3GPPリリース13の上記の要求条件は、次世代ネットワークについてのプライマリセル変更が行われる間にいくつかの望ましくない効果を生じさせうる。プライマリセルの変更が必要とされる際にはハンドオーバ手順が必要とされ、これは、MobiltyControlInfoを含むRRCConnectionReconfigurationメッセージがUEへ送信されることを意味し、それにより、PDCP/RLC再確立、MACリセット、新たなキーの導出がトリガされ、新たなプライマリコンポーネントキャリアにおいてランダムアクセス手順が実行される。通常、この手順には約40msかかり、この期間中、データ伝送は中断される。更には、NRのような次世代ネットワークでは、高い周波数帯域及びビームフォーミングが使用されることに起因して、プライマリセルの変更が、LTEよりも頻繁に行われる可能性があり、プライマリセルの変更が行われる間の、そのような長期間のデータ中断は望ましくない。
上記の課題の少なくとも一部を解決するために、本開示では方法、デバイス、及びコンピュータプログラムが提供される。本開示の実施形態が、NRネットワークで動作する無線システムに限定されず、同様の課題が存在する任意のアプリケーションシナリオに対してより広く適用可能であることが理解されよう。
本開示の種々の実施形態は主に、例えば共有の周波数帯域における、送信機と受信機との間の伝送を制御するための方法、デバイス及びコンピュータプログラムを提供することを目的としている。送信機及び受信機のそれぞれは、例えば、ネットワークデバイス又は端末デバイスでありうる。本開示の実施形態についての他の特徴及び利点も、本開示の実施形態の原理を例として図示する添付の図面とともに解釈された際に、具体的な実施形態についての以下の説明から理解されよう。
本開示の第1の態様では、ネットワークデバイスにおいて実装される方法が提供される。本方法は、端末デバイスについてのプライマリセル変更に対して、レイヤ2コンテキストが保持されるか及び/又は1つ以上のサービングセカンダリセルが残るかを検出することと、前記検出に基づいて、前記プライマリセル変更を示すメッセージを設定することと、前記メッセージを前記端末デバイスへ送信することと、を含む。
一実施形態において、端末デバイスについてのプライマリセル変更に対してレイヤ2コンテキストが保持されるかを検出することは、第1のプライマリセルと比べて、第2のプライマリセルに対応する前記レイヤ2コンテキストの一部又は全部が同じものを保持するかを検出することであり、及び/又は、端末デバイスについてのプライマリセル変更に対して1つ以上のサービングセカンダリセルが残るかを検出することは、前記第2のプライマリセルのインデックスが、第1のセカンダリセル群の1つのセカンダリセルと同一であるかを検出することであり、前記端末デバイスは、前記第1のプライマリセル及び前記第1のセカンダリセル群によるサービスを受けており、前記プライマリセル変更の後に、前記第2のプライマリセル及び第2のセカンダリセル群によるサービスを受ける。
一実施形態において、本方法は、更に、前記レイヤ2コンテキストの全部は保持されないことが検出されたことに応じて、新たなセキュリティキーの導出を前記端末デバイスに要求するためのセキュリティ情報エレメントを少なくとも含めることによって前記メッセージを設定することを含む。
一実施形態において、本方法は、更に、前記第1のプライマリセルと比べて、前記第2のプライマリセルに対応する、PDCPエンティティを除く前記レイヤ2コンテキストの全部は保持されないことが検出されたことに応じて、RLC/MACエンティティの再設定をトリガするための情報エレメントを少なくとも含めることによって前記メッセージを設定することを含む。
一実施形態において、本方法は、更に、レイヤ2コンテキストの全部が保持され、かつ、前記第2のプライマリセルの前記インデックスが、前記第1のセカンダリセル群のいずれのセカンダリセルとも同一ではないことが検出されたことに応じて、前記第2のセカンダリセル群のID情報を少なくとも含めることによって前記メッセージを設定することを含む。
一実施形態において、本方法は、更に、前記第2のプライマリセルの前記インデックスが、前記第1のセカンダリセル群の1つのセカンダリセルと同一であることが検出されたことに応じて、前記第2のプライマリセルのID情報を少なくとも含むように前記メッセージを設定することを含む。
一実施形態において、前記メッセージはMACメッセージ又はRRCメッセージで送信される
一実施形態において、前記MACメッセージは、論理チャネルIDによって識別されるMAC制御エレメントを含む。
一実施形態において、前記MACメッセージは、第2のプライマリセルのインデックスを示すMAC制御エレメントを含む。
一実施形態において、前記制御エレメントは、前記MAC制御エレメントの送信に対応するコンポーネントセルの1つからHARQ ACKを受信するまで当該MAC制御エレメントを送信し続けるネットワークデバイスによって制御される、既存の全てのコンポーネントセルを介して送信される。
本開示の第2の態様では、ネットワークデバイスが提供される。ネットワークデバイスは、端末デバイスについてのプライマリセル変更に対して、レイヤ2コンテキストが保持されるか及び/又は1つ以上のサービングセカンダリセルが残るかを検出するように構成された検出ユニットと、前記検出ユニットによる前記検出に基づいて、プライマリセル変更を示すメッセージを設定するように構成された設定ユニットと、前記メッセージを前記端末デバイスへ送信するように構成された送信ユニットと、を備える。
本開示の第3の態様では、モバイル端末において実装される方法が提供される。本方法は、ネットワークデバイスから送信されたメッセージであって、前記端末デバイスについてのプライマリセル変更に対して、レイヤ2コンテキストが保持されるか及び/又は1つ以上のサービングセカンダリセルが残るかを検出することによって設定された前記メッセージを受信することと、前記プライマリセル変更の情報を、前記受信されたメッセージから取得することと、前記情報に基づいて前記プライマリセル変更を実行することと、を含む。
一実施形態において、前記端末デバイスについてのプライマリセル変更に対してレイヤ2コンテキストが保持されるかを検出することは、第1のプライマリセルと比べて、第2のプライマリセルに対応するレイヤ2コンテキストの一部又は全部が同じものを保持するかを検出することであり、及び/又は、端末デバイスについてのプライマリセル変更に対して1つ以上のサービングセカンダリセルが残るかを検出することは、前記第2のプライマリセルのインデックスが、第1のセカンダリセル群の1つのセカンダリセルと同一であるかを検出することであり、又は前記メッセージに含まれる、前記第2のプライマリセル及び第2のセカンダリセル群のセカンダリセルのうちの1つ以上の前記インデックス(複数のインデックス)は、前記第1のプライマリセル及び第1のセカンダリセル群のセカンダリセルと同一であり、前記端末デバイスは、前記第1のプライマリセル及び前記第1のセカンダリセル群によるサービスを受けており、前記プライマリセル変更の後に、前記第2のプライマリセル及び第2のセカンダリセル群によるサービスを受ける。
一実施形態において、本方法は、更に、前記受信されたメッセージに、新たなセキュリティキーの導出のための情報エレメントが含まれることが検出されたことに応じて、前記受信されたメッセージに従って前記第2のプライマリセルのインデックスを更新することと、第2のセキュリティキーを導出することと、MACをリセットすることと、PDCP/RLCを再確立することと、前記第2のプライマリセルへのランダムアクセスを開始することと、を含む。
一実施形態において、本方法は、更に、前記受信されたメッセージに、RLC/MACの再設定をトリガするための情報エレメントが含まれることが検出されたことに応じて、前記受信されたメッセージに従って前記第2のプライマリセルのインデックスを更新することと、MACをリセットすることと、RLCを再確立することと、前記第2のプライマリセルへのランダムアクセスを開始することと、を含む。
一実施形態において、本方法は、更に、前記受信されたメッセージに、新たなセキュリティキーの導出のための情報エレメントもRLC/MACの再設定をトリガするための情報エレメントも含まれず、かつ、当該メッセージに含まれる、前記第2のプライマリセル及び前記第2のセカンダリセル群のセカンダリセルの1つ以上についての前記インデックス(複数のインデックス)が、前記第1のプライマリセル及び前記第1のセカンダリセル群のセカンダリセルのいずれとも同一ではないことが検出されたことに応じて、前記受信されたメッセージに従って前記第2のプライマリセルのインデックスを更新することと、前記第2のプライマリセルへのランダムアクセスを開始することと、を含む。
一実施形態において、前記メッセージに含まれる、前記第2のプライマリセル及び前記第2のセカンダリセル群のセカンダリセルの1つ以上の前記インデックス(複数のインデックス)が、前記第1のプライマリセル及び前記第1のセカンダリセル群のセカンダリセルのいずれかと同一であり、前記第2のプライマリセルの前記インデックスが、前記第1のセカンダリセル群のセカンダリセルのいずれのインデックスとも同一ではないことが検出されたことに応じて、前記受信されたメッセージに従って前記第2のプライマリセルのインデックスを更新することと、前記第2のプライマリセルへのランダムアクセスを開始することと、前記端末デバイスと前記ネットワークデバイスとの間で、前記第2のセカンダリセル群のいずれか1つのセカンダリセルと同一のインデックス(複数のインデックス)を有する、前記第1のセカンダリセル群の1つ以上のセカンダリセル上で、データの送信及び/又は受信を継続することと、を含む。
