JP7496948B1 - 管更生工法 - Google Patents

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JP7496948B1 JP2024052181A JP2024052181A JP7496948B1 JP 7496948 B1 JP7496948 B1 JP 7496948B1 JP 2024052181 A JP2024052181 A JP 2024052181A JP 2024052181 A JP2024052181 A JP 2024052181A JP 7496948 B1 JP7496948 B1 JP 7496948B1
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高志 庵崎
満 山野下
拓也 倉鍵
純一 片山
隆行 小熊
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Abstract

【課題】交通規制を行う範囲を極力小さくしながら、施工時間を短縮すること。【解決手段】管更生方法は、立坑蓋20を一時的に撤去した状態において、管路1に連続するボトム型反転ノズル30に、液状の硬化性樹脂を含浸させた管ライニング材10をセットする工程と、管ライニング材10に対して給水することによって、水頭圧により管ライニング材10を管路1内で反転させる工程と、立坑蓋20を設置する工程と、立坑蓋20が設置された状態において、管ライニング材10に対して加圧することにより管ライニング材10を拡径する工程と、立坑蓋20が設置された状態において、拡径された管ライニング材10内に温水を循環させることにより、管ライニング材10の硬化性樹脂を硬化させる工程と、を含む。【選択図】図5

Description

本発明の一態様は、管更生方法に関する。
老朽管路を更生する管更生方法として、液状の硬化性樹脂を含浸させた管状のライニング材を老朽管路内に反転挿入し、硬化性樹脂を硬化させ老朽管路内に樹脂パイプを形成する方法が知られている(例えば特許文献1参照)。
特開2019-104130号公報
ここで、上述した管更生方法においては、立坑蓋を撤去して、硬化性樹脂の硬化作業等を行う必要があるため、広範囲での交通規制が必要になると共に、施工時間が長くなってしまう。
本発明の一態様は上記実情に鑑みてなされたものであり、交通規制を行う範囲を極力小さくしながら、施工時間を短縮することができる管更生方法を提供することを目的とする。
本発明の一態様に係る管更生方法は、立坑蓋を一時的に撤去した状態において、管路に連続するノズルに、液状の硬化性樹脂を含浸させた管ライニング材をセットする工程と、管ライニング材に対して給水することによって、水頭圧により管ライニング材を管路内で反転させる工程と、立坑蓋を設置する工程と、立坑蓋が設置された状態において、管ライニング材に対して加圧することにより管ライニング材を拡径する工程と、立坑蓋が設置された状態において、拡径された管ライニング材内に温水を循環させることにより、管ライニング材の硬化性樹脂を硬化させる工程と、を含む。
本発明の一態様に係る管更生工法では、立坑蓋が設置された状態において、反転後の管ライニング材が加圧されて拡径されると共に、管ライニング材が加温されて硬化性樹脂の硬化作業が実施される。例えば、立坑蓋が撤去された状態で拡径・硬化作業が実施される場合においては、これらの作業が実施されている状況において、広範囲での交通規制を行う必要がある。このような管更生工法においては、広範囲での交通規制が必要になることによって、全体の施工時間(施工日数)が長くなってしまう。この点、本発明の一態様に係る管更生工法では、立坑蓋が設置された状態において、拡径・硬化作業が実施されるため、立坑蓋が撤去されてこれらの作業が実施される場合と比較して、交通規制を行う範囲を小さくすることができ、このことで、全体の施工時間(施工日数)についても短縮することができる。以上のように、本発明の一態様に係る管更生方法によれば、交通規制を行う範囲を極力小さくしながら、施工時間を短縮することができる。
上記管更生方法は、立坑蓋を設置する工程の前において、立坑蓋を支持するための支持部の一部を貫通するように埋設されたガイド管の内部に、加温設備から管ライニング材に温水を引き込むための温水循環用パイプを通す工程を更に含んでいてもよい。このような管更生工法では、予め支持部に埋設されたガイド管の内部に温水循環用パイプを通すことにより、立坑蓋の設置前において、温水循環用パイプを容易に設置することができる。
