JP7491396B2 - コンピュータシステムおよびフロー制御方法 - Google Patents
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Description
例えば、非特許文献1では、既存の情報処理基盤をアップデートしようとする試みが展開されてはいるものの、急速に増えていくデータに対して現代のコンピュータが対応しきれていないのも事実であり、今後さらなる進化を遂げていくためには、ムーアの法則を越える「ポストムーア技術」が確立されなければいけないと指摘している。
このようなフローセントリックコンピューティングを実現するためには、データ移動に必要な広帯域な通信ネットワークNWが必要となるだけでなく、同時に効率よく通信ネットワークNWを制御しないと、データの移動を効率よく実施できない可能性がある。
前記データ記憶・生成装置は、前記フロー制御装置から通知された前記通信ネットワーク上の経路を介して、前記フロー制御装置から通知された前記データの処理を行う演算装置へ、当該データを送信するように構成したものである。
[第1の実施の形態]
まず、図1を参照して、本発明の第1の実施の形態にかかるコンピュータシステムについて説明する。図1は、第1の実施の形態にかかるコンピュータシステムの構成を示すブロック図である。
このコンピュータシステム10は、全体として、通信ネットワークNWを介して、データ記憶・生成装置11が出力したデータに対して、演算装置12で所定の演算処理を行い、その演算結果をデータ記憶・生成装置11へ出力する。
データ記憶・生成装置11は、演算装置12で演算処理すべきデータを保持する装置であり、当該データを記憶する機能、または、当該データを生成する機能と、フロー制御装置13に対して、当該演算処理の演算装置12への割り当てを要求する割り当て要求と処理内容とを通知する機能と、フロー制御装置13が指定した通信ネットワークNW上の経路を介して、フロー制御装置13が指定した演算装置12にデータを出力する機能と、演算装置12が出力したデータを受信する機能と、を有する。
演算装置12は、自己で実行中の演算処理の負荷状態(稼働状態)を示す負荷情報をフロー制御装置13へ通知する機能と、通信ネットワークNWを介してデータ記憶・生成装置11から入力されたデータに対して、所定の演算処理(演算または処理)を行い、得られた演算処理結果(演算結果また処理結果)を出力する機能を有する。
演算装置12の出力は、通信ネットワークNWを介して、データ記憶・生成装置11または他の演算装置12へ入力される。他の演算装置12へ入力することで、1つの演算装置12で完了しないような複数のステップから構成されるプログラムに対しても、このコンピュータシステム10を適用できる。演算装置12は、CPUやGPU上のソフトウェアで実現してもよく、FPGA(Field Programmable Gate Array)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)に形成したLSI(Large Scale Integration)回路で実現してもよい。
フロー制御装置13は、通信ネットワークNWの各経路の経路負荷情報と、処理内容の情報と、演算装置12の装置負荷情報とを入力として、データ記憶・生成装置11からの処理要求に応じて、データ記憶・生成装置11が保持するデータに対する演算処理を実行する演算装置12を特定する、すなわち演算装置12に演算処理を割り当てる機能と、得られた特定結果を要求元のデータ記憶・生成装置11へ通知する機能と、を有している。
通信ネットワークNWは、任意のネットワークトポロジーまたは構成を対象としている。例えば、ツリー型やスター型、トーラス構造、FTTH(Fiber to the home)で用いられるPON(Passive Optical Network)などのネットワークトポロジーがある。また、構成要素として、ネットワークスイッチやルーターなどのネットワーク機器が含まれることもある。
なお、上記の例では割り当てる演算装置12が1つである場合を示したが、1つの処理に対して、割り当てる演算装置12を複数にすることもある。
次に、図2を参照して、本実施の形態にかかるフロー制御装置13について詳細に説明する。図2は、第1の実施の形態にかかるフロー制御装置の構成を示すブロック図である。
図2に示すように、フロー制御装置13は、主な回路部として、経路負荷取得回路13A、装置負荷取得回路13B、およびフロー特定回路13Cを備えている。これら回路部は、CPUやGPU上のソフトウェアで実現してもよく、FPGA(Field Programmable Gate Array)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)に形成したLSI(Large Scale Integration)回路で実現してもよい。