一実施形態において、本方法は、更に、前記第2のプライマリセルの前記インデックスが、前記第1のセカンダリセル群のいずれか1つのセカンダリセルのインデックスと同一であることが検出されたことに応じて、前記受信されたメッセージに従って前記第2のプライマリセルのインデックスを更新することと、前記端末デバイスと前記ネットワークデバイスとの間で、前記第2のプライマリセル及び前記第2のセカンダリセル群のセカンダリセルのうちのいずれか1つと同一のインデックス(複数のインデックス)を有する、前記第1のセカンダリセル群の1つ以上のセカンダリセル上で、データの送信及び/又は受信を継続することと、を含む。
本開示の第4の態様では、端末デバイスが提供される。端末デバイスは、ネットワークデバイスから送信されたメッセージであって、前記端末デバイスについてのプライマリセル変更に対して、レイヤ2コンテキストが保持されるか及び/又は1つ以上のサービングセカンダリセルが残るかを検出することによって設定された前記メッセージを受信するように構成された受信ユニット710と、前記プライマリセル変更の情報を、前記受信されたメッセージから取得するように構成された取得ユニット720と、前記情報に基づいて前記プライマリセル変更を実行するように構成された実行ユニット730と、を備える。
本開示の第5の態様では、ネットワークデバイスが提供される。ネットワークデバイスは、プロセッサ及び記憶媒体を備え、前記記憶媒体は、前記プロセッサで実行されたときに前記ネットワークデバイスに、端末デバイスについてのプライマリセル変更に対して、レイヤ2コンテキストが保持されるか及び/又は1つ以上のサービングセカンダリセルが残るかを検出することと、前記検出に基づいて、前記プライマリセル変更を示すメッセージを設定することと、前記メッセージを前記端末デバイスへ送信することと、を実行させる命令を含む。
本開示の第6の態様では、端末デバイスが提供される。端末デバイスは、プロセッサ及び記憶媒体を備え、前記記憶媒体は、前記プロセッサで実行されたときに前記端末デバイスに、ネットワークデバイスから送信されたメッセージであって、前記端末デバイスについてのプライマリセル変更に対して、レイヤ2コンテキストが保持されるか及び/又は1つ以上のサービングセカンダリセルが残るかを検出することによって設定された前記メッセージを受信することと、前記プライマリセル変更の情報を、前記受信されたメッセージから取得することと、前記情報に基づいて前記プライマリセル変更を実行することと、を実行させる命令を含む。
本開示の第7の態様では、コンピュータプログラムが提供される。命令は、少なくとも1つのプロセッサで実行されたときに当該少なくとも1つのプロセッサに、本開示の第1の態様に係る方法を実行させる。
本開示の第8の態様では、コンピュータプログラムが提供される。命令は、少なくとも1つのプロセッサで実行されたときに当該少なくとも1つのプロセッサに、本開示の第3の態様に係る方法を実行させる。
上述したような種々の態様及び実施形態によれば、プライマリセルの変更のための期間を低減でき、それにより、プライマリセル変更が行われる間に遅れるか又は中断されるデータ伝送を最適化できる。
以下ではいくつかの実施形態の例を参照して本開示について説明する。これらの実施形態が、本開示の範囲の何らかの限定を示唆するのではなく、当該分野の当業者による更なる理解を可能にし、それにより本開示を実装することを可能にする目的でのみ説明されていることは理解されるべきである。
本明細書で使用されるように、「無線通信ネットワーク」との用語は、LTE-Advanced(LTE-A)、LTE、広帯域符号分割多元接続(WCDMA(登録商標):Wideband Code Division Multiple Access)、高速パケットアクセス(HSPA:High-Speed Packet Access)等の、任意の適切な通信標準規格に従ったネットワークを示す。更に、無線通信ネットワーク内の端末デバイスとネットワークデバイスとの間の通信は、任意の適切な世代の通信プロトコルに従って行われ、通信プロトコルには、第1世代(1G)、第2世代(2G)、2.5世代、2.75世代、第3世代(3G)、第4世代(4G)、4.5G、将来の第5世代(5G)の通信プロトコル、及び/又は現在知られているか又は将来開発される任意の他のプロトコルが含まれるが、それらに限定されない。
「ネットワークデバイス」との用語は、無線通信ネットワーク内のデバイスであって、端末デバイスが当該デバイスを介してネットワークにアクセスして当該ネットワークからサービスを受けるデバイスを示す。ネットワークデバイスは、無線通信ネットワーク内の、基地局(BS)、アクセスポイント(AP)、モビリティ管理エンティティ(MME:Mobile Management Entity)、マルチセル/マルチキャスト協調エンティティ(MCE:Multi-cell/Multicast Coordination Entity)、ゲートウェイ、サーバ、コントローラ、又は他の適切なデバイスを示す。BSは、例えば、ノードB(NodeB又はNB)、拡張NodeB(eNodeB又はeNB)、リモートラジオユニット(RRU:Remote Radio Unit)、中継器、フェムト、ピコ等の低電力ノードでありうる。
「端末デバイス」との用語は、無線通信ネットワークにアクセスして当該ネットワークからサービスを受けることが可能な任意のエンドデバイスを示す。例として、かつ、限定せずに、端末デバイスはモバイル端末、UE、又は他の適切なデバイスを示す。UEは、例えば、加入者局(SS:Subscriber Station)、ポータブル加入者局、移動局(MS:Mobile Station)、アクセスターミナル(AT)でありうる。端末デバイスには、ポータブルコンピュータ、デジタルカメラ等の撮像端末デバイス、ゲーム端末デバイス、音楽ストレージ及び再生アプライアンス、携帯電話、セルラ電話、スマートフォン、タブレット、ウェアラブルデバイス、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)、車両、歩行者等が含まれうるが、それらに限定されない。
本明細書で使用されるように、「第1」お及び「第2」との用語は異なる要素を示す。単数形「1つの(a)」及び「1つの(an)」は、それ以外を明らかに示さないかぎり、複数形も同様に含むことが意図されている。本明細書で使用されるように「備える、含む(comprises)」、「備える、含む(comprising)」、「有する(has)」、「有する(having)」、「備える、含む(includes)」及び/又は「備える、含む(including)」との用語は、記述された特徴、要素及び/又はコンポーネント等の存在を特定するが、1つ以上の他の特徴、要素、コンポーネント及び/又はそれらの組み合わせの存在又は追加を除外するものではない。「に基づいて(based on)」との用語は、「に少なくとも部分的に基づいて(based at least in part on)」として解釈されるべきである。「一実施形態」及び「実施形態」との用語は、「少なくとも1つの実施形態」として解釈されるべきである。「他の実施形態」との用語は「少なくとも1つの他の実施形態」と解釈されるべきである。他の定義は明示的及び黙示的に以下に含まれうる。
次に、図面を参照しながら本開示のいくつかの例示的な実施形態について以下で説明する。まず図1を参照すると、本開示の実施形態が実装されうる無線通信ネットワーク100の環境を示している。図1に示されるように、無線通信ネットワーク100は、BS110として実装される、キャリアアグリゲーションを用いるネットワークデバイスと、端末デバイス120とを含む。BS110は、端末デバイス120のサービングノードとして機能する。特に、BS110は、2つのコンポーネントキャリア170及び180を提供し、端末デバイス120は、コンポーネントキャリア170及び180を介してBS110によるサービスを受ける。それに対応して、いくつかのサービングセル、例えば130及び140が存在し、コンポーネントキャリア170及び180といったコンポーネントキャリアごとに1つのサービングセルが存在する。端末デバイス120は、キャリアアグリゲーションを設定され、BS110からコンポーネントキャリア170及びコンポーネントキャリア180を受信し、130はプライマリセル(Pcell)であり、140は、セカンダリセル(Scell)である。コンポーネントキャリア及びセルの概念は、本開示の説明において互いに置き換え可能でありうる。
無線通信ネットワーク100は、LTE-Advanced(LTE-A)、LTE、広帯域符号分割多元接続(WCDMA(登録商標):Wideband Code Division Multiple Access)、高速パケットアクセス(HSPA:High-Speed Packet Access)等の、任意の適切な通信標準規格に従いうる。更に、ネットワーク100内の端末デバイス120とBS110/111との間の通信は、任意の適切な世代の通信プロトコルに従って行われ、通信プロトコルには、第1世代(1G)、第2世代(2G)、2.5世代、2.75世代、第3世代(3G)、第4世代(4G)、4.5G、将来の第5世代(5G)の通信プロトコル、及び/又は現在知られているか又は将来開発される任意の他のプロトコルが含まれるが、それらに限定されない。
