本発明の実施形態にかかる遊技機の一例として、第1のパチンコ遊技機、第2のパチンコ遊技機、および第3のパチンコ遊技機を例に挙げて説明する。
なお、この明細書において、特に断りがない限り、パチンコ遊技機の正面側を前方向、パチンコ遊技機の背面側を後方向、パチンコ遊技機を前方から見たときの左側を左方向、パチンコ遊技機を前方から見たときの右側を右方向、パチンコ遊技機の上側を上方向、パチンコ遊技機の下側を下方向、パチンコ遊技機を前方から見たときの時計回りの方向を右回り方向、その逆に反時計回りの方向を左回り方向として定義する。
第1のパチンコ遊技機および第2のパチンコ遊技機は、いずれも、デジパチと称される所謂1種タイプのパチンコ遊技機である。このうち、第1のパチンコ遊技機は、第1特別図柄と第2特別図柄とが並行して可変表示されることがなくいずれか一方のみが可変表示されるパチンコ遊技機である。これに対し、第2のパチンコ遊技機は、第1特別図柄と第2特別図柄とが並行して可変表示可能なパチンコ遊技機である。
また、第3のパチンコ遊技機は、デジパチと称される所謂1種タイプの遊技機と羽根モノと称される2種タイプの遊技機とを混合した1種2種混合機と称されるパチンコ遊技機である。この明細書で説明する第3のパチンコ遊技機も、第1特別図柄および第2特別図柄を有するが、この明細書では、第1特別図柄と第2特別図柄とが並行して可変表示されることがなくいずれか一方のみが可変表示されるものを例に挙げて説明する。ただし、第1特別図柄と第2特別図柄とが並行して可変表示可能な1種2種混合機のパチンコ遊技機を排除する趣旨ではない。
なお、この明細書において、単に「特別図柄」と称するときは、とくに言及しない限り、第1特別図柄および第2特別図柄の両方を意味するものとする。
また、本明細書でいう「可変表示」とは、例えば、図柄が変動して表示される「変動表示」、および、図柄が停止して表示される「停止表示」等の両方を含む概念であり、変動表示の開始から停止表示されるまでの動作を1回の「可変表示」と称する。変動表示している図柄が停止表示(以下、「導出」とも称する)されると、後述する特別図柄の当り判定処理(以下、「特別図柄抽選」とも称する)の結果や普通図柄の当り判定処理(以下、「普通図柄抽選」とも称する)の結果が確定する。なお、図柄が見掛け上は停止しているように見えるものの、特別図柄の当り判定処理や普通図柄の当り判定処理の結果が確定しない態様(例えば仮停止した態様)で図柄が表示される場合もあるが、このような態様は上記の変動表示に含まれる。なお、図柄が例えば仮停止した場合であっても、この時点では特別図柄の当り判定処理や普通図柄の当り判定処理の結果が確定していないため、再び図柄を変動表示させることができる。
また、この明細書において、第1のパチンコ遊技機、第2のパチンコ遊技機および第3のパチンコ遊技機を説明するにあたり、いずれも特別図柄の数が2つ(第1特別図柄、第2特別図柄)の場合を例に挙げて説明する。ただし、第1のパチンコ遊技機および第3のパチンコ遊技機については、特別図柄の数は1つであっても良い。
[1.第1のパチンコ遊技機]
先ず、第1のパチンコ遊技機について説明する。
第1特別図柄と第2特別図柄とが並行して可変表示されることがなくいずれか一方のみが可変表示されるパチンコ遊技機としては、第1特別図柄の可変表示および第2特別図柄の可変表示が保留されている場合に、例えば第1特別図柄の始動条件よりも第2特別図柄の始動条件が優先して成立するパチンコ遊技機(以下、「優先変動機」と称する)と、第1始動口および第2始動口を含めて入賞順に始動条件が成立するパチンコ遊技機(以下、「順次変動機」と称する)とがある。
優先変動機では、第1特別図柄の始動条件は、第1特別図柄および第2特別図柄のいずれもが可変表示中でないこと、大当り遊技状態等でないこと、第2特別図柄の可変表示が保留されていないこと、並びに、第1特別図柄の可変表示が保留されていること等、一定の要件を全て満たす場合に成立する。また、優先変動機において、第2特別図柄の始動条件は、第1特別図柄および第2特別図柄のいずれもが可変表示中でないこと、大当り遊技状態等でないこと、並びに、第2特別図柄の可変表示が保留されていること等、一定の要件を全て満たす場合に成立する。
また、順次変動機では、第1特別図柄の始動条件は、第1特別図柄および第2特別図柄のいずれもが可変表示中でないこと、大当り遊技状態等でないこと、第1特別図柄の可変表示が保留されていること、並びに、最先の保留が第1特別図柄の可変表示の保留であること、を少なくとも全て満たす場合に成立する。また、順次変動機において、第2特別図柄の始動条件は、第1特別図柄および第2特別図柄のいずれもが可変表示中でないこと、大当り遊技状態等でないこと、第2特別図柄の可変表示が保留されていること、並びに、最先の保留が第2特別図柄の可変表示の保留であること、を少なくとも全て満たす場合に成立する。
以下では、優先変動機を例に挙げて説明する。
[1-1.外観構成]
図1は、第1のパチンコ遊技機を前方向右斜め上から見たときの外観を示す斜視図の一例である。図2は、第1のパチンコ遊技機を前方向右斜め上から見たときの分解斜視図の一例である。図3は、第1のパチンコ遊技機を後方向右斜め上から見たときの外観を示す斜視図の一例である。
[1-1-1.基本構成]
図1~図3に示されるように、第1のパチンコ遊技機は、外枠2、ベースドア3、ガラスドア4、皿ユニット5、発射装置6、表示装置7(図2参照)、払出ユニット8(図2、図3参照)、基板ユニット9(図2、図3参照)、および、遊技盤ユニット10(図2参照)等を備える。さらに、遊技盤ユニット10の右下部にはLEDユニット160(図2参照)が設けられている。ここでは、外枠2、ベースドア3、ガラスドア4、皿ユニット5、発射装置6、表示装置7、払出ユニット8および基板ユニット9について簡単に説明し、遊技盤ユニット10およびLEDユニット160についての詳細を後述する。なお、上記の括弧書きは、図1に図示がない構成についての参照図面を示している。
(外枠)
外枠2は、正面視略矩形状の枠体であり、前後方向に貫通する開口21を有する。この外枠2は、遊技場の島設備に固定して取り付けられる。外枠2の例えば左端部の前側には蝶番(参照符号なし)が設けられており、この蝶番には、ベースドア3が軸支されている。このようにすることで、蝶番を軸として外枠2に対してベースドア3を前方に回動させることが可能となっている。
なお、外枠2は、ベースドア3を介して、後述する払出ユニット8、基板ユニット9、表示装置7、遊技盤ユニット10、ガラスドア4および皿ユニット5等の多数の部材を支持するため、高い強度が必要とされる。その一方で、演出効果を高めることを目的として例えば表示装置7(図2参照)や遊技盤ユニット10の大型化が要求されている。そのため、外枠2を例えば薄板の金属で構成することにより、表示装置7や遊技盤ユニット10の大型化を図りつつ、高い強度を保つことができる。とくに外枠2をアルミ製にすれば、軽量化を図ることも可能となる。
(ベースドア)
ベースドア3は、裏面側に例えば払出ユニット8および基板ユニット9等が取り付けられており、これらを支持している。
ベースドア3の表面側には遊技盤ユニット10がはめ込まれる。また、ベースドア3の例えば左端部の前側には、上端部、上下方向略中央部よりも下方側の中途部、および、下端部のそれぞれに蝶番(参照符号なし)が設けられており、上端部および中途部の蝶番にガラスドア4が軸支され、中途部および下端部の蝶番に皿ユニット5がそれぞれ軸支されている。このようにすることで、蝶番を軸としてベースドア3に対してガラスドア4および皿ユニット5を一体でまたは個別に前方に回動させることが可能となっている。
また、ベースドア3の表面側の例えば右側下方には発射装置6が固定して取り付けられており、例えば上方側の左右のそれぞれには、スピーカ32(図2参照)が固定して取り付けられている。このスピーカ32からは、例えば、表示装置7に表示されるキャラクタ等の音声演出、楽曲、効果音、音声による告知、エラー報知等の演出音等が出力される。
さらに、ベースドア3の蝶番と反対側(すなわち右端部)には、施錠装置(不図示)が設けられている。この施錠装置は、外枠2に対してベースドア3を施錠したり、ベースドア3に対してガラスドア4を施錠したりする機能を備えている。
(ガラスドア)
ガラスドア4は、開口41が形成された枠状の部材である。この開口41には、透過性を有する保護ガラス43(図2参照)が後面側から取り付けられている。ガラスドア4がベースドア3に対して閉じられると、遊技盤ユニット10に形成される遊技領域105(後述の図4参照)と保護ガラス43とが対向する。このようにして、ガラスドア4がベースドア3に対して閉じられた状態で遊技領域105を前方から視認することができるとともに、遊技領域105を流下する遊技球が前方に飛び出さないようにすることができる。
なお、保護ガラス43は、複数枚(例えば2枚)のガラスを互いに間隙を有して取り付けるものであってもよいし、互いに間隙を有するように複数枚のガラスがユニット化されたものであってもよい。さらには、ユニット化されたものである場合、ガラスとガラスとの間に例えば導光板が備えられたものであってもよい。上記の保護ガラス43は、ガラス製に限られず、例えば透明樹脂製であってもよい。
また、ガラスドア4の下部には、遊技情報提供サービス(例えば、「ユニメモ(登録商標)」)の提供を受けるために例えば遊技者が操作することが可能な操作部66が設けられる。この操作部66は、遊技場の管理者等がホールメニュー画面上で操作することが可能な操作部として機能させることもできる。
また、ガラスドア4の上部には、上述したスピーカ32の前方に配置されるスピーカカバー45が設けられている。さらに、ガラスドア4の開口41の周縁部には、発光演出等に用いられる多数のLED群46が配置されており、これらのLED群46の前方にはLEDカバーが設けられている。図1および図2において図示される符号46は、厳密にいえばLEDカバーであるが、便宜上、LED群46として説明する。LED群46は、例えば、光での告知や、さまざまなバリエーションで発光演出等を行う演出用の発光手段であるが、このような発光演出等を実行できればLEDに限られず、例えば液晶やランプ等であってもよい。
(皿ユニット)
皿ユニット5は、上皿51と下皿52とをユニット化したものである。皿ユニット5は、ベースドア3の前下部であって、ガラスドア4の下方に配置される。この皿ユニット5は、例えば球詰まり等の発生時に遊技場の店員等が球詰まりを解消できるように、上述したとおり、ベースドア3に対して回動させて開閉できるように構成されている。なお、皿ユニット5は、必ずしも上皿51と下皿52とをそれぞれ設ける必要はなく、一体皿として構成してもよい。
上皿51は、遊技球を貯留可能に設けられており、上皿51に貯留された遊技球は、発射装置6から遊技領域105(後述の図4参照)に向けて発射される。上皿51には、払出口53および演出ボタン54等が設けられる。貸し出される遊技球や賞球として払い出される遊技球は、払出口53から上皿51に払い出される。演出ボタン54は、所謂「CHANCEボタン」や、「プッシュボタン」等と呼ばれるものである。演出ボタン54は、遊技者によって操作される操作機能の他、所定の演出機能を有してもよい。所定の演出機能としては、例えば特別図柄の当り判定処理の結果に基づいて振動したり上方に突出したりするような機能が相当する。また、上記操作部66の機能を兼用するようにしてもよい。
下皿52は、主として上皿51から溢れた遊技球を貯留するためのものである。下皿52には上皿51と連通する払出口55が設けられており、上皿51から溢れた遊技球は払出口55から下皿52に払い出される。
下皿52の底面には、遊技者の操作によって開閉させることが可能な開口部(参照符号なし)が形成されている。下皿52の底面に形成された開口部を開状態にすると、下皿52に貯留されている遊技球を、下皿52の下方に載置された球箱に移すことができる。なお、所謂各台計数システムが各台に設けられている場合、球箱を必要としないだけでなく、各台計数システムで計数された遊技球を貯球し、貯球された遊技球を再び遊技に供することもできる。
(発射装置)
発射装置6は、上皿51に貯留された遊技球を、遊技領域105(後述の図4参照)に向けて発射するためのものである。発射装置6は、ベースドア3の前右下部であって、皿ユニット5の右下方に配置される。発射装置6は、パネル体61、駆動装置(不図示)および発射ハンドル62を備える。
パネル体61は、ベースドア3に対し皿ユニット5が閉じられた状態において、皿ユニット5と、ベースドア3に固定して取り付けられた発射装置6とが外観上一体となるように設けられる。
発射ハンドル62は、右回りまたは左回りに回動可能に構成されており、パネル体61の表面側に配置される。上記の駆動装置は、パネル体61の裏面側に配置され、例えば発射ソレノイド(図示せず)により構成される。遊技者によって発射ハンドル62が操作されると、駆動装置の動作により遊技球が発射される。なお、発射ハンドル62を操作する際に、右回りへの回動量(操作量)が大きいほど遊技球の発射強度が強くなる。
皿ユニット5の右下方に配置された発射装置6から発射された遊技球は、発射レール(不図示)を経てガイドレール110(後述の図4参照)に沿って円弧状に転動して遊技領域105(後述の図4参照)に打ち出される。なお、発射装置6の配置位置は、皿ユニット5の右下方に限られず、皿ユニット5の左下方であってもよい。この場合、上記の発射レールが不要となり、ガラスドア4の下方の領域を有効に利用することができ、汎用性を高めることが可能となる。
(表示装置)
表示装置7(図2参照)は、遊技に関する各種の演出画像を表示する表示領域を有するものであって、遊技パネル100の開口に上記の表示領域が臨むように取り付けられる。表示装置7は、例えば、液晶表示装置、7セグ表示装置、ドットマトリクス表示装置、エレクトロルミネッセンスで構成される表示装置等であってもよいし、プロジェクタ等の投影装置を用いて映像を投影するものであってもよい。表示装置7の表示領域には、例えば、演出用識別図柄(例えば、装飾図柄)を可変表示させて特別図柄の当り判定処理の結果を表示したり、特別図柄の当り判定処理の結果に応じた演出画像、大当り遊技状態中の演出画像、デモ演出画像、特別図柄の可変表示の保留状況を示す演出画像等が表示される。本実施例では、表示装置7が遊技盤ユニット10に取り付けられているが、表示装置7の表示領域が遊技パネル100の開口に臨むように配置されていれば、表示装置7はベースドア3に取り付けられるようにしてもよい。
なお、本実施例では、上記各種の演出画像を表示するものとして一つの表示装置7を備えているが、複数(例えば二つ)の表示装置を設けて、これら複数の表示装置を用いて演出画像を表示するようにしても良い。
(払出ユニット)
払出ユニット8(図2、図3参照)は、ベースドア3の背面側に配置されており、球通路81、払出装置82等で構成される。球通路81には、貯留タンク80(図2、図3参照)から遊技球が供給される。なお、貯留タンク80には、島設備(不図示)から遊技球が供給される。払出装置82は、払出条件が成立すると、貯留タンク80から球通路81に供給された遊技球のうち所定個数の遊技球を例えば上皿51に払い出す。また、払出ユニット8の背面側には、図3に示されるように電源スイッチ95が設けられる。
(基板ユニット)
基板ユニット9(図2、図3参照)は、ベースドア3の背面側に配置される。基板ユニット9には、各種制御基板等が設けられる。
具体的には、図3に示されるように、主制御回路200(後述の図6参照)が実装された主制御基板91、サブ制御回路300(後述の図6参照)が実装されたサブ制御基板92、遊技球の払出・発射を制御する払出・発射制御回路400(後述の図6参照)が実装された払出・発射制御基板93、および、電源を供給する電源供給回路450(後述の図6参照)が実装された電源供給基板等が基板ユニット9に設けられている。
なお、図3では、便宜上、主制御基板91、サブ制御基板92、払出・発射制御基板93および電源供給基板94を参照符号として示しているが、これらの基板は、全て、基板ケースに収容されている。
また、本実施例では、サブ制御基板92を、ワンボード基板(1つの基板に1つの制御LSIまたは複数のLSIが設けられた基板)として構成する。ただし、これに限られず、例えば、後述する表示制御回路304、音声制御回路305、LED制御回路306および役物制御回路307(いずれも後述の図6参照)等の全部または一部を別個の基板とすることで、サブ制御基板92を複数の基板で構成してもよい。
[1-1-2.遊技盤ユニット]
図4は、第1のパチンコ遊技機が備える遊技盤ユニット10の外観を示す正面図の一例である。遊技盤ユニット10の前側面には、発射された遊技球が転動流下可能な遊技領域105が形成される。
図4に示されるように、遊技盤ユニット10は、主として、発射された遊技球が転動流下可能な遊技領域105が形成される遊技パネル100と、ガイドレール110と、遊技領域105の略中央部に配置されるセンター役物115と、第1始動口120と、一般入賞口122と、通過ゲートユニット125と、特別電動役物ユニット130と、第2始動口140と、普通電動役物ユニット145と、LEDユニット160と、アウト口178と、遊技盤ユニット10の後方に配置される裏ユニット(図示せず)とを備える。なお、上述したとおり、LEDユニット160については後述する。
(遊技パネル)
遊技パネル100には、表示装置7の表示領域が臨む位置に開口(参照符号なし)が形成されている。また、遊技パネル100の前面には、ガイドレール110が設けられるとともに遊技釘(参照符号なし)等が植設されている。発射装置6(図1、図2参照)から発射された遊技球は、ガイドレール110から遊技領域105に向けて飛び出し、遊技釘等と衝突して進行方向を変えながら遊技領域105の下方に向けて流下する。
また、遊技パネル100の後方には、演出効果を高めるために装飾体が設けられた裏ユニット(図示せず)が配置されている。遊技パネル100は、裏ユニットに設けられた装飾体を正面視で視認できるように透明樹脂で構成されている。この場合、遊技パネル100の全部が透明部材で構成されていてもよいし、例えば、裏ユニットに設けられた装飾体を正面視で視認できる部位のみが透明部材で構成されていてもよい。また、遊技パネル100を、透明部分を有さない部材(例えば木製)で構成し、一部に透明部材を設けて演出効果を高めるようにしてもよい。
なお、本実施例では、裏ユニットを正面視で視認できるように遊技パネル100が透明樹脂で構成されているが、遊技パネル100の全部を透明としてもよいし、一部のみを透明としてもよい。
(ガイドレール)
ガイドレール110は、円弧状の外レールおよび内レール(いずれも参照符号なし)により構成される。遊技領域105は、ガイドレール110によって区画(画定)される。外レールおよび内レールは、発射装置6(後述の図6参照)から発射された遊技球を遊技領域105の上部に案内する機能を有する。
(センター役物)
センター役物115は、遊技パネル100の開口(参照符号なし)にはめ込まれるように構成されており、上方には円弧状のセンターレール116を備えている。遊技領域105に向けて発射された遊技球は、センターレール116によって左右に振り分けられる。
この第1のパチンコ遊技機において、遊技領域105のうち、センター役物115よりも左側の領域を左側領域106と称し、センター役物115よりも右側の領域を右側領域107と称する。左側領域および右側領域の定義は、後述する第2のパチンコ遊技機および第3のパチンコ遊技機についても同様である。
発射装置6によって遊技領域105に向けて発射された遊技球は、左側領域106または右側領域107を流下する。左側領域106または右側領域107を流下する遊技球は、遊技パネル100に植設された遊技釘等との衝突により、進行方向を変えながら下方へ向けて流下する。発射ハンドル62(図1、図2参照)の操作量が小さい場合、発射された遊技球は左側領域106を流下する。一方、発射ハンドル62(図1参照)の操作量が大きい場合、発射された遊技球は右側領域107を流下する。
なお、この明細書において、発射ハンドル62の操作態様(打ち方)として、左側領域106を流下するように遊技球を発射させる打ち方を「左打ち」と称し、右側領域107を流下するように遊技球を発射させる打ち方を「右打ち」と称する。このように、遊技者によって左側領域106または右側領域107に向けて遊技球を打ち分け可能とされている。
また、センター役物115には、左側の外周縁部に、左側領域106を流下する遊技球が進入可能とされたワープ入口117が形成されている。ワープ入口117に進入した遊技球は、センター役物115に形成されたステージ118に誘導可能に構成されている。ステージ118は、表示装置7の表示領域の下辺前方において遊技球が左右方向に転動可能に形成されている。なお、ステージ118は、例えば、上段側のステージおよび下段側のステージといったように、複数段で形成されていてもよい。
ステージ118の左右方向略中央の後側には、遊技球が進入可能なチャンス入口119が形成されており、チャンス入口119に進入した遊技球は、第1始動口120の直上に放出されるように構成されている。そのため、チャンス入口119に進入した遊技球は、ワープ入口117に進入しなかった遊技球や、ワープ入口117に進入したもののチャンス入口119に進入しなかった遊技球と比べて高い確率で第1始動口120に入賞(通過)するようになっている。
(第1始動口)
第1始動口120は、表示装置7の表示領域の下方に配置されており、左打ちされた遊技球が入賞可能(右打ちされた遊技球が入賞困難または不可能)となるように配置されている。第1始動口120に遊技球が入賞すると、第1始動口スイッチ121(後述の図6参照)により検出される。なお、右打ちされた遊技球が第1始動口120に入賞可能であってもよい。また、上記の第1始動口120に代えてまたは加えて、右打ちされた遊技球が入賞可能(左打ちされた遊技球が入賞困難または不可能)な第1始動口を備えるようにしてもよい。
第1始動口スイッチ121(後述の図6参照)により第1始動口120への遊技球の入賞(通過)が検出されると、第1特別図柄にかかる各種データ(例えば、第1特別図柄の大当り判定用乱数値、第1特別図柄の図柄乱数値、第1特別図柄のリーチ判定用乱数値、および、第1特別図柄の演出選択用乱数値等の各種乱数値等)が抽出され、抽出された各種データは所定数(例えば最大4個)まで記憶される。記憶された各種データは、第1特別図柄の始動条件(この明細書において「第1特別図柄の変動開始条件」とも称する)が成立すると、第1特別図柄の当り判定処理に供される。第1始動口120に遊技球が入賞すると例えば3個の賞球が払い出される。ただし、第1始動口120への遊技球の入賞に基づいて払い出される賞球数はこれに限られない。
この明細書において、第1始動口120への遊技球の入賞を第1特別図柄の始動入賞と称し、第1特別図柄にかかる各種データ(例えば、第1特別図柄の大当り判定用乱数値、第1特別図柄の図柄乱数値、第1特別図柄のリーチ判定用乱数値、および、第1特別図柄の演出選択用乱数値等の各種乱数値等)を第1特別図柄の始動情報と称する。また、始動条件が成立するまで第1特別図柄の始動情報を記憶することを保留と称する。第2特別図柄についても同様である。
(一般入賞口)
一般入賞口122は、表示装置7の表示領域の左下方に複数配置されており、左打ちされた遊技球が入賞可能(右打ちされた遊技球が入賞困難または不可能)となるように配置されている。複数の一般入賞口122のうちいずれかに遊技球が入賞すると、一般入賞口スイッチ123(後述の図6参照)により検出される。
一般入賞口スイッチ123(後述の図6参照)により一般入賞口122への遊技球の入賞(通過)が検出されると、例えば4個の賞球が払い出されるが、一般入賞口122への遊技球の入賞に基づいて払い出される賞球数は4個に限られない。
また、本実施例において、一般入賞口122は、右打ちされた遊技球が入賞困難または不可能となるように配置されているが、必ずしもこれに限られず、上記の一般入賞口122に代えてまたは加えて、右打ちされた遊技球が入賞可能な一般入賞口を備えてもよい。
(通過ゲートユニット)
通過ゲートユニット125は、右側領域107に配置されており、右打ちされた遊技球がほぼ通過できるように構成された通過ゲート126と、通過ゲート126への遊技球の通過を検出する通過ゲートスイッチ127(後述の図6参照)とを一体化したユニット体である。
通過ゲートスイッチ127により通過ゲート126への遊技球の通過が検出されると、普通図柄にかかる各種データ(例えば、普通図柄の当り判定用乱数値等)が抽出され、抽出された各種データは所定数(例えば最大4個)まで記憶される。記憶された各種データは、普通図柄の当り判定処理に供される。なお、通過ゲートスイッチ127により通過ゲート126への遊技球の通過が検出されたとしても、賞球は払い出されない。また、通過ゲートユニット125は、右側領域107に代えてまたは加えて左側領域106に配置されていてもよい。
この明細書において、通過ゲート126への遊技球の通過を始動通過と称し、通過ゲート126への遊技球の通過によって抽出された普通図柄にかかる各種データ(例えば、普通図柄の当り判定用乱数値等)を普通図柄の始動情報と称する。また、始動条件が成立するまで普通図柄の始動情報を記憶することを保留と称する。
(特別電動役物ユニット)
特別電動役物ユニット130は、大入賞口131と、大入賞口131への遊技球の入賞(通過)を検出するカウントスイッチ132(後述の図6参照)と、特別電動役物133とを一体化したユニット体である。特別電動役物ユニット130は、右側領域107において、通過ゲートユニット125よりも下方に配置されている。
大入賞口131は、右打ちされた遊技球が入賞可能(左打ちされた遊技球が入賞困難または不可能)となるように配置されている。ただし、これに限定されるものではなく、上記の大入賞口131に代えてまたは加えて、左打ちされた遊技球が入賞可能な大入賞口を配置したり、センター役物115の上部において遊技球が入賞可能な大入賞口を配置するようにしてもよい。
また、大入賞口131は、遊技者に有利な遊技状態である大当り遊技状態に制御されているときに所定個数(例えば10個)の遊技球が入賞(通過)可能となるように開放される入賞口である。カウントスイッチ132(後述の図6参照)により大入賞口131への遊技球の入賞が検出されると、例えば10個の賞球が払い出される。ただし、大入賞口131への遊技球の入賞に基づいて払い出される賞球数は10個に限られない。
特別電動役物133は、前後方向に進退可能な特電用シャッタ134と、この特電用シャッタ134を作動させる特電用ソレノイド135(後述の図6参照)とを備える。特別電動役物133すなわち特電用シャッタ134は、大入賞口131への遊技球の入賞(通過)が可能または容易な開放状態と、大入賞口131への遊技球の入賞(通過)が不可能または困難な閉鎖状態と、に状態移行可能に構成される。なお、大当り遊技状態では、上記の閉鎖状態から開放状態への状態移行が所定のラウンド数にわたって行われる。すなわち、大当り遊技状態は、大入賞口131が閉鎖状態から所定期間にわたって開放状態に移行するラウンド遊技を複数ラウンドにわたって行うことにより、多量の遊技球を賞球として払い出すことを可能にした遊技状態である。
(第2始動口)
第2始動口140は、左側領域106(より詳しくは第1始動口120の左側下方)に配置されている。ただし、第2始動口140は、左打ちされた遊技球の入賞が例えば遊技釘等によって困難または不可能となっており、右打された遊技球が入賞可能となるように第2始動口140の近傍まで誘導されるように構成されている。ただし、第2始動口140をこのような構成とすることは必須ではなく、例えば右側領域107に設けてもよい。また、第2始動口140は、左打ちされた遊技球が入賞可能となるように構成されていてもよい。
第2始動口スイッチ141(後述の図6参照)により第2始動口140への遊技球の入賞(通過)が検出されると、第2特別図柄にかかる各種データ(例えば、第2特別図柄の大当り判定用乱数値、第2特別図柄の図柄乱数値、第2特別図柄のリーチ判定用乱数値、および、第2特別図柄の演出選択用乱数値等の各種乱数値等)が抽出され、抽出された各種データは所定数(例えば最大4個)まで記憶される。記憶された各種データは、第2特別図柄の始動条件(この明細書において「第2特別図柄の変動開始条件」とも称する)が成立すると、第2特別図柄の当り判定処理に供される。第2始動口140に遊技球が入賞すると例えば3個の賞球が払い出される。ただし、第2始動口140への遊技球の入賞に基づいて払い出される賞球数はこれに限られない。
(普通電動役物ユニット)
普通電動役物ユニット145は、左側領域106(より詳しくは第1始動口120の左側下方)に配置されており、遊技球が入賞(通過)することによって所定数の遊技球が賞球として払い出される入賞口と、この入賞口への遊技球の入賞を検出するスイッチと、普通電動役物146とを一体化したユニット体である。本実施例では、上記の入賞口を第2始動口140とし、上記のスイッチを第2始動口スイッチ141としている。
普通電動役物146は、所謂電チューと呼ばれる例えば羽根部材からなる普電用可動部材147と、この普電用可動部材147を作動させる普電用ソレノイド148(後述の図6参照)とを備える。普通電動役物146すなわち普電用可動部材147は、第2始動口140への遊技球の入賞(通過)が可能または容易な開放状態と、第2始動口140への遊技球の入賞が不可能または困難な閉鎖状態と、に状態移行可能に構成される。なお、普電用可動部材147は、羽根型、扉型、突出板型等を含む。
(アウト口)
アウト口178は、遊技領域105に向けて発射されたものの各種入賞口(例えば、第1始動口120、第2始動口140、大入賞口131、一般入賞口122等)のいずれにも入賞しなかった遊技球を、機外に排出するためのものである。このアウト口178は、左打ちされた遊技球および右打ちされた遊技球のいずれについても機外に排出できるように、遊技領域105の最下流側に設けられている。ただし、上記のアウト口178に加えて、最下流側でない位置、例えば複数の一般入賞口122の間等にアウト口を設けて、遊技領域105を流下中の遊技球を機外に排出するようにしてもよい。
(裏ユニット)
裏ユニット(不図示)は、遊技盤ユニット10を装飾するものであって、透過性のある遊技パネル100の後方側に設けられる。この裏ユニットは、サブ制御回路300によって制御される可動役物等の演出用役物群58(後述の図6参照)を備える。演出用役物群58は、例えば表示装置7の表示領域の周囲に配置される。これらの演出用役物群58のうち少なくとも一以上の役物または役物を構成する演出用役物構成部材は、特別図柄の当り判定処理の結果にもとづいて動作可能な演出用役物として機能する。
[1-1-3.LEDユニット]
LEDユニット160は、遊技盤ユニット10の右下部であって、遊技領域105の外側に配置される(例えば図4参照)。LEDユニット160は、各種の表示部を一体化したユニット体である。
図5は、第1のパチンコ遊技機が備えるLEDユニット160を示す正面図の一例である。
図5に示されるように、LEDユニット160は、普通図柄表示部161、普通図柄用保留表示部162、第1特別図柄表示部163、第2特別図柄表示部164、第1特別図柄用保留表示部165、第2特別図柄用保留表示部166、確変報知用表示部167、および時短報知用表示部168を備える。
(普通図柄表示部)
普通図柄表示部161は、普通図柄の当り判定処理の結果を表示するものであって、普通図柄表示LED161a,161bを備える。普通図柄の可変表示を開始するための条件(以下、「普通図柄の始動条件」と称する)が成立すると、普通図柄表示LED161a,161bが交互に点灯・消灯を繰り返す普通図柄の可変表示が開始される。普通図柄の可変表示が開始されてから所定時間が経過すると、普通図柄の可変表示が停止し、普通図柄の当り判定処理の結果が導出される。
普通図柄の当り判定処理の結果が普通図柄当りである場合、普通図柄表示LED161a,161bの点灯・消灯の組み合わせが特定の停止表示態様となる。例えば、普通図柄の当り判定処理の結果が普通図柄当りである場合、普通図柄表示LED161aが点灯するとともに普通図柄表示LED161bが消灯する。一方、普通図柄の当り判定処理の結果がハズレである場合、例えば、普通図柄表示LED161aが消灯するとともに普通図柄表示LED161bが点灯する。ただし、普通図柄の当り判定処理の結果を示す普通図柄表示LED161a,161bの停止表示態様はこれに限られない。そして、普通図柄が特定の停止表示態様で停止表示されると、普通電動役物146を作動させることが決定し、普電用可動部材147が所定のパターンで開閉駆動し、第2始動口140への遊技球の入賞(通過)が容易となる。
(普通図柄用保留表示部)
普通図柄用保留表示部162は、普通図柄の始動情報すなわち可変表示が保留されている場合、保留されている普通図柄の可変表示の数(以下、「普通図柄の保留数」と称する)を表示するものであって、普通図柄用保留表示LED162a,162bを備える。上記の「普通図柄の可変表示が保留されている」とは、通過ゲート126への遊技球の通過が検出されて普通図柄にかかる各種データ(例えば、普通図柄の当り判定用乱数値等)が抽出されてから、普通図柄の始動条件が成立するまでの状態をいう。なお、普通図柄の始動条件は、普通図柄が可変表示中でないこと、および、普通図柄の可変表示が保留されていること、を少なくとも全て満たす場合に成立する。
普通図柄用保留表示部162は、普通図柄用保留表示LED162a,162bの点灯・消灯の組み合わせによって普通図柄の可変表示の保留数を表示する。例えば、普通図柄の保留数が1個である場合、普通図柄用保留表示LED162aが点灯するとともに普通図柄用保留表示LED162bが消灯する。また、普通図柄の保留数が2個である場合、普通図柄用保留表示LED162a,162bの両方が点灯する。また、普通図柄の保留数が3個である場合、普通図柄用保留表示LED162aが点滅するとともに普通図柄用保留表示LED162bが点灯する。さらに、普通図柄の保留数が4個である場合、普通図柄用保留表示LED162a,162bの両方が点滅する。ただし、普通図柄の保留数を示す普通図柄用保留表示LED162a,162bの表示態様はこれに限られない。
(特別図柄表示部)
特別図柄表示部は、特別図柄の当り判定処理の結果を表示するものであって、第1特別図柄表示部163および第2特別図柄表示部164を備える。第1特別図柄表示部163は、例えば、8個のLED163a~163hからなる第1特別図柄表示LED群を備える。同様に、第2特別図柄表示部164も、例えば8個のLED164a~164hからなる第2特別図柄表示LED群を備える。
第1特別図柄の可変表示を開始するための条件(以下、「第1特別図柄の始動条件」と称する)が成立すると、第1特別図柄表示部163を構成する8個のLED163a~163hの全部または一部が交互または相互に点灯・消灯を繰り返す第1特別図柄の可変表示が開始される。第1特別図柄の可変表示が開始されてから所定時間が経過すると、第1特別図柄の可変表示が停止し、第1特別図柄の当り判定処理の結果が導出される。
第1特別図柄の当り判定処理の結果が大当りである場合、第1特別図柄表示部163を構成する8個のLED163a~163hの点灯・消灯の組み合わせが特定の停止表示態様となる。そして、第1特別図柄表示部163が特定の停止表示態様で停止表示されると、大当り遊技状態への移行が決定する。
第2特別図柄の可変表示を開始するための条件(以下、「第2特別図柄の始動条件」と称する)が成立すると、第2特別図柄表示部164を構成する8個のLED164a~164hの全部または一部が交互または相互に点灯・消灯を繰り返す第2特別図柄の可変表示が開始される。第2特別図柄の可変表示が開始されてから所定時間が経過すると、第2特別図柄の可変表示が停止し、第2特別図柄の当り判定処理の結果が導出される。
第2特別図柄の当り判定処理の結果が大当りである場合、第2特別図柄表示部164を構成する8個のLED164a~164hの点灯・消灯の組み合わせが特定の停止表示態様となる。そして、第2特別図柄表示部164が特定の停止表示態様で停止表示されると、大当り遊技状態への移行が決定する。
(特別図柄用保留表示部)
特別図柄用保留表示部は、特別図柄の始動情報すなわち可変表示が保留されている場合、保留されている特別図柄の可変表示の数(以下、「特別図柄の保留数」と称する)を表示するものであって、第1特別図柄用保留表示部165および第2特別図柄用保留表示部166を備える。
第1特別図柄用保留表示部165は、第1特別図柄の可変表示が保留されている場合、第1特別図柄の保留数を表示するものであって、第1特別図柄用保留表示LED165a,165bを備える。「第1特別図柄の可変表示が保留されている」とは、第1始動口120への遊技球の入賞(通過)が検出されて第1特別図柄の始動情報が抽出されてから、第1特別図柄の始動条件が成立するまでの状態をいう。
第1特別図柄用保留表示部165は、第1特別図柄用保留表示LED165a,165bの点灯・消灯の組み合わせによって第1特別図柄の可変表示の保留数を表示する。例えば、第1特別図柄の保留数が1個である場合、第1特別図柄用保留表示LED165aが点灯するとともに第1特別図柄用保留表示LED165bが消灯する。また、第1特別図柄の保留数が2個である場合、第1特別図柄用保留表示LED165a,165bの両方が点灯する。また、第1特別図柄の保留数が3個である場合、第1特別図柄用保留表示LED165aが点滅するとともに第1特別図柄用保留表示LED165bが点灯する。さらに、第1特別図柄の保留数が4個である場合、第1特別図柄用保留表示LED165a,165bの両方が点滅する。ただし、第1特別図柄の保留数を示す第1特別図柄用保留表示LED165a,165bの表示態様はこれに限られない。
第2特別図柄用保留表示部166は、第2特別図柄の可変表示が保留されている場合、第2特別図柄の保留数を表示するものであって、第2特別図柄用保留表示LED166a,166bを備える。「第2特別図柄の可変表示が保留されている」とは、第2始動口140への遊技球の入賞(通過)が検出されて第2特別図柄の始動情報が抽出されてから、第2特別図柄の始動条件が成立するまでの状態をいう。
第2特別図柄用保留表示部166は、第2特別図柄用保留表示LED166a,166bの点灯・消灯の組み合わせによって第2特別図柄の可変表示の保留数を表示する。例えば、第2特別図柄の保留数が1個である場合、第2特別図柄用保留表示LED166aが点灯するとともに第2特別図柄用保留表示LED166bが消灯する。また、第2特別図柄の保留数が2個である場合、第2特別図柄用保留表示LED166a,166bの両方が点灯する。また、第2特別図柄の保留数が3個である場合、第2特別図柄用保留表示LED166aが点滅するとともに第2特別図柄用保留表示LED166bが点灯する。さらに、第2特別図柄の保留数が4個である場合、第2特別図柄用保留表示LED166a,166bの両方が点滅する。ただし、第2特別図柄の保留数を示す第2特別図柄用保留表示LED166a,166bの表示態様はこれに限られない。
(確変報知用表示部)
確変報知用表示部167は、後述の確変制御の実行中に点灯させることが可能であって、例えばLEDまたはランプで構成されている。
確変報知用表示部167は、確変制御の実行中に点灯させるようにしてもよいが、例えば、確変制御の実行中であることを外観で把握できないように点灯させないようにすることで、確変制御の実行中であることを秘匿にしてもよい。
ただし、確変制御の実行中に電源が遮断された際、後述するバックアップコンデンサ207の機能により、確変制御の実行中であることを示すデータは消失しない。よって、確変制御の実行中に電源が遮断され、その後電源が投入された場合、確変制御中であることを外観で把握できる態様で、確変報知用表示部167が点灯する。
なお、電源が遮断される前に、確変制御の実行中であるか否かが秘匿にされていた場合であっても、電源が投入された場合には、確変報知用表示部167を点灯させることで、確変制御の実行中であることを把握できるように構成されている。
(時短報知用表示部)
時短報知用表示部168は、後述の時短制御の実行中に点灯させることが可能であって、例えばLEDやランプ等で構成されている。
本実施例において、時短報知用表示部168は、例えば、第1時短報知用表示部168aおよび第2時短報知用表示部168bを有しているが、時短報知用表示部168の個数はこれに限られない。
また、詳細は後述するが、時短遊技状態には、A時短遊技状態とB時短遊技状態とC時短遊技状態とが含まれている。そして、例えば、第1時短報知用表示部168aと第2時短報知用表示部168bとによる点灯または消灯の組合せによって、いずれの時短遊技状態であるかを把握できるように構成されている。
時短報知用表示部168は、実行中の時短制御に応じて第1時短報知用表示部168aまたは/および第2時短報知用表示部168bを点灯させるようにしてもよいが、例えば、時短制御の実行中であるか否かまたは実行中の時短制御の種類を外観で把握できない態様(例えば、全消灯、全点灯、実行中の時短制御とはかかわりのない態様)で点灯または消灯させることで、時短制御の実行中であることや、実行中の時短制御の種類を外観で把握できないように秘匿にしてもよい。とくに、時短制御の実行中であるか否かについては外観で把握できる可能性があるが、いずれの時短制御が実行されているかについては外観で把握することが困難である場合があるため、実行中の時短制御の種類を秘匿とすることで、興趣を高めることが可能である。
ただし、時短制御の実行中に電源が遮断された際、後述するバックアップコンデンサ207の機能により、時短制御の実行中であることを示すデータのみならず、実行中の時短制御の種類を示すデータについても消失しない。よって、時短制御の実行中に電源が遮断され、その後電源が投入された場合、時短制御中であることや、実行中の時短制御の種類を外観で把握できる態様で、時短報知用表示部168が点灯または消灯する。
なお、電源が遮断される前に、時短制御の実行中であることや、実行中の時短制御の種類を外観で把握できないように秘匿にされていた場合であっても、電源が投入された場合には、時短制御の実行中であることおよび実行中の時短制御の種類を外観で把握できる態様で、時短報知用表示部168を点灯または/および消灯させるように構成されている。
[1-2.電気的構成]
次に、図6を参照して、第1のパチンコ遊技機の制御回路について説明する。図6は、第1のパチンコ遊技機の制御回路を示すブロック図の一例である。
図6に示されるように、第1のパチンコ遊技機は、主に、遊技の制御を行う主制御回路200と、遊技の進行に応じた演出の制御を行うサブ制御回路300と、払出・発射制御回路400と、電源供給回路450と、から構成される。
[1-2-1.主制御回路]
主制御回路200は、例えば電源投入時に実行される処理や遊技動作にかかわる処理等を制御するものであって、メインCPU201、メインROM202(読み出し専用メモリ)、メインRAM203(読み書き可能メモリ)、初期リセット回路204およびバックアップコンデンサ207等を備えており、主基板ケース(不図示)内に収容されている。
メインCPU201には、メインROM202、メインRAM203および初期リセット回路204等が接続される。メインCPU201は、動作を監視するWDT(watchdog timer)や不正を防止するための機能等が内蔵されている。
メインROM202には、メインCPU201により第1のパチンコ遊技機の動作を制御するためのプログラムや、各種のテーブル等が記憶されている。メインCPU201は、メインROM202に記憶されたプログラムに従って、各種の処理を実行する機能を有する。
メインRAM203には、遊技の進行に必要な各種データを記憶する記憶領域が設けられている。このメインRAM203は、メインCPU201の一時記憶領域として、種々のフラグや変数の値を記憶する機能を有する。なお、本実施例においては、メインCPU201の一時記憶領域としてRAMを用いているが、これに限らず、読み書き可能な記憶媒体であればよい。
初期リセット回路204は、メインCPU201を監視し、必要に応じてリセット信号を出力するものである。
バックアップコンデンサ207は、電断時等に、メインRAM203に格納されているデータが消失しないように一時的に電力を供給する機能を有するものである。
さらに、主制御回路200は、各種デバイス等との間で通信可能に接続されるI/Oポート205、および、サブ制御回路300に対して各種コマンドを出力可能に接続されるコマンド出力ポート206等も備える。
また、主制御回路200には、各種のデバイスが接続されている。例えば、主制御回路200には、上述した普通図柄表示部161、普通図柄用保留表示部162、第1特別図柄表示部163、第2特別図柄表示部164、第1特別図柄用保留表示部165、第2特別図柄用保留表示部166、確変報知用表示部167、時短報知用表示部168、普電用ソレノイド148、および、特電用ソレノイド135等が接続されている。また、主制御回路200には、これらの他、性能表示モニタ170およびエラー報知モニタ172等も接続されている。主制御回路200は、I/Oポート205を介して信号を送信することにより、これらのデバイスの動作を制御することができる。
性能表示モニタ170には、メインCPU201の制御により性能表示データや後述する設定値等が表示される。性能表示データは、例えば、所定数(例えば60000個)の遊技球の発射に対して大当り遊技状態以外の遊技状態で払い出された遊技球の割合を示すデータであり、ベース値とも呼ばれる。
エラー報知モニタ172には、エラーコードが表示される。また、エラー報知モニタ172には、エラーコードの他に、例えば後述する設定機能付きのパチンコ遊技機であれば、設定変更処理中であることを示す設定変更中コード、設定確認処理中であることを示す設定確認中コード等を表示することもできる。なお、設定変更中コードとしては、特別図柄の表示として通常では表示することのない図柄(例えば、設定変更中であることを示す設定変更図柄)を表示するようにしてもよい。
また、主制御回路200には、第1始動口スイッチ121、第2始動口スイッチ141、通過ゲートスイッチ127、カウントスイッチ132、および、一般入賞口スイッチ123等も接続されている。これらのスイッチが検出されると、検出信号がI/Oポート205を介して主制御回路200に出力される。
さらに、主制御回路200には、ホール係員を呼び出す機能や大当り回数を表示する機能等を有する呼出装置(不図示)、ホール全体のパチンコ遊技機を管理するホールコンピュータ186にデータ送信する際に用いる外部端子板184、後述する設定機能付きのパチンコ遊技機であれば設定値を変更したり確認したりする際に操作される設定キー174、メインRAM203に格納されるバックアップデータを遊技場の管理者の操作に応じてクリアすることが可能なバックアップクリアスイッチ176等が接続されている。本実施例において、バックアップクリアスイッチ176は、後述する設定値を変更する際のスイッチも兼用しているが、これに限られず、設定値を変更するための設定スイッチを設けるようにしてもよい。
また、設定キー174およびバックアップクリアスイッチ176は、遊技場の管理者以外の第三者(例えば遊技者)が容易に触ることができないように、所定のケース内に収容されていることが好ましい。「所定のケース内」には、当該ケースを開放しないと設定キー174やバックアップクリアスイッチ176に接触できない構成のものだけでなく、当該ケースの設定キー174およびバックアップクリアスイッチ176の対応箇所にのみ切欠きが設けられ、遊技場の管理者が管理する鍵を使用して島設備からパチンコ遊技機を回動させて背面を露出させたときに、遊技場の管理者が設定キー174または/およびバックアップクリアスイッチ176に接触できるように構成されているものも含まれる。
なお、本実施例では、設定キー174およびバックアップクリアスイッチ176は、主制御回路200に接続されているが、これに限られず、例えば、払出・発射制御回路400や電源供給回路450に接続されるような構成にしてもよい。この場合にもまた、遊技場の管理者以外の第三者が設定キー174やバックアップクリアスイッチ176に容易に接触できないようにすることが好ましい。
[1-2-2.サブ制御回路]
サブ制御回路300は、サブCPU301、プログラムROM302、ワークRAM303、表示制御回路304、音声制御回路305、LED制御回路306、役物制御回路307およびコマンド入力ポート308等を備える。サブ制御回路300は、主制御回路200からの指令に応じて遊技の進行に応じた演出を実行する。なお、図6には示されていないが、サブ制御回路300には、遊技者が操作可能な演出ボタン54(図1参照)等も接続されている。
プログラムROM302には、サブCPU301により第1のパチンコ遊技機の遊技演出を制御するためのプログラムや、各種のテーブル等が記憶されている。サブCPU301は、プログラムROM302に記憶されたプログラムに従って、各種の処理を実行する機能を有する。特に、サブCPU301は、主制御回路200から送信される各種のコマンドに従って、遊技演出にかかる制御を行う。
ワークRAM303は、サブCPU301の一時記憶領域として種々のフラグや変数の値を記憶する機能を有する。
表示制御回路304は、表示装置7における表示制御を行うための回路である。表示制御回路304は、画像データプロセッサ(以下、VDPと称する)や、各種の画像データを生成するためのデータが記憶されている画像データROM、画像データを一時的に格納するフレームバッファ、画像データを画像信号として変換するD/Aコンバータ等を備える。
表示制御回路304は、サブCPU301からの画像表示命令に応じて、表示装置7に表示させるための画像データを一時的にフレームバッファに格納する。なお、表示装置7に表示させるための画像データには、装飾図柄を示す装飾図柄画像データ、背景画像データ、演出用画像データ等の遊技に関する各種の画像データが含まれる。
そして、表示制御回路304は、所定のタイミングで、フレームバッファに格納された画像データをD/Aコンバータに供給する。D/Aコンバータは、画像データを画像信号として変換し、当該変換した画像信号を所定のタイミングで表示装置7に供給する。表示装置7に画像信号が供給されると、表示装置7に当該画像信号に関する画像が表示される。こうして、表示制御回路304は、表示装置7に遊技に関する画像を表示させる制御を行うことができる。
音声制御回路305は、スピーカ32から発生させる音声に関する制御を行うための回路である。音声制御回路305は、音声に関する制御を行う音源ICや、各種の音声データを記憶する音声データROM、音声信号を増幅するための増幅器(以下、AMPと称する)等を備える。
音源ICは、スピーカ32から出力される音声の制御を行う。音源ICは、サブCPU301からの音声発生命令に応じて、音声データROMに記憶されている複数の音声データから一つの音声データを選択する。また、音源ICは、選択された音声データを音声データROMから読み出し、音声データを所定の音声信号に変換し、当該変換した音声信号をAMPに供給する。AMPは、スピーカ32から出力される音声や効果音等の信号を増幅させるものである。
LED制御回路306は、装飾LED等を含むLED群46の制御を行うための回路である。LED制御回路306は、LED制御信号を供給するためのドライブ回路や、複数種類のLED装飾パターンが記憶されている装飾データROM等を備える。
役物制御回路307は、各役物(例えば、演出用役物群58のうちの一または複数の役物)の動作を制御するための回路である。役物制御回路307は、各役物に対して、駆動信号を供給するための駆動回路や、点灯制御信号を供給するための点灯回路、動作パターンや点灯パターンが記憶されている役物データROM等を備える。
また、役物制御回路307は、サブCPU301からの役物作動命令に応じて、役物データROMに記憶されている複数の動作パターンから一つの動作パターンを選択する。そして、選択した動作パターンを役物データROMから読み出し、読み出した動作パターンに対応する駆動信号を供給することにより、各役物の機械的な動作を制御する。また、点灯回路は、サブCPU301からの点灯命令に基づいて、役物データROMに記憶されている複数の点灯パターンから一つの点灯パターンを選択する。そして、選択した点灯パターンを役物データROMから読み出し、読み出した点灯パターンに対応する点灯制御信号を供給することにより、各役物の点灯動作を制御する。
コマンド入力ポート308は、コマンド出力ポート206と接続されており、主制御回路200から送信された各種コマンドを受信するものである。
[1-2-3.払出・発射制御回路]
払出・発射制御回路400は、賞球や貸球の払い出しを制御するものであり、この払出・発射制御回路400には、遊技球を払い出すことが可能な払出装置82、遊技球を発射させることが可能な発射装置6、球貸しにかかる制御を実行可能なカードユニット180等が接続されている。
払出・発射制御回路400は、主制御回路200から送信される賞球制御コマンドを受信すると、払出装置82に対して所定の信号を送信し、払出装置82に遊技球を払い出させる制御を行う。
カードユニット180には、球貸し操作パネル182が接続されている。球貸し操作パネル182には、球貸しを受けるための球貸しボタンや、キャッシュデータが記憶されている球貸しカードの返却を受けるための貸出返却ボタン(いずれも不図示)が設けられている。例えば遊技者によって球貸し操作が行われると、球貸し操作に応じた貸し球制御信号がカードユニット180に送信される。払出・発射制御回路400は、カードユニット180から送信された貸し球制御信号に基づいて、払出装置82に遊技球を払い出させる制御を行う。なお、操作パネル182は、パチンコ遊技機側に設けられることが多いが、カードユニット180側に設けられてもよい。
また、払出・発射制御回路400は、発射ハンドル62が時計回りの方向へ回動操作されたことに基づいて、その回動角度(回動量)に応じて発射ソレノイド(図示せず)に電力を供給し、遊技球を発射させる制御を行う。
[1-2-4.電源供給回路]
電源供給回路450は、遊技に際して必要な電源電圧を、主制御回路200、サブ制御回路300、払出・発射制御回路400等に供給するために作成する電源回路である。
電源供給回路450には、電源スイッチ95等が接続されている。電源スイッチ95は、パチンコ遊技機(より詳しくは、主制御回路200、サブ制御回路300、払出・発射制御回路400等)に必要な電源を供給するときにオン操作するものである。
[1-3.遊技フロー]
次に、図7および図8を参照して、遊技フローの一例について説明する。図7は、遊技フローの一例である。図8は、遊技状態の遷移を示す遊技状態遷移図の一例である。なお、図7に示される遊技フローは、制御上のフローではなく、外観で把握できるフローである。
図7に示されるように、パチンコゲームでは、遊技者等のユーザー操作により遊技球が発射され、その遊技球が各種入賞口(例えば、第1始動口120等)に入賞した場合に遊技球の払出制御処理が行われる。パチンコゲームには、特別図柄を用いる「特別図柄ゲーム」と、普通図柄を用いる「普通図柄ゲーム」とが含まれる。特別図柄ゲームとは、例えば、始動口120,140への遊技球の入賞に基づいて特別図柄の当り判定処理を実行し、大当り遊技状態に移行させるか否か等を決定するゲームである。また、普通図柄ゲームとは、例えば、通過ゲート126への遊技球の通過に基づいて普通図柄の当り判定処理を実行し、普通電動役物146を作動させて入賞口(本実施例では第2始動口140)を開放状態とするか否か等を決定するゲームである。なお、この明細書において、「特別図柄ゲーム」を「遊技」と称する場合もあるが、「遊技」は広い概念で用いられる用語であり、例えば、普通図柄ゲームや演出ボタン54等の操作部(例えば図1参照)を使用する演出上のゲーム等も「遊技」に含まれる。
また、この明細書において、特別図柄の可変表示が開始されてから、この可変表示が終了して特別図柄の当り判定処理の結果が確定表示(導出)されるまで(より詳しくは、特別図柄確定時間が経過するまで)を1回の特別図柄ゲームとする。ただし、特別図柄の当り判定処理の結果が導出された後、大当り遊技状態に制御された場合は、大当り遊技状態の終了までを1回の特別図柄ゲームとする。なお、第1のパチンコ遊技機では小当りが特別図柄の当り判定処理の結果に含まれないが、小当りが特別図柄の当り判定処理の結果に含まれるパチンコ遊技機では、特別図柄の当り判定処理の結果が導出された後、小当り遊技状態に制御された場合、小当り遊技状態の終了までを1回の特別図柄ゲームとする。
特別図柄ゲームにおいて大当りを示す停止表示態様が第1特別図柄表示部163または第2特別図柄表示部164に導出されると、大当り遊技状態に制御される。大当り遊技状態では、特別電動役物133の作動によって大入賞口131が所定時間(例えば最大30000msec)にわたって開放状態となるラウンド遊技が実行され、大入賞口131への入賞可能性が相対的に高められる。
また、普通図柄ゲームにおいて普通図柄当りを示す停止表示態様が普通図柄表示部161に導出されると、普通電動役物146の作動によって入賞口(例えば、本実施例では第2始動口140)が開放状態となり、例えば第2始動口140への入賞可能性が相対的に高められる。
なお、パチンコゲームにおいて実行可能なゲームは、特別図柄ゲームおよび普通図柄ゲームに限られず、これらとは別の新たなゲームを実行可能であってもよい。
以下、特別図柄ゲームおよび普通図柄ゲームの遊技フローの概要を説明する。
[1-3-1.特別図柄ゲーム]
図7に示されるように、特別図柄ゲームには、主として、第1始動口120または第2始動口140への入賞(通過)があった場合に行われる特別図柄始動入賞処理、および、特別図柄の始動条件が成立したことに基づいて行われる特別図柄制御処理、等が含まれる。
第1始動口120または第2始動口140への遊技球の入賞があった場合、特別図柄始動入賞処理が行われる。この特別図柄始動入賞処理では、特別図柄用の各種カウンタ(例えば、大当り判定用カウンタ、図柄決定用カウンタ等)から特別図柄にかかる各種データ(例えば、大当り判定用乱数値、図柄乱数値、リーチ判定用乱数値、および、演出選択用乱数値等の各種乱数値等)がそれぞれ抽出(取得)される。抽出された各乱数値は始動情報として保留される。この特別図柄始動入賞処理は、特別図柄制御処理の実行中であっても行われる。
また、特別図柄制御処理では、特別図柄の始動条件が成立したか否かが判定される。特別図柄の始動条件が成立すると、特別図柄の大当り判定用カウンタから抽出された大当り判定用乱数値を参照し、「大当り」であるか否かを判定する特別図柄の当り判定処理が行われる。その後、停止図柄を決定する停止図柄決定処理が行われる。停止図柄決定処理では、特別図柄の図柄決定用カウンタから抽出された図柄決定用乱数値と、特別図柄の当り判定処理の結果とを参照し、停止表示させる特別図柄が決定される。
なお、本実施例では、確変フラグがオンであれば確変制御が実行される。上記の特別図柄の当り判定処理では、確変フラグがオフの場合は相対的に低い確率で「大当り」であると判定され、確変フラグがオンの場合は相対的に高い確率で「大当り」であると判定される。以下、この明細書において、「大当り」であると判定される確率を「大当り確率」と称する。
なお、確変フラグは、メインRAM203に格納される管理フラグの一つであり、確変制御を実行するか否かを管理するためのフラグである。確変フラグがオンの場合、確変制御が実行される遊技状態(例えば本実施例では高確時短遊技状態)において遊技が進行する。一方、確変フラグがオフの場合、確変制御が実行されない遊技状態(例えば、通常遊技状態や低確時短遊技状態)において遊技が進行する。
次いで、特別図柄の変動パターン決定処理が行われる。この処理では、変動パターン決定用カウンタから乱数値を抽出し、その乱数値と、上述した特別図柄の当り判定処理の結果と、上述した停止表示させる特別図柄とを参照し、特別図柄の変動パターン(可変表示パターン)が決定される。そして、特別図柄の変動パターン決定処理の結果に基づいて特別図柄の可変表示制御処理が行われる。
特別図柄の変動パターンが決定されると、次に演出パターンを決定するための演出パターン決定処理が行われる。そして、演出パターン決定処理の結果に基づいて、表示装置7の表示領域に表示される例えば装飾図柄やキャラクタ演出等の表示演出、および、スピーカ32から出力される音声や効果音等の音演出等の演出制御処理が行われる。なお、演出制御処理はサブCPU301によって行われる。
そして、特別図柄の可変表示制御処理および演出制御処理が終了し、大当りである場合、大当り遊技制御処理が行われる。大当り遊技制御処理は、大当り遊技状態において実行される処理である。大当り遊技状態が終了すると、特別図柄ゲームが終了し、大当りでない非大当り遊技状態への遊技状態移行制御処理が行われる。この場合、大当りの種類に応じて遊技状態が移行する。例えば、確変フラグおよび時短フラグのいずれもがオンにセットされる大当り種類である場合、大当り遊技状態の終了後、高確時短遊技状態に移行する。
一方、大当りでないすなわちハズレである場合、特別図柄ゲームが終了する。なお、第1のパチンコ遊技機では特別図柄の当り判定処理の結果に小当りが含まれないが、特別図柄の当り判定処理の結果に小当りが含まれるパチンコ遊技機では、小当りに当選すると小当り遊技制御処理が行われる。また、大当りでないが後述する時短当りである場合は、時短遊技状態に移行する。
そして、特別図柄の始動条件が成立する都度、上述した特別図柄制御処理の各種処理が繰り返される。
なお、特別図柄制御処理中に始動口120,140への遊技球の入賞があった場合、特別図柄始動入賞処理が実行される。また、始動口120,140への遊技球の入賞時に抽出される特別図柄の始動情報(例えば、大当り判定用乱数値、特別図柄の図柄乱数値、リーチ判定用乱数値、および、演出選択用乱数値等の各種乱数値等の各種データ)を、特別図柄の始動条件が成立するまで保留する。
また、第1のパチンコ遊技機では、第1特別図柄の始動情報の4個と第2特別図柄の始動情報の4個とで合計最大8個まで特別図柄の始動情報を保留することができるが、保留できる特別図柄の始動情報の数はこれに限られない。例えば、第1特別図柄の始動情報を第2特別図柄の始動情報よりも多く保留できるようにしてもよいし、第2特別図柄の始動情報を第1特別図柄の始動情報よりも多く保留できるようにしてもよい。
また、図7には示されていないが、特別図柄が始動入賞してから特別図柄の始動条件が成立するまでの間に、始動口120,140への遊技球の入賞(通過)時に抽出された始動情報に基づいて当落(「大当り」当選の有無)や変動パターンを特別図柄の当り判定処理に先だって判定する先読み判定(例えば、後述の図52のS396を参照)を行い、この先読み判定の結果に基づいて所定の演出を行う先読み演出機能を備えるようにしてもよい。なお、上記の先読み判定は、始動口120,140への遊技球の入賞によって抽出された始動情報が保留される前に行ってもよいし、保留された後に行ってもよい。
[1-3-2.普通図柄ゲーム]
図7に示されるように、普通図柄ゲームには、主として、通過ゲート126への遊技球の通過があった場合に行われる普通図柄始動通過処理、および、普通図柄の始動条件が成立したことに基づいて行われる普通図柄制御処理、等が含まれる。
通過ゲート126への遊技球の通過があった場合、普通図柄始動通過処理が実行される。この普通図柄始動通過処理では、普通図柄用の当り判定用カウンタから普通図柄の始動情報(例えば、普通図柄の当り判定用乱数値等)を抽出(取得)し、抽出した始動情報を保留する。
また、普通図柄制御処理では、メインCPU201は、普通図柄の始動条件が成立したか否かを判定する。普通図柄の可変表示を開始する場合、メインCPU201は、普通図柄用の当り判定用カウンタから抽出された普通図柄の当り判定用乱数値を参照し、「普通図柄当り」とするか否かの普通図柄の当り判定処理を実行し、その後、変動パターン決定処理を実行する。この処理では、普通図柄の当り判定処理の結果が参照され、普通図柄の変動パターンが決定される。
次いで、メインCPU201は、普通図柄の当り判定処理の結果、および、決定された普通図柄の変動パターンを参照し、普通図柄の可変表示の制御を行う可変表示制御処理、および、所定の演出を行う演出制御処理を実行する。なお、演出制御処理は実行されない場合もある。
そして、普通図柄の可変表示制御処理および演出制御処理が終了すると、メインCPU201は、「普通図柄当り」を示す普通当り図柄が普通図柄表示部161(図5、図6参照)に導出されたか否かを判定する。普通当りを示す停止表示態様が導出されたと判定すると、メインCPU201は、普通図柄当り遊技制御処理を実行する。この普通図柄当り遊技制御処理では、普通電動役物146(図4参照)が作動し、入賞口(例えば、本実施例では例えば第2始動口140(図4参照))への遊技球の入賞(通過)が可能または容易な開放状態となる。一方、普通当りを示す停止表示態様が導出されなかったと判定すると、メインCPU201は、普通図柄当り遊技制御処理を実行せず、普通図柄制御処理を終了する。
なお、時短制御が実行されない遊技状態(例えば、通常遊技状態)では、普通当りを示す停止表示態様が導出される確率を0にしてもよい。時短制御は、時短制御が実行されていないときと比べて、特別図柄の可変表示時間を短縮させる特図短縮制御、および、普通電動役物146を作動させて入賞口(本実施例では例えば第2始動口140(図4参照))を開放状態とする頻度を高める電サポ制御、のうち少なくともいずれか一方が行われる制御が相当する。この時短制御は、特図短縮制御および電サポ制御の両方を行う制御としてもよいし、特図短縮制御および電サポ制御のうちいずれか一方のみを行う制御としてもよい。
電サポ制御は、「普通図柄当り」の当選確率、普通図柄の可変表示時間、および普通電動役物146の開放パターン(開放回数、開放時間、ウェイト時間)のうち少なくともいずれかの時短性能を向上させる制御である。時短性能とは、入賞口(例えば、本実施例では第2始動口140(図4参照))への遊技球の入賞の容易さを変更する性能であって、「普通図柄当り」の当選確率、普通図柄の可変表示時間、または/および普通電動役物146の開放パターン(開放回数、開放時間、ウェイト時間等)等をいう。また、時短性能を向上させるとは、例えば、入賞口(例えば、本実施例では例えば第2始動口140(図4参照))への遊技球の入賞をより容易にすることである。すなわち、電サポ制御が実行されると、電サポ制御が実行されていない場合と比べて、「普通図柄当り」の当選確率アップ、普通図柄の可変表示時間の短縮、または/および普通電動役物146による入賞容易化(開放回数アップ、開放時間延長、ウェイト時間短縮等)が行われる。
そして、普通図柄の始動条件が成立する都度、上述した普通図柄制御処理の各種処理が繰り返される。
なお、普通図柄制御処理中に通過ゲート126への遊技球の通過があった場合、普通図柄始動通過処理が実行される。また、通過ゲート126への遊技球の通過時に抽出される普通図柄の始動情報(例えば、普通図柄の当り判定用乱数値等)を、普通図柄の始動条件が成立するまで保留する。
なお、普通図柄の可変表示の開始は保留された順に行われ、普通図柄の始動条件が成立すると、保留されている普通図柄の始動情報のうち最先で保留された始動情報についての可変表示を実行する。
なお、各種乱数値(例えば、第1特別図柄の大当り判定用乱数値、第1特別図柄の図柄乱数値、第1特別図柄のリーチ判定用乱数値、第2特別図柄の大当り判定用乱数値、第2特別図柄の図柄乱数値、第2特別図柄のリーチ判定用乱数値、および、普通図柄の当り判定用乱数値等)の抽出方式は、メインCPU201によりプログラムを実行することによって所定の範囲(幅)内で乱数値を生成するソフト乱数方式を用いてもよいし、所定周期で乱数が更新される乱数発生器におけるカウンタから乱数値を抽出するハード乱数方式を用いてもよい。
[1-3-3.遊技状態遷移]
図8に示されるように、遊技の状態は、非大当り遊技状態と大当り遊技状態とに大別することができる。非大当り遊技状態では、上述したとおり特別図柄ゲームを実行し、特別図柄の当り判定処理の結果として大当りが導出されると、非大当り遊技状態から大当り遊技状態に移行する。大当り遊技状態では、上述したとおりラウンド遊技が実行され、特別図柄の可変表示は実行されない。ただし、普通図柄の可変表示については、大当り遊技状態であっても実行可能とされている。なお、小当り遊技状態についての説明は省略するものとする。
非大当り遊技状態は、特別図柄の当り判定処理における大当りの当選確率が相対的に低い低確率状態と、特別図柄の当り判定処理における大当りの当選確率が相対的に高い高確遊技状態と、に大別することができる。
高確遊技状態には、時短制御が実行される高確時短遊技状態(高確高ベース)が含まれる。なお、第1のパチンコ遊技機における高確遊技状態には含まれないが、図8に示されるように、時短制御が実行されない高確非時短遊技状態(高確低ベース状態)が高確遊技状態に含まれる場合もある。
低確率状態には、時短制御が実行されない通常遊技状態(低確低ベース)と、時短制御が実行される時短遊技状態(低確高ベース)とが含まれる。
さらに、時短遊技状態には、A時短遊技状態と、B時短遊技状態と、C時短遊技状態とが含まれる。
A時短遊技状態は、特定の大当り遊技状態の終了後に移行可能な時短遊技状態であって、規定回数の特別図柄ゲームが実行されるか、大当り遊技状態に移行されると、A時短遊技状態が終了する。規定回数の特別図柄ゲームが実行されることによってA時短遊技状態が終了すると、原則として、通常遊技状態に移行する。
B時短遊技状態は、例えば、大当り遊技状態が終了し、非高確遊技状態(すなわち確変フラグがオフである遊技状態)における特別図柄の可変表示が開始されたことや、後述するRAMクリアされたこと等を起点とする特別図柄の可変表示回数(例えば、天井カウンタ)が天井値(例えば、1000回)に到達すると移行可能な時短遊技状態であって、規定回数の特別図柄ゲームが実行されるか、大当り遊技状態に移行されると、B時短遊技状態が終了する。規定回数の特別図柄ゲームが実行されることによってB時短遊技状態が終了すると、原則として、通常遊技状態に移行する。
C時短遊技状態は、低確率状態において行われた特別図柄の当り判定処理の結果が「時短当り」であり、時短当りの表示態様が導出されると移行可能な時短遊技状態であって、「時短当り」に当選したことによって決定された規定回数の特別図柄ゲームが実行されるか、大当り遊技状態に移行されると、C時短遊技状態が終了する。上記の規定回数の特別図柄ゲームが実行されることによってC時短遊技状態が終了すると、原則として、通常遊技状態に移行する。なお、例えば、複数の時短遊技状態が重複する場合には、上記の規定回数の特別図柄ゲームが実行されたとしても、通常遊技状態に移行するのではなくC時短遊技状態が継続する。
この明細書において、複数の時短遊技状態を重ねて実行するか否かにかかわらず、時短遊技状態において時短遊技状態への移行条件が成立したり、複数の時短遊技状態への移行条件が同時に成立することを、時短遊技状態が「重複する」と称する。そして、複数の時短遊技状態が重複した場合に、メインCPU201の制御により、内部的に、重複した複数の時短遊技状態のいずれをも作動させること、すなわち重複した複数の時短遊技状態を内部的に並行して作動させることを「重ねて実行」すると称する。ただし、メインCPU201が内部的には複数の時短遊技状態を重ねて実行したとしても、実際に実行される時短制御はいずれか一方の時短遊技状態に対応する時短制御のみである。すなわち、複数の時短遊技状態が重ねて実行されている場合であっても、遊技者からは、複数の時短遊技状態のうちいずれか一の時短遊技状態に制御されているものと把握される。
次に、遊技状態の移行について説明する。
通常遊技状態、時短遊技状態(A時短遊技状態、B時短遊技状態、C時短遊技状態)、および高確遊技状態(例えば高確時短遊技状態)に制御されている場合であっても、特別図柄の当り判定処理の結果が大当りであると、大当り遊技状態に移行する。
大当り遊技状態が終了すると、遊技仕様にもよるが、通常遊技状態、時短遊技状態、および高確遊技状態(例えば高確時短遊技状態)のいずれにも移行させることができる。ただし、大当り遊技状態が終了したときに移行できる時短遊技状態は、A時短遊技状態に限られる。
高確遊技状態に制御されている場合、所謂ST機やループ機等の一部のパチンコ遊技機を除いて、高確遊技状態から時短遊技状態または通常遊技状態には移行しない。同様に、時短遊技状態または通常遊技状態からは、大当り遊技状態を経由しない限り、高確遊技状態には移行しない。
通常遊技状態に制御されている場合、B時短遊技状態またはC時短遊技状態に移行可能であるものの、A時短遊技状態には、大当り遊技状態を経由しない限り、移行できない。ただし、A時短遊技状態において規定回数の特別図柄ゲームが実行されると通常遊技状態に移行するため、A時短遊技状態から通常遊技状態への移行は可能である。なお、B時短遊技状態およびC時短遊技状態のいずれに制御されている場合であっても、規定回数の特別図柄ゲームが実行されると通常遊技状態に移行するため、B時短遊技状態やC時短遊技状態から通常遊技状態への移行も可能である。
次に、時短遊技状態どうしの移行について説明する。
A時短遊技状態に制御されている場合、A時短遊技状態において実行可能な時短回数は、B時短遊技状態への移行条件である天井値よりも少ない回数に設定されるため、A時短遊技状態からB時短遊技状態に移行することはない。また、A時短遊技状態は大当り遊技状態を経由して制御されるため、B時短遊技状態からA時短遊技状態に移行することもない。一方、A時短遊技状態における特別図柄の当り判定処理の結果が「時短当り」であるとC時短遊技状態への移行条件が成立するため、A時短遊技状態とC時短遊技状態とが重複しうる。ただし、上述したようにA時短遊技状態は大当り遊技状態を経由して制御されるため、C時短遊技状態からA時短遊技状態に移行することはない。
B時短遊技状態に制御されている場合、特別図柄の当り判定処理の結果が「時短当り」であるとC時短遊技状態への移行条件が成立し、B時短遊技状態とC時短遊技状態とが重複しうる。また、C時短遊技状態において天井カウンタが天井値に到達した場合も、C時短遊技状態とB時短遊技状態とが重複しうる。
C時短遊技状態に制御されている場合、特別図柄の当り判定処理の結果が「時短当り」であるとC時短遊技状態への移行条件が成立し、C時短遊技状態とC時短遊技状態とが重複しうる。
なお、時短遊技状態の重複についての詳細は後述する。
[1-4.基本仕様]
次に、図9~図19を参照して、第1のパチンコ遊技機の基本仕様について説明する。
第1のパチンコ遊技機では、確変制御および時短制御のいずれも実行されない通常遊技状態、確変制御および時短制御の両方が実行される高確時短遊技状態、並びに、確変制御は実行されないものの時短制御が実行される低確時短遊技状態が用意されており、メインCPU201は、これらの遊技状態のうちいずれかの遊技状態において遊技を進行させることが可能となっている。ただし、メインCPU201の制御によって進行される遊技状態はこれに限られない。
本実施例において、通常遊技状態では左打ちが正規な遊技態様とされ、高確時短遊技状態および低確時短遊技状態では右打ちが正規な遊技態様とされる。サブCPU301は、正規な遊技態様とされる打ち方を、例えば表示装置7の表示領域に表示する制御を実行する。なお、「正規な遊技態様」とは、複数の遊技態様(例えば発射態様)のうち遊技者にとって最も不利益とならない(遊技者にとって有利な)遊技態様が相当する。
[1-4-1.設定値毎の大当り確率]
図9は、第1のパチンコ遊技機における設定値毎の大当り確率(概算)を示すテーブルの一例である。図9に示されるように、第1のパチンコ遊技機では、上述の設定キー174やバックアップクリアスイッチ176(いずれも図6参照)等を用いて、例えば設定1~設定6といった複数の設定値のうちいずれか一の設定値にセットすることができる。このような設定機能付きパチンコ遊技機の場合、大当り確率は設定値に応じて異なっており、メインCPU201は、セットされた設定値に基づいて特別図柄の当り判定処理を実行する。
具体的には、確変制御が実行されない確変フラグがオフの遊技状態(本実施例では例えば通常遊技状態および低確時短遊技状態)における大当り確率は、第1特別図柄の当り判定処理および第2特別図柄の当り判定処理のいずれが実行された場合であっても、例えば、設定1で約319分の1、設定2で約314分の1、設定3で約309分の1、設定4で約304分の1、設定5で約299分の1、設定6で約294分の1となっている。また、確変制御が実行される確変フラグがオンの遊技状態(本実施例では例えば高確時短遊技状態)における大当り確率は、設定1で約77分の1、設定2で約76分の1、設定3で約75分の1、設定4で約74分の1、設定5で約73分の1、設定6で約72分の1となっている。
なお、時短当り確率は、大当り確率とは異なり全設定値で共通の確率となっている。例えば、第1特別図柄の当り判定処理が実行された場合の時短当り確率は160分の1、第2特別図柄の当り判定処理が実行された場合の時短当り確率は240分の1となっている。時短当り確率は、第1特別図柄の当り判定処理が実行された場合と第2特別図柄の当り判定処理が実行された場合とで異ならせてもよいが、同じとしてもよい。
ただし、時短当り確率が全設定値で共通の確率であったとしても、時短継続率(例えば、セットされる時短回数)については、設定値に応じて異ならせてもよい。例えば、特別図柄の当り判定処理の結果が「時短当り」である場合、例えば、設定1の場合は時短回数として50回がセットされ、設定6の場合は時短回数として100回がセットされるようにしてもよい。
なお、第1のパチンコ遊技機では小当りが抽選対象に含まれていないが、小当りを抽選対象に含むようにしてもよい。小当りを抽選対象に含む場合、小当り確率を、全設定値で共通の確率とするとよい。また、小当りを抽選対象に含む場合、第1特別図柄と第2特別図柄とのうち一方の特別図柄(例えば第2特別図柄)の当り判定処理が行われた場合に限り小当りに当選しうるようにしてもよい。この場合、他方の特別図柄(例えば第1特別図柄)の当り判定処理では、小当り当選したか否かの判定自体を行わない態様の他、小当り確率を0として小当り当選したか否かの判定を行う態様であってもよい。
上記の時短当り確率および小当りを抽選対象に含む場合の小当り確率は、上述したとおり全設定値で共通の確率となっているが、これに限られず、設定値に応じて異なる確率としてもよい。
また、本実施例では、全ての設定値においてそれぞれ大当り確率が異なっているが、これに限定されず、例えば、設定1と設定2とで共通の大当り確率、設定3と設定4とで共通の大当り確率、設定5と設定6とで共通の大当り確率といったように、複数の設定値で大当り確率を同じにしてもよい。
また、本実施例では、設定値に応じて大当り確率が異なっているが、遊技者にとっての有利度合いが設定値に応じて異なれば、設定値に応じて異なる対象が必ずしも大当り確率に限定されない。例えば、特定の入賞口に遊技球が入賞すると大当り遊技状態に制御されるようなパチンコ遊技機であれば、設定値に応じて特定の入賞口への入賞確率を異ならせるようにしてもよい。なお、パチンコ遊技機を、設定機能付きパチンコ遊技機とすることは必須ではない。
[1-4-2.特別図柄の当り判定テーブル]
図10は、第1のパチンコ遊技機が備える主制御回路200のメインROM202に記憶されている特別図柄の当り判定テーブルの一例である。なお、図10に示される特別図柄の当り判定テーブルは、図9に示される設定1の場合を一例として示したものである。
特別図柄の当り判定テーブルは、特別図柄の当り判定処理において参照されるテーブル、すなわち、始動口120,140に遊技球が入賞した際に抽出される大当り判定用乱数値に基づいて「時短当り」、「大当り」または「ハズレ」を抽選により決定する際に参照されるテーブルである。なお、本実施例では、抽選対象は「時短当り」、「大当り」および「ハズレ」であり、他の抽選対象(例えば、小当り)が含まれていないが、第1始動口120または/および第2始動口140に遊技球が入賞した際に、他の抽選対象に決定されるようにしてもよい。
大当り判定用乱数値は、上述したとおり、特別図柄の当り判定処理に用いられる乱数値である。本実施例において、大当り判定用乱数値は、0~65535(65536種類)の中から抽出される。ただし、発生する乱数値の範囲は上記に限られない。
本実施例では、メインCPU201は、第1特別図柄の当り判定処理において、抽出された大当り判定用乱数値に基づいて「時短当り」、「大当り」、または「ハズレ」に決定する。第1特別図柄の当り判定テーブルには、確変フラグの値(0または1)毎に、「時短当り」に決定される大当り判定用乱数値の範囲(幅)とこれに対応する時短当り判定値データとの関係、「大当り」に決定される大当り判定用乱数値の範囲(幅)とこれに対応する大当り判定値データとの関係、および「ハズレ」に決定される大当り判定用乱数値の範囲(幅)とこれに対応するハズレ判定値データとの関係が規定されている。
なお、本明細書において、確変フラグの値が「0」の場合、確変フラグがオフであり、確変フラグの値が「1」の場合、確変フラグがオンである。
また、メインCPU201は、第2特別図柄の当り判定処理において、第1特別図柄の当り判定処理と同様、抽出された大当り判定用乱数値に基づいて「時短当り」、「大当り」、または「ハズレ」に決定する。第2特別図柄の当り判定テーブルには、確変フラグの値(0または1)毎に、「時短当り」に決定される大当り判定用乱数値の範囲(幅)とこれに対応する時短当り判定値データとの関係、「大当り」に決定される大当り判定用乱数値の範囲(幅)とこれに対応する大当り判定値データとの関係、および「ハズレ」に決定される大当り判定用乱数値の範囲(幅)とこれに対応するハズレ判定値データとの関係が規定されている。
本実施例では、例えば、第1特別図柄の当り判定処理時に確変フラグがオフであって、抽出された大当り判定用乱数値が0~408のいずれかである場合、メインCPU201は、「時短当り」と判定し、当落判定値データを「時短当り判定値データ」に決定する。また、第1特別図柄の当り判定処理時に確変フラグがオフであって、抽出された大当り判定用乱数値が409~613のいずれかである場合、メインCPU201は、「大当り」と判定し、当落判定値データを「大当り判定値データ」に決定する。また、抽出された大当り判定用乱数値が614~65535のいずれかである場合、メインCPU201は、「ハズレ」と判定し、判定値データを「ハズレ判定値データ」に決定する。
また、例えば、第1特別図柄の当り判定処理時に確変フラグがオンであって、抽出された大当り判定用乱数値が0~408のいずれかである場合、メインCPU201は、「時短当り」と判定し、判定値データを「時短当り判定値データ」に決定する。また、第1特別図柄の当り判定処理時に確変フラグがオンであって、抽出された大当り判定用乱数値が409~1259のいずれかである場合、メインCPU201は、「大当り」と判定し、判定値データを「大当り判定値データ」に決定する。また、抽出された大当り判定用乱数値が1260~65535のいずれかである場合、メインCPU201は、「ハズレ」と判定し、判定値データを「ハズレ判定値データ」に決定する。
同様に、例えば、第2特別図柄の当り判定処理時に確変フラグがオフであって、抽出された大当り判定用乱数値が0~272のいずれかである場合、メインCPU201は、「時短当り」と判定し、判定値データを「時短当り判定値データ」に決定する。また、第2特別図柄の当り判定処理時に確変フラグがオフであって、抽出された大当り判定用乱数値が273~477のいずれかである場合、メインCPU201は、「大当り」と判定し、判定値データを「大当り判定値データ」に決定する。さらに、第2特別図柄の当り判定処理時に確変フラグがオフであって、抽出された大当り判定用乱数値が478~65535のいずれかである場合、メインCPU201は、「ハズレ」と判定し、判定値データを「ハズレ判定値データ」に決定する。
また、例えば、第2特別図柄の当り判定処理時に確変フラグがオンであって、抽出された大当り判定用乱数値が0~272のいずれかである場合、メインCPU201は、「時短当り」と判定し、判定値データを「時短当り判定値データ」に決定する。また、第2特別図柄の当り判定処理時に確変フラグがオンであって、抽出された大当り判定用乱数値が273~1123のいずれかである場合、メインCPU201は、「大当り」と判定し、判定値データを「大当り判定値データ」に決定する。さらに、第2特別図柄の当り判定処理時に確変フラグがオンであって、抽出された大当り判定用乱数値が1124~65535のいずれかである場合、メインCPU201は、「ハズレ」と判定し、判定値データを「ハズレ判定値データ」に決定する。
このように、本実施例では、例えば0~65535の範囲で発生する大当り判定用乱数値のうち、0から所定幅(例えば、第1特別図柄の当り判定処理であれば0~408)を、大当り判定値データおよびハズレ判定値データを除く他の判定値データ(例えば、時短当り判定値データ)に割り当てている。また、所定値から最後尾(例えば、第1特別図柄の当り判定処理時に確変フラグがオフの場合であれば614~65535)をハズレ判定値データに割り当てている。さらに、大当り判定値データとハズレ判定値データとを隣接して割り当てている。このようにすることで、例えば確変フラグがオフからオン(またはオンからオフ)になった場合に、大当り判定値データの幅を大きく(または小さく)した分だけハズレ判定値データの幅を小さく(または大きく)するだけで、他の判定値データ(例えば、時短当り判定値データ)の幅を変更することなく、大当り確率を変更することが可能となる。
また、本実施例では、第1特別図柄の当り判定処理が行われた場合の「時短当り」の当選確率と、第2特別図柄の当り判定処理が行われた場合の「時短当り」の当選確率とを異ならせることにより、遊技にバリエーションを持たせて興趣の低下を抑制できるようにしている。
とくに、図10に示されるように、第1特別図柄の当り判定処理が行われた場合の「時短当り」の当選確率を、第2特別図柄の当り判定処理が行われた場合の「時短当り」の当選確率よりも高くすることにより、単調な遊技となりがちな通常遊技状態における興趣の低下を抑制することが可能となる。
ただし、第2特別図柄の当り判定処理が行われた場合の「時短当り」の当選確率を、第1特別図柄の当り判定処理が行われた場合の「時短当り」の当選確率よりも高くしてもよい。この場合、例えば時短遊技状態において「時短当り」に当選した場合に時短遊技状態を重ねて実行するようにすることで、時短遊技状態の終了間際に「時短当り」に当選すると、時短遊技状態が実質的に延長されることとなり、興趣の低下を抑制することが可能となる。
ところで、図10に示されるように、本実施例では、確変フラグがオンおよびオフのいずれの場合であっても、「時短当り」に当選しうる。ただし、メインCPU201は、確変フラグがオフ(通常遊技状態、時短遊技状態)である場合、当り判定処理の結果が「時短当り」であれば時短遊技状態に制御するものの、確変フラグがオンである場合には、当り判定処理の結果がたとえ「時短当り」であったとしても、時短遊技状態に制御しないようにしている。
[1-4-3.特別図柄判定テーブル]
図11は、第1のパチンコ遊技機が備える主制御回路200のメインROM202に記憶されている特別図柄判定テーブルの一例である。
特別図柄判定テーブルは、始動口120,140に遊技球が入賞した際に抽出される特別図柄の図柄乱数値と先述の判定値データとに基づいて、停止図柄を決定付ける「選択図柄コマンド」および「図柄指定コマンド」を選択する際に参照されるテーブルである。「選択図柄コマンド」は、特別図柄の当り判定処理の結果が大当りであった場合に、大当り種類に応じて定められる当り図柄を指定するためのコマンドであり、「図柄指定コマンド」は、特別図柄の可変表示の停止時に表示される図柄を指定するためのコマンドである。特別図柄の図柄乱数値は、例えば0~99(100種類)の中から抽出される。
図11に示される特別図柄判定テーブルによれば、第1特別図柄の当り判定処理の結果として時短当り判定値データが得られた場合、メインCPU201は、例えば、選択図柄コマンドおよび図柄指定コマンドを以下のように選択する。すなわち、第1特別図柄の図柄乱数値が例えば0~69である場合、メインCPU201は、選択図柄コマンドとして「z0」を選択し、図柄指定コマンドとして「zA1」を選択する。また、第1特別図柄の図柄乱数値が例えば70~96のいずれかである場合、メインCPU201は、選択図柄コマンドとして「z1」を選択し、図柄指定コマンドとして「zA1」を選択する。また、第1特別図柄の図柄乱数値が例えば97~99のいずれかである場合、メインCPU201は、選択図柄コマンドとして「z2」を選択し、図柄指定コマンドとして「zA2」を選択する。
また、第1特別図柄の当り判定処理の結果として大当り判定値データが得られた場合、例えば、選択図柄コマンドおよび図柄指定コマンドは以下のように選択される。すなわち、第1特別図柄の図柄乱数値が0~9のいずれかである場合、メインCPU201は、選択図柄コマンドとして「z3」を選択し、図柄指定コマンドとして「zA3」を選択する。また、第1特別図柄の図柄乱数値が10~59のいずれかである場合、メインCPU201は、選択図柄コマンドとして「z4」を選択し、図柄指定コマンドとして「zA4」を選択する。さらに、第1特別図柄の図柄乱数値が60~99のいずれかである場合、メインCPU201は、選択図柄コマンドとして「z5」を選択し、図柄指定コマンドとして「zA4」を選択する。
また、第1特別図柄の当り判定処理の結果としてハズレ判定値データが得られた場合、第1特別図柄の図柄乱数値が0~99のいずれであっても、メインCPU201は、選択図柄コマンドとして「z6」を選択し、図柄指定コマンドとして「zA5」を選択する。
また、第2特別図柄の当り判定処理の結果として時短当り判定値データが得られた場合、例えば、選択図柄コマンドおよび図柄指定コマンドは以下のように選択される。すなわち、第2特別図柄の図柄乱数値が例えば0~96である場合、メインCPU201は、選択図柄コマンドとして「z7」を選択し、図柄指定コマンドとして「zA6」を選択する。また、第2特別図柄の図柄乱数値が例えば97~99のいずれかである場合、メインCPU201は、選択図柄コマンドとして「z8」を選択し、図柄指定コマンドとして「zA7」を選択する。
また、第2特別図柄の当り判定処理の結果として大当り判定値データが得られた場合、例えば、選択図柄コマンドおよび図柄指定コマンドは以下のように選択される。すなわち、第2特別図柄の図柄乱数値が0~59のいずれかである場合、メインCPU201は、選択図柄コマンドとして「z9」を選択し、図柄指定コマンドとして「zA8」を選択する。また、第2特別図柄の図柄乱数値が60~99のいずれかである場合、メインCPU201は、選択図柄コマンドとして「z10」を選択し、図柄指定コマンドとして「zA9」を選択する。
また、第2特別図柄の当り判定処理の結果としてハズレ判定値データが得られた場合、第2特別図柄の図柄乱数値が0~99のいずれであっても、メインCPU201は、選択図柄コマンドとして「z11」を選択し、図柄指定コマンドとして「zA10」を選択する。
なお、本実施例では、特別図柄の当り判定テーブル(図10参照)を参照して、抽出された大当り判定用乱数値に基づいて当落判定値データを決定し、その後、特別図柄判定テーブル(図11参照)を参照して、特別図柄の図柄乱数値に基づいて選択図柄コマンドおよび図柄指定コマンドを決定するようにしているが、これに限られない。例えば、抽出された大当り判定用乱数値と特別図柄の図柄乱数値とに基づいて、特別図柄の当落、選択図柄コマンドおよび図柄指定コマンドをあわせて決定するようにしてもよい。
[1-4-4.特別図柄停止態様決定テーブル]
図12(A)は、第1のパチンコ遊技機が備える主制御回路200のメインROM202に記憶されている特別図柄停止態様決定テーブルの一例である。特別図柄停止態様決定テーブルは、特別図柄の可変表示が停止したときに第1特別図柄表示部163または第2特別図柄表示部164(図5参照)に導出される特別図柄の停止態様を、選択図柄コマンドに応じて決定する際に参照される。
図12(A)に示されるように、第1特別図柄表示部163または第2特別図柄表示部164(図5参照)に導出される特別図柄の停止態様は、例えば0~7の領域で構成される1バイトの制御信号で構成される。第1特別図柄の0~7の各領域は、第1特別図柄表示部163を構成する8個のLED163a~163h(図5参照)のいずれかに1対1で対応している。例えば、第1特別図柄の領域0は163aに対応し、第1特別図柄の領域1は163bに対応し、第1特別図柄の領域2は163cに対応し、第1特別図柄の領域3は163dに対応し、第1特別図柄の領域4は163eに対応し、第1特別図柄の領域5は163fに対応し、第1特別図柄の領域6は163gに対応し、第1特別図柄の領域7は163hに対応している。
同様に、第2特別図柄の0~7の各領域は、第2特別図柄表示部164を構成する8個のLED164a~164h(図5参照)のいずれかに1対1で対応している。例えば、第2特別図柄の領域0は164aに対応し、第2特別図柄の領域1は164bに対応し、第2特別図柄の領域2は164cに対応し、第2特別図柄の領域3は164dに対応し、第2特別図柄の領域4は164eに対応し、第2特別図柄の領域5は164fに対応し、第2特別図柄の領域6は164gに対応し、第2特別図柄の領域7は164hに対応している。
本実施例では、特別図柄の当り判定処理の結果が「時短当り」である場合、特別図柄表示部163,164に導出されるLEDの表示態様(時短当りの表示態様)は、次のとおり決定される。例えば、選択図柄コマンドが「z0」の場合、メインCPU201は、第1特別図柄表示部163を構成する8個のLEDのうち、第1特別図柄の領域0に対応するLED163aと、第1特別図柄の領域7に対応するLED163hとを点灯し、その他のLEDが消灯する態様で、第1特別図柄表示部163を停止表示するよう決定する。選択図柄コマンドが「z1」の場合、メインCPU201は、第1特別図柄表示部163を構成する8個のLEDのうち、第1特別図柄の領域0に対応するLED163aと、第1特別図柄の領域1に対応するLED163bと、第1特別図柄の領域7に対応するLED163hとを点灯し、その他のLEDが消灯する態様で、第1特別図柄表示部163を停止表示するよう決定する。選択図柄コマンドが「z2」の場合、メインCPU201は、第1特別図柄表示部163を構成する8個のLEDのうち、第1特別図柄の領域0に対応するLED163aと、第1特別図柄の領域2に対応するLED163cと、第1特別図柄の領域7に対応するLED163hとを点灯し、その他のLEDが消灯する態様で、第1特別図柄表示部163を停止表示するよう決定する。また、選択図柄コマンドが「z7」の場合、メインCPU201は、第2特別図柄表示部164を構成する8個のLEDのうち、第2特別図柄の領域0に対応するLED164aと、第2特別図柄の領域1に対応するLED164bと、第2特別図柄の領域7に対応するLED164hとを点灯し、その他のLEDが消灯する態様で、第2特別図柄表示部164を停止表示するよう決定する。選択図柄コマンドが「z8」の場合、メインCPU201は、第2特別図柄表示部164を構成する8個のLEDのうち、第2特別図柄の領域0に対応するLED164aと、第2特別図柄の領域2に対応するLED164cと、第2特別図柄の領域7に対応するLED164hとを点灯し、その他のLEDが消灯する態様で、第2特別図柄表示部164を停止表示するよう決定する。
また、特別図柄の当り判定処理の結果が「大当り」である場合、特別図柄表示部163,164に導出されるLEDの表示態様(大当りの表示態様)は、次のとおり決定される。例えば、選択図柄コマンドが「z3」の場合、メインCPU201は、第1特別図柄表示部163を構成する8個のLEDのうち、第1特別図柄の領域3に対応するLED163dと、第1特別図柄の領域4に対応するLED163eと、第1特別図柄の領域6に対応するLED163gとを点灯し、その他のLEDが消灯する態様で、第1特別図柄表示部163を停止表示するよう決定する。選択図柄コマンドが「z4」の場合、メインCPU201は、第1特別図柄表示部163を構成する8個のLEDのうち、第1特別図柄の領域3に対応するLED163dと、第1特別図柄の領域5に対応するLED163fと、第1特別図柄の領域6に対応するLED163gとを点灯し、その他のLEDが消灯する態様で、第1特別図柄表示部163を停止表示するよう決定する。選択図柄コマンドが「z5」の場合、メインCPU201は、第1特別図柄表示部163を構成する8個のLEDのうち、第1特別図柄の領域3に対応するLED163dと、第1特別図柄の領域4に対応するLED163eと、第1特別図柄の領域5に対応するLED163fと、第1特別図柄の領域6に対応するLED163gとを点灯し、その他のLEDが消灯する態様で、第1特別図柄表示部163を停止表示するよう決定する。選択図柄コマンドが「z9」の場合、メインCPU201は、第2特別図柄表示部164を構成する8個のLEDのうち、第2特別図柄の領域3に対応するLED164dと、第2特別図柄の領域4に対応するLED164eと、第2特別図柄の領域6に対応するLED164gとを点灯し、その他のLEDが消灯する態様で、第2特別図柄表示部164を停止表示するよう決定する。選択図柄コマンドが「z10」の場合、メインCPU201は、第2特別図柄表示部164を構成する8個のLEDのうち、第2特別図柄の領域3に対応するLED164dと、第2特別図柄の領域5に対応するLED164fとを点灯し、その他のLEDが消灯する態様で、第2特別図柄表示部164を停止表示するよう決定する。
また、特別図柄の当り判定処理の結果が「ハズレ」である場合、特別図柄表示部163,164に導出されるLEDの表示態様(ハズレの表示態様)は、次のとおり決定される。例えば、選択図柄コマンドが「z6」の場合、メインCPU201は、第1特別図柄表示部163を構成する8個のLEDのうち、第1特別図柄の領域7に対応するLED163hのみを点灯し、その他のLEDが消灯する態様で、第1特別図柄表示部163を停止表示するよう決定する。選択図柄コマンドが「z11」の場合、メインCPU201は、第2特別図柄表示部164を構成する8個のLEDのうち、第2特別図柄の領域7に対応するLED164hのみを点灯し、その他のLEDが消灯する態様で、第2特別図柄表示部164を停止表示するよう決定する。
メインCPU201は、特別図柄の当り判定処理の結果に基づいて特別図柄の停止態様を決定すると、決定された態様に対応する制御信号を第1特別図柄表示部163または第2特別図柄表示部164を構成する各LEDに出力し、第1特別図柄表示部163または第2特別図柄表示部164に導出される特別図柄の停止態様を制御する。
なお、図12(A)では、第1特別図柄表示部163に導出されるLEDの表示態様と、第2特別図柄表示部164に導出されるLEDの表示態様とを、便宜上、同じテーブルにあらわしている。ただし、第1特別図柄表示部163と第2特別図柄表示部164とで、制御信号は別々に送信されるようにするとよい。
図12(B)は、第1のパチンコ遊技機が備えるサブ制御回路300のプログラムROMに記憶されている装飾図柄停止態様決定テーブルの一例である。装飾図柄停止態様決定テーブルは、表示装置7に表示される装飾図柄の可変表示が停止したときに導出される装飾図柄の停止態様(図柄組合せ)を、図柄指定コマンドに応じて決定する際に参照される。なお、図12(B)に示される「備考」の欄は、分かりやすいように便宜上示したものである。
なお、第1のパチンコ遊技機は、第1特別図柄と第2特別図柄とうちいずれか一方のみが可変表示可能であるため、サブCPU1301は、第1特別図柄および第2特別図柄のうち可変表示されている特別図柄についての表示演出が表示装置7にて行われるよう制御する。この場合、サブCPU301は、可変表示されている特別図柄が第1特別図柄であるか第2特別図柄であるかを把握できる態様で、表示演出を行うことが好ましい。
本実施例において、表示装置7に表示される装飾図柄は、左図柄が例えば1~9の9個の図柄で構成され、中図柄が例えば1~9及び時短図柄の10個の図柄で構成され、右図柄が例えば1~9の9個の図柄で構成される。時短図柄は、例えば特別図柄抽選の結果が時短当りである場合等、遊技状態が時短遊技状態に移行する際に停止表示される図柄である。中図柄を時短図柄で停止表示することにより、時短当りに当選したことを遊技者が把握することができる。また、本実施例では、奇数図柄を、偶数図柄と比べて遊技者にとっての有利度合いが高い図柄として規定しているが、これに限定されない。
なお、第1のパチンコ遊技機では特別図柄抽選の結果に小当りが含まれないが、特別図柄抽選の結果に小当りが含まれる場合は、例えば、中図柄を構成する図柄に、小当り図柄(特別図柄抽選の結果が小当りである場合に停止表示される図柄)を含めるようにしてもよい。この場合、特別図柄抽選の結果が小当りであると、サブCPU301は、中図柄を小当り図柄で停止表示するため、小当りに当選したことを遊技者が把握することができる。
図12(B)に示されるように、図柄指定コマンドが「zA1」または「zA6」である場合(特別図柄抽選の結果が「時短当り」である場合)、サブCPU301は、装飾図柄の停止態様として、例えば、左図柄及び右図柄を偶数図柄で停止させ、かつ中図柄を時短図柄で停止させる。
図柄指定コマンドが「zA2」または「zA7」である場合(特別図柄抽選の結果が「時短当り」である場合)、サブCPU301は、装飾図柄の停止態様として、例えば、左図柄及び右図柄を奇数図柄で停止させ、かつ中図柄を時短図柄で停止させる。なお、図柄指定コマンドが「zA2」または「zA7」である場合(選択図柄コマンドが「z2」または「z8」である場合)は、後述の図13を参照すると分かるように、図柄指定コマンドが「zA1」または「zA6」である場合(選択図柄コマンドが「z0」、「z1」または「z7」である場合)と比べてセットされる時短回数が多く、遊技者にとっての有利度合いが高い。
図柄指定コマンドが「zA3」または「zA8」である場合(特別図柄抽選の結果が「大当り」である場合)、サブCPU301は、装飾図柄の停止態様として、例えば、左図柄、右図柄及び中図柄を奇数図柄の揃い図柄(ぞろ目)で停止させる。
図柄指定コマンドが「zA4」または「zA9」である場合(特別図柄抽選の結果が「大当り」である場合)、サブCPU301は、装飾図柄の停止態様として、例えば、左図柄、右図柄及び中図柄を偶数図柄の揃い図柄(ぞろ目)で停止させる。なお、図柄指定コマンド「zA4」は、後述の図13を参照すると分かるように、大当り遊技状態の終了後、確変フラグがオンにセットされる場合(選択図柄コマンドが「z4」の場合)と、確変フラグがオンにセットされない場合(選択図柄コマンドが「z5」の場合)とがある。そこで、本実施例では、選択図柄コマンドが「z4」及び「z5」のいずれであったとしても、サブCPU301は、偶数図柄の揃い図柄(ぞろ目)で装飾図柄が停止するよう制御し、大当り遊技状態において、確変当り(確変フラグがオンにセットされる当り)であることを示す昇格演出を行うようにするとよい。
また、後述の図13を参照すると分かるように、図柄指定コマンドが「zA4」または「zA9」である場合は、後述の図13を参照すると分かるように、図柄指定コマンドが「zA3」または「zA8」である場合と比べて、大当り遊技状態の終了後に確変フラグがオンにセットされる期待値が小さい。この点において、図柄指定コマンドが「zA3」または「zA8」である場合、図柄指定コマンドが「zA4」または「zA9」である場合と比べて、遊技者にとっての有利度合いが高い。
なお、図柄指定コマンドが「zA5」または「zA10」である場合(特別図柄抽選の結果が「ハズレ」である場合)、サブCPU301は、装飾図柄をばらけ目で停止させる。ばらけ目は、例えば、左図柄、右図柄及び中図柄のうち少なくとも一つの図柄が他の図柄と異なる停止態様が相当する。
図12(B)では、図柄指定コマンドに応じた装飾図柄の停止態様(例えば、図柄指定コマンドが「zA1」の場合、左図柄「2」、中図柄「時短」、右図柄「4」)を例示しているが、図12(B)の装飾図柄の停止態様の欄に示される停止態様はあくまでも例示であって、これに限られない。
[1-4-5.当り種類決定テーブル]
図13は、第1のパチンコ遊技機が備える主制御回路200のメインROM202に記憶されている当り種類決定テーブルの一例である。当り種類決定テーブルは、特別図柄の図柄乱数値に対応して決定される選択図柄コマンドに応じて、大当り遊技状態の態様(より詳しくは例えばラウンド数)または/およびその後の遊技状態の態様、を決定する際に参照される。その後の遊技状態の態様は、大当り遊技状態終了後の遊技状態の態様を示す。ただし、特別図柄の当り判定処理の結果が時短当りである場合は、大当り遊技状態に制御されることなくC時短遊技状態に制御されるため、その後の遊技状態の態様は、C時短遊技状態の態様を示す。
本実施例では、特別図柄の当り判定処理の結果が「時短当り」である場合、C時短遊技状態の態様は、次のとおり決定される。例えば、選択図柄コマンドが「z0」の場合、メインCPU201は、確変フラグと時短フラグとのうち時短フラグのみをオンにセットすることを決定し、時短回数を10回にセットすることを決定する。選択図柄コマンドが「z1」の場合および「z7」の場合、メインCPU201は、確変フラグと時短フラグとのうち時短フラグのみをオンにセットすることを決定し、時短回数を50回にセットすることを決定する。選択図柄コマンドが「z2」の場合および「z8」の場合、メインCPU201は、確変フラグと時短フラグとのうち時短フラグのみをオンにセットすることを決定し、時短回数を100回にセットすることを決定する。特別図柄の当り判定処理の結果が「時短当り」であった場合、メインCPU201は、上述した時短当りの表示態様を第1特別図柄表示部163または第2特別図柄表示部164に導出した後、大当り遊技状態に制御することなく、時短フラグをオンにセットするとともに決定された時短回数をセットし、C時短遊技状態に制御可能となる。なお、特別図柄の当り判定処理の結果が「時短当り」である場合は大当り遊技状態に制御されないため、大当り遊技状態の態様は決定されない。なお、本実施例では、特別図柄の当り判定処理の結果が「時短当り」である場合、この特別図柄の当り判定処理が行われたときの遊技状態にかかわらず、セットされる時短回数を同じとしている。ただし、これに限られず、特別図柄の当り判定処理が行われたときの遊技状態に応じて、セットされる時短回数を異ならせてもよい。
このように、本実施例では、特別図柄の当り判定処理の結果が「時短当り」である場合、特別図柄の図柄乱数値に基づいて決定される選択図柄コマンドに応じて、セットされる時短回数が異なるようにしている。このようにすることで、特別図柄の当り判定処理の結果が「時短当り」であった場合に、その後の遊技の進行状況にバリエーションを持たせることが可能となり、興趣の低下を抑制することが可能となる。
ところで、上述したとおり、メインCPU201は、確変フラグがオンである場合には、当り判定処理の結果がたとえ「時短当り」であったとしても、時短遊技状態に制御しないようにしている。例えば、メインCPU201は、確変フラグがオン(高確遊技状態)であったとしても、図10に示されるように「時短当り」の抽選を行い、当り判定処理の結果が「時短当り」である場合には、「時短当り」に当選したことを示す時短当りの表示態様を特別図柄表示部163,164に導出するものの、C時短遊技状態に制御せずに、高確遊技状態を継続するようにしてもよい。
また、メインCPU201は、確変フラグがオンであるときに「時短当り」の抽選を行い、当り判定処理の結果が「時短当り」であったとしても強制的にハズレの表示態様を特別図柄表示部163,164に導出するようにしてもよい。
さらには、確変フラグがオンである場合、大当り判定用乱数値に対して時短当り判定値データを割り当てない、すなわち「時短当り」を抽選結果(特別図柄の当り判定処理の結果)に含まない当り判定処理が行われるようにしてもよい。この場合、大当り判定用乱数値に対して、確変フラグがオフであるときは時短当り判定値データを割り当て、確変フラグがオンであるときは時短当り判定値データを割り当てない。そのため、確変フラグがオフであるときに時短当り判定値データに割り当てられていた乱数値の幅は、時短当り判定値データの代わりに、ハズレ判定値データ、大当り判定値データ、又は、ハズレ判定値データと大当り判定値データとの両方、に割り当てられる。
なお、本実施例では、確変フラグがオンである場合には、C時短遊技状態に移行しないように構成しているが、これに限られない。例えば、確変フラグがオンであったとしても時短フラグがオフであるような高確非時短遊技状態に制御可能なパチンコ遊技機においては、当り判定処理の結果が「時短当り」である場合には高確時短遊技状態に移行するようにしてもよい。
特別図柄の当り判定処理の結果が「大当り」である場合、当り遊技状態の態様およびその後の遊技状態の態様は、次のとおり決定される。
例えば、選択図柄コマンドが「z3」の場合および「z9」の場合、メインCPU201は、大当り遊技状態の態様として、ラウンド数を10ラウンドに決定する。また、その後の遊技状態の態様として、確変フラグと時短フラグとの両方をオンにセットすることを決定し、確変回数および時短回数をいずれも10000回にセットすることを決定する。これらの場合、メインCPU201は、上述した大当りの表示態様を特別図柄表示部163,164に導出した後、大当り遊技状態に制御し、この大当り遊技状態の終了後、高確時短遊技状態に制御可能となる。
また、選択図柄コマンドが「z4」の場合、メインCPU201は、大当り遊技状態の態様として、ラウンド数を4ラウンドに決定する。また、その後の遊技状態の態様として、確変フラグと時短フラグとの両方をオンにセットすることを決定し、確変回数および時短回数をいずれも10000回にセットすることを決定する。この場合、メインCPU201は、上述した大当りの表示態様を第1特別図柄表示部163に導出した後、大当り遊技状態に制御し、この大当り遊技状態の終了後、高確時短遊技状態に制御可能となる。
また、選択図柄コマンドが「z5」の場合、メインCPU201は、大当り遊技状態の態様として、ラウンド数を4ラウンドに決定する。また、その後の遊技状態の態様として、確変フラグと時短フラグとのうち時短フラグのみをオンにセットすることを決定する。また、セットする時短回数を例えば200回にセットすることを決定する。この場合、メインCPU201は、上述した大当りの表示態様を第1特別図柄表示部163に導出した後、大当り遊技状態に制御し、この大当り遊技状態の終了後、時短遊技状態に制御可能となる。ここで制御される時短遊技状態はA時短遊技状態である。
また、選択図柄コマンドが「z10」の場合、メインCPU201は、大当り遊技状態の態様として、ラウンド数を10ラウンドに決定する。また、その後の遊技状態の態様として、確変フラグと時短フラグとのうち時短フラグのみをオンにセットすることを決定する。また、セットする時短回数を例えば300回にセットすることを決定する。この場合、メインCPU201は、上述した大当りの表示態様を第2特別図柄表示部164に導出した後、大当り遊技状態に制御し、この大当り遊技状態の終了後、時短遊技状態に制御可能となる。ここで制御される時短遊技状態もA時短遊技状態である。
なお、高確時短遊技状態における時短性能は、A時短遊技状態における時短性能と同じとすることが好ましいが、A時短における時短性能と異ならせてもよい。
また、例えば、特別図柄の当り判定処理の結果が「ハズレ」である場合(例えば、選択図柄コマンドが「z6」の場合、および「z11」の場合)、メインCPU201は、大当り遊技状態の態様およびその後の遊技状態の態様のいずれもセットしない。すなわち、特別図柄の当り判定処理の結果がハズレの場合、メインCPU201は、遊技状態を移行させずに、それまでの遊技状態に継続して制御する。
なお、特別図柄の当り判定処理の結果が「ハズレ」である場合(例えば、選択図柄コマンドが「z6」の場合、および「z11」の場合)、上述したように大当り遊技状態の態様およびその後の遊技状態の態様のいずれもセットされないため、本来、図13の当り種類決定テーブルに図示する必要がない。ただし、本実施例では、特別図柄の当り判定処理の結果が「ハズレ」である場合、大当り遊技状態の態様およびその後の遊技状態の態様のいずれも決定されないことを明示するために、便宜上、図13に図示したものである。
このように、本実施例において、メインCPU201は、図10の特別図柄の当り判定テーブルを参照し、第1始動口120または第2始動口140に遊技球が入賞した際に抽出される大当り判定用乱数値に基づいて当落判定値データを決定し(当落判定を行い)、当落(「時短当り」、「大当り」または「ハズレ」)を決定する。その後、メインCPU201は、図11の特別図柄判定テーブルを参照し、第1始動口120または第2始動口140に遊技球が入賞した際に抽出される特別図柄の図柄乱数値と上記の当落判定値データとに基づいて選択図柄コマンドを決定し、特別図柄表示部163,164に導出される表示態様の種類(時短当りの種類または大当りの種類)を決定するようにしている。なお、上記の当落判定および選択図柄コマンドの決定は、特別図柄の可変表示の開始時に行われるが、特別図柄の可変表示が開始されてから確定表示されるまでの間に行われることを排除する趣旨ではない。
また、図13に示されるように、本実施例では、大当り遊技状態の終了後に制御されるA時短遊技状態の時短回数は、例えば、200回(選択図柄コマンドが「z5」の場合)、または300回(選択図柄コマンドが「z10」の場合)である。これに対し、特別図柄の当り判定処理の結果が「時短当り」である場合に制御されるC時短遊技状態の時短回数は、例えば、10回(選択図柄コマンドが「z0」の場合)、50回(選択図柄コマンドが「z1」、「z7」の場合)、または100回(選択図柄コマンドが「z2」、「z8」の場合)である。すなわち、A時短遊技状態における時短回数の期待値が、C時短遊技状態における時短回数の期待値よりも高い。このように、A時短遊技状態をC時短遊技状態と比べて遊技者にとって有利度合いが高くなるようにすることで、「大当り」の位置づけを大きくすることができる。
なお、A時短遊技状態における時短回数の期待値をC時短遊技状態における時短回数の期待値よりも高いことに代えて、例えば図14に示されるように、C時短遊技状態における時短回数の期待値をA時短遊技状態における時短回数の期待値よりも高くするようにしてもよい。図14は、図13に示される当り種類決定テーブルの変形例である。この図14では、A時短遊技状態の時短回数は、例えば、50回(選択図柄コマンドが「z5」、「z10」の場合)である。これに対し、C時短遊技状態の時短回数は、例えば、50回(選択図柄コマンドが「z0」の場合)、100回(選択図柄コマンドが「z1」、「z7」の場合)または200回(選択図柄コマンドが「z2」、「z8」の場合)である。このように、C時短遊技状態をA時短遊技状態と比べて遊技者にとって有利度合いが高くなるようにすることで、「時短当り」の位置づけを大きくすることができる。例えば、長期間にわたって「大当り」に当選しないような状態が続いたとしても、「時短当り」に当選した場合には相対的に有利なC時短遊技状態に制御されるため、興趣の低下を抑制することが可能となる。
なお、本明細書において、確変フラグの場合と同様に、時短フラグの値が「0」の場合が時短フラグオフであり、時短フラグの値が「1」の場合が時短フラグオンである。
時短フラグは、確変フラグと同様にメインRAM203に格納される管理フラグの一つであり、時短制御を実行するか否かを管理するためのフラグである。
また、時短回数は、時短制御を継続して実行可能な特別図柄の可変表示回数である。すなわち、例えば時短回数が「50」に決定された場合、この時短遊技状態において大当りに当選することなく50回の特別図柄の可変表示が行われると、この時短遊技状態が終了して非時短遊技状態(例えば、通常遊技状態)に移行する。
なお、図13等に示される確変回数および時短回数の「10000」は、大当り遊技状態終了後、大当りであると判定される(すなわち次回大当り)まで、確変制御を継続して実行できる趣旨である。
[1-4-6.特別図柄の変動パターンテーブル]
図15は、第1のパチンコ遊技機の特別図柄の変動パターンテーブルの一例である。図15の「備考」の欄は、分かりやすいように便宜上示したものである。図15の「備考」の欄に示される時短当り系リーチA,B,Cは、特別図柄の当り判定処理の結果が時短当りの可能性がある(大当りの可能性がない)ことを示すリーチ演出である。同様に、大当り系リーチA,B,Cは、特別図柄の当り判定処理の結果が大当りの可能性がある(時短当りの可能性がない)ことを示すリーチ演出である。さらに、共通リーチA,B,C,D,Eは、特別図柄の当り判定処理の結果が時短当りおよび大当りのいずれについても可能性があることを示すリーチ演出である。なお、図15は確変フラグがオフである場合の特別図柄の変動パターンテーブルであり、確変フラグがオンである場合の特別図柄の変動パターンテーブルの図示は省略する。
メインCPU201は、第1始動口120への遊技球の入賞に基づくときは第1特別図柄の変動パターンを決定し、第2始動口140への遊技球の入賞に基づくときは第2特別図柄の変動パターンを決定する。図15の特別図柄の変動パターンテーブルは、後述の図28のS96の特別図柄の変動パターン決定処理を実行する際に参照されるテーブルである。
図15に示されるように、特別図柄の変動パターンは、特別図柄の種別、特別図柄の当り判定処理の結果(当落)、時短フラグの値(0または1)、リーチ判定用乱数値、または/および、演出選択用乱数値等に基づいて決定されるが、これに限られず、上記のいずれかに代えてまたは加えて他の値等に基づいて決定されるようにしてもよい。
リーチ判定用乱数値は例えば0~249(250種類)の中から抽出され、演出選択用乱数値は例えば0~99(100種類)の中から抽出される。ただし、発生する乱数値の範囲は上記に限られない。
メインCPU201は、第1始動口120への遊技球の入賞に基づいて抽出した演出選択用乱数値が特定の乱数値である場合、先読みフラグを設定する。メインCPU201から送信された特別図柄の変動パターンコマンドを受信したサブCPU301は、先読みフラグが設定されている場合、先読み演出を行う。
なお、本実施例では、メインCPU201は、時短フラグがオフである場合に先読みフラグを設定し、時短フラグがオンであったり確変フラグがオンである場合には先読みフラグを設定しない。
また、本実施例では、先読み演出を行うか否かをメインCPU201が決定しているが、これに限られず、サブCPU301が決定するようにしてもよい。
なお、メインCPU201は、時短フラグがオンである場合や確変フラグがオンである場合にも先読みフラグを設定するように(先読み演出が行われるように)してもよい。また、第2特別図柄の変動パターンを決定する際にも、先読みフラグを設定するように(先読み演出が行われるように)してもよい。
時短フラグがオンである場合、決定される特別図柄の変動パターンは、時短フラグがオフである場合と比べて単位時間あたりの変動回数の期待値が小さい。すなわち、時短フラグがオンである場合の特別図柄の変動時間は、時短フラグがオフである場合の特別図柄の変動時間と比べて短時間となりやすい。
決定された変動パターン情報は、コマンド出力ポート206を介してメインCPU201からサブCPU301のコマンド入力ポート308に送信される。サブCPU301は、メインCPU201から送信された変動パターン情報に基づいて、表示装置7の表示領域に表示される表示演出や、スピーカ32から出力される音演出を制御する。
なお、図15には示されていないが、設定値毎に、例えば演出選択用乱数値の範囲を変えて、決定される特別図柄の変動パターン(可変表示時間)が異なるようにしてもよい。
また、本実施例では、例えば、当り判定処理の結果がハズレである場合、時短の種類にかかわらず時短フラグがオンであるか否かに応じて特別図柄の変動パターンを決定するようにしたが、これに限られない。例えば、単位時間あたりの特別図柄の可変表示回数の期待値が時短の種類に応じて異なりうるようにしてもよい。例えば、A時短遊技状態とB時短遊技状態とC時短遊技状態とで、単位時間あたりの特別図柄の可変表示回数の期待値が異なるようにしてもよい。
[1-4-7.時短遊技状態]
上述したとおり、本実施例では、時短遊技状態として、A時短遊技状態と、B時短遊技状態と、C時短遊技状態とが用意されている。これらの時短遊技状態について、以下に説明する。
A時短遊技状態は、特別図柄の当り判定処理の結果が「大当り」であって、選択図柄コマンドが例えば「z5」または「z10」である場合に、大当り遊技状態終了後に制御される時短遊技状態である。すなわち、本実施例において、A時短遊技状態への移行条件は、大当り(選択図柄コマンドが「z5」または「z10」の大当り)に当選することである。ただし、A時短遊技状態への移行条件が成立したとしても、必ずA時短遊技状態に移行するのではなく、A時短遊技状態への移行を妨げる条件が成立した場合(例えば、バックアップクリアされた場合等)には、A時短遊技状態に移行させない。
また、A時短遊技状態の終了条件は、特別図柄の当り判定処理の結果が「大当り」であって当該「大当り」に基づく大当り遊技状態が開始される場合と、選択図柄コマンドに対応して決定された時短回数(以下「A時短規定回数」と称する)の特別図柄(第1特別図柄および第2特別図柄)の可変表示が実行された場合(図13の「時短回数」の欄を参照)とのうち、いずれかの条件を満たした場合である。
B時短遊技状態は、例えば、大当り遊技状態が終了し、非高確遊技状態(本実施例では例えば通常遊技状態および低確時短遊技状態)における特別図柄の可変表示が開始されたとき等を起点として、天井カウンタを更新(1加算)し、天井カウンタが天井値に到達したときに制御される時短遊技状態である。すなわち、B時短遊技状態への移行条件は、天井カウンタが天井値に到達することである。B時短遊技状態への移行は、天井カウンタが天井値に到達するときの特別図柄の可変表示(以下「天井最終変動」と称する)が開始されたときとしてもよいし、天井最終変動が終了したときとしてもよいし、天井最終変動の次の特別図柄の可変表示が開始されたときとしてもよい。すなわち、B時短遊技状態への移行タイミングは、天井最終変動が開始されてから次の特別図柄の可変表示が開始されるまでの間であればよい。また、天井最終変動における特別図柄の当り判定処理の結果が「ハズレ」である場合、特別図柄表示部163,164にはハズレの表示態様が導出されるものの、B時短遊技状態に移行することとなる。この場合、サブCPU301は、B時短遊技状態への移行条件が成立したこと(例えば、本実施形態では天井カウンタが天井値に到達したこと)を遊技者に示す表示演出(例えば、装飾図柄を特殊図柄で停止させたり、キャラクタによる特殊演出を行ったり、又はこれらの両方が行われる演出)を、表示装置7に表示する制御を行ってもよい。なお、B時短遊技状態への移行条件が成立したとしても、必ずB時短遊技状態に移行するのではなく、B時短遊技状態への移行を妨げる条件が成立した場合(例えば、天井最終変動における特別図柄の当り判定処理の結果が大当りである場合等)には、B時短遊技状態に移行させない。
天井カウンタは、確変フラグがオンである場合には更新されず、確変フラグがオフである場合は、時短フラグがオンであるかオフであるかにかかわらず常にカウントされる。天井カウンタが天井値に到達した場合、特別図柄の当り判定処理の結果が「大当り」でない限りB時短遊技状態に制御される。特別図柄の当り判定処理の結果に小当りを含むパチンコ遊技機においては、天井カウンタが天井値に到達したときの特別図柄の当り判定処理の結果が「小当り」である場合、小当りの表示態様が特別図柄表示部163,164に導出されたときにB時短遊技状態が開始されるようにしてもよいし、小当り遊技状態の終了後にB時短遊技状態が開始されるようにしてもよい。すなわち、天井カウンタが天井値に到達したときの特別図柄の当り判定処理の結果が「小当り」である場合には、特別図柄表示部163,164に小当りの表示態様が表示されるだけであり、上述したような天井カウンタが天井値に到達したことを遊技者に示す表示演出は表示されることがない。なお、設定機能付きパチンコ遊技機の場合、設定値に応じて天井値が異なるようにしてもよい。また、天井カウンタが天井値に到達したときの特別図柄の当り判定処理の結果が「大当り」である場合には、B時短遊技状態に制御することなく大当り遊技状態に制御される。
なお、天井カウンタは、電源が投入された場合、大当り遊技状態に制御された場合、RAM203内の作業領域(揮発性領域)のクリア処理(バックアップクリア処理)が行われた場合、バックアップクリアスイッチ176とは別のスイッチ(例えば、設定キー174や専用のスイッチ)が操作された場合、普通図柄当り確率を変更可能な遊技機にあっては普通図柄当り確率の高確率が終了した場合等、所定の条件が成立するとリセットされる。そして、天井カウンタの更新が許容されると、特別図柄の可変表示が実行される都度、天井カウンタが更新される。例えば確変フラグがオンである場合、天井カウンタの更新が許容されない。
メインCPU201は、天井カウンタをクリアした後、次の特別図柄の可変表示から天井カウンタのカウントを開始する。なお、天井値は、天井カウンタがクリアされる都度、メインCPU201がセットするものとしてもよいし、都度セットするのではなく、パチンコ遊技機固有のものとして予め決められていてもよい。
大当り遊技状態に制御されたことによって天井カウンタがクリアされた場合、大当り遊技状態の終了後、確変フラグがオンでなければ、メインCPU201は、1回目の特別図柄の可変表示の開始時または終了時に天井カウンタを更新(+1)する。また、大当り遊技状態の終了後、確変フラグがオンであれば、特別図柄の可変表示が行われても天井カウンタを更新しないが、例えばST機や確変転落抽選を行う仕様であれば、確変フラグがオフになった後の1回目の特別図柄の可変表示の開始時または終了時に天井カウンタを更新する。なお、確変転落抽選を行う仕様の場合、特別図柄の可変表示の開始時に確変フラグがオンからオフに変更されるため、特別図柄の可変表示の終了時に天井カウンタの更新を行う場合、特別図柄の可変表示の終了時に確変フラグがオフであれば天井カウンタを更新するようにしてもよい。
なお、メインCPU201により確変転落抽選が行われる仕様のパチンコ遊技機の場合、サブCPU301は、メインCPU201から送信されたコマンドを受信すると、確変転落抽選に当選したことを示唆する演出や、高確遊技状態から低確遊技状態への移行を示唆する演出を行わないようにすることが好ましい。このようにすることで、天井カウンタによるカウントの開始時点、すなわちB時短遊技状態への移行タイミングを、表示装置7に表示される表示演出等に基づいて遊技者が把握することが困難となり、面白みのあるゲーム性を提供することが可能となる。B時短遊技状態への移行タイミングの把握が困難である場合、例えばB時短遊技状態への移行タイミングを示唆するカウントダウン演出やガセのカウントダウン演出を、サブCPU301による制御によって表示装置7に表示することにより、より一層興趣を高めることが可能となる。
また、RAM203内の作業領域(揮発性領域)のクリア処理(バックアップクリア処理)が行われた場合、メインCPU201は、RAM203内の作業領域のクリア処理後の1回目の特別図柄の可変表示の開始時または終了時に天井カウンタを更新(+1)する。
さらに、バックアップクリアスイッチ176とは別のスイッチ(例えば、設定キー174や専用のスイッチ)が操作された場合、メインCPU201は、上記別のスイッチが操作された後の1回目の特別図柄の可変表示の開始時または終了時に天井カウンタを更新(+1)する。
また、B時短遊技状態の終了条件は、特別図柄の当り判定処理の結果が「大当り」であって当該「大当り」に基づく大当り遊技状態が開始される場合と、予め定められた規定回数(以下「B時短規定回数」と称する)分の特別図柄(第1特別図柄および第2特別図柄)の可変表示が実行された場合とのうち、いずれかの条件を満たした場合である。B時短遊技状態の終了条件の一つである「B時短規定回数分の特別図柄の可変表示が実行された場合」は、B時短規定回数目の特別図柄の可変表示(以下「B時短最終変動」と称する)が開始されたときとしてもよいし、B時短最終変動が終了したときとしてもよい。すなわち、B時短遊技状態の終了タイミングは、B時短最終変動が開始されてからこのB時短最終変動にかかる特別図柄の可変表示が終了するまでの間であればよい。
C時短遊技状態は、特別図柄の当り判定処理の結果が「時短当り」である場合に制御される時短遊技状態である。すなわち、C時短遊技状態への移行条件は、時短当り(選択図柄コマンドが「z0」~「z2」、「z7」または「z8」の時短当り)に当選し、時短当りの表示態様が特別図柄表示部163,164に導出(確定表示)されることである。なお、C時短遊技状態への移行条件が成立したとしても、必ずC時短遊技状態に移行するのではなく、C時短遊技状態への移行を妨げる条件が成立した場合(例えば、B時短遊技状態とC時短遊技状態とが重ねて実行されない仕様(詳細は後述する)であって、B時短遊技状態における特別図柄の当り判定処理の結果が「時短当り」である場合等)には、C時短遊技状態に移行させない。なお、C時短遊技状態への移行条件が成立したにもかかわらずC時短遊技状態への移行を妨げる条件が成立した場合、メインCPU201は、C時短遊技状態に移行させないにもかかわらず、時短当りの表示態様を特別図柄表示部163,164に導出する制御を実行する。
また、C時短遊技状態の終了条件は、特別図柄の当り判定処理の結果が「大当り」であって当該「大当り」に基づく大当り遊技状態が開始される場合と、選択図柄コマンドに対応して決定された時短回数(以下「C時短規定回数」と称する)の特別図柄(第1特別図柄および第2特別図柄)の可変表示が実行された場合(図13の「時短回数」の欄を参照)とのうち、いずれかの条件を満たした場合である。C時短遊技状態の終了条件の一つであるC時短規定回数は、選択図柄コマンドに対応して決定された時短回数目の特別図柄の可変表示(以下「C時短最終変動」と称する)が開始されたときとしてもよいし、C時短最終変動が終了したときとしてもよい。すなわち、C時短遊技状態の終了タイミングは、C時短最終変動が開始されてからこのC時短最終変動にかかる特別図柄の可変表示が終了するまでの間であればよい。
なお、時短性能は、A時短遊技状態とB時短遊技状態とC時短遊技状態とで互いに異なるようにしてもよい。また、A時短遊技状態とB時短遊技状態とC時短遊技状態とのうち、2つの時短遊技状態の時短性能を同じとし、これら2の時短遊技状態の時短性能と他の一つの時短遊技状態の時短性能とが異なるようにしてもよい。さらには、A時短遊技状態の時短性能と、B時短遊技状態の時短性能と、C時短遊技状態の時短性能とが同じとなるようにしてもよい。
また、A時短遊技状態の終了条件、B時短遊技状態の終了条件、およびC時短遊技状態の終了条件には、上記の他、例えば、第2特別図柄の可変表示回数が規定回数に到達したことや、普通電動役物146が所定回数開放したこと、普通電動役物146の開放態様として特定の開放態様が選択されたこと等を含めるようにしてもよい。また、特別図柄の当り判定処理の結果に小当りを含むパチンコ遊技機においては、小当り回数が規定回数に到達したことを上記の終了条件に含めるようにしてもよい。さらには、時短転落抽選を行い、時短転落抽選に当選したことを、上記の終了条件に含めるようにしてもよい。
[1-4-8.普通図柄の当り判定テーブル]
図16は、第1のパチンコ遊技機が備える主制御回路200のメインROM202に記憶されている普通図柄の当り判定テーブルの一例である。
普通図柄の当り判定テーブルは、普通図柄の当り判定処理において参照されるテーブル、すなわち、遊技状態と、通過ゲート126(図4参照)を遊技球が通過した際に抽出される普通図柄の当り判定用乱数値と、に基づいて「普通図柄当り」または「ハズレ」を抽選により決定する際(すなわち、後述の図43のS295の普通図柄遊技判定処理を実行する際)に参照されるテーブルである。
普通図柄の当り判定用乱数値は、上述したとおり、普通図柄の当り判定処理に用いられる乱数値である。本実施例において、メインCPU201は、普通図柄の当り判定用乱数値を、0~99(100種類)の中から抽出する。ただし、発生する乱数値の範囲は上記に限られない。
本実施例では、普通図柄の当り判定処理において、メインCPU201は、抽出された普通図柄の当り判定用乱数値に基づいて「普通図柄当り」または「ハズレ」に決定する。普通図柄の当り判定テーブルには、時短の種類毎に、「普通図柄当り」に決定される普通図柄の当り判定用乱数値の範囲(幅)とこれに対応する普通図柄当り判定値データとの関係、および、「ハズレ」に決定される普通図柄の当り判定用乱数値の範囲(幅)とこれに対応するハズレ判定値データとの関係が規定されている。
本実施例では、非時短遊技状態(例えば通常遊技状態)において、メインCPU201は、抽出された普通図柄の当り判定用乱数値が0~79のいずれかである場合は「普通図柄当り」と判定し、当落判定値データを「普通図柄当り判定値データ」に決定する。また、非時短遊技状態において、メインCPU201は、抽出された普通図柄の当り判定用乱数値が80~99のいずれかである場合は「ハズレ」と判定し、判定値データを「ハズレ判定値データ」に決定する。
また、A時短遊技状態において、メインCPU201は、抽出された普通図柄の当り判定用乱数値が0~98のいずれかである場合は「普通図柄当り」と判定し、当落判定値データを「普通図柄当り判定値データ」に決定する。また、A時短遊技状態において、メインCPU201は、抽出された普通図柄の当り判定用乱数値が99である場合は「ハズレ」と判定し、判定値データを「ハズレ判定値データ」に決定する。
また、B時短遊技状態において、メインCPU201は、抽出された普通図柄の当り判定用乱数値が0~79のいずれかである場合は「普通図柄当り」と判定し、当落判定値データを「普通図柄当り判定値データ」に決定する。また、B時短遊技状態において、メインCPU201は、抽出された普通図柄の当り判定用乱数値が80~99のいずれかである場合は「ハズレ」と判定し、判定値データを「ハズレ判定値データ」に決定する。
また、C時短遊技状態において、メインCPU201は、抽出された普通図柄の当り判定用乱数値が0~79のいずれかである場合は「普通図柄当り」と判定し、当落判定値データを「普通図柄当り判定値データ」に決定する。また、C時短遊技状態において、メインCPU201は、抽出された普通図柄の当り判定用乱数値が80~99のいずれかである場合は「ハズレ」と判定し、判定値データを「ハズレ判定値データ」に決定する。
このように、本実施例では、非時短遊技状態、A時短遊技状態、B時短遊技状態、およびC時短遊技状態のなかで、A時短遊技状態における普通図柄当りの当選確率(図16に示される選択率(概算))が最も高い。
また、B時短遊技状態における普通図柄当りの当選確率(図16に示される選択率(概算))は、非時短遊技状態における普通図柄当りの当選確率と同じである。同様に、C時短遊技状態における普通図柄当りの当選確率(図16に示される選択率(概算))についても、非時短遊技状態における普通図柄当りの当選確率と同じである。したがって、非時短遊技状態とB時短遊技状態とC時短遊技状態との間で遊技状態が移行したとしても、普通図柄の当選確率は変更されないこととなる。
なお、普通図柄当りの当選確率を、非時短遊技状態とA時短遊技状態とB時短遊技状態とC時短遊技状態とで同じにしてもよい。この場合、普通図柄当りの当選確率を変えることなく、後述する普通図柄の種類の割合を状態毎で異ならせるようにするだけでよくなるため、制御処理を簡略化できる。
[1-4-9.普通図柄判定テーブル]
図17は、第1のパチンコ遊技機が備える主制御回路200のメインROM202に記憶されている普通図柄判定テーブルの一例である。
普通図柄判定テーブルは、時短の種類と、先述の当落判定値データと、通過ゲート126(図4参照)を遊技球が通過した際に抽出される普通図柄の図柄乱数値と、に基づいて、普通図柄の停止図柄を決定付ける「普通図柄当り時選択図柄コマンド」を選択する際に参照されるテーブルである。「普通図柄当り時選択図柄コマンド」は、普通図柄の当り判定処理の結果が普通図柄当りであった場合に、普通図柄当り種類に応じて定められる普通図柄の当り図柄を指定するためのコマンドである。普通図柄の図柄乱数値は、例えば0~99(100種類)の中から抽出される。
図17に示される普通図柄判定テーブルによれば、普通図柄の当り判定処理の結果として普通図柄当り判定値データが得られた場合、例えば、普通図柄当り時選択図柄コマンドは以下のように選択される。
例えば、非時短遊技状態では、普通図柄の当り判定処理の結果として普通図柄当り判定値データが得られた場合、普通図柄の図柄乱数値が0~99のいずれであったとしても、メインCPU201は、普通図柄当り時選択図柄コマンドとして「fz0」を選択する。
また、A時短遊技状態では、普通図柄の当り判定処理の結果として普通図柄当り判定値データが得られた場合、メインCPU201は、普通図柄の図柄乱数値が0~29のいずれかであれば普通図柄当り時選択図柄コマンドとして「fz1」を選択し、普通図柄の図柄乱数値が30~69のいずれかであれば普通図柄当り時選択図柄コマンドとして「fz2」を選択し、普通図柄の図柄乱数値が70~99のいずれかであれば普通図柄当り時選択図柄コマンドとして「fz3」を選択する。
また、B時短遊技状態では、普通図柄の当り判定処理の結果として普通図柄当り判定値データが得られた場合、メインCPU201は、普通図柄の図柄乱数値が0~29のいずれかであれば普通図柄当り時選択図柄コマンドとして「fz4」を選択し、普通図柄の図柄乱数値が30~69のいずれかであれば普通図柄当り時選択図柄コマンドとして「fz5」を選択し、普通図柄の図柄乱数値が70~99のいずれかであれば普通図柄当り時選択図柄コマンドとして「fz6」を選択する。
また、C時短遊技状態では、普通図柄の当り判定処理の結果として普通図柄当り判定値データが得られた場合、メインCPU201は、普通図柄の図柄乱数値が0~29のいずれかであれば普通図柄当り時選択図柄コマンドとして「fz7」を選択し、普通図柄の図柄乱数値が30~69のいずれかであれば普通図柄当り時選択図柄コマンドとして「fz8」を選択し、普通図柄の図柄乱数値が70~99のいずれかであれば普通図柄当り時選択図柄コマンドとして「fz9」を選択する。
なお、本実施例において、メインCPU201は、先ず、普通図柄の当り判定テーブル(図16参照)を参照して、抽出された普通図柄の当り判定用乱数値に基づいて当落判定値データを決定し、その後、普通図柄判定テーブル(図17参照)を参照して、普通図柄の図柄乱数値に基づいて普通図柄当り時選択図柄コマンドを決定するようにしているが、これに限られない。例えば、抽出された普通図柄の当り判定用乱数値と普通図柄の図柄乱数値とに基づいて、普通図柄の当落、および普通図柄当り時選択図柄コマンドをあわせて決定するようにしてもよい。
[1-4-10.普通図柄当り種類決定テーブル]
図18は、第1のパチンコ遊技機が備える主制御回路200のメインROM202に記憶されている普通図柄当り種類決定テーブルの一例である。普通図柄当り種類決定テーブルは、普通図柄の図柄乱数値に対応して決定される普通図柄当り時選択図柄コマンドに応じて、普通電動役物146(図4参照)の作動態様である開放パターンを決定する際(すなわち、後述の図43のS293の普通図柄の可変表示開始処理のなかで実行される普通電動役物146の開放パターン設定処理を実行する際)に参照される。
本実施例では、普通図柄の当り判定処理の結果が「普通図柄当り」であった場合、普通図柄当り種類は次のとおり決定される。例えば、普通図柄当り時選択図柄コマンドが「fz0」の場合、メインCPU201は、普通電動役物146(図4参照)の作動態様である開放パターンを、1回目の開放時間1000msec、ウェイト時間なし、2回目の開放なし、に決定する。すなわち、普通電動役物146が1回だけ1000msec開放される開放パターンに決定される。
また、普通図柄当り時選択図柄コマンドが「fz1」の場合、メインCPU201は、普通電動役物146(図4参照)の作動態様である開放パターンを、1回目の開放時間2000msec、ウェイト時間200msec、2回目の開放時間2000msec、に決定する。
また、普通図柄当り時選択図柄コマンドが「fz2」の場合、メインCPU201は、普通電動役物146(図4参照)の作動態様である開放パターンを、1回目の開放時間2500msec、ウェイト時間200msec、2回目の開放時間2500msec、に決定する。
また、普通図柄当り時選択図柄コマンドが「fz3」の場合、メインCPU201は、普通電動役物146(図4参照)の作動態様である開放パターンを、1回目の開放時間3000msec、ウェイト時間200msec、2回目の開放時間3000msec、に決定する。
また、普通図柄当り時選択図柄コマンドが「fz4」の場合および「fz7」の場合、メインCPU201は、普通電動役物146(図4参照)の作動態様である開放パターンを、1回目の開放時間2500msec、ウェイト時間なし、2回目の開放なし、に決定する。
また、普通図柄当り時選択図柄コマンドが「fz5」の場合および「fz8」の場合、メインCPU201は、普通電動役物146(図4参照)の作動態様である開放パターンを、1回目の開放時間2000msec、ウェイト時間600msec、2回目の開放時間2000msec、に決定する。
また、普通図柄当り時選択図柄コマンドが「fz6」の場合および「fz9」の場合、メインCPU201は、普通電動役物146(図4参照)の作動態様である開放パターンを、1回目の開放時間2500msec、ウェイト時間600msec、2回目の開放時間2500msec、に決定する。
このように、本実施例では、非時短遊技状態における普通図柄の当り判定処理の結果が「普通図柄当り」である場合、普通電動役物146(図4参照)の開放パターンは、非時短遊技状態、A時短遊技状態、B時短遊技状態、およびC時短遊技状態における普通電動役物146の開放パターンのなかで、最も有利度合いが不利な態様となる。
なお、普通電動役物146の開放パターンの有利度合いは、普通電動役物146が開放された場合、第2始動口140への遊技球の入賞のしやすさの度合いである。
A時短遊技状態における普通図柄の当り判定処理の結果が「普通図柄当り」である場合、普通電動役物146(図4参照)の開放パターンは、非時短遊技状態、A時短遊技状態、B時短遊技状態、およびC時短遊技状態における普通電動役物146の開放パターンのなかで最も有利度合いが有利な態様となる。
また、B時短遊技状態における普通図柄の当り判定処理の結果が「普通図柄当り」である場合の普通電動役物146(図4参照)の開放パターンは、C時短遊技状態における普通図柄の当り判定処理の結果が「普通図柄当り」である場合の普通電動役物146の開放パターンと、有利度合いが同じとなっているが、これに限られない。
[1-4-11.普通図柄の変動パターンテーブル]
図19は、第1のパチンコ遊技機の普通図柄の変動パターンテーブルの一例である。普通図柄の変動パターンテーブルは、普通図柄の変動パターンを決定する際(すなわち、後述の図43のS293の普通図柄の可変表示開始処理のなかで実行される普通図柄の変動パターン決定処理を実行する際)に参照される。メインCPU201は、普通図柄の変動パターンテーブルを参照し、遊技状態と、通過ゲート126(図4参照)を遊技球が通過した際に抽出される普通図柄演出選択用乱数値とに基づいて、普通図柄の変動パターンを決定する。普通図柄演出選択用乱数値は例えば0~99(100種類)の中から抽出される。ただし、発生する乱数値の範囲は上記に限られない。
図19に示されるように、非時短遊技状態では、普通図柄演出選択用乱数値が0~99のいずれであっても、普通図柄の可変表示時間が例えば300000msecに決定される。非時短遊技状態における普通図柄の可変表示時間は、非時短遊技状態、A時短遊技状態、B時短遊技状態、およびC時短遊技状態のなかで最も長い。
また、A時短遊技状態では、普通図柄演出選択用乱数値が0~89のいずれかである場合は普通図柄の可変表示時間が例えば500msecに決定され、普通図柄演出選択用乱数値が90~99のいずれかである場合は普通図柄の可変表示時間が例えば800msecに決定される。
また、B時短遊技状態では、普通図柄演出選択用乱数値が0~39のいずれかである場合は普通図柄の可変表示時間が例えば500msecに決定され、普通図柄演出選択用乱数値が40~79のいずれかである場合は普通図柄の可変表示時間が例えば1000msecに決定され、普通図柄演出選択用乱数値が80~99のいずれかである場合は普通図柄の可変表示時間が例えば1500msecに決定される。
また、C時短遊技状態では、普通図柄演出選択用乱数値が0~39のいずれかである場合は普通図柄の可変表示時間が例えば500msecに決定され、普通図柄演出選択用乱数値が40~79のいずれかである場合は普通図柄の可変表示時間が例えば1000msecに決定され、普通図柄演出選択用乱数値が80~99のいずれかである場合は普通図柄の可変表示時間が例えば1500msecに決定される。
このように、1回の可変表示あたりの普通図柄の可変表示時間は、非時短遊技状態、A時短遊技状態、B時短遊技状態、およびC時短遊技状態における普通図柄の可変表示時間のうち、A時短遊技状態における普通図柄の可変表示時間の期待値が最も短い。そのため、A時短遊技状態は、非時短遊技状態、A時短遊技状態、B時短遊技状態、およびC時短遊技状態のなかで、普通電動役物146が開放されるまでの時間が最も短い。
また、B時短遊技状態における普通図柄の可変表示時間の期待値は、C時短遊技状態における普通図柄の可変表示時間の期待値と同じとなっているが、これに限られない。
[1-5.時短遊技状態にかかわる処理の詳細]
[1-5-1.時短当り時にセットされる時短回数]
上述の説明では、特別図柄の当り判定処理の結果が「時短当り」である場合、特別図柄の当り判定処理が行われたときの遊技状態にかかわらず、セットされる時短回数を同じとしている。ただし、これに限られず、特別図柄の当り判定処理の結果が「時短当り」である場合にセットされる時短回数は、特別図柄の当り判定処理が行われたときの遊技状態に応じて決定するようにしてもよい。
また、確変フラグがオンにセットされる高確遊技状態であっても、特別図柄の当り判定処理の結果に「時短当り」を含むようにしてもよい。この場合、メインCPUは、特別図柄表示部に時短当りの表示態様を導出するものの、時短遊技状態に移行させる制御を実行せず、継続して高確遊技状態に制御する。ところで、例えば所謂ST機と呼ばれるパチンコ遊技機のように、規定回数にわたって特別図柄の可変表示が実行されると、確変フラグをオンからオフにする遊技機が知られている。このようなST機において、高確遊技状態としての最終ゲームで行われる特別図柄の当り判定処理の結果が「時短当り」であった場合、確変フラグをオフにする処理よりも、時短当りの表示態様を導出する処理の方が後であるときには、メインCPUは、時短当りの表示態様を導出した後、C時短遊技状態に制御するようにしてもよい。
[1-5-2.時短遊技状態の重複]
時短遊技状態を複数設けた場合、時短遊技状態が重複することがある。例えば、A時短遊技状態において、特別図柄の当り判定処理の結果が「時短当り」である場合、A時短遊技状態とC時短遊技状態とが重複することとなる。また、例えば、C時短遊技状態において天井カウンタが天井値に到達すると、C時短遊技状態とB時短遊技状態とが重複することとなる。このように時短遊技状態が重複した場合、時短遊技状態を重ねて実行するようにしてもよいし、時短遊技状態を重ねない(すなわち「時短当り」を無視する)ようにしてもよい。なお、A時短遊技状態とB時短遊技状態とが重複しないように、A時短遊技状態の終了条件であるA時短規定回数が、B時短遊技状態への移行条件である天井値よりも小さくなるように規定されている。
時短遊技状態が重複したとき、時短遊技状態を重ねて実行する態様と、時短遊技状態を重ねない態様とについて、以下に説明する。
[1-5-2-1.時短遊技状態を重ねて実行する態様]
時短遊技状態が重複したときに時短遊技状態を重ねて実行する態様としては、A時短遊技状態とB時短遊技状態とC時短遊技状態とのうちいずれか一の時短遊技状態において時短当りに当選したときにC時短遊技状態を重ねて実行する態様と、C時短遊技状態において天井カウンタが天井値に到達したときにB時短遊技状態を重ねて実行する態様とが考えられる。
[1-5-2-1-1.一の時短遊技状態にC時短遊技状態を重ねて実行する態様]
A時短遊技状態とB時短遊技状態とC時短遊技状態とのうちいずれか一の時短遊技状態において「時短当り」に当選した場合、メインCPU201は、特別図柄表示部163,164に、時短当りの表示態様を導出する。この場合、メインCPU201は、一の時短遊技状態の時短性能を維持しつつ、時短遊技状態の終了条件が成立するまでに実行可能な特別図柄の可変表示回数が多い方を時短回数として採用する。
例えば、A時短遊技状態において「時短当り」に当選し、この「時短当り」に基づいて実行可能な時短回数よりもA時短遊技状態の時短残回数の方が多い場合、メインCPU201は、A時短遊技状態の時短性能を維持しつつ、「大当り」が導出されない限り、A時短遊技状態の時短残回数が消化されるまで時短遊技状態に制御する。具体的な数字を挙げて説明すると、例えば、A時短遊技状態の時短残回数が200回である場合に「時短当り」に当選し、この「時短当り」に基づいて実行可能な時短回数が50回である場合、特別図柄表示部163,164に時短当りの表示態様が導出されるものの、A時短遊技状態の時短性能を維持しつつ、ここからの時短回数は、「大当り」が導出されない限り200回である。したがって、A時短遊技状態とB時短遊技状態とC時短遊技状態とのうちいずれか一の時短遊技状態において「時短当り」に当選したとしても、時短回数および時短性能についての外観上は、「時短当り」に当選せずにA時短遊技状態が継続される場合と同様である。
一方、例えばA時短遊技状態において「時短当り」に当選し、この「時短当り」に基づいて実行可能な時短回数の方がA時短遊技状態の時短残回数よりも多い場合、メインCPU201は、A時短遊技状態の時短性能を維持しつつ、「大当り」が導出されない限り、「時短当り」に基づいてセットされた時短回数が消化されるまで時短遊技状態に制御する。具体的な数字を挙げて説明すると、例えば、A時短遊技状態の時短残回数が20回である場合に「時短当り」に当選し、この「時短当り」に基づいて実行可能な時短回数が50回である場合、A時短遊技状態の時短性能を維持しつつ、ここからの時短回数は、「大当り」が導出されない限り50回である。すなわち、A時短遊技状態の時短残回数である20回にわたって特別図柄の可変表示が実行されたとしても、その後、A時短遊技状態の時短性能を維持しつつ、両者の差分の30回にわたって特別図柄の可変表示がさらに実行される。
[1-5-2-1-2.C時短遊技状態にB時短遊技状態を重ねて実行する態様]
C時短遊技状態において天井カウンタが天井値に到達した場合、メインCPU201は、天井最終変動において特別図柄表示部163,164に導出される表示態様(すなわち、特別図柄の当り判定処理の結果)に応じた制御を実行する。
なお、第1のパチンコ遊技機では、特別図柄の当り判定処理の結果に小当りが含まれないが、以下では、特別図柄の当り判定処理の結果に小当りが含まれる場合も含めて説明する。
先ず、天井最終変動において、特別図柄の当り判定処理の結果が「小当り」または「ハズレ」である場合について説明する。
C時短遊技状態において天井カウンタが天井値に到達したときに、B時短規定回数よりもC時短遊技状態の時短残回数の方が多い場合、メインCPU201は、C時短遊技状態の時短性能を維持しつつ、「大当り」が導出されない限り、C時短遊技状態の時短残回数が消化されるまで時短遊技状態に制御する。具体的な数字を挙げて説明すると、例えば、C時短遊技状態の時短残回数が300回である場合に天井カウンタが天井値に到達し、B時短規定回数が200回である場合、C時短遊技状態の時短性能を維持しつつ、ここからの時短回数は、「大当り」が導出されない限り300回である。したがって、C時短遊技状態において天井カウンタが天井値に到達したとしても、時短回数および時短性能についての外観上は、天井カウンタが天井値に到達することなくC時短遊技状態が継続される場合と同様である。
一方、C時短遊技状態において天井カウンタが天井値に到達した場合に、B時短規定回数の方がC時短遊技状態の時短残回数よりも多い場合、メインCPU201は、C時短遊技状態の時短性能を維持しつつ、「大当り」が導出されない限り、B時短規定回数が消化されるまで時短遊技状態に制御する。具体的な数字を挙げて説明すると、例えば、C時短遊技状態の時短残回数が20回である場合に天井カウンタが天井値に到達し、B時短遊技状態として実行可能な時短回数が300回である場合、C時短遊技状態の時短性能を維持しつつ、ここからの時短回数は、「大当り」が導出されない限り300回である。すなわち、C時短遊技状態の時短残回数である20回にわたって特別図柄の可変表示が実行されたとしても、その後、C時短遊技状態の時短性能を維持しつつ、両者の差分の280回にわたって特別図柄の可変表示がさらに実行される。
なお、天井最終変動において特別図柄の可変表示が終了すると、メインCPU201は、特別図柄表示部163,164に、特別図柄の当り判定処理の結果に応じた表示態様を導出する。すなわち、特別図柄の当り判定処理の結果が「小当り」である場合は小当り表示態様が導出され、特別図柄の当り判定処理の結果が「ハズレ」である場合はハズレ表示態様が導出される。小当り表示態様が導出されると小当り遊技状態に制御されるが、メインCPU201は、小当り遊技状態中も時短フラグをオンに維持する。
次に、天井最終変動において、特別図柄の当り判定処理の結果が「時短当り」である場合、すなわち、天井最終変動においてB時短遊技状態への移行条件とC時短遊技状態への移行条件とが成立する場合について説明する。この場合、メインCPU201は、特別図柄の当り判定処理の結果が特別図柄表示部163,164に導出される前にB時短遊技状態の制御を開始する場合と、特別図柄の当り判定処理の結果が特別図柄表示部163,164に導出された後にB時短遊技状態の制御を開始する場合とで、異なる制御を実行しうる。
先ず、特別図柄の当り判定処理の結果が特別図柄表示部163,164に導出される前にB時短遊技状態の制御を開始する場合、時短当りの表示態様が特別図柄表示部163,164に導出された時点ですでにB時短遊技状態に制御されている。そのため、メインCPU201は、B時短遊技状態の時短性能を維持しつつ、「大当り」が導出されない限り、B時短規定回数とC時短遊技状態の時短回数とのうち多い方の時短回数が消化されるまで時短遊技状態に制御する。
次に、特別図柄の当り判定処理の結果が特別図柄表示部163,164に導出された後にB時短遊技状態の制御を開始する場合、時短当りの表示態様が特別図柄表示部163,164に導出された時点では未だB時短遊技状態に制御されていない。そのため、メインCPU201は、C時短遊技状態の時短性能を維持しつつ、時短遊技状態の終了条件(例えば、大当りの表示態様の導出、小当りまたは特定の小当りの表示態様の導出等)が成立しない限り、B時短規定回数とC時短遊技状態の時短回数とのうち多い方の時短回数が消化されるまで時短遊技状態に制御する。この場合、時短性能が維持又は実行された時短遊技状態の終了条件が成立すると、時短遊技状態が終了するようにするとよい。
なお、天井最終変動においてB時短遊技状態への移行条件とC時短遊技状態への移行条件とが成立した場合、サブCPU301は、B時短遊技状態への移行条件のみが成立した場合に行うB時短移行表示演出、及びC時短遊技状態への移行条件のみが成立した場合に行うC時短移行表示演出とは異なる特別な表示演出を行うようにしてもよい。また、これに代えて、例えば、B時短遊技状態の時短性能が維持される場合にはB時短移行表示演出を行い、C時短遊技状態の時短性能が維持される場合にはC時短移行表示演出を行う等、B時短移行表示演出及びC時短移行表示演出のうちいずれかの表示演出を優先して行うこととしてもよい。
なお、C時短遊技状態において天井カウンタが天井値に到達し、天井最終変動における特別図柄の当り判定処理の結果が「大当り」である場合、メインCPU201は、C時短遊技状態を終了し、B時短遊技状態にも制御することなく大当り遊技状態に制御する。
[1-5-2-1-3.複数の時短遊技状態を重ねて実行する場合の時短性能]
以上、一の時短遊技状態にC時短遊技状態を重ねて実行する態様、および、C時短遊技状態にB時短遊技状態を重ねて実行する態様について説明した。
このように複数の時短遊技状態を重ねて実行できる仕様である場合、先に実行されていた時短遊技状態の時短性能が維持される。このような仕様のパチンコ遊技機では、重ねて実行可能な複数の時短遊技状態の時短性能はそれぞれ異なってもよいが、重ねて実行可能な複数の時短遊技状態の時短性能を同じにすることが好ましい。
例えば、一の時短遊技状態にC時短遊技状態を重ねて実行できる仕様である場合は、一の時短遊技状態の時短性能と、C時短遊技状態の時短性能とを同じにすることが好ましい。また、C時短遊技状態にB時短遊技状態を重ねて実行できる仕様である場合は、C時短遊技状態の時短性能と、B時短遊技状態の時短性能とを同じにすることが好ましい。
また、複数の時短遊技状態を重ねて実行できる仕様のパチンコ遊技機において、先に実行されている時短遊技状態に対して後から重ねて実行できる時短遊技状態については、例えば、先に実行されている時短遊技状態と同じ一の時短性能と、この一の時短性能とは異なる他の時短性能とを備えるようにしてもよい。そして、先に実行されている時短遊技状態に対して時短遊技状態を重ねて実行する場合は一の時短性能を発動させ、通常遊技状態において時短遊技状態を発動させる場合のように時短遊技状態を重ねて実行しない場合は他の時短性能を発動させるようにしてもよい。
例えば、C時短遊技状態にB時短遊技状態を重ねて実行できる仕様のパチンコ遊技機である場合、B時短遊技状態の時短性能を、C時短遊技状態と同じ一の時短性能と、この一の時短性能とは異なる他の時短性能との例えば2つの時短性能を設ける。そして、C時短遊技状態において例えば天井カウンタが天井値に到達した場合は一の時短性能を発動させ、いずれの時短遊技状態でもない通常遊技状態において例えば天井カウンタが天井値に到達した場合は他の時短性能を発動させるようにしてもよい。
[1-5-3.時短遊技状態を重ねて実行しない態様]
時短遊技状態を重ねて実行しない態様としては、時短遊技状態において「時短当り」を抽選対象に含まないように当り判定処理を行う態様と、時短遊技状態において「時短当り」を抽選対象に含むように当り判定処理を行い、時短遊技状態が重複したとしても時短遊技状態を重ねて実行しない態様(以下「後者の態様」と称する)とが考えられる。後者の態様としては、A時短遊技状態とB時短遊技状態とC時短遊技状態とのうちいずれか一の時短遊技状態において時短当りに当選したとしてもこれを無視してC時短遊技状態を重ねて実行しない態様と、C時短遊技状態において天井カウンタが天井値に到達したとしてもこれを無視してB時短遊技状態を重ねて実行しない態様との2態様が考えられる。以下に、後者の態様として考えられる上記の2態様について説明する。
[1-5-3-1.一の時短遊技状態にC時短遊技状態を重ねて実行しない態様]
A時短遊技状態とB時短遊技状態とC時短遊技状態とのうちいずれか一の時短遊技状態において「時短当り」に当選した場合、上述したとおり、メインCPU201は、特別図柄表示部163,164に、時短当りの表示態様を導出する。ただし、メインCPU201は、一の時短遊技状態における最後の特別図柄の可変表示(以下「時短最終変動」と称する)でない限り、「時短当り」に基づくC時短遊技状態に制御することなく、一の時短遊技状態の時短残回数が消化されるまで、一の時短遊技状態に制御する。この場合、一の時短遊技状態に制御されていること(時短最終変動を除く)は、C時短遊技状態への移行を妨げる条件となる。
一方、一の時短遊技状態における時短最終変動において「時短当り」に当選した場合、メインCPU201は、時短当りの表示態様が特別図柄表示部163,164に導出される前に一の時短遊技状態が終了する場合と、時短当りの表示態様が特別図柄表示部163,164に導出された時に一の時短遊技状態が終了する場合とで、異なる制御を実行しうる。
先ず、時短当りの表示態様が特別図柄表示部163,164に導出される前に一の時短遊技状態が終了する場合、メインCPU201は、時短当りの表示態様を導出した後、C時短遊技状態の制御を開始する。
次に、時短当りの表示態様が特別図柄表示部163,164に導出された時に一の時短遊技状態が終了する場合、すなわち、時短当りの表示態様の導出と一の時短遊技状態の終了とが同じ割込処理内で行われる場合、メインCPU201は、プログラムの処理に応じて、C時短遊技状態の制御を開始する場合と開始しない場合とがある。具体的には、時短当りの表示態様を導出(確定表示)する処理が一の時短遊技状態の終了処理よりも先に行われる場合、メインCPU201は、C時短遊技状態に制御することなく一の時短遊技状態を終了する。この場合、時短当りの表示態様を導出する処理を一の時短遊技状態の終了処理よりも先に行うことは、C時短遊技状態への移行を妨げる条件となる。
一方、時短当りの表示態様を導出(確定表示)する処理が一の時短遊技状態の終了処理よりも後に行われる場合、メインCPU201は、一の時短遊技状態を終了するとともにC時短遊技状態に制御する。この場合、メインCPU201は、一の時短遊技状態の時短性能を維持するのではなく、C時短遊技状態の時短性能とする。すなわち、メインCPU201は、時短当りの表示態様が導出された時点において、一の時短遊技状態の終了処理が未処理であればC時短遊技状態に制御することなく一の時短遊技状態を終了し、一の時短遊技状態の終了処理がすでに行われていればC時短遊技状態に制御する。
[1-5-3-2.C時短遊技状態にB時短遊技状態を重ねて実行しない態様]
C時短遊技状態において天井カウンタが天井値に到達した場合、メインCPU201は、天井最終変動において特別図柄表示部163,164に導出される表示態様(すなわち、特別図柄の当り判定処理の結果)に応じた制御を実行する。
先ず、天井最終変動において、特別図柄の当り判定処理の結果が「時短当り」、「小当り」または「ハズレ」である場合について説明する。
C時短遊技状態において、天井最終変動における特別図柄の当り判定処理の結果が「時短当り」、「小当り」または「ハズレ」である場合、メインCPU201は、C時短遊技状態の時短残回数が消化されるまで、C時短遊技状態に制御する。
ただし、天井最終変動においてC時短遊技状態の時短残回数が0である場合、メインCPU201は、プログラムの処理に応じて、B時短遊技状態の制御を開始する場合と開始しない場合とがある。具体的には、C時短遊技状態の終了処理がB時短遊技状態の開始処理よりも先に行われる場合、メインCPU201は、C時短遊技状態を終了するとともにB時短遊技状態に制御する。一方、C時短遊技状態の終了処理がB時短遊技状態の開始処理の後に行われる場合、メインCPU201は、B時短遊技状態に制御することなくC時短遊技状態を終了する。すなわち、メインCPU201は、B時短遊技状態を開始しようとする時点において、C時短遊技状態の終了処理が未処理であればB時短遊技状態に制御することなくC時短遊技状態を終了し、C時短遊技状態の終了処理がすでに行われていればB時短遊技状態に制御する。この場合、C時短遊技状態の終了処理をB時短遊技状態の開始処理の後に行うことは、B時短遊技状態への移行を妨げる条件となる。
なお、天井最終変動において、特別図柄の当り判定処理の結果が「大当り」である場合、メインCPU201は、C時短遊技状態を終了し、大当り遊技状態の制御を開始する。
[1-6.主制御処理]
次に、主制御回路200のメインCPU201により実行される各種処理(各種モジュール)の内容について説明する。
[1-6-1.主制御メイン処理]
先ず、図20~図23を参照して、メインCPU201により実行されるメイン処理(主制御メイン処理)について説明する。図20~図23は、第1のパチンコ遊技機における主制御メイン処理の一例を示すフローチャートである。
メインCPU201は、先ず、電断信号がHighレベルであるか否かを判定する(S11)。なお、図示しないが、メインCPU201は、スタックポインタの設定や割込みベクタテーブルのアドレスの設定をS11に先だって行うことは言うまでもない。
S11において電断信号がHighレベルでないと判定された場合(S11がNO判定の場合)、メインCPU201は、S11の判定処理を繰り返す。
一方、S11において電断信号がHighレベルであると判定された場合(S11がYES判定の場合)、メインCPU201は、処理をS12に移す。
S12において、メインCPU201は、設定キー174およびバックアップクリアスイッチ176のフラグ管理処理を行う(S12)。この処理では、バックアップクリアスイッチ176のオン/オフ状態、および、設定キー174のオン/オフ状態の退避処理が行われる。すなわち、設定キー174およびバックアップクリアスイッチ176のオン/オフ状態を、メインRAM203内の起動制御フラグ領域に格納する。また、この処理では、遊技許可フラグがオフにセットされる。メインCPU201は、S12の処理を実行した後、処理をS13に移す。
S13において、メインCPU201は、ウェイト処理を行う。この処理では、サブ制御回路300側の起動待ちが行われる。この場合の起動待ち時間(ウェイト期間)は、例えば12000.07msecである。メインCPU201は、S13の処理を実行した後、処理をS14に移す。
なお、サブ制御回路300側の起動待ちを行っている間、メインCPU201は、例えば、割込要求信号のチェック処理、割込要求信号発生時のWDTの出力処理、所定のタイミングでの各種センサ初期化信号の出力処理等を行うようにしてもよい。
S14において、メインCPU201は、起動前(前回)の電断が正常電断であったか否かを判定する。この処理では、メインRAM203内の電断検知フラグ領域に格納された値に基づいて、正常電断であるか異常電断であるかが判定される。
S14において正常電断でなかったと判定された場合(S14がNO判定の場合)、メインCPU201は、処理をS18に移す。
一方、S14において正常電断であったと判定された場合(S14がYES判定の場合)、メインCPU201は、メインRAM203内に格納された作業領域のチェックサム値を算出し(S15)、その後、作業領域のチェックサム値の照合処理を行う(S16)。メインCPU201は、S16の処理を実行した後、処理をS17に移す。
S17において、メインCPU201は、照合結果が異常であるか否かを判定する。
S17において照合結果が異常でない、すなわち正常であると判定された場合(S17がNO判定の場合)、メインCPU201は、処理をS22に移す。なお、S22以降の処理については後述する。
一方、S17において照合結果が異常である、すなわち正常でないと判定された場合(S17がYES判定の場合)、メインCPU201は、処理をS18に移す。
S18において、メインCPU201は、設定キー174およびバックアップクリアスイッチ176のうち、少なくともいずれか一方がオフであるか否かを判定する。すなわち、設定キー174およびバックアップクリアスイッチ176の両方がオンである場合はNO判定となり、設定キー174およびバックアップクリアスイッチ176の両方がオフである場合、並びに、設定キー174およびバックアップクリアスイッチ176のいずれか一方がオフである場合はYES判定となる。
S18において設定キー174およびバックアップクリアスイッチ176の少なくともいずれか一方がオフでないすなわち両方ともオンであると判定された場合(S18がNO判定の場合)、メインCPU201は、処理をS21に移す。なお、S21の処理については後述する。
一方、S18において設定キー174およびバックアップクリアスイッチ176のうち少なくともいずれか一方がオフであると判定された場合(S18がYES判定の場合)、メインCPU201は、処理をS19に移す。
S19において、メインCPU201は、外部端子のセキュリティ信号をオンにセットする。メインCPU201は、S19の処理を実行した後、処理をS20に移す。
S20において、メインCPU201は、性能表示モニタ170(図6参照)にエラー表示処理を行う。この処理は、性能表示モニタ170に信号が出力されるI/Oポート205の出力ポートに、エラー表示用のデータをセットする。これにより、性能表示モニタ170内の所定のLEDが点灯し、エラー表示が行われる。メインCPU201は、S20の処理を実行した後、永久ループに入る。
このように、前回の電断が正常電断でなかった場合や、メインRAM203内に格納された作業領域のチェックサム値の照合結果が正常でなかった場合には、設定キー174およびバックアップクリアスイッチ176の両方がオンであると判定されるまで、第1のパチンコ遊技機において遊技の実行が可能とならない。
次に、S21の処理について説明する。S21において、メインCPU201は、設定変更であることを示す値をメインRAM203内の起動制御フラグ領域に格納する。この処理は、異常起動時に行われる処理であり、設定変更であることを示す値を再度格納するようにしたものである。メインCPU201は、S21の処理を実行した後、処理をS22に移す。
S22において、メインCPU201は、メインRAM203内のXINT検知フラグ領域および電断検知フラグ領域のクリア処理を行う。メインCPU201は、S22の処理を実行した後、処理をS23に移す。
S23において、メインCPU201は、起動状態判定処理を行う。この処理では、メインRAM203内の起動制御フラグ領域に格納された起動制御フラグの値に基づいて、現在の起動状態(電断復帰/設定変更/設定確認/RAMクリア)を判定する。メインCPU201は、S23の処理を実行した後、処理をS24に移す。
S24において、メインCPU201は、起動時のRAM設定処理を行う。この処理では、フラグ等を管理するメインRAM203内の作業領域(揮発性領域)のクリア処理(例えば作業領域の構築およびアドレス設定等)が行われる。なお、この処理は、電断復帰時と初期化時とで共通して行われるものであって、バックアップ領域はクリアされない。メインCPU201は、S24の処理を実行した後、処理をS25に移す。
S25において、メインCPU201は、起動時初期設定処理を行う。この処理では、現在の起動状態(電断復帰/設定変更/設定確認/RAMクリア)に応じた初期設定処理が行われる。なお、起動時初期設定処理の詳細については、図24を参照して後述する。メインCPU201は、S25の処理を実行した後処理をS26に移す。
S26において、メインCPU201は、割込禁止処理を行う。メインCPU201は、S26の処理を実行した後、処理をS27に移す。
S27において、メインCPU201は、電断処理を行う。メインCPU201は、S27の処理を実行した後、処理をS28に移す。なお、電断処理の詳細については、図25を参照して後述する。
S28において、メインCPU201は、初期値乱数の更新処理を行う。この処理では、各種乱数カウンタ(例えば、特別図柄の大当り判定用乱数カウンタ等)の初期値乱数の更新処理が行われる。メインCPU201は、S28の処理を実行した後、処理をS29に移す。
S29において、メインCPU201は、遊技許可状態であるか否かを判定する。この判定処理は、遊技許可フラグの値に基づいて行われる。
S29において遊技許可状態でないと判定された場合(S29がNO判定の場合)、メインCPU201は、処理をS30に移す。
一方、S29において遊技許可状態であると判定された場合(S29がYES判定の場合)、メインCPU201は、処理をS31に移す。
S30において、メインCPU201は、割込許可処理を行う。メインCPU201は、S30の処理を実行した後、処理をS26に戻し、S26以降の処理を行う。
S31において、メインCPU201は、レジスタの退避処理を行う。メインCPU201は、S31の処理を実行した後、処理をS32に移す。
S32において、メインCPU201は、性能表示モニタ集計演算処理を行う。この処理では、各種ベース値の算出および更新が行われる。また、この処理は、メインRAM203内の作業領域とは別の領域(領域外)を使用して行われる。メインCPU201は、S32の処理を実行した後、処理をS33に移す。
S33において、メインCPU201は、S31で退避させたレジスタの復帰処理を行う。メインCPU201は、S33の処理を実行した後、処理をS34に移す。
S34において、メインCPU201は、割込許可処理を行う。メインCPU201は、S34の処理を実行した後、処理をS35に移す。
S35において、メインCPU201は、システム周期時間が経過したか否かを判定する。システム周期時間は、例えば、割込み周期(例えば2msec)の3倍である6msecである。
S35においてシステム周期時間が経過していないと判定された場合(S35がNO判定の場合)、メインCPU201は、処理をS26の処理に戻し、S26以降の処理を行う。
一方、S35においてシステム周期時間が経過したと判定された場合(S35がYES判定の場合)、メインCPU201は、処理をS36に移す。
S36において、メインCPU201は、メインRAM203の割込みカウンタ領域に格納された割込みカウンタの値から1減算する処理を3回行う。この処理により、主制御メイン処理内の割込禁止区間を管理する割込みカウンタの値がリセットされる。メインCPU201は、S36の処理を実行した後、処理をS37に移す。
なお、本実施例では、主制御メイン処理内において、後述する遊技制御に関する各種処理(例えば、S37~S44の処理)の実行前に、例えば6msecの割込禁止区間(S26~S35の処理区間)が設けられる。それゆえ、本実施例では、後述する遊技制御に関する各種処理が例えば6msec毎(システム周期毎)に実行されることになる。なお、本実施例では、割込禁止区間を割込み周期の3倍とする例を説明したが、これに限られない。
S37において、メインCPU201は、システムタイマの更新処理を行う。システムタイマは、システム周期(例えば6msec)を管理するタイマである。システムタイマの値は、メインRAM203の作業領域内のシステム周期管理タイマ領域に格納される。メインCPU201は、S37の処理を実行した後、処理をS38に移す。
S38において、メインCPU201は、主制御コマンド送受信処理を行う。この処理では、主として、払出制御のコマンド送受信処理が行われる。メインCPU201は、S38の処理を実行した後、処理をS39に移す。
S39において、メインCPU201は、特別図柄制御処理を行う。この処理では、特別図柄ゲームにかかわる処理が行われる。この特別図柄制御処理の詳細については、図26を参照して後述する。メインCPU201は、S39の処理を実行した後、処理をS40に移す。
S40において、メインCPU201は、普通図柄制御処理を行う。この処理にでは、普通図柄ゲームにかかわる処理が行われる。この普通図柄制御処理の詳細については、図43を参照して後述する。メインCPU201は、S40の処理を実行した後、処理をS41に移す。
S41において、メインCPU201は、遊技動作表示ユニット制御処理を行う。この処理では、LEDユニット160の各表示部(例えば、第1特別図柄表示部163、第2特別図柄表示部164等)に出力する表示データの設定処理が行われる。メインCPU201は、S41の処理を実行した後、処理をS42に移す。
S42において、メインCPU201は、遊技情報データ生成処理を行う。この処理では、外部端子板パルス信号の制御処理、出力データの設定処理、試射試験信号の生成処理等が行われる。なお、試射試験信号の生成処理は、メインRAM203内の作業領域とは別の領域(領域外)を使用して行われる。メインCPU201は、S42の処理を実行した後、処理をS43に移す。
S43において、メインCPU201は、ポート出力処理を行う。この処理では、コマンド出力ポート206(図6参照)への出力データのセット(転送)が行われる。メインCPU201は、S43の処理を実行した後、処理をS44に移す。
S44において、メインCPU201は、状態監視処理を行う。この処理では、発射位置判定処理、遊技異常検知判定処理および払出異常検知判定処理等が行われる。発射位置判定処理では、発射位置(例えば、右打ちまたは左打ち)に変化があれば、発射位置コマンドが送信予約される。遊技異常検知判定処理では、異常があれば、遊技異常検知コマンドが送信予約される。払出異常検知判定処理では、異常があれば、払出異常検知コマンドが送信予約される。メインCPU201は、S44の処理を実行した後、処理をS26に戻し、S26以降の処理を行う。
[1-6-2.起動時初期設定処理]
次に、図24を参照して、主制御メイン処理(図20~図23参照)中のS25で行われる起動時初期設定処理について説明する。図24は、第1のパチンコ遊技機における起動時初期設定処理の一例を示すフローチャートである。
メインCPU201は、先ず、起動制御フラグをロードする処理を行う(S51)。メインCPU201は、S51の処理を実行した後、処理をS52に移す。
S52において、メインCPU201は、起動制御フラグの値が電断復帰を示す値であるか否かを判定する。
S52において起動制御フラグの値が電断復帰を示す値でないと判定された場合(S52がNO判定の場合)、メインCPU201は、処理をS54に移す。
一方、S52において起動制御フラグの値が電断復帰を示す値であると判定された場合(S52がYES判定の場合)、メインCPU201は、処理をS53に移す。
S53において、メインCPU201は、第2通常遊技前処理を行う。この第2通常遊技前処理の詳細については、図50を参照して後述する。第2通常遊技前処理が行われると、遊技許可フラグがオンにセットされ、遊技許可状態となる。メインCPU201は、S53の処理を実行した後、起動時初期設定処理を終了し、処理を主制御メイン処理(図20~図23参照)に戻す。
S54において、メインCPU201は、起動制御フラグの値が設定変更または設定確認を示す値であるか否かを判定する。
S54において起動状態フラグの値が設定変更または設定確認を示す値でないすなわちRAMクリアを示す値であると判定された場合(S54がNO判定の場合)、メインCPU201は、処理をS56に移す。
一方、S54において起動状態フラグの値が設定変更または設定確認を示す値であると判定された場合(S54がYES判定の場合)、メインCPU201は、処理をS55に移す。
S55において、メインCPU201は、設定操作コマンドの送信予約処理を行う。なお、この処理で送信予約された設定操作コマンドは、次回のシステムタイマ割込処理中の演出制御コマンド送信処理(後述の図46のS336参照)で、サブ制御回路300に向けて送信される。メインCPU201は、S55の処理を実行した後、起動時初期設定処理を終了し、処理を主制御メイン処理(図20~図23参照)に戻す。
S56において、メインCPU201は、第1通常遊技前処理を行う。この第1通常遊技前処理の詳細については、図49を参照して後述する。第1通常遊技前処理が行われると、遊技許可フラグがオンにセットされ、遊技許可状態となる。メインCPU201は、S56の処理を実行した後、起動時初期設定処理を終了し、処理を主制御メイン処理(図20~図23参照)に戻す。
[1-6-3.電断処理]
次に、図25を参照して、主制御メイン処理(図20~図23参照)中のS27で行われる電断処理について説明する。図25は、第1のパチンコ遊技機における電断処理の一例を示すフローチャートである。
メインCPU201は、先ず、XINT検知フラグがオンであるか否かを判定する(S61)。
S61においてXINT検知フラグがオンでないと判定された場合(S61がNO判定の場合)、メインCPU201は、電断処理を終了し、処理を主制御メイン処理(図20~図23参照)に戻す。
一方、S61においてXINT検知フラグがオンであると判定された場合(S61がYES判定の場合)、メインCPU201は、処理をS62に移す。
S62において、メインCPU201は、チェックサム値の算出処理を行う。メインCPU201は、S62の処理を実行した後、処理をS63に移す。
S63において、メインCPU201は、チェックサム値および電断検知フラグの値を、メインRAM203内の対応する所定の格納領域にそれぞれ格納する。この場合、メインRAM203のバックアップ領域に格納される。メインCPU201は、S63の処理を実行した後、処理をS64に移す。
S64において、メインCPU201は、XINT検知フラグのクリア処理を行う。そして、S64の処理を実行した後、メインCPU201は、RAMアクセス禁止値設定処理を行う(S65)を行う。メインCPU201は、S65の処理を実行した後、処理をS66に移す。
S66において、メインCPU201は、電断まで、CPUリセット待ち処理を繰り返す。
[1-6-4.特別図柄制御処理]
次に、図26を参照して、主制御メイン処理(図20~図23参照)中のS39で行われる特別図柄制御処理について説明する。図26は、第1のパチンコ遊技機における特別図柄制御処理の一例を示すフローチャートである。
図26に示されるように、メインCPU201は、先ず、S71において、特別図柄の制御状態番号をロードする。特別図柄の制御状態番号は、特別図柄の可変表示(特別図柄ゲーム)に関する制御処理の状態(ステータス)を示す番号である。メインCPU201は、S71の処理を実行した後、処理をS72に移す。
なお、図示しないが、メインCPU201は、特別図柄制御処理を実行するにあたり、S71の処理に先だって、メインRAM203内の特別図柄の作業領域等のアドレスを所定のレジスタにセットするアドレス設定処理を行う。
また、同じく図示しないが、メインCPU201は、特別図柄制御処理を実行するにあたり、第1特別図柄の保留数および第2特別図柄の保留数をチェックする処理も行う。そして、メインCPU201は、第1特別図柄の保留数および第2特別図柄の保留数のいずれもが一定時間以上にわたって「0」である場合、デモ表示コマンドの送信予約処理を行う。なお、この処理で送信予約されたデモ表示コマンドは、次回のシステムタイマ割込処理中の演出制御コマンド送信処理(後述の図45のS322参照)において、サブ制御回路300に送信される。そして、デモ表示コマンドをサブ制御回路300が受信すると、サブCPU301はデモ表示演出を行う。
S72において、メインCPU201は、S71でロードした特別図柄の制御状態番号が0であるか否か、すなわち特別図柄の可変表示待ち状態であるか否かを判定する。
S72において特別図柄の制御番号が0でないと判定された場合(S72がNO判定の場合)、メインCPU201は、処理をS75に移す。
一方、S72において特別図柄の制御番号が0であると判定された場合(S72がYES判定の場合)、メインCPU201は、処理をS73に移す。
S73において、メインCPU201は、第2特別図柄が可変表示開始であるか否か、すなわち第2特別図柄の始動情報が保留されているか否かを判定する。
S73において第2特別図柄が可変表示開始でない、すなわち第2特別図柄の始動情報が保留されていないと判定された場合(S73がNO判定の場合)、メインCPU201は、処理をS74に移す。
一方、S73において第2特別図柄が可変表示開始である、すなわち第2特別図柄の始動情報が保留されていると判定された場合(S73がYES判定の場合)、メインCPU201は、処理をS75に移す。
S74において、メインCPU201は、第1特別図柄が可変表示開始であるか否か、すなわち第1特別図柄の始動情報が保留されているか否かを判定する。
S74において第1特別図柄が可変表示開始でない、すなわち第1特別図柄の始動情報が保留されていないと判定された場合(S74がNO判定の場合)、メインCPU201は、特別図柄制御処理を終了し、処理を主制御メイン処理(図20~図23参照)に戻す。
一方、S74において第1特別図柄が可変表示開始である、すなわち第1特別図柄の始動情報が保留されていると判定された場合(S74がYES判定の場合)、メインCPU201は、処理をS75に移す。
S75において、メインCPU201は、特別図柄管理処理を行う。この特別図柄管理処理の詳細については、図27を参照して後述する。メインCPU201は、S75の処理を実行した後、特別図柄制御処理を終了し、処理を主制御メイン処理(図20~図23参照)に戻す。
なお、メインCPU201は、割込み禁止区間を設定し、上述の特別図柄制御処理(S71~S75)を、割込み禁止区間内で行うことが好ましい。
このように、本実施例では、第1のパチンコ遊技機として、第2特別図柄の始動情報が保留されている場合、第1特別図柄よりも高い優先順位で特別図柄管理処理(S75)が実行される優先変動機について説明したが、これに限られない。例えば、第1特別図柄の始動情報が保留されている場合、第2特別図柄よりも高い優先順位で特別図柄管理処理(S75)が実行される優先変動機としてもよいし、第1始動口120または第2始動口140への入賞順に特別図柄管理処理が実行される順次変動機としてもよい。
[1-6-5.特別図柄管理処理]
次に、図27を参照して、特別図柄制御処理(図26参照)中のS75でメインCPU201により実行される特別図柄管理処理について説明する。図27は、第1のパチンコ遊技機における特別図柄管理処理の一例を示すフローチャートである。
なお、制御状態番号が「0」の場合において、特別図柄管理処理は、S73の処理(図26参照)がYES判定のときは第2特別図柄が処理対象であり、S74の処理(図26参照)がYES判定のときは第1特別図柄が処理対象である。また、制御状態番号が「0」でない場合は、特別図柄管理処理は、実行中の特別図柄が処理対象である。
また、図27に示す各処理の右方に括弧書きで記載した数値(「0」~「5」)は、特別図柄の制御状態番号である。メインCPU201は、制御状態番号に対応する各処理を実行することにより、特別図柄ゲームを進行させる。
メインCPU201は、先ず、特別図柄の待ち時間が0であるか否かを判定する(S81)。
S81において特別図柄の待ち時間が0でないと判定された場合(S81がNO判定の場合)、メインCPU201は、特別図柄管理処理を終了し、処理を特別図柄制御処理(図26参照)に戻す。
一方、S81において特別図柄の待ち時間が0であると判定された場合(S81がYES判定の場合)、メインCPU201は、処理をS82に移す。
S82において、メインCPU201は、特別図柄の制御状態番号をロードする。メインCPU201は、S82の処理を実行した後、処理をS83に移す。なお、メインCPU201は、S82の処理で読み出された制御状態番号に基づいて、S83以降の処理を行う。
S83において、メインCPU201は、特別図柄可変表示開始処理を行う。このS83の処理は、特別図柄の制御状態番号が「0」である場合に行われる処理である。この特別図柄可変表示開始処理の詳細については、図28を参照して後述する。特別図柄の制御状態番号が「0」でない場合には、メインCPU201は、処理をS84に移す。
S84において、メインCPU201は、特別図柄可変表示終了処理を行う。このS84の処理は、特別図柄の制御状態番号が「1」である場合に行われる処理である。この特別図柄可変表示終了処理の詳細については、図29を参照して後述する。特別図柄の制御状態番号が「1」でない場合には、メインCPU201は、処理をS85に移す。
S85において、メインCPU201は、特別図柄遊技判定処理を行う。このS85の処理は、特別図柄の制御状態番号が「2」である場合に行われる処理である。この特別図柄遊技判定処理の詳細については、図30を参照して後述する。特別図柄の制御状態番号が「2」でない場合には、メインCPU201は、処理をS86に移す。
S86において、メインCPU201は、大入賞口開放準備処理を行う。このS86の処理は、特別図柄の制御状態番号が「3」である場合に行われる処理である。この大入賞口開放準備処理の詳細については、図40を参照して後述する。特別図柄の制御状態番号が「3」でない場合には、メインCPU201は、処理をS87に移す。
S87において、メインCPU201は、大入賞口開放制御処理を行う。このS87の処理は、特別図柄の制御状態番号が「4」である場合に行われる処理である。この大入賞口開放制御処理の詳細については、図41を参照して後述する。特別図柄の制御状態番号が「4」でない場合には、メインCPU201は、処理をS88に移す。
S88において、メインCPU201は、大当り終了処理を行う。このS88の処理は、特別図柄の制御状態番号が「5」である場合に行われる処理である。この大当り終了処理の詳細については、図42を参照して後述する。
メインCPU201は、S83~S88の処理を終了後、特別図柄管理処理を終了し、処理を特別図柄制御処理(図26参照)に戻す。
[1-6-6.特別図柄可変表示開始処理]
次に、図28を参照して、特別図柄管理処理(図27参照)中のS83でメインCPU201により実行される特別図柄可変表示開始処理について説明する。図28は、第1のパチンコ遊技機における特別図柄可変表示開始処理の一例を示すフローチャートである。
図28に示されるように、メインCPU201は、先ず、特別図柄の制御状態番号が「0」であるか否かを判定する(S91)。
S91において特別図柄の制御状態番号が「0」でないと判定された場合(S91がNO判定の場合)、メインCPU201は、特別図柄可変表示開始処理を終了し、処理を特別図柄管理処理(図27参照)に戻す。
一方、S91において特別図柄の制御状態番号が「0」であると判定された場合(S91がYES判定の場合)、メインCPU201は、処理をS92に移す。
S92において、メインCPU201は、特別図柄の始動情報のシフト処理を行う。メインCPU201は、S92の処理を実行した後、処理をS93に移す。
S93において、メインCPU201は、特別図柄の当り判定処理を行う。この処理では、特別図柄の当り判定テーブル(図10参照)を参照し、特別図柄の大当り判定用乱数値を用いて特別図柄の当り判定が行われる。また、メインCPU201は、特別図柄の当り判定処理の結果が時短当りである場合は時短当りフラグをオンにセットし、特別図柄の当り判定処理の結果が大当りである場合は大当りフラグをオンにセットする。第1のパチンコ遊技機では、特別図柄の当り判定処理の結果に小当りが含まれないが、特別図柄の当り判定処理の結果に小当りが含まれるパチンコ遊技機であれば、特別図柄の当り判定処理の結果が小当りである場合は小当りフラグをオンにセットする。メインCPU201は、S93の処理を実行した後、処理をS94に移す。なお、時短当りフラグはC時短遊技状態への移行時にオフにされ、大当りフラグは大当り遊技状態の開始時にオフにされる。特別図柄の当り判定処理の結果に小当りが含まれるパチンコ遊技機であれば、小当りフラグは小当り遊技状態の開始時にオフにされる。
特別図柄の当り判定処理(S93参照)では、まず、大当りであるか否かの判定処理を行い、この処理で大当りでないと判定された場合に時短当りであるか否かの判定処理を行い、この処理で時短当りでないと判定された場合にハズレであると判定される。
S94において、メインCPU201は、特別図柄決定処理を行う。この処理は、特別図柄の当り判定処理(S93)の結果(例えば、時短当り、大当りまたはハズレ)に対応する特別図柄の停止図柄を判定乃至決定する処理である。この処理では、特別図柄判定テーブル(図11参照)を参照し、特別図柄の図柄乱数値を用いて、上述の「選択図柄コマンド」や「図柄指定コマンド」が判定される。メインCPU201は、S94の処理を実行した後、処理をS95に移す。
S95において、メインCPU201は、当り種類決定処理を行う。この処理は、特別図柄の当り判定処理の結果が例えば当り(時短当り、大当り)である場合に、かかる当りの種類を判定乃至決定する処理である。この処理では、当り種類決定テーブル(図13参照)を参照し、特別図柄決定処理(S94)で判定された「選択図柄コマンド」に応じて当りの種類が決定される。なお、本実施例では、当りの種類を複数種類としているが、大当りの種類は1つであってもよいし、時短当りの種類も1つであってよい。さらには、当りの種類を複数種類とすることに代えてまたは加えて、ハズレの種類を複数設けるようにしてもよい。また、本実施例では、特別図柄の当り判定処理の結果に小当りが含まれないが、特別図柄の当り判定処理の結果に小当りを含むようにし、かかる小当りの種類を複数設けてもよい。メインCPU201は、S95の処理を実行した後、処理をS96に移す。
S96において、メインCPU201は、特別図柄の変動パターン決定処理を行う。この処理は、特別図柄の変動パターンを判定乃至決定する処理である。この処理では、変動パターンテーブル(図15参照)を参照し、例えば、特別図柄の種類、特別図柄の当り判定処理(S93)の結果、時短フラグの値(0または1)、リーチ判定用乱数値または/および演出選択用乱数値等に応じて、特別図柄の変動パターンが決定される。なお、遊技状態等に応じて、特別図柄の変動パターン決定処理を行う際に参照する変動パターンテーブルが異なるようにしてもよい。メインCPU201は、S96の処理を実行した後、処理をS97に移す。
S97において、メインCPU201は、特別図柄の可変表示時間設定処理を行う。この処理では、変動パターンテーブル(図15参照)を参照し、特別図柄の変動パターン決定処理(S96)で決定された変動パターンに対応する変動時間が、特別図柄の変動時間として決定される。メインCPU201は、S97の処理を実行した後、処理をS98に移す。
S98において、メインCPU201は、特別図柄の制御状態番号に「1」をセットする処理を行う。このように、特別図柄の制御状態番号を「1」にセットする処理を行って制御状態番号を切り替えることにより、この特別図柄可変表示開始処理の終了後に、特別図柄可変表示終了処理(図27のS84参照)が行われることとなる。メインCPU201は、S98の処理を実行した後、処理をS99に移す。
S99において、メインCPU201は、遊技状態指定パラメータ設定処理を行う。この処理では、例えば、メインRAM203内の所定領域に格納されている遊技状態にかかわるパラメータ(例えば、確変残回数や時短残回数等)の更新処理等が行われる。メインCPU201は、S99の処理を実行した後、処理をS100に移す。
S100において、メインCPU201は、遊技状態管理処理を行う。この処理では、主に、遊技状態の管理に関する各種フラグ(例えば、確変フラグや時短フラグ等)の更新処理を行う。メインCPU201は、S100の処理を実行した後、処理をS101に移す。
S101において、メインCPU201は、特別図柄演出開始コマンドの送信予約処理を行う。なお、この処理で送信予約された特別図柄演出開始コマンドは、次回のシステムタイマ割込処理中の演出制御コマンド送信処理(後述の図45のS322参照)において、サブ制御回路300に送信される。
なお、メインCPU201は、割込み禁止区間を設定し、上述の特別図柄可変表示開始処理(とくに、遊技状態管理処理(S100)、特別図柄演出開始コマンドの送信予約処理(S101))を、割込み禁止区間内で行うことが好ましい。
[1-6-7.特別図柄可変表示終了処理]
次に、図29を参照して、特別図柄管理処理(図27参照)中のS84でメインCPU201により実行される特別図柄可変表示終了処理について説明する。図29は、第1のパチンコ遊技機における特別図柄可変表示終了処理の一例を示すフローチャートである。
メインCPU201は、先ず、特別図柄の制御状態番号が「1」であるか否かを判定する(S111)。
S111において特別図柄の制御状態番号が「1」でないと判定された場合(S111がNO判定の場合)、メインCPU201は、特別図柄可変表示終了処理を終了し、処理を特別図柄管理処理(図27参照)に戻す。
一方、S111において特別図柄の制御状態番号が「1」であると判定された場合(S111がYES判定の場合)、メインCPU201は、処理をS112に移す。
S112において、メインCPU201は、特別図柄の制御状態番号を「2」にセットする。このように、特別図柄の制御状態番号を「2」にセットする処理を行って制御状態番号を切り替えることにより、この特別図柄可変表示終了処理の終了後に、特別図柄遊技判定処理(図27のS85参照)が行われることとなる。メインCPU201は、S112の処理を実行した後、処理をS113に移す。
S113において、メインCPU201は、特別図柄演出停止コマンドの送信予約処理を行う。この処理では、特別図柄の可変表示を停止させる処理も行われる。なお、この処理で送信予約された特別図柄演出停止コマンドは、次回のシステムタイマ割込処理中の演出制御コマンド送信処理(後述の図45のS322参照)において、サブ制御回路300に送信される。メインCPU201は、S113の処理を実行した後、処理をS114に移す。
S114において、メインCPU201は、図柄確定数カウンタの値を1加算する。図柄確定数カウンタは、特別図柄の確定回数(特別図柄ゲームの実行回数)を計数するためのカウンタであり、その計数値は、メインRAM203内の所定領域に格納される。例えば、確変残回数や時短残回数等の特定状態下で行われた特別図柄ゲームのゲーム数を管理するカウンタを設けてもよいが、図柄確定数カウンタにより特定状態下での特別図柄ゲームのゲーム数を管理してもよい。メインCPU201は、S114の処理を実行した後、特別図柄可変表示終了処理を終了し、処理を特別図柄管理処理(図27参照)に戻す。
[1-6-8.特別図柄遊技判定処理]
次に、図30を参照して、特別図柄管理処理(図27参照)中のS85でメインCPU201により実行される特別図柄遊技判定処理について説明する。図30は、第1のパチンコ遊技機における特別図柄遊技判定処理の一例を示すフローチャートである。
メインCPU201は、先ず、特別図柄の制御状態番号が「2」であるか否かを判定する(S121)。
S121において特別図柄の制御状態番号が「2」でないと判定された場合(S121がNO判定の場合)、メインCPU201は、特別図柄遊技判定処理を終了し、処理を特別図柄管理処理(図27参照)に戻す。
一方、S121において特別図柄の制御状態番号が「2」であると判定された場合(S121がYES判定の場合)、メインCPU201は、処理をS122に移す。
S122において、メインCPU201は、大当りであるか否か、すなわち停止した特別図柄が大当りを示す停止表示態様であるか否かを判定する。
S122において、大当りである、すなわち停止した特別図柄が大当りを示す停止表示態様であると判定された場合(S122がYES判定の場合)、メインCPU201は、処理をS123に移す。
一方、S122において、大当りでない、すなわち停止した特別図柄が大当りを示す停止表示態様でないと判定された場合(S122がNO判定の場合)、メインCPU201は、処理をS130に移す。
S123において、メインCPU201は、大当り遊技制御処理の開始設定処理を行う。この処理では、外部端子板184を介してホールコンピュータ186(いずれも図6参照)に出力される信号(例えば、大当り信号等)の生成および更新が行われる。なお、この処理で生成および更新が行われる信号は、特別図柄遊技判定処理の処理対象である特別図柄にかかわる信号である。メインCPU201は、S123の処理を実行した後、処理をS124に移す。なお、外部端子板184を介して例えばホールコンピュータ186や島コンピュータに出力される信号については後述する。
また、S123の大当り遊技制御の開始設定処理において、メインCPU201は、確変フラグ、確変カウンタ、時短フラグ、および時短カウンタ等、各種フラグや各種カウンタをクリアする処理も行う。
S124において、メインCPU201は、ラウンド表示LEDデータをセットする処理を行う。その後、メインCPU201は、例えば、大入賞口131の開放回数の上限値をセットする処理(S125)、外部端子板184への大当り信号セット処理(S126)、特別図柄の制御状態番号を「3」にセットする処理(S127)、遊技状態指定パラメータ設定処理(S128)、および、大当り開始表示コマンドの送信予約処理(S129)等の処理を行う。なお、特別図柄の制御状態番号を「3」にセットする処理(S127)を行って制御状態番号を切り替えることにより、この特別図柄遊技判定処理の終了後に、大入賞口開放準備処理(図27のS86参照)が行われることとなる。その後、メインCPU201は、特別図柄遊技判定処理を終了し、処理を特別図柄管理処理(図27参照)に戻す。
S130において、メインCPU201は、特別図柄遊技終了処理を行う。この特別図柄遊技終了処理については、図31を参照して後述する。なお、メインCPU201は、特別図柄遊技終了処理を行うと、特別図柄遊技判定処理を終了し、処理を特別図柄管理処理(図27参照)に戻す。
なお、メインCPU201は、割込み禁止区間を設定し、上述の特別図柄遊技判定処理(S121~S130)を、割込み禁止区間内で行うことが好ましい。
[1-6-9.特別図柄遊技終了処理]
次に、図31を参照して、特別図柄遊技判定処理(図30参照)中のS130でメインCPU201により実行される特別図柄遊技終了処理について説明する。図31は、第1のパチンコ遊技機における特別図柄遊技終了処理の一例を示すフローチャートである。
メインCPU201は、先ず、時短管理処理を行う(S131)。この時短管理処理の詳細については、第1のパチンコ遊技機において図32~図39を参照して後述する。メインCPU201は、S131の処理を実行した後、処理をS132に移す。
S132において、メインCPU201は、特別図柄の制御状態番号に「0」をセットする。このように、特別図柄の制御状態番号を「0」にセットする処理を行うことにより、特別図柄可変表示開始処理すなわち次回の特別図柄遊技を実行することが可能となる。メインCPU201は、S132の処理を実行した後、処理をS133に移す。
S133において、メインCPU201は、特別図柄の遊技状態指定パラメータ設定処理を行う。その後、メインCPU201は、特別図柄遊技終了コマンドの送信予約処理(S134)を行う。なお、この処理で送信予約された特別図柄遊技終了コマンドは、次回のシステムタイマ割込処理中の演出制御コマンド送信処理(後述の図45のS322参照)において、サブ制御回路300に送信される。そして、S134の処理後、メインCPU201は、特別図柄遊技終了処理を終了し、処理を特別図柄遊技判定処理(図30参照)に戻す。
なお、特別図柄の当り判定処理(図28のS93参照)の結果がハズレである場合、メインCPU201は、確変フラグおよび時短フラグのいずれについてもセットまたはリセットしない。そのため、ハズレの表示態様が導出されたとしても遊技状態は移行しない。
[1-6-10.時短管理処理]
次に、図32を参照して、メインCPU201により実行される時短管理処理について説明する。図32は、第1のパチンコ遊技機において、特別図柄遊技終了処理(図31参照)中のS131でメインCPU201により実行される時短管理処理の一例を示すフローチャートである。
メインCPU201は、先ず、カウンタ更新処理を行う(S141)。このカウンタ更新処理の詳細については、図33を参照して後述する。メインCPU201は、S141の処理を実行した後、処理をS142に移す。
S142において、メインCPU201は、カウンタ判定処理を行う。このカウンタ判定処理の詳細については、図36を参照して後述する。メインCPU201は、S142の処理を実行した後、時短管理処理を終了し、処理を特別図柄遊技終了処理(図31参照)に戻す。
[1-6-11.カウンタ更新処理]
次に、図33を参照して、メインCPU201により実行されるカウンタ更新処理について説明する。図33は、第1のパチンコ遊技機において、時短管理処理(図32参照)中のS141でメインCPU201により実行されるカウンタ更新処理の一例を示すフローチャートである。
メインCPU201は、先ず、時短カウンタ更新処理を行う(S151)。この時短カウンタ更新処理の詳細については、図34を参照して後述する。メインCPU201は、S151の処理を実行した後、処理をS152に移す。
S152において、メインCPU201は、天井カウンタ更新処理を行う。この天井カウンタ更新処理の詳細については、図35を参照して後述する。メインCPU201は、S152の処理を実行した後、カウンタ更新処理を終了し、処理を時短管理処理(図32参照)に戻す。
[1-6-12.時短カウンタ更新処理]
次に、図34を参照して、メインCPU201により実行される時短カウンタ更新処理について説明する。図34は、第1のパチンコ遊技機において、カウンタ更新処理(図33参照)中のS151でメインCPU201により実行される時短カウンタ更新処理の一例を示すフローチャートである。
なお、図34に示される時短カウンタ更新処理は、複数の時短遊技状態が重複した場合に、複数の時短遊技状態が重ねて実行される場合の処理を示すフローチャートである。
メインCPU201は、先ず、時短フラグオン且つ時短カウンタが0より大きいか否かを判定する(S161)。この処理では、時短フラグオンと、時短カウンタが0より大きいこととの両方を満たした場合にYES判定され、いずれか一方でも満たしていなければNO判定される。
時短フラグは、A時短遊技状態、B時短遊技状態、またはC時短遊技状態に移行させるときに、オンにセットされる。なお、高確遊技状態に移行させるときには確変フラグをオンにセットする。
時短カウンタは、A時短遊技状態、B時短遊技状態、またはC時短遊技状態において、それぞれ実行される時短回数を示す。
A時短遊技状態、B時短遊技状態または/およびC時短遊技状態への移行条件が成立した場合、移行条件が成立した時短遊技状態についての時短カウンタがセットされる。
なお、本実施例では、特別図柄の可変表示が終了したときに時短カウンタを減算し、時短カウンタが0になったときに時短遊技状態を終了する減算方式を採用しているが、これに限られず、特別図柄の可変表示が終了したときに時短カウンタを加算し、時短カウンタがセットされた時短回数になったときに時短遊技状態を終了する加算方式を採用してもよい。また、特別図柄の可変表示が終了したときに時短カウンタを更新(減算又は加算)することに代えて、特別図柄の可変表示の開始時に時短カウンタを更新し、時短カウンタが0になったとき(減算方式の場合)又は時短カウンタがセットされた時短回数になったとき(加算方式の場合)に、時短遊技状態を終了するようにしてもよい。
S161において、時短フラグオンと、時短カウンタが0より大きいこととの両方を満たしていないと判定された場合(S161がNO判定の場合)、メインCPU201は、時短カウンタ更新処理を終了し、処理をカウンタ更新処理(図33)に戻す。
一方、S161において時短フラグオン且つ時短カウンタが0より大きいと判定された場合(S161がYES判定の場合)、メインCPU201は、時短カウンタから1を減算する処理を行う(S162)。メインCPU201は、S162の処理を実行した後、処理をS163に移す。
S163において、メインCPU201は、時短モード=3且つC時短カウンタが0より大きいか否かを判定する。この処理では、時短モード=3であって、C時短カウンタが0より大きい場合にYES判定される。S163がYES判定の場合、メインCPU201は、処理をS164に移す。
なお、C時短カウンタは、時短遊技状態中にC時短遊技状態への移行条件が成立した場合にセットされるカウンタである。このC時短カウンタは、フローチャートでは図示していないが、後述するB時短カウンタがセットされた場合、メインCPU201によりリセットされる。
時短モードは、複数の時短遊技状態が重ねて実行される場合に設定されるフラグである。本実施例では、時短モードを例えば2bitで構成し、先に実行されている時短遊技状態に対してC時短遊技状態が重ねて実行される場合、「時短モード=3」に設定される。また、先に実行されている時短遊技状態に対してB時短遊技状態が重ねて実行される場合、「時短モード=2」に設定される。
一方、S163において、時短モード=3とC時短カウンタが0より大きいこととの両方を満たしていないと判定された場合(S163がNO判定の場合)、メインCPU201は、処理をS165に移す。
S164において、メインCPU201は、C時短カウンタから1を減算する処理を行う。この処理も、減算方式に変えて加算方式を採用してもよい。メインCPU201は、S164の処理を実行した後、処理をS165に移す。
S165において、メインCPU201は、時短モード=2且つB時短カウンタが0より大きいか否かを判定する。この処理では、時短モード=2であって、B時短カウンタが0より大きい場合にYES判定される。S165がYES判定の場合、メインCPU201は、処理をS166に移す。
なお、B時短カウンタは、時短遊技状態中(本実施例ではC時短遊技状態中)にB時短遊技状態への移行条件が成立した場合にセットされるカウンタである。このB時短カウンタは、フローチャートでは図示していないが、C時短カウンタがセットされた場合、メインCPU201によりリセットされる。
一方、S165において、時短モード=2とB時短カウンタが0より大きいこととの両方を満たしていないと判定された場合(S165がNO判定の場合)、メインCPU201は、時短カウンタ更新処理を終了し、処理をカウンタ更新処理(図33参照)に戻す。
S166において、メインCPU201は、B時短カウンタから1を減算する処理を行う。この処理も、減算方式に変えて加算方式を採用してもよい。メインCPU201は、S166の処理を実行した後、時短カウンタ更新処理を終了し、処理をカウンタ更新処理(図33参照)に戻す。
なお、図示していないが、S164の処理を行った結果としてC時短カウンタ=0となった場合や、S166の処理を行った結果としてB時短カウンタ=0となった場合、メインCPU201は、時短モードをオフ(=0)にセットする。
ところで、複数の時短遊技状態を重ねて実行する場合、二つの時短遊技状態を重ねるだけにとどまらず、三つ以上の時短遊技状態を重ねて実行してもよい。この場合、上述したようにA時短遊技状態とC時短遊技状態とが重複することがないため、三つ以上の時短遊技状態が重複する場合とは、A時短遊技状態またはB時短遊技状態と二つ以上のC時短遊技状態とが重複する場合、および三つ以上のC時短遊技状態が重複する場合が相当する。
[1-6-13.天井カウンタ更新処理]
次に、図35を参照して、メインCPU201により実行される天井カウンタ更新処理について説明する。図35は、第1のパチンコ遊技機において、カウンタ更新処理(図33参照)中のS152でメインCPU201により実行される天井カウンタ更新処理の一例を示すフローチャートである。
メインCPU201は、先ず、天井カウント禁止フラグがオフであるか否かを判定する(S171)。天井カウント禁止フラグは、確変フラグがオンにセットされるとき、および天井カウンタが天井値に到達したときにオンにセットされるフラグである。すなわち、確変フラグがオフである場合であって且つ天井カウンタが天井値に到達していない場合、天井カウント禁止フラグはオフである。天井カウンタの値は、メインRAM203に保存される。
なお、天井値は、B時短遊技状態への移行条件として、パチンコ遊技機固有の値として予め決められている。ただし、これに代えて、大当り遊技状態が終了したとき、バックアップクリア処理が行われたとき、天井カウンタの値をリセットする専用の操作手段が操作されたとき等に、メインCPU201が天井値をセットする処理を行うようにしてもよい。
S171において、天井カウント禁止フラグがオフでない場合(S171がNO判定の場合)、すなわち天井カウント禁止フラグがオンである場合、メインCPU201は、天井カウンタ更新処理を終了し、処理をカウンタ更新処理(図33参照)に戻す。
S171において、天井カウント禁止フラグがオフである場合(S171がYES判定の場合)、メインCPU201は、処理をS172に移す。
S172において、メインCPU201は、天井カウンタに1を加算する処理を行う。メインCPU201は、S172の処理を実行した後、天井カウンタ更新処理を終了し、処理をカウンタ更新処理(図33参照)に戻す。
[1-6-14.カウンタ判定処理]
次に、図36を参照して、メインCPU201により実行されるカウンタ判定処理について説明する。図36は、第1のパチンコ遊技機において、時短管理処理(図32参照)中のS142でメインCPU201により実行されるカウンタ判定処理の一例を示すフローチャートである。
メインCPU201は、先ず、時短移行判定処理を行う(S181)。この時短移行判定処理の詳細については、図37を参照して後述する。メインCPU201は、S181の処理を実行した後、処理をS182に移す。
S182において、メインCPU201は、時短移行処理を行う。この時短移行処理の詳細については、図38を参照して後述する。メインCPU201は、S182の処理を実行した後、処理をS183に移す。
S183において、メインCPU201は、時短カウンタが1より小さいか否かを判定する。
S183において、時短カウンタが1より小さくないと判定された場合(S183がNO判定)、すなわち時短カウンタが1以上である場合、メインCPU201は、処理をS185に移す。
一方、S183において、時短カウンタが1より小さいと判定された場合(S183がYES判定)、メインCPU201は、処理をS184に移す。
S184において、メインCPU201は、時短フラグをオフにする。メインCPU201は、S184の処理を実行した後、処理をS185に移す。
なお、S183において時短カウンタが1より小さいと判定された場合(S183がYES判定の場合)、B時短カウンタ及びC時短カウンタはいずれも1より小さいはずである(すなわち0のはずである)。しかし、メインCPU201による処理を実行する上で何らかの不具合が生じる可能性があり得ることに鑑みて、例えば、S183がYES判定であるにもかかわらずB時短カウンタまたは時短カウンタが1以上である場合に、異常警報を出力したりする等の異常時処理を実行するようにしてもよい。また、この異常時処理に代えてまたは加えて、S183がYES判定された場合に、時短フラグをオフにするだけでなく(S184参照)、B時短カウンタ及びC時短カウンタをリセットすることにより、時短カウンタとB時短カウンタとC時短カウンタとの整合性を図るようにしてもよい。
S185において、メインCPU201は、特別図柄の遊技状態指定パラメータ設定処理を行う。その後、メインCPU201は、時短移行コマンドの送信予約処理(S186)を行う。なお、この処理で送信予約された時短移行コマンドは、次回のシステムタイマ割込処理中の演出制御コマンド送信処理(後述の図45のS322参照)において、サブ制御回路300に送信される。そして、S186の処理後、メインCPU201は、カウンタ判定処理を終了し、処理を時短管理処理(図32参照)に戻す。
[1-6-15.時短移行判定処理]
次に、図37を参照して、メインCPU201により実行される時短移行判定処理について説明する。この処理では、天井カウンタが天井値に到達した場合に、B時短遊技状態に移行させるための判定処理が行われる。図37は、第1のパチンコ遊技機において、カウンタ判定処理(図36参照)中のS181でメインCPU201により実行される時短移行判定処理の一例を示すフローチャートである。
メインCPU201は、先ず、確変フラグがオフであるか否かを判定する(S191)。
S191において、確変フラグがオフでないと判定された場合(S191がNO判定の場合)、すなわち確変フラグがオンである場合、メインCPU201は、時短移行判定処理を終了し、処理をカウンタ判定処理(図36参照)に戻す。すなわち、確変フラグがオンである場合、B時短遊技状態に移行させないようにすることができる。
一方、S191において、確変フラグがオフであると判定された場合(S191がYES判定の場合)、メインCPU201は、処理をS192に移す。
S192において、メインCPU201は、天井カウンタが天井値であるか否かを判定する。
S192において、天井カウンタが天井値でないと判定された場合(S192がNO判定の場合)、メインCPU201は、時短移行判定処理を終了し、処理をカウンタ判定処理(図36参照)に戻す。
一方、S192において、天井カウンタが天井値であると判定された場合(S192がYES判定の場合)、メインCPU201は、処理をS193に移す。
S193において、メインCPU201は、天井カウント禁止フラグをオンにセットする。メインCPU201は、S193の処理を実行した後、処理をS194に移す。
S194において、メインCPU201は、天井フラグをオンにセットする。天井フラグは、天井カウンタが天井値に到達したことを示すフラグである。メインCPU201は、S194の処理を実行した後、処理をS195に移す。
S195において、メインCPU201は、天井カウンタをクリアする。メインCPU201は、S195の処理を実行した後、時短移行判定処理を終了し、処理をカウンタ判定処理(図36参照)に戻す。
[1-6-16.時短移行処理]
次に、図38を参照して、メインCPU201により実行される時短移行処理について説明する。図38は、第1のパチンコ遊技機において、カウンタ判定処理(図36参照)中のS182でメインCPU201により実行される時短移行処理の一例を示すフローチャートである。
メインCPU201は、先ず、確変フラグがオフであるか否かを判定する(S202)。
S202において、確変フラグがオフでないと判定された場合(S202がNO判定の場合)、すなわち確変フラグがオンである場合、メインCPU201は、時短移行処理を終了し、処理をカウンタ判定処理(図36参照)に戻す。このようにすることで、確変フラグがオンである場合には、B時短遊技状態およびC時短遊技状態のいずれも、開始されないようにすることができる。
一方、S202において、確変フラグがオフであると判定された場合(S202がYES判定)、メインCPU201は、処理をS203に移す。
S203において、メインCPU201は、天井フラグがONであるか否かを判定する。
S203において、天井フラグがオンでないと判定された場合(S203がNO判定の場合)、すなわち天井フラグがオフである場合、メインCPU201は、処理をS206に移す。
一方、S203において、天井フラグがオンであると判定された場合(S203がYES判定)、メインCPU201は、処理をS205に移す。
S205において、メインCPU201は、B時短遊技状態への移行にかかわる処理として、B時短制御態様決定処理を実行する。この処理では、B時短カウンタにセットする時短回数と、時短モードを2にセットすることと、時短性能等を決定する。メインCPU201は、S205の処理を実行した後、処理をS208に移す。
なお、B時短カウンタにセットされる時短回数は、予め定められた回数である。また、時短性能のうち、「普通図柄当り」の当選確率は、普通図柄の当り判定テーブル(図16参照)に示されるとおりである。また、時短性能のうち、普通電動役物146の開放パターン(開放回数、開放時間、ウェイト時間)は、普通図柄判定テーブル(図17参照)および普通図柄当り種類決定テーブル(図18参照)に示されるとおりである。さらに、時短性能のうち、普通図柄の可変表示時間は、普通図柄の変動パターンテーブル(図19参照)に示されるとおりである。
S206において、メインCPU201は、時短当りフラグがオンであるか否かを判定する。
S206において、時短当りフラグがオンでないと判定された場合(S206がNO判定の場合)、すなわち時短当りフラグがオフである場合、メインCPU201は、時短移行処理を終了し、処理をカウンタ判定処理(図36参照)に戻す。
一方、S206において、時短当りフラグがオンであると判定された場合(S206がYES判定)、メインCPU201は、処理をS207に移す。
S207において、メインCPU201は、C時短遊技状態への移行にかかわる処理として、C時短制御態様決定処理を実行する。この処理では、C時短カウンタにセットする時短回数と、時短モードを3にセットすることと、時短性能等を決定する。メインCPU201は、S207の処理を実行した後、処理をS208に移す。
なお、C時短カウンタにセットされる時短回数は、当り種類決定テーブル(例えば図13参照)を参照して選択図柄コマンドに応じて決定される。また、時短性能のうち、「普通図柄当り」の当選確率は、普通図柄の当り判定テーブル(図16参照)に示されるとおりである。また、時短性能のうち、普通電動役物146の開放パターン(開放回数、開放時間、ウェイト時間)は、普通図柄判定テーブル(図17参照)および普通図柄当り種類決定テーブル(図18参照)に示されるとおりである。さらに、時短性能のうち、普通図柄の可変表示時間は、普通図柄の変動パターンテーブル(図19参照)に示されるとおりである。
S208において、メインCPU201は、時短設定処理を行う。この時短設定処理の詳細については、図39を参照して後述する。メインCPU201は、S208の処理を実行した後、時短移行処理を終了し、処理をカウンタ判定処理(図36参照)に戻す。
[1-6-17.時短設定処理]
次に、図39を参照して、メインCPU201により実行される時短設定処理について説明する。図39は、第1のパチンコ遊技機において、時短移行処理(図38参照)中のS208でメインCPU201により実行される時短設定処理の一例を示すフローチャートである。
メインCPU201は、先ず、時短フラグがオンであるか否かを判定する(S211)。
S211において、時短フラグがオンであると判定された場合(S211がYES判定の場合)、メインCPU201は、処理をS212に移す。
S211がYES判定の場合とは、確変フラグがオフであって、例えば、C時短遊技状態が先に実行されている状態でB時短遊技状態を重ねて実行する場合(天井カウンタ=天井値となった場合)や、A時短遊技状態、B時短遊技状態、またはC時短遊技状態が先に実行されている状態でC時短遊技状態を重ねて実行する場合(「時短当り」に当選した場合)が相当する。
なお、図示しないが、C時短遊技状態が先に実行されている状態でB時短遊技状態を重ねて実行する場合、メインCPU201は、「時短モード=2」をセットするとともに、S205で決定されたB時短カウンタをセットする。また、A時短遊技状態、B時短遊技状態、またはC時短遊技状態が先に実行されている状態でC時短遊技状態を重ねて実行する場合、メインCPU201は、「時短モード=3」にセットするとともに、S207で決定されたC時短カウンタをセットする。
S211において、時短フラグがオンでないと判定された場合(S211がNO判定)、すなわち時短フラグがオフである場合、メインCPU201は、処理をS214に移す。
S212において、メインCPU201は、現状の時短カウンタ(先に実行されていた時短遊技状態の時短残回数)と、新たな時短回数(S205またはS207で決定された時短回数)とを比較し、現状の時短カウンタが新たな時短回数よりも小さいか否かを判定する。
S212において、現状の時短カウンタが新たな時短回数よりも小さくないと判定された場合(S212がNO判定の場合)、すなわち現状の時短カウンタが新たな時短回数よりも大きい場合、メインCPU201は、時短設定処理を終了し、処理を時短移行処理(図38を参照)に戻す。
一方、S212において、現状の時短カウンタが新たな時短回数よりも大きいと判定された場合(S212がYES判定の場合)、メインCPU201は、処理をS213に移す。
S213において、メインCPU201は、時短カウンタ再設定処理を行う。この処理では、C時短遊技状態が先に実行されている状態でB時短遊技状態を重ねて実行する場合や、A時短遊技状態、B時短遊技状態、またはC時短遊技状態が先に実行されている状態でC時短遊技状態を重ねて実行する場合、現状の時短カウンタの値(すなわち時短残回数)と新たな時短回数とのうち多い方の時短回数が、新たな時短カウンタとして再設定される。ただし、時短カウンタ再設定処理(S213)が行われたとしても、メインCPU201は、B時短カウンタおよびC時短カウンタをリセットしない。メインCPU201は、S213の処理を実行した後、時短設定処理を終了し、処理を時短移行処理(図38)に戻す。
なお、C時短遊技状態が先に実行されている状態でB時短遊技状態を重ねて実行する場合や、A時短遊技状態、B時短遊技状態、またはC時短遊技状態が先に実行されている状態でC時短遊技状態を重ねて実行する場合、メインCPU201は、先に実行されていた時短遊技状態の時短性能を維持する。すなわち、先に実行されていた時短遊技状態の時短性能から新たな時短遊技状態の時短性能に変更したり、現状の時短カウンタと新たな時短回数とのうち多い方の時短回数に対応する時短遊技状態の時短性能に変更されたりはしない。
時短性能とは、上述したとおり、入賞口(例えば、本実施例では第2始動口140(図4参照))への遊技球の入賞の容易さを変更する性能であって、「普通図柄当り」の当選確率、普通図柄の可変表示時間、または/および普通電動役物146の開放パターン(開放回数、開放時間、ウェイト時間等)等をいう。
ところで、本実施例では、B時短カウンタ及びC時短カウンタを設けることにより、内部的に二つの時短遊技状態が重ねて実行されていることを管理できるようにしている。そして、上記の時短カウンタ再設定処理(S213)において、現状の時短カウンタの値と新たな時短回数とのうち多い方の時短回数を、新たな時短カウンタとして再設定するようにしている。しかし、内部的に二つの時短遊技状態が重ねて実行されていたとしても、表面的にあらわれる(遊技者が把握できる)時短性能は、内部的に重ねて実行されている上記二つの時短遊技状態のうち、いずれか一つの時短遊技状態についての時短性能のみである。そのため、内部的に二つの時短遊技状態が重ねて実行されていることを管理せずに(すなわちB時短カウンタ及びC時短カウンタを設けずに)、複数の時短遊技状態を重ねて実行する場合に、現状の時短カウンタの値と新たな時短回数とのうち多い方の時短回数を、新たな時短カウンタとして再設定するようにしてもよい。
S214において、メインCPU201は、時短態様設定処理を行う。この処理は、S211がNO判定の場合、すなわち、非時短遊技状態からB時短遊技状態に移行させて実行する場合(天井カウンタ=天井値となった場合)や、非時短遊技状態からC時短遊技状態に移行させて実行する場合(「時短当り」に当選した場合)に行われる処理である。この処理では、B時短制御態様決定処理(S205)またはC時短制御態様決定処理(S207)で決定された時短回数と時短性能とが設定される。メインCPU201は、S214の処理を実行した後、処理をS215に移す。
S215において、メインCPU201は、時短フラグをオンにセットする。メインCPU201は、S215の処理を実行した後、時短設定処理を終了し、処理を時短移行処理(図38)に戻す。
このように、図32~図39を参照して説明した上述の時短管理処理において、メインCPU201は、B時短遊技状態への移行処理を、天井最終変動としての特別図柄の可変表示が終了したときに行っている。本実施例では、第1特別図柄の当り判定処理の結果に小当りが含まれないが、当り判定処理の当り判定処理の結果に小当りを含むパチンコ遊技機の場合、天井最終変動における第1特別図柄の当り判定処理の結果が小当りである場合が生じうる。このように、天井最終変動における第1特別図柄の当り判定処理の結果が小当りである場合、メインCPU201は、小当り遊技状態が終了したことに基づいて、B時短遊技状態に移行させる処理を行うとよい。
また、図32~図39を参照して説明した上述の時短管理処理では、メインCPU201は、B時短遊技状態への移行処理を、天井最終変動としての特別図柄の可変表示が終了したときに行っているが、これに限られず、天井最終変動としての特別図柄の可変表示を開始したことに基づいて、B時短遊技状態への移行処理を行うようにしてもよい。とくに、第1特別図柄と第2特別図柄とが並行して可変表示可能な第1のパチンコ遊技機においては、天井最終変動としての特別図柄の可変表示を開始したことに基づいて、B時短遊技状態への移行処理を行うことが好ましい。なぜなら、天井最終変動としての特別図柄の可変表示が終了したときにB時短遊技状態に移行するようにすると、天井最終変動としてのいずれか一方の特別図柄の可変表示中に他方の特別図柄の可変表示が開始された場合、この他方の特別図柄の可変表示については、B時短遊技状態としての恩恵を受けることができなくなり、興趣が低下するおそれがあるからである。なお、第1のパチンコ遊技機では、特別図柄の可変表示が例えば600000msecといった長変動で行われることはない。ただし、このような長変動で特別図柄の可変表示が行われうるパチンコ遊技機においては、天井最終変動としての特別図柄の可変表示を開始したことに基づいてB時短遊技状態への移行処理を行うことにより、とくに天井最終変動である特別図柄の可変表示が長変動で行われる場合であっても、B時短遊技状態の開始の遅延を回避することができる。
また、図32~図39を参照して説明した上述の時短管理処理では、B時短遊技状態への移行にかかわる処理としてのB時短制御態様決定処理(S205)を、C時短遊技状態への移行にかかわる処理としてのC時短制御態様決定処理(S207)よりも優先して行うようにしている(図38のS203~S207を参照)が、これに限られない。例えば、C時短遊技状態への移行にかかわる処理としてのC時短制御態様決定処理(S207)を、B時短遊技状態への移行にかかわる処理としてのB時短制御態様決定処理(S205)よりも優先して行うようにしてもよい。
また、図35を参照して説明した上述の天井カウンタ更新処理では、天井カウント禁止フラグがオフでない場合(図35のS171がNO判定)、天井カウンタを更新しないようにしているが、これに限られない。例えばST機や確変転落抽選を行うパチンコ遊技機では、確変フラグがオンである場合であっても特別図柄の可変表示が行われると天井カウンタを更新するようにしてもよい。この場合、天井カウンタが天井値に到達したとしても、B時短遊技状態に移行せず、天井カウンタと確変カウンタとの差が天井値となった場合に、B時短遊技状態に移行するようにしてもよい。この場合、メインCPU201は、「天井カウンタ=天井値」となっただけではB時短遊技状態に移行させず、天井カウンタと確変カウンタとの差が天井値となった場合に、B時短遊技状態に移行させる処理を行うこととなる。
また、B時短遊技状態への移行条件である天井値は、確変フラグがオフである場合の大当り確率の分母の所定範囲内(例えば、2.5~3.0倍)であることが好ましい。本実施例では、例えば特別図柄の当り判定テーブル(図10参照)に示されるように、確変フラグがオフである場合の大当り確率が319分の1(設定値1の場合)であるから、天井値は、319×2.5~319×3.0(倍)の範囲内であることが好ましい。
また、B時短遊技状態の終了条件であるB時短規定回数の上限は、確変フラグがオフである場合の大当り確率の分母の規定倍数(例えば3.8倍)までとすることが好ましい。同様に、C時短遊技状態の終了条件であるC時短規定回数の上限についても、確変フラグがオフである場合の大当り確率の分母に規定数を乗じた値まで(例えば大当り確率の分母の3.8倍まで)とすることが好ましい。本実施例では、確変フラグがオフである場合の大当り確率が319分の1(設定値1の場合)であるから、B時短規定回数およびC時短規定回数は、いずれも、概ね1212(319×3.8)を上限とすることが好ましい。なお、B時短規定回数の上限とC時短規定回数の上限とを同じ値とすることは必須ではない。
ところで、第1のパチンコ遊技機のように、例えば設定1~設定6といった大当り確率が異なる複数の設定値のうちいずれか一の設定値にセット可能であるパチンコ遊技機である場合、上述したとおり、時短当り確率は全設定値で共通の確率となっている。このような場合、B時短遊技状態への移行条件である天井値を、設定値にかかわらず大当り確率(確変フラグがオフである場合)の分母に規定数(例えば3.0)を乗じた値とした場合、設定値に応じて天井値が異なることとなり、セットされている設定値が遊技者に看破されてしまうおそれがある。そこで、本実施例では、セットされた設定値がいずれであったとしても、天井値を、大当り確率(確変フラグがオフである場合)の分母に対して規定数を乗じて決定するのではなく、設定値にかかわらず同じ値とすることが好ましい。
[1-6-18.時短管理処理にかかわる変形例]
なお、図32~図39を参照して説明した上述の時短管理処理(以下「本実施例の時短管理処理」と称する)では、天井カウンタ更新処理(図35参照)を、特別図柄遊技終了処理(図31参照)において実行している。また、B時短遊技状態への移行にかかわる処理を、C時短遊技状態への移行にかかわる処理よりも優先して行うようにしている。さらに、B時短遊技状態への移行フラグ(天井フラグ)とC時短遊技状態への移行フラグ(時短当りフラグ)とを別個に設け、天井フラグがオンである場合にB時短遊技状態に移行させ、時短当りフラグがオンである場合にC時短遊技状態に移行させるようにしている。ただし、天井カウンタ更新処理が含まれる時短管理処理の実行タイミング、B時短遊技状態への移行とC時短遊技状態への移行との優先順位、B時短遊技状態への移行フラグとC時短遊技状態の移行フラグとを別個にするか共通にするか、については、上記に限られず、様々なバリエーションで時短管理処理を行うことができる。
例えば、天井カウンタ更新処理が含まれる時短管理処理の実行タイミングを変動停止時とし、移行時の処理をB時短遊技状態優先とし、B時短遊技状態への移行フラグとC時短遊技状態の移行フラグとを別個に設けるようにしてもよい。
また、天井カウンタ更新処理が含まれる時短管理処理の実行タイミングを変動停止時とし、移行時の処理をC時短遊技状態優先とし、B時短遊技状態への移行フラグとC時短遊技状態の移行フラグとを別個に設けるようにしてもよい。
また、天井カウンタ更新処理が含まれる時短管理処理の実行タイミングを変動停止時とし、天井到達時に「時短当り」が非当選であることを確認した上でB時短遊技状態に移行させるようにしてもよい。
また、天井カウンタ更新処理が含まれる時短管理処理の実行タイミングを変動開始時とし、移行時の処理をB時短遊技状態優先とし、B時短遊技状態への移行フラグとC時短遊技状態の移行フラグとを別個に設けるようにしてもよい。
また、天井カウンタ更新処理が含まれる時短管理処理の実行タイミングを変動開始時とし、移行時の処理をC時短遊技状態優先とし、B時短遊技状態への移行フラグとC時短遊技状態の移行フラグとを別個に設けるようにしてもよい。
また、天井カウンタ更新処理が含まれる時短管理処理の実行タイミングを変動開始時とし、移行時の処理をB時短遊技状態優先とし、B時短遊技状態への移行フラグとC時短遊技状態の移行フラグとを共通のフラグとして設けるようにしてもよい。
また、天井カウンタ更新処理が含まれる時短管理処理の実行タイミングを変動開始時とし、移行時の処理をC時短遊技状態優先とし、B時短遊技状態への移行フラグとC時短遊技状態の移行フラグとを共通のフラグとして設けるようにしてもよい。
さらに、複数の時短遊技状態が重ねて実行されない場合、メインCPU201は、時短フラグオン且つ時短カウンタが0より大きい場合に時短カウンタから1を減算する処理を行い、それ以外の場合には時短カウンタから1を減算しないようにするとよい。
[1-7.大入賞口開放準備処理]
次に、図40を参照して、特別図柄管理処理(図27参照)中のS86でメインCPU201により実行される大入賞口開放準備処理について説明する。図40は、第1のパチンコ遊技機における大入賞口開放準備処理の一例を示すフローチャートである。
メインCPU201は、先ず、特別図柄の制御状態番号が「3」であるか否かを判定する(S251)。
S251において特別図柄の制御状態番号が「3」でないと判定された場合(S251がNO判定の場合)、メインCPU201は、大入賞口開放準備処理を終了し、処理を特別図柄管理処理(図27参照)に戻す。
一方、S251において特別図柄の制御状態番号が「3」であると判定された場合(S251がYES判定の場合)、メインCPU201は、処理をS252に移す。
S252において、メインCPU201は、ラウンドカウンタ値をロードする。ラウンドカウンタは、大当り遊技状態において実行されるラウンド遊技の実行回数を計数するカウンタである。なお、ラウンドカウンタの計数値(ラウンドカウンタ値)は、メインRAM203内の所定領域に格納される。メインCPU201は、S252の処理を実行した後、処理をS253に移す。
S253において、メインCPU201は、大入賞口の開放回数が上限値であるか否かを判定する。この処理では、大当り遊技状態において実行されたラウンド遊技の実行回数が上限値であるか否かが判定される。
S253において大入賞口の開放回数が上限値であると判定された場合(S253がYES判定の場合)、メインCPU201は、処理をS254に移す。一方、S253において大入賞口の開放回数が上限値でないと判定された場合(S253がNO判定の場合)、メインCPU201は、処理をS257に移す。
S254において、メインCPU201は、特別図柄の制御状態番号を「5」にセットする。このように、特別図柄の制御状態番号を「5」にセットする処理(S254)を行って制御状態番号を切り替えることにより、この大入賞口開放準備処理の終了後に、大当り終了処理(図27のS88参照)が行われることとなる。メインCPU201は、S254の処理を実行した後、処理をS255に移す。
S255において、メインCPU201は、遊技状態指定パラメータ設定処理を行う。その後、メインCPU201は、大当り終了表示コマンドの送信予約処理を行う(S256)。なお、この処理で送信予約された大当り終了表示コマンドは、次回のシステムタイマ割込処理中の演出制御コマンド送信処理(後述の図45のS322参照)において、サブ制御回路300に送信される。そして、S256の処理後、メインCPU201は、大入賞口開放準備処理を終了し、処理を特別図柄管理処理(図27参照)に戻す。
S257において、メインCPU201は、ラウンドカウンタ値に1を加算する処理を行う。メインCPU201は、S257の処理を実行した後、処理をS258に移す。
S258において、メインCPU201は、大入賞口関連各種設定処理を行う。この処理では、例えば、大入賞口131の開放回数、大入賞口131の最大開放時間、大入賞口131への最大入賞個数、大入賞口131への入賞時の賞球数等がセットされる。大入賞口131の開放回数はラウンド数が相当する。なお、1ラウンドにおいて大入賞口が複数回開放されるものを排除する趣旨ではない。ただしこの場合は、ラウンド数を管理する制御と、大入賞口の開閉回数を管理する制御とを、別の処理として行うことが好ましい。メインCPU201は、S258の処理を実行した後、処理をS259に移す。
S259において、メインCPU201は、大入賞口開閉制御処理を行う。この処理では、大入賞口131の開閉制御データの生成処理が行われる。メインCPU201は、S259の処理を実行した後、処理をS260に移す。
S260において、メインCPU201は、特別図柄の制御状態番号を「4」にセットする。このように、特別図柄の制御状態番号を「4」にセットする処理(S260)を行って制御状態番号を切り替えることにより、この大入賞口開放準備処理の終了後に、大入賞口開放制御処理(図27のS87参照)が行われることとなる。メインCPU201は、S260の処理を実行した後、処理をS261に移す。
S261において、メインCPU201は、遊技状態指定パラメータ設定処理を行う。メインCPU201は、S261の処理を実行した後、処理をS262に移す。
S262において、メインCPU201は、大入賞口開放中表示コマンドの送信予約処理を行う。この処理で送信予約された大入賞口開放中表示コマンドは、次回のシステムタイマ割込処理中の演出制御コマンド送信処理(後述の図45のS322参照)において、サブ制御回路300に送信される。メインCPU201は、S262の処理を実行した後、大入賞口開放準備処理を終了し、処理を特別図柄管理処理(図27参照)に戻す。
[1-7-1.大入賞口開放制御処理]
次に、図41を参照して、特別図柄管理処理(図27参照)中のS87でメインCPU201により実行される大入賞口開放制御処理について説明する。図41は、第1のパチンコ遊技機における大入賞口開放制御処理の一例を示すフローチャートである。
メインCPU201は、先ず、特別図柄の制御状態番号が「4」であるか否かを判定する(S271)。
S271において特別図柄の制御状態番号が「4」でないと判定された場合(S271がNO判定の場合)、メインCPU201は、大入賞口開放制御処理を終了し、処理を特別図柄管理処理(図27参照)に戻す。
一方、S271において特別図柄の制御状態番号が「4」であると判定された場合(S271がYES判定の場合)、メインCPU201は、処理をS272に移す。
S272において、メインCPU201は、大入賞口131に入賞した遊技球の個数が最大入賞個数であるか否かを判定する。この処理では、大入賞口131への遊技球の入賞個数を計数するカウントスイッチ132(図6参照)により計数された値が最大入賞個数の値であるか否かが判定される。なお、カウントスイッチ132により計数された大入賞口入賞カウンタの値は、メインRAM203内の所定領域に格納される。
S272において、大入賞口131に入賞した遊技球の個数が最大入賞個数でないと判定された場合(S272がNO判定の場合)、メインCPU201は、処理をS273に移す。
一方、S272において、大入賞口131に入賞した遊技球の個数が最大入賞個数であると判定された場合(S272がYES判定の場合)、メインCPU201は、処理をS274に移す。
S273において、メインCPU201は、大入賞口131の最大開放時間が経過したか否かを判定する。この処理では、大入賞口関連各種設定処理(図40のS258参照)においてセットされた最大開放時間が経過しているか否かが判定される。
S273において大入賞口131の最大開放時間が経過していないと判定された場合(S273がNO判定の場合)、メインCPU201は、大入賞口開放制御処理を終了し、処理を特別図柄管理処理(図27参照)に戻す。
一方、S273において大入賞口131の最大開放時間が経過していると判定された場合(S273がYES判定の場合)、メインCPU201は、処理をS274に移す。
S274において、メインCPU201は、大入賞口131の閉鎖設定処理を行う。メインCPU201は、S274の処理を実行した後、処理をS275に移す。
S275において、メインCPU201は、特別図柄の制御状態番号を「3」にセットする処理を行う。このように、特別図柄の制御状態番号を「3」にセットする処理(S275)を行って制御状態番号を切り替えることにより、この大入賞口開放制御処理の終了後に、再び、大入賞口開放準備処理(図27のS86参照)が行われることとなる。メインCPU201は、S275の処理を実行した後、処理をS276に移す。
S276において、メインCPU201は、遊技状態指定パラメータ設定処理を行う。メインCPU201は、S276の処理を実行した後、処理をS277に移す。
S277において、メインCPU201は、ラウンド間表示コマンドの送信予約処理を行う。この処理で送信予約されたラウンド間表示コマンドは、次回のシステムタイマ割込処理中の演出制御コマンド送信処理(後述の図45のS322参照)において、サブ制御回路300に送信される。そして、S277の処理後、メインCPU201は、大入賞口開制御処理を終了し、処理を特別図柄管理処理(図27参照)に戻す。
[1-7-2.大当り終了処理]
次に、図42を参照して、特別図柄管理処理(図27参照)中のS88でメインCPU201により実行される大当り終了処理について説明する。図42は、第1のパチンコ遊技機における大当り終了処理の一例を示すフローチャートである。
メインCPU201は、先ず、特別図柄の制御状態番号が「5」であるか否かを判定する(S281)。
S281において特別図柄の制御状態番号が「5」でないと判定された場合(S281がNO判定の場合)、メインCPU201は、大当り終了処理を終了し、特別図柄管理処理(図27参照)に戻す。
S281において特別図柄の制御状態番号が「5」であると判定された場合(S281がYES判定の場合)、メインCPU201は、処理をS282に移す。
S282において、メインCPU201は、特別図柄遊技終了設定処理を行う。この処理では、各種フラグ(例えば、確変フラグ、時短フラグ等)のセットや、各種カウンタ(例えば、確変カウンタ、時短カウンタ、図柄確定数カウンタ、ラウンドカウンタ、大入賞口入賞カウンタ等)の値をセットまたはリセットする処理が行われる。メインCPU201は、S282の処理を実行した後、処理をS283に移す。
S283において、メインCPU201は、特別図柄遊技終了処理を行う。この処理では、図31を参照して説明した特別図柄遊技終了処理が行われる。メインCPU201は、S283の処理を実行した後、大当り終了処理を終了し、特別図柄管理処理(図27参照)に戻す。
なお、メインCPU201は、割込禁止区間を設定し、上述の大当り終了処理を割込禁止区間内で行うことが好ましい。
[1-7-3.普通図柄制御処理]
次に、図43を参照して、主制御メイン処理(図20~図23参照)中のS40でメインCPU201により実行される普通図柄制御処理について説明する。なお、図43に示される普通図柄制御処理に先だって、メインCPU201は、特別図柄制御処理と同様に、普通図柄の始動条件が成立しているか否かの判定を行っていることは言うまでもない。
図43は、第1のパチンコ遊技機における普通図柄制御処理の一例を示すフローチャートである。なお、図43に示すフローチャート中の各処理の右方に括弧書きで記載した数値(「0」~「4」)は、普通図柄の制御状態番号である。メインCPU201は、普通図柄の制御状態番号に対応する各処理を実行することにより、普通図柄ゲームを進行させる。なお、図43に示される各処理は、便宜上、サブルーチンとして図示していない。
メインCPU201は、先ず、普通図柄の待ち時間が0であるか否かを判定する(S291)。
S291において普通図柄の待ち時間が0でないと判定された場合(S291がNO判定の場合)、メインCPU201は、普通図柄制御処理を終了し、処理を、S41(図23参照)に戻す。
一方、S291において普通図柄の待ち時間が0であると判定された場合(S291がYES判定の場合)、メインCPU201は、処理をS292に移す。
S292において、メインCPU201は、普通図柄の制御状態番号をロードする。メインCPU201は、S292の処理を実行した後、処理をS293に移す。なお、メインCPU201は、S292の処理で読み出された制御状態番号に基づいて、S293以降の処理を行う。
S293において、メインCPU201は、普通図柄の可変表示開始処理を行う。このS293の処理は、普通図柄の制御状態番号が「0」である場合に行われる処理である。この普通図柄の可変表示開始処理において、メインCPU201は、普通図柄の当り判定処理、普通図柄の変動パターン決定処理、普通図柄の当り判定処理の結果が普通図柄当りである場合には普通電動役物146の開放パターン(開放回数、開放時間、ウェイト時間)設定処理を行う。なお、普通図柄の制御状態番号が「0」でない場合には、メインCPU201は、処理をS294に移す。
S294において、メインCPU201は、普通図柄の可変表示終了処理を行う。このS294の処理は、普通図柄の制御状態番号が「1」である場合に行われる処理である。この処理においてメインCPU201は、普通図柄の可変表示を終了する際の各種処理を行う。なお、普通図柄の制御状態番号が「1」でない場合には、メインCPU201は、処理をS295に移す。
S295において、メインCPU201は、普通図柄遊技判定処理を行う。このS295の処理は、普通図柄の制御状態番号が「2」である場合に行われる処理である。この普通図柄遊技判定処理では、普通図柄の導出結果(例えば、普通図柄当りまたはハズレ)の判定処理を行う。なお、普通図柄の制御状態番号が「2」でない場合には、メインCPU201は、処理をS296に移す。
S296において、メインCPU201は、普通電動役物開放処理を行う。このS296の処理は、普通図柄の制御状態番号が「3」である場合に行われる処理である。この処理では、例えば、予め定められた態様で、普通電動役物146の開放処理が行われる。なお、普通図柄の制御状態番号が「3」でない場合には、メインCPU201は、処理をS297に移す。
S297において、メインCPU201は、普通図柄当り終了処理を行う。このS297の処理は、普通図柄の制御状態番号が「4」である場合に行われる処理である。メインCPU201は、この普通図柄当り終了処理を終了すると、普通図柄制御処理を終了し、処理を主制御メイン処理(図20~図23参照)に戻す。
なお、本実施例では、普通図柄の当り判定テーブル(図16参照)に示されるように、普通図柄の当り判定用乱数を例えば0~99の範囲(幅)で発生させ、例えば0~79を普通図柄当り判定値データとしている(非時短遊技状態の場合)。普通図柄当り確率は、普通図柄の当り判定用乱数の総乱数に対する普通図柄当り判定値データの数によって定められるため、例えば普通図柄の当り確率は、本実施例では100分の80である。この普通図柄当り確率は、本実施例では、時短制御が実行される場合と時短制御が実行されない場合と異なっているが、同じまたはほぼ同じとしてもよい。また、普通図柄の可変表示は、時短制御が実行されない非時短遊技状態では例えば600000msecと相対的に長時間にわたって実行されるのに対し、時短制御が実行される遊技状態では例えば1000msecと相対的に短時間しか実行されない。このようにして、時短制御が実行されると、普通電動役物開放処理の実行頻度すなわち第2始動口140への遊技球の入賞頻度が高められる。
[1-7-4.外部マスカブル割込処理]
次に、図44を参照して、メインCPU201の制御により実行される外部マスカブル割込処理について説明する。この処理は、例えば電断時等に発生する外部割込み要求に応じて行われる割込処理である。なお、図44は、第1のパチンコ遊技機における外部マスカブル割込処理の一例を示すフローチャートである。
メインCPU201は、先ず、保護レジスタの退避処理を行う(S301)。メインCPU201は、S301の処理を実行した後、処理をS302に移す。
S302において、メインCPU201は、I/Oポート205の所定の入力ポートの状態を読み出す。上記の所定の入力ポートは、例えば、電断検知ライン、バックアップクリアスイッチライン、センサ異常検知ライン、電波センサライン、開放検知ライン、磁気センサライン、振動センサライン、ソレノイド監視センサライン等の状態がセットされる入力ポートである。メインCPU201は、S302の処理を実行した後、処理をS303に移す。
S303において、メインCPU201は、電断検知であるか否かを判定する。
S303において電断検知でないと判定された場合(S303がNO判定の場合)、メインCPU201は、処理をS305に移す。一方、S303において電断検知であると判定された場合(S303がYES判定の場合)、メインCPU201は、処理をS304に移す。
S304において、メインCPU201は、XINT検知フラグをセット(オンに)する。XINT検知フラグは電断することを示すフラグであり、XINT検知フラグの値は、メインRAM203の作業領域内のXINT検知フラグ領域に格納される。メインCPU201は、S304の処理を実行した後、処理をS305に移す。
S305において、メインCPU201は、S301で退避させた保護レジスタの復帰処理を行う。メインCPU201は、S305の処理を実行した後、処理をS306に移す。
S306において、メインCPU201は、割込許可処理を行う。この処理を実行した後、メインCPU201は、外部マスカブル割込処理を終了する。
[1-7-5.システムタイマ割込処理]
次に、図45を参照して、メインCPU201により、例えば2msecの割込み周期で実行されるシステムタイマ割込処理について説明する。なお、図45は、第1のパチンコ遊技機において実行されるシステムタイマ割込処理の一例を示すフローチャートである。
メインCPU201は、先ず、保護レジスタの退避処理を行う(S311)。
次いで、メインCPU201は、XINT検知フラグがオフであるか否かを判定する(S312)。XINT検知フラグがオフでない(すなわち電断検知時である)と判定された場合(S312がNO判定の場合)、メインCPU201は、処理をS326に移す。一方、XINT検知フラグがオフである(すなわち電断非検知時である)と判定された場合(S312がYES判定の場合)、メインCPU201は、処理をS313に移す。
S313において、メインCPU201は割込許可処理を行う。その後、メインCPU201は、I/Oポート205の入力ポートの状態の読込処理を行い(S314)、処理をS315に移す。
S315において、メインCPU201は、遊技許可状態であるか否かを判定する。この処理において、メインCPU201は、例えば起動制御フラグの値等に基づいて、遊技許可状態であるか否かを判定する。起動制御フラグは、電源投入時の起動状態が、電断復帰、設定変更、設定確認およびRAMクリア等のうちのいずれの状態であるかを判定するためのフラグである。例えば、電断復帰の場合は遊技許可状態であると判定され、設定変更、設定確認およびRAMクリア等である場合は遊技許可状態でないと判定される。
なお、起動制御フラグは、電源投入時における設定キー174およびバックアップクリアスイッチ176のオン/オフ情報の組合せで構成される。例えば、電源投入時に、設定キー174およびバックアップクリアスイッチ176の両方がオフであれば電断復帰、設定キー174およびバックアップクリアスイッチ176の両方がオンであれば設定変更、バックアップクリアスイッチ176がオフ且つ設定キー174がオンであれば設定確認、バックアップクリアスイッチ176がオン且つ設定キー174がオフであればRAMクリアと判定される。
S315において遊技許可状態でないと判定された場合(S315がNO判定の場合)、メインCPU201は、設定制御処理を行う(S316)。この設定制御処理では、設定変更処理または設定確認処理が行われる。すなわち、本実施例では、設定変更処理および設定確認処理は、例えば2msec周期で行われるシステムタイマ割込処理内で行われ、遊技許可状態でない場合すなわち遊技不許可状態である場合に行われる。設定制御処理(S316)を実行した後、メインCPU201は、処理をS326に移す。なお、S316の設定制御処理の詳細については、図46を参照して後述する。
なお、遊技許可状態でない場合(S315がNO判定の場合)、メインCPU201は、発射装置6(図6参照)からの遊技球の発射禁止、特定のスイッチ(例えば、設定キー174、バックアップクリアスイッチ176等)を除く各種スイッチの無効化、払出装置82からの賞球の払い出し禁止等を設定することが好ましい。
一方、S315において遊技許可状態であると判定された場合(S315がYES判定の場合)、メインCPU201は、処理をS317に移す。
S317において、メインCPU201は、割込みカウンタの値を1加算する処理を実行する。割込みカウンタは、主制御メイン処理(図20~図23参照)中の割込禁止区間を計数(管理)するためのカウンタであり、割込みカウンタの計数値は、メインRAM203の作業領域内の割込カウンタ領域に格納される。メインCPU201は、S317の処理を実行した後、処理をS318に移す。
S318において、メインCPU201は、割込み周期タイマの更新処理を行う。メインCPU201は、S318の処理を実行した後、処理をS319に移す。なお、割込み周期タイマは、割込み周期(例えば2msec)管理用のタイマであり、割込み周期タイマの計数値は、メインRAM203の作業領域内の割込み周期管理タイマ領域に格納される。
S319において、メインCPU201は乱数更新処理を行う。この乱数更新処理では、各種乱数カウンタ(例えば、特別図柄の大当り判定用乱数カウンタ等)の更新処理が行われる。このように、所定周期(本実施例では2msec)で乱数更新処理を行うことにより、出玉にかかわる重要な要素である各種乱数の信頼性を担保することが可能となる。メインCPU201は、S319の処理を実行した後、処理をS320に移す。
S320において、メインCPU201は、スイッチ入力検出処理を行う。このスイッチ入力検出処理の詳細については、図51を参照して後述する。メインCPU201は、S320の処理を実行した後、処理をS321に移す。
S321において、メインCPU201は、入賞情報コマンド設定処理を行う。この処理では、入賞情報コマンド(払出情報)設定処理が行われる。メインCPU201は、S321の処理を実行した後、処理をS322に移す。
S322において、メインCPU201は、演出制御コマンド送信処理を行う。この処理では、送信予約されているコマンドが主制御回路200からサブ制御回路300に送信される。メインCPU201は、S322の処理を実行した後、処理をS323に移す。
S323において、メインCPU201は、レジスタ退避処理を行う。メインCPU201は、S323の処理を実行した後、処理をS324に移す。
S324において、メインCPU201は、性能表示モニタ制御処理を行う。この処理では、遊技判定処理、賞球加算判定処理、性能表示モニタ170(図6参照)の表示内容更新処理等が行われる。この処理で格納されるデータは、遊技の進行に必要なデータが格納される作業領域とは別の領域(領域外)、すなわちバックアップされる領域内であって例えばRAMクリアされた場合であってもデータがクリアされない領域に格納される。メインCPU201は、S324の処理を実行した後、処理をS325に移す。
S325において、メインCPU201は、S323で退避させたレジスタの復帰処理を行う。メインCPU201は、S325の処理を実行した後、処理をS326に移す。
S326において、メインCPU201は、S311で退避させた保護レジスタの復帰処理を行い、システムタイマ割込処理を終了する。
[1-7-6.設定制御処理]
次に、図46を参照して、システムタイマ割込処理(図45参照)中のS316で行われる設定制御処理について説明する。図46は、第1のパチンコ遊技機における設定制御処理の一例を示すフローチャートである。
図46に示されるように、メインCPU201は、先ず、起動制御フラグの値が設定変更を示す値であるか否かを判定する(S331)。
S331において起動制御フラグの値が設定変更を示す値であると判定された場合(S331がYES判定の場合)、メインCPU201は設定変更処理を行う(S332)。この設定変更処理の詳細については、図47を参照して後述する。設定変更処理(S332)の実行後、メインCPU201は、処理をS335に移す。
一方、S331において起動制御フラグの値が設定変更を示す値でないと判定された場合(S331がNO判定の場合)、メインCPU201は、処理をS333に移す。
S333において、メインCPU201は、起動制御フラグの値が設定確認を示す値であるか否かを判定する。
S333において起動制御フラグの値が設定確認を示す値であると判定された場合(S333がYES判定の場合)、メインCPU201は設定確認処理を行う(S334)。この設定確認処理の詳細については、図48を参照して後述する。設定確認処理(S334)の実行後、メインCPU201は、処理をS335に移す。
一方、S333において起動制御フラグの値が設定確認を示す値でないと判定された場合すなわちRAMクリアであると判定された場合(S333がNO判定の場合)、メインCPU201は、処理をS337に移す。
S335において、メインCPU201は、設定操作表示処理を行う。この処理では、現在、セットされている設定値の表示処理が行われる。メインCPU201は、S335の処理を実行した後、処理をS336に移す。
S336において、メインCPU201は、演出制御コマンド送信処理を行う。この処理では、設定変更処理(S332)、設定確認処理(S334)または起動時初期設定処理(図25参照)内で送信予約されているコマンド(初期化コマンド、電断復帰コマンドまたは設定操作コマンド)がサブ制御回路300に送信される。メインCPU201は、S336の処理を実行した後、処理をS337に移す。
S337において、メインCPU201は、WDT(watchdog timer)の出力処理を行う。この処理(WDT出力処理)では、WDTクリアレジスタアドレスの読込処理、WDTのクリア処理およびWDTのリスタート処理がこの順で行われる。なお、他の処理では記載していないが、このWDT出力処理は適宜行われる。そして、S337の処理後、メインCPU201は、設定制御処理を終了し、処理をシステムタイマ割込処理(図45参照)に戻す。
[1-7-7.設定変更処理]
次に、図47を参照して、設定制御処理(図46参照)中のS332で行われる設定変更処理について説明する。なお、図47は、第1のパチンコ遊技機における設定変更処理の一例を示すフローチャートである。
メインCPU201は、先ず、バックアップクリアスイッチ176が押下されたか否かを判定する(S341)。この処理は、I/Oポート205の入力ポートにセットされている情報を読み出して行われる。
S341においてバックアップクリアスイッチ176が押下されていないと判定された場合(S341がNO判定の場合)、メインCPU201は、処理をS343に移す。一方、バックアップクリアスイッチ176が押下されたと判定された場合(S341がYES判定の場合)、メインCPU201は、処理をS342に移す。
S342において、メインCPU201は、設定値の範囲内更新処理を行う。メインCPU201は、S342の処理を実行した後、処理をS343に移す。
なお、本実施例では、設定変更処理において、バックアップクリアスイッチ176を操作することによって設定値を変更できるようにしたが、これに代えてまたは加えて、例えば設定スイッチを設けて、この設定スイッチを操作することによって設定値を変更できるようにしてもよい。
S343において、メインCPU201は、設定キー174がオフにされたか否かを判定する(S343)。
S343において設定キー174がオフにされていないと判定された場合(S343がNO判定の場合)、メインCPU201は、設定変更処理を終了し、処理を設定制御処理(図46参照)に戻す。一方、S343において設定キー174がオフにされたと判定された場合(S343がYES判定の場合)、メインCPU201は、処理をS344に移す。
S344において、メインCPU201は、第1通常遊技前処理を行う。この第1通常遊技前処理の詳細については、図49を参照して後述する。なお、上述したとおり、この第1通常遊技前処理が行われると、遊技許可フラグがオンにセットされ、遊技許可状態となる。第1通常遊技前処理(S344)の実行後、メインCPU201は、設定変更処理を終了し、処理を設定制御処理(図46参照)に戻す。
[1-7-8.設定確認処理]
次に、図48を参照して、設定制御処理(図46参照)中のS334で行われる設定確認処理について説明する。なお、図48は、第1のパチンコ遊技機における設定確認処理の一例を示すフローチャートである。
メインCPU201は、先ず、設定キー174がオフにされたか否かを判定する(S351)。この判定処理は、上述した設定変更処理(図47参照)中のS343の処理と同様にして行われる。
S351において設定キー174がオフにされていないと判定された場合(S351がNO判定の場合)、メインCPU201は、設定確認処理を終了し、処理を設定制御処理(図46参照)に戻す。
一方、S351において設定キー174がオフにされたと判定された場合(S351がYES判定の場合)、メインCPU201は、第2通常遊技前処理を行う(S352)。この第2通常遊技前処理の詳細については、図50を参照して後述する。なお、上述したとおり、この第2通常遊技前処理が行われると、遊技許可フラグがオンにセットされ、遊技許可状態となる。第2通常遊技前処理(S352)の実行後、メインCPU201は、設定確認処理を終了し、処理を設定制御処理(図46参照)に戻す。
[1-7-9.第1通常遊技前処理]
次に、図49を参照して、設定変更処理(図47参照)中のS344で行われる第1通常遊技前処理について説明する。図49は、第1のパチンコ遊技機における第1通常遊技前処理の一例を示すフローチャートである。なお、この第1通常遊技前処理は、起動時初期設定処理(図24参照)において、電断復帰、設定変更および設定確認のいずれでもない場合、すなわちRAMクリア時の初期設定処理としても行われる。
メインCPU201は、先ず、初期化時RAM設定処理を行う(S361)。この処理では、電断時にバックアップデータが格納されるメインRAM203内の領域(以下、「バックアップ領域」と称する)のクリア処理(例えば作業領域の構築およびアドレス設定等)が行われる。なお、性能表示モニタ制御処理(図45のS324参照)でデータが格納される領域はクリアされない。また、この処理では、初期データが生成され、生成された初期データは、それぞれ、構築されたメインRAM203内の作業領域に格納される。すなわち、電断時にバックアップされたデータは消去され、遊技状態を、初期化された状態に戻すことが可能となる。なお、図示しないが、この処理では、遊技状態が初期化された状態に戻されることで遊技を開始することが可能となり、遊技許可フラグがオンにセットされ、遊技許可状態となる。初期化時RAM設定処理(S361)の実行後、メインCPU201は、処理をS362に移す。
S362において、メインCPU201は、初期化コマンドの送信予約処理を行う。この処理で送信予約された初期化コマンドは、設定制御処理(図46参照)中の演出制御コマンド送信処理(S336)においてサブ制御回路300に送信される。S362の処理を実行すると、メインCPU201は、第1通常遊技前処理を終了する。この第1通常遊技前処理を終了すると、遊技許可フラグがオンにセットされ、遊技許可状態となる。
[1-7-10.第2通常遊技前処理]
次に、図50を参照して、設定確認処理(図48参照)中のS352で行われる第2通常遊技前処理について説明する。図50は、第1のパチンコ遊技機における第2通常遊技前処理の一例を示すフローチャートである。なお、この第2通常遊技前処理は、起動時初期設定処理(図24参照)において、電断復帰時の初期設定処理としても実行される。
メインCPU201は、先ず、電断復帰時RAM設定処理を行う(S371)。この処理では、例えば、メインRAM203内のバックアップ領域に格納されているデータが読み出され、読み出されたデータは、それぞれ、構築されたメインRAM203内の作業領域に格納される。上記データは、例えば、遊技状態情報、特別図柄や普通図柄の当りフラグのオン/オフ状態や保留数情報等、遊技を進行する上で必要となる各種情報である。すなわち、電断時にバックアップされたデータを再びメインRAM203内の作業領域に復帰させることで、電断前と同じ遊技状態に戻すことが可能となる。なお、図示しないが、この処理では、電断前と同じ遊技状態に戻されることで遊技を開始することが可能となり、遊技許可フラグがオンにセットされ、遊技許可状態となる。メインCPU201は、電断復帰時RAM設定処理(S371)の実行後、処理をS372に移す。
S372において、メインCPU201は、確変フラグがオンであるか否かを判定する。この処理は、メインRAM203内の作業領域に格納されたデータを読み込んで行われる。
S372において確変フラグがオンでないと判定された場合(S372がNO判定の場合)、メインCPU201は、処理をS374に移す。
一方。S372において確変フラグがオンであると判定された場合(S372がYES判定の場合)、メインCPU201は、処理をS373に移す。
S373において、メインCPU201は、確変報知フラグをオンにセットする。これは、電断復帰時における確変フラグの状態を報知するために行われる。確変報知フラグがオンである場合、メインCPU201は、例えば確変報知LED(不図示)が点灯されるよう制御する。これにより、電断復帰時に確変フラグがオンであるか否かを外観で把握することが可能となる。メインCPU201は、S373の処理を実行した後、処理をS374に移す。
S374において、メインCPU201は、電断復帰コマンドの送信予約処理を行う。この処理で送信予約された電断復帰コマンドは、設定制御処理(図46参照)中の演出制御コマンド送信処理(S336)においてサブ制御回路300に送信される。S374の処理を実行すると、メインCPU201は、第2通常遊技前処理を終了する。
[1-7-11.スイッチ入力検出処理]
図51は、メインCPU201によるスイッチ入力検出処理の一例を示すフローチャートである。スイッチ入力検出処理は、上述したシステムタイマ割込処理の実行中にサブルーチンとして呼び出される。図51に示すように、メインCPU201は、始動口入賞検出処理を実行する(S381)。メインCPU201は、S381の処理を実行した後、処理をS382に移す。始動口入賞検出処理については、図52を参照して後述する。
次に、メインCPU201は、一般入賞口通過検出処理を行う(S382)。一般入賞口通過検出処理では、例えば一般入賞口122への入賞時に払出個数等を示す払出情報をセットする。メインCPU201は、S382の処理を実行した後、処理をS383に移す。
次に、メインCPU201は、大入賞口通過検出処理を行う(S383)。大入賞口通過検出処理では、例えば大入賞口131への入賞時に払出個数等を示す払出情報をセットする。メインCPU201は、S383の処理を実行した後、処理をS384に移す。
次に、メインCPU201は、球通過検出処理を行う(S384)。球通過検出処理では、通過ゲート126への遊技球の通過検出を通過ゲートスイッチ127に検出されたことに基づいて普通図柄についての各種乱数値(普通図柄の当り判定用乱数値等)を抽出する。なお、メインRAM203は、通過ゲート126への遊技球の通過に基づいて抽出された各種乱数値(普通図柄の当り判定用乱数値等)を、普通図柄の始動条件が成立するまで保留する普通図柄始動記憶領域(1)~普通図柄始動記憶領域(4)を有する。そして、球通過検出処理では、普通図柄始動記憶領域(1)~普通図柄始動記憶領域(4)に空き領域があるか否か、すなわち、通過ゲート126への遊技球の通過に基づいて抽出された普通図柄の保留個数が例えば4個未満であるか否かの判定も行う。この処理を終了すると、メインCPU201は、スイッチ入力検出処理を終了する。
[1-7-12.始動口入賞検出処理]
図52は、メインCPU201による始動口入賞検出処理の一例を示すフローチャートである。始動口入賞検出処理は、上述したスイッチ入力検出処理の実行中にサブルーチンとして呼び出される。
図52に示すように、メインCPU201は、先ず、第1始動口スイッチ121で遊技球を検出したか否かを判定する(S391)。
第1始動口スイッチ121で遊技球を検出していないと判定された場合(S391がNO判定の場合)、メインCPU201は、処理をS398に移す。
一方、第1始動口スイッチ121で遊技球を検出したと判定された場合(S391がYES判定の場合)、メインCPU201は、処理をS392に移す。
S392において、メインCPU201は、各種乱数値(例えば、第1特別図柄の大当り判定用乱数値、第1特別図柄の図柄乱数値、第1特別図柄のリーチ判定用乱数値、および、第1特別図柄の演出選択用乱数値等の各種乱数値等)を抽出するとともに、第1始動口入賞に応じた払出情報をセットする処理を行う。メインCPU201は、S392の処理を実行した後、処理をS393に移す。
S393において、メインCPU201は、第1始動口120への入賞に基づいて抽出された第1特別図柄の保留個数が例えば4個未満であるか否かを判定する。メインRAM203は、第1始動口120への遊技球の入賞に基づいて抽出された各種乱数を、始動条件が成立するまで保留する第1特別図柄始動記憶領域(1)~第1特別図柄始動記憶領域(4)を有しており、この処理では、第1特別図柄始動記憶領域(1)~第1特別図柄始動記憶領域(4)に空き領域があるか否かが判定される。なお、メインRAM203は、第1特別図柄始動記憶領域(1)~第1特別図柄始動記憶領域(4)の他に第1特別図柄始動記憶領域(0)も有するが、これについては後述する。
第1特別図柄の保留個数が4個未満でない、すなわち上限の4個である場合(S393がNO判定の場合)、メインCPU201は、処理をS398に移す。
一方、第1特別図柄の保留個数が4個未満である場合(S393がYES判定の場合)、メインCPU201は、処理をS394に移す。
S394において、メインCPU201は、第1特別図柄の保留個数を1加算する処理を行う。メインCPU201は、S394の処理を実行した後、処理をS395に移す。
S395において、メインCPU201は、第1始動口120への遊技球の入賞に基づいて抽出した各種乱数値を、第1特別図柄の変動開始条件が成立するまでメインRAM203に格納する処理を行う。これにより、抽出した乱数についての第1特別図柄の変動表示が、変動開始条件が成立するまで保留される。メインCPU201は、S395の処理を実行した後、処理をS396に移す。
S396において、メインCPU201は、先読み判定処理を行う。この処理は、特別図柄の当り判定処理(図28のS93参照)に先だって、S392で抽出した乱数値を用いて、特別図柄の変動パターンを決定したり、当り判定処理等を行う処理である。また、先読みフラグが設定されているか否かも判定する。
なお、先読み判定処理は、S392で乱数値を抽出してから特別図柄の当り判定処理が実行されるまでの間であれば、任意のタイミングで行ってよいが、特別図柄の可変表示が開始されるまでに、サブ制御回路300により先読み演出を行うことに鑑みると、例えばS395の処理の前後付近で行うことが好ましい。メインCPU201は、S396の処理を実行した後、処理をS397に移す。
S397において、メインCPU201は、第1特別図柄の入賞コマンドの送信予約処理を行う。第1特別図柄の入賞コマンドは、第1特別図柄の保留個数を1増加する情報や、第1特別図柄の変動パターン情報(すなわち特別図柄の変動パターンコマンド)等を含むコマンドであり、この処理で送信予約された第1特別図柄の入賞コマンドは、次回のシステムタイマ割込処理中の演出制御コマンド送信処理(図45のS322参照)において、サブ制御回路300に送信される。メインCPU201は、S397の処理を実行した後、処理をS398に移す。
S398において、メインCPU201は、第2始動口スイッチ141で遊技球を検出したか否かを判定する。
第2始動口スイッチ141で遊技球を検出していないと判定された場合(S398がNO判定の場合)、メインCPU201は、始動口入賞検出処理を終了し、処理をスイッチ入力検出処理(図51参照)に戻す。
一方、第2始動口スイッチ141で遊技球を検出したと判定された場合(S398がYES判定の場合)、メインCPU201は、処理をS399に移す。
S399において、メインCPU201は、各種乱数値(例えば、第2特別図柄の大当り判定用乱数値、第2特別図柄の図柄乱数値、第2特別図柄のリーチ判定用乱数値、および、第2特別図柄の演出選択用乱数値等の各種乱数値等)を抽出するとともに、第2始動口入賞に応じた払出情報をセットする処理を行う。メインCPU201は、S399の処理を実行した後、処理をS400に移す。
S400において、メインCPU201は、第2始動口140への入賞に基づいて抽出された第2特別図柄の保留個数が例えば4個未満であるか否かを判定する。
なお、メインRAM203は、第2始動口140への遊技球の入賞に基づいて抽出された各種乱数値を、始動条件が成立するまで保留する第2特別図柄始動記憶領域(1)~第2特別図柄始動記憶領域(4)を有しており、この処理では、第2特別図柄始動記憶領域(1)~第2特別図柄始動記憶領域(4)に空き領域があるか否かが判定される。なお、メインRAM203は、第2特別図柄始動記憶領域(1)~第2特別図柄始動記憶領域(4)の他に第2特別図柄始動記憶領域(0)も有するが、これについては後述する。
第2特別図柄の保留個数が4個未満でない、すなわち上限の4個である場合(S400がNO判定の場合)、メインCPU201は、始動口入賞検出処理を終了し、処理をスイッチ入力検出処理(図51参照)に戻す。
一方、第2特別図柄の保留個数が4個未満である場合(S400がYES判定の場合)、メインCPU201は、処理をS401に移す。
S401において、メインCPU201は、第2特別図柄の保留個数を1加算する処理を行う。メインCPU201は、S401の処理を実行した後、処理をS402に移す。
S402において、メインCPU201は、第2始動口140への遊技球の入賞に基づいて抽出した各種乱数値を、第2特別図柄の変動開始条件が成立するまでメインRAM203に格納する処理を行う。これにより、抽出した乱数についての第2特別図柄の変動表示が、変動開始条件が成立するまで保留される。メインCPU201は、S402の処理を実行した後、処理をS403に移す。
S403において、メインCPU201は、第2特別図柄の入賞コマンドの送信予約処理を行う(S403)。第2特別図柄の入賞コマンドは、第2特別図柄の保留個数を1増加する情報や、第2特別図柄の変動パターン情報等を含むコマンドであり、この処理で送信予約された第2特別図柄の入賞コマンドは、次回のシステムタイマ割込処理中の演出制御コマンド送信処理(図45のS322参照)において、サブ制御回路300に送信される。メインCPU201は、S403の処理を実行した後、始動口入賞検出処理を終了し、処理をスイッチ入力検出処理(図51参照)に戻す。
[1-8.サブ制御処理]
次に、図53を参照して、サブ制御回路300のサブCPU301により実行される各種処理の内容について説明する。
図53は、第1のパチンコ遊技機におけるサブ制御回路処理の一例を示すフローチャートである。
図53に示すように、サブCPU301は、先ず、初期化処理を行う(S501)。この初期化処理では、例えば、RAMアクセス許可、作業領域の初期化、ハードウェア初期化、デバイス初期化、アプリケーション初期化、バックアップ復帰初期化等といった初期化処理が行われる。この処理を終了すると、サブCPU301は、処理をS502に移す。
なお、上述の初期化処理(S501)は、電源投入時やバックアップクリア時に実行される処理であり、電源投入後は、後述のS502~S508の処理が繰り返し実行される。
S502において、サブCPU301は、コマンド入力ポート308(図6参照)の読込処理を行う。この処理では、コマンド入力ポート308にセットされている主制御回路200(図6参照)から送信されたコマンドを読み出して行われる。この処理を終了すると、サブCPU301は、処理をS503に移す。
S503において、サブCPU301は、コマンド解析処理を実行する。この処理では、S502の処理で読み込まれたコマンドの解析が行われる。この処理を終了すると、サブCPU301は、処理をS504に移す。
S504において、サブCPU301は、演出態様決定処理を実行する。この処理では、例えば、メインCPU201から送信された入賞コマンドに基づいて、表示装置7(図4、図6参照)に表示される表示演出の態様や、スピーカ32(図6参照)から出力される音演出の態様等が決定される。
演出態様決定処理(S504)において、サブCPU301は、演出内容の指定情報を含むアニメーションリクエストを生成し、生成されたアニメーションリクエストに基づいて、各種演出装置を動作させるための各種リクエスト(例えば、描画リクエスト、サウンドリクエスト、ランプリクエスト、および、役物リクエスト等)を生成する。この処理を終了すると、サブCPU301は、処理をS505に移す。
S505において、サブCPU301は、描画制御処理を実行する。この処理において、サブCPU301は、描画リクエストを表示制御回路304(図6参照)に送信する。表示制御回路304は、サブCPU301から送信されたメッセージ(描画リクエスト)に基づいて、表示装置7の表示領域に画像を表示させるための描画制御を行う。この処理を終了すると、サブCPU301は、処理をS506に移す。
S506において、サブCPU301は、音声制御処理を実行する。この処理において、サブCPU301は、サウンドリクエストを音声制御回路305(図6参照)に送信する。音声制御回路305は、サブCPU301から送信されたメッセージ(サウンドリクエスト)に基づいて、スピーカ32に音声を出力させるための音声制御を行う。この処理を終了すると、サブCPU301は、処理をS507に移す。
S507において、サブCPU301は、LED制御処理を実行する。この処理において、サブCPU301は、LEDリクエストをLED制御回路306(図6参照)に送信する。LED制御回路306は、サブCPU301から送信されたメッセージ(LEDリクエスト)に基づいて、LED群46を構成するLEDの全部または一部を点灯あるいは点滅させるための発光制御を行う。この処理を終了すると、サブCPU301は、処理をS508に移す。
S508において、サブCPU301は、役物制御処理を実行する。この処理において、サブCPU301は、役物リクエストを役物制御回路307(図6参照)に送信する。役物制御回路307は、サブCPU301から送信されたメッセージ(役物リクエスト)に基づいて、演出用役物群58を構成する全部または一部の役物にかかる演出用駆動モータ(不図示)を動作させるための駆動制御を行う。この処理を終了すると、サブCPU301は、サブ制御回路メイン処理を終了する。
[1-9.サブ制御回路による演出態様決定処理の具体例]
サブ制御回路300(より詳しくはサブCPU301)は、主制御回路200から送信された入賞コマンドに基づいて、演出態様決定処理(図53のS504を参照)を行う。
サブCPU301は、演出態様決定処理において行われる各種処理のうちの一処理として、例えば、今回の特別図柄変動(以下「当該変動」と称する)に対応するサブ変動演出の演出パターン(以下「サブ変動演出パターン」と称する)を決定するサブ変動演出パターン決定処理や、先読み演出の演出パターン(以下「先読み演出パターン」と称する)を決定する先読み演出パターン決定処理等を行う。また、演出態様決定処理では、天井カウンタが天井値に近付いていることを示唆する例えばカウントダウン演出の演出態様や、天井カウンタが天井値に到達したことを示唆するB時短遊技状態移行演出の演出態様の決定処理等、遊技の進行にかかわる様々な演出態様の決定処理についても行われる。
サブ変動演出パターン決定処理は、特別図柄の当り判定処理の結果に基づいて行われる。サブ変動演出パターンは、当該変動の結果期待度を示す演出として、特別図柄の可変表示に伴ってサブCPU301により表示装置7の表示領域にて行われる演出パターン(例えば、装飾図柄の変動パターンやキャラクタ演出のパターン等)である。
サブ変動演出では、実行されるサブ変動演出パターンに応じて、特別図柄の可変表示が開始されてから特別図柄が停止するまでの時間の経過に伴って、特別図柄の当り判定処理の結果に対する期待度が維持または上昇することを示すことが可能である。
サブ変動演出パターンには、例えば後述の図54に示されるように、時短当り系リーチA,B,C、大当り系リーチA,B,C、および共通リーチA,B,C,D,E等が含まれる。上述したとおり、時短当り系リーチA,B,Cは、特別図柄の当り判定処理(図28のS93参照)の結果が時短当りの可能性がある(大当りの可能性がない)ことを示すリーチ演出である。大当り系リーチA,B,Cは、特別図柄の当り判定処理の結果が大当りの可能性がある(時短当りの可能性がない)ことを示すリーチ演出である。共通リーチA,B,C,D,Eは、特別図柄の当り判定処理の結果が時短当りおよび大当りのいずれについても可能性があることを示すリーチ演出である。
なお、例えば、B時短遊技状態への移行タイミングを示唆するカウントダウン演出の実行タイミングと、リーチ演出の実行タイミングとが重なった場合、サブCPU301は、いずれかの演出を優先して実行するようにするとよい。
先読み演出パターン決定処理は、先読み判定処理の結果として決定された例えば特別図柄の変動パターンに基づいて行われる。先読み演出は、先読み判定処理の結果に対する期待度を示す演出として、保留状態にあるとき(すなわち、第1始動口120に入賞した後、この入賞に基づいて抽出された各種乱数値等の始動情報が特別図柄の当り判定処理に供される(特別図柄の可変表示が開始される)までの間)に、サブCPU301により表示装置7の表示領域にて行われる演出パターンである。
先読み演出では、実行される先読み演出パターンに応じて、保留状態にあるときに、時間の経過(より詳しくは、先行して保留された始動情報についての可変表示の進行)に伴って、先読み判定処理の結果に対する期待度が維持または上昇することを示すことが可能である。
先読み演出は、例えば、表示装置7に表示される保留画像を用いて行われる。保留画像は、現在の保留状況を示す画像である。
先読み演出パターンには、先読み判定処理すなわち特別図柄の当り判定処理の結果種別(時短当りであるか大当りであるか)に対する期待値を示唆することが可能な先読み当り種別演出パターンと、特別図柄の当り判定処理の結果が当り(大当りまたは時短当り)であることに対する期待値を示唆することが可能な先読み期待値演出パターンとが含まれる。すなわち、先読み演出では、特別図柄の当り判定処理の結果種別に対する期待値と、特別図柄の当り判定処理の結果が当りであることに対する期待値と、の両方またはいずれか一方を示唆することが可能である。また、先読み演出パターン決定処理(後述の図59参照)では、先読み当り種別演出パターン決定処理(後述の図59のS3006参照)と、先読み期待値演出パターン決定処理(後述の図59のS3008、S3009参照)とが行われる。先読み当り種別演出パターン、先読み期待値演出パターン、先読み当り種別演出パターン決定処理、および先読み期待値演出パターン決定処理の具体例については後述する。
[1ー9-1.サブ変動演出パターン決定処理]
先ず、サブ変動演出パターン決定処理について説明する。図54は、時短フラグがオフの遊技状態(通常遊技状態)におけるサブ変動演出パターン決定テーブル(詳細な説明は省略)の一例である。このサブ変動演出パターン決定テーブルは、第1のパチンコ遊技機が備えるサブ制御回路300のプログラムROM302に記憶されている。なお、プログラムROM302には、時短フラグがオンの遊技状態(高確時短遊技状態、低確時短遊技状態)におけるサブ変動演出パターン決定テーブルも記憶されているが、ここでは説明を省略する。
サブCPU301は、図54の通常遊技状態におけるサブ変動演出パターン決定テーブルを参照し、主制御回路200から送信された特別図柄の変動パターンコマンドに基づいて、当該変動に対応する変動演出パターンとして、表示装置7に表示されるサブ変動演出パターン(図54において「変動パターン」と図示されている)を決定する。上述したとおり、本実施例では、サブ変動演出パターンに、時短当り系リーチA,B,C、大当り系リーチA,B,C、および共通リーチA,B,C,D,Eが含まれている。
時短当り系リーチA,B,Cは、上述したとおり時短当りの可能性があることを示すリーチ演出であり、外観上も、時短当りの可能性があることを把握できるリーチ演出である。時短当り系リーチAは、特別図柄の当り判定処理の結果がハズレや大当りである場合には表示されず、「時短当り」である場合に限り表示される時短当り確定リーチ演出である(図15参照)。この時短当り系リーチAは、先読み対象のサブ変動演出パターンではないが、これに限られず、先読み態様のサブ変動演出パターンとしてもよい。時短当り系リーチBと時短当り系リーチCとは、外観上の演出態様は同じまたは略同じである。ただし、時短当り系リーチBは先読み対象のサブ変動演出パターンでないのに対し、時短当り系リーチCは先読み対象のサブ変動演出パターンである(図15の「先読みフラグ」の欄、図54、および後述の図55を参照)。
大当り系リーチA,B,Cは、上述したとおり大当りの可能性があることを示すリーチ演出であり、外観上も、大当りの可能性があることを把握できるリーチ演出である。大当り系リーチAは、特別図柄の当り判定処理の結果がハズレや「時短当り」である場合には表示されず、「大当り」である場合に限り表示される大当り確定リーチ演出である(図15参照)。この大当り系リーチAは、先読み対象のサブ変動演出パターンではないが、これに限られず、先読み態様のサブ変動演出パターンとしてもよい。大当り系リーチBと大当り系リーチCとは、外観上の演出態様は同じまたは略同じである。ただし、大当り系リーチBは先読み対象のサブ変動演出パターンでないのに対し、大当り系リーチCは先読み対象のサブ変動演出パターンである(図15の「先読みフラグ」の欄を参照)。
共通リーチA,B,C,D,Eは、上述したとおり大当りおよび時短当りの何れの可能性もあることを示すリーチ演出であり、外観上は、時短当りの可能性があるのか大当りの可能性があるのかを把握することが困難なリーチ演出態様である。共通リーチAは、特別図柄の当り判定処理の結果がハズレである場合には表示されず、大当りまたは「時短当り」である場合に限り表示される当り(大当り、時短当り)確定リーチ演出である(図15参照)。共通リーチBと共通リーチCとは、外観上の演出態様は同じまたは略同じである。また、共通リーチDは、共通リーチCから時短当り系リーチCに発展する演出である。さらに、共通リーチEは、共通リーチCから大当り系リーチCに発展する演出である。なお、共通リーチAおよび共通リーチBは先読み対象のサブ変動演出パターンでないのに対し、共通リーチC、共通リーチD、および共通リーチEは先読み対象のサブ変動演出パターンである(図15の「先読みフラグ」の欄を参照)。
このように、サブCPU301は、サブ変動演出パターン決定テーブル(図54参照)を参照し、メインCPU201から送信された特別図柄の変動パターンコマンドに基づいて、サブ変動演出パターンを決定する。そして、サブCPU301は、決定されたサブ変動演出パターンが表示装置7に表示されるよう制御する。
[1-9-2.先読み演出パターン決定処理]
次に、先読み演出パターン決定処理として行われる、先読み当り種別演出パターン決定処理、および先読み期待値演出パターン決定処理について説明する。
なお、ワークRAM303(図6参照)には、メインRAM203に設けられた第1特別図柄始動記憶領域(0)、第1特別図柄始動記憶領域(1)、第1特別図柄始動記憶領域(2)、第1特別図柄始動記憶領域(3)、および第1特別図柄始動記憶領域(4)のそれぞれに対応する領域として、第1サブ保留領域(0)、第1サブ保留領域(1)、第1サブ保留領域(2)、第1サブ保留領域(3)、および第1サブ保留領域(4)が設けられている。第1特別図柄始動記憶領域(1)~第1特別図柄始動記憶領域(4)、および第1サブ保留領域(1)~第1サブ保留領域(4)には、抽出した乱数値にかかわる各種保留情報が格納されている。また、第1特別図柄始動記憶領域(0)および第1サブ保留領域(0)には、当該変動に対応する情報が格納されている。サブCPU301は、第1始動口入賞の入賞コマンドを受信すると、受信した情報を、今回の第1特別図柄始動記憶領域に対応する第1サブ保留領域に格納する。
また、ワークRAM303には、メインRAM203に設けられた第2特別図柄始動記憶領域(0)、第2特別図柄始動記憶領域(1)、第2特別図柄始動記憶領域(2)、第2特別図柄始動記憶領域(3)、および第2特別図柄始動記憶領域(4)のそれぞれに対応する領域として、第2サブ保留領域(0)、第2サブ保留領域(1)、第2サブ保留領域(2)、第2サブ保留領域(3)、および第2サブ保留領域(4)が設けられている。
本実施例では、通常遊技状態において第1特別図柄についての先読み演出が行われるものとするが、これに限られず、他の遊技状態(例えば、高確時短遊技状態、低確時短遊技状態)で行われるようにしてもよいし、第2特別図柄について行われるようにしてもよい。
先読み演出は、例えば、表示装置7の表示領域に表示される保留画像を用いて行われる。表示装置7の表示領域には、保留画像を表示する領域として、第1サブ保留領域(0)に対応する第0領域、第1サブ保留領域(1)に対応する第1保留領域、第1サブ保留領域(2)に対応する第2保留領域、第1サブ保留領域(3)に対応する第3保留領域、および第1サブ保留領域(4)に対応する第4保留領域が設けられている。
[1-9-2-1.先読み当り種別演出パターン決定処理において参照されるテーブル]
先読み当り種別演出パターン決定処理において参照されるテーブルについて説明する。
ところで、決定された先読み当り種別演出パターンで先読み演出が実行される保留画像の形態には、時短当りの可能性があることを示す時短当り系先読み演出形態と、大当りの可能性があることを示す大当り系先読み演出形態と、時短当りおよび大当りのいずれについても可能性があることを示す共通当り系先読み演出形態とが含まれる。
先読み当り種別演出パターンは、保留画像の形態を、例えば、共通当り系先読み演出形態から時短当り系先読み演出形態に変化させたり、共通当り系先読み演出形態から大当り系先読み演出形態に変化させたりすることにより、特別図柄の当り判定処理の結果種別に対する期待値の変化を示唆することが可能な演出パターンである。
図55は、先読み当り種別演出パターン決定テーブル番号決定テーブルの一例である。この図55では、図54に示される変動パターンのうち先読み対象の変動パターンのみを示している。また、図56は、先読み当り種別演出パターン決定テーブルの一例である。なお、これらのテーブルは、第1のパチンコ遊技機が備えるサブ制御回路300のプログラムROM302に記憶されている。
図55の先読み当り種別演出パターン決定テーブル番号決定テーブルに示されるように、先読みフラグが設定されている変動パターンをサブCPU301が受信すると、サブCPU301は、先読み当り種別演出パターン決定テーブル番号を、例えば、変動パターンと保留数とに基づいて決定する。ここでいう保留数は、先読み対象の始動情報を含む。すなわち、第1始動口120への入賞に基づいて抽出された始動情報が保留された場合、保留後の保留数が、図55に示される保留数に相当する。
例えば、変動パターンが「03H」であって保留数が「3」の場合、先読み当り種別演出パターン決定テーブル番号は「3」に決定される。また、例えば変動パターンが「0EH」であって保留数が「2」の場合、先読み当り種別演出パターン決定テーブル番号は「22」に決定される。
先読み当り種別演出パターン決定テーブル番号が決定されると、サブCPU301は、図56の先読み当り種別演出パターン決定テーブルを参照し、先読み当り種別演出パターンを決定する。詳述すると、図56の先読み当り種別演出パターン決定テーブルに示されるように、例えば、先読み当り種別演出パターン決定テーブル番号と、サブ演出選択用乱数値1とに基づいて、先読み当り種別演出パターンが決定される。
なお、図56では、便宜上、「先読み当り種別演出パターン決定テーブル番号」を「SASPT番号」と示し、「先読み当り種別演出パターン」を「SAS演出パターン」と示している。サブ演出選択用乱数値1は、例えば特別図柄の変動パターンコマンドを受信したとき等、所定の契機に基づいてサブCPU301により抽出される乱数値である。
例えば、先読み当り種別演出パターン決定テーブル番号が「3」であって抽出したサブ演出選択用乱数値1が「55」の場合、先読み当り種別演出パターンは「07H」に決定される。また、例えば先読み当り種別演出パターン決定テーブル番号が「7」であって抽出したサブ演出選択用乱数値1が「77」の場合、先読み当り種別演出パターンは「16H」に決定される。
なお、図56の備考(保留対応)の欄に示される「1」~「4」は、それぞれ、第1保留領域~第4保留領域を示す。
また、図56の備考(保留対応)の「1」~「4」の各欄において、先読み当り種別演出パターン決定テーブル番号とサブ演出選択用乱数値1とに対応して示される「A」は、特別図柄の当り判定処理の結果が時短当りの可能性があることを示す時短当り系先読み演出形態で保留画像が表示されることを示す。時短当り系先読み演出形態で保留画像が表示されると、外観上、時短当りの可能性があることを把握できる。
また、図56の備考(保留対応)の「1」~「4」の各欄において、先読み当り種別演出パターン決定テーブル番号とサブ演出選択用乱数値1とに対応して示される「B」は、特別図柄の当り判定処理の結果が大当りの可能性があることを示す大当り系先読み演出形態で保留画像が表示されることを示す。大当り系先読み演出形態で保留画像が表示されると、外観上、大当りの可能性があることを把握できる。
また、図56の備考(保留対応)の「1」~「4」の各欄において、先読み当り種別演出パターン決定テーブル番号とサブ演出選択用乱数値1とに対応して示される「C」は、特別図柄の当り判定処理の結果が時短当りおよび大当りのいずれについても可能性があることを示す共通当り系先読み演出形態で保留画像が表示されることを示す。共通当り系先読み演出形態で保留画像が表示されると、外観上、時短当りの可能性があるのか大当りの可能性があるのかを把握することが困難である。
例えば、先読み当り種別演出パターンが例えば「07H」に決定された場合、第3保留領域では共通当り系先読み演出形態「C」が表示され、第3保留領域からシフト後の第2保留領域においても共通当り系先読み演出形態「C」が表示される。そして、第2保留領域から第1保留領域にシフトする際に共通当り系先読み演出形態「C」から時短当り系先読み演出形態「A」に変化し、第1保留領域では時短当り系先読み演出形態「A」が表示される。
また、先読み当り種別演出パターンが例えば「16H」に決定された場合、第3保留領域では共通当り系先読み演出形態「C」が表示される。そして、第3保留領域から第2保留領域にシフトする際に共通当り系先読み演出形態「C」から大当り系先読み演出形態「B」に変化、第2保留領域、および第2保留領域からシフトされた後の第1保留領域では、大当り系先読み演出形態「B」が表示される。
すなわち、先読み当り種別演出パターンには、図56に示されるように、以下のイ)~ホ)のパターンが含まれる。なお、本実施例では、大当り系先読み演出形態「B」から時短当り系先読み演出形態「A」に変化するパターン、および時短当り系先読み演出形態「A」から大短当り先読み演出形態「B」に変化するパターンについては、先読み当り種別演出パターンに含まれないが、これらのパターンを先読み当り種別演出パターンに含むようにしてもよい。
イ)保留された時点で時短当り系先読み演出形態が表示され、その後も演出形態が変化することなく、時短当り系先読み演出形態が表示される先読み時短当り演出パターン(例えば、先読み当り種別演出パターン「09H」)。
ロ)保留された時点で大当り系先読み演出形態が表示され、その後も演出形態が変化することなく、大当り系先読み演出形態が表示される先読み大当り演出パターン(例えば、先読み当り種別演出パターン「17H」)。
ハ)保留された時点では共通当り系先読み演出形態が表示され、その後、時短当り系先読み演出形態に変化する先読み共通当り演出パターンA(例えば、先読み当り種別演出パターン「24H」)。
ニ)保留された時点では共通当り系先読み演出形態で表示され、その後、大当り系先読み演出形態に変化する先読み共通当り演出パターンB(例えば、先読み当り種別演出パターン「12H」)。
ホ)保留された時点では共通当り系先読み演出形態で表示され、その後も演出形態が変化することなく、共通当り系先読み演出形態が表示される先読み共通当り演出パターンC(例えば、先読み当り種別演出パターン「06H」)。
このように、サブCPU301は、先読み当り種別演出パターン決定テーブル番号決定テーブル(例えば、図55参照)を参照し、変動パターンと保留数とに基づいて、先読み当り種別演出パターン決定テーブル番号(SASPT番号)を決定する。そして、サブCPU301は、先読み当り種別演出パターン決定テーブル(図56参照)を参照し、決定された先読み当り種別演出パターン決定テーブル番号(SASPT番号)とサブ演出選択用乱数値1とに基づいて、先読み当り種別演出パターン(SAS演出パターン)を決定する。
なお、図56では、保留された時点では時短当り系先読み演出形態「A」が表示され、その後、大当り系先読み演出形態「B」に変化する先読み当り種別演出パターンについては示されていないが、このように、時短当り系先読み演出形態「A」から大当り系先読み演出形態「B」に変化する先読み当り種別演出パターンがサブCPU301により決定されるようにしてもよい。このようにすることで、先読み演出によって遊技者に与えうる興趣を高めることが可能となる。
また、図56では、大当り系先読み演出形態「B」は、上述したとおり、特別図柄の当り判定処理の結果が大当りの可能性がある(すなわちハズレの場合もある)ことを示す大当り系先読み演出形態であるが、これに加えて、特別図柄の当り判定処理の結果が大当り確定であることを示す大当り確定先読み演出形態が表示されるようにしてもよい。この場合、サブCPU301により決定される先読み当り種別演出パターンに、以下のヘ)~チ)の先読み種別演出パターンのいずれかまたは全部が含まれるようにしてもよい。
ヘ)保留された時点で大当り確定先読み演出形態が表示され、その後も演出形態が変化することなく、大当り確定先読み演出形態が表示される先読み大当り確定演出パターンA。
ト)保留された時点では他の先読み演出形態(例えば、時短当り系先読み演出形態「A」、大当り系先読み演出形態「B」、共通当り系先読み演出形態「C」等)が表示され、その後、大当り確定先読み演出形態に変化する先読み大当り確定演出パターンB。
チ)保留された時点では他の先読み演出形態(例えば、時短当り系先読み演出形態「A」、共通当り系先読み演出形態「C」等)が表示され、その後、大当り系先読み演出形態「B」が表示され、さらにその後、大当り確定先読み演出形態に変化する先読み大当り確定演出パターンC。
また、図56では、時短当り系先読み演出形態「A」との大当り系先読み演出形態「B」と共通当り系先読み演出形態「C」とのうち、保留された時点では共通当り系先読み演出形態「C」の表示頻度が最も高いが、これに限られない。例えば、保留された時点では時短当り系先読み演出形態「A」の表示頻度が最も高くなるようにしてもよいし、保留された時点では大当り系先読み演出形態「B」の表示頻度が最も高くなるようにしてもよい。さらには、保留された時点では共通当り系先読み演出形態「C」の表示頻度が最も低くなるようにしてもよい。
また、図56では、全ての「先読み当り種別演出パターン決定テーブル番号(SASPT番号)」に対して所定幅のサブ演出選択用乱数値1を割り当てているが、これに限られず、特定のSASPT番号に対してのみサブ演出選択用乱数値を割り当てない(すなわち、特定のSASPT番号の振分率を0にして選択されない)ようにしてもよい。
[1-9-2-2.先読み期待値演出パターン決定処理において参照されるテーブル]
次に、先読み期待値演出パターン決定処理において参照されるテーブルについて説明する。
図57は、特別図柄の当り判定処理の結果が「時短当り」または「大当り」である場合に参照される、先読み期待値演出パターン決定テーブル(当り時)の一例である。また、図58は、特別図柄の当り判定処理の結果がハズレである場合に参照される、先読み期待値演出パターン決定テーブル(ハズレ時)の一例である。
ところで、決定された先読み期待値演出パターンで先読み演出が実行される保留画像の形態は、当り(時短当り、大当り)に対する期待値に応じて演出形態が異なる。
時短当り系先読み演出形態として保留画像が表示される場合、例えば、通常は三角形であらわされる保留画像を、「四角形<五角形<六角形<円<星」といったように保留画像の形状を変化させることによって期待値の変化をあらわすことができる。この場合、保留画像が四角形である場合に期待値が最も低く、星である場合に期待値が最も高い。
また、大当り系先読み演出形態として保留画像が表示される場合、例えば、通常は白であらわされる保留画像を、「青<黄<緑<赤<虹」といったように保留画像の色を変化させることによって期待値の変化をあらわすことができる。この場合、保留画像が青である場合には期待値が最も低く、保留画像が虹である場合には期待値が最も高い。
なお、詳細は後述するが、大当りおよび時短当りのいずれについても可能性があることを示す共通当り系先読み演出形態として保留画像が表示される場合については、保留画像を、例えば、大当りに対する期待値レベルを示す色と、時短当りに対する期待値レベルを示す形状との両方であらわすようにしてもよいし、専用の共通当り系先読み演出形態であらわすようにしてもよい。
先読み演出が行われる保留画像は、期待値が相対的に低い演出形態から期待値が相対的に高い演出形態に変化可能であるものの、期待値が相対的に高い演出形態から期待値が相対的に低い演出形態には変化しない方が好ましい。また、保留画像の演出形態を変化させる際、必ずしも、「四角形<五角形<六角形<円<星」や「青<黄<緑<赤<虹」の順に1つずつ変化させていく必要はなく、例えば「五角形→円」や「黄→虹」に変化させてもよい。また、保留画像の形態を、必ずしも、最も期待値の低い四角形や青から開始させる必要はなく、例えば円や赤から開始させるようにしてもよい。
なお、図57の備考(保留対応)の欄に示される「1」~「4」は、図56と同様に、それぞれ、第1保留領域~第4保留領域を示す。
また、図57の備考(保留対応)の欄の「1」~「4」の各欄において、先読み当り種別演出パターン決定テーブル番号と、サブ演出選択用乱数値2とに対応して示される「0」~「5」は、当り(時短当り、大当り)に対する期待値の高さを示している。例えば、上述の「三角形」および「白」が「0」に相当し、上述の「四角形」および「青」が「1」に相当し、上述の「五角形」および「黄」が「2」に相当し、上述の「六角形」および「緑」が「3」に相当し、上述の「円」および「赤」が「4」に相当し、上述の「星」および「虹」が「5」に相当する。
以下、図57の備考(保留対応)の欄の「1」~「4」の各欄において、先読み当り種別演出パターン決定テーブル番号と、サブ演出選択用乱数値2とに対応して示される「0」~「5」を、期待値レベル「0」~「5」と称する。
特別図柄の当り判定処理の結果が「時短当り」または「大当り」である場合の先読み期待値演出パターンは、図57の先読み期待値演出パターン決定テーブル(当り時)に示されるように、例えば、保留数と、サブ演出選択用乱数値2とに基づいて決定される。同様に、特別図柄の当り判定処理の結果がハズレである場合、先読み期待値演出パターンは、図58の先読み期待値演出パターン決定テーブル(ハズレ時)に示されるように、例えば、保留数と、サブ演出選択用乱数値2とに基づいて決定される。サブ演出選択用乱数値2は、例えば特別図柄の変動パターンコマンドを受信したとき等、所定の契機に基づいてサブCPU301により抽出される乱数値である。なお、図57および図58では、保留数が「1」~「3」の場合についてのみ図示し、保留数が「4」の場合の図示を、便宜上、省略している。
例えば、特別図柄の当り判定処理の結果が大当りであって、保留数が「3」、サブ演出選択用乱数値2が「750」の場合、先読み期待値演出パターンは「43H」に決定される。先読み期待値演出パターンが例えば「43H」に決定された場合、第3保留領域では期待値レベルが「2」、第3保留領域から第2保留領域にシフトする際に期待値レベルが「2」から「3」に変化し、第2保留領域から第1保留領域にシフトする際に期待値レベルが「3」から「5」に変化する。
また、例えば、特別図柄の当り判定処理の結果がハズレであって、保留数が「3」、サブ演出選択用乱数値2が「680」の場合、先読み期待値演出パターンは「3FH」に決定される。先読み期待値演出パターンが例えば「3FH」に決定された場合、第3保留領域では期待値レベルが「2」、第2保留領域では期待値レベルが「2」、第2保留領域から第1保留領域にシフトする際に期待値レベルが「2」から「4」に変化する。
このように、サブCPU301は、特別図柄当り判定処理の結果に基づいて、先読み期待値演出パターン決定テーブル(当り時)(図57参照)または先読み期待値演出パターン決定テーブル(ハズレ時)(図58参照)を参照し、保留数とサブ演出選択用乱数値2とに基づいて、先読み期待値演出パターンを決定する。
なお、特別図柄の当り判定処理の結果が「時短当り」または「大当り」である場合、各先読み期待値演出パターンの振分率は、図57に示される振分率に限られず、適宜変更可能である。
また、特別図柄の当り判定処理の結果が「ハズレ」である場合、期待値レベルが相対的に低い先読み期待値演出パターン(例えば、「01H」や「0BH」等)の選択率を高くする等により偏りを持たせているが、これに限られず、例えば均等振分にする等、適宜変更可能である。
また、図57や図58では、全ての「先読み期待値演出パターン」に対して所定幅のサブ演出選択用乱数値2を割り当てているが、これに限られず、特定の「先読み期待値演出パターン」に対してのみサブ演出選択用乱数値2を割り当てない(すなわち、特定の「先読み期待値演出パターン」の振分率を0にして選択されない)ようにしてもよい。
[1-9-3.先読み演出パターン決定処理]
次に、図54~図58の各テーブルを参照してサブCPU301により実行される先読み演出パターン決定処理について、図59を参照して説明する。図59は、サブCPU301により実行される先読み演出パターン決定処理を示すフローチャートの一例である。なお、上述したとおり、本実施例において、サブCPU301は、先読み演出パターン決定処理を、左打ちが正規な遊技態様とされる通常遊技状態においてのみ実行するが、これに限定されるものではない。
サブCPU301は、先ず、メインCPU201から送信される入賞コマンドを受信したか否かを判定する(S3001)。
入賞コマンドを受信していない場合(S3001がNO判定の場合)、サブCPU301は、先読み演出パターン決定処理を終了する。
一方、入賞コマンドを受信したと判定された場合(S3001がYES判定の場合)、サブCPU301は、処理をS3002に移す。
S3002において、サブCPU301は、先読み対象の保留が現時点でないか否か、すなわち、現在の保留に対して先読み演出が実行されているか否かを判定する。保留が複数存在する場合、複数の保留画像において先読み演出を行ってもよいが、本実施例では、1個の保留画像に対してのみ先読み演出を行うようにしている。
現在の保留に対して先読み演出が実行されている場合(S3002がNO判定の場合)、サブCPU301は、先読み演出パターン決定処理を終了する。
一方、現在の保留に対して先読み演出が実行されていない場合(S3002がYES判定の場合)、サブCPU301は、処理をS3003に移す。
S3003において、サブCPU301は、入賞コマンドで受け取った変動パターン情報が先読み対象であるか否か(図55参照)を判定する。
入賞コマンドで受け取った変動パターン情報が先読み対象でない場合(S3003がNO判定の場合)、サブCPU301は、先読み演出パターン決定処理を終了する。
一方、入賞コマンドで受け取った変動パターン情報が先読み対象である場合(S3003がYES判定の場合)、サブCPU301は、処理をS3004に移す。
S3004において、サブCPU301は、天井値と天井カウンタとの差が例えば保留可能な上限数(例えば、4または8)より大きいか否かを判定する。この処理は、先読み演出を行ったにもかかわらず、先読み演出を行った保留について特別図柄の可変表示が実行される前に、B時短遊技状態に移行してしまうことを回避するためである。これにより、興趣の低下を抑制することが可能となる。サブCPU301は、この処理を実行した後、処理をS3005に移す。
なお、本実施例では、S3004において、天井値と天井カウンタとの差が保留可能な上限数よりも大きいか否かを判定しているが、これに限られず、入賞コマンドで受け取った変動パターン情報が先読み対象である場合(S3003がYES判定である場合)に、先読み対象を含めた保留数よりも大きいか否かを判定するようにしてもよい。また、天井値および天井カウンタは、メインCPU201から情報をコマンドとして受信してもよいし、メインCPU201とは別にサブCPU301が管理してもよい。
S3005において、サブCPU301は、先読み当り種別演出パターン決定テーブル番号決定処理を行う。この処理では、先読み当り種別演出パターン決定テーブル番号決定テーブル(図55参照)を参照し、先読み当り種別演出パターン決定テーブル番号が決定される。サブCPU301は、この処理を実行した後、処理をS3006に移す。
S3006において、サブCPU301は、先読み当り種別演出パターン決定処理を行う。この処理では、先読み当り種別演出パターン決定テーブル(図56参照)を参照し、先読み当り種別演出パターンが決定される。サブCPU301は、この処理を実行した後、処理をS3007に移す。
S3007において、サブCPU301は、特別図柄の当り判定処理の結果が「時短当り」または「大当り」であるか否かを判定する。この処理では、メインCPU201から送信された入賞コマンドで受け取った変動パターン情報に基づいて特別図柄の当り判定処理の結果を判定し、この結果が「時短当り」または「大当り」である場合にYES判定される。ただしこれに限られず、特別図柄の当落情報をメインCPU201からサブCPU301に送信することで、「時短当り」または「大当り」を判定するようにしてもよい。
特別図柄の当り判定処理の結果が「時短当り」または「大当り」である場合(S3007がYES判定)、サブCPU301は、処理をS3008に移す。
一方、特別図柄の当り判定処理の結果が「時短当り」および「大当り」のいずれでもない場合(S3007がNO判定)、サブCPU301は、処理をS3009に移す。
S3008において、サブCPU301は、先読み期待値演出パターン(当り時)決定処理を行う。この処理では、図57の先読み期待値演出パターン決定テーブル(当り時)を参照し、先読み演出パターン(当り時)を決定する。サブCPU301は、この処理を実行した後、先読み演出パターン決定処理を終了する。
また、S3009において、サブCPU301は、ハズレ時先読み演出パターン決定処理を行う。この処理では、図58の先読み期待値演出パターン決定テーブル(ハズレ時)を参照し、先読み期待値演出パターン(ハズレ時)を決定する。サブCPU301は、この処理を実行した後、先読み演出パターン決定処理を終了する。
[1-9-4.先読み演出が行われることによる作用効果、先読み演出の拡張例]
上述した先読み演出では、保留画像の形態変化により、大当り系先読み演出形態と時短当り系先読み演出形態とのいずれに変化していくのかといった面白みのみならず、当り(大当り、時短当り)の期待値レベルを変化させることが可能であり、これまでにない新たな演出を行うことにより興趣を高めることが可能となる。なお、保留画像の形態を変化させるタイミングは、保留がシフトする際に限られず、例えば当該変動の特別図柄の可変表示中であってもよい。
また、先読み演出として行われる保留画像の形態(例えば、第1サブ保留領域(4)~第1サブ保留領域(1)の範囲内で表示される保留画像の形態)については第1始動口120への入賞時に決定し、当該変動の特別図柄の可変表示における保留画像の形態については特別図柄の可変表示の開始時に決定するようにしてもよい。
ところで、先読み時短当り演出パターンで先読み演出が実行される変動パターン(図54の例えば「03H」、「0EH」を参照)に決定される確率と、先読み大当り演出パターンで先読み演出が実行される変動パターン(図54の例えば「06H」、「11H」を参照)に決定される確率とを比較すると、前者の確率の方が高い(例えば、図15参照)。すなわち、先読み演出の実行割合は、先読み大当り演出パターンでの先読み演出の実行割合よりも、先読み時短当り演出パターンでの先読み演出の実行割合の方が高い。したがって、大当りの可能性がある場合にのみ先読み演出が行われていた従来のパチンコ遊技機と比べて、当りの期待値の低下を抑制しつつ先読み演出の実行頻度を高めることができ、興趣を高めることが可能となる。
なお、先読み大当り演出パターンでの先読み演出の実行割合を、先読み時短当り演出パターンでの先読み演出の実行割合よりも高くしてもよい。この場合、先読み演出が実行されると、時短当りに対する期待値よりも大当りに対する期待値の方が高いため、興趣を高めることが可能となる。
また、本実施例では、確変フラグがオフの遊技状態(本実施例では、通常遊技状態、低確時短遊技状態)において、特別図柄の当り判定処理において「時短当り」に当選しうる(図10参照)。ただし、本実施例では、通常遊技状態では先読み演出が行われるものの、低確時短遊技状態では先読み演出が行われない。低確時短遊技状態における特別図柄の当り判定処理の結果が「時短当り」であったとしても、A時短遊技状態に対してC時短遊技状態を重ねて実行する場合、およびA時短遊技状態に対してC時短遊技状態を重ねて実行しない場合のいずれにおいても、時短回数が増加する可能性は低い。そのため、A時短遊技状態において「時短当り」に当選した可能性があることを、極力遊技者に知られないようにすることで、「時短当り」に当選したことによって遊技者に与える落胆を軽減することができ、興趣の低下を抑制することが可能となる。
ただし、低確時短遊技状態では先読み演出が行われないようにすることは必須ではなく、通常遊技状態のみならず低確時短遊技状態や高確低時短遊技状態においても先読み演出が行われるようにしてもよい。また、本実施例では、第1特別図柄についてのみ先読み演出が行われるようにしているが、これに限られず、第2特別図柄についても先読み演出が行われるようにしてもよい。
また、本実施例では、上述したとおり、サブ変動演出パターンとして、時短当り系リーチ、大当り系リーチ、または共通リーチが実行されうる。本実施例では、図15、図54~図56を参照すると分かるように、サブCPU301は、先読み時短当り演出パターンで先読み演出を実行した場合は、サブ変動演出パターンとして、時短当り系リーチを実行し、大当り系リーチを実行しない。また、サブCPU301は、先読み大当り演出パターンで先読み演出を実行した場合は、サブ変動演出パターンとして、大当り系リーチを実行し、時短当り系リーチを実行しない。
また、本実施例において、サブCPU301は、先読み時短当り演出パターンまたは先読み共通当り演出パターンで先読み演出を実行した場合、サブ変動演出パターンとして時短当り系リーチを実行可能である。ただし、サブCPU301は、先読み大当り演出パターンで先読み演出を実行した場合、サブ変動演出パターンとして時短当り系リーチを実行しない。
また、先読み大当り演出パターン(例えば、図56に示される先読み当り種別演出パターン(SAS演出パターン)「37H」)と、先読み時短当り演出パターン(例えば、図56に示される先読み当り種別演出パターン「29H」)と、先読み共通当り演出パターン(例えば、図56に示される先読み演出パターン(SAS演出パターン)「27H」)とのいずれが実行された場合であっても、サブCPU301は、サブ変動演出パターンとして共通リーチ(例えば、図55に示されるサブ変動演出パターン「0AH」、「0BH」)を実行するようにしてもよい。
また、時短当り系リーチを実行し、該時短当り系リーチでハズレを明示した後に、大当り系リーチを実行する演出パターンを設けてもよい。この場合、利益率の高い大当り系リーチが実行されるか否かを最後まで遊技者が期待感をもって遊技を行うことができるようになるため、遊技者の興趣を向上させることができる。
また、図15に示されるように、先読み演出が実行された始動情報について行われる特別図柄の可変表示(以下「ターゲット変動」と称する)において、共通リーチEが実行された場合、共通リーチCと共通する演出が表示された後、大当り系リーチCと共通する演出に移行可能である。一方、共通リーチCと共通する演出が何ら実行されなかった場合、大当り系リーチCに移行しない。同様に、ターゲット変動において、共通リーチEが実行された場合、共通リーチCと共通する演出が表示された後、時短当り系リーチCと共通する演出に移行可能である。一方、共通リーチCと共通する演出が何ら実行されなかった場合、時短当り系リーチCに移行しない。
ところで、本実施例では、1個の保留画像に対してのみ先読み演出を行うようにしている(S3002を参照)。そのため、特別図柄の当り判定処理の結果が大当りである可能性があることを示す先読み演出態様(以下「大当り先読み演出」と称する)がすでに実行されている場合にも、サブCPU301は、新たな先読み演出を実行しない。なお、複数の保留画像において先読み演出が行われるパチンコ遊技機であったとしても、大当り先読み演出がすでに実行されている場合には、新たな先読み演出を実行しないことが好ましい。
例えば、任意の一の保留(以下「第1の保留」と称する)と、この第1の保留よりも後に特別図柄の可変表示が開始される他の保留(以下「第2の保留」と称する)とを含む複数の保留が存在し、第1の保留において先読み大当り演出パターン(例えば、図56の先読み当り種別演出パターン「17H」)が実行されている場合、第2の保留において先読み演出が実行されたとしても、この第2の保留における先読み演出が意味をなさないものとなる可能性がある。とくに、第1の保留について大当りが導出されて大当り遊技状態に制御され、この大当り遊技状態の終了後にA時短遊技状態に制御された場合、第2の保留について例えば「時短当り」が導出されたとしても、この「時短当り」の恩恵を遊技者が受けることができない可能性があり、この場合、興趣の低下が著しい。そこで、大当り先読み演出がすでに実行されている場合には、大当り先読み演出が実行されている保留よりも後に消化される保留についての先読み演出を実行しないようにすることが好ましい。
なお、第1の保留が大当りの保留(大当りが導出される保留)であったとしても、第1の保留について先読み演出が実行されていない場合には、第2の保留において先読み演出を実行してもよいし、実行しなくてもよい。
また、第1の保留においてガセの大当り先読み演出(例えば、図56の先読み当り種別演出パターン「53H」)が実行されている場合にも、第2の保留において先読み演出を実行しないことが好ましい。
ただし、第1の保留において時短当り先読み演出(例えば、図56の先読み当り種別演出パターン「05H」)が実行されている場合は、第2の保留において大当り先読み演出または時短当り先読み演出を実行してもよい。第1の保留について仮に時短当りが導出されたとしても、それよりも遊技者にとっての利益度合いが高い大当りを期待させることが可能となるためである。
また、第1のパチンコ遊技機では特別図柄の当り判定処理の結果に小当りを含まないが、特別図柄の当り判定処理の結果に小当りを含むパチンコ遊技機においては、第1の保留において小当り先読み演出が実行されている場合にも、第2の保留において大当り先読み演出または時短当り先読み演出を実行してもよい。第1の保留について仮に小当りが導出されたとしても、それよりも遊技者にとっての利益度合いが高い大当りを期待させることが可能となるためである。
また、特別図柄の当り判定処理の結果に小当りを含む場合、特別図柄の当り判定処理の結果が小当りである可能性があることを示す先読み演出態様(以下「小当り先読み演出」と称する)が第1の保留において実行されている場合、第2の保留において大当り先読み演出または時短当り先読み演出が実行されるようにしてもよい。第1の保留について仮に小当りが導出されたとしても、それよりも遊技者にとっての利益度合いが高い小当りを期待させることが可能となるためである。
また、サブ変動演出パターンとして大当り系リーチの実行中に例えば第1始動口120に入賞して始動情報が保留された場合、サブCPU301は、この保留について先読み演出を実行しない。
また、本実施例において、サブCPU301は、通常遊技状態でのみ先読み演出を実行する。そのため、特別図柄の可変表示が終了して大当り表示態様が導出されたときに、メインCPU201により行われた先読み判定により「時短当り」であると判定された始動情報が保留されている場合(この段落においてこの保留を「特定保留」と称する)、この特定保留について先読み演出が実行された場合および先読み演出が実行されていない場合のいずれであっても、サブCPU301は、大当り遊技状態の終了後、通常遊技状態でなければ、特定保留に対して先読み演出を実行しない。ただし、サブCPU301は、大当り遊技状態の終了後、通常遊技状態であったとしても、特定保留に対して先読み演出を実行しないことを可能ならしめてもよい。さらには、通常遊技状態以外の遊技状態(例えば、高確時短遊技状態、低確時短遊技状態)において先読み演出を実行するパチンコ遊技機であったとしても、大当り表示態様が導出されたときに特定保留がある場合、サブCPU301は、大当り遊技状態の終了後、特定保留に対して先読み演出を実行しないことを可能ならしめてもよい。
また、特別図柄の可変表示が終了して大当り表示態様が導出されたときに、メインCPU201により行われた先読み判定により「時短当り」であると判定された始動情報が保留されている場合(この段落においてこの保留を「特定保留」と称する)、この特定保留がたとえ「時短当り」の保留であったとしても、メインCPU201は、大当り遊技状態の終了後、「時短当り」に基づくC時短遊技状態に制御されないようにしてもよい。例えば、時短遊技状態が重複した場合に複数の時短遊技状態を重ねて実行しない仕様であって、大当り遊技状態の終了後にA時短遊技状態に制御される場合であれば、特定保留が「時短当り」の保留であったとしても、メインCPU201は、「時短当り」に基づくC時短遊技状態を実行しないこととなる。
[1-10.先読み演出の具体例]
以下に、先読み演出の具体例について、図60~図64を参照して説明する。本実施例では、サブCPU301は、メインCPU201から送信されたコマンドに基づいて、保留画像を用いた先読み演出を実行可能となっている。
[1-10-1.先読み大当り演出パターンで先読み演出が行われる場合の具体例]
上述したとおり、先読み演出パターンには、先読み当り種別演出パターンと、先読み期待値演出パターンとが含まれる。ここでは先ず、上記の先読み当り種別演出パターンとして、先読み大当り演出パターンで先読み演出が行われる場合の具体例について、図60を参照して説明する。
図60(a)~図60(f)は、表示装置7の表示領域7aに表示される先読み演出パターンの一例であって、大当りの可能性があることを示す大当り系先読み演出形態が変化する過程を示す図である。なお、図60(a)~図60(f)に示される先読み当り種別演出パターンは、図56の「1CH」、「3CH」、「58H」、または「78H」に相当する。また、図60(a)~図60(f)に示される先読み期待値演出パターンに相当する先読み期待値演出パターンは、図57で図示が省略されている。
図60(a)~図60(f)に示されるように、表示装置7の表示領域7aには、第1保留領域411~第4保留領域414が表示されている。上述したとおり、第1保留領域411~第4保留領域414は、それぞれ、第1サブ保留領域(1)~第1サブ保留領域(4)に保留情報が記憶されているか否かを示す領域である。また、第0領域410は、当該変動に対応する情報が記憶されている第1サブ保留領域(0)に対応する領域である。
本実施例では、第1サブ保留領域に保留情報が記憶されている場合、サブCPU301は、保留情報が記憶されている第1サブ保留領域に対応する保留領域411~414を、三角形で示される保留画像(以下、単に「保留画像」と称する)で表示するようにしている。また、第1サブ保留領域に保留情報が記憶されていない場合、サブCPU301は、保留画像を表示せず、保留領域の枠のみを表示するようにしている。
図60(a)では、第1保留領域411~第3保留領域413に、先読み演出が実行されていない通常の保留画像が表示されており、第4保留領域414には保留画像が表示されておらず枠のみが表示されている。これは、第1サブ保留領域(1)~(3)に保留情報が記憶されており、第1サブ保留領域(4)には保留情報が記憶されていないことを示す。
図60(b)では、図60(a)に示される状態から、第4保留領域414に保留画像が新たに表示されている。これは、図60(a)に示される状態から、第1サブ保留領域(4)に保留情報が新たに記憶されたことを示す。
サブCPU301は、上述したとおり、第1保留領域411~第4保留領域414に示される保留画像の形態(例えば色)を、大当りに対する期待値に応じて異なるように表示している。本実施例では、虹を除いて、色の違いを色の濃淡で図示している。
本実施例では、図60(b)において、第1保留領域411~第3保留領域413に示される保留画像の色は白(期待値レベル「0」)であり、第4保留領域414に示される保留画像の色は青(期待値レベル「1」)である。
図60(c)は、図60(b)に示される状態から保留が1つシフトされた画像であって、図60(b)において第4保留領域414に表示されていた保留画像の色が、第3保留領域413にシフトされる際に、青から黄(期待値レベル「2」)に変化したことを示す画像である。
図60(d)は、図60(c)に示される状態から保留が1つシフトされた画像であって、図60(c)において第3保留領域413に表示されていた保留画像の色が、第2保留領域412にシフトされる際に、黄から緑(期待値レベル「3」)に変化したことを示す画像である。
図60(e)は、図60(d)に示される状態から保留が1つシフトされた画像であって、図60(d)において第2保留領域412に表示されていた保留画像の色が、第1保留領域411にシフトされる際に、緑から赤(期待値レベル「4」)に変化したことを示す画像である。
図60(f)は、図60(e)に示される状態から保留が1つシフトされた画像であって、図60(e)において第1保留領域411に表示されていた保留画像の色が、第0領域410にシフトされる際に、赤から虹(期待値レベル「5」)に変化したことを示す画像である。
また、大当りに対する期待値を示す保留画像の色(期待値レベル)は、必ずしも、保留がシフトする際に変化させる必要はなく、例えば、当該変動の特別図柄の可変表示中に変化させてもよい。
また、図60では、大当り系先読み演出形態を変化させて、大当りが導出される期待値の変化を示すようにしたが、これに代えてまたは加えて、大当り系先読み演出形態から大当確定先読み演出形態に変化する先読み演出がサブCPU301により実行されるようにしてもよい。この場合、大当り確定先読み演出形態に変化する前であれば、期待値レベルもあわせて変化させるようにしてもよい。
[1-10-2.先読み時短当り演出パターンで先読み演出が行われる場合の具体例]
次に、上記の先読み当り種別演出パターンとして、先読み時短当り演出パターンで先読み演出が行われる場合の具体例について、図61を参照して説明する。
図61(a)~図61(f)は、表示装置7の表示領域7aに表示される先読み演出パターンの一例であって、時短当りの可能性があることを示す時短当り系先読み演出形態が変化する過程を示す図である。なお、図61(a)~図61(f)に示される先読み時短当り種別演出パターンは、図56の「0EH」、「2EH」、「4AH」、または「6AH」に相当する。また、図61(a)~図61(f)に示される先読み期待値演出パターンに相当する先読み期待値演出パターンは、図57で図示が省略されている。
図61(a)では、第1保留領域411~第3保留領域413に、先読み演出が実行されていない通常の保留画像が表示されており、第4保留領域414には保留画像が表示されておらず枠のみが表示されている。
図61(b)では、図61(a)に示される状態から、第4保留領域414に保留画像が新たに表示されている。サブCPU301は、上述したとおり、第1保留領域411~第4保留領域414に示される保留画像の形態(例えば形状)を、時短当りに対する期待値に応じて異なるように表示している。
このように、本実施例では、大当りに対する期待値については保留画像の色であらわし、時短当りに対する期待値については保留画像の形状であらわしている。
本実施例では、図61(b)において、第1保留領域411~第3保留領域413に示される保留画像の形状は三角形(期待値レベル「0」)であり、第4保留領域414に示される保留画像の形状は四角形(期待値レベル「1」)である。
図61(c)は、図61(b)に示される状態から保留が1つシフトされた画像であって、図61(b)において第4保留領域414に表示されていた保留画像の形状が、第3保留領域413にシフトされる際に、四角形から五角形(期待値レベル「2」)に変化したことを示す画像である。
図61(d)は、図61(c)に示される状態から保留が1つシフトされた画像であって、図61(c)において第3保留領域413に表示されていた保留画像の形状が、第2保留領域412にシフトされる際に、五角形から六角形(期待値レベル「3」)に変化したことを示す画像である。
図61(e)は、図61(d)に示される状態から保留が1つシフトされた画像であって、図61(d)において第2保留領域412に表示されていた保留画像の形状が、第1保留領域411にシフトされる際に、六角形から円(期待値レベル「4」)に変化したことを示す画像である。
図61(f)は、図61(e)に示される状態から保留が1つシフトされた画像であって、図61(e)において第1保留領域411に表示されていた保留画像の形状が、第0領域410にシフトされる際に、円から星(期待値レベル「5」)に変化したことを示す画像である。
なお、時短当りに対する期待値を示す保留画像の形状は、必ずしも、「四角形<五角形<六角形<円<星」の順に1つずつ変化させていく必要はなく、例えば「五角形→円」に変化させてもよい。
また、時短当りに対する期待値を示す保留画像の形状(期待値レベル)は、必ずしも、保留がシフトする際に変化させる必要はなく、例えば、当該変動の特別図柄の可変表示中に変化させてもよい。
また、図61では、時短当り系先読み演出形態を変化させて、時短当りが導出される期待値の変化を示すようにしたが、これに代えてまたは加えて、例えば以下に示される先読み演出がサブCPU301により実行されるようにしてもよい。この場合、大当り確定先読み演出形態に変化する前であれば、期待値レベルもあわせて変化させるようにしてもよい。
・時短当り系先読み演出形態から大当り系先読み演出形態に変化する先読み演出。
・時短当り系先読み演出形態から大当確定先読み演出形態に変化する先読み演出。
・時短当り系先読み演出形態から大当り系先読み演出形態に変化し、さらにその後、大当確定先読み演出形態に変化する先読み演出。
[1-10-3.先読み共通当り演出パターンで先読み演出が行われる場合の具体例]
次に、上記の先読み当り種別演出パターンとして、先読み共通当り演出パターンで先読み演出が行われる場合の具体例について、図62を参照して説明する。
図62(a)~図62(d)は、表示装置7の表示領域7aに表示される先読み演出パターンの一例であって、大当りおよび時短当りのいずれについても可能性があることを示す共通当り系先読み演出形態から大当り系先読み演出形態に保留画像が変化する過程を示す図である。共通当り系先読み演出形態の変化には、当り(時短当り、大当り)の期待値レベルが変化するものと、当りの種類が大当りであるか時短当りであるかが明瞭なものに変化するものとが含まれる。なお、図62(a)~図62(d)に示される先読み当り種別演出パターンは、図56の「15H」、「35H」、「51H」、または「71H」に相当し、図62(a)~図62(d)に示される先読み期待値演出パターンは、図57の「43H」に相当する。
本実施例では、大当りおよび時短当りのいずれについても可能性があることを示す共通当り系先読み演出形態として、大当りに対する期待値レベルを示す色と、時短当りに対する期待値レベルを示す形状との両方を表示することで、あらわしている。
図62(a)では、第1保留領域411および第2保留領域412に、先読み演出が実行されていない通常の保留画像が表示されており、第3保留領域413および第4保留領域414には保留画像が表示されておらず枠のみが表示されている。
図62(b)では、図62(a)に示される状態から、第3保留領域413に保留画像が新たに表示されている。サブCPU301は、第1保留領域411~第4保留領域414に示される保留画像の形態(例えば色および形状)を、当り(大当りまたは時短当り)に対する期待値に応じて異なるように表示している。本実施例では、先読み演出が実行されない場合または当りに対する期待値が最も低い場合、保留画像を白の三角形で表示し、「青の四角形<黄の五角形<緑の六角形<赤の円<虹の星」の順で短当りに対する期待値が高くなる。
本実施例では、図62(b)において、第1保留領域411および第2保留領域412に示される保留画像の形態は、白の三角形(期待値レベル「0」)であり、第3保留領域413に示される保留画像の形態は、黄の五角形(期待値レベル「2」)である。
図62(c)は、図62(b)に示される状態から保留が1つシフトされた画像であって、図62(b)において第3保留領域413に表示されていた保留画像の形態が、第2保留領域412にシフトされる際に、黄の五角形から緑の六角形(期待値レベル「3」)に変化したことを示す画像である。
図62(d)は、図62(c)に示される状態から保留が1つシフトされた画像であって、図62(c)において第2保留領域412に表示されていた保留画像の形態が、第1保留領域411にシフトされる際に、緑の六角形(期待値レベル「3」の共通当り系先読み演出形態)から虹の三角形(期待値レベル「5」の大当り系先読み演出形態)に変化したことを示す画像である。
すなわち、図62(b)および図62(c)に示される先読み演出は、保留画像の形態が大当りに対する期待値を示す形態であるのか時短当りに対する期待値を示す形態であるのかを、保留画像の形態から把握することが困難な演出である。これに対し、図62(d)に示される先読み演出は、保留画像の形態が大当りに対する期待値を示すものであって、しかもその期待値が極めて高い形態(例えば期待値レベル「5」)であることを把握することが可能なものである。
このように、本実施例では、特別図柄の当り判定処理の結果に応じて、先読み演出を、時短当りに対する期待値を示す先読み時短当り演出パターンと、大当りに対する期待値を示す先読み大当り演出パターンと、当り(大当りまたは時短当り)に対する期待値を示す先読み共通当り演出パターンとのうち、いずれかのパターンで先読み演出を実行可能に構成されている。そして、先読み共通当り演出パターンで先読み演出が実行された場合には、大当り系先読み演出形態と時短当り系先読み演出形態とのいずれに保留画像が変化していくのかといった面白みを遊技者に持たせることができ、興趣を高めることが可能となる。
なお、時短当りに対する期待値を示す保留画像の形態は、必ずしも、「青の四角形<黄の五角形<緑の六角形<赤の円<虹の星」の順に1つずつ変化させていく必要はなく、例えば、「黄の五角形(共通当り系先読み演出形態)→赤の三角形(大当り系先読み演出形態)」に変化させてもよいし、「緑の六角形(共通当り系先読み演出形態)→三角形の星(時短当り系先読み演出形態)」に変化させてもよい。また、当りに対する期待値を示す保留画像の形態を、必ずしも、最も期待値の低い青の四角形から開始させる必要はなく、例えば赤の円から開始させるようにしてもよい。
また、当りに対する期待値を示す保留画像の形態は、必ずしも、保留がシフトする際に変化させる必要はなく、例えば、当該変動の特別図柄の可変表示中に変化させてもよい。
また、図62では、共通当り系先読み演出形態を変化させて、いずれかの当り(大当りまたは時短当り)が導出される期待値を変化させたり、期待できる当りが不明の状態から大当りに変化させたりしているが、これに代えてまたは加えて、例えば以下に示される先読み演出がサブCPU301により実行されるようにしてもよい。この場合、大当り確定先読み演出形態に変化する前であれば、期待値レベルもあわせて変化させるようにしてもよい。
・共通当り系先読み演出形態から大当り確定先読み演出形態に変化する先読み演出。
・共通当り系先読み演出形態からから大当り系先読み演出形態に変化し、さらにその後、大当確定先読み演出形態に変化する先読み演出。
[1-10-4.共通当り系先読み演出形態の変形例]
なお、保留画像の形態として、大当りおよび時短当りのいずれについても可能性があることを示す共通当り系先読み演出形態は、必ずしも、大当りに対する期待値を示す色と、時短当りに対する期待値を示す形状との両方であらわす形態に限定されない。これに代えて、例えば、専用の共通当り系先読み演出形態を設けるようにしてもよい。専用の共通当り系先読み演出形態を設ける場合、大当りと時短当りとの両方に期待感を持てることができるようになるとともに、それぞれの期待値が不明であることから、今後の演出態様の変化に期待感を持って遊技を行うことができるようになり、興趣を向上することができる。
図63(a)~図63(d)は、表示装置7の表示領域7aに表示される先読み演出パターンの一例であって、専用の共通当り系先読み演出形態から大当り系先読み演出形態に保留画像が変化する過程を示す図である。なお、図63(a)~図63(d)に示される先読み当り種別演出パターンは、図56の「15H」、「35H」、「51H」、または「71H」に相当し、図63(a)~図63(d)に示される先読み期待値演出パターンは、図57または図58の「31H」に相当する。
また、図64(a)~図64(d)は、表示装置7の表示領域7aに表示される先読み演出パターンの一例であって、専用の共通当り系先読み演出形態から時短当り系先読み演出形態に保留画像が変化する過程を示す図である。なお、図64(a)~図64(d)に示される先読み当り種別演出パターンは、図56の「07H」、「27H」、「43H」、または「63H」に相当し、図64(a)~図64(d)に示される先読み期待値演出パターンは、図57または図58の「31H」に相当する。
図63(a)および図64(a)では、第1保留領域411および第2保留領域412に、先読み演出が実行されていない通常の保留画像が表示されており、第3保留領域413および第4保留領域414には保留画像が表示されておらず枠のみが表示されている。
図63(b)では、図63(a)に示される状態から、第3保留領域413に保留画像が新たに表示されている。
同様に、図64(b)では、図64(a)に示される状態から、第3保留領域413に保留画像が新たに表示されている。
図63(b)および図64(b)でのいずれにおいても、第3保留領域413に示される保留画像の形態は、専用の共通当り系先読み演出形態であって、例えば光り輝く形態である。光の輝度の度合いを変更することにより、期待値レベルを変えることができる。
図63(c)は、図63(b)に示される状態から保留が1つシフトされた画像であって、図63(b)において第3保留領域413に表示されていた専用の共通当り系先読み演出形態が、そのままの形態で第2保留領域412にシフトされていることを示す画像である。
同様に、図64(c)は、図64(b)に示される状態から保留が1つシフトされた画像であって、図64(b)において第3保留領域413に表示されていた専用の共通当り系先読み演出形態が、そのままの形態で第2保留領域412にシフトされていることを示す画像である。
図63(d)は、図63(c)に示される状態から保留が1つシフトされた画像であって、図63(c)において第2保留領域412に表示されていた保留画像の形態が、第1保留領域411にシフトされる際に、専用の共通当り系先読み演出形態から赤の三角形(大当りの期待値レベル「4」)に変化したことを示す画像である。
一方、図64(d)は、図64(c)に示される状態から保留が1つシフトされた画像であって、図64(c)において第2保留領域412に表示されていた保留画像の形態が、第1保留領域411にシフトされる際に、専用の共通当り系先読み演出形態から白の円(時短当りの期待値レベル「4」)に変化したことを示す画像である。
このように、先読み演出形態を専用の共通当り系先読み演出形態であらわすようにした場合であっても、専用の共通当り系先読み演出形態から、大当り系先読み演出形態および時短当り系先読み演出形態のいずれに変化していくのかといった面白みを遊技者に持たせることができ、興趣を高めることが可能となる。
[1-11.機外に出力される信号]
次に、外部端子板184(図6参照)から第1のパチンコ遊技機の機外(例えば、ホールコンピュータ186(図6参照)、各島に設けられる島コンピュータ(不図示))に出力される信号について説明する。なお、本実施例では、第1のパチンコ遊技機の機外に出力される信号について説明するが、第1のパチンコ遊技機の機外からの信号を入力可能であってもよい。
本実施例において、外部端子板184(図6参照)は、第1のパチンコ遊技機の機外に信号を出力するためのコネクタとしてCH1~CH12を有する。外部端子板184の各CHから第1のパチンコ遊技機の機外に出力される信号は、例えば、「賞球情報1」、「扉・枠開放」、「外部情報1」~「外部情報8」、「賞球情報2」および「セキュリティ」の各種信号である。ただし、各CHから第1のパチンコ遊技機の機外に出力される信号の種類は、これらに限られず、これらの信号の他に機外に出力される信号があってもよいし、これらのうちのいずれかの信号が出力されないように構成されていてもよい。
図65は、第1のパチンコ遊技機の機外に出力される信号の出力条件の一例を示す表である。図65に示されるように、CN1からは「賞球情報1」の信号が出力され、CH2からは「扉・枠開放」の信号が出力され、CH3~CH10からはそれぞれ「外部情報1」~「外部情報8」の各信号が出力され、CH11からは「賞球情報2」の信号が出力され、CH12からは「セキュリティ」の信号が出力される。なお、第1のパチンコ遊技機から機外への信号の出力条件は、図65に示されるとおりである。
次に、第1のパチンコ遊技機の機外に出力される信号のタイミングチャートの一例を、「賞球情報1」の信号を例に挙げて説明する。なお、図65に示されるように、本実施例では、「賞球情報1」の信号は、賞球払出10個毎に120msec出力される。
図66は、第1のパチンコ遊技機の機外に出力される信号のうち、「賞球情報1」の信号のタイミングチャートの一例である。
図66に示されるように、払出検出スイッチ(不図示)は、賞球が1個払い出される都度、オフからオンになる。なお、上述したとおり、本実施例では、大入賞口131(図4参照)に遊技球が入賞した場合は例えば10個の賞球が払い出され、始動口(第1始動口120または第2始動口140(いずれも図4参照))に遊技球が入賞した場合は例えば3個の賞球が払い出され、一般入賞口122(図4参照)に遊技球が入賞した場合は例えば4個の賞球が払い出される。
そして、メインCPU201(図6参照)は、賞球が10個払い出される都度、「賞球情報1」の信号を、例えば120msecの間、第1のパチンコ遊技機の機外に出力する。より詳しくは、メインCPU201は、「賞球情報1」の信号の前回の出力時を起点として10個目の賞球の払出検出スイッチがオンになったタイミングで、例えば120msecの間、「賞球情報1」の信号を出力する。なお、「賞球情報1」の信号を、10個目の賞球の払出検出スイッチがオンになったタイミングで出力することは一例にすぎず、例えば10個目の賞球の払出検出スイッチがオンになってからオフになるまでの間であればよい。また、「賞球情報1」の信号を、賞球が10個払い出される都度出力したり120msecの間出力することについても一例にすぎず、「賞球情報1」の信号の出力タイミングや出力時間については適宜設定することができる。
次に、第1のパチンコ遊技機の機外に出力される信号の一つである「セキュリティ」の信号の一例について説明する。「セキュリティ」の信号は、主としてエラー発生時に出力される信号である。
図67は、第1のパチンコ遊技機におけるエラーの概要の一例を示す表であって、より詳しくは、エラー名称毎に、主制御回路200での発生契機、主制御回路200(図6参照)での解除契機、「セキュリティ」の信号(図67では「セキュリティ信号」と図示)の出力時間および備考を示す表である。
なお、第1のパチンコ遊技機は小当り用大入賞口を備えないが、図67には、便宜上、小当り用大入賞口異常入賞エラーについても記載している。また、図67では、大入賞口131を大当り用大入賞口と記載している。
なお、図67に示されるエラーの概要は一例であって、これらのうちの一部のみをエラーであると判断するようにしてもよいし、例えば、図67に示されないものをエラーと判断するようにしてもよい。図67に示されないもののエラーと判断されるものとしては、例えば、ソレノイド監視センサ(不図示)が所定時間以上にわたってオンまたはオフであったりした場合のソレノイド監視センサエラー、大入賞口(大当り用大入賞口または小当り用大入賞口)の内部に未排出の遊技球があったり大入賞口未開放時に大入賞口内に入賞があった場合の大入賞口入排出異常エラー、振動センサが所定時間にわたってオンである場合の振動センサエラー等が相当する。また、例えば大当り用大入賞口内に特定領域を設け、大当り遊技制御の実行中に特定領域を遊技球が通過したことに基づいて、大当り遊技制御の終了後に確変制御が実行される仕様である場合には、特定領域への通過異常や、大当り用大入賞口の内部に未排出の遊技球が存在しないにもかかわらず特定領域を遊技球が通過した場合等にも、エラーと判断するように構成すると好ましい。
メインCPU201(図6参照)は、エラーが発生したと判断すると、サブCPU301(図6参照)に不正検知関連コマンドを送信する。不正検知関連を受信したサブCPU301は、エラーの内容に応じた報知制御を実行する。
以下に、大当り用大入賞口異常入賞エラーが発生した場合を例に挙げて、メインCPU201およびサブCPU301(いずれも図6参照)による制御について簡単に説明する。
図67に示されるように、例えば、初期電源投入後、1回目の大当り用大入賞口が開放される前に1個の入賞検出があると、メインCPU201(図6参照)は、大当り用大入賞口異常入賞エラーが発生したと判断し、「セキュリティ」の信号を、12秒の間出力する。また、大当り用大入賞口異常入賞エラーが発生したことを示す不正検知関連コマンドをサブCPU301(図6参照)に送信する。
なお、本実施例では、図67に示されるように、いずれのエラーであっても「セキュリティ」の信号の出力時間が12秒であるため、機外の装置(例えば、ホールコンピュータ186(図6参照)や島コンピュータ(不図示))は、「セキュリティ」の信号を受信することによってエラーの発生を把握することはできるものの、エラーの内容まで把握することができない。ただし、これに限られず、例えば、「セキュリティ」の信号の出力時間をエラーの内容に応じて変える等により、「セキュリティ」の信号を受信した機外の装置がエラーの内容を把握できるようにしてもよい。
サブCPU301(図6参照)は、例えば大当り用大入賞口異常入賞エラーを示す不正検知関連コマンドを受信すると、例えば以下に示す報知制御の全部または一部を実行し、不正検知関連コマンドを受信してから例えば30秒経過すると、以下に示す報知制御を終了する。
・表示制御回路304を介して表示装置7(いずれも例えば図6参照)に例えば「大入賞口異常入賞エラー」の文字を表示する報知制御。
・音声制御回路305を介してスピーカ32(いずれも例えば図6参照)から例えば「大入賞口異常入賞エラーです」の音声を出力する報知制御。
・音声制御回路305を介してスピーカ32から例えばビープ音を出力する報知制御。
・LED制御回路306を介してLED群46(いずれも例えば図6参照)を例えば赤色で全点灯させる報知制御。
なお、不正検知関連コマンドを受信してから例えば30秒経過する前に電断があった場合、サブCPU301は、上述の報知制御を終了する。
また、サブCPU301は、例えば、大当り用大入賞口異常入賞エラーの発生を示す上述の報知制御の実行中に、大当り用大入賞口異常入賞エラーを示す不正検知関連コマンドを受信した場合、上述の報知制御を再度実行し直す。
次に、遊技状態に応じて第1のパチンコ遊技機の機外に出力される信号について、図68を参照して説明する。図68は、第1のパチンコ遊技機において、遊技状態に応じて機外に出力される信号の出力条件の一例を示す表である。図68において、出力される信号を〇で示し、出力されない信号を×で示す。
図68に示されるように、本実施例では、メインCPU201により制御される遊技の状態に応じて、出力される信号が異なっている。例えば、通常遊技状態中(大当り・小当り中以外、確変・時短中以外)はいずれの信号も出力されず、低確時短遊技状態中(大当り中以外、小当り中以外)は「外部情報3」および「外部情報7」の信号が出力され、高確時短遊技状態中(大当り中以外、小当り中以外)は「外部情報3」、「外部情報5」および「外部情報7」の信号が出力され。また、高確非時短遊技状態に制御可能なパチンコ遊技機では、高確非時短遊技状態中(大当り中以外、小当り中以外)は「外部情報3」および「外部情報6」の信号が出力される。
このように、メインCPU201により制御される遊技の状態に応じて出力される信号が異ならせることにより、信号を受信可能な機外の装置(例えば、ホールコンピュータ186(図6参照)や島コンピュータ(不図示))は、外部情報送信元のパチンコ遊技機における遊技の状態を把握することが可能となる。
なお、本実施例では、図68に示されるように、小当り遊技制御処理中(通常遊技状態中)に出力される信号は、通常遊技状態中(大当り・小当り中以外、確変・時短中以外)に出力される信号と同じである。同様に、小当り遊技制御処理中(低確時短遊技状態中)に出力される信号は、低確時短遊技状態中(大当り中以外、小当り中以外)に出力される信号と同じであり、小当り遊技制御処理中(高確時短遊技状態中)に出力される信号は、高確時短遊技状態中(大当り中以外、小当り中以外)に出力される信号と同じであり、小当り遊技制御処理中(高確非時短遊技状態中)に出力される信号は、高確非時短遊技状態中(大当り中以外、小当り中以外)に出力される信号と同じである。すなわち、信号を受信可能な機外の装置(例えば、ホールコンピュータ186(図6参照)や島コンピュータ(不図示))は、外部情報送信元のパチンコ遊技機において、小当り遊技制御処理が実行されているか否かを把握することができない。ただし、これに代えて、小当り遊技制御処理中に出力される信号を、小当り遊技制御処理中でない場合に出力される信号と異ならせることにより、外部情報送信元のパチンコ遊技機において小当り遊技制御処理が実行されているか否かを、信号を受信可能な機外の装置側で把握できるようにしてもよい。
また、図68に示される低確時短遊技状態中(大当り中以外、小当り中以外)、高確時短遊技状態中(大当り中以外、小当り中以外)、小当り遊技制御処理中(低確時短遊技状態中)および小当り遊技制御処理中(高確時短遊技状態中)は、時短制御の実行中に出力される信号である。この場合、電サポ制御および特図短縮制御の両方が実行されている場合に時短制御の実行中であるとしてもよいし、電サポ制御および特図短縮制御のうち電サポ制御のみが実行されている場合に時短制御の実行中であるとしてもよいし、電サポ制御および特図短縮制御のうち特図短縮制御のみが実行されている場合に時短制御の実行中であるとしてもよい。
また、上述の第1のパチンコ遊技機についての説明では、メインCPUの制御により、A時短遊技状態とB時短遊技状態とC時短遊技状態とに制御可能である(A時短遊技状態の機能、B時短遊技状態の機能、及びC時短遊技状態の機能が搭載されている)ことを前提として説明したが、これに限られない。例えば、A時短遊技状態の機能、B時短遊技状態の機能、及びC時短遊技状態の機能のうち、いずれか一つの機能(例えば、A時短遊技状態の機能)のみを搭載し、他の機能(例えば、B時短遊技状態の機能及びC時短遊技状態の機能)については搭載しないパチンコ遊技機であってもよい。また、A時短遊技状態の機能、B時短遊技状態の機能、及びC時短遊技状態の機能のうち、二つの機能(例えば、A時短遊技状態の機能、及び、B時短遊技状態の機能またはC時短遊技状態の機能)のみを搭載し、他の機能(例えば、B時短遊技状態の機能またはC時短遊技状態の機能)については搭載しないパチンコ遊技機であってもよい。
また、例えばST機と呼ばれるパチンコ遊技機のように、大当り遊技状態の終了後、100%の確率で確変フラグがオンにセットされるパチンコ遊技機では、A時短遊技状態の機能、B時短遊技状態の機能、及びC時短遊技状態の機能のいずれも搭載しないように構成してもよい。
[2.第2のパチンコ遊技機]
次に、第2のパチンコ遊技機について説明する。第2のパチンコ遊技機は、上述したとおり、デジパチと称される所謂1種タイプのパチンコ遊技機である。ただし、第2のパチンコ遊技機は、第1特別図柄と第2特別図柄とが並行して可変表示可能である点において第1のパチンコ遊技機と異なる。それ故、遊技盤ユニットおよび電気的構成についても、第1のパチンコ遊技機と異なる点がある。
以下、第2のパチンコ遊技機を説明するにあたり、例えば外枠2およびベースドア3等の基本構成等、並びに、外部端子板1184(後述の図70参照)から第2のパチンコ遊技機の機外(例えば、ホールコンピュータ1186(後述の図70参照)や各島に設けられる島コンピュータ(不図示))に出力される信号等のように、機能、形状および配置位置等が第1のパチンコ遊技機と共通する点については極力説明を省略するものとする。
また、第2のパチンコ遊技機を説明するにあたり、第1のパチンコ遊技機の説明で用いた図面を参照して説明する構成については、第1のパチンコ遊技機と同じ符号およびステップ番号を用いて説明する。ただし、第2のパチンコ遊技機の説明において新たに採用した図面を参照して説明する構成については、第1のパチンコ遊技機と機能等が共通する構成であったとしても、第1のパチンコ遊技機と異なる符号およびステップ番号を用いて説明するものとする。
ところで、第1特別図柄と第2特別図柄とが並行して可変表示可能なパチンコ遊技機としては、第1特別図柄の可変表示および第2特別図柄の可変表示が保留されている場合に、例えば第1特別図柄の始動条件よりも第2特別図柄の始動条件が優先して成立するパチンコ遊技機(以下、「優先変動機」と称する)と、第1始動口および第2始動口を含めて入賞順に始動条件が成立するパチンコ遊技機(以下、「順次変動機」と称する)とがある。
[2-1.遊技盤ユニット]
図69は、第2のパチンコ遊技機が備える遊技盤ユニット1010の外観を示す正面図の一例である。図69に示されるように、遊技盤ユニット1010には遊技領域1105が形成されている。
なお、第2のパチンコ遊技機の遊技領域1105に配置される各種部材(例えば第1始動口1120等)は、第1のパチンコ遊技機の遊技領域105(図4参照)に配置される各種部材と共通するものもあるが、改めて一通り説明する。
図69に示されるように、遊技盤ユニット1010は、主として、発射された遊技球が転動流下可能な遊技領域1105が形成される遊技パネル1100と、ガイドレール1110と、遊技領域1105の略中央部に配置されるセンター役物1115と、第1始動口1120と、一般入賞口1122と、通過ゲートユニット1125と、特別電動役物ユニット1130と、第2始動口1140A,1140Bと、普通電動役物ユニット1145と、小当りユニット1150と、LEDユニット1160と、アウト口1178と、遊技盤ユニット1010の後方に配置される裏ユニット(図示せず)とを備える。なお、LEDユニット1160については第1のパチンコ遊技機のLEDユニット160と同様であり、この第2のパチンコ遊技機では説明を省略する。
(遊技パネル)
遊技パネル1100には、表示装置1007の表示領域が臨む位置に開口(参照符号なし)が形成されている。また、遊技パネル1100の前面には、ガイドレール1110が設けられるとともに遊技釘(参照符号なし)等が植設されている。発射装置6(図1、図2参照)から発射された遊技球は、ガイドレール1110から遊技領域1105に向けて飛び出し、遊技釘等と衝突して進行方向を変えながら遊技領域1105の下方に向けて流下する。
また、遊技パネル1100の後方には、演出効果を高めるために装飾体が設けられた裏ユニット(図示せず)が配置されている。遊技パネル1100は、裏ユニットに設けられた装飾体を正面視で視認できるように透明樹脂で構成されている。この場合、遊技パネル1100の全部が透明部材で構成されていてもよいし、例えば、裏ユニットに設けられた装飾体を正面視で視認できる部位のみが透明部材で構成されていてもよい。また、遊技パネル1100を、透明部分を有さない部材(例えば木製)で構成し、一部に透明部材を設けて演出効果を高めるようにしてもよい。
(ガイドレール)
ガイドレール1110は、円弧状の外レールおよび内レール(いずれも参照符号なし)により構成される。遊技領域1105は、ガイドレール1110によって区画(画定)される。外レールおよび内レールは、発射装置1006(後述の図70参照)から発射された遊技球を遊技領域1105の上部に案内する機能を有する。
(センター役物)
センター役物1115は、遊技パネル1100の開口(参照符号なし)にはめ込まれるように構成されており、上方には円弧状のセンターレール1116を備えている。遊技領域1105に向けて発射された遊技球は、センターレール1116によって左右に振り分けられる。
発射装置1006によって遊技領域1105に向けて発射された遊技球は、左側領域1106または右側領域1107を流下する。左側領域1106または右側領域1107を流下する遊技球は、遊技パネル1100に植設された遊技釘等との衝突により、進行方向を変えながら下方へ向けて流下する。発射ハンドル62(図1、図2参照)の操作量が小さい場合、発射された遊技球は左側領域1106を流下する。一方、発射ハンドル62の操作量が大きい場合、発射された遊技球は右側領域1107を流下する。
また、センター役物1115には、左側の外周縁部に、左側領域1106を流下する遊技球が進入可能とされたワープ入口1117が形成されている。ワープ入口1117に進入した遊技球は、センター役物1115に形成されたステージ1118に誘導可能に構成されている。ステージ1118は、表示装置1007の表示領域の下方前方において遊技球が左右方向に転動可能に形成されている。なお、ステージ1118は、例えば、上段側のステージおよび下段側のステージといったように、複数段で形成されていてもよい。
ステージ1118の左右方向略中央の後側には、遊技球が進入可能なチャンス入口1119が形成されており、チャンス入口1119に進入した遊技球は、第1始動口1120の直上に放出されるように構成されている。そのため、チャンス入口1119に進入した遊技球は、ワープ入口1117に進入しなかった遊技球や、ワープ入口1117に進入したもののチャンス入口1119に進入しなかった遊技球と比べて高い確率で第1始動口1120に入賞(通過)するようになっている。
(第1始動口)
第1始動口1120は、表示装置1007の表示領域の下方に配置されており、左打ちされた遊技球が入賞可能(右打ちされた遊技球が入賞困難または不可能)となるように配置されている。第1始動口1120に遊技球が入賞すると、第1始動口スイッチ1121(後述の図70参照)により検出される。なお、右打ちされた遊技球が第1始動口1120に入賞可能であってもよい。また、上記の第1始動口1120に代えてまたは加えて、右打ちされた遊技球が入賞可能(左打ちされた遊技球が入賞困難または不可能)な第1始動口を備えるようにしてもよい。
第1始動口スイッチ1121(後述の図70参照)により第1始動口1120への遊技球の入賞(通過)が検出されると、第1特別図柄の始動情報が抽出され、抽出された始動情報は所定数(例えば最大4個)まで保留される。保留された始動情報は、始動条件が成立すると、第1特別図柄の当り判定処理に供される。第1始動口1120に遊技球が入賞すると例えば3個の賞球が払い出される。ただし、第1始動口1120への遊技球の入賞に基づいて払い出される賞球数はこれに限られない。
(一般入賞動口)
一般入賞口1122は、表示装置1007の表示領域の左下方に複数配置されており、左打ちされた遊技球が入賞可能(右打ちされた遊技球が入賞困難または不可能)となるように配置されている。一般入賞口1122に遊技球が入賞すると、一般入賞口スイッチ1123(後述の図70参照)により検出される。
一般入賞口スイッチ1123(後述の図70参照)により一般入賞口1122への遊技球の入賞(通過)が検出されると、例えば4個の賞球が払い出されるが、一般入賞口1122への遊技球の入賞に基づいて払い出される賞球数は4個に限られない。
また、本実施例において、一般入賞口1122は、右打ちされた遊技球が入賞困難または不可能となるように配置されているが、必ずしもこれに限られず、上記の一般入賞口1122に代えてまたは加えて、右打ちされた遊技球が入賞可能な一般入賞口を備えてもよい。
(通過ゲートユニット)
通過ゲートユニット1125は、右側領域1107に配置されており、右打ちされた遊技球がほぼ通過できるように構成された通過ゲート1126と、通過ゲート1126への遊技球の通過を検出する通過ゲートスイッチ1127(後述の図70参照)とを一体化したユニット体である。
通過ゲートスイッチ1127により通過ゲート1126への遊技球の通過が検出されると、普通図柄の始動情報が抽出され、抽出された普通図柄の始動情報は所定数(例えば最大4個)まで保留される。保留された普通図柄の始動情報は、普通図柄の当り判定処理に供される。なお、通過ゲートスイッチ1127により通過ゲート1126への遊技球の通過が検出されたとしても、賞球は払い出されない。また、通過ゲートユニット1125は、右側領域1107に代えてまたは加えて左側領域1106に配置されていてもよい。
また、通過ゲート1126を、役物連続作動装置を作動させるための契機となるように機能させてもよい。すなわち、大当りでない遊技状態(例えば通常遊技状態等)から大当り遊技状態への移行条件は、条件装置および役物連続作動装置の両方が作動することであるが、大当りであることを示す停止表示態様(図柄組合せ)が導出された際に、条件装置については作動させるものの役物連続作動装置については作動させないようにすることができる。そして、条件装置が作動していることを前提として、通過ゲート1126への遊技球の通過すなわち通過ゲートスイッチ1127(後述の図70参照)により遊技球が検出されたことをもって役物連続作動装置を作動させて、大当り遊技状態に移行するようにしてもよい。
(特別電動役物ユニット)
特別電動役物ユニット1130は、大当り用大入賞口1131と、大当り用大入賞口1131への遊技球の入賞(通過)を検出する大当り用大入賞口カウントスイッチ1132(後述の図70参照)と、特別電動役物1133とを一体化したユニット体である。特別電動役物ユニット1130は、右側領域1107において、通過ゲートユニット1125よりも下方に配置されている。
大当り用大入賞口1131は、右打ちされた遊技球が入賞可能(左打ちされた遊技球が入賞困難または不可能)となるように配置されている。ただし、これに限定されるものではなく、上記の大当り用大入賞口1131に代えてまたは加えて、左打ちされた遊技球が入賞可能な大当り用大入賞口を配置したり、センター役物1115の上部において遊技球が入賞可能な大当り用大入賞口を配置するようにしてもよい。
また、大当り用大入賞口1131は、遊技者に有利な遊技状態である大当り遊技状態に制御されているときに所定個数(例えば10個)の遊技球が入賞(通過)可能となるように開放される入賞口である。大当り用大入賞口カウントスイッチ1132(後述の図70参照)により大当り用大入賞口1131への遊技球の入賞が検出されると、例えば10個の賞球が払い出される。ただし、大当り用大入賞口1131への遊技球の入賞に基づいて払い出される賞球数は10個に限られない。
特別電動役物1133は、前後方向に進退可能な特電用シャッタ1134と、この特電用シャッタ1134を作動させる特電用ソレノイド1135(後述の図70参照)とを備える。特別電動役物1133すなわち特電用シャッタ1134は、大当り用大入賞口1131への遊技球の入賞(通過)が可能または容易な開放状態と、大当り用大入賞口1131への遊技球の入賞(通過)が不可能または困難な閉鎖状態と、に状態移行可能に構成される。なお、大当り用大入賞口1131の閉鎖状態から開放状態への状態移行は、所定のラウンド数にわたって行われる。すなわち、大当り遊技状態は、大当り用大入賞口1131が閉鎖状態から所定期間にわたって開放状態に移行するラウンド遊技を複数ラウンドにわたって行うことにより、多量の遊技球を賞球として払い出すことを可能にした遊技状態である。
(第2始動口)
本実施例では、第2始動口として、第2始動口1140Aおよび第2始動口1140Bが遊技領域1105に配置されており、これらの第2始動口1140A,1140Bは、いずれも、右打された遊技球が入賞可能(左打ちされた遊技球が入賞困難または不可能)となっている。ただし、これに限られず、左打ちされた遊技球が第2始動口1140Aまたは/および第2始動口1140Bに入賞可能であってもよい。
第2始動口1140Aに遊技球が入賞すると、第2始動口スイッチ1141A(後述の図70参照)により検出される。また、第2始動口1140Bに遊技球が入賞すると、第2始動口スイッチ1141B(後述の図70参照)により検出される。第2始動口1140A,1140Bのいずれに遊技球が入賞したとしても、第2特別図柄の当り判定処理の契機となる。
第2始動口スイッチ1141A,1141B(後述の図70参照)により第2始動口1140A,1140Bへの遊技球の入賞(通過)が検出されると、第2特別図柄の始動情報が抽出され、抽出された始動情報は所定数(例えば最大4個)まで保留される。保留された始動情報は、第2特別図柄の当り判定処理に供される。第2始動口1140Aに遊技球が入賞すると例えば3個の賞球が払い出される。一方、第2始動口1140Bに遊技球が入賞すると例えば1個の賞球が払い出される。ただし、第2始動口1140A,1140Bへの遊技球の入賞に基づいて払い出される賞球数はこれに限られない。
ところで、本実施例では、右打ちされたものの大当り用大入賞口1131に入賞しなかった遊技球の流下方向としての下流側には、遊技球の流下経路として上下に2つの流下経路1107a,1107bが形成されている。右打ちされて大当り用大入賞口1131に入賞せずにさらに下流側に向けて流下した遊技球は、例えば図69に示される分岐釘1108によって、上方の流下経路1107aまたは下方の流下経路1107bに振り分けられる。
第2始動口1140Aは、上方の流下経路1107aに振り分けられた遊技球が入賞可能に配置されており、上方の流下経路1107aを流下する遊技球の殆どが入賞可能となっている。ただし、上方の流下経路1107aを流下する遊技球の殆どが第2始動口1140Aに入賞するように構成することは必須ではなく、例えば、第2始動口1140Aへの入賞が殆ど期待できない構成であってもよいし、上方の流下経路1107aを流下する遊技球のうち所定の期待値(例えば、概ね3分の1~5分の1)で入賞可能な構成であってもよい。なお、上方の流下経路1107aを流下したものの第2始動口1140Aに入賞しなかった遊技球は、アウト口1178から機外に排出されるように構成されている。
第2始動口1140Bは、下方の流下経路1107bに振り分けられた遊技球が入賞可能に配置されているが、その詳細については普通電動役物ユニット1145の説明において後述する。
(普通電動役物ユニット)
普通電動役物ユニット1145は、下方の流下経路1107b側に配置されており、遊技球が入賞(通過)することによって所定数の遊技球が賞球として払い出される入賞口と、この入賞口への遊技球の入賞を検出するスイッチと、普通電動役物1146とを一体化したユニット体である。本実施例では、上記の入賞口を第2始動口1140Bとし、上記のスイッチを第2始動口スイッチ1141Bとしている。ただし、上記の入賞口を第2始動口1140Bとすることは必須ではなく、例えば第1始動口を上記の入賞口としてもよい。
普通電動役物1146は、前後方向に進退可能な突出板型の普電用シャッタ1147と、この普電用シャッタ1147を作動させる普電用ソレノイド1148(後述の図70参照)とを備える。普通電動役物1146すなわち普電用シャッタ1147は、第2始動口1140Bへの遊技球の入賞(通過)が可能または容易な開放状態と、第2始動口1140Bへの遊技球の入賞が不可能または困難な閉鎖状態と、に状態移行可能に構成される。なお、前後方向に進退可能な上記の普電用シャッタ1147に代えて、所謂電動チューリップと呼ばれる例えば羽根部材からなる可動部材を採用してもよい。また、可動部材は、羽根型、扉型、突出板型等を含む。
(小当りユニット)
小当りユニット1150は、小当り用大入賞口1151と、小当り用大入賞口1151への遊技球の入賞(通過)を検出する小当り用大入賞口カウントスイッチ1152(後述の図70参照)と、前後方向に進退可能な小当り用シャッタ1153と、この小当り用シャッタ1153を作動させることが可能な小当り用ソレノイド1154とを一体化したユニット体である。
小当り用シャッタ1153は、前後方向に進退させることで、小当り用大入賞口1151への遊技球の入賞(通過)が可能または容易な開放状態と、小当り用大入賞口1151への遊技球の入賞が不可能または困難な閉鎖状態と、に状態移行可能に構成される。
小当り用大入賞口1151が開放されたときに遊技球が入賞すると、入賞した遊技球が小当り用大入賞口カウントスイッチ1152(後述の図70参照)に検出される。小当り用大入賞口カウントスイッチ1152に遊技球が検出されると、例えば10個の賞球が払い出される。ただし、小当り用大入賞口1151への遊技球の入賞に基づいて払い出される賞球数は10個に限られない。
また、小当りユニット1150は、下方の流下経路1107bであって普通電動役物ユニット1145の下流側に配置されている。したがって、普通電動役物1146の作動によって第2始動口1140Bが開放されている場合、たとえ小当り用大入賞口1151が開放されていたとしても、下方の流下経路1107bを流下した遊技球は小当り用大入賞口1151に到達する前に、上流側に設けられる第2始動口1140Bに入賞するため、小当り用大入賞口1151に入賞することが困難(または不可能)となる。
なお、本実施例では、大当り用大入賞口1131と小当り用大入賞口1151とをそれぞれ別に設けているが、これに限られず、大当り遊技制御処理の実行時に開放される大入賞口と、小当り遊技制御処理の実行時に開放される大入賞口とを、同じ大入賞口としてもよい。
(アウト口)
アウト口1178は、遊技領域1105に向けて発射されたものの各種入賞口(例えば、第1始動口1120、第2始動口1140A,1140B、大当り用大入賞口1131、一般入賞口1122等)のいずれにも入賞しなかった遊技球を、機外に排出するためのものである。このアウト口1178は、左打ちされた遊技球および右打ちされた遊技球のいずれについても機外に排出できるように、遊技領域1105の最下流側に設けられている。ただし、上記のアウト口1178に加えて、最下流側でない位置、例えば複数の一般入賞口1122の間や普通電動役物ユニット1145と小当りユニット1150との間等にアウト口を設けて、遊技領域1105を流下中の遊技球を機外に排出するようにしてもよい。
(裏ユニット)
裏ユニット(不図示)は、装飾体を有するものであって、上述したように、透過性のある遊技パネル1100の後方側に設けられる。この裏ユニットは、サブ制御回路1300(後述の図70参照)によって制御される可動役物等の演出用役物群1058を備える。演出用役物群1058は、例えば表示装置1007の表示領域の周囲に配置される。これらの演出用役物群1058のうち少なくとも一以上の役物または役物を構成する演出用役物構成部材は、特別図柄の当り判定処理の結果にもとづいて動作可能な演出用役物として機能する。
[2-2.電気的構成]
次に、図70を参照して、第2のパチンコ遊技機の制御回路について説明する。図70は、第2のパチンコ遊技機の制御回路を示すブロック図の一例である。なお、第2のパチンコ遊技機の制御回路は、第1のパチンコ遊技機の制御回路と共通するものもあるが、改めて一通り説明する。
図70に示されるように、第2のパチンコ遊技機は、主に、遊技の制御を行う主制御回路1200と、遊技の進行に応じた演出の制御を行うサブ制御回路1300と、払出・発射制御回路1400と、電源供給回路1450と、から構成される。
[2-2-1.主制御回路]
主制御回路1200は、例えば電源投入時に実行される処理や遊技動作にかかわる処理等を制御するものであって、メインCPU1201、メインROM1202(読み出し専用メモリ)、メインRAM1203(読み書き可能メモリ)、初期リセット回路1204およびバックアップコンデンサ1207等を備えており、主基板ケース(不図示)内に収容されている。
メインCPU1201には、メインROM1202、メインRAM1203および初期リセット回路1204等が接続される。メインCPU1201は、動作を監視するWDT(watchdog timer)や不正を防止するための機能等が内蔵されている。
メインROM1202には、メインCPU1201により第2のパチンコ遊技機の動作を制御するためのプログラムや、各種のテーブル等が記憶されている。メインCPU1201は、メインROM1202に記憶されたプログラムに従って、各種の処理を実行する機能を有する。
メインRAM1203には、遊技の進行に必要な各種データを記憶する記憶領域が設けられている。このメインRAM1203は、メインCPU1201の一時記憶領域として、種々のフラグや変数の値を記憶する機能を有する。なお、本実施例においては、メインCPU1201の一時記憶領域としてRAMを用いているが、これに限らず、読み書き可能な記憶媒体であればよい。
初期リセット回路1204は、メインCPU1201を監視し、必要に応じてリセット信号を出力するものである。
バックアップコンデンサ1207は、電断時等に、メインRAM1203に格納されているデータが消失しないように一時的に電力を供給する機能を有するものである。
さらに、主制御回路1200は、各種デバイス等との間で通信可能に接続されるI/Oポート1205、および、サブ制御回路1300に対して各種コマンドを出力可能に接続されるコマンド出力ポート1206等も備える。
また、主制御回路1200には、各種のデバイスが接続されている。例えば、主制御回路1200には、普通図柄表示部1161、普通図柄用保留表示部1162、第1特別図柄表示部1163、第2特別図柄表示部1164、第1特別図柄用保留表示部1165、第2特別図柄用保留表示部1166、確変報知用表示部1167、時短報知用表示部1168、普電用ソレノイド1148、特電用ソレノイド1135、および、小当り用ソレノイド1154等が接続されている。また、主制御回路1200には、これらの他、性能表示モニタ1170およびエラー報知モニタ1172等も接続されている。主制御回路1200は、I/Oポート1205を介して信号を送信することにより、これらのデバイスの動作を制御することができる。
性能表示モニタ1170には、メインCPU1201の制御により性能表示データや後述する設定値等が表示される。性能表示データは、例えば、所定数(例えば60000個)の遊技球の発射に対して大当り遊技状態以外の遊技状態で払い出された遊技球の割合を示すデータであり、ベース値とも呼ばれる。
エラー報知モニタ1172には、エラーコードが表示される。また、エラー報知モニタ1172には、エラーコードの他に、例えば後述する設定機能付きのパチンコ遊技機であれば、設定変更処理中であることを示す設定変更中コード、設定確認処理中であることを示す設定確認中コード等を表示することもできる。なお、設定変更中コードとしては、特別図柄の表示として通常では表示することのない図柄(例えば、設定変更中であることを示す設定変更図柄)を表示するようにしてもよい。
また、主制御回路1200には、第1始動口スイッチ1121、第2始動口スイッチ1141A,1141B、通過ゲートスイッチ1127、大当り用大入賞口カウントスイッチ1132、一般入賞口スイッチ1123および小当り用大入賞口カウントスイッチ1152等も接続されている。これらのスイッチが検出されると、検出信号がI/Oポート1205を介して主制御回路1200に出力される。
さらに、主制御回路1200には、ホール係員を呼び出す機能や大当り回数を表示する機能等を有する呼出装置(不図示)、ホール全体のパチンコ遊技機を管理するホールコンピュータ1186にデータ送信する際に用いる外部端子板1184、後述する設定機能付きのパチンコ遊技機であれば設定値を変更したり確認したりする際に操作される設定キー1174、メインRAM1203に格納されるバックアップデータを遊技場の管理者の操作に応じてクリアすることが可能なバックアップクリアスイッチ1176等が接続されている。本実施例において、バックアップクリアスイッチ1176は、後述する設定値を変更する際のスイッチも兼用しているが、これに限られず、設定値を変更するための設定スイッチを設けるようにしてもよい。
また、設定キー1174およびバックアップクリアスイッチ1176は、遊技場の管理者以外の第三者(例えば遊技者)が容易に触ることができないように、所定のケース内に収容されていることが好ましい。「所定のケース内」には、当該ケースを開放しないと設定キー1174やバックアップクリアスイッチ1176に接触できない構成のものだけでなく、当該ケースの設定キー1174およびバックアップクリアスイッチ1176の対応箇所にのみ切欠きが設けられ、遊技場の管理者が管理する鍵を使用して島設備からパチンコ遊技機を回動させて背面を露出させたときに、遊技場の管理者が設定キー1174または/およびバックアップクリアスイッチ1176に接触できるように構成されているものも含まれる。
なお、本実施例では、設定キー1174およびバックアップクリアスイッチ1176は、主制御回路1200に接続されているが、これに限られず、例えば、払出・発射制御回路1400や電源供給回路1450に接続されるような構成にしてもよい。この場合にもまた、遊技場の管理者以外の第三者が設定キー1174やバックアップクリアスイッチ1176に容易に接触できないようにすることが好ましい。
[2-2-2.サブ制御回路]
サブ制御回路1300は、サブCPU1301、プログラムROM1302、ワークRAM1303、表示制御回路1304、音声制御回路1305、LED制御回路1306、役物制御回路1307およびコマンド入力ポート1308等を備える。サブ制御回路1300は、主制御回路1200からの指令に応じて遊技の進行に応じた演出を実行する。なお、図70には示されていないが、サブ制御回路1300には、遊技者が操作可能な演出ボタン54(図1参照)等も接続されている。
プログラムROM1302には、サブCPU1301により第2のパチンコ遊技機の遊技演出を制御するためのプログラムや、各種のテーブル等が記憶されている。サブCPU1301は、プログラムROM1302に記憶されたプログラムに従って、各種の処理を実行する機能を有する。特に、サブCPU1301は、主制御回路1200から送信される各種のコマンドに従って、遊技演出にかかる制御を行う。
ワークRAM1303は、サブCPU1301の一時記憶領域として種々のフラグや変数の値を記憶する機能を有する。
表示制御回路1304は、表示装置1007における表示制御を行うための回路である。表示制御回路1304は、VDPや、各種の画像データを生成するためのデータが記憶されている画像データROM、画像データを一時的に格納するフレームバッファ、画像データを画像信号として変換するD/Aコンバータ等を備える。
表示制御回路1304は、サブCPU1301からの画像表示命令に応じて、表示装置1007に表示させるための画像データを一時的にフレームバッファに格納する。なお、表示装置1007に表示させるための画像データには、装飾図柄を示す装飾図柄画像データ、背景画像データ、演出用画像データ等の遊技に関する各種の画像データが含まれる。
そして、表示制御回路1304は、所定のタイミングで、フレームバッファに格納された画像データをD/Aコンバータに供給する。D/Aコンバータは、画像データを画像信号として変換し、当該変換した画像信号を所定のタイミングで表示装置1007に供給する。表示装置1007に画像信号が供給されると、表示装置1007に当該画像信号に関する画像が表示される。こうして、表示制御回路1304は、表示装置1007に遊技に関する画像を表示させる制御を行うことができる。
音声制御回路1305は、スピーカ1032から発生させる音声に関する制御を行うための回路である。音声制御回路1305は、音声に関する制御を行う音源ICや、各種の音声データを記憶する音声データROM、音声信号を増幅するための増幅器(以下、AMPと称する)等を備える。
音源ICは、スピーカ1032から出力される音声の制御を行う。音源ICは、サブCPU1301からの音声発生命令に応じて、音声データROMに記憶されている複数の音声データから一つの音声データを選択する。また、音源ICは、選択された音声データを音声データROMから読み出し、音声データを所定の音声信号に変換し、当該変換した音声信号をAMPに供給する。AMPは、スピーカ1032から出力される音声や効果音等の信号を増幅させるものである。
LED制御回路1306は、装飾LED等を含むLED群1046の制御を行うための回路である。LED制御回路1306は、LED制御信号を供給するためのドライブ回路や、複数種類のLED装飾パターンが記憶されている装飾データROM等を備える。
役物制御回路1307は、各役物(例えば、演出用役物群1058のうちの一または複数の役物)の動作を制御するための回路である。役物制御回路1307は、各役物に対して、駆動信号を供給するための駆動回路や、点灯制御信号を供給するための点灯回路、動作パターンや点灯パターンが記憶されている役物データROM等を備える。
また、役物制御回路1307は、サブCPU1301からの役物作動命令に応じて、役物データROMに記憶されている複数の動作パターンから一つの動作パターンを選択する。そして、選択した動作パターンを役物データROMから読み出し、読み出した動作パターンに対応する駆動信号を供給することにより、各役物の機械的な動作を制御する。また、点灯回路は、サブCPU1301からの点灯命令に基づいて、役物データROMに記憶されている複数の点灯パターンから一つの点灯パターンを選択する。そして、選択した点灯パターンを役物データROMから読み出し、読み出した点灯パターンに対応する点灯制御信号を供給することにより、各役物の点灯動作を制御する。
コマンド入力ポート1308は、コマンド出力ポート1206と接続されており、主制御回路1200から送信された各種コマンドを受信するものである。
払出・発射制御回路1400は、賞球や貸球の払い出しを制御するものであり、この払出・発射制御回路1400には、遊技球を払い出すことが可能な払出装置1082、遊技球を発射させることが可能な発射装置1006、球貸しにかかる制御を実行可能なカードユニット1180等が接続されている。
払出・発射制御回路1400は、主制御回路1200から送信される賞球制御コマンドを受信すると、払出装置1082に対して所定の信号を送信し、払出装置1082に遊技球を払い出させる制御を行う。
カードユニット1180には、球貸し操作パネル1182が接続されている。球貸し操作パネル1182には、球貸しを受けるための球貸しボタンや、キャッシュデータが記憶されている球貸しカードの返却を受けるための貸出返却ボタン(いずれも不図示)が設けられている。例えば遊技者によって球貸し操作が行われると、球貸し操作に応じた貸し球制御信号がカードユニット1180に送信される。払出・発射制御回路1400は、カードユニット1180から送信された貸し球制御信号に基づいて、払出装置1082に遊技球を払い出させる制御を行う。なお、操作パネル1182は、パチンコ遊技機側に設けられることが多いが、カードユニット1180側に設けられてもよい。
また、払出・発射制御回路1400は、発射ハンドル62(図1、図2参照)が時計回りの方向へ回動操作されたことに基づいて、その回動角度(回動量)に応じて発射ソレノイド(図示せず)に電力を供給し、遊技球を発射させる制御を行う。
電源供給回路1450は、遊技に際して必要な電源電圧を、主制御回路1200、サブ制御回路1300、払出・発射制御回路1400等に供給するために作成する電源回路である。
電源供給回路1450には、電源スイッチ1095等が接続されている。電源スイッチ1095は、パチンコ遊技機(より詳しくは、主制御回路1200、サブ制御回路1300、払出・発射制御回路1400等)に必要な電源を供給するときにオン操作するものである。
[2-3.基本仕様]
次に、図71~図75を参照して、第2のパチンコ遊技機の基本仕様について説明する。第2のパチンコ遊技機は設定機能付きのパチンコ遊技機であってもよいが、以下では、設定機能にかかわる記載は省略する。
第2のパチンコ遊技機では、確変制御および時短制御のいずれも実行されない通常遊技状態、確変制御および時短制御の両方が実行される高確時短遊技状態、確変制御は実行されるものの時短制御が実行されない高確非時短遊技状態、並びに、確変制御は実行されないものの時短制御が実行される低確時短遊技状態が用意されており、メインCPU1201は、これらの遊技状態のうちいずれかの遊技状態において遊技を進行させることが可能となっている。ただし、メインCPU1201の制御によって進行される遊技状態はこれに限られず、通常遊技状態、高確時短遊技状態、高確非時短遊技状態および低確時短遊技状態のうちいずれかの遊技状態については進行されないようにしてもよい。例えば、通常遊技状態、高確時短遊技状態および低確時短遊技状態のうちいずれかの遊技状態において遊技が進行するようにし、高確非時短遊技状態において遊技が進行しないようにする等してもよい。
本実施例において、通常遊技状態では左打ちが正規な遊技態様とされ、高確時短遊技状態、高確非時短遊技状態および低確時短遊技状態では右打ちが正規な遊技態様とされる。サブCPU1301は、正規な遊技態様(例えば、右打ちすべきか左打ちすべきか)を、例えば表示装置1007の表示領域に表示する制御を実行する。
[2-3-1.特別図柄の当り判定テーブル]
図71は、第2のパチンコ遊技機が備える主制御回路1200のメインROM1202に記憶されている特別図柄の当り判定テーブルの一例である。
特別図柄の当り判定テーブルは、特別図柄の当り判定処理(後述の図78のS1034参照)において参照されるテーブル、すなわち、第1始動口1120または第2始動口1140A,1140Bに遊技球が入賞した際に抽出される大当り判定用乱数値に基づいて「時短当り」、「小当り」、「大当り」または「ハズレ」を抽選により決定する際に参照されるテーブルである。なお、本実施例では、第1特別図柄の当り判定処理における抽選対象は「時短当り」、「大当り」、および「ハズレ」であり、「小当り」は抽選対象に含まれていない。これに対し、第2特別図柄の当り判定処理における抽選対象は「時短当り」、「小当り」、「大当り」、および「ハズレ」である。ただし、第1特別図柄の当り判定処理における抽選対象に「小当り」を含めるようにしてもよい。
大当り判定用乱数値は、上述したとおり、特別図柄の当り判定処理に用いられる乱数値である。本実施例において、大当り判定用乱数値は、0~65535(65536種類)の中から抽出される。ただし、発生する乱数値の範囲は上記に限られない。
本実施例では、メインCPU1201は、第1特別図柄の当り判定処理において、抽出された大当り判定用乱数値に基づいて「時短当り」、「大当り」、または「ハズレ」に決定する。第1特別図柄の当り判定テーブルには、確変フラグの値(0または1)毎に、「時短当り」に決定される大当り判定用乱数値の範囲(幅)とこれに対応する時短当り判定値データとの関係、「大当り」に決定される大当り判定用乱数値の範囲(幅)とこれに対応する大当り判定値データとの関係、および「ハズレ」に決定される大当り判定用乱数値の範囲(幅)とこれに対応するハズレ判定値データとの関係が規定されている。
また、メインCPU1201は、第2特別図柄の当り判定処理において、抽出された大当り判定用乱数値に基づいて「時短当り」、「小当り」、「大当り」、または「ハズレ」に決定する。第2特別図柄の当り判定テーブルには、確変フラグの値(0または1)毎に、「時短当り」に決定される大当り判定用乱数値の範囲(幅)とこれに対応する時短当り判定値データとの関係、「小当り」に決定される大当り判定用乱数値の範囲(幅)とこれに対応する小当り判定値データとの関係、「大当り」に決定される大当り判定用乱数値の範囲(幅)とこれに対応する大当り判定値データとの関係、および「ハズレ」に決定される大当り判定用乱数値の範囲(幅)とこれに対応するハズレ判定値データとの関係が規定される。
本実施例では、例えば、第1特別図柄の当り判定処理時に確変フラグがオフであって、抽出された大当り判定用乱数値が0~408のいずれかである場合、メインCPU1201は、「時短当り」と判定し、当落判定値データを「時短当り判定値データ」に決定する。また、第1特別図柄の当り判定処理時に確変フラグがオフであって、抽出された大当り判定用乱数値が409~613のいずれかである場合、メインCPU1201は、「大当り」と判定し、当落判定値データを「大当り判定値データ」に決定する。また、抽出された大当り判定用乱数値が614~65535のいずれかである場合、メインCPU1201は、「ハズレ」と判定し、判定値データを「ハズレ判定値データ」に決定する。
また、例えば、第1特別図柄の当り判定処理時に確変フラグがオンであって、抽出された大当り判定用乱数値が0~408のいずれかである場合、メインCPU1201は、「時短当り」と判定し、判定値データを「時短当り判定値データ」に決定する。また、第1特別図柄の当り判定処理時に確変フラグがオンであって、抽出された大当り判定用乱数値が409~1259のいずれかである場合、メインCPU1201は、「大当り」と判定し、判定値データを「大当り判定値データ」に決定する。また、抽出された大当り判定用乱数値が1260~65535のいずれかである場合、メインCPU1201は、「ハズレ」と判定し、判定値データを「ハズレ判定値データ」に決定する。
同様に、例えば、第2特別図柄の当り判定処理時に確変フラグがオフであって、抽出された大当り判定用乱数値が0~272のいずれかである場合、メインCPU1201は、「時短当り」と判定し、判定値データを「時短当り判定値データ」に決定する。また、第2特別図柄の当り判定処理時に確変フラグがオフであって、抽出された大当り判定用乱数値が273~22117のいずれかである場合、メインCPU1201は、「小当り」と判定し、判定値データを「小当り判定値データ」に決定する。また、第2特別図柄の当り判定処理時に確変フラグがオフであって、抽出された大当り判定用乱数値が22118~22322のいずれかである場合、メインCPU1201は、「大当り」と判定し、判定値データを「大当り判定値データ」に決定する。さらに、第2特別図柄の当り判定処理時に確変フラグがオフであって、抽出された大当り判定用乱数値が22323~65535のいずれかである場合、メインCPU1201は、「ハズレ」と判定し、判定値データを「ハズレ判定値データ」に決定する。
また、例えば、第2特別図柄の当り判定処理時に確変フラグがオンであって、抽出された大当り判定用乱数値が0~272のいずれかである場合、メインCPU1201は、「時短当り」と判定し、判定値データを「時短当り判定値データ」に決定する。また、第2特別図柄の当り判定処理時に確変フラグがオンであって、抽出された大当り判定用乱数値が273~22117のいずれかである場合、メインCPU1201は、「小当り」と判定し、判定値データを「小当り判定値データ」に決定する。また、第2特別図柄の当り判定処理時に確変フラグがオンであって、抽出された大当り判定用乱数値が22118~22968のいずれかである場合、メインCPU1201は、「大当り」と判定し、判定値データを「大当り判定値データ」に決定する。さらに、第2特別図柄の当り判定処理時に確変フラグがオンであって、抽出された大当り判定用乱数値が22969~65535のいずれかである場合、メインCPU1201は、「ハズレ」と判定し、判定値データを「ハズレ判定値データ」に決定する。
このように、本実施例では、例えば0~65535の範囲で発生する大当り判定用乱数値のうち、0から所定幅(例えば、第2特別図柄の当り判定処理であれば0~22117)を、大当り判定値データおよびハズレ判定値データを除く他の判定値データ(例えば、時短当り判定値データおよび小当り判定値データ)に割り当てている。また、所定値から最後尾(例えば、第2特別図柄の当り判定処理時に確変フラグがオフの場合であれば22323~65535)をハズレ判定値データに割り当てている。さらに、大当り判定値データとハズレ判定値データとを隣接して割り当てている。このようにすることで、例えば確変フラグがOFFからON(またはONからOFF)になった場合に、大当り判定値データの幅を大きく(または小さく)した分だけハズレ判定値データの幅を小さく(または大きく)するだけで、他の判定値データ(例えば、時短当り判定値データおよび小当り判定値データ)の幅を変更することなく、大当り確率を変更することが可能となる。
また、本実施例では、第1特別図柄の当り判定処理が行われた場合の「時短当り」の当選確率と、第2特別図柄の当り判定処理が行われた場合の「時短当り」の当選確率とを異ならせることにより、遊技にバリエーションを持たせて興趣の低下を抑制できるようにしている。
とくに、図71に示されるように、第1特別図柄の当り判定処理が行われた場合の「時短当り」の当選確率を、第2特別図柄の当り判定処理が行われた場合の「時短当り」の当選確率よりも高くすることにより、単調な遊技となりがちな通常遊技状態における興趣の低下を抑制することが可能となる。
ただし、第2特別図柄の当り判定処理が行われた場合の「時短当り」の当選確率を、第1特別図柄の当り判定処理が行われた場合の「時短当り」の当選確率よりも高くしてもよい。この場合、例えば時短遊技状態において「時短当り」に当選した場合に時短遊技状態を重ねるようにすることで、時短遊技状態の終了間際に「時短当り」に当選すると、時短遊技状態が実質的に延長されることとなり、興趣の低下を抑制することが可能となる。
ところで、図71に示されるように、本実施例では、確変フラグがオンおよびオフのいずれの場合であっても、メインCPU1201は、当り判定処理の結果が「時短当り」であると決定しうる。ただし、メインCPU1201は、確変フラグがオフ(通常遊技状態、時短遊技状態)である場合、当り判定処理の結果が「時短当り」であれば時短遊技状態に制御するものの、確変フラグがオンである場合には、当り判定処理の結果がたとえ「時短当り」であったとしても、時短遊技状態に制御しないようにしている。
[2-3-2.特別図柄判定テーブル]
図72は、第2のパチンコ遊技機が備える主制御回路1200のメインROM1202に記憶されている特別図柄判定テーブルの一例である。
特別図柄判定テーブルは、第1始動口1120または第2始動口1140A、1140Bに遊技球が入賞した際に抽出される特別図柄の図柄乱数値と先述の当落判定値データとに基づいて、停止図柄を決定付ける「選択図柄コマンド」および「図柄指定コマンド」を選択する際(すなわち、後述の図78のS1035の特別図柄決定処理を実行する際)に参照されるテーブルである。「選択図柄コマンド」は、特別図柄の当り判定処理の結果に応じて定められる図柄を指定するためのコマンドであり、「図柄指定コマンド」は、特別図柄の可変表示の停止時に表示される図柄を指定するためのコマンドである。特別図柄の図柄乱数値は、例えば0~99(100種類)の中から抽出される。
図72に示される特別図柄判定テーブルによれば、第1特別図柄の当り判定処理の結果として時短当り判定値データが得られた場合、メインCPU1201は、例えば、選択図柄コマンドおよび図柄指定コマンドを以下のように選択する。すなわち、第1特別図柄の図柄乱数値が例えば0~69である場合、メインCPU1201は、選択図柄コマンドとして「z0」を選択し、図柄指定コマンドとして「zA1」を選択する。また、第1特別図柄の図柄乱数値が例えば70~96のいずれかである場合、メインCPU1201は、選択図柄コマンドとして「z1」を選択し、図柄指定コマンドとして「zA1」を選択する。また、第1特別図柄の図柄乱数値が例えば97~99のいずれかである場合、メインCPU1201は、選択図柄コマンドとして「z2」を選択し、図柄指定コマンドとして「zA2」を選択する。
また、第1特別図柄の当り判定処理の結果として大当り判定値データが得られた場合、メインCPU1201は、例えば、選択図柄コマンドおよび図柄指定コマンドを以下のように選択する。すなわち、第1特別図柄の図柄乱数値が0または1である場合、メインCPU1201は、選択図柄コマンドとして「z3」を選択し、図柄指定コマンドとして「zA3」を選択する。また、第1特別図柄の図柄乱数値が2~9のいずれかである場合、メインCPU1201は、選択図柄コマンドとして「z4」を選択し、図柄指定コマンドとして「zA3」を選択する。また、第1特別図柄の図柄乱数値が10~59のいずれかである場合、メインCPU1201は、選択図柄コマンドとして「z5」を選択し、図柄指定コマンドとして「zA4」を選択する。さらに、第1特別図柄の図柄乱数値が60~99のいずれかである場合、メインCPU1201は、選択図柄コマンドとして「z6」を選択し、図柄指定コマンドとして「zA4」を選択する。
また、第1特別図柄の当り判定処理の結果としてハズレ判定値データが得られた場合、例えば、第1特別図柄の図柄乱数値が0~99のいずれであっても、メインCPU1201は、選択図柄コマンドとして「z7」を選択し、図柄指定コマンドとして「zA5」を選択する。