上記管更生方法は、立坑蓋を設置する工程の後において、立坑蓋に形成された開閉部を開き、加温設備から管ライニング材に温水を引き込むための温水循環用パイプを設置する工程を更に含んでいてもよい。このような管更生工法では、開閉部が形成された立坑蓋を用いることにより、立坑蓋の設置後において、立坑蓋自体を動かすことなく、開閉部を開くという簡易な作業によって、温水循環用パイプを容易に設置することができる。
上記管更生方法において、管ライニング材を管路内で反転させる工程、立坑蓋を設置する工程、管ライニング材を拡径する工程、及び、管ライニング材の硬化性樹脂を硬化させる工程は、連続的に実施され、工程間において作業が中断されなくてもよい。このように、作業が中断されずに各工程が連続的に実施されることにより、施工時間をより短縮することができる。
本発明の一態様に係る管更生方法によれば、交通規制を行う範囲を極力小さくしながら、施工時間を短縮することができる。
図1は、第1実施形態に係る管更生方法の工程を説明する図である。 図2は、図1に続いて実施される工程を説明する図である。 図3は、図2に続いて実施される工程を説明する図である。 図4は、人孔付立坑蓋の一例を示す斜視図である。 図5は、第1実施形態に係る管更生方法の作業手順を示すフローチャートである。 図6は、第2実施形態に係る管更生方法の工程を説明する図である。 図7は、横孔を利用した構成の配管図である。 図8は、第2実施形態に係る管更生方法の作業手順を示すフローチャートである。
以下、管更生方法の実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
[第1実施形態]
本実施形態に係る管更生方法は、例えば、老朽化した管路1の更生に適用される。本実施形態に係る管更生方法が適用される管路1は、例えば、管径:400mmΦ以上、長さ50m以上の管路である。本実施形態に係る管更生方法では、液状の硬化性樹脂を含浸させた管ライニング材10を老朽化した管路1内に反転挿入し、硬化性樹脂を硬化させて管路1内に樹脂パイプを形成することにより、管路1を更生する。
図1~図3は、本実施形態に係る管更生方法の工程を説明する図である。本管更生方法では、管ライニング材10をセットする工程(セット工程)、管ライニング材10を管路1内で反転させる工程(反転工程)、立坑蓋20を設置する工程(設置工程)、管ライニング材10を拡径する工程(拡径工程)、及び、管ライニング材10の硬化性樹脂を硬化させる工程(硬化工程)が順に実施される。図1は、セット工程後において反転工程が実施されている状態を示している。図2は、反転工程及び設置工程後において拡径工程が実施されている状態を示している。図3は、拡径工程後において硬化工程が実施されている状態を示している。
図1を参照して、セット工程について説明する。セット工程は、立坑100における立坑蓋20を一時的に撤去した状態において、管路1に連続するように配置されたボトム型反転ノズル30(ノズル)に、液状の硬化性樹脂を含浸させた管ライニング材10をセットする工程である。
ボトム型反転ノズル30は、立坑100の下方に配置される。ボトム型反転ノズル30は、第1円柱部31と、第2円柱部32と、屈曲部33と、を有している。第1円柱部31は、その先端に管ライニング材10が取り付けられる円柱状の部分であって、先端の開口部31aが管路1の開口部1aに対向する。第1円柱部31のノズル軸心31bは、管路1の延びる方向(水平方向)に略一致している。第2円柱部32は、その先端に補助チューブ40が取り付けられる円柱状の部分であって、先端の開口部32aの向きが開口部31aの向きに略直交している。屈曲部33は、第1円柱部31及び第2円柱部32に連通する部分であって、第1円柱部31及び第2円柱部32を結合する。
管ライニング材10は、ポリエステルファイバーの不織布からなる樹脂吸着材を管状に加工した管状樹脂吸着材の外表面をポリエチレン等の樹脂フィルムで気密的に覆い、樹脂吸着材に不飽和ポリエステル等の液状の硬化性樹脂を含浸させて構成されている。管ライニング材10は、その一端が例えばリール(不図示)に固定されると共に、他端10aがボトム型反転ノズル30の第1円柱部31の開口部31aの外周に気密に取り付けられる。
セット工程では、まず、道路規制を行い作業帯が確保される。そして、立坑蓋20を一時的に撤去し、立坑100より低い位置にボトム型反転ノズル30を配置する。ボトム型反転ノズル30は、開口部31aが管路1の開口部1aに対向し、ノズル軸心31bが管路1の延びる方向(水平方向)に略一致するように配置される。
