JP7495607B2 - 平衡形円板共振器、誘電特性測定方法及び誘電特性測定システム - Google Patents

平衡形円板共振器、誘電特性測定方法及び誘電特性測定システム Download PDF

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Description

本発明は、平衡形円板共振器、誘電特性測定方法及び誘電特性測定システムに関する。
円板共振器シートを一対の試料で挟み、更に一対の金属板でそれらの中心が円板共振器シートの中心と一致するように挟む円形共振器を用い、試料の誘電率及び誘電損失を測定する技術が知られている。この円形共振器では、一方の金属板側に設けたプローブから入力され、共振した電磁波が、他方の金属板側に設けられるプローブから出力される。
また、マイクロ波領域でのフィルタや発振器に利用される誘電体共振器であって、空洞共振器として用いられる誘電体のブロックが、絶縁性支持体で支持され、導電性ケースで覆われる誘電体共振器が知られている。このような誘電体共振器に関し、それを支持する絶縁性支持体に、電気エネルギーの供給によって発熱する発熱部材を設ける技術が知られている。
特開2014-106224号公報 実開平7-42202号公報
誘電体材料の比誘電率や誘電正接等の誘電特性を測定する技術の1つとして、上記のような円板共振器或いは平衡形円板共振器を用いる技術がある。
ここで、電子デバイス分野では、電子部品をその使用環境の温度下で正常に動作させるため、電子部品に用いられる誘電体材料について、その誘電特性の温度依存性を把握することが望まれる場合がある。誘電体材料の誘電特性の温度依存性を把握するための手法として、例えば、平衡形円板共振器を、電磁波入出力用のケーブル(プローブ又は励振線とも称される)と接続して、所定温度に設定した恒温槽内に配置し、当該所定温度で当該誘電体材料の試料である誘電体基板の誘電特性の測定を行う手法がある。
しかし、このような手法では、平衡形円板共振器と共に、それと接続されるケーブルの一部も所定温度に設定された恒温槽内に配置されるため、ケーブルが持つ温度依存性の影響により、測定される誘電体基板の誘電特性に誤差が生じる恐れがある。
1つの側面では、本発明は、平衡形円板共振器を用いて所定温度の誘電体基板の誘電特性を高い精度で測定することを目的とする。
1つの態様では、円形導体層と、前記円形導体層の第1面側に第1誘電体基板を介して設けられる第1導体部、及び前記円形導体層の前記第1面とは反対の第2面側に第2誘電体基板を介して設けられる第2導体部を有する導体部材と、前記導体部材に接続され、前記第1導体部及び前記第2導体部の温度を調節する温度調節部とを含み、前記導体部材は、前記第1導体部と接続される第3導体部と、前記第2導体部と接続される第4導体部とを更に有し、前記温度調節部は、前記第3導体部を介して前記第1導体部と接続され、前記第4導体部を介して前記第2導体部と接続される平衡形円板共振器が提供される。
また、1つの態様では、上記のような平衡形円板共振器を用いた誘電特性測定方法及び誘電特性測定システムが提供される。
1つの側面では、平衡形円板共振器を用いて所定温度の誘電体基板の誘電特性を高い精度で測定することが可能になる。
平衡形円板共振器の一例について説明する図である。 励振線の温度依存性の一例について説明する図である。 第1の実施の形態に係る平衡形円板共振器の一例について説明する図である。 第2の実施の形態に係る平衡形円板共振器の第1の例について説明する図である。 第2の実施の形態に係る平衡形円板共振器を用いた誘電特性測定システムの一例について説明する図である。 第2の実施の形態に係る平衡形円板共振器の第2の例について説明する図である。 第2の実施の形態に係る平衡形円板共振器の第3の例について説明する図である。 第2の実施の形態に係る平衡形円板共振器の第4の例について説明する図である。 第3の実施の形態に係る平衡形円板共振器の一例について説明する図(その1)である。 第3の実施の形態に係る平衡形円板共振器の一例について説明する図(その2)である。 第3の実施の形態に係る平衡形円板共振器を用いた誘電特性測定システムの一例について説明する図である。 第3の実施の形態に係る平衡形円板共振器を用いた誘電特性測定システムの別の例について説明する図である。
例えば、近年のICT(Information and Communication Technology)機器における高速化の流れの中、プリント基板等の電子部品については、用いられる誘電体材料に起因した信号伝送損失の低減が推し進められている。高周波帯で低損失の電子部品の実現のためには、用いられる誘電体材料について、比誘電率(Dk)や誘電正接(Df)等の誘電特性を正確に把握することが重要になる。電子部品に用いられる誘電体材料の誘電特性は、これまで1GHzとった比較的低い周波数までの範囲で測定されていたが、昨今のデータ転送速度の高速化に伴い、測定されるべき周波数の範囲も110GHzといった比較的高い周波数までの範囲に拡大している。また、信号伝送損失の低減のため、誘電体材料の誘電正接は10-3といったオーダーまで低減される傾向があり、測定の難易度が増している状況にある。
マイクロ波からミリ波帯における誘電体材料の垂直方向の誘電特性を測定する技術として、平衡形円板共振器法がある。平衡形円板共振器法では、例えば、円形銅箔を、誘電体材料の試料である2枚の誘電体基板で挟み、更にそれを2枚の純銅平板等の導体板で挟み、円形銅箔の中心軸上に設けた励振孔を介して、同軸型の励振線により電界結合を行う励振構造が採用される。この測定では、主に平衡形円板共振器と称される測定器が用いられる。
ここで、平衡形円板共振器の構成例、及び平衡形円板共振器を用いた誘電特性の測定例について述べる。
図1は平衡形円板共振器の一例について説明する図である。図1(A)には平衡形円板共振器の一例の要部断面図を模式的に示している。図1(B)には誘電特性の測定時の平衡形円板共振器の一例の要部断面図を模式的に示している。
図1(A)に示す平衡形円板共振器400は、円形銅箔410及び導体部材420を含む。導体部材420は、円形銅箔410の一方の面側に設けられる導体部421と、円形銅箔410の他方の面側に設けられる導体部422とを含む。導体部421及び導体部422には、例えば、純銅平板が用いられる。円形銅箔410と導体部421との間及び円形銅箔410と導体部422との間にそれぞれ、誘電特性の測定対象の試料である誘電体基板431及び誘電体基板432が挟まれる。誘電体基板431及び誘電体基板432には、同じ材質及び厚さの誘電体平板が用いられる。導体部421及び導体部422にはそれぞれ、励振孔441及び励振孔442が設けられる。円形銅箔410の中心軸410c上に励振孔441及び励振孔442が位置するように、導体部421及び導体部422が設けられる。
上記構成を有する平衡形円板共振器400の、導体部421の励振孔441の位置及び導体部422の励振孔442の位置にはそれぞれ、励振線451及び励振線452が接続される。励振線451及び励振線452には、同軸ケーブルが用いられる。励振は、円形銅箔410の中心軸410c上に設けられた励振孔441及び励振孔442を介して、励振線451及び励振線452による電界結合で行われる。例えば、一方の励振線451から入力され、共振した電磁波が、他方の励振線452から出力される。平衡形円板共振器400で測定される共振周波数及び無負荷Qの値に基づき、測定対象の誘電体基板431及び誘電体基板432の比誘電率及び誘電正接が測定される。
ところで、車載向けミリ波レーダ等、比較的厳しい温度環境下で正常動作が求められる電子部品では、使用されるプリント基板の誘電体材料等、用いられる誘電体材料の誘電特性の温度依存性を把握することが望まれる場合がある。
このような場合、例えば、図1(B)に示すように、測定対象の誘電体材料に相当する基板を誘電体基板431及び誘電体基板432として用いた平衡形円板共振器400を、恒温槽500内に配置する方法が採用される。平衡形円板共振器400が恒温槽500内に配置され、平衡形円板共振器400に接続される励振線451及び励振線452が恒温槽500外まで引き出され、誘電体基板431及び誘電体基板432が設定温度に安定化され、測定が行われる。測定によって得られる値に基づき、その設定温度での誘電体基板431及び誘電体基板432の誘電特性が測定される。恒温槽500は、例えば、-55℃~150℃の温度範囲とされ、当該温度範囲内における1点又は複数点の設定温度について、即ち誘電特性の測定温度について、誘電体基板431及び誘電体基板432の温度が安定化され、誘電特性の測定が行われる。
しかし、図1(B)のような恒温槽500を用いる方法では、平衡形円板共振器400と共に、それと接続される励振線451及び励振線452の一部も、恒温槽500内に配置される。この場合、励振線451及び励振線452が熱により劣化したり、励振線451及び励振線452が持つ温度依存性の影響により、測定される誘電体基板431及び誘電体基板432の誘電特性に誤差が生じたりする恐れがある。
励振線451及び励振線452として用いられる高周波用の同軸ケーブルは、比較的高価であり、その熱劣化を抑えるためには、励振線451及び励振線452に熱がかからないか或いはかかり難い方法の確立が望まれる。しかし、図1(A)及び図1(B)に示すような平衡形円板共振器400では、構造上、そのようなことが難しい。