装置負荷取得回路13Bは、各演算装置12から、それぞれの演算装置12の実際の処理負荷(稼働状態)を示す装置負荷情報を取得するように構成されている。
[経路負荷取得回路]
経路負荷取得回路13Aは、通信ネットワークNWから、通信ネットワークNW上の各経路に関する実際の経路負荷(負荷状態)を示す経路負荷情報を取得するように構成されている。
フロー特定回路13Cは、各データ記憶・生成装置11から通知された割り当て要求のうちから、割り当てを行う対象としていずれかの処理を選択し、当該処理を実行する演算装置12の候補を選択する機能と、当該処理の処理内容と候補となる演算装置12の装置負荷情報とに基づいて、当該演算装置12で処理することを想定した場合の処理時間を推定する機能と、得られた処理時間と、当該演算装置12の装置負荷、および、要求元のデータ記憶・生成装置11から当該演算装置12までの経路に関する経路負荷とを、予め設けられている処理時間閾値と、装置負荷閾値および経路負荷閾値とそれぞれ比較し、得られた比較結果に基づいて、当該処理に関するフロー、すなわちデータ移動のための通信ネットワークNWの経路と、データ移動先となる演算装置12とを特定する機能と、得られた特定結果を要求元のデータ記憶・生成装置11へ通知する機能とを有する。
次に、第1の実施の形態にかかるコンピュータシステム10の動作について説明する。以下では、コンピュータシステム10全体の動作を示す演算処理動作と、フロー制御装置13のフロー制御動作とについて、それぞれ説明する。
最初に、図3を参照して、第1の実施の形態にかかるコンピュータシステム10の演算処理動作について説明する。図3は、第1の実施の形態にかかるコンピュータシステムの演算処理動作を示すフローチャートである。
本実施の形態にかかるコンピュータシステム10は、全体として、データ記憶・生成装置11(#1~#N)が出力したデータを、通信ネットワークNWを介して移動させ、演算装置12(#1~#M)でそのデータに対して所定の演算処理を行い、その演算結果を出力する。
これにより、通信ネットワークNWは、データ記憶・生成装置11が出力したデータを、演算装置12へ伝送する。なお、通信ネットワークNWは、任意のネットワークトポロジーまたは構成を対象としている。例えば、ツリー型やスター型、トーラス構造、FTTH(Fiber to the home)で用いられるPON(Passive Optical Network)などのネットワークトポロジーがある。また、構成要素として、ネットワークスイッチやルーターなどのネットワーク機器が含まれることもある。
次に、図4を参照して、図3のステップS101,S102におけるフロー制御装置13のフロー制御動作について説明する。図4は、第1の実施の形態にかかるフロー制御装置のフロー制御方法を示すフローチャートである。
続いて、フロー特定回路13Cは、当該候補の演算装置12の装置負荷情報に含まれる装置負荷を、予め設定されている装置負荷閾値と比較する(ステップS114)。装置負荷が装置負荷閾値以上である場合(ステップS114:NO)、当該演算装置12による処理高速化の効果が得られないため、フロー特定回路13Cは、ステップS113に戻って、当該処理を実行する演算装置12の候補を選択しなおす。
なお、上記の例では、1つの処理に割り当てる演算装置12が1つである場合を示したが、1つの処理に対して割り当てる演算装置12を複数にすることもある。
このように、本実施の形態のコンピュータシステム10は、フロー制御装置13で、複数の演算装置12のうちから候補となる演算装置12を選択し、当該演算装置12の装置負荷と、処理すべきデータを当該演算装置12で処理した場合に要する処理時間の推定値と、通信ネットワークNWから選択したデータの移動のための経路に関する経路負荷とを、それぞれの閾値と比較し、得られた比較結果に基づいて、当該データの処理を行う演算装置12と当該データの移動のための経路とを特定するように構成したものである。
また、フロー制御装置13は、特定したデータの処理を行う演算装置12と当該データの移動のための経路とを、当該データを保持するデータ記憶・生成装置11へ通知し、データ記憶・生成装置11は、フロー制御装置13から通知された通信ネットワークNW上の経路を介して、フロー制御装置13から通知された当該データの処理を行う演算装置12へ、当該データを送信するように構成したものである。