本開示の説明を容易にするために、現在のプライマリセル130は、第1のプライマリセルと称されてよく、これは、プライマリセルの変更が完了する前に端末デバイス120にサービスを行っているプライマリセルを意味する。新たなプライマリコンポーネントセルは、目標プライマリセル又は第2のプライマリセル150と称されよく、これは、プライマリセルの変更が完了した後に端末デバイス120にサービスを行うプライマリセルを意味する。第1のプライマリセル130は、第1のセカンダリセル群140と一緒に端末デバイス120にサービスを行う。それに対応して、第2のプライマリセル150は、第2のセカンダリセル群160と一緒に端末デバイス120にサービスを行う。第1のセカンダリセル群又は第2のセカンダリセル群は、1つ以上のセカンダリセルを含んでよく、第1のセカンダリセル群又は第2のセカンダリセル群のセカンダリセルの数は、キャリアアグリゲーションの設定に依存する。
従来、端末デバイス120が、現在のプライマリセルコンポーネントセル130の品質がが種々の理由に起因して十分に良好ではないことに気付いた場合、又は、他のセル若しくはキャリアの無線品質が、全ての隣接セル若しくはキャリアを測定することによって良くなっていることに気付いた場合、端末デバイス120は、BS110へ報告を送信する。端末デバイス120からの当該報告の受信に応じて、BS110は、端末デバイス120に対する目標又は第2のプライマリセル150を、第2のセカンダリセル群160とともに決定する。本開示の実施形態において、第2のプライマリセル150及び/又は第2のセカンダリセル群160の決定は、種々の方法で実装されてよく、これは、従来のものであり、それ故に本明細書では詳細に説明しない。第2のプライマリセル150は、図1に示されるように他のBS111によって提供されてもよいし、第1のプライマリセル130を提供するBS110によって同様に提供されてもよい。
従来、BS110は、プライマリセルの変更を示し、かつ、プライマリセルの変更の実行を端末デバイス120に指示するメッセージを、端末デバイス120へ送信する。処理中に、ハンドオーバ手順が必要とされ、これは、MobiltyControlInfoを含むRRCConnectionReconfigurationメッセージが端末デバイス120へ送信されることを意味し、それにより、PDCP/RLC再確立、MACリセット、新たなキーの導出がトリガされ、第2のプライマリセル150へのランダムアクセス手順が実行される。通常、この手順には比較的長い時間(例えば40ms)がかかり、この期間中、データ伝送は遅れるか又は中断される。
上記及び他の可能性のある問題を解決するために、本開示の実施形態は、プライマリセルの変更を行う効率的な方法を提供する。本開示の実施形態によれば、端末デバイス120からの、第1のプライマリセル140及び第2のプライマリセル150の1つ以上を含む、全ての隣接セル及びキャリアの品質についての測定報告の受信に応じて、BS110は、第2のプライマリセル150及び第2のセカンダリセル群160を決定し、端末デバイス120についてのプライマリセル変更に対して、レイヤ2コンテキストが保持されるか及び/又は1つ以上のサービングセカンダリセルが残るかを検出し、当該検出に基づいて、プライマリセル変更を示すメッセージを設定し、その後、当該メッセージを端末デバイス120へ送信する。レイヤ2コンテキストの全体が保持される場合、BS110は、新たなセキュリティキーの導出を端末デバイス120に要求するためのセキュリティ情報エレメントを少なくとも含めることによってメッセージを設定し、当該メッセージを端末デバイス120へ送信する。レイヤ2コンテキストの一部(例えばPDCPエンティティ)が保持される場合、BS110は、RLC/MACエンティティの再設定をトリガするための情報エレメントを少なくとも含めることによってメッセージを設定し、当該メッセージを端末デバイス120へ送信する。レイヤ2コンテキストの全体が保持され、かつ、第2のプライマリセル150のインデックスが、第1のセカンダリセル群140のいずれのセカンダリセルとも同一ではない場合、BS110は、第2のセカンダリセル群160のID情報を少なくとも含めることによってメッセージを設定し、当該メッセージを端末デバイス120へ送信する。第2のプライマリセルのインデックスが、第1のセカンダリセル群の1つのセカンダリセルと同一である場合、BS110は、第2のプライマリセル150のID情報を少なくとも含めることによってメッセージを設定し、当該メッセージを端末デバイス120へ送信する。
このように、第1のプライマリセル130及び第1のセカンダリセル群140を含む第1のセル群と、第2のプライマリセル150及び第2のセカンダリセル群160を含む第2のセル群との関係を検出し、それに応じて、プライマリセル変更のメッセージを設定することによって、プライマリセル変更を実行する種々の手段を実現でき、それらの中で、いくつかのシナリオにおいてハンドオーバ手順なしでプライマリセル変更を完了できる。その結果、期間を低減し、プライマリセル変更の期間中のデータ伝送を最適化することが可能である。
図1の構成は、本開示の範囲に関していかなる限定も示唆することなく、単に例示の目的で記載されていることが理解されるべきである。無線通信ネットワーク100が、任意の適切な数の端末デバイス及びBSを含みうること及び他の任意の構成を有しうること、並びに各BSが、任意の適切な数のキャリア又はセルを提供しうることが、当業者には理解されよう。
ここで図2を参照すると、本開示の実施形態に係るデバイスにおいて実装されるプライマリセル変更のための方法200のフローチャートを示している。方法200を用いると、従来のアプローチにおける上記の及び他の可能性のある欠点を克服できる。BS110又は他の適切なデバイスのようなネットワークデバイスにおいて方法200が実装されうることが当業者には理解されよう。例示を目的として、以下では無線通信システム100内のBS110に関連して方法200について説明する。
方法200は、ブロック201に入り、当該ブロックにおいて、端末デバイスについてのプライマリセル変更に対して、レイヤ2コンテキストが保持されるか及び/又は1つ以上のサービングセカンダリセルが残るかが検出される。
本開示の実施形態において、ネットワークデバイス110は、端末デバイス120についてのプライマリセル変更に対してレイヤ2コンテキストが保持されるかを検出する。レイヤ2コンテキストは、レイヤ2についてのエンティティ、パラメータ、又は他の情報を示し、例えば、MAC HARQ状態、RLC Tx/Rx状態、どのパケットが受信されたか否か、パケットヘッダ圧縮状態、QoS状態、UE優先度等である。レイヤ2コンテキストは、端末デバイス120に対して一緒にサービスを行うプライマリセル及びセカンダリセル群を含む、セルのセットに共通している。第1のプライマリセル130又は第2のプライマリセル150に対応するレイヤ2コンテキストは、第1のプライマリセル130及び第1のセカンダリセル群140、又は第2のプライマリセル150及び第2のセカンダリセル群160を含む、端末デバイス120にサービスを行っているセルのセットに共通するレイヤ2コンテキストを示す。第1のプライマリセル130及び第1のセカンダリセル群140に対応するレイヤ2コンテキストは、第2のプライマリセル150及び第2のセカンダリセル群160に対応するレイヤ2コンテキストと異なり、eNBの論理構成に依存する。一実施形態において、1つの論理ノードに全てのプロトコルエンティティが実装され、その結果、論理ノードの変更時にL2コンテキスト全体が変更されうる。他の実施形態においては、他の論理ノードにRLC/MACが実装される一方で1つの論理ノードにPDCPが実装されてもよく、その結果、L2コンテキストの一部のみが変更されうる。レイヤ2コンテキストが保持されることは、レイヤ2コンテキストの一部又は全部が同じものを保持することを含む。端末デバイスについてのプライマリセルセル変更に対してレイヤ2コンテキストが保持されることは、第1のプライマリセル130及び第1のセカンダリセル群140を含む第1のセルセットに対応するレイヤ2コンテキストの一部又は全部が、第2のプライマリセル150及び第2のセカンダリセル群160を含む第2のセルセットに対応するものと比べて、同じものを保持することを含みうる。つまり、プライマリセルの変更後にレイヤ2コンテキストが変化するか否かを検出することである。更に他の実施形態では、レイヤ2コンテキストの一部が保持されることは、MAC及びRLCについてのコンテキストが変化する一方で、PDCPについてのコンテキスト(例えば、PDCPエンティティ)が同一のまま又は変更されずに残ることを含んでよく、これは、eNB構成が異なる論理ノードに分割され、PDCPが1つの論理ノード内にある一方でRLC/MACが別の論理ノード内にある場合に生じ、このため、PDCPエンティティが変化しない一方でRLC/MACの全体が変化する可能性がある。