また、励振線451及び励振線452の温度依存性による測定の誤差を抑えるためには、予め励振線451単体及び励振線452単体の温度依存性を測定しておき、図1(B)のような恒温槽500を用いた方法で得られる測定結果から差し引いて補正することが考えられる。
ここで、図2は励振線の温度依存性の一例について説明する図である。図2には温度に対する励振線の特性値のずれを模式的に示している。
図2に示すように、励振線451及び励振線452は、温度の上昇に伴って特性値のずれが大きくなる傾向を示す場合がある。例えば、図2の場合、室温での特性値を基準(ずれ0%)とした場合、150℃での特性値のずれは10%になる。励振線451及び励振線452の温度による特性値のずれは、励振線451及び励振線452の種類や熱履歴によっても異なる。そのため、励振線451及び励振線452の温度依存性を、平衡形円板共振器400を恒温槽500内に配置して行う測定の度に測定し、その測定結果の補正に用いることは、測定の工数増大、煩雑化等を招く恐れがある。
更に、平衡形円板共振器400を恒温槽500内に配置して行う測定では、温度が安定するまでに数時間といった比較的長い時間を要し得る。そのため、測定を複数の測定温度について行う場合には、1種の誘電体基板431及び誘電体基板432の誘電特性の測定が1日がかりの作業となってしまうことも起こり得る。
このように、これまでの平衡形円板共振器400、及びこれを恒温槽500内に配置して行う誘電特性の測定では、励振線451及び励振線452の影響により、所定測定温度での誘電体基板431及び誘電体基板432の誘電特性を、誤差を抑えて測定することが難しい場合がある。そのような誤差を抑えるために励振線451及び励振線452の温度依存性に基づいて補正を行う方法では、測定の工数増大、煩雑化等を招いてしまう。また、恒温槽500を用いる方法において、測定の長時間化を抑えるため、誘電体基板431及び誘電体基板432の温度安定化時間を短縮してしまうと、その誘電特性を高い精度で測定することが難しくなる。
以上のような点に鑑み、ここでは以下に実施の形態として示すような手法を用い、平衡形円板共振器を用いて所定温度の誘電体基板の誘電特性を高い精度で測定することを可能にする。
[第1の実施の形態]
図3は第1の実施の形態に係る平衡形円板共振器の一例について説明する図である。図3(A)には平衡形円板共振器の一構成例を模式的に示している。図3(A)では平衡形円板共振器の一部の要素(後述する円形導体層、導体部材及び誘電体基板)を断面図で示している。図3(B)には平衡形円板共振器に用いられる円形導体層の平面図を模式的に示している。
図3(A)に示す平衡形円板共振器10は、図3(B)に示すような円形導体層1、及び導体部材2を含む。円形導体層1には、円形導体箔、例えば、円形銅箔が用いられる。導体部材2は、円形導体層1の一方の面1a側に設けられる導体部2aと、円形導体層1の他方の面1b側に設けられる導体部2bとを含む。導体部2a及び導体部2bには、導体平板、例えば、銅平板が用いられる。円形導体層1と導体部2aとの間及び円形導体層1と導体部2bとの間にはそれぞれ、誘電特性の測定対象の試料である誘電体基板3a及び誘電体基板3bが挟まれる。誘電体基板3a及び誘電体基板3bには、同じ材質及び厚さの誘電体平板が用いられる。導体部2a及び導体部2bにはそれぞれ、励振孔4a及び励振孔4bが設けられる。円形導体層1の中心軸1c上に励振孔4a及び励振孔4bが位置するように、導体部2a及び導体部2bが設けられる。
上記構成を有する平衡形円板共振器10の、導体部2aの励振孔4aの位置及び導体部2bの励振孔4bの位置にはそれぞれ、励振線(図示せず)が接続される。励振線には、同軸ケーブルが用いられる。励振は、円形導体層1の中心軸1c上に設けられた励振孔4a及び励振孔4bを介して、励振線による電界結合で行われる。例えば、一方の導体部2a側に接続される励振線から入力され、共振した電磁波が、他方の導体部2b側に接続される励振線から出力される。平衡形円板共振器10で測定される共振周波数及び無負荷Qの値に基づき、測定対象の誘電体基板3a及び誘電体基板3bの比誘電率及び誘電正接が測定される。
平衡形円板共振器10の導体部2a及び導体部2bには、それらの温度を調節する温度調節部6が接続される。温度調節部6には、導体部2a及び導体部2bに対して加熱若しくは冷却、又は加熱及び冷却の両方を行って導体部2a及び導体部2bの温度を調節する、各種温度調節素子、各種温度調節器が用いられる。例えば、温度調節部6には、ペルチェ素子等の温度調節素子、ホットプレート等の温度調節器が用いられる。温度調節部6には、1つ又は2つ以上の温度調節素子が用いられてもよいし、1つ又は2つ以上の温度調節器が用いられてもよい。温度調節部6には、温度調節素子のみが用いられてもよいし、温度調節器のみが用いられてもよいし、温度調節素子及び温度調節器の両方が用いられてもよい。温度調節部6は、導体部2a及び導体部2bに直接的に接続されてもよいし、導体部2a及び導体部2bに接続される他の導体部や導体材料を介して、導体部2a及び導体部2bに間接的に接続されてもよい。
尚、温度調節部6の温度調節素子としてペルチェ素子を用いる場合には、導体部2a及び導体部2bに対し、加熱及び冷却の両方を行うことができる。温度調節部6の温度調節器としてホットプレートを用いる場合には、導体部2a及び導体部2bに対し、加熱を行うことができる。
導体部2a及び導体部2bの温度を調節する温度調節部6を備える平衡形円板共振器10では、所定温度の誘電体基板3a及び誘電体基板3bの誘電特性を測定する際、温度調節部6を用いて導体部2a及び導体部2bの温度が調節される。温度調節部6を用いて導体部2a及び導体部2bの温度が調節され、誘電体基板3a及び誘電体基板3bの温度が当該所定温度、即ち誘電特性の測定温度に調節される。
そのため、所定温度の誘電体基板3a及び誘電体基板3bの誘電特性を測定する際、平衡形円板共振器10を上記のような恒温槽内に配置することを要しない。平衡形円板共振器10を恒温槽内に配置しないため、平衡形円板共振器10に接続される励振線(その一部)が恒温槽内に配置されること、それにより励振線が熱劣化すること、及び励振線の温度依存性の影響により誘電特性の測定に誤差が生じることが抑えられる。平衡形円板共振器10によれば、所定温度の誘電体基板3a及び誘電体基板3bの誘電特性を高い精度で測定することが可能になる。
また、平衡形円板共振器10では、それに接続される励振線が恒温槽内に配置されないため、励振線の温度依存性を予め取得すること、励振線の温度依存性を測定の度に予め取得すること、及び取得した励振線の温度依存性に基づいて誘電特性の測定値を補正することを要しない。平衡形円板共振器10によれば、測定の工数増大、煩雑化等を抑えることが可能になる。
また、平衡形円板共振器10では、導体部2a及び導体部2bの温度が、それらに接続される温度調節部6を用いて調節され、誘電体基板3a及び誘電体基板3bの温度が調節される。導体部2a及び導体部2bに接続される温度調節部6を用いることで、上記のような恒温槽を用いる場合に比べて、誘電体基板3a及び誘電体基板3bの温度を迅速に調節することが可能になる。これにより、誘電体基板3a及び誘電体基板3bの誘電特性の1測定温度当たりの測定時間を短縮することが可能になり、複数の測定温度について測定を行う場合にも、1日がかりの作業になるといった長時間化を抑えることが可能になる。平衡形円板共振器10によれば、所定温度の誘電体基板3a及び誘電体基板3bの誘電特性を、長時間化を抑えて、高い精度で測定することが可能になる。
このように、第1の実施の形態に係る平衡形円板共振器10によれば、所定温度の誘電体基板3a及び誘電体基板3bの誘電特性を高い精度で且つ効率的に測定することが可能になる。
上記のような構成を有する平衡形円板共振器について、以下、より具体的に説明する。
[第2の実施の形態]
図4は第2の実施の形態に係る平衡形円板共振器の第1の例について説明する図である。図4(A)には平衡形円板共振器の一例の要部正面図を模式的に示している。図4(B)には平衡形円板共振器の一例の要部断面図を模式的に示している。尚、図4(A)は図4(B)に示す一部の要素(後述するフロントケース)の図示を省略した状態である。図4(B)は図4(A)のIV-IV線に沿った切断面に対応する要部断面図である。
図4(A)及び図4(B)に示す平衡形円板共振器100Aは、円形導体箔110及び導体部材120を含む。円形導体箔110には、例えば、円形銅箔が用いられる。導体部材120は、円形導体箔110の一方の面110a側に設けられる導体板121と、円形導体箔110の他方の面110b側に設けられる導体板122とを含む。導体板121及び導体板122には、例えば、銅平板が用いられる。円形導体箔110と導体板121との間及び円形導体箔110と導体板122との間にはそれぞれ、誘電特性の測定対象の試料である誘電体基板131及び誘電体基板132が挟まれる。誘電体基板131及び誘電体基板132には、同じ材質及び厚さの誘電体平板が用いられる。導体板121及び導体板122にはそれぞれ、励振孔141及び励振孔142が設けられる。円形導体箔110の中心軸110c上に励振孔141及び励振孔142が位置するように、導体板121及び導体板122が設けられる。
尚、円形導体箔110は、上記第1の実施の形態で述べた円形導体層1の一形態である。導体板121及び導体板122は、上記第1の実施の形態で述べた導体部2a及び導体部2bの一形態である。誘電体基板131及び誘電体基板132は、上記第1の実施の形態で述べた誘電体基板3a及び誘電体基板3bの一形態である。励振孔141及び励振孔142は、上記第1の実施の形態で述べた励振孔4a及び励振孔4bの一形態である。