そして、一端にトップカラー41、他端に接続カラー42を取り付けた補助チューブ40を準備する。補助チューブ40は、例えば4.0~6.0m程度の長さとされてもよい。ボトム型反転ノズル30の第2円柱部32の上端に接続カラー42を接続し、例えばパッキンとねじ式締め付け具により気密性を確保する。
立坑100の上部において反転タワー50の組立てを行い、トップカラー41を管路1の底部より所定の高さだけ高い位置に設置する。ここでの所定の高さとは、管ライニング材10を反転させるために必要な圧力(水頭圧)を確保することが可能になる高さである。
そして、管ライニング材10の他端10aが、ボトム型反転ノズル30の第1円柱部31の開口部31aに導かれ、外側に折り返されて、開口部31aの外周にバンド60等により気密に取り付けられる。以上の作業により、ボトム型反転ノズル30に管ライニング材10がセットされる。
図1を参照して、反転工程について説明する。反転工程は、管ライニング材10に対して給水することによって、水頭圧により管ライニング材10を管路1内で反転させる工程である。反転工程では、補助チューブ40に対して給水を行い、水頭を上昇させることにより、管ライニング材10を反転させる。管ライニング材10は、水頭圧によって反転して管路1内の奥まで挿入される。なお、反転工程においては、図1に示されるように、管路1内において、反転挿入される管ライニング材10に対して送風する送風機200が設けられていてもよい。
図2を参照して、設置工程について説明する。設置工程は、立坑蓋20を設置する工程である。設置工程では、まず、排水によって水頭圧を下げる。具体的には、ボトム型反転ノズル30の上端部分まで水頭を下げる。そして、補助チューブ40及び反転タワー50を撤去する。つづいて、ボトム型反転ノズル30の上端部分にノズル上蓋を取り付ける。最後に、立坑100の上部に蓋をするように、立坑蓋20を設置する。
ここで、本実施形態に係る立坑蓋20は、図4に示されるような、人孔付立坑蓋である。図4は、人孔付立坑蓋の一例を示す斜視図である。図4に示されるように、本実施形態に係る立坑蓋20は、その一部に開閉可能な開閉部25が形成されている。開閉部25の上部には、取手25aが設けられている。作業者が取手25aを持ち開閉部25を移動させる(開く)ことにより現れる孔から、立坑100の内部に作業者が出入り可能とされている。このような立坑蓋20が用いられることにより、立坑蓋20の設置後において、立坑蓋20自体を動かすことなく、開閉部25を開くという簡易な作業によって、後述する温水循環用パイプ80の設置等を実施することができる。
図2を参照して、拡径工程について説明する。拡径工程は、立坑蓋20が設置された状態において、管ライニング材10に対して加圧することにより、管ライニング材10を拡径する工程である。
拡径工程では、まず、加圧に用いる水を貯留した水槽91を設置する。そして、立坑蓋20の開閉部25を開き、給水ホース70及び給水用パイプ71、並びに、温水循環用パイプ80(図3参照)を設置する。具体的には、給水ホース70をボトム型反転ノズル30の開口部32aから下方に送り込み、給水ホース70の先端を管ライニング材10の先端付近にまで到達させる。給水ホース70の上端を給水用パイプ71に接続する。給水用パイプ71を、水槽91に接続された加圧ポンプ92に接続する。加圧ポンプ92は、水頭保持タンクに置き換えられてもよい。そして、加圧ポンプ92を作動させることにより、水槽91からの加圧水を、給水用パイプ71を介して給水ホース70に送水し、該加圧水によって管ライニング材10を拡径する。この状態においては、管ライニング材10の圧力が上昇し、管路1の壁面に管ライニング材10が押圧される。圧力の上昇については、例えば圧力計93によって継続的に圧力が測定されることにより監視される。この場合の圧力の目標値は、例えば0.04~0.09MPa程度とされてもよい。
図3を参照して、硬化工程について説明する。硬化工程は、立坑蓋20が設置された状態において、拡径された管ライニング材10内に温水を循環させることにより、管ライニング材10の硬化性樹脂を硬化させる工程である。
