JP7503022B2 - 容器内の液体の動きを触覚としてユーザに伝達する携帯機器、プログラム及び方法 - Google Patents
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Description
樽型デバイスには、トラッキングマーカがアタッチされており、樽型デバイスの位置や傾きがトラッキングされる。ゲームエンジン内の樽容器オブジェクトに、トラッキングの検出値が適用され、樽型デバイスの動きがゲームエンジン内で再現される。そして、シミュレートした流体の重心位置に応じて、樽型デバイスの重りの位置を更新される。これによって、樽内の流体の動きがもたらす触覚刺激が、ユーザに提示される。
容器内の液体量を模した質量mを記憶するメモリと、
容器の水平成分の加速度Aを検知する加速度センサと、
質量m及び加速度Aを用いて、当該質量mが容器底面に作用する水平力である触覚力Fを算出するプロセッサと、
触覚力Fを電気信号Soutに変換する駆動手段と、
電気信号に応じた振動力を発生させて、ユーザの手に触覚を伝達するアクチュエータと
を有することを特徴とする。
プロセッサは、容器が、円筒状側面及び球面状底面を有するグラス形状を有し、球面状底面に対する曲率中心が円筒中心の鉛直線上にある、と模して触覚力Fを算出する
ことも好ましい。
プロセッサは、質量m(kg)と、加速度A(m/s2)と、当該加速度Aから所定運動方程式によって得られる質点Mの内部流体加速度a(m/s2)と、当該内部流体加速度aから単位時間で積分した質点Mの速度v(m/s)と、当該速度vから単位時間で積分した質点Mの距離x(m)とを用いて、触覚力F(N)を算出する
ことも好ましい。
メモリは、質量比バネ係数k(N/m・kg)及びダンパ係数c(N/(m/s))を更に記憶し、
プロセッサは、バネ-ダンパ振動系モデルをシミュレーションするべく、以下の所定運動方程式によって触覚力Fを算出する
k・m・x+c・v+m(a-A)=0
F=k・m・x+c・v
ことも好ましい。
駆動手段は、触覚力F(N)を、以下のように変換した電気信号Sout(V)を、アクチュエータへ出力する
Sout=G・|F|・Sw
G(1/N):力比利得(Gain per force)係数
Sw(V) :ホワイトノイズ
ことも好ましい。
駆動手段は、距離xが、容器の円筒中心から内壁までの距離Rに達した際に、電気信号Simpact_inに、運動量m・vに応じた利得を乗算した電気信号Simpact_outを出力する
Simpact_out=Gimpact・m・||v||・Simpact_in
Gimpact(s/N) :運動量比利得(Gain per momentum)係数
Simpact_in(V):衝突時入力信号
ことも好ましい。
アクチュエータは、振動を発生するボイスコイル、スピーカ又はピエゾ素子であってもよい。
他の携帯機器とネットワークを介して通信可能な通信インタフェースを更に有し、
メモリは、通信インタフェースによって他の携帯機器から受信した質量mを設定する
ことも好ましい。
コンピュータに、
加速度センサによって、容器の水平成分の加速度Aを検知する第1のステップと、
質量m及び加速度Aを用いて、当該質量mが容器底面に作用する水平力である触覚力Fを算出する第2のステップと、
触覚力Fを電気信号Soutに変換する第3のステップと、
アクチュエータによって、電気信号に応じた振動力を発生させて、ユーザの手に触覚を伝達する第4のステップと
を実行させることを特徴とする。
プロセッサに、
加速度センサによって、容器の水平成分の加速度Aを検知する第1のステップと、
質量m及び加速度Aを用いて、当該質量mが容器底面に作用する水平力である触覚力Fを算出する第2のステップと、
触覚力Fを電気信号Soutに変換する第3のステップと、
アクチュエータによって、電気信号に応じた振動力を発生させて、ユーザの手に触覚を伝達する第4のステップと
を実行させることを特徴とする触覚発生方法。
ここで、遠隔にありながら、例えばユーザbが、遠隔機器のボトルを、ユーザaの携帯機器1のグラスへお酌するような仕草をすることによって、携帯機器1は、遠隔機器から注入されたと想定される「質量m」を受信することもできる。これによって、ユーザaは、容器形状の携帯機器1に注入されたと想定される質量mの液体の動きを、触覚的に感じることができる。このとき、質量mの変化に応じて、ユーザが触覚的に感じる量も変化させることもでき、リアルなコミュニケーションを体現することができる。
図1のようなシステムは、オンラインによる遠隔にありながら、容器形状の携帯機器1を把持するユーザに、少しでも高い臨場感のコミュニケーションを体現させることができる。
携帯機器1は、メモリ100と、通信インタフェース101と、加速度センサ11と、プロセッサ12と、駆動部13と、アクチュエータ14とを有する。これら機能デバイスは、プロセッサを機能させるプログラムとして実行されるものであってもよい。また、これら機能デバイスの処理の流れは、携帯機器の触覚発生方法としても理解できる。
通信インタフェース101は、他の携帯機器とネットワークを介して通信する。例えば通信インタフェース101は、Bluetooth(登録商標)又は無線LAN(Local Area Network)によって、ユーザ端末2に接続するものであってもよい。ユーザ端末2は、広域ネットワークを介して、他のユーザが所持するユーザ端末や遠隔機器と通信することができる。