平衡形円板共振器100Aの、導体板121の励振孔141の位置及び導体板122の励振孔142の位置にはそれぞれ、励振線151及び励振線152が接続される。励振線151及び励振線152には、同軸ケーブルが用いられる。励振は、円形導体箔110の中心軸110c上に設けられた励振孔141及び励振孔142を介して、励振線151及び励振線152による電界結合で行われる。例えば、一方の導体板121側に接続される励振線151から入力され、共振した電磁波が、他方の導体板122側に接続される励振線152から出力される。平衡形円板共振器100Aで測定される共振周波数及び無負荷Qの値に基づき、測定対象の誘電体基板131及び誘電体基板132の比誘電率及び誘電正接が測定される。
尚、図4(A)及び図4(B)には、平衡形円板共振器100Aに励振線151及び励振線152が接続されている状態を示すが、励振線151及び励振線152は、誘電体基板131及び誘電体基板132の誘電特性の測定時に接続されてもよい。
平衡形円板共振器100Aの導体部材120には、円形導体箔110の一方の面110a側に設けられる導体板121に連続して接続される接続導体121a、及びその接続導体121aに連続して接続される接続導体121bが含まれる。導体部材120には更に、円形導体箔110の他方の面110b側に設けられる導体板122に連続して接続される接続導体122a、及びその接続導体122aに連続して接続される接続導体122bが含まれる。接続導体121a及び接続導体121b並びに接続導体122a及び接続導体122bには、銅等の熱伝導性の良好な材料が用いられる。接続導体121a及び接続導体121bは、導体板121と一体のものであってよく、接続導体122a及び接続導体122bは、導体板122と一体のものであってよい。
平衡形円板共振器100Aの導体板121及び導体板122にはそれぞれ、それらの温度を調節する温度調節素子としてペルチェ素子161及びペルチェ素子162が接続される。この例では、導体板121に接続導体121aを介して接続される接続導体121bに、ペルチェ素子161の一方の面161a側が接続され、導体板121とペルチェ素子161とが熱的に接続される。同様に、導体板122に接続導体122aを介して接続される接続導体122bに、ペルチェ素子162の一方の面162a側が接続され、導体板122とペルチェ素子162とが熱的に接続される。
尚、ペルチェ素子161及びペルチェ素子162は、上記第1の実施の形態で述べた温度調節部6の一形態、或いは温度調節部6に用いられる温度調節素子の一形態である。
導体板121とペルチェ素子161との間に介在される接続導体121a及び接続導体121bには、導体板121とペルチェ素子161との間の熱伝導を考慮した形状が採用される。例えば、導体板121からペルチェ素子161に向かって直線的に延びるか若しくは傾斜して広がる形状、ペルチェ素子161から導体板121に向かって傾斜して狭まるか若しくは直線的に延びる形状が採用される。同様に、導体板122とペルチェ素子162との間に介在される接続導体122a及び接続導体122bには、導体板122とペルチェ素子162との間の熱伝導を考慮した形状が採用される。例えば、導体板122からペルチェ素子162に向かって直線的に延びるか若しくは傾斜して広がる形状、ペルチェ素子162から導体板122に向かって傾斜して狭まるか若しくは直線的に延びる形状が採用される。
平衡形円板共振器100Aのペルチェ素子161の、接続導体121bが接続される一方の面161a側とは反対の他方の面161b側には、ヒートシンク171が接続される。同様に、ペルチェ素子162の、接続導体122bが接続される一方の面162a側とは反対の他方の面162b側には、ヒートシンク172が接続される。ここでは一例として、複数のフィン171aを備えた空冷式のヒートシンク171、及び複数のフィン172aを備えた空冷式のヒートシンク172を図示している。ヒートシンク171及びヒートシンク172は、ペルチェ素子161及びペルチェ素子162の、接続導体121b及び接続導体122bの側とは反対の面161b及び面162bの側が高温とされる場合の、当該面161b及び面162bの側の放熱効率を高める機能を有する。また、ヒートシンク171及びヒートシンク172は、ペルチェ素子161及びペルチェ素子162の、接続導体121b及び接続導体122bの側とは反対の面161b及び面162bの側が低温とされる場合の、当該面161b及び面162bの側の温度上昇を抑える機能を有する。
平衡形円板共振器100Aの、円形導体箔110並びに誘電体基板131及び誘電体基板132を挟む導体板121及び導体板122の外側には、ケース180が設けられる。ケース180には、リアケース181及びフロントケース182が含まれる。図4(A)には便宜上、フロントケース182を取り外した状態を図示している。リアケース181は、導体板121及び導体板122を部分的に取り囲むような形状とされる。リアケース181及びフロントケース182には、ステンレス等の金属、エポキシ等の耐熱性の樹脂、セラミック等の各種材料を用いることができる。
平衡形円板共振器100Aの、リアケース181と導体板121及び導体板122との間には、それらに接する複数(ここでは一例として3本)のピン190が設けられる。リアケース181と導体板121及び導体板122との間に複数のピン190が介在されることで、リアケース181と導体板121及び導体板122との間に空間が形成される。平衡形円板共振器100Aにおいて、リアケース181と導体板121及び導体板122との間に形成される空間の空気層200は、導体板121及び導体板122とリアケース181との間の熱伝導を抑える断熱層として機能する。
ピン190には、例えば、図4(B)に示すような、導体板121及び導体板122に跨って延びる長さを有する棒状のものが用いられる。ピン190には、ステンレス等の金属、エポキシ等の耐熱性の樹脂、セラミック等の各種材料を用いることができる。ピン190は、例えば、予めリアケース181に取り付けられ、リアケース181を、円形導体箔110並びに誘電体基板131及び誘電体基板132を挟む導体板121及び導体板122の外側に被せることで、導体板121及び導体板122と接触される。ピン190は、導体板121及び導体板122とリアケース181との間の熱伝導を抑える観点から、例えば、正面視で長円形状(図4(A))又は楕円形状とされ、導体板121及び導体板122との接触面積が小さく抑えられる。
続いて、上記のような構成を有する平衡形円板共振器100Aを用いた誘電特性の測定について説明する。
図5は第2の実施の形態に係る平衡形円板共振器を用いた誘電特性測定システムの一例について説明する図である。
図5に示す誘電特性測定システム300Aは、平衡形円板共振器100A、ネットワークアナライザ310、温度センサ320及びペルチェ素子コントローラ330を備える。
平衡形円板共振器100Aとネットワークアナライザ310とは、同軸ケーブルを用いた励振線151及び励振線152によって接続される。励振線151は、平衡形円板共振器100Aの一方の導体板121に設けられた励振孔141の位置に接続され、励振線152は、他方の導体板122に設けられた励振孔142の位置に接続される。
例えば、ネットワークアナライザ310から出力される電磁波が、励振線151を通じて平衡形円板共振器100Aに入力される。平衡形円板共振器100Aでは、導体板121と円形導体箔110との間で誘電体基板131の誘電特性に応じた共振が生じる。この電磁波が漏れ出し、円形導体箔110と導体板122との間で誘電体基板132の誘電特性に応じた共振が生じる。そして、この電磁波が、励振線152を通じてネットワークアナライザ310に入力される。ネットワークアナライザ310を用いた所定周波数範囲の電磁波の平衡形円板共振器100Aへの出力、それによる平衡形円板共振器100Aからのネットワークアナライザ310への入力により、共振波形が取得され、共振周波数及び無負荷Qの値が測定される。測定される共振周波数及び無負荷Qの値に基づき、測定対象の誘電体基板131及び誘電体基板132の比誘電率及び誘電正接が測定される。
誘電特性測定システム300Aの温度センサ320は、導体板121及び導体板122の温度を検出する。温度センサ320は、導体板121に接続される接続導体121a又は接続導体121b、及び導体板122に接続される接続導体122a又は接続導体122bの温度を、導体板121及び導体板122の温度として検出するものであってもよい。温度センサ320には、熱電対等が用いられる。温度センサ320には、非接触型のものが用いられてもよい。
誘電特性測定システム300Aのペルチェ素子コントローラ330は、温度センサ320によって検出された導体板121及び導体板122の温度に基づき、ペルチェ素子161及びペルチェ素子162に与える直流電流の大きさ及び極性を制御する。
誘電特性測定システム300Aでは、誘電体基板131及び誘電体基板132の誘電特性の測定が、所定測定温度で行われる。この場合、誘電特性測定システム300Aでは、温度センサ320が導体板121及び導体板122の温度を検出し、検出された温度に基づき、ペルチェ素子コントローラ330が、ペルチェ素子161及びペルチェ素子162に与える直流電流を制御する。