また、第2特別図柄の当り判定処理の結果として時短当り判定値データが得られた場合、例えば、選択図柄コマンドおよび図柄指定コマンドは以下のように選択される。すなわち、第2特別図柄の図柄乱数値が例えば0~96である場合、メインCPU1201は、選択図柄コマンドとして「z8」を選択し、図柄指定コマンドとして「zA6」を選択する。また、第2特別図柄の図柄乱数値が例えば97~99のいずれかである場合、メインCPU1201は、選択図柄コマンドとして「z9」を選択し、図柄指定コマンドとして「zA7」を選択する。
また、第2特別図柄の当り判定処理の結果として小当り判定値データが得られた場合、例えば、特別図柄の図柄乱数値が0~99のいずれであっても、メインCPU1201は、選択図柄コマンドとして「z10」を選択し、図柄指定コマンドとして「zA8」を選択する。
なお、第2特別図柄の当り判定処理の結果として小当り判定値データが得られると、メインCPU1201は、小当り遊技制御処理を実行する。小当り遊技制御処理では、例えば小当り用シャッタ1153(図69参照)を作動させて、小当り用大入賞口1151(図69参照)への遊技球の入賞(通過)が可能または容易な開放状態となる制御を実行し、賞球が払い出され得る。
また、第2特別図柄の当り判定処理の結果として大当り判定値データが得られた場合、例えば、選択図柄コマンドおよび図柄指定コマンドは以下のように選択される。すなわち、第2特別図柄の図柄乱数値が0~29のいずれかである場合、メインCPU1201は、選択図柄コマンドとして「z11」を選択し、図柄指定コマンドとして「zA9」を選択する。また、第2特別図柄の図柄乱数値が30~59のいずれかである場合、メインCPU1201は、選択図柄コマンドとして「z12」を選択し、図柄指定コマンドとして「zA10」を選択する。さらに、第2特別図柄の図柄乱数値が60~99のいずれかである場合、メインCPU1201は、選択図柄コマンドとして「z13」を選択し、図柄指定コマンドとして「zA10」を選択する。
また、第2特別図柄の当り判定処理の結果としてハズレ判定値データが得られた場合、例えば、選択図柄コマンドおよび図柄指定コマンドは以下のように選択される。すなわち、第2特別図柄の図柄乱数値が0~99のいずれであっても、メインCPU1201は、選択図柄コマンドとして「z14」を選択し、図柄指定コマンドとして「zA11」を選択する。
なお、本実施例では、特別図柄の当り判定テーブル(図71参照)を参照して、抽出された大当り判定用乱数値に基づいて当落判定値データを決定し、その後、特別図柄判定テーブル(図72参照)を参照して、特別図柄の図柄乱数値に基づいて選択図柄コマンドおよび図柄指定コマンドを決定するようにしているが、これに限られない。例えば、抽出された大当り判定用乱数値と特別図柄の図柄乱数値とに基づいて、特別図柄の当落、選択図柄コマンドおよび図柄指定コマンドをあわせて決定するようにしてもよい。
なお、第2のパチンコ遊技機では説明を省略するが、主制御回路1200のメインROM1202には、第1のパチンコ遊技機において説明した特別図柄停止態様決定テーブル(図12(A)参照)に相当する特別図柄停止態様決定テーブルが記憶されている。特別図柄停止態様決定テーブルは、特別図柄の可変表示が停止したときに第1特別図柄表示部1163または第2特別図柄表示部1164(図70参照)に導出される特別図柄の停止態様を、選択図柄コマンドに応じて決定する際に参照されるテーブルである。また、特別図柄表示部1163,1164には、特別図柄の当り判定処理の結果に基づいて、時短当りの表示態様、大当りの表示態様、小当りの表示態様またはハズレの表示態様が導出される。また、第1のパチンコ遊技機において説明した装飾図柄停止態様決定テーブル(図12(B)参照)に相当する装飾図柄停止態様決定テーブルについても、サブ制御回路1300のプログラムROM1302に記憶されている。
[2-3-3.当り種類決定テーブル]
図73は、第2のパチンコ遊技機が備える主制御回路1200のメインROM1202に記憶されている当り種類決定テーブルの一例である。当り種類決定テーブルは、特別図柄の図柄乱数値に対応して決定される選択図柄コマンドに応じて、当り遊技状態の態様または/およびその後の遊技状態の態様、を決定する際(すなわち、後述の図78のS1036の当り種類決定処理を実行する際)に参照される。図73に示される当り遊技状態の態様は、大当り遊技状態の態様または小当り遊技状態の態様を示す。また、その後の遊技状態の態様は、当り遊技状態終了後の遊技状態の態様を示す。ただし、特別図柄の当り判定処理の結果が時短当りである場合は、当り遊技状態に制御されることなくC時短遊技状態に制御されるため、その後の遊技状態の態様は、C時短遊技状態の態様を示す。
本実施例では、特別図柄の当り判定処理の結果が「時短当り」である場合、C時短遊技状態の態様は、次のとおり決定される。例えば、選択図柄コマンドが「z0」の場合、メインCPU1201は、確変フラグと時短フラグとのうち時短フラグのみをオンにセットすることを決定し、時短回数を10回にセットすることを決定する。選択図柄コマンドが「z1」の場合および「z8」の場合、メインCPU1201は、確変フラグと時短フラグとのうち時短フラグのみをオンにセットすることを決定し、時短回数を50回にセットすることを決定する。選択図柄コマンドが「z2」の場合および「z9」の場合、メインCPU1201は、確変フラグと時短フラグとのうち時短フラグのみをオンにセットすることを決定し、時短回数を100回にセットすることを決定する。特別図柄の当り判定処理の結果が「時短当り」であった場合、メインCPU1201は、上述した時短当りの表示態様を第1特別図柄表示部1163または第2特別図柄表示部1164に導出した後、大当り遊技状態に制御することなく、時短フラグをオンにセットするとともに決定された時短回数をセットし、C時短遊技状態に制御可能となる。なお、特別図柄の当り判定処理の結果が「時短当り」である場合は当り遊技状態に制御されないため、当り遊技状態の態様は決定されない。本実施例では、特別図柄の当り判定処理の結果が「時短当り」である場合、この特別図柄の当り判定処理が行われたときの遊技状態にかかわらず、セットされる時短回数を同じとしている。ただし、これに限られず、特別図柄の当り判定処理が行われたときの遊技状態に応じて、セットされる時短回数を異ならせてもよい。
このように、本実施例では、特別図柄の当り判定処理の結果が「時短当り」である場合、特別図柄の図柄乱数値に基づいて決定される選択図柄コマンドに応じて、セットされる時短回数が異なるようにしている。このようにすることで、特別図柄の当り判定処理の結果が「時短当り」であった場合に、その後の遊技の進行状況にバリエーションを持たせることが可能となり、興趣の低下を抑制することが可能となる。
ところで、上述したとおり、メインCPU1201は、確変フラグがオンである場合には、当り判定処理の結果がたとえ「時短当り」であったとしても、時短遊技状態に制御しないようにしている。例えば、メインCPU1201は、確変フラグがオン(高確遊技状態)であったとしても、図72に示されるように「時短当り」の抽選を行い、当り判定処理の結果が「時短当り」である場合には、「時短当り」に当選したことを示す時短当りの表示態様を特別図柄表示部1163,1164に導出するものの、C時短遊技状態に制御しない。また、メインCPU1201は、確変フラグがオンであったとしても「時短当り」の抽選を行い、当り判定処理の結果が「時短当り」である場合には、強制的にハズレの表示態様を特別図柄表示部1163,1164に導出するようにしてもよい。さらには、確変フラグがオンである場合、大当り判定用乱数値に対して時短当り判定値データを割り当てない、すなわち「時短当り」を抽選結果に含まない当り判定処理が行われるようにしてもよい。
なお、本実施例では、確変フラグがオンである場合には、C時短遊技状態に移行しないように構成しているが、これに限られない。例えば、確変フラグがオンであったとしても時短フラグがオフであるような高確非時短遊技状態において、当り判定処理の結果が「時短当り」である場合には高確時短遊技状態に移行するようにしてもよい。
特別図柄の当り判定処理の結果が「小当り」である場合、当り遊技状態の態様およびその後の遊技状態の態様は、次のとおり決定される。例えば、選択図柄コマンドが「z10」の場合、メインCPU1201は、小当り遊技状態の態様として、小当り用大入賞口1151(図69参照)の開放回数を1回に決定する。特別図柄の当り判定処理の結果が「小当り」であった場合、メインCPU1201は、上述した小当りの表示態様を第2特別図柄表示部1164に導出した後、決定された小当り用大入賞口1151の開放回数をセットし、小当り遊技状態に制御可能となる。なお、特別図柄の当り判定処理の結果が「小当り」である場合、小当り遊技状態の終了後、メインCPU1201は、確変フラグおよび時短フラグをいずれも変更せず、小当り遊技状態に制御される直前の遊技状態に戻す。
特別図柄の当り判定処理の結果が「大当り」である場合、当り遊技状態の態様およびその後の遊技状態の態様は、次のとおり決定される。
例えば、選択図柄コマンドが「z3」の場合および「z11」の場合、メインCPU1201は、大当り遊技状態の態様として、ラウンド数を10ラウンドに決定し、その後の遊技状態の態様として、確変フラグと時短フラグとのうち確変フラグのみをオンにセットすることを決定し、確変回数を10000回にセットすることを決定する。この場合、メインCPU1201は、上述した大当りの表示態様を第1特別図柄表示部1163または第2特別図柄表示部1164に導出した後、大当り遊技状態の終了後、高確非時短遊技状態に制御可能となる。
また、選択図柄コマンドが「z4」の場合、「z5」の場合、および「z12」の場合、メインCPU1201は、大当り遊技状態の態様として、それぞれ、ラウンド数を10ラウンド、4ラウンド、および10ラウンドに決定する。また、その後の遊技状態の態様として、いずれの場合も、確変フラグと時短フラグとの両方をオンにセットすることを決定し、確変回数および時短回数をいずれも10000回にセットすることを決定する。これらの場合、メインCPU1201は、上述した大当りの表示態様を第1特別図柄表示部1163または第2特別図柄表示部1164に導出した後、大当り遊技状態に制御し、この大当り遊技状態の終了後、高確時短遊技状態に制御可能となる。
また、選択図柄コマンドが「z6」の場合、および「z13」の場合、メインCPU1201は、大当り遊技状態の態様として、それぞれ、ラウンド数を4ラウンド、および10に決定する。また、その後の遊技状態の態様として、いずれの場合も、確変フラグと時短フラグとのうち時短フラグのみをオンにセットすることを決定する。また、セットする時短回数は、選択図柄コマンドが「z6」の場合は例えば200回にセットすることを決定し、選択図柄コマンドが「z13」の場合は例えば300回にセットすることを決定する。これらの場合、メインCPU1201は、上述した大当りの表示態様を第1特別図柄表示部1163または第2特別図柄表示部1164に導出した後、大当り遊技状態に制御し、この大当り遊技状態の終了後、時短遊技状態に制御可能となる。ここで制御される時短遊技状態はA時短遊技状態である。なお、高確時短遊技状態における時短制御の態様(以下「時短性能」とも称する)は、A時短遊技状態における時短性能と同じとすることが好ましいが、A時短における時短性能と異ならせてもよい。
また、例えば、特別図柄の当り判定処理の結果が「ハズレ」である場合(例えば、選択図柄コマンドが「z7」の場合、および「z14」の場合)、メインCPU1201は、当り遊技状態の態様およびその後の遊技状態の態様のいずれもセットしない。すなわち、特別図柄の当り判定処理の結果がハズレの場合、メインCPU1201は、遊技状態を移行させずに、それまでの遊技状態に継続して制御する。
なお、特別図柄の当り判定処理の結果が「ハズレ」である場合(例えば、選択図柄コマンドが「z7」の場合、および「z14」の場合)、上述したように当り遊技状態の態様およびその後の遊技状態の態様のいずれもセットされないため、本来、図73の当り種類決定テーブルに図示する必要がない。ただし、本実施例では、特別図柄の当り判定処理の結果が「ハズレ」である場合、当り遊技状態の態様およびその後の遊技状態の態様のいずれも決定されないことを明示するために、便宜上、図73に図示したものである。
このように、本実施例において、メインCPU1201は、図71の特別図柄の当り判定テーブルを参照し、第1始動口1120または第2始動口1140A,1140Bに遊技球が入賞した際に抽出される大当り判定用乱数値に基づいて当落判定値データを決定し(当落判定を行い)、当落(「時短当り」、「小当り」、「大当り」または「ハズレ」)を決定する。その後、メインCPU1201は、図72の特別図柄判定テーブルを参照し、第1始動口1120または第2始動口1140A,1140Bに遊技球が入賞した際に抽出される特別図柄の図柄乱数値と上記の当落判定値データとに基づいて選択図柄コマンドを決定し、特別図柄表示部1163,1164に導出される表示態様の種類(例えば、時短当りの種類、大当りの種類)を決定するようにしている。なお、上記の当落判定および選択図柄コマンドの決定は、特別図柄の可変表示の開始時に行われるが、特別図柄の可変表示が開始されてから確定表示されるまでの間に行われることを排除する趣旨ではない。
また、図73に示されるように、本実施例では、大当り遊技状態の終了後に制御されるA時短遊技状態の時短回数は、例えば、200回(選択図柄コマンドが「z6」の場合)または300回(選択図柄コマンドが「z13」の場合)である。これに対し、特別図柄の当り判定処理の結果が「時短当り」である場合に制御されるC時短遊技状態の時短回数は、例えば、10回(選択図柄コマンドが「z0」の場合)、50回(選択図柄コマンドが「z1」の場合)または100回(選択図柄コマンドが「z2」の場合)である。すなわち、A時短遊技状態における時短回数の期待値が、C時短遊技状態における時短回数の期待値よりも高い。このように、A時短遊技状態をC時短遊技状態と比べて遊技者にとって有利度合いが高くなるようにすることで、「大当り」の位置づけを大きくすることができる。例えば、「大当り」に当選したにもかかわらず、「大当り」当選しなかった場合(「時短当り」に当選した場合)と比べて不利になることによって生じうる興趣の低下を抑制することが可能となる。
なお、A時短遊技状態における時短回数の期待値をC時短遊技状態における時短回数の期待値よりも高いことに代えて、C時短遊技状態における時短回数の期待値をA時短遊技状態における時短回数の期待値よりも高くするようにしてもよい。このように、C時短遊技状態をA時短遊技状態と比べて遊技者にとって有利度合いが高くなるようにすることで、「時短当り」の位置づけを大きくすることができる。例えば、長期間にわたって「大当り」に当選しないような状態が続いたとしても、「時短当り」に当選した場合には相対的に有利なC時短遊技状態に制御されるため、興趣の低下を抑制することが可能となる。
[2-3-4.特別図柄の変動パターンテーブル]
図74は、第2のパチンコ遊技機の低スタート用の特別図柄の変動パターンテーブルの一例である。また、図75は、第2のパチンコ遊技機の高スタート用の特別図柄の変動パターンテーブルの一例である。これらのテーブルは、いずれも、第2のパチンコ遊技機が備える主制御回路1200のメインROM1202に記憶されている。なお、図74および図75の「備考」の欄は、分かりやすいように便宜上示したものである。メインCPU1201は、第1始動口1120への遊技球の入賞に基づくときは第1特別図柄の変動パターンを決定し、第2始動口1140A,1140Bへの遊技球の入賞に基づくときは第2特別図柄の変動パターンを決定する。図74および図75の特別図柄の変動パターンテーブルは、後述の図78のS1037の特別図柄の変動パターン決定処理を実行する際に参照されるテーブルである。
左打ちが正規な遊技態様とされる通常遊技状態では、例えば図74に示される低スタート用の特別図柄の変動パターンテーブルを参照して特別図柄の変動パターンが決定される。
図74の低スタート用の特別図柄の変動パターンテーブルに示されるように、メインCPU1201は、第1始動口1120への遊技球の入賞に基づいて抽出した演出選択用乱数値が特定の乱数値である場合、先読みフラグを設定する。メインCPU1201から送信された特別図柄の変動パターンコマンドを受信したサブCPU1301は、先読みフラグが設定されている場合、先読み演出を行う。
なお、本実施例では、先読み演出を行うか否かをメインCPU1201が決定しているが、これに限られず、サブCPU1301が決定するようにしてもよい。
一方、右打ちが正規な遊技態様とされる遊技状態、すなわち、高確時短遊技状態、高確非時短遊技状態または低確時短遊技状態では、例えば図75に示される高スタート用の特別図柄の変動パターンテーブルを参照して特別図柄の変動パターンが決定される。
なお、本実施例では、メインCPU1201は、高スタート用の特別図柄の変動パターンテーブルを参照して特別図柄の変動パターンを決定する際には、先読みフラグを設定しないが、これに限られない。
図74および図75に示されるように、特別図柄の変動パターンは、特別図柄の種別、特別図柄の当り判定処理の結果(当落)、リーチ判定用乱数値、および、演出選択用乱数値に基づいて決定される。ただし、これに限られず、上記のいずれかに代えてまたは加えて他の値等に基づいて決定されるようにしてもよい。
なお、リーチ判定用乱数値は例えば0~249(250種類)の中から抽出され、演出選択用乱数値は例えば0~99(100種類)の中から抽出される。ただし、発生する乱数値の範囲は上記に限られない。
図75の高スタート用の特別図柄の変動パターンテーブルを参照して特別図柄の変動パターンを決定した場合、図74の低スタート用の特別図柄の変動パターンテーブルを参照して特別図柄の変動パターンを決定した場合と比べて、単位時間あたりの特別図柄の可変表示回数の期待値が大きい。とくに、低スタート用の特別図柄の変動パターンテーブルを参照して特別図柄の変動パターンを決定する場合、第2特別図柄は、例えば概ね600000msec(例えば、長変動A~C)と極めて長時間にわたって可変表示が行われる。一方、高スタート用の特別図柄の変動パターンテーブルを参照して特別図柄の変動パターンを決定する場合、第2特別図柄は、例えば1000msec(例えば、超速変動)と極めて短時間だけ可変表示が行われる。
メインCPU1201は、決定した変動パターン情報をサブCPU1301に送信する。サブCPU1301は、メインCPU1201から送信された変動パターン情報に基づいて、表示装置1007の表示領域に表示される表示演出や、スピーカ1032から出力される音演出を制御する。
なお、図74および図75には示されていないが、設定値毎に、例えば演出選択用乱数値の範囲を変えて、決定される特別図柄の変動パターン(可変表示時間)が異なるようにしてもよい。
また、本実施例では、例えば通常遊技状態では低スタート用の特別図柄の変動パターンテーブル(図74参照)を参照して特別図柄の変動パターンを決定し、例えば高確時短遊技状態、高確非時短遊技状態、および低確時短遊技状態では高スタート用の特別図柄の変動パターンテーブル(図75参照)を参照して特別図柄の変動パターンを決定するようにしたが、これに限られない。例えば、高スタート用の特別図柄の変動パターンテーブルとして、単位時間あたりの特別図柄の可変表示回数の期待値が異なる複数の変動パターンテーブルを設けて、例えば時短遊技状態の種類に応じて、特別図柄の変動パターンの決定に際して参照するテーブルを異ならせるようにしてもよい。
また、図74および図75の「備考」の欄に示される時短当り系リーチA,Bは、特別図柄の当り判定処理の結果が時短当りの可能性がある(大当りの可能性がない)ことを示すリーチ演出である。同様に、大当り系リーチA,Bは、特別図柄の当り判定処理の結果が大当りの可能性がある(時短当りの可能性がない)ことを示すリーチ演出である。さらに、共通リーチA,Bは、特別図柄の当り判定処理の結果が時短当りおよび大当りのいずれについても可能性があることを示すリーチ演出である。
また、第2のパチンコ遊技機では説明を省略するが、第1のパチンコ遊技機と同様に、主制御回路1200のメインROM1202には普通図柄の当り判定テーブル(図16参照)、普通図柄判定テーブル(図17参照)、普通図柄当り種類決定テーブル(図18参照)、普通図柄の変動パターンテーブル(図19参照)が記憶されている。そして、メインCPU1201は、普通電動役物1146(図69参照)の開放パターンを第1のパチンコ遊技機と同様に決定し、これに基づいて普通電動役物1146の作動態様を制御する。
[2-4.主制御処理]
第2のパチンコ遊技機において、主制御回路1200のメインCPU1201により実行される各種処理(各種モジュール)は、主制御メイン処理(図20~図23参照)中のS39で行われる特別図柄制御処理が異なるものの、その他の処理については同様である。そこで、以下では、特別図柄制御処理について説明し、メインCPU1201により実行されるその他の処理についての説明は省略する。なお、第2のパチンコ遊技機における特別図柄制御処理において行われる処理には、第1のパチンコ遊技機において行われる処理と同じ処理もあるが(例えば、大当り終了処理(図42、図86)等)、以下では、第1のパチンコ遊技機において行われる処理と同じ処理も含めて、ステップ番号を代えて、特別図柄制御処理について改めて説明する。
[2-4-1.特別図柄制御処理]
次に、図76を参照して、主制御メイン処理(図20~図23参照)中のS39で行われる特別図柄制御処理について説明する。図76は、第2のパチンコ遊技機における特別図柄制御処理の一例を示すフローチャートである。
図76に示されるように、メインCPU1201は、先ず、S1001において、第2特別図柄の制御状態番号をロードする。特別図柄の制御状態番号は、各特別図柄の可変表示(特別図柄ゲーム)に関する制御処理の状態(ステータス)を示す番号である。メインCPU1201は、S1001の処理を実行した後、処理をS1002に移す。
なお、図示しないが、メインCPU1201は、特別図柄制御処理を実行するにあたり、S1001の処理に先だって、メインRAM1203内の各特別図柄の作業領域等のアドレスを所定のレジスタにセットするアドレス設定処理を行う。
また、同じく図示しないが、メインCPU1201は、特別図柄制御処理を実行するにあたり、第1特別図柄の保留数および第2特別図柄の保留数をチェックする処理も行う。そして、メインCPU1201は、第1特別図柄の保留数が一定時間以上にわたって「0」である場合、第1特別図柄についてのデモ表示コマンドの送信予約処理を行い、第2特別図柄の保留数が一定時間以上にわたって「0」である場合、第2特別図柄についてのデモ表示コマンドの送信予約処理を行う。なお、この処理で送信予約されたデモ表示コマンドは、次回のシステムタイマ割込処理中の演出制御コマンド送信処理(図45のS322参照)において、サブ制御回路1300に送信される。そして、デモ表示コマンドをサブ制御回路1300が受信すると、かかるデモ表示コマンドが主特別図柄のデモ表示コマンドである場合、サブCPU1301はデモ表示演出を行う。
なお、第2のパチンコ遊技機は、第1特別図柄と第2特別図柄とが並行して可変表示可能であるものの、サブCPU1301は、第1特別図柄および第2特別図柄のうちいずれか一方の特別図柄を主特別図柄とするとともに他方を副特別図柄とし、主特別図柄についての演出制御を主として行う。本実施例では、左打ちが正規な遊技態様とされる通常遊技状態では第1特別図柄が主特別図柄とされ、右打ちが正規な遊技態様とされる遊技状態(例えば、高確時短遊技状態、高確非時短遊技状態、低確時短遊技状態)では第2特別図柄が主特別図柄とされる。そして、サブCPU1301は、主特別図柄についての装飾図柄の可変表示およびキャラクタ等の表示演出や、主特別図柄についての音声演出等を行う。例えば副特別図柄の当り判定処理の結果が例えば大当り等である場合には、例えば、主特別図柄の演出を行いつつ副特別図柄の演出も行うようにしてもよい。なお、右打ちが正規な遊技態様とされる遊技状態のうち、低確時短遊技状態では、主特別図柄である第2特別図柄の可変表示に対応する装飾図柄の可変表示に代えて他の演出画像(例えば、時短遊技状態が終了するまでの時短残回数をカウントダウン演出)が表示されるようにしてもよい。
S1002において、メインCPU1201は、S1001でロードした第2特別図柄の制御状態番号に基づいて、第2特別図柄が可変表示開始のタイミングであるか否かを判定する。
S1002において第2特別図柄が可変表示開始のタイミングでないと判定された場合(S1002がNO判定の場合)、すなわち第2特別図柄にかかわる何れかの処理が実行されている場合、メインCPU1201は、処理をS1003に移す。例えば、第2特別図柄の当り判定処理の結果に基づく大当り遊技制御処理の実行中は、S1002においてNO判定される。
一方、S1002において第2特別図柄が可変表示開始のタイミングであると判定された場合(S1002がYES判定の場合)、メインCPU1201は、処理をS1004に移す。
S1003において、メインCPU1201は、特別図柄管理処理を行う。この特別図柄管理処理の詳細については、図77を参照して後述する。メインCPU1201は、S1003の処理を実行した後、処理をS1004に移す。
S1004において、メインCPU1201は、第1特別図柄の制御状態番号をロードする。メインCPU1201は、S1004の処理を実行した後、処理をS1005に移す。
S1005において、メインCPU1201は、S1004でロードした第1特別図柄の制御状態番号に基づいて、第1特別図柄が可変表示開始のタイミングであるか否かを判定する。
S1005において第1特別図柄が可変表示開始のタイミングでないと判定された場合(S1005がNO判定の場合)、すなわち第1特別図柄にかかわる何れかの処理が実行されている場合、メインCPU1201は、処理をS1006に移す。例えば、第1特別図柄の当り判定処理の結果に基づく大当り遊技制御処理の実行中は、S1005においてNO判定される。
一方、S1005において第1特別図柄が可変表示開始のタイミングであると判定された場合(S1005がYES判定の場合)、メインCPU1201は、処理をS1007に移す。
S1006において、メインCPU1201は、特別図柄管理処理を行う。上述したとおり、特別図柄管理処理の詳細については、図77を参照して後述する。メインCPU1201は、S1006の処理を実行した後、処理をS1007に移す。
S1007において、メインCPU1201は、第2特別図柄の制御状態番号をロードする。メインCPU1201は、S1007の処理を実行した後、処理をS1008に移す。
S1008において、メインCPU1201は、S1007でロードした第2特別図柄の制御状態番号に基づいて、第2特別図柄が可変表示開始のタイミングであるか否かを判定する。
S1008において第2特別図柄が可変表示開始のタイミングでないと判定された場合(S1008がNO判定の場合)、メインCPU1201は、処理をS1010に移す。
一方、S1008において第2特別図柄が可変表示開始のタイミングであると判定された場合(S1008がYES判定の場合)、すなわち第2特別図柄にかかわる処理が何ら実行されておらず可変表示を開始可能である場合、メインCPU1201は、処理をS1009に移す。
S1009において、メインCPU1201は、特別図柄管理処理を行う。上述したとおり、特別図柄管理処理の詳細については、図77を参照して後述する。メインCPU1201は、S1009の処理を実行した後、処理をS1010に移す。
S1010において、メインCPU1201は、第1特別図柄の制御状態番号をロードする。メインCPU1201は、S1010の処理を実行した後、処理をS1011に移す。
S1011において、メインCPU1201は、S1010でロードした第1特別図柄の制御状態番号に基づいて、第1特別図柄が可変表示開始のタイミングであるか否かを判定する。
S1011において第1特別図柄が可変表示開始のタイミングでないと判定された場合(S1011がNO判定の場合)、メインCPU1201は、特別図柄制御処理を終了し、処理を主制御メイン処理(図20~図23参照)に戻す。
一方、S1011において第1特別図柄が可変表示開始のタイミングであると判定された場合(S1011がYES判定の場合)、すなわち第1特別図柄にかかわる処理が何ら実行されておらず可変表示を開始可能である場合、メインCPU1201は、処理をS1012に移す。
S1012において、メインCPU1201は、特別図柄管理処理を行う。上述したとおり、特別図柄管理処理の詳細については、図77を参照して後述する。メインCPU1201は、S1012の処理を実行した後、特別図柄制御処理を終了し、処理を主制御メイン処理(図20~図23参照)に戻す。
なお、メインCPU1201は、割込禁止区間を設定し、上述の特別図柄制御処理(S1001~S1012)を、割込禁止区間内で行うことが好ましい。
このように、本実施例では、第2特別図柄にかかわる何れかの処理が実行されている場合、第1特別図柄にかかわる何れかの処理が実行されている場合、第2特別図柄にかかわる処理が何ら実行されておらず可変表示を開始可能である場合、第1特別図柄にかかわる処理が何ら実行されておらず可変表示を開始可能である場合、の優先順位で、後述の特別図柄管理処理が実行されるようにしている。
[2-4-2.特別図柄管理処理]
次に、図77を参照して、特別図柄制御処理(図76参照)中のS1003、S1006、S1009、S1012でメインCPU1201により実行される特別図柄管理処理について説明する。図77は、第2のパチンコ遊技機における特別図柄管理処理の一例を示すフローチャートである。
なお、例えば、特別図柄管理処理が特別図柄制御処理中のS1003またはS1009で呼び出されて実行される場合には第2特別図柄が処理対象となり、特別図柄管理処理が特別図柄制御処理中のS1006またはS1012で呼び出されて実行される場合には第1特別図柄が処理対象となる。
また、図77に示す各処理の右方に括弧書きで記載した数値(「0」~「5」)は、処理対象となる特別図柄の制御状態番号である。メインCPU1201は、制御状態番号に対応する各処理を実行することにより、特別図柄ゲームを進行させる。
メインCPU1201は、先ず、特別図柄の待ち時間が0であるか否かを判定する(S1021)。
S1021において特別図柄の待ち時間が0でないと判定された場合(S1021がNO判定の場合)、メインCPU1201は、特別図柄管理処理を終了し、処理を特別図柄制御処理(図76参照)に戻す。
一方、S1021において特別図柄の待ち時間が0であると判定された場合(S1021がYES判定の場合)、メインCPU1201は、処理をS1022に移す。
S1022において、メインCPU1201は、特別図柄の制御状態番号をロードする。メインCPU1201は、S1022の処理を実行した後、処理をS1023に移す。なお、メインCPU1201は、S1022の処理で読み出された制御状態番号に基づいて、S1023以降の処理を行う。
S1023において、メインCPU1201は、特別図柄可変表示開始処理を行う。このS1023の処理は、特別図柄の制御状態番号が「0」である場合に行われる処理である。この特別図柄可変表示開始処理の詳細については、図78を参照して後述する。特別図柄の制御状態番号が「0」でない場合には、メインCPU1201は、処理をS1024に移す。
S1024において、メインCPU1201は、特別図柄可変表示終了処理を行う。このS1024の処理は、特別図柄の制御状態番号が「1」である場合に行われる処理である。この特別図柄可変表示終了処理の詳細については、図79および図80を参照して後述する。特別図柄の制御状態番号が「1」でない場合には、メインCPU1201は、処理をS1025に移す。
S1025において、メインCPU1201は、特別図柄遊技判定処理を行う。このS1025の処理は、特別図柄の制御状態番号が「2」である場合に行われる処理である。この特別図柄遊技判定処理の詳細については、図81および図82を参照して後述する。特別図柄の制御状態番号が「2」でない場合には、メインCPU1201は、処理をS1026に移す。
S1026において、メインCPU1201は、大入賞口開放準備処理を行う。このS1026の処理は、特別図柄の制御状態番号が「3」である場合に行われる処理である。この大入賞口開放準備処理の詳細については、図84を参照して後述する。特別図柄の制御状態番号が「3」でない場合には、メインCPU1201は、処理をS1027に移す。
S1027において、メインCPU1201は、大入賞口開放制御処理を行う。このS1027の処理は、特別図柄の制御状態番号が「4」である場合に行われる。この大入賞口開放制御処理の詳細については、図85を参照して後述する。特別図柄の制御状態番号が「4」でない場合には、メインCPU1201は、処理をS1028に移す。
S1028において、メインCPU1201は、大当り終了処理を行う。このS1028の処理は、特別図柄の制御状態番号が「5」である場合に行われる処理である。この大当り終了処理の詳細については、図86を参照して後述する。
メインCPU1201は、S1023~S1028の処理を終了後、処理を特別図柄制御処理(図76参照)に戻す。なお、メインCPU1201は、特別図柄管理処理が特別図柄制御処理中のS1003で呼び出されている場合には処理をS1004に戻し、S1006で呼び出されている場合には処理をS1007に戻し、S1009で呼び出されている場合には処理をS1010に戻し、S1012で呼び出されている場合には、特別図柄制御処理も終了する。
[2-4-3.特別図柄可変表示開始処理]
次に、図78を参照して、特別図柄管理処理(図77参照)中のS1023でメインCPU1201により実行される特別図柄可変表示開始処理について説明する。図78は、第2のパチンコ遊技機における特別図柄可変表示開始処理の一例を示すフローチャートである。
なお、特別図柄可変表示開始処理が第1特別図柄を処理対象とする特別図柄管理処理中のS1023で呼び出された場合、第1特別図柄が処理対象となる。同様に、特別図柄可変表示開始処理が第2特別図柄を処理対象とする特別図柄管理処理中のS1023で呼び出された場合、第2特別図柄が処理対象となる。
図78に示されるように、メインCPU1201は、先ず、特別図柄の制御状態番号が「0」であるか否かを判定する(S1031)。
S1031において特別図柄の制御状態番号が「0」でないと判定された場合(S1031がNO判定の場合)、メインCPU1201は、特別図柄可変表示開始処理を終了し、処理を特別図柄管理処理(図77参照)に戻す。
一方、S1031において特別図柄の制御状態番号が「0」であると判定された場合(S1031がYES判定の場合)、メインCPU1201は、処理をS1032に移す。
S1032において、メインCPU1201は、特別図柄休止フラグがオフであるか否かを判定する。特別図柄休止フラグは、次の処理に進まないように遊技の進行を止めるフラグである。したがって、このS1032では、たとえS1031がYES判定であったとしても(すなわち、特別図柄の始動条件が成立していたとしても)、特別図柄休止フラグがオフでない、すなわちオンである場合(S1032がNO判定である場合)、特別図柄可変表示開始処理が進行せずに終了する。
S1032において特別図柄休止フラグがオフでないすなわちオンであると判定された場合(S1032がNO判定の場合)、上述したとおり、特別図柄可変表示開始処理が進行せず、メインCPU1201は、特別図柄可変表示開始処理を終了する。その後、メインCPU1201は、処理を特別図柄管理処理(図77参照)に戻す。
一方、S1032において特別図柄休止フラグがオフであると判定された場合(S1032がYES判定の場合)、メインCPU1201は、処理をS1033に移す。
S1033において、メインCPU1201は、特別図柄の始動情報のシフト処理を行う。メインCPU1201は、S1033の処理を実行した後、処理をS1034に移す。
S1034において、メインCPU1201は、特別図柄の当り判定処理を行う。この処理では、特別図柄の当り判定テーブル(図71参照)を参照し、特別図柄の大当り判定用乱数値を用いて特別図柄の当り判定処理が行われる。本実施例では、第1特別図柄については、時短当り、大当り、およびハズレのうちいずれであるかが判定され、第2特別図柄については、時短当り、小当り、大当り、およびハズレのうちいずれであるかが判定される。また、メインCPU1201は、特別図柄の当り判定処理の結果が時短当りである場合は時短当りフラグをオンにセットし、特別図柄の当り判定処理の結果が小当りである場合は小当りフラグをオンにセットし、特別図柄の当り判定処理の結果が大当りである場合は大当りフラグをオンにセットする。メインCPU1201は、S1034の処理を実行した後、処理をS1035に移す。なお、時短当りフラグはC時短遊技状態への移行時にオフにし、小当りフラグは小当り遊技状態の開始時にオフにし、大当りフラグは大当り遊技状態の開始時にオフにされる。
上記の特別図柄の当り判定処理(S1034参照)では、まず、大当りであるか否かの判定処理を行い、この処理で大当りでないと判定された場合に小当りであるか否かの判定処理を行い、この処理で小当りでないと判定された場合に時短当りであるか否かの判定処理を行い、この処理で時短当りでないと判定された場合にハズレであると判定される。
S1035において、メインCPU1201は、特別図柄決定処理を行う。この処理は、特別図柄の当り判定処理(S1034)の結果(例えば、時短当り、小当り、大当り、またはハズレ)に対応する特別図柄の停止図柄を判定乃至決定する処理である。この処理では、特別図柄判定テーブル(図72参照)を参照し、特別図柄の図柄乱数値を用いて、上述の「選択図柄コマンド」や「図柄指定コマンド」が判定される。本実施例では、ハズレの種類が1種類であるため、特別図柄の当り判定処理がハズレの場合に停止図柄を決定する必要がないが、ハズレを複数種類設けて、特別図柄の当り判定処理の結果がハズレの場合に停止図柄を決定するようにしてもよい。メインCPU1201は、S1035の処理を実行した後、処理をS1036に移す。
S1036において、メインCPU1201は、当り種類決定処理を行う。この処理は、特別図柄の当り判定処理の結果が例えば当り(時短当り、小当り、または大当り)である場合に、かかる当りの種類を判定乃至決定する処理である。この処理では、当り種類決定テーブル(図73参照)を参照し、特別図柄決定処理(S1035)で判定された「選択図柄コマンド」に応じて当りの種類が決定される。なお、本実施例では、当りの種類を複数種類としているが、大当りの種類は1つであってもよいし、時短当りの種類も1つであってよい。さらには、当りの種類を複数種類とすることに代えてまたは加えて、他の当り(例えば、小当り)の種類を複数設けるようにしてもよいし、ハズレの種類を複数設けるようにしてもよい。メインCPU1201は、S1036の処理を実行した後、処理をS1037に移す。
S1037において、メインCPU1201は、特別図柄の変動パターン決定処理を行う。この処理は、特別図柄の変動パターンを判定乃至決定する処理である。この処理では、変動パターンテーブル(図74、図75参照)を参照し、例えば、特別図柄の種類、特別図柄の当り判定処理(S1034)の結果、リーチ判定用乱数値または/および演出選択用乱数値等に応じて、特別図柄の変動パターンが決定される。なお、本実施例では、左打ちが正規な遊技態様とされる通常遊技状態では、低スタート用の特別図柄の変動パターンテーブル(図74参照)を参照して特別図柄の変動パターンが決定され、右打ちが正規な遊技態様とされる遊技状態(例えば、高確時短遊技状態、高確非時短遊技状態、低確時短遊技状態)では、高スタート用の特別図柄の変動パターンテーブル(図75参照)を参照して特別図柄の変動パターンが決定される。メインCPU1201は、S1037の処理を実行した後、処理をS1038に移す。
S1038において、メインCPU1201は、特別図柄の可変表示時間設定処理を行う。この処理では、変動パターンテーブル(図74、図75参照)を参照し、特別図柄の変動パターン決定処理(S1037)で決定された変動パターンに対応する変動時間が、特別図柄の変動時間として決定される。メインCPU1201は、S1038の処理を実行した後、処理をS1039に移す。
S1039において、メインCPU1201は、特別図柄の制御状態番号に「1」をセットする処理を行う。このように、特別図柄の制御状態番号を「1」にセットする処理を行って制御状態番号を切り替えることにより、この特別図柄可変表示開始処理の終了後に、特別図柄可変表示終了処理(図77のS1024参照)が行われることとなる。メインCPU1201は、S1039の処理を実行した後、処理をS1040に移す。
S1040において、メインCPU1201は、遊技状態指定パラメータ設定処理を行う。この処理では、例えば、メインRAM1203内の所定領域に格納されている遊技状態にかかわるパラメータの更新処理等が行われる。メインCPU1201は、S1040の処理を実行した後、処理をS1041に移す。
S1041において、メインCPU1201は、遊技状態管理処理を行う。この処理では、主に、遊技状態の管理に関する各種フラグ(例えば、確変フラグや時短フラグ等)の更新処理を行う。メインCPU1201は、S1041の処理を実行した後、処理をS1042に移す。
S1042において、メインCPU1201は、特別図柄演出開始コマンドの送信予約処理を行う。なお、この処理で送信予約された特別図柄演出開始コマンドは、次回のシステムタイマ割込処理中の演出制御コマンド送信処理(図45のS322参照)において、サブ制御回路1300に送信される。
なお、メインCPU1201は、割込禁止区間を設定し、上述の特別図柄可変表示開始処理(とくに、遊技状態管理処理(S1041)および特別図柄演出開始コマンドの送信予約処理(S1042))を、割込禁止区間内で行うことが好ましい。
[2-4-4.特別図柄可変表示終了処理]
次に、図79および図80を参照して、特別図柄管理処理(図77参照)中のS1024でメインCPU1201により実行される特別図柄可変表示終了処理について説明する。図79および図80は、第2のパチンコ遊技機における特別図柄可変表示終了処理の一例を示すフローチャートである。
なお、特別図柄可変表示終了処理が第1特別図柄を処理対象とする特別図柄管理処理中のS1024で呼び出された場合、第1特別図柄が処理対象となる。同様に、特別図柄可変表示終了処理が第2特別図柄を処理対象とする特別図柄管理処理中のS1024で呼び出された場合、第2特別図柄が処理対象となる。また、以下に説明する特別図柄可変表示終了処理において、処理対象である方の特別図柄を単に「特別図柄」と称し、処理対象でない方の特別図柄を「他方の特別図柄」と称する。
メインCPU1201は、先ず、特別図柄の制御状態番号が「1」であるか否かを判定する(S1051)。
S1051において特別図柄の制御状態番号が「1」でないと判定された場合(S1051がNO判定の場合)、メインCPU1201は、特別図柄可変表示終了処理を終了し、処理を特別図柄管理処理(図77参照)に戻す。
一方、S1051において特別図柄の制御状態番号が「1」であると判定された場合(S1051がYES判定の場合)、メインCPU1201は、処理をS1052に移す。
S1052において、メインCPU1201は、特別図柄休止フラグ値をロードする。メインCPU1201は、S1052の処理を実行した後、処理をS1053に移す。
S1053において、メインCPU1201は、S1052でロードした特別図柄休止フラグ値に基づいて、特別図柄休止フラグがオフであるか否かを判定する。
S1053において特別図柄休止フラグがオフでないすなわちオンであると判定された場合(S1053がNO判定の場合)、メインCPU1201は、特別図柄可変表示終了処理を終了し、処理を特別図柄管理処理(図77参照)に戻す。
一方、S1053において特別図柄休止フラグがオフであると判定された場合(S1053がYES判定の場合)、メインCPU1201は処理をS1054に移す。
S1054において、メインCPU1201は、特別図柄の制御状態番号を「2」にセットする。このように、特別図柄の制御状態番号を「2」にセットする処理を行って制御状態番号を切り替えることにより、この特別図柄可変表示終了処理の終了後に、特別図柄遊技判定処理(図77のS1025参照)が行われることとなる。メインCPU1201は、S1054の処理を実行した後、処理をS1055に移す。
S1055において、メインCPU1201は、特別図柄演出停止コマンドの送信予約処理を行う。この処理では、特別図柄の可変表示を停止させる処理も行われる。なお、この処理で送信予約された特別図柄演出停止コマンドは、次回のシステムタイマ割込処理中の演出制御コマンド送信処理(図45のS322参照)において、サブ制御回路1300に送信される。メインCPU1201は、S1055の処理を実行した後、処理をS1056に移す。
S1056において、メインCPU1201は、図柄確定数カウンタの値を1加算する。図柄確定数カウンタは、特別図柄の確定回数(特別図柄ゲームの実行回数)を計数するためのカウンタであり、その計数値は、メインRAM1203内の所定領域に格納される。例えば、確変残回数や時短残回数等の特定状態下で行われた特別図柄ゲームのゲーム数を管理するカウンタを設けてもよいが、図柄確定数カウンタにより特定状態下での特別図柄ゲームのゲーム数を管理してもよい。メインCPU1201は、S1056の処理を実行した後、処理をS1057に移す。
S1057において、メインCPU1201は、特別図柄の当り判定処理(図78のS1034参照)の結果が小当りであるか否かを判定する。
S1057において、特別図柄の当り判定処理(図78のS1034参照)の結果が小当りでないと判定された場合(S1057がNO判定の場合)、メインCPU1201は、処理をS1059に移す。
一方、S1057において、特別図柄の当り判定処理(図78のS1034参照)の結果が小当りであると判定された場合(S1057がYES判定の場合)、メインCPU1201は、処理をS1058に移す。
S1058において、メインCPU1201は、他方の特別図柄に対して特別図柄休止フラグをセットする。この処理が行われることにより、小当り遊技制御処理の実行中に他方の特別図柄の可変表示を開始乃至停止しないようにすることができる。メインCPU1201は、S1058の処理を実行した後、処理をS1059に移す。
S1059において、メインCPU1201は、特別図柄の当り判定処理(図78のS1034参照)の結果が大当りであるか否かを判定する。
S1059において、特別図柄の当り判定処理(図78のS1034参照)の結果が大当りでないと判定された場合(S1059がNO判定の場合)、メインCPU1201は、特別図柄可変表示終了処理を終了し、処理を特別図柄管理処理(図77参照)に戻す。
一方、S1059において、特別図柄の当り判定処理(図78のS1034参照)の結果が大当りであると判定された場合(S1059がYES判定の場合)、メインCPU1201は、処理をS1060に移す。
S1060において、メインCPU1201は、他方の特別図柄に対して特別図柄休止フラグをセットする。この処理が行われることにより、大当り遊技制御処理の実行中に他方の特別図柄の可変表示を開始しないようにすることができる。メインCPU1201は、S1060の処理を実行した後、処理をS1061に移す。
S1061において、メインCPU1201は、他方の特別図柄が可変表示中であるか否かを判定する。
S1061において他方の特別図柄が可変表示中でないと判定された場合(S1061がNO判定の場合)、メインCPU1201は、特別図柄可変表示終了処理を終了し、処理を特別図柄管理処理(図77参照)に戻す。
一方、S1061において他方の特別図柄が可変表示中であると判定された場合(S1061がYES判定の場合)、メインCPU1201は、処理をS1062に移す。
S1062において、メインCPU1201は、図柄確定数カウンタの値を1加算する。メインCPU1201は、S1062の処理を実行した後、処理をS1063に移す。
S1063において、メインCPU1201は、可変表示停止フラグをセットする。この処理が行われると、試射試験信号が外部に出力されるようになる。この試射試験信号は、他方の特別図柄が強制的にハズレで停止されたことを示す信号である。メインCPU1201は、S1063の処理を実行した後、処理をS1064に移す。
S1064において、メインCPU1201は、他方の特別図柄の当りフラグを強制的にハズレに変えてセットする。この処理を行うことにより、処理対象の特別図柄の当り判定処理(図78のS1034参照)の結果が大当りである場合、他方の特別図柄が可変表示中であって、この他方の特別図柄の当り判定処理の結果が大当りであったとしても、他方の特別図柄が強制的にハズレで停止することとなる。メインCPU1201は、S1064の処理を実行した後、処理をS1065に移す。
S1065において、メインCPU1201は、他方の特別図柄の可変表示に関連する作業領域をクリアする処理を行う。メインCPU1201は、S1065の処理を実行した後、処理をS1066に移す。
S1066において、メインCPU1201は、他方の特別図柄のタイマに、所定の確定待ち時間をセットする処理を行う。この処理では、特別図柄が大当りを示す停止表示態様で停止したときに他方の特別図柄がハズレを示す停止表示態様で停止するように、確定待ち時間がセットされる。メインCPU1201は、S1066の処理を実行した後、処理をS1067に移す。
S1067において、メインCPU1201は、他方の特別図柄の制御状態番号に「2」をセットする。メインCPU1201は、S1067の処理を実行した後、処理をS1068に移す。
S1068において、メインCPU1201は、遊技状態指定パラメータ設定処理を行う。メインCPU1201は、S1068の処理を実行した後、処理をS1069に移す。
S1069において、メインCPU1201は、他方の特別図柄演出停止コマンドの送信予約処理を行う。なお、この処理で送信予約された他方の特別図柄演出停止コマンドは、次回のシステムタイマ割込処理中の演出制御コマンド送信処理(図45のS322参照)において、サブ制御回路1300に送信される。メインCPU1201は、S1069の処理を実行した後、特別図柄可変表示終了処理を終了し、処理を特別図柄管理処理(図77参照)に戻す。
このように、本実施例の特別図柄可変表示終了処理では、処理対象である特別図柄に対して特別図柄休止フラグがセットされておらず、この特別図柄の当り判定処理(図78のS1034参照)の結果が大当りであり、且つ、他方の特別図柄が可変表示中である場合には、他方の特別図柄の可変表示を強制的にハズレにする処理が行われる。
[2-4-5.特別図柄遊技判定処理]
次に、図81および図82を参照して、特別図柄管理処理(図77参照)中のS1025でメインCPU1201により実行される特別図柄遊技判定処理について説明する。図81および図82は、第2のパチンコ遊技機における特別図柄遊技判定処理の一例を示すフローチャートである。
なお、この特別図柄遊技判定処理が第1特別図柄を処理対象とする特別図柄管理処理中のS1025で呼び出された場合、第1特別図柄が処理対象となる。同様に、特別図柄遊技判定処理が第2特別図柄を処理対象とする特別図柄管理処理中のS1025で呼び出された場合、第2特別図柄が処理対象となる。
メインCPU1201は、先ず、特別図柄の制御状態番号が「2」であるか否かを判定する(S1071)。
S1071において特別図柄の制御状態番号が「2」でないと判定された場合(S1071がNO判定の場合)、メインCPU1201は、特別図柄遊技判定処理を終了し、処理を特別図柄管理処理(図77参照)に戻す。
一方、S1071において特別図柄の制御状態番号が「2」であると判定された場合(S1071がYES判定の場合)、メインCPU1201は、処理をS1072に移す。
S1072において、メインCPU1201は、大当りであるか否か、すなわち停止した特別図柄が大当りを示す停止表示態様であるか否かを判定する。
S1072において、大当りでないすなわち停止した特別図柄が大当りを示す停止表示態様でないと判定された場合(S1072がNO判定の場合)、メインCPU1201は、処理をS1073に移す。一方、S1072において、大当りであるすなわち停止した特別図柄が大当りを示す停止表示態様であると判定された場合(S1072がYES判定の場合)、メインCPU1201は、処理をS1075に移す。
S1073において、メインCPU1201は、小当りであるか否か、すなわち停止した特別図柄が小当りを示す停止表示態様であるか否かを判定する。
S1073において、小当りでないすなわち停止した特別図柄がハズレを示す停止表示態様であると判定された場合(S1073がNO判定の場合)、メインCPU1201は、処理をS1074に移す。
S1074において、メインCPU1201は、特別図柄遊技終了処理を行う。この特別図柄遊技終了処理については、図83を参照して後述する。なお、メインCPU1201は、特別図柄遊技終了処理を行うと、特別図柄遊技判定処理を終了し、処理を特別図柄管理処理(図77参照)に戻す。
一方、S1073において、小当りであるすなわち停止した特別図柄が小当りを示す停止表示態様であると判定された場合(S1073がYES判定の場合)、メインCPU1201は、処理をS1075に移す。
S1075において、メインCPU1201は、大当り遊技制御処理または小当り遊技制御処理の開始設定処理を行う。この処理では、外部端子板1184を介して例えばホールコンピュータ1186(いずれも図70参照)や島コンピュータ(不図示)に出力される信号の生成および更新が行われる。なお、この処理で生成および更新が行われる信号は、特別図柄遊技判定処理の処理対象である特別図柄にかかわる信号である。メインCPU1201は、S1075の処理を行った後、処理をS1076に移す。
また、S1075の大当り遊技制御処理の開始設定処理において、メインCPU1201は、確変フラグ、確変カウンタ、時短フラグ、および時短カウンタ等、各種フラグや各種カウンタをクリアする処理も行う。
S1076において、メインCPU1201は、ラウンド表示LEDデータをセットする処理を行う。その後、メインCPU1201は、例えば、開放される大入賞口(例えば、大当り用大入賞口1131または小当り用大入賞口1151)の開放回数の上限値をセットする処理(S1077)、外部端子板1184への大当り信号セット処理(S1078)、特別図柄の制御状態番号を「3」にセットする処理(S1079)、遊技状態指定パラメータ設定処理(S1080)、および、大当り開始表示コマンドの送信予約処理(S1081)等の処理を行う。なお、特別図柄の制御状態番号を「3」にセットする処理(S1079)を行って制御状態番号を切り替えることにより、この特別図柄遊技判定処理の終了後に、大入賞口開放準備処理(図77のS1026参照)が行われることとなる。その後、メインCPU1201は、特別図柄遊技判定処理を終了し、処理を特別図柄管理処理(図77参照)に戻す。
なお、メインCPU1201は、割込禁止区間を設定し、上述の特別図柄遊技判定処理(S1071~S1081)を、割込禁止区間内で行うことが好ましい。
[2-4-6.特別図柄遊技終了処理]
次に、図83を参照して、特別図柄遊技判定処理(図81および図82参照)中のS1074でメインCPU1201により実行される特別図柄遊技終了処理について説明する。図83は、第2のパチンコ遊技機における特別図柄遊技終了処理の一例を示すフローチャートである。
メインCPU1201は、先ず、時短管理処理を行う(S1091)。この時短管理処理の詳細については、第1のパチンコ遊技機において図32~図39を参照して説明した処理と同様であるため、説明を省略する。メインCPU1201は、S1091の処理を実行した後、処理をS1092に移す。
S1092において、メインCPU1201は、特別図柄の制御状態番号に「0」をセットする。このように、特別図柄の制御状態番号を「0」にセットする処理が行われると、次回の特別図柄遊技の実行が可能となる。メインCPU1201は、S1092の処理を実行した後、処理をS1093に移す。
S1093において、メインCPU1201は、特別図柄の遊技状態指定パラメータ設定処理を行う。その後、メインCPU1201は、特別図柄遊技終了コマンドの送信予約処理(S1094)を行う。なお、この処理で送信予約された特別図柄遊技終了コマンドは、次回のシステムタイマ割込処理中の演出制御コマンド送信処理(図45のS322参照)において、サブ制御回路1300に送信される。そして、S1094の処理後、メインCPU1201は、特別図柄遊技終了処理を終了し、処理を特別図柄遊技判定処理(図81参照)に戻す。
なお、特別図柄の当り判定処理(図78のS1034参照)の結果がハズレである場合、メインCPU1201は、確変フラグおよび時短フラグのいずれについてもセットまたはリセットしない。そのため、ハズレの表示態様が導出されたとしても遊技状態は移行しない。
[2-4-7.大入賞口開放準備処理]
次に、図84を参照して、特別図柄管理処理(図77参照)中のS1026でメインCPU1201により実行される大入賞口開放準備処理について説明する。図84は、第2のパチンコ遊技機における大入賞口開放準備処理の一例を示すフローチャートである。
なお、この大入賞口開放準備処理が第1特別図柄を処理対象とする特別図柄管理処理中のS1026で呼び出された場合、第1特別図柄が処理対象となる。同様に、大入賞口開放準備処理が第2特別図柄を処理対象とする特別図柄管理処理中のS1026で呼び出された場合、第2特別図柄が処理対象となる。
メインCPU1201は、先ず、特別図柄の制御状態番号が「3」であるか否かを判定する(S1101)。
S1101において特別図柄の制御状態番号が「3」でないと判定された場合(S1101がNO判定の場合)、メインCPU1201は、大入賞口開放準備処理を終了し、処理を特別図柄管理処理(図77参照)に戻す。
一方、S1101において特別図柄の制御状態番号が「3」であると判定された場合(S1101がYES判定の場合)、メインCPU1201は、処理をS1102に移す。
S1102において、メインCPU1201は、大入賞口開放回数カウンタ値をロードする。大入賞口開放回数カウンタは、大当り遊技制御処理の実行時であれば、大当り遊技状態において実行されたラウンド遊技の実行回数を計数するカウンタが相当し、小当り遊技制御処理の実行時であれば、小当り遊技制御処理の実行回数を計数するカウンタが相当する。なお、大入賞口開放回数カウンタの計数値(大入賞口開放回数カウンタ値)は、メインRAM1203内の所定領域に格納される。メインCPU1201は、S1102の処理を実行した後、処理をS1103に移す。
S1103において、メインCPU1201は、大入賞口(例えば、大当り用大入賞口1131または小当り用大入賞口1151)の開放回数が上限値であるか否かを判定する。なお、本実施例では、大当り遊技状態において開放される大当り用大入賞口1131の開放回数であるラウンド数の上限値は、例えば当り種類決定テーブル(図73参照)に示されるように4ラウンドまたは10ラウンドである。一方、小当り遊技状態において開放される小当り用大入賞口1151の開放回数の上限値は例えば1回である。
S1103において大入賞口の開放回数が上限値であると判定された場合(S1103がYES判定の場合)、メインCPU1201は、処理をS1104に移す。
S1104において、メインCPU1201は、特別図柄の制御状態番号を「5」にセットする。このように、特別図柄の制御状態番号を「5」にセットする処理(S1104)を行って制御状態番号を切り替えることにより、この大入賞口開放準備処理の終了後に、大当り終了処理(図77のS1028参照)が行われることとなる。メインCPU1201は、S1104の処理を実行した後、処理をS1105に移す。
S1105において、メインCPU1201は、遊技状態指定パラメータ設定処理を行う。その後、メインCPU1201は、大当り終了表示コマンドの送信予約処理を行う(S1106)。なお、この処理で送信予約された大当り終了表示コマンドは、次回のシステムタイマ割込処理中の演出制御コマンド送信処理(図45のS322参照)において、サブ制御回路1300に送信される。そして、S1106の処理後、メインCPU1201は、大入賞口開放準備処理を終了し、処理を特別図柄管理処理(図77参照)に戻す。
S1103に戻って、大入賞口の開放回数が上限値でないと判定された場合(S1103がNO判定の場合)、メインCPU1201は、処理をS1107に移す。
S1107において、メインCPU1201は、大入賞口開放回数カウンタ値に1を加算する処理を行う。メインCPU1201は、S1107の処理を実行した後、処理をS1108に移す。
S1108において、メインCPU1201は、開放する大入賞口の選択処理を行う。この処理では、開放する大入賞口として、大当り遊技制御処理の実行時であれば大当り用大入賞口1131(図69参照)が選択され、小当り遊技制御処理の実行時であれば小当り用大入賞口1151(図69参照)が選択される。メインCPU1201は、S1108の処理を実行した後、処理をS1109に移す。
S1109において、メインCPU1201は、大入賞口関連各種設定処理を行う。この処理では、例えば、大入賞口(大当り用大入賞口1131、小当り用大入賞口1151)の開放回数、大入賞口の最大開放時間、大入賞口への最大入賞個数、大入賞口入賞時の賞球数等がセットされる。大入賞口の開放回数は、大当り遊技制御処理の実行時であればラウンド数が相当し、小当り遊技制御処理の実行時であれば小当り用大入賞口1151の開放回数が相当する。なお、1ラウンドまたは小当り遊技制御処理において大入賞口が複数回開放されるものを排除する趣旨ではない。ただしこの場合は、ラウンド数を管理する制御と、大入賞口の開閉回数を管理する制御とを、別の処理として行うことが好ましい。メインCPU1201は、S1109の処理を実行した後、処理をS1110に移す。
なお、本実施例において、大入賞口の最大開放時間は、大当り遊技制御処理の実行時であれば例えば最大30000msecにセットされ、小当り遊技制御処理の実行時であれば例えば最大1800msecにセットされる。大入賞口への最大入賞個数は、大当り遊技制御処理の実行時であれば例えば最大10個にセットされ、小当り遊技制御処理の実行時であれば例えば最大5個にセットされる。大入賞口入賞時の賞球数は、例えば、大当り用大入賞口1131および小当り用大入賞口1151のいずれについても10個にセットされる。ただし、大入賞口関連各種設定処理においてセットされる値は上記に限られない。
S1110において、メインCPU1201は、大入賞口開閉制御処理を行う。この処理では、大入賞口(大当り用大入賞口1131、小当り用大入賞口1151)の開閉制御データの生成処理が行われる。メインCPU1201は、S1110の処理を実行した後、処理をS1111に移す。
S1111において、メインCPU1201は、特別図柄の制御状態番号を「4」にセットする。このように、特別図柄の制御状態番号を「4」にセットする処理(S1111)を行って制御状態番号を切り替えることにより、この大入賞口開放準備処理の終了後に、大入賞口開放制御処理(図77のS1027参照)が行われることとなる。メインCPU1201は、S1111の処理を実行した後、処理をS1112に移す。
S1112において、メインCPU1201は、遊技状態指定パラメータ設定処理を行う。メインCPU1201は、S1112の処理を実行した後、処理をS1113に移す。
S1113において、メインCPU1201は、大入賞口開放中表示コマンドの送信予約処理を行う。この処理で送信予約された大入賞口開放中表示コマンドは、次回のシステムタイマ割込処理中の演出制御コマンド送信処理(図45のS322参照)において、サブ制御回路1300に送信される。メインCPU1201は、S1113の処理を実行した後、大入賞口開放準備処理を終了し、処理を特別図柄管理処理(図77参照)に戻す。
[2-4-8.大入賞口開放制御処理]
次に、図85を参照して、特別図柄管理処理(図77参照)中のS1027でメインCPU1201により実行される大入賞口開放制御処理について説明する。図85は、第2のパチンコ遊技機における大入賞口開放制御処理の一例を示すフローチャートである。
なお、この大入賞口開放制御処理が第1特別図柄を処理対象とする特別図柄管理処理中のS1027で呼び出された場合、第1特別図柄が処理対象となる。同様に、大入賞口開放制御処理が第2特別図柄を処理対象とする特別図柄管理処理中のS1027で呼び出された場合、第2特別図柄が処理対象となる。
メインCPU1201は、先ず、特別図柄の制御状態番号が「4」であるか否かを判定する(S1121)。
S1121において特別図柄の制御状態番号が「4」でないと判定された場合(S1121がNO判定の場合)、メインCPU1201は、大入賞口開放制御処理を終了し、処理を特別図柄管理処理(図77参照)に戻す。
一方、S1121において特別図柄の制御状態番号が「4」であると判定された場合(S1121がYES判定の場合)、メインCPU1201は、処理をS1122に移す。
S1122において、メインCPU1201は、大入賞口(大当り用大入賞口1131、小当り用大入賞口1151)に入賞した遊技球の個数が最大入賞個数であるか否かを判定する。この処理では、大入賞口への遊技球の入賞個数を計数する大入賞口入賞カウンタ(例えば、大当り用大入賞口カウントスイッチ1132、小当り用大入賞口カウントスイッチ1152(いずれも図70参照)等)により計数された値が最大入賞個数の値であるか否かが判定される。なお、大入賞口入賞カウンタにより計数された大入賞口入賞カウンタ値は、メインRAM1203内の所定領域に格納される。
S1122において、大入賞口(大当り用大入賞口1131、小当り用大入賞口1151)に入賞した遊技球の個数が最大入賞個数でないと判定された場合(S1122がNO判定の場合)、メインCPU1201は、処理をS1123に移す。
一方、S1122において、大入賞口(大当り用大入賞口1131、小当り用大入賞口1151)に入賞した遊技球の個数が最大入賞個数であると判定された場合(S1122がYES判定の場合)、メインCPU1201は、処理をS1124に移す。
S1123において、メインCPU1201は、大入賞口(大当り用大入賞口1131、小当り用大入賞口1151)の最大開放時間が経過したか否かを判定する。この処理では、大入賞口関連各種設定処理(図84のS1109参照)においてセットされた最大開放時間が経過しているか否かが判定される。
S1123において大入賞口(大当り用大入賞口1131、小当り用大入賞口1151)の最大開放時間が経過していないと判定された場合(S1123がNO判定の場合)、メインCPU1201は、大入賞口開放制御処理を終了し、処理を特別図柄管理処理(図77参照)に戻す。
一方、S1123において大入賞口(大当り用大入賞口1131、小当り用大入賞口1151)の最大開放時間が経過していると判定された場合(S1123がYES判定の場合)、メインCPU1201は、処理をS1124に移す。
S1124において、メインCPU1201は、大入賞口(大当り用大入賞口1131、小当り用大入賞口1151)の閉鎖処理を行う。メインCPU1201は、S1124の処理を実行した後、処理をS1125に移す。
S1125において、メインCPU1201は、特別図柄の制御状態番号を「3」にセットする処理を行う。このように、特別図柄の制御状態番号を「3」にセットする処理(S1125)を行って制御状態番号を切り替えることにより、この大入賞口開放制御処理の終了後に、再び、大入賞口開放準備処理(図77のS1026参照)が行われることとなる。メインCPU1201は、S1125の処理を実行した後、処理をS1126に移す。
S1126において、メインCPU1201は、遊技状態指定パラメータ設定処理を行う。メインCPU1201は、S1126の処理を実行した後、処理をS1127に移す。
S1127において、メインCPU1201は、ラウンド間表示コマンドの送信予約処理を行う。この処理で送信予約されたラウンド間表示コマンドは、次回のシステムタイマ割込処理中の演出制御コマンド送信処理(図45のS322参照)において、サブ制御回路1300に送信される。そして、S1127の処理後、メインCPU1201は、大入賞口開制御処理を終了し、処理を特別図柄管理処理(図77参照)に戻す。
[2-4-9.大当り終了処理]
次に、図86を参照して、特別図柄管理処理(図77参照)中のS1028でメインCPU1201により実行される大当り終了処理について説明する。図86は、第2のパチンコ遊技機における大当り終了処理の一例を示すフローチャートである。
なお、この大当り終了処理が第1特別図柄を処理対象とする特別図柄管理処理中のS1028で呼び出された場合、第1特別図柄が処理対象となる。同様に、大当り終了処理が第2特別図柄を処理対象とする特別図柄管理処理中のS1028で呼び出された場合、第2特別図柄が処理対象となる。
メインCPU1201は、先ず、特別図柄の制御状態番号が「5」であるか否かを判定する(S1131)。
S1131において特別図柄の制御状態番号が「5」でないと判定された場合(S1131がNO判定の場合)、メインCPU1201は、大当り終了処理を終了するとともに特別図柄管理処理(図77参照)も終了し、処理を特別図柄制御処理(図76参照)に戻す。この場合、特別図柄管理処理が呼び出された処理に戻す。
一方、S1131において特別図柄の制御状態番号が「5」であると判定された場合(S1131がYES判定の場合)、メインCPU1201は、処理をS1132に移す。
S1132において、メインCPU1201は、特別図柄遊技終了設定処理を行う。この処理では、各種フラグ(例えば、確変フラグ、時短フラグ、天井カウント禁止フラグ等)の値をセットまたはリセットや、各種カウンタ(例えば、確変カウンタ、時短カウンタ、図柄確定数カウンタ、大入賞口開放回数カウンタ、大入賞口入賞カウンタ、天井カウンタ等)の値をセットまたはリセットする処理が行われる。なお、特別図柄休止フラグおよび天井カウンタは、いずれも、特別図柄遊技終了設定処理(S1132)においてリセットされる。また、確変フラグがオンにセットされる場合、天井カウント禁止フラグもオンにセットされる。これにより、確変フラグがオンの高確遊技状態では、天井カウンタの更新が行われないようになる。メインCPU1201は、S1132の処理を実行した後、処理をS1133に移す。
S1133において、メインCPU1201は、特別図柄遊技終了処理を行う。この処理では、図31を参照して説明した特別図柄遊技終了処理が行われる。メインCPU1201は、S1133の処理を実行した後、大当り終了処理を終了し、処理を特別図柄管理処理(図77参照)に戻す。
なお、メインCPU1201は、割込禁止区間を設定し、上述の大当り終了処理を割込禁止区間内で行うことが好ましい。
[2-5.小当りラッシュ]
上述した第2のパチンコ遊技機では、所謂小当りラッシュを実現することができる。以下に、小当りラッシュについて説明する。
第2のパチンコ遊技機では、上述したとおり、通常遊技状態、高確時短遊技状態、高確非時短遊技状態および低確時短遊技状態が用意されており、メインCPU1201は、これらの遊技状態のうちいずれかの遊技状態に制御する。なお、上述したとおり、通常遊技状態では、左打ちが正規な遊技態様とされるため、第1始動口1120への遊技球の入賞に基づく第1特別図柄ゲームが主として実行される。また、その他の遊技状態(高確時短遊技状態、高確非時短遊技状態および低確時短遊技状態)では、右打ちが正規な遊技態様とされるため、第2始動口1140A,1140Bへの遊技球の入賞に基づく第2特別図柄ゲームが主として実行される。なお、普通電動役物ユニット1145に含まれる入賞口を第1始動口とした場合には、通常遊技状態、高確時短遊技状態および低確時短遊技状態のうちのいずれかの遊技状態では第1特別図柄ゲームが主として実行され、高確非時短遊技状態では第2特別図柄ゲームが主として実行される。
本実施例では、高確非時短遊技状態において、小当り用大入賞口1151への遊技球の入賞頻度が他の遊技状態(例えば、通常遊技状態、高確時短遊技状態、低確時短遊技状態)と比べて高められることによって、単位時間あたりの発射球数に対して払い出される遊技価値(例えば賞球数等)の期待値が1を超えうる小当りラッシュとなる。
ここで、小当りラッシュの仕組みの一例について説明する。先ず、右打ちされた遊技球は、ほぼ通過ゲート1126を通過する。高確非時短遊技状態では、普通電動役物1146を作動させて入賞口(本実施例では例えば第2始動口1140B)を開放状態とする頻度を高める電サポ制御が実行されない。また、大当り遊技制御処理が実行されない限り大当り用大入賞口1131も開放状態とならないため、高確非時短遊技状態において第2始動口1140Bが開放状態となる頻度は、時短制御が実行される遊技状態と比べて低い。そのため、小当り用大入賞口1151が開放されていれば、右打ちされ且つ下方の流下経路1107bに振り分けられた遊技球が小当り用大入賞口1151に入賞可能となる。小当り用大入賞口1151に遊技球が入賞すると、上述したように例えば10個の賞球が払い出される。また、右打ちされ且つ上方の流下経路1107aに振り分けられた遊技球は、第2始動口1140Aに入賞可能である。第2始動口1140A,1140Bに遊技球が入賞すると、例えば、特別図柄の当り判定テーブル(図71参照)に示されるように3分の1(概算)といった比較的高い確率で小当りを示す停止表示態様が導出されるだけでなく、高スタート用の特別図柄の変動パターンテーブル(図75参照)に示されるように超速変動(例えば、可変表示時間1000msec)が実行されるため、小当り用大入賞口1151への遊技球の入賞頻度が他の遊技状態(例えば、通常遊技状態、高確時短遊技状態、低確時短遊技状態)と比べて高められる。このようにして、単位時間あたりの発射球数に対して払い出される遊技価値(例えば賞球数等)の期待値が1を超えうる小当りラッシュの実現が可能となっている。
一方、時短制御が実行される遊技状態(例えば、高確時短遊技状態、低確時短遊技状態)では、電サポ制御が実行されることによって第2始動口1140Bが開放状態となり、右打ちされ且つ下方の流下経路1107bに振り分けられた遊技球の殆どが第2始動口1140Bに入賞してしまう。そのため、たとえ小当り用大入賞口1151が開放されていたとしても、小当り用大入賞口1151に遊技球が入賞する期待値は低い。しかも、上述したように、第2始動口1140Bに遊技球が入賞したとしても例えば1個の賞球しか払い出されない。右打ちされ且つ上方の流下経路1107aに振り分けられた遊技球が第2始動口1140Aに入賞すると例えば3個の賞球が払い出されるものの、第2始動口1140Aには、右打ちされ且つ上方の流下経路1107aに振り分けられた遊技球のうち概ね3分の1~5分の1の遊技球しか入賞しない。このように、時短制御が実行される遊技状態では、単位時間あたりの発射球数に対して払い出される遊技価値(例えば賞球数等)の期待値が1を超えないようになっている。
また、通常遊技状態では、左打ちが正規な遊技態様とされるが、仮に右打ちを行った場合、右打ちされた遊技球が通過ゲート1126を通過して普通図柄当りを示す停止表示態様が導出されると普通電動役物1146が作動し、第2始動口1140Bに遊技球が入賞することによって小当り用大入賞口1151が開放される可能性がある。ただし、通常遊技状態では、低スタート用の特別図柄の変動パターンテーブル(図74参照)を参照して特別図柄の変動パターンが決定されるため、仮に第2始動口1140A,1140Bに遊技球が入賞したとしても、変動時間が極めて長い長変動A~Cのいずれかで第2特別図柄の可変表示が行われ、小当り用大入賞口1151が開放される頻度は極めて小さい。そのため、通常遊技状態において遊技者が右打ちを行う実益はない。なお、普通電動役物ユニット1145に含まれる入賞口を第1始動口とした場合、通常遊技状態における普通図柄の当り確率を例えば0にすることにより、右打ちを行う実益を生じさせないようにしてもよい。通常遊技状態では、単位時間あたりの発射球数に対して払い出される遊技価値(例えば賞球数等)の期待値は、1を超えないことは勿論、時短制御が実行される遊技状態よりも小さい。
なお、本実施例では、高確非時短遊技状態において小当りラッシュとなるように構成したが、これに限られない。例えば、電サポ制御を実行せずに特別図柄の可変表示時間を短縮させる特図短縮制御が実行される高確時短遊技状態において小当りラッシュとなるようにしてもよい。
[3.第3のパチンコ遊技機]
次に、第3のパチンコ遊技機について説明する。第3のパチンコ遊技機は、上述したとおり、1種2種混合機と称されるパチンコ遊技機であり、大当り遊技状態に制御されるまでのルートとして、第1のルートと第2のルートとがある。第1のルートは、特別図柄当り判定処理の結果が「大当り」であることを示す停止表示態様が導出された場合である。第2のルートは、特別図柄判定の結果が「役物開放当り」であることを示す停止表示態様が導出されたことによってVアタッカーが開放し、開放されたVアタッカーに進入した遊技球がVアタッカー内のV入賞口に入賞した場合である。
なお、第3のパチンコ遊技機は、第1特別図柄と第2特別図柄とを並行して可変表示させず、第1特別図柄の始動条件よりも第2特別図柄の始動条件が優先して成立する優先変動機である。ただし、これに限られず、上述した順次変動機としてもよい。
以下、第3のパチンコ遊技機について説明するにあたり、例えば外枠2およびベースドア3等の基本構成等、並びに、外部端子板2184(後述の図88参照)から第3のパチンコ遊技機の機外(例えば、ホールコンピュータ2186(後述の図88参照)や各島に設けられる島コンピュータ(不図示))に出力される信号等のように、機能、形状および配置位置等が第1のパチンコ遊技機と共通する点については極力説明を省略するものとする。
なお、第3のパチンコ遊技機を説明するにあたり、第1のパチンコ遊技機の説明で用いた図面を参照して説明する構成については、第1のパチンコ遊技機と同じ符号およびステップ番号を用いて説明する。ただし、第3のパチンコ遊技機の説明において新たに採用された図面を参照して説明する構成については、第1のパチンコ遊技機と機能等が共通する構成であったとしても、第1のパチンコ遊技機と異なる符号およびステップ番号を用いて説明するものとする。
[3-1.遊技盤ユニット]
図87を参照して、第3のパチンコ遊技機が備える遊技盤ユニット2010について説明する。この遊技盤ユニット2010も、第1のパチンコ遊技機と同様に、保護ガラス43(図2参照)の後方に位置するようにベースドア3(図2参照)の前方に配置される。
図87は、第3のパチンコ遊技機が備える遊技盤ユニット2010の外観を示す正面図の一例である。遊技盤ユニット2010の前側面には、発射された遊技球が転動流下可能な遊技領域2105が形成される。
なお、第3のパチンコ遊技機の遊技領域2105に配置される各種部材(例えば第1始動口2120等)は、第1のパチンコ遊技機の遊技領域105に配置される各種部材と共通するものもあるが、改めて一通り説明する。
図87に示されるように、遊技盤ユニット2010は、主として、発射された遊技球が転動流下可能な遊技領域2105が形成される遊技パネル2100と、ガイドレール2110と、遊技領域2105の略中央部に配置されるセンター役物2115と、第1始動口2120と、第2始動口2140と、一般入賞口2122と、通過ゲートユニット2125と、特別電動役物ユニット2130と、普通電動役物ユニット2145と、LEDユニット2160と、V入賞装置2150と、アウト口2178と、裏ユニット(不図示)とを備える。なお、LEDユニット2160については第1のパチンコ遊技機のLEDユニット160と同様であり、この第3のパチンコ遊技機では説明を省略する。
(遊技パネル)
遊技パネル2100には、表示装置2007の表示領域が臨む位置に開口(参照符号なし)が形成されている。また、遊技パネル2100の前面には、ガイドレール2110が設けられるとともに遊技釘(参照符号なし)等が植設されている。発射装置6(図1、図2参照)から発射された遊技球は、ガイドレール2110から遊技領域2105に向けて飛び出し、遊技釘等と衝突して進行方向を変えながら遊技領域2105の下方に向けて流下する。
また、遊技パネル2100の後方には、演出効果を高めるために装飾体が設けられた裏ユニット(図示せず)が配置されている。遊技パネル2100は、裏ユニットに設けられた装飾体を正面視で視認できるように透明樹脂で構成されている。この場合、遊技パネル2100の全部が透明部材で構成されていてもよいし、例えば、裏ユニットに設けられた装飾体を正面視で視認できる部位のみが透明部材で構成されていてもよい。また、遊技パネル2100を、透明部分を有さない部材(例えば木製)で構成し、一部に透明部材を設けて演出効果を高めるようにしてもよい。
(ガイドレール)
ガイドレール2110は、第1のパチンコ遊技機と同様に円弧状の外レールおよび内レール(いずれも参照符号なし)により構成される。遊技領域2105は、ガイドレール2110によって区画(画定)される。外レールおよび内レールは、発射装置2006(後述の図88参照)から発射された遊技球を遊技領域2105の上部に案内する機能を有する。
(センター役物)
センター役物2115は、遊技パネル2100の開口(参照符号なし)にはめ込まれるように構成されており、上方には円弧状のセンターレール2116を備えている。遊技領域2105に向けて発射された遊技球は、センターレール2116によって左右に振り分けられる。
発射装置2006によって遊技領域2105に向けて発射された遊技球は、左側領域2106または右側領域2107を流下する。左側領域2106または右側領域2107を流下する遊技球は、遊技パネル2100に植設された遊技釘等との衝突により、進行方向を変えながら下方へ向けて流下する。発射ハンドル62(図1、図2参照)の操作量が小さい場合、発射された遊技球は左側領域2106を流下する。一方、発射ハンドル62の操作量が大きい場合、発射された遊技球は右側領域2107を流下する。
また、センター役物2115には、左側の外周縁部に、左側領域2106を流下する遊技球が進入可能とされたワープ入口2117が形成されている。ワープ入口2117に進入した遊技球は、センター役物2115に形成されたステージ2118に誘導可能に構成されている。ステージ2118は、表示装置2007の表示領域の下辺前方において遊技球が左右方向に転動可能に形成されている。なお、ステージ2118は、例えば、上段側のステージおよび下段側のステージといったように、複数段で形成されていてもよい。
ステージ2118の左右方向略中央の後側には、遊技球が進入可能なチャンス入口2119が形成されており、チャンス入口2119に進入した遊技球は、第1始動口2120の直上に放出されるように構成されている。そのため、チャンス入口2119に進入した遊技球は、ワープ入口2117に進入しなかった遊技球や、ワープ入口2117に進入したもののチャンス入口2119に進入しなかった遊技球と比べて高い確率で第1始動口2120に入賞(通過)するようになっている。
(第1始動口)
第1始動口2120は、表示装置2007の表示領域の下方に配置されており、左打された遊技球が入賞可能(右打ちされた遊技球が入賞困難または不可能)となるように配置されている。第1始動口2120に遊技球が入賞すると、第1始動口スイッチ2121(後述の図88参照)により検出される。なお、右打ちされた遊技球が第1始動口2120に入賞可能であってもよい。また、上記の第1始動口2120に代えてまたは加えて、右打ちされた遊技球が入賞可能(左打ちされた遊技球が入賞困難または不可能)な第1始動口を備えるようにしてもよい。
第1始動口スイッチ2121(後述の図88参照)により第1始動口2120への遊技球の入賞(通過)が検出されると、第1特別図柄の始動情報が抽出され、抽出された始動情報は所定数(例えば最大4個)まで保留される。保留された始動情報は、始動条件が成立すると、第1特別図柄の当り判定処理に供される。第1始動口2120に遊技球が入賞すると例えば3個の賞球が払い出される。ただし、第1始動口2120への遊技球の入賞に基づいて払い出される賞球数は3個に限られない。
(第2始動口)
第2始動口2140は、右打された遊技球が入賞可能(左打ちされた遊技球が入賞困難または不可能)に配置されている。ただし、これに限られず、左打ちされた遊技球が第2始動口2140に入賞可能であってもよい。
第2始動口2140に遊技球が入賞すると、第2始動口スイッチ2141により検出される。第2始動口スイッチ2141(後述の図88参照)により第2始動口2140への遊技球の入賞(通過)が検出されると、第2特別図柄の始動情報が抽出され、抽出された始動情報は所定数(例えば最大4個)まで保留される。保留された始動情報は、第2特別図柄の当り判定処理に供される。第2始動口2140に遊技球が入賞すると例えば1個の賞球が払い出される。ただし、第2始動口2140への遊技球の入賞に基づいて払い出される賞球数はこれに限られない。
(一般入賞動口)
一般入賞口2122は、表示装置2007の表示領域の左下方に複数配置されており、左打された遊技球が入賞可能(右打ちされた遊技球が入賞困難または不可能)となるように配置されている。複数の一般入賞口2122のうちいずれかに遊技球が入賞すると、一般入賞口スイッチ2123(後述の図88参照)により検出される。
一般入賞口スイッチ2123(後述の図88参照)により一般入賞口2122への遊技球の入賞(通過)が検出されると、例えば4個の賞球が払い出されるが、一般入賞口2122への遊技球の入賞に基づいて払い出される賞球数は4個に限られない。
また、本実施例において、一般入賞口2122は、右打ちされた遊技球が入賞困難または不可能となるように配置されているが、必ずしもこれに限られず、上記の一般入賞口2122に代えてまたは加えて、右打ちされた遊技球が入賞可能な一般入賞口を備えてもよい。
(通過ゲートユニット)
通過ゲートユニット2125は、右側領域2107に配置されており、右打ちされた遊技球がほぼ通過できるように構成された通過ゲート2126と、通過ゲート2126への遊技球の通過を検出する通過ゲートスイッチ2127(後述の図88参照)とを一体化したユニット体である。
通過ゲート2126への遊技球の通過を検出すると、普通図柄の始動情報が抽出され、抽出された始動情報は所定数(例えば最大4個)まで保留される。保留された各種データは、普通図柄の当り判定処理に供される。なお、通過ゲートスイッチ2127により通過ゲート2126への遊技球の通過が検出されたとしても、賞球は払い出されない。また、通過ゲートユニット2125は、右側領域2107に代えてまたは加えて左側領域2106に配置されていてもよい。
(特別電動役物ユニット)
特別電動役物ユニット2130は、大入賞口2131と、大入賞口2131への遊技球の入賞(通過)を検出する大入賞口カウントスイッチ2132(後述の図88参照)と、特別電動役物2133とを一体化したユニット体である。特別電動役物ユニット2130は、右側領域2107において、通過ゲートユニット2125よりも下方に配置されている。
大入賞口2131は、右打ちされた遊技球が入賞可能(左打ちされた遊技球が入賞困難または不可能)となるように配置されている。ただし、これに限定されるものではなく、上記の大入賞口2131に代えてまたは加えて、左打ちされた遊技球が入賞可能な大入賞口を配置したり、センター役物2115の上部において遊技球が入賞可能な大入賞口を配置するようにしてもよい。
大入賞口2131は、遊技者に有利な遊技状態である大当り遊技状態に制御されているときに所定個数(例えば10個)の遊技球が入賞(通過)可能となるように開放される入賞口である。大入賞口カウントスイッチ2132(後述の図88参照)により大入賞口2131への遊技球の入賞が検出されると、例えば10個の賞球が払い出される。ただし、大入賞口2131への遊技球の入賞に基づいて払い出される賞球数は10個に限られない。
特別電動役物2133は、前後方向に進退可能な特電用シャッタ2134と、この特電用シャッタ2134を作動させる特電用ソレノイド2135(後述の図88参照)とを備える。特別電動役物2133すなわち特電用シャッタ2134は、大入賞口2131への遊技球の入賞(通過)が可能または容易な開放状態と、大入賞口2131への遊技球の入賞が不可能または困難な閉鎖状態とに移行可能に構成される。大入賞口2131が閉鎖状態から開放状態に移行するのは、上述した第1のルートを経て大当り遊技状態となった場合である。上述した第1のルートを経て大当り遊技状態となった場合、上記の閉鎖状態から開放状態への状態移行が所定のラウンド数にわたって行われる。すなわち、第1のルートを経た大当り遊技状態は、大入賞口2131が閉鎖状態から所定期間にわたって開放状態に移行するラウンド遊技を複数ラウンドにわたって行うことにより、多量の遊技球を賞球として払い出すことを可能にした遊技状態である。
(普通電動役物ユニット)
普通電動役物ユニット2145は、遊技球が入賞(通過)することによって所定数の遊技球が賞球として払い出される入賞口と、この入賞口への遊技球の入賞を検出するスイッチと、普通電動役物2146とを一体化したユニット体であって、右側領域2107に配置されている。本実施例では、上記の入賞口を第2始動口2140とし、上記のスイッチを第2始動口スイッチ2141としている。
普通電動役物2146は、前後方向に進退可能な突出板型の普電用シャッタ2147と、この普電用シャッタ2147を作動させる普電用ソレノイド2148(後述の図88参照)とを備える。普通電動役物2146すなわち普電用シャッタ2147は、第2始動口2140への遊技球の入賞(通過)が可能または容易な開放状態と、第2始動口2140への遊技球の入賞が不可能または困難な閉鎖状態とに状態移行可能に構成される。なお、前後方向に進退可能な上記の普電用シャッタ2147に代えて、所謂電チューと呼ばれる可動部材を採用してもよい。
(V入賞装置)
V入賞装置2150は、右側領域2107において通過ゲート2126の下流側に設けられている。V入賞装置2150は、V入賞装置2150の内部に遊技球が進入できるように開口された開閉入賞口2151と、開閉入賞口2151を開閉させることが可能なVアタッカー2152と、このVアタッカー2152を作動させて開閉入賞口2151を開閉させるVアタッカー用ソレノイド2154と、Vアタッカー2152の作動により開閉入賞口2151が開放されたときにV入賞装置2150の内部に遊技球が進入したことを検出するVアタッカーカウントスイッチ2153と、開閉入賞口2151からV入賞装置2150の内部に進入した遊技球が通過可能なV入賞口2155と、開閉入賞口2151からV入賞装置2150の内部に進入した遊技球がV入賞口2155に遊技球が進入(通過)したことを検出するV入賞口スイッチ2156と、開閉入賞口2151からV入賞装置2150の内部に進入した遊技球のうちV入賞口2155に進入しなかった遊技球が進入(通過)可能なハズレ口2157と、V入賞口2155を開閉させるVシャッター2158と、このVシャッター2158を作動させてV入賞口2155を開閉させるVシャッター用ソレノイド2159と、V入賞装置2150の内部に進入した遊技球のうち1球のみを保持することができる係止部材2160とを備える。なお、V入賞装置2150は、通過ゲート2126よりも上流側に設けられていてもよいし、左側領域2106に設けられていてもよい。
Vアタッカー2152は、弧状に沿った部材からなり、常には開閉入賞口2151を閉鎖する閉鎖状態である。そして、特別図柄の可変表示が終了して後述する「役物開放当り」であることを示す停止表示態様が導出されると、特別図柄の可変表示が終了するとほぼ同時に、Vアタッカー用ソレノイド2154(後述の図88参照)の作動によりVアタッカー2152が例えば1回作動する。Vアタッカー2152は、1回作動すると開閉入賞口2151が例えば1800msec開放する開放状態となる。そして、Vアタッカー2152の作動により開閉入賞口2151が開放している間、V入賞装置2150の内部に進入可能な遊技球は、1回の開放あたり最大で例えば10個である。
なお、「役物開放当り」であることを示す停止表示態様が導出されたときにVアタッカー2152を開放させる態様は、上記に限られず、例えば、900msecの開放を2回行ってもよいし、所定個(例えば1個)の遊技球がV入賞装置2150の内部に進入したことに基づいて閉鎖するようにしてもよい。
Vアタッカーカウントスイッチ2153は、V入賞装置2150の内部への遊技球の進入を検出するものである。Vアタッカーカウントスイッチ2153によりV入賞装置2150の内部への遊技球の進入が検出されると、メインCPU2201は、払出・発射制御回路2400を介して例えば10個の賞球を払い出し、メインCPU2201の機能であるVアタッカー入賞カウンタの値を加算する。Vアタッカー入賞カウンタが規定値に到達すると、開閉入賞口2151を開放することができる最大時間(例えば1800msec)が経過していなくても、Vアタッカー用ソレノイド2154によりVアタッカー2152が作動して開閉入賞口2151が閉鎖される。
V入賞口2155は、遊技球が通過したことを条件に、Vアタッカー2152の開放制御が継続される。すなわち、V入賞口2155は、上述した第2のルートを経て大当り遊技状態に制御される契機となる入賞口である。
V入賞口スイッチ2156は、V入賞口2155への遊技球の通過を検出するものである。メインCPU2201(図88参照)は、Vアタッカー2152が開放してから所定時間(例えば4000msec)内にV入賞口2155への遊技球の通過を検出すると、Vアタッカー2152の開放制御を継続する。すなわち、第2のルートを経て大当り遊技状態に制御される。第2のルートを経て大当り遊技状態に制御された場合、Vアタッカー2152が閉鎖状態から開放状態に移行するラウンド遊技が所定のラウンド数にわたって行われる。
このように、本実施例では、第1のルートを経て大当り遊技状態に制御された場合は大入賞口2131を閉鎖状態から開放状態へ移行させるラウンド遊技が実行されるのに対し、第2のルートを経て大当り遊技状態に制御された場合はVアタッカー2152を閉鎖状態から開放状態へ移行させるラウンド遊技が実行される。ただし、これに限られず、例えば第2のルートを経て大当り遊技状態に制御された場合、1ラウンド目はVアタッカー2152を閉鎖状態から開放状態へ移行させるものの、ラウンド遊技の途中から例えば大入賞口2131を閉鎖状態から開放状態へ移行させるラウンド遊技を実行してもよい。
また、例えば特別電動役物2133の内部(すなわち、特電用シャッタ2134が開放状態となったときに遊技球の進入が可能となる領域)にV入賞口を設ける等によって、V入賞口および大当り遊技状態において開放されるアタッカーを一つずつとしてもよい。この場合、「役物開放当り」であることを示す停止表示態様が導出されると特電用シャッタ2134が開放状態とされ、特別電動役物2133の内部に設けられたV入賞口2155に遊技球が進入すると、大当り遊技状態(第2のルートを経た大当り遊技状態)に制御される。
ハズレ口2157は、V入賞装置2150の内部に進入したもののV入賞口2155を通過しなかった遊技球が進入(通過)するよう構成されたものである。ハズレ口2157を通過した遊技球は機外に排出される。なお、V入賞装置2150の内部に進入した遊技球の全部がハズレ口2157を通過し、V入賞口2155への遊技球の通過がなかった場合、Vアタッカー2152の開放制御が継続されずに終了する。
Vシャッター2158は、Vシャッター用ソレノイド2159(後述の図88参照)の作動により、V入賞口2155への遊技球の通過が不可能(又は困難)な閉鎖態様と、V入賞口2155への遊技球の通過が可能(又は容易)な開放態様との間で、常時一定動作を行っている。本実施例では、例えば、「6000msec閉鎖⇒1000msec開放⇒6000msec閉鎖」の動作を繰り返す7000msecのサイクル(周期)でVシャッター2158が常時一定動作を行っている。
係止部材2160は、V入賞口2155の上方に設けられており、V入賞装置2150の内部に進入した遊技球のうち例えば1球のみを保持することができるように構成されている。V入賞装置2150に進入したものの係止部材2160により保持されなかった遊技球は、ハズレ口2157から機外に排出される。V入賞装置2150に複数の遊技球が進入した場合であっても、係止部材2160により保持されなかった遊技球は、全て、ハズレ口2157から機外に排出される。
また、係止部材2160は、Vアタッカー2152が作動してから一定時間(例えば3000msec)経過後に、図示しない係止用ソレノイドの作動により遊技球の係止が解除される。係止部材2160における係止が解除された遊技球は、V入賞口2155に向けて落下し、このタイミングでV入賞口2155が開放されていればV入賞口2155に入賞(通過)し、このタイミングでV入賞口2155が閉鎖していればハズレ口2157を通過する。なお、係止部材2160を設けずに、V入賞装置2150の内部に進入した遊技球を、V入賞口2155またはハズレ口2157に振り分けるようにしてもよい。
(アウト口)
アウト口2178は、遊技領域2105に向けて発射されたものの各種入賞口(例えば、第1始動口2120、第2始動口2140、大入賞口2131、V入賞装置2150、一般入賞口2122等)のいずれにも入賞または進入しなかった遊技球を、機外に排出するためのものである。このアウト口2178は、左打ちされた遊技球および右打ちされた遊技球のいずれについても機外に排出できるように、遊技領域2105の最下流側に設けられている。ただし、上記のアウト口2178に加えて、最下流側でない位置、例えば複数の一般入賞口2122の間や特別電動役物ユニット2130と第2始動口2140との間等にアウト口を設けて、遊技領域2105を流下中の遊技球を機外に排出するようにしてもよい。
(裏ユニット)
裏ユニット(不図示)は、第1のパチンコ遊技機と同様、遊技盤ユニット2010を装飾するものであって、遊技パネル2100の後方側に設けられる。この裏ユニットは、表示装置2007の表示領域の周囲に配置され、サブ制御回路2300によって制御される可動役物等の演出用役物群2058を備える。これらの演出用役物群2058のうち少なくとも一以上の役物または役物を構成する演出用役物構成部材は、特別図柄の当り判定処理の結果にもとづいて動作可能な演出用役物として機能する。
[3-2.電気的構成]
次に、図88を参照して、第3のパチンコ遊技機の制御回路について説明する。図88は、第3のパチンコ遊技機の制御回路を示すブロック図の一例である。なお、第3のパチンコ遊技機の制御回路は、第1のパチンコ遊技機の制御回路と共通するものもあるが、改めて一通り説明する。
図88に示されるように、第3のパチンコ遊技機は、第1のパチンコ遊技機と同様、主に、遊技の制御を行う主制御回路2200と、遊技の進行に応じた演出の制御を行うサブ制御回路2300と、払出・発射制御回路2400と、電源供給回路2450と、から構成される。
[3-2-1.主制御回路]
主制御回路2200は、メインCPU2201、メインROM2202(読み出し専用メモリ)およびメインRAM2203(読み書き可能メモリ)、初期リセット回路2204およびバックアップコンデンサ2207等を備えており、主基板ケース(不図示)内に収容されている。
メインCPU2201には、メインROM2202、メインRAM2203および初期リセット回路2204等が接続される。メインCPU2201は、動作を監視するWDTや不正を防止するための機能等が内蔵されている。
メインROM2202には、メインCPU2201により第3のパチンコ遊技機の動作を制御するためのプログラムや、各種のテーブル等が記憶されている。メインCPU2201は、メインROM2202に記憶されたプログラムに従って、各種の処理を実行する機能を有する。
メインRAM2203には、遊技の進行に必要な各種データを記憶する記憶領域が設けられており、このメインRAM2203は、メインCPU2201の一時記憶領域として、種々のフラグや変数の値を記憶する機能を有する。なお、本実施例においては、メインCPU2201の一時記憶領域としてRAMを用いているが、これに限らず、読み書き可能な記憶媒体であればよい。
初期リセット回路2204は、メインCPU2201を監視し、必要に応じてリセット信号を出力するものである。
バックアップコンデンサ2207は、電断時等に、メインRAM2203に格納されているデータが消失しないように一時的に電力を供給する機能を有するものである。
さらに、主制御回路2200は、各種デバイス等との間で通信可能に接続されるI/Oポート2205、および、サブ制御回路2300に対して各種コマンドを出力可能に接続されるコマンド出力ポート2206等も備える。
また、主制御回路2200には、各種のデバイスが接続されている。例えば、主制御回路2200には、普通図柄表示部2161、普通図柄用保留表示部2162、第1特別図柄表示部2163、第2特別図柄表示部2164、第1特別図柄用保留表示部2165、第2特別図柄用保留表示部2166、時短報知用表示部2168、普電用ソレノイド2148、特電用ソレノイド2135、Vアタッカー用ソレノイド2154、および、Vシャッター用ソレノイド2159等が接続されている。また、主制御回路2200には、これらの他、性能表示モニタ2170およびエラー報知モニタ2172等も接続されている。主制御回路2200は、I/Oポート2205を介して信号を送信することにより、これらのデバイスの動作を制御することができる。
性能表示モニタ2170には、メインCPU2201の制御により性能表示データや設定値等が表示される。性能表示データは、例えば、所定数(例えば60000個)の遊技球の発射に対して大当り遊技状態以外の遊技状態で払い出された遊技球の割合を示すデータであり、ベース値とも呼ばれる。
エラー報知モニタ2172には、エラーコードが表示される。また、エラー報知モニタ2172には、エラーコードの他に、例えば設定機能付きのパチンコ遊技機であれば、設定変更処理中であることを示す設定変更中コード、設定確認処理中であることを示す設定確認中コード等を表示することもできる。なお、設定変更中コードとしては、特別図柄の表示として通常では表示することのない図柄(例えば、設定変更中であることを示す設定変更図柄)を表示するようにしてもよい。
また、主制御回路2200には、第1始動口スイッチ2121、第2始動口スイッチ2141、通過ゲートスイッチ2127、大入賞口カウントスイッチ2132、Vアタッカーカウントスイッチ2153、V入賞口スイッチ2156、および、一般入賞口スイッチ2123も接続されている。これらのスイッチが検出されると、検出信号がI/Oポート2205を介して主制御回路2200に送信される。
さらに、主制御回路2200には、ホール係員を呼び出す機能や大当り回数を表示する機能等を有する呼出装置(不図示)、ホール全体のパチンコ遊技機を管理するホールコンピュータ2186にデータ送信する際に用いる外部端子板2184、設定機能付きのパチンコ遊技機であれば、設定値を変更したり確認したりする際に操作される設定キー2174、メインRAM2203に格納されるバックアップデータを遊技場の管理者の操作に応じてクリアすることが可能なバックアップクリアスイッチ2176等が接続されている。なお、設定機能付きパチンコ遊技機であれば、バックアップクリアスイッチ2176を、設定値を変更する際のスイッチと兼用するようにしてもよいし、設定値を変更するための設定スイッチを設けるようにしてもよい。
また、設定キー2174およびバックアップクリアスイッチ2176は、遊技場の管理者以外の第三者(例えば遊技者)が容易に触ることができないように、所定のケース内に収容されていることが好ましい。「所定のケース内」には、当該ケースを開放しないと設定キー2174やバックアップクリアスイッチ2176に接触できない構成のものだけでなく、当該ケースの設定キー2174およびバックアップクリアスイッチ2176の対応箇所にのみ切欠きが設けられ、遊技場の責任者が管理する鍵を使用して島設備からパチンコ遊技機を回動させて背面を露出させたときに、遊技場の責任者が設定キー2174または/およびバックアップクリアスイッチ2176に接触できるように構成されているものも含まれる。
なお、本実施例では、設定キー2174およびバックアップクリアスイッチ2176は、主制御回路2200に接続されているが、これに限られず、例えば、払出・発射制御回路2400や電源供給回路2450に接続されるような構成にしてもよい。この場合にもまた、遊技場の責任者以外の第三者が設定キー2174やバックアップクリアスイッチ2176に容易に接触できないようにすることが好ましい。
[3-2-2.サブ制御回路]
サブ制御回路2300は、サブCPU2301、プログラムROM2302、ワークRAM2303、表示制御回路2304、音声制御回路2305、LED制御回路2306、役物制御回路2307およびコマンド入力ポート2308等を備える。サブ制御回路2300は、主制御回路2200からの指令に応じて遊技の進行に応じた演出を実行する。なお、図88には示されていないが、第1のパチンコ遊技機と同様、サブ制御回路2300には、遊技者が操作可能な演出ボタン54(図1参照)等も接続されている。
プログラムROM2302には、サブCPU2301により第3のパチンコ遊技機の遊技演出を制御するためのプログラムや、各種のテーブル等が記憶されている。サブCPU2301は、プログラムROM2302に記憶されたプログラムに従って、各種の処理を実行する機能を有する。特に、サブCPU2301は、主制御回路2200から送信される各種のコマンドに従って、遊技演出にかかる制御を行う。
ワークRAM2303は、サブCPU2301の一時記憶領域として種々のフラグや変数の値を記憶する機能を有する。
表示制御回路2304は、表示装置2007における表示制御を行うための回路である。表示制御回路2304は、VDPや、各種の画像データを生成するためのデータが記憶されている画像データROM、画像データを一時的に格納するフレームバッファ、画像データを画像信号として変換するD/Aコンバータ等を備える。
表示制御回路2304は、サブCPU2301からの画像表示命令に応じて、表示装置2007に表示させるための画像データを一時的にフレームバッファに格納する。なお、表示装置2007に表示させるための画像データには、装飾図柄を示す装飾図柄画像データ、背景画像データ、演出用画像データ等の、遊技に関する各種の画像データが含まれる。
そして、表示制御回路2304は、所定のタイミングで、フレームバッファに格納された画像データをD/Aコンバータに供給する。D/Aコンバータは、画像データを画像信号として変換し、当該変換した画像信号を所定のタイミングで表示装置2007に供給する。表示装置2007に画像信号が供給されると、表示装置2007に当該画像信号に関する画像が表示される。こうして、表示制御回路2304は、表示装置2007に遊技に関する画像を表示させる制御を行うことができる。
音声制御回路2305は、スピーカ2032から発生させる音声に関する制御を行うための回路である。音声制御回路2305は、音声に関する制御を行う音源ICや、各種の音声データを記憶する音声データROM、音声信号を増幅するための増幅器(以下、AMPと称する)等を備える。
音源ICは、スピーカ2032から発生させる音声の制御を行う。音源ICは、サブCPU2301から供給される音声発生命令に応じて、音声データROMに記憶されている複数の音声データから一つの音声データを選択する。また、音源ICは、選択された音声データを音声データROMから読み出し、音声データを所定の音声信号に変換し、当該変換した音声信号をAMPに供給する。AMPは、スピーカ2032から出力される音声や効果音等の信号を増幅させるものである。
LED制御回路2306は、装飾LED等を含むLED群2046の制御を行うための回路である。LED制御回路2306は、LED制御信号を供給するためのドライブ回路や、複数種類のLED装飾パターンが記憶されている装飾データROM等を備える。
役物制御回路2307は、各役物(例えば、演出用役物群2058のうちの一または複数の役物)の動作を制御するための回路である。役物制御回路2307は、各役物に対して、駆動信号を供給するための駆動回路や、点灯制御信号を供給するための点灯回路、動作パターンや点灯パターンが記憶されている役物データROM等を備える。
また、役物制御回路2307は、サブCPU2301からの役物作動命令に応じて、役物データROMに記憶されている複数の動作パターンから一つの動作パターンを選択する。そして、選択した動作パターンを役物データROMから読み出し、読み出した動作パターンに対応する駆動信号を供給することにより、各役物の機械的な動作を制御する。また、点灯回路は、サブCPU2301からの点灯命令に基づいて、役物データROMに記憶されている複数の点灯パターンから一つの点灯パターンを選択する。そして、選択した点灯パターンを役物データROMから読み出し、読み出した点灯パターンに対応する点灯制御信号を供給することにより、各役物の点灯動作を制御する。
コマンド入力ポート2308は、コマンド出力ポート2206と接続されており、主制御回路2200から送信されたコマンドを受信するものである。
払出・発射制御回路2400は、パチンコ遊技機からの賞球や貸球の払い出しを制御するものであり、この払出・発射制御回路2400には、遊技球を払い出すための払出装置2082、遊技球を発射するための発射装置2006、球貸しにかかる制御を実行可能なカードユニット2180等が接続されている。
払出・発射制御回路2400は、主制御回路2200から供給される賞球制御コマンドを受け取ると、払出装置2082に対して所定の信号を送信し、払出装置2082に遊技球を払い出させる制御を行う。
カードユニット2180には、球貸し操作パネル2182が接続されている。球貸し操作パネル2182には、球貸しを受けるための球貸しボタンや、キャッシュデータが記憶されている球貸しカードの返却を受けるための貸出返却ボタン(いずれも不図示)が設けられている。例えば遊技者によって球貸し操作が行われると、球貸し操作に応じた貸し球制御信号がカードユニット2180に送信される。払出・発射制御回路2400は、カードユニット2180から送信された貸し球制御信号に基づいて、払出装置2082に遊技球を払い出させる制御を行う。なお、操作パネル2182は、パチンコ遊技機側に設けられることが多いが、カードユニット2180側に設けられてもよい。
また、払出・発射制御回路2400は、発射ハンドル62(図1、図2参照)が時計回りの方向へ回動操作されたことに基づいて、その回動角度(回動量)に応じて発射ソレノイド(図示せず)に電力を供給し、遊技球を発射させる制御を行う。
電源供給回路2450は、遊技に際して必要な電源電圧を、主制御回路2200、サブ制御回路2300、払出・発射制御回路2400等に供給するために作成する電源回路である。
電源供給回路2450には、電源スイッチ2095等が接続されている。電源スイッチ2095は、パチンコ遊技機(より詳しくは、主制御回路2200、サブ制御回路2300、払出・発射制御回路2400等)に必要な電源を供給するときにオン操作するものである。
[3-3.基本仕様]
次に、図89~図92を参照して、第3のパチンコ遊技機の基本仕様について説明する。なお、第3のパチンコ遊技機は設定機能付きのパチンコ遊技機であってもよいが、以下では、設定機能にかかわる記載は省略する。
なお、第3のパチンコ遊技機では、確変制御が実行されない。また、第3のパチンコ遊技機では、時短制御が実行されない通常遊技状態および時短制御が実行される時短遊技状態が用意されており、メインCPU2201は、通常遊技状態または時短遊技状態において遊技を進行させることが可能となっている。
本実施例において、通常遊技状態では左打ちが正規な遊技態様とされ、時短遊技状態では右打ちが正規な遊技態様とされる。サブCPU2301は、正規な遊技態様とされる打ち方を、例えば表示装置2007の表示領域に表示する制御を実行する。
[3-3-1.特別図柄の当り判定テーブル]
図89は、第3のパチンコ遊技機が備える主制御回路2200のメインROM2202に記憶されている特別図柄の当り判定テーブルの一例である。
図89に示されるとおり、第1始動口2120に遊技球が入賞(通過)した場合、メインCPU2201は、第1特別図柄の大当り判定用乱数値を用いた第1特別図柄の当り判定処理に基づいて、特別図柄の当り判定処理の結果を、「時短当り」、「大当り」または「ハズレ」に決定する。また、第2始動口2140に遊技球が入賞(通過)した場合、メインCPU2201は、第2特別図柄の大当り判定用乱数値を用いた第2特別図柄の当り判定処理に基づいて、特別図柄の当り判定処理の結果を、「時短当り」、「大当り」または「役物開放当り」に決定する。
なお、第1特別図柄の当り判定処理が行われた場合に「役物開放当り」が決定されないようにすることは必須ではないが、「役物開放当り」に決定されるようにしたとしても、第2特別図柄の当り判定処理が行われた場合と比べて極めて低い確率(例えば、「大当り」と同等か「大当り」よりも低い確率)でしか決定されないようにすることが好ましい。また、第2特別図柄の当り判定処理が行われた場合に「ハズレ」に決定されないようにすることは必須ではないが、「ハズレ」に決定されるようにした場合、「役物開放当り」に決定される確率よりも高くなるようにしてもよいし、「役物開放当り」に決定される確率よりも低くなるようにしてもよい。
メインROM2202に記憶される特別図柄の当り判定テーブルには、第1始動口2120への入賞に基づいて実行される第1特別図柄の当り判定処理に用いられるデータとして、「時短当り」、「大当り」又は「ハズレ」に決定される大当り判定用乱数値の範囲(幅)と、それに対応する判定値データ(「時短当り判定値データ」、「大当り判定値データ」、「ハズレ判定値データ」)との関係が規定されている。また、第2始動口2140への入賞に基づいて実行される第2特別図柄の当り判定処理に用いられるデータとして、「時短当り」、「大当り」又は「役物開放当り」に決定される大当り判定用乱数値の範囲(幅)と、それに対応する判定値データ(「時短当り判定値データ」、「大当り判定値データ」、「役物開放当り判定値データ」)との関係が規定されている。
なお、この第3のパチンコ遊技機では、「大当り」に決定される大当り確率を変更する機能を有していないが、これは必須ではなく、例えば大当りの種類等に応じて確変フラグがオンにセットされるようにして大当り確率が高められるようにしてもよい。
また、この第3のパチンコ遊技機では、第1特別図柄および第2特別図柄ともに、大当り判定用乱数値の総乱数値は65536である。すなわち、上記の大当り判定用乱数値は0~65535の範囲(幅)で発生する。
なお、第3のパチンコ遊技機が設定機能付きパチンコ遊技機である場合、例えば、大当り確率または/および役物開放当り確率を、低設定よりも高設定の方が高くなるようにするとよい。この場合、例えば、大当り確率および役物開放当り確率の両方を、低設定よりも高設定の方が高くなるようにしてもよいし、役物開放当り確率を設定値にかかわらず一定とし、大当り確率を低設定よりも高設定の方が高くなるようにしてもよいし、大当り確率を設定値にかかわらず一定とし、役物開放当り確率を低設定よりも高設定の方が高くなるようにしてもよい。ただし、第3のパチンコ遊技機が設定機能付きパチンコ遊技機であったとしても、例えば、時短当り確率については、全設定で共通する確率とすることが好ましい。
また、設定値に応じて大当り確率や役物開放当り確率を変えることに代えてまたは加えて、例えば、Vアタッカー2152の開放時間を設定値毎に変えてV入賞装置2150への入賞率を変えたり、V入賞口2155の開放頻度や開放時間を設定値毎に変えてV入賞口2155への通過率を変えたり、時短継続回数を設定値毎に変えたりする等してもよい。すなわち、大当り確率、役物開放当り確率、V入賞口2155の開放頻度(すなわちVアタッカー2152の作動頻度)や開放時間および時短継続回数等、遊技者にとっての有利度合いを変更しうる条件のうちの一つまたは二つ以上を採用することにより、大当り遊技状態に制御される期待値が低設定よりも高設定の方が高くなるように構成してもよい。
[3-3-2.特別図柄判定テーブル]
図90は、第3のパチンコ遊技機が備える主制御回路2200のメインROM2202に記憶されている特別図柄判定テーブルの一例である。
特別図柄判定テーブルは、始動口2120,2140に遊技球が入賞した際に抽出される特別図柄の図柄乱数値と先述の判定値データとに基づいて、停止図柄を決定付ける「選択図柄コマンド」および「図柄指定コマンド」を選択する際に参照されるテーブルである。「選択図柄コマンド」は、特別図柄の当り判定処理の結果が大当りであった場合に、大当り種類に応じて定められる当り図柄を指定するためのコマンドであり、「図柄指定コマンド」は、特別図柄の可変表示の停止時に表示される図柄を指定するためのコマンドである。特別図柄の図柄乱数値は、例えば0~99(100種類)の中から抽出される。
図90に示される特別図柄判定テーブルによれば、第1特別図柄の当り判定処理の結果として時短当り判定値データが得られた場合、第1特別図柄の図柄乱数値が例えば0~99のいずれであっても、メインCPU2201は、選択図柄コマンドとして「z0」を選択し、図柄指定コマンドとして「zA1」を選択する。
また、第1特別図柄の当り判定処理の結果として大当り判定値データが得られた場合、メインCPU2201は、例えば、選択図柄コマンドおよび図柄指定コマンドを以下のように選択する。すなわち、第1特別図柄の図柄乱数値が0~3のいずれかである場合、メインCPU2201は、選択図柄コマンドとして「z1」を選択し、図柄指定コマンドとして「zA2」を選択する。また、第1特別図柄の図柄乱数値が4~60のいずれかである場合、メインCPU2201は、選択図柄コマンドとして「z2」を選択し、図柄指定コマンドとして「zA2」を選択する。さらに、第1特別図柄の図柄乱数値が61~99のいずれかである場合、メインCPU2201は、選択図柄コマンドとして「z3」を選択し、図柄指定コマンドとして「zA2」を選択する。
また、第1特別図柄の当り判定処理の結果としてハズレ判定値データが得られた場合、第1特別図柄の図柄乱数値が0~99のいずれであっても、メインCPU2201は、選択図柄コマンドとして「z4」を選択し、図柄指定コマンドとして「zA3」を選択する。
また、第2特別図柄の当り判定処理の結果として時短当り判定値データが得られた場合、例えば、選択図柄コマンドおよび図柄指定コマンドは以下のように選択される。すなわち、第2特別図柄の図柄乱数値が0~99のいずれかであったとしても、メインCPU2201は、選択図柄コマンドとして「z5」を選択し、図柄指定コマンドとして「zA4」を選択する。
また、第2特別図柄の当り判定処理の結果として大当り判定値データが得られた場合、例えば、選択図柄コマンドおよび図柄指定コマンドは以下のように選択される。すなわち、第2特別図柄の図柄乱数値が0~99のいずれかであったとしても、メインCPU2201は、選択図柄コマンドとして「z6」を選択し、図柄指定コマンドとして「zA5」を選択する。
さらに、第2特別図柄の当り判定処理の結果として役物開放当り判定値データが得られた場合、例えば、選択図柄コマンドおよび図柄指定コマンドは以下のように選択される。すなわち、第2特別図柄の図柄乱数値が0~99のいずれであったとしても、メインCPU2201は、選択図柄コマンドとして「z7」を選択し、図柄指定コマンドとして「zA6」を選択する。
なお、第3のパチンコ遊技機では説明を省略するが、主制御回路2200のメインROM2202には、第1のパチンコ遊技機において説明した特別図柄停止態様決定テーブル(図12(A)参照)に相当する特別図柄停止態様決定テーブルが記憶されている。特別図柄停止態様決定テーブルは、特別図柄の可変表示が停止したときに第1特別図柄表示部2163または第2特別図柄表示部2164(図88参照)に導出される特別図柄の停止態様を、選択図柄コマンドに応じて決定する際に参照されるテーブルである。また、特別図柄表示部2163,2164には、特別図柄の当り判定処理の結果に基づいて、時短当りの表示態様、大当りの表示態様、役物開放当りの表示態様またはハズレの表示態様が導出される。また、第1のパチンコ遊技機において説明した装飾図柄停止態様決定テーブル(図12(B)参照)に相当する装飾図柄停止態様決定テーブルについても、サブ制御回路2300のプログラムROM2302に記憶されている。
[3-3-3.当り種類決定テーブル]
図91は、第3のパチンコ遊技機が備える主制御回路2200のメインROM2202に記憶されている当り種類決定テーブルの一例である。当り種類決定テーブルは、特別図柄の図柄乱数値に対応して決定される選択図柄コマンドに応じて、大当り遊技状態の態様(より詳しくはラウンド数)と、その後の遊技状態の態様(より詳しくは時短フラグおよび時短の終了条件)と、を決定する際に参照される。その後の遊技状態の態様は、大当り遊技状態終了後の遊技状態の態様を示す。ただし、特別図柄の当り判定処理の結果が時短当りである場合は、大当り遊技状態に制御されることなくC時短遊技状態に制御される。図91の時短の終了条件に欄に示される「L」は、第1特別図柄の可変表示回数と第2特別図柄の可変表示回数との和を示す。同様に、「M」は第2特別図柄の可変表示回数を示し、「N」は役物開放当り回数を示す。なお、図91の備考欄は、分かりやすいように便宜上記載したものである。
本実施例では、特別図柄の当り判定処理の結果が「時短当り」である場合、C時短遊技状態の態様は、次のとおり決定される。例えば、選択図柄コマンドが「z0」である場合、メインCPU2201は、時短フラグをオンにセットすることを決定し、時短の終了条件を、L=30、M=6、N=3に決定する。また、選択図柄コマンドが「z5」である場合、メインCPU2201は、時短フラグをオンにセットすることを決定し、時短の終了条件を、L=30、M=3、N=3に決定する。なお、特別図柄の当り判定処理の結果が「時短当り」である場合、大当り遊技状態の態様としてのラウンド数は決定されない。
また、特別図柄の当り判定処理の結果が「大当り」である場合、大当り遊技状態の態様としてのラウンド数、およびその後の遊技状態(A時短遊技状態)の態様は、次のとおり決定される。例えば、選択図柄コマンドが「z1」である場合、メインCPU2201は、ラウンド数を10ラウンドに決定し、時短フラグをオンにセットすることを決定し、時短の終了条件を、L=50、M=5、N=2に決定する。また、選択図柄コマンドが「z2」である場合、メインCPU2201は、ラウンド数を4ラウンドに決定し、時短フラグをオンにセットすることを決定し、時短の終了条件を、L=50、M=5、N=1に決定する。また、選択図柄コマンドが「z3」である場合、メインCPU2201は、ラウンド数を4ラウンドに決定し、時短フラグをオンにセットしないことを決定する。また、選択図柄コマンドが「z6」である場合、メインCPU2201は、ラウンド数を10ラウンドに決定し、時短フラグをオンにセットすることを決定し、時短の終了条件を、L=50、M=5、N=2に決定する。
また、特別図柄の当り判定処理の結果が「役物開放り」(例えば、選択図柄コマンドが「z7」)であって、第2のルートを経た大当り遊技状態に制御された場合、メインCPU2201は、ラウンド数を10ラウンドに決定し、時短フラグをオンにセットすることを決定し、時短の終了条件を、L=50、M=5、N=2に決定する。ただし、特別図柄の当り判定処理の結果が「役物開放り」であったとしても、第2のルートを経た大当り遊技状態に制御されなかった場合には、メインCPU2201は、大当り遊技状態を実行しないだけでなく、時短フラグもオンにセットせず、役物開放当りに基づく制御を実行した後、役物開放当り直前の遊技状態に戻す。
また、例えば、特別図柄の当り判定処理の結果が「ハズレ」である場合(例えば、選択図柄コマンドが「z4」の場合)、メインCPU2201は、大当り遊技状態の態様およびその後の遊技状態の態様のいずれもセットしない。すなわち、特別図柄の当り判定処理の結果がハズレの場合、メインCPU2201は、遊技状態を移行させずに、それまでの遊技状態に継続して制御する。
なお、特別図柄の当り判定処理の結果が「ハズレ」である場合(例えば、選択図柄コマンドが「z4」の場合)、上述したように大当り遊技状態の態様およびその後の遊技状態の態様のいずれもセットされないため、本来、図91の当り種類決定テーブルに図示する必要がない。ただし、本実施例では、特別図柄の当り判定処理の結果が「ハズレ」である場合、大当り遊技状態の態様およびその後の遊技状態の態様のいずれも決定されないことを明示するために、便宜上、図91に図示したものである。
また、図91の時短の終了条件の欄に示される「L」、「M」、および「N」は、いずれも遊技状態にかかわらず同じ条件であるが、これに限られず、遊技状態に応じて異なる条件としてもよい。例えば、終了条件「L」、「M」、および「N」の全部を、A時短遊技状態とB時短遊技状態とC時短遊技状態とでそれぞれ異ならせてもよいし、A時短遊技状態とB時短遊技状態とC時短遊技状態とのうちいずれか一の時短遊技状態でのみ異ならせてもよい。また、終了条件「L」、「M」、および「N」のうちいずれか一の終了条件のみを、A時短遊技状態とB時短遊技状態とC時短遊技状態とでそれぞれ異ならせてもよいし、A時短遊技状態とB時短遊技状態とC時短遊技状態とのうちいずれか一の時短遊技状態でのみ異ならせてもよい。すなわち、終了条件「L」、「M」、および「N」のうち少なくともいずれか一の終了条件を、A時短遊技状態とB時短遊技状態とC時短遊技状態とのうち少なくともいずれか一の時短遊技状態において異ならせてもよい。
[3-3-4.特別図柄の変動パターンテーブル]
図92は、第3のパチンコ遊技機の特別図柄の変動パターンテーブルの一例である。なお、図92中の「備考」の欄は、分かりやすいように便宜上示したものである。メインCPU2201は、第1始動口2120への遊技球の入賞に基づくときは第1特別図柄の変動パターンを決定し、第2始動口2140への遊技球の入賞に基づくときは第2特別図柄の変動パターンを決定する。
図92に示されるように、メインCPU2201は、第1始動口2120に遊技球が入賞したときは第1特別図柄の変動パターンを決定し、第2始動口2140に遊技球が入賞したときは第2特別図柄の変動パターンを決定する。
図92に示されるように、第1特別図柄の当り判定処理の結果が「時短当り」である場合、メインCPU2201は、第1特別図柄の変動パターンを、第1始動口2120に遊技球が入賞(通過)したときに抽出された演出選択用乱数値に基づいて決定する。
また、第1特別図柄の当り判定処理の結果が「大当り」である場合、メインCPU2201は、第1特別図柄の変動パターンを、第1始動口2120に遊技球が入賞(通過)したときに抽出された演出選択用乱数値に基づいて決定する。
また、第1特別図柄の当り判定処理の結果が「ハズレ」である場合、メインCPU2201は、第1特別図柄の変動パターンを、時短フラグの値、第1始動口2120に遊技球が入賞(通過)したときに抽出されたリーチ判定用乱数値および演出選択用乱数値に基づいて決定する。なお、時短遊技状態では右打ちが正規な遊技態様とされるため第1始動口2120に遊技球が入賞することは殆どないと考えられる。
また、第2特別図柄の当り判定処理の結果が「時短当り」である場合、メインCPU2201は、第1特別図柄の変動パターンを、第2始動口2140に遊技球が入賞(通過)したときに抽出された演出選択用乱数値に基づいて決定する。
また、第2特別図柄抽選の結果が「大当り」である場合、メインCPU2201は、第2特別図柄の変動パターンを、第2始動口2140に遊技球が入賞(通過)したときに抽出された演出選択用乱数値に基づいて決定する。
第2特別図柄の当り判定処理の結果が「役物開放当り」であって且つ時短フラグの値が「1」である場合、メインCPU2201は、第2特別図柄の変動パターンを、第2始動口2140に遊技球が入賞したときに抽出されたリーチ判定用乱数値および演出選択用乱数値に基づいて第2特別図柄の変動パターンを決定する。
一方、第2特別図柄の当り判定処理の結果が「役物開放当り」であって且つ時短フラグの値が「0」である場合、メインCPU2201は、第2特別図柄の変動パターンを、変動時間が例えば600000msecと極めて長い長変動演出に決定する。時短フラグの値が「0」である場合、基本的に第2始動口2140に遊技球が入賞(通過)することはないが、不測の事態が発生して仮に万一第2始動口2140に遊技球が入賞した場合であっても、有利者に与えうる利益を最小限にとどめるようにするためこのようにしたものであるが、このようにすることは必ずしも必須ではない。
なお、リーチ判定用乱数値は例えば0~249(250種類)の中から抽出され、演出選択用乱数値は例えば0~99(100種類)の中から抽出される。ただし、発生する乱数値の範囲は上記に限られない。
メインCPU2201は、第1始動口2120への遊技球の入賞に基づいて抽出した演出選択用乱数値が特定の乱数値である場合、先読みフラグを設定する。メインCPU2201から送信された特別図柄の変動パターンコマンドを受信したサブCPU2301は、先読みフラグが設定されている場合、先読み演出を行う。
なお、便宜上、図92の特別図柄の変動パターンテーブルにはあらわれていないが、本実施例では、メインCPU2201は、時短フラグがオフである場合に先読みフラグを設定し、時短フラグがオンであったり確変フラグがオンである場合には先読みフラグを設定しない。
また、本実施例では、先読み演出を行うか否かをメインCPU2201が決定しているが、これに限られず、サブCPU2301が決定するようにしてもよい。
なお、メインCPU2201は、時短フラグがオンである場合や確変フラグがオンである場合にも先読みフラグを設定するように(先読み演出が行われるように)してもよい。また、第2特別図柄の変動パターンを決定する際にも、先読みフラグを設定するように(先読み演出が行われるように)してもよい。
時短フラグがオンである場合、決定される特別図柄の変動パターンは、時短フラグがオフである場合と比べて単位時間あたりの変動回数の期待値が小さい。すなわち、時短フラグがオンである場合の特別図柄の変動時間は、時短フラグがオフである場合の特別図柄の変動時間と比べて短時間となりやすい。
メインCPU2201は、決定した変動パターン情報をサブCPU2301に送信する。サブCPU2301は、メインCPU2201から送信された変動パターン情報に基づいて、表示装置2007の表示領域に表示される表示演出や、スピーカ2032から出力される音演出を制御する。
また、図92の「備考」の欄に示される時短当り系リーチA,Bは、特別図柄の当り判定処理の結果が時短当りの可能性がある(大当りの可能性がない)ことを示すリーチ演出である。同様に、大当り系リーチA,Bは、特別図柄の当り判定処理の結果が大当りの可能性がある(時短当りの可能性がない)ことを示すリーチ演出である。さらに、共通リーチA,Bは、特別図柄の当り判定処理の結果が時短当りおよび大当りのいずれについても可能性があることを示すリーチ演出である。
また、第3のパチンコ遊技機では説明を省略するが、第1のパチンコ遊技機と同様に、主制御回路2200のメインROM2202には普通図柄の当り判定テーブル(図16参照)、普通図柄判定テーブル(図17参照)、普通図柄当り種類決定テーブル(図18参照)、普通図柄の変動パターンテーブル(図19参照)が記憶されている。そして、メインCPU2201は、普通電動役物2146(図87参照)の開放パターンを第1のパチンコ遊技機と同様に決定し、これに基づいて普通電動役物2146の作動態様を制御する。
[3-4.主制御処理]
第3のパチンコ遊技機において、主制御回路2200のメインCPU2201により実行される各種処理(各種モジュール)は、主制御メイン処理(図20~図23参照)中のS39で行われる特別図柄制御処理が異なるものの、その他の処理については同様である。そこで、以下では、特別図柄制御処理について説明し、メインCPU2201により実行されるその他の処理についての説明は省略する。なお、第3のパチンコ遊技機における特別図柄制御処理において行われる処理には、第1のパチンコ遊技機において行われる処理と同じ処理もあるが(例えば、大当り終了処理(図42、図103)等)、以下では、第1のパチンコ遊技機において行われる処理と同じ処理も含めて、ステップ番号を代えて改めて説明する。
[3-4-1.特別図柄制御処理]
次に、図93を参照して、主制御メイン処理(図20~図23参照)中のS39で行われる特別図柄制御処理について説明する。図93は、第3のパチンコ遊技機における特別図柄制御処理の一例を示すフローチャートである。
図93に示されるように、メインCPU2201は、先ず、S2001において、特別図柄の制御状態番号をロードする。特別図柄の制御状態番号は、特別図柄の可変表示(特別図柄ゲーム)に関する制御処理の状態(ステータス)を示す番号である。メインCPU2201は、S2001の処理を実行した後、処理をS2002に移す。
なお、図示しないが、メインCPU2201は、特別図柄制御処理を実行するにあたり、S2001の処理に先だって、メインRAM2203内の特別図柄の作業領域等のアドレスを所定のレジスタにセットするアドレス設定処理を行う。
また、同じく図示しないが、メインCPU2201は、特別図柄制御処理を実行するにあたり、第1特別図柄の保留数および第2特別図柄の保留数をチェックする処理も行う。そして、メインCPU2201は、第1特別図柄の保留数および第2特別図柄の保留数のいずれもが一定時間以上にわたって「0」である場合、デモ表示コマンドの送信予約処理を行う。なお、この処理で送信予約されたデモ表示コマンドは、次回のシステムタイマ割込処理中の演出制御コマンド送信処理(図45のS322参照)において、サブ制御回路2300に送信される。そして、デモ表示コマンドをサブ制御回路2300が受信すると、サブCPU2301はデモ表示演出を行う。なお、第3のパチンコ遊技機は、第1特別図柄と第2特別図柄とが並行して可変表示可能なパチンコ遊技機でないため、第1のパチンコ遊技機において説明したような主特別図柄の概念がない。
S2002において、メインCPU2201は、S2001でロードした特別図柄の制御状態番号が0であるか否か、すなわち特別図柄の可変表示待ち状態であるか否かを判定する。
S2002において特別図柄の制御番号が0でないと判定された場合(S2002がNO判定の場合)、メインCPU2201は、処理をS2005に移す。
一方、S2002において特別図柄の制御番号が0であると判定された場合(S2002がYES判定の場合)、メインCPU2201は、処理をS2003に移す。
S2003において、メインCPU2201は、第2特別図柄が可変表示開始であるか否か、すなわち第2特別図柄の始動情報が保留されているか否かを判定する。
S2003において第2特別図柄が可変表示開始でない、すなわち第2特別図柄の始動情報が保留されていないと判定された場合(S2003がNO判定の場合)、メインCPU2201は、処理をS2004に移す。
S2004において、メインCPU2201は、第1特別図柄が可変表示開始であるか否か、すなわち第1特別図柄の始動情報が保留されているか否かを判定する。
S2004において第1特別図柄が可変表示開始でない、すなわち第1特別図柄の始動情報が保留されていないと判定された場合(S2004がNO判定の場合)、メインCPU2201は、特別図柄制御処理を終了し、処理を主制御メイン処理(図20~図23参照)に戻す。
一方、S2004において第1特別図柄が可変表示開始である、すなわち第1特別図柄の始動情報が保留されていると判定された場合(S2004がYES判定の場合)、メインCPU2201は、処理をS2005に移す。
S2003に戻って、第2特別図柄が可変表示開始である、すなわち第2特別図柄の始動情報が保留されていると判定された場合(S2003がYES判定の場合)、メインCPU2201は、処理をS2005に移す。
S2005において、メインCPU2201は、特別図柄管理処理を行う。この特別図柄管理処理の詳細については、図94を参照して後述する。メインCPU2201は、S2003の処理を実行した後、特別図柄制御処理を終了し、処理を主制御メイン処理(図20~図23参照)に戻す。
なお、メインCPU2201は、割込み禁止区間を設定し、上述の特別図柄制御処理(S2001~S2005)を、割込み禁止区間内で行うことが好ましい。
このように、本実施例では、第3のパチンコ遊技機として、第2特別図柄の始動情報が保留されている場合、第1特別図柄よりも高い優先順位で特別図柄管理処理(S2005)が実行される優先変動機について説明したが、これに限られない。例えば、第1特別図柄の始動情報が保留されている場合、第2特別図柄よりも高い優先順位で特別図柄管理処理(S2005)が実行される優先変動機としてもよいし、第1始動口2120または第2始動口2140への入賞順に特別図柄管理処理が実行される順次変動機としてもよい。
[3-4-2.特別図柄管理処理]
次に、図94を参照して、特別図柄制御処理(図93参照)中のS2005でメインCPU2201により実行される特別図柄管理処理について説明する。図94は、第3のパチンコ遊技機における特別図柄管理処理の一例を示すフローチャートである。
なお、制御状態番号が0の場合(S2002がYES判定の場合)、特別図柄管理処理は、S2003がYES判定の場合は第2特別図柄が処理対象であり、S2004がYES判定の場合は第1特別図柄が処理対象である。また、制御状態番号が0でない場合(S2002がNO判定の場合)、特別図柄管理処理は、実行中の特別図柄が処理対象である。
また、図94に示す各処理の右方に括弧書きで記載した数値(「0」~「7」)は、処理対象となる特別図柄の制御状態番号である。メインCPU2201は、制御状態番号に対応する各処理を実行することにより、特別図柄ゲームを進行させる。
メインCPU2201は、先ず、特別図柄の待ち時間が0であるか否かを判定する(S2011)。
S2011において特別図柄の待ち時間が0でないと判定された場合(S2011がNO判定の場合)、メインCPU2201は、特別図柄管理処理を終了し、処理を特別図柄制御処理(図93参照)に戻す。
一方、S2011において特別図柄の待ち時間が0であると判定された場合(S2011がYES判定の場合)、メインCPU2201は、処理をS2012に移す。
S2012において、メインCPU2201は、特別図柄の制御状態番号をロードする。そして、メインCPU2201は、S2012の処理を実行した後、処理をS2013に移す。なお、メインCPU2201は、S2012の処理で読み出された制御状態番号に基づいて、S2013以降の処理を行う。
S2013において、メインCPU2201は、特別図柄可変表示開始処理を行う。このS2013の処理は、特別図柄の制御状態番号が「0」である場合に行われる処理である。この特別図柄可変表示開始処理の詳細については、図95を参照して後述する。特別図柄の制御状態番号が「0」でない場合には、メインCPU2201は、処理をS2014に移す。
S2014において、メインCPU2201は、特別図柄可変表示終了処理を行う。このS2014の処理は、特別図柄の制御状態番号が「1」である場合に行われる処理である。この特別図柄可変表示終了処理の詳細については、図96を参照して後述する。特別図柄の制御状態番号が「1」でない場合には、メインCPU2201は、処理をS2015に移す。
S2015において、メインCPU2201は、特別図柄遊技判定処理を行う。このS2015の処理は、特別図柄の制御状態番号が「2」である場合に行われる処理である。この特別図柄遊技判定処理の詳細については、図97を参照して後述する。特別図柄の制御状態番号が「2」でない場合には、メインCPU2201は、処理をS2016に移す。
S2016において、メインCPU2201は、V入賞装置開放準備処理を行う。このS2016の処理は、特別図柄の制御状態番号が「3」である場合に行われる処理である。このV入賞装置開放準備処理の詳細については、図99を参照して後述する。特別図柄の制御状態番号が「3」でない場合には、メインCPU2201は、処理をS2017に移す。
S2017において、メインCPU2201は、V入賞装置開放制御処理を行う。このS2017の処理は、特別図柄の制御状態番号が「4」である場合に行われる処理である。このV入賞装置開放制御処理の詳細については、図100を参照して後述する。特別図柄の制御状態番号が「4」でない場合には、メインCPU2201は、処理をS2018に移す。
S2018において、メインCPU2201は、大入賞口開放準備処理を行う。このS2018の処理は、特別図柄の制御状態番号が「5」である場合に行われる処理である。この大入賞口開放準備処理の詳細については、図101を参照して後述する。特別図柄の制御状態番号が「5」でない場合には、メインCPU2201は、処理をS2019に移す。
S2019において、メインCPU2201は、大入賞口開放制御処理を行う。このS2019の処理は、特別図柄の制御状態番号が「6」である場合に行われる処理である。この大入賞口開放制御処理の詳細については、図102を参照して後述する。特別図柄の制御状態番号が「6」でない場合には、メインCPU2201は、処理をS2020に移す。
S2020において、メインCPU2201は、大当り終了処理を行う。このS2020の処理は、特別図柄の制御状態番号が「7」である場合に行われる処理である。この大当り終了処理の詳細については、図103を参照して後述する。
メインCPU2201は、S2013~S2020の処理を終了後、特別図柄管理処理を終了し、処理を特別図柄制御処理(図93参照)に戻す。この場合、特別図柄管理処理が呼び出された処理に戻す。
[3-4-3.特別図柄可変表示開始処理]
次に、図95を参照して、特別図柄管理処理(図94参照)中のS2013でメインCPU2201により実行される特別図柄可変表示開始処理について説明する。図95は、第3のパチンコ遊技機における特別図柄可変表示開始処理の一例を示すフローチャートである。
なお、特別図柄可変表示開始処理が第1特別図柄を処理対象とする特別図柄管理処理中のS2013で呼び出された処理である場合、第1特別図柄が処理対象となる。同様に、特別図柄可変表示開始処理が第2特別図柄を処理対象とする特別図柄管理処理中のS2013で呼び出された処理である場合、第2特別図柄が処理対象となる。
図95に示されるように、メインCPU2201は、先ず、特別図柄の制御状態番号が「0」であるか否かを判定する(S2021)。
S2021において特別図柄の制御状態番号が「0」でないと判定された場合(S2021がNO判定の場合)、メインCPU2201は、特別図柄可変表示開始処理を終了し、処理を特別図柄管理処理(図94参照)に戻す。
一方、S2021において特別図柄の制御状態番号が「0」であると判定された場合(S2021がYES判定の場合)、メインCPU2201は、処理をS2022に移す。
S2022において、メインCPU2201は、特別図柄の始動情報のシフト処理を行う。メインCPU2201は、S2022の処理を実行した後、処理をS2023に移す。
S2023において、メインCPU2201は、特別図柄の当り判定処理を行う。この処理では、特別図柄の当り判定テーブル(図89参照)を参照し、特別図柄の大当り判定用乱数値を用いて特別図柄の当り判定が行われる。本実施例では、第1特別図柄が処理対象であれば、時短当り、大当り、およびハズレのうちいずれであるかが判定される。また、第2特別図柄が処理対象であれば、時短当り、大当り、および役物開放当りのうちいずれであるかが判定される。メインCPU2201は、S2023の処理を実行した後、処理をS2024に移す。
S2024において、メインCPU2201は、特別図柄決定処理を行う。この処理は、特別図柄の当り判定処理(S2023)の結果(例えば、時短当り、大当り、役物開放当りまたはハズレ)に対応する特別図柄の停止図柄を判定乃至決定する処理である。この処理では、特別図柄判定テーブル(図90参照)を参照し、特別図柄の図柄乱数値を用いて、上述の「選択図柄コマンド」や「図柄指定コマンド」が判定される。メインCPU2201は、S2024の処理を実行した後、処理をS2025に移す。
S2025において、メインCPU2201は、大当り種類決定処理を行う。この処理は、特別図柄の当り判定処理の結果が当り(時短当り、大当り、役物開放当り)である場合に、当りの種類を判定乃至決定する処理である。この処理では、当り種類決定テーブル(図91参照)を参照し、特別図柄決定処理(S2024)で判定された「選択図柄コマンド」に応じて当りの種類が決定される。なお、特別図柄の当り判定処理の結果が例えば役物開放当りである場合に決定される当りの種類は、役物開放当りに基づいて開放されたV入賞口2155に遊技球が通過したことによって大当り遊技制御処理が実行された場合の大当りの種類である。また、本実施例では、時短当り、大当り、および役物開放当りの種類をいずれも複数種類としているが、時短当り、大当り、または/および役物開放当りの種類は1つであってもよい。さらには、時短当り、大当り、または/および役物開放当りの種類を複数種類とすることに代えてまたは加えて、ハズレの種類を複数設けるようにしてもよい。メインCPU2201は、S2025の処理を実行した後、処理をS2026に移す。
S2026において、メインCPU2201は、特別図柄の変動パターン決定処理を行う。この処理は、特別図柄の変動パターンを判定乃至決定する処理である。この処理では、特別図柄の変動パターンテーブル(図92参照)を参照し、例えば、特別図柄の種類、特別図柄の当り判定処理(S2023)の結果、時短フラグの値、リーチ判定用乱数値または/および演出選択用乱数値等に応じて、特別図柄の変動パターンが決定される。メインCPU2201は、S2026の処理を実行した後、処理をS2027に移す。
S2027において、メインCPU2201は、特別図柄の可変表示時間設定処理を行う。この処理では、変動パターンテーブル(図92参照)を参照し、特別図柄の変動パターン決定処理(S2026)で決定された変動パターンに対応する変動時間が、特別図柄の変動時間として決定される。メインCPU2201は、S2027の処理を実行した後、処理をS2028に移す。
S2028において、メインCPU2201は、特別図柄の制御状態番号に「1」をセットする処理を行う。このように、特別図柄の制御状態番号を「1」にセットする処理を行うことにより、この特別図柄可変表示開始処理の終了後に、特別図柄可変表示終了処理(図94のS2014参照)が行われることとなる。メインCPU2201は、S2028の処理を実行した後、処理をS2029に移す。
S2029において、メインCPU2201は、遊技状態指定パラメータ設定処理を行う。この処理では、例えば、メインRAM2203内の所定領域に格納されている遊技状態にかかわるパラメータ(例えば、確変残回数や時短残回数等)の更新処理等が行われる。メインCPU2201は、S2029の処理を実行した後、処理をS2030に移す。
S2030において、メインCPU2201は、遊技状態管理処理を行う。この処理では、主に、遊技状態の管理に関する各種フラグ(例えば、確変フラグや時短フラグ等)の更新処理を行う。メインCPU2201は、S2030の処理を実行した後、処理をS2031に移す。
S2031において、メインCPU2201は、特別図柄演出開始コマンドの送信予約処理を行う。なお、この処理で送信予約された特別図柄演出開始コマンドは、次回のシステムタイマ割込処理中の演出制御コマンド送信処理(図45のS322参照)において、サブ制御回路2300に送信される。
なお、メインCPU2201は、割込み禁止区間を設定し、上述の特別図柄可変表示開始処理(とくに、遊技状態管理処理(S2030)、特別図柄演出開始コマンドの送信予約処理(S2031))を、割込み禁止区間内で行うことが好ましい。
[3-4-4.特別図柄可変表示終了処理]
次に、図96を参照して、特別図柄管理処理(図94参照)中のS2014でメインCPU2201により実行される特別図柄可変表示終了処理について説明する。図96は、第3のパチンコ遊技機における特別図柄可変表示終了処理の一例を示すフローチャートである。
なお、特別図柄可変表示終了処理が第1特別図柄を処理対象とする特別図柄管理処理中のS2014で呼び出された場合、第1特別図柄が処理対象となる。同様に、特別図柄可変表示終了処理が第2特別図柄を処理対象とする特別図柄管理処理中のS2014で呼び出された処理である場合、第2特別図柄が処理対象となる。
メインCPU2201は、先ず、特別図柄の制御状態番号が「1」であるか否かを判定する(S2041)。
S2041において特別図柄の制御状態番号が「1」でないと判定された場合(S2041がNO判定の場合)、メインCPU2201は、特別図柄可変表示終了処理を終了し、処理を特別図柄管理処理(図94参照)に戻す。
一方、S2041において特別図柄の制御状態番号が「1」であると判定された場合(S2041がYES判定の場合)、メインCPU2201は、処理をS2042に移す。
S2042において、メインCPU2201は、特別図柄の制御状態番号を「2」にセットする。このように、特別図柄の制御状態番号を「2」にセットする処理を行うことにより、この特別図柄可変表示終了処理の終了後に、特別図柄遊技判定処理(図94のS2015参照)が行われることとなる。メインCPU2201は、S2042の処理を実行した後、処理をS2043に移す。
S2043において、メインCPU2201は、特別図柄演出停止コマンドの送信予約処理を行う。この処理では、特別図柄の可変表示を停止させる処理も行われる。なお、この処理で送信予約された特別図柄演出停止コマンドは、次回のシステムタイマ割込処理中の演出制御コマンド送信処理(図45のS322参照)において、サブ制御回路2300に送信される。メインCPU2201は、S2043の処理を実行した後、処理をS2044に移す。
S2044において、メインCPU2201は、図柄確定数カウンタの値を1加算する。第1のパチンコ遊技機および第2のパチンコ遊技機の説明において上述したように、図柄確定数カウンタは、特別図柄の確定回数(特別図柄ゲームの実行回数)を計数するためのカウンタであるが、例えば、確変残回数や時短残回数等の特定状態下で行われた特別図柄ゲームのゲーム数を管理してもよい。メインCPU2201は、S2044の処理を実行した後、特別図柄可変表示終了処理を終了し、処理を特別図柄管理処理(図94参照)に戻す。
[3-4-5.特別図柄遊技判定処理]
次に、図97を参照して、特別図柄管理処理(図94参照)中のS2015でメインCPU2201により実行される特別図柄遊技判定処理について説明する。図97は、第3のパチンコ遊技機における特別図柄遊技判定処理の一例を示すフローチャートである。
なお、この特別図柄遊技判定処理が第1特別図柄を処理対象とする特別図柄管理処理中のS2015で呼び出された処理である場合、第1特別図柄が処理対象となる。同様に、特別図柄遊技判定処理が第2特別図柄を処理対象とする特別図柄管理処理中のS2015で呼び出された場合、第2特別図柄が処理対象となる。
メインCPU2201は、先ず、特別図柄の制御状態番号が「2」であるか否かを判定する(S2051)。
S2051において特別図柄の制御状態番号が「2」でないと判定された場合(S2051がNO判定の場合)、メインCPU2201は、特別図柄遊技判定処理を終了し、処理を特別図柄管理処理(図94参照)に戻す。
一方、S2051において特別図柄の制御状態番号が「2」であると判定された場合(S2051がYES判定の場合)、メインCPU2201は、処理をS2052に移す。
S2052において、メインCPU2201は、大当りであるか否か、すなわち停止した特別図柄が大当りを示す停止表示態様であるか否かを判定する。
S2052において、大当りでないすなわち停止した特別図柄が大当りを示す停止表示態様でないと判定された場合(S2052がNO判定の場合)、メインCPU2201は、処理をS2060に移す。一方、S2052において、大当りであるすなわち停止した特別図柄が大当りを示す停止表示態様であると判定された場合(S2052がYES判定の場合)、メインCPU2201は、処理をS2053に移す。なお、特別図柄が役物開放当りを示す停止表示態様である場合、および、特別図柄がハズレを示す停止表示態様である場合、S2052においてNO判定される。
S2053において、メインCPU2201は、大当り遊技制御の開始設定処理を行う。この処理では、外部端子板2184を介してホールコンピュータ2186(いずれも図88参照)に出力される信号(例えば、大当り信号等)の生成および更新が行われる。なお、この処理で生成および更新が行われる信号は、特別図柄遊技判定処理の処理対象である特別図柄の当り信号である。メインCPU2201は、S2053の処理を実行した後、処理をS2054に移す。
また、S2053の大当り遊技制御の開始設定処理において、メインCPU2201は、時短フラグや時短カウンタ等、各種フラグや各種カウンタをクリアする処理も行う。
S2054において、メインCPU2201は、ラウンド表示LEDデータをセットする処理を行う。その後、メインCPU2201は、例えば、大入賞口2131の開放回数の上限値をセットする処理(S2055)、外部端子板2184への大当り信号セット処理(S2056)、特別図柄の制御状態番号を「5」にセットする処理(S2057)、遊技状態指定パラメータ設定処理(S2058)、および、大当り開始表示コマンドの送信予約処理(S2059)等の処理を行う。なお、特別図柄の制御状態番号を「5」にセットする処理(S2057)を行うことにより、この特別図柄遊技判定処理の終了後に、大入賞口開放準備処理(図94のS2018参照)が行われることとなる。その後、メインCPU2201は、特別図柄遊技判定処理を終了し、処理を特別図柄管理処理(図94参照)に戻す。
S2060において、メインCPU2201は、役物開放当りであるか否か、すなわち停止した特別図柄が役物開放当りを示す停止表示態様であるか否かを判定する。
S2060において、役物開放当りでないすなわち停止した特別図柄がハズレを示す停止表示態様であると判定された場合(S2060がNO判定の場合)、メインCPU2201は、処理をS2061に移す。一方、S2060において、役物開放当りであるすなわち停止した特別図柄が役物開放当りを示す停止表示態様であると判定された場合(S2060がYES判定の場合)、メインCPU2201は、処理をS2061に移す。
S2061において、メインCPU2201は、役物開放当り遊技制御の開始設定処理を行う。この処理では、外部端子板2184を介してホールコンピュータ2186(いずれも図88参照)に出力される信号(例えば、役物開放当り信号等)の生成および更新が行われる。なお、この処理で生成および更新が行われる信号は、特別図柄遊技判定処理の処理対象である特別図柄にかかわる信号である。メインCPU2201は、S2061の処理を実行した後、処理をS2062に移す。
S2062において、メインCPU2201は、V入賞装置2150の開放回数の上限値をセットする処理を行う。本実施例では、この処理でセットされるV入賞装置2150の開放回数の上限値は例えば1回である。メインCPU2201は、S2062の処理を実行した後、処理をS2063に移す。
S2062において、メインCPU2201は、外部端子板2184への役物開放当り信号セット処理(S2063)、特別図柄の制御状態番号を「3」にセットする処理(S2064)、遊技状態指定パラメータ設定処理(S2065)、および、役物開放当り開始表示コマンドの送信予約処理(S2066)等の処理を行う。なお、特別図柄の制御状態番号を「3」にセットする処理(S2064)を行うことにより、この特別図柄遊技判定処理の終了後に、V入賞装置開放準備処理(図94のS2016参照)が行われることとなる。その後、メインCPU2201は、特別図柄遊技判定処理を終了し、処理を特別図柄管理処理(図94参照)に戻す。
S2067において、メインCPU2201は、特別図柄遊技終了処理を行う。この特別図柄遊技終了処理については、図98を参照して後述する。なお、メインCPU2201は、特別図柄遊技終了処理を行うと、特別図柄遊技判定処理を終了し、処理を特別図柄管理処理(図94参照)に戻す。
なお、メインCPU2201は、割込み禁止区間を設定し、上述の特別図柄遊技判定処理(S2051~S2067)を、割込み禁止区間内で行うことが好ましい。
[3-4-6.特別図柄遊技終了処理]
次に、図98を参照して、特別図柄遊技判定処理(図97参照)中のS2067でメインCPU2201により実行される特別図柄遊技終了処理について説明する。図98は、第3のパチンコ遊技機における特別図柄遊技終了処理の一例を示すフローチャートである。
メインCPU2201は、先ず、時短管理処理を行う(S2071)。1種2種混合機と称される第3のパチンコ遊技機では高確遊技状態に制御されないため、第3のパチンコ遊技機において実行される時短管理処理は、第1のパチンコ遊技機において図32~図39を参照して説明した処理と異なる点がある。具体的には、第1のパチンコ遊技機では、確変フラグがオンにセットされるとき、および天井カウンタが天井値に到達したときに、天井カウント禁止フラグをオンにセットする旨を説明したが、第3のパチンコ遊技機では、高確遊技状態に制御されない。そのため、確変フラグがオンにセットされるとき、および天井カウンタが天井値に到達したときに、天井カウント禁止フラグをオンにセットに代えて、天井カウンタが天井値に到達したときにのみオンにセットする点で異なる。また、第1のパチンコ遊技機では、時短移行判定処理(図37参照)において、確変フラグがオフであるか否かを判定した上で(S191参照)、確変フラグがオフであることを条件としてS192の処理を行っているが、第3のパチンコ遊技機では、上述したとおり高確遊技状態に制御されないため、S191の処理を行わずに、S192の処理を行う点で異なる。時短管理処理におけるその他の処理については、第1のパチンコ遊技機において図32~図39を参照して説明した処理と同様である。メインCPU2201は、S2071の処理を実行した後、処理をS2072に移す。
S2072において、メインCPU2201は、特別図柄の制御状態番号に「0」をセットする。このように、特別図柄の制御状態番号を「0」にセットする処理を行うことにより今回の特別図柄遊技が終了し、特別図柄可変表示開始処理すなわち次回の特別図柄遊技を実行することが可能となる。メインCPU2201は、S2072の処理を実行した後、処理をS2073に移す。
S2073において、メインCPU2201は、特別図柄の遊技状態指定パラメータ設定処理を行う。その後、メインCPU2201は、特別図柄遊技終了コマンドの送信予約処理(S2074)を行う。なお、この処理で送信予約された特別図柄遊技終了コマンドは、次回のシステムタイマ割込処理中の演出制御コマンド送信処理(図45のS322参照)において、サブ制御回路2300に送信される。そして、S2074の処理後、メインCPU2201は、特別図柄遊技終了処理を終了し、処理を特別図柄遊技判定処理(図97参照)に戻す。
[3-4-7.V入賞装置開放準備処理]
次に、図99を参照して、特別図柄管理処理(図94参照)中のS2016でメインCPU2201により実行されるV入賞装置開放準備処理について説明する。図99は、第3のパチンコ遊技機におけるV入賞装置開放準備処理の一例を示すフローチャートである。
メインCPU2201は、先ず、特別図柄の制御状態番号が「3」であるか否かを判定する(S2081)。
S2081において特別図柄の制御状態番号が「3」でないと判定された場合(S2081がNO判定の場合)、メインCPU2201は、V入賞装置開放準備処理を終了し、処理を特別図柄管理処理(図94参照)に戻す。
一方、S2081において特別図柄の制御状態番号が「3」であると判定された場合(S2081がYES判定の場合)、メインCPU2201は、処理をS2082に移す。
S2082において、メインCPU2201は、V入賞装置2150の開放パターン(すなわち、Vアタッカー2152の作動パターン)として、例えば、最大開放時間および最大開放回数等をセットする。本実施例では、最大1800msecの開放を1回だけ行う開放パターンにセットされるが、開放パターンはこれに限られず、例えば、1回あたり最大900msecの開放を最大2回行うようにしてもよいし、1回目を例えば最大600msec開放し、2回目を例えば最大1200msec開放するようにしてもよい。さらには、1回の役物開放当りにつきトータルで規定時間(例えば1800msec)を超えない範囲で複数の開放パターンを設け、これら複数の開放パターンのうち、例えば特別図柄の図柄乱数値に基づいていずれか一の開放パターンにセットされるようにしてもよい。メインCPU2201は、S2082の処理を実行した後、処理をS2083に移す。
S2083において、メインCPU2201は、V入賞装置開閉制御処理を行う。この処理では、V入賞口2155の開閉制御データの生成処理が行われる。メインCPU2201は、S2083の処理を実行した後、処理をS2084に移す。
S2084において、メインCPU2201は、特別図柄の制御状態番号を「4」にセットする。このように、特別図柄の制御状態番号を「4」にセットする処理(S2084)を行うことにより、このV入賞装置開放準備処理の終了後に、V入賞装置開放制御処理(図94のS2017参照)が行われることとなる。メインCPU2201は、S2084の処理を実行した後、処理をS2085に移す。
S2085において、メインCPU2201は、遊技状態指定パラメータ設定処理を行う。メインCPU2201は、S2085の処理を実行した後、処理をS2086に移す。
S2086において、メインCPU2201は、V入賞装置開放中表示コマンドの送信予約処理を行う。この処理で送信予約されたV入賞装置開放中表示コマンドは、次回のシステムタイマ割込処理中の演出制御コマンド送信処理(図45のS322参照)において、サブ制御回路2300に送信される。メインCPU2201は、S2086の処理を実行した後、V入賞装置開放準備処理を終了し、処理を特別図柄管理処理(図94参照)に戻す。
[3-4-8.V入賞装置開放制御処理]
次に、図100を参照して、特別図柄管理処理(図94参照)中のS2017でメインCPU2201により実行されるV入賞装置開放制御処理について説明する。図100は、第3のパチンコ遊技機におけるV入賞装置開放制御処理の一例を示すフローチャートである。
メインCPU2201は、先ず、特別図柄の制御状態番号が「4」であるか否かを判定する(S2091)。
S2091において特別図柄の制御状態番号が「4」でないと判定された場合(S2091がNO判定の場合)、メインCPU2201は、V入賞装置開放制御処理を終了し、処理を特別図柄管理処理(図94参照)に戻す。
一方、S2091において特別図柄の制御状態番号が「4」であると判定された場合(S2091がYES判定の場合)、メインCPU2201は、処理をS2092に移す。
S2092において、メインCPU2201は、Vアタッカー2152の作動により開閉入賞口2151が開放されたときにV入賞装置2150の内部に進入した遊技球の個数が最大入賞個数であるか否かを判定する。この処理では、V入賞装置2150の内部に進入した遊技球の入賞個数を計数するVアタッカーカウントスイッチ2153(図88参照)により計数された値が最大入賞個数の値であるか否かが判定される。なお、Vアタッカーカウントスイッチ2153により計数されたVアタッカー入賞カウンタの値は、メインRAM2203内の所定領域に格納される。
S2092において、V入賞装置2150に入賞した遊技球の個数が最大入賞個数でないと判定された場合(S2092がNO判定の場合)、メインCPU2201は、処理をS2093に移す。
一方、S2092において、V入賞装置2150に入賞した遊技球の個数が最大入賞個数であると判定された場合(S2092がYES判定の場合)、メインCPU2201は処理をS2094に移す。
S2093において、メインCPU2201は、V入賞装置2150の最大開放時間(すなわち開閉入賞口2151の最大開放時間)が経過したか否かを判定する。この処理では、S2082の処理(図99参照)でセットされた最大開放時間が経過しているか否かが判定される。
S2093においてV入賞装置2150の最大開放時間が経過していないと判定された場合(S2093がNO判定の場合)、メインCPU2201は、V入賞装置開放制御処理を終了し、処理を特別図柄管理処理(図94参照)に戻す。
一方、S2093においてV入賞装置2150の最大開放時間が経過していると判定された場合(S2093がYES判定の場合)、メインCPU2201は、処理をS2094に移す。
S2094において、メインCPU2201は、V入賞装置2150(すなわち開閉入賞口2151)の閉鎖処理を行う。メインCPU2201は、S2094の処理を実行した後、処理をS2095に移す。
S2095において、メインCPU2201は、V入賞検出があるか否かを判定する。この処理では、規定時間内に、V入賞口2155への遊技球の通過があったか否か(すなわち、V入賞口スイッチ2156による検出があったか否か)を判定する。なお、上記の規定時間はV入賞装置2150の内部への遊技球の進入にかかわる時間であればよく、例えば、Vアタッカー2152の作動が開始してから規定時間内、係止部材2160による遊技球の係止が解除されてから規定時間内等を、上記の規定時間とすることができる。
S2095においてV入賞検出があったと判定された場合(S2095がYES判定の場合)、メインCPU2201は、処理をS2096に移す。
S2096において、メインCPU2201は、V当り遊技制御の開始設定処理を行う。この処理では、外部端子板2184を介してホールコンピュータ2186(いずれも図88参照)に出力される信号(例えば、V当り信号等)の生成および更新が行われる。なお、この処理で生成および更新が行われる信号は、特別図柄遊技判定処理の処理対象である特別図柄の当り信号である。ところで、V当り遊技制御が実行されると、当り種類決定テーブル(図91参照)に示されるように例えば10ラウンドのラウンド遊技が実行されるため、遊技者は、大当り遊技制御処理が実行された場合と同様に多量の賞球を獲得しうる。本実施例では、説明の便宜上、V当り遊技制御と大当り遊技制御処理とを区別して称呼しているが、V当り遊技制御を大当り遊技制御処理と称呼することもできる。メインCPU2201は、S2096の処理を実行した後、処理をS2097に移す。
また、S2096のV当り遊技制御の開始設定処理において、メインCPU2201は、時短フラグや時短カウンタ等、各種フラグや各種カウンタをクリアする処理も行う。
S2097において、メインCPU2201は、ラウンドカウンタ値に1を加算する処理を行う。この処理を行うことにより、役物開放当りに基づいて最初に実行されたV入賞装置2150の開放(すなわちVアタッカー2152の作動)が、1ラウンド目のラウンド遊技として処理される。すなわち、V入賞検出があったと判定された(S2095がYES判定された)ことによって実行されるV当り遊技制御は、2ラウンド目のラウンド遊技から開始されることとなる。メインCPU2201は、S2097の処理を実行した後、処理をS2098に移す。
S2098において、メインCPU2201は、ラウンド表示LEDデータをセットする処理を行う。その後、メインCPU2201は、例えば、V入賞装置2150の開放回数(すなわち。Vアタッカー2152の作動回数)の上限値をセットする処理(S2099)、外部端子板2184へのV当り信号セット処理(S2100)、特別図柄の制御状態番号を「5」にセットする処理(S2101)、遊技状態指定パラメータ設定処理(S2102)、および、V当り開始表示コマンドの送信予約処理(S2103)等の処理を行う。なお、特別図柄の制御状態番号を「5」にセットする処理(S2101)を行うことにより、この特別図柄遊技判定処理の終了後に、大入賞口開放準備処理(図94のS2018参照)が行われることとなる。その後、メインCPU2201は、特別図柄遊技判定処理を終了し、処理を特別図柄管理処理(図94参照)に戻す。
S2095に戻って、このS2095においてV入賞検出がなかったと判定された場合(S2095がNO判定の場合)、メインCPU2201は、処理をS2104に移す。
S2104において、メインCPU2201は、特別図柄遊技終了処理を行う。この処理では、図98を参照して説明した特別図柄遊技終了処理が行われる。メインCPU2201は、S2104の処理を実行した後、V入賞装置開放制御処理を終了し、処理を特別図柄管理処理(図94参照)に戻す。
[3-4-9.大入賞口開放準備処理]
次に、図101を参照して、特別図柄管理処理(図94参照)中のS2018でメインCPU2201により実行される大入賞口開放準備処理について説明する。図101は、第3のパチンコ遊技機における大入賞口開放準備処理の一例を示すフローチャートである。
メインCPU2201は、先ず、特別図柄の制御状態番号が「5」であるか否かを判定する(S2111)。
S2111において特別図柄の制御状態番号が「5」でないと判定された場合(S2111がNO判定の場合)、メインCPU2201は、大入賞口開放準備処理を終了し、処理を特別図柄管理処理(図94参照)に戻す。
一方、S2111において特別図柄の制御状態番号が「5」であると判定された場合(S2111がYES判定の場合)、メインCPU2201は、処理をS2112に移す。
S2112において、メインCPU2201は、ラウンドカウンタ値をロードする。ラウンドカウンタは、大当り遊技状態において実行されるラウンド遊技の実行回数を計数するカウンタである。なお、ラウンドカウンタの計数値(ラウンドカウンタ値)は、メインRAM2203内の所定領域に格納される。メインCPU2201は、S2112の処理を実行した後、処理をS2113に移す。
S2113において、メインCPU2201は、大入賞口の開放回数が上限値であるか否かを判定する。この処理では、大当り遊技状態において実行されたラウンド遊技の実行回数が上限値であるか否かが判定される。
S2113において大入賞口の開放回数が上限値であると判定された場合(S2113がYES判定の場合)、メインCPU2201は、処理をS2114に移す。
S2114において、メインCPU2201は、特別図柄の制御状態番号を「7」にセットする。このように、特別図柄の制御状態番号を「7」にセットする処理(S2114)を行うことにより、この大入賞口開放準備処理の終了後に、大当り終了処理(図94のS2020参照)が行われることとなる。メインCPU2201は、S2114の処理を実行した後、処理をS2115に移す。
S2115において、メインCPU2201は、遊技状態指定パラメータ設定処理を行う。その後、メインCPU2201は、大当り終了表示コマンドの送信予約処理を行う(S2116)。なお、この処理で送信予約された大当り終了表示コマンドは、次回のシステムタイマ割込処理中の演出制御コマンド送信処理(図45のS322参照)において、サブ制御回路2300に送信される。そして、S2116の処理後、メインCPU2201は、大入賞口開放準備処理を終了し、処理を特別図柄管理処理(図94参照)に戻す。
S2113に戻って、大入賞口の開放回数が上限値でないと判定された場合(S2113がNO判定の場合)、メインCPU2201は、処理をS2117に移す。
S2117において、メインCPU2201は、ラウンドカウンタ値に1を加算する処理を行う。メインCPU2201は、S2117の処理を実行した後、処理をS2118に移す。
S2118において、メインCPU2201は、開放する大入賞口の選択処理を行う。この処理では、特別図柄の当り判定処理(図95のS2023参照)の結果が大当りであって、大当りを示す停止表示態様が導出された(図97のS2052がYES判定された)ことによって開始された大当り遊技制御処理である場合、開放する大入賞口として大入賞口2131が選択される。一方、特別図柄の当り判定処理の結果が役物開放当りであって、役物開放りを示す停止表示態様が導出され(図97のS2060がYES判定され)、さらにV入賞検出された(図100のS2095がYES判定された)ことによって開始されたV当り遊技制御である場合、開放する大入賞口としてV入賞装置2150(すなわち開閉入賞口2151)が選択される。メインCPU2201は、S2118の処理を実行した後、処理をS2119に移す。
S2119において、メインCPU2201は、大入賞口関連各種設定処理を行う。この処理では、例えば、大入賞口2131またはV入賞装置2150の開放回数、大入賞口2131またはV入賞装置2150の最大開放時間、大入賞口2131またはV入賞装置2150への最大入賞個数、大入賞口2131またはV入賞装置2150への入賞時の賞球数等がセットされる。大入賞口2131またはV入賞装置2150の開放回数はラウンド数が相当する。なお、1ラウンドにおいて大入賞口2131またはV入賞装置2150が複数回開放されるものを排除する趣旨ではない。ただしこの場合は、ラウンド数を管理する制御と、大入賞口2131またはV入賞装置2150の開閉回数を管理する制御とを、別の処理として行うことが好ましい。メインCPU2201は、S2119の処理を実行した後、処理をS2120に移す。
なお、上記の「大入賞口2131またはV入賞装置2150」は、大入賞口2131およびV入賞装置2150のうち、開放する大入賞口としてS2118で選択された大入賞口が相当する。以下の処理においても同様である。
S2120において、メインCPU2201は、大入賞口開閉制御処理を行う。この処理では、大入賞口2131またはV入賞装置2150の開閉制御データの生成処理が行われる。メインCPU2201は、S2120の処理を実行した後、処理をS2121に移す。
S2121において、メインCPU2201は、特別図柄の制御状態番号を「6」にセットする。このように、特別図柄の制御状態番号を「6」にセットする処理(S2121)を行うことにより、この大入賞口開放準備処理の終了後に、大入賞口開放制御処理(図94のS2019参照)が行われることとなる。メインCPU2201は、S2121の処理を実行した後、処理をS2122に移す。
S2122において、メインCPU2201は、遊技状態指定パラメータ設定処理を行う。メインCPU2201は、S2122の処理を実行した後、処理をS2123に移す。
S2123において、メインCPU2201は、大入賞口開放中表示コマンドの送信予約処理を行う。この処理で送信予約された大入賞口開放中表示コマンドは、次回のシステムタイマ割込処理中の演出制御コマンド送信処理(図45のS322参照)において、サブ制御回路2300に送信される。メインCPU2201は、S2123の処理を実行した後、大入賞口開放準備処理を終了し、処理を特別図柄管理処理(図94参照)に戻す。
[3-4-10.大入賞口開放制御処理]
次に、図102を参照して、特別図柄管理処理(図94参照)中のS2019でメインCPU2201により実行される大入賞口開放制御処理について説明する。図102は、第3のパチンコ遊技機における大入賞口開放制御処理の一例を示すフローチャートである。
メインCPU2201は、先ず、特別図柄の制御状態番号が「6」であるか否かを判定する(S2131)。
S2131において特別図柄の制御状態番号が「6」でないと判定された場合(S2131がNO判定の場合)、メインCPU2201は、大入賞口開放制御処理を終了し、処理を特別図柄管理処理(図94参照)に戻す。
一方、S2131において特別図柄の制御状態番号が「6」であると判定された場合(S2131がYES判定の場合)、メインCPU2201は、処理をS2132に移す。
S2132において、メインCPU2201は、大入賞口2131またはV入賞装置2150に入賞した遊技球の個数が最大入賞個数であるか否かを判定する。この処理では、大入賞口2131への遊技球の入賞個数を計数する大入賞口カウントスイッチ2132(図88参照)またはV入賞装置2150の内部への遊技球の進入個数を計数するVアタッカーカウントスイッチ2153(図88参照)により計数された値が最大入賞個数の値であるか否かが判定される。なお、大入賞口カウントスイッチ2132またはVアタッカーカウントスイッチ2153により計数されたVアタッカー入賞カウンタの値は、メインRAM2203内の所定領域に格納される。
S2132において、大入賞口2131またはV入賞装置2150に入賞した遊技球の個数が最大入賞個数でないと判定された場合(S2132がNO判定の場合)、メインCPU2201は、処理をS2133に移す。
一方、S2132において、大入賞口2131またはV入賞装置2150に入賞した遊技球の個数が最大入賞個数であると判定された場合(S2132がYES判定の場合)、メインCPU2201は、処理をS2134に移す。
S2133において、メインCPU2201は、大入賞口2131またはV入賞装置2150の最大開放時間が経過したか否かを判定する。この処理では、大入賞口関連各種設定処理(図101のS2119参照)においてセットされた最大開放時間が経過しているか否かが判定される。
S2133において大入賞口2131またはV入賞装置2150の最大開放時間が経過していないと判定された場合(S2133がNO判定の場合)、メインCPU2201は、大入賞口開放制御処理を終了し、処理を特別図柄管理処理(図94参照)に戻す。
一方、S2133において大入賞口2131またはV入賞装置2150の最大開放時間が経過していると判定された場合(S2133がYES判定の場合)、メインCPU2201は、処理をS2134に移す。
S2134において、メインCPU2201は、大入賞口2131またはV入賞装置2150の閉鎖処理を行う。メインCPU2201は、S2134の処理を実行した後、処理をS2135に移す。
S2135において、メインCPU2201は、特別図柄の制御状態番号を「5」にセットする処理を行う。このように、特別図柄の制御状態番号を「5」にセットする処理(S2135)を行うことにより、この大入賞口開放制御処理の終了後に、再び、大入賞口開放準備処理(図94のS2018参照)が行われることとなる。メインCPU2201は、S2135の処理を実行した後、処理をS2136に移す。
S2136において、メインCPU2201は、遊技状態指定パラメータ設定処理を行う。メインCPU2201は、S2136の処理を実行した後、処理をS2137に移す。
S2137において、メインCPU2201は、ラウンド間表示コマンドの送信予約処理を行う。この処理で送信予約されたラウンド間表示コマンドは、次回のシステムタイマ割込処理中の演出制御コマンド送信処理(図45のS322参照)において、サブ制御回路2300に送信される。そして、S2137の処理後、メインCPU2201は、大入賞口開制御処理を終了し、処理を特別図柄管理処理(図94参照)に戻す。
[3-4-11.大当り終了処理]
次に、図103を参照して、特別図柄管理処理(図94参照)中のS2020でメインCPU2201により実行される大当り終了処理について説明する。図103は、第3のパチンコ遊技機における大当り終了処理の一例を示すフローチャートである。
メインCPU2201は、先ず、特別図柄の制御状態番号が「7」であるか否かを判定する(S2141)。
S2141において特別図柄の制御状態番号が「7」でないと判定された場合(S2141がNO判定の場合)、メインCPU2201は、大当り終了処理を終了するとともに特別図柄管理処理(図94参照)も終了し、処理を特別図柄制御処理(図93参照)に戻す。この場合、大当り終了処理が呼び出された処理に戻す。
S2141において特別図柄の制御状態番号が「7」であると判定された場合(S2141がYES判定の場合)、メインCPU2201は、処理をS2142に移す。
S2142において、メインCPU2201は、特別図柄遊技終了設定処理を行う。この処理では、各種フラグ(例えば、確変フラグ、時短フラグ等)のセットや、各種カウンタ(例えば、確変カウンタ、時短カウンタ、図柄確定数カウンタ、ラウンドカウンタ、大入賞口入賞カウンタ等)の値をセットまたはリセットする処理が行われる。メインCPU2201は、S2142の処理を実行した後、処理をS2143に移す。
S2143において、メインCPU2201は、特別図柄遊技終了処理を行う。この処理では、図98を参照して説明した特別図柄遊技終了処理が行われる。メインCPU2201は、S2143の処理を実行した後、大当り終了処理を終了するとともに特別図柄管理処理(図94参照)も終了し、処理を特別図柄制御処理(図93参照)に戻す。この場合、上述したとおり、大当り終了処理が呼び出された処理に戻す。
なお、メインCPU2201は、割込禁止区間を設定し、上述の大当り終了処理を割込禁止区間内で行うことが好ましい。
[4.拡張例]
以下に、上述した第1のパチンコ遊技機、第2のパチンコ遊技機および第3のパチンコ遊技機に共通する拡張例について説明する。なお、第1のパチンコ遊技機、第2のパチンコ遊技機および第3のパチンコ遊技機に応じて各構成に付された符号が異なるため、以下の説明では、特定のパチンコ遊技機(とくに第3のパチンコ遊技機)に限る説明である場合を除き、符号を省略する。
[4-1.確変制御の拡張例]
第1のパチンコ遊技機および第2のパチンコ遊技機では、大当りの種類に応じて確変フラグをオンにセットするか否かを決定し、確変フラグがオンにセットされる場合に確変回数を決めているが、これに限られず、例えば、以下の態様であってもよい。
例えば、大当り遊技制御処理の実行中に、例えば大入賞口内に設けられた特定領域を通過したか否かを判定し、特定領域を少なくとも1個の遊技球が通過したと判定された場合、大当り遊技制御処理の終了時に確変フラグをオンにセットする所謂V確変機であってもよい。なお、上記の特定領域は、例えば、大当り遊技制御処理の実行中における特定のラウンド遊技において可動部材が作動することによって、遊技球の通過が可能または容易な開放状態と、遊技球の進入が不可能または困難な閉鎖状態とに変位させることが可能となっている。
このようなV確変機では、例えば、図104~図107を参照して後述するように、第1特別図柄の当り判定処理の結果が大当りである場合と、第2特別図柄の当り判定処理の結果が大当りである場合とで、大当り遊技制御処理の実行中に上記の特定領域への遊技球の通過のしやすさ、すなわち大当り遊技制御処理の終了時に確変フラグがオンにセットされる確率を異ならせてもよい。
図104は、拡張例の大当り遊技制御処理の実行中における特定のラウンド遊技において、大入賞口の開放タイミングと特定領域の開放タイミングとの関係を示すタイムチャートの一例であって、(A)特定領域の開放態様が第1開放態様である場合、(B)特定領域の開放態様が第2開放態様である場合、(C)特定領域の開放態様が第3開放態様である場合、を示す図である。なお、第1開放態様および第2開放態様は、特定領域への遊技球の通過が容易な態様であり、第3開放態様は、特定領域への遊技球の通過が困難な態様である。なお、図104に示される一例では、特定領域は時間制御によって開放状態となるように制御される。
なお、図104では、大入賞口が短開放された後に長開放される態様が示されているが、大入賞口の開放態様はこれに限られない。
図104(A)に示されるように、第1開放態様では、大入賞口の長開放が開始された後の所定時間を除いて、大入賞口が開放状態である間は特定領域も開放状態となっている。そのため、大当り遊技制御処理の実行中、大入賞口に入賞した複数の遊技球のうち少なくとも1個の遊技球が特定領域を通過することが容易である。すなわち、大当り遊技制御処理の終了時に確変フラグがオンにセットされやすい。ただし、特定領域が開放状態であるにもかかわらず遊技球が1個も特定領域を通過しなかった場合、大当り遊技制御処理の終了時に確変フラグはオンにセットされない。
また、図104(B)に示されるように、第2開放態様では、大入賞口の短開放が開始されてから大入賞口の長開放が終了するまでの間、特定領域が開放状態となっている。そのため、大当り遊技制御処理の実行中、大入賞口に入賞した複数の遊技球のうち少なくとも1個の遊技球が特定領域を通過することは極めて容易である。すなわち、大当り遊技制御処理の終了時に確変フラグが極めて容易にオンにセットされる。ただし、上述したように、特定領域が開放状態であるにもかかわらず遊技球が1個も特定領域を通過しなかった場合、大当り遊技制御処理の終了時に確変フラグはオンにセットされない。
一方、図104(C)に示されるように、第3開放態様では、大入賞口が短開放中および大入賞口の長開放が開始された後の所定時間(この2回はいずれも短時間)を除いて、特定領域が閉鎖状態となっている。そのため、大当り遊技制御の実行中、大入賞口に入賞した複数の遊技球のうちたとえ1個の遊技球であっても特定領域を通過することが、第1開放態様および第2開放態様のいずれと比べても困難である。すなわち、大当り遊技制御処理の終了時に確変フラグがオンにセットされ難い。ただし、大当り遊技制御の実行中に特定領域を遊技球が通過することが困難であったとしても、タイミングよく特定領域を遊技球が通過した場合、大当り遊技制御処理の終了時に確変フラグがオンにセットされる。
なお、図104では、大当り遊技制御処理の実行中、大入賞口に入賞した複数の遊技球のうち少なくとも1個の遊技球が特定領域を通過することが容易な特定領域の開放態様の例として、第1開放態様および第2開放態様の2態様を設ける例について説明した。ただし、大当り遊技制御処理の実行中、大入賞口に入賞した複数の遊技球のうち少なくとも1個の遊技球が特定領域を通過することが容易な特定領域の開放態様数は、2態様に限られず、1態様だけとしてもよいし、3態様以上としてもよい。
また、図104では、大当り遊技制御処理の実行中、大入賞口に入賞した複数の遊技球のうちたとえ1個の遊技球であっても特定領域を通過することが困難な特定領域の開放態様の例として、第3開放態様を設ける例について説明した。ただし、大当り遊技制御処理の実行中、大入賞口に入賞した複数の遊技球のうちたとえ1個の遊技球であっても特定領域を通過することが困難な特定領域の開放態様数は、1態様に限られず、2態様以上設けてもよい。
図105は、拡張例における特別図柄判定テーブルの一例である。この図105に示される特別図柄判定テーブルによれば、当落判定値データが「大当り判定値データ」である場合(特別図柄の当り判定処理の結果が大当りである場合)、第1特別図柄および第2特別図柄の当り時選択図柄コマンドは、次のように選択される。すなわち、第1特別図柄の当り判定処理の結果が大当りである場合、当り時選択図柄コマンドは、例えば、40%の選択率で「z0」が選択され、10%の選択率で「z1」が選択され、50%の選択率で「z2」が選択される。また、第2特別図柄の当り判定処理の結果が大当りである場合、当り時選択図柄コマンドは、例えば、15%の選択率で「z3」が選択され、50%の選択率で「z4」が選択され、35%の選択率で「z5」が選択される。
図106は、拡張例における大当り種類決定テーブルの一例である。この図106に示される大当り種類決定テーブルによれば、大当りの種類(例えば、ラウンド数、特定領域の開放態様等)は、次のように決定される。すなわち、当り時選択図柄コマンドが「z0」の場合、ラウンド数が「3」で特定領域の開放態様が第3開放態様の大当り(3R通常大当りA)に決定される。また、当り時選択図柄コマンドが「z1」の場合、ラウンド数が「10」で特定領域の開放態様が第3開放態様の大当り(10R通常大当りA)に決定される。また、当り時選択図柄コマンドが「z2」の場合、ラウンド数が「10」で特定領域の開放態様が第1開放態様の大当り(10R確変大当りA)に決定される。また、当り時選択図柄コマンドが「z3」の場合、ラウンド数が「10」で特定領域の開放態様が第3開放態様の大当り(10R通常大当りB)に決定される。当り時選択図柄コマンドが「z4」の場合、ラウンド数が「10」で特定領域の開放態様が第1開放態様の大当り(10R確変大当りB)に決定される。当り時選択図柄コマンドが「z5」の場合、ラウンド数が「10」で特定領域の開放態様が第2開放態様の大当り(10R確変大当りC)に決定される。
すなわち、上記の図104~図106によれば、第1特別図柄の当り判定処理の結果が大当りである場合、大当りの種類は、40%の選択率で3R通常大当りAに決定され、10%の選択率で10R通常大当りAに決定され、50%の選択率で10R確変大当りAに決定される。一方、第2特別図柄の当り判定処理の結果が大当りである場合、大当りの種類は、15%の選択率で10R通常大当りBに決定され、50%の選択率で10R確変大当りBに決定され、35の選択率で10R確変大当りCに決定される。このようにして、第1特別図柄の当り判定処理の結果が大当りである場合と、第2特別図柄の当り判定処理の結果が大当りである場合とで、大当り遊技制御処理の終了時に確変フラグがオンにセットされる確率を異ならせることが可能となる。
なお、大当り遊技制御処理の実行中における特定のラウンド遊技において、特定領域は、図104(A)~(C)に示されるように時間制御によって開放状態となる態様に限られず、例えば、後述の図107に示されるように、大入賞口への遊技球の入賞に応じて開放状態となる態様であってもよい。
図107は、拡張例の大当り遊技制御処理の実行中における特定のラウンド遊技において、大入賞口の開放タイミングと特定領域の開放タイミングとの関係を示すタイムチャートの他の例(特定領域が大入賞口への入賞に基づいて開放状態となるように制御される例)であって、(A)特定領域の開放態様が第1開放態様である場合、(B)特定領域の開放態様が第2開放態様である場合、を示す図である。
図107(A)に示されるように、他の例の第1開放態様では、大入賞口が開放状態となった後、大入賞口に1個目の遊技球が入賞し、大入賞口カウントスイッチにより1個目の遊技球の入賞が検出されると、この検出に基づいて、特定領域が一定時間だけ開放状態となる。そして、大入賞口に2個目の遊技球が入賞し、大入賞口カウントスイッチにより2個目の遊技球の入賞が検出されると、この検出に基づいて、大入賞口が閉鎖状態となるまでの間、特定領域が開放状態となる。そのため、大当り遊技制御処理の実行中、大入賞口に入賞した複数の遊技球のうち少なくとも1個の遊技球が特定領域を通過することが容易である。すなわち、大当り遊技制御処理の終了時に確変フラグがオンにセットされやすい。ただし、上述したとおり、特定領域が開放状態であるにもかかわらず遊技球が1個も特定領域を通過しなかった場合、大当り遊技制御処理の終了時に確変フラグはオンにセットされない。
また、図107(B)に示されるように、他の例の第2開放態様では、大入賞口が開放状態となった後、大入賞口に1個目の遊技球が入賞し、大入賞口カウントスイッチにより1個目の遊技球の入賞が検出された場合に限り、特定領域が一定時間だけ開放状態となる。そして、大入賞口に2個目の遊技球が入賞し、大入賞口カウントスイッチにより2個目の遊技球の入賞が検出されたとしても、入賞口が閉鎖状態となるまでの間、特定領域は開放状態とならず、閉鎖状態が継続する。そのため、大当り遊技制御の実行中、大入賞口に入賞した複数の遊技球のうちたとえ1個の遊技球であっても特定領域を通過することが、第1開放態様と比べて困難である。すなわち、大当り遊技制御処理の終了時に確変フラグがオンにセットされ難い。ただし、この場合も、大当り遊技制御の実行中に特定領域を遊技球が通過することが困難であったとしても、タイミングよく特定領域を遊技球が通過した場合、大当り遊技制御処理の終了時に確変フラグがオンにセットされる。
なお、上記では、大当り遊技制御処理の実行中に特定領域を遊技球が通過した場合、大当り遊技制御処理の終了時に確変フラグがオンにセットされる例について説明したが、これに限られず、例えば、大当り遊技制御処理の実行中に特定領域を遊技球が通過した場合、大当り遊技制御処理の終了時に時短フラグがオンにセットされるようにしてもよい。このような仕様は、とくに、例えば第3のパチンコ遊技機のような1種2種混合機である場合に有効である。
また、上記では、第1特別図柄の当り判定処理の結果が当りである場合と、第2特別図柄の当り判定処理の結果が当りである場合とで、特定領域の開放態様として同じ開放態様を設ける例について説明したが、これに限られず、例えば、第1特別図柄専用の開放態様や第2特別図柄専用の開放態様を設けるようにしてもよい。
また、上記では、第1特別図柄の当り判定処理の結果が当りである場合および第2特別図柄の当り判定処理の結果が当りである場合のいずれにおいても、特定領域への遊技球の通過が困難な第3態様に決定されうる例について説明したが、これに限られず、いずれか一方の特別図柄(例えば第2特別図柄)の当り判定処理の結果が当りである場合には、少なくとも1個の遊技球が特定領域を通過することが容易な態様(第1態様または第2態様)のみに決定されるように構成してもよい。
また、上記では、特定領域への遊技球の通過が困難な第3態様において、特定領域は、大入賞口が短開放中および大入賞口の長開放が開始された後の所定時間の2回(いずれも短時間)にわたって開放状態となっているが、特定領域への遊技球の通過が困難であれば、特定領域が開放状態とされる回数は1回であってもよいし複数回であってもよい。
また、特定領域の閉鎖は、予め定められた開放時間の経過や、特定領域が開放するラウンドの終了に応じて閉鎖したり、規定回数の大入賞口や特定領域への入賞に応じて閉鎖するなどするように制御してもよい。また、閉鎖する条件が一つ乃至複数複合していてもよい。
また、大当り遊技状態と、確変制御が実行される遊技状態(例えば、高確時短遊技状態、高確非時短遊技状態等)とが、所定の上限回数(以下、「リミッタ回数」と称する)に到達するまで交互に繰り返し実行される所謂リミッタ機であってもよい。このようなリミッタ機では、上記の繰り返し回数(以下、「ループ回数」と称する)が所定のリミッタ回数に到達すると、大当り遊技制御処理が終了したのちの遊技状態が、確変制御が実行されない遊技状態(例えば、通常遊技状態、時短遊技状態等)に制御される。このとき、ループ回数もリセットされる。なお、このような遊技機において、リミッタ回数は、一定の回数であってもよいし、例えば、特別図柄の図柄乱数値に応じて決定したり、所定の抽選により決定してもよい。また、設定機であれば、設定値に応じてリミッタ回数が異なるようにしてもよい。
なお、上記では、大当り遊技状態と、確変制御が実行される遊技状態とがリミッタ回数に到達するまで交互に繰り返し実行される所謂リミッタ機について説明したが、これに限られず、例えば、大当り遊技状態と、時短制御が実行される遊技状態とがリミッタ回数に到達するまで交互に繰り返し実行されるようにしてもよい。とくに、例えば第3のパチンコ遊技機のような1種2種混合機である場合に有効である。
また、上述したV確変機である場合には、大当り遊技制御処理の実行中に特定領域を遊技球が通過した場合に、確変制御が実行される遊技状態が継続される。そのため、このようなV確変機では、リミッタ回数を例えばN回とすると、N回目の大当り遊技制御処理の実行中に特定領域を遊技球が通過した場合、所定のリミッタ回数に到達したものとして、大当り遊技制御処理が終了したのちの遊技状態が、確変制御が実行されない遊技状態に制御される。一方、N回目の大当り遊技制御処理の実行中に特定領域を遊技球が通過しなかった場合、所定のリミッタ回数に到達したものとはならないものの、大当り遊技制御処理の実行中に特定領域を遊技球が通過していないため、このような場合も、大当り遊技制御処理が終了したのちの遊技状態が、確変制御が実行されない遊技状態に制御されることとなる。なお、大当り遊技制御処理の実行中に特定領域を遊技球が通過した場合に、大当り遊技制御処理の終了時に時短フラグがオンにセットされる遊技機においても同様である。
また、大当り遊技制御処理の終了後、所定回数の特別図柄ゲームが行われるまで確変制御が実行される遊技状態(例えば、高確時短遊技状態、高確非時短遊技状態等)に制御され、所定回数の特別図柄ゲームが行われると、確変制御が実行されない遊技状態(例えば、通常遊技状態、時短遊技状態等)に移行する所謂ST機であってもよい。このような遊技機において、確変制御が実行される特別図柄ゲームの回数(以下、「ST回数」と称する)を、一定回数としてもよいし、都度異なるようにしてもよい。また、設定機であれば、設定値に応じてST回数の期待値が異なるようにしてもよい。さらには、例えば転落抽選を行い、転落抽選の結果に基づいて確変制御が終了する所謂転落タイプの遊技機であってもよいし、例えば大当り遊技状態中に特定領域を遊技球が通過した場合に、大当り遊技状態の終了後に確変制御が実行される所謂V確変タイプの遊技機であってもよい。
[4-2.時短制御の拡張例]
第1のパチンコ遊技機、第2のパチンコ遊技機および第3のパチンコ遊技機では、特別図柄当り判定処理の結果が大当りである場合に、大当り遊技制御処理の終了後、時短制御が実行されうるようにしたが、特別図柄当り判定処理の結果が大当りでない場合であっても、時短制御が実行されうるようにしてもよい。
例えば、特別図柄当り判定処理の結果が小当りやハズレであったとしても、始動口への遊技球の入賞に基づいて抽出された乱数値のうち特定の乱数値(例えば、特別図柄当り判定用乱数値、特別図柄の図柄乱数値等)を用いて、特別図柄当り判定処理とは別に、時短制御を実行するか否かを決める時短当落判定処理を行うようにしてもよい。特別図柄当り判定処理の結果が小当りやハズレである場合に時短当落判定を行う場合、例えば、始動口への遊技球の入賞に基づいて抽出された特別図柄の図柄乱数値が特定の図柄乱数値である場合に、時短制御が実行される「時短当り」に決定することができる。なお、特別図柄当り判定処理の結果が大当りである場合に時短当落判定処理を行ってもよい。
また、特別図柄当り判定処理とは別に時短当落判定処理を行う場合、時短当落判定処理を同一フレームにおいて特別図柄当り判定処理に先だって実行してもよい。
また、上記の時短当落判定処理を行う場合、専ら時短当落判定処理に供される時短当落判定用乱数を所定の範囲で発生させて、例えば始動口への遊技球の入賞に基づいて時短当落用乱数値を抽出し、抽出された時短当落用乱数値を用いて時短当落判定処理を行うようにしてもよい。
また、時短当落判定処理に供される乱数値は、始動口に遊技球が入賞したことに基づいて抽出されることは必須ではなく、他の領域(例えば、一般入賞口、小当り入賞口、大入賞口等)に遊技球が入賞したことに基づいて抽出されるようにしてもよい。さらには、例えば時短当落判定処理の実行契機となる専用の領域を設けて、この専用の領域を遊技球が例えば通過したことに基づいて、時短当落判定処理に供される乱数値が抽出されるようにしてもよい。
ところで、例えば、時短当落判定処理と特別図柄当り判定処理とが別のタイミングで実行される場合、確定表示すると大当りを示す停止表示態様が導出される特別図柄の可変表示中に時短当落判定処理が実行され、この時短当落判定処理の結果が「時短当り」となる場合がある。このような場合、メインCPUは、時短当落判定処理の結果が「時短当り」であるにもかかわらず、例えば、強制的に「時短ハズレ」を示す表示態様を導出するとよい。
また、サブCPUは、時短当落判定処理の結果が「時短当り」であるのか「時短ハズレ」であるのかを外観で把握することが可能または容易な演出画像(例えば、装飾図柄の変動演出やキャラクタによる表示演出等)を、表示装置に表示する制御を実行することが好ましい。この場合、特別図柄当り判定処理の結果とは別に、時短当落判定処理の結果が表示装置に表示されるため、興趣の低下を抑制することが可能となる。
また、時短当落判定処理の結果が「時短当り」であるのか「時短ハズレ」であるのかを外観で把握することが可能または容易な演出画像を表示装置に表示することに代えて、時短当落判定処理の結果が「時短当り」であるのか「時短ハズレ」であるのかを外観で把握することが不可能または困難な演出画像(例えば、装飾図柄の変動演出やキャラクタによる表示演出等)を表示装置に表示する制御を実行してもよい。この場合、時短当落判定処理の結果が開示されるまで、興趣を維持することが可能となる。
また、一般的なパチンコ遊技機では、特別図柄当り判定処理の結果が大当りであった場合、サブCPUは、大当り遊技状態において推奨される遊技球の発射方法として例えば右打ち指示を示す演出画像が表示装置(例えば液晶表示装置)に表示されるよう制御する。この点、本実施例では、特別図柄当り判定処理の結果が大当りでなかったとしても、時短当落判定処理の結果が「時短当り」である場合、サブCPUは、時短制御が実行される場合に推奨される遊技球の発射方法として例えば右打ち指示を示す演出画像が表示装置に表示されるよう制御する。ただし、時短当落判定処理の結果が「時短当り」である場合、時短制御が実行される場合に推奨される遊技球の発射方法を示す演出画像を、常に表示装置に表示するようにしてもよいが、特定条件が成立した場合に限り表示するようにしてもよい。例えば、「時短当り」に基づいてセットされる時短回数が、所定回数以上(例えば2回以上)である場合には表示し、所定回数未満(例えば2回未満)である場合等には表示しないようにしてもよい。なお、上記の特定条件は、時短回数を条件とするものに限られず、適宜、任意の条件とすることができる。
また、特別図柄当り判定処理が実行される前に時短当落判定処理が実行される場合、サブCPUは、「時短当り」となった状況下(すなわち、時短フラグがオンにセットされた状況下)で特別図柄当り判定処理が実行されるのか否かを、外観で把握可能または把握容易な演出画像を表示装置に表示する制御を実行してもよい。
なお、時短当落判定処理に用いる乱数値の種類、時短当落判定処理に用いる乱数値の抽出タイミング、時短当落判定処理において時短当りと判定される条件、時短当落判定処理の実行タイミング、時短当落判定処理を実行可能な遊技状態、時短遊技状態の態様、時短当り時にセットされる時短回数、時短遊技状態の開始タイミング、時短遊技状態の終了タイミング、時短回数書き換えタイミング、時短当り確率、および、時短当落判定処理の結果表示、等の時短にかかわる処理をまとめると以下のとおりである。
(時短当落判定処理に用いる乱数値の種類)
時短当落判定処理に用いられる乱数値は、例えば、特別図柄当り判定用乱数値、特別図柄決定用乱数値、普通当り判定用乱数値、普通図柄決定用乱数値、特別図柄転落判定用乱数値および専用の時短当落判定用乱数値等の複数種類の乱数値のうち、いずれかの乱数値であってもよい。また、設定機であれば、設定変更時に、変更後の設定値を用いて時短当落判定処理を行うようにしてもよい。
また、時短当落判定処理に用いる乱数値は、1種類(例えば、時短当落判定用乱数値のみ)に限られず、複数種類の乱数値(例えば、特別図柄当り判定用乱数値および図柄決定用乱数値)を用いて決定するようにしてもよい。
(時短当落判定処理に用いる乱数値の抽出タイミング)
時短当落判定処理に用いる乱数値の抽出タイミングは、特別図柄当り判定処理の契機となる始動口への遊技球の入賞時、普通図柄当り判定処理の実行契機となる通過ゲートへの遊技球の通過時、時短当落判定処理の実行契機となる専用の領域への遊技球の通過時等、任意のタイミングであってよい。なお、時短当落判定処理に用いる乱数値の抽出は、賞球の払い出しがある特定の入賞口等への入賞に基づいて行ってもよいし、賞球の払い出しがない特定のゲートや特定のアウト口等への通過に基づいて行ってもよい。
なお、時短当落判定処理用乱数値を始動口への遊技球の入賞(通過)に基づいて抽出するようにした場合、第1始動口および第2始動口のいずれに遊技球が入賞した場合であっても時短当落判定用乱数値を抽出してもよいし、いずれか一方の特定の始動口に遊技球が入賞した場合にのみ、時短当落判定用乱数値を抽出するようにしてもよい。
(時短当落判定処理において時短当りと判定される条件)
抽出した時短当落判定処理用乱数値を用いて時短当落判定処理を行う場合は、抽出した時短当落判定用乱数値が特定の時短当落判定用乱数値(例えば、特定の時短当り判定値データ)であるときに時短当りと判定されるようにするとよい。また、特別図柄当り判定用乱数値を用いて時短当落判定処理を実行する場合は、特定のハズレ判定値データ、特定の小当り判定値データまたは/および特定の大当り判定値データであるときに時短当りと判定されるようにするとよい。また、特別図柄の図柄乱数値を用いて時短当落判定処理を実行する場合は、特定のハズレ図柄、特定の小当り図柄、特定の大当り図柄であるときに時短当たりと判定されるようにするとよい。また、特別図柄転落判定用乱数値を用いて時短当落判定処理を実行する場合は、特定の特別図柄転落判定用乱数値データであるときに時短当りと判定されるようにするとよい。さらに、変更後の設定値を用いて時短当落判定処理を実行する場合は、特定の設定値に変更された場合に時短当りと判定されるようにするとよい。普通当り判定用乱数値や普通図柄決定用乱数値を用いて時短当落判定処理を行う場合も同様である。さらには、時短当落判定処理において時短当りと判定される条件は、上記の条件に限らず、さまざまな条件に任意に決めることができる。
なお、第3のパチンコ遊技機においては、時短当落判定処理の結果が「時短当り」であったとしても、特別図柄当り判定処理(図68のS2023参照)の結果が役物開放当りであって且つVアタッカー2152が開放したときにV入賞装置2150内に進入した遊技球がV入賞口2155を通過した場合は、役物開放当りの種類に応じて時短制御の実行有無および時短回数を決定するようにするとよい。そして、特別図柄当り判定処理の結果が役物開放当りであって且つVアタッカー2152が開放したにもかかわらずV入賞口2155への遊技球の通過が検出されずに大当り遊技制御処理が実行されなかった場合、メインCPU2201は、時短当落判定処理の結果が「時短当り」であれば、「時短当り」に基づいて時短制御の実行有無および時短回数を決定するとよい。ただし、時短当落判定処理の結果が「時短ハズレ」であり、特別図柄当り判定処理の結果が役物開放当りであって且つVアタッカー2152が開放したときにV入賞装置2150内に進入した遊技球がV入賞口2155を通過しなかった場合は、時短制御が実行されない。
(時短当落判定処理の実行タイミング)
始動口の遊技球の入賞(通過)に基づいて取得した時短当落判定用乱数値を用いて特別図柄の可変表示の開始時に時短当落判定処理を実行する場合、メインCPUは、特別図柄の始動情報と同様に、取得した時短当落判定用乱数値を保留するとよい。
また、メインCPUは、時短当落判定処理に供される乱数値を抽出するとただちに(例えば保留される前に)時短当落判定処理を実行するようにしてもよいし、抽出した乱数値を保留し、特別図柄の可変表示が開始されるまでの間に時短当落判定処理を実行するようにしてもよいし、特別図柄の可変表示の開始時に時短当落判定処理を実行するようにしてもよい。
(時短当落判定処理を実行可能な遊技状態)
時短当落判定処理は、通常遊技状態、高確時短遊技状態、高確非時短遊技状態および時短遊技状態のいずれにおいても実行するようにしてもよいし、時短制御が実行されない遊技状態(例えば、通常遊技状態、高確非時短遊技状態等)においてのみ実行されるようにしてもよい。また、例えば、いずれの遊技状態においても時短当落判定処理を実行する、特定の遊技状態においてのみ時短当落判定処理を実行する、といった時短当落判定処理を実行するための条件を予め定めて、この定められた条件を満たす場合に時短当落判定処理が実行されるようにしてもよい。
(時短制御の態様)
大当りの種類に応じて実行される時短制御の態様と、時短当落判定処理の結果に応じて実行される時短制御の態様とを、同じ態様としてもよいし、異なる態様としてもよい。例えば、第1の時短フラグおよび第2の時短フラグを用意し、大当り種類に応じて時短制御が実行される場合は第1の時短フラグをオンにセットし、時短当落判定処理の結果に基づいて時短制御が実行される場合は第2の時短フラグをオンにセットするようにしてもよい。この場合、第1の時短フラグがオンにセットされた場合と第2の時短フラグがオンにセットされた場合とで、機能が異なる時短制御が実行されるようにするとよい。例えば、第1の時短フラグがオンにセットされた場合は、特図短縮制御および電サポ制御の両方を行い、第2の時短フラグがオンにセットされた場合は、特図短縮制御および電サポ制御のうちいずれか一方のみを行うようにすることができる。また、第1の時短フラグがオンにセットされた場合は、特図短縮制御および電サポ制御のうち特図短縮制御のみが行われる第1時短遊技状態に制御し、第2の時短フラグがオンにセットされた場合は、特図短縮制御および電サポ制御のうち電サポ制御のみが行われる第2時短遊技状態に制御されるようにしてもよい。ただし、複数の時短フラグのうちいずれの時短フラグをオンにセットするかについては、上記に限られず、例えば、時短当落判定処理の結果に基づいて決定してもよいし、時短当落判定処理が実行されたときの遊技状態に応じて決定してもよい。
(時短当り時にセットされる時短回数)
時短当落判定処理の結果が「時短当り」である場合にセットされる時短回数は、時短当落判定処理が行われたときの遊技状態に応じて決定することが好ましい。ただし、これに限られず、例えば、複数の時短当落判定用乱数値が時短当り判定値データとして規定されている場合、セットされる時短回数を、時短当落判定処理が行われたときの遊技状態に代えてまたは加えて、抽出された時短当落判定用乱数値に応じて決定するようにしてもよい。例えば、始動口への遊技球の入賞に基づいて抽出された時短当落判定用乱数値が、第1の時短当り判定値データである場合は時短回数を「100」に決定し、第2の時短当り判定値データである場合は時短回数を「50」に決定すること等が相当する。
また、時短制御が実行される遊技状態(例えば、高確時短遊技状態、時短遊技状態等)であっても時短当落判定処理が実行されるようにし、この時短当落判定処理の結果が「時短当り」である場合、メインCPUは、「時短当り」に基づいて決定された時短回数を、時短残回数に代えて新たにセット(すなわち、時短残回数をリセット)するようにしてもよい。この場合、新たにセットされる時短回数が時短残回数よりも多いか少ないかによって遊技者にとっての利益度合いが変わることとなってゲーム性の幅が広がり、時短フラグがオンの時短遊技状態に面白みを持たせることができ、興趣を高めることが可能となる。
また、時短制御が実行される遊技状態(例えば、高確時短遊技状態、時短遊技状態等)であっても時短当落判定処理が実行されるようにし、この時短当落判定処理の結果が「時短当り」である場合、メインCPUは、「時短当り」に基づいて決定された時短回数を、時短残回数に加算するようにしてもよい。この場合、現在の時短残回数よりも少なくなることがないため、遊技者は、時短制御が実行される遊技状態において安心して遊技を行うことができる。
また、時短制御が実行される遊技状態(例えば、高確時短遊技状態、時短遊技状態等)であっても時短当落判定処理が実行されるようにし、この時短当落判定処理の結果が「時短当り」である場合、メインCPUは、「時短当り」に基づいて決定された時短回数を時短残回数に代えて新たにセットする処理と、「時短当り」に基づいて決定された時短回数を時短残回数に加算する処理とのうち、予めいずれかに定めて、この予め定められた条件を満たす態様で時短回数をセットするようにしてもよい。
なお、第1の時短フラグがオンにセットされた場合と第2の時短フラグがオンにセットされた場合とで機能が異なる時短制御が実行されるようにしたパチンコ遊技機において、時短当落判定処理の結果が「時短当り」であった場合、メインCPUは、実行中の時短制御と「時短当り」に基づいて実行される時短制御とが、同じ機能の時短制御である場合と異なる機能の時短制御である場合とで、時短回数をセットする処理を変えるようにしてもよい。例えば、実行中の時短制御と「時短当り」に基づいて実行される時短制御とが同じ機能の時短制御である場合には、「時短当り」に基づいて決定された時短回数を時短残回数に加算し、実行中の時短制御と「時短当り」に基づいて実行される時短制御とが異なる機能の時短制御である場合には、実行中の時短残回数に代えて、「時短当り」に基づいて決定された時短回数を新たにセット(すなわち、時短残回数をリセット)するようにしてもよい。また、実行中の時短制御と「時短当り」に基づいて実行される時短制御とが異なる機能の時短制御である場合、実行中の時短残回数を全て消化した後に、「時短当り」に基づく時短制御を実行するようにしてもよい。
なお、時短当落判定処理の結果が「時短当り」であることに基づいて時短回数をセットする場合、時短回数が「0」にセットされる場合があり得るようにしてもよい。すなわち、セットされる時短回数が「0」に決定された場合、時短当落判定処理の結果が「時短当り」であるにもかかわらず、時短フラグがオンにセットされる。また、時短制御の実行中に行われた時短当落判定処理の結果が「時短当り」であって且つ時短回数が「0」にセットされる場合、実行中の時短制御が終了することとなる。
(時短制御の開始タイミング)
時短当落判定処理の結果が「時短当り」であることに基づいて実行される時短制御の開始タイミングは、特別図柄ゲームの終了時とすることができる。例えば、特別図柄当り判定処理の結果がハズレである場合、特別図柄が確定する特別図柄確定時間が経過したことに基づいて時短制御を開始することができる。また、特別図柄当り判定処理の結果が小当りである場合、小当り遊技制御処理の終了に基づいて時短制御を開始することができる。また、特別図柄当り判定処理の結果が大当りである場合、大当り遊技制御処理の終了に基づいて時短制御を開始することができる。
時短当落判定処理の結果が「時短当り」であることに基づいて実行される時短制御の開始タイミングが特別図柄ゲームの終了時であって、同一フレームにおいて時短当落判定処理が特別図柄当り判定処理に先だって行われる場合、時短当落判定処理の結果が「時短当り」であったとしても、特別図柄当り判定処理の結果が大当りである場合には「時短当り」を無効にし(「時短当り」に基づいて時短フラグがオンにセットされず)、当り時選択図柄コマンドに基づいて時短フラグをオンにセットする(大当りの種類に応じて時短フラグがオンにセットされない場合もある)ことが好ましい。
また、時短当落判定処理の結果が「時短当り」であることに基づいて実行される時短制御の開始タイミングは、特別図柄ゲームの終了時に限られない。例えば、同一フレームにおいて時短当落判定処理を特別図柄当り判定処理に先だって行う場合、時短当落判定処理の結果に基づいて、ただちに(特別図柄当り判定処理が行われる前)に時短制御を開始してもよい。この場合、時短当落判定処理に用いられる乱数値の抽出時と、時短当落判定処理の実行時とで、遊技状態(すなわち、時短制御の実行有無)が異なる場合が生じ、興趣を高めることが可能となる。
さらに、時短当落判定処理の結果が「時短当り」であることに基づいて実行される時短制御の開始タイミングを、所定回数のゲームが実行された後としてもよい。この場合、時短当落判定処理の結果が「時短当り」となった後、時短制御が開始されるまでの間、時短制御が開始されるか否かの煽り演出をサブCPUにより実行することで、興趣を高めることが可能となる。
なお、第3のパチンコ遊技機において、特別図柄の当り判定処理の結果が大当り(時短制御が実行される大当り)であることに基づいて大当り遊技制御が実行される場合、この大当り遊技制御の終了に基づいて、大当りに基づく時短制御が開始されるようにするとよい。また、特別図柄の当り判定処理の結果が役物開放当り(時短制御が実行される役物開放当り)であって且つVアタッカー2152が開放したときにV入賞口2155への遊技球の通過が検出されたことによって大当り遊技制御が実行された場合も、大当り遊技制御の終了に基づいて時短制御が開始されるようにするとよい。また、時短当落判定処理の結果が「時短当り」であって、特別図柄当り判定処理(図68のS2023参照)の結果が役物開放当りであることに基づいてVアタッカー2152が開放したにもかかわらずV入賞口2155への遊技球の通過が検出されずに大当り遊技制御が実行されなかった場合、メインCPUは、開閉入賞口2151が閉鎖したことに基づいて、「時短当り」に基づく時短制御を開始するようにするとよい。
(時短遊技状態の終了タイミング)
時短遊技状態が終了するタイミングは、例えば、「時短制御が実行される遊技状態において、セットされた時短回数にわたって特別図柄の可変表示が実行された場合」、「時短制御が実行される遊技状態において、特別図柄当り判定処理の結果に基づいて大当り遊技状態に制御された場合」または「時短当落判定処理の結果が時短当りであったにもかかわらず時短回数が0回にセットされた場合」等である。
なお、時短制御が実行される遊技状態において、特別図柄当り判定処理の結果に基づいて小当り遊技制御処理が実行された場合は、小当り遊技制御処理の終了後も時短制御が継続して実行される。
なお、第3のパチンコ遊技機においては、時短制御の実行中に、特別図柄の当り判定処理が役物開放当りであることを示す停止図柄態様が導出されたことによって開閉入賞口2151が開放されたものの、Vアタッカー2152が開放したときにV入賞口2155への遊技球の通過が検出されずに大当り遊技制御処理が開始されなかった場合、メインCPU2201は、開閉入賞口2151が閉鎖した後も時短制御を継続して実行する。
(時短回数書き換え)
時短制御が実行される遊技状態(例えば、高確時短遊技状態、時短遊技状態等)において時短当落判定処理を実行し、この時短当落判定処理の結果が「時短当り」である場合、メインCPUは、時短回数を書き換えてもよいし、時短回数の書き換えを行わない(すなわち、実行中の時短制御における時短回数を消化するまで時短制御を実行する)ようにしてもよい。
なお、時短回数を書き換える場合、メインCPUは、「時短当り」に基づいて決定された時短回数を、実行中の時短制御における時短回数を消化した時点で書き換えて(セットして)もよいし、特別図柄当り判定処理の実行時にセットしてもよいし、特別図柄の可変表示の開始時や停止時にセットしてもよいし、時短当落判定処理時にセットしてもよいし、さまざまなタイミングでセットすることができる。なお、時短当落判定処理時にセットする場合、「時短当り」に基づいて決定された時短回数を、実行中の時短制御における時短回数に上書きすることとなる。また、「時短回数を書き換える」および「従前の時短回数に加算する」のうち予めいずれかに定めて、この予め定められた条件を満たす態様で時短回数をセットするようにしてもよい。
(時短当り確率)
第1始動口または第2始動口への遊技球の入賞に基づいて時短当落判定処理を行う場合、第1始動口への遊技球の入賞に基づいて行われる時短当落判定処理(以下、「第1時短当落判定処理」と称する)と、第2始動口への遊技球の入賞に基づいて行われる時短当落判定処理(以下、「第2時短当落判定処理」と称する)とで、時短当り確率が異なるようにしてもよい。例えば、第1時短当落判定処理が行われた場合の時短当り確率よりも第2時短当落判定処理が行われた場合の時短当り確率を高くしてもよいし、第2時短当落判定処理が行われた場合の時短当り確率よりも第1時短当落判定処理が行われた場合の時短当り確率を高くしてもよいし、第1時短当落判定処理が行われた場合と第2時短当落判定処理が行われた場合とで時短当り確率を同じまたはほぼ同じ確率としてもよい。
(時短当落判定処理の結果表示)
時短当落判定処理の結果(時短当りであるか時短ハズレであるか)を表示する時短当落判定結果表示部、または/および、時短当落判定処理の結果(時短当り)に基づいて決定された時短回数を表示する当選時短回数表示部を設けてもよい。時短当落判定結果表示部または/および当選時短回数表示部は、特別図柄表示部等を備えるLED表示群に設けて、メインCPUにより制御されるようにするとよい。ただし、これに代えてまたは加えて、サブCPUにより、例えば液晶表示装置等の表示装置に、時短当落判定処理の結果または/および時短当りに基づいて決定された時短回数を表示するようにしてもよい。
(インターバル)
特別図柄の当り判定処理の結果がハズレであって且つ時短当落判定処理の結果が「時短当り」である場合、メインCPUは、当該ゲームにおいて特別図柄の可変表示を停止した後のインターバル時間を、特別図柄の当り判定処理の結果がハズレであって且つ時短当落判定処理の結果が「時短ハズレ」である場合の上記のインターバル時間よりも長くしてもよい。なお、装飾図柄の可変表示は特別図柄の可変表示と同期するため、この場合、サブCPUは、上記のインターバル時間が経過するまでの間、「時短当り」であることを示す演出画像を例えば液晶表示装置等の表示装置に表示することが好ましい。
また、第3のパチンコ遊技機において、特別図柄の当り判定処理の結果が役物開放当りであって且つこの役物開放当りに基づいて大当り遊技制御処理が実行されない場合、メインCPU2201は、時短当落判定処理の結果が「時短当り」であるときの役物開放当りにかかる動作終了後のインターバル時間を、時短当落判定処理の結果が「時短ハズレ」であるときの上記のインターバル時間よりも長くしてもよいし、同じまたは略同じ時間としてもよい。
[4-3.遊技媒体の管理にかかわる拡張例]
本明細書に記載された第1のパチンコ遊技機、第2のパチンコ遊技機および第3のパチンコ遊技機は、遊技媒体を用いて遊技を行い、その遊技の結果に基づいて特典(例えば、賞球、賞データ等)が付与される形態全ての遊技機に適用することができる。すなわち、物理的な遊技者の動作によって遊技媒体(例えば、遊技球、メダル等)が発射されたり投入されたりすることで遊技を行い、その遊技の結果に基づいて遊技媒体が払い出される形態のみならず、主制御回路自体が、遊技者が保有する遊技媒体を電磁的に管理し、封入された遊技球を循環させて行う遊技やメダルレスで行う遊技を可能とするものであってもよい。また、遊技者が保有する遊技媒体を電磁的に管理するのは、主制御回路に装着され(接続され)、遊技媒体を管理する遊技媒体管理装置であってもよい。
封入された遊技球を循環させて遊技を行う遊技機の場合、遊技媒体としての遊技球が外部に排出されずに遊技可能に構成されているため、入賞したとき、賞球が払い出されることに代えて遊技媒体としての賞球データが付与される。この明細書において、「払い出される遊技価値」には、賞球および賞球データのいずれの意味も含まれる。例えば、賞球数が15個の入賞口に入賞した場合、封入式の遊技機であれば、15個の賞球に対応する価値の賞球データが付与される。また、遊技価値は、必ずしも賞球や賞球データに限定されず、賞球や賞球データに相当するものであればよい。
また、主制御回路に接続された遊技媒体管理装置が管理する場合、遊技媒体管理装置は、ROMおよびRWM(あるいはRAM)を有して、遊技機に設けられる装置であって、図示しない外部の遊技媒体取扱い装置と所定のインターフェイスを介して双方向通信機能に接続されるものであり、遊技媒体の貸出動作(すなわち、遊技者が遊技媒体の投入操作を行う上で、必要な遊技媒体を提供する動作)若しくは遊技媒体の払出に係る役に入賞(当該役が成立)した場合の、遊技媒体の払出動作(すなわち、遊技者に対して遊技媒体の払出を行う上で、必要な遊技媒体を獲得させる動作)、または遊技の用に供する遊技媒体を電磁的に記録する動作を行い得るものとすればよい。また、遊技媒体管理装置は、これら実際の遊技媒体数の管理のみならず、例えば、その遊技媒体数の管理結果に基づいて、パチンコ遊技機の前面に、保有する遊技媒体数を表示する保有遊技媒体数表示装置(不図示)を設けることとし、この保有遊技媒体数表示装置に表示される遊技媒体数を管理するものであってもよい。すなわち、遊技媒体管理装置は、遊技者が遊技の用に供することができる遊技媒体の総数を電磁的方法により記録し、表示することができるものとすればよい。
また、この場合、遊技媒体管理装置は、遊技者が、記録された遊技媒体数を示す信号を、外部の遊技媒体取扱装置に対して自由に送信させることができる性能を有し、また、遊技者が直接操作する場合の他、記録された遊技媒体数を減ずることができない性能を有し、また、外部の遊技媒体取扱装置との間に外部接続端子板(不図示)が設けられている場合には、その外部接続端子板を介してでなければ、遊技者が、記録された遊技媒体数を示す信号を送信できない性能を有することが望ましい。
遊技機には上記の他、遊技者が操作可能な貸出操作手段、返却(精算)操作手段、外部接続端子板が設けられ、遊技媒体取扱装置には紙幣等の有価価値の投入口、記録媒体(例えばICカード)の挿入口、携帯端末から電子マネー等の入金を行うための非接触通信アンテナ等、その他貸出操作手段、返却操作手段等各種操作手段、遊技媒体取扱装置側外部接続端子板が設けられるようにしてもよい(いずれも不図示)。
その際の遊技の流れとしては、例えば、遊技者が遊技媒体取扱装置に対しいずれかの方法で有価価値を入金し、上記いずれかの貸出操作手段の操作に基づいて所定数の有価価値を減算し、遊技媒体取扱装置から遊技媒体管理装置に対し減算した有価価値に対応する遊技媒体を増加させる。そして遊技者は遊技を行い、さらに遊技媒体が必要な場合には上記操作を繰り返し行う。その後遊技の結果所定数の遊技媒体を獲得し、遊技を終了する際にはいずれかの返却操作手段を操作することにより遊技媒体管理装置から遊技媒体取扱装置に対し遊技媒体数を送信し、遊技媒体取扱装置はその遊技媒体数を記録した記録媒体を排出する。遊技媒体管理装置は遊技媒体数を送信したときに自身が記憶する遊技媒体数をクリアする。遊技者は排出された記録媒体を景品交換するために景品カウンタ等に持っていくか、または他の台で記録された遊技媒体に基づいて遊技を行うために遊技台を移動する。
なお、上記例では全遊技媒体を遊技媒体取扱装置に対して送信したが、遊技機または遊技媒体取扱装置側で遊技者が所望する遊技媒体数のみを送信し、遊技者が所持する遊技媒体を分割して処理することとしてもよい。また、記録媒体を排出するだけに限らず、現金または現金等価物を排出するようにしてもよいし、携帯端末等に記憶させるようにしてもよい。また、遊技媒体取扱装置は遊技場の会員記録媒体を挿入可能とし、会員記録媒体に貯留して後日再遊技可能とするようにしてもよい。
また、遊技機または遊技媒体取扱装置において、図示しない所定の操作手段を操作することにより遊技媒体取扱装置または遊技媒体管理装置に対し遊技媒体または有価価値のデータ通信をロックするロック操作を実行可能としてもよい。その際にはワンタイムパスワード等遊技者にしか知り得ない情報を設定することや遊技媒体取扱装置に設けられた撮像手段により遊技者を記録するようにしてもよい。
また、上記では、遊技媒体管理装置を、パチンコ遊技機に適用する場合について説明しているが、パチスロ機や、遊技球を用いるスロットマシンや、封入式遊技機においても同様に遊技媒体管理装置を設け、遊技者の遊技媒体が管理されるようにすることもできる。
このように、上述した遊技媒体管理装置を設けることにより、遊技媒体が物理的に遊技に供される場合と比べて、遊技機内部の部品点数を減らすことができ、遊技機の原価および製造コストを削減できるのみならず、遊技者が直接遊技媒体に接触しないようにすることもでき、遊技環境が改善し、騒音も減らすことができるとともに、部品を減らしたことにより遊技機の消費電力を減らすことにもなる。また、遊技媒体や遊技媒体の投入口や払出口を介した不正行為を防止することができる。すなわち、遊技機をとりまく種々の環境を改善することができる遊技機を提供することが可能となる。
また、遊技媒体が外部に排出されずに遊技可能に構成された封入式の遊技機と、該遊技機に対して、遊技媒体の消費、貸出および払出に伴う遊技媒体の増減に関するデータを通信ケーブルを介して光信号によって送受信が可能に接続された遊技媒体管理装置と、を有する遊技システムに本発明を適用した場合には、遊技システムを以下のように構成してもよい。
以下に、封入式の遊技機の概略を説明する。封入式の遊技機において、発射装置は、遊技領域の上方に位置し、遊技領域に対して上方から遊技媒体としての遊技球を発射する。遊技者がハンドルを操作すると、払出制御回路により球送りソレノイドが駆動させられ、球送り杵が発射台の方向へと、待機状態の遊技球を押し出す。これにより、遊技球が発射台へ移動する。また、待機位置から発射台への経路には減算センサが設けられており、発射台へ移動する遊技球を検出する。減算センサによって遊技球が検出された場合には、持ち球数が1減算される。このように、遊技領域に対して上方から遊技媒体としての遊技球を発射するように構成されているため、封入式の遊技機ではいわゆる戻り球(ファール球)を回避することができる。そして、遊技領域を転動した後に遊技領域から排出された遊技球は、球磨き装置によって磨かれる。球磨き装置によって磨かれた遊技球は、揚送装置によって上方へと搬送され、発射装置に導かれる。遊技球は封入式の遊技機の外部に排出されずに、当該遊技機において一定数(例えば、50個)の遊技球が一連の経路を循環するように構成されている。また、球磨き装置を設けずに、遊技球を遊技機の外部に排出する排出機構と、遊技機の外部で磨き上げた遊技球を遊技球の内部に取り込む取込機構とを設けるようにしてもよい。この場合、取込機構は、取込専用の樋を設けてもよいし、遊技領域に設けられた入賞口から取り込むように構成してもよい。
封入式の遊技機では、遊技球が遊技機の外部に排出されないため、遊技球を一時的に保持するための上皿や下皿は設けられていない。封入式の遊技機では遊技球が外部に排出されないことから、遊技者の手元に遊技球が実際にあるわけではなく、遊技を行うことにより遊技球が現実に増減するわけではない。封入式の遊技機において、遊技者は遊技媒体管理装置からの貸出により持ち球を得てから遊技を開始する。ここで、持ち球を得るとは、遊技者が、データ管理上、遊技媒体を得ることをいう。そして、発射装置から遊技球が発射されることにより持ち球が消費され、持ち球数が減少する。また、遊技球が遊技領域に設けられた各入賞口等を通過することにより、入賞口に応じて設定された条件に従った数だけ払出が行われ、持ち球数が増加する。さらに、遊技媒体管理装置からの貸出によっても、持ち球数が増加する。また、例えば、遊技の終了によって封入式の遊技機に記憶される遊技価値(すなわち持ち球)の全部を清算したり、持ち球の一部を遊技媒体管理装置に送信する操作を行ったりすることによって、持ち球の全部または一部が遊技媒体管理装置で管理される遊技価値に統合される場合、封入式の遊技機に記憶される遊技価値は、減算またはクリアされ、持ち球数は減少する。さらに、遊技領域の上方から遊技球が発射されるタイプの遊技機にはファール球の概念がないが、従来の遊技機のように下方から遊技球が発射される場合にはファール球が発生しうる。そのため、下方から遊技球が発射されるタイプの遊技機の場合、ファール球の発生有無によっても、持ち球数の増減が発生する。なお、「遊技媒体の消費、貸出および払出」とは、持ち球の消費、貸出および払出が行われることを示す。また、「遊技媒体の増減」とは、消費、貸出および払出によって持ち球数が増減することを示す。また、「遊技媒体の消費、貸出および払出に伴う遊技媒体の増減に関するデータ」とは遊技球が発射されることによる持ち球の減少と、貸出および払出による持ち球の増加とに関するデータである。
封入式の遊技機は、払出制御回路およびタッチパネル式である液晶表示装置を有している。払出制御回路は、遊技球が各入賞口等の通過を検出する各種センサに接続されている。払出制御回路は、持ち球数を管理している。例えば、遊技球が各入賞口を通過した場合には、そのことによる遊技球の払出個数を持ち球数に加算する。また、遊技球が発射されると持ち球数を減算する。払出制御回路は、遊技者の操作により、持ち球数に関するデータを遊技媒体管理装置へ送信する。また、上記の液晶表示装置は遊技機の上部に位置し、遊技媒体管理装置で管理する遊技価値から持ち球への変換(球貸し)や、持ち球の計数(返却)の要求を受け付ける。そして、これらの要求を遊技媒体管理装置を介して払出制御回路に伝え、払出制御回路が現在の持ち球数に関するデータを遊技媒体管理装置に送信するように指示する。ここで、「遊技価値」とは、貨幣・紙幣、プリペイド媒体、トークン、電子マネーおよびチケット等であり、遊技媒体管理装置によって持ち球に変換することが可能であるものを示す。なお、この本実施形態において、遊技媒体管理装置は、いわゆるCRユニットであり、紙幣およびプリペイド媒体等を受付可能に構成されている。また、計数された持ち球は、遊技システムが設置される遊技場などにおいて、景品交換等に用いることができる。
また、封入式の遊技機は、バックアップ電源を有している。これにより、夜間等に電源をOFFにした場合であっても、OFFにする直前のデータを保持することができる。また、このバックアップ電源により、例えば、扉開放センサによる扉枠開放の検出を継続して実行させてもよい。これにより、夜間に不正行為を行われることも防止することができる。なお、この場合は、扉枠が開放された回数等の情報を記憶するものであってもよい。さらに、電源が投入された際に、扉枠が開放された回数等の情報を、遊技機の液晶表示装置等に出力するものであってもよい。
なお、封入式の遊技機は、遊技者が遊技球に触れることができないように構成されていればよく、例えば、遊技球を島設備で循環させずに当該遊技機のみで循環させるタイプのもの、および、遊技球が島設備を循環するものの遊技者が遊技球に触れることができないタイプのもの等も、封入式の遊技機に含まれる。
遊技媒体管理装置は、遊技機接続基板を有している。遊技媒体管理装置は、遊技機接続基板を介して、遊技機とのデータ(送信信号)の送受信を行うように構成されている。送受信されるデータは、主制御回路に設けられたCPUの固有ID、払出制御回路に設けられたCPUの固有ID、遊技機に記憶された遊技機製造業者コード、セキュリティチップの製造業者コード、遊技機の型式コードなどの情報である。そして、遊技機および前記遊技媒体管理装置のいずれか一方を送信元とし他方を送信先として、送信元が送信信号を送信した際に、上記送信信号を受信した送信先が上記送信信号と同じ信号である確認用信号を上記送信元に送信し、上記送信元は、上記送信信号と上記確認用信号とを比較して、これらが同一か否かを判別するようにしている。
このように、送信元において、送信先から送信された確認用信号を送信信号と比較して、これらが同一か否かを判別することにより、送信元から送信した信号が改ざんされることなく、送信元に送信されていることを確認することができる。これにより、遊技機と遊技媒体管理装置との間での送受信信号を改ざんする等の不正行為を抑制することができる。
また、上記遊技システムにおいて、上記送信元は信号を変調する変調部を有し、該変調部により変調された信号を上記送信信号として送信し、上記送信先は上記変調部により変調された信号を復調する復調部を有することとしてもよい。
これにより、仮に、遊技機と遊技媒体管理装置との間での送受信信号を読み取られたとしても、この信号の解読は困難であり、遊技機と遊技媒体管理装置との間での送受信信号を改ざんする等の不正行為を抑制することができる。
また、上記遊技システムにおいて、上記送信先は、上記送信元からの上記送信信号を受信した際に、上記送信信号を受信したことを示す信号である承認信号を、上記確認用信号とは別に上記送信元に送信することとしてもよい。
これにより、送信信号と確認用信号とを比較することにより、正規の信号の送受信が行われたことを確認するだけでなく、承認信号に基づいて正規の信号の送受信が行われたことを確認することができるので、不正行為の抑制をより強化することができる。また、主制御回路と遊技媒体管理装置とを直接通信接続するのではなく、主制御回路と遊技媒体管理装置との間に枠制御回路を設けて、枠制御回路を経由して主制御回路と遊技媒体管理装置とを通信接続するようにしてもよい。また、主制御回路とは別に発射制御回路を設け、発射制御回路と遊技媒体管理装置との間に枠制御回路を設けるように構成してもよい。この場合、主制御回路や発射制御回路のエラー制御を枠制御回路で行うようにしてもよい。
また、第1特別図柄の可変表示と第2特別図柄の可変表示とが並行して行われる場合、メインCPUは、第1特別図柄および第2特別図柄の両方が大当り図柄を示す図柄組合せで停止することがないように処理を行う。
詳述すると、メインCPUは、第1特別図柄の可変表示および第2特別図柄の可変表示の両方を行っているときに、一方の特別図柄が大当り図柄を示す図柄組合せで停止した場合は、他方の特別図柄を、特別抽選の結果にかかわらずハズレを示す図柄組合せで強制的に停止させる制御を行う。一方の特別図柄が大当り図柄を示す図柄組合せで停止すると、上述したとおり一般遊技状態から大当り遊技状態に移行するが、この大当り遊技状態では、第1特別図柄の始動条件および第2特別図柄の始動条件のいずれも成立せず、メインCPUは、第1特別図柄の可変表示および第2特別図柄の可変表示のいずれも新たに行わない。
また、メインCPUは、第1特別図柄の可変表示および第2特別図柄の可変表示の両方を行っているときに、一方の特別図柄が小当り図柄を示す図柄組合せで停止した場合は、一般遊技状態から小当り遊技状態への移行(小当り図柄を示す図柄組合せで停止したこと)に基づいて他方の特別図柄の変動時間の計時を中断し、小当り遊技状態から一般遊技状態への移行(小当り遊技の終了)に基づいて他方の特別図柄の変動時間の計時を再開する処理を行う。一方の特別図柄が小当り図柄を示す図柄組合せで停止すると、上述したとおり一般遊技状態から小当り遊技状態に移行するが、この小当り遊技状態では、第1特別図柄の始動条件および第2特別図柄の始動条件のいずれも成立せず、メインCPUは、第1特別図柄の可変表示および第2特別図柄の可変表示のいずれも新たに行わない。ただし、第1特別図柄の可変表示および第2特別図柄の可変表示の両方を行っているときに、一方の特別図柄が小当り図柄を示す図柄組合せで停止した場合、メインCPUは、可変表示中の他方の特別図柄について、見掛け上は可変表示中と同様の態様でLED群で構成される特別図柄の可変表示を行うが、上述したとおり変動時間の計時は中断する。
[4-4.その他の拡張例]
本明細書では、第1のパチンコ遊技機、第2のパチンコ遊技機および第3のパチンコ遊技機を例に挙げて説明したが、本明細書に記載された技術を、例えばパチスロ等、他の遊技機に適用することができる。
本明細書に記載された技術をパチンコ遊技機およびパチスロのいずれに適用した場合であっても、図柄の仮停止を伴う演出については、リールによる仮停止を含んでも良い。なお、図柄の「停止」には本停止と仮停止があり、「停止」の解釈はいずれであってもよい。また、遊技者による遊技を行うための操作には、レバー、ハンドル、ボタンなどの操作、タッチ等、いずれであってもよい。
パチンコ遊技機では、演出ボタンを操作することによって遊技機の管理者が演出等の設定を行う場合があるが、当該演出ボタンによる設定の後、遊技者が遊技を開始するよう運用される場合がある。この場合、結果的に、管理者による操作が、遊技者が遊技を行うための操作となる場合も想定される。同様にパチスロでは、管理者が2ベット遊技を行い、2ベット遊技に応じたBBフラグが成立した状態で、遊技者が3ベット遊技を行う運用を想定する場合がある。この場合、遊技者が2ベット遊技と3ベット遊技とのいずれでも遊技を行うことができるものの、2ベット遊技を遊技機の管理者が行う場合があるため、管理者が行う遊技(例えば、2ベット遊技等)やホールメニューの選択等が、遊技者が遊技を行うための操作であってもよい。
パチンコ遊技機では、メインCPUの制御により右打ちか左打ちかを報知することで遊技者の遊技方法を管理し、遊技者の遊技方法が意図するものではない場合、エラーや警告等の遊技が意図しないものであることをサブCPUの制御により報知するようにしてもよい。
パチスロでは、遊技者による押し順(アシスト)等、遊技者の遊技方法をメインCPUの制御により管理する場合があるが、遊技者の遊技方法が意図するものではない場合に、エラーや警告等の遊技が意図しないものであることをサブCPUの制御により報知するようにしてもよい。
また、パチンコ遊技機では、主制御基板と払出制御基板とが別基板で搭載されているが、1ボードであってもよい。パチスロでは、払出制御基板が存在しない場合があるが、主制御基板で払出が制御されていてもよいし、主制御基板と払出制御基板とに分かれていてもよい。
また、パチスロは、通常、種々の遊技に必要な装置を内部に収納した矩形の筐体、及び筐体に対して開閉可能な扉を備えているが、パチスロにおける筐体を枠としてとらえることが可能である。一方、パチンコにおいては、外枠を筐体ととらえること、外枠及びベースドアを筐体ととらえること、外枠、ベースドア、ガラスドア及び皿ユニットからなる遊技機全体を筐体ととらえること等が可能である。なお、筐体と扉との間や、枠と扉との間に、各種制御基板が設けられたユニット、中枠、中間部などが存在していてもよいし、扉、枠、筐体等に、各種制御基板や表示手段、装飾部、役物等が存在していてもよい。
[4.第4のパチンコ遊技機]
次に第4のパチンコ遊技機(遊技機)の構成及び各種動作について、図面を参照しながら説明する。なお、第1実施形態(第1のパチンコ機~第3のパチンコ機)、第2実施形態(封入式の遊技機)に記載した発明を、以下に説明する第4のパチンコ遊技機に適用することができる。
第4のパチンコ遊技機の構成が、図108に示されている。この構成は、図6に示す第1のパチンコ機と同様の構成である。例えば、第4のパチンコ遊技機の主制御回路4200、メインCPU4201、メインROM4202、メインRAM4203、設定キー差込口4174、設定キー4174a、RAMクリアスイッチ4176、電源スイッチ4095は、第1のパチンコ機の主制御回路200、メインCPU201、メインROM202、メインRAM203、設定キー174、バックアップクリアスイッチ176、電源スイッチ95にそれぞれ対応する。したがって、ここでは、第1のパチンコ機と異なる構成、及び、本願の発明に関連する構成について説明を行う。
<メインCPUが有する各種レジスタ>
ここで、図109を参照しながら、メインCPU4201が有する各種レジスタについて説明する。なお、図109は、メインCPU4201に含まれる各種レジスタの概略構成図である。
図109(A)に示すように、メインCPU4201は、メインレジスタとして、拡張レジスタ(Qレジスタ、Uレジスタ)、汎用レジスタ(Aレジスタ、Bレジスタ、Cレジスタ、Dレジスタ、Eレジスタ、Hレジスタ、Lレジスタ)、フラグレジスタ(Fレジスタ)、インデックスレジスタ(IXレジスタ、IYレジスタ)、及びスタックポインタ(スタックポインタSP)を有する。
また、メインCPU4201は、サブレジスタとして、拡張レジスタ(Q’レジスタ)、汎用レジスタ(A’レジスタ、B’レジスタ、C’レジスタ、D’レジスタ、E’レジスタ、H’レジスタ、L’レジスタ)、フラグレジスタ(F’レジスタ)、及びインデックスレジスタ(IX’レジスタ、IY’レジスタ)を有する。なお、上述したメインレジスタ、サブレジスタのそれぞれは、1バイトのレジスタで構成される。
また、本実施形態では、BレジスタとCレジスタとをペアレジスタ(BCレジスタ)として用い、DレジスタとEレジスタとをペアレジスタ(DEレジスタ)として用いる。さらに、本実施形態では、HレジスタとLレジスタとをペアレジスタ(HLレジスタ)として用いる。
また、本実施形態では、2つのバンク(バンク0、バンク1)を切り替えて処理を行うように制御することができ、上述したメインレジスタとサブレジスタに関しても、バンク0のメインレジスタ、サブレジスタと、バンク1のメインレジスタ、サブレジスタとが用意され、バンクの切り替えによって、プログラムの命令が利用・参照するレジスタが、バンク0のレジスタ、及びバンク1のレジスタの間で切り替えられる。
なお、本実施形態のプログラムでは、アドレスの上位側のアドレスデータ(アドレス値)がQレジスタに格納される。例えば、メインCPU4201がリセットされると、Qレジスタには、バンク0において利用されるメインRAM4203の先頭アドレス(上位側)「F0」Hがセットされ、バンクを切り替えてバンク1を利用する場合には、バンク1において利用されるメインRAM4203の先頭アドレス(上位側)「F2」HがQレジスタにセットされるように制御(処理)してもよい。
また、上位側のアドレスデータとしてQレジスタを使用する場合以外にも、Qレジスタ以外のレジスタ(例えば、Hレジスタ)に、メインRAM4203の先頭アドレス(上位側)「F0」Hをセットし、Qレジスタ以外のレジスタ(例えば、Dレジスタ)に、メインRAM4203の先頭アドレス(上位側)「F2」Hがセットされるように制御(処理)してもよい。
特に、メインRAM4203の遊技用エリアと領域外エリアを参照する場合に、遊技用エリアの上位側のアドレスを参照する場合はQレジスタ(特定のレジスタ)を使用する命令を使用して参照し、領域外エリアの上位側のアドレスを参照する場合はQレジスタ以外のレジスタを使用する命令を使用して参照するように制御してもよく、このとき、バンク1に切り替える前、または切り替えた後に、Qレジスタ以外のレジスタに先頭アドレス(上位側)「F2」Hが設定されるように制御(処理)してもよい。
なお、本実施形態のプログラムにおいて、メインRAM4203の遊技用エリアと領域外エリアを参照、及び書き込みを行う制御(処理)の過多に応じて、QレジスタにセットするメインRAM4203の先頭アドレス(上位側)を「F0」H、または「F2」Hをセットすることが望ましい。
例えば、メインRAM4203の先頭アドレス(上位側)が「F0」Hのエリアを参照、及び書き込みを行う処理回数が多い場合であれば、Qレジスタに「F0」Hをセットし、また、メインRAM4203の先頭アドレス(上位側)が「F2」Hのエリアを参照、及び書き込みを行う処理回数が多い場合であれば、Qレジスタに「F2」Hをセットする。
さらに、本実施形態では、1バイトのレジスタで構成された、インタラプトページアドレスレジスタ(Iレジスタ)、メモリリフレッシュレジスタ(Rレジスタ)、プログラムカウンタ(PC)、割込み許可レジスタ1、及び割込み許可レジスタ2を、制御レジスタとして有する。
また、図109(B)に示すように、フラグレジスタのFレジスタ、F′レジスタのそれぞれには、各ビットに演算処理の結果等を示す所定のフラグ情報がセットされる。例えばビット6(D6)には、演算結果の判定処理において演算結果が「0」であるか否かを示すデータ(ゼロ・フラグ)がセットされる。具体的には、演算結果が「0」である場合、ビット6にデータ「1」がセットされ、演算結果が「0」でない場合には、ビット6にデータ「0」がセットされる。そして、演算結果の判定処理では、メインCPU4201は、ビット6のデータ「0」/「1」を参照して演算結果の判定を行う。
また、フラグレジスタのビット2(D2)には、パリティフラグ、またはオーバーフローフラグがセットされる。例えば、パリティフラグとして利用される場合、論理演算を実行した際に、演算結果が格納されるディスティネーション内のビット「1」の数をカウントし、合計が奇数であれば「0」をセットし、偶数であれば「1」をセットする。また、オーバーフローフラグとして利用される場合、符号付き算術演算を実行した際に、オーバーフローとなったときにオーバーフローフラグがセットされる。
また、所定の命令によって、フラグレジスタの各ビット(例えば、ビット2)に、他のレジスタの値をセットするように制御することもできる。
<メインROM及びメインRAMの内部構成(メモリマップ)>
次に、図110を参照しながら、主制御回路4200(マイクロプロセッサ)に含まれるメインROM4202及びメインRAM4203の内部構成(以下「メモリマップ」という)について説明する。なお、図110(A)が、メモリ全体のメモリマップを示しており、図110(B)が、当該メモリ全体の内蔵ROMの構成を示しており、図110(C)が、当該メモリ全体の内蔵RAMの構成を示している。図110(A)の内蔵ROMは、例えば、図108のメインROM4202に対応し、図110(A)の内蔵RAMは、図108のメインRAM4203に対応する。
主制御回路200が備えるメモリ全体のメモリマップでは、図110(A)に示すように、アドレスの先頭(例えば、「0000」H)から、メインROM4202のメモリ領域、メインRAM4203のメモリ領域、機能レジスタのエリアが、未使用領域を間に挟んでこの順で配置される。ここで、機能レジスタは、各周辺機能の動作設定のために用いられる第1のレジスタと、モニタや制御のための第2のレジスタからなる2種類の内蔵レジスタを含む。
メインROM4202のメモリマップでは、図110(B)に示すように、メインROM4202のアドレスの先頭(「0000」H)側から、遊技用エリア(すなわち、プログラムエリア(遊技用エリア)、及びデータエリア(遊技用エリア))、領域外エリア、及び、その他のエリアが、この順で、それぞれ所定のアドレスに配置される。また、遊技用エリアと領域外エリアの間に、所定サイズの未使用領域があってもよく、この例では、16バイトの未使用領域が設けられている。
なお、プログラムエリア(遊技用エリア)には、遊技の進行及び遊技性に関連する各種制御処理において、メインCPU4201により実行される各種処理の制御プログラムが記憶される。データエリア(遊技用エリア)には、遊技の進行及び遊技性に関連する各種制御処理において、メインCPU4201により使用される各種データ(例えば、大当り抽選データテーブル等のデータテーブル、副制御回路6300に対して各種制御指令(コマンド)を送信するためのデータ等)が記憶される。
すなわち、プログラムエリア(遊技用エリア)とデータエリア(遊技用エリア)とからなる遊技用エリアには、遊技店で遊技者が実際に行う遊技に関連する制御処理(遊技性に関する処理)に必要な各種プログラム及び各種データが格納される。
また、領域外エリアには、遊技者により実施される遊技(遊技の進行及び遊技性)に直接関与しない各種処理(遊技性に影響を与えない処理)の制御プログラム及びデータが記憶される。例えば、パチンコ遊技機6001の検定試験(試射試験)で使用されるプログラム及びデータ、電断時のチェックサム生成処理や電断復帰時(電源復帰時)のサムチェック処理などで使用される制御プログラム及びデータ、並びに、不正対策プログラム及びそれに必要なデータ等が格納される。
メインRAM4203のメモリマップでは、図110(C)に示すように、メインRAM4203のアドレスの先頭(「F000」H)から、遊技用エリア(すなわち、作業領域(遊技用エリア)、及びスタックエリア(遊技用エリア))、領域外エリア(すなわち、作業領域(領域外エリア))、及びスタックエリア(領域外エリア)が、この順で、それぞれ所定のアドレスに配置される。また、メインROM4202と同様に、遊技用エリアと領域外エリアの間に、所定サイズの未使用領域があってもよく、この例では、16バイトの未使用領域が設けられている。
作業領域(遊技用エリア)、及びスタックエリア(遊技用エリア)には、遊技者により実施される遊技(遊技の進行及び遊技性)に関連する制御プログラムの実行により決定された各種データ(各種乱数値、大当り判定結果等)が一時的に格納される。
また、作業領域(領域外エリア)、及びスタックエリア(領域外エリア)は、遊技者により実施される遊技(遊技の進行及び遊技性)に直接関与しない各種処理の作業領域である。本実施形態では、この作業領域(領域外エリア)、及びスタックエリア(領域外エリア)を使用して、例えばサムチェック処理等の遊技者により実施される遊技に直接関与しない各種処理が実行される。
上述のように、本実施形態のパチンコ遊技機6001では、メインROM4202内において、遊技者により実施される遊技に直接関与しない各種処理に使用される各種プログラム及び各種データ(テーブル)を、遊技用エリアとは異なるアドレスに配置された領域外エリアに格納する。また、そのような遊技者により実施される遊技に直接関与しない各種処理は、メインRAM4203内において、遊技用エリアとは異なるアドレスに配置された領域外エリアを使用して行われる。
このようなメインROM4202の構成では、遊技者が実際に行う遊技そのものには不要なプログラム及びデータを領域外エリアに配置することができ、そのために、遊技用エリアの容量の圧迫を回避することができる。
また、本実施形態では、上述のように、バンクの切り替えを行うことによって、バンク0に係る処理とバンク1に係る処理を切り替えることができるが、ここで、バンク0に係る処理は、メインROM4202の遊技用エリアに記憶されているプログラムとデータを用いて、メインRAM4203の遊技用エリアを一時的に利用しながら、遊技者により実施される遊技の動作を制御するための演算処理を行う。すなわち、バンク0に係る処理は、遊技用エリアに係る処理ということもできる。また、このときに用いられるメインレジスタとサブレジスタは、図109で説明した、バンク0のレジスタである。
一方、バンク1に係る処理は、メインROM4202の領域外エリアに記憶されているプログラムとデータを用いて、メインRAM4203の領域外エリアを一時的に利用しながら、遊技者により実施される遊技に直接関係しない処理(遊技以外の処理を行うための演算処理)を行う。すなわち、バンク1に係る処理は、領域外エリアに係る処理ということもできる。また、このときに用いられるメインレジスタとサブレジスタは、図109で説明した、バンク1のレジスタである。
なお、バンク0に係る処理(遊技用エリアに係る処理)は、メインROM4202のプログラムエリア(遊技用エリア)に記憶されているプログラムによって起動され、その処理において、メインROM4202のデータエリア(遊技用エリア)に記憶されているデータを参照し、さらに、メインRAM4203の作業領域(遊技用エリア)を利用してデータの参照・更新を行うが、メインRAM4203の作業領域(領域外エリア)に記憶されたデータの参照を行うこともある。
同様に、バンク1に係る処理(領域外エリアに係る処理)は、メインROM4202の領域外エリアに記憶されているプログラムによって起動され、その処理において、メインROM4202の領域外エリアに記憶されているデータを参照し、さらに、メインRAM4203の作業領域(領域外エリア)を利用してデータの参照・更新を行うが、メインRAM4203の作業領域(遊技用エリア)に記憶されたデータの参照を行うこともある。
バンク0の処理からバンク1の処理に切り替えるには、例えば、所定のサブプログラムを特定の呼び出し命令によりコールすることによって行われ、バンク1の処理からバンク0の処理に戻るには、例えば、上述した特定の呼び出し命令でコールされた所定のサブプログラムにおいて特定のリターン命令をコールすることによって行われる。
なお、本実施形態では、図110(C)に示すように、メインRAM4203において、アドレス「F000」Hから始まる1つの領域を作業領域(遊技用エリア)として用いたが、このような形態は例示に過ぎず、本発明がこのような実施例に限定されるものではない。例えば、「F000」Hから始める領域を第1作業領域(遊技用エリア)とし、「F100」Hから始める領域を第2作業領域(遊技用エリア)とするなど、作業領域を、特定の処理単位で複数に分割して用いるようにすることもできる。
また、図110は、メモリ内の領域を模式的に示したものであり、本発明の構成が、例示したアドレスや、各領域の見た目のサイズ(容量)等に限定されるものではない。
<割込み許可レジスタ>
ここで、図109に示した割込み許可レジスタ1、及び割込み許可レジスタ2について、より詳細に説明する。
割込み許可レジスタ1は、その値によって、割込み要因マスクによって、特定の割込み要因について割込み処理を行わないように制御可能なマスカブル割込みの許可/禁止が決定され、割込み許可レジスタ2は、特定の割込み要因について割込み処理を行わないように制御できないノンマスカブル割込み処理後に割込み許可レジスタ1の値を復帰させるために利用される。
また、割込み許可レジスタ2に関しては、上記のような、ノンマスカブル割込み処理からの復帰以外に、領域外エリアに係る処理の呼び出し命令(以降、「領域外エリア処理呼出命令」と称する)を実行した後に、領域外エリアに係る処理から遊技用エリアに係る処理に復帰する命令(以降、「遊技用エリア処理復帰命令」とする)がされた場合に、それまで割込み許可レジスタ2に格納されていた値が、割込み許可レジスタ1にコピーされる(割込み許可レジスタ2の値を割込み許可レジスタ1に復帰させる)。
また、ノンマスカブル割込みを受け付けた場合、または、領域外エリア処理呼出命令実行時には、割込み許可レジスタ1の値がクリアされ(値は「0」になる)、結果的に、その値が維持される間、マスカブル割込みが禁止される。
さらに、割込み許可レジスタ2の値は、所定の命令により、フラグレジスタ(Fレジスタ)のパリティ/オーバーフロー・フラグに格納され、割込み許可レジスタ2の値を参照したり、一時的に退避したりすることができる。
また、割込み許可命令を実行すると、割込み許可レジスタ1の値は、割込み許可を表す値「1」となり、同時に割込み許可レジスタ2の値も、割込み許可を表す値「1」となる。このように、割込み許可命令が実行されると、マスカブル割込みが許可される。また、割込み禁止命令を実行すると、割込み許可レジスタ1の値は、割込み禁止を表す値「0」となり、同時に割込み許可レジスタ2の値も、割込み禁止を表す値「0」となる。
<メインRAMの遊技用エリアと領域外エリアに関するクリア処理>
次に、図111、図112を参照して、メインRAM4203のクリア処理の概要について説明する。当該クリア処理におけるメインRAM4203のクリア範囲は、起動状態に応じて判定され、その起動状態は、電源投入時の設定キー4174a、及びRAMクリアスイッチ4176の操作等に基づいて決定される。この処理は、後述する起動状態チェック処理(図118)において詳細に説明する。
起動時におけるメインRAM4203のクリア範囲は、図111(A)に示す起動状態に応じて判定される。この起動状態は、図111(A)に示すように、メインRAM4203に異常があるか否か(図111(A)の「メインRAM異常」の欄)、パチンコ遊技機の電源投入時の操作(図111(A)の「電源投入時の操作」の欄)、及び前回の電断時に設定変更が行われていたか否か(図111(A)の「設定変更中電断復帰」の欄)に基づいた複数のパターンにより決定される。メインRAM4203に異常があるか否かについては、メインRAM4203の指定領域について、電源投入前と電源投入後でCRCを算出し、算出されたCRC値の照合を行い、両者の値が異なる場合に、メインRAM4203に異常があるものと判断する。
図111(A)の第1のパターン(NO.1)は、メインRAM4203に異常がなく、パチンコ遊技機の電源投入時の操作が「A」であり、設定変更中の電断復帰でない(X印で示されている)パターンである。ここで、パチンコ遊技機の電源投入時の操作は、「A」~「D」で表され、これらは、図111(B)に示す、パチンコ遊技機の電源投入時の操作のパターン「A」~「D」に対応する。
図111(B)のパターン「A」は、電源が投入されていない状態で、設定キー4174aをオン操作せず(すなわち、オフ状態のまま)、RAMクリアスイッチ4176のオン操作せずに(すなわち、オフ状態のまま)、電源スイッチ4095のオン操作を行う操作である。この操作は、通常の営業開始時の状態でもあり、また、電圧降下等のトラブルや、瞬断などによって再立ち上げがされるような状況でも考えられる。
パターン「B」は、電源が投入されていない状態で、設定キー4174aをオン操作し(例えば、設定キー差込口4174に差し込み、所定方向に回す)、RAMクリアスイッチ4176のオン操作せずに(オフのままとして)、電源スイッチ4095のオン操作を行う操作である。この操作は、通常、設定確認処理を行うために行われる操作である。
パターン「C」は、電源が投入されていない状態で、設定キー4174aをオン操作せず、RAMクリアスイッチ4176のオン操作をして、電源スイッチ4095のオン操作を行う操作である。この操作は、通常、メインRAM4203のクリアを行うために行われる操作である。
パターン「D」は、電源が投入されていない状態で、設定キー4174aをオン操作し、RAMクリアスイッチ4176のオン操作、及び電源スイッチ4095のオン操作の両方を行う操作である。この操作は、通常、設定変更を行うために行われる操作である。
上記のように、電源投入時の操作は、パターン「A」~「D」のいずれか1つであり、図111(A)の第1のパターンの場合は、パターン「A」の欄に「○」が配置されてパターン「A」の操作が行われていることが表されており、その他のパターン「B」~「D」はX印となっている。
図111(A)の第1のパターンの場合、起動状態は「電断復帰」と判定され、クリア範囲は電断復帰時RAMクリア範囲となる。このクリア範囲については、図112を参照して後で説明する。本願では、このようにクリア範囲が電断復帰時RAMクリア範囲に設定された後、メインCPU4201は、当該クリア範囲をクリアし、その後、電断復帰に応じた処理を行う。
図111(A)の第2のパターン(NO.2)は、メインRAM4203に異常がなく、パチンコ遊技機の電源投入時の操作が「B」であり、設定変更中の電断復帰でない(X印で示されている)パターンである。
図111(A)の第2のパターンの場合、起動状態は「設定確認」と判定され、クリア範囲は電断復帰時RAMクリア範囲となる。このクリア範囲については、図112を参照して後で説明する。本願では、このようにクリア範囲が電断復帰時RAMクリア範囲に設定された後、メインCPU4201は、当該クリア範囲をクリアし、その後、設定確認の処理を行う。
図111(A)の第3のパターン(NO.3)は、メインRAM4203に異常がなく、パチンコ遊技機の電源投入時の操作が「C」であり、設定変更中の電断復帰でない(X印で示されている)パターンである。
図111(A)の第3のパターンの場合、起動状態は「RAMクリア」と判定され、クリア範囲は設定変更時RAMクリア範囲となる。このクリア範囲については、図112を参照して後で説明する。本願では、このようにクリア範囲が設定変更時RAMクリア範囲に設定された後、メインCPU4201は、当該クリア範囲をクリアし、その後、電断復帰に応じた処理を行う。
図111(A)の第4のパターン(NO.4)は、メインRAM4203に異常がなく、パチンコ遊技機の電源投入時の操作が「D」であり、設定変更中の電断復帰でない(X印で示されている)パターンである。
図111(A)の第4のパターンの場合、起動状態は「設定変更」と判定され、クリア範囲は設定変更時RAMクリア範囲となる。本願では、このようにクリア範囲が設定変更時RAMクリア範囲に設定された後、メインCPU4201は、当該クリア範囲をクリアし、その後、設定変更の処理を行う。
図111(A)の第5のパターン(NO.5)は、メインRAM4203に異常がなく、パチンコ遊技機の電源投入時の操作が「A」~「D」のどれでもよい「ANY」であり、設定変更中の電断復帰がある(○印で示されている)パターンである。
図111(A)の第5のパターンの場合、起動状態は「設定変更」と判定され、クリア範囲は設定変更時RAMクリア範囲となる。このように、設定変更中の電断復帰である場合は、メインRAM4203に異常がない限り、パチンコ遊技機の電源投入時の操作がどのようなものであっても、クリア範囲に設定変更時RAMクリア範囲が設定されることになる。このパターンでは、電断前の設定キー4174a、RAMクリアスイッチ4176の操作を表す状態情報がセットされ、電源投入後に、電断前の設定キー4174a、RAMクリアスイッチ4176の操作が再現される。
このクリア範囲については、図112を参照して後で説明する。本願では、このようにクリア範囲が設定変更時RAMクリア範囲に設定された後、メインCPU4201は、当該クリア範囲をクリアし、その後、設定変更の処理を行う。
図111(A)の第6のパターン(NO.6)は、メインRAM4203に異常があり、パチンコ遊技機の電源投入時の操作が「D」である場合のクリア範囲を示している。また、このパターンでは、設定変更中の電断復帰であるか否かについては、どちらでも良いことを表す「ANY」で示されている。
図111(A)の第6のパターンの場合、起動状態は「RAM異常1」と判定され、クリア範囲は異常時RAMクリア範囲となる。このクリア範囲については、図112を参照して後で説明する。本願では、このようにクリア範囲が異常時RAMクリア範囲に設定された後、メインCPU4201は、当該クリア範囲をクリアし、その後、設定変更の処理を行う。
図111(A)の第7のパターン(NO.7)は、メインRAM4203に異常があり、パチンコ遊技機の電源投入時の操作が「D」以外のいずれかである場合のクリア範囲を示している。また、このパターンでは、第6のパターンと同様に、設定変更中の電断復帰であるか否かについては、どちらでも良いことを表す「ANY」で示されている。
図111(A)の第7のパターンの場合、起動状態は「RAM異常2」と判定され、クリア範囲としては、異常時RAMクリア範囲が設定されるが、最終的には、遊技復帰不可能エラー処理が行われ、遊技停止となる。
なお、図111(A)に示す起動状態は、パチンコ遊技機の電源が投入されたときのステータスを識別することを目的としており、この起動状態に応じてメインRAM4203のクリア範囲が判定される。ここで、電断復帰時に設定されるクリア範囲とは、起動状態が電断復帰である場合に設定されるクリア範囲(すなわち、「電断復帰時RAMクリア範囲」)であり、設定変更時に設定されるクリア範囲とは、起動状態が設定変更である場合に設定されるクリア範囲(すなわち、「設定変更時RAMクリア範囲」)である。
なお、パチンコ遊技機の電源が投入されたときに、メインCPU6101が、電断復帰の処理を行うことになったとしても、クリア範囲として「電断復帰時RAMクリア範囲」が設定されるとは限らない。例えば、図111(A)の第1のパターンでは、クリア範囲として「電断復帰時RAMクリア範囲」が設定され、そのクリア範囲がクリアされた後、電断復帰の処理を行うが、第3のパターンでは、クリア範囲として「設定変更時RAMクリア範囲」が設定されるが、そのクリア範囲がクリアされた後、電断復帰の処理が行われる。
また、「異常時RAMクリア範囲」、「設定変更時RAMクリア範囲」、「電断復帰時RAMクリア範囲」はそれぞれ、後述の図112に示すようなクリア範囲とすることができるが、これらのクリア範囲の少なくとも2つを、同じクリア範囲とするように設計することも可能である。
次に、図112を参照して、それぞれのクリア範囲の概要について説明する。
図112(A)には、異常時RAMクリア範囲の例が示されている。本実施形態では、メインRAM4203の遊技用エリアについての異常時RAMクリア範囲は、先頭のアドレス(「F000」H)からスタックエリア(遊技用エリア)の途中までである。メインRAMが異常であると判定されているので、作業領域はすべてクリアする。また、スタックエリアは、アドレス「F200」Hからアドレス値の小さい方向に順に用いられるため、ここでは、使用中のスタックエリアを保護するために、アドレス「F1FC」Hまでをクリアし、スタックエリアのすべてをクリアしないようにしている。スタックエリアには、例えば、呼び出されたプログラムの戻り番地を記憶している領域があり、この部分をクリア対象にしないことで、当該戻り番地を保護している。
メインRAM4203の領域外エリアについての異常時RAMクリア範囲は、先頭のアドレス(「F210」H)からスタックエリア(領域外エリア)の前までである。すなわち、作業領域(領域外エリア)のすべてがクリアされる。なお、この例では、上述のように、16バイトの未使用領域を設けているため、領域外エリアの先頭アドレスは、遊技用エリアの最終アドレスに16バイトを加算した「F210」Hとなる(図112(B)、図112(C)の領域外エリアについても同様)。また、このような、メインRAM4203の領域外エリアのクリア範囲については、メインRAM4203の遊技用エリアについての異常時RAMクリア範囲の先頭のアドレス(「F000」H)の下位1バイト(すなわち、「00」H)に基づいて判断している。
図112(B)には、設定変更時RAMクリア範囲の例が示されている。本実施形態では、メインRAM4203の遊技用エリアについての設定変更時RAMクリア範囲は、アドレス(「F003」H)からスタックエリア(遊技用エリア)の途中までである。設定変更時と判定されているので、作業領域は、先頭アドレス(「F000」H)から3バイト分確保されている設定変更に係る設定値をクリアしないようにしている。また、スタックエリアは、アドレス「F200」Hからアドレス値の小さい方向に順に用いられるため、ここでは、使用中のスタックエリアを保護するために、アドレス「F1FC」Hまでをクリアし、スタックエリアのすべてをクリアしないようにしている。スタックエリアには、例えば、呼び出されたプログラムの戻り番地を記憶している領域があり、この部分をクリア対象にしないことで、当該戻り番地を保護している。
メインRAM4203の領域外エリアについての設定変更時RAMクリア範囲は、アドレス(「F232」H)からスタックエリア(領域外エリア)の前までである。作業領域(領域外エリア)では、性能表示等に関するデータがクリアされずに残される。このような、メインRAM4203の領域外エリアのクリア範囲については、メインRAM4203の遊技用エリアについての設定登録時RAMクリア範囲の先頭のアドレス(「F003」H)の下位1バイト(すなわち、「03」H)に基づいて判断している。
図112(C)には、電断復帰時RAMクリア範囲の例が示されている。本実施形態では、メインRAM4203の遊技用エリアについての電断復帰時RAMクリア範囲は、アドレス(「F07B」H)から9バイト分をクリアする。電断復帰時と判定されているので、作業領域の大部分、及びスタックエリアの全部は、電断前の遊技状態等を保持するために、クリアされずに残される。クリアされる部分は、例えば、遊技異常検知フラグ等のデータである。なお、電断復帰時RAMクリア範囲に関しては、スタックエリアはクリア対象でないため、上述した、異常時RAMクリア範囲や、設定変更RAMクリア範囲のように、意識的にスタックエリアの一部を残しておいて、プログラムの戻り番地を確保しようとする処理を行わないように制御することが可能である。
メインRAM4203の領域外エリアについての電断復帰時RAMクリア範囲は、アドレス(「F232」H)からスタックエリア(領域外エリア)の前までである。作業領域(領域外エリア)では、性能表示等に関するデータがクリアされずに残される。このような、メインRAM4203の領域外エリアのクリア範囲については、メインRAM4203の遊技用エリアについての設定登録時RAMクリア範囲の先頭のアドレス(「F07B」H)の下位1バイト(すなわち、「7B」H)に基づいて判断している。
以上のように、それぞれのクリア範囲を決定する場合、メインRAM4203の領域外エリアについては、対応する遊技用エリアのクリア範囲のうち、先頭アドレスの下位1バイトに基づいて決定しており、新たに、各条件を参照してどのクリア範囲か判断する処理を省略している。また、遊技用エリアのクリア範囲の先頭アドレスの下位1バイトが、各クリア範囲で異なるように意図的に設定されているため、当該下位1バイトによって、メインRAM4203の領域外エリアのクリア範囲を決定することができる。
上記のように、本願では、遊技用の領域(遊技用エリア)のクリア範囲に応じて、遊技用以外の領域(領域外エリア)のクリア範囲を設定することができ、この場合、遊技用の領域のクリア範囲は、遊技用の領域のクリア範囲を指定する情報であって、例えば、遊技用の領域のクリア範囲の先頭アドレスの下位1バイトである。
なお、図112で用いたアドレス値は例示のためのものであり、メインRAM4203における各エリアの配置やサイズ、各クリア範囲を様々に設定することができる。
図112に示すような、遊技用エリアと領域外エリアのクリア処理は、遊技用エリアと領域外エリアに関するCRC値の照合結果に基づいて、パチンコ遊技機の起動時に同期して(概ね同タイミングで)行われる。すなわち、(後で詳細に説明するが)図119に示す指定範囲クリア処理において図120の領域外指定領域クリア処理が呼び出され、そこで、領域外エリアのクリア処理が行われ、その後すぐに、指定範囲クリア処理に戻り、遊技用エリアのクリア処理が行われる。
<電断検知に係る外部割込み処理>
次に、本実施形態における、電断を検知した際の外部マスカブル割込み処理の概要について、図113を参照して説明する。
メインCPU4201は、第4のパチンコ遊技機のパラレル入力ポートを経由して、外部端子(XINT端子)からの割込み要求信号を受信すると、この外部端子に対応付けられた設定領域のエントリアドレスを開始アドレスとするプログラムを開始する。このプログラムは、後述する図131の外部マスカブル割込み処理である。また、この設定領域には、割込み処理の優先順位を示すデータが含まれる。例えば、設定領域の上位ビット側にエントリアドレスが記憶され、下位ビット側に優先順位を示すデータが記憶され、エントリアドレスと優先順位を示すデータとの間には、少なくとも1ビットの「0」が配置される。
また、本実施形態では、パチンコ遊技機のタイマカウンタ(例えば、タイマカウンタPTC2)からタイマ割込みの信号を受信すると、このタイマカウンタに対応付けられた設定領域のエントリアドレスを開始アドレスとするプログラムを開始する。このプログラムは、後述する図132のシステムタイマ割込み処理である。また、この設定領域には、割込み処理の優先順位を示すデータが含まれる。例えば、設定領域の上位ビット側にエントリアドレスが記憶され、下位ビット側に優先順位を示すデータが記憶され、エントリアドレスと優先順位を示すデータとの間には、少なくとも1ビットの「0」が配置される。
このように、外部端子(XINT端子)からの外部割込みや、タイマカウンタからのタイマ割込みといった割込み要因ごとに、上述した設定領域が設けられ、その対応する設定領域に記憶されたデータによって、割込みに応じて実行される処理プログラムのエントリアドレス、及び割込みの優先順位が規定される。
上述した外部マスカブル割込み処理が開始されると、メインCPU4201は、入力ポートの所定のアドレスをチェックして、電断信号を受信したか否かを判定する。この処理は、割込み要因が電断であるか否かを判定する処理であり、電断信号を受信した場合、図113(A)に示すような割込み要因マスクで割込みマスクレジスタを更新し、所定の割込み要因をマスクする。
ここで、割込みマスクレジスタには、図113(A)に示す割込み要因マスクにより、電源投入後の初期設定において、例えば、タイマカウンタを割込みの要因とする割込み(タイマカウンタ割込み)と、電断を割込みの要因とする割込み(電断割込み)とを受け付けるように、対応するビット(例えば、ビット0~7において、ビット位置2とビット位置3)に「0」がセットされている。そして、上記の外部マスカブル割込み処理では、電断が生じた時点で、割込みマスクレジスタに対し、ビット位置2とビット位置3に、それぞれ「1」をセットする。
このように、割込みマスクレジスタのビット位置2と、ビット位置3に、それぞれ「1」をセットすると、これ以降、メインCPU4201は、タイマカウンタ割込みと電断割込みを受け付けないように制御される(すなわち、図131の外部マスカブル割込み処理と、図132のシステムタイマ割込み処理が新たに開始されないように制御される)。
次に、外部マスカブル割込み処理では、XINT検知フラグをセットし、電断が発生しているというステータスをセットする。その後、後述する主制御メイン処理で呼び出される電断判定処理(図115のステップS4015、図124)において、このXINT検知フラグの内容を参照して、電断が発生しているか否かを判定し、電断が発生していれば、電断設定処理を実行する。
図113(B)には、主制御回路4200がプログラムを実行するのに必要な情報を格納するプログラム管理エリアに記憶される割込み初期設定データが示されている。このデータには、割込み優先順の設定値が記憶されている。
図113(C)には、設定値が「01」の場合の、割込要因ごとの優先順位が示されている。図113(B)に示したように、割込み優先順位の設定値がビット「01」である場合、タイマカウンタ割込(タイマカウンタPTC2の割込み)のほうが、電断割込(XINT端子からの信号による割込み)より割込の優先順位が高くなるように設定される。なお、この優先順位は、設定値を変えれば、それに応じて変更されるようになっている。また、本実施形態では、この優先順位の設定内容をプログラムで規定する必要はない。
また、図113(A)の割込みマスクレジスタは、各ビットがそれぞれ割込み要因に対応付けられるが、ここでは、ビット位置0からビット位置5に向かって、図113(C)に示す割込み要因が、優先順の高い順に対応付けられている。すなわち、割込みマスクレジスタのビット位置0には、タイマカウンタPTC0の割込みが対応付けられ、ビット位置1には、タイマカウンタPTC1の割込みが対応付けられ、ビット位置2には、タイマカウンタPTC2の割込みが対応付けられ、ビット位置3には、外部端子(XINT端子)からの外部割込みが対応付けられ、ビット位置4には、非同期シリアル送受信0による割込みが対応付けられ、ビット位置5には、非同期シリアル送受信1による割込みが対応付けられる。なお、ビット位置7とビット位置6は未使用である。
上記のように、本実施形態では、タイマカウンタ割込みと電断割込みの発生を前提としているが、上記のように、少なくとも、複数のタイマカウンタによる割込み、複数の非同期シリアル送受信による割込み、及びXINT端子から入力する外部からの割込みに関する要因に対応することができる。
このような、割込み要因マスクを利用した構成によって、電断が発生した後の他の割込みの発生を制限することができるため、当該他の割込みを想定した処理のために分岐命令を記載しなくて済み、結果的に、プログラムの構成が簡潔になるとともに、サイズを小さくすることができる。
また、割込み要因マスクを利用した構成によって、電断が発生した後の他の割込みの発生を制限することができるため、電断の検知後、早急に電断に係る処理を実行することができ、また、当該他の割込みによる処理との実行タイミングや処理順を考慮する必要がなくなる。
このように、割込みマスクレジスタに「1」をセットするビット位置によって、割込み要因ごとに発生の検知を行うか否かを調整することができるため、例えば、電断の検知により外部マスカブル割込み処理が実行された後に、特定の割込み要因に係る割込み処理については、その処理を許容するように制御することも可能である。
[主制御メイン処理]
次に、図114~図116を参照して、メインCPU4201の制御によるメイン処理(主制御メイン処理)について説明する。なお、図114~図116は、主制御メイン処理の手順を示すフローチャートである。
まず、メインCPU4201は、バンク0の処理を開始し、電断信号ビットが「0」であるか否かを判定する(ステップS4001)。ステップS4001において、メインCPU4201が、電断信号ビットが「0」であると判定した場合(ステップS4001がYES判定の場合)、メインCPU4201は、電断を検知中であるとして、ステップS4001の判定処理を繰り返す。
ステップS4001において、メインCPU4201が、電断信号ビットが「0」でないと判定した場合(ステップS4001がNO判定の場合)、メインCPU4201は、電断検知中でないとして、ステップS4002に進む。
次に、メインCPU4201は、ステップS4002において、遊技用エリアに係る(バンク0の)スタックポインタの設定処理を行う。ここでは、例えば、スタックポインタSPに、図110(C)に示したスタックエリア(遊技用エリア)の最終アドレス+1をセットする。そして、以降の処理中、バンク0でスタックが用いられる場合は、スタックポインタSPから1を減じた後、そのアドレスにレジスタの値等を格納し、以降同様に、スタックエリア(遊技用エリア)をアドレス値の大きいエリアから小さいエリアに順に使用していく。
次に、ステップS4003において、内蔵レジスタの初期設定を行う。ここでは、例えば、内蔵レジスタ初期設定データテーブルを参照して、内蔵レジスタの初期設定を行う。また、Qレジスタに、バンク0において利用されるメインRAM4203の作業領域(遊技用エリア)の先頭アドレス(上位側)「F0」Hがセットされる。
その後、ステップS4004において、(例えば、Eレジスタに)起動時のRAMクリアスイッチ4176の状態情報と、設定キー差込口4174に差し込まれる設定キー4174aの状態情報を格納し、それらの状態を、後の起動状態チェック処理で確認できるようにしている。
次いで、メインCPU4201は、ウェイト処理を行う(ステップS4005)。この処理では、メインCPU4201は、副制御回路6300側の起動待ち処理を行う。起動待ち時間(ウェイト期間)はおよそ12000msecである。また、この起動待ち時間において、メインCPU4201は、割込み要求信号(XINT)の発生チェック処理、割込み要求信号発生時のWDTの出力処理、所定のタイミングでの磁気センサ初期化信号の出力処理を行う。この処理は、タイムアウトレジスタを用いて行われる。また、割込み禁止中も、例えば、タイマカウンタPTC2のタイマカウントの更新を行うように制御し、PTC2のタイムアウトが発生したか否かを、PTC2タイムアウトフラグレジスタを用いて1命令で判定し、処理を分岐させることで、擬似的に、タイマ割込みが行われたか否かに応じて処理が分岐するような制御を行うことも可能である。
次いで、メインCPU4201は、RAMアクセス設定を行う(ステップS4006)。この処理で、メインCPU4201は、メインRAM4203へのアクセス許可コマンドを、対応するレジスタに送信する。
次に、メインCPU4201は、指定領域CRC検査処理を行う(ステップS4007)。この処理は、領域外エリア処理呼出命令でコールされることにより、バンク1に係る処理(領域外エリアの処理)を行う。メインCPU4201はそこで、メインRAM4203の遊技用エリアと領域外エリアに関するCRC検査を行い、その処理が終了すると、遊技用エリア処理復帰命令でリターンすることにより、以降の処理が、バンク0に係る処理(遊技用エリアの処理)を行うことになる。なお、この処理については、後で詳細に説明する。
なお、CRC検査は、例えば、指定された領域のデータについて、予め定めておいた特定の値で割り、その余りを、異常があるか否かのチェック用の値として使用するものである。異なる時点でこのチェック用の値を算出し、それらが一致しない場合、当該指定された領域のデータに関して、変動があった(データの位置や値に異常があった)と判断することができる。
次に、ステップS4008において、メインCPU4201は、起動状態チェック処理を行う。この処理では、メインCPU4201は、CRCチェック結果と電源投入時の所定キーの操作等に基づいて、メインRAM4203のクリア範囲を決定する。なお、この処理については、後で詳細に説明する。
次に、ステップS4009において、メインCPU4201は、指定範囲クリア処理を行う。この処理では、メインCPU4201は、メインRAM4203の遊技用エリア、及び領域外エリアについて、指定範囲のクリアを行う。なお、この処理については、後で詳細に説明する。
次に、ステップS4010において、メインCPU4201は、(例えば、HLレジスタに)メインRAM4203の領域外エリアに記憶されている電源投入時初期化用データテーブルのアドレスをセットし、このHLレジスタを参照して、電源投入時初期化用のデータを作業領域に格納する。
次いで、ステップS4011において、メインCPU4201は、ステップS4010でセットされた電源投入時初期化用データテーブルのアドレスを用いて、格納対象領域に電源投入時初期化用データテーブルのデータをセットする。また、この処理では、開始時点で割込み禁止の設定がされ、終了時点で、当該処理の開始時点における割込み禁止/許可状態が復元される。なお、この処理については、後で詳細に説明する。
次いで、ステップS4012において、メインCPU4201は、設定変更確認処理を行う。この処理では、メインCPU4201は、設定キー4174aが設定キー差込口4174に差し込まれて「オン」の状態となっている場合に、設定更新や設定変更の処理を行うように制御する。なお、この処理については、後で詳細に説明する。
次に、ステップS4013において、メインCPU4201は、遊技復帰処理を行う。この処理では、メインCPU4201は、遊技機の電源投入(起動時)の際に、RAMクリアスイッチ4176が「オン」であるか否かを判定し、「オン」でなければ、電断復帰時であると判断して、遊技の復帰を行うために、電断復帰時の初期設定処理を行い、「オン」であれば、RAMクリア(バックアップクリア)が指定されたと判断して、遊技の復帰を行うために、バックアップクリア時の初期設定処理を行う。
次に、ステップS4014において、メインCPU4201は、割込み禁止処理を行う。この処理によって、マスカブル割込みが禁止される。またここで、上述したように、割込み許可レジスタ1の値と割込み許可レジスタ2の値が共に「0」にセットされる。
この処理では、メインCPU4201は、割込み禁止命令を実行し、その結果、割込み許可レジスタ1の値は「0」となり、割込み許可レジスタ2の値も「0」となる。このように、割込み禁止命令が実行されると(割込み許可レジスタ1の値が「0」の間)、マスカブル割込みは禁止される。
次に、ステップS4015において、メインCPU4201は、電断判定処理を行う。この処理では、メインCPU4201は、電断が検知されたか否か(すなわち、XINTが検知されたか否か)を判定し、電断が検知された場合は、電断設定処理を行う。なお、この処理については、後で詳細に説明する。
次に、ステップS4016において、メインCPU4201は、初期乱数値更新処理を行う。この処理では、メインCPU4201は、特別図柄判定用初期値乱数の更新処理を行う。
この後、ステップS4017において、メインCPU4201は、性能表示モニタ集計除算処理を行う。この処理は、領域外エリア処理呼出命令でコールされることにより、バンク1に係る処理(領域外エリアの処理)となる。メインCPU4201は、各種ベース値を算出・更新し、各処理は、メインRAM4203作業領域(領域外エリア)を使用して行われる。なお、この処理については、後で詳細に説明する。
次に、ステップS4018において、メインCPU4201は、割込み許可処理を行う。この処理によって、マスカブル割込みが許可される。またここで、上述したように、割込み許可レジスタ1の値と割込み許可レジスタ2の値が共に「1」にセットされる。
次に、ステップS4019において、メインCPU4201は、システム周期時間(6msec:割込み周期(2mses)の3倍)が経過したか否かを判定する。具体的には、メインCPU4201は、メインRAM4203の作業領域(遊技用エリア)の割込みカウンタ領域に格納された値(現在の割込みカウンタの計数値)から3減算した値が「0」であるか否かを判定する。なお、割込みカウンタの値は、システムタイマ割込み処理毎に1加算され(図133のステップS4402参照)、システム周期時間経過時には「3」となる。それゆえ、割込みカウンタの値から3減算した値が「0」である場合には、ステップS4019の判定は「YES」となり、割込みカウンタの値から3減算した値が「0」でない場合、ステップS4019の判定は「NO」となる。
ステップS4019において、メインCPU4201が、システム周期時間が経過していないと判定した場合(ステップS4019がNO判定の場合)、メインCPU4201は、処理をステップS4014の処理に戻し、ステップS4014以降の処理を行う。
一方、ステップS4019において、メインCPU4201が、システム周期時間が経過したと判定した場合(ステップS4019がYES判定の場合)、メインCPU4201は、ステップS4020において、タイマカウンタ更新処理を行う。この処理は、割込みカウンタ領域に格納された値(割込みカウンタの値)から1減算する処理を3回行うものである。この処理により、主制御メイン処理内の割込み禁止区間を管理する割込みカウンタの値がリセットされる(「0」になる)。
上述のように、本実施形態では、主制御メイン処理内において、後述する遊技制御に関する各種処理の実行前に、6msecの割込み禁止区間(ステップS4014~ステップS4018の処理区間)が設けられる。それゆえ、本実施形態では、後述する遊技制御に関する各種処理は、6msec毎(システム周期毎)に実行されることになる。なお、本実施形態では、割込み禁止区間を割込み周期の3倍とする例を説明したが、本発明はこれに限定されず、例えば、割込み禁止区間を割込み周期の2倍以上で且つ3倍以外の値にしてもよい。
次いで、メインCPU4201は、主制御コマンド送受信処理を行う(ステップS4021)。この処理では、メインCPU4201は、主に、払出制御のコマンド送受信処理を行う。なお、この処理については、後で詳細に説明する。
次いで、メインCPU4201は、特別図柄制御処理を行う(ステップS4022)。この処理では、メインCPU4201は、特別図柄ゲームの制御処理を行う。なお、特別図柄制御処理については、図26等を参照して説明した処理と同様のものである。
次いで、メインCPU4201は、普通図柄制御処理を行う(ステップS4023)。この処理では、メインCPU4201は、普通図柄ゲームの制御処理を行う。なお、普通図柄制御処理については、図43等を参照して説明した処理と同様のものである。
次いで、メインCPU4201は、遊技動作表示ユニット制御処理を行う(ステップS4024)。この処理では、メインCPU4201は、第1特別図柄表示LED、第2特別図柄表示LED、普通図柄表示LED、保留表示LED等に出力する表示データの設定処理を行う。
次いで、メインCPU4201は、遊技情報データ生成処理を行う(ステップS4025)。この処理では、メインCPU4201は、外部端子板パルス信号の制御処理、出力データの設定処理等を行う。その後、ステップS4026において、メインCPU4201は、試射試験信号の生成処理を行う。なお、試射試験信号の生成処理は、メインRAM4203の作業領域(領域外エリア)を使用して行われる。
次いで、メインCPU4201は、ポート出力処理を行う(ステップS4027)。この処理では、メインCPU4201は、出力ポートへの出力データのセット(転送)処理、WDTの出力処理を行う。
次いで、メインCPU4201は、状態監視処理を行う(ステップS4028)。この処理では、メインCPU4201は、発射位置判定処理(発射位置に変化があれば、発射位置コマンドの送信予約処理を行う)、遊技異常検知判定処理(異常があれば、遊技異常検知コマンドの送信予約処理を行う)、払出異常検知判定処理(異常があれば、払出異常検知コマンドの送信予約処理を行う)を行う。
そして、ステップS4028の処理後、メインCPU4201は、処理をステップS4014の処理に戻し、ステップS4014以降の処理を行う。
上述のように、本実施形態の主制御メイン処理では、起動後、ウェイト処理(ステップS4005)の実行前に、RAMクリアスイッチ4176の状態情報、及び、設定キー4174aの状態情報の退避する(ステップS4004)。このような処理を設けた場合、例えばウェイト期間中に設定キー差込口4174に対し設定キー4174aの操作が行われても(オン/オフされても)、電源投入時におけるこれらの状態情報を確保しておくことができるので、本実施形態では、起動時のRAMクリアスイッチ4176の操作状況、及び設定キー4174aの操作状況を、より確実に把握して、遊技機に対する操作を正確に識別することができる。
また、上述のように、本実施形態では、主制御メイン処理内において、遊技制御に関する各種処理(ステップS4020以降の処理)の実行前に、6msecの割込み禁止区間(ステップS4014~ステップS4018の処理区間)を設け、割込み禁止区間内で電断処理(ステップS4015)、初期値乱数更新処理(ステップS4016)、性能表示モニタ集計除算処理(ステップS4017)等が行われる。すなわち、本実施形態では、遊技の出玉性能等に影響を与える値や遊技全体を通じて集計される値の管理処理を割込み禁止区間で行う。それゆえ、このような割込み禁止区間を設けることにより、遊技の管理が簡便になり、主制御回路4200で行われる処理をより効率よく実行することができ、主制御回路4200の処理負荷を軽減することができる。
[指定領域CRC検査処理]
次に、図117を参照して、メインCPU4201の制御によるメイン処理(主制御メイン処理)で呼び出される指定領域CRC検査処理(図114のステップS4007)について説明する。なお、図117は、指定領域CRC検査処理の手順を示すフローチャートである。
指定領域CRC検査処理は、上述したように、領域外エリア処理呼出命令により呼び出されるため、バンク1に係る処理となっており、この処理を実行するためのプログラムは、メインROM4202の領域外エリアに記憶されているプログラムであって、メインRAM4203の領域外エリアである、作業領域(領域外エリア)、及びスタックエリア(領域外エリア)を利用する。ただし、この処理では、CRC算出のために、メインRAM4203の遊技用エリアも参照する。
まず、メインCPU4201は、ステップS4041において、領域外エリアに係る(バンク1の)スタックポインタの設定処理を行う。ここでは、例えば、スタックポインタSPに、図110(C)に示したスタックエリア(領域外エリア)の最終アドレス+1をセットする。そして、以降の処理中、バンク1でスタックが用いられる場合は、スタックポインタSPから1を減じた後、そのアドレスにレジスタの値等を格納し、以降同様に、スタックエリア(領域外エリア)をアドレス値の大きいエリアから小さいエリアに順に使用する。
本実施形態では、遊技機が起動すると、最初に、図114ないし図116に示した主制御メイン処理が開始され、最初に遊技用エリアに係るスタックポインタの設定処理が行われる一方(ステップS4002)、領域外エリアに関しても、領域外エリアに係る処理として、遊技機の起動後初めて実行された指定領域CRC検査処理において、領域外エリアに係るスタックポインタ設定処理が行われる。このように、遊技用エリアのスタックポインタは、遊技用エリアの処理の際に行い、領域外エリアのスタックポインタは、領域外エリアの処理の際に行うように切り分けることで、コーディングのミス等を防止することができる。
次に、メインCPU4201は、ステップS4042において、指定領域CRC演算処理を行う。この処理は、メインRAM4203の遊技用エリア(作業領域(遊技用エリア)、及びスタックエリア(遊技用エリア))、及び領域外エリア(作業領域(領域外エリア)、及びスタックエリア(領域外エリア))のデータについてCRC演算を行うものである。
次に、メインCPU4201は、ステップS4043において、電断時の指定領域に関するCRC演算結果を取得する。この処理は、記憶されている電断時のCRC演算結果をメインRAM4203から読み取るものである。電断時のCRC演算結果は、電断が検知されたときに指定領域のデータについてしたCRC演算の結果であり、例えば、CRC演算の後で、メインRAM4203の作業領域(領域外エリア)に格納される。電断時にCRC演算を行う処理については、後で詳細に説明する。
次に、メインCPU4201は、ステップS4044において、ステップS4042で計算したCRC演算結果と、ステップS4043で取得した(直前の)電断時のCRC演算結果とを照合し、ステップS4045において、(例えば、Bレジスタに)初期値として、バックアップ異常ありを示すフラグ「1」をセットする。
次に、メインCPU4201は、ステップS4046において、ステップS4044で行ったCRC演算結果の照合結果を判定し、不一致であった場合(ステップS4046がYES判定の場合)、バックアップ異常があったものと判断してステップS4051に進む。Bレジスタには、初期値のまま、フラグ「1」がセットされている。
ステップS4046において、CRC演算結果の照合結果が一致したと判定された場合(ステップS4046がNO判定の場合)、メインCPU4201は、ステップS4047において、Bレジスタに、電断未検知を示すフラグ「2」をセットする。
次に、メインCPU4201は、ステップS4048において、電断が実施されたか否かを示す電断実施フラグを取得し、ステップS4049において、その電断実施フラグに基づいて、電断実施が行われたか否かを判定する。ここで、電断が実施されていないと判定された場合(ステップS4049がNO判定の場合)、メインCPU4201は、電断未検知であると判断してステップS4051に進む。Bレジスタには、ステップS4047でセットされた、(電断未検知を示す)フラグ「2」がセットされている。
ステップS4049において、電断実施が行われたと判定された場合(ステップS4049がYES判定の場合)、メインCPU4201は、Bレジスタに、異常なしを示すフラグ「0」をセットする。
次に、メインCPU4201は、ステップS4051において、Bレジスタに記憶されている照合結果(フラグ)を、「CRC照合結果」として、メインRAM4203の作業領域(領域外エリア)に格納し、さらに、ステップS4052において、電断実施フラグをクリアする。
最後に、メインCPU4201は、遊技用エリア処理復帰命令により、この処理を終了し、処理が領域外エリアに係る処理から、遊技用エリアに係る処理に切り替えられる。
このように、指定領域CRC検査処理において、電源投入後、最初にメインRAM4203の領域外エリアに関する処理を行う際に、バンク1に係るスタックポインタSPの設定がされるため、初期化処理が効率的かつ簡潔な構成で実行されることになる。
[起動状態チェック処理]
次に、図118を参照して、メインCPU4201の制御によるメイン処理(主制御メイン処理)で呼び出される起動状態チェック処理(図114のステップS4008)について説明する。なお、図118は、起動状態チェック処理の手順を示すフローチャートである。この処理では、メインRAM4203に異常があるか否か、電源投入時の設定キー4174a、及びRAMクリアスイッチ4176の操作、及び前回の電断時に設定変更が行われていたか否かに応じて起動状態が決定され、その決定された起動状態に基づいて、メインRAM4203のクリア範囲(RAMクリア範囲)が設定される。
まず、メインCPU4201は、ステップS4071において、メインRAM4203の作業領域(領域外エリア)に格納されているCRC照合結果を取得する。このCRC照合結果には、例えば、上述した指定領域CRC検査処理において、バックアップ異常あり(フラグ「1」)、電断未検知(フラグ「2」)、異常なし(フラグ「0」)のいずれかがセットされている。
次に、メインCPU4201は、ステップS4072において、RAMのクリア範囲(例えば、HLレジスタ)の初期値として、異常時RAMクリア範囲先頭アドレスをセットする。
次に、メインCPU4201は、ステップS4073において、ステップS4071で取得したCRC照合結果を参照して、異常があるか否かを判定し、異常がある場合(ステップS4073がYES判定の場合)、ステップS4077に進み、異常がない場合(ステップS4073がNO判定の場合)、ステップS4074において、HLレジスタに、設定変更時RAMクリア範囲先頭アドレスをセットする。
ステップS4074の後、メインCPU4201は、ステップS4075において、前回のRAMクリアスイッチ4176の状態情報に基づき、今回の処理が、設定変更中の電断復帰であるか否かを判定する。設定変更中の電断復帰でない場合(ステップS4075がNO判定の場合)、ステップS4077に進み、設定変更中の電断復帰である場合(ステップS4075がYES判定の場合)、ステップS4076において、(例えば、Eレジスタに)前回のRAMクリアスイッチ4176の状態情報、及び設定キー4174aの状態情報をセットする。この処理は、今回のRAMクリアスイッチ4176の状態情報、及び設定キー4174aの状態情報を、前回の(電断復帰前の)情報に書き換えるものであり、これにより、設定変更中の電断復帰であった場合に、今回において、その設定変更を継続させるようにしている。
ステップS4076の後、または、ステップS4073のYES判定の場合、ステップS4075のNO判定の場合、メインCPU4201は、ステップS4077に進み、そこで、今回のRAMクリアスイッチ4176の状態情報、及び設定キー4174aの状態情報から、RAMクリアスイッチ4176がオン、かつ設定キー4174aがオンであるか否かを判定し、両方がオンであれば(ステップS4077がYES判定の場合)、処理を終了する。
このように、メインRAMが異常であって(ステップS4073がYES判定の場合)、かつ、電源投入時の操作において、RAMクリアスイッチ4176が「オン」、設定キー4174aが「オン」である場合、RAMのクリア範囲には異常時RAMクリア範囲先頭アドレスが設定され、ステップS4077のYES判定を経て、この処理を終了した後、当該クリア範囲に基づいてクリア処理が行われ(図119、図120参照)、その後、設定変更の処理が行われる(図122、図123参照)。この起動状態は、図111(A)に示す「RAM異常1」であり、第6のパターンに対応する。
また、メインRAMに異常がなく(ステップS4073がNO判定の場合)、かつ、設定変更中の電断復帰ではなく(ステップS4075がNO判定の場合)、さらに、電源投入時の操作において、RAMクリアスイッチ4176が「オン」、設定キー4174aが「オン」である場合、RAMのクリア範囲には設定変更時RAMクリア範囲先頭アドレスが設定され、ステップS4077のYES判定を経て、この処理を終了した後、当該クリア範囲に基づいてクリア処理が行われ(図119、図120参照)、その後、設定変更の処理が行われる(図122、図123参照)。この起動状態は、図111(A)に示す「設定変更」であり、第4のパターンに対応する。
さらに、メインRAMに異常がなく(ステップS4073がNO判定の場合)、かつ、設定変更中の電断復帰である場合(ステップS4075がNO判定の場合)、ステップS4076において、電源投入時の操作が、RAMクリアスイッチ4176が「オン」、設定キー4174aが「オン」に擬制されるので、RAMのクリア範囲には設定変更時RAMクリア範囲先頭アドレスが設定され、ステップS4077のYES判定を経て、この処理を終了した後、当該クリア範囲に基づいてクリア処理が行われ(図119、図120参照)、その後、設定変更の処理が行われる(図122、図123参照)。この起動状態は、図111(A)に示す「設定変更」であり、第5のパターンに対応する。
ステップS4077において、RAMクリアスイッチ4176と設定キー4174aが両方オンでない場合(ステップS4077がNO判定の場合)、ステップS4078に進む。
次に、ステップS4078において、メインCPU4201は、CRC照合結果を参照して、異常があるか否かを判定し、異常がある場合(ステップS4078がYES判定の場合)、ステップS4079に進み、そこで、遊技復帰不可能エラー処理を行う。遊技復帰不可能エラー処理ではWDTのクリア処理、及びリスタート処理を無限ループで繰り返し、例えば、性能表示モニタ6170に「E」の文字を表示するよう制御し、遊技停止の状態となる。なお、この場合、上述したように、クリア範囲としては、異常時RAMクリア範囲が設定されるが、ここで、このクリア範囲(異常時RAMクリア範囲)をクリアするようにしてもよいし、クリアせずにそのまま遊技停止の状態としてもよい。
このように、メインRAMが異常であって(ステップS4073がYES判定の場合)、かつ、電源投入時の操作において、RAMクリアスイッチ4176と設定キー4174aが両方「オン」の状態になっていない場合、RAMのクリア範囲には異常時RAMクリア範囲先頭アドレスが設定され、ステップS4078のYES判定を経て、上記のように遊技復帰不可能エラー処理を行う。この起動状態は、図111(A)に示す「RAM異常2」であり、第7のパターンに対応する。
メインRAM4203に異常がない場合(ステップS4078がNO判定の場合)、ステップS4080において、RAMクリアスイッチ4176の状態が「オン」であるか否かを判定する。
ステップS4080において、RAMクリアスイッチ4176の状態が「オン」である場合(ステップS4080がYES判定の場合)、処理を終了する。
このように、メインRAMに異常がなく(ステップS4078がNO判定の場合)、かつ、電源投入時の操作において、RAMクリアスイッチ4176が「オン」である場合(ステップS4080がYES判定の場合)、RAMのクリア範囲には設定変更時RAMクリア範囲先頭アドレスが設定され、ステップS4080のYES判定を経て、この処理を終了した後、当該クリア範囲に基づいてクリア処理が行われ(図119、図120参照)、その後、電断復帰の処理が行われる。この起動状態は、図111(A)に示す「RAMクリア」であり、第3のパターンに対応する。
なお、この場合は、ステップS4076でRAMクリアスイッチ4176と設定キー4174aの状態情報がセットされると、ステップS4077でYES判定となるため、設定変更中の電断復帰ではないと言える。また、設定キー4174aも「オン」の状態であれば、ステップS4077でYES判定となるので、ここでは、設定キー4174aは「オフ」の状態であると言える。
ステップS4080において、RAMクリアスイッチ4176の状態が「オフ」である場合(ステップS4080がNO判定の場合)、ステップS4081において、HLレジスタに、電断復帰時RAMクリア範囲先頭アドレスをセットし、処理を終了する。
このように、メインRAMに異常がなく(ステップS4078がNO判定の場合)、かつ、電源投入時の操作において、RAMクリアスイッチ4176が「オン」でない場合(ステップS4080がNO判定の場合)、RAMのクリア範囲には電断復帰時RAMクリア範囲先頭アドレスが設定され、この処理を終了した後、当該クリア範囲に基づいてクリア処理が行われる(図119、図120参照)。この起動状態は、図111(A)に示す「電断復帰」、または「設定確認」であり、第1のパターン、または第2のパターンに対応する。なお、ここでは、上記と同様に、ステップS4076でRAMクリアスイッチ4176と設定キー4174aの状態情報がセットされると、ステップS4077でYES判定となるため、設定変更中の電断復帰ではないと言える。
上記のように、RAMのクリア範囲に電断復帰時RAMクリア範囲先頭アドレスが設定される起動状態として、図111(A)に示す第1のパターンと第2のパターンがあるが、第1のパターンでは、設定キー4174aが「オフ」の状態でかつ、RAMクリアスイッチ4176が「オフ」の状態になっており、一方、第2のパターンでは、設定キー4174aが「オン」の状態でかつ、RAMクリアスイッチ4176が「オフ」の状態になっており、これらの相違点に基づいて、後続の処理が切り分けられる。すなわち、第1のパターンの起動状態は「電断復帰」であり、当該クリア範囲に基づいたクリア処理の後、電断復帰の処理が行われ、第2のパターンの起動状態は「設定確認」であり、当該クリア範囲に基づいたクリア処理の後、設定確認の処理が行われる(図122、図123参照)。
[指定範囲クリア処理]
次に、図119を参照して、メインCPU4201の制御によるメイン処理(主制御メイン処理)で呼び出される指定範囲クリア処理(図115のステップS4009)について説明する。なお、図119は、指定範囲クリア処理の手順を示すフローチャートである。
まず、メインCPU4201は、ステップS4101において、起動時のRAMクリアスイッチ4176の状態情報、及び設定キー4174aの状態情報といった情報をスタックに退避する。これらの情報は、例えば、EレジスタやDレジスタのデータをスタックに退避することで実現される。
次に、ステップS4102において、メインCPU4201は、RAMクリア範囲先頭アドレス(下位アドレス)がセットされているレジスタの値を、RAMクリア範囲判定データとして、メインRAM4203の遊技用エリア(作業領域(遊技用エリア))に格納する。本実施形態では、図118の起動状態チェック処理に関連して説明したように、例えば、メインRAM4203の異常、設定変更の有無、RAMクリアスイッチ4176の操作といった各条件に応じて、HLレジスタに、対応するRAMクリア範囲先頭アドレスがセットされており、メインRAM4203の領域外エリアのクリア処理にあたり、HLレジスタに記憶されているRAMクリア範囲先頭アドレスの下位を参照することによって、再度、図118に示したような判定を行わなくて済むようにした。
また、本実施形態では、HLレジスタに記憶されているRAMクリア範囲先頭アドレスの下位のみを渡すことによって、メインRAM4203の遊技用エリア(作業領域(遊技用エリア))と同様に、メインRAM4203の領域外エリア(作業領域(領域外エリア))についても、それぞれ対応する条件に応じた範囲をクリアすることができるように構成されている。例えば、ある条件で、メインRAM4203の遊技用エリアの領域(アドレス「F07B」Hを先頭とする領域)をクリアする場合に、アドレスの下位データである「7B」Hを渡すことによって、メインRAM4203の領域外エリアでは、その「7B」Hのデータに対応する領域が決定され、その決定された領域をクリアするように制御することができる。
また、ここでは、RAMクリア範囲判定データを、メインRAM4203の遊技用エリア(作業領域(遊技用エリア))に格納しているが、これは、データをレジスタに記憶させて渡すことができないためである。領域外エリア処理呼出命令がされた場合、図109に示すようにバンク0からバンク1に切り替わって、それに応じてレジスタも切り替えられる。
次に、メインCPU4201は、ステップS4104において、領域外指定領域クリア処理を行う。この処理は、領域外エリア処理呼出命令でコールされることにより、バンク1に係る処理(領域外エリアの処理)を行う。領域外指定領域クリア処理は、上述した、RAMクリア範囲先頭アドレスがセットされているレジスタの下位アドレスに基づいて、メインRAM4203の領域外エリアの指定範囲をクリアする。なお、この処理については、後で詳細に説明する。
なお、ここで呼び出される領域外指定領域クリア処理では、割込み禁止命令、及び割込み許可命令を実行するものではないが、図115に示す主制御メイン処理のステップS4011で呼び出されるデータ格納処理(図121参照)のように、割込み禁止命令、及び割込み許可命令を実行する構成であれば、このデータ格納処理と同様に、呼び出された際の割込み制御状態を意識することなく、所定処理を呼び出すように構成することができる。
すなわち、割込み禁止命令の前で割込み許可レジスタ2の値を退避し、割込み禁止命令の後で実行される所定処理が終了した後で、退避していた、割込み許可レジスタ2の値から、データ格納処理が呼び出された時点での割込み制御状態を判断し、割込み許可の状態であった場合は、割込み許可命令を実行し、そうでなければ、割込み禁止の状態のまま終了するように構成することができる。
次に、メインCPU4201では、バンク0に係る処理(遊技用エリアの処理)に戻り、ステップS4105において、RAMクリア範囲のサイズ(例えば、電断復帰時RAMクリア範囲のサイズ)をセットする。
次に、メインCPU4201は、ステップS4106において、RAMクリア範囲先頭アドレスが、電断復帰時RAMクリア範囲先頭アドレスであるか否かを判定し、電断復帰時RAMクリア範囲先頭アドレスである場合(ステップS4106がYES判定の場合)、ステップS4109に進む。
一方、電断復帰時RAMクリア範囲先頭アドレスでない場合(ステップS4106がNO判定の場合)、この場合は、電断復帰時のRAMクリア範囲とは異なるので、ステップS4107において、電断復帰時以外のRAMクリア範囲における最終アドレスを、RAMクリア範囲最終アドレスとしてセットする。ここでセットされるRAMクリア範囲最終アドレスは、メインRAM4203の遊技用エリアの最終アドレスとなるが、スタックエリア(遊技用エリア)のうち、使用されているスタックをクリアしないように考慮される。例えば、スタックエリア(遊技用エリア)において、アドレス値の大きいスタックからアドレス値の小さいスタックに向けて順に使用されるが、スタックエリア(遊技用エリア)の最終アドレスから4を減算したアドレスがRAMクリア範囲最終アドレスとしてセットされ、所定バイト分(例えば、4バイト分)のスタックがクリアされることなく確保される。これによって、呼び出されたプログラムの戻り番地や退避されたデータ等が保護されることになる。
その後、ステップS4108において、ステップS4102で記憶されたRAMクリア範囲先頭アドレス(下位アドレス)とステップS4107でセットされたRAMクリア範囲最終アドレスとから、電断復帰時でない場合のRAMクリア範囲のサイズを算出し、その後、ステップS4109に進む。
次に、メインCPU4201は、ステップS4109において、RAMクリア範囲のクリアを実行する。この処理では、例えば、HLレジスタに記憶されている、クリア対象となるRAMクリア範囲の先頭アドレスと、ステップS4105で算出されたクリア範囲のサイズ、または、ステップS4108で算出されたクリア範囲のサイズを指定すると、その範囲のデータのすべてのバイトが「00」Hにセットされる。
次に、メインCPU4201は、ステップS4110において、起動時のRAMクリアスイッチ4176の状態情報、及び設定キー4174aの状態情報といった情報をスタックから復帰させる。これらの情報は、例えば、EレジスタやDレジスタに格納される(ステップS4101参照)。
このような、指定範囲クリア処理によって、メインRAM4203の遊技用エリアにおけるクリア範囲(下位アドレス)が、メインRAM4203の領域外エリアにおけるクリア範囲の決定に効果的に利用され、処理の効率化が図られるとともに、プログラムの構成を簡潔にし、さらにプログラムのサイズを小さくすることができる。
[領域外指定領域クリア処理]
次に、図120を参照して、メインCPU4201の制御による指定範囲クリア処理で呼び出される領域外指定領域クリア処理(図119のステップS4104)について説明する。なお、図120は、領域外指定領域クリア処理の手順を示すフローチャートである。
領域外指定領域クリア処理は、上述したように、領域外エリア処理呼出命令により呼び出されるため、バンク1に係る処理となっており、この処理を実行するためのプログラムは、メインROM4202の領域外エリアに記憶されているプログラムであって、メインRAM4203の領域外エリアである、作業領域(領域外エリア)、及びスタックエリア(領域外エリア)を利用する。
まず、メインCPU4201は、ステップS4121において、メインRAM4203の遊技用エリア(作業領域(遊技用エリア))に格納されているRAMクリア範囲判定データを取得する。このRAMクリア範囲判定データは、図118のステップS4102において、メインCPU4201により格納されたデータである。
次に、ステップS4122において、メインCPU4201は、取得したRAMクリア範囲判定データを(例えば、Eレジスタに)退避する。その後、ステップS4123において、メインCPU4201は、ステップS4121で取得したRAMクリア範囲判定データと比較するために、メインRAM4203の領域外エリアにおける異常時RAMクリア範囲先頭アドレスを(例えば、HLレジスタに)セットする。
次に、ステップS4124において、メインCPU4201は、HLレジスタにセットされた異常時RAMクリア範囲先頭アドレスの下位アドレスと、RAMクリア範囲判定データを比較し、RAMクリア範囲判定データが、異常時RAMクリア範囲先頭アドレスの下位アドレスと一致した場合(ステップS4124がYES判定の場合)、ステップS4128に進む。
一方、RAMクリア範囲判定データが、異常時RAMクリア範囲先頭アドレスの下位アドレスと一致しない場合(ステップS4124がNO判定の場合)、ステップS4125において、ステップS4121で取得したRAMクリア範囲判定データと比較するために、メインRAM4203の領域外エリアにおける設定変更時RAMクリア範囲先頭アドレスをHLレジスタにセットする。
次に、ステップS4126において、メインCPU4201は、HLレジスタにセットされた設定変更時RAMクリア範囲先頭アドレスの下位アドレスと、RAMクリア範囲判定データを比較し、RAMクリア範囲判定データが、設定変更時RAMクリア範囲先頭アドレスの下位アドレスと一致した場合(ステップS4126がYES判定の場合)、ステップS4128に進む。
一方、RAMクリア範囲判定データが、設定変更時RAMクリア範囲先頭アドレスの下位アドレスと一致しない場合(ステップS4126がNO判定の場合)、ステップS4127において、ステップS4121で取得したRAMクリア範囲判定データと比較するために、メインRAM4203の領域外エリアにおける電断復帰時RAMクリア範囲先頭アドレスをHLレジスタにセットし、ステップS4128に進む。
ステップS4128では、それぞれのRAMクリア範囲のサイズを算出し、その後、ステップS4129において、メインRAM4203の領域外エリアに関し、RAMクリア範囲のクリアを実行する。この処理では、例えば、HLレジスタに記憶されている、クリア対象となるRAMクリア範囲の先頭アドレスと、ステップS4128で算出されたRAMクリア範囲のサイズを指定すると、その範囲のデータのすべてのバイトが「00」Hにセットされる。
次に、ステップS4130において、メインCPU4201は、ステップS4122で退避させていたRAMクリア範囲判定データを、Eレジスタから(例えば、Aレジスタに)復帰させる。
次に、ステップS4131において、メインCPU4201は、異常時RAMクリア範囲先頭アドレスの下位アドレスと、RAMクリア範囲判定データを比較し、RAMクリア範囲判定データが、異常時RAMクリア範囲先頭アドレスの下位アドレスと一致しない場合(ステップS4131がNO判定の場合)、ステップS4134に進む。なお、ステップS4131の判定は、実質的にステップS4124と同様の判定である。
RAMクリア範囲判定データが、異常時RAMクリア範囲先頭アドレスの下位アドレスと一致した場合(ステップS4131がYES判定の場合)、ステップS4132において、(例えば、HLレジスタに)メインROM4202に記憶されている性能表示モニタ制御イニシャルテーブルのアドレスをセットする。
次に、ステップS4133において、メインCPU4201は、テーブルデータ設定処理を実行する。この処理は、メインROM4202に記憶されている性能表示モニタ制御イニシャルテーブルのアドレスを表すHLレジスタを参照して、性能表示モニタの制御に係る初期値を(メインRAM4203の)作業領域に格納する処理である。性能表示モニタの制御に係る初期値には、例えば、LEDの点滅切替タイミングや点滅繰返し回数等が含まれる。
ステップS4134において、メインCPU4201は、(例えば、HLレジスタに)メインROM4202に記憶されている電源投入時初期化用データテーブルのアドレスをセットする。
次に、ステップS4135において、メインCPU4201は、テーブルデータ設定処理を実行する。この処理は、メインROM4202に記憶されている電源投入時初期化用データテーブルのアドレスを表すHLレジスタを参照して、電源投入時初期化用のデータを(メインRAM4203の)作業領域に格納する処理である。電源投入時初期化用のデータには、例えば、LEDの点滅切替タイミングと点滅繰返し回数の乗算結果等が含まれる。
最後に、メインCPU4201は、遊技用エリア処理復帰命令により、この処理を終了し、処理が領域外エリアに係る処理から、遊技用エリアに係る処理に切り替えられる。
このように、領域外指定領域クリア処理では、図118に示した起動状態チェック処理で決定された、メインRAM4203の遊技用エリアに係るクリア範囲を用いて、メインRAM4203の領域外エリアに係るクリア範囲を決定しているため、メインRAM4203のクリア処理が効率的かつ簡潔な構成で実行されることになる。
[データ格納処理]
次に、図121を参照して、メインCPU4201の制御によるメイン処理(主制御メイン処理)で呼び出されるデータ格納処理(図115のステップS4011)について説明する。なお、図121は、データ格納処理の手順を示すフローチャートである。また、メイン処理から呼び出される場合、例えば、HLレジスタには、電源投入時初期化用データテーブルのアドレスがセットされている。なお、本実施形態では、このデータ格納処理が、図115のステップS4011等を含む数カ所でコールされ、それぞれ、バンク0に係る処理(領域内エリアに係る処理)として実行されるように構成されているが、上述した特定の呼出命令でコールすることによって、バンク1に係る処理(領域外エリアに係る処理)として実行されるように構成することができる。また、ここで、データ格納処理がバンク0に係る処理(領域内エリアに係る処理)として実行される場合に、例えば、QレジスタにメインRAM4203の領域内アドレスの先頭アドレス(上位側)「F0」Hをセットしておくことで、データ格納処理では、メインRAM4203の領域内エリアにある処理対象エリアを、当該処理対象エリアの先頭アドレス(下位側)だけで特定することができ、当該処理対象エリアに係る命令の長さを(アドレスを4バイト(上位側+下位側)で指定するより)短くすることができる。同様に、データ格納処理がバンク1に係る処理(領域外エリアに係る処理)として実行される場合は、例えば、QレジスタにメインRAM4203の領域外アドレスの先頭アドレス(上位側)「F2」Hをセットしておくことで、メインRAM4203の領域外エリアにある処理対象エリアを、当該処理対象エリアの先頭アドレス(下位側)だけで特定することができる。
まず、メインCPU4201は、ステップS4151において、割込み許可レジスタ2の値をレジスタ(例えば、フラグレジスタFのパリティ/オーバーフロー・フラグ)に退避する。割込み許可レジスタ2の値は、上述の通り、割込み禁止命令がされると、「0」となり、それ以前の情報が失われてしまうため、このタイミングでこの値を退避しておく。
次に、メインCPU4201は、ステップS4152において、割込み禁止命令を行う。これによって、データ格納処理の開始時点で割込み禁止がされていない場合は、この割込み禁止命令以降、後述するステップS4162で割込み許可命令がされるまでの間、マスカブル割込みが禁止される。次に、メインCPU4201は、ステップS4153において、割込み許可レジスタ2の値を記憶しているレジスタ(フラグレジスタF)のデータを、スタックに保存する。
次に、メインCPU4201は、ステップS4154において、HLレジスタを参照して、HLレジスタに記憶されているアドレスのデータを取得する。上記のように、当該処理がメイン処理から呼び出された場合、電源投入時初期化用データテーブルが取得される。
次に、メインCPU4201は、ステップS4155において、ステップS4154で取得したデータから、クリア処理に係るデータのサイズを判定し、そのサイズが0で、クリア処理がないと判定した場合(ステップS4155がNO判定の場合)、ステップS4158に進む。
一方、クリア処理に係るデータのサイズが0ではなく、クリア処理があると判定した場合(ステップS4155がYES判定の場合)、ステップS4156において、ステップS4154で取得したデータから格納対象領域アドレスの下位を取得し、ステップS4157でその格納対象領域をクリアする。なお、格納対象領域の開始アドレスは、予め設定されているアドレスの上位(例えば、「F0」H)と、ステップS4156で取得した格納対象領域アドレスの下位を組み合わせることで特定され、この格納対象領域の開始アドレスと、電源投入時初期化用データテーブルから取得したクリア処理に係るデータのサイズとを用いて格納対象領域のクリアが行われる。ここでは、例えば、1バイト単位といった所定の単位でクリア処理が繰り返され、そのクリア処理の度に、クリア対象となる格納対象領域アドレスがシフトされ、クリア処理に係るデータのサイズが1バイトずつ減算される。
メインCPU4201は、ステップS4158において、ステップS4154から取得したデータから、セット処理(格納処理)に係るデータのサイズを判定し、そのサイズが0で、セット処理がないと判定した場合(ステップS4158がNO判定の場合)、ステップS4160に進む。
一方、セット処理に係るデータのサイズが0ではなく、セット処理があると判定した場合(ステップS4158がYES判定の場合)、ステップS4159において、格納対象データに格納データをストアする。この処理は、ステップS4154で取得したデータから格納対象領域アドレスの下位を取得することで、予め設定されているアドレスの上位と組み合わせて格納対象領域の開始アドレスを特定し、さらに、ステップS4154で取得したデータから格納するデータを取得することで実行される。
次に、メインCPU4201は、ステップS4160において、ステップS4153でスタックに保存した、割込み許可レジスタ2の値を記憶しているレジスタ(フラグレジスタF)のデータを復帰させる。
次に、メインCPU4201は、ステップS4161において、ステップS4160にで復帰させたデータであるフラグレジスタに記憶されている割込み許可レジスタ2の値が「0」か否かを判定し、「0」であると判定された場合(ステップS4161がYES判定の場合)、当該処理で割込み禁止命令を実行する前から割込み禁止の状態であったと判定し、割込み許可命令を実行することなく処理を終了する。
一方、割込み許可レジスタ2の値が「1」であると判定された場合(ステップS4161がNO判定の場合)、当該処理で割込み禁止命令を実行する前は割込み許可の状態であったと判定し、ステップS4162において、割込み許可命令を実行し処理を終了する。
データ格納処理のこうした処理により、ステップS4152の割込み禁止命令で割込み許可レジスタ1、割込み許可レジスタ2は共に「0」となり、ステップS4162の割込み許可命令で割込み許可レジスタ1、割込み許可レジスタ2は共に「1」となるが、データ格納処理を呼び出す時点で割込み許可レジスタ2が「0」であった場合(すなわち、データ格納処理を呼び出す時点で割込み禁止の状態であった場合)、ステップS4162は実行されず、割込み許可レジスタ2が「0」の状態が維持されることになる。
また、本実施形態では、データ格納処理を呼び出す時点で、割込み許可レジスタ1の値と割込み許可レジスタ2の値が同じであることが前提となるが、ノンマスカブル割込みが発生したり、バンク1に係る処理においてデータ格納処理が呼び出されたりする場合、データ格納処理を呼び出す時点で、割込み許可レジスタ1の値が「0」、割込み許可レジスタ2の値が「1」となる可能性も考えられる。しかしながら、そのような場合であっても、割込み許可レジスタ1の値と割込み許可レジスタ2の値をそれぞれ退避し、領域のクリア処理とデータのセットを行った後で、これらのレジスタ値を復帰させることによって、データ格納処理が終了したときに、元の割込み許可、または割込み禁止の状態に戻すことができる。
なお、本実施形態では、図121に示したデータ格納処理のプログラムは、様々な箇所で領域のクリア処理、及びデータのセットを行うために呼び出される共通モジュール(汎用モジュール)としての性格を有する。
このようなデータ格納処理の構成により、呼び出された際の割込み制御状態を意識することなく、所定処理を呼び出すことができる。より具体的には、所定領域のクリア処理やデータのセット処理といった所定処理が呼び出された場合に、呼び出された際の割込み制御状態を保存するとともに、当該呼び出される処理において割込み禁止状態で処理を行い、その後、呼び出し元に戻る際に、割込み制御状態を、保存した状態に戻すことができるため、処理のタイミングや順序を気にする必要がなくなり、また、呼び出された際の割込み制御状態を意識することなく、割込み禁止、割込み許可の設定を正常に維持することができる。
また、このようなデータ格納処理のプログラムにおいて、割込み制御状態の制御、所定領域のクリア処理、及び当該所定処理へのデータのセット処理がひとまとまりに記述されることで、管理上、及び処理上の一層の効率化が図られる。
[設定変更確認処理]
次に、図122、及び図123を参照して、メインCPU4201の制御によるメイン処理(主制御メイン処理)で呼び出される設定変更確認処理(図115のステップS4012)について説明する。なお、図122、図123は、設定変更確認処理の手順を示すフローチャートである。
まず、メインCPU4201は、ステップS4181において、(例えば、Eレジスタに記憶されている)起動時の設定キー4174aの状態情報を取得し、その設定キー4174aの操作が「オン」であるか否かを判定する。設定キー4174aの操作が「オフ」である場合(ステップS4181がNO判定の場合)、処理を終了する。
ステップS4181において、メインCPU4201は、設定キー4174aの操作が「オン」である場合(ステップS4181がYES判定の場合)、ステップS4182で、メインRAM4203の作業領域(遊技用エリア)の設定変更ステータス領域に、起動時の設定キー4174aの状態情報、及び起動時のRAMクリアスイッチ4176の状態情報を格納する。なお、ここで保存された状態情報が、図118に示す起動状態チェック処理において、前回、設定変更中に電断が発生したか否かを判定するのに用いられる。
次に、ステップS4183において、メインCPU4201は、設定操作コマンドをセットして、演出制御コマンド送信処理を実行する。この処理により、設定操作コマンドは、副制御回路6300に向けて送信される。
次に、ステップS4184において、メインCPU4201は、割込み要求信号(XINT)が発生したか否かを判定し、発生していると判定した場合(ステップS4184でYES判定の場合)、ステップS4194において電断設定処理を実行する。一方、割込み要求信号(XINT)が発生していないと判定した場合(ステップS4184でNO判定の場合)、PTC2タイムアウトが発生したか否かを判定し、発生していないと判定した場合(ステップS4185でNO判定の場合)、ステップS4184に進み、再度、割込み要求信号(XINT)が発生したか否かを判定する。
ステップS4185において、PTC2タイムアウトが発生していると判定した場合(ステップS4185でYES判定の場合)、メインCPU4201は、ステップS4186において、入力ポート読込処理を行う。
次に、ステップS4188において、メインCPU4201は、出力ポートにセキュリティ信号出力を行い、ステップS4189において、(例えば、Aレジスタに)設定値をセットする。
次に、ステップS4190において、メインCPU4201は、設定表示データテーブルとステップS4189でセットされた設定値に基づいて、Aレジスタに設定表示データをセットし、その後、ステップS4191において、Aレジスタの設定表示データに基づいて、表示LEDデータセットを行い、さらに、ステップS4192において、性能LEDコモンセットを行う。
次に、ステップS4193において、メインCPU4201は、WDTのクリア処理、及びWDTのリスタート処理を行う。
次に、ステップS4194において、メインCPU4201は、RAMクリアスイッチ4176が「オフ」か否かを判定し、「オフ」であると判定した場合(ステップS4194でYES判定の場合)、すなわち、起動時に、RAMクリアスイッチ4176が操作されず、オフの状態となっている場合に、この操作は、設定確認の操作であると判定し、ステップS4197に進む。
一方、RAMクリアスイッチ4176が「オン」であると判定した場合(ステップS4194でNO判定の場合)、すなわち、起動時に、RAMクリアスイッチ4176が操作され、オンの状態となっている場合に、この操作は、設定更新の操作であると仮定し、ステップS4195において、RAMクリアスイッチ4176が操作されているか否かを判定する。ステップS4195において、RAMクリアスイッチ4176が操作されていない場合(ステップS4195でNO判定の場合)、ステップS4197に進む。
一方、ステップS4195において、RAMクリアスイッチ4176が操作されている場合(ステップS4195でYES判定の場合、例えば、RAMクリアスイッチ4176をカチカチと押す操作をした場合)、ステップS4196において、RAMクリアスイッチ4176の操作に応じて設定値を変動させ、設定値を更新する。
その後、ステップS4197において、メインCPU4201は、設定キー4174aが「オフ」に操作されたか否かを判定し、「オン」である場合(ステップS4197でNO判定の場合)、すなわち、設定キー4174aが「オン」のままである場合、ステップS4184に戻り、そこで再度、割込み要求信号の発生を判定する。
一方、設定キー4174aが「オフ」に操作された場合(ステップS4197でYES判定の場合)、設定変更の処理が終了したと判定して、ステップS4198において、設定変更ステータス領域(今回の設定変更に係る作業領域)をクリアし、処理を終了する。なお、ステップS4198において、設定変更ステータス領域がクリアされることによって、ここで保存された状態情報が、図118に示す起動状態チェック処理において参照された場合に、前回、設定変更中に電断が発生していないと判定され、電断等で、ステップS4198の処理が行われないと、図118に示す起動状態チェック処理において、前回、設定変更中に電断が発生したと判定される。また、ここで、設定変更ステータス情報を、レジスタ(例えば、Aレジスタ)にロードし、次の遊技復帰処理に備えている。
[電断判定処理]
次に、図124を参照して、メインCPU4201の制御によるメイン処理(主制御メイン処理)で呼び出される電断判定処理(図115のステップS4015)について説明する。なお、図124は、電断判定処理の手順を示すフローチャートである。
まず、メインCPU4201は、ステップS4211において、XINTを検知したか否かを判定し、検知していないと判定した場合(ステップS4211でNO判定の場合)、すなわち、電断を検知していない場合、処理を終了する。一方、XINTを検知したと判定した場合(ステップS4211でYES判定の場合)、ステップS4212で電断設定処理を実行する。なお、電断判定処理については、後で詳細に説明する。
また、この処理では、XINTの検知は、XINT検知フラグを参照することによって行われ、このXINT検知フラグは、後述する外部マスカブル割込み処理が電断を検知した場合にセットする。
[電断設定処理]
次に、図125を参照して、メインCPU4201の制御による設定変更確認処理や電断判定処理で呼び出される電断設定処理(図122のステップS4194、図124のステップS4212)について説明する。なお、図125は、電断設定処理の手順を示すフローチャートである。
まず、メインCPU4201は、ステップS4231において、XINT検知フラグをクリアする。ここで、XINT検知フラグは、上述のように、後述する外部マスカブル割込み処理が電断を検知した場合にセットするフラグである。
次に、ステップS4232において、指定領域CRC生成処理を行う。この処理は、領域外エリア処理呼出命令でコールされることにより、バンク1に係る処理(領域外エリアの処理)を行う。メインCPU4201はそこで、メインRAM4203の遊技用エリアと、メインRAM4203の領域外エリアに関するCRCを生成し、その処理が終了すると、遊技用エリア処理復帰命令でリターンすることにより、以降の処理が、バンク0に係る処理(遊技用エリアの処理)を行うことになる。なお、この処理については、後で詳細に説明する。
その後、メインCPU4201は、ステップS4233において、RAMアクセス禁止コマンドを所定のレジスタに送信することによって、メインRAM4203へのアクセスを禁止する、RAMアクセス禁止処理を行う。
[指定領域CRC生成処理]
次に、図126を参照して、メインCPU4201の制御による電断設定処理で呼び出される指定領域CRC生成処理(図125のステップS4232)について説明する。なお、図126は、指定領域CRC生成処理の手順を示すフローチャートである。
また、指定領域CRC生成処理は、上述したように、領域外エリア処理呼出命令により呼び出されるため、バンク1に係る処理となっており、この処理を実行するためのプログラムは、メインROM4202の領域外エリアに記憶されているプログラムであって、メインRAM4203の領域外エリアである、作業領域(領域外エリア)、及びスタックエリア(領域外エリア)を利用する。ただし、この処理では、後述のように、CRC算出のために、メインRAM4203の遊技用エリアも参照する。
まず、メインCPU4201は、ステップS4251において、電断検知フラグをメインRAM4203の作業領域(領域外エリア)に格納する。
次に、メインCPU4201は、ステップS4252において、指定領域CRC算出処理を行う。この処理は、例えば、CRC16演算レジスタを用いて、当該CRC16演算レジスタに、算出対象となるデータをライトすることで実行される。また、算出対象としては、メインRAM4203の遊技用エリアと領域外エリアの大部分が含まれる。なお、本実施形態では、この指定領域CRC生成処理は、基本的にバンク1に係る処理を行うものとして、領域外エリア処理呼出命令によって呼び出されるが、上述したように、CRCの算出に関しては、算出対象として、メインRAM4203の遊技用エリアを含むように構成される。
次に、メインCPU4201は、ステップS4253において、CRC算出結果(指定領域CRC値)を、(例えば、HLレジスタ)に格納する。
最後に、メインCPU4201は、遊技用エリア処理復帰命令により、この処理を終了し、処理が領域外エリアに係る処理から、遊技用エリアに係る処理に切り替えられる。
[性能表示モニタ集計除算処理]
次に、図127を参照して、メインCPU4201の制御によるメイン処理(主制御メイン処理)で呼び出される性能表示モニタ集計除算処理(図115のステップS4017)について説明する。なお、図127は、性能表示モニタ集計除算処理の手順を示すフローチャートである。
また、性能表示モニタ集計除算処理は、上述したように、領域外エリア処理呼出命令により呼び出されるため、バンク1に係る処理となっており、この処理を実行するためのプログラムは、メインROM4202の領域外エリアに記憶されているプログラムであって、メインRAM4203の領域外エリアである、作業領域(領域外エリア)、及びスタックエリア(領域外エリア)を利用する。
まず、メインCPU4201は、ステップS4271において、領域外RAMクリアチェック処理を実行する。なお、この処理については、後で詳細に説明する。
次に、メインCPU4201は、ステップS4272において、表示データ切替フラグ1領域の内容を(例えば、Aレジスタに)セットし、ステップS4273において、Aレジスタにセットした値が、区間Aフラグ値(0)以外(すなわち、299個到達済み)か否かを判定する。
ステップS4273において、区間Aフラグ値(0)以外であると判定された場合(ステップS4273がYES判定の場合)、299個に到達したとして、ステップS4280に進む。
一方、ステップS4273において、区間Aフラグ値(0)であると判定された場合(ステップS4273がNO判定の場合)、299個に到達していないとして、ステップS4272に進み、そこで、総アウトカウンタ値と区間A判定値を比較する。
次に、メインCPU4201は、ステップS4275において、総アウトカウンタ値と区間A判定値との差が299個未満か否かを判定し、その差が299個未満であると判定した場合(ステップS4275がYES判定の場合)、ステップS4285に進む。総アウトカウンタ値と区間A判定値との差が299個未満でないと判定した場合(ステップS4275がNO判定の場合)、ステップS4276に進み、そこで、表示データ切替フラグ1領域に、区間Bフラグ値をセットする。
次に、メインCPU4201は、ステップS4278において、通常賞球数カウンタ領域に「0」をセットし、ステップS4279において、通常アウトカウンタ領域に「0」をセットする。
次に、メインCPU4201は、ステップS4284において、計算ワーク対象取得処理5を実行し、その後、メインCPU4201は、遊技用エリア処理復帰命令により、この処理を終了し、処理が領域外エリアに係る処理から、遊技用エリアに係る処理に切り替えられる。
ステップS4273において、Aレジスタの値が区間Aフラグ値(0)以外であると判定された場合(ステップS4273がYES判定の場合)、299個に到達したとして、ステップS4280に進み、そこで、総アウトカウンタ値と区間移行判定値を比較する。
次に、メインCPU4201は、ステップS4281において、総アウトカウンタ値と区間移行判定値との差が60000個未満か否かを判定し、その差が60000個未満であると判定した場合(ステップS4281がYES判定の場合)、ステップS4285に進む。総アウトカウンタ値と区間移行判定値との差が60000個未満でないと判定した場合(ステップS4281がNO判定の場合)、ステップS4282に進み、そこで、表示データ切替フラグ1領域の値を補正する(すなわち、1を加算する(ただし、規定の上限値に達した場合は加算しない))。その後、ステップS4284に進む。
ステップS4275において、総アウトカウンタ値と区間A判定値との差が299個未満であると判定した場合(ステップS4275がYES判定の場合)や、ステップS4281において、総アウトカウンタ値と区間移行判定値との差が60000個未満であると判定した場合(ステップS4281がYES判定の場合)、ステップS4285において、除算タスクモジュールアドレステーブルと除算タスク移行状態領域の内容とから、対象モジュールを決定し、当該決定した対象モジュールを呼び出す。
最後に、メインCPU4201は、遊技用エリア処理復帰命令により、この処理を終了し、処理が領域外エリアに係る処理から、遊技用エリアに係る処理に切り替えられる。
このように、本実施形態では、性能表示モニタ集計除算処理の最初に、領域外RAMクリアチェック処理を行っており、これによって、メインRAM4203に異常があったような場合に、性能表示モニタ関連の領域をクリアする。
本実施形態では、図112、図119、及び図120を参照して説明したように、パチンコ遊技機の起動時に、遊技用エリアと領域外エリアのクリア処理が同期して(概ね同じタイミングで)行われるが、このようなクリア処理に加えて、ここでは、パチンコ遊技機の起動後、メインRAM4203に異常があった場合、その時点で非同期に性能表示モニタ関連の領域をクリアするように構成されている。この構成によって、継続的に性能表示モニタの機能を維持し続けることができ、また、異常な性能表示モニタによる表示を効果的に回避することができる。
[領域外RAMクリアチェック処理]
次に、図128を参照して、メインCPU4201の制御による性能表示モニタ集計除算処理で呼び出される領域外RAMクリアチェック処理(図127のステップS4271)について説明する。なお、図128は、領域外RAMクリアチェック処理の手順を示すフローチャートである。
また、領域外RAMクリアチェック処理は、上述したように、領域外エリア処理呼出命令により呼び出された性能表示モニタ集計除算処理によって呼び出されるため、バンク1に係る処理となっており、この処理を実行するためのプログラムは、メインROM4202の領域外エリアに記憶されているプログラムであって、メインRAM4203の領域外エリアである、作業領域(領域外エリア)、及びスタックエリア(領域外エリア)を利用する。
まず、メインCPU4201は、ステップS4301において、メインRAM4203の領域外エリアに記憶されている初期化フラグ領域の内容を(例えば、HLレジスタに)セットする。次に、ステップS4302において、HLレジスタの値と初期フラグ値が同じか否かを判定し、異なると判定した場合(ステップS4302がNO判定の場合)、ステップS4309に進む。一方、HLレジスタの値と初期フラグ値が同じであると判定された場合(ステップS4302がYES判定の場合)、ステップS4303において、除算タスク移行状態領域の内容を(例えば、Aレジスタに)セットし、ステップS4304において、Aレジスタの値が、正常な範囲内の値か否かを判定する。
次に、メインCPU4201は、ステップS4304において、Aレジスタの値が、正常な範囲内の値でないと判定した場合(ステップS4304がNO判定の場合)、ステップS4309に進む。一方、Aレジスタの値が、正常な範囲内の値であると判定した場合(ステップS4304がYES判定の場合)、ステップS4305において、表示内容ポインタ領域の内容を(例えば、Aレジスタに)セットし、ステップS4306において、Aレジスタの値が、正常な範囲内の値か否かを判定する。
次に、メインCPU4201は、ステップS4306において、Aレジスタの値が、正常な範囲内の値でないと判定した場合(ステップS4306がNO判定の場合)、ステップS4309に進む。一方、Aレジスタの値が、正常な範囲内の値であると判定した場合(ステップS4306がYES判定の場合)、ステップS4307において、表示データ切替フラグ1領域の内容を(例えば、Aレジスタに)セットし、ステップS4308において、Aレジスタの値が、正常な範囲内の値か否かを判定する。
次に、メインCPU4201は、ステップS4308において、Aレジスタの値が、正常な範囲内の値でないと判定した場合(ステップS4308がNO判定の場合)、ステップS4309に進む。一方、Aレジスタの値が、正常な範囲内の値であると判定した場合(ステップS4308がYES判定の場合)、処理を終了する。
ステップS4302でNO判定の場合、ステップS4304でNO判定の場合、ステップS4306でNO判定の場合、または、ステップS4308でNO判定の場合、メインCPU4201は、ステップS4309において、メインRAM4203の領域外エリアに配置されている性能表示モニタ関連領域をクリアする。次に、メインCPU4201は、ステップS4310において、性能表示モニタ制御イニシャルテーブル等に基づいて、性能表示モニタ制御の初期設定を行い、その後、処理を終了する。
[主制御コマンド送受信処理]
次に、図129を参照して、メインCPU4201の制御によるメイン処理(主制御メイン処理)で呼び出される主制御コマンド送受信処理(図116のステップS4021)について説明する。なお、図129は、主制御コマンド送受信処理の手順を示すフローチャートである。
まず、メインCPU4201は、ステップS4331において、XINTを検知したか否かを判定し、検知したと判定した場合(ステップS4331でYES判定の場合)、すなわち、電断を検知した場合、処理を終了する。一方、XINTを検知していないと判定した場合(ステップS4331でNO判定の場合)、ステップS4332で、(例えば、Aレジスタに)主制御コマンド制御状態番号をセットする。ここで、主制御コマンド制御状態番号は、「0」が、主制御コマンド送信開始値を表し、「1」が、払出通信モード受信値を表し、「2」が、払出通信イベント受信値を表しており、主制御コマンド送信開始処理、払出通信モード受信処理、払出通信イベント受信処理等においてそれぞれ、主制御コマンド制御状態番号が設定される。
次に、メインCPU4201は、ステップS4333において、主制御コマンド制御状態番号に応じた処理を選択する。この処理は、例えば、主制御コマンド制御状態番号に応じた処理のアドレス(プログラム開始アドレス)を定義している、払出通信制御分岐テーブルを参照して、Aレジスタにセットされている主制御コマンド制御状態番号に応じた処理のアドレスを求めるものである。
次に、メインCPU4201は、ステップS4334において、ステータスレジスタ(例えば、非同期シリアル送受信用のレジスタ)の受信FIFO状態チェック値を参照して、受信FIFOエラーが検知された否かを判定し、当該受信FIFOエラーが検知されていないと判定された場合(ステップS4334でNO判定の場合)、異常なしと判断して、ステップS4336に進む。
ステップS4334において、受信FIFOエラーが検知されたと判定された場合(ステップS4334でYES判定の場合)、異常ありと判断して、ステップS4335において、所定のコマンドレジスタに受信FIFOクリアのためのコマンドを送信し、受信FIFOをクリアする。
次に、メインCPU4201は、ステップS4336において、ステップS4333で選択されたアドレスを用いて、対応する処理(すなわち、主制御コマンド制御状態に応じた処理)を呼び出し、その後、処理を終了する。対応する処理は、例えば、主制御コマンド送信開始処理、払出通信モード受信処理、払出通信イベント受信処理のいずれかである。
図129に示す主制御コマンド送受信処理では、受信データの有無を問わず、処理を継続するために、ステップS4334における、受信FIFOのエラー検知の結果に応じて、受信FIFOのクリアを行う。例えば、受信データがあって、受信FIFOのエラーなしの場合は、正常データを取得して選択された処理を呼び出し、受信データなしで、受信FIFOのエラーなしの場合は、0データを取得して選択された処理を呼び出し、受信データがあって、受信FIFOのエラーありの場合は、受信FIFOをクリアし、0データを取得して選択された処理を呼び出し、受信データがなしで、受信FIFOのエラーありの場合は、受信FIFOをクリアし、0データを取得して選択された処理を呼び出す。
[主制御コマンド送信開始処理]
次に、図130を参照して、メインCPU4201の制御による主制御コマンド送受信処理において、主制御コマンド制御状態番号に基づいて選択されたプログラムアドレスを用いて呼び出される主制御コマンド送信開始処理(図129のステップS4336)について説明する。なお、図130は、主制御コマンド送信開始処理の手順を示すフローチャートである。
まず、メインCPU4201は、ステップS4351において、メインRAM4203の遊技用エリアの起動情報領域に記憶されている起動情報を(例えば、Aレジスタ)にセット(退避)し、ステップS4352において、この起動情報領域をクリアする。
次に、メインCPU4201は、ステップS4353において、Aレジスタを参照して、起動情報があるか否かを判定する。起動情報があると判定された場合(ステップS4353がYES判定の場合)、ステップS4361に進み、起動情報がないと判定された場合(ステップS4353がNO判定の場合)、ステップS4354において、メインRAM4203の遊技用エリアの払出管理カウンタ領域のサイズを(例えば、Bレジスタ)にセットする。ここで、払出管理カウンタ領域のサイズは、例えば15であり、これが、管理する賞球数のエントリー数となる(例えば、賞球数1~15)。
次に、メインCPU4201は、ステップS4355において、払出管理カウンタ領域の先頭アドレスを取得し、その15バイト目(最下位のバイト)のアドレスを(例えば、HLレジスタ)にセットし、ステップS4356において、HLレジスタにセットされたアドレスに対応するエントリーの値(カウンタ値)が「0」であればそのままとし、それ以外は「1」を減算し、減算できたか否かに応じて、所定のフラグを変化させる。
この処理では、賞球ごとに払出しがあるかのカウンタ値(15球賞球が3回ならカウンタ値は3)があって、カウンタ値を減算できればフラグをセットし、カウンタ値が「0」の場合は「0」のままとするように、1つの処理(1命令)で行うよう制御する。
次に、メインCPU4201は、ステップS4357において、払出管理カウンタ領域の判定対象アドレスに対応するエントリーのカウンタ値があるか否かを判定する。この判定は、ステップS4356において、カウンタ値に「1」の減算が行われたか否かを表す、上述した所定のフラグを参照することによって行われる。カウンタ値があると判定された場合(ステップS4357がYES判定の場合)、すなわち、「1」の減算が行われた場合、ステップS4360に進む。
一方、カウンタ値がないと判定された場合(ステップS4357がNO判定の場合)、すなわち、「1」の減算が行われていない場合、ステップS4358に進み、そこで、次のエントリーのカウンタ値を参照するように、HLレジスタのアドレスを減算する。例えば、HLレジスタのアドレスが15バイト目(最下位のバイト)であった場合は、14バイト目(最下位から1つ上位のバイト)に変更される。
次に、メインCPU4201は、ステップS4359において、すべてのエントリー(例えば、払出管理カウンタ領域のサイズとして定義されている15のエントリー)の払出管理カウンタ領域について処理を行ったか否かを判定し、すべてのエントリーの処理を終了した場合(ステップS4359がYES判定の場合)、ステップS4360に進む。一方、すべてのエントリーの処理を終了していない場合(ステップS4359がNO判定の場合)、払出管理カウンタ領域の次のアドレスに関する処理を行うために、ステップS4355に進み、以降の処理を繰り返す。
ステップS4353がYES判定の場合、または、ステップS4359がYES判定の場合、上述のように、ステップS4360に進み、そこで、メインCPU4201は、主制御コマンドを生成する。本実施形態では、払出管理カウンタ領域が15のエントリーを有し、これらが、賞球数1~15に関するカウンタに対応している。ステップS4357で、判定対象アドレスに対応するエントリーにカウンタ値があると判定された場合、その判定対象アドレスに対応するエントリーの賞球数に応じた払出数の主制御コマンドを生成する。
次に、メインCPU4201は、ステップS4361において、例えば、非同期シリアル送受信のデータレジスタに対して、主制御コマンドを送信する。主制御コマンドは、ステップS4361が、ステップS4353がYES判定の場合に実行されるときは、起動情報に基づいた主制御コマンドであり、ステップS4360の後で実行されるときは、ステップS4360で生成された主制御コマンドである。
次に、メインCPU4201は、ステップS4362において、主制御コマンドを、主制御コマンド送信領域にセットする。この処理は、正常な通信がおこなわれたか否かを判断するためのものである。例えば、払出通信モード受信処理では、受信したコマンドの2の補数値と、主制御コマンド送信領域にセットされた値を加算して0となれば、正常な通信が行われたと判断し、そうでなければ、主制御コマンド再生処理を行うよう制御する。
次に、ステップS4363において、主制御コマンド制御状態番号領域の値を「1」加算し、処理を終了する。
[外部マスカブル割込み処理]
次に、図131を参照して、外部マスカブル割込み処理について説明する。この処理は、XINT端子から入力される外部からの割込みが発生した場合に、この割込みに対応する設定領域に定義されている、外部マスカブル割込みのエントリアドレス(プログラムアドレス)に基づいて呼び出される処理である。なお、図131は、外部マスカブル割込み処理の手順を示すフローチャートである。
まず、メインCPU4201は、ステップS4381において、保護レジスタ(例えば、AFレジスタ)をスタックに退避する。次に、メインCPU4201は、ステップS4382において、入力ポートの電断信号ビット位置を検査し、電断が検知されていない場合(ステップS4382がNO判定の場合)、ステップS4385に進む。一方、電断が検知された場合(ステップS4382がYES判定の場合)、ステップS4383において、割込みマスクレジスタに対して割込み要因マスクをセットし、以降の処理において割込み処理が発生しないようにする。次に、ステップS4384において、XINT検知フラグをセットし、電断が発生したステータスに更新する。
次に、メインCPU4201は、ステップS4381において、ステップS4381で退避した保護レジスタを復帰させる。
[システムタイマ割込み処理]
次に、図132を参照して、システムタイマ割込み処理について説明する。この処理は、タイマカウンタ(PTC2)から入力されるタイムアウト割込みが発生した場合に、この割込みに対応する設定領域に定義されている、PTC2タイムアウト割込みのエントリアドレス(プログラムアドレス)に基づいて呼び出される処理であり、例えば、2msecの周期(割込み周期)で実行される。なお、図132は、システムタイマ割込み処理の手順を示すフローチャートである。
まず、メインCPU4201は、ステップS4401において、保護レジスタ(例えば、AFレジスタ)をスタックに退避する。次に、メインCPU4201は、ステップS4402において、割込みカウンタ領域の値に「1」を加算する。
次に、メインCPU4201は、ステップS4403において、入力ポートの状態の読込処理を行い、ステップS4404において、スイッチ入力検知処理を行う。なお、スイッチ入力検知処理については、後で詳細に説明する。
次に、メインCPU4201は、ステップS4405において、遊技LED点灯データ出力処理を行う。なお、遊技LED点灯データ出力処理については、後で詳細に説明する。次に、メインCPU4201は、ステップS4406において、入賞情報コマンド設定処理を行う。この処理では、メインCPU4201は、演出制御コマンド(入賞情報コマンド)の送信予約処理を行う。
次に、メインCPU4201は、ステップS4407において、性能表示モニタ制御処理(領域外)を行う。この処理では、メインCPU4201は、遊技判定処理、賞球加算判定処理、性能表示モニタ6170の表示内容更新処理等を行う。また、この処理は、領域外エリア処理呼出命令により呼び出されるため、バンク1に係る処理となっており、この処理を実行するためのプログラムは、メインROM4202の領域外エリアに記憶されているプログラムであって、メインRAM4203の領域外エリアである、作業領域(領域外エリア)、及びスタックエリア(領域外エリア)を利用する。
次に、メインCPU4201は、ステップS4408において、ステップS4401で退避した保護レジスタの内容をスタックから復帰させ、その後、ステップS4409において、割込み許可を行う。
本実施形態では、上述のように、電断割込み(XINT)発生後は、割込み要因をマスクするようにしたため、システムタイマ割込み処理では、電断発生を考慮した処理を設ける必要がなく、結果として、処理が簡潔になり、プログラムサイズを節約することもできる。
[スイッチ入力検知処理]
次に、図133を参照して、メインCPU4201の制御によるシステムタイマ割込み処理で呼び出されるスイッチ入力検知処理(図132のステップS4404)について説明する。図133は、スイッチ入力検知処理の手順を示すフローチャートである。
まず、メインCPU4201は、ステップS4421において、異常状態監視処理を行う。なお、異常状態監視処理の詳細については、後で説明する。
次に、メインCPU4201は、ステップS4422において、普通図柄関連チェック処理を行う。この処理では、メインCPU4201は、第1始動口入賞球スイッチ6044a、通過球スイッチ6043a、第2始動口入賞球スイッチ6045a(普通電動役物6046)のチェック処理を行う。このチェック処理において、第1始動口入賞球スイッチ6044aのオンエッジ又は通過球スイッチ6043aのオンエッジが検知された場合には、乱数取得処理、乱数転送処理等が行われる。また、このチェック処理において、第2始動口入賞球スイッチ6045aのオンエッジが検知された場合には、状況に応じて、普通電動役物入賞カウンタの更新処理、入賞無効化処理等が行われる。
次に、メインCPU4201は、ステップS4423において、特別図柄関連チェック処理を行う。この処理では、メインCPU4201は、カウントスイッチ6132、第1始動口スイッチ6121、第2始動口スイッチ6141のチェック処理を行う。このチェック処理において、カウントスイッチ6132のオンエッジが検知された場合には、状況に応じて、特別電動役物入賞カウンタの更新処理、入賞無効化処理等が行われる。また、このチェック処理において、各始動口入賞球スイッチのオンエッジが検出され(特別図柄の保留個数が更新され)、且つ、先読み演出が実施される場合には、特定保留加算コマンドの送信予約処理が行われる。一方、このチェック処理において、各始動口入賞球スイッチのオンエッジが検出され(特別図柄の保留個数が更新され)、且つ、先読み演出が実施されない場合には、保留加算コマンドの送信予約処理が行われる。
次に、メインCPU4201は、ステップS4424において、タッチ状態信号チェック処理を行う。この処理は、入力ポートの情報から、タッチ状態に変化があったか否かを判定し、タッチ状態に変化があった場合、タッチ状態オンが検知されたのか、タッチ状態オフが検知されたのかを区別して、所定のフラグにセットする。
次に、メインCPU4201は、ステップS4425において、賞球関連スイッチチェック処理を行う。この処理では、メインCPU4201は、賞球時に、払出管理テーブルに格納されたデータ(指定賞球管理カウンタ)の更新処理を行う。
その後、ステップS4426において、アウト球関連スイッチチェック処理を行う。この処理は、例えば、上述した第1のパチンコ遊技機のアウト口178のアウト口スイッチが遊技球の通過を検知した信号が供給されたか否かを入力ポートの情報から判定し、当該信号が供給されていない場合は処理を終了し、当該信号が供給された場合、アウト球数管理カウンタ領域に格納されているアウト球数管理カウンタに「1」を加算する。ステップS4426の後、処理を終了する。
[異常状態監視処理]
次に、図134を参照して、メインCPU4201の制御によるスイッチ入力検知処理で呼び出される異常状態監視処理(図133のステップS4421)について説明する。図134は、異常状態監視処理の手順を示すフローチャートである。
まず、メインCPU4201は、ステップS4441において、異常状態監視処理(領域外)を行う。領域外エリア処理呼出命令により呼び出されるため、バンク1に係る処理となっており、この処理を実行するためのプログラムは、メインROM4202の領域外エリアに記憶されているプログラムであって、メインRAM4203の領域外エリアである、作業領域(領域外エリア)、及びスタックエリア(領域外エリア)を利用する。なお、異常状態監視処理(領域外)の詳細については、後で説明する。
次に、メインCPU4201は、ステップS4442において、入力ポート有効エッジ情報反映処理を行う。この処理は、入力ポート(0~3)のエッジ情報から、所定のマスクデータを用いて、有効なエッジを抽出し、入力ポート有効エッジ情報をセット(反映)するものである。
次に、メインCPU4201は、ステップS4443において、遊技機異常検知情報反映処理を行う。この処理は、メインRAM4203の遊技用エリアに記憶される遊技機異常検知フラグ領域と、メインRAM4203の領域外エリアに記憶される領域外遊技機異常検知フラグ領域とから、遊技機異常検知フラグを更新し、遊技機異常検知フラグ領域にセットするものである。
次に、メインCPU4201は、ステップS4444において、セキュリティ信号要求設定を行う。この処理は、メインRAM4203の遊技用エリアに記憶されるセキュリティ信号要求フラグと、メインRAM4203の領域外エリアに記憶される領域外セキュリティ信号要求フラグとから、セキュリティ信号要求フラグを更新し、セットするものである。
次に、メインCPU4201は、ステップS4445において、メインRAM4203の領域外エリアに記憶される扉・枠開閉状態フラグ領域を参照して、扉、枠が開放中か否か(例えば、ベースドア6003及び/又はガラスドア6004が開放されているか否か)を判定する。扉、枠が開放中でない場合(ステップS4445がNO判定の場合)、処理を終了し、扉、枠が開放中である場合(ステップS4445がYES判定の場合)、ステップS4446において、磁気センサを初期化し、その後、処理を終了する。
この処理により、異常入賞に関しては、入賞が遊技進行に大きく関わる点を考慮して、異常を検知する処理を、メインRAM4203の領域外エリアに係る処理とし、検知結果を反映する処理を、メインRAM4203の遊技用エリアに係る処理としている。また、遊技機異常に関しては、異常を検知する処理、及び検知内容の合成を、メインRAM4203の領域外エリアに係る処理で行う。
[異常状態監視処理(領域外)]
次に、図135を参照して、メインCPU4201の制御による異常状態監視処理で呼び出される異常状態監視処理(領域外)(図134のステップS4441)について説明する。図135は、異常状態監視処理(領域外)の手順を示すフローチャートである。
異常状態監視処理(領域外)、上述したように、領域外エリア処理呼出命令により呼び出されるため、バンク1に係る処理となっており、この処理を実行するためのプログラムは、メインROM4202の領域外エリアに記憶されているプログラムであって、メインRAM4203の領域外エリアである、作業領域(領域外エリア)、及びスタックエリア(領域外エリア)を利用する。
まず、メインCPU4201は、ステップS4461において、メインRAM4203の領域外エリアに配置される領域外セキュリティ信号要求フラグ領域をクリアする。その後、ステップS4462において、メインRAM4203の領域外エリアに配置される領域外遊技機異常検知フラグ領域をクリアする。
次に、メインCPU4201は、ステップS4463において、入力ポート有効設定を行う。この処理は、メインRAM4203の領域外エリアに配置される入力ポート有効エッジマスク領域のすべてにデータ「FF」Hをセットする処理である。
次に、メインCPU4201は、ステップS4464において、割込み周期タイマカウンタ更新処理を行う。
次に、メインCPU4201は、ステップS4465において、異常状態監視前処理を行う。この処理では、メインRAM4203の領域外エリアに記憶される扉・枠開閉状態フラグ領域を参照して、扉、枠が開放中か否か(例えば、ベースドア6003及び/又はガラスドア6004が開放されているか否か)を判定し、扉・枠が開放中であると判定した場合には、異常検知情報(入力ポートのバッファ領域)に関し、入力ポートの磁気センサビットをリセットする。これにより、磁気センサの検知レベルがオフ状態となり、磁気センサによる異常検知が行われなくなる。その後、監視補正済入力値領域に、異常検知情報をセットする。
次に、メインCPU4201は、ステップS4466において、汎用異常検知判定処理を行う。
次に、メインCPU4201は、ステップS4467において、誘導磁界監視処理を行う。この処理は、誘導磁界検知中であるか否かの判定し、誘導磁界検知中でなければ処理を終了する。一方、誘導磁界検知中であれば、入力ポート有効エッジマスクをクリアし、領域外セキュリティ信号要求フラグ領域に「FF」Hをセットするとともに、領域外遊技機異常検知フラグ領域の誘導磁界検知情報ビットにオン(「1」)をセットする。
次に、メインCPU4201は、ステップS4468において、普通電動役物不正入賞処理を行う。この処理は、第1のパチンコ遊技機で示したような普通電動役物146について、その役物が作動中であるか否かを(普通電動役物作動中信号管理データ領域のデータによって)判定し、例えば、作動中であると判定された場合、未作動用入賞監視カウンタ値(例えば、18)を設定し、作動中用入賞監視カウンタ値は元の値のままとする。ここで、第2始動口140への遊技球の入賞を検知した場合に、作動中用入賞監視カウンタ値から「1」を減算した結果が「0」であった場合は、異常が検知されたと判断し、領域外セキュリティ信号要求フラグ領域に要求フラグをセットし、領域外遊技異常検知フラグ領域に要求フラグをセットする。この後、普通電動役物146が作動中であるか否かを(普通電動役物作動中フラグ領域のデータによって)判定し、作動中であれば、入賞有効期間中であることを条件に、入力ポート有効エッジマスクの始動口2スイッチのビット位置をクリアする。
普通電動役物146が作動中でない場合、作動中用入賞監視カウンタ値(例えば、4)を設定し、未作動用入賞監視カウンタ値は元の値のままとする。ここで、第2始動口140への遊技球の入賞を検知した場合に、未作動用入賞監視カウンタ値から「1」を減算した結果が「0」であった場合は、異常が検知されたと判断し、領域外セキュリティ信号要求フラグ領域に要求フラグをセットし、領域外遊技異常検知フラグ領域に要求フラグをセットする。この後、普通電動役物146が作動中であるか否かを(普通電動役物作動中フラグ領域のデータによって)判定し、作動中であれば、入賞有効期間中であることを条件に、入力ポート有効エッジマスクの始動口2スイッチのビット位置をクリアする。
次に、メインCPU4201は、ステップS4469において、特別電動役物不正入賞処理を行う。この処理は、特別電動役物1不正入賞処理と特別電動役物2不正入賞処理を含んでおり、いずれも、上述した普通電動役物不正入賞処理と同様に、作動中用入賞監視カウンタ、及び未作動用入賞監視カウンタ等に基づいて、異常の検知を行い、異常が検知された場合に、領域外セキュリティ信号要求フラグ領域に要求フラグをセットし、領域外遊技異常検知フラグ領域に要求フラグをセットする。
最後に、メインCPU4201は、遊技用エリア処理復帰命令により、この処理を終了し、処理が領域外エリアに係る処理から、遊技用エリアに係る処理に切り替えられる。
[遊技LED点灯データ出力処理]
次に、図136を参照して、メインCPU4201の制御によるシステムタイマ割込み処理で呼び出される遊技LED点灯データ出力処理(図132のステップS4405)について説明する。なお、図136は、遊技LED点灯データ出力処理の手順を示すフローチャートである。
遊技LED点灯データ出力処理は、図柄表示を行うためのLED(遊技LED)と、性能表示を行うためのLED(性能LED)を兼用するLEDに対して、LEDデータとLEDコモンデータの出力を制御する処理である。遊技LEDのLEDデータは、例えば、主制御メイン処理で呼び出される遊技動作表示ユニット制御処理(図116のステップS4024)においてセットされ、性能LEDのLEDデータは、例えば、システムタイマ割込み処理で呼び出される性能表示モニタ制御処理(領域外)(図132のステップS4407)で呼び出される性能表示モニタ表示処理(不図示)においてセットされる。
まず、メインCPU4201は、ステップS4481において、リフレッシュ値(例えば、8ビットのビット列「00000000」)を出力ポート12のアドレスにセットする。
なお、出力ポート12は、図柄表示を行うためのLED(遊技LED)と、性能表示を行うためのLED(性能LED)を兼用するLEDに関するLEDデータ出力用ポートである。また、後述する出力ポート11は、当該LEDに関するLEDコモンデータの出力用ポートである。
次に、ステップS4482において、メインRAM4203の遊技用エリアの遊技LEDコモン領域(遊技LEDのLEDコモンデータを格納する領域)の遊技LEDコモン値(LEDコモンデータ)に「1」を加算し更新する。このとき、遊技LEDコモン領域のアドレスが、例えば、HLレジスタのアドレスにセットされ、遊技LEDコモン値の計算が行われる。
ただし、更新後の値は、指定した値(最大値)以上の場合、「0」に設定される。また、更新後の値は、遊技LEDコモン領域の指定されたレジスタ(例えば、HLレジスタ)が示すアドレスの領域に記憶され、さらに、これとは別のレジスタ(例えば、Aレジスタ)にも記憶される。
例えば、上述した指定した値(最大値)は、遊技用エリアの遊技LEDデータ領域(遊技LEDのLEDデータを格納する領域)の範囲が「4」であり、領域外エリアの性能LEDデータ領域(性能LEDのLEDデータを格納する領域)の範囲が「4」である場合、4+4-1=7、となり、ここで、遊技LEDコモン値が「1」のとき、この値は、最大値未満であるため、HLレジスタが示すアドレスの領域には「2」に更新されるとともに、Aレジスタの値も「2」にセットされる。また、このとき、遊技LEDコモン値が「7」のとき、この値は、最大値以上であるため、HLレジスタが示すアドレスの領域は「0」に更新されるとともに、Aレジスタの値も「0」にセットされる。
ステップS4482のこうした処理は、1処理(1つの命令)によって実行される。
次に、メインCPU4201は、ステップS4483において、Aレジスタの値を遊技LEDデータ領域の範囲(例えば、4データある場合は「4」)で除算し、商をAレジスタに記憶し、余りを別のレジスタ(例えば、Bレジスタ)に記憶する。またさらに、Bレジスタの値に「1」を加算して補正を行う。
例えば、ステップS4482における処理の結果、HLレジスタが示すアドレスの領域が「6」に更新され、Aレジスタの値が「6」にセットされている場合、6÷4=1で、余りが2となるので、Aレジスタには「1」が記憶され、Bレジスタには「2」が記憶され、さらに、Bレジスタに対して「1」を加算する補正を行い、結果的に、Bレジスタの値は「3」となる。このように、Bレジスタの値は、「1」~「4」の値をとることになる。
次に、メインCPU4201は、ステップS4484において、Aレジスタの値が、遊技LEDコモン値か否かを判定する。この判定は、例えば、Aレジスタに記憶された値が「0」か「1」かで判定することができ、Aレジスタの値が「0」であれば、その値は遊技LEDコモン値であり、Aレジスタの値が「1」であれば、その値は性能LEDコモン値となる。遊技LEDコモン値と判定された場合(ステップS4484がYES判定の場合)、ステップS4487に進む。一方、性能LEDコモン値と判定された場合(ステップS4484がNO判定の場合)、ステップS4485において、Bレジスタの値に、性能LEDデータ領域の範囲の値(例えば、「4」)を加算して、Bレジスタの値を補正する。この結果、Bレジスタの値は、「5」~「8」の値をとることになる。
次に、メインCPU4201は、ステップS4486において、メインRAM4203の領域外エリアの性能LEDコモン領域(性能LEDのLEDコモンデータを格納する領域)のアドレスをHLレジスタに設定する。
次に、メインCPU4201は、ステップS4487において、ダイナミック点灯コモンデータの初期値(例えば、8ビットのビット列「10000000」)をAレジスタに設定する。ダイナミック点灯コモンデータは、LEDの点灯方法としてダイナミック点灯を行うためのコモンデータであり、ダイナミック点灯は、LEDを一定周波数で高速に点滅させることでLEDの点灯を実現する点灯方法である。
次に、メインCPU4201は、ステップS4488において、Aレジスタにセットされたダイナミック点灯コモンデータを補正する。
この処理は、例えば、Aレジスタに格納されているダイナミック点灯コモンデータ(8ビットのビット列)を左に1ビットシフトし、左端にあったビット値を右端にセットするものである。次に、ステップS4489において、HLレジスタのアドレスを補正してダイナミック点灯コモンデータ領域を選択する。
次に、メインCPU4201は、ステップS4490において、Bレジスタの値に対応する所定回数分の処理を行ったか否かを判定する。所定回数分の処理を行っていない場合(ステップS4490がNO判定の場合)、ステップS4488に戻って処理を繰り返す。
この処理によって、例えば、Aレジスタに、ダイナミック点灯コモンデータの初期値(8ビットのビット列「10000000」)が格納されている場合、Bレジスタの値が「1」であれば、Aレジスタの内容は「00000001」となり、Bレジスタの値が「2」であれば、Aレジスタの内容は「00000010」となり、以降、同様に、Bレジスタの値に応じて、Aレジスタの値がシフトされ、Bレジスタの値が最大の「8」であった場合、Aレジスタの内容は元の値「10000000」に戻る。
ステップS4490において、所定回数分の処理を行っていると判定された場合(ステップS4490がYES判定の場合)、ステップS4491において、HLレジスタで示されるアドレスで指定されるLEDデータをHレジスタにセットする。例えば、HLレジスタで示されるアドレスが、性能LEDデータ領域である場合、Bレジスタの値に応じて、比率セグ上位出力ドライババッファ領域、識別セグ下位出力ドライババッファ領域、識別セグ上位出力ドライババッファ領域といった領域のうち1つの領域からデータがHレジスタにセットされる。また、HLレジスタで示されるアドレスが、遊技LEDデータ領域である場合、Bレジスタの値に応じて、遊技LEDデータ1領域(特別図柄1表示LEDに係るデータ領域)、遊技LEDデータ2領域(特別図柄2表示LEDに係るデータ領域)、遊技LEDデータ3領域(確変状態LED、時短状態報知LEDに係るデータ領域)、遊技LEDデータ4領域(ラウンド表示LED、発射位置報知LEDに係るデータ領域)といった領域のうち1つの領域からデータがHレジスタにセットされる。
次に、メインCPU4201は、ステップS4492において、Aレジスタに記憶されているダイナミック点灯コモンデータをLレジスタにセットする。
次に、メインCPU4201は、ステップS4493において、出力ポート11、出力ポート12にHLレジスタの値をセットする。
[遊技状態情報更新処理]
次に、図137を参照して、遊技状態情報更新処理について説明する。この処理は、メインCPU4201の制御によるメイン処理(主制御メイン処理)で呼び出される遊技復帰処理(図115のステップS4013)で呼び出される処理である。また、この処理は、メインCPU4201の制御によるメイン処理(主制御メイン処理)で呼び出される特別図柄制御処理(図116のステップS4022)から呼び出される特別図柄遊技判定処理(不図示、ただし、第1のパチンコ遊技機で説明した図30の特別図柄遊技判定処理と同様の処理)から呼び出される特別図柄遊技終了処理(不図示、ただし、第1のパチンコ遊技機で説明した図31の特別図柄遊技終了処理と同様の処理)からも呼び出される。なお、図137は、遊技状態情報更新処理の手順を示すフローチャートである。
まず、メインCPU4201は、ステップS4511において、遊技状態指定パラメータ設定処理を行い、ステップS4512において、メインRAM4203の作業領域(遊技用エリア)に配置され、演出変動回数カウンタ値が格納されているアドレスをレジスタ(例えば、HLレジスタ)にセットする。
次に、メインCPU4201は、ステップS4513において、HLレジスタに記憶されているアドレスで示される領域の(1バイト)データを、指定したビット位置で振り分け、それぞれの値をHレジスタ、Lレジスタにセットする。また、それぞれのレジスタの上位ビットには「0」をセットし、HLレジスタの値を2バイトのコマンドとする。
この処理は、1バイト値をコマンド用に加工するものであり、例えば、1バイトのビット列「11001001」のデータに対して、ビット位置「6」を指定すると、Hレジスタには、6ビット目を境界にして振り分けた結果、最上位ビットである7ビット目の「1」が取り出され、さらに上位ビットをすべて「0」としたデータ「00000001」がセットされ、Lレジスタには、0ビット目から6ビット目の「1001001」が取り出された後、上位ビット(7ビット目)を「0」としたデータ「01001001」がセットされる。
ステップS4513のこうした処理は、1処理(1つの命令)によって実行される。
次に、メインCPU4201は、ステップS4514において、HLレジスタの内容を演出変動回数表示用パラメータ領域に、2バイトのコマンドとしてセットし、ステップS4515において、レジスタ(例えば、HLレジスタに)、確変状態変動回数カウンタ値をセットする。
次に、メインCPU4201は、ステップS4516において、HLレジスタの値を2倍することで、HレジスタとLレジスタの値をすべて1ビット左にシフトし、その後、Lレジスタだけ右に1ビット分シフトすることで、HLレジスタの値を2バイトのコマンドとする。
例えば、HLレジスタの値がビット列「0000100111001001」であった場合に、これを2倍すると、「0001001110010010」となる。ここで、Hレジスタはビット列「00010011」となり、Lレジスタはビット列「10010010」となる。そして、Lレジスタを1ビット分だけ右にシフトすると、ビット列「01001001」になる。その結果、HLレジスタの値は、ビット列「0001001101001001」になる。
次に、メインCPU4201は、ステップS4517において、メインRAM4203の作業領域(遊技用エリア)に配置されている確変状態変動回数表示用パラメータ領域に、HLレジスタの値をセットする。こうした確変状態変動回数表示用パラメータ領域の上位8ビット(ステップS4516で生成されたHレジスタ)と下位8ビット(ステップS4516で生成されたLレジスタ)がそれぞれ、所定コマンドの管理テーブルとして定義された場合、当該テーブルを取得したプログラムでは、例えば、Hレジスタのビット列「00010011」とLレジスタのビット列「01001001」を取得し、そのうち、Lレジスタの値の先頭の「0」を取って、HレジスタとLレジスタを繋げ、その上位ビットを「0」で埋めると、元のHLレジスタのビット列「0000100111001001」となる。
[演出制御コマンド送信処理]
次に、図138を参照して、演出制御コマンド送信処理について説明する。この処理は、メインCPU4201の制御による設定変更確認処理で実行される(図122のステップS4183)処理である。なお、図138は、演出制御コマンド送信処理の手順を示すフローチャートである。また、演出制御コマンド送信処理は、さまざまなプログラムから呼び出され、その場合に、用途に応じたテーブルのアドレスがセットされるが、設定変更確認処理から実行される場合、例えば、HLレジスタに、設定操作コマンド管理データテーブルのアドレスがセットされる。
まず、メインCPU4201は、ステップS4531において、割込み許可レジスタ2の値をレジスタ(例えば、フラグレジスタFのパリティ/オーバーフロー・フラグ)に退避する。割込み許可レジスタ2の値は、上述の通り、割込み禁止命令がされると、「0」となり、それ以前の情報が失われてしまうため、このタイミングでこの値を退避しておく。
次に、メインCPU4201は、ステップS4532において、割込み禁止命令を行う。これによって、演出制御コマンド送信処理の開始時点で割込み禁止がされていない場合は、この割込み禁止命令以降、後述するステップS4541で割込み許可命令がされるまでの間、マスカブル割込みが禁止される。次に、メインCPU4201は、ステップS4533において、割込み許可レジスタ2の値を記憶しているレジスタ(フラグレジスタF)のデータを、スタックに保存する。
次に、メインCPU4201は、ステップS4534において、HLレジスタを参照して、HLレジスタに記憶されているアドレスのデータ(先頭の1バイトにあるコマンド種別コード)を(例えば、Aレジスタに)セットする。また、このとき、HLレジスタに記憶されているアドレスは、「1」加算される。
次に、メインCPU4201は、ステップS4535において、STU2(非同期シリアル通信)コマンドステータスレジスタにおける送信FIFOトリガレベルフラグのビット位置を検査し、送信FIFOトリガレベルが128バイト以上か否かを判定する。
送信FIFOトリガレベルは128バイト未満とする制限があるため、送信FIFOトリガレベルが128バイト以上と判定された場合(ステップS4535がYES判定の場合)、処理を終了するため、ステップS4539に進む。一方、送信FIFOトリガレベルが128バイト未満と判定された場合(ステップS4535がNO判定の場合)、ステップS4536において、STU2(非同期シリアル通信)データレジスタに対して、Aレジスタにセットされているコマンド種別コード(または、コマンドパラメータ作業領域)の出力を行う。
次に、メインCPU4201は、ステップS4537において、(例えば、Aレジスタに)HLレジスタに記憶されているアドレスのデータ(コマンド管理データテーブルに含まれるコマンドパラメータ作業領域)をセットする。また、このセットの後、HLレジスタに記憶されているアドレスは、「1」加算される。
次に、メインCPU4201は、ステップS4538において、ステップS4537でAレジスタにセットされた1バイトのデータはエンドコードか否かを判定する。Aレジスタのデータがエンドコードであると判定された場合(ステップS4538がYES判定の場合)、コマンド送信の処理は終了したので、ステップS4539に進む。一方、Aレジスタのデータがエンドコードでないと判定された場合(ステップS4538がYES判定の場合)、次のコマンド送信のために、ステップS4535に進み、ステップS4535~ステップS4538の処理を繰り返す。
ステップS4539において、メインCPU4201は、ステップS4533でスタックに保存した、割込み許可レジスタ2の値を記憶しているレジスタ(フラグレジスタF)のデータを復帰させる。
次に、メインCPU4201は、ステップS4540において、割込み許可レジスタ2の値が「0」か否かを判定し、「0」であると判定された場合(ステップS4540がYES判定の場合)、当該処理で割込み禁止命令を実行する前から割込み禁止の状態であったと判定し、割込み許可命令を実行することなく処理を終了する。
一方、割込み許可レジスタ2の値が「1」であると判定された場合(ステップS4540がNO判定の場合)、当該処理で割込み禁止命令を実行する前は割込み許可の状態であったと判定し、ステップS4541において、割込み許可命令を実行し処理を終了する。
演出制御コマンド送信処理のこうした処理により、ステップS4532の割込み禁止命令で割込み許可レジスタ1、割込み許可レジスタ2は共に「0」となり、ステップS4541の割込み許可命令で割込み許可レジスタ1、割込み許可レジスタ2は共に「1」となるが、データ格納処理を呼び出す時点で割込み許可レジスタ2が「0」であった場合(すなわち、データ格納処理を呼び出す時点で割込み禁止の状態であった場合)、ステップS4541は実行されず、割込み許可レジスタ2が「0」の状態が維持されることになる。
このようなデータ格納処理の割込み禁止状態の管理の仕組みは、図121を参照して説明したデータ格納処理と同様のものであり、この処理に関しても、データ格納処理と同様の効果を得ることができる。
また、図138の演出制御コマンド送信処理では、上記のような構成により、演出制御コマンドを送信するためのリングバッファを用意する必要がなくなり、そのために、リングバッファを管理するための処理(例えば、リングバッファに対する書き込み、及び読み出しを管理する処理)を行う必要がなくなる。そして、これにより、プログラムのサイズを大幅に削減できる。
また、機種依存のメインRAM4203等にリングバッファを確保する際に、リングバッファのサイズを調整するといった処理をなくすことができる。
以上、本発明の第4のパチンコ遊技機について、図面を参照して説明してきたが、これらの構成や処理は例示に過ぎず、様々な他の構成・方法で本発明の技術的思想を実現することができる。また、上記では、本願の技術的思想を、主としてパチンコ遊技機に適用する場合について説明しているが、パチスロ機や、第2実施形態として説明した封入式遊技機に対して適用することもできる。
[5.第5のパチンコ遊技機]
次に、第5のパチンコ遊技機について説明する。第5のパチンコ遊技機は、第3のパチンコ遊技機と同様に、1種2種混合機と称されるパチンコ遊技機である。第5のパチンコ遊技機は、第3のパチンコ遊技機と比して、遊技性や演出内容等が異なっており、それに伴い遊技領域に配置される各種部材の構成も一部異なっている。
さらに、第5のパチンコ遊技機は、遊技球の差玉数が規制値(例えば、95000個)に到達すると、遊技を停止させることが可能なゲームストップ機能を備えている。なお、「遊技球の差玉数」とは、払い出す遊技球の累計数(払出遊技球数)から発射した遊技球の累計数(発射遊技球数)を減算した数をいう。ゲームストップ機能については、詳しくは後述する。
また、第5のパチンコ遊技機は、第3のパチンコ遊技機と同様に、第1特別図柄と第2特別図柄とを並行して可変表示させず、第1特別図柄の可変表示よりも第2特別図柄の可変表示が優先して行われる優先変動機である。ただし、これに限られず、上述した順次変動機としてもよい。
以降、第5のパチンコ遊技機を説明するにあたり、第1のパチンコ遊技機と同様の構成要件については同じ符号および同じステップ番号を付して、その構成や処理に関する詳しい説明を省略する。
なお、本実施形態において、遊技者に所定の利益(遊技球の払い出し、遊技状態の移行)を付与することが可能な入球口(例えば、始動口や大入賞口)に「遊技球が入球すること」を適宜「入賞」ともいう。また、本実施形態において、図柄の「可変表示」とは、例えば、図柄が変動して表示される「変動表示」、および、図柄が停止して表示される「停止表示」等の両方を含む概念であり、変動表示の開始から停止表示されるまでの動作を1回の「可変表示」と称する。
また、遊技球の「払い出し」とは、実際に遊技者に遊技球を払い出すことに限られず、封入された遊技球を循環させて遊技を進行する遊技機(所謂スマートパチンコ)の場合には、払い出される遊技球の個数(賞球データ)を遊技機の記憶領域や電子的な記憶媒体(遊技カード)に記憶させることを含む概念である。
[5-1.遊技盤ユニット]
図139を参照して、第5のパチンコ遊技機が備える遊技盤ユニット5010について説明する。この遊技盤ユニット5010も、第1のパチンコ遊技機と同様に、保護ガラス43(図2参照)の後方に位置するようにベースドア3(図2参照)の前方に配置される。
図139は、第5のパチンコ遊技機が備える遊技盤ユニット5010の外観を示す正面図の一例である。遊技盤ユニット5010は、遊技盤としての遊技パネル5100を備え、遊技パネル5100に各種部材が配置され、遊技パネル5100の前側面には、発射された遊技球が転動流下可能な遊技領域105が形成されている。
図139に示されるように、第5のパチンコ遊技機が備える遊技盤ユニット5010は、第1のパチンコ遊技機と比して、主に、通過ゲート5126と、第2始動口5140と、普通電動役物ユニット5145と、第1特別電動役物ユニット5130と、第2特別電動役物ユニット5150との構成や配置が異なっている。以下に、それぞれの構成やその配置について説明する。
なお、第5のパチンコ遊技機の遊技領域105に配置される第1始動口5120及び通過ゲート5126は、第1のパチンコ遊技機の遊技領域105に配置される第1始動口120及び通過ゲート126と機能的にも共通するものであるが、第2始動口5140との関連性から、第1のパチンコ遊技機と異なる符号を用いて改めて説明する。
(第1始動口)
第1始動口5120は、表示装置7の表示領域の下方の遊技領域105に配置されており、左打ちされた遊技球が入球可能となり、遊技釘等により右打ちされた遊技球は入球困難または不可能に構成されている。
第1始動口5120に遊技球が入球すると、第1特別図柄の抽選(第1特別図柄の当り判定処理)や、第1特別図柄の可変表示や、第1始動口用の賞球(例えば3個の遊技球)の払い出しが行われたりする。
(第2始動口)
第2始動口5140は、右側領域107であって通過ゲート5126の下方(下流側)に配置されるとともに、後述する普通電動役物ユニット5145に設けられており、右打された遊技球が入球可能(左打ちされた遊技球が入球困難または不可能)となっている。
また、本実施形態においては、第2始動口5140は、通過ゲート5126の下方(下流側)側に配置されているところから、通過ゲート5126を通過した遊技球は、後述する普通電動役物5146が作動しているときには、第2始動口5140への遊技球の入球が可能となっている。
第2始動口5140に遊技球が入球すると、第2特別図柄の抽選(第2特別図柄の当り判定処理)や、第2特別図柄の可変表示や、第2始動口用の賞球(例えば1個の遊技球)の払い出しが行われたりする。
(通過ゲート)
通過ゲート5126は、遊技球が通過可能なゲートで構成され、普通電動役物ユニット5145の上方(上流側)に配置されており、通過ゲート5126を通過した遊技球は、普通電動役物ユニット5145に入球可能となっている。また、通過ゲート5126は、右側領域107に配置されていることから、右打ちされた遊技球が通過可能(左打ちされた遊技球が通過困難または不可能)となっている。
通過ゲート5126に遊技球が通過すると、普通図柄の抽選(普通図柄の当り判定処理)や、普通図柄の可変表示に用いられることになる。なお、本実施形態では、通過ゲート5126に遊技球が通過しても賞球は払い出されないが、通過ゲート5126を入賞口(いわゆる普図作動口)として、所定の賞球(例えば1個の遊技球)が払い出されるように構成してもよい。
また、通過ゲート5126を、役物連続作動装置を作動させるための契機となるように機能させてもよい。条件装置が作動していること(大当りとなる特別図柄が停止表示されていること)を前提として、通過ゲート5126に遊技球が通過したことをもって役物連続作動装置を作動させて、大当り遊技状態に移行するようにしてもよい。
(普通電動役物ユニット)
普通電動役物ユニット5145は、右側領域107であって通過ゲート5126の下方(下流側)に配置されており、右打ちされた遊技球がほぼ通過できるように配置されている。普通電動役物ユニット5145は、第2始動口5140と、第2始動口5140への遊技球の入球を検出する第2始動口スイッチ5141と、普通電動役物5146とを一体化したユニット体である。
普通電動役物5146は、前後方向に進退可能な突出板型の普電用シャッタ5147と、この普電用シャッタ5147を作動させる普電用ソレノイド5148(後述の図140参照)とを備える。普通電動役物5146が作動(普電用ソレノイド5148が励磁)すると、普電用シャッタ5147により第2始動口5140の開閉状態を、第2始動口5140への遊技球の入球が不可能または困難な閉鎖状態から、第2始動口5140への遊技球の入球が可能または容易な開放状態に移行させる。
普電用シャッタ5147は、第2始動口5140の入口近傍に配置された略三角形の入球防止部と第2始動口5140に向けて傾斜した平板状の入球誘導部とで構成されている。第2始動口5140が閉鎖状態であるときには、普電用ソレノイド5148は無励磁にされており、略三角形の入球防止部は、第2始動口5140の入口と対向する対向領域に位置して、第2始動口5140への入球を阻害し、平板状の入球誘導部は、遊技パネル5100の表面に埋没し、右側領域107に流下している遊技球の受け入れることなく、遊技球を下方に流下させる。一方、第2始動口5140が開放状態であるときには、普電用ソレノイド5148は励磁されており、略三角形の入球防止部は、第2始動口5140の入口と対向しない回避領域(例えば、釘の頭より前面側)に位置して、第2始動口5140への入球を阻害せず、平板状の入球誘導部は遊技パネル5100の表面から突出して、右側領域107に流下している遊技球を受け入れ、受け入れた遊技球を第2始動口5140へ誘導する。なお、前後方向に進退可能な上記の普電用シャッタ5147に代えて、所謂電チューと呼ばれる左右方向に可動可能な可動部材により普電用シャッタ5147を構成してもよい。
また、普通電動役物5146が作動し、第2始動口5140を開放状態とさせているときに、普電用の規定個数(例えば1個)の遊技球が入球すると、開放時間が経過していなくとも普通電動役物5146の作動を終了し、第2始動口5140を閉鎖状態にさせる。
そして、時短遊技状態においては、普通電動役物5146が作動しやすく(第2始動口5140が開放状態になりやすく)設定されており、第2始動口5140への遊技球の入球が可能または容易な入賞容易状態となっている。これに対し、通常遊技状態においては、普通電動役物5146が作動し難く(第2始動口5140が開放状態になり難く)設定されており、第2始動口5140への遊技球の入球が不可能または困難な入賞困難状態となっている。
(第1特別電動役物ユニット)
第1特別電動役物ユニット5130は、右側領域107において通過ゲート5126、普通電動役物ユニット5145及び後述する第2特別電動役物ユニット5150よりも下方(下流側)に配置されている。なお、第1特別電動役物ユニット5130は、通過ゲート5126、普通電動役物ユニット5145及び後述する第2特別電動役物ユニット5150の少なくともいずれかよりも上流側に設けられていてもよいし、左側領域106に設けられていてもよい。
第1特別電動役物ユニット5130は、第1大入賞口5131と、第1大入賞口5131への遊技球の入球を検出する第1大入賞口カウントスイッチ5132(後述の図140参照)と、前後方向に進退可能な第1特電用シャッタ5134と、この第1特電用シャッタ5134を作動させる第1特電用ソレノイド5135(後述の図140参照)とを一体化したユニット体である。
第1大入賞口5131は、大当りのときに開放される入賞口であり、1回の大当りにおいて1つのラウンドに対して第1大入賞口5131に遊技球が入球可能な最大入賞個数(例えば10個)が規定されている。そして、この第1大入賞口5131に1つの遊技球が入球する毎に、第1大入賞口用の賞球(例えば15個の遊技球)が払い出されることになる。
第1大入賞口5131が閉鎖状態から開放状態に移行するのは、特別図柄当り判定処理の結果が「大当り」であることを示す特別の停止表示態様が導出された場合の第1のルートと、特別図柄判定の結果が「小当り」であることを示す特定の停止表示態様が導出されたことによって第2大入賞口5151が開放し、開放された第2大入賞口5151に進入した遊技球が第2大入賞口5151内のV入賞口5156に入賞した場合の第2のルートときである。
第1特電用シャッタ5134は、第1特電用ソレノイド5135(後述の図140参照)の作動により、第1大入賞口5131への遊技球の入球が可能または容易な開放状態と、第1大入賞口5131への遊技球の入球が不可能または困難な閉鎖状態とを移行可能に構成するものである。
具体的には、第1特電用シャッタ5134は、下方が軸支された開閉扉で構成されている。第1特電用シャッタ5134が開放状態であるときには、開閉扉が前面側に倒れて第1大入賞口5131が開口し、右側領域107に流下している遊技球を受け入れ、受け入れた遊技球を第1大入賞口5131へ誘導する。一方、第1特電用シャッタ5134が閉鎖状態であるときには、開閉扉が起立して第1大入賞口5131を閉口し、第1大入賞口5131への遊技球の入球が不可能または困難となる。
(第2特別電動役物ユニット)
第2特別電動役物ユニット5150は、右側領域107において通過ゲート5126及び普通電動役物ユニット5145の下方(下流側)に設けられている。なお、第2特別電動役物ユニット5150は、通過ゲート5126または普通電動役物ユニット5145の少なくともいずれかよりも上流側に設けられていてもよいし、左側領域106に設けられていてもよい。
第2特別電動役物ユニット5150は、第2特別電動役物ユニット5150の内部に遊技球が進入できるように開口された第2大入賞口5151と、第2大入賞口5151への遊技球の入球を検出する第2大入賞口カウントスイッチ5152と、第2大入賞口5151を開閉させることが可能な第2特電用シャッタ5154と、この第2特電用シャッタ5154を作動させて第2大入賞口5151を開閉させる第2特電用ソレノイド5155(後述の図140参照)と、第2大入賞口5151に進入した遊技球が通過可能なV入賞口5156と、V入賞口5156に遊技球が通過したことを検出するV入賞口スイッチ5157と、第2大入賞口5151に進入した遊技球のうちV入賞口5156に進入しなかった遊技球が通過可能な通常口5158と、V入賞口5156を開閉させるVシャッタ5159と、このVシャッタ5159を作動させてV入賞口5156を開閉させるVシャッタ用ソレノイド5160(後述の図140参照)とを一体化したユニット体である。
第2大入賞口5151は、小当りのときに開放される入賞口であり、1回の小当りにおいて第2大入賞口5151に遊技球が入球可能な最大入賞個数(例えば10個)が規定されている。この第2大入賞口5151に1つの遊技球が入球する毎に、第2大入賞口用の賞球(例えば15個の遊技球)が払い出されることになる。
第2特電用シャッタ5154は、前後方向に進退可能な突出板型の板状部材からなり、第2特電用ソレノイド5155の作動により、第2特電用シャッタ5154を前方に進出させて第2大入賞口5151への遊技球の入球が不可能または困難な閉鎖状態と、第2特電用シャッタ5154を後方に退出させて第2大入賞口5151への遊技球の入球が可能または容易な開放状態とを移行可能に構成するものである。
V入賞口5156は、Vシャッタ5159により開閉可能な入球口であるとともに、遊技球が通過することにより上述した第2のルートを経て大当り遊技状態に制御される契機となる入球口である。
第2のルートを経て大当り遊技状態に制御された場合、V入賞口5156への遊技球の通過したときの第2大入賞口5151の開放を1ラウンド目として、V入賞口5156への遊技球の通過した後(2ラウンド目以降)は、第1大入賞口5131を閉鎖状態から開放状態へ移行させるラウンド遊技が実行される。なお、第2のルートを経て大当り遊技状態に制御された場合、V入賞口5156への遊技球の通過した後(2ラウンド目以降)も、第2大入賞口5151が閉鎖状態から開放状態に移行するラウンド遊技が所定のラウンド数にわたって実行されてもよい。
また、例えば第1大入賞口5131の内部にV入賞口を設ける等によって、V入賞口および大当り遊技状態において開放されるアタッカーを一つずつとしてもよい。この場合、「小当り」であることを示す停止表示態様が導出されると第1大入賞口5131が開放状態とされ、第1大入賞口5131の内部に設けられたV入賞口に遊技球が進入すると、大当り遊技状態(第2のルートを経た大当り遊技状態)に制御されるようにすればよい。
通常口5158は、第2大入賞口5151に進入したもののV入賞口5156を通過しなかった遊技球が進入(通過)するよう構成されたものである。通常口5158を通過した遊技球は機外に排出される。なお、第2大入賞口5151に進入した遊技球の全部が通常口5158を通過し、V入賞口5156への遊技球の通過がなかった場合には、大当り遊技状態が制御されないことになる。
Vシャッタ5159は、Vシャッタ用ソレノイド5160(後述の図140参照)の作動により、V入賞口5156への遊技球の通過が不可能(又は困難)な閉鎖状態と、V入賞口5156への遊技球の通過が可能(又は容易)な開放状態とを移行可能に構成するものである。
