棒又は多数のPC鋼線等を初めとするこの図示しないPC鋼材が緊張状態で、しかも当該ケーブルシース71の内壁面から離間する形で配設される。ちなみに、本実施の形態においては、ポストテンション方式のコンクリート構造物7を例として説明していることから、かかる場合にはコンクリート構造物7中にケーブルシース71を配置した後にコンクリートを充填並びに硬化させ、その後にケーブルシース71内に図示しないPC鋼材を挿入して引張応力を負荷する。更にその後、ケーブルシース71内にグラウトを充填して硬化させる。
非破壊検査部8は、例えば衝撃弾性波法、インパクトエコー法、超音波法等の非破壊検査手法により、コンクリート構造物7に弾性波を加振し、反射された波形を検査データとして検出する。非破壊検査部8は、検出した検査データを変換装置9へ送信する。
変換装置9は、例えばPC(パーソナルコンピュータ)やスマートフォン、タブレット型端末、ウェアラブル端末等の電子機器で構成されている。この変換装置9は、取得した検査データをケーブルシース71におけるグラウトの充填状況を評価するための少なくとも周波数毎の強度及び周波数を示すデータが含まれる波形データへと変換し、変換した波形データを評価装置2へと送信する。
変換装置9は、取得した検査データを、特段解析することなく、評価装置2に波形データとして送信してもよい。例えば変換装置9は、周波数と周波数毎の強度とを示す波形データが検査データとして取得された場合、特段解析することなく検査データをそのまま波形データとして、評価装置2に送信してもよい。
また、変換装置9は、取得された検査データの解析を行い、波形データに変換して評価装置2に送信してもよい。例えば変換装置9は、時間と振れ幅との関係を示す波形数値データが検査データとして取得された場合、これを解析し、周波数と周波数毎の強度とを示す波形データとしたうえで、評価装置2に送信してもよい。変換装置9は、波形数値データからなる検査データを解析することにより、ケーブルシース71内におけるグラウトの充填度を評価する上で最適なものに適宜加工することとなる。
例えばこの変換装置9は、取得された時間と振れ幅との関係を示す波形数値データを、FFT(Fast Fourier Transform)変換を施すことにより、周波数と周波数毎の強度との関係を示す波形データに変換してもよい。また、変換装置9は、取得された時間と振れ幅との関係を示す波形数値データを、フーリエ変換を施して、時間と周波数との関係を示す波形数値データに変換した上で、特定周波数領域を除去し、さらに逆フーリエ変換を施すことにより、特定周波数領域を残した時間と振れ幅との関係を示す波形数値データに変換してもよい。また、変換装置9は、この特定周波数領域を残した時間と振れ幅との関係を示す波形数値データに対して、さらにフーリエ変換を施すことにより、特定周波数領域を残した周波数と周波数毎の強度との関係を示す波形データに変換してもよい。また、変換装置9は、取得された時間と振れ幅との関係を示す波形数値データを、パワースペクトル等の強度と周波数との関係を示す波形データに変換してもよい。
変換装置9は、取得された検査データとしての波形数値データに対して、ウェーブレット変換を施して、時間と周波数との関係を示す波形数値データに変換してもよい。ウェーブレット変換を施すことにより、フーリエ変換の際には失われてしまう時間特性を残すことができる。このため、ウェーブレット変換を施すことにより、時間と周波数との関係を示す波形数値データに変換されることとなる。
変換装置9は、取得された検査データとしての波形数値データに対して、フーリエ変換して得たパワースペクトルについて、その値の対数をとり、さらに逆フーリエ変換したケプストラムを示す波形数値データに変換してもよい。また、変換装置9は、さらに、ケプストラムを示す波形数値データから、低次のケプストラムであるスペクトル包絡や高次のケプストラムであるスペクトル微細構造を示す波形数値データを抽出してもよい。例えば、スペクトル包絡を示す波形数値データは、ケプストラム次数を定めるにより抽出されるものであってもよい。このケプストラム次数は、例えば20、100等の任意の値を取り得る。さらに、スペクトル包絡を示す波形数値データにおいては、各ケプストラム次数の係数を抽出してもよい。また、変換装置9は、取得された波形画像において、ある時間領域から切り出した振れ幅を周波数領域に変換したときのピークであるフォルマントを示す波形数値データに変換してもよい。ピークの周波数帯が低い方から、第1フォルマント、第2フォルマント、・・・としたとき、波形数値データは、例えば、第1フォルマントと第2フォルマントとの関係を示すものとして、周波数と周波数との関係を示すものであってもよい。また、変換装置9は、取得された検査データとしての波形数値データに対して、AFTE(Auditory filterbank temporal Envelope)変換を施してもよい。
このように変換装置9は、取得された検査データを、図2に示すような2次元の波形データに変換してもよい。2次元の波形データは、例えば、時間、振れ幅、周波数、強度、スペクトル、ケプストラム、フォルマント等のうち、2つの関係を示すものであってもよい。また、これらの逆数をとってもよい。
また、変換装置9は、例えばスぺクトログラム等を施して、取得された検査データを3次元の波形数値データに変換してもよい。3次元の波形数値データは、例えば、時間、振れ幅、周波数、強度、スペクトル、ケプストラム、フォルマント等のうち、3つの関係を示すものであってもよい。
ちなみに、この変換装置9は、例えば図示しないディスプレイ等からなる表示部を介して各検査データを表示することができる。また変換装置9は、これら各データをストレージ内に記憶し、ユーザによる命令に基づいてこれらデータを表示部へ表示し、又は携帯型メモリにこれらデータを書き込むことができる。ユーザは、この携帯型メモリを変換装置9から取り外して自由に持ち運びすることが可能となる。更に変換装置9は、これら各データを公衆通信網を介して他の電子機器へ転送することも可能となる。
なお、本発明においてこの変換装置9の構成は必須ではなく、省略するようにしてもよい。かかる場合には、非破壊検査部8から出力される検査データは、評価装置2へ直接送信されることとなる。
データベース3は、各種データが記憶されている。データベース3には、公衆通信網を介して送られてきたデータ、或いは本システムのユーザによって入力されたデータが蓄積される。またデータベース3は、評価装置2からの要求に基づいて、この蓄積したデータを評価装置2へと送信する。