例えば、ペルチェ素子161及びペルチェ素子162では、ペルチェ素子コントローラ330によって与えられる直流電流に基づき、接続導体121b及び接続導体122bの側で発熱、ヒートシンク171及びヒートシンク172の側で吸熱が起こる。或いは、ペルチェ素子161及びペルチェ素子162では、ペルチェ素子コントローラ330によって与えられる直流電流に基づき、接続導体121b及び接続導体122bの側で吸熱、ヒートシンク171及びヒートシンク172の側で発熱が起こる。
導体板121及び導体板122を加熱する場合には、ペルチェ素子161及びペルチェ素子162を、接続導体121b及び接続導体122bの側の面161a及び面162aで発熱が起こるように、ペルチェ素子コントローラ330による制御を行う。ヒートシンク171及びヒートシンク172は、ペルチェ素子161及びペルチェ素子162の吸熱が起こるヒートシンク171及びヒートシンク172の側の面161b及び面162bの冷却に寄与する。
導体板121及び導体板122を冷却する場合には、ペルチェ素子161及びペルチェ素子162を、接続導体121b及び接続導体122bの側の面161a及び面162aで吸熱が起こるように、ペルチェ素子コントローラ330による制御を行う。ヒートシンク171及びヒートシンク172は、ペルチェ素子161及びペルチェ素子162の発熱が起こるヒートシンク171及びヒートシンク172の側の面161b及び面161bの冷却に寄与する。
このように誘電特性測定システム300Aでは、温度センサ320によって導体板121及び導体板122の温度が検出される。そして、温度センサ320で検出された温度に基づき、ペルチェ素子コントローラ330によってペルチェ素子161及びペルチェ素子162が制御される。これにより、接続導体121a及び接続導体121b並びに接続導体122a及び接続導体122bを介して、導体板121及び導体板122へ或いは導体板121及び導体板122から熱が移動し、導体板121及び導体板122の温度が調節される。ペルチェ素子コントローラ330によるペルチェ素子161及びペルチェ素子162の制御によって導体板121及び導体板122の温度が調節されることで、誘電体基板131及び誘電体基板132が所定測定温度に調節される。例えば、ペルチェ素子161及びペルチェ素子162を用いることで、-55℃~150℃の温度範囲、或いは更に広い-100℃~200℃の温度範囲で、導体板121及び導体板122の温度、誘電体基板131及び誘電体基板132の温度が調節可能になる。誘電特性測定システム300Aでは、このようにして誘電体基板131及び誘電体基板132が所定測定温度に調節され、上記のような誘電特性の測定が行われる。
誘電特性測定システム300Aでは、温度センサ320及びペルチェ素子コントローラ330を用いて誘電体基板131及び誘電体基板132が所定測定温度に調節されるため、誘電特性の測定時に平衡形円板共振器100Aを恒温槽内に配置することを要しない。平衡形円板共振器100Aを恒温槽内に配置しないため、平衡形円板共振器100Aに接続される励振線151及び励振線152(それらの一部)が恒温槽内に配置されることが抑えられる。それにより、励振線151及び励振線152が熱劣化すること、及び励振線151及び励振線152の温度依存性の影響により誘電特性の測定に誤差が生じることが抑えられる。平衡形円板共振器100A及びこれを用いた誘電特性測定システム300Aによれば、所定測定温度の誘電体基板131及び誘電体基板132の誘電特性を高い精度で測定することが可能になる。
また、平衡形円板共振器100Aでは、それに接続される励振線151及び励振線152が恒温槽内に配置されないため、励振線151及び励振線152の温度依存性を予め取得すること、測定の度に予め取得することを要しない。更に、取得した励振線151及び励振線152の温度依存性に基づいて誘電特性の測定値を補正することを要しない。平衡形円板共振器100A及びこれを用いた誘電特性測定システム300Aによれば、測定の工数増大、煩雑化等を抑えることが可能になる。
また、平衡形円板共振器100Aでは、ペルチェ素子161及びペルチェ素子162を用いて導体板121及び導体板122の温度が調節され、誘電体基板131及び誘電体基板132の温度が調節される。ペルチェ素子161及びペルチェ素子162を用いることで、恒温槽を用いる場合に比べて、誘電体基板131及び誘電体基板132の温度を迅速に調節することが可能になる。これにより、誘電体基板131及び誘電体基板132の誘電特性の1測定温度当たりの測定時間を短縮することが可能になり、複数の測定温度について測定を行う場合にも、1日がかりの作業になるといった長時間化を抑えることが可能になる。例えば、恒温槽を用いる場合には、1測定温度当たり30分程度の測定時間を要するのに対し、平衡形円板共振器100Aでは、1測定温度当たり3分程度の測定時間で済み、測定時間が10分の1程度まで短縮される。平衡形円板共振器100A及びこれを用いた誘電特性測定システム300Aによれば、所定測定温度の誘電体基板131及び誘電体基板132の誘電特性を比較的短時間で測定することが可能になる。
平衡形円板共振器100A及びこれを用いた誘電特性測定システム300Aによれば、所定測定温度の誘電体基板131及び誘電体基板132の誘電特性を高い精度で且つ効率的に測定することが可能になる。
また、平衡形円板共振器100Aでは、リアケース181と導体板121及び導体板122との間に複数のピン190が介在され、空気層200のような断熱層が形成されることで、平衡形円板共振器100Aの外部の温度が導体板121及び導体板122の温度に及ぼす影響を小さく抑えることが可能になる。これにより、ペルチェ素子161及びペルチェ素子162を用いた導体板121及び導体板122の温度の調節、それによる誘電体基板131及び誘電体基板132の温度の調節を、精度良く行うことが可能になる。
複数のピン190は、例えば、予めリアケース181に取り付けられ、リアケース181を、導体板121及び導体板122の外側に被せることで、導体板121及び導体板122と接触される。複数のピン190が導体板121及び導体板122に接触するようにリアケース181を被せることで、リアケース181と導体板121及び導体板122との間に、リアケース181からの複数のピン190の高さに相当する大きさの空間(断熱層)が形成される。更に、リアケース181から所定高さの複数のピン190により、リアケース181が導体板121及び導体板122に対して位置合わせされる。複数のピン190が設けられることで、平衡形円板共振器100Aの断熱化と共に、その組み立て作業の効率化、簡便化を図ることが可能になる。
また、平衡形円板共振器100Aでは、導体板121及び導体板122の、円形導体箔110の中心軸110c上から外れた位置、即ち側面に、接続導体121a及び接続導体121b並びに接続導体122a及び接続導体122bが設けられる。そして、接続導体121b及び接続導体122bに、ペルチェ素子161及びペルチェ素子162が接続される。このように平衡形円板共振器100Aでは、導体板121及び導体板122の形状自体は変更せず、それらの側面に温度調節のための要素を接続、配置する。これにより、円形導体箔110の中心軸110cに対する導体板121及び導体板122(それらの励振孔141及び励振孔142)の調芯精度の低下、不要共振の発生を抑えて、温度調節を実現することが可能になる。
図6は第2の実施の形態に係る平衡形円板共振器の第2の例について説明する図である。図6(A)には平衡形円板共振器の一例の要部正面図を模式的に示している。図6(B)には平衡形円板共振器の一例の要部断面図を模式的に示している。尚、図6(A)は図6(B)に示す一部の要素(後述するフロントケース)の図示を省略した状態である。図6(B)は図6(A)のVI-VI線に沿った切断面に対応する要部断面図である。
図6(A)及び図6(B)に示す平衡形円板共振器100Bでは、導体板121に接続導体121aを介して接続される接続導体121bと、導体板122に接続導体122aを介して接続される接続導体122bとに、共通のペルチェ素子163が接続される。ペルチェ素子163には、フィン173aを備えたヒートシンク173が接続される。平衡形円板共振器100Bは、このような点で、上記第1の例で述べた平衡形円板共振器100A(図4)、即ち、接続導体121bと接続導体122bとにそれぞれペルチェ素子161及びペルチェ素子162が接続される平衡形円板共振器100Aと相違する。平衡形円板共振器100Bでは、ペルチェ素子163(及びヒートシンク173)を用いて導体板121及び導体板122の加熱又は冷却が行われ、導体板121及び導体板122の温度が調節され、誘電体基板131及び誘電体基板132の温度が調節される。
例えば、上記誘電特性測定システム300A(図5)の例に従い、平衡形円板共振器100Bを用いた誘電特性測定システムが実現される。平衡形円板共振器100Bを用いた誘電特性測定システムでは、励振線151及び励振線152を用いて平衡形円板共振器100Bにネットワークアナライザが接続される。平衡形円板共振器100Bを用いた誘電特性測定システムには、導体板121及び導体板122の温度を検出する温度センサ、及び温度センサで検出される温度に基づいてペルチェ素子163を制御するペルチェ素子コントローラが設けられる。平衡形円板共振器100Bを用いた誘電特性測定システムでは、ペルチェ素子コントローラによるペルチェ素子163の制御によって導体板121及び導体板122の温度が調節されることで、誘電体基板131及び誘電体基板132が所定測定温度に調節される。誘電体基板131及び誘電体基板132が所定測定温度に調節され、ネットワークアナライザ並びに励振線151及び励振線152を用いて誘電特性の測定が行われる。