なお、右側領域107に配置されている第1特別電動役物ユニット5130、普通電動役物ユニット5145、第2特別電動役物ユニット5150及び通過ゲート5126の配置関係は、適宜設計変更が自由である。
[5-2.電気的構成]
次に、図140を参照して、第5のパチンコ遊技機の制御回路について説明する。図140は、第5のパチンコ遊技機の制御回路を示すブロック図の一例である。
図140に示されるように、第5のパチンコ遊技機は、第1のパチンコ遊技機と同様、主に、遊技の制御を行う主制御回路200と、遊技の進行に応じた演出の制御を行うサブ制御回路300と、払出・発射制御回路400と、電源供給回路450とから構成される。
しかしながら、第5のパチンコ遊技機は、第1のパチンコ遊技機と比して、主制御回路200に接続されるデバイス及びサブ制御回路300の構成が一部異なっている。以下に、それぞれの構成やその配置について説明する。
[主制御回路]
主制御回路200は、第1のパチンコ遊技機と比して、主制御回路200に接続される普電用ソレノイド5148、第1特電用ソレノイド5135、第2特電用ソレノイド5155、Vシャッタ用ソレノイド5160、第1始動口スイッチ5121、第2始動口スイッチ5141、通過ゲートスイッチ5127、第1大入賞口カウントスイッチ5132、第2大入賞口カウントスイッチ5152、V入賞口スイッチ5157、遊技球回収スイッチ5179の構成が一部異なっている。
(メインCPU)
メインCPU201は、メインROM202に記憶されたプログラムに従って各種の処理を実行する機能を有し、第1のパチンコ遊技機と同様であるが、メインCPU201にはレジスタも内蔵されている。メインCPU201が有する各種レジスタは、複数の専用レジスタ(フラグレジスタ、インデックスレジスタ及びスタックポインタ等)と複数の汎用レジスタとを有しており、2つの汎用レジスタを組み合わせてペアレジスタとしても用いている。
(普電用ソレノイド)
普電用ソレノイド5148は、普電用シャッタ5147を作動させる電磁ソレノイドである。普電用ソレノイド5148は、メインCPU201により通電が行われる(励磁ONである)と、普電用シャッタ5147を前方に進出させて第2始動口5140を開放状態とさせ、メインCPU201により通電が行われないと(励磁OFFであると)と、普電用シャッタ5147を後方に退出させて第2始動口5140を閉鎖状態とさせる。
(第1特電用ソレノイド)
第1特電用ソレノイド5135は、開閉扉からなる第1特電用シャッタ5134を作動させる電磁ソレノイドである。第1特電用ソレノイド5135は、メインCPU201により通電が行われる(励磁ONである)と、第1特電用シャッタ5134を前方に倒れさせ第1大入賞口5131を開放状態とさせ、メインCPU201により通電が行われないと(励磁OFFであると)と、第1特電用シャッタ5134を後方に倒立させて第1大入賞口5131を閉鎖状態とさせる。
(第2特電用ソレノイド)
第2特電用ソレノイド5155は、第2特電用シャッタ5154を作動させる電磁ソレノイドである。第2特電用ソレノイド5155は、メインCPU201により通電が行われる(励磁ONである)と、第2特電用シャッタ5154を後方に退出させて第2大入賞口5151を開放状態とさせ、メインCPU201により通電が行われないと(励磁OFFであると)と、第2特電用シャッタ5154を前方に進出させて第2大入賞口5151を閉鎖状態とさせる。
(Vシャッタ用ソレノイド)
Vシャッタ用ソレノイド5160は、Vシャッタ5159を作動させる電磁ソレノイドである。Vシャッタ用ソレノイド5160は、メインCPU201により通電が行われる(励磁ONである)と、Vシャッタ5159を後方に退出させてV入賞口5156を開放状態とさせ、メインCPU201により通電が行われないと(励磁OFFであると)と、Vシャッタ5159を前方に進出させてV入賞口5156を閉鎖状態とさせる。
また、本実施形態では、Vシャッタ用ソレノイド5160は、第2大入賞口5151の開放時にあわせて作動し、V入賞口5156を開放状態とさせる。すなわち、V入賞口5156は第2大入賞口5151の開放時から開放状態となり、遊技球が第2大入賞口5151に入球すると、V入賞口5156にも原則として通過することになる。
(第1始動口スイッチ)
第1始動口スイッチ5121は、第1始動口5120に設けられており、第1始動口5120への遊技球の入球を検出する貫通型の近接スイッチである。
第1始動口スイッチ5121により第1始動口5120への遊技球の入球が検出されると、メインCPU201は、第1の取得条件が成立したものとして、第1特別図柄の始動情報(大当り判定用乱数値、図柄乱数値、リーチ判定用乱数値、演出選択用乱数値等)を取得する。取得した第1特別図柄の始動情報は、「第1特別図柄の保留個数(例えば4個)」までメインRAM203の第1特別図柄始動記憶領域(第1特別図柄始動記憶領域(1)~第1特別図柄始動記憶領域(4)に順番)に記憶され、第1特別図柄の判定開始条件(例えば、特別電動役物が作動していないこと、特別図柄の可変表示が行われていないこと等)が成立すると、第1特別図柄の当り判定処理や、第1特別図柄の可変表示に用いられることになる。また、第1始動口スイッチ5121により第1始動口5120への遊技球の入球が検出されると、メインCPU201は、第1始動口用の賞球(例えば3個の遊技球)の払い出し処理を払出・発射制御回路400に指示する。
(第2始動口スイッチ)
第2始動口スイッチ5141は、第2始動口5140に設けられており、第2始動口5140への遊技球の入球を検出する貫通型の近接スイッチである。
第2始動口スイッチ5141により第2始動口5140への遊技球の入球が検出されると、メインCPU201は、第2の取得条件が成立したものとして、第2特別図柄の始動情報(大当り判定用乱数値、図柄乱数値、リーチ判定用乱数値、演出選択用乱数値等)を取得する。取得した第2特別図柄の始動情報は、「第2特別図柄の保留個数(例えば4個)」までメインRAM203の第2特別図柄始動記憶領域(第2特別図柄始動記憶領域(1)~第2特別図柄始動記憶領域(4)に順番)に記憶され、第2特別図柄の判定開始条件(例えば、特別電動役物が作動していないこと、特別図柄の可変表示が行われていないこと等)が成立すると、第2特別図柄の当り判定処理や、第2特別図柄の可変表示に用いられることになる。また、第2始動口スイッチ5141により第2始動口5140への遊技球の入球が検出されると、メインCPU201は、第2始動口用の賞球(例えば1個の遊技球)の払い出し処理を払出・発射制御回路400に指示する。
また、実施形態においては、第1特別図柄の始動情報に基づいた第1特別図柄の当り判定処理を「第1特別図柄の抽選」、第2特別図柄の始動情報に基づいた第2特別図柄の当り判定処理を「第2特別図柄の抽選」ともいい、第1特別図柄の抽選と第2特別図柄の抽選とをまとめて「特別図柄の抽選」ともいう。
(通過ゲートスイッチ)
通過ゲートスイッチ5127は、通過ゲート5126に設けられており、通過ゲート5126への遊技球の通過を検出する貫通型の近接スイッチである。
通過ゲートスイッチ5127が通過ゲート5126への遊技球の通過を検出すると、メインCPU201は、普通図柄の始動情報(普通図柄当り判定用乱数値、普通図柄の図柄乱数値等)を取得する。取得した普通図柄の始動情報は、「普通図柄の保留個数(例えば4個)」までメインRAM203の普通図柄始動記憶領域(普通図柄始動記憶領域(1)~普通図柄始動記憶領域(4)に順番)に記憶され、普通図柄の判定開始条件(例えば、普通電動役物が作動していないこと、普通図柄の可変表示が行われていないこと等)が成立すると、普通図柄の抽選(普通図柄の当り判定処理)や、普通図柄の可変表示に用いられることになる。
(第1大入賞口カウントスイッチ)
第1大入賞口カウントスイッチ5132は、第1大入賞口5131への遊技球の入球を検出する貫通型の近接スイッチである。第1大入賞口カウントスイッチ5132が第1大入賞口5131への遊技球の入球を検出すると、メインCPU201は、1ラウンドあたりの第1大入賞口5131への遊技球の入賞数をカウントするとともに、第1大入賞口用の賞球(例えば15個の遊技球)の払い出し処理を払出・発射制御回路400に指示したりすることになる。
(第2大入賞口カウントスイッチ)
第2大入賞口カウントスイッチ5152は、第2大入賞口5151への遊技球の入球を検出する貫通型の近接スイッチである。第2大入賞口カウントスイッチ5152が第2大入賞口5151への遊技球の入球を検出すると、メインCPU201は、第2大入賞口5151への遊技球の入賞数をカウントするとともに、第2大入賞口用の賞球(例えば15個の遊技球)の払い出し処理を払出・発射制御回路400に指示したりすることになる。
(V入賞口スイッチ)
V入賞口スイッチ5157は、V入賞口5156への遊技球の通過を検出する貫通型の近接スイッチである。V入賞口スイッチ5157がV入賞口5156への遊技球の入球を検出すると、メインCPU201は、大当り遊技状態への移行制御を行うことになる。
(遊技球回収スイッチ)
遊技球回収スイッチ5179は、発射装置6から遊技領域105に発射された遊技球を検出する貫通型の近接スイッチである。遊技球回収スイッチ5179は、遊技盤ユニット5010の背面側であって、アウト口178、各種入賞口(例えば、第1始動口5120、第2始動口5140、第1大入賞口5131、第2大入賞口5151、一般入賞口122等)に入球した遊技球が通過する集合流路に配置されており、アウト口178への遊技球の入球のみならず、各種入賞口に入球した遊技球を区別なく検出し、発射された遊技球数(使用、消費された遊技球数)を計数する。
[サブ制御回路]
サブ制御回路300は、第1のパチンコ遊技機と同様に、サブCPU301、プログラムROM302、ワークRAM303、表示制御回路304、音声制御回路305、LED制御回路306、役物制御回路307およびコマンド入力ポート308を備えることは共通であるが、ボタン制御回路310と演出ボタン54とを更に備えていることが相違している。
(ボタン制御回路310)
ボタン制御回路310は、演出ボタン54を駆動させるための回路である。すなわち、ボタン制御回路310は、演出ボタン54の操作態様を変化させたり、演出ボタン54を振動させたりするための回路である。ボタン制御回路310は、サブCPU301からの駆動命令に応じて、演出ボタン54を駆動させることになる。
また、ボタン制御回路310は、演出ボタン54が検出した遊技者の操作に関する操作信号を入力するための回路でもある。ボタン制御回路310は、演出ボタン54から操作信号を入力すると、サブCPU301に所定の操作情報を出力することになる。
[払出・発射制御回路]
払出・発射制御回路400は、第1のパチンコ遊技機と同様に、遊技球の払出・発射を制御するものであり、この払出・発射制御回路400には、遊技球を払い出すことが可能な払出装置82、遊技球を発射させることが可能な発射装置6、球貸しにかかる制御を実行可能なカードユニット180等が接続されている。
払出装置82には、遊技球を払い出すための払出モータ83、払出モータ83により払い出した遊技球を計数する計数スイッチ84、下皿52に貯留されている遊技球が満タンであることを検出する満タンスイッチ85等が接続されている。
払出・発射制御回路400は、主制御回路200から送信される賞球制御コマンドを受信すると、払出装置82に対して所定の信号を送信し、払出装置82に遊技球を払い出させる制御を行う。また、払出・発射制御回路400は、払出装置82の払い出し異常(受け皿満タン、球詰まり異常、払出モータ異常)を監視しており、払い出し異常があると、払出異常イベント情報を主制御回路200に送信する。
また、払出・発射制御回路400は、発射ハンドル62が回動操作されると、その回動角度(回動量)に応じて発射ソレノイド(図示せず)に電力を供給し、遊技球を発射させる制御を行う。
さらに、本実施形態においては、払出・発射制御回路400は、主制御回路200から遊技球の差玉数に基づいて遊技が停止されている状態であることの遊技停止信号を入力すると、発射装置6による遊技球の発射停止(発射ソレノイドへの電力の供給停止)が行われる。なお、主制御回路200では遊技球の差玉数に基づいて遊技が停止されている状態であっても、払出・発射制御回路400は、発射装置6による遊技球の発射停止が行われなくてもよい。
[5-3.メインRAMの内部構成(メモリマップ)]
次に、図141を参照して、第5のパチンコ遊技機の主制御回路200のメインRAM203の内部構成(メモリマップ)について説明する。図141は、第5のパチンコ遊技機の主制御回路200のメインRAM203の内部構成の概念図の一例である。
図141に示すように、メインRAM203のメモリマップでは、メインRAM203のアドレスの先頭(「F000」H)側から、遊技用エリア(作業領域及びスタック領域)、領域外エリア(作業領域及びスタック領域)の順番で、それぞれ所定のアドレスに配置されている。また、遊技用エリアと領域外エリアの間に、所定サイズの未使用領域があってもよく、本実施形態では、16バイトの未使用領域が設けられている。
「遊技用エリア」には、遊技者により実施される遊技(遊技の進行及び遊技性)に直接関連する制御プログラムの実行により決定された各種データが一時的に記憶(格納)される。また、「領域外エリア」は、遊技者により実施される遊技(遊技の進行及び遊技性)に直接関与しない各種処理により決定されたデータが一時的に記憶(格納)される。
なお、図示は省略するが、メインROM202のメモリマップも、「遊技用エリア」と「領域外エリア」とに区画されている。メインROM202の遊技用エリアには、遊技の進行及び遊技性に直接関連する制御プログラム、当該制御プログラムの実行に用いられる各種データが記憶される。また、メインROM202の領域外エリアには、遊技の進行及び遊技性に直接関与しない領域外プログラム、当該領域外プログラムの実行に用いられる各種データが記憶される。
本実施形態では、メインRAM203の遊技用エリアにおける作業領域には、先頭からバックアップ準備用データ領域、設定操作関連用データ領域、ゲームストップ機能管理領域、遊技LED出力処理用データ領域、入力処理用データ領域、割込み・タイマ領域、外部端子板信号制御データ領域、図柄制御データ領域、払出制御データ領域、演出制御データ領域、その他各種データ領域が順番に配置されている。
「バックアップ準備用データ領域」は、電断復帰時に算出される遊技用エリアのCRC値等を記憶する領域であり、「設定操作関連用データ領域」は、設定変更用の設定値等のデータを記憶する領域である。
「ゲームストップ機能管理領域」は、ゲームストップ機能の作動の有無に関するデータを記憶する領域であり、「遊技停止状態フラグ領域」及び「ストップ機能完了コマンド送信フラグ領域」を有している。「遊技停止状態フラグ領域」は、遊技停止状態の情報を記憶する領域であり、「ストップ機能完了コマンド送信フラグ領域」は、ゲームストップ機能のコマンドの送信要求の情報を記憶する領域である。この「遊技停止状態フラグ領域」及び「ストップ機能完了コマンド送信フラグ領域」については、詳しくは図142を参照して後述する。
「遊技LED出力処理用データ領域」は、普通図柄表示部161、普通図柄用保留表示部162、第1特別図柄表示部163、第2特別図柄表示部164、第1特別図柄用保留表示部165、第2特別図柄用保留表示部166および時短報知用表示部168等の遊技LEDを点灯させるためのデータを記憶する出力ポートバッファ等の領域である。また、「遊技LED出力処理用データ領域」は、後述するように「発射位置指定信号管理データ領域」等も有している。
「入力処理用データ領域」は、遊技球を検出するための第1始動口スイッチ5121、第2始動口スイッチ5141、通過ゲートスイッチ5127、第1大入賞口カウントスイッチ5132、第2大入賞口カウントスイッチ5152、遊技球回収スイッチ5179、一般入賞口スイッチ123等の各種遊技球スイッチからの入力したデータを記憶する入力ポートバッファ等の領域である。
「割込み・タイマ領域」は、割込みカウンタ、特別図柄待ち時間カウンタ、普通図柄待ち時間カウンタ、通知間隔管理タイマ領域等の各種タイマカウンタを記憶する領域である。
「外部端子板信号制御データ領域」は、外部端子板184を介してホールコンピュータ186に出力する外部信号を記憶する領域である。また、「外部端子板信号制御データ領域」は、「当り信号管理データ領域」、「アウト球数管理カウンタ領域」、「セキュリティ信号要求フラグ領域」等を有している。
「図柄制御データ領域」は、特別図柄及び普通図柄の進行に関する乱数値、制御データを記憶する領域である。また、「図柄制御データ領域」は、特別図柄の制御データに対応して、「特別図柄制御状態番号領域」、「特別図柄判定記憶領域」、「第1特別図柄始動記憶領域」、「第2特別図柄始動記憶領域」、「特別図柄当りフラグ領域」、「特別図柄停止図柄番号領域」、「時短状態フラグ領域」、「時短回数カウンタ」、「ラウンドカウンタ」、「小当り開放回数カウンタ」、「大当りラウンド数上限値領域」、「開放状態領域」等を有している。また、普通図柄の制御データに対応して、「普通図柄制御状態番号領域」、「普通図柄判定記憶領域」、「普通特別図柄始動記憶領域」等を有している。
「払出制御データ領域」は、遊技球の払い出し制御に関するデータを記憶する領域であり、後述するように、「主制御コマンド送信領域」、「主制御コマンド制御状態番号領域」等を有している。
「演出制御データ領域」は、表示装置7、スピーカ32、LED群46等の報知装置において遊技状態、ゲームストップ機能等に関する情報を報知させるデータを記憶する領域でる。
「演出制御データ領域」は、後述するように、遊技状態指定パラメータ領域、発射位置パラメータ領域、遊技異常検知パラメータ領域、ストップ機能状態パラメータ領域及びストップ機能差玉数パラメータ領域を有している。「ストップ機能状態パラメータ領域」は、ゲームストップ機能に関する状態(ゲームストップ機能フェーズ)の情報を記憶する領域であり、「ストップ機能差玉数パラメータ領域」は、遊技球の差玉数を示す差玉情報を記憶する領域である。この「ストップ機能状態パラメータ領域」及び「ストップ機能差玉数パラメータ領域」については、詳しくは図142を参照して後述する。
「その他各種データ領域」は、主としてエラー等の情報を記憶する領域であり、後述するように、「遊技異常検知フラグ領域」、「払出状態通知フラグ領域」、「払出管理カウンタ領域」、「発射許可信号管理領域」等を有している。
また、本実施形態では、メインRAM203の領域外エリアにおける作業領域には、先頭からバックアップ準備用データ領域、性能表示モニタデータ領域、ゲームストップ機能フェーズ領域、ゲームストップ機能カウンタ領域、試射試験信号関連データ領域、その他各種データ領域が順番に配置されている。
「バックアップ準備用データ領域」は、電断復帰時に算出される領域外エリアのCRC値等を記憶する領域である。
「性能表示モニタデータ領域」は、性能表示モニタ170に表示させるデータを記憶する領域であり、性能表示状態フラグ領域、通常賞球数カウンタ領域、通常アウトカウンタ領域、総アウトカウンタ領域等を有している。
「ゲームストップ機能フェーズ領域」は、ゲームストップ機能に関する状態(ゲームストップ機能フェーズ)の情報を記憶する領域である。この「ゲームストップ機能フェーズ領域」については、詳しくは図142を参照して後述する。
「ゲームストップ機能カウンタ領域」は、ゲームストップ機能に関しての遊技球の差玉数等の情報を記憶する領域であり、「差玉管理用カウンタ領域」、「差玉判定用カウンタ領域」、「差玉判定用カウンタバッファ領域」、「差玉通知情報領域」及び「獲得遊技球数カウンタ域」を有している。「差玉管理用カウンタ領域」、「差玉判定用カウンタ領域」、「差玉判定用カウンタバッファ領域」、「差玉通知情報領域」及び「獲得遊技球数カウンタ領域」は、遊技球の差玉数に関する差玉情報等を記憶する領域である。この「差玉管理用カウンタ領域」、「差玉判定用カウンタ領域」、「差玉判定用カウンタバッファ領域」、「差玉通知情報領域」及び「獲得遊技球数カウンタ領域」については、詳しくは図142を参照して後述する。
「試射試験信号関連データ領域」は、遊技機の検定試験(試射試験)で使用されるデータを記憶する領域である。
「その他各種データ領域」は、主としてエラー等の情報を記憶する領域であり、後述するように、「領域外セキュリティ信号要求フラグ領域」、「領域外遊技異常検知フラグ領域」等を有している。
(遊技用エリアのRAMクリア範囲のアドレス)
そして、図141に示すように、メインRAM203の遊技用エリアにおける作業領域には、バックアップ準備用データ領域の先頭に「異常時RAMクリア範囲先頭アドレス」が配置され、ゲームストップ機能管理領域の先頭に「クリアスイッチ作動時RAMクリア範囲先頭アドレス」が配置され、遊技LED出力処理用データ領域の先頭に「遊技停止時RAMクリア範囲先頭アドレス」が配置され、その他各種データ領域の先頭に「電断復帰時RAMクリア範囲先頭アドレス」が配置されている。
また、「異常時RAMクリア範囲先頭アドレス」及び「クリアスイッチ作動時RAMクリア範囲先頭アドレス」に対応するRAMクリア範囲最終アドレスとして、スタック領域の最後に「第1終了アドレス」が配置されている。また、「電断復帰時RAMクリア範囲先頭アドレス」に対応するRAMクリア範囲最終アドレスとして、スタック領域の先頭に「第2終了アドレス」が配置されている。さらに、「遊技停止時RAMクリア範囲先頭アドレス」に対応するRAMクリア範囲最終アドレスとして、割込み・タイマ領域の先頭に「遊技停止時RAMクリア範囲終了アドレス」が配置されている。
(遊技用エリアの異常時RAMクリア範囲)
異常時RAMクリア範囲先頭アドレスが設定されると(電断復帰時の起動状態が「RAM異常」であると)、異常時RAMクリア範囲先頭アドレスから第1終了アドレスまでの範囲が、遊技用エリアの「異常時RAMクリア範囲」として設定される。そして、遊技用エリアの異常時RAMクリア範囲にあるデータがクリアされることになる。
本実施形態では、遊技用エリアの異常時RAMクリア範囲は、メインRAM203に記憶されたデータに異常(破損)があると判定されていることから、メインRAM203の遊技用エリアにおける使用領域を全て含み、遊技用エリアにおける使用領域はすべてクリアされることになる。
(遊技用エリアにおけるクリアスイッチ作動時RAMクリア範囲)
クリアスイッチ作動時RAMクリア範囲先頭アドレスが設定されると(電断復帰時の起動状態が「RAMクリア」または「設定変更中」であると)、クリアスイッチ作動時RAMクリア範囲先頭アドレスから第1終了アドレスまでの範囲が、遊技用エリアの「クリアスイッチ作動時RAMクリア範囲」として設定される。そして、遊技用エリアのクリアスイッチ作動時RAMクリア範囲にあるデータがクリアされることになる。
本実施形態では、遊技用エリアのクリアスイッチ作動時RAMクリア範囲は、バックアップ準備用データ領域、設定操作関連用データ領域を除き、ゲームストップ機能管理領域、遊技LED出力処理用データ領域、入力処理用データ領域、割込み・タイマ領域、外部端子板信号制御データ領域、図柄制御データ領域、払出制御データ領域、演出制御データ領域、その他各種データ領域が含まれている。
このため、バックアップ準備用データ領域、設定操作関連用データ領域に記憶されたデータは保護され、電断復帰時の起動状態が設定変更中であるときの設定値を保持することができる。
特に、本実施形態においては、遊技用エリアのクリアスイッチ作動時RAMクリア範囲には、ゲームストップ機能に関する領域として、遊技停止状態フラグ領域、ストップ機能完了コマンド送信フラグ領域、ストップ機能状態パラメータ領域及びストップ機能差玉数パラメータ領域のゲームストップ機能に関する遊技用エリアの全ての領域が含まれている。
このため、電断復帰時にRAMクリアスイッチ176がONであると(電断復帰時の起動状態がRAMクリアまたは設定変更中であると)、ゲームストップ機能に関する全ての情報がクリアされ、ゲームストップ機能に関する機能・状態がリセットされる。これにより、ゲームストップ機能により遊技停止状態となったときには、電断復帰時にRAMクリアスイッチ176をONにしなければ、遊技停止状態が解除されないことになる。
(遊技用エリアにおける電断復帰時RAMクリア範囲)
電断復帰時RAMクリア範囲先頭アドレスが設定されると(電断復帰時の起動状態が「電断復帰」または「設定確認中」であると)、電断復帰時RAMクリア範囲先頭アドレスから第2終了アドレスまでの範囲が、遊技用エリアの「電断復帰時RAMクリア範囲」として設定される。そして、遊技用エリアの電断復帰時RAMクリア範囲にあるデータがクリアされることになる。
本実施形態では、遊技用エリアの電断復帰時RAMクリア範囲は、その他各種データ領域が含まれており、大部分の作業領域は除かれている。すなわち、バックアップ準備用データ領域、設定操作関連用データ領域、ゲームストップ機能管理領域、遊技LED出力処理用データ領域、入力処理用データ領域、割込み・タイマ領域、外部端子板信号制御データ領域、図柄制御データ領域、払出制御データ領域、演出制御データ領域に記憶されたデータは保持される。
このため、電断復帰前の状態が保持され、電断復帰後には、電断復帰前の状態から継続して遊技を進行させることができる。なお、その他各種データ領域には、例えば、遊技異常検知フラグ等のデータが記憶され、一時的にエラーが解除されることになる。
特に、本実施形態においては、遊技用エリアの電断復帰時RAMクリア範囲には、ゲームストップ機能に関する領域として、遊技停止状態フラグ領域、ストップ機能完了コマンド送信フラグ領域、ストップ機能状態パラメータ領域及びストップ機能差玉数パラメータ領域のゲームストップ機能に関する遊技用エリアの全ての領域が除かれている。
このため、電断復帰時にRAMクリアスイッチ176がOFFであり、正常に電断復帰したときには、ゲームストップ機能の遊技停止状態、ゲームストップ機能のコマンドの送信要求、遊技用エリアのゲームストップ機能フェーズの情報、遊技用エリアの差玉情報は保持される。
なお、詳しくは後述するが、遊技用エリアの差玉情報は、領域外エリアの差玉情報から転送されるものである。このため、遊技用エリアのストップ機能差玉数パラメータ領域に記憶された差玉情報はRAMクリア範囲には含まれず直接的にはクリアされないものの、電断復帰時に領域外エリアの差玉情報がクリアされることにより、その後、遊技用エリアの差玉情報もクリア(=0)されることになる。
すなわち、正常に電断復帰したときには、遊技用エリアのストップ機能差玉数パラメータ領域に記憶された差玉情報も実質的にクリアされることになる。
同様に、詳しくは後述するが、遊技用エリアのゲームストップ機能フェーズの情報は、領域外エリアのゲームストップ機能フェーズから転送されるものである。このため、遊技用エリアのストップ機能状態パラメータ領域に記憶されたゲームストップ機能フェーズはRAMクリア範囲には含まれず直接的にはクリアされないものの、ゲームストップ機能作動予告フェーズ(=1)がセットされている場合に限り、領域外エリアのゲームストップ機能フェーズ領域がクリアされ、遊技用エリアのゲームストップ機能フェーズの情報もクリア(=0)されることになる。
すなわち、正常に電断復帰したときに、ゲームストップ機能作動予告フェーズ(=1)がセットされている場合に限り、遊技用エリアのストップ機能状態パラメータ領域に記憶されたゲームストップ機能フェーズの情報も実質的にクリアされることになる。
なお、本実施形態においては、図141に示すように、電断復帰時RAMクリア範囲先頭アドレスをその他各種データ領域の先頭に配置したが、ストップ機能差玉数パラメータ領域の先頭に配置して、電断復帰時にRAMクリアスイッチ176がOFFであり、正常に電断復帰したときには、電断復帰時に遊技用エリアの差玉情報が直接的にクリアされるように構成してもよい。
(遊技用エリアにおける遊技停止時RAMクリア範囲)
ゲームストップ機能により遊技停止状態になったときには、遊技停止時RAMクリア範囲先頭アドレスから遊技停止時RAMクリア範囲終了アドレスまでの範囲が、遊技用エリアの「遊技停止時RAMクリア範囲」として設定される。そして、遊技用エリアの遊技停止時RAMクリア範囲にあるデータがクリアされることになる。
本実施形態では、遊技用エリアの遊技停止時RAMクリア範囲は、遊技LED出力処理用データ領域の出力ポートバッファ、入力処理用データ領域の入力ポートバッファが含まれており、その他の作業領域は除かれている。
このため、ゲームストップ機能により遊技停止状態中であるときには、遊技LED出力処理用データ領域の出力ポートバッファがクリアされ、普通図柄表示部161、普通図柄用保留表示部162、第1特別図柄表示部163、第2特別図柄表示部164、第1特別図柄用保留表示部165、第2特別図柄用保留表示部166および時短報知用表示部168等の遊技LEDに点灯が行われないことになる(消灯のまま)。
さらに、ゲームストップ機能により遊技停止状態中であるときには、入力処理用データ領域の入力ポートバッファもクリアされるので、遊技球を検出するための第1始動口スイッチ5121、第2始動口スイッチ5141、通過ゲートスイッチ5127、第1大入賞口カウントスイッチ5132、第2大入賞口カウントスイッチ5152、遊技球回収スイッチ5179、一般入賞口スイッチ123等の各種遊技球スイッチも検出されなくなる。
なお、本実施形態においては、図141に示すように、遊技停止時RAMクリア範囲終了アドレスを割込み・タイマ領域の先頭に配置したが、入力処理用データ領域の先頭に配置して、ゲームストップ機能により遊技停止状態中であるときにも、入力処理用データ領域にあるデータがクリアされないように構成してもよい。ただし、このように構成する場合には、ゲームストップ機能による遊技停止状態中であるときには、後述するスイッチ入力検知処理を不実行とするように構成することが望ましい。
(領域外エリアのRAMクリア範囲のアドレス)
そして、メインRAM203の領域外エリアにおける作業領域にも、バックアップ準備用データ領域の先頭に「異常時RAMクリア範囲先頭アドレス」が配置され、ゲームストップ機能フェーズ領域の先頭に「クリアスイッチ作動時RAMクリア範囲先頭アドレス」が配置され、ゲームストップ機能カウンタ領域の先頭に「電断復帰時RAMクリア範囲先頭アドレス」が配置されている。
また、「異常時RAMクリア範囲先頭アドレス」、「クリアスイッチ作動時RAMクリア範囲先頭アドレス」、「電断復帰時RAMクリア範囲先頭アドレス」に対応するRAMクリア範囲最終アドレスとして、スタック領域の先頭に「第3終了アドレス」が配置されている。
(領域外エリアの異常時RAMクリア範囲)
異常時RAMクリア範囲先頭アドレスが設定されると(電断復帰時の起動状態が「RAM異常」であると)、異常時RAMクリア範囲先頭アドレスから第3終了アドレスまでの範囲が、領域外エリアの「異常時RAMクリア範囲」として設定される。そして、領域外エリアの異常時RAMクリア範囲にあるデータがクリアされることになる。
本実施形態では、領域外エリアの異常時RAMクリア範囲は、領域外エリアにおけるスタック領域を除いた作業領域を全て含み、領域外エリアにおけるスタック領域を除いた作業領域はすべてクリアされる。
(領域外エリアのクリアスイッチ作動時RAMクリア範囲)
クリアスイッチ作動時RAMクリア範囲先頭アドレスが設定されると(電断復帰時の起動状態が「RAMクリア」または「設定変更中」であると)、クリアスイッチ作動時RAMクリア範囲先頭アドレスから第3終了アドレスまでの範囲が、領域外エリアの「クリアスイッチ作動時RAMクリア範囲」として設定される。そして、領域外エリアのクリアスイッチ作動時RAMクリア範囲にあるデータがクリアされることになる。
本実施形態では、領域外エリアのクリアスイッチ作動時RAMクリア範囲は、バックアップ準備用データ領域、性能表示モニタデータ領域を除き、ゲームストップ機能フェーズ領域、ゲームストップ機能カウンタ領域、試射試験信号関連データ領域、その他各種データ領域が含まれている。
このため、バックアップ準備用データ領域、性能表示モニタデータ領域に記憶されたデータは保護され、性能表示モニタ170に表示させるデータを保持することができる。
特に、本実施形態においては、領域外エリアのクリアスイッチ作動時RAMクリア範囲には、ゲームストップ機能に関する領域として、ゲームストップ機能フェーズ領域、ゲームストップ機能カウンタ領域(差玉管理用カウンタ領域、差玉判定用カウンタ領域、差玉判定用カウンタバッファ領域、差玉通知情報領域、獲得遊技球数カウンタ領域)のゲームストップ機能に関する領域外エリアのすべての領域が含まれている。
このため、電断復帰時にRAMクリアスイッチ176がONであると(電断復帰時の起動状態がRAMクリアまたは設定変更中であると)、ゲームストップ機能に関する全ての情報がクリアされ、ゲームストップ機能に関する機能・状態がリセットされる。
(領域外エリアの電断復帰時RAMクリア範囲)
電断復帰時RAMクリア範囲先頭アドレスが設定されると(電断復帰時の起動状態が「電断復帰」または「設定確認中」であると)、電断復帰時RAMクリア範囲先頭アドレスから第3終了アドレスまでの範囲が、領域外エリアの「電断復帰時RAMクリア範囲」として設定される。そして、領域外エリアの電断復帰時RAMクリア範囲にあるデータがクリアされることになる。
本実施形態では、領域外エリアの電断復帰時RAMクリア範囲は、バックアップ準備用データ領域、性能表示モニタデータ領域及びゲームストップ機能フェーズ領域を除き、ゲームストップ機能カウンタ領域、試射試験信号関連データ領域、その他各種データ領域が含まれている。
このため、バックアップ準備用データ領域、性能表示モニタデータ領域及びゲームストップ機能フェーズ領域に記憶されたデータは保護され、性能表示モニタ170に表示させるデータ、ゲームストップ機能フェーズの状態も保持することができる。
特に、本実施形態においては、領域外エリアの電断復帰時RAMクリア範囲には、ゲームストップ機能に関する領域として、ゲームストップ機能フェーズ領域は除かれるものの、ゲームストップ機能カウンタ領域(差玉管理用カウンタ領域、差玉判定用カウンタ領域、差玉判定用カウンタバッファ領域、差玉通知情報領域、獲得遊技球数カウンタ領域)は含まれている。
このため、電断復帰時にRAMクリアスイッチ176がOFFであり、正常に電断復帰したときには、領域外エリアのゲームストップ機能フェーズの情報は保持されるものの、領域外エリアの差玉情報はクリアされることになる。
なお、詳しくは後述するが、領域外エリアのゲームストップ機能フェーズ領域にゲームストップ機能作動予告フェーズ(=1)がセットされている場合に限り、特殊な処理(図149のステップS5055、S5056等参照)によりゲームストップ機能フェーズがクリアされることになる。
[5-4.ゲームストップ機能に関するデータ内容]
次に、ゲームストップ機能に関するデータとして、上述したメインRAM203の遊技停止状態フラグ領域、ストップ機能完了コマンド送信フラグ領域、ストップ機能状態パラメータ領域、ストップ機能差玉数パラメータ領域、ゲームストップ機能フェーズ領域、差玉管理用カウンタ領域、差玉判定用カウンタ領域、差玉判定用カウンタバッファ領域、差玉通知情報領域及び獲得遊技球数カウンタ領域に記憶されているデータ内容について説明する。図142は、第5のパチンコ遊技機のゲームストップ機能に関するデータ内容を説明するための説明図の一例である。
図142に示すように、「遊技停止状態フラグ領域」は、1バイトの容量からなり、遊技可能状態とゲームストップ機能による遊技停止状態の情報が記憶される。具体的には、遊技停止状態フラグ領域=0であると「遊技可能状態」を示し、遊技停止状態フラグ領域=1であると「遊技停止状態」を示している。
「ストップ機能完了コマンド送信フラグ領域」は、1バイトの容量からなり、ゲームストップ機能に関するコマンド(ゲームストップ機能完了コマンド)の送信要求を示す情報が記憶される。具体的には、遊技停止状態フラグ領域=0であるとゲームストップ機能完了コマンドの「送信要求なし」を示し、遊技停止状態フラグ領域=1であるとゲームストップ機能完了コマンドの「送信要求あり」を示している。詳しくは後述するが、この送信要求ありは、ゲームストップ機能により遊技停止状態が設定されたときに、ゲームストップ機能完了コマンドを送信するために設定される情報である。
「ストップ機能状態パラメータ領域」は、1バイトの容量からなり、ゲームストップ機能に関する状態としてゲームストップ機能フェーズを示す情報が記憶される。「ゲームストップ機能フェーズ」は、ゲームストップ機能に関する状態を示す情報であり、遊技球の差玉数が境界値(例えば90000個)未満である「ゲームストップ機能通常状態フェーズ」と、遊技球の差玉数が境界値(例えば90000個)以上である「ゲームストップ機能作動予告フェーズ」と、遊技球の差玉数が規制値(例えば95000個)以上である「ゲームストップ機能作動待機フェーズ」と、遊技停止状態の停止条件成立状態である「ゲームストップ機能作動完了フェーズ」とに識別される。具体的には、ストップ機能状態パラメータ領域=0は「ゲームストップ機能通常状態フェーズ」を示し、ストップ機能状態パラメータ領域=1は「ゲームストップ機能作動予告フェーズ」を示している。また、ストップ機能状態パラメータ領域=2は「ゲームストップ機能作動待機フェーズ」を示し、ストップ機能状態パラメータ領域=3は「ゲームストップ機能作動完了フェーズ」を示している。
なお、本実施形態においては、規制値を95000個、規制値未満の境界値を90000個に設定しているが、規制値及び境界値の値は、適宜設計変更が自由である。
「ストップ機能差玉数パラメータ領域」は、1バイトの容量からなり、遊技球の差玉数の1000個単位の個数を示す第1差玉情報が記憶される。具体的には、ストップ機能差玉数パラメータ領域=0は、遊技球の差玉数が1000個未満である個数(0~999個)ことを示し、ストップ機能差玉数パラメータ領域=1は、遊技球の差玉数が1000個単位の個数(1000~1999個)であることを示している。また、ストップ機能差玉数パラメータ領域=96は、遊技球の差玉数が96000個単位の個数(96000~96999個)であることを示している。
「ゲームストップ機能フェーズ領域」は、1バイトの容量からなり、ストップ機能状態パラメータ領域と同様に、ゲームストップ機能フェーズを示す情報が記憶される。具体的には、ゲームストップ機能フェーズ領域=0は「ゲームストップ機能通常状態フェーズ」を示し、ゲームストップ機能フェーズ領域=1は「ゲームストップ機能作動予告フェーズ」を示している。また、ゲームストップ機能フェーズ領域=2は「ゲームストップ機能作動待機フェーズ」を示し、ゲームストップ機能フェーズ領域=3は「ゲームストップ機能作動完了フェーズ」を示している。詳しくは後述するが、領域外エリアのゲームストップ機能フェーズ領域に記憶されたゲームストップ機能フェーズの情報が、遊技用エリアのストップ機能状態パラメータ領域に転送(記憶)されることになる。
「差玉管理用カウンタ領域」は、2バイトの容量からなり、遊技球の差玉数の1000個未満の個数を示す第2差玉情報が記憶される。
「差玉判定用カウンタ領域」は、1バイトの容量からなり、ストップ機能差玉数パラメータ領域と同様に、遊技球の差玉数の1000個単位の個数を示す第1差玉情報が記憶される。
詳しくは後述するが、2バイトの「差玉管理用カウンタ領域」と1バイトの「差玉判定用カウンタ領域」とを、すべての差玉情報(第1差玉情報+第2差玉情報)を示す「3バイトカウンタ」としても用いており、下位2バイトが「差玉管理用カウンタ領域」の第2差玉情報に対応しており、上位1バイトが「差玉判定用カウンタ領域」の第1差玉情報に対応している。
「差玉判定用カウンタバッファ領域」は、1バイトの容量からなり、遊技球の差玉数の変化を確認するために、差玉判定用カウンタ領域に記憶された前回の第1差玉情報が記憶される。
「差玉通知情報領域」は、1バイトの容量からなり、遊技球の差玉数の変化が所定値以上であった場合に、差玉判定用カウンタ領域に記憶された第1差玉情報が記憶される。詳しくは後述するが、領域外エリアの差玉通知情報領域に記憶された第1差玉情報が、遊技用エリアのストップ機能差玉数パラメータ領域に転送(記憶)されることになる。
「獲得遊技球数カウンタ領域」は、1バイトの容量からなり、獲得遊技球数の情報が記憶される。「獲得遊技球数」は、遊技球の差玉数に加算する加算値であり、各種入賞口に遊技球が入球したときに払い出される遊技球数を遊技球の差玉数に加算するまで、一時的に記憶しておく情報である。
[5-5.基本仕様]
次に、図143及び図144を参照して、第5のパチンコ遊技機の基本仕様について説明する。なお、第5のパチンコ遊技機は設定機能付きのパチンコ遊技機であってもよいが、以下では、設定機能にかかわる記載は省略する。
また、第5のパチンコ遊技機は、1種2種混合機と称されるパチンコ遊技機であり、通常遊技状態または時短遊技状態において遊技を進行させることが可能となっており、確変制御が実行されないものの、確変制御も実行可能としてもよい。
[特別図柄の当り判定テーブル]
図143は、第5のパチンコ遊技機における特別図柄の当り判定テーブルの一例である。図143に示す特別図柄の当り判定テーブルは、「大当り」、「小当り」または「ハズレ」を判定するためのテーブルであり、主制御回路200のメインROM202に記憶されている。
図143に示す特別図柄の当り判定テーブルには、特別図柄の種別と、大当り判定用乱数値と、当落判定値データ(大当り判定値データ、小当り判定値データ、ハズレ判定値データ)とが対応付けて規定されている。なお、第1特別図柄および第2特別図柄ともに、大当り判定用乱数値の総乱数値は65536である。すなわち、上記の大当り判定用乱数値は0~65535の範囲(幅)で発生する。
図143に示す特別図柄の当り判定テーブルによれば、第1特別図柄の当り判定処理では、「大当り」または「ハズレ」は判定されるものの「小当り」は判定されず、第2特別図柄の当り判定処理では、「大当り」、「小当り」または「ハズレ」が判定されることになる。
本実施形態では、第1始動口5120に遊技球が入球した場合、メインCPU201は、第1特別図柄の当り判定処理に基づいて、第1特別図柄の当り判定処理の結果を、約1/319.7の選択率で「大当り」と判定し、それ以外は「ハズレ」と判定する。また、第2始動口5140に遊技球が入球した場合、メインCPU201は、第2特別図柄の当り判定処理に基づいて、第2特別図柄の当り判定処理の結果を、約1/319.7の選択率で「大当り」と判定し、約1/3.0の高い選択率で「小当り」と判定し、それ以外は「ハズレ」と判定する。
このように、本実施形態では、図143に示す特別図柄の当り判定テーブルでは、第1始動口5120に遊技球が入球するよりも、第2始動口5140に遊技球が入球した場合の方が「小当り」と判定されやすく構成されている。
また、第1特別図柄の当り判定処理が行われた場合に、「小当り」が判定されるように構成してもよいが、「小当り」が判定されるように構成した場合、第1特別図柄の当り判定処理で行われる判定よりも、第2特別図柄の当り判定処理で行われる判定の方が有利となるように、相対的に低い選択率で「小当り」を判定することが好ましい。
上述したように、第2始動口5140は、時短遊技状態において第2始動口5140への遊技球の入球が可能または容易となっており、通常遊技状態においては第2始動口5140への遊技球の入球が不可能または困難となっている。このため、時短遊技状態であるときには、遊技球が第2始動口5140に入球することにより、大当りを契機とした第1のルートに加え、小当りを契機とした第2のルートから、容易に大当り遊技状態に移行可能となっている。
なお、上述した「大当り」と判定される乱数値の範囲(幅)、「小当り」と判定される乱数値の範囲(幅)、「ハズレ」と判定される乱数値の範囲(幅)、すなわち各種の選択率は、上記値に限定されず、適宜設計変更が自由である。
また、本実施形態では、大当り遊技状態を契機とせずに時短遊技状態に移行する「時短当り」が判定されないが、第1特別図柄の当り判定処理または第2特別図柄の当り判定処理により「時短当り」が判定されてもよい。
さらに、設定値に応じて大当りの選択率や小当りの選択率を変えることに代えてまたは加えて、例えば、V入賞口5156の開放頻度や開放時間を設定値毎に変えてV入賞口5156への通過率を変えたり、時短継続回数を設定値毎に変えたりする等してもよい。すなわち、大当り確率、小当り確率、V入賞口5156の開放頻度(すなわち第2特電用シャッタ5154の作動頻度)や開放時間および時短継続回数等、遊技者にとっての有利度合いを変更しうる条件のうちの一つまたは二つ以上を採用することにより、大当り遊技状態に制御される期待値が低設定よりも高設定の方が高くなるように構成してもよい。
[特別図柄判定テーブル]
図144は、第5のパチンコ遊技機における特別図柄判定テーブルの一例である。図144に示す特別図柄判定テーブルは、「特別図柄の停止図柄」を決定するテーブルであり、主制御回路200のメインROM202に記憶されている。
「特別図柄の停止図柄」は、特別図柄の当り判定処理の結果が当りであった場合に、第1特別図柄表示部163または第2特別図柄表示部164に停止表示する特別図柄の種類を決定するための情報である。また、この特別図柄の停止図柄の情報は、特別図柄の変動表示の開始時に「特別図柄演出開始コマンド」の第3パラメータに含まれてサブ制御回路300に送信され、特別図柄演出開始コマンドの第3パラメータの情報に基づいて、表示装置7の表示領域に特別図柄の停止図柄に対応した装飾図柄が停止表示されることになる。
図144に示す特別図柄判定テーブルには、特別図柄の種類と、上述の当落判定値データと、第1始動口5120または第2始動口5140に遊技球が入球したときに取得される特別図柄の図柄乱数値とが、「特別図柄の停止図柄」に対応付けて規定されている。特別図柄の図柄乱数値は、例えば0~99(100種類)の中から抽出される。すなわち、上記の特別図柄の図柄乱数値は0~99の範囲(幅)で発生する。
図144に示す特別図柄判定テーブルによれば、メインCPU201は、第1特別図柄の当り判定処理の結果として大当り判定値データが得られた場合、特別図柄の図柄乱数値が0~59のいずれかであるときには、特別図柄の停止図柄として「z1」を決定し、特別図柄の図柄乱数値が60~79のいずれかであるときには、特別図柄の停止図柄として「z2」を決定し、特別図柄の図柄乱数値が80~99のいずれかであるときには、特別図柄の停止図柄として「z3」を決定する。
メインCPU201は、第2特別図柄の当り判定処理の結果として大当り判定値データが得られた場合、特別図柄の図柄乱数値がいずれの値であっても、メインCPU201は、特別図柄の停止図柄として「z4」を決定する。
また、メインCPU201は、第2特別図柄の当り判定処理の結果として小当り判定値データが得られた場合、特別図柄の図柄乱数値が0~79のいずれかであるときには、特別図柄の停止図柄として「z5」を決定し、特別図柄の図柄乱数値が80~84のいずれかであるときには、特別図柄の停止図柄として「z6」を決定し、特別図柄の図柄乱数値が85~99のいずれかであるときには、特別図柄の停止図柄として「z7」を決定する。
なお、「特別図柄の停止図柄」を決定する特別図柄の図柄乱数値の範囲、すなわち選択率は、上記値に限定されず、適宜設計変更が自由である。
また、第5のパチンコ遊技機では詳しい説明を省略するが、図144に示す特別図柄判定テーブルの備考欄に示すように、決定された特別図柄の停止図柄に基づいて、大当り遊技状態の開放態様、小当り遊技状態の開放態様、大当り遊技状態終了後に移行する遊技状態(移行先)が決定されることになる。
[5-6.主制御処理]
第5のパチンコ遊技機において、主制御回路200のメインCPU201により実行される各種処理(各種モジュール)について説明する。
なお、第5のパチンコ遊技機において行われる処理には、第4のパチンコ遊技機において行われる処理と同じ処理もあるが、以下では、第4のパチンコ遊技機において行われる処理と同じ処理も含めて、ステップ番号を代えて改めて説明する。
[主制御メイン処理]
図145及び図146を参照して、メインCPU201の制御によるメイン処理(主制御メイン処理)について説明する。なお、図145及び図146は、第5のパチンコ遊技機における主制御メイン処理の一例を示すフローチャートである。
まず、ステップS5001において、メインCPU201は、電断信号ビットが「0」であるか否かを判定する。メインCPU201は、電断信号ビットが「0」であると判定した場合には、電断を検知中であるとして、ステップS5001の判定処理を繰り返す。
ステップS5001において、メインCPU201が、電断信号ビットが「0」でないと判定した場合には、メインCPU201は、電断検知中でないとして、処理をステップS5002に移す。
ステップS5002において、メインCPU201は、遊技用エリアに係るスタックポインタの設定処理を行う。ここでは、例えば、スタックポインタに、スタックエリア(遊技用エリア)の最終アドレス+1をセットする。そして、以降の処理中、スタックが用いられる場合は、スタックポインタから1を減じた後、そのアドレスにレジスタの値等を格納し、以降同様に、スタックエリア(遊技用エリア)をアドレス値の大きいエリアから小さいエリアに順に使用していく。この処理を終了すると、メインCPU201は、処理をステップS5003に移す。
ステップS5003において、メインCPU201は、内蔵レジスタの初期設定処理を行う。ここでは、例えば、内蔵レジスタ初期設定データテーブルを参照して、内蔵レジスタの初期設定を行う。また、所定のレジスタ(例えばQレジスタ)には、メインRAM203の作業領域(遊技用エリア)の先頭アドレス(上位側)「F000H」がセットされる。この処理を終了すると、メインCPU201は、処理をステップS5004に移す。
ステップS5004において、メインCPU201は、所定のレジスタ(例えば、Eレジスタに)に起動時のRAMクリアスイッチ176の状態情報(オン/オフ状態)と、設定キー差込口に差し込まれる設定キー174の状態情報を格納して退避する。これにより、状態情報を後の起動状態チェック処理で確認できるようにしている。この処理を終了すると、メインCPU201は、処理をステップS5005に移す。
ステップS5005において、メインCPU201は、サブ制御回路300側の起動待ち処理として、ウェイト処理を行う。起動待ち時間(ウェイト期間)はおよそ12000msecである。また、この起動待ち時間において、メインCPU201は、割込み要求信号(XINT)の発生チェック処理、割込み要求信号発生時のWDTの出力処理、所定のタイミングでの磁気センサ初期化信号の出力処理を行う。この処理は、タイムアウトレジスタを用いて行われる。また、割込み禁止中も、例えば、タイマカウンタの更新を行うように制御し、タイマカウンタのタイムアウトが発生したか否かを、タイムアウトレジスタを用いて1命令で判定し、処理を分岐させることで、擬似的に、タイマ割込みが行われたか否かに応じて処理が分岐するような制御を行うことも可能である。この処理を終了すると、メインCPU201は、処理をステップS5006に移す。
ステップS5006において、メインCPU201は、RAMアクセスの設定処理を行う。この処理では、メインCPU201は、メインRAM203へのアクセス許可コマンドを、対応するレジスタに送信する。この処理を終了すると、メインCPU201は、処理をステップS5007に移す。
ステップS5007において、メインCPU201は、指定領域CRC検査処理を行う。この処理では、メインCPU201は、メインRAM203の遊技用エリアと領域外エリアに関するCRC算出を行って、CRC検査を行う。ここで、CRC検査で異常(エラー)と判断された場合には、所定のレジスタ(例えばBレジスタ)にバックアップ異常ありを示すフラグ「1」をセットし、CRC検査で正常と判断された場合には、所定のレジスタに(例えばBレジスタ)、異常なしを示すフラグ「0」をセットする。この処理を終了すると、メインCPU201は、処理をステップS5008に移す。
なお、CRC検査は、例えば、指定された領域のデータについて、予め定めておいた特定の値で割り、その余りを、異常があるか否かのチェック用の値として使用するものである。異なる時点でこのチェック用の値を算出し、それらが一致しない場合、当該指定された領域のデータに関して、変動があった(データの位置や値に異常があった)と判断することができる。
ステップS5008において、メインCPU201は、起動状態チェック処理を行う。この処理では、CRC検査の検査結果、RAMクリアスイッチ176のON・OFF、設定キー174のON・OFFの状態に基づいて、電断復帰時の起動状態を判定する。そして、電断復帰時の起動状態に基づいて、メインRAM203の遊技用エリアにおける「RAMクリア範囲先頭アドレス」を決定して、メインRAM203の遊技用エリアにおけるRAMクリア範囲を設定する。この処理を終了すると、メインCPU201は、処理をステップS5009に移す。
本実施形態では、起動状態チェック処理において、CRC検査で異常(エラー)と判断された場合には、起動状態を「RAM異常」と判定する。また、CRC検査で正常と判断された場合において、RAMクリアスイッチ176がON、かつ、設定キー174がOFFであるときには、起動状態を「RAMクリア」と判定し、RAMクリアスイッチ176がON、かつ、設定キー174がONであるときには、起動状態を「設定変更中」と判定する。さらに、CRC検査で正常と判断された場合において、RAMクリアスイッチ176がOFF、かつ、設定キー174がOFFであるときには、起動状態を「電断復帰」と判定し、RAMクリアスイッチ176がOFF、かつ、設定キー174はONであるときには、起動状態を「設定確認中」と判定する。このように、本実施形態では、電断復帰時の起動状態を「RAM異常」、「RAMクリア」、「設定変更中」、「電断復帰」、「設定確認中」に分類している。
そして、起動状態チェック処理において、電断復帰時の起動状態を判定すると、下記のように、メインRAM203の遊技用エリアにおける「RAMクリア範囲先頭アドレス」を決定する。
(電断復帰時の起動状態がRAM異常の場合)
起動状態チェック処理において、電断復帰時の起動状態が「RAM異常」であると判定すると、図141に示すように、遊技用エリアの「異常時RAMクリア範囲先頭アドレス」を決定し、決定したRAMクリア範囲先頭アドレスをペアレジスタにセットする。これにより、遊技用エリアのRAMクリア範囲として「異常時RAMクリア範囲」が設定されることになる。
(電断復帰時の起動状態がRAMクリアまたは設定変更中の場合)
起動状態チェック処理において、電断復帰時の起動状態が「RAMクリア」または「設定変更中」であると判定すると、図141に示すように、遊技用エリアの「クリアスイッチ作動時RAMクリア範囲先頭アドレス」を決定し、決定したRAMクリア範囲先頭アドレスをペアレジスタにセットする。これにより、遊技用エリアのRAMクリア範囲として「クリアスイッチ作動時RAMクリア範囲」が設定されることになる。
(電断復帰時の起動状態が電断復帰または設定確認中の場合)
起動状態チェック処理において、電断復帰時の起動状態が「電断復帰」または「設定確認中」であると判定すると、図141に示すように、遊技用エリアの「電断復帰時RAMクリア範囲先頭アドレス」を決定し、決定したRAMクリア範囲先頭アドレスをペアレジスタにセットする。これにより、遊技用エリアのRAMクリア範囲として「電断復帰時RAMクリア範囲」が設定されることになる。
このような起動状態チェック処理が終了すると、メインCPU201は、処理をステップS5009に移す。
ステップS5009において、メインCPU201は、指定範囲クリア処理を行う。この処理では、メインRAM203の遊技用エリアのRAMクリア範囲、メインRAM203の領域外エリアのRAMクリア範囲におけるデータのクリアが行われる。この指定範囲クリア処理の詳細については、詳しくは後述する。この処理を終了すると、メインCPU201は、処理をステップS5010に移す。
ステップS5010において、メインCPU201は、ペアレジスタにメインRAM203の領域外エリアに記憶されている電源投入時初期化用データテーブルのアドレスをセットし、このレジスタを参照して、電源投入時初期化用のデータを作業領域に格納する。この処理を終了すると、メインCPU201は、処理をステップS5011に移す。
ステップS5011において、メインCPU201は、ステップS5010でセットされた電源投入時初期化用データテーブルのアドレスを用いて、格納対象領域に電源投入時初期化用データテーブルのデータを格納するデータ格納処理を行う。このデータ格納処理は、第4のパチンコ遊技機において実行されるデータ格納処理(図121参照)と同様である。この処理を終了すると、メインCPU201は、処理をステップS5012に移す。
ステップS5012において、メインCPU201は、設定変更確認処理を行う。この処理では、メインCPU201は、設定キー174が設定キー差込口に差し込まれて「オン」の状態となっている場合に、設定更新や設定変更の処理を行う。この設定変更確認処理は、第4のパチンコ遊技機において実行される設定変更確認処理(図122、図123参照)と同様である。この処理を終了すると、メインCPU201は、処理をステップS5013に移す。
ステップS5013において、メインCPU201は、遊技復帰処理を行う。この遊技復帰処理では、メインCPU201は、まずRAMクリアスイッチ176が「オン」であるか「オフ」であるかの判定をする。メインCPU201は、RAMクリアスイッチ176が「オフ」であれば、電断復帰時であると判断して、遊技の復帰を行うために、電断復帰時のメインRAM203の初期設定を行った後、電断復帰コマンド管理データテーブルを参照して電断復帰コマンドを生成し、生成した電断復帰コマンドをサブ制御回路300に送信する。また、メインCPU201は、RAMクリアスイッチ176が「オン」であれば、RAMクリアであると判断して、遊技の復帰を行うために、バックアップクリア時のメインRAM203の初期設定を行った後、初期化コマンド管理データテーブルを参照して初期化コマンドを生成し、生成した初期化コマンドをサブ制御回路300に送信する。この処理を終了すると、メインCPU201は、処理をステップS5014に移す。
ここで、本実施形態の電断復帰コマンド管理データテーブルには、少なくともメインRAM203の遊技状態指定パラメータ領域、特別図柄制御状態番号領域及びストップ機能状態パラメータ領域に記憶された遊技状態、特別図柄の制御状態番号及びゲームストップ機能フェーズの情報が設定されている。このため、電断復帰コマンドには、電断前の遊技状態と特別図柄の制御状態番号とゲームストップ機能フェーズとの情報が含まれている。これにより、RAMクリアスイッチ176によりRAMクリアされなかった電断復帰時には、サブ制御回路300は、電断復帰コマンドを受信することにより、電断前の遊技状態と、特別図柄の制御状態(大当り状態等)と、ゲームストップ機能フェーズの情報とを把握することができる。
ステップS5014において、メインCPU201は、割込み禁止処理を行う。この処理によって、マスカブル割込みが禁止される。この処理では、メインCPU201は、割込み禁止命令を実行し、その結果、割込み許可レジスタ1の値は「0」となり、割込み許可レジスタ2の値も「0」となる。このように、割込み禁止命令が実行されると(割込み許可レジスタ1の値が「0」の間)、マスカブル割込みは禁止される。この処理を終了すると、メインCPU201は、処理をステップS5015に移す。
ステップS5015において、メインCPU201は、電断判定処理を行う。この電断判定処理では、メインCPU201は、電断が検知されたか否か(すなわち、XINTが検知されたか否か)を判定し、電断が検知された場合に電断設定処理を行う。電断設定処理では、メインCPU201は、電断検知フラグをメインRAM203の作業領域(領域外エリア)に格納し、メインRAM203の遊技用エリアと領域外エリアに関するCRC算出を行い、CRC算出結果(指定領域CRC値)を、ペアレジスタに格納する。その後、RAMアクセス禁止コマンドを所定のレジスタに送信することによって、メインRAM203へのアクセスを禁止して、電断まで待機することになる。この電断設定処理は、第4のパチンコ遊技機において実行される電断設定処理(図125、図126参照)と同様である。この処理を終了すると、メインCPU201は、処理をステップS5016に移す。
ステップS5016において、メインCPU201は、初期乱数値更新処理を行う。この処理では、メインCPU201は、特別図柄判定用初期値乱数の更新処理を行う。この処理を終了すると、メインCPU201は、処理をステップS5017に移す。
ステップS5017において、メインCPU201は、性能表示モニタ集計除算処理を行う。この処理は、領域外エリア処理呼出命令でコールされることにより、メインROM202の領域外エリアのプログラムの処理を行い、メインRAM203の領域外エリアを利用する。メインCPU201は、各種ベース値を算出・更新し、各処理は、メインRAM203の領域外エリアを使用して行われる。この性能表示モニタ集計除算処理は、第4のパチンコ遊技機において実行される性能表示モニタ集計除算処理(図127、図128参照)と同様である。この処理を終了すると、メインCPU201は、処理をステップS5018に移す。
ステップS5018において、メインCPU201は、ゲームストップ機能遊技停止中処理を行う。この処理では、ゲームストップ機能により遊技停止状態であるときに行われる処理である。このゲームストップ機能遊技停止中処理の詳細については、詳しくは後述する。この処理を終了すると、メインCPU201は、処理をステップS5019に移す。
ステップS5019において、メインCPU201は、割込み許可処理を行う。この処理によって、マスカブル割込みが許可される。ここで、割込み許可レジスタ1の値と割込み許可レジスタ2の値が共に「1」にセットされる。この処理を終了すると、メインCPU201は、処理をステップS5020に移す。
ステップS5020において、メインCPU201は、システム周期時間(6msec:割込み周期(2mses)の3倍)が経過したか否かを判定する。具体的には、メインCPU201は、メインRAM203の作業領域における遊技用エリアの割込み・タイマ領域内の割込みカウンタに格納された値(現在の割込みカウンタの計数値)から3減算した値が「0」であるか否かを判定する。なお、割込みカウンタの値は、後述するシステムタイマ割込み処理(図165参照)において毎に1加算され、システム周期時間経過時には「3」となる。それゆえ、割込みカウンタの値から3減算した値が「0」である場合には、ステップS5020の判定は「YES」となり、割込みカウンタの値から3減算した値が「0」でない場合、ステップS5020の判定は「NO」となる。
ステップS5020において、メインCPU201が、システム周期時間が経過していないと判定した場合には、処理をステップS5014の処理に戻し、システム周期時間が経過したと判定した場合には、処理をステップS5021に移す。
上述のように、本実施形態では、主制御メイン処理内において、後述する遊技制御に関する各種処理の実行前に、6msecの割込み禁止区間(ステップS5014~ステップS5019の処理区間)が設けられる。それゆえ、本実施形態では、後述する遊技制御に関する各種処理は、6msec毎(システム周期毎)に実行されることになる。なお、本実施形態では、割込み禁止区間を割込み周期の3倍とする例を説明したが、本発明はこれに限定されず、例えば、割込み禁止区間を割込み周期の2倍以上で且つ3倍以外の値にしてもよい。
ステップS5021において、メインCPU201は、メインRAM203の遊技用エリアにおける遊技停止状態フラグ領域を参照し、遊技停止状態(遊技停止状態フラグ領域=1)であるか否かを判定する。メインCPU201は、遊技停止状態であると判定した場合には、処理をステップS5028に移し、遊技停止状態でないと判定した場合には、処理をステップS5022に移す。
ステップS5022において、メインCPU201は、タイマカウンタ更新処理を行う。この処理では、特別図柄待ち時間カウンタ、普通図柄待ち時間カウンタ等の各種タイマカウンタが減算更新(計時)を行う。この処理を終了すると、メインCPU201は、処理をステップS5023に移す。
ステップS5023において、メインCPU201は、特別図柄制御処理を行う。この処理では、メインCPU201は、特別図柄ゲームの制御処理を行う。この特別図柄制御処理の詳細については、詳しくは後述する。この処理を終了すると、メインCPU201は、処理をステップS5024に移す。
ステップS5024において、メインCPU201は、普通図柄制御処理を行う。この処理では、メインCPU201は、普通図柄ゲームの制御処理を行う。この普通図柄制御処理の詳細については、詳しくは後述する。この処理を終了すると、メインCPU201は、処理をステップS5025に移す。
ステップS5025において、メインCPU201は、遊技動作表示ユニット制御処理を行う。この処理では、メインCPU201は、普通図柄表示部161、普通図柄用保留表示部162、第1特別図柄表示部163、第2特別図柄表示部164、第1特別図柄用保留表示部165、第2特別図柄用保留表示部166および時短報知用表示部168等の遊技LEDを点灯・消灯させるための表示データの設定処理を行う。この処理を終了すると、メインCPU201は、処理をステップS5026に移す。
ステップS5026において、メインCPU201は、遊技情報データ生成処理を行う。この処理では、メインCPU201は、メインRAM203の外部端子板信号制御データ領域(当り信号管理データ領域、アウト球数管理カウンタ領域、セキュリティ信号要求フラグ領域)に記憶された情報に基づいて、大当り信号、小当り信号、アウト信号、セキュリティ信号等のホールコンピュータ186(出力ポート)に出力するための外部信号を生成し、生成した外部信号を外部端子板184に出力するための出力データの設定処理を行う。なお、後述するように、ゲームストップ機能による遊技停止状態であることを示す「特定のセキュリティ信号」に限り、上記ゲームストップ機能遊技停止中処理において設定されることになる(図150のステップS5067参照)。この処理を終了すると、メインCPU201は、処理をステップS5027に移す。
ステップS5027において、メインCPU201は、試射試験信号生成処理を行う。この処理は、領域外エリア処理呼出命令でコールされることにより、メインROM202の領域外エリアのプログラムの処理を行い、メインRAM203の領域外エリアを利用する。この処理では、メインCPU201は、遊技機の検定試験(試射試験)で遊技状態の確認ができるように、普通電動役物作動中信号、特別電動役物作動中信号、特別図柄変動中信号、普通図柄変動中信号、ゲームストップ機能作動前信号等の遊技状態の試射試験信号を生成し、生成した試射試験信号を試射試験専用の出力ポートから出力するための出力データの設定処理を行う。この処理を終了すると、メインCPU201は、処理をステップS5028に移す。
特に、本実施形態においては、この試射試験信号生成処理においては、メインRAM203の領域外エリアのゲームストップ機能フェーズ領域を参照し、ゲームストップ機能フェーズ領域に記憶されているデータがゲームストップ機能作動予告フェーズ(=1)またはゲームストップ機能作動待機フェーズ(=2)のいずれかであると、ゲームストップ機能作動前信号を生成して、ゲームストップ機能作動前信号を試射試験専用の出力ポートから出力することになる。
なお、ゲームストップ機能により遊技停止状態になると(ステップS5021のYES)、試射試験信号の生成・出力はされないことになる(遊技停止状態中は、試射試験信号はノンケアとなる)。
ステップS5028において、メインCPU201は、主制御コマンド送受信処理(賞球制御)を行う。この処理では、メインCPU201は、払出・発射制御回路400とデータの送受信を行い、遊技球の払い出しの指示、遊技球の払い出しに関する異常等の確認を行う。この主制御コマンド送受信処理の詳細については、詳しくは後述する。この処理を終了すると、メインCPU201は、処理をステップS5029に移す。
ステップS5029において、メインCPU201は、ポート出力処理を行う。この処理では、メインCPU201は、出力ポートへの出力データのセット(転送)処理を行う。また、WDTをクリアし、WDTのリスタート処理を行う。この処理を終了すると、メインCPU201は、処理をステップS5030に移す。
ステップS5030において、メインCPU201は、状態監視処理を行う。この処理では、メインCPU201は、発射位置異常、遊技異常、払出異常の判定を行い、異常があれば、その異常に対応したコマンドの送信予約処理を行う。この状態監視処理の詳細については、詳しくは後述する。
そして、ステップS5030の処理後、メインCPU201は、処理をステップS5014の処理に戻し、ステップS5014以降の処理を行う。
上述のように、本実施形態の主制御メイン処理では、ゲームストップ機能により遊技停止状態になると(ステップS5021のYES)、タイマカウンタ更新処理(ステップS5022)、特別図柄制御処理(ステップS5023)、普通図柄制御処理(ステップS5024)、遊技動作表示ユニット制御処理(ステップS5025)、遊技情報データ生成処理(ステップS5026)、試射試験信号生成処理(ステップS5026)の実行が停止されることになる。
特に、ゲームストップ機能により遊技停止状態になると、特別図柄制御処理及び普通図柄制御処理の実行が停止されるので、遊技の進行を停止させることができる。
さらに、ゲームストップ機能により遊技停止状態になると、遊技動作表示ユニット制御処理の実行が停止され、普通図柄表示部161、普通図柄用保留表示部162、第1特別図柄表示部163、第2特別図柄表示部164、第1特別図柄用保留表示部165、第2特別図柄用保留表示部166および時短報知用表示部168等の遊技LEDが消灯することになるので、遊技者に混乱を与えずに、遊技が停止していることを認識させることができる。
また、ゲームストップ機能により遊技停止状態になると、試射試験信号生成処理の実行が停止されるので、制御負担の軽減を図ることができる。
一方で、本実施形態の主制御メイン処理では、ゲームストップ機能により遊技停止状態になっても(ステップS5021のYES)、性能表示モニタ集計除算処理(ステップS5017)、ゲームストップ機能遊技停止中処理(ステップS5018)、主制御コマンド送受信処理(ステップS5028)、ポート出力処理(ステップS5029)、状態監視処理(ステップS5030)の実行は継続されることになる。
このため、ゲームストップ機能により遊技停止状態になっても、性能表示モニタ集計除算処理の実行は継続されるので、遊技店側では、遊技球の差玉数が規制値を超えてゲームストップ機能により遊技停止状態になったときの出玉率等の詳細を把握することができる。
また、ゲームストップ機能により遊技停止状態になっても、主制御コマンド送受信処理の実行は継続されるので、遊技停止状態前に獲得した遊技球を、遊技停止状態後にも払い出すことができ、遊技球の払い出しの遅延にも対応することができる。
また、ゲームストップ機能により遊技停止状態になっても、状態監視処理の実行は継続されるので、遊技停止状態中に遅延して遊技球の払い出しが行われているときに払出異常があった場合には、その払出異常を報知することができる。
また、上述のように、本実施形態では、主制御メイン処理内において、遊技制御に関する各種処理(ステップS5020以降の処理)の実行前に、6msecの割込み禁止区間(ステップS5014~ステップS5019の処理区間)を設け、割込み禁止区間内で電断処理(ステップS5015)、初期値乱数更新処理(ステップS5016)、性能表示モニタ集計除算処理(ステップS5017)、ゲームストップ機能遊技停止中処理(ステップS5018)が行われる。すなわち、本実施形態では、性能表示モニタ集計除算処理及びゲームストップ機能遊技停止中処理を割込み禁止区間で行う。それゆえ、このような割込み禁止区間を設けることにより、遊技の管理が簡便になり、主制御回路200で行われる処理をより効率よく実行することができ、主制御回路200の処理負荷を軽減することができる。
[指定範囲クリア処理]
次に、図147を参照して、主制御メイン処理で実行される指定範囲クリア処理(図145のステップS5009)について説明する。図147は、第5のパチンコ遊技機における指定範囲クリア処理の一例を示すフローチャートである。
まず、ステップS5031において、メインCPU201は、電源復旧時のRAMクリアスイッチ4176の状態情報、及び設定キー4174aの状態情報といった情報をスタックに退避する。これらの状態情報は、例えば、汎用レジスタのデータをスタックに退避することで実現される。この処理を終了すると、メインCPU201は、処理をステップS5032に移す。
ステップS5032において、メインCPU201は、起動状態チェック処理(ステップS5008)によりRAMクリア範囲先頭アドレスがセットされているペアレジスタの値をメインRAM203の遊技用エリアに格納することにより、RAMクリア範囲判定データをセットする。この処理を終了すると、メインCPU201は、処理をステップS5033に移す。
ステップS5033において、メインCPU201は、領域外指定領域クリア処理を行う。この処理は、領域外エリア処理呼出命令でコールされることにより、メインROM202の領域外エリアのプログラムの処理を行い、メインRAM203の領域外エリアを利用する。この領域外指定領域クリア処理では、上記ステップS5032でセットされたRAMクリア範囲判定データに基づいて、メインRAM203の領域外エリアの指定範囲をクリアする。この領域外指定領域クリア処理の詳細については、詳しくは後述する。この処理を終了すると、メインCPU201は、処理をステップS5034に移す。
ステップS5034において、メインCPU201は、遊技用エリアの処理に戻り、遊技用エリアのRAMクリア範囲のサイズを算出する。この処理では、遊技用エリアのRAMクリア範囲先頭アドレスを参照して、RAMクリア範囲最終アドレスをセットし、RAMクリア範囲先頭アドレスとRAMクリア範囲最終アドレスとから、遊技用エリアのRAMクリア範囲のサイズを算出する。この処理を終了すると、メインCPU201は、処理をステップS5035に移す。
本実施形態では、図141に示したように、遊技用エリアのRAMクリア範囲先頭アドレスが「異常時RAMクリア範囲先頭アドレス」であるときには、RAMクリア範囲最終アドレスとして、スタック領域の最後の「第1終了アドレス」をセットして、遊技用エリアの「異常時RAMクリア範囲」のサイズを算出する。また、遊技用エリアのRAMクリア範囲先頭アドレスが「クリアスイッチ作動時RAMクリア範囲先頭アドレス」であるときには、RAMクリア範囲最終アドレスとして、スタック領域の最後の「第1終了アドレス」をセットして、遊技用エリアの「クリアスイッチ作動時RAMクリア範囲」のサイズを算出する。遊技用エリアのRAMクリア範囲先頭アドレスが「電断復帰時RAMクリア範囲先頭アドレス」であるときには、RAMクリア範囲最終アドレスとして、スタック領域の先頭の「第2終了アドレス」をセットして、遊技用エリアの「電断復帰時RAMクリア範囲」のサイズを算出する。
ステップS5035において、メインCPU201は、メインRAM203の遊技用エリアに対してRAMクリア範囲のクリアを実行する。この処理では、クリア対象となるRAMクリア範囲先頭アドレスと、ステップS5034で算出されたクリア範囲のサイズを指定すると、メインRAM203の遊技用エリアに対し、その範囲のデータがすべてクリア(=0)にされる。この処理を終了すると、メインCPU201は、処理をステップS5036に移す。
このように、起動状態チェック処理(ステップS5008)により電断復帰時の起動状態が「RAM異常」であると判定されると、遊技用エリアの「異常時RAMクリア範囲」がクリアされることになる。また、起動状態チェック処理により電断復帰時の起動状態が「RAMクリア」または「設定変更中」であると判定されると、遊技用エリアの「クリアスイッチ作動時RAMクリア範囲」がクリアされることになる。また、起動状態チェック処理により電断復帰時の起動状態が「電断復帰」または「設定確認中」であると判定されると、遊技用エリアの「電断復帰時RAMクリア範囲」がクリアされることになる。
そして、電断復帰時の起動状態が「RAM異常」であると、図141に示すように、遊技用エリアにおけるすべての使用領域をクリアすることができる。
また、電断復帰時の起動状態が「RAMクリア」または「設定変更中」であると、図141に示すように、遊技用エリアにおけるゲームストップ機能に関する全ての情報をクリアして、ゲームストップ機能に関する機能・状態をリセットすることができる。
また、電断復帰時の起動状態が「電断復帰」または「設定確認中」であると、図141に示すように、遊技用エリアにおけるゲームストップ機能に関して、ゲームストップ機能の遊技停止状態、ゲームストップ機能のコマンドの送信要求、遊技用エリアのゲームストップ機能フェーズの情報、遊技用エリアの差玉情報を保持することになる。
ステップS5036において、メインCPU201は、電源復旧時のRAMクリアスイッチ4176の状態情報、及び設定キー4174aの状態情報をスタックから復帰させる。これらの状態情報は、汎用レジスタに格納されることで実現される。この処理を終了すると、メインCPU201は、今回の指定範囲クリア処理を終了し、処理をステップS5010に移す。
[領域外指定領域クリア処理]
次に、図148及び図149を参照して、指定範囲クリア処理で実行される領域外指定領域クリア処理(図147のステップS5033)について説明する。図148及び図149は、第5のパチンコ遊技機における領域外指定領域クリア処理の一例を示すフローチャートである。
領域外指定領域クリア処理は、上述したように、領域外エリア処理呼出命令により呼び出される処理となっており、この処理を実行するためのプログラムは、メインROM202の領域外エリアに記憶されているプログラムであり、メインRAM203の領域外エリアを利用する。
まず、ステップS5041において、メインCPU201は、メインRAM203の遊技用エリアに格納されているRAMクリア範囲判定データを取得する。このRAMクリア範囲判定データは、図147のステップS5032において、メインCPU201により格納されたデータである。この処理を終了すると、メインCPU201は、処理をステップS5042に移す。
ステップS5042において、メインCPU201は、取得したRAMクリア範囲判定データを汎用レジスタから退避する。この処理を終了すると、メインCPU201は、処理をステップS5043に移す。
ステップS5043において、メインCPU201は、ステップS5041で取得したRAMクリア範囲判定データと比較するために、メインRAM203の領域外エリアにおける異常時RAMクリア範囲先頭アドレスをペアレジスタにセットする。この処理を終了すると、メインCPU201は、処理をステップS5044に移す。
ステップS5044において、メインCPU201は、ペアレジスタにセットされた異常時RAMクリア範囲先頭アドレスと、RAMクリア範囲判定データとを比較し、RAMクリア範囲判定データが異常時RAMクリア範囲先頭アドレスと一致するか否か、すなわち、異常時RAMクリア範囲であるか否かを判定する。メインCPU201は、異常時RAMクリア範囲である(一致する)と判定すると、処理をステップS5048に移し、異常時RAMクリア範囲でない(一致しない)と判定すると、処理をステップS5045に移す。
ステップS5045において、メインCPU201は、ステップS5041で取得したRAMクリア範囲判定データと次に比較するために、メインRAM203の領域外エリアにおけるクリアスイッチ作動時RAMクリア範囲先頭アドレスをペアレジスタにセットする。この処理を終了すると、メインCPU201は、処理をステップS5046に移す。
ステップS5046において、メインCPU201は、ペアレジスタにセットされたクリアスイッチ作動時RAMクリア範囲先頭アドレスと、RAMクリア範囲判定データとを比較し、RAMクリア範囲判定データがクリアスイッチ作動時RAMクリア範囲先頭アドレスと一致するか否か、すなわち、クリアスイッチ作動時RAMクリア範囲であるか否かを判定する。メインCPU201は、クリアスイッチ作動時RAMクリア範囲である(一致する)と判定すると、処理をステップS5048に移し、クリアスイッチ作動時RAMクリア範囲でない(一致しない)と判定すると、処理をステップS5047に移す。
ステップS5047において、メインCPU201は、RAMクリア範囲判定データが異常時RAMクリア範囲でもクリアスイッチ作動時RAMクリア範囲でもないことから、メインRAM203の領域外エリアにおける電断復帰時RAMクリア範囲先頭アドレスをペアレジスタにセットする。この処理を終了すると、メインCPU201は、処理をステップS5048に移す。
ステップS5048では、メインCPU201は、領域外エリアのRAMクリア範囲のサイズを算出する。この処理では、領域外エリアのRAMクリア範囲先頭アドレスを参照して、RAMクリア範囲最終アドレスをセットし、RAMクリア範囲先頭アドレスとRAMクリア範囲最終アドレスとから、領域外エリアのRAMクリア範囲のサイズを算出する。この処理を終了すると、メインCPU201は、処理をステップS5049に移す。
本実施形態では、図141に示したように、領域外エリアのRAMクリア範囲先頭アドレスが「異常時RAMクリア範囲先頭アドレス」であるときには、RAMクリア範囲最終アドレスとして、スタック領域の先頭の「第3終了アドレス」をセットして、領域外エリアの「異常時RAMクリア範囲」のサイズを算出する。また、遊技用エリアのRAMクリア範囲先頭アドレスが「クリアスイッチ作動時RAMクリア範囲先頭アドレス」であるときには、RAMクリア範囲最終アドレスとして、スタック領域の先頭の「第3終了アドレス」をセットして、領域外エリアの「クリアスイッチ作動時RAMクリア範囲」のサイズを算出する。遊技用エリアのRAMクリア範囲先頭アドレスが「電断復帰時RAMクリア範囲先頭アドレス」であるときには、RAMクリア範囲最終アドレスとして、スタック領域の先頭の「第3終了アドレス」をセットして、領域外エリアの「電断復帰時RAMクリア範囲」のサイズを算出する。
ステップS5049において、メインCPU201は、メインRAM203の領域外エリアに対してRAMクリア範囲のクリアを実行する。この処理では、ペアレジスタに記憶されているクリア対象のRAMクリア範囲先頭アドレスと、ステップS5048で算出されたクリア範囲のサイズを指定すると、メインRAM203の領域外エリアに対し、その範囲のデータがすべてクリア(=0)にされる。この処理を終了すると、メインCPU201は、処理をステップS5050に移す。
このように、起動状態チェック処理(ステップS5008)により電断復帰時の起動状態が「RAM異常」であると判定されると、領域外エリアの「異常時RAMクリア範囲」がクリアされることになる。また、起動状態チェック処理により電断復帰時の起動状態が「RAMクリア」または「設定変更中」であると判定されると、領域外エリアの「クリアスイッチ作動時RAMクリア範囲」がクリアされることになる。また、起動状態チェック処理により電断復帰時の起動状態が「電断復帰」または「設定確認中」であると判定されると、領域外エリアの「電断復帰時RAMクリア範囲」がクリアされることになる。
ステップS5050において、メインCPU201は、ステップS5041で退避させていたRAMクリア範囲判定データを汎用レジスタに格納して復帰させる。この処理を終了すると、メインCPU201は、処理をステップS5051に移す。
次に、ステップS5051において、メインCPU201は、異常時RAMクリア範囲先頭アドレスとRAMクリア範囲判定データとを比較し、RAMクリア範囲判定データが異常時RAMクリア範囲先頭アドレスと一致するか否か、すなわち、異常時RAMクリア範囲であるか否かを判定する。メインCPU201は、異常時RAMクリア範囲である(一致する)と判定すると、処理をステップS5052に移し、異常時RAMクリア範囲でない(一致しない)と判定すると、処理をステップS5053に移す。
ステップS5052において、メインCPU201は、性能表示モニタ制御イニシャルテーブルの設定処理を行う。この処理は、メインROM202に記憶されている性能表示モニタ制御イニシャルテーブルのアドレスをペアレジスタにセットし、性能表示モニタ制御イニシャルテーブルのアドレスがセットされたペアレジスタを参照して、性能表示モニタの制御に係る初期値をメインRAM203の領域外エリアの作業領域に格納する処理である。性能表示モニタの制御に係る初期値には、例えば、LEDの点滅切替タイミングや点滅繰返し回数等が含まれる。この処理を終了すると、メインCPU201は、処理をステップS5053に移す。
ステップS5053において、メインCPU201は、電源投入時初期化用データテーブルの設定処理を行う。この処理は、メインROM202に記憶されている電源投入時初期化用データテーブルのアドレスをペアレジスタにセットし、電源投入時初期化用データテーブルのアドレスがセットされたペアレジスタを参照して、電源投入時初期化用のデータをメインRAM203の領域外エリアの作業領域に格納する処理である。電源投入時初期化用のデータには、例えば、LEDの点滅切替タイミングと点滅繰返し回数の乗算結果等が含まれる。この処理を終了すると、メインCPU201は、処理をステップS5054に移す。
ステップS5054において、メインCPU201は、メインRAM203の領域外エリアにおけるゲームストップ機能フェーズ領域に記憶されたデータをペアレジスタにセットする。この処理を終了すると、メインCPU201は、処理をステップS5054に移す。
ステップS5055において、メインCPU201は、ペアレジスタにセットされたゲームストップ機能フェーズのデータが「ゲームストップ機能作動予告フェーズ(=1)」に対応するデータであるか否か、すなわち、ゲームストップ機能作動予告フェーズであるか否かを判定する。メインCPU201は、ゲームストップ機能作動予告フェーズであると判定すると、処理をステップS5056に移し、ゲームストップ機能作動予告フェーズでないと判定すると、領域外指定領域クリア処理を終了する。
ステップS5056において、メインCPU201は、メインRAM203の領域外エリアにおけるゲームストップ機能フェーズ領域を初期化する。すなわち、領域外エリアのゲームストップ機能フェーズ領域に0をセットする。この処理を終了すると、メインCPU201は、領域外指定領域クリア処理を終了する。
領域外指定領域クリア処理を終了すると、メインCPU201は、遊技用エリア処理復帰命令により、処理が領域外エリアに係る処理から、遊技用エリアに係る処理に切り替えられる。
このように、領域外指定領域クリア処理では、起動状態チェック処理(ステップS5008)で決定されたメインRAM203の遊技用エリアに係るクリア範囲を用いて、メインRAM203の領域外エリアに係るクリア範囲を決定しているため、メインRAM203のクリア処理が効率的かつ簡潔な構成で実行されることになる。
そして、本実施形態の領域外指定領域クリア処理においては、電断復帰時の起動状態が「RAM異常」であると、図141に示すように領域外エリアの「異常時RAMクリア範囲」をクリアするので、領域外エリアにおけるすべての作業領域をクリアすることができる。
また、電断復帰時の起動状態が「RAMクリア」または「設定変更中」であると、図141に示すように領域外エリアの「クリアスイッチ作動時RAMクリア範囲」をクリアするので、領域外エリアにおけるゲームストップ機能に関する全ての情報をクリアして、ゲームストップ機能に関する機能・状態をリセットすることができる。
また、電断復帰時の起動状態が「電断復帰」または「設定確認中」であると、図141に示すように領域外エリアの「電断復帰時RAMクリア範囲」をクリアするので、領域外エリアにおけるゲームストップ機能に関して、領域外エリアのゲームストップ機能フェーズの情報を保持したまま、領域外エリアの差玉情報をクリアすることができる。
さらに、本実施形態の領域外指定領域クリア処理においては、ステップS5054~ステップS5056の処理により、電断復帰時には、電断復帰時の起動状態に関わらず、ゲームストップ機能フェーズがゲームストップ機能作動予告フェーズ(=1)であるときには、領域外エリアのゲームストップ機能フェーズを初期化している。なお、ゲームストップ機能通常状態フェーズ(=0)は、そもそも初期値データ(=0)であることから、初期化処理を省略している。このため、電断復帰時には、電断復帰時の起動状態に関わらず、ゲームストップ機能フェーズが1以下である場合には、ゲームストップ機能フェーズを初期化状態から開始することができる。
一方、ゲームストップ機能フェーズがゲームストップ機能作動待機フェーズ(=2)またはゲームストップ機能作動完了フェーズ(=3)である場合には、電断復帰時の起動状態がRAM異常、RAMクリアまたは設定変更中でない限りは、そのゲームストップ機能フェーズが保持されることになる。
[ゲームストップ機能遊技停止中処理]
次に、図150を参照して、主制御メイン処理で実行されるゲームストップ機能遊技停止中処理(図146のステップS5018)について説明する。図150は、第5のパチンコ遊技機におけるゲームストップ機能遊技停止中処理の一例を示すフローチャートである。
まず、ステップS5061において、メインCPU201は、メインRAM203の遊技用エリアにおける遊技停止状態フラグ領域を参照し、遊技停止状態(遊技停止状態フラグ領域=1)であるか否かを判定する。メインCPU201は、遊技停止状態であると判定した場合には、処理をステップS5062に移し、遊技停止状態でないと判定した場合には、今回のゲームストップ機能遊技停止中処理を終了し、処理をステップS5019(図146参照)に移す。
ステップS5062において、メインCPU201は、メインRAM203の遊技用エリアにおけるストップ機能完了コマンド送信フラグ領域を参照し、ゲームストップ機能完了コマンドの送信要求(ストップ機能完了コマンド送信フラグ領域=1)があるか否かを判定する。メインCPU201は、ゲームストップ機能完了コマンドの送信要求があると判定した場合には、処理をステップS5063に移し、ゲームストップ機能完了コマンドの送信要求がないと判定した場合には、処理をステップS5065に移す。
ステップS5063において、メインCPU201は、「ゲームストップ機能完了コマンド」をセットする。この処理では、ゲームストップ機能完了コマンドテーブルを参照し、ゲームストップ機能完了コマンドの識別データ(例えば、D4H)と、メインRAM203の遊技用エリアにおけるストップ機能状態パラメータ領域、ストップ機能差玉数パラメータ領域に記憶された情報から、ゲームストップ機能完了コマンドを生成することになる。すなわち、ゲームストップ機能完了コマンドは、識別データとゲームストップ機能フェーズの情報と第1差玉情報の情報とから構成されていることになる。なお、ゲームストップ機能完了コマンドは、第1差玉情報の情報を含めずに、識別データとゲームストップ機能フェーズの情報のみから構成してもよい。このゲームストップ機能完了コマンドの構成については、詳しくは後述する。この処理を終了すると、メインCPU201は、処理をステップS5064に移す。
ステップS5064において、メインCPU201は、ゲームストップ機能完了コマンドをサブ制御回路300に送信する演出制御コマンド送信処理を行う。この処理では、上記ステップS5063で生成されたゲームストップ機能完了コマンドを送信バッファにセットする。この処理を終了すると、メインCPU201は、処理をステップS5065に移す。
ステップS5065において、メインCPU201は、複数の出力ポートバッファのうち、特定の出力ポートバッファを除いた出力ポートバッファを初期化(クリア)する。例えば、ここでクリアされる出力ポートバッファは、大当り信号、図柄確定信号等のゲーム実行中の状態を示す外部信号を出力するための出力ポートバッファである。なお、特定の出力ポートバッファを除いたのは、ステップS5067で後述するように特定の出力ポートバッファで、ゲームストップ機能による遊技停止状態であることを示す「特定のセキュリティ信号」をセットするためである。この処理を終了すると、メインCPU201は、処理をステップS5066に移す。
ステップS5066において、メインCPU201は、メインRAM203の遊技用エリアにおけるストップ機能完了コマンド送信フラグ領域を初期化(=0)して、ゲームストップ機能完了コマンドの送信要求をクリアする。この処理を終了すると、メインCPU201は、処理をステップS5067に移す。
ステップS5067において、メインCPU201は、特定の出力ポートバッファに外部信号として「特定のセキュリティ信号」をセットする。この処理を終了すると、メインCPU201は、処理をステップS5068に移す。
このように、本実施形態のゲームストップ機能遊技停止中処理においては、ゲームストップ機能により遊技停止状態中であるときには、外部信号としての特定のセキュリティ信号が特定の出力ポートからホールコンピュータ186に出力されるので、遊技店側では1台1台遊技機の稼働状況を目視によりチェックしなくても、遊技機がゲームストップ機能により遊技停止状態となっていることを把握することができる。
ステップS5068において、メインCPU201は、ゲームストップ機能初期化処理を行う。このゲームストップ機能初期化処理では、特別図柄や普通図柄に関する表示部(LED)の出力データのクリア、遊技球を検出する各種スイッチの入力データのクリアが行われる。この処理を終了すると、メインCPU201は、今回のゲームストップ機能遊技停止中処理を終了し、処理をステップS5019(図146参照)に移す。
[ゲームストップ機能初期化処理]
次に、図151を参照して、ゲームストップ機能遊技停止中処理で実行されるゲームストップ機能初期化処理(図150のステップS5068)について説明する。また、このゲームストップ機能遊技停止中処理は、後述するゲームストップ機能制御処理(図168)においても実行されることになる。図151は、第5のパチンコ遊技機におけるゲームストップ機能初期化処理の一例を示すフローチャートである。
まず、ステップS5069において、メインCPU201は、遊技停止時RAMクリア範囲のサイズを算出する。この処理では、遊技停止時RAMクリア範囲先頭アドレスと遊技停止時RAMクリア範囲終了アドレスとから、遊技停止時RAMクリア範囲のサイズを算出する。この処理を終了すると、メインCPU201は、処理をステップS5070に移す。
ステップS5070において、メインCPU201は、メインRAM203の遊技用エリアに対して遊技停止時RAMクリア範囲のクリアを実行する。この処理では、遊技停止時RAMクリア範囲先頭アドレスと、ステップS5069で算出された遊技停止時RAMクリア範囲のサイズを指定すると、メインRAM203の遊技用エリアに対し、その範囲のデータがすべてクリア(=0)にされる。この処理を終了すると、メインCPU201は、今回のゲームストップ機能遊技停止中処理を終了する。
このように、本実施形態のゲームストップ機能初期化処理においては、ゲームストップ機能により遊技停止状態中であるときには、遊技用エリアの「遊技停止時RAMクリア範囲」がクリアされ、図141に示すように、遊技LED出力処理用データ領域の出力ポートバッファ及び入力処理用データ領域の入力ポートバッファが継続してクリアされる。
このため、ゲームストップ機能により遊技停止状態中であるときには、普通図柄表示部161、普通図柄用保留表示部162、第1特別図柄表示部163、第2特別図柄表示部164、第1特別図柄用保留表示部165、第2特別図柄用保留表示部166および時短報知用表示部168等の遊技LEDの点灯が行われないことになる(消灯のまま)。
さらに、ゲームストップ機能により遊技停止状態中であるときには、遊技球を検出するための第1始動口スイッチ5121、第2始動口スイッチ5141、通過ゲートスイッチ5127、第1大入賞口カウントスイッチ5132、第2大入賞口カウントスイッチ5152、遊技球回収スイッチ5179、一般入賞口スイッチ123等の各種遊技球スイッチも無効化されることになる。
[主制御コマンド送受信処理]
次に、図152を参照して、メインCPU201の制御による主制御メイン処理で実行される主制御コマンド送受信処理(図146のステップS5028)について説明する。図152は、第5のパチンコ遊技機における主制御コマンド送受信処理の一例を示すフローチャートである。
まず、ステップS5071において、メインCPU201は、XINTを検知したか否かを判定する。メインCPU201は、XINTを検知したと判定した場合(すなわち、電断を検知した場合)には、主制御コマンド送受信処理を終了し、XINTを検知していないと判定した場合(すなわち、電断を検知していない場合)には、処理をステップS5072に移す。
ステップS5072において、メインCPU201は、遊技用エリアの主制御コマンド制御状態番号領域に記憶された主制御コマンド制御状態番号を所定の汎用レジスタにセットする。この処理を終了すると、メインCPU201は、処理をステップS5073に移す。
ここで、主制御コマンド制御状態番号は、「主制御コマンド制御状態番号=0」が、主制御コマンド送信開始値を示し、「主制御コマンド制御状態番号=1」が、払出通信モード受信値を示し、「主制御コマンド制御状態番号=2」が、払出通信イベント受信値を示しており、主制御コマンド送信開始処理、払出通信モード受信処理、払出通信イベント受信処理等においてそれぞれ、主制御コマンド制御状態番号が設定される。
ステップS5073において、メインCPU201は、主制御コマンド制御状態番号に応じたアドレスを選択する。この処理は、例えば、主制御コマンド制御状態番号に応じた処理のアドレス(プログラム開始アドレス)を定義している、払出通信制御分岐テーブルを参照して、所定の汎用レジスタにセットされている主制御コマンド制御状態番号に応じた処理のアドレスを求めるものである。この処理を終了すると、メインCPU201は、処理をステップS5074に移す。
ステップS5074において、メインCPU201は、ステータスレジスタ(例えば、非同期シリアル送受信用のレジスタ)の受信FIFO状態チェック値を参照して、受信FIFOエラーが検知された否かを判定する。メインCPU201は、受信FIFOエラーが検知されたと判定した場合には、異常ありと判断して、処理をステップS5075に移し、受信FIFOエラーが検知されていないと判定した場合には、異常なしと判断して、処理をステップS5076に移す。
ステップS5075において、メインCPU201は、受信FIFOエラーが検知された場合には、所定のコマンドレジスタに受信FIFOクリアのためのコマンドを送信し、受信FIFOをクリアする。この処理を終了すると、メインCPU201は、処理をステップS5076に移す。
ステップS5076において、メインCPU201は、上記ステップS5073で選択された主制御コマンド制御状態番号に応じた処理のアドレスを呼び出し、その後、主制御コマンド制御状態番号に応じたステップS5077~S5079のいずれかの処理を行う。
ステップS5077は、主制御コマンド制御状態番号=0である場合に行われる主制御コマンド送信開始処理である。
この主制御コマンド送信開始処理においては、メインCPU201は、メインRAM203の遊技用エリアの払出管理カウンタ領域を参照して、払い出す遊技球数(賞球数)をチェックし、賞球数に応じて賞球制御コマンドを生成し、生成した賞球制御コマンドを払出・発射制御回路400に送信する。さらに、賞球制御コマンドの通信状態を確認するために、生成した賞球制御コマンドを遊技用エリアの主制御コマンド送信領域にセットする。最後に、次回の主制御コマンド送受信処理において払出通信モード受信処理が行われるように、主制御コマンド制御状態番号の値を1加算して、主制御コマンド送受信処理を終了する。
ステップS5078は、主制御コマンド制御状態番号=1である場合に行われる払出通信モード受信処理である。
この払出通信モード受信処理においては、メインCPU201は、メインRAM203の遊技用エリアの主制御コマンド送信領域を参照して、賞球制御コマンドが正常に送信されたか否かを判定する。メインCPU201は、賞球制御コマンドが正常に送信されなかったと判定した場合には、賞球制御コマンドの再送処理を行い、主制御コマンド送受信処理を終了する。メインCPU201は、賞球制御コマンドが正常に送信されたと判定した場合には、払出管理カウンタをクリアして、主制御イベントコマンドを払出・発射制御回路400に送信する。最後に、次回の主制御コマンド送受信処理において払出通信イベント受信処理が行われるように、遊技用エリアの主制御コマンド制御状態番号領域に1を加算(主制御コマンド制御状態番号=2)して、主制御コマンド送受信処理を終了する。
ステップS5079は、主制御コマンド制御状態番号=2ある場合に行われる払出通信イベント受信処理である。
この払出通信イベント受信処理においては、払出・発射制御回路400から受信した払出異常イベント情報を抽出する払出異常イベント情報抽出処理と、賞球制御コマンドに対応する遊技球の払い出しの完了を示す払出完了情報を受信する払出完了情報受信処理とを行う。
この払出異常イベント情報抽出処理においては、メインCPU201は、抽出した複数の払出異常イベント情報から倫理和をとって、その論理和をメインRAM203の遊技用エリアの払出状態通知フラグ領域にセットする。
ここで、払出異常イベント情報は、例えば、カードユニット通信異常、受け皿満タン、球詰まり異常、払出センサ異常、払出モータ異常等の複数の異常情報を有している。また、メインRAM203の遊技用エリアの払出状態通知フラグ領域は、1バイトで構成されており、例えば、0ビット目がカードユニット通信異常の有無、1ビット目が受け皿満タンの有無、2ビット目が球詰まり異常の有無、3ビット目が払出センサ異常の有無、4ビット目が払出モータ異常の有無、5ビット目が応答異常の有無、6ビット目がタッチ状態の有無のように構成されている。そして、複数の払出異常イベント情報を抽出した場合には、それぞれの対応するビットがON(=1)となるように論理和をとる。例えば、カードユニット通信異常と受け皿満タン状態の2つの異常が発生している場合には、0ビット目と1ビット目がON(=1)となる。
また、払出完了情報受信処理においては、メインCPU201は、賞球制御コマンドに対応する遊技球の払い出しの完了を示す払出完了情報を受信すると、賞球コマンドの賞球数に対応した払出完了コマンドを生成し、生成した払出完了コマンドを送信バッファにセットして、払出完了コマンドをサブ制御回路300に送信する。サブ制御回路300側では、払出完了コマンドを受信することにより、所定の賞球数の遊技球の払い出しが完了したことを把握することができる。
そして、払出通信イベント受信処理において、メインCPU201は、払出異常イベント情報抽出処理と払出完了情報受信処理とが終了すると、次回の主制御コマンド送受信処理において主制御コマンド送信開始処理が行われるように、遊技用エリアの主制御コマンド制御状態番号領域をクリア(主制御コマンド制御状態番号=0)して、主制御コマンド送受信処理を終了する。
このように、本実施形態の主制御コマンド送受信処理は、主制御回路200と払出・発射制御回路400とでデータの送受信を行い、遊技球の払い出しの指示、遊技球の払い出しに関する異常等の確認を行うものである。そして、図146に示したように、ゲームストップ機能により遊技停止状態になっても、主制御コマンド送受信処理の実行は継続されることになる。これにより、ゲームストップ機能により遊技停止状態になっても、遊技球の払い出しは継続され、遊技停止状態前に獲得した遊技球を遊技停止状態後にも払い出すことができる。すなわち、遊技球の払い出しの遅延にも対応することができる。
また、本実施形態の主制御コマンド送受信処理では、受信データの有無を問わず、処理を継続するために、ステップS5074の受信FIFOのエラー検知の結果に応じて、受信FIFOのクリアを行う。例えば、受信データがあって、受信FIFOのエラーなしの場合は、正常データを取得して選択された処理を呼び出し、受信データなしで、受信FIFOのエラーなしの場合は、0データを取得して選択された処理を呼び出し、受信データがあって、受信FIFOのエラーありの場合は、受信FIFOをクリアし、0データを取得して選択された処理を呼び出し、受信データがなしで、受信FIFOのエラーありの場合は、受信FIFOをクリアし、0データを取得して選択された処理を呼び出すことになり、受信トリガレベルと受信状態モニタのチェックは行わないので、処理の負担の軽減を図ることができる。
[状態監視処理]
次に、図153を参照して、メインCPU201の制御による主制御メイン処理で実行される状態監視処理(図146のステップS5030)について説明する。図153は、第5のパチンコ遊技機における状態監視処理の一例を示すフローチャートである。
まず、ステップS5081において、メインCPU201は、メインRAM203の遊技用エリアにおける遊技停止状態フラグ領域を参照し、遊技停止状態(遊技停止状態フラグ領域=1)であるか否かを判定する。メインCPU201は、遊技停止状態であると判定した場合には、処理をステップS5089に移し、遊技停止状態でないと判定した場合には、処理をステップS5082に移す。
ステップS5082において、メインCPU201は、遊技停止状態でないと判定した場合には、発射位置が異常であるか否かを判定する。より具体的には、メインRAM203の遊技用エリアにおける発射位置指定信号管理データ領域に記憶された発射位置指定信号管理データ値と、メインRAM203の遊技用エリアにおける発射位置パラメータ領域に記憶された発射位置パラメータとを比較し、発射位置が異常(相違)であるか否かを判定する。メインCPU201は、発射位置が異常であると判定した場合には、処理をステップS5083に移し、発射位置が異常でないと判定した場合には、処理をステップS5086に移す。
ステップS5083において、メインCPU201は、発射位置指定信号管理データ値を遊技用エリアにおける発射位置パラメータ領域にセットする。この処理を終了すると、メインCPU201は、処理をステップS5084に移す。
ステップS5084において、メインCPU201は、発射位置コマンドをセットする。この処理では、発射位置コマンドテーブルを参照し、発射位置コマンドの識別データ(例えば、C2H)と、遊技用エリアにおける発射位置パラメータ領域に記憶された情報とから、発射位置コマンドを生成することになる。この処理を終了すると、メインCPU201は、処理をステップS5085に移す。
ステップS5085において、メインCPU201は、発射位置コマンドをサブ制御回路300に送信する演出制御コマンド送信処理を行う。この処理では、上記ステップS5084で生成された発射位置コマンドを送信バッファにセットする。この処理を終了すると、メインCPU201は、処理をステップS5086に移す。
ステップS5086において、メインCPU201は、遊技異常を検知したか否かを判定する。より具体的には、メインRAM203の遊技用エリアにおける遊技異常検知パラメータ領域を参照し、遊技異常検知パラメータ領域に異常を示すデータが記憶されているか否かを判定する。メインCPU201は、遊技異常を検知したと判定した場合には、処理をステップS5087に移し、遊技異常を検知していないと判定した場合には、処理をステップS5089に移す。
なお、本実施形態においては、遊技用エリアの遊技異常検知パラメータ領域は、異常入賞、センサ異常、扉・枠開閉異常等の遊技異常情報が記憶可能となっており、各種センサからの入力処理により、それぞれの遊技異常が判定されると、遊技用エリアの遊技異常検知パラメータ領域に対応する遊技異常情報が記憶されることになる。
ステップS5087において、メインCPU201は、遊技異常検知コマンドをセットする。この処理では、遊技異常検知コマンドテーブルを参照し、遊技異常検知コマンドの識別データ(例えば、C0H)と、遊技用エリアにおける遊技異常検知パラメータ領域に記憶された情報とから、遊技異常検知コマンドを生成することになる。この処理を終了すると、メインCPU201は、処理をステップS5088に移す。
ステップS5088において、メインCPU201は、遊技異常検知コマンドをサブ制御回路300に送信する演出制御コマンド送信処理を行う。この処理では、上記ステップS5087で生成された遊技異常検知コマンドを送信バッファにセットする。この処理を終了すると、メインCPU201は、処理をステップS5089に移す。
ステップS5089において、メインCPU201は、通知間隔管理タイマの更新処理を行う。この処理では、メインRAM203の遊技用エリアにおける通知間隔管理タイマ領域に記憶された通知間隔管理タイマの加算処理を行う。この処理を終了すると、メインCPU201は、処理をステップS5090に移す。
ステップS5090において、メインCPU201は、遊技用エリアにおける通知間隔管理タイマ領域を参照し、通知間隔管理時間であるか否かを判定する。メインCPU201は、通知間隔管理時間であると判定した場合には、払出状態通知コマンドを送信するため、処理をステップS5091に移し、通知間隔管理時間でないと判定した場合には、状態監視処理を終了する。
なお、本実施形態においては、通知間隔管理時間は200msに設定されており、後述するように、200ms毎に払出状態通知コマンドが定期送信されることになる。
ステップS5091において、メインCPU201は、遊技球の払出状態に関する払出状態通知コマンドをセットする。この処理では、払出状態通知コマンドテーブルを参照し、払出状態通知コマンドの識別データ(例えば、C1H)と、遊技用エリアにおける払出状態通知フラグ領域に記憶された情報から、払出状態通知コマンドを生成することになる。この払出状態通知コマンドの構成については、詳しくは後述する。この処理を終了すると、メインCPU201は、処理をステップS5092に移す。
ステップS5092において、メインCPU201は、払出状態通知コマンドをサブ制御回路300に送信する演出制御コマンド送信処理を行う。この処理では、上記ステップS5091で生成された払出状態通知コマンドを送信バッファにセットする。この処理を終了すると、メインCPU201は、処理をステップS5093に移す。
ステップS5093において、メインCPU201は、メインRAM203の遊技用エリアにおける払出状態通知フラグ領域をクリアする。この処理を終了すると、メインCPU201は、状態監視処理を終了する。
このように、本実施形態の状態監視処理においては、ゲームストップ機能により遊技停止状態中であるときには、発射位置の異常判定(ステップS5082~S5085)及び遊技異常の検知判定(ステップS5086~S5088)が行われなくなるので、ゲームストップ機能による遊技停止状態中の処理負担の軽減を図ることができる。
その一方、ゲームストップ機能により遊技停止状態中であっても、遊技球の払出状態に関する払出状態通知コマンドの送信は継続して実行可能となっていることから、遊技停止状態中に遅延して遊技球の払い出しが行われているときに払出異常があった場合には、その払出異常を報知することができる。
[特別図柄制御処理]
次に、図154を参照して、主制御メイン処理で行われる特別図柄制御処理について説明する。図154は、第5のパチンコ遊技機における特別図柄制御処理の一例を示すフローチャートである。
まず、ステップS5111において、メインCPU201は、特別図柄待ち時間(メインRAM203の特別図柄待ち時間カウンタ)が0であるか否かを判定する。この特別図柄待ち時間は、特別図柄制御処理の各種処理の待ち時間として、メインRAM203の特別図柄待ち時間カウンタにセットされ、上述した主制御メイン処理のタイマカウンタ更新処理(ステップS5022)において特別図柄待ち時間が計時(減算)されていくことになる。メインCPU201は、特別図柄待ち時間が0でないと判定した場合には特別図柄制御処理を終了し、特別図柄待ち時間が0であると判定した場合には処理をステップS5112に移す。
ステップS5112において、メインRAM203の特別図柄制御状態番号領域から特別図柄の制御状態番号をロードする。特別図柄の制御状態番号は、特別図柄の可変表示(特別図柄ゲーム)に関する制御処理の状態(ステータス)を示す番号である。そして、メインCPU201は、ステップS5112の処理を実行した後、処理をステップS5113に移す。なお、メインCPU201は、ステップS5112の処理で読み出された制御状態番号に基づいて、ステップS5113以降の処理を行う。
図154に示す各処理の右方に括弧書きで記載した数値(「0」~「7」)は、処理対象となる特別図柄の制御状態番号である。メインCPU201は、制御状態番号に対応する各処理を実行することにより、特別図柄ゲームを進行させる。
ステップS5113において、メインCPU201は、特別図柄可変表示開始処理を行う。このステップS5113の処理は、特別図柄の制御状態番号が「0」である場合に行われる処理である。この特別図柄可変表示開始処理では、特別図柄の始動情報のシフト処理、特別図柄の抽選、特別図柄の停止図柄の決定、特別図柄の変動パターンの決定等を行う。この特別図柄可変表示開始処理の詳細については、図155を参照して後述する。特別図柄の制御状態番号が「0」でない場合には、メインCPU201は、処理をステップS5114に移す。
ステップS5114において、メインCPU201は、特別図柄可変表示終了処理を行う。このステップS5114の処理は、特別図柄の制御状態番号が「1」である場合に行われる処理である。この特別図柄可変表示終了処理では、特別図柄の停止時間の設定等を行う。この特別図柄可変表示終了処理の詳細については、図156を参照して後述する。特別図柄の制御状態番号が「1」でない場合には、メインCPU201は、処理をステップS5115に移す。
ステップS5115において、メインCPU201は、特別図柄遊技判定処理を行う。このステップS5115の処理は、特別図柄の制御状態番号が「2」である場合に行われる処理である。この特別図柄遊技判定処理では、大当り、小当りまたはハズレであるか否かの判定を行い、大当りや小当りの開始の準備設定や時短回数の更新処理を行う。この特別図柄遊技判定処理の詳細については、図157を参照して後述する。特別図柄の制御状態番号が「2」でない場合には、メインCPU201は、処理をステップS5116に移す。
ステップS5116において、メインCPU201は、大入賞口開放準備処理を行う。このステップS5116の処理は、特別図柄の制御状態番号が「3」である場合に行われる処理である。この大入賞口開放準備処理の詳細については、図159を参照して後述する。特別図柄の制御状態番号が「3」でない場合には、メインCPU201は、処理をステップS5117に移す。
ステップS5117において、メインCPU201は、大入賞口開放制御処理を行う。このステップS5117の処理は、特別図柄の制御状態番号が「4」である場合に行われる処理である。この大入賞口開放制御処理の詳細については、図161を参照して後述する。特別図柄の制御状態番号が「4」でない場合には、メインCPU201は、処理をステップS5118に移す。
ステップS5118において、メインCPU201は、大当り遊技状態終了処理を行う。このステップS5118の処理は、特別図柄の制御状態番号が「5」である場合に行われる処理である。この大当り遊技状態終了処理の詳細については、図163を参照して後述する。
メインCPU201は、ステップS5113~S5118の処理を終了後、特別図柄制御処理を終了し、処理を普通図柄制御処理(図146参照)に移す。
[特別図柄可変表示開始処理]
次に、図155を参照して、特別図柄制御処理で実行される特別図柄可変表示開始処理について説明する。図155は、第5のパチンコ遊技機における特別図柄可変表示開始処理の一例を示すフローチャートである。
ステップS5121において、メインCPU201は、メインRAM203の特別図柄制御状態番号領域を参照し、特別図柄の制御状態番号が「0」であるか否かを判定する。メインCPU201は、特別図柄の制御状態番号が「0」でないと判定した場合には、特別図柄可変表示開始処理を終了して処理を特別図柄制御処理(図154参照)に戻し、特別図柄の制御状態番号が「0」であると判定した場合には処理をステップS5122に移す。
ステップS5122において、メインCPU201は、遊技待機判定処理を行う。この特別図柄遊技待機処理では、まず第1特別図柄の保留数及び第2特別図柄の保留数がないか否かを判定する。メインCPU201は、第1特別図柄の保留数及び第2特別図柄の保留数がないと判定した場合には、所定の汎用レジスタに「遊技待機状態」を示すデータをセットし、デモ表示コマンドを生成して、生成したデモ表示コマンドを送信バッファにセットする。また、第1特別図柄の保留数及び第2特別図柄の保留数があると判定した場合には、所定の汎用レジスタに「遊技開始状態」を示すデータをセットする。この処理を終了すると、メインCPU201は、処理をステップS5123に移す。
ステップS5123において、メインCPU201は、所定の汎用レジスタを参照し、遊技待機状態であるか否かを判定する。メインCPU201は、遊技待機状態であると判定した場合には、特別図柄可変表示開始処理を終了して処理を特別図柄制御処理(図154参照)に戻し、遊技待機状態でない(遊技開始状態である)と判定した場合には処理をステップS5124に移す。
ステップS5124において、メインCPU201は、特別図柄の始動情報のシフト処理を行う。この特別図柄の始動情報のシフト処理では、第2特別図柄の始動情報が記憶されている場合には、第1特別図柄の始動情報よりも優先して、第2特別図柄の始動情報のシフト処理を行う。例えば、第2特別図柄の始動情報のシフト処理を行う場合には、メインRAM203の第2特別図柄始動記憶領域(1)に記憶された始動情報を特別図柄判定記憶領域(0)にシフトし、第2特別図柄始動記憶領域(2)~第2特別図柄始動記憶領域(4)に記憶された始動情報を第2特別図柄始動記憶領域(1)~第2特別図柄始動記憶領域(3)にシフトする。また、第1特別図柄の始動情報のシフト処理を行う場合には、メインRAM203の第1特別図柄始動記憶領域(1)に記憶された始動情報を特別図柄判定記憶領域(0)にシフトし、第1特別図柄始動記憶領域(2)~第1特別図柄始動記憶領域(4)に記憶された始動情報を第1特別図柄始動記憶領域(1)~第1特別図柄始動記憶領域(3)にシフトする。そして、特別図柄の始動情報のシフトした後には、減算された特別図柄の保留個数を示す保留減算コマンドの生成を行い、生成した保留減算コマンドを送信バッファにセットする。この処理を終了すると、メインCPU201は、処理をステップS5125に移す。
なお、本実施形態では、第2特別図柄の始動情報が記憶されている場合、第1特別図柄よりも高い優先順位で特別図柄制御処理が実行される優先変動機について説明したが、これに限られない。例えば、第1特別図柄の始動情報が記憶されている場合、第2特別図柄よりも高い優先順位で特別図柄制御処理が実行される優先変動機としてもよいし、第1始動口11120または第2始動口5140への入賞順(入球順)に特別図柄制御処理が実行される順次変動機としてもよい。
また、特別図柄の始動情報のシフト処理は、開始時に割込み禁止区間を設定し、特別図柄の始動情報のシフト処理を割込み禁止区間内で行うことが好ましい。
ステップS5125において、メインCPU201は、大当り、小当りまたはハズレを判定する特別図柄の当り判定処理を行う。この特別図柄の当り判定処理では、図143に示す特別図柄の当り判定テーブルを参照し、特別図柄判定記憶領域(0)にシフトされた特別図柄の始動情報としての特別図柄の大当り判定用乱数値に基づいて、当落判定値データを決定し、決定した当落判定値データをメインRAM203の特別図柄当りフラグ領域にセットする。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をステップS5126に移す。
ステップS5126において、メインCPU201は、特別図柄の停止図柄を決定するための特別図柄決定処理を行う。この特別図柄決定処理では、図144に示す特別図柄判定テーブルを参照し、上記当落判定値データと、特別図柄判定記憶領域(0)にシフトされた特別図柄の始動情報としての特別図柄の図柄乱数値とに基づいて、特別図柄の停止図柄を決定し、決定した特別図柄の停止図柄の情報をメインRAM203の特別図柄停止図柄番号領域にセットする。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をステップS5127に移す。
ステップS5127において、メインCPU201は、特別図柄の変動パターンを決定する特別図柄の変動パターン決定処理を行う。ここで、「特別図柄の変動パターン」とは、特別図柄の変動態様を定めた情報であり、少なくとも特別図柄の変動表示時間が対応付けられている。特別図柄の変動パターン決定処理では、図示しない特別図柄の変動パターンテーブルを参照し、特別図柄の種別、特別図柄の当り判定処理の結果(当落)と、特別図柄の停止図柄、演出選択用乱数値等に基づいて、特別図柄の変動パターンを決定する。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をステップS5128に移す。
また、後述する「特別図柄演出開始コマンド」のパラメータに特別図柄の変動パターンの情報を含めることにより、特別図柄演出開始コマンドを受信したサブCPU301では、特別図柄の変動パターンに基づいて、表示装置7の表示領域に表示される表示演出や、スピーカ32から出力される音演出を制御することができる。
ステップS5128において、メインCPU201は、特別図柄の変動表示時間を設定する特別図柄の変動表示時間設定処理を行う。この特別図柄の変動表示時間設定処理では、上記ステップS5127で決定された特別図柄の変動パターンに基づいて特別図柄の変動表示時間を決定し、決定した特別図柄の変動表示時間をメインRAM203の特別図柄待ち時間カウンタにセットする。これにより、第1特別図柄表示部163または第2特別図柄表示部164において特別図柄の変動表示が開始される。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をステップS5129に移す。
ステップS5129において、メインCPU201は、特別図柄の制御状態番号に「1」をセットする処理を行う。すなわち、メインRAM203の特別図柄制御状態番号領域に「1」をセットする。このように、特別図柄の制御状態番号を「1」にセットする処理を行うことにより、この特別図柄可変表示開始処理の終了後に、特別図柄可変表示終了処理(図154参照)が行われることとなる。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をステップS5130に移す。
ステップS5130において、メインCPU201は、遊技状態指定パラメータ設定処理を行う。この処理では、例えば、メインRAM203内の所定領域に格納されている遊技状態にかかわるパラメータの更新が行われる。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をステップS5131に移す。
ステップS5131において、メインCPU201は、特別図柄演出開始コマンドの送信処理を行う。この処理では、遊技状態、特別図柄の変動パターン、特別図柄の停止図柄、設定値に基づいて、特別図柄演出開始コマンドを生成する。すなわち、特別図柄演出開始コマンドには、遊技状態、特別図柄の変動パターン、特別図柄の停止図柄、設定値のそれぞれの情報が含められていることになる。そして、生成した特別図柄演出開始コマンドを送信バッファにセットし、特別図柄可変表示開始処理を終了して、処理を特別図柄制御処理(図154参照)に戻す。
[特別図柄可変表示終了処理]
次に、図156を参照して、特別図柄制御処理で実行される特別図柄可変表示終了処理について説明する。図156は、第5のパチンコ遊技機における特別図柄可変表示終了処理の一例を示すフローチャートである。
ステップS5141において、メインCPU201は、メインRAM203の特別図柄制御状態番号領域を参照し、特別図柄の制御状態番号が「1」であるか否かを判定する。メインCPU201は、特別図柄の制御状態番号が「1」でないと判定した場合には、特別図柄可変表示開始処理を終了して処理を特別図柄制御処理(図154参照)に戻し、特別図柄の制御状態番号が「1」であると判定した場合には処理をステップS5142に移す。
なお、上記ステップS5141の処理が行われるのは、メインRAM203の特別図柄待ち時間カウンタにセットされた特別図柄の変動表示時間が0となったとき、すなわち、特別図柄の変動表示時間が経過したときである。
ステップS5142において、メインCPU201は、特別図柄の図柄確定時間を設定する特別図柄の図柄確定時間設定処理を行う。この図柄確定時間設定処理では、予め定められた特別図柄の図柄確定時間(例えば、540ms)をメインRAM203の特別図柄待ち時間カウンタにセットする。これにより、第1特別図柄表示部163または第2特別図柄表示部164において特別図柄の変動表示が停止される。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をステップS5143に移す。
なお、特別図柄の図柄確定時間は、遊技状態、特別図柄の当り判定処理の結果(当落)、特別図柄の変動パターンの少なくともいずれかに基づいて決定してもよい。
ステップS5143において、メインCPU201は、特別図柄の制御状態番号を「2」にセットする。すなわち、メインRAM203の特別図柄制御状態番号領域に「2」をセットする。このように、特別図柄の制御状態番号を「2」にセットする処理を行うことにより、この特別図柄可変表示終了処理の終了後に、特別図柄遊技判定処理(図154のS5115参照)が行われることとなる。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をS5144に移す。
ステップS5144において、メインCPU201は、特別図柄演出停止コマンドの送信処理を行う。この処理では、遊技状態、特別図柄の停止図柄に基づいて、特別図柄演出停止コマンドを生成する。すなわち、特別図柄演出停止コマンドには、遊技状態、特別図柄の停止図柄のそれぞれの情報が含められていることになる。そして、生成した特別図柄演出停止コマンドを送信バッファにセットすると、特別図柄可変表示終了処理を終了し、処理を特別図柄制御処理(図154参照)に戻す。
[特別図柄遊技判定処理]
次に、図157を参照して、特別図柄制御処理でメインCPU201により実行される特別図柄遊技判定処理について説明する。図157は、第5のパチンコ遊技機における特別図柄遊技判定処理の一例を示すフローチャートである。
ステップS5161において、メインRAM203の特別図柄制御状態番号領域を参照し、メインCPU201は、特別図柄の制御状態番号が「2」であるか否かを判定する。メインCPU201は、特別図柄の制御状態番号が「2」でないと判定した場合には、特別図柄遊技判定処理を終了して処理を特別図柄制御処理に戻し、特別図柄の制御状態番号が「2」であると判定した場合には処理をステップS5162に移す。
なお、上記ステップS5161の処理が行われるのは、メインRAM203の特別図柄待ち時間カウンタにセットされた特別図柄の図柄確定時間が0となったとき、すなわち、特別図柄の図柄確定時間が経過したときである。
ステップS5162において、メインCPU201は、メインRAM203の特別図柄当りフラグ領域を参照し、大当りの当落判定値データが記憶されているか否か、すなわち、大当りであるか否かを判定する。メインCPU201は、大当りであると判定した場合には、処理をステップS5163に移し、大当りでないと判定した場合には、処理をステップS5172に移す。
ステップS5163において、メインCPU201は、遊技状態の初期化処理を行う。
この遊技状態の初期化処理では、時短遊技状態であることを示す時短状態フラグ、時短遊技状態の終了条件となる時短回数カウンタをクリアする。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をステップS5164に移す。
ステップS5164において、メインCPU201は、大当りを契機とした第1のルートからの第1ルート大当り開始準備設定処理を行う。この第1ルート大当り開始準備設定処理においては、メインRAM203の特別図柄停止図柄番号領域を参照し、大当りの「特別図柄の停止図柄」に基づいてOP待ち時間(オープニング時間)を決定し、決定したOP待ち時間(オープニング時間)をメインRAM203の特別図柄待ち時間カウンタにセットする。また、大当りの「特別図柄の停止図柄」に基づいて最大ラウンド数を決定し、決定した最大ラウンド数をメインRAM203の大当りラウンド数上限値領域にセットする。さらに、メインRAM203の開放状態領域に大当り状態であることを示す「大当り開放状態フラグ」をセットする。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をステップS5165に移す。
ステップS5165において、メインCPU201は、第1のルートからの大当りの外部信号生成処理を行う。この大当りの外部信号生成処理においては、メインRAM203の特別図柄停止図柄番号領域を参照し、特別図柄の停止図柄に応じた大当り信号を生成し、生成した大当り信号をメインRAM203の当り信号管理データ領域にセットする。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をステップS5166に移す。
ステップS5166において、メインCPU201は、特別図柄の制御状態番号を「3」にセットする。すなわち、メインRAM203の特別図柄制御状態番号領域に「3」をセットする。なお、特別図柄の制御状態番号を「3」にセットする処理を行うことにより、この特別図柄遊技判定処理の終了後に、後述する大入賞口開放準備処理が行われることとなる。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をステップS5167に移す。
ステップS5167において、メインCPU201は、大当り開始表示コマンドの送信処理を行う。この処理では、遊技状態、特別図柄の停止図柄に基づいて、大当り開始表示コマンドを生成する。すなわち、大当り開始表示コマンドには、遊技状態、特別図柄の停止図柄のそれぞれの情報が含められていることになる。そして、生成した大当り開始表示コマンドを送信バッファにセットし、処理をステップS5168に移す。
ステップS5168において、メインCPU201は、当落判定値データをクリアする。すなわち、メインRAM203の特別図柄当りフラグ領域をクリアする。メインCPU201は、本処理を実行した後、特別図柄可変表示終了処理を終了し、処理を特別図柄制御処理(図154参照)に戻す。
ステップS5172において、メインCPU201は、大当りでないと判定した場合には、メインRAM203の特別図柄当りフラグ領域を参照し、小当りの当落判定値データが記憶されているか否か、すなわち、小当りであるか否かを判定する。メインCPU201は、小当りであると判定した場合には、処理をステップS5173に移し、小当りでない(すなわちハズレ)と判定した場合には、処理をステップS5182に移す。
ステップ5173において、メインCPU201は、小当り開始準備設定処理を行う。この小当り開始準備設定処理においては、メインRAM203の特別図柄停止図柄番号領域を参照し、小当りの「特別図柄の停止図柄」に基づいてOP待ち時間(オープニング時間)を決定し、決定したOP待ち時間(オープニング時間)をメインRAM203の特別図柄待ち時間カウンタにセットする。また、小当りの「特別図柄の停止図柄」に基づいて最大開放回数を決定し、決定した最大開放回数をメインRAM203の小当り開放回数の上限値にセットする。さらに、メインRAM203の開放状態領域に小当り状態であることを示す「小当り開放状態フラグ」をセットする。さらに、小当り開始準備設定処理においては、小当りの「特別図柄の停止図柄」に基づいて、V入賞口5156の開放パターンとして開放待ち時間を決定し、決定した開放待ち時間をメインRAM203のV入賞口閉鎖タイマカウンタにセットする。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をステップS5174に移す。
ステップS5174において、メインCPU201は、小当りの外部信号生成処理を行う。この小当りの外部信号生成処理においては、メインRAM203の特別図柄停止図柄番号領域を参照し、特別図柄の停止図柄に応じた小当り信号を生成し、生成した小当り信号をメインRAM203の当り信号管理データ領域にセットする。
ステップS5175において、メインCPU201は、特別図柄の制御状態番号を「3」にセットする。すなわち、メインRAM203の特別図柄制御状態番号領域に「3」をセットする。なお、特別図柄の制御状態番号を「3」にセットする処理を行うことにより、この特別図柄遊技判定処理の終了後に、後述する大入賞口開放準備処理が行われることとなる。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をS5176に移す。
ステップS5176において、メインCPU201は、小当り開始表示コマンドの送信処理を行う。この処理では、遊技状態、特別図柄の停止図柄に基づいて、小当り開始表示コマンドを生成する。すなわち、小当り開始表示コマンドには、遊技状態、特別図柄の停止図柄のそれぞれの情報が含められていることになる。そして、生成した小当り開始表示コマンドを送信バッファにセットし、処理をステップS5168に移す。
ステップS5181において、メインCPU201は、大当りでも小当りでもないと判定した場合には、時短回数カウンタ更新処理を行う。この処理では、メインRAM203の時短回数カウンタから1を減算して更新し、更新した時短回数カウンタ=0であるか否かを判定する。そして、時短回数カウンタ=0であると判定した場合には、メインRAM203の時短状態フラグ領域をクリアして、遊技状態を時短遊技状態から通常遊技状態に移行させる。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をS5182に移す。
ステップS5182において、メインCPU201は、特別図柄遊技終了処理を行う。この特別図柄遊技終了処理については、図158を参照して後述する。なお、メインCPU201は、特別図柄遊技終了処理を終了すると、処理を特別図柄制御処理に戻す。
なお、特別図柄遊技判定処理は、開始時に割込み禁止区間を設定し、特別図柄遊技判定処理を割込み禁止区間内で行うことが好ましい。
[特別図柄遊技終了処理]
次に、図158を参照して、特別図柄遊技判定処理で実行される特別図柄遊技終了処理について説明する。図158は、第5のパチンコ遊技機における特別図柄遊技終了処理の一例を示すフローチャートである。
ステップS5191において、メインCPU201は、特別図柄の制御状態番号に「0」をセットする。すなわち、メインRAM203の特別図柄制御状態番号領域に「0」をセットする。このように、特別図柄の制御状態番号を「0」にセットする処理を行うことにより今回の特別図柄遊技が終了し、特別図柄可変表示開始処理すなわち次回の特別図柄遊技を実行することが可能となる。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をステップS5192に移す。
ステップS5192において、メインCPU201は、遊技状態指定パラメータ設定処理を行う。この処理では、メインRAM203内の所定領域に格納されている遊技状態にかかわるパラメータの確認・更新処理等を行う。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をステップS5193に移す。
ステップS5193において、メインCPU201は、特別図柄遊技終了コマンドの送信処理を行う。この処理では、遊技状態、特別図柄の停止図柄に基づいて、特別図柄遊技終了コマンドを生成する。すなわち、特別図柄遊技終了コマンドには、遊技状態、特別図柄の停止図柄のそれぞれの情報が含められていることになる。そして、生成した特別図柄遊技終了コマンドを送信バッファにセットした後、特別図柄遊技終了処理を終了し、処理を特別図柄遊技判定処理に戻す。
[大入賞口開放準備処理]
次に、図159を参照して、特別図柄制御処理により実行される大入賞口開放準備処理について説明する。図159は、第5のパチンコ遊技機における大入賞口開放準備処理の一例を示すフローチャートである。
ステップS5201において、メインCPU201は、メインRAM203の特別図柄制御状態番号領域を参照し、特別図柄の制御状態番号が「3」であるか否かを判定する。メインCPU201は、特別図柄の制御状態番号が「3」でないと判定した場合には、大入賞口開放準備処理を終了して処理を特別図柄制御処理に戻し、特別図柄の制御状態番号が「3」であると判定した場合には処理をステップS5202に移す。
ステップS5202において、メインCPU201は、メインRAM203の開放状態領域を参照し、開放状態フラグが大当りに対応する「大当り状態フラグ」であるか否か、すなわち、大当りであるか否かを判定する。メインCPU201は、大当りであると判定した場合には、処理をステップS5203に移し、大当りでないと判定した場合には、処理をステップS5220に移す。
ステップS5203において、メインCPU201は、メインRAM203のラウンドカウンタから「ラウンドカウンタ値」をロードする。「ラウンドカウンタ」は、大当り遊技状態において実行されるラウンド遊技の実行回数を計数するカウンタである。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をステップS5204に移す。
ステップS5204において、メインCPU201は、ロードしたラウンドカウンタ値が大当りラウンド数の上限値であるか否かを判定する。メインCPU201は、大当りラウンド数が上限値であると判定した場合には、処理をステップS5205に移し、大当りラウンド数が上限値でないと判定した場合には、処理をステップS5209に移す。
ステップS5205において、メインCPU201は、大当り終了準備設定処理を行う。この大当り終了準備設定処理においては、大当りの「特別図柄の停止図柄」に基づいてED待ち時間(エンディング時間)を決定し、決定したED待ち時間(エンディング時間)をメインRAM203の特別図柄待ち時間カウンタにセットする。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をステップS5206に移す。
ステップS5206において、メインCPU201は、特別図柄の制御状態番号を「5」にセットする。すなわち、メインRAM203の特別図柄制御状態番号領域に「5」をセットする。このように、特別図柄の制御状態番号を「5」にセットする処理を行うことにより、この大入賞口開放準備処理の終了後に、後述する大当り遊技状態終了処理が行われることとなる。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をステップS5207に移す。
ステップS5207において、メインCPU201は、大当り終了表示コマンドの送信処理を行う。この処理では、遊技状態、特別図柄の停止図柄に基づいて、大当り終了表示コマンドを生成する。すなわち、大当り終了表示コマンドには、遊技状態、特別図柄の停止図柄のそれぞれの情報が含められていることになる。そして、生成した大当り終了表示コマンドを送信バッファにセットした後、大入賞口開放準備処理を終了し、処理を特別図柄制御処理に戻す。
ステップS5208において、メインCPU201は、メインRAM203のラウンドカウンタ値に1を加算する処理を行う。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をステップS5209に移す。
ステップS5209において、メインCPU201は、第1大入賞口5131を開放させる第1大入賞口の開放設定処理を行う。この第1大入賞口の開放設定処理においては、大当りの「特別図柄の停止図柄」、現在のラウンド数(ラウンドカウンタ値)に基づいて、今回のラウンドにおける第1大入賞口5131の最大開放時間を決定し、決定した最大開放時間をメインRAM203の特別図柄待ち時間カウンタにセットする。そして、第1特電用ソレノイド5135に対して、第1大入賞口5131を開放させるための第1大入賞口開放制御データを生成する。これにより、第1大入賞口5131が開放することになる。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をステップS5210に移す。
ステップS5210において、メインCPU201は、特別図柄の制御状態番号を「4」にセットする。このように、特別図柄の制御状態番号を「4」にセットする処理を行うことにより、この大入賞口開放準備処理の終了後に、大入賞口開放制御処理が行われることとなる。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をステップS5211に移す。
ステップS5211において、メインCPU201は、大入賞口開放中表示コマンドの送信処理を行う。この処理では、遊技状態、特別図柄の停止図柄に基づいて、大入賞口開放中表示コマンドを生成する。すなわち、大入賞口開放中表示コマンドには、遊技状態、特別図柄の停止図柄のそれぞれの情報が含められていることになる。そして、生成した大入賞口開放中表示コマンドを送信バッファにセットした後、大入賞口開放準備処理を終了し、処理を特別図柄制御処理に戻す。
ステップS5220において、メインCPU201は、小当り遊技閉鎖中処理を行う。この小当り遊技閉鎖中処理については、図160を参照して後述する。なお、メインCPU201は、小当り遊技閉鎖中処理を終了した後には、処理を特別図柄制御処理に戻す。
[小当り遊技閉鎖中処理]
次に、図160を参照して、大入賞口開放準備処理により実行される小当り遊技閉鎖中処理について説明する。図160は、第5のパチンコ遊技機における小当り遊技閉鎖中処理の一例を示すフローチャートである。
ステップS5221において、メインCPU201は、メインRAM203の小当り開放回数カウンタから「小当り開放回数カウンタ値」をロードする。「小当り開放回数カウンタ」は、小当り開放回数を計数するカウンタである。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をS5222に移す。
ステップS5222において、メインCPU201は、ロードした小当り開放回数カウンタ値が小当り開放回数の上限値であるか否かを判定する。メインCPU201は、小当り開放回数の上限値であると判定した場合には、処理をステップS5227に移し、小当り開放回数の上限値でないと判定した場合には、処理をステップS5223に移す。
ステップS5223において、メインCPU201は、小当り遊技状態において第2大入賞口5151に入球した遊技球の個数(第2大入賞口5151の入賞数)が最大入賞個数でないかを判定する。この処理では、第2大入賞口カウントスイッチ5152により計数された第2大入賞口カウンタの値が、予め規定された第2大入賞口5151の最大入賞個数の値(例えば10個)であるか否かが判定される。メインCPU201は、第2大入賞口5151の入賞数が最大入賞個数でないと判定された場合には、処理をステップS5224に移し、第2大入賞口5151の入賞数が最大入賞個数であると判定された場合には、処理をステップS5227に移す。
ステップS5224において、メインCPU201は、小当り開放回数カウンタ値に1を加算する処理を行う。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をステップS5225に移す。
ステップS5225において、メインCPU201は、第2大入賞口5151を開放させる第2大入賞口の開放設定処理を行う。この第2大入賞口の開放設定処理においては、小当りの「特別図柄の停止図柄」、現在の開放回数(小当り開放回数カウンタ値)に基づいて、今回の第2大入賞口5151の最大開放時間を決定し、決定した最大開放時間をメインRAM203の特別図柄待ち時間カウンタにセットする。そして、第2特電用ソレノイド5155に対して、第2大入賞口5151を開放させるための第2大入賞口開放制御データを生成する。これにより、第2大入賞口5151が開放することになる。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をステップS5226に移す。
ステップS5226において、メインCPU201は、特別図柄の制御状態番号を「4」にセットする。すなわち、メインRAM203の特別図柄制御状態番号領域に「4」をセットする。このように、特別図柄の制御状態番号を「4」にセットする処理を行うことにより、この小当り遊技閉鎖中処理の終了後に、大入賞口開放制御処理が行われることとなる。メインCPU201は、本処理を実行した後、小当り遊技閉鎖中処理を終了し、処理を特別図柄制御処理に戻す。
ステップS5227において、メインCPU201は、V入賞検出があるか否かを判定する。この処理では、規定時間内にV入賞口5156への遊技球の通過があったか否か(すなわち、V入賞口スイッチ5157による検出があったか否か)を判定する。メインCPU201は、V入賞検出があったと判定した場合には、処理をステップS5228に移し、V入賞検出がなかったと判定した場合には、処理をステップS5235に移す。
ステップS5228において、メインCPU201は、遊技状態の初期化処理を行う。
この遊技状態の初期化処理では、時短遊技状態であることを示す時短状態フラグ、時短遊技状態の終了条件となる時短回数カウンタをクリアする。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をステップS5229に移す。
ステップS5229において、メインCPU201は、小当りを契機とした第2のルートからの第2ルート大当り開始準備設定処理を行う。この第2ルート大当り開始準備設定処理においては、小当りの「特別図柄の停止図柄」に基づいて最大ラウンド数を決定し、決定した最大ラウンド数をメインRAM203の大当りラウンド数の上限値にセットする。また、小当りの「特別図柄の停止図柄」に基づいてOP待ち時間(オープニング時間)を決定し、決定したOP待ち時間(オープニング時間)をメインRAM203の特別図柄待ち時間カウンタにセットする。さらに、メインRAM203の開放状態領域に大当り状態であることを示す「大当り開放状態フラグ」をセットする。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をステップS5230に移す。
ステップS5230において、メインCPU201は、ラウンドカウンタ値に1を加算する処理を行う。この処理を行うことにより、第2のルートからの大当り遊技状態は、2ラウンド目のラウンド遊技から開始されることとなる。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をステップS5231に移す。
ステップS5231において、メインCPU201は、第2のルートからの大当りの外部信号生成処理を行う。この大当りの外部信号生成処理においては、メインRAM203の特別図柄停止図柄番号領域を参照し、特別図柄の停止図柄に応じた大当り信号を生成し、生成した大当り信号をメインRAM203の当り信号管理データ領域にセットする。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をS5232に移す。
ステップS5232において、メインCPU201は、特別図柄の制御状態番号を「3」にセットする。なお、特別図柄の制御状態番号を「3」にセットする処理を行うことにより、この小当り遊技閉鎖中処理の終了後に、大当り遊技状態としての大入賞口開放準備処理が行われることとなる。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をステップS5233に移す。
ステップS5233において、メインCPU201は、V当り開始表示コマンドの送信処理を行う。この処理では、遊技状態、特別図柄の停止図柄に基づいて、V当り開始表示コマンドを生成する。すなわち、V当り開始表示コマンドには、遊技状態、特別図柄の停止図柄のそれぞれの情報が含められていることになる。そして、生成したV当り開始表示コマンドを送信バッファにセットして、小当り遊技開放中処理を終了し、処理を特別図柄制御処理に戻す。
ステップS5234において、メインCPU201は、小当り終了準備設定処理を行う。この小当り終了準備設定処理においては、小当りの「特別図柄の停止図柄」に基づいてED待ち時間(エンディング時間)を決定し、決定したED待ち時間(エンディング時間)をメインRAM203の特別図柄待ち時間にセットする。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をステップS5235に移す。
ステップS5235において、メインCPU201は、小当り終了表示コマンドの送信処理を行う。この処理では、遊技状態、特別図柄の停止図柄に基づいて、小当り終了表示コマンドを生成する。すなわち、小当り終了表示コマンドには、遊技状態、特別図柄の停止図柄のそれぞれの情報が含められていることになる。そして、生成した小当り終了表示コマンドを送信バッファにセットして、処理をステップS5236に移す。
ステップS5236において、メインCPU201は、特別図柄遊技終了処理を行う。この処理では、図158を参照して説明した特別図柄遊技終了処理が行われる。メインCPU201は、本処理を実行した後、小当り遊技閉鎖中処理を終了し、処理を特別図柄制御処理に戻す。
[大入賞口開放制御処理]
次に、図161を参照して、特別図柄制御処理で実行される大入賞口開放制御処理について説明する。図161は、第5のパチンコ遊技機における大入賞口開放制御処理の一例を示すフローチャートである。
ステップS5241において、メインCPU201は、メインRAM203の特別図柄制御状態番号領域を参照し、特別図柄の制御状態番号が「4」であるか否かを判定する。メインCPU201は、特別図柄の制御状態番号が「4」でないと判定した場合には、大入賞口開放制御処理を終了して処理を特別図柄制御処理に戻し、特別図柄の制御状態番号が「4」であると判定した場合には処理をステップS5242に移す。
ステップS5242において、メインCPU201は、メインRAM203の開放状態領域を参照し、開放状態フラグが大当りに対応する「大当り状態フラグ」であるか否か、すなわち、大当りであるか否かを判定する。メインCPU201は、大当りであると判定した場合には、処理をステップS5243に移し、大当りでないと判定した場合には、処理をステップS5250に移す。
ステップS5243において、メインCPU201は、第1大入賞口5131が開放されたときに、1つのラウンドにおける第1大入賞口5131に入球した遊技球の入賞数が最大入賞個数であるか否かを判定する。この処理では、第1大入賞口カウントスイッチ5132により計数された第1大入賞口カウンタの値が、予め規定された第1大入賞口5131の最大入賞個数の値(例えば10個)であるか否かが判定される。
メインCPU201は、ステップS5243において第1大入賞口5131の入賞数が最大入賞個数でないと判定した場合には、処理をステップS5244に移し、第1大入賞口5131の入賞数が最大入賞個数であると判定した場合には、処理をステップS5245に移す。
ステップS5244において、メインCPU201は、1つのラウンドにおける第1大入賞口5131の最大開放時間が経過したか否かを判定する。この処理では、第1大入賞口の開放設定処理(図159参照)においてセットされた最大開放時間が経過しているか否かが判定される。
メインCPU201は、ステップS5144において第1大入賞口5131の最大開放時間が経過していないと判定した場合には、大入賞口開放制御処理を終了し処理を特別図柄制御処理に戻す。また、メインCPU201は、第1大入賞口5131の最大開放時間が経過していると判定した場合には、処理をステップS5245に移す。
ステップS5245において、メインCPU201は、第1大入賞口5131を閉鎖させる第1大入賞口の閉鎖設定処理を行う。この第1大入賞口の閉鎖設定処理においては、「特別図柄の停止図柄」、現在のラウンド数(ラウンドカウンタ値)に基づいて、今回のラウンドにおける第1大入賞口5131の閉鎖時間を決定し、決定した閉鎖時間をメインRAM203の特別図柄待ち時間カウンタにセットする。そして、第1特電用ソレノイド5135に対して、第1大入賞口5131を閉鎖させるための第1大入賞口閉鎖制御データを生成する。これにより、第1大入賞口5131が閉鎖することになる。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をステップS5246に移す。
ステップS5246において、メインCPU201は、特別図柄の制御状態番号を「3」にセットする処理を行う。すなわち、メインRAM203の特別図柄制御状態番号領域に「3」をセットする。このように、特別図柄の制御状態番号を「3」にセットする処理を行うことにより、この大入賞口開放制御処理の終了後に、再び、大入賞口開放準備処理が行われることとなる。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をステップS5247に移す。
ステップS5247において、メインCPU201は、ラウンド間表示コマンドの送信処理を行う。この処理では、遊技状態、特別図柄の停止図柄に基づいて、ラウンド間表示コマンドを生成する。すなわち、ラウンド間表示コマンドには、遊技状態、特別図柄の停止図柄のそれぞれの情報が含められていることになる。そして、生成したラウンド間表示コマンドを送信バッファにセットした後、大入賞口開放制御処理を終了し、処理を特別図柄制御処理に戻す。
ステップS5250において、メインCPU201は、小当り遊技開放中処理を行う。この小当り遊技開放中処理については、図162を参照して後述する。なお、メインCPU201は、小当り遊技開放中処理を終了した後には、処理を特別図柄制御処理に戻す。
[小当り遊技開放中処理]
次に、図162を参照して、大入賞口開放制御処理で実行される小当り遊技開放中処理について説明する。図162は、第5のパチンコ遊技機における小当り遊技開放中処理の一例を示すフローチャートである。
ステップS5251において、メインCPU201は、小当り遊技状態において第2大入賞口5151に入球した遊技球の個数(第2大入賞口5151の入賞数)が最大入賞個数であるか否かを判定する。メインCPU201は、第2大入賞口5151の入賞数が最大入賞個数であると判定された場合には、処理をステップS5253に移し、第2大入賞口5151の入賞数が最大入賞個数でないと判定された場合には、処理をステップS5252に移す。
ステップS5252において、メインCPU201は、第2大入賞口5151の最大開放時間が経過したか否かを判定する。この処理では、第2大入賞口の開放設定処理(図160参照)においてセットされた最大開放時間が経過しているか否かが判定される。メインCPU201は、第2大入賞口5151の最大開放時間が経過していないと判定した場合には、小当り遊技開放中処理を終了し処理を特別図柄制御処理に戻す。また、メインCPU201は、第2大入賞口5151の最大開放時間が経過していると判定した場合には、処理をステップS5253に移す。
ステップS5253において、メインCPU201は、第2大入賞口5151を閉鎖させる第2大入賞口の閉鎖設定処理を行う。この第2大入賞口の閉鎖設定処理においては、「特別図柄の停止図柄」、現在の開放回数(小当り開放回数カウンタ値)に基づいて、今回の第2大入賞口5151の閉鎖時間を決定し、決定した閉鎖時間をメインRAM203の特別図柄待ち時間カウンタにセットする。そして、第2特電用ソレノイド5155に対して、第2大入賞口5151を閉鎖させるための第2大入賞口閉鎖制御データを生成する。これにより、第2大入賞口5151が閉鎖することになる。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をステップS5254に移す。
ステップS5254において、メインCPU201は、特別図柄の制御状態番号を「3」にセットする。すなわち、メインRAM203の特別図柄制御状態番号領域に「3」をセットする。このように、特別図柄の制御状態番号を「3」にセットする処理を行うことにより、この小当り遊技開放中処理の終了後に、再び、大入賞口開放準備処理が行われることとなる。メインCPU201は、本処理を実行した後、小当り遊技開放中処理を終了して処理を特別図柄制御処理に戻す。
[大当り遊技状態終了処理]
次に、図163を参照して、特別図柄制御処理により実行される大当り遊技状態終了処理について説明する。図163は、第5のパチンコ遊技機における大当り遊技状態終了処理の一例を示すフローチャートである。
ステップS5261において、メインCPU201は、メインRAM203の特別図柄制御状態番号領域を参照し、特別図柄の制御状態番号が「5」であるか否かを判定する。メインCPU201は、特別図柄の制御状態番号が「5」でないと判定した場合には、大当り遊技状態終了処理を終了して処理を特別図柄制御処理に戻し、特別図柄の制御状態番号が「5」であると判定した場合には処理をステップS5262に移す。
ステップS5262において、メインCPU201は、大当り遊技情報初期化処理を行う。この大当り遊技情報初期化処理では、大当り遊技状態または小当り遊技状態で用いた各種フラグ・データや、各種カウンタ(例えば、ラウンドカウンタ、大入賞口入賞カウンタ等)の値をクリアまたはリセットする処理が行われる。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をステップS5263に移す。
ステップS5263において、メインCPU201は、大当り遊技状態終了後の遊技状態を設定する大当り終了後状態設定処理を行う。この大当り終了後状態設定処理では、特別図柄の停止図柄に基づいて、時短状態フラグ、特別図柄の可変表示回数に対応する時短回数カウンタを設定する。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をステップS5264に移す。
ステップS5264において、メインCPU201は、特別図柄遊技終了処理を行う。この処理では、図158を参照して説明した特別図柄遊技終了処理が行われる。メインCPU201は、本処理を実行した後、大当り遊技状態終了処理を終了し、処理を特別図柄制御処理に戻す。
なお、大当り遊技状態終了処理は、開始時に割込み禁止区間を設定し、大当り遊技状態終了処理を割込み禁止区間内で行うことが好ましい。
[普通図柄制御処理]
次に、図164を参照して、主制御メイン処理により実行される普通図柄制御処理について説明する。なお、図164に示される普通図柄制御処理に先だって、メインCPU201は、特別図柄制御処理と同様に、普通図柄の始動情報が記憶され、普通図柄の判定開始条件が成立しているか否かの判定を行っていることは言うまでもない。
図164は、第5のパチンコ遊技機における普通図柄制御処理の一例を示すフローチャートである。なお、図164に示すフローチャート中の各処理の右方に括弧書きで記載した数値(「0」~「4」)は、普通図柄の制御状態番号である。メインCPU201は、普通図柄の制御状態番号に対応する各処理を実行することにより、普通図柄ゲームを進行させる。
ステップS5300において、メインCPU201は、普通図柄待ち時間(メインRAM203の普通図柄待ち時間カウンタ)が0であるか否かを判定する。この普通図柄待ち時間は、普通図柄制御処理の各種処理の待ち時間としてセットされ、上述した主制御メイン処理のタイマカウンタ更新処理(ステップS5022)において普通図柄待ち時間が計時(減算)されていくことになる。メインCPU201は、普通図柄待ち時間が0でないと判定した場合には、普通図柄制御処理を終了し、処理を主制御メイン処理に戻し、普通図柄待ち時間が0であると判定した場合には処理をステップS5301に移す。
ステップS5301において、メインCPU201は、普通図柄の制御状態番号をロードする。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をステップS5310に移す。なお、メインCPU201は、S5201の処理で読み出された制御状態番号に基づいて、ステップS5310以降の処理を行う。
ステップS5310において、メインCPU201は、普通図柄可変表示開始処理を行う。この処理は、メインRAM203の普通図柄制御状態番号領域を参照し、普通図柄の制御状態番号が「0」である場合に行われる処理である。なお、普通図柄の制御状態番号が「0」でない場合には、メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をステップS5230に移す。
この普通図柄可変表示開始処理において、メインCPU201は、普通図柄の保留球数がある場合には、普通図柄始動記憶領域に記憶された普通図柄の始動情報(普通図柄当り判定用乱数値、普通図柄の図柄乱数値等)を普通図柄判定領域にシフトする。その後、普通図柄判定領域に記憶された普通図柄当り判定用乱数値に基づいて、「普通図柄の当落判定値データ(普通図柄当りまたは普通図柄ハズレ)」を決定する。次に、上述の普通図柄の当落判定値データと、普通図柄判定領域に記憶された普通図柄の図柄乱数値とに基づいて、「普通図柄の停止図柄」を決定する。さらに、遊技状態と普通図柄の停止図柄等に基づいて、第2始動口の開放態様を定めた「第2始動口の開放パターン」を決定する。そして、遊技状態等に基づいて、「普通図柄の変動表示時間」を決定し、決定した普通図柄の変動表示時間をメインRAM203の普通図柄待ち時間カウンタにセットし、普通図柄の制御状態番号を「1」にセットする。
ステップS5320において、メインCPU201は、普通図柄可変表示終了処理を行う。この処理は、メインRAM203の普通図柄制御状態番号領域を参照し、普通図柄の制御状態番号が「1」である場合に行われる処理である。なお、普通図柄の制御状態番号が「1」でない場合には、メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をステップS5230に移す。
この普通図柄可変表示終了処理において、メインCPU201は、普通図柄の変動表示時間が終了したか否かの判定を行い、普通図柄の変動表示時間が終了したと判定したときには、予め定められた普通図柄の図柄確定時間(例えば、540msec)を、メインRAM203の普通図柄待ち時間カウンタにセットし、普通図柄の制御状態番号を「2」にセットする。なお、普通図柄の変動表示時間が終了していない場合には、普通図柄の制御状態番号を「1」に保持し、普通図柄の変動表示時間が終了することを待機することになる。
ステップS5330において、メインCPU201は、普通図柄遊技判定処理を行う。この処理は、メインRAM203の普通図柄制御状態番号領域を参照し、普通図柄の制御状態番号が「2」である場合に行われる処理である。なお、普通図柄の制御状態番号が「2」でない場合には、メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をステップS5340に移す。
この普通図柄遊技判定処理において、メインCPU201は、停止表示された普通図柄の停止図柄(例えば、普通図柄当りまたは普通図柄ハズレ)の判定処理を行う。メインCPU201は、停止表示された普通図柄の停止図柄が普通図柄当りに対応すると判定した場合には、普通図柄の制御状態番号を「3」にセットし、普通図柄の当り判定処理の結果がハズレに対応すると判定した場合には、普通図柄の制御状態番号を「0」にセットする。
ステップS5340において、メインCPU201は、普通電動役物開放処理を行う。この処理は、メインRAM203の普通図柄制御状態番号領域を参照し、普通図柄の制御状態番号が「3」である場合に行われる処理である。なお、普通図柄の制御状態番号が「3」でない場合には、メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をステップS5350に移す。
この普通電動役物開放処理において、メインCPU201は、第2始動口の開放パターンの動作に従って、普電用シャッタ5147を作動して、第2始動口5140を開閉状態にさせる。そして、普電用の規定個数(例えば3個)の遊技球が第2始動口5140に入球するか、決定した第2始動口の開放パターンの動作がすべて終了すると、第2始動口5140を閉鎖状態にさせ、普通図柄の制御状態番号を「4」にセットし、普通電動役物開放処理を終了する。
ステップS5350において、メインCPU201は、普通図柄当り終了処理を行う。この処理は、メインRAM203の普通図柄制御状態番号領域を参照し、普通図柄の制御状態番号が「4」である場合に行われる処理である。この普通図柄当り終了処理では、上記S5340の普通電動役物開放処理においてセットされた各種データがクリアされる。なお、普通図柄の制御状態番号が「4」でない場合には、メインCPU201は、処理を主制御メイン処理に戻す。
[システムタイマ割込み処理]
次に、図165を参照して、システムタイマ割込み処理について説明する。この処理は、タイマカウンタから入力されるタイムアウト割込みが発生した場合に呼び出される処理であり、例えば、2msecの周期(割込み周期)で実行される。図165は、第5のパチンコ遊技機におけるステムタイマ割込み処理の一例を示すフローチャートである。
ステップS5411において、メインCPU201は、保護レジスタ(例えば、AFレジスタ)をスタックに退避する保護レジスタ退避処理を行う。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をステップS5412に移す。
ステップS5412において、メインCPU201は、メインRAM203の割込みカウンタに「1」を加算する割込みカウンタ加算更新処理を行う。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をステップS5413に移す。
ステップS5413において、メインCPU201は、各種乱数カウンタ(例えば、大当り判定用乱数値等)を更新する乱数更新処理を行う。このように、所定周期(本実施例では2msec)で乱数更新処理を行うことにより、出玉にかかわる重要な要素である各種乱数の信頼性を担保することが可能となる。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をステップS5414に移す。
ステップS5414において、メインCPU201は、I/Oポート205の入力ポートの読込処理を行う。この入力ポートの読込処理では、第1始動口スイッチ5121、第2始動口スイッチ5141、通過ゲートスイッチ5127、第1大入賞口カウントスイッチ5132、第2大入賞口カウントスイッチ5152、遊技球回収スイッチ5179、一般入賞口スイッチ123等の各種スイッチの情報を読み込むための入力フィルタ処理が行われる。
また、この入力ポートの読込処理では、最初に、メインRAM203の遊技用エリアにおける遊技停止状態フラグ領域を参照し、遊技停止状態(遊技停止状態フラグ領域=1)であるか否かを判定する。メインCPU201は、遊技停止状態であると判定した場合には、入力ポートバッファから各種スイッチの情報の読み込みを行わずに、処理をステップS5415に移す。一方、メインCPU201は、遊技停止状態でないと判定した場合に限り、入力ポートバッファから各種スイッチの情報の読み込みを行い、読み込みが終了すると、処理をステップS5415に移す。
このように、本実施形態では、ゲームストップ機能により遊技停止状態中であるときには、入力ポートから各種スイッチの情報の読み込みが行われないことになる。
ステップS5415において、メインCPU201は、スイッチ入力検知処理を行う。このスイッチ入力検知処理の詳細については、図166を参照して後述する。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をステップS5416に移す。
上記ステップS5415のスイッチ入力検知処理は、ゲームストップ機能により遊技停止状態であるときにも実行されるものの、上述したようにゲームストップ機能により遊技停止状態であるときには、ゲームストップ機能初期化処理(図151)において入力ポートバッファがクリアされ、上記ステップS5414において入力ポートの読込処理も行われず、入力ポートバッファの情報が更新されることはない。このため、ゲームストップ機能により遊技停止状態であるときには、入力ポートバッファのオンエッジ等も検知されることはなく、上記ステップS5415のスイッチ入力検知処理を無効化することができる。
なお、メインRAM203の遊技用エリアにおける遊技停止状態フラグ領域を参照し、遊技停止状態である場合(遊技停止状態フラグ領域=1)は、上記ステップS5415のスイッチ入力検知処理を行わずに、遊技停止状態でない場合に(遊技停止状態フラグ領域=0)に限り、上記ステップS5415のスイッチ入力検知処理を行うように構成してもよい。
ステップS5416において、メインCPU201は、遊技LED点灯データ出力処理を行う。この遊技LED点灯データ出力処理においては、遊技状態等応じて、普通図柄表示部161、普通図柄用保留表示部162、第1特別図柄表示部163、第2特別図柄表示部164、第1特別図柄用保留表示部165、第2特別図柄用保留表示部166および時短報知用表示部168の遊技LEDに点灯表示させるLEDデータを出力ポートバッファにセットし、LEDの出力を制御する処理である。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をステップS5417に移す。
上記ステップS5416の遊技LED点灯データ出力処理は、ゲームストップ機能により遊技停止状態であるときにも実行されるものの、上述したようにゲームストップ機能により遊技停止状態であるときには、主制御メイン処理のゲームストップ機能初期化処理(図151)において出力ポートバッファがクリアされ、後述するようにゲームストップ機能制御処理のゲームストップ機能初期化処理でも出力ポートバッファがクリアされる。このため、ゲームストップ機能による遊技停止状態であるときには、上記ステップS5416の遊技LED点灯データ出力処理でセットされた出力ポートバッファがクリアされ、上記ステップS5416の遊技LED点灯データ出力処理を無効化することができる。
なお、メインRAM203の遊技用エリアにおける遊技停止状態フラグ領域を参照し、遊技停止状態である場合(遊技停止状態フラグ領域=1)は、遊技LED点灯データ出力処理を行わずに、遊技停止状態でない場合に(遊技停止状態フラグ領域=0)に限り、上記ステップS5416の遊技LED点灯データ出力処理を行うように構成してもよい。
ステップS5417において、メインCPU201は、入賞情報コマンド設定処理を行う。この入賞情報コマンド設定処理においては、入賞情報コマンドテーブルを参照し、各種入力ポートバッファからの情報に基づいて入賞情報コマンドを生成し、生成した入賞情報コマンドを送信バッファにセットする。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をステップS5418に移す。
上記ステップS5417の入賞情報コマンド設定処理は、ゲームストップ機能により遊技停止状態であるときにも実行されるものの、上述したようにゲームストップ機能により遊技停止状態であるときには、ゲームストップ機能初期化処理(図151)において入力ポートバッファがクリアされ、上記ステップS5414において入力ポートの読込処理も行われず、入力ポートバッファの情報が更新されることはない。このため、ゲームストップ機能により遊技停止状態中であるときには、上記ステップS5417の入賞情報コマンド設定処理を無効化することができる。
なお、メインRAM203の遊技用エリアにおける遊技停止状態フラグ領域を参照し、遊技停止状態である場合(遊技停止状態フラグ領域=1)は、入賞情報コマンド設定処理を行わずに、遊技停止状態でない場合に(遊技停止状態フラグ領域=0)に限り、上記ステップS5417の入賞情報コマンド設定処理を行うように構成してもよい。
ステップS5418において、メインCPU201は、性能表示モニタ制御処理を行う。性能表示モニタ制御処理は、メインRAM203の作業領域(領域外エリア)を使用して行われる。この性能表示モニタ制御処理では、遊技状態の判定や、賞球数カウンタやアウトカウンタの更新、性能表示モニタ6170の表示内容の更新等を行う。この性能表示モニタ制御処理については、詳しくは後述する。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をステップS5419に移す。
ステップS5419において、メインCPU201は、ゲームストップ機能制御処理を行う。このゲームストップ機能制御処理では、遊技球の差玉数の更新、ゲームストップ機能フェーズの更新、ゲームストップ機能に関する遊技停止状態の設定、ゲームストップ機能のコマンドの送信等が行われる。このゲームストップ機能制御処理については、詳しくは後述する。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をステップS5420に移す。
ステップS5420において、メインCPU201は、ステップS5411で退避した保護レジスタの内容をスタックから復帰させる保護レジスタ復帰処理を行い、その後、ステップS5421において、割込み許可を行う。
このように、本実施形態のシステムタイマ割込み処理によれば、ゲームストップ機能による遊技停止状態であるときには、上記ステップS5414の入力ポートの読込処理、上記ステップS5415のスイッチ入力検知処理は無効化されている。これにより、第1始動口5120、第2始動口5140、通過ゲート5126、第1大入賞口5131、第2大入賞口5151、一般入賞口122への遊技球の入球・通過を無効とすることができる。
また、ゲームストップ機能による遊技停止状態であるときには、ステップS5416の遊技LED点灯データ出力処理は無効化されている。これにより、普通図柄表示部161、普通図柄用保留表示部162、第1特別図柄表示部163、第2特別図柄表示部164、第1特別図柄用保留表示部165、第2特別図柄用保留表示部166および時短報知用表示部168の遊技LEDを消灯させることができる。
また、ゲームストップ機能による遊技停止状態であっても、上記ステップS5418の性能表示モニタ制御処理は実行可能であるので、遊技店側では性能表示モニタ170を介してゲームストップ機能により遊技停止状態となったときの遊技結果(出玉率等)を把握することができる。
[スイッチ入力検知処理]
次に、図166を参照して、システムタイマ割込処理で実行されるスイッチ入力検知処理について説明する。図166は、第5のパチンコ遊技機におけるスイッチ入力検知処理の一例を示すフローチャートである。
(領域外異常状態監視処理)
ステップS5501において、メインCPU201は、領域外異常状態監視処理を行う。この処理は、領域外エリア処理呼出命令でコールされることにより、メインROM202の領域外エリアのプログラムの処理を行い、メインRAM203の領域外エリアを利用する。この処理では、メインCPU201は、最初に、異常状態監視をするために用いられるメインRAM203の領域外セキュリティ信号要求フラグ領域、領域外遊技異常検知フラグ領域をクリアする。その後、メインCPU201は、普通電動役物不正入賞処理、特別電動役物不正入賞処理を行う。メインCPU201は、本処理を実行した後、遊技用エリア処理復帰命令により、処理が領域外エリアに係る処理から、遊技用エリアに係る処理に切り替える。
普通電動役物不正入賞処理では、メインCPU201は、普通電動役物5146の未作動中において第2始動口5140の不正入賞を監視し、不正入賞があった場合(例えば、普通電動役物5146の未作動中において第2始動口5140に入球した場合)には、領域外セキュリティ信号要求フラグ領域に要求フラグをセットするとともに、領域外遊技異常検知フラグ領域に要求フラグをセットする。そして、第2始動口5140の入力ポートバッファをクリアし、第2始動口5140への遊技球の入球を無効化する。
特別電動役物不正入賞処理では、メインCPU201は、特別電動役物の未作動中(第1大入賞口5131または第2大入賞口5151の開閉作動中)において、第1大入賞口5131または第2大入賞口5151の不正入賞を監視し、不正入賞があった場合(例えば、第1大入賞口5131の閉鎖中において第1大入賞口5131に遊技球が入球した場合)には、領域外セキュリティ信号要求フラグ領域に要求フラグをセットするとともに、領域外遊技異常検知フラグ領域に要求フラグをセットする。そして、第1大入賞口5131または第2大入賞口5151の入力ポートバッファをクリアし、第1大入賞口5131または第2大入賞口5151への遊技球の入球を無効化する。
(異常状態監視処理)
ステップS5502において、メインCPU201は、異常状態監視処理を行う。この処理では、メインCPU201は、遊技機異常検知情報反映処理、セキュリティ信号要求設定を行う。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をステップS5510に移す。
遊技機異常検知情報反映処理では、メインCPU201は、メインRAM203の領域外エリアにおける領域外遊技異常検知フラグ領域から要求フラグをロードし、ロードした要求フラグをメインRAM203の遊技用エリアにおける遊技異常検知フラグ領域にセットして、遊技異常検知フラグを更新する。
セキュリティ信号要求設定では、メインCPU201は、メインRAM203の領域外エリアにおける領域外セキュリティ信号要求フラグ領域から要求フラグをロードし、ロードした要求フラグをメインRAM203の遊技用エリアにおけるセキュリティ信号要求フラグ領域にセットして、セキュリティ信号要求フラグを更新する。
このように、本実施形態の領域外異常状態監視処理及び異常状態監視処理においては、遊技球の不正入賞に関しては、遊技球の入賞が遊技進行に大きく関わる点を考慮して、不正入賞を検知する処理を、メインRAM203の領域外エリアに係る処理(領域外異常状態監視処理)とし、検知結果を反映する処理を、メインRAM203の遊技用エリアに係る処理(異常状態監視処理)としている。
(普通図柄関連チェック処理)
ステップS5510において、メインCPU201は、普通図柄関連チェック処理を行う。この処理では、メインCPU201は、通過ゲートスイッチ5127及び第2始動口スイッチ5141の入力ポートバッファをチェックし、通過ゲートスイッチ5127のオンエッジが検知されると普図作動スイッチ検知時処理を行い、第2始動口スイッチ5141のオンエッジが検知されると普通電動役物入賞時処理を行う。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をステップS5520に移す。
普図作動スイッチ検知時処理においては、メインCPU201は、普通図柄始動記憶領域(1)~普通図柄始動記憶領域(4)に空き領域があると、普通図柄の始動情報として各種乱数値(例えば、普通図柄当り判定用乱数値、普通図柄の図柄乱数値等)を取得し、取得した各種乱数値をFIFO(First In、First Out)形式で1つの普通図柄始動記憶領域に記憶する。一方、普通図柄始動記憶領域(1)~普通図柄始動記憶領域(4)のいずれにも空き領域がないと判定すると、各種乱数値を取得せずに、普図作動スイッチ検知時処理を終了することになる。
普通電動役物入賞時処理においては、メインCPU201は、普通電動役物5146が作動中である場合に限り、普通電動役物入賞カウンタを更新する。
(特別図柄関連チェック処理)
ステップS5520において、メインCPU201は、特別図柄関連チェック処理を行う。この処理では、第1始動口スイッチ6121、第2始動口スイッチ6141、第1大入賞口カウントスイッチ5132、第2大入賞口カウントスイッチ5152、V入賞口スイッチ5157の入力ポートバッファをチェックし、第1始動口スイッチ6121のオンエッジが検知されると第1特図作動スイッチ検知時処理を行い、第2始動口スイッチ6141のオンエッジが検知されると第2特図作動スイッチ検知時処理を行う。また、第1大入賞口カウントスイッチ5132のオンエッジが検知されると第1大入賞口スイッチ検知時処理を行い、第2大入賞口カウントスイッチ5152のオンエッジが検知されると第2大入賞口スイッチ検知時処理を行う。また、V入賞口スイッチ5157のオンエッジが検知されると、V入賞口スイッチ検知時処理を行う。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をステップS5530に移す。
第1特図作動スイッチ検知時処理においては、メインCPU201は、第1特別図柄始動記憶領域(1)~第1特別図柄始動記憶領域(4)に空き領域があると、第1特別図柄の始動情報として各種乱数値(例えば、大当り判定用乱数値、図柄乱数値、リーチ判定用乱数値、演出選択用乱数値等)を取得し、取得した各種乱数値をFIFO形式で1つの第1特別図柄始動記憶領域に記憶する。そして、特別図柄の保留個数を示す保留加算コマンドの生成を行い、生成した保留加算コマンドを送信バッファにセットする。この保留加算コマンドには、特定条件下では、先読み演出が実行可能となるように、特別図柄の保留個数の情報に加え、第1特別図柄の始動情報に対応する情報も含まれている。一方、第1特別図柄始動記憶領域(1)~第1特別図柄始動記憶領域(4)のいずれにも空き領域がないと判定すると、各種乱数値を取得せずに、第1特図作動スイッチ検知時処理を終了することになる。
第2特図作動スイッチ検知時処理においては、メインCPU201は、第1特図作動スイッチ検知時処理と同様に、第2特別図柄始動記憶領域(1)~第2特別図柄始動記憶領域(4)に空き領域があると判定すると、第2特別図柄の始動情報として各種乱数値(例えば、大当り判定用乱数値、図柄乱数値、リーチ判定用乱数値、演出選択用乱数値等)を取得し、取得した各種乱数値をFIFO形式で1つの第2特別図柄始動記憶領域に記憶する。そして、特別図柄の保留個数を示す保留加算コマンドの生成を行い、生成した保留加算コマンドを送信バッファにセットする。この保留加算コマンドにも、特定条件下では、先読み演出が実行可能となるように、特別図柄の保留個数の情報に加え、第2特別図柄の始動情報に対応する情報が含まれている。一方、第2特別図柄始動記憶領域(1)~第2特別図柄始動記憶領域(4)のいずれにも空き領域がないと判定すると、各種乱数値を取得せずに、第2特図作動スイッチ検知時処理を終了することになる。
なお、本実施形態では、第1特別図柄の最大保留個数及び第2特別図柄の最大保留個数は4個に設定されているが、第1特別図柄の最大保留個数と第2特別図柄の最大保留個数とを異ならせてもよく、それぞれの最大保留個数は適宜設計変更自由であるが、4個以内とすることが望ましい。
第1大入賞口スイッチ検知時処理においては、メインCPU201は、第1大入賞口5131が開放しているか否かを判定し、第1大入賞口5131が開放しているときには、第1大入賞口カウンタに1を加算して更新する。
第2大入賞口スイッチ検知時処理においては、メインCPU201は、第2大入賞口5151が開放しているか否かを判定し、第2大入賞口5151が開放しているときには、第2大入賞口カウンタに1を加算して更新する。
V入賞口スイッチ検知時処理においては、メインCPU201は、V入賞口通過フラグをオンにする。そして、遊技球がV入賞口5156を通過したことを示すV通過コマンドを生成して、生成したV通過コマンドを送信バッファにセットする。
(タッチ状態信号チェック処理)
ステップS5530において、メインCPU201は、タッチ状態信号チェック処理を行う。この処理では、入力ポートバッファからタッチ状態の変化を判定し、タッチ状態のオンッジが検知されると、メインRAM203の払出状態通知フラグ領域にセットする(例えば、6ビット目をONにする)。また、タッチ状態のオンッジが検知されると、発射許可信号をメインRAM203の発射許可信号管理領域にセットする。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をステップS5540に移す。
(賞球関連スイッチチェック処理)
ステップS5540において、メインCPU201は、賞球関連スイッチチェック処理を行う。この処理では、メインCPU201は、入力ポートバッファから各種スイッチ(第1始動口スイッチ6121、第2始動口スイッチ6141、第1大入賞口カウントスイッチ5132、第2大入賞口カウントスイッチ5152、一般入賞口スイッチ123)のオンエッジが検知されると、各種スイッチに応じた賞球数をメインRAM203の払出管理カウンタ領域にセットして、払出管理カウンタを更新する。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をステップS5550に移す。
(アウト球関連スイッチチェック処理)
ステップS5550において、メインCPU201は、アウト球関連スイッチチェック処理を行う。この処理では、メインCPU201は、遊技球回収スイッチ5179の入力ポートバッファをチェックし、遊技球回収スイッチ5179のオンエッジが検知されると、メインRAM203のアウト球数管理カウンタ領域に「1」を加算して、アウト球数管理カウンタを更新する。メインCPU201は、本処理を実行した後、今回のスイッチ入力検知処理を終了する。
[性能表示モニタ制御処理]
次に、図167を参照して、システムタイマ割込処理で実行される性能表示モニタ制御処理について説明する。図167は、第5のパチンコ遊技機における性能表示モニタ制御処理の一例を示すフローチャートである。
性能表示モニタ制御処理は、上述したように、領域外エリア処理呼出命令により呼び出される処理となっており、この処理を実行するためのプログラムは、メインROM202の領域外エリアに記憶されているプログラムであり、メインRAM203の領域外エリアを利用する。
まず、ステップS5561において、メインCPU201は、遊技状態を判定する状態判定処理を行う。この状態判定処理では、メインCPU201は、最初に時短遊技状態、大当り遊技状態または小当り遊技状態であるか否かを判定する。メインCPU201は、時短遊技状態、大当り遊技状態または小当り遊技状態であると判定した場合には、領域外エリアの性能表示状態フラグ領域に0をセットする。一方、メインCPU201は、時短遊技状態、大当り遊技状態または小当り遊技状態でないと判定した場合には、領域外エリアの性能表示状態フラグ領域に、通常遊技状態を示す性能表示状態フラグ(=1)をセットする。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をステップS5562に移す。
ステップS5562において、メインCPU201は、加算値としての賞球数を算出する賞球数算出処理を行う。この賞球数算出処理では、メインCPU201は、入賞検知SW処理データテーブルを参照し、入力ポートバッファから第1始動口スイッチ6121、第2始動口スイッチ6141、第1大入賞口カウントスイッチ5132、第2大入賞口カウントスイッチ5152、一般入賞口スイッチ123のオンエッジが検知されると、各種スイッチに応じた賞球数を加算値として算出する。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をステップS5563に移す。
ステップS5563において、メインCPU201は、通常賞球数カウンタを加算する通常賞球数カウンタ加算処理を行う。この通常賞球数カウンタ加算処理では、メインCPU201は、領域外エリアの性能表示状態フラグ領域に性能表示状態フラグ(通常遊技状態)がセットされているか否かを判定する。メインCPU201は、性能表示状態フラグがセットされていると判定すると、上記ステップS5562で算出した加算値(賞球数)を、領域外エリアの通常賞球数カウンタ領域に加算して、処理をステップS5564に移す。一方、メインCPU201は、性能表示状態フラグがセットされていないと判定すると、領域外エリアの通常賞球数カウンタ領域への加算は行わずに、処理をステップS5564に移す。
これより、メインRAM203における領域外エリアの通常賞球数カウンタ領域には、通常遊技状態における賞球数が記憶されることになる。
ステップS5564において、メインCPU201は、獲得遊技球数カウンタを加算する獲得遊技球数カウンタ加算処理を行う。この獲得遊技球数カウンタ加算処理では、メインCPU201は、上記ステップS5562で算出した加算値(賞球数)を、領域外エリアの獲得遊技球数カウンタ領域に加算して、処理をステップS5565に移す。
ステップS5565において、メインCPU201は、遊技球回収スイッチ5179の入力があったか否かを判定する。より具体的には、遊技球回収スイッチ5179の入力ポートバッファをチェックし、遊技球回収スイッチ5179のオンエッジの判定を行う。メインCPU201は、遊技球回収スイッチ5179の入力があったと判定すると、処理をステップS5564に移し、遊技球回収スイッチ5179の入力がないと判定すると、処理をステップS5568に移す。
ステップS5566において、メインCPU201は、通常アウトカウンタを加算する通常アウトカウンタ加算処理を行う。この通常アウトカウンタ加算処理では、メインCPU201は、領域外エリアの性能表示状態フラグ領域に性能表示状態フラグ(通常遊技状態)がセットされているか否かを判定する。メインCPU201は、性能表示状態フラグがセットされていると判定すると、領域外エリアの通常アウトカウンタ領域に「1」を加算して、処理をステップS5567に移す。一方、メインCPU201は、性能表示状態フラグがセットされていないと判定すると、領域外エリアの通常アウトカウンタ領域への加算は行わずに、処理をステップS5567に移す。
これより、メインRAM203における領域外エリアの通常アウトカウンタ領域には、通常遊技状態におけるアウト球数が記憶されることになる。
ステップS5567において、メインCPU201は、総アウトカウンタを加算する総アウトカウンタ加算処理を行う。この総アウトカウンタ加算処理では、メインCPU201は、領域外エリアの総アウトカウンタ領域に「1」を加算して、処理をステップS5568に移す。
これより、メインRAM203における領域外エリアの総アウトカウンタ領域には、遊技状態によらないアウト球数が記憶されることになる。
ステップS5068において、メインCPU201は、性能表示モニタ170のLEDを点灯・消灯させるための性能表示モニタ表示処理を行う。この処理では、メインCPU201は、所定の周期(例えば5秒)毎に識別セグメントが切り替わるように点滅周期タイマの設定をするとともに、表示させる識別セグメント、比率セグメントのデータの設定を行う。メインCPU201は、本処理を実行した後、今回の性能表示モニタ制御処理を終了する。
このように、本実施形態の性能表示モニタ制御処理においては、上記ステップS5562の賞球数算出処理により算出した加算値(賞球数)を、性能表示モニタ17で用いる領域外エリアの通常賞球数カウンタ領域に加算をするとともに、ゲームストップ機能で用いる領域外エリアの獲得遊技球数カウンタ領域にも加算している。これにより、ゲームストップ機能で用いる制御処理(モジュール)の一部を、性能表示モニタ17で用いる制御処理で共有していることになり、制御ブログラムの容量削減や制御負担の軽減を図ることができる。
[ゲームストップ機能制御処理]
次に、図168を参照して、システムタイマ割込み処理で実行されるゲームストップ機能制御処理について説明する。図168は、第5のパチンコ遊技機におけるゲームストップ機能制御処理の一例を示すフローチャートである。
ステップS5601において、メインCPU201は、メインRAM203の遊技用エリアにおける遊技停止状態フラグ領域を参照し、遊技停止状態(遊技停止状態フラグ領域=1)であるか否かを判定する。メインCPU201は、遊技停止状態であると判定した場合には、今回のゲームストップ機能制御処理を終了し、遊技停止状態でないと判定した場合には、処理をステップS5602に移す。
ステップS5602において、メインCPU201は、ゲームストップ機能状態チェック処理を行う。この処理は、領域外エリア処理呼出命令でコールされることにより、メインROM202の領域外エリアのプログラムの処理を行い、メインRAM203の領域外エリアを利用する。ゲームストップ機能状態チェック処理では、遊技球の差玉数の更新、ゲームストップ機能フェーズの更新等が行われる。このゲームストップ機能状態チェック処理については、詳しくは後述する。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をステップS5603に移す。
ステップS5603において、メインCPU201は、メインRAM203の領域外エリアにおけるゲームストップ機能フェーズ領域から、ゲームストップ機能フェーズをロードする処理を行う。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をステップS5604に移す。
ステップS5604において、メインCPU201は、メインRAM203の領域外エリアからロードしたゲームストップ機能フェーズを、メインRAM203の遊技用エリアにおけるストップ機能状態パラメータ領域に記憶する。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をステップS5605に移す。
このように、ステップS5603及びステップS5604の処理により、メインRAM203の領域外エリアに記憶されたゲームストップ機能フェーズを、メインRAM203の遊技用エリアに転送することができる。
ステップS5605において、メインCPU201は、メインRAM203の遊技用エリアにおけるストップ機能状態パラメータ領域を参照し、ゲームストップ機能フェーズがゲームストップ機能作動完了フェーズ(=3)であるか否かを判定する。メインCPU201は、ゲームストップ機能作動完了フェーズであると判定した場合には、処理をステップS5611に移し、ゲームストップ機能作動完了フェーズでないと判定した場合には、処理をステップS5606に移す。
ステップS5606において、メインCPU201は、メインRAM203の領域外エリアにおける差玉通知情報領域から、差玉通知情報(第1差玉情報)をロードする処理を行う。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をステップS5607に移す。
ステップS5607において、メインCPU201は、ロードした差玉通知情報=0でないか、すなわち、差玉通知情報があるか否かを判定する。メインCPU201は、差玉通知情報があると判定した場合には、処理をステップS5608に移し、差玉通知情報がないと判定した場合には、今回のゲームストップ機能制御処理を終了する。
詳しくは後述するが、差玉通知情報は、通常時は毎回クリアされており、遊技球の差玉数の変化が所定値以上であった場合に、第1差玉情報が差玉通知情報として記憶される。このため、上記ステップS5607の差玉通知情報の有無の判定は、遊技球の差玉数の変化が所定値以上であるか否かの判定に対応していることになる。
ステップS5608において、メインCPU201は、メインRAM203の領域外エリアからロードした差玉通知情報(第1差玉情報)を、メインRAM203の遊技用エリアにおけるストップ機能差玉数パラメータ領域に記憶(転送)する。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をステップS5609に移す。
このように、上記ステップS5606及びステップS5608の処理により、メインRAM203の領域外エリアに記憶された第1差玉情報を、メインRAM203の遊技用エリアに転送することができる。なお、本実施形態においては、領域外エリアの差玉通知情報領域に記憶された第1差玉情報を、遊技用エリアにおけるストップ機能差玉数パラメータ領域に転送するように構成したが、領域外エリアの差玉判定用カウンタ領域に記憶された第1差玉情報を、遊技用エリアにおけるストップ機能差玉数パラメータ領域に転送するように構成してもよい。
ステップS5609において、メインCPU201は、「ゲームストップ機能状態コマンド」をセットする。この処理では、ゲームストップ機能状態コマンドテーブルを参照し、ゲームストップ機能状態コマンドの識別データ(例えば、D3H)と、メインRAM203の遊技用エリアにおけるストップ機能状態パラメータ領域、ストップ機能差玉数パラメータ領域に記憶された情報から、ゲームストップ機能状態コマンドを生成することになる。すなわち、ゲームストップ機能状態コマンドは、識別データとゲームストップ機能フェーズの情報と第1差玉情報の情報とから構成されていることになる。このゲームストップ機能状態コマンドの構成については、詳しくは後述する。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をステップS5610に移す。
ステップS5610において、メインCPU201は、ゲームストップ機能状態コマンドをサブ制御回路300に送信する演出制御コマンド送信処理を行う。この処理では、上記ステップS5609で生成されたゲームストップ機能完了コマンドを送信バッファにセットする。この処理を終了すると、メインCPU201は、今回のゲームストップ機能制御処理を終了する。
ステップS5611において、メインCPU201は、ゲームストップ機能初期化処理を行う。このゲームストップ機能初期化処理は、図151において上述した通りであり、特別図柄や普通図柄に関する表示部(LED)の出力データのクリア、遊技球を検出する各種スイッチの入力データのクリアが行われる。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をステップS5612に移す。
ステップS5612において、メインCPU201は、特別図柄及び普通図柄の当りフラグをクリアする。具体的には、メインRAM203の特別図柄当りフラグ領域、メインRAM203の普通図柄当りフラグ領域をクリアして、特別図柄及び普通図柄の当落判定値データをクリアする。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をステップS5613に移す。
ステップS5613において、メインCPU201は、メインRAM203の遊技用エリアにおける遊技停止状態フラグ領域に、遊技停止状態の情報(=1)をセットする。これにより、ゲームストップ機能により遊技の進行が停止されることになる。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をステップS5614に移す。
ステップS5614において、メインCPU201は、メインRAM203の遊技用エリアにおけるストップ機能完了コマンド送信フラグ領域に、送信要求の情報(=1)をセットする。この処理を終了すると、メインCPU201は、今回のゲームストップ機能制御処理を終了する。
[ゲームストップ機能状態チェック処理]
次に、図169を参照して、ゲームストップ機能制御処理で実行されるゲームストップ機能状態チェック処理について説明する。図169は、第5のパチンコ遊技機におけるゲームストップ機能状態チェック処理の一例を示すフローチャートである。
ゲームストップ機能状態チェック処理は、上述したように、領域外エリア処理呼出命令により呼び出される処理となっており、この処理を実行するためのプログラムは、メインROM202の領域外エリアに記憶されているプログラムであり、メインRAM203の領域外エリアを利用する。
ステップS5621において、メインCPU201は、ゲームストップ機能カウンタ更新処理を行う。ゲームストップ機能カウンタ更新処理では、遊技球の差玉数の更新等が行われる。このゲームストップ機能カウンタ更新処理については、詳しくは後述する。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をステップS5622に移す。
ステップS5622において、メインCPU201は、ゲームストップ機能カウンタチェック処理を行う。ゲームストップ機能カウンタチェック処理では、差玉通知情報(第1差玉情報)のクリア・設定等が行われる。このゲームストップ機能カウンタチェック処理については、詳しくは後述する。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をステップS5623に移す。
ステップS5623において、メインCPU201は、ゲームストップ機能状態管理処理を行う。ゲームストップ機能状態管理処理では、ゲームストップ機能フェーズの更新等が行われる。このゲームストップ機能状態管理処理については、詳しくは後述する。この処理を終了すると、メインCPU201は、今回のゲームストップ機能状態チェック処理を終了する。
[ゲームストップ機能カウンタ更新処理]
次に、図170を参照して、ゲームストップ機能状態チェック処理で実行されるゲームストップ機能カウンタ更新処理について説明する。図170は、第5のパチンコ遊技機におけるゲームストップ機能カウンタ更新処理の一例を示すフローチャートである。
ゲームストップ機能カウンタ更新処理は、上述したように、領域外エリア処理呼出命令により呼び出される処理となっており、この処理を実行するためのプログラムは、メインROM202の領域外エリアに記憶されているプログラムであり、メインRAM203の領域外エリアを利用する。
ステップS5631において、メインCPU201は、所定のレジスタに格納される加算値をクリアして、メインRAM203の領域外エリアにおける獲得遊技球数カウンタ領域から獲得遊技球数をロードする。そして、ロードした獲得遊技球数を新たな加算値として所定のレジスタにセットする。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をステップS5632に移す。
ステップS5632において、メインCPU201は、差玉カウンタ3バイト加算処理を行う。差玉カウンタ3バイト加算処理では、遊技球の差玉数の加算処理が行われる。この差玉カウンタ3バイト加算処理については、詳しくは後述する。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をステップS5633に移す。
ステップS5633において、メインCPU201は、遊技球回収スイッチ5179の入力ポートバッファをチェックし、遊技球回収スイッチ5179のオンエッジが検知されると、所定のレジスタに減算値(例えば、1)をセットする。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をステップS5634に移す。
ステップS5634において、メインCPU201は、差玉カウンタ3バイト減算処理を行う。差玉カウンタ3バイト減算処理では、遊技球の差玉数の減算処理が行われる。この差玉カウンタ3バイト減算処理については、詳しくは後述する。この処理を終了すると、メインCPU201は、今回のゲームストップ機能カウンタ更新処理を終了する。
[差玉カウンタ3バイト加算処理]
次に、図171を参照して、ゲームストップ機能カウンタ更新処理で実行される差玉カウンタ3バイト加算処理について説明する。図171は、第5のパチンコ遊技機における差玉カウンタ3バイト加算処理の一例を示すフローチャートである。
差玉カウンタ3バイト加算処理は、上述したように、領域外エリア処理呼出命令により呼び出される処理となっており、この処理を実行するためのプログラムは、メインROM202の領域外エリアに記憶されているプログラムであり、メインRAM203の領域外エリアを利用する。
ステップS5641において、メインCPU201は、所定のレジスタに格納された加算値(獲得遊技球数)=0であるか否かを判定する。メインCPU201は、加算値=0であると判定した場合には、差玉カウンタ3バイト加算処理を終了し、加算値=0でないと判定した場合には、処理をステップS5642に移す。
ステップS5642において、メインCPU201は、メインRAM203の領域外エリアにおける3バイトカウンタ(差玉管理用カウンタ領域+差玉判定用カウンタ領域)の下位2バイトより第2差玉情報をロードする。すなわち、メインRAM203の領域外エリアにおける差玉管理用カウンタ領域から第2差玉情報をロードする。そして、ロードした第2差玉情報を第1ペアレジスタにセットする。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をステップS5643に移す。
ステップS5643において、メインCPU201は、第1ペアレジスタにセットされた第2差玉情報に加算値(獲得遊技球数)を加算する。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をステップS5644に移す。
ステップS5644において、メインCPU201は、上記ステップS5643の加算した加算結果を1000で除算する。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をステップS5645に移す。
ステップS5645において、メインCPU201は、上記ステップS5644の除算結果の余りを、更新された第2差玉情報として、第2ペアレジスタにセットする。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をステップS5646に移す。
ステップS5646において、メインCPU201は、メインRAM203の領域外エリアにおける3バイトカウンタの上位1バイトより第1差玉情報をロードする。すなわち、メインRAM203の領域外エリアにおける差玉判定用カウンタ領域から第1差玉情報をロードする。そして、ロードした第1差玉情報をシングルレジスタにセットする。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をステップS5647に移す。
ステップS5647において、メインCPU201は、上記ステップS5644の除算結果の商を、シングルレジスタに格納された第1差玉情報に加算して更新する。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をステップS5648に移す。
ステップS5648において、メインCPU201は、第1差玉情報及び第2差玉情報の加算結果を格納する。すなわち、第2ペアレジスタに格納された第1差玉情報を、メインRAM203の領域外エリアにおける差玉管理用カウンタ領域に格納して第2差玉情報を更新する。また、シングルレジスタに格納された第1差玉情報を、メインRAM203の領域外エリアにおける差玉判定用カウンタ領域に格納して第1差玉情報を更新する。この処理を終了すると、メインCPU201は、今回の差玉カウンタ3バイト加算処理を終了する。
このように、本実施形態の差玉カウンタ3バイト加算処理においては、下位2バイトの第2差玉情報に加算値(獲得遊技球数)を加算した後、加算結果を1000で除算し、除算結果の余りを更新された第2差玉情報とし、除算結果の商を第1差玉情報に加算して更新している。このため、3バイトカウンタの全て値(000000H~FFFFFFH)をカウントとすることなく、下位2バイトの第2差玉情報では0~999までの値をカウントし、上位1バイトの第1差玉情報では0~255までの値をカウントすることができる。
[差玉カウンタ3バイト減算処理]
次に、図172を参照して、ゲームストップ機能カウンタ更新処理で実行される差玉カウンタ3バイト減算処理について説明する。図172は、第5のパチンコ遊技機における差玉カウンタ3バイト減算処理の一例を示すフローチャートである。
差玉カウンタ3バイト減算処理は、上述したように、領域外エリア処理呼出命令により呼び出される処理となっており、この処理を実行するためのプログラムは、メインROM202の領域外エリアに記憶されているプログラムであり、メインRAM203の領域外エリアを利用する。
ステップS5651において、メインCPU201は、所定のレジスタに格納された減算値(アウト球)=0であるか否かを判定する。メインCPU201は、減算値=0であると判定した場合には、差玉カウンタ3バイト減算処理を終了し、減算値=0でないと判定した場合には、処理をステップS5652に移す。
ステップS5652において、メインCPU201は、メインRAM203の領域外エリアにおける3バイトカウンタの下位2バイトより第2差玉情報をロードする。すなわち、メインRAM203の領域外エリアにおける差玉管理用カウンタ領域から第2差玉情報をロードする。そして、ロードした第2差玉情報をペアレジスタにセットする。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をステップS5653に移す。
ステップS5653において、メインCPU201は、ペアレジスタにセットされた第2差玉情報から減算値(アウト球)を減算する。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をステップS5654に移す。
ステップS5654において、メインCPU201は、メインRAM203の領域外エリアにおける3バイトカウンタの上位1バイトより第1差玉情報をロードする。すなわち、メインRAM203の領域外エリアにおける差玉判定用カウンタ領域から第1差玉情報をロードする。そして、ロードした第1差玉情報をシングルレジスタにセットする。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をステップS5655に移す。
ステップS5655において、メインCPU201は、上記ステップS5653の減算結果として、ペアレジスタにセットされた第2差玉情報≧0であるか否かを判定する。メインCPU201は、第2差玉情報≧0であると判定した場合には、処理をステップS5660に移し、第2差玉情報≧0でないと判定した場合には、処理をステップS5656に移す。
ステップS5656において、メインCPU201は、ペアレジスタに格納された第2差玉情報に1000を加算して補正する。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をステップS5657に移す。
ステップS5657において、メインCPU201は、シングルレジスタにセットされた第1差玉情報から1を減算して更新する。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をステップS5658に移す。
ステップS5658において、メインCPU201は、上記ステップS5657の減算結果として、シングルレジスタにセットされた第1差玉情報≧0であるか否かを判定する。メインCPU201は、第1差玉情報≧0であると判定した場合には、処理をステップS5660に移し、第1差玉情報≧0でないと判定した場合には、処理をステップS5659に移す。
ステップS5659において、メインCPU201は、シングルレジスタにセットされた第1差玉情報と、ペアレジスタにセットされた第2差玉情報とをクリアする。
ステップS5660において、メインCPU201は、第1差玉情報及び第2差玉情報の減算結果を格納する。すなわち、ペアレジスタに格納された第1差玉情報を、メインRAM203の領域外エリアにおける差玉管理用カウンタ領域に格納して第2差玉情報を更新する。また、シングルレジスタに格納された第1差玉情報を、メインRAM203の領域外エリアにおける差玉判定用カウンタ領域に格納して第1差玉情報を更新する。この処理を終了すると、メインCPU201は、今回の差玉カウンタ3バイト減算処理を終了する。
このように、本実施形態の差玉カウンタ3バイト減算処理においては、下位2バイトの第2差玉情報から減算値(アウト球)を減算した後、第2差玉情報の減算結果が0以上でない場合(すなわち、マイナスのとき)には、第2差玉情報に1000を加算するとともに、第1差玉情報から1を減算して更新している。このため、3バイトカウンタの全て値(000000H~FFFFFFH)をカウントとすることなく、下位2バイトの第2差玉情報では0~999までの値をカウントし、上位1バイトの第1差玉情報では0~255までの値をカウントすることができる。
さらに、本実施形態の差玉カウンタ3バイト減算処理においては、差玉情報(第1差玉情報と第2差玉情報)がマイナスとなるようなときには、第1差玉情報と第2差玉情報とをクリアして、差玉情報がマイナスとなることを規制している。
[ゲームストップ機能カウンタチェック処理]
次に、図173を参照して、ゲームストップ機能状態チェック処理で実行されるゲームストップ機能カウンタチェック処理について説明する。図173は、第5のパチンコ遊技機におけるゲームストップ機能カウンタチェック処理の一例を示すフローチャートである。
ゲームストップ機能カウンタチェック処理は、上述したように、領域外エリア処理呼出命令により呼び出される処理となっており、この処理を実行するためのプログラムは、メインROM202の領域外エリアに記憶されているプログラムであり、メインRAM203の領域外エリアを利用する。
ステップS5661において、メインCPU201は、メインRAM203の領域外エリアにおける差玉通知情報領域の差玉通知情報(第1差玉情報)をクリアする。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をステップS5662に移す。
ステップS5662において、メインCPU201は、メインRAM203の領域外エリアにおける差玉判定用カウンタ領域から今回の第1差玉情報をロードして、ロードした今回の第1差玉情報を所定のレジスタにセットする。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をステップS5663に移す。
ステップS5663において、メインCPU201は、今回の第1差玉情報>前回の第1差玉情報であるか否かを判定する。具体的には、メインCPU201は、所定のレジスタにセットされた今回の第1差玉情報と、メインRAM203の領域外エリアにおける差玉判定用カウンタバッファ領域に記憶された前回の第1差玉情報とを比較して、今回の第1差玉情報が前回の第1差玉情報よりも大きいか(すなわち、第1差玉情報が増加しているか)否かを判定する。メインCPU201は、今回の第1差玉情報>前回の第1差玉情報であると判定した場合には、処理をステップS5666に移し、今回の第1差玉情報>前回の第1差玉情報でないと判定した場合には、処理をステップS5664に移す。
ステップS5664において、メインCPU201は、所定のレジスタにセットされた今回の第1差玉情報に1を加算して補正する。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をステップS5665に移す。
ステップS5665において、メインCPU201は、上記ステップS5664により補正された今回の第1差玉情報に対し、今回の第1差玉情報≧前回の第1差玉情報であるか否かを判定する。具体的には、メインCPU201は、所定のレジスタにセットされた加算済みの今回の第1差玉情報と、メインRAM203の領域外エリアにおける差玉判定用カウンタバッファ領域に記憶された前回の第1差玉情報とを比較して、今回の第1差玉情報が前回の第1差玉情報以上であるか否かを判定する。メインCPU201は、今回の第1差玉情報≧前回の第1差玉情報であると判定した場合には、今回のゲームストップ機能カウンタチェック処理を終了し、今回の第1差玉情報≧前回の第1差玉情報でないと判定した場合には、処理をステップS5666に移す。
ステップS5666において、メインCPU201は、メインRAM203の領域外エリアにおける差玉判定用カウンタバッファ領域に、差玉判定用カウンタ領域に記憶された第1差玉情報を格納する。これにより、次回に比較するための前回の第1差玉情報が更新されることになる。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をステップS5667に移す。
ステップS5667において、メインCPU201は、メインRAM203の領域外エリアにおける差玉通知情報領域に、差玉判定用カウンタ領域に記憶された第1差玉情報を格納セットする。この差玉通知情報領域に第1差玉情報が格納されることで、上述したようにゲームストップ機能状態コマンドがサブ制御回路300に送信されることになる(ステップS5607~S5610)。また、領域外エリアの差玉通知情報領域に第1差玉情報が格納されることで、遊技用エリアのストップ機能差玉数パラメータ領域に第1差玉情報が転送され、遊技用エリアの第1差玉情報が更新されることになる。この処理を終了すると、メインCPU201は、今回のゲームストップ機能カウンタチェック処理を終了する。
このように、本実施形態のゲームストップ機能カウンタチェック処理においては、第1差玉情報が増加したとき(ステップS5663のYESのとき)には、差玉判定用カウンタバッファ領域及び差玉通知情報領域に第1差玉情報が格納されて、ゲームストップ機能状態コマンドがサブ制御回路300に送信されることになる。
また、第1差玉情報が維持したとき、または第1差玉情報が1しか減少していないとき(ステップS5663のNOかつステップS5665のYESのとき)には、新たにゲームストップ機能状態コマンドがサブ制御回路300に送信されないことになる。一方、第1差玉情報が2以上減少したとき(ステップS5663のNOかつステップS5665のNOのとき)には、差玉判定用カウンタバッファ領域及び差玉通知情報領域に第1差玉情報が格納されて、ゲームストップ機能状態コマンドがサブ制御回路300に送信されることになる。
したがって、本実施形態においては、第1差玉情報が増加したとき、第1差玉情報が2以上減少したときに、ゲームストップ機能状態コマンドがサブ制御回路300に送信されることになる。
また、上述したように第1差玉情報は、遊技球の差玉数の1000個単位の個数を示す情報であることから、遊技球の差玉数の1000個単位の変化があった場合に、ゲームストップ機能状態コマンドがサブ制御回路300に送信されることになる。すなわち、本実施形態においては、遊技球の差玉数が1000個以上増加したときにゲームストップ機能状態コマンドがサブ制御回路300に送信され、遊技球の差玉数が1001個以上減少したときにゲームストップ機能状態コマンドがサブ制御回路300に送信されることになる。また、遊技球の差玉数の変化が-1000~999個であるときには、ゲームストップ機能状態コマンドがサブ制御回路300に送信されないことになる。
なお、本実施形態においては、第1差玉情報が2以上減少したときに、ゲームストップ機能状態コマンドがサブ制御回路300に送信されるように構成したが、第1差玉情報が1以上減少したとき(すなわち、第1差玉情報が単純に減少したとき)に、ゲームストップ機能状態コマンドがサブ制御回路300に送信されるように構成してもよい。
さらには、本実施形態においては、第1差玉情報を基準として、遊技球の差玉数の1000個単位の変化をチェックするように構成したが、第2差玉情報を基準として、遊技球の差玉数の1000個未満の個数(1個単位)の変化をチェックするように構成してもよい。
[ゲームストップ機能状態管理処理]
次に、図174を参照して、ゲームストップ機能状態チェック処理で実行されるゲームストップ機能状態管理処理について説明する。図174は、第5のパチンコ遊技機におけるゲームストップ機能状態管理処理の一例を示すフローチャートである。
ゲームストップ機能状態管理処理は、上述したように、領域外エリア処理呼出命令により呼び出される処理となっており、この処理を実行するためのプログラムは、メインROM202の領域外エリアに記憶されているプログラムであり、メインRAM203の領域外エリアを利用する。
ステップS5671において、メインCPU201は、メインRAM203の領域外エリアにおけるゲームストップ機能フェーズ領域から、ゲームストップ機能フェーズをロードする処理を行う。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をステップS5672に移す。
ステップS5672において、メインCPU201は、ロードしたゲームストップ機能フェーズ≧2であるか否かを判定する。すなわち、ゲームストップ機能フェーズがゲームストップ機能作動待機フェーズ(=2)またはゲームストップ機能作動完了フェーズ(=3)であるか否かを判定する。メインCPU201は、ゲームストップ機能フェーズ≧2であると判定した場合には、処理をステップS5677に移し、ゲームストップ機能フェーズ≧2でないと判定した場合には、処理をステップS5673に移す。
ステップS5673において、メインCPU201は、メインRAM203の領域外エリアにおける差玉判定用カウンタバッファ領域から第1差玉情報をロードする。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をステップS5674に移す。
なお、本実施形態においては、メインRAM203の領域外エリアにおける差玉判定用カウンタバッファ領域から第1差玉情報をロードするように構成したが、メインRAM203の領域外エリアにおける差玉判定用カウンタ領域から第1差玉情報をロードするように構成してもよい。
ステップS5674において、メインCPU201は、ロードした第1差玉情報が判定値以上であるか否かの第1差玉情報の判定処理を行う。この第1差玉情報の判定処理では、最初にロードした第1差玉情報が規制値に対応する判定値(例えば、95000個に対応する95)以上であるかの判定を行う。次に、第1差玉情報が規制値に対応する判定値でなければ、境界値に対応する判定値(例えば、90000個に対応する90)以上であるかを判定する。そして、第1差玉情報が規制値に対応する判定値以上であれば、ゲームストップ機能作動待機フェーズ(=2)を所定のレジスタにセットし、第1差玉情報が境界値に対応する判定値以上であれば、ゲームストップ機能作動予告フェーズ(=1)を所定のレジスタにセットし、第1差玉情報が境界値に対応する判定値以上でなければ、ゲームストップ機能通常状態フェーズ(=0)を所定のレジスタにセットする。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をステップS5675に移す。
ステップS5675において、メインCPU201は、上記ステップS5674で所定のレジスタにセットされたゲームストップ機能フェーズを、メインRAM203の領域外エリアにおけるゲームストップ機能フェーズ領域に格納して、ゲームストップ機能フェーズを更新する。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をステップS5676に移す。
ステップS5676において、メインCPU201は、上記ステップS5674で所定のレジスタにセットされたゲームストップ機能フェーズが、ゲームストップ機能作動待機フェーズ(=2)であるか否かを判定する。メインCPU201は、ゲームストップ機能作動待機フェーズ(=2)であると判定した場合には、処理をステップS5677に移し、ゲームストップ機能作動待機フェーズ(=2)でないと判定した場合には、今回のゲームストップ機能状態管理処理を終了する。
ステップS5677において、メインCPU201は、メインRAM203の遊技用エリアにおける特別図柄制御状態番号領域から、特別図柄の制御状態番号をロードする。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をステップS5678に移す。
ステップS5678において、メインCPU201は、ロードした特別図柄の制御状態番号を参照し、大当り遊技状態または小当り遊技状態であるか否かを判定する。具体的には、ロードした特別図柄の制御状態番号が、大当り遊技状態または小当り遊技状態に対応する特別図柄の制御状態番号「3~5」のいずれかであるか否かを判定する。メインCPU201は、大当り遊技状態または小当り遊技状態であると判定した場合には、今回のゲームストップ機能状態管理処理を終了し、大当り遊技状態または小当り遊技状態でないと判定した場合には、処理をステップS5679に移す。
ステップS5679において、メインCPU201は、メインRAM203の領域外エリアにおけるゲームストップ機能フェーズ領域に、ゲームストップ機能作動完了フェーズ(=3)を格納する。この処理を終了すると、メインCPU201は、今回のゲームストップ機能状態管理処理を終了する。
このように、本実施形態のゲームストップ機能状態管理処理においては、第1差玉情報に基づいてゲームストップ機能フェーズが決定(更新)されることになる(ステップS5673~S5675)。
ここで、本実施形態のゲームストップ機能状態管理処理において、第1差玉情報に基づいてゲームストップ機能フェーズが決定(更新)されるのは、ゲームストップ機能フェーズがゲームストップ機能通常状態フェーズ(=0)、ゲームストップ機能作動予告フェーズ(=1)のときである(ステップS5672)。
このため、ゲームストップ機能通常状態フェーズ(=0)、ゲームストップ機能作動予告フェーズ(=1)であるときには、遊技球の差玉数に基づいてゲームストップ機能フェーズの値が繰り上がることも繰り下がることも可能である(0から1、1から2、1から0に変更可能)。しかしながら、遊技球の差玉数が規制値以上に対応したゲームストップ機能作動待機フェーズ(=2)またはゲームストップ機能作動完了フェーズ(=3)であるときには、仮に遊技球の差玉数が規制値を下回ったとしても、ゲームストップ機能フェーズの値が繰り下がる(2から1に変更される)ことができないように構成されている。
また、本実施形態のゲームストップ機能状態管理処理においては、第1差玉情報が規制値に対応する判定値以上であれば、ゲームストップ機能作動待機フェーズ(=2)が決定されるものの、大当り遊技状態または小当り遊技状態であるときにはゲームストップ機能作動完了フェーズ(=3)が決定されることはなく、大当り遊技状態または小当り遊技状態でないときにゲームストップ機能作動完了フェーズ(=3)が決定されて、遊技停止状態となる(ステップS5613)。このため、大当り遊技状態または小当り遊技状態でない場合に差玉情報が規制値以上となったときには、すぐさま遊技停止状態となるが、大当り遊技状態または小当り遊技状態である場合に差玉情報が規制値以上となったときには、大当り遊技状態または小当り遊技状態が終了したときに、遊技停止状態となる。
[ゲームストップ機能に関するコマンド]
次に、図175を参照して、ゲームストップ機能に関するコマンド(ゲームストップ機能状態コマンド及びゲームストップ機能完了コマンド)の構成について説明する。図175は、第5のパチンコ遊技機におけるゲームストップ機能に関するコマンドの構成図の一例である。
上述したように、ゲームストップ機能に関するコマンドとしては、ゲームストップ機能状態コマンドと、ゲームストップ機能完了コマンドとの2種類のコマンドを有している。
図175に示すように、ゲームストップ機能状態コマンドは、1000個単位での差玉情報が変化したときにサブ制御回路300に送信される(ステップS5609等参照)。
そして、ゲームストップ機能状態コマンドは、識別データ(例えば、D3H)と、ゲームストップ機能フェーズの情報からなる第1パラメータと、遊技球の差玉情報(第1差玉情報)からなる第2パラメータとから構成されて、3バイトのコマンドで構成されている。
また、ゲームストップ機能状態コマンドの第1パラメータにおけるゲームストップ機能フェーズの情報は、ゲームストップ機能通常状態フェーズ(=0)、ゲームストップ機能作動予告フェーズ(=1)、ゲームストップ機能作動待機フェーズ(=2)のいずれかの情報が設定される。第1パラメータにゲームストップ機能作動完了フェーズ(=3)が含まれないのは、遊技停止時には、ゲームストップ機能状態コマンドではなく、ゲームストップ機能完了コマンドが送信されるからである。
また、ゲームストップ機能状態コマンドの第2パラメータにおける遊技球の差玉情報は、1000個単位の第1差玉情報が設定される。このように、第2パラメータに第1差玉情報しか設定しないのは、コマンドの送信容量を抑えるためである。すなわち、第2差玉情報も含め、0~95000個以上の1個単位の遊技球の差玉情報を送信するとなると、遊技球の差玉情報だけで3バイトの容量が必要になるため、第1差玉情報のみを設定することにより1バイトの容量に抑えている。
サブ制御回路300側では、ゲームストップ機能状態コマンドを受信することにより、各種の報知を行うことが可能である。具体的には、ゲームストップ機能作動予告フェーズ(=1)が設定されたゲームストップ機能状態コマンドを受信したときには、表示装置7等において、遊技球の差玉数が規制値に到達すると遊技が停止されることを事前に報知する「第1遊技停止予告」が行われる。また、ゲームストップ機能作動待機フェーズ(=2)が設定されたゲームストップ機能状態コマンドを受信したときには、表示装置7等において、大当り遊技状態または小当り遊技状態が終了した後に遊技が停止されることを事前に報知する「第2遊技停止予告」が行われる。なお、ゲームストップ機能通常状態フェーズ(=0)が設定されたゲームストップ機能状態コマンドを受信したときには、ゲームストップ機能に関する報知が行われないように規制すればよい。この「第1遊技停止予告」及び「第2遊技停止予告」の報知例については、後述する。
また、図175に示すように、ゲームストップ機能完了コマンドは、ゲームストップ機能作動完了時(すなわち、ゲームストップ機能による遊技停止時)にサブ制御回路300に送信される(ステップS5063等参照)。
そして、ゲームストップ機能完了コマンドは、識別データ(例えば、D4H)と、ゲームストップ機能フェーズの情報からなる第1パラメータと、遊技球の差玉情報(第1差玉情報)からなる第2パラメータとから構成され、3バイトのコマンドで構成されている。
また、ゲームストップ機能完了コマンドの第1パラメータにおけるゲームストップ機能フェーズの情報は、ゲームストップ機能作動完了フェーズ(=3)のみが設定される。第1パラメータにゲームストップ機能作動完了フェーズのみしか設定されないのは、遊技停止時には、ゲームストップ機能フェーズとしてゲームストップ機能作動完了フェーズのみしか設定されていないからである。
また、ゲームストップ機能完了コマンドの第2パラメータにおける遊技球の差玉情報は、1000個単位の第1差玉情報が設定される。このように、第2パラメータに第1差玉情報しか設定しないのは、コマンドの送信容量を抑えるためである。
なお、ゲームストップ機能完了コマンドは、遊技球の差玉情報(第1差玉情報)からなる第2パラメータを含めずに、識別データ(例えば、D4H)と、ゲームストップ機能フェーズの情報からなる第1パラメータとから構成してもよい。
サブ制御回路300側では、ゲームストップ機能完了コマンドを受信することにより、表示装置7等において、ゲームストップ機能による遊技停止状態であることを報知する「遊技停止報知」が行われる。この「遊技停止報知」の報知例については、後述する。
なお、ゲームストップ機能フェーズの情報は、電断復帰時に送信される電断復帰コマンドにも含まれており、電断復帰時には、サブ制御回路300は、電断復帰コマンドを受信することによりゲームストップ機能フェーズを把握することができる。
[その他のコマンド]
次に、図176を参照して、上述したゲームストップ機能に関するコマンドを除いたその他のコマンドの構成の一例について説明する。図176は、第5のパチンコ遊技機におけるその他のコマンドの構成図の一例である。
図176に示すように、入賞情報コマンドは、各種スイッチ検知時にサブ制御回路300に送信される(ステップS5417参照)。
そして、入賞情報コマンドは、識別データ(例えば、B3H)と、第1始動口スイッチ6121、第2始動口スイッチ6141及び遊技球回収スイッチ5179の検知の有無を示す第1パラメータと、第1大入賞口カウントスイッチ5132、第2大入賞口カウントスイッチ5152、一般入賞口スイッチ123、V入賞口スイッチ5157及び通過ゲートスイッチ5127の検知の有無を示す第2パラメータとから構成され、3バイトのコマンドで構成されている。
サブ制御回路300側では、入賞情報コマンドを受信することにより、払い出される遊技球数や、発射(使用)された遊技球数を把握することができ、各種の報知を行うことが可能である。
また、図176に示すように、払出状態通知コマンドは、サブ制御回路300に定期送信される(ステップS5090~S5092参照)。
そして、払出状態通知コマンドは、識別データ(例えば、C1H)と、複数の払出異常イベント情報に関する第1パラメータとから構成され、2バイトのコマンドで構成されている。
また、払出状態通知コマンドの第1パラメータにおける払出異常イベント情報は、0ビット目がカードユニット通信異常の有無、1ビット目が受け皿満タンの有無、2ビット目が球詰まり異常の有無、3ビット目が払出センサ異常の有無、4ビット目が払出モータ異常の有無、5ビット目が応答異常の有無、6ビット目がタッチ状態の有無のように構成されている。
サブ制御回路300側では、払出状態通知コマンドを受信することにより、遊技球の払出状態に関する異常を把握することができ、各種の報知を行うことが可能である。上述したように、ゲームストップ機能により遊技停止状態であるときにも、払出状態通知コマンドの送信は継続して実行可能となっている。
なお、本実施形態においては、払出状態通知コマンドは、タッチ状態の有無の情報を含めて構成いるが、タッチ状態の情報を含めず構成してもよい。
[5-7.サブ制御回路]
次に、主制御回路200からサブ制御回路300に送信される各種のコマンド等に基づいたサブ制御回路300の制御内容について説明する。
[サブ制御回路処理]
図177を参照して、サブ制御回路300のサブCPU301により実行される各種処理の内容について説明する。図177は、第5のパチンコ遊技機におけるサブ制御回路処理の一例を示すフローチャートである。
図177に示すように、サブCPU301は、先ず、初期化処理を行う(ステップS5900)。この初期化処理では、例えば、RAMアクセス許可、ハードウェア初期化、デバイス初期化、アプリケーション初期化等といった初期化処理が行われる。
この処理を終了すると、サブCPU301は、処理をステップS5910に移す。
ステップS5910において、サブCPU301は、データを入力するデータ入力処理を行う。このデータ入力処理では、コマンド入力ポート308からコマンドを入力したり、演出ボタン54によって検出された遊技者による操作情報を入力したりする処理が行われる。
この処理を終了すると、サブCPU301は、処理をステップS5920に移す。
ステップS5920において、サブCPU301は、コマンド受信処理を実行する。この処理では、ステップS5910の処理で入力されたコマンドの解析が行われる。このコマンド受信処理では、主制御回路200から受信した各種のコマンドに基づいて、演出パターンの決定や、各種の情報の設定等を行う。このコマンド受信処理の詳細については、図178~図180を参照して後述する。
この処理を終了すると、サブCPU301は、処理をステップS5930に移す。
ステップS5930において、サブCPU301は、演出態様決定処理を実行する。この処理では、上記ステップS5920により演出パターンが決定された場合に、決定した演出パターンに基づいて、各種演出装置を動作させるための各種リクエスト(例えば、描画リクエスト、サウンドリクエスト、ランプリクエスト、および、役物リクエスト、演出ボタン駆動リクエスト等)を生成する。
この処理を終了すると、サブCPU301は、処理をステップS5940に移す。
ステップS5940において、サブCPU301は、描画制御処理を実行する。この処理において、サブCPU301は、描画リクエストを表示制御回路304に送信する。表示制御回路304は、サブCPU301から送信されたメッセージ(描画リクエスト)に基づいて、表示装置7の表示領域に画像を表示させるための描画制御を行う。
この処理を終了すると、サブCPU301は、処理をステップS5950に移す。
ステップS5950において、サブCPU301は、音声制御処理を実行する。この処理において、サブCPU301は、サウンドリクエストを音声制御回路305に送信する。音声制御回路305は、サブCPU301から送信されたメッセージ(サウンドリクエスト)に基づいて、スピーカ32に音声を出力させるための音声制御を行う。
この処理を終了すると、サブCPU301は、処理をステップS5960に移す。
ステップS5960において、サブCPU301は、LED制御処理を実行する。この処理において、サブCPU301は、ランプリクエストをLED制御回路306に送信する。LED制御回路306は、サブCPU301から送信されたメッセージ(ランプリクエスト)に基づいて、LED群46を構成するLEDの全部または一部を点灯あるいは点滅させるための発光制御を行う。
この処理を終了すると、サブCPU301は、処理をステップS5970に移す。
ステップS5970において、サブCPU301は、役物制御処理を実行する。この処理において、サブCPU301は、役物リクエストを役物制御回路307に送信する。役物制御回路307は、サブCPU301から送信されたメッセージ(役物リクエスト)に基づいて、演出用役物群58を構成する全部または一部の役物にかかる演出用駆動モータ(不図示)を動作させるための駆動制御を行う。
この処理を終了すると、サブCPU301は、処理をステップS5980に移す。
ステップS5980において、サブCPU301は、演出ボタン制御処理を実行する。この処理において、サブCPU301は、演出ボタン駆動リクエストをボタン制御回路310に送信する。ボタン制御回路310は、サブCPU301から送信されたメッセージ(演出ボタン駆動リクエスト)に基づいて、演出ボタン54の操作態様を変化させたり、演出ボタン54を振動させたりする駆動制御を行う。
この処理を終了すると、サブCPU301は、処理をステップS5990に移す。
ステップS5990において、サブCPU301は、演出進行処理を実行する。この処理において、サブCPU301は、各種演出の実行を進行させるための演出タイマカウンタ等を更新する処理を行う。
この処理を終了すると、サブCPU301は、処理をステップS5910に戻す。
[コマンド受信処理]
次に、図178~図180を参照して、演出態様決定処理で実行される演出パターン決定処理の詳細について説明する。図178~図180は、第5のパチンコ遊技機における演出パターン決定処理の一例を示すフローチャートである。
ステップS5921-1において、サブCPU301は、メインCPU201から受信したコマンドが「初期化入賞コマンド」であるか否かを判定する。
サブCPU301は、「初期化入賞コマンド」であると判定した場合には、処理をステップS5921-2に移し、「初期化入賞コマンド」でないと判定した場合には、処理をステップS5921-3に移す。
ステップS5921-2において、サブCPU301は、初期化設定処理を行う。この初期化設定処理では、サブCPU301のレジスタ、ワークRAM303の作業領域の初期化の設定を行う。
この処理を終了すると、サブCPU301は今回のコマンド受信処理を終了する。
ステップS5921-3において、サブCPU301は、メインCPU201から受信したコマンドが「電断復帰コマンド」であるか否かを判定する。
サブCPU301は、「電断復帰コマンド」であると判定した場合には、処理をステップS5921-4に移し、「電断復帰コマンド」でないと判定した場合には、処理をステップS5921-7に移す。
ステップS5921-4において、サブCPU301は、電断前の状態に復帰するように電断復帰設定処理を行う。この電断復帰設定処理では、サブCPU301は、電断復帰コマンドに含まれた各種の情報に基づいて、サブCPU301のレジスタ、ワークRAM303の作業領域に各種の情報を設定する。特に、本実施形態においては、電断復帰コマンドに含まれたゲームストップ機能フェーズの情報をワークRAM303のゲームストップ機能フェーズ領域にセットする。ただし、サブ制御回路300側のみ管理されている演出の進行状態(演出タイマカウンタ等)は、電断前の状態から復帰せずに、新たに再設定されることになる。例えば、大当り遊技状態における大当り演出パターンのストーリー演出等は、電断前の途中のストーリー演出から再開せずに、最初のストーリー演出から再開することになる。
ステップS5921-5において、サブCPU301は、ワークRAM303のゲームストップ機能フェーズ領域が2以上であるか、すなわち、ゲームストップ機能作動待機フェーズ(=2)またはゲームストップ機能作動完了フェーズ(=3)のいずれかであるか否かを判定する。
サブCPU301は、ゲームストップ機能フェーズが2以上であると判定した場合には、処理をステップS5921-6に移し、ゲームストップ機能フェーズが2以上でないと判定した場合には、今回のコマンド受信処理を終了する。
ステップS5921-6において、サブCPU301は、ゲームストップ関連再報知処理を行う。このゲームストップ関連再報知処理では、サブCPU301は、ゲームストップ機能作動待機フェーズ(=2)である場合には、第2停止予告復帰処理を行い、ゲームストップ機能作動完了フェーズ(=3)である場合には、遊技停止報知復帰処理を行う。
ゲームストップ関連再報知処理における第2停止予告復帰処理では、サブCPU301は、第2停止予告の報知を実行するための第2停止予告報知パターンを決定して、ワークRAM303のゲームストップ機能報知領域に第2停止予告報知パターンをセットする。これにより、表示装置7等において、大当り遊技状態または小当り遊技状態が終了した後に遊技が停止されることを事前に報知する「第2遊技停止予告」が再開される。
ゲームストップ関連再報知処理における遊技停止報知復帰処理では、サブCPU301は、遊技停止報知を実行するための遊技停止報知パターンを決定して、ワークRAM303のゲームストップ機能報知領域に遊技停止報知パターンをセットする。これにより、表示装置7等において、ゲームストップ機能による遊技停止状態であることを報知する「遊技停止報知」が再開される。
ゲームストップ関連再報知処理において、第2停止予告復帰処理または遊技停止報知復帰処理の処理が終了すると、今回のコマンド受信処理を終了し、処理を演出態様決定処理(図177参照)に移す。
ステップS5921-7において、サブCPU301は、メインCPU201から受信したコマンドが「保留加算コマンド」であるか否かを判定する。
サブCPU301は、「保留加算コマンド」であると判定した場合には、処理をステップS5921-8に移し、「保留加算コマンド」でないと判定した場合には、処理をステップS5921-11に移す。
ステップS5921-8において、サブCPU301は、特別図柄の保留個数を加算する特別図柄の保留個数加算処理を行う。この特別図柄の保留個数加算処理では、保留加算コマンドに含まれた特別図柄の保留個数を、ワークRAM303の特別図柄保留個数カウンタにセットする。
この処理を終了すると、サブCPU301は、処理をステップS5921-9に移す。
ステップS5921-9において、サブCPU301は、ワークRAM303のゲームストップ機能フェーズ領域にセットされているゲームストップ機能フェーズが2であるか、すなわち、ゲームストップ機能作動待機フェーズ(=2)であるか否かを判定する。
サブCPU301は、ゲームストップ機能フェーズが2であると判定した場合には、今回のコマンド受信処理を終了し、ゲームストップ機能フェーズが2でないと判定した場合には、処理をステップS5921-10に移す。
ステップS5921-10において、サブCPU301は、ゲームストップ機能通常状態フェーズ(=0)またはゲームストップ機能作動予告フェーズ(=1)である場合に、大当り遊技状態中の先読み演出決定処理を行う。
この先読み演出決定処理では、サブCPU301は、保留加算コマンドに含まれる特別図柄の始動情報に基づいて、大当り遊技状態中に行われる先読み演出を実行するための先読み演出パターンを決定し、ワークRAM303の演出報知領域に先読み演出パターンをセットする。
この処理を終了すると、今回のコマンド受信処理を終了し、処理を演出態様決定処理(図177参照)に移す。
また、本実施形態においては、ゲームストップ機能作動待機フェーズ(=2)である場合には、大当り遊技状態中には先読み演出が実行されないように規制されている。これは、ゲームストップ機能作動待機フェーズ(=2)である場合の大当り遊技状態の終了後には、ゲームストップ機能により遊技停止状態となるからである。なお、ゲームストップ機能作動完了フェーズ(=3)である場合には、そもそも先読み演出が実行されることはない。
ステップS5921-11において、サブCPU301は、メインCPU201から受信したコマンドが「保留減算コマンド」であるか否かを判定する。
サブCPU301は、「保留減算コマンド」であると判定した場合には、処理をステップS5921-12に移し、「保留減算コマンド」でないと判定した場合には、処理をステップS5921-20に移す。
ステップS5921-12において、サブCPU301は、特別図柄の保留個数を減算する特別図柄の保留個数減算処理を行う。この特別図柄の保留個数減算処理では、保留減算コマンドに含まれた特別図柄の保留個数を、ワークRAM303の特別図柄保留個数カウンタにセットする。
この処理を終了すると、今回のコマンド受信処理を終了し、処理を演出態様決定処理(図177参照)に移す。
ステップS5921-20において、サブCPU301は、メインCPU201から受信したコマンドが「特別図柄演出開始コマンド」であるか否かを判定する。
サブCPU301は、「特別図柄演出開始コマンド」であると判定した場合には、処理をステップS5921-21に移し、「特別図柄演出開始コマンド」でないと判定した場合には、処理をステップS5921-30に移す。
ステップS5921-21において、サブCPU301は、停止表示する装飾図柄の種類を決定する装飾図柄決定処理を行う。この装飾図柄決定処理では、サブCPU301は、特別図柄演出開始コマンドに含まれた特別図柄の停止図柄の情報に基づいて装飾図柄の停止図柄を決定し、決定した停止図柄をワークRAM303の停止図柄記憶領域に記憶する。
この処理を終了すると、サブCPU301は、処理をステップS5921-22に移す。
ステップS5921-22において、サブCPU301は、図柄演出パターンを決定する図柄演出パターン定処理を行う。
この図柄演出パターン定処理では、サブCPU301は、特別図柄演出開始コマンドに含まれた特別図柄の変動パターンの情報に基づいて、装飾図柄の変動演出を実行するための図柄演出パターンを決定し、決定した図柄演出パターンをワークRAM303の演出報知領域に記憶する。
この処理を終了すると、サブCPU301は、処理をステップS5921-23に移す。
ステップS5921-23において、サブCPU301は、予告演出パターンを決定する予告演出パターン決定処理を行う。
この予告演出パターン決定処理では、サブCPU301は、特別図柄演出開始コマンドに含まれた特別図柄の変動パターンの情報に基づいて、特別図柄の抽選結果を事前に示唆する予告演出を実行するための予告演出パターンを決定し、決定した予告演出パターンをワークRAM303の演出報知領域に記憶する。
この処理を終了すると、今回のコマンド受信処理を終了し、処理を演出態様決定処理(図177参照)に移す。
ステップS5921-30において、サブCPU301は、メインCPU201から受信したコマンドが「特別図柄演出停止コマンド」であるか否かを判定する。
サブCPU301は、「特別図柄演出停止コマンド」であると判定した場合には、処理をステップS5921-31に移し、「特別図柄演出停止コマンド」でないと判定した場合には、処理をステップS5921-40に移す。
ステップS5921-31において、サブCPU301は、装飾図柄の変動演出を終了させるための演出終了処理を行う。この演出終了処理では、装飾図柄の変動演出の実行を終了させるとともに、装飾図柄の停止図柄を停止表示させる処理を行う。
この処理を終了すると、今回のコマンド受信処理を終了し、処理を演出態様決定処理(図177参照)に移す。
ステップS5921-40において、サブCPU301は、メインCPU201から受信したコマンドが「ゲームストップ機能状態コマンド」であるか否かを判定する。
サブCPU301は、「ゲームストップ機能状態コマンド」であると判定した場合には、処理をステップS5921-41に移し、「ゲームストップ機能状態コマンド」でないと判定した場合には、処理をステップS5921-50に移す。
ステップS5921-41において、サブCPU301は、ゲームストップ機能フェーズを更新するゲームストップ機能フェーズ更新処理を行う。このゲームストップ機能フェーズ更新処理では、サブCPU301は、ワークRAM303のゲームストップ機能フェーズ領域に、ゲームストップ機能状態コマンドに含まれたゲームストップ機能フェーズをセットする。
この処理を終了すると、サブCPU301は処理をステップS5921-42に移す。
ステップS5921-42において、サブCPU301は、ワークRAM303のゲームストップ機能フェーズ領域にセットされているゲームストップ機能フェーズが0であるか、すなわち、ゲームストップ機能通常状態フェーズ(=0)であるか否かを判定する。
サブCPU301は、ゲームストップ機能フェーズが0であると判定した場合には、処理をステップS5921-43に移し、ゲームストップ機能フェーズが0でないと判定した場合には、処理をステップS5921-45に移す。
ステップS5921-43において、サブCPU301は、第1遊技停止予告の実行中であるか否かを判定する。具体的には、サブCPU301は、ワークRAM303のゲームストップ機能報知領域に第1停止予告報知パターンがセットされているか否かを判定する。
サブCPU301は、第1遊技停止予告の実行中であると判定した場合には、処理をステップS5921-44に移し、第1遊技停止予告の実行中でないと判定した場合には、今回のコマンド受信処理を終了し、処理を演出態様決定処理(図177参照)に移す。
ステップS5921-44において、サブCPU301は、第1停止予告終了処理を行う。この第1停止予告終了処理では、サブCPU301は、ワークRAM303の演出報知領域にセットされている第1停止予告報知パターンをクリアする。これにより、遊技球の差玉数が減少し、ゲームストップ機能フェーズがゲームストップ機能作動予告フェーズ(=1)からゲームストップ機能通常状態フェーズ(=0)に繰り下がったときには、第1停止予告を終了させることができる。
この処理を終了すると、今回のコマンド受信処理を終了し、処理を演出態様決定処理(図177参照)に移す。
ステップS5921-45において、サブCPU301は、遊技球の差玉数を記憶する差玉数記憶処理を行う。この差玉数記憶処理では、サブCPU301は、一旦ワークRAM303の差玉数カウンタをクリアした後、クリアされた差玉数カウンタに、ゲームストップ機能状態コマンドに含まれた1000個単位の第1差玉情報を新たにセットする。これにより、サブ制御回路300側では、主制御回路200側で管理されている1000個単位の差玉数を把握することができる。
この処理を終了すると、サブCPU301は処理をステップS5921-46に移す。
本実施形態の差玉数記憶処理において、ゲームストップ機能状態コマンドを受信したときに、一旦ワークRAM303の差玉数カウンタをクリアしているのは、後述するように入賞情報コマンドに基づいて差玉数カウンタの差玉数の1個単位の個数が補正されており、補正された遊技球の差玉数と、実際に主制御回路200側で管理されている差玉数の誤差をなくすためである。なお、本実施形態においては、ゲームストップ機能状態コマンドを受信したときに、一旦ワークRAM303の差玉数カウンタをクリアしているが、差玉数カウンタに対して、ゲームストップ機能状態コマンドに含まれた第1差玉情報を上書きして更新するように構成してもよい。
ステップS5921-46において、サブCPU301は、ワークRAM303のゲームストップ機能フェーズ領域にセットされているゲームストップ機能フェーズが1であるか、すなわち、ゲームストップ機能作動予告フェーズ(=1)であるか否かを判定する。
サブCPU301は、ゲームストップ機能フェーズが1であると判定した場合には、処理をステップS5921-47に移し、ゲームストップ機能フェーズが1でないと判定した場合には、処理をステップS5921-49に移す。
ステップS5921-47において、サブCPU301は、第1停止予告報知処理を行う。この第1停止予告報知処理では、サブCPU301は、第1停止予告の報知を実行するための第1停止予告報知パターンを決定して、ワークRAM303のゲームストップ機能報知領域に第1停止予告報知パターンをセットする。これにより、表示装置7等において、遊技球の差玉数が規制値に到達すると遊技が停止されることを事前に報知する「第1遊技停止予告」が行われる。
この処理を終了すると、サブCPU301は処理をステップS5921-48に移す。
ステップS5921-48において、サブCPU301は、規制値までの遊技球の停止残数を表示するための停止残数表示処理を行う。
この停止残数表示処理では、サブCPU301は、最初に予め定められた規制値(例えば95000個)からワークRAM303の差玉数カウンタにセットされている差玉数を減算して、停止残数を算出し、算出した停止残数をワークRAM303の停止残数カウンタにセットする。次に、ワークRAM303の停止残数カウンタにセットされた停止残数に基づいて、停止残数表示パターンを決定し、決定した停止残数表示パターンをワークRAM303のゲームストップ機能停止残数報知領域にセットする。これにより、表示装置7等において、遊技の停止まで「残りxxx個」のような停止残数報知が行われる。
この処理を終了すると、今回のコマンド受信処理を終了し、処理を演出態様決定処理(図177参照)に移す。
ステップS5921-49において、サブCPU301は、第2停止予告報知処理を行う。この第2停止予告報知処理では、サブCPU301は、第2停止予告の報知を実行するための第2停止予告報知パターンを決定して、ワークRAM303のゲームストップ機能報知領域に第2停止予告報知パターンをセットする。なお、ゲームストップ機能報知領域に第1停止予告報知パターンがセットされている場合には、上書きして(第1停止予告報知パターンをクリアして)第2停止予告報知パターンをセットする。これにより、表示装置7等において、大当り遊技状態または小当り遊技状態が終了した後に遊技が停止されることを事前に報知する「第2遊技停止予告」が行われる。
この処理を終了すると、今回のコマンド受信処理を終了し、処理を演出態様決定処理(図177参照)に移す。
ステップS5921-50において、サブCPU301は、メインCPU201から受信したコマンドが「入賞情報コマンド」であるか否かを判定する。
サブCPU301は、「入賞情報コマンド」であると判定した場合には、処理をステップS5921-51に移し、「入賞情報コマンド」でないと判定した場合には、処理をステップS5921-60に移す。
ステップS5921-51において、サブCPU301は、ワークRAM303のゲームストップ機能フェーズ領域にセットされているゲームストップ機能フェーズが1であるか、すなわち、ゲームストップ機能作動予告フェーズ(=1)であるか否かを判定する。
サブCPU301は、ゲームストップ機能フェーズが1であると判定した場合には、処理をステップS5921-52に移し、ゲームストップ機能フェーズが1でないと判定した場合には、今回のコマンド受信処理を終了する。
ステップS5921-52において、サブCPU301は、今回受信した入賞情報コマンドに基づいて差玉数を補正する差玉数補正処理を行う。
この差玉数補正処理では、サブCPU301は、まず今回受信した入賞情報コマンドに基づいて加算減算値を算出する。例えば、入賞情報コマンドに第1大入賞口カウントスイッチ5132を検知した情報が含まれている場合には、加算減算値として第1大入賞口用の賞球に対応する「15」を算出し、遊技球回収スイッチ5179を検知した情報が含まれている場合には、加算減算値として1個の遊技球が発射されたことに対応する「-1」を算出する。次に、サブCPU301は、算出した加算減算値を、ワークRAM303の差玉数カウンタに加算(減算)する。これにより、ワークRAM303の差玉数カウンタに記憶される差玉数を1個単位で更新(補正)していくことができる。
この処理を終了すると、サブCPU301は、処理をステップS5921-53に移す。
本実施形態においては、主制御回路200から送信されるゲームストップ機能状態コマンドには1000個単位の第1差玉情報しか含まれていないものの、この差玉数補正処理によれば、1個単位で遊技球の差玉数を把握することができる。例えば、92000個の第1差玉情報を含むゲームストップ機能状態コマンドにより差玉数カウンタが「92000個」にセットされた後、第1大入賞口に遊技球が入球すると入賞情報コマンドにより差玉数カウンタが「92015」に補正され、遊技球が回収されると入賞情報コマンドにより差玉数カウンタが「92014」に補正されることになる。このため、ゲームストップ機能状態コマンドによる1000個単位の第1差玉情報に対し、差玉数補正処理により0~999までの遊技球の差玉数を補正することができる。
ステップS5921-53において、サブCPU301は、規制値までの遊技球の停止残数を更新表示するための停止残数更新表示処理を行う。
この停止残数更新表示処理では、サブCPU301は、最初に予め定められた規制値(例えば95000個)から、上記ステップS5921-52により補正されたワークRAM303の差玉数カウンタの差玉数を減算して、停止残数を算出し、算出した停止残数をワークRAM303の停止残数カウンタにセットする。
次に、停止残数カウンタにセットされた停止残数が予め定められた表示境界値(例えば、100個単位)を超える変化があったか否かを判定し、停止残数が表示境界値を超える変化がないと判定した場合には、停止残数報知を更新せずに、今回のコマンド受信処理を終了する。一方、停止残数が表示境界値を超える変化があったと判定した場合には、ワークRAM303の停止残数カウンタにセットされた停止残数に基づいて、表示境界値に対応した停止残数表示パターン(例えば、100個単位の停止残数表示)を決定し、決定した停止残数表示パターンをワークRAM303のゲームストップ機能停止残数報知領域にセットする。例えば、表示境界値を100個とした場合には、停止残数が「2500~2599個」であれば「遊技の停止まで残り2500個」を表示するような停止残数表示パターンを決定し、停止残数が「2400~2499個」であれば「遊技の停止まで残り2400個」を表示するような停止残数表示パターンを決定する。これにより、表示装置7等において、停止残数が表示境界値を超える変化があった場合に、停止残数報知の更新が行われる。
この処理を終了すると、今回のコマンド受信処理を終了し、処理を演出態様決定処理(図177参照)に移す。
本実施形態の停止残数更新表示処理においては、停止残数が表示境界値を超える変化があった場合に限り、停止残数報知の更新を行うように構成されている。これにより、実際に主制御回路200側で管理されている遊技球の差玉数と、主制御回路200から送信されたゲームストップ機能状態コマンド及び入賞情報コマンドに基づいて表示装置7等に表示した表示タイミングによる差玉数の誤差(ズレ)を、表示境界値の範囲において吸収することができる。
なお、本実施形態の停止残数更新表示処理においては、停止残数が表示境界値を超える変化があった場合に限り、停止残数報知の更新を行うように構成したが、停止残数が表示境界値を超える変化があったか否かを判定することはせずに、現在の停止残数に基づいて停止残数表示パターンを決定して、停止残数報知の更新を行うように構成してもよい。すなわち、1個単位での停止残数報知の更新を行うように構成してもよい。
ステップS5921-60において、サブCPU301は、メインCPU201から受信したコマンドが「小当り開始表示コマンド」であるか否かを判定する。
サブCPU301は、「小当り開始表示コマンド」であると判定した場合には、処理をステップS5921-61に移し、「小当り開始表示コマンド」でないと判定した場合には、処理をステップS5921-62に移す。
ステップS5921-61において、サブCPU301は、小当り開始演出決定処理を行う。この小当り開始演出決定処理では、サブCPU301は、小当り遊技状態において小当り遊技演出を実行するための小当り演出パターンを決定し、決定した小当り演出パターンをワークRAM303の演出報知領域に記憶する。
この処理を終了すると、今回のコマンド受信処理を終了し、処理を演出態様決定処理(図177参照)に移す。
ステップS5921-62において、サブCPU301は、メインCPU201から受信したコマンドが「大当り開始表示コマンド」であるか否かを判定する。
サブCPU301は、「大当り開始表示コマンド」であると判定した場合には、処理をステップS5921-63に移し、「大当り開始表示コマンド」でないと判定した場合には、処理をステップS5921-70に移す。
ステップS5921-51において、サブCPU301は、大当り開始演出決定処理を行う。この大当り開始演出決定処理では、サブCPU301は、大当り遊技状態において大当り遊技演出(ストーリー演出等)を実行するための大当り演出パターンを決定し、決定した大当り演出パターンをワークRAM303の演出報知領域に記憶する。
この処理を終了すると、今回のコマンド受信処理を終了し、処理を演出態様決定処理(図177参照)に移す。
ステップS5921-70において、サブCPU301は、メインCPU201から受信したコマンドが「ゲームストップ機能完了コマンド」であるか否かを判定する。
サブCPU301は、「ゲームストップ機能完了コマンド」であると判定した場合には、処理をステップS5921-71に移し、「ゲームストップ機能完了コマンド」でないと判定した場合には、処理をステップS5921-80に移す。
ステップS5921-71において、サブCPU301は、ゲームストップ機能フェーズ更新処理を行う。このゲームストップ機能フェーズ更新処理では、サブCPU301は、ワークRAM303のゲームストップ機能フェーズ領域に、ゲームストップ機能完了コマンドに含まれたゲームストップ機能作動完了フェーズ(=3)をセットする。
この処理を終了すると、サブCPU301は処理をステップS5921-72に移す。
ステップS5921-72において、サブCPU301は、遊技球の差玉数を記憶する差玉数記憶処理を行う。この差玉数記憶処理では、サブCPU301は、一旦ワークRAM303の差玉数カウンタをクリアした後、クリアされた差玉数カウンタに、ゲームストップ機能状態コマンドに含まれた1000個単位の第1差玉情報を新たにセットする。これにより、サブ制御回路300側では、ゲームストップ機能による遊技停止時に主制御回路200側で管理されている1000個単位の差玉数を把握することができる。特に、大当り遊技状態の終了後にゲームストップ機能作動完了フェーズ(=3)がセットされた場合には、遊技球の差玉数が規制値を超えている場合があるが(例えば96000個等)、そのような場合であっても遊技球の差玉数を把握することができる。
この処理を終了すると、サブCPU301は処理をステップS5921-73に移す。
ステップS5921-73において、サブCPU301は、遊技停止報知処理を行う。この遊技停止報知処理では、サブCPU301は、遊技停止報知を実行するための遊技停止報知パターンを決定して、ワークRAM303のゲームストップ機能報知領域に遊技停止報知パターンをセットする。なお、ゲームストップ機能報知領域に第2停止予告報知パターンがセットされている場合には、上書きして(第2停止予告報知パターンをクリアして)遊技停止報知パターンをセットする。これにより、表示装置7等において、ゲームストップ機能による遊技停止状態であることを報知する「遊技停止報知」が行われる。
この処理を終了すると、サブCPU301は処理をステップS5921-74に移す。
ステップS5921-74において、サブCPU301は、払出表示処理を行う。この払出表示処理では、サブCPU301は、遊技球の払い出しが継続して行われている場合に、遊技球の払い出しが継続されていることを報知する払出継続報知パターンを決定して、ワークRAM303のゲームストップ機能サブ報知領域に払出継続報知パターンをセットする。これにより、表示装置7等において、ゲームストップ機能により遊技停止状態であるときに、遊技球の払い出しが継続中であることが報知できる。
この処理を終了すると、今回のコマンド受信処理を終了し、処理を演出態様決定処理(図177参照)に移す。
なお、本実施形態においては、ゲームストップ機能により遊技停止状態であるときに、遊技球の払い出しが継続中であることを報知するように構成したが、遊技球の払い出しが継続中であることを報知しないように構成してもよい。すなわち、上記ステップS5921-74の処理を行わないように構成してもよい。
ステップS5921-80において、サブCPU301は、メインCPU201から受信したコマンドが「払出完了コマンド」であるか否かを判定する。
サブCPU301は、「払出完了コマンド」であると判定した場合には、処理をステップS5921-81に移し、「払出完了コマンド」でないと判定した場合には、処理をステップS5921-90に移す。
ステップS5921-81において、サブCPU301は、ゲームストップ機能により遊技停止状態である場合に限り、払出残数表示処理を行う。
この払出残数表示処理では、サブCPU301は、まずワークRAM303のゲームストップ機能フェーズ領域にゲームストップ機能作動完了フェーズ(=3)がセットされているか否かを判定し、ゲームストップ機能作動完了フェーズ(=3)がセットされていないと判定した場合には、今回の払出残数表示処理を終了する。サブCPU301は、ゲームストップ機能作動完了フェーズ(=3)がセットされていると判定した場合には、今回受信した払出完了コマンドに含まれる賞球数に基づいて減算値を算出する。次に、差玉数カウンタにセットされたゲームストップ機能による遊技停止時の第1差玉情報から、算出した減算値を減算して差玉情報を更新する。そして、更新された差玉情報に基づいて、払出残数表示パターンを決定し、決定した払出残数表示パターンをワークRAM303のゲームストップ機能払出数報知領域にセットする。これにより、ゲームストップ機能により遊技停止状態であるときに、表示装置7等において、遊技球の払い出し残数を更新して表示していくことができる。
この処理を終了すると、今回のコマンド受信処理を終了し、処理を演出態様決定処理(図177参照)に移す。
なお、本実施形態においては、ゲームストップ機能により遊技停止状態であるときに、遊技球の払い出し残数を更新して表示するように構成したが、遊技球の払い出し残数を表示しないように構成してもよい。すなわち、上記ステップS5921-80、S5921-81の処理を行わないように構成してもよい。
ステップS5921-90において、サブCPU301は、メインCPU201から受信したコマンドが「払出状態通知コマンド」であるか否かを判定する。
サブCPU301は、「払出状態通知コマンド」であると判定した場合には、処理をステップS5921-91に移し、「払出状態通知コマンド」でないと判定した場合には、処理をステップS5921-99に移す。
ステップS5921-91において、サブCPU301は、払出異常イベント情報抽出処理を行う。
この払出異常イベント情報抽出処理では、サブCPU301は、今回受信した払出状態通知コマンドから異常があるすべての払出異常イベント情報を抽出する。そして、抽出した払出異常イベント情報の検知連続回数を計数するために、抽出した払出異常イベント情報に対応するワークRAM303の所定の検知連続回数カウンタ(第0~第6検知連続回数カウンタ)に1を加算して更新する。また、抽出されなかった払出異常イベント情報に対応する検知連続回数をクリアする。
さらに、払出異常イベント情報抽出処理では、サブCPU301は、抽出されなかった払出異常イベント情報の未検知連続回数を計数するために、抽出されなかった払出異常イベント情報に対応するワークRAM303の所定の未検知連続回数カウンタ(第0~第6未検知連続回数カウンタ)に1を加算して更新する。また、抽出された払出異常イベント情報に対応する未検知連続回数をクリアする。
例えば、今回受信した払出状態通知コマンドから、カードユニット通信異常を抽出した場合には第0検知連続回数カウンタに1を加算し、受け皿満タンを抽出した場合には第1検知連続回数カウンタに1を加算し、球詰まり異常を抽出した場合には第2検知連続回数カウンタに1を加算し、払出センサ異常を抽出した場合には第3検知連続回数カウンタに1を加算し、払出モータ異常を抽出した場合には第4検知連続回数カウンタに1を加算し、応答異常を抽出した場合には第5検知連続回数カウンタに1を加算し、タッチ状態を抽出した場合には第6検知連続回数カウンタに1を加算する。また、抽出されなかった払出異常イベント情報に対応する所定の検知連続回数カウンタに0をセットして、検知連続回数をクリアする。
さらに、カードユニット通信異常が抽出されなかった場合には第0未検知連続回数カウンタに1を加算し、受け皿満タンが抽出されなかった場合には第1未検知連続回数カウンタに1を加算し、球詰まり異常が抽出されなかった場合には第2未検知連続回数カウンタに1を加算し、払出センサ異常が抽出されなかった場合には第未3検知連続回数カウンタに1を加算し、払出モータ異常が抽出されなかった場合には第4未検知連続回数カウンタに1を加算し、応答異常が抽出されなかった場合には第5未検知連続回数カウンタに1を加算し、タッチ状態が抽出されなかった場合には第6未検知連続回数カウンタに1を加算する。また、抽出された払出異常イベント情報に対応する所定の未検知連続回数カウンタに0をセットして、未検知連続回数をクリアする。
この処理を終了すると、サブCPU301は処理をステップS5921-92に移す。
ステップS5921-92において、サブCPU301は、払出異常判定報知処理を行う。
この払出異常判定報知処理では、サブCPU301は、ワークRAM303のそれぞれの検知連続回数カウンタを参照し、払出異常イベント情報毎に予め定められた異常判定回数以上であるか否かを判定する。そして、サブCPU301は、異常判定回数以上である場合に、その払出異常イベント情報に関する異常報知パターン等を決定し、決定した異常報知パターンをワークRAM303の異常報知領域等にセットする。これにより、遊技球の払い出し異常がある場合に、表示装置7等において、遊技球の払出異常の報知を開始させることができる。
さらに、払出異常判定報知処理では、サブCPU301は、ワークRAM303のそれぞれの未検知連続回数カウンタを参照し、払出異常イベント情報毎に予め定められた異常終了回数以上であるか否かを判定する。そして、サブCPU301は、異常終了回数以上である場合に、ワークRAM303の異常報知領域等にセットされた異常報知パターン等をクリアする。これにより、異常が解除された後、表示装置7等において、遊技球の払出異常の報知を終了させることができる。
例えば、カードユニット通信異常に対応する第0検知連続回数カウンタ、球詰まり異常に対応する第2検知連続回数カウンタ、払出センサ異常に対応する第3検知連続回数カウンタ、払出モータ異常に対応する第4検知連続回数カウンタ、応答異常に対応する第5検知連続回数カウンタのいずれかが、異常判定回数としての33回以上である場合には、遊技球の払い出し異常を示す払出異常報知パターンをセットする。また、受け皿満タンに対応する第1検知連続回数カウンタが、異常判定回数としての15回以上である場合には、受け皿満タンを示す受皿異常報知パターンをセットする。また、タッチ状態に対応する第6検知連続回数カウンタが、異常判定回数としての2回以上である場合には、タッチ状態を示すデモ解除情報をセットする。
さらに、カードユニット通信異常に対応する第0未検知連続回数カウンタ、球詰まり異常に対応する第2未検知連続回数カウンタ、払出センサ異常に対応する第3未検知連続回数カウンタ、払出モータ異常に対応する第4未検知連続回数カウンタ、応答異常に対応する第5未検知連続回数カウンタのいずれかが、異常終了回数としての3回以上である場合には、遊技球の払い出し異常を示す払出異常報知パターンをクリアする。また、受け皿満タンに対応する未第1検知連続回数カウンタが、異常終了回数としての3回以上である場合には、受け皿満タンを示す受皿異常報知パターンをクリアする。また、タッチ状態に対応する第6未検知連続回数カウンタが、異常終了回数としての2回以上である場合には、タッチ状態を示すデモ解除情報をクリアする。
この処理を終了すると、今回のコマンド受信処理を終了し、処理を演出態様決定処理(図177参照)に移す。
本実施形態の払出異常イベント情報抽出処理及び払出異常判定報知処理においては、払出異常イベント情報毎の検知連続回数及び未検知連続回数に基づいて、遊技球の払出異常等を判定し、表示装置7等において遊技球の払出異常の報知の開始と終了とを行わせている。
このように、払出異常イベント情報毎の検知連続回数及び未検知連続回数に基づいて、遊技球の払出異常等を判定することにより、定期的に送信される払出状態通知コマンドのノイズ除去(チャタリング除去)を行うことができる。さらに、払出異常イベント情報毎に払出異常の報知の開始時間と終了時間とを調整させることもできる。例えば、受け皿満タンの異常に関しては、受け皿満タンの異常検知後に即座に報知されると、遊技者に煩わしさを感じさせてしまう場合があるため、払出異常の報知の開始時間を遅らせることができる。
なお、本実施形態の払出異常イベント情報抽出処理及び払出異常判定報知処理においては、払出異常イベント情報に関する払い出し異常として、カードユニット通信異常、球詰まり異常、払出センサ異常、払出モータ異常及び応答異常を区別して、検知連続回数及び未検知連続回数を計数するように構成したが、カードユニット通信異常、球詰まり異常、払出センサ異常、払出モータ異常及び応答異常を区別せずに、検知連続回数及び未検知連続回数を計数するように構成してもよい。このように構成する場合には、カードユニット通信異常、球詰まり異常、払出センサ異常、払出モータ異常及び応答異常の1ビットの論理和をとり、いずれかの異常がある場合には検知連続回数を計数し、いずれの異常もない場合には未検知連続回数を計数するように構成すればよい。そして、払い出し異常に関する共通の異常報知パターンを決定・クリアすればよい。
ステップS5921-99において、サブCPU301は、その他、メインCPU201から受信した各種コマンドに応じた演出パターンを決定したり、その他のカウンタを更新したりする。例えば、第1大入賞口入賞コマンドまたは第2大入賞口入賞コマンドの受信に応じて遊技球の累計の払出情報を更新したりする。
この処理を終了すると、今回のコマンド受信処理を終了し、処理を演出態様決定処理(図177参照)に移す。
[5-8.遊技停止予告のタイムチャート]
次に、図181~図183を参照して、第5のパチンコ遊技機において行われるゲームストップ機能による報知のタイミング等について説明する。図181~図183は、第5のパチンコ遊技機におけるゲームストップ機能による報知のタイムチャートの一例である。
上述したように、ゲームストップ機能による報知としては、遊技球の差玉数が規制値に到達すると遊技が停止されることを事前に報知する「第1遊技停止予告」と、大当り遊技状態または小当り遊技状態が終了した後に遊技が停止されることを事前に報知する「第2遊技停止予告」と、ゲームストップ機能による遊技停止状態であることを報知する「遊技停止報知」とを備えている。
また、図181~図183に示すタイムチャートにおいては、上から順に「遊技状態(特別図柄の制御状態)」と、「報知装置(表示装置7、スピーカ32、LED群46)」と、「ゲームストップ機能フェーズ」と、「遊技球の差玉数」とを図示している。なお、ゲームストップ機能フェーズは、上述したように、ゲームストップ機能通常状態フェーズ(=0)、ゲームストップ機能作動予告フェーズ(=1)、ゲームストップ機能作動待機フェーズ(=2)、ゲームストップ機能作動完了フェーズ(=3)のいずれかのフェーズを示している。
図181(a)は、遊技球の差玉数が境界値(例えば90000個)以上となったときに、第1遊技停止予告を実行するタイムチャート1の一例である。
図181(a)に示す(ア)のタイミングは、遊技球の差玉数が境界値以上となったときである。このとき、ゲームストップ機能フェーズが0から1に更新され(図174に示すステップS5675参照)、主制御回路200からサブ制御回路300にゲームストップ機能状態コマンドが送信される(図168に示すステップS5609参照)。そして、ゲームストップ機能状態コマンドを受信したサブ制御回路300により、報知装置において第1遊技停止予告の実行が開始されることになる(図179に示すステップS5921-47参照)。なお、第1遊技停止予告の報知内容の一例については、詳しくは後述する。
このように、遊技球の差玉数が境界値以上となり、遊技球の差玉数が規制値に近づいているときには、第1遊技停止予告により、遊技球の差玉数が規制値に到達すると遊技が停止されることを事前に報知することができる。
図181(b)は、遊技球の差玉数が当り遊技状態中(小当り遊技状態または大当り遊技状態)に規制値(例えば95000個)を超えたときに、第2遊技停止予告及び遊技停止報知を実行するタイムチャート2の一例である。
図181(b)に示す(ア)のタイミングにおいては、図181(a)に示すタイムチャート1と同様に、遊技球の差玉数が境界値以上となったことにより、ゲームストップ機能フェーズが0から1に更新され、報知装置において第1遊技停止予告の実行が開始される。
図181(b)に示す(イ)のタイミングは、小当り遊技状態中において遊技球の差玉数が規制値を超えたときである。このとき、ゲームストップ機能フェーズが1から2に更新され(図174に示すステップS5675参照)、主制御回路200からサブ制御回路300にゲームストップ機能状態コマンドが送信される(図168に示すステップS5609参照)。そして、ゲームストップ機能状態コマンドを受信したサブ制御回路300により、報知装置において第2遊技停止予告の実行が開始されることになる(図179に示すステップS5921-49参照)。なお、第2遊技停止予告の報知内容の一例については、詳しくは後述する。
図181(b)に示す(ウ)のタイミングは、小当り遊技状態中において遊技球がV入賞口5156に通過して、小当り遊技状態から大当り遊技状態に移行したときである。このときにおいても、ゲームストップ機能作動待機フェーズ(=2)が保持され、報知装置において第2遊技停止予告が継続されている。なお、小当り遊技状態中において遊技球がV入賞口5156に通過しなかったときには、大当り遊技状態に移行せず、報知装置において第2遊技停止予告を終了して、遊技停止報知の実行が開始されることになる。
図181(b)に示す(エ)のタイミングは、遊技球の差玉数が規制値を超えている大当り遊技状態が終了したときである。このとき、ゲームストップ機能フェーズが2から3に更新され(図174に示すステップS5679参照)、主制御回路200からサブ制御回路300にゲームストップ機能完了コマンドが送信される(図150に示すステップS5063参照)。そして、ゲームストップ機能完了コマンドを受信したサブ制御回路300により、報知装置において遊技停止報知の実行が開始されることになる(図180に示すステップS5921-73参照)。なお、遊技停止報知の報知内容の一例については、詳しくは後述する。
このように、小当り遊技状態または大当り遊技状態の終了後にゲームストップ機能により遊技停止状態となる場合には、小当り遊技状態または大当り遊技状態中の第2遊技停止予告により、大当り遊技状態または小当り遊技状態が終了した後に遊技が停止されることを事前に報知することができる。また、遊技停止報知により、ゲームストップ機能による遊技停止状態であることを報知することができる。
図181(c)は、遊技球の差玉数が当り遊技状態以外のときに規制値(例えば95000個)を超えたときに、遊技停止報知を実行するタイムチャート3の一例である。
図181(c)に示す(ア)のタイミングにおいては、図181(a)に示すタイムチャート1と同様に、遊技球の差玉数が境界値以上となったことにより、ゲームストップ機能フェーズが0から1に更新され、報知装置において第1遊技停止予告の実行が開始される。
図181(c)に示す(イ)のタイミングは、小当り遊技状態または大当り遊技状態以外のときに遊技球の差玉数が規制値を超えたときである。このとき、ゲームストップ機能フェーズが1から2に更新されるものの、即座にゲームストップ機能フェーズが2から3に更新される(図174に示すステップS5675、ステップS5679等参照)。その後、主制御回路200からサブ制御回路300にゲームストップ機能完了コマンドが送信される(図150に示すステップS5063参照)。そして、ゲームストップ機能完了コマンドを受信したサブ制御回路300により、報知装置において遊技停止報知の実行が開始されることになる(図180に示すステップS5921-73参照)。
このため、小当り遊技状態または大当り遊技状態以外のときに遊技球の差玉数が規制値を超えたときには、第2遊技停止予告は実行されないことになる。
図181(d)は、遊技球の差玉数が境界値(例えば90000個)を超えた後、境界値を超えた遊技球の差玉数が減少して、境界値を下回ったときの第1遊技停止予告の実行を終了させるタイムチャート4の一例である。
図181(d)に示す(ア)のタイミングにおいては、図181(a)に示すタイムチャート1と同様に、遊技球の差玉数が境界値以上となったことにより、ゲームストップ機能フェーズが0から1に更新され、報知装置において第1遊技停止予告の実行が開始される。
図181(d)に示す(カ)のタイミングは、境界値を超えた遊技球の差玉数が減少して、境界値を下回ったとき(例えば89999個)である。このとき、このとき、主制御回路200側ではゲームストップ機能フェーズが1から0に更新されるが(図174に示すステップS5675参照)、主制御回路200からサブ制御回路300にゲームストップ機能状態コマンドが送信されることはなく(図173に示すゲームストップ機能カウンタチェック処理参照)、サブ制御回路300側ではゲームストップ機能フェーズが1のままであると判断して、報知装置においては第1遊技停止予告が継続される。
図181(d)に示す(キ)のタイミングは、境界値を超えた遊技球の差玉数が減少して、境界値よりも小さい保持値(例えば89000個)を下回ったとき(例えば88999個)である。このとき、主制御回路200からサブ制御回路300にゲームストップ機能状態コマンドが送信される(図173のゲームストップ機能カウンタチェック処理、図168に示すステップS5609等参照)。そして、ゲームストップ機能状態コマンドを受信したサブ制御回路300により、ゲームストップ機能フェーズが1から0に更新されたと判断して、報知装置において第1遊技停止予告の実行を終了させる(図179に示すステップS5921-44参照)。
このように、境界値を超えた遊技球の差玉数が減少して境界値を下回ったときには、すぐさま第1遊技停止予告が終了することにはならないので、第1遊技停止予告の実行が開始され、すぐさま第1遊技停止予告の実行が終了するような煩わしさを無くすことができる。例えば、大当り遊技状態中に第1大入賞口5131に遊技球が入球し、遊技球の差玉数が境界値に到達して第1遊技停止予告の実行が開始されたものの、その後第1大入賞口5131に遊技球がなかなか入球せず、第1遊技停止予告の実行が一旦終了し、再び第1大入賞口5131に遊技球が入球すると第1遊技停止予告の実行が再び開始されるというような煩わしさを無くすことができる。
ここで、ゲームストップ機能フェーズがゲームストップ機能作動待機フェーズ(=2)またはゲームストップ機能作動完了フェーズ(=3)であるときには、仮に遊技球の差玉数が規制値や境界値を下回ったとしても、ゲームストップ機能フェーズの値が繰り下がることができない(図174のゲームストップ機能状態チェック処理等参照)。
このため、本実施形態においては、第1遊技停止予告は、遊技球の差玉数が境界値よりも小さい保持値を下回ったときには、第1遊技停止予告を終了することになるが、第2遊技停止予告や遊技停止報知は、仮に遊技球の差玉数が規制値や境界値を下回ったとしても、第2遊技停止予告や遊技停止報知を終了することはない。ゲームストップ機能作動待機フェーズ(=2)に基づく第2遊技停止予告は、遊技球の差玉数に関わらず、小当り遊技状態または大当り遊技状態が終了するまで継続して実行され、ゲームストップ機能作動完了フェーズ(=3)に基づく遊技停止報知は、RAMクリアスイッチ176によりRAMクリアされるまで継続して実行されることになる。
図182は、遊技球の差玉数が境界値を超えた大当り遊技状態であるときに電断復帰した場合のタイムチャート5の一例である。
図182の上段に示すように、電断前の状態は、大当り遊技状態中において、境界値を超えた遊技球の差玉数(例えば92000個)が記憶されるとともに、ゲームストップ機能フェーズとしてゲームストップ機能作動予告フェーズ(=1)が記憶され、報知装置において第1遊技停止予告が実行されている。
より具体的には、大当り遊技状態に関する情報は、メインRAM203の遊技用エリアにおける図柄制御データ領域等に記憶されている(図141参照)。
また、遊技球の差玉数に関する情報は、メインRAM203の遊技用エリアにおけるストップ機能差玉数パラメータ領域、メインRAM203の領域外エリアにおける差玉管理用カウンタ領域、差玉判定用カウンタ領域、差玉判定用カウンタバッファ領域、差玉通知情報領域に記憶されている(図141参照)。
また、ゲームストップ機能フェーズに関する情報は、メインRAM203の遊技用エリアにおけるストップ機能状態パラメータ領域、メインRAM203の領域外エリアにおけるゲームストップ機能フェーズ領域に記憶されている(図141参照)。
そして、図182の下段に示すように、大当り遊技状態に関しては、RAMクリアスイッチ176によりRAMクリアされずに電断復帰した場合には、遊技用エリアにおける図柄制御データ領域等に記憶された情報はクリアされずに(図147のステップS5035等参照)、電断復帰する。
このため、大当り遊技状態に関する情報は、保持されて電断復帰することになる。
また、遊技球の差玉数に関しては、RAMクリアスイッチ176によりRAMクリアされずに電断復帰した場合には、領域外エリアにおける差玉管理用カウンタ領域、差玉判定用カウンタ領域、差玉判定用カウンタバッファ領域、差玉通知情報領域に記憶された遊技球の差玉数に関する情報はクリアされる(図148のステップS5049等参照)。ここで、電断復帰時には遊技用エリアのストップ機能差玉数パラメータ領域は、直接的にはクリアされないが、遊技用エリアのストップ機能差玉数パラメータ領域には、領域外エリアの差玉通知情報領域に記憶された第1差玉情報が転送されるため(図168のステップS5608等参照)、結果として電断復帰時には遊技用エリアにおけるストップ機能状態パラメータ領域もクリアされることになる。
このため、遊技球の差玉数に関する情報は、すべてクリアされて電断復帰することになる。
また、ゲームストップ機能フェーズに関しては、RAMクリアスイッチ176によりRAMクリアされずに電断復帰した場合には、領域外エリアのゲームストップ機能フェーズ領域にゲームストップ機能作動予告フェーズ(=1)が記憶されている場合には、ゲームストップ機能フェーズもクリアされる(図149のステップS5055、S5056等参照)。ここで、電断復帰時には遊技用エリアにおけるストップ機能状態パラメータ領域は、直接的にはクリアされないが、遊技用エリアにおけるストップ機能状態パラメータ領域には、領域外エリアのゲームストップ機能フェーズ領域に記憶されたゲームストップ機能フェーズが転送されるため(図168のステップS5604等参照)、結果として電断復帰時には遊技用エリアにおけるストップ機能状態パラメータ領域もクリアされることになる。
このため、ゲームストップ機能作動予告フェーズ(=1)がセットされている場合には、ゲームストップ機能フェーズがクリアされて、電断復帰することになる。
そして、電断復帰時には、主制御回路200からサブ制御回路300にゲームストップ機能通常状態フェーズ(=0)が含まれた電断復帰コマンドが送信される(図145に示すステップS5013参照)。
このため、電断復帰コマンドを受信したサブ制御回路300により、報知装置においては第1遊技停止予告の実行が再開されずに、第1遊技停止予告の実行が終了する。
図183は、遊技球の差玉数が規制値を超えた大当り遊技状態であるときに電断復帰した場合のタイムチャート6の一例である。
図183の上段に示すように、電断前の状態は、大当り遊技状態中において、規制値を超えた遊技球の差玉数(例えば96000個)が記憶されるとともに、ゲームストップ機能フェーズとしてゲームストップ機能作動予告フェーズ(=2)が記憶され、報知装置において第2遊技停止予告が実行されている。
そして、図183の下段に示すように、大当り遊技状態に関しては、RAMクリアスイッチ176によりRAMクリアされずに電断復帰した場合には、図182のタイムチャート5と同様に、大当り遊技状態に関する情報は、保持されて電断復帰することになる。
また、遊技球の差玉数に関しても、RAMクリアスイッチ176によりRAMクリアされずに電断復帰した場合には、図182のタイムチャート5と同様に、遊技球の差玉数に関する情報は、すべてクリアされて電断復帰することになる。
ゲームストップ機能フェーズに関しては、RAMクリアスイッチ176によりRAMクリアされずに電断復帰した場合には、図182のタイムチャート5と異なり、領域外エリアのゲームストップ機能フェーズ領域にゲームストップ機能作動待機フェーズ(=2)が記憶されていることから、ゲームストップ機能フェーズがクリアされずに(図149のステップS5055等参照)、電断復帰することになる。
そして、電断復帰時には、主制御回路200からサブ制御回路300にゲームストップ機能作動待機フェーズ(=2)が含まれた電断復帰コマンドが送信される(図145に示すステップS5013参照)。
このため、電断復帰コマンドを受信したサブ制御回路300により、報知装置においては第2遊技停止予告の実行が継続(再開)されることになる。
なお、図示は省略するが、ゲームストップ機能により遊技停止状態であるときに電断復帰した場合には、図183に示すタイムチャート6と同様に、遊技球の差玉数に関する情報はクリアされるものの、ゲームストップ機能フェーズはクリアされずに、ゲームストップ機能作動完了フェーズ(=3)が含まれた電断復帰コマンドが送信され、報知装置においては遊技停止報知の実行が継続(再開)されることになる。
[5-9.報知内容]
以上の主制御回路200及びサブ制御回路300等の制御により実行される演出・報知について、表示装置7の表示領域に表示される表示画像の報知内容の一例について説明する。
(遊技停止予告)
次に、図184を参照して、遊技停止予告の報知内容について説明する。図184は、第5のパチンコ遊技機における遊技停止予告の表示画像の一例である。
図184(a)は、第1遊技停止予告が実行されているときの表示画像の一例である。
図184(a)に示すように、第1遊技停止予告が実行されると、表示領域の上部には、第1停止予告報知パターン及び停止残数表示パターンの表示内容に対応して「遊技の停止まで約XX00個です」の表示が行われる。
「約XX00発」の文字は、規制値までの遊技球の停止残数を表示するための停止残数表示パターンの表示内容に対応するものであり、表示境界値に対応した100個単位で、約2000個→約1900個→約1800個のように更新表示されていく。
この第1遊技停止予告により、遊技者は遊技球の差玉数が規制値に近づいていることを把握できるとともに、遊技が停止するまでの遊技球の停止残数を具体的に把握することができる。
なお、本実施形態は、停止残数表示パターンの表示内容の一例として、具体的な遊技球の個数(数字)を表示するように構成したが、抽象的なメータやメモリ等により遊技球の停止残数を表示するように構成してもよい。
図184(b)は、第2遊技停止予告が実行されているときの表示画像の一例である。
図184(b)に示すように、第2遊技停止予告が実行されると、表示領域の中央には、第2停止予告報知パターンの表示内容に対応して「この大当り遊技終了後に遊技が停止します」の文字が表示される。この第2遊技停止予告は、その大当り遊技状態の終了後まで継続して表示されることになる。
この第2遊技停止予告により、遊技者は大当り遊技状態の終了後に遊技が停止することを把握することができる。
また、第2遊技停止予告の表示画像の背面側では、大当り演出パターンの表示内容に対応したキャラクタ等が表示されている。
ここで、ゲームストップ機能作動待機フェーズ(=2)が設定されていない大当り遊技状態中(いわゆる通常の大当り遊技状態中)においては、キャラクタ等により先読み演出を実行することが可能となっている。例えば、保留記憶に大当りに対応する特別図柄の始動情報を記憶している場合には、キャラクタが「喝っ---!」と表現するような演出が行われる。しかしながら、ゲームストップ機能作動待機フェーズ(=2)が設定されている大当り遊技状態中には、先読み演出が実行されないように規制されている。
ゲームストップ機能作動待機フェーズ(=2)が設定されている大当り遊技状態中に先読み演出の実行を規制することにより、これから遊技が停止するにもかかわらず、過度な遊技の期待を与えることを防止することができる。
(遊技停止報知)
次に、図185を参照して、遊技停止報知の報知内容について説明する。図185は、第5のパチンコ遊技機における遊技停止報知の表示画像の一例である。
図185(a)は、遊技停止報知が実行されているときの表示画像の一例である。
図185(a)に示すように、遊技停止報知が実行されると、表示領域の中央部には、遊技停止報知パターンの表示内容に対応して「遊技が停止しました。本日は遊技終了です」の文字が表示される。この遊技停止報知は、RAMクリアスイッチ176によりRAMクリアされるまで継続して表示されることになる。
この遊技停止報知により、遊技者はゲームストップ機能により遊技が停止されたことを明確に把握することができる。
図185(b)は、遊技停止報知が実行されるとともに、遊技球の払い出しが継続されているときの表示画像の一例である。
図185(b)に示すように、遊技停止報知が実行されているときに遊技球の払い出しが継続されていると、表示領域の下方では、払出継続報知パターンの表示内容に対応して、遊技球の払い出しが継続されていることを報知するために「遊技球の払い出し中です。払い出し完了までしばらくお待ちください」の文字が追記表示される。さらに、払出残数表示パターンの表示内容に対応して、遊技球の払い出し残数を表示するために「残りXXX個です」の文字も追記表示される。
この払出継続報知パターンの表示内容により、遊技者はゲームストップ機能により遊技が停止されたものの、遊技球の払い出しが継続されていることを把握でき、ゲームストップ機能により遊技が停止されたときに即座に離席してしまうことを防止できる。さらに、払出残数表示パターンの表示内容により、遊技者は遊技球の払い出し残数を把握することができる。
なお、上述したように、払出継続報知パターン及び払出残数表示パターンを決定せずに、遊技球の払い出しが継続されていることや、遊技球の払い出し残数を表示しないように構成してもよい。
図185(c)は、遊技停止報知が実行されるとともに、遊技球の払出異常があったときの表示画像の一例である。
図185(c)に示すように、遊技停止報知が実行されているときに遊技球の払出異常があると、表示領域の下方では、異常報知パターンの表示内容に対応して、遊技球の払出異常を報知するために「遊技球の払い出し異常です。店員さんを呼んでください」の文字が追記表示される。
この異常報知パターンの表示内容により、遊技者は遊技球の払い出し異常があり、払い出しが停止されていることを把握することができる。
なお、本実施形態においては、表示装置7の表示領域に表示される表示画像を用いた遊技停止予告、遊技停止報知の報知内容の一例について説明したが、表示装置7の表示領域に表示される表示画像を用いずに、LED群46による点灯パターンやスピーカ32による音声報知によって遊技停止予告及び遊技停止報知の行ってもよい。
このように、第5のパチンコ遊技機では、遊技球の差玉数が規制値(例えば、95000個)に到達すると、遊技を停止させることが可能なゲームストップ機能を備えているので、遊技の射幸性を適切に抑制することができる。
また、第5のパチンコ遊技機では、RAMクリアスイッチ176によりRAMクリアされずに電断復帰した場合(電断復帰時の起動状態が「電断復帰」である場合)には、メインRAM203に記憶された特別図柄の制御データ等の情報と遊技停止状態との情報を保持して初期設定が行われ、RAMクリアスイッチ176によりRAMクリアされて電断復帰した場合(電断復帰時の起動状態が「RAMクリア」である場合)には、メインRAM203に記憶された特別図柄の制御データ等の情報と遊技停止状態との情報を初期化して、初期設定が行われる。このため、ゲームストップ機能による遊技停止状態を解除するには、意図的な操作であるRAMクリアスイッチ176による操作を行わなければならず、ゲームストップ機能による遊技停止状態であるときに停電等を契機に電断復帰した場合であっても、ゲームストップ機能による遊技停止状態が保持され、遊技の射幸性を適切に抑制することができる。
また、第5のパチンコ遊技機では、報知装置(表示装置7、スピーカ32、LED群46)において、遊技球の差玉数が境界値(例えば90000個)以上となったことを条件として、ゲームが停止されることを事前に報知する第1の遊技停止予告を実行可能であるとともに、ゲームストップ機能により遊技停止状態であるときには、ゲームが停止されていることを報知する遊技停止報知を実行可能である。さらに、報知装置では、第1の遊技停止予告を実行しているときには、遊技球の差玉数が規制値に到達するまでの遊技球の停止残数を示唆することが可能である。このため、遊技者は、もうすぐゲームストップ機能により遊技停止状態になる可能性がること、ゲームストップ機能により遊技停止状態となったことを把握することができる。さらに、遊技者は、遊技球の差玉数が規制値に到達するまでの遊技球の停止残数により、ゲームストップ機能により遊技停止状態になるまでの期間を把握することができる
<第5のパチンコ遊技機の変形例>
なお、第5のパチンコ遊技機においては、ゲームストップ機能に関し、遊技球の差玉数に関する情報を主制御回路200(メインCPU201)によって更新するように構成したが、払出・発射制御回路400によって更新するように構成してもい。
なお、第5のパチンコ遊技機においては、ゲームストップ機能として、遊技球の差玉数が規制値(例えば、95000個)に到達すると、遊技を停止させることを可能としたが、遊技球の差玉数ではなく、遊技球の増加数が規制値に到達すると、遊技を停止させることを可能とするように構成してもよい。
なお、第5のパチンコ遊技機の実施形態に記載された技術をスロットマシンに適用してもよい。スロットマシンに適用する場合には、「遊技球の差玉数」を「メダルの差枚数」に置き換えればよい。「メダルの差枚数」は、払い出すメダルの累計数(払出メダル数)から投入したメダルの累計数(投入メダル数)を減算することにより算出可能である。第5のパチンコ遊技機で実行される各種演出・報知内容は、スロットマシンに備えられた表示装置、リール等による演出に置き換えればよい。大当り遊技状態または小当り遊技状態は、ボーナス遊技状態(BB、RB)に置き換えればよい。
(その他)
上述の第5のパチンコ遊技機は、変形例を含めて各実施形態同士で互いの技術を適用することができる。上述の実施形態は、本発明の内容を限定するものではなく、特許請求の範囲を逸脱しない程度に変更を加えることができる。
また、第5のパチンコ遊技機に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の各実施形態に記載されたものに限定されるものではない。
更に、上記[4.拡張例]は、第5のパチンコ遊技機にも、その遊技性や制御に齟齬を生じえない限り適用可能である。
[6.第6のパチンコ遊技機]
次に、第6のパチンコ遊技機について説明する。第6のパチンコ遊技機は、第3のパチンコ遊技機と同様に、1種2種混合機と称されるパチンコ遊技機である。ただし、第6のパチンコ遊技機は、封入された遊技球を循環させて遊技を進行する遊技機(以下「スマートパチンコ」ともいう)である。
さらに、第6のパチンコ遊技機は、遊技球の差玉数が規制値(例えば、95000個)に到達すると、遊技を停止させることが可能なゲームストップ機能を備えている。なお、「遊技球の差玉数」とは、遊技者に付与した遊技球の累計数(払出遊技球数)から遊技者により使用された遊技球の累計数(発射遊技球数)を減算した数をいう。ゲームストップ機能については、詳しくは後述する。
また、第6のパチンコ遊技機は、第1特別図柄と第2特別図柄とを並行して可変表示させず、第1特別図柄の可変表示よりも第2特別図柄の可変表示が優先して行われる優先変動機である。ただし、これに限られず、上述した順次変動機としてもよい。
以降、第6のパチンコ遊技機を説明するにあたり、第1のパチンコ遊技機と同様の構成については同じ符号および同じステップ番号を付して、その構成や処理に関する詳しい説明を省略する。
なお、本実施形態において、遊技者に所定の利益(遊技球の払い出し、遊技状態の移行)を付与することが可能な入球口(例えば、始動口や大入賞口)に「遊技球が入球すること」を適宜「入賞」ともいう。また、本実施形態において、図柄の「可変表示」とは、例えば、図柄が変動して表示される「変動表示」、および、図柄が停止して表示される「停止表示」等の両方を含む概念であり、変動表示の開始から停止表示されるまでの動作を1回の「可変表示」と称する。
また、遊技球の「払い出し」とは、遊技者に所定の遊技価値を付与することであり、実際に遊技者に遊技球を払い出すことに限られず、スマートパチンコにおいては、払い出された遊技球の個数を遊技機の記憶領域や電子的な記憶媒体(遊技カード)に記憶させることを含む概念である。
[6-1.外観構成]
図186を参照して、第6のパチンコ遊技機の外観について説明する。図186は、第6のパチンコ遊技機の外観を示す斜視図の一例である。
上述したように、スマートパチンコである第6のパチンコ遊技機は、第1のパチンコ遊技機とは一部が異なる構成を有している。なお、第1のパチンコ遊技機と同様の構成については同じ符号を付して、その構成に関する詳しい説明を省略する。
まず、第6のパチンコ遊技機は、封入された遊技球を循環させて遊技を進行するために、皿ユニット5には、第1のパチンコ遊技機とは異なり上皿51及び下皿52が備えられていない。
第6のパチンコ遊技機の皿ユニット5には、演出ボタン54、転送ボタン71等が設けられている。
演出ボタン54は、遊技者の上下左右の操作を受け付ける十字ボタン54aと、遊技者のプッシュ操作を受け付けるチャンスボタン54bとから構成されている。また、十字ボタン54a及びチャンスボタン54bには、LED等の発光部が内蔵されており、各種のボタンを点灯させることが可能となっている。さらに、チャンスボタン54bは、チャンスボタン54bの操作態様(形状)を変化させたり、振動させたりすることが可能となっている。
なお、本実施形態においては、演出ボタン54は、十字ボタン54aとチャンスボタン54bとの2種類から構成したが、1種類のみとしてもよいし、3種類以上としてもよい。
転送ボタン71は、後述するカードユニット180に獲得遊技球数の情報を転送させることを指示するボタンである。第6のパチンコ遊技機は、遊技者が獲得した獲得遊技球数を計数しており、遊技者が転送ボタン71を押圧操作すると、計数している獲得遊技球数をカードユニット180に転送することになる。
また、保護ガラス43の下方かつ皿ユニット5の上方には、計数している獲得遊技球数を表示するための獲得遊技球数表示部70が設けられている。
獲得遊技球数表示部70は、5つの7セグメントLEDから構成されており、5桁(0~99999)までの獲得遊技球数を表示可能に構成されている。
なお、本実施形態においては、獲得遊技球数表示部70を7セグメントLEDから構成したが、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイ等の画像を表示する画像表示装置から構成してもよい。
[6-2.遊技盤ユニット]
図187を参照して、第6のパチンコ遊技機が備える遊技盤ユニット6010について説明する。この遊技盤ユニット6010も、第1のパチンコ遊技機と同様に、保護ガラス43(図2参照)の後方に位置するようにベースドア3(図2参照)の前方に配置される。
図187は、第6のパチンコ遊技機が備える遊技盤ユニット6010の外観を示す正面図の一例である。遊技盤ユニット6010は、遊技盤としての遊技パネル6100を備え、遊技パネル6100に各種部材が配置され、遊技パネル6100の前側面には、発射された遊技球が転動流下可能な遊技領域105が形成されている。
図187に示されるように、第6のパチンコ遊技機が備える遊技盤ユニット6010は、第1のパチンコ遊技機と比して、主に、通過ゲート6126と、第2始動口6140と、普通電動役物ユニット6145と、第1特別電動役物ユニット6130と、第2特別電動役物ユニット6150との構成や配置が異なっている。以下に、それぞれの構成やその配置について説明する。
なお、第6のパチンコ遊技機の遊技領域105に配置される第1始動口6120及び通過ゲート6126は、第1のパチンコ遊技機の遊技領域105に配置される第1始動口120及び通過ゲート126と機能的にも共通するものであるが、第2始動口6140との関連性から、第1のパチンコ遊技機と異なる符号を用いて改めて説明する。
(第1始動口)
第1始動口6120は、表示装置7の表示領域の下方の遊技領域105に配置されており、左打ちされた遊技球が入球可能となり、遊技釘等により右打ちされた遊技球は入球困難または不可能に構成されている。
第1始動口6120に遊技球が入球すると、第1特別図柄の抽選(第1特別図柄の当り判定処理)や、第1特別図柄の可変表示や、第1始動口用の賞球(例えば3個の遊技球)の付与が行われたりする。
(第2始動口)
第2始動口6140は、右側領域107であって通過ゲート6126の下方(下流側)に配置されるとともに、後述する普通電動役物ユニット6145に設けられており、右打された遊技球が入球可能(左打ちされた遊技球が入球困難または不可能)となっている。
また、本実施形態においては、第2始動口6140は、通過ゲート6126の下方(下流側)側に配置されているところから、通過ゲート6126を通過した遊技球は、後述する普通電動役物6146が作動しているときには、第2始動口6140への遊技球の入球が可能となっている。
第2始動口6140に遊技球が入球すると、第2特別図柄の抽選(第2特別図柄の当り判定処理)や、第2特別図柄の可変表示や、第2始動口用の賞球(例えば1個の遊技球)の付与が行われたりする。
(通過ゲート)
通過ゲート6126は、遊技球が通過可能なゲートで構成され、普通電動役物ユニット6145の上方(上流側)に配置されており、通過ゲート6126を通過した遊技球は、普通電動役物ユニット6145に入球可能となっている。また、通過ゲート6126は、右側領域107に配置されていることから、右打ちされた遊技球が通過可能(左打ちされた遊技球が通過困難または不可能)となっている。
通過ゲート6126に遊技球が通過すると、普通図柄の抽選(普通図柄の当り判定処理)や、普通図柄の可変表示に用いられることになる。なお、本実施形態では、通過ゲート6126に遊技球が通過しても賞球は払い出されないが、通過ゲート6126を入賞口(いわゆる普図作動口)として、所定の賞球(例えば1個の遊技球)が払い出されるように構成してもよい。
また、通過ゲート6126を、役物連続作動装置を作動させるための契機となるように機能させてもよい。条件装置が作動していること(大当りとなる特別図柄が停止表示されていること)を前提として、通過ゲート6126に遊技球が通過したことをもって役物連続作動装置を作動させて、大当り遊技状態に移行するようにしてもよい。
(普通電動役物ユニット)
普通電動役物ユニット6145は、右側領域107であって通過ゲート6126の下方(下流側)に配置されており、右打ちされた遊技球がほぼ通過できるように配置されている。普通電動役物ユニット6145は、第2始動口6140と、第2始動口6140への遊技球の入球を検出する第2始動口スイッチ6141と、普通電動役物6146とを一体化したユニット体である。
普通電動役物6146は、前後方向に進退可能な突出板型の普電用シャッタ6147と、この普電用シャッタ6147を作動させる普電用ソレノイド6148(後述の図188参照)とを備える。普通電動役物6146が作動(普電用ソレノイド6148が励磁)すると、普電用シャッタ6147により第2始動口6140の開閉状態を、第2始動口6140への遊技球の入球が不可能または困難な閉鎖状態から、第2始動口6140への遊技球の入球が可能または容易な開放状態に移行させる。
普電用シャッタ6147は、第2始動口6140の入口近傍に配置された略三角形の入球防止部と第2始動口6140に向けて傾斜した平板状の入球誘導部とで構成されている。第2始動口6140が閉鎖状態であるときには、普電用ソレノイド6148は無励磁にされており、略三角形の入球防止部は、第2始動口6140の入口と対向する対向領域に位置して、第2始動口6140への入球を阻害し、平板状の入球誘導部は、遊技パネル6100の表面に埋没し、右側領域107に流下している遊技球の受け入れることなく、遊技球を下方に流下させる。一方、第2始動口6140が開放状態であるときには、普電用ソレノイド6148は励磁されており、略三角形の入球防止部は、第2始動口6140の入口と対向しない回避領域(例えば、釘の頭より前面側)に位置して、第2始動口6140への入球を阻害せず、平板状の入球誘導部は遊技パネル6100の表面から突出して、右側領域107に流下している遊技球を受け入れ、受け入れた遊技球を第2始動口6140へ誘導する。なお、前後方向に進退可能な上記の普電用シャッタ6147に代えて、所謂電チューと呼ばれる左右方向に可動可能な可動部材により普電用シャッタ6147を構成してもよい。
また、普通電動役物6146が作動し、第2始動口6140を開放状態とさせているときに、普電用の規定個数(例えば1個)の遊技球が入球すると、開放時間が経過していなくとも普通電動役物6146の作動を終了し、第2始動口6140を閉鎖状態にさせる。
そして、時短遊技状態においては、普通電動役物6146が作動しやすく(第2始動口6140が開放状態になりやすく)設定されており、第2始動口6140への遊技球の入球が可能または容易な入賞容易状態となっている。これに対し、通常遊技状態においては、普通電動役物6146が作動し難く(第2始動口6140が開放状態になり難く)設定されており、第2始動口6140への遊技球の入球が不可能または困難な入賞困難状態となっている。
(第1特別電動役物ユニット)
第1特別電動役物ユニット6130は、右側領域107において通過ゲート6126、普通電動役物ユニット6145及び後述する第2特別電動役物ユニット6150よりも下方(下流側)に配置されている。なお、第1特別電動役物ユニット6130は、通過ゲート6126、普通電動役物ユニット6145及び後述する第2特別電動役物ユニット6150の少なくともいずれかよりも上流側に設けられていてもよいし、左側領域106に設けられていてもよい。
第1特別電動役物ユニット6130は、第1大入賞口6131と、第1大入賞口6131への遊技球の入球を検出する第1大入賞口カウントスイッチ6132(後述の図188参照)と、前後方向に進退可能な第1特電用シャッタ6134と、この第1特電用シャッタ6134を作動させる第1特電用ソレノイド6135(後述の図188参照)とを一体化したユニット体である。
第1大入賞口6131は、大当りのときに開放される入賞口であり、1回の大当りにおいて1つのラウンドに対して第1大入賞口6131に遊技球が入球可能な最大入賞個数(例えば10個)が規定されている。そして、この第1大入賞口6131に1つの遊技球が入球する毎に、第1大入賞口用の賞球(例えば15個の遊技球)が払い出されることになる。
第1大入賞口6131が閉鎖状態から開放状態に移行するのは、特別図柄当り判定処理の結果が「大当り」であることを示す特別の停止表示態様が導出された場合の第1のルートと、特別図柄判定の結果が「小当り」であることを示す特定の停止表示態様が導出されたことによって第2大入賞口6151が開放し、開放された第2大入賞口6151に進入した遊技球が第2大入賞口6151内のV入賞口6156に入賞した場合の第2のルートときである。
第1特電用シャッタ6134は、第1特電用ソレノイド6135(後述の図188参照)の作動により、第1大入賞口6131への遊技球の入球が可能または容易な開放状態と、第1大入賞口6131への遊技球の入球が不可能または困難な閉鎖状態とを移行可能に構成するものである。
具体的には、第1特電用シャッタ6134は、下方が軸支された開閉扉で構成されている。第1特電用シャッタ6134が開放状態であるときには、開閉扉が前面側に倒れて第1大入賞口6131が開口し、右側領域107に流下している遊技球を受け入れ、受け入れた遊技球を第1大入賞口6131へ誘導する。一方、第1特電用シャッタ6134が閉鎖状態であるときには、開閉扉が起立して第1大入賞口6131を閉口し、第1大入賞口6131への遊技球の入球が不可能または困難となる。
(第2特別電動役物ユニット)
第2特別電動役物ユニット6150は、右側領域107において通過ゲート6126及び普通電動役物ユニット6145の下方(下流側)に設けられている。なお、第2特別電動役物ユニット6150は、通過ゲート6126または普通電動役物ユニット6145の少なくともいずれかよりも上流側に設けられていてもよいし、左側領域106に設けられていてもよい。
第2特別電動役物ユニット6150は、第2特別電動役物ユニット6150の内部に遊技球が進入できるように開口された第2大入賞口6151と、第2大入賞口6151への遊技球の入球を検出する第2大入賞口カウントスイッチ6152と、第2大入賞口6151を開閉させることが可能な第2特電用シャッタ6154と、この第2特電用シャッタ6154を作動させて第2大入賞口6151を開閉させる第2特電用ソレノイド6155(後述の図188参照)と、第2大入賞口6151に進入した遊技球が通過可能なV入賞口6156と、V入賞口6156に遊技球が通過したことを検出するV入賞口スイッチ6157と、第2大入賞口6151に進入した遊技球のうちV入賞口6156に進入しなかった遊技球が通過可能な通常口6158と、V入賞口6156を開閉させるVシャッタ6159と、このVシャッタ6159を作動させてV入賞口6156を開閉させるVシャッタ用ソレノイド6160(後述の図188参照)とを一体化したユニット体である。
第2大入賞口6151は、小当りのときに開放される入賞口であり、1回の小当りにおいて第2大入賞口6151に遊技球が入球可能な最大入賞個数(例えば10個)が規定されている。この第2大入賞口6151に1つの遊技球が入球する毎に、第2大入賞口用の賞球(例えば15個の遊技球)が払い出されることになる。
第2特電用シャッタ6154は、前後方向に進退可能な突出板型の板状部材からなり、第2特電用ソレノイド6155の作動により、第2特電用シャッタ6154を前方に進出させて第2大入賞口6151への遊技球の入球が不可能または困難な閉鎖状態と、第2特電用シャッタ6154を後方に退出させて第2大入賞口6151への遊技球の入球が可能または容易な開放状態とを移行可能に構成するものである。
V入賞口6156は、Vシャッタ6159により開閉可能な入球口であるとともに、遊技球が通過することにより上述した第2のルートを経て大当り遊技状態に制御される契機となる入球口である。
第2のルートを経て大当り遊技状態に制御された場合、V入賞口6156への遊技球の通過したときの第2大入賞口6151の開放を1ラウンド目として、V入賞口6156への遊技球の通過した後(2ラウンド目以降)は、第1大入賞口6131を閉鎖状態から開放状態へ移行させるラウンド遊技が実行される。なお、第2のルートを経て大当り遊技状態に制御された場合、V入賞口6156への遊技球の通過した後(2ラウンド目以降)も、第2大入賞口6151が閉鎖状態から開放状態に移行するラウンド遊技が所定のラウンド数にわたって実行されてもよい。
また、例えば第1大入賞口6131の内部にV入賞口を設ける等によって、V入賞口および大当り遊技状態において開放されるアタッカーを一つずつとしてもよい。この場合、「小当り」であることを示す停止表示態様が導出されると第1大入賞口6131が開放状態とされ、第1大入賞口6131の内部に設けられたV入賞口に遊技球が進入すると、大当り遊技状態(第2のルートを経た大当り遊技状態)に制御されるようにすればよい。
通常口6158は、第2大入賞口6151に進入したもののV入賞口6156を通過しなかった遊技球が進入(通過)するよう構成されたものである。なお、第2大入賞口6151に進入した遊技球の全部が通常口6158を通過し、V入賞口6156への遊技球の通過がなかった場合には、大当り遊技状態が制御されないことになる。
Vシャッタ6159は、Vシャッタ用ソレノイド6160(後述の図188参照)の作動により、V入賞口6156への遊技球の通過が不可能(又は困難)な閉鎖状態と、V入賞口6156への遊技球の通過が可能(又は容易)な開放状態とを移行可能に構成するものである。
なお、右側領域107に配置されている第1特別電動役物ユニット6130、普通電動役物ユニット6145、第2特別電動役物ユニット6150及び通過ゲート6126の配置関係は、適宜設計変更が自由である。
[6-3.電気的構成]
次に、図188を参照して、第6のパチンコ遊技機の制御回路について説明する。図188は、第6のパチンコ遊技機の制御回路を示すブロック図の一例である。
図188に示されるように、第6のパチンコ遊技機は、第1のパチンコ遊技機と同様、主に、遊技の制御を行う主制御回路200と、遊技の進行に応じた演出の制御を行うサブ制御回路300と、枠制御回路410と、電源供給回路450とから構成される。
しかしながら、第6のパチンコ遊技機は、第1のパチンコ遊技機と比して、主制御回路200、サブ制御回路300及び枠制御回路410の構成が一部異なっている。以下に、それぞれの構成やその配置について説明する。
[主制御回路]
主制御回路200は、第1のパチンコ遊技機と比して、主制御回路200に接続される普電用ソレノイド6148、第1特電用ソレノイド6135、第2特電用ソレノイド6155、Vシャッタ用ソレノイド6160、第1始動口スイッチ6121、第2始動口スイッチ6141、通過ゲートスイッチ6127、第1大入賞口カウントスイッチ6132、第2大入賞口カウントスイッチ6152、V入賞口スイッチ6157、遊技球回収スイッチ6179の構成が一部異なっている。
(メインCPU)
メインCPU201は、メインROM202に記憶されたプログラムに従って各種の処理を実行する機能を有し、第1のパチンコ遊技機と同様であるが、メインCPU201にはレジスタも内蔵されている。メインCPU201が有する各種レジスタは、複数の専用レジスタ(フラグレジスタ、インデックスレジスタ及びスタックポインタ等)と複数の汎用レジスタとを有しており、2つの汎用レジスタを組み合わせてペアレジスタとしても用いている。
(普電用ソレノイド)
普電用ソレノイド6148は、普電用シャッタ6147を作動させる電磁ソレノイドである。普電用ソレノイド6148は、メインCPU201により通電が行われる(励磁ONである)と、普電用シャッタ6147を前方に進出させて第2始動口6140を開放状態とさせ、メインCPU201により通電が行われないと(励磁OFFであると)と、普電用シャッタ6147を後方に退出させて第2始動口6140を閉鎖状態とさせる。
(第1特電用ソレノイド)
第1特電用ソレノイド6135は、開閉扉からなる第1特電用シャッタ6134を作動させる電磁ソレノイドである。第1特電用ソレノイド6135は、メインCPU201により通電が行われる(励磁ONである)と、第1特電用シャッタ6134を前方に倒れさせ第1大入賞口6131を開放状態とさせ、メインCPU201により通電が行われないと(励磁OFFであると)と、第1特電用シャッタ6134を後方に倒立させて第1大入賞口6131を閉鎖状態とさせる。
(第2特電用ソレノイド)
第2特電用ソレノイド6155は、第2特電用シャッタ6154を作動させる電磁ソレノイドである。第2特電用ソレノイド6155は、メインCPU201により通電が行われる(励磁ONである)と、第2特電用シャッタ6154を後方に退出させて第2大入賞口6151を開放状態とさせ、メインCPU201により通電が行われないと(励磁OFFであると)と、第2特電用シャッタ6154を前方に進出させて第2大入賞口6151を閉鎖状態とさせる。
(Vシャッタ用ソレノイド)
Vシャッタ用ソレノイド6160は、Vシャッタ6159を作動させる電磁ソレノイドである。Vシャッタ用ソレノイド6160は、メインCPU201により通電が行われる(励磁ONである)と、Vシャッタ6159を後方に退出させてV入賞口6156を開放状態とさせ、メインCPU201により通電が行われないと(励磁OFFであると)と、Vシャッタ6159を前方に進出させてV入賞口6156を閉鎖状態とさせる。
また、本実施形態では、Vシャッタ用ソレノイド6160は、第2大入賞口6151の開放時にあわせて作動し、V入賞口6156を開放状態とさせる。すなわち、V入賞口6156は第2大入賞口6151の開放時から開放状態となり、遊技球が第2大入賞口6151に入球すると、V入賞口6156にも原則として通過することになる。
(第1始動口スイッチ)
第1始動口スイッチ6121は、第1始動口6120に設けられており、第1始動口6120への遊技球の入球を検出する貫通型の近接スイッチである。
第1始動口スイッチ6121により第1始動口6120への遊技球の入球が検出されると、メインCPU201は、第1の取得条件が成立したものとして、第1特別図柄の始動情報(大当り判定用乱数値、図柄乱数値、リーチ判定用乱数値、演出選択用乱数値等)を取得する。取得した第1特別図柄の始動情報は、「第1特別図柄の保留個数(例えば4個)」までメインRAM203の第1特別図柄始動記憶領域(第1特別図柄始動記憶領域(1)~第1特別図柄始動記憶領域(4)に順番)に記憶され、第1特別図柄の判定開始条件(例えば、特別電動役物が作動していないこと、特別図柄の可変表示が行われていないこと等)が成立すると、第1特別図柄の当り判定処理や、第1特別図柄の可変表示に用いられることになる。また、第1始動口スイッチ6121により第1始動口6120への遊技球の入球が検出されると、メインCPU201は、第1始動口用の賞球(例えば3個の遊技球)の付与を枠制御回路410に指示する。
(第2始動口スイッチ)
第2始動口スイッチ6141は、第2始動口6140に設けられており、第2始動口6140への遊技球の入球を検出する貫通型の近接スイッチである。
第2始動口スイッチ6141により第2始動口6140への遊技球の入球が検出されると、メインCPU201は、第2の取得条件が成立したものとして、第2特別図柄の始動情報(大当り判定用乱数値、図柄乱数値、リーチ判定用乱数値、演出選択用乱数値等)を取得する。取得した第2特別図柄の始動情報は、「第2特別図柄の保留個数(例えば4個)」までメインRAM203の第2特別図柄始動記憶領域(第2特別図柄始動記憶領域(1)~第2特別図柄始動記憶領域(4)に順番)に記憶され、第2特別図柄の判定開始条件(例えば、特別電動役物が作動していないこと、特別図柄の可変表示が行われていないこと等)が成立すると、第2特別図柄の当り判定処理や、第2特別図柄の可変表示に用いられることになる。また、第2始動口スイッチ6141により第2始動口6140への遊技球の入球が検出されると、メインCPU201は、第2始動口用の賞球(例えば1個の遊技球)の付与を枠制御回路410に指示する。
また、実施形態においては、第1特別図柄の始動情報に基づいた第1特別図柄の当り判定処理を「第1特別図柄の抽選」、第2特別図柄の始動情報に基づいた第2特別図柄の当り判定処理を「第2特別図柄の抽選」ともいい、第1特別図柄の抽選と第2特別図柄の抽選とをまとめて「特別図柄の抽選」ともいう。
(通過ゲートスイッチ)
通過ゲートスイッチ6127は、通過ゲート6126に設けられており、通過ゲート6126への遊技球の通過を検出する貫通型の近接スイッチである。
通過ゲートスイッチ6127が通過ゲート6126への遊技球の通過を検出すると、メインCPU201は、普通図柄の始動情報(普通図柄当り判定用乱数値、普通図柄の図柄乱数値等)を取得する。取得した普通図柄の始動情報は、「普通図柄の保留個数(例えば4個)」までメインRAM203の普通図柄始動記憶領域(普通図柄始動記憶領域(1)~普通図柄始動記憶領域(4)に順番)に記憶され、普通図柄の判定開始条件(例えば、普通電動役物が作動していないこと、普通図柄の可変表示が行われていないこと等)が成立すると、普通図柄の抽選(普通図柄の当り判定処理)や、普通図柄の可変表示に用いられることになる。
(第1大入賞口カウントスイッチ)
第1大入賞口カウントスイッチ6132は、第1大入賞口6131への遊技球の入球を検出する貫通型の近接スイッチである。第1大入賞口カウントスイッチ6132が第1大入賞口6131への遊技球の入球を検出すると、メインCPU201は、1ラウンドあたりの第1大入賞口6131への遊技球の入賞数をカウントするとともに、第1大入賞口用の賞球(例えば15個の遊技球)の付与を枠制御回路410に指示したりすることになる。
(第2大入賞口カウントスイッチ)
第2大入賞口カウントスイッチ6152は、第2大入賞口6151への遊技球の入球を検出する貫通型の近接スイッチである。第2大入賞口カウントスイッチ6152が第2大入賞口6151への遊技球の入球を検出すると、メインCPU201は、第2大入賞口6151への遊技球の入賞数をカウントするとともに、第2大入賞口用の賞球(例えば15個の遊技球)の付与を枠制御回路410に指示したりすることになる。
(V入賞口スイッチ)
V入賞口スイッチ6157は、V入賞口6156への遊技球の通過を検出する貫通型の近接スイッチである。V入賞口スイッチ6157がV入賞口6156への遊技球の入球を検出すると、メインCPU201は、大当り遊技状態への移行制御を行うことになる。
(遊技球回収スイッチ)
遊技球回収スイッチ6179は、発射装置6から遊技領域105に発射された遊技球を検出する貫通型の近接スイッチである。遊技球回収スイッチ6179は、遊技盤ユニット6010の背面側であって、アウト口178、各種入賞口(例えば、第1始動口6120、第2始動口6140、第1大入賞口6131、第2大入賞口6151、一般入賞口122等)に入球した遊技球が通過する集合流路に配置されており、アウト口178への遊技球の入球のみならず、各種入賞口に入球した遊技球を区別なく検出し、発射された遊技球数(使用・消費された遊技球数)を計数する。
[サブ制御回路]
サブ制御回路300は、第1のパチンコ遊技機と同様に、サブCPU301、プログラムROM302、ワークRAM303、表示制御回路304、音声制御回路305、LED制御回路306、役物制御回路307およびコマンド入力ポート308を備えることは共通であり、さらに演出ボタンセンサ55と役物位置センサ56とが接続されている。また、役物制御回路307には、演出用駆動モータ57が接続されている。
演出ボタンセンサ55は、遊技者の演出ボタン54の操作を検知するセンサであり、十字ボタン54a及びチャンスボタン54bに対応する複数のセンサから構成されている。演出ボタンセンサ55によって、サブCPU301は遊技者の演出ボタン54の操作を検知することができる。
なお、チャンスボタン54bの操作態様(形状)の変化、チャンスボタン54bの振動は、役物制御回路307によって駆動制御される。また、演出ボタン54に内蔵されたLED等の発光部は、LED制御回路306によって発光制御される。
役物位置センサ56は、演出用役物群58が初期値や基準位置にあることを検知するセンサである。役物位置センサ56は、複数の演出用役物群58のそれぞれに対応して設けられており、1つの演出用役物群58に対して初期値と終点位置等の複数のセンサが設けられていることもある。役物位置センサ56によって、サブCPU301はそれぞれの演出用役物の位置を把握することができる。
演出用駆動モータ57は、演出用役物群58、チャンスボタン54bを可動させる複数の駆動モータである。演出用駆動モータ57によって、演出用役物群58を可動させたり、チャンスボタン54bの操作態様(形状)の変化させたり、チャンスボタン54bを振動させたりすることができる。
[枠制御回路]
枠制御回路410は、枠CPU411と、枠ROM412と、枠RAM413とを少なくとも備えている。枠CPU411は、枠制御回路410に関わる処理を実行するデバイスであり、枠ROM412には、枠CPU411により実行されるプログラムや各種のテーブル等が記憶され、枠RAM413には、枠CPU411により実行される処理に必要な各種データを一時的に記憶する記憶領域が設けられている。
また、第6のパチンコ遊技機の枠制御回路410は、第1のパチンコ遊技機の払出・発射制御回路400とは異なり、遊技球を払い出すことが可能な払出装置82が備えられていない。枠制御回路410は、遊技球の発射や遊技球の管理等を制御するものであり、遊技球を発射させることが可能な発射装置6、転送ボタン71、獲得遊技球数表示部70、循環ユニット420、カードユニット181等が接続されている。
循環ユニット420は、発射装置6によって発射された遊技球を回収し、再び発射装置6が遊技球を発射可能となるように遊技球を循環させる装置である。
枠制御回路410は、主制御回路200から送信される遊技機情報を受信すると、受信した遊技機情報に基づいて獲得遊技球数を更新して記憶したり、受信した遊技機情報をカードユニット181やホールコンピュータに送信したりする。また、枠制御回路410は、記憶している獲得遊技球数を獲得遊技球数表示部70に表示させる制御を行い、転送ボタン71により遊技者の操作を受け付けると、記憶している獲得遊技球数をカードユニット180に転送した後、記憶していた獲得遊技球数をクリアする制御を行う。
さらに、枠制御回路410は、遊技球を遊技者に付与することの付与異常や、循環ユニット420の異常(球詰まり異常、モータ異常等)を監視しており、遊技球の付与異常や循環ユニット420の異常等があると、枠異常イベント情報を主制御回路200に送信する。
枠制御回路410は、発射ハンドル62が回動操作されると、その回動角度(回動量)に応じて発射ソレノイド(図示せず)に電力を供給し、遊技球を発射させる制御を行う。ただし、本実施形態においては、枠制御回路410は、主制御回路200からゲームストップ機能による遊技停止状態であることの遊技停止信号を入力すると、発射装置6による遊技球の発射停止(発射ソレノイドへの電力の供給停止)が行われる。なお、主制御回路200では遊技球の差玉数に基づいて遊技が停止されている状態であっても、枠制御回路410は、発射装置6による遊技球の発射停止を行わなくてもよい。
カードユニット181は、少なくとも金銭情報が記憶された遊技カードの挿入及び排出が可能であり、第6のパチンコ遊技機と、球貸し操作パネル182と、遊技情報を収集するためのサーバ(図示せず)とに接続されている。また、カードユニット181は、中継基板を介してホールコンピュータ186(図示せず)にも接続されている。
カードユニット181は、球貸し操作パネル182の球貸しボタンにより遊技者の貸出操作を受け付けると、第6のパチンコ遊技機に遊技球を貸し出させる制御を行い、球貸し操作パネル182の貸出返却ボタンにより遊技者の返却操作を受け付けると、遊技カードを排出する制御を行う。また、カードユニット181は、第6のパチンコ遊技機から獲得遊技球数を受信すると、受信した獲得遊技球数を遊技カードに記憶させる制御を行い、第6のパチンコ遊技機から遊技機情報を受信すると、受信した遊技機情報をサーバに送信する制御を行う。
その他として、スマートパチンコである第6のパチンコ遊技機は、第1のパチンコ遊技機の外部端子板184が備えられていない。スマートパチンコにおいては、ホールコンピュータ186は外部端子板184と接続されず、カードユニット180の中継基板に接続されるためである。
[6-4.メインRAMの内部構成(メモリマップ)]
次に、図189を参照して、第6のパチンコ遊技機の主制御回路200のメインRAM203の内部構成(メモリマップ)について説明する。図189は、第6のパチンコ遊技機の主制御回路200のメインRAM203の内部構成の概念図の一例である。
図189に示すように、メインRAM203のメモリマップでは、メインRAM203のアドレスの先頭(「F000」H)側から、遊技用エリア(作業領域及びスタック領域)、領域外エリア(作業領域及びスタック領域)の順番で、それぞれ所定のアドレスに配置されている。また、遊技用エリアと領域外エリアの間に、所定サイズの未使用領域があってもよく、本実施形態では、16バイトの未使用領域が設けられている。
「遊技用エリア」には、遊技者により実施される遊技(遊技の進行及び遊技性)に直接関連する制御プログラムの実行により決定された各種データが一時的に記憶(格納)される。また、「領域外エリア」は、遊技者により実施される遊技(遊技の進行及び遊技性)に直接関与しない各種処理により決定されたデータが一時的に記憶(格納)される。
なお、図示は省略するが、メインROM202のメモリマップも、「遊技用エリア」と「領域外エリア」とに区画されている。メインROM202の遊技用エリアには、遊技の進行及び遊技性に直接関連する制御プログラム、当該制御プログラムの実行に用いられる各種データが記憶される。また、メインROM202の領域外エリアには、遊技の進行及び遊技性に直接関与しない領域外プログラム、当該領域外プログラムの実行に用いられる各種データが記憶される。
本実施形態では、メインRAM203の遊技用エリアにおける作業領域には、先頭からバックアップ準備用データ領域、設定操作関連用データ領域、ゲームストップ機能管理領域、遊技LED出力処理用データ領域、入力処理用データ領域、割込み・タイマ領域、遊技機情報領域、図柄制御データ領域、払出制御データ領域、演出制御データ領域、その他各種データ領域が順番に配置されている。
「バックアップ準備用データ領域」は、電断復帰時に算出される遊技用エリアのCRC値等を記憶する領域であり、「設定操作関連用データ領域」は、設定変更用の設定値等のデータを記憶する領域である。
「ゲームストップ機能管理領域」は、ゲームストップ機能の作動の有無に関するデータを記憶する領域であり、「遊技停止状態フラグ領域」及び「ストップ機能完了コマンド送信フラグ領域」を有している。「遊技停止状態フラグ領域」は、遊技停止状態の情報を記憶する領域であり、「ストップ機能完了コマンド送信フラグ領域」は、ゲームストップ機能のコマンドの送信要求の情報を記憶する領域である。この「遊技停止状態フラグ領域」及び「ストップ機能完了コマンド送信フラグ領域」については、詳しくは図190を参照して後述する。
「遊技LED出力処理用データ領域」は、普通図柄表示部161、普通図柄用保留表示部162、第1特別図柄表示部163、第2特別図柄表示部164、第1特別図柄用保留表示部165、第2特別図柄用保留表示部166および時短報知用表示部168等の遊技LEDを点灯させるためのデータを記憶する出力ポートバッファ等の領域である。また、「遊技LED出力処理用データ領域」は、後述するように「発射位置指定信号管理データ領域」等も有している。
「入力処理用データ領域」は、遊技球を検出するための第1始動口スイッチ6121、第2始動口スイッチ6141、通過ゲートスイッチ6127、第1大入賞口カウントスイッチ6132、第2大入賞口カウントスイッチ6152、遊技球回収スイッチ6179、一般入賞口スイッチ123等の各種遊技球スイッチからの入力したデータを記憶する入力ポートバッファ等の領域である。
「割込み・タイマ領域」は、割込みカウンタ、特別図柄待ち時間カウンタ、普通図柄待ち時間カウンタ、通知間隔管理タイマ領域等の各種タイマカウンタを記憶する領域である。
「遊技機情報領域」は、枠制御回路410を介してカードユニット181に送信する遊技機情報を記憶する領域である。
「図柄制御データ領域」は、特別図柄及び普通図柄の進行に関する乱数値、制御データを記憶する領域である。また、「図柄制御データ領域」は、特別図柄の制御データに対応して、「特別図柄制御状態番号領域」、「特別図柄判定記憶領域」、「第1特別図柄始動記憶領域」、「第2特別図柄始動記憶領域」、「特別図柄当りフラグ領域」、「特別図柄停止図柄番号領域」、「時短状態フラグ領域」、「時短回数カウンタ」、「ラウンドカウンタ」、「小当り開放回数カウンタ」、「大当りラウンド数上限値領域」、「開放状態領域」等を有している。また、普通図柄の制御データに対応して、「普通図柄制御状態番号領域」、「普通図柄判定記憶領域」、「普通特別図柄始動記憶領域」等を有している。
「払出制御データ領域」は、遊技者に付与する遊技球に関するデータを記憶する領域であり、後述するように、「主制御コマンド送信領域」、「主制御コマンド制御状態番号領域」等を有している。
「演出制御データ領域」は、表示装置7、スピーカ32、LED群46等の報知装置において遊技状態、ゲームストップ機能等に関する情報を報知させるデータを記憶する領域でる。
「演出制御データ領域」は、後述するように、遊技状態指定パラメータ領域、発射位置パラメータ領域、遊技異常検知パラメータ領域、ストップ機能状態パラメータ領域及びストップ機能差玉数パラメータ領域を有している。「ストップ機能状態パラメータ領域」は、ゲームストップ機能に関する状態(ゲームストップ機能フェーズ)の情報を記憶する領域であり、「ストップ機能差玉数パラメータ領域」は、遊技球の差玉数を示す差玉情報を記憶する領域である。この「ストップ機能状態パラメータ領域」及び「ストップ機能差玉数パラメータ領域」については、詳しくは図190を参照して後述する。
「その他各種データ領域」は、主としてエラー等の情報を記憶する領域であり、後述するように、「遊技異常検知パラメータ領域」、「枠状態通知フラグ領域」、「払出管理カウンタ領域」、「アウト球数管理カウンタ領域」、「発射許可信号管理領域」等を有している。
また、本実施形態では、メインRAM203の領域外エリアにおける作業領域には、先頭からバックアップ準備用データ領域、性能表示モニタデータ領域、ゲームストップ機能フェーズ領域、ゲームストップ機能カウンタ領域、試射試験信号関連データ領域、その他各種データ領域が順番に配置されている。
「バックアップ準備用データ領域」は、電断復帰時に算出される領域外エリアのCRC値等を記憶する領域である。
「性能表示モニタデータ領域」は、性能表示モニタ170に表示させるデータを記憶する領域であり、性能表示状態フラグ領域、通常賞球数カウンタ領域、通常アウトカウンタ領域、総アウトカウンタ領域等を有している。
「ゲームストップ機能フェーズ領域」は、ゲームストップ機能に関する状態(ゲームストップ機能フェーズ)の情報を記憶する領域である。この「ゲームストップ機能フェーズ領域」については、詳しくは図190を参照して後述する。
「ゲームストップ機能カウンタ領域」は、ゲームストップ機能に関しての遊技球の差玉数等の情報を記憶する領域であり、「差玉管理用カウンタ領域」、「差玉判定用カウンタ領域」、「差玉判定用カウンタバッファ領域」、「差玉通知情報領域」及び「加算遊技球数カウンタ領域」を有している。「差玉管理用カウンタ領域」、「差玉判定用カウンタ領域」、「差玉判定用カウンタバッファ領域」、「差玉通知情報領域」及び「加算遊技球数カウンタ領域」は、遊技球の差玉数に関する差玉情報等を記憶する領域である。この「差玉管理用カウンタ領域」、「差玉判定用カウンタ領域」、「差玉判定用カウンタバッファ領域」、「差玉通知情報領域」及び「加算遊技球数カウンタ領域」については、詳しくは図190を参照して後述する。
「試射試験信号関連データ領域」は、遊技機の検定試験(試射試験)で使用されるデータを記憶する領域である。
「その他各種データ領域」は、主としてエラー等の情報を記憶する領域であり、後述するように「領域外セキュリティ情報領域」、「領域外遊技異常検知フラグ領域」等を有している。
(遊技用エリアのRAMクリア範囲のアドレス)
そして、図189に示すように、メインRAM203の遊技用エリアにおける作業領域には、バックアップ準備用データ領域の先頭に「異常時RAMクリア範囲先頭アドレス」が配置され、ゲームストップ機能管理領域の先頭に「クリアスイッチ作動時RAMクリア範囲先頭アドレス」が配置され、遊技LED出力処理用データ領域の先頭に「遊技停止時RAMクリア範囲先頭アドレス」が配置され、その他各種データ領域の先頭に「電断復帰時RAMクリア範囲先頭アドレス」が配置されている。
また、「異常時RAMクリア範囲先頭アドレス」及び「クリアスイッチ作動時RAMクリア範囲先頭アドレス」に対応するRAMクリア範囲最終アドレスとして、スタック領域の最後に「第1終了アドレス」が配置されている。また、「電断復帰時RAMクリア範囲先頭アドレス」に対応するRAMクリア範囲最終アドレスとして、スタック領域の先頭に「第2終了アドレス」が配置されている。さらに、「遊技停止時RAMクリア範囲先頭アドレス」に対応するRAMクリア範囲最終アドレスとして、割込み・タイマ領域の先頭に「遊技停止時RAMクリア範囲終了アドレス」が配置されている。
(遊技用エリアの異常時RAMクリア範囲)
異常時RAMクリア範囲先頭アドレスが設定されると(電断復帰時の起動状態が「RAM異常」であると)、異常時RAMクリア範囲先頭アドレスから第1終了アドレスまでの範囲が、遊技用エリアの「異常時RAMクリア範囲」として設定される。そして、遊技用エリアの異常時RAMクリア範囲にあるデータがクリアされることになる。
本実施形態では、遊技用エリアの異常時RAMクリア範囲は、メインRAM203に記憶されたデータに異常(破損)があると判定されていることから、メインRAM203の遊技用エリアにおける使用領域を全て含み、遊技用エリアにおける使用領域はすべてクリアされることになる。
(遊技用エリアにおけるクリアスイッチ作動時RAMクリア範囲)
クリアスイッチ作動時RAMクリア範囲先頭アドレスが設定されると(電断復帰時の起動状態が「RAMクリア」または「設定変更中」であると)、クリアスイッチ作動時RAMクリア範囲先頭アドレスから第1終了アドレスまでの範囲が、遊技用エリアの「クリアスイッチ作動時RAMクリア範囲」として設定される。そして、遊技用エリアのクリアスイッチ作動時RAMクリア範囲にあるデータがクリアされることになる。
本実施形態では、遊技用エリアのクリアスイッチ作動時RAMクリア範囲は、バックアップ準備用データ領域、設定操作関連用データ領域を除き、ゲームストップ機能管理領域、遊技LED出力処理用データ領域、入力処理用データ領域、割込み・タイマ領域、遊技機情報領域、図柄制御データ領域、払出制御データ領域、演出制御データ領域、その他各種データ領域が含まれている。
このため、バックアップ準備用データ領域、設定操作関連用データ領域に記憶されたデータは保護され、電断復帰時の起動状態が設定変更中であるときの設定値を保持することができる。
特に、本実施形態においては、遊技用エリアのクリアスイッチ作動時RAMクリア範囲には、ゲームストップ機能に関する領域として、遊技停止状態フラグ領域、ストップ機能完了コマンド送信フラグ領域、ストップ機能状態パラメータ領域及びストップ機能差玉数パラメータ領域のゲームストップ機能に関する遊技用エリアの全ての領域が含まれている。
このため、電断復帰時にRAMクリアスイッチ176がONであると(電断復帰時の起動状態がRAMクリアまたは設定変更中であると)、ゲームストップ機能に関する全ての情報がクリアされ、ゲームストップ機能に関する機能・状態がリセットされる。これにより、ゲームストップ機能により遊技停止状態となったときには、電断復帰時にRAMクリアスイッチ176をONにしなければ、遊技停止状態が解除されないことになる。
(遊技用エリアにおける電断復帰時RAMクリア範囲)
電断復帰時RAMクリア範囲先頭アドレスが設定されると(電断復帰時の起動状態が「電断復帰」または「設定確認中」であると)、電断復帰時RAMクリア範囲先頭アドレスから第2終了アドレスまでの範囲が、遊技用エリアの「電断復帰時RAMクリア範囲」として設定される。そして、遊技用エリアの電断復帰時RAMクリア範囲にあるデータがクリアされることになる。
本実施形態では、遊技用エリアの電断復帰時RAMクリア範囲は、その他各種データ領域が含まれており、大部分の作業領域は除かれている。すなわち、バックアップ準備用データ領域、設定操作関連用データ領域、ゲームストップ機能管理領域、遊技LED出力処理用データ領域、入力処理用データ領域、割込み・タイマ領域、遊技機情報領域、図柄制御データ領域、払出制御データ領域、演出制御データ領域に記憶されたデータは保持される。
このため、電断復帰前の状態が保持され、電断復帰後には、電断復帰前の状態から継続して遊技を進行させることができる。なお、その他各種データ領域には、例えば、遊技異常検知フラグ等のデータが記憶され、一時的にエラーが解除されることになる。
特に、本実施形態においては、遊技用エリアの電断復帰時RAMクリア範囲には、ゲームストップ機能に関する領域として、遊技停止状態フラグ領域、ストップ機能完了コマンド送信フラグ領域、ストップ機能状態パラメータ領域及びストップ機能差玉数パラメータ領域のゲームストップ機能に関する遊技用エリアの全ての領域が除かれている。
このため、電断復帰時にRAMクリアスイッチ176がOFFであり、正常に電断復帰したときには、ゲームストップ機能の遊技停止状態、ゲームストップ機能のコマンドの送信要求、遊技用エリアのゲームストップ機能フェーズの情報、遊技用エリアの差玉情報は保持される。
なお、詳しくは後述するが、遊技用エリアの差玉情報は、領域外エリアの差玉情報から転送されるものである。このため、遊技用エリアのストップ機能差玉数パラメータ領域に記憶された差玉情報はRAMクリア範囲には含まれず直接的にはクリアされないものの、電断復帰時に領域外エリアの差玉情報がクリアされることにより、その後、遊技用エリアの差玉情報もクリア(=0)されることになる。
すなわち、正常に電断復帰したときには、遊技用エリアのストップ機能差玉数パラメータ領域に記憶された差玉情報も実質的にクリアされることになる。
同様に、詳しくは後述するが、遊技用エリアのゲームストップ機能フェーズの情報は、領域外エリアのゲームストップ機能フェーズから転送されるものである。このため、遊技用エリアのストップ機能状態パラメータ領域に記憶されたゲームストップ機能フェーズはRAMクリア範囲には含まれず直接的にはクリアされないものの、ゲームストップ機能作動予告フェーズ(=1)がセットされている場合に限り、領域外エリアのゲームストップ機能フェーズ領域がクリアされ、遊技用エリアのゲームストップ機能フェーズの情報もクリア(=0)されることになる。
すなわち、正常に電断復帰したときに、ゲームストップ機能作動予告フェーズ(=1)がセットされている場合に限り、遊技用エリアのストップ機能状態パラメータ領域に記憶されたゲームストップ機能フェーズの情報も実質的にクリアされることになる。
なお、本実施形態においては、図189に示すように、電断復帰時RAMクリア範囲先頭アドレスをその他各種データ領域の先頭に配置したが、ストップ機能差玉数パラメータ領域の先頭に配置して、電断復帰時にRAMクリアスイッチ176がOFFであり、正常に電断復帰したときには、電断復帰時に遊技用エリアの差玉情報が直接的にクリアされるように構成してもよい。
(遊技用エリアにおける遊技停止時RAMクリア範囲)
ゲームストップ機能により遊技停止状態になったときには、遊技停止時RAMクリア範囲先頭アドレスから遊技停止時RAMクリア範囲終了アドレスまでの範囲が、遊技用エリアの「遊技停止時RAMクリア範囲」として設定される。そして、遊技用エリアの遊技停止時RAMクリア範囲にあるデータがクリアされることになる。
本実施形態では、遊技用エリアの遊技停止時RAMクリア範囲は、遊技LED出力処理用データ領域の出力ポートバッファ、入力処理用データ領域の入力ポートバッファが含まれており、その他の作業領域は除かれている。
このため、ゲームストップ機能により遊技停止状態中であるときには、遊技LED出力処理用データ領域の出力ポートバッファがクリアされ、普通図柄表示部161、普通図柄用保留表示部162、第1特別図柄表示部163、第2特別図柄表示部164、第1特別図柄用保留表示部165、第2特別図柄用保留表示部166および時短報知用表示部168等の遊技LEDに点灯が行われないことになる(消灯のまま)。
さらに、ゲームストップ機能により遊技停止状態中であるときには、入力処理用データ領域の入力ポートバッファもクリアされるので、遊技球を検出するための第1始動口スイッチ6121、第2始動口スイッチ6141、通過ゲートスイッチ6127、第1大入賞口カウントスイッチ6132、第2大入賞口カウントスイッチ6152、遊技球回収スイッチ6179、一般入賞口スイッチ123等の各種遊技球スイッチも検出されなくなる。
なお、本実施形態においては、図189に示すように、遊技停止時RAMクリア範囲終了アドレスを割込み・タイマ領域の先頭に配置したが、入力処理用データ領域の先頭に配置して、ゲームストップ機能により遊技停止状態中であるときにも、入力処理用データ領域にあるデータがクリアされないように構成してもよい。ただし、このように構成する場合には、ゲームストップ機能による遊技停止状態中であるときには、後述するスイッチ入力検知処理を不実行とするように構成することが望ましい。
(領域外エリアのRAMクリア範囲のアドレス)
そして、メインRAM203の領域外エリアにおける作業領域にも、バックアップ準備用データ領域の先頭に「異常時RAMクリア範囲先頭アドレス」が配置され、ゲームストップ機能フェーズ領域の先頭に「クリアスイッチ作動時RAMクリア範囲先頭アドレス」が配置され、ゲームストップ機能カウンタ領域の先頭に「電断復帰時RAMクリア範囲先頭アドレス」が配置されている。
また、「異常時RAMクリア範囲先頭アドレス」、「クリアスイッチ作動時RAMクリア範囲先頭アドレス」、「電断復帰時RAMクリア範囲先頭アドレス」に対応するRAMクリア範囲最終アドレスとして、スタック領域の先頭に「第3終了アドレス」が配置されている。
(領域外エリアの異常時RAMクリア範囲)
異常時RAMクリア範囲先頭アドレスが設定されると(電断復帰時の起動状態が「RAM異常」であると)、異常時RAMクリア範囲先頭アドレスから第3終了アドレスまでの範囲が、領域外エリアの「異常時RAMクリア範囲」として設定される。そして、領域外エリアの異常時RAMクリア範囲にあるデータがクリアされることになる。
本実施形態では、領域外エリアの異常時RAMクリア範囲は、領域外エリアにおけるスタック領域を除いた作業領域を全て含み、領域外エリアにおけるスタック領域を除いた作業領域はすべてクリアされる。
(領域外エリアのクリアスイッチ作動時RAMクリア範囲)
クリアスイッチ作動時RAMクリア範囲先頭アドレスが設定されると(電断復帰時の起動状態が「RAMクリア」または「設定変更中」であると)、クリアスイッチ作動時RAMクリア範囲先頭アドレスから第3終了アドレスまでの範囲が、領域外エリアの「クリアスイッチ作動時RAMクリア範囲」として設定される。そして、領域外エリアのクリアスイッチ作動時RAMクリア範囲にあるデータがクリアされることになる。
本実施形態では、領域外エリアのクリアスイッチ作動時RAMクリア範囲は、バックアップ準備用データ領域、性能表示モニタデータ領域を除き、ゲームストップ機能フェーズ領域、ゲームストップ機能カウンタ領域、試射試験信号関連データ領域、その他各種データ領域が含まれている。
このため、バックアップ準備用データ領域、性能表示モニタデータ領域に記憶されたデータは保護され、性能表示モニタ170に表示させるデータを保持することができる。
特に、本実施形態においては、領域外エリアのクリアスイッチ作動時RAMクリア範囲には、ゲームストップ機能に関する領域として、ゲームストップ機能フェーズ領域、ゲームストップ機能カウンタ領域(差玉管理用カウンタ領域、差玉判定用カウンタ領域、差玉判定用カウンタバッファ領域、差玉通知情報領域、加算遊技球数カウンタ領域)のゲームストップ機能に関する領域外エリアのすべての領域が含まれている。
このため、電断復帰時にRAMクリアスイッチ176がONであると(電断復帰時の起動状態がRAMクリアまたは設定変更中であると)、ゲームストップ機能に関する全ての情報がクリアされ、ゲームストップ機能に関する機能・状態がリセットされる。
(領域外エリアの電断復帰時RAMクリア範囲)
電断復帰時RAMクリア範囲先頭アドレスが設定されると(電断復帰時の起動状態が「電断復帰」または「設定確認中」であると)、電断復帰時RAMクリア範囲先頭アドレスから第3終了アドレスまでの範囲が、領域外エリアの「電断復帰時RAMクリア範囲」として設定される。そして、領域外エリアの電断復帰時RAMクリア範囲にあるデータがクリアされることになる。
本実施形態では、領域外エリアの電断復帰時RAMクリア範囲は、バックアップ準備用データ領域、性能表示モニタデータ領域及びゲームストップ機能フェーズ領域を除き、ゲームストップ機能カウンタ領域、試射試験信号関連データ領域、その他各種データ領域が含まれている。
このため、バックアップ準備用データ領域、性能表示モニタデータ領域及びゲームストップ機能フェーズ領域に記憶されたデータは保護され、性能表示モニタ170に表示させるデータ、ゲームストップ機能フェーズの状態も保持することができる。
特に、本実施形態においては、領域外エリアの電断復帰時RAMクリア範囲には、ゲームストップ機能に関する領域として、ゲームストップ機能フェーズ領域は除かれるものの、ゲームストップ機能カウンタ領域(差玉管理用カウンタ領域、差玉判定用カウンタ領域、差玉判定用カウンタバッファ領域、差玉通知情報領域、加算遊技球数カウンタ領域)は含まれている。
このため、電断復帰時にRAMクリアスイッチ176がOFFであり、正常に電断復帰したときには、領域外エリアのゲームストップ機能フェーズの情報は保持されるものの、領域外エリアの差玉情報はクリアされることになる。
なお、詳しくは後述するが、領域外エリアのゲームストップ機能フェーズ領域にゲームストップ機能作動予告フェーズ(=1)がセットされている場合に限り、特殊な処理(図196のステップS6054、S6055等参照)によりゲームストップ機能フェーズがクリアされることになる。
[6-5.ゲームストップ機能に関するデータ内容]
次に、ゲームストップ機能に関するデータとして、上述したメインRAM203の遊技停止状態フラグ領域、ストップ機能完了コマンド送信フラグ領域、ストップ機能状態パラメータ領域、ストップ機能差玉数パラメータ領域、ゲームストップ機能フェーズ領域、差玉管理用カウンタ領域、差玉判定用カウンタ領域、差玉判定用カウンタバッファ領域、差玉通知情報領域及び加算遊技球数カウンタ領域に記憶されているデータ内容について説明する。図190は、第6のパチンコ遊技機のゲームストップ機能に関するデータ内容を説明するための説明図の一例である。
図190に示すように、「遊技停止状態フラグ領域」は、1バイトの容量からなり、遊技可能状態とゲームストップ機能による遊技停止状態の情報が記憶される。具体的には、遊技停止状態フラグ領域=0であると「遊技可能状態」を示し、遊技停止状態フラグ領域=1であると「遊技停止状態」を示している。
「ストップ機能完了コマンド送信フラグ領域」は、1バイトの容量からなり、ゲームストップ機能に関するコマンド(ゲームストップ機能完了コマンド)の送信要求を示す情報が記憶される。具体的には、遊技停止状態フラグ領域=0であるとゲームストップ機能完了コマンドの「送信要求なし」を示し、遊技停止状態フラグ領域=1であるとゲームストップ機能完了コマンドの「送信要求あり」を示している。詳しくは後述するが、この送信要求ありは、ゲームストップ機能により遊技停止状態が設定されたときに、ゲームストップ機能完了コマンドを送信するために設定される情報である。
「ストップ機能状態パラメータ領域」は、1バイトの容量からなり、ゲームストップ機能に関する状態としてゲームストップ機能フェーズを示す情報が記憶される。「ゲームストップ機能フェーズ」は、ゲームストップ機能に関する状態を示す情報であり、遊技球の差玉数が境界値(例えば90000個)未満である「ゲームストップ機能通常状態フェーズ」と、遊技球の差玉数が境界値(例えば90000個)以上である「ゲームストップ機能作動予告フェーズ(「ゲーム停止予告状態」ともいう)」と、遊技球の差玉数が規制値(例えば95000個)以上である「ゲームストップ機能作動待機フェーズ(「ゲーム停止準備状態」ともいう)」と、遊技停止状態の停止条件成立状態である「ゲームストップ機能作動完了フェーズ(「ゲーム停止状態」ともいう)」とに識別される。具体的には、ストップ機能状態パラメータ領域=0は「ゲームストップ機能通常状態フェーズ」を示し、ストップ機能状態パラメータ領域=1は「ゲームストップ機能作動予告フェーズ」を示している。また、ストップ機能状態パラメータ領域=2は「ゲームストップ機能作動待機フェーズ」を示し、ストップ機能状態パラメータ領域=3は「ゲームストップ機能作動完了フェーズ」を示している。
なお、本実施形態においては、規制値を95000個、規制値未満の境界値を90000個に設定しているが、規制値及び境界値の値は、適宜設計変更が自由である。
「ストップ機能差玉数パラメータ領域」は、1バイトの容量からなり、遊技球の差玉数の1000個単位の個数を示す第1差玉情報が記憶される。具体的には、ストップ機能差玉数パラメータ領域=0は、遊技球の差玉数が1000個未満である個数(0~999個)ことを示し、ストップ機能差玉数パラメータ領域=1は、遊技球の差玉数が1000個単位の個数(1000~1999個)であることを示している。また、ストップ機能差玉数パラメータ領域=96は、遊技球の差玉数が96000個単位の個数(96000~96999個)であることを示している。
「ゲームストップ機能フェーズ領域」は、1バイトの容量からなり、ストップ機能状態パラメータ領域と同様に、ゲームストップ機能フェーズを示す情報が記憶される。具体的には、ゲームストップ機能フェーズ領域=0は「ゲームストップ機能通常状態フェーズ」を示し、ゲームストップ機能フェーズ領域=1は「ゲームストップ機能作動予告フェーズ」を示している。また、ゲームストップ機能フェーズ領域=2は「ゲームストップ機能作動待機フェーズ」を示し、ゲームストップ機能フェーズ領域=3は「ゲームストップ機能作動完了フェーズ」を示している。詳しくは後述するが、領域外エリアのゲームストップ機能フェーズ領域に記憶されたゲームストップ機能フェーズの情報が、遊技用エリアのストップ機能状態パラメータ領域に転送(記憶)されることになる。
「差玉管理用カウンタ領域」は、2バイトの容量からなり、遊技球の差玉数の1000個未満の個数を示す第2差玉情報が記憶される。
「差玉判定用カウンタ領域」は、1バイトの容量からなり、ストップ機能差玉数パラメータ領域と同様に、遊技球の差玉数の1000個単位の個数を示す第1差玉情報が記憶される。
詳しくは後述するが、2バイトの「差玉管理用カウンタ領域」と1バイトの「差玉判定用カウンタ領域」とを、すべての差玉情報(第1差玉情報+第2差玉情報)を示す「3バイトカウンタ」としても用いており、下位2バイトが「差玉管理用カウンタ領域」の第2差玉情報に対応しており、上位1バイトが「差玉判定用カウンタ領域」の第1差玉情報に対応している。
「差玉判定用カウンタバッファ領域」は、1バイトの容量からなり、遊技球の差玉数の変化を確認するために、差玉判定用カウンタ領域に記憶された前回の第1差玉情報が記憶される。
「差玉通知情報領域」は、1バイトの容量からなり、遊技球の差玉数の変化が所定値以上であった場合に、差玉判定用カウンタ領域に記憶された第1差玉情報が記憶される。詳しくは後述するが、領域外エリアの差玉通知情報領域に記憶された第1差玉情報が、遊技用エリアのストップ機能差玉数パラメータ領域に転送(記憶)されることになる。
「加算遊技球数カウンタ領域」は、1バイトの容量からなり、加算遊技球数の情報が記憶される。「加算遊技球数」は、遊技球の差玉数に加算する加算値であり、各種入賞口に遊技球が入球したときに払い出される遊技球数を遊技球の差玉数に加算するまで、一時的に記憶しておく情報である。
[6-6.基本仕様]
次に、図191及び図192を参照して、第6のパチンコ遊技機の基本仕様について説明する。なお、第6のパチンコ遊技機は設定機能付きのパチンコ遊技機であってもよいが、以下では、設定機能にかかわる記載は省略する。
また、第6のパチンコ遊技機は、1種2種混合機と称されるパチンコ遊技機であり、通常遊技状態または時短遊技状態において遊技を進行させることが可能となっており、確変制御が実行されないものの、確変制御も実行可能としてもよい。
[特別図柄の当り判定テーブル]
図191は、第6のパチンコ遊技機における特別図柄の当り判定テーブルの一例である。図191に示す特別図柄の当り判定テーブルは、「大当り」、「小当り」または「ハズレ」を判定するためのテーブルであり、主制御回路200のメインROM202に記憶されている。
図191に示す特別図柄の当り判定テーブルには、特別図柄の種別と、大当り判定用乱数値と、当落判定値データ(大当り判定値データ、小当り判定値データ、ハズレ判定値データ)とが対応付けて規定されている。なお、第1特別図柄および第2特別図柄ともに、大当り判定用乱数値の総乱数値は65536である。すなわち、上記の大当り判定用乱数値は0~65535の範囲(幅)で発生する。
図191に示す特別図柄の当り判定テーブルによれば、第1特別図柄の当り判定処理では、「大当り」または「ハズレ」は判定されるものの「小当り」は判定されず、第2特別図柄の当り判定処理では、「大当り」、「小当り」または「ハズレ」が判定されることになる。
本実施形態では、第1始動口6120に遊技球が入球した場合、メインCPU201は、第1特別図柄の当り判定処理に基づいて、第1特別図柄の当り判定処理の結果を、約1/319.7の選択率で「大当り」と判定し、それ以外は「ハズレ」と判定する。また、第2始動口6140に遊技球が入球した場合、メインCPU201は、第2特別図柄の当り判定処理に基づいて、第2特別図柄の当り判定処理の結果を、約1/319.7の選択率で「大当り」と判定し、約1/3.0の高い選択率で「小当り」と判定し、それ以外は「ハズレ」と判定する。
このように、本実施形態では、図191に示す特別図柄の当り判定テーブルでは、第1始動口6120に遊技球が入球するよりも、第2始動口6140に遊技球が入球した場合の方が「小当り」と判定されやすく構成されている。
また、第1特別図柄の当り判定処理が行われた場合に、「小当り」が判定されるように構成してもよいが、「小当り」が判定されるように構成した場合、第1特別図柄の当り判定処理で行われる判定よりも、第2特別図柄の当り判定処理で行われる判定の方が有利となるように、相対的に低い選択率で「小当り」を判定することが好ましい。
上述したように、第2始動口6140は、時短遊技状態において第2始動口6140への遊技球の入球が可能または容易となっており、通常遊技状態においては第2始動口6140への遊技球の入球が不可能または困難となっている。このため、時短遊技状態であるときには、遊技球が第2始動口6140に入球することにより、大当りを契機とした第1のルートに加え、小当りを契機とした第2のルートから、容易に大当り遊技状態に移行可能となっている。
なお、上述した「大当り」と判定される乱数値の範囲(幅)、「小当り」と判定される乱数値の範囲(幅)、「ハズレ」と判定される乱数値の範囲(幅)、すなわち各種の選択率は、上記値に限定されず、適宜設計変更が自由である。
また、本実施形態では、大当り遊技状態を契機とせずに時短遊技状態に移行する「時短当り」が判定されないが、第1特別図柄の当り判定処理または第2特別図柄の当り判定処理により「時短当り」が判定されてもよい。
さらに、設定値に応じて大当りの選択率や小当りの選択率を変えることに代えてまたは加えて、例えば、V入賞口6156の開放頻度や開放時間を設定値毎に変えてV入賞口6156への通過率を変えたり、時短継続回数を設定値毎に変えたりする等してもよい。すなわち、大当り確率、小当り確率、V入賞口6156の開放頻度(すなわち第2特電用シャッタ6154の作動頻度)や開放時間および時短継続回数等、遊技者にとっての有利度合いを変更しうる条件のうちの一つまたは二つ以上を採用することにより、大当り遊技状態に制御される期待値が低設定よりも高設定の方が高くなるように構成してもよい。
[特別図柄判定テーブル]
図192は、第6のパチンコ遊技機における特別図柄判定テーブルの一例である。図192に示す特別図柄判定テーブルは、「特別図柄の停止図柄」を決定するテーブルであり、主制御回路200のメインROM202に記憶されている。
「特別図柄の停止図柄」は、特別図柄の当り判定処理の結果が当りであった場合に、第1特別図柄表示部163または第2特別図柄表示部164に停止表示する特別図柄の種類を決定するための情報である。また、この特別図柄の停止図柄の情報は、特別図柄の変動表示の開始時に「特別図柄演出開始コマンド」の第3パラメータに含まれてサブ制御回路300に送信され、特別図柄演出開始コマンドの第3パラメータの情報に基づいて、表示装置7の表示領域に特別図柄の停止図柄に対応した装飾図柄が停止表示されることになる。
図192に示す特別図柄判定テーブルには、特別図柄の種類と、上述の当落判定値データと、第1始動口6120または第2始動口6140に遊技球が入球したときに取得される特別図柄の図柄乱数値とが、「特別図柄の停止図柄」に対応付けて規定されている。特別図柄の図柄乱数値は、例えば0~99(100種類)の中から抽出される。すなわち、上記の特別図柄の図柄乱数値は0~99の範囲(幅)で発生する。
図192に示す特別図柄判定テーブルによれば、メインCPU201は、第1特別図柄の当り判定処理の結果として大当り判定値データが得られた場合、特別図柄の図柄乱数値が0~59のいずれかであるときには、特別図柄の停止図柄として「z1」を決定し、特別図柄の図柄乱数値が60~79のいずれかであるときには、特別図柄の停止図柄として「z2」を決定し、特別図柄の図柄乱数値が80~99のいずれかであるときには、特別図柄の停止図柄として「z3」を決定する。
メインCPU201は、第2特別図柄の当り判定処理の結果として大当り判定値データが得られた場合、特別図柄の図柄乱数値がいずれの値であっても、メインCPU201は、特別図柄の停止図柄として「z4」を決定する。
また、メインCPU201は、第2特別図柄の当り判定処理の結果として小当り判定値データが得られた場合、特別図柄の図柄乱数値が0~79のいずれかであるときには、特別図柄の停止図柄として「z5」を決定し、特別図柄の図柄乱数値が80~84のいずれかであるときには、特別図柄の停止図柄として「z6」を決定し、特別図柄の図柄乱数値が85~99のいずれかであるときには、特別図柄の停止図柄として「z7」を決定する。
なお、「特別図柄の停止図柄」を決定する特別図柄の図柄乱数値の範囲、すなわち選択率は、上記値に限定されず、適宜設計変更が自由である。
また、第6のパチンコ遊技機では詳しい説明を省略するが、図192に示す特別図柄判定テーブルの備考欄に示すように、決定された特別図柄の停止図柄に基づいて、大当り遊技状態の開放態様、小当り遊技状態の開放態様、大当り遊技状態終了後に移行する遊技状態(移行先)が決定されることになる。
[6-7.主制御処理]
第6のパチンコ遊技機において、主制御回路200のメインCPU201により実行される各種処理(各種モジュール)について説明する。
[主制御メイン処理]
図193及び図194を参照して、メインCPU201の制御によるメイン処理(主制御メイン処理)について説明する。なお、図193及び図194は、第6のパチンコ遊技機における主制御メイン処理の一例を示すフローチャートである。
まず、ステップS6001において、メインCPU201は、電断信号ビットが「0」であるか否かを判定する。メインCPU201は、電断信号ビットが「0」であると判定した場合には、電断を検知中であるとして、ステップS6001の判定処理を繰り返す。
ステップS6001において、メインCPU201が、電断信号ビットが「0」でないと判定した場合には、メインCPU201は、電断検知中でないとして、処理をステップS6002に移す。
ステップS6002において、メインCPU201は、遊技用エリアに係るスタックポインタの設定処理を行う。ここでは、例えば、スタックポインタに、スタックエリア(遊技用エリア)の最終アドレス+1をセットする。そして、以降の処理中、スタックが用いられる場合は、スタックポインタから1を減じた後、そのアドレスにレジスタの値等を格納し、以降同様に、スタックエリア(遊技用エリア)をアドレス値の大きいエリアから小さいエリアに順に使用していく。この処理を終了すると、メインCPU201は、処理をステップS6003に移す。
ステップS6003において、メインCPU201は、内蔵レジスタの初期設定処理を行う。ここでは、例えば、内蔵レジスタ初期設定データテーブルを参照して、内蔵レジスタの初期設定を行う。また、所定のレジスタ(例えばQレジスタ)には、メインRAM203の作業領域(遊技用エリア)の先頭アドレス(上位側)「F000H」がセットされる。この処理を終了すると、メインCPU201は、処理をステップS6004に移す。
ステップS6004において、メインCPU201は、所定のレジスタ(例えば、Eレジスタに)に起動時のRAMクリアスイッチ176の状態情報(オン/オフ状態)と、設定キー差込口に差し込まれる設定キー174の状態情報を格納して退避する。これにより、状態情報を後の起動状態チェック処理で確認できるようにしている。この処理を終了すると、メインCPU201は、処理をステップS6005に移す。
ステップS6005において、メインCPU201は、サブ制御回路300側の起動待ち処理として、ウェイト処理を行う。起動待ち時間(ウェイト期間)はおよそ12000msecである。また、この起動待ち時間において、メインCPU201は、割込み要求信号(XINT)の発生チェック処理、割込み要求信号発生時のWDTの出力処理、所定のタイミングでの磁気センサ初期化信号の出力処理を行う。この処理は、タイムアウトレジスタを用いて行われる。また、割込み禁止中も、例えば、タイマカウンタの更新を行うように制御し、タイマカウンタのタイムアウトが発生したか否かを、タイムアウトレジスタを用いて1命令で判定し、処理を分岐させることで、擬似的に、タイマ割込みが行われたか否かに応じて処理が分岐するような制御を行うことも可能である。この処理を終了すると、メインCPU201は、処理をステップS6006に移す。
ステップS6006において、メインCPU201は、RAMアクセスの設定処理を行う。この処理では、メインCPU201は、メインRAM203へのアクセス許可コマンドを、対応するレジスタに送信する。この処理を終了すると、メインCPU201は、処理をステップS6007に移す。
ステップS6007において、メインCPU201は、指定領域CRC検査処理を行う。この処理では、メインCPU201は、メインRAM203の遊技用エリアと領域外エリアに関するCRC算出を行って、CRC検査を行う。ここで、CRC検査で異常(エラー)と判断された場合には、所定のレジスタ(例えばBレジスタ)にバックアップ異常ありを示すフラグ「1」をセットし、CRC検査で正常と判断された場合には、所定のレジスタに(例えばBレジスタ)、異常なしを示すフラグ「0」をセットする。この処理を終了すると、メインCPU201は、処理をステップS6008に移す。
なお、CRC検査は、例えば、指定された領域のデータについて、予め定めておいた特定の値で割り、その余りを、異常があるか否かのチェック用の値として使用するものである。異なる時点でこのチェック用の値を算出し、それらが一致しない場合、当該指定された領域のデータに関して、変動があった(データの位置や値に異常があった)と判断することができる。
ステップS6008において、メインCPU201は、起動状態チェック処理を行う。この処理では、CRC検査の検査結果、RAMクリアスイッチ176のON・OFF、設定キー174のON・OFFの状態に基づいて、電断復帰時の起動状態を判定する。そして、電断復帰時の起動状態に基づいて、メインRAM203の遊技用エリアにおける「RAMクリア範囲先頭アドレス」を決定して、メインRAM203の遊技用エリアにおけるRAMクリア範囲を設定する。この処理を終了すると、メインCPU201は、処理をステップS6009に移す。
本実施形態では、起動状態チェック処理において、CRC検査で異常(エラー)と判断された場合には、起動状態を「RAM異常」と判定する。また、CRC検査で正常と判断された場合において、RAMクリアスイッチ176がON、かつ、設定キー174がOFFであるときには、起動状態を「RAMクリア」と判定し、RAMクリアスイッチ176がON、かつ、設定キー174がONであるときには、起動状態を「設定変更中」と判定する。さらに、CRC検査で正常と判断された場合において、RAMクリアスイッチ176がOFF、かつ、設定キー174がOFFであるときには、起動状態を「電断復帰」と判定し、RAMクリアスイッチ176がOFF、かつ、設定キー174はONであるときには、起動状態を「設定確認中」と判定する。このように、本実施形態では、電断復帰時の起動状態を「RAM異常」、「RAMクリア」、「設定変更中」、「電断復帰」、「設定確認中」に分類している。
そして、起動状態チェック処理において、電断復帰時の起動状態を判定すると、下記のように、メインRAM203の遊技用エリアにおける「RAMクリア範囲先頭アドレス」を決定する。
(電断復帰時の起動状態がRAM異常の場合)
起動状態チェック処理において、電断復帰時の起動状態が「RAM異常」であると判定すると、図189に示すように、遊技用エリアの「異常時RAMクリア範囲先頭アドレス」を決定する。これにより、遊技用エリアのRAMクリア範囲として「異常時RAMクリア範囲」が設定されることになる。
(電断復帰時の起動状態がRAMクリアまたは設定変更中の場合)
起動状態チェック処理において、電断復帰時の起動状態が「RAMクリア」または「設定変更中」であると判定すると、図189に示すように、遊技用エリアの「クリアスイッチ作動時RAMクリア範囲先頭アドレス」を決定する。これにより、遊技用エリアのRAMクリア範囲として「クリアスイッチ作動時RAMクリア範囲」が設定されることになる。
(電断復帰時の起動状態が電断復帰または設定確認中の場合)
起動状態チェック処理において、電断復帰時の起動状態が「電断復帰」または「設定確認中」であると判定すると、図189に示すように、遊技用エリアの「電断復帰時RAMクリア範囲先頭アドレス」を決定する。これにより、遊技用エリアのRAMクリア範囲として「電断復帰時RAMクリア範囲」が設定されることになる。
このような起動状態チェック処理が終了すると、メインCPU201は、処理をステップS6009に移す。
ステップS6009において、メインCPU201は、指定範囲クリア処理を行う。この処理では、メインRAM203の遊技用エリアのRAMクリア範囲、メインRAM203の領域外エリアのRAMクリア範囲におけるデータのクリアが行われる。この指定範囲クリア処理の詳細については、詳しくは後述する。この処理を終了すると、メインCPU201は、処理をステップS6010に移す。
ステップS6010において、メインCPU201は、ペアレジスタにメインRAM203の領域外エリアに記憶されている電源投入時初期化用データテーブルのアドレスをセットし、このレジスタを参照して、電源投入時初期化用のデータを作業領域に格納する。この処理を終了すると、メインCPU201は、処理をステップS6011に移す。
ステップS6011において、メインCPU201は、ステップS6010でセットされた電源投入時初期化用データテーブルのアドレスを用いて、格納対象領域に電源投入時初期化用データテーブルのデータを格納するデータ格納処理を行う。このデータ格納処理は、第4のパチンコ遊技機において実行されるデータ格納処理(図121参照)と同様である。この処理を終了すると、メインCPU201は、処理をステップS6012に移す。
ステップS6012において、メインCPU201は、設定変更確認処理を行う。この処理では、メインCPU201は、設定キー174が設定キー差込口に差し込まれて「オン」の状態となっている場合に、設定更新や設定変更の処理を行う。この設定変更確認処理は、第4のパチンコ遊技機において実行される設定変更確認処理(図122、図123参照)と同様である。設定キー174が設定キー差込口から抜かれると(オフの状態となると)、メインCPU201は、処理をステップS6013に移す。
また、設定変更確認処理においては、設定キー174が「オン」の状態となっている場合に、RAMクリアスイッチ176が「オン」であるときには、設定変更開始の情報が含まれた「設定操作コマンド」を生成し、RAMクリアスイッチ176が「オフ」であるときには、設定確認開始の情報が含まれた「設定操作コマンド」を生成して、生成した設定操作コマンドをサブ制御回路300に送信する(図122のステップS4183)。
なお、次の遊技復帰処理(ステップS6013)において、設定確認の終了時には「電断復帰コマンド」がサブ制御回路300に送信され、設定変更の終了時には「初期化コマンド」がサブ制御回路300に送信されることになる。
ステップS6013において、メインCPU201は、遊技復帰処理を行う。この遊技復帰処理では、メインCPU201は、まずRAMクリアスイッチ176が「オン」であるか「オフ」であるかの判定をする。
メインCPU201は、RAMクリアスイッチ176が「オフ」であれば、電断復帰時であると判断して、遊技の復帰を行うために、電断復帰時のメインRAM203の初期設定を行った後、電断復帰コマンド管理データテーブルを参照して「電断復帰コマンド」を生成し、生成した電断復帰コマンドをサブ制御回路300に送信する。また、メインCPU201は、RAMクリアスイッチ176が「オン」であれば、RAMクリアであると判断して、遊技の復帰を行うために、バックアップクリア時のメインRAM203の初期設定を行った後、初期化コマンド管理データテーブルを参照して「初期化コマンド」を生成し、生成した初期化コマンドをサブ制御回路300に送信する。
さらに、メインCPU201は、遊技機の種類、メインCPU201のID番号・メーカーコード・製品コード等の情報が含まれた遊技機設置情報を枠制御回路410に送信する。
この処理を終了すると、メインCPU201は、処理をステップS6014に移す。
ここで、本実施形態の電断復帰コマンド管理データテーブルには、少なくともメインRAM203の遊技状態指定パラメータ領域に記憶された遊技状態、特別図柄制御状態番号領域に記憶された特別図柄の制御状態番号、設定操作関連用データ領域に記憶された設定値情報、ストップ機能状態パラメータ領域に記憶されたゲームストップ機能フェーズが設定されている。このため、電断復帰コマンドには、少なくとも遊技状態と特別図柄の制御状態番号と設定値情報とゲームストップ機能フェーズとの情報が含まれている。これにより、RAMクリアスイッチ176によりRAMクリアされなかった電断復帰時には、サブ制御回路300は、電断復帰コマンドを受信することにより、電断前の遊技状態と、特別図柄の制御状態(大当り状態等)と、設定値情報と、ゲームストップ機能フェーズの情報とを把握することができる。
また、本実施形態の初期化コマンド管理データテーブルには、少なくともメインRAM203の遊技状態指定パラメータ領域に記憶された遊技状態、設定操作関連用データ領域に記憶された設定値情報が設定されている。このため、初期化コマンドには、少なくとも遊技状態と設定値情報との情報が含まれている。これにより、RAMクリアスイッチ176によりRAMクリアされた電断復帰時には、サブ制御回路300は、初期化コマンドを受信することにより、初期化された遊技状態と、設定変更された場合の設定値情報とを把握することができる。
ステップS6014において、メインCPU201は、割込み禁止処理を行う。この処理によって、マスカブル割込みが禁止される。この処理では、メインCPU201は、割込み禁止命令を実行し、その結果、割込み許可レジスタ1の値は「0」となり、割込み許可レジスタ2の値も「0」となる。このように、割込み禁止命令が実行されると(割込み許可レジスタ1の値が「0」の間)、マスカブル割込みは禁止される。この処理を終了すると、メインCPU201は、処理をステップS6015に移す。
ステップS6015において、メインCPU201は、電断判定処理を行う。この電断判定処理では、メインCPU201は、電断が検知されたか否か(すなわち、XINTが検知されたか否か)を判定し、電断が検知された場合に電断設定処理を行う。電断設定処理では、メインCPU201は、電断検知フラグをメインRAM203の作業領域(領域外エリア)に格納し、メインRAM203の遊技用エリアと領域外エリアに関するCRC算出を行い、CRC算出結果(指定領域CRC値)を、ペアレジスタに格納する。その後、RAMアクセス禁止コマンドを所定のレジスタに送信することによって、メインRAM203へのアクセスを禁止して、電断まで待機することになる。この電断設定処理は、第4のパチンコ遊技機において実行される電断設定処理(図125、図126参照)と同様である。この処理を終了すると、メインCPU201は、処理をステップS6016に移す。
ステップS6016において、メインCPU201は、初期乱数値更新処理を行う。この処理では、メインCPU201は、特別図柄判定用初期値乱数の更新処理を行う。この処理を終了すると、メインCPU201は、処理をステップS6017に移す。
ステップS6017において、メインCPU201は、性能表示モニタ集計除算処理を行う。この処理は、領域外エリア処理呼出命令でコールされることにより、メインROM202の領域外エリアのプログラムの処理を行い、メインRAM203の領域外エリアを利用する。メインCPU201は、各種ベース値を算出・更新し、各処理は、メインRAM203の領域外エリアを使用して行われる。この性能表示モニタ集計除算処理は、第4のパチンコ遊技機において実行される性能表示モニタ集計除算処理(図127、図128参照)と同様である。この処理を終了すると、メインCPU201は、処理をステップS6018に移す。
ステップS6018において、メインCPU201は、ゲームストップ機能遊技停止中処理を行う。この処理では、ゲームストップ機能により遊技停止状態であるときに行われる処理である。このゲームストップ機能遊技停止中処理の詳細については、詳しくは後述する。この処理を終了すると、メインCPU201は、処理をステップS6019に移す。
ステップS6019において、メインCPU201は、割込み許可処理を行う。この処理によって、マスカブル割込みが許可される。ここで、割込み許可レジスタ1の値と割込み許可レジスタ2の値が共に「1」にセットされる。この処理を終了すると、メインCPU201は、処理をステップS6020に移す。
ステップS6020において、メインCPU201は、システム周期時間(6msec:割込み周期(2mses)の3倍)が経過したか否かを判定する。具体的には、メインCPU201は、メインRAM203の作業領域における遊技用エリアの割込み・タイマ領域内の割込みカウンタに格納された値(現在の割込みカウンタの計数値)から3減算した値が「0」であるか否かを判定する。なお、割込みカウンタの値は、後述するシステムタイマ割込み処理(図212参照)において毎に1加算され、システム周期時間経過時には「3」となる。それゆえ、割込みカウンタの値から3減算した値が「0」である場合には、ステップS6020の判定は「YES」となり、割込みカウンタの値から3減算した値が「0」でない場合、ステップS6020の判定は「NO」となる。
ステップS6020において、メインCPU201が、システム周期時間が経過していないと判定した場合には、処理をステップS6014の処理に戻し、システム周期時間が経過したと判定した場合には、処理をステップS6021に移す。
上述のように、本実施形態では、主制御メイン処理内において、後述する遊技制御に関する各種処理の実行前に、6msecの割込み禁止区間(ステップS6014~ステップS6019の処理区間)が設けられる。それゆえ、本実施形態では、後述する遊技制御に関する各種処理は、6msec毎(システム周期毎)に実行されることになる。なお、本実施形態では、割込み禁止区間を割込み周期の3倍とする例を説明したが、本発明はこれに限定されず、例えば、割込み禁止区間を割込み周期の2倍以上で且つ3倍以外の値にしてもよい。
ステップS6021において、メインCPU201は、メインRAM203の遊技用エリアにおける遊技停止状態フラグ領域を参照し、遊技停止状態(遊技停止状態フラグ領域=1)であるか否かを判定する。メインCPU201は、遊技停止状態であると判定した場合には、処理をステップS6028に移し、遊技停止状態でないと判定した場合には、処理をステップS6022に移す。
ステップS6022において、メインCPU201は、タイマカウンタ更新処理を行う。この処理では、特別図柄待ち時間カウンタ、普通図柄待ち時間カウンタ等の各種タイマカウンタが減算更新(計時)を行う。この処理を終了すると、メインCPU201は、処理をステップS6023に移す。
ステップS6023において、メインCPU201は、特別図柄制御処理を行う。この処理では、メインCPU201は、特別図柄ゲームの制御処理を行う。この特別図柄制御処理の詳細については、詳しくは後述する。この処理を終了すると、メインCPU201は、処理をステップS6024に移す。
ステップS6024において、メインCPU201は、普通図柄制御処理を行う。この処理では、メインCPU201は、普通図柄ゲームの制御処理を行う。この普通図柄制御処理の詳細については、詳しくは後述する。この処理を終了すると、メインCPU201は、処理をステップS6025に移す。
ステップS6025において、メインCPU201は、遊技動作表示ユニット制御処理を行う。この処理では、メインCPU201は、普通図柄表示部161、普通図柄用保留表示部162、第1特別図柄表示部163、第2特別図柄表示部164、第1特別図柄用保留表示部165、第2特別図柄用保留表示部166および時短報知用表示部168等の遊技LEDを点灯・消灯させるための表示データの設定処理を行う。この処理を終了すると、メインCPU201は、処理をステップS6026に移す。
ステップS6026において、メインCPU201は、試射試験信号生成処理を行う。この処理は、領域外エリア処理呼出命令でコールされることにより、メインROM202の領域外エリアのプログラムの処理を行い、メインRAM203の領域外エリアを利用する。この処理では、メインCPU201は、遊技機の検定試験(試射試験)で遊技状態の確認ができるように、普通電動役物作動中信号、特別電動役物作動中信号、特別図柄変動中信号、普通図柄変動中信号、ゲームストップ機能作動前信号等の遊技状態の試射試験信号を生成し、生成した試射試験信号を試射試験専用の出力ポートから出力するための出力データの設定処理を行う。この処理を終了すると、メインCPU201は、処理をステップS6028に移す。
特に、本実施形態においては、この試射試験信号生成処理においては、メインRAM203の領域外エリアのゲームストップ機能フェーズ領域を参照し、ゲームストップ機能フェーズ領域に記憶されているデータがゲームストップ機能作動予告フェーズ(=1)またはゲームストップ機能作動待機フェーズ(=2)のいずれかであると、ゲームストップ機能作動前信号を生成して、ゲームストップ機能作動前信号を試射試験専用の出力ポートから出力することになる。
なお、ゲームストップ機能により遊技停止状態になると(ステップS6021のYES)、試射試験信号の生成・出力はされないことになる(遊技停止状態中は、試射試験信号はノンケアとなる)。
ステップS6028において、メインCPU201は、枠制御回路送受信処理を行う。枠制御回路送受信処理では、メインCPU201は、遊技機情報を枠制御回路410に送信する送信処理や、枠制御回路410から遊技機情報の受信確認等を行う。この枠制御回路送受信処理の詳細については、詳しくは後述する。この処理を終了すると、メインCPU201は、処理をステップS6029に移す。
ステップS6029において、メインCPU201は、ポート出力処理を行う。この処理では、メインCPU201は、出力ポートへの出力データのセット(転送)処理を行う。また、WDTをクリアし、WDTのリスタート処理を行う。この処理を終了すると、メインCPU201は、処理をステップS6030に移す。
ステップS6030において、メインCPU201は、状態監視処理を行う。この処理では、メインCPU201は、不正行為等に関する遊技異常や、枠制御回路410における異常の判定を行い、異常があれば、その異常に対応したコマンドの送信予約処理を行う。この状態監視処理の詳細については、詳しくは後述する。
そして、ステップS6030の処理後、メインCPU201は、処理をステップS6014の処理に戻し、ステップS6014以降の処理を行う。
上述のように、本実施形態の主制御メイン処理では、ゲームストップ機能により遊技停止状態になると(ステップS6021のYES)、タイマカウンタ更新処理(ステップS6022)、特別図柄制御処理(ステップS6023)、普通図柄制御処理(ステップS6024)、遊技動作表示ユニット制御処理(ステップS6025)、試射試験信号生成処理(ステップS6026)の実行が停止されることになる。
特に、ゲームストップ機能により遊技停止状態になると、特別図柄制御処理及び普通図柄制御処理の実行が停止されるので、遊技の進行を停止させることができる。
さらに、ゲームストップ機能により遊技停止状態になると、遊技動作表示ユニット制御処理の実行が停止され、普通図柄表示部161、普通図柄用保留表示部162、第1特別図柄表示部163、第2特別図柄表示部164、第1特別図柄用保留表示部165、第2特別図柄用保留表示部166および時短報知用表示部168等の遊技LEDが消灯することになるので、遊技者に混乱を与えずに、遊技が停止していることを認識させることができる。
また、ゲームストップ機能により遊技停止状態になると、試射試験信号生成処理の実行が停止されるので、制御負担の軽減を図ることができる。
一方で、本実施形態の主制御メイン処理では、ゲームストップ機能により遊技停止状態になっても(ステップS6021のYES)、性能表示モニタ集計除算処理(ステップS6017)、ゲームストップ機能遊技停止中処理(ステップS6018)、枠制御回路送受信処理(ステップS6028)、ポート出力処理(ステップS6029)、状態監視処理(ステップS6030)の実行は継続されることになる。
このため、ゲームストップ機能により遊技停止状態になっても、性能表示モニタ集計除算処理の実行は継続されるので、遊技店側では、遊技球の差玉数が規制値を超えてゲームストップ機能により遊技停止状態になったときの出玉率等の詳細を把握することができる。
また、ゲームストップ機能により遊技停止状態になっても、枠制御回路送受信処理の実行は継続されるので、スマートパチンコではなく、遊技球を払い出す遊技機においては、遊技停止状態前に獲得した遊技球を、遊技停止状態後にも払い出すことができ、遊技球の払い出しの遅延にも対応することができる。
また、ゲームストップ機能により遊技停止状態になっても、状態監視処理の実行は継続されるので、遊技停止状態中に循環異常や払出異常があった場合には、その循環異常や払出異常を報知することができる。
また、上述のように、本実施形態では、主制御メイン処理内において、遊技制御に関する各種処理(ステップS6020以降の処理)の実行前に、6msecの割込み禁止区間(ステップS6014~ステップS6019の処理区間)を設け、割込み禁止区間内で電断処理(ステップS6015)、初期値乱数更新処理(ステップS6016)、性能表示モニタ集計除算処理(ステップS6017)、ゲームストップ機能遊技停止中処理(ステップS6018)が行われる。すなわち、本実施形態では、性能表示モニタ集計除算処理及びゲームストップ機能遊技停止中処理を割込み禁止区間で行う。それゆえ、このような割込み禁止区間を設けることにより、遊技の管理が簡便になり、主制御回路200で行われる処理をより効率よく実行することができ、主制御回路200の処理負荷を軽減することができる。
[指定範囲クリア処理]
次に、図195を参照して、主制御メイン処理で実行される指定範囲クリア処理(図193のステップS6009)について説明する。図195は、第6のパチンコ遊技機における指定範囲クリア処理の一例を示すフローチャートである。
まず、ステップS6031において、メインCPU201は、電源復旧時のRAMクリアスイッチ4176の状態情報、及び設定キー4174aの状態情報といった情報をスタックに退避する。これらの状態情報は、例えば、汎用レジスタのデータをスタックに退避することで実現される。この処理を終了すると、メインCPU201は、処理をステップS6032に移す。
ステップS6032において、メインCPU201は、起動状態チェック処理(ステップS6008)により決定された「RAMクリア範囲先頭アドレス」をメインRAM203の遊技用エリアに格納することにより、RAMクリア範囲判定データをセットする。この処理を終了すると、メインCPU201は、処理をステップS6033に移す。
ステップS6033において、メインCPU201は、領域外指定領域クリア処理を行う。この処理は、領域外エリア処理呼出命令でコールされることにより、メインROM202の領域外エリアのプログラムの処理を行い、メインRAM203の領域外エリアを利用する。この領域外指定領域クリア処理では、上記ステップS6032でセットされたRAMクリア範囲判定データに基づいて、メインRAM203の領域外エリアの指定範囲をクリアする。この領域外指定領域クリア処理の詳細については、詳しくは後述する。この処理を終了すると、メインCPU201は、処理をステップS6034に移す。
ステップS6034において、メインCPU201は、遊技用エリアの処理に戻り、遊技用エリアのRAMクリア範囲のサイズを算出する。この処理では、遊技用エリアのRAMクリア範囲先頭アドレスを参照して、RAMクリア範囲最終アドレスをセットし、RAMクリア範囲先頭アドレスとRAMクリア範囲最終アドレスとから、遊技用エリアのRAMクリア範囲のサイズを算出する。この処理を終了すると、メインCPU201は、処理をステップS6035に移す。
本実施形態では、図189に示したように、遊技用エリアのRAMクリア範囲先頭アドレスが「異常時RAMクリア範囲先頭アドレス」であるときには、RAMクリア範囲最終アドレスとして、スタック領域の最後の「第1終了アドレス」をセットして、遊技用エリアの「異常時RAMクリア範囲」のサイズを算出する。また、遊技用エリアのRAMクリア範囲先頭アドレスが「クリアスイッチ作動時RAMクリア範囲先頭アドレス」であるときには、RAMクリア範囲最終アドレスとして、スタック領域の最後の「第1終了アドレス」をセットして、遊技用エリアの「クリアスイッチ作動時RAMクリア範囲」のサイズを算出する。遊技用エリアのRAMクリア範囲先頭アドレスが「電断復帰時RAMクリア範囲先頭アドレス」であるときには、RAMクリア範囲最終アドレスとして、スタック領域の先頭の「第2終了アドレス」をセットして、遊技用エリアの「電断復帰時RAMクリア範囲」のサイズを算出する。
ステップS6035において、メインCPU201は、メインRAM203の遊技用エリアに対してRAMクリア範囲のクリアを実行する。この処理では、クリア対象となるRAMクリア範囲先頭アドレスと、ステップS6034で算出されたクリア範囲のサイズとを指定すると、メインRAM203の遊技用エリアに対し、その範囲のデータがすべてクリア(=0)にされる。この処理を終了すると、メインCPU201は、処理をステップS6036に移す。
このように、起動状態チェック処理(ステップS6008)により電断復帰時の起動状態が「RAM異常」であると判定されると、遊技用エリアの「異常時RAMクリア範囲」がクリアされることになる。また、起動状態チェック処理により電断復帰時の起動状態が「RAMクリア」または「設定変更中」であると判定されると、遊技用エリアの「クリアスイッチ作動時RAMクリア範囲」がクリアされることになる。また、起動状態チェック処理により電断復帰時の起動状態が「電断復帰」または「設定確認中」であると判定されると、遊技用エリアの「電断復帰時RAMクリア範囲」がクリアされることになる。
そして、電断復帰時の起動状態が「RAM異常」であると、図189に示すように、遊技用エリアにおけるすべての使用領域をクリアすることができる。
また、電断復帰時の起動状態が「RAMクリア」または「設定変更中」であると、図189に示すように、遊技用エリアにおけるゲームストップ機能に関する全ての情報をクリアして、ゲームストップ機能に関する機能・状態をリセットすることができる。
また、電断復帰時の起動状態が「電断復帰」または「設定確認中」であると、図189に示すように、遊技用エリアにおけるゲームストップ機能に関して、ゲームストップ機能の遊技停止状態、ゲームストップ機能のコマンドの送信要求、遊技用エリアのゲームストップ機能フェーズの情報、遊技用エリアの差玉情報を保持することになる。
ステップS6036において、メインCPU201は、電源復旧時のRAMクリアスイッチ4176の状態情報、及び設定キー4174aの状態情報をスタックから復帰させる。これらの状態情報は、汎用レジスタに格納されることで実現される。この処理を終了すると、メインCPU201は、今回の指定範囲クリア処理を終了し、処理をステップS6010に移す。
[領域外指定領域クリア処理]
次に、図196を参照して、指定範囲クリア処理で実行される領域外指定領域クリア処理(図195のステップS6033)について説明する。図196は、第6のパチンコ遊技機における領域外指定領域クリア処理の一例を示すフローチャートである。
領域外指定領域クリア処理は、上述したように、領域外エリア処理呼出命令により呼び出される処理となっており、この処理を実行するためのプログラムは、メインROM202の領域外エリアに記憶されているプログラムであり、メインRAM203の領域外エリアを利用する。
まず、ステップS6041において、メインCPU201は、メインRAM203の遊技用エリアに格納されているRAMクリア範囲判定データを取得する。このRAMクリア範囲判定データは、図195のステップS6032において、メインCPU201により格納されたデータである。この処理を終了すると、メインCPU201は、処理をステップS6042に移す。
ステップS6042において、メインCPU201は、取得したRAMクリア範囲判定データを汎用レジスタから退避する。この処理を終了すると、メインCPU201は、処理をステップS6043に移す。
ステップS6043において、メインCPU201は、ステップS6041で取得したRAMクリア範囲判定データに基づいて、メインRAM203の領域外エリアにおける「RAMクリア範囲先頭アドレス」を決定する。具体的には、RAMクリア範囲判定データが遊技用エリアの異常時RAMクリア範囲先頭アドレスに対応するものであるときには、領域外エリアの「異常時RAMクリア範囲先頭アドレス」を決定し、遊技用エリアのクリアスイッチ作動時RAMクリア範囲先頭アドレスに対応するものであるときには、領域外エリアの「クリアスイッチ作動時RAMクリア範囲先頭アドレス」を決定し、遊技用エリアの電断復帰時RAMクリア範囲先頭アドレスに対応するものであるときには、領域外エリアの「クリアスイッチ作動時RAMクリア範囲先頭アドレス」を決定する。この処理を終了すると、メインCPU201は、処理をステップS6048に移す。
ステップS6048では、メインCPU201は、領域外エリアのRAMクリア範囲のサイズを算出する。この処理では、領域外エリアのRAMクリア範囲先頭アドレスを参照して、RAMクリア範囲最終アドレスをセットし、RAMクリア範囲先頭アドレスとRAMクリア範囲最終アドレスとから、領域外エリアのRAMクリア範囲のサイズを算出する。この処理を終了すると、メインCPU201は、処理をステップS6049に移す。
本実施形態では、図189に示したように、領域外エリアのRAMクリア範囲先頭アドレスが「異常時RAMクリア範囲先頭アドレス」であるときには、RAMクリア範囲最終アドレスとして、スタック領域の先頭の「第3終了アドレス」をセットして、領域外エリアの「異常時RAMクリア範囲」のサイズを算出する。また、遊技用エリアのRAMクリア範囲先頭アドレスが「クリアスイッチ作動時RAMクリア範囲先頭アドレス」であるときには、RAMクリア範囲最終アドレスとして、スタック領域の先頭の「第3終了アドレス」をセットして、領域外エリアの「クリアスイッチ作動時RAMクリア範囲」のサイズを算出する。遊技用エリアのRAMクリア範囲先頭アドレスが「電断復帰時RAMクリア範囲先頭アドレス」であるときには、RAMクリア範囲最終アドレスとして、スタック領域の先頭の「第3終了アドレス」をセットして、領域外エリアの「電断復帰時RAMクリア範囲」のサイズを算出する。