硬化工程では、まず、ボイラー車94を所定の位置に配置する。そして、立坑蓋20の開閉部25を開き、加温設備であるボイラー車94のボイラー94aに、温水循環用パイプ80を接続する。温水循環用パイプ80は、ボイラー94aから管ライニング材10に温水を引き込むためのパイプである。温水循環用パイプ80は、管ライニング材10に流れ込む水をボイラー94aに送り込むと共に、ボイラー94aにおいて加熱された温水を管ライニング材10に引き込むように配置されている。温水循環用パイプ80によって管ライニング材10内に温水が循環することによって、管ライニング材10の硬化性樹脂が硬化する。硬化性樹脂が硬化しているか否かは、管ライニング材10の温度が計測されることにより、硬化発熱が起きているかどうかが確認されて、判定される。管ライニング材10の温度は、例えば管路1に貼り付けられた熱電対により測定される。硬化工程において、管ライニング材10の温度は、例えば80℃程度に維持される。
ここで、上述した反転工程、設置工程、拡径工程、及び硬化工程は、連続的に実施され、工程間において完全には作業が中断されず何らかの作業が実施される。なお、立坑蓋20の設置から後述する拡径工程の開始(加圧水の送水)までの時間は、例えば2~5時間程度とされてもよい。また、上述した拡径工程の開始(加圧水の送水)から管ライニング材10の硬化性樹脂の硬化完了までの時間は、外気温等によって変わるものの、概ね、6~12時間程度とされてもよい。
次に、第1実施形態に係る管更生方法の作業手順について、図5を参照して説明する。図5は、第1実施形態に係る管更生方法の作業手順を示すフローチャートである。
図5に示されるように、最初に、道路規制及び作業帯の確保が行われ(ステップS1)、施工車両が配置される(ステップS2)。そして、立坑蓋20が一時的に撤去され(ステップS3)、資機材を搬入する車両が配置され(ステップS4)、反転タワー50の組立が行われる(ステップS5)。
そして、補助チューブ40がセットされる(ステップS6)。具体的には、ボトム型反転ノズル30の第2円柱部32の上端に補助チューブ40の接続カラー42が接続されると共に、トップカラー41が所定の高さに設置される。
つづいて、材料車が配置され(ステップS7)、反転工程のための給水の準備が進められる(ステップS8)。そして、管ライニング材10がボトム型反転ノズル30にセットされる(ステップS9)。具体的には、管ライニング材10の他端10aが、ボトム型反転ノズル30の第1円柱部31の開口部31aに導かれ、外側に折り返されて、開口部31aの外周にバンド60等により気密に取り付けられる。
そして、補助チューブ40に対して給水を行い、水頭を上昇させることによって、管ライニング材10を反転させる(ステップS10)。管路1内の奥まで管ライニング材10が挿入されると、反転工程が完了する(ステップS11)。
つづいて、排水によって、ボトム型反転ノズル30の上端部分まで水頭を下げる水頭調整が実施される(ステップS12)。このタイミングで、補助チューブ40が撤去され(ステップS13)、反転タワー50が撤去される(ステップS14)。
そして、ボトム型反転ノズル30の上端部分にノズル上蓋が取り付けられ(ステップS15)、立坑100の上部に立坑蓋20が設置される(ステップS16)。
つづいて、加圧に用いる水を貯留した水槽91が設置される(ステップS17)。このタイミングで、施工車両が撤収し(ステップS18)、道路が開放される(ステップS19)。
そして、立坑蓋20の開閉部25が開かれ、給水ホース70及び給水用パイプ71、並びに、温水循環用パイプ80が設置される(ステップS20)。そして、給水用パイプ71が、水槽91に接続された加圧ポンプ92に接続される(ステップS21)。
つづいて、加圧ポンプ92を作動させることにより、水槽91からの加圧水が給水ホース70に送水され、該加圧水によって管ライニング材10が拡径される(ステップS22)。圧力の上昇については、例えば圧力計93によって継続的に圧力が測定されることにより監視される(ステップS23)。
そして、ボイラー車94が所定の位置に配置され(ステップS24)、ボイラー車94のボイラー94aに、温水循環用パイプ80が接続される(ステップS25)。そして、温水循環用パイプ80によって管ライニング材10内における温水の循環(加温)が開始される(ステップS26)。
水温については、例えば管路1に貼り付けられた熱電対により測定されて、所定の温度(例えば80℃)に維持されるように管理される(ステップS27)。そして、水温管理が行われることによって、硬化発熱が起きていることが確認され、管ライニング材10の硬化完了が確認される(ステップS28)。
次に、本実施形態に係る管更生方法の作用効果について説明する。