メモリ100は、容器内の液体量を模した「質量m」を記憶する。
質量m(kg)は、予め固定的に設定されたものであってもよいし、通信インタフェース101によって他の携帯機器から受信した値を設定したものであってもよい。質量mは、例えば遠隔のユーザにおける「お酌」の仕草におけるボトル(遠隔機器)の傾きから、お酌された液体量として想定されたものであってもよい。即ち、質量mは、インタラクティブに更新されるものである。本発明によれば後述するように、質量mに応じて触覚力Fが変化し、尤もらしい「お酌された」体感をユーザに伝達することができる。
加速度センサ11は、携帯機器1に対する加速度A(m/s2)を、リアルタイムに検知する。加速度センサ11は、一般的なスマートフォンやタブレット端末に搭載されたようなものである。
加速度とは、単位時間当たりの速度の変化である。本発明の加速度センサ11は、携帯機器の揺れを検出する必要があるために、少なくとも水平成分(x、y軸)の加速度Aが得られればよい。
A=[Ax Ay]
加速度センサ11は、検知した加速度A(m/s2)を、プロセッサ12へ出力する。
プロセッサ12は、メモリ100の質量m(kg)と、加速度センサ11の加速度A(m/s2)とを用いて、当該質量mが容器底面に作用する水平力である「触覚力F」を算出する。触覚力Fは、流体が容器底面を押す力における水平方向の分力である。結果的に、触覚力Fは、携帯機器1の容器内で想定される液体の動きを、携帯機器1を把持するユーザの手に触覚的に感じさせる力、となる。
算出された触覚力Fは、駆動部13へ出力される。
そのために、従来、リアルタイムな触覚力Fの物理的なシミュレーションに、演算処理能力が高いプロセッサを必要としていたのに対し、本発明によれば、極めて低廉なプロセッサしか必要としない。これによって、一般的なIoTデバイスにも十分に実装可能となる。
また、球面状底面に対する曲率中心は、円筒中心の鉛直線(z軸)上にあると想定する。曲率中心から、曲率半径rの先に底面があると仮定する。
曲率中心から質点Mへの角度θ
曲率中心から質点Mへの長さr(m)
距離x(m)(=rsinθ)
垂直方向の重力mg
質量比バネ係数k(N/m・kg)
ダンパ係数c(N/(m/s))
k・m・x+c・v+m(a-A)=0
F=k・m・x+c・v
また、質点Mのx軸の速度v(m/s)は、質点Mのx軸の内部流体加速度aの単位時間の積分によって得られる。
更に、質点Mのx軸の距離x(m)は、質点Mのx軸の速度vの単位時間の積分によって得られる。
F=k・m・x+c・v-m(a-A)=0
F=mgcos(90°-θ)cosθ
=mg/2・sin2θ
ここで、曲率中心から容器底面までの半径rが十分に大きく、且つ、底面の任意の位置にあって2θが十分小さい場合、sin2θは、ほぼ2θと表すことができる。その場合、以下のように表すことができる。
F=mg・x/r
このように、x軸方向の運動は、容器底面の中心部からのx軸の距離xに比例した求心力を伴うバネ機構とみなす、ことができる。また、流体の運動による摩擦減衰を考慮することで、容器底面におけるx軸の運動は、バネ-ダンパ振動系モデルとして考えることができる。
Fx=k・m・x+c・vx
Fy=k・m・y+c・vy
F=[Fx Fy]
駆動部13は、触覚力Fを電気信号Soutに変換する。電気信号Soutとしては、アクチュエータ14が、振動子の場合には電圧値であり、モータの場合には駆動信号であってもよい。そして、駆動部13は、生成した電気信号Soutを、アクチュエータ14へ出力する。
Sout=G・|F|・Sw
G(1/N):力比利得(Gain per force)係数
Sw(V) :ホワイトノイズ
駆動部13は、距離xが、容器の円筒中心から内壁までの距離Rに達した際に、電気信号Soutに、運動量m・vに応じた利得を乗算した電気信号Simpactを出力する。
Simpact_out=Gimpact・m・||v||・Simpact_in
v=[vx vy]
勿論、x軸及びy軸の2次元についてのシミュレーションに限られず、x軸のみ又はy軸のみの単軸についてのシミュレーションであってもよい。
アクチュエータ14は、電気信号に応じた振動力を発生させて、ユーザの手に触覚を伝達する。
アクチュエータ14は、一般的なスマートフォンやタブレット端末に搭載されている振動モジュールである。振動を発生するボイスコイル又はスピーカであってもよい。
前述した従来技術としての非特許文献1及び2によれば、モータ等を用いて静的な力を出力可能な機構を必要とする。比較的高い電力消費を伴うために、バッテリの観点からも、例えばスマートフォンのような携帯端末であっても難しい。これに対し、本発明によれば、アクチュエータ14としてボイスコイルやスピーカを用いるために、電力消費も低くすることができる。
従来、リアルタイムな触覚力Fの物理的なシミュレーションに、演算処理能力が高いプロセッサを必要としていたのに対し、本発明によれば、極めて低廉なプロセッサしか必要としない。これによって、一般的なIoTデバイスにも十分に実装可能となる。
100 メモリ
101 通信インタフェース
11 加速度センサ
12 プロセッサ
13 駆動部