本開示の実施形態において、ネットワークデバイス110が、端末デバイスについてのプライマリセル変更に対して1つ以上のサービングセカンダリセルが残るかを検出することは、第1のセルセット内の少なくとも1つのセカンダリセルが、第2のセルセット内の任意のセルと同じであり続けることを含みうる。つまり、端末デバイス120にサービスを行っているセカンダリセルの1つ以上が、端末デバイス120にサービスを行う第2のセルセット内に残ることである。端末デバイス側から見ると、(複数の)セカンダリセルが、プライマリセル変更の前後で、端末デバイス120に対してサービス中であり、かつ、サービスを継続する。ネットワークデバイス110は、端末デバイスについてのプライマリセル変更に対して1つ以上のサービングセカンダリセルが残るかを、種々の方法で検出する。実施形態において、ネットワークデバイス110は、第1のセルセットに含まれる任意のセカンダリセルのインデックス(複数のインデックス)が、第2のセルセットに含まれる任意のセルのインデックスと同一であるかどうかを検出する。第2のセルセット内に残る(複数の)サービングセカンダリセル140は、(複数の)セカンダリセル160であってもよいし、プライマリセル変更の完了後に第2のプライマリセル150として機能してもよい。
本開示の実施形態において、ネットワークデバイス110は、端末デバイス120についてのプライマリセル変更に対して、レイヤ2コンテキストが保持されることと、1つ以上のサービングセカンダリセルが残ることとを検出する。ネットワークデバイス110は、まず、端末デバイス120についてのプライマリセル変更に対してレイヤ2コンテキストが保持されるかどうかを検出し、その後、端末デバイス120についてのプライマリセル変更に対して1つ以上のサービングセカンダリセルが残るかどうかを検出してもよい。オプションとして、ネットワークデバイス110は、まず、端末デバイス120についてのプライマリセル変更に対して1つ以上のサービングセカンダリセルが残るかどうかを検出し、その後、端末デバイス120についてのプライマリセル変更に対してレイヤ2コンテキストが保持されるかどうかを検出してもよい。
ブロック220において、ネットワークデバイス110は、検出に基づいてプライマリセル変更のメッセージを設定する。いくつかの実施形態において、レイヤ2コンテキストの全部が保持されていないこと、又は、レイヤ2コンテキストの全てが変更されたことが検出された場合、ネットワークデバイス110は、新たなセキュリティキーの導出を端末デバイス120に要求するためのセキュリティ情報エレメントを少なくとも含めることによって、メッセージを設定する。このシナリオでは、プライマリセル変更を実行するために必要な他の情報又はパラメータもメッセージに含められ、例えば、第2のプライマリセル150及び第2のセカンダリセル群160のID情報、第2のプライマリセル150についての設定、新たな物理レイヤパラメータ設定、新たなMAC/RLC/PDCP設定、新たなDRB設定等が含められる。第2のプライマリセル150に対応する、PDCPエンティティを除くレイヤ2コンテキストの全部が、第1のプライマリセル130と比べて保持されていない場合、ネットワークデバイス110は、RLC/MACエンティティの再設定をトリガするための情報エレメントを少なくとも含めることによって、メッセージを設定する。即ち、MAC又はRLC等の他のレイヤ2コンテキストが変更された一方でPDCPエンティティのみが変更されていないことが検出された場合、ネットワークデバイス110は、RLC/MACエンティティの再設定をトリガするための情報エレメントを少なくとも含めることによって、メッセージを設定し、このため、新たなセキュリティキーの導出を端末デバイス120に要求するためのセキュリティ情報エレメントはメッセージに含まれない。このシナリオでは、プライマリセル変更を実行するために必要な他の情報又はパラメータもメッセージに含められ、例えば、第2のプライマリセル150及び第2のセカンダリセル群160のID情報、第2のプライマリセル150についての設定、新たな物理レイヤパラメータ設定、新たなMAC/RLC設定等が含められる。レイヤ2コンテキストの全部が保持されており、かつ、第2のプライマリセルのインデックスが、第1のセカンダリセル群140のいずれのセカンダリセルとも同一ではない場合、ネットワークデバイス110は、第2のプライマリセル150及び第2のセカンダリセル群160のID情報を少なくとも含めることによって、メッセージを設定する。このシナリオにおいて、プライマリセル変更を実行するために必要な他の情報又はパラメータもメッセージに含められ、例えば、新たな物理レイヤパラメータ設定及び第2のプライマリセル150についての設定も含められる。第2のプライマリセル130のインデックスが、第1のセカンダリセル群140の1つのセカンダリセルと同一であることが検出された場合、ネットワークデバイス110は、第2のプライマリセル150のID情報を少なくとも含めることによって、メッセージを設定する。このシナリオにおいて、プライマリセル変更を実行するために必要な他の情報又はパラメータもメッセージに含められ、例えば、第2のセカンダリセル群160のID情報も含められ、このシナリオにおいて第2のプライマリセル150についての設定はメッセージに含まれなくてよい。上述の実施形態のいくつかにおいては、設定されたメッセージに基づいて、ハンドオーバ手順のプロセスが必要とされなくなり、それにより、プライマリセル変更のプロセスの期間が低減されるとともに当該期間中のデータ伝送が最適化されうる。
いくつかの実施形態において、メッセージは、MACメッセージ若しくはRRC接続再設定(Connection Reconfiguration)メッセージのような無線リソース制御(RRC)メッセージ、又は他の任意の適切なメッセージでありうる。MACメッセージは、論理チャネルIDによって識別されるMAC制御エレメントを含みうる。あるいは、MACメッセージは、第2のプライマリセル150のインデックスを示すMAC制御エレメントを含みうる。ある実施形態において、第2のプライマリセルのインデックスが、第1のセカンダリセル群の1つのセカンダリセルと同一である場合、メッセージはMACメッセージによって構成されてもよく、RRC手順が他のシナリオのために使用されてもよい。MACメッセージを用いるシナリオについては、第2のプライマリセル150のインデックスを端末デバイス120に通知するために使用される、新たなMAC CE(制御エレメント)が規定される。新たなMAC CEは、論理チャネルIDによって識別される。
ブロック230において、ネットワークデバイス110は、プライマリセル変更を示し、かつ、端末デバイス120にプライマリセル変更の実行を指示する、設定されたメッセージを、端末デバイス120へ送信する。いくつかの実施形態において、当該メッセージは、ネットワークデバイス110によって制御される既存の全てのコンポーネントセルを介して送信され、当該ネットワークデバイスは、MAC制御エレメントを、当該MAC制御エレメントの送信に対応するコンポーネントセルの1つからHARQ ACKを受信するまで送信し続ける。
ここで図3に関していくつかの実施形態の例について説明する。図3は、本開示の実施形態に係るネットワークデバイスにおいて実装されるプライマリセル変更のための方法300のフローチャートを示している。方法300は、図3を参照して上述した方法200の具体的な実装と考えられうる。しかし、これは本開示の原理の例示のみを目的としたものであり、本開示の範囲の限定を目的とはしていない。
方法300は、ブロック310に入り、当該ブロックにおいて、BS110は、端末デバイス120に対する第2のプライマリセル150を決定する。
ブロック320において、ネットワークデバイス110は、プライマリセル変更に対してレイヤ2コンテキストの全部が保持されるかを検出する。レイヤ2コンテキストの全部は保持されないことが検出された場合、ネットワークデバイス110は、新たなセキュリティキーの導出を端末デバイス120に要求するためのセキュリティ情報エレメントを少なくとも含めることによって、メッセージを設定する。プライマリセル変更に対してレイヤ2コンテキストの全部又は全ては変化しないことが検出された場合、方法300はブロック340に進み、ネットワークデバイス110は、プライマリセル変更に対してPDCPエンティティが同じであり続けるかを検出する。PDCPエンティティがプライマリセル変更に対して同じであり続けるがMAC/RLCエンティティが変化する場合、ネットワークデバイス110は、RLC/MACエンティティの再設定をトリガするための情報エレメントを少なくとも含めることによって、メッセージを設定する。プライマリセル変更に対してレイヤ2コンテキストの全部が同じであり続ける場合、方法300はブロック360に進み、ネットワークデバイス110は、第2のプライマリセル150のインデックスが、第1のセカンダリセル群140の1つのセカンダリセルと同じであるかを検出する。第2のプライマリセル150のインデックスが、第1のセカンダリセル群140の1つのセカンダリセルと同一ではないことが検出された場合、ネットワークデバイス110は、第2のセカンダリセル群160のID情報を少なくとも含めることによって、メッセージを設定する。第2のプライマリセル150のインデックスが、第1のセカンダリセル群140の1つのセカンダリセルと同一であることが検出された場合、ネットワークデバイス110は、第2のプライマリセル150のID情報を少なくとも含めることによって、メッセージを設定する。