ステップS6049において、メインCPU201は、メインRAM203の領域外エリアに対してRAMクリア範囲のクリアを実行する。この処理では、ステップS6043で決定された領域外エリアのRAMクリア範囲先頭アドレスと、ステップS6048で算出されたクリア範囲のサイズとを指定すると、メインRAM203の領域外エリアに対し、その範囲のデータがすべてクリア(=0)にされる。この処理を終了すると、メインCPU201は、処理をステップS6050に移す。
このように、起動状態チェック処理(ステップS6008)により電断復帰時の起動状態が「RAM異常」であると判定されると、領域外エリアの「異常時RAMクリア範囲」がクリアされることになる。また、起動状態チェック処理により電断復帰時の起動状態が「RAMクリア」または「設定変更中」であると判定されると、領域外エリアの「クリアスイッチ作動時RAMクリア範囲」がクリアされることになる。また、起動状態チェック処理により電断復帰時の起動状態が「電断復帰」または「設定確認中」であると判定されると、領域外エリアの「電断復帰時RAMクリア範囲」がクリアされることになる。
ステップS6050において、メインCPU201は、ステップS6041で退避させていたRAMクリア範囲判定データを汎用レジスタに格納して復帰させる。この処理を終了すると、メインCPU201は、処理をステップS6051に移す。
次に、ステップS6051において、メインCPU201は、異常時RAMクリア範囲先頭アドレスとRAMクリア範囲判定データとを比較し、RAMクリア範囲判定データが異常時RAMクリア範囲先頭アドレスに対応するデータであるか否か、すなわち、異常時RAMクリア範囲であるか否かを判定する。メインCPU201は、異常時RAMクリア範囲であると判定すると、処理をステップS6052に移し、異常時RAMクリア範囲でないと判定すると、処理をステップS6053に移す。
ステップS6052において、メインCPU201は、性能表示モニタ制御イニシャルテーブルの設定処理を行う。この処理は、メインROM202に記憶されている性能表示モニタ制御イニシャルテーブルを参照して、性能表示モニタの制御に係る初期値をメインRAM203の領域外エリアの作業領域に格納する処理である。性能表示モニタの制御に係る初期値には、例えば、LEDの点滅切替タイミングや点滅繰返し回数等が含まれる。この処理を終了すると、メインCPU201は、処理をステップS6053に移す。
ステップS6053において、メインCPU201は、電源投入時初期化用データテーブルの設定処理を行う。この処理は、メインROM202に記憶されている電源投入時初期化用データテーブルを参照して、電源投入時初期化用のデータをメインRAM203の領域外エリアの作業領域に格納する処理である。電源投入時初期化用のデータには、例えば、LEDの点滅切替タイミングと点滅繰返し回数の乗算結果等が含まれる。この処理を終了すると、メインCPU201は、処理をステップS6054に移す。
ステップS6054において、メインCPU201は、メインRAM203の領域外エリアにおけるゲームストップ機能フェーズ領域に記憶されたデータを参照し、ゲームストップ機能フェーズのデータが「ゲームストップ機能作動予告フェーズ(=1)」に対応するデータであるか否か、すなわち、ゲームストップ機能作動予告フェーズであるか否かを判定する。メインCPU201は、ゲームストップ機能作動予告フェーズであると判定すると、処理をステップS6055に移し、ゲームストップ機能作動予告フェーズでないと判定すると、領域外指定領域クリア処理を終了する。
ステップS6055において、メインCPU201は、メインRAM203の領域外エリアにおけるゲームストップ機能フェーズ領域を初期化する。すなわち、領域外エリアのゲームストップ機能フェーズ領域に0をセットする。この処理を終了すると、メインCPU201は、領域外指定領域クリア処理を終了する。
領域外指定領域クリア処理を終了すると、メインCPU201は、遊技用エリア処理復帰命令により、処理が領域外エリアに係る処理から、遊技用エリアに係る処理に切り替えられる。
このように、領域外指定領域クリア処理では、起動状態チェック処理(ステップS6008)で決定されたメインRAM203の遊技用エリアに係るクリア範囲を用いて、メインRAM203の領域外エリアに係るクリア範囲を決定しているため、メインRAM203のクリア処理が効率的かつ簡潔な構成で実行されることになる。
そして、本実施形態の領域外指定領域クリア処理においては、電断復帰時の起動状態が「RAM異常」であると、図189に示すように領域外エリアの「異常時RAMクリア範囲」をクリアするので、領域外エリアにおけるすべての作業領域をクリアすることができる。
また、電断復帰時の起動状態が「RAMクリア」または「設定変更中」であると、図189に示すように領域外エリアの「クリアスイッチ作動時RAMクリア範囲」をクリアするので、領域外エリアにおけるゲームストップ機能に関する全ての情報をクリアして、ゲームストップ機能に関する機能・状態をリセットすることができる。
また、電断復帰時の起動状態が「電断復帰」または「設定確認中」であると、図189に示すように領域外エリアの「電断復帰時RAMクリア範囲」をクリアするので、領域外エリアにおけるゲームストップ機能に関して、領域外エリアのゲームストップ機能フェーズの情報を保持したまま、領域外エリアの差玉情報をクリアすることができる。
さらに、本実施形態の領域外指定領域クリア処理においては、ステップS6054、ステップS6055の処理により、電断復帰時には、電断復帰時の起動状態に関わらず、ゲームストップ機能フェーズがゲームストップ機能作動予告フェーズ(=1)であるときには、領域外エリアのゲームストップ機能フェーズを初期化している。なお、ゲームストップ機能通常状態フェーズ(=0)は、そもそも初期値データ(=0)であることから、初期化処理を省略している。このため、電断復帰時には、電断復帰時の起動状態に関わらず、ゲームストップ機能フェーズが1以下である場合には、ゲームストップ機能フェーズを初期化状態から開始することができる。
一方、ゲームストップ機能フェーズがゲームストップ機能作動待機フェーズ(=2)またはゲームストップ機能作動完了フェーズ(=3)である場合には、電断復帰時の起動状態がRAM異常、RAMクリアまたは設定変更中でない限りは、そのゲームストップ機能フェーズが保持されることになる。
[ゲームストップ機能遊技停止中処理]
次に、図197を参照して、主制御メイン処理で実行されるゲームストップ機能遊技停止中処理(図194のステップS6018)について説明する。図197は、第6のパチンコ遊技機におけるゲームストップ機能遊技停止中処理の一例を示すフローチャートである。
まず、ステップS6061において、メインCPU201は、メインRAM203の遊技用エリアにおける遊技停止状態フラグ領域を参照し、遊技停止状態(遊技停止状態フラグ領域=1)であるか否かを判定する。メインCPU201は、遊技停止状態であると判定した場合には、処理をステップS6062に移し、遊技停止状態でないと判定した場合には、今回のゲームストップ機能遊技停止中処理を終了し、処理をステップS6019(図194参照)に移す。
ステップS6062において、メインCPU201は、メインRAM203の遊技用エリアにおけるストップ機能完了コマンド送信フラグ領域を参照し、ゲームストップ機能完了コマンドの送信要求(ストップ機能完了コマンド送信フラグ領域=1)があるか否かを判定する。メインCPU201は、ゲームストップ機能完了コマンドの送信要求があると判定した場合には、処理をステップS6063に移し、ゲームストップ機能完了コマンドの送信要求がないと判定した場合には、処理をステップS6065に移す。
ステップS6063において、メインCPU201は、「ゲームストップ機能完了コマンド」をセットする。この処理では、ゲームストップ機能完了コマンドテーブルを参照し、ゲームストップ機能完了コマンドの識別データ(例えば、D4H)と、メインRAM203の遊技用エリアにおけるストップ機能状態パラメータ領域に記憶されたゲームストップ機能フェーズの情報とから、ゲームストップ機能完了コマンドを生成することになる。すなわち、ゲームストップ機能完了コマンドは、識別データとゲームストップ機能フェーズの情報とから構成されていることになる。なお、ゲームストップ機能完了コマンドは、ストップ機能差玉数パラメータ領域に記憶された第1差玉情報の情報を含めて構成してもよい。このゲームストップ機能完了コマンドの構成については、詳しくは後述する。この処理を終了すると、メインCPU201は、処理をステップS6064に移す。
ステップS6064において、メインCPU201は、ゲームストップ機能完了コマンドをサブ制御回路300に送信する演出制御コマンド送信処理を行う。この処理では、上記ステップS6063で生成されたゲームストップ機能完了コマンドを送信バッファにセットする。この処理を終了すると、メインCPU201は、処理をステップS6065に移す。
ステップS6065において、メインCPU201は、複数の出力ポートバッファのうち、特定の出力ポートバッファを除いた出力ポートバッファを初期化(クリア)する。ここでクリアされる出力ポートバッファは、例えば、大当り情報、図柄確定情報等のゲーム実行中の状態を示す遊技機情報を出力するための出力ポートバッファである。なお、特定の出力ポートバッファを除いたのは、ステップS6067で後述するように特定の出力ポートバッファで、ゲームストップ機能による遊技停止状態であることを示す「特定のセキュリティ情報」をセットするためである。この処理を終了すると、メインCPU201は、処理をステップS6066に移す。
ステップS6066において、メインCPU201は、メインRAM203の遊技用エリアにおけるストップ機能完了コマンド送信フラグ領域を初期化(=0)して、ゲームストップ機能完了コマンドの送信要求をクリアする。この処理を終了すると、メインCPU201は、処理をステップS6067に移す。
ステップS6067において、メインCPU201は、特定の出力ポートバッファに遊技機情報として「特定のセキュリティ情報」をセットする。この処理を終了すると、メインCPU201は、処理をステップS6068に移す。
このように、本実施形態のゲームストップ機能遊技停止中処理においては、ゲームストップ機能により遊技停止状態中であるときには、遊技機情報としての特定のセキュリティ情報が特定の出力ポートからカードユニット181に出力されるので、遊技店側では1台1台遊技機の稼働状況を目視によりチェックしなくても、遊技機がゲームストップ機能により遊技停止状態となっていることを把握することができる。
ステップS6068において、メインCPU201は、ゲームストップ機能初期化処理を行う。このゲームストップ機能初期化処理では、特別図柄や普通図柄に関する表示部(LED)の出力データのクリア、遊技球を検出する各種スイッチの入力データのクリアが行われる。この処理を終了すると、メインCPU201は、今回のゲームストップ機能遊技停止中処理を終了し、処理をステップS6019(図194参照)に移す。
[ゲームストップ機能初期化処理]
次に、図198を参照して、ゲームストップ機能遊技停止中処理で実行されるゲームストップ機能初期化処理(図197のステップS6068)について説明する。また、このゲームストップ機能遊技停止中処理は、後述するゲームストップ機能制御処理(図214)においても実行されることになる。図198は、第6のパチンコ遊技機におけるゲームストップ機能初期化処理の一例を示すフローチャートである。
まず、ステップS6069において、メインCPU201は、遊技停止時RAMクリア範囲のサイズを算出する。この処理では、遊技停止時RAMクリア範囲先頭アドレスと遊技停止時RAMクリア範囲終了アドレスとから、遊技停止時RAMクリア範囲のサイズを算出する。この処理を終了すると、メインCPU201は、処理をステップS6070に移す。
ステップS6070において、メインCPU201は、メインRAM203の遊技用エリアに対して遊技停止時RAMクリア範囲のクリアを実行する。この処理では、遊技停止時RAMクリア範囲先頭アドレスと、ステップS6069で算出された遊技停止時RAMクリア範囲のサイズを指定すると、メインRAM203の遊技用エリアに対し、その範囲のデータがすべてクリア(=0)にされる。この処理を終了すると、メインCPU201は、今回のゲームストップ機能遊技停止中処理を終了する。
このように、本実施形態のゲームストップ機能初期化処理においては、ゲームストップ機能により遊技停止状態中であるときには、遊技用エリアの「遊技停止時RAMクリア範囲」がクリアされ、図189に示すように、遊技LED出力処理用データ領域の出力ポートバッファ及び入力処理用データ領域の入力ポートバッファが継続してクリアされる。
このため、ゲームストップ機能により遊技停止状態中であるときには、普通図柄表示部161、普通図柄用保留表示部162、第1特別図柄表示部163、第2特別図柄表示部164、第1特別図柄用保留表示部165、第2特別図柄用保留表示部166および時短報知用表示部168等の遊技LEDの点灯が行われないことになる(消灯のまま)。
さらに、ゲームストップ機能により遊技停止状態中であるときには、遊技球を検出するための第1始動口スイッチ6121、第2始動口スイッチ6141、通過ゲートスイッチ6127、第1大入賞口カウントスイッチ6132、第2大入賞口カウントスイッチ6152、遊技球回収スイッチ6179、一般入賞口スイッチ123等の各種遊技球スイッチも無効化されることになる。
[枠制御回路送受信処理]
次に、図199を参照して、メインCPU201の制御による主制御メイン処理で実行される枠制御回路送受信処理(図194のステップS6028)について説明する。図199は、第6のパチンコ遊技機における枠制御回路送受信処理の一例を示すフローチャートである。
まず、ステップS6071において、メインCPU201は、XINTを検知したか否かを判定する。メインCPU201は、XINTを検知したと判定した場合(すなわち、電断を検知した場合)には、枠制御回路送受信処理を終了し、XINTを検知していないと判定した場合(すなわち、電断を検知していない場合)には、処理をステップS6072に移す。
ステップS6072において、メインCPU201は、遊技用エリアの主制御コマンド制御状態番号領域に記憶された主制御コマンド制御状態番号を所定の汎用レジスタにセットする。この処理を終了すると、メインCPU201は、処理をステップS6073に移す。
ここで、主制御コマンド制御状態番号は、「主制御コマンド制御状態番号=0」が、主制御コマンド送信開始値を示し、「主制御コマンド制御状態番号=1」が、払出通信モード受信値を示し、「主制御コマンド制御状態番号=2」が、払出通信イベント受信値を示しており、遊技機情報送信開始処理、遊技機情報受信確認処理、枠異常イベント情報受信処理等においてそれぞれ、主制御コマンド制御状態番号が設定される。
ステップS6073において、メインCPU201は、主制御コマンド制御状態番号に応じたアドレスを選択する。この処理は、例えば、主制御コマンド制御状態番号に応じた処理のアドレス(プログラム開始アドレス)を定義している、払出通信制御分岐テーブルを参照して、所定の汎用レジスタにセットされている主制御コマンド制御状態番号に応じた処理のアドレスを求めるものである。この処理を終了すると、メインCPU201は、処理をステップS6074に移す。
ステップS6074において、メインCPU201は、ステータスレジスタ(例えば、非同期シリアル送受信用のレジスタ)の受信FIFO状態チェック値を参照して、受信FIFOエラーが検知された否かを判定する。メインCPU201は、受信FIFOエラーが検知されたと判定した場合には、異常ありと判断して、処理をステップS6075に移し、受信FIFOエラーが検知されていないと判定した場合には、異常なしと判断して、処理をステップS6076に移す。
ステップS6075において、メインCPU201は、受信FIFOエラーが検知された場合には、所定のコマンドレジスタに受信FIFOクリアのためのコマンドを送信し、受信FIFOをクリアする。この処理を終了すると、メインCPU201は、処理をステップS6076に移す。
ステップS6076において、メインCPU201は、上記ステップS6073で選択された主制御コマンド制御状態番号に応じた処理のアドレスを呼び出し、その後、主制御コマンド制御状態番号に応じたステップS6077~S6079のいずれかの処理を行う。
ステップS6077は、主制御コマンド制御状態番号=0である場合に行われる遊技機情報送信開始処理である。
この遊技機情報送信開始処理においては、メインCPU201は、メインRAM203の遊技用エリアの遊技機情報領域を参照して、各種の遊技機情報が含まれた一電文の遊技機情報電文を生成し、生成した遊技機情報電文を枠制御回路410に送信する。この遊技機情報電文は、枠制御回路410によりカードユニット181やホールコンピュータに送信されることにもなる。そして、次回の枠制御回路送受信処理において遊技機情報受信確認処理が行われるように、主制御コマンド制御状態番号の値を1加算して、枠制御回路送受信処理を終了する。
ステップS6078は、主制御コマンド制御状態番号=1である場合に行われる遊技機情報受信確認処理である。
この遊技機情報受信確認処理においては、メインCPU201は、上記ステップS6077で枠制御回路410に送信した遊技機情報電文に対して、枠制御回路410から遊技機情報応答を受信したか否かを判定する。メインCPU201は、遊技機情報応答を受信しなかったと判定した場合には、遊技機情報電文の再送処理を行い、枠制御回路送受信処理を終了する。一方、メインCPU201は、遊技機情報応答を受信したと判定した場合には、メインRAM203の遊技機情報領域をクリアして、次回の枠制御回路送受信処理において枠異常イベント情報受信処理が行われるように、遊技用エリアの主制御コマンド制御状態番号領域に1を加算(主制御コマンド制御状態番号=2)して、枠制御回路送受信処理を終了する。
ステップS6079は、主制御コマンド制御状態番号=2ある場合に行われる枠異常イベント情報受信処理である。
この枠枠異常イベント情報受信処理においては、メインCPU201は、枠制御回路410から受信した枠異常イベント情報から複数の異常情報を抽出し、抽出した複数の異常情報から倫理和をとって、その論理和をメインRAM203の遊技用エリアの枠状態通知フラグ領域にセットする。
ここで、枠異常イベント情報に含まれる複数の異常情報としては、例えば、枠制御回路410とカードユニット181との「カードユニット通信異常」、獲得遊技球数の更新記憶に関する「付与異常」、枠制御回路410と主制御回路200との「応答異常」、循環ユニット420の「球詰まり異常」、循環ユニット420の「モータ異常」等の複数の異常情報を有している。また、メインRAM203の遊技用エリアの枠状態通知フラグ領域は、1バイトで構成されており、例えば、0ビット目がカードユニット通信異常の有無、1ビット目が付与異常の有無、2ビット目が応答異常の有無、3ビット目が球詰まり異常の有無、4ビット目がモータ異常の有無のように構成されている。そして、メインCPU201は、枠異常イベント情報から複数の異常情報を抽出した場合には、それぞれの対応するビットがON(=1)となるように論理和をとる。例えば、カードユニット通信異常と付与異常の2つの異常が発生している場合には、0ビット目と1ビット目がON(=1)となる。
そして、枠異常イベント情報受信処理において、メインCPU201は、メインRAM203の枠状態通知フラグ領域に異常情報をセットした後は、次回の枠制御回路送受信処理において遊技機情報送信開始処理が行われるように、遊技用エリアの主制御コマンド制御状態番号領域をクリア(主制御コマンド制御状態番号=0)して、枠制御回路送受信処理を終了する。
また、本実施形態の枠制御回路送受信処理では、受信データの有無を問わず、処理を継続するために、ステップS6074の受信FIFOのエラー検知の結果に応じて、受信FIFOのクリアを行う。例えば、受信データがあって、受信FIFOのエラーなしの場合は、正常データを取得して選択された処理を呼び出し、受信データなしで、受信FIFOのエラーなしの場合は、0データを取得して選択された処理を呼び出し、受信データがあって、受信FIFOのエラーありの場合は、受信FIFOをクリアし、0データを取得して選択された処理を呼び出し、受信データがなしで、受信FIFOのエラーありの場合は、受信FIFOをクリアし、0データを取得して選択された処理を呼び出すことになり、受信トリガレベルと受信状態モニタのチェックは行わないので、処理の負担の軽減を図ることができる。
[状態監視処理]
次に、図200を参照して、メインCPU201の制御による主制御メイン処理で実行される状態監視処理(図194のステップS6030)について説明する。図200は、第6のパチンコ遊技機における状態監視処理の一例を示すフローチャートである。
まず、ステップS6081において、メインCPU201は、メインRAM203の遊技用エリアにおける遊技停止状態フラグ領域を参照し、遊技停止状態(遊技停止状態フラグ領域=1)であるか否かを判定する。メインCPU201は、遊技停止状態であると判定した場合には、処理をステップS6089に移し、遊技停止状態でないと判定した場合には、処理をステップS6082に移す。
ステップS6082において、メインCPU201は、遊技停止状態でないと判定した場合には、発射位置が異常であるか否かを判定する。より具体的には、メインRAM203の遊技用エリアにおける発射位置指定信号管理データ領域に記憶された発射位置指定信号管理データ値と、メインRAM203の遊技用エリアにおける発射位置パラメータ領域に記憶された発射位置パラメータとを比較し、発射位置が異常(相違)であるか否かを判定する。メインCPU201は、発射位置が異常であると判定した場合には、処理をステップS6083に移し、発射位置が異常でないと判定した場合には、処理をステップS6086に移す。
ステップS6083において、メインCPU201は、発射位置指定信号管理データ値を遊技用エリアにおける発射位置パラメータ領域にセットする。この処理を終了すると、メインCPU201は、処理をステップS6084に移す。
ステップS6084において、メインCPU201は、発射位置コマンドをセットする。この処理では、発射位置コマンドテーブルを参照し、発射位置コマンドの識別データ(例えば、C2H)と、遊技用エリアにおける発射位置パラメータ領域に記憶された情報とから、発射位置コマンドを生成することになる。この処理を終了すると、メインCPU201は、処理をステップS6085に移す。
ステップS6085において、メインCPU201は、発射位置コマンドをサブ制御回路300に送信する演出制御コマンド送信処理を行う。この処理では、上記ステップS6084で生成された発射位置コマンドを送信バッファにセットする。この処理を終了すると、メインCPU201は、処理をステップS6086に移す。
ステップS6086において、メインCPU201は、遊技異常を検知したか否かを判定する。より具体的には、メインRAM203の遊技用エリアにおける遊技異常検知パラメータ領域を参照し、遊技異常検知パラメータ領域に異常を示すデータが記憶されているか否かを判定する。メインCPU201は、遊技異常を検知したと判定した場合には、処理をステップS6087に移し、遊技異常を検知していないと判定した場合には、処理をステップS6089に移す。
なお、本実施形態においては、遊技用エリアの遊技異常検知パラメータ領域は、不正入賞異常、センサ異常、扉・枠開閉異常等の遊技異常情報が記憶可能となっており、各種センサからの入力処理により、それぞれの遊技異常が判定されると、遊技用エリアの遊技異常検知パラメータ領域に対応する遊技異常情報が記憶されることになる。
ステップS6087において、メインCPU201は、遊技異常検知コマンドをセットする。この処理では、遊技異常検知コマンドテーブルを参照し、遊技異常検知コマンドの識別データ(例えば、C0H)と、遊技用エリアにおける遊技異常検知パラメータ領域に記憶された情報とから、遊技異常検知コマンドを生成することになる。この処理を終了すると、メインCPU201は、処理をステップS6088に移す。
ステップS6088において、メインCPU201は、遊技異常検知コマンドをサブ制御回路300に送信する演出制御コマンド送信処理を行う。この処理では、上記ステップS6087で生成された遊技異常検知コマンドを送信バッファにセットする。この処理を終了すると、メインCPU201は、処理をステップS6089に移す。
ステップS6089において、メインCPU201は、通知間隔管理タイマの更新処理を行う。この処理では、メインRAM203の遊技用エリアにおける通知間隔管理タイマ領域に記憶された通知間隔管理タイマの加算処理を行う。この処理を終了すると、メインCPU201は、処理をステップS6090に移す。
ステップS6090において、メインCPU201は、遊技用エリアにおける通知間隔管理タイマ領域を参照し、通知間隔管理時間であるか否かを判定する。メインCPU201は、通知間隔管理時間であると判定した場合には、枠状態通知コマンドを送信するため、処理をステップS6091に移し、通知間隔管理時間でないと判定した場合には、状態監視処理を終了する。
なお、本実施形態においては、通知間隔管理時間は200msに設定されており、後述するように、200ms毎に枠状態通知コマンドが定期送信されることになる。
ステップS6091において、メインCPU201は、枠制御回路410の異常に関する枠状態通知コマンドをセットする。この処理では、枠状態通知コマンドテーブルを参照し、枠状態通知コマンドの識別データ(例えば、C1H)と、遊技用エリアにおける枠状態通知フラグ領域に記憶された情報から、枠状態通知コマンドを生成することになる。この処理を終了すると、メインCPU201は、処理をステップS6092に移す。
ステップS6092において、メインCPU201は、枠状態通知コマンドをサブ制御回路300に送信する演出制御コマンド送信処理を行う。この処理では、上記ステップS6091で生成された枠状態通知コマンドを送信バッファにセットする。この処理を終了すると、メインCPU201は、処理をステップS6093に移す。
ステップS6093において、メインCPU201は、メインRAM203の遊技用エリアにおける枠状態通知フラグ領域をクリアする。この処理を終了すると、メインCPU201は、状態監視処理を終了する。
このように、本実施形態の状態監視処理においては、ゲームストップ機能により遊技停止状態中であるときには、発射位置の異常判定(ステップS6082~S6085)及び遊技異常の検知判定(ステップS6086~S6088)が行われなくなるので、ゲームストップ機能による遊技停止状態中の処理負担の軽減を図ることができる。
その一方、ゲームストップ機能により遊技停止状態中であっても、枠制御回路410の異常に関する枠状態通知コマンドの送信は継続して実行可能となっていることから、遊技停止状態中であっても、枠制御回路410の異常を報知することができる。
[特別図柄制御処理]
次に、図201を参照して、主制御メイン処理で行われる特別図柄制御処理について説明する。図201は、第6のパチンコ遊技機における特別図柄制御処理の一例を示すフローチャートである。
まず、ステップS6111において、メインCPU201は、特別図柄待ち時間(メインRAM203の特別図柄待ち時間カウンタ)が0であるか否かを判定する。この特別図柄待ち時間は、特別図柄制御処理の各種処理の待ち時間として、メインRAM203の特別図柄待ち時間カウンタにセットされ、上述した主制御メイン処理のタイマカウンタ更新処理(ステップS6022)において特別図柄待ち時間が計時(減算)されていくことになる。メインCPU201は、特別図柄待ち時間が0でないと判定した場合には特別図柄制御処理を終了し、特別図柄待ち時間が0であると判定した場合には処理をステップS6112に移す。
ステップS6112において、メインRAM203の特別図柄制御状態番号領域から特別図柄の制御状態番号をロードする。特別図柄の制御状態番号は、特別図柄の可変表示(特別図柄ゲーム)に関する制御処理の状態(ステータス)を示す番号である。そして、メインCPU201は、ステップS6112の処理を実行した後、処理をステップS6113に移す。なお、メインCPU201は、ステップS6112の処理で読み出された制御状態番号に基づいて、ステップS6113以降の処理を行う。
図201に示す各処理の右方に括弧書きで記載した数値(「0」~「7」)は、処理対象となる特別図柄の制御状態番号である。メインCPU201は、制御状態番号に対応する各処理を実行することにより、特別図柄ゲームを進行させる。
ステップS6113において、メインCPU201は、特別図柄可変表示開始処理を行う。このステップS6113の処理は、特別図柄の制御状態番号が「0」である場合に行われる処理である。この特別図柄可変表示開始処理では、特別図柄の始動情報のシフト処理、特別図柄の抽選、特別図柄の停止図柄の決定、特別図柄の変動パターンの決定等を行う。この特別図柄可変表示開始処理の詳細については、図202を参照して後述する。特別図柄の制御状態番号が「0」でない場合には、メインCPU201は、処理をステップS6114に移す。
ステップS6114において、メインCPU201は、特別図柄可変表示終了処理を行う。このステップS6114の処理は、特別図柄の制御状態番号が「1」である場合に行われる処理である。この特別図柄可変表示終了処理では、特別図柄の停止時間の設定等を行う。この特別図柄可変表示終了処理の詳細については、図203を参照して後述する。特別図柄の制御状態番号が「1」でない場合には、メインCPU201は、処理をステップS6115に移す。
ステップS6115において、メインCPU201は、特別図柄遊技判定処理を行う。このステップS6115の処理は、特別図柄の制御状態番号が「2」である場合に行われる処理である。この特別図柄遊技判定処理では、大当り、小当りまたはハズレであるか否かの判定を行い、大当りや小当りの開始の準備設定や時短回数の更新処理を行う。この特別図柄遊技判定処理の詳細については、図204を参照して後述する。特別図柄の制御状態番号が「2」でない場合には、メインCPU201は、処理をステップS6116に移す。
ステップS6116において、メインCPU201は、大入賞口開放準備処理を行う。このステップS6116の処理は、特別図柄の制御状態番号が「3」である場合に行われる処理である。この大入賞口開放準備処理の詳細については、図206を参照して後述する。特別図柄の制御状態番号が「3」でない場合には、メインCPU201は、処理をステップS6117に移す。
ステップS6117において、メインCPU201は、大入賞口開放制御処理を行う。このステップS6117の処理は、特別図柄の制御状態番号が「4」である場合に行われる処理である。この大入賞口開放制御処理の詳細については、図208を参照して後述する。特別図柄の制御状態番号が「4」でない場合には、メインCPU201は、処理をステップS6118に移す。
ステップS6118において、メインCPU201は、大当り遊技状態終了処理を行う。このステップS6118の処理は、特別図柄の制御状態番号が「5」である場合に行われる処理である。この大当り遊技状態終了処理の詳細については、図210を参照して後述する。
メインCPU201は、ステップS6113~S6118の処理を終了後、特別図柄制御処理を終了し、処理を普通図柄制御処理(図194参照)に移す。
[特別図柄可変表示開始処理]
次に、図202を参照して、特別図柄制御処理で実行される特別図柄可変表示開始処理について説明する。図202は、第6のパチンコ遊技機における特別図柄可変表示開始処理の一例を示すフローチャートである。
ステップS6121において、メインCPU201は、メインRAM203の特別図柄制御状態番号領域を参照し、特別図柄の制御状態番号が「0」であるか否かを判定する。メインCPU201は、特別図柄の制御状態番号が「0」でないと判定した場合には、特別図柄可変表示開始処理を終了して処理を特別図柄制御処理(図201参照)に戻し、特別図柄の制御状態番号が「0」であると判定した場合には処理をステップS6122に移す。
ステップS6122において、メインCPU201は、遊技待機判定処理を行う。この特別図柄遊技待機処理では、まず第1特別図柄の保留数及び第2特別図柄の保留数がないか否かを判定する。メインCPU201は、第1特別図柄の保留数及び第2特別図柄の保留数がないと判定した場合には、所定の汎用レジスタに「遊技待機状態」を示すデータをセットし、デモ表示コマンドを生成して、生成したデモ表示コマンドを送信バッファにセットする。また、第1特別図柄の保留数及び第2特別図柄の保留数があると判定した場合には、所定の汎用レジスタに「遊技開始状態」を示すデータをセットする。この処理を終了すると、メインCPU201は、処理をステップS6123に移す。
ステップS6123において、メインCPU201は、所定の汎用レジスタを参照し、遊技待機状態であるか否かを判定する。メインCPU201は、遊技待機状態であると判定した場合には、特別図柄可変表示開始処理を終了して処理を特別図柄制御処理(図201参照)に戻し、遊技待機状態でない(遊技開始状態である)と判定した場合には処理をステップS6124に移す。
ステップS6124において、メインCPU201は、特別図柄の始動情報のシフト処理を行う。この特別図柄の始動情報のシフト処理では、第2特別図柄の始動情報が記憶されている場合には、第1特別図柄の始動情報よりも優先して、第2特別図柄の始動情報のシフト処理を行う。例えば、第2特別図柄の始動情報のシフト処理を行う場合には、メインRAM203の第2特別図柄始動記憶領域(1)に記憶された始動情報を特別図柄判定記憶領域(0)にシフトし、第2特別図柄始動記憶領域(2)~第2特別図柄始動記憶領域(4)に記憶された始動情報を第2特別図柄始動記憶領域(1)~第2特別図柄始動記憶領域(3)にシフトする。また、第1特別図柄の始動情報のシフト処理を行う場合には、メインRAM203の第1特別図柄始動記憶領域(1)に記憶された始動情報を特別図柄判定記憶領域(0)にシフトし、第1特別図柄始動記憶領域(2)~第1特別図柄始動記憶領域(4)に記憶された始動情報を第1特別図柄始動記憶領域(1)~第1特別図柄始動記憶領域(3)にシフトする。そして、特別図柄の始動情報のシフトした後には、減算された特別図柄の保留個数を示す保留減算コマンドの生成を行い、生成した保留減算コマンドを送信バッファにセットする。この処理を終了すると、メインCPU201は、処理をステップS6125に移す。
なお、本実施形態では、第2特別図柄の始動情報が記憶されている場合、第1特別図柄よりも高い優先順位で特別図柄制御処理が実行される優先変動機について説明したが、これに限られない。例えば、第1特別図柄の始動情報が記憶されている場合、第2特別図柄よりも高い優先順位で特別図柄制御処理が実行される優先変動機としてもよいし、第1始動口11120または第2始動口6140への入賞順(入球順)に特別図柄制御処理が実行される順次変動機としてもよい。
また、特別図柄の始動情報のシフト処理は、開始時に割込み禁止区間を設定し、特別図柄の始動情報のシフト処理を割込み禁止区間内で行うことが好ましい。
ステップS6125において、メインCPU201は、大当り、小当りまたはハズレを判定する特別図柄の当り判定処理を行う。この特別図柄の当り判定処理では、図191に示す特別図柄の当り判定テーブルを参照し、特別図柄判定記憶領域(0)にシフトされた特別図柄の始動情報としての特別図柄の大当り判定用乱数値に基づいて、当落判定値データを決定し、決定した当落判定値データをメインRAM203の特別図柄当りフラグ領域にセットする。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をステップS6126に移す。
ステップS6126において、メインCPU201は、特別図柄の停止図柄を決定するための特別図柄決定処理を行う。この特別図柄決定処理では、図192に示す特別図柄判定テーブルを参照し、上記当落判定値データと、特別図柄判定記憶領域(0)にシフトされた特別図柄の始動情報としての特別図柄の図柄乱数値とに基づいて、特別図柄の停止図柄を決定し、決定した特別図柄の停止図柄の情報をメインRAM203の特別図柄停止図柄番号領域にセットする。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をステップS6127に移す。
ステップS6127において、メインCPU201は、特別図柄の変動パターンを決定する特別図柄の変動パターン決定処理を行う。ここで、「特別図柄の変動パターン」とは、特別図柄の変動態様を定めた情報であり、少なくとも特別図柄の変動表示時間が対応付けられている。特別図柄の変動パターン決定処理では、図示しない特別図柄の変動パターンテーブルを参照し、特別図柄の種別、特別図柄の当り判定処理の結果(当落)と、特別図柄の停止図柄、演出選択用乱数値等に基づいて、特別図柄の変動パターンを決定する。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をステップS6128に移す。
また、後述する「特別図柄演出開始コマンド」のパラメータに特別図柄の変動パターンの情報を含めることにより、特別図柄演出開始コマンドを受信したサブCPU301では、特別図柄の変動パターンに基づいて、表示装置7の表示領域に表示される表示演出や、スピーカ32から出力される音演出を制御することができる。
ステップS6128において、メインCPU201は、特別図柄の変動表示時間を設定する特別図柄の変動表示時間設定処理を行う。この特別図柄の変動表示時間設定処理では、上記ステップS6127で決定された特別図柄の変動パターンに基づいて特別図柄の変動表示時間を決定し、決定した特別図柄の変動表示時間をメインRAM203の特別図柄待ち時間カウンタにセットする。これにより、第1特別図柄表示部163または第2特別図柄表示部164において特別図柄の変動表示が開始される。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をステップS6129に移す。
ステップS6129において、メインCPU201は、特別図柄の制御状態番号に「1」をセットする処理を行う。すなわち、メインRAM203の特別図柄制御状態番号領域に「1」をセットする。このように、特別図柄の制御状態番号を「1」にセットする処理を行うことにより、この特別図柄可変表示開始処理の終了後に、特別図柄可変表示終了処理(図201参照)が行われることとなる。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をステップS6130に移す。
ステップS6130において、メインCPU201は、遊技状態指定パラメータ設定処理を行う。この処理では、例えば、メインRAM203内の所定領域に格納されている遊技状態にかかわるパラメータの更新が行われる。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をステップS6131に移す。
ステップS6131において、メインCPU201は、特別図柄演出開始コマンドの送信処理を行う。この処理では、遊技状態、特別図柄の変動パターン、特別図柄の停止図柄、設定値に基づいて、特別図柄演出開始コマンドを生成する。すなわち、特別図柄演出開始コマンドには、遊技状態、特別図柄の変動パターン、特別図柄の停止図柄、設定値のそれぞれの情報がパラメータに含められていることになる。そして、生成した特別図柄演出開始コマンドを送信バッファにセットし、特別図柄可変表示開始処理を終了して、処理を特別図柄制御処理(図201参照)に戻す。
[特別図柄可変表示終了処理]
次に、図203を参照して、特別図柄制御処理で実行される特別図柄可変表示終了処理について説明する。図203は、第6のパチンコ遊技機における特別図柄可変表示終了処理の一例を示すフローチャートである。
ステップS6141において、メインCPU201は、メインRAM203の特別図柄制御状態番号領域を参照し、特別図柄の制御状態番号が「1」であるか否かを判定する。メインCPU201は、特別図柄の制御状態番号が「1」でないと判定した場合には、特別図柄可変表示開始処理を終了して処理を特別図柄制御処理(図201参照)に戻し、特別図柄の制御状態番号が「1」であると判定した場合には処理をステップS6142に移す。
なお、上記ステップS6141の処理が行われるのは、メインRAM203の特別図柄待ち時間カウンタにセットされた特別図柄の変動表示時間が0となったとき、すなわち、特別図柄の変動表示時間が経過したときである。
ステップS6142において、メインCPU201は、特別図柄の図柄確定時間を設定する特別図柄の図柄確定時間設定処理を行う。この図柄確定時間設定処理では、予め定められた特別図柄の図柄確定時間(例えば、540ms)をメインRAM203の特別図柄待ち時間カウンタにセットする。これにより、第1特別図柄表示部163または第2特別図柄表示部164において特別図柄の変動表示が停止される。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をステップS6143に移す。
なお、特別図柄の図柄確定時間は、遊技状態、特別図柄の当り判定処理の結果(当落)、特別図柄の変動パターンの少なくともいずれかに基づいて決定してもよい。
ステップS6143において、メインCPU201は、特別図柄の制御状態番号を「2」にセットする。すなわち、メインRAM203の特別図柄制御状態番号領域に「2」をセットする。このように、特別図柄の制御状態番号を「2」にセットする処理を行うことにより、この特別図柄可変表示終了処理の終了後に、特別図柄遊技判定処理(図201のS6115参照)が行われることとなる。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をS6144に移す。
ステップS6144において、メインCPU201は、特別図柄演出停止コマンドの送信処理を行う。この処理では、遊技状態、特別図柄の停止図柄に基づいて、特別図柄演出停止コマンドを生成して、生成した特別図柄演出停止コマンドを送信バッファにセットする。すなわち、特別図柄演出停止コマンドには、遊技状態、特別図柄の停止図柄のそれぞれの情報がパラメータに含められていることになる。さらに、特別図柄の図柄確定に応じた遊技機情報を生成し、生成した遊技機情報をメインRAM203の遊技用エリアにおける遊技機情報領域にセットして、図柄確定に関する遊技機情報を更新する。
メインCPU201は、本処理を実行した後、特別図柄可変表示終了処理を終了し、処理を特別図柄制御処理(図201参照)に戻す。
[特別図柄遊技判定処理]
次に、図204を参照して、特別図柄制御処理でメインCPU201により実行される特別図柄遊技判定処理について説明する。図204は、第6のパチンコ遊技機における特別図柄遊技判定処理の一例を示すフローチャートである。
ステップS6161において、メインRAM203の特別図柄制御状態番号領域を参照し、メインCPU201は、特別図柄の制御状態番号が「2」であるか否かを判定する。メインCPU201は、特別図柄の制御状態番号が「2」でないと判定した場合には、特別図柄遊技判定処理を終了して処理を特別図柄制御処理に戻し、特別図柄の制御状態番号が「2」であると判定した場合には処理をステップS6162に移す。
なお、上記ステップS6161の処理が行われるのは、メインRAM203の特別図柄待ち時間カウンタにセットされた特別図柄の図柄確定時間が0となったとき、すなわち、特別図柄の図柄確定時間が経過したときである。
ステップS6162において、メインCPU201は、メインRAM203の特別図柄当りフラグ領域を参照し、大当りの当落判定値データが記憶されているか否か、すなわち、大当りであるか否かを判定する。メインCPU201は、大当りであると判定した場合には、処理をステップS6163に移し、大当りでないと判定した場合には、処理をステップS6172に移す。
ステップS6163において、メインCPU201は、遊技状態の初期化処理を行う。
この遊技状態の初期化処理では、時短遊技状態であることを示す時短状態フラグ、時短遊技状態の終了条件となる時短回数カウンタをクリアする。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をステップS6164に移す。
ステップS6164において、メインCPU201は、大当りを契機とした第1のルートからの第1ルート大当り開始準備設定処理を行う。この第1ルート大当り開始準備設定処理においては、メインRAM203の特別図柄停止図柄番号領域を参照し、大当りの「特別図柄の停止図柄」に基づいてOP待ち時間(オープニング時間)を決定し、決定したOP待ち時間(オープニング時間)をメインRAM203の特別図柄待ち時間カウンタにセットする。また、大当りの「特別図柄の停止図柄」に基づいて最大ラウンド数を決定し、決定した最大ラウンド数をメインRAM203の大当りラウンド数上限値領域にセットする。さらに、メインRAM203の開放状態領域に大当り状態であることを示す「大当り開放状態フラグ」をセットする。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をステップS6165に移す。
ステップS6165において、メインCPU201は、第1のルートからの大当りの遊技機情報生成処理を行う。この大当りの遊技機情報生成処理においては、メインRAM203の特別図柄停止図柄番号領域を参照し、特別図柄の停止図柄に応じた大当り情報を生成し、生成した大当り情報をメインRAM203の遊技機情報領域にセットして、当り情報に関する遊技機情報を更新する。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をステップS6166に移す。
ステップS6166において、メインCPU201は、特別図柄の制御状態番号を「3」にセットする。すなわち、メインRAM203の特別図柄制御状態番号領域に「3」をセットする。なお、特別図柄の制御状態番号を「3」にセットする処理を行うことにより、この特別図柄遊技判定処理の終了後に、後述する大入賞口開放準備処理が行われることとなる。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をステップS6167に移す。
ステップS6167において、メインCPU201は、大当り開始表示コマンドの送信処理を行う。この処理では、遊技状態、特別図柄の停止図柄に基づいて、大当り開始表示コマンドを生成する。すなわち、大当り開始表示コマンドには、遊技状態、特別図柄の停止図柄のそれぞれの情報がパラメータに含められていることになる。そして、生成した大当り開始表示コマンドを送信バッファにセットし、処理をステップS6168に移す。
ステップS6168において、メインCPU201は、当落判定値データをクリアする。すなわち、メインRAM203の特別図柄当りフラグ領域をクリアする。メインCPU201は、本処理を実行した後、特別図柄可変表示終了処理を終了し、処理を特別図柄制御処理(図201参照)に戻す。
ステップS6172において、メインCPU201は、大当りでないと判定した場合には、メインRAM203の特別図柄当りフラグ領域を参照し、小当りの当落判定値データが記憶されているか否か、すなわち、小当りであるか否かを判定する。メインCPU201は、小当りであると判定した場合には、処理をステップS6173に移し、小当りでない(すなわちハズレ)と判定した場合には、処理をステップS6182に移す。
ステップ6173において、メインCPU201は、小当り開始準備設定処理を行う。この小当り開始準備設定処理においては、メインRAM203の特別図柄停止図柄番号領域を参照し、小当りの「特別図柄の停止図柄」に基づいてOP待ち時間(オープニング時間)を決定し、決定したOP待ち時間(オープニング時間)をメインRAM203の特別図柄待ち時間カウンタにセットする。また、小当りの「特別図柄の停止図柄」に基づいて最大開放回数を決定し、決定した最大開放回数をメインRAM203の小当り開放回数の上限値にセットする。さらに、メインRAM203の開放状態領域に小当り状態であることを示す「小当り開放状態フラグ」をセットする。さらに、小当り開始準備設定処理においては、小当りの「特別図柄の停止図柄」に基づいて、V入賞口6156の開放パターンとして開放待ち時間を決定し、決定した開放待ち時間をメインRAM203のV入賞口閉鎖タイマカウンタにセットする。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をステップS6174に移す。
ステップS6174において、メインCPU201は、小当りの遊技機情報生成処理を行う。この小当りの遊技機情報生成処理においては、メインRAM203の特別図柄停止図柄番号領域を参照し、特別図柄の停止図柄に応じた小当り情報を生成し、生成した小当り情報をメインRAM203の遊技機情報領域にセットして、当り情報に関する遊技機情報を更新する。
ステップS6175において、メインCPU201は、特別図柄の制御状態番号を「3」にセットする。すなわち、メインRAM203の特別図柄制御状態番号領域に「3」をセットする。なお、特別図柄の制御状態番号を「3」にセットする処理を行うことにより、この特別図柄遊技判定処理の終了後に、後述する大入賞口開放準備処理が行われることとなる。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をS6176に移す。
ステップS6176において、メインCPU201は、小当り開始表示コマンドの送信処理を行う。この処理では、遊技状態、特別図柄の停止図柄に基づいて、小当り開始表示コマンドを生成する。すなわち、小当り開始表示コマンドには、遊技状態、特別図柄の停止図柄のそれぞれの情報がパラメータに含められていることになる。そして、生成した小当り開始表示コマンドを送信バッファにセットし、処理をステップS6168に移す。
ステップS6181において、メインCPU201は、大当りでも小当りでもないと判定した場合には、時短回数カウンタ更新処理を行う。この処理では、メインRAM203の時短回数カウンタから1を減算して更新し、更新した時短回数カウンタ=0であるか否かを判定する。そして、時短回数カウンタ=0であると判定した場合には、メインRAM203の時短状態フラグ領域をクリアして、遊技状態を時短遊技状態から通常遊技状態に移行させる。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をS6182に移す。
ステップS6182において、メインCPU201は、特別図柄遊技終了処理を行う。この特別図柄遊技終了処理については、図205を参照して後述する。なお、メインCPU201は、特別図柄遊技終了処理を終了すると、処理を特別図柄制御処理に戻す。
なお、特別図柄遊技判定処理は、開始時に割込み禁止区間を設定し、特別図柄遊技判定処理を割込み禁止区間内で行うことが好ましい。
[特別図柄遊技終了処理]
次に、図205を参照して、特別図柄遊技判定処理で実行される特別図柄遊技終了処理について説明する。図205は、第6のパチンコ遊技機における特別図柄遊技終了処理の一例を示すフローチャートである。
ステップS6191において、メインCPU201は、特別図柄の制御状態番号に「0」をセットする。すなわち、メインRAM203の特別図柄制御状態番号領域に「0」をセットする。このように、特別図柄の制御状態番号を「0」にセットする処理を行うことにより今回の特別図柄遊技が終了し、特別図柄可変表示開始処理すなわち次回の特別図柄遊技を実行することが可能となる。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をステップS6192に移す。
ステップS6192において、メインCPU201は、遊技状態指定パラメータ設定処理を行う。この処理では、メインRAM203内の所定領域に格納されている遊技状態にかかわるパラメータの確認・更新処理等を行う。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をステップS6193に移す。
ステップS6193において、メインCPU201は、特別図柄遊技終了コマンドの送信処理を行う。この処理では、遊技状態、特別図柄の停止図柄に基づいて、特別図柄遊技終了コマンドを生成する。すなわち、特別図柄遊技終了コマンドには、遊技状態、特別図柄の停止図柄のそれぞれの情報がパラメータに含められていることになる。そして、生成した特別図柄遊技終了コマンドを送信バッファにセットした後、特別図柄遊技終了処理を終了し、処理を特別図柄遊技判定処理に戻す。
[大入賞口開放準備処理]
次に、図206を参照して、特別図柄制御処理により実行される大入賞口開放準備処理について説明する。図206は、第6のパチンコ遊技機における大入賞口開放準備処理の一例を示すフローチャートである。
ステップS6201において、メインCPU201は、メインRAM203の特別図柄制御状態番号領域を参照し、特別図柄の制御状態番号が「3」であるか否かを判定する。メインCPU201は、特別図柄の制御状態番号が「3」でないと判定した場合には、大入賞口開放準備処理を終了して処理を特別図柄制御処理に戻し、特別図柄の制御状態番号が「3」であると判定した場合には処理をステップS6202に移す。
ステップS6202において、メインCPU201は、メインRAM203の開放状態領域を参照し、開放状態フラグが大当りに対応する「大当り状態フラグ」であるか否か、すなわち、大当りであるか否かを判定する。メインCPU201は、大当りであると判定した場合には、処理をステップS6203に移し、大当りでないと判定した場合には、処理をステップS6220に移す。
ステップS6203において、メインCPU201は、メインRAM203のラウンドカウンタから「ラウンドカウンタ値」をロードする。「ラウンドカウンタ」は、大当り遊技状態において実行されるラウンド遊技の実行回数を計数するカウンタである。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をステップS6204に移す。
ステップS6204において、メインCPU201は、ロードしたラウンドカウンタ値が大当りラウンド数の上限値であるか否かを判定する。メインCPU201は、大当りラウンド数が上限値であると判定した場合には、処理をステップS6205に移し、大当りラウンド数が上限値でないと判定した場合には、処理をステップS6209に移す。
ステップS6205において、メインCPU201は、大当り終了準備設定処理を行う。この大当り終了準備設定処理においては、大当りの「特別図柄の停止図柄」に基づいてED待ち時間(エンディング時間)を決定し、決定したED待ち時間(エンディング時間)をメインRAM203の特別図柄待ち時間カウンタにセットする。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をステップS6206に移す。
ステップS6206において、メインCPU201は、特別図柄の制御状態番号を「5」にセットする。すなわち、メインRAM203の特別図柄制御状態番号領域に「5」をセットする。このように、特別図柄の制御状態番号を「5」にセットする処理を行うことにより、この大入賞口開放準備処理の終了後に、後述する大当り遊技状態終了処理が行われることとなる。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をステップS6207に移す。
ステップS6207において、メインCPU201は、大当り終了表示コマンドの送信処理を行う。この処理では、遊技状態、特別図柄の停止図柄に基づいて、大当り終了表示コマンドを生成する。すなわち、大当り終了表示コマンドには、遊技状態、特別図柄の停止図柄のそれぞれの情報がパラメータに含められていることになる。そして、生成した大当り終了表示コマンドを送信バッファにセットした後、大入賞口開放準備処理を終了し、処理を特別図柄制御処理に戻す。
ステップS6208において、メインCPU201は、メインRAM203のラウンドカウンタ値に1を加算する処理を行う。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をステップS6209に移す。
ステップS6209において、メインCPU201は、第1大入賞口6131を開放させる第1大入賞口の開放設定処理を行う。この第1大入賞口の開放設定処理においては、大当りの「特別図柄の停止図柄」、現在のラウンド数(ラウンドカウンタ値)に基づいて、今回のラウンドにおける第1大入賞口6131の最大開放時間を決定し、決定した最大開放時間をメインRAM203の特別図柄待ち時間カウンタにセットする。そして、第1特電用ソレノイド6135に対して、第1大入賞口6131を開放させるための第1大入賞口開放制御データを生成する。これにより、第1大入賞口6131が開放することになる。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をステップS6210に移す。
ステップS6210において、メインCPU201は、特別図柄の制御状態番号を「4」にセットする。このように、特別図柄の制御状態番号を「4」にセットする処理を行うことにより、この大入賞口開放準備処理の終了後に、大入賞口開放制御処理が行われることとなる。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をステップS6211に移す。
ステップS6211において、メインCPU201は、大入賞口開放中表示コマンドの送信処理を行う。この処理では、遊技状態、特別図柄の停止図柄に基づいて、大入賞口開放中表示コマンドを生成する。すなわち、大入賞口開放中表示コマンドには、遊技状態、特別図柄の停止図柄のそれぞれの情報がパラメータに含められていることになる。そして、生成した大入賞口開放中表示コマンドを送信バッファにセットした後、大入賞口開放準備処理を終了し、処理を特別図柄制御処理に戻す。
ステップS6220において、メインCPU201は、小当り遊技閉鎖中処理を行う。この小当り遊技閉鎖中処理については、図207を参照して後述する。なお、メインCPU201は、小当り遊技閉鎖中処理を終了した後には、処理を特別図柄制御処理に戻す。
[小当り遊技閉鎖中処理]
次に、図207を参照して、大入賞口開放準備処理により実行される小当り遊技閉鎖中処理について説明する。図207は、第6のパチンコ遊技機における小当り遊技閉鎖中処理の一例を示すフローチャートである。
ステップS6221において、メインCPU201は、メインRAM203の小当り開放回数カウンタから「小当り開放回数カウンタ値」をロードする。「小当り開放回数カウンタ」は、小当り開放回数を計数するカウンタである。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をS6222に移す。
ステップS6222において、メインCPU201は、ロードした小当り開放回数カウンタ値が小当り開放回数の上限値であるか否かを判定する。メインCPU201は、小当り開放回数の上限値であると判定した場合には、処理をステップS6227に移し、小当り開放回数の上限値でないと判定した場合には、処理をステップS6223に移す。
ステップS6223において、メインCPU201は、小当り遊技状態において第2大入賞口6151に入球した遊技球の個数(第2大入賞口6151の入賞数)が最大入賞個数でないかを判定する。この処理では、第2大入賞口カウントスイッチ6152により計数された第2大入賞口カウンタの値が、予め規定された第2大入賞口6151の最大入賞個数の値(例えば10個)であるか否かが判定される。メインCPU201は、第2大入賞口6151の入賞数が最大入賞個数でないと判定された場合には、処理をステップS6224に移し、第2大入賞口6151の入賞数が最大入賞個数であると判定された場合には、処理をステップS6227に移す。
ステップS6224において、メインCPU201は、小当り開放回数カウンタ値に1を加算する処理を行う。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をステップS6225に移す。
ステップS6225において、メインCPU201は、第2大入賞口6151を開放させる第2大入賞口の開放設定処理を行う。この第2大入賞口の開放設定処理においては、小当りの「特別図柄の停止図柄」、現在の開放回数(小当り開放回数カウンタ値)に基づいて、今回の第2大入賞口6151の最大開放時間を決定し、決定した最大開放時間をメインRAM203の特別図柄待ち時間カウンタにセットする。そして、第2特電用ソレノイド6155に対して、第2大入賞口6151を開放させるための第2大入賞口開放制御データを生成する。これにより、第2大入賞口6151が開放することになる。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をステップS6226に移す。
ステップS6226において、メインCPU201は、特別図柄の制御状態番号を「4」にセットする。すなわち、メインRAM203の特別図柄制御状態番号領域に「4」をセットする。このように、特別図柄の制御状態番号を「4」にセットする処理を行うことにより、この小当り遊技閉鎖中処理の終了後に、大入賞口開放制御処理が行われることとなる。メインCPU201は、本処理を実行した後、小当り遊技閉鎖中処理を終了し、処理を特別図柄制御処理に戻す。
ステップS6227において、メインCPU201は、V入賞検出があるか否かを判定する。この処理では、規定時間内にV入賞口6156への遊技球の通過があったか否か(すなわち、V入賞口スイッチ6157による検出があったか否か)を判定する。メインCPU201は、V入賞検出があったと判定した場合には、処理をステップS6228に移し、V入賞検出がなかったと判定した場合には、処理をステップS6235に移す。
ステップS6228において、メインCPU201は、遊技状態の初期化処理を行う。
この遊技状態の初期化処理では、時短遊技状態であることを示す時短状態フラグ、時短遊技状態の終了条件となる時短回数カウンタをクリアする。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をステップS6229に移す。
ステップS6229において、メインCPU201は、小当りを契機とした第2のルートからの第2ルート大当り開始準備設定処理を行う。この第2ルート大当り開始準備設定処理においては、小当りの「特別図柄の停止図柄」に基づいて最大ラウンド数を決定し、決定した最大ラウンド数をメインRAM203の大当りラウンド数の上限値にセットする。また、小当りの「特別図柄の停止図柄」に基づいてOP待ち時間(オープニング時間)を決定し、決定したOP待ち時間(オープニング時間)をメインRAM203の特別図柄待ち時間カウンタにセットする。さらに、メインRAM203の開放状態領域に大当り状態であることを示す「大当り開放状態フラグ」をセットする。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をステップS6230に移す。
ステップS6230において、メインCPU201は、ラウンドカウンタ値に1を加算する処理を行う。この処理を行うことにより、第2のルートからの大当り遊技状態は、2ラウンド目のラウンド遊技から開始されることとなる。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をステップS6231に移す。
ステップS6231において、メインCPU201は、第2のルートからの大当りの遊技機情報生成処理を行う。この大当りの遊技機情報生成処理においては、メインRAM203の特別図柄停止図柄番号領域を参照し、特別図柄の停止図柄に応じた大当り情報を生成し、生成した大当り情報をメインRAM203の遊技機情報領域にセットして、当り情報に関する遊技機情報を更新する。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をS6232に移す。
ステップS6232において、メインCPU201は、特別図柄の制御状態番号を「3」にセットする。なお、特別図柄の制御状態番号を「3」にセットする処理を行うことにより、この小当り遊技閉鎖中処理の終了後に、大当り遊技状態としての大入賞口開放準備処理が行われることとなる。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をステップS6233に移す。
ステップS6233において、メインCPU201は、V当り開始表示コマンドの送信処理を行う。この処理では、遊技状態、特別図柄の停止図柄に基づいて、V当り開始表示コマンドを生成する。すなわち、V当り開始表示コマンドには、遊技状態、特別図柄の停止図柄のそれぞれの情報がパラメータに含められていることになる。そして、生成したV当り開始表示コマンドを送信バッファにセットして、小当り遊技開放中処理を終了し、処理を特別図柄制御処理に戻す。
ステップS6234において、メインCPU201は、小当り終了準備設定処理を行う。この小当り終了準備設定処理においては、小当りの「特別図柄の停止図柄」に基づいてED待ち時間(エンディング時間)を決定し、決定したED待ち時間(エンディング時間)をメインRAM203の特別図柄待ち時間にセットする。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をステップS6235に移す。
ステップS6235において、メインCPU201は、小当り終了表示コマンドの送信処理を行う。この処理では、遊技状態、特別図柄の停止図柄に基づいて、小当り終了表示コマンドを生成する。すなわち、小当り終了表示コマンドには、遊技状態、特別図柄の停止図柄のそれぞれの情報がパラメータに含められていることになる。そして、生成した小当り終了表示コマンドを送信バッファにセットして、処理をステップS6236に移す。
ステップS6236において、メインCPU201は、特別図柄遊技終了処理を行う。この処理では、図205を参照して説明した特別図柄遊技終了処理が行われる。メインCPU201は、本処理を実行した後、小当り遊技閉鎖中処理を終了し、処理を特別図柄制御処理に戻す。
[大入賞口開放制御処理]
次に、図208を参照して、特別図柄制御処理で実行される大入賞口開放制御処理について説明する。図208は、第6のパチンコ遊技機における大入賞口開放制御処理の一例を示すフローチャートである。
ステップS6241において、メインCPU201は、メインRAM203の特別図柄制御状態番号領域を参照し、特別図柄の制御状態番号が「4」であるか否かを判定する。メインCPU201は、特別図柄の制御状態番号が「4」でないと判定した場合には、大入賞口開放制御処理を終了して処理を特別図柄制御処理に戻し、特別図柄の制御状態番号が「4」であると判定した場合には処理をステップS6242に移す。
ステップS6242において、メインCPU201は、メインRAM203の開放状態領域を参照し、開放状態フラグが大当りに対応する「大当り状態フラグ」であるか否か、すなわち、大当りであるか否かを判定する。メインCPU201は、大当りであると判定した場合には、処理をステップS6243に移し、大当りでないと判定した場合には、処理をステップS6250に移す。
ステップS6243において、メインCPU201は、第1大入賞口6131が開放されたときに、1つのラウンドにおける第1大入賞口6131に入球した遊技球の入賞数が最大入賞個数であるか否かを判定する。この処理では、第1大入賞口カウントスイッチ6132により計数された第1大入賞口カウンタの値が、予め規定された第1大入賞口6131の最大入賞個数の値(例えば10個)であるか否かが判定される。
メインCPU201は、ステップS6243において第1大入賞口6131の入賞数が最大入賞個数でないと判定した場合には、処理をステップS6244に移し、第1大入賞口6131の入賞数が最大入賞個数であると判定した場合には、処理をステップS6245に移す。
ステップS6244において、メインCPU201は、1つのラウンドにおける第1大入賞口6131の最大開放時間が経過したか否かを判定する。この処理では、第1大入賞口の開放設定処理(図206参照)においてセットされた最大開放時間が経過しているか否かが判定される。
メインCPU201は、ステップS6144において第1大入賞口6131の最大開放時間が経過していないと判定した場合には、大入賞口開放制御処理を終了し処理を特別図柄制御処理に戻す。また、メインCPU201は、第1大入賞口6131の最大開放時間が経過していると判定した場合には、処理をステップS6245に移す。
ステップS6245において、メインCPU201は、第1大入賞口6131を閉鎖させる第1大入賞口の閉鎖設定処理を行う。この第1大入賞口の閉鎖設定処理においては、「特別図柄の停止図柄」、現在のラウンド数(ラウンドカウンタ値)に基づいて、今回のラウンドにおける第1大入賞口6131の閉鎖時間を決定し、決定した閉鎖時間をメインRAM203の特別図柄待ち時間カウンタにセットする。そして、第1特電用ソレノイド6135に対して、第1大入賞口6131を閉鎖させるための第1大入賞口閉鎖制御データを生成する。これにより、第1大入賞口6131が閉鎖することになる。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をステップS6246に移す。
ステップS6246において、メインCPU201は、特別図柄の制御状態番号を「3」にセットする処理を行う。すなわち、メインRAM203の特別図柄制御状態番号領域に「3」をセットする。このように、特別図柄の制御状態番号を「3」にセットする処理を行うことにより、この大入賞口開放制御処理の終了後に、再び、大入賞口開放準備処理が行われることとなる。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をステップS6247に移す。
ステップS6247において、メインCPU201は、ラウンド間表示コマンドの送信処理を行う。この処理では、遊技状態、特別図柄の停止図柄に基づいて、ラウンド間表示コマンドを生成する。すなわち、ラウンド間表示コマンドには、遊技状態、特別図柄の停止図柄のそれぞれの情報がパラメータに含められていることになる。そして、生成したラウンド間表示コマンドを送信バッファにセットした後、大入賞口開放制御処理を終了し、処理を特別図柄制御処理に戻す。
ステップS6250において、メインCPU201は、小当り遊技開放中処理を行う。この小当り遊技開放中処理については、図209を参照して後述する。なお、メインCPU201は、小当り遊技開放中処理を終了した後には、処理を特別図柄制御処理に戻す。
[小当り遊技開放中処理]
次に、図209を参照して、大入賞口開放制御処理で実行される小当り遊技開放中処理について説明する。図209は、第6のパチンコ遊技機における小当り遊技開放中処理の一例を示すフローチャートである。
ステップS6251において、メインCPU201は、小当り遊技状態において第2大入賞口6151に入球した遊技球の個数(第2大入賞口6151の入賞数)が最大入賞個数であるか否かを判定する。メインCPU201は、第2大入賞口6151の入賞数が最大入賞個数であると判定された場合には、処理をステップS6253に移し、第2大入賞口6151の入賞数が最大入賞個数でないと判定された場合には、処理をステップS6252に移す。
ステップS6252において、メインCPU201は、第2大入賞口6151の最大開放時間が経過したか否かを判定する。この処理では、第2大入賞口の開放設定処理(図207参照)においてセットされた最大開放時間が経過しているか否かが判定される。メインCPU201は、第2大入賞口6151の最大開放時間が経過していないと判定した場合には、小当り遊技開放中処理を終了し処理を特別図柄制御処理に戻す。また、メインCPU201は、第2大入賞口6151の最大開放時間が経過していると判定した場合には、処理をステップS6253に移す。
ステップS6253において、メインCPU201は、第2大入賞口6151を閉鎖させる第2大入賞口の閉鎖設定処理を行う。この第2大入賞口の閉鎖設定処理においては、「特別図柄の停止図柄」、現在の開放回数(小当り開放回数カウンタ値)に基づいて、今回の第2大入賞口6151の閉鎖時間を決定し、決定した閉鎖時間をメインRAM203の特別図柄待ち時間カウンタにセットする。そして、第2特電用ソレノイド6155に対して、第2大入賞口6151を閉鎖させるための第2大入賞口閉鎖制御データを生成する。これにより、第2大入賞口6151が閉鎖することになる。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をステップS6254に移す。
ステップS6254において、メインCPU201は、特別図柄の制御状態番号を「3」にセットする。すなわち、メインRAM203の特別図柄制御状態番号領域に「3」をセットする。このように、特別図柄の制御状態番号を「3」にセットする処理を行うことにより、この小当り遊技開放中処理の終了後に、再び、大入賞口開放準備処理が行われることとなる。メインCPU201は、本処理を実行した後、小当り遊技開放中処理を終了して処理を特別図柄制御処理に戻す。
[大当り遊技状態終了処理]
次に、図210を参照して、特別図柄制御処理により実行される大当り遊技状態終了処理について説明する。図210は、第6のパチンコ遊技機における大当り遊技状態終了処理の一例を示すフローチャートである。
ステップS6261において、メインCPU201は、メインRAM203の特別図柄制御状態番号領域を参照し、特別図柄の制御状態番号が「5」であるか否かを判定する。メインCPU201は、特別図柄の制御状態番号が「5」でないと判定した場合には、大当り遊技状態終了処理を終了して処理を特別図柄制御処理に戻し、特別図柄の制御状態番号が「5」であると判定した場合には処理をステップS6262に移す。
ステップS6262において、メインCPU201は、大当り遊技情報初期化処理を行う。この大当り遊技情報初期化処理では、大当り遊技状態または小当り遊技状態で用いた各種フラグ・データや、各種カウンタ(例えば、ラウンドカウンタ、大入賞口入賞カウンタ等)の値をクリアまたはリセットする処理が行われる。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をステップS6263に移す。
ステップS6263において、メインCPU201は、大当り遊技状態終了後の遊技状態を設定する大当り終了後状態設定処理を行う。この大当り終了後状態設定処理では、特別図柄の停止図柄に基づいて、時短状態フラグ、特別図柄の可変表示回数に対応する時短回数カウンタを設定する。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をステップS6264に移す。
ステップS6264において、メインCPU201は、特別図柄遊技終了処理を行う。この処理では、図205を参照して説明した特別図柄遊技終了処理が行われる。メインCPU201は、本処理を実行した後、大当り遊技状態終了処理を終了し、処理を特別図柄制御処理に戻す。
なお、大当り遊技状態終了処理は、開始時に割込み禁止区間を設定し、大当り遊技状態終了処理を割込み禁止区間内で行うことが好ましい。
[普通図柄制御処理]
次に、図211を参照して、主制御メイン処理により実行される普通図柄制御処理について説明する。なお、図211に示される普通図柄制御処理に先だって、メインCPU201は、特別図柄制御処理と同様に、普通図柄の始動情報が記憶され、普通図柄の判定開始条件が成立しているか否かの判定を行っていることは言うまでもない。
図211は、第6のパチンコ遊技機における普通図柄制御処理の一例を示すフローチャートである。なお、図211に示すフローチャート中の各処理の右方に括弧書きで記載した数値(「0」~「4」)は、普通図柄の制御状態番号である。メインCPU201は、普通図柄の制御状態番号に対応する各処理を実行することにより、普通図柄ゲームを進行させる。
ステップS6300において、メインCPU201は、普通図柄待ち時間(メインRAM203の普通図柄待ち時間カウンタ)が0であるか否かを判定する。この普通図柄待ち時間は、普通図柄制御処理の各種処理の待ち時間としてセットされ、上述した主制御メイン処理のタイマカウンタ更新処理(ステップS6022)において普通図柄待ち時間が計時(減算)されていくことになる。メインCPU201は、普通図柄待ち時間が0でないと判定した場合には、普通図柄制御処理を終了し、処理を主制御メイン処理に戻し、普通図柄待ち時間が0であると判定した場合には処理をステップS6301に移す。
ステップS6301において、メインCPU201は、普通図柄の制御状態番号をロードする。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をステップS6310に移す。なお、メインCPU201は、S6201の処理で読み出された制御状態番号に基づいて、ステップS6310以降の処理を行う。
ステップS6310において、メインCPU201は、普通図柄可変表示開始処理を行う。この処理は、メインRAM203の普通図柄制御状態番号領域を参照し、普通図柄の制御状態番号が「0」である場合に行われる処理である。なお、普通図柄の制御状態番号が「0」でない場合には、メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をステップS6230に移す。
この普通図柄可変表示開始処理において、メインCPU201は、普通図柄の保留球数がある場合には、普通図柄始動記憶領域に記憶された普通図柄の始動情報(普通図柄当り判定用乱数値、普通図柄の図柄乱数値等)を普通図柄判定領域にシフトする。その後、普通図柄判定領域に記憶された普通図柄当り判定用乱数値に基づいて、「普通図柄の当落判定値データ(普通図柄当りまたは普通図柄ハズレ)」を決定する。次に、上述の普通図柄の当落判定値データと、普通図柄判定領域に記憶された普通図柄の図柄乱数値とに基づいて、「普通図柄の停止図柄」を決定する。さらに、遊技状態と普通図柄の停止図柄等に基づいて、第2始動口の開放態様を定めた「第2始動口の開放パターン」を決定する。そして、遊技状態等に基づいて、「普通図柄の変動表示時間」を決定し、決定した普通図柄の変動表示時間をメインRAM203の普通図柄待ち時間カウンタにセットし、普通図柄の制御状態番号を「1」にセットする。
ステップS6320において、メインCPU201は、普通図柄可変表示終了処理を行う。この処理は、メインRAM203の普通図柄制御状態番号領域を参照し、普通図柄の制御状態番号が「1」である場合に行われる処理である。なお、普通図柄の制御状態番号が「1」でない場合には、メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をステップS6230に移す。
この普通図柄可変表示終了処理において、メインCPU201は、普通図柄の変動表示時間が終了したか否かの判定を行い、普通図柄の変動表示時間が終了したと判定したときには、予め定められた普通図柄の図柄確定時間(例えば、540msec)を、メインRAM203の普通図柄待ち時間カウンタにセットし、普通図柄の制御状態番号を「2」にセットする。なお、普通図柄の変動表示時間が終了していない場合には、普通図柄の制御状態番号を「1」に保持し、普通図柄の変動表示時間が終了することを待機することになる。
ステップS6330において、メインCPU201は、普通図柄遊技判定処理を行う。この処理は、メインRAM203の普通図柄制御状態番号領域を参照し、普通図柄の制御状態番号が「2」である場合に行われる処理である。なお、普通図柄の制御状態番号が「2」でない場合には、メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をステップS6340に移す。
この普通図柄遊技判定処理において、メインCPU201は、停止表示された普通図柄の停止図柄(例えば、普通図柄当りまたは普通図柄ハズレ)の判定処理を行う。メインCPU201は、停止表示された普通図柄の停止図柄が普通図柄当りに対応すると判定した場合には、普通図柄の制御状態番号を「3」にセットし、普通図柄の当り判定処理の結果がハズレに対応すると判定した場合には、普通図柄の制御状態番号を「0」にセットする。
ステップS6340において、メインCPU201は、普通電動役物開放処理を行う。この処理は、メインRAM203の普通図柄制御状態番号領域を参照し、普通図柄の制御状態番号が「3」である場合に行われる処理である。なお、普通図柄の制御状態番号が「3」でない場合には、メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をステップS6350に移す。
この普通電動役物開放処理において、メインCPU201は、第2始動口の開放パターンの動作に従って、普電用シャッタ6147を作動して、第2始動口6140を開閉状態にさせる。そして、普電用の規定個数(例えば3個)の遊技球が第2始動口6140に入球するか、決定した第2始動口の開放パターンの動作がすべて終了すると、第2始動口6140を閉鎖状態にさせ、普通図柄の制御状態番号を「4」にセットし、普通電動役物開放処理を終了する。
ステップS6350において、メインCPU201は、普通図柄当り終了処理を行う。この処理は、メインRAM203の普通図柄制御状態番号領域を参照し、普通図柄の制御状態番号が「4」である場合に行われる処理である。この普通図柄当り終了処理では、上記S6340の普通電動役物開放処理においてセットされた各種データがクリアされる。なお、普通図柄の制御状態番号が「4」でない場合には、メインCPU201は、処理を主制御メイン処理に戻す。
[システムタイマ割込み処理]
次に、図212を参照して、システムタイマ割込み処理について説明する。この処理は、タイマカウンタから入力されるタイムアウト割込みが発生した場合に呼び出される処理であり、例えば、2msecの周期(割込み周期)で実行される。図212は、第6のパチンコ遊技機におけるステムタイマ割込み処理の一例を示すフローチャートである。
ステップS6411において、メインCPU201は、保護レジスタ(例えば、AFレジスタ)をスタックに退避する保護レジスタ退避処理を行う。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をステップS6412に移す。
ステップS6412において、メインCPU201は、メインRAM203の割込みカウンタに「1」を加算する割込みカウンタ加算更新処理を行う。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をステップS6413に移す。
ステップS6413において、メインCPU201は、各種乱数カウンタ(例えば、大当り判定用乱数値等)を更新する乱数更新処理を行う。このように、所定周期(本実施例では2msec)で乱数更新処理を行うことにより、出玉にかかわる重要な要素である各種乱数の信頼性を担保することが可能となる。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をステップS6414に移す。
ステップS6414において、メインCPU201は、I/Oポート205の入力ポートの読込処理を行う。この入力ポートの読込処理では、第1始動口スイッチ6121、第2始動口スイッチ6141、通過ゲートスイッチ6127、第1大入賞口カウントスイッチ6132、第2大入賞口カウントスイッチ6152、遊技球回収スイッチ6179、一般入賞口スイッチ123等の各種スイッチの情報を読み込むための入力フィルタ処理が行われる。
また、この入力ポートの読込処理では、最初に、メインRAM203の遊技用エリアにおける遊技停止状態フラグ領域を参照し、遊技停止状態(遊技停止状態フラグ領域=1)であるか否かを判定する。メインCPU201は、遊技停止状態であると判定した場合には、入力ポートバッファから各種スイッチの情報の読み込みを行わずに、処理をステップS6415に移す。一方、メインCPU201は、遊技停止状態でないと判定した場合に限り、入力ポートバッファから各種スイッチの情報の読み込みを行い、読み込みが終了すると、処理をステップS6415に移す。
このように、本実施形態では、ゲームストップ機能により遊技停止状態中であるときには、入力ポートから各種スイッチの情報の読み込みが行われないことになる。
ステップS6415において、メインCPU201は、スイッチ入力検知処理を行う。このスイッチ入力検知処理の詳細については、図213を参照して後述する。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をステップS6416に移す。
上記ステップS6415のスイッチ入力検知処理は、ゲームストップ機能により遊技停止状態であるときにも実行されるものの、上述したようにゲームストップ機能により遊技停止状態であるときには、ゲームストップ機能初期化処理(図198)において入力ポートバッファがクリアされ、上記ステップS6414において入力ポートの読込処理も行われず、入力ポートバッファの情報が更新されることはない。このため、ゲームストップ機能により遊技停止状態であるときには、入力ポートバッファのオンエッジ等も検知されることはなく、上記ステップS6415のスイッチ入力検知処理を無効化することができる。
なお、メインRAM203の遊技用エリアにおける遊技停止状態フラグ領域を参照し、遊技停止状態である場合(遊技停止状態フラグ領域=1)は、上記ステップS6415のスイッチ入力検知処理を行わずに、遊技停止状態でない場合に(遊技停止状態フラグ領域=0)に限り、上記ステップS6415のスイッチ入力検知処理を行うように構成してもよい。
ステップS6416において、メインCPU201は、遊技LED点灯データ出力処理を行う。この遊技LED点灯データ出力処理においては、遊技状態等応じて、普通図柄表示部161、普通図柄用保留表示部162、第1特別図柄表示部163、第2特別図柄表示部164、第1特別図柄用保留表示部165、第2特別図柄用保留表示部166および時短報知用表示部168の遊技LEDに点灯表示させるLEDデータを出力ポートバッファにセットし、LEDの出力を制御する処理である。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をステップS6417に移す。
上記ステップS6416の遊技LED点灯データ出力処理は、ゲームストップ機能により遊技停止状態であるときにも実行されるものの、上述したようにゲームストップ機能により遊技停止状態であるときには、主制御メイン処理のゲームストップ機能初期化処理(図198)において出力ポートバッファがクリアされ、後述するようにゲームストップ機能制御処理のゲームストップ機能初期化処理でも出力ポートバッファがクリアされる。このため、ゲームストップ機能による遊技停止状態であるときには、上記ステップS6416の遊技LED点灯データ出力処理でセットされた出力ポートバッファがクリアされ、上記ステップS6416の遊技LED点灯データ出力処理を無効化することができる。
なお、メインRAM203の遊技用エリアにおける遊技停止状態フラグ領域を参照し、遊技停止状態である場合(遊技停止状態フラグ領域=1)は、遊技LED点灯データ出力処理を行わずに、遊技停止状態でない場合に(遊技停止状態フラグ領域=0)に限り、上記ステップS6416の遊技LED点灯データ出力処理を行うように構成してもよい。
ステップS6417において、メインCPU201は、入賞情報コマンド設定処理を行う。この入賞情報コマンド設定処理においては、入賞情報コマンドテーブルを参照し、各種入力ポートバッファからの情報に基づいて入賞情報コマンドを生成し、生成した入賞情報コマンドを送信バッファにセットする。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をステップS6418に移す。
上記ステップS6417の入賞情報コマンド設定処理は、ゲームストップ機能により遊技停止状態であるときにも実行されるものの、上述したようにゲームストップ機能により遊技停止状態であるときには、ゲームストップ機能初期化処理(図198)において入力ポートバッファがクリアされ、上記ステップS6414において入力ポートの読込処理も行われず、入力ポートバッファの情報が更新されることはない。このため、ゲームストップ機能により遊技停止状態中であるときには、上記ステップS6417の入賞情報コマンド設定処理を無効化することができる。
なお、メインRAM203の遊技用エリアにおける遊技停止状態フラグ領域を参照し、遊技停止状態である場合(遊技停止状態フラグ領域=1)は、入賞情報コマンド設定処理を行わずに、遊技停止状態でない場合に(遊技停止状態フラグ領域=0)に限り、上記ステップS6417の入賞情報コマンド設定処理を行うように構成してもよい。
ステップS6418において、メインCPU201は、性能表示モニタ制御処理を行う。性能表示モニタ制御処理は、メインRAM203の作業領域(領域外エリア)を使用して行われる。この性能表示モニタ制御処理では、遊技球を付与するための各種入賞スイッチの入力があると、各種スイッチに応じた賞球数を加算値として算出し、算出した加算値を賞球数カウンタに加算して更新するとともに、ゲームストップ機能で用いる領域外エリアの加算遊技球数カウンタ領域に加算して更新する。また、性能表示モニタ制御処理では、遊技球回収スイッチ6179の入力があると、アウトカウンタを加算して更新する。さらに、性能表示モニタ制御処理では、性能表示モニタ170のLEDを点灯・消灯させるための性能表示モニタ表示処理を行う。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をステップS6419に移す。
ステップS6419において、メインCPU201は、ゲームストップ機能制御処理を行う。このゲームストップ機能制御処理では、遊技球の差玉数の更新、ゲームストップ機能フェーズの更新、ゲームストップ機能に関する遊技停止状態の設定、ゲームストップ機能のコマンドの送信等が行われる。このゲームストップ機能制御処理については、詳しくは後述する。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をステップS6420に移す。
ステップS6420において、メインCPU201は、ステップS6411で退避した保護レジスタの内容をスタックから復帰させる保護レジスタ復帰処理を行い、その後、ステップS6421において、割込み許可を行う。
このように、本実施形態のシステムタイマ割込み処理によれば、ゲームストップ機能による遊技停止状態であるときには、上記ステップS6414の入力ポートの読込処理、上記ステップS6415のスイッチ入力検知処理は無効化されている。これにより、第1始動口6120、第2始動口6140、通過ゲート6126、第1大入賞口6131、第2大入賞口6151、一般入賞口122への遊技球の入球・通過を無効とすることができる。
また、ゲームストップ機能による遊技停止状態であるときには、ステップS6416の遊技LED点灯データ出力処理は無効化されている。これにより、普通図柄表示部161、普通図柄用保留表示部162、第1特別図柄表示部163、第2特別図柄表示部164、第1特別図柄用保留表示部165、第2特別図柄用保留表示部166および時短報知用表示部168の遊技LEDを消灯させることができる。
また、ゲームストップ機能による遊技停止状態であっても、上記ステップS6418の性能表示モニタ制御処理は実行可能であるので、遊技店側では性能表示モニタ170を介してゲームストップ機能により遊技停止状態となったときの遊技結果(出玉率等)を把握することができる。
[スイッチ入力検知処理]
次に、図213を参照して、システムタイマ割込処理で実行されるスイッチ入力検知処理について説明する。図213は、第6のパチンコ遊技機におけるスイッチ入力検知処理の一例を示すフローチャートである。
(領域外異常状態監視処理)
ステップS6501において、メインCPU201は、領域外異常状態監視処理を行う。この処理は、領域外エリア処理呼出命令でコールされることにより、メインROM202の領域外エリアのプログラムの処理を行い、メインRAM203の領域外エリアを利用する。この処理では、メインCPU201は、最初に、異常状態監視をするために用いられるメインRAM203の領域外エリアにおける領域外セキュリティ情報領域、領域外遊技異常検知フラグ領域をクリアする。その後、メインCPU201は、普通電動役物不正入賞処理、特別電動役物不正入賞処理を行う。メインCPU201は、本処理を実行した後、遊技用エリア処理復帰命令により、処理が領域外エリアに係る処理から、遊技用エリアに係る処理に切り替える。
普通電動役物不正入賞処理では、メインCPU201は、普通電動役物6146の未作動中において第2始動口6140の不正入賞を監視し、不正入賞があった場合(例えば、普通電動役物6146の未作動中において第2始動口6140に入球した場合)には、領域外セキュリティ情報領域に普通電動役物の不正入賞に対応する異常情報をセットするとともに、領域外遊技異常検知フラグ領域に普通電動役物の不正入賞に対応する要求フラグをセットする。そして、第2始動口6140の入力ポートバッファをクリアし、第2始動口6140への遊技球の入球を無効化する。
特別電動役物不正入賞処理では、メインCPU201は、特別電動役物の未作動中(第1大入賞口6131または第2大入賞口6151の開閉作動中)において、第1大入賞口6131または第2大入賞口6151の不正入賞を監視し、不正入賞があった場合(例えば、第1大入賞口6131の閉鎖中において第1大入賞口6131に遊技球が入球した場合)には、領域外セキュリティ情報領域に大入賞口の不正入賞に対応する異常情報をセットするとともに、領域外遊技異常検知フラグ領域に大入賞口の不正入賞に対応する要求フラグをセットする。そして、第1大入賞口6131または第2大入賞口6151の入力ポートバッファをクリアし、第1大入賞口6131または第2大入賞口6151への遊技球の入球を無効化する。
(異常状態監視処理)
ステップS6502において、メインCPU201は、異常状態監視処理を行う。この処理では、メインCPU201は、遊技機異常検知情報反映処理、セキュリティ情報要求設定を行う。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をステップS6510に移す。
遊技機異常検知情報反映処理では、メインCPU201は、メインRAM203の領域外エリアにおける領域外遊技異常検知フラグ領域から要求フラグをロードし、ロードした要求フラグをメインRAM203の遊技用エリアにおける遊技異常検知パラメータ領域にセットして、遊技異常検知フラグを更新する。
セキュリティ情報要求設定では、メインCPU201は、メインRAM203の領域外エリアにおける領域外セキュリティ情報領域から異常情報をロードし、ロードした異常情報を遊技機情報としてメインRAM203の遊技用エリアにおける遊技機情報領域にセットして、異常情報に関する遊技機情報を更新する。
このように、本実施形態の領域外異常状態監視処理及び異常状態監視処理においては、遊技球の不正入賞に関しては、遊技球の入賞が遊技進行に大きく関わる点を考慮して、不正入賞を検知する処理を、メインRAM203の領域外エリアに係る処理(領域外異常状態監視処理)とし、検知結果を反映する処理を、メインRAM203の遊技用エリアに係る処理(異常状態監視処理)としている。
(普通図柄関連チェック処理)
ステップS6510において、メインCPU201は、普通図柄関連チェック処理を行う。この処理では、メインCPU201は、通過ゲートスイッチ6127及び第2始動口スイッチ6141の入力ポートバッファをチェックし、通過ゲートスイッチ6127のオンエッジが検知されると普図作動スイッチ検知時処理を行い、第2始動口スイッチ6141のオンエッジが検知されると普通電動役物入賞時処理を行う。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をステップS6520に移す。
普図作動スイッチ検知時処理においては、メインCPU201は、普通図柄始動記憶領域(1)~普通図柄始動記憶領域(4)に空き領域があると、普通図柄の始動情報として各種乱数値(例えば、普通図柄当り判定用乱数値、普通図柄の図柄乱数値等)を取得し、取得した各種乱数値をFIFO(First In、First Out)形式で1つの普通図柄始動記憶領域に記憶する。一方、普通図柄始動記憶領域(1)~普通図柄始動記憶領域(4)のいずれにも空き領域がないと判定すると、各種乱数値を取得せずに、普図作動スイッチ検知時処理を終了することになる。
普通電動役物入賞時処理においては、メインCPU201は、普通電動役物6146が作動中である場合に限り、普通電動役物入賞カウンタを更新する。
(特別図柄関連チェック処理)
ステップS6520において、メインCPU201は、特別図柄関連チェック処理を行う。この処理では、第1始動口スイッチ6121、第2始動口スイッチ6141、第1大入賞口カウントスイッチ6132、第2大入賞口カウントスイッチ6152、V入賞口スイッチ6157の入力ポートバッファをチェックし、第1始動口スイッチ6121のオンエッジが検知されると第1特図作動スイッチ検知時処理を行い、第2始動口スイッチ6141のオンエッジが検知されると第2特図作動スイッチ検知時処理を行う。また、第1大入賞口カウントスイッチ6132のオンエッジが検知されると第1大入賞口スイッチ検知時処理を行い、第2大入賞口カウントスイッチ6152のオンエッジが検知されると第2大入賞口スイッチ検知時処理を行う。また、V入賞口スイッチ6157のオンエッジが検知されると、V入賞口スイッチ検知時処理を行う。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をステップS6530に移す。
第1特図作動スイッチ検知時処理においては、メインCPU201は、第1特別図柄始動記憶領域(1)~第1特別図柄始動記憶領域(4)に空き領域があると、第1特別図柄の始動情報として各種乱数値(例えば、大当り判定用乱数値、図柄乱数値、リーチ判定用乱数値、演出選択用乱数値等)を取得し、取得した各種乱数値をFIFO形式で1つの第1特別図柄始動記憶領域に記憶する。そして、特別図柄の保留個数を示す保留加算コマンドの生成を行い、生成した保留加算コマンドを送信バッファにセットする。この保留加算コマンドには、特定条件下では、先読み演出が実行可能となるように、特別図柄の保留個数の情報に加え、第1特別図柄の始動情報に対応する情報も含まれている。一方、第1特別図柄始動記憶領域(1)~第1特別図柄始動記憶領域(4)のいずれにも空き領域がないと判定すると、各種乱数値を取得せずに、第1特図作動スイッチ検知時処理を終了することになる。
第2特図作動スイッチ検知時処理においては、メインCPU201は、第1特図作動スイッチ検知時処理と同様に、第2特別図柄始動記憶領域(1)~第2特別図柄始動記憶領域(4)に空き領域があると判定すると、第2特別図柄の始動情報として各種乱数値(例えば、大当り判定用乱数値、図柄乱数値、リーチ判定用乱数値、演出選択用乱数値等)を取得し、取得した各種乱数値をFIFO形式で1つの第2特別図柄始動記憶領域に記憶する。そして、特別図柄の保留個数を示す保留加算コマンドの生成を行い、生成した保留加算コマンドを送信バッファにセットする。この保留加算コマンドにも、特定条件下では、先読み演出が実行可能となるように、特別図柄の保留個数の情報に加え、第2特別図柄の始動情報に対応する情報が含まれている。一方、第2特別図柄始動記憶領域(1)~第2特別図柄始動記憶領域(4)のいずれにも空き領域がないと判定すると、各種乱数値を取得せずに、第2特図作動スイッチ検知時処理を終了することになる。
なお、本実施形態では、第1特別図柄の最大保留個数及び第2特別図柄の最大保留個数は4個に設定されているが、第1特別図柄の最大保留個数と第2特別図柄の最大保留個数とを異ならせてもよく、それぞれの最大保留個数は適宜設計変更自由であるが、4個以内とすることが望ましい。
第1大入賞口スイッチ検知時処理においては、メインCPU201は、第1大入賞口6131が開放しているか否かを判定し、第1大入賞口6131が開放しているときには、第1大入賞口カウンタに1を加算して更新する。
第2大入賞口スイッチ検知時処理においては、メインCPU201は、第2大入賞口6151が開放しているか否かを判定し、第2大入賞口6151が開放しているときには、第2大入賞口カウンタに1を加算して更新する。
V入賞口スイッチ検知時処理においては、メインCPU201は、V入賞口通過フラグをオンにする。そして、遊技球がV入賞口6156を通過したことを示すV通過コマンドを生成して、生成したV通過コマンドを送信バッファにセットする。
(タッチ状態信号チェック処理)
ステップS6530において、メインCPU201は、タッチ状態信号チェック処理を行う。この処理では、入力ポートバッファからタッチ状態の変化を判定し、タッチ状態のオンッジが検知されると、メインRAM203の枠状態通知フラグ領域にセットする(例えば、6ビット目をONにする)。また、タッチ状態のオンッジが検知されると、発射許可信号をメインRAM203の発射許可信号管理領域にセットする。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をステップS6540に移す。
(賞球関連スイッチチェック処理)
ステップS6540において、メインCPU201は、賞球関連スイッチチェック処理を行う。この賞球関連スイッチチェック処理では、メインCPU201は、遊技球を付与するための各種入賞スイッチ(第1始動口スイッチ6121、第2始動口スイッチ6141、第1大入賞口カウントスイッチ6132、第2大入賞口カウントスイッチ6152、一般入賞口スイッチ123)のオンエッジが検知されると、各種入賞スイッチに応じた賞球数をメインRAM203の払出管理カウンタ領域にセットして、払出管理カウンタを更新する。
さらに、賞球関連スイッチチェック処理においては、遊技球を付与するための各種入賞スイッチのオンエッジが検知されると、各種スイッチに応じた入賞情報を生成し、生成した入賞情報を遊技機情報としてメインRAM203の遊技用エリアにおける遊技機情報領域にセットして、入賞情報に関する遊技機情報を更新する。具体的には、遊技機情報として、始動口入賞、大入賞口入賞、一般入賞口入賞等の入賞情報を更新する。
メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をステップS6550に移す。
(アウト球関連スイッチチェック処理)
ステップS6550において、メインCPU201は、アウト球関連スイッチチェック処理を行う。このアウト球関連スイッチチェック処理では、メインCPU201は、遊技球回収スイッチ6179の入力ポートバッファをチェックし、遊技球回収スイッチ6179のオンエッジが検知されると、メインRAM203のアウト球数管理カウンタ領域に「1」を加算して、アウト球数管理カウンタを更新する。
さらに、アウト球関連スイッチチェック処理においては、遊技球回収スイッチ6179のオンエッジが検知されると、アウト情報を生成し、生成したアウト情報を遊技機情報としてメインRAM203の遊技用エリアにおける遊技機情報領域にセットして、アウト情報に関する遊技機情報を更新する。
メインCPU201は、本処理を実行した後、今回のスイッチ入力検知処理を終了する。
[ゲームストップ機能制御処理]
次に、図214を参照して、システムタイマ割込み処理で実行されるゲームストップ機能制御処理について説明する。図214は、第6のパチンコ遊技機におけるゲームストップ機能制御処理の一例を示すフローチャートである。
ステップS6601において、メインCPU201は、メインRAM203の遊技用エリアにおける遊技停止状態フラグ領域を参照し、遊技停止状態(遊技停止状態フラグ領域=1)であるか否かを判定する。メインCPU201は、遊技停止状態であると判定した場合には、今回のゲームストップ機能制御処理を終了し、遊技停止状態でないと判定した場合には、処理をステップS6602に移す。
ステップS6602において、メインCPU201は、ゲームストップ機能状態チェック処理を行う。この処理は、領域外エリア処理呼出命令でコールされることにより、メインROM202の領域外エリアのプログラムの処理を行い、メインRAM203の領域外エリアを利用する。ゲームストップ機能状態チェック処理では、遊技球の差玉数の更新、ゲームストップ機能フェーズの更新等が行われる。このゲームストップ機能状態チェック処理については、詳しくは後述する。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をステップS6603に移す。
ステップS6603において、メインCPU201は、メインRAM203の領域外エリアにおけるゲームストップ機能フェーズ領域から、ゲームストップ機能フェーズをロードする処理を行う。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をステップS6604に移す。
ステップS6604において、メインCPU201は、メインRAM203の領域外エリアからロードしたゲームストップ機能フェーズを、メインRAM203の遊技用エリアにおけるストップ機能状態パラメータ領域に記憶する。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をステップS6605に移す。
このように、ステップS6603及びステップS6604の処理により、メインRAM203の領域外エリアに記憶されたゲームストップ機能フェーズを、メインRAM203の遊技用エリアに転送することができる。
ステップS6605において、メインCPU201は、メインRAM203の遊技用エリアにおけるストップ機能状態パラメータ領域を参照し、ゲームストップ機能フェーズがゲームストップ機能作動完了フェーズ(=3)であるか否かを判定する。メインCPU201は、ゲームストップ機能作動完了フェーズであると判定した場合には、処理をステップS6611に移し、ゲームストップ機能作動完了フェーズでないと判定した場合には、処理をステップS6606に移す。
ステップS6606において、メインCPU201は、メインRAM203の領域外エリアにおける差玉通知情報領域から、差玉通知情報(第1差玉情報)をロードする処理を行う。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をステップS6607に移す。
ステップS6607において、メインCPU201は、ロードした差玉通知情報=0でないか、すなわち、差玉通知情報があるか否かを判定する。メインCPU201は、差玉通知情報があると判定した場合には、処理をステップS6608に移し、差玉通知情報がないと判定した場合には、今回のゲームストップ機能制御処理を終了する。
詳しくは後述するが、差玉通知情報は、通常時は毎回クリアされており、遊技球の差玉数の変化が所定値以上であった場合に、第1差玉情報が差玉通知情報として記憶される。このため、上記ステップS6607の差玉通知情報の有無の判定は、遊技球の差玉数の変化が所定値以上であるか否かの判定に対応していることになる。
ステップS6608において、メインCPU201は、メインRAM203の領域外エリアからロードした差玉通知情報(第1差玉情報)を、メインRAM203の遊技用エリアにおけるストップ機能差玉数パラメータ領域に記憶(転送)する。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をステップS6609に移す。
このように、上記ステップS6606及びステップS6608の処理により、メインRAM203の領域外エリアに記憶された第1差玉情報を、メインRAM203の遊技用エリアに転送することができる。なお、本実施形態においては、領域外エリアの差玉通知情報領域に記憶された第1差玉情報を、遊技用エリアにおけるストップ機能差玉数パラメータ領域に転送するように構成したが、領域外エリアの差玉判定用カウンタ領域に記憶された第1差玉情報を、遊技用エリアにおけるストップ機能差玉数パラメータ領域に転送するように構成してもよい。
ステップS6609において、メインCPU201は、「ゲームストップ機能状態コマンド」をセットする。この処理では、ゲームストップ機能状態コマンドテーブルを参照し、ゲームストップ機能状態コマンドの識別データ(例えば、D3H)と、メインRAM203の遊技用エリアにおけるストップ機能状態パラメータ領域、ストップ機能差玉数パラメータ領域に記憶された情報から、ゲームストップ機能状態コマンドを生成することになる。すなわち、ゲームストップ機能状態コマンドは、識別データとゲームストップ機能フェーズの情報と第1差玉情報の情報とから構成されていることになる。このゲームストップ機能状態コマンドの構成については、詳しくは後述する。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をステップS6610に移す。
ステップS6610において、メインCPU201は、ゲームストップ機能状態コマンドをサブ制御回路300に送信する演出制御コマンド送信処理を行う。この処理では、上記ステップS6609で生成されたゲームストップ機能完了コマンドを送信バッファにセットする。この処理を終了すると、メインCPU201は、今回のゲームストップ機能制御処理を終了する。
ステップS6611において、メインCPU201は、ゲームストップ機能初期化処理を行う。このゲームストップ機能初期化処理は、図198において上述した通りであり、特別図柄や普通図柄に関する表示部(LED)の出力データのクリアと、遊技球を検出する各種スイッチの入力データのクリアとが行われる。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をステップS6612に移す。
ステップS6612において、メインCPU201は、特別図柄及び普通図柄の当りフラグをクリアする。具体的には、メインRAM203の特別図柄当りフラグ領域、メインRAM203の普通図柄当りフラグ領域をクリアして、特別図柄及び普通図柄の当落判定値データをクリアする。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をステップS6613に移す。
ステップS6613において、メインCPU201は、メインRAM203の遊技用エリアにおける遊技停止状態フラグ領域に、遊技停止状態の情報(=1)をセットする。これにより、ゲームストップ機能により遊技の進行が停止されることになる。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をステップS6614に移す。
ステップS6614において、メインCPU201は、メインRAM203の遊技用エリアにおけるストップ機能完了コマンド送信フラグ領域に送信要求の情報(=1)をセットする。この処理を終了すると、メインCPU201は、今回のゲームストップ機能制御処理を終了する。
[ゲームストップ機能状態チェック処理]
次に、図215を参照して、ゲームストップ機能制御処理で実行されるゲームストップ機能状態チェック処理について説明する。図215は、第6のパチンコ遊技機におけるゲームストップ機能状態チェック処理の一例を示すフローチャートである。
ゲームストップ機能状態チェック処理は、上述したように、領域外エリア処理呼出命令により呼び出される処理となっており、この処理を実行するためのプログラムは、メインROM202の領域外エリアに記憶されているプログラムであり、メインRAM203の領域外エリアを利用する。
ステップS6621において、メインCPU201は、ゲームストップ機能カウンタ更新処理を行う。ゲームストップ機能カウンタ更新処理では、遊技球の差玉数の更新等が行われる。このゲームストップ機能カウンタ更新処理については、詳しくは後述する。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をステップS6622に移す。
ステップS6622において、メインCPU201は、ゲームストップ機能カウンタチェック処理を行う。ゲームストップ機能カウンタチェック処理では、差玉通知情報(第1差玉情報)のクリア・設定等が行われる。このゲームストップ機能カウンタチェック処理については、詳しくは後述する。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をステップS6623に移す。
ステップS6623において、メインCPU201は、ゲームストップ機能状態管理処理を行う。ゲームストップ機能状態管理処理では、ゲームストップ機能フェーズの更新等が行われる。このゲームストップ機能状態管理処理については、詳しくは後述する。この処理を終了すると、メインCPU201は、今回のゲームストップ機能状態チェック処理を終了する。
[ゲームストップ機能カウンタ更新処理]
次に、図216を参照して、ゲームストップ機能状態チェック処理で実行されるゲームストップ機能カウンタ更新処理について説明する。図216は、第6のパチンコ遊技機におけるゲームストップ機能カウンタ更新処理の一例を示すフローチャートである。
ゲームストップ機能カウンタ更新処理は、上述したように、領域外エリア処理呼出命令により呼び出される処理となっており、この処理を実行するためのプログラムは、メインROM202の領域外エリアに記憶されているプログラムであり、メインRAM203の領域外エリアを利用する。
ステップS6631において、メインCPU201は、所定のレジスタに格納されている前回の加算値をクリアして、メインRAM203の領域外エリアにおける加算遊技球数カウンタ領域から加算遊技球数をロードする。そして、ロードした加算遊技球数を新たな加算値として所定のレジスタにセットする。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をステップS6632に移す。
ステップS6632において、メインCPU201は、差玉カウンタ3バイト加算処理を行う。差玉カウンタ3バイト加算処理では、遊技球の差玉数の加算処理が行われる。この差玉カウンタ3バイト加算処理については、詳しくは後述する。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をステップS6633に移す。
ステップS6633において、メインCPU201は、遊技球回収スイッチ6179の入力ポートバッファをチェックし、遊技球回収スイッチ6179のオンエッジが検知されると、所定のレジスタに減算値(例えば、1)をセットする。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をステップS6634に移す。
ステップS6634において、メインCPU201は、差玉カウンタ3バイト減算処理を行う。差玉カウンタ3バイト減算処理では、遊技球の差玉数の減算処理が行われる。この差玉カウンタ3バイト減算処理については、詳しくは後述する。この処理を終了すると、メインCPU201は、今回のゲームストップ機能カウンタ更新処理を終了する。
[差玉カウンタ3バイト加算処理]
次に、図217を参照して、ゲームストップ機能カウンタ更新処理で実行される差玉カウンタ3バイト加算処理について説明する。図217は、第6のパチンコ遊技機における差玉カウンタ3バイト加算処理の一例を示すフローチャートである。
差玉カウンタ3バイト加算処理は、上述したように、領域外エリア処理呼出命令により呼び出される処理となっており、この処理を実行するためのプログラムは、メインROM202の領域外エリアに記憶されているプログラムであり、メインRAM203の領域外エリアを利用する。
ステップS6641において、メインCPU201は、所定のレジスタに格納された加算値(加算遊技球数)=0であるか否かを判定する。メインCPU201は、加算値=0であると判定した場合には、差玉カウンタ3バイト加算処理を終了し、加算値=0でないと判定した場合には、処理をステップS6642に移す。
ステップS6642において、メインCPU201は、メインRAM203の領域外エリアにおける3バイトカウンタ(差玉管理用カウンタ領域+差玉判定用カウンタ領域)の下位2バイトより第2差玉情報をロードする。すなわち、メインRAM203の領域外エリアにおける差玉管理用カウンタ領域から第2差玉情報をロードする。そして、ロードした第2差玉情報を第1ペアレジスタにセットする。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をステップS6643に移す。
ステップS6643において、メインCPU201は、第1ペアレジスタにセットされた第2差玉情報に加算値(加算遊技球数)を加算する。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をステップS6644に移す。
ステップS6644において、メインCPU201は、上記ステップS6643の加算した加算結果を1000で除算する。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をステップS6645に移す。
ステップS6645において、メインCPU201は、上記ステップS6644の除算結果の余りを、更新された第2差玉情報として、第2ペアレジスタにセットする。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をステップS6646に移す。
ステップS6646において、メインCPU201は、メインRAM203の領域外エリアにおける3バイトカウンタの上位1バイトより第1差玉情報をロードする。すなわち、メインRAM203の領域外エリアにおける差玉判定用カウンタ領域から第1差玉情報をロードする。そして、ロードした第1差玉情報をシングルレジスタにセットする。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をステップS6647に移す。
ステップS6647において、メインCPU201は、上記ステップS6644の除算結果の商を、シングルレジスタに格納された第1差玉情報に加算して更新する。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をステップS6648に移す。
ステップS6648において、メインCPU201は、第1差玉情報及び第2差玉情報の加算結果を格納する。すなわち、第2ペアレジスタに格納された第1差玉情報を、メインRAM203の領域外エリアにおける差玉管理用カウンタ領域に格納して第2差玉情報を更新する。また、シングルレジスタに格納された第1差玉情報を、メインRAM203の領域外エリアにおける差玉判定用カウンタ領域に格納して第1差玉情報を更新する。この処理を終了すると、メインCPU201は、今回の差玉カウンタ3バイト加算処理を終了する。
このように、本実施形態の差玉カウンタ3バイト加算処理においては、下位2バイトの第2差玉情報に加算値(加算遊技球数)を加算した後、加算結果を1000で除算し、除算結果の余りを更新された第2差玉情報とし、除算結果の商を第1差玉情報に加算して更新している。このため、3バイトカウンタの全て値(000000H~FFFFFFH)をカウントとすることなく、下位2バイトの第2差玉情報では0~999までの値をカウントし、上位1バイトの第1差玉情報では0~255までの値をカウントすることができる。
[差玉カウンタ3バイト減算処理]
次に、図218を参照して、ゲームストップ機能カウンタ更新処理で実行される差玉カウンタ3バイト減算処理について説明する。図218は、第6のパチンコ遊技機における差玉カウンタ3バイト減算処理の一例を示すフローチャートである。
差玉カウンタ3バイト減算処理は、上述したように、領域外エリア処理呼出命令により呼び出される処理となっており、この処理を実行するためのプログラムは、メインROM202の領域外エリアに記憶されているプログラムであり、メインRAM203の領域外エリアを利用する。
ステップS6651において、メインCPU201は、所定のレジスタに格納された減算値(アウト球)=0であるか否かを判定する。メインCPU201は、減算値=0であると判定した場合には、差玉カウンタ3バイト減算処理を終了し、減算値=0でないと判定した場合には、処理をステップS6652に移す。
ステップS6652において、メインCPU201は、メインRAM203の領域外エリアにおける3バイトカウンタの下位2バイトより第2差玉情報をロードする。すなわち、メインRAM203の領域外エリアにおける差玉管理用カウンタ領域から第2差玉情報をロードする。そして、ロードした第2差玉情報をペアレジスタにセットする。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をステップS6653に移す。
ステップS6653において、メインCPU201は、ペアレジスタにセットされた第2差玉情報から減算値(アウト球)を減算する。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をステップS6654に移す。
ステップS6654において、メインCPU201は、メインRAM203の領域外エリアにおける3バイトカウンタの上位1バイトより第1差玉情報をロードする。すなわち、メインRAM203の領域外エリアにおける差玉判定用カウンタ領域から第1差玉情報をロードする。そして、ロードした第1差玉情報をシングルレジスタにセットする。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をステップS6655に移す。
ステップS6655において、メインCPU201は、上記ステップS6653の減算結果として、ペアレジスタにセットされた第2差玉情報≧0であるか否かを判定する。メインCPU201は、第2差玉情報≧0であると判定した場合には、処理をステップS6660に移し、第2差玉情報≧0でないと判定した場合には、処理をステップS6656に移す。
ステップS6656において、メインCPU201は、ペアレジスタに格納された第2差玉情報に1000を加算して補正する。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をステップS6657に移す。
ステップS6657において、メインCPU201は、シングルレジスタにセットされた第1差玉情報から1を減算して更新する。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をステップS6658に移す。
ステップS6658において、メインCPU201は、上記ステップS6657の減算結果として、シングルレジスタにセットされた第1差玉情報≧0であるか否かを判定する。メインCPU201は、第1差玉情報≧0であると判定した場合には、処理をステップS6660に移し、第1差玉情報≧0でないと判定した場合には、処理をステップS6659に移す。
ステップS6659において、メインCPU201は、シングルレジスタにセットされた第1差玉情報と、ペアレジスタにセットされた第2差玉情報とをクリアする。
ステップS6660において、メインCPU201は、第1差玉情報及び第2差玉情報の減算結果を格納する。すなわち、ペアレジスタに格納された第1差玉情報を、メインRAM203の領域外エリアにおける差玉管理用カウンタ領域に格納して第2差玉情報を更新する。また、シングルレジスタに格納された第1差玉情報を、メインRAM203の領域外エリアにおける差玉判定用カウンタ領域に格納して第1差玉情報を更新する。この処理を終了すると、メインCPU201は、今回の差玉カウンタ3バイト減算処理を終了する。
このように、本実施形態の差玉カウンタ3バイト減算処理においては、下位2バイトの第2差玉情報から減算値(アウト球)を減算した後、第2差玉情報の減算結果が0以上でない場合(すなわち、マイナスのとき)には、第2差玉情報に1000を加算するとともに、第1差玉情報から1を減算して更新している。このため、3バイトカウンタの全て値(000000H~FFFFFFH)をカウントとすることなく、下位2バイトの第2差玉情報では0~999までの値をカウントし、上位1バイトの第1差玉情報では0~255までの値をカウントすることができる。
さらに、本実施形態の差玉カウンタ3バイト減算処理においては、差玉情報(第1差玉情報と第2差玉情報)がマイナスとなるようなときには、第1差玉情報と第2差玉情報とをクリアして、差玉情報がマイナスとなることを規制している。
[ゲームストップ機能カウンタチェック処理]
次に、図219を参照して、ゲームストップ機能状態チェック処理で実行されるゲームストップ機能カウンタチェック処理について説明する。図219は、第6のパチンコ遊技機におけるゲームストップ機能カウンタチェック処理の一例を示すフローチャートである。
ゲームストップ機能カウンタチェック処理は、上述したように、領域外エリア処理呼出命令により呼び出される処理となっており、この処理を実行するためのプログラムは、メインROM202の領域外エリアに記憶されているプログラムであり、メインRAM203の領域外エリアを利用する。
ステップS6661において、メインCPU201は、メインRAM203の領域外エリアにおける差玉通知情報領域の差玉通知情報(第1差玉情報)をクリアする。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をステップS6662に移す。
ステップS6662において、メインCPU201は、メインRAM203の領域外エリアにおける差玉判定用カウンタ領域から今回の第1差玉情報をロードして、ロードした今回の第1差玉情報を所定のレジスタにセットする。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をステップS6663に移す。
ステップS6663において、メインCPU201は、今回の第1差玉情報>前回の第1差玉情報であるか否かを判定する。具体的には、メインCPU201は、所定のレジスタにセットされた今回の第1差玉情報と、メインRAM203の領域外エリアにおける差玉判定用カウンタバッファ領域に記憶された前回の第1差玉情報とを比較して、今回の第1差玉情報が前回の第1差玉情報よりも大きいか(すなわち、第1差玉情報が増加しているか)否かを判定する。メインCPU201は、今回の第1差玉情報>前回の第1差玉情報であると判定した場合には、処理をステップS6666に移し、今回の第1差玉情報>前回の第1差玉情報でないと判定した場合には、処理をステップS6664に移す。
ステップS6664において、メインCPU201は、所定のレジスタにセットされた今回の第1差玉情報に1を加算して補正する。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をステップS6665に移す。
ステップS6665において、メインCPU201は、上記ステップS6664により補正された今回の第1差玉情報に対し、今回の第1差玉情報≧前回の第1差玉情報であるか否かを判定する。具体的には、メインCPU201は、所定のレジスタにセットされた加算済みの今回の第1差玉情報と、メインRAM203の領域外エリアにおける差玉判定用カウンタバッファ領域に記憶された前回の第1差玉情報とを比較して、今回の第1差玉情報が前回の第1差玉情報以上であるか否かを判定する。メインCPU201は、今回の第1差玉情報≧前回の第1差玉情報であると判定した場合には、今回のゲームストップ機能カウンタチェック処理を終了し、今回の第1差玉情報≧前回の第1差玉情報でないと判定した場合には、処理をステップS6666に移す。
ステップS6666において、メインCPU201は、メインRAM203の領域外エリアにおける差玉判定用カウンタバッファ領域に、差玉判定用カウンタ領域に記憶された第1差玉情報を格納する。これにより、次回に比較するための前回の第1差玉情報が更新されることになる。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をステップS6667に移す。
ステップS6667において、メインCPU201は、メインRAM203の領域外エリアにおける差玉通知情報領域に、差玉判定用カウンタ領域に記憶された第1差玉情報を格納セットする。この差玉通知情報領域に第1差玉情報が格納されることで、上述したようにゲームストップ機能状態コマンドがサブ制御回路300に送信されることになる(ステップS6607~S6610)。また、領域外エリアの差玉通知情報領域に第1差玉情報が格納されることで、遊技用エリアのストップ機能差玉数パラメータ領域に第1差玉情報が転送され、遊技用エリアの第1差玉情報が更新されることになる。この処理を終了すると、メインCPU201は、今回のゲームストップ機能カウンタチェック処理を終了する。
このように、本実施形態のゲームストップ機能カウンタチェック処理においては、第1差玉情報が増加したとき(ステップS6663のYESのとき)には、差玉判定用カウンタバッファ領域及び差玉通知情報領域に第1差玉情報が格納されて、ゲームストップ機能状態コマンドがサブ制御回路300に送信されることになる。
また、第1差玉情報が維持したとき、または第1差玉情報が1しか減少していないとき(ステップS6663のNOかつステップS6665のYESのとき)には、新たにゲームストップ機能状態コマンドがサブ制御回路300に送信されないことになる。一方、第1差玉情報が2以上減少したとき(ステップS6663のNOかつステップS6665のNOのとき)には、差玉判定用カウンタバッファ領域及び差玉通知情報領域に第1差玉情報が格納されて、ゲームストップ機能状態コマンドがサブ制御回路300に送信されることになる。
したがって、本実施形態においては、第1差玉情報が増加したとき、第1差玉情報が2以上減少したときに、ゲームストップ機能状態コマンドがサブ制御回路300に送信されることになる。
また、上述したように第1差玉情報は、遊技球の差玉数の1000個単位の個数を示す情報であることから、遊技球の差玉数の1000個単位の変化があった場合に、ゲームストップ機能状態コマンドがサブ制御回路300に送信されることになる。すなわち、本実施形態においては、遊技球の差玉数が1000個以上増加したときにゲームストップ機能状態コマンドがサブ制御回路300に送信され、遊技球の差玉数が1001個以上減少したときにゲームストップ機能状態コマンドがサブ制御回路300に送信されることになる。また、遊技球の差玉数の変化が-1000~999個であるときには、ゲームストップ機能状態コマンドがサブ制御回路300に送信されないことになる。
なお、本実施形態においては、第1差玉情報が2以上減少したときに、ゲームストップ機能状態コマンドがサブ制御回路300に送信されるように構成したが、第1差玉情報が1以上減少したとき(すなわち、第1差玉情報が単純に減少したとき)に、ゲームストップ機能状態コマンドがサブ制御回路300に送信されるように構成してもよい。
さらには、本実施形態においては、第1差玉情報を基準として、遊技球の差玉数の1000個単位の変化をチェックするように構成したが、第2差玉情報を基準として、遊技球の差玉数の1000個未満の個数(1個単位)の変化をチェックするように構成してもよい。
[ゲームストップ機能状態管理処理]
次に、図220を参照して、ゲームストップ機能状態チェック処理で実行されるゲームストップ機能状態管理処理について説明する。図220は、第6のパチンコ遊技機におけるゲームストップ機能状態管理処理の一例を示すフローチャートである。
ゲームストップ機能状態管理処理は、上述したように、領域外エリア処理呼出命令により呼び出される処理となっており、この処理を実行するためのプログラムは、メインROM202の領域外エリアに記憶されているプログラムであり、メインRAM203の領域外エリアを利用する。
ステップS6671において、メインCPU201は、メインRAM203の領域外エリアにおけるゲームストップ機能フェーズ領域から、ゲームストップ機能フェーズをロードする処理を行う。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をステップS6672に移す。
ステップS6672において、メインCPU201は、ロードしたゲームストップ機能フェーズ≧2であるか否かを判定する。すなわち、ゲームストップ機能フェーズがゲームストップ機能作動待機フェーズ(=2)またはゲームストップ機能作動完了フェーズ(=3)であるか否かを判定する。メインCPU201は、ゲームストップ機能フェーズ≧2であると判定した場合には、処理をステップS6677に移し、ゲームストップ機能フェーズ≧2でないと判定した場合には、処理をステップS6673に移す。
ステップS6673において、メインCPU201は、メインRAM203の領域外エリアにおける差玉判定用カウンタバッファ領域から第1差玉情報をロードする。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をステップS6674に移す。
なお、本実施形態においては、メインRAM203の領域外エリアにおける差玉判定用カウンタバッファ領域から第1差玉情報をロードするように構成したが、メインRAM203の領域外エリアにおける差玉判定用カウンタ領域から第1差玉情報をロードするように構成してもよい。
ステップS6674において、メインCPU201は、ロードした第1差玉情報が判定値以上であるか否かの第1差玉情報の判定処理を行う。この第1差玉情報の判定処理では、最初にロードした第1差玉情報が規制値に対応する判定値(例えば、95000個に対応する95)以上であるかの判定を行う。次に、第1差玉情報が規制値に対応する判定値でなければ、境界値に対応する判定値(例えば、90000個に対応する90)以上であるかを判定する。そして、第1差玉情報が規制値に対応する判定値以上であれば、ゲームストップ機能作動待機フェーズ(=2)を所定のレジスタにセットし、第1差玉情報が境界値に対応する判定値以上であれば、ゲームストップ機能作動予告フェーズ(=1)を所定のレジスタにセットし、第1差玉情報が境界値に対応する判定値以上でなければ、ゲームストップ機能通常状態フェーズ(=0)を所定のレジスタにセットする。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をステップS6675に移す。
ステップS6675において、メインCPU201は、上記ステップS6674で所定のレジスタにセットされたゲームストップ機能フェーズを、メインRAM203の領域外エリアにおけるゲームストップ機能フェーズ領域に格納して、ゲームストップ機能フェーズを更新する。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をステップS6676に移す。
ステップS6676において、メインCPU201は、上記ステップS6674で所定のレジスタにセットされたゲームストップ機能フェーズが、ゲームストップ機能作動待機フェーズ(=2)であるか否かを判定する。メインCPU201は、ゲームストップ機能作動待機フェーズ(=2)であると判定した場合には、処理をステップS6677に移し、ゲームストップ機能作動待機フェーズ(=2)でないと判定した場合には、今回のゲームストップ機能状態管理処理を終了する。
ステップS6677において、メインCPU201は、メインRAM203の遊技用エリアにおける特別図柄制御状態番号領域から、特別図柄の制御状態番号をロードする。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をステップS6678に移す。
ステップS6678において、メインCPU201は、ロードした特別図柄の制御状態番号を参照し、大当り遊技状態または小当り遊技状態であるか否かを判定する。具体的には、ロードした特別図柄の制御状態番号が、大当り遊技状態または小当り遊技状態に対応する特別図柄の制御状態番号「3~5」のいずれかであるか否かを判定する。メインCPU201は、大当り遊技状態または小当り遊技状態であると判定した場合には、今回のゲームストップ機能状態管理処理を終了し、大当り遊技状態または小当り遊技状態でないと判定した場合には、処理をステップS6679に移す。
ステップS6679において、メインCPU201は、メインRAM203の領域外エリアにおけるゲームストップ機能フェーズ領域に、ゲームストップ機能作動完了フェーズ(=3)を格納する。この処理を終了すると、メインCPU201は、今回のゲームストップ機能状態管理処理を終了する。
このように、本実施形態のゲームストップ機能状態管理処理においては、第1差玉情報に基づいてゲームストップ機能フェーズが決定(更新)されることになる(ステップS6673~S6675)。
ここで、本実施形態のゲームストップ機能状態管理処理において、第1差玉情報に基づいてゲームストップ機能フェーズが決定(更新)されるのは、ゲームストップ機能フェーズがゲームストップ機能通常状態フェーズ(=0)、ゲームストップ機能作動予告フェーズ(=1)のときである(ステップS6672)。
このため、ゲームストップ機能通常状態フェーズ(=0)、ゲームストップ機能作動予告フェーズ(=1)であるときには、遊技球の差玉数に基づいてゲームストップ機能フェーズの値が繰り上がることも繰り下がることも可能である(0から1、1から2、1から0に変更可能)。しかしながら、遊技球の差玉数が規制値以上に対応したゲームストップ機能作動待機フェーズ(=2)またはゲームストップ機能作動完了フェーズ(=3)であるときには、仮に遊技球の差玉数が規制値を下回ったとしても、ゲームストップ機能フェーズの値が繰り下がる(2から1に変更される)ことができないように構成されている。
また、本実施形態のゲームストップ機能状態管理処理においては、第1差玉情報が規制値に対応する判定値以上であれば、ゲームストップ機能作動待機フェーズ(=2)が決定されるものの、大当り遊技状態または小当り遊技状態であるときにはゲームストップ機能作動完了フェーズ(=3)が決定されることはなく、大当り遊技状態または小当り遊技状態でないときにゲームストップ機能作動完了フェーズ(=3)が決定されて、遊技停止状態となる(ステップS6613)。このため、大当り遊技状態または小当り遊技状態でない場合に差玉情報が規制値以上となったときには、すぐさま遊技停止状態となるが、大当り遊技状態または小当り遊技状態である場合に差玉情報が規制値以上となったときには、大当り遊技状態または小当り遊技状態が終了したときに、遊技停止状態となる。
[ゲームストップ機能に関するコマンド]
次に、図221を参照して、ゲームストップ機能に関するコマンド(ゲームストップ機能状態コマンド及びゲームストップ機能完了コマンド)の構成について説明する。図221は、第6のパチンコ遊技機におけるゲームストップ機能に関するコマンドの構成図の一例である。
上述したように、ゲームストップ機能に関するコマンドとしては、ゲームストップ機能状態コマンドと、ゲームストップ機能完了コマンドとの2種類のコマンドを有している。
図221に示すように、ゲームストップ機能状態コマンドは、1000個単位での差玉情報が変化したときにサブ制御回路300に送信される(ステップS6609等参照)。
そして、ゲームストップ機能状態コマンドは、識別データ(例えば、D3H)と、ゲームストップ機能フェーズの情報からなる第1パラメータと、遊技球の差玉情報(第1差玉情報)からなる第2パラメータとから構成されて、3バイトのコマンドで構成されている。
また、ゲームストップ機能状態コマンドの第1パラメータにおけるゲームストップ機能フェーズの情報は、ゲームストップ機能通常状態フェーズ(=0)、ゲームストップ機能作動予告フェーズ(=1)、ゲームストップ機能作動待機フェーズ(=2)のいずれかの情報が設定される。第1パラメータにゲームストップ機能作動完了フェーズ(=3)が含まれないのは、遊技停止時には、ゲームストップ機能状態コマンドではなく、ゲームストップ機能完了コマンドが送信されるからである。
また、ゲームストップ機能状態コマンドの第2パラメータにおける遊技球の差玉情報は、1000個単位の第1差玉情報が設定される。このように、第2パラメータに第1差玉情報しか設定しないのは、コマンドの送信容量を抑えるためである。すなわち、第2差玉情報も含め、0~95000個以上の1個単位の遊技球の差玉情報を送信するとなると、遊技球の差玉情報だけで3バイトの容量が必要になるため、第1差玉情報のみを設定することにより1バイトの容量に抑えている。
サブ制御回路300側では、ゲームストップ機能状態コマンドを受信することにより、各種の報知を行うことが可能である。具体的には、ゲームストップ機能作動予告フェーズ(=1)が設定されたゲームストップ機能状態コマンドを受信したときには、表示装置7等において、遊技球の差玉数が規制値に到達すると遊技が停止されることを事前に報知する「ゲーム停止予告報知」が行われる。また、ゲームストップ機能作動待機フェーズ(=2)が設定されたゲームストップ機能状態コマンドを受信したときには、表示装置7等において、大当り遊技状態または小当り遊技状態が終了した後に遊技が停止されることを事前に報知する「ゲーム停止準備報知」が行われる。なお、ゲームストップ機能通常状態フェーズ(=0)が設定されたゲームストップ機能状態コマンドを受信したときには、ゲームストップ機能に関する報知が行われないように規制すればよい。この「ゲーム停止予告報知」及び「ゲーム停止準備報知」の報知例については、後述する。
また、図221に示すように、ゲームストップ機能完了コマンドは、ゲームストップ機能作動完了時(すなわち、ゲームストップ機能による遊技停止時)にサブ制御回路300に送信される(ステップS6063等参照)。
そして、ゲームストップ機能完了コマンドは、識別データ(例えば、D4H)と、ゲームストップ機能フェーズの情報からなる第1パラメータから構成され、2バイトのコマンドで構成されている。
また、ゲームストップ機能完了コマンドの第1パラメータにおけるゲームストップ機能フェーズの情報は、ゲームストップ機能作動完了フェーズ(=3)のみが設定される。第1パラメータにゲームストップ機能作動完了フェーズのみしか設定されないのは、遊技停止時には、ゲームストップ機能フェーズとしてゲームストップ機能作動完了フェーズのみしか設定されていないからである。
なお、ゲームストップ機能完了コマンドは、識別データ(例えば、D4H)とゲームストップ機能フェーズの情報からなる第1パラメータとに加え、遊技球の差玉情報(第1差玉情報)からなる第2パラメータを含めて、3バイトのコマンドで構成してもよい。
サブ制御回路300側では、ゲームストップ機能完了コマンドを受信することにより、表示装置7等において、ゲームストップ機能による遊技停止状態であることを報知する「ゲーム停止報知」が行われる。この「ゲーム停止報知」の報知例については、後述する。
なお、ゲームストップ機能フェーズの情報は、電断復帰時に送信される電断復帰コマンドにも含まれており、電断復帰時には、サブ制御回路300は、電断復帰コマンドを受信することによりゲームストップ機能フェーズを把握することができる。
[異常に関するコマンド]
次に、図222を参照して、遊技の異常に関するコマンド(遊技異常検知コマンド及び枠状態通知コマンド)の構成について説明する。図222は、第6のパチンコ遊技機における異常に関するコマンドの構成図の一例である。
上述したように、遊技の異常に関するコマンドとしては、遊技異常検知コマンドと枠状態通知コマンドとの2種類のコマンドを有している。
図222に示すように、遊技異常検知コマンドは、遊技異常を検知したとき(各種のエラー検知時)にサブ制御回路300に送信される(ステップS6087等参照)。
そして、遊技異常検知コマンドは、識別データ(例えば、C0H)と、不正入賞異常からなる第1パラメータと、センサ異常等からなる第2パラメータと、扉・枠開閉異常からなる第3パラメータとから構成されて、4バイトのコマンドで構成されている。
遊技異常検知コマンドの第1パラメータには、普通電動役物の不正入賞異常の有無、第1大入賞口6131の不正入賞異常の有無、第2大入賞口6151の不正入賞異常の有無の情報が設定される。
また、遊技異常検知コマンドの第2パラメータには、センサ異常の有無、誘導磁界検知情報の有無、磁気検知情報の有無、振動検知情報の有無の情報が設定される。
また、遊技異常検知コマンドの第3パラメータには、扉・枠開閉の有無の情報が設定される。
サブ制御回路300側では、遊技異常検知コマンドを受信することにより、遊技異常を把握することができ、各種エラーの報知を行うことが可能である。
なお、遊技異常検知コマンドには、上述した遊技異常の情報に限定されず、遊技機の仕様に応じて各種の異常情報を設定することが可能である。
図222に示すように、枠状態通知コマンドは、定期的(例えば、200ms毎)にサブ制御回路300に送信される(ステップS6091等参照)。
そして、枠状態通知コマンドは、識別データ(例えば、C1H)と、枠異常イベント情報からなる第1パラメータとから構成されて、2バイトのコマンドで構成されている。
また、枠状態通知コマンドの第1パラメータには、カードユニット通信異常の有無、付与異常の有無、応答異常の有無、球詰まり異常の有無、モータ異常の有無の情報が設定される。
サブ制御回路300側では、枠状態通知コマンドを受信することにより、枠制御回路410に関する異常を把握することができ、各種エラーの報知を行うことが可能である。
なお、枠状態通知コマンドには、上述した枠制御回路410に関する異常の情報に限定されず、遊技機の仕様に応じて各種の異常情報を設定することが可能である。
[その他のコマンド]
次に、図223を参照して、上述したゲームストップ機能に関するコマンドを除いたその他のコマンドの構成の一例について説明する。図223は、第6のパチンコ遊技機におけるその他のコマンドの構成図の一例である。
図223に示すように、入賞情報コマンドは、各種スイッチ検知時にサブ制御回路300に送信される(ステップS6417参照)。
そして、入賞情報コマンドは、識別データ(例えば、B3H)と、第1始動口スイッチ6121、第2始動口スイッチ6141及び遊技球回収スイッチ6179の検知の有無を示す第1パラメータと、第1大入賞口カウントスイッチ6132、第2大入賞口カウントスイッチ6152、一般入賞口スイッチ123、V入賞口スイッチ6157及び通過ゲートスイッチ6127の検知の有無を示す第2パラメータとから構成され、3バイトのコマンドで構成されている。
サブ制御回路300側では、入賞情報コマンドを受信することにより、払い出される遊技球数や、発射(使用)された遊技球数を把握することができ、各種の報知を行うことが可能である。
また、図223に示すように、設定操作コマンドは、電源投入時に設定キー174が「オン」の状態となっているときに、サブ制御回路300に送信される(ステップS6012参照)。
そして、設定操作コマンドは、識別データ(例えば、D2H)と、設定変更または設定確認の情報に関する第1パラメータとから構成され、2バイトのコマンドで構成されている。
サブ制御回路300側では、設定操作コマンドを受信することにより、設定変更または設定確認が開始されたことを把握することができ、各種の報知を行うことが可能である。
なお、設定変更の終了時には初期化コマンドがサブ制御回路300に送信され、設定確認の終了時には電断復帰コマンドがサブ制御回路300に送信されることになる。
図223に示すように、初期化コマンドは、電源投入時にRAMクリアスイッチ176が「オン」の状態となっているときに、サブ制御回路300に送信される(ステップS6013参照)。
そして、初期化コマンドは、識別データ(例えば、D1H)と、初期化された遊技状態(通常遊技状態)の情報に関する第1パラメータと、設定値情報に関する第2パラメータとから構成され、3バイトのコマンドで構成されている。
サブ制御回路300側では、初期化コマンドを受信することにより、遊技状態が初期化されたことや設定値を把握することができ、各種の報知を行うことが可能である。
図223に示すように、電断復帰コマンドは、電源投入時にRAMクリアスイッチ176が「オフ」の状態となっているときに、サブ制御回路300に送信される(ステップS6013参照)。
そして、電断復帰コマンドは、識別データ(例えば、D2H)と、電断復帰前の遊技状態の情報に関する第1パラメータと、特別図柄の制御状態番号に関する内部制御状態の情報に関する第2パラメータと、その他の情報に関する第3~10パラメータと、設定値情報に関する第11パラメータと、ゲームストップ機能フェーズに関する第12パラメータとから構成されている。
サブ制御回路300側では、電断復帰コマンドを受信することにより、電断復帰コマンドに含まれた情報から電断復帰前の情報を把握することができ、電断復帰前の報知内容を復帰させることができる。
[報知内容の構成]
次に、図224~図227を参照して、主制御回路200から送信された各種コマンドに基づいて、サブ制御回路300側の報知手段(表示装置7、スピーカ32、LED群46)で行われる報知内容の構成について説明する。
[ゲームストップ機能に関する報知内容の構成]
図224は、ゲームストップ機能に関する報知内容の構成を示す構成図の一例である。
図224に示すように、本実施形態においては、ゲームストップ機能に関する報知内容として、ゲームストップ機能作動完了フェーズ(ゲーム停止状態)であるときに行われる「ゲーム停止報知」と、ゲームストップ機能作動待機フェーズ(ゲーム停止準備状態)であるときに行われる「ゲーム停止準備報知」と、ゲームストップ機能作動予告フェーズ(ゲーム停止予告状態)であるときに行われる「ゲーム停止予告報知」との3種類の「ゲーム停止関連報知」が実行可能に構成されている。
また、ゲームストップ機能に関するゲーム停止関連報知、後述する設定変更・設定確認に関する報知及びエラーに関する報知の各種の報知については、報知を行うための優先順位が設定されている。そして、本実施形態においては、ゲームストップ機能に関するゲーム停止関連報知は、後述する設定変更・設定確認に関する報知及びエラーに関する報知よりも、優先順位(第1優先順位=1)が高く設定されている。
なお、ゲーム停止報知とゲーム停止準備報知とゲーム停止予告報知とは、同時に報知が行われることはなく、ゲーム停止報知とゲーム停止準備報知とゲーム停止予告報知との間では第2優先順位は設定されていない。
(ゲーム停止報知)
ゲーム停止報知は、「発生タイミング」として、ゲームストップ機能完了コマンド、またはゲームストップ機能作動完了フェーズの情報が含まれた電断復帰コマンドの受信時に報知が開始される。
ゲーム停止報知として、表示装置7では「ゲーム停止画像」が表示され、スピーカ32では「ゲーム停止音」が出力され、LED群46では「特定LEDが赤色で全点灯(演出LEDは全消灯)」される。
ここで、本実施形態における特定LEDとは、ガラスドア4に配置されたLEDを用いているが、遊技パネル6100に配置された演出LEDの一部を用いてもよい。
そして、表示装置7で表示されるゲーム停止画像、特定LEDの赤色の全点灯(演出LEDの全消灯)は、RAMクリアスイッチ176によりRAMクリアされない限り、報知され続けることになる。一方、スピーカ32からのゲーム停止音は、専用SEを発生から第1の音声時間(例えば30秒)まで出力するとともに、ゲーム停止状態に関する音声を発生から第1の音声時間までループして出力し、発生から第1の音声時間の経過後にゲーム停止音(専用SE及び音声ループ)による報知が終了する。
また、電断復帰した場合(すなわち、ゲームストップ機能作動完了フェーズの情報が含まれた電断復帰コマンドを受信したとき)には、表示装置7で表示されたゲーム停止画像、特定LEDの赤色の全点灯(演出LEDの全消灯)の報知が再開されるとともに、スピーカ32で出力されたゲーム停止音も再び30秒まで出力されることになる。
(ゲーム停止準備報知)
ゲーム停止準備報知は、「発生タイミング」として、ゲームストップ機能作動待機フェーズの情報が含まれたゲームストップ機能状態コマンド、またはゲームストップ機能作動待機フェーズの情報が含まれた電断復帰コマンドの受信時に報知が開始される。
ゲーム停止準備報知として、表示装置7では「ゲーム停止準備画像」が表示され、スピーカ32では「ゲーム停止準備音」が出力され、LED群46では「特定LEDが赤色で全点灯(演出LEDは継続)」される。
そして、表示装置7で表示されるゲーム停止準備画像、特定LEDの赤色の全点灯は、ゲーム停止状態に移行するか、電源の供給が停止されて電断するまで、報知され続けることになる。一方、スピーカ32からのゲーム停止準備音は、専用SEを発生から第2の音声時間(例えば10秒)まで出力するとともに、ゲーム停止準備状態に関する音声を発生から1回出力し、発生から第2の音声時間の経過後にゲーム停止準備音(専用SE及び音声)による報知が終了する。
また、電断復帰した場合(すなわち、ゲームストップ機能作動待機フェーズの情報が含まれた電断復帰コマンドを受信したとき)には、表示装置7で表示されたゲーム停止準備画像、特定LEDの赤色の全点灯の報知が再開されるとともに、スピーカ32で出力されたゲーム停止準備音も再び10秒まで出力されることになる。
(ゲーム停止予告報知)
ゲーム停止予告報知は、「発生タイミング」として、ゲームストップ機能作動予告フェーズの情報が含まれたゲームストップ機能状態コマンドの受信時に報知が開始される。
ゲーム停止予告報知として、表示装置7では「ゲーム停止予告画像」が表示され、スピーカ32では「ゲーム停止予告音」が出力され、LED群46では「特定LEDが赤色で点滅(演出LEDは継続)」される。
そして、表示装置7で表示されるゲーム停止予告画像、特定LEDの赤色の点滅は、ゲーム停止状態またはゲーム停止準備状態に移行するか、差玉数が境界値よりも小さい解除値(例えば89000個)を下回ったときか、電源の供給が停止されて電断するまで、報知され続けることになる。一方、スピーカ32からのゲーム停止予告音は、専用SEを発生から第3の音声時間(例えば10秒)まで出力するとともに、ゲーム停止予告状態に関する音声を発生から1回出力し、発生から第3の音声時間の経過後にゲーム停止予告音(専用SE及び音声)による報知が終了する。
また、電断復帰した場合(すなわち、電断復帰コマンドまたは初期化コマンドを受信したとき)には、ゲームストップ機能作動予告フェーズに関する情報は消去され、ゲーム停止予告報知が再開することはない。
このように本実施形態においては、ゲーム停止報知におけるゲーム停止音の第1の音声時間(30秒)は、ゲーム停止準備報知におけるゲーム停止準備音の第2の音声時間(10秒)及びゲーム停止予告報知におけるゲーム停止予告音の第3の音声時間(10秒)よりも、長く設定されている。ゲーム停止報知が行われているときは、一般的に演出が停止されており、ゲーム停止音の第1の音声時間を長く設定したとしても、演出の阻害となることはないものである。
また、ゲーム停止音の第1の音声時間、ゲーム停止準備音の第2の音声時間及びゲーム停止予告音の第3の音声時間のいずれの音声時間も、ゲーム停止関連報知の表示装置7及び特定LEDによる報知時間よりも短く設定されている。これにより、音声による煩わしさや遊技店内(ホール)にゲーム停止関連報知の音声が長らく響き渡るような不快感をなくすことができる。
[設定変更・設定確認に関する報知内容の構成]
図225は、設定変更及び設定確認に関する報知内容の構成を示す構成図の一例である。
図225に示すように、本実施形態においては、前記設定値の変更に関する設定変更報知として、設定変更中の報知と設定変更完了の報知とが実行可能に構成されている。また、前記設定値の確認に関する設定確認報知として、設定確認中の報知と設定確認完了の報知とが実行可能に構成されている。
また、設定変更・設定確認に関する報知は、エラーに関する報知よりも優先順位が高く、ゲームストップ機能に関するゲーム停止関連報知よりも優先順位(第1優先順位=2)が低く設定されている。
なお、設定変更に関する報知と設定確認に関する報知とは、同時に報知が行われることはなく、設定変更に関する報知と設定確認に関する報知との間では第2優先順位は設定されていない。
(設定変更中の報知)
設定変更中の報知は、「発生タイミング」として、設定変更開始の情報が含まれた設定操作コマンドの受信時に報知が開始される。
設定変更中の報知として、表示装置7では「設定変更中画像」が表示され、スピーカ32では「設定変更中の音声」が出力され、LED群46では「特定LEDが緑色で全点灯」される。
そして、表示装置7で表示される設定変更中画像、スピーカ32からの設定変更中の音声、特定LEDの緑色の全点灯は、初期化コマンドまたは電断復帰コマンドを受信するか、電源の供給が停止されて電断するまで、報知され続けることになる。
(設定変更完了の報知)
設定変更完了の報知は、「発生タイミング」として、初期化コマンドの受信時に報知が開始される。
設定変更完了の報知として、表示装置7では「設定変更完了画像」が表示され、スピーカ32では「設定変更完了の音声」が出力され、LED群46では「特定LEDが赤色で全点灯」される。
そして、表示装置7で表示される設定変更完了画像、スピーカ32からの設定変更完了の音声、特定LEDの赤色の全点灯は、初期化コマンドを受信した発生時から30秒経過するか、電源の供給が停止されて電断するまで、報知され続けることになる。
(設定確認中の報知)
設定確認中の報知は、「発生タイミング」として、設定確認開始の情報が含まれた設定操作コマンドの受信時に報知が開始される。
設定確認中の報知として、表示装置7では「設定確認中画像」が表示され、スピーカ32では「設定確認中の音声」が出力され、LED群46では「特定LEDが緑色で全点灯」される。
そして、表示装置7で表示される設定確認中画像、スピーカ32からの設定確認中の音声、特定LEDの緑色の全点灯は、初期化コマンドまたは電断復帰コマンドを受信するか、電源の供給が停止されて電断するまで、報知され続けることになる。
(設定確認完了の報知)
設定確認完了の報知は、「発生タイミング」として、電断復帰コマンドの受信時に報知が開始される。
設定確認完了の報知として、表示装置7及びスピーカ32では報知を行わずに、LED群46により「特定LEDが赤色で全点灯」される。
そして、特定LEDの赤色の全点灯は、電断復帰コマンドを受信した発生時から30秒経過するか、電源の供給が停止されて電断するまで、報知され続けることになる。
このように本実施形態においては、設定変更完了及び設定確認完了の報知におけるLED群46の報知態様は、特定LEDの赤色の全点灯で構成されており、ゲーム停止準備報知におけるLED群46の報知態様と共通していることになる。このため、ゲーム停止準備報知と設定確認完了とを同時に報知することができる。
[エラーに関する報知内容の構成]
図226及び図227は、エラーの報知内容の構成を示す構成図の一例である。
図226及び図227に示すように、エラーに関する報知は、ゲームストップ機能に関するゲーム停止関連報知及び設定変更・設定確認に関する報知よりも優先順位(第1優先順位=3)が低く設定されている。またに、複数の異常が同時に発生することがあり、複数のエラー報知との間で第2優先順位が設定されている。
本実施形態においては、エラーに関する報知として、第2優先順位の高い順番から、「起動待機」、「初期化報知」、「磁気検出」、「電波検出」、「断線エラー」、「振動検知」、「普通電動役物異常入賞」、「第1大入賞口の異常入賞」、「第2大入賞口の異常入賞」、「ドアオープンエラー」、「付与エラー」、「ユニット接続エラー」、「払出通信エラー」、「循環ユニット球詰まりエラー」、「循環ユニット駆動エラー」の複数のエラー報知を実行可能に構成されている。
「起動待機」に関するエラー報知は、電源投入からコマンド未受信で一定時間経過することにより、報知手段(表示装置7、スピーカ32、LED群46)において起動待機の内容に対応した報知が開始される。そして、起動待機の内容に対応した報知は、コマンドを受信するか、電源の供給が停止されて電断するまで、報知され続けることになる。
「初期化報知」に関するエラー報知は、初期化コマンドを受信することにより、報知手段(表示装置7、スピーカ32、LED群46)において初期化報知の内容に対応した報知が開始される。そして、初期化報知の内容に対応した報知は、初期化コマンドを受信してから30秒を経過するか、電源の供給が停止されて電断するまで、報知され続けることになる。
「磁気検出」に関するエラー報知は、磁気検知の情報を含む遊技異常検知コマンドを受信することにより、報知手段(表示装置7、スピーカ32、LED群46)において磁気検出の内容に対応した報知が開始される。そして、磁気検出の内容に対応した報知は、電源の供給が停止されて電断するまで、報知され続けることになる。
「電波検出」に関するエラー報知は、誘導磁界検知の情報を含む遊技異常検知コマンドを受信することにより、報知手段(表示装置7、スピーカ32、LED群46)において電波検出の内容に対応した報知が開始される。そして、電波検出の内容に対応した報知は、電源の供給が停止されて電断するまで、報知され続けることになる。
「断線エラー」に関するエラー報知は、センサ異常の情報を含む遊技異常検知コマンドを受信することにより、報知手段(表示装置7、スピーカ32、LED群46)において断線エラーの内容に対応した報知が開始される。そして、断線エラーの内容に対応した報知は、
電源の供給が停止されて電断するまで、報知され続けることになる。
「振動検知」に関するエラー報知は、振動検知の情報を含む遊技異常検知コマンドを受信することにより、報知手段(表示装置7、スピーカ32、LED群46)において振動検知の内容に対応した報知が開始される。そして、振動検知の内容に対応した報知は、振動検知の情報を含む遊技異常検知コマンドを受信してから30秒経過するか、電源の供給が停止されて電断するまで、報知され続けることになる。
「普通電動役物異常入賞」に関するエラー報知は、不正入賞異常1の情報を含む遊技異常検知コマンドを受信することにより、報知手段(表示装置7、スピーカ32、LED群46)において普通電動役物異常入賞の内容に対応した報知が開始される。そして、普通電動役物異常入賞の内容に対応した報知は、不正入賞異常1の情報を含む遊技異常検知コマンドを受信してから30秒経過するか、電源の供給が停止されて電断するまで、報知され続けることになる。
「第1大入賞口の異常入賞」に関するエラー報知は、不正入賞異常2の情報を含む遊技異常検知コマンドを受信することにより、報知手段(表示装置7、スピーカ32、LED群46)において第1大入賞口の異常入賞の内容に対応した報知が開始される。そして、第1大入賞口の異常入賞の内容に対応した報知は、不正入賞異常2の情報を含む遊技異常検知コマンドを受信してから30秒経過するか、電源の供給が停止されて電断するまで、報知され続けることになる。
「第2大入賞口の異常入賞」に関するエラー報知は、不正入賞異常3の情報を含む遊技異常検知コマンドを受信することにより、報知手段(表示装置7、スピーカ32、LED群46)において第2大入賞口の異常入賞の内容に対応した報知が開始される。そして、第2大入賞口の異常入賞の内容に対応した報知は、不正入賞異常3の情報を含む遊技異常検知コマンドを受信してから30秒経過するか、電源の供給が停止されて電断するまで、報知され続けることになる。
「ドアオープンエラー」に関するエラー報知は、扉・枠開閉異常の情報を含む遊技異常検知コマンドを受信することにより、報知手段(表示装置7、スピーカ32、LED群46)においてドアオープンエラーの内容に対応した報知が開始される。そして、ドアオープンエラーの内容に対応した報知は、扉・枠開閉異常の情報を含む遊技異常検知コマンドを受信してから30秒経過するか、電源の供給が停止されて電断するまで、報知され続けることになる。
「付与エラー」に関するエラー報知は、付与異常の情報を含む枠状態通知コマンドを受信することにより、報知手段(表示装置7、スピーカ32、LED群46)において付与エラーの内容に対応した報知が開始される。そして、付与エラーの内容に対応した報知は、付与異常の情報が含まれないエラー解除の枠状態通知コマンドを受信するか、電源の供給が停止されて電断するまで、報知され続けることになる。
「ユニット接続エラー」に関するエラー報知は、カードユニット通信異常の情報を含む枠状態通知コマンドを受信することにより、報知手段(表示装置7、スピーカ32、LED群46)においてユニット接続エラーの内容に対応した報知が開始される。そして、ユニット接続エラーの内容に対応した報知は、カードユニット通信異常の情報が含まれないエラー解除の枠状態通知コマンドを受信するか、電源の供給が停止されて電断するまで、報知され続けることになる。
「払出通信エラー」に関するエラー報知は、応答異常の情報を含む枠状態通知コマンドを受信することにより、報知手段(表示装置7、スピーカ32、LED群46)において払出通信エラーの内容に対応した報知が開始される。そして、払出通信エラーの内容に対応した報知は、応答異常の情報が含まれないエラー解除の枠状態通知コマンドを受信するか、電源の供給が停止されて電断するまで、報知され続けることになる。
「循環ユニット球詰まりエラー」に関するエラー報知は、球詰まり異常の情報を含む枠状態通知コマンドを受信することにより、報知手段(表示装置7、スピーカ32、LED群46)において循環ユニット球詰まりエラーの内容に対応した報知が開始される。そして、循環ユニット球詰まりエラーの内容に対応した報知は、球詰まり異常の情報が含まれないエラー解除の枠状態通知コマンドを受信するか、電源の供給が停止されて電断するまで、報知され続けることになる。
「循環ユニット駆動エラー」に関するエラー報知は、モータ異常の情報を含む枠状態通知コマンドを受信することにより、報知手段(表示装置7、スピーカ32、LED群46)において循環ユニット駆動エラーの内容に対応した報知が開始される。そして、循環ユニット駆動エラーの内容に対応した報知は、モータ異常の情報が含まれないエラー解除の枠状態通知コマンドを受信するか、電源の供給が停止されて電断するまで、報知され続けることになる。
[6-8.枠制御処理]
第6のパチンコ遊技機において、枠制御回路410の枠CPU411により実行される枠制御処理について説明する。
[枠制御メイン処理]
図228を参照して、枠CPU411の制御によるメイン処理(枠制御メイン処理)について説明する。図228は、第6のパチンコ遊技機における枠制御メイン処理の一例を示すフローチャートである。
ステップS6801において、枠CPU411は、枠RAM413の作業領域に記憶されたデータからCRC算出を行って、CRC検査処理を行う。
このCRC検査処理で異常(エラー)と判定された場合には、枠検査異常値データを記憶する。
この処理を終了すると、枠CPU411は、処理をステップS6802に移す。
ステップS6802において、枠CPU411は、枠起動状態チェック処理を行う。この処理では、CRC検査の検査結果、RAMクリアスイッチ176のON・OFFの情報に基づいて、電断復帰時の枠起動状態を判定する。そして、電断復帰時の枠起動状態に基づいて、クリアする枠RAM413の指定範囲を決定する。
この処理を終了すると、枠CPU411は、処理をステップS6803に移す。
ステップS6803において、枠CPU411は、電断復帰時の枠起動状態に基づいて決定された枠RAM413の指定範囲をクリアする指定範囲クリア処理を行う。
この処理を終了すると、枠CPU411は、処理をステップS6804に移す。
ステップS6804において、枠CPU411は、電断復帰用のデータテーブルを参照し、各種データを設定する枠制御復帰処理を行う。
この処理を終了すると、枠CPU411は、処理をステップS6805に移す。
ステップS6805において、枠CPU411は、主制御回路200から遊技機設置情報を受信する遊技機設置情報受信処理を行う。この遊技機設置情報受信処理では、枠CPU411は、主制御回路200から遊技機設置情報を受信すると、遊技機設置応答情報を主制御回路200に返信する。その後、主制御回路200から受信した遊技機設置情報をカードユニット181に送信する。これにより、カードユニット181及びカードユニット181に接続されたサーバは、遊技機設置情報を収集することができる。
この処理を終了すると、枠CPU411は、処理をステップS6810に移す。
ステップS6810において、枠CPU411は、枠制御回路410で計時されるシステム周期時間(例えば、6msec)が経過したか否かを判定する。
枠CPU411は、システム周期時間が経過したと判定した場合には、処理をステップS6811に移し、システム周期時間が経過していないと判定した場合には、システム周期時間が経過するまで待機する。
ステップS6811において、枠CPU411は、タイマカウンタ更新処理を行う。このタイマカウンタ更新処理では、枠制御回路410で管理される各種タイマカウンタが減算更新(計時)を行う。
この処理を終了すると、枠CPU411は、処理をステップS6812に移す。
ステップS6812において、枠CPU411は、獲得遊技球数更新処理を行う。この獲得遊技球数更新処理では、主制御回路200から遊技機情報として入賞情報を受信すると、受信した入賞情報に対応した賞球数を枠RAM413の獲得遊技球数に加算し、主制御回路200から遊技機情報としてアウト情報を受信すると、枠RAM413の獲得遊技球数から1を減算して更新する。
この処理を終了すると、枠CPU411は、処理をステップS6813に移す。
ステップS6813において、枠CPU411は、球貸し制御処理を行う。この球貸し制御処理では、カードユニット181から遊技球を貸し出す貸出情報を受信すると、所定数の遊技球(例えば125個)を枠RAM413の獲得遊技球数に加算する。
この処理を終了すると、枠CPU411は、処理をステップS6814に移す。
ステップS6814において、枠CPU411は、獲得遊技球数表示制御処理を行う。この獲得遊技球数表示制御処理では、枠RAM413に記憶された獲得遊技球数を獲得遊技球数表示部70に表示させる制御を行う。
この処理を終了すると、枠CPU411は、処理をステップS6815に移す。
ステップS6815において、枠CPU411は、獲得遊技球数転送処理を行う。この獲得遊技球数転送処理では、転送ボタン71により遊技者の操作を受け付けると、枠RAM413に記憶された獲得遊技球数の情報をカードユニット181に送信し、カードユニット181から獲得遊技球数の受領確認を受け付けると、枠RAM413に記憶された獲得遊技球数をクリアする。
この処理を終了すると、枠CPU411は、処理をステップS6816に移す。
ステップS6816において、枠CPU411は、遊技機情報送信処理を行う。この遊技機情報送信処理では、主制御回路200から受信した遊技機情報をカードユニット181に送信する。これにより、カードユニット181及びカードユニット181に接続されたサーバは、遊技機情報を収集することができる。
この処理を終了すると、枠CPU411は、処理をステップS6817に移す。
ステップS6817において、枠CPU411は、発射制御処理を行う。この発射制御処理では、発射許可条件が成立しているか否かを判定し、発射許可条件が成立していると、発射ハンドル62の回動量に応じて発射ソレノイドに電力を供給し、遊技球を遊技領域105に発射させる。また、発射許可条件が成立していないと、発射ソレノイドへの電力の供給が行われず、遊技球が発射されないことになる。
この処理を終了すると、枠CPU411は、処理をステップS6818に移す。
ここで、本実施形態における「発射許可条件」とは、枠制御回路410にカードユニット181が接続されていること、かつ、枠RAM413に記憶された獲得遊技球数が1以上であること(獲得遊技球数>0)、かつ、主制御回路200からゲームストップ機能による遊技停止信号を入力していないことである。
ステップS6818において、枠CPU411は、循環ユニット420を駆動させる循環ユニット駆動処理を行う。
この処理を終了すると、枠CPU411は、処理をステップS6819に移す。
ステップS6819において、枠CPU411は、枠異常監視処理を行う。この枠異常監視処理では、枠制御回路410とカードユニット181との「カードユニット通信異常」、獲得遊技球数の更新記憶に関する「付与異常」、枠制御回路410と主制御回路200との「応答異常」、循環ユニット420の「球詰まり異常」、循環ユニット420の「モータ異常」等の複数の異常を監視しており、異常が発生すると、発生した異常情報が含まれた枠異常イベント情報を主制御回路200に送信する。
この処理を終了すると、枠CPU411は、処理をステップS6810に戻す。
このように、本実施形態の枠制御メイン処理によれば、枠制御回路410は、獲得遊技球数を更新したり、遊技機情報をカードユニット181やホールコンピュータに送信したりすることができる。また、枠制御回路410は、獲得遊技球数を獲得遊技球数表示部70に表示させたり、獲得遊技球数をカードユニット180に転送させたりすることができる。さらに、枠制御回路410は、枠異常の監視を行うことができる。
[6-9.サブ制御回路]
次に、主制御回路200からサブ制御回路300に送信される各種のコマンド等に基づいたサブ制御回路300の制御内容について説明する。
[サブ制御回路処理]
図229を参照して、サブ制御回路300のサブCPU301により実行される各種処理の内容について説明する。図229は、第6のパチンコ遊技機におけるサブ制御回路処理の一例を示すフローチャートである。
図229に示すように、サブCPU301は、先ず、初期化処理を行う(ステップS6901)。この初期化処理では、例えば、RAMアクセス許可、ハードウェア初期化、デバイス初期化、アプリケーション初期化等といった初期化処理が行われる。
この処理を終了すると、サブCPU301は、処理をステップS6902に移す。
ステップS6902において、サブCPU301は、バックアップ復帰処理を行う。このバックアップ復帰処理では、サブ制御回路300に設けられたSRAM(図示せず)に記憶されたゲームデータに基づいて各種情報を設定し、電断前の演出状態に復帰する。
この処理を終了すると、サブCPU301は、処理をステップS6910に移す。
ステップS6910において、サブCPU301は、RTC取得処理を行う。このRTC取得処理では、サブ制御回路300に搭載された図示しないRTC(Real Time Clock)から時刻情報を取得する。
この処理を終了すると、サブCPU301は、処理をステップS6911に移す。
ステップS6911において、サブCPU301は、サブ制御回路300に接続されたデバイスからデータを入力するサブデバイス入力処理を行う。このサブデバイス入力処理では、後述する入力状態判定処理(ステップS6992)により演出ボタンセンサ55または役物位置センサ56の入力が判定されると、演出ボタン54の操作情報または演出用役物群58の役物位置情報を生成する。この操作情報や役物位置情報は、後述する各種リクエスト(描画リクエスト、サウンドリクエスト、ランプリクエスト及び役物リクエスト)を生成するのに用いられることになる。
この処理を終了すると、サブCPU301は、処理をステップS6920に移す。
また、サブデバイス入力処理では、演出ボタン54の操作情報の種類(例えば、十字ボタン54aの上下左右ボタン)に基づいて、スピーカ32の音量調整やLED群46の光量調整を調整する出力調整操作情報を生成する。
さらに、サブデバイス入力処理では、役物位置センサ56の役物位置情報により演出用役物群58の正常位置範囲にあるか、異常位置範囲にあるかを判定し、演出用役物群58が異常位置範囲にあるときには、演出用役物群58を初期位置に移動させるための異常役物位置情報を生成する。
ステップS6920において、サブCPU301は、音声制御処理を実行する。この処理において、サブCPU301は、送信バッファに登録されたサウンドリクエストを音声制御回路305に送信する。音声制御回路305は、サブCPU301から送信されたサウンドリクエストに基づいて、スピーカ32に音声を出力させるための音声制御を行う。なお、サウンドリクエストは、後述するアニメーション更新処理(ステップS6970)により生成され、生成されたサウンドリクエストは送信バッファに登録されることになる。
この処理を終了すると、サブCPU301は、処理をステップS6921に移す。
ステップS6921において、サブCPU301は、LED制御処理を実行する。この処理において、サブCPU301は、送信バッファに登録されたランプリクエストをLED制御回路306に送信する。LED制御回路306は、サブCPU301から送信されたランプリクエストに基づいて、LED群46を構成するLEDの全部または一部を点灯あるいは点滅させるための発光制御を行う。なお、ランプリクエストは、後述するアニメーション更新処理(ステップS6970)により生成され、生成されたランプリクエストは送信バッファに登録されることになる。
この処理を終了すると、サブCPU301は、処理をステップS6922に移す。
ステップS6922において、サブCPU301は、役物制御処理を実行する。この処理において、サブCPU301は、送信バッファに登録された役物リクエストを役物制御回路307に送信する。役物制御回路307は、サブCPU301から送信された役物リクエストに基づいて、演出用駆動モータ57を駆動させ、演出用役物群58を初期位置と終点位置とに亘って移動させたり、チャンスボタン54bの操作態様(形状)の変化させたり、チャンスボタン54bを振動させたりする駆動制御を行う。なお、役物リクエストは、後述するアニメーション更新処理(ステップS6970)により生成され、生成された役物リクエストは送信バッファに登録されることになる。
この処理を終了すると、サブCPU301は、処理をステップS6930に移す。
後述するように、送信バッファに登録されたサウンドリクエスト、ランプリクエスト及び役物リクエストは、表示制御回路304によるバンクフリップが終了したとき(ステップS6990)に、各種デバイスに送信されることになる。これにより、音声制御回路305による音声制御、LED制御回路306による発光制御、役物制御回路307による駆動制御は、表示制御回路304による描画処理及び表示処理との同期を図ることができる。
ステップS6930において、サブCPU301は、コマンド制御処理を実行する。このコマンド制御処理では、主制御回路200からの各種のコマンドを取得し、取得したコマンドに基づいてゲーム状態情報(第1のゲームデータ)を生成したり、取得したコマンドに基づいて演出パターン等の演出情報(第2のゲームデータ)を生成したりする。このコマンド制御処理の詳細については、図231を参照して後述する。
この処理を終了すると、サブCPU301は、処理をステップS6940に移す。
ステップS6940において、サブCPU301は、ゲームデータバックアップ処理を実行する。このゲームデータバックアップ処理では、上記コマンド制御処理で生成されたゲームデータをサブ制御回路300に設けられたSRAM(図示せず)に記憶する。
この処理を終了すると、サブCPU301は、処理をステップS6950に移す。
ステップS6950において、サブCPU301は、アニメーション構築処理を実行する。このアニメーション構築処理では、主制御回路200から受信したコマンド(識別データ)に基づいて、アニメーションの制御対象を指定するための各種オブジェクト等を生成する。また、受信したコマンドに基づいて各種オブジェクト等を生成した後には、そのコマンドはワークRAM303からクリアする。このアニメーション構築処理の詳細については、図234を参照して後述する。
この処理を終了すると、サブCPU301は、処理をステップS6960に移す。
ステップS6960において、サブCPU301は、後述するコマンド受信処理(ステップS6993)により受信したすべてのコマンドが上記コマンド制御処理(ステップS6930)及び上記アニメーション構築処理(ステップS6950)により解析済みか否かを判定する。具体的には、ワークRAM303にコマンドが未だ格納されているか否かを判定する。
サブCPU301は、すべてのコマンドを解析済みと判定した場合には、処理をステップS6970に移し、すべてのコマンドを解析済みでないと判定した場合には、処理をステップS6930に戻す。
ステップS6970において、サブCPU301は、アニメーション更新処理を実行する。このアニメーション更新処理では、上記アニメーション構築処理で生成された各種オブジェクトに基づいて、上記サブデバイス入力処理で生成された演出ボタン54の操作情報や演出用役物群58の役物位置情報、上記コマンド制御処理で生成されたゲームデータ、各種オブジェクトの変数(フレーム数等)を参照して、各種演出装置を動作させるための各種リクエスト(例えば、描画リクエスト、サウンドリクエスト、ランプリクエスト、および、役物リクエスト等)を生成する。そして、生成した各種リクエストを送信バッファに登録する。このアニメーション更新処理の詳細については、図235を参照して後述する。
この処理を終了すると、サブCPU301は、処理をステップS6980に移す。
ステップS6980において、サブCPU301は、描画制御処理を実行する。この描画制御処理では、サブCPU301は、送信バッファに登録された描画リクエストを表示制御回路304に送信する。
この処理を終了すると、サブCPU301は、処理をステップS6990に移す。
ここで、表示制御回路304には、VRAMやSDRAM等において2つのフレームバッファが設けられており、表示制御回路304は、サブCPU301から送信された描画リクエストに基づいて、一方のフレームバッファを描画用フレームバッファとして、描画用フレームバッファに表示装置7の表示画面に表示させる画像を描画する。そして、バンクフリップにより、一方のフレームバッファを表示用フレームバッファとして、描画した画像を表示装置7の表示画面に表示する。このように、表示制御回路304は、バンクフリップにより、2つのフレームバッファを描画用フレームバッファと表示用フレームバッファとに交互に切り替えながら、描画処理と表示処理とを行うことになる。
ステップS6990において、サブCPU301は、表示制御回路304によるバンクフリップが終了したか否かを判定する。
サブCPU301は、バンクフリップが終了したと判定した場合には、処理をステップS6910に戻し、バンクフリップが終了していないと判定した場合には、バンクフリップが終了するまで待機する。
また、バンクフリップの終了タイミングが、フレームレートであるFPS(Frames Per Second)に対応していることになる。このため、サブCPU301は、上述したステップS6910~ステップS6971の一例の処理(メインループ処理)を、FPS周期で繰り返し実行することになる。なお、FPS周期は、例えば、約16.7msec(60FPS)、約33.3msec(30FPS)等に設定される。
[割込み処理]
図230を参照して、サブ制御回路300のサブCPU301により実行される割込み処理の内容について説明する。図230は、第6のパチンコ遊技機におけるサブ制御回路300の割込み処理の一例を示すフローチャートである。
[サブ制御タイマ割込み処理]
図230(a)は、サブ制御タイマ割込み処理の一例を示すフローチャートであり、サブ制御回路300で計時されるタイマカウンタから入力されるタイムアウト割込みが発生した場合に呼び出される処理であり、例えば、1msecの周期(割込み周期)で実行される。
ステップS6991において、サブCPU301は、役物モータ制御処理を行う。この役物モータ制御処理では、サブCPU301は、役物位置センサ56により演出用役物群58の位置を把握しながら、役物制御回路307に対して演出用駆動モータ57の駆動データを出力したり、演出用駆動モータ57の駆動終了の判定をしたりする。
この処理を終了すると、サブCPU301は、処理をステップS6992に移す。
ステップS6992において、サブCPU301は、入力状態判定処理を行う。この入力状態判定処理では、サブCPU301は、演出ボタンセンサ55または役物位置センサ56のオンエッジを監視(検知)して、演出ボタンセンサ55または役物位置センサ56の入力を判定する。
この処理を終了すると、サブCPU301は、今回のサブ制御タイマ割込み処理を終了する。
[サブ制御コマンド割込み処理]
図230(b)は、サブ制御コマンド割込み処理の一例を示すフローチャートであり、主制御回路200からコマンドを受信したときに呼び出される処理である。
ステップS6993において、サブCPU301は、主制御回路200からコマンドを受信すると、受信したコマンドをサブCPU301内のリングバッファ(図示せず)に格納する。
この処理を終了すると、サブCPU301は、今回のサブ制御コマンド割込み処理を終了する。
[コマンド制御処理]
図231を参照して、サブ制御回路処理の中で実行されるコマンド制御処理の詳細について説明する。図231は、第6のパチンコ遊技機におけるコマンド制御処理の一例を示すフローチャートである。
ステップS6931において、サブCPU301は、コマンド取得処理を実行する。このコマンド取得処理では、上述のサブ制御コマンド割込み処理でリングバッファに格納されたコマンドをワークRAM303に格納する。
この処理を終了すると、サブCPU301は、処理をステップS6932に移す。
ステップS6932において、サブCPU301は、コマンド解析処理を実行する。このコマンド解析処理では、ワークRAM303に格納されたコマンドの識別データとパラメータに基づいて、第1のゲームデータとしてゲーム状態情報を生成し、生成したゲーム状態情報をワークRAM303内の所定の領域に格納する。このコマンド解析処理の詳細については、図232及び図233を参照して後述する。
この処理を終了すると、サブCPU301は、処理をステップS6933に移す。
次に、ステップS6933において、サブCPU301は、サブ抽選処理を実行する。このサブ抽選処理では、演出用の各種乱数値を取得し、ワークRAM303に格納されたコマンドに基づいて第2のゲームデータとして演出パターン等の演出情報を生成し、生成した演出情報をワークRAM303内の所定の領域に格納する。例えば、ワークRAM303に格納されたコマンドが特別図柄演出開始コマンドである場合には、演出用の乱数値と特別図柄の変動パターンのパラメータとに基づいて変動演出パターンの演出情報を生成(決定)する。
この処理を終了すると、サブCPU301は、今回のコマンド制御処理を終了する。
[コマンド解析処理]
図232及び図233を参照して、コマンド制御処理の中で実行されるコマンド解析処理の詳細について説明する。図232及び図233は、第6のパチンコ遊技機におけるコマンド解析処理の一例を示すフローチャートである。
ステップS6932-1において、サブCPU301は、ワークRAM303に格納されたコマンドが「設定操作コマンド」であるか否かを判定する。
サブCPU301は、「設定操作コマンド」であると判定した場合には、処理をステップS6932-2に移し、「設定操作コマンド」でないと判定した場合には、処理をステップS6932-10に移す。
ステップS6932-2において、サブCPU301は、設定変更中・設定確認中設定処理を行う。この設定変更中・設定確認中設定処理では、設定操作コマンドに含まれた情報が設定変更開始の情報であるときには、設定変更中の情報が含まれたゲーム状態情報を生成し、ワークRAM303に設定変更中の情報を格納する。また、設定操作コマンドに含まれた情報が設定確認開始の情報であるときには、設定確認中の情報が含まれたゲーム状態情報を生成し、ワークRAM303に設定確認中の情報を格納する。このワークRAM303に格納された設定変更中の情報により各種リクエスト(描画リクエスト、サウンドリクエスト、ランプリクエスト)が生成され、設定変更に関する報知として設定変更中の報知が行われることになり、ワークRAM303に格納された設定確認中の情報により各種リクエスト(描画リクエスト、サウンドリクエスト、ランプリクエスト)が生成され、設定確認に関する報知として設定確認中の報知が行われることになる。
この処理を終了すると、サブCPU301は今回のコマンド解析処理を終了する。
ステップS6932-10において、サブCPU301は、ワークRAM303に格納されたコマンドが「初期化コマンド」であるか否かを判定する。
サブCPU301は、「初期化コマンド」であると判定した場合には、処理をステップS6932-11に移し、「初期化コマンド」でないと判定した場合には、処理をステップS6932-20に移す。
ステップS6932-11において、サブCPU301は、ワークRAM303に設定変更中の情報が格納されているか否かを判定する。
サブCPU301は、設定変更中の情報が格納されていると判定した場合には、処理をステップS6932-12に移し、設定変更中の情報が格納されていないと判定した場合には、処理をステップS6932-13に移す。
ステップS6932-12において、サブCPU301は、設定変更完了設定処理を行う。この設定変更完了設定処理では、ワークRAM303に格納された設定変更中の情報を消去して、設定変更完了の情報が含まれたゲーム状態情報を生成し、ワークRAM303に設定変更完了の情報を格納する。このワークRAM303に格納された設定変更完了の情報により各種リクエスト(描画リクエスト、サウンドリクエスト、ランプリクエスト)が生成され、設定変更に関する報知として設定変更完了の報知が行われることになる。
この処理を終了すると、サブCPU301は、処理をステップS6932-13に移す。
ステップS6932-13において、サブCPU301は、ゲーム状態情報の初期化処理を行う。このゲーム状態情報の初期化処理では、上述した設定変更完了の情報を除き、ゲーム状態情報を初期化する。この処理により、ゲームストップ機能フェーズの情報や各種のエラー情報等がクリアされることになる。
この処理を終了すると、サブCPU301は今回のコマンド解析処理を終了する。
ステップS6932-20において、サブCPU301は、ワークRAM303に格納されたコマンドが「電断復帰コマンド」であるか否かを判定する。
サブCPU301は、「電断復帰コマンド」であると判定した場合には、処理をステップS6932-21に移し、「電断復帰コマンド」でないと判定した場合には、処理をステップS6932-30に移す。
ステップS6932-21において、サブCPU301は、電断復帰設定処理を行う。この電断復帰設定処理では、電断復帰コマンドに含まれた情報(パラメータ)に基づいて、各種の情報が含まれたゲーム状態情報を生成し、ワークRAM303に各種の情報を上書きして格納する。
また、電断復帰設定処理では、電断復帰コマンドにゲームストップ機能作動待機フェーズの情報が含まれている場合には、ゲームストップ機能作動待機フェーズ(ゲーム停止準備状態)の情報が含まれたゲーム状態情報を生成し、ワークRAM303にゲームストップ機能作動待機フェーズの情報を格納する。また、電断復帰コマンドにゲームストップ機能作動完了フェーズの情報が含まれている場合には、ゲームストップ機能作動完了フェーズ(ゲーム停止状態)の情報が含まれたゲーム状態情報を生成し、ワークRAM303にゲームストップ機能作動完了フェーズの情報を格納する。このワークRAM303に格納されたゲームストップ機能作動待機フェーズの情報により描画リクエスト、ランプリクエストが生成され、ゲームストップ機能に関するゲーム停止関連報知として表示装置7及びLED群46におけるゲーム停止準備報知が電断復帰にも継続して報知されることになる。また、このワークRAM303に格納されたゲームストップ機能作動待機フェーズの情報により描画リクエスト、ランプリクエストが生成され、ゲームストップ機能に関するゲーム停止関連報知として表示装置7及びLED群46におけるゲーム停止報知が電断復帰にも継続して報知されることになる。
さらに、電断復帰設定処理では、ワークRAM303に格納されたエラー情報(後述する第1エラー情報及び第2エラー情報)を消去して、電断復旧時にはエラーの報知を一度解除する。
この処理を終了すると、サブCPU301は、処理をステップS6932-22に移す。
ステップS6932-22において、サブCPU301は、ワークRAM303に設定確認中の情報が格納されているか否かを判定する。
サブCPU301は、設定確認中の情報が格納されていると判定した場合には、処理をステップS6932-23に移し、設定確認中の情報が格納されていないと判定した場合には、処理をステップS6932-24に移す。
ステップS6932-23において、サブCPU301は、設定確認完了設定処理を行う。この設定確認完了設定処理では、ワークRAM303に格納された設定確認中の情報を消去して、設定確認完了の情報が含まれたゲーム状態情報を生成し、ワークRAM303に設定確認完了の情報を格納する。このワークRAM303に格納された設定確認完了の情報により各種リクエスト(描画リクエスト、サウンドリクエスト、ランプリクエスト)が生成され、設定確認に関する報知として設定確認完了の報知が行われることになる。
この処理を終了すると、サブCPU301は、処理をステップS6932-24に移す。
ステップS6932-24において、サブCPU301は、ワークRAM303に格納されたゲームストップ機能フェーズが2以上であるか、すなわち、ゲームストップ機能作動待機フェーズ(=2)またはゲームストップ機能作動完了フェーズ(=3)のいずれかであるか否かを判定する。
サブCPU301は、ゲームストップ機能フェーズが2以上であると判定した場合には、処理をステップS6932-25に移し、ゲームストップ機能フェーズが2以上でないと判定した場合には、今回のコマンド解析処理を終了する。
ステップS6932-25において、サブCPU301は、ゲームストップ関連再報知設定処理を行う。このゲームストップ関連再報知処理では、サブCPU301は、ワークRAM303にゲームストップ機能作動待機フェーズが格納されている場合には、ゲームストップ機能作動待機フェーズの情報に加え、ゲーム停止準備音の情報が含まれたゲーム状態情報を生成し、ワークRAM303にゲーム停止準備音の情報を格納する。また、ワークRAM303にゲームストップ機能作動完了フェーズが格納されている場合には、ゲームストップ機能作動完了フェーズの情報に加え、ゲーム停止音の情報が含まれたゲーム状態情報を生成し、ワークRAM303にゲーム停止音の情報を格納する。このワークRAM303に格納されたゲーム停止準備音の情報によりサウンドリクエストが生成され、ゲームストップ機能に関するゲーム停止関連報知としてスピーカ32からゲーム停止準備報知が再報知されることになる。また、このワークRAM303に格納されたゲーム停止音の情報によりサウンドリクエストが生成され、ゲームストップ機能に関するゲーム停止関連報知としてスピーカ32からゲーム停止音が再報知されることになる。
このように、電断復帰した場合には、ゲーム停止準備状態またはゲーム停止状態であるときには、表示装置7及びLED群46によるゲーム停止準備報知またはゲーム停止予告報知が継続して報知されることに加え、スピーカ32からのゲーム停止準備報知またはゲーム停止予告報知もあらためて再開されることになる。
ステップS6932-30において、サブCPU301は、ワークRAM303に格納されたコマンドが「遊技異常検知コマンド」であるか否かを判定する。
サブCPU301は、「遊技異常検知コマンド」であると判定した場合には、処理をステップS6932-31に移し、「遊技異常検知コマンド」でないと判定した場合には、処理をステップS6932-32に移す。
ステップS6932-31において、サブCPU301は、第1エラー情報設定処理を行う。この第1エラー情報設定処理では、異常の情報が含まれた遊技異常検知コマンドである場合には、各種のエラーに対応した第1エラー情報が含まれたゲーム状態情報を生成し、ワークRAM303に第1エラー情報を格納する。このワークRAM303に格納された第1エラー情報により各種リクエスト(描画リクエスト、サウンドリクエスト、ランプリクエスト)が生成され、遊技異常検知コマンドを契機とした遊技異常(ゲーム異常)のエラーに関する報知が行われることになる。
この処理を終了すると、サブCPU301は今回のコマンド解析処理を終了する。
ステップS6932-32において、サブCPU301は、ワークRAM303に格納されたコマンドが「枠状態通知コマンド」であるか否かを判定する。
サブCPU301は、「枠状態通知コマンド」であると判定した場合には、処理をステップS6932-33に移し、「枠状態通知コマンド」でないと判定した場合には、処理をステップS6932-40に移す。
ステップS6932-33において、サブCPU301は、第2エラー情報設定処理を行う。この第2エラー情報設定処理では、異常の情報が含まれた枠状態通知コマンドである場合には、各種のエラーに対応した第2エラー情報が含まれたゲーム状態情報を生成し、ワークRAM303に第2エラー情報を格納する。また、第2エラー情報設定処理では、既にワークRAM303に第2エラー情報が記憶されている場合には、記憶されている第2エラー情報に対応して、その第2エラー情報が含まれない枠状態通知コマンド(エラー解除の枠状態通知コマンド)を受信したときには、ワークRAM303に格納された第2エラー情報を消去する。このワークRAM303に格納された第2エラー情報により各種リクエスト(描画リクエスト、サウンドリクエスト、ランプリクエスト)が生成され、枠状態通知コマンドを契機とした枠制御回路410の異常に関するエラーに関する報知が行われることになる。
この処理を終了すると、サブCPU301は今回のコマンド解析処理を終了する。
ステップS6932-40において、サブCPU301は、ワークRAM303に格納されたコマンドが「特別図柄演出開始コマンド」であるか否かを判定する。
サブCPU301は、「特別図柄演出開始コマンド」であると判定した場合には、処理をステップS6932-41に移し、「特別図柄演出開始コマンド」でないと判定した場合には、処理をステップS6932-50に移す。
ステップS6932-41において、サブCPU301は、特別図柄変動開始設定処理を行う。この特別図柄変動開始設定処理では、特別図柄演出開始状態、遊技状態、特別図柄の変動パターン、特別図柄の停止図柄、設定値の情報が含まれたゲーム状態情報を生成し、ワークRAM303に特別図柄に関する各種の情報を格納する。
この処理を終了すると、サブCPU301は今回のコマンド解析処理を終了する。
ステップS6932-50において、サブCPU301は、ワークRAM303に格納されたコマンドが「ゲームストップ機能状態コマンド」であるか否かを判定する。
サブCPU301は、「ゲームストップ機能状態コマンド」であると判定した場合には、処理をステップS6932-51に移し、「ゲームストップ機能状態コマンド」でないと判定した場合には、処理をステップS6932-60に移す。
ステップS6932-51において、サブCPU301は、ゲームストップ機能フェーズ更新処理を行う。このゲームストップ機能フェーズ更新処理では、ゲームストップ機能状態コマンドに含まれたゲームストップ機能フェーズの情報及び差玉情報に基づいて、ゲームストップ機能フェーズの情報及び差玉情報が含まれたゲーム状態情報を生成し、ワークRAM303にゲームストップ機能フェーズの情報を格納する。
具体的には、ゲームストップ機能作動待機フェーズの情報が含まれたゲームストップ機能状態コマンドである場合には、ゲームストップ機能作動待機フェーズ(ゲーム停止準備状態)、ゲーム停止準備音の情報及び差玉情報が含まれたゲーム状態情報を生成し、ワークRAM303にゲームストップ機能作動待機フェーズ(=2)、ゲーム停止準備音の情報及び差玉情報を格納する。また、ゲームストップ機能作動予告フェーズの情報が含まれたゲームストップ機能状態コマンドである場合には、ゲームストップ機能作動予告フェーズ(ゲーム停止予告状態)、ゲーム停止予告音の情報及び差玉情報が含まれたゲーム状態情報を生成し、ワークRAM303にゲームストップ機能作動予告フェーズ(=1)、ゲーム停止予告音の情報及び差玉情報を格納する。また、ゲームストップ機能通常状態フェーズの情報が含まれたゲームストップ機能状態コマンドである場合には、ワークRAM303に格納されたゲームストップ機能作動予告フェーズの情報及び差玉情報をクリアする。なお、上述したようにゲームストップ機能状態コマンドにゲームストップ機能作動完了フェーズが含まれることはなく、ゲームストップ機能フェーズ更新処理では、ゲームストップ機能作動完了フェーズの情報が生成されることはない。
この処理を終了すると、サブCPU301は今回のコマンド解析処理を終了する。
ステップS6932-60において、サブCPU301は、ワークRAM303に格納されたコマンドが「ゲームストップ機能完了コマンド」であるか否かを判定する。
サブCPU301は、「ゲームストップ機能完了コマンド」であると判定した場合には、処理をステップS6932-61に移し、「ゲームストップ機能完了コマンド」でないと判定した場合には、処理をステップS6932-99に移す。
ステップS6932-61において、サブCPU301は、ゲーム停止状態設定処理を行う。このゲーム停止状態設定処理では、ゲームストップ機能作動完了フェーズ(ゲーム停止状態)及びゲーム停止音の情報が含まれたゲーム状態情報を生成し、ワークRAM303にゲームストップ機能作動完了フェーズ(=3)及びゲーム停止音の情報を格納する。
この処理を終了すると、サブCPU301は、処理をステップS6932-62に移す。
ステップS6932-62において、サブCPU301は、ゲーム停止状態になったことに対応して、ワークRAM303に格納された第1エラー情報をクリアする。遊技異常検知コマンドを契機とする第1エラー情報は、遊技異常(ゲーム異常)に対応する情報であり、ゲーム停止状態になったことにより、報知の必要性が低下し、制御負荷を抑えるとともに、ゲーム停止状態において省エネを図るためでもある。
この処理を終了すると、サブCPU301は今回のコマンド解析処理を終了する。
なお、本実施形態においては、ゲーム停止状態になったときには、ワークRAM303に格納された第1エラー情報をクリアするように構成したが、ワークRAM303に格納された第1エラー情報と第2エラー情報とをクリアするように構成してもよい。さらには、ゲーム停止状態になったときでも、ワークRAM303に格納された第1エラー情報をクリアしなくてもよい。
ステップS6932-62において、サブCPU301は、その他、ワークRAM303に格納されたコマンドに応じてゲーム状態情報を生成し、生成したゲーム状態情報をワークRAM303に格納する。
この処理を終了すると、サブCPU301は今回のコマンド解析処理を終了する。
[アニメーション構築処理]
図234を参照して、サブ制御回路処理の中で実行されるアニメーション構築処理の詳細について説明する。図234は、第6のパチンコ遊技機におけるアニメーション構築処理の一例を示すフローチャートである。
ステップS6951において、サブCPU301は、ワークRAM303にコマンドが格納されているか否かを判定する。
サブCPU301は、コマンドが格納されていると判定した場合には、処理をステップS6952に移し、コマンドが格納されていないと判定した場合には、今回のアニメーション構築処理を終了する。
ステップS6952において、サブCPU301は、ワークRAM303に格納されたコマンドが演出系コマンドであるか否かを判定する。ここで、「演出系コマンド」とは、主として演出を行うためのコマンドであり、本実施形態においては、異常に関するコマンド(遊技異常検知コマンド及び枠状態通知コマンド)、ゲームストップ機能に関するコマンド(ゲームストップ機能状態コマンド及びゲームストップ機能完了コマンド)、入賞情報コマンドは除かれている。また、異常に関するコマンド(遊技異常検知コマンド及び枠状態通知コマンド)、ゲームストップ機能に関するコマンド(ゲームストップ機能状態コマンド及びゲームストップ機能完了コマンド)、入賞情報コマンドが除かれているのは、複雑なアニメーションを行わず、単純な報知(表示)を行うためのコマンドでもあるからである。
サブCPU301は、演出系コマンドであると判定した場合には、処理をステップS6953に移し、演出系コマンドでないと判定した場合には、処理をステップS6955に移す。
ステップS6953において、サブCPU301は、ワークRAM303に格納されたコマンドに対応した生成済みの不要な演出オブジェクトを破棄する。例えば、ワークRAM303に格納されたコマンドが特別図柄演出開始コマンドである場合には、生成済みの不要な演出オブジェクトとして、デモ表示コマンドに対応したデモ演出オブジェクトや前回の特別図柄演出開始コマンドに対応した変動演出オブジェクト等を破棄する。
この処理を終了すると、サブCPU301は、処理をステップS6954に移す。
ここで、「演出オブジェクト」とは、演出対象を指定し、アニメーションを制御するためオブジェクトである。本実施形態においては「演出オブジェクト」は、デモ表示コマンドに対応した「デモ演出オブジェクト」、特別図柄演出開始コマンドに対応した「変動演出オブジェクト」、特別図柄演出停止コマンドに対応した「確定演出オブジェクト」、大当り開始表示コマンドまたは小当り開始表示コマンドに対応した「ラウンド開始演出オブジェクト」、大入賞口開放中表示コマンドに対応した「ラウンド演出オブジェクト」、ラウンド間表示コマンドに対応した「ラウンド間演出オブジェクト」、大当り終了表示コマンドまたは小当り終了表示コマンドに対応した「ラウンド終了演出オブジェクト」等から構成されている。
ステップS6954において、サブCPU301は、ワークRAM303に格納されたコマンドに対応した演出オブジェクトを生成し、生成した演出オブジェクトに関する各種変数を初期化する。そして、ワークRAM303から、今回生成した演出オブジェクトに対応するコマンドをクリアする。例えば、ワークRAM303に格納されたコマンドが特別図柄演出開始コマンドである場合には、変動演出オブジェクトを生成し、生成した変動演出オブジェクトに関する各種変数を初期化する。そして、ワークRAM303から特別図柄演出開始コマンドをクリアする。
この処理を終了すると、サブCPU301は、今回のアニメーション構築処理を終了する。
ステップS6955において、サブCPU301は、ゲームストップ機能作動完了フェーズのパラメータが含まれた特定のコマンド(ゲームストップ機能完了コマンドまたは特定の電断復帰コマンド)であるか否かを判定する。
サブCPU301は、特定のコマンドであると判定した場合には、処理をステップS6955に移し、特定のコマンドでないと判定した場合には、今回のアニメーション構築処理を終了する。
ステップS6956において、サブCPU301は、生成済みの演出オブジェクトを破棄する。これにより、ゲームストップ機能作動完了フェーズ(ゲーム停止状態)になると、すべての演出が強制的に終了することになる。また、チャンスボタン54bの振動も即停止することになる。
この処理を終了すると、サブCPU301は、処理をステップS6957に移す。
なお、第6のパチンコ遊技機に演出のために送風器(エアー)を備えた場合であっても、生成済みの演出オブジェクトを破棄することにより、送風が即停止することになる。
ステップS6957において、サブCPU301は、ゲームストップ機能作動完了フェーズであることを報知させるとともに、演出用役物群58やチャンスボタン54bを初期値に戻すためのゲームストップオブジェクトを生成する。そして、ワークRAM303から、今回生成したゲームストップオブジェクトに対応する特定のコマンドをクリアする。これにより、報知手段(表示装置7、スピーカ32、LED群46)においてゲームストップ機能により遊技が停止されたことを報知し、演出用役物群58やチャンスボタン54bを初期状態に戻すことができる。
この処理を終了すると、サブCPU301は、今回のアニメーション構築処理を終了する。
[アニメーション更新処理]
図235を参照して、サブ制御回路処理の中で実行されるアニメーション更新処理の詳細について説明する。図235は、第6のパチンコ遊技機におけるアニメーション更新処理の一例を示すフローチャートである。
ステップS6971において、サブCPU301は、フレーム更新処理を実行する。このフレーム更新処理では、ワークRAM303のフレームカウンタを更新し、計時を行う。
この処理を終了すると、サブCPU301は、処理をステップS6972に移す。
ステップS6972において、サブCPU301は、報知時間管理処理を実行する。この報知時間管理処理では、図224~図227に示したように、ゲームストップ機能に関するゲーム停止関連報知、設定変更・設定確認に関する報知及びエラーに関する報知の各種の報知に報知時間が設定されている場合に、報知時間が経過したか否かを判定し、報知時間が経過したときには、ワークRAM303からその報知に関する情報をクリアする。例えば、ワークRAM303にゲーム停止音の情報が格納されている場合には、報知開始(ゲームストップ機能完了コマンドまたは電断復帰コマンド受信時)から第1の音声時間(30秒)が経過すると、ワークRAM303に格納されたゲーム停止音の情報をクリアして、ゲーム停止音の出力を停止させる。これにより、各種の報知時間が経過した後には、表示装置7、スピーカ32、LED群46等の報知手段による報知が終了することになる。
この処理を終了すると、サブCPU301は、処理をステップS6973に移す。
ステップS6973において、サブCPU301は、描画リクエスト生成処理を実行する。この描画リクエスト生成処理では、上記アニメーション構築処理で生成された各種オブジェクトに基づいて、演出ボタン54の操作情報や演出用役物群58の役物位置情報、ゲームデータ(ゲーム状態情報、演出情報)、各種オブジェクトの変数(フレーム数等)を参照して、描画リクエストを生成する。そして、生成した描画リクエストを送信バッファに登録する。
この処理を終了すると、サブCPU301は、処理をステップS6974に移す。
ステップS6974において、サブCPU301は、サウンドリクエスト生成処理を実行する。このサウンドリクエスト生成処理では、上記アニメーション構築処理で生成された各種オブジェクトに基づいて、演出ボタン54の操作情報や演出用役物群58の役物位置情報、ゲームデータ(ゲーム状態情報、演出情報)、各種オブジェクトの変数(フレーム数等)を参照して、サウンドリクエストを生成する。そして、生成したサウンドリクエストを送信バッファに登録する。
この処理を終了すると、サブCPU301は、処理をステップS6975に移す。
また、サウンドリクエスト生成処理では、スピーカ32の音量調整をさせる出力調整操作情報が生成されている場合には、その出力調整操作情報(音量を1段階上げる・下げる)に基づいたサウンドリクエストを生成する。このサウンドリクエストにより、スピーカ32の音量が調整されることになる。
ステップS6975において、サブCPU301は、ランプリクエスト生成処理を実行する。このランプリクエスト生成処理では、上記アニメーション構築処理で生成された各種オブジェクトに基づいて、演出ボタン54の操作情報や演出用役物群58の役物位置情報、ゲームデータ(ゲーム状態情報、演出情報)、各種オブジェクトの変数(フレーム数等)を参照して、ランプリクエストを生成する。そして、生成したランプリクエストを送信バッファに登録する。
この処理を終了すると、サブCPU301は、処理をステップS6976に移す。
また、ランプリクエスト生成処理では、LED群46の光量調整をさせる出力調整操作情報が生成されている場合には、その出力調整操作情報(光量を1段階上げる・下げる)に基づいたランプリクエストを生成する。このランプリクエストにより、LED群46の光量が調整されることになる。
ステップS6976において、サブCPU301は、役物リクエスト生成処理を実行する。この役物リクエスト生成処理では、上記アニメーション構築処理で生成された各種オブジェクトに基づいて、演出ボタン54の操作情報や演出用役物群58の役物位置情報、ゲームデータ(ゲーム状態情報、演出情報)、各種オブジェクトの変数(フレーム数等)を参照して、役物リクエストを生成する。そして、生成した役物リクエストを送信バッファに登録する。
この処理を終了すると、サブCPU301は、今回のアニメーション更新処理を終了する。
また、本実施形態においては、上述した描画リクエスト生成処理、サウンドリクエスト生成処理、ランプリクエスト生成処理においては、ゲームストップオブジェクトが生成されている場合には、演出ボタン54の操作情報が生成されている場合であっても、演出ボタン54の操作情報(出力調整操作情報を含む)を無効化して各種リクエストを生成する。これにより、ゲーム停止状態であるときには、演出ボタン54の操作が無効化され、演出ボタン54による演出や演出ボタン54による音量調整や光量調整もできなくなる。
また、本実施形態においては、上述した役物リクエスト生成処理においては、ゲームストップオブジェクトや異常役物位置情報が生成されている場合には、演出用役物群58やチャンスボタン54bを初期状態にさせる役物リクエストを生成する。これにより、ゲーム停止状態となったときには、演出用役物群58を初期位置に戻したり、チャンスボタン54bの操作態様を初期状態に戻したりすることができる。
また、本実施形態においては、上述した描画リクエスト生成処理、サウンドリクエスト生成処理、ランプリクエスト生成処理においては、ワークRAM303にゲームストップ機能に関するゲーム停止関連報知、設定変更・設定確認に関する報知及びエラーに関する報知を行わせるためのゲーム状態情報が格納されている場合には、図224~図227に示した優先順位に基づいて、優先順位が高い報知が行われるように各種リクエストを生成する。これにより、ゲームストップ機能に関するゲーム停止関連報知、設定変更・設定確認に関する報知及びエラーに関する報知が複合した場合には、優先順位に応じて報知が行われることになる。
例えば、描画リクエスト生成処理においては、優先順位毎に高いレイヤー(前面側)に報知画像が描画されるように描画リクエストを生成したり、ゲームストップ機能に関するゲーム停止関連報知、設定変更・設定確認に関する報知及びエラーに関する報知が複合しても、それぞれが重複しない位置(領域)で報知画像が描画されるように描画リクエストを生成したりする。これにより、表示装置7においては、優先順位に応じて報知画像が表示され、複数の報知画像が表示可能となる。
また、描画リクエスト生成処理においては、ゲームストップ機能に関するゲーム停止関連報知、設定変更・設定確認に関する報知及びエラーに関する報知の報知画像は、演出オブジェクトによる演出の画像よりも、優先順位の高いレイヤー(前面側)に描画されるように描画リクエストを生成している。このため、表示装置7においては、報知画像が表示されているときであったとしても、その報知画像の背面側では演出の画像が描画・表示されていることになる。
また、サウンドリクエスト生成処理においては、優先順位毎に高いチャンネルが使用されるようにサウンドリクエストが生成され、ランプリクエスト生成処理においても、優先順位毎に高いチャンネルが使用されるようにランプリクエストが生成される。これにより、スピーカ32及びLED群46においては、ゲームストップ機能に関するゲーム停止関連報知、設定変更・設定確認に関する報知及びエラーに関する報知が複合した場合には、優先順位に応じて報知が行われることになる。
また、サウンドリクエスト生成処理においては、ゲームストップ機能に関するゲーム停止関連報知、設定変更・設定確認に関する報知及びエラーに関する報知の報知音は、演出オブジェクトによる演出の音よりも、優先順位の高いチャンネルを使用するようにサウンドリクエストが生成される。同様にして、ランプリクエスト生成処理においても、ゲームストップ機能に関するゲーム停止関連報知、設定変更・設定確認に関する報知及びエラーに関する報知の発光態様は、演出オブジェクトによる演出の発光態様よりも、優先順位の高いチャンネルを使用するようにランプリクエストが生成される。このため、スピーカ32及びLED群46においては、演出の音及び演出の発光態様よりも、報知音及び報知の発光態様が優先的に報知されることになる。
[6-10.報知内容]
以上の主制御回路200及びサブ制御回路300等の制御により実行される報知の報知態様の一例について説明する。
上述したように本実施形態においては、ゲームストップ機能に関するゲーム停止関連報知として、ゲーム停止予告報知と、ゲーム停止準備報知と、ゲーム停止報知とが実行可能に構成されている。図236は、第6のパチンコ遊技機におけるゲームストップ機能に関するゲーム停止関連報知の表示画面の一例である。
(ゲーム停止予告報知の表示画面)
図236(a)は、ゲーム停止予告報知が実行されているときに、表示装置7に表示される表示画面の一例である。
図236(a)に示すように、ゲーム停止予告報知が実行されると、表示画面の上部には、ゲーム停止予告報知として「遊技の停止まで約XX00個です」の文字からなるゲーム停止予告画像の表示が行われる。なお、ゲーム停止予告画像の背面側には、演出の画像が表示されている。
この「約XX00発」の画像は、規制値までの遊技球の停止残数を表示するための表示画像であり、ゲーム状態情報に含まれた差玉情報に基づいて更新表示されていく。
このゲーム停止予告報知により、遊技者は遊技球の差玉数が規制値に近づいていることを把握できるとともに、事前に遊技が停止することを把握することができる。
なお、本実施形態は、遊技球の停止残数の表示画像の一例として、具体的な遊技球の個数(数字)を表示するように構成したが、抽象的なメータやメモリ等により遊技球の停止残数を表示するように構成してもよい。
(ゲーム停止準備報知の表示画面)
図236(b)は、ゲーム停止準備報知が実行されているときに、表示装置7に表示される表示画面の一例である。
図236(b)に示すように、ゲーム停止準備報知が実行されると、表示画面の中央には、ゲーム停止準備報知として「この大当り遊技終了後に遊技が停止します」の文字からなるゲーム停止準備画像が表示される。このゲーム停止準備画像は、その大当り遊技状態の終了後まで継続して表示されることになる。なお、ゲーム停止準備画像の背面側には、大当り演出の画像が表示されている。
このゲーム停止準備報知により、遊技者は大当り遊技状態の終了後に遊技が停止することを把握することができる。
(ゲーム停止報知)
図236(c)は、ゲーム停止報知が実行されているときに、表示装置7に表示される表示画面の一例である。
図236(c)に示すように、ゲーム停止報知が実行されると、表示画面の中央部には、ゲーム停止報知として「遊技が停止しました。本日は遊技終了です」の文字からなるゲーム停止画像が表示される。このゲーム停止画像は、RAMクリアスイッチ176によりRAMクリアされるまで継続して表示されることになる。なお、ゲーム停止画像の背面側には、デフォルトの背景画像(例えば黒色)が表示されている。
このゲーム停止報知により、遊技者はゲームストップ機能により遊技が停止されたことを明確に把握することができる。
(複合報知)
次に、図237を参照して、ゲームストップ機能に関するゲーム停止関連報知とエラーに関する報知とが複合したときに、表示装置7に表示される表示画面の一例について説明する。図237は、第6のパチンコ遊技機におけるゲームストップ機能に関するゲーム停止関連報知とエラーに関する報知とが複合したときの表示画面の一例である。
(ゲーム停止予告報知とエラー報知との複合による表示画面)
図237(a)は、ゲーム停止予告報知とエラー報知とが複合したときに、表示装置7に表示される表示画面の一例である。
図237(a)に示すように、ゲーム停止予告報知と、磁気検出と付与エラーと循環ユニット球詰まりエラーとに関するエラー報知とが複合して実行された場合には、上述したように表示画面の上部にゲーム停止予告画像の表示が行われる。そして、ゲーム停止予告画像の背面側であって表示画面の右上方には、磁気検出として「磁気を検出しました 係員をお呼びください」の文字からなる磁気検出画像が表示され、磁気検出画像の背面側であって表示画面の左下方には、付与エラーとして「遊技球獲得エラー」の文字からなる付与エラー画像が表示され、付与エラー画像の背面側であって表示画面の左下隅には、循環ユニット球詰まりエラーとして「循環ユニット球詰まりエラー」の文字からなる循環ユニット球詰まりエラー画像が表示される。
この「磁気検出画像」は、ワークRAM303にゲーム状態情報として磁気検知の情報(第1エラー情報)が格納されている場合に、生成された描画リクエストにより描画・表示される画像である。また、「付与エラー画像」は、ワークRAM303にゲーム状態情報として付与異常の情報(第2エラー情報)が格納されている場合に、生成された描画リクエストにより描画・表示される画像であり、「循環ユニット球詰まりエラー画像」は、ワークRAM303にゲーム状態情報として球詰まり異常の情報(第2エラー情報)が格納されている場合に、生成された描画リクエストにより描画・表示される画像である。
(ゲーム停止準備報知とエラー報知との複合による表示画面)
図237(b)は、ゲーム停止準備報知とエラー報知とが複合したときに、表示装置7に表示される表示画面の一例である。
図237(b)に示すように、ゲーム停止準備報知と、磁気検出と付与エラーと循環ユニット球詰まりエラーとに関するエラー報知とが複合して実行された場合には、上述したように表示画面の中央にゲーム停止準備画像が表示される。そして、ゲーム停止準備画像の背面側であって表示画面の右上方には、磁気検出画像が表示され、磁気検出画像の背面側であって表示画面の左下方には、付与エラー画像が表示され、付与エラー画像の背面側であって表示画面の左下隅には、循環ユニット球詰まりエラー画像が表示される。
(ゲーム停止報知とエラー報知との複合による表示画面)
図237(c)は、ゲーム停止報知とエラー報知とが複合したときに、表示装置7に表示される表示画面の一例である。
図237(c)に示すように、ゲーム停止報知と、付与エラーと循環ユニット球詰まりエラーとに関するエラー報知とが複合して実行された場合には、上述したように表示画面の中央にゲーム停止画像が表示される。そして、ゲーム停止画像の背面側であって表示画面の右上方には、付与エラー画像が表示され、付与エラー画像の背面側であって表示画面の左下隅には、循環ユニット球詰まりエラー画像が表示される。
また、本実施形態においては、ゲーム停止報知が実行された場合(ゲーム停止状態の場合)には、ステップS6932-62で上述したようにワークRAM303に格納された第1エラー情報をクリアするため、ゲーム停止画像と遊技異常(ゲーム異常)に対応した第1エラー情報によるエラー画像(磁気検出画像等)とが複合することはない。なお、ゲーム停止報知が実行された場合(ゲーム停止状態の場合)であっても、第1エラー情報によるエラー画像を複合させてもよい。
そして、ゲームストップ機能に関するゲーム停止関連報知とエラーに関する報知とが複合しても、それぞれが重複しない位置(領域)で画像が表示されることになり、複数種類の内容を同時に報知することが可能である。このことは、上述した磁気検出に関する磁気検出画像、付与エラーに関する付与エラー画像、循環ユニット球詰まりエラーに関する循環ユニット球詰まりエラー画像以外のエラー報知の画像の位置に関しても同様である。なお、一部のエラー報知の画像が、ゲーム停止予告画像、ゲーム停止準備画像、ゲーム停止画像、他のエラー報知の画像と重複する位置に表示されるように構成してもよい。
(設定確認に関する報知態様)
次に、図238~図242を参照して、ゲームストップ機能に関するゲーム停止関連報知を実行した後に、設定確認を行ったときの設定確認に関する報知態様の一例について説明する。
(ゲーム停止予告報知が行われた後の設定確認に関する報知態様)
図238は、第6のパチンコ遊技機におけるゲーム停止予告報知が行われた後に設定確認を行ったときの報知態様の一例である。
図238(a)に示すように、ゲーム停止予告報知が行われた後に設定確認の操作が行われると、設定確認中の報知が実行され、表示装置7においては表示画面の上部に「設定確認中」の文字からなる設定確認中画像が表示され、LED群46においては特定LEDが緑色で全点灯される。なお、図示は省略するが、スピーカ32においては「設定確認中です」という設定確認中の音声が出力される。
ここで、「設定確認の操作」は、電源スイッチ95をオフにして電源の供給を停止させた後、設定キー174を設定キー差込口に差し込んで「オフ」の状態にしたまま、電源スイッチ95をオンにして電断復帰させることである(ステップS6012)。
このため、ゲーム停止予告報知が行われた後に設定確認の操作を行うと、電断復帰時にゲームストップ機能作動予告フェーズがクリアされ(ステップS6055等)、ゲーム停止予告報知が終了することになる。
図238(b)に示すように、設定キー174が設定キー差込口から抜かれると、設定確認完了の報知が実行され、LED群46においては特定LEDが赤色で全点灯される。なお、図225で説明したように、設定確認完了の報知として表示装置7及びスピーカ32での報知は行われない。
図238(c)に示すように、設定確認完了の報知の開始から30秒が経過すると、LED群46においては特定LEDが消灯する。
このように、ゲーム停止予告報知が行われた後に設定確認を行うと、ゲーム停止予告報知が終了し、設定確認中及び設定確認完了の報知が行われることになる。
(ゲーム停止準備報知が行われた後の設定確認に関する報知態様)
図239は、第6のパチンコ遊技機におけるゲーム停止準備報知が行われた後に設定確認を行ったときの報知態様の一例である。
図239(a)に示すように、ゲーム停止準備報知が行われた後に設定確認の操作が行われると、設定確認中の報知が実行され、表示装置7においては表示画面の上部に設定確認中画像が表示され、LED群46においては特定LEDが緑色で全点灯される。なお、図示は省略するが、スピーカ32においては設定確認中の音声が出力される。
図239(b)に示すように、設定キー174が設定キー差込口から抜かれると、ゲーム停止準備報知が再開されるとともに、設定確認完了の報知が実行される。このとき、ゲーム停止準備報知は、設定確認完了の報知よりも優先順位が高いので、ゲーム停止準備報知が優先して報知される。
ここで、ゲーム停止準備報知であっても設定確認完了の報知であっても、LED群46においては同じ報知態様となっており、特定LEDが赤色で全点灯される。なお、ゲーム停止準備報知と設定確認完了の報知とでLED群46の報知態様が異なる場合には、ゲーム停止準備報知によるLED群46の報知態様が行われることになる。
また、設定確認完了の報知として表示装置7及びスピーカ32での報知は行われないことから、表示装置7においては表示画面の中央にゲーム停止準備画像が表示され、スピーカ32においては「ブザー音」とともに「この大当り遊技終了後に遊技が停止します」というゲーム停止準備音が出力される。なお、ゲーム停止準備音の出力は、第2の音声時間(例えば10秒)の経過後に停止するが、ゲーム停止準備画像の表示及び特定LEDにおける赤色の全点灯は、ゲーム停止状態に移行するまで継続することになる。
(ゲーム停止報知が行われた後の設定確認に関する報知態様)
図240は、第6のパチンコ遊技機におけるゲーム停止報知が行われた後に設定確認を行ったときの報知態様の一例である。
図240(a)に示すように、ゲーム停止報知が行われた後に設定確認の操作が行われると、設定確認中の報知が実行され、表示装置7においては表示画面の上部に設定確認中画像が表示され、LED群46においては特定LEDが緑色で全点灯される。なお、図示は省略するが、スピーカ32においては設定確認中の音声が出力される。
図240(b)に示すように、設定キー174が設定キー差込口から抜かれると、ゲーム停止報知が再開されるとともに、設定確認完了の報知が実行される。このとき、ゲーム停止報知は、設定確認完了の報知よりも優先順位が高いので、ゲーム停止報知が優先して報知される。
ここで、ゲーム停止報知であっても設定確認完了の報知であっても、LED群46においては同じ報知態様となっており、特定LEDが赤色で全点灯される。なお、ゲーム停止報知と設定確認完了の報知とでLED群46の報知態様が異なる場合には、ゲーム停止報知によるLED群46の報知態様が行われることになる。
また、設定確認完了の報知として表示装置7及びスピーカ32での報知は行われないことから、表示装置7においては表示画面の中央にゲーム停止画像が表示され、スピーカ32においては「ブザー音」とともに「遊技が停止しました。本日は遊技終了です」というゲーム停止音が出力される。なお、ゲーム停止音の出力は、第1の音声時間(例えば30秒)の経過後に停止するが、ゲーム停止画像の表示及び特定LEDにおける赤色の全点灯は、RAMクリアスイッチ176によりRAMクリアされるまで継続することになる。
(変形例の設定確認に関する報知態様)
本実施形態においては、図225で説明したように、設定確認完了の報知として表示装置7及びスピーカ32での報知は行われないが、所定時間が経過するまで設定確認完了を報知する設定確認完了画像の表示や設定確認完了音の出力を行わせるように構成してもよい。設定確認完了の報知として、LED群46による報知に加え、表示装置7及びスピーカ32でも報知を行う場合の変形例について説明する。
図241は、第6のパチンコ遊技機の変形例におけるゲーム停止準備報知が行われた後に設定確認を行ったときの報知態様の一例である。
図241(a)に示すように、ゲーム停止準備報知が行われた後に設定確認の操作が行われると、設定確認中の報知が実行され、表示装置7においては表示画面の上部に設定確認中画像が表示され、LED群46においては特定LEDが緑色で全点灯される。なお、図示は省略するが、スピーカ32においては設定確認中の音声が出力される。
図241(b)に示すように、設定キー174が設定キー差込口から抜かれると、ゲーム停止準備報知が再開されるとともに、設定確認完了の報知が実行される。このとき、ゲーム停止準備報知は、設定確認完了の報知よりも優先順位が高いので、ゲーム停止準備報知が優先して報知される。
変形例においては、表示装置7では、表示画面の中央にゲーム停止準備画像が表示され、ゲーム停止準備画像の背面側であって表示画面の上方には、設定確認完了の報知として「設定確認が完了しました」という文字からなる設定確認完了画像が表示される。
また、LED群46では、ゲーム停止準備報知であっても設定確認完了の報知であっても同じ報知態様となっており、特定LEDが赤色で全点灯される。なお、ゲーム停止準備報知と設定確認完了の報知とでLED群46の報知態様が異なる場合には、ゲーム停止準備報知によるLED群46の報知態様が行われることになる。
また、スピーカ32では、設定確認完了の報知として設定確認完了音の出力が可能であるとしても、優先順位の高いゲーム停止準備音が出力される。
図241(c)に示すように、設定確認完了の報知から所定時間(例えば5秒)が経過すると、表示装置7においては設定確認完了画像が消去される。なお、ゲーム停止準備音の出力は、所定時間よりも長い第2の音声時間(例えば10秒)の経過後に停止し、ゲーム停止準備画像の表示及び特定LEDにおける赤色の全点灯は、ゲーム停止状態に移行するまで継続することになる。
図242は、第6のパチンコ遊技機の変形例におけるゲーム停止報知が行われた後に設定確認を行ったときの報知態様の一例である。
図242(a)に示すように、ゲーム停止報知が行われた後に設定確認の操作が行われると、設定確認中の報知が実行され、表示装置7においては表示画面の上部に設定確認中画像が表示され、LED群46においては特定LEDが緑色で全点灯される。なお、図示は省略するが、スピーカ32においては設定確認中の音声が出力される。
図242(b)に示すように、設定キー174が設定キー差込口から抜かれると、ゲーム停止報知が再開されるとともに、設定確認完了の報知が実行される。このとき、ゲーム停止報知は、設定確認完了の報知よりも優先順位が高いので、ゲーム停止報知が優先して報知される。
変形例においては、表示装置7では、表示画面の中央にゲーム停止画像が表示され、ゲーム停止画像の背面側であって表示画面の上方には設定確認完了画像が表示される。
また、LED群46では、ゲーム停止報知であっても設定確認完了の報知であっても同じ報知態様となっており、特定LEDが赤色で全点灯される。なお、ゲーム停止報知と設定確認完了の報知とでLED群46の報知態様が異なる場合には、ゲーム停止報知によるLED群46の報知態様が行われることになる。
また、スピーカ32では、設定確認完了の報知として設定確認完了音の出力が可能であるとしても、優先順位の高いゲーム停止音が出力される。
図242(c)に示すように、設定確認完了の報知から所定時間(例えば5秒)が経過すると、表示装置7においては設定確認完了画像が消去される。なお、ゲーム停止音の出力は、所定時間よりも長い第1の音声時間(例えば30秒)の経過後に停止し、ゲーム停止画像の表示及び特定LEDにおける赤色の全点灯は、RAMクリアスイッチ176によりRAMクリアされるまで継続することになる。
このように、第6のパチンコ遊技機では、遊技球の差玉数が規制値(例えば、95000個)に到達すると、遊技を停止させることが可能なゲームストップ機能を備えているので、遊技の射幸性を適切に抑制することができる。
また、第6のパチンコ遊技機では、ゲームストップ機能に関するゲーム停止関連報知、設定変更・設定確認に関する報知、エラーに関する報知の各種の報知については、報知を行うための優先順位が設定されており、適切な報知を行うことができる。
<第6のパチンコ遊技機の変形例>
なお、第6のパチンコ遊技機においては、ゲームストップ機能に関し、遊技球の差玉数に関する情報を主制御回路200(メインCPU201)によって更新するように構成したが、枠制御回路410によって更新するように構成してもい。
なお、第6のパチンコ遊技機においては、ゲームストップ機能として、遊技球の差玉数が規制値(例えば、95000個)に到達すると、遊技を停止させることを可能としたが、遊技球の差玉数ではなく、遊技球の増加数が規制値に到達すると、遊技を停止させることを可能とするように構成してもよい。
なお、第6のパチンコ遊技機においては、表示装置7を備え、表示装置7においてゲーム停止関連報知として、ゲーム停止予告報知(ゲーム停止予告画像)、ゲーム停止準備報知(ゲーム停止準備画像)またはゲーム停止報知(ゲーム停止画像)を報知するように構成した(図236参照)。しかしながら、表示装置7を備えない遊技機(いわゆる液晶非搭載機)においては、ゲーム停止関連報知を行うための専用のLED(報知専用LED)を備え、報知専用LEDによりゲーム停止予告報知、ゲーム停止準備報知、ゲーム停止報知を行うように構成してもよい。
報知専用LEDによりゲーム停止予告報知、ゲーム停止準備報知、ゲーム停止報知を行うように構成する場合には、以下のように報知を行うことが望ましい。
(a)報知専用LEDを1個の単色のLEDで構成した場合には、LEDの点滅によりゲーム停止予告報知を行い、遊技球の差玉数が規制値に近づくにつれて点滅周期が短くなっていく。また、最も点滅周期が短いLEDの高速点滅により、ゲーム停止準備報知を行う。そして、LEDの全点灯によりゲーム停止報知を行う。
(b)報知専用LEDを複数の単色のLEDで構成した場合には、複数のLEDの点灯・点滅・消灯の組合せにより、ゲーム停止予告報知、ゲーム停止準備報知、ゲーム停止報知を行う。ここで、ゲーム停止報知では、すべてのLEDが点灯することが望ましい。
(c)報知専用LEDを1個の複数色を発光可能なLEDで構成した場合には、点灯するLEDの色や、点滅するLEDの色の種別によって、ゲーム停止予告報知、ゲーム停止準備報知、ゲーム停止報知を行う。ここで、ゲーム停止報知では、赤色で全点灯することが望ましい。
(d)報知専用LEDを7セグメントLEDで構成した場合には、7セグメントLEDにより表示される数字・記号等によって、ゲーム停止予告報知、ゲーム停止準備報知、ゲーム停止報知を行う。例えば、ゲーム停止関連報知を行っていないときには「-」を表示し、ゲーム停止予告報知、ゲーム停止準備報知、ゲーム停止報知を行っているときには、遊技球の差玉数に応じた数字(残り1000個に対応する「1」や、残り0個に対応する「0」、現在の遊技球の差玉数の90000個以上を示す「90」など)を表示すればよい。
なお、第6のパチンコ遊技機の実施形態に記載された技術をスロットマシンに適用してもよい。スロットマシンに適用する場合には、「遊技球の差玉数」を「メダルの差枚数」に置き換えればよい。「メダルの差枚数」は、払い出すメダルの累計数(払出メダル数)から投入したメダルの累計数(投入メダル数)を減算することにより算出可能である。第6のパチンコ遊技機で実行される各種演出・報知内容は、スロットマシンに備えられた表示装置、リール等による演出に置き換えればよい。大当り遊技状態または小当り遊技状態は、ボーナス遊技状態(BB、RB)に置き換えればよい。
(その他)
上述の第6のパチンコ遊技機は、変形例を含めて各実施形態同士で互いの技術を適用することができる。上述の実施形態は、本発明の内容を限定するものではなく、特許請求の範囲を逸脱しない程度に変更を加えることができる。
また、第6のパチンコ遊技機に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の各実施形態に記載されたものに限定されるものではない。
更に、上記[4.拡張例]は、第6のパチンコ遊技機にも、その遊技性や制御に齟齬を生じえない限り適用可能である。
[7.第7のパチンコ遊技機]
次に、第7のパチンコ遊技機について説明する。第7のパチンコ遊技機は、第3のパチンコ遊技機と同様に、1種2種混合機と称されるパチンコ遊技機である。ただし、第7のパチンコ遊技機は、封入された遊技球を循環させて遊技を進行する遊技機(以下「スマートパチンコ」ともいう)である。
さらに、第7のパチンコ遊技機は、遊技球の差玉数が規制値(例えば、95000個)に到達すると、遊技を停止させることが可能なゲームストップ機能を備えている。なお、「遊技球の差玉数」とは、遊技者に付与した遊技球の累計数(払出遊技球数)から遊技者により使用された遊技球の累計数(発射遊技球数)を減算した数をいう。ゲームストップ機能については、詳しくは後述する。
また、第7のパチンコ遊技機は、第1特別図柄と第2特別図柄とを並行して可変表示させることが可能な同時変動機である。ただし、これに限られず、第1特別図柄の可変表示よりも第2特別図柄の可変表示が優先して行われる優先変動機であってもよいし、第1始動口または第2始動口への遊技球の入球順に可変表示を開始する順次変動機であってもよい。
以降、第7のパチンコ遊技機を説明するにあたり、第1のパチンコ遊技機と同様の構成については同じ符号および同じステップ番号を付して、その構成や処理に関する詳しい説明を省略する。
なお、本実施形態において、遊技者に所定の利益(遊技球の払い出し、遊技状態の移行)を付与することが可能な入球口(例えば、始動口や大入賞口)に「遊技球が入球すること」を「入賞」ともいう。また、本実施形態において、図柄の「可変表示」とは、例えば、図柄が変動して表示される「変動表示」、および、図柄が停止して表示される「停止表示」等の両方を含む概念であり、変動表示の開始から停止表示されるまでの動作を1回の「可変表示」と称する。
また、遊技球の「払い出し」とは、遊技者に所定の遊技価値を付与することであり、実際に遊技者に遊技球を払い出すことに限られず、スマートパチンコにおいては、払い出された遊技球の個数を遊技機の記憶領域や電子的な記憶媒体(遊技カード)に記憶させることを含む概念である。
[7-1.外観構成]
図243を参照して、第7のパチンコ遊技機の外観について説明する。図243は、第7のパチンコ遊技機の外観を示す斜視図の一例である。
上述したように、スマートパチンコである第7のパチンコ遊技機は、第1のパチンコ遊技機とは一部が異なる構成を有している。なお、第1のパチンコ遊技機と同様の構成については同じ符号を付して、その構成に関する詳しい説明を省略する。
まず、第7のパチンコ遊技機は、封入された遊技球を循環させて遊技を進行するために、皿ユニット5には、第1のパチンコ遊技機とは異なり上皿51及び下皿52が備えられていない。
第7のパチンコ遊技機の皿ユニット5には、演出ボタン54、転送ボタン71等が設けられている。
演出ボタン54は、遊技者の上下左右の操作を受け付ける十字ボタン54aと、遊技者のプッシュ操作を受け付けるチャンスボタン54bとから構成されている。また、十字ボタン54a及びチャンスボタン54bには、LED等の発光部が内蔵されており、各種のボタンを点灯させることが可能となっている。さらに、チャンスボタン54bは、チャンスボタン54bの操作態様(形状)を変化させたり、振動させたりすることが可能となっている。
なお、本実施形態においては、演出ボタン54は、十字ボタン54aとチャンスボタン54bとの2種類から構成したが、1種類のみとしてもよいし、3種類以上としてもよい。
転送ボタン71は、後述するカードユニット180に獲得遊技球数の情報を転送させることを指示するボタンである。第7のパチンコ遊技機は、遊技者が獲得した獲得遊技球数を計数しており、遊技者が転送ボタン71を押圧操作すると、計数している獲得遊技球数をカードユニット180に転送することになる。
また、保護ガラス43の下方かつ皿ユニット5の上方には、計数している獲得遊技球数を表示するための獲得遊技球数表示部70が設けられている。
獲得遊技球数表示部70は、5つの7セグメントLEDから構成されており、5桁(0~99999)までの獲得遊技球数を表示可能に構成されている。
なお、本実施形態においては、獲得遊技球数表示部70を7セグメントLEDから構成したが、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイ等の画像を表示する画像表示装置から構成してもよい。
[7-2.遊技盤ユニット]
図244を参照して、第7のパチンコ遊技機が備える遊技盤ユニット7010について説明する。この遊技盤ユニット7010も、第1のパチンコ遊技機と同様に、保護ガラス43(図2参照)の後方に位置するようにベースドア3(図2参照)の前方に配置される。
図244は、第7のパチンコ遊技機が備える遊技盤ユニット7010の外観を示す正面図の一例である。遊技盤ユニット7010は、遊技盤としての遊技パネル7100を備え、遊技パネル7100に各種部材が配置され、遊技パネル7100の前側面には、発射された遊技球が転動流下可能な遊技領域105が形成されている。
図244に示されるように、第7のパチンコ遊技機が備える遊技盤ユニット7010は、第1のパチンコ遊技機と比して、主に、特電作動口7142、第2始動口7140と、普通電動役物ユニット7145と、第1特別電動役物ユニット7130と、第2特別電動役物ユニット7150との構成や配置が異なっている。以下に、それぞれの構成やその配置について説明する。
なお、第7のパチンコ遊技機の遊技領域105に配置される第1始動口7120及び通過ゲート7126は、第1のパチンコ遊技機の遊技領域105に配置される第1始動口120及び通過ゲート126と機能的にも共通するものであるが、第2始動口7140との関連性から、第1のパチンコ遊技機と異なる符号を用いて改めて説明する。
(第1始動口)
第1始動口7120は、表示装置7の表示領域の下方の遊技領域105に配置されており、左打ちされた遊技球が入球可能となり、遊技釘等により右打ちされた遊技球は入球困難または不可能に構成されている。
第1始動口7120に遊技球が入球すると、第1特別図柄の抽選(第1特別図柄の当り判定処理)や、第1特別図柄の可変表示や、第1始動口用の賞球(例えば3個の遊技球)の付与が行われたりする。
(第2始動口)
第2始動口7140は、右側領域107の最下方(最下流側)に配置されており、右打された遊技球が入球可能(左打ちされた遊技球が入球困難または不可能)となっている。
第2始動口7140に遊技球が入球すると、第2特別図柄の抽選(第2特別図柄の当り判定処理)や、第2特別図柄の可変表示や、第2始動口用の賞球(例えば1個の遊技球)の付与が行われたりする。
なお、本実施形態においては、第2始動口7140は、遊技状態に関わらず、右打された遊技球が入球可能となっているが、後述するように通常遊技状態においては第2特別図柄の変動表示時間が極めて長く設定されており、通常遊技状態において第2始動口7140に遊技球が入球したとしても、単位時間あたりに特別図柄の抽選結果を受ける機会を減少させて、遊技者に与えるメリットが少ないように構成している。
(通過ゲート)
通過ゲート7126は、遊技球が通過可能なゲートで構成され、普通電動役物ユニット7145の上方(上流側)に配置されており、通過ゲート7126を通過した遊技球は、普通電動役物ユニット7145に入球可能となっている。また、通過ゲート7126は、右側領域107に配置されていることから、右打ちされた遊技球が通過可能(左打ちされた遊技球が通過困難または不可能)となっている。
通過ゲート7126に遊技球が通過すると、普通図柄の抽選(普通図柄の当り判定処理)や、普通図柄の可変表示に用いられることになる。なお、本実施形態では、通過ゲート7126に遊技球が通過しても賞球は払い出されないが、通過ゲート7126を入賞口(いわゆる普図作動口)として、所定の賞球(例えば1個の遊技球)が払い出されるように構成してもよい。
また、通過ゲート7126を、役物連続作動装置を作動させるための契機となるように機能させてもよい。条件装置が作動していること(大当りとなる特別図柄が停止表示されていること)を前提として、通過ゲート7126に遊技球が通過したことをもって役物連続作動装置を作動させて、大当り遊技状態に移行するようにしてもよい。
(特電作動口)
特電作動口7142は、右側領域107の下方(下流側)に配置されており、右打された遊技球が入球可能(左打ちされた遊技球が入球困難または不可能)となっている。
また、特電作動口7142は、普通電動役物ユニット7145に設けられており、後述する普電用シャッタ7147が作動したときに特電作動口7142が開放状態となり、特電作動口7142への遊技球の入球が可能となっている。
特電作動口7142に遊技球が入球すると、後述する第2特電用シャッタ7154を作動させて第2大入賞口7151を開放させる制御が開始される。そして、第2大入賞口7151に入球した遊技球が後述するV入賞口7156を通過することにより、大当り遊技状態の制御が開始される。すなわち、特電作動口7142は、普電用シャッタ7147により開閉可能な入球口であるとともに、遊技球が入球することにより第2大入賞口7151を開放させ、後述する第2のルートの大当り遊技状態が制御される契機となる入球口でもある。
(普通電動役物ユニット)
普通電動役物ユニット7145は、右側領域107であって通過ゲート7126の下方(下流側)に配置されており、右打ちされた遊技球がほぼ通過できるように配置されている。普通電動役物ユニット7145は、特電作動口7142と、特電作動口7142への遊技球の入球を検出する特電作動口スイッチ7143と、前後方向に進退可能な突出板型の普電用シャッタ7147と、普電用シャッタ7147を作動させる普電用ソレノイド7148(図245参照)とを一体化したユニット体である。
普電用ソレノイド7148が励磁すると、普電用シャッタ7147が作動して特電作動口7142の開閉状態を、特電作動口7142への遊技球の入球が不可能または困難な閉鎖状態から、特電作動口7142への遊技球の入球が可能または容易な開放状態に移行させる。
普電用シャッタ7147は、特電作動口7142の入口近傍に配置され、特電作動口7142に向けて傾斜した平板状の突出板とで構成されている。特電作動口7142が閉鎖状態であるときには、普電用ソレノイド7148は無励磁にされており、平板状の突出板は遊技パネル7100の表面に埋没し、右側領域107に流下している遊技球の受け入れることなく、遊技球を下方に流下させる。一方、特電作動口7142が開放状態であるときには、普電用ソレノイド7148は励磁されており、平板状の突出板は遊技パネル7100の表面から突出して、右側領域107に流下している遊技球を受け入れ、受け入れた遊技球を特電作動口7142へ誘導する。なお、前後方向に進退可能な上記の普電用シャッタ7147に代えて、所謂電チューと呼ばれる左右方向に可動可能な可動部材により普電用シャッタ7147を構成してもよい。
また、普電用シャッタ7147が作動し、特電作動口7142を開放状態とさせているときに、普電用の規定個数(例えば1個)の遊技球が入球すると、開放時間が経過していなくとも普電用シャッタ7147の作動を終了し、特電作動口7142を閉鎖状態にさせる。
そして、後述する第1時短遊技状態及び第2時短遊技状態においては、普電用シャッタ7147が有利に作動しやすく(特電作動口7142がロング開放状態になりやすく)設定されており、特電作動口7142への遊技球の入球が可能または容易な特電入賞容易状態となっている。
(第1特別電動役物ユニット)
第1特別電動役物ユニット7130は、右側領域107において通過ゲート7126、普通電動役物ユニット7145及び後述する第2特別電動役物ユニット7150よりも上方(上流側)に配置されている。
第1特別電動役物ユニット7130は、第1大入賞口7131と、第1大入賞口7131への遊技球の入球を検出する第1大入賞口カウントスイッチ7132(図245参照)と、左右方向に可動可能な第1特電用シャッタ7134と、この第1特電用シャッタ7134を作動させる第1特電用ソレノイド7135(図245参照)とを一体化したユニット体である。
第1大入賞口7131は、大当りのときに開放される大入賞口であり、1回の大当りにおける1つのラウンドおいて第1大入賞口7131に遊技球が入球可能な最大入賞個数(例えば10個)が規定されている。この第1大入賞口7131に1つの遊技球が入球する毎に、第1大入賞口用の賞球(例えば15個の遊技球)が払い出されることになる。
第1大入賞口7131が閉鎖状態から開放状態に移行するのは、特別図柄当り判定処理の結果が「大当り」であることを示す特別の停止表示態様が導出された場合の第1のルートと、特電作動口7142に遊技球が入球したことによって第2大入賞口7151が開放し、開放された第2大入賞口7151に進入した遊技球がV入賞口7156を通過した場合の第2のルートのときである。
第1特電用シャッタ7134は、第1特電用ソレノイド7135の作動により、第1大入賞口7131への遊技球の入球が可能または容易な開放状態と、第1大入賞口7131への遊技球の入球が不可能または困難な閉鎖状態とに変位可能に構成されている。
具体的には、第1特電用シャッタ7134は、正面視において略扇形状をなしており、下方が軸支され、左右方向に可動可能な羽根部材で構成されている。
第1特電用シャッタ7134が、右方向に可動しているときには、第1大入賞口7131が開放状態となり、右側領域107に流下している遊技球を受け入れ、受け入れた遊技球を第1大入賞口7131へ誘導する。一方、第1特電用シャッタ7134が、左方向に可動しているときには、第1大入賞口7131が閉鎖状態となり、第1大入賞口7131への遊技球の入球が不可能または困難となる。なお、上記の第1特電用シャッタ7134に代えて、遊技パネル9100の表面に対して略平行と略垂直に変位する扉部材や、遊技パネル9100の表面に対して前後方向に進退可能な突出板部材を採用してもよい。
(第2特別電動役物ユニット)
第2特別電動役物ユニット7150は、右側領域107において第1特別電動役物ユニット7130及び通過ゲート7126の下方(下流側)に配置されている。
第2特別電動役物ユニット7150は、第2大入賞口7151と、第2大入賞口7151への遊技球の入球を検出する第2大入賞口カウントスイッチ7152と、第2大入賞口7151を開閉させることが可能な第2特電用シャッタ7154と、この第2特電用シャッタ7154を作動させて第2大入賞口7151を開閉させる第2特電用ソレノイド7155(図245参照)と、第2大入賞口7151に進入した遊技球が通過可能なV入賞口7156と、V入賞口7156に遊技球が通過したことを検出するV入賞口スイッチ7157と、第2大入賞口7151に進入した遊技球のうちV入賞口7156に進入しなかった遊技球が通過可能な通常口7158と、V入賞口7156を開閉させるVシャッタ7159と、このVシャッタ7159を作動させてV入賞口7156を開閉させるVシャッタ用ソレノイド7160(図245参照)とを一体化したユニット体である。
第2大入賞口7151は、特電作動口7142に遊技球が入球したことによって開放される入賞口であり、1回の開放において第2大入賞口7151に遊技球が入球可能な最大入賞個数(例えば10個)が規定されている。この第2大入賞口7151に1つの遊技球が入球する毎に、第2大入賞口用の賞球(例えば15個の遊技球)が払い出されることになる。
第2特電用シャッタ7154は、前後方向に進退可能な突出板型の板状部材からなり、第2特電用ソレノイド7155の作動により、第2特電用シャッタ7154を前方に進出させて第2大入賞口7151への遊技球の入球が不可能または困難な閉鎖状態と、第2特電用シャッタ7154を後方に退出させて第2大入賞口7151への遊技球の入球が可能または容易な開放状態とに変位可能に構成されている。
V入賞口7156は、Vシャッタ7159により開閉可能な入球口であるとともに、遊技球が通過することにより大当り遊技状態に制御される契機となる入球口である。
遊技球がV入賞口7156を通過したことにより大当り遊技状態に制御された場合、遊技球がV入賞口7156を通過したときの第2大入賞口7151の開放を1ラウンド目として、V入賞口7156への遊技球の通過した後(2ラウンド目以降)は、第1大入賞口7131を閉鎖状態から開放状態へ移行させるラウンド遊技が実行される。なお、第2のルートを経て大当り遊技状態に制御された場合、V入賞口7156への遊技球の通過した後(2ラウンド目以降)も、第2大入賞口7151が閉鎖状態から開放状態に移行するラウンド遊技が所定のラウンド数にわたって実行されてもよい。
また、例えば第1大入賞口7131の内部にV入賞口を設ける等によって、V入賞口および大当り遊技状態において開放されるアタッカーを一つ(第1特別電動役物ユニット7130のみ)としてもよい。この場合、特電作動口7142に遊技球が入球したことによって第1大入賞口7131が開放状態となり、第1大入賞口7131の内部に設けられたV入賞口に遊技球が進入すると、大当り遊技状態(第2のルートを経た大当り遊技状態)に制御されるようにすればよい。
通常口7158は、第2大入賞口7151に進入したもののV入賞口7156を通過しなかった遊技球が進入(通過)するよう構成されたものである。なお、第2大入賞口7151に進入した遊技球の全部が通常口7158を通過し、V入賞口7156への遊技球の通過がなかった場合には、大当り遊技状態が制御されないことになる。
Vシャッタ7159は、Vシャッタ用ソレノイド7160(図245参照)の作動により、V入賞口7156への遊技球の通過が不可能(又は困難)な閉鎖状態と、V入賞口7156への遊技球の通過が可能(又は容易)な開放状態とに変位可能に構成されている。
なお、右側領域107に配置されている第1特別電動役物ユニット7130、普通電動役物ユニット7145、第2特別電動役物ユニット7150及び通過ゲート7126の配置関係は、適宜設計変更が自由である。
[7-3.電気的構成]
次に、図245を参照して、第7のパチンコ遊技機の制御回路について説明する。図245は、第7のパチンコ遊技機の制御回路を示すブロック図の一例である。
図245に示されるように、第7のパチンコ遊技機は、第1のパチンコ遊技機と同様、主に、遊技の制御を行う主制御回路200と、遊技の進行に応じた演出の制御を行うサブ制御回路300と、枠制御回路410と、電源供給回路450とから構成される。なお、枠制御回路410は、名称が変更されているが、第1のパチンコ遊技機の払出・発射制御回路400に対応するものである。
しかしながら、第7のパチンコ遊技機は、第1のパチンコ遊技機と比して、主制御回路200、サブ制御回路300及び枠制御回路410の構成が一部異なっている。以下に、それぞれの構成やその配置について説明する。
[主制御回路]
主制御回路200は、第1のパチンコ遊技機と比して、主制御回路200に接続される普電用ソレノイド7148、第1特電用ソレノイド7135、第2特電用ソレノイド7155、Vシャッタ用ソレノイド7160、第1始動口スイッチ7121、第2始動口スイッチ7141、通過ゲートスイッチ7127、特電作動口スイッチ7143、第1大入賞口カウントスイッチ7132、第2大入賞口カウントスイッチ7152、V入賞口スイッチ7157、遊技球回収スイッチ7179の構成が一部異なっている。
(メインCPU)
メインCPU201は、メインROM202に記憶されたプログラムに従って各種の処理を実行する機能を有し、第1のパチンコ遊技機と同様であるが、メインCPU201にはレジスタも内蔵されている。メインCPU201が有する各種レジスタは、複数の専用レジスタ(フラグレジスタ、インデックスレジスタ及びスタックポインタ等)と複数の汎用レジスタとを有しており、2つの汎用レジスタを組み合わせてペアレジスタとしても用いている。
(普電用ソレノイド)
普電用ソレノイド7148は、普電用シャッタ7147を作動させる電磁ソレノイドである。普電用ソレノイド7148は、メインCPU201により通電が行われる(励磁ONである)と、普電用シャッタ7147を前方に進出させて特電作動口7142を開放状態とさせ、メインCPU201により通電が行われないと(励磁OFFであると)と、普電用シャッタ7147を後方に退出させて特電作動口7142を閉鎖状態とさせる。
(第1特電用ソレノイド)
第1特電用ソレノイド7135は、第1特電用シャッタ7134を作動させる電磁ソレノイドである。第1特電用ソレノイド7135は、メインCPU201により通電が行われる(励磁ONである)と、第1特電用シャッタ7134を右方向に可動させて第1大入賞口7131を開放状態とさせ、メインCPU201により通電が行われないと(励磁OFFであると)と、第1特電用シャッタ7134を左方向に可動させて第1大入賞口7131を閉鎖状態とさせる。
(第2特電用ソレノイド)
第2特電用ソレノイド7155は、第2特電用シャッタ7154を作動させる電磁ソレノイドである。第2特電用ソレノイド7155は、メインCPU201により通電が行われる(励磁ONである)と、第2特電用シャッタ7154を後方に退出させて第2大入賞口7151を開放状態とさせ、メインCPU201により通電が行われないと(励磁OFFであると)と、第2特電用シャッタ7154を前方に進出させて第2大入賞口7151を閉鎖状態とさせる。
(Vシャッタ用ソレノイド)
Vシャッタ用ソレノイド7160は、Vシャッタ7159を作動させる電磁ソレノイドである。Vシャッタ用ソレノイド7160は、メインCPU201により通電が行われる(励磁ONである)と、Vシャッタ7159を後方に退出させてV入賞口7156を開放状態とさせ、メインCPU201により通電が行われないと(励磁OFFであると)と、Vシャッタ7159を前方に進出させてV入賞口7156を閉鎖状態とさせる。
また、本実施形態では、Vシャッタ用ソレノイド7160は、第2大入賞口7151の開放時にあわせて作動し、V入賞口7156を開放状態とさせる。すなわち、V入賞口7156は第2大入賞口7151の開放時から開放状態となり、遊技球が第2大入賞口7151に入球すると、V入賞口7156にも原則として通過することになる。
(第1始動口スイッチ)
第1始動口スイッチ7121は、第1始動口7120に設けられており、第1始動口7120への遊技球の入球を検出する貫通型の近接スイッチである。
第1始動口スイッチ7121により第1始動口7120への遊技球の入球が検出されると、メインCPU201は、第1の取得条件が成立したものとして、第1特別図柄の始動情報(大当り判定用乱数値、図柄乱数値、リーチ判定用乱数値、演出選択用乱数値等)を取得する。取得した第1特別図柄の始動情報は、「第1特別図柄の保留個数(例えば4個)」までメインRAM203の第1特別図柄始動記憶領域(第1特別図柄始動記憶領域(1)~第1特別図柄始動記憶領域(4)に順番)に記憶され、第1特別図柄の判定開始条件(例えば、特別電動役物が作動していないこと、特別図柄の可変表示が行われていないこと等)が成立すると、第1特別図柄の当り判定処理や、第1特別図柄の可変表示に用いられることになる。また、第1始動口スイッチ7121により第1始動口7120への遊技球の入球が検出されると、メインCPU201は、第1始動口用の賞球(例えば3個の遊技球)の付与を枠制御回路410に指示する。
(第2始動口スイッチ)
第2始動口スイッチ7141は、第2始動口7140に設けられており、第2始動口7140への遊技球の入球を検出する貫通型の近接スイッチである。
第2始動口スイッチ7141により第2始動口7140への遊技球の入球が検出されると、メインCPU201は、第2の取得条件が成立したものとして、第2特別図柄の始動情報(大当り判定用乱数値、図柄乱数値、リーチ判定用乱数値、演出選択用乱数値等)を取得する。取得した第2特別図柄の始動情報は、「第2特別図柄の保留個数(例えば4個)」までメインRAM203の第2特別図柄始動記憶領域(第2特別図柄始動記憶領域(1)~第2特別図柄始動記憶領域(4)に順番)に記憶され、第2特別図柄の判定開始条件(例えば、特別電動役物が作動していないこと、特別図柄の可変表示が行われていないこと等)が成立すると、第2特別図柄の当り判定処理や、第2特別図柄の可変表示に用いられることになる。また、第2始動口スイッチ7141により第2始動口7140への遊技球の入球が検出されると、メインCPU201は、第2始動口用の賞球(例えば1個の遊技球)の付与を枠制御回路410に指示する。
また、実施形態においては、第1特別図柄の始動情報に基づいた第1特別図柄の当り判定処理を「第1特別図柄の抽選」、第2特別図柄の始動情報に基づいた第2特別図柄の当り判定処理を「第2特別図柄の抽選」ともいい、第1特別図柄の抽選と第2特別図柄の抽選とをまとめて「特別図柄の抽選」ともいう。
(通過ゲートスイッチ)
通過ゲートスイッチ7127は、通過ゲート7126に設けられており、通過ゲート7126への遊技球の通過を検出する貫通型の近接スイッチである。
通過ゲートスイッチ7127が通過ゲート7126への遊技球の通過を検出すると、メインCPU201は、普通図柄の始動情報(普通図柄当り判定用乱数値、普通図柄の図柄乱数値等)を取得する。取得した普通図柄の始動情報は、「普通図柄の保留個数(例えば4個)」までメインRAM203の普通図柄始動記憶領域(普通図柄始動記憶領域(1)~普通図柄始動記憶領域(4)に順番)に記憶され、普通図柄の判定開始条件(例えば、普通電動役物が作動していないこと、普通図柄の可変表示が行われていないこと等)が成立すると、普通図柄の抽選(普通図柄の当り判定処理)や、普通図柄の可変表示に用いられることになる。
(特電作動口スイッチ)
特電作動口スイッチ7143は、特電作動口7142に設けられており、特電作動口7142への遊技球の通過を検出する貫通型の近接スイッチである。
特電作動口スイッチ7143が特電作動口7142への遊技球の入球を検出すると、メインCPU201は、第2特電用ソレノイド7155を通電(励磁)し、第2特電用シャッタ7154を作動させて第2大入賞口7151を開放状態にする。
(第1大入賞口カウントスイッチ)
第1大入賞口カウントスイッチ7132は、第1大入賞口7131への遊技球の入球を検出する貫通型の近接スイッチである。第1大入賞口カウントスイッチ7132が第1大入賞口7131への遊技球の入球を検出すると、メインCPU201は、1ラウンドあたりの第1大入賞口7131への遊技球の入賞数をカウントするとともに、第1大入賞口用の賞球(例えば15個の遊技球)の付与を枠制御回路410に指示したりすることになる。
(第2大入賞口カウントスイッチ)
第2大入賞口カウントスイッチ7152は、第2大入賞口7151への遊技球の入球を検出する貫通型の近接スイッチである。第2大入賞口カウントスイッチ7152が第2大入賞口7151への遊技球の入球を検出すると、メインCPU201は、第2大入賞口7151への遊技球の入賞数をカウントするとともに、第2大入賞口用の賞球(例えば15個の遊技球)の付与を枠制御回路410に指示したりすることになる。
(V入賞口スイッチ)
V入賞口スイッチ7157は、V入賞口7156への遊技球の通過を検出する貫通型の近接スイッチである。V入賞口スイッチ7157がV入賞口7156への遊技球の入球を検出すると、メインCPU201は、大当り遊技状態への移行制御を行うことになる。
(遊技球回収スイッチ)
遊技球回収スイッチ7179は、発射装置6から遊技領域105に発射された遊技球を検出する貫通型の近接スイッチである。遊技球回収スイッチ7179は、遊技盤ユニット7010の背面側であって、アウト口178、各種入賞口(例えば、第1始動口7120、第2始動口7140、第1大入賞口7131、第2大入賞口7151、一般入賞口122等)に入球した遊技球が通過する集合流路に配置されており、アウト口178への遊技球の入球のみならず、各種入賞口に入球した遊技球を区別なく検出し、発射された遊技球数(使用・消費された遊技球数)を計数する。
[サブ制御回路]
サブ制御回路300は、第1のパチンコ遊技機と同様に、サブCPU301、プログラムROM302、ワークRAM303、表示制御回路304、音声制御回路305、LED制御回路306、役物制御回路307およびコマンド入力ポート308を備えることは共通であるが、演出ボタンセンサ55と役物位置センサ56とにも接続されている。また、役物制御回路307には、演出用駆動モータ57が接続されている。
演出ボタンセンサ55は、遊技者の演出ボタン54の操作を検知するセンサであり、十字ボタン54a及びチャンスボタン54bに対応する複数のセンサから構成されている。演出ボタンセンサ55によって、サブCPU301は遊技者の演出ボタン54の操作を検知することができる。
なお、チャンスボタン54bの操作態様(形状)の変化、チャンスボタン54bの振動は、役物制御回路307によって駆動制御される。また、演出ボタン54に内蔵されたLED等の発光部は、LED制御回路306によって発光制御される。
役物位置センサ56は、演出用役物群58が初期値や基準位置にあることを検知するセンサである。役物位置センサ56は、複数の演出用役物群58のそれぞれに対応して設けられており、1つの演出用役物群58に対して初期値と終点位置等の複数のセンサが設けられていることもある。役物位置センサ56によって、サブCPU301はそれぞれの演出用役物の位置を把握することができる。
演出用駆動モータ57は、演出用役物群58、チャンスボタン54bを可動させる複数の駆動モータである。演出用駆動モータ57によって、演出用役物群58を可動させたり、チャンスボタン54bの操作態様(形状)の変化させたり、チャンスボタン54bを振動させたりすることができる。
[枠制御回路]
枠制御回路410は、枠CPU411と、枠ROM412と、枠RAM413とを少なくとも備えている。枠CPU411は、枠制御回路410に関わる処理を実行するデバイスであり、枠ROM412には、枠CPU411により実行されるプログラムや各種のテーブル等が記憶され、枠RAM413には、枠CPU411により実行される処理に必要な各種データを一時的に記憶する記憶領域が設けられている。
また、第7のパチンコ遊技機の枠制御回路410は、第1のパチンコ遊技機の払出・発射制御回路400とは異なり、遊技球を払い出すことが可能な払出装置82が備えられていない。枠制御回路410は、遊技球の発射や遊技球の管理等を制御するものであり、遊技球を発射させることが可能な発射装置6、転送ボタン71、獲得遊技球数表示部70、循環ユニット420、カードユニット181等が接続されている。
循環ユニット420は、発射装置6によって発射された遊技球を回収し、再び発射装置6が遊技球を発射可能となるように遊技球を循環させる装置である。
枠制御回路410は、主制御回路200から送信される遊技機情報を受信すると、受信した遊技機情報に基づいて獲得遊技球数を更新して記憶したり、受信した遊技機情報をカードユニット181やホールコンピュータに送信したりする。また、枠制御回路410は、記憶している獲得遊技球数を獲得遊技球数表示部70に表示させる制御を行い、転送ボタン71により遊技者の操作を受け付けると、記憶している獲得遊技球数をカードユニット180に転送した後、記憶していた獲得遊技球数をクリアする制御を行う。
さらに、枠制御回路410は、遊技球を遊技者に付与することの付与異常や、循環ユニット420の異常(球詰まり異常、モータ異常等)を監視しており、遊技球の付与異常や循環ユニット420の異常等があると、枠異常イベント情報を主制御回路200に送信する。
枠制御回路410は、発射ハンドル62が回動操作されると、その回動角度(回動量)に応じて発射ソレノイド(図示せず)に電力を供給し、遊技球を発射させる制御を行う。ただし、本実施形態においては、枠制御回路410は、主制御回路200からゲームストップ機能による遊技停止状態であることの遊技停止信号を入力すると、発射装置6による遊技球の発射停止(発射ソレノイドへの電力の供給停止)が行われる。なお、主制御回路200では遊技球の差玉数に基づいて遊技が停止されている状態であっても、枠制御回路410は、発射装置6による遊技球の発射停止を行わなくてもよい。
カードユニット181は、少なくとも金銭情報が記憶された遊技カードの挿入及び排出が可能であり、第7のパチンコ遊技機と、球貸し操作パネル182と、遊技情報を収集するためのサーバ(図示せず)とに接続されている。また、カードユニット181は、中継基板を介してホールコンピュータ186(図示せず)にも接続されている。
カードユニット181は、球貸し操作パネル182の球貸しボタンにより遊技者の貸出操作を受け付けると、第7のパチンコ遊技機に遊技球を貸し出させる制御を行い、球貸し操作パネル182の貸出返却ボタンにより遊技者の返却操作を受け付けると、遊技カードを排出する制御を行う。また、カードユニット181は、第7のパチンコ遊技機から獲得遊技球数を受信すると、受信した獲得遊技球数を遊技カードに記憶させる制御を行い、第7のパチンコ遊技機から遊技機情報を受信すると、受信した遊技機情報をサーバに送信する制御を行う。
その他として、スマートパチンコである第7のパチンコ遊技機は、第1のパチンコ遊技機の外部端子板184が備えられていない。スマートパチンコにおいては、ホールコンピュータ186は外部端子板184と接続されず、カードユニット180の中継基板に接続されるためである。
[7-4.メインRAMの内部構成(メモリマップ)]
次に、図246を参照して、第7のパチンコ遊技機の主制御回路200のメインRAM203の内部構成(メモリマップ)について説明する。図246は、第7のパチンコ遊技機の主制御回路200のメインRAM203の内部構成の概念図の一例である。
図246に示すように、メインRAM203のメモリマップでは、メインRAM203のアドレスの先頭(「F000」H)側から、遊技用エリア(作業領域及びスタック領域)、領域外エリア(作業領域及びスタック領域)の順番で、それぞれ所定のアドレスに配置されている。また、遊技用エリアと領域外エリアの間に、所定サイズの未使用領域があってもよく、本実施形態では、16バイトの未使用領域が設けられている。
「遊技用エリア」には、遊技者により実施される遊技(遊技の進行及び遊技性)に直接関連する制御プログラムの実行により決定された各種データが一時的に記憶(格納)される。また、「領域外エリア」は、遊技者により実施される遊技(遊技の進行及び遊技性)に直接関与しない各種処理により決定されたデータが一時的に記憶(格納)される。
なお、図示は省略するが、メインROM202のメモリマップも、「遊技用エリア」と「領域外エリア」とに区画されている。メインROM202の遊技用エリアには、遊技の進行及び遊技性に直接関連する制御プログラム、当該制御プログラムの実行に用いられる各種データが記憶される。また、メインROM202の領域外エリアには、遊技の進行及び遊技性に直接関与しない領域外プログラム、当該領域外プログラムの実行に用いられる各種データが記憶される。
(遊技用エリア)
本実施形態では、メインRAM203の遊技用エリアにおける作業領域には、先頭からバックアップ準備用データ領域、設定操作関連用データ領域、ゲームストップ機能管理領域、遊技LED出力処理用データ領域、入力処理用データ領域、割込み・タイマ領域、遊技機情報領域、図柄制御データ領域、払出制御データ領域、演出制御データ領域、その他各種データ領域が順番に配置されている。
「バックアップ準備用データ領域」は、電断復帰時に算出される遊技用エリアのCRC値等を記憶する領域であり、「設定操作関連用データ領域」は、設定変更用の設定値等のデータを記憶する領域である。
「ゲームストップ機能管理領域」は、ゲームストップ機能の作動の有無に関するデータを記憶する領域であり、「遊技停止状態フラグ領域」及び「ストップ機能完了コマンド送信フラグ領域」を有している。「遊技停止状態フラグ領域」は、遊技停止状態の情報を記憶する領域であり、「ストップ機能完了コマンド送信フラグ領域」は、ゲームストップ機能のコマンドの送信要求の情報を記憶する領域である。この「遊技停止状態フラグ領域」及び「ストップ機能完了コマンド送信フラグ領域」については、詳しくは図247を参照して後述する。
「遊技LED出力処理用データ領域」は、普通図柄表示部161、普通図柄用保留表示部162、第1特別図柄表示部163、第2特別図柄表示部164、第1特別図柄用保留表示部165、第2特別図柄用保留表示部166および時短報知用表示部168等の遊技LEDを点灯させるためのデータを記憶する出力ポートバッファ等の領域である。また、「遊技LED出力処理用データ領域」は、「発射位置指定信号管理データ領域」等も有している。
「入力処理用データ領域」は、遊技球を検出するための第1始動口スイッチ7121、第2始動口スイッチ7141、通過ゲートスイッチ7127、第1大入賞口カウントスイッチ7132、第2大入賞口カウントスイッチ7152、遊技球回収スイッチ7179、一般入賞口スイッチ123等の各種遊技球スイッチからの入力したデータを記憶する入力ポートバッファ等の領域である。
「割込み・タイマ領域」は、割込みカウンタ、特別図柄待ち時間カウンタ(第1特別図柄待ち時間カウンタ、第2特別図柄待ち時間カウンタ)、普通図柄待ち時間カウンタ、特電待ち時間カウンタ、大入賞開放時間カウンタ、通知間隔管理タイマ領域等の各種タイマカウンタを記憶する領域である。
「遊技機情報領域」は、枠制御回路410を介してカードユニット181に送信する遊技機情報を記憶する領域である。
「図柄制御データ領域」は、特別図柄及び普通図柄の進行に関する乱数値、制御データを記憶する領域である。また、「図柄制御データ領域」は、「特電制御状態番号領域」、「特別図柄判定記憶領域」、「第1特別図柄始動記憶領域」、「第2特別図柄始動記憶領域」、「特別図柄当りフラグ領域」、「特別図柄停止図柄番号領域」、「移行状態記憶領域」、「遊技状態記憶領域」、「普電作動パターン記憶領域」、「特図短縮パターン記憶領域」、「時短終了条件判定領域」、「大入賞口カウンタ(第1大入賞口カウンタ、第2大入賞口カウンタ)」「ラウンドカウンタ」、「大当りラウンド数上限値領域」等を有している。また、普通図柄の制御データに対応して、「普通図柄制御状態番号領域」、「普通図柄判定記憶領域」、「普通特別図柄始動記憶領域」等を有している。
「払出制御データ領域」は、遊技者に付与する遊技球に関するデータを記憶する領域であり、後述するように、「主制御コマンド送信領域」、「主制御コマンド制御状態番号領域」等を有している。
「演出制御データ領域」は、表示装置7、スピーカ32、LED群46等の報知装置において遊技状態、ゲームストップ機能等に関する情報を報知させるデータを記憶する領域でる。「演出制御データ領域」は、後述するように、遊技状態指定パラメータ領域、発射位置パラメータ領域、遊技異常検知パラメータ領域、ストップ機能状態パラメータ領域及びストップ機能差玉数パラメータ領域を有している。「ストップ機能状態パラメータ領域」は、ゲームストップ機能に関する状態(ゲームストップ機能フェーズ)の情報を記憶する領域であり、「ストップ機能差玉数パラメータ領域」は、遊技球の差玉数を示す差玉情報を記憶する領域である。この「ストップ機能状態パラメータ領域」及び「ストップ機能差玉数パラメータ領域」については、詳しくは図247を参照して後述する。
「その他各種データ領域」は、主としてエラー等の情報を記憶する領域であり、後述するように、「遊技異常検知パラメータ領域」、「枠状態通知フラグ領域」、「払出管理カウンタ領域」、「アウト球数管理カウンタ領域」、「発射許可信号管理領域」等を有している。
(領域外エリア)
また、本実施形態では、メインRAM203の領域外エリアにおける作業領域には、先頭からバックアップ準備用データ領域、性能表示モニタデータ領域、ゲームストップ機能フェーズ領域、ゲームストップ機能カウンタ領域、試射試験信号関連データ領域、その他各種データ領域が順番に配置されている。
「バックアップ準備用データ領域」は、電断復帰時に算出される領域外エリアのCRC値等を記憶する領域である。
「性能表示モニタデータ領域」は、性能表示モニタ170に表示させるデータを記憶する領域であり、性能表示状態情報領域、通常賞球数カウンタ領域、通常アウトカウンタ領域、総アウトカウンタ領域等を有している。
「ゲームストップ機能フェーズ領域」は、ゲームストップ機能に関する状態(ゲームストップ機能フェーズ)の情報を記憶する領域である。この「ゲームストップ機能フェーズ領域」については、詳しくは図247を参照して後述する。
「ゲームストップ機能カウンタ領域」は、ゲームストップ機能に関しての遊技球の差玉数等の情報を記憶する領域であり、「差玉管理用カウンタ領域」、「差玉判定用カウンタ領域」、「差玉判定用カウンタバッファ領域」、「差玉通知情報領域」及び「加算遊技球数カウンタ領域」を有している。「差玉管理用カウンタ領域」、「差玉判定用カウンタ領域」、「差玉判定用カウンタバッファ領域」、「差玉通知情報領域」及び「加算遊技球数カウンタ領域」は、遊技球の差玉数に関する差玉情報等を記憶する領域である。この「差玉管理用カウンタ領域」、「差玉判定用カウンタ領域」、「差玉判定用カウンタバッファ領域」、「差玉通知情報領域」及び「加算遊技球数カウンタ領域」については、詳しくは図247を参照して後述する。
「試射試験信号関連データ領域」は、遊技機の検定試験(試射試験)で使用されるデータを記憶する領域である。
「その他各種データ領域」は、主としてエラー等の情報を記憶する領域であり、後述するように「領域外セキュリティ情報領域」、「領域外遊技異常検知フラグ領域」等を有している。
(遊技用エリアのRAMクリア範囲のアドレス)
そして、図246に示すように、メインRAM203の遊技用エリアにおける作業領域には、バックアップ準備用データ領域の先頭に「異常時RAMクリア範囲先頭アドレス」が配置され、ゲームストップ機能管理領域の先頭に「クリアスイッチ作動時RAMクリア範囲先頭アドレス」が配置され、遊技LED出力処理用データ領域の先頭に「遊技停止時RAMクリア範囲先頭アドレス」が配置され、その他各種データ領域の先頭に「電断復帰時RAMクリア範囲先頭アドレス」が配置されている。
また、「異常時RAMクリア範囲先頭アドレス」及び「クリアスイッチ作動時RAMクリア範囲先頭アドレス」に対応するRAMクリア範囲最終アドレスとして、スタック領域の最後に「第1終了アドレス」が配置されている。また、「電断復帰時RAMクリア範囲先頭アドレス」に対応するRAMクリア範囲最終アドレスとして、スタック領域の先頭に「第2終了アドレス」が配置されている。さらに、「遊技停止時RAMクリア範囲先頭アドレス」に対応するRAMクリア範囲最終アドレスとして、割込み・タイマ領域の先頭に「遊技停止時RAMクリア範囲終了アドレス」が配置されている。
(遊技用エリアの異常時RAMクリア範囲)
異常時RAMクリア範囲先頭アドレスが設定されると(電断復帰時の起動状態が「RAM異常」であると)、異常時RAMクリア範囲先頭アドレスから第1終了アドレスまでの範囲が、遊技用エリアの「異常時RAMクリア範囲」として設定される。そして、遊技用エリアの異常時RAMクリア範囲にあるデータがクリアされることになる。
本実施形態では、遊技用エリアの異常時RAMクリア範囲は、メインRAM203に記憶されたデータに異常(破損)があると判定されていることから、メインRAM203の遊技用エリアにおける使用領域を全て含み、遊技用エリアにおける使用領域はすべてクリアされることになる。
(遊技用エリアにおけるクリアスイッチ作動時RAMクリア範囲)
クリアスイッチ作動時RAMクリア範囲先頭アドレスが設定されると(電断復帰時の起動状態が「RAMクリア」または「設定変更中」であると)、クリアスイッチ作動時RAMクリア範囲先頭アドレスから第1終了アドレスまでの範囲が、遊技用エリアの「クリアスイッチ作動時RAMクリア範囲」として設定される。そして、遊技用エリアのクリアスイッチ作動時RAMクリア範囲にあるデータがクリアされることになる。
本実施形態では、遊技用エリアのクリアスイッチ作動時RAMクリア範囲は、バックアップ準備用データ領域、設定操作関連用データ領域を除き、ゲームストップ機能管理領域、遊技LED出力処理用データ領域、入力処理用データ領域、割込み・タイマ領域、遊技機情報領域、図柄制御データ領域、払出制御データ領域、演出制御データ領域、その他各種データ領域が含まれている。このため、バックアップ準備用データ領域、設定操作関連用データ領域に記憶されたデータは保護され、電断復帰時の起動状態が設定変更中であるときの設定値を保持することができる。
特に、本実施形態においては、遊技用エリアのクリアスイッチ作動時RAMクリア範囲には、ゲームストップ機能に関する領域として、遊技停止状態フラグ領域、ストップ機能完了コマンド送信フラグ領域、ストップ機能状態パラメータ領域及びストップ機能差玉数パラメータ領域のゲームストップ機能に関する遊技用エリアの全ての領域が含まれている。このため、電断復帰時にRAMクリアスイッチ176がONであると(電断復帰時の起動状態がRAMクリアまたは設定変更中であると)、ゲームストップ機能に関する全ての情報がクリアされ、ゲームストップ機能に関する機能・状態がリセットされる。これにより、ゲームストップ機能により遊技停止状態となったときには、電断復帰時にRAMクリアスイッチ176をONにしなければ、遊技停止状態が解除されないことになる。
(遊技用エリアにおける電断復帰時RAMクリア範囲)
電断復帰時RAMクリア範囲先頭アドレスが設定されると(電断復帰時の起動状態が「電断復帰」または「設定確認中」であると)、電断復帰時RAMクリア範囲先頭アドレスから第2終了アドレスまでの範囲が、遊技用エリアの「電断復帰時RAMクリア範囲」として設定される。そして、遊技用エリアの電断復帰時RAMクリア範囲にあるデータがクリアされることになる。
本実施形態では、遊技用エリアの電断復帰時RAMクリア範囲は、その他各種データ領域が含まれており、大部分の作業領域は除かれている。すなわち、バックアップ準備用データ領域、設定操作関連用データ領域、ゲームストップ機能管理領域、遊技LED出力処理用データ領域、入力処理用データ領域、割込み・タイマ領域、遊技機情報領域、図柄制御データ領域、払出制御データ領域、演出制御データ領域に記憶されたデータは保持される。このため、電断復帰前の状態が保持され、電断復帰後には、電断復帰前の状態から継続して遊技を進行させることができる。なお、その他各種データ領域には、例えば、遊技異常検知フラグ等のデータが記憶され、一時的にエラーが解除されることになる。
特に、本実施形態においては、遊技用エリアの電断復帰時RAMクリア範囲には、ゲームストップ機能に関する領域として、遊技停止状態フラグ領域、ストップ機能完了コマンド送信フラグ領域、ストップ機能状態パラメータ領域及びストップ機能差玉数パラメータ領域のゲームストップ機能に関する遊技用エリアの全ての領域が除かれている。このため、電断復帰時にRAMクリアスイッチ176の操作を行わずに、正常に電断復帰したときには、ゲームストップ機能の遊技停止状態、ゲームストップ機能のコマンドの送信要求、遊技用エリアのゲームストップ機能フェーズの情報、遊技用エリアの差玉情報は保持される。
なお、詳しくは後述するが、遊技用エリアの差玉情報は、領域外エリアの差玉情報から転送されるものである。このため、遊技用エリアのストップ機能差玉数パラメータ領域に記憶された差玉情報はRAMクリア範囲には含まれず直接的にはクリアされないものの、電断復帰時に領域外エリアの差玉情報がクリアされることにより、その後、遊技用エリアの差玉情報もクリア(=0)されることになる。すなわち、正常に電断復帰したときには、遊技用エリアのストップ機能差玉数パラメータ領域に記憶された差玉情報も実質的にクリアされることになる。
同様に、詳しくは後述するが、遊技用エリアのゲームストップ機能フェーズの情報は、領域外エリアのゲームストップ機能フェーズから転送されるものである。このため、遊技用エリアのストップ機能状態パラメータ領域に記憶されたゲームストップ機能フェーズはRAMクリア範囲には含まれず直接的にはクリアされないものの、ゲームストップ機能作動予告フェーズ(=1)がセットされている場合に限り、領域外エリアのゲームストップ機能フェーズ領域がクリアされ、遊技用エリアのゲームストップ機能フェーズの情報もクリア(=0)されることになる。すなわち、正常に電断復帰したときに、ゲームストップ機能作動予告フェーズ(=1)がセットされている場合に限り、遊技用エリアのストップ機能状態パラメータ領域に記憶されたゲームストップ機能フェーズの情報も実質的にクリアされることになる。
なお、本実施形態においては、図246に示すように、電断復帰時RAMクリア範囲先頭アドレスをその他各種データ領域の先頭に配置したが、ストップ機能差玉数パラメータ領域の先頭に配置して、電断復帰時にRAMクリアスイッチ176が操作されず、正常に電断復帰したときには、電断復帰時に遊技用エリアの差玉情報が直接的にクリアされるように構成してもよい。
(遊技用エリアにおける遊技停止時RAMクリア範囲)
ゲームストップ機能により遊技停止状態になったときには、遊技停止時RAMクリア範囲先頭アドレスから遊技停止時RAMクリア範囲終了アドレスまでの範囲が、遊技用エリアの「遊技停止時RAMクリア範囲」として設定される。そして、遊技用エリアの遊技停止時RAMクリア範囲にあるデータがクリアされることになる。
本実施形態では、遊技用エリアの遊技停止時RAMクリア範囲は、遊技LED出力処理用データ領域の出力ポートバッファ、入力処理用データ領域の入力ポートバッファが含まれており、その他の作業領域は除かれている。このため、ゲームストップ機能により遊技停止状態中であるときには、遊技LED出力処理用データ領域の出力ポートバッファがクリアされ、普通図柄表示部161、普通図柄用保留表示部162、第1特別図柄表示部163、第2特別図柄表示部164、第1特別図柄用保留表示部165、第2特別図柄用保留表示部166および時短報知用表示部168等の遊技LEDに点灯が行われないことになる(消灯のまま)。さらに、ゲームストップ機能により遊技停止状態中であるときには、入力処理用データ領域の入力ポートバッファもクリアされるので、遊技球を検出するための第1始動口スイッチ7121、第2始動口スイッチ7141、通過ゲートスイッチ7127、第1大入賞口カウントスイッチ7132、第2大入賞口カウントスイッチ7152、遊技球回収スイッチ7179、一般入賞口スイッチ123等の各種遊技球スイッチが無効化される。
なお、本実施形態においては、図246に示すように、遊技停止時RAMクリア範囲終了アドレスを割込み・タイマ領域の先頭に配置したが、入力処理用データ領域の先頭に配置して、ゲームストップ機能により遊技停止状態中であるときにも、入力処理用データ領域にあるデータがクリアされないように構成してもよい。ただし、このように構成する場合には、ゲームストップ機能による遊技停止状態中であるときには、後述するスイッチ入力検知処理を不実行とするように構成することが望ましい。
(領域外エリアのRAMクリア範囲のアドレス)
そして、メインRAM203の領域外エリアにおける作業領域にも、バックアップ準備用データ領域の先頭に「異常時RAMクリア範囲先頭アドレス」が配置され、ゲームストップ機能フェーズ領域の先頭に「クリアスイッチ作動時RAMクリア範囲先頭アドレス」が配置され、ゲームストップ機能カウンタ領域の先頭に「電断復帰時RAMクリア範囲先頭アドレス」が配置されている。
また、「異常時RAMクリア範囲先頭アドレス」、「クリアスイッチ作動時RAMクリア範囲先頭アドレス」、「電断復帰時RAMクリア範囲先頭アドレス」に対応するRAMクリア範囲最終アドレスとして、スタック領域の先頭に「第3終了アドレス」が配置されている。
(領域外エリアの異常時RAMクリア範囲)
異常時RAMクリア範囲先頭アドレスが設定されると(電断復帰時の起動状態が「RAM異常」であると)、異常時RAMクリア範囲先頭アドレスから第3終了アドレスまでの範囲が、領域外エリアの「異常時RAMクリア範囲」として設定される。そして、領域外エリアの異常時RAMクリア範囲にあるデータがクリアされることになる。
本実施形態では、領域外エリアの異常時RAMクリア範囲は、領域外エリアにおけるスタック領域を除いた作業領域を全て含み、領域外エリアにおけるスタック領域を除いた作業領域はすべてクリアされる。
(領域外エリアのクリアスイッチ作動時RAMクリア範囲)
クリアスイッチ作動時RAMクリア範囲先頭アドレスが設定されると(電断復帰時の起動状態が「RAMクリア」または「設定変更中」であると)、クリアスイッチ作動時RAMクリア範囲先頭アドレスから第3終了アドレスまでの範囲が、領域外エリアの「クリアスイッチ作動時RAMクリア範囲」として設定される。そして、領域外エリアのクリアスイッチ作動時RAMクリア範囲にあるデータがクリアされることになる。
本実施形態では、領域外エリアのクリアスイッチ作動時RAMクリア範囲は、バックアップ準備用データ領域、性能表示モニタデータ領域を除き、ゲームストップ機能フェーズ領域、ゲームストップ機能カウンタ領域、試射試験信号関連データ領域、その他各種データ領域が含まれている。このため、バックアップ準備用データ領域、性能表示モニタデータ領域に記憶されたデータは保護され、性能表示モニタ170に表示させるデータを保持することができる。
特に、本実施形態においては、領域外エリアのクリアスイッチ作動時RAMクリア範囲には、ゲームストップ機能に関する領域として、ゲームストップ機能フェーズ領域、ゲームストップ機能カウンタ領域(差玉管理用カウンタ領域、差玉判定用カウンタ領域、差玉判定用カウンタバッファ領域、差玉通知情報領域、加算遊技球数カウンタ領域)のゲームストップ機能に関する領域外エリアのすべての領域が含まれている。このため、電断復帰時にRAMクリアスイッチ176がONであると(電断復帰時の起動状態がRAMクリアまたは設定変更中であると)、ゲームストップ機能に関する全ての情報がクリアされ、ゲームストップ機能に関する機能・状態がリセットされる。
(領域外エリアの電断復帰時RAMクリア範囲)
電断復帰時RAMクリア範囲先頭アドレスが設定されると(電断復帰時の起動状態が「電断復帰」または「設定確認中」であると)、電断復帰時RAMクリア範囲先頭アドレスから第3終了アドレスまでの範囲が、領域外エリアの「電断復帰時RAMクリア範囲」として設定される。そして、領域外エリアの電断復帰時RAMクリア範囲にあるデータがクリアされることになる。
本実施形態では、領域外エリアの電断復帰時RAMクリア範囲は、バックアップ準備用データ領域、性能表示モニタデータ領域及びゲームストップ機能フェーズ領域を除き、ゲームストップ機能カウンタ領域、試射試験信号関連データ領域、その他各種データ領域が含まれている。このため、バックアップ準備用データ領域、性能表示モニタデータ領域及びゲームストップ機能フェーズ領域に記憶されたデータは保護され、性能表示モニタ170に表示させるデータ、ゲームストップ機能フェーズの状態も保持することができる。
特に、本実施形態においては、領域外エリアの電断復帰時RAMクリア範囲には、ゲームストップ機能に関する領域として、ゲームストップ機能フェーズ領域は除かれるものの、ゲームストップ機能カウンタ領域(差玉管理用カウンタ領域、差玉判定用カウンタ領域、差玉判定用カウンタバッファ領域、差玉通知情報領域、加算遊技球数カウンタ領域)は含まれている。このため、電断復帰時にRAMクリアスイッチ176の操作が行われず、正常に電断復帰したときには、領域外エリアのゲームストップ機能フェーズの情報は保持されるものの、領域外エリアの差玉情報はクリアされることになる。
なお、詳しくは後述するが、領域外エリアのゲームストップ機能フェーズ領域にゲームストップ機能作動予告フェーズ(=1)がセットされている場合に限り、特殊な処理(図260のステップS7054、S7055等参照)によりゲームストップ機能フェーズがクリアされることになる。
[7-5.ゲームストップ機能に関するデータ内容]
次に、ゲームストップ機能に関するデータとして、上述したメインRAM203の遊技停止状態フラグ領域、ストップ機能完了コマンド送信フラグ領域、ストップ機能状態パラメータ領域、ストップ機能差玉数パラメータ領域、ゲームストップ機能フェーズ領域、差玉管理用カウンタ領域、差玉判定用カウンタ領域、差玉判定用カウンタバッファ領域、差玉通知情報領域及び加算遊技球数カウンタ領域に記憶されているデータ内容について説明する。図247は、第7のパチンコ遊技機のゲームストップ機能に関するデータ内容を説明するための説明図の一例である。
図247に示すように、遊技用エリアの「遊技停止状態フラグ領域」は、1バイトの容量からなり、遊技可能状態とゲームストップ機能による遊技停止状態の情報が記憶される。具体的には、遊技停止状態フラグ領域=0であると「遊技可能状態」を示し、遊技停止状態フラグ領域=1であると「遊技停止状態」を示している。
遊技用エリアの「ストップ機能完了コマンド送信フラグ領域」は、1バイトの容量からなり、ゲームストップ機能に関するコマンド(ゲームストップ機能完了コマンド)の送信要求を示す情報が記憶される。具体的には、遊技停止状態フラグ領域=0であるとゲームストップ機能完了コマンドの「送信要求なし」を示し、遊技停止状態フラグ領域=1であるとゲームストップ機能完了コマンドの「送信要求あり」を示している。詳しくは後述するが、この送信要求ありは、ゲームストップ機能により遊技停止状態が設定されたときに、ゲームストップ機能完了コマンドを送信するために設定される情報である。
遊技用エリアの「ストップ機能状態パラメータ領域」は、1バイトの容量からなり、ゲームストップ機能に関する状態としてゲームストップ機能フェーズを示す情報が記憶される。「ゲームストップ機能フェーズ」は、ゲームストップ機能に関する状態を示す情報であり、遊技球の差玉数が境界値(例えば90000個)未満である「ゲームストップ機能通常状態フェーズ」と、遊技球の差玉数が境界値(例えば90000個)以上である「ゲームストップ機能作動予告フェーズ(「ゲーム停止予告状態」ともいう)」と、遊技球の差玉数が規制値(例えば95000個)以上である「ゲームストップ機能作動待機フェーズ(「ゲーム停止準備状態」ともいう)」と、遊技停止状態の停止条件成立状態である「ゲームストップ機能作動完了フェーズ(「ゲーム停止状態」ともいう)」とに識別される。具体的には、ストップ機能状態パラメータ領域=0は「ゲームストップ機能通常状態フェーズ」を示し、ストップ機能状態パラメータ領域=1は「ゲームストップ機能作動予告フェーズ」を示している。また、ストップ機能状態パラメータ領域=2は「ゲームストップ機能作動待機フェーズ」を示し、ストップ機能状態パラメータ領域=3は「ゲームストップ機能作動完了フェーズ」を示している。
なお、本実施形態においては、規制値を95000個、規制値未満の境界値を90000個に設定しているが、規制値及び境界値の値は、適宜設計変更が自由である。
遊技用エリアの「ストップ機能差玉数パラメータ領域」は、1バイトの容量からなり、遊技球の差玉数の1000個単位の個数を示す第1差玉情報が記憶される。具体的には、ストップ機能差玉数パラメータ領域=0は、遊技球の差玉数が1000個未満である個数(0~999個)ことを示し、ストップ機能差玉数パラメータ領域=1は、遊技球の差玉数が1000個単位の個数(1000~1999個)であることを示している。また、ストップ機能差玉数パラメータ領域=96は、遊技球の差玉数が96000個単位の個数(96000~96999個)であることを示している。
領域外エリアの「ゲームストップ機能フェーズ領域」は、1バイトの容量からなり、ストップ機能状態パラメータ領域と同様に、ゲームストップ機能フェーズを示す情報が記憶される。具体的には、ゲームストップ機能フェーズ領域=0は「ゲームストップ機能通常状態フェーズ」を示し、ゲームストップ機能フェーズ領域=1は「ゲームストップ機能作動予告フェーズ」を示している。また、ゲームストップ機能フェーズ領域=2は「ゲームストップ機能作動待機フェーズ」を示し、ゲームストップ機能フェーズ領域=3は「ゲームストップ機能作動完了フェーズ」を示している。詳しくは後述するが、領域外エリアのゲームストップ機能フェーズ領域に記憶されたゲームストップ機能フェーズの情報が、遊技用エリアのストップ機能状態パラメータ領域に転送(記憶)されることになる。
領域外エリアの「差玉管理用カウンタ領域」は、2バイトの容量からなり、遊技球の差玉数の1000個未満の個数を示す第2差玉情報が記憶される。
領域外エリアの「差玉判定用カウンタ領域」は、1バイトの容量からなり、ストップ機能差玉数パラメータ領域と同様に、遊技球の差玉数の1000個単位の個数を示す第1差玉情報が記憶される。
また、2バイトの「差玉管理用カウンタ領域」と1バイトの「差玉判定用カウンタ領域」とを、すべての差玉情報(第1差玉情報+第2差玉情報)を示す「3バイトカウンタ」としても用いており、下位2バイトが「差玉管理用カウンタ領域」の第2差玉情報に対応しており、上位1バイトが「差玉判定用カウンタ領域」の第1差玉情報に対応している。
領域外エリアの「差玉判定用カウンタバッファ領域」は、1バイトの容量からなり、遊技球の差玉数の変化を確認するために、差玉判定用カウンタ領域に記憶された前回の第1差玉情報が記憶される。
領域外エリアの「差玉通知情報領域」は、1バイトの容量からなり、遊技球の差玉数の変化が所定値以上であった場合に、差玉判定用カウンタ領域に記憶された第1差玉情報が記憶される。詳しくは後述するが、領域外エリアの差玉通知情報領域に記憶された第1差玉情報が、遊技用エリアのストップ機能差玉数パラメータ領域に転送(記憶)されることになる。
領域外エリアの「加算遊技球数カウンタ領域」は、1バイトの容量からなり、加算遊技球数の情報が記憶される。「加算遊技球数」は、遊技球の差玉数に加算する加算値であり、各種入賞口に遊技球が入球したときに払い出される遊技球数を遊技球の差玉数に加算するまで、一時的に記憶しておく情報である。
[7-6.基本仕様]
次に、図248~図256を参照して、第7のパチンコ遊技機の基本仕様について説明する。なお、第7のパチンコ遊技機は設定機能付きのパチンコ遊技機であってもよいが、以下では、設定機能にかかわる記載は省略する。
また、第7のパチンコ遊技機は、1種2種混合機と称されるパチンコ遊技機であり、通常遊技状態または時短遊技状態において遊技を進行させることが可能となっており、確変制御が実行されないものの、確変制御も実行可能としてもよい。
また、第7のパチンコ遊技機では、後述するように、時短移行条件(時短発生条件)の観点から区別される時短遊技状態として、大当り遊技状態の終了後に移行する「A時短遊技状態」と、時短当りを契機として特別図柄の可変表示の終了後に移行する「C時短遊技状態」とを備えている。なお、特別図柄の可変表示の回数が天井値に到達した後に移行する「B時短遊技状態」を備えてもよい。
さらに、時短遊技状態は、時短終了条件及び時短遊技状態中の作動態様(普電用シャッタ7147の作動パターン、特別図柄の短縮パターン)の観点から区別される時短遊技状態として、第1時短遊技状態~第4時短遊技状態に分類される。なお、本実施形態においては、A時短遊技状態、B時短遊技状態、C時短遊技状態、第1時短遊技状態、第2時短遊技状態、第3時短遊技状態及び第4時短遊技状態のいずれも区別しないときは、単に「時短遊技状態」ともいう。
また、通常遊技状態は、左打ちが正規な遊技態様とされ、遊技球が第1始動口7120に入球可能に構成されている。また、時短遊技状態は、右打ちが正規な遊技態様とされ、遊技球が第2始動口7140、特電作動口7142または通過ゲート7126に入球・通過可能に構成されている。また、大当り遊技状態及び特電作動口7142への遊技球の入球を契機とした後述する特電開放遊技状態も、右打ちが正規な遊技態様とされ、遊技球が第1大入賞口7131または第2大入賞口7151に入球可能に構成されている。
[特別図柄の当り判定テーブル]
図248は、第7のパチンコ遊技機における特別図柄の当り判定テーブルの一例である。図248に示す特別図柄の当り判定テーブルは、大当り遊技状態に移行する「大当り」、時短遊技状態に移行する「時短当り」または「ハズレ」を判定するためのテーブルであり、主制御回路200のメインROM202に記憶されている。
図248に示す特別図柄の当り判定テーブルには、特別図柄の種別と、大当り判定用乱数値と、当落判定値データ(大当り判定値データ、時短当り判定値データ、ハズレ判定値データ)とが対応付けて規定されている。なお、第1特別図柄および第2特別図柄ともに、大当り判定用乱数値の総乱数値は65536である。すなわち、上記の大当り判定用乱数値は0~65535の範囲(幅)で発生する。
図248に示す特別図柄の当り判定テーブルによれば、第1特別図柄の当り判定処理では、「大当り」または「ハズレ」は判定されるものの「時短当り」は判定されず、第2特別図柄の当り判定処理では、「大当り」、「時短当り」または「ハズレ」が判定されることになる。
本実施形態では、第1始動口7120に遊技球が入球した場合、メインCPU201は、第1特別図柄の当り判定処理に基づいて、第1特別図柄の当り判定処理の結果を、約1/348.6の選択率で「大当り」と判定し、それ以外は「ハズレ」と判定する。また、第2始動口7140に遊技球が入球した場合、メインCPU201は、第2特別図柄の当り判定処理に基づいて、第2特別図柄の当り判定処理の結果を、約1/348.6の選択率で「大当り」と判定し、約1/60の高い選択率で「時短当り」と判定し、それ以外は「ハズレ」と判定する。
このように、本実施形態では、図248に示す特別図柄の当り判定テーブルでは、第1始動口7120に遊技球が入球するよりも、第2始動口7140に遊技球が入球した場合の方が「時短当り」と判定されやすく構成されている。
また、第1特別図柄の当り判定処理が行われた場合に、「時短当り」が判定されるように構成してもよいが、「時短当り」が判定されるように構成した場合、第1特別図柄の当り判定処理で行われる判定よりも、第2特別図柄の当り判定処理で行われる判定の方が有利となるように、相対的に低い選択率で「時短当り」を判定することが好ましい。
さらに、本実施形態では、第2大入賞口7151を開放させる小当り遊技状態に移行する「小当り」が判定されないが、第1特別図柄の当り判定処理または第2特別図柄の当り判定処理により「小当り」が判定されてもよい。「小当り」が判定されるように構成した場合、第1特別図柄の当り判定処理で行われる判定よりも、第2特別図柄の当り判定処理で行われる判定の方が「小当り」と判定されやすく構成することが好ましい。
なお、上述した「大当り」と判定される乱数値の範囲(幅)、「時短当り」と判定される乱数値の範囲(幅)、「ハズレ」と判定される乱数値の範囲(幅)、すなわち各種の選択率は、上記値に限定されず、適宜設計変更が自由である。
さらに、設定値に応じて、大当りの選択率、時短当りの選択率、小当りの選択率等、遊技者にとっての有利度合いを変更しうる条件のうちの一つまたは二つ以上を採用することにより、大当り遊技状態、小当り遊技状態または時短遊技状態に制御される期待値が低設定よりも高設定の方が高くなるように構成してもよい。
後述するように、本実施形態では、通常遊技状態及びA時短遊技状態において「時短当り」が判定されると、特別図柄の可変表示の終了後に時短遊技状態に移行するが、C時短遊技状態において「時短当り」が判定されても、特別図柄の可変表示の終了後に新たな時短遊技状態に移行せず、現在の時短遊技状態が保持されるように構成されている。
なお、C時短遊技状態においては「時短当り」が判定されないように特別図柄の当り判定テーブルを構成してもよい。
[特別図柄判定テーブル]
図249は、第7のパチンコ遊技機における特別図柄判定テーブルの一例である。図249に示す特別図柄判定テーブルは、「特別図柄の停止図柄」を決定するテーブルであり、主制御回路200のメインROM202に記憶されている。
「特別図柄の停止図柄」は、特別図柄の当り判定処理の結果が当りであった場合に、第1特別図柄表示部163または第2特別図柄表示部164に停止表示する特別図柄の種類を決定するための情報である。
また、この特別図柄の停止図柄の情報は、特別図柄の変動表示の開始時にサブ制御回路300に送信される「特別図柄演出開始コマンド」に含めており、特別図柄演出開始コマンドに含まれた特別図柄の停止図柄の情報に基づいて、表示装置7の表示領域に特別図柄の停止図柄に対応した装飾図柄が停止表示されることになる。
図249に示す特別図柄判定テーブルには、特別図柄の種類と、上述の当落判定値データと、第1始動口7120または第2始動口7140に遊技球が入球したときに取得される特別図柄の図柄乱数値とが、「特別図柄の停止図柄」に対応付けて規定されている。特別図柄の図柄乱数値は、例えば0~99(100種類)の中から抽出される。すなわち、上記の特別図柄の図柄乱数値は0~99の範囲(幅)で発生する。
図249に示す特別図柄判定テーブルによれば、メインCPU201は、第1特別図柄の当り判定処理の結果として大当り判定値データが得られた場合、特別図柄の図柄乱数値が0~24のいずれかであるときには、特別図柄の停止図柄(大当り図柄)として「z1」を決定し、特別図柄の図柄乱数値が25~49のいずれかであるときには、特別図柄の停止図柄(大当り図柄)として「z2」を決定し、特別図柄の図柄乱数値が50~59のいずれかであるときには、特別図柄の停止図柄(大当り図柄)として「z3」を決定し、特別図柄の図柄乱数値が60~99のいずれかであるときには、特別図柄の停止図柄(大当り図柄)として「z4」を決定する。
メインCPU201は、第2特別図柄の当り判定処理の結果として大当り判定値データが得られた場合、特別図柄の図柄乱数値がいずれの値であっても、メインCPU201は、特別図柄の停止図柄(大当り図柄)として「z5」を決定する。
また、メインCPU201は、第2特別図柄の当り判定処理の結果として時短当り判定値データが得られた場合、特別図柄の図柄乱数値が0~29のいずれかであるときには、特別図柄の停止図柄(時短図柄)として「z6」を決定し、特別図柄の図柄乱数値が30~64のいずれかであるときには、特別図柄の停止図柄(時短図柄)として「z7」を決定し、特別図柄の図柄乱数値が65~99のいずれかであるときには、特別図柄の停止図柄(時短図柄)として「z8」を決定する。
なお、C時短遊技状態において第2特別図柄の当り判定処理の結果として時短当り判定値データが得られた場合、すなわちC時短遊技状態において「時短当り」が判定されたときには、特別図柄の可変表示の終了後に新たな時短遊技状態に移行しないことから、「ハズレ」と取り扱って、ハズレに対応した特別図柄の停止図柄が停止表示されるように制御してもよい。
なお、「特別図柄の停止図柄」を決定する特別図柄の図柄乱数値の範囲、すなわち選択率は、上記値に限定されず、適宜設計変更が自由である。
また、詳しくは後述するが、図249に示す特別図柄判定テーブルの備考欄に示すように、決定された特別図柄の停止図柄に基づいて、移行する遊技状態(大当り遊技状態の種類、時短遊技状態の種類)等が決定されることになる。
[遊技状態関連設定テーブル]
図250は、第7のパチンコ遊技機における遊技状態関連設定テーブルの一例である。なお、図250に示す遊技状態関連設定テーブルは、遊技状態を設定するためのテーブルであり、主制御回路200のメインROM202に記憶されている。
本実施形態では、遊技状態関連設定テーブルとして、図250(a)に示す大当り遊技状態の終了後に参照される遊技状態関連設定テーブル1と、図250(b)に示す時短当りの特別図柄の可変表示の終了後に参照される遊技状態関連設定テーブル2とを備えている。
図250に示すように、遊技状態関連設定テーブルには、遊技状態の設定として、移行時の遊技状態毎に「遊技状態情報」、「時短情報」、「普電作動パターン」、「特図短縮パターン」及び「時短終了条件」が対応付けられている。
「遊技状態情報」とは、通常遊技状態と、時短移行条件(時短発生条件)の観点から識別される時短遊技状態との情報であり、メインRAM203の所定の記憶領域に記憶される。遊技状態情報=0は「通常遊技状態」を示し、遊技状態情報=1は「A時短遊技状態」を示し、遊技状態情報=2は「C時短遊技状態」を示している。
「時短情報」とは、時短終了条件及び時短遊技状態中の作動態様(普電作動パターン、特図短縮パターン)の観点から識別される時短遊技状態の情報であり、時短情報=1は「第1時短遊技状態」を示し、時短情報=2は「第2時短遊技状態」を示し、時短情報=3は「第3時短遊技状態」を示し、時短情報=4は「第4時短遊技状態」を示している。
「普電作動パターン」とは、特電作動口7142が開放するときの開放状態(開放パターン)を定めた情報であり、メインRAM203の所定の記憶領域に記憶される。普電作動パターン=00は、普電作動パターン=01よりも後述する特電作動口7142の「ショート開放状態」が決定され易い状態を示し、普電作動パターン=01は、普電作動パターン=00であるときよりも後述する特電作動口7142の「ロング開放状態」が決定され易い状態を示している。すなわち、普電作動パターン=01が設定されることにより、特電作動口7142がロング開放状態になり易いことになる。
「特図短縮パターン」とは、第2特別図柄の変動表示時間に関する短縮状態を定めた情報であり、メインRAM203の所定の記憶領域に記憶される。特図短縮パターン=00は、特図短縮パターン=01よりも第2特別図柄の変動表示時間が長い変動表示時間が決定され易い状態を示し、特図短縮パターン=01は、特図短縮パターン=00よりも第2特別図柄の変動表示時間が短い変動表示時間が決定され易い状態を示している。すなわち、特図短縮パターン=01が設定されることにより、第2特別図柄の変動表示時間が短縮されることになる。
さらに、普通図柄の変動表示時間に関しては、第2特別図柄の変動表示時間に関する短縮状態と逆の関係になり、特図短縮パターン=00は、特図短縮パターン=01よりも普通図柄の変動表示時間が短い変動表示時間が決定され易い状態を示し、特図短縮パターン=01は、特図短縮パターン=00よりも普通図柄の変動表示時間が長い変動表示時間が決定され易い状態を示している。すなわち、特図短縮パターン=00が設定されることにより、普通図柄の変動表示時間が短縮されることになる。
「時短終了条件」とは、時短遊技状態が終了する終了条件であり、時短遊技状態の種類に応じて、遊技球がV入賞口7156を通過すること(「V入賞口入賞時」ともいう)、遊技球が特電作動口7142に入球すること(「特電作動口入賞時」ともいう)または第2特別図柄の可変表示回数(「第2特別図柄の4回転」ともいう)のいずれかを終了条件として設定している。また、図示は省略するが、大当り遊技状態に移行することも共通の時短終了条件として設定されている。これらのいずれかの時短終了条件が成立することにより、時短遊技状態が終了して通常遊技状態に移行することになる。
本実施形態において、第1時短遊技状態に移行するときには、第1時短遊技状態に関する設定情報として、時短情報=1、普電作動パターン=01、特図短縮パターン=00が設定され、時短終了条件としてV入賞口入賞時の終了条件が設定される。
このため、第1時短遊技状態は、普電作動パターン=01の設定により特電作動口7142がロング開放状態になり易くなり、特電作動口7142に遊技球が入球し易い状態となる。また、第1時短遊技状態は、特図短縮パターン=00の設定により第2特別図柄の変動表示時間が短縮されない(第2特別図柄が所謂ロング変動を行っている)一方で、普通図柄の変動表示時間が短縮されるので、普通図柄の抽選結果による特電作動口7142の開放が優先して行われ、第2特別図柄の抽選結果による遊技状態の移行が実質的に不可能になる。その結果として、第1時短遊技状態は、普通図柄の抽選により特電作動口7142をロング開放状態にさせ、特電作動口7142に遊技球を入球させる遊技が行われることになる。
第2時短遊技状態に移行するときには、第2時短遊技状態に関する設定情報として、時短情報=2、普電作動パターン=01、特図短縮パターン=00が設定され、時短終了条件として特電作動口入賞時の終了条件が設定される。
このため、第2時短遊技状態は、第1時短遊技状態と同様に、普通図柄の抽選結果による特電作動口7142の開放が優先して行われ、第2特別図柄の抽選結果による遊技状態の移行が実質的に不可能になり、特電作動口7142に遊技球を入球させる遊技が行われることになる。
そして、普電作動パターン=01及び特図短縮パターン=00が設定され、特電作動口7142に遊技球が入球し易い第1時短遊技状態及び第2時短遊技状態を「特電入賞容易状態」ともいう。この特電入賞容易状態においては、特電作動口7142に遊技球を入球させることにより第2大入賞口7151を開放させて、第2大入賞口7151に進入した遊技球をV入賞口7156に通過させることにより、大当り遊技状態に容易に移行させることができる。
第3時短遊技状態に移行するときには、第3時短遊技状態に関する設定情報として、時短情報=3、普電作動パターン=00、特図短縮パターン=01が設定され、時短終了条件としてV入賞口入賞時の終了条件が設定される。
このため、第3時短遊技状態は、普電作動パターン=00の設定により特電作動口7142がロング開放状態になり難くなり、特電作動口7142に遊技球が入球し難い状態となる。一方、第3時短遊技状態は、特図短縮パターン=01の設定により第2特別図柄の変動表示時間が短縮されるので、第2特別図柄の抽選結果による遊技状態の移行が可能になる。
第4時短遊技状態に移行するときには、第4時短遊技状態に関する設定情報として、時短情報=4、普電作動パターン=00、特図短縮パターン=01が設定され、時短終了条件として第2特別図柄の可変表示回数(第2特別図柄の4回転)の終了条件が設定される。
このため、第4時短遊技状態は、第3時短遊技状態と同様に、第2特別図柄の抽選結果による遊技状態の移行が可能になる。ただし、第4時短遊技状態は、第3時短遊技状態よりも時短終了条件が成立しやすく、通常遊技状態に移行しやすく構成されている。
そして、普電作動パターン=00及び特図短縮パターン=01が設定され、第2特別図柄の抽選結果による遊技状態の移行が可能な第3時短遊技状態及び第4時短遊技状態を「変動時間短縮状態」ともいう。この変動時間短縮状態は、第2特別図柄の抽選結果により時短当りが判定されやすく、時短当りから第1時短遊技状態または第2時短遊技状態(特電入賞容易状態)に移行させることで、再び大当り遊技状態に移行させることができる。
(大当り遊技状態の終了後に参照される遊技状態関連設定テーブル1)
図250(a)に示すように、大当り遊技状態の終了後に参照される遊技状態関連設定テーブル1は、大当りの当選を契機とした第1のルートからの大当り遊技状態の終了後の場合には、特別図柄の停止図柄(大当り図柄)に対して、大当り遊技状態への移行時(大当り当選時)の遊技状態毎に「遊技状態情報」、「時短情報」、「普電作動パターン」、「特図短縮パターン」及び「時短終了条件」が対応付けられている。また、特電作動口7142に遊技球が入球したことを契機とした第2のルートからの大当り遊技状態の終了後の場合には、大当り遊技状態への移行時の遊技状態毎に「遊技状態情報」、「時短情報」、「普電作動パターン」、「特図短縮パターン」及び「時短終了条件」が対応付けられている。
(第1のルートからの大当り遊技状態の終了後の場合)
図250(a)に示す遊技状態関連設定テーブル1によれば、大当りの当選を契機とした第1のルートからの大当り遊技状態の終了後の場合において、大当り遊技状態への移行時の遊技状態が通常遊技状態であるときには、「第1特別図柄の停止図柄z1」であると、A時短遊技状態を示す遊技状態情報=1、上述した第1時短遊技状態に関する設定情報が設定される。また、「第1特別図柄の停止図柄z2」であると、A時短遊技状態を示す遊技状態情報=1、上述した第2時短遊技状態に関する設定情報が設定され、「第1特別図柄の停止図柄z3」であると、A時短遊技状態を示す遊技状態情報=1、上述した第3時短遊技状態に関する設定情報が設定される。また、「第1特別図柄の停止図柄z4」または「第2特別図柄の停止図柄z5」であると、通常遊技状態を示す遊技状態情報=0が設定され、時短情報、普電作動パターン、特図短縮パターン、時短終了条件は設定されない。
ここで、通常遊技状態であるときは、正規な遊技態様として左打ちを行っているものであるが、通常遊技状態においてイレギュラーな遊技態様として右打ちを行うことにより第2始動口7140に遊技球が入球することは可能である。そして、通常遊技状態において遊技者がイレギュラーな遊技態様(右打ち)を行うことにより第2始動口7140に遊技球が入球し、第2特別図柄の抽選により大当りと判定されたとき(第2特別図柄の停止図柄z5のとき)には、大当り遊技状態の終了後には、遊技者に過度なメリットを与えないように通常遊技状態に移行するように構成されている。
なお、通常遊技状態において遊技者がイレギュラーな遊技態様(右打ち)を行うことにより第2始動口7140に遊技球が入球し、第2特別図柄の抽選により大当りと判定されたときには、通常遊技状態以外の第1時短遊技状態~第4時短遊技状態のいずれかの時短遊技状態に移行するように構成してもよい。
図250(a)に示す遊技状態関連設定テーブル1によれば、大当りの当選を契機とした第1のルートからの大当り遊技状態の終了後の場合において、大当り遊技状態への移行時の遊技状態が第1時短遊技状態であるときには、すべての大当り図柄(第1特別図柄の停止図柄z1~z4または第2特別図柄の停止図柄z5)に対して、A時短遊技状態を示す遊技状態情報=1、上述した第2時短遊技状態に関する設定情報が設定される。
ここで、大当り遊技状態への移行時の遊技状態が時短遊技状態であるときは、正規な遊技態様として右打ちを行っているものであるが、時短遊技状態においてイレギュラーな遊技態様として左打ちを行うことにより第1始動口7120に遊技球が入球することは可能である。そして、第1時短遊技状態において遊技者がイレギュラーな遊技態様(左打ち)を行うことにより第1始動口7120に遊技球が入球し、第1特別図柄の抽選により大当りと判定されたとき(第1特別図柄の停止図柄z1~z4のとき)には、第1時短遊技状態において特電作動口7142に入球したことを契機として大当りを獲得したものとみなし、第1時短遊技状態において特電作動口7142に入球したことを契機とした大当りと同様に、大当り遊技状態の終了後には第2時短遊技状態に移行するように構成されている。
また、特電入賞容易状態(第1時短遊技状態または第2時短遊技状態)のときには、第2特別図柄の変動表示時間が短縮されない(第2特別図柄が所謂ロング変動を行っている)ので、第2特別図柄の抽選結果による遊技状態の移行が実質的に不可能であるが、遊技者がイレギュラーな遊技態様として長い時間の止め打ちをすることにより、第2特別図柄の抽選結果により大当り遊技状態に移行することは理論的に可能でもある。そして、第1時短遊技状態において遊技者がイレギュラーな遊技態様(止め打ち)を行うことにより、第2特別図柄の抽選により大当りと判定されたとき(第2特別図柄の停止図柄z5のとき)には、第1時短遊技状態において特電作動口7142に入球したことを契機とした大当りと同様に、大当り遊技状態の終了後には第2時短遊技状態に移行するように構成されている。
なお、第1時短遊技状態において遊技者がイレギュラーな遊技態様(左打ち・止め打ち)を行うことにより特別図柄の抽選により大当りと判定されたときには、第2時短遊技状態以外の通常遊状態、第1時短遊技状態、第3時短遊技状態及び第4時短遊技状態のいずれかの遊技状態に移行するように構成してもよい。
図250(a)に示す遊技状態関連設定テーブル1によれば、大当りの当選を契機とした第1のルートからの大当り遊技状態の終了後の場合において、大当り遊技状態への移行時の遊技状態が第2時短遊技状態であるときには、すべての大当り図柄(第1特別図柄の停止図柄z1~z4または第2特別図柄の停止図柄z5)に対して、A時短遊技状態を示す遊技状態情報=1、上述した第3時短遊技状態に関する設定情報が設定される。
ここで、第2時短遊技状態において遊技者がイレギュラーな遊技態様(左打ち・止め打ち)を行うことにより、特別図柄の抽選により大当りと判定されたとき(第1特別図柄の停止図柄z1~z4、第2特別図柄の停止図柄z5のとき)には、第2時短遊技状態において特電作動口7142に入球したことを契機として大当りを獲得したものとみなし、第2時短遊技状態において特電作動口7142に入球したことを契機とした大当りと同様に、大当り遊技状態の終了後には第3時短遊技状態に移行するように構成されている。
なお、第2時短遊技状態において遊技者がイレギュラーな遊技態様(左打ち・止め打ち)を行うことにより特別図柄の抽選により大当りと判定されたときには、第3時短遊技状態以外の通常遊状態、第1時短遊技状態、第2時短遊技状態及び第4時短遊技状態のいずれかの遊技状態に移行するように構成してもよい。
図250(a)に示す遊技状態関連設定テーブル1によれば、大当りの当選を契機とした第1のルートからの大当り遊技状態の終了後の場合において、大当り遊技状態への移行時の遊技状態が第3時短遊技状態または第4時短遊技状態であるときには、「第1特別図柄の停止図柄z1~z4」であると、A時短遊技状態を示す遊技状態情報=1、上述した第3時短遊技状態に関する設定情報が設定され、「第2特別図柄の停止図柄z5」であると、A時短遊技状態を示す遊技状態情報=1、上述した第1時短遊技状態に関する設定情報が設定される。
ここで、第3時短遊技状態または第4時短遊技状態において遊技者がイレギュラーな遊技態様(左打ち)を行うことにより、第1特別図柄の抽選により大当りと判定されたとき(第1特別図柄の停止図柄z1~z4のとき)には、大当り遊技状態の終了後には再び第3時短遊技状態に戻るように構成されている。
なお、第3時短遊技状態または第4時短遊技状態において遊技者がイレギュラーな遊技態様(左打ち)を行うことにより第1特別図柄の抽選により大当りと判定されたときには、第3時短遊技状態以外の通常遊状態、第1時短遊技状態、第2時短遊技状態及び第4時短遊技状態のいずれかの遊技状態に移行するように構成してもよい。
(第2のルートからの大当り遊技状態の終了後の場合)
図250(a)に示す遊技状態関連設定テーブル1によれば、特電作動口7142に遊技球が入球したことを契機とした第2のルートからの大当り遊技状態の終了後の場合において、大当り遊技状態への移行時の遊技状態が通常遊技状態であるときには、A時短遊技状態を示す遊技状態情報=1、上述した第3時短遊技状態に関する設定情報が設定され、大当り遊技状態への移行時の遊技状態が第1時短遊技状態であるときには、A時短遊技状態を示す遊技状態情報=1、上述した第2時短遊技状態に関する設定情報が設定される。また、大当り遊技状態への移行時の遊技状態が第3時短遊技状態または第4時短遊技状態であるときには、通常遊技状態を示す遊技状態情報=0が設定され、時短情報、普電作動パターン、特図短縮パターン、時短終了条件は設定されない。
ここで、第2時短遊技状態において、特電作動口7142に遊技球が入球したことを契機として大当り遊技状態に移行した場合には、特電作動口7142に遊技球が入球した時に、時短終了条件が成立して通常遊技状態に移行し、その通常遊技状態において遊技球がV入賞口7156を通過して大当り遊技状態に移行することになるから、大当り遊技状態への移行時の遊技状態は通常遊技状態となり、第3時短遊技状態に移行するように構成されている。
したがって、第1時短遊技状態において、特電作動口7142に遊技球が入球したことを契機として大当り遊技状態に移行した場合には第2時短遊技状態に移行し、第2時短遊技状態において、特電作動口7142に遊技球が入球したことを契機として大当り遊技状態に移行した場合には第3時短遊技状態に移行することになる。
上述したように、特電入賞容易状態(第1時短遊技状態及び第2時短遊技状態)は、正規な遊技態様として右打ちを継続している限り第2特別図柄の抽選結果による遊技状態の移行が実質的に不可能であり、普通図柄の抽選により特電作動口7142をロング開放状態にさせ、第2のルートからの大当り遊技状態へと容易に移行させることができる。このため、第1時短遊技状態に移行したときには、第2のルートからの大当り遊技状態に2回移行(大当りを2回獲得)して第3時短遊技状態に移行することになり、実質的に2回分の大当りが保証されることになる。また、第2時短遊技状態に移行したときには、第2のルートからの大当り遊技状態に1回移行(大当りを1回獲得)して第3時短遊技状態に移行することになり、実質的に1回分の大当りが保証されることになる。
また、大当り遊技状態への移行時の遊技状態が第3時短遊技状態または第4時短遊技状態であるときは、特電作動口7142に遊技球が入球し難い状態であり、特電作動口7142に遊技球することは極めて困難であるが、ごく稀に特電作動口7142に入球するケースが生じ得る。そして、第3時短遊技状態または第4時短遊技状態において、ごく稀に特電作動口7142に入球したことを契機として大当り遊技状態に移行した場合には、その大当り遊技状態の終了後には、遊技者に過度なメリットを与えないように、通常遊技状態に移行するように設定されている。
なお、第3時短遊技状態または第4時短遊技状態において、ごく稀に特電作動口7142に入球したことを契機として大当り遊技状態に移行した場合には、通常遊技状態以外の第1時短遊技状態~第4時短遊技状態のいずれかの時短遊技状態に移行するように構成してもよい。
(時短当りの特別図柄の可変表示の終了後に参照される遊技状態関連設定テーブル2)
図250(b)に示すように、時短当りの特別図柄の可変表示の終了後に参照される遊技状態関連設定テーブル2には、特別図柄の停止図柄(時短図柄)に対して、大当り遊技状態への移行時の遊技状態毎に「遊技状態情報」、「時短情報」、「普電作動パターン」、「特図短縮パターン」及び「時短終了条件」が対応付けられている。
図250(b)に示す遊技状態関連設定テーブル2によれば、時短遊技状態への移行時の遊技状態が通常遊技状態である場合には、時短当りの「第2特別図柄の停止図柄z6~z8」であると、通常遊技状態を示す遊技状態情報=0が設定され、時短情報、普電作動パターン、特図短縮パターン、時短終了条件は設定されない。
このように、通常遊技状態において遊技者がイレギュラーな遊技態様(右打ち)を行うことにより第2始動口7140に遊技球が入球し、第2特別図柄の抽選により時短当りと判定されたとき(第2特別図柄の停止図柄z6~z8)には、遊技者に過度なメリットを与えないように、通常遊技状態を保持するように構成されている。
なお、通常遊技状態において遊技者がイレギュラーな遊技態様(右打ち)を行うことにより第2始動口7140に遊技球が入球し、第2特別図柄の抽選により時短当りと判定されたときには、通常遊技状態以外の第1時短遊技状態~第4時短遊技状態のいずれかの時短遊技状態に移行するように構成してもよい。
図250(b)に示す遊技状態関連設定テーブル2によれば、時短遊技状態への移行時の遊技状態が第1時短遊技状態である場合には、時短当りの「第2特別図柄の停止図柄z6~z8」であると、C時短遊技状態を示す遊技状態情報=2、上述した第1時短遊技状態に関する設定情報が設定される。
ここで、第1時短遊技状態においては第2特別図柄の変動表示時間が短縮されない(第2特別図柄が所謂ロング変動を行っている)ので、正規な遊技態様として右打ちを継続している限り第2特別図柄の抽選結果による遊技状態の移行が実質的に不可能であるが、第1時短遊技状態において遊技者がイレギュラーな遊技態様(止め打ち)を行うことにより、第2特別図柄の抽選により時短当りと判定されたとき(第2特別図柄の停止図柄z6~z8のとき)には、時短当りをキャンセルするように、第1時短遊技状態を保持するように構成されている。
なお、第1時短遊技状態において遊技者がイレギュラーな遊技態様(止め打ち)を行うことにより、第2特別図柄の抽選によって時短当りと判定されたときには、第1時短遊技状態以外の通常遊状態、第2時短遊技状態、第3時短遊技状態及び第4時短遊技状態のいずれかの遊技状態に移行するように構成してもよい。
図250(b)に示す遊技状態関連設定テーブル2によれば、時短遊技状態への移行時の遊技状態が第2時短遊技状態である場合には、時短当りの「第2特別図柄の停止図柄z6~z8」であると、C時短遊技状態を示す遊技状態情報=2、上述した第2時短遊技状態に関する設定情報が設定される。
ここで、第2時短遊技状態においても第2特別図柄の変動表示時間が短縮されない(第2特別図柄が所謂ロング変動を行っている)ので、正規な遊技態様として右打ちを継続している限り第2特別図柄の抽選結果による遊技状態の移行が実質的に不可能であるが、第2時短遊技状態において遊技者がイレギュラーな遊技態様(止め打ち)を行うことにより、第2特別図柄の抽選により時短当りと判定されたとき(第2特別図柄の停止図柄z6~z8のとき)には、時短当りをキャンセルするように、第2時短遊技状態を保持するように構成されている。
なお、第2時短遊技状態において遊技者がイレギュラーな遊技態様(止め打ち)を行うことにより、第2特別図柄の抽選によって時短当りと判定されたときには、第2時短遊技状態以外の通常遊状態、第1時短遊技状態、第3時短遊技状態及び第4時短遊技状態のいずれかの遊技状態に移行するように構成してもよい。
図250(b)に示す遊技状態関連設定テーブル2によれば、時短遊技状態への移行時の遊技状態が第3時短遊技状態または第4時短遊技状態である場合には、時短当りの「第2特別図柄の停止図柄z6」であると、C時短遊技状態を示す遊技状態情報=2、上述した第1時短遊技状態に関する設定情報が設定され、時短当りの「第2特別図柄の停止図柄z7」であると、C時短遊技状態を示す遊技状態情報=2、上述した第2時短遊技状態に関する設定情報が設定され、時短当りの「第2特別図柄の停止図柄z8」であると、C時短遊技状態を示す遊技状態情報=2、上述した第4時短遊技状態に関する設定情報が設定される。
このように、変動時間短縮状態(第3時短遊技状態または第4時短遊技状態)においては、第2特別図柄の抽選結果による時短当りから、大当り遊技状態に移行しやすい特電入賞容易状態(第1時短遊技状態または第2時短遊技状態)、または通常遊技状態に移行しやすい第4時短遊技状態に移行させることができる。このため、変動時間短縮状態においては、第2特別図柄の抽選結果による時短図柄に興味を持たせ、より遊技の興趣の向上を図ることができる。
[特別図柄の変動パターンテーブル]
図251及び図252は、第7のパチンコ遊技機の特別図柄の変動パターンテーブルの一例である。図251は、第7のパチンコ遊技機における通常遊技状態の特別図柄の変動パターンテーブルの一例であり、図252は、第7のパチンコ遊技機における時短遊技状態の特別図柄の変動パターンテーブルの一例である。なお、図251及び図252に示す特別図柄の変動パターンテーブルは、第7のパチンコ遊技機が備える主制御回路200のメインROM202に記憶されている。
特別図柄の変動パターンテーブルは、特別図柄の変動パターン及び特別図柄の変動表示時間を決定するテーブルである。「特別図柄の変動パターン」とは、特別図柄の変動態様を定めた情報であり、少なくとも特別図柄の変動表示時間が定められている。
メインCPU201は、遊技状態に応じて図251及び図252のいずれかの特別図柄の変動パターンテーブルを決定し、決定した特別図柄の変動パターンテーブルを参照し、特別図柄の種別、特別図柄の抽選結果(当落)と、特別図柄の停止図柄等に基づいて、特別図柄の変動パターンを決定する。そして、メインCPU201は、決定した特別図柄の変動パターンに基づいて、特別図柄の変動表示時間を決定することになる。
また、特別図柄の変動パターンの情報は、特別図柄の変動表示の開始時にサブ制御回路300に送信される「特別図柄演出開始コマンド」に含めており、特別図柄演出開始コマンドに含まれた特別図柄の変動パターンの情報に基づいて、表示装置7の表示領域に表示される装飾図柄の変動演出・キャラクタの演出、スピーカ32から出力される音演出、LED群46から発光されるランプ演出を制御する。
(通常遊技状態の特別図柄の変動パターンテーブル)
図251に示す特別図柄の変動パターンテーブルT1は、通常遊技状態のときに決定される特別図柄の変動パターンテーブルである。
図251に示されるように、特別図柄の変動パターンテーブルT1には、特別図柄の種別と、特別図柄の抽選結果(当落)と、特別図柄の停止図柄と、リーチ判定用乱数値と、演出選択用乱数値と、特別図柄の変動パターンと、特別図柄の変動表示時間とが対応付けられている。なお、リーチ判定用乱数値は例えば0~249(250種類)の中から抽出され、演出選択用乱数値は例えば0~99(100種類)の中から抽出される。ただし、発生する乱数値の範囲は上記に限られない。
本実施形態においては、通常遊技状態である場合に、特別図柄の種別が第1特別図柄であるとき(第1始動口7120に遊技球が入球したとき)には、特別図柄の抽選結果等に応じて、「通常変動演出」、「ノーマルリーチ演出」または「スーパーリーチ演出」が行われる第1特別図柄の変動パターン(00H~04H)が決定可能に構成されている。
そして、通常遊技状態における第1特別図柄の変動パターン(00H~04H)には、基準的な変動表示時間(例えば、12秒~45秒)が対応付けられている。
このため、通常遊技状態のときには、第1特別図柄の抽選結果による演出が行われ、第1特別図柄の抽選結果による遊技状態の移行が可能となる。
また、通常遊技状態である場合に、特別図柄の種別が第2特別図柄であるとき(第2始動口7140に遊技球が入球したとき)には、「小図柄超ロング変動」が行われる第2特別図柄の変動パターン(10H~12H)が決定可能に構成されている。なお、「小図柄」とは、所定の装飾図柄のうち、後述する小さく表示される「副図柄」のことをいう。
そして、通常遊技状態における第2特別図柄の変動パターン(10H~12H)には、通常遊技状態における第1特別図柄の変動パターンよりも、極めて長い変動表示時間(例えば、5分~7分)が対応付けられている。
このため、通常遊技状態において遊技者がイレギュラーな遊技態様(右打ち)を行うことにより第2始動口7140に遊技球が入球したときには、通常遊技状態における第2特別図柄の変動表示時間が極めて長くなり、単位時間あたりに特別図柄の抽選結果を受ける機会を減少させて、遊技者に与えるメリットが少なくなる。
(第1時短遊技状態または第2時短遊技状態の特別図柄の変動パターンテーブル)
図252(a)に示す特別図柄の変動パターンテーブルJ1は、第1時短遊技状態または第2時短遊技状態(特電入賞容易状態)のときに決定される特別図柄の変動パターンテーブルである。
図252(a)に示されるように、特別図柄の変動パターンテーブルJ1には、特別図柄の種別と、特別図柄の抽選結果(当落)と、特別図柄の変動パターンと、特別図柄の変動表示時間とが対応付けられている。
本実施形態においては、特電入賞容易状態である場合に、特別図柄の種別が第1特別図柄であるとき(第1始動口7120に遊技球が入球したとき)には、「小図柄変動」が行われる第1特別図柄の変動パターン(20H、21H)が決定可能に構成されている。
そして、特電入賞容易状態である場合にハズレであるときの第1特別図柄の変動パターン(20H)には、通常遊技状態においてハズレであるときの第1特別図柄の変動パターン(00H)よりも、長い変動表示時間(例えば、50秒)が対応付けられている。また、特電入賞容易状態である場合に大当りであるときの第1特別図柄の変動パターン(21H)には、ハズレであるときの第1特別図柄の変動パターン(20H)よりも、長い変動表示時間(例えば、60秒)が対応付けられている。
このため、特電入賞容易状態において遊技者がイレギュラーな遊技態様(左打ち)を行うことにより第1始動口7120に遊技球が入球したときには、特電入賞容易状態における第1特別図柄の変動表示時間が長くなり、正規な遊技態様(右打ち)を促すことができるとともに、正規な遊技態様により通過ゲート7126に遊技球を通過させた方を有利に設定することができる。
また、特電入賞容易状態である場合に、特別図柄の種別が第2特別図柄であるとき(第2始動口7140に遊技球が入球したとき)には、「小図柄ロング変動」が行われる第2特別図柄の変動パターン(30H~32H)が決定可能に構成されている。
そして、特電入賞容易状態における第2特別図柄の変動パターン(30H~32H)には、特電入賞容易状態における後述する普通図柄の変動表示時間(図256参照)よりも極めて長い変動表示時間(例えば、2分~4分)が対応付けられている。
このため、特電入賞容易状態のときには、正規な遊技態様(右打ち)を行うことにより通過ゲート7126及び第2始動口7140に遊技球が通過・入球可能になるが、第2特別図柄の変動表示時間が極めて長い一方、普通図柄の変動表示時間が短いので、普通図柄の変動表示時間の方が早く停止表示され、第2特別図柄の抽選結果による遊技状態の移行よりも、普通図柄の抽選結果による特電作動口7142の開放が先に行われることになる。
(第3時短遊技状態の特別図柄の変動パターンテーブル)
図252(b)に示す特別図柄の変動パターンテーブルJ2は、第3時短遊技状態(変動時間短縮状態)のときに決定される特別図柄の変動パターンテーブルである。
図252(b)に示されるように、特別図柄の変動パターンテーブルJ2には、特別図柄の種別と、特別図柄の抽選結果(当落)と、特別図柄の停止図柄と、リーチ判定用乱数値と、特別図柄の変動パターンと、特別図柄の変動表示時間とが対応付けられている。
本実施形態においては、第3時短遊技状態である場合に、特別図柄の種別が第1特別図柄であるとき(第1始動口7120に遊技球が入球したとき)には、特電入賞容易状態(第1時短遊技状態または第2時短遊技状態)のときと同様に、「小図柄変動」が実行される第1特別図柄の変動パターン(20H、21H)が決定可能に構成されている。
また、第3時短遊技状態である場合に、特別図柄の種別が第2特別図柄であるとき(第2始動口7140に遊技球が入球したとき)に、第2特別図柄の抽選結果が大当りであると、リーチ判定用乱数値に応じて後述する「図柄演出」または「即当り演出」が行われる第2特別図柄の変動パターン(46Hまたは47H)が決定可能に構成され、第2特別図柄の抽選結果が時短当りであると、特別図柄の停止図柄に応じて後述する「バトル演出」が行われる第2特別図柄の変動パターン(43~45H)が決定可能に構成され、第2特別図柄の抽選結果がハズレであると、リーチ判定用乱数値に応じて「短縮変動演出」、「図柄演出」、「バトル演出」が実行される第2特別図柄の変動パターン(40H~42H)」が決定可能に構成されている。
そして、第3時短遊技状態における第2特別図柄の変動パターン(40H~47H)には、通常遊技状態及び特電入賞容易状態における第2特別図柄の変動パターン(10H~12H、30H~32H)よりも、短い変動表示時間(例えば、3秒~37秒)が対応付けられている。
このため、第3時短遊技状態のときには、第2特別図柄の抽選結果による演出が行われ、第2特別図柄の抽選結果による遊技状態の移行が可能となる。
(第4時短遊技状態の特別図柄の変動パターンテーブル)
図252(c)に示す特別図柄の変動パターンテーブルJ3は、第4時短遊技状態(変動時間短縮状態)のときに決定される特別図柄の変動パターンテーブルである。
図252(c)に示されるように、特別図柄の変動パターンテーブルJ3には、特別図柄の種別と、特別図柄の抽選結果(当落)と、特別図柄の停止図柄と、特別図柄の変動パターンと、特別図柄の変動表示時間とが対応付けられている。
本実施形態においては、第4時短遊技状態である場合に、特別図柄の種別が第1特別図柄であるとき(第1始動口7120に遊技球が入球したとき)には、第1時短遊技状態~第3時短遊技状態のときと同様に、「小図柄変動」が実行される第1特別図柄の変動パターン(20H、21H)が決定可能に構成されている。
また、第4時短遊技状態である場合に、特別図柄の種別が第2特別図柄であるとき(第2始動口7140に遊技球が入球したとき)には、特別図柄の抽選結果等に応じて、後述する「ラストチャンス演出」が行われる第2特別図柄の変動パターン(50H~54H)が決定可能に構成されている。
そして、第4時短遊技状態における第2特別図柄の変動パターン(50H~54H)には、通常遊技状態及び特電入賞容易状態における第2特別図柄の変動パターン(10H~12H、30H~32H)よりも、短い変動表示時間(例えば、12秒~45秒)が対応付けられている。
このため、第4時短遊技状態のときには、第2特別図柄の抽選結果による演出が行われ、第2特別図柄の抽選結果による遊技状態の移行が可能となる。
[普通図柄の当り判定テーブル]
図253は、第7のパチンコ遊技機における普通図柄の当り判定テーブルの一例である。なお、図253に示す普通図柄の当り判定テーブルは、第7のパチンコ遊技機が備える主制御回路200のメインROM202に記憶されている。
普通図柄の当り判定テーブルは、普通図柄の当り判定処理において参照されるテーブルであり、通過ゲート7126を遊技球が通過した際に取得される普通図柄の当り判定用乱数値に基づいて「普通図柄当り」または「普通図柄ハズレ」を抽選により決定する際に参照されるテーブルである。
図253に示す普通図柄の当り判定テーブルには、普通図柄の当り判定用乱数値の範囲(幅)と、普通図柄の当落判定値データ(「普通図柄当り」または「普通図柄ハズレ」)とが対応づけられて規定されている。なお、普通図柄の当り判定用乱数値は、例えば0~65535の範囲(65536種類)で取得される。ただし、発生する乱数値の範囲は上記に限られない。
メインCPU201は、図253に示す普通図柄の当り判定テーブルを参照し、普通図柄当り判定用乱数値の範囲(幅)に基づいて、普通図柄の当落判定値データを決定する。
本実施形態では、メインCPU201は、図253に示す普通図柄の当り判定テーブルを参照し、取得された普通図柄の当り判定用乱数値が0~65534のいずれかである場合は「普通図柄当り」と判定し、普通図柄の当落判定値データを「普通図柄当り判定値データ」に決定する。このため、本実施形態では、「普通図柄当り」が約1/1の選択率で決定されることになる。また、メインCPU201は、取得された普通図柄の当り判定用乱数値が65535である場合は「普通図柄ハズレ」と判定し、普通図柄の当落判定値データを「普通図柄ハズレ判定値データ」に決定する。
このため、本実施形態では、通過ゲート7126に遊技球が通過すると、約1/1で「普通図柄当り」と判定され、普通電動役物6146が開放されることになる。なお、詳しくは後述するが、通常遊技状態において通過ゲート7126に遊技球が通過したとしても、普通図柄の変動表示時間が極めて長く設定されており、特電作動口7142もショート開放状態にしかならないので、特電作動口7142に遊技球が入球することは困難となっている。
なお、「普通図柄当り」または「普通図柄ハズレ」と決定される普通図柄の当り判定用乱数値の範囲(幅)、すなわち選択率は、上記値に限定されず、適宜設計変更が自由である。
また、本実施形態において、通常遊技状態か時短遊技状態かの遊技状態によらず、「普通図柄当り」の選択率が共通に設定されているが、遊技状態に応じて「普通図柄当り」の選択率を異ならせてもよい。遊技状態に応じて「普通図柄当り」の選択率を異ならせる場合には、通常遊技状態における「普通図柄当り」の選択率よりも、時短遊技状態における「普通図柄当り」の選択率が高くなるように構成することが望ましい。
さらには、時短遊技状態の種類(特電入賞容易状態、変動時間短縮状態)によっても、「普通図柄当り」の選択率を異ならせてもよい。時短遊技状態の種類によって「普通図柄当り」の選択率を異ならせる場合には、通常遊技状態=C時短遊技状態<A時短遊技状態の順番に「普通図柄当り」の選択率が高くなるように構成したり、通常遊技状態<変動時間短縮状態<特電入賞容易状態の順番に「普通図柄当り」の選択率が高くなるように構成したりすることが望ましい。
[普通図柄判定テーブル]
図254は、第7のパチンコ遊技機における普通図柄判定テーブルの一例である。なお、図254に示す普通図柄判定テーブルは、「普通図柄の停止図柄」を決定するテーブルであり、第7のパチンコ遊技機が備える主制御回路200のメインROM202に記憶されている。
「普通図柄の停止図柄」は、普通図柄表示部161に停止表示する普通図柄の種類を決定するための情報である。
図254に示される普通図柄判定テーブルには、上述の普通図柄の当落判定値データと、普通図柄の図柄乱数値と、普通図柄の停止図柄とが対応づけられて規定されている。なお、普通図柄の図柄乱数値は、例えば0~100(101種類)の中から取得される。ただし、発生する乱数値の範囲は上記に限られない。
メインCPU201は、図254に示される普通図柄判定テーブルを参照し、普通図柄当り判定値データと普通図柄の図柄乱数値とに基づいて、普通図柄の停止図柄を決定する。
また、この普通図柄の停止図柄の情報は、普通図柄の変動表示の開始時にサブ制御回路300に送信される「普通図柄演出開始コマンド」に含めている。
本実施形態では、メインCPU201は、図254に示す普通図柄判定テーブルを参照し、普通図柄当り判定値データである場合には、普通図柄の図柄乱数値が0~49のいずれかであれば普通図柄の停止図柄として「f1」を選択し、普通図柄の図柄乱数値が50~100のいずれかであれば普通図柄の停止図柄として「f2」を選択する。また、普通図柄ハズレ判定値データである場合には、普通図柄の図柄乱数値によらず、普通図柄の停止図柄として「f3」を選択する。
なお、「普通図柄の停止図柄」が選択される普通図柄の図柄乱数値の範囲(幅)、すなわち選択率は、上記値に限定されず、適宜設計変更が自由である。
また、本実施形態においては、第1のパチンコ遊技機とは異なり、普通図柄の停止図柄を選択するにあたり、遊技状態によらずに、普通図柄の当落判定値データ(普通図柄の当り判定処理の結果)と普通図柄の図柄乱数値とに基づいて、普通図柄の停止図柄が選択されるように構成されている。なお、第1のパチンコ遊技機と同様に、遊技状態に応じて、普通図柄の停止図柄が選択されるように構成してもよい。
[特電作動口の開放パターン決定テーブル]
図255は、第7のパチンコ遊技機における特電作動口の開放パターン決定テーブルの一例である。なお、図255に示す特電作動口の開放パターン決定テーブルは、第7のパチンコ遊技機が備える主制御回路200のメインROM202に記憶されている。
特電作動口の開放パターン決定テーブルは、普通図柄当りと判定された場合に、普電用シャッタ7147の作動態様としての特電作動口の開放パターンを決定する際に参照される。
図255に示される特電作動口の開放パターン決定テーブルには、遊技状態(普電作動パターン)と、普通図柄の停止図柄と、特電作動口の開放パターンとが対応づけられて規定されている。
また、「特電作動口の開放パターン」は、特電作動口7142の1回目の開放状態における「1回目の開放時間」、特電作動口7142の1回目の閉鎖状態における「1回目のウェイト時間」、特電作動口7142の2回目の開放状態における「2回目の開放時間」、特電作動口7142の2回目の閉鎖状態における「2回目のウェイト時間」、特電作動口7142を閉鎖させて普電用シャッタ7147の作動を終了する「エンディング時間」とで構成されている。
メインCPU201は、図255に示される特電作動口の開放パターン決定テーブルを参照し、遊技状態(普電作動パターン)と普通図柄の停止図柄とに基づいて、特電作動口の開放パターンを決定する。なお、メインCPU201は、特電作動口の開放パターンを決定すると、決定した特電作動口の開放パターンに対応する特電作動口の開放パターンコマンドをサブCPU301に送信する。
本実施形態では、特電作動口の開放パターンとして、特電作動口7142の開放時間が短い不利な「ショート開放状態」と、特電作動口7142の開放時間が長い有利な「ロング開放状態」との2種類の開放パターンを備えている。なお、特電作動口の開放パターンとして、3種類以上の開放パターンを備えて構成してもよい。
本実施形態では、「ショート開放状態」の開放時間は、特電作動口7142の最大の開放時間が短く設定されており(例えば、0.072秒)、普通図柄当りと判定されても、特電作動口7142に遊技球が入球することが不可能又は困難となり、実質的にハズレの扱いとなるように構成されている。
また、「ロング開放状態」の開放時間は、特電作動口7142の最大の開放時間が短く設定されており(例えば、5.4秒)、普通図柄当りと判定されると、特電作動口7142に遊技球が入球することが可能となっている。
図255に示す特電作動口の開放パターン決定テーブルによれば、通常遊技状態、または普電作動パターン=00が設定された変動時間短縮状態(第3時短遊技状態及び第4時短遊技状態)である場合には、いずれの普通図柄の停止図柄であっても、特電作動口の開放パターンとして「ショート開放状態」が決定されるように構成されている。
また、普電作動パターン=01が設定された特電入賞容易状態(第1時短遊技状態及び第2時短遊技状態)である場合には、いずれの普通図柄の停止図柄であっても、特電作動口の開放パターンとして「ロング開放状態」が決定されるように構成されている。
このため、通常遊技状態、または変動時間短縮状態(第3時短遊技状態及び第4時短遊技状態)は、特電作動口7142に遊技球が入球することが不可能又は困難な状態となる。また、特電入賞容易状態(第1時短遊技状態及び第2時短遊技状態)は、特電作動口7142に遊技球が入球することが可能な状態となる。
また、本実施形態では、普電用の規定個数は1個に設定されており、特電作動口7142が開放し、特電作動口7142に1個の遊技球が入球すると、その特電作動口の開放パターンは終了する(特電作動口7142は閉鎖する)ことになる。
[普通図柄の変動パターンテーブル]
図256は、第7のパチンコ遊技機における普通図柄の変動パターンテーブルの一例である。なお、図256に示す普通図柄の変動パターンテーブルは、第7のパチンコ遊技機が備える主制御回路200のメインROM202に記憶されている。
普通図柄の変動パターンテーブルは、普通図柄の変動パターン及び普通図柄の変動表示時間を決定するテーブルである。「普通図柄の変動パターン」とは、普通図柄の変動態様を定めた情報であり、少なくとも普通図柄の変動表示時間が定められている。
図256に示す普通図柄の変動パターンテーブルには、遊技状態と、普通図柄の停止図柄と、普通図柄の演出用乱数値と、普通図柄の変動パターンと、普通図柄の変動表示時間とが対応付けられている。
メインCPU201は、図256に示す普通図柄の変動パターンテーブルを参照し、遊技状態と、普通図柄の停止図柄と、普通図柄の演出用乱数値とに基づいて、普通図柄の変動パターンを決定する。そして、メインCPU201は、決定した普通図柄の変動パターンに基づいて、普通図柄の変動表示時間を決定することになる。
また、普通図柄の変動パターンの情報は、普通図柄の変動表示の開始時にサブ制御回路300に送信される「普通図柄演出開始コマンド」に含めており、普通図柄演出開始コマンドに含まれた普通図柄の変動パターンの情報に基づいて、サブCPU301は、表示装置7、スピーカ32及びLED群46の少なくともいずれかにおいて、普通図柄に関する所定演出(後述する特定指示画像7077を表示させる演出)を実行させることが可能となっている。
本実施形態においては、通常遊技状態である場合には、普通図柄に関する所定演出が実行されない普通図柄の変動パターン(01Hまたは02H)が決定可能に構成されている。
そして、通常遊技状態における普通図柄の変動パターン(01Hまたは02H)には、いずれの時短遊技状態における普通図柄の変動表示時間よりも、極めて長い普通図柄の変動表示時間(例えば、2分、3分)が対応付けられている。
このため、通常遊技状態において遊技者がイレギュラーな遊技態様(右打ち)を行うことにより通過ゲート7126に遊技球が通過したとしても、普通図柄の変動表示時間が極めて長くなり、単位時間あたりに普通図柄の抽選結果を受ける機会を減少させて、遊技者に与えるメリットが少ないように構成している。
第1時短遊技状態である場合に、普通図柄の停止図柄が「f1」または「f2」であるとき(普通図柄当りの停止図柄のとき)には、後述する「第1所定演出」が実行される普通図柄の変動パターン(03H)が決定可能に構成され、普通図柄の停止図柄が「f3」であるとき(普通図柄ハズレの停止図柄のとき)には、普通図柄に関する所定演出が実行されない普通図柄の変動パターン(04H)が決定可能に構成されている。
そして、第1時短遊技状態における普通図柄の変動パターン(03Hまたは04H)には、特電入賞容易状態における第2特別図柄の変動表示時間(図252(a)参照)よりも短く、かつ、通常遊技状態、第3時短遊技状態及び第4時短遊技状態のいずれの遊技状態における普通図柄の変動表示時間よりも、短い普通図柄の変動表示時間(例えば、1.5秒、4秒)が対応付けられている。
第2時短遊技状態である場合に、普通図柄の停止図柄が「f1」または「f2」であるとき(普通図柄当りの停止図柄のとき)には、後述する「第2所定演出」が実行される普通図柄の変動パターン(05H)が決定可能に構成され、普通図柄の停止図柄が「f3」であるとき(普通図柄ハズレの停止図柄のとき)には、普通図柄に関する所定演出が実行されない普通図柄の変動パターン(06H)が決定可能に構成されている。
そして、第2時短遊技状態における普通図柄の変動パターン(05Hまたは06H)には、特電入賞容易状態における第2特別図柄の変動表示時間(図252(a)参照)よりも短く、かつ、通常遊技状態、第3時短遊技状態及び第4時短遊技状態のいずれの状態における普通図柄の変動表示時間よりも短い普通図柄の変動表示時間(例えば、1秒、3秒)が対応付けられている。
このように、第1時短遊技状態または第2時短遊技状態(特電入賞容易状態)のときには、第2特別図柄の変動表示よりも普通図柄の変動表示の方が早く停止表示されるので、第2特別図柄の抽選結果による遊技状態の移行よりも、普通図柄の抽選結果による特電作動口7142のロング開放状態が先に行われることになる。
また、本実施形態においては、特電入賞容易状態として第1時短遊技状態と第2時短遊技状態とを区別して、第1時短遊技状態と第2時短遊技状態とで異なる普通図柄の変動パターンが決定されるように構成したが、第1時短遊技状態と第2時短遊技状態とを区別せずに特電入賞容易状態として、共通の普通図柄の変動パターンが決定されるように構成してもよい。このように構成した場合であっても、特電入賞容易状態における普通図柄の変動パターンには、特電入賞容易状態における第2特別図柄の変動表示時間よりも短く、かつ、通常遊技状態及び変動時間短縮状態のいずれの状態における普通図柄の変動表示時間よりも、短い普通図柄の変動表示時間が対応付けられていることが望ましい。
第3時短遊技状態及び第4時短遊技状態(変動時間短縮状態)である場合には、普通図柄に関する所定演出が実行されない普通図柄の変動パターン(07Hまたは08H)が決定可能に構成されている。
そして、変動時間短縮状態における普通図柄の変動パターン(07Hまたは08H)には、変動時間短縮状態における第2特別図柄の変動表示時間(図252参照)よりも長く、かつ、特電入賞容易状態における普通図柄の変動表示時間よりも長い普通図柄の変動表示時間(例えば、59秒、60秒)が対応付けられている。
このため、変動時間短縮状態において遊技者が正規の遊技態様(右打ち)を行うことにより通過ゲート7126に遊技球が通過したとしても、普通図柄の変動表示時間が長くなり、普通図柄の変動表示よりも第2特別図柄の変動表示の方が早く停止表示されるので、第2特別図柄の抽選結果による遊技状態の移行が可能となる。
[7-7.主制御処理]
第7のパチンコ遊技機において、主制御回路200のメインCPU201により実行される各種処理(各種モジュール)について説明する。
[主制御メイン処理]
図257及び図258を参照して、メインCPU201の制御によるメイン処理(主制御メイン処理)について説明する。なお、図257及び図258は、第7のパチンコ遊技機における主制御メイン処理の一例を示すフローチャートである。
まず、ステップS7001において、メインCPU201は、電断信号ビットが「0」であるか否かを判定する。メインCPU201は、電断信号ビットが「0」であると判定した場合には、電断を検知中であるとして、ステップS7001の判定処理を繰り返す。
ステップS7001において、メインCPU201が、電断信号ビットが「0」でないと判定した場合には、メインCPU201は、電断検知中でないとして、処理をステップS7002に移す。
ステップS7002において、メインCPU201は、遊技用エリアに係るスタックポインタの設定処理を行う。ここでは、例えば、スタックポインタに、スタックエリア(遊技用エリア)の最終アドレス+1をセットする。そして、以降の処理中、スタックが用いられる場合は、スタックポインタから1を減じた後、そのアドレスにレジスタの値等を格納し、以降同様に、スタックエリア(遊技用エリア)をアドレス値の大きいエリアから小さいエリアに順に使用していく。この処理を終了すると、メインCPU201は、処理をステップS7003に移す。
ステップS7003において、メインCPU201は、内蔵レジスタの初期設定処理を行う。ここでは、例えば、内蔵レジスタ初期設定データテーブルを参照して、内蔵レジスタの初期設定を行う。また、所定のレジスタ(例えばQレジスタ)には、メインRAM203の作業領域(遊技用エリア)の先頭アドレス(上位側)「F000H」がセットされる。この処理を終了すると、メインCPU201は、処理をステップS7004に移す。
ステップS7004において、メインCPU201は、所定のレジスタ(例えば、Eレジスタに)に起動時のRAMクリアスイッチ176の状態情報(オン/オフ状態)と、設定キー差込口に差し込まれる設定キー174の状態情報を格納して退避する。これにより、状態情報を後の起動状態チェック処理で確認できるようにしている。この処理を終了すると、メインCPU201は、処理をステップS7005に移す。
ステップS7005において、メインCPU201は、サブ制御回路300側の起動待ち処理として、ウェイト処理を行う。起動待ち時間(ウェイト期間)はおよそ12000msecである。また、この起動待ち時間において、メインCPU201は、割込み要求信号(XINT)の発生チェック処理、割込み要求信号発生時のWDTの出力処理、所定のタイミングでの磁気センサ初期化信号の出力処理を行う。この処理は、タイムアウトレジスタを用いて行われる。また、割込み禁止中も、例えば、タイマカウンタの更新を行うように制御し、タイマカウンタのタイムアウトが発生したか否かを、タイムアウトレジスタを用いて1命令で判定し、処理を分岐させることで、擬似的に、タイマ割込みが行われたか否かに応じて処理が分岐するような制御を行うことも可能である。この処理を終了すると、メインCPU201は、処理をステップS7006に移す。
ステップS7006において、メインCPU201は、RAMアクセスの設定処理を行う。この処理では、メインCPU201は、メインRAM203へのアクセス許可コマンドを、対応するレジスタに送信する。この処理を終了すると、メインCPU201は、処理をステップS7007に移す。
ステップS7007において、メインCPU201は、指定領域CRC検査処理を行う。この処理では、メインCPU201は、メインRAM203の遊技用エリアと領域外エリアに関するCRC算出を行って、CRC検査を行う。ここで、CRC検査で異常(エラー)と判断された場合には、所定のレジスタ(例えばBレジスタ)にバックアップ異常ありを示すフラグ「1」をセットし、CRC検査で正常と判断された場合には、所定のレジスタに(例えばBレジスタ)、異常なしを示すフラグ「0」をセットする。この処理を終了すると、メインCPU201は、処理をステップS7008に移す。
なお、CRC検査は、例えば、指定された領域のデータについて、予め定めておいた特定の値で割り、その余りを、異常があるか否かのチェック用の値として使用するものである。異なる時点でこのチェック用の値を算出し、それらが一致しない場合、当該指定された領域のデータに関して、変動があった(データの位置や値に異常があった)と判断することができる。
ステップS7008において、メインCPU201は、起動状態チェック処理を行う。この処理では、CRC検査の検査結果、RAMクリアスイッチ176のON・OFF、設定キー174のON・OFFの状態に基づいて、電断復帰時の起動状態を判定する。そして、電断復帰時の起動状態に基づいて、メインRAM203の遊技用エリアにおける「RAMクリア範囲先頭アドレス」を決定して、メインRAM203の遊技用エリアにおけるRAMクリア範囲を設定する。この処理を終了すると、メインCPU201は、処理をステップS7009に移す。
本実施形態では、起動状態チェック処理において、CRC検査で異常(エラー)と判断された場合には、起動状態を「RAM異常」と判定する。また、CRC検査で正常と判断された場合において、RAMクリアスイッチ176がON、かつ、設定キー174がOFFであるときには、起動状態を「RAMクリア」と判定し、RAMクリアスイッチ176がON、かつ、設定キー174がONであるときには、起動状態を「設定変更中」と判定する。さらに、CRC検査で正常と判断された場合において、RAMクリアスイッチ176がOFF、かつ、設定キー174がOFFであるときには、起動状態を「電断復帰」と判定し、RAMクリアスイッチ176がOFF、かつ、設定キー174はONであるときには、起動状態を「設定確認中」と判定する。このように、本実施形態では、電断復帰時の起動状態を「RAM異常」、「RAMクリア」、「設定変更中」、「電断復帰」、「設定確認中」に分類している。
そして、起動状態チェック処理において、電断復帰時の起動状態を判定すると、下記のように、メインRAM203の遊技用エリアにおける「RAMクリア範囲先頭アドレス」を決定する。
(電断復帰時の起動状態がRAM異常の場合)
起動状態チェック処理において、電断復帰時の起動状態が「RAM異常」であると判定すると、図246に示すように、遊技用エリアの「異常時RAMクリア範囲先頭アドレス」を決定する。これにより、遊技用エリアのRAMクリア範囲として「異常時RAMクリア範囲」が設定されることになる。
(電断復帰時の起動状態がRAMクリアまたは設定変更中の場合)
起動状態チェック処理において、電断復帰時の起動状態が「RAMクリア」または「設定変更中」であると判定すると、図246に示すように、遊技用エリアの「クリアスイッチ作動時RAMクリア範囲先頭アドレス」を決定する。これにより、遊技用エリアのRAMクリア範囲として「クリアスイッチ作動時RAMクリア範囲」が設定されることになる。
(電断復帰時の起動状態が電断復帰または設定確認中の場合)
起動状態チェック処理において、電断復帰時の起動状態が「電断復帰」または「設定確認中」であると判定すると、図246に示すように、遊技用エリアの「電断復帰時RAMクリア範囲先頭アドレス」を決定する。これにより、遊技用エリアのRAMクリア範囲として「電断復帰時RAMクリア範囲」が設定されることになる。
このような起動状態チェック処理が終了すると、メインCPU201は、処理をステップS7009に移す。
ステップS7009において、メインCPU201は、指定範囲クリア処理を行う。この処理では、メインRAM203の遊技用エリアのRAMクリア範囲、メインRAM203の領域外エリアのRAMクリア範囲におけるデータのクリアが行われる。この指定範囲クリア処理の詳細については、詳しくは後述する。この処理を終了すると、メインCPU201は、処理をステップS7010に移す。
ステップS7010において、メインCPU201は、ペアレジスタにメインRAM203の領域外エリアに記憶されている電源投入時初期化用データテーブルのアドレスをセットし、このレジスタを参照して、電源投入時初期化用のデータを作業領域に格納する。この処理を終了すると、メインCPU201は、処理をステップS7011に移す。
ステップS7011において、メインCPU201は、ステップS7010でセットされた電源投入時初期化用データテーブルのアドレスを用いて、格納対象領域に電源投入時初期化用データテーブルのデータを格納するデータ格納処理を行う。このデータ格納処理は、第4のパチンコ遊技機において実行されるデータ格納処理(図121参照)と同様である。この処理を終了すると、メインCPU201は、処理をステップS7012に移す。
ステップS7012において、メインCPU201は、設定変更確認処理を行う。この処理では、メインCPU201は、設定キー174が設定キー差込口に差し込まれて「オン」の状態となっている場合に、設定変更や設定確認の処理を行う。この設定変更確認処理は、第4のパチンコ遊技機において実行される設定変更確認処理(図122、図123参照)と同様である。設定キー174が設定キー差込口から抜かれると(オフの状態となると)、メインCPU201は、処理をステップS7013に移す。
また、設定変更確認処理においては、設定キー174が「オン」の状態となっている場合に、RAMクリアスイッチ176が「オン」であるとき(設定変更中のとき)には、設定変更開始の情報が含まれた「設定操作コマンド」を生成し、RAMクリアスイッチ176が「オフ」であるとき(設定確認中のとき)には、設定確認開始の情報が含まれた「設定操作コマンド」を生成して、生成した設定操作コマンドをサブ制御回路300に送信する(図122のステップS4183)。
なお、次の遊技復帰処理(ステップS7013)において、設定確認の終了時には「電断復帰コマンド」がサブ制御回路300に送信され、設定変更の終了時には「初期化コマンド」がサブ制御回路300に送信されることになる。
ステップS7013において、メインCPU201は、遊技復帰処理を行う。この遊技復帰処理では、メインCPU201は、まずRAMクリアスイッチ176が「オン」であるか「オフ」であるかの判定をする。メインCPU201は、RAMクリアスイッチ176が「オフ」であれば、電断復帰時であると判断して、遊技の復帰を行うために、電断復帰時のメインRAM203の初期設定を行った後、電断復帰コマンド管理データテーブルを参照して「電断復帰コマンド」を生成し、生成した電断復帰コマンドをサブ制御回路300に送信する。また、メインCPU201は、RAMクリアスイッチ176が「オン」であれば、RAMクリアであると判断して、遊技の復帰を行うために、バックアップクリア時のメインRAM203の初期設定を行った後、初期化コマンド管理データテーブルを参照して「初期化コマンド」を生成し、生成した初期化コマンドをサブ制御回路300に送信する。さらに、メインCPU201は、遊技機の種類、メインCPU201のID番号・メーカーコード・製品コード等の情報が含まれた遊技機設置情報を枠制御回路410に送信する。この処理を終了すると、メインCPU201は、処理をステップS7014に移す。
ここで、「電断復帰コマンド」には、少なくとも遊技状態と特別図柄の特電制御状態番号と設定値情報とゲームストップ機能フェーズとの情報が含まれている。これにより、RAMクリアスイッチ176によりRAMクリアされなかった電断復帰時には、サブ制御回路300は、電断復帰コマンドを受信することにより、電断前の遊技状態と、特別図柄の制御状態(大当り状態等)と、設定値情報と、ゲームストップ機能フェーズの情報とを把握することができる。
また、「初期化コマンド」には、少なくとも遊技状態と設定値情報との情報が含まれている。これにより、RAMクリアスイッチ176によりRAMクリアされた電断復帰時には、サブ制御回路300は、初期化コマンドを受信することにより、初期化された遊技状態と、設定変更された場合の設定値情報とを把握することができる。
ステップS7014において、メインCPU201は、割込み禁止処理を行う。この処理によって、マスカブル割込みが禁止される。この処理では、メインCPU201は、割込み禁止命令を実行し、その結果、割込み許可レジスタ1の値は「0」となり、割込み許可レジスタ2の値も「0」となる。このように、割込み禁止命令が実行されると(割込み許可レジスタ1の値が「0」の間)、マスカブル割込みは禁止される。この処理を終了すると、メインCPU201は、処理をステップS7015に移す。
ステップS7015において、メインCPU201は、電断判定処理を行う。この電断判定処理では、メインCPU201は、電断が検知されたか否か(すなわち、XINTが検知されたか否か)を判定し、電断が検知された場合に電断設定処理を行う。電断設定処理では、メインCPU201は、電断検知フラグをメインRAM203の作業領域(領域外エリア)に格納し、メインRAM203の遊技用エリアと領域外エリアに関するCRC算出を行い、CRC算出結果(指定領域CRC値)を、ペアレジスタに格納する。その後、RAMアクセス禁止コマンドを所定のレジスタに送信することによって、メインRAM203へのアクセスを禁止して、電断まで待機することになる。この電断設定処理は、第4のパチンコ遊技機において実行される電断設定処理(図125、図126参照)と同様である。この処理を終了すると、メインCPU201は、処理をステップS7016に移す。
ステップS7016において、メインCPU201は、初期乱数値更新処理を行う。この処理では、メインCPU201は、特別図柄判定用初期値乱数の更新処理を行う。この処理を終了すると、メインCPU201は、処理をステップS7017に移す。
ステップS7017において、メインCPU201は、性能表示モニタ集計除算処理を行う。この処理は、領域外エリア処理呼出命令でコールされることにより、メインROM202の領域外エリアのプログラムの処理を行い、メインRAM203の領域外エリアを使用する。メインCPU201は、メインRAM203の領域外エリアを使用して、各種ベース値を算出・更新する。この性能表示モニタ集計除算処理は、第4のパチンコ遊技機において実行される性能表示モニタ集計除算処理(図127、図128参照)と同様である。この処理を終了すると、メインCPU201は、処理をステップS7018に移す。
ステップS7018において、メインCPU201は、ゲームストップ機能遊技停止中処理を行う。この処理では、ゲームストップ機能により遊技停止状態であるときに行われる処理である。このゲームストップ機能遊技停止中処理の詳細については、詳しくは後述する。この処理を終了すると、メインCPU201は、処理をステップS7019に移す。
ステップS7019において、メインCPU201は、割込み許可処理を行う。この処理によって、マスカブル割込みが許可される。ここで、割込み許可レジスタ1の値と割込み許可レジスタ2の値が共に「1」にセットされる。この処理を終了すると、メインCPU201は、処理をステップS7020に移す。
ステップS7020において、メインCPU201は、システム周期時間(6msec:割込み周期(2mses)の3倍)が経過したか否かを判定する。具体的には、メインCPU201は、メインRAM203の作業領域における遊技用エリアの割込み・タイマ領域内の割込みカウンタに格納された値(現在の割込みカウンタの計数値)から3減算した値が「0」であるか否かを判定する。なお、割込みカウンタの値は、後述するシステムタイマ割込み処理(図277参照)において毎に1加算され、システム周期時間経過時には「3」となる。それゆえ、割込みカウンタの値から3減算した値が「0」である場合には、ステップS7020の判定は「YES」となり、割込みカウンタの値から3減算した値が「0」でない場合、ステップS7020の判定は「NO」となる。
ステップS7020において、メインCPU201が、システム周期時間が経過していないと判定した場合には、処理をステップS7014の処理に戻し、システム周期時間が経過したと判定した場合には、処理をステップS7021に移す。
上述のように、本実施形態では、主制御メイン処理内において、後述する遊技制御に関する各種処理の実行前に、6msecの割込み禁止区間(ステップS7014~ステップS7019の処理区間)が設けられる。それゆえ、本実施形態では、後述する遊技制御に関する各種処理は、6msec毎(システム周期毎)に実行されることになる。なお、本実施形態では、割込み禁止区間を割込み周期の3倍とする例を説明したが、本発明はこれに限定されず、例えば、割込み禁止区間を割込み周期の2倍以上で且つ3倍以外の値にしてもよい。
ステップS7021において、メインCPU201は、メインRAM203の遊技用エリアにおける遊技停止状態フラグ領域を参照し、遊技停止状態(遊技停止状態フラグ領域=1)であるか否かを判定する。メインCPU201は、遊技停止状態であると判定した場合には、処理をステップS7028に移し、遊技停止状態でないと判定した場合には、処理をステップS7022に移す。
ステップS7022において、メインCPU201は、タイマカウンタ更新処理を行う。この処理では、特別図柄待ち時間カウンタ、普通図柄待ち時間カウンタ、特電待ち時間カウンタ、大入賞開放時間カウンタ等の各種タイマカウンタが減算更新(計時)を行う。この処理を終了すると、メインCPU201は、処理をステップS7023に移す。
ステップS7023において、メインCPU201は、特電管理処理を行う。この処理では、メインCPU201は、特別図柄ゲームの制御処理を行う。この特電管理処理の詳細については、詳しくは後述する。この処理を終了すると、メインCPU201は、処理をステップS7024に移す。
ステップS7024において、メインCPU201は、普通図柄制御処理を行う。この処理では、メインCPU201は、普通図柄ゲームの制御処理を行う。この普通図柄制御処理の詳細については、詳しくは後述する。この処理を終了すると、メインCPU201は、処理をステップS7025に移す。
ステップS7025において、メインCPU201は、遊技動作表示ユニット制御処理を行う。この処理では、メインCPU201は、普通図柄表示部161、普通図柄用保留表示部162、第1特別図柄表示部163、第2特別図柄表示部164、第1特別図柄用保留表示部165、第2特別図柄用保留表示部166および時短報知用表示部168等の遊技LEDを点灯・消灯させるための表示データの設定処理を行う。この処理を終了すると、メインCPU201は、処理をステップS7026に移す。
ステップS7026において、メインCPU201は、試射試験信号生成処理を行う。この処理は、領域外エリア処理呼出命令でコールされることにより、メインROM202の領域外エリアのプログラムの処理を行い、メインRAM203の領域外エリアを使用する。この処理では、メインCPU201は、遊技機の検定試験(試射試験)で遊技状態の確認ができるように、普通電動役物作動中信号、特別電動役物作動中信号、特別図柄変動中信号、普通図柄変動中信号、ゲームストップ機能作動前信号等の遊技状態の試射試験信号を生成し、生成した試射試験信号を試射試験専用の出力ポートから出力するための出力データの設定処理を行う。この処理を終了すると、メインCPU201は、処理をステップS7028に移す。
また、本実施形態においては、この試射試験信号生成処理においては、メインRAM203の領域外エリアのゲームストップ機能フェーズ領域を参照し、ゲームストップ機能フェーズ領域に記憶されているデータがゲームストップ機能作動予告フェーズ(=1)またはゲームストップ機能作動待機フェーズ(=2)のいずれかであると、ゲームストップ機能作動前信号を生成して、ゲームストップ機能作動前信号を試射試験専用の出力ポートから出力することになる。
なお、ゲームストップ機能により遊技停止状態になると(ステップS7021のYES)、試射試験信号の生成・出力はされないことになる(遊技停止状態中は、試射試験信号はノンケアとなる)。
ステップS7028において、メインCPU201は、枠制御回路送受信処理を行う。枠制御回路送受信処理では、メインCPU201は、遊技機情報を枠制御回路410に送信する送信処理や、枠制御回路410から遊技機情報の受信確認等を行う。この枠制御回路送受信処理の詳細については、詳しくは後述する。この処理を終了すると、メインCPU201は、処理をステップS7029に移す。
ステップS7029において、メインCPU201は、ポート出力処理を行う。この処理では、メインCPU201は、出力ポートへの出力データのセット(転送)処理を行う。また、WDTをクリアし、WDTのリスタート処理を行う。この処理を終了すると、メインCPU201は、処理をステップS7030に移す。
ステップS7030において、メインCPU201は、状態監視処理を行う。この処理では、メインCPU201は、不正行為等に関する遊技異常や、枠制御回路410における異常の判定を行い、異常があれば、その異常に対応したコマンドの送信予約処理を行う。この状態監視処理の詳細については、詳しくは後述する。
そして、ステップS7030の処理後、メインCPU201は、処理をステップS7014の処理に戻し、ステップS7014以降の処理を行う。
上述のように、本実施形態の主制御メイン処理では、ゲームストップ機能により遊技停止状態になると(ステップS7021のYES)、タイマカウンタ更新処理(ステップS7022)、特電管理処理(ステップS7023)、普通図柄制御処理(ステップS7024)、遊技動作表示ユニット制御処理(ステップS7025)、試射試験信号生成処理(ステップS7026)の実行が停止されることになる。
特に、ゲームストップ機能により遊技停止状態になると、特電管理処理及び普通図柄制御処理の実行が停止されるので、遊技の進行を停止させることができる。
さらに、ゲームストップ機能により遊技停止状態になると、遊技動作表示ユニット制御処理の実行が停止され、普通図柄表示部161、普通図柄用保留表示部162、第1特別図柄表示部163、第2特別図柄表示部164、第1特別図柄用保留表示部165、第2特別図柄用保留表示部166および時短報知用表示部168等の遊技LEDが消灯することになるので、遊技者に混乱を与えずに、遊技が停止していることを認識させることができる。
また、ゲームストップ機能により遊技停止状態になると、試射試験信号生成処理の実行が停止されるので、制御負担の軽減を図ることができる。
一方で、本実施形態の主制御メイン処理では、ゲームストップ機能により遊技停止状態になっても(ステップS7021のYES)、性能表示モニタ集計除算処理(ステップS7017)、ゲームストップ機能遊技停止中処理(ステップS7018)、枠制御回路送受信処理(ステップS7028)、ポート出力処理(ステップS7029)、状態監視処理(ステップS7030)の実行は継続されることになる。
このため、ゲームストップ機能により遊技停止状態になっても、性能表示モニタ集計除算処理の実行は継続されるので、遊技店側では、遊技球の差玉数が規制値を超えてゲームストップ機能により遊技停止状態になったときの出玉率等の詳細を把握することができる。
また、ゲームストップ機能により遊技停止状態になっても、枠制御回路送受信処理の実行は継続されるので、スマートパチンコではなく、遊技球を払い出す遊技機においては、遊技停止状態前に獲得した遊技球を、遊技停止状態後にも払い出すことができ、遊技球の払い出しの遅延にも対応することができる。
また、ゲームストップ機能により遊技停止状態になっても、状態監視処理の実行は継続されるので、遊技停止状態中に循環異常や払出異常があった場合には、その循環異常や払出異常を報知することができる。
また、上述のように、本実施形態では、主制御メイン処理内において、遊技制御に関する各種処理(ステップS7020以降の処理)の実行前に、6msecの割込み禁止区間(ステップS7014~ステップS7019の処理区間)を設け、割込み禁止区間内で電断処理(ステップS7015)、初期値乱数更新処理(ステップS7016)、性能表示モニタ集計除算処理(ステップS7017)、ゲームストップ機能遊技停止中処理(ステップS7018)が行われる。すなわち、本実施形態では、性能表示モニタ集計除算処理及びゲームストップ機能遊技停止中処理を割込み禁止区間で行う。それゆえ、このような割込み禁止区間を設けることにより、遊技の管理が簡便になり、主制御回路200で行われる処理をより効率よく実行することができ、主制御回路200の処理負荷を軽減することができる。
[指定範囲クリア処理]
次に、図259を参照して、主制御メイン処理で実行される指定範囲クリア処理(図257のステップS7009)について説明する。図259は、第7のパチンコ遊技機における指定範囲クリア処理の一例を示すフローチャートである。
まず、ステップS7031において、メインCPU201は、電源復旧時のRAMクリアスイッチ4176の状態情報、及び設定キー4174aの状態情報といった情報をスタックに退避する。これらの状態情報は、例えば、汎用レジスタのデータをスタックに退避することで実現される。この処理を終了すると、メインCPU201は、処理をステップS7032に移す。
ステップS7032において、メインCPU201は、起動状態チェック処理(ステップS7008)により決定された「RAMクリア範囲先頭アドレス」をメインRAM203の遊技用エリアに格納することにより、RAMクリア範囲判定データをセットする。この処理を終了すると、メインCPU201は、処理をステップS7033に移す。
ステップS7033において、メインCPU201は、領域外指定領域クリア処理を行う。この処理は、領域外エリア処理呼出命令でコールされることにより、メインROM202の領域外エリアのプログラムの処理を行い、メインRAM203の領域外エリアを使用する。この領域外指定領域クリア処理では、上記ステップS7032でセットされたRAMクリア範囲判定データに基づいて、メインRAM203の領域外エリアの指定範囲をクリアする。この領域外指定領域クリア処理の詳細については、詳しくは後述する。この処理を終了すると、メインCPU201は、処理をステップS7034に移す。
ステップS7034において、メインCPU201は、遊技用エリアの処理に戻り、遊技用エリアのRAMクリア範囲のサイズを算出する。この処理では、遊技用エリアのRAMクリア範囲先頭アドレスを参照して、RAMクリア範囲最終アドレスをセットし、RAMクリア範囲先頭アドレスとRAMクリア範囲最終アドレスとから、遊技用エリアのRAMクリア範囲のサイズを算出する。この処理を終了すると、メインCPU201は、処理をステップS7035に移す。
本実施形態では、図246に示したように、遊技用エリアのRAMクリア範囲先頭アドレスが「異常時RAMクリア範囲先頭アドレス」であるときには、RAMクリア範囲最終アドレスとして、スタック領域の最後の「第1終了アドレス」をセットして、遊技用エリアの「異常時RAMクリア範囲」のサイズを算出する。また、遊技用エリアのRAMクリア範囲先頭アドレスが「クリアスイッチ作動時RAMクリア範囲先頭アドレス」であるときには、RAMクリア範囲最終アドレスとして、スタック領域の最後の「第1終了アドレス」をセットして、遊技用エリアの「クリアスイッチ作動時RAMクリア範囲」のサイズを算出する。遊技用エリアのRAMクリア範囲先頭アドレスが「電断復帰時RAMクリア範囲先頭アドレス」であるときには、RAMクリア範囲最終アドレスとして、スタック領域の先頭の「第2終了アドレス」をセットして、遊技用エリアの「電断復帰時RAMクリア範囲」のサイズを算出する。
ステップS7035において、メインCPU201は、メインRAM203の遊技用エリアに対してRAMクリア範囲のクリアを実行する。この処理では、クリア対象となるRAMクリア範囲先頭アドレスと、ステップS7034で算出されたクリア範囲のサイズとを指定すると、メインRAM203の遊技用エリアに対し、その範囲のデータがすべてクリア(=0)にされる。この処理を終了すると、メインCPU201は、処理をステップS7036に移す。
このように、起動状態チェック処理(ステップS7008)により電断復帰時の起動状態が「RAM異常」であると判定されると、遊技用エリアの「異常時RAMクリア範囲」がクリアされることになる。また、起動状態チェック処理により電断復帰時の起動状態が「RAMクリア」または「設定変更中」であると判定されると、遊技用エリアの「クリアスイッチ作動時RAMクリア範囲」がクリアされることになる。また、起動状態チェック処理により電断復帰時の起動状態が「電断復帰」または「設定確認中」であると判定されると、遊技用エリアの「電断復帰時RAMクリア範囲」がクリアされることになる。
そして、電断復帰時の起動状態が「RAM異常」であると、図246に示すように、遊技用エリアにおけるすべての使用領域をクリアすることができる。
また、電断復帰時の起動状態が「RAMクリア」または「設定変更中」であると、図246に示すように、遊技用エリアにおけるゲームストップ機能に関する全ての情報をクリアして、ゲームストップ機能に関する機能・状態をリセットすることができる。
また、電断復帰時の起動状態が「電断復帰」または「設定確認中」であると、図246に示すように、遊技用エリアにおけるゲームストップ機能に関して、ゲームストップ機能の遊技停止状態、ゲームストップ機能のコマンドの送信要求、遊技用エリアのゲームストップ機能フェーズの情報、遊技用エリアの差玉情報を保持することになる。
ステップS7036において、メインCPU201は、電源復旧時のRAMクリアスイッチ4176の状態情報、及び設定キー4174aの状態情報をスタックから復帰させる。これらの状態情報は、汎用レジスタに格納されることで実現される。この処理を終了すると、メインCPU201は、今回の指定範囲クリア処理を終了し、処理をステップS7010に移す。
[領域外指定領域クリア処理]
次に、図260を参照して、指定範囲クリア処理で実行される領域外指定領域クリア処理(図259のステップS7033)について説明する。図260は、第7のパチンコ遊技機における領域外指定領域クリア処理の一例を示すフローチャートである。
領域外指定領域クリア処理は、上述したように、領域外エリア処理呼出命令により呼び出される処理となっており、この処理を実行するためのプログラムは、メインROM202の領域外エリアに記憶されているプログラムであり、メインRAM203の領域外エリアを使用する。
まず、ステップS7041において、メインCPU201は、メインRAM203の遊技用エリアに格納されているRAMクリア範囲判定データを取得する。このRAMクリア範囲判定データは、図259のステップS7032において、メインCPU201により格納されたデータである。この処理を終了すると、メインCPU201は、処理をステップS7042に移す。
ステップS7042において、メインCPU201は、取得したRAMクリア範囲判定データを汎用レジスタから退避する。この処理を終了すると、メインCPU201は、処理をステップS7043に移す。
ステップS7043において、メインCPU201は、ステップS7041で取得したRAMクリア範囲判定データに基づいて、メインRAM203の領域外エリアにおける「RAMクリア範囲先頭アドレス」を決定する。具体的には、RAMクリア範囲判定データが遊技用エリアの異常時RAMクリア範囲先頭アドレスに対応するものであるときには、領域外エリアの「異常時RAMクリア範囲先頭アドレス」を決定し、遊技用エリアのクリアスイッチ作動時RAMクリア範囲先頭アドレスに対応するものであるときには、領域外エリアの「クリアスイッチ作動時RAMクリア範囲先頭アドレス」を決定し、遊技用エリアの電断復帰時RAMクリア範囲先頭アドレスに対応するものであるときには、領域外エリアの「クリアスイッチ作動時RAMクリア範囲先頭アドレス」を決定する。この処理を終了すると、メインCPU201は、処理をステップS7048に移す。
ステップS7048では、メインCPU201は、領域外エリアのRAMクリア範囲のサイズを算出する。この処理では、領域外エリアのRAMクリア範囲先頭アドレスを参照して、RAMクリア範囲最終アドレスをセットし、RAMクリア範囲先頭アドレスとRAMクリア範囲最終アドレスとから、領域外エリアのRAMクリア範囲のサイズを算出する。この処理を終了すると、メインCPU201は、処理をステップS7049に移す。
本実施形態では、図246に示したように、領域外エリアのRAMクリア範囲先頭アドレスが「異常時RAMクリア範囲先頭アドレス」であるときには、RAMクリア範囲最終アドレスとして、スタック領域の先頭の「第3終了アドレス」をセットして、領域外エリアの「異常時RAMクリア範囲」のサイズを算出する。また、遊技用エリアのRAMクリア範囲先頭アドレスが「クリアスイッチ作動時RAMクリア範囲先頭アドレス」であるときには、RAMクリア範囲最終アドレスとして、スタック領域の先頭の「第3終了アドレス」をセットして、領域外エリアの「クリアスイッチ作動時RAMクリア範囲」のサイズを算出する。遊技用エリアのRAMクリア範囲先頭アドレスが「電断復帰時RAMクリア範囲先頭アドレス」であるときには、RAMクリア範囲最終アドレスとして、スタック領域の先頭の「第3終了アドレス」をセットして、領域外エリアの「電断復帰時RAMクリア範囲」のサイズを算出する。
ステップS7049において、メインCPU201は、メインRAM203の領域外エリアに対してRAMクリア範囲のクリアを実行する。この処理では、ステップS7043で決定された領域外エリアのRAMクリア範囲先頭アドレスと、ステップS7048で算出されたクリア範囲のサイズとを指定すると、メインRAM203の領域外エリアに対し、その範囲のデータがすべてクリア(=0)にされる。この処理を終了すると、メインCPU201は、処理をステップS7050に移す。
このように、起動状態チェック処理(ステップS7008)により電断復帰時の起動状態が「RAM異常」であると判定されると、領域外エリアの「異常時RAMクリア範囲」がクリアされることになる。また、起動状態チェック処理により電断復帰時の起動状態が「RAMクリア」または「設定変更中」であると判定されると、領域外エリアの「クリアスイッチ作動時RAMクリア範囲」がクリアされることになる。また、起動状態チェック処理により電断復帰時の起動状態が「電断復帰」または「設定確認中」であると判定されると、領域外エリアの「電断復帰時RAMクリア範囲」がクリアされることになる。
ステップS7050において、メインCPU201は、ステップS7041で退避させていたRAMクリア範囲判定データを汎用レジスタに格納して復帰させる。この処理を終了すると、メインCPU201は、処理をステップS7051に移す。
次に、ステップS7051において、メインCPU201は、異常時RAMクリア範囲先頭アドレスとRAMクリア範囲判定データとを比較し、RAMクリア範囲判定データが異常時RAMクリア範囲先頭アドレスに対応するデータであるか否か、すなわち、異常時RAMクリア範囲であるか否かを判定する。メインCPU201は、異常時RAMクリア範囲であると判定すると、処理をステップS7052に移し、異常時RAMクリア範囲でないと判定すると、処理をステップS7053に移す。
ステップS7052において、メインCPU201は、性能表示モニタ制御イニシャルテーブルの設定処理を行う。この処理は、メインROM202に記憶されている性能表示モニタ制御イニシャルテーブルを参照して、性能表示モニタの制御に係る初期値をメインRAM203の領域外エリアの作業領域に格納する処理である。性能表示モニタの制御に係る初期値には、例えば、LEDの点滅切替タイミングや点滅繰返し回数等が含まれる。この処理を終了すると、メインCPU201は、処理をステップS7053に移す。
ステップS7053において、メインCPU201は、電源投入時初期化用データテーブルの設定処理を行う。この処理は、メインROM202に記憶されている電源投入時初期化用データテーブルを参照して、電源投入時初期化用のデータをメインRAM203の領域外エリアの作業領域に格納する処理である。電源投入時初期化用のデータには、例えば、LEDの点滅切替タイミングと点滅繰返し回数の乗算結果等が含まれる。この処理を終了すると、メインCPU201は、処理をステップS7054に移す。
ステップS7054において、メインCPU201は、メインRAM203の領域外エリアにおけるゲームストップ機能フェーズ領域に記憶されたデータを参照し、ゲームストップ機能フェーズのデータが「ゲームストップ機能作動予告フェーズ(=1)」に対応するデータであるか否か、すなわち、ゲームストップ機能作動予告フェーズであるか否かを判定する。メインCPU201は、ゲームストップ機能作動予告フェーズであると判定すると、処理をステップS7055に移し、ゲームストップ機能作動予告フェーズでないと判定すると、領域外指定領域クリア処理を終了する。
ステップS7055において、メインCPU201は、メインRAM203の領域外エリアにおけるゲームストップ機能フェーズ領域を初期化する。すなわち、領域外エリアのゲームストップ機能フェーズ領域に0をセットする。この処理を終了すると、メインCPU201は、領域外指定領域クリア処理を終了する。
領域外指定領域クリア処理を終了すると、メインCPU201は、遊技用エリア処理復帰命令により、処理が領域外エリアに係る処理から、遊技用エリアに係る処理に切り替えられる。
このように、領域外指定領域クリア処理では、起動状態チェック処理(ステップS7008)で決定されたメインRAM203の遊技用エリアに係るクリア範囲を用いて、メインRAM203の領域外エリアに係るクリア範囲を決定しているため、メインRAM203のクリア処理が効率的かつ簡潔な構成で実行されることになる。
そして、本実施形態の領域外指定領域クリア処理においては、電断復帰時の起動状態が「RAM異常」であると、図246に示すように領域外エリアの「異常時RAMクリア範囲」をクリアするので、領域外エリアにおけるすべての作業領域がクリアすることができる。
また、電断復帰時の起動状態が「RAMクリア」または「設定変更中」であると、図246に示すように領域外エリアの「クリアスイッチ作動時RAMクリア範囲」をクリアするので、領域外エリアにおけるゲームストップ機能に関する全ての情報をクリアして、ゲームストップ機能に関する機能・状態をリセットすることができる。
また、電断復帰時の起動状態が「電断復帰」または「設定確認中」であると、図246に示すように領域外エリアの「電断復帰時RAMクリア範囲」をクリアするので、領域外エリアにおけるゲームストップ機能に関して、領域外エリアのゲームストップ機能フェーズの情報を保持したまま、領域外エリアの差玉情報をクリアすることができる。
さらに、本実施形態の領域外指定領域クリア処理においては、ステップS7054、ステップS7055の処理により、電断復帰時には、電断復帰時の起動状態に関わらず、ゲームストップ機能フェーズがゲームストップ機能作動予告フェーズ(=1)であるときには、領域外エリアのゲームストップ機能フェーズを初期化している。なお、ゲームストップ機能通常状態フェーズ(=0)は、そもそも初期値データ(=0)であることから、初期化処理を省略している。このため、電断復帰時には、電断復帰時の起動状態に関わらず、ゲームストップ機能フェーズが1以下である場合には、ゲームストップ機能フェーズを初期化状態から開始することができる。
一方、ゲームストップ機能フェーズがゲームストップ機能作動待機フェーズ(=2)またはゲームストップ機能作動完了フェーズ(=3)である場合には、電断復帰時の起動状態がRAM異常、RAMクリアまたは設定変更中でない限りは、そのゲームストップ機能フェーズが保持されることになる。
[ゲームストップ機能遊技停止中処理]
次に、図261を参照して、主制御メイン処理で実行されるゲームストップ機能遊技停止中処理(図258のステップS7018)について説明する。図261は、第7のパチンコ遊技機におけるゲームストップ機能遊技停止中処理の一例を示すフローチャートである。
まず、ステップS7061において、メインCPU201は、メインRAM203の遊技用エリアにおける遊技停止状態フラグ領域を参照し、遊技停止状態(遊技停止状態フラグ領域=1)であるか否かを判定する。メインCPU201は、遊技停止状態であると判定した場合には、処理をステップS7062に移し、遊技停止状態でないと判定した場合には、今回のゲームストップ機能遊技停止中処理を終了し、処理をステップS7019(図258参照)に移す。
ステップS7062において、メインCPU201は、メインRAM203の遊技用エリアにおけるストップ機能完了コマンド送信フラグ領域を参照し、ゲームストップ機能完了コマンドの送信要求(ストップ機能完了コマンド送信フラグ領域=1)があるか否かを判定する。メインCPU201は、ゲームストップ機能完了コマンドの送信要求があると判定した場合には、処理をステップS7063に移し、ゲームストップ機能完了コマンドの送信要求がないと判定した場合には、処理をステップS7065に移す。
ステップS7063において、メインCPU201は、「ゲームストップ機能完了コマンド」をセットする。この処理では、ゲームストップ機能完了コマンドテーブルを参照し、ゲームストップ機能完了コマンドの識別データ(例えば、D4H)と、メインRAM203の遊技用エリアにおけるストップ機能状態パラメータ領域に記憶されたゲームストップ機能フェーズの情報とから、ゲームストップ機能完了コマンドを生成することになる。すなわち、ゲームストップ機能完了コマンドは、識別データとゲームストップ機能フェーズの情報とから構成されていることになる。なお、ゲームストップ機能完了コマンドは、ストップ機能差玉数パラメータ領域に記憶された第1差玉情報の情報を含めて構成してもよい。この処理を終了すると、メインCPU201は、処理をステップS7064に移す。
ステップS7064において、メインCPU201は、ゲームストップ機能完了コマンドをサブ制御回路300に送信する演出制御コマンド送信処理を行う。この処理では、上記ステップS7063で生成されたゲームストップ機能完了コマンドを送信バッファにセットする。この処理を終了すると、メインCPU201は、処理をステップS7065に移す。
ステップS7065において、メインCPU201は、複数の出力ポートバッファのうち、特定の出力ポートバッファを除いた出力ポートバッファを初期化(クリア)する。ここでクリアされる出力ポートバッファは、例えば、大当り情報、図柄確定情報等のゲーム実行中の状態を示す遊技機情報を出力するための出力ポートバッファである。なお、特定の出力ポートバッファを除いたのは、ステップS7067で後述するように特定の出力ポートバッファで、ゲームストップ機能による遊技停止状態であることを示す「特定のセキュリティ情報」をセットするためである。この処理を終了すると、メインCPU201は、処理をステップS7066に移す。
ステップS7066において、メインCPU201は、メインRAM203の遊技用エリアにおけるストップ機能完了コマンド送信フラグ領域を初期化(=0)して、ゲームストップ機能完了コマンドの送信要求をクリアする。この処理を終了すると、メインCPU201は、処理をステップS7067に移す。
ステップS7067において、メインCPU201は、特定の出力ポートバッファに遊技機情報として「特定のセキュリティ情報」をセットする。この処理を終了すると、メインCPU201は、処理をステップS7068に移す。
このように、本実施形態のゲームストップ機能遊技停止中処理においては、ゲームストップ機能により遊技停止状態中であるときには、遊技機情報としての特定のセキュリティ情報が特定の出力ポートからカードユニット181に出力されるので、遊技店側では1台1台遊技機の稼働状況を目視によりチェックしなくても、遊技機がゲームストップ機能により遊技停止状態となっていることを把握することができる。
ステップS7068において、メインCPU201は、ゲームストップ機能初期化処理を行う。このゲームストップ機能初期化処理では、特別図柄や普通図柄に関する表示部(LED)の出力データのクリア、遊技球を検出する各種スイッチの入力データのクリアが行われる。この処理を終了すると、メインCPU201は、今回のゲームストップ機能遊技停止中処理を終了し、処理をステップS7019(図258参照)に移す。
[ゲームストップ機能初期化処理]
次に、図262を参照して、ゲームストップ機能遊技停止中処理で実行されるゲームストップ機能初期化処理(図261のステップS7068)について説明する。また、このゲームストップ機能遊技停止中処理は、後述するゲームストップ機能制御処理(図280参照)においても実行されることになる。図262は、第7のパチンコ遊技機におけるゲームストップ機能初期化処理の一例を示すフローチャートである。
まず、ステップS7069において、メインCPU201は、遊技停止時RAMクリア範囲のサイズを算出する。この処理では、遊技停止時RAMクリア範囲先頭アドレスと遊技停止時RAMクリア範囲終了アドレスとから、遊技停止時RAMクリア範囲のサイズを算出する。この処理を終了すると、メインCPU201は、処理をステップS7070に移す。
ステップS7070において、メインCPU201は、メインRAM203の遊技用エリアに対して遊技停止時RAMクリア範囲のクリアを実行する。この処理では、遊技停止時RAMクリア範囲先頭アドレスと、ステップS7069で算出された遊技停止時RAMクリア範囲のサイズを指定すると、メインRAM203の遊技用エリアに対し、その範囲のデータがすべてクリア(=0)にされる。この処理を終了すると、メインCPU201は、今回のゲームストップ機能遊技停止中処理を終了する。
