JP7486218B2 - 遊技機 - Google Patents

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Description

本発明は、パチンコ遊技機等の遊技機に関する。
従来、パチンコ遊技機では、遊技球が始動口に入球するなどの所定条件が成立すると、大当たりにするかハズレにするかの大当たり判定を行う。大当たり判定を行うと、表示部において、演出図柄の変動表示が実行される(特許文献1参照)。
特許文献1に記載の遊技機では、演出図柄の変動表示の表示態様には、大当たり判定の結果が大当たりの場合に実行可能であるが、ハズレの場合に実行されることがない特殊変動態様がある。
特開2018-099600号公報
しかしながら、大当たりの場合のみ実行可能な特殊変動態様で演出図柄の変動表示が行われることがある遊技機について、遊技興趣の向上を図るために未だ改善の余地がある。
本発明に係る遊技機は、
特定結果にするか非特定結果にするかの第1判定を行うことが可能な遊技実行手段と、
表示部において演出を実行することがある演出実行手段とを備え、
前記遊技実行手段は、前記第1判定を行う前に、前記特定結果にするか前記非特定結果にするかの第2判定を行うことがあり、
前記演出実行手段は、前記第1判定の結果に基づいて、識別情報を変動表示させてから、当該第1判定の結果を示唆する態様で停止表示させる変動演出を実行可能である遊機において、
前記識別情報の変動表示の表示態様には、当該変動演出に係る前記第1判定の結果が前記特定結果の場合に実行されることがあるが前記非特定結果の場合に実行されることがない特殊変動態様があり、
前記演出実行手段は、
前記第1判定の結果が前記特定結果である場合、当該第1判定の結果に基づく前記変動演出の開始時以降において前記識別情報を前記特殊変動態様で変動表示させ、前記識別情報を前記特殊変動態様で変動表示させているときに、当該特殊変動態様に応じた特殊画像を表示させることがあり、
前記第2判定の結果が前記特定結果である場合、当該第2判定に対応する前記第1判定が行われる前から前記表示部において前記特殊画像を表示させ、当該特殊画像の表示を当該第2判定に対応する前記第1判定に係る前記識別情報の変動表示まで継続させることがあることを特徴とする。
本発明によれば、遊技興趣の低下を抑えることが可能である。
本発明の基本的な実施形態に係るパチンコ遊技機の斜視図である。 遊技盤ユニットの正面図である。 (A)は盤可動体の待機状態を説明する正面図、(B)は盤可動体の移動状態を説明する正面図、(C)は盤可動体の回転状態を説明する正面図である。 表示器類の正面図である。 本発明の基本的な実施形態に係るパチンコ遊技機の背面図である。 遊技制御基板側の電気的な構成を示すブロック図である。 演出制御基板側の電気的な構成を示すブロック図である。 (A)は普図関連判定情報を示す表であり、(B)は特図関連判定情報を示す表である。 (A)は当たり判定テーブルの構成例であり、(B)は普図変動パターン判定テーブルの構成例であり、(C)は補助遊技制御テーブルの構成例である。 (A)は大当たり判定テーブルの構成例であり、(B)は大当たり図柄種別判定テーブルの構成例であり、(C)はリーチ判定テーブルの構成例である。 特図1変動パターン判定テーブルの構成例である。 特図2変動パターン判定テーブルの構成例である。 第1先読み判定テーブルの構成例である。 第2先読み判定テーブルの構成例である。 (A)は大当たり遊技制御テーブルの構成例であり、(B)は遊技状態設定テーブルの構成例である。 (A)はデモ動画の一例を示す図であり、(B)は設定画面の一例を示す図である。 (A)は第1通常用背景画像の一例を示す図であり、(B)は第2通常用背景画像の一例を示す図であり、(C)は第3通常用背景画像の一例を示す図であり、(D)は確変用背景画像の一例を示す図であり、(E)は時短用背景画像の一例を示す図である。 (A)は大当たりオープニング演出の一例を示す図であり、(B)はラウンド演出の一例を示す図であり、(C)は大当たりエンディング演出の一例を示す図である。 (A)は演出図柄の一例を示す図であり、(B)は演出図柄表示領域の一例を示す図である。 リーチ無しハズレの特図変動演出の一例を表す図である。 特図変動演出が開始してからリーチになるまでの一例を表す図である。 Nリーチの一例を表す図である。 Lリーチの一例を表す図である。 Lリーチの一例を表す図であり、図23の続きである。 SPリーチの一例を表す図である。 SPリーチの一例を表す図であり、図25の続きである。 SPリーチの一例を表す図であり、図26の続きである。 可動体演出の一例を表す図である。 操作演出の一例を表す図である。 保留演出の一例を表す図である。 保留変化予告の一例を表す図である。 保留変化予告の一例を表す図である。 遊技制御メイン処理のフローチャートである。 遊技制御側タイマー割り込み処理のフローチャートである。 センサ検知処理のフローチャートである。 センサ検知処理のフローチャートであり、図35の続きを表す図である。 普通動作処理のフローチャートである。 特別動作処理のフローチャートである。 特別図柄待機処理のフローチャートである。 特図1変動パターン判定処理のフローチャートである。 特別図柄変動処理のフローチャートである。 特別図柄確定処理のフローチャートである。 演出制御メイン処理のフローチャートである。 1msタイマー割り込み処理のフローチャートである。 10msタイマー割り込み処理のフローチャートである。 受信コマンド解析処理のフローチャートである。 受信コマンド解析処理のフローチャートであり、図46の続きを表す図である。 第1実施形態に係る特図1変動パターン判定テーブルの構成例である。 通常全回転リーチの具体例を説明する説明図である。 特別全回転リーチの具体例を説明する説明図である。 特別全回転リーチの具体例を説明する説明図である。 特別全回転リーチの具体例を説明する説明図である。 特別全回転リーチの具体例を説明する説明図である。 特別全回転リーチの具体例の変更例を説明する説明図である。 第2実施形態に係る段階画像の表す図である。 第3発展経路パターンAで第3段階まで発展する第3ステップアップ予告を説明する説明図である。 第3発展経路パターンBで第3段階まで発展する第3ステップアップ予告を説明する説明図である。 第3発展経路パターンBで第3段階まで発展する第3ステップアップ予告を説明する説明図である。 (A)は第2実施形態に係るステップアップ予告実行判定テーブルの構成例であり、(B)は第2実施形態に係る最終段階数判定テーブルの構成例である。 発展経路パターン判定テーブルの構成例である。 第3実施形態に係る特図1変動パターン判定テーブルの構成例である。 第3実施形態に係る段階画像の表す図である。 通常リーチ後予告を含む特別Nリーチの具体例を説明する説明図である。 通常発展演出の具体例を説明する説明図である。 第3通常ステップアップ予告の具体例を説明する説明図である。 リーチ後予告接続演出からリーチ後予告への接続の具体例を説明する説明図である。 発展演出接続演出から発展演出への接続の具体例を説明する説明図である。 SPリーチ接続演出からSPリーチへの接続の具体例を説明する説明図である。 第3実施形態に係るステップアップ予告実行判定テーブルの構成例である。 第3実施形態に係る最終段階数判定テーブルの構成例である。
<基本的な実施形態>
最初に、本発明の遊技機の特徴部分の前提となる本発明の基本的な実施形態を、図面を参照して具体的に説明する。参照される各図において、同一の部分には同一の符号を付し、同一の部分に関する重複する説明を原則として省略する。なお、以下において、記述の簡略化上、情報、信号、物理量又は部材等を参照する記号又は符号を記すことによって、該記号又は符号に対する情報、信号、物理量又は部材等の名称を省略又は略記することがある。
1.遊技機の機械的構成