図6(A)及び図6(B)に示すような平衡形円板共振器100B及びこれを用いた誘電特性測定システムによっても、所定測定温度の誘電体基板131及び誘電体基板132の誘電特性を高い精度で且つ効率的に測定することが可能になる。
図7は第2の実施の形態に係る平衡形円板共振器の第3の例について説明する図である。図7(A)には平衡形円板共振器の一例の要部正面図を模式的に示している。図7(B)には平衡形円板共振器の一例の要部断面図を模式的に示している。尚、図7(A)は図7(B)に示す一部の要素(後述するフロントケース)の図示を省略した状態である。図7(B)は図7(A)のVII-VII線に沿った切断面に対応する要部断面図である。
図7(A)及び図7(B)に示す平衡形円板共振器100Cでは、導体板121に、接続導体121a及び接続導体121bに加えて、導体板121に連続して接続される接続導体121c、及びそれに連続して接続される接続導体121dが設けられる。平衡形円板共振器100Cでは、その接続導体121dにペルチェ素子164が接続され、そのペルチェ素子164にヒートシンク174が接続される。平衡形円板共振器100Cでは更に、導体板122に、接続導体122a及び接続導体122bに加えて、導体板122に連続して接続される他の接続導体(図示せず)が設けられ、その接続導体にペルチェ素子(図示せず)が接続され、そのペルチェ素子にヒートシンク175が接続される。平衡形円板共振器100Cは、このような点で、上記第1の例で述べた平衡形円板共振器100A(図4)と相違する。
平衡形円板共振器100Cにおいて、導体板121に接続導体121a及び接続導体121bを介して接続されるペルチェ素子161と、接続導体121c及び接続導体121dを介して接続されるペルチェ素子164とは、同種のものであってもよいし異種のものであってもよい。導体板122に接続導体122a及び接続導体122bを介して接続されるペルチェ素子162と、他の接続導体を介して接続される他のペルチェ素子とは、同種のものであってもよいし異種のものであってもよい。
このように平衡形円板共振器100Cでは、導体板121に、接続導体121a及び接続導体121bを介してペルチェ素子161が接続され、接続導体121c及び接続導体121dを介してペルチェ素子164が接続される。導体板122には、接続導体122a及び接続導体122bを介してペルチェ素子162が接続され、他の接続導体を介して他のペルチェ素子が接続される。平衡形円板共振器100Cでは、これらのペルチェ素子161及びペルチェ素子162並びにペルチェ素子164等を用いて導体板121及び導体板122の加熱又は冷却が行われ、導体板121及び導体板122の温度、誘電体基板131及び誘電体基板132の温度が調節される。
例えば、上記誘電特性測定システム300A(図5)の例に従い、平衡形円板共振器100Cを用いた誘電特性測定システムが実現される。平衡形円板共振器100Cを用いた誘電特性測定システムでは、励振線151及び励振線152を用いて平衡形円板共振器100Cにネットワークアナライザが接続される。当該誘電特性測定システムには更に、導体板121及び導体板122の温度を検出する温度センサ、並びに温度センサで検出される温度に基づいてペルチェ素子161、ペルチェ素子162及びペルチェ素子164等を制御するペルチェ素子コントローラが設けられる。当該誘電特性測定システムでは、ペルチェ素子コントローラによるペルチェ素子161、ペルチェ素子162及びペルチェ素子164等の制御によって導体板121及び導体板122の温度が調節され、誘電体基板131及び誘電体基板132が所定測定温度に調節される。誘電体基板131及び誘電体基板132が所定測定温度に調節され、ネットワークアナライザ並びに励振線151及び励振線152を用いて誘電特性の測定が行われる。
図7(A)及び図7(B)に示すような平衡形円板共振器100C及びこれを用いた誘電特性測定システムによっても、所定測定温度の誘電体基板131及び誘電体基板132の誘電特性を高い精度で且つ効率的に測定することが可能になる。
また、平衡形円板共振器100Cでは、1つの導体板121の異なる位置に2つのペルチェ素子161及びペルチェ素子164が接続され、1つの導体板122の異なる位置にペルチェ素子162及び他のペルチェ素子が接続される。これにより、導体板121及び導体板122の温度を均一性良く迅速に調節することが可能になり、誘電体基板131及び誘電体基板132を均一性良く迅速に所定測定温度に調節することが可能になる。
尚、1つの導体板121に接続するペルチェ素子の個数は2つに限定されるものではなく、1つの導体板121に3つ以上のペルチェ素子を接続する構成が採用されてもよい。同様に、1つの導体板122に接続するペルチェ素子の個数は2つに限定されるものではなく、1つの導体板122に3つ以上のペルチェ素子を接続する構成が採用されてもよい。また、1つの導体板121に接続するペルチェ素子の個数と、1つの導体板122に接続するペルチェ素子の個数とは、同じであってもよいし異なっていてもよい。また、この第3の例に従い、上記第2の例で述べた平衡形円板共振器100B(図6)の導体板121及び導体板122に更に、1つ又は2つ以上の他のペルチェ素子を設けることもできる。
図8は第2の実施の形態に係る平衡形円板共振器の第4の例について説明する図である。図8(A)には平衡形円板共振器の一例の要部正面図を模式的に示している。図8(B)には平衡形円板共振器の一例の要部断面図を模式的に示している。尚、図8(A)は図8(B)に示す一部の要素(後述するフロントケース)の図示を省略した状態である。図8(B)は図8(A)のVIII-VIII線に沿った切断面に対応する要部断面図である。
図8(A)及び図8(B)に示す平衡形円板共振器100Dでは、リアケース181と導体板121及び導体板122との間に形成される空間に断熱材210が設けられる。平衡形円板共振器100Dは、このような点で、上記第1の例で述べた平衡形円板共振器100A(図4)と相違する。平衡形円板共振器100Dにおいて、断熱材210は、導体板121及び導体板122とリアケース181との間の熱伝導を抑える断熱層として機能する。断熱材210には、例えば、ポリスチレンフォーム(発泡スチロール)、ウレタンフォーム、フェノールフォーム等の発泡系断熱材、グラスウール、ロックウール、セルローズファイバー等の繊維系断熱材を用いることができる。
例えば、上記誘電特性測定システム300A(図5)の例に従い、平衡形円板共振器100Dを用いた誘電特性測定システムが実現される。平衡形円板共振器100Dを用いた誘電特性測定システムでは、励振線151及び励振線152を用いて平衡形円板共振器100Dにネットワークアナライザが接続される。当該誘電特性測定システムには更に、導体板121及び導体板122の温度を検出する温度センサ、並びに温度センサで検出される温度に基づいてペルチェ素子161及びペルチェ素子162を制御するペルチェ素子コントローラが設けられる。当該誘電特性測定システムでは、ペルチェ素子コントローラによるペルチェ素子161及びペルチェ素子162の制御によって導体板121及び導体板122の温度が調節され、誘電体基板131及び誘電体基板132が所定測定温度に調節される。誘電体基板131及び誘電体基板132が所定測定温度に調節され、ネットワークアナライザ並びに励振線151及び励振線152を用いて誘電特性の測定が行われる。
平衡形円板共振器100Dでは、導体板121及び導体板122の外側に断熱材210が設けられることで、平衡形円板共振器100Dの外部の温度が導体板121及び導体板122の温度に及ぼす影響を小さく抑えることが可能になる。これにより、ペルチェ素子161及びペルチェ素子162を用いた導体板121及び導体板122の温度の調節、それによる誘電体基板131及び誘電体基板132の温度の調節を、精度良く行うことが可能になる。
図8(A)及び図8(B)に示すような平衡形円板共振器100D及びこれを用いた誘電特性測定システムによっても、所定測定温度の誘電体基板131及び誘電体基板132の誘電特性を高い精度で且つ効率的に測定することが可能になる。
尚、この第4の例で述べた断熱材210は、上記第2の例で述べた平衡形円板共振器100B(図6)及び上記第3の例で述べた平衡形円板共振器100C(図7)にも同様に適用することができる。
[第3の実施の形態]
図9及び図10は第3の実施の形態に係る平衡形円板共振器の一例について説明する図である。図9(A)及び図10(A)にはそれぞれ平衡形円板共振器の一例の要部外観斜視図を模式的に示している。図9(B)及び図10(B)にはそれぞれ平衡形円板共振器の一例の要部断面斜視図を模式的に示している。尚、図10(A)及び図10(B)ではそれぞれ図9(A)及び図9(B)に示す一部の要素(後述するフロントケース)の図示を省略している。図9(B)及び図10(B)はそれぞれ図9(A)及び図10(A)の円形導体箔の中心軸線に沿った切断面に対応する要部断面図である。