このように、第1のセルセットと第2のセルセットとの間の検出された関係に基づく種々のシナリオが、別々に扱われうる。これは、プライマリセル変更を実行する期間の低減と、処理中のデータ伝送の最適化とに有用である。
図4は、本開示の実施形態に係る端末デバイスにおいて実装されるプライマリセル変更のための方法400のフローチャートを示している。方法400を用いると、従来のアプローチにおける上記の及び他の可能性のある欠点を克服できる。端末デバイス120又は他の適切なデバイスのようなデバイスによって方法400が実装されうることが当業者には理解されよう。例示を目的として、以下では無線通信システム100内の端末デバイス120に関連して方法400について説明する。
方法400はブロック410に入り、当該ブロックにおいて、プライマリセル変更のメッセージがネットワークデバイスから受信される。当該メッセージは、例えばBS110であるネットワークデバイスによって、第1のセルセット及び第2のセルセットの検出に基づいて設定されている。メッセージの設定は、上述のように方法200又は方法300に従って実装されうるため、ここではその詳細を繰り返し説明しない。
ブロック420において、端末デバイス120は、ネットワークデバイス110から送信された受信メッセージから、プライマリセル変更の情報を検出する。本開示のいくつかの実施形態において、当該メッセージは、新たなセキュリティキーの導出のための情報エレメント、RLC/MACの再設定をトリガするための情報エレメント、第2のセカンダリセル群のID情報、第2のプライマリセルのID情報、第2のプライマリセルについての設定、新たな物理レイヤパラメータ設定、新たなMAC/RLC/PDCP設定、新たなDRB設定、及びプライマリセル変更のために必要な他の情報、を含みうる。
ブロック430において、受信メッセージが新たなセキュリティキーの導出のための情報エレメントを含むことが検出された場合、端末デバイス120は、新たなセキュリティキーを導出し、受信メッセージに従って第2のプライマリセルのインデックスを更新し、MACをリセットし、PDCP/RLCを再確立し、第2のプライマリセル150との同期を得るために第2のプライマリセルへのランダムアクセスを開始する。このシナリオでは、標準規格のハンドオーバ手順が続くが、その詳細については説明の簡略化のために省略する。セキュリティキーはレイヤ2コンテキストに対応し、レイヤ2コンテキストの全部が変化する場合、当該セキュリティキーが変化しうるとともに、新たなセキュリティキーが必要となりうる。レイヤ2コンテキストの一部又は全部が同じであり続ける場合、セキュリティキーは同じであり続けうる。例えば、MAC及びRLCが変化する一方でPDCPが変化しない場合、プライマリセル変更を実行するために端末デバイス120において新たなセキュリティキーを生成する必要はない。
受信メッセージがRLC/MACの再設定をトリガするための情報エレメントを含むが、新たなセキュリティキーの導出のための情報エレメントは含まないことが検出された場合、端末デバイス120は、受信メッセージに従って第2のプライマリセルのインデックスを更新し、MACをリセットし、RLCを再確立し、第2のプライマリセル150との同期を得るためにランダムアクセスを開始する。このシナリオでは、新たなセキュリティキーを導出する必要がないため、プライマリセル変更を実行するための時間が低減されうる。
受信メッセージが、新たなセキュリティキーの導出のための情報エレメントも、RLC/MACの再設定をトリガするための情報エレメントも含まず、当該メッセージに含まれる第2のプライマリセル150及び第2のセカンダリセル群160内のセカンダリセルを含む第2のセルセットのいずれのインデックスも、第1のプライマリセル130及び第1のセカンダリセル群140内のセカンダリセルを含む第1のセルセットのインデックスと同一ではないことが検出された場合には、端末デバイス120は、受信メッセージに従って第2のプライマリセルのインデックスを更新し、第2のプライマリセル150へのランダムアクセスを開始する。実施形態において、端末デバイス120は、まず、受信メッセージに、新たなセキュリティキーの導出のための情報エレメントが含まれるかを検出し、含まれない場合には、受信メッセージに、RLC/MACの再設定をトリガするための情報エレメントが含まれるかを検出し、含まれない場合には、当該メッセージに含まれる第2のプライマリセル150及び第2のセカンダリセル群160内のセカンダリセルのいずれかのインデックスが、第1のプライマリセル130及び第1のセカンダリセル群140内のセカンダリセルと同一であるかを検出する。他の実施形態において、端末デバイス120は、まず、受信メッセージに、RLC/MACの再設定をトリガするための情報エレメントが含まれるかを検出し、含まれない場合には、受信メッセージに、新たなセキュリティキーの導出のための情報エレメントが含まれるかを検出し、含まれない場合には、当該メッセージに含まれる第2のプライマリセル150及び第2のセカンダリセル群160内のセカンダリセルのいずれかのインデックスが、第1のプライマリセル130及び第1のセカンダリセル群140内のセカンダリセルと同一であるかを検出する。他の実施形態において、端末デバイス120は、まず、メッセージに含まれる第2のプライマリセル150及び第2のセカンダリセル群160内のセカンダリセルのいずれかのインデックスが、第1のプライマリセル130及び第1のセカンダリセル群140内のセカンダリセルと同一であるかを検出し、同一ではない場合には、受信メッセージに、新たなセキュリティキーの導出のための情報エレメントが含まれるかを検出し、含まれない場合には、受信メッセージに、RLC/MACの再設定をトリガするための情報エレメントが含まれるかを検出する。更に他の実施形態において、端末デバイス120は、まず、メッセージに含まれる第2のプライマリセル150及び第2のセカンダリセル群160内のセカンダリセルのいずれかのインデックスが、第1のプライマリセル130及び第1のセカンダリセル群140内のセカンダリセルと同一であるかを検出し、同一ではない場合には、受信メッセージに、受信メッセージに、RLC/MACの再設定をトリガするための情報エレメントが含まれるかを検出し、含まれない場合には、新たなセキュリティキーの導出のための情報エレメントが含まれるかを検出する。このシナリオでは、MACのリセット、RLCの再設定、又は新たなセキュリティキーの導出を端末デバイス120において行う必要がないため、プライマリセル変更を実行するための時間が実質的に低減されうる。
メッセージに含まれる第2のプライマリセル150及び第2のセカンダリセル群160内のセカンダリセルの1つ以上のインデックス(複数のインデックス)が、第1のプライマリセル130及び第1のセカンダリセル群140内のセカンダリセルと同一である一方で、第2のプライマリセル150のインデックスが、第1のセカンダリセル群140内のセカンダリセルのいずれのインデックスとも同一ではないことが検出された場合には、プライマリセル変更が行われる期間中に、端末デバイス120とネットワークデバイス110との間で、インデックス(複数のインデックス)が第2のセカンダリセル群160のうちの任意の1つのセカンダリセルと同一である、第1のセカンダリセル群140の1つ以上のセカンダリセル上で、データの送信及び/又は受信が継続している間に、端末デバイス120は、受信メッセージに従って第2のプライマリセルのインデックスを更新し、第2のプライマリセル150との同期を得るためにランダムアクセスを開始する。このシナリオでは、プライマリセル変更を行う間に端末デバイス120においてMACのリセット、RLCの再確立及び新たなセキュリティキーの導出を行う必要がなく、一方で、セカンダリセルの1つ以上がプライマリセル変更の前後で残るか維持されるため、それ故に、端末デバイス120とネットワークデバイス110との間のデータの送信及び/又は受信を、当該セカンダリセルの1つ以上を介して維持することができ、このため、プライマリセル変更を行うための期間を低減でき、端末デバイス120とネットワークデバイス110との間のデータの送信及び/又は受信が、遅れることも中断されることもなくなり、ユーザエクスペリエンスを大幅に改善できる。
第2のプライマリセル150のインデックスが、第1のセカンダリセル群140内のセカンダリセルのいずれか1つのインデックスと同一であることが検出された場合、端末デバイス120は、受信メッセージに従って第2のプライマリセルのインデックスを更新し、端末デバイス120とネットワークデバイス110との間で、インデックスが第2のプライマリセル150及び第2のセカンダリセル群160のうちの任意の1つのセカンダリセルと同一である、第1のセカンダリセル群140の1つ以上のセカンダリセル上で、データの送信及び/又は受信を維持できる。このシナリオでは、プライマリセル変更を行う間に端末デバイス120においてMACのリセット、RLCの再確立、新たなセキュリティキーの導出、第2のプライマリセル150との同期を得るためのランダムアクセスの開始を行う必要がなく、一方で、セカンダリセルの1つ以上がプライマリセル変更の前後で残るか維持されるため、それ故に、端末デバイス120とネットワークデバイス110との間のデータの送信及び/又は受信を、当該セカンダリセルの1つ以上を介して維持することができ、このため、プライマリセル変更を行うための期間を大幅に低減でき、端末デバイスとネットワークデバイスとの間のデータの送信及び/又は受信が中断されることもなくなり、ユーザエクスペリエンスを大いに改善できる。