評価装置2は、例えば、パーソナルコンピュータ(PC)等を始めとした電子機器で構成されているが、PC以外に、携帯電話、スマートフォン、タブレット型端末、ウェアラブル端末等、他のあらゆる電子機器で具現化されるものであってもよい。ユーザは、この評価装置2による探索解としてのグラウトの充填状況等の空隙の評価結果を得ることにより、ケーブルシース71内におけるグラウトの充填が足りているか否か、又はコンクリート構造物7に空隙があるか否かを評価することが可能となる。そして、例えばケーブルシース71内においてグラウトの充填が足りていない場合には、図示しない圧送ポンプを運転してケーブルシース71内にグラウトを充填する作業を行うこととなる。
図3は、評価装置2の具体的な構成例を示している。この評価装置2は、評価装置2全体を制御するための制御部24と、操作ボタンやキーボード等を介して各種制御用の指令を入力するための操作部25と、有線通信又は無線通信を行うための通信部26と、最適な設計条件を探索する探索部27と、ハードディスク等に代表され、実行すべき検索を行うためのプログラムを格納するための記憶部28と、学習用波形データを生成する生成部29とが内部バス21にそれぞれ接続されている。さらに、この内部バス21には、実際にデータを表示するモニタとしての表示部23が接続されている。
制御部24は、内部バス21を介して制御信号を送信することにより、評価装置2内に実装された各構成要素を制御するためのいわゆる中央制御ユニットである。また、この制御部24は、操作部25を介した操作に応じて各種制御用の指令を、内部バス21を介して伝達する。
操作部25は、キーボードやタッチパネルにより具現化され、プログラムを実行するための実行命令がユーザから入力される。この操作部25は、実行命令がユーザから入力された場合には、これを制御部24に通知する。この通知を受けた制御部24は、探索部27を始め、各構成要素と協調させて所望の処理動作を実行していくこととなる。また、操作部25は、ユーザから各種データが入力されてもよい。操作部25は、例えばコンクリート構造物7の構成部材に関する構成データ、コンクリート構造物7の断面形状に関する形状データ、又はコンクリート構造物7の表面から新たにグラウト充填状況を評価するケーブルシースまでの深さに関する深さデータ等を含む付帯データがユーザにより入力されてもよい。
探索部27は、グラウトの充填状況の評価結果を探索する。この探索部27は、探索動作を実行するに当たり、必要なデータとして記憶部28に記憶されている各種データや、データベース3に記憶されている各種データを読み出す。この探索部27は、人工知能により制御されるものであってもよい。この人工知能はいかなる周知の人工知能技術に基づくものであってもよい。
表示部23は、制御部24による制御に基づいて表示画像を作り出すグラフィックコントローラにより構成されている。この表示部23は、例えば、液晶ディスプレイ(LCD)等によって実現される。
記憶部28は、ハードディスクで構成される場合において、制御部24による制御に基づき、各アドレスに対して所定のデータが書き込まれるとともに、必要に応じてこれが読み出される。また、この記憶部28には、本発明を実行するためのプログラムが格納されている。このプログラムは、制御部24により読み出されて実行されることになる。
上述した構成からなるコンクリート空隙評価システム1における動作について説明をする。
コンクリート空隙評価システム1では、空隙を評価するコンクリート構造物7に対して非破壊検査を行うことにより得られた検査データを波形データに変換し、変換した波形データを復元モデルに入力し、復元データを出力し、出力された復元データと波形データとに基づいて、グラウト充填状況等の空隙を評価する。このコンクリート空隙評価システム1の処理動作フローを図4に示す。以下、図4の各ステップでの詳細な処理を説明する。
まず、ステップS11において、非破壊検査部8は、例えば衝撃弾性波法、インパクトエコー法、超音波法等の非破壊検査手法により、コンクリート構造物7の検査データを検出する。かかる場合、図1に示すようにコンクリート構造物7の表面からケーブルシース71又はコンクリート構造物7内の空隙までの深さYに応じて、加振する弾性波の周波数を変化させてもよい。例えば、深さYが大きなケーブルシース71を評価する場合は、低周波を入力する。非破壊検査部8は、検出した検査データを変換装置9に出力する。また、下記の数1の(1)式に示す周波数fの弾性波を加振してもよい。かかる場合、Vは、弾性波の伝搬速度を示す。
Figure 0007505133000002
次にステップS12において、変換装置9は、非破壊検査部8により検出された検査データについて、必要に応じて各種解析を行い、また後段の探索装置による探索を行い易くするために必要に応じて波形データに加工を施す。ちなみに、各種解析や加工を行わない場合には、このステップS12を省略することができる。変換装置9は、変換した波形データを評価用波形データとして、評価装置2に出力する。評価用波形データは、グラウト充填状況を評価するために用いられる波形データである。
また、ステップS12において、変換装置9は、評価用波形データを規格化してもよい。変換装置9は、例えば周波数毎の強度の最大値を1、最小値を0として、評価用波形データを規格化してもよい。また、変換装置9は、深さYの相当する周波数以外の周波数で共通する周波数箇所の強度を1、最小値を0として規格化してもよい。
次にステップS13へ移行し、入力した評価用波形データを圧縮し、圧縮した評価用波形データを復元した復元データを出力する復元モデルを参照し、ステップS12において変換装置9から出力された評価用波形データに基づく復元データを出力する。
図5は、復元モデルを示す図である。復元モデルは、入力した評価用波形データを圧縮し、圧縮した評価用波形データを復元した復元データを出力するモデルである。復元モデルは、入力した波形を圧縮するエンコーダと、圧縮した評価用波形データを復元するデコーダとを有する。また、復元モデルは、コンクリート構造物7に対する非破壊検査により得られた過去の評価用波形データを学習データとして機械学習により生成された学習済みモデルであってもよい。かかる場合、復元モデルは、学習データの評価用波形データを圧縮し、圧縮した評価用波形データの特徴を抽出し、評価用波形データの特徴を蓄積することで生成される。これにより、復元モデルは、入力した評価用波形データを圧縮し、学習データの特徴に基づいて、圧縮した評価用波形データを復元することが可能となる。復元モデルは、例えばAutoEncoder等の機械学習により生成されてもよい。また、評価用波形データの特徴は、入力した評価用波形データを再現し得るデータである。また、評価用波形データの圧縮は、評価用波形データをより低い次元のデータに変換することである。例えば、評価用波形データは、周波数と周波数毎との強度で示されてもよいが、かかる場合、評価用波形データの圧縮とは、特徴を有する周波数を限定することである。また、評価用波形データの復元は、評価用波形データをより高い次元のデータに変換することである。例えば、評価用波形データは、周波数と周波数の強度とで示されてもよいが、かかる場合、評価用波形データの復元とは、特徴を限定した周波数から元の周波数へデータを変換することである。