図9(A)及び図9(B)並びに図10(A)及び図10(B)に示す平衡形円板共振器100Eは、導体板121及び導体板122を含む導体部材120Eを備える。導体部材120Eには更に、導体板121に連続して接続された接続導体121e及びそれに連続して接続された接続導体121f、並びに導体板122に連続して接続された接続導体122e及びそれに連続して接続された接続導体122fが含まれる。このような導体部材120Eの、導体板121と導体板122との間に、円形導体箔110並びに誘電体基板131及び誘電体基板132が挟まれて配置される。導体部材120Eの接続導体121f及び接続導体122fの、互いの対向する面側とは反対の面側にそれぞれ、ペルチェ素子161及びペルチェ素子162の一方の面161a及び面162aの側が接続される。ペルチェ素子161の、接続導体121fが接続される一方の面161a側とは反対の他方の面161b側には、複数のフィン171aを備えたヒートシンク171が接続される。ペルチェ素子162の、接続導体122fが接続される一方の面162a側とは反対の他方の面162b側には、複数のフィン172aを備えたヒートシンク172が接続される。
平衡形円板共振器100Eの、導体板121及び導体板122の外側には、リアケース181及びフロントケース182を含むケース180が設けられる。平衡形円板共振器100Eの、リアケース181と導体板121及び導体板122との間には、それに接し、導体板121及び導体板122に跨って延びる長さを有する棒状の複数(ここでは一例として3本)のピン190が設けられる。リアケース181と導体板121及び導体板122との間に複数のピン190が介在されることで、リアケース181と導体板121及び導体板122との間の空間に空気層200が形成される。その空間内には、断熱材210が設けられてもよい。リアケース181と導体板121及び導体板122との間の空間の空気層200、及びその空間内に設けられる断熱材210は、導体板121及び導体板122とリアケース181との間の熱伝導を抑える断熱層として機能する。
リアケース181及びフロントケース182並びにピン190には、ステンレス等の金属、エポキシ等の耐熱性の樹脂、セラミック等の各種材料を用いることができる。ピン190は、例えば、予めリアケース181に取り付けられ、リアケース181を、円形導体箔110並びに誘電体基板131及び誘電体基板132を挟む導体板121及び導体板122の外側に被せることで、導体板121及び導体板122と接触される。ピン190は、例えば、導体板121及び導体板122とリアケース181との間の熱伝導を抑える観点から、導体板121及び導体板122との接触面積が小さく抑えられるような形状とされる。
平衡形円板共振器100Eの、導体板121の励振孔141の位置及び導体板122の励振孔142の位置にはそれぞれ、励振線151及び励振線152が接続される。励振線151及び励振線152には、同軸ケーブルが用いられる。励振は、円形導体箔110の中心軸110c上に設けられた励振孔141及び励振孔142を介して、励振線151及び励振線152による電界結合で行われる。例えば、一方の導体板121側に接続される励振線151から入力され、共振した電磁波が、他方の導体板122側に接続される励振線152から出力される。平衡形円板共振器100Eで測定される共振周波数及び無負荷Qの値に基づき、測定対象の誘電体基板131及び誘電体基板132の比誘電率及び誘電正接が測定される。
尚、図9(A)及び図9(B)並びに図10(A)及び図10(B)には、平衡形円板共振器100Eに励振線151及び励振線152が接続されている状態を示すが、励振線151及び励振線152は、誘電体基板131及び誘電体基板132の誘電特性の測定時に接続されてもよい。
平衡形円板共振器100Eでは、ペルチェ素子161及びペルチェ素子162が用いられ、導体板121及び導体板122の温度が調整され、誘電体基板131及び誘電体基板132が所定測定温度に調節されて、上記のような誘電特性の測定が行われる。
導体板121とペルチェ素子161との間に介在される接続導体121e及び接続導体121fには、導体板121とペルチェ素子161との間の熱伝導を考慮した形状が採用される。例えば、導体板121、接続導体121e、接続導体121fに向かって幅又は厚さが大きくなる形状が採用される。同様に、導体板122とペルチェ素子162との間に介在される接続導体122e及び接続導体122fには、導体板122とペルチェ素子162との間の熱伝導を考慮した形状が採用される。例えば、導体板122、接続導体122e、接続導体122fに向かって幅又は厚さが大きくなる形状が採用される。
続いて、上記のような構成を有する平衡形円板共振器100Eを用いた誘電特性の測定について説明する。
図11は第3の実施の形態に係る平衡形円板共振器を用いた誘電特性測定システムの一例について説明する図である。
図11に示す誘電特性測定システム300Bは、平衡形円板共振器100E、ネットワークアナライザ310、温度センサ320、ペルチェ素子コントローラ330及び冷却用ファンコントローラ340を備える。
平衡形円板共振器100Eとネットワークアナライザ310とは、同軸ケーブルを用いた励振線151及び励振線152によって接続される。励振線151は、平衡形円板共振器100Eの一方の導体板121に設けられた励振孔141の位置に接続され、励振線152は、他方の導体板122に設けられた励振孔142の位置に接続される。
例えば、ネットワークアナライザ310から出力される電磁波が、励振線151を通じて平衡形円板共振器100Eに入力される。平衡形円板共振器100Eでは、導体板121と円形導体箔110との間で誘電体基板131の誘電特性に応じた共振が生じる。この電磁波が漏れ出し、円形導体箔110と導体板122との間で誘電体基板132の誘電特性に応じた共振が生じる。そして、この電磁波が、励振線152を通じてネットワークアナライザ310に入力される。ネットワークアナライザ310を用いた所定周波数範囲の電磁波の平衡形円板共振器100Eへの出力、それによる平衡形円板共振器100Eからのネットワークアナライザ310への入力により、共振波形が取得され、共振周波数及び無負荷Qの値が測定される。測定される共振周波数及び無負荷Qの値に基づき、測定対象の誘電体基板131及び誘電体基板132の比誘電率及び誘電正接が測定される。
誘電特性測定システム300Bの温度センサ320は、導体板121及び導体板122の温度を検出する。温度センサ320は、導体板121に接続される接続導体121e又は接続導体121f、及び導体板122に接続される接続導体122e又は接続導体122fの温度を、導体板121及び導体板122の温度として検出するものであってもよい。温度センサ320には、熱電対等が用いられる。温度センサ320には、非接触型のものが用いられてもよい。
誘電特性測定システム300Bのペルチェ素子コントローラ330は、温度センサ320によって検出された導体板121及び導体板122の温度に基づき、ペルチェ素子161及びペルチェ素子162に与える直流電流の大きさ及び極性を制御する。
誘電特性測定システム300Bにおいて、平衡形円板共振器100Eのヒートシンク171及びヒートシンク172にはそれぞれ、冷却用ファン341及び冷却用ファン342が取り付けられる。冷却用ファンコントローラ340は、温度センサ320によって検出された導体板121及び導体板122の温度に基づき、冷却用ファン341及び冷却用ファン342の駆動又は停止、駆動時の風量を制御する。
誘電特性測定システム300Bでは、誘電体基板131及び誘電体基板132の誘電特性の測定が、所定測定温度で行われる。この場合、誘電特性測定システム300Bでは、温度センサ320が導体板121及び導体板122の温度を検出し、検出された温度に基づき、ペルチェ素子コントローラ330が、ペルチェ素子161及びペルチェ素子162に与える直流電流を制御する。誘電特性測定システム300Bでは更に、温度センサ320で検出された導体板121及び導体板122の温度に基づき、冷却用ファンコントローラ340が、冷却用ファン341及び冷却用ファン342の駆動又は停止、駆動時の風量を制御する。
例えば、ペルチェ素子161及びペルチェ素子162では、ペルチェ素子コントローラ330によって与えられる直流電流に基づき、接続導体121f及び接続導体122fの側で発熱、ヒートシンク171及びヒートシンク172の側で吸熱が起こる。或いは、ペルチェ素子161及びペルチェ素子162では、ペルチェ素子コントローラ330によって与えられる直流電流に基づき、接続導体121f及び接続導体122fの側で吸熱、ヒートシンク171及びヒートシンク172の側で発熱が起こる。
導体板121及び導体板122を加熱する場合には、ペルチェ素子161及びペルチェ素子162を、接続導体121f及び接続導体122fの側の面161a及び面162aで発熱が起こるように、ペルチェ素子コントローラ330による制御を行う。ヒートシンク171及びヒートシンク172は、ペルチェ素子161及びペルチェ素子162の吸熱が起こるヒートシンク171及びヒートシンク172の側の面161b及び面162bの冷却に寄与する。冷却用ファンコントローラ340によって冷却用ファン341及び冷却用ファン342が所定風量で駆動されることで、ペルチェ素子161及びペルチェ素子162の吸熱が起こるヒートシンク171及びヒートシンク172の側の面161b及び面162bの冷却が効果的に行われる。
導体板121及び導体板122を冷却する場合には、ペルチェ素子161及びペルチェ素子162を、接続導体121f及び接続導体122fの側の面161a及び面162aで吸熱が起こるように、ペルチェ素子コントローラ330による制御を行う。ヒートシンク171及びヒートシンク172は、ペルチェ素子161及びペルチェ素子162の発熱が起こるヒートシンク171及びヒートシンク172の側の面161b及び面162bの冷却に寄与する。冷却用ファンコントローラ340によって冷却用ファン341及び冷却用ファン342が所定風量で駆動されることで、ペルチェ素子161及びペルチェ素子162の発熱が起こるヒートシンク171及びヒートシンク172の側の面161b及び面162bの冷却が効果的に行われる。