ここで図5に関していくつかの実施形態の例について説明する。図5は、本開示の実施形態に係る端末デバイスにおいて実装されるプライマリセル変更のための方法500のフローチャートを示している。方法500は、図4を参照して上述した方法400の具体的な実装と考えられうる。しかし、これは本開示の原理の例示のみを目的としたものであり、本開示の範囲の限定を目的とはしていない。
方法500は、ブロック510に入り、当該ブロックにおいて、端末デバイス120は、ネットワークデバイス110から送信されたメッセージを受信する。当該メッセージは、プライマリセル変更を示す情報を含む。
ブロック520において、端末デバイス120は、受信メッセージに、新たなセキュリティキーの導出のための情報エレメントが含まれるかを検出し、当該受信メッセージに、新たなセキュリティキーの導出のための情報エレメントが含まれることが検出された場合、端末デバイス120は、プライマリセル変更のための標準のハンドオーバ手順を実行する。受信メッセージに、新たなセキュリティキーの導出のための情報エレメントが含まれていないことが検出された場合、方法500はブロック540に進み、端末デバイス120は、当該受信メッセージに、RLC/MACの再設定をトリガするための情報エレメントが含まれるかを検出する。受信メッセージに、RLC/MACの再設定をトリガするための情報エレメントが含まれることが検出された場合、端末デバイス120は、当該受信メッセージに従って第2のプライマリセルのインデックスを更新し、MACをリセットし、RLCを再確立し、第2のプライマリセル150との同期を得るためにランダムアクセスを開始する。受信メッセージに、RLC/MACの再設定をトリガするための情報エレメントが含まれていないことが検出された場合、方法500はブロック560に進み、端末デバイス120は、当該メッセージに含まれる、第2のプライマリセル150及び第2のセカンダリセル群160のセカンダリセルのいずれかのインデックス(複数のインデックス)が、第1のプライマリセル130及び第1のセカンダリセル群140のセカンダリセルと同一であるかを検出する。メッセージに含まれる、第2のプライマリセル150及び第2のセカンダリセル群160のセカンダリセルのいずれのインデックス(複数のインデックス)も、第1のプライマリセル130及び第1のセカンダリセル群140のセカンダリセルと同一ではないことが検出された場合、端末デバイス120は、受信メッセージに従って第2のプライマリセルのインデックスを更新し、第2のプライマリセル150との同期を得るためにランダムアクセスを開始する。メッセージに含まれる、第2のプライマリセル150及び第2のセカンダリセル群160のセカンダリセルのいずれかのインデックス(複数のインデックス)が、第1のプライマリセル130及び第1のセカンダリセル群140のセカンダリセルと同一であることが検出された場合、方法500はブロック580に進み、端末デバイス120は、第2のプライマリセル150のインデックスが、第1のセカンダリセル群140のいずれか1つのセカンダリセルと同一であるかを検出する。第2のプライマリセル150のインデックスが、第1のセカンダリセル群140のセカンダリセルのいずれとも同一ではないことが検出された場合、端末デバイス120は、受信メッセージに従って第2のプライマリセルのインデックスを更新し、第2のプライマリセル150との同期を得るためにランダムアクセスを開始し、端末デバイス120とネットワークデバイス110との間で、第2のセカンダリセル群160のうちのいずれか1つのセカンダリセルと同一のインデックスを有する、第1のセカンダリセル群140の1つ以上のセカンダリセル上で、データの送信及び/又は受信が継続する。第2のプライマリセル150のインデックスが、第1のセカンダリセル群140のセカンダリセルのいずれか1つと同一であることが検出された場合、端末デバイス120は、受信メッセージに従って第2のプライマリセルのインデックスを更新し、端末デバイス120とネットワークデバイス110との間で、第2のプライマリセル150及び第2のセカンダリセル群160のうちのいずれか1つと同一のインデックスを有する、第1のセカンダリセル群140の1つ以上のセカンダリセル上で、データの送信及び/又は受信が継続する。
このように、第1のセルセットと第2のセルセットとの間の検出された関係に基づく種々のシナリオが、別々に扱われうる。これは、プライマリセル変更を実行する期間の低減と、処理中のデータ伝送の最適化とに有用である。
次に、本開示の実施形態に係る、ネットワークデバイス600のブロック図を示す図6を参照する。図1に示されるようなBS110等のネットワークデバイス、サーバ、ココントローラ又は他の適切なデバイスにおいてデバイス600が実装されうることが当業者には理解されよう。
図示されるように、ネットワークデバイス600は、検出ユニット610、設定ユニット620、及び送信ユニット630を備える。検出ユニット610は、端末デバイスについてのプライマリセル変更に対して、レイヤ2コンテキストが保持されるか及び/又は1つ以上のサービングセカンダリセルが残るかを検出するように構成される。設定ユニット620は、検出ユニット610による検出に基づいて、プライマリセル変更を示すメッセージを設定するように構成される。送信ユニット630は、当該メッセージを端末デバイス120へ送信するように構成される。
ある実施形態において、設定ユニット620は更に、レイヤ2コンテキストの全部は保持されないことが検出されたことに応じて、新たなセキュリティキーの導出を端末デバイス120に要求するための情報エレメントを少なくとも含めることによってメッセージを設定するように構成される。
ある実施形態において、設定ユニット620は更に、第1のプライマリセル130と比べて、第2のプライマリセル150に対応する、PDCPエンティティを除くレイヤ2コンテキストの全部は保持されないことが検出されたことに応じて、RLC/MACエンティティの再設定をトリガするための情報エレメントを少なくとも含めることによってメッセージを設定するように構成される。
ある実施形態において、設定ユニット620は更に、レイヤ2コンテキストの全部が保持され、第2のプライマリセル150のインデックスが、第1のセカンダリセル群140のいずれのセカンダリセルとも同一ではないことが検出されたことに応じて、第2のセカンダリセル群160のID情報を少なくとも含めることによってメッセージを設定するように構成される。
ある実施形態において、設定ユニット620は更に、第2のプライマリセル150のインデックスが、第1のセカンダリセル群140の1つのセカンダリセルと同一であることが検出されたことに応じて、第2のプライマリセル150のID情報を少なくとも含めることによってメッセージを設定するように構成される。
次に、本開示の実施形態に係る、端末デバイスに実装される装置700のブロック図を示す図7を参照する。端末デバイス又は他の適切なデバイスに装置700が実装されうることが当業者には理解されよう。
図示されるように、装置700は、受信ユニット710、取得ユニット720、及び実行ユニット730を備える。受信ユニット710は、ネットワークデバイスから送信されたメッセージであって、端末デバイス120についてのプライマリセル変更に対して、レイヤ2コンテキストが保持されるか及び/又は1つ以上のサービングセカンダリセルが残るかを検出することによって設定されたメッセージを受信するように構成される。取得ユニット720は、プライマリセル変更の情報を、受信されたメッセージから取得するように構成される。実行ユニット730は、当該情報に基づいてプライマリセル変更を実行するように構成される。
ある実施形態において、端末デバイス120は判定ユニット720を更に備えうる。判定ユニット740は、受信されたメッセージに、新たなセキュリティキーの導出のための情報エレメントが含まれるかを判定するか、又は、受信されたメッセージに、RLC/MACエンティティの再設定をトリガするための情報エレメントが含まれるかを判定するか、又は、メッセージに含まれる、第2のプライマリセル150及び第2のセカンダリセル群160いずれか1つのインデックス(複数のインデックス)が、第1のプライマリセル130及び第1のセカンダリセル群140と同一であるかを判定するか、又は、メッセージに含まれる、第2のプライマリセル150のインデックスが、第1のセカンダリセル群140のいずれか1つのインデックスと同一であるかを判定する、ように構成される。
ある実施形態において、実行ユニット730は更に、受信されたメッセージに、新たなセキュリティキーの導出のための情報エレメントが含まれることが検出されたことに応じて、第2のセキュリティキーを導出し、MACをリセットし、PDCP/RLCを再確立し、第2のプライマリセル150との同期を得るためにランダムアクセスを開始するように構成される。
ある実施形態において、実行ユニット730は更に、受信されたメッセージに、RLC/MACの再設定をトリガするための情報エレメントが含まれるが新たなセキュリティキーの導出のための情報エレメントは含まれていないことが検出されたことに応じて、受信されたメッセージに従って第2のプライマリセルのインデックスを更新し、MACをリセットし、RLCを再確立し、第2のプライマリセル150との同期を得るためにランダムアクセスを開始するように構成される。