学習データとなる評価用波形データは、例えばコンクリート構造物7に対する非破壊検査により得られた過去の評価用波形データを用いてもよい。この評価用波形データは、例えば2500~50000Hzまでの10Hz毎の周波数の弾性波を加振して非破壊検査により得られた過去の複数の評価用波形データを用いてもよい。また、評価用波形データは、例えば2500~50000Hzまでの10Hz毎の周波数の評価用波形データをシースや弾性波のコンクリート伝搬速度を仮定して擬似的に生成した人工の評価用波形データを用いてもよい。
また、学習データは、非破壊検査したときのコンクリート構造物7のグラウト充填状況等の空隙の状況により、正常データと異常データとに分類してもよい。例えば学習データは、非破壊検査したときのケーブルシース71のグラウト充填状況が予め設定された閾値以上の充填度であった場合、又はコンクリート構造物7に空隙が無い場合に得られた評価用波形データを正常データとし、閾値より下の充填度であった場合に得られた評価用波形データを異常データとしてもよい。具体的には、充填度が100%であった場合、又はコンクリート構造物7に空隙が無い場合に得られた評価用波形データを正常データとし、充填度が100%未満であった場合、又はコンクリート構造物7に空隙が有る場合に得られた評価用波形データを異常データとしてもよい。また、学習データは、非破壊検査したときのケーブルシース71のグラウト充填状況が予め設定された閾値以上の複数種類の充填度であった場合に得られた複数の評価用波形データを正常データとし、閾値未満の複数種類の充填度であった場合に得られた評価用波形データを異常データとしてもよい。具体的には、閾値を80%として、充填度が100%、及び90%であった場合に得られたそれぞれの評価用波形データを正常データとし、充填度が70%、及び50%であった場合に得られたそれぞれの評価用波形データを異常データとしてもよい。また、学習データは、規格化した評価用波形データであってもよい。
また、復元モデルは、過去の評価用波形データの周波数毎の強度、及び周波数帯をばらつかせて新たに評価用波形データを生成し、生成した評価用波形データをさらに学習データとしてもよい。例えば復元モデルは、過去に実測した評価用波形データの周波数毎の強度の70%~130%の強度を有する評価用波形データを生成し、生成した評価用波形データをさらに学習データとしてもよい。これは、弾性波を入力する装置の入力地ばらつきを考慮した値である。また、復元モデルは、過去の評価用波形データの他に、擬似的に生成した評価用波形データを学習データとして用いてもよい。擬似的に生成した評価用波形データは、想定するシース深さと想定する弾性波のコンクリート伝搬速度を用いて、算出された仮想のピークを有する波形のデータである。また、擬似的に生成した評価用波形データは、人工的に作成した評価用波形データを含む。また、復元モデルは、過去の評価用波形データの周波数との差が200Hz以下の周波数を有する評価用波形データを新たに生成し、生成した評価用波形データを学習データとして取得してもよい。これは、評価する弾性波のコンクリート伝搬速度がコンクリート構造物7で一様ではなくばらつきを有すること、空隙やケーブルシース71の位置の設計と施工に誤差を有することを考慮した値である。これにより、グラウト充填状況等の空隙を評価するときに、取得する評価用波形データの周波数毎の強度及び周波数にばらつきがある場合においても、精度よく評価することが可能となる。
復元モデルは、入力層と出力層とのノード61の数が同じであり、中間層のノード61の数が、入力層のノード61の数よりも少なくなる。例えば入力層と出力層のノード61の数を4750個とし、中間層のノード61の数を8個としてもよい。また、復元モデルにおいて、入力層の各ノード61は、中間層の各ノード61と3段階以上の連関度により接続され、中間層の各ノード61は、出力層の各ノード61と3段階以上の連関度により接続される。また、入力層と中間層との間、又は中間層と出力層との間にそれぞれ複数の隠れ層を設けてもよい。隠れ層の各ノード61は、隣接する層の各ノード61に3段階以上の連関度により接続される。
連関度は、各ノード61間での的確性を示すものである。連関度は、例えば評価用波形データAを入力とする入力層のノード61aに対して、隠れ層のノード61bとノード61cとがそれぞれ連関度30%、連関度60%で接続されている。かかる場合、連関度が高いノード61cの方がノード61bと比較して、的確な判断に近いということになる。この連関度は例えば5段階又は百分率等により示されてもよい。
また、復元モデルの学習に用いる学習データとして、擬似的に生成された学習用波形データを用いてもよい。この学習用波形データの生成方法について説明する。図6は、本発明を適用したコンクリート空隙評価システム1が学習用波形データを生成する動作を示すフローチャートである。
まず、ステップS1において、非破壊検査部8は、例えば衝撃弾性波法、インパクトエコー法、超音波法等の非破壊検査手法により、コンクリート構造物7の検査データを検出する。非破壊検査部8は、ステップS11と同様に、検査データを検出する。また、かかる場合、用いるコンクリート構造物7は、ステップS11において用いられる実際にグラウト充填状況を評価するコンクリート構造物7を用いてもよいが、これに限らず、任意のコンクリート構造物7を用いてもよい。