14 アクチュエータ
2 ユーザ端末
Claims (10)
- ユーザが把持する手に接触し、容器と一体的に又は側面に構成された携帯機器であって、
容器内の液体量を模した質量mを記憶するメモリと、
容器の水平成分の加速度Aを検知する加速度センサと、
質量m及び加速度Aを用いて、当該質量mが容器底面に作用する水平力である触覚力Fを算出するプロセッサと、
触覚力Fを電気信号Soutに変換する駆動手段と、
電気信号に応じた振動力を発生させて、ユーザの手に触覚を伝達するアクチュエータと
を有することを特徴とする携帯機器。 - プロセッサは、容器が、円筒状側面及び球面状底面を有するグラス形状を有し、球面状底面に対する曲率中心が円筒中心の鉛直線上にある、と模して触覚力Fを算出する
ことを特徴とする請求項1に記載の携帯機器。 - プロセッサは、質量m(kg)と、加速度A(m/s2)と、当該加速度Aから所定運動方程式によって得られる質点Mの内部流体加速度a(m/s2)と、当該内部流体加速度aから単位時間で積分した質点Mの速度v(m/s)と、当該速度vから単位時間で積分した質点Mの距離x(m)とを用いて、触覚力F(N)を算出する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の携帯機器。 - メモリは、質量比バネ係数k(N/m・kg)及びダンパ係数c(N/(m/s))を更に記憶し、
プロセッサは、バネ-ダンパ振動系モデルをシミュレーションするべく、以下の所定運動方程式によって触覚力Fを算出する
k・m・x+c・v+m(a-A)=0
F=k・m・x+c・v
ことを特徴とする請求項3に記載の携帯機器。 - 駆動手段は、触覚力F(N)を、以下のように変換した電気信号Sout(V)を、アクチュエータへ出力する
Sout=G・|F|・Sw
G(1/N):力比利得(Gain per force)係数
Sw(V) :ホワイトノイズ
ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の携帯機器。 - 駆動手段は、距離xが、容器の円筒中心から内壁までの距離Rに達した際に、電気信号Simpact_inに、運動量m・vに応じた利得を乗算した電気信号Simpact_outを出力する
Simpact_out=Gimpact・m・||v||・Simpact_in
Gimpact(s/N) :運動量比利得(Gain per momentum)係数
Simpact_in(V):衝突時入力信号
ことを特徴とする請求項5に記載の携帯機器。 - アクチュエータは、振動を発生するボイスコイル、スピーカ又はピエゾ素子である
ことを特徴とする請求項6に記載の携帯機器。 - 他の携帯機器とネットワークを介して通信可能な通信インタフェースを更に有し、
メモリは、通信インタフェースによって他の携帯機器から受信した質量mを設定する
ことを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の携帯機器。 - ユーザが把持する手に接触し、容器と一体的に又は側面に構成された携帯機器について、容器内の液体量を模した質量mを記憶するメモリを有する当該携帯機器に搭載されたコンピュータを機能させるプログラムであって、
コンピュータに、
加速度センサによって、容器の水平成分の加速度Aを検知する第1のステップと、
質量m及び加速度Aを用いて、当該質量mが容器底面に作用する水平力である触覚力Fを算出する第2のステップと、
触覚力Fを電気信号Soutに変換する第3のステップと、
アクチュエータによって、電気信号に応じた振動力を発生させて、ユーザの手に触覚を伝達する第4のステップと
を実行させることを特徴とするプログラム。 - ユーザが把持する手に接触し、容器と一体的に又は側面に構成された携帯機器について、容器内の液体量を模した質量mを記憶するメモリと、プロセッサとを有する当該携帯機器の触覚発生方法であって、
プロセッサに、
加速度センサによって、容器の水平成分の加速度Aを検知する第1のステップと、
質量m及び加速度Aを用いて、当該質量mが容器底面に作用する水平力である触覚力Fを算出する第2のステップと、
触覚力Fを電気信号Soutに変換する第3のステップと、
アクチュエータによって、電気信号に応じた振動力を発生させて、ユーザの手に触覚を伝達する第4のステップと
を実行させることを特徴とする触覚発生方法。
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WO2018051606A1 (ja) | 2016-09-14 | 2018-03-22 | ソニー株式会社 | 情報処理装置、情報処理方法、プログラム、及び情報処理システム |
JP2019098231A (ja) | 2017-11-30 | 2019-06-24 | アルプスアルパイン株式会社 | 触覚再現装置及び触覚再現信号生成方法 |
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- 2021-04-20 JP JP2021070818A patent/JP7503022B2/ja active Active
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