このように、本実施形態のゲームストップ機能初期化処理においては、ゲームストップ機能により遊技停止状態中であるときには、遊技用エリアの「遊技停止時RAMクリア範囲」がクリアされ、図246に示すように、遊技LED出力処理用データ領域の出力ポートバッファ及び入力処理用データ領域の入力ポートバッファが継続してクリアされる。
このため、ゲームストップ機能により遊技停止状態中であるときには、普通図柄表示部161、普通図柄用保留表示部162、第1特別図柄表示部163、第2特別図柄表示部164、第1特別図柄用保留表示部165、第2特別図柄用保留表示部166および時短報知用表示部168等の遊技LEDの点灯が行われないことになる(消灯のまま)。
さらに、ゲームストップ機能により遊技停止状態中であるときには、遊技球を検出するための第1始動口スイッチ7121、第2始動口スイッチ7141、通過ゲートスイッチ7127、第1大入賞口カウントスイッチ7132、第2大入賞口カウントスイッチ7152、遊技球回収スイッチ7179、一般入賞口スイッチ123等の各種遊技球スイッチも無効化されることになる。
[枠制御回路送受信処理]
次に、図263を参照して、メインCPU201の制御による主制御メイン処理で実行される枠制御回路送受信処理(図258のステップS7028)について説明する。図263は、第7のパチンコ遊技機における枠制御回路送受信処理の一例を示すフローチャートである。
まず、ステップS7071において、メインCPU201は、XINTを検知したか否かを判定する。メインCPU201は、XINTを検知したと判定した場合(すなわち、電断を検知した場合)には、枠制御回路送受信処理を終了し、XINTを検知していないと判定した場合(すなわち、電断を検知していない場合)には、処理をステップS7072に移す。
ステップS7072において、メインCPU201は、遊技用エリアの主制御コマンド制御状態番号領域に記憶された主制御コマンド制御状態番号を所定の汎用レジスタにセットする。この処理を終了すると、メインCPU201は、処理をステップS7073に移す。
ここで、主制御コマンド制御状態番号は、「主制御コマンド制御状態番号=0」が、主制御コマンド送信開始値を示し、「主制御コマンド制御状態番号=1」が、払出通信モード受信値を示し、「主制御コマンド制御状態番号=2」が、払出通信イベント受信値を示しており、遊技機情報送信開始処理、遊技機情報受信確認処理、枠異常イベント情報受信処理等においてそれぞれ、主制御コマンド制御状態番号が設定される。
ステップS7073において、メインCPU201は、主制御コマンド制御状態番号に応じたアドレスを選択する。この処理は、例えば、主制御コマンド制御状態番号に応じた処理のアドレス(プログラム開始アドレス)を定義している、払出通信制御分岐テーブルを参照して、所定の汎用レジスタにセットされている主制御コマンド制御状態番号に応じた処理のアドレスを求めるものである。この処理を終了すると、メインCPU201は、処理をステップS7074に移す。
ステップS7074において、メインCPU201は、ステータスレジスタ(例えば、非同期シリアル送受信用のレジスタ)の受信FIFO状態チェック値を参照して、受信FIFOエラーが検知された否かを判定する。メインCPU201は、受信FIFOエラーが検知されたと判定した場合には、異常ありと判断して、処理をステップS7075に移し、受信FIFOエラーが検知されていないと判定した場合には、異常なしと判断して、処理をステップS7076に移す。
ステップS7075において、メインCPU201は、受信FIFOエラーが検知された場合には、所定のコマンドレジスタに受信FIFOクリアのためのコマンドを送信し、受信FIFOをクリアする。この処理を終了すると、メインCPU201は、処理をステップS7076に移す。
ステップS7076において、メインCPU201は、上記ステップS7073で選択された主制御コマンド制御状態番号に応じた処理のアドレスを呼び出し、その後、主制御コマンド制御状態番号に応じたステップS7077~S7079のいずれかの処理を行う。
ステップS7077は、主制御コマンド制御状態番号=0である場合に行われる遊技機情報送信開始処理である。
この遊技機情報送信開始処理においては、メインCPU201は、メインRAM203の遊技用エリアの遊技機情報領域を参照して、各種の遊技機情報が含まれた一電文の遊技機情報電文を生成し、生成した遊技機情報電文を枠制御回路410に送信する。この遊技機情報電文は、枠制御回路410によりカードユニット181やホールコンピュータに送信されることにもなる。そして、次回の枠制御回路送受信処理において遊技機情報受信確認処理が行われるように、主制御コマンド制御状態番号の値を1加算して、枠制御回路送受信処理を終了する。
ステップS7078は、主制御コマンド制御状態番号=1である場合に行われる遊技機情報受信確認処理である。
この遊技機情報受信確認処理においては、メインCPU201は、上記ステップS7077で枠制御回路410に送信した遊技機情報電文に対して、枠制御回路410から遊技機情報応答を受信したか否かを判定する。メインCPU201は、遊技機情報応答を受信しなかったと判定した場合には、遊技機情報電文の再送処理を行い、枠制御回路送受信処理を終了する。一方、メインCPU201は、遊技機情報応答を受信したと判定した場合には、メインRAM203の遊技機情報領域をクリアして、次回の枠制御回路送受信処理において枠異常イベント情報受信処理が行われるように、遊技用エリアの主制御コマンド制御状態番号領域に1を加算(主制御コマンド制御状態番号=2)して、枠制御回路送受信処理を終了する。
ステップS7079は、主制御コマンド制御状態番号=2ある場合に行われる枠異常イベント情報受信処理である。
この枠枠異常イベント情報受信処理においては、メインCPU201は、枠制御回路410から受信した枠異常イベント情報から複数の異常情報を抽出し、抽出した複数の異常情報から倫理和をとって、その論理和をメインRAM203の遊技用エリアの枠状態通知フラグ領域にセットする。
ここで、枠異常イベント情報に含まれる複数の異常情報としては、例えば、枠制御回路410とカードユニット181との「カードユニット通信異常」、獲得遊技球数の更新記憶に関する「付与異常」、枠制御回路410と主制御回路200との「応答異常」、循環ユニット420の「球詰まり異常」、循環ユニット420の「モータ異常」等の複数の異常情報を有している。また、メインRAM203の遊技用エリアの枠状態通知フラグ領域は、1バイトで構成されており、例えば、0ビット目がカードユニット通信異常の有無、1ビット目が付与異常の有無、2ビット目が応答異常の有無、3ビット目が球詰まり異常の有無、4ビット目がモータ異常の有無のように構成されている。そして、メインCPU201は、枠異常イベント情報から複数の異常情報を抽出した場合には、それぞれの対応するビットがON(=1)となるように論理和をとる。例えば、カードユニット通信異常と付与異常の2つの異常が発生している場合には、0ビット目と1ビット目がON(=1)となる。
そして、枠異常イベント情報受信処理において、メインCPU201は、メインRAM203の枠状態通知フラグ領域に異常情報をセットした後は、次回の枠制御回路送受信処理において遊技機情報送信開始処理が行われるように、遊技用エリアの主制御コマンド制御状態番号領域をクリア(主制御コマンド制御状態番号=0)して、枠制御回路送受信処理を終了する。
また、本実施形態の枠制御回路送受信処理では、受信データの有無を問わず、処理を継続するために、ステップS7074の受信FIFOのエラー検知の結果に応じて、受信FIFOのクリアを行う。例えば、受信データがあって、受信FIFOのエラーなしの場合は、正常データを取得して選択された処理を呼び出し、受信データなしで、受信FIFOのエラーなしの場合は、0データを取得して選択された処理を呼び出し、受信データがあって、受信FIFOのエラーありの場合は、受信FIFOをクリアし、0データを取得して選択された処理を呼び出し、受信データがなしで、受信FIFOのエラーありの場合は、受信FIFOをクリアし、0データを取得して選択された処理を呼び出すことになり、受信トリガレベルと受信状態モニタのチェックは行わないので、処理の負担の軽減を図ることができる。
[状態監視処理]
次に、図264を参照して、メインCPU201の制御による主制御メイン処理で実行される状態監視処理(図258のステップS7030)について説明する。図264は、第7のパチンコ遊技機における状態監視処理の一例を示すフローチャートである。
まず、ステップS7081において、メインCPU201は、メインRAM203の遊技用エリアにおける遊技停止状態フラグ領域を参照し、遊技停止状態(遊技停止状態フラグ領域=1)であるか否かを判定する。メインCPU201は、遊技停止状態であると判定した場合には、処理をステップS7089に移し、遊技停止状態でないと判定した場合には、処理をステップS7082に移す。
ステップS7082において、メインCPU201は、遊技停止状態でないと判定した場合には、発射位置が異常であるか否かを判定する。より具体的には、メインRAM203の遊技用エリアにおける発射位置指定信号管理データ領域に記憶された発射位置指定信号管理データ値と、メインRAM203の遊技用エリアにおける発射位置パラメータ領域に記憶された発射位置パラメータとを比較し、発射位置が異常(相違)であるか否かを判定する。メインCPU201は、発射位置が異常であると判定した場合には、処理をステップS7083に移し、発射位置が異常でないと判定した場合には、処理をステップS7086に移す。
ステップS7083において、メインCPU201は、発射位置指定信号管理データ値を遊技用エリアにおける発射位置パラメータ領域にセットする。この処理を終了すると、メインCPU201は、処理をステップS7084に移す。
ステップS7084において、メインCPU201は、発射位置コマンドをセットする。この処理では、発射位置コマンドテーブルを参照し、発射位置コマンドの識別データ(例えば、C2H)と、遊技用エリアにおける発射位置パラメータ領域に記憶された情報とから、発射位置コマンドを生成することになる。この処理を終了すると、メインCPU201は、処理をステップS7085に移す。
ステップS7085において、メインCPU201は、発射位置コマンドをサブ制御回路300に送信する演出制御コマンド送信処理を行う。この処理では、上記ステップS7084で生成された発射位置コマンドを送信バッファにセットする。この処理を終了すると、メインCPU201は、処理をステップS7086に移す。
ステップS7086において、メインCPU201は、遊技異常を検知したか否かを判定する。より具体的には、メインRAM203の遊技用エリアにおける遊技異常検知パラメータ領域を参照し、遊技異常検知パラメータ領域に異常を示すデータが記憶されているか否かを判定する。メインCPU201は、遊技異常を検知したと判定した場合には、処理をステップS7087に移し、遊技異常を検知していないと判定した場合には、処理をステップS7089に移す。
なお、本実施形態においては、遊技用エリアの遊技異常検知パラメータ領域は、不正入賞異常、センサ異常、扉・枠開閉異常等の遊技異常情報が記憶可能となっており、各種センサからの入力処理により、それぞれの遊技異常が判定されると、遊技用エリアの遊技異常検知パラメータ領域に対応する遊技異常情報が記憶されることになる。
ステップS7087において、メインCPU201は、遊技異常検知コマンドをセットする。この処理では、遊技異常検知コマンドテーブルを参照し、遊技異常検知コマンドの識別データ(例えば、C0H)と、遊技用エリアにおける遊技異常検知パラメータ領域に記憶された情報とから、遊技異常検知コマンドを生成することになる。この処理を終了すると、メインCPU201は、処理をステップS7088に移す。
ステップS7088において、メインCPU201は、遊技異常検知コマンドをサブ制御回路300に送信する演出制御コマンド送信処理を行う。この処理では、上記ステップS7087で生成された遊技異常検知コマンドを送信バッファにセットする。この処理を終了すると、メインCPU201は、処理をステップS7089に移す。
ステップS7089において、メインCPU201は、通知間隔管理タイマの更新処理を行う。この処理では、メインRAM203の遊技用エリアにおける通知間隔管理タイマ領域に記憶された通知間隔管理タイマの加算処理を行う。この処理を終了すると、メインCPU201は、処理をステップS7090に移す。
ステップS7090において、メインCPU201は、遊技用エリアにおける通知間隔管理タイマ領域を参照し、通知間隔管理時間であるか否かを判定する。メインCPU201は、通知間隔管理時間であると判定した場合には、枠状態通知コマンドを送信するため、処理をステップS7091に移し、通知間隔管理時間でないと判定した場合には、状態監視処理を終了する。
なお、本実施形態においては、通知間隔管理時間は200msに設定されており、後述するように、200ms毎に枠状態通知コマンドが定期送信されることになる。
ステップS7091において、メインCPU201は、枠制御回路410の異常に関する枠状態通知コマンドをセットする。この処理では、枠状態通知コマンドテーブルを参照し、枠状態通知コマンドの識別データ(例えば、C1H)と、上記ステップS7079で遊技用エリアにおける枠状態通知フラグ領域に記憶された情報から、枠状態通知コマンドを生成することになる。この処理を終了すると、メインCPU201は、処理をステップS7092に移す。
ステップS7092において、メインCPU201は、枠状態通知コマンドをサブ制御回路300に送信する演出制御コマンド送信処理を行う。この処理では、上記ステップS7091で生成された枠状態通知コマンドを送信バッファにセットする。この処理を終了すると、メインCPU201は、処理をステップS7093に移す。
ステップS7093において、メインCPU201は、メインRAM203の遊技用エリアにおける枠状態通知フラグ領域をクリアする。この処理を終了すると、メインCPU201は、状態監視処理を終了する。
このように、本実施形態の状態監視処理においては、ゲームストップ機能により遊技停止状態中であるときには、発射位置の異常判定(ステップS7082~S7085)及び遊技異常の検知判定(ステップS7086~S7088)が行われなくなるので、ゲームストップ機能による遊技停止状態中の処理負担の軽減を図ることができる。
その一方、ゲームストップ機能により遊技停止状態中であっても、枠制御回路410の異常に関する枠状態通知コマンドの送信は継続して実行可能となっていることから、遊技停止状態中であっても、枠制御回路410の異常を報知することができる。
[特電管理処理]
次に、図265を参照して、主制御メイン処理で行われる特電管理処理について説明する。図265は、第7のパチンコ遊技機における特電管理処理の一例を示すフローチャートである。
まず、ステップS7101において、メインCPU201は、第1特別図柄待ち時間(メインRAM203の第1特別図柄待ち時間カウンタ)が0であるか否かを判定する。この第1特別図柄待ち時間は、特電制御処理の各種処理の待ち時間として、メインRAM203の第1特別図柄待ち時間カウンタにセットされ、上述した主制御メイン処理のタイマカウンタ更新処理(ステップS7022)において第1特別図柄待ち時間が計時(減算)されていくことになる。
メインCPU201は、第1特別図柄待ち時間が0であると判定した場合にはステップS7102に処理を移し、第1特別図柄待ち時間が0でないと判定した場合にはステップS7105に処理を移す。
ステップS7102において、メインCPU201は、第1特別図柄休止フラグがオフであるか否かを判定する。この第1特別図柄休止フラグは、第1特別図柄の図柄制御の進行を休止するフラグであり、第2特別図柄の抽選により大当り遊技状態となったときや、特電作動口7142に遊技球が入球したことを契機として特電開放遊技状態または大当り遊技状態となったときにオンとなる。
メインCPU201は、第1特別図柄休止フラグがオフであると判定した場合にはステップS7103に処理を移し、第1特別図柄休止フラグがオフでない(第1特別図柄休止フラグがオン)と判定した場合にはステップS7102に処理を移す。
ステップS7103において、メインRAM203の特電制御状態番号領域から第1特別図柄の特電制御状態番号をロードする。第1特別図柄の特電制御状態番号は、第1特別図柄の図柄制御に関する進行状態(ステータス)を示す番号である。この処理を終了すると、ステップS7104に処理を移す。
ステップS7104において、ロードした第1特別図柄の制御状態番号に基づいて、第1特別図柄の図柄制御の進行をする特電制御処理を行う。この特電制御処理の詳細については、図266を参照して後述する。この処理を終了すると、ステップS7105に処理を移す。
ステップS7105において、メインCPU201は、第2特別図柄待ち時間(メインRAM203の第2特別図柄待ち時間カウンタ)が0であるか否かを判定する。この第2特別図柄待ち時間は、特電制御処理の各種処理の待ち時間として、メインRAM203の第2特別図柄待ち時間カウンタにセットされ、上述した主制御メイン処理のタイマカウンタ更新処理(ステップS7022)において第2特別図柄待ち時間が計時(減算)されていくことになる。
メインCPU201は、第2特別図柄待ち時間が0であると判定した場合にはステップS7106に処理を移し、第2特別図柄待ち時間が0でないと判定した場合には特電管理処理を終了する。
ステップS7106において、メインCPU201は、第2特別図柄休止フラグがオフであるか否かを判定する。この第2特別図柄休止フラグは、第2特別図柄の図柄制御の進行を休止するフラグであり、第1特別図柄の抽選により大当り遊技状態となったときや、特電作動口7142に遊技球が入球したことを契機として特電開放遊技状態または大当り遊技状態となったときにオンとなる。
メインCPU201は、第2特別図柄休止フラグがオフであると判定した場合にはステップS7107に処理を移し、第2特別図柄休止フラグがオフでない(第2特別図柄休止フラグがオン)と判定した場合には特電管理処理を終了する。
ステップS7107において、メインRAM203の特電制御状態番号領域から第2特別図柄の特電制御状態番号をロードする。第2特別図柄の特電制御状態番号は、第2特別図柄の図柄制御に関する進行状態(ステータス)を示す番号である。この処理を終了すると、ステップS7108に処理を移す。
ステップS7108において、ロードした第2特別図柄の特電制御状態番号に基づいて、第2特別図柄の図柄制御の進行をする特電制御処理を行う。この特電制御処理の詳細については、図266を参照して後述する。この処理を終了すると、ステップS7109に処理を移す。
ステップS7109において、メインCPU201は、特電待ち時間(メインRAM203の特電待ち時間カウンタ)が0であるか否かを判定する。この特電待ち時間カウンタは、特電制御処理の各種処理の待ち時間として、メインRAM203の特電待ち時間カウンタにセットされ、上述した主制御メイン処理のタイマカウンタ更新処理(ステップS7022)において特電待ち時間が計時(減算)されていくことになる。
メインCPU201は、特電待ち時間が0であると判定した場合にはステップS7110に処理を移し、特電待ち時間が0でないと判定した場合には特電管理処理を終了する。
ステップS7110において、メインCPU201は、第1特別図柄休止フラグ及び第2特別図柄休止フラグのいずれの特別図柄休止フラグもオフであるか否かを判定する。
メインCPU201は、いずれの特別図柄休止フラグもオフであると判定した場合にはステップS7111に処理を移し、いずれの特別図柄休止フラグもオフでない(いずれのかの特別図柄休止フラグがオン)と判定した場合には特電管理処理を終了する。
ステップS7111において、メインRAM203の特電制御状態番号領域から特電作動口の特電制御状態番号をロードする。特電作動口の特電制御状態番号は、大入賞口の開放制御に関する進行状態(ステータス)を示す番号である。この処理を終了すると、ステップS7112に処理を移す。
ステップS7112において、ロードした特電作動口の特電制御状態番号に基づいて、
大入賞口の開放制御の進行をする特電制御処理を行う。この特電制御処理の詳細については、図266を参照して後述する。この処理を終了すると、特電管理処理を終了する。
[特電制御処理]
次に、図266を参照して、特電管理処理で行われる特電制御処理について説明する。図266は、第7のパチンコ遊技機における特電制御処理の一例を示すフローチャートである。
図266に示す各処理の右方に括弧書きで記載した数値(「0」~「5」)は、処理対象となる特電制御状態番号である。メインCPU201は、特電制御状態番号に対応する各処理を実行することにより、特別図柄の図柄制御や大入賞口の開放制御等を進行させる。
ステップS7113において、メインCPU201は、特別図柄可変表示開始処理を行う。このステップS7113の処理は、特電制御状態番号が「0」である場合に行われる処理である。この特別図柄可変表示開始処理では、特別図柄の始動情報のシフト処理、特別図柄の抽選、特別図柄の停止図柄の決定、特別図柄の変動パターンの決定等を行う。この特別図柄可変表示開始処理の詳細については、図267を参照して後述する。特電制御状態番号が「0」でない場合には、メインCPU201は、処理をステップS7114に移す。
ステップS7114において、メインCPU201は、特別図柄可変表示終了処理を行う。このステップS7114の処理は、特電制御状態番号が「1」である場合に行われる処理である。この特別図柄可変表示終了処理では、特別図柄の停止時間の設定等を行う。この特別図柄可変表示終了処理の詳細については、図268を参照して後述する。特電制御状態番号が「1」でない場合には、メインCPU201は、処理をステップS7115に移す。
ステップS7115において、メインCPU201は、特別図柄遊技判定処理を行う。このステップS7115の処理は、特電制御状態番号が「2」である場合に行われる処理である。この特別図柄遊技判定処理では、大当り、時短当りまたはハズレであるか否かの判定を行い、大当りや時短当りの開始の準備設定や時短回数の更新処理を行う。この特別図柄遊技判定処理の詳細については、図269を参照して後述する。特電制御状態番号が「2」でない場合には、メインCPU201は、処理をステップS7116に移す。
ステップS7116において、メインCPU201は、大入賞口開放準備処理を行う。このステップS7116の処理は、特電制御状態番号が「3」である場合に行われる処理である。この大入賞口開放準備処理の詳細については、図271を参照して後述する。特電制御状態番号が「3」でない場合には、メインCPU201は、処理をステップS7117に移す。
ステップS7117において、メインCPU201は、大入賞口開放制御処理を行う。このステップS7117の処理は、特電制御状態番号が「4」である場合に行われる処理である。この大入賞口開放制御処理の詳細については、図272を参照して後述する。特電制御状態番号が「4」でない場合には、メインCPU201は、処理をステップS7118に移す。
ステップS7118において、メインCPU201は、大当り遊技状態終了処理を行う。このステップS7118の処理は、特電制御状態番号が「5」である場合に行われる処理である。この大当り遊技状態終了処理の詳細については、図273を参照して後述する。特電制御状態番号が「5」でない場合には、メインCPU201は、処理をステップS7119に移す。
ステップS7119において、メインCPU201は、特電開放遊技状態の制御として特電開放遊技状態制御処理を行う。このステップS7119の処理は、特電制御状態番号が「6」である場合に行われる処理である。この特電開放遊技状態制御処理の詳細については、図274を参照して後述する。
メインCPU201は、ステップS7113~S7119の処理を終了後、特電管理処理を終了し、処理を普通図柄制御処理(図258参照)に移す。
[特別図柄可変表示開始処理]
次に、図267を参照して、特電制御処理で実行される特別図柄可変表示開始処理について説明する。図267は、第7のパチンコ遊技機における特別図柄可変表示開始処理の一例を示すフローチャートである。
ステップS7121において、メインCPU201は、上記ステップS7103またはステップS7107でロードした特別図柄の特電制御状態番号が「0」であるか否かを判定する。メインCPU201は、特別図柄の特電制御状態番号が「0」でないと判定した場合には、特別図柄可変表示開始処理を終了して処理を特電制御処理(図266参照)に戻し、特別図柄の特電制御状態番号が「0」であると判定した場合にはステップS7122に処理を移す。
ステップS7122において、メインCPU201は、特別図柄の特電制御状態番号に対応した特別図柄に対して、遊技待機判定処理を行う。この特別図柄遊技待機処理では、第1特別図柄の特電制御状態番号であれば第1特別図柄の保留数がないか否かを判定し、第2特別図柄の特電制御状態番号であれば第2特別図柄の保留数がないか否かを判定する。メインCPU201は、特別図柄の特電制御状態番号に対応した特別図柄の保留数がないと判定した場合には、その特別図柄に対応した「遊技待機状態」を示すデータを所定の汎用レジスタにセットする。また、特別図柄の特電制御状態番号に対応した特別図柄の保留数があると判定した場合には、その特別図柄に対応した「遊技開始状態」を示すデータを所定の汎用レジスタにセットする。この処理を終了すると、メインCPU201は、処理をステップS7123に移す。
ステップS7123において、メインCPU201は、所定の汎用レジスタを参照し、特別図柄の特電制御状態番号に対応した特別図柄に対して、遊技待機状態であるか否かを判定する。メインCPU201は、遊技待機状態であると判定した場合には、特別図柄可変表示開始処理を終了して処理を特電制御処理(図266参照)に戻し、遊技待機状態でない(遊技開始状態である)と判定した場合には処理をステップS7124に移す。
ステップS7124において、メインCPU201は、特別図柄の特電制御状態番号に対応した特別図柄に対して、特別図柄の始動情報のシフト処理を行う。この特別図柄の始動情報のシフト処理では、メインRAM203の特別図柄始動記憶領域(1)に記憶された始動情報を特別図柄判定記憶領域(0)にシフトし、特別図柄始動記憶領域(2)~特別図柄始動記憶領域(4)に記憶された始動情報を特別図柄始動記憶領域(1)~特別図柄始動記憶領域(3)にシフトする。そして、特別図柄の始動情報のシフトした後には、減算された特別図柄の保留個数を示す保留減算コマンドの生成を行い、生成した保留減算コマンドを送信バッファにセットする。この処理を終了すると、メインCPU201は、ステップS7125に処理を移す。
また、特別図柄の始動情報のシフト処理は、開始時に割込み禁止区間を設定し、特別図柄の始動情報のシフト処理を割込み禁止区間内で行うことが好ましい。
ステップS7125において、メインCPU201は、特別図柄の特電制御状態番号に対応した特別図柄に対して、大当り、時短当りまたはハズレを判定する特別図柄の当り判定処理を行う。この特別図柄の当り判定処理では、図248に示す特別図柄の当り判定テーブルを参照し、特別図柄判定記憶領域(0)にシフトされた特別図柄の始動情報としての特別図柄の大当り判定用乱数値に基づいて、当落判定値データを決定し、決定した当落判定値データをメインRAM203の特別図柄当りフラグ領域にセットする。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をステップS7126に移す。
ステップS7126において、メインCPU201は、特別図柄の特電制御状態番号に対応した特別図柄に対して、特別図柄の停止図柄を決定するための特別図柄決定処理を行う。この特別図柄決定処理では、図249に示す特別図柄判定テーブルを参照し、上記当落判定値データと、特別図柄判定記憶領域(0)にシフトされた特別図柄の始動情報としての特別図柄の図柄乱数値とに基づいて、特別図柄の停止図柄を決定し、決定した特別図柄の停止図柄の情報をメインRAM203の特別図柄停止図柄番号領域にセットする。なお、今回の処理で特別図柄の停止図柄の情報を特別図柄停止図柄番号領域にセットすることにより、前回の処理(前回の特別図柄の変動表示)でセットされた特別図柄の停止図柄の情報は、上書きされて消去されることになる。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をステップS7127に移す。
ステップS7127において、メインCPU201は、特別図柄の特電制御状態番号に対応した特別図柄に対して、特別図柄の変動パターンを決定する特別図柄の変動パターン決定処理を行う。この特別図柄の変動パターン決定処理では、遊技状態に応じて図251及び図252のいずれかの特別図柄の変動パターンテーブルを決定し、決定した特別図柄の変動パターンテーブルを参照し、特別図柄の種別、特別図柄の抽選結果(当落)と、特別図柄の停止図柄等に基づいて、特別図柄の変動パターンを決定する。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をステップS7128に移す。
また、後述する「特別図柄演出開始コマンド」のパラメータに特別図柄の変動パターンの情報を含めることにより、特別図柄演出開始コマンドを受信したサブCPU301では、特別図柄の変動パターンに基づいて、表示装置7の表示領域に表示される表示演出、スピーカ32から出力される音演出、LED群46から発光されるランプ演出等を制御することができる。
ステップS7128において、メインCPU201は、特別図柄の特電制御状態番号に対応した特別図柄に対して、特別図柄の変動表示時間を設定する特別図柄の変動表示時間設定処理を行う。この特別図柄の変動表示時間設定処理では、上記ステップS7127で決定された特別図柄の変動パターンに基づいて特別図柄の変動表示時間を決定し、決定した特別図柄の変動表示時間をメインRAM203の特別図柄待ち時間カウンタにセットする。これにより、第1特別図柄表示部163または第2特別図柄表示部164において特別図柄の変動表示が開始される。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をステップS7129に移す。
ステップS7129において、メインCPU201は、ロードした特別図柄の特電制御状態番号に「1」をセットする処理を行う。特別図柄の特電制御状態番号に「1」をセットする処理を行うことにより、この特別図柄可変表示開始処理の終了後に、特別図柄可変表示終了処理(図266参照)が行われることとなる。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をステップS7130に移す。
ステップS7130において、メインCPU201は、遊技状態指定パラメータ設定処理を行う。この処理では、例えば、メインRAM203の遊技状態指定パラメータ領域に格納されている遊技状態にかかわるパラメータの更新が行われる。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をステップS7131に移す。
ステップS7131において、メインCPU201は、特別図柄の特電制御状態番号に対応した特別図柄に対して、特別図柄演出開始コマンドの送信処理を行う。この処理では、遊技状態、特別図柄の変動パターン、特別図柄の停止図柄、設定値に基づいて、特別図柄演出開始コマンドを生成する。すなわち、特別図柄演出開始コマンドには、遊技状態、特別図柄の変動パターン、特別図柄の停止図柄、設定値のそれぞれの情報がパラメータに含められていることになる。そして、生成した特別図柄演出開始コマンドを送信バッファにセットし、特別図柄可変表示開始処理を終了して、処理を特電制御処理(図266参照)に戻す。
[特別図柄可変表示終了処理]
次に、図268を参照して、特電制御処理で実行される特別図柄可変表示終了処理について説明する。図268は、第7のパチンコ遊技機における特別図柄可変表示終了処理の一例を示すフローチャートである。
ステップS7141において、メインCPU201は、上記ステップS7103またはステップS7107でロードした特別図柄の特電制御状態番号が「1」であるか否かを判定する。メインCPU201は、特別図柄の特電制御状態番号が「1」でないと判定した場合には、特別図柄可変表示開始処理を終了して処理を特電制御処理(図266参照)に戻し、特別図柄の特電制御状態番号が「1」であると判定した場合には処理をステップS7142に移す。
なお、上記ステップS7141の処理が行われるのは、メインRAM203の特別図柄待ち時間カウンタにセットされた特別図柄の変動表示時間が0となったとき、すなわち、特別図柄の変動表示時間が経過したときである。
ステップS7142において、メインCPU201は、特別図柄の特電制御状態番号に対応した特別図柄に対して、特別図柄の図柄確定時間を設定する特別図柄の図柄確定時間設定処理を行う。この図柄確定時間設定処理では、予め定められた特別図柄の図柄確定時間(例えば、540ms)をメインRAM203の特別図柄待ち時間カウンタにセットする。これにより、第1特別図柄表示部163または第2特別図柄表示部164において特別図柄の変動表示が停止される。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をステップS7143に移す。
なお、特別図柄の図柄確定時間は、遊技状態、特別図柄の当り判定処理の結果(当落)、特別図柄の変動パターンの少なくともいずれかに基づいて決定してもよい。
ステップS7143において、メインCPU201は、ロードした特別図柄の特電制御状態番号に「2」をセットする。特別図柄の特電制御状態番号に「2」をセットする処理を行うことにより、この特別図柄可変表示終了処理の終了後に、特別図柄遊技判定処理(図266参照)が行われることとなる。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をS7144に移す。
ステップS7144において、メインCPU201は、特別図柄の特電制御状態番号に対応した特別図柄に対して、特別図柄演出停止コマンドの送信処理を行う。この処理では、遊技状態、特別図柄の停止図柄に基づいて、特別図柄演出停止コマンドを生成して、生成した特別図柄演出停止コマンドを送信バッファにセットする。すなわち、特別図柄演出停止コマンドには、遊技状態、特別図柄の停止図柄のそれぞれの情報がパラメータに含められていることになる。さらに、特別図柄の図柄確定に応じた遊技機情報を生成し、生成した遊技機情報をメインRAM203の遊技用エリアにおける遊技機情報領域にセットして、図柄確定に関する遊技機情報を更新する。この処理を終了すると、メインCPU201は、特別図柄可変表示終了処理を終了し、処理を特電制御処理(図266参照)に戻す。
[特別図柄遊技判定処理]
次に、図269を参照して、特電制御処理でメインCPU201により実行される特別図柄遊技判定処理について説明する。図269は、第7のパチンコ遊技機における特別図柄遊技判定処理の一例を示すフローチャートである。
ステップS7161において、メインCPU201は、上記ステップS7103またはステップS7107でロードした特別図柄の特電制御状態番号が「2」であるか否かを判定する。メインCPU201は、特別図柄の特電制御状態番号が「2」でないと判定した場合には、特別図柄遊技判定処理を終了して処理を特電制御処理(図266参照)に戻し、特別図柄の特電制御状態番号が「2」であると判定した場合には処理をステップS7162に移す。
なお、上記ステップS7161の処理が行われるのは、メインRAM203の特別図柄待ち時間カウンタにセットされた特別図柄の図柄確定時間が0となったとき、すなわち、特別図柄の図柄確定時間が経過したときである。
ステップS7162において、メインCPU201は、メインRAM203の特別図柄当りフラグ領域を参照し、大当りの当落判定値データが記憶されているか否か、すなわち、大当りであるか否かを判定する。メインCPU201は、大当りであると判定した場合には、処理をステップS7163に移し、大当りでないと判定した場合には、処理をステップS7172に移す。
ステップS7163において、メインCPU201は、大当り遊技状態への移行時の遊技状態を記憶する。この処理では、現在の遊技状態としてメインRAM203の遊技状態記憶領域に記憶されている遊技状態情報及び時短情報を、メインRAM203の移行状態記憶領域に記憶する。これにより、大当り遊技状態の終了後であったとしても、大当り遊技状態への移行時の遊技状態の情報を把握することができる。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をステップS7164に移す。
ステップS7164において、メインCPU201は、遊技状態の初期化処理を行う。この遊技状態の初期化処理では、遊技状態記憶領域に記憶されている遊技状態情報及び時短情報、普電作動パターン記憶領域に記憶されている普電作動パターン、特図短縮パターン記憶領域に記憶されている特図短縮パターン、時短終了条件判定領域に記憶されている時短終了条件の情報をクリアして、遊技状態を初期化(通常遊技状態)にする。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をステップS7165に移す。
ステップS7165において、メインCPU201は、大当りを契機とした第1のルートからの第1ルート大当り開始準備設定処理を行う。この第1ルート大当り開始準備設定処理においては、メインRAM203の特別図柄停止図柄番号領域を参照し、大当りの「特別図柄の停止図柄」に基づいてOP待ち時間(オープニング時間)を決定し、決定したOP待ち時間(オープニング時間)をメインRAM203の特別図柄待ち時間カウンタにセットする。また、大当りの「特別図柄の停止図柄」に基づいて最大ラウンド数を決定し、決定した最大ラウンド数をメインRAM203の大当りラウンド数上限値領域にセットする。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をステップS7166に移す。
ステップS7166において、メインCPU201は、第1のルートからの大当りの遊技機情報生成処理を行う。この大当りの遊技機情報生成処理においては、メインRAM203の特別図柄停止図柄番号領域を参照し、特別図柄の停止図柄に応じた大当り情報を生成し、生成した大当り情報をメインRAM203の遊技機情報領域にセットして、当り情報に関する遊技機情報を更新する。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をステップS7167に移す。
ステップS7167において、メインCPU201は、特電制御状態番号に「3」をセットする。特電制御状態番号に「3」をセットする処理を行うことにより、この特別図柄遊技判定処理の終了後に、後述する大入賞口開放準備処理が行われることとなる。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をステップS7168に移す。
ステップS7168において、メインCPU201は、大当り開始表示コマンドの送信処理を行う。この処理では、特別図柄の種別(制御対象特図情報)、特別図柄の停止図柄等に基づいて、大当り開始表示コマンドを生成する。すなわち、大当り開始表示コマンドには、特別図柄の種別、特別図柄の停止図柄等の情報がパラメータに含められていることになる。そして、生成した大当り開始表示コマンドを送信バッファにセットし、処理をステップS7169に移す。
ステップS7169において、メインCPU201は、ロードした特別図柄の特電制御状態番号に対応していない他方の特別図柄に対して、特別図柄休止フラグをセットし、特別図柄休止フラグをオンにする。具体的には、第1特別図柄の特電制御状態番号であれば、第2特別図柄休止フラグをセットし、第2特別図柄の特電制御状態番号であれば、第1特別図柄休止フラグをセットする。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をステップS7170に移す。
ステップS7170において、メインCPU201は、当落判定値データをクリアする。すなわち、メインRAM203の特別図柄当りフラグ領域をクリアする。メインCPU201は、本処理を実行した後、特別図柄可変表示終了処理を終了し、処理を特電制御処理(図266参照)に戻す。
ステップS7172において、メインCPU201は、大当りでないと判定した場合には、メインRAM203の特別図柄当りフラグ領域を参照し、時短当りの当落判定値データが記憶されているか否か、すなわち、時短当りであるか否かを判定する。メインCPU201は、時短当りであると判定した場合には、処理をステップS7173に移し、時短当りでない(すなわちハズレ)と判定した場合には、処理をステップS7181に移す。
ステップS7173において、メインCPU201は、遊技状態記憶領域に記憶されている遊技状態情報を参照し、C時短遊技状態(遊技状態情報=2)であるか否かを判定する。メインCPU201は、C時短遊技状態であると判定した場合には、処理をステップS7181に移し、C時短遊技状態でないと判定した場合には、処理をステップS7174に移す。
ステップS7174において、メインCPU201は、時短当り状態設定処理を行う。この時短当り状態設定処理においては、図250(b)に示す遊技状態関連設定テーブル2を参照し、特別図柄停止図柄番号領域に記憶されている特別図柄の停止図柄の情報、移行時の遊技状態としての遊技状態記憶領域に記憶されている遊技状態情報及び時短情報に基づいて、新たに遊技状態情報、時短情報、普電作動パターン、特図短縮パターン及び時短終了条件の情報を決定する。そして、決定した遊技状態情報及び時短情報を遊技状態記憶領域に記憶するとともに、決定した普電作動パターンを普電作動パターン記憶領域に記憶し、決定した特図短縮パターンを特図短縮パターン記憶領域に記憶する。また、時短終了条件として、特電作動口入賞時の時短終了条件を決定した場合には、時短終了条件判定領域の特電入賞終了判定フラグをセットし、V入賞口入賞時の時短終了条件を決定した場合には、時短終了条件判定領域のV入賞終了判定フラグをセットし、時短終了条件として時短回数の第2特別図柄の可変表示回数(第2特別図柄の4回転)を決定した場合には、時短終了条件判定領域の時短回数カウンタに4をセットする。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をステップS7175に移す。
このように、時短当りが判定された場合に、通常遊技状態またはA時短遊技状態であるときには、時短当りによる遊技状態の移行が行われるものの、C時短遊技状態であるときには、時短当りによる遊技状態の移行ができない(いわゆる時短当りによる時短が作動しない)ように構成されている。
なお、本実施形態では、C時短遊技状態において時短当りが判定されても、時短当りによる遊技状態の移行ができないが、C時短遊技状態においても時短当りからの遊技状態の移行ができるように構成してもよい。
ステップS7175において、メインCPU201は、特別図柄遊技終了処理を行う。この特別図柄遊技終了処理については、図270を参照して後述する。なお、メインCPU201は、特別図柄遊技終了処理を終了すると、処理をステップS7170に移す。
ステップS7181において、メインCPU201は、大当りでも時短当りでもないと判定した場合、すなわちハズレの場合には、時短回数終了判定処理を行う。この時短回数終了判定処理では、時短終了条件として第2特別図柄の可変表示回数が設定された第4時短遊技状態である場合において、第2特別図柄の特電制御状態番号であれば、時短終了条件判定領域の時短回数カウンタから1を減算して更新し、更新した時短回数カウンタ=0であるか否かを判定する。そして、時短回数カウンタ=0であると判定した場合には、遊技状態記憶領域、普電作動パターン記憶領域、特図短縮パターン記憶領域、時短終了条件判定領域に記憶されている各種情報をクリアして、遊技状態を第4時短遊技状態から通常遊技状態に移行させる。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をS7182に移す。
ステップS7182において、メインCPU201は、特別図柄遊技終了処理を行う。この特別図柄遊技終了処理については、図270を参照して後述する。なお、メインCPU201は、特別図柄遊技終了処理を終了すると、処理をステップS7170に移す。
なお、特別図柄遊技判定処理は、開始時に割込み禁止区間を設定し、特別図柄遊技判定処理を割込み禁止区間内で行うことが好ましい。
[特別図柄遊技終了処理]
次に、図270を参照して、特別図柄遊技判定処理で実行される特別図柄遊技終了処理について説明する。また、この特別図柄遊技終了処理は、大当り遊技状態終了処理(図273参照)においても実行されることになる。図270は、第7のパチンコ遊技機における特別図柄遊技終了処理の一例を示すフローチャートである。
ステップS7191において、メインCPU201は、上記ステップS7103、ステップS7107またはステップS7111でロードした特電制御状態番号に「0」をセットする。特電制御状態番号を「0」にセットする処理を行うことにより今回の特別図柄遊技が終了し、特別図柄可変表示開始処理すなわち次回の特別図柄遊技を実行することが可能となる。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をステップS7192に移す。
ステップS7192において、メインCPU201は、遊技状態指定パラメータ設定処理を行う。この処理では、メインRAM203の遊技状態指定パラメータ領域に格納されている遊技状態にかかわるパラメータの確認・更新処理等を行う。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をステップS7193に移す。
ステップS7193において、メインCPU201は、特別図柄遊技終了コマンドの送信処理を行う。この処理では、遊技状態、特別図柄の停止図柄等に基づいて、特別図柄遊技終了コマンドを生成する。すなわち、特別図柄遊技終了コマンドには、遊技状態、特別図柄の停止図柄等のそれぞれの情報がパラメータに含められていることになる。そして、生成した特別図柄遊技終了コマンドを送信バッファにセットした後、特別図柄遊技終了処理を終了し、処理を特別図柄遊技判定処理に戻す。
[大入賞口開放準備処理]
次に、図271を参照して、特電制御処理により実行される大入賞口開放準備処理について説明する。図271は、第7のパチンコ遊技機における大入賞口開放準備処理の一例を示すフローチャートである。
ステップS7201において、メインCPU201は、上記ステップS7103、ステップS7107またはステップS7111でロードした特電制御状態番号が「3」であるか否かを判定する。メインCPU201は、特電制御状態番号が「3」でないと判定した場合には、大入賞口開放準備処理を終了して処理を特電制御処理(図266参照)に戻し、特電制御状態番号が「3」であると判定した場合には処理をステップS7203に移す。
ステップS7203において、メインCPU201は、メインRAM203のラウンドカウンタから「ラウンドカウンタ値」をロードする。「ラウンドカウンタ」は、大当り遊技状態において実行されるラウンド遊技の実行回数を計数するカウンタである。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をステップS7204に移す。
ステップS7204において、メインCPU201は、ロードしたラウンドカウンタ値が大当りラウンド数の上限値であるか否かを判定する。メインCPU201は、大当りラウンド数が上限値であると判定した場合には、処理をステップS7205に移し、大当りラウンド数が上限値でないと判定した場合には、処理をステップS7209に移す。
ステップS7205において、メインCPU201は、大当り終了準備設定処理を行う。この大当り終了準備設定処理においては、大当りの「特別図柄の停止図柄」に基づいてED待ち時間(エンディング時間)を決定し、決定したED待ち時間(エンディング時間)をメインRAM203の特別図柄待ち時間カウンタにセットする。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をステップS7206に移す。
ステップS7206において、メインCPU201は、ロードした特電制御状態番号に「5」をセットする。特電制御状態番号に「5」をセットする処理を行うことにより、この大入賞口開放準備処理の終了後に、後述する大当り遊技状態終了処理が行われることとなる。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をステップS7207に移す。
ステップS7207において、メインCPU201は、大当り終了表示コマンドの送信処理を行う。この処理では、遊技状態、特別図柄の停止図柄に基づいて、大当り終了表示コマンドを生成する。すなわち、大当り終了表示コマンドには、遊技状態、特別図柄の停止図柄のそれぞれの情報がパラメータに含められていることになる。そして、生成した大当り終了表示コマンドを送信バッファにセットした後、大入賞口開放準備処理を終了し、処理を特電制御処理(図266参照)に戻す。
ステップS7208において、メインCPU201は、メインRAM203のラウンドカウンタ値に1を加算する処理を行う。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をステップS7209に移す。
ステップS7209において、メインCPU201は、第1大入賞口7131を開放させる第1大入賞口の開放設定処理を行う。この第1大入賞口の開放設定処理においては、大当りの「特別図柄の停止図柄」、現在のラウンド数(ラウンドカウンタ値)に基づいて、今回のラウンドにおける第1大入賞口7131の最大開放時間を決定し、決定した最大開放時間をメインRAM203の大入賞開放時間カウンタにセットする。そして、第1特電用ソレノイド7135に対して、第1大入賞口7131を開放させるための第1大入賞口開放制御データを生成する。これにより、第1大入賞口7131が開放することになる。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をステップS7210に移す。
ステップS7210において、メインCPU201は、ロードした特電制御状態番号に「4」をセットする。特電制御状態番号に「4」をセットする処理を行うことにより、この大入賞口開放準備処理の終了後に、大入賞口開放制御処理が行われることとなる。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をステップS7211に移す。
ステップS7211において、メインCPU201は、大入賞口開放中表示コマンドの送信処理を行う。この処理では、遊技状態、特別図柄の停止図柄に基づいて、大入賞口開放中表示コマンドを生成する。すなわち、大入賞口開放中表示コマンドには、遊技状態、特別図柄の停止図柄のそれぞれの情報がパラメータに含められていることになる。そして、生成した大入賞口開放中表示コマンドを送信バッファにセットした後、大入賞口開放準備処理を終了し、処理を特電制御処理(図266参照)に戻す。
[大入賞口開放制御処理]
次に、図272を参照して、特電制御処理で実行される大入賞口開放制御処理について説明する。図272は、第7のパチンコ遊技機における大入賞口開放制御処理の一例を示すフローチャートである。
ステップS7241において、メインCPU201は、上記ステップS7103、ステップS7107またはステップS7111でロードした特電制御状態番号が「4」であるか否かを判定する。メインCPU201は、特電制御状態番号が「4」でないと判定した場合には、大入賞口開放制御処理を終了して処理を特電制御処理(図266参照)に戻し、特電制御状態番号が「4」であると判定した場合には処理をステップS7243に移す。
ステップS7243において、メインCPU201は、第1大入賞口7131が開放されたときに、1つのラウンドにおける第1大入賞口7131に入球した遊技球の入賞数が最大入賞個数であるか否かを判定する。この処理では、第1大入賞口カウントスイッチ7132により計数された第1大入賞口カウンタの値が、予め規定された第1大入賞口7131の最大入賞個数の値(例えば10個)であるか否かが判定される。
メインCPU201は、ステップS7243において第1大入賞口7131の入賞数が最大入賞個数でないと判定した場合には、処理をステップS7244に移し、第1大入賞口7131の入賞数が最大入賞個数であると判定した場合には、処理をステップS7245に移す。
ステップS7244において、メインCPU201は、1つのラウンドにおける第1大入賞口7131の最大開放時間が経過したか否かを判定する。この処理では、第1大入賞口の開放設定処理(図271参照)において大入賞開放時間カウンタにセットされた最大開放時間が経過しているか否かが判定される。メインCPU201は、第1大入賞口7131の最大開放時間が経過していないと判定した場合には、大入賞口開放制御処理を終了し処理を特電制御処理(図266参照)に戻す。また、メインCPU201は、第1大入賞口7131の最大開放時間が経過していると判定した場合には、処理をステップS7245に移す。
ステップS7245において、メインCPU201は、第1大入賞口7131を閉鎖させる第1大入賞口の閉鎖設定処理を行う。この第1大入賞口の閉鎖設定処理においては、「特別図柄の停止図柄」、現在のラウンド数(ラウンドカウンタ値)に基づいて、今回のラウンドにおける第1大入賞口7131の閉鎖時間を決定し、決定した閉鎖時間をメインRAM203の特別図柄待ち時間カウンタにセットする。そして、第1特電用ソレノイド7135に対して、第1大入賞口7131を閉鎖させるための第1大入賞口閉鎖制御データを生成する。これにより、第1大入賞口7131が閉鎖することになる。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をステップS7246に移す。
ステップS7246において、メインCPU201は、ロードした特電制御状態番号に「3」をセットする処理を行う。特電制御状態番号に「3」をセットする処理を行うことにより、この大入賞口開放制御処理の終了後に、再び、大入賞口開放準備処理が行われることとなる。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をステップS7247に移す。
ステップS7247において、メインCPU201は、ラウンド間表示コマンドの送信処理を行う。この処理では、遊技状態、特別図柄の停止図柄に基づいて、ラウンド間表示コマンドを生成する。すなわち、ラウンド間表示コマンドには、遊技状態、特別図柄の停止図柄のそれぞれの情報がパラメータに含められていることになる。そして、生成したラウンド間表示コマンドを送信バッファにセットした後、大入賞口開放制御処理を終了し、処理を特電制御処理(図266参照)に戻す。
[大当り遊技状態終了処理]
次に、図273を参照して、特電制御処理により実行される大当り遊技状態終了処理について説明する。図273は、第7のパチンコ遊技機における大当り遊技状態終了処理の一例を示すフローチャートである。
ステップS7261において、メインCPU201は、上記ステップS7103、ステップS7107またはステップS7111でロードした特電制御状態番号が「5」であるか否かを判定する。メインCPU201は、特電制御状態番号が「5」でないと判定した場合には、大当り遊技状態終了処理を終了して処理を特電制御処理(図266参照)に戻し、特電制御状態番号が「5」であると判定した場合には処理をステップS7262に移す。
ステップS7262において、メインCPU201は、大当り遊技情報初期化処理を行う。この大当り遊技情報初期化処理では、大当り遊技状態または特電開放遊技状態で用いた各種フラグ・データや、各種カウンタ(例えば、ラウンドカウンタ、大入賞口入賞カウンタ等)の値をクリアまたはリセットする処理が行われる。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をステップS7263に移す。
ステップS7263において、メインCPU201は、大当り遊技状態終了後の遊技状態を設定する大当り終了後状態設定処理を行う。この大当り終了後状態設定処理では、図250(a)に示す遊技状態関連設定テーブル1を参照し、特別図柄停止図柄番号領域に記憶されている特別図柄の停止図柄の情報、移行時の遊技状態としての遊技状態記憶領域に記憶されている遊技状態情報及び時短情報に基づいて、新たに遊技状態情報、時短情報、普電作動パターン、特図短縮パターン及び時短終了条件の情報を決定する。そして、決定した遊技状態情報及び時短情報を遊技状態記憶領域に記憶するとともに、決定した普電作動パターンを普電作動パターン記憶領域に記憶し、決定した特図短縮パターンを特図短縮パターン記憶領域に記憶する。また、時短終了条件として、時短終了条件として特電作動口入賞時の終了条件を決定した場合には、時短終了条件判定領域の特電入賞終了判定フラグをセットし、時短終了条件としてV入賞口入賞時の終了条件を決定した場合には、時短終了条件判定領域のV入賞終了判定フラグをセットする。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をステップS7264に移す。
ステップS7264において、メインCPU201は、特別図柄遊技終了処理を行う。この処理では、図270を参照して説明した特別図柄遊技終了処理が行われる。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をステップS7265に移す。
ステップS7264において、メインCPU201は、すべての特別図柄休止フラグ(第1特別図柄休止フラグ及び第2特別図柄休止フラグ)をクリアして、特別図柄休止フラグをオフにする。メインCPU201は、本処理を実行した後、大当り遊技状態終了処理を終了し、処理を特電制御処理(図266参照)に戻す。
なお、大当り遊技状態終了処理は、開始時に割込み禁止区間を設定し、大当り遊技状態終了処理を割込み禁止区間内で行うことが好ましい。
[特電開放遊技状態制御処理]
次に、図274を参照して、特電制御処理で実行される特電開放遊技状態制御処理について説明する。図274は、第7のパチンコ遊技機における特電開放遊技状態制御処理の一例を示すフローチャートである。
ステップS7271において、メインCPU201は、ステップS7111でロードした特電制御状態番号が「6」であるか否かを判定する。メインCPU201は、特電制御状態番号が「6」でないと判定した場合には、特電開放遊技状態制御処理を終了して処理を特電制御処理(図266参照)に戻し、特電制御状態番号が「6」であると判定した場合には処理をステップS7272に移す。
なお、特電制御状態番号の「6」は、後述するように特電作動口7142に遊技球が入球したときにセットされることになる(図279のステップS7567)。
ステップS7272において、メインCPU201は、V入賞口スイッチ7157によりV入賞口7156への遊技球の通過が検出されたか否か(V入賞口通過フラグがオンであるか否か)、すなわちV入賞検出があるか否かを判定する。
メインCPU201は、V入賞検出があったと判定した場合には、処理をステップS7273に移し、V入賞検出がなかったと判定した場合には、処理をステップS7281に移す。
ステップS7273において、メインCPU201は、大当り遊技状態への移行時の遊技状態を記憶する。この処理では、現在の遊技状態としてメインRAM203の遊技状態記憶領域に記憶されている遊技状態情報及び時短情報を、メインRAM203の移行状態記憶領域に記憶する。これにより、大当り遊技状態の終了後であったとしても、大当り遊技状態への移行時の遊技状態の情報を把握することができる。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をステップS7274に移す。
ステップS7274において、メインCPU201は、第2大入賞口7151を閉鎖させる第2大入賞口の閉鎖設定処理を行う。この第2大入賞口の閉鎖設定処理においては、第2特電用ソレノイド7155に対して、第2大入賞口7151を閉鎖させるための第2大入賞口閉鎖制御データを生成する。これにより、第2大入賞口7151が閉鎖することになる。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をステップS7275に移す。
ステップS7275において、メインCPU201は、特電開放遊技状態初期化処理を行う。この特電開放遊技状態初期化処理においては、特電開放遊技状態において計数した第2大入賞口カウンタ、V入賞口通過フラグ、大入賞開放時間をクリアして、特電開放遊技状態を初期化する。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をステップS7276に移す。
ステップS7276において、メインCPU201は、遊技状態の初期化処理を行う。この遊技状態の初期化処理では、遊技状態記憶領域に記憶されている遊技状態情報及び時短情報、普電作動パターン記憶領域に記憶されている普電作動パターン、特図短縮パターン記憶領域に記憶されている特図短縮パターン、時短終了条件判定領域に記憶されている時短終了条件の情報をクリアして、遊技状態を初期化(通常遊技状態)にする。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をステップS7277に移す。
ステップS7277において、メインCPU201は、特電作動口7142に遊技球が入球したことを契機とした第2のルートからの第2ルート大当り開始準備設定処理を行う。この第2ルート大当り開始準備設定処理においては、第2のルートによる予め定められた最大ラウンド数(例えば10ラウンド)を決定し、決定した最大ラウンド数をメインRAM203の大当りラウンド数の上限値にセットする。また、第2のルートによる予め定められたOP待ち時間(オープニング時間)を決定し、決定したOP待ち時間(オープニング時間)をメインRAM203の特別図柄待ち時間カウンタにセットする。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をステップS7278に移す。
ステップS7278において、メインCPU201は、ラウンドカウンタ値に1を加算する処理を行う。この処理を行うことにより、第2のルートからの大当り遊技状態は、2ラウンド目のラウンド遊技から開始されることとなる。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をステップS7279に移す。
ステップS7279において、メインCPU201は、第2のルートからの大当り遊技状態の制御を行うために、特電制御状態番号に「3」をセットする。特別図柄の特電制御状態番号に「3」をセットする処理を行うことにより、この特電開放遊技状態制御処理の終了後(特電開放遊技状態の終了後)に、大当り遊技状態としての大入賞口開放準備処理が行われることとなる。メインCPU201は、本処理を実行した後、特電開放遊技状態制御処理を終了し、処理を特電管理処理に戻す。
ステップS7281において、メインCPU201は、メインRAM203の第2大入賞口カウンタを参照し、特電開放遊技状態において第2大入賞口7151に入球した遊技球の個数(第2大入賞口7151の入賞数)が最大入賞個数であるか否かを判定する。
メインCPU201は、第2大入賞口7151の入賞数が最大入賞個数であると判定した場合には、処理をステップS7283に移し、第2大入賞口7151の入賞数が最大入賞個数でないと判定した場合には、処理をステップS7282に移す。
ステップS7282において、メインCPU201は、第2大入賞口7151の最大開放時間が経過したか否かを判定する。この処理では、後述する大入賞口開放時間設定処理(図297参照)において大入賞開放時間カウンタにセットされた最大開放時間が経過しているか否かが判定される。
メインCPU201は、第2大入賞口7151の最大開放時間が経過していないと判定した場合には、特電開放遊技状態制御処理を終了し処理を特電管理処理に戻す。また、メインCPU201は、第2大入賞口7151の最大開放時間が経過していると判定した場合には、処理をステップS7283に移す。
ステップS7283において、メインCPU201は、第2大入賞口7151を閉鎖させる第2大入賞口の閉鎖設定処理を行う。この第2大入賞口の閉鎖設定処理においては、第2特電用ソレノイド7155に対して、第2大入賞口7151を閉鎖させるための第2大入賞口閉鎖制御データを生成する。これにより、第2大入賞口7151が閉鎖することになる。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をステップS7284に移す。
ステップS7284において、メインCPU201は、特電開放遊技状態初期化処理を行う。この特電開放遊技状態初期化処理においては、特電開放遊技状態において計数した第2大入賞口カウンタ、V入賞口通過フラグ、大入賞開放時間をクリアして、特電開放遊技状態を初期化する。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をステップS7285に移す。
ステップS7285において、メインCPU201は、すべての特別図柄休止フラグ(第1特別図柄休止フラグ及び第2特別図柄休止フラグ)をクリアして、特別図柄休止フラグをオフにする。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をステップS7286に移す。
ステップS7286において、メインCPU201は、特電制御状態番号に「0」にセットする。特電制御状態番号を「0」にセットする処理を行うことにより、特電作動口の特電制御状態番号をロードしたとしても、待機状態となる。メインCPU201は、本処理を実行した後、特電開放遊技状態制御処理を終了して処理を特電管理処理に戻す。
[普通図柄制御処理]
次に、図275を参照して、主制御メイン処理により実行される普通図柄制御処理について説明する。なお、図275に示される普通図柄制御処理に先だって、メインCPU201は、特電管理処理と同様に、普通図柄の始動情報が記憶され、普通図柄の判定開始条件が成立しているか否かの判定を行っていることは言うまでもない。
図275は、第7のパチンコ遊技機における普通図柄制御処理の一例を示すフローチャートである。なお、図275に示すフローチャート中の各処理の右方に括弧書きで記載した数値(「0」~「4」)は、普通図柄の制御状態番号である。メインCPU201は、普通図柄の制御状態番号に対応する各処理を実行することにより、普通図柄ゲームを進行させる。
ステップS7300において、メインCPU201は、普通図柄待ち時間(メインRAM203の普通図柄待ち時間カウンタ)が0であるか否かを判定する。この普通図柄待ち時間は、普通図柄制御処理の各種処理の待ち時間としてセットされ、上述した主制御メイン処理のタイマカウンタ更新処理(ステップS7022)において普通図柄待ち時間が計時(減算)されていくことになる。メインCPU201は、普通図柄待ち時間が0でないと判定した場合には、普通図柄制御処理を終了し、処理を主制御メイン処理に戻し、普通図柄待ち時間が0であると判定した場合には処理をステップS7301に移す。
ステップS7301において、メインCPU201は、普通図柄の制御状態番号をロードする。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をステップS7310に移す。なお、メインCPU201は、ロードした普通図柄の制御状態番号に基づいて、ステップS7310以降の処理を行う。
ステップS7310において、メインCPU201は、普通図柄可変表示開始処理を行う。この処理は、ロードした普通図柄の制御状態番号が「0」である場合に行われる処理である。この普通図柄可変表示開始処理では、普通図柄の当り判定処理、普通図柄決定処理、特電作動口の開放パターン決定処理、普通図柄の変動パターンの決定処理等が行われるが、詳細については、図276を参照して後述する。なお、普通図柄の制御状態番号が「0」でない場合には、メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をステップS7230に移す。
ステップS7320において、メインCPU201は、普通図柄可変表示終了処理を行う。この処理は、ロードした普通図柄の制御状態番号が「1」である場合に行われる処理である。なお、普通図柄の制御状態番号が「1」でない場合には、メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をステップS7230に移す。
この普通図柄可変表示終了処理において、メインCPU201は、普通図柄の変動表示時間が終了したか否かの判定を行い、普通図柄の変動表示時間が終了したと判定したときには、予め定められた普通図柄の図柄確定時間(例えば、540msec)を、メインRAM203の普通図柄待ち時間カウンタにセットし、普通図柄の制御状態番号に「2」をセットする。そして、遊技状態、普通図柄の停止図柄に基づいて、普通図柄演出停止コマンドを生成して、生成した特別図柄演出停止コマンドをサブ制御回路300に送信する。なお、普通図柄の変動表示時間が終了していない場合には、普通図柄の制御状態番号を「1」に保持し、普通図柄の変動表示時間が終了することを待機することになる。
ステップS7330において、メインCPU201は、普通図柄遊技判定処理を行う。この処理は、ロードした普通図柄の制御状態番号が「2」である場合に行われる処理である。なお、普通図柄の制御状態番号が「2」でない場合には、メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をステップS7340に移す。
この普通図柄遊技判定処理において、メインCPU201は、停止表示された普通図柄の停止図柄(例えば、普通図柄当りまたは普通図柄ハズレ)の判定処理を行う。メインCPU201は、停止表示された普通図柄の停止図柄が普通図柄当りに対応すると判定した場合には、普通図柄の制御状態番号に「3」をセットし、普通図柄の当り判定処理の結果がハズレに対応すると判定した場合には、普通図柄の制御状態番号に「0」をセットする。
ステップS7340において、メインCPU201は、普通電動役物開放処理を行う。この処理は、ロードした普通図柄の制御状態番号が「3」である場合に行われる処理である。なお、普通図柄の制御状態番号が「3」でない場合には、メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をステップS7350に移す。
この普通電動役物開放処理において、メインCPU201は、図255に示す特電作動口の開放パターン決定テーブルを参照し、後述する特電作動口の開放パターン決定処理において決定された特電作動口の開放パターンの動作に従って、普電用シャッタ7147を作動して、特電作動口7142を開閉状態にさせる。そして、普電用の規定個数(例えば1個)の遊技球が特電作動口7142に入球するか、決定した特電作動口の開放パターンの動作がすべて終了すると、特電作動口7142を閉鎖状態にさせ、普通図柄の制御状態番号に「4」をセットし、普通電動役物開放処理を終了する。
ステップS7350において、メインCPU201は、普通図柄当り終了処理を行う。この処理は、ロードした普通図柄の制御状態番号が「4」である場合に行われる処理である。この普通図柄当り終了処理では、上記S7340の普通電動役物開放処理においてセットされた各種データがクリアされる。なお、普通図柄の制御状態番号が「4」でない場合には、メインCPU201は、処理を主制御メイン処理に戻す。
[普通図柄可変表示開始処理]
次に、図276を参照して、普通図柄制御処理(図275参照)中でメインCPU201により実行される普通図柄可変表示開始処理の詳細について説明する。図276は、第7のパチンコ遊技機における普通図柄可変表示開始処理の一例を示すフローチャートである。
ステップS7311において、メインCPU201は、ロードした普通図柄の制御状態番号が「0」であるか否かを判定する(ステップS7311)。メインCPU201は、普通図柄の制御状態番号が「0」でないと判定した場合には、普通図柄可変表示開始処理を終了し、処理を普通図柄制御処理(図275参照)に戻す。一方、普通図柄の制御状態番号が「0」であると判定された場合、メインCPU201は、処理をステップS7312に移す。
ステップS7312において、メインCPU201は、普通図柄の始動情報のシフト処理を行う。この処理では、メインRAM203の普通図柄始動記憶領域(1)に記憶された始動情報を普通図柄判定領域(0)にシフトし、普通図柄始動記憶領域(2)~普通図柄始動記憶領域(4)に記憶された始動情報を普通図柄始動記憶領域(1)~普通図柄始動記憶領域(3)にシフトする。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をステップS7313に移す。
ステップS7313において、メインCPU201は、普通図柄の当り判定処理を行う。この処理では、メインCPU201は、図253に示す普通図柄の当り判定テーブルを参照し、普通図柄判定領域(0)に記憶された普通図柄の当り判定用乱数値に基づいて、普通図柄の当落判定値データ(「普通図柄当り」または「普通図柄ハズレ」)を決定する。メインCPU201は、ステップS7313の処理を実行した後、処理をステップS7314に移す。
ステップS7314において、メインCPU201は、普通図柄決定処理を行う。この処理では、メインCPU201は、図254に示す普通図柄判定テーブルを参照し、上述の当落判定値データ(普通図柄の当り判定処理の結果)と、普通図柄判定領域(0)に記憶された普通図柄の図柄乱数値とに基づいて、「普通図柄の停止図柄」を決定する。メインCPU201は、ステップS7314の処理を実行した後、処理をステップS7315に移す。
ステップS7315において、メインCPU201は、特電作動口の開放パターン決定処理を行う。この特電作動口の開放パターン決定処理においては、メインCPU201は、普通図柄当りと判定された場合には、図255に示す特電作動口の開放パターン決定テーブルを参照し、遊技状態(普電作動パターン)と普通図柄の停止図柄とに基づいて、特電作動口の開放パターンを決定する。そして、メインCPU201は、特電作動口の開放パターンを決定すると、遊技状態、決定した特電作動口の開放パターンに基づいて、特電作動口の開放パターンコマンドを生成して、生成した特電作動口の開放パターンコマンドをサブCPU301に送信する。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をステップS7316に移す。
ステップS7316において、メインCPU201は、普通図柄の変動パターン決定処理を行う。この処理では、メインCPU201は、図256に示す普通図柄の変動パターンテーブルを参照し、遊技状態と、普通図柄の停止図柄と、普通図柄の演出用乱数値とに基づいて、普通図柄の変動パターンを決定する。そして、メインCPU201は、図256に示す普通図柄の変動パターンテーブルを参照し、決定した普通図柄の変動パターンに基づいて、普通図柄の変動表示時間を決定する。メインCPU201は、ステップS7316の処理を実行した後、処理をステップS7317に移す。
ステップS7317において、メインCPU201は、普通図柄の変動表示時間設定処理を行う。この処理では、普通図柄の変動パターン決定処理(ステップS7316)で決定された普通図柄の変動表示時間を、メインRAM203内の普通図柄の待ち時間にセットし、普通図柄表示部161に普通図柄の変動表示を開始させる。メインCPU201は、ステップS7317の処理を実行した後、処理をステップS7318に移す。
ステップS7318において、メインCPU201は、普通図柄の制御状態番号に「1」をセットする処理を行う。普通図柄の制御状態番号に「1」をセットすることにより、この普通図柄可変表示開始処理の終了後に、普通図柄可変表示終了処理(図275のステップS7320参照)が行われることとなる。メインCPU201は、ステップS7318の処理を実行した後、処理をステップS7319に移す。
ステップS7319において、メインCPU201は、普通図柄演出開始コマンドの送信処理を行う。この処理では、遊技状態、普通図柄の変動パターン及び普通図柄の停止図柄等に基づいて、普通図柄演出開始コマンドを生成する。すなわち、普通図柄演出開始コマンドには、遊技状態、普通図柄の変動パターン及び普通図柄の停止図柄等のそれぞれの情報がパラメータに含められていることになる。そして、生成した普通図柄演出開始コマンドを送信バッファにセットし、普通図柄可変表示開始処理を終了し、処理を普通図柄制御処理(図275参照)に戻す。
このように、「普通図柄演出開始コマンド」のパラメータに普通図柄の変動パターンの情報を含めることにより、普通図柄演出開始コマンドを受信したサブCPU301では、普通図柄の変動パターンに基づいて、表示装置7の表示領域に表示される表示演出や、スピーカ32から出力される音演出、LED群46から発光されるランプ演出等を制御することができる。
[システムタイマ割込み処理]
次に、図277を参照して、システムタイマ割込み処理について説明する。この処理は、タイマカウンタから入力されるタイムアウト割込みが発生した場合に呼び出される処理であり、例えば、2msecの周期(割込み周期)で実行される。図277は、第7のパチンコ遊技機におけるステムタイマ割込み処理の一例を示すフローチャートである。
ステップS7411において、メインCPU201は、保護レジスタ(例えば、AFレジスタ)をスタックに退避する保護レジスタ退避処理を行う。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をステップS7412に移す。
ステップS7412において、メインCPU201は、メインRAM203の割込みカウンタに「1」を加算する割込みカウンタ加算更新処理を行う。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をステップS7413に移す。
ステップS7413において、メインCPU201は、各種乱数カウンタ(例えば、大当り判定用乱数値等)を更新する乱数更新処理を行う。このように、所定周期(本実施例では2msec)で乱数更新処理を行うことにより、出玉にかかわる重要な要素である各種乱数の信頼性を担保することが可能となる。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をステップS7414に移す。
ステップS7414において、メインCPU201は、I/Oポート205の入力ポートの読込処理を行う。この入力ポートの読込処理では、第1始動口スイッチ7121、第2始動口スイッチ7141、通過ゲートスイッチ7127、第1大入賞口カウントスイッチ7132、第2大入賞口カウントスイッチ7152、遊技球回収スイッチ7179、一般入賞口スイッチ123、特電作動口スイッチ7143等の各種スイッチの情報を読み込むための入力フィルタ処理が行われる。
また、この入力ポートの読込処理では、最初に、メインRAM203の遊技用エリアにおける遊技停止状態フラグ領域を参照し、遊技停止状態(遊技停止状態フラグ領域=1)であるか否かを判定する。メインCPU201は、遊技停止状態であると判定した場合には、入力ポートバッファから各種スイッチの情報の読み込みを行わずに、処理をステップS7415に移す。一方、メインCPU201は、遊技停止状態でないと判定した場合に限り、入力ポートバッファから各種スイッチの情報の読み込みを行い、読み込みが終了すると、処理をステップS7415に移す。
このように、本実施形態では、ゲームストップ機能により遊技停止状態中であるときには、入力ポートから各種スイッチの情報の読み込みが行われないことになる。
ステップS7415において、メインCPU201は、スイッチ入力検知処理を行う。このスイッチ入力検知処理の詳細については、図278を参照して後述する。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をステップS7416に移す。
上記ステップS7415のスイッチ入力検知処理は、ゲームストップ機能により遊技停止状態であるときにも実行されるものの、上述したようにゲームストップ機能により遊技停止状態であるときには、ゲームストップ機能初期化処理(図262)において入力ポートバッファがクリアされ、上記ステップS7414において入力ポートの読込処理も行われず、入力ポートバッファの情報が更新されることはない。このため、ゲームストップ機能により遊技停止状態であるときには、入力ポートバッファのオンエッジ等も検知されることはなく、上記ステップS7415のスイッチ入力検知処理を無効化することができる。
なお、メインRAM203の遊技用エリアにおける遊技停止状態フラグ領域を参照し、遊技停止状態である場合(遊技停止状態フラグ領域=1)は、上記ステップS7415のスイッチ入力検知処理を行わずに、遊技停止状態でない場合に(遊技停止状態フラグ領域=0)に限り、上記ステップS7415のスイッチ入力検知処理を行うように構成してもよい。
ステップS7416において、メインCPU201は、遊技LED点灯データ出力処理を行う。この遊技LED点灯データ出力処理においては、遊技状態等応じて、普通図柄表示部161、普通図柄用保留表示部162、第1特別図柄表示部163、第2特別図柄表示部164、第1特別図柄用保留表示部165、第2特別図柄用保留表示部166および時短報知用表示部168の遊技LEDに点灯表示させるLEDデータを出力ポートバッファにセットし、LEDの出力を制御する処理である。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をステップS7417に移す。
上記ステップS7416の遊技LED点灯データ出力処理は、ゲームストップ機能により遊技停止状態であるときにも実行されるものの、上述したようにゲームストップ機能により遊技停止状態であるときには、主制御メイン処理のゲームストップ機能初期化処理(図262)において出力ポートバッファがクリアされ、後述するようにゲームストップ機能制御処理のゲームストップ機能初期化処理でも出力ポートバッファがクリアされる。このため、ゲームストップ機能による遊技停止状態であるときには、上記ステップS7416の遊技LED点灯データ出力処理でセットされた出力ポートバッファがクリアされ、上記ステップS7416の遊技LED点灯データ出力処理を無効化することができる。
なお、メインRAM203の遊技用エリアにおける遊技停止状態フラグ領域を参照し、遊技停止状態である場合(遊技停止状態フラグ領域=1)は、遊技LED点灯データ出力処理を行わずに、遊技停止状態でない場合に(遊技停止状態フラグ領域=0)に限り、上記ステップS7416の遊技LED点灯データ出力処理を行うように構成してもよい。
ステップS7417において、メインCPU201は、入賞情報コマンド設定処理を行う。この入賞情報コマンド設定処理においては、入賞情報コマンドテーブルを参照し、各種入力ポートバッファからの情報に基づいて入賞情報コマンドを生成し、生成した入賞情報コマンドを送信バッファにセットする。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をステップS7418に移す。
上記ステップS7417の入賞情報コマンド設定処理は、ゲームストップ機能により遊技停止状態であるときにも実行されるものの、上述したようにゲームストップ機能により遊技停止状態であるときには、ゲームストップ機能初期化処理(図262)において入力ポートバッファがクリアされ、上記ステップS7414において入力ポートの読込処理も行われず、入力ポートバッファの情報が更新されることはない。このため、ゲームストップ機能により遊技停止状態中であるときには、上記ステップS7417の入賞情報コマンド設定処理を無効化することができる。
なお、メインRAM203の遊技用エリアにおける遊技停止状態フラグ領域を参照し、遊技停止状態である場合(遊技停止状態フラグ領域=1)は、入賞情報コマンド設定処理を行わずに、遊技停止状態でない場合に(遊技停止状態フラグ領域=0)に限り、上記ステップS7417の入賞情報コマンド設定処理を行うように構成してもよい。
ステップS7418において、メインCPU201は、性能表示モニタ制御処理を行う。性能表示モニタ制御処理は、メインRAM203の作業領域(領域外エリア)を使用して行われる。この性能表示モニタ制御処理では、遊技球を付与するための各種入賞スイッチの入力があると、各種スイッチに応じた賞球数を加算値として算出し、算出した加算値を賞球数カウンタに加算して更新するとともに、ゲームストップ機能で用いる領域外エリアの加算遊技球数カウンタ領域に加算して更新する。また、性能表示モニタ制御処理では、遊技球回収スイッチ7179の入力があると、アウトカウンタを加算して更新する。さらに、性能表示モニタ制御処理では、性能表示モニタ170のLEDを点灯・消灯させるための性能表示モニタ表示処理を行う。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をステップS7419に移す。
ステップS7419において、メインCPU201は、ゲームストップ機能制御処理を行う。このゲームストップ機能制御処理では、遊技球の差玉数の更新、ゲームストップ機能フェーズの更新、ゲームストップ機能に関する遊技停止状態の設定、ゲームストップ機能のコマンドの送信等が行われる。このゲームストップ機能制御処理については、詳しくは後述する。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をステップS7420に移す。
ステップS7420において、メインCPU201は、ステップS7411で退避した保護レジスタの内容をスタックから復帰させる保護レジスタ復帰処理を行い、その後、ステップS7421において、割込み許可を行う。
このように、本実施形態のシステムタイマ割込み処理によれば、ゲームストップ機能による遊技停止状態であるときには、上記ステップS7414の入力ポートの読込処理、上記ステップS7415のスイッチ入力検知処理は無効化されている。これにより、第1始動口7120、第2始動口7140、通過ゲート7126、第1大入賞口7131、第2大入賞口7151、一般入賞口122への遊技球の入球・通過を無効とすることができる。
また、ゲームストップ機能による遊技停止状態であるときには、ステップS7416の遊技LED点灯データ出力処理は無効化されている。これにより、普通図柄表示部161、普通図柄用保留表示部162、第1特別図柄表示部163、第2特別図柄表示部164、第1特別図柄用保留表示部165、第2特別図柄用保留表示部166および時短報知用表示部168の遊技LEDを消灯させることができる。
また、ゲームストップ機能による遊技停止状態であっても、上記ステップS7418の性能表示モニタ制御処理は実行可能であるので、遊技店側では性能表示モニタ170を介してゲームストップ機能により遊技停止状態となったときの遊技結果(出玉率等)を把握することができる。
[スイッチ入力検知処理]
次に、図278を参照して、システムタイマ割込処理で実行されるスイッチ入力検知処理について説明する。図278は、第7のパチンコ遊技機におけるスイッチ入力検知処理の一例を示すフローチャートである。
(領域外異常状態監視処理)
ステップS7501において、メインCPU201は、領域外異常状態監視処理を行う。この処理は、領域外エリア処理呼出命令でコールされることにより、メインROM202の領域外エリアのプログラムの処理を行い、メインRAM203の領域外エリアを使用する。この処理では、メインCPU201は、最初に、異常状態監視をするために用いられるメインRAM203の領域外エリアにおける領域外セキュリティ情報領域、領域外遊技異常検知フラグ領域をクリアする。その後、メインCPU201は、「普通電動役物不正入賞処理」及び「特別電動役物不正入賞処理」を行う。メインCPU201は、本処理を実行した後、遊技用エリア処理復帰命令により、処理が領域外エリアに係る処理から、遊技用エリアに係る処理に切り替える。
普通電動役物不正入賞処理では、メインCPU201は、普通電動役物の未作動中(普電用シャッタ7147の未作動中)において特電作動口7142の不正入賞を監視し、不正入賞があった場合(例えば、普通電動役物の未作動中において特電作動口7142に入球した場合)には、領域外セキュリティ情報領域に普通電動役物の不正入賞に対応する異常情報をセットするとともに、領域外遊技異常検知フラグ領域に普通電動役物の不正入賞に対応する要求フラグをセットする。そして、特電作動口7142の入力ポートバッファをクリアし、特電作動口7142への遊技球の入球を無効化する。
特別電動役物不正入賞処理では、メインCPU201は、特別電動役物の未作動中(第1大入賞口7131または第2大入賞口7151の開閉未作動中)において、第1大入賞口7131または第2大入賞口7151の不正入賞を監視し、不正入賞があった場合(例えば、第1大入賞口7131の閉鎖中において第1大入賞口7131に遊技球が入球した場合)には、領域外セキュリティ情報領域に大入賞口の不正入賞に対応する異常情報をセットするとともに、領域外遊技異常検知フラグ領域に大入賞口の不正入賞に対応する要求フラグをセットする。そして、第1大入賞口7131または第2大入賞口7151の入力ポートバッファをクリアし、第1大入賞口7131または第2大入賞口7151への遊技球の入球を無効化する。
(異常状態監視処理)
ステップS7502において、メインCPU201は、異常状態監視処理を行う。この処理では、メインCPU201は、「遊技機異常検知情報反映処理」及び「セキュリティ情報要求設定処理」を行う。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をステップS7510に移す。
遊技機異常検知情報反映処理では、メインCPU201は、メインRAM203の領域外エリアにおける領域外遊技異常検知フラグ領域から要求フラグをロードし、ロードした要求フラグをメインRAM203の遊技用エリアにおける遊技異常検知パラメータ領域にセットして、遊技異常検知フラグを更新する。すなわち、上記ステップS7501の領域外異常状態監視処理でセットした領域外エリアにおける要求フラグを遊技用エリアにセットする。
セキュリティ情報要求設定処理では、メインCPU201は、メインRAM203の領域外エリアにおける領域外セキュリティ情報領域から異常情報をロードし、ロードした異常情報を遊技機情報としてメインRAM203の遊技用エリアにおける遊技機情報領域にセットして、異常情報に関する遊技機情報を更新する。すなわち、上記ステップS7501の領域外異常状態監視処理でセットした領域外エリアにおける異常情報を遊技用エリアにセットする。
このように、本実施形態の領域外異常状態監視処理及び異常状態監視処理においては、遊技球の不正入賞に関しては、遊技球の入賞が遊技進行に大きく関わる点を考慮して、不正入賞を検知する処理を、メインRAM203の領域外エリアに係る処理(領域外異常状態監視処理)とし、検知結果を反映する処理を、メインRAM203の遊技用エリアに係る処理(異常状態監視処理)としている。
(普通図柄関連チェック処理)
ステップS7510において、メインCPU201は、普通図柄関連チェック処理を行う。この処理では、メインCPU201は、通過ゲートスイッチ7127及び特電作動口スイッチ7143の入力ポートバッファをチェックし、通過ゲートスイッチ7127のオンエッジが検知されると「普図作動スイッチ検知時処理」を行い、特電作動口スイッチ7143のオンエッジが検知されると普通電動役物入賞時処理を行う。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をステップS7520に移す。
普図作動スイッチ検知時処理においては、メインCPU201は、普通図柄始動記憶領域(1)~普通図柄始動記憶領域(4)に空き領域があると、普通図柄の始動情報として各種乱数値(例えば、普通図柄当り判定用乱数値、普通図柄の図柄乱数値等)を取得し、取得した各種乱数値をFIFO(First In、First Out)形式で1つの普通図柄始動記憶領域に記憶する。一方、普通図柄始動記憶領域(1)~普通図柄始動記憶領域(4)のいずれにも空き領域がないと判定すると、各種乱数値を取得せずに、普図作動スイッチ検知時処理を終了することになる。
普通電動役物入賞時処理においては、メインCPU201は、普電用シャッタ7147が作動中(普通電動役物の作動中)である場合に限り、普通電動役物入賞カウンタに1を加算して更新する。
(特別図柄関連チェック処理)
ステップS7520において、メインCPU201は、特別図柄関連チェック処理を行う。この処理では、第1始動口スイッチ7121、第2始動口スイッチ7141、第1大入賞口カウントスイッチ7132、第2大入賞口カウントスイッチ7152、V入賞口スイッチ7157の入力ポートバッファをチェックし、第1始動口スイッチ7121のオンエッジが検知されると「第1特図作動スイッチ検知時処理」を行い、第2始動口スイッチ7141のオンエッジが検知されると「第2特図作動スイッチ検知時処理」を行う。また、第1大入賞口カウントスイッチ7132のオンエッジが検知されると「第1大入賞口スイッチ検知時処理」を行い、第2大入賞口カウントスイッチ7152のオンエッジが検知されると「第2大入賞口スイッチ検知時処理」を行う。また、V入賞口スイッチ7157のオンエッジが検知されると、「V入賞口スイッチ検知時処理」を行う。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をステップS7530に移す。
第1特図作動スイッチ検知時処理においては、メインCPU201は、第1特別図柄始動記憶領域(1)~第1特別図柄始動記憶領域(4)に空き領域があると、第1特別図柄の始動情報として各種乱数値(例えば、大当り判定用乱数値、図柄乱数値、リーチ判定用乱数値、演出選択用乱数値等)を取得し、取得した各種乱数値をFIFO形式で1つの第1特別図柄始動記憶領域に記憶する。そして、特別図柄の保留個数を示す保留加算コマンドの生成を行い、生成した保留加算コマンドを送信バッファにセットする。この保留加算コマンドには、特定条件下では、先読み演出が実行可能となるように、特別図柄の保留個数の情報に加え、第1特別図柄の始動情報に対応する情報も含まれている。一方、第1特別図柄始動記憶領域(1)~第1特別図柄始動記憶領域(4)のいずれにも空き領域がないと判定すると、各種乱数値を取得せずに、第1特図作動スイッチ検知時処理を終了することになる。
第2特図作動スイッチ検知時処理においては、メインCPU201は、第1特図作動スイッチ検知時処理と同様に、第2特別図柄始動記憶領域(1)~第2特別図柄始動記憶領域(4)に空き領域があると判定すると、第2特別図柄の始動情報として各種乱数値(例えば、大当り判定用乱数値、図柄乱数値、リーチ判定用乱数値、演出選択用乱数値等)を取得し、取得した各種乱数値をFIFO形式で1つの第2特別図柄始動記憶領域に記憶する。そして、特別図柄の保留個数を示す保留加算コマンドの生成を行い、生成した保留加算コマンドを送信バッファにセットする。この保留加算コマンドにも、特定条件下では、先読み演出が実行可能となるように、特別図柄の保留個数の情報に加え、第2特別図柄の始動情報に対応する情報が含まれている。一方、第2特別図柄始動記憶領域(1)~第2特別図柄始動記憶領域(4)のいずれにも空き領域がないと判定すると、各種乱数値を取得せずに、第2特図作動スイッチ検知時処理を終了することになる。
なお、本実施形態では、第1特別図柄の最大保留個数及び第2特別図柄の最大保留個数は4個に設定されているが、第1特別図柄の最大保留個数と第2特別図柄の最大保留個数とを異ならせてもよい。それぞれの最大保留個数は適宜設計変更自由であるが、4個以内とすることが望ましい。
第1大入賞口スイッチ検知時処理においては、メインCPU201は、第1大入賞口7131が開放しているか否かを判定し、第1大入賞口7131が開放しているときには、メインRAM203の第1大入賞口カウンタに1を加算して更新する。
第2大入賞口スイッチ検知時処理においては、メインCPU201は、第2大入賞口7151が開放しているか否かを判定し、第2大入賞口7151が開放しているときには、メインRAM203の第2大入賞口カウンタに1を加算して更新する。
V入賞口スイッチ検知時処理においては、メインCPU201は、第2大入賞口7151が開放してから規定時間内にV入賞口スイッチ7157のオンエッジが検知されると、V入賞口通過フラグをオンにする。そして、遊技球がV入賞口7156を通過したことを示すV通過コマンドを生成して、生成したV通過コマンドをサブ制御回路300に送信する。
(タッチ状態信号チェック処理)
ステップS7530において、メインCPU201は、タッチ状態信号チェック処理を行う。この処理では、入力ポートバッファからタッチ状態の変化を判定し、タッチ状態のオンッジが検知されると、メインRAM203の枠状態通知フラグ領域にセットする(例えば、6ビット目をONにする)。また、タッチ状態のオンッジが検知されると、発射許可信号をメインRAM203の発射許可信号管理領域にセットする。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をステップS7540に移す。
(賞球関連スイッチチェック処理)
ステップS7540において、メインCPU201は、賞球関連スイッチチェック処理を行う。この賞球関連スイッチチェック処理では、メインCPU201は、遊技球を付与するための各種入賞スイッチ(第1始動口スイッチ7121、第2始動口スイッチ7141、第1大入賞口カウントスイッチ7132、第2大入賞口カウントスイッチ7152、一般入賞口スイッチ123)のオンエッジが検知されると、各種入賞スイッチに応じた賞球数をメインRAM203の払出管理カウンタ領域にセットして、払出管理カウンタを更新する。
さらに、賞球関連スイッチチェック処理においては、遊技球を付与するための各種入賞スイッチのオンエッジが検知されると、各種スイッチに応じた入賞情報を生成し、生成した入賞情報を遊技機情報としてメインRAM203の遊技用エリアにおける遊技機情報領域にセットして、入賞情報に関する遊技機情報を更新する。具体的には、遊技機情報として、始動口入賞、大入賞口入賞、一般入賞口入賞等の入賞情報を更新する。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をステップS7550に移す。
(アウト球関連スイッチチェック処理)
ステップS7550において、メインCPU201は、アウト球関連スイッチチェック処理を行う。このアウト球関連スイッチチェック処理では、メインCPU201は、遊技球回収スイッチ7179の入力ポートバッファをチェックし、遊技球回収スイッチ7179のオンエッジが検知されると、メインRAM203のアウト球数管理カウンタ領域に「1」を加算して、アウト球数管理カウンタを更新する。
さらに、アウト球関連スイッチチェック処理においては、遊技球回収スイッチ7179のオンエッジが検知されると、アウト情報を生成し、生成したアウト情報を遊技機情報としてメインRAM203の遊技用エリアにおける遊技機情報領域にセットして、アウト情報に関する遊技機情報を更新する。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をステップS7560に移す。
(特電作動口関連スイッチチェック処理)
ステップS7560において、メインCPU201は、特電作動口関連スイッチチェック処理を行う。この特電作動口関連スイッチチェック処理については、詳しくは後述する。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をステップS7570に移す。
(スイッチ時短終了判定処理)
ステップS7570において、メインCPU201は、スイッチ時短終了判定処理を行う。このスイッチ時短終了判定処理では、メインCPU201は、V入賞口入賞時の時短終了条件が設定された第1時短遊技状態である場合において、V入賞口スイッチ7157のオンエッジが検知されると、遊技状態記憶領域、普電作動パターン記憶領域、特図短縮パターン記憶領域、時短終了条件判定領域に記憶されている各種情報をクリアして、遊技状態を第1時短遊技状態から通常遊技状態に移行させる。また、特電作動口入賞時の時短終了条件が設定された第2時短遊技状態である場合において、特電作動口スイッチ7143のオンエッジが検知されると、遊技状態記憶領域、普電作動パターン記憶領域、特図短縮パターン記憶領域、時短終了条件判定領域に記憶されている各種情報をクリアして、遊技状態を第2時短遊技状態から通常遊技状態に移行させる。メインCPU201は、本処理を実行した後、今回のスイッチ入力検知処理を終了する。
[特電作動口関連スイッチチェック処理]
次に、図279を参照して、スイッチ入力検知処理で実行される特電作動口関連スイッチチェック処理について説明する。図279は、第7のパチンコ遊技機における特電作動口関連スイッチチェック処理の一例を示すフローチャートである。
ステップS7561において、メインCPU201は、特電作動口スイッチ7143の入力ポートバッファをチェックし、特電作動口スイッチ7143のオンエッジがあるか否かを判定する。メインCPU201は、特電作動口スイッチ7143のオンエッジがあると判定した場合には、処理をステップS7562に移し、特電作動口スイッチ7143のオンエッジがないと判定した場合には、今回の特電作動口関連スイッチチェック処理を終了する。
ステップS7562において、メインCPU201は、第1特別図柄休止フラグ及び第2特別図柄休止フラグのいずれの特別図柄休止フラグもオフであるか否かを判定する。メインCPU201は、いずれの特別図柄休止フラグもオフであると判定した場合には、処理をステップS7563に移し、いずれの特別図柄休止フラグもオフでないと判定した場合には、今回の特電作動口関連スイッチチェック処理を終了する。
このため、第1特別図柄及び第2特別図柄のいずれかの特別図柄の図柄制御により大当り遊技状態が行われているとき(特別図柄休止フラグがオンのとき)には、特電作動口7142に遊技球が入球したとしても、第2大入賞口7151は開放しないことになる。
ステップS7563において、メインCPU201は、第1特別図柄及び第2特別図柄の両者の特別図柄の図柄制御の進行を休止させるために、第1特別図柄休止フラグ及び第2特別図柄休止フラグのいずれの特別図柄休止フラグもセット(オン)にする。これにより、特電作動口7142に遊技球が入球し、第2大入賞口7151が開放するときには、第1特別図柄及び第2特別図柄の両者の図柄制御の進行を一時的に中断することができる。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をステップS7564に移す。
なお、本実施形態では、特電作動口7142に遊技球が入球した場合に、第1特別図柄及び第2特別図柄の両者の図柄制御の進行を一時的に中断するように構成したが、特別図柄休止フラグのセット(オン)に加え、第1特別図柄待ち時間及び第2特別図柄待ち時間に0をセットし、第1特別図柄及び第2特別図柄の両者の図柄制御の進行を強制的に停止(終了)させてもよい。さらには、特別図柄の抽選結果がハズレである場合には、特別図柄休止フラグのオンに加え、特別図柄待ち時間に0をセットし、特別図柄の図柄制御の進行を強制的に停止させる一方、特別図柄の抽選結果が大当りである場合には、特別図柄待ち時間に0をセットせず、特別図柄休止フラグをオンにして、特別図柄の図柄制御の進行を一時的に中断するように構成してもよい。すなわち、特別図柄の抽選結果がハズレである場合には、特別図柄の可変表示を強制的に停止させる一方、特別図柄の抽選結果が大当りである場合には、特別図柄の可変表示を一時的に中断するように構成してもよい。
ステップS7564において、メインCPU201は、ハズレ差替処理を行う。このハズレ差替処理では、第2特別図柄判定記憶領域(0)に「時短当りと判定される大当り判定用乱数値」が記憶されている場合に、「時短当りと判定される大当り判定用乱数値」を「ハズレと判定される大当り判定用乱数値(例えば、65535)」に差し替える。すなわち、第2特別図柄の抽選結果の時短当りをハズレに差し替える。これにより、第2特別図柄休止フラグがオフになり、第2特別図柄の図柄制御の進行が再開したときに、時短当りを無効化することができる。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をステップS7565に移す。
このように、ハズレ差替処理において時短当りをハズレに差し替えることにより、過度に大当り遊技状態が継続されることを防止することができる。例えば、第2ルートの大当り遊技状態を終了した直後に、再開した第2特別図柄の図柄制御によって時短当りを契機とした第1時短遊技状態に移行し、再び第2ルートの大当り遊技状態を獲得できるようなことを防止することができる(後述する図292参照)。
なお、本実施形態では、第2特別図柄の抽選結果の時短当りをハズレに差し替えるように構成したが、第1特別図柄の抽選結果及び第2特別図柄の抽選結果の大当りをハズレに差し替えるように構成してもよい。
ステップS7565において、メインCPU201は、大入賞口開放時間設定処理を行う。この大入賞口開放時間設定処理では、メインCPU201は、第2大入賞口7151の最大開放時間を決定し、決定した最大開放時間をメインRAM203の大入賞開放時間カウンタにセットする。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をステップS7566に移す。
ステップS7566において、メインCPU201は、第2大入賞口の開放処理を行う。この第2大入賞口の開放処理では、メインCPU201は、第2特電用ソレノイド7155に対して、第2大入賞口7151を開放させるための第2大入賞口開放制御データを生成する。これにより、第2大入賞口7151が開放することになる。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をステップS7567に移す。
ステップS7567において、メインCPU201は、特電作動口の特電制御状態番号として、特電開放遊技状態を制御するための特電制御状態番号「6」をメインRAM203の特電制御状態番号領域にセットする。メインRAM203の特電制御状態番号領域に特電制御状態番号「6」がセットされることにより、特電開放遊技状態の制御が行われることになる。メインCPU201は、本処理を実行した後、今回の特電作動口関連スイッチチェック処理を終了する。
[ゲームストップ機能制御処理]
次に、図280を参照して、システムタイマ割込み処理で実行されるゲームストップ機能制御処理について説明する。図280は、第7のパチンコ遊技機におけるゲームストップ機能制御処理の一例を示すフローチャートである。
ステップS7601において、メインCPU201は、メインRAM203の遊技用エリアにおける遊技停止状態フラグ領域を参照し、遊技停止状態(遊技停止状態フラグ領域=1)であるか否かを判定する。メインCPU201は、遊技停止状態であると判定した場合には、今回のゲームストップ機能制御処理を終了し、遊技停止状態でないと判定した場合には、処理をステップS7602に移す。
ステップS7602において、メインCPU201は、ゲームストップ機能状態チェック処理を行う。この処理は、領域外エリア処理呼出命令でコールされることにより、メインROM202の領域外エリアのプログラムの処理を行い、メインRAM203の領域外エリアを使用する。ゲームストップ機能状態チェック処理では、遊技球の差玉数の更新、ゲームストップ機能フェーズの更新等が行われる。このゲームストップ機能状態チェック処理については、詳しくは後述する。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をステップS7603に移す。
ステップS7603において、メインCPU201は、メインRAM203の領域外エリアにおけるゲームストップ機能フェーズ領域から、ゲームストップ機能フェーズをロードする処理を行う。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をステップS7604に移す。
ステップS7604において、メインCPU201は、メインRAM203の領域外エリアからロードしたゲームストップ機能フェーズを、メインRAM203の遊技用エリアにおけるストップ機能状態パラメータ領域に記憶する。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をステップS7605に移す。
ステップS7603及びステップS7604の処理により、メインRAM203の領域外エリアに記憶されたゲームストップ機能フェーズを、メインRAM203の遊技用エリアに転送することができる(図247参照)。
ステップS7605において、メインCPU201は、メインRAM203の遊技用エリアにおけるストップ機能状態パラメータ領域を参照し、ゲームストップ機能フェーズがゲームストップ機能作動完了フェーズ(=3)であるか否かを判定する。メインCPU201は、ゲームストップ機能作動完了フェーズであると判定した場合には、処理をステップS7611に移し、ゲームストップ機能作動完了フェーズでないと判定した場合には、処理をステップS7606に移す。
ステップS7606において、メインCPU201は、メインRAM203の領域外エリアにおける差玉通知情報領域から、差玉通知情報(第1差玉情報)をロードする処理を行う。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をステップS7607に移す。
ステップS7607において、メインCPU201は、ロードした差玉通知情報=0でないか、すなわち、差玉通知情報があるか否かを判定する。メインCPU201は、差玉通知情報があると判定した場合には、処理をステップS7608に移し、差玉通知情報がないと判定した場合には、今回のゲームストップ機能制御処理を終了する。
詳しくは後述するが、差玉通知情報は、通常時は毎回クリアされており、遊技球の差玉数の変化が所定値以上であった場合に、第1差玉情報が差玉通知情報として記憶される。このため、上記ステップS7607の差玉通知情報の有無の判定は、遊技球の差玉数の変化が所定値以上であるか否かの判定に対応していることになる。
ステップS7608において、メインCPU201は、メインRAM203の領域外エリアからロードした差玉通知情報(第1差玉情報)を、メインRAM203の遊技用エリアにおけるストップ機能差玉数パラメータ領域に記憶(転送)する。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をステップS7609に移す。
上記ステップS7606及びステップS7608の処理により、メインRAM203の領域外エリアに記憶された第1差玉情報を、メインRAM203の遊技用エリアに転送することができる(図247参照)。なお、本実施形態においては、領域外エリアの差玉通知情報領域に記憶された第1差玉情報を、遊技用エリアにおけるストップ機能差玉数パラメータ領域に転送するように構成したが、領域外エリアの差玉判定用カウンタ領域に記憶された第1差玉情報を、遊技用エリアにおけるストップ機能差玉数パラメータ領域に転送するように構成してもよい。
ステップS7609において、メインCPU201は、「ゲームストップ機能状態コマンド」をセットする。この処理では、ゲームストップ機能状態コマンドテーブルを参照し、ゲームストップ機能状態コマンドの識別データ(例えば、D3H)と、メインRAM203の遊技用エリアにおけるストップ機能状態パラメータ領域、ストップ機能差玉数パラメータ領域に記憶された情報から、ゲームストップ機能状態コマンドを生成することになる。すなわち、ゲームストップ機能状態コマンドは、識別データとゲームストップ機能フェーズの情報と第1差玉情報の情報とから構成されていることになる。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をステップS7610に移す。
ステップS7610において、メインCPU201は、ゲームストップ機能状態コマンドをサブ制御回路300に送信する演出制御コマンド送信処理を行う。この処理では、上記ステップS7609で生成されたゲームストップ機能完了コマンドを送信バッファにセットする。この処理を終了すると、メインCPU201は、今回のゲームストップ機能制御処理を終了する。
ステップS7611において、メインCPU201は、ゲームストップ機能フェーズがゲームストップ機能作動完了フェーズ(=3)であると、ゲームストップ機能初期化処理を行う。このゲームストップ機能初期化処理は、図262において上述した通りであり、特別図柄や普通図柄に関する表示部(LED)の出力データのクリアと、遊技球を検出する各種スイッチの入力データのクリアとが行われる。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をステップS7612に移す。
ステップS7612において、メインCPU201は、特別図柄及び普通図柄の当りフラグをクリアする。具体的には、メインRAM203の特別図柄当りフラグ領域、メインRAM203の普通図柄当りフラグ領域をクリアして、特別図柄及び普通図柄の当落判定値データをクリアする。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をステップS7613に移す。
ステップS7613において、メインCPU201は、メインRAM203の遊技用エリアにおける遊技停止状態フラグ領域に、遊技停止状態の情報(=1)をセットする。これにより、ゲームストップ機能により遊技の進行が停止されることになる。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をステップS7614に移す。
ステップS7614において、メインCPU201は、メインRAM203の遊技用エリアにおけるストップ機能完了コマンド送信フラグ領域に送信要求の情報(=1)をセットする。この処理を終了すると、メインCPU201は、今回のゲームストップ機能制御処理を終了する。
[ゲームストップ機能状態チェック処理]
次に、図281を参照して、ゲームストップ機能制御処理で実行されるゲームストップ機能状態チェック処理について説明する。図281は、第7のパチンコ遊技機におけるゲームストップ機能状態チェック処理の一例を示すフローチャートである。
ゲームストップ機能状態チェック処理は、上述したように、領域外エリア処理呼出命令により呼び出される処理となっており、この処理を実行するためのプログラムは、メインROM202の領域外エリアに記憶されているプログラムであり、メインRAM203の領域外エリアを使用する。
ステップS7621において、メインCPU201は、ゲームストップ機能カウンタ更新処理を行う。ゲームストップ機能カウンタ更新処理では、遊技球の差玉数の更新等が行われる。このゲームストップ機能カウンタ更新処理については、詳しくは後述する。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をステップS7622に移す。
ステップS7622において、メインCPU201は、ゲームストップ機能カウンタチェック処理を行う。ゲームストップ機能カウンタチェック処理では、差玉通知情報(第1差玉情報)のクリア・設定等が行われる。このゲームストップ機能カウンタチェック処理については、詳しくは後述する。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をステップS7623に移す。
ステップS7623において、メインCPU201は、ゲームストップ機能状態管理処理を行う。ゲームストップ機能状態管理処理では、ゲームストップ機能フェーズの更新等が行われる。このゲームストップ機能状態管理処理については、詳しくは後述する。この処理を終了すると、メインCPU201は、今回のゲームストップ機能状態チェック処理を終了する。
[ゲームストップ機能カウンタ更新処理]
次に、図282を参照して、ゲームストップ機能状態チェック処理で実行されるゲームストップ機能カウンタ更新処理について説明する。図282は、第7のパチンコ遊技機におけるゲームストップ機能カウンタ更新処理の一例を示すフローチャートである。
ゲームストップ機能カウンタ更新処理は、上述したように、領域外エリア処理呼出命令により呼び出される処理となっており、この処理を実行するためのプログラムは、メインROM202の領域外エリアに記憶されているプログラムであり、メインRAM203の領域外エリアを使用する。
ステップS7631において、メインCPU201は、所定のレジスタに格納されている前回の加算値をクリアして、メインRAM203の領域外エリアにおける加算遊技球数カウンタ領域から加算遊技球数をロードする。すなわち、差玉数に加算する加算遊技球数を取得する。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をステップS7632に移す。
ステップS7632において、メインCPU201は、差玉カウンタ3バイト加算処理を行う。差玉カウンタ3バイト加算処理では、まずロードした加算遊技球数=0であるか否かを判定し、ロードした加算遊技球数=0でない場合(加算遊技球数がある場合)には、遊技球の差玉数の加算処理が行われる。また、ロードした加算遊技球数=0である場合には、差玉カウンタ3バイト加算処理を終了する。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をステップS7633に移す。
この差玉カウンタ3バイト加算処理では、加算遊技球数がある場合に、メインRAM203の領域外エリアにおける差玉管理用カウンタ領域から第2差玉情報をロードし、ロードした第2差玉情報に加算遊技球数を加算する。そして、加算した加算結果を1000で除算し、除算結果の余りを新たな第2差玉情報としてメインRAM203の領域外エリアにおける差玉管理用カウンタ領域に格納して第2差玉情報を更新する。また、メインRAM203の領域外エリアにおける差玉判定用カウンタ領域から第1差玉情報をロードし、ロードした第1差玉情報に除算結果の商を加算する。そして、除算結果の商を加算した第1差玉情報をメインRAM203の領域外エリアにおける差玉判定用カウンタ領域に格納して第1差玉情報を更新する。
このように、本実施形態の差玉カウンタ3バイト加算処理においては、第2差玉情報に加算遊技球数を加算した後、加算結果を1000で除算し、除算結果の余りを更新された第2差玉情報とし、除算結果の商を第1差玉情報に加算して更新している。このため、3バイトカウンタの全て値(000000H~FFFFFFH)をカウントとすることなく、下位2バイトの第2差玉情報では0~999までの値をカウントし、上位1バイトの第1差玉情報では0~255までの値をカウントすることができる。
ステップS7633において、メインCPU201は、遊技球回収スイッチ7179の入力ポートバッファをチェックし、遊技球回収スイッチ7179のオンエッジが検知されると、所定のレジスタに減算値(例えば、1)をセットする。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をステップS7634に移す。
ステップS7634において、メインCPU201は、差玉カウンタ3バイト減算処理を行う。差玉カウンタ3バイト減算処理では、減算値=0であるか否かを判定し、減算値=0でない場合(アウト球の検出があった場合)には、遊技球の差玉数の減算処理が行われる。また、減算値=0である場合には、差玉カウンタ3バイト減算処理を終了する。この処理を終了すると、メインCPU201は、今回のゲームストップ機能カウンタ更新処理を終了する。
この差玉カウンタ3バイト減算処理では、アウト球の検出があった場合に、メインRAM203の領域外エリアにおける差玉管理用カウンタ領域から第2差玉情報をロードし、ロードした第2差玉情報から減算値を減算する。そして、減算した第2差玉情報≧0であるか否かを判定する。第2差玉情報≧0であると判定した場合には、減算した第2差玉情報をメインRAM203の領域外エリアにおける差玉管理用カウンタ領域に格納して第2差玉情報を更新する。一方、第2差玉情報≧0でない(第2差玉情報がマイナスの場合)と判定した場合には、第2差玉情報に1000を加算して補正し、メインRAM203の領域外エリアにおける差玉判定用カウンタ領域の第1差玉情報から1を減算して更新する。さらに、更新した第1差玉情報≧0であるか否かを判定し、第1差玉情報≧0でない(第1差玉情報がマイナスの場合)と判定した場合には、メインRAM203の領域外エリアにおける差玉判定用カウンタ領域及び差玉管理用カウンタ領域に記憶された第1差玉情報及び第2差玉情報をクリア(=0)にする。
このように、本実施形態の差玉カウンタ3バイト減算処理においては、第2差玉情報から減算値(アウト球)を減算した後、第2差玉情報の減算結果が0以上でない場合(すなわち、マイナスのとき)には、第2差玉情報に1000を加算するとともに、第1差玉情報から1を減算して更新している。このため、3バイトカウンタの全て値(000000H~FFFFFFH)をカウントとすることなく、下位2バイトの第2差玉情報では0~999までの値をカウントし、上位1バイトの第1差玉情報では0~255までの値をカウントすることができる。
さらに、本実施形態の差玉カウンタ3バイト減算処理においては、差玉情報(第1差玉情報と第2差玉情報)がマイナスとなるようなときには、第1差玉情報と第2差玉情報とをクリアして、差玉情報がマイナスとなることを規制している
[ゲームストップ機能カウンタチェック処理]
次に、図283を参照して、ゲームストップ機能状態チェック処理で実行されるゲームストップ機能カウンタチェック処理について説明する。図283は、第7のパチンコ遊技機におけるゲームストップ機能カウンタチェック処理の一例を示すフローチャートである。
ゲームストップ機能カウンタチェック処理は、上述したように、領域外エリア処理呼出命令により呼び出される処理となっており、この処理を実行するためのプログラムは、メインROM202の領域外エリアに記憶されているプログラムであり、メインRAM203の領域外エリアを使用する。
ステップS7661において、メインCPU201は、メインRAM203の領域外エリアにおける差玉通知情報領域の差玉通知情報(第1差玉情報)をクリアする。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をステップS7662に移す。
ステップS7662において、メインCPU201は、メインRAM203の領域外エリアにおける差玉判定用カウンタ領域から今回の第1差玉情報をロードして、ロードした今回の第1差玉情報を所定のレジスタにセットする。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をステップS7663に移す。
ステップS7663において、メインCPU201は、今回の第1差玉情報>前回の第1差玉情報であるか否かを判定する。具体的には、メインCPU201は、所定のレジスタにセットされた今回の第1差玉情報と、メインRAM203の領域外エリアにおける差玉判定用カウンタバッファ領域に記憶された前回の第1差玉情報とを比較して、今回の第1差玉情報が前回の第1差玉情報よりも大きいか(すなわち、第1差玉情報が増加しているか)否かを判定する。メインCPU201は、今回の第1差玉情報>前回の第1差玉情報であると判定した場合には、処理をステップS7666に移し、今回の第1差玉情報>前回の第1差玉情報でないと判定した場合には、処理をステップS7664に移す。
ステップS7664において、メインCPU201は、所定のレジスタにセットされた今回の第1差玉情報に1を加算して補正する。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をステップS7665に移す。
ステップS7665において、メインCPU201は、上記ステップS7664により補正された今回の第1差玉情報に対し、今回の第1差玉情報≧前回の第1差玉情報であるか否かを判定する。具体的には、メインCPU201は、所定のレジスタにセットされた加算済みの今回の第1差玉情報と、メインRAM203の領域外エリアにおける差玉判定用カウンタバッファ領域に記憶された前回の第1差玉情報とを比較して、今回の第1差玉情報が前回の第1差玉情報以上であるか否かを判定する。メインCPU201は、今回の第1差玉情報≧前回の第1差玉情報であると判定した場合には、今回のゲームストップ機能カウンタチェック処理を終了し、今回の第1差玉情報≧前回の第1差玉情報でないと判定した場合には、処理をステップS7666に移す。
ステップS7666において、メインCPU201は、メインRAM203の領域外エリアにおける差玉判定用カウンタバッファ領域に、差玉判定用カウンタ領域に記憶された第1差玉情報を格納する。これにより、次回に比較するための前回の第1差玉情報が更新されることになる。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をステップS7667に移す。
ステップS7667において、メインCPU201は、メインRAM203の領域外エリアにおける差玉通知情報領域に、差玉判定用カウンタ領域に記憶された第1差玉情報を格納セットする。この差玉通知情報領域に第1差玉情報が格納されることで、上述したようにゲームストップ機能状態コマンドがサブ制御回路300に送信されることになる(ステップS7607~S7610)。また、領域外エリアの差玉通知情報領域に第1差玉情報が格納されることで、遊技用エリアのストップ機能差玉数パラメータ領域に第1差玉情報が転送され、遊技用エリアの第1差玉情報が更新されることになる。この処理を終了すると、メインCPU201は、今回のゲームストップ機能カウンタチェック処理を終了する。
このように、本実施形態のゲームストップ機能カウンタチェック処理においては、第1差玉情報が増加したとき(ステップS7663のYESのとき)には、差玉判定用カウンタバッファ領域及び差玉通知情報領域に第1差玉情報が格納されて、ゲームストップ機能状態コマンドがサブ制御回路300に送信されることになる。
また、第1差玉情報が維持したとき、または第1差玉情報が1しか減少していないとき(ステップS7663のNOかつステップS7665のYESのとき)には、新たにゲームストップ機能状態コマンドがサブ制御回路300に送信されないことになる。一方、第1差玉情報が2以上減少したとき(ステップS7663のNOかつステップS7665のNOのとき)には、差玉判定用カウンタバッファ領域及び差玉通知情報領域に第1差玉情報が格納されて、ゲームストップ機能状態コマンドがサブ制御回路300に送信されることになる。
したがって、本実施形態においては、第1差玉情報が増加したとき、第1差玉情報が2以上減少したときに、ゲームストップ機能状態コマンドがサブ制御回路300に送信されることになる。
また、上述したように第1差玉情報は、遊技球の差玉数の1000個単位の個数を示す情報であることから、遊技球の差玉数の1000個単位の変化があった場合に、ゲームストップ機能状態コマンドがサブ制御回路300に送信されることになる。さらに、本実施形態においては、遊技球の差玉数が1000個以上増加したときにゲームストップ機能状態コマンドがサブ制御回路300に送信され、遊技球の差玉数が1001個以上減少したときにゲームストップ機能状態コマンドがサブ制御回路300に送信されることになる。すなわち、遊技球の差玉数の変化が-1000~999個であるときには、ゲームストップ機能状態コマンドがサブ制御回路300に送信されないことになる。
なお、本実施形態においては、第1差玉情報が2以上減少したときに、ゲームストップ機能状態コマンドがサブ制御回路300に送信されるように構成したが、第1差玉情報が1以上減少したとき(すなわち、第1差玉情報が単純に減少したとき)に、ゲームストップ機能状態コマンドがサブ制御回路300に送信されるように構成してもよい。
さらには、本実施形態においては、第1差玉情報を基準として、遊技球の差玉数の1000個単位の変化をチェックするように構成したが、第2差玉情報を基準として、遊技球の差玉数の1000個未満の個数(1個単位)の変化をチェックするように構成してもよい。
[ゲームストップ機能状態管理処理]
次に、図284を参照して、ゲームストップ機能状態チェック処理で実行されるゲームストップ機能状態管理処理について説明する。図284は、第7のパチンコ遊技機におけるゲームストップ機能状態管理処理の一例を示すフローチャートである。
ゲームストップ機能状態管理処理は、上述したように、領域外エリア処理呼出命令により呼び出される処理となっており、この処理を実行するためのプログラムは、メインROM202の領域外エリアに記憶されているプログラムであり、メインRAM203の領域外エリアを使用する。
ステップS7671において、メインCPU201は、メインRAM203の領域外エリアにおけるゲームストップ機能フェーズ領域から、ゲームストップ機能フェーズをロードする処理を行う。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をステップS7672に移す。
ステップS7672において、メインCPU201は、ロードしたゲームストップ機能フェーズ≧2であるか否かを判定する。すなわち、ゲームストップ機能フェーズがゲームストップ機能作動待機フェーズ(=2)またはゲームストップ機能作動完了フェーズ(=3)であるか否かを判定する。メインCPU201は、ゲームストップ機能フェーズ≧2であると判定した場合には、処理をステップS7677に移し、ゲームストップ機能フェーズ≧2でないと判定した場合には、処理をステップS7673に移す。
ステップS7673において、メインCPU201は、メインRAM203の領域外エリアにおける差玉判定用カウンタバッファ領域から第1差玉情報をロードする。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をステップS7674に移す。
なお、本実施形態においては、メインRAM203の領域外エリアにおける差玉判定用カウンタバッファ領域から第1差玉情報をロードするように構成したが、メインRAM203の領域外エリアにおける差玉判定用カウンタ領域から第1差玉情報をロードするように構成してもよい。
ステップS7674において、メインCPU201は、ロードした第1差玉情報が判定値以上であるか否かの第1差玉情報の判定処理を行う。この第1差玉情報の判定処理では、最初にロードした第1差玉情報が規制値に対応する判定値(例えば、95000個に対応する95)以上であるかの判定を行う。次に、第1差玉情報が規制値に対応する判定値でなければ、境界値に対応する判定値(例えば、90000個に対応する90)以上であるかを判定する。そして、第1差玉情報が規制値に対応する判定値以上であれば、ゲームストップ機能作動待機フェーズ(=2)を所定のレジスタにセットし、第1差玉情報が境界値に対応する判定値以上であれば、ゲームストップ機能作動予告フェーズ(=1)を所定のレジスタにセットし、第1差玉情報が境界値に対応する判定値以上でなければ、ゲームストップ機能通常状態フェーズ(=0)を所定のレジスタにセットする。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をステップS7675に移す。
ステップS7675において、メインCPU201は、上記ステップS7674で所定のレジスタにセットされたゲームストップ機能フェーズを、メインRAM203の領域外エリアにおけるゲームストップ機能フェーズ領域に格納して、ゲームストップ機能フェーズを更新する。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をステップS7676に移す。
ステップS7676において、メインCPU201は、上記ステップS7674で所定のレジスタにセットされたゲームストップ機能フェーズが、ゲームストップ機能作動待機フェーズ(=2)であるか否かを判定する。メインCPU201は、ゲームストップ機能作動待機フェーズ(=2)であると判定した場合には、処理をステップS7677に移し、ゲームストップ機能作動待機フェーズ(=2)でないと判定した場合には、今回のゲームストップ機能状態管理処理を終了する。
ステップS7677において、メインCPU201は、メインRAM203の遊技用エリアにおける特電制御状態番号領域から、特電制御状態番号をロードする。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をステップS7678に移す。
ステップS7678において、メインCPU201は、ロードした特電制御状態番号を参照し、大当り遊技状態または特電開放遊技状態であるか否かを判定する。具体的には、ロードした特電制御状態番号が、大当り遊技状態に対応する特電制御状態番号「3~5」のいずれかであるか否か、または特電開放遊技状態に対応する特電制御状態番号「6」であるか否かを判定する。メインCPU201は、大当り遊技状態または特電開放遊技状態であると判定した場合には、今回のゲームストップ機能状態管理処理を終了し、大当り遊技状態または特電開放遊技状態でないと判定した場合には、処理をステップS7679に移す。
ステップS7679において、メインCPU201は、メインRAM203の領域外エリアにおけるゲームストップ機能フェーズ領域に、ゲームストップ機能作動完了フェーズ(=3)を格納する。この処理を終了すると、メインCPU201は、今回のゲームストップ機能状態管理処理を終了する。
このように、本実施形態のゲームストップ機能状態管理処理においては、第1差玉情報に基づいてゲームストップ機能フェーズが決定(更新)されることになる(ステップS7673~S7675)。
ここで、本実施形態のゲームストップ機能状態管理処理において、第1差玉情報に基づいてゲームストップ機能フェーズが決定(更新)されるのは、ゲームストップ機能フェーズがゲームストップ機能通常状態フェーズ(=0)、ゲームストップ機能作動予告フェーズ(=1)のときである(ステップS7672)。
このため、ゲームストップ機能通常状態フェーズ(=0)、ゲームストップ機能作動予告フェーズ(=1)であるときには、遊技球の差玉数に基づいてゲームストップ機能フェーズの値が繰り上がることも繰り下がることも可能である(0から1、1から2、1から0に変更可能)。しかしながら、遊技球の差玉数が規制値以上に対応したゲームストップ機能作動待機フェーズ(=2)またはゲームストップ機能作動完了フェーズ(=3)であるときには、仮に遊技球の差玉数が規制値を下回ったとしても、ゲームストップ機能フェーズの値が繰り下がる(2から1に変更される)ことができないように構成されている。
また、本実施形態のゲームストップ機能状態管理処理においては、第1差玉情報が規制値に対応する判定値以上であれば、ゲームストップ機能作動待機フェーズ(=2)が決定されるものの、大当り遊技状態または特電開放遊技状態であるときにはゲームストップ機能作動完了フェーズ(=3)が決定されることはなく、大当り遊技状態または特電開放遊技状態でないときにゲームストップ機能作動完了フェーズ(=3)が決定されて、遊技停止状態となる(ステップS7613)。このため、大当り遊技状態または特電開放遊技状態でない場合に差玉情報が規制値以上となったときには、すぐさま遊技停止状態となるが、大当り遊技状態または特電開放遊技状態である場合に差玉情報が規制値以上となったときには、大当り遊技状態または特電開放遊技状態が終了したときに、遊技停止状態となる。
[主制御回路からサブ制御回路に送信される代表的なコマンド]
次に、図285を参照して、主制御回路200からサブ制御回路300に送信される代表的なコマンドの構成の一例について説明する。図285は、第7のパチンコ遊技機における特別図柄演出開始コマンド及び特別図柄遊技終了コマンドの構成図の一例である。
図285に示すように、特別図柄演出開始コマンドは、特別図柄の変動開始時にサブ制御回路300に送信される(ステップS7131参照)。
そして、特別図柄演出開始コマンドは、識別データ(例えば、81H)と、遊技状態及び制御対象特図情報からなる第1パラメータと、特別図柄の変動パターンのテーブルの情報からなる第2パラメータと、特別図柄の停止図柄の情報からなる第3パラメータと、設定値情報からなる第4パラメータと、特別図柄の変動パターンの情報からなる第5パラメータとから構成されている。
特別図柄演出開始コマンドの第1パラメータにおける0~2ビット目の遊技状態の情報は、特別図柄の変動開始時の遊技状態(移行前の遊技状態)として、通常遊技状態(=0)、第1時短遊技状態(=1)、第2時短遊技状態(=2)、第3時短遊技状態(=3)、第4時短遊技状態(=4)のいずれかの情報が設定される。また、特別図柄演出開始コマンドの第1パラメータにおける3ビット目の制御対象特図情報は、可変表示を行う特別図柄の種別が設定される。
また、特別図柄演出開始コマンドの第2パラメータにおける特別図柄の変動パターンのテーブルの情報は、特別図柄の変動パターンの決定にあたり参照された特別図柄の変動パターンのテーブルの情報が設定される。特別図柄演出開始コマンドの第3パラメータにおける特別図柄の停止図柄の情報は、決定された特別図柄の停止図柄の情報が設定される。特別図柄演出開始コマンドの第4パラメータにおける設定値情報は、現在の設定値の情報が設定される。特別図柄演出開始コマンドの第5パラメータにおける特別図柄の変動パターンの情報は、決定された特別図柄の変動パターンの情報が設定される。
サブ制御回路300側では、特別図柄演出開始コマンドを受信することにより、表示装置7等において、特別図柄の変動パターンに対応した演出を実行することができる。
なお、普通図柄演出開始コマンドの構成も、特別図柄演出開始コマンドの構成と同様であり、普通図柄演出開始コマンドには、遊技状態、普通図柄の変動パターン及び普通図柄の停止図柄等のそれぞれの情報がパラメータに含められている。
図285に示すように、特別図柄遊技終了コマンドは、遊技終了時(はずれ・時短当り時の確定時間経過時、または大当り遊技状態の終了時)にサブ制御回路300に送信される(ステップS7193参照)。
そして、特別図柄遊技終了コマンドは、識別データ(例えば、87H)と、遊技状態及び制御対象特図情報からなる第1パラメータと、特別図柄の変動パターンのテーブルの情報からなる第2パラメータと、特別図柄の停止図柄の情報からなる第3パラメータと、発射位置情報からなる第4パラメータとから構成されている。
特別図柄遊技終了コマンドの第1パラメータにおける0~2ビット目の遊技状態の情報は、特別図柄の可変表示終了後または大当り遊技状態の終了後の遊技状態(移行先の遊技状態)として、通常遊技状態(=0)、第1時短遊技状態(=1)、第2時短遊技状態(=2)、第3時短遊技状態(=3)、第4時短遊技状態(=4)のいずれかの情報が設定される。また、特別図柄遊技終了コマンドの第1パラメータにおける3ビット目の制御対象特図情報は、停止表示を行った特別図柄の種別、または特電作動口7142を経由した遊技である旨の情報が設定される。
また、特別図柄遊技終了コマンドの第2パラメータにおける特別図柄の変動パターンのテーブルの情報は、特別図柄の変動パターンの決定にあたり参照された特別図柄の変動パターンのテーブルの情報が設定される。特別図柄遊技終了コマンドの第3パラメータにおける特別図柄の停止図柄の情報は、停止表示された特別図柄の停止図柄の情報が設定される。
また、特別図柄演出開始コマンドの第4パラメータにおける発射位置情報は、通常遊技状態であるときには正規な遊技態様としての左打ちの情報が設定され、時短遊技状態であるときには正規な遊技態様としての右打ちの情報が設定される。
[7-8.枠制御処理]
第7のパチンコ遊技機において、枠制御回路410の枠CPU411により実行される枠制御処理について説明する。
[枠制御メイン処理]
図286を参照して、枠CPU411の制御によるメイン処理(枠制御メイン処理)について説明する。図286は、第7のパチンコ遊技機における枠制御メイン処理の一例を示すフローチャートである。
ステップS7801において、枠CPU411は、枠RAM413の作業領域に記憶されたデータからCRC算出を行って、CRC検査処理を行う。このCRC検査処理で異常(エラー)と判定された場合には、枠検査異常値データを記憶する。この処理を終了すると、枠CPU411は、処理をステップS7802に移す。
ステップS7802において、枠CPU411は、枠起動状態チェック処理を行う。この処理では、CRC検査の検査結果、RAMクリアスイッチ176のON・OFFの情報に基づいて、電断復帰時の枠起動状態を判定する。そして、電断復帰時の枠起動状態に基づいて、クリアする枠RAM413の指定範囲を決定する。この処理を終了すると、枠CPU411は、処理をステップS7803に移す。
ステップS7803において、枠CPU411は、電断復帰時の枠起動状態に基づいて決定された枠RAM413の指定範囲をクリアする指定範囲クリア処理を行う。この処理を終了すると、枠CPU411は、処理をステップS7804に移す。
ステップS7804において、枠CPU411は、電断復帰用のデータテーブルを参照し、各種データを設定する枠制御復帰処理を行う。この処理を終了すると、枠CPU411は、処理をステップS7805に移す。
ステップS7805において、枠CPU411は、主制御回路200から遊技機設置情報を受信する遊技機設置情報受信処理を行う。この遊技機設置情報受信処理では、枠CPU411は、主制御回路200から遊技機設置情報を受信すると、遊技機設置応答情報を主制御回路200に返信する。その後、主制御回路200から受信した遊技機設置情報をカードユニット181に送信する。これにより、カードユニット181及びカードユニット181に接続されたサーバは、遊技機設置情報を収集することができる。この処理を終了すると、枠CPU411は、処理をステップS7810に移す。
ステップS7810において、枠CPU411は、枠制御回路410で計時されるシステム周期時間(例えば、6msec)が経過したか否かを判定する。枠CPU411は、システム周期時間が経過したと判定した場合には、処理をステップS7811に移し、システム周期時間が経過していないと判定した場合には、システム周期時間が経過するまで待機する。
ステップS7811において、枠CPU411は、タイマカウンタ更新処理を行う。このタイマカウンタ更新処理では、枠制御回路410で管理される各種タイマカウンタが減算更新(計時)を行う。この処理を終了すると、枠CPU411は、処理をステップS7812に移す。
ステップS7812において、枠CPU411は、獲得遊技球数更新処理を行う。この獲得遊技球数更新処理では、主制御回路200から遊技機情報として入賞情報を受信すると、受信した入賞情報に対応した賞球数を枠RAM413の獲得遊技球数に加算し、主制御回路200から遊技機情報としてアウト情報を受信すると、枠RAM413の獲得遊技球数から1を減算して更新する。この処理を終了すると、枠CPU411は、処理をステップS7813に移す。
ステップS7813において、枠CPU411は、球貸し制御処理を行う。この球貸し制御処理では、カードユニット181から遊技球を貸し出す貸出情報を受信すると、所定数の遊技球(例えば125個)を枠RAM413の獲得遊技球数に加算する。この処理を終了すると、枠CPU411は、処理をステップS7814に移す。
ステップS7814において、枠CPU411は、獲得遊技球数表示制御処理を行う。この獲得遊技球数表示制御処理では、枠RAM413に記憶された獲得遊技球数を獲得遊技球数表示部70に表示させる制御を行う。この処理を終了すると、枠CPU411は、処理をステップS7815に移す。
ステップS7815において、枠CPU411は、獲得遊技球数転送処理を行う。この獲得遊技球数転送処理では、転送ボタン71により遊技者の操作を受け付けると、枠RAM413に記憶された獲得遊技球数の情報をカードユニット181に送信し、カードユニット181から獲得遊技球数の受領確認を受け付けると、枠RAM413に記憶された獲得遊技球数をクリアする。この処理を終了すると、枠CPU411は、処理をステップS7816に移す。
ステップS7816において、枠CPU411は、遊技機情報送信処理を行う。この遊技機情報送信処理では、主制御回路200から受信した遊技機情報をカードユニット181に送信する。これにより、カードユニット181及びカードユニット181に接続されたサーバは、遊技機情報を収集することができる。この処理を終了すると、枠CPU411は、処理をステップS7817に移す。
ステップS7817において、枠CPU411は、発射制御処理を行う。この発射制御処理では、発射許可条件が成立しているか否かを判定し、発射許可条件が成立していると、発射ハンドル62の回動量に応じて発射ソレノイドに電力を供給し、遊技球を遊技領域105に発射させる。また、発射許可条件が成立していないと、発射ソレノイドへの電力の供給が行われず、遊技球が発射されないことになる。この処理を終了すると、枠CPU411は、処理をステップS7818に移す。
ここで、本実施形態における「発射許可条件」とは、枠制御回路410にカードユニット181が接続されていること、かつ、枠RAM413に記憶された獲得遊技球数が1以上であること(獲得遊技球数>0)、かつ、主制御回路200からゲームストップ機能による遊技停止信号を入力していないことである。
ステップS7818において、枠CPU411は、循環ユニット420を駆動させる循環ユニット駆動処理を行う。この処理を終了すると、枠CPU411は、処理をステップS7819に移す。
ステップS7819において、枠CPU411は、枠異常監視処理を行う。この枠異常監視処理では、枠制御回路410とカードユニット181との「カードユニット通信異常」、獲得遊技球数の更新記憶に関する「付与異常」、枠制御回路410と主制御回路200との「応答異常」、循環ユニット420の「球詰まり異常」、循環ユニット420の「モータ異常」等の複数の異常を監視しており、異常が発生すると、発生した異常情報が含まれた枠異常イベント情報を主制御回路200に送信する。この処理を終了すると、枠CPU411は、処理をステップS7810に戻す。
このように、本実施形態の枠制御メイン処理によれば、枠制御回路410は、獲得遊技球数を更新したり、遊技機情報をカードユニット181やホールコンピュータに送信したりすることができる。また、枠制御回路410は、獲得遊技球数を獲得遊技球数表示部70に表示させたり、獲得遊技球数をカードユニット180に転送させたりすることができる。さらに、枠制御回路410は、枠異常の監視を行うことができる。
[7-9.サブ制御回路]
次に、主制御回路200からサブ制御回路300に送信される各種のコマンド等に基づいたサブ制御回路300の制御内容について説明する。
[サブ制御回路処理]
図287を参照して、サブ制御回路300のサブCPU301により実行される各種処理の内容について説明する。図287は、第7のパチンコ遊技機におけるサブ制御回路処理の一例を示すフローチャートである。
図287に示すように、サブCPU301は、先ず、初期化処理を行う(ステップS7901)。この初期化処理では、例えば、RAMアクセス許可、ハードウェア初期化、デバイス初期化、アプリケーション初期化等といった初期化処理が行われる。この処理を終了すると、サブCPU301は、処理をステップS7902に移す。
ステップS7902において、サブCPU301は、バックアップ復帰処理を行う。このバックアップ復帰処理では、サブ制御回路300に設けられたSRAM(図示せず)に記憶されたゲームデータに基づいて各種情報を設定し、電断前の演出状態に復帰する。この処理を終了すると、サブCPU301は、処理をステップS7910に移す。
ステップS7910において、サブCPU301は、RTC取得処理を行う。このRTC取得処理では、サブ制御回路300に搭載された図示しないRTC(Real Time Clock)から時刻情報を取得する。この処理を終了すると、サブCPU301は、処理をステップS7911に移す。
ステップS7911において、サブCPU301は、サブ制御回路300に接続されたデバイスからデータを入力するサブデバイス入力処理を行う。このサブデバイス入力処理では、後述する入力状態判定処理(ステップS7992)により演出ボタンセンサ55または役物位置センサ56の入力が判定されると、演出ボタン54の操作情報または演出用役物群58の役物位置情報を生成する。この操作情報や役物位置情報は、後述する各種リクエスト(描画リクエスト、サウンドリクエスト、ランプリクエスト及び役物リクエスト)を生成するのに用いられることになる。この処理を終了すると、サブCPU301は、処理をステップS7920に移す。
ステップS7920において、サブCPU301は、音声制御処理を実行する。この処理において、サブCPU301は、送信バッファに登録されたサウンドリクエストを音声制御回路305に送信する。音声制御回路305は、サブCPU301から送信されたサウンドリクエストに基づいて、スピーカ32に音声を出力させるための音声制御を行う。なお、サウンドリクエストは、後述するアニメーション更新処理(ステップS7970)により生成され、生成されたサウンドリクエストは送信バッファに登録されることになる。この処理を終了すると、サブCPU301は、処理をステップS7921に移す。
ステップS7921において、サブCPU301は、LED制御処理を実行する。この処理において、サブCPU301は、送信バッファに登録されたランプリクエストをLED制御回路306に送信する。LED制御回路306は、サブCPU301から送信されたランプリクエストに基づいて、LED群46を構成するLEDの全部または一部を点灯あるいは点滅させるための発光制御を行う。なお、ランプリクエストは、後述するアニメーション更新処理(ステップS7970)により生成され、生成されたランプリクエストは送信バッファに登録されることになる。この処理を終了すると、サブCPU301は、処理をステップS7922に移す。
ステップS7922において、サブCPU301は、役物制御処理を実行する。この処理において、サブCPU301は、送信バッファに登録された役物リクエストを役物制御回路307に送信する。役物制御回路307は、サブCPU301から送信された役物リクエストに基づいて、演出用駆動モータ57を駆動させ、演出用役物群58を初期位置と終点位置とに亘って移動させたり、チャンスボタン54bの操作態様(形状)の変化させたり、チャンスボタン54bを振動させたりする駆動制御を行う。なお、役物リクエストは、後述するアニメーション更新処理(ステップS7970)により生成され、生成された役物リクエストは送信バッファに登録されることになる。この処理を終了すると、サブCPU301は、処理をステップS7930に移す。
後述するように、送信バッファに登録されたサウンドリクエスト、ランプリクエスト及び役物リクエストは、表示制御回路304によるバンクフリップが終了したとき(ステップS7990)に、各種デバイスに送信されることになる。これにより、音声制御回路305による音声制御、LED制御回路306による発光制御、役物制御回路307による駆動制御は、表示制御回路304による描画処理及び表示処理との同期を図ることができる。
ステップS7930において、サブCPU301は、コマンド制御処理を実行する。このコマンド制御処理では、主制御回路200からの各種のコマンドを取得し、取得したコマンドに基づいてゲーム状態情報(第1のゲームデータ)を生成したり、取得したコマンドに基づいて演出パターン等の演出情報(第2のゲームデータ)を生成したりする。このコマンド制御処理の詳細については、図289を参照して後述する。この処理を終了すると、サブCPU301は、処理をステップS7940に移す。
ステップS7940において、サブCPU301は、ゲームデータバックアップ処理を実行する。このゲームデータバックアップ処理では、上記コマンド制御処理で生成されたゲームデータをサブ制御回路300に設けられたSRAM(図示せず)に記憶する。この処理を終了すると、サブCPU301は、処理をステップS7950に移す。
ステップS7950において、サブCPU301は、アニメーション構築処理を実行する。このアニメーション構築処理では、主制御回路200から受信したコマンド(識別データ)に基づいて、アニメーションの制御対象を指定するための各種オブジェクト等を生成する。また、受信したコマンドに基づいて各種オブジェクト等を生成した後には、そのコマンドはワークRAM303からクリアする。この処理を終了すると、サブCPU301は、処理をステップS7960に移す。
ステップS7960において、サブCPU301は、後述するコマンド受信処理(ステップS7993)により受信したすべてのコマンドが上記コマンド制御処理(ステップS7930)及び上記アニメーション構築処理(ステップS7950)により解析済みか否かを判定する。具体的には、ワークRAM303にコマンドが未だ格納されているか否かを判定する。サブCPU301は、すべてのコマンドを解析済みと判定した場合には、処理をステップS7970に移し、すべてのコマンドを解析済みでないと判定した場合には、処理をステップS7930に戻す。
ステップS7970において、サブCPU301は、アニメーション更新処理を実行する。このアニメーション更新処理では、上記アニメーション構築処理で生成された各種オブジェクトに基づいて、上記サブデバイス入力処理で生成された演出ボタン54の操作情報や演出用役物群58の役物位置情報、上記コマンド制御処理で生成されたゲームデータ(ゲーム状態情報・演出パターン等の演出情報)、各種オブジェクトの変数(フレーム数等)を参照して、各種演出装置を動作させるための各種リクエスト(例えば、描画リクエスト、サウンドリクエスト、ランプリクエスト、および、役物リクエスト等)を生成する。そして、生成した各種リクエストを送信バッファに登録する。この処理を終了すると、サブCPU301は、処理をステップS7980に移す。
ステップS7980において、サブCPU301は、描画制御処理を実行する。この描画制御処理では、サブCPU301は、送信バッファに登録された描画リクエストを表示制御回路304に送信する。この処理を終了すると、サブCPU301は、処理をステップS7990に移す。
ここで、表示制御回路304には、VRAMやSDRAM等において2つのフレームバッファが設けられており、表示制御回路304は、サブCPU301から送信された描画リクエストに基づいて、一方のフレームバッファを描画用フレームバッファとして、描画用フレームバッファに表示装置7の表示画面に表示させる画像を描画する。そして、バンクフリップにより、一方のフレームバッファを表示用フレームバッファとして、描画した画像を表示装置7の表示画面に表示する。このように、表示制御回路304は、バンクフリップにより、2つのフレームバッファを描画用フレームバッファと表示用フレームバッファとに交互に切り替えながら、描画処理と表示処理とを行うことになる。
ステップS7990において、サブCPU301は、表示制御回路304によるバンクフリップが終了したか否かを判定する。サブCPU301は、バンクフリップが終了したと判定した場合には、処理をステップS7910に戻し、バンクフリップが終了していないと判定した場合には、バンクフリップが終了するまで待機する。
また、バンクフリップの終了タイミングが、フレームレートであるFPS(Frames Per Second)に対応していることになる。このため、サブCPU301は、上述したステップS7910~ステップS7971の一例の処理(メインループ処理)を、FPS周期で繰り返し実行することになる。なお、FPS周期は、例えば、約16.7msec(60FPS)、約33.3msec(30FPS)等に設定される。
[割込み処理]
図288を参照して、サブ制御回路300のサブCPU301により実行される割込み処理の内容について説明する。図288は、第7のパチンコ遊技機におけるサブ制御回路300の割込み処理の一例を示すフローチャートである。
[サブ制御タイマ割込み処理]
図288(a)は、サブ制御タイマ割込み処理の一例を示すフローチャートであり、サブ制御回路300で計時されるタイマカウンタから入力されるタイムアウト割込みが発生した場合に呼び出される処理であり、例えば、1msecの周期(割込み周期)で実行される。
ステップS7991において、サブCPU301は、役物モータ制御処理を行う。この役物モータ制御処理では、サブCPU301は、役物位置センサ56により演出用役物群58の位置を把握しながら、役物制御回路307に対して演出用駆動モータ57の駆動データを出力したり、演出用駆動モータ57の駆動終了の判定をしたりする。この処理を終了すると、サブCPU301は、処理をステップS7992に移す。
ステップS7992において、サブCPU301は、入力状態判定処理を行う。この入力状態判定処理では、サブCPU301は、演出ボタンセンサ55または役物位置センサ56のオンエッジを監視(検知)して、演出ボタンセンサ55または役物位置センサ56の入力を判定する。この処理を終了すると、サブCPU301は、今回のサブ制御タイマ割込み処理を終了する。
[サブ制御コマンド割込み処理]
図288(b)は、サブ制御コマンド割込み処理の一例を示すフローチャートであり、主制御回路200からコマンドを受信したときに呼び出される処理である。
ステップS7993において、サブCPU301は、主制御回路200からコマンドを受信すると、受信したコマンドをサブCPU301内のリングバッファ(図示せず)に格納する。この処理を終了すると、サブCPU301は、今回のサブ制御コマンド割込み処理を終了する。
[コマンド制御処理]
図289を参照して、サブ制御回路処理の中で実行されるコマンド制御処理の詳細について説明する。図289は、第7のパチンコ遊技機におけるコマンド制御処理の一例を示すフローチャートである。
ステップS7931において、サブCPU301は、コマンド取得処理を実行する。このコマンド取得処理では、上述のサブ制御コマンド割込み処理でリングバッファに格納されたコマンドをワークRAM303に格納する。この処理を終了すると、サブCPU301は、処理をステップS7932に移す。
ステップS7932において、サブCPU301は、コマンド解析処理を実行する。このコマンド解析処理では、ワークRAM303に格納されたコマンドの識別データとパラメータに基づいて、第1のゲームデータとしてゲーム状態情報を生成し、生成したゲーム状態情報をワークRAM303内の所定の領域に格納する。このゲーム状態情報は、主制御回路200で管理されている状態(通常遊技状態、第1~第4時短遊技状態、大当り遊技状態、特電開放遊技状態、ゲームストップ機能に関する状態、エラー状態)をより詳細に分類し、サブ制御回路300で管理される演出進行状態の情報である。この処理を終了すると、サブCPU301は、処理をステップS7933に移す。
次に、ステップS7933において、サブCPU301は、サブ抽選処理を実行する。このサブ抽選処理では、演出用の各種乱数値を取得し、ワークRAM303に格納されたコマンドに基づいて第2のゲームデータとして演出パターン等の演出情報を生成し、生成した演出情報をワークRAM303内の所定の領域に格納する。このサブ抽選処理の詳細については、図290を参照して後述する。この処理を終了すると、サブCPU301は、今回のコマンド制御処理を終了する。
[サブ抽選処理]
図290及び図291を参照して、コマンド制御処理の中で実行されるサブ抽選処理の詳細について説明する。図290及び図291は、第7のパチンコ遊技機におけるサブ抽選処理の一例を示すフローチャートである。
上述したようにサブ抽選処理では、ワークRAM303に格納されたコマンドに基づいて演出パターン等の演出情報を決定するが、「演出パターン」とは、キャラクタ等の表示演出や、音声演出、ランプ演出、演出ボタン54の操作態様等を定めた情報をいう。
また、「図柄演出パターン」とは、演出パターンのうち、特別図柄または普通図柄の可変表示中において、少なくとも表示装置7において所定の装飾図柄を所定の変動態様で可変表示(変動表示及び停止表示)させ、停止表示させた装飾図柄の停止態様によって、所定の抽選結果を報知する変動演出の情報をいう。また、「所定の装飾図柄」としては、遊技者が認識し易く大きく表示される「主図柄」と、遊技者が認識し難く小さく表示される「副図柄」との種別が設けられている。なお、図柄演出パターンの種類によっては、所定の装飾図柄の可変表示に加え、所定のキャラクタを表示させる情報も含まれている。
ステップS7933-10において、サブCPU301は、ワークRAM303に格納されたコマンドが「特別図柄演出開始コマンド」であるか否かを判定する。
サブCPU301は、「特別図柄演出開始コマンド」であると判定した場合には、処理をステップS7933-11に移し、「特別図柄演出開始コマンド」でないと判定した場合には、処理をステップS7933-20に移す。
ステップS7933-11において、サブCPU301は、特別図柄演出開始コマンドに含まれた制御対象特図情報が第1特別図柄であるか否かを判定する。
サブCPU301は、制御対象特図情報が第1特別図柄であると判定した場合には、処理をステップS7933-12に移し、制御対象特図情報が第1特別図柄でないと判定した場合には、処理をステップS7933-13に移す。
ステップS7933-12において、サブCPU301は、第1特別図柄に対応した第1装飾図柄を決定する第1装飾図柄決定処理を行う。ここで、第1装飾図柄としては、第1主図柄と第1副図柄との種別が設けられている。
この第1装飾図柄決定処理では、サブCPU301は、特別図柄演出開始コマンドに含まれた遊技状態の情報を参照し、特別図柄演出開始コマンドに含まれた特別図柄の停止図柄の情報に基づいて、第1装飾図柄を決定する。この処理を終了すると、サブCPU301は、処理をステップS7933-13に移す。
特に、本実施形態の第1装飾図柄決定処理では、サブCPU301は、通常遊技状態であるときには、特別図柄の停止図柄の情報に基づいて第1主図柄と第1副図柄とを決定し、時短遊技状態(第1時短遊技状態~第4時短遊技状態)であるときには、第1主図柄は決定せずに第1副図柄のみを決定する。このため、通常遊技状態であるときには、表示装置7において第1特別図柄に対応した第1主図柄が表示されるものの、時短遊技状態であるときには、表示装置7において第1特別図柄に対応した第1主図柄が表示されないことになる。なお、遊技状態にかかわらず、表示装置7において第1特別図柄に対応した第1副図柄は表示されることになる。
ステップS7933-13において、サブCPU301は、第1装飾図柄の変動表示時間を決定する第1装飾図柄演出時間決定処理を行う。
この第1装飾図柄演出時間決定処理では、サブCPU301は、特別図柄演出開始コマンドに含まれた特別図柄の変動パターンに基づいて、第1装飾図柄の変動表示時間を決定する。なお、図示は省略するが、サブ制御回路300のプログラムROM302等には、メインROM202に記憶された特別図柄の変動パターンテーブルに対応する情報が記憶されている。この処理を終了すると、サブCPU301は、処理をステップS7933-14に移す。
ステップS7933-14において、サブCPU301は、第1装飾図柄に関わる演出を実行させる第1装飾図柄演出パターン決定処理を行う。
この第1装飾図柄演出パターン決定処理では、サブCPU301は、特別図柄演出開始コマンドに含まれた遊技状態の情報を参照し、特別図柄演出開始コマンドに含まれた特別図柄の変動パターンに基づいて、第1装飾図柄の図柄演出パターンを決定する。この処理を終了すると、サブCPU301は今回のサブ抽選処理を終了する。
特に、本実施形態の第1装飾図柄演出パターン決定処理では、サブCPU301は、通常遊技状態であるときには、特別図柄の変動パターンに基づいて第1主図柄と第1副図柄とを変動表示させる図柄演出パターンを決定し、時短遊技状態(第1時短遊技状態~第4時短遊技状態)であるときには、第1副図柄のみを変動表示させる図柄演出パターンを決定する。このため、通常遊技状態であるときには、表示装置7において第1特別図柄に対応した第1主図柄の変動表示が行われるものの、時短遊技状態であるときには、表示装置7において第1特別図柄に対応した第1主図柄の変動表示は行われないことになる。なお、遊技状態にかかわらず、表示装置7において第1特別図柄に対応した第1副図柄の変動表示は行われることになる。
具体的には、本実施形態の第1装飾図柄演出パターン決定処理では、通常遊技状態であるときには、図251の特別図柄の変動パターンテーブルT1に示したように、第1特別図柄の変動パターンに基づいて、第1装飾図柄に関わる演出として、「通常変動演出」、「ノーマルリーチ演出」または「スーパーリーチ演出」を実行させる図柄演出パターンを決定する。また、時短遊技状態であるときには、図252の特別図柄の変動パターンテーブルJ1~J3に示したように、第1特別図柄の変動パターンに基づいて、第1装飾図柄に関わる演出として、「小図柄変動」を実行させる図柄演出パターンを決定する。
ステップS7933-15において、サブCPU301は、第2特別図柄に対応した第2装飾図柄を決定する第2装飾図柄決定処理を行う。ここで、第2装飾図柄としては、第2主図柄と第2副図柄との種別が設けられている。
この第2装飾図柄決定処理では、サブCPU301は、特別図柄演出開始コマンドに含まれた遊技状態の情報を参照し、特別図柄演出開始コマンドに含まれた特別図柄の停止図柄の情報に基づいて、第2装飾図柄を決定する。この処理を終了すると、サブCPU301は、処理をステップS7933-16に移す。
特に、本実施形態の第2装飾図柄決定処理では、サブCPU301は、通常遊技状態または特電入賞容易状態(第1時短遊技状態または第2時短遊技状態)であるときには、第2主図柄は決定せずに第2副図柄のみを決定し、変動時間短縮状態(第3時短遊技状態または第4時短遊技状態)であるときには、特別図柄の停止図柄の情報に基づいて第2主図柄と第2副図柄とを決定する。このため、通常遊技状態または特電入賞容易状態であるときには、表示装置7において第2特別図柄に対応した第2主図柄が表示されず、変動時間短縮状態であるときには、表示装置7において第2特別図柄に対応した第2主図柄が表示されることになる。なお、遊技状態にかかわらず、表示装置7において第2特別図柄に対応した第2副図柄は表示されることになる。
ステップS7933-16において、サブCPU301は、第2装飾図柄の変動表示時間を決定する第2装飾図柄演出時間決定処理を行う。
この第2装飾図柄演出時間決定処理では、サブCPU301は、特別図柄演出開始コマンドに含まれた特別図柄の変動パターンに基づいて、第2装飾図柄の変動表示時間を決定する。この処理を終了すると、サブCPU301は、処理をステップS7933-17に移す。
ステップS7933-17において、サブCPU301は、第2装飾図柄に関わる演出を実行させる第2装飾図柄演出パターン決定処理を行う。
この第2装飾図柄演出パターン決定処理では、サブCPU301は、特別図柄演出開始コマンドに含まれた遊技状態の情報を参照し、特別図柄演出開始コマンドに含まれた特別図柄の変動パターンに基づいて、第2装飾図柄の図柄演出パターンを決定する。この処理を終了すると、サブCPU301は今回のサブ抽選処理を終了する。
特に、本実施形態の第2装飾図柄演出パターン決定処理では、サブCPU301は、通常遊技状態または特電入賞容易状態(第1時短遊技状態または第2時短遊技状態)であるときには、第2副図柄のみを変動表示させる図柄演出パターンを決定し、変動時間短縮状態(第3時短遊技状態または第4時短遊技状態)であるときには、特別図柄の変動パターンに基づいて第2主図柄と第2副図柄とを変動表示させる図柄演出パターンを決定する。このため、通常遊技状態または特電入賞容易状態であるときには、表示装置7において第1特別図柄に対応した第1主図柄の変動表示が行われないものの、時短遊技状態であるときには、表示装置7において第1特別図柄に対応した第1主図柄の変動表示が行われることになる。なお、遊技状態にかかわらず、表示装置7において第2特別図柄に対応した第2副図柄の変動表示は行われることになる。
具体的には、本実施形態の第2装飾図柄演出パターン決定処理では、通常遊技状態または特電入賞容易状態であるときには、図251の特別図柄の変動パターンテーブルT1、図252(a)の特別図柄の変動パターンテーブルJ1に示したように、第2特別図柄の変動パターンに基づいて、第2装飾図柄に関わる演出として、「小図柄超ロング変動」、「小図柄ロング変動」を実行させる図柄演出パターンを決定する。また、変動時間短縮状態であるときには、図252(b)の特別図柄の変動パターンテーブルJ2、図252(c)の特別図柄の変動パターンテーブルJ3に示したように、第2特別図柄の変動パターンに基づいて、第2装飾図柄に関わる演出として、「図柄演出」、「即当り演出」、「バトル演出」、「ラストチャンス演出」を実行させる図柄演出パターンを決定する。
ステップS7933-20において、サブCPU301は、ワークRAM303に格納されたコマンドが「普通図柄演出停止コマンド」であるか否かを判定する。
サブCPU301は、「普通図柄演出停止コマンド」であると判定した場合には、処理をステップS7933-21に移し、「普通図柄演出停止コマンド」でないと判定した場合には、処理をステップS7933-30に移す。
ステップS7933-21において、サブCPU301は、普通図柄に対応した第3副図柄を決定する第3装飾図柄決定処理を行う。
この第3装飾図柄決定処理では、サブCPU301は、普通図柄演出開始コマンドに含まれた遊技状態の情報を参照し、普通図柄演出開始コマンドに含まれた普通図柄の停止図柄の情報に基づいて、第3副図柄を決定する。この処理を終了すると、サブCPU301は、処理をステップS7933-22に移す。
ステップS7933-22において、サブCPU301は、第3副図柄の変動表示時間を決定する第3装飾図柄演出時間決定処理を行う。
この第3装飾図柄演出時間決定処理では、サブCPU301は、普通図柄演出開始コマンドに含まれた普通図柄の変動パターンに基づいて、第3副図柄の変動表示時間を決定する。なお、図示は省略するが、サブ制御回路300のプログラムROM302等には、メインROM202に記憶された普通図柄の変動パターンテーブルに対応する情報が記憶されている。この処理を終了すると、サブCPU301は、処理をステップS7933-23に移す。
ステップS7933-23において、サブCPU301は、第3副図柄に関わる演出を実行させる第3装飾図柄演出パターン決定処理を行う。
この第3装飾図柄演出パターン決定処理では、サブCPU301は、普通図柄演出開始コマンドに含まれた遊技状態の情報を参照し、普通図柄演出開始コマンドに含まれた普通図柄の変動パターンに基づいて、第3副図柄の図柄演出パターンを決定する。この処理を終了すると、サブCPU301は今回のサブ抽選処理を終了する。
特に、本実施形態の第3装飾図柄演出パターン決定処理では、サブCPU301は、通常遊技状態または変動時間短縮状態(第3時短遊技状態または第4時短遊技状態)である場合には、普通図柄の変動パターンに基づいて、第3副図柄のみを変動表示させる図柄演出パターンを決定する。また、特電入賞容易状態(第1時短遊技状態または第2時短遊技状態)である場合に、普通図柄ハズレの普通図柄の変動パターンであるときには、第3副図柄のみを変動表示させる第3副図柄の図柄演出パターンを決定し、普通図柄当りの普通図柄の変動パターンであるときに、第3副図柄の変動表示と所定演出を実行させる第3副図柄の図柄演出パターンを決定する。このため、遊技状態または変動時間短縮状態である場合には、所定演出が行われず、特電入賞容易状態である場合に、普通図柄当りであると所定演出を行うことが可能となる。
さらに、本実施形態の第3装飾図柄演出パターン決定処理では、図256の普通図柄の変動パターンテーブルに示したように、特電入賞容易状態として、第1時短遊技状態である場合に普通図柄当りの普通図柄の変動パターンであるときには、第1所定演出を実行させる第3副図柄の図柄演出パターンを決定し、第2時短遊技状態である場合に普通図柄当りの普通図柄の変動パターンであるときには、第2所定演出を実行させる第3副図柄の図柄演出パターンを決定する。このため、特電入賞容易状態における第1時短遊技状態であるときと第2時短遊技状態であるときとで、第3副図柄に関わる所定演出として異なる演出を行うことが可能となる。
ステップS7933-30において、サブCPU301は、ワークRAM303に格納されたコマンドが「特電作動口の開放パターンコマンド」であるか否かを判定する。
サブCPU301は、「特電作動口の開放パターンコマンド」であると判定した場合には、処理をステップS7933-31に移し、「特電作動口の開放パターンコマンド」でないと判定した場合には、処理をステップS7933-40に移す。
ステップS7933-31において、サブCPU301は、特電作動口の開放に関わる演出を実行させる開放演出パターン決定処理を行う。
この開放演出パターン決定処理では、サブCPU301は、特電作動口の開放パターンコマンドに含まれた遊技状態の情報を参照し、特電作動口の開放パターンコマンドに含まれた特電作動口の開放パターンに基づいて、開放演出パターンを決定する。この処理を終了すると、サブCPU301は今回のサブ抽選処理を終了する。
特に、本実施形態の開放演出パターン決定処理では、サブCPU301は、通常遊技状態または変動時間短縮状態(第3時短遊技状態または第4時短遊技状態)である場合には、特電作動口の開放パターンを決定せず、特電入賞容易状態(第1時短遊技状態または第2時短遊技状態)で場合に、特電作動口の開放パターンがロング開放状態であるときに、特電作動口の開放パターンが決定可能となる。このため、遊技状態または変動時間短縮状態である場合には、特電作動口の開放に関わる演出が行われず、特電入賞容易状態である場合に、特電作動口7142がロング開放状態であるときに、特電作動口の開放に関わる演出が行われることになる。また、特電入賞容易状態である場合であっても、特電作動口7142がショート開放状態であるときには、特電作動口の開放に関わる演出が行われないことになる。
ステップS7933-40において、サブCPU301は、ワークRAM303に格納されたコマンドが「大当り開始表示コマンド」であるか否かを判定する。
サブCPU301は、「大当り開始表示コマンド」であると判定した場合には、処理をステップS7933-41に移し、「大当り開始表示コマンド」でないと判定した場合には、処理をステップS7933-50に移す。
ステップS7933-41において、サブCPU301は、大当り開始表示コマンドに含まれた制御対象特図情報が特別図柄でないか否かを判定する。すなわち、特電作動口7142に遊技球が入球したことを契機とした第2のルートからの大当り遊技状態の開始であるか否かを判定する。
サブCPU301は、制御対象特図情報が特別図柄でない(第2のルートからの大当り遊技状態の開始)と判定した場合には、処理をステップS7933-42に移し、制御対象特図情報が特別図柄である(第1のルートからの大当り遊技状態の開始)と判定した場合には、処理をステップS7933-43に移す。
ステップS7933-42において、サブCPU301は、前回の大当り演出パターンの継続処理を行う。この大当り演出パターンの継続処理では、新たに大当り演出パターンを決定せずに、既に決定されている大当り演出パターンを継続させる処理を行う。なお、後述するように、第2のルートから大当り遊技状態が開始されたときには、既に第1の大当り演出パターン、第2の大当り演出パターン、第5の大当り演出パターン及び第6の大当り演出パターンのいずれかの大当り演出パターンが決定されているので、決定済みの大当り演出パターンを継続することになる。この処理を終了すると、サブCPU301は今回のサブ抽選処理を終了する。
ステップS7933-43において、サブCPU301は、大当り開始表示コマンドに含まれた特別図柄の停止図柄の情報から、第1時短遊技状態に移行する特別図柄であるか否かを判定する。具体的には、大当り開始表示コマンドに含まれた特別図柄の停止図柄の情報等に基づいて、大当り遊技状態の終了後に移行する移行先の遊技状態を解析し、解析した移行先の遊技状態が第1時短遊技状態に移行するか否かを判定する。
サブCPU301は、第1時短遊技状態に移行する特別図柄であると判定した場合には、処理をステップS7933-44に移し、第1時短遊技状態に移行する特別図柄でないと判定した場合には、処理をステップS7933-45に移す。
ステップS7933-44において、サブCPU301は、第1の大当り演出を実行させる第1の大当り演出演出パターンを決定する。この処理を終了すると、サブCPU301は今回のサブ抽選処理を終了する。
ステップS7933-45において、サブCPU301は、大当り開始表示コマンドに含まれた特別図柄の停止図柄の情報から、第2時短遊技状態に移行する特別図柄であるか否かを判定する。具体的には、大当り開始表示コマンドに含まれた特別図柄の停止図柄の情報等に基づいて、大当り遊技状態の終了後に移行する移行先の遊技状態を解析し、解析した移行先の遊技状態が第2時短遊技状態に移行するか否かを判定する。
サブCPU301は、第2時短遊技状態に移行する特別図柄であると判定した場合には、処理をステップS7933-46に移し、第2時短遊技状態に移行する特別図柄でないと判定した場合には、処理をステップS7933-47に移す。
ステップS7933-46において、サブCPU301は、第2の大当り演出を実行させる第2の大当り演出演出パターンを決定する。この処理を終了すると、サブCPU301は今回のサブ抽選処理を終了する。
ステップS7933-47において、サブCPU301は、大当り開始表示コマンドに含まれた特別図柄の停止図柄の情報から、第3時短遊技状態に移行する特別図柄であるか否かを判定する。具体的には、大当り開始表示コマンドに含まれた特別図柄の停止図柄の情報等に基づいて、大当り遊技状態の終了後に移行する移行先の遊技状態を解析し、解析した移行先の遊技状態が第3時短遊技状態に移行するか否かを判定する。
サブCPU301は、第3時短遊技状態に移行する特別図柄であると判定した場合には、処理をステップS7933-48に移し、第3時短遊技状態に移行する特別図柄でない(通常遊技状態に移行する特別図柄である)と判定した場合には、処理をステップS7933-49に移す。
ステップS7933-48において、サブCPU301は、第3の大当り演出を実行させる第3の大当り演出演出パターンを決定する。この処理を終了すると、サブCPU301は今回のサブ抽選処理を終了する。
ステップS7933-49において、サブCPU301は、第4の大当り演出を実行させる第4の大当り演出演出パターンを決定する。この処理を終了すると、サブCPU301は今回のサブ抽選処理を終了する。
ステップS7933-50において、サブCPU301は、ワークRAM303に格納されたコマンドが「特別図柄遊技終了コマンド」であるか否かを判定する。
サブCPU301は、「特別図柄遊技終了コマンド」であると判定した場合には、処理をステップS7933-51に移し、「特別図柄遊技終了コマンド」でないと判定した場合には、処理をステップS7933-60に移す。
ステップS7933-51において、サブCPU301は、特別図柄遊技終了コマンドに含まれた特別図柄の停止図柄の情報が、時短当りのときの特別図柄の停止図柄であるか否かを判定する。
サブCPU301は、時短当りのときの特別図柄の停止図柄であると判定した場合には、処理をステップS7933-52に移し、時短当りのときの特別図柄の停止図柄でないと判定した場合には、今回のサブ抽選処理を終了する。
ステップS7933-52において、サブCPU301は、特別図柄遊技終了コマンドに含まれた遊技状態の情報により第1時短遊技状態に移行したか否かを判定する。
サブCPU301は、第1時短遊技状態に移行したと判定した場合には、処理をステップS7933-53に移し、第1時短遊技状態に移行していないと判定した場合には、処理をステップS7933-54に移す。
ステップS7933-53において、サブCPU301は、第5の大当り演出を実行させる第5の大当り演出演出パターンを決定する。この処理を終了すると、サブCPU301は今回のサブ抽選処理を終了する。
ステップS7933-54において、サブCPU301は、特別図柄遊技終了コマンドに含まれた遊技状態の情報により第2時短遊技状態に移行したか否かを判定する。
サブCPU301は、第2時短遊技状態に移行したと判定した場合には、処理をステップS7933-55に移し、第2時短遊技状態に移行していないと判定した場合には、処理をステップS7933-56に移す。
ステップS7933-54において、サブCPU301は、第6の大当り演出を実行させる第6の大当り演出演出パターンを決定する。この処理を終了すると、サブCPU301は今回のサブ抽選処理を終了する。
ステップS7933-56において、サブCPU301は、特別図柄遊技終了コマンドに含まれた遊技状態の情報により第4時短遊技状態に移行したか否かを判定する。
サブCPU301は、第4時短遊技状態に移行したと判定した場合には、処理をステップS7933-57に移し、第4時短遊技状態に移行していないと判定した場合には、今回のサブ抽選処理を終了する。
ステップS7933-57において、サブCPU301は、RUSH終了演出を実行させるRUSH終了演出パターンを決定する。この処理を終了すると、サブCPU301は今回のサブ抽選処理を終了する。
ステップS7933-60において、サブCPU301は、ワークRAM303に格納されたコマンドが「大当り終了表示コマンド」であるか否かを判定する。
サブCPU301は、「大当り終了表示コマンド」であると判定した場合には、処理をステップS7933-61に移し、「大当り終了表示コマンド」でないと判定した場合には、処理をステップS7933-99に移す。
ステップS7933-61において、サブCPU301は、大当り終了表示コマンドに含まれた特別図柄の停止図柄の情報から、通常遊技状態または第3時短遊技状態に移行する特別図柄であるか否かを判定する。具体的には、大当り終了表示コマンドに含まれた特別図柄の停止図柄の情報等に基づいて、大当り遊技状態の終了後に移行する移行先の遊技状態を解析し、解析した移行先の遊技状態が通常遊技状態または第3時短遊技状態に移行するか否かを判定する。
サブCPU301は、通常遊技状態または第3時短遊技状態に移行する特別図柄であると判定した場合には、処理をステップS7933-62に移し、通常遊技状態または第3時短遊技状態に移行する特別図柄でないと判定した場合には、今回のサブ抽選処理を終了する。
ステップS7933-62において、サブCPU301は、大当り演出パターンの継続終了処理を行う。この大当り演出パターンの継続終了処理では、既に決定されている大当り演出パターンをクリアして、複数の遊技状態に亘って継続して実行されている大当り演出や1回の大当り遊技状態において実行されている大当り演出を終了させる処理を行う。この処理を終了すると、サブCPU301は今回のサブ抽選処理を終了する。
ステップS7933-99において、サブCPU301は、その他、ワークRAM303に格納されたコマンドに応じて演出情報を生成し、生成した演出情報をワークRAM303に設定する。の処理を終了すると、サブCPU301は今回のサブ抽選処理を終了する。
[7-10.遊技状態の移行図]
以上のような主制御回路200のメインCPU201により実行される各種処理により、移行される遊技状態について、遊技状態の移行図を用いて説明する。図292は、第7のパチンコ遊技機における遊技状態の移行を示す遊技状態移行図の一例である。
上述したように第7のパチンコ遊技機においては、大当り遊技状態として、特別図柄の抽選により大当りと判定されたことを契機とした第1のルートからの大当り遊技状態(以下「第1のルートの大当り遊技状態」ともいう)と、特電作動口7142への遊技球の入球を契機とした第2のルートからの大当り遊技状態(以下「第2のルートの大当り遊技状態」ともいう)とを備えている。
また、上述したように特別図柄の可変表示が実行可能な遊技状態としては、通常遊技状態(遊技状態情報=0)、第1時短遊技状態(時短情報=1)、第2時短遊技状態(時短情報=2)、第3時短遊技状態(時短情報=3)及び第4時短遊技状態(時短情報=4)を備えている。また、時短移行条件(時短発生条件)の観点から区別される時短遊技状態として、大当り遊技状態の終了後に移行する時短遊技状態をA時短遊技状態(遊技状態情報=1)ともいい、時短当りを契機として特別図柄の可変表示の終了後に移行する時短遊技状態をC時短遊技状態(遊技状態情報=2)ともいう。
上述したように通常遊技状態は、左打ちが正規な遊技態様とされる遊技状態であり、第1始動口7120に遊技球が入球することが容易な遊技状態である。そして、通常遊技状態においては、第1特別図柄の変動表示時間が時短遊技状態(第1時短遊技状態~第4時短遊技状態)のときよりも短く設定されている。
このため、通常遊技状態は、第1特別図柄の抽選結果による遊技状態の移行が可能な状態である。
なお、通常遊技状態においてイレギュラーな遊技態様(右打ち)を行うことにより、第2始動口7140に遊技球が入球しても、第2特別図柄の変動表示時間が極めて長く設定されており、単位時間あたりに特別図柄の抽選結果を受ける機会を減少させている。さらに、通常遊技状態においてイレギュラーな遊技態様(右打ち)を行うことにより、通過ゲート7126に遊技球が通過したとしても、普通図柄の変動表示時間が極めて長く設定されるとともに、特電作動口7142がショート開放状態にしかならないので、特電作動口7142に遊技球が入球することは困難となっている。
上述したように第1時短遊技状態及び第2時短遊技状態は、右打ちが正規な遊技態様とされる遊技状態であり、通過ゲート7126、第2始動口7140に遊技球が通過・入球することが容易な遊技状態である。そして、第1時短遊技状態及び第2時短遊技状態においては、普通図柄の変動表示時間が短く設定されているとともに、特電作動口7142がロング開放状態になりやすく設定されている。
このため、第1時短遊技状態及び第2時短遊技状態は、特電作動口7142への遊技球の入球が可能または容易な特電入賞容易状態となっている。
本実施形態では、普通図柄の抽選が約1/1で普通図柄当りと判定されることから、第1時短遊技状態及び第2時短遊技状態において、通過ゲート7126に遊技球が通過すると、普通図柄の変動表示がすぐさま停止表示され、特電作動口7142がロング開放状態となり、特電作動口7142への遊技球の入球が可能となる。
さらに第1時短遊技状態及び第2時短遊技状態においては、第2特別図柄の変動表示時間が普通図柄の変動表示時間よりも極めて長く設定されている。
このため、第1時短遊技状態及び第2時短遊技状態は、第2特別図柄の抽選結果による遊技状態の移行よりも、普通図柄の抽選結果による特電作動口7142のロング開放状態が優先して行われることになる。
また、第1時短遊技状態と第2時短遊技状態との相違は、時短終了条件(V入賞口入賞時または特電作動口入賞時)の相違であり、第1時短遊技状態においては時短終了条件としてV入賞口入賞時の終了条件が設定され、第2時短遊技状態においては時短終了条件として特電作動口入賞時の終了条件が設定される。ただし、いずれの時短終了条件も、第2のルートの大当り遊技状態への移行が実質的に保障された条件となっている。
このため、第1時短遊技状態または第2時短遊技状態に移行したときには、その後に大当り遊技状態に移行することになる。
上述したように第3時短遊技状態及び第4時短遊技状態は、右打ちが正規な遊技態様とされる遊技状態であり、通過ゲート7126、第2始動口7140に遊技球が通過・入球することが容易な遊技状態である。そして、第3時短遊技状態及び第4時短遊技状態は、第2特別図柄の変動表示時間が通常遊技状態及び特電入賞容易状態よりも短く設定されているとともに、特電作動口7142がシュート開放状態になりやすく設定されている。
このため、第3時短遊技状態及び第4時短遊技状態は、特電作動口7142への遊技球の入球が困難な状態であるとともに、第2特別図柄の変動表示時間が短縮し、第2特別図柄の抽選結果による遊技状態の移行が可能な変動時間短縮状態となっている。
さらに第3時短遊技状態及び第4時短遊技状態においては、第2特別図柄の変動表示時間が普通図柄の変動表示時間よりも短く設定されている。
このため、第3時短遊技状態及び第4時短遊技状態は、普通図柄の抽選結果による特電作動口7142の開閉状態(ショート開放状態)の変化よりも、第2特別図柄の抽選結果による遊技状態の移行が優先して行われることになる。
また、第3時短遊技状態と第4時短遊技状態との相違は、時短終了条件(V入賞口入賞時または第2特別図柄の変動回数)の相違であり、第3時短遊技状態においては時短終了条件としてV入賞口入賞時の終了条件が設定され、第4時短遊技状態においては時短終了条件として第2特別図柄の可変表示回数(第2特別図柄の4回転)の終了条件が設定される。
このため、第3時短遊技状態に移行したときには、第2特別図柄の抽選結果(大当り・時短当り)により遊技状態が移行されるまで当該第3時短遊技状態が継続し、第4時短遊技状態に移行したときには、その後に通常遊技状態に移行しやすくなる。
特に本実施形態においては、第4時短遊技状態の時短終了条件は、第2特別図柄の最大保留個数に対応した第2特別図柄の可変表示回数(第2特別図柄4回転)が設定されている。
このため、第4時短遊技状態に移行した場合に、既に第2特別図柄の保留個数が最大個数であるときには、新たに遊技球を発射することなく、時短終了条件が成立するまでの第4時短遊技状態からの移行結果を享受することができる。なお、第4時短遊技状態の時短終了条件は、第2特別図柄の最大保留個数に対応した第2特別図柄の可変表示回数に限られず、第2特別図柄の最大保留個数未満または第2特別図柄の最大保留個数よりも多い第2特別図柄の可変表示回数であってもよい。
(通常遊技状態からの移行)
図292に示すように、通常遊技状態において、第1始動口7120に遊技球が入球すると、第1特別図柄の始動情報に基づいて大当りまたはハズレが判定される(図248参照)。また、通常遊技状態においては、第1特別図柄の始動情報に基づいて、通常変動演出、ノーマルリーチ演出またはスーパーリーチ演出が行われることになる。
そして、大当りが判定されると、ノーマルリーチ演出またはスーパーリーチ演出が行われ、特別図柄の停止図柄に応じて、第1の大当り遊技状態~第4の大当り遊技状態のいずれかの第1のルートの大当り遊技状態に移行する(図249参照)。
(通常遊技状態から第1の大当り遊技状態の終了後)
通常遊技状態において大当りが判定されたことにより移行した第1の大当り遊技状態が終了すると、遊技状態が第1時短遊技状態に移行する(図250参照)。
そして、第1時短遊技状態において、通過ゲート7126に遊技球が通過すると、特電作動口7142がすぐさまロング開放状態となり、特電作動口7142への遊技球の入球を契機とした第2のルートの大当り遊技状態(2回目の大当り遊技状態)に移行する。
第1時短遊技状態から移行した第2のルートの大当り遊技状態が終了すると、遊技状態が第2時短遊技状態に移行する(図250参照)。
そして、第2時短遊技状態において、通過ゲート7126に遊技球が通過すると、特電作動口7142がすぐさまロング開放状態となり、特電作動口7142への遊技球の入球を契機とした第2のルートの大当り遊技状態(3回目の大当り遊技状態)に移行する。
第2時短遊技状態(時短終了条件から実際は通常遊技状態)から移行した第2のルートの大当り遊技状態が終了すると、遊技状態が第3時短遊技状態に移行する(図250参照)。
このように、本実施形態では、通常遊技状態において第1の大当り遊技状態が開始されると、合計3回の大当り遊技状態が短期間で連続して行われることになる。そして、本実施形態では、第1の大当り遊技状態が開始されると、合計3回の大当り遊技状態に亘って、第1の大当り演出(例えば4500BONUS演出)が行われることになる。
(通常遊技状態から第2の大当り遊技状態の終了後)
通常遊技状態において大当りが判定されたことにより移行した第2の大当り遊技状態が終了すると、遊技状態が第2時短遊技状態に移行する(図250参照)。
そして、第2時短遊技状態において、通過ゲート7126に遊技球が通過すると、特電作動口7142がすぐさまロング開放状態となり、特電作動口7142への遊技球の入球を契機とした第2のルートの大当り遊技状態(2回目の大当り遊技状態)に移行する。
第2時短遊技状態(時短終了条件から実際は通常遊技状態)から移行した第2のルートの大当り遊技状態が終了すると、遊技状態が第3時短遊技状態に移行する(図250参照)。
このように、本実施形態では、通常遊技状態において第2の大当り遊技状態が開始されると、合計2回の大当り遊技状態が短期間で連続して行われることになる。そして、本実施形態では、第2の大当り遊技状態が開始されると、合計2回の大当り遊技状態に亘って、第2の大当り演出(例えば3000BONUS演出)が行われることになる。
(通常遊技状態から第3の大当り遊技状態の終了後)
通常遊技状態において大当りが判定されたことにより移行した第3の大当り遊技状態が終了すると、遊技状態が第3時短遊技状態に移行する(図250参照)。
このように、本実施形態では、通常遊技状態において第3の大当り遊技状態が開始されると、1回の大当り遊技状態が行われた後、第3時短遊技状態に移行することになる。そして、本実施形態では、第3の大当り遊技状態においては、第3の大当り演出(例えば1500BONUS演出)が行われることになる。
(通常遊技状態から第4の大当り遊技状態の終了後)
通常遊技状態において大当りが判定されたことにより移行した第4の大当り遊技状態が終了すると、遊技状態が通常遊技状態に移行する(図250参照)。
このように、本実施形態では、通常遊技状態において第4の大当り遊技状態が開始されると、1回の大当り遊技状態が行われた後、通常遊技状態に移行することになる。そして、本実施形態では、第4の大当り遊技状態においては、第4の大当り演出(例えば1500BONUS演出)が行われることになる。
(第3時短遊技状態からの移行)
図292に示すように、第3時短遊技状態において、第2始動口7140に遊技球が入球すると、第2特別図柄の始動情報に基づいて大当り、時短当りまたはハズレが判定される(図248参照)。第3時短遊技状態において、大当りが判定されると第1の大当り遊技状態に移行し、時短当りが判定されると時短遊技状態に移行することになる。
また、第3時短遊技状態においては、第2特別図柄の始動情報に基づいて、図柄演出、即当り演出、バトル演出が行われることになる。
そして、大当りが判定されると、図柄演出または即当り演出が行われ、第1の大当り遊技状態に移行する。
また、時短当りが判定されると、バトル演出が行われ、特別図柄の停止図柄に応じて、第1時短遊技状態、第2時短遊技状態または第4時短遊技状態のいずれかの時短遊技状態に移行することになる(図250参照)。
(第3時短遊技状態から第1の大当り遊技状態の終了後)
第3時短遊技状態から第1の大当り遊技状態の終了後は、通常遊技状態から第1の大当り遊技状態の終了後と同様に、第1時短遊技状態、第2のルートの大当り遊技状態(2回目の大当り遊技状態)、第2時短遊技状態、第2のルートの大当り遊技状態(3回目の大当り遊技状態)、第3時短遊技状態の順に遊技状態が移行する(図250参照)。
このように、本実施形態では、第3時短遊技状態において第1の大当り遊技状態が開始されると、合計3回の大当り遊技状態が短期間で連続して行われることになる。そして、本実施形態では、第1の大当り遊技状態が開始されると、合計3回の大当り遊技状態に亘って、第1の大当り演出(例えば4500BONUS演出)が行われることになる。
(第3時短遊技状態から時短当りの第1時短遊技状態の移行後)
時短当りにより第1時短遊技状態に移行した場合には、その第1時短遊技状態において、通過ゲート7126に遊技球が通過すると、特電作動口7142がすぐさまロング開放状態となり、特電作動口7142への遊技球の入球を契機とした第2のルートの大当り遊技状態(1回目の大当り遊技状態)に移行する。
また、本実施形態では、時短当りにより移行した時短遊技状態、すなわち、C時短遊技状態においては時短当りからの遊技状態の移行ができない(いわゆる時短当りによる時短が作動しない)ように構成されている(図264のステップS7173参照)。このため、時短当りにより第1時短遊技状態に移行した場合には、その第1時短遊技状態において、時短当りにより現在の第1時短遊技状態よりも不利な第2時短遊技状態または第3時短遊技状態に移行することなく(いわゆる成り下がることなく)、第2のルートの大当り遊技状態への移行を保証している。
第1時短遊技状態から移行した第2のルートの大当り遊技状態が終了すると、遊技状態が第2時短遊技状態に移行する(図250参照)。
そして、第2時短遊技状態において、通過ゲート7126に遊技球が通過すると、特電作動口7142がすぐさまロング開放状態となり、特電作動口7142への遊技球の入球を契機とした第2のルートの大当り遊技状態(2回目の大当り遊技状態)に移行する。
第2時短遊技状態(時短終了条件から実際は通常遊技状態)から移行した第2のルートの大当り遊技状態が終了すると、遊技状態が第3時短遊技状態に移行する(図250参照)。
このように、本実施形態では、第3時短遊技状態において時短当りにより第1時短遊技状態に移行した場合には、合計2回の大当り遊技状態が短期間で連続して行われることになる。そして、本実施形態では、時短当りにより第1時短遊技状態に移行すると、合計2回の大当り遊技状態に亘って、第5の大当り演出(例えば3000BONUS演出)が行われることになる。
(第3時短遊技状態から時短当りの第2時短遊技状態の移行後)
時短当りにより第2時短遊技状態に移行した場合には、その第2時短遊技状態において、通過ゲート7126に遊技球が通過すると、特電作動口7142がすぐさまロング開放状態となり、特電作動口7142への遊技球の入球を契機とした第2のルートの大当り遊技状態(1回目の大当り遊技状態)に移行する。
また、上述したように、C時短遊技状態においては時短当りからの遊技状態の移行ができないように構成されているので、時短当りにより第2時短遊技状態に移行した場合には、その第2時短遊技状態において、時短当りにより現在の第2時短遊技状態よりも不利な第3時短遊技状態に移行することなく、第2のルートの大当り遊技状態への移行を保証している。
第2時短遊技状態(時短終了条件から実際は通常遊技状態)から移行した第2のルートの大当り遊技状態が終了すると、遊技状態が第3時短遊技状態に移行する(図250参照)。
このように、本実施形態では、第3時短遊技状態において時短当りにより第2時短遊技状態に移行した場合には、1回の大当り遊技状態が行われた後、第3時短遊技状態に移行することになる。そして、本実施形態では、時短当りにより第2時短遊技状態に移行すると、第2のルートの大当り遊技状態が終了するまで、第6の大当り演出(例えば1500BONUS演出)が行われることになる。
(第3時短遊技状態から時短当りの第4時短遊技状態の移行後)
時短当りにより第4時短遊技状態に移行した場合には、第2特別図柄の始動情報に基づいて大当りまたはハズレが判定され、大当りが判定されると第1特別図柄の始動情報(通常遊技状態)よりも高い確率(100%)で第1の大当り遊技状態に移行する。
なお、上述したように、C時短遊技状態においては時短当りからの遊技状態の移行ができないように構成されているので、第4時短遊技状態においては時短当りにより遊技状態に移行することはない。
また、第4時短遊技状態は、通常遊技状態に移行しやすい時短終了条件(第2特別図柄の可変表示回数)が設定されており、第2特別図柄の始動情報に基づいて所定回数の第2特別図柄の可変表示が行われると、通常遊技状態に移行する。
このように、本実施形態では、第3時短遊技状態において時短当りにより第4時短遊技状態に移行した場合には、通常遊技状態に移行しやすくなる。そして、本実施形態では、時短当りにより第4時短遊技状態に移行すると、RUSH終了演出が行われ、第2特別図柄の始動情報に基づいてラストチャンス演出が行われることになる。
[7-11.演出内容]
以上の主制御回路200及びサブ制御回路300等の制御により実行される演出内容について、表示装置7の表示画面を用いて説明する。
まず、図293を参照して、表示装置7の表示画像の基本構成について説明する。図293は、第7のパチンコ遊技機における表示装置の表示画面の基本構成の説明図の一例である。図293(a)は、通常遊技状態における表示画面の基本構成であり、図293(b)は、特電入賞容易状態(第1時短遊技状態または第2時短遊技状態)における表示画面の基本構成であり、図293(c)は、変動時間短縮状態(第3時短遊技状態または第4時短遊技状態)における表示画面の基本構成である。
上述したように、装飾図柄としては、遊技者が認識し易く大きく表示される主図柄と、遊技者が認識し難く小さく表示される副図柄との種別が設けられている。
(通常遊技状態における表示画面の基本構成)
図293(a)に示すように、通常遊技状態においては、表示装置7の表示画面の中央側に、第1特別図柄に対応した第1装飾図柄の第1主図柄としての左図柄7071L、中図柄7071C、右図柄7071Rが表示可能に構成されている。
また、表示装置7の表示画面の右隅には、第1特別図柄に対応した第1装飾図柄の第1副図柄7072、第2特別図柄に対応した第2装飾図柄の第2副図柄7073、普通図柄に対応した第3副図柄7075が小さく表示可能に構成されている。
本実施形態においては、通常遊技状態のときに第1特別図柄の可変表示が行われる場合には、左図柄7071L、中図柄7071C及び右図柄7071Rの第1主図柄の可変表示に加え、第1副図柄7072の可変表示も行われることになる。
また、通常遊技状態のときに第2特別図柄の可変表示が行われる場合には、第2副図柄7073のみの可変表示が行われ、第2特別図柄に対応した装飾図柄の第2主図柄は表示されないことになる。また、通常遊技状態のときに普通図柄の可変表示が行われる場合には、第3副図柄7075のみの可変表示が行われ、普通図柄に対応した装飾図柄の主図柄は表示されないことになる。
(特電入賞容易状態における表示画面の基本構成)
図293(b)に示すように、特電入賞容易状態においては、表示装置7の表示画面には、第1特別図柄及び第2特別図柄に対応したいずれの主図柄も表示されず、表示装置7の表示画面の右隅に、第1特別図柄に対応した第1副図柄7072、第2特別図柄に対応した第2副図柄7073、普通図柄に対応した第3副図柄7075が小さく表示可能に構成されている。
また、表示装置7の表示画面には、大当り演出に対応したキャラクタ画像7078、時短遊技状態の正規な遊技態様として右打ちを指示する右打ち指示画像7079が表示可能に構成されている。
本実施形態においては、特電入賞容易状態のときに普通図柄の抽選により普通図柄当りと判定され、かつ特電作動口7142がロング開放状態となる普通図柄の可変表示が行われる場合には、第3副図柄7075の可変表示に加え、所定演出として、特電作動口7142への入球を指示する所定指示画像7077が表示可能に構成されている。
ここで、普通図柄に対応した第3副図柄7075は、普通図柄の抽選により普通図柄当りと判定され、かつ特電作動口7142がロング開放状態となる場合には、特別の普通図柄(例えば「〇」)が停止表示される。また、普通図柄の抽選により普通図柄ハズレと判定された場合、または普通図柄の抽選により普通図柄当りと判定され、かつ特電作動口7142がショート開放状態となる場合には、通常の普通図柄(例えば「×」)が停止表示される。なお、普通図柄の抽選により普通図柄当りと判定され、かつ特電作動口7142がロング開放状態となる場合には、特別の普通図柄(例えば「〇」)が停止表示され、普通図柄の抽選により普通図柄当りと判定され、かつ特電作動口7142がショート開放状態となる場合には、特定の普通図柄(例えば「-」)が停止表示され、普通図柄の抽選により普通図柄ハズレと判定された場合には、通常の普通図柄(例えば「×」)が停止表示されるように構成してもよい。
なお、特電入賞容易状態のときに普通図柄の抽選により普通図柄ハズレの普通図柄の可変表示や、普通図柄の抽選により普通図柄当りと判定され、かつ特電作動口7142がショート開放状態となる普通図柄の可変表示が行われる場合には、特定指示画像7077は表示されず、第3副図柄7075のみの可変表示が行われることになる。
また、特電入賞容易状態のときに第1特別図柄の可変表示が行われる場合には、第1副図柄7072のみの可変表示が行われ、第2特別図柄の可変表示が行われる場合には、第2副図柄7073のみの可変表示が行われることになる。
(変動時間短縮状態における表示画面の基本構成)
図293(c)に示すように、変動時間短縮状態においては、表示装置7の表示画面の中央側に、第2特別図柄に対応した第2装飾図柄の第2主図柄としての左図柄7074L、中図柄7074C、右図柄7074Rが表示可能に構成されている。
また、表示装置7の表示画面の右隅には、通常遊技状態及び特電入賞容易状態であるときと同様に、第1特別図柄に対応した第1副図柄7072、第2特別図柄に対応した第2副図柄7073、普通図柄に対応した第3副図柄7075が小さく表示可能に構成されている。
さらに、表示装置7の表示画面の右上には、正規な遊技態様として右打ちを指示する右打ち指示画像7079が表示可能に構成されている。
本実施形態においては、変動時間短縮状態のときに第2特別図柄の可変表示が行われる場合には、左図柄7074L、中図柄7074C及び右図柄7074Rの第2主図柄の可変表示に加え、第2副図柄7073の可変表示も行われることになる。
また、変動時間短縮状態のときに第1特別図柄の可変表示が行われる場合には、第1副図柄7072のみの可変表示が行われ、第1特別図柄に対応した装飾図柄の第1主図柄は表示されないことになる。また、変動時間短縮状態のときに普通図柄の可変表示が行われる場合には、第3副図柄7075のみの可変表示が行われ、普通図柄に対応した装飾図柄の主図柄は表示されないことになる。
このように、通常遊技状態のときには、第1特別図柄の抽選により第1ルートの大当り遊技状態を目指す第1のゲーム性を認識しやすいように、装飾図柄の主図柄が第1特別図柄に対応しており、変動時間短縮状態のときには、第2特別図柄の抽選結果による遊技状態の移行を目指す第2のゲーム性を認識しやすいように、装飾図柄の主図柄が第2特別図柄に対応している。
また、特電入賞容易状態のときには、特電作動口7142に遊技球を入球させて第2ルートの大当り遊技状態を目指す第3のゲーム性を認識しやすいように、第1特別図柄、第2特別図柄及び普通図柄の主図柄を表示させないように構成されている。そして、特電入賞容易状態のときには、普通図柄当りの普通図柄の可変表示が行われる場合、すなわち、特電作動口7142がロング開放状態になる場合には、所定演出として、特電作動口7142への入球を指示する特定指示画像7077が表示可能に構成されている。このため、特電入賞容易状態のときには、特電作動口7142が開放したときにすぐさま遊技球を特電作動口7142に入球させることができ、特電作動口7142に遊技球を入球させることができず、第2ルートの大当り遊技状態を獲得できなかったという損失の防止を図ることができる。
(大当り演出)
次に、図294及び図295を参照して、大当り遊技状態と、特電入賞容易状態(第1時短遊技状態または第2時短遊技状態)とに亘って行われる大当り演出について説明する。図294は、第7のパチンコ遊技機における第1の大当り演出を説明する表示画面の一例であり、図295は、第7のパチンコ遊技機における第5の大当り演出を説明する表示画面の一例である。
なお、大当り演出においては、図293において説明した第1副図柄7072、第2副図柄7073、第3副図柄7075及び右打ち指示画像7079は、小さく表示されるため符号の図示は省略する。このことは、後述する図柄演出及びバトル演出についても同様である。
また、普通図柄に対応した第3副図柄7075は、大当り遊技状態と特電入賞容易状態とにおいて表示可能に構成されているが、特別図柄に対応した第1副図柄7072及び第2副図柄7073は、特電入賞容易状態においては表示可能に構成されているが、大当り遊技状態においては非表示に構成されている。
(第1の大当り演出)
最初に、第1の大当り遊技状態に移行するときに開始される第1の大当り演出について説明する。
図294(a)は、第1の大当り遊技状態に移行する大当り図柄が停止表示された後(大当り開始表示コマンドの受信時)に、表示装置7に表示される表示画面の一例である。
図294(a)に示すように、大当り図柄が停止表示されると、表示装置7の表示画面には、第1の大当り演出を報知する第1当り報知画像(例えば「4500BONUS」)と、右打ちを指示する右打ち指示画像が表示される。
図294(b)は、第1の大当り遊技状態(1回目の大当り遊技状態)が行われているときに、表示装置7に表示される表示画面の一例である。
図294(b)に示すように、1回目の大当り遊技状態においては、第1の大当り演出に対応したキャラクタ画像と、右打ち指示画像と、遊技者が獲得した遊技球の累計数を表示する獲得遊技球数画像(例えば「獲得出玉 XXXXpt」)とが表示される。この獲得遊技球数画像は、大当り遊技状態と特電入賞容易状態とにおいて、第1大入賞口7131、第2大入賞口7151等に遊技球が入球する毎に遊技者が獲得した遊技球の累計数が更新表示されていく。
図294(c)は、1回目の大当り遊技状態が終了し、第1時短遊技状態(特電入賞容易状態)に移行したとき、表示装置7に表示される表示画面の一例である。
図294(c)に示すように、1回目の大当り遊技状態の終了後の第1時短遊技状態においては、第1の大当り演出に対応したキャラクタ画像と右打ち指示画像と獲得遊技球数画像とが継続して表示される。そして、第1時短遊技状態において普通図柄当りの普通図柄の可変表示が行われると、第1所定演出として、特電作動口7142への入球を指示する第1所定指示画像(例えば「3000チャッカーを狙え」)が表示される。なお、図示は省略するが、特電作動口7142に遊技球が入球して第2大入賞口7151が開放すると、V入賞口7156に遊技球を通過させることを指示する第1V入賞指示画像(例えば「残り2回のVを狙え」)が表示される。
図294(d)は、特電作動口7142に遊技球が入球したことを契機とした第2ルートの大当り遊技状態(2回目の大当り遊技状態)が行われているときに、表示装置7に表示される表示画面の一例である。
図294(d)に示すように、2回目の大当り遊技状態においても、第1の大当り演出に対応したキャラクタ画像と、右打ち指示画像と、獲得遊技球数画像とが継続して表示される。
図294(e)は、2回目の大当り遊技状態が終了し、第2時短遊技状態(特電入賞容易状態)に移行したとき、表示装置7に表示される表示画面の一例である。
図294(e)に示すように、第2時短遊技状態においても、第1の大当り演出に対応したキャラクタ画像と右打ち指示画像と獲得遊技球数画像とが継続して表示される。そして、第2時短遊技状態において普通図柄当りの普通図柄の可変表示が行われると、第2所定演出として、特電作動口7142への入球を指示する第2所定指示画像(例えば「1500チャッカーを狙え」)が表示される。なお、図示は省略するが、特電作動口7142に遊技球が入球して第2大入賞口7151が開放すると、V入賞口7156に遊技球を通過させることを指示する第2V入賞指示画像(例えば「残り1回のVを狙え」)が表示される。
なお、第1V入賞指示画像と第2V入賞指示画像とを同じV入賞指示画像(例えば「Vを狙え」)にて表示させるように構成してもよい。このように構成する場合には、大当り遊技状態に移行可能な残り回数(V入賞口7156に遊技球を通過させることが可能な残りV入賞回数)に関する残数画像を、V入賞指示画像とは別の表示領域に表示させることが望ましい。
図294(f)は、特電作動口7142に遊技球が入球したことを契機とした第2ルートの大当り遊技状態(3回目の大当り遊技状態)が行われているときに、表示装置7に表示される表示画面の一例である。
図294(f)に示すように、3回目の大当り遊技状態においても、第1の大当り演出に対応したキャラクタ画像と、右打ち指示画像と、獲得遊技球数画像とが継続して表示される。
そして、3回目の大当り遊技状態が終了すると、第3時短遊技状態に移行することから、第1の大当り演出が終了する。
このように、第1の大当り演出は、第1の大当り遊技状態(1回目の大当り遊技状態)と第1時短遊技状態と第2ルートの大当り遊技状態(2回目の大当り遊技状態)と第2時短遊技状態と第2ルートの大当り遊技状態(3回目の大当り遊技状態)とに亘って行われる(図292参照)。このため、複数の大当り遊技状態をシームレスに(一群の大当り遊技状態のように)みせることができ、より遊技の興趣の向上を図ることができる。
また、図示は省略するが、第2の大当り遊技状態に移行する大当り図柄が停止表示されたときには、第2の大当り演出が、第2の大当り遊技状態(1回目の大当り遊技状態)と第2時短遊技状態と第2ルートの大当り遊技状態(2回目の大当り遊技状態)とに亘って行われることになる(図292参照)。
また、第3の大当り遊技状態に移行する大当り図柄が停止表示されたときには、第3の大当り演出が第3の大当り遊技状態においてのみ行われ、第4の大当り遊技状態に移行する大当り図柄が停止表示されたときには、第4の大当り演出が第4の大当り遊技状態においてのみ行われることになる(図292参照)。
(第5の大当り演出)
次に、時短当りから第1時短遊技状態に移行するときに開始される第5の大当り演出について説明する。
図295(a)は、第1時短遊技状態に移行する時短図柄が停止表示された後(特別図柄遊技終了コマンドの受信時)に、表示装置7に表示される表示画面の一例である。
図295(a)に示すように、時短図柄が停止表示されると、表示装置7の表示画面には、第5の大当り演出を報知する第5当り報知画像(例えば「3000BONUS」)と、右打ちを指示する右打ち指示画像が表示される。
図295(b)は、時短当りから第1時短遊技状態(特電入賞容易状態)に移行したとき、表示装置7に表示される表示画面の一例である。
図295(b)に示すように、時短当りからの第1時短遊技状態においては、第5の大当り演出に対応したキャラクタ画像と右打ち指示画像とが表示される。そして、第1時短遊技状態において普通図柄当りの普通図柄の可変表示が行われると、特電作動口7142への入球を指示する第1所定指示画像が表示される。なお、図示は省略するが、特電作動口7142に遊技球が入球して第2大入賞口7151が開放すると、獲得遊技球数画像と第1V入賞指示画像とが表示される。
図295(c)は、特電作動口7142に遊技球が入球したことを契機とした第2ルートの大当り遊技状態(1回目の大当り遊技状態)が行われているときに、表示装置7に表示される表示画面の一例である。
図295(c)に示すように、1回目の大当り遊技状態においても、第5の大当り演出に対応したキャラクタ画像と、右打ち指示画像と、獲得遊技球数画像とが継続して表示される。
図295(d)は、1回目の大当り遊技状態が終了し、第2時短遊技状態(特電入賞容易状態)に移行したとき、表示装置7に表示される表示画面の一例である。
図295(d)に示すように、第2時短遊技状態においても、第5の大当り演出に対応したキャラクタ画像と右打ち指示画像と獲得遊技球数画像とが継続して表示される。そして、第2時短遊技状態において普通図柄当りの普通図柄の可変表示が行われると、第2所定演出として、特電作動口7142への入球を指示する第2所定指示画像が表示される。なお、図示は省略するが、特電作動口7142に遊技球が入球して第2大入賞口7151が開放すると、第2V入賞指示画像が表示される。
図295(e)は、特電作動口7142に遊技球が入球したことを契機とした第2ルートの大当り遊技状態(2回目の大当り遊技状態)が行われているときに、表示装置7に表示される表示画面の一例である。
図295(e)に示すように、2回目の大当り遊技状態においても、第5の大当り演出に対応したキャラクタ画像と、右打ち指示画像と、獲得遊技球数画像とが継続して表示される。
そして、2回目の大当り遊技状態が終了すると、第3時短遊技状態に移行することから、第5の大当り演出が終了する。
このように、第5大当り演出は、時短当りからの第1時短遊技状態、第2ルートの大当り遊技状態(1回目の大当り遊技状態)と第2時短遊技状態と第2ルートの大当り遊技状態(2回目の大当り遊技状態)とに亘って行われる(図292参照)。このため、時短当りからの第1時短遊技状態に移行した場合にも、複数の大当り遊技状態をシームレスに(一群の大当り遊技状態のように)みせることができ、より遊技の興趣の向上を図ることができる。
また、図示は省略するが、第2時短遊技状態に移行する時短図柄が停止表示されたときには、第6の大当り演出が、時短当りからの第2時短遊技状態と第2ルートの大当り遊技状態とに亘って行われることになる(図292参照)。
本実施形態では、特電入賞容易状態において第2ルートの大当り遊技状態に移行することが実質的に保障されているため、第1時短遊技状態または第2時短遊技状態においても大当り演出を行うことができる。
(図柄演出)
次に、図296を参照して、第3時短遊技状態における図柄演出について説明する。図296は、第7のパチンコ遊技機における図柄演出を説明する表示画面の一例である。
図296(a)は、第3時短遊技状態において図柄演出が開始されたときに、表示装置7に表示される表示画面の一例である。
図296(a)に示すように、図柄演出が開始されたときには、第2特別図柄に対応した第2主図柄の左図柄7074Lと右図柄7074Rとが同一種類の図柄で仮停止表示され、所定のキャラクタ画像が表示される。
図296(b-1)は、第2特別図柄の抽選により大当りと判定され、図柄演出の結果を表示するときに、表示装置7に表示される表示画面の一例である。
図296(b-1)に示すように、第2特別図柄の抽選により大当りと判定された場合には、図柄演出の結果として、第2特別図柄に対応した第2主図柄の中図柄7074Cが、左図柄7074L及び右図柄7074Rと同一種類の図柄で仮停止表示される。このように、中図柄7074Cが左図柄7074L及び右図柄7074Rと同一種類の図柄で仮停止表示されることにより、第2特別図柄の抽選結果として大当りであることが示唆される。
図296(b-2)は、第2特別図柄の抽選によりハズレと判定され、図柄演出の結果を表示するときに、表示装置7に表示される表示画面の一例である。
図296(b-2)に示すように、第2特別図柄の抽選によりハズレと判定された場合には、図柄演出の結果として、第2特別図柄に対応した第2主図柄の中図柄7074Cが、左図柄7074L及び右図柄7074Rと異なる種類の図柄で仮停止表示される。このように、中図柄7074Cが左図柄7074L及び右図柄7074Rと異なる種類の図柄で仮停止表示されることにより、第2特別図柄の抽選結果としてハズレであることが示唆される。
図296(c)は、図柄演出が終了し、第2特別図柄の抽選により大当り図柄が停止表示された後(大当り開始表示コマンドの受信時)に、表示装置7に表示される表示画面の一例である。
図296(c)に示すように、第2特別図柄の抽選により大当り図柄が停止表示されたときには、上述したように第2特別図柄の抽選による大当り遊技状態はすべて第1の大当り遊技状態に移行することから(図292参照)、第1の大当り演出を報知する第1当り報知画像と、右打ちを指示する右打ち指示画像が表示されることになる。これにより、第1の大当り遊技状態に移行することが報知される。
(バトル演出)
次に、図297を参照して、第3時短遊技状態におけるバトル演出について説明する。図297は、第7のパチンコ遊技機におけるバトル演出を説明する表示画面の一例である。
図297(a)は、第3時短遊技状態においてバトル演出が開始されたときに、表示装置7に表示される表示画面の一例である。
図297(a)に示すように、バトル演出が開始されたときには、味方キャラクタ(例えば白の忍者)と敵キャラクタ(例えば黒の忍者)とが一騎打ちをするようなバトル演出画像が表示される。さらに、表示画面には、第2特別図柄に対応した第2主図柄が右隅に小さく変動表示される。
図297(b-1)は、第2特別図柄の抽選により第1時短遊技状態または第2時短遊技状態に移行する時短当りと判定され、バトル演出の結果を表示するときに、表示装置7に表示される表示画面の一例である。
図297(b-1)に示すように、第2特別図柄の抽選により第1時短遊技状態または第2時短遊技状態に移行する時短当りと判定された場合には、バトル演出の結果として、味方キャラクタが敵キャラクタに勝利したバトル勝利画像が表示される。さらに、表示画面には、第2特別図柄に対応したすべての第2主図柄が同一種類の図柄で仮停止表示される。このように、バトル勝利画像、第2特別図柄に対応したすべての第2主図柄が同一種類の図柄で仮停止表示されることにより、第2特別図柄の抽選結果として第1時短遊技状態または第2時短遊技状態に移行する時短当りであることが示唆される。
図297(b-2)は、第2特別図柄の抽選により第4時短遊技状態に移行する時短当りと判定され、バトル演出の結果を表示するときに、表示装置7に表示される表示画面の一例である。
図297(b-2)に示すように、第2特別図柄の抽選により第4時短遊技状態に移行する時短当りと判定された場合には、バトル演出の結果として、味方キャラクタが敵キャラクタに敗北したバトル敗北画像が表示される。さらに、表示画面には、第2特別図柄に対応した第2主図柄の中図柄が左図柄及び右図柄と異なる種類の図柄で仮停止表示される。このように、バトル敗北画像、第2特別図柄に対応した中図柄が左図柄及び右図柄と異なる種類の図柄で仮停止表示されることにより、第2特別図柄の抽選結果として第4時短遊技状態に移行する時短当りであることが示唆される。
図297(c-1)は、バトル演出が終了し、第2特別図柄の抽選により第1時短遊技状態または第2時短遊技状態に移行する時短図柄が停止表示された後(特別図柄遊技終了コマンドの受信時)に、表示装置7に表示される表示画面の一例である。
図297(c-1)に示すように、第1時短遊技状態または第2時短遊技状態に移行する時短図柄が停止表示された後には、第6の大当り演出を報知する第6当り報知画像(例えば「1500BONUS」)と、右打ちを指示する右打ち指示画像が表示される。これにより、最初に第2時短遊技状態に移行することが示唆される。
図297(c-2)は、バトル演出が終了し、第2特別図柄の抽選により第4時短遊技状態に移行する時短図柄が停止表示された後(特別図柄遊技終了コマンドの受信時)に、表示装置7に表示される表示画面の一例である。
図297(c-2)に示すように、第4時短遊技状態に移行する時短図柄が停止表示された後には、第3時短遊技状態が終了したことを報知するRUSH終了報知画像(例えば「RUSH終了」)と、右打ちを指示する右打ち指示画像が表示される。これにより、第3時短遊技状態が終了し、第4時短遊技状態に移行することが示唆される。
図297(d)及び図297(e)は、図297(c-1)に示した第6当り報知画像(例えば「1500BONUS」)が表示された後、第1時短遊技状態に移行する時短当りであるときに、表示装置7に表示される表示画面の一例である。
図297(d)に示すように、第1時短遊技状態に移行する時短当りであるときには、第6当り報知画像が表示された後、表示装置7の電源が切れたように表示装置7の表示画面がブラックアウトする。
その後、図297(e)に示すように、第5の大当り演出を報知する第5当り報知画像(例えば「3000BONUS」)が表示される。これにより、第2時短遊技状態から第1時短遊技状態に成りあがって、第1時短遊技状態に移行することが示唆される。
以上のように、第7のパチンコ遊技機においては、通常遊技状態のときには、第1特別図柄の抽選により第1ルートの大当り遊技状態を目指す第1のゲーム性から構成され、変動時間短縮状態(第3時短遊技状態または第4時短遊技状態)のときには、第2特別図柄の抽選結果による遊技状態の移行を目指す第2のゲーム性から構成され、特電入賞容易状態(第1時短遊技状態または第2時短遊技状態)のときには、特電作動口7142に遊技球を入球させて第2ルートの大当り遊技状態を目指す第3のゲーム性から構成されているので、所謂1種タイプのパチンコ遊技機と所謂2種タイプのパチンコ遊技機とを混合させただけではなく、従来にない遊技性を創出し、より遊技の興趣の向上を図ることができる。
さらに、本実施形態においては、特電入賞容易状態(第1時短遊技状態または第2時短遊技状態)のときには、通過ゲート7126に遊技球が通過すると、普通図柄の抽選により普通図柄当りと判定される当選確率が高く、普通図柄の変動表示時間も短時間であることから、特電作動口7142がすぐさまロング開放状態となり、第2ルートの大当り遊技状態に移行させることができる。このため、大当り遊技状態の終了後に特電入賞容易状態に移行したときには、特電入賞容易状態において再び大当り遊技状態に移行するまで移行期間を短期間にすることができる。
なお、第7のパチンコ遊技機の実施形態に記載された技術をスロットマシンに適用してもよい。スロットマシンに適用する場合には、第7のパチンコ遊技機で実行される各種演出・報知内容は、スロットマシンに備えられた表示装置、リール等による演出に置き換えればよい。大当り遊技状態または特電開放遊技状態は、ボーナス遊技状態(BB、RB、ART、AT、RT)に置き換えればよい。
(その他)
上述の第7のパチンコ遊技機は、変形例を含めて各実施形態同士で互いの技術を適用することができる。上述の実施形態は、本発明の内容を限定するものではなく、特許請求の範囲を逸脱しない程度に変更を加えることができる。
また、第7のパチンコ遊技機に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の各実施形態に記載されたものに限定されるものではない。
更に、上記[4.拡張例]は、第7のパチンコ遊技機にも、その遊技性や制御に齟齬を生じえない限り適用可能である。
[10.第8のパチンコ遊技機]
次に、第8のパチンコ遊技機について説明する。第8のパチンコ遊技機は、第3のパチンコ遊技機と同様に、1種2種混合機と称されるパチンコ遊技機である。第8のパチンコ遊技機は、第3のパチンコ遊技機と比して、遊技性や演出内容等が異なっており、それに伴い遊技領域に配置される各種部材の構成も一部異なっている。
なお、第8のパチンコ遊技機は、第3のパチンコ遊技機と同様に、第1特別図柄と第2特別図柄とを並行して可変表示させず、第1特別図柄の始動条件よりも第2特別図柄の始動条件が優先して成立する優先変動機である。ただし、これに限られず、上述した順次変動機としてもよい。
また、第8のパチンコ遊技機は、特定条件下(時短遊技状態)における大当り遊技状態に移行した大当り連続回数を計数しており、大当り連続回数が所定のリミッタ回数(例えば100回)に到達すると、大当り遊技状態の終了後に移行する遊技状態を一部規制する「回数リミッタ機能」を備えている。さらに、第8のパチンコ遊技機は、「回数リミッタ機能」に加え、1日あたりに大当り遊技状態で払い出された遊技球の累計大当り出玉数を計数しており、累計大当り出玉数が所定の打止出玉数(例えば10万個)に到達すると、大当り遊技状態の終了後に移行する遊技状態を一部規制する「出玉リミッタ機能」も備えている。
以降、第8のパチンコ遊技機を説明するにあたり、第1のパチンコ遊技機と同様の構成要件については同じ符号および同じステップ番号を付して、その構成や処理に関する詳しい説明を省略する。
なお、本実施形態において、遊技者に所定の利益(遊技球の払い出し、遊技状態の移行)を付与することが可能な入球口(例えば、始動口や大入賞口)に「遊技球が入球すること」を適宜「入賞」ともいう。また、本実施形態において、図柄の「可変表示」とは、例えば、図柄が変動して表示される「変動表示」、および、図柄が停止して表示される「停止表示」等の両方を含む概念であり、変動表示の開始から停止表示されるまでの動作を1回の「可変表示」と称する。
[10-1.遊技盤ユニット]
図298を参照して、第8のパチンコ遊技機が備える遊技盤ユニット8010について説明する。この遊技盤ユニット8010も、第1のパチンコ遊技機と同様に、保護ガラス43(図2参照)の後方に位置するようにベースドア3(図2参照)の前方に配置される。
図298は、第8のパチンコ遊技機が備える遊技盤ユニット8010の外観を示す正面図の一例である。遊技盤ユニット8010は、遊技盤としての遊技パネル8100を備え、遊技パネル8100に各種部材が配置され、遊技パネル8100の前側面には、発射された遊技球が転動流下可能な遊技領域105が形成されている。
図298に示されるように、第8のパチンコ遊技機が備える遊技盤ユニット8010は、第1のパチンコ遊技機と比して、主に、通過ゲート8126と、第2始動口8140と、普通電動役物ユニット8145と、第1特別電動役物ユニット8130と、第2特別電動役物ユニット8150との構成や配置が異なっている。以下に、それぞれの構成やその配置について説明する。
なお、第8のパチンコ遊技機の遊技領域105に配置される第1始動口8120は、第1のパチンコ遊技機の遊技領域105に配置される第1始動口120と機能的にも共通するものであるが、第2始動口8140との関連性から、第1のパチンコ遊技機と異なる符号を用いて改めて説明する。
(通過ゲート)
通過ゲート8126は、右側領域107の後述する普通電動役物ユニット8145の上方に配置されており、右打ちされた遊技球が通過可能(左打ちされた遊技球が通過困難または不可能)となっている。そして、通過ゲート8126には、通過ゲート8126への遊技球の通過を検出する通過ゲートスイッチ8127(後述の図299参照)が備えられている。なお、本実施形態においては、通過ゲート8126を右側領域107における普通電動役物ユニット8145の上方に配置したが、通過ゲート8126を右側領域107における普通電動役物ユニット8145の下方に配置してもよい。
通過ゲート8126に遊技球が通過すると、普通図柄抽選(普通図柄の当り判定処理)や、普通図柄の可変表示に用いられることになる。なお、本実施形態では、通過ゲート8126に遊技球が通過しても、賞球は払い出されないが、所定の賞球(例えば1個の遊技球)が払い出されるような入賞口としてもよい。
また、通過ゲート8126を、役物連続作動装置を作動させるための契機となるように機能させてもよい。条件装置が作動していること(大当りとなる特別図柄が停止表示されていること)を前提として、通過ゲート8126に遊技球が通過したことをもって役物連続作動装置を作動させて、大当り遊技状態に移行するようにしてもよい。
(第1始動口)
第1始動口8120は、表示装置7の表示領域の下方の遊技領域105に配置されており、左打ちされた遊技球が入球可能となり、遊技釘等により右打ちされた遊技球は入球困難または不可能に構成されている。そして、第1始動口8120には、第1始動口8120への遊技球の入球を検出する第1始動口スイッチ8121(後述の図299参照)が備えられている。
第1始動口8120に遊技球が入球すると、第1特別図柄抽選(第1特別図柄の当り判定処理)や、第1特別図柄の可変表示や、第1始動口用の賞球(例えば3個の遊技球)の払い出しが行われたりする。第1始動口8120に遊技球が入球した後の処理については、詳しくは後述する。
(第2始動口)
第2始動口8140は、右側領域107であって後述する通過ゲート8126の下方(下流側)に配置されるとともに、後述する普通電動役物ユニット8145に設けられており、右打された遊技球が入球可能(左打ちされた遊技球が入球困難または不可能)となっている。そして、第2始動口8140には、第2始動口8140への遊技球の入球を検出する第2始動口スイッチ8141が備えられている。
また、本実施形態においては、第2始動口8140は、通過ゲート8126の下方(下流側)側に配置されているところから、通過ゲート8126を通過した遊技球は、後述する普通電動役物8146が作動しているときには、第2始動口8140への遊技球の入球が可能となっている。
第2始動口8140に遊技球が入球すると、第2特別図柄抽選(第2特別図柄の当り判定処理)や、第2特別図柄の可変表示や、第2始動口用の賞球(例えば1個の遊技球)の払い出しが行われたりする。第2始動口8140に遊技球が入球した後の処理については、詳しくは後述する。
(普通電動役物ユニット)
普通電動役物ユニット8145は、右側領域107であって通過ゲート8126の下方(下流側)に配置されており、右打ちされた遊技球がほぼ通過できるように配置されている。普通電動役物ユニット8145は、第2始動口8140と、第2始動口8140への遊技球の入球を検出する第2始動口スイッチ8141と、普通電動役物8146とを一体化したユニット体である。
普通電動役物8146は、前後方向に進退可能な突出板型の普電用シャッタ8147と、この普電用シャッタ8147を作動させる普電用ソレノイド8148(後述の図299参照)とを備える。普通電動役物8146すなわち普電用シャッタ8147は、第2始動口8140への遊技球の入球が可能または容易な開放状態と、第2始動口8140への遊技球の入球が不可能または困難な閉鎖状態とに状態移行可能に構成される。
具体的には、普電用シャッタ8147は、第2始動口8140の入口近傍に配置された略三角形の入球防止部と第2始動口8140に向けて傾斜した平板状の入球誘導部とで構成されている。普電用シャッタ8147が閉鎖状態であるときには、略三角形の入球防止部は、第2始動口8140の入口と対向する対向領域に位置して、第2始動口8140への入球を阻害し、平板状の入球誘導部は、遊技パネル8100の表面に埋没し、右側領域107に流下している遊技球の受け入れることなく、遊技球を下方に流下させる。一方、普電用シャッタ8147が開放状態であるときには、略三角形の入球防止部は、第2始動口8140の入口と対向しない回避領域(例えば、遊技釘の傘上部から保護ガラス43までの空隙)に位置して、第2始動口8140への入球を阻害せず、平板状の入球誘導部は遊技パネル8100の表面から突出して、右側領域107に流下している遊技球を受け入れ、受け入れた遊技球を第2始動口8140へ誘導する。なお、前後方向に進退可能な上記の普電用シャッタ8147に代えて、所謂電チューと呼ばれる可動部材を採用してもよい。
また、普通電動役物8146は、第2始動口8140を開放状態とさせているときに、普電用の規定個数(例えば1個)の遊技球が入球すると、開放時間が経過していなくとも第2始動口8140を閉鎖状態にさせる。
(第1特別電動役物ユニット)
第1特別電動役物ユニット8130は、右側領域107において通過ゲート8126、普通電動役物ユニット8145及び後述する第2特別電動役物ユニット8150よりも下方(下流側)に配置されている。なお、第1特別電動役物ユニット8130は、右側領域107において通過ゲート8126、普通電動役物ユニット8145及び後述する第2特別電動役物ユニット8150の少なくともいずれかよりも上流側に設けられていてもよいし、左側領域106に設けられていてもよい。
第1特別電動役物ユニット8130は、第1大入賞口8131と、第1大入賞口8131への遊技球の入球を検出する第1大入賞口カウントスイッチ8132(後述の図299参照)と、前後方向に進退可能な第1特電用シャッタ8134と、この第1特電用シャッタ8134を作動させる第1特電用ソレノイド8135(後述の図299参照)とを一体化したユニット体である。
第1大入賞口8131は、大当りのときに開放される入賞口であり、1回の大当りにおける1つのラウンドおいて第1大入賞口8131に遊技球が入球可能な最大入賞個数(例えば10個)が規定されている。この第1大入賞口8131に1つの遊技球が入球する毎に、第1大入賞口用の賞球(例えば15個の遊技球)が払い出されることになる。
第1大入賞口8131が閉鎖状態から開放状態に移行するのは、特別図柄当り判定処理の結果が「大当り」であることを示す特別の停止表示態様が導出された場合の第1のルートと、特別図柄判定の結果が「小当り」であることを示す特定の停止表示態様が導出されたことによって第2大入賞口8151が開放し、開放された第2大入賞口8151に進入した遊技球が第2大入賞口8151内のV入賞口8156に入賞した場合の第2のルートのときである。
第1特電用シャッタ8134は、第1特電用ソレノイド8135(後述の図299参照)の作動により、第1大入賞口8131への遊技球の入球が可能または容易な開放状態と、第1大入賞口8131への遊技球の入球が不可能または困難な閉鎖状態とを移行可能に構成するものである。
具体的には、第1特電用シャッタ8134は、下方が軸支された開閉扉で構成されている。第1特電用シャッタ8134が開放状態であるときには、開閉扉が前面側に倒れて第1大入賞口8131が開口し、右側領域107に流下している遊技球を受け入れ、受け入れた遊技球を第1大入賞口8131へ誘導する。一方、第1特電用シャッタ8134が閉鎖状態であるときには、開閉扉が倒立して第1大入賞口8131を閉口し、第1大入賞口8131への遊技球の入球が不可能または困難となる。なお、上記の第1特電用シャッタ8134に代えて、下方が軸支され、左右のいずれか一方側に傾斜可能な可動部材を採用してもよい。
(第2特別電動役物ユニット)
第2特別電動役物ユニット8150は、右側領域107において通過ゲート8126及び普通電動役物ユニット8145の下方(下流側)に設けられている。なお、第2特別電動役物ユニット8150は、通過ゲート8126または普通電動役物ユニット8145の少なくともいずれかよりも上流側に設けられていてもよいし、左側領域106に設けられていてもよい。
第2特別電動役物ユニット8150は、第2大入賞口8151と、第2大入賞口8151への遊技球の入球を検出する第2大入賞口カウントスイッチ8152と、第2大入賞口8151を開閉させることが可能な第2特電用シャッタ8154と、この第2特電用シャッタ8154を作動させて第2大入賞口8151を開閉させる第2特電用ソレノイド8155(後述の図299参照)と、第2大入賞口8151に進入した遊技球が通過可能なV入賞口8156と、V入賞口8156に遊技球が通過したことを検出するV入賞口スイッチ8157と、第2大入賞口8151に進入した遊技球のうちV入賞口8156に進入しなかった遊技球が通過可能なハズレ口8158と、V入賞口8156を開閉させるVシャッタ8159と、このVシャッタ8159を作動させてV入賞口8156を開閉させるVシャッタ用ソレノイド8160(後述の図299参照)とを一体化したユニット体である。
第2大入賞口8151は、小当りのときに開放される入賞口であり、1回の小当りにおいて第2大入賞口8151に遊技球が入球可能な最大入賞個数(例えば10個)が規定されている。この第2大入賞口8151に1つの遊技球が入球する毎に、第2大入賞口用の賞球(例えば15個の遊技球)が払い出されることになる。
第2特電用シャッタ8154は、前後方向に進退可能な突出板型の板状部材からなり、第2特電用ソレノイド8155(後述の図299参照)の作動により、第2特電用シャッタ8154を前方に進出させて第2大入賞口8151への遊技球の入球が不可能または困難な閉鎖状態と、第2特電用シャッタ8154を後方に退出させて第2大入賞口8151への遊技球の入球が可能または容易な開放状態とを移行可能に構成するものである。
V入賞口8156は、Vシャッタ8159により開閉可能な入賞口であるとともに、遊技球が通過することにより上述した第2のルートを経て大当り遊技状態に制御される契機となる入賞口である。
第2のルートを経て大当り遊技状態に制御された場合、V入賞口8156への遊技球の通過したときの第2大入賞口8151の開放を1ラウンド目として、V入賞口8156への遊技球の通過した後(2ラウンド目以降)は、第1大入賞口8131を閉鎖状態から開放状態へ移行させるラウンド遊技が実行される。なお、第2のルートを経て大当り遊技状態に制御された場合、V入賞口8156への遊技球の通過した後(2ラウンド目以降)も、第2大入賞口8151が閉鎖状態から開放状態に移行するラウンド遊技が所定のラウンド数にわたって実行されてもよい。
また、例えば第1大入賞口8131の内部にV入賞口を設ける等によって、V入賞口および大当り遊技状態において開放されるアタッカーを一つずつとしてもよい。この場合、「小当り」であることを示す停止表示態様が導出されると第1大入賞口8131が開放状態とされ、第1大入賞口8131の内部に設けられたV入賞口に遊技球が進入すると、大当り遊技状態(第2のルートを経た大当り遊技状態)に制御されるようにすればよい。
ハズレ口8158は、第2大入賞口8151に進入したもののV入賞口8156を通過しなかった遊技球が進入(通過)するよう構成されたものである。ハズレ口8158を通過した遊技球は機外に排出される。なお、小当りのときに、開放した第2大入賞口8151に進入した遊技球のすべてがハズレ口8158を通過し、V入賞口8156への遊技球の通過がなかった場合、小当り遊技状態から大当り遊技状態には移行されないことになる。
Vシャッタ8159は、Vシャッタ用ソレノイド8160(後述の図299参照)の作動により、V入賞口8156への遊技球の通過が不可能(又は困難)な閉鎖状態と、V入賞口8156への遊技球の通過が可能(又は容易)な開放状態とを移行可能に構成するものである。
特に、第8のパチンコ遊技機においては、同じ小当り(小当り遊技状態)であっても、Vシャッタ8159の作動態様(Vシャッタ用ソレノイド8160の作動タイミング)により、V入賞口8156への遊技球の通過が不可能(又は困難)な「転落小当り」と、V入賞口8156への遊技球の通過が可能(又は容易)な「V小当り」との異なる種別の小当りを創出している。
[10-2.電気的構成]
次に、図299を参照して、第8のパチンコ遊技機の制御回路について説明する。図299は、第8のパチンコ遊技機の制御回路を示すブロック図の一例である。
図299に示されるように、第8のパチンコ遊技機は、第1のパチンコ遊技機と同様、主に、遊技の制御を行う主制御回路200と、遊技の進行に応じた演出の制御を行うサブ制御回路300と、払出・発射制御回路400と、電源供給回路450とから構成される。
しかしながら、第8のパチンコ遊技機は、第1のパチンコ遊技機と比して、主制御回路200に接続されるデバイス、サブ制御回路300及び払出・発射制御回路400の構成が一部異なっている。以下に、それぞれの構成やその配置について説明する。
[10-2-1.主制御回路]
主制御回路200は、第1のパチンコ遊技機と比して、主制御回路200に接続される普電用ソレノイド8148、第1特電用ソレノイド8135、第2特電用ソレノイド8155、Vシャッタ用ソレノイド8160、第1始動口スイッチ8121、第2始動口スイッチ8141、通過ゲートスイッチ8127、第1大入賞口カウントスイッチ8132、第2大入賞口カウントスイッチ8152、V入賞口スイッチ8157の構成が一部異なっている。
(普電用ソレノイド)
普電用ソレノイド8148は、普電用シャッタ8147を作動させる電磁ソレノイドである。普電用ソレノイド8148は、メインCPU201により通電が行われる(ONである)と、普電用シャッタ8147を前方に進出させて第2始動口8140を開放状態とさせ、メインCPU201により通電が行われないと(OFFであると)と、普電用シャッタ8147を後方に退出させて第2始動口8140を閉鎖状態とさせる。
(第1特電用ソレノイド)
第1特電用ソレノイド8135は、開閉扉からなる第1特電用シャッタ8134を作動させる電磁ソレノイドである。第1特電用ソレノイド8135は、メインCPU201により通電が行われる(ONである)と、第1特電用シャッタ8134を前方に倒れさせ第1大入賞口8131を開放状態とさせ、メインCPU201により通電が行われないと(OFFであると)と、第1特電用シャッタ8134を後方に倒立させて第1大入賞口8131を閉鎖状態とさせる。
(第2特電用ソレノイド)
第2特電用ソレノイド8155は、第2特電用シャッタ8154を作動させる電磁ソレノイドである。第2特電用ソレノイド8155は、メインCPU201により通電が行われる(ONである)と、第2特電用シャッタ8154を後方に退出させて第2大入賞口8151を開放状態とさせ、メインCPU201により通電が行われないと(OFFであると)と、第2特電用シャッタ8154を前方に進出させて第2大入賞口8151を閉鎖状態とさせる。
(Vシャッタ用ソレノイド)
Vシャッタ用ソレノイド8160は、Vシャッタ8159を作動させる電磁ソレノイドである。Vシャッタ用ソレノイド8160は、メインCPU201により通電が行われる(ONである)と、Vシャッタ8159を後方に退出させてV入賞口8156を開放状態とさせ、メインCPU201により通電が行われないと(OFFであると)と、Vシャッタ8159を前方に進出させてV入賞口8156を閉鎖状態とさせる。
(第1始動口スイッチ)
第1始動口スイッチ8121は、第1始動口8120への遊技球の入球を検出する貫通型の近接スイッチである。
第1始動口スイッチ8121により第1始動口8120への遊技球の入球が検出されると、メインCPU201は、第1の始動条件が成立したものとして、第1特別図柄の始動情報(大当り判定用乱数値、図柄乱数値、リーチ判定用乱数値、演出選択用乱数値等)を取得する。取得した第1特別図柄の始動情報は、「第1特別図柄の保留個数(例えば4個)」までメインRAM203の第1特別図柄始動記憶領域(第1特別図柄始動記憶領域(1)~第1特別図柄始動記憶領域(4)に順番)に記憶され、第1特別図柄の判定開始条件(例えば、特別電動役物が作動していないこと、特別図柄の可変表示が行われていないこと等)が成立すると、第1特別図柄の当り判定処理や、第1特別図柄の可変表示に用いられることになる。また、第1始動口スイッチ8121により第1始動口8120への遊技球の入球が検出されると、メインCPU201は、第1始動口用の賞球(例えば3個の遊技球)の払い出し処理を払出・発射制御回路400に指示する。
(第2始動口スイッチ)
第2始動口スイッチ8141は、第2始動口8140への遊技球の入球を検出する貫通型の近接スイッチである。
第2始動口スイッチ8141により第2始動口8140への遊技球の入球が検出されると、メインCPU201は、第2の始動条件が成立したものとして、第2特別図柄の始動情報(大当り判定用乱数値、図柄乱数値、リーチ判定用乱数値、演出選択用乱数値等)を取得する。取得した第2特別図柄の始動情報は、「第2特別図柄の保留個数(例えば4個)」までメインRAM203の第2特別図柄始動記憶領域(第2特別図柄始動記憶領域(1)~第2特別図柄始動記憶領域(4)に順番)に記憶され、第2特別図柄の判定開始条件(例えば、特別電動役物が作動していないこと、特別図柄の可変表示が行われていないこと等)が成立すると、第2特別図柄の当り判定処理や、第2特別図柄の可変表示に用いられることになる。また、第2始動口スイッチ8141により第2始動口8140への遊技球の入球が検出されると、メインCPU201は、第2始動口用の賞球(例えば1個の遊技球)の払い出し処理を払出・発射制御回路400に指示する。
また、実施形態においては、第1特別図柄の始動情報に基づいた第1特別図柄の当り判定処理を「第1特別図柄の抽選」、第2特別図柄の始動情報に基づいた第2特別図柄の当り判定処理を「第2特別図柄の抽選」ともいい、第1特別図柄の抽選と第2特別図柄の抽選とをまとめて「特別図柄の抽選」ともいう。
(通過ゲートスイッチ)
通過ゲートスイッチ8127は、通過ゲート8126への遊技球の通過を検出する貫通型の近接スイッチである。
通過ゲートスイッチ8127が通過ゲート8126への遊技球の通過を検出すると、メインCPU201は、普通図柄の始動情報(普通図柄当り判定用乱数値、普通図柄の図柄乱数値等)が取得する。取得した普通図柄の始動情報は、「普通図柄の保留個数(例えば4個)」までメインRAM203の普通図柄始動記憶領域(普通図柄始動記憶領域(1)~普通図柄始動記憶領域(4)に順番)に記憶され、普通図柄の判定開始条件(例えば、普通電動役物が作動していないこと、普通図柄の可変表示が行われていないこと等)が成立すると、普通図柄抽選(普通図柄の当り判定処理)や、普通図柄の可変表示に用いられることになる。なお、通過ゲートスイッチ8127により通過ゲート8126への遊技球の通過が検出されたとしても、賞球は払い出されない。
(第1大入賞口カウントスイッチ)
第1大入賞口カウントスイッチ8132は、第1大入賞口8131への遊技球の入球を検出する貫通型の近接スイッチである。第1大入賞口カウントスイッチ8132が第1大入賞口8131への遊技球の入球を検出すると、メインCPU201は、1ラウンドあたりの第1大入賞口8131への遊技球の入球数をカウントするとともに、第1大入賞口用の賞球(例えば15個の遊技球)の払い出し処理を払出・発射制御回路400に指示したりすることになる。
(第2大入賞口カウントスイッチ)
第2大入賞口カウントスイッチ8152は、第2大入賞口8151への遊技球の入球を検出する貫通型の近接スイッチである。第2大入賞口カウントスイッチ8152が第2大入賞口8151への遊技球の入球を検出すると、メインCPU201は、第2大入賞口8151への遊技球の入球数をカウントするとともに、第2大入賞口用の賞球(例えば15個の遊技球)の払い出し処理を払出・発射制御回路400に指示したりすることになる。
(V入賞口スイッチ)
V入賞口スイッチ8157は、V入賞口8156への遊技球の通過を検出する貫通型の近接スイッチである。V入賞口スイッチ8157がV入賞口8156への遊技球の入球を検出すると、メインCPU201は、大当り遊技状態への移行制御を行うことになる。なお、V入賞口スイッチ8157によりV入賞口8156への遊技球の通過が検出されたとしても、賞球は払い出されない。
[10-2-2.サブ制御回路]
サブ制御回路300は、第1のパチンコ遊技機と同様に、サブCPU301、プログラムROM302、ワークRAM303、表示制御回路304、音声制御回路305、LED制御回路306、役物制御回路307およびコマンド入力ポート308を備えることは共通であるが、ボタン制御回路310と演出ボタン54とを更に備えていることが相違している。
(ボタン制御回路310)
ボタン制御回路310は、演出ボタン54を駆動させるための回路である。すなわち、ボタン制御回路310は、演出ボタン54の操作態様を変化させたり、演出ボタン54を振動させたりするための回路である。ボタン制御回路310は、サブCPU301からの駆動命令に応じて、演出ボタン54を駆動させることになる。
また、ボタン制御回路310は、演出ボタン54が検出した遊技者の操作に関する操作信号を入力するための回路でもある。ボタン制御回路310は、演出ボタン54から操作信号を入力すると、サブCPU301に所定の操作情報を出力することになる。
[10-2-3.払出・発射制御回路]
払出・発射制御回路400は、第1のパチンコ遊技機と同様に、遊技球の払出・発射を制御するものであり、この払出・発射制御回路400には、遊技球を払い出すことが可能な払出装置82、遊技球を発射させることが可能な発射装置6、球貸しにかかる制御を実行可能なカードユニット180等が接続されている。
さらに、第8のパチンコ遊技機における払出・発射制御回路400には、1日あたりに大当り遊技状態で払い出された遊技球の累計大当り出玉数が所定の打止出玉数(例えば10万個)に到達すると、「出玉リミッタ機能」の作動により、遊技不許可状態に関する制御として、発射装置6による遊技球の発射停止(発射ソレノイドへの電力の供給停止)、及び払出装置82からの賞球の払い出し禁止の制御が行われる。この遊技不許可状態に関する制御については、詳しくは後述する。
[10-3.基本仕様]
次に、図300~図311を参照して、第8のパチンコ遊技機の基本仕様について説明する。なお、第8のパチンコ遊技機は設定機能付きのパチンコ遊技機であってもよいが、以下では、設定機能にかかわる記載は省略する。
第8のパチンコ遊技機では、確変制御が実行されないものの、時短制御が実行される時短遊技状態及び時短制御が実行されない通常遊技状態が用意されており、メインCPU201は、通常遊技状態または時短遊技状態において遊技を進行させることが可能となっている。なお、この第8のパチンコ遊技機では、確変制御が実行されないが、これは必須ではなく、例えば大当りの種類等に応じて確変フラグがオンにセットされるようにして確変制御を実行可能としてもよい。
また、第8のパチンコ遊技機では、後述するように、時短終了条件の観点から区別される時短遊技状態として、次回の大当りまでが実質的に保障された「特殊時短遊技状態」と、次回の大当りまでが保障されていない「一般時短遊技状態」とを備えている。また、時短移行条件(時短発生条件)の観点から区別される時短遊技状態として、大当りを契機として大当り遊技状態の終了後に移行する「A時短遊技状態」と、大当りを契機とせずに、特別図柄の可変表示回数が天井値に到達後に移行する「B時短遊技状態」とを備えている。詳しくは後述するが、本実施形態においては、時短終了条件と時短移行条件との観点から、「一般時短遊技状態」は、第1の時短終了条件からなる「A時短遊技状態」で構成され、「特殊時短遊技状態」は、第2の時短終了条件からなる「B時短遊技状態」、または第2の時短終了条件からなる「A時短遊技状態」で構成されている。また、本実施形態においては、特殊時短遊技状態、一般時短遊技状態、A時短遊技状態及びB時短遊技状態のいずれも区別しないときは、単に「時短遊技状態」ともいう。
また、本実施形態においては、一般的な通常遊技状態(後述する第1の通常遊技状態)では原則として左打ちが正規な遊技態様とされ、時短遊技状態では右打ちが正規な遊技態様とされる。サブCPU301は、正規な遊技態様とされる打ち方を、例えば表示装置7の表示領域に表示する。
[10-3-1.特別図柄の当り判定テーブル]
図300は、第8のパチンコ遊技機における特別図柄の当り判定テーブルの一例である。なお、図300に示す特別図柄の当り判定テーブルは、主制御回路200のメインROM202に記憶されている。
特別図柄の当り判定テーブルは、「大当り」、「小当り」または「ハズレ」を判定するためのテーブルである。
特別図柄の当り判定テーブルには、第1始動口8120への入球に基づいて実行される第1特別図柄の当り判定処理に用いられるデータとして、「大当り」または「ハズレ」に決定される大当り判定用乱数値の範囲(幅)と、それに対応する当落判定値データ(大当り判定値データ、ハズレ判定値データ)との関係が規定されている。また、第2始動口8140への入球に基づいて実行される第2特別図柄の当り判定処理に用いられるデータとして、「大当り」、「小当り」または「ハズレ」に決定される大当り判定用乱数値の範囲(幅)と、それに対応する当落判定値データ(大当り判定値データ、小当り判定値データ、ハズレ判定値データ)との関係が規定されている。なお、第1特別図柄および第2特別図柄ともに、大当り判定用乱数値の総乱数値は65536である。すなわち、上記の大当り判定用乱数値は0~65535の範囲(幅)で発生する。
図300に示すように、第1始動口8120に遊技球が入球した場合、メインCPU201は、第1特別図柄の大当り判定用乱数値を用いた第1特別図柄の当り判定処理に基づいて、特別図柄の当り判定処理の結果を、約1/319.7の選択率で「大当り」と判定し、それ以外は「ハズレ」と判定する。また、第2始動口8140に遊技球が入球した場合、メインCPU201は、第2特別図柄の大当り判定用乱数値を用いた第2特別図柄の当り判定処理に基づいて、特別図柄の当り判定処理の結果を、約1/319.7の選択率で「大当り」と判定し、約1/36.6の選択率で「小当り」と判定し、それ以外は「ハズレ」と判定する。
なお、「大当り」または「小当り」と決定される乱数値の範囲(幅)、すなわち選択率は、上記値に限定されず、適宜設計変更が自由である。
また、第1特別図柄の当り判定処理が行われた場合に、「小当り」が判定されるように構成してもよいが、「小当り」が判定されるように構成した場合、第1特別図柄の当り判定処理で行われる判定よりも、第2特別図柄の当り判定処理で行われる判定の方が有利となるように、相対的に低い選択率で「小当り」を判定することが好ましい。
また、第1特別図柄の当り判定処理または第2特別図柄の当り判定処理が行われた場合に、大当り遊技状態に移行せずに時短遊技状態(C時短遊技状態)に直接移行する「時短当り」が判定されるように構成してもよい。
また、第8のパチンコ遊技機が設定機能付きパチンコ遊技機である場合、例えば、大当りおよび/または小当りの選択率を、低設定よりも高設定の方が高くなるようにするとよい。ただし、第8のパチンコ遊技機が設定機能付きパチンコ遊技機であったとしても、例えば、時短当りの選択率については、全設定で共通する確率とすることが好ましい。
また、設定値に応じて大当りの選択率や小当りの選択率を変えることに代えてまたは加えて、例えば、V入賞口8156の開放頻度や開放時間を設定値毎に変えてV入賞口8156への通過率を変えたり、時短終了条件(小当り当選回数等)を設定値毎に変えたりしてもよい。すなわち、大当り確率、小当り確率、V入賞口8156の開放頻度(すなわち第2特電用シャッタ8154の作動頻度)や開放時間および時短終了条件等、遊技者にとっての有利度合いを変更しうる条件のうちの一つまたは二つ以上を採用することにより、大当り遊技状態に制御される期待値が低設定よりも高設定の方が高くなるように構成してもよい。
[10-3-2.特別図柄判定テーブル]
図301は、第8のパチンコ遊技機における特別図柄判定テーブルの一例である。なお、図301に示す特別図柄判定テーブルは、主制御回路200のメインROM202に記憶されている。
特別図柄判定テーブルは、停止表示される特別図柄の停止図柄を決定付ける「特別図柄の選択図柄」および「図柄指定コマンド」を決定するテーブルである。
「特別図柄の選択図柄」は、特別図柄の当り判定処理の結果が当りであった場合に、停止表示される特別図柄の停止図柄を決定するための情報であり、「図柄指定コマンド」は、表示装置7の表示領域に特別図柄の停止図柄に対応した装飾図柄を表示するためにサブ制御回路300に送信されるコマンドである。
特別図柄判定テーブルには、特別図柄の種類と、上述の当落判定値データと、第1始動口8120または第2始動口8140に遊技球が入球したときに取得される特別図柄の図柄乱数値とが、「特別図柄の選択図柄」および「図柄指定コマンド」に関連付けて規定されている。特別図柄の図柄乱数値は、例えば0~99(100種類)の中から抽出される。
図301に示す特別図柄判定テーブルによれば、第1特別図柄の当り判定処理の結果として大当り判定値データが得られた場合、第1特別図柄の図柄乱数値が0~19のいずれかであるときには、メインCPU201は、特別図柄の選択図柄として「z1」を決定し、図柄指定コマンドとして「zA1」を決定する。第1特別図柄の図柄乱数値が20~59のいずれかであるときには、メインCPU201は、特別図柄の選択図柄として「z2」を決定し、図柄指定コマンドとして「zA2」を決定する。また、第1特別図柄の図柄乱数値が60~99のいずれかであるときには、メインCPU201は、特別図柄の選択図柄として「z3」を決定し、図柄指定コマンドとして「zA3」を決定する。
第2特別図柄の当り判定処理の結果として大当り判定値データが得られた場合、第2特別図柄の図柄乱数値がいずれの値であっても、メインCPU201は、特別図柄の選択図柄として「z4」を決定し、図柄指定コマンドとして「zA4」を決定する。
第2特別図柄の当り判定処理の結果として小当り判定値データが得られた場合、第2特別図柄の図柄乱数値が0~5のいずれかであるときには、メインCPU201は、特別図柄の選択図柄として「z5」を決定し、図柄指定コマンドとして「zA5」を決定する。また、第2特別図柄の図柄乱数値が6~75のいずれかであるときには、メインCPU201は、特別図柄の選択図柄として「z6」を決定し、図柄指定コマンドとして「zA5」を決定する。また、第2特別図柄の図柄乱数値が76~99のいずれかであるときには、メインCPU201は、特別図柄の選択図柄として「z7」を決定し、図柄指定コマンドとして「zA6」を決定する。
このように、本実施形態では、第1特別図柄の当り判定処理の結果として大当り判定値データが得られた場合には、図301に示す特別図柄判定テーブルにより、特別図柄の選択図柄としては、「z1」<「z2」=「z3」の選択率の関係式が成立するように構成されている。
また、詳しくは図303を用いて後述するが、小当り判定値データが得られた場合に、特別図柄の選択図柄として「z5」または「z6」が決定されたときには、V入賞口8156への遊技球の通過が可能(又は容易)な「V小当り」としての小当り遊技状態が行われ、特別図柄の選択図柄として「z7」が決定されたときには、V入賞口8156への遊技球の通過が不可能(又は困難)な「転落小当り」としての小当り遊技状態が行われる。「V小当り」としての小当り遊技状態が行われたときに、V入賞口8156に遊技球が通過することにより、第2のルートからの大当り遊技状態に移行することになる。これに対して、「転落小当り」としての小当り遊技状態が行われたときには、V入賞口8156に遊技球が通過することが不可能(又は困難)であり、大当り遊技状態に移行することになく、時短遊技状態であれば、後述するA時短終了条件としての小当り当選回数が減算され、時短遊技状態が終了する契機にもなる。
そして、図301の特別図柄判定テーブルの右欄には、「大当り判定用乱数値(図300参照)」及び「図柄乱数値(図301参照)」を合算することにより算出される特別図柄の各選択図柄の「合算確率」を参考として図示している。本実施形態においては、第2始動口8140に遊技球が入球した場合には、「V小当り」に対応する特別図柄の選択図柄「z5、z6」の合算確率は、約1/48.2となり、「転落小当り」に対応する特別図柄の選択図柄「z7」の合算確率は、約1/152.6となるように構成されている。また、第2始動口8140に遊技球が入球した場合に、第1のルートの「大当り」に対応する特別図柄の選択図柄「z4」及び第2のルートの「V小当り」に対応する特別図柄の選択図柄「z5、z6」の合算確率、すなわち、第2始動口8140に遊技球が入球した場合に、第1のルート及び第2のルートを経由して大当り遊技状態に移行する実質当りの確率は、約1/41.9となるように構成されている。
なお、第8のパチンコ遊技機では説明を省略するが、主制御回路200のメインROM202には、第1のパチンコ遊技機において説明した特別図柄停止態様決定テーブル(図12(A)参照)に相当する特別図柄停止態様決定テーブルが記憶されている。特別図柄停止態様決定テーブルは、特別図柄が停止表示したときに第1特別図柄表示部163または第2特別図柄表示部164(図299参照)に表示される特別図柄の停止態様を、「特別図柄の選択図柄」に応じて決定する際に参照されるテーブルである。また、第1特別図柄表示部163,第2特別図柄表示部164には、特別図柄の当り判定処理の結果に基づいて、大当りの停止態様、小当りの停止態様またはハズレの停止態様が表示される。また、第1のパチンコ遊技機において説明した装飾図柄停止態様決定テーブル(図12(B)参照)に相当する装飾図柄停止態様決定テーブルについても、サブ制御回路300のプログラムROM302に記憶されている。
なお、「特別図柄の選択図柄」を決定する特別図柄の図柄乱数値の範囲、すなわち選択率は、上記値に限定されず、適宜設計変更が自由である。
[10-3-3.大当り種類決定テーブル]
図302は、第8のパチンコ遊技機における大当り種類決定テーブルの一例である。なお、図302に示す大当り種類決定テーブルは、主制御回路200のメインROM202に記憶されている。
大当り種類決定テーブルは、大当り遊技状態の作動内容を決定するテーブルであり、「大当り遊技状態の開放態様」を決定するテーブルである。第8のパチンコ遊技機においては、回数リミッタ機能によるリミッタ回数の設定の有無(後述するリミッタ作動フラグの有無)、回数リミッタ機能におけるリミッタ回数の残存回数に応じて、異なる大当り種類決定テーブルが参照されることになる。
図302(a)に示す大当り種類決定テーブル1は、大当りのリミッタ回数が設定されていないとき(リミッタ作動フラグ=0のとき)に参照される大当り種類決定テーブルである。すなわち、A時短遊技状態以外の遊技状態(通常遊技状態またはB時短遊技状態)における最初の大当りのとき(いわゆる初当り時)に参照される大当り種類決定テーブルである。
図302(b)に示す大当り種類決定テーブル2は、リミッタ作動フラグ=1が設定されており、大当りのリミッタ回数の残存回数が91以上のときに参照される大当り種類決定テーブルである。
図302(c)に示す大当り種類決定テーブル3は、リミッタ作動フラグ=1が設定されており、大当りのリミッタ回数の残存回数が90以下のときに参照される大当り種類決定テーブルである。
図302に示されるように、大当り種類決定テーブル1~3には、特別図柄の選択図柄に対して、「大当り遊技状態の開放態様」が対応付けられている。
「大当り遊技状態の開放態様」は、大当り遊技状態のときに開放される第1大入賞口8131の最大ラウンド数、第1大入賞口8131の開放パターンを規定している。第1大入賞口8131の開放パターンには、OP待ち時間(オープニング時間)、各ラウンドの最大開放時間、各ラウンドの閉鎖時間、ED待ち時間(エンディング時間)等が規定されている。なお、第1大入賞口8131の開放パターンとして、各ラウンドあたりの最大開放時間を異ならせてもよいし、各ラウンドの閉鎖時間(ラウンドインターバル時間)を異ならせて規定してもよい。さらには、1回のラウンドあたりに第1大入賞口6131を複数回開閉させるように開放回数と開放時間とを規定してもよい。
ここで、第2特別図柄の小当りの「特別図柄の選択図柄z5~7」に対応した「大当り遊技状態の開放態様」は、小当り遊技状態のときに開放された第2大入賞口8151に進入した遊技球がV入賞口8156を通過する第2のルートを経て、大当り遊技状態に移行したときの開放態様である。この第2のルートを経て大当り遊技状態に移行したときには、小当り遊技状態のときの第2大入賞口8151の開放を1ラウンド目として、2ラウンド目以降から、第1大入賞口8131を開放させる大当り遊技状態が開始される。
また、小当り遊技状態のときに開放された第2大入賞口8151に進入した遊技球がV入賞口8156を通過しなかったときには、大当り遊技状態は実行されないことになる。特に、本実施形態においては、「転落小当り」に対応する特別図柄の選択図柄「z7」が決定された場合には、V入賞口8156に遊技球が通過することが不可能(又は困難)であり、大当り遊技状態は事質的には実行されないことになる。
図302に示すように、大当り種類決定テーブル1~3によれば、回数リミッタ機能によるリミッタ回数の設定の有無、回数リミッタ機能におけるリミッタ回数の残存回数に応じて、第1大入賞口8131の開放パターンにおけるOP待ち時間(オープニング時間)及びED待ち時間(エンディング時間)が異なるように構成されている。
特に、本実施形態においては、図302に示すように、回数リミッタ機能におけるリミッタ回数の残存回数が少なくなるほど(大当りの連続回数が計数されるほど)、第1大入賞口8131の開放パターンにおけるOP待ち時間(オープニング時間)及びED待ち時間(エンディング時間)が短くなるように構成されている。
なお、本実施形態においては、回数リミッタ機能によるリミッタ回数の設定の有無、回数リミッタ機能におけるリミッタ回数の残存回数に応じて、第1大入賞口8131の開放パターンにおけるOP待ち時間(オープニング時間)及びED待ち時間(エンディング時間)が異なるように構成したが、OP待ち時間(オープニング時間)のみ、またはED待ち時間(エンディング時間)のみが異なるように大当り種類決定テーブル1~3を構成してもよい。
さらには、回数リミッタ機能によるリミッタ回数の設定の有無、回数リミッタ機能におけるリミッタ回数の残存回数に応じて、第1大入賞口8131の開放パターンにおけるOP待ち時間(オープニング時間)、各ラウンドの最大開放時間、各ラウンドの閉鎖時間、ED待ち時間(エンディング時間)の少なくともいずれかが異なるように大当り種類決定テーブル1~3を構成してもよい。
[10-3-4.小当り種類決定テーブル]
図303は、第8のパチンコ遊技機における小当り種類決定テーブルの一例である。なお、図303に示す小種類決定テーブルは、主制御回路200のメインROM202に記憶されている。
小当り種類決定テーブルは、小当り遊技状態の作動内容を決定するテーブルであり、「小当り遊技状態の開放態様」を決定するテーブルである。第8のパチンコ遊技機においては、回数リミッタ機能によるリミッタ回数の設定の有無(後述するリミッタ作動フラグの有無)、回数リミッタ機能におけるリミッタ回数の残存回数に応じて、異なる小当り種類決定テーブルが参照されることになる。
図303(a)に示す小当り種類決定テーブル1は、大当りのリミッタ回数が設定されていないとき(リミッタ作動フラグ=0のとき)に参照される小当り種類決定テーブルである。すなわち、A時短遊技状態以外の遊技状態(通常遊技状態またはB時短遊技状態)における最初の小当りのとき(いわゆる初当り時)に参照される小当り種類決定テーブルである。
図303(b)に示す小当り種類決定テーブル2は、リミッタ作動フラグ=1が設定されており、大当りのリミッタ回数の残存回数が91以上のときに参照される小当り種類決定テーブルである。
図303(c)に示す小当り種類決定テーブル3は、リミッタ作動フラグ=1が設定されており、大当りのリミッタ回数の残存回数が90以下のときに参照される小当り種類決定テーブルである。
図303に示されるように、小当り種類決定テーブル1~3には、特別図柄の選択図柄に対して、「小当り遊技状態の開放態様」が対応付けられている。
「小当り遊技状態の開放態様」は、小当り遊技状態のときに開放される第2大入賞口8151の最大開放回数、第2大入賞口8151の開放パターン及びV入賞口8156の開放パターンを規定している。第2大入賞口8151の開放パターンには、OP待ち時間(オープニング時間)、各回数の最大開放時間、各回数の閉鎖時間、ED待ち時間(エンディング時間)等が規定されている。また、V入賞口8156の開放パターンには、開放待ち時間、開放時間等が規定されている。なお、V入賞口8156の開放パターンとして、第2大入賞口8151の開放パターンのように、V入賞口8156を複数回開閉させるように複数回の開放時間と閉鎖時間とを規定してもよい。
ここで、小当り遊技状態の開始時には、第2大入賞口8151の開放パターンにおけるOP待ち時間(オープニング時間)とV入賞口8156の開放パターンにおける開放待ち時間とが同時に計時されていくことになる。
そして、「V小当り」に対応する特別図柄の選択図柄「z5、z6」が決定されたときには、第2大入賞口8151が最大16回の開放を行い、第2大入賞口8151の2回目以降の開放のときには、V入賞口8156の開放パターンにおける開放待ち時間が経過しており、V入賞口8156への遊技球の通過が可能(又は容易)となっている。このため、「V小当り」に対応する特別図柄の選択図柄「z5、z6」が決定されたときには、小当り遊技状態の開放態様としては有利作動態様が決定されることになる。
また、「転落小当り」に対応する特別図柄の選択図柄「z7」が決定されたときには、第2大入賞口8151が1回の開放を行い、第2大入賞口8151の1回目の開放のときには、V入賞口8156の開放パターンにおける開放待ち時間が経過しておらず、V入賞口8156への遊技球の通過が不可能(又は困難)となっている。このため、「転落小当り」に対応する特別図柄の選択図柄「z7」が決定されたときには、小当り遊技状態の開放態様としては不利作動態様が決定されることになる。
なお、本実施形態においては、小当り遊技状態の開放態様における有利作動態様と不利作動態様とを、第2大入賞口8151の開放タイミング(第2特電用ソレノイド8155の作動タイミング)とV入賞口8156の開放タイミング(Vシャッタ用ソレノイド8160の作動タイミング)とを用いて構成したが、V入賞口8156の開放頻度や開放時間を変えてV入賞口8156への通過率が異なるように、有利作動態様と不利作動態様とを構成してもよい。
そして、図303に示すように、小当り種類決定テーブル1~3によれば、回数リミッタ機能によるリミッタ回数の設定の有無、回数リミッタ機能におけるリミッタ回数の残存回数に応じて、第2大入賞口8151の開放パターンにおけるOP待ち時間(オープニング時間)、ED待ち時間(エンディング時間)、V入賞口8156の開放パターンにおける開放待ち時間が異なるように構成されている。
特に、本実施形態においては、図303に示すように、回数リミッタ機能におけるリミッタ回数の残存回数が少なくなるほど(大当りの連続回数が計数されるほど)、第2大入賞口8151の開放パターンにおけるOP待ち時間(オープニング時間)、ED待ち時間(エンディング時間)、V入賞口8156の開放パターンにおける開放待ち時間が短くなるように構成されている。
なお、本実施形態においては、回数リミッタ機能によるリミッタ回数の設定の有無、回数リミッタ機能におけるリミッタ回数の残存回数に応じて、第2大入賞口8151の開放パターンにおけるOP待ち時間(オープニング時間)、ED待ち時間(エンディング時間)、V入賞口8156の開放パターンにおける開放待ち時間が異なるように構成したが、第2大入賞口8151の開放パターンにおけるOP待ち時間(オープニング時間)、ED待ち時間(エンディング時間)及びV入賞口8156の開放パターンにおける開放待ち時間の少なくともいずれかが異なるように小当り種類決定テーブル1~3を構成してもよい。
さらには、回数リミッタ機能によるリミッタ回数の設定の有無、回数リミッタ機能におけるリミッタ回数の残存回数に応じて、第2大入賞口8151の開放パターンにおけるOP待ち時間(オープニング時間)、各回数の最大開放時間、各回数の閉鎖時間、ED待ち時間(エンディング時間)、V入賞口8156の開放パターンにおける開放待ち時間、開放時間、閉鎖時間の少なくともいずれかが異なるように小当り種類決定テーブル1~3を構成してもよい。
また、大当り遊技状態における1ラウンドの最大開放時間(例えば28秒)よりも、小当り遊技状態における1回の最大開放時間(例えば0.1秒)の方が短く設定されており、大当り遊技状態においては有利な「第1開放態様」により第1大入賞口8131が開放し、小当り遊技状態においては第1開放態様よりも不利な「第2開放態様」により第2大入賞口8151が開放するといえる。
[10-3-5.遊技状態関連設定テーブル]
図304は、第8のパチンコ遊技機における遊技状態関連設定テーブルの一例である。なお、図304に示す遊技状態関連設定テーブルは、主制御回路200のメインROM202に記憶されている。
遊技状態関連設定テーブルは、大当り遊技状態の終了後に遊技状態を設定するためのテーブルである。第8のパチンコ遊技機においては、回数リミッタ機能によるリミッタ回数の設定の有無(リミッタ作動フラグの有無)、回数リミッタ機能におけるリミッタ回数の残存回数に応じて、異なる遊技状態関連設定テーブルが参照されることになる。
(遊技状態関連設定テーブル1)
図304(a)に示す遊技状態関連設定テーブル1は、大当りのリミッタ回数が設定されていないとき(リミッタ作動フラグ=0のとき)に参照される遊技状態関連設定テーブルである。すなわち、A時短遊技状態以外の遊技状態(通常遊技状態またはB時短遊技状態)における最初の大当りのとき(いわゆる初当り時)に、その大当り遊技状態の終了後に参照される遊技状態関連設定テーブルである。
図304(a)に示されるように、遊技状態関連設定テーブル1には、特別図柄の選択図柄に対して、大当りまたは小当りと判定されたときの遊技状態(当選時の遊技状態)に基づいて、「状態フラグ」及び「A時短終了条件」からなる「遊技状態の設定」と、「リミッタ作動フラグ」と、「リミッタ回数」とが対応付けられている。
「状態フラグ」とは、遊技状態の種類を示すフラグであり、メインRAM203の所定の記憶領域に記憶される。状態フラグ=0は「通常遊技状態」を示し、状態フラグ=1は「A時短遊技状態」を示し、状態フラグ=2は「B時短遊技状態」を示している。なお、本実施形態では、C時短遊技状態が実行されないものの、C時短遊技状態を実行可能とする場合には、状態フラグ=3がC時短遊技状態を示すことになる。
「A時短終了条件」とは、時短遊技状態としてのA時短遊技状態が終了する専用条件であり、「小当りの当選回数」と「時短回数」との2つの終了条件から構成されている。この「小当りの当選回数」と「時短回数」とのいずれかの終了条件が成立すると、A時短遊技状態が終了して通常遊技状態に移行することになる。
なお、本実施形態においては、「A時短終了条件」を「小当りの当選回数」と「時短回数」との2つの終了条件から構成したが、「小当りの当選回数」のみ、または「時短回数」のみから構成してもよい。このことは、後述する「B時短終了条件」においても同様である。
「小当りの当選回数」は、時短遊技状態において小当りに当選した回数を示しており、上述した「V小当り」及び「転落小当り」を区別することなく計数しているが、「V小当り」に当選した場合には、V入賞口8156への遊技球の通過が可能(又は容易)であり、大当り遊技状態に移行可能になるが、「転落小当り」に当選した場合には、V入賞口8156に遊技球が通過することが不可能(又は困難)であり、大当り遊技状態に移行することになく、小当りの当選回数が減算され、時短遊技状態が終了する契機となる。
例えば、小当りの当選回数=1回が設定された場合には、「V小当り」よりも先に「転落小当り」が当選すると、V入賞口8156に遊技球が通過することは不可能(又は困難)であり、大当り遊技状態に移行することになく、時短遊技状態が終了することになる。これに対して、小当りの当選回数=255回が設定された場合には、「転落小当り(約1/152.6)」よりも「V小当り(約1/48.2)」の方が当選確率が高く、小当りが255回当選するまでには、少なくとも「V小当り」が当選可能であることから、時短遊技状態が終了することなく、大当り遊技状態に移行可能であり、次回の大当りまでが実質的に保障されていることになる。本実施形態においては、第1の時短終了条件として小当りの当選回数=1回または2回が設定された場合の時短遊技状態を「一般時短遊技状態」といい、第2の時短終了条件として小当りの当選回数=255回が設定された場合の時短遊技状態を「特殊時短遊技状態」という。
また、メインCPU201は、小当りの当選回数=255回を設定する場合には、特殊時短遊技状態であることを識別するために、特殊時短フラグ=1(特殊時短フラグのオン)を設定する。同様にして、メインCPU201は、小当りの当選回数=1回または2回を設定する場合には、一般時短遊技状態であることを識別するために、特殊時短フラグ=0(特殊時短フラグのオフ)を設定する。
「時短回数」は、時短遊技状態において第1特別図柄または第2特別図柄のいずれかの特別図柄が可変表示可能な合計回数を示している。
なお、本実施形態においては、状態フラグ=1(A時短遊技状態)が設定される場合には、時短回数=10000回を設定しており、「時短回数」の終了条件が実質的に成立できない回数を設定しているが、時短回数=100回のように「時短回数」の終了条件が成立できる回数を設定してもよい。
「リミッタ作動フラグ」は、回数リミッタ機能により時短遊技状態における大当り遊技状態に移行した大当り連続回数を計数中であるか否かを示すフラグであり、リミッタ作動フラグ=1は、回数リミッタ機能による大当り連続回数を計数中であることを示し、リミッタ作動フラグ=0は、回数リミッタ機能による大当り連続回数を計数中でないことを示している。また、リミッタ作動フラグは、状態フラグとも対応しており、A時短遊技状態を示す状態フラグ=1が設定される場合にはリミッタ作動フラグ=1が設定され、通常遊技状態を示す状態フラグ=0が設定される場合にはリミッタ作動フラグ=0が設定されるように構成されている。
「リミッタ回数」は、A時短遊技状態以外の遊技状態(通常遊技状態またはB時短遊技状態)における最初の大当りのときに設定される回数を示している。リミッタ回数は、リミッタ作動フラグ=1が設定されている場合に、時短遊技状態において大当り遊技状態に移行する毎に減算されていき、リミッタ作動フラグ=1かつリミッタ回数=0になると、回数リミッタ機能が作動し、後述する図304(d)に示す遊技状態関連設定テーブル4が参照されることになる。
図304(a)に示す遊技状態関連設定テーブル1によれば、当選時の遊技状態が通常遊技状態であるときに、第1始動口8120に遊技球が入球して第1特別図柄の抽選結果が大当りであった場合には、その大当り遊技状態の終了後に、第1特別図柄の選択図柄が「z1」であったときには、状態フラグ=1、小当りの当選回数=255回、時短回数=10000回、リミッタ作動フラグ=1、リミッタ回数=98回が設定され、第1特別図柄の選択図柄が「z2」であったときには、状態フラグ=1、小当りの当選回数=1回、時短回数=10000回、リミッタ作動フラグ=1、リミッタ回数=100回が設定され、第1特別図柄の選択図柄が「z3」であったときには、状態フラグ=0、リミッタ作動フラグ=0が設定される。
また、図304(a)に示す遊技状態関連設定テーブル1によれば、当選時の遊技状態が通常遊技状態であるときに、第2始動口8140に遊技球が入球して第2特別図柄の抽選結果が大当りまたは小当りであった場合には、その大当り遊技状態(V小当りからの大当り遊技状態も含む)の終了後に、第2特別図柄の選択図柄が「z4」、「z5」及び「z6」のいずれかであったときには、状態フラグ=1、小当りの当選回数=1回、時短回数=10000回、リミッタ作動フラグ=1、リミッタ回数=90回が設定され、第2特別図柄の選択図柄が「z7」であったときには、状態フラグ=1、小当りの当選回数=1回、時短回数=10000回、リミッタ作動フラグ=1、リミッタ回数=1回が設定される。
また、図304(a)に示す遊技状態関連設定テーブル1によれば、当選時の遊技状態が時短遊技状態であるときに、第1始動口8120に遊技球が入球して第1特別図柄の抽選結果が大当りであった場合には、その大当り遊技状態の終了後に、第1特別図柄の選択図柄が「z1」であったときには、状態フラグ=1、小当りの当選回数=255回、時短回数=10000回、リミッタ作動フラグ=1、リミッタ回数=97回が設定され、第1特別図柄の選択図柄が「z2」または「z3」であったときには、状態フラグ=1、小当りの当選回数=1回、時短回数=10000回、リミッタ作動フラグ=1、リミッタ回数=99回が設定される。
また、図304(a)に示す遊技状態関連設定テーブル1によれば、当選時の遊技状態が時短遊技状態であるときに、第2始動口8140に遊技球が入球して第2特別図柄の抽選結果が大当りまたは小当りであった場合には、その大当り遊技状態(V小当りからの大当り遊技状態も含む)の終了後に、第2特別図柄の選択図柄が「z4」、「z5」及び「z6」のいずれかであったときには、状態フラグ=1、小当りの当選回数=1回、時短回数=10000回、リミッタ作動フラグ=1、リミッタ回数=96回が設定され、第2特別図柄の選択図柄が「z7」であったときには、状態フラグ=1、小当りの当選回数=1回、時短回数=10000回、リミッタ作動フラグ=1、リミッタ回数=1回が設定される。
なお、第2始動口8140に遊技球が入球して第2特別図柄の抽選結果が小当りであり、「転落小当り」に対応する第2特別図柄の選択図柄「z7」が決定された場合には、V入賞口8156に遊技球が通過することが不可能(又は困難)であり、大当り遊技状態に移行することになく、遊技状態の設定、リミッタ作動フラグ及びリミッタ回数の設定は行われないことになる。このことは、後述する遊技状態関連設定テーブル2~4においても同様である。
次に、図304(a)に示す遊技状態関連設定テーブル1が参照される各遊技状態における特別図柄の抽選の状況を整理していくと、大当りのリミッタ回数が未設定であるときの時短遊技状態とは、大当りを契機とせずに、特別図柄の可変表示回数が天井値に到達後に移行するB時短遊技状態に限られることになる。すなわち、図304(a)に示す遊技状態関連設定テーブル1における「当選時の遊技状態が時短遊技状態」とは、当選時の遊技状態が「B時短遊技状態」を示していることになる。
ここで、通常遊技状態であるときには、正規な遊技態様として左打ちが行われ、第1始動口8120に遊技球が入球可能であり、第2始動口8140に遊技球が入球することは困難である。また、時短遊技状態(B時短遊技状態)であるときには、正規な遊技態様として右打ちが行われ、第2始動口8140に遊技球が入球可能であり、第1始動口8120に遊技球が入球することは困難である。
このため、図304(a)に示す遊技状態関連設定テーブル1において、当選時の遊技状態が通常遊技状態であるときに、第1特別図柄の抽選結果が大当りであった場合とは、後述する第1の通常遊技状態において、第1特別図柄の抽選により最初の大当りと判定されたときに対応していることになる。
また、通常遊技状態であるときには、本来的には第1始動口8120に遊技球が入球可能であり、第2始動口8140に遊技球が入球することは困難であるが、時短遊技状態が終了して通常遊技状態に移行した直後には、時短遊技状態に記憶した第2特別図柄の保留個数を消化することが行われることになる。
このため、図304(a)に示す遊技状態関連設定テーブル1において、当選時の遊技状態が通常遊技状態であるときに、第2特別図柄の抽選結果が大当りまたは小当りであった場合とは、後述する第2の通常遊技状態において、第2特別図柄の抽選により時短遊技状態の終了直後に大当りまたは小当りと判定され、大当りまたは小当りを引き戻したことに対応していることになる。
また、B時短遊技状態であるときには、本来的には第2始動口8140に遊技球が入球可能であり、第1始動口8120に遊技球が入球することは困難であるが、通常遊技状態から時短遊技状態に移行した直後には、通常遊技状態に記憶した第1特別図柄の保留個数を消化することが行われたり、時短遊技状態(B時短遊技状態)であるにもかかわらず、イレギュラーな遊技態様として左打ちが行われ、第1始動口8120に遊技球が入球したりすることがある。
このため、図304(a)に示す遊技状態関連設定テーブル1において、当選時の遊技状態が時短遊技状態(B時短遊技状態)であるときに、第1特別図柄の抽選結果が大当りであった場合とは、通常遊技状態に記憶した第1特別図柄の保留個数を消化しているB時短遊技状態、またはイレギュラーな遊技態様として左打ちをしているB時短遊技状態において、第1特別図柄の抽選により最初の大当りと判定されたときに対応していることになる。
また、図304(a)に示す遊技状態関連設定テーブル1において、当選時の遊技状態が時短遊技状態(B時短遊技状態)であるときに、第2特別図柄の抽選結果が大当りまたは小当りであった場合とは、右打ちをしているB時短遊技状態において、第2特別図柄の抽選により最初の大当りと判定されたときに対応していることになる。
(リミッタ回数の特徴)
次に、図304(a)に示す遊技状態関連設定テーブル1により設定されるリミッタ回数の特徴について説明する。
第1の通常遊技状態において第1特別図柄の抽選により最初の大当りと判定され、リミッタ回数が設定されるときには、第1特別図柄の選択図柄に応じて異なるリミッタ回数(98回または100回)が設定されることになる。
第2の通常遊技状態において第2特別図柄の抽選により時短遊技状態の終了直後に大当りまたは小当りと判定され、リミッタ回数が設定されるときには、第2特別図柄の選択図柄に応じて異なるリミッタ回数(1回または90回)が設定されることになる。
B時短遊技状態において第1特別図柄の抽選により最初の大当りと判定され、リミッタ回数が設定されるときには、第1特別図柄の選択図柄に応じて異なるリミッタ回数(97回または99回)が設定されることになる。
B時短遊技状態において第2特別図柄の抽選により最初の大当りと判定され、リミッタ回数が設定されるときには、第2特別図柄の選択図柄に応じて異なるリミッタ回数(96回または1回)が設定されることになる。
このように、図304(a)に示す遊技状態関連設定テーブル1によれば、当選時の遊技状態及び特別図柄の選択図柄に応じて、異なる「リミッタ回数」が設定されるように構成されている。
特に、図304(a)に示す遊技状態関連設定テーブル1によれば、B時短遊技状態における特別図柄の抽選による大当り遊技状態の終了後には、通常遊技状態における特別図柄の抽選による大当り遊技状態の終了後に設定されるリミッタ回数(98回、100回または90回)とは異なるリミッタ回数(97回、99回または96回)が設定可能となっている。
さらには、本実施形態においては、第2の通常遊技状態において第2特別図柄の抽選により時短遊技状態の終了直後に大当りまたは小当りと判定されてリミッタ回数が設定されるとき(大当りまたは小当りを引き戻したとき)には、第1の通常遊技状態において第1特別図柄の抽選により最初の大当りと判定されたとき、及びB時短遊技状態において特別図柄の抽選により最初の大当りと判定されたときよりも、少ないリミッタ回数(90回)が設定されるように遊技状態関連設定テーブル1が構成されている。特に、第2の通常遊技状態において第2特別図柄の抽選により時短遊技状態の終了直後に大当りまたは小当りと判定されたときに設定されるリミッタ回数は、後述する特別図柄の変動パターンテーブルJ2(図315参照)が決定される大当りのリミッタ回数の残存回数に対応しており、大当り遊技状態の終了後に一般時短遊技状態に引き戻された場合には、より速く特別図柄の可変表示を終了(消化)させていく特別図柄の変動パターンテーブルを採用することができる。
さらには、本実施形態においては、第2特別図柄の抽選結果が小当りであり、「転落小当り」に対応する第2特別図柄の選択図柄「z7」が決定された場合には、本来的には、V入賞口8156に遊技球が通過することが不可能(又は困難)であり、大当り遊技状態に移行することになく、遊技状態等の設定は行われない。しかしながら、不正行為やイレギュラー的にV入賞口8156に遊技球が通過して、大当り遊技状態に移行した場合には、その大当り遊技状態の終了後に、すぐさま(次回の大当りで)回数リミッタ機能が作動するように、「V小当り」に対応する第2特別図柄の選択図柄「z4~6」のときに設定される回数(90回または96回)よりも少ないリミッタ回数(0回)が設定されるように遊技状態関連設定テーブル1が構成されている。
なお、本実施形態においては、当選時の遊技状態及び特別図柄の選択図柄に応じて、リミッタ回数が異なるように構成したが、すべて同じリミッタ回数(例えば、すべて100回)が設定されるように構成してもよい。
(小当りの当選回数の特徴)
図304(a)に示す遊技状態関連設定テーブル1によれば、当選時の遊技状態及び特別図柄の選択図柄に応じて、A時短終了条件における「小当りの当選回数」が異なるように構成されている。なお、当選時の遊技状態または特別図柄の選択図柄に応じて、A時短終了条件における「小当りの当選回数」が異なるように遊技状態関連設定テーブル1を構成してもよい。
また、図304(a)に示す遊技状態関連設定テーブル1においては、第1特別図柄の抽選による第1特別図柄の選択図柄に応じて、小当りの当選回数=255回を設定可能にし、第1特別図柄の抽選から特殊時短遊技状態への移行を可能にしている。しかしながら、第2特別図柄の抽選による第2特別図柄の選択図柄に応じて、小当りの当選回数=255回が設定可能となるように遊技状態関連設定テーブル1を構成し、第2特別図柄の抽選から特殊時短遊技状態への移行を可能にしてもよい。ただし、第2特別図柄の選択図柄に応じて小当りの当選回数=255回を設定可能にする場合には、第2特別図柄の選択図柄に応じて小当りの当選回数=255回が設定される選択率の方が、第1特別図柄の選択図柄に応じて小当りの当選回数=255回が設定される選択率よりも低いことが望ましい。
さらに、図304(a)に示す遊技状態関連設定テーブル1によれば、特別図柄の選択図柄に応じて、小当りの当選回数=1回または255回の2種類の回数が設定されるように構成されているが、後述する遊技状態関連設定テーブル2に示すように、小当りの当選回数=1回、2回または255回の3種類以上の回数が設定されるように構成してもよい。ただし、小当りの当選回数=255回が設定されるのは、第1特別図柄の抽選による第1特別図柄の選択図柄であるときが望ましい。
なお、本実施形態においては、当選時の遊技状態及び特別図柄の選択図柄に応じて、A時短終了条件における「小当りの当選回数」が異なるように構成したが、すべて同じ「小当りの当選回数」が設定されるように構成してもよい。
(遊技状態関連設定テーブル2)
図304(b)に示す遊技状態関連設定テーブル2は、リミッタ作動フラグ=1が設定されており、大当りのリミッタ回数の残存回数が91以上のときに参照される遊技状態関連設定テーブルである。なお、リミッタ作動フラグ=1が設定されていることから、図304(b)に示す遊技状態関連設定テーブル2は、当選時の遊技状態が時短遊技状態(A時短遊技状態)であるときにのみ参照される遊技状態関連設定テーブルである。このことは、後述する遊技状態関連設定テーブル3、遊技状態関連設定テーブル4についても同様である。
図304(b)に示されるように、遊技状態関連設定テーブル2には、特別図柄の選択図柄に対して、「遊技状態の設定」と、「リミッタ作動フラグ」と、「リミッタ回数の減算値」とが対応付けられている。
図304(b)に示す遊技状態関連設定テーブル2によれば、第1始動口8120に遊技球が入球して第1特別図柄の抽選結果が大当りであった場合には、その大当り遊技状態の終了後に、図304(a)に示す遊技状態関連設定テーブル1と同様に「遊技状態の設定」及び「リミッタ作動フラグ」の設定が行われるが、第1特別図柄の選択図柄が「z1」または「z2」であったときには、リミッタ回数から1が減算されることになる。
なお、上述したように、リミッタ作動フラグは状態フラグとも対応しており、リミッタ作動フラグ=1が設定されているときには、A時短遊技状態を示す状態フラグ=1が設定されていることになる。そして、時短遊技状態においては正規な遊技態様として右打ちが行われており、本来的には第1始動口8120に遊技球が入球することは不可能(又は困難)であるものの、時短遊技状態において(遊技者に不利である)イレギュラーな遊技態様として左打ちを行うことにより第1始動口8120に遊技球が入球することは可能である。このため、図304(b)に示す遊技状態関連設定テーブル2において第1特別図柄の抽選結果が大当りであった場合とは、時短遊技状態においてイレギュラーな遊技態様として左打ちが行われて第1始動口8120に遊技球が入球して大当りと判定されたときに対応していることになる。このことは、図304(c)に示す遊技状態関連設定テーブル3において第1特別図柄の抽選結果が大当りであった場合も同様である。
また、図304(b)に示す遊技状態関連設定テーブル2によれば、第2始動口8140に遊技球が入球して第2特別図柄の抽選結果が大当りまたは小当りであった場合には、その大当り遊技状態(V小当りからの大当り遊技状態も含む)の終了後に、第2特別図柄の選択図柄が「z4」であったときには、状態フラグ=1、小当りの当選回数=2回、時短回数=10000回、リミッタ作動フラグ=1が設定され、リミッタ回数から3が減算され、第2特別図柄の選択図柄が「z5」であったときには、状態フラグ=1、小当りの当選回数=2回、時短回数=10000回、リミッタ作動フラグ=1が設定され、リミッタ回数から2が減算され、第2特別図柄の選択図柄が「z6」または「z7」であったときには、状態フラグ=1、小当りの当選回数=1回、時短回数=10000回、リミッタ作動フラグ=1が設定され、リミッタ回数から1が減算されることになる。
このように、図304(b)に示す遊技状態関連設定テーブル2によれば、第2特別図柄の選択図柄に応じて、A時短終了条件における「小当りの当選回数」及び「リミッタ回数の減算値」が異なるように構成されている。
なお、本実施形態においては、第2特別図柄の選択図柄に応じて、A時短終了条件における「小当りの当選回数」及び「リミッタ回数の減算値」が異なるように遊技状態関連設定テーブル2を構成したが、第2特別図柄の選択図柄に応じて、A時短終了条件における「小当りの当選回数」のみ、または「リミッタ回数の減算値」のみが異なるように遊技状態関連設定テーブル2を構成してもよい。
さらには、第1特別図柄の選択図柄に応じても「リミッタ回数の減算値」が異なるように遊技状態関連設定テーブル2を構成してもよい。
さらには、第2特別図柄の選択図柄(第1特別図柄の選択図柄)によらず、同じ値の「リミッタ回数の減算値(例えば、すべて1)」が減算されるように遊技状態関連設定テーブル2を構成してもよい。
(遊技状態関連設定テーブル3)
図304(c)に示す遊技状態関連設定テーブル3は、リミッタ作動フラグ=1が設定されており、大当りのリミッタ回数の残存回数が1~90のときに参照される遊技状態関連設定テーブルである。
図304(c)に示されるように、遊技状態関連設定テーブル3には、遊技状態関連設定テーブル2と同様に、特別図柄の選択図柄に対して、「遊技状態の設定」と、「リミッタ作動フラグ」と、「リミッタ回数の減算値」とが対応付けられている。
図304(c)に示す遊技状態関連設定テーブル3によれば、第1始動口8120に遊技球が入球して第1特別図柄の抽選結果が大当りであった場合には、その大当り遊技状態の終了後に、図304(b)に示す遊技状態関連設定テーブル2と同様に「遊技状態の設定」及び「リミッタ作動フラグ」の設定、リミッタ回数の減算が行われることになる。
また、図304(c)に示す遊技状態関連設定テーブル3によれば、第2始動口8140に遊技球が入球して第2特別図柄の抽選結果が大当りまたは小当りであった場合には、その大当り遊技状態(V小当りからの大当り遊技状態も含む)の終了後に、いずれの第2特別図柄の選択図柄であっても、状態フラグ=1、小当りの当選回数=1回、時短回数=10000回、リミッタ作動フラグ=1が設定され、リミッタ回数から1が減算されることになる。
このように、図304(b)の遊技状態関連設定テーブル2及び図304(c)の遊技状態関連設定テーブル3によれば、大当りのリミッタ回数の残存回数に応じて、A時短終了条件における「小当りの当選回数」及び「リミッタ回数の減算値」が異なるように構成されている。
なお、本実施形態においては、大当りのリミッタ回数の残存回数に応じて、A時短終了条件における「小当りの当選回数」及び「リミッタ回数の減算値」が異なるように構成したが、大当りのリミッタ回数の残存回数に応じて、A時短終了条件における「小当りの当選回数」のみ、または「リミッタ回数の減算値」のみが異なるように構成してもよい。
さらには、大当りのリミッタ回数の残存回数に応じて、A時短終了条件における「小当りの当選回数」及び「リミッタ回数の減算値」が異なることがないように構成してもよい。このように構成する場合には、図304(b)の遊技状態関連設定テーブル2を消去して、図304(c)の遊技状態関連設定テーブル3を、リミッタ作動フラグ=1が設定されており、大当りのリミッタ回数の残存回数が0でないとき(大当りのリミッタ回数≠0)ときに参照される遊技状態関連設定テーブルとすればよい。
また、本実施形態においては、大当りのリミッタ回数の残存回数が90(以下「第1切替回数」ともいう)となったときに、遊技状態関連設定テーブルが、図304(b)の遊技状態関連設定テーブル2から図304(c)の遊技状態関連設定テーブル3に切り替わる(参照される)ように構成したが、第1切替回数は適宜設計変更自由である。
(遊技状態関連設定テーブル4)
図304(d)に示す遊技状態関連設定テーブル4は、回数リミッタ機能の作動時(リミッタ作動フラグ=1が設定されており、大当りのリミッタ回数の残存回数=0)のときに参照される遊技状態関連設定テーブルである。
図304(d)に示されるように、遊技状態関連設定テーブル4には、特別図柄のすべての選択図柄に対して、遊技状態の設定として、通常遊技状態を設定する「状態フラグ=0」が対応付けられている。
このように、図304(d)の遊技状態関連設定テーブル4によれば、時短遊技状態において大当り連続回数が所定のリミッタ回数に到達すると、大当り遊技状態の終了後に強制的に通常遊技状態に移行させて、大当り遊技状態の終了後の遊技状態を規制することができる。
なお、本実施形態においては、時短遊技状態において大当り連続回数が所定のリミッタ回数に到達すると、大当り遊技状態の終了後に強制的に通常遊技状態に移行させるように遊技状態関連設定テーブル4を構成したが、時短遊技状態において大当り連続回数が所定のリミッタ回数に到達すると、大当り遊技状態の終了後に強制的に遊技不許可状態に移行させるように遊技状態関連設定テーブル4を構成してもよい。
また、本実施形態においては、回数リミッタ機能の作動時のときに参照される遊技状態関連設定テーブル4を除き、遊技状態関連設定テーブル1~3によれば、第1特別図柄の抽選による大当り遊技状態の終了後には、「特殊時短遊技状態」、「一般時短遊技状態」または「通常遊技状態」に移行するように構成され、第2特別図柄の抽選による大当り遊技状態の終了後には、「特殊時短遊技状態」または「一般時短遊技状態」に移行することなく、「一般時短遊技状態」のみに移行するように構成されている。
なお、本実施形態においては、第1特別図柄の抽選による大当り遊技状態の終了後には、「特殊時短遊技状態」、「一般時短遊技状態」または「通常遊技状態」に移行するように構成したが、第1特別図柄の抽選による大当り遊技状態の終了後には、(a)「特殊時短遊技状態」のみ、(b)「特殊時短遊技状態」または「一般時短遊技状態」、(c)「特殊時短遊技状態」または「通常遊技状態」のいずれかに移行するように構成してもよい。さらには、第2特別図柄の抽選による大当り遊技状態の終了後には、「一般時短遊技状態」のみに移行するように構成したが、(a)「一般時短遊技状態」または「特殊時短遊技状態」、(b)「一般時短遊技状態」または「通常遊技状態」、(c)「一般時短遊技状態」、「特殊時短遊技状態」または「通常遊技状態」に移行するように構成してもよい。
また、本実施形態においては、回数リミッタ機能の作動時のときに参照される遊技状態関連設定テーブル4を除き、遊技状態関連設定テーブル1~3によれば、第1特別図柄の抽選による大当り遊技状態の終了後には、第2特別図柄の抽選による大当り遊技状態の終了後よりも、相対的に高い第1割合で「特殊時短遊技状態」に移行するように構成されている。また、第2特別図柄の抽選による大当り遊技状態の終了後には、第1特別図柄の抽選による大当り遊技状態の終了後よりも、相対的に高い第2割合で「一般時短遊技状態」に移行するように構成されている。なお、上記第1割合及び第2割合は、比較対象の割合が0%と100%であるという趣旨を排除するものではない。
[10-3-6.特別図柄の変動パターンテーブル]
図305及び図306は、第8のパチンコ遊技機の特別図柄の変動パターンテーブルの一例である。図305は、第8のパチンコ遊技機における通常遊技状態または特殊時短遊技状態の特別図柄の変動パターンテーブルの一例であり、図306は、第8のパチンコ遊技機における一般時短遊技状態の特別図柄の変動パターンテーブルの一例である。なお、図305及び図306に示す特別図柄の変動パターンテーブルは、主制御回路200のメインROM202に記憶されている。
特別図柄の変動パターンテーブルは、特別図柄の変動態様としての「特別図柄の変動パターン」及び「特別図柄の変動表示時間」を決定するテーブルである。
メインCPU201は、遊技状態等に応じて図305及び図306のいずれかの特別図柄の変動パターンテーブルを決定し、決定した特別図柄の変動パターンテーブルを参照し、特別図柄の種別、特別図柄の当り判定処理の結果と、特別図柄の選択図柄等に基づいて、特別図柄の変動パターンと特別図柄の変動表示時間とを決定する。
また、メインCPU201は、変動パターンを決定すると、決定した変動パターンに対応した変動パターンコマンドをサブCPU301に送信する。サブCPU301は、メインCPU201から送信された変動パターンコマンドに基づいて、表示装置7の表示領域に表示される表示演出や、スピーカ32から出力される音演出を制御する。なお、変動パターンコマンドは、第1始動口8120に遊技球が入球したことを契機とした変動パターンであるか、第2始動口8140に遊技球が入球したことを契機とした変動パターンであるかを識別可能に構成されている。
(通常遊技状態の特別図柄の変動パターンテーブル)
図305(a)に示す特別図柄の変動パターンテーブルT1は、通常遊技状態のときに決定される特別図柄の変動パターンテーブルである。
図305(a)に示されるように、特別図柄の変動パターンテーブルT1には、特別図柄の種別と、特別図柄の抽選結果(当落)と、特別図柄の選択図柄と、リーチ判定用乱数値と、演出選択用乱数値と、特別図柄の変動パターンと、特別図柄の変動表示時間とが対応付けられている。なお、リーチ判定用乱数値は例えば0~249(250種類)の中から抽出され、演出選択用乱数値は例えば0~99(100種類)の中から抽出される。ただし、発生する乱数値の範囲は上記に限られない。
上述したように、通常遊技状態においては、正規な遊技態様として左打ちが行われていることから、本来的には第1始動口8120に遊技球が入球可能であり、第2始動口8140に遊技球が入球することは不可能(又は困難)であるが、時短遊技状態が終了して通常遊技状態に移行した直後には、時短遊技状態に記憶した第2特別図柄の保留個数を消化することが行われることになる。
本実施形態においては、通常遊技状態を詳細に区別するときには、第1特別図柄の始動情報に基づいて行われる第1特別図柄の制御期間中の通常遊技状態を「第1の通常遊技状態」といい、時短遊技状態が終了して通常遊技状態に移行した直後において、時短遊技状態に記憶した第2特別図柄の保留個数を消化中の通常遊技状態(第2特別図柄の始動情報に基づいて行われる第2特別図柄の制御期間中の通常遊技状態)を「第2の通常遊技状態」という。
図305(a)に示す特別図柄の変動パターンテーブルT1によれば、第1の通常遊技状態(第1特別図柄)においては、特別図柄の抽選結果(当落)と、特別図柄の選択図柄と応じて、異なる特別図柄の変動パターンが決定可能に構成されている。しかしながら、第2の通常遊技状態(第2特別図柄)においては、第2特別図柄の抽選結果が小当りであり、「転落小当り」に対応する第2特別図柄の選択図柄「z7」が決定された場合と、第2特別図柄の抽選結果がハズレであった場合とでは、同じハズレ扱いとして、通常変動を実行する同じ変動パターン(00H)が決定可能に構成されている。
なお、本実施形態においては、第2の通常遊技状態においては、第2特別図柄の抽選結果が小当りであり「転落小当り」に対応する第2特別図柄の選択図柄「z7」が決定された場合と、第2特別図柄の抽選結果がハズレであった場合とでは、同じ変動パターンが決定されるように構成したが、異なる変動パターンが決定されるように構成してもよい。さらには、第2特別図柄の抽選結果が小当りであり「転落小当り」に対応する第2特別図柄の選択図柄「z7」が決定された場合には、通常変動を実行する同じ変動パターン(00H)を決定せずに、扉開放演出(ハズレ)を実行する同じ変動パターン(0AH)を決定可能に構成してもよい。
(特殊時短遊技状態の特別図柄の変動パターンテーブル)
図305(b)に示す特別図柄の変動パターンテーブルS1は、特殊時短遊技状態のときに決定される特別図柄の変動パターンテーブルである。このため、図305(b)に示す特別図柄の変動パターンテーブルS1は、第2の時短終了条件として小当りの当選回数=255回が設定されたA時短遊技状態、または、第2の時短終了条件として小当りの当選回数=255回が設定されたB時短遊技状態のときに決定される特別図柄の変動パターンテーブルでもある。
図305(b)に示されるように、特別図柄の変動パターンテーブルS1には、特別図柄の種別と、特別図柄の抽選結果(当落)と、特別図柄の選択図柄と、演出選択用乱数値と、特別図柄の変動パターンと、特別図柄の変動表示時間とが対応付けられている。
上述したように、特殊時短遊技状態においては正規な遊技態様として右打ちが行われており、本来的には第1始動口8120に遊技球が入球することは不可能(又は困難)であるものの、特殊時短遊技状態において(遊技者に不利である)イレギュラーな遊技態様として左打ちを行うことにより第1始動口8120に遊技球が入球することは可能である。このため、図305(b)の特別図柄の変動パターンテーブルS1における第1特別図柄の変動パターンは、特殊時短遊技状態においてイレギュラーな遊技態様として左打ちが行われて第1始動口8120に遊技球が入球したときに決定される特別図柄の変動パターンに対応している。このことは、一般時短遊技状態のときに決定される図305に示す特別図柄の変動パターンテーブルJ1~J3においても同様である。
図305(b)に示す特別図柄の変動パターンテーブルS1によれば、特殊時短遊技状態においては、特別図柄の抽選結果がハズレである場合には、通常遊技状態よりも、極めて短い特別図柄の変動表示時間(例えば、0.5秒)からなる特別図柄の変動パターン(10H)が決定可能に構成されている。これにより、特殊時短遊技状態においては、通常遊技状態よりも極めて速く特別図柄の可変表示を終了(消化)させていくことができる。
さらに、図305(b)に示す特別図柄の変動パターンテーブルS1によれば、第2特別図柄の抽選結果が小当りであり、「転落小当り」に対応する第2特別図柄の選択図柄「z7」が決定された場合には、ハズレ扱いとして、第2特別図柄の抽選結果がハズレであった場合に決定される変動パターンと同じ変動パターン(10H)が決定されるように構成されている。これは、特殊時短遊技状態においては、A時短終了条件における小当りの当選回数=255回が設定されており、「転落小当り」により実質的に時短遊技状態が終了することがないからである。
なお、本実施形態においては、A時短終了条件における小当りの当選回数=255回が設定されたときには、「転落小当り」により実質的に時短遊技状態が終了することはないものの、保険のために、小当りの当選回数が255回目の転落小当りのとき(第2特別図柄の抽選結果が小当りであり「転落小当り」に対応する第2特別図柄の選択図柄「z7」が決定され、小当りの当選回数の残数=1であるとき)に、時短遊技状態が終了する演出を実行する変動パターン(例えば、後述するカード演出を実行する変動パターン43H)が決定されるように構成してもよい。
(一般時短遊技状態の特別図柄の変動パターンテーブル)
一般時短遊技状態の特別図柄の変動パターンテーブルとしては、図306(a)に示す特別図柄の変動パターンテーブルJ1と、図306(b)に示す特別図柄の変動パターンテーブルJ2と、図306(c)に示す特別図柄の変動パターンテーブルJ3との3つの変動パターンテーブルを備えている。なお、一般時短遊技状態の特別図柄の変動パターンテーブルの数は3つに限定されず、1つでもよいし、2以上でもよい。
図306(a)に示す特別図柄の変動パターンテーブルJ1は、一般時短遊技状態のときであって、リミッタ作動フラグ=1が設定されており、大当りのリミッタ回数の残存回数が91以上のときに決定される特別図柄の変動パターンテーブルである。
図306(a)に示されるように、特別図柄の変動パターンテーブルJ1には、特別図柄の種別と、特別図柄の抽選結果(当落)と、特別図柄の選択図柄と、「A時短終了条件としての小当りの当選回数の残数」と、リーチ判定用乱数値と、演出選択用乱数値と、特別図柄の変動パターンと、特別図柄の変動表示時間とが対応付けられている。
図306(a)に示す特別図柄の変動パターンテーブルJ1によれば、大当りのリミッタ回数の残存回数が91以上のときの一般時短遊技状態においては、特別図柄の抽選結果がハズレである場合には、通常遊技状態よりも、短い特別図柄の変動表示時間(例えば、3.0秒)からなる特別図柄の変動パターン(11H)が決定可能に構成されている。これにより、一般時短遊技状態においては、通常遊技状態よりも速く特別図柄の可変表示を終了(消化)させていくことができる。
また、図306(a)に示す特別図柄の変動パターンテーブルJ1によれば、大当りのリミッタ回数の残存回数が91以上のときの一般時短遊技状態においては、第2特別図柄の抽選結果が小当りであり、「V小当り」に対応する第2特別図柄の選択図柄「z5、z6」が決定された場合のときと、第2特別図柄の抽選結果がハズレである場合のときに、共通の「バトル演出」が実行される特別図柄の変動パターン(40Hまたは41H)が決定可能に構成されている。これにより、「バトル演出」が実行されたときには、一般時短遊技状態が終了する契機となる「転落小当り」に当選していないことを安心させながら、大当り遊技状態に移行する契機となる「V小当り」に当選したことの期待を与えることができる。
さらに、図306(a)に示す特別図柄の変動パターンテーブルJ1によれば、大当りのリミッタ回数の残存回数が91以上のときの一般時短遊技状態においては、第2特別図柄の抽選結果が小当りであり、「V小当り」に対応する第2特別図柄の選択図柄「z5、z6」または「転落小当り」に対応する第2特別図柄の選択図柄「z7」が決定された場合のときと、第2特別図柄の抽選結果がハズレである場合のときに、共通の「カード演出」が実行される特別図柄の変動パターン(30H、31H、32H、3FH)が決定可能に構成されている。これにより、「カード演出」が実行されたときには、一般時短遊技状態が終了する契機となる「転落小当り」に当選したのか、大当り遊技状態に移行する契機となる「V小当り」に当選したのか、「ハズレ」であるのかに興味を持たせることができる。
このように、図306(a)に示す特別図柄の変動パターンテーブルJ1によれば、大当りのリミッタ回数の残存回数が91以上のときの一般時短遊技状態においては、後述する図306(b)に示す特別図柄の変動パターンテーブルJ2に対応した大当りのリミッタ回数の残存回数が90以下のときの一般時短遊技状態よりも、様々な演出を実行可能にし、より遊技の興趣の向上を高めている。
図306(b)に示す特別図柄の変動パターンテーブルJ2は、一般時短遊技状態のときであって、リミッタ作動フラグ=1が設定されており、大当りのリミッタ回数の残存回数が1~90のときに決定される特別図柄の変動パターンテーブルである。
図306(b)に示されるように、特別図柄の変動パターンテーブルJ2には、特別図柄の種別と、特別図柄の抽選結果(当落)と、特別図柄の選択図柄と、「A時短終了条件としての小当りの当選回数の残数」と、リーチ判定用乱数値と、演出選択用乱数値と、特別図柄の変動パターンと、特別図柄の変動表示時間とが対応付けられている。
図306(b)に示す特別図柄の変動パターンテーブルJ2によれば、大当りのリミッタ回数の残存回数が90以下のときの一般時短遊技状態においては、特別図柄の抽選結果がハズレである場合には、大当りのリミッタ回数の残存回数が91以上のときの一般時短遊技状態よりも、短い特別図柄の変動表示時間(例えば、0.5秒)からなる特別図柄の変動パターンが決定可能に構成されている。これにより、一般時短遊技状態においては、大当りのリミッタ回数の残存回数が少なくなっていくと、より速く特別図柄の可変表示を終了(消化)させていくことができる。
また、図306(b)に示す特別図柄の変動パターンテーブルJ2によれば、大当りのリミッタ回数の残存回数が90以下のときの一般時短遊技状態においては、図306(a)に示す特別図柄の変動パターンテーブルJ1と異なり、特別図柄の変動表示時間が長い「バトル演出」が実行される特別図柄の変動パターン(40Hまたは41H)が決定されることがない。これにより、大当りのリミッタ回数の残存回数が90以下のときの一般時短遊技状態においては、長い特別図柄の変動表示時間からなる特別図柄の変動パターンが決定されることなく、大当りのリミッタ回数の残存回数が91以上のときの一般時短遊技状態よりも、より速く特別図柄の可変表示を終了(消化)させていくことができる。
なお、本実施形態においては、大当りのリミッタ回数の残存回数が90(以下「第2切替回数」ともいう)となったときに、特別図柄の変動パターンテーブルが、図306(a)の特別図柄の変動パターンテーブルJ1から図306(b)に示す特別図柄の変動パターンテーブルJ2に切り替わる(決定される)ように構成したが、第2切替回数は適宜設計変更自由である。特に、第2切替回数を、最初の大当りのときに設定されたリミッタ回数(100回)から1割以下の回数(1~10回)が減算された回数に設計すると、より速く特別図柄の可変表示を終了(消化)させていく特別図柄の変動パターンテーブルに早期のタイミングで切り替えることができるようになるため、より遊技の興趣が向上する。
さらに、本実施形態においては、特別図柄の変動パターンテーブルが切り替わる第2切替回数は、遊技状態関連設定テーブルが切り替わる第1切替回数と同数の回数(90)に設定したが、第1切替回数と第2切替回数とは異なる回数に設定してもよい。
図306(c)に示す特別図柄の変動パターンテーブルJ3は、一般時短遊技状態のときであって、リミッタ作動フラグ=1が設定されており、大当りのリミッタ回数の残存回数=0のときに決定される特別図柄の変動パターンテーブルである。すなわち、図306(c)に示す特別図柄の変動パターンテーブルJ3は、回数リミッタ機能が作動するときに決定される特別図柄の変動パターンテーブルである。
図306(c)に示されるように、特別図柄の変動パターンテーブルJ3には、特別図柄の種別と、特別図柄の抽選結果(当落)と、特別図柄の選択図柄と、「A時短終了条件としての小当りの当選回数の残数」と、特別図柄の変動パターンと、特別図柄の変動表示時間とが対応付けられている。
図306(c)に示す特別図柄の変動パターンテーブルJ3によれば、回数リミッタ機能の作動するときの一般時短遊技状態においては、特別図柄の抽選結果が大当りまたは小当りである場合に、回数リミッタ機能の作動しないときの一般時短遊技状態(特別図柄の変動パターンテーブルJ1、J2)と比べて、異なる特別図柄の変動パターン(50H、51H)が決定されるように構成されている。これにより、回数リミッタ機能の作動するときの一般時短遊技状態においては、特別図柄の抽選結果が大当りまたは小当りである場合には、特殊な専用演出(エンディング成功リーチ)を実行することができる。
[10-3-7.特別図柄の先読み関連データ]
図307は、第8のパチンコ遊技機における特別図柄の先読み関連データの一例である。ここで「先読み」とは、遊技球が第1始動口8120または第2始動口8140に入球して、主制御回路200(メインCPU201)が特別図柄の始動情報(大当り判定用乱数値、図柄乱数値、リーチ判定用乱数値、演出選択用乱数値等)を取得したときに、特別図柄の抽選よりも事前に、取得した特別図柄の始動情報を解析することをいう。そして、解析した情報(先読みコマンド)はサブ制御回路300(サブCPU301)に送信され、先読みコマンドに基づいて「先読み演出」が実行可能となる。
図307(a)は、特別図柄の先読み関連データとして、遊技状態に応じて、先読みを実行するか否かを定めた先読み実行対応テーブルである。
図307(a)に示すように、通常遊技状態においては、第1特別図柄の始動情報に基づく先読みと、第2特別図柄の始動情報に基づく先読みとの両方が実行可能である。また、時短遊技状態、大当り遊技状態、小当り遊技状態においては、第2特別図柄の始動情報に基づく先読みのみが実行可能となっている。
図307(b)は、特別図柄の始動情報を解析し、解析した情報としての先読みコマンドの構成の一例である。
図307(b)に示すように、先読みコマンドは、第1特別図柄であるか第2特別図柄であるかの「特別図柄の種別」と、複数の「パラメータ1~3」とで構成されている。
「パラメータ1」は、大当り判定用乱数値に基づいて、大当り、小当り及びハズレのいずれであるかを事前に解析した当落情報であり、図307(c)は、パラメータ1の設定テーブルの一例である。
「パラメータ2」は、大当り判定用乱数値、図柄乱数値に基づいて、停止表示されるときの特別図柄(選択図柄)を事前に解析した図柄情報であり、図307(d)は、パラメータ2の設定テーブルの一例である。
「パラメータ3」は、大当り判定用乱数値、リーチ判定用乱数値、演出選択用乱数値に基づいて、特別図柄の変動パターンを事前に解析した変動情報であり、図307(e)は、パラメータ3の設定テーブルの一例である。
本実施形態においては、特別図柄の始動情報についての先読みが行われてから、その特別図柄の始動情報に基づく特別図柄の抽選が行われる前までの特別図柄の可変表示を「事前変動」ともいう。また、その特別図柄の始動情報に基づく特別図柄の抽選が行われたときの特別図柄の可変表示を「当該変動」ともいう。
[10-3-8.普通図柄の当り判定テーブル]
図308は、第8のパチンコ遊技機における普通図柄の当り判定テーブルの一例である。なお、図308に示す普通図柄の当り判定テーブルは、主制御回路200のメインROM202に記憶されている。
普通図柄の当り判定テーブルは、普通図柄の当り判定処理において参照されるテーブルであり、通過ゲート8126を遊技球が通過した際に取得される普通図柄の当り判定用乱数値に基づいて「普通図柄当り」または「普通図柄ハズレ」を抽選により決定する際に参照されるテーブルである。
図308に示す普通図柄の当り判定テーブルには、普通図柄当り判定用乱数値の範囲(幅)と、普通図柄の当落判定値データ(「普通図柄当り」または「普通図柄ハズレ」)とが対応づけられて規定されている。なお、普通図柄の当り判定用乱数値は、例えば0~65535の範囲(65536種類)で取得される。ただし、発生する乱数値の範囲は上記に限られない。
メインCPU201は、図308に示す普通図柄の当り判定テーブルを参照し、普通図柄当り判定用乱数値の範囲(幅)に基づいて、普通図柄の当落判定値データを決定する。
本実施形態では、メインCPU201は、図308に示す普通図柄の当り判定テーブルを参照し、取得された普通図柄の当り判定用乱数値が1~65535のいずれかである場合は「普通図柄当り」と判定し、普通図柄の当落判定値データを「普通図柄当り判定値データ」に決定する。また、メインCPU201は、取得された普通図柄の当り判定用乱数値が0である場合は「普通図柄ハズレ」と判定し、普通図柄の当落判定値データを「普通図柄ハズレ判定値データ」に決定する。
このように、本実施形態では、「普通図柄当り」が約1/1.00の選択率で決定され、「普通図柄ハズレ」が決定されるよりも「普通図柄当り」が決定されやすく構成されている。なお、「普通図柄ハズレ」が決定されるよりも「普通図柄当り」が決定されやすく構成されることが望ましく、「普通図柄当り」の選択率は約1/1.00に限定されるものではない。
本実施形態において、通常遊技状態か時短遊技状態かの遊技状態によらず、「普通図柄当り」の選択率が共通(普通図柄当りの当選確率が共通)に設定されているが、後述するように遊技状態に応じて普通電動役物8146の開放パターンを異ならせることにより、遊技状態に応じて遊技者に与える利益度を異ならせている。
また、本実施形態において、通常遊技状態か時短遊技状態かの遊技状態によらず、「普通図柄当り」の選択率が共通に設定されているが、遊技状態に応じて「普通図柄当り」の選択率を異ならせてもよい。遊技状態に応じて「普通図柄当り」の選択率を異ならせる場合には、通常遊技状態における「普通図柄当り」の選択率よりも、時短遊技状態における「普通図柄当り」の選択率が高くなるように構成することが望ましい。さらには、A時短遊技状態とB時短遊技状態、または特殊時短遊技状態と一般時短遊技状態とで時短遊技状態の種類によっても、「普通図柄当り」の選択率を異ならせてもよい。
[10-3-9.普通図柄判定テーブル]
図309は、第8のパチンコ遊技機における普通図柄判定テーブルの一例である。なお、図309に示す普通図柄判定テーブルは、主制御回路200のメインROM202に記憶されている。
普通図柄判定テーブルは、上述の普通図柄の当落判定値データと、通過ゲート8126を遊技球が通過した際に取得される普通図柄の図柄乱数値とに基づいて、普通図柄の停止図柄を決定付ける「普通図柄の選択図柄」を選択する際に参照されるテーブルである。
図309に示される普通図柄判定テーブルには、上述の普通図柄の当落判定値データ(「普通図柄当り」または「普通図柄ハズレ」)と、普通図柄の図柄乱数値と、普通図柄の選択図柄とが対応づけられて規定されている。なお、普通図柄の図柄乱数値は、例えば0~100(101種類)の中から取得される。ただし、発生する乱数値の範囲は上記に限られない。
メインCPU201は、図309に示される普通図柄判定テーブルを参照し、普通図柄当り判定値データと普通図柄の図柄乱数値とに基づいて、普通図柄の選択図柄を決定する。
図309に示される普通図柄判定テーブルによれば、普通図柄の当り判定処理の結果として普通図柄当り判定値データが得られた場合、例えば、普通図柄の選択図柄は以下のように選択される。
例えば、普通図柄当り判定値データが得られた場合、メインCPU201は、普通図柄の図柄乱数値が0~49のいずれかであれば普通図柄の選択図柄として「f1」を選択し、普通図柄の図柄乱数値が50~99のいずれかであれば普通図柄の選択図柄として「f2」を選択する。また、普通図柄ハズレ判定値データが得られた場合、メインCPU201は、普通図柄の図柄乱数値によらず、普通図柄の選択図柄として「f3」を選択する。
特に、本実施形態においては、第1のパチンコ遊技機とは異なり、普通図柄の選択図柄を選択するにあたり、遊技状態によらずに、普通図柄の当落判定値データ(普通図柄の当り判定処理の結果)と普通図柄の図柄乱数値とに基づいて、普通図柄の選択図柄が選択されるように構成されている。なお、第1のパチンコ遊技機と同様に、遊技状態に応じて、普通図柄の選択図柄が選択されるように構成してもよい。
また、本実施形態において、メインCPU201は、先ず、普通図柄の当り判定テーブル(図308参照)を参照して、取得された普通図柄の当り判定用乱数値に基づいて普通図柄の当落判定値データを決定し、その後、普通図柄判定テーブル(図309参照)を参照して、普通図柄の図柄乱数値に基づいて普通図柄の選択図柄を決定するようにしているが、これに限られない。例えば、取得された普通図柄の当り判定用乱数値と普通図柄の図柄乱数値とに基づいて、普通図柄の当落判定値データ(普通図柄の当落)、および普通図柄の選択図柄をあわせて決定するようにしてもよい。
[10-3-10.普通電動役物の開放パターン決定テーブル]
図310は、第8のパチンコ遊技機における普通電動役物の開放パターン決定テーブルの一例である。なお、図310に示す普通電動役物の開放パターン決定テーブルは、主制御回路200のメインROM202に記憶されている。
普通電動役物の開放パターン決定テーブルは、普通図柄の当り判定処理の結果として普通図柄当り判定値データが得られた場合(普通図柄当りの場合)、遊技状態と普通図柄の選択図柄とに応じて、普通電動役物8146の開放態様としての普通電動役物8146の開放パターンを決定する際に参照される。
図310に示される普通電動役物の開放パターン決定テーブルには、遊技状態と、普通図柄の選択図柄と、普通電動役物8146の開放パターンとが対応づけられて規定されている。
また、本実施形態では、「普通電動役物8146の開放パターン」は、第2始動口8140の1回目の開放状態における「1回目の開放時間」、第2始動口8140の1回目の閉鎖状態における「1回目のウェイト時間」、第2始動口8140の2回目の開放状態における「2回目の開放時間」、第2始動口8140の2回目の閉鎖状態における「2回目のウェイト時間」、第2始動口8140を閉鎖させて普通電動役物8146の作動を終了する「エンディング時間」とで構成されている。なお、普通電動役物8146の開放パターンは、上述した構成に限られず、3回以上の開放状態と閉鎖状態とを繰り返すことが可能に構成してもよいし、1回のみの開放状態からなる構成としてもよい。さらには、「1回目の開放時間」の前に、第2始動口8140の1回目の開放を待機する「オープニング時間」を備えて構成してもよい。
メインCPU201は、図310に示される普通電動役物の開放パターン決定テーブルを参照し、遊技状態と普通図柄の選択図柄とに基づいて、普通電動役物8146の開放パターンを決定する。なお、メインCPU201は、普通電動役物8146の開放パターンを決定すると、決定した普通電動役物8146の開放パターンに対応する普通電動役物の開放パターンコマンドをサブCPU301に送信する。
図310に示す普通電動役物の開放パターン決定テーブルによれば、通常遊技状態において普通図柄当りの場合には、いずれの普通図柄の選択図柄であっても、第1の普通電動役物8146の開放パターン(91H01H)として、1回目の開放時間72ms、1回目のウェイト時間なし、2回目以降の開放なし、エンディング時間12msが決定されるよう構成されている。
また、図310に示す普通電動役物の開放パターン決定テーブルによれば、時短遊技状態において普通図柄当りの場合には、いずれの普通図柄の選択図柄であっても、第2の普通電動役物8146の開放パターン(91H02H)として、1回目の開放時間5400ms、1回目のウェイト時間120ms、2回目の開放時間72ms、エンディング時間12msが決定されるよう構成されている。
このように、本実施形態では、遊技状態に応じて普通電動役物8146の開放パターンが異なり、通常遊技状態において普通図柄当りの場合には、遊技球が第2始動口8140に入球することが困難な「不利な開放態様(「ショート開放」ともいう)」が決定され、時短遊技状態において普通図柄当りの場合には、遊技球が第2始動口8140に入球することが容易な「有利な開放態様(「ロング開放」ともいう)」が決定されるように構成されている。
また、本実施形態では、いずれの普通電動役物8146の開放パターンが作動しても、普電用の規定個数は1個に設定されており、普通電動役物8146の開放パターンの作動中(第2始動口8140の開放中)に、第2始動口8140に1個の遊技球が入球すると、その普通電動役物8146の開放パターンの作動は終了する(第2始動口8140の閉鎖する)。すなわち、1回の普通図柄当りに対しては、1個の遊技球しか第2始動口8140に入球できず、たとえ時短遊技状態において開放時間5400msの残存時間があったとしても、第2始動口8140が閉鎖することになる。
なお、本実施形態では、A時短遊技状態とB時短遊技状態、または特殊時短遊技状態と一般時短遊技状態とで区別なく同じ時短遊技状態として、同じ普通電動役物8146の開放パターンを決定しているが、A時短遊技状態とB時短遊技状態、または特殊時短遊技状態と一般時短遊技状態とで異なる普通電動役物8146の開放パターンを決定するように構成してもよい。
さらには、普通図柄の選択図柄に応じて、普通電動役物8146の開放パターンを異ならせてもよい。ただし、通常遊技状態において普通図柄当りの場合には、時短遊技状態において普通図柄当りの場合よりも「不利な開放態様」群となり、時短遊技状態において普通図柄当りの場合には、通常遊技状態において普通図柄当りの場合よりも「有利な開放態様」群となることが望ましい。
[10-3-11.普通図柄の変動パターンテーブル]
図311は、第8のパチンコ遊技機における普通図柄の変動パターンテーブルの一例である。なお、図311に示す普通図柄の変動パターンテーブルは、主制御回路200のメインROM202に記憶されている。
図311に示す普通図柄の変動パターンテーブルは、遊技状態と、普通図柄の選択図柄と、普通図柄の変動パターンと、普通図柄の変動表示時間とが対応付けられている。
メインCPU201は、普通図柄の変動パターンテーブルを参照し、遊技状態と、普通図柄の選択図柄とに基づいて、普通図柄の変動パターンと普通図柄の変動表示時間とを決定する。そして、メインCPU201は、普通図柄の変動パターンを決定すると、決定した普通図柄の変動パターンに対応した普通図柄の変動パターンコマンドをサブCPU301に送信する。
図311に示す普通図柄の変動パターンテーブルによれば、通常遊技状態においては、普通図柄の変動表示時間414msが決定され、時短遊技状態においては、普通図柄の変動表示時間408msが決定されるように構成されている。また、本実施形態においては、普通図柄の図柄確定時間は、遊技状態や普通図柄の当り判定処理の結果によらず、全て同じ時間(例えば、540ms)が決定される。
なお、本実施形態では、通常遊技状態においては、すべて同じ普通図柄の変動表示時間、普通図柄の図柄確定時間が決定されるように構成されているが、普通図柄の選択図柄に応じて、異なる普通図柄の変動表示時間、普通図柄の図柄確定時間が決定されるように構成してもよい。同様にして、時短遊技状態においては、すべて同じ普通図柄の変動表示時間、普通図柄の図柄確定時間が決定されるように構成されているが、普通図柄の選択図柄に応じて、異なる普通図柄の変動表示時間、普通図柄の図柄確定時間が決定されるように構成してもよい。さらには、A時短遊技状態とB時短遊技状態、または特殊時短遊技状態と一般時短遊技状態とで、異なる普通図柄の変動表示時間、普通図柄の図柄確定時間が決定されるように構成してもよい。
[10-4.主制御処理]
第8のパチンコ遊技機において、主制御回路200のメインCPU201により実行される各種処理(各種モジュール)は、主制御メイン処理(図20~図23参照)で行われる特別図柄制御処理、普通図柄制御処理及びシステムタイマ割込処理の一部が一部異なるものの、その他の処理については同様である。そこで、以下では、特別図柄制御処理、普通図柄制御処理及びシステムタイマ割込処理について説明し、メインCPU201により実行されるその他の処理についての説明は省略する。
なお、第8のパチンコ遊技機における特別図柄制御処理において行われる処理には、第1のパチンコ遊技機において行われる処理と同じ処理もあるが、以下では、第1のパチンコ遊技機において行われる処理と同じ処理も含めて、ステップ番号を代えて改めて説明する。
[10-4-1.特別図柄制御処理]
次に、図312を参照して、主制御メイン処理(図20~図23参照)で行われる特別図柄制御処理について説明する。図312は、第8のパチンコ遊技機における特別図柄制御処理の一例を示すフローチャートである。
図312に示されるように、メインCPU201は、先ず、S8001において、特別図柄の制御状態番号をロードする。特別図柄の制御状態番号は、特別図柄の可変表示(特別図柄ゲーム)に関する制御処理の状態(ステータス)を示す番号である。メインCPU201は、S8001の処理を実行した後、処理をS8002に移す。
なお、図示しないが、メインCPU201は、特別図柄制御処理を実行するにあたり、S8001の処理に先だって、メインRAM203内の特別図柄の作業領域等のアドレスを所定のレジスタにセットするアドレス設定処理を行う。
S8002において、メインCPU201は、S8001でロードした特別図柄の制御状態番号が0であるか否か、すなわち特別図柄の可変表示待ち状態であるか否かを判定する。メインCPU201は、特別図柄の制御番号が0でないと判定した場合には処理をS8008に移し、特別図柄の制御番号が0であると判定した場合には処理をS8003に移す。
S8003において、メインCPU201は、メインRAM203の第2特別図柄始動記憶領域に第2特別図柄の始動情報が記憶されているか否か、すなわち第2特別図柄の保留個数があるか否かを判定する。メインCPU201は、第2特別図柄の始動情報が記憶されていないと判定した場合には処理をS8004に移し、第2特別図柄の始動情報が記憶されていると判定した場合には処理をS8005に移す。
S8004において、メインCPU201は、メインRAM203の第1特別図柄始動記憶領域に第1特別図柄の始動情報が記憶されているか否か、すなわち第1特別図柄の保留個数があるか否かを判定する。メインCPU201は、第1特別図柄の始動情報が記憶されていないと判定した場合には処理をS8007に移し、第1特別図柄の始動情報が記憶されていると判定した場合には、処理をS8006に移す。
S8005において、メインCPU201は、メインRAM203の第2特別図柄始動記憶領域に記憶されている第2特別図柄の始動情報を、メインRAM203の特別図柄判定領域(0)にシフトするシフト処理を行う。このシフト処理では、メインRAM203の第2特別図柄始動記憶領域(1)に記憶された始動情報を特別図柄判定領域(0)にシフトし、第2特別図柄始動記憶領域(2)~第2特別図柄始動記憶領域(4)に記憶された始動情報を第2特別図柄始動記憶領域(1)~第2特別図柄始動記憶領域(3)にシフトすることになる。
S8006において、メインCPU201は、メインRAM203の第1特別図柄始動記憶領域に記憶されている第1特別図柄の始動情報を、メインRAM203の特別図柄判定領域(0)にシフトするシフト処理を行う。このシフト処理では、メインRAM203の第1特別図柄始動記憶領域(1)に記憶された始動情報を特別図柄判定領域(0)にシフトし、第1特別図柄始動記憶領域(2)~第1特別図柄始動記憶領域(4)に記憶された始動情報を第1特別図柄始動記憶領域(1)~第1特別図柄始動記憶領域(3)にシフトすることになる。
S8007において、メインCPU201は、メインRAM203の第1特別図柄始動記憶領域及び第2特別図柄始動記憶領域に特別図柄の始動情報(第1特別図柄及び第2特別図柄の保留個数)が一定時間以上にわたって記憶されていない場合には、デモ表示コマンドの送信予約処理を行う。なお、この処理で送信予約されたデモ表示コマンドは、次回のシステムタイマ割込処理中の演出制御コマンド送信処理(図329参照)において、サブ制御回路300に送信される。そして、デモ表示コマンドをサブ制御回路300が受信すると、サブCPU301はデモ表示演出を行う。
S8008において、メインCPU201は、特別図柄管理処理を行う。この特別図柄管理処理の詳細については、図313を参照して後述する。メインCPU201は、S8003の処理を実行した後、特別図柄制御処理を終了し、処理を主制御メイン処理(図20~図23参照)に戻す。
なお、メインCPU201は、割込み禁止区間を設定し、上述の特別図柄制御処理(S8001~S8008)を、割込み禁止区間内で行うことが好ましい。
このように、本実施形態では、第8のパチンコ遊技機として、第2特別図柄の始動情報が記憶されている場合、第1特別図柄よりも高い優先順位で特別図柄管理処理が実行される優先変動機について説明したが、これに限られない。例えば、第1特別図柄の始動情報が記憶されている場合、第2特別図柄よりも高い優先順位で特別図柄管理処理が実行される優先変動機としてもよいし、第1始動口8120または第2始動口8140への入賞順(入球順)に特別図柄管理処理が実行される順次変動機としてもよい。
[10-4-2.特別図柄管理処理]
次に、図313を参照して、特別図柄制御処理(図312参照)中でメインCPU201により実行される特別図柄管理処理について説明する。図313は、第8のパチンコ遊技機における特別図柄管理処理の一例を示すフローチャートである。
図313に示す各処理の右方に括弧書きで記載した数値(「0」~「7」)は、処理対象となる特別図柄の制御状態番号である。メインCPU201は、制御状態番号に対応する各処理を実行することにより、特別図柄ゲームを進行させる。
S8011において、メインCPU201は、特別図柄の待ち時間(特別図柄タイマカウンタ)が0であるか否かを判定する。この特別図柄の待ち時間は、特別図柄管理処理の各種処理の待ち時間としてセットされ、例えば2msec周期で行われるシステムタイマ割込処理内において特別図柄タイマカウンタとして減算されていくことになる。メインCPU201は、特別図柄の待ち時間が0でないと判定した場合には特別図柄管理処理を終了し、処理を特別図柄制御処理(図312参照)に戻し、特別図柄の待ち時間が0であると判定した場合には処理をS8012に移す。
S8012において、メインCPU201は、特別図柄の制御状態番号をロードする。そして、メインCPU201は、S8012の処理を実行した後、処理をS8013に移す。なお、メインCPU201は、S8012の処理で読み出された制御状態番号に基づいて、S8013以降の処理を行う。
S8013において、メインCPU201は、特別図柄可変表示開始処理を行う。このS8013の処理は、特別図柄の制御状態番号が「0」である場合に行われる処理である。この特別図柄可変表示開始処理の詳細については、図314を参照して後述する。特別図柄の制御状態番号が「0」でない場合には、メインCPU201は、処理をS8014に移す。
S8014において、メインCPU201は、特別図柄可変表示終了処理を行う。このS8014の処理は、特別図柄の制御状態番号が「1」である場合に行われる処理である。この特別図柄可変表示終了処理の詳細については、図316を参照して後述する。特別図柄の制御状態番号が「1」でない場合には、メインCPU201は、処理をS8015に移す。
S8015において、メインCPU201は、特別図柄遊技判定処理を行う。このS8015の処理は、特別図柄の制御状態番号が「2」である場合に行われる処理である。この特別図柄遊技判定処理の詳細については、図318を参照して後述する。特別図柄の制御状態番号が「2」でない場合には、メインCPU201は、処理をS8016に移す。
S8016において、メインCPU201は、小当り遊技閉鎖中処理を行う。このS8016の処理は、特別図柄の制御状態番号が「3」である場合に行われる処理である。この小当り遊技閉鎖中処理の詳細については、図321を参照して後述する。特別図柄の制御状態番号が「3」でない場合には、メインCPU201は、処理をS8017に移す。
S8017において、メインCPU201は、小当り遊技開放中処理を行う。このS8017の処理は、特別図柄の制御状態番号が「4」である場合に行われる処理である。この小当り遊技開放中処理の詳細については、図322を参照して後述する。特別図柄の制御状態番号が「4」でない場合には、メインCPU201は、処理をS8018に移す。
S8018において、メインCPU201は、大入賞口開放準備処理を行う。このS8018の処理は、特別図柄の制御状態番号が「5」である場合に行われる処理である。この大入賞口開放準備処理の詳細については、図323を参照して後述する。特別図柄の制御状態番号が「5」でない場合には、メインCPU201は、処理をS8019に移す。
S8019において、メインCPU201は、大入賞口開放制御処理を行う。このS8019の処理は、特別図柄の制御状態番号が「6」である場合に行われる処理である。この大入賞口開放制御処理の詳細については、図324を参照して後述する。特別図柄の制御状態番号が「6」でない場合には、メインCPU201は、処理をS8020に移す。
S8020において、メインCPU201は、大当り遊技状態終了処理を行う。このS8020の処理は、特別図柄の制御状態番号が「7」である場合に行われる処理である。この大当り遊技状態終了処理の詳細については、図325を参照して後述する。
メインCPU201は、S8013~S8020の処理を終了後、特別図柄管理処理を終了し、処理を特別図柄制御処理(図312参照)に戻す。この場合、特別図柄管理処理が呼び出された処理に戻す。
[10-4-3.特別図柄可変表示開始処理]
次に、図314を参照して、特別図柄管理処理(図313参照)中でメインCPU201により実行される特別図柄可変表示開始処理について説明する。図314は、第8のパチンコ遊技機における特別図柄可変表示開始処理の一例を示すフローチャートである。
S8021において、メインCPU201は、特別図柄の制御状態番号が「0」であるか否かを判定する。メインCPU201は、特別図柄の制御状態番号が「0」でないと判定した場合には、特別図柄可変表示開始処理を終了して処理を特別図柄管理処理(図313参照)に戻し、特別図柄の制御状態番号が「0」であると判定した場合には処理をS8022に移す。
S8022において、メインCPU201は、大当り、小当りまたはハズレを判定する特別図柄の当り判定処理を行う。この特別図柄の当り判定処理では、図300に示す特別図柄の当り判定テーブルを参照し、特別図柄判定領域(0)にシフトされた特別図柄の始動情報としての特別図柄の大当り判定用乱数値に基づいて特別図柄の当り判定を行い、その判定結果に応じた当落判定値データを決定する。メインCPU201は、S8022の処理を実行した後、処理をS8023に移す。
S8023において、メインCPU201は、特別図柄の停止図柄を決定するための特別図柄決定処理を行う。この特別図柄決定処理では、図301に示す特別図柄判定テーブルを参照し、上記S8022の特別図柄の当り判定処理の判定結果としての当落判定値データと、特別図柄判定領域(0)にシフトされた特別図柄の始動情報としての特別図柄の図柄乱数値とに基づいて、特別図柄の選択図柄と図柄指定コマンドとを決定する。メインCPU201は、S8023の処理を実行した後、処理をS8024に移す。
S8024において、メインCPU201は、当り種類決定処理を行う。この処理は、特別図柄の当り判定処理の判定結果が当り(大当りまたは小当り)である場合に、当りの種類を決定する処理である。この当り種類決定処理では、特別図柄の当り判定処理の大当りである場合には、リミッタ作動フラグ及び回数リミッタ機能におけるリミッタ回数の残存回数(後述するメインRAM203の「リミッタ回数カウンタ」)に基づいて、図302に示す大当り種類決定テーブル1~3のいずれかの大当り種類決定テーブルを決定する。また、特別図柄の当り判定処理の小当りである場合には、リミッタ作動フラグ及び回数リミッタ機能におけるリミッタ回数の残存回数(リミッタ回数カウンタ)に基づいて、図303に示す小当り種類決定テーブル1~3のいずれかの小当り種類決定テーブルを決定する。さらに、大当り遊技状態の終了後に当選時の遊技状態に基づいて遊技状態等を設定するため、大当りまたは小当りと判定されたときの当選時の遊技状態を示す当選時遊技状態データをメインRAM203の当選時遊技状態記憶領域にセットする。メインCPU201は、S8024の処理を実行した後、処理をS8025に移す。
S8025において、メインCPU201は、特別図柄の変動パターンを決定する特別図柄の変動パターン決定処理を行う。この特別図柄の変動パターン決定処理では、遊技状態等に応じて図305及び図306のいずれかの特別図柄の変動パターンテーブルを決定し、決定した特別図柄の変動パターンテーブルを参照し、特別図柄の種別、特別図柄の当り判定処理の結果と、特別図柄の選択図柄等に基づいて、特別図柄の変動パターンと特別図柄の変動パターンコマンドとを決定する。この特別図柄の変動パターン決定処理の詳細については、図315を参照して後述する。メインCPU201は、S8025の処理を実行した後、処理をS8026に移す。
S8026において、メインCPU201は、特別図柄の変動表示時間を設定する特別図柄の変動表示時間設定処理を行う。この特別図柄の変動表示時間設定処理では、上記S8025の特別図柄の変動パターン決定処理で決定された特別図柄の変動パターンテーブルを参照し、決定された特別図柄の変動パターンに基づいて特別図柄の変動表示時間を決定する。その後、メインCPU201は、決定した特別図柄の変動表示時間をメインRAM203内の特別図柄の待ち時間にセットし、第1特別図柄表示部163または第2特別図柄表示部164に特別図柄の変動表示を開始させる。メインCPU201は、S8026の処理を実行した後、処理をS8027に移す。
S8027において、メインCPU201は、特別図柄の制御状態番号に「1」をセットする処理を行う。このように、特別図柄の制御状態番号を「1」にセットする処理を行うことにより、この特別図柄可変表示開始処理の終了後に、特別図柄可変表示終了処理(図313参照)が行われることとなる。メインCPU201は、S8027の処理を実行した後、処理をS8028に移す。
S8028において、メインCPU201は、遊技状態指定パラメータ設定処理を行う。この処理では、例えば、メインRAM203内の所定領域に格納されている遊技状態にかかわるパラメータの確認・更新処理等が行われる。そして、現在の遊技状態を示す遊技状態指定コマンドの送信予約処理を行う。なお、この処理で送信予約された遊技状態指定コマンドは、次回のシステムタイマ割込処理中の演出制御コマンド送信処理(図329)において、サブ制御回路300に送信される。メインCPU201は、S8028の処理を実行した後、処理をS8029に移す。
S8029において、メインCPU201は、特別図柄演出開始コマンドの送信予約処理を行う。この処理では、特別図柄演出開始コマンドとして、「図柄指定コマンド」及び「特別図柄の変動パターンコマンド」の送信予約処理を行う。図柄指定コマンドの送信予約処理としては、S8023で決定された図柄指定コマンドの送信予約処理を行う。また、特別図柄の変動パターンコマンドの送信予約処理としては、特別図柄の種別がわかるように、S8025で決定された特別図柄の変動パターンに対応する特別図柄の変動パターンコマンドの送信予約処理を行う。なお、この処理で送信予約された特別図柄演出開始コマンドは、次回のシステムタイマ割込処理中の演出制御コマンド送信処理(図329参照)において、サブ制御回路300に送信される。
なお、メインCPU201は、割込み禁止区間を設定し、上述の特別図柄可変表示開始処理を割込み禁止区間内で行うことが好ましい。
[10-4-4.特別図柄の変動パターン決定処理]
次に、図315を参照して、特別図柄可変表示開始処理(図314参照)中でメインCPU201により実行される特別図柄の変動パターン決定処理の詳細について説明する。図315は、第8のパチンコ遊技機における特別図柄の変動パターン決定処理の一例を示すフローチャートである。
S8025-1において、メインCPU201は、状態フラグを参照し、現在の遊技状態が通常遊技状態であるか否かを判定する。すなわち、通常遊技状態を示す状態フラグ=0であるか否かを判定する。メインCPU201は、現在の遊技状態が通常遊技状態であると判定した場合には処理をS8025-2に移し、現在の遊技状態が通常遊技状態でない(すなわち、時短遊技状態である)と判定した場合には処理をS8025-3に移す。
S8025-2において、メインCPU201は、現在の遊技状態が通常遊技状態である場合には、図305(a)に示す特別図柄の変動パターンテーブルT1を決定する。メインCPU201は、S8025-2の処理を実行した後、処理をS8025-12に移す。
S8025-3において、メインCPU201は、状態フラグを参照し、現在の遊技状態(時短遊技状態)がB時短遊技状態であるか否かを判定する。すなわち、B時短遊技状態を示す状態フラグ=2であるか否かを判定する。メインCPU201は、現在の遊技状態がB時短遊技状態であると判定した場合には処理をS8025-4に移し、現在の遊技状態がB時短遊技状態でない(すなわち、A時短遊技状態である)と判定した場合には処理をS8025-5に移す。
S8025-4において、メインCPU201は、現在の遊技状態がB時短遊技状態である場合には、図305(b)に示す特別図柄の変動パターンテーブルS1を決定する。メインCPU201は、S8025-4の処理を実行した後、処理をS8025-12に移す。
S8025-5において、メインCPU201は、特殊時短フラグを参照し、現在の遊技状態(A時短遊技状態)が特殊時短遊技状態であるか否かを判定する。すなわち、特殊時短遊技状態を示す特殊時短フラグ=1であるか否かを判定する。メインCPU201は、現在の遊技状態が特殊時短遊技状態であると判定した場合には処理をS8025-6に移し、現在の遊技状態が特殊時短遊技状態でない(すなわち、一般時短遊技状態である)と判定した場合には処理をS8025-7に移す。
S8025-6において、メインCPU201は、現在の遊技状態が特殊時短遊技状態である場合には、図305(b)に示す特別図柄の変動パターンテーブルS1を決定する。メインCPU201は、S8025-6の処理を実行した後、処理をS8025-12に移す。
S8025-7において、メインCPU201は、一般時短遊技状態である場合には、大当りのリミッタ回数の残存回数(後述するメインRAM203の「リミッタ回数カウンタ」)が91以上であるか否かを判定する。メインCPU201は、大当りのリミッタ回数の残存回数が91以上であると判定した場合には処理をS8025-8に移し、大当りのリミッタ回数の残存回数が91以上でない(すなわち、大当りのリミッタ回数の残存回数が90以下)と判定した場合には処理をS8025-9に移す。
S8025-8において、メインCPU201は、図306(a)に示す特別図柄の変動パターンテーブルJ1を決定する。メインCPU201は、S8025-8の処理を実行した後、処理をS8025-12に移す。
S8025-9において、メインCPU201は、一般時短遊技状態である場合に、大当りのリミッタ回数の残存回数(後述するメインRAM203の「リミッタ回数カウンタ」)が1~90であるか否かを判定する。メインCPU201は、大当りのリミッタ回数の残存回数が1~90であると判定した場合には処理をS8025-10に移し、大当りのリミッタ回数の残存回数が1~90でない(すなわち、大当りのリミッタ回数の残存回数=0)と判定した場合には処理をS8025-11に移す。
S8025-10において、メインCPU201は、図306(b)に示す特別図柄の変動パターンテーブルJ2を決定する。メインCPU201は、S8025-10の処理を実行した後、処理をS8025-12に移す。
S8025-11において、メインCPU201は、図306(c)に示す特別図柄の変動パターンテーブルJ3を決定する。メインCPU201は、S8025-11の処理を実行した後、処理をS8025-12に移す。
S8025-12において、メインCPU201は、決定した特別図柄の変動パターンテーブルを参照し、特別図柄の種別(始動情報の種別)と、上記S8022の特別図柄の当り判定処理の判定結果と、特別図柄の選択図柄と、特別図柄判定領域(0)にシフトされた特別図柄の始動情報としてのリーチ判定用乱数値及び演出選択用乱数値等に基づいて、特別図柄の変動パターンを決定する。メインCPU201は、S8025-12の処理を実行した後、処理をS8025-13に移す。
S8025-13において、メインCPU201は、決定した特別図柄の変動パターンテーブルを参照し、決定された特別図柄の変動パターンに基づいて特別図柄の変動パターンコマンドを決定する。メインCPU201は、S8025-13の処理を実行した後、特別図柄の変動パターン決定処理を終了し、処理を特別図柄可変表示開始処理(図314参照)のS8026に移す。
[10-4-5.特別図柄可変表示終了処理]
次に、図316を参照して、特別図柄管理処理(図313参照)中でメインCPU201により実行される特別図柄可変表示終了処理について説明する。図316は、第8のパチンコ遊技機における特別図柄可変表示終了処理の一例を示すフローチャートである。
S8041において、メインCPU201は、特別図柄の制御状態番号が「1」であるか否かを判定する。メインCPU201は、特別図柄の制御状態番号が「1」でないと判定した場合には、特別図柄可変表示開始処理を終了して処理を特別図柄管理処理(図313参照)に戻し、特別図柄の制御状態番号が「1」であると判定した場合には処理をS8042に移す。
S8042において、メインCPU201は、特別図柄の図柄確定時間を設定する特別図柄の図柄確定時間設定処理を行う。この特別図柄の図柄確定時間設定処理では、遊技状態や特別図柄の当り判定処理の結果(当落)に基づいて特別図柄の図柄確定時間(例えば、540ms)を決定する。その後、メインCPU201は、決定した特別図柄の図柄確定時間をメインRAM203内の特別図柄の待ち時間にセットし、第1特別図柄表示部163または第2特別図柄表示部164に特別図柄の停止表示をさせる。メインCPU201は、S8042の処理を実行した後、処理をS8043に移す。
なお、特別図柄の図柄確定時間は、特別図柄の変動パターンに基づいて決定してもよいし、遊技状態のみに基づいて決定してもよい。さらには、予め定められた1つの図柄確定時間(例えば、540ms)を決定してもよい。
S8043において、メインCPU201は、時短管理処理を行う。第8のパチンコ遊技機では、特別図柄の変動表示を終了したときに、時短遊技状態の終了条件としての時短回数を計数するための「時短回数カウンタ」と、B時短遊技状態に移行する特別図柄の可変表示回数を計数するための「天井カウンタ」とを更新する処理が行われる。また、時短回数カウンタ=0になると、時短遊技状態から通常遊技状態への移行制御を行い、天井カウンタが天井値に到達すると、B時短遊技状態への移行制御を行うことになる。この時短管理処理の詳細については、図317を参照して後述する。メインCPU201は、S8043の処理を実行した後、処理をS8044に移す。
S8044において、メインCPU201は、特別図柄の制御状態番号を「2」にセットする。このように、特別図柄の制御状態番号を「2」にセットする処理を行うことにより、この特別図柄可変表示終了処理の終了後に、特別図柄遊技判定処理(図313のS8015参照)が行われることとなる。メインCPU201は、S8044の処理を実行した後、処理をS8045に移す。
S8045において、メインCPU201は、特別図柄演出停止コマンドの送信予約処理を行う。なお、この処理で送信予約された特別図柄演出停止コマンドは、次回のシステムタイマ割込処理中の演出制御コマンド送信処理(図329参照)において、サブ制御回路300に送信される。メインCPU201は、S8045の処理を実行した後、処理をS8046に移す。
S8046において、メインCPU201は、図柄確定数カウンタの値を1加算する。第1~3のパチンコ遊技機の説明において上述したように、図柄確定数カウンタは、特別図柄の確定回数(特別図柄ゲームの実行回数)を計数するためのカウンタであるが、例えば、確変残回数や時短残回数等の特定状態下で行われた特別図柄ゲームのゲーム数を管理してもよい。メインCPU201は、S8046の処理を実行した後、特別図柄可変表示終了処理を終了し、処理を特別図柄管理処理(図313参照)に戻す。
[10-4-6.時短管理処理]
次に、図317を参照して、特別図柄可変表示終了処理(図316参照)中でメインCPU201により実行される時短管理処理について説明する。図317は、第8のパチンコ遊技機における時短管理処理の一例を示すフローチャートである。
S8043-1において、メインCPU201は、時短回数カウンタを更新する時短回数カウンタ更新処理を行う。この時短回数カウンタ更新処理においては、時短遊技状態が設定されている場合(状態フラグ=1または2が設定されている場合)には、メインRAM203の「時短回数カウンタ」から1を減算して更新する。メインCPU201は、S8043-1の処理を実行した後、処理をS8043-2に移す。
S8043-2において、メインCPU201は、時短回数カウンタ=0であるか否かを判定する。メインCPU201は、時短カウンタ=0であると判定した場合には、処理をS8043-3に移し、時短カウンタ=0でないと判定した場合には、処理をS8043-4に移す。
S8043-3において、メインCPU201は、時短情報をクリアして、時短遊技状態から通常遊技状態に移行させる。ここで、時短情報のクリアとしては、状態フラグ、特殊時短フラグ、時短回数カウンタ、後述する小当り当選回数カウンタをクリア(=0をセット)することになる。メインCPU201は、S8043-3の処理を実行した後、処理をS8043-4に移す。
S8043-4において、メインCPU201は、天井カウンタを更新する天井カウンタ更新処理を行う。この天井カウンタ更新処理においては、天井カウンタに1を加算して更新する。メインCPU201は、S8043-4の処理を実行した後、処理をS8043-5に移す。
S8043-5において、メインCPU201は、天井カウンタ=天井値(例えば、999回)であるか否かを判定する。メインCPU201は、天井カウンタ=天井値であると判定した場合には、処理をS8043-6に移し、天井カウンタ=天井値でないと判定した場合には、処理をS8043-9に移す。
S8043-6において、メインCPU201は、天井カウンタをクリア(=0をセット)する。メインCPU201は、S8043-6の処理を実行した後、処理をS8043-7に移す。
S8043-7において、メインCPU201は、B時短遊技状態に移行させるためのB時短遊技状態設定処理を行う。このB時短遊技状態設定処理においては、B時短遊技状態を示す状態フラグ=2を設定するとともに、「特殊時短遊技状態」に移行するように、「B時短終了条件」として、小当りの当選回数=255回、時短回数=10000回を設定する。そして、特殊時短遊技状態であることを識別できるように、特殊時短フラグ=1を設定する。なお、B時短遊技状態設定処理において、「一般時短遊技状態」に移行するように、小当りの当選回数=1回、時短回数=10000回、特殊時短フラグ=0を設定してもよい。メインCPU201は、S8043-7の処理を実行した後、処理をS8043-8に移す。
S8043-8において、メインCPU201は、B時短遊技状態を開始するときには、時短移行コマンドの送信予約処理を行う。なお、この処理で送信予約された時短移行コマンドは、次回のシステムタイマ割込処理中の演出制御コマンド送信処理(図329)において、サブ制御回路300に送信される。メインCPU201は、S8043-8の処理を実行した後、処理をS8043-9に移す。
S8043-9において、メインCPU201は、遊技状態指定パラメータ設定処理を行う。この処理では、メインRAM203内の所定領域に格納されている遊技状態にかかわるパラメータの確認・更新処理等が行われる。そして、現在の遊技状態を示す遊技状態指定コマンドの送信予約処理を行う。メインCPU201は、S8043-9の処理を実行した後、時短管理処理を終了し、処理を特別図柄可変表示終了処理(図316参照)に戻す。
[10-4-7.特別図柄遊技判定処理]
次に、図318を参照して、特別図柄管理処理(図313参照)中でメインCPU201により実行される特別図柄遊技判定処理について説明する。図318は、第8のパチンコ遊技機における特別図柄遊技判定処理の一例を示すフローチャートである。
S8051において、メインCPU201は、特別図柄の制御状態番号が「2」であるか否かを判定する。メインCPU201は、特別図柄の制御状態番号が「2」でないと判定した場合には、特別図柄遊技判定処理を終了して処理を特別図柄管理処理(図313参照)に戻し、特別図柄の制御状態番号が「2」であると判定した場合には処理をS8052に移す。
S8052において、メインCPU201は、特別図柄の選択図柄を参照し、大当りであるか否か、すなわち停止した特別図柄が大当りに対応した特別図柄の選択図柄であるか否かを判定する。メインCPU201は、大当りであると判定した場合には、処理をS8054に移し、大当りでないと判定した場合には、処理をS8061に移す。
S8054において、メインCPU201は、大当りの外部信号処理を行う。この大当りの外部信号処理においては、特別図柄の選択図柄を参照し、大当りのときに外部端子板184を介してホールコンピュータ186に出力される外部信号として「特別図柄の選択図柄に応じた大当り信号」生成する。その後、生成した「特別図柄の選択図柄に応じた大当り信号」を外部端子板184に出力する。メインCPU201は、S8054の処理を実行した後、処理をS8055に移す。
S8055において、メインCPU201は、第1ルート大当り開始準備設定処理を行う。この第1ルート大当り開始準備設定処理においては、上記S8024で決定した図302に示す大当り種類決定テーブルを参照し、大当りの「特別図柄の選択図柄」に基づいて最大ラウンド数を決定し、決定した最大ラウンド数をメインRAM203の大当りラウンド数の上限値にセットする。さらに、上記S8024で決定した図302に示す大当り種類決定テーブルを参照し、大当りの「特別図柄の選択図柄」に基づいてOP待ち時間(オープニング時間)を決定し、決定したOP待ち時間(オープニング時間)をメインRAM203内の特別図柄の待ち時間にセットする。メインCPU201は、S8055の処理を実行した後、処理をS8056に移す。
S8056において、メインCPU201は、大当りの状態表示処理を行う。この大当りの状態表示処理では、上述して決定された最大ラウンド数に応じたラウンド表示LEDデータをセットするとともに、遊技者に右打ちを指示することを報知する右打ち指示データをセットする。メインCPU201は、S8056の処理を実行した後、処理をS8057に移す。
S8057において、メインCPU201は、遊技状態管理処理を行う。大当りであると判定されたときの遊技状態管理処理においては、メインCPU201は、状態フラグ、特殊時短フラグ、時短回数カウンタ及び小当り当選回数カウンタをクリアする処理を行う。メインCPU201は、S8057の処理を実行した後、処理をS8058に移す。
S8058において、メインCPU201は、遊技状態指定パラメータ設定処理を行う。この処理では、メインRAM203内の所定領域に格納されている遊技状態にかかわるパラメータの確認・更新処理等を行う。そして、現在の遊技状態を示す遊技状態指定コマンドの送信予約処理を行う。メインCPU201は、S8058の処理を実行した後、処理をS8059に移す。
S8059において、メインCPU201は、特別図柄の制御状態番号を「5」にセットする。なお、特別図柄の制御状態番号を「5」にセットする処理を行うことにより、この特別図柄遊技判定処理の終了後に、大入賞口開放準備処理(図313のS8018参照)が行われることとなる。メインCPU201は、S8059の処理を実行した後、処理をS8059に移す。
S8060において、メインCPU201は、大当り開始表示コマンドの送信予約処理を行う。メインCPU201は、S8060の処理を実行した後、今回の特別図柄遊技判定処理を終了し、処理を特別図柄管理処理(図313参照)に戻す。
S8061において、メインCPU201は、特別図柄の選択図柄を参照し、特別図柄の選択図柄を参照し、小当りであるか否か、すなわち停止した特別図柄が小当りに対応した特別図柄の選択図柄であるか否かを判定する。メインCPU201は、小当りであると判定した場合には、処理をS8063に移し、小当りでない(すなわちハズレ)と判定した場合には、処理をS8071に移す。
S8063において、メインCPU201は、小当りの外部信号処理を行う。この小当りの外部信号処理においては、特別図柄の選択図柄を参照し、「V小当り」に対応する第2特別図柄の選択図柄「z5、z6」が決定されたときに外部端子板184を介してホールコンピュータ186に出力される外部信号としての「小当り信号」を生成する。その後、生成した小当り信号を外部端子板184に出力する。なお、本実施形態においては、「転落小当り」に対応する第2特別図柄の選択図柄「z7」が決定されたときには、「小当り信号」を生成しないよう構成したが、「転落小当り」に対応する第2特別図柄の選択図柄「z7」が決定されたにも、「小当り信号」を生成するように構成してもよい。メインCPU201は、S8063の処理を実行した後、処理をS8064に移す。
S8064において、メインCPU201は、小当り開始準備設定処理を行う。この小当り開始準備設定処理においては、上記S8024で決定した図303に示す小当り種類決定テーブルを参照し、「特別図柄の選択図柄」に基づいて最大開放回数を決定し、決定した最大開放回数をメインRAM203の小当り開放回数の上限値にセットする。次に、上記S8024で決定した図303に示す小当り種類決定テーブルを参照し、「特別図柄の選択図柄」に基づいてOP待ち時間(オープニング時間)を決定し、決定したOP待ち時間(オープニング時間)をメインRAM203内の特別図柄の待ち時間にセットする。さらに、上記S8024で決定した図303に示す小当り種類決定テーブルを参照し、「特別図柄の選択図柄」に基づいて、V入賞口8156の開放パターンとして開放待ち時間を決定し、決定した開放待ち時間をメインRAM203内のV入賞口閉鎖タイマカウンタにセットするとともに、V作動フラグをオンにする。なお、V入賞口8156を開閉させるVシャッタ用ソレノイド8160に関するV入賞制御処理は、後述するシステムタイマ割込処理(図329及び図330)において行われる。メインCPU201は、S8064の処理を実行した後、処理をS8066に移す。
S8065において、メインCPU201は、小当りの状態表示処理を行う。この小当りの状態表示処理では、遊技者に右打ちを指示することを報知する右打ち指示データをセットする。メインCPU201は、S8065の処理を実行した後、処理をS8066に移す。
S8066において、メインCPU201は、時短遊技状態の終了条件としての小当りの当選回数を計数し、小当りの当選回数の残数を示す「小当り当選回数カウンタ」を更新する小当り当選回数更新処理を行う。この小当り当選回数更新処理の詳細については、図319を参照して後述する。メインCPU201は、S8066の処理を実行した後、処理をS8067に移す。
S8067において、メインCPU201は、遊技状態指定パラメータ設定処理を行う。この処理では、メインRAM203内の所定領域に格納されている遊技状態にかかわるパラメータの確認・更新処理等を行う。そして、現在の遊技状態を示す遊技状態指定コマンドの送信予約処理を行う。メインCPU201は、S8067の処理を実行した後、処理をS8068に移す。
S8068において、メインCPU201は、特別図柄の制御状態番号を「3」にセットする。なお、特別図柄の制御状態番号を「3」にセットする処理を行うことにより、この特別図柄遊技判定処理の終了後に、小当り遊技閉鎖中処理(図313のS8016参照)が行われることとなる。メインCPU201は、S8068の処理を実行した後、処理をS8069に移す。
S8069において、メインCPU201は、小当り開始表示コマンドの送信予約処理の処理を行う。メインCPU201は、S8069の処理を実行した後、今回の特別図柄遊技判定処理を終了し、処理を特別図柄管理処理(図313参照)に戻す。
S8071において、メインCPU201は、特別図柄遊技終了処理を行う。この特別図柄遊技終了処理については、図320を参照して後述する。なお、メインCPU201は、特別図柄遊技終了処理を行うと、特別図柄遊技判定処理を終了し、処理を特別図柄管理処理(図313参照)に戻す。
なお、メインCPU201は、割込み禁止区間を設定し、上述の特別図柄遊技判定処理(S8051~S8071)を、割込み禁止区間内で行うことが好ましい。
[10-4-8.小当り当選回数更新処理]
次に、図319を参照して、特別図柄遊技判定処理(図318参照)中でメインCPU201により実行される小当り当選回数更新処理について説明する。図319は、第8のパチンコ遊技機における小当り当選回数更新処理の一例を示すフローチャートである。
S8066-1において、メインCPU201は、現在の遊技状態が時短遊技状態であるか否か、すなわち、状態フラグ=1または2であるか否かを判定する。メインCPU201は、現在の遊技状態が時短遊技状態であると判定した場合には処理をS8066-2に移し、現在の遊技状態が時短遊技状態でないと判定した場合には、小当り当選回数更新処理を終了し、処理を特別図柄遊技判定処理(図318参照)のS8067に移す。
S8066-2において、メインCPU201は、メインRAM203の「小当り当選回数カウンタ」から1を減算して更新する。メインCPU201は、S8066-2の処理を実行した後、処理をS8066-3に移す。
S8066-3において、メインCPU201は、小当り当選回数カウンタ=0であるか否かを判定する。メインCPU201は、小当り当選回数カウンタ=0であると判定した場合には、処理をS8066-4に移し、小当り当選回数カウンタ=0でないと判定した場合には、小当り当選回数更新処理を終了し、処理を特別図柄遊技判定処理(図318参照)のS8067に移す。
S8066-4において、メインCPU201は、時短情報をクリアして、時短遊技状態から通常遊技状態に移行させる。ここで、時短情報のクリアとしては、状態フラグ、特殊時短フラグ、時短回数カウンタ、小当り当選回数カウンタをクリア(=0をセット)することになる。メインCPU201は、S8066-4の処理を実行した後には、小当り当選回数更新処理を終了し、処理を特別図柄遊技判定処理(図318参照)のS8067に移す。
[10-4-9.特別図柄遊技終了処理]
次に、図320を参照して、特別図柄遊技判定処理(図318参照)中でメインCPU201により実行される特別図柄遊技終了処理について説明する。図320は、第8のパチンコ遊技機における特別図柄遊技終了処理の一例を示すフローチャートである。
S8072において、メインCPU201は、特別図柄の制御状態番号に「0」をセットする。このように、特別図柄の制御状態番号を「0」にセットする処理を行うことにより今回の特別図柄遊技が終了し、特別図柄可変表示開始処理すなわち次回の特別図柄遊技を実行することが可能となる。メインCPU201は、S8072の処理を実行した後、処理をS8073に移す。
S8073において、メインCPU201は、遊技状態指定パラメータ設定処理を行う。この処理では、メインRAM203内の所定領域に格納されている遊技状態にかかわるパラメータの確認・更新処理等を行う。そして、現在の遊技状態を示す遊技状態指定コマンドの送信予約処理を行う。また、特別図柄遊技終了処理における遊技状態指定パラメータ設定処理においては、メインRAM203内の特別図柄判定領域(0)に記憶された始動情報をクリアする。メインCPU201は、S8073の処理を実行した後、処理をS8074に移す。
S8074において、メインCPU201は、特別図柄遊技終了コマンドの送信予約処理を行う。なお、この処理で送信予約された特別図柄遊技終了コマンドは、次回のシステムタイマ割込処理中の演出制御コマンド送信処理(図329)において、サブ制御回路300に送信される。そして、S8074の処理後、メインCPU201は、特別図柄遊技終了処理を終了し、処理を特別図柄遊技判定処理(図318参照)に戻す。
[10-4-10.小当り遊技閉鎖中処理]
次に、図321を参照して、特別図柄管理処理(図313参照)中でメインCPU201により実行される小当り遊技閉鎖中処理について説明する。図321は、第8のパチンコ遊技機における小当り遊技閉鎖中処理の一例を示すフローチャートである。
S8081において、メインCPU201は、特別図柄の制御状態番号が「3」であるか否かを判定する。メインCPU201は、特別図柄の制御状態番号が「3」でないと判定した場合には、小当り遊技閉鎖中処理を終了して処理を特別図柄管理処理(図313参照)に戻し、特別図柄の制御状態番号が「3」であると判定した場合には処理をS8082に移す。
S8082において、メインCPU201は、「小当り開放回数カウンタ値」をロードする。「小当り開放回数カウンタ」は、小当り開放回数を計数するカウンタである。なお、小当り開放回数カウンタの計数値(小当り開放回数カウンタ値)は、メインRAM203内の所定領域に格納される。メインCPU201は、S8082の処理を実行した後、処理をS8083に移す。
S8083において、メインCPU201は、ロードした小当り開放回数カウンタ値が小当り開放回数の上限値であるか否かを判定する。メインCPU201は、小当り開放回数の上限値であると判定した場合には、処理をS8089に移し、小当り開放回数の上限値でないと判定した場合には、処理をS8084に移す。
S8084において、メインCPU201は、小当り遊技状態において第2大入賞口8151に入球した遊技球の個数(第2大入賞口8151の入賞数)が最大入賞個数でないかを判定する。この処理では、第2大入賞口カウントスイッチ8152により計数された第2大入賞口カウンタの値が、予め規定された第2大入賞口8151の最大入賞個数の値(例えば10個)であるか否かが判定される。メインCPU201は、第2大入賞口8151の入賞数が最大入賞個数でないと判定された場合には、処理をS8085に移し、第2大入賞口8151の入賞数が最大入賞個数であると判定された場合には、処理をS8089に移す。
S8085において、メインCPU201は、小当り開放回数カウンタ値に1を加算する処理を行う。メインCPU201は、S8085の処理を実行した後、処理をS8086に移す。
S8086において、メインCPU201は、第2大入賞口8151を開放させる第2大入賞口の開放設定処理を行う。この第2大入賞口の開放設定処理においては、上記S8024で決定した図303に示す小当り種類決定テーブルを参照し、小当りの「特別図柄の選択図柄」、現在の開放回数(小当り開放回数カウンタ値)に基づいて、今回の第2大入賞口8151の最大開放時間を決定し、決定した最大開放時間をメインRAM203内の特別図柄の待ち時間にセットする。そして、第2特電用ソレノイド8155に対して、第2大入賞口8151を開放させるための第2大入賞口開放制御データを生成する。メインCPU201は、S8086の処理を実行した後、処理をS8087に移す。
S8087において、メインCPU201は、特別図柄の制御状態番号を「4」にセットする。このように、特別図柄の制御状態番号を「4」にセットする処理を行うことにより、この小当り遊技閉鎖中処理の終了後に、小当り遊技開放中処理(図322参照)が行われることとなる。メインCPU201は、S8087の処理を実行した後、処理をS8088に移す。
S8088において、メインCPU201は、遊技状態指定パラメータ設定処理を行う。メインCPU201は、遊技状態指定パラメータ設定処理を行う。この処理では、メインRAM203内の所定領域に格納されている遊技状態にかかわるパラメータの確認・更新処理等を行う。そして、現在の遊技状態を示す遊技状態指定コマンドの送信予約処理を行う。メインCPU201は、S8088の処理を実行した後、小当り遊技閉鎖中処理を終了し、処理を特別図柄管理処理(図313参照)に戻す。
S8089において、メインCPU201は、V入賞検出があるか否かを判定する。この処理では、規定時間内にV入賞口8156への遊技球の通過があったか否か(すなわち、V入賞口スイッチ8157による検出があったか否か)を判定する。メインCPU201は、V入賞検出があったと判定した場合には、処理をS8090に移し、V入賞検出がなかったと判定した場合には、処理をS8098に移す。
S8090において、メインCPU201は、第2のルートからの大当りの外部信号処理を行う。この処理では、特別図柄の選択図柄を参照し、大当りのときに外部端子板184を介してホールコンピュータ186に出力される外部信号として「特別図柄の選択図柄に応じた大当り信号」を生成する。その後、生成した「特別図柄の選択図柄に応じた大当り信号」を外部端子板184に出力する。メインCPU201は、S8090の処理を実行した後、処理をS8101に移す。
S8091において、メインCPU201は、第2ルート大当り開始準備設定処理を行う。この第2ルート大当り開始準備設定処理においては、まず、リミッタ作動フラグ及び回数リミッタ機能におけるリミッタ回数の残存回数(後述するメインRAM203の「リミッタ回数カウンタ」)に基づいて、図302に示す大当り種類決定テーブル1~3のいずれかの大当り種類決定テーブルを決定する。そして、決定した図302に示す大当り種類決定テーブルを参照し、大当りの「特別図柄の選択図柄」に基づいて最大ラウンド数を決定し、決定した最大ラウンド数をメインRAM203の大当りラウンド数の上限値にセットする。さらに、決定した図302に示す大当り種類決定テーブルを参照し、大当りの「特別図柄の選択図柄」に基づいてOP待ち時間(オープニング時間)を決定し、決定したOP待ち時間(オープニング時間)をメインRAM203内の特別図柄の待ち時間にセットする。メインCPU201は、S8101の処理を実行した後、処理をS8092に移す。
S8092において、メインCPU201は、ラウンドカウンタ値に1を加算する処理を行う。この処理を行うことにより、第2のルートからの大当り遊技状態は、2ラウンド目のラウンド遊技から開始されることとなる。メインCPU201は、S8092の処理を実行した後、処理をS8093に移す。
S8093において、メインCPU201は、大当りの状態表示処理を行う。この大当りの状態表示処理では、上述して決定された最大ラウンド数に応じたラウンド表示LEDデータをセットするとともに、遊技者に右打ちを指示することを報知する右打ち指示データをセットする。メインCPU201は、S8093の処理を実行した後、処理をS8094に移す。
S8094において、メインCPU201は、遊技状態管理処理を行う。大当りであると判定されたときの遊技状態管理処理においては、メインCPU201は、状態フラグ、特殊時短フラグ、時短回数カウンタ及び小当り当選回数カウンタをクリアする処理を行う。メインCPU201は、S8094の処理を実行した後、処理をS8095に移す。
S8095において、メインCPU201は、遊技状態指定パラメータ設定処理を行う。この処理では、メインRAM203内の所定領域に格納されている遊技状態にかかわるパラメータの確認・更新処理等を行う。そして、現在の遊技状態を示す遊技状態指定コマンドの送信予約処理を行う。メインCPU201は、S8095の処理を実行した後、処理をS8096に移す。
S8096において、メインCPU201は、特別図柄の制御状態番号を「5」にセットする。なお、特別図柄の制御状態番号を「5」にセットする処理を行うことにより、この小当り遊技閉鎖中処理の終了後に、大入賞口開放準備処理(図313)が行われることとなる。メインCPU201は、S8096の処理を実行した後、処理をS8097に移す。
S8097において、メインCPU201は、V当り開始表示コマンドの送信予約処理を行う。メインCPU201は、S8097の処理を実行した後、小当り遊技開放中処理を終了し、処理を特別図柄管理処理(図313参照)に戻す。
S8098において、メインCPU201は、小当り終了準備設定処理を行う。この小当り終了準備設定処理においては、上記S8024で決定した図303に示す小当り種類決定テーブルを参照し、小当りの「特別図柄の選択図柄」に基づいてED待ち時間(エンディング時間)を決定し、決定したED待ち時間(エンディング時間)をメインRAM203内の特別図柄の待ち時間にセットする。メインCPU201は、S8098の処理を実行した後、処理をS8099に移す。
S8099において、メインCPU201は、小当り終了表示コマンドの送信予約処理を行う。メインCPU201は、S8099の処理を実行した後、処理をS8100に移す。
S8100において、メインCPU201は、特別図柄遊技終了処理を行う。この処理では、図320を参照して説明した特別図柄遊技終了処理が行われる。メインCPU201は、S8100の処理を実行した後、小当り遊技閉鎖中処理を終了し、処理を特別図柄管理処理(図313参照)に戻す。
[10-4-11.小当り遊技開放中処理]
次に、図322を参照して、特別図柄管理処理(図313参照)中でメインCPU201により実行される小当り遊技開放中処理について説明する。図322は、第8のパチンコ遊技機における小当り遊技開放中処理の一例を示すフローチャートである。
S8101において、メインCPU201は、特別図柄の制御状態番号が「4」であるか否かを判定する。メインCPU201は、特別図柄の制御状態番号が「4」でないと判定した場合には、小当り遊技開放中処理を終了して処理を特別図柄管理処理(図313参照)に戻し、特別図柄の制御状態番号が「4」であると判定した場合には処理をS8102に移す。
S8102において、メインCPU201は、第2大入賞口8151の最大開放時間が経過したか否かを判定する。この処理では、第2大入賞口の開放設定処理(図321のS8086参照)においてセットされた最大開放時間が経過しているか否かが判定される。メインCPU201は、第2大入賞口8151の最大開放時間が経過していないと判定した場合には、小当り遊技開放中処理を終了し処理を特別図柄管理処理(図313参照)に戻す。また、メインCPU201は、第2大入賞口8151の最大開放時間が経過していると判定した場合には、処理をS8103に移す。
S8103において、メインCPU201は、第2大入賞口8151を閉鎖させる第2大入賞口の閉鎖設定処理を行う。この第2大入賞口の閉鎖設定処理においては、上記S8024で決定した図303に示す小当り種類決定テーブルを参照し、小当りの「特別図柄の選択図柄」、現在の開放回数(小当り開放回数カウンタ値)に基づいて、今回の第2大入賞口8151の閉鎖時間を決定し、決定した閉鎖時間をメインRAM203内の特別図柄の待ち時間にセットする。そして、第2特電用ソレノイド8155に対して、第2大入賞口8151を閉鎖させるための第2大入賞口閉鎖制御データを生成する。メインCPU201は、S8103の処理を実行した後、処理をS8104に移す。
S8104において、メインCPU201は、特別図柄の制御状態番号を「3」にセットする。このように、特別図柄の制御状態番号を「3」にセットする処理を行うことにより、この小当り遊技開放中処理の終了後に、小当り遊技閉鎖中処理(図321参照)が行われることとなる。メインCPU201は、S8104の処理を実行した後、小当り遊技開放中処理を終了して処理を特別図柄管理処理(図313参照)に戻す。
[10-4-12.大入賞口開放準備処理]
次に、図323を参照して、特別図柄管理処理(図313参照)中でメインCPU201により実行される大入賞口開放準備処理について説明する。図323は、第8のパチンコ遊技機における大入賞口開放準備処理の一例を示すフローチャートである。
S8111において、メインCPU201は、特別図柄の制御状態番号が「5」であるか否かを判定する。メインCPU201は、特別図柄の制御状態番号が「5」でないと判定した場合には、大入賞口開放準備処理を終了して処理を特別図柄管理処理(図313参照)に戻し、特別図柄の制御状態番号が「5」であると判定した場合には処理をS8112に移す。
S8112において、メインCPU201は、「ラウンドカウンタ値」をロードする。「ラウンドカウンタ」は、大当り遊技状態において実行されるラウンド遊技の実行回数を計数するカウンタである。なお、ラウンドカウンタの計数値(ラウンドカウンタ値)は、メインRAM203内の所定領域に格納される。メインCPU201は、S8112の処理を実行した後、処理をS8113に移す。
S8113において、メインCPU201は、ロードしたラウンドカウンタ値が大当りラウンド数の上限値であるか否かを判定する。メインCPU201は、大当りラウンド数が上限値であると判定した場合には、処理をS8114に移し、大当りラウンド数が上限値でないと判定した場合には、処理をS8118に移す。
S8114において、メインCPU201は、大当り終了準備設定処理を行う。この大当り終了準備設定処理においては、上記S8024またはS8101で決定した図302に示す大当り種類決定テーブルを参照し、大当りの「特別図柄の選択図柄」に基づいてED待ち時間(エンディング時間)を決定し、決定したED待ち時間(エンディング時間)をメインRAM203内の特別図柄の待ち時間にセットする。メインCPU201は、S8114の処理を実行した後、処理をS8115に移す。
S8115において、メインCPU201は、特別図柄の制御状態番号を「7」にセットする。このように、特別図柄の制御状態番号を「7」にセットする処理を行うことにより、この大入賞口開放準備処理の終了後に、大当り遊技状態終了処理(図313)が行われることとなる。メインCPU201は、S8115の処理を実行した後、処理をS8116に移す。
S8116において、メインCPU201は、遊技状態指定パラメータ設定処理を行う。この処理では、メインRAM203内の所定領域に格納されている遊技状態にかかわるパラメータの確認・更新処理等を行う。そして、現在の遊技状態を示す遊技状態指定コマンドの送信予約処理を行う。メインCPU201は、S8116の処理を実行した後、処理をS8117に移す。
S8117において、メインCPU201は、大当り終了表示コマンドの送信予約処理を行う。なお、この処理で送信予約された大当り終了表示コマンドは、次回のシステムタイマ割込処理中の演出制御コマンド送信処理(図329)において、サブ制御回路300に送信される。そして、S8117の処理後、メインCPU201は、大入賞口開放準備処理を終了し、処理を特別図柄管理処理(図313参照)に戻す。
S8118において、メインCPU201は、ラウンドカウンタ値に1を加算する処理を行う。メインCPU201は、S8118の処理を実行した後、処理をS8119に移す。
S8119において、メインCPU201は、第1大入賞口8131を開放させる第1大入賞口の開放設定処理を行う。この第1大入賞口の開放設定処理においては、上記S8024またはS8101で決定した図302に示す大当り種類決定テーブルを参照し、大当りの「特別図柄の選択図柄」、現在のラウンド数(ラウンドカウンタ値)に基づいて、今回のラウンドにおける第1大入賞口8131の最大開放時間を決定し、決定した最大開放時間をメインRAM203内の特別図柄の待ち時間にセットする。そして、第1特電用ソレノイド8135に対して、第1大入賞口8131を開放させるための第1大入賞口開放制御データを生成する。メインCPU201は、S8119の処理を実行した後、処理をS8120に移す。
S8120において、メインCPU201は、特別図柄の制御状態番号を「6」にセットする。このように、特別図柄の制御状態番号を「6」にセットする処理を行うことにより、この大入賞口開放準備処理の終了後に、大入賞口開放制御処理(図313参照)が行われることとなる。メインCPU201は、S8120の処理を実行した後、処理をS8121に移す。
S8121において、メインCPU201は、遊技状態指定パラメータ設定処理を行う。この処理では、メインRAM203内の所定領域に格納されている遊技状態にかかわるパラメータの確認・更新処理等を行う。そして、現在の遊技状態を示す遊技状態指定コマンドの送信予約処理を行う。メインCPU201は、S8121の処理を実行した後、処理をS8122に移す。
S8122において、メインCPU201は、大入賞口開放中表示コマンドの送信予約処理を行う。この処理で送信予約された大入賞口開放中表示コマンドは、次回のシステムタイマ割込処理中の演出制御コマンド送信処理(図329参照)において、サブ制御回路300に送信される。メインCPU201は、S8122の処理を実行した後、大入賞口開放準備処理を終了し、処理を特別図柄管理処理(図313参照)に戻す。
[10-4-13.大入賞口開放制御処理]
次に、図324を参照して、特別図柄管理処理(図313参照)中でメインCPU201により実行される大入賞口開放制御処理について説明する。図324は、第8のパチンコ遊技機における大入賞口開放制御処理の一例を示すフローチャートである。
S8131において、メインCPU201は、特別図柄の制御状態番号が「6」であるか否かを判定する。メインCPU201は、特別図柄の制御状態番号が「6」でないと判定した場合には、大入賞口開放制御処理を終了して処理を特別図柄管理処理(図313参照)に戻し、特別図柄の制御状態番号が「6」であると判定した場合には処理をS8132に移す。
S8132において、メインCPU201は、第1大入賞口8131が開放されたときに、1つのラウンドにおける第1大入賞口8131に入球した遊技球の入賞数が最大入賞個数であるか否かを判定する。この処理では、第1大入賞口カウントスイッチ8132により計数された第1大入賞口カウンタの値が、予め規定された第1大入賞口8131の最大入賞個数の値(例えば10個)であるか否かが判定される。
メインCPU201は、S8132において第1大入賞口8131の入賞数が最大入賞個数でないと判定した場合には、処理をS8133に移し、S8132において第1大入賞口8131の入賞数が最大入賞個数であると判定した場合には、処理をS8134に移す。
S8133において、メインCPU201は、1つのラウンドにおける第1大入賞口8131の最大開放時間が経過したか否かを判定する。この処理では、第1大入賞口の開放設定処理(図323のS8119参照)においてセットされた最大開放時間が経過しているか否かが判定される。
メインCPU201は、S8133において第1大入賞口8131の最大開放時間が経過していないと判定した場合には、大入賞口開放制御処理を終了し処理を特別図柄管理処理(図313参照)に戻す。また、メインCPU201は、S8133において第1大入賞口8131の最大開放時間が経過していると判定した場合には、処理をS8134に移す。
S8134において、メインCPU201は、第1大入賞口8131を閉鎖させる第1大入賞口の閉鎖設定処理を行う。この第1大入賞口の閉鎖設定処理においては、上記S8024またはS8101で決定した図302に示す大当り種類決定テーブルを参照し、大当りの「特別図柄の選択図柄」、現在のラウンド数(ラウンドカウンタ値)に基づいて、今回のラウンドにおける第1大入賞口8131の閉鎖時間を決定し、決定した閉鎖時間をメインRAM203内の特別図柄の待ち時間にセットする。そして、第1特電用ソレノイド8135に対して、第1大入賞口8131を閉鎖させるための第1大入賞口閉鎖制御データを生成する。メインCPU201は、S8134の処理を実行した後、処理をS8135に移す。
S8135において、メインCPU201は、特別図柄の制御状態番号を「5」にセットする処理を行う。このように、特別図柄の制御状態番号を「5」にセットする処理を行うことにより、この大入賞口開放制御処理の終了後に、再び、大入賞口開放準備処理(図323参照)が行われることとなる。メインCPU201は、S8135の処理を実行した後、処理をS8136に移す。
S8136において、メインCPU201は、遊技状態指定パラメータ設定処理を行う。この処理では、メインRAM203内の所定領域に格納されている遊技状態にかかわるパラメータの確認・更新処理等を行う。そして、現在の遊技状態を示す遊技状態指定コマンドの送信予約処理を行う。メインCPU201は、S8136の処理を実行した後、処理をS8137に移す。
S8137において、メインCPU201は、ラウンド間表示コマンドの送信予約処理を行う。この処理で送信予約されたラウンド間表示コマンドは、次回のシステムタイマ割込処理中の演出制御コマンド送信処理(図329参照)において、サブ制御回路300に送信される。そして、S8137の処理後、メインCPU201は、大入賞口開制御処理を終了し、処理を特別図柄管理処理(図313参照)に戻す。
[10-4-14.大当り遊技状態終了処理]
次に、図325を参照して、特別図柄管理処理(図313参照)中でメインCPU201により実行される大当り遊技状態終了処理について説明する。図325は、第8のパチンコ遊技機における大当り遊技状態終了処理の一例を示すフローチャートである。
S8141において、メインCPU201は、特別図柄の制御状態番号が「7」であるか否かを判定する。メインCPU201は、特別図柄の制御状態番号が「7」でないと判定した場合には、大当り遊技状態終了処理を終了して処理を特別図柄管理処理(図313参照)に戻し、特別図柄の制御状態番号が「7」であると判定した場合には処理をS8142に移す。
S8142において、メインCPU201は、大当り遊技情報初期化処理を行う。この大当り遊技情報初期化処理では、大当り遊技状態で用いた各種フラグ・データや、各種カウンタ(例えば、ラウンドカウンタ、大入賞口入賞カウンタ等)の値をセットまたはリセットする処理が行われる。メインCPU201は、S8142の処理を実行した後、処理をS8143に移す。
S8143において、メインCPU201は、大当り遊技状態終了後の遊技状態を設定する大当り終了後状態設定処理を行う。この大当り終了後状態設定処理では、大当りのリミッタ回数の残存回数(後述する「リミッタ回数カウンタ」の値)に基づいて、図304に示す遊技状態関連設定テーブル1~4の中からいずれかの遊技状態関連設定テーブルを決定し、決定した遊技状態関連設定テーブルを参照し、当選時の遊技状態及び特別図柄の選択図柄に基づいて、遊技状態(状態フラグ、小当りの当選回数、時短回数、特殊時短フラグ)の設定を行う。メインCPU201は、S8143の処理を実行した後、処理をS8145に移す。
本実施形態においては、まず、リミッタ作動フラグを参照し、リミッタ作動フラグ=0である場合には、図304(a)に示す遊技状態関連設定テーブル1を決定する。また、リミッタ作動フラグ=1である場合には、「リミッタ回数カウンタ」が91以上のとき(大当りのリミッタ回数の残存回数が91以上のとき)に図304(b)に示す遊技状態関連設定テーブル2を決定し、「リミッタ回数カウンタ」が1~90のとき(大当りのリミッタ回数の残存回数が1~90のとき)に図304(c)に示す遊技状態関連設定テーブル3を決定し、「リミッタ回数カウンタ」が0のとき(大当りのリミッタ回数の残存回数0のとき)に図304(d)に示す遊技状態関連設定テーブル4を決定する。そして、決定した遊技状態関連設定テーブルを参照し、特別図柄の選択図柄に基づいて、遊技状態(状態フラグ、小当りの当選回数、時短回数、特殊時短フラグ)の設定を行うことになる。
そして、本実施形態においては、リミッタ回数カウンタ=0であり、図304(d)に示す遊技状態関連設定テーブル4が決定された場合には、すべての特別図柄の選択図柄に対して、通常遊技状態を設定する「状態フラグ=0」が設定され、大当り遊技状態の終了後に強制的に通常遊技状態に移行することになる。
S8144において、メインCPU201は、リミッタ情報として、「リミッタ作動フラグ」、大当りのリミッタ回数の残存回数に対応し、時短遊技状態における大当り連続回数を計数するための「リミッタ回数カウンタ」の設定・更新をするリミッタ情報更新処理を行う。このリミッタ情報更新処理の詳細については、図326を参照して後述する。メインCPU201は、S8144の処理を実行した後、処理をS8145に移す。
S8145において、メインCPU201は、特別図柄遊技終了処理を行う。この処理では、図320を参照して説明した特別図柄遊技終了処理が行われる。メインCPU201は、S8145の処理を実行した後、大当り遊技状態終了処理を終了し、処理を特別図柄管理処理(図218参照)に戻す。
なお、メインCPU201は、割込禁止区間を設定し、上述の大当り遊技状態終了処理を割込禁止区間内で行うことが好ましい。
[10-4-15.リミッタ情報更新処理]
次に、図326を参照して、大当り遊技状態終了処理(図325参照)中でメインCPU201により実行されるリミッタ情報更新処理について説明する。図326は、第8のパチンコ遊技機におけるリミッタ情報更新処理の一例を示すフローチャートである。
S8144-1において、メインCPU201は、大当り遊技状態終了の特別図柄の選択図柄が、時短遊技状態に移行する特別図柄の選択図柄であるか否かを判定する。メインCPU201は、時短遊技状態に移行する特別図柄の選択図柄であると判定した場合には処理をS8144-4に移し、時短遊技状態に移行する特別図柄の選択図柄でないと判定した場合には処理をS8144-2に移す。
S8144-2において、メインCPU201は、メインRAM203のリミッタ回数カウンタをクリア(リミッタ回数カウンタ=0をセット)する。メインCPU201は、S8144-2の処理を実行した後、処理をS8144-3に移す。
S8144-3において、メインCPU201は、リミッタ作動フラグ=0をセットする。メインCPU201は、S8144-3の処理を実行した後には、リミッタ情報更新処理を終了し、処理を大当り遊技状態終了処理(図325参照)のS8145に移す。
S8144-4において、メインCPU201は、時短遊技状態における大当り遊技状態に移行した大当り連続回数を計数中であるか否か、すなわち、リミッタ作動フラグ=1であるか否かを判定する。メインCPU201は、時短遊技状態における大当り遊技状態に移行した大当り連続回数を計数中であると判定した場合には処理をS8144-7に移し、時短遊技状態における大当り遊技状態に移行した大当り連続回数を計数中でないと判定した場合には処理をS8144-5に移す。
S8144-5において、メインCPU201は、時短遊技状態における大当り遊技状態に移行した大当り連続回数を計数中でない場合(リミッタ作動フラグ=0である場合)には、メインRAM203のリミッタ回数カウンタにリミッタ回数を設定するリミッタ回数設定処理を行う。このリミッタ回数設定処理においては、図304(a)に示す遊技状態関連設定テーブル1を参照し、特別図柄の選択図柄に基づいてリミッタ回数を決定し、決定したリミッタ回数をリミッタ回数カウンタにセットする。メインCPU201は、S8144-5の処理を実行した後、処理をS8144-6に移す。
S8144-6において、メインCPU201は、新たにリミッタ回数を設定した場合には、リミッタ作動フラグ=1をセットする。メインCPU201は、S8144-6の処理を実行した後には、リミッタ情報更新処理を終了し、処理を大当り遊技状態終了処理(図325参照)のS8145に移す。
S8144-7において、メインCPU201は、時短遊技状態における大当り遊技状態に移行した大当り連続回数を計数中である場合(リミッタ作動フラグ=1である場合)には、リミッタ回数の減算処理を行う。このリミッタ回数の減算処理においては、大当りのリミッタ回数の残存回数(現在のリミッタ回数カウンタの値)に基づいて、図304に示す遊技状態関連設定テーブル1~4の中からいずれかの遊技状態関連設定テーブルを決定し、決定した遊技状態関連設定テーブルを参照し、特別図柄の選択図柄に基づいて、リミッタ回数の減算値を決定する。そして、メインRAM203のリミッタ回数カウンタから、決定したリミッタ回数の減算値を減算して更新する。メインCPU201は、S8144-7の処理を実行した後には、リミッタ情報更新処理を終了し、処理を大当り遊技状態終了処理(図325参照)のS8145に移す。