また、ステップS1において、評価装置2は、コンクリート構造物7の条件に関する条件データを取得する。条件データは、コンクリート構造物7の条件に関するデータである。また、条件データは、クラウド充填の条件に関するデータであってもよい。条件データは、例えば、使用するPC鋼材72の材質と位置、鉄筋の位置、シース材質と位置、充填率、コンクリート構造物7のエッジの影響、コンクリート構造物7の部材厚さの変化、弾性波のコンクリート伝搬速度、付属する金物等のデータである。また、条件データは、コンクリート構造物7に対する非破壊検査部8が検査を行う部材の面の傾きのデータであってもよい。また、条件データは、ケーブルシース71の形態データ、付帯データ、深さデータ、構成データ、形状データの何れかが含まれてもよい。ステップS1において、評価装置2は、例えば入力された図面や橋梁調書からPC鋼材72の種類、シース材質、図面や非破壊検査から鉄筋位置、図面や外観調査からコンクリート構造物7のエッジ位置や形状、付属する金物の材質、位置、抜き取り検査から弾性波のコンクリート伝搬速度等の条件データを取得してもよい。
次にステップS2において、変換装置9は、ステップS12と同様に、非破壊検査部8により検出された検査データについて、必要に応じて各種解析を行い、また後段の探索装置による探索を行い易くするために必要に応じて波形データに加工を施す。変換装置9は、変換した波形データを生成用波形データとして、評価装置2に出力する。生成用波形データは、復元モデルの学習データとして用いる学習用波形データを生成するための波形データである。
次に、ステップS3において、評価装置2は、学習用波形データを生成する。学習用波形データは、復元モデルの学習データに用いる波形データである。学習用波形データは、生成用波形データに条件データの条件を反映させ、擬似的に生成された波形データである。学習用波形データは、条件に基づく特徴を含む波形データである。評価装置2は、例えば生成用波形データと条件データとを入力データとし、学習用波形データを出力データとする学習データを用いて学習された生成モデルを参照し、ステップS1及びステップS2により取得された生成用波形データと条件データとに基づいて、学習用波形データを生成する。
生成モデルの生成方法として、例えばニューラルネットワークをモデルとした機械学習を用いて、生成モデルを生成してもよい。生成モデルは、例えばCNN(Convolution Neural Network) 等のニューラルネットワークをモデルとした機械学習を用いて学習されるほか、任意のモデルが用いられてもよい。また、生成モデルの生成方法として、例えば検索拡張生成(RAG:Retrieval-Augmented Generation)、seq2seq(Sequence To Sequence)線形判別、サポートベクターマシン、k-近傍法、ランダムフォレスト、ディープラーニング等を用いて、生成モデルを生成してもよい。
かかる場合、生成モデルには、例えば図7に示すように、入力データである生成用波形データ及び条件データと出力データである学習用波形データとの間における連関度を有する連関性が記憶される。連関度は、入力データと出力データとの繋がりの度合いを示しており、例えば連関度が高いほど各データの繋がりが強いと判断することができる。連関度は、例えば百分率等の3値以上又は3段階以上で示されるほか、2値又は2段階で示されてもよい。また、連関度の学習に用いられる、条件データ及び学習用波形データは、例えば予め取得した学習データに用いるための生成用波形データ、条件データ及び学習用波形データであるがこれに限らず、任意のタイミングで取得したデータを用いてもよい。
例えば連関性は、複数の入力データ、対、複数の出力データの間における繋がりの度合いにより構築される。連関性は、機械学習の過程で適宜更新され、例えば複数の入力データ、及び複数の出力データに基づいて最適化された関数を用いた分類器を示す。なお、連関性は、例えば各データの間における繋がりの度合いを示す複数の連関度を有してもよい。連関度は、例えばデータベースがニューラルネットワークで構築される場合、重み変数に対応させることができる。連関性は、例えば図7に示すように、複数の入力データと、複数の出力データとの間における繋がりの度合いを示してもよい。この場合、連関性を用いることで、図7の「生成用波形データA及び条件データA」~「生成用波形データC及び条件データC」のそれぞれの入力データに対し、「学習用波形データA」~「学習用波形データC」の複数の出力データとの関係の度合いを紐づけて記憶させることができる。このため、例えば連関性を介して、1つの出力データに対して、複数の入力データを紐づけることができる。これにより、入力データに対して多角的な出力データの選択を実現することができる。また、入力データ及び出力データは、これに限らず、任意の種類のデータがさらに用いられてもよい。
連関性は、例えば各入力データと、各出力データとをそれぞれ紐づける複数の連関度を有する。連関度は、例えば百分率、10段階、又は5段階等の3段階以上で示され、例えば線の特徴(例えば太さ等)で示される。例えば、入力データに含まれる「生成用波形データA及び条件データA」は、出力データに含まれる「学習用波形データA」との間の連関度AA「73%」を示し、出力データに含まれる「学習用波形データB」との間の連関度AB「12%」を示す。すなわち、「連関度」は、各データ間における繋がりの度合いを示しており、例えば連関度が高いほど、各データの繋がりが強いことを示す。
このような図7に示す3段階以上の連関度を予め取得しておく。つまり実際の解の判別を行う上で、入力データと、出力データとの何れが採用、評価されたか、過去のデータセットを蓄積しておき、これらを分析、解析することで図7に示す連関度を作り上げておく。
例えば、過去において「生成用波形データB及び条件データB」という入力データに対して、「学習用波形データB」が最も適合性が高いと判断され、評価されたものとする。このようなデータセットを集めて分析することにより、入力データと出力データとの連関度が強くなる。
この分析、解析は人工知能により行うようにしてもよい。かかる場合には、例え「生成用波形データB及び条件データB」という入力データに対して、「学習用波形データB」が推定される事例が多い場合には、この「生成用波形データB及び条件データB」と「学習用波形データB」とにつながる連関度をより高く設定する。
また、この連関度は、人工知能におけるニューラルネットワークのノードで構成されるものであってもよい。即ち、このニューラルネットワークのノードが出力に対する重み付け係数が、上述した連関度に対応することとなる。またニューラルネットワークに限らず、人工知能を構成するあらゆる意思決定因子で構成されるものであってもよい。