ある実施形態において、実行ユニット730は更に、受信されたメッセージに、新たなセキュリティキーの導出のための又はRLC/MACの再設定をトリガするための情報エレメントが含まれておらず、当該メッセージに含まれる、第2のプライマリセル150及び第2のセカンダリセル群160のいずれのインデックス(複数のインデックス)も、第1のプライマリセル130及び第1のセカンダリセル群140と同一ではないことに応じて、受信されたメッセージに従って第2のプライマリセルのインデックスを更新し、第2のプライマリセル150との同期を得るためにランダムアクセスを開始するように構成される。
ある実施形態において、実行ユニット730は更に、受信されたメッセージに、新たなセキュリティキーの導出のための又はRLC/MACの再設定をトリガするための情報エレメントが含まれておらず、メッセージに含まれる、第2のプライマリセル150及び第2のセカンダリセル群160のセカンダリセルの1つ以上についてのインデックス(複数のインデックス)が、第1のプライマリセル130及び第1のセカンダリセル群140のセカンダリセルと同一であり、第2のプライマリセル150のインデックスが、第1のセカンダリセル群140のセカンダリセルのいずれのインデックスとも同一ではないことが検出されたことに応じて、受信されたメッセージに従って第2のプライマリセルのインデックスを更新し、第2のプライマリセル150との同期を得るためにランダムアクセスを開始し、端末デバイス120とネットワークデバイス110との間で、第2のセカンダリセル群160のいずれか1つのセカンダリセルと同一のインデックス(複数のインデックス)を有する、第1のセカンダリセル群140の1つ以上のセカンダリセル上で、データの送信及び/又は受信を継続するように構成される。
ある実施形態において、実行ユニット730は更に、受信されたメッセージに、新たなセキュリティキーの導出のための又はRLC/MACの再設定をトリガするための情報エレメントが含まれておらず、第2のプライマリセル150のインデックスが、第1のセカンダリセル群140のいずれか1つのセカンダリセルのインデックスと同一であることが検出されたことに応じて、受信されたメッセージに従って第2のプライマリセルのインデックスを更新し、端末デバイス120とネットワークデバイス110との間で、第2のプライマリセル150及び第2のセカンダリセル群160のセカンダリセルのうちのいずれか1つと同一のインデックス(複数のインデックス)を有する、第1のセカンダリセル群140の1つ以上のセカンダリセル上で、データの送信及び/又は受信を継続するように構成される。
装置600に含まれるコンポーネントが、方法200及び300の動作に対応し、装置700に含まれるコンポーネントが、方法400及び500の動作に対応することが、理解されるべきである。したがって、図2及び図3を参照して上述した全ての動作及び特徴は、装置600に含まれるコンポーネントに同様に適用可能であり、かつ、同様の効果を有し、図4及び図5を参照して上述した全ての動作及び特徴は、装置700に含まれるコンポーネントに同様に適用可能であり、かつ、同様の効果を有する。簡潔化のため詳細については省略する。
装置600及び700に含まれるコンポーネントは、ソフトウェア、ハードウェア、ファームウェア、又はそれらの任意の組み合わせを含む、種々の方法で実装されうる。一実施形態において、1つ以上のユニットは、ソフトウェア及び/又はファームウェア、例えば、記憶媒体に格納された機械実行可能な命令を用いて実装されうる。機械実行可能命令に加えて又は代えて、装置600及び700に含まれるコンポーネントの一部又は全てが、1つ以上のハードウェアロジックコンポーネントによって少なくとも部分的に実装されてもよい。例えば、限定することなく、使用可能なハードウェアロジックコンポーネントの典型的なタイプには、フィールドプログラマブルロジックデバイス(FPGA:Field-programmable Gate Array)、特定用途向け集積回路(ASIC:Application-specific Integrated Circuit)、特定用途向け汎用品(ASSP:Application-specific Standard Product)、システムオンチップ・システム(SOC:System-on-a-chip system)、コンプレックスプログラマブルロジックデバイス(CPLD:Complex Programmable Logic Device)等が含まれる。
本開示の実施形態によれば、ネットワークデバイスに実装される装置が提供される。装置は、端末デバイスについてのプライマリセル変更に対して、レイヤ2コンテキストが保持されるか及び/又は1つ以上のサービングセカンダリセルが残るかを検出する手段と、当該検出に基づいて、プライマリセル変更を示すメッセージを設定する手段と、当該メッセージを端末デバイスへ送信する手段と、を備える。
ある実施形態において、検出に基づいて、プライマリセル変更を示すメッセージを設定する手段は、レイヤ2コンテキストの全部は保持されないことが検出されたことに応じて、新たなセキュリティキーの導出を端末デバイスに要求するための情報エレメントを少なくとも含めることによってメッセージを設定する手段を含みうる。
ある実施形態において、検出に基づいて、プライマリセル変更を示すメッセージを設定する手段は、第1のプライマリセルと比べて、第2のプライマリセルに対応する、PDCPエンティティを除くレイヤ2コンテキストの全部は保持されないことが検出されたことに応じて、RLC/MACエンティティの再設定をトリガするための情報エレメントを少なくとも含めることによってメッセージを設定する手段を含みうる。
ある実施形態において、検出に基づいて、プライマリセル変更を示すメッセージを設定する手段は、レイヤ2コンテキストの全部が保持され、かつ、第2のプライマリセルのインデックスが、第1のセカンダリセル群のいずれのセカンダリセルとも同一ではないことが検出されたことに応じて、第2のセカンダリセル群のID情報を少なくとも含めることによってメッセージを設定する手段を含みうる。
ある実施形態において、検出に基づいて、プライマリセル変更を示すメッセージを設定する手段は、第2のプライマリセルのインデックスが、第1のセカンダリセル群の1つのセカンダリセルと同一であることが検出されたことに応じて、第2のプライマリセルのID情報を少なくとも含むようにメッセージを設定する手段を含みうる。
本開示の実施形態によれば、端末デバイスに実装される装置が提供される。装置は、ネットワークデバイスから送信されたメッセージであって、端末デバイスについてのプライマリセル変更に対して、レイヤ2コンテキストが保持されるか及び/又は1つ以上のサービングセカンダリセルが残るかを検出することによって設定されたメッセージを受信する手段と、プライマリセル変更の情報を、受信されたメッセージから取得すると、当該情報に基づいてプライマリセル変更を実行する手段と、を備える。
ある実施形態において、端末デバイスは、受信されたメッセージに、新たなセキュリティキーの導出のための情報エレメントが含まれるかを判定するか、又は、受信されたメッセージに、RLC/MACエンティティの再設定をトリガするための情報エレメントが含まれるかを判定するか、又は、メッセージに含まれる、第2のプライマリセル及び第2のセカンダリセル群いずれかのインデックス(複数のインデックス)が、第1のプライマリセル及び第1のセカンダリセル群と同一であるかを判定するか、又は、メッセージに含まれる、第2のプライマリセルのインデックスが、第1のセカンダリセル群のいずれか1つのインデックスと同一であるかを判定する手段を更に備える。
ある実施形態において、情報に基づいてプライマリセル変更を実行する手段は、受信されたメッセージに、新たなセキュリティキーの導出のための情報エレメントが含まれることが検出されたことに応じて、第2のセキュリティキーを導出し、MACをリセットし、PDCP/RLCを再確立し、第2のプライマリセルへのランダムアクセスを開始する手段を含む。
ある実施形態において、情報に基づいてプライマリセル変更を実行する手段は、受信されたメッセージに、RLC/MACの再設定をトリガするための情報エレメントが含まれることが検出されたことに応じて、受信されたメッセージに従って第2のプライマリセルのインデックスを更新し、MACをリセットし、RLCを再確立し、第2のプライマリセルへのランダムアクセスを開始する手段を含む。
ある実施形態において、情報に基づいてプライマリセル変更を実行する手段は、受信されたメッセージに、新たなセキュリティキーの導出のための又はRLC/MACの再設定をトリガするための情報エレメントが含まれておらず、当該メッセージに含まれる、第2のプライマリセル及び第2のセカンダリセル群のいずれのインデックス(複数のインデックス)も、第1のプライマリセル及び第1のセカンダリセル群と同一ではないことに応じて、受信されたメッセージに従って第2のプライマリセルのインデックスを更新し、第2のプライマリセルへのランダムアクセスを開始する手段を含む。