このように誘電特性測定システム300Bでは、温度センサ320によって導体板121及び導体板122の温度が検出される。そして、温度センサ320で検出された温度に基づき、ペルチェ素子コントローラ330によってペルチェ素子161及びペルチェ素子162が制御され、冷却用ファンコントローラ340によって冷却用ファン341及び冷却用ファン342が制御される。これにより、接続導体121e及び接続導体121f並びに接続導体122e及び接続導体122fを介して、導体板121及び導体板122へ或いは導体板121及び導体板122から熱が移動し、導体板121及び導体板122の温度が調節される。ペルチェ素子161及びペルチェ素子162の制御、冷却用ファン341及び冷却用ファン342の制御によって導体板121及び導体板122の温度が調節されることで、誘電体基板131及び誘電体基板132が所定測定温度に調節される。誘電特性測定システム300Bでは、このようにして誘電体基板131及び誘電体基板132が所定測定温度に調節され、上記のような誘電特性の測定が行われる。
誘電特性測定システム300Bでは、温度センサ320、ペルチェ素子コントローラ330及び冷却用ファンコントローラ340を用いて誘電体基板131及び誘電体基板132が所定測定温度に調節される。そのため、誘電特性の測定時に平衡形円板共振器100Eを恒温槽内に配置することを要しない。平衡形円板共振器100Eを恒温槽内に配置しないため、平衡形円板共振器100Eに接続される励振線151及び励振線152(それらの一部)が恒温槽内に配置されることが抑えられる。それにより、励振線151及び励振線152が熱劣化すること、及び励振線151及び励振線152の温度依存性の影響により誘電特性の測定に誤差が生じることが抑えられる。平衡形円板共振器100E及びこれを用いた誘電特性測定システム300Bによれば、所定測定温度の誘電体基板131及び誘電体基板132の誘電特性を高い精度で測定することが可能になる。
また、平衡形円板共振器100Eでは、それに接続される励振線151及び励振線152が恒温槽内に配置されないため、励振線151及び励振線152の温度依存性を予め取得すること、測定の度に予め取得することを要しない。更に、取得した励振線151及び励振線152の温度依存性に基づいて誘電特性の測定値を補正することを要しない。平衡形円板共振器100E及びこれを用いた誘電特性測定システム300Bによれば、測定の工数増大、煩雑化等を抑えることが可能になる。
また、平衡形円板共振器100Eでは、ペルチェ素子161及びペルチェ素子162並びに冷却用ファン341及び冷却用ファン342を用いて導体板121及び導体板122の温度が調節され、誘電体基板131及び誘電体基板132の温度が調節される。ペルチェ素子161及びペルチェ素子162並びに冷却用ファン341及び冷却用ファン342を用いることで、恒温槽を用いる場合に比べて、誘電体基板131及び誘電体基板132の温度を迅速に調節することが可能になる。これにより、誘電体基板131及び誘電体基板132の誘電特性の1測定温度当たりの測定時間を短縮することが可能になり、複数の測定温度について測定を行う場合にも、1日がかりの作業になるといった長時間化を抑えることが可能になる。例えば、平衡形円板共振器100Aでは、恒温槽を用いる場合に比べて、測定時間が10分の1程度に短縮される。平衡形円板共振器100E及びこれを用いた誘電特性測定システム300Bによれば、所定測定温度の誘電体基板131及び誘電体基板132の誘電特性を比較的短時間で測定することが可能になる。
平衡形円板共振器100E及びこれを用いた誘電特性測定システム300Bによれば、所定測定温度の誘電体基板131及び誘電体基板132の誘電特性を高い精度で且つ効率的に測定することが可能になる。
また、平衡形円板共振器100Eでは、リアケース181と導体板121及び導体板122との間に複数のピン190が介在され、空間が形成されることで、外部の温度が導体板121及び導体板122の温度に及ぼす影響を小さく抑えることが可能になる。これにより、ペルチェ素子161及びペルチェ素子162を用いた導体板121及び導体板122、誘電体基板131及び誘電体基板132の温度の調節を、精度良く行うことが可能になる。例えば、予め複数のピン190が取り付けられたリアケース181を、複数のピン190が導体板121及び導体板122に接触するように被せることで、複数のピン190の高さに相当する大きさの空間が形成される。更に、所定高さの複数のピン190により、リアケース181が導体板121及び導体板122に対して位置合わせされる。複数のピン190が設けられることで、平衡形円板共振器100Eの断熱化と共に、その組み立て作業の効率化、簡便化を図ることが可能になる。
平衡形円板共振器100Eでは、導体板121及び導体板122の形状自体は変更せず、それらの側面に温度調節のための要素、即ち、接続導体121e、接続導体121f、接続導体122e、接続導体122f、ペルチェ素子161及びペルチェ素子162が接続され、配置される。これにより、円形導体箔110の中心軸110cに対する導体板121及び導体板122(それらの励振孔141及び励振孔142)の調芯精度の低下、不要共振の発生を抑えて、温度調節を実現することが可能になる。
図11には、ペルチェ素子161及びペルチェ素子162に接続された冷却用ファン341及び冷却用ファン342、及びこれらを制御する冷却用ファンコントローラ340を備える誘電特性測定システム300Bを例示した。ペルチェ素子161及びペルチェ素子162には、このような冷却用ファン341及び冷却用ファン342に限らず、各種冷却装置を接続することができる。
図12は第3の実施の形態に係る平衡形円板共振器を用いた誘電特性測定システムの別の例について説明する図である。図12では誘電特性測定システムに用いられる平衡形円板共振器についてはその一部の要素を図示している。
図12に示す誘電特性測定システム300Cでは、平衡形円板共振器100Fの導体板121に接続導体121eを介して繋がる接続導体121fに一方の面161a側が接続されたペルチェ素子161のその他方の面161b側に、液冷式のヒートシンク176が接続される。誘電特性測定システム300Cでは更に、平衡形円板共振器100Fの導体板122に接続導体122eを介して繋がる接続導体122fに一方の面162a側が接続されたペルチェ素子162のその他方の面162b側に、液冷式のヒートシンク177が接続される。ヒートシンク176及びヒートシンク177はそれぞれ、その内部に設けられた流路176a及び流路177aを有する。ヒートシンク176の流路176a及びヒートシンク177の流路177aには、チラー350との間で循環される水等の冷却液が流通される。チラー350とヒートシンク176及びヒートシンク177との間の冷却液の循環経路には、冷却液の流量(停止を含む)を制御する冷却液流量コントローラ360が設けられる。
誘電特性の測定時には、ペルチェ素子161及びペルチェ素子162が用いられ、導体板121及び導体板122の加熱又は冷却が行われ、誘電体基板131及び誘電体基板132が所定測定温度に調節される。誘電特性測定システム300Cでは、この時の導体板121及び導体板122の温度が温度センサ320によって検出され、検出された温度に基づき、ペルチェ素子161及びペルチェ素子162がペルチェ素子コントローラ330によって制御される。誘電特性測定システム300Cでは更に、温度センサ320で検出された導体板121及び導体板122の温度に基づき、ヒートシンク176及びヒートシンク177の内部に流通される冷却液の流量が、冷却液流量コントローラ360によって制御される。冷却液流量コントローラ360によって冷却液の流量が制御されることで、ペルチェ素子161及びペルチェ素子162の吸熱又は発熱が起こるヒートシンク176及びヒートシンク177の側の面161b及び面162bの冷却が効果的に行われる。
このような液冷式のヒートシンク176及びヒートシンク177を備える平衡形円板共振器100F及びこれを用いた誘電特性測定システム300Cによっても、所定測定温度の誘電体基板131及び誘電体基板132の誘電特性を高い精度で且つ効率的に測定することが可能になる。
以上説明した実施の形態に関し、更に以下の付記を開示する。
(付記1) 円形導体層と、
前記円形導体層の第1面側に第1誘電体基板を介して設けられる第1導体部、及び前記円形導体層の前記第1面とは反対の第2面側に第2誘電体基板を介して設けられる第2導体部を有する導体部材と、
前記導体部材に接続され、前記第1導体部及び前記第2導体部の温度を調節する温度調節部と
を含むことを特徴とする平衡形円板共振器。
(付記2) 前記温度調節部は、
前記第1導体部と接続され、前記第1導体部を加熱又は冷却する第1温度調節素子と、
前記第2導体部と接続され、前記第2導体部を加熱又は冷却する第2温度調節素子と
を有することを特徴とする付記1に記載の平衡形円板共振器。
(付記3) 前記第1温度調節素子と接続される第1ヒートシンクと、
前記第2温度調節素子と接続される第2ヒートシンクと
を含むことを特徴とする付記2に記載の平衡形円板共振器。
(付記4) 前記温度調節部は、前記第1導体部及び前記第2導体部と接続され、前記第1導体部及び前記第2導体部を加熱又は冷却する第3温度調節素子を有することを特徴とする付記1乃至3のいずれかに記載の平衡形円板共振器。