本発明の遊技機の基本的な実施形態であるパチンコ遊技機PYについて説明する。最初に、パチンコ遊技機PYの機械的構成について図1~図4を用いて説明する。なお、以下の説明において、パチンコ遊技機PYの各部の左右上下方向は、そのパチンコ遊技機PYに対面する遊技者にとっての(正面視の)左右上下方向のことである。また、「前方」とはパチンコ遊技機PYから当該パチンコ遊技機PYに対面する遊技者に近づく方向とし、「後方」をパチンコ遊技機PYに対面する遊技者から当該パチンコ遊技機PYに近づく方向として、説明する。
図1に示すように、パチンコ遊技機PYは、遊技盤1を含む遊技盤ユニットYUと、遊技盤ユニットYUを内部に収納した遊技機枠2とを備えている。遊技機枠2は、遊技店に固定される枠状の外枠21と、外枠21に取り付けられ、遊技盤ユニットYUが取り付けられる内枠22と、内枠22に回転自在に支持される前扉23と、を備える。
外枠21、内枠22、および前扉23の正面視外周形状は大体同一である。そして、外枠21の前面に内枠22が取り付けられている。
前扉23は内枠22に対して開閉が可能である。前扉23は、大体中央に略縦長矩形状の大きな開口部が形成された枠状の前枠23mと、その開口部に嵌め込まれた透明板23tと、を備える。前扉23が閉じられているとき、遊技盤ユニットYUに含まれる遊技盤1と透明板23tとが対面する。透明板23tは、透明な合成樹脂板で略縦長矩形状に成形されている。よって、パチンコ遊技機PYが遊技店に設置されると、当該パチンコ遊技機PYの前方にいる遊技者は、透明板23tを通して、遊技盤1の前面に形成された遊技領域6を視認することができる。なお、透明板23tとして、透明な合成樹脂板の代わりに透明なガラス板を用いてもよい。パチンコ遊技機PYの前方から透明板23tを通して遊技領域6を視認可能であればよい。
前枠23mの前面の右下部には、遊技球を発射させるための回転操作が可能なハンドル72kが設けられている。ハンドル72kが操作された量(回転角度)が、遊技球を発射させるために遊技球に与えられる力の大きさ(発射強度)に対応付けられている。よって、遊技球は、ハンドル72kの回転操作に応じた発射強度で発射される。
また、前枠23mの前面の下部には、前方に大きく突出した上皿34と、上皿34の直下に配された下皿35が設けられている。上皿34の前方側中央には、下方に押下操作可能な第1演出ボタン40kが設けられている。第1演出ボタン40kの上皿34の上面から視認可能に突出している操作部分は半球形に成形されている。さらに、上皿34の上面の後方側には、ハンドル72kに供給される遊技球を貯留するための供給球貯留穴34Aが形成されている。また、下皿35の上面には、供給球貯留穴34Aに収容しきれない余剰の遊技球を貯留するための余剰球貯留穴35Aが設けられている。
さらに、前枠23mの前面の透明板23tの上側、右側、および左側には、前方に突出した上側装飾体31、右側装飾体32、および左側装飾体33が設けられている。上側装飾体31の底面には、音を出力可能な一対の2つのスピーカー52、具体的には左側に配されたスピーカー52Lと右側に配されたスピーカー52R、が下方を向いて左右方向に所定距離をおいて並設されている。また、右側装飾体32の下部には、下方に押下操作可能な第2演出ボタン41kが設けられている。第2演出ボタン41kの操作部分は棒状に成形されている。さらに、右側装飾体32から上皿34の正面右部分にかけて、および左側装飾体33から上皿34の正面左部分にかけて、発光可能な枠ランプ53が設けられている。
なお、遊技機枠2に設けられる部材や装置の位置や数は、遊技に支障をきたさない範囲で適宜に変更可能である。
次に、遊技盤ユニットYUについて、図1に加えて図2を用いて説明する。遊技盤ユニットYUは、遊技盤1と、遊技盤1の背面に取り付けられた盤用演出ユニットEUと、を有する。最初に、遊技盤1について説明する。遊技盤1は、透明な合成樹脂板で構成されている。遊技盤1の略中央には正面視略円形の開口部1Aが形成されている。
遊技盤1の前面には、開口部1Aに沿って、略リング状のセンター装飾体61が前方に突出して形成されている。また、センター装飾体61の外側には、センター装飾体61を大きく取り囲むように略リング状に形成された外レール62と、外レール62の左側部分とセンター装飾体61との間で、外レール62およびセンター装飾体61に略平行な湾曲状の内レール63と、が形成されている。