本実施形態に係る管更生方法は、立坑蓋20を一時的に撤去した状態において、管路1に連続するボトム型反転ノズル30に、液状の硬化性樹脂を含浸させた管ライニング材10をセットする工程と、管ライニング材10に対して給水することによって、水頭圧により管ライニング材10を管路1内で反転させる工程と、立坑蓋20を設置する工程と、立坑蓋20が設置された状態において、管ライニング材10に対して加圧することにより管ライニング材10を拡径する工程と、立坑蓋20が設置された状態において、拡径された管ライニング材10内に温水を循環させることにより、管ライニング材10の硬化性樹脂を硬化させる工程と、を含む。
本実施形態に係る管更生工法では、立坑蓋20が設置された状態において、反転後の管ライニング材10が加圧されて拡径されると共に、管ライニング材10が加温されて硬化性樹脂の硬化作業が実施される。例えば、立坑蓋20が撤去された状態で拡径・硬化作業が実施される場合においては、これらの作業が実施されている状況において、確実に交通規制を行う必要がある。このような管更生工法においては、交通規制を行う時間が長くなる(範囲が大きくなる)と共に、全体の施工時間(施工日数)が長くなることが問題となる。この点、本実施形態に係る管更生工法では、立坑蓋20が設置された状態において、拡径・硬化作業が実施されるため、立坑蓋20が撤去されてこれらの作業が実施される場合と比較して、交通規制を行う範囲を小さく(場合によっては、交通規制を行う時間を短く)することができ、全体の施工時間(施工日数)についても短縮することができる。以上のように、本実施形態に係る管更生方法によれば、交通規制を行う範囲を極力小さくしながら、施工時間を短縮することができる。
上記管更生方法は、立坑蓋20を設置する工程の後において、立坑蓋20に形成された開閉部25を開き、ボイラー94aから管ライニング材10に温水を引き込むための温水循環用パイプ80を設置する工程を更に含んでいてもよい。このような管更生工法では、開閉部25が形成された立坑蓋20を用いることにより、立坑蓋20の設置後において、立坑蓋20自体を動かすことなく、開閉部25を開くという簡易な作業によって、温水循環用パイプ80を容易に設置することができる。
上記管更生方法において、管ライニング材10を管路1内で反転させる工程、立坑蓋20を設置する工程、管ライニング材10を拡径する工程、及び、管ライニング材10の硬化性樹脂を硬化させる工程は、連続的に実施され、工程間において作業が中断されなくてもよい。このように、作業が中断されずに各工程が連続的に実施されることにより、施工時間をより短縮することができる。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態に係る管更生方法について説明する。第2実施形態では、第1実施形態に係る管更生方法と異なる点について主に説明し、共通する説明を省略する。
第2実施形態に係る管更生方法では、第1実施形態の立坑蓋20のような人孔付立坑蓋を用いずに、立坑蓋20Aを支持する受桁151を受ける受桁受152にガイド管154を埋設し(図6参照)、該ガイド管154の内部に温水循環用パイプ80を通すことにより、温水循環用パイプ80を設置する。
すなわち、第2実施形態に係る管更生方法は、立坑蓋20Aを設置する工程の前において、立坑蓋20Aを支持するための受桁151を受ける受桁受152(支持部)の一部を貫通するように埋設されたガイド管154の内部に、温水循環用パイプ80を通す工程を含んでいる。
図6は、第2実施形態に係る管更生方法の工程を説明する図である。図6に示されるように、立坑蓋20Aを支持するための受桁151を受ける受桁受152が設けられている。受桁151及び受桁受152は、例えばH鋼である。受桁受152の下方には、鋼矢板等により格子柄された土留め材155が設けられている。このような構成において、受桁受152の一部を貫通する横孔153が形成されており、当該横孔153に埋設されるように、ガイド管154が設けられている。このように、受桁受152の横孔153にガイド管154が設けられていることにより、立坑蓋20Aを設置する前において、当該ガイド管154の内部に温水循環用パイプ80を通して、温水循環用パイプ80を容易に設置することができる。
図7は、上述した横孔153を利用した構成の詳細な配管図である。横孔153は、詳細には、受桁受152を貫通する3つの横孔153a,153b,153cを含んでいる。また、ガイド管154は、詳細には、横孔153aに埋設されたガイド管154aと、横孔153bに埋設されたガイド管154bと、横孔153cに埋設されたガイド管154cと、を含んでいる。また、温水循環用パイプ80は、詳細には、管ライニング材10に流れ込む水をボイラー94aに送り込む温水循環用パイプ80aと、ボイラー94aにおいて加熱された温水を管ライニング材10に引き込む温水循環用パイプ80bと、を含んでいる。そして、ガイド管154aを通るように温水循環用パイプ80aが設けられ、ガイド管154bを通るように温水循環用パイプ80bが設けられ、ガイド管154cを通るように給水用パイプ71が設けられていてもよい。図7に示される例では、給水用パイプ71は、加圧ポンプ92と同様に機能する水頭保持タンク160に接続されている。