[10-6-16.普通図柄制御処理]
次に、図327を参照して、主制御メイン処理(図20~図23参照)でメインCPU201により実行される普通図柄制御処理について説明する。なお、図327に示される普通図柄制御処理に先だって、メインCPU201は、特別図柄制御処理と同様に、普通図柄の始動情報が記憶され、普通図柄の判定開始条件が成立しているか否かの判定を行っていることは言うまでもない。
図327は、第8のパチンコ遊技機における普通図柄制御処理の一例を示すフローチャートである。なお、図327に示すフローチャート中の各処理の右方に括弧書きで記載した数値(「0」~「4」)は、普通図柄の制御状態番号である。メインCPU201は、普通図柄の制御状態番号に対応する各処理を実行することにより、普通図柄ゲームを進行させる。
S8200において、メインCPU201は、普通図柄の待ち時間が0であるか否かを判定する。この普通図柄の待ち時間は、普通図柄制御処理の各種処理の待ち時間としてセットされ、例えば2msec周期で行われるシステムタイマ割込処理内において普通図柄タイマカウンタとして減算されていくことになる。メインCPU201は、普通図柄の待ち時間が0でないと判定した場合には、普通図柄制御処理を終了し、処理を主制御メイン処理のS41(図21参照)に戻し、普通図柄の待ち時間が0であると判定した場合には処理をS8201に移す。
S8201において、メインCPU201は、普通図柄の制御状態番号をロードする。メインCPU201は、S8201の処理を実行した後、処理をS8210に移す。なお、メインCPU201は、S8201の処理で読み出された制御状態番号に基づいて、S8210以降の処理を行う。
S8210において、メインCPU201は、普通図柄可変表示開始処理を行う。このS8210の処理は、普通図柄の制御状態番号が「0」である場合に行われる処理である。この普通図柄の可変表示開始処理の詳細については、図328を参照して後述する。なお、普通図柄の制御状態番号が「0」でない場合には、メインCPU201は、処理をS8220に移す。
S8220において、メインCPU201は、普通図柄可変表示終了処理を行う。このS8220の処理は、普通図柄の制御状態番号が「1」である場合に行われる処理である。なお、普通図柄の制御状態番号が「1」でない場合には、メインCPU201は、処理をS8230に移す。
この普通図柄可変表示終了処理において、メインCPU201は、普通図柄の変動表示時間が終了したか否かの判定を行い、普通図柄の変動表示時間が終了したと判定したときには、予め定められた普通図柄の図柄確定時間(例えば、540msec)を、メインRAM203内の普通別図柄の待ち時間にセットし、普通図柄の制御状態番号を「2」にセットする。なお、普通図柄の変動表示時間が終了していない場合には、普通図柄の制御状態番号を「1」に保持し、普通図柄の変動表示時間が終了することを待機することになる。
S8230において、メインCPU201は、普通図柄遊技判定処理を行う。このS8230の処理は、普通図柄の制御状態番号が「2」である場合に行われる処理である。なお、普通図柄の制御状態番号が「2」でない場合には、メインCPU201は、処理をS8240に移す。
この普通図柄遊技判定処理において、メインCPU201は、停止表示された普通図柄の選択図柄(例えば、普通図柄当りまたは普通図柄ハズレ)の判定処理を行う。そして、停止表示された普通図柄の選択図柄が普通図柄当りに対応する場合には普通電動役物8146の開放パターン設定処理を行い、普通図柄の制御状態番号を「3」にセットする。一方、普通図柄の当り判定処理の結果がハズレである場合には、普通電動役物8146の開放パターン設定処理を行わずに、普通図柄の制御状態番号を「0」にセットする。
この普通電動役物8146の開放パターン設定処理では、図310に示す普通電動役物の開放パターン決定テーブルを参照し、遊技状態と、普通図柄の選択図柄とに基づいて、普通電動役物8146の開放パターン(開放回数、開放時間、ウェイト時間等)を決定し、決定した開放パターンをセットする。その後、メインCPU201は、決定した普通電動役物8146の開放パターンに対応する普通電動役物の開放パターンコマンドをサブCPU301に送信する。
S8240において、メインCPU201は、普通電動役物開放処理を行う。このS8240の処理は、普通図柄の制御状態番号が「3」である場合に行われる処理である。なお、普通図柄の制御状態番号が「3」でない場合には、メインCPU201は、処理をS8250に移す。
この普通電動役物開放処理において、メインCPU201は、上記S8230の普通図柄遊技判定処理において決定された普通電動役物8146の開放パターンに従って、第2始動口8140を開放状態にさせ、普電用の規定個数(例えば1個)の遊技球が第2始動口8140に入球するか、普通電動役物8146の開放パターンがすべて終了すると、第2始動口8140を閉鎖状態にさせる。そして、普通電動役物8146の開放処理が終了すると、普通図柄の制御状態番号を「4」にセットする。
S8250において、メインCPU201は、普通図柄当り終了処理を行う。このS8250の処理は、普通図柄の制御状態番号が「4」である場合に行われる処理である。メインCPU201は、この普通図柄当り終了処理を終了すると、普通図柄の制御状態番号を「0」にセットし、普通図柄制御処理を終了して処理を主制御メイン処理(図20~図23参照)に戻す。
この普通図柄当り終了処理において、メインCPU201は、上記S8210~S8240において決定された普通図柄に関わる各種パラメータ、普通図柄判定領域に記憶された各種乱数値をリセット(クリア)する処理を行う。
なお、メインCPU201は、割込み禁止区間を設定し、上述の普通図柄制御処理(S8200~S8250)を、割込み禁止区間内で行うことが好ましい。
[10-6-17.普通図柄可変表示開始処理]
次に、図328を参照して、普通図柄制御処理(図327参照)中でメインCPU201により実行される普通図柄可変表示開始処理の詳細について説明する。図328は、第8のパチンコ遊技機における普通図柄可変表示開始処理の一例を示すフローチャートである。
図328に示されるように、メインCPU201は、先ず、普通図柄の制御状態番号が「0」であるか否かを判定する(S8211)。
S8211において普通図柄の制御状態番号が「0」でないと判定された場合、メインCPU201は、普通図柄可変表示開始処理を終了し、処理を普通図柄制御処理(図327参照)に戻す。一方、普通図柄の制御状態番号が「0」であると判定された場合、メインCPU201は、処理をS8212に移す。
S8212において、メインCPU201は、普通図柄の始動情報のシフト処理を行う。この処理では、メインRAM203の普通図柄始動記憶領域(1)に記憶された始動情報を普通図柄判定領域(0)にシフトし、普通図柄始動記憶領域(2)~普通図柄始動記憶領域(4)に記憶された始動情報を普通図柄始動記憶領域(1)~普通図柄始動記憶領域(3)にシフトする。メインCPU201は、S8212の処理を実行した後、処理をS8213に移す。
S8213において、メインCPU201は、普通図柄の当り判定処理を行う。この処理では、メインCPU201は、図308に示す普通図柄の当り判定テーブルを参照し、遊技状態と、普通図柄判定領域(0)に記憶された普通図柄当り判定用乱数値とに基づいて、当落判定値データ(「普通図柄当り」または「普通図柄ハズレ」)を決定する。メインCPU201は、S8213の処理を実行した後、処理をS8214に移す。
S8214において、メインCPU201は、普通図柄決定処理を行う。この処理では、メインCPU201は、図309に示す普通図柄判定テーブルを参照し、上述の当落判定値データ(普通図柄の当り判定処理の結果)と、普通図柄判定領域(0)に記憶された普通図柄の図柄乱数値とに基づいて、「普通図柄の選択図柄」を決定する。メインCPU201は、S8214の処理を実行した後、処理をS8215に移す。
S8215において、メインCPU201は、普通図柄の変動パターン決定処理を行う。この処理では、メインCPU201は、図311に示す普通図柄の変動パターンテーブルを参照し、遊技状態と、普通図柄の選択図柄とに基づいて、普通図柄の変動パターンと普通図柄の変動表示時間とを決定する。メインCPU201は、S8215の処理を実行した後、処理をS8216に移す。
S8216において、メインCPU201は、普通図柄の変動表示時間設定処理を行う。この処理では、普通図柄の変動パターン決定処理(S8215)で決定された普通図柄の変動表示時間を、メインRAM203内の普通図柄の待ち時間にセットし、普通図柄表示部161に普通図柄の変動表示を開始させる。メインCPU201は、S8216の処理を実行した後、処理をS8217に移す。
S8217において、メインCPU201は、普通図柄の制御状態番号に「1」をセットする処理を行う。このように、普通図柄の制御状態番号を「1」にセットする処理を行って制御状態番号を切り替えることにより、この普通図柄可変表示開始処理の終了後に、普通図柄可変表示終了処理(図327のS8220参照)が行われることとなる。メインCPU201は、S8217の処理を実行した後、処理をS8218に移す。
S8218において、メインCPU201は、普通図柄の変動パターンコマンドの送信予約処理を行う。なお、この処理で送信予約された普通図柄の変動パターンコマンドは、次回のシステムタイマ割込処理中の演出制御コマンド送信処理(図329参照)において、サブ制御回路1300に送信される。
[10-6-18.システムタイマ割込処理]
次に、図329及び図330を参照して、メインCPU201により、例えば2msecの割込み周期で実行されるシステムタイマ割込処理について説明する。図329及び図330は、第8のパチンコ遊技機におけるシステムタイマ割込処理の一例を示すフローチャートである。
S8311において、メインCPU201は、保護レジスタの退避処理を行う。メインCPU201は、S8311の処理を実行した後、処理をS8312に移す。
S8312において、メインCPU201は、XINT検知フラグがオフであるか否かを判定する。メインCPU201は、XINT検知フラグがオフでない(すなわち電断検知時である)と判定した場合には処理をS8332に移し、XINT検知フラグがオフである(すなわち電断非検知時である)と判定した場合には処理をS8313に移す。
S8313において、メインCPU201は割込許可処理を行う。メインCPU201は、S8313の処理を実行した後、処理をS8314に移す。
S8314において、メインCPU201は、I/Oポート205の入力ポートの状態の読込処理を行う。メインCPU201は、S8314の処理を実行した後、処理をS8315に移す。
S8315において、メインCPU201は、遊技許可状態であるか否かを判定する。この処理において、メインCPU201は、遊技許可フラグに基づいて、遊技許可状態であるか否かを判定する。遊技許可フラグは、遊技許可フラグがオン(=1)であるときには、遊技許可状態を示し、遊技許可フラグがオフ(=0)であるときには、遊技不許可状態を示すものである。遊技許可フラグは、第1のパチンコ遊技機で説明したように、電源投入時の起動状態として、電断復帰中及びRAMクリア実行中のときには、遊技許可フラグがオフ(=遊技不許可状態)にセットされ、電断復帰後、RAMクリア実行後には、遊技許可フラグがオン(=遊技許可状態)にセットされるフラグでもある。メインCPU201は、遊技許可状態であると判定した場合には処理をS8317に移し、遊技許可状態でないと判定した場合には処理をS8332に移す。
S8317において、メインCPU201は、割込みカウンタの値を1加算する処理を実行する。割込みカウンタは、主制御メイン処理(図20~図23参照)中の割込禁止区間を計数(管理)するためのカウンタであり、割込みカウンタの計数値は、メインRAM203の作業領域内の割込カウンタ領域に格納される。メインCPU201は、S8317の処理を実行した後、処理をS8318に移す。
S8318において、メインCPU201は、割込み周期タイマの更新処理を行う。割込み周期タイマの更新処理においては、メインRAM203の作業領域内の特別図柄タイマカウンタ、普通図柄タイマカウンタ、V入賞口閉鎖タイマカウンタ、V入賞口開放タイマカウンタ等の各種タイマカウンタを減算していく。メインCPU201は、S8318の処理を実行した後、処理をS8319に移す。
S8319において、メインCPU201は乱数更新処理を行う。この乱数更新処理では、各種乱数カウンタ(例えば、大当り判定用乱数値の大当り判定用乱数カウンタ等)の更新処理が行われる。このように、所定周期(本実施例では2msec)で乱数更新処理を行うことにより、出玉にかかわる重要な要素である各種乱数の信頼性を担保することが可能となる。メインCPU201は、S8319の処理を実行した後、処理をS8320に移す。
S8320において、メインCPU201は、スイッチ入力検出処理を行う。このスイッチ入力検出処理の詳細については、図331を参照して後述する。メインCPU201は、S8320の処理を実行した後、処理をS8321に移す。
S8321において、メインCPU201は、入賞情報コマンド設定処理を行う。この処理では、入賞情報コマンド(払出情報)設定処理が行われる。メインCPU201は、S8321の処理を実行した後、処理をS8322に移す。
S8322おいて、メインCPU201は、V作動フラグがオンである場合には、V入賞口8156を開閉させるV入賞制御処理を行う。このV入賞制御処理においては、V作動フラグがオンであり、開放待ち時間が経過した(V入賞口閉鎖タイマカウンタ=0)場合には、上記S8024で決定した図303に示す小当り種類決定テーブルを参照し、「特別図柄の選択図柄」に基づいて、V入賞口8156の開放パターンとして開放時間を決定し、決定した開放時間をメインRAM203内のV入賞口開放タイマカウンタにセットするとともに、Vシャッタ用ソレノイド8160に対して、V入賞口8156を開放させるためのV入賞口開放制御データを出力する。なお、V入賞口開放制御データは、V入賞口開放タイマカウンタが0でない限り、継続して出力される。そして、V作動フラグがオンであり、V入賞口開放制御データが出力されているときに、開放時間が経過した(V入賞口開放タイマカウンタ=0)場合には、V入賞口開放制御データの出力を停止し、V作動フラグをオフにする。メインCPU201は、S8322の処理を実行した後、処理をS8323に移す。
S8323において、メインCPU201は、1日あたりに大当り遊技状態で払い出された遊技球の累計大当り出玉数を計数する「累計大当り出玉数カウンタ」を参照し、累計大当り出玉数カウンタ≧99900であるか否かを判定する。メインCPU201は、累計大当り出玉数カウンタ≧99900であると判定した場合には処理をS8324に移し、累計大当り出玉数カウンタ≧99900でないと判定した場合には処理をS8328に移す。
ここで、「累計大当り出玉数カウンタ」は、メインRAM203の作業領域内におけるカウンタであり、電源投入時に初期化される(電源投入時に0からスタートする)ように構成されている。なお、「累計大当り出玉数カウンタ」は、電源投入時に初期化されずに、1日当たりに対応する遊技球の発射個数またはアウト個数(例えば、3000個)が計数されるごとに、初期化されるように構成してもよい。
S8324において、メインCPU201は、もうすぐ遊技不許可状態に移行することを表示装置7、スピーカ32等に報知させるための「遊技不許可状態準備コマンド」の送信予約処理を行う。メインCPU201は、S8324の処理を実行した後、処理をS8325に移す。
なお、本実施形態においては、遊技不許可状態に移行する条件となる累計大当り出玉数が100000個(10万個)よりも100個少ない99900個以上のときに、遊技不許可状態準備コマンドを送信させるように構成したが、遊技不許可状態に移行する条件となる累計大当り出玉数(100000個)よりも少なく、かつ、遊技不許可状態に移行する条件となる累計大当り出玉数(100000個)から1回の大当り遊技状態で払い出し可能な最大払い出し個数(例えば、10R×10カウント×15賞球=1500個)を減算した出玉数以上(例えば、98500~99999個)の任意の個数のときに、遊技不許可状態準備コマンドを送信させるように構成してもよい。
S8325において、メインCPU201は、「累計大当り出玉数カウンタ」を参照し、累計大当り出玉数カウンタ≧100000であるか否かを判定する。メインCPU201は、累計大当り出玉数カウンタ≧100000であると判定した場合には処理をS8326に移し、累計大当り出玉数カウンタ≧100000でないと判定した場合には処理をS8328に移す。
S8326において、メインCPU201は、出玉リミッタ機能の作動として、遊技不許可状態に移行させる遊技不許可状態の設定処理を行う。この遊技不許可状態の設定処理においては、遊技許可フラグをオフ(=0)にするとともに、累計大当り出玉数カウンタ=0をセットし、特別図柄遊技が終了させるため特別図柄の制御状態番号=0をセットする。さらに、発射装置6による遊技球の発射停止、及び払出装置82からの賞球の払い出し禁止の制御を行わせるために、払出・発射制御回路400に遊技不許可情報を出力する。なお、遊技不許可状態は、RAMクリアをすることによって、その後に遊技許可状態に移行することになる。メインCPU201は、S8326の処理を実行した後、処理をS8327に移す。
S8327において、メインCPU201は、遊技不許可状態に移行したことを表示装置7、スピーカ32等に報知させるための「遊技不許可状態コマンド」の送信予約処理を行う。メインCPU201は、S8327の処理を実行した後、処理をS8328に移す。
このように、本実施形態によれば、1日あたりに大当り遊技状態で払い出された遊技球の累計大当り出玉数が打止出玉数(例えば10万個)に到達すると、大当り遊技状態から強制的に遊技不許可状態に移行させ、大当り遊技状態の終了後の遊技状態を一部規制することができる。
なお、本実施形態においては、累計大当り出玉数が打止出玉数に到達すると、大当り遊技状態から強制的に遊技不許可状態に移行させるように構成したが、累計大当り出玉数が打止出玉数に到達すると、大当り遊技状態の終了後に強制的に通常遊技状態に移行させるように構成してもよい。
さらに、本実施形態においては、遊技不許可状態である場合には、遊技球が入球または通過する各種スイッチ(バックアップクリアスイッチ176等を除く)の無効化、発射装置6からの遊技球の発射禁止及び払出装置82からの賞球の払い出し禁止が行われるように構成したが、各種スイッチの無効化、発射装置6からの遊技球の発射禁止及び払出装置82からの賞球の払い出し禁止の少なくともいずれかが行われるように構成してもよい。
また、本実施形態においては、累計大当り出玉数が100000個(10万個)以上のときに遊技不許可状態に移行させるように構成したが、遊技不許可状態に移行させる累計大当り出玉数は適宜設計変更が自由である。
S8328において、メインCPU201は、演出制御コマンド送信処理を行う。この処理では、送信予約されているコマンドを主制御回路200からサブ制御回路300に送信する。メインCPU201は、S8328の処理を実行した後、処理をS8329に移す。
S8329において、メインCPU201は、レジスタ退避処理を行う。メインCPU201は、S8329の処理を実行した後、処理をS8330に移す。
S8330において、メインCPU201は、性能表示モニタ制御処理を行う。この処理では、遊技判定処理、賞球加算判定処理、性能表示モニタ170の表示内容更新処理等が行われる。この処理で格納されるデータは、遊技の進行に必要なデータが格納される作業領域とは別の領域(領域外)、すなわちバックアップされる領域内であって例えばRAMクリアされた場合であってもデータがクリアされない領域に格納される。メインCPU201は、S8330の処理を実行した後、処理をS8331に移す。
S8331において、メインCPU201は、S8329で退避させたレジスタの復帰処理を行う。メインCPU201は、S8331の処理を実行した後、処理をS8332に移す。
S8332において、メインCPU201は、S8311で退避させた保護レジスタの復帰処理を行い、システムタイマ割込処理を終了する。
[10-4-19.スイッチ入力検出処理]
次に、図331を参照して、システムタイマ割込処理(図329参照)中でメインCPU201により実行されるスイッチ入力検出処理について説明する。図331は、第8のパチンコ遊技機におけるスイッチ入力検出処理の一例を示すフローチャートである。
第8のパチンコ遊技機は、第1のパチンコ遊技機と比して、第1大入賞口カウントスイッチ8132、第2大入賞口カウントスイッチ8152、V入賞口スイッチ8157の構成が付加されていることから、かかる処理が一部追加されている。
S8401において、メインCPU201は、第1始動口入賞検出処理を実行する。メインCPU201は、S8401の処理を実行した後、処理をS8402に移す。
この第1始動口入賞検出処理において、メインCPU201は、第1始動口スイッチ8121により第1始動口8120への遊技球の入球が検出されると、第1始動口8120に応じた払出情報をセットし、第1特別図柄始動記憶領域(1)~第1特別図柄始動記憶領域(4)に空き領域があるか否かを判定する。第1特別図柄始動記憶領域(1)~第1特別図柄始動記憶領域(4)に空き領域があると判定すると、第1特別図柄の始動情報として各種乱数値(例えば、大当り判定用乱数値、図柄乱数値、リーチ判定用乱数値、演出選択用乱数値等)を取得し、取得した各種乱数値をFIFO(First In、First Out)形式で1つの第1特別図柄判定領域に記憶する。そして、第1始動口8120への入賞と第1特別図柄の保留個数とを示す第1特別図柄の入賞コマンドの送信予約処理を行う。この処理で送信予約された第1特別図柄の入賞コマンドは、次回のシステムタイマ割込処理中の演出制御コマンド送信処理(図329参照)において、サブ制御回路300に送信される。一方、第1特別図柄始動記憶領域(1)~第1特別図柄始動記憶領域(4)のいずれにも空き領域がないと判定すると、各種乱数値を取得せずに、第1始動口入賞検出処理を終了することになる。
S8402において、メインCPU201は、第2始動口入賞検出処理を実行する。メインCPU201は、S8402の処理を実行した後、処理をS8403に移す。
この第2始動口入賞検出処理において、メインCPU201は、第2始動口スイッチ8141により第2始動口8140への遊技球の入球が検出されると、第2始動口8140に応じた払出情報をセットし、第2特別図柄始動記憶領域(1)~第2特別図柄始動記憶領域(4)に空き領域があるか否かを判定する。第2特別図柄始動記憶領域(1)~第2特別図柄始動記憶領域(4)に空き領域があると判定すると、第2特別図柄の始動情報として各種乱数値(例えば、大当り判定用乱数値、図柄乱数値、リーチ判定用乱数値、演出選択用乱数値等)を取得し、取得した各種乱数値をFIFO形式で1つの第2特別図柄判定領域に記憶する。そして、第2始動口8140への入賞と第2特別図柄の保留個数とを示す第2特別図柄の入賞コマンドの送信予約処理を行う。この処理で送信予約された第2特別図柄の入賞コマンドは、次回のシステムタイマ割込処理中の演出制御コマンド送信処理(図329参照)において、サブ制御回路300に送信される。一方、第2特別図柄始動記憶領域(1)~第2特別図柄始動記憶領域(4)のいずれにも空き領域がないと判定すると、各種乱数値を取得せずに、第2始動口入賞検出処理を終了することになる。
S8403において、メインCPU201は、一般入賞口通過検出処理を行う。一般入賞口通過検出処理では、例えば一般入賞口122への入賞時に払出個数等を示す払出情報をセットする。メインCPU201は、S8403の処理を実行した後、処理をS8404に移す。
S8404において、メインCPU201は、第1大入賞口通過検出処理を行う。第1大入賞口通過検出処理では、メインCPU201は、第1大入賞口カウントスイッチ8132により第1大入賞口8131への遊技球の入球が検出されると、第1大入賞口8131に応じた払出情報をセットするとともに、第1大入賞口8131への遊技球の入賞数を計数するための第1大入賞口カウンタに1を加算して更新する。さらに、本実施形態では、大当り遊技状態であるとき(特別図柄の制御状態番号=5または6であるとき)には、メインRAM203の「累計大当り出玉数カウンタ」に、第1大入賞口8131に入球したときに払い出される遊技球の賞球個数(例えば15個)を加算して更新する。そして、第1大入賞口8131への入賞を示す第1大入賞口入賞コマンドの送信予約処理を行う。この処理で送信予約された第1大入賞口入賞コマンドは、次回のシステムタイマ割込処理中の演出制御コマンド送信処理(図329参照)において、サブ制御回路300に送信される。メインCPU201は、S8404の処理を実行した後、処理をS8405に移す。
S8405において、メインCPU201は、第2大入賞口通過検出処理を行う。第2大入賞口通過検出処理では、メインCPU201は、第2大入賞口カウントスイッチ8152により第2大入賞口8151への遊技球の入球が検出されると、第2大入賞口8151に応じた払出情報をセットするとともに、第2大入賞口8151への遊技球の入賞数を計数するための第2大入賞口カウンタに1を加算して更新する。さらに、本実施形態では、大当り遊技状態であるときには、メインRAM203の「累計大当り出玉数カウンタ」に、第2大入賞口8151に入球したときに払い出される遊技球の賞球個数(例えば15個)を加算して更新する。そして、第2大入賞口8151への入賞を示す第2大入賞口入賞コマンドの送信予約処理を行う。この処理で送信予約された第2大入賞口入賞コマンドは、次回のシステムタイマ割込処理中の演出制御コマンド送信処理(図329参照)において、サブ制御回路300に送信される。メインCPU201は、S8405の処理を実行した後、処理をS8406に移す。
なお、本実施形態においては、大当り遊技状態であるときに、メインRAM203の「累計大当り出玉数カウンタ」に、第1大入賞口8131及び第2大入賞口8151に入球したときに払い出される遊技球の賞球個数を加算するように構成したが、大当り遊技状態であるときに加え、小当り遊技状態であるとき(特別図柄の制御状態番号=3または4であるとき)にも、第1大入賞口8131及び第2大入賞口8151に入球したときに払い出される遊技球の賞球個数を加算するように構成してもよい。さらには、大当り遊技状態であるとき(特別図柄の制御状態番号=5、6のとき)、または小当り遊技状態を含めた大当り遊技状態であるとき(特別図柄の制御状態番号=3~6のとき)に、メインRAM203の「累計大当り出玉数カウンタ」に、第1大入賞口8131及び第2大入賞口8151に入球したときに払い出される遊技球の賞球個数に加え、第1始動口8120、第2始動口8140及び一般入賞口122に入球したときに払い出される遊技球の賞球個数を加算するように構成してもよい。
S8406において、メインCPU201は、V入賞口通過検出処理を行う。V入賞口通過検出処理では、メインCPU201は、V入賞口スイッチ8157によりV入賞口8156への遊技球の通過が検出されると、V入賞口通過フラグをオンにする。そして、遊技球がV入賞口8156を通過したことを示すV通過コマンドの送信予約処理を行う。この処理で送信予約されたV通過コマンドは、次回のシステムタイマ割込処理中の演出制御コマンド送信処理(図329)において、サブ制御回路300に送信される。なお、V入賞口8156に遊技球が通過したとしても払出情報はセットされない。メインCPU201は、S8406の処理を実行した後、処理をS8407に移す。
S8407において、メインCPU201は、ゲート通過検出処理を行う。メインCPU201は、S8407の処理を実行した後、処理をS8408に移す。
このゲート通過検出処理において、メインCPU201は、通過ゲートスイッチ8127により通過ゲート8126への遊技球の通過が検出されると、普通図柄始動記憶領域(1)~普通図柄始動記憶領域(4)に空き領域があるか否かを判定する。普通図柄始動記憶領域(1)~普通図柄始動記憶領域(4)に空き領域があると判定すると、普通図柄の始動情報として各種乱数値(例えば、普通図柄当り判定用乱数値、普通図柄の図柄乱数値等)を取得し、取得した各種乱数値をFIFO形式で1つの普通図柄始動記憶領域に記憶する。一方、普通図柄始動記憶領域(1)~普通図柄始動記憶領域(4)のいずれにも空き領域がないと判定すると、各種乱数値を取得せずに、ゲート通過検出処理を終了することになる。
S8408において、メインCPU201は、先読みコマンド生成処理を行う。メインCPU201は、S8408の処理を実行した後は、今回のスイッチ入力検出処理を終了する。
この先読みコマンド生成処理においては、図307の先読み関連データを参照し、遊技状態に基づいて、今回の第1始動口入賞検出処理または第2始動口入賞検出処理で取得した各種乱数値を解析し、先読みコマンドを生成する。なお、図307の先読み関連データに示したように、時短遊技状態、大当り遊技状態、小当り遊技状態においては、第2始動口入賞検出処理で取得した各種乱数値に基づく先読みコマンド(第2特別図柄の先読みコマンド)のみ生成可能となっている。そして、生成した先読みコマンドをサブ制御回路300に送信する先読みコマンドの送信予約処理を行う。この処理で送信予約された先読みコマンドは、次回のシステムタイマ割込処理中の演出制御コマンド送信処理(図329参照)において、サブ制御回路300に送信されることになる。
[10-5.サブ制御回路]
次に、主制御回路200からサブ制御回路300に送信される各種のコマンド等に基づいたサブ制御回路300の制御内容について説明する。
[10-5-1.時短遊技状態の予告演出パターン決定テーブル]
まず、サブ制御回路300のプログラムROM302に記憶されている予告演出パターン決定テーブルの詳細について、図332を用いて説明する。図332は、第8のパチンコ遊技機における時短遊技状態の予告演出パターン決定テーブルの一例である。
図332に示されるように、時短遊技状態の予告演出パターン決定テーブルは、主制御回路200から受信した特別図柄の変動パターンコマンドと、時短遊技状態の種別(特殊時短遊技状態または一般時短遊技状態)と、選択率(第1乱数値)と、予告演出パターンとが対応付けられている。
ここで、「演出パターン」とは、キャラクタ等の表示演出や、音声演出、演出ボタン54の操作態様の変化演出等を定めた情報をいう。また、「予告演出パターン」とは、演出パターンのうち、特別図柄の抽選結果や実行される演出内容を事前に示唆する演出の情報をいう。なお、予告演出パターンの他に、後述する図柄演出パターン等の各種の演出が重畳して実行可能となっている。
また、「選択率(第1乱数値)」とは、第2の乱数範囲からなる第2乱数値に対して、取得された第2乱数値が所定の範囲内にあることに対応しているが、説明の便宜上、選択率に読み替えて記載している。なお、選択率については1~100%の他に0%が含められていてもよく、0%の選択率という文言を排除するものではない。
本実施形態においては、予告演出パターンとして、「転落小当り」を事前に示唆する「予告演出パターンA」と、「V小当り」の可能性があることを事前に示唆する「予告演出パターンB1」と、予告演出パターンB1から発展し、「バトル演出」が実行される可能性が高いことを事前に示唆する「予告演出パターンB2」とを備えている。なお、本実施形態においては、予告演出パターンは3種類しか備えられていないが、予告する内容を細分化させて4種類以上の表示態様を備えて構成してもよい。
サブCPU301は、図332に示時短遊技状態の予告演出パターン決定テーブルを参照し、特別図柄の変動パターンコマンドと、時短遊技状態の種別(特殊時短遊技状態または一般時短遊技状態)と、選択率(第1乱数値)とに基づいて、予告演出パターンを決定することになる。
図332に示す時短遊技状態の予告演出パターン決定テーブルによれば、「予告演出パターンA」<「予告演出パターンB1」<「予告演出パターンB2」の順に、「V小当り」の可能性が高くなるように、予告演出パターンには選択率(第1乱数値)が対応付けられている。
さらに、図332に示す時短遊技状態の予告演出パターン決定テーブルによれば、特殊時短遊技状態において第2特別図柄の抽選結果がハズレである場合には、予告演出パターンが決定(実行)されないように構成されている。
また、図332に示す時短遊技状態の予告演出パターン決定テーブルによれば、特殊時短遊技状態においては、「転落小当り」を事前に示唆する「予告演出パターンA」は決定(実行)されないように構成されている。
また、図332に示す時短遊技状態の予告演出パターン決定テーブルによれば、バトル演出を実行する特別図柄の変動パターンコマンドを受信したときにのみ、「予告演出パターンB2」が決定(実行)されるように構成されている。
なお、図332に示す時短遊技状態の予告演出パターン決定テーブルにおいては、「転落小当り」を事前に示唆する「予告演出パターンA」は、バトル演出を実行する特別図柄の変動パターンコマンドまたはカード演出を実行する特別図柄の変動パターンコマンドを受信したときに決定(実行)されるように構成されているが、カード演出を実行する特別図柄の変動パターンコマンドを受信したときにのみ、「予告演出パターンA」が決定(実行)されるように構成してもよい。
[10-5-2.サブ制御回路処理]
次に、図333を参照して、サブ制御回路300のサブCPU301により実行される各種処理の内容について説明する。図333は、第8のパチンコ遊技機におけるサブ制御回路処理の一例を示すフローチャートである。
図333に示すように、サブCPU301は、先ず、初期化処理を行う(S8500)。この初期化処理では、例えば、RAMアクセス許可、作業領域の初期化、ハードウェア初期化、デバイス初期化、アプリケーション初期化、バックアップ復帰初期化等といった初期化処理が行われる。この処理を終了すると、サブCPU301は、処理をS8510に移す。
なお、上述の初期化処理(S8500)は、電源投入時やバックアップクリア時に実行される処理であり、電源投入後は、後述のS8510~S8580の処理が繰り返し実行される。
S8510において、サブCPU301は、データを入力するデータ入力処理を行う。このデータ入力処理では、コマンド入力ポート308の読込処理と、演出ボタン54の入力処理との両方の処理が行われる。
コマンド入力ポート308の読込処理では、コマンド入力ポート308にセットされている主制御回路200から送信されたコマンドを読み出す。
また、演出ボタン54の入力処理では、演出ボタン54によって検出された遊技者の操作に関する操作情報をボタン制御回路310から入力する。また、サブCPU301は、ボタン制御回路310から操作情報を入力すると、入力した操作情報を有効とするか無効として破棄するかを判定するとともに、現在の演出等の状況に応じて、操作情報の入力を許可する受付時間、入力した操作情報を有効とする有効時間、入力した操作情報を無効とする無効期間を設定する。
コマンド入力ポート308の読込処理と、演出ボタン54の入力処理とが終了すると、サブCPU301は、処理をS8520に移す。
S8520において、サブCPU301は、コマンド解析処理を実行する。この処理では、S8510の処理で読み込まれたコマンドの解析が行われる。この処理を終了すると、サブCPU301は、処理をS8530に移す。
S8530において、サブCPU301は、演出態様決定処理を実行する。この処理では、例えば、メインCPU201から送信されたコマンドに基づいて、演出パターンを決定したり、決定した演出パターンに基づいて、各種演出装置を動作させるための各種リクエスト(例えば、描画リクエスト、サウンドリクエスト、ランプリクエスト、および、役物リクエスト、演出ボタン駆動リクエスト等)を生成したりする。この演出態様決定処理の詳細については、図334を参照して後述する。この処理を終了すると、サブCPU301は、処理をS8540に移す。
S8540において、サブCPU301は、描画制御処理を実行する。この処理において、サブCPU301は、描画リクエストを表示制御回路304に送信する。表示制御回路304は、サブCPU301から送信されたメッセージ(描画リクエスト)に基づいて、表示装置7の表示領域に画像を表示させるための描画制御を行う。この処理を終了すると、サブCPU301は、処理をS8550に移す。
S8550において、サブCPU301は、音声制御処理を実行する。この処理において、サブCPU301は、サウンドリクエストを音声制御回路305に送信する。音声制御回路305は、サブCPU301から送信されたメッセージ(サウンドリクエスト)に基づいて、スピーカ32に音声を出力させるための音声制御を行う。この処理を終了すると、サブCPU301は、処理をS8560に移す。
S8560において、サブCPU301は、LED制御処理を実行する。この処理において、サブCPU301は、LEDリクエストをLED制御回路306に送信する。LED制御回路306は、サブCPU301から送信されたメッセージ(LEDリクエスト)に基づいて、LED群46を構成するLEDの全部または一部を点灯あるいは点滅させるための発光制御を行う。この処理を終了すると、サブCPU301は、処理をS8570に移す。
S8570において、サブCPU301は、役物制御処理を実行する。この処理において、サブCPU301は、役物リクエストを役物制御回路307に送信する。役物制御回路307は、サブCPU301から送信されたメッセージ(役物リクエスト)に基づいて、演出用役物群58を構成する全部または一部の役物にかかる演出用駆動モータ(不図示)を動作させるための駆動制御を行う。この処理を終了すると、サブCPU301は、処理をS8580に移す。
S8580において、サブCPU301は、演出ボタン制御処理を実行する。この処理において、サブCPU301は、演出ボタン駆動リクエストをボタン制御回路310に送信する。ボタン制御回路310は、サブCPU301から送信されたメッセージ(演出ボタン駆動リクエスト)に基づいて、演出ボタン54の操作態様を変化させたり、演出ボタン54を振動させたりする駆動制御を行う。この処理を終了すると、サブCPU301は、サブ制御回路処理を終了する。
[10-5-3.演出態様決定処理]
次に、図334を参照して、サブ制御回路処理(図333参照)中でサブCPU301により実行される演出態様決定処理の詳細について説明する。図334は、第8のパチンコ遊技機における演出態様決定処理の一例を示すフローチャートである。
S8531において、サブCPU301は、演出パターンを決定する演出パターン決定処理を実行する。この演出パターン決定処理においては、メインCPU201から受信したコマンドの種別に基づいて、表示装置7に表示される表示演出の態様や、スピーカ32から出力される音演出の態様、演出ボタン54の操作態様等を定めた演出パターンを決定する。具体的には、メインCPU201から受信したコマンドが「特別図柄の変動パターンコマンド」である場合には、受信した特別図柄の変動パターンコマンドに基づいて、「図柄演出パターン」を決定する。また、時短遊技状態であるときに、メインCPU201から受信したコマンドが「特別図柄の変動パターンコマンド」である場合には、図332に示す時短遊技状態の予告演出パターン決定テーブルを参照し、特別図柄の変動パターンコマンドと、時短遊技状態の種別(特殊時短遊技状態または一般時短遊技状態)と、選択率(第1乱数値)とに基づいて、「予告演出パターン」を決定する。その他、メインCPU201から送信された各種コマンドに応じた演出パターンを決定する。この処理を終了すると、サブCPU301は、処理をS8532に移す。
S8532において、サブCPU301は、アニメーションリクエストの生成処理を実行する。この処理では、上記S8531において決定された演出パターンに基づいてアニメーションリクエストを生成する。この処理を終了すると、サブCPU301は、処理をS8533に移す。
S8533において、サブCPU301は、描画リクエストの生成処理を実行する。この処理では、S8532において生成されたアニメーションリクエストに基づいて描画リクエストを生成する。この処理を終了すると、サブCPU301は、処理をS8534に移す。
S8534において、サブCPU301は、サウンドリクエストの生成処理を実行する。この処理では、上記S8531において決定された演出パターンに基づいてサウンドリクエストを生成する。この処理を終了すると、サブCPU301は、処理をS8535に移す。
S8535において、サブCPU301は、ランプリクエストの生成処理を実行する。この処理では、上記S8531において決定された演出パターンに基づいてランプリクエストを生成する。この処理を終了すると、サブCPU301は、処理をS8536に移す。
S8536において、サブCPU301は、役物リクエストの生成処理を実行する。この処理では、上記S8531において決定された演出パターンに基づいて役物リクエストを生成する。この処理を終了すると、サブCPU301は、処理をS8537に移す。
S8537において、サブCPU301は、演出ボタン駆動リクエストの生成処理を実行する。この処理では、上記S8531において決定された演出パターンに基づいて演出ボタン駆動リクエストを生成する。この処理を終了すると、サブCPU301は、演出態様決定処理を終了し、処理を描画制御処理(図333参照)に移す。
[10-6.遊技状態の移行図]
以上のような主制御回路200のメインCPU201により実行される各種処理により、移行される遊技状態について、遊技状態移行図を用いて説明する。図335は、第8のパチンコ遊技機における遊技状態の移行を示す遊技状態移行図の一例である。
第8のパチンコ遊技機においては、遊技状態として、通常遊技状態(第1の通常遊技状態、第2の通常遊技状態)、時短遊技状態(特殊時短遊技状態、一般時短遊技状態)、遊技不許可状態とを備えている。
上述したように「第1の通常遊技状態」は、第1特別図柄の始動情報に基づいて行われる第1特別図柄の制御期間中の通常遊技状態であり、左打ちが正規な遊技態様とされる通常遊技状態である。このため、第1の通常遊技状態は、第1始動口8120に遊技球が入球することは容易である一方、第2始動口8140に遊技球が入球することは困難な状態である。
「第2の通常遊技状態」は、第2特別図柄の始動情報に基づいて行われる第2特別図柄の制御期間中の通常遊技状態であり、時短遊技状態が終了して通常遊技状態に移行した直後において、時短遊技状態に記憶した第2特別図柄の保留個数を消化中の通常遊技状態である。ここで、第2の通常遊技状態は、正規な遊技態様として左打ちが規定されているが、第2特別図柄の保留個数の消化中には、再び一般時短遊技状態へと移行される引き戻し割合が高いことから、正規な遊技態様として右打ちを規定してもよい。このように、第2の通常遊技状態は、左打ちを規定してもよく右打ちを規定してもよいことから、第2の通常遊技状態においては表示装置7に正規な遊技態様としての報知を行わせずに、第2の通常遊技状態から第1の通常遊技状態に移行したときに、表示装置7に正規な遊技態様として左打ちの報知を行わせることが望ましい。
「特殊時短遊技状態」は、第2の時短終了条件として小当りの当選回数=255回が設定された時短遊技状態であり、「転落小当り(約1/152.6)」よりも「V小当り(約1/48.2)」の方が当選確率が高く、小当りが255回当選するまでには、少なくともV小当りが当選可能であることから、次回の大当りまでが実質的に保障された時短遊技状態である。また、特殊時短遊技状態は、大当り遊技状態の終了後に移行したときにはA時短遊技状態となり、特別図柄の可変表示回数が天井値に到達した後に移行したときにはB時短遊技状態ともなる。
「一般時短遊技状態」は、第1の時短終了条件として小当りの当選回数=1回または2回が設定された時短遊技状態であり、当選した小当りがすべて転落小当りであると、大当り遊技状態に移行せずに時短遊技状態が終了してしまうことから、次回の大当りまでが保障されていない時短遊技状態である。
特殊時短遊技状態及び一般時短遊技状態のいずれの時短遊技状態も、右打ちが正規な遊技態様とされ、第1始動口8120に遊技球が入球することは困難である一方、第2始動口8140に遊技球が入球することは容易な状態である。
「遊技不許可状態」は、遊技者による遊技が不能となる遊技状態であり、上述したように、遊技球が入球または通過する各種スイッチの無効化、発射装置6からの遊技球の発射禁止及び払出装置82からの賞球の払い出し禁止が行われることになる。
(第1の通常遊技状態の移行制御)
図335に示すように、第1の通常遊技状態において、第1始動口8120に遊技球が入球すると、第1特別図柄の始動情報に基づいて「大当り」または「ハズレ」が判定され(図300参照)、「大当り」が判定されると大当り遊技状態に移行する。そして、第1の通常遊技状態における第1特別図柄の始動情報を契機とした大当り遊技状態の終了後には、特別図柄の選択図柄に応じて、20%の選択率で「特殊時短遊技状態」に移行し、40%の選択率で「一般時短遊技状態」に移行し、40%の選択率で「通常遊技状態」に移行することに
なる(図301、図304参照)。
また、第1の通常遊技状態(第2の通常遊技状態も含む)において、特別図柄の変動表示の回数が999回となった後には、通常遊技状態から「特殊時短遊技状態」に移行する。
(特殊時短遊技状態の移行制御)
特殊時短遊技状態において、第2始動口8140に遊技球が入球すると、第2特別図柄の始動情報に基づいて「大当り」、「小当り」または「ハズレ」が判定され(図300参照)、「大当り」が判定されると大当り遊技状態に移行し、「小当り」が判定されると小当り遊技状態に移行する。特に、本実施形態では、V小当りとしての小当り遊技状態が行われると、V入賞口8156への遊技球の通過が可能(又は容易)となり、V入賞口8156に遊技球が通過することにより、第2のルートからの大当り遊技状態に移行することになる。
また、第2始動口8140に遊技球が入球した場合に、第1のルートまたは第2のルートを経由して、大当り遊技状態に移行する実質当りの確率は、約1/41.9となるように構成されている(図301参照)。
そして、特殊時短遊技状態において、第2始動口8140に遊技球が入球して大当り遊技状態に移行した後には、すべて一般時短遊技状態に移行することになる(図304参照)。なお、上述したように、特殊時短遊技状態において、第2始動口8140に遊技球が入球して大当り遊技状態に移行した後には、所定の割合で再び特殊時短遊技状態に移行させるように構成してもよい。
(一般時短遊技状態の移行制御)
一般時短遊技状態において、第2始動口8140に遊技球が入球すると、第2特別図柄の始動情報に基づいて「大当り」、「小当り」または「ハズレ」が判定され(図300参照)、「大当り」が判定されると大当り遊技状態に移行し、「小当り」が判定されると小当り遊技状態に移行する。
一般時短遊技状態においては、V小当り及び転落小当りを区別することなく、A時短終了条件として「小当りの当選回数」が減算されていくが、当選した小当りがすべて転落小当りであると、大当り遊技状態に移行できずに、一般時短遊技状態から第2の通常遊技状態に移行することになる。また、当選した小当りがV小当りであると、V入賞口8156への遊技球の通過が可能(又は容易)なV小当りとしての小当り遊技状態が行われ、V入賞口8156に遊技球が通過することにより、第2のルートからの大当り遊技状態に移行することになる。
そして、一般時短遊技状態においては、第1のルートまたは第2のルートを経由して大当り遊技状態に移行した後に、回数リミッタ機能による大当り連続回数がリミッタ回数に到達していないときには、再び一般時短遊技状態に移行し、回数リミッタ機能による大当り連続回数がリミッタ回数に到達したときには、第2の通常遊技状態に移行することになる(図304参照)。なお、上述したように、一般時短遊技状態において、第2始動口8140に遊技球が入球して大当り遊技状態に移行した後には、所定の割合で再び特殊時短遊技状態に移行させるように構成してもよい。
(第2の通常遊技状態の移行制御)
第2の通常遊技状態においては、一般時短遊技状態のときに記憶した第2特別図柄の始動情報に基づいて「大当り」、「小当り」または「ハズレ」が判定され(図300参照)、「大当り」が判定されると大当り遊技状態に移行し、「小当り」が判定されると小当り遊技状態に移行する。当選した小当りがV小当りであると、V入賞口8156への遊技球の通過が可能(又は容易)なV小当りとしての小当り遊技状態が行われ、V入賞口8156に遊技球が通過することにより、第2のルートからの大当り遊技状態に移行することになる。
そして、第2の通常遊技状態においては、第1のルートまたは第2のルートを経由して大当り遊技状態に移行した後には、再び一般時短遊技状態に移行することになる(図304参照)。
また、第2の通常遊技状態においては、一般時短遊技状態のときに記憶したすべての第2特別図柄の始動情報が「ハズレ」または「転落小当り」であると判定され、一般時短遊技状態に記憶した第2特別図柄の保留個数がすべて消化されると、第2の通常遊技状態が終了し、第1の通常遊技状態に移行することになる。
(遊技不許可状態の移行制御)
現在の遊技状態に関わらず、1日あたりに大当り遊技状態で払い出された遊技球の累計大当り出玉数が所定の打止出玉数(例えば10万個)に到達すると、大当り遊技状態から強制的に遊技不許可状態に移行することになる。この遊技不許可状態は、RAMクリアされた場合または設定変更処理が行われた場合には、遊技許可状態である第1の通常遊技状態に移行させられる。また、遊技不許可状態への移行は、各遊技状態における移行制御における最優先処理として実行されることになる。
[10-7.演出フロー]
次に、主制御回路200及びサブ制御回路300等の制御により実行される演出の概略について、演出全体のフローを用いて説明する。図336は、第8のパチンコ遊技機における遊技状態の演出フローの一例である。
第8のパチンコ遊技機において行われる演出としては、表示装置7の表示領域に表示される特別図柄に対応した装飾図柄の変動表示からなる変動演出、キャラクタ等の表示演出や、スピーカ32から出力される音声演出、LED群46から発光されるランプ演出、演出用役物群58を駆動させる演出役物演出、演出ボタン54の操作態様の変化演出等を行う。なお、本実施形態においては、装飾図柄として、左図柄、中図柄、右図柄の3つの主図柄とその主図柄よりも極めて小さい副図柄とで構成されている。なお、装飾図柄の数および種類はこれに限定されない。
また、実施形態においては、第1特別図柄の抽選に基づく演出を「第1特別図柄の演出」、第2特別図柄の抽選に基づく演出を「第2特別図柄の演出」ともいう。
(第1の通常遊技状態における演出)
第1の通常遊技状態においては、「第1特別図柄の演出」として、少なくとも「通常変動」、「ノーマルリーチ」、「スーパーリーチ」、「超スーパーリーチ」、「全回転リーチ」が実行可能に構成されている。
「通常変動」とは、全ての装飾図柄がバラバラで高速で変動表示を開始し、順番に停止表示をしていく変動態様の演出であり、特別図柄の抽選結果がハズレのときに実行可能な演出である。
「ノーマルリーチ」、「スーパーリーチ」、「超スーパーリーチ」とは、第1特別図柄の抽選結果が大当りの可能性があることを示唆するリーチ演出である。「ノーマルリーチ」は、左図柄と右図柄とが同種の図柄で仮停止表示されると行われるリーチ演出であり、一例として、中図柄が低速で変動表示を行うリーチ演出である。そして、「ノーマルリーチ」においては、中図柄が左右図柄と異なる種類の図柄で停止表示するとハズレとなり、中図柄が左右図柄と同種の図柄で停止表示すると大当りとなる。また、「ノーマルリーチ」においては、中図柄が停止表示されずに「スーパーリーチ」へと発展することがあり、「スーパーリーチ」から更に「超スーパーリーチ」へと発展することできるように構成されている。
「全回転リーチ」は、大当たりを報知する複数の装飾図柄の組合せが全て揃った状態で低速に変動する態様を意味し、本実施形態においては、第1特別図柄の抽選結果が大当りであり、特殊時短遊技状態に移行される第1特別図柄の選択図柄「z1」が決定されたときにのみ実行される演出である。
そして、図305(a)に示す特別図柄の変動パターンテーブルT1によれば、「ノーマルリーチ」<「スーパーリーチ」<「超スーパーリーチ」<「全回転リーチ」の順に大当り遊技状態に移行する期待度が高くなるように、演出選択用乱数値等が設定されている。
なお、第1の通常遊技状態において、後述する「カード演出」や「バトル演出」を所定の割合で実行するように構成してもよい。第1の通常遊技状態において「カード演出」や「バトル演出」を実行する場合には、大当り遊技状態に移行する期待度が高くなるように、演出選択用乱数値等が設定される。
(特殊時短遊技状態における演出)
特殊時短遊技状態においては、「第2特別図柄の演出」として、少なくとも「超短縮変動」、「即当り演出」、「バトル演出」が実行可能に構成されている。
「超短縮変動」とは、全ての装飾図柄がバラバラで高速で変動表示を開始し、極めて短時間(例えば0.5秒)で、全ての装飾図柄が異なる種類の図柄で停止表示をする変動態様の演出であり、特別図柄の抽選結果がハズレのときに実行可能な演出である。また、特殊時短遊技状態においては、「超短縮変動」は、第2特別図柄の抽選結果が小当りであり、「転落小当り」に対応する第2特別図柄の選択図柄「z7」が決定されたときにも実行可能に構成されている(図305(b)参照)。
「即当り演出」とは、全ての装飾図柄がバラバラで高速で変動表示を開始し、極めて短時間(例えば0.5秒)で、全ての装飾図柄が同種の図柄で停止表示をする変動態様の演出であり、特別図柄の抽選結果が大当りのとき、または、第2特別図柄の抽選結果が小当りであり、「V小当り」に対応する第2特別図柄の選択図柄「z5、z6」が決定されたときに実行可能な演出である。
「バトル演出」とは、第2特別図柄の抽選結果がハズレのとき、または、第2特別図柄の抽選結果が小当りであり「V小当り」に対応する第2特別図柄の選択図柄「z5、z6」が決定されたときに実行可能な演出である。「バトル演出」は、一般時短遊技状態が終了する契機となる「転落小当り」に当選したことを示唆せずに、大当り遊技状態に移行する契機となる「V小当り」に当選したのか、「ハズレ」であるのを示唆する演出であり、一例として、敵キャラクタが登場して、主人公キャラクタと敵キャラクタが対決する演出であり、主人公キャラクタが勝利するとV小当りを報知し、主人公キャラクタが敗北するとハズレを報知する演出である。
(一般時短遊技状態における演出)
一般時短遊技状態においては、大当りのリミッタ回数の残存回数に応じて異なる演出が実行可能に構成されている。
具体的には、一般時短遊技状態における大当りのリミッタ回数の残存回数が91以上のとき(以下「回数リミッタの前半」ともいう)には、「短縮変動」、「即当り演出」、「カード演出」、「バトル演出」が実行可能に構成されている。また、一般時短遊技状態における大当りのリミッタ回数の残存回数が90以下のとき(以下「回数リミッタの後半」ともいう)には、「超短縮変動」、「即当り演出」、「カード演出」が実行可能に構成されている。また、一般時短遊技状態における大当りのリミッタ回数の残存回数が0のとき(以下「回数リミッタの作動時」ともいう)には、「超短縮変動」、「エンディング演出」が実行可能に構成されている。
「短縮変動」とは、一般時短遊技状態における「回数リミッタの前半」の専用演出であって、全ての装飾図柄がバラバラで高速で変動表示を開始し、通常変動よりも短く、かつ超短縮変動よりも長い短時間(例えば3秒)で、全ての装飾図柄が異なる種類の図柄で停止表示をする変動態様の演出であり、特別図柄の抽選結果がハズレのときに実行可能な演出である。なお、一般時短遊技状態における「回数リミッタの後半」及び「回数リミッタの作動時」においては、「短縮変動」が上述した「超短縮変動」に切り替わることになる。
「カード演出」とは、一般時短遊技状態における「回数リミッタの前半」及び「回数リミッタの後半」の専用演出であり、特別図柄の抽選結果が小当りまたはハズレのときに実行可能な演出である。「カード演出」は、一般時短遊技状態が終了する契機となる「転落小当り」に当選したのか、大当り遊技状態に移行する契機となる「V小当り」に当選したのか、「ハズレ」であるのを示唆する演出であり、一例として、所定の模様が表示されたカードが表示され、カードがゆっくりと反転されると、第2特別図柄の抽選結果を示唆する文字が表示される演出である。
「エンディング演出」とは、一般時短遊技状態における「回数リミッタの作動時」の専用演出であり、特別図柄の抽選結果が大当りまたは小当りのときに実行可能な演出である。「エンディング演出」は、大当り遊技状態に移行する「大当り」に当選したのか、大当り遊技状態に移行する契機となる「V小当り」に当選したのか、一般時短遊技状態が終了する契機となる「転落小当り」に当選したのかを示唆する演出であり、一例として、所定のストーリーが表示され、ストーリーが完結すると大当りまたはV小当りを報知し、ストーリーが途中で終了すると転落小当りを報知する演出である。
(第2の通常遊技状態における演出)
第2の通常遊技状態においては、「第2特別図柄の演出」として、少なくとも「通常変動」、「扉開放演出」が実行可能に構成されている。
「通常変動」は、第1の通常遊技状態における演出で上述したように、特別図柄の抽選結果がハズレのときに実行可能な演出であるが、第2の通常遊技状態においては、第2特別図柄の抽選結果が小当りであり、「転落小当り」に対応する第2特別図柄の選択図柄「z7」が決定されたときにも実行可能に構成されている(図305(a)参照)。
「扉開放演出」は、第2の通常遊技状態の専用演出であり、第2特別図柄の抽選結果が大当りのとき、第2特別図柄の抽選結果が小当りであり「V小当り」に対応する第2特別図柄の選択図柄「z5、z6」が決定されたとき、または第2特別図柄の抽選結果がハズレのときに実行可能な演出である。「扉開放演出」は、一例として、左右から半開きの扉が表示され、所定期間に亘って半開きの扉がガタガタしまるような表示を行い、大当りまたはV小当りのときには扉が完全に閉まる表示が行われ、ハズレのときには扉が完全に閉まらなかった表示が行われる。
なお、本実施形態においては、第2の通常遊技状態のときに、第2特別図柄の抽選結果が小当りであり「転落小当り」に対応する第2特別図柄の選択図柄「z7」が決定された場合には「通常変動」を実行可能に構成したが、「扉開放演出」を実行可能に構成してもよい。第2の通常遊技状態において、第2特別図柄の抽選結果が小当りであり「転落小当り」に対応する第2特別図柄の選択図柄「z7」が決定された場合に「扉開放演出」を実行するときには、第2特別図柄の抽選結果がハズレのときと同様の演出を行えばよい。
さらに、本実施形態においては、第2の通常遊技状態の専用演出として「扉開放演出」を実行可能に構成したが、「扉開放演出」に代わり、上述した「バトル演出」を実行可能に構成してもよい。
[10-8.演出の表示内容]
以上の主制御回路200及びサブ制御回路300等の制御により実行される演出の表示内容について、表示装置7の表示領域に表示される表示画像を用いて説明する。
(バトル演出)
まず、図337を参照して、特殊時短遊技状態、または一般時短遊技状態における回数リミッタの前半で実行可能なバトル演出について説明する。図337は、第8のパチンコ遊技機におけるバトル演出を説明する表示画像の一例である。
図337に示すバトル演出は、図305(b)の特別図柄の変動パターンテーブルS1及び図306(a)の特別図柄の変動パターンテーブルJ1に示すように、バトル演出を実行する特別図柄の変動パターンコマンド(31H、32H)に基づいて実行される図柄演出パターンによる演出である。
図337(a)は、バトル演出が開始されたときの表示画像の一例である。図337(a)に示すように、バトル演出が開始されると、主人公キャラクタとライバルキャラクタとが登場して対決をする演出が行われる。また、左図柄・中図柄・右図柄の装飾図柄は、バトル演出の邪魔にならないように、遊技者が識別可能な程度に表示領域の右下に縮小表示される。
図337(b-1)は、第2特別図柄の抽選結果がV小当りであるとき(特別図柄の変動パターンコマンドが31Hであるとき)に行われるバトル演出の表示画像の一例である。図337(b-1)に示すように、バトル演出の結果として、対決の決着がつき、主人公キャラクタが勝利した演出が行われる。また、表示領域の右下に縮小表示された左図柄・中図柄・右図柄の装飾図柄が、全て同じ図柄で仮停止表示される。その後、全て同じ図柄で仮停止表示され装飾図柄が、表示領域の中央に大きく表示され、遊技者にV小当りとなったことが報知されることになる。
図337(b-2)は、第2特別図柄の抽選結果がハズレであるとき(特別図柄の変動パターンコマンドが32Hであるとき)に行われるバトル演出の表示画像の一例である。図337(b-2)に示すように、バトル演出の結果として、対決の決着がつき、主人公キャラクタが敗北した演出が行われる。また、表示領域の右下に縮小表示された左図柄・中図柄・右図柄の装飾図柄が、全て同じ図柄とならないように停止表示される。
このように、本実施形態における一般時短遊技状態で実行されるバトル演出によれば、一般時短遊技状態が終了する契機となる「転落小当り」のときには実行されないことから、一般時短遊技状態が継続することの安心感を与えながらも、V小当りとなったことの期待感を与え、より遊技の興趣の向上を図ることができる。
(カード演出)
次に、図338を参照して、一般時短遊技状態で実行可能なカード演出について説明する。図338は、第8のパチンコ遊技機におけるカード演出を説明する表示画像の一例である。
図338に示すカード演出は、図306の特別図柄の変動パターンテーブルJ1、J2に示すように、カード演出を実行する特別図柄の変動パターンコマンド(40H、41H、42H、43H)に基づいて実行される図柄演出パターンによる演出である。
図338(a)は、カード演出が開始されたときの表示画像の一例である。図338(a)に示すように、カード演出が開始されると、V当りを示す「当り」、ハズレであり、一般時短遊技状態の継続を示す「モード継続」、転落小当りであり、一般時短遊技状態の終了を示す「モード終了」文字が記載されたチャンスカードが表示され、そのチャンスカードが裏返しになってシャッフルされる演出が行われる。また、表示領域の中央に大きく表示されていた左図柄・中図柄・右図柄の装飾図柄は、カード演出の邪魔にならないように、遊技者が識別可能な程度に表示領域の右下に縮小表示される。
図338(b)は、カード演出が開始されてから、第2特別図柄の抽選結果を示唆するまでの共通の表示画像の一例である。図338(b)に示すように、チャンスカードが裏返しになってシャッフルされると、そのカードを1つ選択するような演出が行われる。
図338(c-1)は、第2特別図柄の抽選結果がV小当りであるとき(特別図柄の変動パターンコマンドが41Hであるとき)に行われるカード演出の表示画像の一例である。図337(c-1)に示すように、カード演出において1つのカードが選択されると、カードがゆっくりと反転され、「当り」の文字が記載されたチャンスカードが表示される演出が行われる。また、表示領域の右下に縮小表示された左図柄・中図柄・右図柄の装飾図柄が、全て同じ図柄で仮停止表示される。その後、全て同じ図柄で仮停止表示され装飾図柄が、表示領域の中央に大きく表示され、遊技者にV小当りとなったことが報知されることになる。
図338(c-2)は、第2特別図柄の抽選結果が転落小当りであるとき(特別図柄の変動パターンコマンドが42Hまたは43Hであるとき)に行われるカード演出の表示画像の一例である。図337(c-2)に示すように、カード演出において1つのカードが選択されると、カードがゆっくりと反転され、「モード終了」の文字が記載されたチャンスカードが表示される演出が行われる。また、表示領域の右下に縮小表示された左図柄・中図柄・右図柄の装飾図柄が、全て同じ図柄とならないように停止表示される。
なお、図示は省略したが、第2特別図柄の抽選結果がハズレであるとき(特別図柄の変動パターンコマンドが40Hであるとき)には、カード演出において1つのカードが選択されると、カードがゆっくりと反転され、「モード継続」の文字が記載されたチャンスカードが表示される演出が行われる。
図338(d-2)は、第2特別図柄の抽選結果が転落小当りであり、小当りの当選回数の残数が2以上であるとき(特別図柄の変動パターンコマンドが42Hであるとき)に、図338(c-2)に引き続き行われるカード演出の表示画像の一例である。図337(d-2)に示すように、「モード終了」の文字が記載されたチャンスカードが表示された後、女性キャラクタが表示され、一般時短遊技状態の継続を示す演出が行われる。
なお、第2特別図柄の抽選結果がハズレであるとき(特別図柄の変動パターンコマンドが40Hであるとき)にも、図337(c-2)及び図337(d-2)に示すように、一旦「モード終了」の文字が記載されたチャンスカードを表示した後、女性キャラクタが表示され、一般時短遊技状態の継続を示す演出を所定の割合で実行するように構成してもよい。
さらには、第2特別図柄の抽選結果がV小当りであるとき(特別図柄の変動パターンコマンドが41Hであるとき)に、「モード終了」または「モード継続」の文字が記載されたチャンスカードが表示された後、特定のキャラクタが表示され、V当りを報知する復活演出を所定の割合で実行するように構成してもよい。
このように、本実施形態における一般時短遊技状態で実行されるカード演出によれば、一般時短遊技状態が終了する契機となる「転落小当り」であるのか、一般時短遊技状態が継続する「ハズレ」であるのか、大当り遊技状態に移行する契機となる「V小当り」であるのか、「転落小当り」でないことを願い、「ハズレ」であることにも興味を持たせ、より遊技の興趣の向上を図ることができる。
(エンディング演出)
次に、図339を参照して、一般時短遊技状態における回数リミッタの作動時で実行可能なエンディング演出について説明する。図339は、第8のパチンコ遊技機におけるエンディング演出を説明する表示画像の一例である。
図339に示すエンディング演出は、図306の特別図柄の変動パターンテーブルJ3に示すように、エンディング演出を実行する特別図柄の変動パターンコマンド(50H、51H、52H)に基づいて実行される図柄演出パターンによる演出である。
図339(a)は、エンディング演出が開始されたときの表示画像の一例である。図339(a)に示すように、エンディング演出が開始されると、所定のストーリーが表示される演出が行われる。また、表示領域の中央に大きく表示されていた左図柄・中図柄・右図柄の装飾図柄は、カード演出の邪魔にならないように、遊技者が識別可能な程度に表示領域の右下に縮小表示される。
図339(b-1)は、第2特別図柄の抽選結果が大当りまたはV小当りであるとき(特別図柄の変動パターンコマンドが51Hまたは52Hであるとき)に行われるエンディング演出(エンディング成功演出)の表示画像の一例である。図339(b-1)に示すように、ストーリーが完結し、表示領域の右下に縮小表示された左図柄・中図柄・右図柄の装飾図柄が、全て同じ図柄で仮停止表示される。
図339(c-1)は、図339(b-1)に引き続き行われるエンディング演出の表示画像の一例である。図339(c-1)に示すように、ストーリーが完結した後、左図柄・中図柄・右図柄のすべての装飾図柄が、同じ図柄で表示領域の中央に大きく停止表示され、遊技者に大当りまたはV小当りとなったことが報知される。
図339(b-2)は、第2特別図柄の抽選結果が転落小当りであるとき(特別図柄の変動パターンコマンドが50Hであるとき)に行われるエンディング演出(エンディング失敗演出)の表示画像の一例である。図339(b-2)に示すように、表示画面が壊れ、ストーリーが途中で終了する表示が行われる。
図339(c-2)は、図339(b-2)に引き続き行われるエンディング演出の表示画像の一例である。図339(c-2)に示すように、ストーリーが途中で終了した後、左図柄・中図柄・右図柄の装飾図柄が、全て同じ図柄とならないように表示領域の中央に大きく停止表示される。そして、一般時短遊技状態が終了したことを示す「モード終了」の文字が表示される。
このように、本実施形態における一般時短遊技状態で実行されるエンディング演出によれば、一般時短遊技状態において回数リミッタ機能により大当り遊技状態の終了後に移行する遊技状態が規制されること(通常遊技状態に移行すること)を認識できることに加え、大当り、V小当りまたは転落当りのいずれであるかに興味を与え、より遊技の興趣の向上を図ることができる。
(扉開放演出)
次に、図340を参照して、第2の通常遊技状態で実行可能な扉開放演出について説明する。図340は、第8のパチンコ遊技機における扉開放演出を説明する表示画像の一例である。
図340に示す扉開放演出は、図305(a)の特別図柄の変動パターンテーブルT1に示すように、扉開放演出を実行する特別図柄の変動パターンコマンド(08H、09H、0AH)に基づいて実行される図柄演出パターンによる演出である。
図340(a)は、扉開放演出が開始されたときの表示画像の一例である。図340(a)に示すように、扉開放演出が開始されると、左右から半開きの扉が表示され、所定期間に亘って半開きの扉がガタガタしまるような表示が行われる。また、表示領域の中央に大きく表示されていた左図柄・中図柄・右図柄の装飾図柄は、扉開放演出の邪魔にならないように、遊技者が識別可能な程度に表示領域の右下に縮小表示される。
図340(b-1)は、第2特別図柄の抽選結果が大当りまたはV小当りであるとき(特別図柄の変動パターンコマンド08Hまたは09Hであるとき)に行われる扉開放演出の表示画像の一例である。図340(b-1)に示すように、所定期間に亘って半開きの扉がガタガタしまるような表示が行われた後には、扉が完全に閉まる表示が行われる。
図340(c-1)は、図340(b-1)に引き続き行われる扉開放演出の表示画像の一例である。図340(c-1)に示すように、扉が完全に閉まる表示が行われ後には、再び扉が開放し、左図柄・中図柄・右図柄のすべての装飾図柄が、同じ図柄で表示領域の中央に大きく停止表示され、遊技者に大当りまたはV小当りとなったことが報知される。
図340(b-2)は、第2特別図柄の抽選結果がハズレであるとき(特別図柄の変動パターンコマンド0AHであるとき)に行われる扉開放演出の表示画像の一例である。図340(b-2)に示すように、所定期間に亘って半開きの扉がガタガタしまるような表示が行われた後には、扉が完全に閉まらなかった表示が行われる。
図340(c-2)は、図340(b-2)に引き続き行われる扉開放演出の表示画像の一例である。図340(c-2)に示すように、扉が完全に閉まらなかった表示が行われ後には、左図柄・中図柄・右図柄の装飾図柄が、全て同じ図柄とならないように表示領域の中央に大きく停止表示される。
このように、本実施形態における第2の通常遊技状態で実行される扉開放演出によれば、一般時短遊技状態が終了した後に、大当りまたはV小当りとなり、再び一般時短遊技状態に引き戻すことの期待感を与え、より遊技の興趣の向上を図ることができる。
(予告演出)
次に、図341を参照して、時短遊技状態で実行可能な予告演出について説明する。図341は、第8のパチンコ遊技機における予告演出を説明する表示画像の一例である。
図341に示す予告演出は、図332の予告演出パターン決定テーブルに示すように、転落小当りを事前に示唆する「予告演出パターンA」と、V小当りの可能性があることを事前に示唆する「予告演出パターンB1」と、予告演出パターンB1から発展し、バトル演出が実行される可能性が高いことを事前に示唆する「予告演出パターンB2」による演出である。
図341(a)は、予告演出が実行される前の表示画像の一例である。図341(a)に示すように、表示領域の中央には、左図柄・中図柄・右図柄の装飾図柄が変動表示されている。
図341(b-1)は、予告演出パターンAによる予告演出が実行されたときの表示画像の一例である。図341(b-1)に示すように、転落小当りの可能性がることを事前に示唆するために「DANGER」の文字が表示される。
図341(b-2)は、予告演出パターンB1及び予告演出パターンB2による予告演出が実行されたときの表示画像の一例である。図341(b-2)に示すように、V小当りの可能性があることを事前に示唆するために、ウィンドウから男性キャラクタが表示されるとともに、「CHANCE」の文字が表示される。
図341(c-2)は、図341(b-2)に引き続き行われる予告演出パターンB2による予告演出が実行されたときの表示画像の一例である。図341(c-2)に示すように、バトル演出が実行される可能性が高いことを事前に示唆するために、ウィンドウが大きくなり、大きくなったウィンドウから女性キャラクタが表示されるとともに、「BATTLE」の文字が表示される。
このように、本実施形態における時短遊技状態で実行される予告演出によれば、予告演出で示唆される内容によって、特別図柄の抽選結果や実行される演出内容を推測し、より遊技の興趣の向上を図ることができる。
このように、第8のパチンコ遊技機では、第1の通常遊技状態、第2の通常遊技状態、特殊時短遊技状態、一般時短遊技状態への移行を可能とし、各遊技状態に応じて適切な演出を行うので、より遊技の興趣の向上を図ることができる。
また、第8のパチンコ遊技機では、時短終了条件として小当りの当選回数=255回が設定され、次回の大当りまでが実質的に保障された「特殊時短遊技状態」と、時短終了条件として小当りの当選回数=1回または2回が設定され、次回の大当りまでが保障されていない「一般時短遊技状態」とを備えたことにより、従来にない遊技性を創出し、より遊技の興趣の向上を図ることができる。
<第8のパチンコ遊技機の変形例>
第8のパチンコ遊技機においては、「出玉リミッタ機能」として、「1日あたり」に大当り遊技状態で払い出された遊技球の累計大当り出玉数を計数し、累計大当り出玉数が「所定の打止出玉数(例えば10万個)」に到達すると、大当り遊技状態の終了後に移行する遊技状態を一部規制するように構成した。しかしながら、「出玉リミッタ機能」として、「回数リミッタ機能」のように、特定条件下(時短遊技状態)における大当り遊技状態で払い出された遊技球の累計大当り出玉数を計数し、累計大当り出玉数が「所定の連荘出玉数(例えば5万個)」に到達すると、大当り遊技状態の終了後に移行する遊技状態を一部規制するように構成してもよい。
「出玉リミッタ機能」として、特定条件下(時短遊技状態)における大当り遊技状態で払い出された遊技球の累計大当り出玉数を計数し、累計大当り出玉数が所定の連荘出玉数に到達すると、大当り遊技状態の終了後に移行する遊技状態を一部規制するように構成する場合には、以下のように処理を変更すればよい。
まず、システムタイマ割込処理(図329)のS8325においては、メインRAM203の「累計大当り出玉数カウンタ」を参照し、累計大当り出玉数カウンタの値が「所定の連荘出玉数(例えば5万個)」以上であるか否かを判定する。累計大当り出玉数カウンタの値が、「所定の連荘出玉数」以上であると判定した場合には、S8326の処理を移し、遊技不許可状態の設定処理を行えばよい。また、システムタイマ割込処理(図329)のS8323においては、所定の連荘出玉数よりも少ない値(例えば4万9千個)であるか否かを判定すればよい。これにより、累計大当り出玉数が1日あたりの「所定の打止出玉数(例えば10万個)」から、「所定の連荘出玉数」に切り替えることができる。
次に、大当り遊技状態終了処理(図325参照)におけるS8323の大当り終了後状態設定処理において、大当り遊技状態終了の特別図柄の選択図柄が、時短遊技状態に移行する特別図柄の選択図柄であるか否かを判定する。そして、時短遊技状態に移行する特別図柄の選択図柄でないとき(通常遊技状態に移行する特別図柄の選択図柄であるとき)には、累計大当り出玉数カウンタをクリア(累計大当り出玉数カウンタ=0をセット)する。これにより、通常遊技状態に移行する大当り遊技状態の終了後には、累計大当り出玉数カウンタがクリアされ、特定条件下(時短遊技状態)における大当り遊技状態で払い出された遊技球の累計大当り出玉数を計数することができる。
第8のパチンコ遊技機においては、「出玉リミッタ機能」として、システムタイマ割込処理(図329)のS8325及びS8326等に示すように、メインCPU201が累計大当り出玉数を計数し、主制御回路200及び払出・発射制御回路400が「出玉リミッタ機能」に関する制御を行うように構成したが、払出・発射制御回路400が累計大当り出玉数を計数し、払出・発射制御回路400のみが「出玉リミッタ機能」に関する制御を行うように構成してもよい。
また、第8のパチンコ遊技機においては、大当り遊技状態の終了後に移行する遊技状態を一部規制する機能として、「回数リミッタ機能」と「出玉リミッタ機能」との2つの機能を備えたが、「回数リミッタ機能」のみ、または「出玉リミッタ機能」のみの機能を備えて構成してもよい。
また、第8のパチンコ遊技機の実施形態に記載された技術をスロットマシンに適用してもよい。スロットマシンに適用する場合には、第8のパチンコ遊技機で実行される各種演出は、スロットマシンに備えられた表示装置、リール等による演出に置き換えればよい。また、時短遊技状態(特殊時短遊技状態、一般時短遊技状態)は、再遊技のリプレイ確率が向上したリプレイタイム(RT状態)、所定の小役や停止ボタンの操作内容を報知するアシストタイム(AT状態)、リプレイタイムとアシストタイムが同時に制御されるアシストリプレイタイム(ART状態)のいずれかの状態に置き換えればよい。また、大当り、小当り(V小当り、転落小当り)は、特定役に当選すること、特定の図柄の組み合わせが停止表示されること(特定の図柄の組み合わせが入賞すること)、RT状態の突入当選に当選すること、AT状態の突入当選に当選すること、ART状態の突入当選に当選することのいずれかに置き換えればよい。さらに、回数リミッタ機能は、RT状態、AT状態、ART状態のいずれかの状態の遊技可能数、出玉リミッタ機能は、特定条件下(所定の小役や停止ボタンの操作内容を報知可能な有利区間)における遊技媒体(メダル・遊技球)の払出数に置き換えればよい。
(その他)
上述の第8のパチンコ遊技機は、変形例を含めて各実施形態同士で互いの技術を適用することができる。上述の実施形態は、本発明の内容を限定するものではなく、特許請求の範囲を逸脱しない程度に変更を加えることができる。
また、第8のパチンコ遊技機に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の各実施形態に記載されたものに限定されるものではない。
更に、上記[4.拡張例]は、第8のパチンコ遊技機にも、その遊技性や制御に齟齬を生じえない限り適用可能である。
[11.第9のパチンコ遊技機]
次に、第9のパチンコ遊技機について説明する。第9のパチンコ遊技機は、第3のパチンコ遊技機と同様に、1種2種混合機と称されるパチンコ遊技機である。第9のパチンコ遊技機は、第3のパチンコ遊技機と比して、遊技性や演出内容等が異なっており、それに伴い遊技領域に配置される各種部材の構成も一部異なっている。
特に、第9のパチンコ遊技機は、第3のパチンコ遊技機と比して、時短遊技状態においては、普通図柄の変動表示を主とした遊技性で構成されており、時短遊技状態の時短終了条件が特別図柄の可変表示の回数ではなく、普通図柄の可変表示の回数で構成されている点が相違している。
なお、第9のパチンコ遊技機は、第3のパチンコ遊技機と同様に、第1特別図柄と第2特別図柄とを並行して可変表示させず、第1特別図柄の始動条件よりも第2特別図柄の始動条件が優先して成立する優先変動機である。ただし、これに限られず、上述した順次変動機としてもよい。
以降、第9のパチンコ遊技機を説明するにあたり、第1のパチンコ遊技機と同様の構成要件については同じ符号および同じステップ番号を付して、その構成や処理に関する詳しい説明を省略する。
なお、本実施形態において、遊技者に所定の利益(遊技球の払い出し、遊技状態の移行)を付与することが可能な入球口(例えば、始動口や大入賞口)に「遊技球が入球すること」を適宜「入賞」ともいう。また、本実施形態において、図柄の「可変表示」とは、例えば、図柄が変動して表示される「変動表示」、および、図柄が停止して表示される「停止表示」等の両方を含む概念であり、変動表示の開始から停止表示されるまでの動作を1回の「可変表示」と称する。
[11-1.遊技盤ユニット]
図342を参照して、第9のパチンコ遊技機が備える遊技盤ユニット9010について説明する。この遊技盤ユニット9010も、第1のパチンコ遊技機と同様に、保護ガラス43(図2参照)の後方に位置するようにベースドア3(図2参照)の前方に配置される。
図342は、第9のパチンコ遊技機が備える遊技盤ユニット9010の外観を示す正面図の一例である。遊技盤ユニット9010は、遊技盤としての遊技パネル9100を備え、遊技パネル9100に各種部材が配置され、遊技パネル9100の前側面には、発射された遊技球が転動流下可能な遊技領域105が形成されている。
図342に示されるように、第9のパチンコ遊技機が備える遊技盤ユニット9010は、第1のパチンコ遊技機と比して、主に、通過ゲートにかわる普図作動領域9126と、第2始動口9140と、普通電動役物ユニット9145と、第1特別電動役物ユニット9130と、第2特別電動役物ユニット9150との構成や配置が異なっている。以下に、それぞれの構成やその配置について説明する。
なお、第9のパチンコ遊技機の遊技領域105に配置される第1始動口9120は、第1のパチンコ遊技機の遊技領域105に配置される第1始動口120と機能的にも共通するものであるが、第2始動口9140との関連性から、第1のパチンコ遊技機と異なる符号を用いて改めて説明する。
(第1始動口)
第1始動口9120は、表示装置7の表示領域の下方の遊技領域105に配置されており、左打ちされた遊技球が入球可能となり、遊技釘等により右打ちされた遊技球は入球困難または不可能に構成されている。そして、第1始動口9120には、第1始動口9120への遊技球の入球を検出する第1始動口スイッチ9121(後述の図343参照)が備えられている。
第1始動口9120に遊技球が入球すると、第1特別図柄抽選(第1特別図柄の当り判定処理)や、第1特別図柄の可変表示や、第1始動口用の賞球(例えば3個の遊技球)の払い出しが行われたりする。第1始動口9120に遊技球が入球した後の処理については、詳しくは後述する。
(第2始動口)
第2始動口9140は、右側領域107において後述する第1特別電動役物ユニット9130の下方(下流側)かつ、普図作動領域9126及び第2特別電動役物ユニット9150の上方(上流側)に配置されるとともに、後述する普通電動役物ユニット9145に設けられており、右打された遊技球が入球可能(左打ちされた遊技球が入球困難または不可能)となっている。そして、第2始動口9140には、第2始動口9140への遊技球の入球を検出する第2始動口スイッチ9141が備えられている。
第2始動口9140に遊技球が入球すると、第2特別図柄抽選(第2特別図柄の当り判定処理)や、第2特別図柄の可変表示や、第2始動口用の賞球(例えば1個の遊技球)の払い出しが行われたりする。第2始動口9140に遊技球が入球した後の処理については、詳しくは後述する。
(普図作動領域)
普図作動領域9126は、第1のパチンコ遊技機の通過ゲートとは異なり、普図作動領域9126を通過した遊技球は、遊技領域105(右側領域107)に戻ることなく、遊技機に回収され、普図作動領域用の賞球(例えば1個の遊技球)の払い出しが行われる入賞口(いわゆる「普図作動口」ともいう)で構成されている。そして、普図作動領域9126は、右側領域107の後述する第1特別電動役物ユニット9130、普通電動役物ユニット9145及び第2特別電動役物ユニット9150の下方(下流側)に配置されており、右打ちされた遊技球が通過可能(左打ちされた遊技球が通過困難または不可能)となっている。
このため、右側領域107を流下する遊技球は、第1特別電動役物ユニット9130の第1大入賞口9131、普通電動役物ユニット9145の第2始動口9140及び第2特別電動役物ユニット9150の第2大入賞口9151のいずれにも入球しなかったときに、普図作動領域9126に通過可能となっている。これにより、大当り遊技状態において右打ちが行われているときには、右側領域107を流下する遊技球は、上方に配置された第1特別電動役物ユニット9130の作動により第1大入賞口9131に入球し易く、普図作動領域9126に通過する遊技球の数を減少させるので、普図作動領域9126への遊技球の通過により普通電動役物ユニット9145が作動して、遊技性の設計外の予期せぬ第2始動口9140への遊技球の入球を防止することができる。また、通常遊技状態にイレギュラーな遊技態様として右打ちが行われたときには、普図作動領域9126は通過ゲートではなく普図作動口(入賞口)でもあることから、普図作動領域9126の通過した遊技球が、第2始動口9140に入球することはない。
また、普図作動領域9126には、普図作動領域9126への遊技球の通過を検出する普図作動スイッチ9127(後述の図343参照)が備えられている。遊技球が普図作動領域9126を通過すると、普図作動スイッチ9127により普図作動領域9126への遊技球の通過が検出され、普図作動領域用の賞球(例えば1個の遊技球)の払い出しが行われ、普通図柄抽選(普通図柄の当り判定処理)や、普通図柄の可変表示が行われることになる。
なお、本実施形態においては、普図作動領域9126は、普図作動口で構成したが、第1のパチンコ遊技機のように通過ゲートで構成してもよい。
また、普図作動領域9126への遊技球の通過を、役物連続作動装置を作動させるための契機となるように機能させてもよい。条件装置が作動していること(大当りとなる特別図柄が停止表示されていること)を前提として、普図作動領域9126に遊技球が通過したことをもって役物連続作動装置を作動させて、大当り遊技状態に移行するようにしてもよい。
(普通電動役物ユニット)
普通電動役物ユニット9145は、右側領域107において後述する第1特別電動役物ユニット9130の下方(下流側)かつ、普図作動領域9126及び第2特別電動役物ユニット9150の上方(上流側)に配置されており、右打ちされた遊技球がほぼ通過できるように配置されている。普通電動役物ユニット9145は、第2始動口9140と、第2始動口9140への遊技球の入球を検出する第2始動口スイッチ9141と、前後方向に進退可能な上下の2段式の普電用シャッタ9147と、この普電用シャッタ9147を作動させる普電用ソレノイド9148(後述の図343参照)とを一体化したユニット体である。
普電用シャッタ9147は、普電用ソレノイド9148の作動により、後方に後退し、第2始動口9140への遊技球の入球が可能または容易な開放状態と、前方に進出し、第2始動口9140への遊技球の入球が不可能または困難な閉鎖状態とに変位可能に構成されている。
具体的には、普電用シャッタ9147は、前後方向からの断面視において略コの字形状をなしており、遊技球が転動可能な上方の上面板9147Uと、遊技球が転動可能な下方の下面板9147Dと、上面板9147Uと下面板9147Dとを連結して支持する支持板とを備えて構成されている。また、普電用シャッタ9147の上面板9147U及び下面板9147Dは、遊技領域105の左右方向に垂直な中心線に向けて緩やかに傾斜(例えば5~10度)して構成されている。
普電用シャッタ9147が、前方に進出して閉鎖状態であるときには、上面板9147U及び下面板9147Dが遊技パネル9100の表面から突出して、突出した下面板9147Dにより第2始動口9140が閉口し、右側領域107を流下している遊技球が、第2始動口9140に入球することが不可能または困難となる。また、普電用シャッタ9147が閉鎖状態であるときには、上面板9147Uの上を転動している遊技球は、下流側の一般入賞口122、第2特別電動役物ユニット9150または普図作動領域9126へと案内され、下面板9147Dの上を転動している遊技球は、下流側の第2特別電動役物ユニット9150または普図作動領域9126へと案内されるように構成されている。
ここで、遊技パネル9100は、遊技釘等により普電用シャッタ9147が閉鎖状態であるときには、右側領域107を流下する遊技球は、基本的に下面板9147Dの上へ案内されることがなく、上面板9147Uの上に案内されるように構成している。
また、普電用シャッタ9147が、後方に後退して開放状態であるときには、上面板9147U及び下面板9147Dが遊技パネル9100に没入して、第2始動口9140が開口する。
そして、普電用シャッタ9147が、所定時間以上の開放時間にわたって開放状態であるときには、右側領域107を流下している遊技球が上面板9147U及び下面板9147Dを通過したり、上面板9147Uの上で転動していた遊技球が下面板9147Dに向けて落下したり、下面板9147Dの上で転動していた遊技球が第2始動口9140に向けて落下したりすることにより、第2始動口9140に遊技球が入球可能となる。
一方、普電用シャッタ9147が、所定時間よりも短い開放時間(例えば、0.1秒以下)にわたって開放状態であるときには、上面板9147Uの上で転動していた遊技球が下面板9147Dに向けて落下しても、すぐさま開放時間が終了することにより下面板9147Dが遊技パネル9100の表面から突出し、上面板9147Uから落下した遊技球が下面板9147Dの上で転動する(下面板9147Dによりキャッチされる)ことになり、第2始動口9140に遊技球が入球することが不可能又は困難である。なお、下面板9147Dの上で転動している遊技球は第2始動口9140に向けて落下することにより、第2始動口9140に遊技球が入球可能となるが、上述したように、普電用シャッタ9147が閉鎖状態であるときには、遊技球が下面板9147Dに案内されることがなく、基本的には下面板9147Dの上で遊技球が転動していないので、普電用シャッタ9147が短い開放時間にわたって1回の開放状態に変位しだだけでは、第2始動口9140に遊技球が入球することが不可能又は困難となっている。
また、本実施形態においては、発射装置6(後述の図343参照)から発射された遊技球が普通電動役物ユニット9145(第2始動口9140)に到達するまでのルートR1は、図342の1点鎖線に示すように、遊技盤ユニット9010の構成によって予め定められている。このため、本実施形態においては、発射装置6から発射された遊技球が普通電動役物ユニット9145(第2始動口9140)に到達するまで平均到達時間は、発射装置6の発射強度にもよるが平均5秒(概ね4~6秒)と算出することが可能である。なお、遊技盤ユニット9010の構成によって、発射装置6から発射された遊技球が普通電動役物ユニット9145(第2始動口9140)に到達するまで平均到達時間は可変されることはいうまでもない。
また、本実施形態においては、普電用シャッタ9147を前後方向に進退可能な上面板9147U及び下面板9147Dを備えた2段式のシャッタで構成したが、上面板9147Uを備えずに、第2始動口9140を開閉する下面板9147Dを備えた1段式のシャッタで普電用シャッタ9147を構成してもよい。さらには、前後方向に進退可能なシャッタに代えて、所謂電チューと呼ばれる左右方向に可動可能な可動部材で普電用シャッタ9147を構成してもよい。
(第1特別電動役物ユニット)
第1特別電動役物ユニット9130は、右側領域107において普図作動領域9126、普通電動役物ユニット9145及び後述する第2特別電動役物ユニット9150よりも上方(上流側)に配置されている。
第1特別電動役物ユニット9130は、第1大入賞口9131と、第1大入賞口9131への遊技球の入球を検出する第1大入賞口カウントスイッチ9132(後述の図343参照)と、左右方向に可動可能な第1特電用シャッタ9134と、この第1特電用シャッタ9134を作動させる第1特電用ソレノイド9135(後述の図343参照)とを一体化したユニット体である。
第1大入賞口9131は、大当りのときに開放される大入賞口であり、1回の大当りにおける1つのラウンドおいて第1大入賞口9131に遊技球が入球可能な最大入賞個数(例えば10個)が規定されている。この第1大入賞口9131に1つの遊技球が入球する毎に、第1大入賞口用の賞球(例えば15個の遊技球)が払い出されることになる。
第1大入賞口9131が閉鎖状態から開放状態に移行するのは、特別図柄当り判定処理の結果が「大当り」であることを示す特別の停止表示態様が導出された場合の第1のルートと、特別図柄判定の結果が「小当り」であることを示す特定の停止表示態様が導出されたことによって第2大入賞口9151が開放し、開放された第2大入賞口9151に進入した遊技球が第2大入賞口9151内のV入賞口9156に入賞した場合の第2のルートのときである。
第1特電用シャッタ9134は、第1特電用ソレノイド9135の作動により、第1大入賞口9131への遊技球の入球が可能または容易な開放状態と、第1大入賞口9131への遊技球の入球が不可能または困難な閉鎖状態とに変位可能に構成されている。
具体的には、第1特電用シャッタ9134は、正面視において略扇形状をなしており、下方が軸支され、左右方向に可動可能な羽根部材で構成されている。
第1特電用シャッタ9134が、右方向に可動して開放状態であるときには、第1大入賞口9131が開口し、右側領域107に流下している遊技球を受け入れ、受け入れた遊技球を第1大入賞口9131へ誘導する。一方、第1特電用シャッタ9134が、左方向に可動して閉鎖状態であるときには、第1大入賞口9131が閉口し、第1大入賞口9131への遊技球の入球が不可能または困難となる。なお、上記の第1特電用シャッタ9134に代えて、遊技パネル9100の表面に対して略平行と略垂直に変位する扉部材や、遊技パネル9100の表面に対して前後方向に進退可能な突出板部材を採用してもよい。
(第2特別電動役物ユニット)
第2特別電動役物ユニット9150は、右側領域107において第1特別電動役物ユニット9130及び普通電動役物ユニット9145の下方(下流側)かつ、普図作動領域9126の上方(上流側)に配置されており、右打ちされた遊技球がほぼ通過できるように配置されている。
第2特別電動役物ユニット9150は、第2大入賞口9151と、第2大入賞口9151への遊技球の入球を検出する第2大入賞口カウントスイッチ9152と、第2大入賞口9151を開閉させることが可能な第2特電用シャッタ9154と、この第2特電用シャッタ9154を作動させて第2大入賞口9151を開閉させる第2特電用ソレノイド9155(後述の図343参照)と、第2大入賞口9151に進入した遊技球が通過可能なV入賞口9156と、V入賞口9156に遊技球が通過したことを検出するV入賞口スイッチ9157(後述の図343参照)と、第2大入賞口9151に進入した遊技球のうちV入賞口9156に進入しなかった遊技球が通過可能な通常口9158と、V入賞口9156を開閉させるVシャッタ9159と、このVシャッタ9159を作動させてV入賞口9156を開閉させるVシャッタ用ソレノイド9160(後述の図343参照)とを一体化したユニット体である。
第2大入賞口9151は、小当りのときに開放される大入賞口であり、1回の小当りにおいて第2大入賞口9151に遊技球が入球可能な最大入賞個数(例えば10個)が規定されている。この第2大入賞口9151に1つの遊技球が入球する毎に、第2大入賞口用の賞球(例えば15個の遊技球)が払い出されることになる。
第2特電用シャッタ9154は、前後方向に進退可能な突出板型の板状部材からなり、第2特電用ソレノイド9155の作動により、第2特電用シャッタ9154を前方に進出させて第2大入賞口9151への遊技球の入球が不可能または困難な閉鎖状態と、第2特電用シャッタ9154を後方に退出させて第2大入賞口9151への遊技球の入球が可能または容易な開放状態とに変位可能に構成されている。
V入賞口9156は、Vシャッタ9159により開閉可能な入賞口であるとともに、遊技球が通過することにより上述した第2のルートを経て大当り遊技状態に制御される契機となる入賞口である。
第2のルートを経て大当り遊技状態に制御された場合、V入賞口9156への遊技球の通過したときの第2大入賞口9151の開放を1ラウンド目として、V入賞口9156への遊技球の通過した後(2ラウンド目以降)は、第1大入賞口9131を閉鎖状態から開放状態へ移行させるラウンド遊技が実行される。なお、第2のルートを経て大当り遊技状態に制御された場合、V入賞口9156への遊技球の通過した後(2ラウンド目以降)も、第2大入賞口9151が閉鎖状態から開放状態に移行するラウンド遊技が所定のラウンド数にわたって実行されてもよい。
また、例えば第1大入賞口9131の内部にV入賞口を設ける等によって、V入賞口および大当り遊技状態において開放されるアタッカーを一つずつとしてもよい。この場合、「小当り」であることを示す停止表示態様が導出されると第1大入賞口9131が開放状態とされ、第1大入賞口9131の内部に設けられたV入賞口に遊技球が進入すると、大当り遊技状態(第2のルートを経た大当り遊技状態)に制御されるようにすればよい。
通常口9158は、第2大入賞口9151に進入したもののV入賞口9156を通過しなかった遊技球が進入(通過)するよう構成されたものである。なお、小当り遊技状態のときに、開放した第2大入賞口9151に進入した遊技球のすべてが通常口9158を通過し、V入賞口9156への遊技球の通過がなかった場合、小当り遊技状態から大当り遊技状態には移行されないことになる。
Vシャッタ9159は、Vシャッタ用ソレノイド9160の作動により、V入賞口9156への遊技球の通過が不可能(又は困難)な閉鎖状態と、V入賞口9156への遊技球の通過が可能(又は容易)な開放状態とに変位可能に構成されている。
特に、第9のパチンコ遊技機においては、小当り遊技状態になると、Vシャッタ用ソレノイド9160の作動によりV入賞口9156が開放状態となり、第2大入賞口9151に進入した遊技球は、ほぼV入賞口9156を通過できるように構成されている。
また、本実施形態においては、発射装置6から発射された遊技球が第2特別電動役物ユニット9150に到達するまでのルートは、ルートR1と同様に予め定められており、発射装置6から発射された遊技球が第2特別電動役物ユニット9150に到達するまで平均到達時間は、発射装置6の発射強度にもよるが平均6秒(概ね5~7秒)と算出することが可能である。なお、遊技盤ユニット9010の構成によって、発射装置6から発射された遊技球が第2特別電動役物ユニット9150に到達するまで平均到達時間は可変されることはいうまでもない。
なお、右側領域107に配置されている第1特別電動役物ユニット9130、普通電動役物ユニット9145、第2特別電動役物ユニット9150及び普図作動領域9126の配置関係は、適宜設計変更が自由である。
[11-2.電気的構成]
次に、図343を参照して、第9のパチンコ遊技機の制御回路について説明する。図343は、第9のパチンコ遊技機の制御回路を示すブロック図の一例である。
図343に示されるように、第9のパチンコ遊技機は、第1のパチンコ遊技機と同様、主に、遊技の制御を行う主制御回路200と、遊技の進行に応じた演出の制御を行うサブ制御回路300と、払出・発射制御回路400と、電源供給回路450とから構成される。
しかしながら、第9のパチンコ遊技機は、第1のパチンコ遊技機と比して、主制御回路200に接続されるデバイス及びサブ制御回路300の構成が一部異なっている。以下に、それぞれの構成やその配置について説明する。
[11-2-1.主制御回路]
主制御回路200は、第1のパチンコ遊技機と比して、主制御回路200に接続される普電用ソレノイド9148、第1特電用ソレノイド9135、第2特電用ソレノイド9155、Vシャッタ用ソレノイド9160、第1始動口スイッチ9121、第2始動口スイッチ9141、普図作動スイッチ9127、第1大入賞口カウントスイッチ9132、第2大入賞口カウントスイッチ9152、V入賞口スイッチ9157の構成が一部異なっている。
(普電用ソレノイド)
普電用ソレノイド9148は、普電用シャッタ9147を作動させる電磁ソレノイドである。普電用ソレノイド9148は、メインCPU201により通電が行われる(ONである)と、普電用シャッタ9147を後方に退出させて第2始動口9140を開放状態とさせ、メインCPU201により通電が行われないと(OFFであると)と、普電用シャッタ9147を前方に進出させて第2始動口9140を閉鎖状態とさせる。
(第1特電用ソレノイド)
第1特電用ソレノイド9135は、第1特電用シャッタ9134を作動させる電磁ソレノイドである。第1特電用ソレノイド9135は、メインCPU201により通電が行われる(ONである)と、第1特電用シャッタ9134を右方向に可動して第1大入賞口9131を開放状態とさせ、メインCPU201により通電が行われないと(OFFであると)と、第1特電用シャッタ9134を左方向に可動して第1大入賞口9131を閉鎖状態とさせる。
(第2特電用ソレノイド)
第2特電用ソレノイド9155は、第2特電用シャッタ9154を作動させる電磁ソレノイドである。第2特電用ソレノイド9155は、メインCPU201により通電が行われる(ONである)と、第2特電用シャッタ9154を後方に退出させて第2大入賞口9151を開放状態とさせ、メインCPU201により通電が行われないと(OFFであると)と、第2特電用シャッタ9154を前方に進出させて第2大入賞口9151を閉鎖状態とさせる。
(Vシャッタ用ソレノイド)
Vシャッタ用ソレノイド9160は、Vシャッタ9159を作動させる電磁ソレノイドである。Vシャッタ用ソレノイド9160は、メインCPU201により通電が行われる(ONである)と、Vシャッタ9159を後方に退出させてV入賞口9156を開放状態とさせ、メインCPU201により通電が行われないと(OFFであると)と、Vシャッタ9159を前方に進出させてV入賞口9156を閉鎖状態とさせる。
(第1始動口スイッチ)
第1始動口スイッチ9121は、第1始動口9120への遊技球の入球を検出する貫通型の近接スイッチである。
第1始動口スイッチ9121により第1始動口9120への遊技球の入球が検出されると、メインCPU201は、第1の始動条件が成立したものとして、第1特別図柄の始動情報(大当り判定用乱数値、図柄乱数値、リーチ判定用乱数値、演出選択用乱数値等)を取得する。取得した第1特別図柄の始動情報は、特別図柄判定記憶領域(0)に記憶されるか、「第1特別図柄の保留個数(例えば4個)」までメインRAM203の第1特別図柄始動記憶領域(第1特別図柄始動記憶領域(1)~第1特別図柄始動記憶領域(4)に順番)に記憶され、第1特別図柄の開始条件(例えば、特別電動役物が作動していないこと、特別図柄の可変表示が行われていないこと等)が成立すると、第1特別図柄の当り判定処理や、第1特別図柄の可変表示に用いられることになる。また、第1始動口スイッチ9121により第1始動口9120への遊技球の入球が検出されると、メインCPU201は、第1始動口用の賞球(例えば3個の遊技球)の払い出し処理を払出・発射制御回路400に指示する。
(第2始動口スイッチ)
第2始動口スイッチ9141は、第2始動口9140への遊技球の入球を検出する貫通型の近接スイッチである。
第2始動口スイッチ9141により第2始動口9140への遊技球の入球が検出されると、メインCPU201は、第2の始動条件が成立したものとして、第2特別図柄の始動情報(大当り判定用乱数値、図柄乱数値、リーチ判定用乱数値、演出選択用乱数値等)を取得する。取得した第2特別図柄の始動情報は、特別図柄判定記憶領域(0)に記憶されるか、「第2特別図柄の保留個数(例えば2個)」までメインRAM203の第2特別図柄始動記憶領域(第2特別図柄始動記憶領域(1)~第2特別図柄始動記憶領域(2)に順番)に記憶され、第2特別図柄の開始条件(例えば、特別電動役物が作動していないこと、特別図柄の可変表示が行われていないこと等)が成立すると、第2特別図柄の当り判定処理や、第2特別図柄の可変表示に用いられることになる。また、第2始動口スイッチ9141により第2始動口9140への遊技球の入球が検出されると、メインCPU201は、第2始動口用の賞球(例えば1個の遊技球)の払い出し処理を払出・発射制御回路400に指示する。
また、実施形態においては、第1特別図柄の始動情報に基づいた第1特別図柄の当り判定処理を「第1特別図柄の抽選」、第2特別図柄の始動情報に基づいた第2特別図柄の当り判定処理を「第2特別図柄の抽選」ともいい、第1特別図柄の抽選と第2特別図柄の抽選とをまとめて「特別図柄の抽選」ともいう。
(普図作動スイッチ)
普図作動スイッチ9127は、普図作動領域9126への遊技球の通過を検出する貫通型の近接スイッチである。
普図作動スイッチ9127が普図作動領域9126への遊技球の通過を検出すると、メインCPU201は、普通図柄の始動情報(普通図柄当り判定用乱数値、普通図柄の図柄乱数値等)が取得する。取得した普通図柄の始動情報は、「普通図柄の保留個数(例えば4個)」までメインRAM203の普通図柄始動記憶領域(普通図柄始動記憶領域(1)~普通図柄始動記憶領域(4)に順番)に記憶され、普通図柄の判定開始条件(例えば、普通電動役物が作動していないこと、普通図柄の可変表示が行われていないこと等)が成立すると、普通図柄抽選(普通図柄の当り判定処理)や、普通図柄の可変表示に用いられることになる。また、普図作動スイッチ9127により普図作動領域9126への遊技球の通過が検出されると、メインCPU201は、普図作動領域用の賞球(例えば1個の遊技球)の払い出し処理を払出・発射制御回路400に指示する。
(第1大入賞口カウントスイッチ)
第1大入賞口カウントスイッチ9132は、第1大入賞口9131への遊技球の入球を検出する貫通型の近接スイッチである。第1大入賞口カウントスイッチ9132が第1大入賞口9131への遊技球の入球を検出すると、メインCPU201は、1ラウンドあたりの第1大入賞口9131への遊技球の入球数をカウントするとともに、第1大入賞口用の賞球(例えば15個の遊技球)の払い出し処理を払出・発射制御回路400に指示したりすることになる。
(第2大入賞口カウントスイッチ)
第2大入賞口カウントスイッチ9152は、第2大入賞口9151への遊技球の入球を検出する貫通型の近接スイッチである。第2大入賞口カウントスイッチ9152が第2大入賞口9151への遊技球の入球を検出すると、メインCPU201は、第2大入賞口9151への遊技球の入球数をカウントするとともに、第2大入賞口用の賞球(例えば15個の遊技球)の払い出し処理を払出・発射制御回路400に指示したりすることになる。
(V入賞口スイッチ)
V入賞口スイッチ9157は、V入賞口9156への遊技球の通過を検出する貫通型の近接スイッチである。V入賞口スイッチ9157がV入賞口9156への遊技球の入球を検出すると、メインCPU201は、大当り遊技状態への移行制御を行うことになる。なお、V入賞口スイッチ9157によりV入賞口9156への遊技球の通過が検出されたとしても、賞球は払い出されない。
[11-2-2.サブ制御回路]
サブ制御回路300は、第1のパチンコ遊技機と同様に、サブCPU301、プログラムROM302、ワークRAM303、表示制御回路304、音声制御回路305、LED制御回路306、役物制御回路307およびコマンド入力ポート308を備えることは共通であるが、ボタン制御回路310と演出ボタン54とを更に備えていることが相違している。
(ボタン制御回路310)
ボタン制御回路310は、演出ボタン54を駆動させるための回路である。すなわち、ボタン制御回路310は、演出ボタン54の操作態様を変化させたり、演出ボタン54を振動させたりするための回路である。ボタン制御回路310は、サブCPU301からの駆動命令に応じて、演出ボタン54を駆動させることになる。
また、ボタン制御回路310は、演出ボタン54が検出した遊技者の操作に関する操作信号を入力するための回路でもある。ボタン制御回路310は、演出ボタン54から操作信号を入力すると、サブCPU301に所定の操作情報を出力することになる。
[11-3.基本仕様]
次に、図344~図355を参照して、第9のパチンコ遊技機の基本仕様について説明する。なお、第9のパチンコ遊技機は設定機能付きのパチンコ遊技機であってもよいが、以下では、設定機能にかかわる記載は省略する。
第9のパチンコ遊技機では、確変制御が実行されないものの、時短制御が実行される時短遊技状態及び時短制御が実行されない通常遊技状態が用意されており、メインCPU201は、通常遊技状態または時短遊技状態において遊技を進行させることが可能となっている。なお、この第9のパチンコ遊技機では、確変制御が実行されないが、これは必須ではなく、例えば大当りの種類等に応じて確変フラグがオンにセットされるようにして確変制御を実行可能としてもよい。
また、第9のパチンコ遊技機では、後述するように、時短移行条件(時短発生条件)の観点から区別される時短遊技状態として、大当りを契機として大当り遊技状態の終了後に移行する「A時短遊技状態」と、大当りを契機とせずに、特別図柄の可変表示回数が天井値に到達後に移行する「B時短遊技状態」とを備えている。また、「A時短遊技状態」は、時短終了条件及び時短遊技状態中の作動態様(普電用シャッタ9147の作動パターン)の観点から区別される時短遊技状態として、「第1時短遊技状態」と、第1時短遊技状態よりも次回の大当り遊技状態に移行しやすい「第2時短遊技状態」と、次回の大当り遊技状態に移行することが実質的に保障された「第3時短遊技状態」とのいずれから構成されている。また、本実施形態においては、A時短遊技状態、B時短遊技状態、第1時短遊技状態、第2時短遊技状態及び第3時短遊技状態のいずれも区別しないときは、単に「時短遊技状態」ともいう。
また、本実施形態においては、一般的な通常遊技状態(後述する第1の通常遊技状態)では原則として左打ちが正規な遊技態様とされ、時短遊技状態では右打ちが正規な遊技態様とされる。サブCPU301は、正規な遊技態様とされる打ち方を、例えば表示装置7の表示領域に表示する。
[11-3-1.特別図柄の当り判定テーブル]
図344は、第9のパチンコ遊技機における特別図柄の当り判定テーブルの一例である。なお、図344に示す特別図柄の当り判定テーブルは、主制御回路200のメインROM202に記憶されている。
特別図柄の当り判定テーブルは、「大当り」、「小当り」または「ハズレ」を判定するためのテーブルである。
特別図柄の当り判定テーブルには、第1始動口9120への入球に基づいて実行される第1特別図柄の当り判定処理に用いられるデータとして、「大当り」または「ハズレ」に決定される大当り判定用乱数値の範囲(幅)と、それに対応する当落判定値データ(大当り判定値データ、ハズレ判定値データ)との関係が規定されている。また、第2始動口9140への入球に基づいて実行される第2特別図柄の当り判定処理に用いられるデータとして、「大当り」、「小当り」または「ハズレ」に決定される大当り判定用乱数値の範囲(幅)と、それに対応する当落判定値データ(大当り判定値データ、小当り判定値データ、ハズレ判定値データ)との関係が規定されている。なお、第1特別図柄および第2特別図柄ともに、大当り判定用乱数値の総乱数値は65536である。すなわち、上記の大当り判定用乱数値は0~65535の範囲(幅)で発生する。
図344に示すように、第1始動口9120に遊技球が入球した場合、メインCPU201は、第1特別図柄の大当り判定用乱数値を用いた第1特別図柄の当り判定処理に基づいて、第1特別図柄の当り判定処理の結果を、約1/231.6の選択率で「大当り」と判定し、それ以外は「ハズレ」と判定する。また、第2始動口9140に遊技球が入球した場合、メインCPU201は、第2特別図柄の大当り判定用乱数値を用いた第2特別図柄の当り判定処理に基づいて、第2特別図柄の当り判定処理の結果を、約1/231.6の選択率で「大当り」と判定し、約1/1.004の選択率で「小当り」と判定し、それ以外は「ハズレ」と判定する。
なお、「大当り」または「小当り」と決定される乱数値の範囲(幅)、すなわち選択率は、上記値に限定されず、適宜設計変更が自由である。特に、第2特別図柄の当り判定処理においては、「ハズレ」が判定されないように構成してもよい。すなわち、第2始動口9140に遊技球が入球した場合には、「大当り」または「小当り」のいずれかが判定されるように構成してもよい。
また、第1特別図柄の当り判定処理が行われた場合に、「小当り」が判定されるように構成してもよいが、「小当り」が判定されるように構成した場合、第1特別図柄の当り判定処理で行われる判定よりも、第2特別図柄の当り判定処理で行われる判定の方が有利となるように、相対的に低い選択率で「小当り」を判定することが好ましい。
また、第1特別図柄の当り判定処理または第2特別図柄の当り判定処理が行われた場合に、大当り遊技状態に移行せずに時短遊技状態(C時短遊技状態)に直接移行する「時短当り」が判定されるように構成してもよい。
また、第9のパチンコ遊技機が設定機能付きパチンコ遊技機である場合、例えば、大当りおよび/または小当りの選択率を、低設定よりも高設定の方が高くなるようにするとよい。ただし、第9のパチンコ遊技機が設定機能付きパチンコ遊技機であったとしても、例えば、時短当りの選択率については、全設定で共通する確率とすることが好ましい。
また、設定値に応じて大当りの選択率や小当りの選択率を変えることに代えてまたは加えて、例えば、V入賞口9156の開放頻度や開放時間を設定値毎に変えてV入賞口9156への通過率を変えたり、時短終了条件(小当り当選回数等)を設定値毎に変えたりしてもよい。すなわち、大当り確率、小当り確率、V入賞口9156の開放頻度(すなわち第2特電用シャッタ9154の作動頻度)や開放時間および時短終了条件等、遊技者にとっての有利度合いを変更しうる条件のうちの一つまたは二つ以上を採用することにより、大当り遊技状態に制御される期待値が低設定よりも高設定の方が高くなるように構成してもよい。
[11-3-2.特別図柄判定テーブル]
図345は、第9のパチンコ遊技機における特別図柄判定テーブルの一例である。なお、図345に示す特別図柄判定テーブルは、主制御回路200のメインROM202に記憶されている。
特別図柄判定テーブルは、停止表示される特別図柄の停止図柄を決定付ける「特別図柄の選択図柄」および「図柄指定コマンド」を決定するテーブルである。
「特別図柄の選択図柄」は、特別図柄の当り判定処理の結果が当りであった場合に、停止表示される特別図柄の停止図柄を決定するための情報であり、「図柄指定コマンド」は、表示装置7の表示領域に特別図柄の停止図柄に対応した装飾図柄を表示するためにサブ制御回路300に送信されるコマンドである。
特別図柄判定テーブルには、特別図柄の種類と、上述の当落判定値データと、第1始動口9120または第2始動口9140に遊技球が入球したときに取得される特別図柄の図柄乱数値とが、「特別図柄の選択図柄」および「図柄指定コマンド」に関連付けて規定されている。特別図柄の図柄乱数値は、例えば0~99(100種類)の中から抽出される。
図345に示す特別図柄判定テーブルによれば、第1特別図柄の当り判定処理の結果として大当り判定値データが得られた場合、特別図柄の図柄乱数値が0~9のいずれかであるときには、メインCPU201は、特別図柄の選択図柄として「z1」を決定し、図柄指定コマンドとして「zA1」を決定する。特別図柄の図柄乱数値が10~54のいずれかであるときには、メインCPU201は、特別図柄の選択図柄として「z2」を決定し、図柄指定コマンドとして「zA2」を決定する。また、特別図柄の図柄乱数値が55~99のいずれかであるときには、メインCPU201は、特別図柄の選択図柄として「z3」を決定し、図柄指定コマンドとして「zA3」を決定する。
第2特別図柄の当り判定処理の結果として大当り判定値データが得られた場合、特別図柄の図柄乱数値がいずれの値であっても、メインCPU201は、特別図柄の選択図柄として「z4」を決定し、図柄指定コマンドとして「zA4」を決定する。
第2特別図柄の当り判定処理の結果として小当り判定値データが得られた場合、特別図柄の図柄乱数値が0~9のいずれかであるときには、メインCPU201は、特別図柄の選択図柄として「z5」を決定し、図柄指定コマンドとして「zA5」を決定する。また、特別図柄の図柄乱数値が10~19のいずれかであるときには、メインCPU201は、特別図柄の選択図柄として「z6」を決定し、図柄指定コマンドとして「zA6」を決定する。また、特別図柄の図柄乱数値が20~99のいずれかであるときには、メインCPU201は、特別図柄の選択図柄として「z7」を決定し、図柄指定コマンドとして「zA7」を決定する。
このように、本実施形態では、第1特別図柄の当り判定処理の結果として大当り判定値データが得られた場合には、図345に示す特別図柄判定テーブルにおける特別図柄の図柄乱数値により、特別図柄の選択図柄としては、「z1」<「z2」=「z3」の選択率の関係式が成立するように構成されている。なお、第1特別図柄の当り判定処理の結果として大当り判定値データが得られた場合に決定される特別図柄の選択図柄を「z1」と「z2」との2種類のみに構成し、「z1」<「z2」の選択率の関係式が成立するように構成してもよい。
また、第2特別図柄の当り判定処理の結果として小当り判定値データが得られた場合には、図345に示す特別図柄判定テーブルにおける特別図柄の図柄乱数値により、特別図柄の選択図柄としては、「z5+z6」<「z7」の選択率の関係式が成立するように構成されている。なお、特別図柄の選択図柄として、「z5」<「z6」<「z7」の選択率の関係式が成立するように構成してもよい。
なお、第9のパチンコ遊技機では説明を省略するが、主制御回路200のメインROM202には、第1のパチンコ遊技機において説明した特別図柄停止態様決定テーブル(図12(A)参照)に相当する特別図柄停止態様決定テーブルが記憶されている。特別図柄停止態様決定テーブルは、特別図柄が停止表示したときに第1特別図柄表示部163または第2特別図柄表示部164(図343参照)に表示される特別図柄の停止態様を、「特別図柄の選択図柄」に応じて決定する際に参照されるテーブルである。また、第1特別図柄表示部163、第2特別図柄表示部164には、特別図柄の当り判定処理の結果に基づいて、大当りの停止態様、小当りの停止態様またはハズレの停止態様が表示される。また、第1のパチンコ遊技機において説明した装飾図柄停止態様決定テーブル(図12(B)参照)に相当する装飾図柄停止態様決定テーブルについても、サブ制御回路300のプログラムROM302に記憶されている。
なお、「特別図柄の選択図柄」を決定する特別図柄の図柄乱数値の範囲、すなわち選択率は、上記値に限定されず、適宜設計変更が自由である。
[11-3-3.大当り種類決定テーブル]
図346は、第9のパチンコ遊技機における大当り種類決定テーブルの一例である。なお、図346に示す大当り種類決定テーブルは、主制御回路200のメインROM202に記憶されている。
大当り種類決定テーブルは、大当り遊技状態の作動内容を決定するテーブルであり、「大当り遊技状態の開放態様」を決定するテーブルである。
図346に示されるように、大当り種類決定テーブルには、特別図柄の選択図柄に対して、「大当り遊技状態の開放態様」が対応付けられている。
「大当り遊技状態の開放態様」は、大当り遊技状態のときに開放される第1大入賞口9131の最大ラウンド数、第1大入賞口9131の開放パターンを規定している。第1大入賞口9131の開放パターンには、大当り遊技状態の開始待ち状態であるOP待ち時間(オープニング時間)、各ラウンドの最大開放時間、各ラウンドの閉鎖時間、ED待ち時間(エンディング時間)等が規定されている。なお、第1大入賞口9131の開放パターンとして、各ラウンドあたりの最大開放時間を異ならせてもよいし、各ラウンドの閉鎖時間(ラウンドインターバル時間)を異ならせて規定してもよい。さらには、1回のラウンドあたりに第1大入賞口6131を複数回開閉させるように開放回数と開放時間とを規定してもよい。
ここで、第2特別図柄の小当り判定値データが得られた場合に決定される「特別図柄の選択図柄z5~7」に対応した「大当り遊技状態の開放態様」は、小当り遊技状態のときに開放された第2大入賞口9151に進入した遊技球がV入賞口9156を通過する第2のルートを経て、大当り遊技状態に移行したときの開放態様である。この第2のルートを経て大当り遊技状態に移行したときには、小当り遊技状態のときの第2大入賞口9151の開放を1ラウンド目として、2ラウンド目以降から、第1大入賞口9131を開放させる大当り遊技状態が開始される。なお、小当り遊技状態のときに開放された第2大入賞口9151に進入した遊技球がV入賞口9156を通過しなかったときには、大当り遊技状態は実行されないことになる。
図346に示すように、大当り種類決定テーブルによれば、第1特別図柄の大当り判定値データが得られた場合に決定される「特別図柄の選択図柄z1~3」のときには、最大ラウンド数としてすべて第1のラウンド数(8ラウンド)が決定されるように構成されている。なお、「特別図柄の選択図柄z1~3」に応じて、異なる最大ラウンド数が決定されるように構成してもよい。
また、図346に示すように、大当り種類決定テーブルによれば、第2特別図柄の小当り判定値データが得られた場合に決定される「特別図柄の選択図柄z5~7」のときには、特別図柄の選択図柄に応じて、最大ラウンド数として第3のラウンド数(10ラウンド)、または第3のラウンド数よりも少ない第4のラウンド数(4ラウンド)が決定されるように構成されている。特に、上述した図345に示す特別図柄判定テーブルによれば、特別図柄の選択図柄としては、「z5+z6」<「z7」の選択率の関係式が成立するように構成されていることから、第3のラウンド数(10ラウンド)よりも第4のラウンド数(4ラウンド)が決定されやすく構成されていることになる。
なお、「特別図柄の選択図柄z5~7」のときには、「10ラウンド」または「4ラウンド」以外の異なるラウンド数が決定されるように構成してもよいし、すべて同じ最大ラウンドが決定されるように構成してもよい。
また、特別図柄の選択図柄に応じて、第1大入賞口9131の開放パターンにおけるOP待ち時間(オープニング時間)及びED待ち時間(エンディング時間)のいずれかが異なるように構成してもよい。
[11-3-4.小当り種類決定テーブル]
図347は、第9のパチンコ遊技機における小当り種類決定テーブルの一例である。なお、図347に示す小種類決定テーブルは、主制御回路200のメインROM202に記憶されている。
小当り種類決定テーブルは、小当り遊技状態の作動内容を決定するテーブルであり、「小当り遊技状態の開放態様」を決定するテーブルである。
図347に示されるように、小当り種類決定テーブルには、特別図柄の選択図柄に対して、「小当り遊技状態の開放態様」が対応付けられている。
「小当り遊技状態の開放態様」は、小当り遊技状態のときに開放される第2大入賞口9151の最大開放回数、第2大入賞口9151の開放パターン及びV入賞口9156の開放パターンを規定している。第2大入賞口9151の開放パターンには、小当り遊技状態の開始待ち状態であるOP待ち時間(オープニング時間)、各回数の最大開放時間、各回数の閉鎖時間、ED待ち時間(エンディング時間)等が規定されている。また、V入賞口9156の開放パターンには、開放待ち時間、開放時間等が規定されている。
ここで、小当り遊技状態の開始時には、第2大入賞口9151の開放パターンにおけるOP待ち時間(オープニング時間)とV入賞口9156の開放パターンにおける開放待ち時間とが同時に計時されていき、第2大入賞口9151が開放しているときには、V入賞口9156も開放しているように構成されている。このため、小当り遊技状態が行われたときには、V入賞口9156への遊技球の通過が可能(又は容易)となっている。なお、V入賞口9156の開放パターンとして、第2大入賞口9151の開放パターンのように、V入賞口9156を複数回開閉させるように複数回の開放時間と閉鎖時間とを規定してもよい。
なお、特別図柄の選択図柄に応じて、第2大入賞口9151の開放パターンにおけるOP待ち時間(オープニング時間)、各回数の最大開放時間、各回数の閉鎖時間、ED待ち時間(エンディング時間)、V入賞口9156の開放パターンにおける開放待ち時間、開放時間、閉鎖時間の少なくともいずれかが異なるように小当り種類決定テーブルを構成してもよい。
特に、特別図柄の選択図柄に応じて、V入賞口9156の開放パターンを異ならせ、V入賞口9156への遊技球の通過が可能(又は容易)な有利作動態様と、V入賞口9156への遊技球の通過が不可能(又は困難)な不利作動態様とが決定されるように小当り種類決定テーブルを構成してもよい。
また、大当り遊技状態における1ラウンドの最大開放時間(例えば28秒)よりも、小当り遊技状態における1回の最大開放時間(例えば0.1秒)の方が短く設定されており、大当り遊技状態においては有利な「第1開放態様」により第1大入賞口9131が開放し、小当り遊技状態においては第1開放態様よりも不利な「第2開放態様」により第2大入賞口9151が開放するといえる。
[11-3-5.遊技状態関連設定テーブル]
図348は、第9のパチンコ遊技機における遊技状態関連設定テーブルの一例である。なお、図348に示す遊技状態関連設定テーブルは、主制御回路200のメインROM202に記憶されている。
遊技状態関連設定テーブルは、大当り遊技状態の終了後に遊技状態を設定するためのテーブルである。
図348に示されるように、遊技状態関連設定テーブルには、特別図柄の選択図柄に対して、大当りまたは小当りと判定されたときの遊技状態(当選時の遊技状態)に基づいて、「状態フラグ」、「普電作動パターン」及び「A時短終了条件」からなる「遊技状態の設定」とが対応付けられている。
「状態フラグ」とは、遊技状態の種類を示すフラグであり、メインRAM203の所定の記憶領域に記憶される。状態フラグ=0は「通常遊技状態」を示し、状態フラグ=1は「A時短遊技状態」を示し、状態フラグ=2は「B時短遊技状態」を示している。なお、本実施形態では、C時短遊技状態が実行されないものの、C時短遊技状態を実行可能とする場合には、状態フラグ=3が「C時短遊技状態」を示すことになる。
「普電作動パターン」とは、第2始動口9140の開放パターンを定めた情報であり、メインRAM203の所定の記憶領域に記憶される。普電作動パターン=00は、後述する「ロング開放パターン」が決定され難く、後述する「ショート開放パターン」が決定され易い状態を示し、普電作動パターン=01は、「ロング開放パターン」と「ショート開放パターン」とが決定される状態を示し、普電作動パターン=02は、普電作動パターン=01であるときよりも「ロング開放パターン」が決定され易く、「ショート開放パターン」が決定され難い状態を示している。
また、本実施形態では、「普電作動パターン」は「状態フラグ(遊技状態)」と対応関係を有しており、通常遊技状態を示す状態フラグ=0であるときには普電作動パターン=00が設定され、A時短遊技状態を示す状態フラグ=1であるときには普電作動パターン=01または02が設定され、B時短遊技状態を示す状態フラグ=2であるときには普電作動パターン=02が設定されるように構成されている。
「A時短終了条件」とは、時短遊技状態であるA時短遊技状態が終了する終了条件であり、時短回数として「普通図柄の可変表示回数」が終了条件として設定されている。この「普通図柄の可変表示回数」の終了条件が成立すると、A時短遊技状態が終了して通常遊技状態に移行することになる。
なお、本実施形態においては、A時短終了条件として普通図柄の可変表示回数を設定したが、「普通図柄の可変表示回数」の終了条件に加え、「小当りの当選回数」や「特別図柄の可変表示回数」の複数の終了条件から「A時短終了条件」を設定し、いずれかの終了条件が成立すると、A時短遊技状態が終了して通常遊技状態に移行するように構成してもよい。このことは、後述するB時短終了条件についても同様である。
また、A時短終了条件またはB時短終了条件として「普通図柄の可変表示回数」の終了条件に加え、「特別図柄の可変表示回数」の終了条件を設定する場合には、「特別図柄の可変表示回数」の終了条件は、「普通図柄の可変表示回数」の終了条件で設定される可変表示回数よりも少ない可変表示回数に設定されることが好ましい。例えば、「普通図柄の可変表示回数」の終了条件として普通図柄の可変表示回数=50回を設定した場合、「特別図柄の可変表示回数」の終了条件として、第1特別図柄と第2特別図柄との合計の可変表示回数=10回を設定したり、第1特別図柄の可変表示回数=5回及び第2特別図柄の可変表示回数=5回のいずれかの一方を満たした場合を終了条件として設定したりすることが望ましい。
図348に示す遊技状態関連設定テーブルによれば、特別図柄の選択図柄に応じて、A時短終了条件における普通図柄の可変表示回数として「第1時短回数」である100回が設定されるときには、状態フラグ=1及び普電作動パターン=01が設定されるように構成され、A時短終了条件における普通図柄の可変表示回数として「第2時短回数」である120回または「第3時短回数」である10000回が設定されるときには、状態フラグ=1及び普電作動パターン=02が設定されるように構成されている。
本実施形態においては、状態フラグ=1、普電作動パターン=01及び第1時短回数(100回)が設定された時短遊技状態を「第1時短遊技状態」という。また、状態フラグ=1、普電作動パターン=02及び第2時短回数(120回)が設定された時短遊技状態を、第1時短遊技状態よりも次回の大当り遊技状態に移行しやすい「第2時短遊技状態」という。また、状態フラグ=1、普電作動パターン=02及び第3時短回数(10000回)が設定された時短遊技状態を、次回の大当り遊技状態に移行することが実質的に保障された「第3時短遊技状態」という。
なお、本実施形態においては、第1時短遊技状態におけるA時短終了条件の時短回数(普通図柄の可変表示回数)は、第1時短回数として100回が設定されるように構成されているが、第1時短回数は、適宜設計変更自由である。また、第2時短遊技状態におけるA時短終了条件の普通図柄の可変表示回数は、第2時短回数として120回が設定されるように構成されているが、第1時短遊技状態において普電作動パターン=01が設定され、第2時短遊技状態において普電作動パターン=02が設定されている限り、第2時短回数は、第1時短回数以上であれば、適宜設計変更自由である。さらに、第3時短遊技状態におけるA時短終了条件の普通図柄の可変表示回数は、第3時短回数として10000回が設定されるように構成されているが、第3時短回数は、次回の大当り遊技状態に移行することが実質的に保障される回数であれば、適宜設計変更自由である。
また、本実施形態においては、普電作動パターンを備えて構成したが、普電作動パターンを備えずに、A時短終了条件の時短回数(普通図柄の可変表示回数)の相違のみから、第1時短遊技状態、第2時短遊技状態及び第3時短遊技状態が構成されるように構成してもよい。この場合には、第1時短回数(例えば50回)<第2時短回数(例えば100回)<第3時短回数(例えば10000回)とすればよい。
そして、図348に示す遊技状態関連設定テーブルによれば、第1特別図柄の抽選による大当り遊技状態の終了後には、特別図柄の選択図柄に応じて、「第1時短遊技状態」または「第2時短遊技状態」に移行するように構成され、第2特別図柄の抽選による大当り遊技状態の終了後には、特別図柄の選択図柄に応じて、「第2時短遊技状態」または「第3時短遊技状態」に移行するように構成されている。
また、本実施形態においては、第2特別図柄の抽選による大当り遊技状態の終了後には、第1特別図柄の抽選による大当り遊技状態の終了後よりも、相対的に高い第1割合で「第2時短遊技状態」に移行するように構成されている。また、第2特別図柄の抽選による大当り遊技状態の終了後には、第1特別図柄の抽選による大当り遊技状態の終了後よりも、相対的に高い第2割合で「第3時短遊技状態」に移行するように構成されている。さらに、第2特別図柄の抽選による大当り遊技状態の終了後には、「第3時短遊技状態」よりも、相対的に高い第3割合で「第2時短遊技状態」に移行するように構成されている。なお、上記第1割合、第2割合及び第3割合は、比較対象の割合が0%と100%であるという趣旨を排除するものではない。
なお、本実施形態においては、第1特別図柄の抽選による大当り遊技状態の終了後には、「第1時短遊技状態」または「第2時短遊技状態」に移行するように構成したが、第1特別図柄の抽選による大当り遊技状態の終了後には、(a)「第1時短遊技状態」のみ、(b)「第1時短遊技状態」または「通常遊技状態」、(c)「第1時短遊技状態」または「第3時短遊技状態」、(d)「第1時短遊技状態」、「通常遊技状態」または「第2時短遊技状態」、(e)「第1時短遊技状態」、「通常遊技状態」または「第3時短遊技状態」、(f)「第1時短遊技状態」、「第2時短遊技状態」または「第3時短遊技状態」、(g)「第1時短遊技状態」、「通常遊技状態」、「第2時短遊技状態」または「第3時短遊技状態」に移行するように構成してもよい。
さらには、本実施形態においては、第2特別図柄の抽選による大当り遊技状態の終了後には、「第2時短遊技状態」または「第3時短遊技状態」に移行するように構成したが、(a)「第2時短遊技状態」のみ、(b)「第2時短遊技状態」または「通常遊技状態」、(c)「第2時短遊技状態」または「第1時短遊技状態」、(d)「第2時短遊技状態」、「通常遊技状態」または「第1時短遊技状態」、(e)「第2時短遊技状態」、「通常遊技状態」または「第3時短遊技状態」、(f)「第2時短遊技状態」、「第1時短遊技状態」または「第3時短遊技状態」、(g)「第2時短遊技状態」、「通常遊技状態」、「第1時短遊技状態」または「第3時短遊技状態」に移行するように構成してもよい。だだし、上記のように各種遊技状態に移行可能としても、上述した第1割合、第2割合及び第3割合の関係は保持することが望ましい。
なお、本実施形態において遊技状態関連設定テーブルは、「当選時の遊技状態が通常遊技状態」であるときと「当選時の遊技状態が時短遊技状態」であるときとで、大当り遊技状態の終了後の遊技状態が同じように設定されるように構成したが、当選時の遊技状態に応じて、大当り遊技状態の終了後の遊技状態が異なるように構成してもよい。
[11-3-6.特別図柄の変動パターンテーブル]
図349及び図350は、第9のパチンコ遊技機における特別図柄の変動パターンテーブルの一例である。図349は、第9のパチンコ遊技機における通常遊技状態の特別図柄の変動パターンテーブルの一例であり、図350は、第9のパチンコ遊技機における時短遊技状態の特別図柄の変動パターンテーブルの一例である。なお、図349及び図350に示す特別図柄の変動パターンテーブルは、主制御回路200のメインROM202に記憶されている。
特別図柄の変動パターンテーブルは、特別図柄の変動パターン及び特別図柄の変動表示時間を決定するテーブルである。「特別図柄の変動パターン」とは、特別図柄の変動態様を定めた情報であり、少なくとも特別図柄の変動表示時間が定められている。
メインCPU201は、遊技状態等に応じて図349及び図350のいずれかの特別図柄の変動パターンテーブルを決定し、決定した特別図柄の変動パターンテーブルを参照し、特別図柄の種別、特別図柄の当り判定処理の結果と、特別図柄の選択図柄等に基づいて、特別図柄の変動パターンを決定する。そして、メインCPU201は、決定した特別図柄の変動パターンに基づいて、特別図柄の変動表示時間を決定することになる。
また、メインCPU201は、特別図柄の変動パターンを決定すると、決定した特別図柄の変動パターンに対応した変動パターンコマンドをサブCPU301に送信する。サブCPU301は、メインCPU201から送信された特別図柄の変動パターンコマンドに基づいて、表示装置7の表示領域に表示される表示演出や、スピーカ32から出力される音演出を制御する。なお、特別図柄の変動パターンコマンドは、第1始動口9120に遊技球が入球したことを契機とした第1特別図柄の変動パターンであるか、第2始動口9140に遊技球が入球したことを契機とした第2特別図柄の変動パターンであるかを識別可能に構成されており、第1特別図柄と第2特別図柄とを区別するときには、第1特別図柄の変動パターンコマンドまたは第2特別図柄の変動パターンコマンドともいう。
(通常遊技状態の特別図柄の変動パターンテーブル)
図349に示す特別図柄の変動パターンテーブルT1は、通常遊技状態のときに決定される特別図柄の変動パターンテーブルである。
ここで、通常遊技状態においては、正規な遊技態様として左打ちが行われていることから、本来的には第1始動口9120に遊技球が入球可能であり、第2始動口9140に遊技球が入球することは不可能(又は困難)であるが、時短遊技状態が終了して通常遊技状態に移行した直後には、時短遊技状態に記憶した第2特別図柄の保留個数を消化することが行われることになる。
本実施形態においては、通常遊技状態を詳細に区別するときには、第1特別図柄の始動情報に基づいて行われる第1特別図柄の制御期間中の通常遊技状態を「第1の通常遊技状態」といい、第2特別図柄の始動情報に基づいて行われる第2特別図柄の制御期間中の通常遊技状態(時短遊技状態において普通図柄の可変表示回数が最終の時短回数であるときに、普通図柄の抽選に基づき第2始動口9140が開放され、第2始動口9140に遊技球が入球したことにより行われる第2特別図柄の制御期間中の通常遊技状態)を「第2の通常遊技状態」という。
図349に示されるように、特別図柄の変動パターンテーブルT1によれば、第1の通常遊技状態(第1特別図柄)のときには、特別図柄の抽選結果(当落)と、特別図柄の選択図柄と、リーチ判定用乱数値と、演出選択用乱数値と、特別図柄の変動パターンと、特別図柄の変動表示時間とが対応付けられている。なお、リーチ判定用乱数値は例えば0~249(250種類)の中から抽出され、演出選択用乱数値は例えば0~99(100種類)の中から抽出される。ただし、発生する乱数値の範囲は上記に限られない。
また、第2の通常遊技状態(第2特別図柄)のときには、特別図柄の抽選結果(当落)と、特別図柄の選択図柄と、第2特別図柄の開始条件が成立するときの第2特別図柄の保留個数と、特別図柄の変動パターンと、特別図柄の変動表示時間とが対応付けられており、第2の通常遊技状態(第2特別図柄)のときには、第2特別図柄の開始条件が成立するときの第2特別図柄の保留個数に応じて、異なる特別図柄の変動パターン及び特別図柄の変動表示時間が決定可能に構成されている。
ここで、「第2特別図柄の開始条件」とは、詳細には、少なくとも特別電動役物が作動しておらず(大当り遊技状態または小当り遊技状態でなく)、かつ、第2特別図柄の可変表示が行われていない条件下において、メインRAM203の特別図柄判定記憶領域(0)、第2特別図柄始動記憶領域(1)~第2特別図柄始動記憶領域(2)のいずれかに第2特別図柄の始動情報が記憶されていることをいう。
そして、「第2特別図柄の開始条件が成立するときの第2特別図柄の保留個数」とは、メインRAM203の第2特別図柄始動記憶領域(1)~第2特別図柄始動記憶領域(2)に記憶された第2特別図柄の始動情報が特別図柄判定記憶領域(0)にシフトされる直前の第2特別図柄の保留個数のことをいう。
例えば、大当り遊技状態または小当り遊技状態でなく、第2特別図柄の可変表示が行われていない条件下において、第2始動口9140に遊技球が連続して3個入球した場合、第2始動口9140に入球した1個目の遊技球に基づく第2特別図柄の始動情報は、特別図柄判定記憶領域(0)に記憶され、すぐさま第2特別図柄の開始条件が成立するため、「第2特別図柄の開始条件が成立するときの第2特別図柄の保留個数」=0となる。また、第2始動口9140に入球した2個目の遊技球に基づく第2特別図柄の始動情報は、第2特別図柄始動記憶領域(1)に記憶され、第2始動口9140に入球した3個目の遊技球に基づく第2特別図柄の始動情報は、第2特別図柄始動記憶領域(2)に記憶される。そして、2個目の遊技球に基づく第2特別図柄の始動情報に対して、第2特別図柄の開始条件が成立するときは、第2特別図柄始動記憶領域(2)まで第2特別図柄の始動情報が記憶されていることから、特別図柄判定記憶領域(0)にシフトされる直前の第2特別図柄の保留個数は2個であり、「第2特別図柄の開始条件が成立するときの第2特別図柄の保留個数」=2となる。また、3個目の遊技球に基づく第2特別図柄の始動情報に対して、第2特別図柄の開始条件が成立するときは、第2特別図柄始動記憶領域(1)に第2特別図柄の始動情報が記憶されていることから、特別図柄判定記憶領域(0)にシフトされる直前の第2特別図柄の保留個数は1個であり、「第2特別図柄の開始条件が成立するときの第2特別図柄の保留個数」=1となる。
本実施形態においては、第2の通常遊技状態(第2特別図柄)の場合に第2特別図柄の抽選結果が大当りであるときと小当りであるときには、第2特別図柄の開始条件が成立するときに第2特別図柄の保留個数=0であると、後述するBONUS状態への突入を報知する「BONUS突入演出」が実行される「第1の特別図柄の変動パターン(0AH)」が決定可能に構成され、第2特別図柄の開始条件が成立するときに第2特別図柄の保留個数>0であると、大当り遊技状態及び小当り遊技状態で行われるBONUS演出が継続しているような「BONUS継続演出」が実行される「第2の特別図柄の変動パターン(1AH)」が決定可能に構成されている。
また、BONUS突入演出が実行される第1の特別図柄の変動パターン(0AH)に対応付けられた「第1の変動表示時間(例えば、10秒)」は、発射装置6から発射された遊技球が普通電動役物ユニット9145(第2始動口9140)に到達するまで平均到達時間(例えば、5秒。以下「普電平均到達時間」ともいう)よりも長く設定されている。
さらに、上記「第1の変動表示時間(例えば、10秒)」は、発射装置6から発射された遊技球が第2特別電動役物ユニット9150(第2大入賞口9151)に到達するまで平均到達時間(例えば、6秒)よりも長く設定されている。
また、BONUS継続演出が実行される第2の特別図柄の変動パターン(1AH)に対応付けられた「第2の変動表示時間(例えば、1秒)」は、「普電平均到達時間」よりも短く設定されている。
さらに、上記「第2の変動表示時間(例えば、1秒)」は、複数の大当り遊技状態または小当り遊技状態が継続しているようにみせるため、特別図柄の変動表示時間が大当り遊技状態のOP待ち時間(オープニング時間、例えば2秒)及び小当り遊技状態のOP待ち時間(オープニング時間、例えば2秒)以下の時間になるように設定されている。
このように、第2特別図柄の開始条件が成立するときに第2特別図柄の保留個数=0であるときには第2特別図柄の変動表示時間を「普電平均到達時間」よりも長く設定し、第2特別図柄の開始条件が成立するときに第2特別図柄の保留個数>0であるときには第2特別図柄の変動表示時間を「普電平均到達時間」よりも短く設定しているので、第2特別図柄の開始条件が成立するときの第2特別図柄の保留個数に応じて、発射装置6から発射された遊技球が普通電動役物ユニット9145(第2始動口9140)に入球する入球率を異ならせることができ、設計値に応じた出玉を遊技者に提供することができるようになる。
また、第2特別図柄の開始条件が成立するときに第2特別図柄の保留個数>0であるときには第2特別図柄の変動表示時間を短く設定することにより、後述するBONUS状態において複数回(最大3回分)の大当り遊技状態が連続して実行されるときには、複数の大当り遊技状態のあいだで実行される第2特別図柄の変動表示時間が短くなり、複数の大当り遊技状態をシームレスに(一群の大当り遊技状態のように)みせることができる。
(時短遊技状態の特別図柄の変動パターンテーブル)
図350に示す特別図柄の変動パターンテーブルJ1は、時短遊技状態のときに決定される特別図柄の変動パターンテーブルである。
図350に示されるように、特別図柄の変動パターンテーブルJ1には、特別図柄の種別と、特別図柄の抽選結果(当落)と、特別図柄の選択図柄と、第2特別図柄の開始条件が成立するときの第2特別図柄の保留個数と、特別図柄の変動パターンと、特別図柄の変動表示時間とが対応付けられている。
ここで、時短遊技状態においては正規な遊技態様として右打ちが行われており、本来的には第1始動口9120に遊技球が入球することは不可能(又は困難)であるものの、時短遊技状態において(遊技者に不利である)イレギュラーな遊技態様として左打ちを行うことにより第1始動口9120に遊技球が入球することは可能である。このため、図350に示す特別図柄の変動パターンテーブルJ1における第1特別図柄の変動パターンは、時短遊技状態においてイレギュラーな遊技態様として左打ちが行われて第1始動口9120に遊技球が入球したときに決定される特別図柄の変動パターンに対応している。
図350に示す特別図柄の変動パターンテーブルJ1においても、特別図柄の種別が第2特別図柄のときには、図349に示す特別図柄の変動パターンテーブルT1と同様に、第2特別図柄の開始条件が成立するときの第2特別図柄の保留個数を参照し、「第1の特別図柄の変動パターン(0AH)」及び「第2の特別図柄の変動パターン(1AH)」が決定可能に構成されている。
[11-3-7.特別図柄の先読み関連データ]
図351は、第9のパチンコ遊技機における特別図柄の先読み関連データの一例である。ここで「先読み」とは、遊技球が第1始動口9120または第2始動口9140に入球して、主制御回路200(メインCPU201)が特別図柄の始動情報(大当り判定用乱数値、図柄乱数値、リーチ判定用乱数値、演出選択用乱数値等)を取得したときに、特別図柄の抽選よりも事前に、取得した特別図柄の始動情報を解析することをいう。そして、解析した情報(先読みコマンド)はサブ制御回路300(サブCPU301)に送信され、先読みコマンドに基づいて「先読み演出」が実行可能となる。
図351(a)は、特別図柄の先読み関連データとして、遊技状態に応じて、先読みを実行するか否かを定めた先読み実行対応テーブルである。
図351(a)に示すように、通常遊技状態においては、第1特別図柄の始動情報に基づく先読みと、第2特別図柄の始動情報に基づく先読みとの両方が実行可能である。また、時短遊技状態、大当り遊技状態、小当り遊技状態においては、第2特別図柄の始動情報に基づく先読みのみが実行可能となっている。
図351(b)は、特別図柄の始動情報を解析し、解析した情報としての先読みコマンドの構成の一例である。
図351(b)に示すように、先読みコマンドは、第1特別図柄であるか第2特別図柄であるかの「特別図柄の種別」と、複数の「パラメータ1~3」とで構成されている。
「パラメータ1」は、大当り判定用乱数値に基づいて、大当り、小当り及びハズレのいずれであるかを事前に解析した当落情報であり、図351(c)は、パラメータ1の設定テーブルの一例である。
「パラメータ2」は、大当り判定用乱数値、図柄乱数値に基づいて、停止表示されるときの特別図柄(選択図柄)を事前に解析した図柄情報であり、図351(d)は、パラメータ2の設定テーブルの一例である。
「パラメータ3」は、大当り判定用乱数値、リーチ判定用乱数値、演出選択用乱数値に基づいて、特別図柄の変動パターンを事前に解析した変動情報であり、図351(e)は、パラメータ3の設定テーブルの一例である。
本実施形態においては、特別図柄の始動情報についての先読みが行われてから、その特別図柄の始動情報に基づく特別図柄の抽選が行われる前までの特別図柄の可変表示を「事前変動」ともいう。また、その特別図柄の始動情報に基づく特別図柄の抽選が行われたときの特別図柄の可変表示を「当該変動」ともいう。
[11-3-8.普通図柄の当り判定テーブル]
図352は、第9のパチンコ遊技機における普通図柄の当り判定テーブルの一例である。なお、図352に示す普通図柄の当り判定テーブルは、主制御回路200のメインROM202に記憶されている。
普通図柄の当り判定テーブルは、普通図柄の当り判定処理において参照されるテーブルであり、普図作動領域9126を遊技球が通過した際に取得される普通図柄の当り判定用乱数値に基づいて「普通図柄当り」または「普通図柄ハズレ」を抽選により決定する際に参照されるテーブルである。
図352に示す普通図柄の当り判定テーブルには、普通図柄の当り判定用乱数値の範囲(幅)と、普通図柄の当落判定値データ(「普通図柄当り」または「普通図柄ハズレ」)とが対応づけられて規定されている。なお、普通図柄の当り判定用乱数値は、例えば0~65535の範囲(65536種類)で取得される。ただし、発生する乱数値の範囲は上記に限られない。
メインCPU201は、図352に示す普通図柄の当り判定テーブルを参照し、普通図柄当り判定用乱数値の範囲(幅)に基づいて、普通図柄の当落判定値データを決定する。
本実施形態では、メインCPU201は、図352に示す普通図柄の当り判定テーブルを参照し、取得された普通図柄の当り判定用乱数値が0~956のいずれかである場合は「普通図柄当り」と判定し、普通図柄の当落判定値データを「普通図柄当り判定値データ」に決定する。このため、本実施形態では、「普通図柄当り」が約1/68.5の選択率で決定されることになる。また、メインCPU201は、取得された普通図柄の当り判定用乱数値が957~65535である場合は「普通図柄ハズレ」と判定し、普通図柄の当落判定値データを「普通図柄ハズレ判定値データ」に決定する。
なお、「普通図柄当り」または「普通図柄ハズレ」と決定される普通図柄の当り判定用乱数値の範囲(幅)、すなわち選択率は、上記値に限定されず、適宜設計変更が自由である。
また、本実施形態において、通常遊技状態か時短遊技状態かの遊技状態によらず、「普通図柄当り」の選択率が共通(普通図柄当りの当選確率が共通)に設定されているが、後述するように遊技状態(普電作動パターン)に応じて第2始動口9140の開放パターンを異ならせることにより、遊技状態に応じて遊技者に与える利益度を異ならせている。
また、本実施形態において、通常遊技状態か時短遊技状態かの遊技状態によらず、「普通図柄当り」の選択率が共通に設定されているが、遊技状態に応じて「普通図柄当り」の選択率を異ならせてもよい。遊技状態に応じて「普通図柄当り」の選択率を異ならせる場合には、通常遊技状態における「普通図柄当り」の選択率よりも、時短遊技状態における「普通図柄当り」の選択率が高くなるように構成することが望ましい。さらには、A時短遊技状態とB時短遊技状態との種類によっても、「普通図柄当り」の選択率を異ならせてもよい。
[11-3-9.普通図柄判定テーブル]
図353は、第9のパチンコ遊技機における普通図柄判定テーブルの一例である。なお、図353に示す普通図柄判定テーブルは、主制御回路200のメインROM202に記憶されている。
普通図柄判定テーブルは、上述の普通図柄の当落判定値データと、普図作動領域9126を遊技球が通過した際に取得される普通図柄の図柄乱数値とに基づいて、普通図柄の停止図柄を決定付ける「普通図柄の選択図柄」を選択する際に参照されるテーブルである。
図353に示される普通図柄判定テーブルには、上述の普通図柄の当落判定値データ(「普通図柄当り判定値データ」または「普通図柄ハズレ判定値データ」)と、普通図柄の図柄乱数値と、普通図柄の選択図柄とが対応づけられて規定されている。なお、普通図柄の図柄乱数値は、例えば0~100(101種類)の中から取得される。ただし、発生する乱数値の範囲は上記に限られない。
メインCPU201は、図353に示される普通図柄判定テーブルを参照し、普通図柄当り判定値データと普通図柄の図柄乱数値とに基づいて、普通図柄の選択図柄を決定する。
図353に示される普通図柄判定テーブルによれば、普通図柄の当り判定処理の結果として普通図柄当り判定値データが得られた場合、例えば、普通図柄の選択図柄は以下のように選択される。
例えば、普通図柄当り判定値データが得られた場合、メインCPU201は、普通図柄の図柄乱数値が0~49のいずれかであれば普通図柄の選択図柄として「f1」を選択し、普通図柄の図柄乱数値が50~99のいずれかであれば普通図柄の選択図柄として「f2」を選択する。また、普通図柄ハズレ判定値データが得られた場合、メインCPU201は、普通図柄の図柄乱数値によらず、普通図柄の選択図柄として「f3」を選択する。
なお、「普通図柄の選択図柄」が選択される普通図柄の図柄乱数値の範囲(幅)、すなわち選択率は、上記値に限定されず、適宜設計変更が自由である。
特に、本実施形態においては、第1のパチンコ遊技機とは異なり、普通図柄の選択図柄を選択するにあたり、遊技状態によらずに、普通図柄の当落判定値データ(普通図柄の当り判定処理の結果)と普通図柄の図柄乱数値とに基づいて、普通図柄の選択図柄が選択されるように構成されている。なお、第1のパチンコ遊技機と同様に、遊技状態に応じて、普通図柄の選択図柄が選択されるように構成してもよい。
また、本実施形態において、メインCPU201は、先ず、普通図柄の当り判定テーブル(図352参照)を参照して、取得された普通図柄の当り判定用乱数値に基づいて普通図柄の当落判定値データを決定し、その後、普通図柄判定テーブル(図353参照)を参照して、普通図柄の図柄乱数値に基づいて普通図柄の選択図柄を決定するようにしているが、これに限られない。例えば、取得された普通図柄の当り判定用乱数値と普通図柄の図柄乱数値とに基づいて、普通図柄の当落判定値データ(普通図柄の当落)、および普通図柄の選択図柄をあわせて決定するようにしてもよい。
[11-3-10.第2始動口の開放パターン決定テーブル]
図354は、第9のパチンコ遊技機における第2始動口の開放パターン決定テーブルの一例である。なお、図354に示す第2始動口の開放パターン決定テーブルは、主制御回路200のメインROM202に記憶されている。
第2始動口の開放パターン決定テーブルは、普通図柄当りと判定された場合に、遊技状態(普電作動パターン)と普通図柄の選択図柄とに応じて、普電用シャッタ9147の作動態様としての第2始動口9140の開放パターンを決定する際に参照される。
図354に示される第2始動口の開放パターン決定テーブルには、遊技状態(普電作動パターン)と、普通図柄の選択図柄と、第2始動口9140の開放パターンとが対応づけられて規定されている。
また、「第2始動口の開放パターン」は、第2始動口9140の1回目の開放状態における「1回目の開放時間」、第2始動口9140の1回目の閉鎖状態における「1回目のウェイト時間」、第2始動口9140の2回目の開放状態における「2回目の開放時間」、第2始動口9140の2回目の閉鎖状態における「2回目のウェイト時間」、第2始動口9140を閉鎖させて普電用シャッタ9147の作動を終了する「エンディング時間」とで構成されている。
メインCPU201は、図354に示される第2始動口の開放パターン決定テーブルを参照し、遊技状態(普電作動パターン)と普通図柄の選択図柄とに基づいて、第2始動口9140の開放パターンを決定する。なお、メインCPU201は、第2始動口9140の開放パターンを決定すると、決定した第2始動口9140の開放パターンに対応する第2始動口の開放パターンコマンドをサブCPU301に送信する。
本実施形態では、第2始動口の開放パターンとして、第2始動口9140の開放時間が短い不利な「ショート開放パターン(91H01H)」と、第2始動口9140の開放時間が長い有利な「ロング開放パターン(91H02H)」との2種類の開放パターンを備えている。なお、第2始動口の開放パターンとして、3種類以上の開放パターンを備えて構成してもよい。
特に、本実施形態では、「ショート開放パターン(91H01H)」の開放時間は、普電用シャッタ9147の上面板9147Uの上で転動していた遊技球が下面板9147Dに向けて落下しても、下面板9147Dがすぐさま突出し、上面板9147Uから落下した遊技球が下面板9147Dの上で転動する(下面板9147Dによりキャッチされる)ことになる極めて短い時間(例えば、0.072秒)が設定されている。このため、普通図柄当りと判定された場合であっても、「ショート開放パターン(91H01H)」が行われるときは、第2始動口9140に遊技球が入球することが不可能又は困難となり、実質的にハズレの扱いとなるように構成されている。
また、「ロング開放パターン(91H02H)」の開放時間は、普電用シャッタ9147の上面板9147Uの上で転動していた遊技球が下面板9147Dに向けて落下しても、下面板9147Dが突出せずに下面板9147Dを通過して、第2始動口9140に遊技球が入球可能となることになる長い時間(例えば、5.4秒)が設定されている。
図354に示す第2始動口の開放パターン決定テーブルによれば、通常遊技状態に対応付けられている普電作動パターン=00である場合には、普通図柄の選択図柄が「f1」であるときにも、普通図柄の選択図柄が「f2」であるときにも、第2始動口の開放パターンとして「ショート開放パターン(91H01H)」が決定されるように構成されている(「ロング開放パターン(91H02H)」が決定されないように構成されている)。
また、第1通常遊技状態に対応付けられている普電作動パターン=01である場合には、普通図柄の選択図柄が「f1」であるときには、第2始動口の開放パターンとして「ショート開放パターン(91H01H)」が決定され、普通図柄の選択図柄が「f2」であるときには、第2始動口の開放パターンとして「ロング開放パターン(91H02H)」が決定されるように構成されている。
また、第2通常遊技状態及び第3通常遊技状態に対応付けられている普電作動パターン=02である場合には、普通図柄の選択図柄が「f1」であるときにも、普通図柄の選択図柄が「f2」であるときにも、第2始動口の開放パターンとして「ロング開放パターン(91H02H)」が決定されるように構成されている。
このため、普電作動パターン=00は、「ロング開放パターン」が決定され難く、「ショート開放パターン」が決定され易い状態を示し、普電作動パターン=01は、「ロング開放パターン」と「ショート開放パターン」とが決定される状態を示し、普電作動パターン=02は、普電作動パターン=01であるときよりも「ロング開放パターン」が決定され易く、「ショート開放パターン」が決定され難い状態を示していることになる。
また、図354に示す第2始動口の開放パターン決定テーブルの右欄には、「普通図柄の当り判定用乱数値(図352参照)」及び「普通図柄の図柄乱数値(図353参照)」を合算することにより算出され、「ロング開放パターン」が実行される「ロング開放確率」を参考として図示している。本実施形態において、普電作動パターン=00である場合には、普通図柄当りが約1/68.5であるものの、ロング開放パターンが決定されることはないことから、「ロング開放確率」は0である。また、普電作動パターン=01である場合には、普通図柄当りが約1/68.5であり、ロング開放パターンが決定される普通図柄の選択図柄「f2」の選択率が51/101であることから、「ロング開放確率」は約1/135.6である。また、普電作動パターン=01である場合には、普通図柄当りが約1/68.5であり、すべての普通図柄の選択図柄でロング開放パターンが決定されること(101/101)から、「ロング開放確率」は約1/68.5である。
また、本実施形態では、普電用の規定個数は3個に設定されており、いずれかの第2始動口の開放パターンが決定され、第2始動口9140が開放しても、第2始動口9140に3個の遊技球が入球すると、その第2始動口の開放パターンは終了する(第2始動口9140は閉鎖する)ことになる。すなわち、1回の普通図柄当りに対しては、3個の遊技球しか第2始動口9140に入球できず、たとえ時短遊技状態において開放時間5400msの残存時間があったとしても、第2始動口9140が閉鎖することになる。
[11-3-11.普通図柄の変動パターンテーブル]
図355は、第9のパチンコ遊技機における普通図柄の変動パターンテーブルの一例である。なお、図355に示す普通図柄の変動パターンテーブルは、主制御回路200のメインROM202に記憶されている。
普通図柄の変動パターンテーブルは、普通図柄の変動パターン及び普通図柄の変動表示時間を決定するテーブルである。「普通図柄の変動パターン」とは、普通図柄の変動態様を定めた情報であり、少なくとも普通図柄の変動表示時間が定められている。
メインCPU201は、普通図柄の変動パターンテーブルを参照し、遊技状態と、普通図柄の選択図柄と、今回の第2始動口の開放パターンと、前回の第2始動口の開放パターンと、普通図柄の演出用乱数値と、普通図柄の保留個数とに基づいて、普通図柄の変動パターンを決定する。そして、メインCPU201は、決定した普通図柄の変動パターンに基づいて、普通図柄の変動表示時間を決定することになる。また、メインCPU201は、普通図柄の変動パターンを決定すると、決定した普通図柄の変動パターンに対応した普通図柄の変動パターンコマンドをサブCPU301に送信する。
図355に示す普通図柄の変動パターンテーブルには、遊技状態と、普通図柄の選択図柄と、今回の第2始動口の開放パターンと、前回の第2始動口の開放パターンと、普通図柄の演出用乱数値と、普通図柄の保留個数と、普通図柄の変動パターンと、普通図柄の変動表示時間とが対応付けられている。なお、本実施形態において、時短遊技状態は、A時短遊技状態、B時短遊技状態、第1時短遊技状態、第2時短遊技状態及び第3時短遊技状態のいずれも区別せずに共通である。
図355に示す普通図柄の変動パターンテーブルによれば、通常遊技状態においては、普通図柄に関する演出が実行されず、時短遊技状態よりも相対的に長い普通図柄の変動表示時間が対応付けられた普通図柄の変動パターン(01Hまたは02H)が決定可能に構成されている。ただし、通常遊技状態において決定可能な最長の普通図柄の変動表示時間(例えば、30秒)が対応付けられた普通図柄の変動パターン(01H)は、時短遊技状態において決定可能な最長の普通図柄の変動表示時間(例えば、60秒)が対応付けられた普通図柄の変動パターン(16H)よりも、短い普通図柄の変動表示時間が対応付けられた普通図柄の変動パターンである。
また、図355に示す普通図柄の変動パターンテーブルによれば、時短遊技状態においては、普通図柄当りのときに決定される普通図柄の選択図柄(f1、f2)に対して今回の第2始動口の開放パターンが対応付けられており、今回の第2始動口の開放パターンが「ロング開放パターン(91H02H)」であるときには、時短遊技状態において当りとなる演出が実行される普通図柄の変動パターン(13H~16H)が決定されるように構成されている。また、普通図柄当りのときに決定される普通図柄の選択図柄(f1、f2)であったとしても、今回の第2始動口の開放パターンが「ショート開放パターン(91H01H)」であるときには、時短遊技状態においてハズレとなる演出が実行される普通図柄の変動パターン(11H、12H)が決定されるように構成されている。
そして、図355に示す普通図柄の変動パターンテーブルによれば、時短遊技状態において、普通図柄の選択図柄が普通図柄当りのときに決定される普通図柄の選択図柄(f1、f2)である場合には、今回の第2始動口の開放パターンが「ショート開放パターン(91H01H)」であるときよりも「ロング開放パターン(91H02H)」であるときの方が、相対的に長い普通図柄の変動表示時間(例えば、40秒、60秒)が対応付けられた普通図柄の変動パターン(13H、15Hまたは16H)が決定可能に構成されている。
このように、時短遊技状態においては、「ショート開放パターン」よりも「ロング開放パターン」の方が相対的に長い普通図柄の変動表示時間が行われるので、遊技者に「ロング開放パターン」となることを期待させるような演出が実行可能になり、時短遊技状態のときに遊技の興趣の向上を図ることができる。
また、図355に示す普通図柄の変動パターンテーブルによれば、時短遊技状態において、普通図柄の選択図柄が普通図柄当りのときに決定される普通図柄の選択図柄(f1、f2)である場合に、前回の第2始動口の開放パターンが「開放なし」または「ショート開放パターン(91H01H)」であるときには、普通図柄の変動表示時間として第3の変動表示時間(例えば、15秒、12秒、40秒)が対応付けられた普通図柄の変動パターン(13H~15H)が決定可能に構成され、前回の第2始動口の開放パターンが「ロング開放パターン(91H02H)」であるときには、普通図柄の変動表示時間として上記第3の変動表示時間よりも長い第4の変動表示時間(例えば、60秒)が対応付けられた普通図柄の変動パターン(16H)が決定可能に構成されている。
このように、時短遊技状態においては、連続して「ロング開放パターン」が行われるときには相対的に長い普通図柄の変動表示時間が行われるので、短時間のあいだに連続して「ロング開放パターン」が行われることにより、第2始動口9140に遊技球が想定以上入球してしまうことを防止することができる。
なお、本実施形態において、A時短遊技状態、B時短遊技状態、第1時短遊技状態、第2時短遊技状態及び第3時短遊技状態のいずれも区別せずに共通の時短遊技状態としたが、A時短遊技状態、B時短遊技状態、第1時短遊技状態、第2時短遊技状態及び第3時短遊技状態で、異なる普通図柄の変動パターンが決定されるように構成してもよい。
[11-4.主制御処理]
第9のパチンコ遊技機において、主制御回路200のメインCPU201により実行される各種処理(各種モジュール)は、主制御メイン処理(図20~図23参照)で行われる特別図柄制御処理、普通図柄制御処理及びシステムタイマ割込処理の一部が一部異なるものの、その他の処理については同様である。そこで、以下では、特別図柄制御処理、普通図柄制御処理及びシステムタイマ割込処理について説明し、メインCPU201により実行されるその他の処理についての説明は省略する。
なお、第9のパチンコ遊技機における特別図柄制御処理において行われる処理には、第1のパチンコ遊技機において行われる処理と同じ処理もあるが、以下では、第1のパチンコ遊技機において行われる処理と同じ処理も含めて、ステップ番号を代えて改めて説明する。
[11-4-1.特別図柄制御処理]
次に、図356を参照して、主制御メイン処理(図20~図23参照)で行われる特別図柄制御処理について説明する。図356は、第9のパチンコ遊技機における特別図柄制御処理の一例を示すフローチャートである。
図356に示されるように、メインCPU201は、先ず、S9001において、特別図柄の制御状態番号をロードする。特別図柄の制御状態番号は、特別図柄の可変表示(特別図柄ゲーム)に関する制御処理の状態(ステータス)を示す番号である。メインCPU201は、S9001の処理を実行した後、処理をS9002に移す。
なお、図示しないが、メインCPU201は、特別図柄制御処理を実行するにあたり、S9001の処理に先だって、メインRAM203内の特別図柄の作業領域等のアドレスを所定のレジスタにセットするアドレス設定処理を行う。
S9002において、メインCPU201は、S9001でロードした特別図柄の制御状態番号が0であるか否か、すなわち特別図柄の可変表示待ち状態であるか否かを判定する。メインCPU201は、特別図柄の制御番号が0でないと判定した場合には処理をS9008に移し、特別図柄の制御番号が0であると判定した場合には処理をS9003に移す。
S9003において、メインCPU201は、メインRAM203の第2特別図柄始動記憶領域に第2特別図柄の始動情報が記憶されているか否か、すなわち第2特別図柄の保留個数があるか否かを判定する。メインCPU201は、第2特別図柄の始動情報が記憶されていないと判定した場合には処理をS9004に移し、第2特別図柄の始動情報が記憶されていると判定した場合には処理をS9005に移す。
S9004において、メインCPU201は、メインRAM203の第1特別図柄始動記憶領域に第1特別図柄の始動情報が記憶されているか否か、すなわち第1特別図柄の保留個数があるか否かを判定する。メインCPU201は、第1特別図柄の始動情報が記憶されていないと判定した場合には処理をS9007に移し、第1特別図柄の始動情報が記憶されていると判定した場合には、処理をS9006に移す。
S9005において、メインCPU201は、メインRAM203の第2特別図柄始動記憶領域に記憶されている第2特別図柄の始動情報を、メインRAM203の特別図柄判定記憶領域(0)にシフトするシフト処理を行う。このシフト処理では、メインRAM203の第2特別図柄始動記憶領域(1)に記憶された始動情報を特別図柄判定記憶領域(0)にシフトし、第2特別図柄始動記憶領域(2)に記憶された始動情報を第2特別図柄始動記憶領域(1)にシフトすることになる。また、本実施形態においては、始動情報をシフトする前の第2特別図柄の保留個数を「第2特別図柄の開始条件が成立するときの第2特別図柄の保留個数」としてメインRAM203に一時的に記憶する。
S9006において、メインCPU201は、メインRAM203の第1特別図柄始動記憶領域に記憶されている第1特別図柄の始動情報を、メインRAM203の特別図柄判定記憶領域(0)にシフトするシフト処理を行う。このシフト処理では、メインRAM203の第1特別図柄始動記憶領域(1)に記憶された始動情報を特別図柄判定記憶領域(0)にシフトし、第1特別図柄始動記憶領域(2)~第1特別図柄始動記憶領域(4)に記憶された始動情報を第1特別図柄始動記憶領域(1)~第1特別図柄始動記憶領域(3)にシフトすることになる。
S9007において、メインCPU201は、メインRAM203の第1特別図柄始動記憶領域及び第2特別図柄始動記憶領域に特別図柄の始動情報(第1特別図柄及び第2特別図柄の保留個数)が一定時間以上にわたって記憶されていない場合には、デモ表示コマンドの送信予約処理を行う。なお、この処理で送信予約されたデモ表示コマンドは、次回のシステムタイマ割込処理中の演出制御コマンド送信処理(図371参照)において、サブ制御回路300に送信される。そして、デモ表示コマンドをサブ制御回路300が受信すると、サブCPU301はデモ表示演出を行う。
S9008において、メインCPU201は、特別図柄管理処理を行う。この特別図柄管理処理の詳細については、図357を参照して後述する。メインCPU201は、S9003の処理を実行した後、特別図柄制御処理を終了し、処理を主制御メイン処理(図20~図23参照)に戻す。
なお、メインCPU201は、割込み禁止区間を設定し、上述の特別図柄制御処理(S9001~S9008)を、割込み禁止区間内で行うことが好ましい。
このように、本実施形態では、第9のパチンコ遊技機として、第2特別図柄の始動情報が記憶されている場合、第1特別図柄よりも高い優先順位で特別図柄管理処理が実行される優先変動機について説明したが、これに限られない。例えば、第1特別図柄の始動情報が記憶されている場合、第2特別図柄よりも高い優先順位で特別図柄管理処理が実行される優先変動機としてもよいし、第1始動口9120または第2始動口9140への入賞順(入球順)に特別図柄管理処理が実行される順次変動機としてもよい。
[11-4-2.特別図柄管理処理]
次に、図357を参照して、特別図柄制御処理(図356参照)中でメインCPU201により実行される特別図柄管理処理について説明する。図357は、第9のパチンコ遊技機における特別図柄管理処理の一例を示すフローチャートである。
図357に示す各処理の右方に括弧書きで記載した数値(「0」~「7」)は、処理対象となる特別図柄の制御状態番号である。メインCPU201は、制御状態番号に対応する各処理を実行することにより、特別図柄ゲームを進行させる。
S9011において、メインCPU201は、特別図柄の待ち時間(特別図柄タイマカウンタ)が0であるか否かを判定する。この特別図柄の待ち時間は、特別図柄管理処理の各種処理の待ち時間としてセットされ、例えば2msec周期で行われるシステムタイマ割込処理内において特別図柄タイマカウンタとして減算されていくことになる。メインCPU201は、特別図柄の待ち時間が0でないと判定した場合には特別図柄管理処理を終了し、処理を特別図柄制御処理(図356参照)に戻し、特別図柄の待ち時間が0であると判定した場合には処理をS9012に移す。
S9012において、メインCPU201は、特別図柄の制御状態番号をロードする。そして、メインCPU201は、S9012の処理を実行した後、処理をS9013に移す。なお、メインCPU201は、S9012の処理で読み出された制御状態番号に基づいて、S9013以降の処理を行う。
S9013において、メインCPU201は、特別図柄可変表示開始処理を行う。このS9013の処理は、特別図柄の制御状態番号が「0」である場合に行われる処理である。この特別図柄可変表示開始処理の詳細については、図358を参照して後述する。特別図柄の制御状態番号が「0」でない場合には、メインCPU201は、処理をS9014に移す。
S9014において、メインCPU201は、特別図柄可変表示終了処理を行う。このS9014の処理は、特別図柄の制御状態番号が「1」である場合に行われる処理である。この特別図柄可変表示終了処理の詳細については、図359を参照して後述する。特別図柄の制御状態番号が「1」でない場合には、メインCPU201は、処理をS9015に移す。
S9015において、メインCPU201は、特別図柄遊技判定処理を行う。このS9015の処理は、特別図柄の制御状態番号が「2」である場合に行われる処理である。この特別図柄遊技判定処理の詳細については、図361を参照して後述する。特別図柄の制御状態番号が「2」でない場合には、メインCPU201は、処理をS9016に移す。
S9016において、メインCPU201は、小当り遊技閉鎖中処理を行う。このS9016の処理は、特別図柄の制御状態番号が「3」である場合に行われる処理である。この小当り遊技閉鎖中処理の詳細については、図363を参照して後述する。特別図柄の制御状態番号が「3」でない場合には、メインCPU201は、処理をS9017に移す。
S9017において、メインCPU201は、小当り遊技開放中処理を行う。このS9017の処理は、特別図柄の制御状態番号が「4」である場合に行われる処理である。この小当り遊技開放中処理の詳細については、図364を参照して後述する。特別図柄の制御状態番号が「4」でない場合には、メインCPU201は、処理をS9018に移す。
S9018において、メインCPU201は、大入賞口開放準備処理を行う。このS9018の処理は、特別図柄の制御状態番号が「5」である場合に行われる処理である。この大入賞口開放準備処理の詳細については、図365を参照して後述する。特別図柄の制御状態番号が「5」でない場合には、メインCPU201は、処理をS9019に移す。
S9019において、メインCPU201は、大入賞口開放制御処理を行う。このS9019の処理は、特別図柄の制御状態番号が「6」である場合に行われる処理である。この大入賞口開放制御処理の詳細については、図366を参照して後述する。特別図柄の制御状態番号が「6」でない場合には、メインCPU201は、処理をS9020に移す。
S9020において、メインCPU201は、大当り遊技状態終了処理を行う。このS9020の処理は、特別図柄の制御状態番号が「7」である場合に行われる処理である。この大当り遊技状態終了処理の詳細については、図367を参照して後述する。
メインCPU201は、S9013~S9020の処理を終了後、特別図柄管理処理を終了し、処理を特別図柄制御処理(図356参照)に戻す。この場合、特別図柄管理処理が呼び出された処理に戻す。
[11-4-3.特別図柄可変表示開始処理]
次に、図358を参照して、特別図柄管理処理(図357参照)中でメインCPU201により実行される特別図柄可変表示開始処理について説明する。図358は、第9のパチンコ遊技機における特別図柄可変表示開始処理の一例を示すフローチャートである。
S9021において、メインCPU201は、特別図柄の制御状態番号が「0」であるか否かを判定する。メインCPU201は、特別図柄の制御状態番号が「0」でないと判定した場合には、特別図柄可変表示開始処理を終了して処理を特別図柄管理処理(図357参照)に戻し、特別図柄の制御状態番号が「0」であると判定した場合には処理をS9022に移す。
S9022において、メインCPU201は、大当り、小当りまたはハズレを判定する特別図柄の当り判定処理を行う。この特別図柄の当り判定処理では、図344に示す特別図柄の当り判定テーブルを参照し、特別図柄判定記憶領域(0)にシフトされた特別図柄の始動情報としての特別図柄の大当り判定用乱数値に基づいて特別図柄の当り判定を行い、その判定結果に応じた当落判定値データを決定する。メインCPU201は、S9022の処理を実行した後、処理をS9023に移す。
S9023において、メインCPU201は、特別図柄の停止図柄を決定するための特別図柄決定処理を行う。この特別図柄決定処理では、図345に示す特別図柄判定テーブルを参照し、上記S9022の特別図柄の当り判定処理の判定結果としての当落判定値データと、特別図柄判定記憶領域(0)にシフトされた特別図柄の始動情報としての特別図柄の図柄乱数値とに基づいて、特別図柄の選択図柄と図柄指定コマンドとを決定する。メインCPU201は、S9023の処理を実行した後、処理をS9024に移す。
S9024において、メインCPU201は、当り種類決定処理を行う。この処理は、特別図柄の当り判定処理の判定結果が当り(大当りまたは小当り)である場合に、当りの種類を決定する処理である。この当り種類決定処理では、特別図柄の当り判定処理が大当りである場合には、図346に示す大当り種類決定テーブルを決定し、特別図柄の当り判定処理が小当りである場合には、図347に示す小当り種類決定テーブルを決定する。さらに、大当り遊技状態の終了後に当選時の遊技状態に基づいて遊技状態等を設定するため、大当りまたは小当りと判定されたときの当選時の遊技状態を示す当選時遊技状態データをメインRAM203の当選時遊技状態記憶領域にセットする。メインCPU201は、S9024の処理を実行した後、処理をS9025に移す。
S9025において、メインCPU201は、特別図柄の変動パターンを決定する特別図柄の変動パターン決定処理を行う。この特別図柄の変動パターン決定処理では、遊技状態等に応じて図349及び図350のいずれかの特別図柄の変動パターンテーブルを決定し、決定した特別図柄の変動パターンテーブルを参照し、特別図柄の種別、特別図柄の当り判定処理の結果と、特別図柄の選択図柄、第2特別図柄の開始条件が成立するときの第2特別図柄の保留個数等に基づいて、特別図柄の変動パターンと特別図柄の変動パターンコマンドとを決定する。具体的には、状態フラグを参照して通常遊技状態であるときには、図349に示す特別図柄の変動パターンテーブルT1を決定し、決定した特別図柄の変動パターンテーブルT1を参照し、特別図柄の種別と特別図柄の当り判定処理の結果(当落)と特別図柄の選択図柄と第2特別図柄の開始条件が成立するときの第2特別図柄の保留個数とリーチ判定用乱数値と演出選択用乱数値とに基づいて、特別図柄の変動パターンと特別図柄の変動パターンコマンドとを決定する。また、状態フラグを参照して時短遊技状態であるときには、図350に示す特別図柄の変動パターンテーブルJ1を決定し、決定した特別図柄の変動パターンテーブルJ1を参照し、特別図柄の種別と特別図柄の当り判定処理の結果(当落)と特別図柄の選択図柄と第2特別図柄の開始条件が成立するときの第2特別図柄の保留個数とに基づいて、特別図柄の変動パターンと特別図柄の変動パターンコマンドとを決定する。メインCPU201は、S9025の処理を実行した後、処理をS9026に移す。
S9026において、メインCPU201は、特別図柄の変動表示時間を設定する特別図柄の変動表示時間設定処理を行う。この特別図柄の変動表示時間設定処理では、上記S9025の特別図柄の変動パターン決定処理で決定された特別図柄の変動パターンテーブルを参照し、決定された特別図柄の変動パターンに基づいて特別図柄の変動表示時間を決定する。その後、メインCPU201は、決定した特別図柄の変動表示時間をメインRAM203内の特別図柄の待ち時間にセットし、第1特別図柄表示部163または第2特別図柄表示部164に特別図柄の変動表示を開始させる。メインCPU201は、S9026の処理を実行した後、処理をS9027に移す。
S9027において、メインCPU201は、特別図柄の制御状態番号に「1」をセットする処理を行う。このように、特別図柄の制御状態番号を「1」にセットする処理を行うことにより、この特別図柄可変表示開始処理の終了後に、特別図柄可変表示終了処理(図357参照)が行われることとなる。メインCPU201は、S9027の処理を実行した後、処理をS9028に移す。
S9028において、メインCPU201は、遊技状態指定パラメータ設定処理を行う。この処理では、例えば、メインRAM203内の所定領域に格納されている遊技状態にかかわるパラメータの確認・更新処理等が行われる。そして、現在の遊技状態を示す遊技状態指定コマンドの送信予約処理を行う。なお、この処理で送信予約された遊技状態指定コマンドは、次回のシステムタイマ割込処理中の演出制御コマンド送信処理(図371)において、サブ制御回路300に送信される。メインCPU201は、S9028の処理を実行した後、処理をS9029に移す。
S9029において、メインCPU201は、特別図柄演出開始コマンドの送信予約処理を行う。この処理では、特別図柄演出開始コマンドとして、「図柄指定コマンド」及び「特別図柄の変動パターンコマンド」の送信予約処理を行う。図柄指定コマンドの送信予約処理としては、S9023で決定された図柄指定コマンドの送信予約処理を行う。また、特別図柄の変動パターンコマンドの送信予約処理としては、特別図柄の種別がわかるように、S9025で決定された特別図柄の変動パターンに対応する特別図柄の変動パターンコマンドの送信予約処理を行う。なお、この処理で送信予約された特別図柄演出開始コマンドは、次回のシステムタイマ割込処理中の演出制御コマンド送信処理(図371参照)において、サブ制御回路300に送信される。
なお、メインCPU201は、割込み禁止区間を設定し、上述の特別図柄可変表示開始処理を割込み禁止区間内で行うことが好ましい。
[11-4-4.特別図柄可変表示終了処理]
次に、図359を参照して、特別図柄管理処理(図357参照)中でメインCPU201により実行される特別図柄可変表示終了処理について説明する。図359は、第9のパチンコ遊技機における特別図柄可変表示終了処理の一例を示すフローチャートである。
S9041において、メインCPU201は、特別図柄の制御状態番号が「1」であるか否かを判定する。メインCPU201は、特別図柄の制御状態番号が「1」でないと判定した場合には、特別図柄可変表示開始処理を終了して処理を特別図柄管理処理(図357参照)に戻し、特別図柄の制御状態番号が「1」であると判定した場合には処理をS9042に移す。
S9042において、メインCPU201は、特別図柄の図柄確定時間を設定する特別図柄の図柄確定時間設定処理を行う。この特別図柄の図柄確定時間設定処理では、遊技状態や特別図柄の当り判定処理の結果(当落)に基づいて特別図柄の図柄確定時間(例えば、540ms)を決定する。その後、メインCPU201は、決定した特別図柄の図柄確定時間をメインRAM203内の特別図柄の待ち時間にセットし、第1特別図柄表示部163または第2特別図柄表示部164に特別図柄の停止表示をさせる。メインCPU201は、S9042の処理を実行した後、処理をS9043に移す。
なお、特別図柄の図柄確定時間は、特別図柄の変動パターンに基づいて決定してもよいし、遊技状態のみに基づいて決定してもよい。さらには、予め定められた1つの図柄確定時間(例えば、540ms)を決定してもよい。
S9043において、メインCPU201は、B時短遊技状態移行判定処理を行う。第9のパチンコ遊技機では、特別図柄の変動表示を終了したときに、B時短遊技状態に移行する特別図柄の可変表示回数を計数するための「天井カウンタ」を更新し、天井カウンタが天井値に到達すると、B時短遊技状態への移行制御を行うことになる。このB時短遊技状態移行判定処理の詳細については、図360を参照して後述する。メインCPU201は、S9043の処理を実行した後、処理をS9044に移す。
S9044において、メインCPU201は、特別図柄の制御状態番号を「2」にセットする。このように、特別図柄の制御状態番号を「2」にセットする処理を行うことにより、この特別図柄可変表示終了処理の終了後に、特別図柄遊技判定処理(図357のS9015参照)が行われることとなる。メインCPU201は、S9044の処理を実行した後、処理をS9045に移す。
S9045において、メインCPU201は、特別図柄演出停止コマンドの送信予約処理を行う。なお、この処理で送信予約された特別図柄演出停止コマンドは、次回のシステムタイマ割込処理中の演出制御コマンド送信処理(図371参照)において、サブ制御回路300に送信される。メインCPU201は、S9045の処理を実行した後、処理をS9046に移す。
S9046において、メインCPU201は、図柄確定数カウンタの値を1加算する。第1~3のパチンコ遊技機の説明において上述したように、図柄確定数カウンタは、特別図柄の確定回数(特別図柄ゲームの実行回数)を計数するためのカウンタであるが、例えば、確変残回数や時短残回数等の特定状態下で行われた特別図柄ゲームのゲーム数を管理してもよい。メインCPU201は、S9046の処理を実行した後、特別図柄可変表示終了処理を終了し、処理を特別図柄管理処理(図357参照)に戻す。
[11-4-5.B時短遊技状態移行判定処理]
次に、図360を参照して、特別図柄可変表示終了処理(図359参照)中でメインCPU201により実行されるB時短遊技状態移行判定処理について説明する。図360は、第9のパチンコ遊技機におけるB時短遊技状態移行判定処理の一例を示すフローチャートである。
S9043-4において、メインCPU201は、天井カウンタを更新する天井カウンタ更新処理を行う。この天井カウンタ更新処理においては、天井カウンタに1を加算して更新する。メインCPU201は、S9043-4の処理を実行した後、処理をS9043-5に移す。
S9043-5において、メインCPU201は、天井カウンタ=天井値(例えば、600回)であるか否かを判定する。メインCPU201は、天井カウンタ=天井値であると判定した場合には、処理をS9043-6に移し、天井カウンタ=天井値でないと判定した場合には、処理をS9043-9に移す。
S9043-6において、メインCPU201は、天井カウンタをクリア(=0をセット)する。メインCPU201は、S9043-6の処理を実行した後、処理をS9043-7に移す。
S9043-7において、メインCPU201は、B時短遊技状態に移行させるためのB時短遊技状態設定処理を行う。このB時短遊技状態設定処理においては、B時短遊技状態を示す状態フラグ=2を設定するとともに、普電作動パターン=02を設定し、「B時短終了条件」として普通図柄の可変表示回数=600回を時短回数カウンタに設定する。なお、B時短遊技状態設定処理において、普電作動パターン=01を設定してもよいし、「B時短終了条件」として普通図柄の可変表示回数=100回、120回、10000回等の任意の回数を設定してもよい。メインCPU201は、S9043-7の処理を実行した後、処理をS9043-8に移す。
S9043-8において、メインCPU201は、B時短遊技状態を開始するときには、時短移行コマンドの送信予約処理を行う。なお、この処理で送信予約された時短移行コマンドは、次回のシステムタイマ割込処理中の演出制御コマンド送信処理(図371)において、サブ制御回路300に送信される。メインCPU201は、S9043-8の処理を実行した後、処理をS9043-9に移す。
S9043-9において、メインCPU201は、遊技状態指定パラメータ設定処理を行う。この処理では、メインRAM203内の所定領域に格納されている遊技状態にかかわるパラメータの確認・更新処理等が行われる。そして、現在の遊技状態を示す遊技状態指定コマンドの送信予約処理を行う。メインCPU201は、S9043-9の処理を実行した後、B時短遊技状態移行判定処理を終了し、処理を特別図柄可変表示終了処理(図359参照)に戻す。
[11-4-6.特別図柄遊技判定処理]
次に、図361を参照して、特別図柄管理処理(図357参照)中でメインCPU201により実行される特別図柄遊技判定処理について説明する。図361は、第9のパチンコ遊技機における特別図柄遊技判定処理の一例を示すフローチャートである。
S9051において、メインCPU201は、特別図柄の制御状態番号が「2」であるか否かを判定する。メインCPU201は、特別図柄の制御状態番号が「2」でないと判定した場合には、特別図柄遊技判定処理を終了して処理を特別図柄管理処理(図357参照)に戻し、特別図柄の制御状態番号が「2」であると判定した場合には処理をS9052に移す。
S9052において、メインCPU201は、特別図柄の選択図柄を参照し、大当りであるか否か、すなわち停止した特別図柄が大当りに対応した特別図柄の選択図柄であるか否かを判定する。メインCPU201は、大当りであると判定した場合には、処理をS9054に移し、大当りでないと判定した場合には、処理をS9061に移す。
S9054において、メインCPU201は、大当りの外部信号処理を行う。この大当りの外部信号処理においては、特別図柄の選択図柄を参照し、大当り遊技状態のときに外部端子板184を介してホールコンピュータ186に出力される外部信号として「特別図柄の選択図柄に応じた大当り信号」生成する。その後、生成した「特別図柄の選択図柄に応じた大当り信号」を外部端子板184に出力する。メインCPU201は、S9054の処理を実行した後、処理をS9055に移す。
S9055において、メインCPU201は、第1ルート大当り開始準備設定処理を行う。この第1ルート大当り開始準備設定処理においては、上記S9024で決定した図346に示す大当り種類決定テーブルを参照し、大当りの「特別図柄の選択図柄」に基づいて最大ラウンド数を決定し、決定した最大ラウンド数をメインRAM203の大当りラウンド数の上限値にセットする。さらに、上記S9024で決定した図346に示す大当り種類決定テーブルを参照し、大当りの「特別図柄の選択図柄」に基づいてOP待ち時間(オープニング時間)を決定し、決定したOP待ち時間(オープニング時間)をメインRAM203内の特別図柄の待ち時間にセットする。メインCPU201は、S9055の処理を実行した後、処理をS9056に移す。
S9056において、メインCPU201は、大当りの状態表示処理を行う。この大当りの状態表示処理では、上述して決定された最大ラウンド数に応じたラウンド表示LEDデータをセットするとともに、遊技者に右打ちを指示することを報知する右打ち指示データをセットする。メインCPU201は、S9056の処理を実行した後、処理をS9057に移す。
S9057において、メインCPU201は、遊技状態管理処理を行う。大当りであると判定されたときの遊技状態管理処理においては、メインCPU201は、状態フラグ、普電作動パターン及び時短回数カウンタをクリアする処理を行う。メインCPU201は、S9057の処理を実行した後、処理をS9058に移す。
S9058において、メインCPU201は、遊技状態指定パラメータ設定処理を行う。この処理では、メインRAM203内の所定領域に格納されている遊技状態にかかわるパラメータの確認・更新処理等を行う。そして、現在の遊技状態を示す遊技状態指定コマンドの送信予約処理を行う。メインCPU201は、S9058の処理を実行した後、処理をS9059に移す。
S9059において、メインCPU201は、特別図柄の制御状態番号を「5」にセットする。なお、特別図柄の制御状態番号を「5」にセットする処理を行うことにより、この特別図柄遊技判定処理の終了後に、大入賞口開放準備処理(図357のS9018参照)が行われることとなる。メインCPU201は、S9059の処理を実行した後、処理をS9059に移す。
S9060において、メインCPU201は、大当り開始表示コマンドの送信予約処理を行う。メインCPU201は、S9060の処理を実行した後、今回の特別図柄遊技判定処理を終了し、処理を特別図柄管理処理(図357参照)に戻す。
S9061において、メインCPU201は、特別図柄の選択図柄を参照し、特別図柄の選択図柄を参照し、小当りであるか否か、すなわち停止した特別図柄が小当りに対応した特別図柄の選択図柄であるか否かを判定する。メインCPU201は、小当りであると判定した場合には、処理をS9063に移し、小当りでない(すなわちハズレ)と判定した場合には、処理をS9071に移す。
S9063において、メインCPU201は、小当りの外部信号処理を行う。この小当りの外部信号処理においては、特別図柄の選択図柄を参照し、小当り遊技状態のときに外部端子板184を介してホールコンピュータ186に出力される外部信号として「特別図柄の選択図柄に応じた小当り信号」生成する。その後、生成した小当り信号を外部端子板184に出力する。メインCPU201は、S9063の処理を実行した後、処理をS9064に移す。
S9064において、メインCPU201は、小当り開始準備設定処理を行う。この小当り開始準備設定処理においては、上記S9024で決定した図347に示す小当り種類決定テーブルを参照し、「特別図柄の選択図柄」に基づいて最大開放回数を決定し、決定した最大開放回数をメインRAM203の小当り開放回数の上限値にセットする。次に、上記S9024で決定した図347に示す小当り種類決定テーブルを参照し、「特別図柄の選択図柄」に基づいてOP待ち時間(オープニング時間)を決定し、決定したOP待ち時間(オープニング時間)をメインRAM203内の特別図柄の待ち時間にセットする。
さらに、小当り開始準備設定処理においては、上記S9024で決定した図347に示す小当り種類決定テーブルを参照し、「特別図柄の選択図柄」に基づいて、V入賞口9156の開放パターンとして開放待ち時間を決定し、決定した開放待ち時間をメインRAM203内のV入賞口閉鎖タイマカウンタにセットするとともに、V作動フラグをオンにする。なお、V入賞口9156を開閉させるVシャッタ用ソレノイド9160に関するV入賞制御処理は、後述するシステムタイマ割込処理(図371参照)において行われる。メインCPU201は、S9064の処理を実行した後、処理をS9066に移す。
S9065において、メインCPU201は、小当りの状態表示処理を行う。この小当りの状態表示処理では、遊技者に右打ちを指示することを報知する右打ち指示データをセットする。メインCPU201は、S9065の処理を実行した後、処理をS9067に移す。
S9067において、メインCPU201は、遊技状態指定パラメータ設定処理を行う。この処理では、メインRAM203内の所定領域に格納されている遊技状態にかかわるパラメータの確認・更新処理等を行う。そして、現在の遊技状態を示す遊技状態指定コマンドの送信予約処理を行う。メインCPU201は、S9067の処理を実行した後、処理をS9068に移す。
S9068において、メインCPU201は、特別図柄の制御状態番号を「3」にセットする。なお、特別図柄の制御状態番号を「3」にセットする処理を行うことにより、この特別図柄遊技判定処理の終了後に、小当り遊技閉鎖中処理(図357のS9016参照)が行われることとなる。メインCPU201は、S9068の処理を実行した後、処理をS9069に移す。
S9069において、メインCPU201は、小当り開始表示コマンドの送信予約処理の処理を行う。メインCPU201は、S9069の処理を実行した後、今回の特別図柄遊技判定処理を終了し、処理を特別図柄管理処理(図357参照)に戻す。
S9071において、メインCPU201は、特別図柄遊技終了処理を行う。この特別図柄遊技終了処理については、図362を参照して後述する。なお、メインCPU201は、特別図柄遊技終了処理を行うと、特別図柄遊技判定処理を終了し、処理を特別図柄管理処理(図357参照)に戻す。
なお、メインCPU201は、割込み禁止区間を設定し、上述の特別図柄遊技判定処理(S9051~S9071)を、割込み禁止区間内で行うことが好ましい。
[11-4-7.特別図柄遊技終了処理]
次に、図362を参照して、特別図柄遊技判定処理(図361参照)中でメインCPU201により実行される特別図柄遊技終了処理について説明する。図362は、第9のパチンコ遊技機における特別図柄遊技終了処理の一例を示すフローチャートである。
S9072において、メインCPU201は、特別図柄の制御状態番号に「0」をセットする。このように、特別図柄の制御状態番号を「0」にセットする処理を行うことにより今回の特別図柄遊技が終了し、特別図柄可変表示開始処理すなわち次回の特別図柄遊技を実行することが可能となる。メインCPU201は、S9072の処理を実行した後、処理をS9073に移す。
S9073において、メインCPU201は、遊技状態指定パラメータ設定処理を行う。この処理では、メインRAM203内の所定領域に格納されている遊技状態にかかわるパラメータの確認・更新処理等を行う。そして、現在の遊技状態を示す遊技状態指定コマンドの送信予約処理を行う。また、特別図柄遊技終了処理における遊技状態指定パラメータ設定処理においては、メインRAM203内の特別図柄判定記憶領域(0)に記憶された始動情報をクリアする。メインCPU201は、S9073の処理を実行した後、処理をS9074に移す。
S9074において、メインCPU201は、特別図柄遊技終了コマンドの送信予約処理を行う。なお、この処理で送信予約された特別図柄遊技終了コマンドは、次回のシステムタイマ割込処理中の演出制御コマンド送信処理(図371)において、サブ制御回路300に送信される。そして、S9074の処理後、メインCPU201は、特別図柄遊技終了処理を終了し、処理を特別図柄遊技判定処理(図361参照)に戻す。
[11-4-8.小当り遊技閉鎖中処理]
次に、図363を参照して、特別図柄管理処理(図357参照)中でメインCPU201により実行される小当り遊技閉鎖中処理について説明する。図363は、第9のパチンコ遊技機における小当り遊技閉鎖中処理の一例を示すフローチャートである。
S9081において、メインCPU201は、特別図柄の制御状態番号が「3」であるか否かを判定する。メインCPU201は、特別図柄の制御状態番号が「3」でないと判定した場合には、小当り遊技閉鎖中処理を終了して処理を特別図柄管理処理(図357参照)に戻し、特別図柄の制御状態番号が「3」であると判定した場合には処理をS9082に移す。
S9082において、メインCPU201は、「小当り開放回数カウンタ値」をロードする。「小当り開放回数カウンタ」は、小当り開放回数を計数するカウンタである。なお、小当り開放回数カウンタの計数値(小当り開放回数カウンタ値)は、メインRAM203内の所定領域に格納される。メインCPU201は、S9082の処理を実行した後、処理をS9083に移す。
S9083において、メインCPU201は、ロードした小当り開放回数カウンタ値が小当り開放回数の上限値であるか否かを判定する。メインCPU201は、小当り開放回数の上限値であると判定した場合には、処理をS9089に移し、小当り開放回数の上限値でないと判定した場合には、処理をS9084に移す。
S9084において、メインCPU201は、小当り遊技状態において第2大入賞口9151に入球した遊技球の個数(第2大入賞口9151の入賞数)が最大入賞個数でないかを判定する。この処理では、第2大入賞口カウントスイッチ9152により計数された第2大入賞口カウンタの値が、予め規定された第2大入賞口9151の最大入賞個数の値(例えば10個)であるか否かが判定される。メインCPU201は、第2大入賞口9151の入賞数が最大入賞個数でないと判定された場合には、処理をS9085に移し、第2大入賞口9151の入賞数が最大入賞個数であると判定された場合には、処理をS9089に移す。
S9085において、メインCPU201は、小当り開放回数カウンタ値に1を加算する処理を行う。メインCPU201は、S9085の処理を実行した後、処理をS9086に移す。
S9086において、メインCPU201は、第2大入賞口9151を開放させる第2大入賞口の開放設定処理を行う。この第2大入賞口の開放設定処理においては、上記S9024で決定した図347に示す小当り種類決定テーブルを参照し、小当りの「特別図柄の選択図柄」、現在の開放回数(小当り開放回数カウンタ値)に基づいて、今回の第2大入賞口9151の最大開放時間を決定し、決定した最大開放時間をメインRAM203内の特別図柄の待ち時間にセットする。そして、第2特電用ソレノイド9155に対して、第2大入賞口9151を開放させるための第2大入賞口開放制御データを生成する。これにより、第2大入賞口9151が開放することになる。メインCPU201は、S9086の処理を実行した後、処理をS9087に移す。
S9087において、メインCPU201は、特別図柄の制御状態番号を「4」にセットする。このように、特別図柄の制御状態番号を「4」にセットする処理を行うことにより、この小当り遊技閉鎖中処理の終了後に、小当り遊技開放中処理(図364参照)が行われることとなる。メインCPU201は、S9087の処理を実行した後、処理をS9088に移す。
S9088において、メインCPU201は、遊技状態指定パラメータ設定処理を行う。メインCPU201は、遊技状態指定パラメータ設定処理を行う。この処理では、メインRAM203内の所定領域に格納されている遊技状態にかかわるパラメータの確認・更新処理等を行う。そして、現在の遊技状態を示す遊技状態指定コマンドの送信予約処理を行う。メインCPU201は、S9088の処理を実行した後、小当り遊技閉鎖中処理を終了し、処理を特別図柄管理処理(図357参照)に戻す。
S9089において、メインCPU201は、V入賞検出があるか否かを判定する。この処理では、規定時間内にV入賞口9156への遊技球の通過があったか否か(すなわち、V入賞口スイッチ9157による検出があったか否か)を判定する。メインCPU201は、V入賞検出があったと判定した場合には、処理をS9090に移し、V入賞検出がなかったと判定した場合には、処理をS9098に移す。
S9090において、メインCPU201は、第2のルートからの大当りの外部信号処理を行う。この処理では、特別図柄の選択図柄を参照し、大当りのときに外部端子板184を介してホールコンピュータ186に出力される外部信号として「特別図柄の選択図柄に応じた大当り信号」を生成する。その後、生成した「特別図柄の選択図柄に応じた大当り信号」を外部端子板184に出力する。メインCPU201は、S9090の処理を実行した後、処理をS9101に移す。
S9091において、メインCPU201は、第2ルート大当り開始準備設定処理を行う。この第2ルート大当り開始準備設定処理においては、図346に示す大当り種類決定テーブルを参照し、大当りの「特別図柄の選択図柄」に基づいて最大ラウンド数を決定し、決定した最大ラウンド数をメインRAM203の大当りラウンド数の上限値にセットする。さらに、図346に示す大当り種類決定テーブルを参照し、大当りの「特別図柄の選択図柄」に基づいてOP待ち時間(オープニング時間)を決定し、決定したOP待ち時間(オープニング時間)をメインRAM203内の特別図柄の待ち時間にセットする。メインCPU201は、S9101の処理を実行した後、処理をS9092に移す。
S9092において、メインCPU201は、ラウンドカウンタ値に1を加算する処理を行う。この処理を行うことにより、第2のルートからの大当り遊技状態は、2ラウンド目のラウンド遊技から開始されることとなる。メインCPU201は、S9092の処理を実行した後、処理をS9093に移す。
S9093において、メインCPU201は、大当りの状態表示処理を行う。この大当りの状態表示処理では、上述して決定された最大ラウンド数に応じたラウンド表示LEDデータをセットするとともに、遊技者に右打ちを指示することを報知する右打ち指示データをセットする。メインCPU201は、S9093の処理を実行した後、処理をS9094に移す。
S9094において、メインCPU201は、遊技状態管理処理を行う。大当りであると判定されたときの遊技状態管理処理においては、メインCPU201は、状態フラグ、普電作動パターン及び時短回数カウンタをクリアする処理を行う。メインCPU201は、S9094の処理を実行した後、処理をS9095に移す。
S9095において、メインCPU201は、遊技状態指定パラメータ設定処理を行う。この処理では、メインRAM203内の所定領域に格納されている遊技状態にかかわるパラメータの確認・更新処理等を行う。そして、現在の遊技状態を示す遊技状態指定コマンドの送信予約処理を行う。メインCPU201は、S9095の処理を実行した後、処理をS9096に移す。
S9096において、メインCPU201は、特別図柄の制御状態番号を「5」にセットする。なお、特別図柄の制御状態番号を「5」にセットする処理を行うことにより、この小当り遊技閉鎖中処理の終了後に、大入賞口開放準備処理(図357)が行われることとなる。メインCPU201は、S9096の処理を実行した後、処理をS9097に移す。
S9097において、メインCPU201は、V当り開始表示コマンドの送信予約処理を行う。メインCPU201は、S9097の処理を実行した後、小当り遊技開放中処理を終了し、処理を特別図柄管理処理(図357参照)に戻す。
S9098において、メインCPU201は、小当り終了準備設定処理を行う。この小当り終了準備設定処理においては、上記S9024で決定した図347に示す小当り種類決定テーブルを参照し、小当りの「特別図柄の選択図柄」に基づいてED待ち時間(エンディング時間)を決定し、決定したED待ち時間(エンディング時間)をメインRAM203内の特別図柄の待ち時間にセットする。メインCPU201は、S9098の処理を実行した後、処理をS9099に移す。
S9099において、メインCPU201は、小当り終了表示コマンドの送信予約処理を行う。メインCPU201は、S9099の処理を実行した後、処理をS9100に移す。
S9100において、メインCPU201は、特別図柄遊技終了処理を行う。この処理では、図362を参照して説明した特別図柄遊技終了処理が行われる。メインCPU201は、S9100の処理を実行した後、小当り遊技閉鎖中処理を終了し、処理を特別図柄管理処理(図357参照)に戻す。
[11-4-9.小当り遊技開放中処理]
次に、図364を参照して、特別図柄管理処理(図357参照)中でメインCPU201により実行される小当り遊技開放中処理について説明する。図364は、第9のパチンコ遊技機における小当り遊技開放中処理の一例を示すフローチャートである。
S9101において、メインCPU201は、特別図柄の制御状態番号が「4」であるか否かを判定する。メインCPU201は、特別図柄の制御状態番号が「4」でないと判定した場合には、小当り遊技開放中処理を終了して処理を特別図柄管理処理(図357参照)に戻し、特別図柄の制御状態番号が「4」であると判定した場合には処理をS9102に移す。
S9102において、メインCPU201は、第2大入賞口9151の最大開放時間が経過したか否かを判定する。この処理では、第2大入賞口の開放設定処理(図363のS9086参照)においてセットされた最大開放時間が経過しているか否かが判定される。メインCPU201は、第2大入賞口9151の最大開放時間が経過していないと判定した場合には、小当り遊技開放中処理を終了し処理を特別図柄管理処理(図357参照)に戻す。また、メインCPU201は、第2大入賞口9151の最大開放時間が経過していると判定した場合には、処理をS9103に移す。
S9103において、メインCPU201は、第2大入賞口9151を閉鎖させる第2大入賞口の閉鎖設定処理を行う。この第2大入賞口の閉鎖設定処理においては、上記S9024で決定した図347に示す小当り種類決定テーブルを参照し、小当りの「特別図柄の選択図柄」、現在の開放回数(小当り開放回数カウンタ値)に基づいて、今回の第2大入賞口9151の閉鎖時間を決定し、決定した閉鎖時間をメインRAM203内の特別図柄の待ち時間にセットする。そして、第2特電用ソレノイド9155に対して、第2大入賞口9151を閉鎖させるための第2大入賞口閉鎖制御データを生成する。これにより、第2大入賞口9151が閉鎖することになる。メインCPU201は、S9103の処理を実行した後、処理をS9104に移す。
S9104において、メインCPU201は、特別図柄の制御状態番号を「3」にセットする。このように、特別図柄の制御状態番号を「3」にセットする処理を行うことにより、この小当り遊技開放中処理の終了後に、小当り遊技閉鎖中処理(図363参照)が行われることとなる。メインCPU201は、S9104の処理を実行した後、小当り遊技開放中処理を終了して処理を特別図柄管理処理(図357参照)に戻す。
[11-4-10.大入賞口開放準備処理]
次に、図365を参照して、特別図柄管理処理(図357参照)中でメインCPU201により実行される大入賞口開放準備処理について説明する。図365は、第9のパチンコ遊技機における大入賞口開放準備処理の一例を示すフローチャートである。
S9111において、メインCPU201は、特別図柄の制御状態番号が「5」であるか否かを判定する。メインCPU201は、特別図柄の制御状態番号が「5」でないと判定した場合には、大入賞口開放準備処理を終了して処理を特別図柄管理処理(図357参照)に戻し、特別図柄の制御状態番号が「5」であると判定した場合には処理をS9112に移す。
S9112において、メインCPU201は、「ラウンドカウンタ値」をロードする。「ラウンドカウンタ」は、大当り遊技状態において実行されるラウンド遊技の実行回数を計数するカウンタである。なお、ラウンドカウンタの計数値(ラウンドカウンタ値)は、メインRAM203内の所定領域に格納される。メインCPU201は、S9112の処理を実行した後、処理をS9113に移す。
S9113において、メインCPU201は、ロードしたラウンドカウンタ値が大当りラウンド数の上限値であるか否かを判定する。メインCPU201は、大当りラウンド数が上限値であると判定した場合には、処理をS9114に移し、大当りラウンド数が上限値でないと判定した場合には、処理をS9118に移す。
S9114において、メインCPU201は、大当り終了準備設定処理を行う。この大当り終了準備設定処理においては、上記S9024またはS9101で決定した図346に示す大当り種類決定テーブルを参照し、大当りの「特別図柄の選択図柄」に基づいてED待ち時間(エンディング時間)を決定し、決定したED待ち時間(エンディング時間)をメインRAM203内の特別図柄の待ち時間にセットする。メインCPU201は、S9114の処理を実行した後、処理をS9115に移す。
S9115において、メインCPU201は、特別図柄の制御状態番号を「7」にセットする。このように、特別図柄の制御状態番号を「7」にセットする処理を行うことにより、この大入賞口開放準備処理の終了後に、大当り遊技状態終了処理(図357)が行われることとなる。メインCPU201は、S9115の処理を実行した後、処理をS9116に移す。
S9116において、メインCPU201は、遊技状態指定パラメータ設定処理を行う。この処理では、メインRAM203内の所定領域に格納されている遊技状態にかかわるパラメータの確認・更新処理等を行う。そして、現在の遊技状態を示す遊技状態指定コマンドの送信予約処理を行う。メインCPU201は、S9116の処理を実行した後、処理をS9117に移す。
S9117において、メインCPU201は、大当り終了表示コマンドの送信予約処理を行う。なお、この処理で送信予約された大当り終了表示コマンドは、次回のシステムタイマ割込処理中の演出制御コマンド送信処理(図371)において、サブ制御回路300に送信される。そして、S9117の処理後、メインCPU201は、大入賞口開放準備処理を終了し、処理を特別図柄管理処理(図357参照)に戻す。
S9118において、メインCPU201は、ラウンドカウンタ値に1を加算する処理を行う。メインCPU201は、S9118の処理を実行した後、処理をS9119に移す。
S9119において、メインCPU201は、第1大入賞口9131を開放させる第1大入賞口の開放設定処理を行う。この第1大入賞口の開放設定処理においては、図346に示す大当り種類決定テーブルを参照し、大当りの「特別図柄の選択図柄」、現在のラウンド数(ラウンドカウンタ値)に基づいて、今回のラウンドにおける第1大入賞口9131の最大開放時間を決定し、決定した最大開放時間をメインRAM203内の特別図柄の待ち時間にセットする。そして、第1特電用ソレノイド9135に対して、第1大入賞口9131を開放させるための第1大入賞口開放制御データを生成する。これにより、第1大入賞口9131が開放することになる。メインCPU201は、S9119の処理を実行した後、処理をS9120に移す。
S9120において、メインCPU201は、特別図柄の制御状態番号を「6」にセットする。このように、特別図柄の制御状態番号を「6」にセットする処理を行うことにより、この大入賞口開放準備処理の終了後に、大入賞口開放制御処理(図357参照)が行われることとなる。メインCPU201は、S9120の処理を実行した後、処理をS9121に移す。
S9121において、メインCPU201は、遊技状態指定パラメータ設定処理を行う。この処理では、メインRAM203内の所定領域に格納されている遊技状態にかかわるパラメータの確認・更新処理等を行う。そして、現在の遊技状態を示す遊技状態指定コマンドの送信予約処理を行う。メインCPU201は、S9121の処理を実行した後、処理をS9122に移す。
S9122において、メインCPU201は、大入賞口開放中表示コマンドの送信予約処理を行う。この処理で送信予約された大入賞口開放中表示コマンドは、次回のシステムタイマ割込処理中の演出制御コマンド送信処理(図371参照)において、サブ制御回路300に送信される。メインCPU201は、S9122の処理を実行した後、大入賞口開放準備処理を終了し、処理を特別図柄管理処理(図357参照)に戻す。
[11-4-11.大入賞口開放制御処理]
次に、図366を参照して、特別図柄管理処理(図357参照)中でメインCPU201により実行される大入賞口開放制御処理について説明する。図366は、第9のパチンコ遊技機における大入賞口開放制御処理の一例を示すフローチャートである。
S9131において、メインCPU201は、特別図柄の制御状態番号が「6」であるか否かを判定する。メインCPU201は、特別図柄の制御状態番号が「6」でないと判定した場合には、大入賞口開放制御処理を終了して処理を特別図柄管理処理(図357参照)に戻し、特別図柄の制御状態番号が「6」であると判定した場合には処理をS9132に移す。
S9132において、メインCPU201は、第1大入賞口9131が開放されたときに、1つのラウンドにおける第1大入賞口9131に入球した遊技球の入賞数が最大入賞個数であるか否かを判定する。この処理では、第1大入賞口カウントスイッチ9132により計数された第1大入賞口カウンタの値が、予め規定された第1大入賞口9131の最大入賞個数の値(例えば10個)であるか否かが判定される。
メインCPU201は、S9132において第1大入賞口9131の入賞数が最大入賞個数でないと判定した場合には、処理をS9133に移し、S9132において第1大入賞口9131の入賞数が最大入賞個数であると判定した場合には、処理をS9134に移す。
S9133において、メインCPU201は、1つのラウンドにおける第1大入賞口9131の最大開放時間が経過したか否かを判定する。この処理では、第1大入賞口の開放設定処理(図365のS9119参照)においてセットされた最大開放時間が経過しているか否かが判定される。
メインCPU201は、S9133において第1大入賞口9131の最大開放時間が経過していないと判定した場合には、大入賞口開放制御処理を終了し処理を特別図柄管理処理(図357参照)に戻す。また、メインCPU201は、S9133において第1大入賞口9131の最大開放時間が経過していると判定した場合には、処理をS9134に移す。
S9134において、メインCPU201は、第1大入賞口9131を閉鎖させる第1大入賞口の閉鎖設定処理を行う。この第1大入賞口の閉鎖設定処理においては、図346に示す大当り種類決定テーブルを参照し、大当りの「特別図柄の選択図柄」、現在のラウンド数(ラウンドカウンタ値)に基づいて、今回のラウンドにおける第1大入賞口9131の閉鎖時間を決定し、決定した閉鎖時間をメインRAM203内の特別図柄の待ち時間にセットする。そして、第1特電用ソレノイド9135に対して、第1大入賞口9131を閉鎖させるための第1大入賞口閉鎖制御データを生成する。これにより、第1大入賞口9131が閉鎖することになる。メインCPU201は、S9134の処理を実行した後、処理をS9135に移す。
S9135において、メインCPU201は、特別図柄の制御状態番号を「5」にセットする処理を行う。このように、特別図柄の制御状態番号を「5」にセットする処理を行うことにより、この大入賞口開放制御処理の終了後に、再び、大入賞口開放準備処理(図365参照)が行われることとなる。メインCPU201は、S9135の処理を実行した後、処理をS9136に移す。
S9136において、メインCPU201は、遊技状態指定パラメータ設定処理を行う。この処理では、メインRAM203内の所定領域に格納されている遊技状態にかかわるパラメータの確認・更新処理等を行う。そして、現在の遊技状態を示す遊技状態指定コマンドの送信予約処理を行う。メインCPU201は、S9136の処理を実行した後、処理をS9137に移す。
S9137において、メインCPU201は、ラウンド間表示コマンドの送信予約処理を行う。この処理で送信予約されたラウンド間表示コマンドは、次回のシステムタイマ割込処理中の演出制御コマンド送信処理(図371参照)において、サブ制御回路300に送信される。そして、S9137の処理後、メインCPU201は、大入賞口開制御処理を終了し、処理を特別図柄管理処理(図357参照)に戻す。
[11-4-12.大当り遊技状態終了処理]
次に、図367を参照して、特別図柄管理処理(図357参照)中でメインCPU201により実行される大当り遊技状態終了処理について説明する。図367は、第9のパチンコ遊技機における大当り遊技状態終了処理の一例を示すフローチャートである。
S9141において、メインCPU201は、特別図柄の制御状態番号が「7」であるか否かを判定する。メインCPU201は、特別図柄の制御状態番号が「7」でないと判定した場合には、大当り遊技状態終了処理を終了して処理を特別図柄管理処理(図357参照)に戻し、特別図柄の制御状態番号が「7」であると判定した場合には処理をS9142に移す。
S9142において、メインCPU201は、大当り遊技情報初期化処理を行う。この大当り遊技情報初期化処理では、大当り遊技状態で用いた各種フラグ・データや、各種カウンタ(例えば、ラウンドカウンタ、大入賞口入賞カウンタ等)の値をセットまたはリセットする処理が行われる。メインCPU201は、S9142の処理を実行した後、処理をS9143に移す。
S9143において、メインCPU201は、大当り遊技状態終了後の遊技状態を設定する大当り終了後状態設定処理を行う。この大当り終了後状態設定処理では、図348に示す遊技状態関連設定テーブルを参照し、当選時の遊技状態及び特別図柄の選択図柄に基づいて、遊技状態(状態フラグ、普電作動パターン及び時短回数としての普通図柄の可変表示回数)の設定を行う。メインCPU201は、S9143の処理を実行した後、処理をS9144に移す。
本実施形態においては、特別図柄の選択図柄が「z1」である場合には、A時短遊技状態を示す状態フラグ=1を設定するとともに、普電作動パターン=02を設定し、普通図柄の可変表示回数=120回を時短回数カウンタに設定する。また、特別図柄の選択図柄が「z2」または「z3」である場合には、A時短遊技状態を示す状態フラグ=1を設定するとともに、普電作動パターン=01を設定し、普通図柄の可変表示回数=100回を時短回数カウンタに設定する。また、特別図柄の選択図柄が「z4」、「z6」または「z7」である場合には、A時短遊技状態を示す状態フラグ=1を設定するとともに、普電作動パターン=02を設定し、普通図柄の可変表示回数=120回を時短回数カウンタに設定する。また、特別図柄の選択図柄が「z5」である場合には、A時短遊技状態を示す状態フラグ=1を設定するとともに、普電作動パターン=02を設定し、普通図柄の可変表示回数=10000回を時短回数カウンタに設定する。
S9144において、メインCPU201は、特別図柄遊技終了処理を行う。この処理では、図362を参照して説明した特別図柄遊技終了処理が行われる。メインCPU201は、S9144の処理を実行した後、大当り遊技状態終了処理を終了し、処理を特別図柄管理処理(図218参照)に戻す。
なお、メインCPU201は、割込禁止区間を設定し、上述の大当り遊技状態終了処理を割込禁止区間内で行うことが好ましい。
[11-4-13.普通図柄制御処理]
次に、図368を参照して、主制御メイン処理(図20~図23参照)でメインCPU201により実行される普通図柄制御処理について説明する。なお、図368に示される普通図柄制御処理に先だって、メインCPU201は、特別図柄制御処理と同様に、普通図柄の始動情報が記憶され、普通図柄の判定開始条件が成立しているか否かの判定を行っていることは言うまでもない。
図368は、第9のパチンコ遊技機における普通図柄制御処理の一例を示すフローチャートである。なお、図368に示すフローチャート中の各処理の右方に括弧書きで記載した数値(「0」~「4」)は、普通図柄の制御状態番号である。メインCPU201は、普通図柄の制御状態番号に対応する各処理を実行することにより、普通図柄ゲームを進行させる。
S9200において、メインCPU201は、普通図柄の待ち時間が0であるか否かを判定する。この普通図柄の待ち時間は、普通図柄制御処理の各種処理の待ち時間としてセットされ、例えば2msec周期で行われるシステムタイマ割込処理内において普通図柄タイマカウンタとして減算されていくことになる。メインCPU201は、普通図柄の待ち時間が0でないと判定した場合には、普通図柄制御処理を終了し、処理を主制御メイン処理のS41(図21参照)に戻し、普通図柄の待ち時間が0であると判定した場合には処理をS9201に移す。
S9201において、メインCPU201は、普通図柄の制御状態番号をロードする。メインCPU201は、S9201の処理を実行した後、処理をS9210に移す。なお、メインCPU201は、S9201の処理で読み出された制御状態番号に基づいて、S9210以降の処理を行う。
S9210において、メインCPU201は、普通図柄可変表示開始処理を行う。このS9210の処理は、普通図柄の制御状態番号が「0」である場合に行われる処理である。この普通図柄の可変表示開始処理では、普通図柄の当り判定処理、普通図柄決定処理、第2始動口の開放パターン決定処理、普通図柄の変動パターンの決定処理等が行われるが、詳細については、図369を参照して後述する。なお、普通図柄の制御状態番号が「0」でない場合には、メインCPU201は、処理をS9220に移す。
S9220において、メインCPU201は、普通図柄可変表示終了処理を行う。このS9220の処理は、普通図柄の制御状態番号が「1」である場合に行われる処理である。なお、普通図柄の制御状態番号が「1」でない場合には、メインCPU201は、処理をS9230に移す。
この普通図柄可変表示終了処理において、メインCPU201は、普通図柄の変動表示時間が終了したか否かの判定を行い、普通図柄の変動表示時間が終了したと判定したときには、予め定められた普通図柄の図柄確定時間(例えば、540msec)を、メインRAM203内の普通別図柄の待ち時間にセットし、普通図柄の制御状態番号を「2」にセットする。なお、普通図柄の変動表示時間が終了していない場合には、普通図柄の制御状態番号を「1」に保持し、普通図柄の変動表示時間が終了することを待機することになる。
S9230において、メインCPU201は、普通図柄遊技判定処理を行う。このS9230の処理は、普通図柄の制御状態番号が「2」である場合に行われる処理である。なお、普通図柄の制御状態番号が「2」でない場合には、メインCPU201は、処理をS9240に移す。
この普通図柄遊技判定処理において、メインCPU201は、停止表示された普通図柄の選択図柄(例えば、普通図柄当りまたは普通図柄ハズレ)の判定処理を行う。メインCPU201は、停止表示された普通図柄の選択図柄が普通図柄当りに対応すると判定した場合には、普通図柄の制御状態番号を「3」にセットし、普通図柄の当り判定処理の結果がハズレに対応すると判定した場合には、普通図柄の制御状態番号を「0」にセットする。
S9240において、メインCPU201は、普通電動役物開放処理を行う。このS9240の処理は、普通図柄の制御状態番号が「3」である場合に行われる処理である。なお、普通図柄の制御状態番号が「3」でない場合には、メインCPU201は、処理をS9250に移す。
この普通電動役物開放処理において、メインCPU201は、図354に示す第2始動口の開放パターン決定テーブルを参照し、後述するS9215(図369)の第2始動口の開放パターン決定処理において決定された第2始動口の開放パターンの動作に従って、普電用シャッタ9147を作動して、第2始動口9140を開閉状態にさせる。そして、普電用の規定個数(例えば3個)の遊技球が第2始動口9140に入球するか、決定した第2始動口の開放パターンの動作がすべて終了すると、第2始動口9140を閉鎖状態にさせ、普通図柄の制御状態番号を「4」にセットし、普通電動役物開放処理を終了する。
S9250において、メインCPU201は、普通図柄当り終了処理を行う。このS9250の処理は、普通図柄の制御状態番号が「4」である場合に行われる処理である。この普通図柄当り終了処理では、時短回数の更新や時短回数の終了判定等が行われるが、詳細については、図370を参照して後述する。なお、普通図柄の制御状態番号が「4」でない場合には、メインCPU201は、処理を主制御メイン処理(図20~図23参照)に戻す。
なお、メインCPU201は、割込み禁止区間を設定し、上述の普通図柄制御処理(S9200~S9250)を、割込み禁止区間内で行うことが好ましい。
[11-4-14.普通図柄可変表示開始処理]
次に、図369を参照して、普通図柄制御処理(図368参照)中でメインCPU201により実行される普通図柄可変表示開始処理の詳細について説明する。図369は、第9のパチンコ遊技機における普通図柄可変表示開始処理の一例を示すフローチャートである。
図369に示されるように、メインCPU201は、先ず、普通図柄の制御状態番号が「0」であるか否かを判定する(S9211)。
S9211において普通図柄の制御状態番号が「0」でないと判定された場合、メインCPU201は、普通図柄可変表示開始処理を終了し、処理を普通図柄制御処理(図368参照)に戻す。一方、普通図柄の制御状態番号が「0」であると判定された場合、メインCPU201は、処理をS9212に移す。
S9212において、メインCPU201は、普通図柄の始動情報のシフト処理を行う。この処理では、メインRAM203の普通図柄始動記憶領域(1)に記憶された始動情報を普通図柄判定領域(0)にシフトし、普通図柄始動記憶領域(2)~普通図柄始動記憶領域(4)に記憶された始動情報を普通図柄始動記憶領域(1)~普通図柄始動記憶領域(3)にシフトする。メインCPU201は、S9212の処理を実行した後、処理をS9213に移す。
S9213において、メインCPU201は、普通図柄の当り判定処理を行う。この処理では、メインCPU201は、図352に示す普通図柄の当り判定テーブルを参照し、普通図柄判定領域(0)に記憶された普通図柄当り判定用乱数値に基づいて、普通図柄の当落判定値データ(「普通図柄当り」または「普通図柄ハズレ」)を決定する。メインCPU201は、S9213の処理を実行した後、処理をS9214に移す。
S9214において、メインCPU201は、普通図柄決定処理を行う。この処理では、メインCPU201は、図353に示す普通図柄判定テーブルを参照し、上述の当落判定値データ(普通図柄の当り判定処理の結果)と、普通図柄判定領域(0)に記憶された普通図柄の図柄乱数値とに基づいて、「普通図柄の選択図柄」を決定する。メインCPU201は、S9214の処理を実行した後、処理をS9215に移す。
S9215において、メインCPU201は、第2始動口の開放パターン決定処理を行う。メインCPU201は、S9215の処理を実行した後、処理をS9216に移す。
第2始動口の開放パターン決定処理においては、メインCPU201は、まずメインRAM203の始動口開放パターン記憶領域(0)に記憶された第2始動口の開放パターンのデータを始動口開放パターン記憶領域(1)にシフトする。なお、始動口開放パターン記憶領域(1)に記憶されていた第2始動口の開放パターンのデータは、第2始動口の開放パターンのデータのシフトにより、上書きされて消去されることになる。これにより、この始動口開放パターン記憶領域(0)に記憶される第2始動口の開放パターンのデータが「今回決定した第2始動口の開放パターン」に対応し、始動口開放パターン記憶領域(1)に記憶された第2始動口の開放パターンのデータが「前回決定した第2始動口の開放パターン」に対応することになる。
また、第2始動口の開放パターン決定処理においては、メインCPU201は、普通図柄当りと判定された場合には、第2始動口の開放パターンのデータがシフトされた後に、図354に示す第2始動口の開放パターン決定テーブルを参照し、遊技状態(普電作動パターン)と、普通図柄の選択図柄とに基づいて、第2始動口の開放パターンを決定し、今回決定した第2始動口の開放パターンをメインRAM203の始動口開放パターン記憶領域(0)に記憶する。
S9216において、メインCPU201は、普通図柄の変動パターン決定処理を行う。この処理では、メインCPU201は、図355に示す普通図柄の変動パターンテーブルを参照し、遊技状態と、普通図柄の選択図柄と、始動口開放パターン記憶領域(0)に記憶された今回の第2始動口の開放パターンと、始動口開放パターン記憶領域(1)に記憶された前回の第2始動口の開放パターンと、普通図柄の演出用乱数値と、普通図柄の保留個数とに基づいて、普通図柄の変動パターンを決定する。そして、メインCPU201は、図355に示す普通図柄の変動パターンテーブルを参照し、決定した普通図柄の変動パターンに基づいて、普通図柄の変動表示時間を決定する。メインCPU201は、S9216の処理を実行した後、処理をS9217に移す。
S9217において、メインCPU201は、普通図柄の変動表示時間設定処理を行う。この処理では、普通図柄の変動パターン決定処理(S9216)で決定された普通図柄の変動表示時間を、メインRAM203内の普通図柄の待ち時間にセットし、普通図柄表示部161に普通図柄の変動表示を開始させる。メインCPU201は、S9217の処理を実行した後、処理をS9218に移す。
S9218において、メインCPU201は、普通図柄の制御状態番号に「1」をセットする処理を行う。このように、普通図柄の制御状態番号を「1」にセットする処理を行って制御状態番号を切り替えることにより、この普通図柄可変表示開始処理の終了後に、普通図柄可変表示終了処理(図368のS9220参照)が行われることとなる。メインCPU201は、S9218の処理を実行した後、処理をS9219に移す。
S9219において、メインCPU201は、普通図柄の変動パターンコマンドの送信予約処理を行う。なお、この処理で送信予約された普通図柄の変動パターンコマンドは、次回のシステムタイマ割込処理中の演出制御コマンド送信処理(図371参照)において、サブ制御回路1300に送信される。メインCPU201は、S9219の処理を実行した後、普通図柄可変表示開始処理を終了し、処理を普通図柄制御処理(図368参照)に戻す。
[11-4-15.普通図柄当り終了処理]
次に、図370を参照して、普通図柄制御処理(図368参照)中でメインCPU201により実行される普通図柄当り終了処理の詳細について説明する。図370は、第9のパチンコ遊技機における普通図柄当り終了処理の一例を示すフローチャートである。
S9251において、メインCPU201は、普通図柄の制御状態番号が「4」であるか否かを判定する。メインCPU201は、普通図柄の制御状態番号が「4」でないと判定した場合には、普通図柄当り終了処理を終了して処理を普通図柄制御処理(図368参照)に戻し、普通図柄の制御状態番号が「4」であると判定した場合には処理をS9252に移す。
S9252において、メインCPU201は、時短回数カウンタを更新する時短回数カウンタ更新処理を行う。この時短回数カウンタ更新処理においては、時短遊技状態が設定されている場合(状態フラグ=1または2が設定されている場合)には、メインRAM203の「時短回数カウンタ」から1を減算して更新する。これにより、時短回数として普通図柄の可変表示回数を計数することができる。メインCPU201は、S9252の処理を実行した後、処理をS9253に移す。
S9253において、メインCPU201は、時短回数カウンタ=0であるか否かを判定する。メインCPU201は、時短カウンタ=0であると判定した場合には、処理をS9254に移し、時短カウンタ=0でないと判定した場合には、処理をS9255に移す。
S9254において、メインCPU201は、時短情報をクリアして、時短遊技状態から通常遊技状態に移行させる。ここで、時短情報のクリアとしては、状態フラグ、普電作動パターン及び時短回数カウンタをクリア(=0をセット)する。メインCPU201は、S9254の処理を実行した後、処理をS9255に移す。
S9255において、メインCPU201は、遊技状態指定パラメータ設定処理を行う。この処理では、メインRAM203内の所定領域に格納されている遊技状態にかかわるパラメータの確認・更新処理等を行う。そして、現在の遊技状態を示す遊技状態指定コマンドの送信予約処理を行う。メインCPU201は、S9255の処理を実行した後、処理をS9256に移す。
S9256において、メインCPU201は、普通図柄の制御状態番号を「0」にセットする。このように、普通図柄の制御状態番号を「0」にセットする処理を行うことにより、この普通図柄当り終了処理の終了後に、普通図柄可変表示開始処理(図368のS9210参照)が行われることとなる。メインCPU201は、S9256の処理を実行した後、普通図柄当り終了処理を終了し、処理を普通図柄制御処理(図368参照)に戻す。
なお、本実施形態においては、普通図柄当り終了処理において、上記S9252~S9254に示したような時短回数カウンタ更新処理、時短回数の終了判定を行うように構成したが、普通図柄可変表示終了処理(図368のS9220)において行うように構成してもよい。
[11-4-16.システムタイマ割込処理]
次に、図371を参照して、メインCPU201により、例えば2msecの割込み周期で実行されるシステムタイマ割込処理について説明する。図371は、第9のパチンコ遊技機におけるシステムタイマ割込処理の一例を示すフローチャートである。
S9311において、メインCPU201は、保護レジスタの退避処理を行う。メインCPU201は、S9311の処理を実行した後、処理をS9312に移す。
S9312において、メインCPU201は、XINT検知フラグがオフであるか否かを判定する。メインCPU201は、XINT検知フラグがオフでない(すなわち電断検知時である)と判定した場合には処理をS9344に移し、XINT検知フラグがオフである(すなわち電断非検知時である)と判定した場合には処理をS9313に移す。
S9313において、メインCPU201は割込許可処理を行う。メインCPU201は、S9313の処理を実行した後、処理をS9314に移す。
S9314において、メインCPU201は、I/Oポート205の入力ポートの状態の読込処理を行う。メインCPU201は、S9314の処理を実行した後、処理をS9315に移す。
S9315において、メインCPU201は、遊技許可状態であるか否かを判定する。この処理において、メインCPU201は、遊技許可フラグに基づいて、遊技許可状態であるか否かを判定する。遊技許可フラグは、遊技許可フラグがオン(=1)であるときには、遊技許可状態を示し、遊技許可フラグがオフ(=0)であるときには、遊技不許可状態を示すものである。遊技許可フラグは、第1のパチンコ遊技機で説明したように、電源投入時の起動状態として、電断復帰中及びRAMクリア実行中のときには、遊技許可フラグがオフ(=遊技不許可状態)にセットされ、電断復帰後、RAMクリア実行後には、遊技許可フラグがオン(=遊技許可状態)にセットされるフラグでもある。メインCPU201は、遊技許可状態であると判定した場合には処理をS9317に移し、遊技許可状態でないと判定した場合には処理をS9344に移す。
S9317において、メインCPU201は、割込みカウンタの値を1加算する処理を実行する。割込みカウンタは、主制御メイン処理(図20~図23参照)中の割込禁止区間を計数(管理)するためのカウンタであり、割込みカウンタの計数値は、メインRAM203の作業領域内の割込カウンタ領域に格納される。メインCPU201は、S9317の処理を実行した後、処理をS9318に移す。
S9318において、メインCPU201は、割込み周期タイマの更新処理を行う。割込み周期タイマの更新処理においては、メインRAM203の作業領域内の特別図柄タイマカウンタ、普通図柄タイマカウンタ、V入賞口閉鎖タイマカウンタ、V入賞口開放タイマカウンタ等の各種タイマカウンタを減算していく。メインCPU201は、S9318の処理を実行した後、処理をS9319に移す。
S9319において、メインCPU201は乱数更新処理を行う。この乱数更新処理では、各種乱数カウンタ(例えば、大当り判定用乱数値の大当り判定用乱数カウンタ等)の更新処理が行われる。このように、所定周期(本実施例では2msec)で乱数更新処理を行うことにより、出玉にかかわる重要な要素である各種乱数の信頼性を担保することが可能となる。メインCPU201は、S9319の処理を実行した後、処理をS9320に移す。
S9320において、メインCPU201は、スイッチ入力検出処理を行う。このスイッチ入力検出処理の詳細については、図372を参照して後述する。メインCPU201は、S9320の処理を実行した後、処理をS9330に移す。
S9330おいて、メインCPU201は、V作動フラグがオンである場合には、V入賞口9156を開閉させるV入賞制御処理を行う。このV入賞制御処理においては、V作動フラグがオンであり、開放待ち時間が経過した(V入賞口閉鎖タイマカウンタ=0)場合には、図347に示す小当り種類決定テーブルを参照し、「特別図柄の選択図柄」に基づいて、V入賞口9156の開放パターンとして開放時間を決定し、決定した開放時間をメインRAM203内のV入賞口開放タイマカウンタにセットするとともに、Vシャッタ用ソレノイド9160に対して、V入賞口9156を開放させるためのV入賞口開放制御データを出力する。なお、V入賞口開放制御データは、V入賞口開放タイマカウンタが0でない限り、継続して出力される。そして、V作動フラグがオンであり、V入賞口開放制御データが出力されているときに、開放時間が経過した(V入賞口開放タイマカウンタ=0)場合には、V入賞口開放制御データの出力を停止し、V作動フラグをオフにする。メインCPU201は、S9330の処理を実行した後、処理をS9340に移す。
S9340において、メインCPU201は、演出制御コマンド送信処理を行う。この処理では、送信予約されているコマンドを主制御回路200からサブ制御回路300に送信する。メインCPU201は、S9340の処理を実行した後、処理をS9341に移す。
S9341において、メインCPU201は、レジスタ退避処理を行う。メインCPU201は、S9341の処理を実行した後、処理をS9342に移す。
S9342において、メインCPU201は、性能表示モニタ制御処理を行う。この処理では、遊技判定処理、賞球加算判定処理、性能表示モニタ170の表示内容更新処理等が行われる。この処理で格納されるデータは、遊技の進行に必要なデータが格納される作業領域とは別の領域(領域外)、すなわちバックアップされる領域内であって例えばRAMクリアされた場合であってもデータがクリアされない領域に格納される。メインCPU201は、S9342の処理を実行した後、処理をS9343に移す。
S9343において、メインCPU201は、S9341で退避させたレジスタの復帰処理を行う。メインCPU201は、S9343の処理を実行した後、処理をS9344に移す。
S9344において、メインCPU201は、S9311で退避させた保護レジスタの復帰処理を行い、システムタイマ割込処理を終了する。
[11-4-17.スイッチ入力検出処理]
次に、図372を参照して、システムタイマ割込処理(図371参照)中でメインCPU201により実行されるスイッチ入力検出処理について説明する。図372は、第9のパチンコ遊技機におけるスイッチ入力検出処理の一例を示すフローチャートである。
第9のパチンコ遊技機は、第1のパチンコ遊技機と比して、第1大入賞口カウントスイッチ9132、第2大入賞口カウントスイッチ9152、V入賞口スイッチ9157の構成が付加されていることから、かかる処理が一部追加されている。
S9401において、メインCPU201は、第1始動口入賞検出処理を実行する。メインCPU201は、S9401の処理を実行した後、処理をS9402に移す。
この第1始動口入賞検出処理において、メインCPU201は、第1始動口スイッチ9121により第1始動口9120への遊技球の入球が検出されると、第1始動口9120に応じた払出情報をセットし、特別図柄判定記憶領域(0)、第1特別図柄始動記憶領域(1)~第1特別図柄始動記憶領域(4)のいずれかに空き領域があるか否かを判定する。特別図柄判定記憶領域(0)、第1特別図柄始動記憶領域(1)~第1特別図柄始動記憶領域(4)のいずれかに空き領域があると判定すると、第1特別図柄の始動情報として各種乱数値(例えば、大当り判定用乱数値、図柄乱数値、リーチ判定用乱数値、演出選択用乱数値等)を取得し、取得した各種乱数値をFIFO(First In、First Out)形式で1つの記憶領域に記憶する。そして、第1始動口9120への入賞と第1特別図柄の保留個数とを示す第1特別図柄の入賞コマンドの送信予約処理を行う。この処理で送信予約された第1特別図柄の入賞コマンドは、次回のシステムタイマ割込処理中の演出制御コマンド送信処理(図371参照)において、サブ制御回路300に送信される。一方、第1特別図柄始動記憶領域(1)~第1特別図柄始動記憶領域(4)のいずれにも空き領域がないと判定すると、各種乱数値を取得せずに、第1始動口入賞検出処理を終了することになる。
S9402において、メインCPU201は、第2始動口入賞検出処理を実行する。メインCPU201は、S9402の処理を実行した後、処理をS9403に移す。
この第2始動口入賞検出処理において、メインCPU201は、第2始動口スイッチ9141により第2始動口9140への遊技球の入球が検出されると、第2始動口9140に応じた払出情報をセットし、特別図柄判定記憶領域(0)、第2特別図柄始動記憶領域(1)~第2特別図柄始動記憶領域(2)のいずれかに空き領域があるか否かを判定する。特別図柄判定記憶領域(0)、第2特別図柄始動記憶領域(1)~第2特別図柄始動記憶領域(2)のいずれかに空き領域があると判定すると、第2特別図柄の始動情報として各種乱数値(例えば、大当り判定用乱数値、図柄乱数値、リーチ判定用乱数値、演出選択用乱数値等)を取得し、取得した各種乱数値をFIFO形式で1つの記憶領域に記憶する。そして、第2始動口9140への入賞と第2特別図柄の保留個数とを示す第2特別図柄の入賞コマンドの送信予約処理を行う。この処理で送信予約された第2特別図柄の入賞コマンドは、次回のシステムタイマ割込処理中の演出制御コマンド送信処理(図371参照)において、サブ制御回路300に送信される。一方、第2特別図柄始動記憶領域(1)~第2特別図柄始動記憶領域(4)のいずれにも空き領域がないと判定すると、各種乱数値を取得せずに、第2始動口入賞検出処理を終了することになる。
S9403において、メインCPU201は、一般入賞口通過検出処理を行う。一般入賞口通過検出処理では、例えば一般入賞口122への入賞時に払出個数等を示す払出情報をセットする。メインCPU201は、S9403の処理を実行した後、処理をS9404に移す。
S9404において、メインCPU201は、第1大入賞口通過検出処理を行う。第1大入賞口通過検出処理では、メインCPU201は、第1大入賞口カウントスイッチ9132により第1大入賞口9131への遊技球の入球が検出されると、第1大入賞口9131に応じた払出情報をセットするとともに、第1大入賞口9131への遊技球の入賞数を計数するための第1大入賞口カウンタに1を加算して更新する。そして、第1大入賞口9131への入賞を示す第1大入賞口入賞コマンドの送信予約処理を行う。この処理で送信予約された第1大入賞口入賞コマンドは、次回のシステムタイマ割込処理中の演出制御コマンド送信処理(図371参照)において、サブ制御回路300に送信される。メインCPU201は、S9404の処理を実行した後、処理をS9405に移す。
S9405において、メインCPU201は、第2大入賞口通過検出処理を行う。第2大入賞口通過検出処理では、メインCPU201は、第2大入賞口カウントスイッチ9152により第2大入賞口9151への遊技球の入球が検出されると、第2大入賞口9151に応じた払出情報をセットするとともに、第2大入賞口9151への遊技球の入賞数を計数するための第2大入賞口カウンタに1を加算して更新する。そして、第2大入賞口9151への入賞を示す第2大入賞口入賞コマンドの送信予約処理を行う。この処理で送信予約された第2大入賞口入賞コマンドは、次回のシステムタイマ割込処理中の演出制御コマンド送信処理(図371参照)において、サブ制御回路300に送信される。メインCPU201は、S9405の処理を実行した後、処理をS9406に移す。
S9406において、メインCPU201は、V入賞口通過検出処理を行う。V入賞口通過検出処理では、メインCPU201は、V入賞口スイッチ9157によりV入賞口9156への遊技球の通過が検出されると、V入賞口通過フラグをオンにする。そして、遊技球がV入賞口9156を通過したことを示すV通過コマンドの送信予約処理を行う。この処理で送信予約されたV通過コマンドは、次回のシステムタイマ割込処理中の演出制御コマンド送信処理(図371)において、サブ制御回路300に送信される。なお、V入賞口9156に遊技球が通過したとしても払出情報はセットされない。メインCPU201は、S9406の処理を実行した後、処理をS9407に移す。
S9407において、メインCPU201は、ゲート通過検出処理を行う。メインCPU201は、S9407の処理を実行した後、処理をS9408に移す。
このゲート通過検出処理において、メインCPU201は、普図作動スイッチ9127により普図作動領域9126への遊技球の通過が検出されると、普通図柄始動記憶領域(1)~普通図柄始動記憶領域(4)に空き領域があるか否かを判定する。普通図柄始動記憶領域(1)~普通図柄始動記憶領域(4)に空き領域があると判定すると、普通図柄の始動情報として各種乱数値(例えば、普通図柄当り判定用乱数値、普通図柄の図柄乱数値等)を取得し、取得した各種乱数値をFIFO形式で1つの普通図柄始動記憶領域に記憶する。一方、普通図柄始動記憶領域(1)~普通図柄始動記憶領域(4)のいずれにも空き領域がないと判定すると、各種乱数値を取得せずに、ゲート通過検出処理を終了することになる。
S9408において、メインCPU201は、先読みコマンド生成処理を行う。メインCPU201は、S9408の処理を実行した後は、今回のスイッチ入力検出処理を終了する。
この先読みコマンド生成処理においては、図351の先読み関連データを参照し、遊技状態に基づいて、今回の第1始動口入賞検出処理または第2始動口入賞検出処理で取得した各種乱数値を解析し、先読みコマンドを生成する。なお、図351の先読み関連データに示したように、時短遊技状態、大当り遊技状態、小当り遊技状態においては、第2始動口入賞検出処理で取得した各種乱数値に基づく先読みコマンド(第2特別図柄の先読みコマンド)のみ生成可能となっている。そして、生成した先読みコマンドをサブ制御回路300に送信する先読みコマンドの送信予約処理を行う。この処理で送信予約された先読みコマンドは、次回のシステムタイマ割込処理中の演出制御コマンド送信処理(図371参照)において、サブ制御回路300に送信されることになる。
[11-5.サブ制御回路]
次に、主制御回路200から送信された各種のコマンド等に基づいて制御を行うサブ制御回路300の制御内容について説明する。
[11-5-1.サブ制御回路処理]
次に、図373を参照して、サブ制御回路300のサブCPU301により実行される各種処理の内容について説明する。図373は、第9のパチンコ遊技機におけるサブ制御回路処理の一例を示すフローチャートである。
図373に示すように、サブCPU301は、先ず、初期化処理を行う(S9500)。この初期化処理では、例えば、RAMアクセス許可、作業領域の初期化、ハードウェア初期化、デバイス初期化、アプリケーション初期化、バックアップ復帰初期化等といった初期化処理が行われる。この処理を終了すると、サブCPU301は、処理をS9510に移す。
なお、上述の初期化処理(S9500)は、電源投入時やバックアップクリア時に実行される処理であり、電源投入後は、後述のS9510~S9580の処理が繰り返し実行される。
S9510において、サブCPU301は、データを入力するデータ入力処理を行う。このデータ入力処理では、コマンド入力ポート308の読込処理と、演出ボタン54の入力処理との両方の処理が行われる。
コマンド入力ポート308の読込処理では、コマンド入力ポート308にセットされている主制御回路200から送信されたコマンドを読み出す。
また、演出ボタン54の入力処理では、演出ボタン54によって検出された遊技者の操作に関する操作情報をボタン制御回路310から入力する。また、サブCPU301は、ボタン制御回路310から操作情報を入力すると、入力した操作情報を有効とするか無効として破棄するかを判定するとともに、現在の演出等の状況に応じて、操作情報の入力を許可する受付時間、入力した操作情報を有効とする有効時間、入力した操作情報を無効とする無効期間を設定する。
コマンド入力ポート308の読込処理と、演出ボタン54の入力処理とが終了すると、サブCPU301は、処理をS9520に移す。
S9520において、サブCPU301は、コマンド解析処理を実行する。この処理では、S9510の処理で読み込まれたコマンドの解析が行われる。この処理を終了すると、サブCPU301は、処理をS9530に移す。
このコマンド解析処理においては、サブCPU301は、読み込まれたコマンドが第1特別図柄の入賞コマンドであると、ワークRAM303の「サブ側第1特別図柄保留個数カウンタ」に第1特別図柄の入賞コマンドに応じた保留個数をセットし、第2特別図柄の入賞コマンドであると、ワークRAM303の「サブ側第2特別図柄保留個数カウンタ」に第2特別図柄の入賞コマンドに応じた保留個数をセットする。また、読み込まれたコマンドが遊技状態指定コマンドであると、ワークRAM303の「サブ側遊技状態領域」に遊技状態指定コマンドに応じた遊技状態の情報をセットする。
特に、本実施形態においては、サブCPU301は、読み込まれたコマンドが第2特別図柄の変動パターンコマンドであると、まず、ワークRAM303の「BONUS状態フラグ領域」にBONUSフラグをセット・保持(ON)する。続いて、後述するBONUS状態における小当り遊技状態及び大当り遊技状態の連続回数を計数するため、ワークRAM303の「連続回数カウンタ」に1を加算する。なお、「BONUSフラグ」及び「連続回数カウンタ」は、BONUS状態における最後の大当り遊技状態が終了すると(読み込まれたコマンドが大当り終了表示コマンドであるときに、サブ側第2特別図柄保留個数カウンタ=0であると)、記憶されている情報がクリア(OFFまたは0がセット)される。
また、サブCPU301は、読み込まれたコマンドが第1大入賞口入賞コマンドまたは第2大入賞口入賞コマンドであると、後述する獲得済遊技球数画像において遊技球が計数して表示されるように、ワークRAM303の「獲得済遊技球数カウンタ」に第1大入賞口入賞コマンドまたは第2大入賞口入賞コマンドに応じた払出情報(遊技球の払い出し数)を加算する。なお、「獲得済遊技球数カウンタ」は、サブCPU301により「サブ側遊技状態領域」の遊技状態の情報が通常遊技状態であり、かつ「サブ側第2特別図柄保留個数カウンタ」=0であると判定されるとクリアされる。
S9530において、サブCPU301は、演出態様決定処理を実行する。この処理では、例えば、メインCPU201から送信されたコマンドに基づいて、演出パターンを決定したり、決定した演出パターンに基づいて、各種演出装置を動作させるための各種リクエスト(例えば、描画リクエスト、サウンドリクエスト、ランプリクエスト、および、役物リクエスト、演出ボタン駆動リクエスト等)を生成したりする。この演出態様決定処理の詳細については、図374を参照して後述する。この処理を終了すると、サブCPU301は、処理をS9540に移す。
S9540において、サブCPU301は、描画制御処理を実行する。この処理において、サブCPU301は、描画リクエストを表示制御回路304に送信する。表示制御回路304は、サブCPU301から送信されたメッセージ(描画リクエスト)に基づいて、表示装置7の表示領域に画像を表示させるための描画制御を行う。この処理を終了すると、サブCPU301は、処理をS9550に移す。
S9550において、サブCPU301は、音声制御処理を実行する。この処理において、サブCPU301は、サウンドリクエストを音声制御回路305に送信する。音声制御回路305は、サブCPU301から送信されたメッセージ(サウンドリクエスト)に基づいて、スピーカ32に音声を出力させるための音声制御を行う。この処理を終了すると、サブCPU301は、処理をS9560に移す。
S9560において、サブCPU301は、LED制御処理を実行する。この処理において、サブCPU301は、LEDリクエストをLED制御回路306に送信する。LED制御回路306は、サブCPU301から送信されたメッセージ(LEDリクエスト)に基づいて、LED群46を構成するLEDの全部または一部を点灯あるいは点滅させるための発光制御を行う。この処理を終了すると、サブCPU301は、処理をS9570に移す。
S9570において、サブCPU301は、役物制御処理を実行する。この処理において、サブCPU301は、役物リクエストを役物制御回路307に送信する。役物制御回路307は、サブCPU301から送信されたメッセージ(役物リクエスト)に基づいて、演出用役物群58を構成する全部または一部の役物にかかる演出用駆動モータ(不図示)を動作させるための駆動制御を行う。この処理を終了すると、サブCPU301は、処理をS9580に移す。
S9580において、サブCPU301は、演出ボタン制御処理を実行する。この処理において、サブCPU301は、演出ボタン駆動リクエストをボタン制御回路310に送信する。ボタン制御回路310は、サブCPU301から送信されたメッセージ(演出ボタン駆動リクエスト)に基づいて、演出ボタン54の操作態様を変化させたり、演出ボタン54を振動させたりする駆動制御を行う。この処理を終了すると、サブCPU301は、サブ制御回路処理を終了する。
[11-5-2.演出態様決定処理]
次に、図374を参照して、サブ制御回路処理(図373参照)中でサブCPU301により実行される演出態様決定処理の詳細について説明する。図374は、第9のパチンコ遊技機における演出態様決定処理の一例を示すフローチャートである。
S9531において、サブCPU301は、演出パターンを決定する演出パターン決定処理を実行する。この演出パターン決定処理においては、メインCPU201から受信したコマンドの種別に基づいて、表示装置7に表示されるキャラクタ等の表示演出の態様や、スピーカ32から出力される音演出の態様、演出ボタン54の操作態様等を定めた演出パターンを決定する。この処理を終了すると、サブCPU301は、処理をS9532に移す。
ここで、「演出パターン」とは、上述したように、キャラクタ等の表示演出や、音声演出、演出ボタン54の操作態様等を定めた情報をいうが、「図柄演出パターン」とは、演出パターンのうち、特別図柄または普通図柄の可変表示中において、少なくとも表示装置7において所定の装飾図柄を所定の変動態様で可変表示(変動表示及び停止表示)させ、停止表示させた装飾図柄の停止態様によって、所定の抽選結果を報知する「変動演出」の情報をいう。また、所定の装飾図柄としては、遊技者が認識し易く大きく表示される「第1の装飾図柄(主図柄)」と、遊技者が認識し難く小さく表示される「第2の装飾図柄(副図柄)」との種別が設けられている。なお、図柄演出パターンの種類によっては、所定の装飾図柄の可変表示に加え、所定のキャラクタを表示させる情報も含まれている。
また、「小当り演出パターン」とは、演出パターンのうち、小当り遊技状態のときに行われる演出の情報をいい、「大当り演出パターン」とは、演出パターンのうち、大当り遊技状態のときに行われる演出の情報をいう。なお、図柄演出パターン、小当り演出パターン、大当り演出パターンの他にも様々な演出パターン等が設けられており、各種演出パターンの演出が重畳して実行可能となっている。
(第1特別図柄の変動パターンコマンド受信時の演出パターン決定処理の一例)
本実施形態では、演出パターン決定処理において、メインCPU201から受信したコマンドが第1特別図柄の変動パターンコマンドである場合に、通常遊技状態であるときには、図349の特別図柄の変動パターンテーブルT1の「備考欄」に示した演出内容が実行されるように、第1の装飾図柄(主図柄)及び第2の装飾図柄(副図柄)を可変表示させる「第1の図柄演出パターン」を決定する。また、メインCPU201から受信したコマンドが第1特別図柄の変動パターンコマンドである場合に、時短遊技状態であるときには、図350の特別図柄の変動パターンテーブルJ1の「備考欄」に示した演出内容が実行されるように、第1の装飾図柄(主図柄)を表示させずに、第2の装飾図柄(副図柄)を可変表示させる「第2の図柄演出パターン」を決定する。
このように、時短遊技状態であるときには、第1特別図柄の抽選結果に関する変動演出として、第1の装飾図柄(主図柄)を表示させずに、第2の装飾図柄(副図柄)を可変表示させる「第2の図柄演出パターン」が決定されるので、第1の装飾図柄(主図柄)による演出が行われず、第1特別図柄の抽選結果に関する変動演出が、後述する第6の図柄演出パターンによる普通図柄の抽選結果に関する変動演出を阻害することを防止することができる。
(第2特別図柄の変動パターンコマンド受信時の演出パターン決定処理の一例)
また、演出パターン決定処理において、メインCPU201から受信したコマンドが第2特別図柄の変動パターンコマンドである場合に、「第1の特別図柄の変動パターン(0AH)」に対応するときには、図349に示すように、後述するBONUS状態への突入を報知するBONUS突入演出が実行され、第1の装飾図柄(主図柄)を表示させずに、第2の装飾図柄(副図柄)を可変表示させる「第3の図柄演出パターン」を決定する。また、「第2の特別図柄の変動パターン(1AH)」に対応するときには、図349に示すように、BONUS継続演出が実行され、第1の装飾図柄(主図柄)を表示させずに、第2の装飾図柄(副図柄)を可変表示させる「第4の図柄演出パターン」を決定する。また、本実施形態では極稀なケース(1/65536)であるが、第2特別図柄の抽選結果がハズレに対応する特別図柄の変動パターン(00H)のときには、第1の装飾図柄(主図柄)を表示させずに、第2の装飾図柄(副図柄)を可変表示させる「第5の図柄演出パターン」を決定する。
このように、第2特別図柄の抽選結果が大当りまたは小当りであるときの変動演出として第3の図柄演出パターン(BONUS突入演出)または第4の図柄演出パターン(BONUS継続演出)が決定され、後述する図377に示すように「小当り演出パターン」及び「大当り演出パターン」に関連した演出が実行されるので、第2特別図柄の抽選結果に関する変動演出と、小当り遊技状態において行われる当り演出と、大当り遊技状態において行われる当り演出とを一連の当り演出(BONUS演出)のようにみせることができ、より遊技の興趣を向上させることができる。
(普通図柄の変動パターンコマンド受信時の演出パターン決定処理の一例)
また、演出パターン決定処理において、メインCPU201から受信したコマンドが普通図柄の変動パターンコマンドである場合に、通常遊技状態であるときには、普通図柄に関する演出(第1の装飾図柄の演出)が実行されないように演出パターンを決定しないが、時短遊技状態であるときには、受信した普通図柄の変動パターンコマンドに基づいて、図355の普通図柄の変動パターンテーブルの「備考欄」に示した演出内容が実行されるように、第1の装飾図柄(主図柄)を可変表示させる「第6の図柄演出パターン」を決定する。
このように、通常遊技状態であるときには普通図柄に関する変動演出が実行されないが、時短遊技状態であるときには、普通図柄の抽選結果に関する変動演出として第6の図柄演出パターンが決定されるので、第1の装飾図柄(主図柄)による演出が行われることになる。
さらに、時短遊技状態であるときには、第2特別図柄の抽選結果が大当りまたは小当りであるときの変動演出として第3の図柄演出パターンまたは第4の図柄演出パターンが決定されるので、普通図柄に関する変動演出と第2特別図柄の抽選結果に関する変動演出との両方の演出を実行することができ、時短遊技状態における遊技の興趣をより向上させることができる。
(小当り開始表示コマンド受信時の演出パターン決定処理の一例)
また、演出パターン決定処理において、メインCPU201から受信したコマンドが小当り開始表示コマンドである場合には、ワークRAM303の「連続回数カウンタ」を参照し、第1BONUS演出が実行される「小当り演出パターン」が決定される。特に、本実施形態においては、「連続回数カウンタ」=1のとき(BONUS状態から初回の小当り遊技状態のとき)には、後述する図377(b)に示すような「第1BONUS演出(初回)」が実行される「第1小当り演出パターン」が決定され、「連続回数カウンタ」=2以上のとき(BONUS状態から2回目以降の小当り遊技状態のとき)には、後述する図377(f)に示すような「第1BONUS演出(2回目以降)」が実行される「第2小当り演出パターン」が決定されることになる。
また、上述したように、小当り遊技状態においては、V入賞口9156への遊技球の通過が検出されるとメインCPU201からV通過コマンドがサブ制御回路300に送信されることになる。サブCPU301は、演出パターン決定処理において、メインCPU201から受信したコマンドがV通過コマンドである場合には、V通過報知演出が実行される「V通過報知演出パターン」を決定する。なお、この演出パターン決定処理において、メインCPU201から受信したコマンドがV通過コマンドである場合には、ワークRAM303の「連続回数カウンタ」を参照し、「連続回数カウンタ」=1のとき(BONUS状態から初回の小当り遊技状態のとき)には、「V通過報知演出パターン」を決定し、「連続回数カウンタ」=2以上のとき(BONUS状態から2回目以降の小当り遊技状態のとき)には、「V通過報知演出パターン」を決定しないようにすることが望ましい。
(大当り開始表示コマンド受信時の演出パターン決定処理の一例)
また、演出パターン決定処理において、メインCPU201から受信したコマンドが大当り開始表示コマンドである場合には、ワークRAM303の「連続回数カウンタ」を参照し、第2BONUS演出が実行される「大当り演出パターン」が決定される。特に、本実施形態においては、「連続回数カウンタ」=1のとき(BONUS状態から初回の大当り遊技状態のとき)には、後述する図377(c)及び(d)に示すような「第2BONUS演出(開始時)」及び「第2BONUS演出(開放中)」が実行される「第1大当り演出パターン」が決定され、「連続回数カウンタ」=2以上のとき(BONUS状態から2回目以降の大当り遊技状態のとき)には、後述する図377(d)に示すような「第2BONUS演出(開放中)」が実行される「第2大当り演出パターン」が決定されることになる。
S9532において、サブCPU301は、アニメーションリクエストの生成処理を実行する。この処理では、上記S9531において決定された演出パターンに基づいてアニメーションリクエストを生成する。この処理を終了すると、サブCPU301は、処理をS9533に移す。
S9533において、サブCPU301は、描画リクエストの生成処理を実行する。この処理では、S9532において生成されたアニメーションリクエストに基づいて描画リクエストを生成する。この処理を終了すると、サブCPU301は、処理をS9534に移す。
S9534において、サブCPU301は、サウンドリクエストの生成処理を実行する。この処理では、上記S9531において決定された演出パターンに基づいてサウンドリクエストを生成する。この処理を終了すると、サブCPU301は、処理をS9535に移す。
S9535において、サブCPU301は、ランプリクエストの生成処理を実行する。この処理では、上記S9531において決定された演出パターンに基づいてランプリクエストを生成する。この処理を終了すると、サブCPU301は、処理をS9536に移す。
S9536において、サブCPU301は、役物リクエストの生成処理を実行する。この処理では、上記S9531において決定された演出パターンに基づいて役物リクエストを生成する。この処理を終了すると、サブCPU301は、処理をS9537に移す。
S9537において、サブCPU301は、演出ボタン駆動リクエストの生成処理を実行する。この処理では、上記S9531において決定された演出パターンに基づいて演出ボタン駆動リクエストを生成する。この処理を終了すると、サブCPU301は、演出態様決定処理を終了し、処理を描画制御処理(図373参照)に移す。
[11-6.遊技状態の移行図]
以上のような主制御回路200のメインCPU201により実行される各種処理により、移行される遊技状態について、遊技状態移行図を用いて説明する。図375は、第9のパチンコ遊技機における遊技状態の移行を示す遊技状態移行図の一例である。
第9のパチンコ遊技機においては、遊技状態として、第1特別図柄の抽選に関するゲーム性を主とする通常遊技状態と、普通図柄の抽選に関するゲーム性を主とする時短遊技状態とを備えている。
通常遊技状態を詳細に区別するときには、第1特別図柄の始動情報に基づいて行われる第1特別図柄の制御期間中の通常遊技状態を「第1の通常遊技状態」といい、第2特別図柄の始動情報に基づいて行われる第2特別図柄の制御期間中の通常遊技状態を「第2の通常遊技状態」という。
上述したように「第1の通常遊技状態」は、第1特別図柄の始動情報に基づいて行われる第1特別図柄の制御期間中の通常遊技状態であり、左打ちが正規な遊技態様とされる通常遊技状態である。このため、第1の通常遊技状態は、第1始動口9120に遊技球が入球することは容易である一方、第2始動口9140に遊技球が入球することは困難な状態である。
「第2の通常遊技状態」は、第2特別図柄の始動情報に基づいて行われる第2特別図柄の制御期間中の通常遊技状態であり、時短遊技状態において普通図柄の可変表示回数が最終の時短回数であるときに、普通図柄の抽選に基づき第2始動口9140が開放され、第2始動口9140に遊技球が入球したことにより行われる第2特別図柄の制御期間中の通常遊技状態である。ここで、第2の通常遊技状態は、正規な遊技態様として左打ちが規定されているが、第2特別図柄の変動表示が開始された場合には、再び時短遊技状態へと移行される引き戻し割合が極めて高いことから、正規な遊技態様として右打ちを規定してもよい。このように、第2の通常遊技状態は、左打ちを規定してもよく右打ちを規定してもよいことから、第2の通常遊技状態においては表示装置7に正規な遊技態様としての報知を行わせずに、第2の通常遊技状態から第1の通常遊技状態に移行したときに、表示装置7に正規な遊技態様として左打ちの報知を行わせることが望ましい。
また、本実施形態においては、第2特別図柄の始動情報に基づいて行われる第2特別図柄の制御期間中の遊技状態を「BONUS状態」とも称しており、「BONUS状態」は、上記「第2の通常遊技状態」と、第2特別図柄の始動情報に基づいて行われる第2特別図柄の制御期間中の時短遊技状態と、大当り遊技状態と、小当り遊技状態とを含めた状態をいう。
時短遊技状態は、上述したように、時短移行条件(時短発生条件)の観点から区別される時短遊技状態として、大当りを契機として大当り遊技状態の終了後に移行する「A時短遊技状態」と、大当りを契機とせずに、特別図柄の可変表示回数が天井値に到達後に移行する「B時短遊技状態」とを備えている。また、「A時短遊技状態」は、時短終了条件及び時短遊技状態中の作動態様(普電用シャッタ9147の作動パターン)の観点から区別される時短遊技状態として、「第1時短遊技状態」と、第1時短遊技状態よりも次回の大当り遊技状態に移行しやすい「第2時短遊技状態」と、次回の大当り遊技状態に移行することが実質的に保障された「第3時短遊技状態」とのいずれから構成されている。
「第1時短遊技状態」は、状態フラグ=1及び普電作動パターン=01が設定されるとともに、A時短終了条件の時短回数として第1時短回数(普通図柄の可変表示回数=100回)が設定された時短遊技状態であり、右打ちが正規な遊技態様とされる時短遊技状態である。第1時短遊技状態は、普電作動パターン=01が設定されることにより、図369に示した普通図柄の当り判定処理、普通図柄決定処理及び第2始動口の開放パターン決定処理(以下「普通図柄の抽選等」という)に基づいてロング開放パターンが実行される第1のロング開放確率は、約1/135.6(図354参照)に設定されている。上述したように、ショート開放パターンが実行されたとしても、第2始動口9140に遊技球が入球することは不可能(又は困難)であり、普通図柄当りと判定された場合であっても、実質的にハズレの扱いとなるように構成されている。
「第2時短遊技状態」は、状態フラグ=1及び普電作動パターン=02が設定されるとともに、A時短終了条件の時短回数として第2時短回数(普通図柄の可変表示回数=120回)が設定された時短遊技状態であり、右打ちが正規な遊技態様とされる時短遊技状態である。第2時短遊技状態は、普電作動パターン=02が設定されることにより、普通図柄の抽選等に基づく第2のロング開放確率が約1/68.5に設定されている。また、第2時短遊技状態は、第1時短遊技状態の第1のロング開放確率よりも高い第2のロング開放確率が設定され、第1時短遊技状態の第1時短回数よりも多い第2時短回数が設定されていることから、第1時短遊技状態よりも次回の大当り遊技状態に移行しやすい時短遊技状態である。
「第3時短遊技状態」は、状態フラグ=1及び普電作動パターン=02が設定されるとともに、A時短終了条件の時短回数として第3時短回数(普通図柄の可変表示回数=10000回)が設定された時短遊技状態であり、右打ちが正規な遊技態様とされる時短遊技状態である。第3時短遊技状態は、普電作動パターン=02が設定されることにより、普通図柄の抽選等に基づく第2のロング開放確率が約1/68.5に設定されている。第3時短遊技状態は、時短回数として、次回の大当り遊技状態に移行することが実質的に保障される第3時短回数(普通図柄の可変表示回数=10000回)が設定されており、次回の大当り遊技状態に移行することが実質的に保障された時短遊技状態である。
「B時短遊技状態」は、状態フラグ=2及び普電作動パターン=02が設定されるとともに、B時短終了条件の時短回数として第4時短回数(普通図柄の可変表示回数=600回)が設定された時短遊技状態であり、右打ちが正規な遊技態様とされる時短遊技状態である。B時短遊技状態は、普電作動パターン=02が設定されることにより、普通図柄の抽選等に基づく第2のロング開放確率が約1/68.5に設定されている。
(第1の通常遊技状態の移行制御)
図375に示すように、第1の通常遊技状態において、第1始動口9120に遊技球が入球すると、第1特別図柄の始動情報に基づいて「大当り」または「ハズレ」が判定され(図344参照)、「大当り」が判定されると大当り遊技状態に移行する。そして、第1の通常遊技状態における第1特別図柄の始動情報を契機とした大当り遊技状態の終了後には、特別図柄の選択図柄に応じて、90%の選択率で「第1時短遊技状態」に移行し、10%の選択率で「第2時短遊技状態」に移行することになる(図348参照)。
また、第1の通常遊技状態(第2の通常遊技状態も含む)において、特別図柄の変動表示の回数が600回となった後には、通常遊技状態から「B時短遊技状態」に移行する。
(第1時短遊技状態の移行制御)
第1時短遊技状態において、普図作動領域9126に遊技球が通過し、普通図柄の抽選等に基づいて第1のロング開放確率(約1/135.6)に当選すると、第2始動口9140が開放し、第2始動口9140に遊技球が入球することが可能となる。
第2始動口9140に遊技球が入球すると、第2特別図柄の始動情報が取得され、取得された第2特別図柄の始動情報が、特別図柄判定記憶領域(0)、第2特別図柄始動記憶領域(1)及び第2特別図柄始動記憶領域(2)のいずれかにFIFO形式で記憶されていく。すなわち、第2始動口9140に遊技球が入球すると、当該変動分と第2特別図柄の保留個数分(2個)との最大3回分の第2特別図柄の始動情報を記憶することが可能となっている。そして、第2始動口9140に遊技球が入球すると、「第1時短遊技状態」から「BONUS状態」に移行することになる。
また、第1時短遊技状態において、第2始動口9140に遊技球が入球することなく、第1時短回数の普通図柄の可変表示が終了すると、「第1時短遊技状態」から「第1の通常遊技状態」に移行することになる。
(第2時短遊技状態の移行制御)
第2時短遊技状態において、普図作動領域9126に遊技球が通過し、普通図柄の抽選等に基づいて第2のロング開放確率(約1/68.5)に当選すると、第2始動口9140が開放し、第2始動口9140に遊技球が入球することが可能となる。
第2始動口9140に遊技球が入球すると、第1時短遊技状態と同様に、最大3回分の第2特別図柄の始動情報が記憶され、「第2時短遊技状態」から「BONUS状態」に移行することになる。
また、第2時短遊技状態において、第2始動口9140に遊技球が入球することなく、第2時短回数の普通図柄の可変表示が終了すると、「第2時短遊技状態」から「第1の通常遊技状態」に移行することになる。
(第3時短遊技状態の移行制御)
第3時短遊技状態において、普図作動領域9126に遊技球が通過し、普通図柄の抽選等に基づいて第2のロング開放確率(約1/68.5)に当選すると、第2始動口9140が開放し、第2始動口9140に遊技球が入球することが可能となる。
第2始動口9140に遊技球が入球すると、第1時短遊技状態と同様に、最大3回分の第2特別図柄の始動情報が記憶され、「第3時短遊技状態」から「BONUS状態」に移行することになる。
なお、第3時短遊技状態においては、第3時短回数(普通図柄の可変表示回数=10000回)は、次回の大当り遊技状態に移行することが実質的に保障される回数であり、「第3時短遊技状態」から「第1の通常遊技状態」には実質的に移行しない。
(B時短遊技状態の移行制御)
B時短遊技状態において、普図作動領域9126に遊技球が通過し、普通図柄の抽選等に基づいて第2のロング開放確率(約1/68.5)に当選すると、第2始動口9140が開放し、第2始動口9140に遊技球が入球することが可能となる。
第2始動口9140に遊技球が入球すると、第1時短遊技状態と同様に、最大3回分の第2特別図柄の始動情報が記憶され、「B時短遊技状態」から「BONUS状態」に移行することになる。
なお、B時短遊技状態においても、第4時短回数(普通図柄の可変表示回数=600回)は、次回の大当り遊技状態に移行することが実質的に保障される回数であり、「B時短遊技状態」から「第1の通常遊技状態」には実質的に移行しない。
(BONUS状態の移行制御)
BONUS状態においては、まず第2特別図柄の始動情報に基づいて行われる第2特別図柄の抽選が行われる。
ここで、第2特別図柄の抽選においては、大当り確率が約1/231.6に設定されているものの、小当りの確率が約1/1.004に設定されており、合算確率65535/65536の確率で大当りまたは小当りが決定されることになる(図344参照)。そして、本実施形態では、小当りが当選したことによる小当り遊技状態が行われると、第2大入賞口9151に進入した遊技球は、ほぼV入賞口9156を通過できるように構成されており(図342及び図347参照)、V入賞口9156に遊技球が通過することにより、第2のルートからの大当り遊技状態に移行することになる。
このため、本実施形態では、第2始動口9140に遊技球が入球すると、約1/1(65535/65536)で、大当り遊技状態に移行可能となるように構成されており、第2特別図柄の始動情報に基づいて行われる第2特別図柄の制御期間中の遊技状態を大当り遊技状態や小当り遊技状態と同様にBONUS状態に対応させている。
BONUS状態において、第2特別図柄の抽選が行われた後は、大当りを契機とした第1のルートからの大当り遊技状態、または小当りを契機とした第2のルートからの大当り遊技状態が実行されることになる。また、BONUS状態においては、最大3回分の第2特別図柄の始動情報が記憶されていることから、最大3回分の大当り遊技状態が連続して実行可能となっている。
そして、BONUS状態においては、第2特別図柄の始動情報を契機としたすべての大当り遊技状態が終了すると、第2特別図柄の選択図柄に応じて、90%の選択率で「第2時短遊技状態」に移行し、10%の選択率で「第3時短遊技状態」に移行することになる(図348参照)。
このように、本実施形態においては、通常遊技状態のときには第1特別図柄の抽選により大当り遊技状態を目指す第1のゲーム性から構成され、時短遊技状態のときには普通図柄の抽選により第2始動口9140のロング開放を目指す第2のゲーム性から構成されているので、所謂1種タイプのパチンコ遊技機と所謂2種タイプのパチンコ遊技機とを混合させただけではなく、従来にない遊技性を創出し、より遊技の興趣の向上を図ることができる。
また、本実施形態においては、時短遊技状態のときには普電作動パターンによりロング開放確率が異なるので、ロング開放確率が異なる複数の時短遊技状態を楽しむことができ、より遊技の興趣の向上を図ることができる。
特に、本実施形態においては、第2特別図柄の抽選が行われること(第2始動口9140に遊技球が入球すること)により、実質的(約1/1)に大当り遊技状態に移行可能となるように構成しているので、時短遊技状態であるときには、普通図柄の抽選により第2始動口9140のロング開放を目指す第2のゲーム性、複数の時短遊技状態への移行結果に対して、一層の興味を与え、より遊技の興趣の向上を図ることができる。
[11-7.演出の表示内容]
以上の主制御回路200及びサブ制御回路300等の制御により実行される演出の表示内容について、表示装置7の表示領域に表示される表示画像を用いて説明する。
(表示画像の基本構成)
まず、図376を参照して、表示装置7の表示領域に表示される表示画像の基本構成について説明する。図376は、第9のパチンコ遊技機における表示装置7の表示領域に表示される表示画像の基本構成の説明図の一例である。図376(a)は、第1の通常遊技状態における表示画像の基本構成であり、図376(b)は、BONUS状態を除く時短遊技状態における表示画像の基本構成である。
(第1の通常遊技状態における表示画像の基本構成)
図376(a)に示すように、第1の通常遊技状態における表示画像の基本構成は、表示装置7の表示領域の中央側に、第1特別図柄に対応した装飾図柄の主図柄としての左図柄9071L、中図柄9071C、右図柄9071Rが表示可能に構成されている。
また、表示装置7の表示領域の右隅には、第1特別図柄に対応した装飾図柄の副図柄としての第1副図柄9072、第2特別図柄に対応した装飾図柄の副図柄としての第2副図柄9073、普通図柄に対応した装飾図柄の副図柄としての第3副図柄9075が小さく表示可能に構成されている。
本実施形態においては、第1の通常遊技状態のときに第1特別図柄の可変表示が行われる場合には、左図柄9071L、中図柄9071C及び右図柄9071Rの主図柄の可変表示に加え、第1副図柄9072の可変表示も行われることになる。また、第1の通常遊技状態のときに普通図柄の可変表示が行われる場合には、第3副図柄9075のみの可変表示が行われ、普通図柄に対応した装飾図柄の主図柄は表示されないことになる。なお、第2特別図柄の可変表示が行われる場合には、BONUS状態の演出において後述するが、第2副図柄9073のみの可変表示が行われ、第2特別図柄に対応した装飾図柄の主図柄は表示されないことになる。
表示装置7の表示領域の左下には、第1特別図柄の保留個数に対応した保留画像が表示可能となっており、第1特別図柄の保留個数に応じて、第1特別図柄始動記憶領域(1)に始動情報が記憶されていることを示す第1保留画像9074a、第1特別図柄始動記憶領域(2)に始動情報が記憶されていることを示す第2保留画像9074b、第1特別図柄始動記憶領域(3)に始動情報が記憶されていることを示す第3保留画像9074c、第1特別図柄始動記憶領域(4)に始動情報が記憶されていることを示す第4保留画像9074dが表示可能に構成されている。また、保留画像に対応して、第1特別図柄の変動表示が行われていることを示す当該保留画像9075が表示可能に構成されている。なお、本実施形態では、第1の通常遊技状態において第2特別図柄の保留個数に対応した保留画像は表示されないが、第2特別図柄の保留個数に対応した保留画像を表示可能に構成してもよい。
(時短遊技状態における表示画像の基本構成)
図376(b)に示すように、BONUS状態を除く時短遊技状態における表示画像の基本構成は、表示装置7の表示領域の中央側に、普通図柄に対応した装飾図柄の主図柄としての左図柄9076L、中図柄9076C及び右図柄9076Rが表示可能に構成されている。
また、表示装置7の表示領域の右隅には、第1の通常遊技状態であるときと同様に、第1特別図柄に対応した第1副図柄9072、第2特別図柄に対応した第2副図柄9073、普通図柄に対応した第3副図柄9075が小さく表示可能に構成されている。
本実施形態においては、時短遊技状態のときに普通図柄の可変表示が行われる場合には、左図柄9076L、中図柄9076C及び右図柄9076Rの主図柄の可変表示に加え、第3副図柄9075の可変表示も行われることになる。また、時短遊技状態のときに、第1特別図柄の可変表示が行われる場合には、第1副図柄9072のみの可変表示が行われ、第1特別図柄に対応した装飾図柄の主図柄は表示されないことになる。
表示装置7の表示領域の左下には、普通図柄の保留個数に対応した保留画像が表示可能となっており、普通図柄の保留個数に応じて、普通図柄始動記憶領域(1)に始動情報が記憶されていることを示す第1保留画像9077a、普通図柄始動記憶領域(2)に始動情報が記憶されていることを示す第2保留画像9077b、普通図柄始動記憶領域(3)に始動情報が記憶されていることを示す第3保留画像9077c、普通図柄始動記憶領域(4)に始動情報が記憶されていることを示す第4保留画像9077dが表示可能に構成されている。また、保留画像に対応して、普通図柄の変動表示が行われていることを示す当該保留画像9078が表示可能に構成されている。なお、本実施形態では、時短遊技状態において第1特別図柄及び第2特別図柄の保留個数に対応した保留画像は表示されないが、第1特別図柄及び第2特別図柄の保留個数に対応した保留画像を表示可能に構成してもよい。
表示装置7の表示領域の右上には、正規な遊技態様として右打ちを指示する右打ち指示画像9079が表示可能に構成されている。
表示装置7の表示領域の左上には、時短終了条件における時短回数の残存回数を示す時短回数画像9080が表示可能に構成されている。なお、第3時短遊技状態において、第3時短回数(普通図柄の可変表示回数=10000回)が設定された場合には、時短回数画像9080として、次回の大当り遊技状態に移行することが保障されたことを示すように、無限の記号「∞」が表示されることになる。
このように、第1の通常遊技状態のときには、第1特別図柄の抽選により大当り遊技状態を目指す第1のゲーム性を認識しやすいように、装飾図柄の主図柄及び保留画像が第1特別図柄に対応しており、時短遊技状態のときには、普通図柄の抽選により第2始動口9140のロング開放を目指す第2のゲーム性を認識しやすいように、装飾図柄の主図柄及び保留画像が普通図柄に対応している。そして、時短遊技状態のときには、普通図柄に対応した装飾図柄の主図柄(左図柄9076L、中図柄9076C及び右図柄9076R)の変動演出が行われることになる。すなわち、第1の装飾図柄(主図柄)は、通常遊技状態であるときには第1特別図柄に対応した図柄となり、時短遊技状態であるときには普通図柄に対応した図柄に差し替わることになる。
(BONUS状態の演出)
次に、図377を参照して、第2特別図柄の始動情報に基づいて行われる第2特別図柄の制御期間中の遊技状態と、大当り遊技状態と、小当り遊技状態とを含めたBONUS状態の演出について説明する。
なお、BONUS状態の演出においては、図376において説明した第1副図柄9072、第2副図柄9073、第3副図柄9075及び右打ち指示画像9079は、小さく表示され、演出内容の説明の邪魔になる恐れがあるため、符号の図示は省略する。また、第1副図柄9072、第2副図柄9073及び第3副図柄9075は、第2特別図柄の始動情報に基づいて行われる第2特別図柄の制御期間中の遊技状態(第2の通常遊技状態及び時短遊技状態)においては、常に表示可能に構成されているが、大当り遊技状態と小当り遊技状態とにおいては非表示に構成されている。
図377(a)は、第2始動口9140に遊技球が入球し、第2特別図柄の開始条件が成立するときに第2特別図柄の保留個数=0の場合に「第1の特別図柄の変動パターン(0AH)」が決定され、初回の第2特別図柄の可変表示中に実行可能な「BONUS突入演出」の表示画像の一例である。
図377(a)に示すように、「BONUS突入演出」においては、一例として、表示領域に右打ち指示画像9079と、BONUS状態への突入を報知する祝福画像とが表示されるように構成されている。この「BONUS突入演出」は、第1の特別図柄の変動パターン(0AH)に対応付けられた「第1の変動表示時間(例えば、10秒)」と「図柄確定時間(例えば、540ms)」とにわたって実行可能となっている。また、「BONUS突入演出」においては、第2特別図柄に対応した装飾図柄の副図柄としての第2副図柄9073のみの可変表示が行われ、第2特別図柄に対応した装飾図柄の主図柄は表示されないように構成されている。
図377(b)は、第2特別図柄の可変表示が終了し、BONUS状態から初回の小当り遊技状態に移行したときに行われる「第1BONUS演出(初回)」の表示画像の一例である。
図377(b)に示すように、「第1BONUS演出(初回)」においては、一例として、表示領域に右打ち指示画像9079と、特定のキャラクタ画像と、特定の背景画像と、右打ちを指示し、第2大入賞口9151内のV入賞口9156に遊技球を通過させることを指示する「Vを狙え!」というようなV指示画像とが表示されるように構成されている。また、図示は省略するが、「第1BONUS演出(初回)」においては、遊技球がV入賞口9156を通過すると、遊技球がV入賞口9156を通過したことを報知するV通過報知演出も実行可能となっている。
図377(c)は、初回の小当り遊技状態において遊技球がV入賞口9156を通過した後、初回の大当り遊技状態の開始時(初回の大当り遊技状態のオープニング時間)に行われる「第2BONUS演出(開始時)」の表示画像の一例である。
図377(c)に示すように、「第2BONUS演出(開始時)」においては、一例として、表示領域に右打ち指示画像9079と、BONUS状態において遊技者が獲得し得る遊技球数に関する「4500BONUS!!」のような獲得予定遊技球数画像とが表示されるように構成されている。
上述したように、BONUS状態に移行すると、最大3回分の大当り遊技状態が連続して実行可能となっているところ、本実施形態における獲得予定遊技球数画像は、最大3回分の大当り遊技状態(小当り遊技状態にて獲得可能な遊技球数も含む)において遊技者が獲得し得る遊技球数(4500個=1500個×3回分)を表示している。
このように表示される獲得予定遊技球数画像は、最大3回分の大当り遊技状態において遊技者が獲得し得る遊技球数に対応する全ての組合せの獲得予定球数を画像として表示可能に構成している。例えば、上述した図348における第2特別図柄の当り振分として1500発獲得可能な10R当りと600発獲得可能な4R当りを有するような場合には、10R当り3回分の4500発に対応する画像と、10R当り2回分と4R当り1回分の3600発に対応する画像と、10R当り1回分と4R当り2回分の2700発に対応する画像と、4R当り3回分の1800発に対応する画像と、をそれぞれ表示可能に構成されている。
なお、球詰まり等の原因に基づいて遊技者が最大3回の遊技球を第2始動口9140に入賞させることができなかった場合に、1回分の当りに対応する画像(1500発に対応する画像や600発に対応する画像)や、2回分の当りに対応する画像(3000発に対応する画像、2100発に対応する画像、1200発に対応する画像)を表示可能に構成してもよい。この場合、遊技者は最大分の大当りが付与されないことにより興趣が低下してしまう可能性があるが、獲得予定球数の表示を正確に行うことにより興趣の低下を抑止することができるようになるという効果を図ることができる。
なお、本実施形態において、獲得予定遊技球数画像は、初回の大当り遊技状態の開始時の「第2BONUS演出(開始時)」において表示されるように構成したが、初回の小当り遊技状態であるときに遊技球がV入賞口9156を通過した後の「第1BONUS演出(初回)」において表示されるように構成してもよい。
図377(d)は、初回の大当り遊技状態のオープニング時間の経過後(大当り遊技状態のラウンド中)に、大当り遊技状態で行われる「第2BONUS演出(開放中)」の表示画像の一例である。
図377(d)に示すように、「第2BONUS演出(開放中)」においては、一例として、表示領域に右打ち指示画像9079と、特定のキャラクタ画像と、特定の背景画像と、第1大入賞口9131及び第2大入賞口9151に遊技球が入球したことにより遊技者が獲得した遊技球の累計数を表示する獲得済遊技球数画像とが表示されるように構成されている。
なお、本実施形態において、獲得済遊技球数画像は、小当り遊技状態及び大当り遊技状態において遊技者が獲得した遊技球数として、第1大入賞口9131及び第2大入賞口9151に遊技球が入球したことにより遊技者が獲得した遊技球の累計数を表示するように構成したが、大当り遊技状態において遊技者が獲得した遊技球数として、第1大入賞口9131に遊技球が入球したことにより遊技者が獲得した遊技球の累計数を表示するように構成してもよい。さらには、獲得済遊技球数画像は、第1大入賞口9131、第2大入賞口9151及び一般入賞口122に遊技球が入球したことにより遊技者が獲得した遊技球の累計数を表示するように構成してもよい。
図377(e)は、大当り遊技状態が終了した後、第2特別図柄の開始条件が成立するときに第2特別図柄の保留個数>0の場合(すなわち、第2特別図柄始動記憶領域(1)または第2特別図柄始動記憶領域(2)に第2特別図柄の始動情報が記憶されている場合)に「第2の特別図柄の変動パターン(1AH)」が決定され、2回目以降の第2特別図柄の可変表示中に実行可能な「BONUS継続演出」の表示画像の一例である。
図377(e)に示すように、「BONUS継続演出」においては、一例として、表示領域に右打ち指示画像9079と、特定のキャラクタ画像と、特定の背景画像と、獲得済遊技球数画像とが表示され、大当り遊技状態または小当り遊技状態で行われるBONUS演出が継続しているような演出が行われるように構成されている。この「BONUS継続演出」は、第2の特別図柄の変動パターン(1AH)に対応付けられた「第2の変動表示時間(例えば、1秒)」と「図柄確定時間(例えば、540ms)」とにわたって実行可能となっている。また、「BONUS継続演出」においては、第2特別図柄に対応した装飾図柄の副図柄としての第2副図柄9073のみの可変表示が行われ、第2特別図柄に対応した装飾図柄の主図柄は表示されないように構成されている。
図377(f)は、第2特別図柄の可変表示が終了し、2回目以降の小当り遊技状態に移行したときに行われる「第1BONUS演出(2回目以降)」の表示画像の一例である。
図377(f)に示すように、「第1BONUS演出(2回目以降)」においては、一例として、表示領域に右打ち指示画像9079と、特定のキャラクタ画像と、V指示画像と、獲得済遊技球数画像とが表示されるように構成されている。また、上述した通り図377(b)が表示されているときに遊技球がV入賞口9156を通過すると、V通過報知演出を実行可能としていたが、図377(f)が表示されているときに遊技球がV入賞口9156を通過した場合であっても、V通過報知演出を実行しないことが望ましい。V通過報知演出を実行しない場合には、複数の大当り遊技状態をシームレスに遊技者にみせることができるようになり、遊技の興趣の向上を図ることができる。
なお、図377(f)が表示されているときにV通過報知演出を実行してもよいが、図377(f)が表示されているときにV通過報知演出を実行する場合には、図377(b)が表示されているときに実行されるV通過報知演出の実行時間よりも短い実行時間にてV通過報知演出を実行することが望ましい。
2回目以降の小当り遊技状態において遊技球がV入賞口9156を通過した後には、大当り遊技状態に移行するが、2回目以降の大当り遊技状態の開始時には、図377(c)に示したような「第2BONUS演出(開始時)」が行われることなく、大当り遊技状態のオープニング時間においても、図377(d)に示したような「第2BONUS演出(開放中)」が行われることになる。
このように、BONUS状態の演出として、第2特別図柄の可変表示中における変動演出として「BONUS突入演出」または「BONUS継続演出」が実行され、小当り遊技状態のときには「第1BONUS演出」が実行され、大当り遊技状態のときには「第2BONUS演出」が実行されるように構成されている。そして、「BONUS突入演出」、「第1BONUS演出」、「第2BONUS演出」及び「BONUS継続演出」で実行される演出内容に関連性を持たせているので、1つのBONUS状態の演出として、一群のまとまりのある演出を実行でき、より遊技の興趣の向上を図ることができる。
特に、2回目以降の第2特別図柄の可変表示中と小当り遊技状態と大当り遊技状態とにおいては、図377(a)~(c)のような特別な演出を行うことなく、図377(d)に示したような大当り遊技状態における「第2BONUS演出(開放中)」に類似した演出が行われるので、複数の大当り遊技状態をシームレスに(一群の大当り遊技状態のように)みせることができ、より遊技の興趣の向上を図ることができる。
また、初回の第2特別図柄の可変表示中と小当り遊技状態と大当り遊技状態とにおいては、図377(a)~(c)のような特別な演出を行うので、BONUS状態に移行したことを報知できるとともに、BONUS状態において遊技者が獲得し得る遊技球数を事前に報知でき、遊技者の歓喜を高め、より遊技の興趣の向上を図ることができる。
<第9のパチンコ遊技機の変形例>
なお、第9のパチンコ遊技機の実施形態に記載された技術をスロットマシンに適用してもよい。スロットマシンに適用する場合には、第9のパチンコ遊技機で実行される各種演出は、スロットマシンに備えられた表示装置、リール等による演出に置き換えればよい。また、時短遊技状態(A時短遊技状態、B時短遊技状態、第1時短遊技状態、第2時短遊技状態及び第3時短遊技状態)は、再遊技のリプレイ確率が向上したリプレイタイム(RT状態)、所定の小役や停止ボタンの操作内容を報知するアシストタイム(AT状態)、リプレイタイムとアシストタイムが同時に制御されるアシストリプレイタイム(ART状態)のいずれかの状態に置き換えればよい。また、大当り、小当りは、特定役に当選すること、特定の図柄の組み合わせが停止表示されること(特定の図柄の組み合わせが入賞すること)、RT状態の突入当選に当選すること、AT状態の突入当選に当選すること、ART状態の突入当選に当選することのいずれかに置き換えればよい。
(その他)
上述の第9のパチンコ遊技機は、変形例を含めて各実施形態同士で互いの技術を適用することができる。上述の実施形態は、本発明の内容を限定するものではなく、特許請求の範囲を逸脱しない程度に変更を加えることができる。
また、第9のパチンコ遊技機に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の各実施形態に記載されたものに限定されるものではない。
更に、上記[4.拡張例]は、第9のパチンコ遊技機にも、その遊技性や制御に齟齬を生じえない限り適用可能である。
[12.第10のパチンコ遊技機]
次に、第10のパチンコ遊技機について説明する。第10のパチンコ遊技機は、第3のパチンコ遊技機と同様に、1種2種混合機と称されるパチンコ遊技機である。第10のパチンコ遊技機は、第3のパチンコ遊技機と比して、遊技性や演出内容等が異なっており、それに伴い遊技領域に配置される各種部材の構成も一部異なっている。
なお、第10のパチンコ遊技機は、第3のパチンコ遊技機と同様に、第1特別図柄と第2特別図柄とを並行して可変表示させず、第1特別図柄の可変表示よりも第2特別図柄の可変表示が優先して行われる優先変動機である。ただし、これに限られず、上述した順次変動機としてもよい。
以降、第10のパチンコ遊技機を説明するにあたり、第1のパチンコ遊技機と同様の構成要件については同じ符号および同じステップ番号を付して、その構成や処理に関する詳しい説明を省略する。
なお、本実施形態において、遊技者に所定の利益(遊技球の払い出し、遊技状態の移行)を付与することが可能な入球口(例えば、始動口や大入賞口)に「遊技球が入球すること」を適宜「入賞」ともいう。また、本実施形態において、図柄の「可変表示」とは、例えば、図柄が変動して表示される「変動表示」、および、図柄が停止して表示される「停止表示」等の両方を含む概念であり、変動表示の開始から停止表示されるまでの動作を1回の「可変表示」と称する。
また、遊技球の「払い出し」とは、実際に遊技者に遊技球を払い出すことに限られず、封入された遊技球を循環させて遊技を進行する遊技機(所謂スマートパチンコ)の場合には、払い出される遊技球の個数(賞球データ)を遊技機の記憶領域や電子的な記憶媒体(遊技カード)に記憶させることを含む概念である。
[12-1.遊技盤ユニット]
図378を参照して、第10のパチンコ遊技機が備える遊技盤ユニット10010について説明する。この遊技盤ユニット10010も、第1のパチンコ遊技機と同様に、保護ガラス43(図2参照)の後方に位置するようにベースドア3(図2参照)の前方に配置される。
図378は、第10のパチンコ遊技機が備える遊技盤ユニット10010の外観を示す正面図の一例である。遊技盤ユニット10010は、遊技盤としての遊技パネル10100を備え、遊技パネル10100に各種部材が配置され、遊技パネル10100の前側面には、発射された遊技球が転動流下可能な遊技領域105が形成されている。
図378に示されるように、第10のパチンコ遊技機が備える遊技盤ユニット10010は、第1のパチンコ遊技機と比して、主に、第1通過ゲート10126R及び第2通過ゲート10126Lと、第2始動口10140と、普通電動役物ユニット10145と、第1特別電動役物ユニット10130と、第2特別電動役物ユニット10150との構成や配置が異なっている。以下に、それぞれの構成やその配置について説明する。
なお、第10のパチンコ遊技機の遊技領域105に配置される第1始動口10120は、第1のパチンコ遊技機の遊技領域105に配置される第1始動口120と機能的にも共通するものであるが、第2始動口10140との関連性から、第1のパチンコ遊技機と異なる符号を用いて改めて説明する。
(通過ゲート)
第10のパチンコ遊技機は、通過ゲートとして、右側領域107に配置された第1通過ゲート10126Rと、左側領域106に配置された第2通過ゲート10126Lとの2つの通過ゲートを備えている。
第1通過ゲート10126Rは、遊技球が通過可能なゲートで構成され、普通電動役物ユニット10145の上方(上流側)に配置されており、第1通過ゲート10126Rを通過した遊技球は、普通電動役物ユニット10145に入球可能となっている。また、第1通過ゲート10126Rは、右側領域107に配置されていることから、右打ちされた遊技球が通過可能(左打ちされた遊技球が通過困難または不可能)となっている。
また、第2通過ゲート10126Lは、遊技球が通過可能なゲートで構成され、センター役物115の左側であって、第1始動口10120の上方(上流側)に配置されており、第2通過ゲート10126Lを通過した遊技球は、第1始動口10120に入球可能となっている。また、第2通過ゲート10126Lは、左側領域106に配置されていることから、左打ちされた遊技球が通過可能(右打ちされた遊技球が通過困難または不可能)となっている。
なお、第2通過ゲート10126Lを第1始動口10120の真上に配置してもよいし、ステージ118に設けられたチャンス入口119を第2通過ゲート10126Lとしてもよい。
そして、第1通過ゲート10126Rまたは第2通過ゲート10126Lに遊技球が通過すると、普通図柄抽選(普通図柄の当り判定処理)や、普通図柄の可変表示に用いられることになる。なお、本実施形態では、第1通過ゲート10126Rまたは第2通過ゲート10126Lに遊技球が通過しても賞球は払い出されないが、第1通過ゲート10126R及び第2通過ゲート10126Lを入賞口(普図作動口)として、所定の賞球(例えば1個の遊技球)が払い出されるように構成してもよい。
また、第1通過ゲート10126Rまたは第2通過ゲート10126Lを、役物連続作動装置を作動させるための契機となるように機能させてもよい。条件装置が作動していること(大当りとなる特別図柄が停止表示されていること)を前提として、第1通過ゲート10126Rまたは第2通過ゲート10126Lに遊技球が通過したことをもって役物連続作動装置を作動させて、大当り遊技状態に移行するようにしてもよい。
なお、本実施形態においては、右側領域107と左側領域106の両方の遊技領域105に2つの通過ゲートを備えて構成したが、右側領域107のみに通過ゲートを備えて構成してもよい。すなわち、左側領域106に配置された第2通過ゲート10126Lを備えずに、右側領域107に配置された第1通過ゲート10126Rのみを備えて構成してもよい。
(第1始動口)
第1始動口10120は、表示装置7の表示領域の下方の遊技領域105に配置されており、左打ちされた遊技球が入球可能となり、遊技釘等により右打ちされた遊技球は入球困難または不可能に構成されている。そして、第1始動口10120には、第1始動口10120への遊技球の入球を検出する第1始動口スイッチ10121(後述の図379参照)が備えられている。
第1始動口10120に遊技球が入球すると、第1特別図柄抽選(第1特別図柄の当り判定処理)や、第1特別図柄の可変表示や、第1始動口用の賞球(例えば3個の遊技球)の払い出しが行われたりする。第1始動口10120に遊技球が入球した後の処理については、詳しくは後述する。
(第2始動口)
第2始動口10140は、右側領域107であって第1通過ゲート10126Rの下方(下流側)に配置されるとともに、後述する普通電動役物ユニット10145に設けられており、右打された遊技球が入球可能(左打ちされた遊技球が入球困難または不可能)となっている。そして、第2始動口10140には、第2始動口10140への遊技球の入球を検出する第2始動口スイッチ10141が備えられている。
また、本実施形態においては、第2始動口10140は、第1通過ゲート10126Rの下方(下流側)側に配置されているところから、第1通過ゲート10126Rを通過した遊技球は、後述する普通電動役物10146が作動しているときには、第2始動口10140への遊技球の入球が可能となっている。
第2始動口10140に遊技球が入球すると、第2特別図柄抽選(第2特別図柄の当り判定処理)や、第2特別図柄の可変表示や、第2始動口用の賞球(例えば1個の遊技球)の払い出しが行われたりする。第2始動口10140に遊技球が入球した後の処理については、詳しくは後述する。
(普通電動役物ユニット)
普通電動役物ユニット10145は、右側領域107であって第1通過ゲート10126Rの下方(下流側)に配置されており、右打ちされた遊技球がほぼ通過できるように配置されている。普通電動役物ユニット10145は、第2始動口10140と、第2始動口10140への遊技球の入球を検出する第2始動口スイッチ10141と、普通電動役物10146とを一体化したユニット体である。
普通電動役物10146は、前後方向に進退可能な突出板型の普電用シャッタ10147と、この普電用シャッタ10147を作動させる普電用ソレノイド10148(後述の図379参照)とを備える。普通電動役物10146すなわち普電用シャッタ10147は、第2始動口10140への遊技球の入球が可能または容易な開放状態と、第2始動口10140への遊技球の入球が不可能または困難な閉鎖状態とに状態移行可能に構成される。
具体的には、普電用シャッタ10147は、第2始動口10140の入口近傍に配置された略三角形の入球防止部と第2始動口10140に向けて傾斜した平板状の入球誘導部とで構成されている。普電用シャッタ10147が閉鎖状態であるときには、略三角形の入球防止部は、第2始動口10140の入口と対向する対向領域に位置して、第2始動口10140への入球を阻害し、平板状の入球誘導部は、遊技パネル10100の表面に埋没し、右側領域107に流下している遊技球の受け入れることなく、遊技球を下方に流下させる。一方、普電用シャッタ10147が開放状態であるときには、略三角形の入球防止部は、第2始動口10140の入口と対向しない回避領域に位置して、第2始動口10140への入球を阻害せず、平板状の入球誘導部は遊技パネル10100の表面から突出して、右側領域107に流下している遊技球を受け入れ、受け入れた遊技球を第2始動口10140へ誘導する。なお、前後方向に進退可能な上記の普電用シャッタ10147に代えて、所謂電チューと呼ばれる左右方向に可動可能な可動部材で普電用シャッタ10147を構成してもよい。
また、普通電動役物10146は、第2始動口10140を開放状態とさせているときに、普電用の規定個数(例えば1個)の遊技球が入球すると、開放時間が経過していなくとも第2始動口10140を閉鎖状態にさせる。
(第1特別電動役物ユニット)
第1特別電動役物ユニット10130は、右側領域107において第1通過ゲート10126R、普通電動役物ユニット10145及び後述する第2特別電動役物ユニット10150よりも下方(下流側)に配置されている。なお、第1特別電動役物ユニット10130は、第1通過ゲート10126R、普通電動役物ユニット10145及び後述する第2特別電動役物ユニット10150の少なくともいずれかよりも上流側に設けられていてもよいし、左側領域106に設けられていてもよい。
第1特別電動役物ユニット10130は、第1大入賞口10131と、第1大入賞口10131への遊技球の入球を検出する第1大入賞口カウントスイッチ10132(後述の図379参照)と、前後方向に進退可能な第1特電用シャッタ10134と、この第1特電用シャッタ10134を作動させる第1特電用ソレノイド10135(後述の図379参照)とを一体化したユニット体である。
第1大入賞口10131は、大当りのときに開放される入賞口であり、1回の大当りにおける1つのラウンドおいて第1大入賞口10131に遊技球が入球可能な最大入賞個数(例えば10個)が規定されている。この第1大入賞口10131に1つの遊技球が入球する毎に、第1大入賞口用の賞球(例えば15個の遊技球)が払い出されることになる。
第1大入賞口10131が閉鎖状態から開放状態に移行するのは、特別図柄当り判定処理の結果が「大当り」であることを示す特別の停止表示態様が導出された場合の第1のルートと、特別図柄判定の結果が「小当り」であることを示す特定の停止表示態様が導出されたことによって第2大入賞口10151が開放し、開放された第2大入賞口10151に進入した遊技球が第2大入賞口10151内のV入賞口10156に入賞した場合の第2のルートときである。
第1特電用シャッタ10134は、第1特電用ソレノイド10135(後述の図379参照)の作動により、第1大入賞口10131への遊技球の入球が可能または容易な開放状態と、第1大入賞口10131への遊技球の入球が不可能または困難な閉鎖状態とを移行可能に構成するものである。
具体的には、第1特電用シャッタ10134は、下方が軸支された開閉扉で構成されている。第1特電用シャッタ10134が開放状態であるときには、開閉扉が前面側に倒れて第1大入賞口10131が開口し、右側領域107に流下している遊技球を受け入れ、受け入れた遊技球を第1大入賞口10131へ誘導する。一方、第1特電用シャッタ10134が閉鎖状態であるときには、開閉扉が倒立して第1大入賞口10131を閉口し、第1大入賞口10131への遊技球の入球が不可能または困難となる。
(第2特別電動役物ユニット)
第2特別電動役物ユニット10150は、右側領域107において第1通過ゲート10126R及び普通電動役物ユニット10145の下方(下流側)に設けられている。なお、第2特別電動役物ユニット10150は、第1通過ゲート10126Rまたは普通電動役物ユニット10145の少なくともいずれかよりも上流側に設けられていてもよいし、左側領域106に設けられていてもよい。
第2特別電動役物ユニット10150は、第2特別電動役物ユニット10150の内部に遊技球が進入できるように開口された第2大入賞口10151と、第2大入賞口10151への遊技球の入球を検出する第2大入賞口カウントスイッチ10152と、第2大入賞口10151を開閉させることが可能な第2特電用シャッタ10154と、この第2特電用シャッタ10154を作動させて第2大入賞口10151を開閉させる第2特電用ソレノイド10155(後述の図379参照)と、第2大入賞口10151に進入した遊技球が通過可能なV入賞口10156と、V入賞口10156に遊技球が通過したことを検出するV入賞口スイッチ10157と、第2大入賞口10151に進入した遊技球のうちV入賞口10156に進入しなかった遊技球が通過可能な通常口10158と、V入賞口10156を開閉させるVシャッタ10159と、このVシャッタ10159を作動させてV入賞口10156を開閉させるVシャッタ用ソレノイド10160(後述の図379参照)とを一体化したユニット体である。
第2大入賞口10151は、小当りのときに開放される入賞口であり、1回の小当りにおいて第2大入賞口10151に遊技球が入球可能な最大入賞個数(例えば10個)が規定されている。この第2大入賞口10151に1つの遊技球が入球する毎に、第2大入賞口用の賞球(例えば10個の遊技球)が払い出されることになる。
第2特電用シャッタ10154は、前後方向に進退可能な突出板型の板状部材からなり、第2特電用ソレノイド10155(後述の図379参照)の作動により、第2特電用シャッタ10154を前方に進出させて第2大入賞口10151への遊技球の入球が不可能または困難な閉鎖状態と、第2特電用シャッタ10154を後方に退出させて第2大入賞口10151への遊技球の入球が可能または容易な開放状態とを移行可能に構成するものである。
V入賞口10156は、Vシャッタ10159により開閉可能な入賞口であるとともに、遊技球が通過することにより上述した第2のルートを経て大当り遊技状態に制御される契機となる入賞口である。
第2のルートを経て大当り遊技状態に制御された場合、V入賞口10156への遊技球の通過したときの第2大入賞口10151の開放を1ラウンド目として、V入賞口10156への遊技球の通過した後(2ラウンド目以降)は、第1大入賞口10131を閉鎖状態から開放状態へ移行させるラウンド遊技が実行される。なお、第2のルートを経て大当り遊技状態に制御された場合、V入賞口10156への遊技球の通過した後(2ラウンド目以降)も、第2大入賞口10151が閉鎖状態から開放状態に移行するラウンド遊技が所定のラウンド数にわたって実行されてもよい。
また、例えば第1大入賞口10131の内部にV入賞口を設ける等によって、V入賞口および大当り遊技状態において開放されるアタッカーを一つずつとしてもよい。この場合、「小当り」であることを示す停止表示態様が導出されると第1大入賞口10131が開放状態とされ、第1大入賞口10131の内部に設けられたV入賞口に遊技球が進入すると、大当り遊技状態(第2のルートを経た大当り遊技状態)に制御されるようにすればよい。
通常口10158は、第2大入賞口10151に進入したもののV入賞口10156を通過しなかった遊技球が進入(通過)するよう構成されたものである。通常口10158を通過した遊技球は機外に排出される。なお、第2大入賞口10151に進入した遊技球の全部が通常口10158を通過し、V入賞口10156への遊技球の通過がなかった場合には、大当り遊技状態が制御されないことになる。
Vシャッタ10159は、Vシャッタ用ソレノイド10160(後述の図379参照)の作動により、V入賞口10156への遊技球の通過が不可能(又は困難)な閉鎖状態と、V入賞口10156への遊技球の通過が可能(又は容易)な開放状態とを移行可能に構成するものである。
なお、右側領域107に配置されている第1特別電動役物ユニット10130、普通電動役物ユニット10145、第2特別電動役物ユニット10150及び第1通過ゲート10126Rの配置関係は、適宜設計変更が自由である。
[12-2.電気的構成]
次に、図379を参照して、第10のパチンコ遊技機の制御回路について説明する。図379は、第10のパチンコ遊技機の制御回路を示すブロック図の一例である。
図379に示されるように、第10のパチンコ遊技機は、第1のパチンコ遊技機と同様、主に、遊技の制御を行う主制御回路200と、遊技の進行に応じた演出の制御を行うサブ制御回路300と、払出・発射制御回路400と、電源供給回路450とから構成される。
しかしながら、第10のパチンコ遊技機は、第1のパチンコ遊技機と比して、主制御回路200に接続されるデバイス及びサブ制御回路300の構成が一部異なっている。以下に、それぞれの構成やその配置について説明する。
[12-2-1.主制御回路]
主制御回路200は、第1のパチンコ遊技機と比して、主制御回路200に接続される普電用ソレノイド10148、第1特電用ソレノイド10135、第2特電用ソレノイド10155、Vシャッタ用ソレノイド10160、第1始動口スイッチ10121、第2始動口スイッチ10141、通過ゲートスイッチ10127、第1大入賞口カウントスイッチ10132、第2大入賞口カウントスイッチ10152、V入賞口スイッチ10157の構成が一部異なっている。
(普電用ソレノイド)
普電用ソレノイド10148は、普電用シャッタ10147を作動させる電磁ソレノイドである。普電用ソレノイド10148は、メインCPU201により通電が行われる(ONである)と、普電用シャッタ10147を前方に進出させて第2始動口10140を開放状態とさせ、メインCPU201により通電が行われないと(OFFであると)と、普電用シャッタ10147を後方に退出させて第2始動口10140を閉鎖状態とさせる。
(第1特電用ソレノイド)
第1特電用ソレノイド10135は、開閉扉からなる第1特電用シャッタ10134を作動させる電磁ソレノイドである。第1特電用ソレノイド10135は、メインCPU201により通電が行われる(ONである)と、第1特電用シャッタ10134を前方に倒れさせ第1大入賞口10131を開放状態とさせ、メインCPU201により通電が行われないと(OFFであると)と、第1特電用シャッタ10134を後方に倒立させて第1大入賞口10131を閉鎖状態とさせる。
(第2特電用ソレノイド)
第2特電用ソレノイド10155は、第2特電用シャッタ10154を作動させる電磁ソレノイドである。第2特電用ソレノイド10155は、メインCPU201により通電が行われる(ONである)と、第2特電用シャッタ10154を後方に退出させて第2大入賞口10151を開放状態とさせ、メインCPU201により通電が行われないと(OFFであると)と、第2特電用シャッタ10154を前方に進出させて第2大入賞口10151を閉鎖状態とさせる。
(Vシャッタ用ソレノイド)
Vシャッタ用ソレノイド10160は、Vシャッタ10159を作動させる電磁ソレノイドである。Vシャッタ用ソレノイド10160は、メインCPU201により通電が行われる(ONである)と、Vシャッタ10159を後方に退出させてV入賞口10156を開放状態とさせ、メインCPU201により通電が行われないと(OFFであると)と、Vシャッタ10159を前方に進出させてV入賞口10156を閉鎖状態とさせる。
また、本実施形態では、Vシャッタ用ソレノイド10160は、第2大入賞口10151の開放時にあわせて作動し、V入賞口10156を開放状態とさせる。すなわち、V入賞口10156は第2大入賞口10151の開放時から開放状態となり、遊技球が第2大入賞口10151に入球すると、V入賞口10156にも原則として通過することになる。
(第1始動口スイッチ)
第1始動口スイッチ10121は、第1始動口10120への遊技球の入球を検出する貫通型の近接スイッチである。
第1始動口スイッチ10121により第1始動口10120への遊技球の入球が検出されると、メインCPU201は、第1の取得条件が成立したものとして、第1特別図柄の始動情報(大当り判定用乱数値、図柄乱数値、リーチ判定用乱数値、演出選択用乱数値等)を取得する。取得した第1特別図柄の始動情報は、「第1特別図柄の保留個数(例えば4個)」までメインRAM203の第1特別図柄始動記憶領域(第1特別図柄始動記憶領域(1)~第1特別図柄始動記憶領域(4)に順番)に記憶され、第1特別図柄の判定開始条件(例えば、特別電動役物が作動していないこと、特別図柄の可変表示が行われていないこと等)が成立すると、第1特別図柄の当り判定処理や、第1特別図柄の可変表示に用いられることになる。また、第1始動口スイッチ10121により第1始動口10120への遊技球の入球が検出されると、メインCPU201は、第1始動口用の賞球(例えば3個の遊技球)の払い出し処理を払出・発射制御回路400に指示する。
(第2始動口スイッチ)
第2始動口スイッチ10141は、第2始動口10140への遊技球の入球を検出する貫通型の近接スイッチである。
第2始動口スイッチ10141により第2始動口10140への遊技球の入球が検出されると、メインCPU201は、第2の取得条件が成立したものとして、第2特別図柄の始動情報(大当り判定用乱数値、図柄乱数値、リーチ判定用乱数値、演出選択用乱数値等)を取得する。取得した第2特別図柄の始動情報は、「第2特別図柄の保留個数(例えば3個)」までメインRAM203の第2特別図柄始動記憶領域(第2特別図柄始動記憶領域(1)~第2特別図柄始動記憶領域(3)に順番)に記憶され、第2特別図柄の判定開始条件(例えば、特別電動役物が作動していないこと、特別図柄の可変表示が行われていないこと等)が成立すると、第2特別図柄の当り判定処理や、第2特別図柄の可変表示に用いられることになる。また、第2始動口スイッチ10141により第2始動口10140への遊技球の入球が検出されると、メインCPU201は、第2始動口用の賞球(例えば1個の遊技球)の払い出し処理を払出・発射制御回路400に指示する。
また、実施形態においては、第1特別図柄の始動情報に基づいた第1特別図柄の当り判定処理を「第1特別図柄の抽選」、第2特別図柄の始動情報に基づいた第2特別図柄の当り判定処理を「第2特別図柄の抽選」ともいい、第1特別図柄の抽選と第2特別図柄の抽選とをまとめて「特別図柄の抽選」ともいう。
(通過ゲートスイッチ)
通過ゲートスイッチ10127は、第1通過ゲート10126R及び第2通過ゲート10126Lのそれぞれに設けられており、第1通過ゲート10126Rまたは第2通過ゲート10126Lへの遊技球の通過を検出する貫通型の近接スイッチである。
通過ゲートスイッチ10127が第1通過ゲート10126Rまたは第2通過ゲート10126Lへの遊技球の通過を検出すると、メインCPU201は、第1通過ゲート10126Rと第2通過ゲート10126Lとを区別せずに、普通図柄の始動情報(普通図柄当り判定用乱数値、普通図柄の図柄乱数値等)を取得する。取得した普通図柄の始動情報は、「普通図柄の保留個数(例えば4個)」までメインRAM203の普通図柄始動記憶領域(普通図柄始動記憶領域(1)~普通図柄始動記憶領域(4)に順番)に記憶され、普通図柄の判定開始条件(例えば、普通電動役物が作動していないこと、普通図柄の可変表示が行われていないこと等)が成立すると、普通図柄抽選(普通図柄の当り判定処理)や、普通図柄の可変表示に用いられることになる。
(第1大入賞口カウントスイッチ)
第1大入賞口カウントスイッチ10132は、第1大入賞口10131への遊技球の入球を検出する貫通型の近接スイッチである。第1大入賞口カウントスイッチ10132が第1大入賞口10131への遊技球の入球を検出すると、メインCPU201は、1ラウンドあたりの第1大入賞口10131への遊技球の入賞数をカウントするとともに、第1大入賞口用の賞球(例えば15個の遊技球)の払い出し処理を払出・発射制御回路400に指示したりすることになる。
(第2大入賞口カウントスイッチ)
第2大入賞口カウントスイッチ10152は、第2大入賞口10151への遊技球の入球を検出する貫通型の近接スイッチである。第2大入賞口カウントスイッチ10152が第2大入賞口10151への遊技球の入球を検出すると、メインCPU201は、第2大入賞口10151への遊技球の入賞数をカウントするとともに、第2大入賞口用の賞球(例えば10個の遊技球)の払い出し処理を払出・発射制御回路400に指示したりすることになる。
(V入賞口スイッチ)
V入賞口スイッチ10157は、V入賞口10156への遊技球の通過を検出する貫通型の近接スイッチである。V入賞口スイッチ10157がV入賞口10156への遊技球の入球を検出すると、メインCPU201は、大当り遊技状態への移行制御を行うことになる。
(遊技球回収スイッチ)
遊技球回収スイッチ10179は、発射装置6から遊技領域105に発射された遊技球を検出する貫通型の近接スイッチである。遊技球回収スイッチ10179は、遊技盤ユニット10010の背面側であって、アウト口178、各種入賞口(例えば、第1始動口10120、第2始動口10140、第1大入賞口10131、第2大入賞口10151、一般入賞口122等)に入球した遊技球が通過する集合流路に配置されており、アウト口178への遊技球の入球のみならず、各種入賞口に入球した遊技球を区別なく検出するものである。遊技球回収スイッチ10179により遊技球の入球が検出されると、メインCPU201は、遊技球を発射した発射遊技球数を計数する(後述する発射遊技球数カウンタを計数する)。
[12-2-2.サブ制御回路]
サブ制御回路300は、第1のパチンコ遊技機と同様に、サブCPU301、プログラムROM302、ワークRAM303、表示制御回路304、音声制御回路305、LED制御回路306、役物制御回路307およびコマンド入力ポート308を備えることは共通であるが、ボタン制御回路310と演出ボタン54とを更に備えていることが相違している。
(ボタン制御回路310)
ボタン制御回路310は、演出ボタン54を駆動させるための回路である。すなわち、ボタン制御回路310は、演出ボタン54の操作態様を変化させたり、演出ボタン54を振動させたりするための回路である。ボタン制御回路310は、サブCPU301からの駆動命令に応じて、演出ボタン54を駆動させることになる。
また、ボタン制御回路310は、演出ボタン54が検出した遊技者の操作に関する操作信号を入力するための回路でもある。ボタン制御回路310は、演出ボタン54から操作信号を入力すると、サブCPU301に所定の操作情報を出力することになる。
特に、本実施形態においては、演出ボタン54は複数種別のボタン(決定ボタン、左右ボタン、上下ボタン)を備えており、演出ボタン54の種別に応じて異なる操作情報が出力されることになる。具体的には、決定ボタンに対応する演出ボタン54からの操作信号を入力すると、サブCPU301に第1の操作情報を出力し、左右ボタンに対応する演出ボタン54からの操作信号を入力すると、サブCPU301に第2の操作情報を出力し、上下ボタンに対応する演出ボタン54からの操作信号を入力すると、サブCPU301に第3の操作情報を出力する。
[12-2-3.払出・発射制御回路]
払出・発射制御回路400は、第1のパチンコ遊技機と同様に、遊技球の払出・発射を制御するものであり、この払出・発射制御回路400には、遊技球を払い出すことが可能な払出装置82、遊技球を発射させることが可能な発射装置6、球貸しにかかる制御を実行可能なカードユニット180等が接続されている。
さらに、第10のパチンコ遊技機における払出・発射制御回路400は、主制御回路200から遊技球の増加数に基づいて遊技が停止されている状態であることの遊技停止信号を入力すると、発射装置6による遊技球の発射停止(発射ソレノイドへの電力の供給停止)が行われる。なお、主制御回路200では遊技球の増加数に基づいて遊技が停止されている状態であっても、払出・発射制御回路400は、発射装置6による遊技球の発射停止が行われなくてもよい。
[12-3.基本仕様]
次に、図380~図392を参照して、第10のパチンコ遊技機の基本仕様について説明する。なお、第10のパチンコ遊技機は設定機能付きのパチンコ遊技機であってもよいが、以下では、設定機能にかかわる記載は省略する。
第10のパチンコ遊技機では、確変制御が実行されないものの、時短制御が実行される時短遊技状態及び時短制御が実行されない通常遊技状態が用意されており、メインCPU201は、通常遊技状態または時短遊技状態において遊技を進行させることが可能となっている。なお、この第10のパチンコ遊技機では、確変制御が実行されないが、これは必須ではなく、例えば大当りの種類等に応じて確変フラグがオンにセットされるようにして確変制御を実行可能としてもよい。
また、第10のパチンコ遊技機では、後述するように、時短移行条件(時短発生条件)の観点から区別される時短遊技状態として、大当りを契機として大当り遊技状態の終了後に移行する「A時短遊技状態」と、大当りを契機とせずに、特別図柄の可変表示回数が天井値に到達後に移行する「B時短遊技状態」と、時短当りを契機として特別図柄の可変表示の終了後に移行する「C時短遊技状態」とを備えている。さらに、「A時短遊技状態」及び「C時短遊技状態」は、時短遊技状態中の作動態様(普電用シャッタ10147の作動パターン等)の観点から区別される時短遊技状態として、複数の時短遊技状態に分類されるが詳しくは後述する。
[12-3-1.特別図柄の当り判定テーブル]
図380は、第10のパチンコ遊技機における特別図柄の当り判定テーブルの一例である。図380に示す特別図柄の当り判定テーブルは、「大当り」、「小当り」、「時短当り」または「ハズレ」を判定するためのテーブルであり、主制御回路200のメインROM202に記憶されている。
本実施形態では、図380に示すように、特別図柄の当り判定テーブルとして、図380(a)に示す通常遊技状態における特別図柄の当り判定テーブルと、図380(b)に示す時短遊技状態における特別図柄の当り判定テーブルとを備えている。
図380に示す特別図柄の当り判定テーブルには、特別図柄の種別と、大当り判定用乱数値と、当落判定値データ(大当り判定値データ、小当り判定値データ、時短当り判定値データ、ハズレ判定値データ)とが対応付けられている。なお、第1特別図柄および第2特別図柄ともに、大当り判定用乱数値の総乱数値は65536である。すなわち、上記の大当り判定用乱数値は0~65535の範囲(幅)で発生する。
また、図380(a)に示す通常遊技状態における特別図柄の当り判定テーブルには、第1始動口10120への入球に基づいて実行される第1特別図柄の当り判定処理に用いられるデータとして、「大当り」、「時短当り」または「ハズレ」に決定される大当り判定用乱数値の範囲(幅)と、それに対応する当落判定値データ(大当り判定値データ、時短当り判定値データ、ハズレ判定値データ)との関係が対応付けられている。また、図380(a)に示す通常遊技状態における特別図柄の当り判定テーブルには、第2始動口10140への入球に基づいて実行される第2特別図柄の当り判定処理に用いられるデータとして、「大当り」、「小当り」または「ハズレ」に決定される大当り判定用乱数値の範囲(幅)と、それに対応する当落判定値データ(大当り判定値データ、小当り判定値データ、ハズレ判定値データ)との関係が対応付けられている。
すなわち、図380(a)に示す通常遊技状態における特別図柄の当り判定テーブルによれば、通常遊技状態においては、第1特別図柄の当り判定処理では、「大当り」、「時短当り」または「ハズレ」は判定されるものの「小当り」は判定されず、第2特別図柄の当り判定処理では、「大当り」、「小当り」または「ハズレ」は判定されるものの「時短当り」は判定されないことになる。
本実施形態では、通常遊技状態において第1始動口10120に遊技球が入球した場合、メインCPU201は、第1特別図柄の当り判定処理に基づいて、第1特別図柄の当り判定処理の結果を、約1/319.7の選択率で「大当り」と判定し、約1/49.9の選択率で「時短当り」と判定し、それ以外は「ハズレ」と判定する。また、通常遊技状態において第2始動口10140に遊技球が入球した場合、メインCPU201は、第2特別図柄の当り判定処理に基づいて、第2特別図柄の当り判定処理の結果を、約1/319.7の選択率で「大当り」と判定し、約1/3.0の選択率で「小当り」と判定し、それ以外は「ハズレ」と判定する。
図380(b)に示す時短遊技状態における特別図柄の当り判定テーブルには、第1始動口10120への入球に基づいて実行される第1特別図柄の当り判定処理に用いられるデータとして、「大当り」または「ハズレ」に決定される大当り判定用乱数値の範囲(幅)と、それに対応する当落判定値データ(大当り判定値データ、時短当り判定値データ、ハズレ判定値データ)との関係が対応付けられている。また、図380(a)に示す時短遊技状態における特別図柄の当り判定テーブルには、第2始動口10140への入球に基づいて実行される第2特別図柄の当り判定処理に用いられるデータとして、「大当り」、「小当り」または「ハズレ」に決定される大当り判定用乱数値の範囲(幅)と、それに対応する当落判定値データ(大当り判定値データ、小当り判定値データ、ハズレ判定値データ)との関係が対応付けられている。
すなわち、図380(b)に示す時短遊技状態における特別図柄の当り判定テーブルによれば、時短遊技状態においては、第1特別図柄の当り判定処理及び第2特別図柄の当り判定処理のいずれの処理でも「時短当り」は判定されず、第1特別図柄の当り判定処理では、「大当り」または「ハズレ」は判定されるものの「小当り」は判定されず、第2特別図柄の当り判定処理では、「大当り」、「小当り」または「ハズレ」が判定されることになる。
本実施形態では、時短遊技状態において第1始動口10120に遊技球が入球した場合、メインCPU201は、第1特別図柄の当り判定処理に基づいて、第1特別図柄の当り判定処理の結果を、約1/319.7の選択率で「大当り」と判定し、それ以外は「ハズレ」と判定する。また、時短遊技状態において第2始動口10140に遊技球が入球した場合、メインCPU201は、第2特別図柄の当り判定処理に基づいて、第2特別図柄の当り判定処理の結果を、約1/319.7の選択率で「大当り」と判定し、約1/3.0の選択率で「小当り」と判定し、それ以外は「ハズレ」と判定する。
このように、本実施形態では、図380に示す特別図柄の当り判定テーブルは、通常遊技状態においても時短遊技状態においても、第1始動口10120に遊技球が入球した場合には、第2始動口10140に遊技球が入球した場合の方が「小当り」と判定されやすく構成されている。
なお、本実施形態では、時短遊技状態においては、第1特別図柄の当り判定処理により「時短当り」が判定されないが、時短遊技状態においても、第1特別図柄の当り判定処理により「時短当り」が判定されてもよい。時短遊技状態においても第1特別図柄の当り判定処理により「時短当り」が判定されるように構成する場合には、通常遊技状態における第1特別図柄の当り判定処理よりも、時短遊技状態における第1特別図柄の当り判定処理の方が、相対的に低い選択率で「時短当り」が判定されるように構成することが好ましい。さらには、第2特別図柄の当り判定処理でも、「時短当り」が判定されてもよいが、第1特別図柄の当り判定処理よりも、第2特別図柄の当り判定処理の方が、相対的に低い選択率で「時短当り」が判定されるように構成することが好ましい。
さらには、時短遊技状態においては、特別図柄の当り判定処理により「時短当り」が判定されるものの、時短遊技状態において「時短当り」が判定されたとしても、「ハズレ」と取り扱って、ハズレに対応した特別図柄の停止図柄が停止表示されるように制御してもよい。すなわち、時短遊技状態において「時短当り」が判定されたとしても、時短遊技状態においては「時短当り」を無視するように制御してもよい。
また、通常遊技状態においても時短遊技状態においても、第1特別図柄の当り判定処理が行われた場合に、「小当り」が判定されるように構成してもよいが、「小当り」が判定されるように構成した場合、第1特別図柄の当り判定処理で行われる判定よりも、第2特別図柄の当り判定処理で行われる判定の方が有利となるように、相対的に低い選択率で「小当り」を判定することが好ましい。
上述した「大当り」と判定される乱数値の範囲(幅)、「小当り」と判定される乱数値の範囲(幅)、「時短当り」と判定される乱数値の範囲(幅)、「ハズレ」と判定される乱数値の範囲(幅)、すなわち選択率は、上記値に限定されず、適宜設計変更が自由である。
また、第10のパチンコ遊技機が設定機能付きパチンコ遊技機である場合、例えば、大当りまたは/および小当りの選択率を、低設定よりも高設定の方が高くなるようにするとよい。ただし、第10のパチンコ遊技機が設定機能付きパチンコ遊技機であったとしても、例えば、時短当りの選択率については、全設定で共通する確率とすることが好ましい。
また、設定値に応じて大当りの選択率や小当りの選択率を変えることに代えてまたは加えて、例えば、V入賞口10156の開放頻度や開放時間を設定値毎に変えてV入賞口10156への通過率を変えたり、時短継続回数を設定値毎に変えたりする等してもよい。すなわち、大当り確率、小当り確率、V入賞口10156の開放頻度(すなわち第2特電用シャッタ10154の作動頻度)や開放時間および時短継続回数等、遊技者にとっての有利度合いを変更しうる条件のうちの一つまたは二つ以上を採用することにより、大当り遊技状態に制御される期待値が低設定よりも高設定の方が高くなるように構成してもよい。
[12-3-2.特別図柄判定テーブル]
図381は、第10のパチンコ遊技機における特別図柄判定テーブルの一例である。図381に示す特別図柄判定テーブルは、停止表示される特別図柄の停止図柄を決定付ける「特別図柄の選択図柄」および「図柄指定コマンド」を決定するテーブルであり、主制御回路200のメインROM202に記憶されている。
「特別図柄の選択図柄」は、特別図柄の当り判定処理の結果が当りであった場合に、停止表示される特別図柄の停止図柄を決定するための情報であり、「図柄指定コマンド」は、表示装置7の表示領域に特別図柄の停止図柄に対応した装飾図柄を表示するためにサブ制御回路300に送信されるコマンドである。
特別図柄判定テーブルには、特別図柄の種類と、上述の当落判定値データと、第1始動口10120または第2始動口10140に遊技球が入球したときに取得される特別図柄の図柄乱数値とが、「特別図柄の選択図柄」および「図柄指定コマンド」に対応付けて規定されている。特別図柄の図柄乱数値は、例えば0~99(100種類)の中から抽出される。
図381に示す特別図柄判定テーブルによれば、第1特別図柄の当り判定処理の結果として大当り判定値データが得られた場合、特別図柄の図柄乱数値が0~59のいずれかであるときには、メインCPU201は、特別図柄の選択図柄として「z1」を決定し、図柄指定コマンドとして「zA1」を決定する。特別図柄の図柄乱数値が60~79のいずれかであるときには、メインCPU201は、特別図柄の選択図柄として「z2」を決定し、図柄指定コマンドとして「zA2」を決定する。また、特別図柄の図柄乱数値が80~99のいずれかであるときには、メインCPU201は、特別図柄の選択図柄として「z3」を決定し、図柄指定コマンドとして「zA3」を決定する。
また、第1特別図柄の当り判定処理の結果として時短当り判定値データが得られた場合、特別図柄の図柄乱数値が0~69のいずれかであるときには、メインCPU201は、特別図柄の選択図柄として「z10」を決定し、図柄指定コマンドとして「zA10」を決定する。特別図柄の図柄乱数値が70~84のいずれかであるときには、メインCPU201は、特別図柄の選択図柄として「z20」を決定し、図柄指定コマンドとして「zA20」を決定する。また、特別図柄の図柄乱数値が85~99のいずれかであるときには、メインCPU201は、特別図柄の選択図柄として「z30」を決定し、図柄指定コマンドとして「zA30」を決定する。
第2特別図柄の当り判定処理の結果として大当り判定値データが得られた場合、特別図柄の図柄乱数値がいずれの値であっても、メインCPU201は、特別図柄の選択図柄として「z4」を決定し、図柄指定コマンドとして「zA4」を決定する。
第2特別図柄の当り判定処理の結果として小当り判定値データが得られた場合、特別図柄の図柄乱数値が0~79のいずれかであるときには、メインCPU201は、特別図柄の選択図柄として「z5」を決定し、図柄指定コマンドとして「zA5」を決定する。また、特別図柄の図柄乱数値が80~89のいずれかであるときには、メインCPU201は、特別図柄の選択図柄として「z6」を決定し、図柄指定コマンドとして「zA6」を決定する。また、特別図柄の図柄乱数値が90~99のいずれかであるときには、メインCPU201は、特別図柄の選択図柄として「z7」を決定し、図柄指定コマンドとして「zA7」を決定する。
本実施形態では、第1特別図柄の当り判定処理の結果として時短当り判定値データが得られた場合には、図381に示す特別図柄判定テーブルにおける特別図柄の図柄乱数値により、特別図柄の選択図柄としては、「z10」>「z20」及び「z10」>「z30」の選択率の関係式が成立するように構成されている。なお、「z20」及び「z30」の関係式は、「z20」=「z30」の選択率であることに限定されず、「z20」>「z30」の選択率でもよいし、「z20」<「z30」の選択率でもよい。
詳しくは後述するが、第1特別図柄の当り判定処理の結果として時短当り判定値データが得られた場合に、特別図柄の選択図柄として「z10」が決定されたときには、特別図柄の可変表示の終了後に「第1時短遊技状態」に移行し、特別図柄の選択図柄として「z20」が決定されたときには、特別図柄の可変表示の終了後に「第2時短遊技状態」に移行し、特別図柄の選択図柄として「z30」が決定されたときには、特別図柄の可変表示の終了後に「第3時短遊技状態」に移行することになる。そして、「第2時短遊技状態」への移行条件となる特別図柄の選択図柄「z20」の選択率は、20%以下であることが望ましい。
また、後述する「第3時短遊技状態」を備えずに、第1特別図柄の当り判定処理の結果として時短当り判定値データが得られたときには、「第1時短遊技状態」または「第2時短遊技状態」のいずれかに移行するように構成してもよい。なお、第1特別図柄の当り判定処理の結果として時短当り判定値データが得られたときに、「第1時短遊技状態」または「第2時短遊技状態」のいずれかに移行するように構成する場合には、第1特別図柄の当り判定処理の結果として時短当り判定値データが得られたときに決定される特別図柄の選択図柄を「z10」と「z20」との2種類のみに構成し、「z10」>「z20」の選択率の関係式が成立するように構成すればよい。このときも、「第2時短遊技状態」への移行条件となる特別図柄の選択図柄「z20」の選択率は、20%以下であることが望ましい。
なお、第10のパチンコ遊技機では説明を省略するが、主制御回路200のメインROM202には、第1のパチンコ遊技機において説明した特別図柄停止態様決定テーブル(図12(A)参照)に相当する特別図柄停止態様決定テーブルが記憶されている。特別図柄停止態様決定テーブルは、特別図柄が停止表示したときに第1特別図柄表示部163または第2特別図柄表示部164に表示される特別図柄の停止態様を、「特別図柄の選択図柄」に応じて決定する際に参照されるテーブルである。また、第1特別図柄表示部163、第2特別図柄表示部164には、特別図柄の当り判定処理の結果に基づいて、大当りの停止態様、小当りの停止態様、時短当りの停止態様またはハズレの停止態様が表示される。また、第1のパチンコ遊技機において説明した装飾図柄停止態様決定テーブル(図12(B)参照)に相当する装飾図柄停止態様決定テーブルについても、サブ制御回路300のプログラムROM302に記憶されている。
なお、「特別図柄の選択図柄」を決定する特別図柄の図柄乱数値の範囲、すなわち選択率は、上記値に限定されず、適宜設計変更が自由である。
[12-3-3.大当り種類決定テーブル]
図382は、第10のパチンコ遊技機における大当り種類決定テーブルの一例である。なお、図382に示す大当り種類決定テーブルは、主制御回路200のメインROM202に記憶されている。
大当り種類決定テーブルは、大当り遊技状態の作動内容を決定するテーブルであり、「大当り遊技状態の開放態様」を決定するテーブルである。
図382に示すように、大当り種類決定テーブルには、特別図柄の選択図柄に対して、「大当り遊技状態の開放態様」が対応付けられている。
「大当り遊技状態の開放態様」は、大当り遊技状態のときに開放される第1大入賞口10131の最大ラウンド数、第1大入賞口10131の開放パターンを規定している。第1大入賞口10131の開放パターンには、大当り遊技状態の開始待ち状態であるOP待ち時間(オープニング時間)、各ラウンドの最大開放時間、各ラウンドの閉鎖時間、ED待ち時間(エンディング時間)等が規定されている。なお、第1大入賞口10131の開放パターンとして、各ラウンドあたりの最大開放時間を異ならせてもよいし、各ラウンドの閉鎖時間(ラウンドインターバル時間)を異ならせて規定してもよい。さらには、1回のラウンドあたりに第1大入賞口6131を複数回開閉させるように開放回数と開放時間とを規定してもよい。
ここで、第2特別図柄の小当り判定値データが得られた場合に決定される「特別図柄の選択図柄z5~7」に対応した「大当り遊技状態の開放態様」は、小当り遊技状態のときに開放された第2大入賞口10151に進入した遊技球がV入賞口10156を通過する第2のルートを経て、大当り遊技状態に移行したときの開放態様である。この第2のルートを経て大当り遊技状態に移行したときには、小当り遊技状態のときの第2大入賞口10151の開放を1ラウンド目として、2ラウンド目以降から、第1大入賞口10131を開放させる大当り遊技状態が開始される。なお、小当り遊技状態のときに開放された第2大入賞口10151に進入した遊技球がV入賞口10156を通過しなかったときには、大当り遊技状態は実行されないことになる。
図382に示すように、大当り種類決定テーブルによれば、第1特別図柄の大当り判定値データが得られた場合に決定される「特別図柄の選択図柄z1」のときには、最大ラウンド数として10ラウンド(10R)が決定され、「特別図柄の選択図柄z2、z3」のときには、最大ラウンド数として4ラウンド(4R)が決定されるように構成されている。なお、第1特別図柄の大当り判定値データが得られた場合に決定される「特別図柄の選択図柄z1~3」のときには、最大ラウンド数としてすべて同じラウンド数(例えば、10ラウンド)が決定されるように構成してもよい。
また、第2特別図柄の大当り判定値データが得られた場合に決定される「特別図柄の選択図柄z7」のときには、最大ラウンド数として10ラウンド(10R)が決定されるように構成されている。第2特別図柄の小当り判定値データが得られた場合に決定される「特別図柄の選択図柄z5~7」のときには、最大ラウンド数としてすべて10ラウンド(10R)が決定されるように構成されている。なお、第2特別図柄の小当り判定値データが得られた場合に決定される「特別図柄の選択図柄z5~7」に応じて、異なるラウンド数が決定されるように構成してもよい。
また、特別図柄の選択図柄に応じて、第1大入賞口10131の開放パターンにおけるOP待ち時間(オープニング時間)及びED待ち時間(エンディング時間)のいずれかが異なるように構成してもよい。
[12-3-4.小当り種類決定テーブル]
図383は、第10のパチンコ遊技機における小当り種類決定テーブルの一例である。なお、図383に示す小種類決定テーブルは、主制御回路200のメインROM202に記憶されている。
小当り種類決定テーブルは、小当り遊技状態の作動内容を決定するテーブルであり、「小当り遊技状態の開放態様」を決定するテーブルである。
図383に示されるように、小当り種類決定テーブルには、第2特別図柄の小当り判定値データが得られた場合に決定される「特別図柄の選択図柄(z5~7)」に対して、「小当り遊技状態の開放態様」が対応付けられている。
「小当り遊技状態の開放態様」は、小当り遊技状態のときに開放される第2大入賞口10151の最大開放回数、第2大入賞口10151の開放パターン及びV入賞口10156の開放パターンを規定している。第2大入賞口10151の開放パターンには、小当り遊技状態の開始待ち状態であるOP待ち時間(オープニング時間)、各回数の最大開放時間、各回数の閉鎖時間、ED待ち時間(エンディング時間)等が規定されている。また、V入賞口10156の開放パターンには、開放待ち時間、開放時間等が規定されている。
ここで、小当り遊技状態の開始時には、第2大入賞口10151の開放パターンにおけるOP待ち時間(オープニング時間)とV入賞口10156の開放パターンにおける開放待ち時間とが同時に計時されていき、第2大入賞口10151が開放しているときには、V入賞口10156も開放しているように構成されている。このため、小当り遊技状態が行われたときには、V入賞口10156への遊技球の通過が可能(又は容易)となっている。なお、V入賞口10156の開放パターンとして、第2大入賞口10151の開放パターンのように、V入賞口10156を複数回開閉させるように複数回の開放時間と閉鎖時間とを規定してもよい。
なお、特別図柄の選択図柄に応じて、第2大入賞口10151の開放パターンにおけるOP待ち時間(オープニング時間)、各回数の最大開放時間、各回数の閉鎖時間、ED待ち時間(エンディング時間)、V入賞口10156の開放パターンにおける開放待ち時間、開放時間、閉鎖時間の少なくともいずれかが異なるように小当り種類決定テーブルを構成してもよい。
特に、特別図柄の選択図柄に応じて、V入賞口10156の開放パターンを異ならせ、V入賞口10156への遊技球の通過が可能(又は容易)な有利作動態様と、V入賞口10156への遊技球の通過が不可能(又は困難)な不利作動態様とが決定されるように小当り種類決定テーブルを構成してもよい。
ここで、1回の大当り遊技状態において払い出し可能な遊技球の総数(例えば、4R×10個(第1の規定個数)×15個(賞球個数)=600個)よりも、1回の小当り遊技状態において払い出し可能な遊技球の総数(例えば、小当り1回×10個(第2の規定個数)×15個(賞球個数)=150個)の方が少なく設定されており、大当り遊技状態が有利な「第1特別遊技状態」であり、小当り遊技状態が大当り遊技状態よりも利益の低い「第2特別遊技状態」であるといえる。
また、大当り遊技状態における1ラウンドの最大開放時間(例えば28秒)よりも、小当り遊技状態における1回の最大開放時間(例えば0.1秒)の方が短く設定されており、大当り遊技状態においては有利な「第1開放態様」により第1大入賞口10131が開放し、小当り遊技状態においては第1開放態様よりも不利な「第2開放態様」により第2大入賞口10151が開放するといえる。
[12-3-5.遊技状態関連設定テーブル]
図384は、第10のパチンコ遊技機における遊技状態関連設定テーブルの一例である。なお、図384に示す遊技状態関連設定テーブルは、遊技状態を設定するためのテーブルであり、主制御回路200のメインROM202に記憶されている。
本実施形態では、図384に示すように、遊技状態関連設定テーブルとして、図384(a)に示す大当り遊技状態の終了後に参照される遊技状態関連設定テーブル1と、図384(b)に示す時短当りの特別図柄の可変表示の終了後に参照される遊技状態関連設定テーブル2と、図384(c)に示す特別図柄の可変表示回数が天井値の到達後に参照される遊技状態関連設定テーブル3とを備えている。
図384に示すように、遊技状態関連設定テーブルには、「遊技状態の設定」として、「状態フラグ」、「普電作動パターン」及び「時短終了条件」が対応付けられている。
「状態フラグ」とは、遊技状態の種類を示すフラグであり、メインRAM203の所定の記憶領域に記憶される。状態フラグ=0は「通常遊技状態」を示し、状態フラグ=1は「A時短遊技状態」を示し、状態フラグ=2は「B時短遊技状態」を示し、状態フラグ=3は「C時短遊技状態」を示している。
「普電作動パターン」とは、第2始動口10140の開放パターンを定めた情報であり、メインRAM203の所定の記憶領域に記憶される。普電作動パターン=00は、後述する「ロング開放パターンパターン」が決定され難く、後述する「ショート開放パターンパターン」が決定され易い状態を示し、普電作動パターン=01は、「ロング開放パターンパターン」と「ショート開放パターンパターン」とが決定される状態を示し、普電作動パターン=02は、普電作動パターン=00及び普電作動パターン=01であるときよりも「ロング開放パターンパターン」が決定され易く、「ショート開放パターンパターン」が決定され難い状態を示している。
すなわち、第2始動口10140の開放パターンは、
普電作動パターン=00<普電作動パターン=01<普電作動パターン=02の順に遊技者にとって有利となるように作動する。
「時短終了条件」とは、時短遊技状態が終了する終了条件であり、「特別図柄の可変表示回数」を終了条件として設定している。この「特別図柄の可変表示回数」は、第1特別図柄の可変表示回数と第2特別図柄の可変表示回数との合計回数を示している。また、図示は省略するが、大当り遊技状態に移行することも時短終了条件として設定されている。これらのいずれかの時短終了条件が成立することにより、時短遊技状態が終了して通常遊技状態に移行することになる。
本実施形態において、C時短遊技状態(状態フラグ=3)において、普電作動パターン=00が設定された時短遊技状態を「第1時短遊技状態」といい、普電作動パターン=02が設定された時短遊技状態を「第2時短遊技状態」といい、普電作動パターン=01が設定された時短遊技状態を「第3時短遊技状態」という。
また、B時短遊技状態(状態フラグ=2)において、普電作動パターン=02が設定された時短遊技状態を「第4時短遊技状態」という。
また、A時短遊技状態(状態フラグ=1)において、普電作動パターン=02が設定された時短遊技状態を「第5時短遊技状態」といい、普電作動パターン=00が設定された時短遊技状態を「第6時短遊技状態」という。
さらに、時短遊技状態において(状態フラグ=1~3)、普電作動パターン=02が設定された第2時短遊技状態、第4時短遊技状態及び第5時短遊技状態を総称して「RUSH遊技状態」ともいい、普電作動パターン=00または01が設定された第1時短遊技状態、第3時短遊技状態及び第6時短遊技状態を総称して「一般遊技状態」ともいう。
この「通常遊技状態」及び「一般遊技状態(第1時短遊技状態、第3時短遊技状態及び第6時短遊技状態)」は、左打ちが正規な遊技態様とされ、第1特別図柄の抽選が可能であり、第1特別図柄の変動表示を主とした遊技性で構成されている。
また、「RUSH遊技状態(第2時短遊技状態、第4時短遊技状態及び第5時短遊技状態)」は、右打ちが正規な遊技態様とされ、普通図柄の抽選及び第2特別図柄の抽選が可能であり、第2特別図柄の変動表示を主とした遊技性で構成されている。本実施形態においては、第2特別図柄の抽選により、大当りを契機とした第1のルートと小当りを契機とした第2のルートから、約1/3で大当り遊技状態に移行可能となっている(図380参照)。
図384(a)に示すように、大当り遊技状態の終了後に参照される遊技状態関連設定テーブル1には、特別図柄の選択図柄(大当り図柄または小当り図柄)に対して、「状態フラグ」、「普電作動パターン」及び「時短終了条件」が対応付けられている。
図384(a)に示す遊技状態関連設定テーブル1によれば、すべての「特別図柄の選択図柄」に対して、A時短遊技状態を示す状態フラグ=1が設定される。また、「特別図柄の選択図柄z1、z4、z5」のときには、普電作動パターン=02、時短終了条件として特別図柄の可変表示回数=10000回が設定される。また、「特別図柄の選択図柄z2、z3、z6、z7」のときには、普電作動パターン=00、時短終了条件として特別図柄の可変表示回数=10000回が設定される。
さらに、「特別図柄の選択図柄z1」のときには、切替回数=1が設定され、「特別図柄の選択図柄z4、z5」のときには、切替回数=5が設定される。詳しくは後述するが、「切替回数」とは、後述する「第5時短遊技状態」が「第6時短遊技状態」に切り替わる第2特別図柄の可変表示回数である。
このように、本実施形態においては、大当り遊技状態の終了後には、特別図柄の選択図柄に応じて、「第5時短遊技状態」または「第6時短遊技状態」に移行するように構成されている。
ここで、第1特別図柄の抽選による大当り遊技状態の終了後には、特別図柄の選択図柄の選択率(図381参照)により、第1移行率(40%)で「第6時短遊技状態」に移行し、第2移行率(60%)で「第5時短遊技状態」に移行する。または、第2特別図柄の抽選においては、大当りを契機とした第1のルートからの大当り遊技状態の終了後には、特別図柄の選択図柄の選択率(図381参照)により、第3移行率(100%)で「第5時短遊技状態」に移行し、小当りを契機とした第2のルートからの大当り遊技状態の終了後には、特別図柄の選択図柄の選択率(図381参照)により、第4移行率(80%)で「第5時短遊技状態」に移行し、第5移行率(20%)で「第6時短遊技状態」に移行する。
また、大当り遊技状態の終了後に「第6時短遊技状態」に移行する場合(普電作動パターン=00が決定された場合)には、時短終了条件の「特別図柄の可変表示回数」として、第1時短回数である10000回が設定可能となっている。
また、大当り遊技状態の終了後に「第5時短遊技状態」に移行する場合(普電作動パターン=02が決定された場合)には、時短終了条件の「特別図柄の可変表示回数」として、第2時短回数である10000回が設定可能となっている。
上述した第1時短回数及び第2時短回数である特別図柄の可変表示回数=10000回は、1日の遊技において成立不可能な回数であり、実質的に無限回数に相当している。このため、大当り遊技状態の終了後に「第5時短遊技状態」または「第6時短遊技状態」に移行した場合には、大当り遊技状態に移行すること以外に時短遊技状態が終了することがない。したがって、最初の大当り遊技状態以降は、大当り遊技状態と第5時短遊技状態または第6時短遊技状態の時短遊技状態とをRAMクリアされない限り、無限的にループすることになる。すなわち、最初の大当り遊技状態以降は、大当り遊技状態中を除き、通常遊技状態に移行することがないように構成されている。なお、第1時短回数及び第2時短回数は、実質的に無限回数に相当する回数であれば、10000回であることに限定されず、第1時短回数と第2時短回数とを異ならせてもよい。
図384(b)に示すように、時短当りの特別図柄の可変表示の終了後に参照される遊技状態関連設定テーブル2には、特別図柄の選択図柄(時短図柄)に対して、「状態フラグ」、「普電作動パターン」及び「時短終了条件」が対応付けられている。
図384(b)に示す遊技状態関連設定テーブル2によれば、すべての「特別図柄の選択図柄」に対して、C時短遊技状態を示す状態フラグ=3が設定される。また、「特別図柄の選択図柄z10」のときには、普電作動パターン=00、時短終了条件として特別図柄の可変表示回数=950回が設定される。また、「特別図柄の選択図柄z20」のときには、普電作動パターン=02、時短終了条件として特別図柄の可変表示回数=950回が設定される。また、「特別図柄の選択図柄z30」のときには、普電作動パターン=01、時短終了条件として特別図柄の可変表示回数=950回が設定される。
このように、本実施形態においては、時短当りの特別図柄の可変表示の終了後には、特別図柄の選択図柄に応じて、「第1時短遊技状態」、「第2時短遊技状態」または「第3時短遊技状態」に移行するように構成されている。
ここで、時短当りの特別図柄の可変表示の終了後には、特別図柄の選択図柄の選択率(図381参照)により、第6移行率(70%)で「第1時短遊技状態」に移行し、第7移行率(15%)で「第2時短遊技状態」に移行し、第8移行率(15%)で「第3時短遊技状態」に移行する。
また、時短当りの特別図柄の可変表示の終了後に「第1時短遊技状態」に移行する場合(普電作動パターン=00が決定された場合)には、時短終了条件の「特別図柄の可変表示回数」として、第3時短回数である950回が設定可能となっている。
また、時短当りの特別図柄の可変表示の終了後に「第2時短遊技状態」に移行する場合(普電作動パターン=02が決定された場合)には、時短終了条件の「特別図柄の可変表示回数」として、第4時短回数である950回が設定可能となっている。
また、時短当りの特別図柄の可変表示の終了後に「第3時短遊技状態」に移行する場合(普電作動パターン=01が決定された場合)には、時短終了条件の「特別図柄の可変表示回数」として、第5時短回数である950回が設定可能となっている。
上述した第3時短回数、第4時短回数及び第5時短回数である特別図柄の可変表示回数=950回は、C時短遊技状態(第1~3時短遊技状態)からB時短遊技状態(第4時短遊技状態)に移行可能な回数に設定されている。このため、C時短遊技状態(第1~3時短遊技状態)においては、大当り遊技状態に移行するか、B時短遊技状態に移行する以外にC時短遊技状態が終了することがない。また、後述するように、B時短遊技状態に移行すると、実質的に大当り遊技状態に移行することが保証されている。したがって、C時短遊技状態に移行した後は、再び通常遊技状態に戻ることがないように構成されている。
また、第2時短遊技状態における第4時短回数は、実質的に大当り遊技状態に移行することが保証されている回数にも設定されている。なお、第4時短回数は、実質的に大当り遊技状態に移行することが保証されている回数であれば、950回であることに限定されない。
図384(c)に示すように、特別図柄の可変表示回数が天井値の到達後に参照される遊技状態関連設定テーブル3には、「状態フラグ」、「普電作動パターン」及び「時短終了条件」が対応付けられている。
図384(c)に示す遊技状態関連設定テーブル2によれば、特別図柄の可変表示回数が天井値(950回)に到達すると、B時短遊技状態を示す状態フラグ=2、普電作動パターン=02、時短終了条件として特別図柄の可変表示回数=950回が設定される。
このように、本実施形態においては、特別図柄の可変表示回数が天井値に到達すると、「第4時短遊技状態」に移行するように構成されている。ここでの特別図柄の可変表示回数は、第6時短回数である950回が設定可能となっている。
上述した第6時短回数は、実質的に大当り遊技状態に移行することが保証されている回数に設定されている。このため、B時短遊技状態に移行すると、実質的に大当り遊技状態に移行することが保証されていることになる。なお、第6時短回数は、実質的に大当り遊技状態に移行することが保証されている回数であれば、950回であることに限定されない。
なお、各時短遊技状態における第1移行率~第8移行率は、図381に示す特別図柄判定テーブルの特別図柄の図柄乱数値を変更することにより、適宜設計変更自由である。
ただし、時短当りの特別図柄の可変表示の終了後において、「第2時短遊技状態」に移行する第7移行率は、「第1時短遊技状態」に移行する第6移行率よりも低いことが望ましい。
また、「時短終了条件」として第1時短回数~第6時短回数に設定される回数は、適宜設計変更自由である。
ただし、第1時短回数及び第2時短回数は、実質的に無限回数に相当する回数であること、第3時短回数及び第5時短回数は、B時短遊技状態(第4時短遊技状態)に移行可能な回数であること、第4時短回数及び第6時短回数は、実質的に大当り遊技状態に移行することが保証されている回数であることが望ましい。
また、本実施形態においては、「時短終了条件」として「特別図柄の可変表示回数」を設定したが、上述した終了条件に加え、「普通図柄の可変表示回数」または「小当りの当選回数」も時短終了条件として設定してもよい。
また、本実施形態においては、低・中・高の3種類の普電作動パターン(00、01、02)を備えて構成したが、「第3時短遊技状態」を備えず構成する場合には、普電作動パターン=00と普電作動パターン=02との2種類で構成すればよい。この場合に、普電作動パターン=01が設定される契機となる「特別図柄の選択図柄z30」は、「特別図柄の選択図柄z10」または「特別図柄の選択図柄z20」と同様に遊技状態を設定すればよい。
また、本実施形態において遊技状態関連設定テーブルは、「当選時の遊技状態」によらず、遊技状態の設定を行うようにしたが、「当選時の遊技状態」に応じて遊技状態の設定を行うように構成してもよい。「当選時の遊技状態」に応じて遊技状態の設定を行う場合には、「当選時の遊技状態が通常遊技状態」であるときには、「当選時の遊技状態が時短遊技状態」であるときよりも、遊技者にとって有利な遊技状態に移行しやすいように設定することが望ましい。例えば、大当り遊技状態の終了後に参照される遊技状態関連設定テーブルにおいては、「当選時の遊技状態が時短遊技状態」であるときには、図384(a)に示す遊技状態関連設定テーブル1のように、「特別図柄の選択図柄」に応じて普電作動パターン=00または02が設定されるものの、「当選時の遊技状態が通常遊技状態」であるときには、すべての「特別図柄の選択図柄」に対して普電作動パターン=02(有利)を設定することが望ましい。
[12-3-6.特別図柄の変動パターンテーブル]
図385及び図386は、第10のパチンコ遊技機の特別図柄の変動パターンテーブルの一例である。図385は、第10のパチンコ遊技機における通常遊技状態及び一般遊技状態の特別図柄の変動パターンテーブルの一例であり、図386は、第10のパチンコ遊技機におけるRUSH遊技状態の特別図柄の変動パターンテーブルの一例である。なお、図385及び図386に示す特別図柄の変動パターンテーブルは、主制御回路200のメインROM202に記憶されている。
特別図柄の変動パターンテーブルは、特別図柄の変動パターン及び特別図柄の変動表示時間を決定するテーブルである。「特別図柄の変動パターン」とは、特別図柄の変動態様を定めた情報であり、少なくとも特別図柄の変動表示時間が定められている。
図385及び図386に示すように、特別図柄の変動パターンテーブルには、特別図柄の種別と、特別図柄の当り判定処理の結果(当落)と、リーチ判定用乱数値と、演出選択用乱数値と、特別図柄の変動パターンと、特別図柄の変動表示時間とが対応付けられている。なお、リーチ判定用乱数値は例えば0~249(250種類)の中から抽出され、演出選択用乱数値は例えば0~99(100種類)の中から抽出される。ただし、発生する乱数値の範囲は上記に限られない。また、図385及び図386の「備考」の欄は、分かりやすいように演出内容等を便宜上示したものである。
メインCPU201は、遊技状態等に応じて図385及び図386のいずれかの特別図柄の変動パターンテーブルを決定し、決定した特別図柄の変動パターンテーブルを参照し、特別図柄の種別、特別図柄の当り判定処理の結果と、リーチ判定用乱数値と、演出選択用乱数値とに基づいて、特別図柄の変動パターンと特別図柄の変動表示時間とを決定する。
また、メインCPU201は、特別図柄の変動パターンを決定すると、決定した特別図柄の変動パターンに対応した特別図柄の変動パターンコマンドをサブCPU301に送信する。サブCPU301は、メインCPU201から受信した特別図柄の変動パターンコマンドに基づいて、表示装置7の表示領域に表示される表示演出や、スピーカ32から出力される音演出を制御する。なお、特別図柄の変動パターンコマンドは、第1始動口10120に遊技球が入球したことを契機とした第1特別図柄の変動パターンであるか、第2始動口10140に遊技球が入球したことを契機とした第2特別図柄の変動パターンであるかを識別可能に構成されている。ここで、第1特別図柄と第2特別図柄とを区別するときには、第1特別図柄の変動パターンコマンドまたは第2特別図柄の変動パターンコマンドともいう。
(通常遊技状態の特別図柄の変動パターンテーブル)
図385(a)に示す特別図柄の変動パターンテーブルTは、通常遊技状態のときに決定される特別図柄の変動パターンテーブルである。
上述したように、本実施形態においては通常遊技状態においてのみ「時短当り」が判定できるように構成されており、図385(a)に示す通常遊技状態の特別図柄の変動パターンテーブルTは、特別図柄の当り判定処理の結果(当落)が「時短当り」であるときには、「大当り」とは異なる専用の特別図柄の変動パターン(C1H~C4H)が決定可能に構成されている。
さらに、図385(a)に示す通常遊技状態の特別図柄の変動パターンテーブルTは、特別図柄の当り判定処理の結果(当落)が「時短当り」であるときには、第1時短遊技状態に移行する契機となる「特別図柄の選択図柄z10」と、第2時短遊技状態に移行する契機となる「特別図柄の選択図柄z20」と、第3時短遊技状態に移行する契機となる「特別図柄の選択図柄z30」とでそれぞれ異なる変動パターンが決定可能に構成されている。
通常遊技状態においては、「時短当り」であるときの専用の特別図柄の変動パターン(C1H~C4H)により、「時短当り」であるときの専用の演出として、後述する「カード演出」または「RUSH突入演出」を実行することができる。さらに、「時短当り」であるときの「特別図柄の選択図柄」に応じて、変動パターンが決定可能に構成されているので、「時短当り」の「特別図柄の選択図柄」に応じて、移行する遊技状態に対応した演出を行うことができる。
また、図385(a)に示す通常遊技状態の特別図柄の変動パターンテーブルTは、特別図柄の種別が第2特別図柄であるときには、通常遊技状態の第1特別図柄とは異なる特別図柄の変動パターンが決定可能に構成されている。
(一般遊技状態の特別図柄の変動パターンテーブル)
図385(b)に示す特別図柄の変動パターンテーブルJ1は、一般遊技状態のときに決定される特別図柄の変動パターンテーブルである。
図385(b)に示す一般遊技状態の特別図柄の変動パターンテーブルJ1は、特別図柄の種別が第2特別図柄であるときには、一般遊技状態の第1特別図柄とは異なる特別図柄の変動パターンが決定可能に構成されている。
なお、本実施形態では、一般遊技状態として、第1時短遊技状態、第3時短遊技状態及び第5時短遊技状態とで同じ変動パターンテーブルJ1を構成したが、第1時短遊技状態、第3時短遊技状態及び第5時短遊技状態とで異なる変動パターンテーブルを構成してもよい。
また、本実施形態では、一般遊技状態において時短当りが当選されないが、一般遊技状態においても時短当りを当選可能とする場合には、時短当りであるときには、大当りとは異なる専用の特別図柄の変動パターンを決定可能に構成すればよい。そして、時短当りであるときには、通常遊技状態と一般遊技状態とで異なる特別図柄の変動パターンを決定可能にし、時短当りであるときの専用の演出として、通常遊技状態と一般遊技状態とで異なる演出を行うことが望ましい。
(RUSH遊技状態の特別図柄の変動パターンテーブル)
図386(a)に示す特別図柄の変動パターンテーブルJ2は、RUSH遊技状態としての「第2時短遊技状態または第4時短遊技状態」のときに決定される特別図柄の変動パターンテーブルである。図386(b)に示す特別図柄の変動パターンテーブルJ3は、RUSH遊技状態としての「第5時短遊技状態」のときに決定される特別図柄の変動パターンテーブルである。
図386(a)に示す特別図柄の変動パターンテーブルJ2と図386(b)に示す特別図柄の変動パターンテーブルJ3とでは、図386(b)に示す特別図柄の変動パターンテーブルJ3の方が、特別図柄の当り判定処理の結果(当落)が「ハズレ」であるときには、短い特別図柄の変動表示時間が対応付けられた特別図柄の変動パターンを決定可能に構成されている。
なお、本実施形態では、RUSH遊技状態における第2時短遊技状態と第4時短遊技状態とで同じ変動パターンテーブルJ2を構成したが、第2時短遊技状態と第4時短遊技状態とで異なる変動パターンテーブルを構成してもよい。さらには、第5時短遊技状態と第2時短遊技状態とを同じ変動パターンテーブルで構成してもよいし、第5時短遊技状態と第4時短遊技状態とを同じ変動パターンテーブルで構成してもよい。
[12-3-7.特別図柄の先読み関連データ]
図387は、第10のパチンコ遊技機における特別図柄の先読み関連データの一例である。ここで「先読み」とは、遊技球が第1始動口10120または第2始動口10140に入球して、主制御回路200(メインCPU201)が特別図柄の始動情報(大当り判定用乱数値、図柄乱数値、リーチ判定用乱数値、演出選択用乱数値等)を取得したときに、特別図柄の抽選よりも事前に、取得した特別図柄の始動情報を解析することをいう。そして、解析した情報(先読みコマンド)はサブ制御回路300(サブCPU301)に送信され、先読みコマンドに基づいて「先読み演出」が実行可能となる。
図387(a)は、特別図柄の先読み関連データとして、遊技状態に応じて、先読みを実行するか否かを定めた先読み実行対応テーブルである。
図387(a)に示すように、通常遊技状態においては、第1特別図柄の始動情報に基づく先読みと、第2特別図柄の始動情報に基づく先読みとの両方が実行可能である。また、時短遊技状態、大当り遊技状態、小当り遊技状態においては、第2特別図柄の始動情報に基づく先読みのみが実行可能となっている。
図387(b)は、特別図柄の始動情報を解析し、解析した情報としての先読みコマンドの構成の一例である。
図387(b)に示すように、先読みコマンドは、第1特別図柄であるか第2特別図柄であるかの「特別図柄の種別」と、複数の「パラメータ1~3」とで構成されている。
「パラメータ1」は、大当り判定用乱数値に基づいて、大当り、小当り、時短当り及びハズレのいずれであるかを事前に解析した当落情報であり、図387(c)は、パラメータ1の設定テーブルの一例である。
「パラメータ2」は、大当り判定用乱数値、図柄乱数値に基づいて、停止表示される特別図柄の選択図柄を事前に解析した図柄情報であり、図387(d)は、パラメータ2の設定テーブルの一例である。
「パラメータ3」は、大当り判定用乱数値、リーチ判定用乱数値、演出選択用乱数値に基づいて、特別図柄の変動パターンを事前に解析した変動情報であり、図387(e)は、パラメータ3の設定テーブルの一例である。
本実施形態においては、特別図柄の始動情報についての先読みが行われてから、その特別図柄の始動情報に基づく特別図柄の抽選が行われる前までの特別図柄の可変表示を「事前変動」ともいう。また、その特別図柄の始動情報に基づく特別図柄の抽選が行われたときの特別図柄の可変表示を「当該変動」ともいう。
[12-3-8.普通図柄の当り判定テーブル]
図388は、第10のパチンコ遊技機における普通図柄の当り判定テーブルの一例である。なお、図388に示す普通図柄の当り判定テーブルは、主制御回路200のメインROM202に記憶されている。
普通図柄の当り判定テーブルは、普通図柄の当り判定処理において参照されるテーブルであり、第1通過ゲート10126Rまたは第2通過ゲート10126Lに遊技球が通過した際に取得される普通図柄の当り判定用乱数値に基づいて「普通図柄当り」または「普通図柄ハズレ」を抽選により決定する際に参照されるテーブルである。
図388に示す普通図柄の当り判定テーブルには、普通図柄当り判定用乱数値の範囲(幅)と、普通図柄の当落判定値データ(「普通図柄当り」または「普通図柄ハズレ」)とが対応づけられて規定されている。なお、普通図柄の当り判定用乱数値は、例えば0~65535の範囲(65536種類)で取得される。ただし、発生する乱数値の範囲は上記に限られない。
メインCPU201は、図388に示す普通図柄の当り判定テーブルを参照し、普通図柄当り判定用乱数値の範囲(幅)に基づいて、普通図柄の当落判定値データを決定する。
本実施形態では、メインCPU201は、図388に示す普通図柄の当り判定テーブルを参照し、取得された普通図柄の当り判定用乱数値が0~16383のいずれかである場合は「普通図柄当り」と判定し、普通図柄の当落判定値データを「普通図柄当り判定値データ」に決定する。また、メインCPU201は、取得された普通図柄の当り判定用乱数値が16384~65535のいずれかである場合は「普通図柄ハズレ」と判定し、普通図柄の当落判定値データを「ハズレ判定値データ」に決定する。
このように、本実施形態では、「普通図柄当り」が約1/1.00の選択率で決定され、「普通図柄ハズレ」が決定されるよりも「普通図柄当り」が決定されやすく構成されている。なお、「普通図柄ハズレ」が決定されるよりも「普通図柄当り」が決定されやすく構成されることが望ましく、「普通図柄当り」の選択率は約1/1.00に限定されるものではない。
本実施形態において、通常遊技状態か時短遊技状態かの遊技状態によらず、「普通図柄当り」の選択率が共通(普通図柄当りの当選確率が共通)に設定されているが、後述するように遊技状態(普電作動パターン)に応じて第2始動口10140の開放パターンを異ならせることにより、遊技者に与える利益度を異ならせている。
また、本実施形態において、通常遊技状態か時短遊技状態かの遊技状態によらず、「普通図柄当り」の選択率が共通に設定されているが、遊技状態に応じて「普通図柄当り」の選択率を異ならせてもよい。遊技状態に応じて「普通図柄当り」の選択率を異ならせる場合には、通常遊技状態における「普通図柄当り」の選択率よりも、時短遊技状態における「普通図柄当り」の選択率が高くなるように構成することが望ましい。さらには、A時短遊技状態、B時短遊技状態とで時短遊技状態の種類によっても、「普通図柄当り」の選択率を異ならせてもよい。
[12-3-9.普通図柄判定テーブル]
図389は、第10のパチンコ遊技機における普通図柄判定テーブルの一例である。なお、図389に示す普通図柄判定テーブルは、主制御回路200のメインROM202に記憶されている。
普通図柄判定テーブルは、上述の普通図柄の当落判定値データと、第1通過ゲート10126Rまたは第2通過ゲート10126Lに遊技球が通過した際に取得される普通図柄の図柄乱数値とに基づいて、普通図柄の停止図柄を決定付ける「普通図柄の選択図柄」を選択する際に参照されるテーブルである。
図389に示される普通図柄判定テーブルには、上述の普通図柄の当落判定値データ(「普通図柄当り」または「普通図柄ハズレ」)と、普通図柄の図柄乱数値と、普通図柄の選択図柄とが対応づけられて規定されている。なお、普通図柄の図柄乱数値は、例えば0~100(101種類)の中から取得される。ただし、発生する乱数値の範囲は上記に限られない。
メインCPU201は、図389に示される普通図柄判定テーブルを参照し、普通図柄当り判定値データと普通図柄の図柄乱数値とに基づいて、普通図柄の選択図柄を決定する。
図389に示される普通図柄判定テーブルによれば、普通図柄の当り判定処理の結果として普通図柄当り判定値データが得られた場合、例えば、普通図柄の選択図柄は以下のように選択される。
例えば、普通図柄当り判定値データが得られた場合、メインCPU201は、普通図柄の図柄乱数値が0~98のいずれかであれば普通図柄の選択図柄として「f1」を選択し、普通図柄の図柄乱数値が99、100のいずれかであれば普通図柄の選択図柄として「f2」を選択する。また、普通図柄ハズレ判定値データが得られた場合、メインCPU201は、普通図柄の図柄乱数値によらず、普通図柄の選択図柄として「f3」を選択する。
なお、「普通図柄の選択図柄」が選択される普通図柄の図柄乱数値の範囲(幅)、すなわち選択率は、上記値に限定されず、適宜設計変更が自由である。
特に、本実施形態においては、第1のパチンコ遊技機とは異なり、普通図柄の選択図柄を選択するにあたり、遊技状態によらずに、普通図柄の当落判定値データ(普通図柄の当り判定処理の結果)と普通図柄の図柄乱数値とに基づいて、普通図柄の選択図柄が選択されるように構成されている。なお、第1のパチンコ遊技機と同様に、遊技状態に応じて、普通図柄選択の図柄が選択されるように構成してもよい。
また、本実施形態において、メインCPU201は、先ず、普通図柄の当り判定テーブル(図388参照)を参照して、取得された普通図柄の当り判定用乱数値に基づいて普通図柄の当落判定値データを決定し、その後、普通図柄判定テーブル(図389参照)を参照して、普通図柄の図柄乱数値に基づいて普通図柄の選択図柄を決定するようにしているが、これに限られない。例えば、取得された普通図柄の当り判定用乱数値と普通図柄の図柄乱数値とに基づいて、普通図柄の当落判定値データ(普通図柄の当落)、および普通図柄の選択図柄をあわせて決定するようにしてもよい。
[12-3-10.第2始動口の開放パターン決定テーブル]
図390は、第10のパチンコ遊技機における第2始動口の開放パターン決定テーブルの一例である。なお、図390に示す第2始動口の開放パターン決定テーブルは、主制御回路200のメインROM202に記憶されている。
第2始動口の開放パターン決定テーブルは、普通図柄当りと判定された場合に、遊技状態(普電作動パターン)と普通図柄の選択図柄とに応じて、普電用シャッタ10147の作動態様としての第2始動口10140の開放パターンを決定する際に参照される。
図390に示される第2始動口の開放パターン決定テーブルには、遊技状態(普電作動パターン)と、普通図柄の選択図柄と、第2始動口10140の開放パターンとが対応づけられて規定されている。
また、「第2始動口の開放パターン」は、第2始動口10140の1回目の開放状態における「1回目の開放時間」、第2始動口10140の1回目の閉鎖状態における「1回目のウェイト時間」、第2始動口10140の2回目の開放状態における「2回目の開放時間」、第2始動口10140の2回目の閉鎖状態における「2回目のウェイト時間」、第2始動口10140を閉鎖させて普電用シャッタ10147の作動を終了する「エンディング時間」とで構成されている。
メインCPU201は、図390に示される第2始動口の開放パターン決定テーブルを参照し、遊技状態(普電作動パターン)と普通図柄の選択図柄とに基づいて、第2始動口10140の開放パターンを決定する。なお、メインCPU201は、第2始動口10140の開放パターンを決定すると、決定した第2始動口10140の開放パターンに対応する第2始動口の開放パターンコマンドをサブCPU301に送信する。
本実施形態では、第2始動口の開放パターンとして、第2始動口10140の開放時間が短い不利な「ショート開放パターン(91H01H)」と、第2始動口10140の開放時間が長い有利な「ロング開放パターン(91H02H)」との2種類の開放パターンを備えている。なお、第2始動口の開放パターンとして、3種類以上の開放パターンを備えて構成してもよい。
特に、本実施形態では、「ショート開放パターン(91H01H)」の開放時間は、極めて短い時間(例えば、0.072秒)が設定されている。このため、普通図柄当りと判定された場合であっても、「ショート開放パターン(91H01H)」が行われるときは、第2始動口10140に遊技球が入球することが不可能又は困難となり、実質的にハズレの扱いとなるように構成されている。
また、「ロング開放パターン(91H02H)」の開放時間は、第2始動口10140に遊技球が入球可能となることになる長い時間(例えば、5.4秒)が設定されている。
図390に示す第2始動口の開放パターン決定テーブルによれば、通常遊技状態、第1時短遊技状態及び第6時短遊技状態である場合には、普通図柄の選択図柄が「f1」であるときにも、普通図柄の選択図柄が「f2」であるときにも、第2始動口の開放パターンとして「ショート開放パターン(91H01H)」が決定されるように構成されている(「ロング開放パターン(91H02H)」が決定されないように構成されている)。
また、第3時短遊技状態である場合には、普通図柄の選択図柄が「f1」であるときには、第2始動口の開放パターンとして「ショート開放パターン(91H01H)」が決定され、普通図柄の選択図柄が「f2」であるときには、第2始動口の開放パターンとして「ロング開放パターン(91H02H)」が決定されるように構成されている。
また、第2時短遊技状態、第4時短遊技状態及び第5時短遊技状態である場合には、普通図柄の選択図柄が「f1」であるときにも、普通図柄の選択図柄が「f2」であるときにも、第2始動口の開放パターンとして「ロング開放パターン(91H02H)」が決定されるように構成されている。
このため、普電作動パターン=00は、「ロング開放パターン」が決定され難く、「ショート開放パターン」が決定され易い状態を示し、普電作動パターン=01は、「ロング開放パターン」と「ショート開放パターン」とが決定される状態を示し、普電作動パターン=02は、普電作動パターン=01であるときよりも「ロング開放パターン」が決定され易く、「ショート開放パターン」が決定され難い状態を示していることになる。
また、図390に示す第2始動口の開放パターン決定テーブルの右欄には、「普通図柄の当り判定用乱数値(図388参照)」及び「普通図柄の図柄乱数値(図389参照)」を合算することにより算出され、「ロング開放パターン」が実行される「ロング開放確率」を参考として図示している。本実施形態において、普電作動パターン=00である場合には、普通図柄当りが1/4であるものの、ロング開放パターンが決定されることはないことから、「ロング開放確率」は0である。また、普電作動パターン=01である場合には、普通図柄当りが1/4.0であり、ロング開放パターンが決定される普通図柄の選択図柄「f2」の選択率が2/101であることから、「ロング開放確率」は約1/202.0である。また、普電作動パターン=01である場合には、普通図柄当りが1/4.0であり、すべての普通図柄の選択図柄でロング開放パターンが決定されること(101/101)から、「ロング開放確率」は1/4.0である。
また、本実施形態では、普電用の規定個数は3個に設定されており、いずれかの第2始動口の開放パターンが決定され、第2始動口10140が開放しても、第2始動口10140に3個の遊技球が入球すると、その第2始動口の開放パターンは終了する(第2始動口10140は閉鎖する)ことになる。
[12-3-11.普通図柄の変動パターンテーブル]
図391は、第10のパチンコ遊技機における普通図柄の変動パターンテーブルの一例である。なお、図391に示す普通図柄の変動パターンテーブルは、主制御回路200のメインROM202に記憶されている。
普通図柄の変動パターンテーブルは、普通図柄の変動パターン及び普通図柄の変動表示時間を決定するテーブルである。「普通図柄の変動パターン」とは、普通図柄の変動態様を定めた情報であり、少なくとも普通図柄の変動表示時間が定められている。
図391に示す普通図柄の変動パターンテーブルには、普通図柄の選択図柄と、普通図柄の演出用乱数値と、普通図柄の変動パターンと、普通図柄の変動表示時間とが対応付けられている。また、図391の「備考」の欄は、分かりやすいように演出内容等を便宜上示したものである。
図391(a)は、通常遊技状態の普通図柄の変動パターンテーブルF1の一例であり、
図391(b)は、一般遊技状態における第1時短遊技状態及び第6時短遊技状態の普通図柄の変動パターンテーブルF2の一例であり、
図391(c)は、一般遊技状態における第3時短遊技状態の普通図柄の変動パターンテーブルF3の一例であり、
図391(d)は、RUSH遊技状態における第2時短遊技状態及び第4時短遊技状態の普通図柄の変動パターンテーブルF4の一例であり、
図391(e)は、RUSH遊技状態における第5時短遊技状態の普通図柄の変動パターンテーブルF5の一例である。
メインCPU201は、遊技状態に応じて図391のいずれかの普通図柄の変動パターンテーブルを決定し、決定した普通図柄の変動パターンテーブルを参照し、普通図柄の選択図柄等に基づいて、普通図柄の変動パターンと普通図柄の変動表示時間とを決定する。そして、メインCPU201は、普通図柄の変動パターンを決定すると、決定した普通図柄の変動パターンに対応した普通図柄の変動パターンコマンドをサブCPU301に送信する。
図391(a)に示す通常遊技状態の普通図柄の変動パターンテーブルF1には、図391(b)~図391(e)に示す普通図柄の変動パターンテーブルF2~F5よりも、最も長い普通図柄の変動表示時間が対応付けられた普通図柄の変動パターン(00H、01H)を決定可能に構成されている。
図391(b)に示す第1時短遊技状態及び第6時短遊技状態の普通図柄の変動パターンテーブルF2には、図391(a)に示す通常遊技状態の普通図柄の変動パターンテーブルF1よりも、短い普通図柄の変動表示時間が対応付けられた普通図柄の変動パターン(10H、11H)を決定可能に構成されている。
図391(c)に示す第3時短遊技状態の普通図柄の変動パターンテーブルF3には、図391(b)に示す第1時短遊技状態及び第6時短遊技状態の普通図柄の変動パターンテーブルF2よりも、短い普通図柄の変動表示時間が対応付けられた普通図柄の変動パターン(20H、21H、22H、23H)を決定可能に構成されている。
図391(d)に示す第2時短遊技状態及び第4時短遊技状態の普通図柄の変動パターンテーブルF4には、図391(c)に示す第3時短遊技状態の普通図柄の変動パターンテーブルF3よりも、短い普通図柄の変動表示時間が対応付けられた普通図柄の変動パターン(30H、31H、32H、33H)を決定可能に構成されている。
図391(e)に示す第5時短遊技状態の普通図柄の変動パターンテーブルF5には、図391(d)に示す第2時短遊技状態及び第4時短遊技状態の普通図柄の変動パターンテーブルF4よりも、短い普通図柄の変動表示時間が対応付けられた普通図柄の変動パターン(40H、41H、42H、43H)を決定可能に構成されている。
すなわち、通常遊技状態の普通図柄の変動パターンテーブルF1、第1時短遊技状態及び第6時短遊技状態の普通図柄の変動パターンテーブルF2、第3時短遊技状態の普通図柄の変動パターンテーブルF3、第2時短遊技状態及び第4時短遊技状態の普通図柄の変動パターンテーブルF4、第5時短遊技状態の普通図柄の変動パターンテーブルF5の順に相対的に普通図柄の平均的な変動表示時間が短くなるように、普通図柄の変動パターンテーブルが構成されている。
また、図391(c)に示す第3時短遊技状態の普通図柄の変動パターンテーブルF3には、「普通図柄の選択図柄f2」のときに、第2始動口10140が開放することを示唆する「テロップ演出」が実行される普通図柄の変動パターン(23H)が決定可能に構成されている。また、本実施形態では、普通図柄の変動パターンテーブルF3には、「普通図柄の選択図柄f1」のときにも、ダミー的な「テロップ演出」が実行される普通図柄の変動パターン(22H)が決定可能に構成されているが、「普通図柄の選択図柄f2」のときにのみ、「テロップ演出」が実行される普通図柄の変動パターンが決定可能に構成してもよい。さらには、普通図柄の変動パターンテーブルF3は、「普通図柄の選択図柄f3」のときにも、ダミー的な「テロップ演出」が実行される普通図柄の変動パターン(22H)を決定可能に構成してもよい。
なお、本実施形態では、RUSH遊技状態の普通図柄の変動パターンテーブルを、第2時短遊技状態及び第4時短遊技状態の普通図柄の変動パターンテーブルF4と、第5時短遊技状態の普通図柄の変動パターンテーブルF5とで区別して構成したが、第2時短遊技状態、第4時短遊技状態及び第5時短遊技状態を共通の普通図柄の変動パターンテーブルで構成してもよい。
[12-3-12.遊技停止コマンド決定テーブル]
図392は、第10のパチンコ遊技機における遊技停止コマンド決定テーブルの一例である。なお、図392に示す遊技停止コマンド決定テーブルは、主制御回路200のメインROM202に記憶されている。
本実施形態においては、後述するように、遊技球の増加数(MY)が規制値(95000個)に到達すると、原則として遊技が停止されることになる。ただし、小当り遊技状態または大当り遊技状態のときに遊技球の増加数(MY)が規制値に到達した場合には、その小当り遊技状態または大当り遊技状態の終了後に遊技が停止されることになる。
また、「遊技停止コマンド」とは、遊技球の増加数(MY)に応じて遊技が停止されることに関する情報をサブ制御回路300に送信するコマンドであり、サブ制御回路300では、遊技停止コマンドを受信することにより、表示装置7等において事前に遊技が停止される旨の「遊技停止予告」や遊技停止状態であることの「遊技停止報知」を行うことが可能となる。
図392に示す遊技停止コマンド決定テーブルには、「遊技停止機能作動管理フェーズ」と、「遊技停止予告開始条件」と、「遊技停止コマンド」とが対応付けられている。
ここで、「遊技停止機能作動管理フェーズ」とは、遊技球の増加数に基づいて遊技を停止させるための関連情報のひとつであり、遊技球の増加(MY)数に基づき設定され、遊技停止機能の状態を示す情報である。
この「遊技停止機能作動管理フェーズ」は、後述するように、遊技球の増加数(MY)が初期の境界値未満の84999以下のときには「00H」が設定され、遊技球の増加数(MY)が初期の境界値以上から第1の境界値未満の「第1の計数範囲(85000~89999)」であるときには、「01H」が設定され、遊技球の増加数(MY)が第1の境界値以上から規制値未満の「第2の計数範囲(90000~94999)」であるときには、「02H」が設定されている。また、遊技球の増加数(MY)が規制値以上の「第3の計数範囲(95000~)」である場合においては、小当り遊技状態または大当り遊技状態であるとき(遊技停止状態前)には「03H」が設定され、小当り遊技状態または大当り遊技状態でないとき(遊技停止状態中)には「04H」が設定されている。
また、「遊技球の増加数(MY)」とは、遊技球を払い出した累計の払出数(払出遊技球数)から遊技球の発射した累計の発射球数(発射遊技球数)を減算した数である。詳しくは後述するが、「遊技球の増加数(MY)」は、「差玉数カウンタ」に対応していることになる(遊技球の増加数(MY)=差玉数カウンタの値)。
このように、遊技球の増加数(MY)は、「初期の計数範囲(84999以下)」と、「第1の計数範囲(85000~89999)」と、「第2の計数範囲(90000~94999)」と、「第3の計数範囲(95000~)」とで区画されており、遊技停止機能作動管理フェーズによって識別可能に構成されている。なお、初期の境界値、第1の境界値、規制値の値は、適宜設計変更が自由である。
図392に示すように、遊技停止コマンド決定テーブルは、遊技球の増加数(MY)が初期の計数範囲(84999以下)にある場合、すなわち遊技停止機能作動管理フェーズ=00Hの場合には、遊技停止コマンドが決定されず、遊技球の増加数(MY)に関するいずれの報知も行われないように構成されている。
また、図392に示す遊技停止コマンド決定テーブルは、遊技球の増加数(MY)が第1の計数範囲(85000~89999)にある場合、すなわち遊技停止機能作動管理フェーズ=01Hの場合には、第1の計数範囲における「遊技停止予告開始条件」(以下「第1の遊技停止予告開始条件」ともいう)が成立していると、第1遊技停止予告を実行可能な遊技停止コマンド=01Hが決定されるように構成されている。
遊技停止コマンド=01Hに基づく第1遊技停止予告は、後述する「第1遊技停止予告終了条件」が成立するまで継続して実行されることになる。
また、図392に示す遊技停止コマンド決定テーブルは、遊技球の増加数(MY)が第2の計数範囲(90000~94999)にある場合、すなわち遊技停止機能作動管理フェーズ=02Hの場合には、第2の計数範囲における「遊技停止予告開始条件」(以下「第2の遊技停止予告開始条件」ともいう)が成立していると、第2遊技停止予告を実行可能な遊技停止コマンド=02Hが決定されるように構成されている。
遊技停止コマンド=02Hに基づく第2遊技停止予告は、第1遊技停止予告とは一部が異なる報知態様で、遊技球の増加数(MY)が規制値になるまで継続して実行されることになる。
なお、本実施形態においては、第1遊技停止予告と第2遊技停止予告とは異なる報知態様としたが、共通の報知態様としてもよい。遊技停止予告の報知態様等については、詳しくは後述する。
また、図392に示す遊技停止コマンド決定テーブルは、遊技球の増加数(MY)が第3の計数範囲(95000~)にある場合において小当り遊技状態または大当り遊技状態であるときには、すなわち遊技停止機能作動管理フェーズ=03Hであるときには、第3遊技停止予告を実行可能な遊技停止コマンド=03Hが決定されるように構成されている。
遊技停止コマンド=03Hに基づく第3遊技停止予告は、第1遊技停止予告及び第2遊技停止予告とは一部が異なる報知態様で、遊技が停止されるまで(小当り遊技状態または大当り遊技状態が終了するまで)継続して実行されることになる。
また、図392に示す遊技停止コマンド決定テーブルは、遊技球の増加数(MY)が第3の計数範囲(95000~)にある場合において小当り遊技状態または大当り遊技状態でないときには、すなわち遊技停止機能作動管理フェーズ=04Hであるときには、遊技停止報知を実行可能な遊技停止コマンド=04Hが決定されるように構成されている。
遊技停止コマンド=04Hに基づく遊技停止報知は、遊技停止予告とは報知態様で、バックアップクリアスイッチ176によりRAMクリアされるまで継続して実行されることになる。
ここで、図392に示すように、第1の計数範囲の「第1の遊技停止予告開始条件」としては、特別図柄の選択図柄z1の大当り遊技状態中、特別図柄の選択図柄z4の大当り遊技状態中、特別図柄の選択図柄z5の大当り遊技状態中、第2時短遊技状態(RUSH遊技状態)、第4時短遊技状態(RUSH遊技状態)、第5時短遊技状態(RUSH遊技状態)のいずれかの遊技状態であることを設定している。
第2時短遊技状態、第4時短遊技状態及び第5時短遊技状態は、いずれもRUSH遊技状態であり、RUSH遊技状態に移行すると大当り遊技状態に移行しやすくなり、遊技者が多量の遊技価値(遊技球)を獲得することが期待できる遊技状態である。特別図柄の選択図柄z1の大当り遊技状態中、特別図柄の選択図柄z4の大当り遊技状態中及び特別図柄の選択図柄z5の大当り遊技状態中は、いずれもその大当り遊技状態の終了後に第5時短遊技状態(RUSH遊技状態)に移行することになり、遊技者が多量の遊技価値(遊技球)を獲得することが期待できる遊技状態である。
したがって、第1の計数範囲の「第1の遊技停止予告開始条件」は、遊技者が多量の遊技価値(遊技球)を獲得することが期待できる遊技状態を設定していることになる。このため、遊技者が多量の遊技価値(遊技球)を獲得することが期待できる遊技状態である場合には、第2の計数範囲よりも事前に遊技停止予告の実行を開始させることができる。
第2の計数範囲の「第2の遊技停止予告開始条件」は、まず実行済みフラグによって分岐されている。この「実行済みフラグ」とは、第1遊技停止予告を実行したか否かを判定するためのフラグであり、実行済みフラグ=0は、第1遊技停止予告が実行されていないことを示しており、実行済みフラグ=1は、既に第1遊技停止予告が実行されたことを示している。
そして、第2の計数範囲の「第2の遊技停止予告開始条件」としては、実行済みフラグ=0であるときには、遊技球の増加数(MY)が第1の境界値である90000に到達したことを設定している。
このため、第1遊技停止予告が実行されていない場合には、第1始動口10120や一般入賞口122等に遊技球が入球して所定の賞球が払い出されることにより、遊技球の増加数(MY)が第1の境界値に到達したときであっても、遊技停止予告の実行が開始されることになる。
また、第2の計数範囲の「第2の遊技停止予告開始条件」としては、実行済みフラグ=1であるときには、特別図柄の選択図柄に限定されないすべての大当り遊技状態中、第2時短遊技状態(RUSH遊技状態)、第4時短遊技状態(RUSH遊技状態)、第5時短遊技状態(RUSH遊技状態)のいずれかの遊技状態であることを設定している。
このため、既に第1遊技停止予告が実行された場合には、遊技者が所定の遊技価値(遊技球)を獲得することが期待できる遊技状態になったときに、遊技停止予告の実行が開始されることになる。
一方、既に第1遊技停止予告が実行された場合には、第1始動口10120や一般入賞口122等に遊技球が入球して所定の賞球が払い出されることにより、遊技球の増加数(MY)が第1の境界値に到達したときであっても、遊技停止予告の実行が開始されることはない。このため、第1始動口10120や一般入賞口122等に遊技球が入球して所定の賞球が払い出されて、遊技球の増加数(MY)が第1の境界値に到達したものの、遊技球の発射により遊技球の増加数(MY)が第1の境界値を再び下回った場合(第1の計数範囲と第2の計数範囲とを行き来するような場合)であっても、既に第1遊技停止予告が実行されたときには遊技停止予告の実行が開始されることはなく、遊技停止予告による煩わしさを無くすことができる。
[12-4.主制御処理]
第10のパチンコ遊技機において、主制御回路200のメインCPU201により実行される各種処理(各種モジュール)は、第1のパチンコ遊技機において行われる主制御メイン処理、特別図柄制御処理、普通図柄制御処理及びシステムタイマ割込処理の一部が一部異なるものの、その他の処理については同様である。そこで、以下では、主制御メイン処理、特別図柄制御処理及び普通図柄制御処理について説明し、メインCPU201により実行されるその他の処理についての説明は省略する。
なお、第10のパチンコ遊技機における特別図柄制御処理において行われる処理には、第1のパチンコ遊技機において行われる処理と同じ処理もあるが、以下では、第1のパチンコ遊技機において行われる処理と同じ処理も含めて、ステップ番号を代えて改めて説明する。
[12-4-1.主制御メイン処理]
次に、図393及び図394を参照して、メインCPU201の制御によるメイン処理(主制御メイン処理)について説明する。なお、図393及び図394は、第10のパチンコ遊技機における主制御メイン処理の一例を示すフローチャートである。
まず、メインCPU201は、電断信号ビットが「0」であるか否かを判定する(ステップS10001)。ステップS10001において、メインCPU201が、電断信号ビットが「0」であると判定した場合(ステップS10001がYES判定の場合)、メインCPU201は、電断を検知中であるとして、ステップS10001の判定処理を繰り返す。
ステップS10001において、メインCPU201が、電断信号ビットが「0」でないと判定した場合(ステップS10001がNO判定の場合)、メインCPU201は、電断検知中でないとして、ステップS10002に進む。
次に、メインCPU201は、ステップS10002において、遊技用エリアに係るスタックポインタの設定処理を行う。ここでは、例えば、スタックポインタに、スタックエリア(遊技用エリア)の最終アドレス+1をセットする。そして、以降の処理中、スタックが用いられる場合は、スタックポインタから1を減じた後、そのアドレスにレジスタの値等を格納し、以降同様に、スタックエリア(遊技用エリア)をアドレス値の大きいエリアから小さいエリアに順に使用していく。
次に、ステップS10003において、内蔵レジスタの初期設定処理を行う。ここでは、例えば、内蔵レジスタ初期設定データテーブルを参照して、内蔵レジスタの初期設定を行う。また、所定のレジスタ(例えばQレジスタ)には、メインRAM203の作業領域(遊技用エリア)の先頭アドレス(上位側)「F0」Hがセットされる。
その後、ステップS10004において、所定のレジスタ(例えば、Eレジスタに)に起動時のバックアップクリアスイッチ176の状態情報(オン/オフ状態)と、設定キー差込口に差し込まれる設定キー174の状態情報を格納し、それらの状態を、後の起動状態チェック処理で確認できるようにしている。
次いで、メインCPU201は、ウェイト処理を行う(ステップS10005)。この処理では、メインCPU201は、サブ制御回路300側の起動待ち処理を行う。起動待ち時間(ウェイト期間)はおよそ12000msecである。また、この起動待ち時間において、メインCPU201は、割込み要求信号(XINT)の発生チェック処理、割込み要求信号発生時のWDTの出力処理、所定のタイミングでの磁気センサ初期化信号の出力処理を行う。この処理は、タイムアウトレジスタを用いて行われる。また、割込み禁止中も、例えば、タイマカウンタの更新を行うように制御し、タイマカウンタのタイムアウトが発生したか否かを、タイムアウトレジスタを用いて1命令で判定し、処理を分岐させることで、擬似的に、タイマ割込みが行われたか否かに応じて処理が分岐するような制御を行うことも可能である。
次いで、メインCPU201は、RAMアクセスの設定処理を行う(ステップS10006)。この処理で、メインCPU201は、メインRAM203へのアクセス許可コマンドを、対応するレジスタに送信する。