そして、遊技盤1の前面において、センター装飾体61、外レール62および内レール63などで囲まれた領域が遊技領域6を形成している。すなわち、遊技盤1の前面が、センター装飾体61、外レール62および内レール63によって、遊技領域6とそれ以外の領域とに区切られている。また、外レール62と内レール63とで囲まれた領域は、発射された遊技球が遊技領域6へ向かうために通過可能な発射領域7を形成している。
遊技領域6は、ハンドル72kの操作によって発射された遊技球が流下可能な領域であり、パチンコ遊技機PYで遊技を行うために設けられている。なお、遊技領域6には、多数の遊技用くぎ(図示なし)が突設されている。遊技用くぎは、遊技領域6に進入して遊技領域6を流下する遊技球を、一般入賞口10、第1始動口11、第2始動口12、ゲート13、および大入賞口14などに適度に誘導する経路を構成している。
遊技領域6の所定位置に一般入賞装置10Dが設けられている。一般入賞装置10Dには、一般入賞口10が遊技球の入球が可能に形成されている。遊技球が一般入賞口10へ入球すると、所定個数(例えば、3個)の遊技球が賞球として払い出される。なお、一般入賞口10に入球した遊技球はそのまま遊技領域6の外部へ排出される。
また、遊技領域6におけるセンター装飾体61の中央直下には第1始動入賞装置11Dが設けられている。第1始動入賞装置11Dには、第1始動口11が遊技球の入球が可能に形成されている。第1始動入賞装置11Dは作動しない非作動構造からなる。そのため、第1始動口11は、遊技球の入球のし易さが変化せずに一定(不変)である。遊技球が第1始動口11へ入球すると、所定個数(例えば、4個)の遊技球が賞球として払い出される。なお、第1始動口11に入球した遊技球はそのまま遊技領域6の外部へ排出される。
なお、センター装飾体61の左側部から下端部にかけて、遊技球を内部に通すワープ部61wが形成されている。ワープ部61wへの入口はセンター装飾体61の左側部に形成されている。ワープ部61wに入った遊技球はワープ部61wの内部を通って出口から出る。ワープ部61wの出口付近であってセンター装飾体61の下端部上面には、遊技球が転動可能なステージ61sが設けられている。ステージ61sの先端には、遊技球を下方に導く下方誘導部61yが設けられている。この下方誘導部61yの直下には第1始動口11が設けられている。
遊技領域6における第1始動口11の直下には、第2始動入賞装置(所謂「電チュー」)12Dが設けられている。電チュー12Dには、遊技球が入球不可能な閉態様と入球可能な開態様とに変化可能な第2始動口12が形成されている。第2始動口12は、電チュー12Dが具備する電チュー開閉部材12kによって閉態様と開態様とをとる。すなわち、電チュー開閉部材12kの作動によって第2始動口12が開閉する。
電チュー開閉部材12kは正面視略L字状部材からなり、通常は第2始動口12を閉鎖している。電チュー開閉部材12kは、前方側先端面が遊技領域6と面一状態になる退避状態から前方に突出することができる。電チュー開閉部材12kが前方に突出すると、電チュー開閉部材12kが遊技領域6に垂直に突出した状態になり、第2始動口12が入球可能に開放する。具体的には、電チュー開閉部材12kの水平部の左端に立設された垂直部分が遊技球を受けとめられ、水平部から第2始動口12へと導かれる。
このように、電チュー開閉部材12kが開状態であるときだけ遊技球の第2始動口12への入球が可能となる。遊技球が第2始動口12へ入球すると、所定個数(例えば、2個)の遊技球が賞球として払い出される。なお、第2始動口12に入球した遊技球はそのまま遊技領域6の外部へ排出される。
また、センター装飾体61の右側にゲート13が設けられている。ゲート13は、遊技球が通過可能に構成されている。遊技球がゲート13を通過しても賞球が払い出されない。なお、ゲート13を通過した遊技球はそのまま遊技領域6を流下する。