次に、図6を参照して、本発明の第2の実施の形態にかかるコンピュータシステム10について説明する。図6は、第2の実施の形態にかかるフロー制御装置の構成を示すブロック図である。
第1の実施の形態との違いは、フロー制御装置13において、データ記憶・生成装置11から割り当て要求された処理について、演算装置12への割り当てが完了するまでの割り当て経過時間に基づき制御する点である。
演算装置12への割り当てが完了すれば、フロー特定回路13Cは、その割り当て時点で割り当て経過時間の計測を停止し、タイマ13Dをリセットして、タイマ13Dを開放する。一方、割り当て経過時間が割り当て許可時間を超過するまでに、演算装置12への割り当てが完了すれば、その割り当て時点で計測を停止し、タイマ13Dをリセットして、タイマ13Dを開放する。
次に、図7を参照して、第2の実施の形態にかかるコンピュータシステムの動作として、フロー制御装置13のフロー制御動作について説明する。図7は、第2の実施の形態にかかるフロー制御装置のフロー制御方法を示すフローチャートである。
図7に示すフロー制御処理は、前述した図4と比較して、ステップS112とステップS113との間に、ステップS120,S121が追加されている点が異なる。図6におけるその他のステップについては、図4と同様であり、ここでの説明は省略する。
このように、本実施の形態のコンピュータシステム10は、フロー制御装置13が、割り当て要求ごとに、当該割り当て要求の通知からの割り当て経過時間を計時し、当該割り当て経過時間が予め設定されている割り当て許可時間を超過した場合、装置負荷閾値、処理時間閾値、経路負荷閾値の一部または全てを緩和する方向に変更するように構成したものである。この際、これら閾値の変更に代えて、装置負荷閾値、処理時間閾値、経路負荷閾値を用いた割り当て可否判定の一部または全てを省略するようにしてもよい。
まず、図8および図9を参照して、本発明の第3の実施の形態にかかるコンピュータシステム10について説明する。図8は、第3の実施の形態にかかるフロー制御装置の構成を示すブロック図である。図9は、第3の実施の形態にかかる優先制御の例を示す説明図である。
第1および第2の実施の形態との違いは、フロー制御装置13において、演算装置12を割り当てる際に、処理毎の優先度を考慮する点である。
優先制御回路13Eは、割り当て要求された処理ごとに付与された優先度情報に基づいて、装置負荷閾値、処理時間閾値、経路負荷閾値の一部または全てを変更することにより、割り当て処理の優先制御を行う機能を有する。この際、これら閾値を用いた割り当て可否判定の一部または全てに関する実行要否を変更することにより、割り当て処理の優先制御を行う機能を有することもある。
また、優先度が「高優先」の処理については、割り当て要求が発生した時点で、計算リソースの空きがある演算装置12の中から、最も処理時間が短く済む演算装置12を割り当てる。
また、優先度が「ベストエフォート」の処理については、第1の実施の形態と同様に、装置負荷閾値、処理時間閾値、経路負荷閾値を用いた割り当て可否判定をした後、演算装置12を割り当てる。これにより、当該処理を行うのに適している演算装置12の計算リソースが確保されるまで待機したりして、演算装置12に割り当てるまでに時間を要することもある。
次に、図10を参照して、第3の実施の形態にかかるコンピュータシステムの動作として、フロー制御装置13のフロー制御動作について説明する。図10は、第3の実施の形態にかかるフロー制御装置のフロー制御方法を示すフローチャートである。
図10に示すフロー制御処理は、前述した図4と比較して、ステップS112とステップS113との間に、ステップS130が追加されている点が異なる。図10におけるその他のステップについては、図4と同様であり、ここでの説明は省略する。
このように、本実施の形態のコンピュータシステムは、フロー制御装置13において、演算装置12を割り当てる際に、処理毎に付与される優先度情報に基づいて、処理の割り当てを優先制御するように構成したものである。
これにより、低遅延が要求されるような処理のサービス品質を損なうことなく、通信ネットワークNW上の演算装置12を使うことができる。また、バッチ処理などのベストエフォートでも済む処理については、計算リソースに余裕があり、通信ネットワークNWの負荷が比較的低い時間に処理を行えるようにすることで、システム全体での処理の効率化が図れることができる。
以上、実施形態を参照して本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。本発明の構成や詳細には、本発明のスコープ内で当業者が理解しうる様々な変更をすることができる。また、各実施形態については、矛盾しない範囲で任意に組み合わせて実施することができる。