次に、メインCPU201は、指定領域CRC検査処理を行う(ステップS10007)。この処理で、メインCPU201は、メインRAM203の遊技用エリアと領域外エリアに関するCRC算出を行って、CRC検査を行う。ここで、CRC検査で異常(エラー)と判断された場合には、所定のレジスタ(例えばBレジスタ)にバックアップ異常ありを示すフラグ「1」をセットし、CRC検査で正常と判断された場合には、所定のレジスタに(例えばBレジスタ)、異常なしを示すフラグ「0」をセットする。
なお、CRC検査は、例えば、指定された領域のデータについて、予め定めておいた特定の値で割り、その余りを、異常があるか否かのチェック用の値として使用するものである。異なる時点でこのチェック用の値を算出し、それらが一致しない場合、当該指定された領域のデータに関して、変動があった(データの位置や値に異常があった)と判断することができる。
次に、ステップS10008において、メインCPU201は、起動状態チェック処理を行う。この処理では、CRC検査によりメインRAM203に異常があるか否か、電源投入時の設定キー174、及びバックアップクリアスイッチ176の操作、及び設定変更中の電断復帰か否かに応じて起動状態が決定され、その決定された起動状態に基づいて、メインRAM203のクリア範囲(RAMクリア範囲)が設定される。
ここで、CRC検査で異常(エラー)と判断された場合には、起動状態が「RAM異常」として決定され、RAMのクリア範囲には「異常時RAMクリア範囲」を設定し、遊技復帰不可能エラー処理を行う。遊技復帰不可能エラー処理ではWDTのクリア処理、及びリスタート処理を無限ループで繰り返し、例えば、性能表示モニタ170に「E」の文字を表示するよう制御し、遊技停止の状態となる。なお、クリア範囲としては、異常時RAMクリア範囲が設定されるが、このクリア範囲(異常時RAMクリア範囲)を設定せずにそのまま遊技停止の状態としてもよい。
また、CRC検査で正常と判断され、バックアップクリアスイッチ176が「オフ」であり、かつ、設定キー174は「オフ」である場合には、起動状態が「電断復帰」として決定され、RAMのクリア範囲には「電断復帰時RAMクリア範囲」を設定し、処理を終了する。
また、CRC検査で正常と判断され、バックアップクリアスイッチ176が「オフ」であり、かつ、設定キー174は「オン」である場合には、起動状態が「設定確認中」として決定され、RAMのクリア範囲には「電断復帰時RAMクリア範囲」を設定し、処理を終了する。
また、CRC検査で正常と判断され、バックアップクリアスイッチ176が「オン」であり、かつ、設定キー174が「オン」である場合には、起動状態が「設定変更中」として決定され、RAMのクリア範囲には「設定変更時RAMクリア範囲」を設定し、処理を終了する。
また、CRC検査で正常と判断され、バックアップクリアスイッチ176が「オン」であり、かつ、設定キー174は「オフ」である場合には、起動状態が「RAMクリア」として決定され、RAMのクリア範囲には「設定変更時RAMクリア範囲」を設定し、処理を終了する。
次に、ステップS10009において、メインCPU201は、指定範囲クリア処理を行う。この処理では、メインCPU201は、上記ステップS10008で設定したRAMのクリア範囲のクリアを行う。
ここで、起動状態が「設定変更中」及び「RAMクリア」として決定された場合には、「設定変更時RAMクリア範囲」のクリアが行われる。
また、「設定変更時RAMクリア範囲」には、遊技状態の情報に関する「状態フラグ」及び「普電作動パターン」、後述する「遊技停止機能作動管理フェーズ」が少なくとも含まれている。
このため、起動状態が「設定変更中」及び「RAMクリア」として決定された場合には、「設定変更時RAMクリア範囲」がクリアされることによって、状態フラグ及び普電作動パターンがクリアされて初期状態の「通常遊技状態」が設定される。さらに、起動状態が「設定変更中」及び「RAMクリア」として決定された場合には、「設定変更時RAMクリア範囲」がクリアされることによって、「遊技停止機能作動管理フェーズ」がクリアされて遊技球の増加数に基づく遊技停止状態が解除可能となる。すなわち、バックアップクリアスイッチ176により「RAMクリア」されることにより、初期状態の「通常遊技状態」が設定され、遊技停止状態が解除可能となる。
なお、「設定変更時RAMクリア範囲」には、後述する「獲得遊技球数」、「差玉数カウンタ」、「MY判定用カウンタ」を含めてもよい。
さらに、本実施形態においては、起動状態が「設定変更中」及び「RAMクリア」として決定された場合には、共通の「設定変更時RAMクリア範囲」のクリアが行われるように構成したが、起動状態が「設定変更中」として決定された場合には、「第1のRAMクリア範囲」のクリアが行われるように構成し、起動状態が「RAMクリア」として決定された場合には、「第2のRAMクリア範囲」のクリアが行われるように構成してもよい。このように構成する場合であっても、起動状態が「RAMクリア」として決定された場合の「第2のRAMクリア範囲」には、「状態フラグ」、「普電作動パターン」、「遊技停止機能作動管理フェーズ」が少なくとも含まれていることが望ましい。
次に、ステップS10010において、メインCPU201は、所定のレジスタ(例えば、HLレジスタ)にメインRAM203の領域外エリアに記憶されている電源投入時初期化用データテーブルのアドレスをセットし、このレジスタを参照して、電源投入時初期化用のデータを作業領域に格納する。
次いで、ステップS10011において、メインCPU201は、ステップS10010でセットされた電源投入時初期化用データテーブルのアドレスを用いて、格納対象領域に電源投入時初期化用データテーブルのデータを格納するデータ格納処理を行う。このデータ格納処理は、第3実施形態に係るパチンコ遊技機において実行されるデータ格納処理(図121参照)と同様である。
次いで、ステップS10012において、メインCPU201は、設定変更確認処理を行う。この処理では、メインCPU201は、設定キー174が設定キー差込口に差し込まれて「オン」の状態となっている場合に、設定更新や設定変更の処理を行う。この設定変更確認処理は、第3実施形態に係るパチンコ遊技機において実行される設定変更確認処理(図122、図123参照)と同様である。
次に、ステップS10013において、メインCPU201は、遊技復帰処理を行う。この処理では、メインCPU201は、遊技機の電源投入(起動時)の際に、起動状態に応じて、電断復帰時の初期設定処理を行う。この遊技復帰処理については、詳しくは後述する。
次に、ステップS10014において、メインCPU201は、割込み禁止処理を行う。この処理によって、マスカブル割込みが禁止される。この処理では、メインCPU201は、割込み禁止命令を実行し、その結果、割込み許可レジスタ1の値は「0」となり、割込み許可レジスタ2の値も「0」となる。このように、割込み禁止命令が実行されると(割込み許可レジスタ1の値が「0」の間)、マスカブル割込みは禁止される。
次に、ステップS10015において、メインCPU201は、電断判定処理を行う。この電断判定処理では、メインCPU201は、電断が検知されたか否か(すなわち、XINTが検知されたか否か)を判定し、電断が検知された場合に電断設定処理を行う。電断設定処理では、メインCPU201は、電断検知フラグをメインRAM203の作業領域(領域外エリア)に格納し、メインRAM203の遊技用エリアと領域外エリアに関するCRC算出を行い、CRC算出結果(指定領域CRC値)を、所定のレジスタ(例えば、HLレジスタ)に格納する。その後、RAMアクセス禁止コマンドを所定のレジスタに送信することによって、メインRAM203へのアクセスを禁止して、電断まで待機することになる。この電断設定処理は、第3実施形態に係るパチンコ遊技機において実行される電断設定処理(図125、図126参照)と同様である。
次に、ステップS10016において、メインCPU201は、初期乱数値更新処理を行う。この処理では、メインCPU201は、特別図柄判定用初期値乱数の更新処理を行う。
この後、ステップS10017において、メインCPU201は、性能表示モニタ集計除算処理を行う。この処理は、領域外エリア処理呼出命令でコールされることにより、領域外エリアの処理となる。メインCPU201は、各種ベース値を算出・更新し、各処理は、メインRAM203作業領域(領域外エリア)を使用して行われる。この性能表示モニタ集計除算処理は、第3実施形態に係るパチンコ遊技機において実行される性能表示モニタ集計除算処理(図127、図128参照)と同様である。
次に、ステップS10018において、メインCPU201は、割込み許可処理を行う。この処理によって、マスカブル割込みが許可される。ここで、割込み許可レジスタ1の値と割込み許可レジスタ2の値が共に「1」にセットされる。
次に、ステップS10019において、メインCPU201は、システム周期時間(6msec:割込み周期(2mses)の3倍)が経過したか否かを判定する。具体的には、メインCPU201は、メインRAM203の作業領域(遊技用エリア)の割込みカウンタ領域に格納された値(現在の割込みカウンタの計数値)から3減算した値が「0」であるか否かを判定する。なお、割込みカウンタの値は、後述するシステムタイマ割込み処理(図413参照)において毎に1加算され、システム周期時間経過時には「3」となる。それゆえ、割込みカウンタの値から3減算した値が「0」である場合には、ステップS10019の判定は「YES」となり、割込みカウンタの値から3減算した値が「0」でない場合、ステップS10019の判定は「NO」となる。
ステップS10019において、メインCPU201が、システム周期時間が経過していないと判定した場合(ステップS10019がNO判定の場合)、メインCPU201は、処理をステップS10014の処理に戻し、ステップS10014以降の処理を行う。
一方、ステップS10019において、メインCPU201が、システム周期時間が経過したと判定した場合(ステップS10019がYES判定の場合)、メインCPU201は、ステップS10020において、タイマカウンタ更新処理を行う。この処理は、割込みカウンタ領域に格納された値(割込みカウンタの値)から1減算する処理を3回行うものである。この処理により、主制御メイン処理内の割込み禁止区間を管理する割込みカウンタの値がリセットされる(「0」になる)。
上述のように、本実施形態では、主制御メイン処理内において、後述する遊技制御に関する各種処理の実行前に、6msecの割込み禁止区間(ステップS10014~ステップS10018の処理区間)が設けられる。それゆえ、本実施形態では、後述する遊技制御に関する各種処理は、6msec毎(システム周期毎)に実行されることになる。なお、本実施形態では、割込み禁止区間を割込み周期の3倍とする例を説明したが、本発明はこれに限定されず、例えば、割込み禁止区間を割込み周期の2倍以上で且つ3倍以外の値にしてもよい。
次いで、メインCPU201は、主制御コマンド送受信処理を行う(ステップS10021)。この処理では、メインCPU201は、主に、払出制御のコマンド送受信処理を行う。この主制御コマンド送受信処理は、第3実施形態に係るパチンコ遊技機において実行される主制御コマンド送受信処理(図129参照)と同様である。
次いで、メインCPU201は、特別図柄制御処理を行う(ステップS10022)。この処理では、メインCPU201は、特別図柄ゲームの制御処理を行う。この特別図柄制御処理については、詳しくは後述する。
次いで、メインCPU201は、普通図柄制御処理を行う(ステップS10023)。この処理では、メインCPU201は、普通図柄ゲームの制御処理を行う。この普通図柄制御処理については、詳しくは後述する。
次いで、メインCPU201は、遊技動作表示ユニット制御処理を行う(ステップS10024)。この処理では、メインCPU201は、第1特別図柄表示LED、第2特別図柄表示LED、普通図柄表示LED、保留表示LED等に出力する表示データの設定処理を行う。
次いで、メインCPU201は、遊技情報データ生成処理を行う(ステップS10025)。この処理では、メインCPU201は、外部端子板パルス信号の制御処理、出力データの設定処理等を行う。その後、ステップS10026において、メインCPU201は、試射試験信号の生成処理を行う。なお、試射試験信号の生成処理は、メインRAM203の作業領域(領域外エリア)を使用して行われる。
次いで、メインCPU201は、ポート出力処理を行う(ステップS10027)。この処理では、メインCPU201は、出力ポートへの出力データのセット(転送)処理、WDTの出力処理を行う。
次いで、メインCPU201は、状態監視処理を行う(ステップS10028)。この処理では、メインCPU201は、発射位置判定処理(発射位置に変化があれば、発射位置コマンドの送信予約処理を行う)、遊技異常検知判定処理(異常があれば、遊技異常検知コマンドの送信予約処理を行う)、払出異常検知判定処理(異常があれば、払出異常検知コマンドの送信予約処理を行う)を行う。
そして、ステップS10028の処理後、メインCPU201は、処理をステップS10014の処理に戻し、ステップS10014以降の処理を行う。
上述のように、本実施形態の主制御メイン処理では、起動後、ウェイト処理(ステップS10005)の実行前に、バックアップクリアスイッチ176の状態情報、及び、設定キー174の状態情報の退避する(ステップS10004)。このような処理を設けた場合、例えばウェイト期間中に設定キー差込口に対し設定キー174の操作が行われても(オン/オフされても)、電源投入時におけるこれらの状態情報を確保しておくことができるので、本実施形態では、起動時のバックアップクリアスイッチ176の操作状況、及び設定キー174の操作状況を、より確実に把握して、遊技機に対する操作を正確に識別することができる。
また、上述のように、本実施形態では、主制御メイン処理内において、遊技制御に関する各種処理(ステップS10020以降の処理)の実行前に、6msecの割込み禁止区間(ステップS10014~ステップS10018の処理区間)を設け、割込み禁止区間内で電断処理(ステップS10015)、初期値乱数更新処理(ステップS10016)、性能表示モニタ集計除算処理(ステップS10017)等が行われる。すなわち、本実施形態では、遊技の出玉性能等に影響を与える値や遊技全体を通じて集計される値の管理処理を割込み禁止区間で行う。それゆえ、このような割込み禁止区間を設けることにより、遊技の管理が簡便になり、主制御回路200で行われる処理をより効率よく実行することができ、主制御回路200の処理負荷を軽減することができる。
[12-4-2.遊技復帰処理]
次に、図395を参照して、主制御メイン処理中に行われる遊技復帰処理について説明する。図395は、第10のパチンコ遊技機における遊技復帰処理の一例を示すフローチャートである。
S10040において、メインCPU201は、起動状態をロードする処理を行う。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をS10041に移す。
ここで、本実施形態では、起動状態の値が、「RAM異常」、「電断復帰」、「設定確認中」、「設定変更中」及び「RAMクリア」の5つの状態の値を備えている。ただし、起動状態の値が「RAM異常」であるときには、上記ステップS10008の起動状態チェック処理において無限ループが繰り返され、本処理に移ることはない。このため、本処理においては、起動状態の値が、「電断復帰」、「設定確認中」、「設定変更中」及び「RAMクリア」の4つの状態の値がロードされることになる。
S10041において、メインCPU201は、起動状態の値が「電断復帰」を示す値であるか否かを判定する。メインCPU201は、起動状態の値が「電断復帰」を示す値であると判定された場合には、処理をS10042に移し、起動状態の値が「電断復帰」を示す値でないと判定された場合には、処理をS10043に移す。
S10042において、メインCPU201は、第2初期値設定処理を行う。この第2初期値設定処理においては、メインRAM203内のバックアップ領域に格納されているデータが読み出され、読み出されたデータは、それぞれ、構築されたメインRAM203内の作業領域に格納される。上記データは、例えば、遊技状態情報、特別図柄や普通図柄の当りフラグのオン/オフ状態や保留数情報等、遊技を進行する上で必要となる各種情報である。すなわち、電断時にバックアップされたデータを再びメインRAM203内の作業領域に復帰させることで、電断前と同じ遊技状態に戻すことが可能となる。その後、遊技許可フラグがオンにセットされ、遊技許可状態となり、「電断復帰コマンド」の送信予約処理を行う。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をS10046に移す。
S10043において、メインCPU201は、起動状態の値が「設定変更中」または「設定確認中」を示す値であるか否かを判定する。メインCPU201は、起動状態の値が「設定変更中」または「設定確認中」を示す値であると判定された場合には、処理をS10044に移し、起動状態の値が「設定変更中」または「設定確認中」を示す値でないと判定された場合(すなわちRAMクリアを示す値であると判定された場合)には、処理をS10045に移す。
S10044において、メインCPU201は、「設定操作コマンド」の送信予約処理を行う。なお、この処理で送信予約された設定操作コマンドは、システムタイマ割込処理中の演出制御コマンド送信処理(図413参照)においてサブ制御回路300に送信される。また、遊技許可フラグをオフにセットする。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をS10046に移す。
S10045において、メインCPU201は、第1初期値設定処理を行う。この第1初期値設定処理においては、初期データが生成され、生成された初期データは、それぞれ構築されたメインRAM203内の作業領域に格納される。すなわち、電断時にバックアップされたデータは消去され、遊技状態を、初期化された状態に戻すことが可能となる。その後、遊技許可フラグがオンにセットされ、遊技許可状態となり、「初期化コマンド」の送信予約処理を行う。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をS10046に移す。
S10047において、メインCPU201は、遊技停止機能初期値設定処理を行う。この遊技停止機能初期値設定処理においては、メインRAM203の領域外エリアに記憶されている「遊技停止機能作動管理フェーズ」、「獲得遊技球数」、「差玉数カウンタ」、「MY判定用カウンタ」等の初期設定を行う。この遊技停止機能初期値設定処理の詳細については、詳しくは後述する。メインCPU201は、S10047の処理を実行した後、遊技復帰処理を終了し、処理を主制御メイン処理に戻す。
[12-4-3.遊技停止機能初期値設定処理]
次に、図396を参照して、遊技復帰処理中に行われる遊技停止機能初期値設定処理について説明する。図396は、第10のパチンコ遊技機における遊技停止機能初期値設定処理の一例を示すフローチャートである。
S10047-1において、メインCPU201は、保護レジスタの退避処理を行う。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をS10047-2に移す。
S10047-2において、メインCPU201は、メインRAM203の領域外エリアに記憶されている「獲得遊技球数」をクリアする。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をS10047-3に移す。
ここで、「獲得遊技球数」とは、遊技球の増加数に基づいて遊技を停止させるための関連情報のひとつであり、各種入賞口に遊技球が入球したときに払い出される賞球数の情報を一時的に記憶し、記憶した賞球数を「差玉数カウンタ」に加算するための情報である。
S10047-3において、メインCPU201は、メインRAM203の領域外エリアに記憶されている「MY判定用カウンタ」をクリアする。メインCPU201は、S10047-3の処理を実行した後、処理をS10047-4に移す。
ここで、「MY判定用カウンタ」とは、遊技球の増加数に基づいて遊技を停止させるための関連情報のひとつであり、遊技球の増加数を判定するための情報である。この「MY判定用カウンタ」は、後述するように、「差玉数カウンタ」を1000で除算した情報(「差玉数カウンタ」/1000)に対応している。例えば、差玉数カウンタが89000~89999であれば、MY判定用カウンタ=89となり、差玉数カウンタが90000~90999であれば、MY判定用カウンタ=90となる。
S10047-4において、メインCPU201は、「遊技停止機能作動管理フェーズ」をロードする処理を行う。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をS10047-5に移す。
上述したように、「遊技停止機能作動管理フェーズ」とは、遊技球の増加数に基づいて遊技を停止させるための関連情報のひとつであり、遊技球の増加数に基づき設定され、遊技停止機能の状態を示す情報である。
この「遊技停止機能作動管理フェーズ」は、差玉数カウンタが初期の境界値未満の84999以下のときには、「00H」が設定され、差玉数カウンタが初期の境界値以上から第1の境界値未満(第1の計数範囲)の85000~89999であるときには、「01H」が設定され、差玉数カウンタが第1の境界値以上から規制値未満(第2の計数範囲)の90000~94999であるときには、「02H」が設定される。
また、差玉数カウンタが規制値以上(95000以上)である場合においては、小当り遊技状態または大当り遊技状態であるとき(遊技停止状態前)には「03H」が設定され、小当り遊技状態または大当り遊技状態でないとき(遊技停止状態中)には「04H」が設定されている。
なお、初期の境界値(85000)、第1の境界値(90000)、規制値(95000)の値は、適宜設計変更が自由である。さらに、複数の境界値(初期の境界値、第1の境界値)を無くし、1つの境界値としてもよい。1つの境界値とする場合には、上述した第1の境界値の値を採用することが望ましい。
S10047-5において、メインCPU201は、「遊技停止機能作動管理フェーズ」の値が03H以上であるか(03Hまたは04Hであるか)否かを判定する。メインCPU201は、「遊技停止機能作動管理フェーズ」の値が03H以上であると判定された場合には、処理をS10047-6に移し、「遊技停止機能作動管理フェーズ」の値が03H以上でないと判定された場合には、処理をS10047-7に移す。
S10047-6において、メインCPU201は、メインRAM203の領域外エリアに記憶されている「遊技停止機能作動管理フェーズ」をクリアする(すなわち、「遊技停止機能作動管理フェーズ」に01をセットする)。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をS10047-7に移す。
S10047-7において、メインCPU201は、メインRAM203の領域外エリアに記憶されている「差玉数カウンタ」をクリアする。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をS10047-8に移す。
ここで、「差玉数カウンタ」とは、遊技球の増加数に基づいて遊技を停止させるための関連情報のひとつであり、遊技球の増加数(MY)を計数するための情報である。この「差玉数カウンタ」は、遊技球を払い出した累計の払出数(払出遊技球数)から遊技球の発射した累計の発射球数(発射遊技球数)を減算した数に対応していることになる。
S10047-8において、メインCPU201は、S10047-1で退避させた保護レジスタの復帰処理を行い、遊技停止機能初期値設定処理を終了する。
このように、本実施形態の遊技停止機能初期値設定処理によれば、遊技機の電源投入後(電断復帰後)には、「獲得遊技球数」、「差玉数カウンタ」、「MY判定用カウンタ」がクリアされることになる。
また、遊技機の電源投入後(電断復帰後)に、差玉数カウンタが規制値未満(94999以下)であときには、「遊技停止機能作動管理フェーズ」がクリアされ、差玉数カウンタが規制値以上(95000以上)であときには、「遊技停止機能作動管理フェーズ」が保持されることになる。これにより、差玉数カウンタが規制値以上となった場合(遊技停止機能作動管理フェーズ=03H及び04H)は、バックアップクリアスイッチ176により「RAMクリア」されない限りは、遊技停止状態が保持されることになる。
[12-4-4.特別図柄制御処理]
次に、図397を参照して、主制御メイン処理で行われる特別図柄制御処理について説明する。図397は、第10のパチンコ遊技機における特別図柄制御処理の一例を示すフローチャートである。
図397に示されるように、メインCPU201は、先ず、S10101において、特別図柄の制御状態番号をロードする。特別図柄の制御状態番号は、特別図柄の可変表示(特別図柄ゲーム)に関する制御処理の状態(ステータス)を示す番号である。メインCPU201は、S10101の処理を実行した後、処理をS10102に移す。
なお、図示しないが、メインCPU201は、特別図柄制御処理を実行するにあたり、S10101の処理に先だって、メインRAM203内の特別図柄の作業領域等のアドレスを所定のレジスタにセットするアドレス設定処理を行う。
S10102において、メインCPU201は、S10101でロードした特別図柄の制御状態番号が0であるか否か、すなわち特別図柄の可変表示待ち状態であるか否かを判定する。メインCPU201は、特別図柄の制御番号が0でないと判定した場合には処理をS10108に移し、特別図柄の制御番号が0であると判定した場合には処理をS10103に移す。
S10103において、メインCPU201は、メインRAM203の第2特別図柄始動記憶領域に第2特別図柄の始動情報が記憶されているか否か、すなわち第2特別図柄の保留個数があるか否かを判定する。メインCPU201は、第2特別図柄の始動情報が記憶されていないと判定した場合には処理をS10104に移し、第2特別図柄の始動情報が記憶されていると判定した場合には処理をS10105に移す。
S10104において、メインCPU201は、メインRAM203の第1特別図柄始動記憶領域に第1特別図柄の始動情報が記憶されているか否か、すなわち第1特別図柄の保留個数があるか否かを判定する。メインCPU201は、第1特別図柄の始動情報が記憶されていないと判定した場合には処理をS10107に移し、第1特別図柄の始動情報が記憶されていると判定した場合には、処理をS10106に移す。
S10105において、メインCPU201は、メインRAM203の第2特別図柄始動記憶領域に記憶されている第2特別図柄の始動情報を、メインRAM203の特別図柄判定記憶領域(0)にシフトするシフト処理を行う。このシフト処理では、メインRAM203の第2特別図柄始動記憶領域(1)に記憶された始動情報を特別図柄判定記憶領域(0)にシフトし、第2特別図柄始動記憶領域(2)に記憶された始動情報を第2特別図柄始動記憶領域(1)にシフトすることになる。
S10106において、メインCPU201は、メインRAM203の第1特別図柄始動記憶領域に記憶されている第1特別図柄の始動情報を、メインRAM203の特別図柄判定記憶領域(0)にシフトするシフト処理を行う。このシフト処理では、メインRAM203の第1特別図柄始動記憶領域(1)に記憶された始動情報を特別図柄判定記憶領域(0)にシフトし、第1特別図柄始動記憶領域(2)~第1特別図柄始動記憶領域(4)に記憶された始動情報を第1特別図柄始動記憶領域(1)~第1特別図柄始動記憶領域(3)にシフトすることになる。
S10107において、メインCPU201は、メインRAM203の第1特別図柄始動記憶領域及び第2特別図柄始動記憶領域に特別図柄の始動情報(第1特別図柄及び第2特別図柄の保留個数)が一定時間以上にわたって記憶されていない場合には、デモ表示コマンドの送信予約処理を行う。なお、この処理で送信予約されたデモ表示コマンドは、次回のシステムタイマ割込処理中の演出制御コマンド送信処理(図413参照)において、サブ制御回路300に送信される。そして、デモ表示コマンドをサブ制御回路300が受信すると、サブCPU301はデモ表示演出を行う。
S10108において、メインCPU201は、特別図柄管理処理を行う。この特別図柄管理処理の詳細については、図398を参照して後述する。メインCPU201は、S10103の処理を実行した後、特別図柄制御処理を終了し、処理を主制御メイン処理(図20~図23参照)に戻す。
なお、メインCPU201は、割込み禁止区間を設定し、上述の特別図柄制御処理(S10101~S10108)を、割込み禁止区間内で行うことが好ましい。
このように、本実施形態では、第10のパチンコ遊技機として、第2特別図柄の始動情報が記憶されている場合、第1特別図柄よりも高い優先順位で特別図柄管理処理が実行される優先変動機について説明したが、これに限られない。例えば、第1特別図柄の始動情報が記憶されている場合、第2特別図柄よりも高い優先順位で特別図柄管理処理が実行される優先変動機としてもよいし、第1始動口11120または第2始動口10140への入賞順(入球順)に特別図柄管理処理が実行される順次変動機としてもよい。
[12-4-5.特別図柄管理処理]
次に、図398を参照して、特別図柄制御処理(図397参照)中でメインCPU201により実行される特別図柄管理処理について説明する。図398は、第10のパチンコ遊技機における特別図柄管理処理の一例を示すフローチャートである。
図398に示す各処理の右方に括弧書きで記載した数値(「0」~「7」)は、処理対象となる特別図柄の制御状態番号である。メインCPU201は、制御状態番号に対応する各処理を実行することにより、特別図柄ゲームを進行させる。
S10111において、メインCPU201は、特別図柄の待ち時間(特別図柄タイマカウンタ)が0であるか否かを判定する。この特別図柄の待ち時間は、特別図柄管理処理の各種処理の待ち時間としてセットされ、例えば2msec周期で行われるシステムタイマ割込処理内において特別図柄タイマカウンタとして減算されていくことになる。メインCPU201は、特別図柄の待ち時間が0でないと判定した場合には特別図柄管理処理を終了し、処理を特別図柄制御処理(図397参照)に戻し、特別図柄の待ち時間が0であると判定した場合には処理をS10112に移す。
S10112において、メインCPU201は、特別図柄の制御状態番号をロードする。そして、メインCPU201は、S10112の処理を実行した後、処理をS10113に移す。なお、メインCPU201は、S10112の処理で読み出された制御状態番号に基づいて、S10113以降の処理を行う。
S10113において、メインCPU201は、特別図柄可変表示開始処理を行う。このS10113の処理は、特別図柄の制御状態番号が「0」である場合に行われる処理である。この特別図柄可変表示開始処理の詳細については、図399を参照して後述する。特別図柄の制御状態番号が「0」でない場合には、メインCPU201は、処理をS10114に移す。
S10114において、メインCPU201は、特別図柄可変表示終了処理を行う。このS10114の処理は、特別図柄の制御状態番号が「1」である場合に行われる処理である。この特別図柄可変表示終了処理の詳細については、図400を参照して後述する。特別図柄の制御状態番号が「1」でない場合には、メインCPU201は、処理をS10115に移す。
S10115において、メインCPU201は、特別図柄遊技判定処理を行う。このS10115の処理は、特別図柄の制御状態番号が「2」である場合に行われる処理である。この特別図柄遊技判定処理の詳細については、図404を参照して後述する。特別図柄の制御状態番号が「2」でない場合には、メインCPU201は、処理をS10116に移す。
S10116において、メインCPU201は、小当り遊技閉鎖中処理を行う。このS10116の処理は、特別図柄の制御状態番号が「3」である場合に行われる処理である。この小当り遊技閉鎖中処理の詳細については、図406を参照して後述する。特別図柄の制御状態番号が「3」でない場合には、メインCPU201は、処理をS10117に移す。
S10117において、メインCPU201は、小当り遊技開放中処理を行う。このS10117の処理は、特別図柄の制御状態番号が「4」である場合に行われる処理である。この小当り遊技開放中処理の詳細については、図407を参照して後述する。特別図柄の制御状態番号が「4」でない場合には、メインCPU201は、処理をS10118に移す。
S10118において、メインCPU201は、大入賞口開放準備処理を行う。このS10118の処理は、特別図柄の制御状態番号が「5」である場合に行われる処理である。この大入賞口開放準備処理の詳細については、図408を参照して後述する。特別図柄の制御状態番号が「5」でない場合には、メインCPU201は、処理をS10119に移す。
S10119において、メインCPU201は、大入賞口開放制御処理を行う。このS10119の処理は、特別図柄の制御状態番号が「6」である場合に行われる処理である。この大入賞口開放制御処理の詳細については、図409を参照して後述する。特別図柄の制御状態番号が「6」でない場合には、メインCPU201は、処理をS10120に移す。
S10120において、メインCPU201は、大当り遊技状態終了処理を行う。このS10120の処理は、特別図柄の制御状態番号が「7」である場合に行われる処理である。この大当り遊技状態終了処理の詳細については、図410を参照して後述する。
メインCPU201は、S10113~S10120の処理を終了後、特別図柄管理処理を終了し、処理を特別図柄制御処理(図397参照)に戻す。この場合、特別図柄管理処理が呼び出された処理に戻す。
[12-4-6.特別図柄可変表示開始処理]
次に、図399を参照して、特別図柄管理処理(図398参照)中でメインCPU201により実行される特別図柄可変表示開始処理について説明する。図399は、第10のパチンコ遊技機における特別図柄可変表示開始処理の一例を示すフローチャートである。
S10121において、メインCPU201は、特別図柄の制御状態番号が「0」であるか否かを判定する。メインCPU201は、特別図柄の制御状態番号が「0」でないと判定した場合には、特別図柄可変表示開始処理を終了して処理を特別図柄管理処理(図398参照)に戻し、特別図柄の制御状態番号が「0」であると判定した場合には処理をS10122に移す。
S10122において、メインCPU201は、大当り、小当り、時短当りまたはハズレを判定する特別図柄の当り判定処理を行う。この特別図柄の当り判定処理では、図380に示す特別図柄の当り判定テーブルを参照し、特別図柄判定記憶領域(0)にシフトされた特別図柄の始動情報としての特別図柄の大当り判定用乱数値に基づいて特別図柄の当り判定を行い、その判定結果に応じた当落判定値データを決定する。メインCPU201は、S10122の処理を実行した後、処理をS10123に移す。
S10123において、メインCPU201は、特別図柄の停止図柄を決定するための特別図柄決定処理を行う。この特別図柄決定処理では、図381に示す特別図柄判定テーブルを参照し、上記S10122の特別図柄の当り判定処理の判定結果としての当落判定値データと、特別図柄判定記憶領域(0)にシフトされた特別図柄の始動情報としての特別図柄の図柄乱数値とに基づいて、特別図柄の選択図柄と図柄指定コマンドとを決定する。メインCPU201は、S10123の処理を実行した後、処理をS10124に移す。
なお、上述したように、時短遊技状態においては「時短当り」を無視するように制御する場合には、時短遊技状態において「時短当り」が判定されたとしても、ハズレの停止態様となる特別図柄の選択図柄と図柄指定コマンドを決定すればよい。
S10124において、メインCPU201は、当り種類決定処理を行う。この処理は、特別図柄の当り判定処理の判定結果が大当りまたは小当りである場合に、当りの種類を決定する処理である。この当り種類決定処理では、特別図柄の当り判定処理が大当りである場合には、図382に示す大当り種類決定テーブルを決定し、特別図柄の当り判定処理が小当りである場合には、図383に示す小当り種類決定テーブルを決定する。また、大当り遊技状態の終了後に当選時の遊技状態に基づいて遊技状態等を設定する場合には、大当りまたは小当りと判定されたときの当選時の遊技状態を示す当選時遊技状態データをメインRAM203の当選時遊技状態記憶領域にセットする。メインCPU201は、S10124の処理を実行した後、処理をS10125に移す。
S10125において、メインCPU201は、特別図柄の変動パターンを決定する特別図柄の変動パターン決定処理を行う。この特別図柄の変動パターン決定処理では、遊技状態等に応じて図385及び図386のいずれかの特別図柄の変動パターンテーブルを決定し、決定した特別図柄の変動パターンテーブルを参照し、特別図柄の種別、特別図柄の当り判定処理の結果(当落)と、特別図柄の選択図柄等に基づいて、特別図柄の変動パターンと特別図柄の変動パターンコマンドとを決定する。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をS10126に移す。
本実施形態の特別図柄の変動パターン決定処理では、状態フラグ及び普電作動パターンを参照して通常遊技状態である場合には、図385(a)に示す特別図柄の変動パターンテーブルTを決定する。そして、決定した特別図柄の変動パターンテーブルTを参照し、特別図柄の種別と特別図柄の当り判定処理の結果(当落)と特別図柄の選択図柄とリーチ判定用乱数値と演出選択用乱数値とに基づいて、特別図柄の変動パターンと特別図柄の変動パターンコマンドとを決定する。
また、状態フラグ及び普電作動パターンを参照して一般遊技状態(第1時短遊技状態、第3時短遊技状態、第6時短遊技状態)である場合には、図385(b)に示す特別図柄の変動パターンテーブルJ1を決定する。そして、決定した特別図柄の変動パターンテーブルJ1を参照し、特別図柄の種別と特別図柄の当り判定処理の結果(当落)と特別図柄の選択図柄とリーチ判定用乱数値と演出選択用乱数値とに基づいて、特別図柄の変動パターンと特別図柄の変動パターンコマンドとを決定する。
また、状態フラグ及び普電作動パターンを参照して、第2時短遊技状態または第4時短遊技状態である場合には図386(a)に示す特別図柄の変動パターンテーブルJ2を決定し、第5時短遊技状態である場合には図386(b)に示す特別図柄の変動パターンテーブルJ3を決定する。そして、決定した特別図柄の変動パターンテーブルJ2、J3を参照し、特別図柄の種別と特別図柄の当り判定処理の結果(当落)と特別図柄の選択図柄とに基づいて、特別図柄の変動パターンと特別図柄の変動パターンコマンドとを決定する。
S10126において、メインCPU201は、特別図柄の変動表示時間を設定する特別図柄の変動表示時間設定処理を行う。この特別図柄の変動表示時間設定処理では、上記S10125の特別図柄の変動パターン決定処理で決定された特別図柄の変動パターンテーブルを参照し、決定された特別図柄の変動パターンに基づいて特別図柄の変動表示時間を決定する。その後、メインCPU201は、決定した特別図柄の変動表示時間をメインRAM203内の特別図柄の待ち時間にセットし、第1特別図柄表示部163または第2特別図柄表示部164に特別図柄の変動表示を開始させる。メインCPU201は、S10126の処理を実行した後、処理をS10127に移す。
S10127において、メインCPU201は、特別図柄の制御状態番号に「1」をセットする処理を行う。このように、特別図柄の制御状態番号を「1」にセットする処理を行うことにより、この特別図柄可変表示開始処理の終了後に、特別図柄可変表示終了処理(図398参照)が行われることとなる。メインCPU201は、S10127の処理を実行した後、処理をS10128に移す。
S10128において、メインCPU201は、遊技状態指定パラメータ設定処理を行う。この処理では、例えば、メインRAM203内の所定領域に格納されている遊技状態にかかわるパラメータの確認・更新処理等が行われる。そして、現在の遊技状態を示す遊技状態指定コマンドの送信予約処理を行う。なお、この処理で送信予約された遊技状態指定コマンドは、次回のシステムタイマ割込処理中の演出制御コマンド送信処理(図413)において、サブ制御回路300に送信される。メインCPU201は、S10128の処理を実行した後、処理をS10129に移す。
S10129において、メインCPU201は、特別図柄演出開始コマンドの送信予約処理を行う。この処理では、特別図柄演出開始コマンドとして、「図柄指定コマンド」及び「特別図柄の変動パターンコマンド」の送信予約処理を行う。図柄指定コマンドの送信予約処理としては、S10123で決定された図柄指定コマンドの送信予約処理を行う。また、特別図柄の変動パターンコマンドの送信予約処理としては、特別図柄の種別がわかるように、S10125で決定された特別図柄の変動パターンに対応する特別図柄の変動パターンコマンドの送信予約処理を行う。なお、この処理で送信予約された特別図柄演出開始コマンドは、次回のシステムタイマ割込処理中の演出制御コマンド送信処理(図413参照)において、サブ制御回路300に送信される。
なお、メインCPU201は、割込み禁止区間を設定し、上述の特別図柄可変表示開始処理を割込み禁止区間内で行うことが好ましい。
[13-4-7.特別図柄可変表示終了処理]
次に、図400を参照して、特別図柄管理処理(図398参照)中でメインCPU201により実行される特別図柄可変表示終了処理について説明する。図400は、第10のパチンコ遊技機における特別図柄可変表示終了処理の一例を示すフローチャートである。
S10141において、メインCPU201は、特別図柄の制御状態番号が「1」であるか否かを判定する。メインCPU201は、特別図柄の制御状態番号が「1」でないと判定した場合には、特別図柄可変表示開始処理を終了して処理を特別図柄管理処理(図398参照)に戻し、特別図柄の制御状態番号が「1」であると判定した場合には処理をS10142に移す。
S10142において、メインCPU201は、特別図柄の図柄確定時間を設定する特別図柄の図柄確定時間設定処理を行う。この特別図柄の図柄確定時間設定処理では、遊技状態や特別図柄の当り判定処理の結果(当落)に基づいて特別図柄の図柄確定時間(例えば、540ms)を決定する。その後、メインCPU201は、決定した特別図柄の図柄確定時間をメインRAM203内の特別図柄の待ち時間にセットし、第1特別図柄表示部163または第2特別図柄表示部164に特別図柄の停止表示をさせる。メインCPU201は、S10142の処理を実行した後、処理をS10143に移す。
なお、特別図柄の図柄確定時間は、特別図柄の変動パターンに基づいて決定してもよいし、遊技状態のみに基づいて決定してもよい。さらには、予め定められた1つの図柄確定時間(例えば、540ms)を決定してもよい。
S10143において、メインCPU201は、時短管理処理を行う。この時短管理処理では、特別図柄の変動表示を終了したときに、時短遊技状態の終了判定や、B時短遊技状態またはC時短遊技状態への移行判定が行われる。この時短管理処理の詳細については、図401を参照して後述する。メインCPU201は、S10143の処理を実行した後、処理をS10144に移す。
S10144において、メインCPU201は、特別図柄の制御状態番号を「2」にセットする。このように、特別図柄の制御状態番号を「2」にセットする処理を行うことにより、この特別図柄可変表示終了処理の終了後に、特別図柄遊技判定処理(図398のS10115参照)が行われることとなる。メインCPU201は、S10144の処理を実行した後、処理をS10145に移す。
S10145において、メインCPU201は、特別図柄演出停止コマンドの送信予約処理を行う。この特別図柄演出停止コマンドは、第1特別図柄に対応した第1特別図柄演出停止コマンドと第2特別図柄に対応した第2特別図柄演出停止コマンドとで構成されている。なお、この処理で送信予約された特別図柄演出停止コマンドは、次回のシステムタイマ割込処理中の演出制御コマンド送信処理(図413参照)において、サブ制御回路300に送信される。メインCPU201は、S10145の処理を実行した後、特別図柄可変表示終了処理を終了し、処理を特別図柄管理処理(図398参照)に戻す。
[12-4-8.時短管理処理]
次に、図401を参照して、特別図柄可変表示終了処理中でメインCPU201により実行される時短管理処理について説明する。図401は、第10のパチンコ遊技機における時短管理処理の一例を示すフローチャートである。
S10151において、メインCPU201は、特別図柄の時短カウンタを減算する特別図柄の時短カウンタ減算処理を行う。
ここで、本実施形態においてはメインRAM203にある「時短カウンタ」は、時短終了条件の特別図柄の可変表示回数に対応する「特別図柄時短カウンタ」で構成されている。この「特別図柄時短カウンタ」は、第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示が終了するごとに減算されていく。
この特別図柄の時短カウンタ減算処理では、状態フラグを参照して時短遊技状態である場合には、特別図柄時短カウンタから1を減算して更新する処理を行う。なお、通常遊技状態である場合には、特別図柄時短カウンタの減算は行われない。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をS10152に移す。
S10152において、メインCPU201は、状態フラグを参照して時短遊技状態であるか否かを判定する。メインCPU201は、時短遊技状態であると判定した場合には、処理をS10153に移し、時短遊技状態でないと判定した場合には、処理をS10154に移す。
S10153において、メインCPU201は、特別図柄時短カウンタ=0であるか否かを判定する。メインCPU201は、特別図柄時短カウンタ=0であると判定した場合には、処理をS10154に移し、時短カウンタ=0でないと判定した場合には、処理をS10155に移す。
S10154において、メインCPU201は、時短情報をクリアにする。ここで、時短情報としては、特別図柄時短カウンタ、状態フラグ、普電作動パターンをクリア(=0をセット)する。このため、時短情報をクリアされると、通常遊技状態に移行することになる。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をS10155に移す。
S10155において、メインCPU201は、B時短遊技状態移行判定処理を行う。
このB時短遊技状態移行判定処理では、B時短遊技状態に移行する特別図柄の可変表示回数を計数するための「天井カウンタ」を加算し、天井カウンタが天井値に到達すると、B時短遊技状態への移行制御を行うことになる。このB時短遊技状態移行判定処理の詳細については、図402を参照して後述する。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をS10156に移す。
S10156において、メインCPU201は、C時短遊技状態移行判定処理を行う。
このC時短遊技状態移行判定処理では、時短当りであるか否かを判定し、時短当りである場合には、特別図柄の選択図柄(時短図柄)に基づいて、C時短遊技状態への移行制御を行うことになる。このC時短遊技状態移行判定処理の詳細については、図403を参照して後述する。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をS10158に移す。
S10157において、メインCPU201は、状態フラグを参照し、A時短遊技状態を示す状態フラグ=1である場合に、A時短遊技状態移行判定処理を行う。このA時短遊技状態移行判定処理では、A時短遊技状態であり、かつ、第2特別図柄の可変表示の終了である場合には、切替回数を記憶する切替回数カウンタから1を減算して更新する。そして、切替回数カウンタ=0である場合に、普電作動パターン=00をセットする。これにより、A時短遊技状態である場合に、第5時短遊技状態から第6時短遊技状態に移行可能となり、右打ちの遊技態様から左打ちの遊技態様に変更可能となる。このため、切替回数は、第2特別図柄の可変表示回数により左打ちに戻す回数でもある。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をS10158に移す。
S10158において、状態フラグ及び普電作動パターンを参照して遊技状態を確認して、現在の遊技状態を示す遊技状態指定コマンドを決定する。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をS10159に移す。
本実施形態においては、状態フラグ=1である場合には、通常遊技状態を示す第0遊技状態指定コマンドを決定する。また、状態フラグ=3かつ普電作動パターン=00である場合には、第1時短遊技状態を示す第1遊技状態指定コマンドを決定し、状態フラグ=3かつ普電作動パターン=02である場合には、第2時短遊技状態を示す第2遊技状態指定コマンドを決定し、状態フラグ=3かつ普電作動パターン=01である場合には、第3時短遊技状態を示す第3遊技状態指定コマンドを決定する。また、状態フラグ=2である場合には、第4時短遊技状態を示す第4遊技状態指定コマンドを決定する。また、状態フラグ=1かつ普電作動パターン=02である場合には、第5時短遊技状態を示す第5遊技状態指定コマンドを決定し、状態フラグ=1かつ普電作動パターン=00である場合には、第6時短遊技状態を示す第6遊技状態指定コマンドを決定する。
S10159において、メインCPU201は、上記S10158で決定された遊技状態指定コマンドを送信バッファにセットする遊技状態指定コマンドの送信予約処理を行う。なお、この処理で送信予約された遊技状態指定コマンドドは、次回のシステムタイマ割込処理中の演出制御コマンド送信処理(図413参照)において、サブ制御回路300に送信される。そして、メインCPU201は、本処理の後、時短管理処理を終了し、処理を特別図柄可変表示終了処理に戻す。
[12-4-9.B時短遊技状態移行判定処理]
次に、図402を参照して、時短管理処理中でメインCPU201により実行されるB時短遊技状態移行判定処理について説明する。図402は、第10のパチンコ遊技機におけるB時短遊技状態移行判定処理の一例を示すフローチャートである。
S10155-1において、メインCPU201は、天井カウンタを加算する天井カウンタ更新処理を行う。この天井カウンタ更新処理においては、天井カウンタに1を加算して更新する。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をS10155-2に移す。
S10155-2において、メインCPU201は、天井カウンタ=天井値(例えば、950回)であるか否かを判定する。メインCPU201は、天井カウンタ=天井値であると判定した場合には、処理をS10155-3に移し、天井カウンタ=天井値でないと判定した場合には、B時短遊技状態移行判定処理を終了し、処理を時短管理処理に戻す。
S10155-3において、メインCPU201は、天井カウンタをクリア(=0をセット)する。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をS10155-4に移す。
S10155-4において、メインCPU201は、B時短遊技状態に移行させるためのB時短遊技状態設定処理を行う。このB時短遊技状態設定処理においては、図384(c)に示す遊技状態関連設定テーブル3を参照し、B時短遊技状態を示す状態フラグ=2を設定するとともに、普電作動パターン=02を設定し、「B時短終了条件」として「特別図柄時短カウンタ」に時短回数(例えば950回)をセットする。なお、B時短遊技状態設定処理において、普電作動パターン=01または00を設定してもよい。メインCPU201は、本処理を実行した後には、B時短遊技状態移行判定処理を終了し、処理を時短管理処理に戻す。
[12-4-10.C時短遊技状態移行判定処理]
次に、図403を参照して、時短管理処理中でメインCPU201により実行されるC時短遊技状態移行判定処理について説明する。図403は、第10のパチンコ遊技機におけるC時短遊技状態移行判定処理の一例を示すフローチャートである。
S10156-1において、メインCPU201は、状態フラグを参照して通常遊技状態であるか否かを判定する。メインCPU201は、通常遊技状態であると判定した場合には、処理をS10156-2に移し、通常遊技状態でないと判定した場合には、C時短遊技状態移行判定処理を終了し、処理を時短管理処理に戻す。
S10156-2において、メインCPU201は、時短当りであるか否かを判定する。メインCPU201は、時短当りであると判定した場合には、処理をS10156-3に移し、時短当りでないと判定した場合には、C時短遊技状態移行判定処理を終了し、処理を時短管理処理に戻す。
S10156-3において、メインCPU201は、C時短遊技状態に移行させるためのC時短遊技状態設定処理を行う。このC時短遊技状態設定処理においては、図384(b)に示す遊技状態関連設定テーブル2を参照し、特別図柄の選択図柄(時短図柄)に基づいて、状態フラグ=3を設定するとともに、普電作動パターン、「C時短終了条件」として「特別図柄時短カウンタ」に時短回数(例えば950回)をセットする。メインCPU201は、本処理を実行した後には、C時短遊技状態移行判定処理を終了し、処理を時短管理処理に戻す。
このように、本実施形態においては、通常遊技状態において時短当りと判定されたときに限り、C時短遊技状態に移行可能となっている。なお、遊技状態によらず、時短当りと判定されたときには、C時短遊技状態に移行可能に構成してもよい。
[12-4-11.特別図柄遊技判定処理]
次に、図404を参照して、特別図柄管理処理中でメインCPU201により実行される特別図柄遊技判定処理について説明する。図404は、第10のパチンコ遊技機における特別図柄遊技判定処理の一例を示すフローチャートである。
S10161において、メインCPU201は、特別図柄の制御状態番号が「2」であるか否かを判定する。メインCPU201は、特別図柄の制御状態番号が「2」でないと判定した場合には、特別図柄遊技判定処理を終了して処理を特別図柄管理処理に戻し、特別図柄の制御状態番号が「2」であると判定した場合には処理をS10162に移す。
S10162において、メインCPU201は、特別図柄の選択図柄を参照し、大当りであるか否か、すなわち停止した特別図柄が大当りに対応した特別図柄の選択図柄であるか否かを判定する。メインCPU201は、大当りであると判定した場合には、処理をS10163に移し、大当りでないと判定した場合には、処理をS10172に移す。
S10163において、メインCPU201は、大当りの外部信号処理を行う。この大当りの外部信号処理においては、特別図柄の選択図柄を参照し、大当り遊技状態のときに外部端子板184を介してホールコンピュータ186に出力される外部信号として「特別図柄の選択図柄に応じた大当り信号」生成する。その後、生成した「特別図柄の選択図柄に応じた大当り信号」を外部端子板184に出力する。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をS10164に移す。
S10164において、メインCPU201は、第1ルート大当り開始準備設定処理を行う。この第1ルート大当り開始準備設定処理においては、図382に示す大当り種類決定テーブルを参照し、大当りの「特別図柄の選択図柄」に基づいて最大ラウンド数を決定し、決定した最大ラウンド数をメインRAM203の大当りラウンド数の上限値にセットする。さらに、図382に示す大当り種類決定テーブルを参照し、大当りの「特別図柄の選択図柄」に基づいてOP待ち時間(オープニング時間)を決定し、決定したOP待ち時間(オープニング時間)をメインRAM203内の特別図柄の待ち時間にセットする。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をS10165に移す。
S10165において、メインCPU201は、大当りの状態表示処理を行う。この大当りの状態表示処理では、上述して決定された最大ラウンド数に応じたラウンド表示LEDデータをセットするとともに、遊技者に右打ちを指示することを報知する右打ち指示データをセットする。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をS10166に移す。
S10166において、メインCPU201は、遊技状態管理処理を行う。大当りであると判定されたときの遊技状態管理処理においては、メインCPU201は、状態フラグ、普電作動パターン及び時短回数をクリアする処理を行う。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をS10167に移す。
S10167において、メインCPU201は、遊技状態指定パラメータ設定処理を行う。この処理では、メインRAM203内の所定領域に格納されている遊技状態にかかわるパラメータの確認・更新処理等を行う。そして、現在の遊技状態を示す遊技状態指定コマンドの送信予約処理を行う。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をS10168に移す。
S10168において、メインCPU201は、特別図柄の制御状態番号を「5」にセットする。なお、特別図柄の制御状態番号を「5」にセットする処理を行うことにより、この特別図柄遊技判定処理の終了後に、後述する大入賞口開放準備処理が行われることとなる。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をS10169に移す。
S10169において、メインCPU201は、大当り開始表示コマンドの送信予約処理を行う。メインCPU201は、本処理を実行した後、今回の特別図柄遊技判定処理を終了し、処理を特別図柄管理処理に戻す。
S10172において、メインCPU201は、特別図柄の選択図柄を参照し、特別図柄の選択図柄を参照し、小当りであるか否か、すなわち停止した特別図柄が小当りに対応した特別図柄の選択図柄であるか否かを判定する。メインCPU201は、小当りであると判定した場合には、処理をS10173に移し、小当りでない(すなわちハズレ)と判定した場合には、処理をS10181に移す。
S10173において、メインCPU201は、小当りの外部信号処理を行う。この小当りの外部信号処理においては、特別図柄の選択図柄を参照し、小当り遊技状態のときに外部端子板184を介してホールコンピュータ186に出力される外部信号として「特別図柄の選択図柄に応じた小当り信号」生成する。その後、生成した小当り信号を外部端子板184に出力する。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をS10174に移す。
S10174において、メインCPU201は、小当り開始準備設定処理を行う。この小当り開始準備設定処理においては、図383に示す小当り種類決定テーブルを参照し、「特別図柄の選択図柄」に基づいて最大開放回数を決定し、決定した最大開放回数をメインRAM203の小当り開放回数の上限値にセットする。次に、図383に示す小当り種類決定テーブルを参照し、「特別図柄の選択図柄」に基づいてOP待ち時間(オープニング時間)を決定し、決定したOP待ち時間(オープニング時間)をメインRAM203内の特別図柄の待ち時間にセットする。
さらに、小当り開始準備設定処理においては、図383に示す小当り種類決定テーブルを参照し、「特別図柄の選択図柄」に基づいて、V入賞口10156の開放パターンとして開放待ち時間を決定し、決定した開放待ち時間をメインRAM203内のV入賞口閉鎖タイマカウンタにセットするとともに、V作動フラグをオンにする。なお、V入賞口10156を開閉させるVシャッタ用ソレノイド11160に関するV入賞制御処理は、後述するシステムタイマ割込処理(図413参照)において行われる。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をS10175に移す。
S10175において、メインCPU201は、小当りの状態表示処理を行う。この小当りの状態表示処理では、遊技者に右打ちを指示することを報知する右打ち指示データをセットする。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をS10177に移す。
S10177において、メインCPU201は、遊技状態指定パラメータ設定処理を行う。この処理では、メインRAM203内の所定領域に格納されている遊技状態にかかわるパラメータの確認・更新処理等を行う。そして、現在の遊技状態を示す遊技状態指定コマンドの送信予約処理を行う。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をS10178に移す。
S10178において、メインCPU201は、特別図柄の制御状態番号を「3」にセットする。なお、特別図柄の制御状態番号を「3」にセットする処理を行うことにより、この特別図柄遊技判定処理の終了後に、後述する小当り遊技閉鎖中処理が行われることとなる。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をS10179に移す。
S10179において、メインCPU201は、小当り開始表示コマンドの送信予約処理の処理を行う。メインCPU201は、S10169の処理を実行した後、今回の特別図柄遊技判定処理を終了し、処理を特別図柄管理処理に戻す。
S10181において、メインCPU201は、特別図柄遊技終了処理を行う。この特別図柄遊技終了処理については、図405を参照して後述する。なお、メインCPU201は、特別図柄遊技終了処理を行うと、特別図柄遊技判定処理を終了し、処理を特別図柄管理処理に戻す。
[12-4-12.特別図柄遊技終了処理]
次に、図405を参照して、特別図柄遊技判定処理中でメインCPU201により実行される特別図柄遊技終了処理について説明する。図405は、第10のパチンコ遊技機における特別図柄遊技終了処理の一例を示すフローチャートである。
S10191において、メインCPU201は、特別図柄の制御状態番号に「0」をセットする。このように、特別図柄の制御状態番号を「0」にセットする処理を行うことにより今回の特別図柄遊技が終了し、特別図柄可変表示開始処理すなわち次回の特別図柄遊技を実行することが可能となる。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をS10192に移す。
S10192において、メインCPU201は、遊技状態指定パラメータ設定処理を行う。この処理では、メインRAM203内の所定領域に格納されている遊技状態にかかわるパラメータの確認・更新処理等を行う。そして、現在の遊技状態を示す遊技状態指定コマンドの送信予約処理を行う。また、特別図柄遊技終了処理における遊技状態指定パラメータ設定処理においては、メインRAM203内の特別図柄判定記憶領域(0)に記憶された始動情報をクリアする。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をS10193に移す。
S10193において、メインCPU201は、特別図柄遊技終了コマンドの送信予約処理を行う。なお、この処理で送信予約された特別図柄遊技終了コマンドは、次回のシステムタイマ割込処理中の演出制御コマンド送信処理(図413)において、サブ制御回路300に送信される。そして、メインCPU201は、本処理を実行した後、特別図柄遊技終了処理を終了し、処理を特別図柄遊技判定処理に戻す。
[12-4-13.小当り遊技閉鎖中処理]
次に、図406を参照して、特別図柄管理処理中でメインCPU201により実行される小当り遊技閉鎖中処理について説明する。図406は、第10のパチンコ遊技機における小当り遊技閉鎖中処理の一例を示すフローチャートである。
S10201において、メインCPU201は、特別図柄の制御状態番号が「3」であるか否かを判定する。メインCPU201は、特別図柄の制御状態番号が「3」でないと判定した場合には、小当り遊技閉鎖中処理を終了して処理を特別図柄管理処理に戻し、特別図柄の制御状態番号が「3」であると判定した場合には処理をS10202に移す。
S10202において、メインCPU201は、「小当り開放回数カウンタ値」をロードする。「小当り開放回数カウンタ」は、小当り開放回数を計数するカウンタである。なお、小当り開放回数カウンタの計数値(小当り開放回数カウンタ値)は、メインRAM203内の所定領域に格納される。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をSS10203に移す。
S10203において、メインCPU201は、ロードした小当り開放回数カウンタ値が小当り開放回数の上限値であるか否かを判定する。メインCPU201は、小当り開放回数の上限値であると判定した場合には、処理をS10209に移し、小当り開放回数の上限値でないと判定した場合には、処理をS10204に移す。
S10204において、メインCPU201は、小当り遊技状態において第2大入賞口10151に入球した遊技球の個数(第2大入賞口10151の入賞数)が最大入賞個数でないかを判定する。この処理では、第2大入賞口カウントスイッチ10152により計数された第2大入賞口カウンタの値が、予め規定された第2大入賞口10151の最大入賞個数の値(例えば10個)であるか否かが判定される。メインCPU201は、第2大入賞口10151の入賞数が最大入賞個数でないと判定された場合には、処理をS10205に移し、第2大入賞口10151の入賞数が最大入賞個数であると判定された場合には、処理をS10209に移す。
S10205において、メインCPU201は、小当り開放回数カウンタ値に1を加算する処理を行う。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をS10206に移す。
S10206において、メインCPU201は、第2大入賞口10151を開放させる第2大入賞口の開放設定処理を行う。この第2大入賞口の開放設定処理においては、上記S10124で決定した図383に示す小当り種類決定テーブルを参照し、小当りの「特別図柄の選択図柄」、現在の開放回数(小当り開放回数カウンタ値)に基づいて、今回の第2大入賞口10151の最大開放時間を決定し、決定した最大開放時間をメインRAM203内の特別図柄の待ち時間にセットする。そして、第2特電用ソレノイド10155に対して、第2大入賞口10151を開放させるための第2大入賞口開放制御データを生成する。これにより、第2大入賞口10151が開放することになる。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をS10207に移す。
S10207において、メインCPU201は、特別図柄の制御状態番号を「4」にセットする。このように、特別図柄の制御状態番号を「4」にセットする処理を行うことにより、この小当り遊技閉鎖中処理の終了後に、後述する小当り遊技開放中処理が行われることとなる。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をS10208に移す。
S10208において、メインCPU201は、遊技状態指定パラメータ設定処理を行う。メインCPU201は、遊技状態指定パラメータ設定処理を行う。この処理では、メインRAM203内の所定領域に格納されている遊技状態にかかわるパラメータの確認・更新処理等を行う。そして、現在の遊技状態を示す遊技状態指定コマンドの送信予約処理を行う。メインCPU201は、本処理を実行した後、小当り遊技閉鎖中処理を終了し、処理を特別図柄管理処理に戻す。
S10209において、メインCPU201は、V入賞検出があるか否かを判定する。この処理では、規定時間内にV入賞口10156への遊技球の通過があったか否か(すなわち、V入賞口スイッチ10157による検出があったか否か)を判定する。メインCPU201は、V入賞検出があったと判定した場合には、処理をS10210に移し、V入賞検出がなかったと判定した場合には、処理をS10218に移す。
S10210において、メインCPU201は、第2のルートからの大当りの外部信号処理を行う。この処理では、特別図柄の選択図柄を参照し、大当りのときに外部端子板184を介してホールコンピュータ186に出力される外部信号として「特別図柄の選択図柄に応じた大当り信号」を生成する。その後、生成した「特別図柄の選択図柄に応じた大当り信号」を外部端子板184に出力する。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をSS10211に移す。
S10211において、メインCPU201は、第2ルート大当り開始準備設定処理を行う。この第2ルート大当り開始準備設定処理においては、図382に示す大当り種類決定テーブルを参照し、大当りの「特別図柄の選択図柄」に基づいて最大ラウンド数を決定し、決定した最大ラウンド数をメインRAM203の大当りラウンド数の上限値にセットする。さらに、図382に示す大当り種類決定テーブルを参照し、大当りの「特別図柄の選択図柄」に基づいてOP待ち時間(オープニング時間)を決定し、決定したOP待ち時間(オープニング時間)をメインRAM203内の特別図柄の待ち時間にセットする。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をS10212に移す。
S10212において、メインCPU201は、ラウンドカウンタ値に1を加算する処理を行う。この処理を行うことにより、第2のルートからの大当り遊技状態は、2ラウンド目のラウンド遊技から開始されることとなる。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をS10213に移す。
S10213において、メインCPU201は、大当りの状態表示処理を行う。この大当りの状態表示処理では、上述して決定された最大ラウンド数に応じたラウンド表示LEDデータをセットするとともに、遊技者に右打ちを指示することを報知する右打ち指示データをセットする。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をS10214に移す。
S10214において、メインCPU201は、遊技状態管理処理を行う。大当りであると判定されたときの遊技状態管理処理においては、メインCPU201は、状態フラグ、普電作動パターン及び時短回数カウンタをクリアする処理を行う。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をS10215に移す。
S10215において、メインCPU201は、遊技状態指定パラメータ設定処理を行う。この処理では、メインRAM203内の所定領域に格納されている遊技状態にかかわるパラメータの確認・更新処理等を行う。そして、現在の遊技状態を示す遊技状態指定コマンドの送信予約処理を行う。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をS10216に移す。
S10216において、メインCPU201は、特別図柄の制御状態番号を「5」にセットする。なお、特別図柄の制御状態番号を「5」にセットする処理を行うことにより、この小当り遊技閉鎖中処理の終了後に、大入賞口開放準備処理が行われることとなる。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をS10217に移す。
S10217において、メインCPU201は、V当り開始表示コマンドの送信予約処理を行う。メインCPU201は、S10197の処理を実行した後、小当り遊技開放中処理を終了し、処理を特別図柄管理処理に戻す。
S10218において、メインCPU201は、小当り終了準備設定処理を行う。この小当り終了準備設定処理においては、図383に示す小当り種類決定テーブルを参照し、小当りの「特別図柄の選択図柄」に基づいてED待ち時間(エンディング時間)を決定し、決定したED待ち時間(エンディング時間)をメインRAM203内の特別図柄の待ち時間にセットする。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をS10219に移す。
S10219において、メインCPU201は、小当り終了表示コマンドの送信予約処理を行う。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をS10220に移す。
S10220において、メインCPU201は、特別図柄遊技終了処理を行う。この処理では、図405を参照して説明した特別図柄遊技終了処理が行われる。メインCPU201は、本処理を実行した後、小当り遊技閉鎖中処理を終了し、処理を特別図柄管理処理に戻す。
[12-4-14.小当り遊技開放中処理]
次に、図407を参照して、特別図柄管理処理中でメインCPU201により実行される小当り遊技開放中処理について説明する。図407は、第10のパチンコ遊技機における小当り遊技開放中処理の一例を示すフローチャートである。
S10221において、メインCPU201は、特別図柄の制御状態番号が「4」であるか否かを判定する。メインCPU201は、特別図柄の制御状態番号が「4」でないと判定した場合には、小当り遊技開放中処理を終了して処理を特別図柄管理処理に戻し、特別図柄の制御状態番号が「4」であると判定した場合には処理をS10222に移す。
S10222において、メインCPU201は、第2大入賞口10151の最大開放時間が経過したか否かを判定する。この処理では、第2大入賞口の開放設定処理(図406参照)においてセットされた最大開放時間が経過しているか否かが判定される。メインCPU201は、第2大入賞口10151の最大開放時間が経過していないと判定した場合には、小当り遊技開放中処理を終了し処理を特別図柄管理処理に戻す。また、メインCPU201は、第2大入賞口10151の最大開放時間が経過していると判定した場合には、処理をS10223に移す。
S10223において、メインCPU201は、第2大入賞口10151を閉鎖させる第2大入賞口の閉鎖設定処理を行う。この第2大入賞口の閉鎖設定処理においては、図383に示す小当り種類決定テーブルを参照し、小当りの「特別図柄の選択図柄」、現在の開放回数(小当り開放回数カウンタ値)に基づいて、今回の第2大入賞口10151の閉鎖時間を決定し、決定した閉鎖時間をメインRAM203内の特別図柄の待ち時間にセットする。そして、第2特電用ソレノイド10155に対して、第2大入賞口10151を閉鎖させるための第2大入賞口閉鎖制御データを生成する。これにより、第2大入賞口10151が閉鎖することになる。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をS10224に移す。
S10224において、メインCPU201は、特別図柄の制御状態番号を「3」にセットする。このように、特別図柄の制御状態番号を「3」にセットする処理を行うことにより、この小当り遊技開放中処理の終了後に、上述した小当り遊技閉鎖中処理が行われることとなる。メインCPU201は、本処理を実行した後、小当り遊技開放中処理を終了して処理を特別図柄管理処理に戻す。
[12-4-15.大入賞口開放準備処理]
次に、図408を参照して、特別図柄管理処理中でメインCPU201により実行される大入賞口開放準備処理について説明する。図408は、第10のパチンコ遊技機における大入賞口開放準備処理の一例を示すフローチャートである。
S10231において、メインCPU201は、特別図柄の制御状態番号が「5」であるか否かを判定する。メインCPU201は、特別図柄の制御状態番号が「5」でないと判定した場合には、大入賞口開放準備処理を終了して処理を特別図柄管理処理に戻し、特別図柄の制御状態番号が「5」であると判定した場合には処理をS10232に移す。
S10232において、メインCPU201は、「ラウンドカウンタ値」をロードする。「ラウンドカウンタ」は、大当り遊技状態において実行されるラウンド遊技の実行回数を計数するカウンタである。なお、ラウンドカウンタの計数値(ラウンドカウンタ値)は、メインRAM203内の所定領域に格納される。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をS10233に移す。
S10233において、メインCPU201は、ロードしたラウンドカウンタ値が大当りラウンド数の上限値であるか否かを判定する。メインCPU201は、大当りラウンド数が上限値であると判定した場合には、処理をS10234に移し、大当りラウンド数が上限値でないと判定した場合には、処理をS10238に移す。
S10234において、メインCPU201は、大当り終了準備設定処理を行う。この大当り終了準備設定処理においては、図382に示す大当り種類決定テーブルを参照し、大当りの「特別図柄の選択図柄」に基づいてED待ち時間(エンディング時間)を決定し、決定したED待ち時間(エンディング時間)をメインRAM203内の特別図柄の待ち時間にセットする。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をS10235に移す。
S10235において、メインCPU201は、特別図柄の制御状態番号を「7」にセットする。このように、特別図柄の制御状態番号を「7」にセットする処理を行うことにより、この大入賞口開放準備処理の終了後に、後述する大当り遊技状態終了処理が行われることとなる。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をS10236に移す。
S10236において、メインCPU201は、遊技状態指定パラメータ設定処理を行う。この処理では、メインRAM203内の所定領域に格納されている遊技状態にかかわるパラメータの確認・更新処理等を行う。そして、現在の遊技状態を示す遊技状態指定コマンドの送信予約処理を行う。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をS10237に移す。
S10237において、メインCPU201は、大当り終了表示コマンドの送信予約処理を行う。なお、この処理で送信予約された大当り終了表示コマンドは、次回のシステムタイマ割込処理中の演出制御コマンド送信処理(図413)において、サブ制御回路300に送信される。そして、メインCPU201は、本処理を実行した後、大入賞口開放準備処理を終了し、処理を特別図柄管理処理に戻す。
S10238において、メインCPU201は、ラウンドカウンタ値に1を加算する処理を行う。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をS10239に移す。
S10239において、メインCPU201は、第1大入賞口10131を開放させる第1大入賞口の開放設定処理を行う。この第1大入賞口の開放設定処理においては、図382に示す大当り種類決定テーブルを参照し、大当りの「特別図柄の選択図柄」、現在のラウンド数(ラウンドカウンタ値)に基づいて、今回のラウンドにおける第1大入賞口10131の最大開放時間を決定し、決定した最大開放時間をメインRAM203内の特別図柄の待ち時間にセットする。そして、第1特電用ソレノイド10135に対して、第1大入賞口10131を開放させるための第1大入賞口開放制御データを生成する。これにより、第1大入賞口10131が開放することになる。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をS10240に移す。
S10240において、メインCPU201は、特別図柄の制御状態番号を「6」にセットする。このように、特別図柄の制御状態番号を「6」にセットする処理を行うことにより、この大入賞口開放準備処理の終了後に、大入賞口開放制御処理が行われることとなる。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をS10241に移す。
S10241において、メインCPU201は、遊技状態指定パラメータ設定処理を行う。この処理では、メインRAM203内の所定領域に格納されている遊技状態にかかわるパラメータの確認・更新処理等を行う。そして、現在の遊技状態を示す遊技状態指定コマンドの送信予約処理を行う。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をS10242に移す。
S10242において、メインCPU201は、大入賞口開放中表示コマンドの送信予約処理を行う。この処理で送信予約された大入賞口開放中表示コマンドは、次回のシステムタイマ割込処理中の演出制御コマンド送信処理(図413参照)において、サブ制御回路300に送信される。メインCPU201は、本処理を実行した後、大入賞口開放準備処理を終了し、処理を特別図柄管理処理に戻す。
[12-4-16.大入賞口開放制御処理]
次に、図409を参照して、特別図柄管理処理中でメインCPU201により実行される大入賞口開放制御処理について説明する。図409は、第10のパチンコ遊技機における大入賞口開放制御処理の一例を示すフローチャートである。
S10251において、メインCPU201は、特別図柄の制御状態番号が「6」であるか否かを判定する。メインCPU201は、特別図柄の制御状態番号が「6」でないと判定した場合には、大入賞口開放制御処理を終了して処理を特別図柄管理処理に戻し、特別図柄の制御状態番号が「6」であると判定した場合には処理をS10252に移す。
S10252において、メインCPU201は、第1大入賞口10131が開放されたときに、1つのラウンドにおける第1大入賞口10131に入球した遊技球の入賞数が最大入賞個数であるか否かを判定する。この処理では、第1大入賞口カウントスイッチ10132により計数された第1大入賞口カウンタの値が、予め規定された第1大入賞口10131の最大入賞個数の値(例えば10個)であるか否かが判定される。
メインCPU201は、S10252において第1大入賞口10131の入賞数が最大入賞個数でないと判定した場合には、処理をS10253に移し、第1大入賞口10131の入賞数が最大入賞個数であると判定した場合には、処理をS10254に移す。
S10253において、メインCPU201は、1つのラウンドにおける第1大入賞口10131の最大開放時間が経過したか否かを判定する。この処理では、第1大入賞口の開放設定処理(図408参照)においてセットされた最大開放時間が経過しているか否かが判定される。
メインCPU201は、S10133において第1大入賞口10131の最大開放時間が経過していないと判定した場合には、大入賞口開放制御処理を終了し処理を特別図柄管理処理に戻す。また、メインCPU201は、第1大入賞口10131の最大開放時間が経過していると判定した場合には、処理をS10254に移す。
S10254において、メインCPU201は、第1大入賞口10131を閉鎖させる第1大入賞口の閉鎖設定処理を行う。この第1大入賞口の閉鎖設定処理においては、図382に示す大当り種類決定テーブルを参照し、大当りの「特別図柄の選択図柄」、現在のラウンド数(ラウンドカウンタ値)に基づいて、今回のラウンドにおける第1大入賞口10131の閉鎖時間を決定し、決定した閉鎖時間をメインRAM203内の特別図柄の待ち時間にセットする。そして、第1特電用ソレノイド10135に対して、第1大入賞口10131を閉鎖させるための第1大入賞口閉鎖制御データを生成する。これにより、第1大入賞口10131が閉鎖することになる。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をS10255に移す。
S10255において、メインCPU201は、特別図柄の制御状態番号を「5」にセットする処理を行う。このように、特別図柄の制御状態番号を「5」にセットする処理を行うことにより、この大入賞口開放制御処理の終了後に、再び、大入賞口開放準備処理が行われることとなる。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をS10256に移す。
S10256において、メインCPU201は、遊技状態指定パラメータ設定処理を行う。この処理では、メインRAM203内の所定領域に格納されている遊技状態にかかわるパラメータの確認・更新処理等を行う。そして、現在の遊技状態を示す遊技状態指定コマンドの送信予約処理を行う。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をS10257に移す。
S10257において、メインCPU201は、ラウンド間表示コマンドの送信予約処理を行う。この処理で送信予約されたラウンド間表示コマンドは、次回のシステムタイマ割込処理中の演出制御コマンド送信処理(図413参照)において、サブ制御回路300に送信される。そして、メインCPU201は、本処理を実行した後、大入賞口開制御処理を終了し、処理を特別図柄管理処理に戻す。
[13-4-17.大当り遊技状態終了処理]
次に、図410を参照して、特別図柄管理処理中でメインCPU201により実行される大当り遊技状態終了処理について説明する。図410は、第10のパチンコ遊技機における大当り遊技状態終了処理の一例を示すフローチャートである。
S10261において、メインCPU201は、特別図柄の制御状態番号が「7」であるか否かを判定する。メインCPU201は、特別図柄の制御状態番号が「7」でないと判定した場合には、大当り遊技状態終了処理を終了して処理を特別図柄管理処理に戻し、特別図柄の制御状態番号が「7」であると判定した場合には処理をS10262に移す。
S10262において、メインCPU201は、大当り遊技情報初期化処理を行う。この大当り遊技情報初期化処理では、大当り遊技状態で用いた各種フラグ・データや、各種カウンタ(例えば、ラウンドカウンタ、大入賞口入賞カウンタ等)の値をセットまたはリセットする処理が行われる。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をS10263に移す。
S10263において、メインCPU201は、大当り遊技状態終了後の遊技状態を設定する大当り終了後状態設定処理を行う。この大当り終了後状態設定処理では、図384(a)に示す遊技状態関連設定テーブル1を参照し、特別図柄の選択図柄に基づいて、状態フラグ、普電作動パターン、時短回数として特別図柄の可変表示回数に対応する「特別図柄時短カウンタ」を設定する。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をS10264に移す。
本実施形態においては、状態フラグとしては、A時短遊技状態を示す状態フラグ=1を設定する。
また、特別図柄の選択図柄が「z1」である場合には、普電作動パターン=02、特別図柄時短カウンタ=10000を設定するともに、切替回数カウンタ=1を設定する。
また、特別図柄の選択図柄が「z2」、「z3」である場合には、普電作動パターン=00、特別図柄時短カウンタ=10000を設定する。
また、特別図柄の選択図柄が「z4」、「z5」である場合には、普電作動パターン=02、特別図柄時短カウンタ=10000を設定するともに、切替回数カウンタ=5を設定する。
また、特別図柄の選択図柄が「z6」、「z7」である場合には、普電作動パターン=00、特別図柄時短カウンタ=10000を設定する。
S10264において、メインCPU201は、特別図柄遊技終了処理を行う。この処理では、図405を参照して説明した特別図柄遊技終了処理が行われる。メインCPU201は、本処理を実行した後、大当り遊技状態終了処理を終了し、処理を特別図柄管理処理に戻す。
[12-4-18.普通図柄制御処理]
次に、図411を参照して、主制御メイン処理でメインCPU201により実行される普通図柄制御処理について説明する。なお、図411に示される普通図柄制御処理に先だって、メインCPU201は、特別図柄制御処理と同様に、普通図柄の始動情報が記憶され、普通図柄の判定開始条件が成立しているか否かの判定を行っていることは言うまでもない。
図411は、第10のパチンコ遊技機における普通図柄制御処理の一例を示すフローチャートである。なお、図411に示すフローチャート中の各処理の右方に括弧書きで記載した数値(「0」~「4」)は、普通図柄の制御状態番号である。メインCPU201は、普通図柄の制御状態番号に対応する各処理を実行することにより、普通図柄ゲームを進行させる。
S10300において、メインCPU201は、普通図柄の待ち時間が0であるか否かを判定する。この普通図柄の待ち時間は、普通図柄制御処理の各種処理の待ち時間としてセットされ、例えば2msec周期で行われるシステムタイマ割込処理内において普通図柄タイマカウンタとして減算されていくことになる。メインCPU201は、普通図柄の待ち時間が0でないと判定した場合には、普通図柄制御処理を終了し、処理を主制御メイン処理に戻し、普通図柄の待ち時間が0であると判定した場合には処理をS10301に移す。
S10301において、メインCPU201は、普通図柄の制御状態番号をロードする。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をS10310に移す。なお、メインCPU201は、S10201の処理で読み出された制御状態番号に基づいて、S10310以降の処理を行う。
S10310において、メインCPU201は、普通図柄可変表示開始処理を行う。このS10210の処理は、普通図柄の制御状態番号が「0」である場合に行われる処理である。この普通図柄の可変表示開始処理では、普通図柄の当り判定処理、普通図柄決定処理、第2始動口の開放パターン決定処理、普通図柄の変動パターンの決定処理等が行われるが、詳細については、図412を参照して後述する。なお、普通図柄の制御状態番号が「0」でない場合には、メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をS10220に移す。
S10320において、メインCPU201は、普通図柄可変表示終了処理を行う。このS10220の処理は、普通図柄の制御状態番号が「1」である場合に行われる処理である。なお、普通図柄の制御状態番号が「1」でない場合には、メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をS10230に移す。
この普通図柄可変表示終了処理において、メインCPU201は、普通図柄の変動表示時間が終了したか否かの判定を行い、普通図柄の変動表示時間が終了したと判定したときには、予め定められた普通図柄の図柄確定時間(例えば、540msec)を、メインRAM203内の普通別図柄の待ち時間にセットし、普通図柄の制御状態番号を「2」にセットする。なお、普通図柄の変動表示時間が終了していない場合には、普通図柄の制御状態番号を「1」に保持し、普通図柄の変動表示時間が終了することを待機することになる。
S10330において、メインCPU201は、普通図柄遊技判定処理を行う。このS10330の処理は、普通図柄の制御状態番号が「2」である場合に行われる処理である。なお、普通図柄の制御状態番号が「2」でない場合には、メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をS10340に移す。
この普通図柄遊技判定処理において、メインCPU201は、停止表示された普通図柄の選択図柄(例えば、普通図柄当りまたは普通図柄ハズレ)の判定処理を行う。メインCPU201は、停止表示された普通図柄の選択図柄が普通図柄当りに対応すると判定した場合には、普通図柄の制御状態番号を「3」にセットし、普通図柄の当り判定処理の結果がハズレに対応すると判定した場合には、普通図柄の制御状態番号を「0」にセットする。
S10340において、メインCPU201は、普通電動役物開放処理を行う。このS10340の処理は、普通図柄の制御状態番号が「3」である場合に行われる処理である。なお、普通図柄の制御状態番号が「3」でない場合には、メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をS10350に移す。
この普通電動役物開放処理において、メインCPU201は、図390に示す第2始動口の開放パターン決定テーブルを参照し、後述する第2始動口の開放パターン決定処理(図412参照)において決定された第2始動口の開放パターンの動作に従って、普電用シャッタ10147を作動して、第2始動口10140を開閉状態にさせる。そして、普電用の規定個数(例えば3個)の遊技球が第2始動口10140に入球するか、決定した第2始動口の開放パターンの動作がすべて終了すると、第2始動口10140を閉鎖状態にさせ、普通図柄の制御状態番号を「4」にセットし、普通電動役物開放処理を終了する。
S10350において、メインCPU201は、普通図柄当り終了処理を行う。このS10350の処理は、普通図柄の制御状態番号が「4」である場合に行われる処理である。この普通図柄当り終了処理では、上記S10340の普通電動役物開放処理においてセットされた各種データがクリアされる。なお、普通図柄の制御状態番号が「4」でない場合には、メインCPU201は、処理を主制御メイン処理に戻す。
[12-4-19.普通図柄可変表示開始処理]
次に、図412を参照して、普通図柄制御処理中でメインCPU201により実行される普通図柄可変表示開始処理の詳細について説明する。図412は、第10のパチンコ遊技機における普通図柄可変表示開始処理の一例を示すフローチャートである。
図412に示されるように、メインCPU201は、先ず、普通図柄の制御状態番号が「0」であるか否かを判定する(S10211)。
S10311において普通図柄の制御状態番号が「0」でないと判定された場合、メインCPU201は、普通図柄可変表示開始処理を終了し、処理を普通図柄制御処理に戻す。一方、普通図柄の制御状態番号が「0」であると判定された場合、メインCPU201は、処理をS10312に移す。
S10312において、メインCPU201は、普通図柄の始動情報のシフト処理を行う。この処理では、メインRAM203の普通図柄始動記憶領域(1)に記憶された始動情報を普通図柄判定領域(0)にシフトし、普通図柄始動記憶領域(2)~普通図柄始動記憶領域(4)に記憶された始動情報を普通図柄始動記憶領域(1)~普通図柄始動記憶領域(3)にシフトする。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をS10313に移す。
S10313において、メインCPU201は、普通図柄の当り判定処理を行う。この処理では、メインCPU201は、図388に示す普通図柄の当り判定テーブルを参照し、普通図柄判定領域(0)に記憶された普通図柄当り判定用乱数値に基づいて、普通図柄の当落判定値データ(「普通図柄当り」または「普通図柄ハズレ」)を決定する。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をS10314に移す。
S10314において、メインCPU201は、普通図柄決定処理を行う。この処理では、メインCPU201は、図389に示す普通図柄判定テーブルを参照し、上述の当落判定値データ(普通図柄の当り判定処理の結果)と、普通図柄判定領域(0)に記憶された普通図柄の図柄乱数値とに基づいて、「普通図柄の選択図柄」を決定する。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をS10315に移す。
S10315において、メインCPU201は、第2始動口の開放パターン決定処理を行う。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をS10316に移す。
第2始動口の開放パターン決定処理においては、メインCPU201は、図390に示す第2始動口の開放パターン決定テーブルを参照し、普通図柄当りと判定された場合には、遊技状態(状態フラグ及び普電作動パターン)と、普通図柄の選択図柄とに基づいて、第2始動口の開放パターンを決定する。
S10316において、メインCPU201は、普通図柄の変動パターン決定処理を行う。この処理では、メインCPU201は、図391に示す普通図柄の変動パターンテーブルを参照し、遊技状態と、普通図柄の選択図柄と、普通図柄の演出用乱数値とに基づいて、普通図柄の変動パターンを決定する。そして、メインCPU201は、図391に示す普通図柄の変動パターンテーブルを参照し、決定した普通図柄の変動パターンに基づいて、普通図柄の変動表示時間を決定する。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をS10317に移す。
S10317において、メインCPU201は、普通図柄の変動表示時間設定処理を行う。この処理では、上述した普通図柄の変動パターン決定処理で決定された普通図柄の変動表示時間を、メインRAM203内の普通図柄の待ち時間にセットし、普通図柄表示部161に普通図柄の変動表示を開始させる。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をS10318に移す。
S10318において、メインCPU201は、普通図柄の制御状態番号に「1」をセットする処理を行う。このように、普通図柄の制御状態番号を「1」にセットする処理を行って制御状態番号を切り替えることにより、この普通図柄可変表示開始処理の終了後に、普通図柄可変表示終了処理(図411)が行われることとなる。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をS10319に移す。
S10319において、メインCPU201は、普通図柄の変動パターンコマンドの送信予約処理を行う。なお、この処理で送信予約された普通図柄の変動パターンコマンドは、次回のシステムタイマ割込処理中の演出制御コマンド送信処理(図413参照)において、サブ制御回路1300に送信される。メインCPU201は、本処理を実行した後、普通図柄可変表示開始処理を終了し、処理を普通図柄制御処理に戻す。
[12-4-20.システムタイマ割込処理]
次に、図413を参照して、システムタイマ割込み処理について説明する。この処理は、タイマカウンタ(PTC2)から入力されるタイムアウト割込みが発生した場合に、この割込みに対応する設定領域に定義されている、PTC2タイムアウト割込みのエントリアドレス(プログラムアドレス)に基づいて呼び出される処理であり、例えば、2msecの周期(割込み周期)で実行される。図413は、第10のパチンコ遊技機におけるステムタイマ割込み処理の一例を示すフローチャートである。
S10411において、メインCPU201は、保護レジスタ(例えば、AFレジスタ)の退避処理を行う。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をS10412に移す。
S10412において、メインCPU201は、XINT検知フラグがオフであるか否かを判定する。メインCPU201は、XINT検知フラグがオフでない(すなわち電断検知時である)と判定した場合には処理をS10470に移し、XINT検知フラグがオフである(すなわち電断非検知時である)と判定した場合には処理をS10413に移す。
S10413において、メインCPU201は割込許可処理を行う。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をS10414に移す。
S10414において、メインCPU201は、I/Oポート205の入力ポートの状態の読込処理を行う。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をS10415に移す。
S10415において、メインCPU201は、遊技許可状態であるか否かを判定する。この処理において、メインCPU201は、遊技許可フラグに基づいて、遊技許可状態であるか否かを判定する。遊技許可フラグは、遊技許可フラグがオン(=1)であるときには、遊技許可状態を示し、遊技許可フラグがオフ(=0)であるときには、遊技不許可状態を示すものである。遊技許可フラグは、電源投入時の起動状態として、電断復帰及びRAMクリアのときには、遊技許可フラグがオン(=遊技許可状態)にセットされ、設定変更中または設定確認中のときには、遊技許可フラグがオフ(=遊技不許可状態)にセットされているフラグでもある。メインCPU201は、遊技許可状態であると判定した場合には処理をS10416に移し、遊技許可状態でないと判定した場合には処理をS10440に移す。
S10415において、メインCPU201は、遊技停止状態でないか否かを判定する。この処理において、メインCPU201は、遊技停止状態フラグに基づいて、遊技停止状態でないか否かを判定する。
ここで、「遊技停止状態フラグ」とは、遊技球の増加数に基づいて遊技が停止されている状態か否かを示す情報であり、遊技停止状態フラグがオン(=1)であるときには、「遊技停止状態」を示し、遊技停止状態フラグがオフ(=0)であるときには、「遊技進行状態」を示すものである。詳しくは後述するが、遊技停止状態フラグは、遊技停止機能作動管理フェーズ=04Hのときにオンとなる。
メインCPU201は、遊技停止状態でないと判定した場合には処理をS10417に移し、遊技停止状態であると判定した場合には処理をS10450に移す。
S10417において、メインCPU201は、割込みカウンタの値を1加算する処理を実行する。割込みカウンタは、主制御メイン処理中の割込禁止区間を計数(管理)するためのカウンタであり、割込みカウンタの計数値は、メインRAM203の作業領域内の割込カウンタ領域に格納される。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をS10418に移す。
S10418において、メインCPU201は、割込み周期タイマの更新処理を行う。割込み周期タイマの更新処理においては、メインRAM203の作業領域内の特別図柄タイマカウンタ、普通図柄タイマカウンタ、V入賞口閉鎖タイマカウンタ、V入賞口開放タイマカウンタ等の各種タイマカウンタを減算していく。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をS10419に移す。
S10419において、メインCPU201は乱数更新処理を行う。この乱数更新処理では、各種乱数カウンタ(例えば、大当り判定用乱数値の大当り判定用乱数カウンタ等)の更新処理が行われる。このように、所定周期(本実施例では2msec)で乱数更新処理を行うことにより、出玉にかかわる重要な要素である各種乱数の信頼性を担保することが可能となる。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をS10420に移す。
S10420において、メインCPU201は、スイッチ入力検出処理を行う。このスイッチ入力検出処理の詳細については、図417を参照して後述する。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をS10430に移す。
S10430において、メインCPU201は、遊技LED点灯データ出力処理を行う。この遊技LED点灯データ出力処理においては、遊技状態等応じて、普通図柄表示部161、普通図柄用保留表示部162、第1特別図柄表示部163、第2特別図柄表示部164、第1特別図柄用保留表示部165、第2特別図柄用保留表示部166および時短報知用表示部168のLEDに点灯表示させるLEDデータの出力を制御する処理である。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をS10431に移す。
S10431おいて、メインCPU201は、V作動フラグがオンである場合には、V入賞口10156を開閉させるV入賞制御処理を行う。このV入賞制御処理においては、V作動フラグがオンであり、開放待ち時間が経過した(V入賞口閉鎖タイマカウンタ=0)場合には、「特別図柄の選択図柄」に基づいて、V入賞口10156の開放パターンとして開放時間を決定し、決定した開放時間をメインRAM203内のV入賞口開放タイマカウンタにセットするとともに、Vシャッタ用ソレノイド10160に対して、V入賞口10156を開放させるためのV入賞口開放制御データを出力する。なお、V入賞口開放制御データは、V入賞口開放タイマカウンタが0でない限り、継続して出力される。そして、V作動フラグがオンであり、V入賞口開放制御データが出力されているときに、開放時間が経過した(V入賞口開放タイマカウンタ=0)場合には、V入賞口開放制御データの出力を停止し、V作動フラグをオフにする。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をS10451に移す。
S10440において、メインCPU201は、設定制御処理を行う。この設定制御処理では、設定変更または設定確認が行われる。この設定制御処理は、第1の遊技機において実行される設定制御処理(図46~図48参照)と同様である。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をS10431に移す。
S10450において、メインCPU201は、遊技停止機能設定処理を行う。この遊技停止機能設定処理では、遊技球の増加数に基づいて遊技を停止させる機能に関する各種コマンドや遊技停止状態フラグの設定等が行われる。遊技停止機能設定処理については、詳しくは後述する。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をS10430に移す。
S10451において、メインCPU201は、演出制御コマンド送信処理を行う。この処理では、送信予約されているコマンドを主制御回路200からサブ制御回路300に送信する。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をS10452に移す。
S10452において、メインCPU201は、性能表示モニタ制御処理を行う。性能表示モニタ制御処理は、メインRAM203の作業領域(領域外エリア)を使用して行われる。この性能表示モニタ制御処理では、遊技判定処理、賞球加算判定処理、性能表示モニタ170の表示内容更新処理等が行われる。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をS10435に移す。
S10460において、メインCPU201は、遊技停止データ更新処理を行う。遊技停止データ更新処理は、メインRAM203の作業領域(領域外エリア)を使用して行われる。この遊技停止データ更新処理では、遊技停止機能作動管理フェーズ、獲得遊技球数、差玉数カウンタ、MY判定用カウンタの更新制御を行う。遊技停止データ更新処理については、詳しくは後述する。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をS10470に移す。
S10470において、メインCPU201は、S10411で退避させた保護レジスタの復帰処理を行い、システムタイマ割込処理を終了する。
このように、本実施形態のシステムタイマ割込み処理によれば、遊技停止状態であるときには、スイッチ入力検出処理が行われなくなる。すなわち、遊技停止状態となったときには、第1始動口10120、第2始動口10140、第1大入賞口10131、第2大入賞口10151、一般入賞口122等に遊技球が入球または通過しても、遊技球の払い出しや各種乱数値の取得が行われなくなる(各種入賞口への遊技球の入球または通過が無効となる)。
[12-4-21.遊技停止機能設定処理]
次に、図414を参照して、システムタイマ割込み処理中に行われる遊技停止機能設定処理について説明する。図414は、第10のパチンコ遊技機における遊技停止機能設定処理の一例を示すフローチャートである。
S10450-1において、メインCPU201は、遊技停止状態フラグに基づいて、遊技停止状態であるか否かを判定する。
メインCPU201は、遊技停止状態であると判定した場合には処理をS10450-11に移し、遊技停止状態でないと判定した場合には処理をS10450-2に移す。
S10450-2において、メインCPU201は、「遊技停止機能作動管理フェーズ」をロードする処理を行う。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をS10450-3に移す。
S10450-3において、メインCPU201は、遊技停止コマンドの決定処理を行う。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をS10450-4に移す。
上述したように、「遊技停止コマンド」とは、遊技球の増加数(MY)に応じて遊技が停止されることに関する情報をサブ制御回路300に送信するコマンドである。サブ制御回路300では、遊技停止コマンドを受信することにより、表示装置7等において事前に遊技が停止される旨の「遊技停止予告」や遊技停止状態であることの「遊技停止報知」を行うことが可能となる。
この遊技停止コマンドの決定処理においては、遊技停止機能作動管理フェーズをロードし、遊技停止機能作動管理フェーズが更新された場合において、遊技停止機能作動管理フェーズ≧01Hであるときには、更新された遊技停止機能作動管理フェーズの値と「所定の遊技停止予告開始条件」とに基づいて、遊技停止機能作動管理フェーズの値を遊技停止コマンドとして決定する。
具体的には、図392に示すように、更新された遊技停止機能作動管理フェーズが01Hである場合に、「第1の遊技停止予告開始条件」が成立していれば、第1遊技停止予告を実行可能な遊技停止コマンドとして01Hを決定し、更新された遊技停止機能作動管理フェーズが02Hである場合に、「第2の遊技停止予告開始条件」が成立していれば、第2遊技停止予告を実行可能な遊技停止コマンドとして02Hを決定する。また、更新された遊技停止機能作動管理フェーズが03Hである場合には、第3遊技停止予告を実行可能な遊技停止コマンドとして03Hを決定し、更新された遊技停止機能作動管理フェーズが04Hである場合には、遊技停止報知を実行可能な遊技停止コマンドとして04Hを決定する。
また、本実施形態では、第1遊技停止予告を実行可能な遊技停止コマンドとして01Hを決定した場合には、実行済みフラグ=01Hをセットし、第1遊技停止予告を実行したことを記憶する。
なお、更新された遊技停止機能作動管理フェーズが00Hである場合や、遊技停止機能作動管理フェーズが更新されていない場合には、遊技停止コマンドを決定せずに、差玉数コマンドの決定処理を終了することになる。
S10450-4において、メインCPU201は、上記S10450-3で決定した遊技停止コマンドを送信バッファにセットする遊技停止コマンド送信予約処理を行う。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をS10450-5に移す。
S10450-5において、メインCPU201は、「MY判定用カウンタ」をロードする処理を行う。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をS10450-6に移す。
S10450-6において、メインCPU201は、差玉数コマンドの決定処理を行う。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をS10450-7に移す。
ここで、「差玉数コマンド」とは、MY判定用カウンタの値(差玉数カウンタの値)に関する情報をサブ制御回路300に送信するコマンドである。サブ制御回路300では、差玉数コマンドを受信することにより、表示装置7等において遊技球の増加数(MY)に関する情報を報知させることが可能となる。
この差玉数コマンドの決定処理においては、MY判定用カウンタの値をロードし、MY判定用カウンタが更新された場合に、MY判定用カウンタの値を差玉数コマンドとして決定する。
また、MY判定用カウンタが更新されていない場合には、差玉数コマンドを決定せずに、差玉数コマンドの決定処理を終了することになる。
S10450-7において、メインCPU201は、上記S10450-6で決定した差玉数コマンドを送信バッファにセットする差玉数コマンド送信予約処理を行う。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をS10450-11に移す。
なお、本実施形態においては、遊技停止コマンドに加えて差玉数コマンドも送信するように構成したが、差玉数コマンドは決定・送信することはせずに、遊技停止コマンドのみを決定・送信するように構成してもよい。このように構成する場合には、上記S10450-5~S10450-7の処理を省略(削除)すればよい。
S10450-11において、メインCPU201は、遊技停止状態フラグに基づいて、遊技停止状態であるか否かを判定する。
メインCPU201は、遊技停止状態であると判定した場合には処理をS10450-21に移し、遊技停止状態でないと判定した場合には処理をS10450-12に移す。
S10450-12において、メインCPU201は、「遊技停止機能作動管理フェーズ」をロードする処理を行う。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をS10450-13に移す。
S10450-13において、メインCPU201は、遊技停止機能作動管理フェーズ=04Hであるか否かを判定する。すなわち、遊技停止機能作動管理フェーズ=04Hにより、差玉数カウンタが規制値以上(95000以上)であり、小当り遊技状態または大当り遊技状態でないことが判定される。
メインCPU201は、遊技停止機能作動管理フェーズ=04Hであると判定した場合には処理をS10450-14に移し、遊技停止機能作動管理フェーズ=04Hでないと判定した場合には処理をS10450-21に移す。
S10450-14において、メインCPU201は、「遊技停止状態フラグ」をオン(=1)にする処理を行う。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をS10450-21に移す。
このように、差玉数カウンタが規制値以上であり、小当り遊技状態または大当り遊技状態でないときには、遊技停止状態フラグがオンとなり遊技停止状態となる。
S10450-21において、メインCPU201は、遊技停止状態フラグに基づいて、遊技停止状態であるか否かを判定する。
メインCPU201は、遊技停止状態であると判定した場合には処理をS10450-22に移し、遊技停止状態でないと判定した場合には遊技停止機能設定処理を終了する。
S10450-22において、メインCPU201は、各種のソレノイドデータを初期化する処理を行う。メインCPU201は、本処理を実行すると、遊技停止機能設定処理を終了する。
このS10450-22の処理により、遊技停止状態フラグがオンとなり遊技停止状態となったときには、各種のソレノイドが駆動しなくなる。すなわち、遊技停止状態となったときには、第2始動口10140、第1大入賞口10131、第2大入賞口10151等が開放しなくなることになる。
[12-4-22.遊技停止データ更新処理]
次に、図415及び図416を参照して、システムタイマ割込み処理中に行われる遊技停止データ更新処理について説明する。図415及び図416は、第10のパチンコ遊技機における遊技停止データ更新処理の一例を示すフローチャートである。
S10460-1において、メインCPU201は、レジスタ(例えば、AFレジスタ等)の退避処理を行う。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をS10412に移す。
S10460-2において、メインCPU201は、遊技球が払い出される各種の賞球スイッチ(第1始動口スイッチ10121、第2始動口スイッチ10141、第1大入賞口カウントスイッチ10132、第2大入賞口カウントスイッチ10152、一般入賞口スイッチ123)の検出があったか否かを判定する。
メインCPU201は、賞球スイッチの検出があったと判定した場合には処理をS10460-3に移し、賞球スイッチの検出がないと判定した場合には処理をS10460-11に移す。
S10460-3において、メインCPU201は、上記賞球スイッチで検出された入賞口の「賞球数」をロードする処理を行う。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をS10460-4に移す。
S10460-4において、メインCPU201は、「獲得遊技球数」をロードする処理を行う。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をS10460-5に移す。
S10460-5において、メインCPU201は、獲得遊技球数に賞球数を加算する処理を行う。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をS10460-11に移す。
S10460-11において、メインCPU201は、遊技停止状態フラグに基づいて、遊技停止状態であるか否かを判定する。
メインCPU201は、遊技停止状態であると判定した場合には処理をS10460-21に移し、遊技停止状態でないと判定した場合には処理をS10460-12に移す。
S10460-12において、メインCPU201は、獲得遊技球数=0であるか否かを判定する。
メインCPU201は、獲得遊技球数=0であると判定した場合には処理をS10460-15に移し、獲得遊技球数=0でないと判定した場合には処理をS10460-13に移す。
S10460-13において、メインCPU201は、「差玉数カウンタ」をロードする処理を行う。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をS10460-14に移す。
S10460-14において、メインCPU201は、差玉数カウンタに獲得遊技球数を加算する処理を行う。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をS10460-15に移す。
S10460-15において、メインCPU201は、獲得遊技球数をクリアする処理を行う。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をS10460-16に移す。
S10460-16において、メインCPU201は、遊技球回収スイッチ10179の検出があったか否かを判定する。
メインCPU201は、遊技球回収スイッチ10179の検出があったと判定した場合には処理をS10460-17に移し、遊技球回収スイッチ10179の検出がないと判定した場合には処理をS10460-21に移す。
S10460-17において、メインCPU201は、差玉数カウンタから1を減算する処理を行う。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をS10460-18に移す。
S10460-18において、メインCPU201は、差玉数カウンタが下限値以下であるか否かを判定する。ここで、差玉数カウンタの下限値は「0」に設定されている。
メインCPU201は、差玉数カウンタが下限値(=0)以下であると判定した場合には処理をS10460-19移し、差玉数カウンタが下限値(=0)以下でないと判定した場合には処理をS10460-21に移す。
S10460-19において、メインCPU201は、差玉数カウンタに0をセットする。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をS10460-21に移す。
このS10460-18及びS10460-19の処理により、差玉数カウンタが0となった場合には、それ以降減算されなくなる。なお、上記S10460-18及び上記S10460-19の処理を省略(削除)して、差玉数カウンタが0以下となるように構成してもよい。
また、上記S10460-2の処理~上記S10460-19の処理により、差玉数カウンタは、遊技球を払い出した累計の払出数(払出遊技球数)から遊技球の発射した累計の発射球数(発射遊技球数)を減算した数となり、「遊技球の増加数(MY)」に対応することになる。
S10460-21において、メインCPU201は、「MY判定用カウンタ」をロードする処理を行う。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をS10460-22に移す。
S10460-22において、メインCPU201は、MY判定用カウンタ≧95であるか否かを判定する。ここで、MY判定用カウンタの値は、「差玉数カウンタ」を1000で除算した情報(「差玉数カウンタ」/1000)に対応した値である。このため、MY判定用カウンタ≧95により、差玉数カウンタが規制値以上(95000以上)であるか否かが判定されることになる。
メインCPU201は、MY判定用カウンタ≧95であると判定した場合には処理をS10460-31移し、MY判定用カウンタ≧95でないと判定した場合には処理をS10460-23に移す。
S10460-23において、メインCPU201は、「差玉数カウンタ」をロードする処理を行う。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をS10460-24に移す。
S10460-24において、メインCPU201は、差玉数カウンタを1000で除算(「差玉数カウンタ」/1000)する差玉数カウンタの除算処理を行う。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をS10460-25に移す。
S10460-25において、メインCPU201は、上記S10460-24の除算結果をMY判定用カウンタにセットする処理を行う。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をS10460-26に移す。
このS10460-25の処理により、MY判定用カウンタの値は、「差玉数カウンタ」を1000で除算した情報(「差玉数カウンタ」/1000)に対応した値となる。なお、上記S10460-22~上記S10460-25の処理を省略(削除)して、MY判定用カウンタの値が差玉数カウンタと等しい値となるように構成してもよい。
S10460-31において、メインCPU201は、MY判定用カウンタが更新されたか否かを判定する。
メインCPU201は、MY判定用カウンタが更新されたと判定した場合には処理をS10460-32移し、MY判定用カウンタが更新されていないと判定した場合には処理をS10460-41に移す。
S10460-32において、メインCPU201は、遊技停止状態フラグに基づいて、遊技停止状態であるか否かを判定する。
メインCPU201は、遊技停止状態であると判定した場合には処理をS10460-41に移し、遊技停止状態でないと判定した場合には処理をS10460-33に移す。
S10460-33において、メインCPU201は、「遊技停止機能作動管理フェーズ」をロードする処理を行う。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をS10460-34に移す。
S10460-34において、メインCPU201は、遊技停止機能作動管理フェーズ≧03Hであるか否かを判定する。ここで、遊技停止機能作動管理フェーズ≧03Hとは、遊技停止機能作動管理フェーズ=03Hまたは04Hであり、差玉数カウンタが規制値(95000以上)以上である場合に設定されている値である。
メインCPU201は、遊技停止機能作動管理フェーズ≧03Hであると判定した場合には処理をS10460-41に移し、遊技停止機能作動管理フェーズ≧03Hでないと判定した場合には処理をS10460-35に移す。
S10460-35において、メインCPU201は、MY判定用カウンタの値に基づいて、遊技停止機能作動管理フェーズ設定処理を行う。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をS10460-41に移す。
この遊技停止機能作動管理フェーズ設定処理においては、MY判定用カウンタの値が、差玉数カウンタの初期の境界値未満に対応する値(MY判定用カウンタ<85)のときには、遊技停止機能作動管理フェーズに「00H」をセットする。
また、MY判定用カウンタの値が、差玉数カウンタの初期の境界値以上から第1の境界値未満に対応する値(85≦MY判定用カウンタ<90)のときには、遊技停止機能作動管理フェーズに「01H」をセットする。
また、MY判定用カウンタの値が、差玉数カウンタの第1の境界値以上から規制値未満に対応する値(90≦MY判定用カウンタ<95)のときには、遊技停止機能作動管理フェーズに「02H」をセットする。
また、MY判定用カウンタの値が、差玉数カウンタの規制値以上に対応する値(MY判定用カウンタ≧95)のときには、遊技停止機能作動管理フェーズに「03H」をセットする。
このように、遊技停止機能作動管理フェーズ設定処理においては、MY判定用カウンタの値に基づいて遊技停止機能作動管理フェーズの値が更新されていくことになる。
また、遊技停止機能作動管理フェーズ設定処理においては、上記S10460-34の処理により、既に遊技停止機能作動管理フェーズ=03Hまたは04Hであるときには、ここでは更新されないことになる。すなわち、遊技停止機能作動管理フェーズ設定処理においては、遊技停止機能作動管理フェーズが00H、01Hまたは02Hであるときに、遊技停止機能作動管理フェーズが00H、01H、02Hまたは03Hに更新されることになる。
S10460-41において、メインCPU201は、「遊技停止機能作動管理フェーズ」をロードする処理を行う。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をS10460-42に移す。
S10460-42において、メインCPU201は、遊技停止機能作動管理フェーズ=03Hであるか否かを判定する。ここで、遊技停止機能作動管理フェーズ=03Hとは、差玉数カウンタが規制値(95000以上)以上である場合において、遊技停止状態前に設定されている値である。このため、遊技停止機能作動管理フェーズ=03Hにより、差玉数カウンタが規制値以上(95000以上)であるものの、遊技が停止されていない状態であるか否かが判定されることになる。
メインCPU201は、遊技停止機能作動管理フェーズ=03Hであると判定した場合には処理をS10460-43に移し、遊技停止機能作動管理フェーズ=03Hでないと判定した場合には処理をS10460-50に移す。
S10460-43において、メインCPU201は、特別図柄の制御状態番号≧03であるか否かを判定する。ここで、特別図柄の制御状態番号≧03とは、後述するように小当り遊技状態または大当り遊技状態であるときに設定されている値である。このため、特別図柄の制御状態番号≧03により、小当り遊技状態または大当り遊技状態であるか否かが判定されることになる。
メインCPU201は、特別図柄の制御状態番号≧03であると判定した場合には処理をS10460-50に移し、特別図柄の制御状態番号≧03でないと判定した場合には処理をS10460-44に移す。
S10460-44において、メインCPU201は、遊技停止機能作動管理フェーズに「04H」をセットする処理を行う。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をS10460-50に移す。
このように、差玉数カウンタが規制値以上(95000以上)である場合には、小当り遊技状態または大当り遊技状態でないときに、遊技停止機能作動管理フェーズが「03H」から「04H」に更新されることになる。また、遊技停止機能作動管理フェーズが「04H」は、上述したように、バックアップクリアスイッチ176により「RAMクリア」されない限りは、その値が保持される(変更されない)ことになる。
S10460-50において、メインCPU201は、S10460-1で退避させたレジスタの復帰処理を行い、遊技停止データ更新処理を終了する。
このように、本実施形態の遊技停止データ更新処理によれば、差玉数カウンタが規制値未満に対応した遊技停止機能作動管理フェーズが00H、01Hまたは02Hであるときには、MY判定用カウンタの値(差玉数カウンタの値)に基づいて遊技停止機能作動管理フェーズの値が適宜変更されていき、繰り下がることも、繰り上がることも可能である。
しかしながら、差玉数カウンタが規制値以上に対応した遊技停止機能作動管理フェーズ=03Hまたは04Hであるときには、仮にMY判定用カウンタの値(差玉数カウンタの値)が規制値を下回ったとしても、遊技停止機能作動管理フェーズの値が繰り下がる(03Hから02Hに変更される)ことができないように構成されている。
[12-4-23.スイッチ入力検出処理]
次に、図417を参照して、システムタイマ割込処理中(図413参照)でメインCPU201により実行されるスイッチ入力検出処理について説明する。図417は、第10のパチンコ遊技機におけるスイッチ入力検出処理の一例を示すフローチャートである。
第10のパチンコ遊技機は、第1のパチンコ遊技機と比して、第1大入賞口カウントスイッチ10132、第2大入賞口カウントスイッチ10152、V入賞口スイッチ10157の構成が付加されていることから、かかる処理が一部追加されている。
S10501において、メインCPU201は、第1始動口入賞検出処理を実行する。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をS10502に移す。
この第1始動口入賞検出処理において、メインCPU201は、第1始動口スイッチ10121により第1始動口10120への遊技球の入球が検出されると、第1始動口10120の払出個数を示す賞球に応じた払出情報をセットし、第1特別図柄始動記憶領域(1)~第1特別図柄始動記憶領域(4)に空き領域があるか否かを判定する。第1特別図柄始動記憶領域(1)~第1特別図柄始動記憶領域(4)に空き領域があると判定すると、第1特別図柄の始動情報として各種乱数値(例えば、大当り判定用乱数値、図柄乱数値、リーチ判定用乱数値、演出選択用乱数値等)を取得し、取得した各種乱数値をFIFO(First In、First Out)形式で1つの第1特別図柄判定領域に記憶する。そして、第1始動口10120への入賞と第1特別図柄の保留個数とを示す第1特別図柄の入賞コマンドの送信予約処理を行う。この処理で送信予約された第1特別図柄の入賞コマンドは、次回のシステムタイマ割込処理中の演出制御コマンド送信処理(図413参照)において、サブ制御回路300に送信される。一方、第1特別図柄始動記憶領域(1)~第1特別図柄始動記憶領域(4)のいずれにも空き領域がないと判定すると、各種乱数値を取得せずに、第1始動口入賞検出処理を終了することになる。
S10502において、メインCPU201は、第2始動口入賞検出処理を実行する。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をS10503に移す。
この第2始動口入賞検出処理において、メインCPU201は、第2始動口スイッチ10141により第2始動口10140への遊技球の入球が検出されると、第2始動口10140の払出個数を示す賞球に応じた払出情報をセットし、第2特別図柄始動記憶領域(1)~第2特別図柄始動記憶領域(3)に空き領域があるか否かを判定する。第2特別図柄始動記憶領域(1)~第2特別図柄始動記憶領域(3)に空き領域があると判定すると、第2特別図柄の始動情報として各種乱数値(例えば、大当り判定用乱数値、図柄乱数値、リーチ判定用乱数値、演出選択用乱数値等)を取得し、取得した各種乱数値をFIFO形式で1つの第2特別図柄判定領域に記憶する。そして、第2始動口10140への入賞と第2特別図柄の保留個数とを示す第2特別図柄の入賞コマンドの送信予約処理を行う。この処理で送信予約された第2特別図柄の入賞コマンドは、次回のシステムタイマ割込処理中の演出制御コマンド送信処理(図413参照)において、サブ制御回路300に送信される。一方、第2特別図柄始動記憶領域(1)~第2特別図柄始動記憶領域(3)のいずれにも空き領域がないと判定すると、各種乱数値を取得せずに、第2始動口入賞検出処理を終了することになる。
また、本実施形態では、第1特別図柄に関しては4つの第1特別図柄始動記憶領域を有しているが、第2特別図柄に関しては3つの第1特別図柄始動記憶領域を有していない。このため、第1特別図柄の保留個数は4個となり、第2特別図柄の保留個数は3個となるように構成されている。なお、第1特別図柄の保留個数及び第2特別図柄の保留個数は、適宜設計変更自由であるが、4個以内とすることが望ましい。
S10503において、メインCPU201は、一般入賞口通過検出処理を行う。一般入賞口通過検出処理では、例えば一般入賞口122の払出個数を示す賞球に応じた払出情報をセットする。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をS10504に移す。
S10504において、メインCPU201は、第1大入賞口通過検出処理を行う。第1大入賞口通過検出処理では、メインCPU201は、第1大入賞口カウントスイッチ10132により第1大入賞口10131への遊技球の入球が検出されると、第1大入賞口10131の払出個数を示す賞球に応じた払出情報をセットするとともに、第1大入賞口10131への遊技球の入賞数を計数するための第1大入賞口カウンタに1を加算して更新する。そして、第1大入賞口10131への入賞を示す第1大入賞口入賞コマンドの送信予約処理を行う。この処理で送信予約された第1大入賞口入賞コマンドは、次回のシステムタイマ割込処理中の演出制御コマンド送信処理(図413参照)において、サブ制御回路300に送信される。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をS10505に移す。
S10505において、メインCPU201は、第2大入賞口通過検出処理を行う。第2大入賞口通過検出処理では、メインCPU201は、第2大入賞口カウントスイッチ10152により第2大入賞口10151への遊技球の入球が検出されると、第2大入賞口10151の払出個数を示す賞球に応じた払出情報をセットするとともに、第2大入賞口10151への遊技球の入賞数を計数するための第2大入賞口カウンタに1を加算して更新する。そして、第2大入賞口10151への入賞を示す第2大入賞口入賞コマンドの送信予約処理を行う。この処理で送信予約された第2大入賞口入賞コマンドは、次回のシステムタイマ割込処理中の演出制御コマンド送信処理(図413参照)において、サブ制御回路300に送信される。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をS10506に移す。
S10506において、メインCPU201は、V入賞口通過検出処理を行う。V入賞口通過検出処理では、メインCPU201は、V入賞口スイッチ10157によりV入賞口10156への遊技球の通過が検出されると、V入賞口通過フラグをオンにする。そして、遊技球がV入賞口10156を通過したことを示すV通過コマンドの送信予約処理を行う。この処理で送信予約されたV通過コマンドは、次回のシステムタイマ割込処理中の演出制御コマンド送信処理(図413参照)において、サブ制御回路300に送信される。なお、V入賞口10156に遊技球が通過したとしても払出情報はセットされない。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をS10507に移す。
S10507において、メインCPU201は、ゲート通過検出処理を行う。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をS10508に移す。
このゲート通過検出処理において、メインCPU201は、通過ゲートスイッチ10127により第1通過ゲート10126Rまたは第2通過ゲート10126Lへの遊技球の通過が検出されると、普通図柄始動記憶領域(1)~普通図柄始動記憶領域(4)に空き領域があるか否かを判定する。普通図柄始動記憶領域(1)~普通図柄始動記憶領域(4)に空き領域があると判定すると、普通図柄の始動情報として各種乱数値(例えば、普通図柄当り判定用乱数値、普通図柄の図柄乱数値等)を取得し、取得した各種乱数値をFIFO形式で1つの普通図柄始動記憶領域に記憶する。一方、普通図柄始動記憶領域(1)~普通図柄始動記憶領域(4)のいずれにも空き領域がないと判定すると、各種乱数値を取得せずに、ゲート通過検出処理を終了することになる。
S10508において、メインCPU201は、先読みコマンド生成処理を行う。メインCPU201は、本処理を実行した後は、今回のスイッチ入力検出処理を終了する。
この先読みコマンド生成処理においては、図387の先読み関連データを参照し、遊技状態に基づいて、今回の第1始動口入賞検出処理または第2始動口入賞検出処理で取得した各種乱数値を解析し、先読みコマンドを生成する。なお、図387の先読み関連データに示したように、時短遊技状態、大当り遊技状態、小当り遊技状態においては、第2始動口入賞検出処理で取得した各種乱数値に基づく先読みコマンド(第2特別図柄の先読みコマンド)のみ生成可能となっている。そして、生成した先読みコマンドをサブ制御回路300に送信する先読みコマンドの送信予約処理を行う。この処理で送信予約された先読みコマンドは、次回のシステムタイマ割込処理中の演出制御コマンド送信処理(図413参照)において、サブ制御回路300に送信されることになる。
[12-5.サブ制御回路]
次に、主制御回路200からサブ制御回路300に送信される各種のコマンド等に基づいたサブ制御回路300の制御内容について説明する。
まず、サブ制御回路300のプログラムROM302に記憶されている各種テーブルの詳細について、図418~図425を用いて説明する。
[12-6-1.演出モード決定テーブル]
第10のパチンコ遊技機における演出モードを決定するための演出モード決定テーブルについて説明する。図418は、第10のパチンコ遊技機における演出モード決定テーブルの一例である。
ここで、「演出モード」とは、サブ制御回路300により行われる各種演出の状態を定めた情報をいう。
図418に示すように、演出モード決定テーブルには、遊技状態とモード移行条件と演出モードを定める演出モード情報とが対応付けられている。なお、遊技状態は、主制御回路200から受信した遊技状態指定コマンドによって判別されることになる。
また、「モード移行条件」は、第2特別図柄の始動情報の有無によって判別されるように構成されている。
「演出モード情報」は、チャンス演出モードを示す演出モード情報=00Hと、一般演出モードを示す演出モード情報=01Hと、天国演出モードを示す演出モード情報=10Hと、戦国タイム演出モードを示す演出モード情報=0FHとで構成されている。
なお、本実施形態においては、演出モードとして、チャンス演出モード、一般演出モード、天国演出モード及び戦国タイム演出モードの4つの演出モードを備えて構成しているが、5つ以上の演出モードを備えて構成してもよい。例えば、戦国タイム演出モードとして、A時短遊技状態の戦国タイム演出モードを第1のRUSH演出モードとし、B時短遊技状態の戦国タイム演出モードを第2のRUSH演出モードとし、C時短遊技状態の戦国タイム演出モードを第2のRUSH演出モードとし、第1のRUSH演出モード、第2のRUSH演出モード及び第3のRUSH演出モードがそれぞれ異なる演出モードとしてもよい。
サブ制御回路300におけるサブCPU301は、図418に示す演出モード決定テーブルを参照し、遊技状態とモード移行条件とに基づいて、演出モード情報を決定することになる。
[12-6-2.図柄演出パターン決定テーブル]
次に、図柄演出パターンを決定するための図柄演出パターン決定テーブルについて説明する。図419、図420及び図421は、第10のパチンコ遊技機における演出モード決定テーブルの一例である。
ここで、「演出パターン」とは、キャラクタ等の表示演出や、音声演出、演出ボタン54の操作態様の変化演出等を定めた情報をいう。また、「図柄演出パターン」とは、特別図柄可変表示中において、少なくとも表示装置7に後述する「第1の装飾図柄(主図柄)」を所定の変動態様で可変表示させることを定めた情報である。なお、図柄演出パターンの種類によっては、第1の装飾図柄の可変表示に加え、背景表示態様およびキャラクタ等の表示演出や、音声演出、演出ボタン54の操作態様の変化演出等も定められていることもある。また、図柄演出パターンの他に、各種の演出パターンの表示演出が重畳して実行可能となっている。
サブ制御回路300におけるサブCPU301は、図419、図420または図421に示す図柄演出パターン決定テーブルを参照し、図柄演出パターンを決定することになる。
[チャンス演出モードの図柄演出パターン決定テーブル]
図419(a)に示すように、チャンス演出モードの図柄演出パターン決定テーブルCZには、主制御回路200から受信した特別図柄の変動パターンコマンドと、先読みフラグと、選択率(第1乱数値)と、図柄演出パターンとが対応付けられている。
ここで、「先読みフラグ」とは、先読み演出を実行中か否かを判別する情報であり、先読みフラグ=00Hは、先読み演出を実行中でないことを示し、先読みフラグ=01Hは、先読み演出を実行中であることを示している。
また、「選択率」とは、第1の乱数範囲からなる第1乱数値に対して、取得された第1乱数値が所定の範囲内にあることに対応しているが、説明の便宜上、選択率に読み替えて記載している。なお、選択率については1~100%の他に0%が含められていてもよく、0%の選択率という文言を排除するものではない。以上のことは、後述するテーブルにおける「選択率」についても同様である。本実施形態においては、異なる乱数範囲の複数種類の乱数値を多数備えており、適宜、乱数値の種類の説明を省略する。
図419(a)に示すチャンス演出モードの図柄演出パターン決定テーブルCZによれば、特別図柄の変動パターンコマンドが「時短当り」に対応する変動パターンコマンドであるときには、専用の図柄演出パターンとして、特定の図柄演出パターン(図柄演出パターンCZ10~CZ15、CZ20、CZ21)が決定可能に構成されている。また、特別図柄の変動パターンコマンドが「ハズレ」に対応する変動パターンコマンドであるときにも、特定の図柄演出パターン(図柄演出パターンCZ22、CZ23)が決定可能に構成されている。
このため、特別図柄の抽選で時短当りであるときには、専用の図柄演出を行うことができる。
この特定の図柄演出パターンは、「カード演出」を実行する図柄演出パターンと、「RUSH突入演出」を実行する図柄演出パターンとで構成されている。
この「カード演出」を実行する図柄演出パターンは、時短当りである場合において、第1時短遊技状態に移行する契機となる「特別図柄の選択図柄z10」と、第2時短遊技状態に移行する契機となる「特別図柄の選択図柄z20」と、第3時短遊技状態に移行する契機となる「特別図柄の選択図柄z30」のときに決定される。
このため「カード演出」により、第1時短遊技状態、第2時短遊技状態及び第3時短遊技状態のいずれかの遊技状態に移行することが示唆することができる。
また、「RUSH突入演出」は、時短当りかつ第2時短遊技状態に移行する契機となる「特別図柄の選択図柄z20」であるときと、ハズレであるときに決定される。
このため「RUSH突入演出」により、第2時短遊技状態(RUSH遊技状態)に移行するか否かの演出を実行することができる。
さらに、「カード演出」と「RUSH突入演出」とは、選択率(第1乱数値)により、「弱演出(白カード演出またはRUSH突入演出A)」と、弱演出よりも第2時短遊技状態に移行することの期待値が高い「強演出(赤カード演出またはRUSH突入演出B)」とで構成されている。
そして、図419(a)に示すチャンス演出モードの図柄演出パターン決定テーブルCZによれば、先読み演出を実行であるとき(先読みフラグ=01H)には、「強演出(赤カード演出またはRUSH突入演出B)」の図柄演出パターン(図柄演出パターンCZ11、CZ13、CZ15、CZ21、CZ23)が決定可能に構成されている。
これにより、先読み演出が実行された場合には、当該変動において「強演出(赤カード演出またはRUSH突入演出B)」が実行されるので、期待感をもって遊技を行うことができる。
[一般演出モードの図柄演出パターン決定テーブル]
図419(b)に示すように、一般演出モードの図柄演出パターン決定テーブルNRには、主制御回路200から受信した特別図柄の変動パターンコマンドと図柄演出パターンとが対応付けられている。
なお、図419(b)に示す一般演出モードの図柄演出パターン決定テーブルNRには、選択率(第1乱数値)が対応付けられていないが、1つの特別図柄の変動パターンコマンドに基づいて、第1乱数値により複数の図柄演出パターンを対応付けてもよい。
図419(b)に示す一般演出モードの図柄演出パターン決定テーブルNRによれば、同じ特別図柄の変動パターンコマンドであっても、チャンス演出モードとは異なる図柄演出パターンが決定可能に構成されている。この図柄演出パターンの相違は、第1の装飾図柄の表示態様(図柄デザイン)及び背景表示態様の少なくともいずれかが相違するものであればよい。
なお、本実施形態においては、一般演出モードとチャンス演出モードとで異なる図柄演出パターンを決定可能に構成したが、一般演出モードとチャンス演出モードとで同じ図柄演出パターンを決定可能に構成してもよい。特に、RAMクリアの有無にかかわらず、電源投入時には、一般演出モードとチャンス演出モードとで、共通の背景の表示態様となるように、同じ図柄演出パターンを決定可能に構成することが望ましい。このように構成すると、遊技店の開店時にRAMクリアされているのか否かが一見して識別困難になり、RAMクリアされていない遊技機であっても遊技店の開店時から遊技機の稼働を促進させることができる。
また、一般遊技状態においても時短当りを当選可能とする場合には、時短当りであるときには、大当りとは異なる専用の図柄演出パターンを決定可能に構成すればよい。そして、時短当りであるときには、通常遊技状態と一般遊技状態とで異なる図柄演出パターンを決定可能にし、時短当りであるときの専用の演出として、通常遊技状態と一般遊技状態とで異なる演出を行うことが望ましい。
[天国演出モードの図柄演出パターン決定テーブル]
図420に示すように、天国演出モードの図柄演出パターン決定テーブルTEには、主制御回路200から受信した特別図柄の変動パターンコマンドと図柄演出パターンとが対応付けられている。
なお、図420に示す天国演出モードの図柄演出パターン決定テーブルTEには、選択率(第1乱数値)が対応付けられていないが、1つの特別図柄の変動パターンコマンドに基づいて、第1乱数値により複数の図柄演出パターンを対応付けてもよい。
図420に示す天国演出モードの図柄演出パターン決定テーブルTEによれば、同じ特別図柄の変動パターンコマンドであっても、チャンス演出モード及び一般演出モードとは異なる図柄演出パターンが決定可能に構成されている。この図柄演出パターンの相違は、第1の装飾図柄の表示態様(図柄デザイン)及び背景表示態様の少なくともいずれかが相違するものであればよい。
なお、本実施形態においては、天国演出モード、一般演出モード及びチャンス演出モードで異なる図柄演出パターンを決定可能に構成したが、天国演出モード、一般演出モード及びチャンス演出モードで同じ図柄演出パターンを決定可能に構成してもよい。特に、RAMクリアの有無にかかわらず、電源投入時には、天国演出モード、一般演出モード及びチャンス演出モードで、共通の背景の表示態様となるように、同じ図柄演出パターンを決定可能に構成することが望ましい。このように構成すると、遊技店の開店時にRAMクリアされているのか否かが一見して識別困難になり、RAMクリアされていない遊技機であっても遊技店の開店時から遊技機の稼働を促進させることができる。
[戦国タイム演出モードの図柄演出パターン決定テーブル]
図421に示すように、戦国タイム演出モードの図柄演出パターン決定テーブルRUには、主制御回路200から受信した特別図柄の変動パターンコマンドと、選択率(第1乱数値)と、図柄演出パターンとが対応付けられている。
図421に示す天国演出モードの図柄演出パターン決定テーブルRUによれば、主制御回路200から受信した特別図柄の変動パターンコマンドが、第1時短遊技状態、第3時短遊技状態または第6時短遊技状態(一般遊技状態)であるときに送信された第2特別図柄の変動パターンコマンドであるとき(84H01H~84H03H:図385参照)と、第2時短遊技状態、第4時短遊技状態または第5時短遊技状態(RUSH遊技状態)であるときに送信された第2特別図柄の変動パターンコマンドであるとき(84H21H~84H26H:図386参照)とが異なる図柄演出パターンが決定可能に構成されている。
本実施形態では、特別図柄の変動パターンコマンドが、一般遊技状態であるときに送信された第2特別図柄の変動パターンコマンドであるときには、「キャラZ」が登場する戦国タイム演出を実行する図柄演出パターン(図柄演出パターンRU11~RU16)が決定可能に構成されている。また、特別図柄の変動パターンコマンドが、RUSH遊技状態であるときに送信された第2特別図柄の変動パターンコマンドであるときには、「キャラA」または「キャラB」が登場する戦国タイム演出を実行する図柄演出パターン(図柄演出パターンRU21~RU26)が決定可能に構成されている。
これにより、一般遊技状態であるときにロング開放により第2始動口10140に遊技球が入球したときの演出と、RUSH遊技状態であるときにロング開放により第2始動口10140に遊技球が入球したときの演出の一部(キャラ)を異ならせることができ、遊技状態に応じた演出を行うことができる。
なお、一般遊技状態であるときにロング開放により第2始動口10140に遊技球が入球したときの演出と、RUSH遊技状態であるときにロング開放により第2始動口10140に遊技球が入球したときの演出とを共通にしてもよい。すなわち、図柄演出パターンRU11~RU16と図柄演出パターンRU21~RU26とを同じにしてもよい。
また、図421に示す天国演出モードの図柄演出パターン決定テーブルRUによれば、同じ特別図柄の変動パターンコマンドであっても、チャンス演出モード、一般演出モード及び天国演出モードとは異なる図柄演出パターンが決定可能に構成されている。この図柄演出パターンの相違は、第1の装飾図柄の表示態様(図柄デザイン)及び背景表示態様の少なくともいずれかが相違するものであればよい。
[12-6-3.テロップ演出パターン決定テーブル]
次に、テロップ演出パターンを決定するためのテロップ演出パターン決定テーブルについて説明する。図422は、第10のパチンコ遊技機におけるテロップ演出パターン決定テーブルの一例である。
ここで、「テロップ演出パターン」とは、第2始動口10140がロング開放することを事前に示唆するテロップ演出を定めた情報をいう。この「テロップ演出パターン」は、第2始動口10140がロング開放することを示唆し、ロング開放することを報知する「テロップ演出パターンK01」と、第2始動口10140がロング開放することを示唆し、ロング開放しないことを報知する「テロップ演出パターンK02」とで構成されている。
図422に示すように、テロップ演出パターン決定テーブルには、主制御回路200から受信した普通図柄の変動パターンコマンドと、選択率(第2乱数値)と、テロップ演出パターンとが対応付けられている。
また、図422に示すテロップ演出パターン決定テーブルに対応付けられている普通図柄の変動パターンコマンドは、第3時短遊技状態のときに主制御回路200から送信される普通図柄の変動パターンコマンドである(図391参照)。
このため、一般遊技状態である第3時短遊技状態のときにテロップ演出パターンによるテロップ演出が実行可能となる。
なお、一般遊技状態である第1時短遊技状態及び第6時短遊技状態であるときには、第2始動口10140がロング開放することはないが、第1時短遊技状態及び第6時短遊技状態であるときに主制御回路200から送信される普通図柄の変動パターンコマンドにより、ロング開放しないことを報知する「テロップ演出パターンK02」を決定可能に構成してもよい。
サブ制御回路300におけるサブCPU301は、図422に示すテロップ演出パターン決定テーブルを参照し、テロップ演出パターンを決定することになる。
[12-6-4.先読み演出パターン決定テーブル]
次に、先読み演出パターンを決定するための先読み演出パターン決定テーブルについて説明する。図423は、第10のパチンコ遊技機における先読み演出パターン決定テーブルの一例である。また、図423(a)は、通常遊技状態の先読み演出パターン決定テーブルZ1の一例であり、図423(b)は、一般遊技状態である第1時短遊技状態、第3時短遊技状態及び第6時短遊技状態の先読み演出パターン決定テーブルZ2の一例である。
ここで、「先読み演出パターン」とは、遊技球が第1始動口10120または第2始動口10140に入球したときに、特別図柄の抽選結果を事前に示唆する先読み演出を定めた情報をいう。
サブ制御回路300におけるサブCPU301は、図423に示す先読み演出パターン決定テーブルを参照し、先読み演出パターンを決定することになる。
[通常遊技状態の先読み演出パターン決定テーブル]
図423(a)に示すように、通常遊技状態の先読み演出パターン決定テーブルZ1には、主制御回路200から受信した先読みコマンドと、選択率(第3乱数値)と、先読み演出パターンとが対応付けられている。
図423(a)に示す通常遊技状態の先読み演出パターン決定テーブルZ1によれば、先読みコマンドが「大当りまたはハズレ」かつ「スーパーリーチ、超スーパーリーチまたはRUSH突入演出」に対応する先読みコマンドであるとき、または、先読みコマンドが「時短当り」かつ「特別図柄の選択図柄z20」に対応する先読みコマンドであるときには、「期待UPゾーン」を実行する先読み演出パターン(先読み演出パターンZ01)が決定可能に構成されている。
このため、「期待UPゾーン」により、所定の演出が行われること、大当り遊技状態または第2時短遊技状態(RUSH遊技状態)に移行することを事前に示唆することができる。
また、図423(a)に示す通常遊技状態の先読み演出パターン決定テーブルZ1によれば、先読みコマンドが「時短当り」に対応する先読みコマンドであるとき、または「ハズレ」に対応する先読みコマンドであるときには、先読み演出パターンとして、「モード移行ゾーン」を実行する先読み演出パターン(先読み演出パターンZ02)が決定可能に構成されている。
このため、「モード移行ゾーン」により、時短当りであること、通常遊技状態から第1時短遊技状態、第2時短遊技状態または第3時短遊技状態のいずれかの遊技状態に移行することを事前に示唆することができる。
また、図423(a)に示す通常遊技状態の先読み演出パターン決定テーブルZ1によれば、先読みコマンドが「時短当り」かつ「特別図柄の選択図柄z20」に対応する先読みコマンドであるとき、または先読みコマンドが「ハズレ」に対応する先読みコマンドであるときには、「RUSH期待ゾーン」を実行する先読み演出パターン(先読み演出パターンZ03)が決定可能に構成されている。
このため、「RUSH期待ゾーン」により、第2時短遊技状態(RUSH遊技状態)に移行することを事前に示唆することができる。
[一般遊技状態の先読み演出パターン決定テーブル]
図423(b)に示すように、一般遊技状態の先読み演出パターン決定テーブルZ2には、主制御回路200から受信した先読みコマンドと、選択率(第3乱数値)と、先読み演出パターンとが対応付けられている。
図423(b)に示す先読み演出パターン決定テーブルZ2によれば、先読みコマンドが「大当りまたはハズレ」かつ「スーパーリーチ、超スーパーリーチ」に対応する先読みコマンドであるときには、「期待UPゾーン」を実行する先読み演出パターン(先読み演出パターンZ01)が決定可能に構成されている。
そして、図423(a)に示す先読み演出パターン決定テーブルZ1と図423(b)に示す先読み演出パターン決定テーブルZ2とを比較すると、通常遊技状態のときの方が、一般遊技状態ときよりも、「期待UPゾーン」を実行する先読み演出パターンが決定されやすく構成されている。
このため、通常遊技状態のときの方が、一般遊技状態よりも「期待UPゾーン」が実行されやすく、通常遊技状態(チャンス演出モード)における遊技の興趣をより高めることができる。
なお、本実施形態においては、先読み演出パターンとして、「期待UPゾーン」、「モード移行ゾーン」、「RUSH期待ゾーン」を実行する3種類の先読み演出パターンを備えて構成したが、示唆する内容を細分化させて4種類以上の先読み演出パターンを備えて構成してもよいし、示唆する内容を統合化(または省略化)させて2種類以下の先読み演出パターンを備えて構成してもよい。
さらには、RUSH遊技状態である第2時短遊技状態、第4時短遊技状態及び第5時短遊技状態のときにも先読み演出パターンを決定するように構成してもよい。
[12-6-5.先読み演出の禁止条件設定テーブル]
先読み演出(期待UPゾーン、モード移行ゾーン、RUSH期待ゾーン)の実行の可否を決定するための先読み演出の禁止条件設定テーブルについて説明する。図424は、第10のパチンコ遊技機における先読み演出の禁止条件設定テーブルの一例である。
図424に示すように、先読み演出の実行を禁止するための禁止条件として、期待UPゾーン、モード移行ゾーン及びRUSH期待ゾーンのそれぞれの先読み演出の実行を禁止する「共通禁止条件」と、モード移行ゾーン及びRUSH期待ゾーンの両者の先読み演出を禁止する「固有禁止条件」とが設定されている。
共通禁止条件は、共通禁止条件1~3の3つの禁止条件が設定されている。「共通禁止条件1」は、第2特別図柄の保留個数があるときに成立し、「共通禁止条件2」は、第2特別図柄の制御期間中(第2特別図柄の可変表示中)のときに成立し、「共通禁止条件3」は、先読みフラグを参照して既に先読み演出が実行中のときに成立するものである。
この共通禁止条件1~3のいずれかの禁止条件が成立していると、先読み演出パターンが決定されず、期待UPゾーン、モード移行ゾーン及びRUSH期待ゾーンのいずれの先読み演出も実行されないことになる。
固有禁止条件は、固有禁止条件1及び固有禁止条件2の2つの禁止条件が設定されている。「固有禁止条件1」は、遊技球が第1始動口10120または第2始動口10140に入球したときに、それ以前の保留記憶に大当りと判定される始動情報が記憶されているときに成立し、「固有禁止条件2」は、遊技球が第1始動口10120または第2始動口10140に入球したときに、それ以前の保留記憶に時短当りかつ特別図柄の選択図柄z20が決定される始動情報が記憶されているときに成立するものである。
この固有禁止条件1及び固有禁止条件2のいずれかの禁止条件が成立していると、モード移行ゾーン及びRUSH期待ゾーンの先読み演出が実行されないことになるが、期待UPゾーンの先読み演出は実行可能に構成されている。
このように、モード移行ゾーン及びRUSH期待ゾーンの両者の先読み演出を禁止する「固有禁止条件1」として、それ以前の保留記憶に大当りと判定される始動情報が記憶されていることを設定しているので、大当り遊技状態の移行に基づいてモード移行ゾーン及びRUSH期待ゾーンが示唆する内容が変化するおそれがあることを防ぐことができ、遊技の興趣の低下を抑止することができる。
[12-6-6.第1遊技停止予告終了判定テーブル]
遊技球の増加数(MY)が第1の計数範囲であるときに開始された第1遊技停止予告の実行の終了させるための第1遊技停止予告終了判定テーブルについて説明する。図425は、第10のパチンコ遊技機における第1遊技停止予告終了判定テーブルの一例である。
図425に示すように、第1遊技停止予告の実行の終了させる「第1遊技停止予告終了条件」として、終了条件1~4の4つの終了条件が設定されている。
「終了条件1」は、通常遊技状態であるときに成立する。ただし、「終了条件1」は、大当り遊技状態中の通常遊技状態のときには成立しない。また、「終了条件2」は、第1時短遊技状態であるときに成立し、「終了条件3」は、第3時短遊技状態であるときに成立し、「終了条件4」は、第6時短遊技状態であるときに成立するものである。すなわち、第1遊技停止予告は、通常遊技状態または一般遊技状態に移行すると終了することになる。
そして、第1遊技停止予告が実行中である場合に、上記「第1遊技停止予告終了条件」のいずれかの条件が成立すると、第1遊技停止予告の実行が終了することになる。
[12-7-1.サブ制御回路処理]
次に、図426を参照して、サブ制御回路300のサブCPU301により実行される各種処理の内容について説明する。図426は、第10のパチンコ遊技機におけるサブ制御回路処理の一例を示すフローチャートである。
図426に示すように、サブCPU301は、先ず、初期化処理を行う(S10600)。この初期化処理では、例えば、RAMアクセス許可、作業領域の初期化、ハードウェア初期化、デバイス初期化、アプリケーション初期化、バックアップ復帰初期化等といった初期化処理が行われる。この処理を終了すると、サブCPU301は、処理をS10610に移す。
S10610において、サブCPU301は、データを入力するデータ入力処理を行う。このデータ入力処理では、コマンド入力ポート308からコマンドを入力したり、演出ボタン54によって検出された遊技者による操作情報を入力したりする処理が行われる。このデータ入力処理の詳細については、図432を参照して後述する。
この処理を終了すると、サブCPU301は、処理をS10620に移す。
S10620において、サブCPU301は、コマンド解析処理を実行する。この処理では、S10610の処理で入力されたコマンドの解析が行われる。
この処理を終了すると、サブCPU301は、処理をS10630に移す。
S10630において、サブCPU301は、演出態様決定処理を実行する。この処理では、例えば、メインCPU201から送信されたコマンドに基づいて、演出パターンを決定したり、決定した演出パターンに基づいて、各種演出装置を動作させるための各種リクエスト(例えば、描画リクエスト、サウンドリクエスト、ランプリクエスト、および、役物リクエスト、演出ボタン駆動リクエスト等)を生成したりする。この演出態様決定処理の詳細については、図427を参照して後述する。
この処理を終了すると、サブCPU301は、処理をS10640に移す。
S10640において、サブCPU301は、描画制御処理を実行する。この処理において、サブCPU301は、描画リクエストを表示制御回路304に送信する。表示制御回路304は、サブCPU301から送信されたメッセージ(描画リクエスト)に基づいて、表示装置7の表示領域に画像を表示させるための描画制御を行う。
この処理を終了すると、サブCPU301は、処理をS10650に移す。
S10650において、サブCPU301は、音声制御処理を実行する。この処理において、サブCPU301は、サウンドリクエストを音声制御回路305に送信する。音声制御回路305は、サブCPU301から送信されたメッセージ(サウンドリクエスト)に基づいて、スピーカ32に音声を出力させるための音声制御を行う。
この処理を終了すると、サブCPU301は、処理をS10660に移す。
S10660において、サブCPU301は、LED制御処理を実行する。この処理において、サブCPU301は、LEDリクエストをLED制御回路306に送信する。LED制御回路306は、サブCPU301から送信されたメッセージ(LEDリクエスト)に基づいて、LED群46を構成するLEDの全部または一部を点灯あるいは点滅させるための発光制御を行う。
この処理を終了すると、サブCPU301は、処理をS10670に移す。
S10670において、サブCPU301は、役物制御処理を実行する。この処理において、サブCPU301は、役物リクエストを役物制御回路307に送信する。役物制御回路307は、サブCPU301から送信されたメッセージ(役物リクエスト)に基づいて、演出用役物群58を構成する全部または一部の役物にかかる演出用駆動モータ(不図示)を動作させるための駆動制御を行う。
この処理を終了すると、サブCPU301は、処理をS10680に移す。
S10680において、サブCPU301は、演出ボタン制御処理を実行する。この処理において、サブCPU301は、演出ボタン駆動リクエストをボタン制御回路310に送信する。ボタン制御回路310は、サブCPU301から送信されたメッセージ(演出ボタン駆動リクエスト)に基づいて、演出ボタン54の操作態様を変化させたり、演出ボタン54を振動させたりする駆動制御を行う。
この処理を終了すると、サブCPU301は、処理をS10690に移す。
S10690において、サブCPU301は、演出進行処理を実行する。この処理において、サブCPU301は、各種演出の実行を進行させるための演出タイマカウンタや、後述する強制報知タイマ等を更新する処理を行う。
この処理を終了すると、サブCPU301は、処理をS10610に戻す。
[12-7-2.演出態様決定処理]
次に、図427を参照して、サブ制御回路処理(図426参照)中でサブCPU301により実行される演出態様決定処理の詳細について説明する。図427は、第10のパチンコ遊技機における演出態様決定処理の一例を示すフローチャートである。
S10631において、サブCPU301は、後述する遊技停止フラグがオフ(=00H)である場合に限り、演出パターンを決定する演出パターン決定処理を実行する。この処理では、メインCPU201から送信されたコマンドに基づいて、表示装置7に表示される表示演出の態様や、スピーカ32から出力される音演出の態様、演出ボタン54の操作態様等を定めた演出パターンが決定される。なお、遊技停止フラグがオン(=01H)である場合には、演出パターン決定処理は実行されない。この演出パターン決定処理の詳細については、図428~図431を参照して後述する。
この処理を終了すると、サブCPU301は、処理をS10632に移す。
S10632において、サブCPU301は、アニメーションリクエストの生成処理を実行する。この処理では、上記S10631において決定された演出パターンに基づいてアニメーションリクエストを生成する。
この処理を終了すると、サブCPU301は、処理をS10633に移す。
S10633において、サブCPU301は、描画リクエストの生成処理を実行する。この処理では、S10632において生成されたアニメーションリクエストに基づいて描画リクエストを生成する。
この処理を終了すると、サブCPU301は、処理をS10634に移す。
S10634において、サブCPU301は、サウンドリクエストの生成処理を実行する。この処理では、上記S10631において決定された演出パターンに基づいてサウンドリクエストを生成する。
この処理を終了すると、サブCPU301は、処理をS10635に移す。
S10635において、サブCPU301は、ランプリクエストの生成処理を実行する。この処理では、上記S10631において決定された演出パターンに基づいてランプリクエストを生成する。
この処理を終了すると、サブCPU301は、処理をS10636に移す。
S10636において、サブCPU301は、役物リクエストの生成処理を実行する。この処理では、上記S10631において決定された演出パターンに基づいて役物リクエストを生成する。
この処理を終了すると、サブCPU301は、処理をS10637に移す。
S10637において、サブCPU301は、演出ボタン駆動リクエストの生成処理を実行する。この処理では、上記S10631において決定された演出パターンに基づいて演出ボタン駆動リクエストを生成する。
この処理を終了すると、サブCPU301は、処理をS10638に移す。
S10638において、サブCPU301は、後述する遊技停止フラグがオン(=01H)である場合に限り、遊技停止関連特別リクエストの生成処理を実行する。
この遊技停止関連特別リクエストの生成処理では、遊技停止フラグがオン(=01H)である場合に、後述する強制報知時間が経過していないときには、第1の報知態様で遊技停止報知を実行させる描画リクエスト、サウンドリクエスト、ランプリクエストを生成する。また、遊技停止フラグがオン(=01H)である場合に、強制報知時間が経過したときには、第2の報知態様で遊技停止報知を実行させる描画リクエスト、サウンドリクエスト、ランプリクエストを生成する。
この処理を終了すると、サブCPU301は、演出態様決定処理を終了し、処理を描画制御処理(図426参照)に戻す。
[12-7-3.演出パターン決定処理]
次に、図428~図430を参照して、演出態様決定処理(図427参照)中でサブCPU301により実行される演出パターン決定処理の詳細について説明する。図428~図430は、第10のパチンコ遊技機における演出パターン決定処理の一例を示すフローチャートである。
S10631-1において、サブCPU301は、メインCPU201から受信したコマンドが「特別図柄の入賞コマンド」であるか否かを判定する。
S10631-1において「特別図柄の入賞コマンド」であると判定した場合、サブCPU301は、処理をS10631-2に移す。一方、「特別図柄の入賞コマンド」でないと判定した場合、サブCPU301は、処理をS10631-3に移す。
S10631-2において、サブCPU301は、特別図柄の保留個数を加算等する特別図柄の保留個数加算処理を行う。
この特別図柄の保留個数加算処理では、「第1特別図柄の入賞コマンド」であるか「第2特別図柄の入賞コマンド」であるかを判別し、「第1特別図柄の入賞コマンド」であるときには、ワークRAM303の第1特別図柄の保留個数(第1特別図柄の保留個数カウンタ)に1を加算し、「第2特別図柄の入賞コマンド」であるときには、ワークRAM303の第2特別図柄の保留個数(第2特別図柄の保留個数カウンタ)に1を加算する。
この処理を終了すると、サブCPU301は今回の演出パターン決定処理を終了し、処理をアニメーションリクエストの生成処理(図427参照)に移す。
S10631-3において、サブCPU301は、メインCPU201から受信したコマンドが特別図柄の「先読みコマンド」であるか否かを判定する。
S10631-3において「先読みコマンド」であると判定した場合、サブCPU301は、処理をS10631-4に移す。一方、「先読みコマンド」でないと判定した場合、サブCPU301は、処理をS10631-10に移す。
S10631-4において、サブCPU301は、特別図柄の始動情報の内容を記憶する保留情報記憶処理を行う。
この保留情報記憶処理では、「第1特別図柄の先読みコマンド」であるか「第2特別図柄の先読みコマンド」であるかを判別し、先読みコマンドの各種パラメータ(図387参照)を、メインRAM203の特別図柄判定領域、第1特別図柄始動記憶領域及び第2特別図柄始動記憶領域と対応するように、ワークRAM303の装飾図柄判定領域、第1装飾図柄始動記憶領域及び第2装飾図柄始動記憶領域に記憶する。すなわち、主制御回路200のメインRAM203に記憶された特別図柄の始動情報に対応する情報が、サブ制御回路300のワークRAM303にも記憶されることになる。
この処理を終了すると、サブCPU301は処理をS10631-5に移す。
S10631-5において、サブCPU301は、先読み演出を実行するための先読み演出パターン決定する先読み演出決定処理を行う。この先読み演出決定処理の詳細については、図431を参照して後述する。
この処理を終了すると、サブCPU301は今回の演出パターン決定処理を終了し、処理をアニメーションリクエストの生成処理(図427参照)に移す。
S10631-10において、サブCPU301は、メインCPU201から受信したコマンドが「図柄指定コマンド」であるか否かを判定する。
S10631-10において「図柄指定コマンド」であると判定した場合、サブCPU301は、処理をS10631-11に移す。一方、「図柄指定コマンド」でないと判定した場合、サブCPU301は、処理をS10631-20に移す。
S10631-11において、サブCPU301は、停止表示する装飾図柄の種類を決定する装飾図柄決定処理を行う。
この装飾図柄決定処理では、図柄指定コマンドの内容に基づいて装飾図柄の停止図柄を決定し、決定した停止図柄をワークRAM303の停止図柄記憶領域に記憶する。
この処理を終了すると、サブCPU301は今回の演出パターン決定処理を終了し、処理をアニメーションリクエストの生成処理(図427参照)に移す。
S10631-20において、サブCPU301は、メインCPU201から受信したコマンドが「特別図柄の変動パターンコマンド」であるか否かを判定する。
S10631-20において「特別図柄の変動パターンコマンド」であると判定した場合、サブCPU301は、処理をS10631-21に移す。一方、「特別図柄の変動パターンコマンド」でないと判定した場合、サブCPU301は、処理をS10631-30に移す。
S10631-21において、サブCPU301は、特別図柄の保留個数を減算等する特別図柄の保留個数減算処理を行う。
この特別図柄の保留個数減算処理では、「第1特別図柄の変動パターンコマンド」であるか「第2特別図柄の変動パターンコマンド」であるかを判別し、「第1特別図柄の変動パターンコマンド」であるときには、ワークRAM303の第1特別図柄の保留個数カウンタから1を減算し、「第2特別図柄の変動パターンコマンド」であるときには、ワークRAM303の第2特別図柄の保留個数カウンタから1を減算する。また、今回減算した特別図柄の保留画像に対して、表示装置7に保留画像をシフトして表示させる保留シフト表示パターンを決定する。さらに、ワークRAM303の装飾図柄判定領域、第1装飾図柄始動記憶領域及び第2装飾図柄始動記憶領域に記憶された各種情報を、メインRAM203の特別図柄判定領域、第1特別図柄始動記憶領域及び第2特別図柄始動記憶領域と同様にシフトさせる。
この処理を終了すると、サブCPU301は処理をS10631-22に移す。
S10631-22において、サブCPU301は、ワークRAM303の演出モード情報記憶領域に記憶された演出モード情報を参照し、図柄演出パターン決定テーブルを決定する図柄演出テーブル決定処理を行う。
この図柄演出テーブル決定処理では、チャンス演出モードであるときには、図419(a)に示す図柄演出パターン決定テーブルCZを決定し、一般演出モードであるときには、図419(b)に示す図柄演出パターン決定テーブルNRを決定する。また、天国演出モードであるときには、図420に示す図柄演出パターン決定テーブルTEを決定し、戦国タイム演出モードであるときには、図421に示す図柄演出パターン決定テーブルRUを決定する。
この処理を終了すると、サブCPU301は処理をS10631-23に移す。
S10631-23において、サブCPU301は、図柄演出パターンを決定する図柄演出パターン決定処理を行う。
この図柄演出パターン決定処理では、第1乱数値を取得した後、上記図柄演出テーブル決定処理で決定された図柄演出パターン決定テーブルを参照し、図柄演出パターン決定テーブルに対応付けられた各種情報に基づいて、図柄演出パターンを決定する。
この処理を終了すると、サブCPU301は処理をS10631-24に移す。
S10631-24において、サブCPU301は、予告演出パターンを決定する予告演出パターン決定処理を行う。
この予告演出パターン決定処理では、所定の乱数値を取得した後、図示しない予告演出パターン決定テーブルを参照して、受信した特別図柄の変動パターンコマンドと、取得した第2乱数値等に基づいて、当該変動で実行する予告演出パターンを決定する。
この処理を終了すると、サブCPU301は今回の演出パターン決定処理を終了し、処理をアニメーションリクエストの生成処理(図427参照)に移す。
S10631-30において、サブCPU301は、メインCPU201から受信したコマンドが「特別図柄演出停止コマンド」であるか否かを判定する。
S10631-30において「特別図柄演出停止コマンド」であると判定した場合、サブCPU301は、処理をS10631-31に移す。一方、「特別図柄演出停止コマンド」でないと判定した場合、サブCPU301は、処理をS10631-40に移す。
S10631-31において、サブCPU301は、図柄演出を終了させるための図柄演出終了処理を行う。
この図柄演出終了処理では、図柄演出パターンによる図柄演出の実行を終了させる図柄演出実行終了データを作成する。また、図柄演出終了処理では、装飾図柄決定処理によって決定された装飾図柄の停止図柄を停止表示させる図柄停止表示データを作成する。
この処理を終了すると、サブCPU301は処理をS10631-32に移す。
S10631-32において、サブCPU301は、ワークRAM303の遊技状態記憶領域に記憶された状態情報(現在の遊技状態)等を参照し、各種カウンタを更新する回数カウンタ更新処理を行う。
この回数カウンタ更新処理では、通常遊技状態である場合には、通常遊技状態における特別図柄の変動表示回数を計数するワークRAM303の「通常変動回数カウンタ」に1を加算して更新する。また、時短遊技状態かつ第1特別図柄演出停止コマンドであるときには、時短遊技状態における特別図柄の時短回数を計数するワークRAM303の「サブ特別図柄時短カウンタ」から1を減算して更新する。
さらに、第5時短遊技状態である場合には、第5時短遊技状態における特別図柄の切替回数を計数するワークRAM303の「サブ切替回数カウンタ」から1を減算して更新する。
また、回数カウンタ更新処理では、先読み演出の実行中であることを示す先読みフラグがオンであるときには、ワークRAM303の「先読み回数カウンタ」から1を減算して更新する。
この処理を終了すると、サブCPU301は処理をS10631-33に移す。
S10631-33において、サブCPU301は、演出モード等を移行させるための演出モード等移行処理を行う。
この演出モード等移行処理では、時短遊技状態であるときには、サブ特別図柄時短カウンタを参照し、サブ特別図柄時短カウンタ=0であると、ワークRAM303の遊技状態記憶領域に通常遊技状態の状態情報を記憶する。
また、演出モード等移行処理では、先読み演出の実行中であることを示す先読みフラグがオンであるときには、ワークRAM303の「先読み回数カウンタ」を参照し、先読み回数カウンタ=0であると先読みフラグをオフ(=00H)にする。
この処理を終了すると、サブCPU301は今回の演出パターン決定処理を終了し、処理をアニメーションリクエストの生成処理(図427参照)に移す。
S10631-40において、サブCPU301は、メインCPU201から受信したコマンドが「小当り開始表示コマンド」であるか否かを判定する。
S10631-40において「小当り開始表示コマンド」であると判定した場合、サブCPU301は、処理をS10631-41に移す。一方、「小当り開始表示コマンド」でないと判定した場合、サブCPU301は、処理をS10631-42に移す。
S10631-41において、サブCPU301は、小当り開始演出を行うための小当り開始演出パターンを決定する小当り開始演出決定処理を行う。
この処理を終了すると、サブCPU301は今回の演出パターン決定処理を終了し、処理をアニメーションリクエストの生成処理(図427参照)に移す。
S10631-42において、サブCPU301は、メインCPU201から受信したコマンドが「V通過コマンド」であるか否かを判定する。
S10631-42において「V通過コマンド」であると判定した場合、サブCPU301は、処理をS10631-43に移す。一方、「V通過コマンド」でないと判定した場合、サブCPU301は、処理をS10631-44に移す。
S10631-43において、サブCPU301は、V通過演出を行うためのV通過演出パターンを決定するV通過演出決定処理を行う。
この処理を終了すると、サブCPU301は今回の演出パターン決定処理を終了し、処理をアニメーションリクエストの生成処理(図427参照)に移す。
S10631-44において、サブCPU301は、メインCPU201から受信したコマンドが「小当り終了表示コマンド」であるか否かを判定する。
S10631-44において「小当り終了表示コマンド」であると判定した場合、サブCPU301は、処理をS10631-45に移す。一方、「小当り終了表示コマンド」でないと判定した場合、サブCPU301は、処理をS10631-50に移す。
S10631-45において、サブCPU301は、小当り終了演出を行うための演出パターンを決定する小当り終了演出決定処理を行う。
この処理を終了すると、サブCPU301は今回の演出パターン決定処理を終了し、処理をアニメーションリクエストの生成処理(図427参照)に移す。
S10631-50において、サブCPU301は、メインCPU201から受信したコマンドが「大当り開始表示コマンド」であるか否かを判定する。
S10631-50において「大当り開始表示コマンド」であると判定した場合、サブCPU301は、処理をS10631-51に移す。一方、「大当り開始表示コマンド」でないと判定した場合、サブCPU301は、処理をS10631-52に移す。
S10631-51において、サブCPU301は、大当り開始演出を行うための演出パターンを決定する大当り開始演出決定処理を行う。この大当り開始演出決定処理では、ワークRAM303の停止図柄記憶領域を参照し、停止図柄(当り図柄)に応じて大当り開始演出の演出パターンを決定する。
この処理を終了すると、サブCPU301は今回の演出パターン決定処理を終了し、処理をアニメーションリクエストの生成処理(図427参照)に移す。
S10631-52において、サブCPU301は、メインCPU201から受信したコマンドが「大当り終了表示コマンド」であるか否かを判定する。
S10631-52において「大当り終了表示コマンド」であると判定した場合、サブCPU301は、処理をS10631-53に移す。一方、「大当り終了表示コマンド」でないと判定した場合、サブCPU301は、処理をS10631-60に移す。
S10631-53において、サブCPU301は、大当り終了演出を行うための演出パターンを決定する大当り終了演出決定処理を行う。この大当り終了演出決定処理では、ワークRAM303の停止図柄記憶領域に記憶された停止図柄(当り図柄)に応じて大当り終了演出の演出パターンを決定する。
この処理を終了すると、サブCPU301は処理をS10631-54に移す。
S10631-54において、サブCPU301は、大当り遊技状態の終了時に各種カウンタを設定する回数カウンタ設定処理を行う。
この回数カウンタ設定処理では、ワークRAM303の停止図柄記憶領域を参照し、停止図柄(当り図柄)が時短遊技状態に移行するものであるときには、その時短遊技状態における時短終了条件の「特別図柄の可変表示回数」に対応した回数(図384(a)参照)を、ワークRAM303の「サブ特別図柄時短カウンタ」にセットする。
また、停止図柄(当り図柄)が第5時短遊技状態に移行するものであるときには、停止図柄(当り図柄)の「切替回数」に対応した回数(図384(a)参照)を、ワークRAM303の「サブ切替回数カウンタ」にセットする。
例えば、図384(a)に示すように、「特別図柄の選択図柄z1」のときには、時短終了条件としての特別図柄の可変表示回数=10000回、切替回数=1回に対応して、サブ特別図柄時短カウンタ=10000回、サブ切替回数カウンタ=1回が設定される。
この処理を終了すると、サブCPU301は今回の演出パターン決定処理を終了し、処理をアニメーションリクエストの生成処理(図427参照)に移す。
S10631-60において、サブCPU301は、メインCPU201から受信したコマンドが「普通図柄の変動パターンコマンド」であるか否かを判定する。
S10631-60において「普通図柄の変動パターンコマンド」であると判定した場合、サブCPU301は、処理をS10631-61に移す。一方、「普通図柄の変動パターンコマンド」でないと判定した場合、サブCPU301は、処理をS10631-70に移す。
S10631-61において、サブCPU301は、テロップ演出パターンを決定するテロップ演出パターン決定処理を行う。
このテロップ演出パターン決定処理では、第2乱数値を取得した後、図422に示すテロップ演出パターン決定テーブルを参照し、受信した普通図柄の変動パターンコマンドと、第2乱数値とに基づいて、テロップ演出パターンを決定する。
この処理を終了すると、サブCPU301は今回の演出パターン決定処理を終了し、処理をアニメーションリクエストの生成処理(図427参照)に移す。
S10631-70において、サブCPU301は、メインCPU201から受信したコマンドが「遊技状態指定コマンド」であるか否かを判定する。
S10631-70において「遊技状態指定コマンド」であると判定した場合、サブCPU301は、処理をS10631-71に移す。一方、「遊技状態指定コマンド」でないと判定した場合、サブCPU301は、処理をS10631-80に移す。
S10631-71において、サブCPU301は、今回受信した遊技状態指定コマンドから現在の遊技状態を解析し、解析した現在の遊技状態がワークRAM303の遊技状態記憶領域に記憶されている状態情報と異なるか、すなわち遊技状態の更新がされたか否かを判定する。
S10631-71において遊技状態の更新がされたと判定した場合、サブCPU301は、処理をS10631-72に移す。一方、遊技状態の更新がされていない(遊技状態が保持されている)と判定した場合、サブCPU301は、処理をS10631-80に移す。
S10631-72において、サブCPU301は、上記S10631-71で解析した現在の遊技状態を示す状態情報をワークRAM303の遊技状態記憶領域に更新して記憶する状態情報更新処理を行う。この処理を終了すると、サブCPU301は処理をS10631-73に移す。
S10631-73において、サブCPU301は、ワークRAM303の遊技状態記憶領域に更新された状態情報を参照し、B時短遊技状態(第4時短遊技状態)またはC時短遊技状態(第1時短遊技状態、第2時短遊技状態、第3時短遊技状態)である場合には、BC時短遊技状態設定処理を行う。
このBC時短遊技状態設定処理では、現在の遊技状態がB時短遊技状態(第4時短遊技状態)に更新された場合には、第4時短遊技状態における時短終了条件の「特別図柄の可変表示回数」に対応した回数(図384(c)参照)を、ワークRAM303の「サブ特別図柄時短カウンタ」にセットする。例えば、第4時短遊技状態であれば、サブ特別図柄時短カウンタ=950回をセットする。
また、現在の遊技状態がC時短遊技状態(第1時短遊技状態、第2時短遊技状態、第3時短遊技状態)に更新された場合には、その遊技状態に応じて、時短終了条件の「特別図柄の可変表示回数」に対応した回数(図384(b)参照)を、ワークRAM303の「サブ特別図柄時短カウンタ」にセットする。例えば、第1時短遊技状態であれば、サブ特別図柄時短カウンタ=950回をセットする。
この処理を終了すると、サブCPU301は処理をS10631-74に移す。
S10631-74において、サブCPU301は、演出モードを設定する演出モード設定処理を行う。
この演出モード設定処理では、図418に示す演出モード決定テーブルを参照して、現在の遊技状態に基づいて演出モード情報を決定し、決定した演出モード情報をワークRAM303の演出モード情報記憶領域に記憶する。
ここで、現在の遊技状態が第3時短遊技状態または第6時短遊技状態に更新された場合には、ワークRAM303の装飾図柄判定領域及び第2装飾図柄始動記憶領域を参照し、第2特別図柄の始動情報に対応する情報が記憶されているときには、戦国タイム演出モードを示す演出モード情報(0FH)を決定する。
この処理を終了すると、サブCPU301は処理をS10631-75に移す。
S10631-75において、サブCPU301は、第1遊技停止予告の実行を終了させるか否かの判定をする第1遊技停止予告終了判定処理を行う。
この第1遊技停止予告終了判定処理では、図425に示す第1遊技停止予告終了判定テーブルを参照して、「終了条件1」~「終了条件4」のいずれかの終了条件が成立しているか否かを判定し、いずれかの終了条件が成立していると、第1遊技停止予告の実行を終了させる。
この処理を終了すると、サブCPU301は今回の演出パターン決定処理を終了し、処理をアニメーションリクエストの生成処理(図427参照)に移す。
S10631-80において、サブCPU301は、メインCPU201から受信したコマンドが「デモ表示コマンド」であるか否かを判定する。
S10631-80において「デモ表示コマンド」であると判定した場合、サブCPU301は、処理をS10631-81に移す。一方、「デモ表示コマンド」でないと判定した場合、サブCPU301は、処理をS10631-90に移す。
S10631-81において、サブCPU301は、遊技の待機中の演出を行うためのデモ表示演出パターンを決定するデモ表示演出パターン決定処理を行う。
この処理を終了すると、サブCPU301は今回の演出パターン決定処理を終了し、処理をアニメーションリクエストの生成処理(図427参照)に移す。
S10631-90において、サブCPU301は、メインCPU201から受信したコマンドが「差玉数コマンド」であるか否かを判定する。
S10631-90において「差玉数コマンド」であると判定した場合、サブCPU301は、処理をS10631-91に移す。一方、「差玉数コマンド」でないと判定した場合、サブCPU301は、処理をS10631-92に移す。
S10631-92において、サブCPU301は、差玉数を記憶する差玉数記憶処理を行う。
この差玉数記憶処理では、受信した差玉数コマンドに対応したMY判定用カウンタの値(差玉数カウンタの値)を、ワークRAM303のサブ差玉数カウンタに記憶する。
この処理を終了すると、サブCPU301は今回の演出パターン決定処理を終了し、処理をアニメーションリクエストの生成処理(図427参照)に移す。
S10631-92において、サブCPU301は、メインCPU201から受信したコマンドが「遊技停止コマンド」であるか否かを判定する。
S10631-92において「遊技停止コマンド」であると判定した場合、サブCPU301は、処理をS10631-93に移す。一方、「遊技停止コマンド」でないと判定した場合、サブCPU301は、処理をS10631-99に移す。
S10631-93において、サブCPU301は、受信した遊技停止コマンドに応じた報知を行う遊技停止報知処理を行う。
この第1遊技停止予告終了判定処理では、遊技停止コマンド=01Hであるときには第1遊技停止予告の実行を開始させ、遊技停止コマンド=02Hであるときには第2遊技停止予告の実行を開始させ、遊技停止コマンド=03Hであるときには第3遊技停止予告の実行を開始させ、遊技停止コマンド=04Hであるときには遊技停止報知の実行を開始させる。
この処理を終了すると、サブCPU301は処理をS10631-94に移す。
S10631-94において、サブCPU301は、遊技停止フラグ等を設定する遊技停止設定処理を行う。
この遊技停止フラグの設定処理では、受信した遊技停止コマンドが遊技停止コマンド=04Hであるときには、ワークRAM303の遊技停止フラグをオン(=01H)にする。さらに、受信した遊技停止コマンドが遊技停止コマンド=04Hであるときには、強制報知タイマに強制報知時間に対応した所定のカウンタ(例えば5分)をセットする。
この処理を終了すると、サブCPU301は今回の演出パターン決定処理を終了し、処理をアニメーションリクエストの生成処理(図427参照)に移す。
S10631-99において、サブCPU301は、その他、メインCPU201から受信した各種コマンドに応じた演出パターンを決定したり、その他のカウンタを更新したりする。例えば、第1大入賞口入賞コマンドまたは第2大入賞口入賞コマンドの受信に応じて遊技球の累計の払出情報を更新したりする。この処理を終了すると、サブCPU301は演出パターン決定処理を終了し、処理をアニメーションリクエストの生成処理(図427参照)に移す。
[12-7-4.先読み演出決定処理]
次に、図431を参照して、演出パターン決定処理(図428参照)中でサブCPU301により実行される先読み演出決定処理の詳細について説明する。図431は、第10のパチンコ遊技機における先読み演出決定処理の一例を示すフローチャートである。
S10701において、サブCPU301は、図424に示す先読み演出の禁止条件設定テーブルを参照し、共通禁止条件1~3のいずれの禁止条件も未成立であるか否かを判定する。
S10701において共通禁止条件1~3のいずれの禁止条件も未成立であると判定した場合、サブCPU301は、処理をS10702に移す。一方、共通禁止条件1~3のいずれの禁止条件も未成立でないと判定した場合、今回の先読み演出決定処理を終了し、処理をアニメーションリクエストの生成処理(図427参照)に移す。
S10702において、サブCPU301は、ワークRAM303の遊技状態記憶領域に記憶された状態情報(現在の遊技状態)等を参照し、先読み演出テーブルを決定する先読み演出テーブル決定処理を行う。
この先読み演出テーブル決定処理では、通常遊技状態であるときには、図423(a)に示す先読み演出パターン決定テーブルZ1を決定し、一般遊技状態である第1時短遊技状態、第3時短遊技状態及び第6時短遊技状態であるときには、図423(b)に示す先読み演出パターン決定テーブルZ2を決定する。
この処理を終了すると、サブCPU301は処理をS10703に移す。
S10703において、サブCPU301は、先読み演出パターンを決定する先読み演出パターン決定処理を行う。
この先読み演出パターン決定処理では、第3乱数値を取得した後、上記先読み演出テーブル決定処理で決定された先読み演出パターン決定テーブルを参照し、主制御回路200から受信した先読みコマンドと、第3乱数値に基づいて、先読み演出パターンを決定する。
この処理を終了すると、サブCPU301は処理をS10704に移す。
S10704において、サブCPU301は、先読み回数カウンタを設定する先読み回数カウンタ設定処理を行う。
この先読み回数カウンタ設定処理では、先読み演出パターン(先読み演出パターンZ01~Z03)が決定された場合に、先読みフラグをオン(=01H)にし、ワークRAM303の第1特別図柄の保留個数カウンタを参照して、第1特別図柄の保留個数に対応した回数をワークRAM303の先読み回数カウンタにセットする。
この処理を終了すると、サブCPU301は処理をS10705に移す。
S10705において、サブCPU301は、モード移行ゾーンまたはRUSH期待ゾーンを実行する特定の先読み演出パターン(先読み演出パターンZ02、Z03)が決定されたか否かを判定する。
S10705において特定の先読み演出パターンが決定されたと判定した場合、サブCPU301は、処理をS10706に移す。一方、特定の先読み演出パターンが決定されなかったと判定した場合、今回の先読み演出決定処理を終了し、処理をアニメーションリクエストの生成処理(図427参照)に移す。
S10706において、サブCPU301は、図424に示す先読み演出の禁止条件設定テーブルを参照し、固有禁止条件1または固有禁止条件2のいずれかの禁止条件が成立したか否かを判定する。
S10706において固有禁止条件1または固有禁止条件2のいずれの禁止条件が成立したと判定した場合、サブCPU301は、処理をS10707に移す。一方、固有禁止条件1または固有禁止条件2のいずれの禁止条件も成立していないと判定した場合、今回の先読み演出決定処理を終了し、処理をアニメーションリクエストの生成処理(図427参照)に移す。
S10707において、サブCPU301は、特定の先読み演出パターン、先読みフラグ及び先読み回数カウンタをクリアする処理を行う。すなわち、特定の先読み演出パターンを破棄し、先読みフラグをオフ(=00H)にするとともに、先読み回数カウンタ=0をセットする。
この処理を終了すると、サブCPU301は今回の先読み演出決定処理を終了し、処理をアニメーションリクエストの生成処理(図427参照)に移す。
このように、共通禁止条件1~3のいずれかの禁止条件が成立しているときには、期待UPゾーン、モード移行ゾーン、RUSH期待ゾーンのいずれの先読み演出も実行されないことになる。また、固有禁止条件1または固有禁止条件2のいずれかの禁止条件が成立しているときには、期待UPゾーンの先読み演出は実行可能であるものの、モード移行ゾーン及びRUSH期待ゾーンの先読み演出は実行されないことになる。
[12-7-5.データ入力処理]
次に、図432を参照して、サブ制御回路処理(図426参照)中でサブCPU301により実行されるデータ入力処理の詳細について説明する。図432は、第10のパチンコ遊技機におけるデータ入力処理の一例を示すフローチャートである。
S10611において、サブCPU301は、コマンド入力ポート308からコマンドを読み出すコマンド読込処理を行う。
この処理を終了すると、サブCPU301は、処理をS10612に移す。
S10612において、サブCPU301は、複数の演出ボタン54(決定ボタン、左右ボタン、上下ボタン)のそれぞれに対し、各種演出状況等に基づいて、演出ボタン54遊技者による操作情報の入力を有効する操作有効期間と、遊技者による操作情報の入力を無効とする操作無効期間とを設定する演出ボタン許可設定処理を行う。
特に、本実施形態においては、遊技停止フラグがオン(=01H)かつ強制報知時間が経過していないときには、すべての演出ボタン54に対して、操作無効時間が設定されている。また、遊技停止フラグがオン(=01H)であり、強制報知時間が経過すると、一部の演出ボタン54(左右ボタン、上下ボタン)に対して、操作有効期間が設定される。
この処理を終了すると、サブCPU301は、処理をS10613に移す。
S10613において、サブCPU301は、操作有効期間内に複数の演出ボタン54のいずれかの操作情報の入力があったか否かの判定を行う。
S10613において、操作有効期間内に複数の演出ボタン54のいずれかの操作情報の入力があったと判定した場合、サブCPU301は、処理をS10614に移す。一方、操作有効期間内に複数の演出ボタン54のいずれの操作情報の入力もなかったと判定した場合、今回のデータ入力処理を終了し、処理をコマンド解析処理(図426参照)に移す。
S10614において、サブCPU301は、図柄演出パターンによる演出を実行している場合に、決定ボタンの演出ボタン54に対応した第1の操作情報を入力したときには、変動中ボタン設定処理を行う。
この変動中ボタン設定処理では、実行している図柄演出パターンの内容と特別図柄の抽選結果とに基づいて、変動中ボタン演出(例えば、ボタンカットイン演出)を実行させる設定をする。
この処理を終了すると、サブCPU301は、処理をS10615に移す。
S10615において、図柄演出パターンによる演出を実行していない場合に、決定ボタンの演出ボタン54に対応した第1の操作情報を入力したときには、各種の演出調整メニューやQRコード(登録商標)を表示させる待機中メニュー設定処理を行う。
この処理を終了すると、サブCPU301は、処理をS10616に移す。
S10616において、サブCPU301は、左右ボタンの演出ボタン54に対応した第2の操作情報を入力したときには、スピーカ32から出力する音量の大きさを調整する音量調整処理を行う。具体的には、左ボタンの演出ボタン54に対応した第2の操作情報Lを入力したときには、音量の大きさを1段階下げる調整を行い、右ボタンの演出ボタン54に対応した第2の操作情報Rを入力したときには、音量の大きさを1段階上げる調整を行う。
この処理を終了すると、サブCPU301は、処理をS10617に移す。
なお、本実施形態においては、演出ボタン54の操作により音量調整処理が行われるように構成したが、演出ボタン54の操作によらず、調整条件の成立により自動的に音量が調整できるように構成してもよい。例えば、上述した遊技停止関連特別リクエストの生成処理(図427参照)により、調整条件の成立として強制報知時間が経過したときには、自動的に音量の大きさを下げる調整を行ってもよい。
S10617において、サブCPU301は、上下ボタンの演出ボタン54に対応した第3の操作情報を入力したときには、発光するLEDの輝度の大きさを調整する光量調整処理を行う。具体的には、下ボタンの演出ボタン54に対応した第3の操作情報Dを入力したときには、輝度の大きさを1段階下げる調整を行い、上ボタンの演出ボタン54に対応した第2の操作情報Uを入力したときには、輝度の大きさを1段階上げる調整を行う。
この処理を終了すると、サブCPU301は、今回のデータ入力処理を終了し、処理をコマンド解析処理(図426参照)に移す。
なお、本実施形態においては、演出ボタン54の操作により光量調整処理が行われるように構成したが、演出ボタン54の操作によらず、調整条件の成立により自動的に光量が調整できるように構成してもよい。例えば、上述した遊技停止関連特別リクエストの生成処理(図427参照)により、調整条件の成立として強制報知時間が経過したときには、自動的に光量の大きさを下げる調整を行ってもよい。
[12-8.遊技状態の移行図]
次に、図433を参照して、第10のパチンコ遊技機における遊技状態の移行について説明する。図433は、第10のパチンコ遊技機における遊技状態の移行を示す遊技状態移行図の一例である。
上述したように、C時短遊技状態(状態フラグ=3)において、普電作動パターン=00が設定された時短遊技状態を「第1時短遊技状態」といい、普電作動パターン=02が設定された時短遊技状態を「第2時短遊技状態」といい、普電作動パターン=01が設定された時短遊技状態を「第3時短遊技状態」という。また、B時短遊技状態(状態フラグ=2)において、普電作動パターン=02が設定された時短遊技状態を「第4時短遊技状態」という。また、A時短遊技状態(状態フラグ=1)において、普電作動パターン=02が設定された時短遊技状態を「第5時短遊技状態」といい、普電作動パターン=00が設定された時短遊技状態を「第6時短遊技状態」という。
(通常遊技状態の移行制御)
通常遊技状態は、左打ちが正規な遊技態様とされ、第1始動口10120に遊技球が入球可能であるとともに、第2通過ゲート10126Lにも遊技球が通過可能に構成されている。
図433に示すように、通常遊技状態において、第1始動口10120に遊技球が入球すると、第1特別図柄の抽選により「大当り」、「時短当り」または「ハズレ」が判定される(図380参照)。なお、遊技状態に関わらず、第1特別図柄の抽選では、「小当り」が判定されることはない。
そして、通常遊技状態において「大当り」が判定されると大当り遊技状態に移行し、大当りを契機とした第1のルートからの大当り遊技状態の終了後には、第1特別図柄の選択図柄に応じて60%が第5時短遊技状態に移行し、40%が第6時短遊技状態に移行する(図381、図384参照)。
また、通常遊技状態において「時短当り」が判定されると、第1特別図柄の可変表示の終了後には、第1時短遊技状態、第2時短遊技状態及び第3時短遊技状態のいずれかのC時短遊技状態に移行する。ここで、「時短当り」が判定されると、特別図柄の選択図柄に応じて70%が第1時短遊技状態に移行し、15%が第2時短遊技状態に移行し、15%が第3時短遊技状態に移行する(図381、図384参照)。
特に、本実施形態においては、「時短当り」は、通常遊技状態における第1特別図柄の抽選においてのみ判定されるように構成されている(図380参照)。このため、通常遊技状態からのみ、第1時短遊技状態、第2時短遊技状態及び第3時短遊技状態のいずれかのC時短遊技状態に移行可能となっている。
また、通常遊技状態において、第2通過ゲート10126Lに遊技球が通過すると、普通図柄の抽選により「普通図柄当り」または「普通図柄ハズレ」が判定されるが、普電作動パターン=00により、ロング開放パターンが決定される「ロング開放確率」は「0」となっている(図390参照)。すなわち、通常遊技状態においては、第2始動口10140に遊技球が入球することは不可能又は困難となっている。
また、大当り遊技状態に移行せずに、特別図柄の可変表示回数が天井値(950回)に到達した後には、通常遊技状態からB時短遊技状態の第4の時短遊技状態に移行する。
このため、通常遊技状態からは、大当り遊技状態、第1時短遊技状態、第2時短遊技状態、第3時短遊技状態、第4の時短遊技状態に移行することになる。
(第1時短遊技状態の移行制御)
第1時短遊技状態は、左打ちが正規な遊技態様とされ、第1始動口10120に遊技球が入球可能であるとともに、第2通過ゲート10126Lにも遊技球が通過可能に構成されている。
第1時短遊技状態において、第1始動口10120に遊技球が入球すると、第1特別図柄の抽選により「大当り」または「ハズレ」が判定される(図380参照)。なお、すべての時短遊技状態における第1特別図柄の抽選では、「時短当り」が判定されることはない。
そして、第1時短遊技状態において「大当り」が判定されると大当り遊技状態に移行し、大当りを契機とした第1のルートからの大当り遊技状態の終了後には、第1特別図柄の選択図柄に応じて60%が第5時短遊技状態に移行し、40%が第6時短遊技状態に移行する(図381、図384参照)。
また、第1時短遊技状態において、第2通過ゲート10126Lに遊技球が通過すると、普通図柄の抽選により「普通図柄当り」または「普通図柄ハズレ」が判定されるが、普電作動パターン=00により、ロング開放パターンが決定される「ロング開放確率」は「0」となっている(図390参照)。すなわち、第1時短遊技状態においては、第2始動口10140に遊技球が入球することは不可能又は困難となっている。
なお、第1時短遊技状態は、通常遊技状態と同じ「ロング開放確率」であり、通常遊技状態のように「時短当り」が導出されないことから、通常遊技状態であるときよりも、大当り遊技状態に移行しにくい不利な遊技状態となる。
また、大当り遊技状態に移行せずに、特別図柄の可変表示回数が天井値(950回)に到達した後には、第1時短遊技状態からB時短遊技状態の第4の時短遊技状態に移行する。
ここで、第1時短遊技状態に移行したときには、時短終了条件の「特別図柄の可変表示回数」として、第3時短回数である950回が設定される(図384参照)。しかしながら、第1時短遊技状において、第3時短回数が計数される前には、特別図柄の可変表示回数が天井値(950回)に到達していることになる。
このため、第1時短遊技状態からは、大当り遊技状態、第4の時短遊技状態にしか移行できないことになる。
(第3時短遊技状態の移行制御)
第3時短遊技状態は、左打ちが正規な遊技態様とされ、第1始動口10120に遊技球が入球可能であるとともに、第2通過ゲート10126Lにも遊技球が通過可能に構成されている。
第3時短遊技状態において、第1始動口10120に遊技球が入球すると、第1特別図柄の抽選により「大当り」または「ハズレ」が判定される(図380参照)。
そして、第3時短遊技状態において「大当り」が判定されると大当り遊技状態に移行し、大当りを契機とした第1のルートからの大当り遊技状態の終了後には、第1特別図柄の選択図柄に応じて60%が第5時短遊技状態に移行し、40%が第6時短遊技状態に移行する(図381、図384参照)。
また、第3時短遊技状態において、第2通過ゲート10126Lに遊技球が通過すると、普通図柄の抽選により「普通図柄当り」または「普通図柄ハズレ」が判定されるが、普電作動パターン=01により、ロング開放パターンが決定される「ロング開放確率」は「約1/202」となっている(図390参照)。すなわち、第3時短遊技状態においては、所定の確率(約1/202)で第2始動口10140に遊技球が入球することが可能となっている。
ここで、第2始動口10140に遊技球が入球すると、遊技状態に関わらず、約1/3という高い確率で「小当り」と判定され(図380参照)、小当り遊技状態からの第2のルートを経て大当り遊技状態に移行可能に構成されている。
したがって、第3時短遊技状態であるときには、第1時短遊技状態であるときよりも、大当り遊技状態に移行しやすい有利な遊技状態となる。
また、大当り遊技状態に移行せずに、特別図柄の可変表示回数が天井値(950回)に到達した後には、第3時短遊技状態からB時短遊技状態の第4の時短遊技状態に移行する。
ここで、第3時短遊技状態に移行したときには、時短終了条件の「特別図柄の可変表示回数」として、第5時短回数である950回が設定される(図384参照)。しかしながら、第3時短遊技状において、第5時短回数が計数される前には、特別図柄の可変表示回数が天井値(950回)に到達していることになる。
このため、第3時短遊技状態からは、大当り遊技状態、第4の時短遊技状態にしか移行できないことになる。
(第6時短遊技状態の移行制御)
第6時短遊技状態は、左打ちが正規な遊技態様とされ、第1始動口10120に遊技球が入球可能であるとともに、第2通過ゲート10126Lにも遊技球が通過可能に構成されている。
第6時短遊技状態において、第1始動口10120に遊技球が入球すると、第1特別図柄の抽選により「大当り」または「ハズレ」が判定される(図380参照)。
そして、第6時短遊技状態において「大当り」が判定されると大当り遊技状態に移行し、大当りを契機とした第1のルートからの大当り遊技状態の終了後には、第1特別図柄の選択図柄に応じて60%が第5時短遊技状態に移行し、40%が第6時短遊技状態に移行する(図381、図384参照)。
また、第6時短遊技状態において、第2通過ゲート10126Lに遊技球が通過すると、普通図柄の抽選により「普通図柄当り」または「普通図柄ハズレ」が判定されるが、普電作動パターン=00により、ロング開放パターンが決定される「ロング開放確率」は「0」となっている(図390参照)。すなわち、第6時短遊技状態においては、第2始動口10140に遊技球が入球することは不可能又は困難となっている。
また、大当り遊技状態に移行せずに、特別図柄の可変表示回数が天井値(950回)に到達した後には、第6時短遊技状態からB時短遊技状態の第4の時短遊技状態に移行する。
ここで、第6時短遊技状態に移行したときには、時短終了条件の「特別図柄の可変表示回数」として、第1時短回数である10000回が設定される(図384参照)。しかしながら、第2時短回数である10000回は、1日の遊技において成立不可能な回数であり、実質的に無限回数に相当している。
このため、第6時短遊技状態からは、大当り遊技状態、第4の時短遊技状態にしか移行できないことになる。
(RUSH遊技状態の移行制御)
RUSH遊技状態である第2時短遊技状態、第4時短遊技状態及び第5時短遊技状態は、右打ちが正規な遊技態様とされ、第1通過ゲート10126Rに遊技球が通過可能であり、普通図柄の抽選により第2始動口10140がロング開放することにより、第2始動口10140に遊技球が入球可能に構成されている。
RUSH遊技状態において、第2始動口10140に遊技球が入球すると、第2特別図柄の抽選により「大当り」、「小当り」または「ハズレ」が判定される(図380参照)。特に、本実施形態では、第2特別図柄の抽選により約1/3という高い確率で「小当り」と判定されるように構成されている。
RUSH遊技状態において「小当り」が判定されると小当り遊技状態に移行し、小当り遊技状態において、第2大入賞口10151の内部に設けられたV入賞口10156に遊技球が進入すると、大当り遊技状態に移行することになる。なお、本実施形態では、小当り遊技状態において、遊技球が第2大入賞口10151に入球すると、V入賞口10156にも遊技球が原則として通過するように構成されている。
そして、小当りを契機とした第2のルートからの大当り遊技状態の終了後には、特別図柄の選択図柄に応じて80%が第5時短遊技状態に移行し、20%が第6時短遊技状態に移行する(図381、図384参照)。
また、RUSH遊技状態において「大当り」が判定されると大当り遊技状態に移行し、大当りを契機とした第1のルートからの大当り遊技状態の終了後には、第2特別図柄の選択図柄に応じて100%が第5時短遊技状態に移行する(図381、図384参照)。
また、RUSH遊技状態において、第1通過ゲート10126Rに遊技球が通過すると、普通図柄の抽選により「普通図柄当り」または「普通図柄ハズレ」が判定されるが、普電作動パターン=02により、ロング開放パターンが決定される「ロング開放確率」は「1/4」となっている(図390参照)。すなわち、RUSH遊技状態においては、所定の確率(1/4)で第2始動口10140に遊技球が入球することが可能となっている。
また、RUSH遊技状態の第2時短遊技状態に移行したときには、時短終了条件の「特別図柄の可変表示回数」として、第4時短回数である950回が設定される(図384参照)。この第4時短回数は、第2特別図柄の抽選により「小当り」が約1/3で判定されることから、実質的に大当り遊技状態に移行することが保証されている回数である。
このため、RUSH遊技状態の第2時短遊技状態からは、大当り遊技状態に移行することになる。
また、RUSH遊技状態の第4時短遊技状態に移行したときには、時短終了条件の「特別図柄の可変表示回数」として、第6時短回数である950回が設定される(図384参照)。この第6時短回数は、第2特別図柄の抽選により「小当り」が約1/3で判定されることから、実質的に大当り遊技状態に移行することが保証されている回数である。
このため、RUSH遊技状態の第4時短遊技状態からは、大当り遊技状態に移行することになる。
また、RUSH遊技状態の第5時短遊技状態に移行したときには、時短終了条件の「特別図柄の可変表示回数」として、第2時短回数である10000回が設定され、特別図柄の選択図柄に応じて切替回数である1回または5回が設定される(図384参照)。そして、大当り遊技状態に移行せずに、切替回数である1回または5回の特別図柄の可変表示が行われると、第5時短遊技状態から第6時短遊技状態に移行する。
このため、RUSH遊技状態の第5時短遊技状態からは、大当り遊技状態または第6時短遊技状態に移行することになる。
このように、本実施形態においては、通常遊技状態における第1特別図柄の抽選においてのみ「時短当り」が判定されると、RUSH遊技状態の第2時短遊技状態に移行可能に構成されている。また、RUSH遊技状態の第2時短遊技状態からは、大当り遊技状態に移行することになる。
このため、通常遊技状態においては大当り遊技状態への移行率を高め、より遊技の興趣の向上を図ることができる。
そして、通常遊技状態はRAMクリア後の初期の遊技状態でもあることから、RAMクリア後の電源投入後の状態においては、一般遊技状態である第1時短遊技状態よりも有利な通常遊技状態から遊技を開始させることができ、遊技店の開店後からの遊技機の稼働を向上させることができる。
特に、本実施形態においては、一般遊技状態(第1時短遊技状態、第3時短遊技状態、第6時短遊技状態)からは、大当り遊技状態または第4の時短遊技状態にしか移行できないし、第4時短遊技状態からは、大当り遊技状態にしか移行できない。そして、大当り遊技状態の終了後に第5時短遊技状態または第6時短遊技状態に移行した場合には、大当り遊技状態に移行すること以外に時短遊技状態が終了することがない。
このため、最初の大当り遊技状態以降は、大当り遊技状態と第5時短遊技状態または第6時短遊技状態の時短遊技状態とをRAMクリアされない限り、無限的にループすることになる。すなわち、最初の大当り遊技状態以降は、大当り遊技状態中を除き、通常遊技状態に移行することがないように構成されている。
これにより、RAMクリアによってのみ、通常遊技状態に移行させることができ、RAMクリアをせずに通常の営業時は射幸性(出玉)を抑えたり、特別なイベントのときにRAMクリアをして通常遊技状態に移行させたりすることもできる。
また、本実施形態においては、時短遊技状態のときには普電作動パターンによりロング開放確率が異なるので、ロング開放確率が異なる複数の時短遊技状態を楽しむことができ、より遊技の興趣の向上を図ることができる。
特に、本実施形態においては、一般遊技状態である第3時短遊技状態のときには、一般遊技状態である第1時短遊技状態よりも、ロング開放がされやすく、大当り遊技状態に移行しやすい有利な遊技状態となっている。
これにより、通常遊技状態において「時短当り」が判定されたものの、RUSH遊技状態に移行されなくとも、一般遊技状態において第3時短遊技状態であることの期待を持たせて、遊技の興趣の維持を図ることができる。
[12-9.演出フロー]
次に、第10のパチンコ遊技機において行われる演出について、演出全体のフローを用いて演出の概略を説明する。図434は、第10のパチンコ遊技機における演出モードの演出フローの一例である。
上述したように、本実施形態においては、演出モードとして、チャンス演出モード、一般演出モード、天国演出モード及び戦国タイム演出モードの4つの演出モードを備えて構成している。
そして、各演出モードに基づいて、当該変動において所定の装飾図柄の変動表示からなる図柄演出、当該変動において特別図柄の抽選結果を事前に示唆する予告演出、当該変動において普通図柄の抽選結果を事前に示唆するテロップ演出、事前変動において特別図柄の抽選結果を事前に示唆する先読み演出等の演出が実行可能に構成されている。
また、本実施形態においては、第1特別図柄の抽選に基づく演出を「第1特別図柄の演出」、第2特別図柄の抽選に基づく演出を「第2特別図柄の演出」もいう。
(チャンス演出モード)
チャンス演出モードは、通常遊技状態のときに実行可能となっている。このチャンス演出モードにより、第1時短遊技状態よりも有利な通常遊技状態であることを示唆することができる。
そして、チャンス演出モードにおいては、チャンス演出モードに基づいた図柄演出、予告演出、先読み演出等の演出が実行可能に構成されている。なお、チャンス演出モードにおいては、第2始動口10140がロング開放することはないので、テロップ演出は実行不能となっている。
また、チャンス演出モードにおいては、図柄演出として、「カード演出」、「RUSH突入演出」が少なくとも実行可能となっている。
上述したように、「カード演出」は、当該変動において、第1時短遊技状態、第2時短遊技状態及び第3時短遊技状態のいずれかの遊技状態に移行することを示唆する演出である。また、「RUSH突入演出」は、当該変動において、第2時短遊技状態(RUSH遊技状態)に移行するか否かを示唆する演出である。
また、チャンス演出モードにおいては、先読み演出として、「モード移行ゾーン」、「期待UPゾーン」、「RUSH期待ゾーン」が少なくとも実行可能となっている。
上述したように、「モード移行ゾーン」は、事前変動において、時短当りであること、通常遊技状態から第1時短遊技状態、第2時短遊技状態または第3時短遊技状態のいずれかの遊技状態に移行することを事前に示唆する演出である。また、「期待UPゾーン」は、事前変動において、所定の演出(スーパーリーチ)が行われること、大当り遊技状態または第2時短遊技状態(RUSH遊技状態)に移行することを事前に示唆する演出である。また、「RUSH期待ゾーン」は、事前変動において、第2時短遊技状態(RUSH遊技状態)に移行することを事前に示唆する演出である。
チャンス演出モードにおいて、大当りに当選した場合には、大当り遊技状態に移行し、大当り演出が実行可能となっている。
チャンス演出モードにおいて、時短当りに当選した場合に、第1時短遊技状態に移行するときには一般演出モードに移行し、第2時短遊技状態に移行するときには戦国タイム演出モードに移行し、第3時短遊技状態に移行するときには天国演出モードに移行する。なお、チャンス演出モードにおいて、時短当りに当選した場合に、第3時短遊技状態に移行するときには、天国演出モードまたは一般演出モードに移行するように構成してもよい。
チャンス演出モードにおいて、大当り遊技状態に移行せずに、特別図柄の可変表示回数が天井値(950回)に到達した後には、チャンス演出モードから戦国タイム演出モードに移行する。
(一般演出モード)
一般演出モードは、一般遊技状態における第1時短遊技状態または第6時短遊技状態のときに実行可能となっている。この一般演出モードにより、不利な一般遊技状態であることを示唆することができる。
そして、一般演出モードにおいては、一般演出モードに基づいた図柄演出、予告演出、先読み演出等の演出が実行可能に構成されている。なお、一般演出モードにおいては、第2始動口10140がロング開放することはないので、テロップ演出は実行不能となっているが、一般演出モードにおいてテロップ演出を実行可能としてもよい。
また、一般演出モードにおいても、先読み演出として、「期待UPゾーン」が実行可能となっているが、時短当りが当選することがないので、「モード移行ゾーン」及び「RUSH期待ゾーン」は実行不能となっている。
一般演出モードにおいて、大当りに当選した場合には、大当り遊技状態に移行し、大当り演出が実行可能となっている。
一般演出モードにおいて、大当り遊技状態に移行せずに、特別図柄の可変表示回数が天井値(950回)に到達した後には、一般演出モードから戦国タイム演出モードに移行する。
(天国演出モード)
天国演出モードは、一般遊技状態における第3時短遊技状態のときに実行可能となっている。この天国演出モードにより、有利な一般遊技状態(第3時短遊技状態)であることを示唆することができる。
そして、天国演出モードにおいては、天国演出モードに基づいた図柄演出、予告演出、先
読み演出、テロップ演出等の演出が実行可能に構成されている。
天国演出モードにおいて、大当りに当選した場合には、大当り遊技状態に移行し、大当り演出が実行可能となっている。
天国演出モードにおいて、第2始動口10140がロング開放し、第2始動口10140に遊技球が入球したときには、天国演出モードから戦国タイム演出モードに移行する。
天国演出モードにおいて、大当り遊技状態に移行せずに、特別図柄の可変表示回数が天井値(950回)に到達した後には、天国演出モードから戦国タイム演出モードに移行する。
なお、上述したように、RAMクリアの有無にかかわらず、電源投入時には、天国演出モード、一般演出モード及びチャンス演出モードで、共通の背景の表示態様となるように、同じ図柄演出パターンを決定可能に構成する場合には、電源投入時には、共通の演出モード(例えば、チャンス演出モード)から開始することが望ましい。
(戦国タイム演出モード)
戦国タイム演出モードは、RUSH遊技状態における第2短遊技状態、第4短遊技状態及び第5短遊技状態のとき、天国演出モードにおいて第2始動口10140に遊技球が入球したときに実行可能となっている。この戦国タイム演出モードにより、大当り遊技状態に移行しやすい状態であることを示唆することができる。
そして、戦国タイム演出モードにおいては、戦国タイム演出モードに基づいた図柄演出、予告演出、先読み演出等の演出が実行可能に構成されている。
戦国タイム演出モードにおいて、大当りに当選した場合には、大当り遊技状態に移行し、大当り演出が実行可能となっている。
戦国タイム演出モードにおいて、天国演出モードのときに第2始動口10140に遊技球が入球した場合には、第2特別図柄の始動情報が無くなると、戦国タイム演出モードから天国演出モードに移行(復帰)する。
戦国タイム演出モードにおいて、第5時短遊技状態である場合には、大当り遊技状態に移行せずに、切替回数である1回または5回の特別図柄の可変表示が行われると、戦国タイム演出モードから一般演出モードに移行する。
[12-10.遊技停止予告のタイムチャート]
次に、第10のパチンコ遊技機において行われる遊技停止予告の概略を説明する。図435は、第10のパチンコ遊技機における遊技停止コマンドによる遊技停止予告のタイムチャートの一例である。
図435は、「遊技状態」と、「報知装置(表示装置7、スピーカ32、LED群46)」と、遊技停止を示す「遊技停止フラグ」と、「遊技球の増加数(MY)」とを上下に図示している。
図435(a)は、遊技球の増加数(MY)が第1の計数範囲(85000~89999)である場合に、第1の遊技停止予告開始条件が成立したときに、第1遊技停止予告を実行するタイムチャート1の一例である。
図435(a)に示す(ア)のタイミングにおいては、遊技球の増加数(MY)が第1の計数範囲である場合に、第1の遊技停止予告開始条件が成立し、報知装置において第1遊技停止予告の実行が開始される。ここで、第1の遊技停止予告開始条件の成立の一例として、特別図柄の選択図柄z1の大当り遊技状態中が成立している(図392参照)。なお、第1遊技停止予告の報知態様の一例については、詳しくは後述する。
図435(a)に示す(イ)のタイミングにおいては、遊技球の増加数(MY)が第2の計数範囲に到達せず、遊技球の増加数(MY)が第1の計数範囲である場合に、第1遊技停止予告終了条件が成立し、報知装置において第1遊技停止予告の実行が終了する。ここで、第1遊技停止予告終了条件の成立の一例として、遊技状態が第6時短遊技状態に移行したことが成立している(図425参照)。
このように、図435(a)に示すタイムチャート1によれば、遊技者が多量の遊技価値(遊技球)を獲得することが期待できる遊技状態である場合には、第2の計数範囲よりも事前に第1遊技停止予告の実行を開始させることができる。そして、その遊技状態により遊技球の増加数(MY)が第2の計数範囲に到達しなかったときには、第1遊技停止予告の実行を終了させることができる。
図435(b)は、第1遊技停止予告の実行が終了した後、遊技球の増加数(MY)が第2の計数範囲(90000~94999)に到達した場合に、第2遊技停止予告、遊技停止報知を実行するタイムチャート2の一例である。
図435(b)に示す(ア)及び(イ)のタイミングは、上述した図435(a)に示す(ア)及び(イ)のタイミングと同様である。すなわち、遊技球の増加数(MY)が第1の計数範囲である場合において、第1の遊技停止予告開始条件の成立により第1遊技停止予告の実行を開始し、第1遊技停止予告終了条件の成立により第1遊技停止予告の実行を終了している。
図435(b)に示す(ウ)のタイミングにおいては、小当り遊技状態、大当り遊技状態及びRUSH遊技状態が実行されておらず、第1始動口10120や一般入賞口122等に遊技球が入球して所定の賞球が払い出されることにより、遊技球の増加数(MY)が第2の計数範囲(90000~94999)に到達している。
このとき、既に第1遊技停止予告が実行されたことから、第2の遊技停止予告開始条件が成立せずに、第2遊技停止予告は実行されない(図392参照)。
図435(b)に示す(エ)のタイミングにおいては、大当り遊技状態が実行されたことにより、第2の遊技停止予告開始条件が成立して、報知装置において第2遊技停止予告の実行が開始される。この第2遊技停止予告は、遊技球の増加数(MY)が規制値(95000)になるまで継続して実行される。なお、第2遊技停止予告の報知態様の一例については、詳しくは後述する。
図435(b)に示す(オ)のタイミングにおいては、小当り遊技状態または大当り遊技状態が実行されておらず、遊技球の増加数(MY)が規制値(95000)に到達している。
このとき、遊技停止フラグがオンになり、遊技停止報知として、報知装置において第1遊技停止報知が実行される。
図435(b)に示す(カ)のタイミングにおいては、遊技停止フラグがオンになった後、強制報知時間が経過している。
このとき、遊技停止報知として、報知装置において第1遊技停止報知とは異なる第2遊技停止報知が実行される。また、第2遊技停止報知が実行されているときには、所定の演出ボタン54の操作情報の入力が有効となり、音量調整及び光量調整が可能となる。なお、第1遊技停止報知及び第2遊技停止報知の報知態様の一例については、詳しくは後述する。
このように、図435(b)に示すタイムチャート2によれば、既に第1遊技停止予告が実行された場合には、遊技者が所定の遊技価値(遊技球)を獲得することが期待できる遊技状態(大当り遊技状態等)になったときに、第2遊技停止予告の実行を開始させることができる。
また、既に第1遊技停止予告が実行された場合には、第1始動口10120や一般入賞口122等に遊技球が入球して所定の賞球が払い出されることにより、遊技球の増加数(MY)が第2の計数範囲に到達したときであっても、第2遊技停止予告の実行が開始されることはない((ウ)~(エ)の期間)。
これにより、第1始動口10120や一般入賞口122等に遊技球が入球して所定の賞球が払い出されて、遊技球の増加数(MY)が第2の計数範囲に到達したものの、遊技球の発射により遊技球の増加数(MY)が第2の計数範囲を下回ってしまった場合(第1の境界値の90000個を前後するような場合)であっても、遊技停止予告を実行させたり終了させたりすることがなくなり、遊技停止予告による煩わしさを解消することができる。
さらに、遊技停止報知として、遊技停止フラグがオンになった当初は第1遊技停止報知を実行し、強制報知時間が経過した後は第2遊技停止報知を実行するので、遊技停止報知後の経過時間に応じて、適切な報知を行うことができる。
図435(c)は、第1遊技停止予告を実行せずに、遊技球の増加数(MY)が第2の計数範囲(90000~94999)に到達した場合に、第2遊技停止予告、遊技停止報知を実行するタイムチャート3の一例である。
図435(c)に示す(ウ)のタイミングにおいては、小当り遊技状態、大当り遊技状態及びRUSH遊技状態が実行されておらず、第1始動口10120や一般入賞口122等に遊技球が入球して所定の賞球が払い出されることにより、遊技球の増加数(MY)が第2の計数範囲(90000~94999)に到達している。
このとき、第1遊技停止予告が実行されなかったことから、第2の遊技停止予告開始条件が成立して、報知装置において第2遊技停止予告の実行が開始される(図392参照)。この第2遊技停止予告は、遊技球の増加数(MY)が規制値(95000)になるまで継続して実行される。
そして、図435(c)に示す(オ)及び(カ)のタイミングにおいては、図435(b)に示すタイムチャート2と同様に、報知装置において第1遊技停止報知、第2遊技停止報知が実行される。
このように、図435(c)に示すタイムチャート3によれば、第1遊技停止予告が実行されずに、遊技球の増加数(MY)が規制値(95000)に近づいたときには、素早く第2遊技停止予告を実行させて、事前に遊技が停止されることを遊技者に報知することができる。
図435(d)は、第1遊技停止予告、第2遊技停止予告、第3遊技停止予告、遊技停止報知を実行するタイムチャート4の一例である。
図435(d)に示す(ア)のタイミングにおいては、遊技球の増加数(MY)が第1の計数範囲である場合に、第1の遊技停止予告開始条件が成立し、報知装置において第1遊技停止予告の実行が開始される。
図435(d)に示す(ウ)のタイミングにおいては、RUSH遊技状態において、遊技球の増加数(MY)が第2の計数範囲(90000~94999)に到達している。
このとき、第2の遊技停止予告開始条件が成立して、報知装置において第2遊技停止予告の実行が開始される(図392参照)。この第2遊技停止予告は、遊技球の増加数(MY)が規制値(95000)になるまで継続して実行される。
図435(d)に示す(キ)のタイミングにおいては、大当り遊技状態を実行しているときに、遊技球の増加数(MY)が規制値(95000)に到達している。
このとき、遊技は停止せずに遊技停止フラグがオフに保持され、大当り遊技状態中に、報知装置において第3遊技停止予告の実行が開始される(図392参照)。なお、第3遊技停止予告の報知態様の一例については、詳しくは後述する。
図435(d)に示す(ク)のタイミングにおいては、遊技球の増加数(MY)が規制値(95000)に到達した後の大当り遊技状態が終了している。
このとき、遊技停止フラグがオンになり、遊技停止報知として、報知装置において第1遊技停止報知が実行される。
そして、図435(d)に示す(カ)のタイミングにおいては、図435(b)に示すタイムチャート2と同様に、報知装置において第2遊技停止報知が実行される。
このように、図435(d)に示すタイムチャート4によれば、大当り遊技状態の終了後に遊技が停止する場合には、大当り遊技状態中の第3遊技停止予告により、具体的な遊技停止内容(例えば「この大当り遊技状態の終了後に遊技が停止します」)を報知することができる。
[12-11.演出内容]
以上の主制御回路200及びサブ制御回路300等の制御により実行される演出について、表示装置7の表示領域に表示される表示画像の演出内容の一例について説明する。
(表示画像の基本構成)
まず、図436を参照して、表示装置7の表示領域に表示される表示画像の基本構成について説明する。図436は、第10のパチンコ遊技機における表示装置7の表示領域に表示される表示画像の基本構成の説明図の一例である。図436(a)は、通常遊技状態及び一般遊技状態における表示画像の基本構成であり、図436(b)は、RUSH遊技状態における表示画像の基本構成である。
図436に示すように、装飾図柄は、表示装置7の表示領域に遊技者が認識し易く大きく表示される第1の装飾図柄としての「主図柄」と、遊技者が認識し難く小さく表示される第2の装飾図柄としての「副図柄」との2種類で構成されている。なお、装飾図柄の種類はこれに限定されない。
(通常遊技状態及び一般遊技状態における表示画像の基本構成)
図436(a)に示すように、通常遊技状態及び一般遊技状態における表示画像の基本構成は、表示装置7の表示領域の中央側に、第1特別図柄に対応した主図柄としての左図柄10071L、中図柄10071C、右図柄10071Rが表示可能に構成されている。なお、主図柄の数は3種類に限定されない。
また、表示装置7の表示領域の右隅には、第1特別図柄に対応した装飾図柄の副図柄としての第1副図柄10072、第2特別図柄に対応した装飾図柄の副図柄としての第2副図柄10073、普通図柄に対応した装飾図柄の副図柄としての第3副図柄10075が小さく表示可能に構成されている。
本実施形態においては、通常遊技状態または一般遊技状態のときに第1特別図柄の可変表示が行われる場合には、左図柄10071L、中図柄10071C及び右図柄10071Rの主図柄の可変表示に加え、第1副図柄10072の可変表示も行われることになる。
また、通常遊技状態または一般遊技状態のときに第2特別図柄の可変表示が行われる場合には、第2副図柄10073のみの可変表示が行われ、第2特別図柄に対応した装飾図柄の主図柄は表示されないことになる。また、通常遊技状態または一般遊技状態のときに普通図柄の可変表示が行われる場合には、第3副図柄10075のみの可変表示が行われ、普通図柄に対応した装飾図柄の主図柄は表示されないことになる。
表示装置7の表示領域の左下には、第1特別図柄の保留個数に対応した保留画像が表示可能となっており、第1特別図柄の保留個数に応じて、第1特別図柄始動記憶領域(1)に始動情報が記憶されていることを示す第1保留画像10074a、第1特別図柄始動記憶領域(2)に始動情報が記憶されていることを示す第2保留画像10074b、第1特別図柄始動記憶領域(3)に始動情報が記憶されていることを示す第3保留画像10074c、第1特別図柄始動記憶領域(4)に始動情報が記憶されていることを示す第4保留画像10074dが表示可能に構成されている。また、保留画像に対応して、第1特別図柄の変動表示が行われていることを示す当該保留画像10074zが表示可能に構成されている。なお、本実施形態では、通常遊技状態において第2特別図柄の保留個数に対応した保留画像は表示されないが、第2特別図柄の保留個数に対応した保留画像を表示可能に構成してもよい。
(RUSH遊技状態における表示画像の基本構成)
図436(b)に示すように、RUSH遊技状態における表示画像の基本構成は、表示装置7の表示領域の中央側に、第2特別図柄に対応した装飾図柄の主図柄としての左図柄10076L、中図柄10076C及び右図柄10076Rが表示可能に構成されている。
また、表示装置7の表示領域の右隅には、通常遊技状態及び一般遊技状態であるときと同様に、第1特別図柄に対応した第1副図柄10072、第2特別図柄に対応した第2副図柄10073、普通図柄に対応した第3副図柄10075が小さく表示可能に構成されている。
本実施形態においては、RUSH遊技状態のときに第2特別図柄の可変表示が行われる場合には、左図柄10076L、中図柄10076C及び右図柄10076Rの主図柄の可変表示に加え、第2副図柄10073の可変表示も行われることになる。また、RUSH遊技状態のときに、第1特別図柄の可変表示が行われる場合には、第1副図柄10072のみの可変表示が行われ、第1特別図柄に対応した装飾図柄の主図柄は表示されないことになる。また、RUSH遊技状態のときに普通図柄の可変表示が行われる場合には、第3副図柄10075のみの可変表示が行われ、第2特別図柄に対応した装飾図柄の主図柄は表示されないことになる。
表示装置7の表示領域の左下には、第2特別図柄の保留個数に対応した保留画像が表示可能となっており、第2特別図柄の保留個数に応じて、第2特別図柄始動記憶領域(1)に始動情報が記憶されていることを示す第1保留画像10077a、第2特別図柄始動記憶領域(2)に始動情報が記憶されていることを示す第2保留画像10077b、第2特別図柄始動記憶領域(3)に始動情報が記憶されていることを示す第3保留画像10077c、第2特別図柄始動記憶領域(4)に始動情報が記憶されていることを示す第4保留画像10077dが表示可能に構成されている。また、保留画像に対応して、第2特別図柄の変動表示が行われていることを示す当該保留画像10077zが表示可能に構成されている。なお、本実施形態では、RUSH遊技状態において第1特別図柄及び第2特別図柄の保留個数に対応した保留画像は表示されないが、第1特別図柄及び第2特別図柄の保留個数に対応した保留画像を表示可能に構成してもよい。
表示装置7の表示領域の右上には、正規な遊技態様として右打ちを指示する右打ち指示画像10079が表示可能に構成されている。
このように、通常遊技状態及び一般遊技状態のときには、第1特別図柄の抽選により大当り遊技状態を目指す第1のゲーム性を認識しやすいように、装飾図柄の主図柄及び保留画像が第1特別図柄に対応しており、RUSH遊技状態のときには、第2特別図柄の抽選により大当り遊技状態または小当り遊技状態を目指す第2のゲーム性を認識しやすいように、装飾図柄の主図柄及び保留画像が第2特別図柄に対応している。すなわち、第1の装飾図柄(主図柄)は、通常遊技状態及び一般遊技状態であるときには第1特別図柄に対応した図柄となり、RUSH遊技状態であるときには第2特別図柄に対応した図柄に差し替わることになる。
(カード演出)
次に、図437を参照して、チャンス演出モードにおけるカード演出について説明する。図437は、第10のパチンコ遊技機におけるチャンス演出モードのカード演出を説明する表示画像の一例である。
なお、カード演出の説明においては、図436で付した符号は文字が小さくなり視認性に欠け、演出内容の説明の邪魔になる恐れがあるため、符号の図示は省略する。また、極めて小さく表示される第1副図柄10072、第2副図柄10073及び第3副図柄10075の図示についても省略する。このことは、図437~図442で説明する演出においても同様である。
図437(a)は、チャンス演出モードにおいて、第1特別図柄の変動表示を開始する前の表示画像の一例である。
図437(b)は、時短当りに当選した第1特別図柄の変動表示が行われており、カード演出が開始されたときの表示画像の一例である。
図437(b)に示すように、カード演出を実行する図柄演出パターン(図419参照)が決定されてカード演出が開始されると、「一般演出モード」、「天国演出モード」、「戦国タイム演出モード」の文字が記載されたチャンスカードが裏返しになってシャッフルされ、そのカードを1つ選択するような演出が行われる。ここで、カード演出は、白いカードが表示される白カード演出と、赤いカードが表示される赤カード演出との2種類があり、赤カード演出の方が、白カード演出よりも、戦国タイム演出モード(第2時短遊技状態)に移行することの期待値が高く設定されている。また、表示領域の中央に大きく表示されていた左図柄・中図柄・右図柄の主図柄は、カード演出の邪魔にならないように、遊技者が識別可能な程度に表示領域の右下に縮小表示される。
図437(c)は、第1特別図柄の変動表示が行われており、カード演出による演出結果が表示されたときの表示画像の一例である。
図437(c)に示すように、カード演出において1つのカードが選択されると、カードがゆっくりと反転され、「一般演出モード」の文字が記載されたチャンスカードが表示される演出が行われる。
図437(d)は、第1特別図柄の変動表示が終了して、一般演出モードに移行したことを報知する表示画像の一例である。
図437(d)に示すように、「一般演出モード」の文字が記載されたチャンスカードが表示されると、表示領域の右下に縮小表示された左図柄・中図柄・右図柄の主図柄が表示領域の中央に大きく停止表示される。その後、背景の表示態様が変化し、一般演出モードに移行したことが報知される。
なお、本実施形態においては、チャンス演出モードの背景の表示態様と、一般演出モードの背景の表示態様とを異ならせて構成したが、共通の背景の表示態様としてもよい。
このように、カード演出により、第1時短遊技状態、第2時短遊技状態及び第3時短遊技状態のいずれかの遊技状態に移行することが示唆することができ、より遊技の興趣の向上を図ることができる。
(RUSH突入演出)
次に、図438を参照して、チャンス演出モードにおけるRUSH突入演出について説明する。図438は、第10のパチンコ遊技機におけるチャンス演出モードのRUSH突入演出を説明する表示画像の一例である。
図438(a)は、チャンス演出モードにおいて、第1特別図柄の変動表示を開始する前の表示画像の一例である。
図438(b)は、時短当りに当選した第1特別図柄の変動表示が行われており、RUSH突入演出が開始されたときの表示画像の一例である。
図438(b)に示すように、RUSH突入演出を実行する図柄演出パターン(図419参照)が決定されてRUSH突入演出が開始されると、表示領域の左右から半開きの扉が表示され、所定期間に亘って半開きの扉がガタガタしまるような演出が行われる。
図438(c)は、第1特別図柄の変動表示が終了し、RUSH突入演出が成功したときの表示画像の一例である。
図438(c)に示すように、RUSH突入演出が成功すると、扉が閉まる演出が行われ、全ての装飾図柄が停止表示を行う。なお、RUSH突入演出が失敗すると、扉が閉まらずに開放する演出が行われる。
図438(d)は、第1特別図柄の変動表示が終了して、戦国タイム演出モードに移行したことを報知する表示画像の一例である。
図437(d)に示すように、完全に閉まった扉が開放すると、背景の表示態様が変化し、戦国タイム演出モードに移行したことが報知される。
このように、RUSH突入演出により、RUSH遊技状態(第2時短遊技状態)に移行するか否かの演出を実行することができ、より遊技の興趣の向上を図ることができる。
(テロップ演出)
次に、図439を参照して、天国演出モードにおけるテロップ演出について説明する。図439は、第10のパチンコ遊技機における天国演出モードのテロップ演出を説明する表示画像の一例である。
図439(a)は、天国演出モードにおいて、第1特別図柄及び普通図柄の変動表示を開始する前の表示画像の一例である。
図439(b)は、普通図柄の変動表示が行われており、普通図柄の抽選によりテロップ演出が開始されたときの表示画像の一例である。なお、図439(b)では、第1特別図柄の変動表示も行われているが、第1特別図柄の変動表示は行われていても、行われていなくともよい。
図439(b)に示すように、テロップ演出を実行するテロップ演出パターン(図422参照)が決定されてテロップ演出が開始されると、表示領域の上部に第2始動口10140がロング開放されることを示唆する「緊急速報:チャンス口が開きそうです・・・」という文字が表示される。
図438(c)は、普通図柄の変動表示が終了し、第2始動口10140がロング開放するときのテロップ演出の表示画像の一例である。
図438(c)に示すように、第2始動口10140がロング開放するときには、第2始動口10140に遊技球が入球するように、右打ちを指示し、表示領域の上部に「チャンス口を狙え」という文字が表示される。なお、テロップ演出において、第2始動口10140がロング開放しないときには、表示領域の上部に「チャンス口が開きませんでした・・・」という文字が表示される。
このように、テロップ演出により、第2始動口10140がロング開放することを示唆し、第2始動口10140に遊技球を入球させることができる。
なお、上述したテロップ演出は、第1特別図柄の変動表示が行われている場合には、表示領域の左下など第1特別図柄に対応した第1の装飾図柄(主図柄)の変動表示に干渉しない領域に表示することが望ましい。さらには、テロップ演出は、第1特別図柄の変動表示が行われている場合には、第1特別図柄に対応した第1の装飾図柄の変動表示に干渉しないように、第1の装飾図柄よりも背面(背面レイヤー等)に表示してもよい。
(先読み演出)
次に、図440を参照して、事前変動において行われる先読み演出について説明する。図440は、第10のパチンコ遊技機における先読み演出を説明する表示画像の一例である。
図440(a)は、チャンス演出モードの事前変動において、先読み演出の「期待UPゾーン」が実行されているときの表示画像の一例である。
図440(a)に示すように、「期待UPゾーン」が実行されると、表示領域の左右に「期待UPゾーン」の文字が付された帯が表示される。
この「期待UPゾーン」により、所定の演出が行われること、大当り遊技状態または第2時短遊技状態(RUSH遊技状態)に移行することを事前に示唆することができ、遊技者に有利な大当り遊技状態またはRUSH遊技状態への移行の期待感を高め、より遊技の興趣の向上を図ることができる。
図440(b)は、チャンス演出モードの事前変動において、先読み演出の「モード移行ゾーン」が実行されているときの表示画像の一例である。
図440(b)に示すように、「モード移行ゾーン」が実行されると、表示領域の上部に「モード移行ゾーン」の文字が付された帯が表示される。
この「モード移行ゾーン」により、時短当りであること、通常遊技状態から第1時短遊技状態、第2時短遊技状態または第3時短遊技状態のいずれかの遊技状態に移行することを事前に示唆することができ、遊技状態への移行の期待感を高め、より遊技の興趣の向上を図ることができる。
図440(c)は、チャンス演出モードの事前変動において、先読み演出の「RUSH期待ゾーン」が実行されているときの表示画像の一例である。
図440(c)に示すように、「RUSH期待ゾーン」が実行されると、チャンス演出モードの背景表示態様から、特別な背景表示態様に切り替わる。また、特別な背景表示態様に切り替わることにより、主図柄の大きさも小さく変化する。
この「RUSH期待ゾーン」により、第2時短遊技状態(RUSH遊技状態)に移行することを事前に示唆することができ、RUSH遊技状態への移行の期待感を高め、より遊技の興趣の向上を図ることができる。
なお、本実施形態においては、事前変動において行われる先読み演出として、所定の画像を追加表示させたり、背景表示態様を変化させたりするように構成したが、事前変動において保留画像の表示態様を変化させることにより先読み演出を実行してもよい。
(遊技停止予告)
次に、図441を参照して、遊技停止予告の報知内容について説明する。図441は、第10のパチンコ遊技機における遊技停止予告の表示画像の一例である。
図441(a)は、第1遊技停止予告が実行されているときの表示画像の一例である。
図441(a)に示すように、第1遊技停止予告が実行されると、表示領域の上部に「遊技の停止に近づいています」の文字が表示される。
「遊技の停止に近づいています」の文字は、第1遊技停止予告終了条件が成立するまで継続して表示される。
この第1遊技停止予告により、遊技球の増加数(MY)により遊技の停止が近づいていることを事前に把握することができる。
図441(b)は、第2遊技停止予告が実行されているときの表示画像の一例である。
図441(b)に示すように、第2遊技停止予告が実行されると、表示領域の上部に「遊技の停止まで約XX00発です」の文字が表示される。
「遊技の停止まで約XX00発です」の文字は、遊技球の増加数(MY)が規制値(95000)に到達するまで継続して表示され、「約XX00発」は、ワークRAM303のサブ差玉数カウンタに記憶された値に基づいて、約5000発→約4000発→約3000発→約2000発→約1000発のように更新表示されていく。
この第2遊技停止予告により、遊技が停止するまでの遊技球の増加数を具体的に把握することができる。
なお、本実施形態においては、「約XX00発」の文字により遊技が停止するまでの遊技球の増加数を報知しているが、遊技が停止するまでの遊技球の増加数を報知しなくてもよい。
図441(c)は、第3遊技停止予告が実行されているときの表示画像の一例である。
上述したように、第3遊技停止予告は、大当り遊技状態中に遊技球の増加数(MY)が規制値(95000)に到達したときに実行され、その大当り遊技状態の終了後には遊技が停止される。
図441(c)に示すように、第3遊技停止予告が実行されると、表示領域の中央に「この大当り遊技終了後に遊技が停止します」の文字が表示される。
「この大当り遊技終了後に遊技が停止します」の文字は、その大当り遊技状態の終了後まで継続して表示される。
この第3遊技停止予告により、大当り遊技状態の終了後に遊技が停止することを把握することができる。
(停止報知)
次に、図442を参照して、遊技停止報知の報知内容について説明する。図442は、第10のパチンコ遊技機における遊技停止報知の表示画像の一例である。
図442(a)は、第1遊技停止報知が実行されているときの表示画像の一例である。
図442(a)に示すように、第1遊技停止報知が実行されると、表示領域には遊技の停止を示す「遊技が停止しました。本日は遊技終了です」の文字のみが表示される。また、第1遊技停止報知が実行されているときには、装飾図柄やその他の情報は表示されず、すべての演出ボタン54の操作情報の入力も無効となっている。
この第1遊技停止報知により、遊技が停止されたことを明確に把握することができる。
図442(b)は、第1遊技停止報知が実行され、強制報知時間が経過した後に、第2遊技停止報知が開始されたときの表示画像の一例である。
図442(b)に示すように、第2遊技停止報知が実行されると、表示領域の右下に第1遊技停止報知の表示画像が縮小表示される。そして、縮小表示された第1遊技停止報知の表示画像の背面側では、遊技の停止中に対応したデモ画像が表示される。
デモ画像は、所定のキャラクタが表示されたり、決定ボタンの演出ボタン54の操作によりQRコードが表示されたりする。なお、QRコードは、決定ボタンの演出ボタン54の操作によらずに、自動的に表示されるように構成してもよい。
また、本実施形態においては、図442(b)に示すデモ画像は、遊技が停止されているとき専用のデモ画像であるが、遊技が進行しているときのデモ画像と共通にしてもよい。
この第2遊技停止報知により、遊技が停止されたことが明確に把握された後(強制報知時間が経過した後)には、遊技が停止されていることを継続して報知しつつも、遊技店の営業終了までデモ画像により装飾的な表示を行うことができる。
図442(c)は、第2遊技停止報知を実行している場合に、左右ボタンの演出ボタン54に対応した第2の操作情報を入力したときに行われる音量調整の表示画像の一例である。
図442(c)に示すように、第2遊技停止報知を実行している場合に音量調整が行われると、デモ画像が音量調整用の調整画像に切り替わる。そして、左ボタンの演出ボタン54を操作したときには音量の大きさを1段階下げる調整が行われ、右ボタンの演出ボタン54を操作したときには、音量の大きさを1段階上げる調整が行われる。
このように、第2遊技停止報知を実行しているときには音量調整が可能となっていることから、遊技が停止されているときのデモ画像に応じた音量の調整を行うことができる。
なお、図示は省略するが、第2遊技停止報知を実行している場合に、上下ボタンの演出ボタン54に対応した第3の操作情報を入力したときには、音量調整と同様に、光量調整の表示画像が表示される。また、第2遊技停止報知を実行しているときには光量調整が可能となっていることから、遊技が停止されているときのデモ画像に応じた光量の調整を行うことができる。
このように、第10のパチンコ遊技機では、時短当りが当選可能な通常遊技状態、第2始動口10140の開放パターンが定められた普電作動パターンにより複数の時短遊技状態(第1時短遊技状態~第6時短遊技状態)を備え、遊技状態に更なる変化を与え、新たなる遊技状態に応じた演出を行うことにより、従来にない遊技性を創出して、より遊技の興趣の向上を図ることができる。
特に、第10のパチンコ遊技機では、左打ちが正規な遊技態様のときには、通常遊技状態、第1時短遊技状態、第3時短遊技状態または第6時短遊技状態が制御され、右打ちが正規な遊技態様のときには、第2時短遊技状態、第4時短遊技状態または第5時短遊技状態が制御されるので、それぞれの遊技態様においても遊技状態に更なる変化を与え、より遊技の興趣の向上を図ることができる。
また、第10のパチンコ遊技機では、通常遊技状態においてのみ時短当りが当選可能であり、時短当りからRUSH遊技状態の第2時短遊技状態に移行可能に構成されている。このため、通常遊技状態においてはRUSH遊技状態を経由した大当り遊技状態への移行率を高め、より遊技の興趣の向上を図ることができる。
そして、通常遊技状態はRAMクリア後の初期の遊技状態でもあることから、RAMクリア後の電源投入後の状態においては、時短当りが当選可能な通常遊技状態から遊技を開始させることができ、遊技店の開店後からの遊技機の稼働を向上させることができる。
特に、第10のパチンコ遊技機では、最初の大当り遊技状態以降は、大当り遊技状態中を除き、通常遊技状態に移行することがない。このため、RAMクリアによってのみ、通常遊技状態に移行させることができ、RAMクリアをせずに通常の営業時は射幸性(出玉)を抑えたり、特別なイベントのときにRAMクリアをして通常遊技状態に移行させたりすることもできる。
また、第10のパチンコ遊技機では、先読み演出において、図424等において説明したように、その遊技状況等に応じて先読み演出の実行の可否を決定しているので、先読み演出を適切なタイミングで実行し、より遊技の興趣の向上を図ることができる。
また、第10のパチンコ遊技機では、先読み演出が実行された場合には、当該変動において「強演出(赤カード演出またはRUSH突入演出B)」が実行されるので、RUSH遊技状態への期待感を高めさせて、より遊技の興趣の向上を図ることができる。
また、第10のパチンコ遊技機では、遊技球の増加数(MY)が規制値(例えば、95000個)に到達すると、遊技が停止可能となっているので、遊技の射幸性を適切に抑制することができる。
そして、遊技が停止される前には、遊技球の増加数(MY)の計数範囲に応じた遊技停止予告を行うことができるので、遊技球の増加数(MY)の計数範囲に応じた適切な内容を報知することができる。さらに、遊技が停止された後においても、強制報知時間によって、適切な遊技停止の報知を行うことができる。
<第10のパチンコ遊技機の変形例>
なお、第10のパチンコ遊技機においては、遊技の停止に関わるデータとして、遊技停止機能作動管理フェーズ、獲得遊技球数、差玉数カウンタ、MY判定用カウンタの更新制御を主制御回路200(メインCPU201)によって行われるように構成したが、払出・発射制御回路400によって行われるように構成してもい。
また、第10のパチンコ遊技機においては、遊技の停止に関わるデータに関する処理を、第5のパチンコ遊技機におけるゲームストップ機能に関する処理に置き換えて構成してもよい。すなわち、第10のパチンコ遊技機の主制御回路200のメインCPU201により実行される主制御メイン処理(図393~図396)及びシステムタイマ割込み処理(図413~図417)を、第5のパチンコ遊技機の主制御回路200のメインCPU201により実行される主制御メイン処理(図145~図153)及びシステムタイマ割込み処理(図165~図174)に置き換えてもよい。
なお、第10のパチンコ遊技機の実施形態に記載された技術をスロットマシンに適用してもよい。スロットマシンに適用する場合には、第10のパチンコ遊技機で実行される各種演出は、スロットマシンに備えられた表示装置、リール等による演出に置き換えればよい。また、時短遊技状態(第1時短遊技状態~第6時短遊技状態)は、再遊技のリプレイ確率が向上したリプレイタイム(RT状態)、所定の小役や停止ボタンの操作内容を報知するアシストタイム(AT状態)、リプレイタイムとアシストタイムが同時に制御されるアシストリプレイタイム(ART状態)のいずれかの状態に置き換えればよい。また、大当り、時短当り及び、小当りは、特定役に当選すること、特定の図柄の組み合わせが停止表示されること(特定の図柄の組み合わせが入賞すること)、RT状態の突入当選に当選すること、AT状態の突入当選に当選すること、ART状態の突入当選に当選することのいずれかに置き換えればよい。
(その他)
上述の第10のパチンコ遊技機は、変形例を含めて各実施形態同士で互いの技術を適用することができる。上述の実施形態は、本発明の内容を限定するものではなく、特許請求の範囲を逸脱しない程度に変更を加えることができる。
また、第10のパチンコ遊技機に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の各実施形態に記載されたものに限定されるものではない。
更に、上記[4.拡張例]は、第10のパチンコ遊技機にも、その遊技性や制御に齟齬を生じえない限り適用可能である。
[13.第11のパチンコ遊技機]
次に、第11のパチンコ遊技機について説明する。第11のパチンコ遊技機は、第3のパチンコ遊技機と同様に、1種2種混合機と称されるパチンコ遊技機である。第11のパチンコ遊技機は、第3のパチンコ遊技機と比して、遊技性や演出内容等が異なっており、それに伴い遊技領域に配置される各種部材の構成も一部異なっている。
特に、第11のパチンコ遊技機は、第3のパチンコ遊技機と比して、特定の時短遊技状態(後述するRUSH遊技状態)においては、普通図柄の変動表示を主とした遊技性で構成されており、特定の時短遊技状態の時短終了条件が特別図柄の可変表示の回数ではなく、普通図柄の可変表示の回数で構成されている点が相違している。
なお、第11のパチンコ遊技機は、第3のパチンコ遊技機と同様に、第1特別図柄と第2特別図柄とを並行して可変表示させず、第1特別図柄の可変表示よりも第2特別図柄の可変表示が優先して行われる優先変動機である。ただし、これに限られず、上述した順次変動機としてもよい。
以降、第11のパチンコ遊技機を説明するにあたり、第1のパチンコ遊技機と同様の構成要件については同じ符号および同じステップ番号を付して、その構成や処理に関する詳しい説明を省略する。
なお、本実施形態において、遊技者に所定の利益(遊技球の払い出し、遊技状態の移行)を付与することが可能な入球口(例えば、始動口や大入賞口)に「遊技球が入球すること」を適宜「入賞」ともいう。また、本実施形態において、図柄の「可変表示」とは、例えば、図柄が変動して表示される「変動表示」、および、図柄が停止して表示される「停止表示」等の両方を含む概念であり、変動表示の開始から停止表示されるまでの動作を1回の「可変表示」と称する。
また、遊技球の「払い出し」とは、実際に遊技者に遊技球を払い出すことに限られず、封入された遊技球を循環させて遊技を進行する遊技機(所謂スマートパチンコ)の場合には、払い出される遊技球の個数(賞球データ)を遊技機の記憶領域や電子的な記憶媒体(遊技カード)に記憶させることを含む概念である。
[13-1.遊技盤ユニット]
図443を参照して、第11のパチンコ遊技機が備える遊技盤ユニット11010について説明する。この遊技盤ユニット11010も、第1のパチンコ遊技機と同様に、保護ガラス43(図2参照)の後方に位置するようにベースドア3(図2参照)の前方に配置される。
図443は、第11のパチンコ遊技機が備える遊技盤ユニット11010の外観を示す正面図の一例である。遊技盤ユニット11010は、遊技盤としての遊技パネル11100を備え、遊技パネル11100に各種部材が配置され、遊技パネル11100の前側面には、発射された遊技球が転動流下可能な遊技領域105が形成されている。
図443に示されるように、第11のパチンコ遊技機が備える遊技盤ユニット11010は、第1のパチンコ遊技機と比して、主に、第1通過ゲート11126R及び第2通過ゲート11126Lと、第2始動口11140と、普通電動役物ユニット11145と、第1特別電動役物ユニット11130と、第2特別電動役物ユニット11150との構成や配置が異なっている。以下に、それぞれの構成やその配置について説明する。
なお、第11のパチンコ遊技機の遊技領域105に配置される第1始動口11120は、第1のパチンコ遊技機の遊技領域105に配置される第1始動口120と機能的にも共通するものであるが、第2始動口11140との関連性から、第1のパチンコ遊技機と異なる符号を用いて改めて説明する。
(通過ゲート)
第11のパチンコ遊技機は、通過ゲートとして、右側領域107に配置された第1通過ゲート11126Rと、左側領域106に配置された第2通過ゲート11126Lとの2つの通過ゲートを備えている。
第1通過ゲート11126Rは、遊技球が通過可能なゲートで構成され、右側領域107の後述する第1特別電動役物ユニット11130、普通電動役物ユニット11145及び第2特別電動役物ユニット11150の下方(下流側)に配置されている。また、第1通過ゲート11126Rは、右側領域107に配置されていることから、右打ちされた遊技球が通過可能(左打ちされた遊技球が通過困難または不可能)となっている。
このため、右側領域107を流下する遊技球は、第1特別電動役物ユニット11130の第1大入賞口11131、普通電動役物ユニット11145の第2始動口11140及び第2特別電動役物ユニット11150の第2大入賞口11151のいずれにも入球しなかったときに、第1通過ゲート11126Rに通過可能となっている。これにより、大当り遊技状態において右打ちが行われているときには、右側領域107を流下する遊技球は、上方に配置された第1特別電動役物ユニット11130の作動により第1大入賞口11131に入球し易く、第1通過ゲート11126Rに通過する遊技球の数を減少させるので、第1通過ゲート11126Rへの遊技球の通過により普通電動役物ユニット11145が作動して、遊技性の設計外の予期せぬ第2始動口11140への遊技球の入球を防止することができる。
また、第1通過ゲート11126Rの直下には、一般入賞口122が配置されており、第2通過ゲート11126Lを通過した遊技球は、一般入賞口122に極めて容易に入球可能となっており、一般入賞口用の賞球(例えば3個の遊技球)の払い出しを可能としている。なお、第1通過ゲート11126Rの直下に一般入賞口122を配置しなくともよい。
第2通過ゲート11126Lは、遊技球が通過可能なゲートで構成され、第1始動口11120の真上に配置されている。また、第2通過ゲート11126Lは、左側領域106に配置されていることから、左打ちされた遊技球が通過可能(右打ちされた遊技球が通過困難または不可能)となっている。
そして、第2通過ゲート11126Lの直下には、第1始動口11120が配置されていることから、第2通過ゲート11126Lを通過した遊技球は、第1始動口11120に極めて容易に入球可能となっており、後述する「第1特別図柄抽選」と「普通図柄抽選」とを両方の抽選を受けることができる。ただし、第2通過ゲート11126Lと第1始動口11120とは、遊技球の略1個分の距離だけ離間されており、極めて稀であるが、第2通過ゲート11126Lを通過した遊技球が、第1始動口11120に入球しないこともある。
なお、第2通過ゲート11126Lをセンター役物115の左側に配置してもよいし、ステージ118に設けられたチャンス入口119を第2通過ゲート11126Lとしてもよい。
そして、第1通過ゲート11126Rまたは第2通過ゲート11126Lに遊技球が通過すると、普通図柄抽選(普通図柄の当り判定処理)や、普通図柄の可変表示が行われることになる。なお、本実施形態では、第1通過ゲート11126Rまたは第2通過ゲート11126Lに遊技球が通過しても賞球は払い出されないが、第1通過ゲート11126R及び第2通過ゲート11126Lを入賞口(普図作動口)として、所定の賞球(例えば1個の遊技球)が払い出されるように構成してもよい。
また、第1通過ゲート11126Rまたは第2通過ゲート11126Lへの遊技球の通過を、役物連続作動装置を作動させるための契機となるように機能させてもよい。条件装置が作動していること(大当りとなる特別図柄が停止表示されていること)を前提として、第1通過ゲート11126Rまたは第2通過ゲート11126Lに遊技球が通過したことをもって役物連続作動装置を作動させて、大当り遊技状態に移行するようにしてもよい。
なお、本実施形態においては、右側領域107と左側領域106の両方の遊技領域105に2つの通過ゲートを備えて構成したが、右側領域107のみに通過ゲートを備えて構成してもよい。すなわち、左側領域106に配置された第2通過ゲート11126Lを備えずに、右側領域107に配置された第1通過ゲート11126Rのみを備えて構成してもよい。
(第1始動口)
第1始動口11120は、表示装置7の表示領域の下方の遊技領域105に配置されており、左打ちされた遊技球が入球可能となり、遊技釘等により右打ちされた遊技球は入球困難または不可能に構成されている。そして、第1始動口11120には、第1始動口11120への遊技球の入球を検出する第1始動口スイッチ11121(後述の図444参照)が備えられている。
第1始動口11120に遊技球が入球すると、第1特別図柄抽選(第1特別図柄の当り判定処理)や、第1特別図柄の可変表示や、第1始動口用の賞球(例えば3個の遊技球)の払い出しが行われたりする。第1始動口11120に遊技球が入球した後の処理については、詳しくは後述する。
(第2始動口)
第2始動口11140は、右側領域107において後述する第1特別電動役物ユニット11130の下方(下流側)かつ、第1通過ゲート11126R及び第2特別電動役物ユニット11150の上方(上流側)に配置されるとともに、後述する普通電動役物ユニット11145に設けられており、右打された遊技球が入球可能(左打ちされた遊技球が入球困難または不可能)となっている。そして、第2始動口11140には、第2始動口11140への遊技球の入球を検出する第2始動口スイッチ11141(後述の図444参照)が備えられている。
第2始動口11140に遊技球が入球すると、第2特別図柄抽選(第2特別図柄の当り判定処理)や、第2特別図柄の可変表示や、第2始動口用の賞球(例えば1個の遊技球)の払い出しが行われたりする。第2始動口11140に遊技球が入球した後の処理については、詳しくは後述する。
(普通電動役物ユニット)
普通電動役物ユニット11145は、右側領域107において後述する第1特別電動役物ユニット11130の下方(下流側)かつ、第1通過ゲート11126R及び第2特別電動役物ユニット11150の上方(上流側)に配置されており、右打ちされた遊技球がほぼ通過できるように配置されている。普通電動役物ユニット11145は、第2始動口11140と、第2始動口11140への遊技球の入球を検出する第2始動口スイッチ11141と、前後方向に進退可能な普電用シャッタ11147と、この普電用シャッタ11147を作動させる普電用ソレノイド11148(後述の図444参照)とを一体化したユニット体である。
普電用シャッタ11147は、普電用ソレノイド11148の作動により、後方に後退し、第2始動口11140への遊技球の入球が可能または容易な開放状態と、前方に進出し、第2始動口11140への遊技球の入球が不可能または困難な閉鎖状態とに変位可能に構成されている。なお、前後方向に進退可能なシャッタに代えて、所謂電チューと呼ばれる左右方向に可動可能な可動部材で普電用シャッタ11147を構成してもよい。
(第1特別電動役物ユニット)
第1特別電動役物ユニット11130は、右側領域107において第1通過ゲート11126R、普通電動役物ユニット11145及び後述する第2特別電動役物ユニット11150よりも上方(上流側)に配置されている。
第1特別電動役物ユニット11130は、第1大入賞口11131と、第1大入賞口11131への遊技球の入球を検出する第1大入賞口カウントスイッチ11132(後述の図444参照)と、左右方向に可動可能な第1特電用シャッタ11134と、この第1特電用シャッタ11134を作動させる第1特電用ソレノイド11135(後述の図444参照)とを一体化したユニット体である。
第1大入賞口11131は、大当りのときに開放される大入賞口であり、1回の大当りにおける1つのラウンドおいて第1大入賞口11131に遊技球が入球可能な最大入賞個数(例えば10個)が規定されている。この第1大入賞口11131に1つの遊技球が入球する毎に、第1大入賞口用の賞球(例えば15個の遊技球)が払い出されることになる。
第1大入賞口11131が閉鎖状態から開放状態に移行するのは、特別図柄当り判定処理の結果が「大当り」であることを示す特別の停止表示態様が導出された場合の第1のルートと、特別図柄判定の結果が「小当り」であることを示す特定の停止表示態様が導出されたことによって第2大入賞口11151が開放し、開放された第2大入賞口11151に進入した遊技球が第2大入賞口11151内のV入賞口11156に入賞した場合の第2のルートのときである。
第1特電用シャッタ11134は、第1特電用ソレノイド11135の作動により、第1大入賞口11131への遊技球の入球が可能または容易な開放状態と、第1大入賞口11131への遊技球の入球が不可能または困難な閉鎖状態とに変位可能に構成されている。
具体的には、第1特電用シャッタ11134は、正面視において略扇形状をなしており、下方が軸支され、左右方向に可動可能な羽根部材で構成されている。
第1特電用シャッタ11134が、右方向に可動して開放状態であるときには、第1大入賞口11131が開口し、右側領域107に流下している遊技球を受け入れ、受け入れた遊技球を第1大入賞口11131へ誘導する。一方、第1特電用シャッタ11134が、左方向に可動して閉鎖状態であるときには、第1大入賞口11131が閉口し、第1大入賞口11131への遊技球の入球が不可能または困難となる。なお、左右方向に可動可能な羽根部材に代えて、遊技パネル11100の表面に対して略平行と略垂直に変位する扉部材や、遊技パネル11100の表面に対して前後方向に進退可能な突出板部材で第1特電用シャッタ11134を構成してもよい。
(第2特別電動役物ユニット)
第2特別電動役物ユニット11150は、右側領域107において第1特別電動役物ユニット11130及び普通電動役物ユニット11145の下方(下流側)かつ、第1通過ゲート11126Rの上方(上流側)に配置されており、右打ちされた遊技球がほぼ通過できるように配置されている。
第2特別電動役物ユニット11150は、第2大入賞口11151と、第2大入賞口11151への遊技球の入球を検出する第2大入賞口カウントスイッチ11152と、第2大入賞口11151を開閉させることが可能な第2特電用シャッタ11154と、この第2特電用シャッタ11154を作動させて第2大入賞口11151を開閉させる第2特電用ソレノイド11155(後述の図444参照)と、第2大入賞口11151に進入した遊技球が通過可能なV入賞口11156と、V入賞口11156に遊技球が通過したことを検出するV入賞口スイッチ11157(後述の図444参照)と、第2大入賞口11151に進入した遊技球のうちV入賞口11156に進入しなかった遊技球が通過可能な通常口11158と、V入賞口11156を開閉させるVシャッタ11159と、このVシャッタ11159を作動させてV入賞口11156を開閉させるVシャッタ用ソレノイド11160(後述の図444参照)とを一体化したユニット体である。
第2大入賞口11151は、小当りのときに開放される大入賞口であり、1回の小当りにおいて第2大入賞口11151に遊技球が入球可能な最大入賞個数(例えば10個)が規定されている。この第2大入賞口11151に1つの遊技球が入球する毎に、第2大入賞口用の賞球(例えば15個の遊技球)が払い出されることになる。
第2特電用シャッタ11154は、前後方向に進退可能な突出板型の板状部材からなり、第2特電用ソレノイド11155の作動により、第2特電用シャッタ11154を前方に進出させて第2大入賞口11151への遊技球の入球が不可能または困難な閉鎖状態と、第2特電用シャッタ11154を後方に退出させて第2大入賞口11151への遊技球の入球が可能または容易な開放状態とに変位可能に構成されている。
V入賞口11156は、Vシャッタ11159により開閉可能な入賞口であるとともに、遊技球が通過することにより上述した第2のルートを経て大当り遊技状態に制御される契機となる入賞口である。
第2のルートを経て大当り遊技状態に制御された場合、V入賞口11156への遊技球の通過したときの第2大入賞口11151の開放を1ラウンド目として、V入賞口11156への遊技球の通過した後(2ラウンド目以降)は、第1大入賞口11131を閉鎖状態から開放状態へ移行させるラウンド遊技が実行される。なお、第2のルートを経て大当り遊技状態に制御された場合、V入賞口11156への遊技球の通過した後(2ラウンド目以降)も、第2大入賞口11151が閉鎖状態から開放状態に移行するラウンド遊技が所定のラウンド数にわたって実行されてもよい。
また、例えば第1大入賞口11131の内部にV入賞口を設ける等によって、V入賞口および大当り遊技状態において開放されるアタッカーを一つずつとしてもよい。この場合、「小当り」であることを示す停止表示態様が導出されると第1大入賞口11131が開放状態とされ、第1大入賞口11131の内部に設けられたV入賞口に遊技球が進入すると、大当り遊技状態(第2のルートを経た大当り遊技状態)に制御されるようにすればよい。
通常口11158は、第2大入賞口11151に進入したもののV入賞口11156を通過しなかった遊技球が進入(通過)するよう構成されたものである。なお、小当り遊技状態のときに、開放した第2大入賞口11151に進入した遊技球のすべてが通常口11158を通過し、V入賞口11156への遊技球の通過がなかった場合、小当り遊技状態から大当り遊技状態には移行されないことになる。
Vシャッタ11159は、Vシャッタ用ソレノイド11160の作動により、V入賞口11156への遊技球の通過が不可能(又は困難)な閉鎖状態と、V入賞口11156への遊技球の通過が可能(又は容易)な開放状態とに変位可能に構成されている。
特に、第11のパチンコ遊技機においては、小当り遊技状態になると、Vシャッタ用ソレノイド11160の作動によりV入賞口11156が開放状態となり、第2大入賞口11151に進入した遊技球は、ほぼV入賞口11156を通過できるように構成されている。
なお、右側領域107に配置されている第1特別電動役物ユニット11130、普通電動役物ユニット11145、第2特別電動役物ユニット11150及び第1通過ゲート11126Rの配置関係は、適宜設計変更が自由である。
[13-2.電気的構成]
次に、図444を参照して、第11のパチンコ遊技機の制御回路について説明する。図444は、第11のパチンコ遊技機の制御回路を示すブロック図の一例である。
図444に示されるように、第11のパチンコ遊技機は、第1のパチンコ遊技機と同様、主に、遊技の制御を行う主制御回路200と、遊技の進行に応じた演出の制御を行うサブ制御回路300と、払出・発射制御回路400と、電源供給回路450とから構成される。
しかしながら、第11のパチンコ遊技機は、第1のパチンコ遊技機と比して、主制御回路200に接続されるデバイス及びサブ制御回路300の構成が一部異なっている。以下に、それぞれの構成やその配置について説明する。
[13-2-1.主制御回路]
主制御回路200は、第1のパチンコ遊技機と比して、主制御回路200に接続される普電用ソレノイド11148、第1特電用ソレノイド11135、第2特電用ソレノイド11155、Vシャッタ用ソレノイド11160、第1始動口スイッチ11121、第2始動口スイッチ11141、普図作動スイッチ11127、第1大入賞口カウントスイッチ11132、第2大入賞口カウントスイッチ11152、V入賞口スイッチ11157の構成が一部異なっている。
(普電用ソレノイド)
普電用ソレノイド11148は、普電用シャッタ11147を作動させる電磁ソレノイドである。普電用ソレノイド11148は、メインCPU201により通電が行われる(ONである)と、普電用シャッタ11147を後方に退出させて第2始動口11140を開放状態とさせ、メインCPU201により通電が行われないと(OFFであると)と、普電用シャッタ11147を前方に進出させて第2始動口11140を閉鎖状態とさせる。
(第1特電用ソレノイド)
第1特電用ソレノイド11135は、第1特電用シャッタ11134を作動させる電磁ソレノイドである。第1特電用ソレノイド11135は、メインCPU201により通電が行われる(ONである)と、第1特電用シャッタ11134を右方向に可動して第1大入賞口11131を開放状態とさせ、メインCPU201により通電が行われないと(OFFであると)と、第1特電用シャッタ11134を左方向に可動して第1大入賞口11131を閉鎖状態とさせる。
(第2特電用ソレノイド)
第2特電用ソレノイド11155は、第2特電用シャッタ11154を作動させる電磁ソレノイドである。第2特電用ソレノイド11155は、メインCPU201により通電が行われる(ONである)と、第2特電用シャッタ11154を後方に退出させて第2大入賞口11151を開放状態とさせ、メインCPU201により通電が行われないと(OFFであると)と、第2特電用シャッタ11154を前方に進出させて第2大入賞口11151を閉鎖状態とさせる。
(Vシャッタ用ソレノイド)
Vシャッタ用ソレノイド11160は、Vシャッタ11159を作動させる電磁ソレノイドである。Vシャッタ用ソレノイド11160は、メインCPU201により通電が行われる(ONである)と、Vシャッタ11159を後方に退出させてV入賞口11156を開放状態とさせ、メインCPU201により通電が行われないと(OFFであると)と、Vシャッタ11159を前方に進出させてV入賞口11156を閉鎖状態とさせる。
(第1始動口スイッチ)
第1始動口スイッチ11121は、第1始動口11120への遊技球の入球を検出する貫通型の近接スイッチである。
第1始動口スイッチ11121により第1始動口11120への遊技球の入球が検出されると、メインCPU201は、第1の取得条件が成立したものとして、第1特別図柄の始動情報(大当り判定用乱数値、図柄乱数値、リーチ判定用乱数値、演出選択用乱数値等)を取得する。取得した第1特別図柄の始動情報は、特別図柄判定記憶領域(0)に記憶されるか、「第1特別図柄の保留個数(例えば4個)」までメインRAM203の第1特別図柄始動記憶領域(第1特別図柄始動記憶領域(1)~第1特別図柄始動記憶領域(4)に順番)に記憶され、第1特別図柄の開始条件(例えば、特別電動役物が作動していないこと、特別図柄の可変表示が行われていないこと等)が成立すると、第1特別図柄の当り判定処理や、第1特別図柄の可変表示に用いられることになる。また、第1始動口スイッチ11121により第1始動口11120への遊技球の入球が検出されると、メインCPU201は、第1始動口用の賞球(例えば3個の遊技球)の払い出し処理を払出・発射制御回路400に指示する。
(第2始動口スイッチ)
第2始動口スイッチ11141は、第2始動口11140への遊技球の入球を検出する貫通型の近接スイッチである。
第2始動口スイッチ11141により第2始動口11140への遊技球の入球が検出されると、メインCPU201は、第2の始動条件が成立したものとして、第2特別図柄の始動情報(大当り判定用乱数値、図柄乱数値、リーチ判定用乱数値、演出選択用乱数値等)を取得する。取得した第2特別図柄の始動情報は、特別図柄判定記憶領域(0)に記憶されるか、「第2特別図柄の保留個数(例えば2個)」までメインRAM203の第2特別図柄始動記憶領域(第2特別図柄始動記憶領域(1)~第2特別図柄始動記憶領域(2)に順番)に記憶され、第2特別図柄の開始条件(例えば、特別電動役物が作動していないこと、特別図柄の可変表示が行われていないこと等)が成立すると、第2特別図柄の当り判定処理や、第2特別図柄の可変表示に用いられることになる。また、第2始動口スイッチ11141により第2始動口11140への遊技球の入球が検出されると、メインCPU201は、第2始動口用の賞球(例えば1個の遊技球)の払い出し処理を払出・発射制御回路400に指示する。
また、実施形態においては、第1特別図柄の始動情報に基づいた第1特別図柄の当り判定処理を「第1特別図柄の抽選」、第2特別図柄の始動情報に基づいた第2特別図柄の当り判定処理を「第2特別図柄の抽選」ともいい、第1特別図柄の抽選と第2特別図柄の抽選とをまとめて「特別図柄の抽選」ともいう。
(普図作動スイッチ)
普図作動スイッチ11127は、第1通過ゲート11126R及び第2通過ゲート11126Lのそれぞれに設けられており、第1通過ゲート11126Rまたは第2通過ゲート11126Lへの遊技球の通過を検出する貫通型の近接スイッチである。
普図作動スイッチ11127が第1通過ゲート11126Rまたは第2通過ゲート11126Lへの遊技球の通過を検出すると、メインCPU201は、第1通過ゲート11126Rと第2通過ゲート11126Lとを区別せずに、普通図柄の始動情報(普通図柄当り判定用乱数値、普通図柄の図柄乱数値等)が取得する。取得した普通図柄の始動情報は、「普通図柄の保留個数(例えば4個)」までメインRAM203の普通図柄始動記憶領域(普通図柄始動記憶領域(1)~普通図柄始動記憶領域(4)に順番)に記憶され、普通図柄の判定開始条件(例えば、普通電動役物が作動していないこと、普通図柄の可変表示が行われていないこと等)が成立すると、普通図柄の抽選(普通図柄の当り判定処理)や、普通図柄の可変表示に用いられることになる。
(第1大入賞口カウントスイッチ)
第1大入賞口カウントスイッチ11132は、第1大入賞口11131への遊技球の入球を検出する貫通型の近接スイッチである。第1大入賞口カウントスイッチ11132が第1大入賞口11131への遊技球の入球を検出すると、メインCPU201は、1ラウンドあたりの第1大入賞口11131への遊技球の入球数をカウントするとともに、第1大入賞口用の賞球(例えば15個の遊技球)の払い出し処理を払出・発射制御回路400に指示したりすることになる。
(第2大入賞口カウントスイッチ)
第2大入賞口カウントスイッチ11152は、第2大入賞口11151への遊技球の入球を検出する貫通型の近接スイッチである。第2大入賞口カウントスイッチ11152が第2大入賞口11151への遊技球の入球を検出すると、メインCPU201は、第2大入賞口11151への遊技球の入球数をカウントするとともに、第2大入賞口用の賞球(例えば15個の遊技球)の払い出し処理を払出・発射制御回路400に指示したりすることになる。
(V入賞口スイッチ)
V入賞口スイッチ11157は、V入賞口11156への遊技球の通過を検出する貫通型の近接スイッチである。V入賞口スイッチ11157がV入賞口11156への遊技球の入球を検出すると、メインCPU201は、大当り遊技状態への移行制御を行うことになる。なお、V入賞口スイッチ11157によりV入賞口11156への遊技球の通過が検出されたとしても、賞球は払い出されない。
(遊技球回収スイッチ)
遊技球回収スイッチ11179は、発射装置6から遊技領域105に発射された遊技球を検出する貫通型の近接スイッチである。遊技球回収スイッチ11179は、遊技盤ユニット11010の背面側であって、アウト口178、各種入賞口(例えば、第1始動口11120、第2始動口11140、第1大入賞口11131、第2大入賞口11151、一般入賞口122等)に入球した遊技球が通過する集合流路に配置されており、アウト口178への遊技球の入球のみならず、各種入賞口に入球した遊技球を区別なく検出するものである。遊技球回収スイッチ11179により遊技球の入球が検出されると、メインCPU201は、遊技球を発射した発射遊技球数を計数する(後述する発射遊技球数カウンタを計数する)。
[13-2-2.サブ制御回路]
サブ制御回路300は、第1のパチンコ遊技機と同様に、サブCPU301、プログラムROM302、ワークRAM303、表示制御回路304、音声制御回路305、LED制御回路306、役物制御回路307およびコマンド入力ポート308を備えることは共通であるが、ボタン制御回路310と演出ボタン54とを更に備えていることが相違している。
(ボタン制御回路310)
ボタン制御回路310は、演出ボタン54を駆動させるための回路である。すなわち、ボタン制御回路310は、演出ボタン54の操作態様を変化させたり、演出ボタン54を振動させたりするための回路である。ボタン制御回路310は、サブCPU301からの駆動命令に応じて、演出ボタン54を駆動させることになる。
また、ボタン制御回路310は、演出ボタン54が検出した遊技者の操作に関する操作信号を入力するための回路でもある。ボタン制御回路310は、演出ボタン54から操作信号を入力すると、サブCPU301に所定の操作情報を出力することになる。
特に、本実施形態においては、演出ボタン54は複数種別のボタン(決定ボタン、左右ボタン、上下ボタン)を備えており、演出ボタン54の種別に応じて異なる操作情報が出力されることになる。具体的には、決定ボタンに対応する演出ボタン54からの操作信号を入力すると、サブCPU301に第1の操作情報を出力し、左右ボタンに対応する演出ボタン54からの操作信号を入力すると、サブCPU301に第2の操作情報を出力し、上下ボタンに対応する演出ボタン54からの操作信号を入力すると、サブCPU301に第3の操作情報を出力する。
[13-2-3.払出・発射制御回路]
払出・発射制御回路400は、第1のパチンコ遊技機と同様に、遊技球の払出・発射を制御するものであり、この払出・発射制御回路400には、遊技球を払い出すことが可能な払出装置82、遊技球を発射させることが可能な発射装置6、球貸しにかかる制御を実行可能なカードユニット180等が接続されている。
さらに、第11のパチンコ遊技機における払出・発射制御回路400は、主制御回路200から遊技球の増加数に基づいて遊技が停止されている状態であることの遊技停止信号を入力すると、発射装置6による遊技球の発射停止(発射ソレノイドへの電力の供給停止)が行われる。なお、主制御回路200では遊技球の増加数に基づいて遊技が停止されている状態であっても、払出・発射制御回路400は、発射装置6による遊技球の発射停止が行われなくてもよい。
[13-3.基本仕様]
次に、図445~図458を参照して、第11のパチンコ遊技機の基本仕様について説明する。なお、第11のパチンコ遊技機は設定機能付きのパチンコ遊技機であってもよいが、以下では、設定機能にかかわる記載は省略する。
第11のパチンコ遊技機では、確変制御が実行されないものの、時短制御が実行される時短遊技状態及び時短制御が実行されない通常遊技状態が用意されており、メインCPU201は、通常遊技状態または時短遊技状態において遊技を進行させることが可能となっている。なお、この第11のパチンコ遊技機では、確変制御が実行されないが、これは必須ではなく、例えば大当りの種類等に応じて確変フラグがオンにセットされるようにして確変制御を実行可能としてもよい。
また、第11のパチンコ遊技機では、後述するように、時短移行条件(時短発生条件)の観点から区別される時短遊技状態として、大当りを契機として大当り遊技状態の終了後に移行する「A時短遊技状態」と、大当りを契機とせずに、特別図柄の可変表示回数が天井値に到達後に移行する「B時短遊技状態」と、時短当りを契機として特別図柄の可変表示の終了後に移行する「C時短遊技状態」とを備えている。さらに、「A時短遊技状態」及び「C時短遊技状態」は、時短遊技状態中の作動態様(普電用シャッタ11147の作動パターン等)の観点から区別される時短遊技状態として、複数の時短遊技状態に分類されるが詳しくは後述する。
[13-3-1.特別図柄の当り判定テーブル]
図445は、第11のパチンコ遊技機における特別図柄の当り判定テーブルの一例である。図445に示す特別図柄の当り判定テーブルは、「大当り」、「小当り」、「時短当り」または「ハズレ」を判定するためのテーブルであり、主制御回路200のメインROM202に記憶されている。
本実施形態では、図445に示すように、特別図柄の当り判定テーブルとして、図445(a)に示す通常遊技状態における特別図柄の当り判定テーブルと、図445(b)に示す時短遊技状態における特別図柄の当り判定テーブルとを備えている。
図445に示す特別図柄の当り判定テーブルには、特別図柄の種別と、大当り判定用乱数値と、当落判定値データ(大当り判定値データ、小当り判定値データ、時短当り判定値データ、ハズレ判定値データ)とが対応付けられている。なお、第1特別図柄および第2特別図柄ともに、大当り判定用乱数値の総乱数値は65536である。すなわち、上記の大当り判定用乱数値は0~65535の範囲(幅)で発生する。
また、図445(a)に示す通常遊技状態における特別図柄の当り判定テーブルには、第1始動口11120への入球に基づいて実行される第1特別図柄の当り判定処理に用いられるデータとして、「大当り」、「時短当り」または「ハズレ」に決定される大当り判定用乱数値の範囲(幅)と、それに対応する当落判定値データ(大当り判定値データ、時短当り判定値データ、ハズレ判定値データ)との関係が対応付けられている。また、図445(a)に示す通常遊技状態における特別図柄の当り判定テーブルには、第2始動口11140への入球に基づいて実行される第2特別図柄の当り判定処理に用いられるデータとして、「大当り」、「小当り」または「ハズレ」に決定される大当り判定用乱数値の範囲(幅)と、それに対応する当落判定値データ(大当り判定値データ、小当り判定値データ、ハズレ判定値データ)との関係が対応付けられている。
すなわち、図445(a)に示す通常遊技状態における特別図柄の当り判定テーブルによれば、通常遊技状態においては、第1特別図柄の当り判定処理では、「大当り」、「時短当り」または「ハズレ」は判定されるものの「小当り」は判定されず、第2特別図柄の当り判定処理では、「大当り」、「小当り」または「ハズレ」は判定されるものの「時短当り」は判定されないことになる。
本実施形態では、通常遊技状態において第1始動口11120に遊技球が入球した場合、メインCPU201は、第1特別図柄の当り判定処理に基づいて、第1特別図柄の当り判定処理の結果を、約1/319.7の選択率で「大当り」と判定し、約1/49.9の選択率で「時短当り」と判定し、それ以外は「ハズレ」と判定する。また、通常遊技状態において第2始動口11140に遊技球が入球した場合、メインCPU201は、第2特別図柄の当り判定処理に基づいて、第2特別図柄の当り判定処理の結果を、約1/319.7の選択率で「大当り」と判定し、約1/1.004の選択率で「小当り」と判定し、それ以外は「ハズレ」と判定する。
図445(b)に示す時短遊技状態における特別図柄の当り判定テーブルには、第1始動口11120への入球に基づいて実行される第1特別図柄の当り判定処理に用いられるデータとして、「大当り」または「ハズレ」に決定される大当り判定用乱数値の範囲(幅)と、それに対応する当落判定値データ(大当り判定値データ、時短当り判定値データ、ハズレ判定値データ)との関係が対応付けられている。また、図445(a)に示す時短遊技状態における特別図柄の当り判定テーブルには、第2始動口11140への入球に基づいて実行される第2特別図柄の当り判定処理に用いられるデータとして、「大当り」、「小当り」または「ハズレ」に決定される大当り判定用乱数値の範囲(幅)と、それに対応する当落判定値データ(大当り判定値データ、小当り判定値データ、ハズレ判定値データ)との関係が対応付けられている。
すなわち、図445(b)に示す時短遊技状態における特別図柄の当り判定テーブルによれば、時短遊技状態においては、第1特別図柄の当り判定処理及び第2特別図柄の当り判定処理のいずれの処理でも「時短当り」は判定されず、第1特別図柄の当り判定処理では、「大当り」または「ハズレ」は判定されるものの「小当り」は判定されず、第2特別図柄の当り判定処理では、「大当り」、「小当り」または「ハズレ」が判定されることになる。
本実施形態では、時短遊技状態において第1始動口11120に遊技球が入球した場合、メインCPU201は、第1特別図柄の当り判定処理に基づいて、第1特別図柄の当り判定処理の結果を、約1/319.7の選択率で「大当り」と判定し、それ以外は「ハズレ」と判定する。また、時短遊技状態において第2始動口11140に遊技球が入球した場合、メインCPU201は、第2特別図柄の当り判定処理に基づいて、第2特別図柄の当り判定処理の結果を、約1/319.7の選択率で「大当り」と判定し、約1/1.004の選択率で「小当り」と判定し、それ以外は「ハズレ」と判定する。
このように、本実施形態では、図445に示す特別図柄の当り判定テーブルは、通常遊技状態においても時短遊技状態においても、第1始動口11120に遊技球が入球した場合には、第2始動口11140に遊技球が入球した場合の方が「小当り」と判定されやすく構成されている。また、図445に示す特別図柄の当り判定テーブルは、通常遊技状態においても時短遊技状態においても第2始動口11140に遊技球が入球した場合、「ハズレ」よりも、「大当り」または「小当り」と判定されやすく構成されている。
なお、本実施形態では、時短遊技状態においては、第1特別図柄の当り判定処理により「時短当り」が判定されないが、時短遊技状態においても、第1特別図柄の当り判定処理により「時短当り」が判定されてもよい。時短遊技状態においても第1特別図柄の当り判定処理により「時短当り」が判定されるように構成する場合には、通常遊技状態における第1特別図柄の当り判定処理よりも、時短遊技状態における第1特別図柄の当り判定処理の方が、相対的に低い選択率で「時短当り」が判定されるように構成することが好ましい。さらには、第2特別図柄の当り判定処理でも、「時短当り」が判定されてもよいが、第1特別図柄の当り判定処理よりも、第2特別図柄の当り判定処理の方が、相対的に低い選択率で「時短当り」が判定されるように構成することが好ましい。
さらには、時短遊技状態においては、特別図柄の当り判定処理により「時短当り」が判定されるものの、時短遊技状態において「時短当り」が判定されたとしても、「ハズレ」と取り扱って、ハズレに対応した特別図柄の停止図柄が停止表示されるように制御してもよい。すなわち、時短遊技状態において「時短当り」が判定されたとしても、時短遊技状態においては「時短当り」を無視するように制御してもよい。
また、通常遊技状態においても時短遊技状態においても、第1特別図柄の当り判定処理が行われた場合に、「小当り」が判定されるように構成してもよいが、「小当り」が判定されるように構成した場合、第1特別図柄の当り判定処理で行われる判定よりも、第2特別図柄の当り判定処理で行われる判定の方が有利となるように、相対的に低い選択率で「小当り」を判定することが好ましい。
また、通常遊技状態においても時短遊技状態においても、第2特別図柄の当り判定処理においては、「ハズレ」が判定されないように構成してもよい。すなわち、第2始動口11140に遊技球が入球した場合には、「大当り」または「小当り」のいずれかが判定されるように構成してもよい。
上述した「大当り」と判定される乱数値の範囲(幅)、「小当り」と判定される乱数値の範囲(幅)、「時短当り」と判定される乱数値の範囲(幅)、「ハズレ」と判定される乱数値の範囲(幅)、すなわち選択率は、上記値に限定されず、適宜設計変更が自由である。
また、第11のパチンコ遊技機が設定機能付きパチンコ遊技機である場合、例えば、大当りおよび/または小当りの選択率を、低設定よりも高設定の方が高くなるようにするとよい。ただし、第11のパチンコ遊技機が設定機能付きパチンコ遊技機であったとしても、例えば、時短当りの選択率については、全設定で共通する確率とすることが好ましい。
また、設定値に応じて大当りの選択率や小当りの選択率を変えることに代えてまたは加えて、例えば、V入賞口11156の開放頻度や開放時間を設定値毎に変えてV入賞口11156への通過率を変えたり、時短終了条件(小当り当選回数等)を設定値毎に変えたりしてもよい。すなわち、大当り確率、小当り確率、V入賞口11156の開放頻度(すなわち第2特電用シャッタ11154の作動頻度)や開放時間および時短終了条件等、遊技者にとっての有利度合いを変更しうる条件のうちの一つまたは二つ以上を採用することにより、大当り遊技状態に制御される期待値が低設定よりも高設定の方が高くなるように構成してもよい。
[13-3-2.特別図柄判定テーブル]
図446は、第11のパチンコ遊技機における特別図柄判定テーブルの一例である。図446に示す特別図柄判定テーブルは、停止表示される特別図柄の停止図柄を決定付ける「特別図柄の選択図柄」および「図柄指定コマンド」を決定するテーブルであり、主制御回路200のメインROM202に記憶されている。
「特別図柄の選択図柄」は、特別図柄の当り判定処理の結果が当りであった場合に、停止表示される特別図柄の停止図柄を決定するための情報であり、「図柄指定コマンド」は、表示装置7の表示領域に特別図柄の停止図柄に対応した装飾図柄を表示するためにサブ制御回路300に送信されるコマンドである。
特別図柄判定テーブルには、特別図柄の種類と、上述の当落判定値データと、第1始動口11120または第2始動口11140に遊技球が入球したときに取得される特別図柄の図柄乱数値とが、「特別図柄の選択図柄」および「図柄指定コマンド」に対応付けて規定されている。特別図柄の図柄乱数値は、例えば0~99(100種類)の中から抽出される。
図446に示す特別図柄判定テーブルによれば、第1特別図柄の当り判定処理の結果として大当り判定値データが得られた場合、特別図柄の図柄乱数値が0~59のいずれかであるときには、メインCPU201は、特別図柄の選択図柄として「z1」を決定し、図柄指定コマンドとして「zA1」を決定する。特別図柄の図柄乱数値が60~79のいずれかであるときには、メインCPU201は、特別図柄の選択図柄として「z2」を決定し、図柄指定コマンドとして「zA2」を決定する。また、特別図柄の図柄乱数値が80~99のいずれかであるときには、メインCPU201は、特別図柄の選択図柄として「z3」を決定し、図柄指定コマンドとして「zA3」を決定する。
また、第1特別図柄の当り判定処理の結果として時短当り判定値データが得られた場合、特別図柄の図柄乱数値が0~29のいずれかであるときには、メインCPU201は、特別図柄の選択図柄として「z10」を決定するとともに、図柄指定コマンドとして「zA10」を決定し、特別図柄の図柄乱数値が30~49のいずれかであるときには、メインCPU201は、特別図柄の選択図柄として「z11」を決定するとともに、図柄指定コマンドとして「zA11」を決定し、特別図柄の図柄乱数値が50~69のいずれかであるときには、メインCPU201は、特別図柄の選択図柄として「z12」を決定するとともに、図柄指定コマンドとして「zA12」を決定する。特別図柄の図柄乱数値が70~84のいずれかであるときには、メインCPU201は、特別図柄の選択図柄として「z20」を決定し、図柄指定コマンドとして「zA20」を決定する。また、特別図柄の図柄乱数値が85~99のいずれかであるときには、メインCPU201は、特別図柄の選択図柄として「z30」を決定し、図柄指定コマンドとして「zA30」を決定する。
第2特別図柄の当り判定処理の結果として大当り判定値データが得られた場合、特別図柄の図柄乱数値がいずれの値であっても、メインCPU201は、特別図柄の選択図柄として「z4」を決定し、図柄指定コマンドとして「zA4」を決定する。
第2特別図柄の当り判定処理の結果として小当り判定値データが得られた場合、特別図柄の図柄乱数値が0~79のいずれかであるときには、メインCPU201は、特別図柄の選択図柄として「z5」を決定し、図柄指定コマンドとして「zA5」を決定する。また、特別図柄の図柄乱数値が80~89のいずれかであるときには、メインCPU201は、特別図柄の選択図柄として「z6」を決定し、図柄指定コマンドとして「zA6」を決定する。また、特別図柄の図柄乱数値が90~99のいずれかであるときには、メインCPU201は、特別図柄の選択図柄として「z7」を決定し、図柄指定コマンドとして「zA7」を決定する。
本実施形態では、第1特別図柄の当り判定処理の結果として時短当り判定値データが得られた場合には、図446に示す特別図柄判定テーブルにおける特別図柄の図柄乱数値により、特別図柄の選択図柄としては、「z10~12の合計選択率」>「z20」及び「z10~12の合計選択率」>「z30」の選択率の関係式が成立するように構成されている。なお、「z20」及び「z30」の関係式は、「z20」=「z30」の選択率であることに限定されず、「z20」>「z30」の選択率でもよいし、「z20」<「z30」の選択率でもよい。
詳しくは後述するが、第1特別図柄の当り判定処理の結果として時短当り判定値データが得られた場合に、特別図柄の選択図柄として「z10~12」が決定されたときには、特別図柄の可変表示の終了後に「第1時短遊技状態」に移行し、特別図柄の選択図柄として「z20」が決定されたときには、特別図柄の可変表示の終了後に「第2時短遊技状態」に移行し、特別図柄の選択図柄として「z30」が決定されたときには、特別図柄の可変表示の終了後に「第3時短遊技状態」に移行することになる。そして、「第2時短遊技状態」への移行条件となる特別図柄の選択図柄「z20」の選択率は、20%以下であることが望ましい。
また、後述する「第3時短遊技状態」を備えずに、第1特別図柄の当り判定処理の結果として時短当り判定値データが得られたときには、「第1時短遊技状態」または「第2時短遊技状態」のいずれかに移行するように構成してもよい。なお、第1特別図柄の当り判定処理の結果として時短当り判定値データが得られたときに、「第1時短遊技状態」または「第2時短遊技状態」のいずれかに移行するように構成する場合には、「第3時短遊技状態」への移行契機となる特別図柄の選択図柄「z30」を決定不能とし、「z10~12の合計選択率」>「z20」の選択率の関係式が成立するように構成すればよい。このときも、「第2時短遊技状態」への移行条件となる特別図柄の選択図柄「z20」の選択率は、20%以下であることが望ましい。
なお、第11のパチンコ遊技機では説明を省略するが、主制御回路200のメインROM202には、第1のパチンコ遊技機において説明した特別図柄停止態様決定テーブル(図12(A)参照)に相当する特別図柄停止態様決定テーブルが記憶されている。特別図柄停止態様決定テーブルは、特別図柄が停止表示したときに第1特別図柄表示部163または第2特別図柄表示部164に表示される特別図柄の停止態様を、「特別図柄の選択図柄」に応じて決定する際に参照されるテーブルである。また、第1特別図柄表示部163、第2特別図柄表示部164には、特別図柄の当り判定処理の結果に基づいて、大当りの停止態様、小当りの停止態様、時短当りの停止態様またはハズレの停止態様が表示される。また、第1のパチンコ遊技機において説明した装飾図柄停止態様決定テーブル(図12(B)参照)に相当する装飾図柄停止態様決定テーブルについても、サブ制御回路300のプログラムROM302に記憶されている。
なお、「特別図柄の選択図柄」を決定する特別図柄の図柄乱数値の範囲、すなわち選択率は、上記値に限定されず、適宜設計変更が自由である。
[13-3-3.大当り種類決定テーブル]
図447は、第11のパチンコ遊技機における大当り種類決定テーブルの一例である。なお、図447に示す大当り種類決定テーブルは、主制御回路200のメインROM202に記憶されている。
大当り種類決定テーブルは、大当り遊技状態の作動内容を決定するテーブルであり、「大当り遊技状態の開放態様」を決定するテーブルである。
図447に示すように、大当り種類決定テーブルには、特別図柄の選択図柄に対して、「大当り遊技状態の開放態様」が対応付けられている。
「大当り遊技状態の開放態様」は、大当り遊技状態のときに開放される第1大入賞口11131の最大ラウンド数、第1大入賞口11131の開放パターンを規定している。第1大入賞口11131の開放パターンには、大当り遊技状態の開始待ち状態であるOP待ち時間(オープニング時間)、各ラウンドの最大開放時間、各ラウンドの閉鎖時間、ED待ち時間(エンディング時間)等が規定されている。なお、第1大入賞口11131の開放パターンとして、各ラウンドあたりの最大開放時間を異ならせてもよいし、各ラウンドの閉鎖時間(ラウンドインターバル時間)を異ならせて規定してもよい。さらには、1回のラウンドあたりに第1大入賞口6131を複数回開閉させるように開放回数と開放時間とを規定してもよい。
ここで、第2特別図柄の小当り判定値データが得られた場合に決定される「特別図柄の選択図柄z5~7」に対応した「大当り遊技状態の開放態様」は、小当り遊技状態のときに開放された第2大入賞口11151に進入した遊技球がV入賞口11156を通過する第2のルートを経て、大当り遊技状態に移行したときの開放態様である。この第2のルートを経て大当り遊技状態に移行したときには、小当り遊技状態のときの第2大入賞口11151の開放を1ラウンド目として、2ラウンド目以降から、第1大入賞口11131を開放させる大当り遊技状態が開始される。なお、小当り遊技状態のときに開放された第2大入賞口11151に進入した遊技球がV入賞口11156を通過しなかったときには、大当り遊技状態は実行されないことになる。
図447に示すように、大当り種類決定テーブルによれば、第1特別図柄の大当り判定値データが得られた場合に決定される「特別図柄の選択図柄z1」のときには、最大ラウンド数として10ラウンド(10R)が決定され、「特別図柄の選択図柄z2、z3」のときには、最大ラウンド数として4ラウンド(4R)が決定されるように構成されている。なお、第1特別図柄の大当り判定値データが得られた場合に決定される「特別図柄の選択図柄z1~3」のときには、最大ラウンド数としてすべて同じラウンド数(例えば、10ラウンド)が決定されるように構成してもよい。
また、第2特別図柄の大当り判定値データが得られた場合に決定される「特別図柄の選択図柄z7」のときには、最大ラウンド数として10ラウンド(10R)が決定されるように構成されている。第2特別図柄の小当り判定値データが得られた場合に決定される「特別図柄の選択図柄z5~7」のときには、最大ラウンド数としてすべて10ラウンド(10R)が決定されるように構成されている。なお、第2特別図柄の小当り判定値データが得られた場合に決定される「特別図柄の選択図柄z5~7」に応じて、異なるラウンド数が決定されるように構成してもよい。
また、特別図柄の選択図柄に応じて、第1大入賞口11131の開放パターンにおけるOP待ち時間(オープニング時間)及びED待ち時間(エンディング時間)のいずれかが異なるように構成してもよい。
[13-3-4.小当り種類決定テーブル]
図448は、第11のパチンコ遊技機における小当り種類決定テーブルの一例である。なお、図448に示す小種類決定テーブルは、主制御回路200のメインROM202に記憶されている。
小当り種類決定テーブルは、小当り遊技状態の作動内容を決定するテーブルであり、「小当り遊技状態の開放態様」を決定するテーブルである。
図448に示されるように、小当り種類決定テーブルには、第2特別図柄の小当り判定値データが得られた場合に決定される「特別図柄の選択図柄(z5~7)」に対して、「小当り遊技状態の開放態様」が対応付けられている。
「小当り遊技状態の開放態様」は、小当り遊技状態のときに開放される第2大入賞口11151の最大開放回数、第2大入賞口11151の開放パターン及びV入賞口11156の開放パターンを規定している。第2大入賞口11151の開放パターンには、小当り遊技状態の開始待ち状態であるOP待ち時間(オープニング時間)、各回数の最大開放時間、各回数の閉鎖時間、ED待ち時間(エンディング時間)等が規定されている。また、V入賞口11156の開放パターンには、開放待ち時間、開放時間等が規定されている。
ここで、小当り遊技状態の開始時には、第2大入賞口11151の開放パターンにおけるOP待ち時間(オープニング時間)とV入賞口11156の開放パターンにおける開放待ち時間とが同時に計時されていき、第2大入賞口11151が開放しているときには、V入賞口11156も開放しているように構成されている。このため、小当り遊技状態が行われたときには、V入賞口11156への遊技球の通過が可能(又は容易)となっている。なお、V入賞口11156の開放パターンとして、第2大入賞口11151の開放パターンのように、V入賞口11156を複数回開閉させるように複数回の開放時間と閉鎖時間とを規定してもよい。
なお、特別図柄の選択図柄に応じて、第2大入賞口11151の開放パターンにおけるOP待ち時間(オープニング時間)、各回数の最大開放時間、各回数の閉鎖時間、ED待ち時間(エンディング時間)、V入賞口11156の開放パターンにおける開放待ち時間、開放時間、閉鎖時間の少なくともいずれかが異なるように小当り種類決定テーブルを構成してもよい。
特に、特別図柄の選択図柄に応じて、V入賞口11156の開放パターンを異ならせ、V入賞口11156への遊技球の通過が可能(又は容易)な有利作動態様と、V入賞口11156への遊技球の通過が不可能(又は困難)な不利作動態様とが決定されるように小当り種類決定テーブルを構成してもよい。
ここで、1回の大当り遊技状態において払い出し可能な遊技球の総数(例えば、4R×10個(第1の規定個数)×15個(賞球個数)=600個)よりも、1回の小当り遊技状態において払い出し可能な遊技球の総数(例えば、小当り1回×10個(第2の規定個数)×15個(賞球個数)=150個)の方が少なく設定されており、大当り遊技状態が有利な「第1特別遊技状態」であり、小当り遊技状態が大当り遊技状態よりも利益の低い「第2特別遊技状態」であるといえる。
また、大当り遊技状態における1ラウンドの最大開放時間(例えば28秒)よりも、小当り遊技状態における1回の最大開放時間(例えば0.1秒)の方が短く設定されており、大当り遊技状態においては有利な「第1開放態様」により第1大入賞口11131が開放し、小当り遊技状態においては第1開放態様よりも不利な「第2開放態様」により第2大入賞口11151が開放するといえる。
[13-3-5.遊技状態関連設定テーブル]
図449は、第11のパチンコ遊技機における遊技状態関連設定テーブルの一例である。なお、図449に示す遊技状態関連設定テーブルは、遊技状態を設定するためのテーブルであり、主制御回路200のメインROM202に記憶されている。
本実施形態では、図449に示すように、遊技状態関連設定テーブルとして、図449(a)に示す大当り遊技状態の終了後に参照される遊技状態関連設定テーブル1と、図449(b)に示す時短当りの特別図柄の可変表示の終了後に参照される遊技状態関連設定テーブル2と、図449(c)に示す特別図柄の可変表示回数が天井値の到達後に参照される遊技状態関連設定テーブル3とを備えている。
図449に示すように、遊技状態関連設定テーブルには、「遊技状態の設定」として、「状態フラグ」、「普電作動パターン」及び「時短終了条件」が対応付けられている。
「状態フラグ」とは、遊技状態の種類を示すフラグであり、メインRAM203の所定の記憶領域に記憶される。状態フラグ=0は「通常遊技状態」を示し、状態フラグ=1は「A時短遊技状態」を示し、状態フラグ=2は「B時短遊技状態」を示し、状態フラグ=3は「C時短遊技状態」を示している。
「普電作動パターン」とは、第2始動口11140の開放パターンを定めた情報であり、メインRAM203の所定の記憶領域に記憶される。普電作動パターン=00は、後述する「ロング開放パターン」が決定され難く、後述する「ショート開放パターン」が決定され易い状態を示し、普電作動パターン=01は、「ロング開放パターン」と「ショート開放パターン」とが決定される状態を示し、普電作動パターン=02は、普電作動パターン=00及び普電作動パターン=01であるときよりも「ロング開放パターン」が決定され易く、「ショート開放パターン」が決定され難い状態を示している。すなわち、第2始動口11140の開放パターンは、普電作動パターン=00<普電作動パターン=01<普電作動パターン=02の順に遊技者にとって有利となるように作動する。
「時短終了条件」とは、時短遊技状態が終了する終了条件であり、「特別図柄の可変表示回数」及び/または「普通図柄の可変表示回数」を終了条件として設定している。この「特別図柄の可変表示回数」は、第1特別図柄の可変表示回数と第2特別図柄の可変表示回数との合計回数を示している。また、図示は省略するが、大当り遊技状態に移行することも時短終了条件として設定されている。これらのいずれかの時短終了条件が成立することにより、時短遊技状態が終了して通常遊技状態に移行することになる。
本実施形態において、C時短遊技状態(状態フラグ=3)において、普電作動パターン=00が設定された時短遊技状態を「第1時短遊技状態」といい、普電作動パターン=02が設定された時短遊技状態を「第2時短遊技状態」といい、普電作動パターン=01が設定された時短遊技状態を「第3時短遊技状態」という。
また、B時短遊技状態(状態フラグ=2)において、普電作動パターン=02が設定された時短遊技状態を「第4時短遊技状態」という。
また、A時短遊技状態(状態フラグ=1)において、普電作動パターン=02が設定された時短遊技状態を「第5時短遊技状態」という。
さらに、時短遊技状態において(状態フラグ=1~3)、普電作動パターン=02が設定された第2時短遊技状態、第4時短遊技状態及び第5時短遊技状態を総称して「RUSH遊技状態」ともいい、普電作動パターン=00または01が設定された第1時短遊技状態及び第3時短遊技状態を総称して「一般遊技状態」ともいう。
この「通常遊技状態」及び「一般遊技状態(第1時短遊技状態及び第3時短遊技状態)」は、左打ちが正規な遊技態様とされ、第1特別図柄の抽選が可能であり、第1特別図柄の変動表示を主とした遊技性で構成されている。
また、「RUSH遊技状態(第2時短遊技状態、第4時短遊技状態及び第5時短遊技状態)」は、右打ちが正規な遊技態様とされ、普通図柄の抽選及び第2特別図柄の抽選が可能であり、普通図柄の変動表示を主とした遊技性で構成されている。本実施形態においては、後述するように普通図柄の抽選により約1/68.5で第2始動口11140がロング開放し、第2始動口11140に遊技球が入球すると、第2特別図柄の抽選により大当りを契機とした第1のルートと小当りを契機とした第2のルートから、約1/1で大当り遊技状態に移行可能となっている(図445参照)。
図449(a)に示すように、大当り遊技状態の終了後に参照される遊技状態関連設定テーブル1には、特別図柄の選択図柄(大当り図柄または小当り図柄)に対して、「状態フラグ」、「普電作動パターン」及び「時短終了条件」が対応付けられている。また、図449(a)に示す遊技状態関連設定テーブル1には、「時短終了条件」として「特別図柄の可変表示回数」及び「普通図柄の可変表示回数」が設定されている。
図449(a)に示す遊技状態関連設定テーブル1によれば、「特別図柄の選択図柄z1、z4、z5」のときには、A時短遊技状態を示す状態フラグ=1、普電作動パターン=02、時短終了条件として特別図柄の可変表示回数=10000回、普通図柄の可変表示回数=120回が設定される。また、「特別図柄の選択図柄z2、z3、z6、z7」のときには、通常遊技状態を示す状態フラグ=0、普電作動パターン=00が設定され、時短終了条件は設定されない。
このように、本実施形態においては、大当り遊技状態の終了後には、特別図柄の選択図柄に応じて、「通常遊技状態」または「第5時短遊技状態」に移行するように構成されている。
ここで、第1特別図柄の抽選による大当り遊技状態の終了後には、特別図柄の選択図柄の選択率(図446参照)により、第1移行率(40%)で「通常遊技状態」に移行し、第2移行率(60%)で「第5時短遊技状態」に移行する。または、第2特別図柄の抽選においては、大当りを契機とした第1のルートからの大当り遊技状態の終了後には、特別図柄の選択図柄の選択率(図446参照)により、第3移行率(100%)で「第5時短遊技状態」に移行し、小当りを契機とした第2のルートからの大当り遊技状態の終了後には、特別図柄の選択図柄の選択率(図446参照)により、第4移行率(80%)で「第5時短遊技状態」に移行し、第5移行率(20%)で「通常遊技状態」に移行する。
また、大当り遊技状態の終了後に「第5時短遊技状態」に移行する場合(普電作動パターン=02が決定された場合)には、時短終了条件が成立しやすい条件として「普通図柄の可変表示回数」が設定されている。ここでの普通図柄の可変表示回数は、第6時短回数である120回が設定可能となっている。
大当り遊技状態の終了後に「第5時短遊技状態」に移行した後には、時短終了条件が成立すると、第5時短遊技状態から通常遊技状態に移行することになる。
図449(b)に示すように、時短当りの特別図柄の可変表示の終了後に参照される遊技状態関連設定テーブル2には、特別図柄の選択図柄(時短図柄)に対して、「状態フラグ」、「普電作動パターン」及び「時短終了条件」が対応付けられている。また、図449(b)に示す遊技状態関連設定テーブル2には、「時短終了条件」として「特別図柄の可変表示回数」または「普通図柄の可変表示回数」が設定されている。
図449(b)に示す遊技状態関連設定テーブル2によれば、すべての「特別図柄の選択図柄」に対して、C時短遊技状態を示す状態フラグ=3が設定される。また、「特別図柄の選択図柄z10~12」のときには、普電作動パターン=00が設定され、時短終了条件として、「特別図柄の選択図柄z10」のときには特別図柄の可変表示回数=50回が設定され、「特別図柄の選択図柄z11」のときには特別図柄の可変表示回数=100回が設定され、「特別図柄の選択図柄z12」のときには特別図柄の可変表示回数=150回が設定される。また、「特別図柄の選択図柄z20」のときには、普電作動パターン=02、時短終了条件として普通図柄の可変表示回数=950回が設定される。また、「特別図柄の選択図柄z30」のときには、普電作動パターン=01、時短終了条件として特別図柄の可変表示回数=950回が設定される。
このように、本実施形態においては、時短当りの特別図柄の可変表示の終了後には、特別図柄の選択図柄に応じて、「第1時短遊技状態」、「第2時短遊技状態」または「第3時短遊技状態」に移行するように構成されている。
ここで、時短当りの特別図柄の可変表示の終了後には、特別図柄の選択図柄の選択率(図446参照)により、第6移行率(70%)で「第1時短遊技状態」に移行し、第7移行率(15%)で「第2時短遊技状態」に移行し、第8移行率(15%)で「第3時短遊技状態」に移行する。
また、時短当りの特別図柄の可変表示の終了後に「第1時短遊技状態」に移行する場合(普電作動パターン=00が決定された場合)には、時短終了条件が成立しやすい条件として「特別図柄の可変表示回数」が設定されている。ここでの特別図柄の可変表示回数は、最小の第1時短回数である50回、第2時短回数である100回、第3時短回数である150回が設定可能となっており、第2時短回数及び第3時短回数は最小の第1時短回数の整数倍に設定されている。
そして、時短当りの特別図柄の可変表示の終了後に「第1時短遊技状態」に移行した場合には、(所定周期毎に)時短終了条件が成立すると、通常遊技状態に移行することになる。
また、時短当りの特別図柄の可変表示の終了後に「第2時短遊技状態」に移行する場合(普電作動パターン=02が決定された場合)には、時短終了条件が成立しやすい条件として「普通図柄の可変表示回数」が設定されている。ここでの普通図柄の可変表示回数は、第4時短回数である950回が設定可能となっている。
また、第4時短回数は、実質的に大当り遊技状態に移行することが保証されている回数に設定されている。このため、第2時短遊技状態に移行すると、実質的に大当り遊技状態に移行することが保証されていることになる。なお、第4時短回数は、実質的に大当り遊技状態に移行することが保証されている回数であれば、950回であることに限定されない。
また、時短当りの特別図柄の可変表示の終了後に「第3時短遊技状態」に移行する場合(普電作動パターン=01が決定された場合)には、時短終了条件が成立しやすい条件として「特別図柄の可変表示回数」が設定されている。ここでの特別図柄の可変表示回数は、第5時短回数である950回が設定可能となっている。
また、第5時短回数は、第3時短遊技状態からB時短遊技状態(第4時短遊技状態)に移行可能な回数に設定されている。このため、第3時短遊技状態においては、大当り遊技状態に移行するか、B時短遊技状態に移行する以外に第3時短遊技状態が終了することがない。
図449(c)に示すように、特別図柄の可変表示回数が天井値の到達後に参照される遊技状態関連設定テーブル3には、「状態フラグ」、「普電作動パターン」及び「時短終了条件」が対応付けられている。また、図449(c)に示す遊技状態関連設定テーブル3には、「時短終了条件」として「普通図柄の可変表示回数」が設定されている。
図449(c)に示す遊技状態関連設定テーブル2によれば、特別図柄の可変表示回数が天井値(950回)に到達すると、B時短遊技状態を示す状態フラグ=2、普電作動パターン=02、時短終了条件として普通図柄の可変表示回数=950回が設定される。
このように、本実施形態においては、特別図柄の可変表示回数が天井値に到達すると、「第4時短遊技状態」に移行するように構成されている。ここでの普通図柄の可変表示回数は、第7時短回数である950回が設定可能となっている。
上述した第7時短回数は、実質的に大当り遊技状態に移行することが保証されている回数に設定されている。このため、B時短遊技状態に移行すると、実質的に大当り遊技状態に移行することが保証されていることになる。なお、第7時短回数は、実質的に大当り遊技状態に移行することが保証されている回数であれば、950回であることに限定されない。
なお、各時短遊技状態における第1移行率~第8移行率は、図446に示す特別図柄判定テーブルの特別図柄の図柄乱数値を変更することにより、適宜設計変更自由である。ただし、時短当りの特別図柄の可変表示の終了後において、「第2時短遊技状態」に移行する第7移行率は、「第1時短遊技状態」に移行する第6移行率よりも低いことが望ましい。
また、「時短終了条件」として第1時短回数~第7時短回数に設定される回数は、適宜設計変更自由である。ただし、第1時短遊技状態における第2時短回数及び第3時短回数は第1時短回数の整数倍であることが望ましい。
また、本実施形態においては、「時短終了条件」として「特別図柄の可変表示回数」及び/または「普通図柄の可変表示回数」を設定したが、上述した終了条件に加え、「小当りの当選回数」も時短終了条件として設定してもよい。
また、本実施形態においては、低・中・高の3種類の普電作動パターン(00、01、02)を備えて構成したが、「第3時短遊技状態」を備えず構成する場合には、普電作動パターン=00と普電作動パターン=02との2種類で構成すればよい。この場合に、普電作動パターン=01が設定される契機となる「特別図柄の選択図柄z30」は、「特別図柄の選択図柄z10~12」または「特別図柄の選択図柄z20」と同様に遊技状態を設定すればよい。
また、本実施形態において遊技状態関連設定テーブルは、「当選時の遊技状態」によらず、遊技状態の設定を行うようにしたが、「当選時の遊技状態」に応じて遊技状態の設定を行うように構成してもよい。「当選時の遊技状態」に応じて遊技状態の設定を行う場合には、「当選時の遊技状態が通常遊技状態」であるときには、「当選時の遊技状態が時短遊技状態」であるときよりも、遊技者にとって有利な遊技状態に移行しやすいように設定することが望ましい。例えば、大当り遊技状態の終了後に参照される遊技状態関連設定テーブルにおいては、「当選時の遊技状態が時短遊技状態」であるときには、図449(a)に示す遊技状態関連設定テーブル1のように、「特別図柄の選択図柄」に応じて状態フラグ=0または状態フラグ=1が設定されるものの、「当選時の遊技状態が通常遊技状態」であるときには、すべての「特別図柄の選択図柄」に対して状態フラグ=1、普電作動パターン=02(有利)を設定することが望ましい。
[13-3-6.特別図柄の変動パターンテーブル]
図450、図451及び図452は、第11のパチンコ遊技機の特別図柄の変動パターンテーブルの一例である。図450は、第11のパチンコ遊技機における通常遊技状態の特別図柄の変動パターンテーブルの一例であり、図451は、第11のパチンコ遊技機における一般遊技状態の特別図柄の変動パターンテーブルの一例であり、図452は、第11のパチンコ遊技機におけるRUSH遊技状態の特別図柄の変動パターンテーブルの一例である。なお、図450、図451及び図452に示す特別図柄の変動パターンテーブルは、主制御回路200のメインROM202に記憶されている。
特別図柄の変動パターンテーブルは、特別図柄の変動パターン及び特別図柄の変動表示時間を決定するテーブルである。「特別図柄の変動パターン」とは、特別図柄の変動態様を定めた情報であり、少なくとも特別図柄の変動表示時間が定められている。
図450、図451及び図452に示すように、特別図柄の変動パターンテーブルには、特別図柄の種別と、特別図柄の当り判定処理の結果(当落)と、リーチ判定用乱数値と、演出選択用乱数値と、特別図柄の変動パターンと、特別図柄の変動表示時間とが対応付けられている。なお、リーチ判定用乱数値は例えば0~249(250種類)の中から抽出され、演出選択用乱数値は例えば0~99(100種類)の中から抽出される。ただし、発生する乱数値の範囲は上記に限られない。また、図450、図451及び図452の「備考」の欄は、分かりやすいように演出内容等を便宜上示したものである。
メインCPU201は、遊技状態等に応じて図450、図451及び図452のいずれかの特別図柄の変動パターンテーブルを決定し、決定した特別図柄の変動パターンテーブルを参照し、特別図柄の種別、特別図柄の当り判定処理の結果と、特別図柄の選択図柄等に基づいて、特別図柄の変動パターンを決定する。そして、メインCPU201は、決定した特別図柄の変動パターンに基づいて、特別図柄の変動表示時間を決定する。
また、メインCPU201は、特別図柄の変動パターンを決定すると、決定した特別図柄の変動パターンに対応した特別図柄の変動パターンコマンドをサブCPU301に送信する。サブCPU301は、メインCPU201から送信された特別図柄の変動パターンコマンドに基づいて、表示装置7の表示領域に表示される表示演出や、スピーカ32から出力される音演出を制御する。なお、特別図柄の変動パターンコマンドは、第1始動口11120に遊技球が入球したことを契機とした第1特別図柄の変動パターンであるか、第2始動口11140に遊技球が入球したことを契機とした第2特別図柄の変動パターンであるかを識別可能に構成されている。ここで、第1特別図柄と第2特別図柄とを区別するときには、第1特別図柄の変動パターンコマンドまたは第2特別図柄の変動パターンコマンドともいう。
(通常遊技状態の特別図柄の変動パターンテーブル)
図450に示す特別図柄の変動パターンテーブルTは、通常遊技状態のときに決定される特別図柄の変動パターンテーブルである。
上述したように、本実施形態においては通常遊技状態においてのみ「時短当り」が判定できるように構成されており、図450に示す通常遊技状態の特別図柄の変動パターンテーブルTは、特別図柄の当り判定処理の結果(当落)が「時短当り」であるときには、「大当り」とは異なる専用の特別図柄の変動パターンが決定可能に構成されている。
さらに、図450に示す通常遊技状態の特別図柄の変動パターンテーブルTは、特別図柄の当り判定処理の結果(当落)が「時短当り」であるときには、第1時短遊技状態に移行する契機となる「特別図柄の選択図柄z10~12」と、第2時短遊技状態に移行する契機となる「特別図柄の選択図柄z20」と、第3時短遊技状態に移行する契機となる「特別図柄の選択図柄z30」とでそれぞれ異なる変動パターン(C1H~C4H)が決定可能に構成されている。
通常遊技状態においては、「時短当り」であるときの専用の特別図柄の変動パターン(C1H~C4H)により、「時短当り」であるときの専用の演出として、後述する「カード演出」または「RUSH突入演出」を実行することができる。さらに、「時短当り」であるときの「特別図柄の選択図柄」に応じて、変動パターンが決定可能に構成されているので、「時短当り」の「特別図柄の選択図柄」に応じて、移行する遊技状態に対応した演出を行うことができる。
また、図450に示す通常遊技状態の特別図柄の変動パターンテーブルTは、特別図柄の種別が第2特別図柄であるときには、第1特別図柄とは異なる特別図柄の変動パターンが決定可能に構成されている。
上述したように、第2特別図柄の抽選においては、大当りを契機とした第1のルートと小当りを契機とした第2のルートから、約1/1で大当り遊技状態に移行可能となっている(図445参照)。このため、特別図柄の種別が第2特別図柄であるときには、大当り遊技状態への移行を報知する「大当り報知演出」が実行される特別図柄の変動パターンが決定可能に構成されている。
(一般遊技状態の特別図柄の変動パターンテーブル)
図451に示す特別図柄の変動パターンテーブルは、一般遊技状態のときに決定される特別図柄の変動パターンテーブルである。
本実施形態では、図451に示すように、一般遊技状態の特別図柄の変動パターンテーブルとして、図451(a)に示す特別図柄の変動パターンテーブルJ1と、図451(b)に示す特別図柄の変動パターンテーブルJ2と、図451(c)に示す特別図柄の変動パターンテーブルJ3との3つの変動パターンテーブルを備えている。メインCPU201は、第1特別図柄の可変表示が行われる毎に減算されていく「第1特別図柄の可変表示回数N」に基づいて、図451(a)、図451(b)及び図451(c)のいずれかの特別図柄の変動パターンテーブルJ1~J3を決定することになる。
上述した「第1特別図柄の可変表示回数N」は、一般遊技状態を開始するときに最初に設定され、その後、第1特別図柄の可変表示回数N=0になっても一般遊技状態を継続しているときには新たに設定されるものである。
図451(a)に示す特別図柄の変動パターンテーブルJ1は、一般遊技状態において、「第1特別図柄の可変表示回数N>10」のときに決定される特別図柄の変動パターンテーブルである。
図451(b)に示す特別図柄の変動パターンテーブルJ2は、一般遊技状態において、「0<第1特別図柄の可変表示回数N≦10」のときに決定される特別図柄の変動パターンテーブルである。
図451(c)に示す特別図柄の変動パターンテーブルJ3は、一般遊技状態において、「第1特別図柄の可変表示回数N=0」のときに決定される特別図柄の変動パターンテーブルである。
また、図451(a)に示す特別図柄の変動パターンテーブルJ1と、図451(b)に示す特別図柄の変動パターンテーブルJ2と、図451(c)に示す特別図柄の変動パターンテーブルJ3とは、第1特別図柄の当り判定処理の結果(当落)が「ハズレ」であるときには、異なる特別図柄の変動表示時間が対応付けられた特別図柄の変動パターン(00H、10H、11H)が決定可能に構成されている。
図451(a)に示す特別図柄の変動パターンテーブルJ1によれば、第1特別図柄の当り判定処理の結果(当落)が「ハズレ」であるときには、通常の特別図柄の変動パターン00Hが決定可能に構成されている。
図451(b)に示す特別図柄の変動パターンテーブルJ2によれば、第1特別図柄の当り判定処理の結果(当落)が「ハズレ」であるときには、専用の特別図柄の変動パターンとして、示唆用の特別図柄の変動パターン10Hが決定可能に構成されている。
この示唆用の特別図柄の変動パターン10Hは、通常の特別図柄の変動パターン00Hよりも、長い特別図柄の変動表示時間(15秒)が対応付けている。
また、図451(c)に示す特別図柄の変動パターンテーブルJ3によれば、第1特別図柄の当り判定処理の結果(当落)が「ハズレ」であるときには、専用の特別図柄の変動パターンとして、判定用の特別図柄の変動パターン11Hが決定可能に構成されている。
この判定用の特別図柄の変動パターン11Hは、示唆用の特別図柄の変動パターン10Hよりも、長い特別図柄の変動表示時間(20秒)が対応付けている。
このように、第1特別図柄の当り判定処理の結果(当落)が「ハズレ」であるときには、「第1特別図柄の可変表示回数N」が0に近づくにつれ(第1特別図柄の可変表示回数Nが計数されるにつれ)、所定の演出を長い時間にわたって行うことができる。
なお、図451(b)に示す特別図柄の変動パターンテーブルJ2は、図451(a)に示す特別図柄の変動パターンテーブルJ1よりも、短い特別図柄の変動表示時間が対応付けられた特別図柄の変動パターンを決定可能に構成してもよい。また、図451(c)に示す特別図柄の変動パターンテーブルJ3は、図451(b)に示す特別図柄の変動パターンテーブルJ2よりも、短い特別図柄の変動表示時間が対応付けられた特別図柄の変動パターンを決定可能に構成してもよい。
また、図451(c)に示す特別図柄の変動パターンテーブルJ3は、第1特別図柄の当り判定処理の結果(当落)が「ハズレ」であるときには、専用の特別図柄の変動パターン(11H)を決定可能に構成されている。
これにより、「第1特別図柄の可変表示回数N=0」のときには、専用の特別図柄の変動パターン(11H)に基づいた専用の演出を行うことができる。
後述するように、一般遊技状態として第1時短遊技状態であるときには、第1時短遊技状態の最小の第1時短回数と同じ「50回」が最初に設定される。その後、第1特別図柄の可変表示回数N=0になっても一般遊技状態を継続しているときには新たに「50回」が設定されていくことを繰り返していく。ここで、一般遊技状態として第1時短遊技状態であるときには、時短終了条件としての「特別図柄の可変表示回数」は、50回、100回、150回のいずれかに設定され、時短終了条件が成立すると、通常遊技状態に移行する。
このため、一般遊技状態として第1時短遊技状態においては、第1特別図柄の可変表示回数が50回行われることを1周期として、特別図柄の変動パターンテーブルJ1、特別図柄の変動パターンテーブルJ2、特別図柄の変動パターンテーブルJ3の順に特別図柄の変動パターンテーブルが切り替わっていき、特別図柄の変動パターンテーブルJ3の専用の特別図柄の変動パターン(11H)に基づいて、通常遊技状態に移行するか否かの専用演出を行うことができる。
また、一般遊技状態として第3時短遊技状態であるときには、第1時短遊技状態の最小の第1時短回数と同じ「50回」が設定される。その後、第1特別図柄の可変表示回数N=0になっても一般遊技状態を継続しているときには新たに「900回」が設定される。
ここで、一般遊技状態として第3時短遊技状態であるときには、時短終了条件としての「特別図柄の可変表示回数」は950回に設定される。
このため、一般遊技状態として第3時短遊技状態においては、特別図柄の変動パターンテーブルJ1、特別図柄の変動パターンテーブルJ2、特別図柄の変動パターンテーブルJ3の順に特別図柄の変動パターンテーブルが切り替わっていき、特別図柄の変動パターンテーブルJ3の専用の特別図柄の変動パターン(11H)に基づいて、第3時短遊技状態であることを報知する専用演出を行うことができる。
また、図451(a)、図451(b)及び図451(c)の特別図柄の変動パターンテーブルJ1~J3は、特別図柄の種別が第2特別図柄であるときには、図450に示す通常遊技状態の特別図柄の変動パターンテーブルTと同様に、第1特別図柄とは異なる特別図柄の変動パターンが決定可能に構成されており、「大当り報知演出」が実行される特別図柄の変動パターンが決定可能に構成されている。
なお、本実施形態では、一般遊技状態の特別図柄の変動パターンテーブルとして3つの変動パターンテーブルを備えて構成したが、一般遊技状態の特別図柄の変動パターンテーブルJ1~J3の数は3つに限定されず、1つでもよいし、2以上でもよい。
さらに、本実施形態では、一般遊技状態として、第1時短遊技状態、第3時短遊技状態及び第5時短遊技状態とで同じ変動パターンテーブルを構成したが、第1時短遊技状態、第3時短遊技状態及び第5時短遊技状態とで異なる変動パターンテーブルを構成してもよい。
(RUSH遊技状態の特別図柄の変動パターンテーブル)
図452(a)に示す特別図柄の変動パターンテーブルJ4は、RUSH遊技状態としての「第2時短遊技状態または第4時短遊技状態」のときに決定される特別図柄の変動パターンテーブルである。図452(b)に示す特別図柄の変動パターンテーブルJ5は、RUSH遊技状態としての「第5時短遊技状態」のときに決定される特別図柄の変動パターンテーブルである。
図452(a)に示す特別図柄の変動パターンテーブルJ4と図452(b)に示す特別図柄の変動パターンテーブルJ5とでは、図452(b)に示す特別図柄の変動パターンテーブルJ5の方が、特別図柄の種別が第1特別図柄であるときには、短い特別図柄の変動表示時間が対応付けられた特別図柄の変動パターンを決定可能に構成されている。
また、図452(a)に示す特別図柄の変動パターンテーブルJ4と図452(b)に示す特別図柄の変動パターンテーブルJ5とは、特別図柄の種別が第2特別図柄であるときには、図450に示す通常遊技状態の特別図柄の変動パターンテーブルTと同様に、第1特別図柄とは異なる特別図柄の変動パターンが決定可能に構成されており、「大当り報知演出」が実行される特別図柄の変動パターンが決定可能に構成されている。
なお、本実施形態では、RUSH遊技状態における第2時短遊技状態と第4時短遊技状態とで同じ変動パターンテーブルJ2を構成したが、第2時短遊技状態と第4時短遊技状態とで異なる変動パターンテーブルを構成してもよい。さらには、第5時短遊技状態と第2時短遊技状態とを同じ変動パターンテーブルで構成してもよいし、第5時短遊技状態と第4時短遊技状態とを同じ変動パターンテーブルで構成してもよい。
[13-3-7.特別図柄の先読み関連データ]
図453は、第11のパチンコ遊技機における特別図柄の先読み関連データの一例である。ここで「先読み」とは、遊技球が第1始動口11120または第2始動口11140に入球して、主制御回路200(メインCPU201)が特別図柄の始動情報(大当り判定用乱数値、図柄乱数値、リーチ判定用乱数値、演出選択用乱数値等)を取得したときに、特別図柄の抽選よりも事前に、取得した特別図柄の始動情報を解析することをいう。そして、解析した情報(先読みコマンド)はサブ制御回路300(サブCPU301)に送信され、先読みコマンドに基づいて「先読み演出」が実行可能となる。
図453(a)は、特別図柄の先読み関連データとして、遊技状態に応じて、先読みを実行するか否かを定めた先読み実行対応テーブルである。
図453(a)に示すように、通常遊技状態においては、第1特別図柄の始動情報に基づく先読みと、第2特別図柄の始動情報に基づく先読みとの両方が実行可能である。また、時短遊技状態、大当り遊技状態、小当り遊技状態においては、第2特別図柄の始動情報に基づく先読みのみが実行可能となっている。
図453(b)は、特別図柄の始動情報を解析し、解析した情報としての先読みコマンドの構成の一例である。
図453(b)に示すように、先読みコマンドは、第1特別図柄であるか第2特別図柄であるかの「特別図柄の種別」と、複数の「パラメータ1~3」とで構成されている。
「パラメータ1」は、大当り判定用乱数値に基づいて、大当り、小当り、時短当り及びハズレのいずれであるかを事前に解析した当落情報であり、図453(c)は、パラメータ1の設定テーブルの一例である。
「パラメータ2」は、大当り判定用乱数値、図柄乱数値に基づいて、停止表示される特別図柄の選択図柄を事前に解析した図柄情報であり、図453(d)は、パラメータ2の設定テーブルの一例である。
「パラメータ3」は、大当り判定用乱数値、リーチ判定用乱数値、演出選択用乱数値に基づいて、特別図柄の変動パターンを事前に解析した変動情報であり、図453(e)は、パラメータ3の設定テーブルの一例である。
本実施形態においては、特別図柄の始動情報についての先読みが行われてから、その特別図柄の始動情報に基づく特別図柄の抽選が行われる前までの特別図柄の可変表示を「事前変動」ともいう。また、その特別図柄の始動情報に基づく特別図柄の抽選が行われたときの特別図柄の可変表示を「当該変動」ともいう。
[13-3-8.普通図柄の当り判定テーブル]
図454は、第11のパチンコ遊技機における普通図柄の当り判定テーブルの一例である。なお、図454に示す普通図柄の当り判定テーブルは、主制御回路200のメインROM202に記憶されている。
普通図柄の当り判定テーブルは、普通図柄の当り判定処理において参照されるテーブルであり、第1通過ゲート11126Rまたは第2通過ゲート11126Lに遊技球が通過した際に取得される普通図柄の当り判定用乱数値に基づいて「普通図柄当り」または「普通図柄ハズレ」を抽選により決定する際に参照されるテーブルである。
図454に示す普通図柄の当り判定テーブルには、普通図柄の当り判定用乱数値の範囲(幅)と、普通図柄の当落判定値データ(「普通図柄当り」または「普通図柄ハズレ」)とが対応づけられて規定されている。なお、普通図柄の当り判定用乱数値は、例えば0~65535の範囲(65536種類)で取得される。ただし、発生する乱数値の範囲は上記に限られない。
メインCPU201は、図454に示す普通図柄の当り判定テーブルを参照し、普通図柄当り判定用乱数値の範囲(幅)に基づいて、普通図柄の当落判定値データを決定する。
本実施形態では、メインCPU201は、図454に示す普通図柄の当り判定テーブルを参照し、取得された普通図柄の当り判定用乱数値が0~956のいずれかである場合は「普通図柄当り」と判定し、普通図柄の当落判定値データを「普通図柄当り判定値データ」に決定する。このため、本実施形態では、「普通図柄当り」が約1/68.5の選択率で決定されることになる。また、メインCPU201は、取得された普通図柄の当り判定用乱数値が957~65535である場合は「普通図柄ハズレ」と判定し、普通図柄の当落判定値データを「普通図柄ハズレ判定値データ」に決定する。
なお、「普通図柄当り」または「普通図柄ハズレ」と決定される普通図柄の当り判定用乱数値の範囲(幅)、すなわち選択率は、上記値に限定されず、適宜設計変更が自由である。
また、本実施形態において、通常遊技状態か時短遊技状態かの遊技状態によらず、「普通図柄当り」の選択率が共通(普通図柄当りの当選確率が共通)に設定されているが、後述するように遊技状態(普電作動パターン)に応じて第2始動口11140の開放パターンを異ならせることにより、遊技者に与える利益度を異ならせている。
また、本実施形態において、通常遊技状態か時短遊技状態かの遊技状態によらず、「普通図柄当り」の選択率が共通に設定されているが、遊技状態に応じて「普通図柄当り」の選択率を異ならせてもよい。遊技状態に応じて「普通図柄当り」の選択率を異ならせる場合には、通常遊技状態における「普通図柄当り」の選択率よりも、時短遊技状態における「普通図柄当り」の選択率が高くなるように構成することが望ましい。さらには、A時短遊技状態とB時短遊技状態との種類によっても、「普通図柄当り」の選択率を異ならせてもよい。
[13-3-9.普通図柄判定テーブル]
図455は、第11のパチンコ遊技機における普通図柄判定テーブルの一例である。なお、図455に示す普通図柄判定テーブルは、主制御回路200のメインROM202に記憶されている。
普通図柄判定テーブルは、上述の普通図柄の当落判定値データと、第1通過ゲート11126Rまたは第2通過ゲート11126Lに遊技球が通過した際に取得される普通図柄の図柄乱数値とに基づいて、普通図柄の停止図柄を決定付ける「普通図柄の選択図柄」を選択する際に参照されるテーブルである。
図455に示される普通図柄判定テーブルには、上述の普通図柄の当落判定値データ(「普通図柄当り判定値データ」または「普通図柄ハズレ判定値データ」)と、普通図柄の図柄乱数値と、普通図柄の選択図柄とが対応づけられて規定されている。なお、普通図柄の図柄乱数値は、例えば0~100(101種類)の中から取得される。ただし、発生する乱数値の範囲は上記に限られない。
メインCPU201は、図455に示される普通図柄判定テーブルを参照し、普通図柄当り判定値データと普通図柄の図柄乱数値とに基づいて、普通図柄の選択図柄を決定する。
図455に示される普通図柄判定テーブルによれば、普通図柄の当り判定処理の結果として普通図柄当り判定値データが得られた場合、例えば、普通図柄の選択図柄は以下のように選択される。
例えば、普通図柄当り判定値データが得られた場合、メインCPU201は、普通図柄の図柄乱数値が0~75のいずれかであれば普通図柄の選択図柄として「f1」を選択し、普通図柄の図柄乱数値が76~100のいずれかであれば普通図柄の選択図柄として「f2」を選択する。また、普通図柄ハズレ判定値データが得られた場合、メインCPU201は、普通図柄の図柄乱数値によらず、普通図柄の選択図柄として「f3」を選択する。
なお、「普通図柄の選択図柄」が選択される普通図柄の図柄乱数値の範囲(幅)、すなわち選択率は、上記値に限定されず、適宜設計変更が自由である。
特に、本実施形態においては、第1のパチンコ遊技機とは異なり、普通図柄の選択図柄を選択するにあたり、遊技状態によらずに、普通図柄の当落判定値データ(普通図柄の当り判定処理の結果)と普通図柄の図柄乱数値とに基づいて、普通図柄の選択図柄が選択されるように構成されている。なお、第1のパチンコ遊技機と同様に、遊技状態に応じて、普通図柄の選択図柄が選択されるように構成してもよい。
また、本実施形態において、メインCPU201は、先ず、普通図柄の当り判定テーブル(図454参照)を参照して、取得された普通図柄の当り判定用乱数値に基づいて普通図柄の当落判定値データを決定し、その後、普通図柄判定テーブル(図455参照)を参照して、普通図柄の図柄乱数値に基づいて普通図柄の選択図柄を決定するようにしているが、これに限られない。例えば、取得された普通図柄の当り判定用乱数値と普通図柄の図柄乱数値とに基づいて、普通図柄の当落判定値データ(普通図柄の当落)、および普通図柄の選択図柄をあわせて決定するようにしてもよい。
[13-3-10.第2始動口の開放パターン決定テーブル]
図456は、第11のパチンコ遊技機における第2始動口の開放パターン決定テーブルの一例である。なお、図456に示す第2始動口の開放パターン決定テーブルは、主制御回路200のメインROM202に記憶されている。
第2始動口の開放パターン決定テーブルは、普通図柄当りと判定された場合に、遊技状態(普電作動パターン)と普通図柄の選択図柄とに応じて、普電用シャッタ11147の作動態様としての第2始動口11140の開放パターンを決定する際に参照される。
図456に示される第2始動口の開放パターン決定テーブルには、遊技状態(普電作動パターン)と、普通図柄の選択図柄と、第2始動口11140の開放パターンとが対応づけられて規定されている。
また、「第2始動口の開放パターン」は、第2始動口11140の1回目の開放状態における「1回目の開放時間」、第2始動口11140の1回目の閉鎖状態における「1回目のウェイト時間」、第2始動口11140の2回目の開放状態における「2回目の開放時間」、第2始動口11140の2回目の閉鎖状態における「2回目のウェイト時間」、第2始動口11140を閉鎖させて普電用シャッタ11147の作動を終了する「エンディング時間」とで構成されている。
メインCPU201は、図456に示される第2始動口の開放パターン決定テーブルを参照し、遊技状態(普電作動パターン)と普通図柄の選択図柄とに基づいて、第2始動口11140の開放パターンを決定する。なお、メインCPU201は、第2始動口11140の開放パターンを決定すると、決定した第2始動口11140の開放パターンに対応する第2始動口の開放パターンコマンドをサブCPU301に送信する。
本実施形態では、第2始動口の開放パターンとして、第2始動口11140の開放時間が短い不利な「ショート開放パターン(91H01H)」と、第2始動口11140の開放時間が長い有利な「ロング開放パターン(91H02H)」との2種類の開放パターンを備えている。なお、第2始動口の開放パターンとして、3種類以上の開放パターンを備えて構成してもよい。
特に、本実施形態では、「ショート開放パターン(91H01H)」の開放時間は、極めて短い時間(例えば、0.072秒)が設定されている。このため、普通図柄当りと判定された場合であっても、「ショート開放パターン(91H01H)」が行われるときは、第2始動口11140に遊技球が入球することが不可能又は困難となり、実質的にハズレの扱いとなるように構成されている。
また、「ロング開放パターン(91H02H)」の開放時間は、第2始動口11140に遊技球が入球可能となることになる長い時間(例えば、5.4秒)が設定されている。
図456に示す第2始動口の開放パターン決定テーブルによれば、通常遊技状態及び第1時短遊技状態である場合には、普通図柄の選択図柄が「f1」であるときにも、普通図柄の選択図柄が「f2」であるときにも、第2始動口の開放パターンとして「ショート開放パターン(91H01H)」が決定されるように構成されている(「ロング開放パターン(91H02H)」が決定されないように構成されている)。
また、第3時短遊技状態である場合には、普通図柄の選択図柄が「f1」であるときには、第2始動口の開放パターンとして「ショート開放パターン(91H01H)」が決定され、普通図柄の選択図柄が「f2」であるときには、第2始動口の開放パターンとして「ロング開放パターン(91H02H)」が決定されるように構成されている。
また、第2時短遊技状態、第4時短遊技状態及び第5時短遊技状態である場合には、普通図柄の選択図柄が「f1」であるときにも、普通図柄の選択図柄が「f2」であるときにも、第2始動口の開放パターンとして「ロング開放パターン(91H02H)」が決定されるように構成されている。
このため、普電作動パターン=00は、「ロング開放パターン」が決定され難く、「ショート開放パターン」が決定され易い状態を示し、普電作動パターン=01は、「ロング開放パターン」と「ショート開放パターン」とが決定される状態を示し、普電作動パターン=02は、普電作動パターン=01であるときよりも「ロング開放パターン」が決定され易く、「ショート開放パターン」が決定され難い状態を示していることになる。
また、図456に示す第2始動口の開放パターン決定テーブルの右欄には、「普通図柄の当り判定用乱数値(図454参照)」及び「普通図柄の図柄乱数値(図455参照)」を合算することにより算出され、「ロング開放パターン」が実行される「ロング開放確率」を参考として図示している。本実施形態において、普電作動パターン=00である場合には、普通図柄当りが約1/68.5であるものの、ロング開放パターンが決定されることはないことから、「ロング開放確率」は0である。また、普電作動パターン=01である場合には、普通図柄当りが約1/68.5であり、ロング開放パターンが決定される普通図柄の選択図柄「f2」の選択率が35/101であることから、「ロング開放確率」は約1/197.6である。また、普電作動パターン=01である場合には、普通図柄当りが約1/68.5であり、すべての普通図柄の選択図柄でロング開放パターンが決定されること(101/101)から、「ロング開放確率」は約1/68.5である。
また、本実施形態では、普電用の規定個数は3個に設定されており、いずれかの第2始動口の開放パターンが決定され、第2始動口11140が開放しても、第2始動口11140に3個の遊技球が入球すると、その第2始動口の開放パターンは終了する(第2始動口11140は閉鎖する)ことになる。
[13-3-11.普通図柄の変動パターンテーブル]
図457は、第11のパチンコ遊技機における普通図柄の変動パターンテーブルの一例である。なお、図457に示す普通図柄の変動パターンテーブルは、主制御回路200のメインROM202に記憶されている。
普通図柄の変動パターンテーブルは、普通図柄の変動パターン及び普通図柄の変動表示時間を決定するテーブルである。「普通図柄の変動パターン」とは、普通図柄の変動態様を定めた情報であり、少なくとも普通図柄の変動表示時間が定められている。
図457に示す普通図柄の変動パターンテーブルには、普通図柄の選択図柄と、普通図柄の演出用乱数値と、普通図柄の変動パターンと、普通図柄の変動表示時間とが対応付けられている。また、図457の「備考」の欄は、分かりやすいように演出内容等を便宜上示したものである。
図457(a)は、通常遊技状態の普通図柄の変動パターンテーブルF1の一例であり、
図457(b)は、一般遊技状態における第1時短遊技状態の普通図柄の変動パターンテーブルF2の一例であり、
図457(c)は、一般遊技状態における第3時短遊技状態の普通図柄の変動パターンテーブルF3の一例であり、
図457(d)は、RUSH遊技状態における第2時短遊技状態及び第4時短遊技状態の普通図柄の変動パターンテーブルF4の一例であり、
図457(e)は、RUSH遊技状態における第5時短遊技状態の普通図柄の変動パターンテーブルF5の一例である。
メインCPU201は、遊技状態に応じて図457のいずれかの普通図柄の変動パターンテーブルを決定し、決定した普通図柄の変動パターンテーブルを参照し、普通図柄の選択図柄等に基づいて、普通図柄の変動パターンと普通図柄の変動表示時間とを決定する。そして、メインCPU201は、普通図柄の変動パターンを決定すると、決定した普通図柄の変動パターンに対応した普通図柄の変動パターンコマンドをサブCPU301に送信する。
図457(a)に示す通常遊技状態の普通図柄の変動パターンテーブルF1には、図457(b)~図457(e)に示す普通図柄の変動パターンテーブルF2~F5よりも、最も長い普通図柄の変動表示時間が対応付けられた普通図柄の変動パターン(00H、01H)を決定可能に構成されている。
図457(b)に示す第1時短遊技状態の普通図柄の変動パターンテーブルF2には、図457(a)に示す通常遊技状態の普通図柄の変動パターンテーブルF1よりも、短い普通図柄の変動表示時間が対応付けられた普通図柄の変動パターン(10H、11H)を決定可能に構成されている。
図457(c)に示す第3時短遊技状態の普通図柄の変動パターンテーブルF3には、図457(b)に示す第1時短遊技状態の普通図柄の変動パターンテーブルF2よりも、短い普通図柄の変動表示時間が対応付けられた普通図柄の変動パターン(20H、21H、22H、23H)を決定可能に構成されている。
図457(d)に示す第2時短遊技状態及び第4時短遊技状態の普通図柄の変動パターンテーブルF4は、特別図柄の当り判定処理の結果(当落)が「ハズレ」であるときには、図457(c)に示す第3時短遊技状態の普通図柄の変動パターンテーブルF3よりも、短い普通図柄の変動表示時間が対応付けられた普通図柄の変動パターン(30H)を決定可能に構成されている。
図457(e)に示す第5時短遊技状態の普通図柄の変動パターンテーブルF5は、特別図柄の当り判定処理の結果(当落)が「ハズレ」であるときには、図457(d)に示す第2時短遊技状態及び第4時短遊技状態の普通図柄の変動パターンテーブルF4よりも、短い普通図柄の変動表示時間が対応付けられた普通図柄の変動パターン(40H)を決定可能に構成されている。
すなわち、通常遊技状態の普通図柄の変動パターンテーブルF1、第1時短遊技状態の普通図柄の変動パターンテーブルF2、第3時短遊技状態の普通図柄の変動パターンテーブルF3、第2時短遊技状態及び第4時短遊技状態の普通図柄の変動パターンテーブルF4、第5時短遊技状態の普通図柄の変動パターンテーブルF5の順に相対的に普通図柄の平均的な変動表示時間が短くなるように、普通図柄の変動パターンテーブルが構成されている。
また、図457(c)に示す第3時短遊技状態の普通図柄の変動パターンテーブルF3には、「普通図柄の選択図柄f2」のときに、第2始動口11140が開放することを示唆する「テロップ演出」が実行される普通図柄の変動パターン(23H)が決定可能に構成されている。また、本実施形態では、普通図柄の変動パターンテーブルF3には、「普通図柄の選択図柄f1」のときにも、ダミー的な「テロップ演出」が実行される普通図柄の変動パターン(22H)が決定可能に構成されているが、「普通図柄の選択図柄f2」のときにのみ、「テロップ演出」が実行される普通図柄の変動パターンが決定可能に構成してもよい。さらには、普通図柄の変動パターンテーブルF3は、「普通図柄の選択図柄f3」のときにも、ダミー的な「テロップ演出」が実行される普通図柄の変動パターン(22H)を決定可能に構成してもよい。
上述したように、RUSH遊技状態(第2時短遊技状態、第4時短遊技状態及び第5時短遊技状態)は、右打ちが正規な遊技態様とされ、普通図柄の変動表示を主とした遊技性で構成されている。このため、図457(d)、(e)に示すRUSH遊技状態における普通図柄の変動パターンテーブルF4、F5には、普通図柄の抽選結果を示唆する演出(図柄演出)が実行される普通図柄の変動パターン(30H、31H、32H、33H、34H、35H、40H)が決定可能に構成されている。
なお、本実施形態では、RUSH遊技状態の普通図柄の変動パターンテーブルを、第2時短遊技状態及び第4時短遊技状態の普通図柄の変動パターンテーブルF4と、第5時短遊技状態の普通図柄の変動パターンテーブルF5とで区別して構成したが、第2時短遊技状態、第4時短遊技状態及び第5時短遊技状態を共通の普通図柄の変動パターンテーブルで構成してもよい。
[13-3-12.遊技停止コマンド決定テーブル]
図458は、第11のパチンコ遊技機における遊技停止コマンド決定テーブルの一例である。なお、図458に示す遊技停止コマンド決定テーブルは、主制御回路200のメインROM202に記憶されている。
本実施形態においては、後述するように、遊技球の増加数(MY)が規制値(95000個)に到達すると、原則として遊技が停止されることになる。ただし、小当り遊技状態または大当り遊技状態のときに遊技球の増加数(MY)が規制値に到達した場合には、その小当り遊技状態または大当り遊技状態の終了後に遊技が停止されることになる。
また、「遊技停止コマンド」とは、遊技球の増加数(MY)に応じて遊技が停止されることに関する情報をサブ制御回路300に送信するコマンドであり、サブ制御回路300では、遊技停止コマンドを受信することにより、表示装置7等において事前に遊技が停止される旨の「遊技停止予告」や遊技停止状態であることの「遊技停止報知」を行うことが可能となる。
図458に示す遊技停止コマンド決定テーブルには、「遊技停止機能作動管理フェーズ」と、「遊技停止予告開始条件」と、「遊技停止コマンド」とが対応付けられている。
ここで、「遊技停止機能作動管理フェーズ」とは、遊技球の増加数に基づいて遊技を停止させるための関連情報のひとつであり、遊技球の増加(MY)数に基づき設定され、遊技停止機能の状態を示す情報である。
この「遊技停止機能作動管理フェーズ」は、後述するように、遊技球の増加数(MY)が初期の境界値未満の84999以下のときには「00H」が設定され、遊技球の増加数(MY)が初期の境界値以上から第1の境界値未満の「第1の計数範囲(85000~89999)」であるときには、「01H」が設定され、遊技球の増加数(MY)が第1の境界値以上から規制値未満の「第2の計数範囲(90000~94999)」であるときには、「02H」が設定されている。また、遊技球の増加数(MY)が規制値以上の「第3の計数範囲(95000~)」である場合においては、小当り遊技状態または大当り遊技状態であるとき(遊技停止状態前)には「03H」が設定され、小当り遊技状態または大当り遊技状態でないとき(遊技停止状態中)には「04H」が設定されている。
また、「遊技球の増加数(MY)」とは、遊技球を払い出した累計の払出数(払出遊技球数)から遊技球の発射した累計の発射球数(発射遊技球数)を減算した数である。詳しくは後述するが、「遊技球の増加数(MY)」は、「差玉数カウンタ」に対応していることになる(遊技球の増加数(MY)=差玉数カウンタの値)。
このように、遊技球の増加数(MY)は、「初期の計数範囲(84999以下)」と、「第1の計数範囲(85000~89999)」と、「第2の計数範囲(90000~94999)」と、「第3の計数範囲(95000~)」とで区画されており、遊技停止機能作動管理フェーズによって識別可能に構成されている。なお、初期の境界値、第1の境界値、規制値の値は、適宜設計変更が自由である。
図458に示すように、遊技停止コマンド決定テーブルは、遊技球の増加数(MY)が初期の計数範囲(84999以下)にある場合、すなわち遊技停止機能作動管理フェーズ=00Hの場合には、遊技停止コマンドが決定されず、遊技球の増加数(MY)に関するいずれの報知も行われないように構成されている。
また、図458に示す遊技停止コマンド決定テーブルは、遊技球の増加数(MY)が第1の計数範囲(85000~89999)にある場合、すなわち遊技停止機能作動管理フェーズ=01Hの場合には、第1の計数範囲における「遊技停止予告開始条件」(以下「第1の遊技停止予告開始条件」ともいう)が成立していると、第1遊技停止予告を実行可能な遊技停止コマンド=01Hが決定されるように構成されている。
遊技停止コマンド=01Hに基づく第1遊技停止予告は、後述する「第1遊技停止予告終了条件」が成立するまで継続して実行されることになる。
また、図458に示す遊技停止コマンド決定テーブルは、遊技球の増加数(MY)が第2の計数範囲(90000~94999)にある場合、すなわち遊技停止機能作動管理フェーズ=02Hの場合には、第2の計数範囲における「遊技停止予告開始条件」(以下「第2の遊技停止予告開始条件」ともいう)が成立していると、第2遊技停止予告を実行可能な遊技停止コマンド=02Hが決定されるように構成されている。
遊技停止コマンド=02Hに基づく第2遊技停止予告は、第1遊技停止予告とは一部が異なる報知態様で、遊技球の増加数(MY)が規制値になるまで継続して実行されることになる。
なお、本実施形態においては、第1遊技停止予告と第2遊技停止予告とは異なる報知態様としたが、共通の報知態様としてもよい。遊技停止予告の報知態様等については、詳しくは後述する。
また、図458に示す遊技停止コマンド決定テーブルは、遊技球の増加数(MY)が第3の計数範囲(95000~)にある場合において小当り遊技状態または大当り遊技状態であるときには、すなわち遊技停止機能作動管理フェーズ=03Hであるときには、第3遊技停止予告を実行可能な遊技停止コマンド=03Hが決定されるように構成されている。
遊技停止コマンド=02Hに基づく第3遊技停止予告は、第1遊技停止予告及び第2遊技停止予告とは一部が異なる報知態様で、遊技が停止されるまで(小当り遊技状態または大当り遊技状態が終了するまで)継続して実行されることになる。
また、図458に示す遊技停止コマンド決定テーブルは、遊技球の増加数(MY)が第3の計数範囲(95000~)にある場合において小当り遊技状態または大当り遊技状態でないときには、すなわち遊技停止機能作動管理フェーズ=04Hであるときには、遊技停止報知を実行可能な遊技停止コマンド=04Hが決定されるように構成されている。
遊技停止コマンド=04Hに基づく遊技停止報知は、遊技停止予告とは報知態様で、バックアップクリアスイッチ176によりRAMクリアされるまで継続して実行されることになる。
ここで、図458に示すように、第1の計数範囲の「第1の遊技停止予告開始条件」としては、特別図柄の選択図柄z1の大当り遊技状態中、特別図柄の選択図柄z4の大当り遊技状態中、特別図柄の選択図柄z5の大当り遊技状態中、第2時短遊技状態(RUSH遊技状態)、第4時短遊技状態(RUSH遊技状態)、第5時短遊技状態(RUSH遊技状態)のいずれかの遊技状態であることを設定している。
第2時短遊技状態、第4時短遊技状態及び第5時短遊技状態は、いずれもRUSH遊技状態であり、RUSH遊技状態に移行すると大当り遊技状態に移行しやすくなり、遊技者が多量の遊技価値(遊技球)を獲得することが期待できる遊技状態である。特別図柄の選択図柄z1の大当り遊技状態中、特別図柄の選択図柄z4の大当り遊技状態中及び特別図柄の選択図柄z5の大当り遊技状態中は、いずれもその大当り遊技状態の終了後に第5時短遊技状態(RUSH遊技状態)に移行することになり、遊技者が多量の遊技価値(遊技球)を獲得することが期待できる遊技状態である。
したがって、第1の計数範囲の「第1の遊技停止予告開始条件」は、遊技者が多量の遊技価値(遊技球)を獲得することが期待できる遊技状態を設定していることになる。このため、遊技者が多量の遊技価値(遊技球)を獲得することが期待できる遊技状態である場合には、第2の計数範囲よりも事前に遊技停止予告の実行を開始させることができる。
第2の計数範囲の「第2の遊技停止予告開始条件」は、まず実行済みフラグによって分岐されている。この「実行済みフラグ」とは、既に第1遊技停止予告を実行したか否かを判定するためのフラグであり、実行済みフラグ=0は、第1遊技停止予告が実行されていないことを示しており、実行済みフラグ=1は、既に第1遊技停止予告が実行されたことを示している。
そして、第2の計数範囲の「第2の遊技停止予告開始条件」としては、実行済みフラグ=0であるときには、遊技球の増加数(MY)が第1の境界値である90000に到達したことを設定している。
このため、第1遊技停止予告が実行されていない場合には、第1始動口11120や一般入賞口122等に遊技球が入球して所定の賞球が払い出されることにより、遊技球の増加数(MY)が第1の境界値に到達したときであっても、遊技停止予告の実行が開始されることになる。
また、第2の計数範囲の「第2の遊技停止予告開始条件」としては、実行済みフラグ=1であるときには、特別図柄の選択図柄に限定されないすべての大当り遊技状態中、第2時短遊技状態(RUSH遊技状態)、第4時短遊技状態(RUSH遊技状態)、第5時短遊技状態(RUSH遊技状態)のいずれかの遊技状態であることを設定している。
このため、既に第1遊技停止予告が実行された場合には、遊技者が所定の遊技価値(遊技球)を獲得することが期待できる遊技状態になったときに、遊技停止予告の実行が開始されることになる。
一方、既に第1遊技停止予告が実行された場合には、第1始動口11120や一般入賞口122等に遊技球が入球して所定の賞球が払い出されることにより、遊技球の増加数(MY)が第1の境界値に到達したときであっても、遊技停止予告の実行が開始されることはない。このため、第1始動口11120や一般入賞口122等に遊技球が入球して所定の賞球が払い出されて、遊技球の増加数(MY)が第1の境界値に到達したものの、遊技球の発射により遊技球の増加数(MY)が第1の境界値を再び下回った場合(第1の計数範囲と第2の計数範囲とを行き来するような場合)であっても、既に第1遊技停止予告が実行されたときには遊技停止予告の実行が開始されることはなく、遊技停止予告による煩わしさを無くすことができる。
[13-4.主制御処理]
第11のパチンコ遊技機において、主制御回路200のメインCPU201により実行される各種処理(各種モジュール)は、第1のパチンコ遊技機において行われる主制御メイン処理、特別図柄制御処理、普通図柄制御処理及びシステムタイマ割込処理の一部が一部異なるものの、その他の処理については同様である。そこで、以下では、主制御メイン処理、特別図柄制御処理、普通図柄制御処理及びシステムタイマ割込処理について説明し、メインCPU201により実行されるその他の処理についての説明は省略する。
なお、第11のパチンコ遊技機における特別図柄制御処理において行われる処理には、第1のパチンコ遊技機において行われる処理と同じ処理もあるが、以下では、第1のパチンコ遊技機において行われる処理と同じ処理も含めて、ステップ番号を代えて改めて説明する。
[13-4-1.主制御メイン処理]
次に、図459及び図460を参照して、メインCPU201の制御によるメイン処理(主制御メイン処理)について説明する。なお、図459及び図460は、第11のパチンコ遊技機における主制御メイン処理の一例を示すフローチャートである。
まず、メインCPU201は、電断信号ビットが「0」であるか否かを判定する(ステップS11001)。ステップS11001において、メインCPU201が、電断信号ビットが「0」であると判定した場合(ステップS11001がYES判定の場合)、メインCPU201は、電断を検知中であるとして、ステップS11001の判定処理を繰り返す。
ステップS11001において、メインCPU201が、電断信号ビットが「0」でないと判定した場合(ステップS11001がNO判定の場合)、メインCPU201は、電断検知中でないとして、ステップS11002に進む。
次に、メインCPU201は、ステップS11002において、遊技用エリアに係るスタックポインタの設定処理を行う。ここでは、例えば、スタックポインタに、スタックエリア(遊技用エリア)の最終アドレス+1をセットする。そして、以降の処理中、スタックが用いられる場合は、スタックポインタから1を減じた後、そのアドレスにレジスタの値等を格納し、以降同様に、スタックエリア(遊技用エリア)をアドレス値の大きいエリアから小さいエリアに順に使用していく。
次に、ステップS11003において、内蔵レジスタの初期設定処理を行う。ここでは、例えば、内蔵レジスタ初期設定データテーブルを参照して、内蔵レジスタの初期設定を行う。また、所定のレジスタ(例えばQレジスタ)には、メインRAM203の作業領域(遊技用エリア)の先頭アドレス(上位側)「F0」Hがセットされる。
その後、ステップS11004において、所定のレジスタ(例えば、Eレジスタに)に起動時のバックアップクリアスイッチ176の状態情報(オン/オフ状態)と、設定キー差込口に差し込まれる設定キー174の状態情報を格納し、それらの状態を、後の起動状態チェック処理で確認できるようにしている。
次いで、メインCPU201は、ウェイト処理を行う(ステップS11005)。この処理では、メインCPU201は、サブ制御回路300側の起動待ち処理を行う。起動待ち時間(ウェイト期間)はおよそ12000msecである。また、この起動待ち時間において、メインCPU201は、割込み要求信号(XINT)の発生チェック処理、割込み要求信号発生時のWDTの出力処理、所定のタイミングでの磁気センサ初期化信号の出力処理を行う。この処理は、タイムアウトレジスタを用いて行われる。また、割込み禁止中も、例えば、タイマカウンタの更新を行うように制御し、タイマカウンタのタイムアウトが発生したか否かを、タイムアウトレジスタを用いて1命令で判定し、処理を分岐させることで、擬似的に、タイマ割込みが行われたか否かに応じて処理が分岐するような制御を行うことも可能である。
次いで、メインCPU201は、RAMアクセスの設定処理を行う(ステップS11006)。この処理で、メインCPU201は、メインRAM203へのアクセス許可コマンドを、対応するレジスタに送信する。
次に、メインCPU201は、指定領域CRC検査処理を行う(ステップS11007)。この処理で、メインCPU201は、メインRAM203の遊技用エリアと領域外エリアに関するCRC算出を行って、CRC検査を行う。ここで、CRC検査で異常(エラー)と判断された場合には、所定のレジスタ(例えばBレジスタ)にバックアップ異常ありを示すフラグ「1」をセットし、CRC検査で正常と判断された場合には、所定のレジスタに(例えばBレジスタ)、異常なしを示すフラグ「0」をセットする。
なお、CRC検査は、例えば、指定された領域のデータについて、予め定めておいた特定の値で割り、その余りを、異常があるか否かのチェック用の値として使用するものである。異なる時点でこのチェック用の値を算出し、それらが一致しない場合、当該指定された領域のデータに関して、変動があった(データの位置や値に異常があった)と判断することができる。
次に、ステップS11008において、メインCPU201は、起動状態チェック処理を行う。この処理では、CRC検査によりメインRAM203に異常があるか否か、電源投入時の設定キー174、及びバックアップクリアスイッチ176の操作、及び設定変更中の電断復帰か否かに応じて起動状態が決定され、その決定された起動状態に基づいて、メインRAM203のクリア範囲(RAMクリア範囲)が設定される。
ここで、CRC検査で異常(エラー)と判断された場合には、起動状態が「RAM異常」として決定され、RAMのクリア範囲には「異常時RAMクリア範囲」を設定し、遊技復帰不可能エラー処理を行う。遊技復帰不可能エラー処理ではWDTのクリア処理、及びリスタート処理を無限ループで繰り返し、例えば、性能表示モニタ170に「E」の文字を表示するよう制御し、遊技停止の状態となる。なお、クリア範囲としては、異常時RAMクリア範囲が設定されるが、このクリア範囲(異常時RAMクリア範囲)を設定せずにそのまま遊技停止の状態としてもよい。
また、CRC検査で正常と判断され、バックアップクリアスイッチ176が「オフ」であり、かつ、設定キー174は「オフ」である場合には、起動状態が「電断復帰」として決定され、RAMのクリア範囲には「電断復帰時RAMクリア範囲」を設定し、処理を終了する。
また、CRC検査で正常と判断され、バックアップクリアスイッチ176が「オフ」であり、かつ、設定キー174は「オン」である場合には、起動状態が「設定確認中」として決定され、RAMのクリア範囲には「電断復帰時RAMクリア範囲」を設定し、処理を終了する。
また、CRC検査で正常と判断され、バックアップクリアスイッチ176が「オン」であり、かつ、設定キー174が「オン」である場合には、起動状態が「設定変更中」として決定され、RAMのクリア範囲には「設定変更時RAMクリア範囲」を設定し、処理を終了する。
また、CRC検査で正常と判断され、バックアップクリアスイッチ176が「オン」であり、かつ、設定キー174は「オフ」である場合には、起動状態が「RAMクリア」として決定され、RAMのクリア範囲には「設定変更時RAMクリア範囲」を設定し、処理を終了する。
次に、ステップS11009において、メインCPU201は、指定範囲クリア処理を行う。この処理では、メインCPU201は、上記ステップS11008で設定したRAMのクリア範囲のクリアを行う。
ここで、起動状態が「設定変更中」及び「RAMクリア」として決定された場合には、「設定変更時RAMクリア範囲」のクリアが行われる。
また、「設定変更時RAMクリア範囲」には、遊技状態の情報に関する「状態フラグ」及び「普電作動パターン」、後述する「遊技停止機能作動管理フェーズ」が少なくとも含まれている。
このため、起動状態が「設定変更中」及び「RAMクリア」として決定された場合には、「設定変更時RAMクリア範囲」がクリアされることによって、状態フラグ及び普電作動パターンがクリアされて初期状態の「通常遊技状態」が設定される。さらに、起動状態が「設定変更中」及び「RAMクリア」として決定された場合には、「設定変更時RAMクリア範囲」がクリアされることによって、「遊技停止機能作動管理フェーズ」がクリアされて遊技球の増加数に基づく遊技停止状態が解除可能となる。すなわち、バックアップクリアスイッチ176により「RAMクリア」されることにより、初期状態の「通常遊技状態」が設定され、遊技停止状態が解除可能となる。
なお、「設定変更時RAMクリア範囲」には、後述する「獲得遊技球数」、「差玉数カウンタ」、「MY判定用カウンタ」を含めてもよい。
さらに、本実施形態においては、起動状態が「設定変更中」及び「RAMクリア」として決定された場合には、共通の「設定変更時RAMクリア範囲」のクリアが行われるように構成したが、起動状態が「設定変更中」として決定された場合には、「第1のRAMクリア範囲」のクリアが行われるように構成し、起動状態が「RAMクリア」として決定された場合には、「第2のRAMクリア範囲」のクリアが行われるように構成してもよい。このように構成する場合であっても、起動状態が「RAMクリア」として決定された場合の「第2のRAMクリア範囲」には、「状態フラグ」、「普電作動パターン」、「遊技停止機能作動管理フェーズ」が少なくとも含まれていることが望ましい。
次に、ステップS11010において、メインCPU201は、所定のレジスタ(例えば、HLレジスタ)にメインRAM203の領域外エリアに記憶されている電源投入時初期化用データテーブルのアドレスをセットし、このレジスタを参照して、電源投入時初期化用のデータを作業領域に格納する。
次いで、ステップS11011において、メインCPU201は、ステップS11010でセットされた電源投入時初期化用データテーブルのアドレスを用いて、格納対象領域に電源投入時初期化用データテーブルのデータを格納するデータ格納処理を行う。このデータ格納処理は、第3実施形態に係るパチンコ遊技機において実行されるデータ格納処理(図121参照)と同様である。
次いで、ステップS11012において、メインCPU201は、設定変更確認処理を行う。この処理では、メインCPU201は、設定キー174が設定キー差込口に差し込まれて「オン」の状態となっている場合に、設定更新や設定変更の処理を行う。この設定変更確認処理は、第3実施形態に係るパチンコ遊技機において実行される設定変更確認処理(図122、図123参照)と同様である。
次に、ステップS11013において、メインCPU201は、遊技復帰処理を行う。この処理では、メインCPU201は、遊技機の電源投入(起動時)の際に、起動状態に応じて、電断復帰時の初期設定処理を行う。この遊技復帰処理については、詳しくは後述する。
次に、ステップS11014において、メインCPU201は、割込み禁止処理を行う。この処理によって、マスカブル割込みが禁止される。この処理では、メインCPU201は、割込み禁止命令を実行し、その結果、割込み許可レジスタ1の値は「0」となり、割込み許可レジスタ2の値も「0」となる。このように、割込み禁止命令が実行されると(割込み許可レジスタ1の値が「0」の間)、マスカブル割込みは禁止される。
次に、ステップS11015において、メインCPU201は、電断判定処理を行う。この電断判定処理では、メインCPU201は、電断が検知されたか否か(すなわち、XINTが検知されたか否か)を判定し、電断が検知された場合に電断設定処理を行う。電断設定処理では、メインCPU201は、電断検知フラグをメインRAM203の作業領域(領域外エリア)に格納し、メインRAM203の遊技用エリアと領域外エリアに関するCRC算出を行い、CRC算出結果(指定領域CRC値)を、所定のレジスタ(例えば、HLレジスタ)に格納する。その後、RAMアクセス禁止コマンドを所定のレジスタに送信することによって、メインRAM203へのアクセスを禁止して、電断まで待機することになる。この電断設定処理は、第3実施形態に係るパチンコ遊技機において実行される電断設定処理(図125、図126参照)と同様である。
次に、ステップS11016において、メインCPU201は、初期乱数値更新処理を行う。この処理では、メインCPU201は、特別図柄判定用初期値乱数の更新処理を行う。
この後、ステップS11017において、メインCPU201は、性能表示モニタ集計除算処理を行う。この処理は、領域外エリア処理呼出命令でコールされることにより、領域外エリアの処理となる。メインCPU201は、各種ベース値を算出・更新し、各処理は、メインRAM203作業領域(領域外エリア)を使用して行われる。この性能表示モニタ集計除算処理は、第3実施形態に係るパチンコ遊技機において実行される性能表示モニタ集計除算処理(図127、図128参照)と同様である。
次に、ステップS11018において、メインCPU201は、割込み許可処理を行う。この処理によって、マスカブル割込みが許可される。ここで、割込み許可レジスタ1の値と割込み許可レジスタ2の値が共に「1」にセットされる。
次に、ステップS11019において、メインCPU201は、システム周期時間(6msec:割込み周期(2mses)の3倍)が経過したか否かを判定する。具体的には、メインCPU201は、メインRAM203の作業領域(遊技用エリア)の割込みカウンタ領域に格納された値(現在の割込みカウンタの計数値)から3減算した値が「0」であるか否かを判定する。なお、割込みカウンタの値は、後述するシステムタイマ割込み処理において毎に1加算され、システム周期時間経過時には「3」となる。それゆえ、割込みカウンタの値から3減算した値が「0」である場合には、ステップS11019の判定は「YES」となり、割込みカウンタの値から3減算した値が「0」でない場合、ステップS11019の判定は「NO」となる。
ステップS11019において、メインCPU201が、システム周期時間が経過していないと判定した場合(ステップS11019がNO判定の場合)、メインCPU201は、処理をステップS11014の処理に戻し、ステップS11014以降の処理を行う。
一方、ステップS11019において、メインCPU201が、システム周期時間が経過したと判定した場合(ステップS11019がYES判定の場合)、メインCPU201は、ステップS11020において、タイマカウンタ更新処理を行う。この処理は、割込みカウンタ領域に格納された値(割込みカウンタの値)から1減算する処理を3回行うものである。この処理により、主制御メイン処理内の割込み禁止区間を管理する割込みカウンタの値がリセットされる(「0」になる)。
上述のように、本実施形態では、主制御メイン処理内において、後述する遊技制御に関する各種処理の実行前に、6msecの割込み禁止区間(ステップS11014~ステップS11018の処理区間)が設けられる。それゆえ、本実施形態では、後述する遊技制御に関する各種処理は、6msec毎(システム周期毎)に実行されることになる。なお、本実施形態では、割込み禁止区間を割込み周期の3倍とする例を説明したが、本発明はこれに限定されず、例えば、割込み禁止区間を割込み周期の2倍以上で且つ3倍以外の値にしてもよい。
次いで、メインCPU201は、主制御コマンド送受信処理を行う(ステップS11021)。この処理では、メインCPU201は、主に、払出制御のコマンド送受信処理を行う。この主制御コマンド送受信処理は、第3実施形態に係るパチンコ遊技機において実行される主制御コマンド送受信処理(図129参照)と同様である。
次いで、メインCPU201は、特別図柄制御処理を行う(ステップS11022)。この処理では、メインCPU201は、特別図柄ゲームの制御処理を行う。この特別図柄制御処理については、詳しくは後述する。
次いで、メインCPU201は、普通図柄制御処理を行う(ステップS11023)。この処理では、メインCPU201は、普通図柄ゲームの制御処理を行う。この普通図柄制御処理については、詳しくは後述する。
次いで、メインCPU201は、遊技動作表示ユニット制御処理を行う(ステップS11024)。この処理では、メインCPU201は、第1特別図柄表示LED、第2特別図柄表示LED、普通図柄表示LED、保留表示LED等に出力する表示データの設定処理を行う。
次いで、メインCPU201は、遊技情報データ生成処理を行う(ステップS11025)。この処理では、メインCPU201は、外部端子板パルス信号の制御処理、出力データの設定処理等を行う。その後、ステップS11026において、メインCPU201は、試射試験信号の生成処理を行う。なお、試射試験信号の生成処理は、メインRAM203の作業領域(領域外エリア)を使用して行われる。
次いで、メインCPU201は、ポート出力処理を行う(ステップS11027)。この処理では、メインCPU201は、出力ポートへの出力データのセット(転送)処理、WDTの出力処理を行う。
次いで、メインCPU201は、状態監視処理を行う(ステップS11028)。この処理では、メインCPU201は、発射位置判定処理(発射位置に変化があれば、発射位置コマンドの送信予約処理を行う)、遊技異常検知判定処理(異常があれば、遊技異常検知コマンドの送信予約処理を行う)、払出異常検知判定処理(異常があれば、払出異常検知コマンドの送信予約処理を行う)を行う。
そして、ステップS11028の処理後、メインCPU201は、処理をステップS11014の処理に戻し、ステップS11014以降の処理を行う。
上述のように、本実施形態の主制御メイン処理では、起動後、ウェイト処理(ステップS11005)の実行前に、バックアップクリアスイッチ176の状態情報、及び、設定キー174の状態情報の退避する(ステップS11004)。このような処理を設けた場合、例えばウェイト期間中に設定キー差込口に対し設定キー174の操作が行われても(オン/オフされても)、電源投入時におけるこれらの状態情報を確保しておくことができるので、本実施形態では、起動時のバックアップクリアスイッチ176の操作状況、及び設定キー174の操作状況を、より確実に把握して、遊技機に対する操作を正確に識別することができる。
また、上述のように、本実施形態では、主制御メイン処理内において、遊技制御に関する各種処理(ステップS11020以降の処理)の実行前に、6msecの割込み禁止区間(ステップS11014~ステップS11018の処理区間)を設け、割込み禁止区間内で電断処理(ステップS11015)、初期値乱数更新処理(ステップS11016)、性能表示モニタ集計除算処理(ステップS11017)等が行われる。すなわち、本実施形態では、遊技の出玉性能等に影響を与える値や遊技全体を通じて集計される値の管理処理を割込み禁止区間で行う。それゆえ、このような割込み禁止区間を設けることにより、遊技の管理が簡便になり、主制御回路200で行われる処理をより効率よく実行することができ、主制御回路200の処理負荷を軽減することができる。
[13-4-2.遊技復帰処理]
次に、図461を参照して、主制御メイン処理中に行われる遊技復帰処理について説明する。図461は、第11のパチンコ遊技機における遊技復帰処理の一例を示すフローチャートである。
S11040において、メインCPU201は、起動状態をロードする処理を行う。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をS11041に移す。
ここで、本実施形態では、起動状態の値が、「RAM異常」、「電断復帰」、「設定確認中」、「設定変更中」及び「RAMクリア」の5つの状態の値を備えている。ただし、起動状態の値が「RAM異常」であるときには、上記ステップS11008の起動状態チェック処理において無限ループが繰り返され、本処理に移ることはない。このため、本処理においては、起動状態の値が、「電断復帰」、「設定確認中」、「設定変更中」及び「RAMクリア」の4つの状態の値がロードされることになる。
S11041において、メインCPU201は、起動状態の値が「電断復帰」を示す値であるか否かを判定する。メインCPU201は、起動状態の値が「電断復帰」を示す値であると判定された場合には、処理をS11042に移し、起動状態の値が「電断復帰」を示す値でないと判定された場合には、処理をS11043に移す。
S11042において、メインCPU201は、第2初期値設定処理を行う。この第2初期値設定処理においては、メインRAM203内のバックアップ領域に格納されているデータが読み出され、読み出されたデータは、それぞれ、構築されたメインRAM203内の作業領域に格納される。上記データは、例えば、遊技状態情報、特別図柄や普通図柄の当りフラグのオン/オフ状態や保留数情報等、遊技を進行する上で必要となる各種情報である。すなわち、電断時にバックアップされたデータを再びメインRAM203内の作業領域に復帰させることで、電断前と同じ遊技状態に戻すことが可能となる。その後、遊技許可フラグがオンにセットされ、遊技許可状態となり、「電断復帰コマンド」の送信予約処理を行う。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をS11046に移す。
S11043において、メインCPU201は、起動状態の値が「設定変更中」または「設定確認中」を示す値であるか否かを判定する。メインCPU201は、起動状態の値が「設定変更中」または「設定確認中」を示す値であると判定された場合には、処理をS11044に移し、起動状態の値が「設定変更中」または「設定確認中」を示す値でないと判定された場合(すなわちRAMクリアを示す値であると判定された場合)には、処理をS11045に移す。
S11044において、メインCPU201は、「設定操作コマンド」の送信予約処理を行う。なお、この処理で送信予約された設定操作コマンドは、システムタイマ割込処理中の演出制御コマンド送信処理においてサブ制御回路300に送信される。また、遊技許可フラグをオフにセットする。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をS11046に移す。
S11045において、メインCPU201は、第1初期値設定処理を行う。この第1初期値設定処理においては、初期データが生成され、生成された初期データは、それぞれ構築されたメインRAM203内の作業領域に格納される。すなわち、電断時にバックアップされたデータは消去され、遊技状態を、初期化された状態に戻すことが可能となる。その後、遊技許可フラグがオンにセットされ、遊技許可状態となり、「初期化コマンド」の送信予約処理を行う。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をS11046に移す。
S11047において、メインCPU201は、遊技停止機能初期値設定処理を行う。この遊技停止機能初期値設定処理においては、メインRAM203の領域外エリアに記憶されている「遊技停止機能作動管理フェーズ」、「獲得遊技球数」、「差玉数カウンタ」、「MY判定用カウンタ」等の初期設定を行う。この遊技停止機能初期値設定処理の詳細については、詳しくは後述する。メインCPU201は、S11047の処理を実行した後、遊技復帰処理を終了し、処理を主制御メイン処理に戻す。
[13-4-3.遊技停止機能初期値設定処理]
次に、図462を参照して、遊技復帰処理中に行われる遊技停止機能初期値設定処理について説明する。図462は、第11のパチンコ遊技機における遊技停止機能初期値設定処理の一例を示すフローチャートである。
S11047-1において、メインCPU201は、保護レジスタの退避処理を行う。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をS11047-2に移す。
S11047-2において、メインCPU201は、メインRAM203の領域外エリアに記憶されている「獲得遊技球数」をクリアする。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をS11047-3に移す。
ここで、「獲得遊技球数」とは、遊技球の増加数に基づいて遊技を停止させるための関連情報のひとつであり、各種入賞口に遊技球が入球したときに払い出される賞球数の情報を一時的に記憶し、記憶した賞球数を「差玉数カウンタ」に加算するための情報である。
S11047-3において、メインCPU201は、メインRAM203の領域外エリアに記憶されている「MY判定用カウンタ」をクリアする。メインCPU201は、S11047-3の処理を実行した後、処理をS11047-4に移す。
ここで、「MY判定用カウンタ」とは、遊技球の増加数に基づいて遊技を停止させるための関連情報のひとつであり、遊技球の増加数を判定するための情報である。この「MY判定用カウンタ」は、後述するように、「差玉数カウンタ」を1000で除算した情報(「差玉数カウンタ」/1000)に対応している。例えば、差玉数カウンタが89000~89999であれば、MY判定用カウンタ=89となり、差玉数カウンタが90000~90999であれば、MY判定用カウンタ=90となる。
S11047-4において、メインCPU201は、「遊技停止機能作動管理フェーズ」をロードする処理を行う。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をS11047-5に移す。
上述したように、「遊技停止機能作動管理フェーズ」とは、遊技球の増加数に基づいて遊技を停止させるための関連情報のひとつであり、遊技球の増加数に基づき設定され、遊技停止機能の状態を示す情報である。
この「遊技停止機能作動管理フェーズ」は、差玉数カウンタが初期の境界値未満の84999以下のときには、「00H」が設定され、差玉数カウンタが初期の境界値以上から第1の境界値未満(第1の計数範囲)の85000~89999であるときには、「01H」が設定され、差玉数カウンタが第1の境界値以上から規制値未満(第2の計数範囲)の90000~94999であるときには、「02H」が設定される。
また、差玉数カウンタが規制値以上(95000以上)である場合においては、小当り遊技状態または大当り遊技状態であるとき(遊技停止状態前)には「03H」が設定され、小当り遊技状態または大当り遊技状態でないとき(遊技停止状態中)には「04H」が設定されている。
なお、初期の境界値(85000)、第1の境界値(90000)、規制値(95000)の値は、適宜設計変更が自由である。さらに、複数の境界値(初期の境界値、第1の境界値)を無くし、1つの境界値としてもよい。1つの境界値とする場合には、上述した第1の境界値の値を採用することが望ましい。
S11047-5において、メインCPU201は、「遊技停止機能作動管理フェーズ」の値が03H以上であるか(03Hまたは04Hであるか)否かを判定する。メインCPU201は、「遊技停止機能作動管理フェーズ」の値が03H以上であると判定された場合には、処理をS11047-6に移し、「遊技停止機能作動管理フェーズ」の値が03H以上でないと判定された場合には、処理をS11047-7に移す。
S11047-6において、メインCPU201は、メインRAM203の領域外エリアに記憶されている「遊技停止機能作動管理フェーズ」をクリアする(すなわち、「遊技停止機能作動管理フェーズ」に01をセットする)。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をS11047-7に移す。
S11047-7において、メインCPU201は、メインRAM203の領域外エリアに記憶されている「差玉数カウンタ」をクリアする。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をS11047-8に移す。
ここで、「差玉数カウンタ」とは、遊技球の増加数に基づいて遊技を停止させるための関連情報のひとつであり、遊技球の増加数(MY)を計数するための情報である。この「差玉数カウンタ」は、遊技球を払い出した累計の払出数(払出遊技球数)から遊技球の発射した累計の発射球数(発射遊技球数)を減算した数に対応していることになる。
S11047-8において、メインCPU201は、S11047-1で退避させた保護レジスタの復帰処理を行い、遊技停止機能初期値設定処理を終了する。
このように、本実施形態の遊技停止機能初期値設定処理によれば、遊技機の電源投入後(電断復帰後)には、「獲得遊技球数」、「差玉数カウンタ」、「MY判定用カウンタ」がクリアされることになる。
また、遊技機の電源投入後(電断復帰後)に、差玉数カウンタが規制値未満(94999以下)であときには、「遊技停止機能作動管理フェーズ」がクリアされ、差玉数カウンタが規制値以上(95000以上)であときには、「遊技停止機能作動管理フェーズ」が保持されることになる。これにより、差玉数カウンタが規制値以上となった場合(遊技停止機能作動管理フェーズ=03H及び04H)は、バックアップクリアスイッチ176により「RAMクリア」されない限りは、遊技停止状態が保持されることになる。
[13-4-4.特別図柄制御処理]
次に、図463を参照して、主制御メイン処理で行われる特別図柄制御処理について説明する。図463は、第11のパチンコ遊技機における特別図柄制御処理の一例を示すフローチャートである。
図463に示されるように、メインCPU201は、先ず、S11101において、特別図柄の制御状態番号をロードする。特別図柄の制御状態番号は、特別図柄の可変表示(特別図柄ゲーム)に関する制御処理の状態(ステータス)を示す番号である。メインCPU201は、S11101の処理を実行した後、処理をS11102に移す。
なお、図示しないが、メインCPU201は、特別図柄制御処理を実行するにあたり、S11101の処理に先だって、メインRAM203内の特別図柄の作業領域等のアドレスを所定のレジスタにセットするアドレス設定処理を行う。
S11102において、メインCPU201は、S11101でロードした特別図柄の制御状態番号が0であるか否か、すなわち特別図柄の可変表示待ち状態であるか否かを判定する。メインCPU201は、特別図柄の制御番号が0でないと判定した場合には処理をS11108に移し、特別図柄の制御番号が0であると判定した場合には処理をS11103に移す。
S11103において、メインCPU201は、メインRAM203の第2特別図柄始動記憶領域に第2特別図柄の始動情報が記憶されているか否か、すなわち第2特別図柄の保留個数があるか否かを判定する。メインCPU201は、第2特別図柄の始動情報が記憶されていないと判定した場合には処理をS11104に移し、第2特別図柄の始動情報が記憶されていると判定した場合には処理をS11105に移す。
S11104において、メインCPU201は、メインRAM203の第1特別図柄始動記憶領域に第1特別図柄の始動情報が記憶されているか否か、すなわち第1特別図柄の保留個数があるか否かを判定する。メインCPU201は、第1特別図柄の始動情報が記憶されていないと判定した場合には処理をS11107に移し、第1特別図柄の始動情報が記憶されていると判定した場合には、処理をS11106に移す。
S11105において、メインCPU201は、メインRAM203の第2特別図柄始動記憶領域に記憶されている第2特別図柄の始動情報を、メインRAM203の特別図柄判定記憶領域(0)にシフトするシフト処理を行う。このシフト処理では、メインRAM203の第2特別図柄始動記憶領域(1)に記憶された始動情報を特別図柄判定記憶領域(0)にシフトし、第2特別図柄始動記憶領域(2)に記憶された始動情報を第2特別図柄始動記憶領域(1)にシフトすることになる。
S11106において、メインCPU201は、メインRAM203の第1特別図柄始動記憶領域に記憶されている第1特別図柄の始動情報を、メインRAM203の特別図柄判定記憶領域(0)にシフトするシフト処理を行う。このシフト処理では、メインRAM203の第1特別図柄始動記憶領域(1)に記憶された始動情報を特別図柄判定記憶領域(0)にシフトし、第1特別図柄始動記憶領域(2)~第1特別図柄始動記憶領域(4)に記憶された始動情報を第1特別図柄始動記憶領域(1)~第1特別図柄始動記憶領域(3)にシフトすることになる。
S11107において、メインCPU201は、メインRAM203の第1特別図柄始動記憶領域及び第2特別図柄始動記憶領域に特別図柄の始動情報(第1特別図柄及び第2特別図柄の保留個数)が一定時間以上にわたって記憶されていない場合には、デモ表示コマンドの送信予約処理を行う。なお、この処理で送信予約されたデモ表示コマンドは、次回のシステムタイマ割込処理中の演出制御コマンド送信処理(図480参照)において、サブ制御回路300に送信される。そして、デモ表示コマンドをサブ制御回路300が受信すると、サブCPU301はデモ表示演出を行う。
S11108において、メインCPU201は、特別図柄管理処理を行う。この特別図柄管理処理の詳細については、図464を参照して後述する。メインCPU201は、S11103の処理を実行した後、特別図柄制御処理を終了し、処理を主制御メイン処理(図20~図23参照)に戻す。
なお、メインCPU201は、割込み禁止区間を設定し、上述の特別図柄制御処理(S11101~S11108)を、割込み禁止区間内で行うことが好ましい。
このように、本実施形態では、第11のパチンコ遊技機として、第2特別図柄の始動情報が記憶されている場合、第1特別図柄よりも高い優先順位で特別図柄管理処理が実行される優先変動機について説明したが、これに限られない。例えば、第1特別図柄の始動情報が記憶されている場合、第2特別図柄よりも高い優先順位で特別図柄管理処理が実行される優先変動機としてもよいし、第1始動口11120または第2始動口11140への入賞順(入球順)に特別図柄管理処理が実行される順次変動機としてもよい。
[13-4-5.特別図柄管理処理]
次に、図464を参照して、特別図柄制御処理(図463参照)中でメインCPU201により実行される特別図柄管理処理について説明する。図464は、第11のパチンコ遊技機における特別図柄管理処理の一例を示すフローチャートである。
図464に示す各処理の右方に括弧書きで記載した数値(「0」~「7」)は、処理対象となる特別図柄の制御状態番号である。メインCPU201は、制御状態番号に対応する各処理を実行することにより、特別図柄ゲームを進行させる。
S11111において、メインCPU201は、特別図柄の待ち時間(特別図柄タイマカウンタ)が0であるか否かを判定する。この特別図柄の待ち時間は、特別図柄管理処理の各種処理の待ち時間としてセットされ、例えば2msec周期で行われるシステムタイマ割込処理内において特別図柄タイマカウンタとして減算されていくことになる。メインCPU201は、特別図柄の待ち時間が0でないと判定した場合には特別図柄管理処理を終了し、処理を特別図柄制御処理(図463参照)に戻し、特別図柄の待ち時間が0であると判定した場合には処理をS11112に移す。
S11112において、メインCPU201は、特別図柄の制御状態番号をロードする。そして、メインCPU201は、S11112の処理を実行した後、処理をS11113に移す。なお、メインCPU201は、S11112の処理で読み出された制御状態番号に基づいて、S11113以降の処理を行う。