ある実施形態において、情報に基づいてプライマリセル変更を実行する手段は、メッセージに含まれる、第2のプライマリセル及び前記第2のセカンダリセル群のセカンダリセルの1つ以上のインデックス(複数のインデックス)が、第1のプライマリセル及び第1のセカンダリセル群のセカンダリセルと同一であり、第2のプライマリセルのインデックスが、第1のセカンダリセル群のセカンダリセルのいずれのインデックスとも同一ではないことが検出されたことに応じて、受信されたメッセージに従って第2のプライマリセルのインデックスを更新し、第2のプライマリセルへのランダムアクセスを開始し、端末デバイスとネットワークデバイスとの間で、第2のセカンダリセル群のいずれか1つのセカンダリセルと同一のインデックス(複数のインデックス)を有する、第1のセカンダリセル群の1つ以上のセカンダリセル上で、データの送信及び/又は受信を継続する手段を含む。
ある実施形態において、情報に基づいてプライマリセル変更を実行する手段は、第2のプライマリセルのインデックスが、第1のセカンダリセル群のいずれか1つのセカンダリセルのインデックスと同一であることが検出されたことに応じて、受信されたメッセージに従って第2のプライマリセルのインデックスを更新し、端末デバイスとネットワークデバイスとの間で、第2のプライマリセル及び第2のセカンダリセル群のセカンダリセルのうちのいずれか1つと同一のインデックスを有する、第1のセカンダリセル群の1つ以上のセカンダリセル上で、データの送信及び/又は受信を継続する手段を含む。
図8は、本開示の実施形態の実装に適したデバイス800の簡略化されたブロック図800を示している。デバイス800が、例えばネットワークデバイス110又は端末デバイス120の少なくとも一部として実装されうることが理解されよう。
図示されるように、デバイス800は、通信手段830及び処理手段850を備える。処理手段850は、データプロセッサ(DP)810と、DP810と接続されたメモリ(MEM)820とを含む。通信手段830は、処理手段850内のDP810と接続される。MEM820はプログラム(PROG)840を格納する。通信手段830は、他のデバイスとの通信のためのものであり、信号を送信/受信する送受信機として実装されうる。
デバイス800がネットワークデバイスとして機能するいくつかの実施形態では、処理手段850は、検出ユニットによる検出に基づいて、プライマリセル変更を示すメッセージを設定するように構成され、通信ユニット830は、プライマリセル変更を示す当該メッセージを送信するように構成されうる。デバイス800が端末デバイスとして機能するいくつかの実施形態では、処理手段850は、プライマリセル変更の情報を検出するように構成され、通信ユニット830は、プライマリセル変更を示すメッセージを受信するように構成されうる。
PROG840は、関連するDP810によって実行されたときに、本明細書において方法200、300又は400を用いて説明したような本開示の実施形態に従ってデバイス800が動作できるようにするプログラム命令を含むことが想定される。本明細書の実施形態は、デバイスのDP810が実行可能なコンピュータソフトウェアによって、又はハードウェアによって、又はソフトウェアとハードウェアの組み合わせによって実装されうる。データプロセッサ810及びMEM820の組み合わせは、本開示の種々の実施形態を実装するように構成された処理手段850を形成しうる。
MEM820は、ローカル技術環境に適した任意のタイプのものであってよく、非限定的な例として、半導体ベースのメモリデバイス、磁気メモリデバイス及びシステム、光学メモリデバイス及びシステム、固定メモリ、並びに着脱式メモリのような、任意の適切なデータストレージ技術を用いて実装されうる。1つのMEMのみがデバイス800内に示されているが、デバイス800内で物理的に別個の複数のメモリモジュールが存在してもよい。DP810は、ローカル技術環境に適した任意のタイプのものであってよく、非限定的な例として、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、マイクロプロセッサ、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)及及びマルチコアプロセッサ構成に基づくプロセッサのうちの1つ以上を含みうる。デバイス800は、メインプロセッサに同期ししているクロックに対して時間的に従属する特定用途向け集積回路チップのような、複数のプロセッサを有してもよい。
全体として、本開示の種々の実施形態は、ハードウェア若しくは専用回路、ソフトウェア、ロジック、又はそれらの任意の組み合わせで実装されうる。いくつかの態様がハードウェアで実装されうる一方で、他の態様が、コントローラ、マイクロプロセッサ又は他のコンピューティングデバイスによって実行されうるファームウェア又はソフトウェアで実装されてもよい。本開示の実施形態の種々の態様は、ブロック図、フローチャート、又は他のいくつかの図形表現を用いて図示及び説明されているが、本明細書に記載のブロック、装置、システム、技術、又は方法が、非限定的な例として、ハードウェア、ソフトウェア、専用回路若しくはロジック、汎用ハードウェア若しくはコントローラ、又は他のコンピューティングデバイス、又はそれらのいくつかの組み合わせで実装されうることが理解されよう。
例として、本開示の実施形態は、プログラムモジュールに含まれるもののような、ターゲットの実際の又は仮想的なプロセッサ上のデバイスで実行される、機械実行可能命令の一般的なコンテキストで説明されうる。一般的に、プログラムモジュールは、特定のタスクを実行する又は特定の抽象データタイプを実装する、ルーティン、プログラム、ライブラリ、オブジェクト、クラス、コンポーネント、データ構造等を含む。プログラムモジュールの機能は、種々の実施形態において必要に応じてプログラムモジュール間で結合又は分離されうる。プログラムモジュールのための機械実行可能命令は、ローカルデバイス又は分散デバイス内で実行されうる。分散デバイスにおいては、プログラムモジュールは、ローカル記憶媒体又はリモート記憶媒体の両方に配置されうる。
本開示の方法を実行するためのプログラムコードは、1つ以上のプログラム言語の任意の組み合わせで記述されうる。これらのプログラムコードは、汎用コンピュータのプロセッサコントローラ、専用コンピュータ、又は他のプログラマブルデータ処理装置に提供されうる。その結果、プログラムコードは、プロセッサ又はコントローラによって実行されたときに、フローチャート及び/又はブロック図で特定された機能/動作を実行させる。プログラムコードは、スタンドアロン型ソフトウェアパッケージとして、マシンで全体が動作してもよいし、マシンで一部が動作してもよいし、一部がマシンで動作して一部がリモートマシンで動作してもよし、リモートマシン若しくはサーバで全体が動作してもよい。
上記のプログラムコードは、機械読み取り可能媒体上で具体化されてもよく、当該媒体は、命令実行システム、装置又はデバイスによって使用されるか又は関連するプログラムを含む又は格納する有形の媒体でありうる。機械読み取り可能媒体は、機械読み取り可能信号媒体又は機械読み取り可能記憶媒体でありうる。機械読み取り可能媒体は、電気、磁気、光、電磁気、赤外線、若しくは半導体のシステム、装置、若しくはデバイス、又はそれらの任意の適切な組み合わせを含みうるが、それらに限定されない。機械読み取り可能媒体のより具体的な例は、1つ以上の線を有する電気コネクション、ポータブルコンピュータディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリーメモリ(ROM)、消去可能プログラマブルリードオンリーメモリ(EPROM又はフラッシュメモリ)、光ファイバ、ポータブルコンパクトディスクリードオンリーメモリ(CD-ROM)、光ストレージデバイス、磁気ストレージデバイス、又はそれらの任意の適切な組み合わせを含むであろう。
本開示との関連で、デバイスは、コンピュータシステムによって実行される、プログラムモジュールのようなコンピュータシステム実行可能命令の一般的なコンテキストで実行されてもよい。一般的に、プログラムモジュールは、特定のタスクを実行する又は特定の抽象データタイプを実装する、ルーティン、プログラム、オブジェクト、コンポーネント、ロジック、データ構造等を含む。デバイスは、通信ネットワークを通じて接続されたリモート処理デバイスによってタスクが実行される、分散クラウドコンピューティング環境で実施されてもよい。分散クラウドコンピューティング環境では、プログラムモジュールは、メモリストレージデバイスを含む、ローカル及びリモートコンピュータシステムの記憶媒体の両方に配置されうる。
更に、特定の順序で動作が図示されているが、所望の結果を達成するために、そのような動作が、示された特定の順序又は逐次的な順序で実行されること、又は全ての図示された順序が実行されることを必要とするものと理解されるべきではない。特定の環境では、マルチタスク及び並列処理が有利でありうる。同様に、上記の説明にはいくつかの特定の実装の詳細が含まれているが、これらは、本開示の範囲を限定するものと解釈されるべきではなく、むしろ、特定の実施形態に固有の特徴の説明と解釈されるべきである。個別の実施形態との文脈で記載されている特定の特徴は、単一の実施形態で組み合わせて実装されてもよい。逆に、単一の実施形態の文脈で記載されている種々の特徴が、複数の実施形態において個別に又は任意の適切なサブコンビネーションで実装されてもよい。
本開示は、構造的な特徴及び/又は方法的な動作に特有の言語で記載されているが、添付の請求項に既定されている本開示が上述の具体的な特徴又は動作に必ずしも限定されないことが理解されるべきである。むしろ、上述の具体的な特徴又は動作は請求項の実装の一例の形式として開示される。