遊技領域6における第1始動入賞装置11Dの右側でゲート13の下流側には、大入賞装置14Dが設けられている。大入賞装置14Dには、遊技球が入球不可能な閉態様と入球可能な開態様とに変化可能な大入賞口14が形成されている。大入賞口14は、大入賞装置14Dが具備するAT開閉部材14kによって閉態様と開態様とをとる。すなわち、AT開閉部材14kの作動によって大入賞口14が開閉する。
AT開閉部材14kは正面視略横長矩形状の平板からなる可動部材であり、通常は大入賞口14を閉鎖している。AT開閉部材14kの下端部には、水平な回転軸が設けられている。AT開閉部材14kはその回転軸を中心に、上端が前方へ倒れるように略90度回転することができる。AT開閉部材14kが回転すると、AT開閉部材14kが遊技領域6に垂直に突出した状態になり、大入賞口14が入球可能に開放する。
このように、AT開閉部材14kが開状態であるときだけ遊技球の大入賞口14への入球が可能となる。遊技球が大入賞口14へ入球すると、所定個数(基本的な実施形態では、1個)の遊技球が賞球として払い出される。なお、大入賞口14に入球した遊技球はそのまま遊技領域6の外部へ排出される。
また、遊技領域6における大入賞装置14Dの下方には、その上面が左斜め下方に形成され、遊技球を第2始動口12へ誘導する誘導経路64が遊技領域6(遊技盤1の前面)から前方に突出して設けられている。なお、誘導経路64の上面を転動する遊技球は、第2始動口12の方へ向かって流下可能であるが、基本的には第1始動口11へ入球することはできない。
なお、第1始動口11、第2始動口12、大入賞口14、および一般入賞口10への遊技球の入球や、遊技球のゲート13の通過をまとめて、第1始動口11、第2始動口12、大入賞口14、一般入賞口10、およびゲート13への「入賞」と総称する。
ところで、遊技球が流下可能な遊技領域6は、左右方向の中央より左側の左遊技領域6Aと、右側の右遊技領域6Bと、に分けることができる。遊技球が左遊技領域6Aを流下するように遊技球を発射させるハンドル72kの操作態様を「左打ち」という。一方、遊技球が右遊技領域6Bを流下するように遊技球を発射させるハンドル72kの操作態様を「右打ち」という。
遊技領域6において、左打ちにて遊技球を発射したときに遊技球が流下可能な流路を、第1流路R1といい、右打ちにて遊技球を発射したときに遊技球が流下可能な流路を、第2流路R2という。第1流路R1および第2流路R2には、不図示の多数の遊技用くぎによっても構成されている。
第1流路R1上には、第1始動口11と、2つの一般入賞口10と、が設けられている。よって、遊技者は、左打ちにより第1流路R1を流下するように遊技球を発射させることで、第1始動口11、または、一般入賞口10への入賞を狙うことができる。一方、第2流路R2上には、第2始動口12と、ゲート13と、大入賞口14と、が設けられている。よって、遊技者は、右打ちにより第2流路R2を流下するように遊技球を発射させることで、ゲート13、第2始動口12、または大入賞口14への入賞を狙うことができる。
なお、遊技領域6の略最下部には、遊技領域6へ打ち込まれたもののいずれの入賞口にも入賞しなかった遊技球を遊技領域6の外部へ排出する2つのアウト口19が設けられている。また、各入賞口への入賞による賞球数は、適宜に設定することが可能である。
次に、遊技盤1の背面に取り付けられた盤用演出ユニットEUについて説明する。盤用演出ユニットEUは、主に演出を行う複数の装置をユニット化したものである。盤用演出ユニットEUには、画像表示装置50、および盤可動装置55が取り付けられている。
画像表示装置50は、20インチの3D液晶ディスプレイで構成されており、3D画像を表示可能な表示部50aを具備する。画像表示装置50は、遊技盤1の数センチ後方に配置されている。