また、生成モデルは、入力データと出力データとの間に少なくとも1以上の隠れ層が設けられ、機械学習させるようにしてもよい。入力データ又は隠れ層データの何れか一方又は両方において上述した連関度が設定され、これが各データの重み付けとなり、これに基づいて出力の選択が行われる。そして、この連関度がある閾値を超えた場合に、その出力を選択するようにしてもよい。
このような連関度が、人工知能でいうところの学習データとなる。このような学習データを予め学習し、実際にステップS3において、評価装置2は、新たに生成用波形データ及び条件データに基づいて、学習用波形データの出力を行うこととなる。出力の際には、例えば予め取得した図7に示す連関度を参照する。例えば、新たに取得した生成用波形データ及び条件データが「生成用波形データA及び条件データA」と同一かこれに類似するものである場合には、連関度を介して「学習用波形データA」との間の連関度AA「73%」、「学習用波形データB」との間の連関度AB「12%」で関連付けられている。この場合には、連関度の最も高い「生成用波形データA及び条件データA」を最適解として選択する。但し、最も連関度の高いものを最適解として選択することは必須ではなく、連関度は低いものの連関性そのものは認められる「学習用波形データB」を最適解として選択するようにしてもよい。また、これ以外に矢印が繋がっていない出力解を選択してもよいことは勿論であり、連関度に基づくものであれば、その他いかなる優先順位で選択されるものであってもよい。
このような連関度を参照することにより、生成用波形データ及び条件データが、入力データと同一又は類似である場合のほか、非類似である場合においても、入力データに適した出力データを定量的に選択することができる。
生成モデルは、例えば復元モデルと同様に、入力した生成用波形データを圧縮し、圧縮した生成用波形データを復元した学習用波形データを出力するモデルであってもよい。かかる場合、予め取得した条件データに応じて、それぞれ異なる学習データを用いて、生成された複数の生成モデルから、ステップS1により取得した条件データに対応する生成モデルを参照し、入力した生成用波形データを圧縮し、圧縮した生成用波形データを復元した学習用波形データを出力する。
また、ステップS3において、評価装置2は、生成された学習用波形データに基づいて、さらに新たな学習用波形データを生成してもよい。かかる場合、例えば、生成された学習用波形データの強度を0.1以上から10倍以内に変化させた波形データを新たに学習用波形データとして取得してもよい。また、例えば生成された学習用波形データと新たに取得した条件データとに基づいて、新たに学習用波形データを生成してもよい。かかる場合、例えば、条件データとして、ケーブルシース71のPC鋼材72の位置をケーブルシース71の径の3倍以内の距離だけずらした条件を用いて、新たに学習用波形データを生成してもよい。
図8(a)は、グラウト充填率が100%のケーブルシース71の断面を示す図である。図8(b)は、グラウト充填率が50%のケーブルシース71の断面を示す図である。図8(c)は、グラウト充填率が100%未満のケーブルシース71の断面を示す図である。図8(d)は、PC鋼材72間に空間73がある場合のケーブルシース71の断面を示す図である。ステップS3において、評価装置2は、例えば図8に示すような充填率を条件とする条件データを用いて、新たに学習用波形データを生成してもよい。また、評価装置2は、生成した学習用波形データを分類してもよい。
評価装置2は、例えば充填率が100%未満の条件の条件データに基づいて生成された学習用波形データを異常データとして分類してもよい。また、評価装置2は、条件データと紐づけて学習用波形データを分類してもよい。かかる場合、評価装置2は、例えば条件データに含まれる形態データ、付帯データ、深さデータ、構成データ、形状データ毎に学習用波形データを紐づけて、分類してもよい。
また、評価装置2は、生成モデルを参照し、生成された学習用波形データと条件データとに基づいて、新たに学習用波形データを生成してもよい。また、評価装置2は、例えば学習用波形データを入力データとし、判定結果を出力データとする学習データを用いて学習された判定モデルを参照し、ステップS3により生成された学習用波形データに基づいて、学習用波形データを判定してもよい。判定結果は、学習用波形データに異常がないか、又は正常であるかどうかを示す情報である。これにより、生成された学習用波形データに異常がないかを判定することができるため、より高精度に学習用波形データを生成することができる。
上述したステップS1~S3により、学習用波形データの生成の動作が完了する。評価装置2は、生成した学習用波形データを復元モデルの学習データとして用いて、復元モデルの学習を行う。これにより、グラウトの充填状況の評価のための学習データを生成することが可能となる。
コンクリート空隙評価システム1は、予め上述した復元モデルを生成しておき、データベース3に記憶し、評価装置2の要請に応じて、評価装置2に復元モデルを出力してもよい。ステップS13において、評価装置2は、上述した復元モデルを参照し、ステップS12により出力された評価用波形データに基づく復元データを出力する。
また、ステップS13において、評価装置2は、特定の条件データに紐づく学習用波形データのみを学習データとして生成された復元モデル参照し、復元データを出力してもよい。また、ステップS13において、評価装置2は、例えば正常データのみを学習データとして生成された復元モデル参照し、復元データを出力してもよい。これにより、復元データは、正常データの特徴に基づいて復元されるため、正常データの特徴に基づいた評価用波形データとなる。これにより、評価用波形データと正常データとの比較が可能となり、高精度にグラウト充填状況を評価することができる。
また、ステップS13において、評価装置2は、異常データのみを学習データとして生成された復元モデル参照し、復元データを出力してもよい。これにより、復元データは、異常データの特徴に基づいて復元されるため、異常データの特徴に基づいた評価用波形データとなる。これにより、評価用波形データと異常データとの比較が可能となり、高精度にグラウト充填状況等の空隙を評価することができる。