(付記5) 前記第3温度調節素子と接続される第3ヒートシンクを含むことを特徴とする付記4に記載の平衡形円板共振器。
(付記6) 前記導体部材は、
前記第1導体部と接続される第3導体部と、
前記第2導体部と接続される第4導体部と
を有し、
前記温度調節部は、
前記第3導体部を介して前記第1導体部と接続され、
前記第4導体部を介して前記第2導体部と接続されることを特徴とする付記1乃至5のいずれかに記載の平衡形円板共振器。
(付記7) 前記第1導体部の、前記円形導体層の中心軸上の位置に設けられる第1励振孔と、
前記第1導体部の、前記第1励振孔の位置に接続される第1励振線と、
前記第2導体部の、前記円形導体層の前記中心軸上の位置に設けられる第2励振孔と、
前記第2導体部の、前記第2励振孔の位置に接続される第2励振線と
を含むことを特徴とする付記1乃至6のいずれかに記載の平衡形円板共振器。
(付記8) 前記第1導体部及び前記第2導体部の外側に設けられるケースと、
前記第1導体部及び前記第2導体部と前記ケースとの間に設けられる断熱層と
を含むことを特徴とする付記1乃至7のいずれかに記載の平衡形円板共振器。
(付記9) 前記第1導体部及び前記第2導体部と前記ケースとの間に設けられ、前記第1導体部及び前記第2導体部と前記ケースとに接する複数のピンを含むことを特徴とする付記8に記載の平衡形円板共振器。
(付記10) 円形導体層と、
前記円形導体層の第1面側に第1誘電体基板を介して設けられる第1導体部、及び前記円形導体層の前記第1面とは反対の第2面側に第2誘電体基板を介して設けられる第2導体部を有する導体部材と、
前記導体部材に接続され、前記第1導体部及び前記第2導体部の温度を調節する温度調節部と
を含む平衡形円板共振器を用いた誘電特性測定方法であって、
前記温度調節部によって前記第1導体部及び前記第2導体部の温度を調節し、
温度が調節された前記第1導体部及び前記第2導体部と前記円形導体層との間に設けられる前記第1誘電体基板及び前記第2誘電体基板の誘電特性を測定する
ことを特徴とする誘電特性測定方法。
(付記11) 円形導体層と、
前記円形導体層の第1面側に第1誘電体基板を介して設けられる第1導体部、及び前記円形導体層の前記第1面とは反対の第2面側に第2誘電体基板を介して設けられる第2導体部を有する導体部材と、
前記導体部材に接続され、前記第1導体部及び前記第2導体部の温度を調節する温度調節部と
を含む平衡形円板共振器と、
前記平衡形円板共振器に接続され、前記第1導体部及び前記第2導体部と前記円形導体層との間に設けられる前記第1誘電体基板及び前記第2誘電体基板の誘電特性を測定するネットワークアナライザと、
前記ネットワークアナライザによる前記誘電特性の測定の際に前記第1導体部及び前記第2導体部の温度を検出する温度センサと、
前記温度センサによって検出される前記第1導体部及び前記第2導体部の温度に基づき、前記温度調節部による前記第1導体部及び前記第2導体部の温度の調節を制御するコントローラと
を含むことを特徴とする誘電特性測定システム。
1 円形導体層
1a,1b,110a,110b,161a,161b,162a,162b 面
1c,110c,410c 中心軸
2,120,120E,420 導体部材
2a,2b,421,422 導体部
3a,3b,131,132,431,432 誘電体基板
4a,4b,141,142,441,442 励振孔
6 温度調節部
10,100A,100B,100C,100D,100E,100F,400 平衡形円板共振器
110 円形導体箔
121,122 導体板
121a,121b,121c,121d,121e,121f,122a,122b,122e,122f 接続導体
151,152,451,452 励振線
161,162,163,164 ペルチェ素子
171,172,173,174,175,176,177 ヒートシンク
171a,172a,173a フィン
176a,177a 流路
180 ケース
181 リアケース
182 フロントケース
190 ピン
200 空気層
210 断熱材
300A,300B,300C 誘電特性測定システム
310 ネットワークアナライザ
320 温度センサ
330 ペルチェ素子コントローラ
340 冷却用ファンコントローラ
341,342 冷却用ファン
350 チラー
360 冷却液流量コントローラ
410 円形銅箔
500 恒温槽

Claims (9)

  1. 円形導体層と、
    前記円形導体層の第1面側に第1誘電体基板を介して設けられる第1導体部、及び前記円形導体層の前記第1面とは反対の第2面側に第2誘電体基板を介して設けられる第2導体部を有する導体部材と、
    前記導体部材に接続され、前記第1導体部及び前記第2導体部の温度を調節する温度調節部と
    を含み、
    前記導体部材は、
    前記第1導体部と接続される第3導体部と、
    前記第2導体部と接続される第4導体部と
    を更に有し、
    前記温度調節部は、
    前記第3導体部を介して前記第1導体部と接続され、
    前記第4導体部を介して前記第2導体部と接続されることを特徴とする平衡形円板共振器。
  2. 前記温度調節部は、
    前記第1導体部と接続され、前記第1導体部を加熱又は冷却する第1温度調節素子と、
    前記第2導体部と接続され、前記第2導体部を加熱又は冷却する第2温度調節素子と
    を有することを特徴とする請求項1に記載の平衡形円板共振器。
  3. 前記第1温度調節素子と接続される第1ヒートシンクと、
    前記第2温度調節素子と接続される第2ヒートシンクと
    を含むことを特徴とする請求項2に記載の平衡形円板共振器。
  4. 前記温度調節部は、前記第1導体部及び前記第2導体部と接続され、前記第1導体部及び前記第2導体部を加熱又は冷却する第3温度調節素子を有することを特徴とする請求項1に記載の平衡形円板共振器。
  5. 前記第3温度調節素子と接続される第3ヒートシンクを含むことを特徴とする請求項4に記載の平衡形円板共振器。
  6. 前記第1導体部の、前記円形導体層の中心軸上の位置に設けられる第1励振孔と、
    前記第1導体部の、前記第1励振孔の位置に接続される第1励振線と、
    前記第2導体部の、前記円形導体層の前記中心軸上の位置に設けられる第2励振孔と、
    前記第2導体部の、前記第2励振孔の位置に接続される第2励振線と
    を含むことを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の平衡形円板共振器。
  7. 前記第1導体部及び前記第2導体部の外側に設けられるケースと、
    前記第1導体部及び前記第2導体部と前記ケースとの間に設けられる断熱層と
    を含むことを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の平衡形円板共振器。
  8. 円形導体層と、
    前記円形導体層の第1面側に第1誘電体基板を介して設けられる第1導体部、及び前記円形導体層の前記第1面とは反対の第2面側に第2誘電体基板を介して設けられる第2導体部を有する導体部材と、
    前記導体部材に接続され、前記第1導体部及び前記第2導体部の温度を調節する温度調節部と
    を含み、
    前記導体部材は、
    前記第1導体部と接続される第3導体部と、
    前記第2導体部と接続される第4導体部と
    を更に有し、
    前記温度調節部は、
    前記第3導体部を介して前記第1導体部と接続され、
    前記第4導体部を介して前記第2導体部と接続される平衡形円板共振器を用いた誘電特性測定方法であって、
    前記温度調節部によって前記第3導体部及び前記第4導体部を介して前記第1導体部及び前記第2導体部の温度を調節し、
    温度が調節された前記第1導体部及び前記第2導体部と前記円形導体層との間に設けられる前記第1誘電体基板及び前記第2誘電体基板の誘電特性を測定する
    ことを特徴とする誘電特性測定方法。
  9. 円形導体層と、
    前記円形導体層の第1面側に第1誘電体基板を介して設けられる第1導体部、及び前記円形導体層の前記第1面とは反対の第2面側に第2誘電体基板を介して設けられる第2導体部を有する導体部材と、
    前記導体部材に接続され、前記第1導体部及び前記第2導体部の温度を調節する温度調節部と
    を含み、
    前記導体部材は、
    前記第1導体部と接続される第3導体部と、
    前記第2導体部と接続される第4導体部と
    を更に有し、
    前記温度調節部は、
    前記第3導体部を介して前記第1導体部と接続され、
    前記第4導体部を介して前記第2導体部と接続される平衡形円板共振器と、
    前記平衡形円板共振器に接続され、前記第1導体部及び前記第2導体部と前記円形導体層との間に設けられる前記第1誘電体基板及び前記第2誘電体基板の誘電特性を測定するネットワークアナライザと、
    前記ネットワークアナライザによる前記誘電特性の測定の際に前記第1導体部及び前記第2導体部の温度を検出する温度センサと、
    前記温度センサによって検出される前記第1導体部及び前記第2導体部の温度に基づき、前記温度調節部による前記第3導体部及び前記第4導体部を介した前記第1導体部及び前記第2導体部の温度の調節を制御するコントローラと
    を含むことを特徴とする誘電特性測定システム。
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