図8は、第2実施形態に係る管更生方法の作業手順を示すフローチャートである。図8に示されるように、ステップS101~S115は、上述した第1実施形態のステップS1~S15と同様である。
ステップS115につづいて、加圧に用いる水を貯留した水槽91が設置される(ステップS116)。そして、立坑蓋20Aが設置される前において、受桁受152の横孔153を利用して、ガイド管154aに温水循環用パイプ80aが設置され、ガイド管154bに温水循環用パイプ80bが設置され、ガイド管154cに給水用パイプ71が設置される(ステップS117)。そして、給水用パイプ71が、水槽91に接続された加圧ポンプ92(又は水頭保持タンク160)に接続される(ステップS118)。
つづいて、立坑蓋20Aが設置され(ステップS119)、施工車両が撤収し(ステップS120)、道路が開放される(ステップS121)。
つづいて、加圧ポンプ92を作動させることにより、水槽91からの加圧水が給水ホース70に送水され、該加圧水によって管ライニング材10が拡径される(ステップS122)。圧力の上昇については、例えば圧力計93によって継続的に圧力が測定されることにより監視される(ステップS123)。
そして、ボイラー車94が所定の位置に配置され(ステップS124)、ボイラー車94のボイラー94aに、温水循環用パイプ80a,80bが接続される(ステップS125)。そして、温水循環用パイプ80a,80bによって管ライニング材10内における温水の循環(加温)が開始される(ステップS126)。
水温については、例えば管路1に貼り付けられた熱電対により測定されて、所定の温度(例えば80℃)に維持されるように管理される(ステップS127)。そして、水温管理が行われることによって、硬化発熱が起きていることが確認され、管ライニング材10の硬化完了が確認される(ステップS128)。
1…管路、10…管ライニング材、20,20A…立坑蓋、25…開閉部、30…ボトム型反転ノズル(ノズル)、80…温水循環用パイプ、152…受桁受(支持部)、154…ガイド管。

Claims (4)

  1. 立坑蓋を一時的に撤去した状態において、管路に連続するノズルに、液状の硬化性樹脂を含浸させた管ライニング材をセットする工程と、
    前記管ライニング材に対して給水することによって、水頭圧により前記管ライニング材を管路内で反転させる工程と、
    前記立坑蓋を設置する工程と、
    前記立坑蓋が設置された状態において、前記管ライニング材に対して加圧することにより前記管ライニング材を拡径する工程と、
    前記立坑蓋が設置された状態において、拡径された前記管ライニング材内に温水を循環させることにより、前記管ライニング材の前記硬化性樹脂を硬化させる工程と、を含む管更生工法。
  2. 前記立坑蓋を設置する工程の前において、前記立坑蓋を支持するための支持部の一部を貫通するように埋設されたガイド管の内部に、加温設備から前記管ライニング材に前記温水を引き込むための温水循環用パイプを通す工程を更に含む、請求項1記載の管更生工法。
  3. 前記立坑蓋を設置する工程の後において、前記立坑蓋に形成された開閉部を開き、加温設備から前記管ライニング材に前記温水を引き込むための温水循環用パイプを設置する工程を更に含む、請求項1記載の管更生工法。
  4. 前記管ライニング材を管路内で反転させる工程、前記立坑蓋を設置する工程、前記管ライニング材を拡径する工程、及び、前記管ライニング材の前記硬化性樹脂を硬化させる工程は、連続的に実施され、工程間において作業が中断されない、請求項1~3のいずれか一項記載の管更生工法。
JP2024052181A 2024-03-27 2024-03-27 管更生工法 Active JP7496948B1 (ja)

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JP2000265540A (ja) 1999-03-16 2000-09-26 Kumagai Gumi Co Ltd 管路内のレール敷設方法及び装置
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