また、データベース3は、複数の復元モデルを学習データの特徴に紐づけてそれぞれ記憶するようにしてもよい。データベース3は、複数の復元モデルを、学習用波形データを生成する際に用いた条件データに紐づけてそれぞれ記憶するようにしてもよい。例えば、復元モデルは、それぞれ学習データを取得したときの、ユーザから入力された又はステップS1において取得した条件データに含まれるコンクリート構造物7の構成部材に関する構成データに紐づけて記憶されてもよい。かかる場合、ステップS13において、評価装置2は、例えば操作部25を介して、ユーザから入力された構成データを取得し、取得した構成データと同一又は対応する構成データと紐づく学習用波形データを用いて学習された復元モデルを参照し、復元データを出力する。これにより、構成データに応じて、それぞれ適切な復元モデルを参照することが可能となり、コンクリート構造物7の構成部材が異なる場合においても、精度よくグラウト充填状況を評価することが可能となる。なお、コンクリート構造物7の構成部材に関する構成データとは、例えばT桁、I桁、箱桁などの構造形式や張出床版、ウェブ、フランジなどの部位を示すデータを意味する。
図9は、T字型のコンクリート構造物9の断面を示す図である。コンクリート構造物9が例えば図9に示すようにエッジを有するT型である場合、非破壊検査を行った際に、エッジ7Tから反射された波形AとPC鋼材72から反射された波形Bとが合成した波形が検出される。このため、エッジ7Tから反射された波形Aによる影響を考慮する必要がある。ステップS13において、評価装置2は、入力された構成データを取得し、取得した構成データと同一又は対応する構成データと紐づく学習用波形データを用いて学習された復元モデルを参照し、復元データを出力することにより、このエッジ7Tから反射された波形Aによる影響を考慮した復元データを出力することが可能となる。
図10(a)は、I字型のコンクリート構造物7に対する非破壊検査の様子を示す図である。図10(b)は、I字型のコンクリート構造物7に対する非破壊検査を行った場合の波形データを示す図である。I字型のコンクリート構造物7に対して非破壊検査を行った場合、端部から反射される波形P1とクラウド未充填のケーブルシース71から反射される波形P2とが検出される。このため、端部から反射される波形P1とクラウド未充填のケーブルシース71から反射される波形P2とによる影響を考慮する必要がある。ステップS13において、評価装置2は、入力された構成データを取得し、取得した構成データと同一又は対応する構成データと紐づく学習用波形データを用いて学習された復元モデルを参照し、復元データを出力することにより、この端部から反射される波形P1とクラウド未充填のケーブルシース71から反射される波形P2とによる影響を考慮した復元データを出力することが可能となる。
また、復元モデルはそれぞれ学習データを取得したときの、ユーザから入力された又はステップS1において取得した条件データに含まれるコンクリート構造物7の断面形状に関する形状データに紐づけて記憶されてもよい。かかる場合、ステップS13において、評価装置2は、例えば操作部25を介して、ユーザから入力された又はステップS1において取得した条件データに含まれる形状データを取得し、当該形状データと同一又は対応する形状データと紐づく学習用波形データを用いて学習された復元モデルを参照し、復元データを出力する。これにより、形状データに応じて、それぞれ適切な復元モデルを参照することが可能となり、コンクリート構造物7の断面形状が異なる場合においても、精度よくグラウト充填状況を評価することが可能となる。なお、コンクリート構造物7の断面形状に関する形状データとは、例えば部材の厚さ、幅、長さ等で、部材端からの距離も含む。
また、復元モデルはそれぞれ学習データを取得したときの、ユーザから入力された又はステップS1において取得した条件データに含まれるコンクリート構造物7の表面から新たにグラウト充填状況を評価するケーブルシース71までの深さデータに紐づけて記憶されてもよい。かかる場合、ステップS13において、評価装置2は、例えば操作部25を介して、ユーザから入力された又はステップS1において取得した条件データに含まれる深さデータを取得し、当該深さデータと同一又は対応する深さデータと紐づく学習用波形データを用いて学習された復元モデルを参照し、復元データを出力する。これにより、深さデータに応じて、それぞれ適切な復元モデルを参照することが可能となり、コンクリート構造物7の表面からケーブルシース71等の空隙の対象までの深さが異なる場合においても、精度よくグラウト充填状況等のコンクリート構造物7の空隙を評価することが可能となる。
また復元モデルは、それぞれ学習データを取得したときの、ユーザから入力された又はステップS1において取得した条件データに含まれる付帯データと復元モデルとを紐づけて記憶されてもよい。付帯データは、ケーブルシース71の形態データ、ケーブルシース71の配置データ、ケーブルシース71が設けられるコンクリート構造物7内に設けられた緊張材(PC鋼材)に関する緊張材データ、ケーブルシース71内に充填されるグラウトに関するグラウトデータ、ケーブルシース71が設けられるコンクリート構造物7内に打設されるコンクリートデータ、ケーブルシース71に対する非破壊検査の試験条件のデータ、ケーブルシース71が設けられるコンクリート構造物7の表面状態データ、ケーブルシース71が設けられるコンクリート構造物7内の構成データの何れか1以上を含む。
ケーブルシース71の形態データとしては、ケーブルシース71の長さ、ケーブルシース71の径、ケーブルシースの材質、ケーブルシースの腐食程度,ケーブルシースが腐食により消失した等である。ケーブルシース71の配置データは、コンクリート構造物7内におけるケーブルシース71の配置形態に関するあらゆるデータが含まれる。このケーブルシース71の配置データの例としては、例えば、正面視におけるケーブルシースが並列で配置されているか否か、またケーブルシース71間の間隔等に関するデータが含まれる。緊張材データとしては、PC鋼材の長さ、PC鋼材の種類や、緊張力等である。グラウトデータは、グラウトのヤング係数等である。コンクリートデータは、コンクリート構造物7に打設されたコンクリートのヤング係数やかぶりコンクリートの有無等である。非破壊検査の試験条件のデータは、衝撃弾性波法の場合には、検査対象を打撃する鋼球の衝撃力等に関するデータが含まれる。非破壊検査の試験条件のデータは、インパクトエコー法の場合には、検査対象を打撃するための打撃用鋼球径等に関するデータが含まれる。非破壊検査の試験条件のデータは、超音波法の場合には、検査対象に向けて付与する超音波の周波数等に関するデータが含まれる。コンクリート構造物7の表面状態データは、凹凸の有無や、ひび割れ状況、乾湿状況等のデータが含まれる。コンクリート構造物7内の構成データは、鉄筋の配置間隔等である。