S11113において、メインCPU201は、特別図柄可変表示開始処理を行う。このS11113の処理は、特別図柄の制御状態番号が「0」である場合に行われる処理である。この特別図柄可変表示開始処理の詳細については、図465を参照して後述する。特別図柄の制御状態番号が「0」でない場合には、メインCPU201は、処理をS11114に移す。
S11114において、メインCPU201は、特別図柄可変表示終了処理を行う。このS11114の処理は、特別図柄の制御状態番号が「1」である場合に行われる処理である。この特別図柄可変表示終了処理の詳細については、図466を参照して後述する。特別図柄の制御状態番号が「1」でない場合には、メインCPU201は、処理をS11115に移す。
S11115において、メインCPU201は、特別図柄遊技判定処理を行う。このS11115の処理は、特別図柄の制御状態番号が「2」である場合に行われる処理である。この特別図柄遊技判定処理の詳細については、図470を参照して後述する。特別図柄の制御状態番号が「2」でない場合には、メインCPU201は、処理をS11116に移す。
S11116において、メインCPU201は、小当り遊技閉鎖中処理を行う。このS11116の処理は、特別図柄の制御状態番号が「3」である場合に行われる処理である。この小当り遊技閉鎖中処理の詳細については、図472を参照して後述する。特別図柄の制御状態番号が「3」でない場合には、メインCPU201は、処理をS11117に移す。
S11117において、メインCPU201は、小当り遊技開放中処理を行う。このS11117の処理は、特別図柄の制御状態番号が「4」である場合に行われる処理である。この小当り遊技開放中処理の詳細については、図473を参照して後述する。特別図柄の制御状態番号が「4」でない場合には、メインCPU201は、処理をS11118に移す。
S11118において、メインCPU201は、大入賞口開放準備処理を行う。このS11118の処理は、特別図柄の制御状態番号が「5」である場合に行われる処理である。この大入賞口開放準備処理の詳細については、図474を参照して後述する。特別図柄の制御状態番号が「5」でない場合には、メインCPU201は、処理をS11119に移す。
S11119において、メインCPU201は、大入賞口開放制御処理を行う。このS11119の処理は、特別図柄の制御状態番号が「6」である場合に行われる処理である。この大入賞口開放制御処理の詳細については、図475を参照して後述する。特別図柄の制御状態番号が「6」でない場合には、メインCPU201は、処理をS11120に移す。
S11120において、メインCPU201は、大当り遊技状態終了処理を行う。このS11120の処理は、特別図柄の制御状態番号が「7」である場合に行われる処理である。この大当り遊技状態終了処理の詳細については、図476を参照して後述する。
メインCPU201は、S11113~S11120の処理を終了後、特別図柄管理処理を終了し、処理を特別図柄制御処理(図463参照)に戻す。この場合、特別図柄管理処理が呼び出された処理に戻す。
[13-4-6.特別図柄可変表示開始処理]
次に、図465を参照して、特別図柄管理処理(図464参照)中でメインCPU201により実行される特別図柄可変表示開始処理について説明する。図465は、第11のパチンコ遊技機における特別図柄可変表示開始処理の一例を示すフローチャートである。
S11121において、メインCPU201は、特別図柄の制御状態番号が「0」であるか否かを判定する。メインCPU201は、特別図柄の制御状態番号が「0」でないと判定した場合には、特別図柄可変表示開始処理を終了して処理を特別図柄管理処理(図464参照)に戻し、特別図柄の制御状態番号が「0」であると判定した場合には処理をS11122に移す。
S11122において、メインCPU201は、大当り、小当り、時短当りまたはハズレを判定する特別図柄の当り判定処理を行う。この特別図柄の当り判定処理では、図445に示す特別図柄の当り判定テーブルを参照し、特別図柄判定記憶領域(0)にシフトされた特別図柄の始動情報としての特別図柄の大当り判定用乱数値に基づいて特別図柄の当り判定を行い、その判定結果に応じた当落判定値データを決定する。メインCPU201は、S11122の処理を実行した後、処理をS11123に移す。
S11123において、メインCPU201は、特別図柄の停止図柄を決定するための特別図柄決定処理を行う。この特別図柄決定処理では、図446に示す特別図柄判定テーブルを参照し、上記S11122の特別図柄の当り判定処理の判定結果としての当落判定値データと、特別図柄判定記憶領域(0)にシフトされた特別図柄の始動情報としての特別図柄の図柄乱数値とに基づいて、特別図柄の選択図柄と図柄指定コマンドとを決定する。メインCPU201は、S11123の処理を実行した後、処理をS11124に移す。
なお、上述したように、時短遊技状態においては「時短当り」を無視するように制御する場合には、時短遊技状態において「時短当り」が判定されたとしても、ハズレの停止態様となる特別図柄の選択図柄と図柄指定コマンドを決定すればよい。
S11124において、メインCPU201は、当り種類決定処理を行う。この処理は、特別図柄の当り判定処理の判定結果が大当りまたは小当りである場合に、当りの種類を決定する処理である。この当り種類決定処理では、特別図柄の当り判定処理が大当りである場合には、図447に示す大当り種類決定テーブルを決定し、特別図柄の当り判定処理が小当りである場合には、図448に示す小当り種類決定テーブルを決定する。また、大当り遊技状態の終了後に当選時の遊技状態に基づいて遊技状態等を設定する場合には、大当りまたは小当りと判定されたときの当選時の遊技状態を示す当選時遊技状態データをメインRAM203の当選時遊技状態記憶領域にセットする。メインCPU201は、S11124の処理を実行した後、処理をS11125に移す。
S11125において、メインCPU201は、特別図柄の変動パターンを決定する特別図柄の変動パターン決定処理を行う。この特別図柄の変動パターン決定処理では、遊技状態等に応じて図450、図451及び図452のいずれかの特別図柄の変動パターンテーブルを決定し、決定した特別図柄の変動パターンテーブルを参照し、特別図柄の種別、特別図柄の当り判定処理の結果(当落)と、特別図柄の選択図柄等に基づいて、特別図柄の変動パターンと特別図柄の変動パターンコマンドとを決定する。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をS11126に移す。
本実施形態の特別図柄の変動パターン決定処理では、状態フラグ及び普電作動パターンを参照して通常遊技状態である場合には、図450に示す特別図柄の変動パターンテーブルT1を決定する。そして、決定した特別図柄の変動パターンテーブルT1を参照し、特別図柄の種別と特別図柄の当り判定処理の結果(当落)と特別図柄の選択図柄とリーチ判定用乱数値と演出選択用乱数値とに基づいて、特別図柄の変動パターンと特別図柄の変動パターンコマンドとを決定する。
また、状態フラグ及び普電作動パターンを参照して一般遊技状態(第1時短遊技状態、第3時短遊技状態)である場合には、第1特別図柄の可変表示回数N>10であると特別図柄の変動パターンテーブルJ1を決定し、第1特別図柄の可変表示回数N>10であると特別図柄の変動パターンテーブルJ2を決定し、第1特別図柄の可変表示回数N=0であると特別図柄の変動パターンテーブルJ3を決定する。そして、決定した特別図柄の変動パターンテーブルJ1~J3を参照し、特別図柄の種別と特別図柄の当り判定処理の結果(当落)と特別図柄の選択図柄とリーチ判定用乱数値と演出選択用乱数値とに基づいて、特別図柄の変動パターンと特別図柄の変動パターンコマンドとを決定する。
また、状態フラグ及び普電作動パターンを参照して、第2時短遊技状態または第4時短遊技状態である場合には特別図柄の変動パターンテーブルJ4を決定し、第5時短遊技状態である場合には特別図柄の変動パターンテーブルJ5を決定する。そして、決定した特別図柄の変動パターンテーブルJ4、J5を参照し、特別図柄の種別と特別図柄の当り判定処理の結果(当落)と特別図柄の選択図柄とに基づいて、特別図柄の変動パターンと特別図柄の変動パターンコマンドとを決定する。
S11126において、メインCPU201は、特別図柄の変動表示時間を設定する特別図柄の変動表示時間設定処理を行う。この特別図柄の変動表示時間設定処理では、上記S11125の特別図柄の変動パターン決定処理で決定された特別図柄の変動パターンテーブルを参照し、決定された特別図柄の変動パターンに基づいて特別図柄の変動表示時間を決定する。その後、メインCPU201は、決定した特別図柄の変動表示時間をメインRAM203内の特別図柄の待ち時間にセットし、第1特別図柄表示部163または第2特別図柄表示部164に特別図柄の変動表示を開始させる。メインCPU201は、S11126の処理を実行した後、処理をS11127に移す。
S11127において、メインCPU201は、特別図柄の制御状態番号に「1」をセットする処理を行う。このように、特別図柄の制御状態番号を「1」にセットする処理を行うことにより、この特別図柄可変表示開始処理の終了後に、特別図柄可変表示終了処理(図464参照)が行われることとなる。メインCPU201は、S11127の処理を実行した後、処理をS11128に移す。
S11128において、メインCPU201は、遊技状態指定パラメータ設定処理を行う。この処理では、例えば、メインRAM203内の所定領域に格納されている遊技状態にかかわるパラメータの確認・更新処理等が行われる。そして、現在の遊技状態を示す遊技状態指定コマンドの送信予約処理を行う。なお、この処理で送信予約された遊技状態指定コマンドは、次回のシステムタイマ割込処理中の演出制御コマンド送信処理(図480)において、サブ制御回路300に送信される。メインCPU201は、S11128の処理を実行した後、処理をS11129に移す。
S11129において、メインCPU201は、特別図柄演出開始コマンドの送信予約処理を行う。この処理では、特別図柄演出開始コマンドとして、「図柄指定コマンド」及び「特別図柄の変動パターンコマンド」の送信予約処理を行う。図柄指定コマンドの送信予約処理としては、S11123で決定された図柄指定コマンドの送信予約処理を行う。また、特別図柄の変動パターンコマンドの送信予約処理としては、特別図柄の種別がわかるように、S11125で決定された特別図柄の変動パターンに対応する特別図柄の変動パターンコマンドの送信予約処理を行う。なお、この処理で送信予約された特別図柄演出開始コマンドは、次回のシステムタイマ割込処理中の演出制御コマンド送信処理(図480参照)において、サブ制御回路300に送信される。
なお、メインCPU201は、割込み禁止区間を設定し、上述の特別図柄可変表示開始処理を割込み禁止区間内で行うことが好ましい。
[13-4-7.特別図柄可変表示終了処理]
次に、図466を参照して、特別図柄管理処理(図464参照)中でメインCPU201により実行される特別図柄可変表示終了処理について説明する。図466は、第11のパチンコ遊技機における特別図柄可変表示終了処理の一例を示すフローチャートである。
S11141において、メインCPU201は、特別図柄の制御状態番号が「1」であるか否かを判定する。メインCPU201は、特別図柄の制御状態番号が「1」でないと判定した場合には、特別図柄可変表示開始処理を終了して処理を特別図柄管理処理(図464参照)に戻し、特別図柄の制御状態番号が「1」であると判定した場合には処理をS11142に移す。
S11142において、メインCPU201は、特別図柄の図柄確定時間を設定する特別図柄の図柄確定時間設定処理を行う。この特別図柄の図柄確定時間設定処理では、遊技状態や特別図柄の当り判定処理の結果(当落)に基づいて特別図柄の図柄確定時間(例えば、540ms)を決定する。その後、メインCPU201は、決定した特別図柄の図柄確定時間をメインRAM203内の特別図柄の待ち時間にセットし、第1特別図柄表示部163または第2特別図柄表示部164に特別図柄の停止表示をさせる。メインCPU201は、S11142の処理を実行した後、処理をS11143に移す。
なお、特別図柄の図柄確定時間は、特別図柄の変動パターンに基づいて決定してもよいし、遊技状態のみに基づいて決定してもよい。さらには、予め定められた1つの図柄確定時間(例えば、540ms)を決定してもよい。
S11143において、メインCPU201は、時短管理処理を行う。この時短管理処理では、特別図柄の変動表示を終了したときに、時短遊技状態の終了判定や、B時短遊技状態またはC時短遊技状態への移行判定が行われる。この時短管理処理の詳細については、図467を参照して後述する。メインCPU201は、S11143の処理を実行した後、処理をS11144に移す。
S11144において、メインCPU201は、特別図柄の制御状態番号を「2」にセットする。このように、特別図柄の制御状態番号を「2」にセットする処理を行うことにより、この特別図柄可変表示終了処理の終了後に、特別図柄遊技判定処理(図464のS11115参照)が行われることとなる。メインCPU201は、S11144の処理を実行した後、処理をS11145に移す。
S11145において、メインCPU201は、特別図柄演出停止コマンドの送信予約処理を行う。この特別図柄演出停止コマンドは、第1特別図柄に対応した第1特別図柄演出停止コマンドと第2特別図柄に対応した第2特別図柄演出停止コマンドとで構成されている。なお、この処理で送信予約された特別図柄演出停止コマンドは、次回のシステムタイマ割込処理中の演出制御コマンド送信処理(図480参照)において、サブ制御回路300に送信される。メインCPU201は、S11145の処理を実行した後、特別図柄可変表示終了処理を終了し、処理を特別図柄管理処理(図464参照)に戻す。
[13-4-8.時短管理処理]
次に、図467を参照して、特別図柄可変表示終了処理中でメインCPU201により実行される時短管理処理について説明する。図467は、第11のパチンコ遊技機における時短管理処理の一例を示すフローチャートである。
S11151において、メインCPU201は、特別図柄の時短カウンタを減算する特別図柄の時短カウンタ減算処理を行う。
ここで、本実施形態においてはメインRAM203にある「時短カウンタ」は、時短終了条件の特別図柄の可変表示回数に対応する「特別図柄時短カウンタ」と、時短終了条件の普通図柄の可変表示回数に対応する「普通図柄時短カウンタ」との2種類で構成されている。この「特別図柄時短カウンタ」は、第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示が終了するごとに減算されていく。なお、「普通図柄時短カウンタ」は、ここでは減算されず、後述する普通図柄当り終了処理(図479参照)において減算されることになる。
この特別図柄の時短カウンタ減算処理では、状態フラグを参照して時短遊技状態である場合には、特別図柄時短カウンタから1を減算して更新する処理を行う。なお、通常遊技状態である場合には、特別図柄時短カウンタの減算は行われない。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をS11152に移す。
S11152において、メインCPU201は、状態フラグを参照して時短遊技状態であるか否かを判定する。メインCPU201は、時短遊技状態であると判定した場合には、処理をS11153に移し、時短遊技状態でないと判定した場合には、処理をS11154に移す。
S11153において、メインCPU201は、「特別図柄時短カウンタ」及び「普通図柄時短カウンタ」のいずれかの時短カウンタ=0であるか否かを判定する。メインCPU201は、いずれかの時短カウンタ=0であると判定した場合には、処理をS11154に移し、時短カウンタ=0でないと判定した場合には、処理をS11155に移す。
S11154において、メインCPU201は、時短情報をクリアにする。ここで、時短情報としては、特別図柄時短カウンタ、普通図柄時短カウンタ、状態フラグ、普電作動パターンをクリア(=0をセット)する。このため、時短情報をクリアされると、通常遊技状態に移行することになる。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をS11155に移す。
S11155において、メインCPU201は、B時短遊技状態移行判定処理を行う。
このB時短遊技状態移行判定処理では、B時短遊技状態に移行する特別図柄の可変表示回数を計数するための「天井カウンタ」を加算し、天井カウンタが天井値に到達すると、B時短遊技状態への移行制御を行うことになる。このB時短遊技状態移行判定処理の詳細については、図468を参照して後述する。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をS11156に移す。
S11156において、メインCPU201は、C時短遊技状態移行判定処理を行う。
このC時短遊技状態移行判定処理では、時短当りであるか否かを判定し、時短当りである場合には、特別図柄の選択図柄(時短図柄)に基づいて、C時短遊技状態への移行制御を行うことになる。このC時短遊技状態移行判定処理の詳細については、図469を参照して後述する。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をS11157に移す。
S11157において、状態フラグ及び普電作動パターンを参照して遊技状態を確認して、現在の遊技状態を示す遊技状態指定コマンドを決定する。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をS11158に移す。
本実施形態においては、状態フラグ=1である場合には、通常遊技状態を示す第0遊技状態指定コマンドを決定する。また、状態フラグ=3かつ普電作動パターン=00である場合には、第1時短遊技状態を示す第1遊技状態指定コマンドを決定し、状態フラグ=3かつ普電作動パターン=02である場合には、第2時短遊技状態を示す第2遊技状態指定コマンドを決定し、状態フラグ=3かつ普電作動パターン=01である場合には、第3時短遊技状態を示す第3遊技状態指定コマンドを決定する。また、状態フラグ=2である場合には、第4時短遊技状態を示す第4遊技状態指定コマンドを決定する。また、状態フラグ=1かつ普電作動パターン=02である場合には、第5時短遊技状態を示す第5遊技状態指定コマンドを決定する。
S11158において、メインCPU201は、上記S11157で決定された遊技状態指定コマンドを送信バッファにセットする遊技状態指定コマンドの送信予約処理を行う。なお、この処理で送信予約された遊技状態指定コマンドドは、次回のシステムタイマ割込処理中の演出制御コマンド送信処理(図45)において、サブ制御回路300に送信される。そして、S11158の処理後、メインCPU201は、時短管理処理を終了し、処理を特別図柄可変表示終了処理に戻す。
[13-4-9.B時短遊技状態移行判定処理]
次に、図468を参照して、時短管理処理中でメインCPU201により実行されるB時短遊技状態移行判定処理について説明する。図468は、第11のパチンコ遊技機におけるB時短遊技状態移行判定処理の一例を示すフローチャートである。
S11155-1において、メインCPU201は、天井カウンタを加算する天井カウンタ更新処理を行う。この天井カウンタ更新処理においては、天井カウンタに1を加算して更新する。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をS11155-2に移す。
S11155-2において、メインCPU201は、天井カウンタ=天井値(例えば、950回)であるか否かを判定する。メインCPU201は、天井カウンタ=天井値であると判定した場合には、処理をS11155-3に移し、天井カウンタ=天井値でないと判定した場合には、B時短遊技状態移行判定処理を終了し、処理を時短管理処理に戻す。
S11155-3において、メインCPU201は、天井カウンタをクリア(=0をセット)する。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をS11155-4に移す。
S11155-4において、メインCPU201は、B時短遊技状態に移行させるためのB時短遊技状態設定処理を行う。このB時短遊技状態設定処理においては、図449(c)に示す遊技状態関連設定テーブル3を参照し、B時短遊技状態を示す状態フラグ=2を設定するとともに、普電作動パターン=02を設定し、「B時短終了条件」として「普通図柄時短カウンタ」に時短回数(例えば950回)をセットする。なお、B時短遊技状態設定処理において、普電作動パターン=01または00を設定してもよい。メインCPU201は、本処理を実行した後には、B時短遊技状態移行判定処理を終了し、処理を時短管理処理に戻す。
[13-4-10.C時短遊技状態移行判定処理]
次に、図469を参照して、時短管理処理中でメインCPU201により実行されるC時短遊技状態移行判定処理について説明する。図469は、第11のパチンコ遊技機におけるC時短遊技状態移行判定処理の一例を示すフローチャートである。
S11156-1において、メインCPU201は、状態フラグを参照して通常遊技状態であるか否かを判定する。メインCPU201は、通常遊技状態であると判定した場合には、処理をS11156-2に移し、通常遊技状態でないと判定した場合には、C時短遊技状態移行判定処理を終了し、処理を時短管理処理に戻す。
S11156-2において、メインCPU201は、時短当りであるか否かを判定する。メインCPU201は、時短当りであると判定した場合には、処理をS11156-3に移し、時短当りでないと判定した場合には、C時短遊技状態移行判定処理を終了し、処理を時短管理処理に戻す。
S11156-3において、メインCPU201は、C時短遊技状態に移行させるためのC時短遊技状態設定処理を行う。このC時短遊技状態設定処理においては、図449(b)に示す遊技状態関連設定テーブル2を参照し、特別図柄の選択図柄(時短図柄)に基づいて、状態フラグ=3を設定するとともに、普電作動パターン、「C時短終了条件」として「特別図柄時短カウンタ」または「普通図柄時短カウンタ」に所定の時短回数をセットする。メインCPU201は、本処理を実行した後には、B時短遊技状態移行判定処理を終了し、処理を時短管理処理に戻す。
このように、本実施形態においては、通常遊技状態において時短当りと判定されたときに限り、C時短遊技状態に移行可能となっている。なお、遊技状態によらず、時短当りと判定されたときには、C時短遊技状態に移行可能に構成してもよい。
[13-4-11.特別図柄遊技判定処理]
次に、図470を参照して、特別図柄管理処理中でメインCPU201により実行される特別図柄遊技判定処理について説明する。図470は、第11のパチンコ遊技機における特別図柄遊技判定処理の一例を示すフローチャートである。
S11161において、メインCPU201は、特別図柄の制御状態番号が「2」であるか否かを判定する。メインCPU201は、特別図柄の制御状態番号が「2」でないと判定した場合には、特別図柄遊技判定処理を終了して処理を特別図柄管理処理に戻し、特別図柄の制御状態番号が「2」であると判定した場合には処理をS11162に移す。
S11162において、メインCPU201は、特別図柄の選択図柄を参照し、大当りであるか否か、すなわち停止した特別図柄が大当りに対応した特別図柄の選択図柄であるか否かを判定する。メインCPU201は、大当りであると判定した場合には、処理をS11163に移し、大当りでないと判定した場合には、処理をS11172に移す。
S11163において、メインCPU201は、大当りの外部信号処理を行う。この大当りの外部信号処理においては、特別図柄の選択図柄を参照し、大当り遊技状態のときに外部端子板184を介してホールコンピュータ186に出力される外部信号として「特別図柄の選択図柄に応じた大当り信号」生成する。その後、生成した「特別図柄の選択図柄に応じた大当り信号」を外部端子板184に出力する。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をS11164に移す。
S11164において、メインCPU201は、第1ルート大当り開始準備設定処理を行う。この第1ルート大当り開始準備設定処理においては、図447に示す大当り種類決定テーブルを参照し、大当りの「特別図柄の選択図柄」に基づいて最大ラウンド数を決定し、決定した最大ラウンド数をメインRAM203の大当りラウンド数の上限値にセットする。さらに、図447に示す大当り種類決定テーブルを参照し、大当りの「特別図柄の選択図柄」に基づいてOP待ち時間(オープニング時間)を決定し、決定したOP待ち時間(オープニング時間)をメインRAM203内の特別図柄の待ち時間にセットする。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をS11165に移す。
S11165において、メインCPU201は、大当りの状態表示処理を行う。この大当りの状態表示処理では、上述して決定された最大ラウンド数に応じたラウンド表示LEDデータをセットするとともに、遊技者に右打ちを指示することを報知する右打ち指示データをセットする。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をS11166に移す。
S11166において、メインCPU201は、遊技状態管理処理を行う。大当りであると判定されたときの遊技状態管理処理においては、メインCPU201は、状態フラグ、普電作動パターン及び時短回数をクリアする処理を行う。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をS11167に移す。
S11167において、メインCPU201は、遊技状態指定パラメータ設定処理を行う。この処理では、メインRAM203内の所定領域に格納されている遊技状態にかかわるパラメータの確認・更新処理等を行う。そして、現在の遊技状態を示す遊技状態指定コマンドの送信予約処理を行う。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をS11168に移す。
S11168において、メインCPU201は、特別図柄の制御状態番号を「5」にセットする。なお、特別図柄の制御状態番号を「5」にセットする処理を行うことにより、この特別図柄遊技判定処理の終了後に、後述する大入賞口開放準備処理が行われることとなる。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をS11169に移す。
S11169において、メインCPU201は、大当り開始表示コマンドの送信予約処理を行う。メインCPU201は、本処理を実行した後、今回の特別図柄遊技判定処理を終了し、処理を特別図柄管理処理に戻す。
S11172において、メインCPU201は、特別図柄の選択図柄を参照し、特別図柄の選択図柄を参照し、小当りであるか否か、すなわち停止した特別図柄が小当りに対応した特別図柄の選択図柄であるか否かを判定する。メインCPU201は、小当りであると判定した場合には、処理をS11173に移し、小当りでない(すなわちハズレ)と判定した場合には、処理をS11181に移す。
S11173において、メインCPU201は、小当りの外部信号処理を行う。この小当りの外部信号処理においては、特別図柄の選択図柄を参照し、小当り遊技状態のときに外部端子板184を介してホールコンピュータ186に出力される外部信号として「特別図柄の選択図柄に応じた小当り信号」生成する。その後、生成した小当り信号を外部端子板184に出力する。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をS11174に移す。
S11174において、メインCPU201は、小当り開始準備設定処理を行う。この小当り開始準備設定処理においては、図448に示す小当り種類決定テーブルを参照し、「特別図柄の選択図柄」に基づいて最大開放回数を決定し、決定した最大開放回数をメインRAM203の小当り開放回数の上限値にセットする。次に、図448に示す小当り種類決定テーブルを参照し、「特別図柄の選択図柄」に基づいてOP待ち時間(オープニング時間)を決定し、決定したOP待ち時間(オープニング時間)をメインRAM203内の特別図柄の待ち時間にセットする。
さらに、小当り開始準備設定処理においては、図448に示す小当り種類決定テーブルを参照し、「特別図柄の選択図柄」に基づいて、V入賞口11156の開放パターンとして開放待ち時間を決定し、決定した開放待ち時間をメインRAM203内のV入賞口閉鎖タイマカウンタにセットするとともに、V作動フラグをオンにする。なお、V入賞口11156を開閉させるVシャッタ用ソレノイド11160に関するV入賞制御処理は、後述するシステムタイマ割込処理(図480参照)において行われる。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をS11175に移す。
S11175において、メインCPU201は、小当りの状態表示処理を行う。この小当りの状態表示処理では、遊技者に右打ちを指示することを報知する右打ち指示データをセットする。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をS11177に移す。
S11177において、メインCPU201は、遊技状態指定パラメータ設定処理を行う。この処理では、メインRAM203内の所定領域に格納されている遊技状態にかかわるパラメータの確認・更新処理等を行う。そして、現在の遊技状態を示す遊技状態指定コマンドの送信予約処理を行う。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をS11178に移す。
S11178において、メインCPU201は、特別図柄の制御状態番号を「3」にセットする。なお、特別図柄の制御状態番号を「3」にセットする処理を行うことにより、この特別図柄遊技判定処理の終了後に、後述する小当り遊技閉鎖中処理が行われることとなる。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をS11179に移す。
S11179において、メインCPU201は、小当り開始表示コマンドの送信予約処理の処理を行う。メインCPU201は、S11169の処理を実行した後、今回の特別図柄遊技判定処理を終了し、処理を特別図柄管理処理に戻す。
S11181において、メインCPU201は、特別図柄遊技終了処理を行う。この特別図柄遊技終了処理については、図471を参照して後述する。なお、メインCPU201は、特別図柄遊技終了処理を行うと、特別図柄遊技判定処理を終了し、処理を特別図柄管理処理に戻す。
[13-4-12.特別図柄遊技終了処理]
次に、図471を参照して、特別図柄遊技判定処理中でメインCPU201により実行される特別図柄遊技終了処理について説明する。図471は、第11のパチンコ遊技機における特別図柄遊技終了処理の一例を示すフローチャートである。
S11191において、メインCPU201は、特別図柄の制御状態番号に「0」をセットする。このように、特別図柄の制御状態番号を「0」にセットする処理を行うことにより今回の特別図柄遊技が終了し、特別図柄可変表示開始処理すなわち次回の特別図柄遊技を実行することが可能となる。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をS11192に移す。
S11192において、メインCPU201は、遊技状態指定パラメータ設定処理を行う。この処理では、メインRAM203内の所定領域に格納されている遊技状態にかかわるパラメータの確認・更新処理等を行う。そして、現在の遊技状態を示す遊技状態指定コマンドの送信予約処理を行う。また、特別図柄遊技終了処理における遊技状態指定パラメータ設定処理においては、メインRAM203内の特別図柄判定記憶領域(0)に記憶された始動情報をクリアする。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をS11193に移す。
S11193において、メインCPU201は、特別図柄遊技終了コマンドの送信予約処理を行う。なお、この処理で送信予約された特別図柄遊技終了コマンドは、次回のシステムタイマ割込処理中の演出制御コマンド送信処理(図480)において、サブ制御回路300に送信される。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をS11194に移す。
S11194において、メインCPU201は、第1特別図柄の可変表示回数N=0であるか否かを判定する。メインCPU201は、第1特別図柄の可変表示回数N=0であると判定した場合には、処理をS11195に移し、第1特別図柄の可変表示回数N=0でないと判定した場合には処理をS11196に移す。
S11195において、メインCPU201は、第1特別図柄の可変表示回数Nの再設定処理を行う。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をS11196に移す。
この第1特別図柄の可変表示回数Nの再設定処理では、第1特別図柄の可変表示回数Nとして、第1時短遊技状態の最小の第1時短回数と同じ「50回」を再設定する。
S11196において、メインCPU201は、第1特別図柄の可変表示回数Nの減算処理を行う。この処理では、第1特別図柄の可変表示回数Nから1を減算して更新する処理を行う。そして、メインCPU201は、本処理を実行した後、特別図柄遊技終了処理を終了し、処理を特別図柄遊技判定処理に戻す。
[13-4-13.小当り遊技閉鎖中処理]
次に、図472を参照して、特別図柄管理処理中でメインCPU201により実行される小当り遊技閉鎖中処理について説明する。図472は、第11のパチンコ遊技機における小当り遊技閉鎖中処理の一例を示すフローチャートである。
S11201において、メインCPU201は、特別図柄の制御状態番号が「3」であるか否かを判定する。メインCPU201は、特別図柄の制御状態番号が「3」でないと判定した場合には、小当り遊技閉鎖中処理を終了して処理を特別図柄管理処理に戻し、特別図柄の制御状態番号が「3」であると判定した場合には処理をS11202に移す。
S11202において、メインCPU201は、「小当り開放回数カウンタ値」をロードする。「小当り開放回数カウンタ」は、小当り開放回数を計数するカウンタである。なお、小当り開放回数カウンタの計数値(小当り開放回数カウンタ値)は、メインRAM203内の所定領域に格納される。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をSS11203に移す。
S11203において、メインCPU201は、ロードした小当り開放回数カウンタ値が小当り開放回数の上限値であるか否かを判定する。メインCPU201は、小当り開放回数の上限値であると判定した場合には、処理をS11209に移し、小当り開放回数の上限値でないと判定した場合には、処理をS11204に移す。
S11204において、メインCPU201は、小当り遊技状態において第2大入賞口11151に入球した遊技球の個数(第2大入賞口11151の入賞数)が最大入賞個数でないかを判定する。この処理では、第2大入賞口カウントスイッチ11152により計数された第2大入賞口カウンタの値が、予め規定された第2大入賞口11151の最大入賞個数の値(例えば10個)であるか否かが判定される。メインCPU201は、第2大入賞口11151の入賞数が最大入賞個数でないと判定された場合には、処理をS11205に移し、第2大入賞口11151の入賞数が最大入賞個数であると判定された場合には、処理をS11209に移す。
S11205において、メインCPU201は、小当り開放回数カウンタ値に1を加算する処理を行う。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をS11206に移す。
S11206において、メインCPU201は、第2大入賞口11151を開放させる第2大入賞口の開放設定処理を行う。この第2大入賞口の開放設定処理においては、上記S11124で決定した図448に示す小当り種類決定テーブルを参照し、小当りの「特別図柄の選択図柄」、現在の開放回数(小当り開放回数カウンタ値)に基づいて、今回の第2大入賞口11151の最大開放時間を決定し、決定した最大開放時間をメインRAM203内の特別図柄の待ち時間にセットする。そして、第2特電用ソレノイド11155に対して、第2大入賞口11151を開放させるための第2大入賞口開放制御データを生成する。これにより、第2大入賞口11151が開放することになる。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をS11207に移す。
S11207において、メインCPU201は、特別図柄の制御状態番号を「4」にセットする。このように、特別図柄の制御状態番号を「4」にセットする処理を行うことにより、この小当り遊技閉鎖中処理の終了後に、後述する小当り遊技開放中処理が行われることとなる。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をS11208に移す。
S11208において、メインCPU201は、遊技状態指定パラメータ設定処理を行う。メインCPU201は、遊技状態指定パラメータ設定処理を行う。この処理では、メインRAM203内の所定領域に格納されている遊技状態にかかわるパラメータの確認・更新処理等を行う。そして、現在の遊技状態を示す遊技状態指定コマンドの送信予約処理を行う。メインCPU201は、本処理を実行した後、小当り遊技閉鎖中処理を終了し、処理を特別図柄管理処理に戻す。
S11209において、メインCPU201は、V入賞検出があるか否かを判定する。この処理では、規定時間内にV入賞口11156への遊技球の通過があったか否か(すなわち、V入賞口スイッチ11157による検出があったか否か)を判定する。メインCPU201は、V入賞検出があったと判定した場合には、処理をS11210に移し、V入賞検出がなかったと判定した場合には、処理をS11218に移す。
S11210において、メインCPU201は、第2のルートからの大当りの外部信号処理を行う。この処理では、特別図柄の選択図柄を参照し、大当りのときに外部端子板184を介してホールコンピュータ186に出力される外部信号として「特別図柄の選択図柄に応じた大当り信号」を生成する。その後、生成した「特別図柄の選択図柄に応じた大当り信号」を外部端子板184に出力する。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をSS11211に移す。
S11211において、メインCPU201は、第2ルート大当り開始準備設定処理を行う。この第2ルート大当り開始準備設定処理においては、図447に示す大当り種類決定テーブルを参照し、大当りの「特別図柄の選択図柄」に基づいて最大ラウンド数を決定し、決定した最大ラウンド数をメインRAM203の大当りラウンド数の上限値にセットする。さらに、図447に示す大当り種類決定テーブルを参照し、大当りの「特別図柄の選択図柄」に基づいてOP待ち時間(オープニング時間)を決定し、決定したOP待ち時間(オープニング時間)をメインRAM203内の特別図柄の待ち時間にセットする。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をS11212に移す。
S11212において、メインCPU201は、ラウンドカウンタ値に1を加算する処理を行う。この処理を行うことにより、第2のルートからの大当り遊技状態は、2ラウンド目のラウンド遊技から開始されることとなる。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をS11213に移す。
S11213において、メインCPU201は、大当りの状態表示処理を行う。この大当りの状態表示処理では、上述して決定された最大ラウンド数に応じたラウンド表示LEDデータをセットするとともに、遊技者に右打ちを指示することを報知する右打ち指示データをセットする。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をS11214に移す。
S11214において、メインCPU201は、遊技状態管理処理を行う。大当りであると判定されたときの遊技状態管理処理においては、メインCPU201は、状態フラグ、普電作動パターン及び時短回数カウンタをクリアする処理を行う。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をS11215に移す。
S11215において、メインCPU201は、遊技状態指定パラメータ設定処理を行う。この処理では、メインRAM203内の所定領域に格納されている遊技状態にかかわるパラメータの確認・更新処理等を行う。そして、現在の遊技状態を示す遊技状態指定コマンドの送信予約処理を行う。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をS11216に移す。
S11216において、メインCPU201は、特別図柄の制御状態番号を「5」にセットする。なお、特別図柄の制御状態番号を「5」にセットする処理を行うことにより、この小当り遊技閉鎖中処理の終了後に、大入賞口開放準備処理が行われることとなる。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をS11217に移す。
S11217において、メインCPU201は、V当り開始表示コマンドの送信予約処理を行う。メインCPU201は、S11197の処理を実行した後、小当り遊技開放中処理を終了し、処理を特別図柄管理処理に戻す。
S11218において、メインCPU201は、小当り終了準備設定処理を行う。この小当り終了準備設定処理においては、図448に示す小当り種類決定テーブルを参照し、小当りの「特別図柄の選択図柄」に基づいてED待ち時間(エンディング時間)を決定し、決定したED待ち時間(エンディング時間)をメインRAM203内の特別図柄の待ち時間にセットする。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をS11219に移す。
S11219において、メインCPU201は、小当り終了表示コマンドの送信予約処理を行う。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をS11220に移す。
S11220において、メインCPU201は、特別図柄遊技終了処理を行う。この処理では、図471を参照して説明した特別図柄遊技終了処理が行われる。メインCPU201は、本処理を実行した後、小当り遊技閉鎖中処理を終了し、処理を特別図柄管理処理に戻す。
[13-4-14.小当り遊技開放中処理]
次に、図473を参照して、特別図柄管理処理中でメインCPU201により実行される小当り遊技開放中処理について説明する。図473は、第11のパチンコ遊技機における小当り遊技開放中処理の一例を示すフローチャートである。
S11221において、メインCPU201は、特別図柄の制御状態番号が「4」であるか否かを判定する。メインCPU201は、特別図柄の制御状態番号が「4」でないと判定した場合には、小当り遊技開放中処理を終了して処理を特別図柄管理処理に戻し、特別図柄の制御状態番号が「4」であると判定した場合には処理をS11222に移す。
S11222において、メインCPU201は、第2大入賞口11151の最大開放時間が経過したか否かを判定する。この処理では、第2大入賞口の開放設定処理(図472参照)においてセットされた最大開放時間が経過しているか否かが判定される。メインCPU201は、第2大入賞口11151の最大開放時間が経過していないと判定した場合には、小当り遊技開放中処理を終了し処理を特別図柄管理処理に戻す。また、メインCPU201は、第2大入賞口11151の最大開放時間が経過していると判定した場合には、処理をS11223に移す。
S11223において、メインCPU201は、第2大入賞口11151を閉鎖させる第2大入賞口の閉鎖設定処理を行う。この第2大入賞口の閉鎖設定処理においては、図448に示す小当り種類決定テーブルを参照し、小当りの「特別図柄の選択図柄」、現在の開放回数(小当り開放回数カウンタ値)に基づいて、今回の第2大入賞口11151の閉鎖時間を決定し、決定した閉鎖時間をメインRAM203内の特別図柄の待ち時間にセットする。そして、第2特電用ソレノイド11155に対して、第2大入賞口11151を閉鎖させるための第2大入賞口閉鎖制御データを生成する。これにより、第2大入賞口11151が閉鎖することになる。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をS11224に移す。
S11224において、メインCPU201は、特別図柄の制御状態番号を「3」にセットする。このように、特別図柄の制御状態番号を「3」にセットする処理を行うことにより、この小当り遊技開放中処理の終了後に、上述した小当り遊技閉鎖中処理が行われることとなる。メインCPU201は、本処理を実行した後、小当り遊技開放中処理を終了して処理を特別図柄管理処理に戻す。
[13-4-15.大入賞口開放準備処理]
次に、図474を参照して、特別図柄管理処理中でメインCPU201により実行される大入賞口開放準備処理について説明する。図474は、第11のパチンコ遊技機における大入賞口開放準備処理の一例を示すフローチャートである。
S11231において、メインCPU201は、特別図柄の制御状態番号が「5」であるか否かを判定する。メインCPU201は、特別図柄の制御状態番号が「5」でないと判定した場合には、大入賞口開放準備処理を終了して処理を特別図柄管理処理に戻し、特別図柄の制御状態番号が「5」であると判定した場合には処理をS11232に移す。
S11232において、メインCPU201は、「ラウンドカウンタ値」をロードする。「ラウンドカウンタ」は、大当り遊技状態において実行されるラウンド遊技の実行回数を計数するカウンタである。なお、ラウンドカウンタの計数値(ラウンドカウンタ値)は、メインRAM203内の所定領域に格納される。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をS11233に移す。
S11233において、メインCPU201は、ロードしたラウンドカウンタ値が大当りラウンド数の上限値であるか否かを判定する。メインCPU201は、大当りラウンド数が上限値であると判定した場合には、処理をS11234に移し、大当りラウンド数が上限値でないと判定した場合には、処理をS11238に移す。
S11234において、メインCPU201は、大当り終了準備設定処理を行う。この大当り終了準備設定処理においては、図447に示す大当り種類決定テーブルを参照し、大当りの「特別図柄の選択図柄」に基づいてED待ち時間(エンディング時間)を決定し、決定したED待ち時間(エンディング時間)をメインRAM203内の特別図柄の待ち時間にセットする。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をS11235に移す。
S11235において、メインCPU201は、特別図柄の制御状態番号を「7」にセットする。このように、特別図柄の制御状態番号を「7」にセットする処理を行うことにより、この大入賞口開放準備処理の終了後に、後述する大当り遊技状態終了処理が行われることとなる。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をS11236に移す。
S11236において、メインCPU201は、遊技状態指定パラメータ設定処理を行う。この処理では、メインRAM203内の所定領域に格納されている遊技状態にかかわるパラメータの確認・更新処理等を行う。そして、現在の遊技状態を示す遊技状態指定コマンドの送信予約処理を行う。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をS11237に移す。
S11237において、メインCPU201は、大当り終了表示コマンドの送信予約処理を行う。なお、この処理で送信予約された大当り終了表示コマンドは、次回のシステムタイマ割込処理中の演出制御コマンド送信処理(図480)において、サブ制御回路300に送信される。そして、メインCPU201は、本処理を実行した後、大入賞口開放準備処理を終了し、処理を特別図柄管理処理に戻す。
S11238において、メインCPU201は、ラウンドカウンタ値に1を加算する処理を行う。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をS11239に移す。
S11239において、メインCPU201は、第1大入賞口11131を開放させる第1大入賞口の開放設定処理を行う。この第1大入賞口の開放設定処理においては、図447に示す大当り種類決定テーブルを参照し、大当りの「特別図柄の選択図柄」、現在のラウンド数(ラウンドカウンタ値)に基づいて、今回のラウンドにおける第1大入賞口11131の最大開放時間を決定し、決定した最大開放時間をメインRAM203内の特別図柄の待ち時間にセットする。そして、第1特電用ソレノイド11135に対して、第1大入賞口11131を開放させるための第1大入賞口開放制御データを生成する。これにより、第1大入賞口11131が開放することになる。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をS11240に移す。
S11240において、メインCPU201は、特別図柄の制御状態番号を「6」にセットする。このように、特別図柄の制御状態番号を「6」にセットする処理を行うことにより、この大入賞口開放準備処理の終了後に、大入賞口開放制御処理が行われることとなる。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をS11241に移す。
S11241において、メインCPU201は、遊技状態指定パラメータ設定処理を行う。この処理では、メインRAM203内の所定領域に格納されている遊技状態にかかわるパラメータの確認・更新処理等を行う。そして、現在の遊技状態を示す遊技状態指定コマンドの送信予約処理を行う。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をS11242に移す。
S11242において、メインCPU201は、大入賞口開放中表示コマンドの送信予約処理を行う。この処理で送信予約された大入賞口開放中表示コマンドは、次回のシステムタイマ割込処理中の演出制御コマンド送信処理(図480参照)において、サブ制御回路300に送信される。メインCPU201は、本処理を実行した後、大入賞口開放準備処理を終了し、処理を特別図柄管理処理に戻す。
[13-4-16.大入賞口開放制御処理]
次に、図475を参照して、特別図柄管理処理中でメインCPU201により実行される大入賞口開放制御処理について説明する。図475は、第11のパチンコ遊技機における大入賞口開放制御処理の一例を示すフローチャートである。
S11251において、メインCPU201は、特別図柄の制御状態番号が「6」であるか否かを判定する。メインCPU201は、特別図柄の制御状態番号が「6」でないと判定した場合には、大入賞口開放制御処理を終了して処理を特別図柄管理処理に戻し、特別図柄の制御状態番号が「6」であると判定した場合には処理をS11252に移す。
S11252において、メインCPU201は、第1大入賞口11131が開放されたときに、1つのラウンドにおける第1大入賞口11131に入球した遊技球の入賞数が最大入賞個数であるか否かを判定する。この処理では、第1大入賞口カウントスイッチ11132により計数された第1大入賞口カウンタの値が、予め規定された第1大入賞口11131の最大入賞個数の値(例えば10個)であるか否かが判定される。
メインCPU201は、S11252において第1大入賞口11131の入賞数が最大入賞個数でないと判定した場合には、処理をS11253に移し、第1大入賞口11131の入賞数が最大入賞個数であると判定した場合には、処理をS11254に移す。
S11253において、メインCPU201は、1つのラウンドにおける第1大入賞口11131の最大開放時間が経過したか否かを判定する。この処理では、第1大入賞口の開放設定処理(図474参照)においてセットされた最大開放時間が経過しているか否かが判定される。
メインCPU201は、S11133において第1大入賞口11131の最大開放時間が経過していないと判定した場合には、大入賞口開放制御処理を終了し処理を特別図柄管理処理に戻す。また、メインCPU201は、第1大入賞口11131の最大開放時間が経過していると判定した場合には、処理をS11254に移す。
S11254において、メインCPU201は、第1大入賞口11131を閉鎖させる第1大入賞口の閉鎖設定処理を行う。この第1大入賞口の閉鎖設定処理においては、図447に示す大当り種類決定テーブルを参照し、大当りの「特別図柄の選択図柄」、現在のラウンド数(ラウンドカウンタ値)に基づいて、今回のラウンドにおける第1大入賞口11131の閉鎖時間を決定し、決定した閉鎖時間をメインRAM203内の特別図柄の待ち時間にセットする。そして、第1特電用ソレノイド11135に対して、第1大入賞口11131を閉鎖させるための第1大入賞口閉鎖制御データを生成する。これにより、第1大入賞口11131が閉鎖することになる。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をS11255に移す。
S11255において、メインCPU201は、特別図柄の制御状態番号を「5」にセットする処理を行う。このように、特別図柄の制御状態番号を「5」にセットする処理を行うことにより、この大入賞口開放制御処理の終了後に、再び、大入賞口開放準備処理が行われることとなる。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をS11256に移す。
S11256において、メインCPU201は、遊技状態指定パラメータ設定処理を行う。この処理では、メインRAM203内の所定領域に格納されている遊技状態にかかわるパラメータの確認・更新処理等を行う。そして、現在の遊技状態を示す遊技状態指定コマンドの送信予約処理を行う。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をS11257に移す。
S11257において、メインCPU201は、ラウンド間表示コマンドの送信予約処理を行う。この処理で送信予約されたラウンド間表示コマンドは、次回のシステムタイマ割込処理中の演出制御コマンド送信処理(図480参照)において、サブ制御回路300に送信される。そして、メインCPU201は、本処理を実行した後、大入賞口開制御処理を終了し、処理を特別図柄管理処理に戻す。
[13-4-17.大当り遊技状態終了処理]
次に、図476を参照して、特別図柄管理処理中でメインCPU201により実行される大当り遊技状態終了処理について説明する。図476は、第11のパチンコ遊技機における大当り遊技状態終了処理の一例を示すフローチャートである。
S11261において、メインCPU201は、特別図柄の制御状態番号が「7」であるか否かを判定する。メインCPU201は、特別図柄の制御状態番号が「7」でないと判定した場合には、大当り遊技状態終了処理を終了して処理を特別図柄管理処理に戻し、特別図柄の制御状態番号が「7」であると判定した場合には処理をS11262に移す。
S11262において、メインCPU201は、大当り遊技情報初期化処理を行う。この大当り遊技情報初期化処理では、大当り遊技状態で用いた各種フラグ・データや、各種カウンタ(例えば、ラウンドカウンタ、大入賞口入賞カウンタ等)の値をセットまたはリセットする処理が行われる。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をS11263に移す。
S11263において、メインCPU201は、大当り遊技状態終了後の遊技状態を設定する大当り終了後状態設定処理を行う。この大当り終了後状態設定処理では、図449(a)に示す遊技状態関連設定テーブル1を参照し、特別図柄の選択図柄に基づいて、状態フラグ、普電作動パターン、時短回数として特別図柄の可変表示回数に対応する「特別図柄時短カウンタ」、普通図柄の可変表示回数に対応する「普通図柄時短カウンタ」を設定する。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をS11264に移す。
本実施形態においては、状態フラグとしては、特別図柄の選択図柄が「z1」である場合には、A時短遊技状態を示す状態フラグ=1、普電作動パターン=02、特別図柄時短カウンタ=10000、普通図柄時短カウンタ=120を設定する。
また、特別図柄の選択図柄が「z2」、「z3」である場合には、通常遊技状態を示す状態フラグ=0、普電作動パターン=00、特別図柄時短カウンタ=0、普通図柄時短カウンタ=0を設定する。
また、特別図柄の選択図柄が「z4」、「z5」である場合には、A時短遊技状態を示す状態フラグ=1、普電作動パターン=02、特別図柄時短カウンタ=10000、普通図柄時短カウンタ=120を設定する。
また、特別図柄の選択図柄が「z6」、「z7」である場合には、通常遊技状態を示す状態フラグ=0、普電作動パターン=00、特別図柄時短カウンタ=0、普通図柄時短カウンタ=0を設定する。
S11264において、メインCPU201は、特別図柄遊技終了処理を行う。この処理では、図471を参照して説明した特別図柄遊技終了処理が行われる。メインCPU201は、本処理を実行した後、大当り遊技状態終了処理を終了し、処理を特別図柄管理処理に戻す。
[13-4-18.普通図柄制御処理]
次に、図477を参照して、主制御メイン処理でメインCPU201により実行される普通図柄制御処理について説明する。なお、図477に示される普通図柄制御処理に先だって、メインCPU201は、特別図柄制御処理と同様に、普通図柄の始動情報が記憶され、普通図柄の判定開始条件が成立しているか否かの判定を行っていることは言うまでもない。
図477は、第11のパチンコ遊技機における普通図柄制御処理の一例を示すフローチャートである。なお、図477に示すフローチャート中の各処理の右方に括弧書きで記載した数値(「0」~「4」)は、普通図柄の制御状態番号である。メインCPU201は、普通図柄の制御状態番号に対応する各処理を実行することにより、普通図柄ゲームを進行させる。
S11300において、メインCPU201は、普通図柄の待ち時間が0であるか否かを判定する。この普通図柄の待ち時間は、普通図柄制御処理の各種処理の待ち時間としてセットされ、例えば2msec周期で行われるシステムタイマ割込処理内において普通図柄タイマカウンタとして減算されていくことになる。メインCPU201は、普通図柄の待ち時間が0でないと判定した場合には、普通図柄制御処理を終了し、処理を主制御メイン処理に戻し、普通図柄の待ち時間が0であると判定した場合には処理をS11301に移す。
S11301において、メインCPU201は、普通図柄の制御状態番号をロードする。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をS11310に移す。なお、メインCPU201は、S11201の処理で読み出された制御状態番号に基づいて、S11310以降の処理を行う。
S11310において、メインCPU201は、普通図柄可変表示開始処理を行う。このS11210の処理は、普通図柄の制御状態番号が「0」である場合に行われる処理である。この普通図柄の可変表示開始処理では、普通図柄の当り判定処理、普通図柄決定処理、第2始動口の開放パターン決定処理、普通図柄の変動パターンの決定処理等が行われるが、詳細については、図478を参照して後述する。なお、普通図柄の制御状態番号が「0」でない場合には、メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をS11220に移す。
S11320において、メインCPU201は、普通図柄可変表示終了処理を行う。このS11220の処理は、普通図柄の制御状態番号が「1」である場合に行われる処理である。なお、普通図柄の制御状態番号が「1」でない場合には、メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をS11230に移す。
この普通図柄可変表示終了処理において、メインCPU201は、普通図柄の変動表示時間が終了したか否かの判定を行い、普通図柄の変動表示時間が終了したと判定したときには、予め定められた普通図柄の図柄確定時間(例えば、540msec)を、メインRAM203内の普通別図柄の待ち時間にセットし、普通図柄の制御状態番号を「2」にセットする。なお、普通図柄の変動表示時間が終了していない場合には、普通図柄の制御状態番号を「1」に保持し、普通図柄の変動表示時間が終了することを待機することになる。
S11330において、メインCPU201は、普通図柄遊技判定処理を行う。このS11330の処理は、普通図柄の制御状態番号が「2」である場合に行われる処理である。なお、普通図柄の制御状態番号が「2」でない場合には、メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をS11340に移す。
この普通図柄遊技判定処理において、メインCPU201は、停止表示された普通図柄の選択図柄(例えば、普通図柄当りまたは普通図柄ハズレ)の判定処理を行う。メインCPU201は、停止表示された普通図柄の選択図柄が普通図柄当りに対応すると判定した場合には、普通図柄の制御状態番号を「3」にセットし、普通図柄の当り判定処理の結果がハズレに対応すると判定した場合には、普通図柄の制御状態番号を「0」にセットする。
S11340において、メインCPU201は、普通電動役物開放処理を行う。このS11340の処理は、普通図柄の制御状態番号が「3」である場合に行われる処理である。なお、普通図柄の制御状態番号が「3」でない場合には、メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をS11350に移す。
この普通電動役物開放処理において、メインCPU201は、図456に示す第2始動口の開放パターン決定テーブルを参照し、後述する第2始動口の開放パターン決定処理(図478参照)において決定された第2始動口の開放パターンの動作に従って、普電用シャッタ11147を作動して、第2始動口11140を開閉状態にさせる。そして、普電用の規定個数(例えば3個)の遊技球が第2始動口11140に入球するか、決定した第2始動口の開放パターンの動作がすべて終了すると、第2始動口11140を閉鎖状態にさせ、普通図柄の制御状態番号を「4」にセットし、普通電動役物開放処理を終了する。
S11350において、メインCPU201は、普通図柄当り終了処理を行う。このS11350の処理は、普通図柄の制御状態番号が「4」である場合に行われる処理である。この普通図柄当り終了処理では、時短回数の更新や時短回数の終了判定等が行われるが、詳細については、図479を参照して後述する。なお、普通図柄の制御状態番号が「4」でない場合には、メインCPU201は、処理を主制御メイン処理に戻す。
[13-4-19.普通図柄可変表示開始処理]
次に、図478を参照して、普通図柄制御処理中でメインCPU201により実行される普通図柄可変表示開始処理の詳細について説明する。図478は、第11のパチンコ遊技機における普通図柄可変表示開始処理の一例を示すフローチャートである。
図478に示されるように、メインCPU201は、先ず、普通図柄の制御状態番号が「0」であるか否かを判定する(S11211)。
S11311において普通図柄の制御状態番号が「0」でないと判定された場合、メインCPU201は、普通図柄可変表示開始処理を終了し、処理を普通図柄制御処理に戻す。一方、普通図柄の制御状態番号が「0」であると判定された場合、メインCPU201は、処理をS11312に移す。
S11312において、メインCPU201は、普通図柄の始動情報のシフト処理を行う。この処理では、メインRAM203の普通図柄始動記憶領域(1)に記憶された始動情報を普通図柄判定領域(0)にシフトし、普通図柄始動記憶領域(2)~普通図柄始動記憶領域(4)に記憶された始動情報を普通図柄始動記憶領域(1)~普通図柄始動記憶領域(3)にシフトする。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をS11313に移す。
S11313において、メインCPU201は、普通図柄の当り判定処理を行う。この処理では、メインCPU201は、図454に示す普通図柄の当り判定テーブルを参照し、普通図柄判定領域(0)に記憶された普通図柄当り判定用乱数値に基づいて、普通図柄の当落判定値データ(「普通図柄当り」または「普通図柄ハズレ」)を決定する。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をS11314に移す。
S11314において、メインCPU201は、普通図柄決定処理を行う。この処理では、メインCPU201は、図455に示す普通図柄判定テーブルを参照し、上述の当落判定値データ(普通図柄の当り判定処理の結果)と、普通図柄判定領域(0)に記憶された普通図柄の図柄乱数値とに基づいて、「普通図柄の選択図柄」を決定する。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をS11315に移す。
S11315において、メインCPU201は、第2始動口の開放パターン決定処理を行う。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をS11316に移す。
第2始動口の開放パターン決定処理においては、メインCPU201は、図456に示す第2始動口の開放パターン決定テーブルを参照し、普通図柄当りと判定された場合には、遊技状態(状態フラグ及び普電作動パターン)と、普通図柄の選択図柄とに基づいて、第2始動口の開放パターンを決定する。
S11316において、メインCPU201は、普通図柄の変動パターン決定処理を行う。この処理では、メインCPU201は、図457に示す普通図柄の変動パターンテーブルを参照し、遊技状態と、普通図柄の選択図柄と、普通図柄の演出用乱数値とに基づいて、普通図柄の変動パターンを決定する。そして、メインCPU201は、図457に示す普通図柄の変動パターンテーブルを参照し、決定した普通図柄の変動パターンに基づいて、普通図柄の変動表示時間を決定する。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をS11317に移す。
S11317において、メインCPU201は、普通図柄の変動表示時間設定処理を行う。この処理では、上述した普通図柄の変動パターン決定処理で決定された普通図柄の変動表示時間を、メインRAM203内の普通図柄の待ち時間にセットし、普通図柄表示部161に普通図柄の変動表示を開始させる。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をS11318に移す。
S11318において、メインCPU201は、普通図柄の制御状態番号に「1」をセットする処理を行う。このように、普通図柄の制御状態番号を「1」にセットする処理を行って制御状態番号を切り替えることにより、この普通図柄可変表示開始処理の終了後に、普通図柄可変表示終了処理(図477)が行われることとなる。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をS11319に移す。
S11319において、メインCPU201は、普通図柄の変動パターンコマンドの送信予約処理を行う。なお、この処理で送信予約された普通図柄の変動パターンコマンドは、次回のシステムタイマ割込処理中の演出制御コマンド送信処理(図480参照)において、サブ制御回路1300に送信される。メインCPU201は、本処理を実行した後、普通図柄可変表示開始処理を終了し、処理を普通図柄制御処理に戻す。
[13-4-20.普通図柄当り終了処理]
次に、図479を参照して、普通図柄制御処理中でメインCPU201により実行される普通図柄当り終了処理の詳細について説明する。図479は、第11のパチンコ遊技機における普通図柄当り終了処理の一例を示すフローチャートである。
S11351において、メインCPU201は、普通図柄の制御状態番号が「4」であるか否かを判定する。メインCPU201は、普通図柄の制御状態番号が「4」でないと判定した場合には、普通図柄当り終了処理を終了して処理を普通図柄制御処理に戻し、普通図柄の制御状態番号が「4」であると判定した場合には処理をS11352に移す。
S11352において、メインCPU201は、普通図柄の時短カウンタを減算する普通図柄の時短回数カウンタ減算処理を行う。この普通図柄の時短カウンタ減算処理では、状態フラグを参照して時短遊技状態である場合には、普通図柄時短カウンタから1を減算して更新する処理を行う。これにより、時短回数として普通図柄の可変表示回数を計数することができる。なお、通常遊技状態である場合には、普通図柄時短カウンタの減算は行われない。
メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をS11253に移す。
S11353において、メインCPU201は、普通図柄の時短回数カウンタ=0であるか否かを判定する。メインCPU201は、普通図柄の時短カウンタ=0であると判定した場合には、処理をS11354に移し、普通図柄の時短カウンタ=0でないと判定した場合には、処理をS11355に移す。
S11354において、メインCPU201は、時短情報をクリアにする。ここで、時短情報としては、特別図柄時短カウンタ、普通図柄時短カウンタ、状態フラグ、普電作動パターンをクリア(=0をセット)する。このため、時短情報をクリアされると、通常遊技状態に移行することになる。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をS11355に移す。
S11355において、メインCPU201は、遊技状態指定パラメータ設定処理を行う。この処理では、メインRAM203内の所定領域に格納されている遊技状態にかかわるパラメータの確認・更新処理等を行う。そして、現在の遊技状態を示す遊技状態指定コマンドの送信予約処理を行う。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をS11356に移す。
S11356において、メインCPU201は、普通図柄の制御状態番号を「0」にセットする。このように、普通図柄の制御状態番号を「0」にセットする処理を行うことにより、この普通図柄当り終了処理の終了後に、普通図柄可変表示開始処理(図477参照)が行われることとなる。メインCPU201は、本処理を実行した後、普通図柄当り終了処理を終了し、処理を普通図柄制御処理に戻す。
なお、本実施形態においては、普通図柄当り終了処理において、上記S11352~SS11354に示したような普通図柄の時短回数カウンタ更新処理、普通図柄の時短回数の終了判定を行うように構成したが、普通図柄可変表示終了処理(図477のS11320)において行うように構成してもよい。
[13-4-21.システムタイマ割込処理]
次に、図480を参照して、システムタイマ割込み処理について説明する。この処理は、タイマカウンタ(PTC2)から入力されるタイムアウト割込みが発生した場合に、この割込みに対応する設定領域に定義されている、PTC2タイムアウト割込みのエントリアドレス(プログラムアドレス)に基づいて呼び出される処理であり、例えば、2msecの周期(割込み周期)で実行される。図480は、第11のパチンコ遊技機におけるステムタイマ割込み処理の一例を示すフローチャートである。
S11411において、メインCPU201は、保護レジスタ(例えば、AFレジスタ)の退避処理を行う。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をS11412に移す。
S11412において、メインCPU201は、XINT検知フラグがオフであるか否かを判定する。メインCPU201は、XINT検知フラグがオフでない(すなわち電断検知時である)と判定した場合には処理をS11470に移し、XINT検知フラグがオフである(すなわち電断非検知時である)と判定した場合には処理をS11413に移す。
S11413において、メインCPU201は割込許可処理を行う。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をS11414に移す。
S11414において、メインCPU201は、I/Oポート205の入力ポートの状態の読込処理を行う。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をS11415に移す。
S11415において、メインCPU201は、遊技許可状態であるか否かを判定する。この処理において、メインCPU201は、遊技許可フラグに基づいて、遊技許可状態であるか否かを判定する。遊技許可フラグは、遊技許可フラグがオン(=1)であるときには、遊技許可状態を示し、遊技許可フラグがオフ(=0)であるときには、遊技不許可状態を示すものである。遊技許可フラグは、電源投入時の起動状態として、電断復帰及びRAMクリアのときには、遊技許可フラグがオン(=遊技許可状態)にセットされ、設定変更中または設定確認中のときには、遊技許可フラグがオフ(=遊技不許可状態)にセットされているフラグでもある。メインCPU201は、遊技許可状態であると判定した場合には処理をS11416に移し、遊技許可状態でないと判定した場合には処理をS11440に移す。
S11415において、メインCPU201は、遊技停止状態でないか否かを判定する。この処理において、メインCPU201は、遊技停止状態フラグに基づいて、遊技停止状態でないか否かを判定する。
ここで、「遊技停止状態フラグ」とは、遊技球の増加数に基づいて遊技が停止されている状態か否かを示す情報であり、遊技停止状態フラグがオン(=1)であるときには、「遊技停止状態」を示し、遊技停止状態フラグがオフ(=0)であるときには、「遊技進行状態」を示すものである。詳しくは後述するが、遊技停止状態フラグは、遊技停止機能作動管理フェーズ=04Hのときにオンとなる。
メインCPU201は、遊技停止状態でないと判定した場合には処理をS11417に移し、遊技停止状態であると判定した場合には処理をS11450に移す。
S11417において、メインCPU201は、割込みカウンタの値を1加算する処理を実行する。割込みカウンタは、主制御メイン処理中の割込禁止区間を計数(管理)するためのカウンタであり、割込みカウンタの計数値は、メインRAM203の作業領域内の割込カウンタ領域に格納される。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をS11418に移す。
S11418において、メインCPU201は、割込み周期タイマの更新処理を行う。割込み周期タイマの更新処理においては、メインRAM203の作業領域内の特別図柄タイマカウンタ、普通図柄タイマカウンタ、V入賞口閉鎖タイマカウンタ、V入賞口開放タイマカウンタ等の各種タイマカウンタを減算していく。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をS11419に移す。
S11419において、メインCPU201は乱数更新処理を行う。この乱数更新処理では、各種乱数カウンタ(例えば、大当り判定用乱数値の大当り判定用乱数カウンタ等)の更新処理が行われる。このように、所定周期(本実施例では2msec)で乱数更新処理を行うことにより、出玉にかかわる重要な要素である各種乱数の信頼性を担保することが可能となる。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をS11420に移す。
S11420において、メインCPU201は、スイッチ入力検出処理を行う。このスイッチ入力検出処理の詳細については、図484を参照して後述する。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をS11430に移す。
S11430において、メインCPU201は、遊技LED点灯データ出力処理を行う。この遊技LED点灯データ出力処理においては、遊技状態等応じて、普通図柄表示部161、普通図柄用保留表示部162、第1特別図柄表示部163、第2特別図柄表示部164、第1特別図柄用保留表示部165、第2特別図柄用保留表示部166および時短報知用表示部168のLEDに点灯表示させるLEDデータの出力を制御する処理である。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をS11431に移す。
S11431おいて、メインCPU201は、V作動フラグがオンである場合には、V入賞口11156を開閉させるV入賞制御処理を行う。このV入賞制御処理においては、V作動フラグがオンであり、開放待ち時間が経過した(V入賞口閉鎖タイマカウンタ=0)場合には、「特別図柄の選択図柄」に基づいて、V入賞口11156の開放パターンとして開放時間を決定し、決定した開放時間をメインRAM203内のV入賞口開放タイマカウンタにセットするとともに、Vシャッタ用ソレノイド11160に対して、V入賞口11156を開放させるためのV入賞口開放制御データを出力する。なお、V入賞口開放制御データは、V入賞口開放タイマカウンタが0でない限り、継続して出力される。そして、V作動フラグがオンであり、V入賞口開放制御データが出力されているときに、開放時間が経過した(V入賞口開放タイマカウンタ=0)場合には、V入賞口開放制御データの出力を停止し、V作動フラグをオフにする。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をS11451に移す。
S11440において、メインCPU201は、設定制御処理を行う。この設定制御処理では、設定変更または設定確認が行われる。この設定制御処理は、第1の遊技機において実行される設定制御処理(図46~図48参照)と同様である。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をS11431に移す。
S11450において、メインCPU201は、遊技停止機能設定処理を行う。この遊技停止機能設定処理では、遊技球の増加数に基づいて遊技を停止させる機能に関する各種コマンドや遊技停止状態フラグの設定等が行われる。遊技停止機能設定処理については、詳しくは後述する。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をS11430に移す。
S11451において、メインCPU201は、演出制御コマンド送信処理を行う。この処理では、送信予約されているコマンドを主制御回路200からサブ制御回路300に送信する。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をS11452に移す。
S11452において、メインCPU201は、性能表示モニタ制御処理を行う。性能表示モニタ制御処理は、メインRAM203の作業領域(領域外エリア)を使用して行われる。この性能表示モニタ制御処理では、遊技判定処理、賞球加算判定処理、性能表示モニタ170の表示内容更新処理等が行われる。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をS11435に移す。
S11460において、メインCPU201は、遊技停止データ更新処理を行う。遊技停止データ更新処理は、メインRAM203の作業領域(領域外エリア)を使用して行われる。この遊技停止データ更新処理では、遊技停止機能作動管理フェーズ、獲得遊技球数、差玉数カウンタ、MY判定用カウンタの更新制御を行う。遊技停止データ更新処理については、詳しくは後述する。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をS11470に移す。
S11470において、メインCPU201は、S11411で退避させた保護レジスタの復帰処理を行い、システムタイマ割込処理を終了する。
このように、本実施形態のシステムタイマ割込み処理によれば、遊技停止状態であるときには、スイッチ入力検出処理が行われなくなる。すなわち、遊技停止状態となったときには、第1始動口11120、第2始動口11140、第1大入賞口11131、第2大入賞口11151、一般入賞口122等に遊技球が入球または通過しても、遊技球の払い出しや各種乱数値の取得が行われなくなる(各種入賞口への遊技球の入球または通過が無効となる)。
[13-4-22.遊技停止機能設定処理]
次に、図481を参照して、システムタイマ割込み処理中に行われる遊技停止機能設定処理について説明する。図481は、第11のパチンコ遊技機における遊技停止機能設定処理の一例を示すフローチャートである。
S11450-1において、メインCPU201は、遊技停止状態フラグに基づいて、遊技停止状態であるか否かを判定する。
メインCPU201は、遊技停止状態であると判定した場合には処理をS11450-11に移し、遊技停止状態でないと判定した場合には処理をS11450-2に移す。
S11450-2において、メインCPU201は、「遊技停止機能作動管理フェーズ」をロードする処理を行う。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をS11450-3に移す。
S11450-3において、メインCPU201は、遊技停止コマンドの決定処理を行う。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をS11450-4に移す。
上述したように、「遊技停止コマンド」とは、遊技球の増加数(MY)に応じて遊技が停止されることに関する情報をサブ制御回路300に送信するコマンドである。サブ制御回路300では、遊技停止コマンドを受信することにより、表示装置7等において事前に遊技が停止される旨の「遊技停止予告」や遊技停止状態であることの「遊技停止報知」を行うことが可能となる。
この遊技停止コマンドの決定処理においては、遊技停止機能作動管理フェーズをロードし、遊技停止機能作動管理フェーズが更新された場合において、遊技停止機能作動管理フェーズ≧01Hであるときには、更新された遊技停止機能作動管理フェーズの値と「所定の遊技停止予告開始条件」とに基づいて、遊技停止機能作動管理フェーズの値を遊技停止コマンドとして決定する。
具体的には、図458に示すように、更新された遊技停止機能作動管理フェーズが01Hである場合に、「第1の遊技停止予告開始条件」が成立していれば、第1遊技停止予告を実行可能な遊技停止コマンドとして01Hを決定し、更新された遊技停止機能作動管理フェーズが02Hである場合に、「第2の遊技停止予告開始条件」が成立していれば、第2遊技停止予告を実行可能な遊技停止コマンドとして02Hを決定する。また、更新された遊技停止機能作動管理フェーズが03Hである場合には、第3遊技停止予告を実行可能な遊技停止コマンドとして03Hを決定し、更新された遊技停止機能作動管理フェーズが04Hである場合には、遊技停止報知を実行可能な遊技停止コマンドとして04Hを決定する。
また、本実施形態では、第1遊技停止予告を実行可能な遊技停止コマンドとして01Hを決定した場合には、実行済みフラグ=01Hをセットし、第1遊技停止予告を実行したことを記憶する。
なお、更新された遊技停止機能作動管理フェーズが00Hである場合や、遊技停止機能作動管理フェーズが更新されていない場合には、遊技停止コマンドを決定せずに、差玉数コマンドの決定処理を終了することになる。
S11450-4において、メインCPU201は、上記S11450-3で決定した遊技停止コマンドを送信バッファにセットする遊技停止コマンド送信予約処理を行う。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をS11450-5に移す。
S11450-5において、メインCPU201は、「MY判定用カウンタ」をロードする処理を行う。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をS11450-6に移す。
S11450-6において、メインCPU201は、差玉数コマンドの決定処理を行う。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をS11450-7に移す。
ここで、「差玉数コマンド」とは、MY判定用カウンタの値(差玉数カウンタの値)に関する情報をサブ制御回路300に送信するコマンドである。サブ制御回路300では、差玉数コマンドを受信することにより、表示装置7等において遊技球の増加数(MY)に関する情報を報知させることが可能となる。
この差玉数コマンドの決定処理においては、MY判定用カウンタの値をロードし、MY判定用カウンタが更新された場合に、MY判定用カウンタの値を差玉数コマンドとして決定する。
また、MY判定用カウンタが更新されていない場合には、差玉数コマンドを決定せずに、差玉数コマンドの決定処理を終了することになる。
S11450-7において、メインCPU201は、上記S11450-6で決定した差玉数コマンドを送信バッファにセットする差玉数コマンド送信予約処理を行う。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をS11450-11に移す。
なお、本実施形態においては、遊技停止コマンドに加えて差玉数コマンドも送信するように構成したが、差玉数コマンドは決定・送信することはせずに、遊技停止コマンドのみを決定・送信するように構成してもよい。このように構成する場合には、上記S11450-5~S11450-7の処理を省略(削除)すればよい。
S11450-11において、メインCPU201は、遊技停止状態フラグに基づいて、遊技停止状態であるか否かを判定する。
メインCPU201は、遊技停止状態であると判定した場合には処理をS11450-21に移し、遊技停止状態でないと判定した場合には処理をS11450-12に移す。
S11450-12において、メインCPU201は、「遊技停止機能作動管理フェーズ」をロードする処理を行う。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をS11450-13に移す。
S11450-13において、メインCPU201は、遊技停止機能作動管理フェーズ=04Hであるか否かを判定する。すなわち、遊技停止機能作動管理フェーズ=04Hにより、差玉数カウンタが規制値以上(95000以上)であり、小当り遊技状態または大当り遊技状態でないことが判定される。
メインCPU201は、遊技停止機能作動管理フェーズ=04Hであると判定した場合には処理をS11450-14に移し、遊技停止機能作動管理フェーズ=04Hでないと判定した場合には処理をS11450-21に移す。
S11450-14において、メインCPU201は、「遊技停止状態フラグ」をオン(=1)にする処理を行う。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をS11450-21に移す。
このように、差玉数カウンタが規制値以上であり、小当り遊技状態または大当り遊技状態でないときには、遊技停止状態フラグがオンとなり遊技停止状態となる。
S11450-21において、メインCPU201は、遊技停止状態フラグに基づいて、遊技停止状態であるか否かを判定する。
メインCPU201は、遊技停止状態であると判定した場合には処理をS11450-22に移し、遊技停止状態でないと判定した場合には遊技停止機能設定処理を終了する。
S11450-22において、メインCPU201は、各種のソレノイドデータを初期化する処理を行う。メインCPU201は、本処理を実行すると、遊技停止機能設定処理を終了する。
このS11450-22の処理により、遊技停止状態フラグがオンとなり遊技停止状態となったときには、各種のソレノイドが駆動しなくなる。すなわち、遊技停止状態となったときには、第2始動口11140、第1大入賞口11131、第2大入賞口11151等が開放しなくなることになる。
[13-4-23.遊技停止データ更新処理]
次に、図482及び図483を参照して、システムタイマ割込み処理中に行われる遊技停止データ更新処理について説明する。図482及び図483は、第11のパチンコ遊技機における遊技停止データ更新処理の一例を示すフローチャートである。
S11460-1において、メインCPU201は、レジスタ(例えば、AFレジスタ等)の退避処理を行う。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をS11412に移す。
S11460-2において、メインCPU201は、遊技球が払い出される各種の賞球スイッチ(第1始動口スイッチ11121、第2始動口スイッチ11141、第1大入賞口カウントスイッチ11132、第2大入賞口カウントスイッチ11152、一般入賞口スイッチ123)の検出があったか否かを判定する。
メインCPU201は、賞球スイッチの検出があったと判定した場合には処理をS11460-3に移し、賞球スイッチの検出がないと判定した場合には処理をS11460-11に移す。
S11460-3において、メインCPU201は、上記賞球スイッチで検出された入賞口の「賞球数」をロードする処理を行う。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をS11460-4に移す。
S11460-4において、メインCPU201は、「獲得遊技球数」をロードする処理を行う。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をS11460-5に移す。
S11460-5において、メインCPU201は、獲得遊技球数に賞球数を加算する処理を行う。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をS11460-11に移す。
S11460-11において、メインCPU201は、遊技停止状態フラグに基づいて、遊技停止状態であるか否かを判定する。
メインCPU201は、遊技停止状態であると判定した場合には処理をS11460-21に移し、遊技停止状態でないと判定した場合には処理をS11460-12に移す。
S11460-12において、メインCPU201は、獲得遊技球数=0であるか否かを判定する。
メインCPU201は、獲得遊技球数=0であると判定した場合には処理をS11460-15に移し、獲得遊技球数=0でないと判定した場合には処理をS11460-13に移す。
S11460-13において、メインCPU201は、「差玉数カウンタ」をロードする処理を行う。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をS11460-14に移す。
S11460-14において、メインCPU201は、差玉数カウンタに獲得遊技球数を加算する処理を行う。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をS11460-15に移す。
S11460-15において、メインCPU201は、獲得遊技球数をクリアする処理を行う。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をS11460-16に移す。
S11460-16において、メインCPU201は、遊技球回収スイッチ11179の検出があったか否かを判定する。
メインCPU201は、遊技球回収スイッチ11179の検出があったと判定した場合には処理をS11460-17に移し、遊技球回収スイッチ11179の検出がないと判定した場合には処理をS11460-21に移す。
S11460-17において、メインCPU201は、差玉数カウンタから1を減算する処理を行う。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をS11460-18に移す。
S11460-18において、メインCPU201は、差玉数カウンタが下限値以下であるか否かを判定する。ここで、差玉数カウンタの下限値は「0」に設定されている。
メインCPU201は、差玉数カウンタが下限値(=0)以下であると判定した場合には処理をS11460-19移し、差玉数カウンタが下限値(=0)以下でないと判定した場合には処理をS11460-21に移す。
S11460-19において、メインCPU201は、差玉数カウンタに0をセットする。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をS11460-21に移す。
このS11460-18及びS11460-19の処理により、差玉数カウンタが0となった場合には、それ以降減算されなくなる。なお、上記S11460-18及び上記S11460-19の処理を省略(削除)して、差玉数カウンタが0以下となるように構成してもよい。
また、上記S11460-2の処理~上記S11460-19の処理により、差玉数カウンタは、遊技球を払い出した累計の払出数(払出遊技球数)から遊技球の発射した累計の発射球数(発射遊技球数)を減算した数となり、「遊技球の増加数(MY)」に対応することになる。
S11460-21において、メインCPU201は、「MY判定用カウンタ」をロードする処理を行う。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をS11460-22に移す。
S11460-22において、メインCPU201は、MY判定用カウンタ≧95であるか否かを判定する。ここで、MY判定用カウンタの値は、「差玉数カウンタ」を1000で除算した情報(「差玉数カウンタ」/1000)に対応した値である。このため、MY判定用カウンタ≧95により、差玉数カウンタが規制値以上(95000以上)であるか否かが判定されることになる。
メインCPU201は、MY判定用カウンタ≧95であると判定した場合には処理をS11460-31移し、MY判定用カウンタ≧95でないと判定した場合には処理をS11460-23に移す。
S11460-23において、メインCPU201は、「差玉数カウンタ」をロードする処理を行う。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をS11460-24に移す。
S11460-24において、メインCPU201は、差玉数カウンタを1000で除算(「差玉数カウンタ」/1000)する差玉数カウンタの除算処理を行う。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をS11460-25に移す。
S11460-25において、メインCPU201は、上記S11460-24の除算結果をMY判定用カウンタにセットする処理を行う。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をS11460-26に移す。
このS11460-25の処理により、MY判定用カウンタの値は、「差玉数カウンタ」を1000で除算した情報(「差玉数カウンタ」/1000)に対応した値となる。なお、上記S11460-22~上記S11460-25の処理を省略(削除)して、MY判定用カウンタの値が差玉数カウンタと等しい値となるように構成してもよい。
S11460-31において、メインCPU201は、MY判定用カウンタが更新されたか否かを判定する。
メインCPU201は、MY判定用カウンタが更新されたと判定した場合には処理をS11460-32移し、MY判定用カウンタが更新されていないと判定した場合には処理をS11460-41に移す。
S11460-32において、メインCPU201は、遊技停止状態フラグに基づいて、遊技停止状態であるか否かを判定する。
メインCPU201は、遊技停止状態であると判定した場合には処理をS11460-41に移し、遊技停止状態でないと判定した場合には処理をS11460-33に移す。
S11460-33において、メインCPU201は、「遊技停止機能作動管理フェーズ」をロードする処理を行う。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をS11460-34に移す。
S11460-34において、メインCPU201は、遊技停止機能作動管理フェーズ≧03Hであるか否かを判定する。ここで、遊技停止機能作動管理フェーズ≧03Hとは、遊技停止機能作動管理フェーズ=03Hまたは04Hであり、差玉数カウンタが規制値(95000以上)以上である場合に設定されている値である。
メインCPU201は、遊技停止機能作動管理フェーズ≧03Hであると判定した場合には処理をS11460-41に移し、遊技停止機能作動管理フェーズ≧03Hでないと判定した場合には処理をS11460-35に移す。
S11460-35において、メインCPU201は、MY判定用カウンタの値に基づいて、遊技停止機能作動管理フェーズ設定処理を行う。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をS11460-41に移す。
この遊技停止機能作動管理フェーズ設定処理においては、MY判定用カウンタの値が、差玉数カウンタの初期の境界値未満に対応する値(MY判定用カウンタ<85)のときには、遊技停止機能作動管理フェーズに「00H」をセットする。
また、MY判定用カウンタの値が、差玉数カウンタの初期の境界値以上から第1の境界値未満に対応する値(85≦MY判定用カウンタ<90)のときには、遊技停止機能作動管理フェーズに「01H」をセットする。
また、MY判定用カウンタの値が、差玉数カウンタの第1の境界値以上から規制値未満に対応する値(90≦MY判定用カウンタ<95)のときには、遊技停止機能作動管理フェーズに「02H」をセットする。
また、MY判定用カウンタの値が、差玉数カウンタの規制値以上に対応する値(MY判定用カウンタ≧95)のときには、遊技停止機能作動管理フェーズに「03H」をセットする。
このように、遊技停止機能作動管理フェーズ設定処理においては、MY判定用カウンタの値に基づいて遊技停止機能作動管理フェーズの値が更新されていくことになる。
また、遊技停止機能作動管理フェーズ設定処理においては、上記S11460-34の処理により、既に遊技停止機能作動管理フェーズ=03Hまたは04Hであるときには、ここでは更新されないことになる。すなわち、遊技停止機能作動管理フェーズ設定処理においては、遊技停止機能作動管理フェーズが00H、01Hまたは02Hであるときに、遊技停止機能作動管理フェーズが00H、01H、02Hまたは03Hに更新されることになる。
S11460-41において、メインCPU201は、「遊技停止機能作動管理フェーズ」をロードする処理を行う。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をS11460-42に移す。
S11460-42において、メインCPU201は、遊技停止機能作動管理フェーズ=03Hであるか否かを判定する。ここで、遊技停止機能作動管理フェーズ=03Hとは、差玉数カウンタが規制値(95000以上)以上である場合において、遊技停止状態前に設定されている値である。このため、遊技停止機能作動管理フェーズ=03Hにより、差玉数カウンタが規制値以上(95000以上)であるものの、遊技が停止されていない状態であるか否かが判定されることになる。
メインCPU201は、遊技停止機能作動管理フェーズ=03Hであると判定した場合には処理をS11460-43に移し、遊技停止機能作動管理フェーズ=03Hでないと判定した場合には処理をS11460-50に移す。
S11460-43において、メインCPU201は、特別図柄の制御状態番号≧03であるか否かを判定する。ここで、特別図柄の制御状態番号≧03とは、後述するように小当り遊技状態または大当り遊技状態であるときに設定されている値である。このため、特別図柄の制御状態番号≧03により、小当り遊技状態または大当り遊技状態であるか否かが判定されることになる。
メインCPU201は、特別図柄の制御状態番号≧03であると判定した場合には処理をS11460-50に移し、特別図柄の制御状態番号≧03でないと判定した場合には処理をS11460-44に移す。
S11460-44において、メインCPU201は、遊技停止機能作動管理フェーズに「04H」をセットする処理を行う。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をS11460-50に移す。
このように、差玉数カウンタが規制値以上(95000以上)である場合には、小当り遊技状態または大当り遊技状態でないときに、遊技停止機能作動管理フェーズが「03H」から「04H」に更新されることになる。また、遊技停止機能作動管理フェーズが「04H」は、上述したように、バックアップクリアスイッチ176により「RAMクリア」されない限りは、その値が保持される(変更されない)ことになる。
S11460-50において、メインCPU201は、S11460-1で退避させたレジスタの復帰処理を行い、遊技停止データ更新処理を終了する。
このように、本実施形態の遊技停止データ更新処理によれば、差玉数カウンタが規制値未満に対応した遊技停止機能作動管理フェーズが00H、01Hまたは02Hであるときには、MY判定用カウンタの値(差玉数カウンタの値)に基づいて遊技停止機能作動管理フェーズの値が適宜変更されていき、繰り下がることも、繰り上がることも可能である。
しかしながら、差玉数カウンタが規制値以上に対応した遊技停止機能作動管理フェーズ=03Hまたは04Hであるときには、仮にMY判定用カウンタの値(差玉数カウンタの値)が規制値を下回ったとしても、遊技停止機能作動管理フェーズの値が繰り下がる(03Hから02Hに変更される)ことができないように構成されている。
[13-4-24.スイッチ入力検出処理]
次に、図484を参照して、システムタイマ割込処理(図480参照)中でメインCPU201により実行されるスイッチ入力検出処理について説明する。図484は、第11のパチンコ遊技機におけるスイッチ入力検出処理の一例を示すフローチャートである。
第11のパチンコ遊技機は、第1のパチンコ遊技機と比して、第1大入賞口カウントスイッチ11132、第2大入賞口カウントスイッチ11152、V入賞口スイッチ11157の構成が付加されていることから、かかる処理が一部追加されている。
S11501において、メインCPU201は、第1始動口入賞検出処理を実行する。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をS11502に移す。
この第1始動口入賞検出処理において、メインCPU201は、第1始動口スイッチ11121により第1始動口11120への遊技球の入球が検出されると、第1始動口11120の払出個数を示す賞球に応じた払出情報をセットし、特別図柄判定記憶領域(0)、第1特別図柄始動記憶領域(1)~第1特別図柄始動記憶領域(4)のいずれかに空き領域があるか否かを判定する。特別図柄判定記憶領域(0)、第1特別図柄始動記憶領域(1)~第1特別図柄始動記憶領域(4)のいずれかに空き領域があると判定すると、第1特別図柄の始動情報として各種乱数値(例えば、大当り判定用乱数値、図柄乱数値、リーチ判定用乱数値、演出選択用乱数値等)を取得し、取得した各種乱数値をFIFO(First In、First Out)形式で1つの記憶領域に記憶する。そして、第1始動口11120への入賞と第1特別図柄の保留個数とを示す第1特別図柄の入賞コマンドの送信予約処理を行う。この処理で送信予約された第1特別図柄の入賞コマンドは、次回のシステムタイマ割込処理中の演出制御コマンド送信処理(図480参照)において、サブ制御回路300に送信される。一方、第1特別図柄始動記憶領域(1)~第1特別図柄始動記憶領域(4)のいずれにも空き領域がないと判定すると、各種乱数値を取得せずに、第1始動口入賞検出処理を終了することになる。
S11502において、メインCPU201は、第2始動口入賞検出処理を実行する。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をS11503に移す。
この第2始動口入賞検出処理において、メインCPU201は、第2始動口スイッチ11141により第2始動口11140への遊技球の入球が検出されると、第2始動口11140の払出個数を示す賞球に応じた払出情報をセットし、特別図柄判定記憶領域(0)、第2特別図柄始動記憶領域(1)~第2特別図柄始動記憶領域(2)のいずれかに空き領域があるか否かを判定する。特別図柄判定記憶領域(0)、第2特別図柄始動記憶領域(1)~第2特別図柄始動記憶領域(2)のいずれかに空き領域があると判定すると、第2特別図柄の始動情報として各種乱数値(例えば、大当り判定用乱数値、図柄乱数値、リーチ判定用乱数値、演出選択用乱数値等)を取得し、取得した各種乱数値をFIFO形式で1つの記憶領域に記憶する。そして、第2始動口11140への入賞と第2特別図柄の保留個数とを示す第2特別図柄の入賞コマンドの送信予約処理を行う。この処理で送信予約された第2特別図柄の入賞コマンドは、次回のシステムタイマ割込処理中の演出制御コマンド送信処理(図480参照)において、サブ制御回路300に送信される。一方、第2特別図柄始動記憶領域(1)~第2特別図柄始動記憶領域(2)のいずれにも空き領域がないと判定すると、各種乱数値を取得せずに、第2始動口入賞検出処理を終了することになる。
また、本実施形態では、第1特別図柄に関しては4つの第1特別図柄始動記憶領域を有しているが、第2特別図柄に関しては2つの第1特別図柄始動記憶領域を有していない。このため、第1特別図柄の保留個数は4個となり、第2特別図柄の保留個数は2個となるように構成されている。なお、第1特別図柄の保留個数及び第2特別図柄の保留個数は、適宜設計変更自由であるが、4個以内とすることが望ましい。
S11503において、メインCPU201は、一般入賞口通過検出処理を行う。一般入賞口通過検出処理では、例えば一般入賞口122の払出個数を示す賞球に応じた払出情報をセットする。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をS11504に移す。
S11504において、メインCPU201は、第1大入賞口通過検出処理を行う。第1大入賞口通過検出処理では、メインCPU201は、第1大入賞口カウントスイッチ11132により第1大入賞口11131への遊技球の入球が検出されると、第1大入賞口11131の払出個数を示す賞球に応じた払出情報をセットするとともに、第1大入賞口11131への遊技球の入賞数を計数するための第1大入賞口カウンタに1を加算して更新する。そして、第1大入賞口11131への入賞を示す第1大入賞口入賞コマンドの送信予約処理を行う。この処理で送信予約された第1大入賞口入賞コマンドは、次回のシステムタイマ割込処理中の演出制御コマンド送信処理(図480参照)において、サブ制御回路300に送信される。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をS11505に移す。
S11505において、メインCPU201は、第2大入賞口通過検出処理を行う。第2大入賞口通過検出処理では、メインCPU201は、第2大入賞口カウントスイッチ11152により第2大入賞口11151への遊技球の入球が検出されると、第2大入賞口11151の払出個数を示す賞球に応じた払出情報をセットするとともに、第2大入賞口11151への遊技球の入賞数を計数するための第2大入賞口カウンタに1を加算して更新する。そして、第2大入賞口11151への入賞を示す第2大入賞口入賞コマンドの送信予約処理を行う。この処理で送信予約された第2大入賞口入賞コマンドは、次回のシステムタイマ割込処理中の演出制御コマンド送信処理(図480参照)において、サブ制御回路300に送信される。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をS11506に移す。
S11506において、メインCPU201は、V入賞口通過検出処理を行う。V入賞口通過検出処理では、メインCPU201は、V入賞口スイッチ11157によりV入賞口11156への遊技球の通過が検出されると、V入賞口通過フラグをオンにする。そして、遊技球がV入賞口11156を通過したことを示すV通過コマンドの送信予約処理を行う。この処理で送信予約されたV通過コマンドは、次回のシステムタイマ割込処理中の演出制御コマンド送信処理(図480)において、サブ制御回路300に送信される。なお、V入賞口11156に遊技球が通過したとしても払出情報はセットされない。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をS11507に移す。
S11507において、メインCPU201は、ゲート通過検出処理を行う。メインCPU201は、本処理を実行した後、処理をS11508に移す。
このゲート通過検出処理において、メインCPU201は、普図作動スイッチ11127により第1通過ゲート11126Rまたは第2通過ゲート11126Lへの遊技球の通過が検出されると、普通図柄始動記憶領域(1)~普通図柄始動記憶領域(4)に空き領域があるか否かを判定する。普通図柄始動記憶領域(1)~普通図柄始動記憶領域(4)に空き領域があると判定すると、普通図柄の始動情報として各種乱数値(例えば、普通図柄当り判定用乱数値、普通図柄の図柄乱数値等)を取得し、取得した各種乱数値をFIFO形式で1つの普通図柄始動記憶領域に記憶する。一方、普通図柄始動記憶領域(1)~普通図柄始動記憶領域(4)のいずれにも空き領域がないと判定すると、各種乱数値を取得せずに、ゲート通過検出処理を終了することになる。
S11508において、メインCPU201は、先読みコマンド生成処理を行う。メインCPU201は、本処理を実行した後は、今回のスイッチ入力検出処理を終了する。
この先読みコマンド生成処理においては、図453の先読み関連データを参照し、遊技状態に基づいて、今回の第1始動口入賞検出処理または第2始動口入賞検出処理で取得した各種乱数値を解析し、先読みコマンドを生成する。なお、図453の先読み関連データに示したように、時短遊技状態、大当り遊技状態、小当り遊技状態においては、第2始動口入賞検出処理で取得した各種乱数値に基づく先読みコマンド(第2特別図柄の先読みコマンド)のみ生成可能となっている。そして、生成した先読みコマンドをサブ制御回路300に送信する先読みコマンドの送信予約処理を行う。この処理で送信予約された先読みコマンドは、次回のシステムタイマ割込処理中の演出制御コマンド送信処理(図480参照)において、サブ制御回路300に送信されることになる。
[13-5.サブ制御回路]
次に、主制御回路200からサブ制御回路300に送信される各種のコマンド等に基づいたサブ制御回路300の制御内容について説明する。
まず、サブ制御回路300のプログラムROM302に記憶されている各種テーブルの詳細について、図485~図492を用いて説明する。
[13-6-1.演出モード決定テーブル]
第11のパチンコ遊技機における演出モードを決定するための演出モード決定テーブルについて説明する。図485は、第11のパチンコ遊技機における演出モード決定テーブルの一例である。
ここで、「演出モード」とは、サブ制御回路300により行われる各種演出の状態を定めた情報をいう。
図485に示すように、演出モード決定テーブルには、遊技状態とモード移行条件と演出モードを定める演出モード情報とが対応付けられている。なお、遊技状態は、主制御回路200から受信した遊技状態指定コマンドによって判別されることになる。
また、「モード移行条件」は、「移行フラグ」と「第1特別図柄の可変表示回数N」とによって判別されるように構成されている。この「移行フラグ」とは、後述する「モード移行演出」によって天国演出モードの報知があったか否か(図柄演出パターンZT12の実行の有無)を識別する情報であり、移行フラグ=00Hはモード移行演出による天国演出モードの報知なしを示し、移行フラグ=01Hはモード移行演出による天国演出モードの報知ありを示している。
「演出モード情報」は、チャンス演出モードを示す演出モード情報=00Hと、一般演出モードを示す演出モード情報=01Hと、前兆演出モードを示す演出モード情報=02Hと、天国演出モードを示す演出モード情報=10Hと、RUSH演出モードを示す演出モード情報=0FHとで構成されている。
なお、本実施形態においては、演出モードとして、チャンス演出モード、一般演出モード、前兆演出モード、天国演出モード及びRUSH演出モードの5つの演出モードを備えて構成しているが、6つ以上の演出モードを備えて構成してもよい。例えば、RUSH演出モードとして、A時短遊技状態のRUSH演出モードを第1のRUSH演出モードとし、B時短遊技状態のRUSH演出モードを第2のRUSH演出モードとし、C時短遊技状態のRUSH演出モードを第2のRUSH演出モードとし、第1のRUSH演出モード、第2のRUSH演出モード及び第3のRUSH演出モードがそれぞれ異なる演出モードとしてもよい。
サブ制御回路300におけるサブCPU301は、図485に示す演出モード決定テーブルを参照し、遊技状態とモード移行条件とに基づいて、演出モード情報を決定することになる。
[13-6-2.図柄演出パターン決定テーブル]
次に、図柄演出パターンを決定するための図柄演出パターン決定テーブルについて説明する。図486、図487及び図488は、第11のパチンコ遊技機における演出モード決定テーブルの一例である。
ここで、「演出パターン」とは、キャラクタ等の表示演出や、音声演出、演出ボタン54の操作態様の変化演出等を定めた情報をいう。また、「図柄演出パターン」とは、特別図柄または普通図柄の可変表示中において、少なくとも表示装置7に後述する「第1の装飾図柄(主図柄)」を所定の変動態様で可変表示させることを定めた情報である。なお、図柄演出パターンの種類によっては、第1の装飾図柄の可変表示に加え、背景表示態様およびキャラクタ等の表示演出や、音声演出、演出ボタン54の操作態様の変化演出等も定められていることもある。また、図柄演出パターンの他に、各種の演出パターンの表示演出が重畳して実行可能となっている。
サブ制御回路300におけるサブCPU301は、図486、図487または図488に示す図柄演出パターン決定テーブルを参照し、図柄演出パターンを決定することになる。
[チャンス演出モードの図柄演出パターン決定テーブル]
図486(a)に示すように、チャンス演出モードの図柄演出パターン決定テーブルCZには、主制御回路200から受信した特別図柄の変動パターンコマンドと、先読みフラグと、選択率(第1乱数値)と、図柄演出パターンとが対応付けられている。
ここで、「先読みフラグ」とは、先読み演出を実行中か否かを判別する情報であり、先読みフラグ=00Hは、先読み演出を実行中でないことを示し、先読みフラグ=01Hは、先読み演出を実行中であることを示している。
また、「選択率」とは、第1の乱数範囲からなる第1乱数値に対して、取得された第1乱数値が所定の範囲内にあることに対応しているが、説明の便宜上、選択率に読み替えて記載している。なお、選択率については1~100%の他に0%が含められていてもよく、0%の選択率という文言を排除するものではない。以上のことは、後述するテーブルにおける「選択率」についても同様である。本実施形態においては、異なる乱数範囲の複数種類の乱数値を多数備えており、適宜、乱数値の種類の説明を省略する。
図486(a)に示すチャンス演出モードの図柄演出パターン決定テーブルCZによれば、特別図柄の変動パターンコマンドが「時短当り」に対応する変動パターンコマンドであるときには、専用の図柄演出パターンとして、特定の図柄演出パターン(図柄演出パターンCZ10~CZ15、CZ20、CZ21)が決定可能に構成されている。また、特別図柄の変動パターンコマンドが「ハズレ」に対応する変動パターンコマンドであるときにも、特定の図柄演出パターン(図柄演出パターンCZ22、CZ23)が決定可能に構成されている。
このため、特別図柄の抽選で時短当りであるときには、専用の図柄演出を行うことができる。
この特定の図柄演出パターンは、「カード演出」を実行する図柄演出パターンと、「RUSH突入演出」を実行する図柄演出パターンとで構成されている。
この「カード演出」を実行する図柄演出パターンは、時短当りである場合において、第1時短遊技状態に移行する契機となる「特別図柄の選択図柄z10~z12」と、第2時短遊技状態に移行する契機となる「特別図柄の選択図柄z20」と、第3時短遊技状態に移行する契機となる「特別図柄の選択図柄z30」のときに決定される。
このため「カード演出」により、第1時短遊技状態、第2時短遊技状態及び第3時短遊技状態のいずれかの遊技状態に移行することが示唆することができる。
また、「RUSH突入演出」は、時短当りかつ第2時短遊技状態に移行する契機となる「特別図柄の選択図柄z20」であるときと、ハズレであるときに決定される。
このため「RUSH突入演出」により、第2時短遊技状態(RUSH遊技状態)に移行するか否かの演出を実行することができる。
さらに、「カード演出」と「RUSH突入演出」とは、選択率(第1乱数値)により、「弱演出(白カード演出またはRUSH突入演出A)」と、弱演出よりも第2時短遊技状態に移行することの期待値が高い「強演出(赤カード演出またはRUSH突入演出B)」とで構成されている。
そして、図486(a)に示すチャンス演出モードの図柄演出パターン決定テーブルCZによれば、先読み演出を実行であるとき(先読みフラグ=01H)には、「強演出(赤カード演出またはRUSH突入演出B)」の図柄演出パターン(図柄演出パターンCZ11、CZ13、CZ15、CZ21、CZ23)が決定可能に構成されている。
これにより、先読み演出が実行された場合には、当該変動において「強演出(赤カード演出またはRUSH突入演出B)」が実行されるので、期待感をもって遊技を行うことができる。
また、本実施形態においては、図486(a)に示すチャンス演出モードの図柄演出パターン決定テーブルCZは、特別図柄の変動パターンコマンドが第2特別図柄に対応するものであるときには、図柄演出パターンに代わり、「告知演出パターン」が決定されるように構成されている。この「告知演出パターン」では、第1の装飾図柄(主図柄)の変動表示を行わずに、特別図柄の抽選結果を報知する告知演出が実行される。このことは、後述する図柄演出パターン決定テーブルについても同様である。
このように、特別図柄の変動パターンコマンドが第2特別図柄に対応するものであるときには、図柄演出パターンに代わり、告知演出パターンが決定されるので、第2特別図柄の抽選結果に関する告知演出と、小当り遊技状態において行われる小当り演出と、大当り遊技状態において行われる大当り演出とを一連の当り演出(BONUS演出)のようにみせることもでき、より遊技の興趣を向上させることができる。
[一般演出モードの図柄演出パターン決定テーブル]
図486(b)に示すように、一般演出モードの図柄演出パターン決定テーブルNRには、主制御回路200から受信した特別図柄の変動パターンコマンドと図柄演出パターンとが対応付けられている。
なお、図486(b)に示す一般演出モードの図柄演出パターン決定テーブルNRには、選択率(第1乱数値)が対応付けられていないが、1つの特別図柄の変動パターンコマンドに基づいて、第1乱数値により複数の図柄演出パターンを対応付けてもよい。
図486(b)に示す一般演出モードの図柄演出パターン決定テーブルNRによれば、同じ特別図柄の変動パターンコマンドであっても、チャンス演出モードとは異なる図柄演出パターンが決定可能に構成されている。この図柄演出パターンの相違は、第1の装飾図柄の表示態様(図柄デザイン)及び背景表示態様の少なくともいずれかが相違するものであればよい。
[前兆演出モードの図柄演出パターン決定テーブル]
図487(a)に示すように、前兆演出モードの図柄演出パターン決定テーブルZTには、主制御回路200から受信した特別図柄の変動パターンコマンドと、現在の遊技状態と、移行先の遊技状態と、選択率(第1乱数値)と、図柄演出パターンとが対応付けられている。
ここで、「現在の遊技状態」は、主制御回路200から受信した遊技状態指定コマンドによって判別され、「移行先の遊技状態」は、現在の遊技状態及び特別図柄の時短回数(後述する「サブ特別図柄時短カウンタ」)から判別することになる。
図487(a)に示す前兆演出モードの図柄演出パターン決定テーブルZTによれば、特別図柄の変動パターンコマンドが第1特別図柄の可変表示回数Nが1~10のときの専用の特別図柄の変動パターン(10H)であるとき(図451(b)参照)には、専用の図柄演出パターンとして、示唆用の図柄演出パターン(図柄演出パターンZT09)が決定可能に構成されている。
このため、第1特別図柄の可変表示回数Nが1~10のときには、専用の図柄演出を行うことができる。
この示唆用の図柄演出パターン(図柄演出パターンZT09)は、「モード移行煽り演出」を実行する図柄演出パターンである。
この「モード移行煽り演出」により、所定回数の第1特別図柄の可変表示が行われることにより、演出モードが移行する可能性があることを事前に示唆することができる。
また、図487(a)に示す前兆演出モードの図柄演出パターン決定テーブルZTによれば、特別図柄の変動パターンコマンドが第1特別図柄の可変表示回数N=0のときの専用の特別図柄の変動パターン(11H)であるとき(図451(c)参照)には、専用の図柄演出パターンとして、判定用の図柄演出パターン(図柄演出パターンZT10~ZT12)が決定可能に構成されている。
このため、第1特別図柄の可変表示回数N=0のときには、専用の図柄演出を行うことができる。
この判定用の図柄演出パターン(図柄演出パターンZT10~ZT12)は、現在の遊技状態と移行先の遊技状態とに基づいて決定され、「モード移行演出」を実行する図柄演出パターンである。
この「モード移行演出」により、前兆演出モードから一般演出モード、チャンス演出モードまたは天国演出モードのいずれかの演出モードに移行することを報知することができる。また、天国演出モードへの移行を報知するモード移行演出を実行する図柄演出パターン(図柄演出パターンZT12)が実行されることにより、上述した移行フラグ=01Hとなる(図485参照)。
また、本実施形態では、判定用の図柄演出パターンとして、現在の遊技状態が第3時短遊技状態であるときには、選択率(第1乱数値)に基づいて、一般演出モードへの移行を報知するモード移行演出を実行する図柄演出パターン(図柄演出パターンZT10)と、天国演出モードへの移行を報知するモード移行演出を実行する図柄演出パターン(図柄演出パターンZT12)とのいずれかが決定可能に構成されている。
これにより、モード移行演出によって一般演出モードに移行することが報知されたとしても、第3時短遊技状態であることの期待感を残存させ、遊技の興趣の維持を図ることができる。
なお、判定用の図柄演出パターンとして、現在の遊技状態が第3時短遊技状態であるときには、天国演出モードへの移行を報知するモード移行演出を実行する図柄演出パターン(図柄演出パターンZT12)のみが決定されるように構成してもよい。
また、図487(a)に示す前兆演出モードの図柄演出パターン決定テーブルZTによれば、特別図柄の変動パターンコマンドが第1特別図柄の抽選結果のハズレに対応する特別図柄の変動パターン(10H)であるとき(図451(b)参照)には、専用の図柄演出パターンとして、煽り用の図柄演出パターン(図柄演出パターンZT09)が決定可能に構成されている。
この煽り用の図柄演出パターンによる演出により、「モード移行演出」が実行されることが近づいていることを示唆することができる。
なお、本実施形態においては、一般演出モード、前兆演出モード及びチャンス演出モードで異なる図柄演出パターンを決定可能に構成したが、一般演出モード、前兆演出モード及びチャンス演出モードで同じ図柄演出パターンを決定可能に構成してもよい。特に、RAMクリアの有無にかかわらず、電源投入時には、一般演出モード、前兆演出モード及びチャンス演出モードで、共通の背景の表示態様となるように、同じ図柄演出パターンを決定可能に構成することが望ましい。このように構成すると、遊技店の開店時にRAMクリアされているのか否かが一見して識別困難になり、RAMクリアされていない遊技機であっても遊技店の開店時から遊技機の稼働を促進させることができる。
[天国演出モードの図柄演出パターン決定テーブル]
図487(b)に示すように、天国演出モードの図柄演出パターン決定テーブルTEには、主制御回路200から受信した特別図柄の変動パターンコマンドと図柄演出パターンとが対応付けられている。
なお、図487(b)に示す天国演出モードの図柄演出パターン決定テーブルTEには、選択率(第1乱数値)が対応付けられていないが、1つの特別図柄の変動パターンコマンドに基づいて、第1乱数値により複数の図柄演出パターンを対応付けてもよい。
図487(b)に示す天国演出モードの図柄演出パターン決定テーブルTEによれば、同じ特別図柄の変動パターンコマンドであっても、チャンス演出モード、一般演出モード及び前兆演出モードとは異なる図柄演出パターンが決定可能に構成されている。この図柄演出パターンの相違は、第1の装飾図柄の表示態様(図柄デザイン)及び背景表示態様の少なくともいずれかが相違するものであればよい。
[RUSH演出モードの図柄演出パターン決定テーブル]
図488に示すように、RUSH演出モードの図柄演出パターン決定テーブルRUには、主制御回路200から受信した普通図柄の変動パターンコマンドと、選択率(第2乱数値)と、図柄演出パターンとが対応付けられている。
図488に示すRUSH演出モードの図柄演出パターン決定テーブルRUによれば、図486及び図487に示した図柄演出パターン決定テーブルとは異なり、特別図柄の変動パターンコマンドではなく、普通図柄の変動パターンコマンドが対応付けられている。
これにより、右打ちが正規な遊技態様とされるRUSH遊技状態(RUSH演出モード)においては、普通図柄の抽選結果に関する変動演出として、第1の装飾図柄(主図柄)による演出が行われることになり、普通図柄の抽選結果を主とした遊技性を明確にすることができる。
なお、本実施形態においては、RUSH演出モードのときに特別図柄の変動パターンコマンドを受信すると、第1の装飾図柄(主図柄)の変動態様を定める図柄演出パターンを決定せずに、第2の装飾図柄(副図柄)の変動態様を定めるサブ図柄演出パターンを決定することになる。
これにより、RUSH遊技状態(RUSH演出モード)であるときには、第1特別図柄の抽選結果に関する変動演出として、第2の装飾図柄(副図柄)を可変表示させることになるので、第1特別図柄の抽選結果に関する変動演出が、普通図柄の抽選結果に関する変動演出を阻害することを防止することができる。
[13-6-3.テロップ演出パターン決定テーブル]
次に、テロップ演出パターンを決定するためのテロップ演出パターン決定テーブルについて説明する。図489は、第11のパチンコ遊技機におけるテロップ演出パターン決定テーブルの一例である。
ここで、「テロップ演出パターン」とは、第2始動口11140がロング開放することを事前に示唆するテロップ演出を定めた情報をいう。この「テロップ演出パターン」は、第2始動口11140がロング開放することを示唆し、ロング開放することを報知する「テロップ演出パターンK01」と、第2始動口11140がロング開放することを示唆し、ロング開放しないことを報知する「テロップ演出パターンK02」とで構成されている。
図489に示すように、テロップ演出パターン決定テーブルには、主制御回路200から受信した普通図柄の変動パターンコマンドと、選択率(第2乱数値)と、テロップ演出パターンとが対応付けられている。
また、図489に示すテロップ演出パターン決定テーブルに対応付けられている普通図柄の変動パターンコマンドは、第3時短遊技状態のときに主制御回路200から送信される普通図柄の変動パターンコマンドである(図457参照)。
このため、一般遊技状態である第3時短遊技状態のときにテロップ演出パターンによるテロップ演出が実行可能となる。
なお、一般遊技状態である第1時短遊技状態であるときには、第2始動口11140がロング開放することはないが、第1時短遊技状態であるときに主制御回路200から送信される普通図柄の変動パターンコマンドにより、ロング開放しないことを報知する「テロップ演出パターンK02」を決定可能に構成してもよい。
サブ制御回路300におけるサブCPU301は、図489に示すテロップ演出パターン決定テーブルを参照し、テロップ演出パターンを決定することになる。
[13-6-4.先読み演出パターン決定テーブル]
次に、先読み演出パターンを決定するための先読み演出パターン決定テーブルについて説明する。図490は、第11のパチンコ遊技機における先読み演出パターン決定テーブルの一例である。また、図490(a)は、通常遊技状態の先読み演出パターン決定テーブルZ1の一例であり、図490(b)は、一般遊技状態である第1時短遊技状態、第3時短遊技状態の先読み演出パターン決定テーブルZ2の一例である。
ここで、「先読み演出パターン」とは、遊技球が第1始動口11120または第2始動口11140に入球したときに、特別図柄の抽選結果を事前に示唆する先読み演出を定めた情報をいう。
サブ制御回路300におけるサブCPU301は、図490に示す先読み演出パターン決定テーブルを参照し、先読み演出パターンを決定することになる。
[通常遊技状態の先読み演出パターン決定テーブル]
図490(a)に示すように、通常遊技状態の先読み演出パターン決定テーブルZ1には、主制御回路200から受信した先読みコマンドと、選択率(第3乱数値)と、先読み演出パターンとが対応付けられている。
図490(a)に示す通常遊技状態の先読み演出パターン決定テーブルZ1によれば、先読みコマンドが「大当りまたはハズレ」かつ「スーパーリーチ、超スーパーリーチまたはRUSH突入演出」に対応する先読みコマンドであるとき、または、先読みコマンドが「時短当り」かつ「特別図柄の選択図柄z20」に対応する先読みコマンドであるときには、「期待UPゾーン」を実行する先読み演出パターン(先読み演出パターンZ01)が決定可能に構成されている。
このため、「期待UPゾーン」により、所定の演出が行われること、大当り遊技状態または第2時短遊技状態(RUSH遊技状態)に移行することを事前に示唆することができる。
また、図490(a)に示す通常遊技状態の先読み演出パターン決定テーブルZ1によれば、先読みコマンドが「時短当り」に対応する先読みコマンドであるとき、または「ハズレ」に対応する先読みコマンドであるときには、先読み演出パターンとして、「モード移行ゾーン」を実行する先読み演出パターン(先読み演出パターンZ02)が決定可能に構成されている。
このため、「モード移行ゾーン」により、時短当りであること、通常遊技状態から第1時短遊技状態、第2時短遊技状態または第3時短遊技状態のいずれかの遊技状態に移行することを事前に示唆することができる。
また、図490(a)に示す通常遊技状態の先読み演出パターン決定テーブルZ1によれば、先読みコマンドが「時短当り」かつ「特別図柄の選択図柄z20」に対応する先読みコマンドであるとき、または先読みコマンドが「ハズレ」に対応する先読みコマンドであるときには、「RUSH期待ゾーン」を実行する先読み演出パターン(先読み演出パターンZ03)が決定可能に構成されている。
このため、「RUSH期待ゾーン」により、第2時短遊技状態(RUSH遊技状態)に移行することを事前に示唆することができる。
[一般遊技状態の先読み演出パターン決定テーブル]
図490(b)に示すように、一般遊技状態の先読み演出パターン決定テーブルZ2には、主制御回路200から受信した先読みコマンドと、選択率(第3乱数値)と、先読み演出パターンとが対応付けられている。
図490(b)に示す先読み演出パターン決定テーブルZ2によれば、先読みコマンドが「大当りまたはハズレ」かつ「スーパーリーチ、超スーパーリーチ」に対応する先読みコマンドであるときには、「期待UPゾーン」を実行する先読み演出パターン(先読み演出パターンZ01)が決定可能に構成されている。
そして、図490(a)に示す先読み演出パターン決定テーブルZ1と図490(b)に示す先読み演出パターン決定テーブルZ2とを比較すると、通常遊技状態のときの方が、一般遊技状態ときよりも、「期待UPゾーン」を実行する先読み演出パターンが決定されやすく構成されている。
このため、通常遊技状態のときの方が、一般遊技状態よりも「期待UPゾーン」が実行されやすく、通常遊技状態(チャンス演出モード)における遊技の興趣をより高めることができる。
なお、本実施形態においては、先読み演出パターンとして、「期待UPゾーン」、「モード移行ゾーン」、「RUSH期待ゾーン」を実行する3種類の先読み演出パターンを備えて構成したが、示唆する内容を細分化させて4種類以上の先読み演出パターンを備えて構成してもよいし、示唆する内容を統合化(または省略化)させて2種類以下の先読み演出パターンを備えて構成してもよい。
さらには、RUSH遊技状態である第2時短遊技状態、第4時短遊技状態及び第5時短遊技状態のときにも先読み演出パターンを決定するように構成してもよい。
[13-6-5.先読み演出の禁止条件設定テーブル]
先読み演出(期待UPゾーン、モード移行ゾーン、RUSH期待ゾーン)の実行の可否を決定するための先読み演出の禁止条件設定テーブルについて説明する。図491は、第11のパチンコ遊技機における先読み演出の禁止条件設定テーブルの一例である。
図491に示すように、先読み演出の実行を禁止するための禁止条件として、期待UPゾーン、モード移行ゾーン及びRUSH期待ゾーンのそれぞれの先読み演出の実行を禁止する「共通禁止条件」と、モード移行ゾーン及びRUSH期待ゾーンの両者の先読み演出を禁止する「固有禁止条件」とが設定されている。
共通禁止条件は、共通禁止条件1~3の3つの禁止条件が設定されている。「共通禁止条件1」は、第2特別図柄の保留個数があるときに成立し、「共通禁止条件2」は、第2特別図柄の制御期間中(第2特別図柄の可変表示中)のときに成立し、「共通禁止条件3」は、先読みフラグを参照して既に先読み演出が実行中のときに成立するものである。
この共通禁止条件1~3のいずれかの禁止条件が成立していると、先読み演出パターンが決定されず、期待UPゾーン、モード移行ゾーン及びRUSH期待ゾーンのいずれの先読み演出も実行されないことになる。
固有禁止条件は、固有禁止条件1及び固有禁止条件2の2つの禁止条件が設定されている。「固有禁止条件1」は、遊技球が第1始動口11120または第2始動口11140に入球したときに、それ以前の保留記憶に大当りと判定される始動情報が記憶されているときに成立し、「固有禁止条件2」は、遊技球が第1始動口11120または第2始動口11140に入球したときに、それ以前の保留記憶に時短当りかつ特別図柄の選択図柄z20が決定される始動情報が記憶されているときに成立するものである。
この固有禁止条件1及び固有禁止条件2のいずれかの禁止条件が成立していると、モード移行ゾーン及びRUSH期待ゾーンの先読み演出が実行されないことになるが、期待UPゾーンの先読み演出は実行可能に構成されている。
[12-6-6.第1遊技停止予告終了判定テーブル]
遊技球の増加数(MY)が第1の計数範囲であるときに開始された第1遊技停止予告の実行の終了させるための第1遊技停止予告終了判定テーブルについて説明する。図492は、第11のパチンコ遊技機における第1遊技停止予告終了判定テーブルの一例である。
図492に示すように、第1遊技停止予告の実行の終了させる「第1遊技停止予告終了条件」として、終了条件1~3の3つの終了条件が設定されている。
「終了条件1」は、通常遊技状態であるときに成立する。ただし、「終了条件1」は、大当り遊技状態中の通常遊技状態のときには成立しない。また、「終了条件2」は、第1時短遊技状態であるときに成立し、「終了条件3」は、第3時短遊技状態であるときに成立するものである。すなわち、第1遊技停止予告は、通常遊技状態または一般遊技状態に移行すると終了することになる。
そして、第1遊技停止予告が実行中である場合に、上記「第1遊技停止予告終了条件」のいずれかの条件が成立すると、第1遊技停止予告の実行が終了することになる。
[13-7-1.サブ制御回路処理]
次に、図493を参照して、サブ制御回路300のサブCPU301により実行される各種処理の内容について説明する。図493は、第11のパチンコ遊技機におけるサブ制御回路処理の一例を示すフローチャートである。
図493に示すように、サブCPU301は、先ず、初期化処理を行う(S11600)。この初期化処理では、例えば、RAMアクセス許可、作業領域の初期化、ハードウェア初期化、デバイス初期化、アプリケーション初期化、バックアップ復帰初期化等といった初期化処理が行われる。この処理を終了すると、サブCPU301は、処理をS11610に移す。
S11610において、サブCPU301は、データを入力するデータ入力処理を行う。このデータ入力処理では、コマンド入力ポート308からコマンドを入力したり、演出ボタン54によって検出された遊技者による操作情報を入力したりする処理が行われる。このデータ入力処理の詳細については、図499を参照して後述する。
この処理を終了すると、サブCPU301は、処理をS11620に移す。
S11620において、サブCPU301は、コマンド解析処理を実行する。この処理では、S11610の処理で入力されたコマンドの解析が行われる。
この処理を終了すると、サブCPU301は、処理をS11630に移す。
S11630において、サブCPU301は、演出態様決定処理を実行する。この処理では、例えば、メインCPU201から送信されたコマンドに基づいて、演出パターンを決定したり、決定した演出パターンに基づいて、各種演出装置を動作させるための各種リクエスト(例えば、描画リクエスト、サウンドリクエスト、ランプリクエスト、および、役物リクエスト、演出ボタン駆動リクエスト等)を生成したりする。この演出態様決定処理の詳細については、図494を参照して後述する。
この処理を終了すると、サブCPU301は、処理をS11640に移す。
S11640において、サブCPU301は、描画制御処理を実行する。この処理において、サブCPU301は、描画リクエストを表示制御回路304に送信する。表示制御回路304は、サブCPU301から送信されたメッセージ(描画リクエスト)に基づいて、表示装置7の表示領域に画像を表示させるための描画制御を行う。
この処理を終了すると、サブCPU301は、処理をS11650に移す。
S11650において、サブCPU301は、音声制御処理を実行する。この処理において、サブCPU301は、サウンドリクエストを音声制御回路305に送信する。音声制御回路305は、サブCPU301から送信されたメッセージ(サウンドリクエスト)に基づいて、スピーカ32に音声を出力させるための音声制御を行う。
この処理を終了すると、サブCPU301は、処理をS11660に移す。
S11660において、サブCPU301は、LED制御処理を実行する。この処理において、サブCPU301は、LEDリクエストをLED制御回路306に送信する。LED制御回路306は、サブCPU301から送信されたメッセージ(LEDリクエスト)に基づいて、LED群46を構成するLEDの全部または一部を点灯あるいは点滅させるための発光制御を行う。
この処理を終了すると、サブCPU301は、処理をS11670に移す。
S11670において、サブCPU301は、役物制御処理を実行する。この処理において、サブCPU301は、役物リクエストを役物制御回路307に送信する。役物制御回路307は、サブCPU301から送信されたメッセージ(役物リクエスト)に基づいて、演出用役物群58を構成する全部または一部の役物にかかる演出用駆動モータ(不図示)を動作させるための駆動制御を行う。
この処理を終了すると、サブCPU301は、処理をS11680に移す。
S11680において、サブCPU301は、演出ボタン制御処理を実行する。この処理において、サブCPU301は、演出ボタン駆動リクエストをボタン制御回路310に送信する。ボタン制御回路310は、サブCPU301から送信されたメッセージ(演出ボタン駆動リクエスト)に基づいて、演出ボタン54の操作態様を変化させたり、演出ボタン54を振動させたりする駆動制御を行う。
この処理を終了すると、サブCPU301は、処理をS11690に移す。
S11690において、サブCPU301は、演出進行処理を実行する。この処理において、サブCPU301は、各種演出の実行を進行させるための演出タイマカウンタや、後述する強制報知タイマ等を更新する処理を行う。
この処理を終了すると、サブCPU301は、処理をS11610に戻す。
[13-7-2.演出態様決定処理]
次に、図494を参照して、サブ制御回路処理(図493参照)中でサブCPU301により実行される演出態様決定処理の詳細について説明する。図494は、第11のパチンコ遊技機における演出態様決定処理の一例を示すフローチャートである。
S11631において、サブCPU301は、後述する遊技停止フラグがオフ(=00H)である場合に限り、演出パターンを決定する演出パターン決定処理を実行する。この処理では、メインCPU201から送信されたコマンドに基づいて、表示装置7に表示される表示演出の態様や、スピーカ32から出力される音演出の態様、演出ボタン54の操作態様等を定めた演出パターンが決定される。なお、遊技停止フラグがオン(=01H)である場合には、演出パターン決定処理は実行されない。この演出パターン決定処理の詳細については、図495~図498を参照して後述する。
この処理を終了すると、サブCPU301は、処理をS11632に移す。
S11632において、サブCPU301は、アニメーションリクエストの生成処理を実行する。この処理では、上記S11631において決定された演出パターンに基づいてアニメーションリクエストを生成する。
この処理を終了すると、サブCPU301は、処理をS11633に移す。
S11633において、サブCPU301は、描画リクエストの生成処理を実行する。この処理では、S11632において生成されたアニメーションリクエストに基づいて描画リクエストを生成する。
この処理を終了すると、サブCPU301は、処理をS11634に移す。
S11634において、サブCPU301は、サウンドリクエストの生成処理を実行する。この処理では、上記S11631において決定された演出パターンに基づいてサウンドリクエストを生成する。
この処理を終了すると、サブCPU301は、処理をS11635に移す。
S11635において、サブCPU301は、ランプリクエストの生成処理を実行する。この処理では、上記S11631において決定された演出パターンに基づいてランプリクエストを生成する。
この処理を終了すると、サブCPU301は、処理をS11636に移す。
S11636において、サブCPU301は、役物リクエストの生成処理を実行する。この処理では、上記S11631において決定された演出パターンに基づいて役物リクエストを生成する。
この処理を終了すると、サブCPU301は、処理をS11637に移す。
S11637において、サブCPU301は、演出ボタン駆動リクエストの生成処理を実行する。この処理では、上記S11631において決定された演出パターンに基づいて演出ボタン駆動リクエストを生成する。
この処理を終了すると、サブCPU301は、処理をS11638に移す。
S11638において、サブCPU301は、後述する遊技停止フラグがオン(=01H)である場合に限り、遊技停止関連特別リクエストの生成処理を実行する。
この遊技停止関連特別リクエストの生成処理では、遊技停止フラグがオン(=01H)である場合に、後述する強制報知時間が経過していないときには、第1の報知態様で遊技停止報知を実行させる描画リクエスト、サウンドリクエスト、ランプリクエストを生成する。また、遊技停止フラグがオン(=01H)である場合に、強制報知時間が経過したときには、第2の報知態様で遊技停止報知を実行させる描画リクエスト、サウンドリクエスト、ランプリクエストを生成する。
この処理を終了すると、サブCPU301は、演出態様決定処理を終了し、処理を描画制御処理(図493参照)に戻す。
[13-7-3.演出パターン決定処理]
次に、図495~図497を参照して、演出態様決定処理(図494参照)中でサブCPU301により実行される演出パターン決定処理の詳細について説明する。図495~図497は、第11のパチンコ遊技機における演出パターン決定処理の一例を示すフローチャートである。
S11631-1において、サブCPU301は、メインCPU201から受信したコマンドが「特別図柄の入賞コマンド」であるか否かを判定する。
S11631-1において「特別図柄の入賞コマンド」であると判定した場合、サブCPU301は、処理をS11631-2に移す。一方、「特別図柄の入賞コマンド」でないと判定した場合、サブCPU301は、処理をS11631-3に移す。
S11631-2において、サブCPU301は、特別図柄の保留個数を加算等する特別図柄の保留個数加算処理を行う。
この特別図柄の保留個数加算処理では、「第1特別図柄の入賞コマンド」であるか「第2特別図柄の入賞コマンド」であるかを判別し、「第1特別図柄の入賞コマンド」であるときには、ワークRAM303の第1特別図柄の保留個数(第1特別図柄の保留個数カウンタ)に1を加算し、「第2特別図柄の入賞コマンド」であるときには、ワークRAM303の第2特別図柄の保留個数(第2特別図柄の保留個数カウンタ)に1を加算する。
この処理を終了すると、サブCPU301は今回の演出パターン決定処理を終了し、処理をアニメーションリクエストの生成処理(図494参照)に移す。
S11631-3において、サブCPU301は、メインCPU201から受信したコマンドが特別図柄の「先読みコマンド」であるか否かを判定する。
S11631-3において「先読みコマンド」であると判定した場合、サブCPU301は、処理をS11631-4に移す。一方、「先読みコマンド」でないと判定した場合、サブCPU301は、処理をS11631-10に移す。
S11631-4において、サブCPU301は、特別図柄の始動情報の内容を記憶する保留情報記憶処理を行う。
この保留情報記憶処理では、「第1特別図柄の先読みコマンド」であるか「第2特別図柄の先読みコマンド」であるかを判別し、先読みコマンドの各種パラメータ(図453参照)を、メインRAM203の特別図柄判定領域、第1特別図柄始動記憶領域及び第2特別図柄始動記憶領域と対応するように、ワークRAM303の装飾図柄判定領域、第1装飾図柄始動記憶領域及び第2装飾図柄始動記憶領域に記憶する。すなわち、主制御回路200のメインRAM203に記憶された特別図柄の始動情報に対応する情報が、サブ制御回路300のワークRAM303にも記憶されることになる。
この処理を終了すると、サブCPU301は処理をS11631-5に移す。
S11631-5において、サブCPU301は、先読み演出を実行するための先読み演出パターン決定する先読み演出決定処理を行う。この先読み演出決定処理の詳細については、図498を参照して後述する。
この処理を終了すると、サブCPU301は今回の演出パターン決定処理を終了し、処理をアニメーションリクエストの生成処理(図494参照)に移す。
S11631-10において、サブCPU301は、メインCPU201から受信したコマンドが「図柄指定コマンド」であるか否かを判定する。
S11631-10において「図柄指定コマンド」であると判定した場合、サブCPU301は、処理をS11631-11に移す。一方、「図柄指定コマンド」でないと判定した場合、サブCPU301は、処理をS11631-20に移す。
S11631-11において、サブCPU301は、停止表示する装飾図柄の種類を決定する装飾図柄決定処理を行う。
この装飾図柄決定処理では、図柄指定コマンドの内容に基づいて装飾図柄の停止図柄を決定し、決定した停止図柄をワークRAM303の停止図柄記憶領域に記憶する。
この処理を終了すると、サブCPU301は今回の演出パターン決定処理を終了し、処理をアニメーションリクエストの生成処理(図494参照)に移す。
S11631-20において、サブCPU301は、メインCPU201から受信したコマンドが「特別図柄の変動パターンコマンド」であるか否かを判定する。
S11631-20において「特別図柄の変動パターンコマンド」であると判定した場合、サブCPU301は、処理をS11631-21に移す。一方、「特別図柄の変動パターンコマンド」でないと判定した場合、サブCPU301は、処理をS11631-30に移す。
S11631-21において、サブCPU301は、特別図柄の保留個数を減算等する特別図柄の保留個数減算処理を行う。
この特別図柄の保留個数減算処理では、「第1特別図柄の変動パターンコマンド」であるか「第2特別図柄の変動パターンコマンド」であるかを判別し、「第1特別図柄の変動パターンコマンド」であるときには、ワークRAM303の第1特別図柄の保留個数カウンタから1を減算し、「第2特別図柄の変動パターンコマンド」であるときには、ワークRAM303の第2特別図柄の保留個数カウンタから1を減算する。また、今回減算した特別図柄の保留画像に対して、表示装置7に保留画像をシフトして表示させる保留シフト表示パターンを決定する。さらに、ワークRAM303の装飾図柄判定領域、第1装飾図柄始動記憶領域及び第2装飾図柄始動記憶領域に記憶された各種情報を、メインRAM203の特別図柄判定領域、第1特別図柄始動記憶領域及び第2特別図柄始動記憶領域と同様にシフトさせる。
この処理を終了すると、サブCPU301は処理をS11631-22に移す。
S11631-22において、サブCPU301は、ワークRAM303の演出モード情報記憶領域に記憶された演出モード情報を参照し、図柄演出パターン決定テーブルを決定する図柄演出テーブル決定処理を行う。
この図柄演出テーブル決定処理では、チャンス演出モードであるときには、図486(a)に示す図柄演出パターン決定テーブルCZを決定し、一般演出モードであるときには、図486(b)に示す図柄演出パターン決定テーブルNRを決定する。また、前兆演出モードであるときには、図487(a)に示す図柄演出パターン決定テーブルZTを決定し、天国演出モードであるときには、図487(b)に示す図柄演出パターン決定テーブルTEを決定する。なお、RUSH演出モードであるときには、図柄演出パターン決定テーブルを決定しない。
この処理を終了すると、サブCPU301は処理をS11631-23に移す。
S11631-23において、サブCPU301は、図柄演出パターンを決定する図柄演出パターン決定処理を行う。
この図柄演出パターン決定処理では、第1乱数値を取得した後、上記図柄演出テーブル決定処理で決定された図柄演出パターン決定テーブルを参照し、図柄演出パターン決定テーブルに対応付けられた各種情報に基づいて、図柄演出パターンを決定する。また、図柄演出パターンを決定した後には、第2の装飾図柄(副図柄)の変動態様を定めるサブ図柄演出パターンも決定することになる。
この処理を終了すると、サブCPU301は処理をS11631-24に移す。
ここで、図柄演出パターンにおいて、図487(a)に示す前兆演出モードの図柄演出パターン決定テーブルZTを参照し、「モード移行演出」によって天国演出モードの報知を行う図柄演出パターンZT12が決定された場合には、ワークRAM303に移行フラグ=01Hをセットし、演出モード情報記憶領域に天国演出モードを示す演出モード情報(10H)を記憶する。
これにより、次回の第1特別図柄の可変表示では、演出モードが前兆演出モードから天国演出モードに移行し、図487(b)に示す天国演出モードの図柄演出パターン決定テーブルTEが参照(決定)されることになる。
なお、本実施形態においては、上述したようにRUSH演出モードのときに特別図柄の変動パターンコマンドを受信しても、図柄演出パターン決定テーブルが決定されず、図柄演出パターンも決定されないが、サブ図柄演出パターンは決定されることになる。
S11631-24において、サブCPU301は、予告演出パターンを決定する予告演出パターン決定処理を行う。
この予告演出パターン決定処理では、所定の乱数値を取得した後、図示しない予告演出パターン決定テーブルを参照して、受信した特別図柄の変動パターンコマンドと、取得した第2乱数値等に基づいて、当該変動で実行する予告演出パターンを決定する。
この処理を終了すると、サブCPU301は今回の演出パターン決定処理を終了し、処理をアニメーションリクエストの生成処理(図494参照)に移す。
S11631-30において、サブCPU301は、メインCPU201から受信したコマンドが「特別図柄演出停止コマンド」であるか否かを判定する。
S11631-30において「特別図柄演出停止コマンド」であると判定した場合、サブCPU301は、処理をS11631-31に移す。一方、「特別図柄演出停止コマンド」でないと判定した場合、サブCPU301は、処理をS11631-40に移す。
S11631-31において、サブCPU301は、図柄演出を終了させるための図柄演出終了処理を行う。
この図柄演出終了処理では、図柄演出パターンによる図柄演出の実行を終了させる図柄演出実行終了データを作成する。また、図柄演出終了処理では、装飾図柄決定処理によって決定された装飾図柄の停止図柄を停止表示させる図柄停止表示データを作成する。
この処理を終了すると、サブCPU301は処理をS11631-32に移す。
S11631-32において、サブCPU301は、ワークRAM303の遊技状態記憶領域に記憶された状態情報(現在の遊技状態)等を参照し、各種カウンタを更新する回数カウンタ更新処理を行う。
この回数カウンタ更新処理では、通常遊技状態である場合には、通常遊技状態における特別図柄の変動表示回数を計数するワークRAM303の「通常変動回数カウンタ」に1を加算して更新する。また、時短遊技状態かつ第1特別図柄演出停止コマンドであるときには、時短遊技状態における特別図柄の時短回数を計数するワークRAM303の「サブ特別図柄時短カウンタ」から1を減算して更新する。
さらに、時短遊技状態かつ第1特別図柄演出停止コマンドである場合には、ワークRAM303の演出モード情報記憶領域に記憶された演出モード情報を参照し、一般演出モードまたは前兆演出モードであるときには、第1特別図柄の可変表示回数Nを計数するワークRAM303の「サブ可変表示回数Nカウンタ」から1を減算して更新する。
また、回数カウンタ更新処理では、先読み演出の実行中であることを示す先読みフラグがオンであるときには、ワークRAM303の「先読み回数カウンタ」から1を減算して更新する。
この処理を終了すると、サブCPU301は処理をS11631-33に移す。
S11631-33において、サブCPU301は、演出モード等を移行させるための演出モード等移行処理を行う。
この演出モード等移行処理では、時短遊技状態であるときには、サブ特別図柄時短カウンタを参照し、サブ特別図柄時短カウンタ=0であると、ワークRAM303の遊技状態記憶領域に通常遊技状態の状態情報を記憶する。
さらに、ワークRAM303の演出モード情報記憶領域に記憶された演出モード情報を参照し、一般演出モードまたは前兆演出モードであるときには、サブ可変表示回数Nカウンタを参照し、サブ可変表示回数Nカウンタ=10であると、演出モード情報記憶領域に前兆演出モードを示す演出モード情報(02H)を記憶する。また、サブ可変表示回数Nカウンタ=0であると、演出モード情報記憶領域に一般演出モードを示す演出モード情報(01H)を記憶し、サブ可変表示回数N=50を再セットする。
また、演出モード等移行処理では、先読み演出の実行中であることを示す先読みフラグがオンであるときには、ワークRAM303の「先読み回数カウンタ」を参照し、先読み回数カウンタ=0であると先読みフラグをオフ(=00H)にする。
この処理を終了すると、サブCPU301は今回の演出パターン決定処理を終了し、処理をアニメーションリクエストの生成処理(図494参照)に移す。
S11631-40において、サブCPU301は、メインCPU201から受信したコマンドが「小当り開始表示コマンド」であるか否かを判定する。
S11631-40において「小当り開始表示コマンド」であると判定した場合、サブCPU301は、処理をS11631-41に移す。一方、「小当り開始表示コマンド」でないと判定した場合、サブCPU301は、処理をS11631-42に移す。
S11631-41において、サブCPU301は、小当り開始演出を行うための小当り開始演出パターンを決定する小当り開始演出決定処理を行う。
この処理を終了すると、サブCPU301は今回の演出パターン決定処理を終了し、処理をアニメーションリクエストの生成処理(図494参照)に移す。
S11631-42において、サブCPU301は、メインCPU201から受信したコマンドが「V通過コマンド」であるか否かを判定する。
S11631-42において「V通過コマンド」であると判定した場合、サブCPU301は、処理をS11631-43に移す。一方、「V通過コマンド」でないと判定した場合、サブCPU301は、処理をS11631-44に移す。
S11631-43において、サブCPU301は、V通過演出を行うためのV通過演出パターンを決定するV通過演出決定処理を行う。
この処理を終了すると、サブCPU301は今回の演出パターン決定処理を終了し、処理をアニメーションリクエストの生成処理(図494参照)に移す。
S11631-44において、サブCPU301は、メインCPU201から受信したコマンドが「小当り終了表示コマンド」であるか否かを判定する。
S11631-44において「小当り終了表示コマンド」であると判定した場合、サブCPU301は、処理をS11631-45に移す。一方、「小当り終了表示コマンド」でないと判定した場合、サブCPU301は、処理をS11631-50に移す。
S11631-45において、サブCPU301は、小当り終了演出を行うための演出パターンを決定する小当り終了演出決定処理を行う。
この処理を終了すると、サブCPU301は今回の演出パターン決定処理を終了し、処理をアニメーションリクエストの生成処理(図494参照)に移す。
S11631-50において、サブCPU301は、メインCPU201から受信したコマンドが「大当り開始表示コマンド」であるか否かを判定する。
S11631-50において「大当り開始表示コマンド」であると判定した場合、サブCPU301は、処理をS11631-51に移す。一方、「大当り開始表示コマンド」でないと判定した場合、サブCPU301は、処理をS11631-52に移す。
S11631-51において、サブCPU301は、大当り開始演出を行うための演出パターンを決定する大当り開始演出決定処理を行う。この大当り開始演出決定処理では、ワークRAM303の停止図柄記憶領域を参照し、停止図柄(当り図柄)に応じて大当り開始演出の演出パターンを決定する。
この処理を終了すると、サブCPU301は今回の演出パターン決定処理を終了し、処理をアニメーションリクエストの生成処理(図494参照)に移す。
S11631-52において、サブCPU301は、メインCPU201から受信したコマンドが「大当り終了表示コマンド」であるか否かを判定する。
S11631-52において「大当り終了表示コマンド」であると判定した場合、サブCPU301は、処理をS11631-53に移す。一方、「大当り終了表示コマンド」でないと判定した場合、サブCPU301は、処理をS11631-60に移す。
S11631-53において、サブCPU301は、大当り終了演出を行うための演出パターンを決定する大当り終了演出決定処理を行う。この大当り終了演出決定処理では、ワークRAM303の停止図柄記憶領域に記憶された停止図柄(当り図柄)に応じて大当り終了演出の演出パターンを決定する。
この処理を終了すると、サブCPU301は処理をS11631-54に移す。
S11631-54において、サブCPU301は、大当り遊技状態の終了時に各種カウンタを設定する回数カウンタ設定処理を行う。
この回数カウンタ設定処理では、ワークRAM303の停止図柄記憶領域を参照し、停止図柄(当り図柄)が時短遊技状態に移行するものであるときには、その時短遊技状態における時短終了条件の「特別図柄の可変表示回数」に対応した回数(図449(a)参照)を、ワークRAM303の「サブ特別図柄時短カウンタ」にセットする。
この回数カウンタ設定処理では、ワークRAM303の停止図柄記憶領域を参照し、停止図柄(当り図柄)が時短遊技状態に移行するものであるときには、その時短遊技状態における時短終了条件の「特別図柄の可変表示回数」及び「普通図柄の可変表示回数」に対応した回数(図449(a)参照)を、ワークRAM303の「サブ特別図柄時短カウンタ」及び「サブ普通図柄時短カウンタ」にセットする。例えば、図449(a)に示すように、「特別図柄の選択図柄z1」のときには、時短終了条件としての特別図柄の可変表示回数=10000回、普通図柄の可変表示回数=120回に対応して、サブ特別図柄時短カウンタ=10000回、サブ普通図柄時短カウンタ=120回が設定される。
この処理を終了すると、サブCPU301は今回の演出パターン決定処理を終了し、処理をアニメーションリクエストの生成処理(図494参照)に移す。
S11631-60において、サブCPU301は、メインCPU201から受信したコマンドが「普通図柄の変動パターンコマンド」であるか否かを判定する。
S11631-60において「普通図柄の変動パターンコマンド」であると判定した場合、サブCPU301は、処理をS11631-61に移す。一方、「普通図柄の変動パターンコマンド」でないと判定した場合、サブCPU301は、処理をS11631-70に移す。
S11631-61において、サブCPU301は、テロップ演出パターンを決定するテロップ演出パターン決定処理を行う。
このテロップ演出パターン決定処理では、第2乱数値を取得した後、図489に示すテロップ演出パターン決定テーブルを参照し、受信した普通図柄の変動パターンコマンドと、第2乱数値とに基づいて、テロップ演出パターンを決定する。
この処理を終了すると、サブCPU301は処理をS11631-62に移す。
S11631-62において、サブCPU301は、RUSH演出モードのとき図柄演出パターンを決定するRUSH図柄演出パターン決定処理を行う。
このRUSH図柄演出パターン決定処理では、ワークRAM303の演出モード情報記憶領域に記憶された演出モード情報を参照し、RUSH演出モードである場合には、第2乱数値を取得した後、図488に示す図柄演出パターン決定テーブルRUを参照し、受信した普通図柄の変動パターンコマンドと、第2乱数値とに基づいて、図柄演出パターンを決定する。なお、RUSH演出モードでない場合には、普通図柄の変動パターンコマンドに基づいて図柄演出パターンを決定しない。
この処理を終了すると、サブCPU301は今回の演出パターン決定処理を終了し、処理をアニメーションリクエストの生成処理(図494参照)に移す。
S11631-70において、サブCPU301は、メインCPU201から受信したコマンドが「遊技状態指定コマンド」であるか否かを判定する。
S11631-70において「遊技状態指定コマンド」であると判定した場合、サブCPU301は、処理をS11631-71に移す。一方、「遊技状態指定コマンド」でないと判定した場合、サブCPU301は、処理をS11631-80に移す。
S11631-71において、サブCPU301は、今回受信した遊技状態指定コマンドから現在の遊技状態を解析し、解析した現在の遊技状態がワークRAM303の遊技状態記憶領域に記憶されている状態情報と異なるか、すなわち遊技状態の更新がされたか否かを判定する。
S11631-71において遊技状態の更新がされたと判定した場合、サブCPU301は、処理をS11631-72に移す。一方、遊技状態の更新がされていない(遊技状態が保持されている)と判定した場合、サブCPU301は、処理をS11631-80に移す。
S11631-72において、サブCPU301は、上記S11631-71で解析した現在の遊技状態を示す状態情報をワークRAM303の遊技状態記憶領域に更新して記憶する状態情報更新処理を行う。この処理を終了すると、サブCPU301は処理をS11631-73に移す。
S11631-73において、サブCPU301は、ワークRAM303の遊技状態記憶領域に更新された状態情報を参照し、B時短遊技状態(第4時短遊技状態)またはC時短遊技状態(第1時短遊技状態、第2時短遊技状態、第3時短遊技状態)である場合には、BC時短遊技状態設定処理を行う。
このBC時短遊技状態設定処理では、現在の遊技状態がB時短遊技状態(第4時短遊技状態)に更新された場合には、第4時短遊技状態における時短終了条件の「普通図柄の可変表示回数」に対応した回数(図449(c)参照)を、ワークRAM303の「サブ普通図柄時短カウンタ」にセットする。例えば、第4時短遊技状態であれば、サブ普通図柄時短カウンタ=950回をセットする。
また、現在の遊技状態がC時短遊技状態(第1時短遊技状態、第2時短遊技状態、第3時短遊技状態)に更新された場合には、ワークRAM303の停止図柄記憶領域を参照し、停止図柄(当り図柄)に応じて、時短終了条件の「特別図柄の可変表示回数」または「普通図柄の可変表示回数」に対応した回数(図449(b)参照)を、ワークRAM303の「サブ特別図柄時短カウンタ」または「サブ普通図柄時短カウンタ」にセットする。例えば、第1時短遊技状態であり、「特別図柄の選択図柄z10」のときには、サブ特別図柄時短カウンタ=50回をセットする。また、第2時短遊技状態であれば、サブ普通図柄時短カウンタ=950回をセットし、また、第3時短遊技状態であれば、サブ特別図柄時短カウンタ=950回をセットする。
さらに、現在の遊技状態が第1時短遊技状態または第3時短遊技状態に更新された場合には、第1時短遊技状態の最小の第1時短回数と同じ「50回」を、ワークRAM303の「サブ可変表示回数Nカウンタ」にセットする。
この処理を終了すると、サブCPU301は処理をS11631-74に移す。
なお、本実施形態においては、現在の遊技状態が第1時短遊技状態または第3時短遊技状態に更新された場合には、サブ特別図柄時短カウンタにセットされた時短回数は遊技者に報知させずに、「サブ可変表示回数Nカウンタ」にセットされた回数を遊技者に報知するように構成されている。
S11631-74において、サブCPU301は、演出モードを設定する演出モード設定処理を行う。
この演出モード設定処理では、図485に示す演出モード決定テーブルを参照して、現在の遊技状態に基づいて演出モード情報を決定し、決定した演出モード情報をワークRAM303の演出モード情報記憶領域に記憶する。
ここで、現在の遊技状態が第1時短遊技状態または第3時短遊技状態に更新された場合には、ワークRAM303の移行フラグ及びサブ可変表示回数Nカウンタも参照して、演出モード情報を決定する。なお、本実施形態においては、第1時短遊技状態または第3時短遊技状態に更新された当初は、移行フラグ=00H及びサブ可変表示回数Nカウンタ=50であることから、一般演出モードを示す演出モード情報(01H)を決定することになる。
この処理を終了すると、サブCPU301は処理をS11631-75に移す。
S11631-75において、サブCPU301は、第1遊技停止予告の実行を終了させるか否かの判定をする第1遊技停止予告終了判定処理を行う。
この第1遊技停止予告終了判定処理では、図492に示す第1遊技停止予告終了判定テーブルを参照して、「終了条件1」~「終了条件3」のいずれかの終了条件が成立しているか否かを判定し、いずれかの終了条件が成立していると、第1遊技停止予告の実行を終了させる。
この処理を終了すると、サブCPU301は今回の演出パターン決定処理を終了し、処理をアニメーションリクエストの生成処理(図494参照)に移す。
S11631-80において、サブCPU301は、メインCPU201から受信したコマンドが「デモ表示コマンド」であるか否かを判定する。
S11631-80において「デモ表示コマンド」であると判定した場合、サブCPU301は、処理をS11631-81に移す。一方、「デモ表示コマンド」でないと判定した場合、サブCPU301は、処理をS11631-90に移す。
S11631-81において、サブCPU301は、遊技の待機中の演出を行うためのデモ表示演出パターンを決定するデモ表示演出パターン決定処理を行う。
この処理を終了すると、サブCPU301は今回の演出パターン決定処理を終了し、処理をアニメーションリクエストの生成処理(図494参照)に移す。
S11631-90において、サブCPU301は、メインCPU201から受信したコマンドが「差玉数コマンド」であるか否かを判定する。
S11631-90において「差玉数コマンド」であると判定した場合、サブCPU301は、処理をS11631-91に移す。一方、「差玉数コマンド」でないと判定した場合、サブCPU301は、処理をS11631-92に移す。
S11631-92において、サブCPU301は、差玉数を記憶する差玉数記憶処理を行う。
この差玉数記憶処理では、受信した差玉数コマンドに対応したMY判定用カウンタの値(差玉数カウンタの値)を、ワークRAM303のサブ差玉数カウンタに記憶する。
この処理を終了すると、サブCPU301は今回の演出パターン決定処理を終了し、処理をアニメーションリクエストの生成処理(図494参照)に移す。
S11631-92において、サブCPU301は、メインCPU201から受信したコマンドが「遊技停止コマンド」であるか否かを判定する。
S11631-92において「遊技停止コマンド」であると判定した場合、サブCPU301は、処理をS11631-93に移す。一方、「遊技停止コマンド」でないと判定した場合、サブCPU301は、処理をS11631-99に移す。
S11631-93において、サブCPU301は、受信した遊技停止コマンドに応じた報知を行う遊技停止報知処理を行う。
この第1遊技停止予告終了判定処理では、遊技停止コマンド=01Hであるときには第1遊技停止予告の実行を開始させ、遊技停止コマンド=02Hであるときには第2遊技停止予告の実行を開始させ、遊技停止コマンド=03Hであるときには第3遊技停止予告の実行を開始させ、遊技停止コマンド=04Hであるときには遊技停止報知の実行を開始させる。
この処理を終了すると、サブCPU301は処理をS11631-94に移す。
S11631-94において、サブCPU301は、遊技停止フラグ等を設定する遊技停止設定処理を行う。
この遊技停止フラグの設定処理では、受信した遊技停止コマンドが遊技停止コマンド=04Hであるときには、ワークRAM303の遊技停止フラグをオン(=01H)にする。さらに、受信した遊技停止コマンドが遊技停止コマンド=04Hであるときには、強制報知タイマに強制報知時間に対応した所定のカウンタ(例えば5分)をセットする。
この処理を終了すると、サブCPU301は今回の演出パターン決定処理を終了し、処理をアニメーションリクエストの生成処理(図494参照)に移す。
S11631-99において、サブCPU301は、その他、メインCPU201から受信した各種コマンドに応じた演出パターンを決定したり、その他のカウンタを更新したりする。例えば、第1大入賞口入賞コマンドまたは第2大入賞口入賞コマンドの受信に応じて遊技球の累計の払出情報を更新したりする。この処理を終了すると、サブCPU301は演出パターン決定処理を終了し、処理をアニメーションリクエストの生成処理(図494参照)に移す。
[13-7-4.先読み演出決定処理]
次に、図498を参照して、演出パターン決定処理(図495参照)中でサブCPU301により実行される先読み演出決定処理の詳細について説明する。図498は、第11のパチンコ遊技機における先読み演出決定処理の一例を示すフローチャートである。
S11701において、サブCPU301は、図491に示す先読み演出の禁止条件設定テーブルを参照し、共通禁止条件1~3のいずれの禁止条件も未成立であるか否かを判定する。
S11701において共通禁止条件1~3のいずれの禁止条件も未成立であると判定した場合、サブCPU301は、処理をS11702に移す。一方、共通禁止条件1~3のいずれの禁止条件も未成立でないと判定した場合、今回の先読み演出決定処理を終了し、処理をアニメーションリクエストの生成処理(図494参照)に移す。
S11702において、サブCPU301は、ワークRAM303の遊技状態記憶領域に記憶された状態情報(現在の遊技状態)等を参照し、先読み演出テーブルを決定する先読み演出テーブル決定処理を行う。
この先読み演出テーブル決定処理では、通常遊技状態であるときには、図490(a)に示す先読み演出パターン決定テーブルZ1を決定し、一般遊技状態である第1時短遊技状態及び第3時短遊技状態であるときには、図490(b)に示す先読み演出パターン決定テーブルZ2を決定する。
この処理を終了すると、サブCPU301は処理をS11703に移す。
S11703において、サブCPU301は、先読み演出パターンを決定する先読み演出パターン決定処理を行う。
この先読み演出パターン決定処理では、第3乱数値を取得した後、上記先読み演出テーブル決定処理で決定された先読み演出パターン決定テーブルを参照し、主制御回路200から受信した先読みコマンドと、第3乱数値に基づいて、先読み演出パターンを決定する。
この処理を終了すると、サブCPU301は処理をS11704に移す。
S11704において、サブCPU301は、先読み回数カウンタを設定する先読み回数カウンタ設定処理を行う。
この先読み回数カウンタ設定処理では、先読み演出パターン(先読み演出パターンZ01~Z03)が決定された場合に、先読みフラグをオン(=01H)にし、ワークRAM303の第1特別図柄の保留個数カウンタを参照して、第1特別図柄の保留個数に対応した回数をワークRAM303の先読み回数カウンタにセットする。
この処理を終了すると、サブCPU301は処理をS11705に移す。
S11705において、サブCPU301は、モード移行ゾーンまたはRUSH期待ゾーンを実行する特定の先読み演出パターン(先読み演出パターンZ02、Z03)が決定されたか否かを判定する。
S11705において特定の先読み演出パターンが決定されたと判定した場合、サブCPU301は、処理をS11706に移す。一方、特定の先読み演出パターンが決定されなかったと判定した場合、今回の先読み演出決定処理を終了し、処理をアニメーションリクエストの生成処理(図494参照)に移す。
S11706において、サブCPU301は、図491に示す先読み演出の禁止条件設定テーブルを参照し、固有禁止条件1または固有禁止条件2のいずれかの禁止条件が成立したか否かを判定する。
S11706において固有禁止条件1または固有禁止条件2のいずれの禁止条件が成立したと判定した場合、サブCPU301は、処理をS11707に移す。一方、固有禁止条件1または固有禁止条件2のいずれの禁止条件も成立していないと判定した場合、今回の先読み演出決定処理を終了し、処理をアニメーションリクエストの生成処理(図494参照)に移す。
S11707において、サブCPU301は、特定の先読み演出パターン、先読みフラグ及び先読み回数カウンタをクリアする処理を行う。すなわち、特定の先読み演出パターンを破棄し、先読みフラグをオフ(=00H)にするとともに、先読み回数カウンタ=0をセットする。
この処理を終了すると、サブCPU301は今回の先読み演出決定処理を終了し、処理をアニメーションリクエストの生成処理(図494参照)に移す。
このように、共通禁止条件1~3のいずれかの禁止条件が成立しているときには、期待UPゾーン、モード移行ゾーン、RUSH期待ゾーンのいずれの先読み演出も実行されないことになる。また、固有禁止条件1または固有禁止条件2のいずれかの禁止条件が成立しているときには、期待UPゾーンの先読み演出は実行可能であるものの、モード移行ゾーン及びRUSH期待ゾーンの先読み演出は実行されないことになる。
[13-7-5.データ入力処理]
次に、図499を参照して、サブ制御回路処理(図493参照)中でサブCPU301により実行されるデータ入力処理の詳細について説明する。図499は、第11のパチンコ遊技機におけるデータ入力処理の一例を示すフローチャートである。
S11611において、サブCPU301は、コマンド入力ポート308からコマンドを読み出すコマンド読込処理を行う。
この処理を終了すると、サブCPU301は、処理をS11612に移す。
S11612において、サブCPU301は、複数の演出ボタン54(決定ボタン、左右ボタン、上下ボタン)のそれぞれに対し、各種演出状況等に基づいて、演出ボタン54遊技者による操作情報の入力を有効する操作有効期間と、遊技者による操作情報の入力を無効とする操作無効期間とを設定する演出ボタン許可設定処理を行う。
特に、本実施形態においては、遊技停止フラグがオン(=01H)かつ強制報知時間が経過していないときには、すべての演出ボタン54に対して、操作無効時間が設定されている。また、遊技停止フラグがオン(=01H)であり、強制報知時間が経過すると、一部の演出ボタン54(左右ボタン、上下ボタン)に対して、操作有効期間が設定される。
この処理を終了すると、サブCPU301は、処理をS11613に移す。
S11613において、サブCPU301は、操作有効期間内に複数の演出ボタン54のいずれかの操作情報の入力があったか否かの判定を行う。
S11613において、操作有効期間内に複数の演出ボタン54のいずれかの操作情報の入力があったと判定した場合、サブCPU301は、処理をS11614に移す。一方、操作有効期間内に複数の演出ボタン54のいずれの操作情報の入力もなかったと判定した場合、今回のデータ入力処理を終了し、処理をコマンド解析処理(図493参照)に移す。
S11614において、サブCPU301は、図柄演出パターンによる演出を実行している場合に、決定ボタンの演出ボタン54に対応した第1の操作情報を入力したときには、変動中ボタン設定処理を行う。
この変動中ボタン設定処理では、実行している図柄演出パターンの内容と特別図柄の抽選結果とに基づいて、変動中ボタン演出(例えば、ボタンカットイン演出)を実行させる設定をする。
この処理を終了すると、サブCPU301は、処理をS11615に移す。
S11615において、図柄演出パターンによる演出を実行していない場合に、決定ボタンの演出ボタン54に対応した第1の操作情報を入力したときには、各種の演出調整メニューやQRコード(登録商標)を表示させる待機中メニュー設定処理を行う。
この処理を終了すると、サブCPU301は、処理をS11616に移す。
S11616において、サブCPU301は、左右ボタンの演出ボタン54に対応した第2の操作情報を入力したときには、スピーカ32から出力する音量の大きさを調整する音量調整処理を行う。具体的には、左ボタンの演出ボタン54に対応した第2の操作情報Lを入力したときには、音量の大きさを1段階下げる調整を行い、右ボタンの演出ボタン54に対応した第2の操作情報Rを入力したときには、音量の大きさを1段階上げる調整を行う。
この処理を終了すると、サブCPU301は、処理をS11617に移す。
なお、本実施形態においては、演出ボタン54の操作により音量調整処理が行われるように構成したが、演出ボタン54の操作によらず、調整条件の成立により自動的に音量が調整できるように構成してもよい。例えば、上述した遊技停止関連特別リクエストの生成処理(図494参照)により、調整条件の成立として強制報知時間が経過したときには、自動的に音量の大きさを下げる調整を行ってもよい。
S11617において、サブCPU301は、上下ボタンの演出ボタン54に対応した第3の操作情報を入力したときには、発光するLEDの輝度の大きさを調整する光量調整処理を行う。具体的には、下ボタンの演出ボタン54に対応した第3の操作情報Dを入力したときには、輝度の大きさを1段階下げる調整を行い、上ボタンの演出ボタン54に対応した第2の操作情報Uを入力したときには、輝度の大きさを1段階上げる調整を行う。
この処理を終了すると、サブCPU301は、今回のデータ入力処理を終了し、処理をコマンド解析処理(図493参照)に移す。
なお、本実施形態においては、演出ボタン54の操作により光量調整処理が行われるように構成したが、演出ボタン54の操作によらず、調整条件の成立により自動的に光量が調整できるように構成してもよい。例えば、上述した遊技停止関連特別リクエストの生成処理(図494参照)により、調整条件の成立として強制報知時間が経過したときには、自動的に光量の大きさを下げる調整を行ってもよい。
[13-8.遊技状態の移行図]
次に、図500を参照して、第11のパチンコ遊技機における遊技状態の移行について説明する。図500は、第11のパチンコ遊技機における遊技状態の移行を示す遊技状態移行図の一例である。
上述したように、C時短遊技状態(状態フラグ=3)において、普電作動パターン=00が設定された時短遊技状態を「第1時短遊技状態」といい、普電作動パターン=02が設定された時短遊技状態を「第2時短遊技状態」といい、普電作動パターン=01が設定された時短遊技状態を「第3時短遊技状態」という。また、B時短遊技状態(状態フラグ=2)において、普電作動パターン=02が設定された時短遊技状態を「第4時短遊技状態」という。また、A時短遊技状態(状態フラグ=1)において、普電作動パターン=02が設定された時短遊技状態を「第5時短遊技状態」という。
(通常遊技状態の移行制御)
通常遊技状態は、左打ちが正規な遊技態様とされ、第1始動口11120に遊技球が入球可能であるとともに、第2通過ゲート11126Lにも遊技球が通過可能に構成されている。通常遊技状態は、第1特別図柄の抽選に関するゲーム性を主として遊技が進行される。
図500に示すように、通常遊技状態において、第1始動口11120に遊技球が入球すると、第1特別図柄の抽選により「大当り」、「時短当り」または「ハズレ」が判定される(図445参照)。なお、遊技状態に関わらず、第1特別図柄の抽選では、「小当り」が判定されることはない。
そして、通常遊技状態において「大当り」が判定されると大当り遊技状態に移行し、大当りを契機とした第1のルートからの大当り遊技状態の終了後には、第1特別図柄の選択図柄に応じて60%が第5時短遊技状態に移行し、40%が通常遊技状態に移行する(図446、図449参照)。
また、通常遊技状態において「時短当り」が判定されると、第1特別図柄の可変表示の終了後には、第1時短遊技状態、第2時短遊技状態及び第3時短遊技状態のいずれかのC時短遊技状態に移行する。ここで、「時短当り」が判定されると、特別図柄の選択図柄に応じて70%が第1時短遊技状態に移行し、15%が第2時短遊技状態に移行し、15%が第3時短遊技状態に移行する(図446、図449参照)。
特に、本実施形態においては、「時短当り」は、通常遊技状態における第1特別図柄の抽選においてのみ判定されるように構成されている(図445参照)。このため、通常遊技状態からのみ、第1時短遊技状態、第2時短遊技状態及び第3時短遊技状態のいずれかのC時短遊技状態に移行可能となっている。
また、通常遊技状態において、第2通過ゲート11126Lに遊技球が通過すると、普通図柄の抽選により「普通図柄当り」または「普通図柄ハズレ」が判定されるが、普電作動パターン=00により、ロング開放パターンが決定される「ロング開放確率」は「0」となっている(図456参照)。すなわち、通常遊技状態においては、第2始動口11140に遊技球が入球することは不可能又は困難となっている。
また、大当り遊技状態に移行せずに、特別図柄の可変表示回数が天井値(950回)に到達した後には、通常遊技状態からB時短遊技状態の第4の時短遊技状態に移行する。
このため、通常遊技状態からは、大当り遊技状態、第1時短遊技状態、第2時短遊技状態、第3時短遊技状態、第4の時短遊技状態に移行することになる。
(第1時短遊技状態の移行制御)
第1時短遊技状態は、左打ちが正規な遊技態様とされ、第1始動口11120に遊技球が入球可能であるとともに、第2通過ゲート11126Lにも遊技球が通過可能に構成されている。第1時短遊技状態は、第1特別図柄の抽選に関するゲーム性を主として遊技が進行される。
第1時短遊技状態において、第1始動口11120に遊技球が入球すると、第1特別図柄の抽選により「大当り」または「ハズレ」が判定される(図445参照)。なお、すべての時短遊技状態における第1特別図柄の抽選では、「時短当り」が判定されることはない。
そして、第1時短遊技状態において「大当り」が判定されると大当り遊技状態に移行し、大当りを契機とした第1のルートからの大当り遊技状態の終了後には、第1特別図柄の選択図柄に応じて60%が第5時短遊技状態に移行し、40%が通常遊技状態に移行する(図446、図449参照)。
また、第1時短遊技状態において、第2通過ゲート11126Lに遊技球が通過すると、普通図柄の抽選により「普通図柄当り」または「普通図柄ハズレ」が判定されるが、普電作動パターン=00により、ロング開放パターンが決定される「ロング開放確率」は「0」となっている(図456参照)。すなわち、第1時短遊技状態においては、第2始動口11140に遊技球が入球することは不可能又は困難となっている。
なお、第1時短遊技状態は、通常遊技状態と同じ「ロング開放確率」であり、通常遊技状態のように「時短当り」が導出されないことから、通常遊技状態であるときよりも、大当り遊技状態に移行しにくい不利な遊技状態となる。
また、大当り遊技状態に移行せずに、特別図柄の可変表示回数が天井値(950回)に到達した後には、第1時短遊技状態からB時短遊技状態の第4の時短遊技状態に移行する。
ここで、第1時短遊技状態に移行したときには、時短終了条件の「特別図柄の可変表示回数」として最小の第1時短回数である50回、第2時短回数である100回、第3時短回数である150回のいずれかが設定される(図449参照)。そして、大当り遊技状態に移行せずに、設定された時短回数の特別図柄の可変表示が行われると、第1時短遊技状態から通常遊技状態に移行する。
このため、第1時短遊技状態からは、大当り遊技状態、通常遊技状態、第4の時短遊技状態に移行することになる。
(第3時短遊技状態の移行制御)
第3時短遊技状態は、左打ちが正規な遊技態様とされ、第1始動口11120に遊技球が入球可能であるとともに、第2通過ゲート11126Lにも遊技球が通過可能に構成されている。第3時短遊技状態は、第1特別図柄の抽選に関するゲーム性を主として遊技が進行される。
第3時短遊技状態において、第1始動口11120に遊技球が入球すると、第1特別図柄の抽選により「大当り」または「ハズレ」が判定される(図445参照)。
そして、第3時短遊技状態において「大当り」が判定されると大当り遊技状態に移行し、大当りを契機とした第1のルートからの大当り遊技状態の終了後には、第1特別図柄の選択図柄に応じて60%が第5時短遊技状態に移行し、40%が通常遊技状態に移行する(図446、図449参照)。
また、第3時短遊技状態において、第2通過ゲート11126Lに遊技球が通過すると、普通図柄の抽選により「普通図柄当り」または「普通図柄ハズレ」が判定されるが、普電作動パターン=01により、ロング開放パターンが決定される「ロング開放確率」は「約1/197.6」となっている(図456参照)。すなわち、第3時短遊技状態においては、所定の確率(約1/197.6)で第2始動口11140に遊技球が入球することが可能となっている。
ここで、第2始動口11140に遊技球が入球すると、遊技状態に関わらず、約1/1という極めて高い確率で「小当り」と判定され(図445参照)、小当り遊技状態からの第2のルートを経て大当り遊技状態に移行可能に構成されている。
したがって、第3時短遊技状態であるときには、第1時短遊技状態であるときよりも、大当り遊技状態に移行しやすい有利な遊技状態となる。
また、大当り遊技状態に移行せずに、特別図柄の可変表示回数が天井値(950回)に到達した後には、第3時短遊技状態からB時短遊技状態の第4の時短遊技状態に移行する。
ここで、第3時短遊技状態に移行したときには、時短終了条件の「特別図柄の可変表示回数」として、第5時短回数である950回が設定される(図449参照)。しかしながら、第3時短遊技状において、第5時短回数が計数される前には、特別図柄の可変表示回数が天井値(950回)に到達していることになる。
このため、第3時短遊技状態からは、大当り遊技状態、第4の時短遊技状態にしか移行できないことになる。
(RUSH遊技状態の移行制御)
RUSH遊技状態である第2時短遊技状態、第4時短遊技状態及び第5時短遊技状態は、右打ちが正規な遊技態様とされ、第1通過ゲート11126Rに遊技球が通過可能であり、普通図柄の抽選により第2始動口11140がロング開放することにより、第2始動口11140に遊技球が入球可能に構成されている。RUSH遊技状態は、普通図柄の抽選に関するゲーム性を主として遊技が進行される。
RUSH遊技状態において、第1通過ゲート11126Rに遊技球が通過すると、普通図柄の抽選により「普通図柄当り」または「普通図柄ハズレ」が判定されるが、普電作動パターン=02により、ロング開放パターンが決定される「ロング開放確率」は「約1/68.5」となっている(図456参照)。すなわち、RUSH遊技状態においては、所定の確率(約1/68.5)で第2始動口11140に遊技球が入球することが可能となっている。
また、RUSH遊技状態において、第2始動口11140に遊技球が入球すると、第2特別図柄の抽選により「大当り」、「小当り」または「ハズレ」が判定される(図445参照)。特に、本実施形態では、第2特別図柄の抽選により約1/1という極めて高い確率で「小当り」と判定されるように構成されている。
RUSH遊技状態において「小当り」が判定されると小当り遊技状態に移行し、小当り遊技状態において、第2大入賞口11151の内部に設けられたV入賞口11156に遊技球が進入すると、大当り遊技状態に移行することになる。なお、本実施形態では、小当り遊技状態において、遊技球が第2大入賞口11151に入球すると、V入賞口11156にも遊技球が原則として通過するように構成されている。
そして、小当りを契機とした第2のルートからの大当り遊技状態の終了後には、特別図柄の選択図柄に応じて80%が第5時短遊技状態に移行し、20%が通常遊技状態に移行する(図446、図449参照)。
また、RUSH遊技状態において「大当り」が判定されると大当り遊技状態に移行し、大当りを契機とした第1のルートからの大当り遊技状態の終了後には、第2特別図柄の選択図柄に応じて100%が第5時短遊技状態に移行する(図446、図449参照)。
また、RUSH遊技状態の第2時短遊技状態に移行したときには、時短終了条件の「普通図柄の可変表示回数」として、第4時短回数である950回が設定される(図449参照)。この第4時短回数は、普通図柄の抽選による「ロング開放確率」が「約1/68.5」であることから、実質的に大当り遊技状態に移行することが保証されている回数である。
このため、RUSH遊技状態の第2時短遊技状態からは、大当り遊技状態に移行することになる。
また、RUSH遊技状態の第4時短遊技状態に移行したときには、時短終了条件の「普通図柄の可変表示回数」として、第7時短回数である950回が設定される(図449参照)。この第7時短回数は、普通図柄の抽選による「ロング開放確率」が「約1/68.5」であることから、実質的に大当り遊技状態に移行することが保証されている回数である。
このため、RUSH遊技状態の第4時短遊技状態からは、大当り遊技状態に移行することになる。
また、RUSH遊技状態の第5時短遊技状態に移行したときには、時短終了条件の「普通図柄の可変表示回数」として第6時短回数である120回が設定される(図449参照)。
なお、時短終了条件の「特別図柄の可変表示回数」として10000回も設定されるが、10000回は、1日の遊技において成立不可能な回数であり、「特別図柄の可変表示回数」の時短終了条件が成立することはない。そして、大当り遊技状態に移行せずに、第6時短回数の普通図柄の可変表示が行われると、第5時短遊技状態から通常遊技状態に移行する。
このため、RUSH遊技状態の第5時短遊技状態からは、大当り遊技状態または通常遊技状態に移行することになる。
このように、本実施形態においては、通常遊技状態及び一般遊技状態のときには第1特別図柄の抽選により大当り遊技状態を目指す第1のゲーム性から構成され、RUSH遊技状態のときには普通図柄の抽選により第2始動口11140のロング開放を目指す第2のゲーム性から構成されているので、所謂1種タイプのパチンコ遊技機と所謂2種タイプのパチンコ遊技機とを混合させただけではなく、従来にない遊技性を創出し、より遊技の興趣の向上を図ることができる。
特に、本実施形態においては、第2特別図柄の抽選が行われること(第2始動口11140に遊技球が入球すること)により、実質的(約1/1)に大当り遊技状態に移行可能となるように構成しているので、RUSH遊技状態であるときには、普通図柄の抽選により第2始動口11140をロング開放させることに一層の興味を与え、より遊技の興趣の向上を図ることができる。
また、本実施形態においては、通常遊技状態における第1特別図柄の抽選においてのみ「時短当り」が判定されると、RUSH遊技状態の第2時短遊技状態に移行可能に構成されている。また、RUSH遊技状態の第2時短遊技状態からは、大当り遊技状態に移行することになる。
このため、通常遊技状態においては大当り遊技状態への移行率を高め、より遊技の興趣の向上を図ることができる。
そして、通常遊技状態はRAMクリア後の初期の遊技状態でもあることから、RAMクリア後の電源投入後の状態においては、一般遊技状態である第1時短遊技状態よりも有利な通常遊技状態から遊技を開始させることができ、遊技店の開店後からの遊技機の稼働を向上させることができる。
また、通常遊技状態において「時短当り」が判定され、通常遊技状態よりも不利な第1時短遊技状態に移行したとしても、第1時短遊技状態で設定された時短回数(50回、100回または150回)の特別図柄の可変表示が行われると、第1時短遊技状態から通常遊技状態に移行させることが可能となる。
これにより、通常遊技状態よりも不利な第1時短遊技状態に移行したとしても、特別図柄の可変表示により通常遊技状態に移行させることが可能なので、遊技の興趣の維持を図ることができる。
特に、本実施形態においては、第1時短遊技状態で設定された時短回数は、遊技者に報知されず、複数の時短回数のうちのいずれかが設定され、第2時短回数(100回)及び第3時短回数(150回)は最小の第1時短回数(50回)の整数倍に設定されている。
このため、最小の第1時短回数(50回)を1周期として、周期的に第1時短遊技状態から通常遊技状態に移行することの期待を持たせることができ、より遊技の興趣の向上を図ることができる。
また、本実施形態においては、時短遊技状態のときには普電作動パターンによりロング開放確率が異なるので、ロング開放確率が異なる複数の時短遊技状態を楽しむことができ、より遊技の興趣の向上を図ることができる。
特に、本実施形態においては、一般遊技状態である第3時短遊技状態のときには、一般遊技状態である第1時短遊技状態よりも、ロング開放がされやすく、大当り遊技状態に移行しやすい有利な遊技状態となっている。
これにより、通常遊技状態において「時短当り」が判定されたものの、RUSH遊技状態に移行されなくとも、一般遊技状態において第3時短遊技状態であることの期待を持たせて、遊技の興趣の維持を図ることができる。
[13-9.演出フロー]
次に、第11のパチンコ遊技機において行われる演出について、演出全体のフローを用いて演出の概略を説明する。図501は、第11のパチンコ遊技機における演出モードの演出フローの一例である。
上述したように、本実施形態においては、演出モードとして、チャンス演出モード、一般演出モード、前兆演出モード、天国演出モード及びRUSH演出モードの5つの演出モードを備えて構成している。
そして、各演出モードに基づいて、当該変動において所定の装飾図柄の変動表示からなる図柄演出、当該変動において特別図柄の抽選結果を事前に示唆する予告演出、当該変動において普通図柄の抽選結果を事前に示唆するテロップ演出、事前変動において特別図柄の抽選結果を事前に示唆する先読み演出等の演出が実行可能に構成されている。
また、本実施形態においては、第1特別図柄の抽選に基づく演出を「第1特別図柄の演出」、第2特別図柄の抽選に基づく演出を「第2特別図柄の演出」もいう。
(チャンス演出モード)
チャンス演出モードは、通常遊技状態のときに実行可能となっている。このチャンス演出モードにより、第1時短遊技状態よりも有利な通常遊技状態であることを示唆することができる。
そして、チャンス演出モードにおいては、チャンス演出モードに基づいた図柄演出、予告演出、先読み演出等の演出が実行可能に構成されている。なお、チャンス演出モードにおいては、第2始動口11140がロング開放することはないので、テロップ演出は実行不能となっている。
また、チャンス演出モードにおいては、図柄演出として、「カード演出」、「RUSH突入演出」が少なくとも実行可能となっている。
上述したように、「カード演出」は、当該変動において、第1時短遊技状態、第2時短遊技状態及び第3時短遊技状態のいずれかの遊技状態に移行することを示唆する演出である。また、「RUSH突入演出」は、当該変動において、第2時短遊技状態(RUSH遊技状態)に移行するか否かを示唆する演出である。
また、チャンス演出モードにおいては、先読み演出として、「モード移行ゾーン」、「期待UPゾーン」、「RUSH期待ゾーン」が少なくとも実行可能となっている。
上述したように、「モード移行ゾーン」は、事前変動において、時短当りであること、通常遊技状態から第1時短遊技状態、第2時短遊技状態または第3時短遊技状態のいずれかの遊技状態に移行することを事前に示唆する演出である。また、「期待UPゾーン」は、事前変動において、所定の演出(スーパーリーチ)が行われること、大当り遊技状態または第2時短遊技状態(RUSH遊技状態)に移行することを事前に示唆する演出である。また、「RUSH期待ゾーン」は、事前変動において、第2時短遊技状態(RUSH遊技状態)に移行することを事前に示唆する演出である。
チャンス演出モードにおいて、大当りに当選した場合には、大当り遊技状態に移行し、大当り演出が実行可能となっている。
チャンス演出モードにおいて、時短当りに当選した場合に、一般遊技状態である第1時短遊技状態または第3時短遊技状態に移行するときには一般演出モードに移行し、第2時短遊技状態に移行するときにはRUSH演出モードに移行する。
チャンス演出モードにおいて、大当り遊技状態に移行せずに、特別図柄の可変表示回数が天井値(950回)に到達した後には、チャンス演出モードからRUSH演出モードに移行する。
(一般演出モード)
一般演出モードは、一般遊技状態における第1時短遊技状態または第3時短遊技状態の場合において、第1特別図柄の可変表示回数N>10のとき(一般演出モードの開始から1~39回転目)に実行可能となっている。
そして、一般演出モードにおいては、一般演出モードに基づいた図柄演出、予告演出、先読み演出、テロップ演出等の演出が実行可能に構成されている。
また、一般演出モードにおいても、先読み演出として、「期待UPゾーン」が実行可能となっているが、時短当りが当選することがないので、「モード移行ゾーン」及び「RUSH期待ゾーン」は実行不能となっている。
一般演出モードにおいて、大当りに当選した場合には、大当り遊技状態に移行し、大当り演出が実行可能となっている。
一般演出モードにおいて、大当り遊技状態に移行せずに、第1特別図柄の可変表示回数N=10(一般演出モードの開始から40回転目)になると、一般演出モードから前兆演出モードに移行する。
一般演出モードにおいて、大当り遊技状態に移行せずに、特別図柄の可変表示回数が天井値(950回)に到達した後には、一般演出モードからRUSH演出モードに移行する。
(前兆演出モード)
前兆演出モードは、一般遊技状態における第1時短遊技状態または第3時短遊技状態の場合において、第1特別図柄の可変表示回数Nが0~10(一般演出モードの開始から40~50回転目)のときに実行可能となっている。
そして、前兆演出モードにおいては、前兆演出モードに基づいた図柄演出、予告演出、先読み演出、テロップ演出等の演出が実行可能に構成されている。
また、前兆演出モードにおいては、図柄演出として、第1特別図柄の可変表示回数Nが1~10(一般演出モードの開始から40~49回転目)のときには「モード移行煽り演出」が実行可能となる。また、第1特別図柄の可変表示回数Nが0(一般演出モードの開始から50回転目)のときには「モード移行演出」が実行可能となっている。
上述したように、「モード移行煽り演出」は、当該変動において、所定回数の第1特別図柄の可変表示が行われることにより、演出モードが移行する可能性があることを事前に示唆する演出である。また、「モード移行演出」は、当該変動において、前兆演出モードから一般演出モード、チャンス演出モードまたは天国演出モードのいずれかの演出モードに移行することを報知する演出である。
前兆演出モードにおいて、大当りに当選した場合には、大当り遊技状態に移行し、大当り演出が実行可能となっている。
前兆演出モードにおいて、モード移行演出が実行され、モード移行演出により一般演出モードに移行することが報知されたときには、前兆演出モードから一般演出モードに移行する。また、モード移行演出によりチャンス演出モードに移行することが報知されたときには、前兆演出モードからチャンス演出モードに移行する。また、モード移行演出により天国演出モードに移行することが報知されたときには、前兆演出モードから天国演出モードに移行する。
前兆演出モードにおいて、大当り遊技状態に移行せずに、特別図柄の可変表示回数が天井値(950回)に到達した後には、前兆演出モードからRUSH演出モードに移行する。
なお、上述したように、RAMクリアの有無にかかわらず、電源投入時には、一般演出モード、前兆演出モード及びチャンス演出モードで、共通の背景の表示態様となるように、同じ図柄演出パターンを決定可能に構成する場合には、電源投入時には、共通の演出モード(例えば、チャンス演出モードまたは前兆演出モード)から開始することが望ましい。
(天国演出モード)
天国演出モードは、一般遊技状態における第1時短遊技状態または第3時短遊技状態の場合において、「モード移行演出」により天国演出モードに移行することが報知されたときに実行可能となっている。この天国演出モードにより、有利な一般遊技状態(第3時短遊技状態)であることを示唆することができる。
そして、天国演出モードにおいては、天国演出モードに基づいた図柄演出、予告演出、先
読み演出、テロップ演出等の演出が実行可能に構成されている。
天国演出モードにおいて、大当りに当選した場合には、大当り遊技状態に移行し、大当り演出が実行可能となっている。
天国演出モードにおいて、大当り遊技状態に移行せずに、特別図柄の可変表示回数が天井値(950回)に到達した後には、天国演出モードからRUSH演出モードに移行する。
(RUSH演出モード)
RUSH演出モードは、RUSH遊技状態における第2短遊技状態、第4短遊技状態及び第5短遊技状態のときに実行可能となっている。このRUSH演出モードにより、大当り遊技状態に移行しやすい状態であることを示唆することができる。
そして、RUSH演出モードにおいては、RUSH演出モードに基づいた図柄演出、予告演出、先読み演出等の演出が実行可能に構成されている。
RUSH演出モードにおいて、大当りに当選した場合には、大当り遊技状態に移行し、大当り演出が実行可能となっている。
RUSH演出モードにおいて、大当り遊技状態に移行せずに、時短回数の普通図柄の可変表示が行われると、RUSH演出モードからチャンス演出モードに移行する。
なお、RUSH遊技状態の第2時短遊技状態及び第4時短遊技状態のときには、時短終了条件の「普通図柄の可変表示回数」として、実質的に大当り遊技状態に移行することが保証されている回数(950回)が設定されることから、RUSH演出モードからチャンス演出モードに移行することはなく、RUSH演出モードからチャンス演出モードに移行するのは、RUSH遊技状態の第5時短遊技状態のときのみである。
[13-10.遊技停止予告のタイムチャート]
次に、第11のパチンコ遊技機において行われる遊技停止予告の概略を説明する。図502は、第11のパチンコ遊技機における遊技停止コマンドによる遊技停止予告のタイムチャートの一例である。
図502は、「遊技状態」と、「報知装置(表示装置7、スピーカ32、LED群46)」と、遊技停止を示す「遊技停止フラグ」と、「遊技球の増加数(MY)」とを上下に図示している。
図502(a)は、遊技球の増加数(MY)が第1の計数範囲(85000~89999)である場合に、第1の遊技停止予告開始条件が成立したときに、第1遊技停止予告を実行するタイムチャート1の一例である。
図502(a)に示す(ア)のタイミングにおいては、遊技球の増加数(MY)が第1の計数範囲である場合に、第1の遊技停止予告開始条件が成立し、報知装置において第1遊技停止予告の実行が開始される。ここで、第1の遊技停止予告開始条件の成立の一例として、特別図柄の選択図柄z1の大当り遊技状態中が成立している(図458参照)。なお、第1遊技停止予告の報知態様の一例については、詳しくは後述する。
図502(a)に示す(イ)のタイミングにおいては、遊技球の増加数(MY)が第2の計数範囲に到達せず、遊技球の増加数(MY)が第1の計数範囲である場合に、第1遊技停止予告終了条件が成立し、報知装置において第1遊技停止予告の実行が終了する。ここで、第1遊技停止予告終了条件の成立の一例として、遊技状態が通常短遊技状態に移行したことが成立している(図492参照)。
このように、図502(a)に示すタイムチャート1によれば、遊技者が多量の遊技価値(遊技球)を獲得することが期待できる遊技状態である場合には、第2の計数範囲よりも事前に第1遊技停止予告の実行を開始させることができる。そして、その遊技状態により遊技球の増加数(MY)が第2の計数範囲に到達しなかったときには、第1遊技停止予告の実行を終了させることができる。
図502(b)は、第1遊技停止予告の実行が終了した後、遊技球の増加数(MY)が第2の計数範囲(90000~94999)に到達した場合に、第2遊技停止予告、遊技停止報知を実行するタイムチャート2の一例である。
図502(b)に示す(ア)及び(イ)のタイミングは、上述した図502(a)に示す(ア)及び(イ)のタイミングと同様である。すなわち、遊技球の増加数(MY)が第1の計数範囲である場合において、第1の遊技停止予告開始条件の成立により第1遊技停止予告の実行を開始し、第1遊技停止予告終了条件の成立により第1遊技停止予告の実行を終了している。
図502(b)に示す(ウ)のタイミングにおいては、小当り遊技状態、大当り遊技状態及びRUSH遊技状態が実行されておらず、第1始動口11120や一般入賞口122等に遊技球が入球して所定の賞球が払い出されることにより、遊技球の増加数(MY)が第2の計数範囲(90000~94999)に到達している。
このとき、既に第1遊技停止予告が実行されたことから、第2の遊技停止予告開始条件が成立せずに、第2遊技停止予告は実行されない(図458参照)。
図502(b)に示す(エ)のタイミングにおいては、大当り遊技状態が実行されたことにより、第2の遊技停止予告開始条件が成立して、報知装置において第2遊技停止予告の実行が開始される。この第2遊技停止予告は、遊技球の増加数(MY)が規制値(95000)になるまで継続して実行される。なお、第2遊技停止予告の報知態様の一例については、詳しくは後述する。
図502(b)に示す(オ)のタイミングにおいては、小当り遊技状態または大当り遊技状態が実行されておらず、遊技球の増加数(MY)が規制値(95000)に到達している。
このとき、遊技停止フラグがオンになり、遊技停止報知として、報知装置において第1遊技停止報知が実行される。
図502(b)に示す(カ)のタイミングにおいては、遊技停止フラグがオンになった後、強制報知時間が経過している。
このとき、遊技停止報知として、報知装置において第1遊技停止報知とは異なる第2遊技停止報知が実行される。また、第2遊技停止報知が実行されているときには、所定の演出ボタン54の操作情報の入力が有効となり、音量調整及び光量調整が可能となる。なお、第1遊技停止報知及び第2遊技停止報知の報知態様の一例については、詳しくは後述する。
このように、図502(b)に示すタイムチャート2によれば、既に第1遊技停止予告が実行された場合には、遊技者が所定の遊技価値(遊技球)を獲得することが期待できる遊技状態(大当り遊技状態等)になったときに、第2遊技停止予告の実行を開始させることができる。
また、既に第1遊技停止予告が実行された場合には、第1始動口11120や一般入賞口122等に遊技球が入球して所定の賞球が払い出されることにより、遊技球の増加数(MY)が第2の計数範囲に到達したときであっても、第2遊技停止予告の実行が開始されることはない((ウ)~(エ)の期間)。
これにより、第1始動口11120や一般入賞口122等に遊技球が入球して所定の賞球が払い出されて、遊技球の増加数(MY)が第2の計数範囲に到達したものの、遊技球の発射により遊技球の増加数(MY)が第2の計数範囲を下回ってしまった場合(第1の境界値の90000個を前後するような場合)であっても、遊技停止予告を実行させたり終了させたりすることがなくなり、遊技停止予告による煩わしさを解消することができる。
さらに、遊技停止報知として、遊技停止フラグがオンになった当初は第1遊技停止報知を実行し、強制報知時間が経過した後は第2遊技停止報知を実行するので、遊技停止報知後の経過時間に応じて、適切な報知を行うことができる。
図502(c)は、第1遊技停止予告を実行せずに、遊技球の増加数(MY)が第2の計数範囲(90000~94999)に到達した場合に、第2遊技停止予告、遊技停止報知を実行するタイムチャート3の一例である。
図502(c)に示す(ウ)のタイミングにおいては、小当り遊技状態、大当り遊技状態及びRUSH遊技状態が実行されておらず、第1始動口11120や一般入賞口122等に遊技球が入球して所定の賞球が払い出されることにより、遊技球の増加数(MY)が第2の計数範囲(90000~94999)に到達している。
このとき、第1遊技停止予告が実行されなかったことから、第2の遊技停止予告開始条件が成立して、報知装置において第2遊技停止予告の実行が開始される(図458参照)。この第2遊技停止予告は、遊技球の増加数(MY)が規制値(95000)になるまで継続して実行される。
そして、図502(c)に示す(オ)及び(カ)のタイミングにおいては、図502(b)に示すタイムチャート2と同様に、報知装置において第1遊技停止報知、第2遊技停止報知が実行される。
このように、図502(c)に示すタイムチャート3によれば、第1遊技停止予告が実行されずに、遊技球の増加数(MY)が規制値(95000)に近づいたときには、素早く第2遊技停止予告を実行させて、事前に遊技が停止されることを遊技者に報知することができる。
図502(d)は、第1遊技停止予告、第2遊技停止予告、第3遊技停止予告、遊技停止報知を実行するタイムチャート4の一例である。
図502(d)に示す(ア)のタイミングにおいては、遊技球の増加数(MY)が第1の計数範囲である場合に、第1の遊技停止予告開始条件が成立し、報知装置において第1遊技停止予告の実行が開始される。
図502(d)に示す(ウ)のタイミングにおいては、RUSH遊技状態において、遊技球の増加数(MY)が第2の計数範囲(90000~94999)に到達している。
このとき、第2の遊技停止予告開始条件が成立して、報知装置において第2遊技停止予告の実行が開始される(図458参照)。この第2遊技停止予告は、遊技球の増加数(MY)が規制値(95000)になるまで継続して実行される。
図502(d)に示す(キ)のタイミングにおいては、大当り遊技状態を実行しているときに、遊技球の増加数(MY)が規制値(95000)に到達している。
このとき、遊技は停止せずに遊技停止フラグがオフに保持され、大当り遊技状態中に、報知装置において第3遊技停止予告の実行が開始される(図458参照)。なお、第3遊技停止予告の報知態様の一例については、詳しくは後述する。
図502(d)に示す(ク)のタイミングにおいては、遊技球の増加数(MY)が規制値(95000)に到達した後の大当り遊技状態が終了している。
このとき、遊技停止フラグがオンになり、遊技停止報知として、報知装置において第1遊技停止報知が実行される。
そして、図502(d)に示す(カ)のタイミングにおいては、図502(b)に示すタイムチャート2と同様に、報知装置において第2遊技停止報知が実行される。
このように、図502(d)に示すタイムチャート4によれば、大当り遊技状態の終了後に遊技が停止する場合には、大当り遊技状態中の第3遊技停止予告により、具体的な遊技停止内容(例えば「この大当り遊技状態の終了後に遊技が停止します」)を報知することができる。
[13-11.演出の表示内容]
以上の主制御回路200及びサブ制御回路300等の制御により実行される演出の表示内容について、表示装置7の表示領域に表示される表示画像を用いて説明する。
(表示画像の基本構成)
まず、図503を参照して、表示装置7の表示領域に表示される表示画像の基本構成について説明する。図503は、第11のパチンコ遊技機における表示装置7の表示領域に表示される表示画像の基本構成の説明図の一例である。図503(a)は、通常遊技状態及び一般遊技状態における表示画像の基本構成であり、図503(b)は、RUSH遊技状態における表示画像の基本構成である。
図503に示すように、装飾図柄は、表示装置7の表示領域に遊技者が認識し易く大きく表示される第1の装飾図柄としての「主図柄」と、遊技者が認識し難く小さく表示される第2の装飾図柄としての「副図柄」との2種類で構成されている。なお、装飾図柄の種類はこれに限定されない。
(通常遊技状態及び一般遊技状態における表示画像の基本構成)
図503(a)に示すように、通常遊技状態及び一般遊技状態における表示画像の基本構成は、表示装置7の表示領域の中央側に、第1特別図柄に対応した主図柄としての左図柄11071L、中図柄11071C、右図柄11071Rが表示可能に構成されている。なお、主図柄の数は3種類に限定されない。
また、表示装置7の表示領域の右隅には、第1特別図柄に対応した装飾図柄の副図柄としての第1副図柄11072、第2特別図柄に対応した装飾図柄の副図柄としての第2副図柄11073、普通図柄に対応した装飾図柄の副図柄としての第3副図柄11075が小さく表示可能に構成されている。
本実施形態においては、通常遊技状態または一般遊技状態のときに第1特別図柄の可変表示が行われる場合には、左図柄11071L、中図柄11071C及び右図柄11071Rの主図柄の可変表示に加え、第1副図柄11072の可変表示も行われることになる。
また、通常遊技状態または一般遊技状態のときに第2特別図柄の可変表示が行われる場合には、第2副図柄11073のみの可変表示が行われ、第2特別図柄に対応した装飾図柄の主図柄は表示されないことになる。また、通常遊技状態または一般遊技状態のときに普通図柄の可変表示が行われる場合には、第3副図柄11075のみの可変表示が行われ、普通図柄に対応した装飾図柄の主図柄は表示されないことになる。
表示装置7の表示領域の左下には、第1特別図柄の保留個数に対応した保留画像が表示可能となっており、第1特別図柄の保留個数に応じて、第1特別図柄始動記憶領域(1)に始動情報が記憶されていることを示す第1保留画像10074a、第1特別図柄始動記憶領域(2)に始動情報が記憶されていることを示す第2保留画像10074b、第1特別図柄始動記憶領域(3)に始動情報が記憶されていることを示す第3保留画像10074c、第1特別図柄始動記憶領域(4)に始動情報が記憶されていることを示す第4保留画像10074dが表示可能に構成されている。また、保留画像に対応して、第1特別図柄の変動表示が行われていることを示す当該保留画像10074zが表示可能に構成されている。なお、本実施形態では、通常遊技状態において第2特別図柄の保留個数に対応した保留画像は表示されないが、第2特別図柄の保留個数に対応した保留画像を表示可能に構成してもよい。
(RUSH遊技状態における表示画像の基本構成)
図503(b)に示すように、RUSH遊技状態における表示画像の基本構成は、表示装置7の表示領域の中央側に、普通図柄に対応した装飾図柄の主図柄としての左図柄11076L、中図柄11076C及び右図柄11076Rが表示可能に構成されている。
また、表示装置7の表示領域の右隅には、通常遊技状態及び一般遊技状態であるときと同様に、第1特別図柄に対応した第1副図柄11072、第2特別図柄に対応した第2副図柄11073、普通図柄に対応した第3副図柄11075が小さく表示可能に構成されている。
本実施形態においては、RUSH遊技状態のときに普通図柄の可変表示が行われる場合には、左図柄11076L、中図柄11076C及び右図柄11076Rの主図柄の可変表示に加え、第3副図柄11075の可変表示も行われることになる。また、RUSH遊技状態のときに、第1特別図柄の可変表示が行われる場合には、第1副図柄11072のみの可変表示が行われ、第1特別図柄に対応した装飾図柄の主図柄は表示されないことになる。RUSH遊技状態のときに第2特別図柄の可変表示が行われる場合には、第2副図柄11073のみの可変表示が行われ、第2特別図柄に対応した装飾図柄の主図柄は表示されないことになる。
表示装置7の表示領域の左下には、普通図柄の保留個数に対応した保留画像が表示可能となっており、普通図柄の保留個数に応じて、普通図柄始動記憶領域(1)に始動情報が記憶されていることを示す第1保留画像11077a、普通図柄始動記憶領域(2)に始動情報が記憶されていることを示す第2保留画像11077b、普通図柄始動記憶領域(3)に始動情報が記憶されていることを示す第3保留画像11077c、普通図柄始動記憶領域(4)に始動情報が記憶されていることを示す第4保留画像11077dが表示可能に構成されている。また、保留画像に対応して、普通図柄の変動表示が行われていることを示す当該保留画像11077zが表示可能に構成されている。なお、本実施形態では、RUSH遊技状態において第1特別図柄及び第2特別図柄の保留個数に対応した保留画像は表示されないが、第1特別図柄及び第2特別図柄の保留個数に対応した保留画像を表示可能に構成してもよい。
表示装置7の表示領域の右上には、正規な遊技態様として右打ちを指示する右打ち指示画像11079が表示可能に構成されている。
このように、通常遊技状態及び一般遊技状態のときには、第1特別図柄の抽選により大当り遊技状態を目指す第1のゲーム性を認識しやすいように、装飾図柄の主図柄及び保留画像が第1特別図柄に対応しており、RUSH遊技状態のときには、普通図柄の抽選により第2始動口11140のロング開放を目指す第2のゲーム性を認識しやすいように、装飾図柄の主図柄及び保留画像が普通図柄に対応している。すなわち、第1の装飾図柄(主図柄)は、通常遊技状態であるときには第1特別図柄に対応した図柄となり、RUSH遊技状態であるときには普通図柄に対応した図柄に差し替わることになる。
(カード演出)
次に、図504を参照して、チャンス演出モードにおけるカード演出について説明する。図504は、第11のパチンコ遊技機におけるチャンス演出モードのカード演出を説明する表示画像の一例である。
なお、カード演出の説明においては、図503で付した符号は文字が小さくなり視認性に欠け、演出内容の説明の邪魔になる恐れがあるため、符号の図示は省略する。また、極めて小さく表示される第1副図柄11072、第2副図柄11073及び第3副図柄11075の図示についても省略する。このことは、図504~図510で説明する演出においても同様である。
図504(a)は、チャンス演出モードにおいて、第1特別図柄の変動表示を開始する前の表示画像の一例である。
図504(b)は、時短当りに当選した第1特別図柄の変動表示が行われており、カード演出が開始されたときの表示画像の一例である。
図504(b)に示すように、カード演出を実行する図柄演出パターン(図486参照)が決定されてカード演出が開始されると、「一般演出モード」、「RUSH演出モード」の文字が記載されたチャンスカードが裏返しになってシャッフルされ、そのカードを1つ選択するような演出が行われる。ここで、カード演出は、白いカードが表示される白カード演出と、赤いカードが表示される赤カード演出との2種類があり、赤カード演出の方が、白カード演出よりも、RUSH演出モード(第2時短遊技状態)に移行することの期待値が高く設定されている。また、表示領域の中央に大きく表示されていた左図柄・中図柄・右図柄の主図柄は、カード演出の邪魔にならないように、遊技者が識別可能な程度に表示領域の右下に縮小表示される。
図504(c)は、第1特別図柄の変動表示が行われており、カード演出による演出結果が表示されたときの表示画像の一例である。
図504(c)に示すように、カード演出において1つのカードが選択されると、カードがゆっくりと反転され、「一般演出モード」の文字が記載されたチャンスカードが表示される演出が行われる。
図504(d)は、第1特別図柄の変動表示が終了して、一般演出モードに移行したことを報知する表示画像の一例である。
図504(d)に示すように、「一般演出モード」の文字が記載されたチャンスカードが表示されると、表示領域の右下に縮小表示された左図柄・中図柄・右図柄の主図柄が表示領域の中央に大きく停止表示される。その後、背景の表示態様が変化し、一般演出モードに移行したことが報知される。
なお、本実施形態においては、チャンス演出モードの背景の表示態様と、一般演出モードの背景の表示態様とを異ならせて構成したが、共通の背景の表示態様としてもよい。
このように、カード演出により、第1時短遊技状態、第2時短遊技状態及び第3時短遊技状態のいずれかの遊技状態に移行することが示唆することができ、より遊技の興趣の向上を図ることができる。
(RUSH突入演出)
次に、図505を参照して、チャンス演出モードにおけるRUSH突入演出について説明する。図505は、第11のパチンコ遊技機におけるチャンス演出モードのRUSH突入演出を説明する表示画像の一例である。
図505(a)は、チャンス演出モードにおいて、第1特別図柄の変動表示を開始する前の表示画像の一例である。
図505(b)は、時短当りに当選した第1特別図柄の変動表示が行われており、RUSH突入演出が開始されたときの表示画像の一例である。
図505(b)に示すように、RUSH突入演出を実行する図柄演出パターン(図486参照)が決定されてRUSH突入演出が開始されると、表示領域の左右から半開きの扉が表示され、所定期間に亘って半開きの扉がガタガタしまるような演出が行われる。
図505(c)は、第1特別図柄の変動表示が終了し、RUSH突入演出が成功したときの表示画像の一例である。
図505(c)に示すように、RUSH突入演出が成功すると、扉が閉まる演出が行われ、全ての装飾図柄が停止表示を行う。なお、RUSH突入演出が失敗すると、扉が閉まらずに開放する演出が行われる。
図505(d)は、第1特別図柄の変動表示が終了して、RUSHモードに移行したことを報知する表示画像の一例である。
図504(d)に示すように、完全に閉まった扉が開放すると、背景の表示態様が変化し、RUSHモードに移行したことが報知される。
このように、RUSH突入演出により、RUSH遊技状態(第2時短遊技状態)に移行するか否かの演出を実行することができ、より遊技の興趣の向上を図ることができる。
(テロップ演出)
次に、図506を参照して、天国演出モードにおけるテロップ演出について説明する。図506は、第11のパチンコ遊技機における天国演出モードのテロップ演出を説明する表示画像の一例である。
図506(a)は、天国演出モードにおいて、第1特別図柄及び普通図柄の変動表示を開始する前の表示画像の一例である。
図506(b)は、普通図柄の変動表示が行われており、普通図柄の抽選によりテロップ演出が開始されたときの表示画像の一例である。なお、図506(b)では、第1特別図柄の変動表示も行われているが、第1特別図柄の変動表示は行われていても、行われていなくともよい。
図506(b)に示すように、テロップ演出を実行するテロップ演出パターン(図489参照)が決定されてテロップ演出が開始されると、表示領域の上部に第2始動口11140がロング開放されることを示唆する「緊急速報:チャンス口が開きそうです・・・」という文字が表示される。
図505(c)は、普通図柄の変動表示が終了し、第2始動口11140がロング開放するときのテロップ演出の表示画像の一例である。
図505(c)に示すように、第2始動口11140がロング開放するときには、第2始動口11140に遊技球が入球するように、右打ちを指示し、表示領域の上部に「チャンス口を狙え」という文字が表示される。なお、テロップ演出において、第2始動口11140がロング開放しないときには、表示領域の上部に「チャンス口が開きませんでした・・・」という文字が表示される。
このように、テロップ演出により、第2始動口11140がロング開放することを示唆し、第2始動口11140に遊技球を入球させることができる。
なお、上述したテロップ演出は、第1特別図柄の変動表示が行われている場合には、表示領域の左下など第1特別図柄に対応した第1の装飾図柄(主図柄)の変動表示に干渉しない領域に表示することが望ましい。さらには、テロップ演出は、第1特別図柄の変動表示が行われている場合には、第1特別図柄に対応した第1の装飾図柄の変動表示に干渉しないように、第1の装飾図柄よりも背面(背面レイヤー等)に表示してもよい。
(先読み演出)
次に、図507を参照して、事前変動において行われる先読み演出について説明する。図507は、第11のパチンコ遊技機における先読み演出を説明する表示画像の一例である。
図507(a)は、チャンス演出モードの事前変動において、先読み演出の「期待UPゾーン」が実行されているときの表示画像の一例である。
図507(a)に示すように、「期待UPゾーン」が実行されると、表示領域の左右に「期待UPゾーン」の文字が付された帯が表示される。
この「期待UPゾーン」により、所定の演出が行われること、大当り遊技状態または第2時短遊技状態(RUSH遊技状態)に移行することを事前に示唆することができ、遊技者に有利な大当り遊技状態またはRUSH遊技状態への移行の期待感を高め、より遊技の興趣の向上を図ることができる。
図507(b)は、チャンス演出モードの事前変動において、先読み演出の「モード移行ゾーン」が実行されているときの表示画像の一例である。
図507(b)に示すように、「モード移行ゾーン」が実行されると、表示領域の上部に「モード移行ゾーン」の文字が付された帯が表示される。
この「モード移行ゾーン」により、時短当りであること、通常遊技状態から第1時短遊技状態、第2時短遊技状態または第3時短遊技状態のいずれかの遊技状態に移行することを事前に示唆することができ、遊技状態への移行の期待感を高め、より遊技の興趣の向上を図ることができる。
図507(c)は、チャンス演出モードの事前変動において、先読み演出の「RUSH期待ゾーン」が実行されているときの表示画像の一例である。
図507(c)に示すように、「RUSH期待ゾーン」が実行されると、チャンス演出モードの背景表示態様から、特別な背景表示態様に切り替わる。また、特別な背景表示態様に切り替わることにより、主図柄の大きさも小さく変化する。
この「RUSH期待ゾーン」により、第2時短遊技状態(RUSH遊技状態)に移行することを事前に示唆することができ、RUSH遊技状態への移行の期待感を高め、より遊技の興趣の向上を図ることができる。
なお、本実施形態においては、事前変動において行われる先読み演出として、所定の画像を追加表示させたり、背景表示態様を変化させたりするように構成したが、事前変動において保留画像の表示態様を変化させることにより先読み演出を実行してもよい。
(モード移行演出)
次に、図508を参照して、前兆演出モードにおいて行われるモード移行演出について説明する。図508は、第11のパチンコ遊技機における一般演出モード、前兆演出モード、モード移行演出を説明する表示画像の一例である。
図508(a)は、一般演出モードが開始されたときの表示画像の一例である。
図508(a)に示すように、一般演出モードにおいては、表示領域の左上に第1特別図柄の可変表示回数Nを計数する「残りゲーム数」が表示されている。この「残りゲーム数」は、一般演出モードが開始されたときには「50回」が設定され、第1特別図柄の可変表示が行われる毎に1減算されていく。
図508(b)は、一般演出モードにおいて第1特別図柄の可変表示が行われ、「残りゲーム数」が「10回」になったときに、前兆演出モードが開始されたときの表示画像の一例である。
図508(b)に示すように、前兆演出モードにおいては、一般演出モードから引き続き、表示領域の左上に「残りゲーム数」が表示されている。また、一般演出モードから前兆演出モードに移行すると、背景の表示態様が変化する。この前兆演出モードにおいては、第1特別図柄の抽選がハズレであるときに「モード移行煽り演出」も実行可能となっている(図487(a)参照)。
図508(c)は、前兆演出モードにおいて第1特別図柄の可変表示が行われ、「残りゲーム数」が「0回」になったときに、モード移行演出が開始されたときの表示画像の一例である。
図508(c)に示すように、モード移行演出においては、所定のキャラクタが表示され、一般演出モード、チャンス演出モードまたは天国演出モードのいずれかの演出モードに移行することを報知する。
図508(d-1)は、モード移行演出において、チャンス演出モードに移行することを報知したときの表示画像の一例である。モード移行演出によりチャンス演出モードに移行することが報知されると、図504(a)に示す表示画像に移行することになる。
図508(d-2)は、モード移行演出において、一般演出モードに移行することを報知したときの表示画像の一例である。モード移行演出により一般演出モードに移行することが報知されると、「残りゲーム数」が新たに「50回」に再設定され、図508(a)に示す表示画像に戻ることになる。
この「モード移行演出」により、所定回数の第1特別図柄の可変表示が行われることにより、前兆演出モードから一般演出モード、チャンス演出モードまたは天国演出モードのいずれかの演出モードに移行することを報知することができ、遊技者にとって有利な遊技状態への移行の期待感を高め、より遊技の興趣の向上を図ることができる。
なお、本実施形態においては、一般演出モード及び前兆演出モードのときに第1特別図柄の可変表示回数Nを計数する「残りゲーム数」を表示するように構成したが、「残りゲーム数」を表示しないように構成してもよい。
(遊技停止予告)
次に、図509を参照して、遊技停止予告の報知内容について説明する。図509は、第11のパチンコ遊技機における遊技停止予告の表示画像の一例である。
図509(a)は、第1遊技停止予告が実行されているときの表示画像の一例である。
図509(a)に示すように、第1遊技停止予告が実行されると、表示領域の上部に「遊技の停止に近づいています」の文字が表示される。
「遊技の停止に近づいています」の文字は、第1遊技停止予告終了条件が成立するまで継続して表示される。
この第1遊技停止予告により、遊技球の増加数(MY)により遊技の停止が近づいていることを事前に把握することができる。
図509(b)は、第2遊技停止予告が実行されているときの表示画像の一例である。
図509(b)に示すように、第2遊技停止予告が実行されると、表示領域の上部に「遊技の停止まで約XX00発です」の文字が表示される。
「遊技の停止まで約XX00発です」の文字は、遊技球の増加数(MY)が規制値(95000)に到達するまで継続して表示され、「約XX00発」は、ワークRAM303のサブ差玉数カウンタに記憶された値に基づいて、約5000発→約4000発→約3000発→約2000発→約1000発のように更新表示されていく。
この第2遊技停止予告により、遊技が停止するまでの遊技球の増加数を具体的に把握することができる。
なお、本実施形態においては、「約XX00発」の文字により遊技が停止するまでの遊技球の増加数を報知しているが、遊技が停止するまでの遊技球の増加数を報知しなくてもよい。
図509(c)は、第3遊技停止予告が実行されているときの表示画像の一例である。
上述したように、第3遊技停止予告は、大当り遊技状態中に遊技球の増加数(MY)が規制値(95000)に到達したときに実行され、その大当り遊技状態の終了後には遊技が停止される。
図509(c)に示すように、第3遊技停止予告が実行されると、表示領域の中央に「この大当り遊技終了後に遊技が停止します」の文字が表示される。
「この大当り遊技終了後に遊技が停止します」の文字は、その大当り遊技状態の終了後まで継続して表示される。
この第3遊技停止予告により、大当り遊技状態の終了後に遊技が停止することを把握することができる。
(停止報知)
次に、図510を参照して、遊技停止報知の報知内容について説明する。図510は、第11のパチンコ遊技機における遊技停止報知の表示画像の一例である。
図510(a)は、第1遊技停止報知が実行されているときの表示画像の一例である。
図510(a)に示すように、第1遊技停止報知が実行されると、表示領域には遊技の停止を示す「遊技が停止しました。本日は遊技終了です」の文字のみが表示される。また、第1遊技停止報知が実行されているときには、装飾図柄やその他の情報は表示されず、すべての演出ボタン54の操作情報の入力も無効となっている。
この第1遊技停止報知により、遊技が停止されたことを明確に把握することができる。
図510(b)は、第1遊技停止報知が実行され、強制報知時間が経過した後に、第2遊技停止報知が開始されたときの表示画像の一例である。
図510(b)に示すように、第2遊技停止報知が実行されると、表示領域の右下に第1遊技停止報知の表示画像が縮小表示される。そして、縮小表示された第1遊技停止報知の表示画像の背面側では、遊技の停止中に対応したデモ画像が表示される。
デモ画像は、所定のキャラクタが表示されたり、決定ボタンの演出ボタン54の操作によりQRコードが表示されたりする。なお、QRコードは、決定ボタンの演出ボタン54の操作によらずに、自動的に表示されるように構成してもよい。
また、本実施形態においては、図510(b)に示すデモ画像は、遊技が停止されているとき専用のデモ画像であるが、遊技が進行しているときのデモ画像と共通にしてもよい。
この第2遊技停止報知により、遊技が停止されたことが明確に把握された後(強制報知時間が経過した後)には、遊技が停止されていることを継続して報知しつつも、遊技店の営業終了までデモ画像により装飾的な表示を行うことができる。
図510(c)は、第2遊技停止報知を実行している場合に、左右ボタンの演出ボタン54に対応した第2の操作情報を入力したときに行われる音量調整の表示画像の一例である。
図510(c)に示すように、第2遊技停止報知を実行している場合に音量調整が行われると、デモ画像が音量調整用の調整画像に切り替わる。そして、左ボタンの演出ボタン54を操作したときには音量の大きさを1段階下げる調整が行われ、右ボタンの演出ボタン54を操作したときには、音量の大きさを1段階上げる調整が行われる。
このように、第2遊技停止報知を実行しているときには音量調整が可能となっていることから、遊技が停止されているときのデモ画像に応じた音量の調整を行うことができる。
なお、図示は省略するが、第2遊技停止報知を実行している場合に、上下ボタンの演出ボタン54に対応した第3の操作情報を入力したときには、音量調整と同様に、光量調整の表示画像が表示される。また、第2遊技停止報知を実行しているときには光量調整が可能となっていることから、遊技が停止されているときのデモ画像に応じた光量の調整を行うことができる。
このように、第11のパチンコ遊技機では、時短当りが当選可能な通常遊技状態、第2始動口10140の開放パターンが定められた普電作動パターンにより複数の時短遊技状態(第1時短遊技状態~第5時短遊技状態)を備え、遊技状態に更なる変化を与え、新たなる遊技状態に応じた演出を行うことにより、従来にない遊技性を創出して、より遊技の興趣の向上を図ることができる。
特に、第11のパチンコ遊技機では、左打ちが正規な遊技態様のときには、通常遊技状態、第1時短遊技状態または第3時短遊技状態が制御され、右打ちが正規な遊技態様のときには、第2時短遊技状態、第4時短遊技状態または第5時短遊技状態が制御されるので、それぞれの遊技態様においても遊技状態に更なる変化を与え、より遊技の興趣の向上を図ることができる。
また、第11のパチンコ遊技機では、通常遊技状態においてのみ時短当りが当選可能であり、時短当りからRUSH遊技状態の第2時短遊技状態に移行可能に構成されている。このため、通常遊技状態においてはRUSH遊技状態を経由した大当り遊技状態への移行率を高め、より遊技の興趣の向上を図ることができる。
そして、通常遊技状態はRAMクリア後の初期の遊技状態でもあることから、RAMクリア後の電源投入後の状態においては、時短当りが当選可能な通常遊技状態から遊技を開始させることができ、遊技店の開店後からの遊技機の稼働を向上させることができる。
また、第11のパチンコ遊技機では、時短当りの当選により通常遊技状態から不利な第1時短遊技状態に移行したとしても、設定された時短回数の特別図柄の可変表示が行われると、第1時短遊技状態から通常遊技状態に移行させることができる。このため、抽選という偶然性による移行ではなく、特別図柄の可変表示回数という必然性により通常遊技状態に復帰させることができるので、遊技の興趣を減退させることなく、遊技機の稼働の向上を図ることができる。
そして、第1時短遊技状態に移行するときには、複数の時短回数(第1時短回数~第3時短回数)の中からいずれかの1つ時短回数が設定されるので、いつ第1時短遊技状態から通常遊技状態に復帰するのかに興味を与えて、より遊技の興趣の向上を図ることができる。
特に、第11のパチンコ遊技機では、第1時短遊技状態の時短回数として、最小の第1時短回数である50回、第2時短回数である100回、第3時短回数である150回が設定可能となっており、第2時短回数及び第3時短回数は最小の第1時短回数の整数倍に設定されている。このため、第1時短遊技状態においては、最小の第1時短回数である50回の第1特別図柄の可変表示回数が行われることを1周期として、周期的に通常遊技状態に復帰することを期待させることができる。
さらに、第1時短遊技状態の1周期内(50回転以内)においては、第1特別図柄の可変表示回数Nに基づいて、特別図柄の変動パターンテーブル、図柄演出パターンテーブル及び演出モードが切り替わっていき、通常遊技状態に移行する時期が近づいていることを示唆する専用演出(モード移行煽り演出)や、通常遊技状態に移行するか否かの専用演出(モード移行演出)を行うので、更なる遊技の興趣の向上を図ることができる。
また、第11のパチンコ遊技機では、遊技球の増加数(MY)が規制値(例えば、95000個)に到達すると、遊技が停止可能となっているので、遊技の射幸性を適切に抑制することができる。
そして、遊技が停止される前には、遊技球の増加数(MY)の計数範囲に応じた遊技停止予告を行うことができるので、遊技球の増加数(MY)の計数範囲に応じた適切な内容を報知することができる。さらに、遊技が停止された後においても、強制報知時間によって、適切な遊技停止の報知を行うことができる。
<第11のパチンコ遊技機の変形例>
なお、第11のパチンコ遊技機においては、遊技の停止に関わるデータとして、遊技停止機能作動管理フェーズ、獲得遊技球数、差玉数カウンタ、MY判定用カウンタの更新制御を主制御回路200(メインCPU201)によって行われるように構成したが、払出・発射制御回路400によって行われるように構成してもい。
また、第11のパチンコ遊技機においては、遊技の停止に関わるデータに関する処理を、第5のパチンコ遊技機におけるゲームストップ機能に関する処理に置き換えて構成してもよい。すなわち、第11のパチンコ遊技機の主制御回路200のメインCPU201により実行される主制御メイン処理(図459~図462)及びシステムタイマ割込み処理(図480~図484)を、第5のパチンコ遊技機の主制御回路200のメインCPU201により実行される主制御メイン処理(図145~図153)及びシステムタイマ割込み処理(図165~図174)に置き換えてもよい。
なお、第11のパチンコ遊技機の実施形態に記載された技術をスロットマシンに適用してもよい。スロットマシンに適用する場合には、第11のパチンコ遊技機で実行される各種演出は、スロットマシンに備えられた表示装置、リール等による演出に置き換えればよい。また時短遊技状態(第1時短遊技状態~第5時短遊技状態)は、再遊技のリプレイ確率が向上したリプレイタイム(RT状態)、所定の小役や停止ボタンの操作内容を報知するアシストタイム(AT状態)、リプレイタイムとアシストタイムが同時に制御されるアシストリプレイタイム(ART状態)のいずれかの状態に置き換えればよい。また、大当り、小当りは、特定役に当選すること、特定の図柄の組み合わせが停止表示されること(特定の図柄の組み合わせが入賞すること)、RT状態の突入当選に当選すること、AT状態の突入当選に当選すること、ART状態の突入当選に当選することのいずれかに置き換えればよい。
(その他)
上述の第11のパチンコ遊技機は、変形例を含めて各実施形態同士で互いの技術を適用することができる。上述の実施形態は、本発明の内容を限定するものではなく、特許請求の範囲を逸脱しない程度に変更を加えることができる。
また、第11のパチンコ遊技機に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の各実施形態に記載されたものに限定されるものではない。
更に、上記[4.拡張例]は、第11のパチンコ遊技機にも、その遊技性や制御に齟齬を生じえない限り適用可能である。
以下、上述した遊技機における構成とその構成から奏する効果について付記する。
<付記4-1>
従来、パチンコ遊技機と呼ばれる遊技機が知られており、このパチンコ遊技機は、一般に、遊技盤に発射された遊技球が転動可能な遊技領域と、この遊技領域に設けられた始動領域と、図柄表示装置と、図柄表示装置を制御する可変表示制御手段とを備える。このような遊技機では、遊技球が始動領域を通過(遊技球の始動口入賞)したことなどの所定の条件が成立すると、可変表示制御手段が図柄表示装置を制御して、図柄表示装置の表示領域上に識別情報(例えば後述の特別図柄等)を変動表示させる。そして、図柄表示装置の表示領域上に最終的に導出表示された識別情報が所定の組合せ(特定の表示態様)となった場合に、遊技状態が遊技者に有利な大当り遊技状態(所謂「大当り」)に移行する。
また、従来、パチンコ遊技機の主制御回路において、バンク切り替えによって、ROM(Read Only Memory)とRAM(Random Access Memory)をそれぞれ区分けして使用するように構成されたパチンコ遊技機が知られている(例えば、特開2021-53443号公報)。
このようなパチンコ遊技機では、例えば、ROMに関しては、遊技に関する処理に関連するプログラムとデータを含んだ遊技用エリアと、遊技以外の処理に関連するデータ等を含む領域外エリアに区分し、RAMに関しては、遊技に関する処理に関連する作業領域等を含む遊技用エリアと、遊技以外の処理に関連する作業領域等を含む領域外エリアに区分し、さらに、ROMの遊技用エリアとRAMの遊技用エリアをバンク0に割り当て、ROMの領域外エリアとRAMの領域外エリアをバンク1に割り当てている。
このように、バンクごとにROMとRAMで別の領域を割り当てることによって、パチンコ遊技機においてプログラムを実行する際に、バンクを切り替えて、遊技用エリアを利用する処理と、領域外エリアを利用する処理を個別に管理することができ、遊技に関する処理と遊技以外の処理について、利用するプログラムやデータが混同しないように切り分けることができる。
しかしながら、従来の構成では、所定領域のクリア処理やデータのセット処理等を行う場合に、バンクの切り替えが行われると、その間の割込み禁止、割込み許可の設定が保持されない場合があり、そのために、バンクの切り替えが行われる場合に、所定のフラグをオン、オフするなどして割込み禁止、割込み許可の設定を管理し、また、そのような所定のフラグのオン、オフについても、タイミングや処理順序を意識して行う必要があった。
本発明は、このような点に鑑みてなされたものであり、呼び出された際の割込み制御状態を意識することなく、所定処理を呼び出すことができる遊技機を提供することを目的とする。
また、さらなる本発明の目的は、所定領域のクリア処理やデータの格納処理といった所定処理が呼び出された場合に、呼び出された際の割込み制御状態を意識することなく、割込み禁止、割込み許可の設定を正常に維持することができる遊技機を提供することである。
上記目的を達成するために、本発明に係る遊技機は、遊技の動作を制御するための演算処理(例えば、遊技用エリアに係る処理)と、遊技以外の処理を行うための演算処理(例えば、領域外エリアに係る処理)を行う演算処理手段(例えば、メインCPU4201)を備え、
前記演算処理手段は、
所定処理(例えば、データの格納処理や所定領域のクリア処理)を実行する際に、割込み禁止状態か割込み許可状態かを示す割込み制御状態(例えば、割込み許可レジスタ)を退避することを特徴とする(例えば、第3実施形態に係るパチンコ機)。
このような本発明の構成によれば、呼び出された際の割込み制御状態を意識することなく、所定処理を呼び出すことができる。
好適には、本発明に係る遊技機は、
前記割込み制御状態は、割込み禁止命令で割込み禁止状態、割込み許可命令で割込み許可状態に設定され、それぞれ、割込み禁止状態か割込み許可状態かを識別可能な第1の値(例えば、割込み許可レジスタ2の値)、第2の値(例えば、割込み許可レジスタ1の値)で管理され、
前記第1の値、及び第2の値は、前記割込み禁止命令、及び前記割込み許可命令によって同じ値に設定される(例えば、割込み禁止命令では禁止「0」、割込み許可命令では許可「1」)ように構成されることが望ましい。
このような本発明の構成によれば、呼び出された際の割込み制御状態を意識することなく、所定処理を呼び出すことができる。
好適には、本発明に係る遊技機は、
前記割込み制御状態は、割込み禁止命令で割込み禁止状態、割込み許可命令で割込み許可状態に設定され、
前記割込み制御状態を退避した後で(例えば、割込み許可レジスタ2の値がフラグレジスタに格納された後で)、前記割込み禁止命令を実行するように構成されることが望ましい。
このような本発明の構成によれば、呼び出された際の割込み制御状態を意識することなく、所定処理を呼び出すことができる。また、呼び出された処理で割込み禁止状態としつつ、呼び出された際の割込み制御状態を保持しておくことができる。
好適には、本発明に係る遊技機は、
前記割込み制御状態は、割込み禁止命令で割込み禁止状態、割込み許可命令で割込み許可状態に設定され、それぞれ、割込み禁止状態か割込み許可状態かを識別可能な第1の値、第2の値で管理され、
前記割込み禁止命令を実行した後で、前記第1の値を退避する(例えば、フラグレジスタに格納された割込み許可レジスタ2の値をスタックに退避する)ように構成されることが望ましい。
このような本発明の構成によれば、呼び出された際の割込み制御状態を意識することなく、所定処理を呼び出すことができる。また、呼び出された処理で割込み禁止状態としつつ、呼び出された際の割込み制御状態を保持しておくことができる。
好適には、本発明に係る遊技機は、
前記割込み制御状態は、割込み禁止命令で割込み禁止状態、割込み許可命令で割込み許可状態に設定され、それぞれ、割込み禁止状態か割込み許可状態かを識別可能な第1の値、第2の値で管理され、
前記第1の値を退避した後で、指定された領域に対して、データの格納処理、またはクリア処理を実行するように構成されることが望ましい。
このような本発明の構成によれば、呼び出された際の割込み制御状態を意識することなく、指定された領域に対して、データの格納処理、またはクリア処理を実行する処理を呼び出すことができる。
好適には、本発明に係る遊技機は、
前記割込み制御状態は、割込み禁止命令で割込み禁止状態、割込み許可命令で割込み許可状態に設定され、それぞれ、割込み禁止状態か割込み許可状態かを識別可能な第1の値、第2の値で管理され、
前記第1の値を退避した後で、指定された領域に対して、データの格納処理、またはクリア処理を実行し、
前記データの格納処理、または前記クリア処理が終わった後で、退避していた前記第1の値を復帰させるように構成されることが望ましい。
このような本発明の構成によれば、呼び出された際の割込み制御状態を意識することなく、指定された領域に対して、データの格納処理、またはクリア処理を実行する処理を呼び出すことができ、また、呼び出された割込み制御状態を保持しておくことで、呼び出し元に戻る際に、割込み制御状態を、保存した状態に戻すことができるため、処理のタイミングや順序を気にする必要がなくなり、また、呼び出された際の割込み制御状態を意識することなく、割込み禁止、割込み許可の設定を正常に維持することができる。
好適には、本発明に係る遊技機は、
前記割込み制御状態は、割込み禁止命令で割込み禁止状態、割込み許可命令で割込み許可状態に設定され、それぞれ、割込み禁止状態か割込み許可状態かを識別可能な第1の値、第2の値で管理され、
前記第1の値を退避した後で、指定された領域に対して、データの格納処理、またはクリア処理を実行し、
前記データの格納処理、または前記クリア処理が終わった後で、退避していた前記第1の値を復帰させ、
復帰させた前記第1の値が割込み禁止状態を示す値である場合、割込み許可命令を実行しないように構成されることが望ましい。
このような本発明の構成によれば、呼び出された際の割込み制御状態を意識することなく、指定された領域に対して、データの格納処理、またはクリア処理を実行する処理を呼び出すことができ、また、呼び出された割込み制御状態を保持しておくことで、呼び出し元に戻る際に、割込み制御状態を、保存した状態に戻すことができるため、処理のタイミングや順序を気にする必要がなくなり、また、呼び出された際の割込み制御状態を意識することなく、割込み禁止、割込み許可の設定を正常に維持することができる。さらに、呼び出された時点で割込み禁止状態であった場合は、割込み禁止状態を維持するために、重複した割込み禁止命令を行わないようにして、プログラムの構成を簡潔かつ小サイズにすることができる。
好適には、本発明に係る遊技機は、
前記割込み制御状態は、割込み禁止命令で割込み禁止状態、割込み許可命令で割込み許可状態に設定され、それぞれ、割込み禁止状態か割込み許可状態かを識別可能な第1の値、第2の値で管理され、
前記第1の値を退避した後で、指定された領域に対して、データの格納処理、またはクリア処理を実行し、
前記データの格納処理、またはクリア処理が終わった後で、退避していた前記第1の値を復帰させ、
復帰させた前記第1の値が割込み許可状態を示す値である場合、割込み許可命令を実行するように構成されることが望ましい。
このような本発明の構成によれば、呼び出された際の割込み制御状態を意識することなく、指定された領域に対して、データの格納処理、またはクリア処理を実行する処理を呼び出すことができ、また、呼び出された割込み制御状態を保持しておくことで、呼び出し元に戻る際に、割込み制御状態を、保存した状態に戻すことができるため、処理のタイミングや順序を気にする必要がなくなり、また、呼び出された際の割込み制御状態を意識することなく、割込み禁止、割込み許可の設定を正常に維持することができる。
好適には、本発明に係る遊技機は、
前記割込み制御状態は、割込み禁止命令で割込み禁止状態、割込み許可命令で割込み許可状態に設定され、それぞれ、割込み禁止状態か割込み許可状態かを識別可能な第1の値、第2の値で管理され、
さらに、前記演算処理手段による前記演算処理の実行に必要な情報が記憶される記憶手段(例えば、メインRAM4203)を備え、
前記記憶手段は、遊技用の領域(例えば、メインRAM4203の遊技用エリア)、及び遊技用以外の領域(例えば、メインRAM4203の領域外エリア)を含み、
前記所定処理が、前記遊技用の領域に係る処理から、前記遊技用以外の領域に係る処理として呼び出される際に、前記第1の値は使用されず、前記第2の値に所定の値がセットされる(例えば、割込み許可レジスタ1に「0」がセットされる)ように構成されることが望ましい。
このような本発明の構成によれば、呼び出された際の割込み制御状態を意識することなく、指定された領域に対して、データの格納処理、またはクリア処理を実行する処理を呼び出すことができ、また、呼び出された割込み制御状態を保持しておくことで、呼び出し元に戻る際に、割込み制御状態を、保存した状態に戻すことができるため、処理のタイミングや順序を気にする必要がなくなり、また、呼び出された際の割込み制御状態を意識することなく、割込み禁止、割込み許可の設定を正常に維持することができる。
好適には、本発明に係る遊技機は、
前記割込み制御状態は、割込み禁止命令で割込み禁止状態、割込み許可命令で割込み許可状態に設定され、それぞれ、割込み禁止状態か割込み許可状態かを識別可能な第1の値、第2の値で管理され、
さらに、前記演算処理手段による前記演算処理の実行に必要な情報が記憶される記憶手段を備え、
前記記憶手段は、遊技用の領域、及び遊技用以外の領域を含み、
前記所定処理が、前記遊技用の領域に係る処理から、前記遊技用以外の領域に係る処理として呼び出された後、前記遊技用の領域に係る処理に戻る際に、前記第1の値が、前記第2の値にセットされる(例えば、割込み許可レジスタ2の値が割込み許可レジスタ1にセットされる)ように構成されることが望ましい。
このような本発明の構成によれば、呼び出された際の割込み制御状態を意識することなく、指定された領域に対して、データの格納処理、またはクリア処理を実行する処理を呼び出すことができ、また、呼び出された割込み制御状態を保持しておくことで、呼び出し元に戻る際に、割込み制御状態を、保存した状態に戻すことができるため、処理のタイミングや順序を気にする必要がなくなり、また、呼び出された際の割込み制御状態を意識することなく、割込み禁止、割込み許可の設定を正常に維持することができる。
上記構成の遊技機によれば、呼び出された際の割込み制御状態を意識することなく、所定処理を呼び出すことができる。
また、上記構成の遊技機によれば、所定領域のクリア処理やデータのセット処理といった所定処理が呼び出された場合に、呼び出された際の割込み制御状態を保存するとともに、当該呼び出される処理において割込み禁止状態で処理を行い、その後、呼び出し元に戻る際に、割込み制御状態を、保存した状態に戻すことができるため、処理のタイミングや順序を気にする必要がなくなり、また、呼び出された際の割込み制御状態を意識することなく、割込み禁止、割込み許可の設定を正常に維持することができる。
さらに、プログラムにおいて、割込み制御状態の制御、所定領域のクリア処理、及び当該所定処理へのデータの格納処理がひとまとまりに記述されることで、管理上、及び処理上の一層の効率化が図られる。
<付記4-2>
従来、パチンコ遊技機と呼ばれる遊技機が知られており、このパチンコ遊技機は、一般に、遊技盤に発射された遊技球が転動可能な遊技領域と、この遊技領域に設けられた始動領域と、図柄表示装置と、図柄表示装置を制御する可変表示制御手段とを備える。このような遊技機では、遊技球が始動領域を通過(遊技球の始動口入賞)したことなどの所定の条件が成立すると、可変表示制御手段が図柄表示装置を制御して、図柄表示装置の表示領域上に識別情報(例えば後述の特別図柄等)を変動表示させる。そして、図柄表示装置の表示領域上に最終的に導出表示された識別情報が所定の組合せ(特定の表示態様)となった場合に、遊技状態が遊技者に有利な大当り遊技状態(所謂「大当り」)に移行する。
また、従来、パチンコ遊技機の主制御回路において、バンク切り替えによって、ROM(Read Only Memory)とRAM(Random Access Memory)をそれぞれ区分けして使用するように構成されたパチンコ遊技機が知られている(例えば、特開2021-53443号公報)。
このようなパチンコ遊技機では、例えば、ROMに関しては、遊技に関する処理に関連するプログラムとデータを含んだ遊技用エリアと、遊技以外の処理に関連するデータ等を含む領域外エリアに区分し、RAMに関しては、遊技に関する処理に関連する作業領域等を含む遊技用エリアと、遊技以外の処理に関連する作業領域等を含む領域外エリアに区分し、さらに、ROMの遊技用エリアとRAMの遊技用エリアをバンク0に割り当て、ROMの領域外エリアとRAMの領域外エリアをバンク1に割り当てている。
また、データの演算や記憶に用いられるレジスタの一部は、バンクごとに設けられ、さらに、データを一時的に保持するためのメモリ領域であるスタックにおける現在の操作位置を示すスタックポインタも、バンクごとに設定される。
このように、バンクごとにROMとRAMで別の領域を割り当て、さらに、レジスタやスタックを別個に設定することによって、パチンコ遊技機においてプログラムを実行する際に、バンクを切り替えて、遊技用エリアを利用する処理と、領域外エリアを利用する処理を個別に管理することができ、遊技に関する処理と遊技以外の処理について、利用するプログラムやデータが混同しないように切り分けることができる。
しかしながら、初期化処理におけるスタックポインタの設定は、RAMの遊技用エリアに関しては、バンク0に係る処理(プログラム)によって行い、RAMの領域外エリアに関しては、バンク0からバンク切り替えを行って、バンク1に係る処理(プログラム)を行う必要があるものの、当該スタックポインタの設定を行う処理やバンク切り替えのタイミング・順序について、効率的かつ簡潔な構成となるように考慮されたものはなかった。また、初期化処理においてRAMをクリアする場合にも、その範囲を決定する処理について、効率的でかつ簡潔な構成となるように考慮されたものはなかった。
本発明は、このような点に鑑みてなされたものであり、バンクごとに設けられているスタックポインタの設定を行い、RAMのクリア範囲を決定する初期化処理を、効率的かつ簡潔な構成で実行することができる遊技機を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係る遊技機は、遊技の動作を制御するための演算処理(例えば、遊技用エリアに係る処理)と、遊技以外の処理を行うための演算処理(例えば、領域外エリアに係る処理)を行う演算処理手段(例えば、メインCPU4201)と、
前記演算処理手段による前記演算処理の実行に必要な情報が記憶される記憶手段(例えば、メインRAM4203)と、を備え、
前記記憶手段は、遊技用の領域(例えば、メインRAM4203の遊技用エリア)、及び遊技用以外の領域(例えば、メインRAM4203の領域外エリア)を含み、
さらに、前記遊技用の領域に設けられたスタック(例えば、スタックエリア(遊技用エリア))は前記遊技用の領域に係る処理によって利用され、前記遊技用以外の領域に設けられたスタック(例えば、スタックエリア(領域外エリア))は前記遊技用以外の領域に係る処理によって利用され、
前記遊技用以外の領域に係る処理が最初に呼び出された場合に、前記遊技用以外の領域に設けられたスタックのスタックポインタを設定することを特徴とする(例えば、第3実施形態に係るパチンコ機)。
このような本発明の構成によれば、バンクごとに設けられているスタックポインタの設定を行うことができ、スタックエリアの設定に係る初期化処理を、効率的かつ簡潔な構成で実行することができる。
好適には、本発明に係る遊技機は、
前記遊技用以外の領域に係る処理は、前記遊技用の領域に係る処理から呼び出され、
前記遊技用以外の領域に係る処理は、前記遊技用以外の領域に設けられたスタックのスタックポインタを設定した後に、指定領域のCRC算出(例えば、メインRAM4203の遊技用エリア、及び領域外エリアに関するCRC算出)を行うように構成される。
このような本発明の構成によれば、バンクごとに設けられているスタックポインタの設定を行うことができ、スタックエリアの設定に係る初期化処理を、効率的かつ簡潔な構成で実行することができることが望ましい。
好適には、本発明に係る遊技機は、
電源投入時に、指定領域のCRC算出が行われ、
前記電源投入時の前記CRC算出によって得られたCRC値と、前記電源投入時の前の電断時に、前記指定領域のCRC算出によって得られたCRC値との比較処理を行うように構成されることが望ましい。
このような本発明の構成によれば、電源投入の前後において、メインRAMの指定領域に関して異常を検知することができる。
好適には、本発明に係る遊技機は、
電源投入時に、指定領域のCRC算出が行われ、
前記電源投入時の前記CRC算出によって得られたCRC値と、前記電源投入時の前の電断時に、前記指定領域のCRC算出によって得られたCRC値との比較処理を行い、
前記電源投入時のCRC算出と、前記電断時のCRC算出は共通の処理であるように構成されることが望ましい。
このような本発明の構成によれば、電源投入の前後において、メインRAMの指定領域に関して異常を検知することができる。
好適には、本発明に係る遊技機は、
電源投入時に、指定領域のCRC算出が行われ、
前記電源投入時の前記CRC算出によって得られたCRC値と、前記電源投入時の前の電断時に、前記指定領域のCRC算出によって得られたCRC値との比較処理を行い、
前記電源投入時に、起動状態(例えば、電断復帰、設定確認、メインRAM4203のクリア、及び設定変更)に応じて前記記憶手段におけるクリア範囲(例えば、メインRAM4203においてデータをクリアする範囲)が設定され、
前記比較処理の結果、CRC値が一致しなかった場合であって、電源投入時に設定変更が指示されている場合、前記クリア範囲の先頭アドレスに、異常時に設定されるクリア範囲の先頭アドレス(例えば、異常時RAMクリア範囲先頭アドレス)を設定するように構成されることが望ましい。
このような本発明の構成によれば、電源投入時の起動状態に応じて、メインRAMのクリア範囲を調整することができる。
好適には、本発明に係る遊技機は、
電源投入時に、指定領域のCRC算出が行われ、
前記電源投入時の前記CRC算出によって得られたCRC値と、前記電源投入時の前の電断時に、前記指定領域のCRC算出によって得られたCRC値との比較処理を行い、
電源投入時に、起動状態に応じて前記記憶手段におけるクリア範囲が設定され、
前記クリア範囲を決定するクリア範囲判定データ(例えば、メインRAM4203の遊技用エリアに係るクリア範囲先頭アドレスの下位1バイト)は、前記遊技用の領域に係る処理において設定され、
前記遊技用以外の領域に係る処理は、前記遊技用以外の領域についてのクリア範囲を、前記クリア範囲判定データに基づいて決定するように構成されることが望ましい。
このような本発明の構成によれば、電源投入時の起動状態に応じて、メインRAMのクリア範囲を調整することができ、さらに、遊技用エリアについて判定されたクリア範囲の一部に基づいて、領域外エリアのクリア範囲を決定することにより、処理が効率化されるとともに、プログラムのサイズを小さくすることができる。
好適には、本発明に係る遊技機は、
電源投入時に、指定領域のCRC算出が行われ、
前記電源投入時の前記CRC算出によって得られたCRC値と、前記電源投入時の前の電断時に、前記指定領域のCRC算出によって得られたCRC値との比較処理を行い、
さらに、電源投入時に設定変更を指示するための、第1入力手段(例えば、設定キー差込口4174)、及び第2入力手段(例えば、RAMクリアスイッチ4176)を備え、
電源投入時に、起動状態に応じて前記記憶手段におけるクリア範囲が設定され、
前記比較処理の結果、CRC値が一致した場合であって、設定変更中の電断復帰である場合、今回の電源投入時における前記第1入力手段、及び前記第2入力手段の状態情報に、前回の前記第1入力手段、及び前記第2入力手段の状態情報をセットするように構成されることが望ましい。
このような本発明の構成によれば、前回、設定変更の途中で電断が発生した場合であっても、電源投入時に続けて設定変更を行うことができる。
好適には、本発明に係る遊技機は、
電源投入時に、指定領域のCRC算出が行われ、
前記電源投入時の前記CRC算出によって得られたCRC値と、前記電源投入時の前の電断時に、前記指定領域のCRC算出によって得られたCRC値との比較処理を行い、
さらに、電源投入時に設定変更を指示するための、第1入力手段、及び第2入力手段を備え、
電源投入時に、起動状態に応じて前記記憶手段におけるクリア範囲が設定され、
前記比較処理の結果、CRC値が一致した場合であって、電源投入時において、前記第1入力手段と前記第2入力手段がオフの場合(例えば、起動状態が電断復帰である場合)、前記クリア範囲の先頭アドレスに、電断復帰時に設定されるクリア範囲の先頭アドレスを設定するように構成されることが望ましい。
このような本発明の構成によれば、電源投入時の起動状態に応じて、メインRAMのクリア範囲を調整することができる。
好適には、本発明に係る遊技機は、
電源投入時に、指定領域のCRC算出が行われ、
前記電源投入時の前記CRC算出によって得られたCRC値と、前記電源投入時の前の電断時に、前記指定領域のCRC算出によって得られたCRC値との比較処理を行い、
さらに、電源投入時に設定変更を指示するための、第1入力手段、及び第2入力手段を備え、
電源投入時に、起動状態に応じて前記記憶手段におけるクリア範囲が設定され、
前記比較処理の結果、CRC値が一致した場合であって、電源投入時において、前記第1入力手段がオンの場合(例えば、起動状態が、設定確認、または設定変更である場合)、前記クリア範囲の先頭アドレスに、電断復帰時に設定されるクリア範囲の先頭アドレスを設定しないように構成されることが望ましい。
このような本発明の構成によれば、電源投入時の起動状態に応じて、メインRAMのクリア範囲を調整することができる。
好適には、本発明に係る遊技機は、
電源投入時に、指定領域のCRC算出が行われ、
前記電源投入時の前記CRC算出によって得られたCRC値と、前記電源投入時の前の電断時に、前記指定領域のCRC算出によって得られたCRC値との比較処理を行い、
さらに、電源投入時に設定変更を指示するための、第1入力手段、及び第2入力手段を備え、
電源投入時に、起動状態に応じて前記記憶手段におけるクリア範囲が設定され、
前記比較処理の結果、CRC値が一致した場合であって、電源投入時において、前記第1入力手段と前記第2入力手段がオンの場合(例えば、起動状態が設定変更である場合)、前記クリア範囲の先頭アドレスに、設定変更時に設定されるクリア範囲の先頭アドレスを設定し、
前記比較処理の結果、CRC値が一致した場合であって、電源投入時において、前記第1入力手段がオフ、かつ前記第2入力手段がオンの場合(例えば、起動状態がメインRAM4203のクリアである場合)、前記クリア範囲の先頭アドレスに、設定変更時に設定されるクリア範囲の先頭アドレスを設定し、
前記比較処理の結果、CRC値が一致した場合であって、電源投入時において、前記第1入力手段と前記第2入力手段がオフの場合(例えば、起動状態が電断復帰である場合)、前記クリア範囲の先頭アドレスに、電断復帰時に設定されるクリア範囲の先頭アドレスを設定し、
前記設定変更時に設定されるクリア範囲の先頭アドレスを記憶する記憶領域と、前記電断復帰時に設定されるクリア範囲の先頭アドレスを記憶する記憶領域(例えば、レジスタ)は同じであるように構成されることが望ましい。
このような本発明の構成によれば、電源投入時の起動状態に応じて、メインRAMのクリア範囲を調整することができ、クリア範囲が同じ記憶領域に記憶されることで、メインRAM4203の領域外エリアのクリア範囲を決定する場合に1つの記憶領域を参照するだけでよく、処理が単純化、効率化される。
上記構成の遊技機によれば、バンクごとに設けられているスタックポインタの設定等の初期化処理や、そのためのバンク切り替えを、効率的かつ簡潔な構成で実行することができる。
<付記4-3>
従来、パチンコ遊技機と呼ばれる遊技機が知られており、このパチンコ遊技機は、一般に、遊技盤に発射された遊技球が転動可能な遊技領域と、この遊技領域に設けられた始動領域と、図柄表示装置と、図柄表示装置を制御する可変表示制御手段とを備える。このような遊技機では、遊技球が始動領域を通過(遊技球の始動口入賞)したことなどの所定の条件が成立すると、可変表示制御手段が図柄表示装置を制御して、図柄表示装置の表示領域上に識別情報(例えば後述の特別図柄等)を変動表示させる。そして、図柄表示装置の表示領域上に最終的に導出表示された識別情報が所定の組合せ(特定の表示態様)となった場合に、遊技状態が遊技者に有利な大当り遊技状態(所謂「大当り」)に移行する。
また、従来、パチンコ遊技機の主制御回路において、バンク切り替えによって、ROM(Read Only Memory)とRAM(Random Access Memory)をそれぞれ区分けして使用するように構成されたパチンコ遊技機が知られている(例えば、特開2021-53443号公報)。
このようなパチンコ遊技機では、例えば、ROMに関しては、遊技に関する処理に関連するプログラムとデータを含んだ遊技用エリアと、遊技以外の処理に関連するデータ等を含む領域外エリアに区分し、RAMに関しては、遊技に関する処理に関連する作業領域等を含む遊技用エリアと、遊技以外の処理に関連する作業領域等を含む領域外エリアに区分し、さらに、ROMの遊技用エリアとRAMの遊技用エリアをバンク0に割り当て、ROMの領域外エリアとRAMの領域外エリアをバンク1に割り当てている。
また、データの演算や記憶に用いられるレジスタの一部は、バンクごとに設けられ、さらに、データを一時的に保持するためのメモリ領域であるスタックにおける現在の操作位置を示すスタックポインタも、バンクごとに設定される。
このように、バンクごとにROMとRAMで別の領域を割り当て、さらに、レジスタやスタックを別個に設定することによって、パチンコ遊技機においてプログラムを実行する際に、バンクを切り替えて、遊技用エリアを利用する処理と、領域外エリアを利用する処理を個別に管理することができ、遊技に関する処理と遊技以外の処理について、利用するプログラムやデータが混同しないように切り分けることができる。
このような、遊技用エリアと領域外エリアが設定された遊技機では、初期化処理において、遊技用エリアに関するクリア処理と、領域外エリアに関するクリア処理を別個に行う必要があり、さらに、遊技機の起動時の状況に応じて、RAMのクリア範囲を調整する必要がある。
また、従来の構成では、所定の処理を行う場合に、バンクの切り替えが行われると、その間の割込み禁止、割込み許可の設定が保持されない場合があり、そのために、バンクの切り替えが行われる場合に、所定のフラグをオン、オフするなどして割込み禁止、割込み許可の設定を管理し、また、そのような所定のフラグのオン、オフについても、タイミングや処理順序を意識して行う必要があった。
しかしながら、このようなRAMのクリア処理に関し、遊技用エリアと領域外エリアのクリア範囲についての情報を効果的に設定するよう考慮されたものはなく、また、呼び出された際の割込み制御状態を意識することなく、所定処理を呼び出すことができるような構成はなかった。
本発明は、このような点に鑑みてなされたものであり、RAMのクリア処理に関し、遊技用エリアと領域外エリアのクリア範囲についての情報を効果的に設定し、また、所定処理が呼び出された場合に、呼び出された際の割込み制御状態を意識することなく、割込み禁止、割込み許可の設定を正常に維持することができる遊技機を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は以下の遊技機を提供する。
上記目的を達成するために、本発明に係る遊技機は、遊技の動作を制御するための演算処理(例えば、遊技用エリアに係る処理)と、遊技以外の処理を行うための演算処理(例えば、領域外エリアに係る処理)を行う演算処理手段(例えば、メインCPU4201)と、
前記演算処理手段による前記演算処理の実行に必要な情報が記憶される記憶手段(例えば、メインRAM4203)と、を備え、
前記記憶手段は、遊技用の領域(例えば、メインRAM4203の遊技用エリア)、及び遊技用以外の領域(例えば、メインRAM4203の領域外エリア)を含み、
電源投入時に、前記遊技用の領域、及び前記遊技用以外の領域の少なくとも一部をクリアするクリア制御が実行され、
前記クリア制御は、
前記遊技用以外の領域をクリアする場合、そのクリア範囲を、前記遊技用の領域のクリア範囲(遊技用の領域のクリア範囲を指定する情報であって、例えば、遊技用の領域のクリア範囲の先頭アドレスの下位1バイト)に応じて設定可能とすることを特徴とする(例えば、第3実施形態に係るパチンコ機)。
このような本発明の構成によれば、RAMのクリア処理に関し、遊技用エリアと領域外エリアのクリア範囲についての情報を効果的に設定することができ、これによって、当該クリア処理の効率化を図ることができ、さらに、プログラムの構成を簡潔にし、かつプログラムのサイズを小さくすることができる。
好適には、本発明に係る遊技機は、
前記クリア制御は、
電源投入時の起動状態が電断復帰でない場合に、前記遊技用の領域に記憶された戻り番地を保護するために、クリア範囲を調整する(例えば、スタックエリア(遊技用エリア)のスタックポインタSPの初期設定アドレスから数バイト分をクリア範囲から除外する)ように構成されることが望ましい。
このような本発明の構成によれば、呼び出したプログラムが戻り番地に正常に戻ることができ、正常なクリア処理が担保される。
好適には、本発明に係る遊技機は、
前記クリア制御は、前記記憶手段に異常が生じたと判定された場合に、
前記遊技用以外の領域の対応するクリア範囲をクリアし、
改めて、性能表示モニタを制御するための設定値を、前記遊技用以外の領域に格納する(例えば、性能モニタ制御イニシャルテーブルをメインRAM4203の作業領域(領域外エリア)に格納する)ように構成されることが望ましい。
このような本発明の構成によれば、遊技用以外の領域のすべてがクリアされた場合であっても、性能表示モニタを制御するための初期値(例えば、LEDの設定等に関する初期値)が設定されるため、電源投入後に、当該初期値に基づいて性能表示モニタの制御を開始することができる。
好適には、本発明に係る遊技機は、
前記クリア制御は、前記記憶手段に異常が生じていないと判定された場合に、
性能表示モニタを制御するための設定値を、前記記憶手段に格納することなく、
電源投入時の初期化用設定値を、前記遊技用以外の領域に格納する(例えば、電源投入時初期化用データをメインRAM4203の作業領域(領域外エリア)に格納する)ように構成されることが望ましい。
このような本発明の構成によれば、遊技用以外の領域の一部がクリアされた場合であっても、電源投入時の初期化用設定値(例えば、LEDの設定等に関する設定値)が格納されるため、電源投入後に、当該設定値に基づいて制御を開始することができる。
好適には、本発明に係る遊技機は、
前記クリア制御は、
電源投入時の起動状態が電断復帰でない場合に、前記遊技用の領域に記憶された戻り番地を保護するために、クリア範囲を調整し、
その後、調整後のクリア範囲に基づいて、前記遊技用の領域をクリアするように構成される。
このような本発明の構成によれば、RAMのクリア処理に関し、電源投入時の起動状態に応じて、RAMのクリア範囲を効果的に切り分けることができることが望ましい。
好適には、本発明に係る遊技機は、
前記クリア制御は、
前記遊技用以外の領域のクリア範囲を、前記遊技用の領域のクリア範囲に対応付けられた判定データ(例えば、RAMクリア範囲判定データ)に応じて設定可能とし、
前記判定データを前記遊技用以外の領域とは異なる領域(例えば、所定のレジスタ)に退避した後、前記遊技用以外の領域のクリア範囲をクリアするように構成されることが望ましい。
このような本発明の構成によれば、遊技用の領域のクリア範囲、及び遊技用以外の領域のクリア範囲を識別可能な判定データを、遊技用以外の領域のクリア範囲をクリアした後も利用可能とすることができ、判定データが利用可能なタイミングを意識する必要がなくなる。
好適には、本発明に係る遊技機は、
前記演算処理手段は、
所定処理(例えば、データの格納処理や所定領域のクリア処理)を実行する際に、割込み禁止状態か割込み許可状態かを示す割込み制御状態(例えば、割込み許可レジスタ)を退避するように構成されることが望ましい。
このような本発明の構成によれば、呼び出された際の割込み制御状態を意識することなく、所定処理を呼び出すことができる。
好適には、本発明に係る遊技機は、
前記演算処理手段は、
所定処理を実行する際に、割込み禁止状態や割込み許可状態かを示す割込み制御状態を退避し、
前記割込み制御状態は、割込み禁止命令で割込み禁止状態、割込み許可命令で割込み許可状態に設定され、それぞれ、割込み禁止状態か割込み許可状態かを識別可能な第1の値(例えば、割込み許可レジスタ2の値)、第2の値(例えば、割込み許可レジスタ1の値)で管理され、
前記第1の値、及び第2の値は、前記割込み禁止命令、及び前記割込み許可命令によって同じ値に設定される(例えば、割込み禁止命令では禁止「0」、割込み許可命令では許可「1」)ように構成されることが望ましい。
このような本発明の構成によれば、呼び出された際の割込み制御状態を意識することなく、所定処理を呼び出すことができる。
好適には、本発明に係る遊技機は、
前記演算処理手段は、
所定処理を実行する際に、割込み禁止状態や割込み許可状態かを示す割込み制御状態を退避し、
前記割込み制御状態は、割込み禁止命令で割込み禁止状態、割込み許可命令で割込み許可状態に設定され、
前記割込み制御状態を退避した後で(例えば、割込み許可レジスタ2の値がフラグレジスタに格納された後で)、前記割込み禁止命令を実行するように構成されることが望ましい。
このような本発明の構成によれば、呼び出された際の割込み制御状態を意識することなく、所定処理を呼び出すことができる。また、呼び出された処理で割込み禁止状態としつつ、呼び出された際の割込み制御状態を保持しておくことができる。
好適には、本発明に係る遊技機は、
前記演算処理手段は、
所定処理を実行する際に、割込み禁止状態や割込み許可状態かを示す割込み制御状態を退避し、
前記割込み制御状態は、割込み禁止命令で割込み禁止状態、割込み許可命令で割込み許可状態に設定され、それぞれ、割込み禁止状態か割込み許可状態かを識別可能な第1の値、第2の値で管理され、
前記割込み禁止命令を実行した後で、前記第1の値を退避する(例えば、フラグレジスタに格納された割込み許可レジスタ2の値をスタックに退避する)ように構成されることが望ましい。
このような本発明の構成によれば、呼び出された際の割込み制御状態を意識することなく、所定処理を呼び出すことができる。また、呼び出された処理で割込み禁止状態としつつ、呼び出された際の割込み制御状態を保持しておくことができる。
上記構成の遊技機によれば、RAMのクリア処理に関し、遊技用エリアと領域外エリアのクリア範囲についての情報を効果的に設定することができ、これによって、当該クリア処理の効率化を図ることができ、さらに、プログラムの構成を簡潔にし、かつプログラムのサイズを小さくすることができる。また、所定処理が呼び出された場合に、呼び出された際の割込み制御状態が退避されるので、呼び出された際の割込み制御状態を意識することなく、所定処理を呼び出すことができる。
<付記4-4>
従来、パチンコ遊技機と呼ばれる遊技機が知られており、このパチンコ遊技機は、一般に、遊技盤に発射された遊技球が転動可能な遊技領域と、この遊技領域に設けられた始動領域と、図柄表示装置と、図柄表示装置を制御する可変表示制御手段とを備える。このような遊技機では、遊技球が始動領域を通過(遊技球の始動口入賞)したことなどの所定の条件が成立すると、可変表示制御手段が図柄表示装置を制御して、図柄表示装置の表示領域上に識別情報(例えば後述の特別図柄等)を変動表示させる。そして、図柄表示装置の表示領域上に最終的に導出表示された識別情報が所定の組合せ(特定の表示態様)となった場合に、遊技状態が遊技者に有利な大当り遊技状態(所謂「大当り」)に移行する。
また、従来、パチンコ遊技機の主制御回路において、パチンコ遊技機の電断時等に発生する外部割込み要求に応じて、割込み処理を実行するように構成されたパチンコ遊技機が知られている(例えば、特開2021-53443号公報)。
このようなパチンコ遊技機の割込み処理では、入力ポートの状態を読み出して、電断信号を検知中であると判定した場合、所定フラグをオンにセットし、他の処理は、当該所定フラグがオンの状態である場合に、所定の電断処理を行うように構成される。
しかしながら、このようなパチンコ遊技機の構成では、割込み処理を開始した後に、他の割込み要因が発生すると、そのような状況を想定してプログラムを作成しなければならず、プログラムが複雑になるとともに、そのサイズが大きくなるという問題がある。また、プログラムが複雑化し、サイズが大きくなるという問題については、上記のような割込みに関連するものだけではない。
また、割込み処理を開始した後に、他の割込み要因が発生するという状況を想定するために、電断に係る割込処理を早急に実行することができないという問題が生じ、また、それぞれの割込み要因に対応する割込み処理に関して、実行タイミングや処理順を考慮する必要がある。
本発明は、このような点に鑑みてなされたものであり、電断が発生した後の他の割込みの発生を制限することができる遊技機を提供することを目的とする。また、割込み処理の対応や他の要因により、プログラムが複雑化し、サイズが大きくなるという問題を解決することができる遊技機を提供することも目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は以下の遊技機を提供する。
上記目的を達成するために、本発明に係る遊技機は、遊技の動作を制御するための演算処理(例えば、遊技用エリアに係る処理)と、遊技以外の処理を行うための演算処理(例えば、領域外エリアに係る処理)を行う演算処理手段(例えば、メインCPU4201)を備え、
前記演算処理手段は、
割込み要因が電断である割込みを検知した場合に、電断に係る割込み処理(例えば、図131に示す外部マスカブル割込み処理)を実行し、
前記電断に係る割込み処理において、割込み要因がタイマカウンタ(例えば、タイマカウンタPTC2)である割込み処理(例えば、図132に示すシステムタイマ割込み処理)を実行しないように設定することを特徴とする(例えば、第3実施形態に係るパチンコ機)。
このような本発明の構成によれば、割込み要因マスクを利用した構成によって、電断が発生した後の他の割込みの発生を制限することができるため、当該他の割込みを想定した処理のために分岐命令を記載しなくて済み、結果的に、プログラムの構成が簡潔になるとともに、サイズを小さくすることができる。また、上記構成の遊技機によれば、割込み要因マスクを利用した構成によって、電断が発生した後の他の割込みの発生を制限することができるため、電断の検知後、早急に電断に係る処理を実行することができ、また、当該他の割込みによる処理との実行タイミングや処理順を考慮する必要がなくなる。
好適には、本発明に係る遊技機は、
さらに、前記演算処理手段による前記演算処理の実行に必要な情報が記憶される記憶手段(例えば、メインRAM4203)を備え、
前記記憶手段には、前記割込み要因に対応したエントリアドレス(例えば、対応する割込み処理の開始アドレス)を有する設定領域が記憶され、
前記演算処理手段は、割込みを検知した場合に、当該割込みの割込み要因に対応した前記エントリアドレスが示す割込み処理を実行するように構成されることが望ましい。
このような本発明の構成によれば、割込み要因に応じて、対応する割込み処理が実行されるように構成され、対応するエントリアドレスに割込み処理を記述するだけで、割込み要因ごとの個別の処理を設定することができる。
好適には、本発明に係る遊技機は、
さらに、前記演算処理手段による前記演算処理の実行に必要な情報が記憶される記憶手段を備え、
前記記憶手段には、前記割込み要因に対応したエントリアドレスを有する設定領域が記憶され、
前記演算処理手段は、割込みを検知した場合に、当該割込みの割込み要因に対応した前記エントリアドレスが示す割込み処理を実行し、
前記設定領域は、割込み要因ごとに、前記エントリアドレスと、対応する割込み処理の優先順位を含み、
前記エントリアドレスと前記優先順位は、所定のデータ(例えば、ビット「0」)によって区切られているように構成されることが望ましい。
このような本発明の構成によれば、割込み要因に応じて、対応する割込み処理が実行されるように構成されるとともに、割込み要因の優先順位を設定することができる。
好適には、本発明に係る遊技機は、
さらに、前記演算処理手段による前記演算処理の実行に必要な情報が記憶される記憶手段を備え、
前記記憶手段には、前記割込み要因に対応したエントリアドレスを有する設定領域が記憶され、
前記演算処理手段は、割込みを検知した場合に、当該割込みの割込み要因に対応した前記エントリアドレスが示す割込み処理を実行し、
前記設定領域には、前記割込み要因として、複数のタイマカウンタの割込み(例えば、タイマカウンタPTC0~PTC2)、複数の非同期シリアル送受信の受信割込み(例えば、非同期シリアル送受信RX0、RX1)、及び少なくとも外部端子(XINT)から入力される外部割込みに係るエントリアドレスと優先順位を含むことができるように構成されることが望ましい。
このような本発明の構成によれば、複数の異なる割込み要因に対して、対応する割込み処理を設定することができる。
好適には、本発明に係る遊技機は、
前記電断に係る割込み処理は、割込み要因がタイマカウンタである割込み処理を実行しないように設定するため、マスクデータを専用のレジスタ(例えば、割込み要因マスクレジスタ)に記憶し(例えば、割込み要因マスクで割込みマスクレジスタを更新し)、
前記マスクデータの各ビットは、そのビットに対応する割込み要因が発生した場合に、対応する割込み処理を実行するか否かを決定するために用いられるように構成されることが望ましい。
このような本発明の構成によれば、マスクデータの内容を調整することによって、特定の割込み要因に対応する割込み処理を実行するか否かを制御することができる。
好適には、本発明に係る遊技機は、
さらに、前記演算処理手段による前記演算処理の実行に必要な情報が記憶される記憶手段を備え、
前記記憶手段は、遊技用の領域、及び遊技用以外の領域を含み、
前記演算処理手段は、
割込み要因がタイマカウンタ(例えば、タイマカウンタPTC2)である割込みを検知した場合に、タイマカウンタに係る割込み処理を実行し、
前記タイマカウンタに係る割込み処理は、前記遊技用以外の領域に関し、異常状態監視処理(例えば、図135に示す異常状態監視処理(領域外))を実行するように構成されることが望ましい。
このような本発明の構成によれば、割込み要因マスクを利用した構成によって、電断が発生した後の他の割込みの発生を制限することができるため、タイマカウンタに係る割込みに処理においても、電断発生時の割込み処理を含む他の割込み処理の実行タイミングや処理順を考慮する必要がなく、設計の自由度が向上し、異常状態の監視等、様々な処理を簡潔なプログラムで記述することができる。
好適には、本発明に係る遊技機は、
前記演算処理手段は、
割込み要因がタイマカウンタである割込みを検知した場合に、タイマカウンタに係る割込み処理を実行し、
前記タイマカウンタに係る割込み処理は、LEDの点灯データを出力する点灯データ出力処理(例えば、図136の遊技LED点灯データ出力処理)を実行し、
前記点灯データ出力処理は、図柄表示を行うための遊技LEDに関するLEDコモンデータに係る更新処理を1命令で行い、
前記更新処理は、前記LEDコモンデータに1を加算した場合に、
前記加算の結果が、指定した最大値以上である場合に、第1計算結果領域に0をセットするとともに、第2計算結果領域にも0をセットし、
前記加算の結果が、指定した最大値未満である場合に、第1計算結果領域に前記加算の結果をセットするとともに、第2計算結果領域にも前記加算の結果をセットする(例えば、図136のステップS4482に示す処理)ように構成されることが望ましい。
このような本発明の構成によれば、割込み要因マスクを利用した構成によって、電断が発生した後の他の割込みの発生を制限することができるため、タイマカウンタに係る割込みに処理においても、電断発生時の割込み処理を含む他の割込み処理の実行タイミングや処理順を考慮する必要がなく、設計の自由度が向上し、異常状態の監視等、様々な処理を簡潔なプログラムで記述することができる。また、図柄表示を行うための遊技LEDに関するLEDコモンデータに係る更新処理であって、条件に応じて、第2計算結果領域にも値をセットする処理を1命令で行うことができ、プログラムの記述を簡潔にすることができる。
好適には、本発明に係る遊技機は、
前記演算処理手段は、
割込み要因がタイマカウンタである割込みを検知した場合に、タイマカウンタに係る割込み処理を実行し、
前記タイマカウンタに係る割込み処理は、LEDの点灯データを出力する点灯データ出力処理を実行し、
前記点灯データ出力処理は、図柄表示を行うための遊技LEDに関するLEDコモンデータに係る更新処理を1命令で行い、
前記更新処理は、前記LEDコモンデータに1を加算した場合に、
前記加算の結果が、指定した最大値以上である場合に、第1計算結果領域に0をセットするとともに、第2計算結果領域にも0をセットし、
前記加算の結果が、指定した最大値未満である場合に、第1計算結果領域に前記加算の結果をセットするとともに、第2計算結果領域にも前記加算の結果をセットし、
前記第2計算結果領域にセットされた値を、前記遊技LEDのLEDデータを格納する領域の数で除算し、商を前記第2計算結果領域にセットし、余りを第3計算結果領域にセットする(例えば、図136のステップS4483に示す処理)ように構成されることが望ましい。
このような本発明の構成によれば、割込み要因マスクを利用した構成によって、電断が発生した後の他の割込みの発生を制限することができるため、タイマカウンタに係る割込みに処理においても、電断発生時の割込み処理を含む他の割込み処理の実行タイミングや処理順を考慮する必要がなく、設計の自由度が向上し、異常状態の監視等、様々な処理を簡潔なプログラムで記述することができる。また、図柄表示を行うための遊技LEDに関するLEDコモンデータに係る更新処理であって、条件に応じて、第2計算結果領域にも値をセットする処理を1命令で行うことができ、プログラムの記述を簡潔にすることができる。
好適には、本発明に係る遊技機は、
前記演算処理手段は、
割込み要因がタイマカウンタである割込みを検知した場合に、タイマカウンタに係る割込み処理を実行し、
前記タイマカウンタに係る割込み処理は、LEDの点灯データを出力する点灯データ出力処理を実行し、
前記点灯データ出力処理は、前記LEDのダイナミック点灯を行うためのコモンデータの初期値として定数(例えば、ビット列「10000000」)を用いるように構成されることが望ましい。
このような本発明の構成によれば、割込み要因マスクを利用した構成によって、電断が発生した後の他の割込みの発生を制限することができるため、タイマカウンタに係る割込みに処理においても、電断発生時の割込み処理を含む他の割込み処理の実行タイミングや処理順を考慮する必要がなく、設計の自由度が向上し、異常状態の監視等、様々な処理を簡潔なプログラムで記述することができる。
好適には、本発明に係る遊技機は、
前記演算処理手段は、
遊技状態に係る情報を更新する遊技状態情報更新処理(例えば、図137に示す遊技状態情報更新処理)を実行し、
前記遊技状態情報更新処理は、
指定した領域(例えば、2バイトレジスタ)に記憶されている1バイトデータに基づいて2バイトコマンドを生成するコマンド生成処理を1命令で実行し(例えば、図137のステップS4513に示す処理)、
前記コマンド生成処理は、前記1バイトデータを指定したビット位置で振り分け、それぞれ上位ビットに0をセットして1バイトデータとし、これらの1バイトを結合して2バイトデータのコマンドを生成するように構成されることが望ましい。
このような本発明の構成によれば、2バイトレジスタに記憶されている1バイトデータに基づいて、2バイトコマンドを生成する処理を1命令で行うことができ、プログラムの記述を簡潔にすることができる。
上記構成の遊技機によれば、割込み要因マスクを利用した構成によって、電断が発生した後の他の割込みの発生を制限することができるため、当該他の割込みを想定した処理のために分岐命令を記載しなくて済み、結果的に、プログラムの構成が簡潔になるとともに、サイズを小さくすることができる。
また、上記構成の遊技機によれば、割込み要因マスクを利用した構成によって、電断が発生した後の他の割込みの発生を制限することができるため、電断の検知後、早急に電断に係る処理を実行することができ、また、当該他の割込みによる処理との実行タイミングや処理順を考慮する必要がなくなる。
さらに、他の割込みに処理においても、電断発生時の割込み処理を含む他の割込み処理の実行タイミングや処理順を考慮する必要がなく、設計の自由度が向上する。
また、割込み要因に関連するものだけでなく、プログラムが複雑化し、サイズが大きくなるという問題を解決することができる。
<付記:第5のパチンコ遊技機(第1の特徴部)>
従来から、遊技球が流下する遊技領域には始動口や大入賞口が設けられており、始動口への遊技球の入球を契機に、特別図柄の抽選が行われ、この特別図柄の抽選に当選すると、大当り遊技状態を制御させる遊技機(所謂パチンコ遊技機)が知られている。さらには、所定枚数のメダル等を投入して、スタートレバーを操作することにより複数のリールが回動され、停止表示されたリールのシンボルの組合せに基づいて、特定枚数のメダルやボーナスゲームなどの特典が付与される遊技機(所謂スロットマシンとも称される回胴式遊技機)も知られている。
また、パチンコ遊技機においては、遊技の興趣を向上させるために、特別図柄の抽選確率を異ならせた遊技状態(低確率遊技状態、高確率遊技状態)や、始動口への入球率を異ならせた遊技状態(時短遊技状態、非時短遊技状態)など複数の遊技状態が設けられている(特開2013-59682号公報参照)。
このようなパチンコ遊技機においては、この高確率遊技状態や時短遊技状態において大当り遊技状態を短期間に制御可能となっており、遊技者は多量の遊技価値(遊技球)を獲得することができる。
しかしながら、遊技者が獲得した累計の遊技価値が高まっていくと(所謂出玉が増加していくと)、遊技の射幸性が高まる恐れがあり、遊技の射幸性を適切に抑制する必要があった。
本発明の目的は、遊技の射幸性を適切に抑制する遊技機を提供することである。
上記目的を達成するために、本発明に係る遊技機(例えば、第5のパチンコ遊技機)は、
作業領域を有する記憶手段(例えば、メインRAM203)と、電源の供給が停止され、その後に電源の供給がされて電断復帰した場合に、前記記憶手段が有する作業領域の設定を行う電断復帰設定手段(例えば、電断復帰時の起動状態が「電断復帰」である場合に指定範囲クリア処理等を行うメインCPU201)と、特定の操作(例えば、RAMクリアスイッチ176による操作)により前記記憶手段が有する所定の作業領域を初期化するための特定操作初期化手段(例えば、電断復帰時の起動状態が「RAMクリア」である場合に指定範囲クリア処理等を行うメインCPU201)と、ゲームを実行可能なゲーム実行手段(例えば、特別図柄制御処理及び普通図柄制御処理等を行うメインCPU201)と、前記ゲームの実行結果に応じて獲得した遊技価値を遊技者に付与する遊技価値付与手段(例えば、主制御コマンド送受信処理等を行うメインCPU201と払出・発射制御回路400)と、遊技者に付与した遊技価値の増加数と前記ゲームに用いた遊技価値の消費数とに基づいて遊技価値の差数を算出する差数算出手段(例えば、ゲームストップ機能カウンタ更新処理等を行うメインCPU201)と、前記差数算出手段によって算出された前記遊技価値の差数が規制値(例えば、95000個)となったことを条件として、前記ゲーム実行手段により実行される前記ゲームを停止させることが可能なゲーム停止手段(例えば、ゲームストップ機能遊技停止中処理、ゲームストップ機能制御処理等を行うメインCPU201)と、を備え、
前記記憶手段は、前記ゲーム実行手段によって実行されるゲームの進行情報(例えば、メインRAM203の図柄制御データ領域に記憶される特別図柄の制御データ等)と、前記ゲーム停止手段によってゲームが停止されているゲーム停止状態の情報(例えば、メインRAM203のゲームストップ機能管理領域に記憶される遊技停止状態等)と、前記差数算出手段によって算出された前記遊技価値の差数(例えば、メインRAM203のゲームストップ機能カウンタ領域に記憶される遊技球の差玉数の情報)とを少なくとも記憶し、
前記電断復帰設定手段は、前記特定操作初期化手段により所定の作業領域が初期化されずに電断復帰した場合には、前記記憶手段に記憶された前記ゲームの進行情報と前記ゲーム停止状態の情報とを保持し、
前記特定操作初期化手段は、前記記憶手段に記憶された前記ゲームの進行情報と前記ゲーム停止状態の情報とを少なくとも初期化することを特徴とする。
好適には、本発明に係る遊技機(例えば、第5のパチンコ遊技機)において、
前記電断復帰設定手段は、前記特定操作初期化手段により所定の作業領域が初期化されずに電断復帰した場合には、前記記憶手段に記憶された前記ゲームの進行情報と前記ゲーム停止状態の情報とを保持しつつ、前記記憶手段に記憶された前記遊技価値の差数を初期化し、
前記特定操作初期化手段は、前記記憶手段に記憶された前記ゲームの進行情報と前記ゲーム停止状態の情報と前記遊技価値の差数とを少なくとも初期化することが望ましい。
好適には、本発明に係る遊技機(例えば、第5のパチンコ遊技機)において、
前記遊技価値付与手段は、前記ゲーム停止状態であっても、前記ゲーム停止状態になる前に前記ゲームの実行結果に応じて獲得した遊技価値を遊技者に付与することが可能であることが望ましい。
好適には、本発明に係る遊技機(例えば、第5のパチンコ遊技機)において、
前記ゲーム実行手段により実行される前記ゲームに関するゲーム異常を監視するゲーム異常監視手段(例えば、状態監視処理の前段部の処理等を行うメインCPU201)と、前記遊技価値付与手段により付与される遊技価値に関する付与異常を監視する付与異常監視手段(例えば、状態監視処理の後段部の処理等を行うメインCPU201)と、を更に備え、
前記ゲーム異常監視手段は、前記ゲーム停止状態であるときには前記ゲーム異常の監視が行われず、
前記付与異常監視手段は、前記ゲーム停止状態であるときにも前記付与異常を監視することが可能であることが望ましい。
好適には、本発明に係る遊技機(例えば、第5のパチンコ遊技機)において、
所定の報知を実行可能な報知手段(例えば、表示装置7、スピーカ32、LED群46等)を有する演出制御部(例えば、サブ制御回路300)を更に備え、
前記付与異常監視手段は、複数の付与異常の監視結果の情報を含めた付与状態通知コマンド(例えば、払出状態通知コマンド)を前記演出制御部に送信し、
前記演出制御部は、前記付与状態通知コマンドを受信すると、前記付与状態通知コマンドに含まれた前記付与異常の連続受信回数を判定し、判定した前記連続受信回数が異常判定回数以上である場合に、前記付与異常の報知を前記報知手段に実行させることが望ましい。
好適には、本発明に係る遊技機(例えば、第5のパチンコ遊技機)において、
所定の報知を実行可能な報知手段(例えば、表示装置7、スピーカ32、LED群46等)を有する演出制御部(例えば、サブ制御回路300)を更に備え、
前記ゲーム停止手段は、前記ゲームを停止させると、ゲームストップ機能完了コマンドを前記演出制御部に送信し、
前記演出制御部は、前記ゲームストップ機能完了コマンドを受信すると、遊技停止報知を前記報知手段に実行させ、
前記報知手段は、前記遊技停止報知として、ゲームが停止されていることを報知するとともに、前記遊技価値付与手段によって遊技価値を遊技者に付与しているときには、遊技価値の付与が継続されていることを報知することが実行可能であることが望ましい。
好適には、本発明に係る遊技機(例えば、第5のパチンコ遊技機)において、
所定の報知を実行可能な報知手段(例えば、表示装置7、スピーカ32、LED群46等)を有する演出制御部(例えば、サブ制御回路300)を更に備え、
前記ゲーム停止手段は、前記ゲームを停止させると、前記差数算出手段によって算出された遊技価値の差数を含めたゲームストップ機能完了コマンドを前記演出制御部に送信し、
前記遊技価値付与手段は、所定数の遊技価値を遊技者に付与したことを完了すると、所定数の遊技価値の情報を含めた払出完了コマンドを前記演出制御部に送信し、
前記演出制御部は、前記ゲームストップ機能完了コマンドを受信すると、遊技停止報知を前記報知手段に実行させ、前記払出完了コマンドを受信すると、前記ゲームストップ機能完了コマンドに含まれた遊技価値の差数と前記払出完了コマンドに含まれた所定数の遊技価値の情報とに基づいて、遊技価値の付与残数を算出し、
前記報知手段は、前記遊技停止報知として、ゲームが停止されていることを報知するとともに、前記遊技価値の付与残数を示唆することが実行可能であることが望ましい。
好適には、本発明に係る遊技機(例えば、第5のパチンコ遊技機)において、
所定の報知を実行可能な報知手段(例えば、表示装置7、スピーカ32、LED群46等)を有する演出制御部(例えば、サブ制御回路300)を更に備え、
前記ゲーム実行手段は、ゲームの進行情報に応じてゲームコマンドを前記演出制御部に送信するとともに、複数の発光部からなる動作表示手段(例えば、普通図柄表示部161、第1特別図柄表示部163、第2特別図柄表示部164等の遊技LED)にゲームの進行情報に応じた発光態様を行わせ、
前記演出制御部は、前記ゲームコマンドを受信すると、ゲームの演出を前記報知手段に実行させ、
前記動作表示手段は、前記ゲーム停止状態であるときには消灯することが望ましい。
好適には、本発明に係る遊技機(例えば、第5のパチンコ遊技機)において、
ゲームの進行情報に応じた遊技情報を外部端子板から出力する処理を実行する遊技情報出力手段(例えば、遊技情報データ生成処理等を行うメインCPU201)を更に備え、
前記ゲーム停止手段は、前記ゲーム停止状態であるときには、前記遊技情報出力手段の実行を無効化させて、前記ゲーム停止状態であることを示す特定のセキュリティ信号を外部端子板から出力することが望ましい。
好適には、本発明に係る遊技機(例えば、第5のパチンコ遊技機)において、
所定の報知を実行可能な報知手段(例えば、表示装置7、スピーカ32、LED群46等)を有する演出制御部(例えば、サブ制御回路300)を更に備え、
前記ゲーム停止手段は、前記ゲームを停止させておらず、前記差数算出手段によって算出された前記遊技価値の差数が前記規制値よりも小さい境界値(例えば、90000個)となると、前記遊技価値の差数を含めたゲームストップ機能状態コマンドを前記演出制御部に送信し、
前記演出制御部は、前記ゲームストップ機能状態コマンドを受信すると、ゲームが停止されることを事前に報知する第1の遊技停止予告を前記報知手段に実行させ、
前記ゲーム停止手段は、前記遊技価値の差数が前記境界値となり、前記報知手段に前記第1の遊技停止予告が行われている場合であっても、前記ゲーム停止手段による状態に応じたセキュリティ信号を出力しないことが望ましい。
好適には、本発明に係る遊技機(例えば、第5のパチンコ遊技機)において、
遊技機の試射試験で用いるための試験信号を試射試験専用の出力ポートから出力する処理を実行する試射試験信号出力手段(例えば、試射試験信号生成処理等を行うメインCPU201)を更に備え、
前記試射試験信号出力手段は、前記差数算出手段によって算出された前記遊技価値の差数が前記境界値となると、特定の試験信号を試射試験専用の出力ポートから出力し、
前記ゲーム停止手段は、前記ゲーム停止状態であるときには、前記試射試験信号出力手段の実行を無効化させることが望ましい。
好適には、本発明に係る遊技機(例えば、第5のパチンコ遊技機)において、
前記遊技価値付与手段によって付与された前記遊技価値に基づいて算出される性能情報を表示する性能表示手段(例えば、性能表示モニタ170)と、前記性能情報を算出し、算出した性能情報を前記性能表示手段に表示させる処理を実行可能な性能表示制御手段(例えば、性能表示モニタ集計除算処理、性能表示モニタ制御処理等を行うメインCPU201)とを更に備え、
前記性能表示制御手段は、前記ゲーム停止状態であるときにも実行可能であることが望ましい。
好適には、本発明に係る遊技機(例えば、第5のパチンコ遊技機)において、
前記差数算出手段は、前記ゲームの実行結果に応じて獲得した遊技価値を前記遊技価値の差数に加算して更新することにより、前記遊技価値の増加数を算出する差数加算手段(例えば、差玉カウンタ3バイト加算処理等を行うメインCPU201)と、前記遊技価値の増加数から前記ゲームに用いた遊技価値の消費数を減算する差数減算手段(例えば、差玉カウンタ3バイト減算処理等を行うメインCPU201)とを有し、
前記性能表示制御手段は、前記ゲームの実行結果に応じて獲得した遊技価値を加算値として算出し、算出した加算値を前記性能情報に加算して更新し、
前記差数加算手段は、前記性能表示制御手段によって算出された前記加算値を前記遊技価値の差数に加算して更新することが望ましい。
好適には、本発明に係る遊技機(例えば、第5のパチンコ遊技機)において、
前記差数算出手段は、前記ゲームの実行結果に応じて獲得した所定数の遊技価値を前記遊技価値の差数に加算して更新することにより、前記遊技価値の増加数を算出する差数加算手段(例えば、差玉カウンタ3バイト加算処理等を行うメインCPU201)と、前記遊技価値の増加数から前記ゲームに用いた遊技価値の消費数を減算する差数減算手段(例えば、差玉カウンタ3バイト減算処理等を行うメインCPU201)とを有し、
前記遊技価値の差数は、所定量の単位からなる第1の差数(例えば、1000個単位の第1差玉数)と所定量よりも小さい単位からなる第2の差数(例えば、1個単位の第2差玉数)とに区分けされており、
前記差数加算手段は、前記ゲームの実行結果に応じて獲得した遊技価値を第2の差数に加算して、加算結果を前記所定量で除算し、除算結果の余りを第2の差数として更新し、除算結果の商を第1の差数に加算して更新することが望ましい。
本発明によれば、遊技の射幸性を適切に抑制することができる。
<付記:第5のパチンコ遊技機(第2の特徴部)>
上記目的を達成するために、本発明に係る遊技機(例えば、第5のパチンコ遊技機)は、
ゲームを実行可能なゲーム実行手段(例えば、特別図柄制御処理及び普通図柄制御処理等を行うメインCPU201)と、前記ゲームの実行結果に応じて獲得した遊技価値を遊技者に付与する遊技価値付与手段(例えば、主制御コマンド送受信処理等を行うメインCPU201と払出・発射制御回路400)と、遊技者に付与した遊技価値の増加数と前記ゲームに用いた遊技価値の消費数とに基づいて遊技価値の差数を算出する差数算出手段(例えば、ゲームストップ機能カウンタ更新処理等を行うメインCPU201)と、前記差数算出手段によって算出された前記遊技価値の差数が規制値(例えば、95000個)となったことを条件として、前記ゲーム実行手段により実行される前記ゲームを停止させることが可能なゲーム停止手段(例えば、ゲームストップ機能遊技停止中処理、ゲームストップ機能制御処理等を行うメインCPU201)と、所定の報知を実行可能な報知手段(例えば、表示装置7、スピーカ32、LED群46等)と、を備え、
前記報知手段は、前記差数算出手段によって算出された前記遊技価値の差数が前記規制値よりも小さい境界値(例えば、90000個)となったことを条件として、ゲームが停止されることを事前に報知する第1の遊技停止予告と、前記ゲーム停止手段によりゲームが停止されているときに、ゲームが停止されていることを報知する遊技停止報知と、を少なくとも実行可能であり、前記第1の遊技停止予告を実行しているときには、前記差数算出手段によって算出された前記遊技価値の差数を示唆する差数示唆報知(例えば、技球の差玉数が規制値に到達するまでの遊技球の停止残数)を実行可能であることを特徴とする。
好適には、本発明に係る遊技機(例えば、第5のパチンコ遊技機)において、
前記ゲーム実行手段は、前記ゲームの実行結果が特別結果を満たすときには、遊技者に遊技価値を付与することが可能な特別遊技状態を制御する特別遊技状態制御手段(例えば、大入賞口開放準備処理、大入賞口開放制御処理等を行うメインCPU201)を有し、
前記ゲーム停止手段は、前記特別遊技状態制御手段によって前記特別遊技状態が制御されているときに、前記差数算出手段によって算出された前記遊技価値の差数が前記規制値となった場合には、前記ゲームを停止させず、前記特別遊技状態の制御が終了した後に前記ゲームを停止させることが可能であり、
前記報知手段は、前記特別遊技状態制御手段によって前記特別遊技状態が制御されているときに、前記差数算出手段によって算出された前記遊技価値の差数が前記規制値となった場合には、当該特別遊技状態の終了後にゲームが停止されることを事前に報知する第2の遊技停止予告を実行可能であることが望ましい。
好適には、本発明に係る遊技機(例えば、第5のパチンコ遊技機)において、
前記報知手段は、前記第2の遊技停止予告を実行しているときには、前記差数示唆報知を行わないことが望ましい。
好適には、本発明に係る遊技機(例えば、第5のパチンコ遊技機)において、
前記特別遊技状態制御手段は、前記ゲームの実行結果が第1の特別結果(例えば、大当り)を満たすときには、第1の特別遊技状態(例えば、大当り遊技状態)を制御するとともに、前記ゲームの実行結果が前記第1の特別結果とは異なる第2の特別結果(例えば、小当り)を満たすときには、前記第1の特別遊技状態よりも遊技者に付与される遊技価値が相対的に低い第2の特別遊技状態(例えば、小当り遊技状態)を制御し、前記第2の特別遊技状態を制御しているときに特定条件(例えば、遊技球がV入賞口5156へに通過すること)を満たすと、前記第2の特別遊技状態から第1の特別遊技状態を制御可能であり、
前記報知手段は、前記特別遊技状態制御手段によって前記第1の特別遊技状態または前記第2の特別遊技状態が制御されているときに、前記差数算出手段によって算出された前記遊技価値の差数が前記規制値となった場合には、前記第2の遊技停止予告を実行可能であり、前記特別遊技状態制御手段によって前記第2の特別遊技状態が制御されているときに前記特定条件を満たすと前記第2の遊技停止予告を継続して行い、前記第2の特別遊技状態が制御されているときに前記特定条件を満たさないと前記第2の遊技停止予告の実行を終了することが望ましい。
好適には、本発明に係る遊技機(例えば、第5のパチンコ遊技機)において、
前記ゲーム実行手段は、始動条件が成立すると始動情報を取得する始動情報取得手段(例えば、特別図柄関連チェック処理等を行うメインCPU201)と、前記始動情報取得手段によって取得された前記始動情報を所定の保留個数まで記憶する保留記憶手段(例えば、特別図柄始動記憶領域等を有するメインRAM203)と、前記保留記憶手段によって記憶された前記始動情報に基づいて、前記ゲームの実行結果を判定するゲーム結果判定手段(例えば、特別図柄の当り判定処理等を行うメインCPU201)と、前記ゲーム結果判定手段が判定を行うよりも事前に、前記保留記憶手段に記憶された始動情報が前記特別結果を満たすか否かの判定を行う事前判定手段(例えば、先読み演出決定処理等を行うサブCPU301)と、を有し、
前記報知手段は、前記差数算出手段によって算出された前記遊技価値の差数が前記規制値未満であるときの前記特別遊技状態においては、前記事前判定手段の判定結果に基づく先読み報知演出(例えば、先読み演出)を実行可能であるが、前記差数算出手段によって算出された前記遊技価値の差数が前記規制値以上であるときの前記特別遊技状態においては、前記先読み報知演出の実行を規制することが望ましい。
好適には、本発明に係る遊技機(例えば、第5のパチンコ遊技機)において、
前記報知手段は、前記第1の遊技停止予告を実行しているときには、前記差数算出手段によって算出された前記遊技価値の差数が前記境界値よりも小さい解除値(例えば、88999個)となったことを条件として、当該第1の遊技停止予告の実行を終了することが望ましい。
好適には、本発明に係る遊技機(例えば、第5のパチンコ遊技機)において、
前記報知手段は、前記第2の遊技停止予告を実行しているときには、前記差数算出手段によって算出された前記遊技価値の差数が前記規制値を下回ったとしても当該第2の遊技停止予告の実行を終了せずに継続し、前記特別遊技状態の制御が終了することを条件として、当該第2の遊技停止予告の実行を終了して前記遊技停止報知の実行を開始することが望ましい。
好適には、本発明に係る遊技機(例えば、第5のパチンコ遊技機)において、
作業領域を有する記憶手段(例えば、メインRAM203)と、電源の供給が停止され、その後に電源の供給がされて電断復帰した場合に、前記記憶手段が有する作業領域の設定を行う電断復帰設定手段(例えば、電断復帰時の起動状態が「電断復帰」である場合に指定範囲クリア処理等を行うメインCPU201)と、特定の操作(例えば、RAMクリアスイッチ176による操作)により前記記憶手段が有する所定の作業領域を初期化するための特定操作初期化手段(例えば、電断復帰時の起動状態が「RAMクリア」である場合に指定範囲クリア処理等を行うメインCPU201)とを更に備え、
前記報知手段は、前記特定操作初期化手段により所定の作業領域が初期化されずに、前記電断復帰設定手段により電断復帰した場合において、電源の供給が停止される電断前に前記第1の遊技停止予告を実行していたときには、前記第1の遊技停止予告の実行を終了し、前記電断前に前記第2の遊技停止予告を実行していたときには、前記第2の遊技停止予告の実行を再開し、前記電断前に前記遊技停止報知を実行していたときには、前記遊技停止報知の実行を再開することが望ましい。
好適には、本発明に係る遊技機(例えば、第5のパチンコ遊技機)において、
前記報知手段は、前記特別遊技状態制御手段によって前記特別遊技状態が制御されているときには、時系列的に連続する複数の報知演出からなる特別報知演出(例えば、大当り演出)を実行可能であるとともに、前記特定操作初期化手段により所定の作業領域が初期化されずに、前記電断復帰設定手段により電断復帰した場合において、前記電断前に前記特別遊技状態において前記第2の遊技停止予告を実行していたときには、前記第2の遊技停止予告の実行を再開するとともに、前記特別報知演出を最初の報知演出から開始することが望ましい。
好適には、本発明に係る遊技機(例えば、第5のパチンコ遊技機)において、
前記報知手段を有する演出制御部(例えば、サブ制御回路300)を更に備え、
前記ゲーム停止手段は、前記ゲームを停止させておらず、前記差数算出手段によって算出された前記遊技価値の差数が前記境界値となると、前記遊技価値の差数を含めたゲームストップ機能状態コマンドを前記演出制御部に送信し、前記ゲームを停止させると、ゲームストップ機能完了コマンドを前記演出制御部に送信し、
前記演出制御部は、前記ゲームストップ機能完了コマンドを受信すると、前記遊技停止報知を前記報知手段に実行させ、前記ゲームストップ機能状態コマンドを受信すると、前記第1の遊技停止予告を前記報知手段に実行させることが望ましい。
好適には、本発明に係る遊技機(例えば、第5のパチンコ遊技機)において、
前記遊技価値の差数は、所定量の単位からなる第1の差数(例えば、1000個単位の第1差玉数)と所定量よりも小さい単位からなる第2の差数(例えば、1個単位の第2差玉数)とに区分けされており、
前記ゲーム停止手段は、前記ゲームを停止させておらず、前記差数算出手段によって算出された前記遊技価値の差数が前記境界値となると、前記遊技価値の差数として、前記第2の差数を含めずに前記第1の差数を含めたゲームストップ機能状態コマンドを前記演出制御部に送信することが望ましい。
好適には、本発明に係る遊技機(例えば、第5のパチンコ遊技機)において、
前記ゲーム停止手段は、前記差数算出手段によって算出された現在の前記第1の差数と、直前に前記ゲームストップ機能状態コマンドを前記演出制御部に送信したときの前回の前記第1の差数との変化量を比較し、前記変化量がゼロでないことを条件に、現在の前記第1の差数を含めた前記ゲームストップ機能状態コマンドを前記演出制御部に新たに送信することが望ましい。
好適には、本発明に係る遊技機(例えば、第5のパチンコ遊技機)において、
前記ゲーム停止手段は、前記変化量が増加しているときには、現在の前記第1の差数を含めた前記ゲームストップ機能状態コマンドを前記演出制御部に新たに送信するとともに、前記変化量が所定の変化値(例えば、1)よりも減少したときには、現在の前記第1の差数を含めた前記ゲームストップ機能状態コマンドを前記演出制御部に新たに送信し、前記変化量が所定の変化値よりも減少しなかったときには、前記ゲームストップ機能状態コマンドを前記演出制御部に送信しないことが望ましい。
好適には、本発明に係る遊技機(例えば、第5のパチンコ遊技機)において、
前記遊技価値付与手段によって獲得した遊技価値の情報及び前記ゲームで消費された遊技価値の情報が含まれた入賞情報コマンドを前記演出制御部に送信する入賞情報コマンド送信手段を更に備え、
前記演出制御部は、前記入賞情報コマンドを受信すると、前記入賞情報コマンドに含まれた獲得した遊技価値及び消費された遊技価値の情報と、前記ゲームストップ機能状態コマンドに含まれた前記第1の差数とに基づいて、前記第2の差数を算出して、前記遊技価値付与手段によって算出されている遊技価値の差数を補完し、補完した遊技価値の差数に基づいて、前記差数示唆報知を前記報知手段に実行させることが望ましい。
好適には、本発明に係る遊技機(例えば、第5のパチンコ遊技機)において、
前記演出制御部は、前記第1の差数が算出される最小単位よりも小さくかつ前記第2の差数が算出される最小単位よりも大きい表示単位(例えば、100個単位または500個単位等)にて、補完した遊技価値の差数に基づいた前記差数示唆報知を前記報知手段に実行させることが望ましい。
本発明によれば、遊技の射幸性を適切に抑制することができる。
<付記:第6のパチンコ遊技機>
従来から、遊技球が流下する遊技領域には始動口や大入賞口が設けられており、始動口への遊技球の入球を契機に、特別図柄の抽選が行われ、この特別図柄の抽選に当選すると、大当り遊技状態を制御させる遊技機(所謂パチンコ遊技機)が知られている。さらには、所定枚数のメダル等を投入して、スタートレバーを操作することにより複数のリールが回動され、停止表示されたリールのシンボルの組合せに基づいて、特定枚数のメダルやボーナスゲームなどの特典が付与される遊技機(所謂スロットマシンとも称される回胴式遊技機)も知られている。
また、パチンコ遊技機においては、遊技の興趣を向上させるために、特別図柄の抽選確率を異ならせた遊技状態(低確率遊技状態、高確率遊技状態)や、始動口への入球率を異ならせた遊技状態(時短遊技状態、非時短遊技状態)など複数の遊技状態が設けられている(特開2013-59682号公報参照)。
このようなパチンコ遊技機においては、この高確率遊技状態や時短遊技状態において大当り遊技状態を短期間に制御可能となっており、遊技者は多量の遊技価値(遊技球)を獲得することができる。
しかしながら、遊技者が獲得した累計の遊技価値が高まっていくと(所謂出玉が増加していくと)、遊技の射幸性が高まる恐れがあり、遊技の射幸性を適切に抑制する必要があった。
本発明の目的は、遊技の射幸性を適切に抑制する遊技機を提供することである。
上記目的を達成するために、本発明に係る遊技機(例えば、第6のパチンコ遊技機)は、
遊技を制御可能な遊技制御手段(例えば、主制御回路200及びサブ制御回路300)と、遊技に応じて獲得した遊技価値を遊技者に付与可能な遊技価値付与手段(例えば、主制御回路200及び枠制御回路410)と、遊技者に付与した遊技価値である付与数(例えば、遊技球の累計数、払出遊技球数)と遊技者が遊技に用いた遊技価値である消費数(例えば、遊技球の累計数、発射遊技球数)とに基づいて遊技価値の差数(例えば、遊技球の差玉数)を算出する差数算出手段(例えば、ゲームストップ機能カウンタ更新処理等を行うメインCPU201)と、前記差数算出手段によって算出された前記遊技価値の差数が規制値(例えば、95000個)となったことを条件として、遊技者の遊技を停止させることが可能な遊技停止手段(例えば、ゲームストップ機能遊技停止中処理、ゲームストップ機能制御処理等を行うメインCPU201)と、遊技に関する異常を監視する異常監視手段(例えば、状態監視処理等を行うメインCPU201及び枠制御回路410)と、所定の報知を行う報知手段(例えば、表示装置7、スピーカ32、LED群46等)とを備え、
前記報知手段は、前記異常監視手段によって異常が認識されると、エラー報知を行うことが可能であるとともに、前記遊技停止手段によって遊技者の遊技が停止されることに関連した遊技停止関連報知(例えば、ゲーム停止関連報知)を行うことが可能であり、前記エラー報知よりも前記遊技停止関連報知を優先して報知可能であることを特徴とする。
好適には、本発明に係る遊技機(例えば、第6のパチンコ遊技機)において、
遊技に関する設定値を変更可能な設定値変更手段(例えば、設定変更確認処理等を行うメインCPU201)と、前記設定値を確認可能な設定値確認手段(例えば、設定変更確認処理等を行うメインCPU201)とを備え、
前記報知手段は、前記設定値変更手段による前記設定値の変更に関する設定変更報知と、前記設定値確認手段による前記設定値の確認に関する設定確認報知とを行うことが可能であり、前記エラー報知よりも前記設定変更報知及び前記設定確認報知を優先して報知可能であるとともに、前記設定変更報知及び前記設定確認報知よりも遊技停止関連報知を優先して報知可能であることが望ましい。
好適には、本発明に係る遊技機(例えば、第6のパチンコ遊技機)において、
前記遊技停止手段は、前記遊技制御手段によって遊技者に有利な特別遊技状態(例えば、大当り遊技状態または小当り遊技状態)が制御されているときに、前記差数算出手段によって算出された前記遊技価値の差数が前記規制値となった場合には、遊技者の遊技を停止させず、当該特別遊技状態が終了した後に遊技者の遊技を停止させることが可能であり、
前記遊技停止関連報知として、前記差数算出手段によって算出された前記遊技価値の差数が前記規制値よりも小さい境界値となったことを条件として、遊技者の遊技が停止されることを事前に報知する遊技停止予告報知(例えば、ゲーム停止予告報知)と、前記遊技制御手段によって前記特別遊技状態が制御されているときに、前記差数算出手段によって算出された前記遊技価値の差数が前記規制値となった場合に、当該特別遊技状態の終了後に遊技者の遊技が停止されることを事前に報知する遊技停止準備報知(例えば、ゲーム停止準備報知)と、前記遊技停止手段により遊技者の遊技が停止されているときに、遊技者の遊技の停止を報知する遊技停止報知(例えば、ゲーム停止報知)とを行うことが可能であることが望ましい。
好適には、本発明に係る遊技機(例えば、第6のパチンコ遊技機)において、
前記報知手段は、前記遊技停止準備報知を行った後に、前記設定値確認手段による前記設定値の確認が行われると、前記遊技停止準備報知と前記設定確認報知とを同時に行うことが可能であることが望ましい。
好適には、本発明に係る遊技機(例えば、第6のパチンコ遊技機)において、
前記報知手段は、前記遊技停止報知を行った後に、前記設定値確認手段による前記設定値の確認が行われると、前記遊技停止準備報知と前記設定確認報知とを同時に行うことが可能であることが望ましい。
好適には、本発明に係る遊技機(例えば、第6のパチンコ遊技機)において、
前記報知手段は、前記遊技停止予告報知を行った後に、前記設定値確認手段による前記設定値の確認が行われると、前記遊技停止予告報知を終了し、前記設定確認報知を行うことが可能であることが望ましい。
好適には、本発明に係る遊技機(例えば、第6のパチンコ遊技機)において、
前記報知手段は、音を出力する音出力手段(例えば、スピーカ32等)を少なくとも有し、前記音出力手段は、前記遊技制御手段によって遊技者の遊技が実行されているときには、演出音を出力し、前記遊技停止手段により遊技者の遊技が停止されると、前記演出音を消音して、前記遊技停止報知として遊技停止音(例えば、ゲーム停止音)を第1の音声時間(例えば、30秒)まで出力することが可能であることが望ましい。
好適には、本発明に係る遊技機(例えば、第6のパチンコ遊技機)において、
前記音出力手段は、前記遊技停止準備報知として遊技停止準備音(例えば、ゲーム停止準備音)を第2の音声時間(例えば、10秒)まで出力し、前記遊技停止予告報知として遊技停止予告音(例えば、ゲーム停止予告音)を第3の音声時間(例えば、10秒)まで出力し、前記遊技停止準備音の第2の音声時間及び前記遊技停止予告音の第3の音声時間よりも、前記遊技停止音の第1の音声時間が長く設定されていることが望ましい。
好適には、本発明に係る遊技機(例えば、第6のパチンコ遊技機)において、
前記報知手段は、前記音出力手段に加え、画像を表示する画像表示手段(例えば、表示装置7等)を有し、
前記画像表示手段は、前記遊技停止報知として遊技停止画像(例えば、ゲーム停止画像)を表示し、前記遊技停止予告報知として遊技停止予告画像(例えば、ゲーム停止予告画像)を表示し、前記遊技停止準備報知として遊技停止準備画像(例えば、ゲーム停止準備画像)を表示し、前記遊技停止音、前記遊技停止予告音及び前記遊技停止準備音を出力する音声時間は、前記遊技停止画像、前記遊技停止予告画像及び前記遊技停止準備画像を表示するいずれの表示時間よりも短く設定されていることが望ましい。
好適には、本発明に係る遊技機(例えば、第6のパチンコ遊技機)において、
前記遊技停止手段により遊技が停止された場合においては、前記画像表示手段は、前記遊技停止画像を電源の供給が停止されるまで表示し、電源の供給が停止された後に電源の供給がされて電断復帰したときには、前記遊技停止画像を電源の供給が停止されるまで再び表示し、前記音出力手段は、前記遊技停止音を第1の音声時間まで出力した後は、前記遊技停止音を電源の供給が停止されるまで消音し、前記電断復帰したときには、再び前記遊技停止音を第1の音声時間まで出力することが可能であることが望ましい。
好適には、本発明に係る遊技機(例えば、第6のパチンコ遊技機)において、
遊技者の遊技における演出として演出役物(例えば、演出用役物群58)を初期位置と終点位置とに亘って移動させる演出役物可動手段(例えば、演出用駆動モータ57)とを備え、
前記演出役物可動手段は、前記遊技停止手段により遊技者の遊技が停止されると、前記演出役物を初期位置に移動させることが可能であることが望ましい。
好適には、本発明に係る遊技機(例えば、第6のパチンコ遊技機)において、
前記遊技停止予告報知及び前記遊技停止準備報知は、前記遊技停止関連報知として共通する報知態様(例えば、特定LEDの赤色)と、それぞれが異なる報知態様(例えば、特定LEDの全点灯または点滅)との組合せにより報知することが可能であることが望ましい。
好適には、本発明に係る遊技機(例えば、第6のパチンコ遊技機)において、
前記報知手段における報知の出力を調整する出力調整手段(例えば、出力調整操作情報を生成するサブデバイス入力処理、サウンドリクエスト生成処理及びランプリクエスト生成処理等を行うサブCPU301)とを備え、
前記出力調整手段は、前記遊技停止手段によって遊技者の遊技が停止されている場合には、出力の調整ができないことが望ましい。
好適には、本発明に係る遊技機(例えば、第6のパチンコ遊技機)において、
遊技者からの演出操作を受け付ける演出操作手段(例えば、演出ボタンセンサ55)とを備え、
前記遊技制御手段は、前記遊技停止手段によって遊技者の遊技が停止されている場合には、前記演出操作手段により演出操作を受け付けても、演出を実行しないことが望ましい。
本発明によれば、遊技の射幸性を適切に抑制することができる。
<付記:第7のパチンコ遊技機>
従来から、遊技球が流下する遊技領域には始動口や大入賞口が設けられており、始動口への遊技球の入球を契機に、特別図柄の抽選が行われ、この特別図柄の抽選に当選すると、大当り遊技状態を制御させる遊技機(所謂パチンコ遊技機)が知られている。さらには、所定枚数のメダル等を投入して、スタートレバーを操作することにより複数のリールが回動され、停止表示されたリールのシンボルの組合せに基づいて、特定枚数のメダルやボーナスゲームなどの特典が付与される遊技機(所謂スロットマシンとも称される回胴式遊技機)も知られている。
また、パチンコ遊技機においては、遊技の興趣を向上させるために、特別図柄の抽選確率を異ならせた遊技状態(低確率遊技状態、高確率遊技状態)や、始動口への入球率を異ならせた遊技状態(時短遊技状態、非時短遊技状態)など複数の遊技状態が設けられている(特開2013-59682号公報参照)。
このようなパチンコ遊技機においては、大当り遊技状態の終了後に遊技者にとって有利な遊技状態(高確率遊技状態や時短遊技状態)に移行可能となっており、移行した有利な遊技状態において再びの大当り遊技状態に移行可能となっている。このように大当り遊技状態の終了後に有利な遊技状態に移行することで、遊技者は複数の大当り遊技状態から遊技価値(例えば遊技球)を獲得可能に構成されている。
しかしながら、大当り遊技状態の終了後に有利な遊技状態に移行した場合であっても、その有利な遊技状態において再び大当り遊技状態に移行するまでに所定の移行期間(例えば、複数回の図柄の可変表示)を要しており、遊技の興趣を向上させるには一層の改善余地があった。
本発明の目的は、より遊技の興趣を向上させる遊技機を提供することである。
上記目的を達成するために、本発明に係る遊技機(例えば、第7のパチンコ遊技機)は、
第1始動条件の成立に基づいて第1ゲーム(例えば、特別図柄に関する遊技)を実行可能であり、前記第1始動条件とは異なる第2始動条件の成立に基づいて前記第1ゲームとは異なる第2ゲーム(例えば、普通図柄に関する遊技)を実行可能な遊技機において、
前記第1ゲームの実行態様を制御可能なゲーム制御手段と、少なくとも前記第1ゲームが実行され得る遊技状態を制御可能な遊技状態制御手段と、複数種類の特別条件のうちいずれかの特別条件が成立した場合に遊技者に所定の遊技価値を付与可能な特別遊技状態(例えば、大当り遊技状態)を制御可能な特別遊技状態制御手段と、演出実行部(例えば、表示装置7、スピーカ32、LED群46等)において実行可能な演出を制御可能な演出制御手段(例えば、サブ制御回路300)と、遊技領域に設けられ、遊技媒体が入賞容易な状態と入賞困難な状態とに変位可能な変位部材(例えば、普通電動役物ユニット7145)と、を備え、前記ゲーム制御手段は、はずれ結果と、前記はずれ結果とは異なる特定結果(例えば、時短当り)と、前記はずれ結果及び前記特定結果のいずれとも異なる特別結果(例えば、大当り)とを少なくとも含むいずれかの結果を導出可能であり、前記遊技状態制御手段は、通常遊技状態と、前記通常遊技状態とは遊技者にとって有利度合いが異なる特定遊技状態(例えば、時短遊技状態)とを少なくとも含むいずれかの遊技状態に制御可能であり、前記演出は、前記特定結果又は前記特別結果が導出されることを示唆する示唆演出(例えば、リーチ演出、図柄演出、バトル演出)を含むことを特徴とする。
好適には、本発明に係る遊技機(例えば、第7のパチンコ遊技機)において、
前記複数種類の特別条件は、前記ゲーム制御手段の実行結果として前記特別結果が導出されたことを条件とする第1の特別条件(例えば、第1のルートからの大当り遊技状態)と、前記変位部材が入賞容易な状態に変位した場合に入賞可能となる所定の領域(例えば、特電作動口7142)を遊技媒体が通過したことを条件とする第2の特別条件(例えば、第2のルートからの大当り遊技状態)とを少なくとも含むことが望ましい。
好適には、本発明に係る遊技機(例えば、第7のパチンコ遊技機)において、
前記特定遊技状態は、普通特定遊技状態(例えば、第3時短遊技状態または第4時短遊技状態からなる変動時間短縮状態)と、前記普通特定遊技状態と比して前記第2の特別条件が成立しやすい特殊特定遊技状態(例えば、第1時短遊技状態または第2時短遊技状態からなる特電入賞容易状態)とを少なくとも含むことが望ましい。
好適には、本発明に係る遊技機(例えば、第7のパチンコ遊技機)において、
前記第2ゲームの実行結果が所定結果(例えば、普通図柄当り)となったことに基づいて前記変位部材を入賞容易な状態とすることが可能であり、前記特殊特定遊技状態は、前記普通特定遊技状態よりも前記第2ゲームの結果が前記所定結果となりやすい状態または前記普通特定遊技状態よりも前記変位部材を入賞容易にする時間が相対的に長い状態(例えば、ロング開放状態)のうち少なくともいずれかの状態であることが望ましい。
好適には、本発明に係る遊技機(例えば、第7のパチンコ遊技機)において、
前記特定結果は、第1の特定結果(例えば、時短図柄z6)と、前記第1の特定結果とは異なる第2の特定結果(例えば、時短図柄z7)とを少なくとも含み、前記特殊特定遊技状態は、第1特定遊技状態(例えば、第1時短遊技状態)と、前記第1特定遊技状態とは異なる第2特定遊技状態(例えば、第2時短遊技状態)とを少なくとも含み、
前記遊技状態制御手段は、前記ゲーム制御手段の実行結果に基づいて前記第1の特定結果が導出された場合に、前記第1特定遊技状態に制御可能であり、前記ゲーム制御手段の実行結果に基づいて前記第2の特定結果が導出された場合に、前記第2特定遊技状態に制御可能であることが望ましい。
好適には、本発明に係る遊技機(例えば、第7のパチンコ遊技機)において、
前記特定結果は、前記第1の特定結果と、前記第2の特定結果と、前記第1の特定結果及び前記第2の特定結果とは異なる第3の特定結果(例えば、時短図柄z8)とを少なくとも含んでおり、前記普通特定遊技状態は、第3特定遊技状態(例えば、第3時短遊技状態)と、前記第3特定遊技状態よりも前記通常遊技状態に移行するための時短終了条件が成立しやすい第4特定遊技状態(例えば、第4時短遊技状態)とを少なくとも含み、
前記遊技状態制御手段は、前記ゲーム制御手段の実行結果に基づいて前記第3の特定結果が導出された場合に、前記第4特定遊技状態に制御可能であることが望ましい。
好適には、本発明に係る遊技機(例えば、第7のパチンコ遊技機)において、
前記遊技状態制御手段は、前記普通特定遊技状態に制御されている場合において前記特定結果が導出された場合には、該普通特定遊技状態を終了させて、新たに特定遊技状態を制御する一方で、前記特殊特定遊技状態に制御されている場合において前記特定結果が導出される場合には、該特殊特定遊技状態を終了させることなく継続して制御することが望ましい。
好適には、本発明に係る遊技機(例えば、第7のパチンコ遊技機)において、
前記演出制御手段は、前記普通特定遊技状態において実行可能な示唆演出(例えば、図柄演出、バトル演出)を前記特殊特定遊技状態において実行しないように制御可能であることが望ましい。
好適には、本発明に係る遊技機(例えば、第7のパチンコ遊技機)において、
前記演出制御手段は、前記第1ゲームの実行態様にかかわる装飾図柄として主図柄と、前記主図柄よりも小さい領域にて表示される副図柄とを表示可能であり、前記普通特定遊技状態は、前記主図柄及び前記副図柄のいずれもが表示され得る遊技状態であり、前記特殊特定遊技状態は、前記主図柄が表示されず前記副図柄が表示され得る遊技状態であることが望ましい。
好適には、本発明に係る遊技機(例えば、第7のパチンコ遊技機)において、
前記演出制御手段は、前記特殊特定遊技状態に制御されているときに前記第2ゲームの実行結果にかかわる所定演出を実行可能である一方で、前記普通特定遊技状態に制御されているときに前記所定演出を実行しないことが望ましい。
好適には、本発明に係る遊技機(例えば、第7のパチンコ遊技機)において、
前記演出は、前記第2ゲームの実行結果にかかわり実行され得る所定演出を含み、前記演出制御手段は、前記第1特定遊技状態で実行され得る前記所定演出と前記第2特定遊技状態で実行され得る前記所定演出とを異なる演出実行態様で実行可能に制御することが望ましい。
好適には、本発明に係る遊技機(例えば、第7のパチンコ遊技機)において、
前記遊技状態制御手段は、前記第2の特別条件が成立したときの遊技状態が前記第1特定遊技状態であると、前記特別遊技状態の終了後に前記第2特定遊技状態を制御可能であり、前記第2の特別条件が成立したときの遊技状態が前記第1特定遊技状態と異なる遊技状態であると、前記特別遊技状態の終了後に前記普通特定遊技状態を制御可能であることが望ましい。
好適には、本発明に係る遊技機(例えば、第7のパチンコ遊技機)において、
前記第1ゲームの実行時間(例えば、特別図柄の変動表示時間)を決定可能な第1ゲーム実行時間決定手段と、前記第2ゲームの実行時間(例えば、普通図柄の変動表示時間)を決定可能な第2ゲーム実行時間決定手段とを備え、前記第1ゲーム実行時間決定手段は、前記特殊特定遊技状態のときには、前記普通特定遊技状態で決定される前記第1ゲームの実行時間よりも、相対的に長い前記第1ゲームの実行時間を決定可能であり、前記第2ゲーム実行時間決定手段は、前記特殊特定遊技状態のときには、前記普通特定遊技状態で決定される前記第2ゲームの実行時間よりも、相対的に短い前記第2ゲームの実行時間を決定可能であることが望ましい。
好適には、本発明に係る遊技機(例えば、第7のパチンコ遊技機)において、
前記第1ゲーム実行時間決定手段は、前記普通特定遊技状態のときには、前記普通特定遊技状態で決定される前記第2ゲームの実行時間よりも、相対的に短い前記第1ゲームの実行時間を決定可能であり、前記第2ゲーム実行時間決定手段は、前記特殊特定遊技状態のときには、前記特殊特定遊技状態で決定される前記第1ゲームの実行時間よりも、相対的に短い前記第2ゲームの実行時間を決定可能であることが望ましい。
本発明によれば、より遊技の興趣を向上させることができる。
<付記:第8のパチンコ遊技機>
従来から、遊技球が流下する遊技領域には始動口や大入賞口が設けられており、始動口への遊技球の入球を契機に、特別図柄の抽選が行われ、この特別図柄の抽選に当選すると、大当り遊技状態を制御させる遊技機(所謂1種タイプのパチンコ遊技機)や、始動口への遊技機の入球を契機に、大入賞口を開放状態に変化させ、大入賞口に入球した遊技球が特定領域に入球することを条件として大当り遊技状態を制御させる遊技機(所謂2種タイプのパチンコ遊技機)が知られている。
さらに、パチンコ遊技機においては、遊技の興趣を向上させるために、所謂1種タイプのパチンコ遊技機と所謂2種タイプのパチンコ遊技機とを混合させた所謂1種2種タイプのパチンコ遊技機も知られている(特開2009-178259号公報参照)。
しかしながら、所謂1種タイプのパチンコ遊技機と所謂2種タイプのパチンコ遊技機とを混合させただけではなく、従来にない遊技性を創出し、より遊技の興趣の向上を図ることが望まれていた。
本発明の目的は、より遊技の興趣の向上を図ることが可能な遊技機を提供することである。
上記目的を達成するために、本発明に係る遊技機(例えば、第8のパチンコ遊技機)は、遊技の進行にかかわる制御を実行可能な主制御手段(例えば、主制御回路200、メインCPU201)と、演出にかかわる制御を実行可能な演出制御手段(例えば、サブ制御回路300、サブCPU301)と、を備える遊技機であって、
前記主制御手段は、所定の始動条件が成立したことに基づいてゲームを実行可能なゲーム実行手段と、前記ゲームの実行結果が特別条件を満たすか否かを判定する特別条件判定手段と、前記特別条件を満たすと判定された場合に、前記ゲームの終了後に遊技者に所定の遊技価値を付与可能な特別遊技状態に制御可能な特別遊技状態制御手段と、前記ゲームが実行される遊技状態を制御可能な遊技状態制御手段と、前記ゲーム実行手段に基づいて実行され、前記ゲームの実行結果が報知されるためのゲームの実行態様(例えば、特別図柄の変動パターン)を決定するゲーム実行態様決定手段と、を備え、
前記演出制御手段は、所定の演出実行手段に複数の演出のうち何れかの演出を実行可能であり、前記遊技状態制御手段は、通常遊技状態と、前記通常遊技状態よりも遊技者に有利な特定遊技状態(例えば、時短遊技状態)と、を少なくとも含む何れかの遊技状態に制御可能であることを特徴とする。
好適には、本発明に係る遊技機は、前記特別遊技状態は、所定の特別遊技状態(例えば、小当り遊技状態)と、前記所定の特別遊技状態よりも遊技者に付与される遊技価値が相対的に高い特定の特別遊技状態(例えば、大当り遊技状態)と、を含み、前記特定の特別遊技状態は、第1特定の特別遊技状態(例えば、選択図柄z1の大当り遊技状態)と、前記第1特定の特別遊技状態とは異なる第2特定の特別遊技状態(例えば、選択図柄z2の大当り遊技状態)と、を含むことが望ましい。
好適には、本発明に係る遊技機は、前記特別遊技状態が実行された回数(例えば、大当り連続回数)、又は、遊技者に付与された遊技価値数(例えば、累計大当り出玉数)が所定の閾値に達したか否かを判定可能な閾値判定手段と、前記閾値判定手段による判定に基づいて前記遊技状態制御手段により制御される遊技状態を前記通常遊技状態に制御可能な制限手段(例えば、回数リミッタ機能または出玉リミッタ機能を制御する主制御回路200)と、を備えることが望ましい。
好適には、本発明に係る遊技機は、前記遊技状態制御手段は、遊技者による遊技を不能とする遊技不能状態(例えば、遊技不許可状態)に制御可能であり、前記特別遊技状態が実行された回数(例えば、大当り連続回数)、又は、遊技者に付与された遊技価値数(例えば、累計大当り出玉数)が所定の閾値に達したか否かを判定可能な閾値判定手段と、前記閾値判定手段の判定に基づいて前記遊技状態制御手段により制御される遊技状態を前記遊技不能状態に制御可能な制限手段(例えば、回数リミッタ機能または出玉リミッタ機能を制御する主制御回路200)と、を備えることが望ましい。
好適には、本発明に係る遊技機は、前記演出制御手段は、前記閾値判定手段により前記所定の閾値に達したと判定される前には前記閾値にかかわる報知を行わない一方で、前記閾値判定手段により前記閾値に達したと判定された場合には前記所定の閾値に達したことを所定の演出実行手段にて報知(例えば、エンディング演出を実行)することが望ましい。
好適には、本発明に係る遊技機は、前記ゲームの実行態様が対応付けられた第1テーブル(例えば、特別図柄の変動パターンテーブルJ1)と、前記第1テーブルとは異なる第2テーブル(例えば、特別図柄の変動パターンテーブルJ2)と、を少なくとも含むテーブルを記憶するテーブル記憶手段(例えば、メインROM202)と、を備え、
前記ゲーム実行態様決定手段は、前記テーブル記憶手段に記憶された何れかのテーブルを用いて、前記ゲームの実行態様として前記ゲームの実行時間を含む実行態様を決定可能であり、前記第2テーブルは、前記第1テーブルよりも相対的に短い前記ゲームの実行時間を含む実行態様(例えば、特別図柄の変動パターン10H)が対応付けられているテーブルであることが望ましい。
好適には、本発明に係る遊技機は、前記ゲーム実行態様決定手段は、前記所定の閾値に達するまでの残り閾値(例えば、大当りのリミッタ回数の残存回数)が所定値である場合には、前記第1テーブルを用いて前記ゲームの実行態様を決定可能であり、前記所定の閾値に達するまでの残り閾値が所定値とは異なる特定値である場合には、前記第2テーブルを用いて前記ゲームの実行態様を決定可能であることが望ましい。
好適には、本発明に係る遊技機は、前記閾値判定手段は、前記第1特定の特別遊技状態が実行された場合には、前記所定の閾値として第1の閾値(例えば、リミッタ回数が98回)を設定可能であり、前記第2特定の特別遊技状態が実行された場合には、前記所定の閾値として前記第1の閾値と異なる第2の閾値(例えば、リミッタ回数が100回)を設定可能であることが望ましい。
好適には、本発明に係る遊技機は、前記遊技状態制御手段は、前記特定遊技状態に制御されているときに前記所定の特別遊技状態が所定の規定回数(例えば、小当りの当選回数が1回または255回等)実行された場合に、前記所定の特別遊技状態の終了後に遊技状態を前記通常遊技状態に制御可能であり、前記閾値判定手段は、前記所定の特別遊技状態に移行したことに基づいて前記閾値に所定の計数値(例えば、リミッタ回数の減算値)を計数する処理を実行した後、計数した前記閾値が前記所定の閾値に達したか否かを判定可能であることが望ましい。
好適には、本発明に係る遊技機は、前記所定の特別遊技状態は、第1所定の特別遊技状態(例えば、選択図柄z5の小当り遊技状態)と、前記第1所定の特別遊技状態とは異なる第2所定の特別遊技状態(例えば、選択図柄z6の小当り遊技状態)と、を含み、前記閾値判定手段は、前記第1所定の特別遊技状態に移行した場合には、前記所定の計数値として第1の計数値(例えば、リミッタ回数の減算値が2)を前記閾値に計数し、前記第2所定の特別遊技状態に移行した場合には前記第1の計数値と異なる値である第2の計数値(例えば、リミッタ回数の減算値が1)を前記閾値に計数することが望ましい。
好適には、本発明に係る遊技機は、前記遊技状態制御手段は、前記所定の閾値に達するまでの残り閾値が所定値である場合には、前記所定の規定回数として第1の規定回数(例えば、小当りの当選回数が1回)を設定し、前記所定の閾値に達するまでの残り閾値が前記所定値とは異なる特定値である場合には、前記所定の規定回数として前記第1の規定回数よりも大きい第2の規定回数(例えば、小当りの当選回数が2回)を設定することが望ましい。
好適には、本発明に係る遊技機は、前記特定遊技状態は、前記特別遊技状態の終了後に実行され得る第1特定遊技状態(例えば、A時短遊技状態)と、前記特別遊技状態を介することなく実行され得る第2特定遊技状態(例えば、B時短遊技状態)と、を含み、前記閾値判定手段は、前記第1特定遊技状態以外の遊技状態から最初に移行した前記特別遊技状態(例えば、初当り)が前記通常遊技状態から移行した特別遊技状態である場合には、前記所定の閾値として第3の閾値(例えば、リミッタ回数が98回または100回)を設定可能であり、前記第1特定遊技状態以外の遊技状態から最初に移行した前記特別遊技状態が前記第2特定遊技状態から移行した特別遊技状態である場合には、前記所定の閾値として前記第3の閾値とは異なる第4の閾値(例えば、リミッタ回数が99回)を設定可能であることが望ましい。
好適には、本発明に係る遊技機は、前記特定遊技状態は、前記特別遊技状態の終了後に実行され得る第1特定遊技状態(例えば、A時短遊技状態)と、前記特別遊技状態を介することなく実行され得る第2特定遊技状態(例えば、B時短遊技状態)と、を含み、前記ゲーム実行態様決定手段は、前記第1特定遊技状態の実行中には前記閾値判定手段により判定される閾値に基づいて前記ゲームの実行態様(例えば、特別図柄の変動パターンテーブルJ1~J4による特別図柄の変動パターン)を決定可能である一方で、前記第2特定遊技状態の実行中には前記閾値判定手段により判定される閾値にかかわらず前記ゲームの実行態様(例えば、特別図柄の変動パターンテーブルS1による特別図柄の変動パターン)を決定可能であることが望ましい。
好適には、本発明に係る遊技機は、前記特別遊技状態の制御態様(例えば、大当り遊技状態または小当り遊技状態の開放態様)を決定する特別遊技制御態様決定手段と、を備え、
前記特別遊技制御態様決定手段は、前記所定の閾値に達するまでの残り閾値に基づいて、前記特別遊技状態の制御態様を決定可能であることが望ましい。
また、上記目的を達成するために、本発明に係る遊技機(例えば、第8のパチンコ遊技機)は、遊技の進行にかかわる制御を実行可能な主制御手段(例えば、主制御回路200、メインCPU201)と、演出実行手段で実行される演出にかかわる制御を実行可能な演出制御手段(例えば、サブ制御回路300、サブCPU301)と、を備える遊技機であって、
前記主制御手段は、所定の始動条件が成立したことに基づいてゲームを実行可能なゲーム実行手段と、前記ゲームの実行結果が特別条件を満たすか否かを判定する特別条件判定手段と、前記特別条件を満たすと判定された場合に、前記ゲームの終了後に遊技者に所定の遊技価値を付与可能な特別遊技状態に制御可能な特別遊技状態制御手段と、前記ゲームが実行される遊技状態を制御可能な遊技状態制御手段と、を備え、
前記遊技状態制御手段は、通常遊技状態と、前記通常遊技状態よりも遊技者に有利な特定遊技状態(例えば、時短遊技状態)と、を少なくとも含む何れかの遊技状態に制御可能であり、前記特定遊技状態は、第1の終了条件(例えば、小当りの当選回数が1回)を満たした場合に終了し得る通常特定遊技状態(例えば、一般時短遊技状態)と、前記第1の終了条件とは異なる第2の終了条件(例えば、小当りの当選回数が255回)を満たした場合に終了し得る特殊特定遊技状態(例えば、特殊時短遊技状態)と、を少なくとも含むことを特徴とする。
好適には、本発明に係る遊技機は、前記特別遊技状態は、所定の特別条件が成立した場合に移行可能な所定の特別遊技状態(例えば、小当り遊技状態)と、特定の特別条件が成立した場合に移行可能であり、前記所定の特別遊技状態よりも遊技者に付与される遊技価値が相対的に高い特定の特別遊技状態(例えば、大当り遊技状態)と、を含み、前記特定の特別遊技状態は、第1特定の特別遊技状態(例えば、選択図柄z2の大当り遊技状態)と、前記第1特定の特別遊技状態とは異なる第2特定の特別遊技状態(例えば、選択図柄z1の大当り遊技状態)と、を含み、前記遊技状態制御手段は、前記第1特定の特別遊技状態の終了後に遊技状態を前記通常特定遊技状態に制御可能であり、前記第2特定の特別遊技状態の終了後に遊技状態を前記特殊特定遊技状態に制御可能であることが望ましい。
好適には、本発明に係る遊技機は、前記第1の終了条件は、前記第2の終了条件よりも成立する割合が相対的に高い終了条件であることが望ましい。
好適には、本発明に係る遊技機は、前記特別遊技状態は、所定の特別条件が成立した場合に移行可能な所定の特別遊技状態(例えば、小当り遊技状態)と、特定の特別条件が成立した場合に移行可能であり、前記所定の特別遊技状態よりも遊技者に付与される遊技価値が相対的に高い特定の特別遊技状態(例えば、大当り遊技状態)と、を含み、前記特定の特別遊技状態は、第1特定の特別遊技状態(例えば、選択図柄z2の大当り遊技状態)と、前記第1特定の特別遊技状態とは異なる第2特定の特別遊技状態(例えば、選択図柄z1の大当り遊技状態)と、を含み、前記第1の終了条件は、前記通常特定遊技状態の実行中に前記所定の特別遊技状態が第1の規定回数(例えば、小当りの当選回数が1回)実行された場合に成立する条件であり、前記第2の終了条件は、前記特殊特定遊技状態の実行中に前記所定の特別遊技状態が前記第1の回数よりも多い第2の規定回数(例えば、小当りの当選回数が255回)実行された場合に成立する条件であることが望ましい。
好適には、本発明に係る遊技機は、前記遊技状態制御手段は、前記通常特定遊技状態又は前記特殊特定遊技状態の実行中に前記第1の終了条件及び前記第2の終了条件の何れとも異なる第3の終了条件(例えば、時短回数が10000回)が成立した場合には、実行中の前記通常特定遊技状態又は前記特殊特定遊技状態の何れも終了させることが可能であることが望ましい。
好適には、本発明に係る遊技機は、前記第3の終了条件は、前記通常特定遊技状態の実行中に前記第1の終了条件が成立するよりも相対的に低い割合で成立する終了条件であることが望ましい。
好適には、本発明に係る遊技機は、前記ゲーム実行手段は、前記所定の始動条件のうち第1始動条件が成立した場合に第1のゲーム(例えば、第1特別図柄の抽選)を実行可能な第1ゲーム実行手段と、前記所定の始動条件のうち前記第1始動条件とは異なる第2始動条件が成立した場合に前記第1のゲームとは異なる第2のゲーム(例えば、第2特別図柄の抽選)を実行可能な第2ゲーム実行手段と、を備え、
前記第1ゲーム実行手段の実行結果に基づいて前記特別遊技状態に移行した方が、前記第2ゲーム実行手段の実行結果に基づいて前記特別遊技状態に移行する場合よりも、相対的に高い割合で前記特別遊技状態の終了後に前記特殊特定遊技状態に移行することが望ましい。
好適には、本発明に係る遊技機は、前記ゲーム実行手段は、前記所定の始動条件のうち第1始動条件が成立した場合に第1のゲーム(例えば、第1特別図柄の抽選)を実行可能な第1ゲーム実行手段と、前記所定の始動条件のうち前記第1始動条件とは異なる第2始動条件が成立した場合に前記第1のゲームとは異なる第2のゲーム(例えば、第2特別図柄の抽選)を実行可能な第2ゲーム実行手段と、を備え、
前記第2ゲーム実行手段の実行結果に基づいて前記特別遊技状態に移行した方が、前記第1ゲーム実行手段の実行結果に基づいて前記特別遊技状態に移行する場合よりも、相対的に高い割合で前記特別遊技状態の終了後に前記通常特定遊技状態に移行することが望ましい。
好適には、本発明に係る遊技機は、前記ゲーム実行手段は、前記所定の始動条件のうち第1始動条件が成立した場合に第1のゲーム(例えば、第1特別図柄の抽選)を実行可能な第1ゲーム実行手段と、前記所定の始動条件のうち前記第1始動条件とは異なる第2始動条件が成立した場合に前記第1のゲームとは異なる第2のゲーム(例えば、第2特別図柄の抽選)を実行可能な第2ゲーム実行手段と、を備え、
前記第1ゲーム実行手段の実行結果に基づいて前記特別遊技状態に移行した場合には、当該特別遊技状態の終了後に前記通常遊技状態、前記通常特定遊技状態及び前記特殊特定遊技状態の何れかに所定の割合で移行可能である一方で、前記第2ゲーム実行手段の実行結果に基づいて前記特別遊技状態に移行した場合には、当該特別遊技状態の終了後に前記通常遊技状態及び前記特殊特定遊技状態に移行させることなく前記通常特定遊技状態に移行させる
ことが望ましい。
好適には、本発明に係る遊技機は、前記特別遊技状態は、所定の特別条件が成立した場合に移行可能な所定の特別遊技状態(例えば、小当り遊技状態)と、特定の特別条件が成立した場合に移行可能であり、前記所定の特別遊技状態よりも遊技者に付与される遊技価値が相対的に高い特定の特別遊技状態(例えば、大当り遊技状態)と、を含み、前記特定の特別遊技状態は、第1特定の特別遊技状態(例えば、選択図柄z2の大当り遊技状態)と、前記第1特定の特別遊技状態とは異なる第2特定の特別遊技状(例えば、選択図柄z1の大当り遊技状態)と、を含み、前記所定の特別遊技状態は、前記所定の特別条件のうち第1所定条件(例えば、選択図柄z7の転落小当り)が成立した場合に移行可能な第1所定の特別遊技状態(例えば、転落小当りの小当り遊技状態)と、前記所定の特別条件のうち前記第1所定条件とは異なる第2所定条件(例えば、選択図柄z5、6のV小当り)が成立した場合に移行可能であり、前記第1所定の特別遊技状態よりも遊技者に有利な第2所定の特別遊技状態(例えば、V小当りの小当り遊技状態)と、を含み、前記演出制御手段は、前記第1所定条件が成立する場合に、該第1所定条件の成立に関する所定演出(例えば、カード演出による継続終了演出)を実行可能な所定演出実行手段と、前記第2所定条件が成立する場合に、該第2所定条件の成立に関する特定演出(例えば、バトル演出による勝利演出、または扉開放演出)を実行可能な特定演出実行手段と、を有し、前記特定演出実行手段は、前記通常特定遊技状態及び前記特殊特定遊技状態の何れの遊技状態であっても前記第2所定条件が成立し得る場合に前記特定演出を実行可能であり、前記所定演出実行手段は、前記通常特定遊技状態において前記第1所定条件が成立し得る場合に前記所定演出を実行可能である一方で、前記特殊特定遊技状態において前記第1所定条件が成立し得る場合に前記所定演出を実行しないことが望ましい。
好適には、本発明に係る遊技機は、前記特定演出実行手段は、前記通常遊技状態に制御されているときに前記第2所定条件が成立する場合には前記特定演出を実行可能である一方で、前記所定演出実行手段は、前記通常遊技状態に制御されているときに前記第1所定条件が成立する場合には前記所定演出を実行しないようにすることが可能であることが望ましい。
好適には、本発明に係る遊技機は、前記演出制御手段は、前記特別遊技状態に移行させる期待度が相対的に高い特別演出(例えば、予告演出パターンB1または予告演出パターンB2による予告演出)を実行可能な特別演出実行手段を備え、
前記特別演出実行手段は、前記通常特定遊技状態に制御されているときには、前記特別条件が成立するゲーム及び前記特別条件が成立しないゲームの何れのゲームでも前記特別演出を実行可能である一方で、前記特殊特定遊技状態に制御されているときには、前記特別条件が成立するゲームにて前記特別演出を実行可能である一方で、前記特別条件が成立しないゲームでは前記特別演出を実行しないことが望ましい。
好適には、本発明に係る遊技機は、前記主制御手段は、前記ゲーム実行手段に基づいて実行される前記ゲームの実行時間(例えば、特別図柄の変動表示時間)を決定可能なゲーム実行時間決定手段を備え、
前記ゲーム実行時間決定手段は、前記特別条件が成立しないゲームにおいて前記通常特定遊技状態の方が前記特殊特定遊技状態よりも相対的に長い変動時間のゲームを決定可能であることが望ましい。
本発明によれば、より遊技の興趣の向上を図ることができる。
<付記:第9のパチンコ遊技機>
従来から、遊技球が流下する遊技領域には始動口や大入賞口が設けられており、始動口への遊技球の入球を契機に、特別図柄の抽選が行われ、この特別図柄の抽選に当選すると、大当り遊技状態を制御させる遊技機(所謂1種タイプのパチンコ遊技機)や、始動口への遊技機の入球を契機に、大入賞口を開放状態に変化させ、大入賞口に入球した遊技球が特定領域に入球することを条件として大当り遊技状態を制御させる遊技機(所謂2種タイプのパチンコ遊技機)が知られている。
さらに、パチンコ遊技機においては、遊技の興趣を向上させるために、所謂1種タイプのパチンコ遊技機と所謂2種タイプのパチンコ遊技機とを混合させた所謂1種2種タイプのパチンコ遊技機も知られている(特開2009-178259号公報参照)。
しかしながら、所謂1種タイプのパチンコ遊技機と所謂2種タイプのパチンコ遊技機とを混合させただけではなく、従来にない遊技性を創出し、より遊技の興趣の向上を図ることが望まれていた。
本発明の目的は、より遊技の興趣の向上を図ることが可能な遊技機を提供することである。
上記目的を達成するために、本発明に係る遊技機(例えば、第9のパチンコ遊技機)は、始動領域(例えば、第1始動口9120または第2始動口9140)への遊技媒体の通過に基づいて始動変動表示ゲーム(例えば、特別図柄及び特別図柄に対応した装飾図柄の可変表示等)を実行可能な始動変動表示ゲーム実行手段(例えば、主制御回路200及びサブ制御回路300等)と、特定領域(例えば、普図作動領域9126)への遊技球の通過に基づいて特定変動表示ゲーム(例えば、普通図柄及び普通図柄に対応した装飾図柄の可変表示等)を実行可能な特定変動表示ゲーム実行手段(例えば、主制御回路200及びサブ制御回路300等)と、前記始動変動表示ゲームが特別結果を満たすか否かを判定する特別判定手段(例えば、特別図柄の抽選を行うメインCPU201)と、前記特定変動表示ゲームが所定結果を満たすか否かを判定する特定判定手段(例えば、普通図柄の抽選を行うメインCPU201)と、前記特別判定手段の判定結果に基づいて前記始動変動表示ゲームの実行結果が前記特別結果を満たすと判定された場合には、遊技領域に設けられた第1変位装置(例えば、第1特別電動役物ユニット9130または第2特別電動役物ユニット9150)を遊技媒体が入賞困難な状態から入賞容易な状態へと変位させることが可能な第1変位装置動作制御手段(例えば、メインCPU201)と、前記特定判定手段の判定結果に基づいて前記特定変動表示ゲームの実行結果が前記所定結果を満たすと判定された場合には、遊技領域に設けられる第2変位装置(例えば、普通電動役物ユニット9145)を遊技媒体が入賞困難な状態から入賞容易な状態へと変位させることが可能な第2変位装置動作制御手段(例えば、メインCPU201)と、遊技状態を制御可能な遊技状態制御手段(例えば、メインCPU201)と、を備え、
前記遊技状態制御手段は、通常遊技状態と、通常遊技状態よりも遊技者に有利な特定遊技状態(例えば、時短遊技状態)と、を少なくとも含む何れかの遊技状態に制御可能であり、
前記特別結果は、第1特別結果(例えば、大当り)と、前記第1特別結果よりも遊技者に付与される遊技価値が相対的に少ない第2特別結果(例えば、小当り)と、を少なくとも含み、前記所定結果は、第1所定結果(例えば、第2始動口9140のショート開放)と、前記第1所定結果よりも前記第2変位装置を入賞容易にする時間が相対的に長い第2所定結果(例えば、第2始動口9140のロング開放)と、を少なくとも含むことを特徴とする。
好適には、本発明に係る遊技機において、前記遊技状態制御手段は、前記特定遊技状態に制御されているときに、前記特定変動表示ゲームが特定回数実行されたことを条件として前記通常遊技状態に制御することが可能であることが望ましい。
好適には、本発明に係る遊技機において、前記特定遊技状態は、第1特定遊技状態(例えば、第1時短遊技状態)と、第1特定遊技状態よりも前記特定判定手段によって前記第2所定結果と判定される割合が相対的に高い第2特定遊技状態(例えば、第2時短遊技状態または第3時短遊技状態)と、を少なくとも含むことが望ましい。
好適には、本発明に係る遊技機において、前記始動変動表示ゲームの実行を所定数保留することが可能な保留手段(例えば、特別図柄始動記憶領域を有するメインRAM203)と、前記始動変動表示ゲームの変動表示態様(例えば、特別図柄の変動パターン)を決定可能な始動変動表示態様決定手段(例えば、メインCPU201)を備え、
前記始動変動表示態様決定手段は、前記始動変動表示ゲームの開始条件が成立するときに前記保留手段により前記始動変動表示ゲームが保留されていない場合には、第1の時間(例えば、10秒)に亘って変動し得る第1の変動表示態様(例えば、第1の特別図柄の変動パターン0AH)を決定し、前記始動変動表示ゲームの開始条件が成立するときに前記保留手段により前記始動変動表示ゲームが保留されている場合には、前記第1の時間よりも短い第2の時間(例えば、1秒)に亘って変動し得る第2の変動表示態様(例えば、第2の特別図柄の変動パターン1AH)を決定可能であることが望ましい。
好適には、本発明に係る遊技機において、前記第1の時間は、発射装置から発射された遊技媒体が前記第2変位装置まで到達するまでの平均的な時間(例えば、普電平均到達時間の5秒)よりも長い時間(例えば、第1の変動表示時間の10秒)であり、前記第2の時間は、発射装置から発射された遊技媒体が前記第2変位装置まで到達するまでの平均的な時間よりも短い時間(例えば、第2の変動表示時間の1秒)であることが望ましい。
好適には、本発明に係る遊技機において、前記第2変位装置は、前記第1変位装置よりも下流側に設けられると共に前記特定領域よりも上流側に設けられ、前記特定領域は、前記第1変位装置及び前記第2変位装置よりも遊技領域の下方に設けられ、前記第1変位装置又は前記第2変位装置が入賞容易状態となることにより、前記特定領域への通過頻度が相対的に低くなることが望ましい。
好適には、本発明に係る遊技機において、前記特定変動表示ゲームの変動表示態様(例えば、普通図柄の変動パターン)を決定可能な特定変動表示態様決定手段(例えば、メインCPU201)を備え、前記特定変動表示態様決定手段は、前記特定判定手段の判定結果に基づいて前記第1所定結果を満たすと判定されたときよりも、前記特定判定手段の判定結果に基づいて前記第2所定結果を満たすと判定されたときの方が相対的に長い時間(例えば、15秒、40秒または60秒)に亘って変動し得る変動表示態様(例えば、普通図柄の変動パターン13H、15Hまたは16H)を決定可能であることが望ましい。
好適には、本発明に係る遊技機において、前記特定変動表示ゲームの変動表示態様(例えば、普通図柄の変動パターン)を決定可能な特定変動表示態様決定手段(例えば、メインCPU201)を備え、前記特定変動表示態様決定手段は、前回変動した特定変動表示ゲームの実行結果が前記所定結果を満たさないハズレ結果又は前記第1所定結果である場合には、第3の時間(例えば、15秒、12秒または40秒)に亘って変動し得る第3の変動表示態様(例えば、普通図柄の変動パターン13H~15H)を決定可能であり、前回変動した特定変動表示ゲームの実行結果が前記第2所定結果である場合には、前記第3の時間よりも長い時間である第4の時間(例えば、60秒)に亘って変動し得る第4の変動表示態様(例えば、普通図柄の変動パターン16H)を決定可能であることが望ましい。
好適には、本発明に係る遊技機において、前記特定変動表示ゲームの変動表示態様(例えば、普通図柄の変動パターン)を決定可能な特定変動表示態様決定手段(例えば、メインCPU201)を備え、前記特定変動表示態様決定手段は、前記通常遊技状態のときよりも前記特定遊技状態のときのほうが相対的に短い変動時間(例えば、3秒、10秒等)に亘って変動し得る変動表示態様(例えば、普通図柄の変動パターン10H、11H等)を決定可能であり、前記通常遊技状態のときに決定可能な最長の変動時間(例えば、30秒)に亘って変動し得る変動表示態様(例えば、普通図柄の変動パターン01H)は、前記特定遊技状態のときに決定可能な最長の変動時間(例えば、60秒)に亘って変動し得る変動表示態様(例えば、普通図柄の変動パターン16H)よりも短い変動時間の変動表示態様であることが望ましい。
好適には、本発明に係る遊技機において、所定の演出を実行可能な演出実行手段(例えば、表示装置7、スピーカ32及びLED群46を制御するサブ制御回路300、サブCPU301)を備え、前記演出実行手段は、前記通常遊技状態において前記始動変動表示ゲームの変動表示に関する演出を実行可能な一方で前記特定変動表示ゲームの変動表示に関する演出を実行せず、前記特定遊技状態において前記特定変動表示ゲームの変動表示に関する演出を実行可能であり、前記特定変動表示ゲームの実行結果が前記所定結果となった場合には前記始動変動表示ゲームの変動表示に関する演出も実行可能であることが望ましい。
好適には、本発明に係る遊技機において、所定の演出を実行可能な演出実行手段(例えば、表示装置7、スピーカ32及びLED群46を制御するサブ制御回路300、サブCPU301)と、前記始動変動表示ゲームの実行を所定数保留することが可能な保留手段(例えば、特別図柄始動記憶領域を有するメインRAM203)を備え、前記演出実行手段は、前記始動変動表示ゲームが前記特別結果を満たすものであり、且つ、前記始動変動表示ゲームの開始条件が成立するときに前記保留手段により前記始動変動表示ゲームが保留されていない場合には、第1の演出(例えば、BONUS突入演出)を実行し、前記始動変動表示ゲームが前記特別結果を満たすものであり、且つ、前記始動変動表示ゲームの開始条件が成立するときに前記保留手段により前記始動変動表示ゲームが保留されている場合には、前記第1の演出とは異なる第2の演出(例えば、BONUS継続演出)を実行することが望ましい。
好適には、本発明に係る遊技機において、所定の演出を実行可能な演出実行手段(例えば、表示装置7、スピーカ32及びLED群46を制御するサブ制御回路300、サブCPU301)と、前記始動変動表示ゲームの実行を所定数保留することが可能な保留手段(例えば、特別図柄始動記憶領域を有するメインRAM203)と、前記始動変動表示ゲーム実行手段により実行される前記始動変動表示ゲームが特別結果を満たす場合には、該特別結果の成立後に遊技者に所定数の遊技価値を付与可能な特別遊技状態(例えば、大当り遊技状態)に制御可能な特別遊技状態制御手段(例えば、メインCPU201)とを備え、前記演出実行手段は、前記特別結果を満たしたときの前記始動変動表示ゲームが前記始動変動表示ゲームの開始条件が成立するときに前記保留手段により前記始動変動表示ゲームが保留されていなかった場合には、前記特別遊技状態の開始時に遊技者が獲得し得る遊技価値数に関する獲得予定遊技媒体数表示(例えば、獲得予定遊技球数画像の表示)を可能であり、前記特別結果を満たしたときの前記始動変動表示ゲームが前記始動変動表示ゲームの開始条件が成立するときに前記保留手段により前記始動変動表示ゲームが保留されている場合には、前記特別遊技状態の開始時に前回実行された前記特別遊技状態において獲得された遊技価値数に関する獲得済遊技媒体数表示(例えば、獲得済遊技球数画像の表示)を表示可能であることが望ましい。
好適には、本発明に係る遊技機において、前記始動変動表示ゲーム実行手段は、第1始動領域(例えば、第1始動口9120)への遊技媒体の通過に基づいて第1始動変動表示ゲーム(例えば、第1特別図柄及び第1特別図柄に対応した装飾図柄の可変表示等)を実行可能な第1始動変動表示ゲーム実行手段と、第2始動領域(例えば、第2始動口9140)への遊技媒体の通過に基づいて第2始動変動表示ゲーム(例えば、第2特別図柄及び第2特別図柄に対応した装飾図柄の可変表示等)を実行可能な第2始動変動表示ゲーム実行手段とを有し、前記演出実行手段は、前記第2始動変動表示ゲームが前記特別結果を満たすものであり、且つ、前記第2始動変動表示ゲームの開始条件が成立するときに前記保留手段により前記第2始動変動表示ゲームが保留されていない場合には、第1の演出を実行し、前記第2始動変動表示ゲームが前記特別結果を満たすものであり、且つ、前記第2始動変動表示ゲームの開始条件が成立するときに前記保留手段により前記第2始動変動表示ゲームが保留されている場合には、前記第1の演出とは異なる第2の演出を実行することが望ましい。
好適には、本発明に係る遊技機において、前記始動変動表示ゲーム実行手段は、第1始動領域(例えば、第1始動口9120)への遊技媒体の通過に基づいて第1始動変動表示ゲーム(例えば、第1特別図柄及び第1特別図柄に対応した装飾図柄の可変表示等)を実行可能な第1始動変動表示ゲーム実行手段と、第2始動領域(例えば、第2始動口9140)への遊技媒体の通過に基づいて第2始動変動表示ゲーム(例えば、第2特別図柄及び第2特別図柄に対応した装飾図柄の可変表示等)を実行可能な第2始動変動表示ゲーム実行手段とを有し、前記特別判定手段は、前記第1始動変動表示ゲームが前記特別結果を満たすか、前記特別結果を満たさないハズレであるかを判定する第1特別判定手段(例えば、第1特別図柄の抽選を行うメインCPU201)と、前記第2始動変動表示ゲームが前記特別結果を満たすか、前記ハズレであるかを判定する第2特別判定手段(例えば、第2特別図柄の抽選を行うメインCPU201)とを有し、前記第1特別判定手段は、前記特別結果を満たすと判定するよりも前記ハズレと判定する確率の方が相対的に高く、前記第2特別判定手段は、前記ハズレと判定するよりも前記特別結果を満たすと判定する確率の方が相対的に高いことが望ましい。
好適には、本発明に係る遊技機において、前記第2の時間は、前記第1変位装置が入賞容易な状態になる時間(例えば、2秒)以下に設定されていることが望ましい。
〔発明の効果〕
本発明によれば、より遊技の興趣の向上を図ることができる。
<付記:第10のパチンコ遊技機>
従来から、遊技球が流下する遊技領域には始動口や大入賞口が設けられており、始動口への遊技球の入球を契機に、特別図柄の抽選が行われ、この特別図柄の抽選に当選すると、大当り遊技状態を制御させる遊技機(所謂1種タイプのパチンコ遊技機)や、始動口への遊技機の入球を契機に、大入賞口を開放状態に変化させ、大入賞口に入球した遊技球が特定領域に入球することを条件として大当り遊技状態を制御させる遊技機(所謂2種タイプのパチンコ遊技機)が知られている。
そして、パチンコ遊技機においては、遊技の興趣を向上させるために、特別図柄の抽選確率を異ならせた遊技状態(低確率遊技状態、高確率遊技状態)や、始動口への入球率を異ならせた遊技状態(時短遊技状態、非時短遊技状態)など複数の遊技状態が設けられている(特開2013-59682号公報参照)。
しかしながら、遊技状態に更なる変化を与え、新たなる遊技状態に応じた演出を行うことにより、従来にない遊技性を創出して、より遊技の興趣の向上を図ることが望まれていた。
本発明の目的は、より遊技の興趣の向上を図ることが可能な遊技機を提供することである。
上記目的を達成するために、本発明に係る遊技機(例えば、第10のパチンコ遊技機)は、
取得条件が成立すると始動情報を取得する始動情報取得手段と、前記始動情報取得手段により取得された始動情報を所定数保留可能な保留手段と、開始条件が成立すると前記保留手段により保留されている前記始動情報に基づく図柄変動を実行可能な図柄変動実行手段と、前記図柄変動の実行結果を判定する判定手段と、前記判定手段の判定よりも先行して前記図柄変動の実行結果を判定可能な先行判定手段と、遊技状態を制御可能な遊技状態制御手段と、前記判定手段の判定結果に基づいて実行可能な当該演出又は前記先行判定手段の判定結果に基づいて実行可能な先行演出(例えば、先読み演出)の何れかを実行可能な演出実行手段と、を備える遊技機において、
前記判定手段又は前記先行判定手段により判定される判定結果として、特定結果(例えば、時短図柄)と、前記特定結果とは異なる特別結果(例えば、大当り図柄または小当り図柄)と、を少なくとも含み、
前記遊技状態制御手段は、通常遊技状態と、前記判定手段の判定結果として前記特定結果が導出された場合に移行可能な特定遊技状態(例えば、時短遊技状態)と、前記判定手段の判定結果として前記特別結果が導出された場合に移行可能であり、所定の遊技価値を付与可能な特別遊技状態(例えば、大当り遊技状態)と、を少なくとも含む何れかの遊技状態に制御可能であり、
前記特定結果は、第1特定結果(例えば、時短図柄10)と、前記第1特定結果とは異なる第2特定結果(例えば、時短図柄20)と、を含み、
前記特定遊技状態は、前記第1特定結果が導出された場合に移行可能な第1特定遊技状態(例えば、第1時短遊技状態)と、前記第2特定結果が導出された場合に移行可能であり、前記第1特定遊技状態よりも遊技者に有利な第2特定遊技状態(例えば、第2時短遊技状態)と、を含むことを特徴とする。
好適には、本発明に係る遊技機において、
前記判定手段は、前記遊技状態制御手段により前記通常遊技状態に制御されているときに前記特定結果が導出される場合には該特定結果の導出を許容する一方で、前記遊技状態制御手段により前記第1特定遊技状態又は前記第2特定遊技状態に制御されているときに前記特定結果が導出される場合には該特定結果の導出を許容しないことが望ましい。
好適には、本発明に係る遊技機において、
遊技者の発射操作により遊技媒体を発射させて、遊技を進行させる発射操作手段と、を備え、前記通常遊技状態または前記第1特定遊技状態が制御されているときには第1の発射操作(例えば、左打ち)を正規な態様として遊技を進行させ、前記第2特定遊技状態が制御されているときには第2の発射操作(例えば、右打ち)を正規な態様として遊技を進行させることが望ましい。
好適には、本発明に係る遊技機において、
前記第1特定遊技状態は、前記通常遊技状態よりも不利若しくは前記通常遊技状態と有利度合いが同じ遊技状態であることが望ましい。
好適には、本発明に係る遊技機において、
前記通常遊技状態において前記第1特定結果が導出される割合は、前記特定遊技状態において前記第2特定結果が導出される割合よりも大きいことが望ましい。
好適には、本発明に係る遊技機において、
前記判定手段は、前記特別結果が導出される割合として第1の確率にて当該特別結果を導出可能であり、前記特定結果が導出される割合として前記第1の確率よりも高い第2の確率にて当該特定結果を導出可能であることが望ましい。
好適には、本発明に係る遊技機において、
前記遊技状態制御手段は、前記通常遊技状態又は前記特定遊技状態に制御されているときに前記図柄変動の変動回数が所定の回数(例えば、天井値の950回)に達したことを条件とする特定条件が成立する場合に前記第1特定遊技状態及び前記第2特定遊技状態とは異なる第3特定遊技状態(例えば、第4時短遊技状態)に制御可能であり、前記第3特定遊技状態は、少なくとも前記第1特定遊技状態より遊技者に有利な遊技状態であり、
前記特定条件は、前記通常遊技状態に制御されているときに成立するよりも相対的に高い割合で前記第1特定遊技状態に制御されているときに成立することが望ましい。
好適には、本発明に係る遊技機において、
前記遊技状態制御手段は、前記特別遊技状態が制御された後に前記第1特定遊技状態及び前記第2特定遊技状態とは異なる第4特定遊技状態(例えば、第5時短遊技状態)に制御可能であり、前記第4特定遊技状態は、前記図柄変動の変動回数が特定回数(例えば、切替回数の1回または5回)実行されるまでは前記第2の発射操作を正規な態様として遊技を進行させる一方で、前記図柄変動の変動回数が前記特定回数を経過した場合には前記第1の発射操作を正規な態様として遊技を進行させることが望ましい。
好適には、本発明に係る遊技機において、
前記演出実行手段は、前記保留手段に保留されている先の始動情報が前記特別結果を導出するものである場合には、前記先の始動情報よりも後に保留されている後の始動情報が前記第1特定結果及び前記第2特定結果であるかにかかわらず前記特定結果の導出にかかわる先行演出を実行させないことが可能であることが望ましい。
好適には、本発明に係る遊技機において、
前記先行演出は、前記特定結果が導出される可能性があることを示唆する特定先行演出(例えば、期待UPゾーン、RUSH期待ゾーン)を少なくとも含み、
前記特定先行演出は、前記保留手段に前記第2特定結果が導出される前記始動情報が存在する場合に該第2特定結果が導出される前記始動情報に対して実行可能な演出である一方で、前記第1特定結果が導出される前記始動情報が存在する場合に該第1特定結果が導出される前記始動情報に対して実行されない演出であることが望ましい。
好適には、本発明に係る遊技機において、
前記演出実行手段は、前記保留手段に保留されている先の始動情報が前記第2特定結果を導出するものである場合には、前記先の始動情報よりも後に保留されている後の始動情報に対して前記先行演出を実行させないことが可能な一方で、前記保留手段に保留されている前記先の始動情報が前記第1特定結果を導出するものである場合には、前記後の始動情報に対して前記先行演出を実行可能であることが望ましい。
好適には、本発明に係る遊技機において、
前記当該演出は、前記第1特定結果又は前記第2特定結果が導出される可能性があることを示唆する特定当該演出(例えば、カード演出)を含み、前記先行演出は、前記第1特定結果又は前記第2特定結果が導出される可能性があることを示唆する特定先行演出(例えば、期待UPゾーン、モード移行ゾーン、RUSH期待ゾーン)を含み、前記特定当該演出は、第1の演出態様(例えば、白カード演出)と、前記第1の演出態様よりも前記第2特定結果が導出される割合が相対的に高い第2の演出態様(例えば、赤カード演出)とを少なくとも含む何れかの演出態様で実行可能であり、
前記演出実行手段は、先の前記図柄変動において前記特定先行演出が実行された場合には、先の前記図柄変動において前記特定先行演出が実行されなかった場合よりも相対的に高い割合で前記第2の演出態様にて前記特定当該演出を実行することが可能であることが望ましい。
好適には、本発明に係る遊技機において、
前記先行演出は、前記先行判定手段により判定される前記図柄変動の変動結果が前記特別結果又は前記特定結果の何れである場合にも実行可能な特殊先行演出(例えば、期待UPゾーン)を少なくとも含み、前記特殊先行演出は、少なくとも前記通常遊技状態及び前記第1特定遊技状態にて実行可能な演出であり、
前記演出実行手段は、前記通常遊技状態に制御されているときの方が前記第1特定遊技状態に制御されているときよりも相対的に高い割合で前記特殊先行演出を実行可能であることが望ましい。
好適には、本発明に係る遊技機において、
前記演出実行手段は、前記判定手段によって前記第1特定結果又は前記第2特定結果が判定された場合には、前記遊技状態制御手段により前記通常遊技状態が制御されているときと、前記遊技状態制御手段により前記第1特定遊技状態又は前記第2特定遊技状態が制御されているときとで異なる前記当該演出を実行可能であることが望ましい。
好適には、本発明に係る遊技機において、
遊技球が流下する遊技領域が形成された遊技盤(例えば、遊技パネル10100)と、
前記遊技領域に設けられ、遊技球が進入可能な始動領域(例えば、第1始動口10120)及び特定領域(例えば、第2通過ゲート10126L)と、前記遊技領域に設けられ、前記特定領域に遊技球が進入したことを条件に、遊技球が進入可能な開放状態と遊技球が進入困難な閉鎖状態とに変化可能な補助可変入賞装置(例えば、普通電動役物10146)と、を備え、
前記第1特定遊技状態は、不利第1特定遊技状態(例えば、第1時短遊技状態)と、前記不利第1特定遊技状態よりも相対的に前記補助可変入賞装置に遊技球が進入しやくなる有利第1特定遊技状態(例えば、第3時短遊技状態)とを有し、
前記始動情報取得手段は、前記始動領域又は前記補助可変入賞装置に遊技球が進入することを前記取得条件として、前記始動領域に遊技球が進入したときには第1の始動情報(例えば、第1特別図柄の始動情報)を取得し、前記補助可変入賞装置に遊技球が進入したときには第2の始動情報(例えば、第2特別図柄の始動情報)を取得し、
前記判定手段は、前記第2の始動情報に基づく前記図柄変動の実行結果を前記第1の始動情報基づく前記図柄変動の実行結果よりも前記特別結果と判定しやすく、
前記始動領域は、前記特定領域よりも下流側に設けられていることが望ましい。
本発明によれば、より遊技の興趣の向上を図ることができる。
<付記:第11のパチンコ遊技機>
従来から、遊技球が流下する遊技領域には始動口や大入賞口が設けられており、始動口への遊技球の入球を契機に、特別図柄の抽選が行われ、この特別図柄の抽選に当選すると、大当り遊技状態を制御させる遊技機(所謂1種タイプのパチンコ遊技機)や、始動口への遊技機の入球を契機に、大入賞口を開放状態に変化させ、大入賞口に入球した遊技球が特定領域に入球することを条件として大当り遊技状態を制御させる遊技機(所謂2種タイプのパチンコ遊技機)が知られている。
そして、パチンコ遊技機においては、遊技の興趣を向上させるために、特別図柄の抽選確率を異ならせた遊技状態(低確率遊技状態、高確率遊技状態)や、始動口への入球率を異ならせた遊技状態(時短遊技状態、非時短遊技状態)など複数の遊技状態が設けられている(特開2013-59682号公報参照)。
しかしながら、遊技状態に更なる変化を与え、新たなる遊技状態に応じた演出を行うことにより、従来にない遊技性を創出して、より遊技の興趣の向上を図ることが望まれていた。
本発明の目的は、より遊技の興趣の向上を図ることが可能な遊技機を提供することである。
上記目的を達成するために、本発明に係る遊技機(例えば、第11のパチンコ遊技機)は、
識別図柄の可変表示を実行可能な可変表示実行手段と、前記識別図柄の可変表示の実行結果が特別条件を満たすか否かを判定する特別条件判定手段と、前記特別条件判定手段によって第1の特別条件(例えば、大当りまたは小当り)を満たすと判定された場合に、前記識別図柄の可変表示の終了後に遊技者に所定の遊技価値を付与可能な特別遊技状態(例えば、大当り遊技状態または小当り遊技状態)を制御可能な特別遊技状態制御手段と、前記識別図柄の可変表示が実行される遊技状態として、所定の領域への遊技球の進入が容易ではない非入賞容易状態(例えば、通常遊技状態)と、前記非入賞容易状態よりも相対的に前記所定の領域への遊技球の進入が容易となる入賞容易状態(例えば、時短遊技状態)と、を少なくとも含む何れかの遊技状態を制御可能な遊技状態制御手段と、所定の演出を実行可能な演出実行手段と、を備えた遊技機において、
前記入賞容易状態は、前記特別条件判定手段によって前記第1の特別条件を満たすと判定された場合に移行可能な(例えば、第5時短遊技状態)と、前記特別条件判定手段によって前記第1の特別条件とは異なる第2の特別条件(例えば、時短当り)を満たすと判定された場合に移行可能な通常入賞容易状態と、を含み、
前記通常入賞容易状態は、第1通常入賞容易状態(例えば、第1時短遊技状態)と、前記第1通常入賞容易状態及び前記非入賞容易状態よりも有利な第2通常入賞容易状態(例えば、第2時短遊技状態)と、少なくとも含み、
前記特別条件判定手段は、前記遊技状態制御手段によって前記非入賞容易状態が制御されているときには、前記第2の特別条件を満たすと判定可能である一方で、前記遊技状態制御手段によって前記入賞容易状態が制御されているときには、前記第2の特別条件を満たすと判定しないか、前記非入賞容易状態が制御されているときよりも前記第2の特別条件を満たすと判定し難く、
前記遊技状態制御手段は、前記第1通常入賞容易状態において、前記可変表示実行手段により実行される前記識別図柄の可変表示が規定回数(例えば、第1時短回数~第3時短回数)になると、前記非入賞容易状態に移行させることが可能であり、
前記演出実行手段は、前記第1通常入賞容易状態においては、前記可変表示実行手段による前記識別図柄の可変表示の実行回数に基づいて、一般演出(例えば、一般演出モード及び前兆演出モードの演出)を実行可能であることを特徴とする。
好適には、本発明に係る遊技機において、
遊技者の発射操作により遊技媒体を発射させて、遊技を進行させる発射操作手段を備え、
前記遊技状態制御手段によって前記非入賞容易状態または前記第1通常入賞容易状態が制御されているときには第1の発射操作(例えば、左打ち)を正規な態様として遊技を進行させ、前記第2通常入賞容易状態が制御されているときには第2の発射操作(例えば、右打ち)を正規な態様として遊技を進行させることが望ましい。
好適には、本発明に係る遊技機において、
前記演出実行手段は、前記第1通常入賞容易状態においては、前記識別図柄の可変表示の実行回数が前記規定回数未満の第1実行回数であるとき(例えば、第1特別図柄の可変表示回数が1~39のとき)には第1の一般演出(例えば、一般演出モードの演出)を実行可能であり、前記識別図柄の可変表示の実行回数が前記規定回数未満であって前記第1実行回数を超過する第2実行回数であるとき(例えば、第1特別図柄の可変表示回数が40~49のとき)には前記第1の一般演出とは異なる第2の一般演出(例えば、前兆演出モードのモード移行煽り演出)を実行可能であることが望ましい。
好適には、本発明に係る遊技機において、
前記演出実行手段は、前記識別図柄の可変表示の実行回数が前記規定回数であるときには、前記第1の一般演出及び前記第2の一般演出とは異なる特定の一般演出(例えば、前兆演出モードのモード移行演出)を実行可能であり、
前記特定の一般演出は、前記通常入賞容易状態または前記第1通常入賞容易状態であることを示唆することが望ましい。
好適には、本発明に係る遊技機において、
遊技状態に基づいて、少なくとも前記識別図柄の可変表示時間が対応付けられた変動パターンを決定する変動パターン決定手段を備え、
前記変動パターン決定手段は、前記第1通常入賞容易状態においては、前記識別図柄の可変表示の実行回数が前記第1実行回数であるときには第1の変動パターン(例えば、通常の特別図柄の変動パターン00H)を決定可能であり、前記識別図柄の可変表示の実行回数が前記第2実行回数であるときには前記第1の変動パターンとは異なる第2の変動パターン(例えば、示唆用の特別図柄の変動パターン10H)を決定可能であり、
前記可変表示実行手段は、前記変動パターン決定手段によって決定された変動パターンに基づいて、前記識別図柄の可変表示を実行可能であることが望ましい。
好適には、本発明に係る遊技機において、
遊技状態に基づいて、少なくとも前記識別図柄の可変表示時間が対応付けられた変動パターンを決定する変動パターン決定手段を備え、
前記変動パターン決定手段は、前記第1通常入賞容易状態においては、前記識別図柄の可変表示の実行回数が前記規定回数であるときには、特定の変動パターン(例えば、判定用の特別図柄の変動パターン11H)を決定可能であることが望ましい。
好適には、本発明に係る遊技機において、
遊技状態に基づいて、少なくとも前記識別図柄の可変表示時間が対応付けられた変動パターンを決定する変動パターン決定手段を備え、
前記変動パターン決定手段は、前記第1通常入賞容易状態と前記第2通常入賞容易状態とで異なる変動パターンを決定可能であり、
前記可変表示実行手段は、前記変動パターン決定手段によって決定された変動パターンに基づいて、前記識別図柄の可変表示を実行可能である
ことが望ましい。
好適には、本発明に係る遊技機において、
前記変動パターン決定手段は、前記第2通常入賞容易状態と前記特別入賞容易状態とで異なる前記変動パターンを決定可能であるとともに、前記特別入賞容易状態のときには、前記第2通常入賞容易状態のときよりも短い前記識別図柄の可変表示時間が対応付けられた短縮用の変動パターンを決定可能であることが望ましい。
好適には、本発明に係る遊技機において、
前記第1通常入賞容易状態に移行するときに、複数の規定回数の中からいずれかの1つの規定回数(例えば、第1時短回数~第3時短回数)を決定する規定回数決定手段を備え、
複数の規定回数は、所定の規定回数(例えば、第1時短回数の50回)と、前記所定の規定回数よりも多い規定回数である特定の規定回数(例えば、第2時短回数の100回または第3時短回数の150回)とを含んでいることが望ましい。
好適には、本発明に係る遊技機において、
前記規定回数決定手段によって前記特定の規定回数が決定された場合には、前記所定の規定回数未満の前記第1実行回数(例えば、第1特別図柄の可変表示回数が1~39)と、前記所定の規定回数未満であって前記第1実行回数を超過する前記第2実行回数(例えば、第1特別図柄の可変表示回数が40~49)とが設定され得るものであり、
前記演出実行手段は、前記第1通常入賞容易状態においては、前記識別図柄の可変表示の実行回数が前記第1実行回数または/及び前記第2実行回数よりも多い第3実行回数(例えば、第1特別図柄の可変表示回数が51~89)になるときに、前記第1の一般演出を実行可能であり、前記識別図柄の可変表示の実行回数が前記第2実行回数または/及び前記第3実行回数よりも多い第4実行回数(例えば、第1特別図柄の可変表示回数が90~99のとき)になるときに、前記第2の一般演出を実行可能であることが望ましい。
好適には、本発明に係る遊技機において、
前記演出実行手段は、前記規定回数決定手段によって前記特定の規定回数が決定された場合には、前記第1通常入賞容易状態において、前記識別図柄の可変表示の実行回数が前記所定の規定回数または/及び前記特定の規定回数になるときに、前記第1の一般演出及び前記第2の一般演出とは異なる特定の一般演出を実行可能であり、
前記特定の一般演出は、前記通常入賞容易状態または前記第1通常入賞容易状態であることを示唆することが望ましい。
好適には、本発明に係る遊技機において、
前記第1通常入賞容易状態は、不利第1通常入賞容易状態(例えば、第1時短遊技状態)と、前記不利第1通常入賞容易状態よりも相対的に有利な有利第1通常入賞容易状態(例えば、第3時短遊技状態)とを有し、
前記演出実行手段は、前記通常入賞容易状態、前記不利第1通常入賞容易状態または前記有利第1通常入賞容易状態であることを示唆する特定の一般演出(例えば、モード移行演出)を実行可能であることが望ましい。
好適には、本発明に係る遊技機において、
遊技球が流下する遊技領域が形成された遊技盤(例えば、遊技パネル11100)と、前記遊技領域に設けられ、遊技球が進入可能な始動領域(例えば、第1始動口11120)及び特定領域(例えば、第2通過ゲート11126L)と、前記遊技領域に設けられ、前記特定領域に遊技球が進入したことを条件に、遊技球が進入可能な開放状態と遊技球が進入困難な閉鎖状態とに変化可能な補助可変入賞装置(例えば、普通電動役物11146)と、を備え、
前記第1通常入賞容易状態は、不利第1通常入賞容易状態と、前記不利第1通常入賞容易状態よりも相対的に有利な有利第1通常入賞容易状態とを有し、前記有利第1通常入賞容易状態は、前記第2通常入賞容易状態よりも相対的に前記補助可変入賞装置に遊技球が進入し難いが、前記不利第1通常入賞容易状態よりも相対的に前記補助可変入賞装置に遊技球が進入しやく、
前記可変表示実行手段は、前記始動領域に遊技球が進入したときには第1の識別図柄(例えば、第1特別図柄)の可変表示を実行可能であるとともに、前記補助可変入賞装置に遊技球が進入したときには第2の識別図柄(例えば、第2特別図柄)の可変表示を実行可能であり、
前記特別条件判定手段は、前記第2の識別図柄の可変表示の実行結果を前記第1の識別図柄の可変表示の実行結果よりも前記第1の特別条件を満たすと判定しやすいとともに、前記第2の識別図柄の可変表示の実行結果をハズレよりも前記第1の特別条件を満たすと判定しやすく、
前記始動領域は、前記特定領域よりも下流側に設けられていることが望ましい。
好適には、本発明に係る遊技機において、
前記演出実行手段は、前記有利第1通常入賞容易状態においては、前記補助可変入賞装置に遊技球が進入しやくなるときには、前記補助可変入賞装置に遊技球が進入可能となることを示唆する開放示唆演出(例えば、テロップ演出)を実行可能であることが望ましい。
本発明によれば、より遊技の興趣の向上を図ることができる。
<付記:第10のパチンコ遊技機及び第11のパチンコ遊技機>
従来から、遊技球が流下する遊技領域には始動口や大入賞口が設けられており、始動口への遊技球の入球を契機に、特別図柄の抽選が行われ、この特別図柄の抽選に当選すると、大当り遊技状態を制御させる遊技機(所謂パチンコ遊技機)が知られている。さらには、所定枚数のメダル等を投入して、スタートレバーを操作することにより複数のリールが回動され、停止表示されたリールのシンボルの組合せに基づいて、特定枚数のメダルやボーナスゲームなどの特典が付与される遊技機(所謂スロットマシンとも称される回胴式遊技機)も知られている。
また、パチンコ遊技機においては、遊技の興趣を向上させるために、特別図柄の抽選確率を異ならせた遊技状態(低確率遊技状態、高確率遊技状態)や、始動口への入球率を異ならせた遊技状態(時短遊技状態、非時短遊技状態)など複数の遊技状態が設けられている(特開2013-59682号公報参照)。
このようなパチンコ遊技機においては、この高確率遊技状態や時短遊技状態において大当り遊技状態を短期間に制御可能となっており、遊技者は多量の遊技価値(遊技球)を獲得することができる。
しかしながら、遊技者が獲得した累計の遊技価値が高まっていくと(所謂出玉が増加していくと)、遊技の射幸性が高まる恐れがあり、遊技の射幸性を適切に抑制する必要があった。
本発明の目的は、遊技の射幸性を適切に抑制する遊技機を提供することである。
上記目的を達成するために、本発明に係る遊技機(例えば、第10のパチンコ遊技機または第11のパチンコ遊技機)は、
ゲームを実行可能なゲーム実行手段と、前記ゲームが実行される遊技状態として、遊技者にとって不利な不利遊技状態(例えば、通常遊技状態または一般遊技状態)と、遊技者にとって有利な有利遊技状態(例えば、大当り遊技状態、RUSH遊技状態)とを少なくとも含む何れかの遊技状態を制御可能な遊技状態制御手段と、前記ゲームの実行結果に応じて、遊技者に所定数の遊技価値を付与する遊技価値付与手段と、遊技者に付与した遊技価値の累計増加数(例えば、遊技球の増加数(MY))を計数することが可能な計数手段と、前記計数手段によって前記累計増加数として規制値(例えば、95000個)を計数したことを条件として、ゲームを停止させることが可能なゲーム停止手段と、前記ゲーム停止手段がゲームを停止させる前に、ゲームが停止されることに関連して遊技停止予告(例えば、第1遊技停止予告、第2遊技停止予告及び第3遊技停止予告)に関する報知を行う報知手段(例えば、表示装置7、スピーカ32、LED群46等)と、を備え、
前記報知手段は、前記累計増加数が前記規制値よりも下回っている所定の計数範囲(例えば、85000~94999個)にあるときに、予告開始条件が成立すると、前記遊技停止予告に関する報知が可能であることを特徴とする。
好適には、本発明に係る遊技機において、
前記所定の計数範囲は、第1の境界値未満の第1の計数範囲(例えば、85000~89999個)と、前記第1の境界値以上から前記規制値未満の第2の計数範囲(例えば、90000~94999個)とで区画され、
前記報知手段は、前記計数手段によって計数された前記累計増加数が前記第1の計数範囲にあるときには、第1の予告開始条件(例えば、RUSH遊技状態に移行する特定の大当り遊技状態中、RUSH遊技状態)が成立すると、前記遊技停止予告に関する報知が可能であり、前記計数手段によって計数された前記累計増加数が前記第2の計数範囲にあるときには、第2の予告開始条件(例えば、大当り遊技状態中等)が成立すると、前記遊技停止予告に関する報知が可能であることが望ましい。
好適には、本発明に係る遊技機において、
前記有利遊技状態は、有利度合いの異なる複数の有利遊技状態(例えば、大当り遊技状態)を有しており、前記第1の予告開始条件の成立は、特定の有利遊技状態(例えば、RUSH遊技状態に移行する特定の大当り遊技状態)に移行することであり、前記第2の予告開始条件の成立は、複数の有利遊技状態のいずれかに移行することであることが望ましい。
好適には、本発明に係る遊技機において、
前記報知手段は、前記第1の計数範囲にあるときに開始された前記遊技停止予告に対しては、前記遊技状態制御手段によって制御されている遊技状態に基づいて終了させることが可能であり、前記第2の計数範囲にあるときに開始された前記遊技停止予告に対しては、前記計数手段によって前記規制値が計数されるまで継続して行うことが可能であることが望ましい。
好適には、本発明に係る遊技機において、
前記報知手段は、前記第1の計数範囲にあるときに開始された前記遊技停止予告に対しては、前記累計増加数が前記第1の計数範囲にあるときに前記遊技状態制御手段によって前記不利遊技状態が開始されると、前記遊技停止予告を終了し、前記累計増加数が前記第2の計数範囲に到達すると、前記遊技停止予告を前記計数手段によって前記規制値が計数されるまで継続して行うことが可能であることが望ましい。
好適には、本発明に係る遊技機において、
前記第1の計数範囲にあるときに前記遊技停止予告に関する報知が行われたことを示す実行済情報を記憶する予告履歴記憶部を備え、
前記報知手段は、前記遊技状態制御手段によって前記不利遊技状態が制御されているときに前記計数手段によって計数された前記累計増加数が前記第1の計数範囲から前記第2の計数範囲に到達した場合に、前記予告履歴記憶部に前記実行済情報が記憶されていないときには、前記第2の予告開始条件が成立したとして前記遊技停止予告に関する報知を行い、前記予告履歴記憶部に前記実行済情報が記憶されているときには、前記遊技停止予告に関する報知を行わないことが可能であることが望ましい。
好適には、本発明に係る遊技機において、
前記報知手段は、前記計数手段によって計数された前記累計増加数が前記第1の計数範囲にあるときには、前記第1の予告開始条件が成立すると、第1遊技停止予告に関する報知が可能であり、前記計数手段によって計数された前記累計増加数が前記第2の計数範囲にあるときには、前記第2の予告開始条件が成立すると、前記第1遊技停止予告とは異なる第2遊技停止予告に関する報知が可能であることが望ましい。
好適には、本発明に係る遊技機において、
前記遊技状態制御手段は、前記ゲームの実行結果が特別条件を満たすときに、遊技者に遊技価値を付与することが可能な特別の有利遊技状態(例えば、大当り遊技状態)を制御可能であり、
前記ゲーム停止手段は、前記遊技状態制御手段によって前記特別の有利遊技状態が制御されており、前記計数手段によって計数された前記累計増加数が前記規制値以上となった場合には、前記特別の有利遊技状態が終了した後に、ゲームを停止させることが可能であり、
前記報知手段は、前記遊技状態制御手段によって前記特別の有利遊技状態が制御されており、前記計数手段によって計数された前記累計増加数が前記規制値以上となった場合には、前記第1遊技停止予告及び前記第2遊技停止予告とは異なる第3遊技停止予告に関する報知を行うことが可能であることが望ましい。
好適には、本発明に係る遊技機において、
前記報知手段は、前記ゲーム停止手段によってゲームが停止されているときには、ゲームが停止されていることに関連して遊技停止報知を行い、変更条件(例えば、強制報知時間の経過)が成立するまでは、第1の報知態様で遊技停止報知を行い、前記変更条件が成立すると、前記第1の報知態様とは異なる第2の報知態様で遊技停止報知を行うことが望ましい。
好適には、本発明に係る遊技機において、
前記報知手段は、前記遊技停止報知として規制画像の表示を行う画像表示手段を少なくとも含み、
前記画像表示手段は、前記変更条件が成立するまでは、第1の規制画像の表示を行い、前記変更条件が成立すると、前記第1の規制画像とは大きさが異なる第2の規制画像の表示を行うことが望ましい。
好適には、本発明に係る遊技機において、
前記ゲームが実行されていないときに行われるデモ演出を実行するデモ演出手段と、を備え、前記デモ演出手段は、前記ゲーム停止手段によってゲームが停止されている場合において、前記画像表示手段により前記第1の規制画像の表示が行われているときには、前記デモ演出を実行不可能であり、前記画像表示手段により前記第2の規制画像の表示が行われているときには、前記デモ演出を実行可能であることが望ましい。
好適には、本発明に係る遊技機において、
遊技者からの演出操作を受け付ける演出操作手段と、を備え、
前記画像表示手段は、前記第2の規制画像の表示を行っている場合に、前記演出操作手段により演出操作を受け付けると、遊技者の操作により特別な画像(例えば、QRコードの画像)を表示させることが可能であることが望ましい。
好適には、本発明に係る遊技機において、
前記報知手段に関する音量を調整する音量調整手段と、を備え、
前記音量調整手段は、前記ゲーム停止手段によってゲームが停止されている場合において、前記変更条件が成立するまでは音量を調整不可能であり、前記変更条件が成立すると音量を調整可能であることが望ましい。
好適には、本発明に係る遊技機において、
前記報知手段に関する光量を調整する光量調整手段と、を備え、
前記光量調整手段は、前記ゲーム停止手段によってゲームが停止されている場合において、前記変更条件が成立するまでは光量を調整不可能であり、前記変更条件が成立すると光量を調整可能であることが望ましい。
本発明によれば、遊技の射幸性を適切に抑制することができる。