Claims (6)
- 処理すべきデータを保持する複数のデータ記憶・生成装置と、
通信ネットワークを介して前記複数のデータ記憶・生成装置と接続される複数の演算装置と、
前記データの処理要求ごとに、前記複数の演算装置のうちから、当該データを処理するための演算装置を特定するとともに、当該データの移動のための前記通信ネットワーク上の経路を特定するように構成されたフロー制御装置とを備え、
前記フロー制御装置は、前記複数の演算装置のうちから候補となる演算装置を選択し、当該演算装置の装置負荷と、前記データを当該演算装置で処理した場合に要する処理時間の推定値と、前記通信ネットワークから選択した前記データの移動のための経路に関する経路負荷とを、それぞれの閾値と比較し、得られた比較結果に基づいて、前記装置負荷、前記処理時間の推定値、及び前記経路負荷が、それぞれの前記閾値よりも小さい演算装置及び経路を、当該データの処理を行う演算装置と当該データの移動のための経路として特定し、
前記フロー制御装置は、特定した前記データの処理を行う演算装置と当該データの移動のための経路とを、当該データを保持するデータ記憶・生成装置へ通知し、
前記データ記憶・生成装置は、前記フロー制御装置から通知された前記通信ネットワーク上の経路を介して、前記フロー制御装置から通知された前記データの処理を行う演算装置へ、当該データを送信する
ことを特徴とするコンピュータシステム。 - 請求項1に記載のコンピュータシステムにおいて、
前記フロー制御装置は、前記演算装置から取得した前記データに対する処理内容を示す情報に基づいて、前記処理時間の推定値を計算することを特徴とするコンピュータシステム。 - 請求項1または請求項2に記載のコンピュータシステムにおいて、
前記フロー制御装置は、前記処理要求ごとに、当該処理要求の通知からの割り当て経過時間を計時し、当該割り当て経過時間が予め設定されている割り当て許可時間を超過した場合、前記装置負荷の閾値、前記処理時間の推定値の閾値、前記経路負荷の閾値の、一部または全てを緩和する方向に変更することを特徴とするコンピュータシステム。 - 請求項1または請求項2に記載のコンピュータシステムにおいて、
前記フロー制御装置は、前記処理要求ごとに、当該処理要求の通知からの割り当て経過時間を計時し、当該割り当て経過時間が予め設定されている割り当て許可時間を超過した場合、前記装置負荷の閾値、前記処理時間の推定値の閾値、前記経路負荷の閾値を用いた割り当て可否判定の、一部または全てを省略することを特徴とするコンピュータシステム。 - 請求項1~請求項4のいずれかに記載のコンピュータシステムにおいて、
前記フロー制御装置は、前記データの処理ごとに付与されている、当該処理に関する優先度情報に基づいて、当該処理の割り当てを優先制御することを特徴とするコンピュータシステム。 - 処理すべきデータを保持する複数のデータ記憶・生成装置と、通信ネットワークを介して前記複数のデータ記憶・生成装置と接続される複数の演算装置と、前記データの処理ごとに、前記複数の演算装置のうちから、当該データを処理するための演算装置を特定するとともに、当該データの移動のための前記通信ネットワーク上の経路を特定するように構成されたフロー制御装置とを備えるコンピュータシステムで用いられるフロー制御方法であって、
前記フロー制御装置が、前記複数の演算装置のうちから候補となる演算装置を選択する第1のステップと、
前記フロー制御装置が、当該演算装置の装置負荷と、前記データを当該演算装置で処理した場合に要する処理時間の推定値と、前記通信ネットワークから選択した前記データの移動のための経路に関する経路負荷とを、それぞれの閾値と比較する第2のステップと、
前記フロー制御装置が、得られた比較結果に基づいて、前記装置負荷、前記処理時間の推定値、及び前記経路負荷が、それぞれの前記閾値よりも小さい演算装置及び経路を、当該データの処理を行う演算装置と当該データの移動のための経路として特定する第3のステップと、
前記フロー制御装置が、特定した前記データの処理を行う演算装置と当該データの移動のための経路とを、当該データを保持するデータ記憶・生成装置へ通知する第4のステップと、
前記データ記憶・生成装置が、前記フロー制御装置から通知された前記通信ネットワーク上の経路を介して、前記フロー制御装置から通知された前記データの処理を行う演算装置へ、当該データを送信する第5のステップと
を備えることを特徴とするフロー制御方法。
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