図6(a)は、グラウトの充填度が100%のときに取得した評価用波形データと正常データを学習データとして生成された復元モデルを参照し、圧縮した評価用波形データを復元した復元データとを示す図である。図6(b)は、グラウトの充填度が0%のときに取得した評価用波形データと正常データを学習データとして生成された復元モデルを参照し、圧縮した評価用波形データを復元した復元データとを示す図である。
ステップS14において、図6(a)及び図6(b)に示すように、評価装置2は、ステップS12において変換された評価用波形データとステップS13において出力された復元データとに基づいて、グラウト充填状況を評価する。評価装置2は、例えばステップS12において変換された評価用波形データとステップS13において出力された復元データとの差分に基づいて、異常値を計算してもよい。かかる場合、例えば、評価用波形データと復元データとの各周波数の周波数毎の強度の差分値を2乗した値の累計を異常値としてもよい。また、評価装置2は、例えばステップS12において変換された評価用波形データとステップS13において出力された復元データとの比率に基づいて、異常値を計算してもよい。かかる場合、例えば、評価用波形データと復元データとの各周波数の周波数毎の強度の比率に-1を加算したものを2乗した値の累計を異常値としてもよい。この異常値は、評価用波形データと復元データとの差分に応じて大きくなるため、評価用波形データと復元データとの違いを示す指標となる。復元データは、ステップS13において参照した復元モデルの学習データの特徴が反映された評価用波形データであるため、異常値が大きいということは評価用波形データには学習データの特徴が含まれていないということを示す。例えば図6(a)及び図6(b)に示すように、正常データを学習データとして生成された復元モデルを参照した場合、グラウトの充填度が100%のときに取得した評価用波形データを入力した図6(a)と比較して、グラウトの充填度が100%のときに取得した評価用波形データを入力した図6(b)の異常値の方が大きくなる。これにより、例えば学習データを正常データとすることで評価用波形データと正常データとの類似度を評価することが可能となり、学習データを異常データとすることで、評価用波形データと異常データとの類似度を評価することが可能となる。これにより、周波数が卓越する場合、又はケーブルシース71が複数配置されたコンクリート構造物7において、グラウト充填状況等の空隙の評価を行う場合においても、高精度に空隙を評価することが可能となる。
また、ステップS14において、評価装置2は、複数の評価用波形データと、当該評価用波形データから得られたそれぞれの復元データとの比較に基づいて、それぞれ異常値を計算し、計算した複数の異常値の平均を異常値としてもよい。
次にステップS15へ移行し、ステップS14において評価したケーブルシース71内へのグラウト充填状況を表示部23を介して表示する。これによりユーザは、表示部23を視認することにより、これからコンクリート構造物7の空隙の状況を即座に把握することが可能となる。
更に本発明では、上述した連関度を更新させるようにしてもよい。この更新は、例えばインターネットを始めとした公衆通信網を介して提供されたデータを反映させるようにしてもよい。公衆通信網から取得可能なサイトデータや書き込み等を通じて、入力パラメータと、出力解(空隙の評価結果)との関係性について新たな知見が発見された場合には、当該知見に応じて連関度を上昇させ、或いは下降させる。
この連関度の更新は、公衆通信網から取得可能なデータに基づく場合以外に、専門家による研究データや論文、学会発表や、新聞記事、書籍等の内容に基づいてシステム側又はユーザ側が人為的に、又は自動的に更新するようにしてもよい。これらの更新処理においては人工知能を活用するようにしてもよい。
次に、本発明を適用したコンクリート空隙評価システム1の評価結果について図を用いて説明する。
図12は、コンクリート供試体70の模式図である。コンクリート供試体70は、構造物を模したコンクリート部材からなる供試体である。コンクリート供試体70は、例えば短辺400mm、長辺が1000mmとなる長方形を断面とする直方体である。コンクリート供試体70は、内部にケーブルシース71を備える。Yは、コンクリート供試体70の下面70aからケーブルシース71までの深さを示す。
このコンクリート供試体70の下面70aにZ方向から弾性波を加振する非破壊検査により取得した評価用波形データを、本発明を適用したコンクリート空隙評価システム1に入力する。また、このとき、深さYが120mmとし、ケーブルシース71のグラウト充填度が0%、100%の充填度毎に取得した評価用波形データを用いて評価を行う。また、このとき、グラウト充填度が100%のときに取得した評価用波形データを学習データとして生成した復元モデルを用いる。
図13は、グラウト充填度毎のデータ数に対する異常値を示すグラフである。図13において、それぞれ三角の凡例は、グラウト充填度が100%、円形の凡例は、グラウト充填度が0%のときの異常値を示す。また、大凡例はグラウト充填度毎の異常値の平均を示す。
図13に示すように、グラウトの充填度が0%と100%との場合を比較すると、グラウト充填度が、100%の場合の方が異常値が低くなり、グラウト充填度が0%の場合では、異常値が大きくなる。このことから、復元データは、グラウト充填度が100%の場合に取得した正常データの特徴に基づいて復元されている。これにより、本発明を適用したコンクリート空隙評価システム1を用いることで、グラウトの充填状況等の空隙の状況を高精度に評価することが可能となる。
1 コンクリート空隙評価システム
2 評価装置
3 データベース
7 コンクリート構造物
8 非破壊検査部
9 変換装置
21 内部バス
23 表示部
24 制御部
25 操作部
26 通信部
27 探索部
28 記憶部
29 生成部
61 ノード
70 コンクリート供試体
71 ケーブルシース
72 PC鋼材
73 空間
107 PC構造物
171 ケーブルシース

Claims (10)

  1. PC構造物のケーブルシースに対する非破壊検査により得られる生成用波形データと、グラウト充填の条件に関する条件データとを取得する第1取得手段と、
    前記第1取得手段により取得された生成用波形データと条件データとに基づいて、前記条件に基づく学習用波形データを生成する生成手段とを備え、
    前記生成手段は、生成用波形データと条件データとを入力データとし、生成用波形データに条件データの条件を反映させた学習用波形データを出力データとする生成モデルであって、学習データを用いて学習された前記生成モデルを参照し、前記第1取得手段により取得された生成用波形データに、前記第1取得手段により取得された条件データの条件を反映させた前記学習用波形データを生成すること
    を特徴とするグラウト充填の学習データ生成システム。
  2. グラウト充填状況を評価するケーブルシースに対する非破壊検査により得られる評価用波形データを取得する第2取得手段と、
    前記生成手段により生成された学習用波形データを学習データとして機械学習により生成され、入力した評価用波形データにおいて特徴を有する周波数を限定し、限定した前記特徴に基づいて評価用波形データを復元した復元データを出力する復元モデルを参照し、前記第2取得手段により取得された評価用波形データに基づく復元データを出力する出力手段と、
    前記出力手段により出力された復元データと前記第2取得手段により取得された評価用波形データとに基づいて、前記グラウト充填状況を評価する評価手段とを備えること
    を特徴とする請求項1に記載のグラウト充填の学習データ生成システム。
  3. 前記第1取得手段は、前記PC構造物の構成部材に関する構成データを含む前記条件データを取得すること
    を特徴とする請求項1に記載のグラウト充填の学習データ生成システム。
  4. 前記第1取得手段は、前記PC構造物の断面形状に関する形状データを含む前記条件データを取得すること
    を特徴とする請求項1に記載のグラウト充填の学習データ生成システム。
  5. 前記第1取得手段は、前記PC構造物の表面から前記ケーブルシースまでの深さに関する深さデータを含む前記条件データを取得すること
    を特徴とする請求項1に記載のグラウト充填の学習データ生成システム。
  6. 前記第1取得手段は、前記ケーブルシースに関する付帯データを含む前記条件データを取得すること
    を特徴とする請求項1に記載のグラウト充填の学習データ生成システム。
  7. PC構造物のケーブルシースに対する非破壊検査により得られる生成用波形データと、グラウト充填の条件に関する条件データとを取得する第1取得ステップと、
    前記第1取得ステップにより取得された生成用波形データと条件データとに基づいて、前記条件に基づく学習用波形データを生成する生成ステップとをコンピュータに実行させ、
    前記生成ステップは、生成用波形データと条件データとを入力データとし、生成用波形データに条件データの条件を反映させた学習用波形データを出力データとする生成モデルであって、学習データを用いて学習された前記生成モデルを参照し、前記第1取得ステップにより取得された生成用波形データに、前記第1取得ステップにより取得された条件データの条件を反映させた前記学習用波形データを生成すること
    を特徴とするグラウト充填の学習データ生成プログラム。
  8. コンクリート構造物に対する非破壊検査により得られる生成用波形データと、コンクリート構造物の条件に関する条件データとを取得する第1取得手段と、
    前記第1取得手段により取得された生成用波形データと条件データとに基づいて、前記条件に基づく学習用波形データを生成する生成手段とを備え、
    前記生成手段は、生成用波形データと条件データとを入力データとし、生成用波形データに条件データの条件を反映させた学習用波形データを出力データとする生成モデルであって、学習データを用いて学習された前記生成モデルを参照し、前記第1取得手段により取得された生成用波形データに、前記第1取得手段により取得された条件データの条件を反映させた前記学習用波形データを生成すること
    を特徴とするコンクリート空隙評価の学習データ生成システム。
  9. 空隙を評価するコンクリートに対する非破壊検査により得られる評価用波形データを取得する第2取得手段と、
    前記生成手段により生成された学習用波形データを学習データとして機械学習により生成され、入力した評価用波形データにおいて特徴を有する周波数を限定し、限定した前記特徴に基づいて評価用波形データを復元した復元データを出力する復元モデルを参照し、前記第2取得手段により取得された評価用波形データに基づく復元データを出力する出力手段と、
    前記出力手段により出力された復元データと前記第2取得手段により取得された評価用波形データとに基づいて、前記コンクリートの空隙を評価する評価手段とを備えること
    を特徴とする請求項8に記載のコンクリート空隙評価の学習データ生成システム。
  10. コンクリート構造物に対する非破壊検査により得られる生成用波形データと、コンクリート構造物の条件に関する条件データとを取得する第1取得ステップと、
    前記第1取得ステップにより取得された生成用波形データと条件データとに基づいて、前記条件に基づく学習用波形データを生成する生成ステップとをコンピュータに実行させ、
    前記生成ステップは、生成用波形データと条件データとを入力データとし、生成用波形データに条件データの条件を反映させた学習用波形データを出力データとする生成モデルであって、学習データを用いて学習された前記生成モデルを参照し、前記第1取得ステップにより取得された生成用波形データに、前記第1取得ステップにより取得された条件データの条件を反映させた前記学習用波形データを生成すること
    を特徴とするコンクリート空隙評価の学習データ生成プログラム。
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CN114693615A (zh) 2022-03-17 2022-07-01 常州工学院 一种基于域适应的深度学习混凝土桥梁裂缝实时检测方法
JP7216238B1 (ja) 2022-06-29 2023-01-31 オリエンタル白石株式会社 グラウト充填状況評価システム及びグラウト充填状況評価プログラム

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岡本 誠史ほか,GANの手法を用いた打音の生成および打音探査の定量的評価精度の向上,第36回人工知能学会全国大会論文集[online],インターネット<URL: https://doi.org/10.11517/pjsai.JSAI2022.0_1O1GS705>
田村誠一,PCグラウト充填判定への深層学習の適用に関する検討,AI・データサイエンス論文集,2021年11月17日,Vol.2 No.J2,pp.485-494

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