盤可動装置55は、動作可能な盤可動体55kを備える。盤可動体55kは、水平状態を保持された横長で板状の昇降部材55k2と、昇降部材55k2の左右方向中央に設けられた略楕円形状の回転部材55k1と、を有する。盤可動体55kは、遊技盤1と画像表示装置50との間に配されている。盤可動体55kは、初期位置に配されている待機状態において、盤可動体55kの下端部分、具体的に回転部材55k1の下端部分が、遊技盤1の開口部1Aの上端から少しだけ下方に位置している。すなわち、盤可動体55kは、待機状態において、回転部材55k1の下端部の一部のみが遊技者から視認でき、大部分が視認できないよう配されている(図3(A)参照)。
そして、盤可動体55kは、全体的に初期位置から所定の作動位置まで下降し、その作動位置から上昇して初期位置に戻ることができる(図3(B)参照)。所定の作動位置としては、正面視で盤可動体55kが開口部1Aの略中央につく位置である。ここで、所定の作業位置は適宜に設定可能であり、正面視で盤可動体55kが開口部1Aの略中央より上方側におかれる位置であっても下方側におかれる位置であってもよい。
また、回転部材55k1は、その中心において前後方向に形成された回転軸を中心に正面視右回りおよび左回りに回転運動することが可能である(図3(C)参照)。なお、回転部材55k1の回転運動は、盤可動体55kが待機位置から作動位置に移動するとき、作動位置に保持されているとき、および作動位置から待機位置に移動するときに実行可能である。
なお、遊技盤ユニットYUに設けられる部材や装置の位置や数は、遊技に支障をきたさない範囲で適宜に変更可能である。
次に、遊技盤1の前面に形成された遊技領域6の上下方向略中央の右隣(遊技領域6以外の部分)に配置されている表示器類8について説明する。図4に示すように、表示器類8には、第1特別図柄(以下、「特図1」という)を可変表示する特図1表示器81a、第2特別図柄(以下、「特図2」という)を可変表示する特図2表示器81b、及び、普通図柄(以下、「普図」という)を可変表示する普図表示器82が含まれている。また、表示器類8には、後述する特図1保留数を表示する特図1保留表示器83a、および後述する特図2保留数を表示する特図2保留表示器83bが含まれている。
特図1の可変表示は、遊技球の第1始動口11への入賞を契機とした特図1抽選が行われると実行される。また、特図2の可変表示は、遊技球の第2始動口12への入賞を契機とした特図2抽選が行われると実行される。特図1抽選、および特図2抽選については後述する。なお、以下の説明では、特図1、および特図2を総称して「特図」といい、特図1抽選、および特図2抽選を総称して「特図抽選」という。また、特図1表示器81a、および特図2表示器81bを総称して「特図表示器81」という。さらに、特図1保留表示器83a、および特図2保留表示器83bを総称して「特図保留表示器83」という。
特図の可変表示は、特図抽選の結果を報知する。特図の可変表示では、特図が変動表示した後に停止表示する。停止表示された特図(停止特図)は、可変表示の表示結果として導出された特図抽選の結果を表す識別情報である。停止表示された特図が予め定めた特定の特図である場合には、大入賞口14の開放を伴う大当たり遊技が行われる。
特図1表示器81a、および特図2表示器81bはそれぞれ、横並びに配された8個のLEDから構成されている。特図1表示器81a、および特図2表示器81bの点灯態様は、特図抽選の結果に応じた特図、すなわち特図抽選の結果を表す。例えば特図抽選の結果が大当たりである場合には、最終的に「□□■■□□■■」(□:点灯、■:消灯)というように左から1,2,5,6番目にあるLEDが点灯する。この点灯態様が大当たり図柄であり、大当たりを表す。また、特図抽選の結果がハズレである場合には、最終的に「■■■■■■■□」というように一番右にあるLEDのみが点灯する。この点灯態様がハズレ図柄であり、ハズレを表す。なお、特図抽選の結果に対応するLEDの点灯態様は限定されず、適宜に設定することができる。よって、例えば、ハズレ図柄として全てのLEDを消灯させてもよい。
また、特図の可変表示において、特図が停止表示される前には所定の変動時間にわたって特図の変動表示がなされる。特図の変動表示の態様は、例えば左から右へ光が繰り返し流れるように各LEDが点灯する態様である。なお、変動表示の態様は、特に限定されず、各LEDが停止表示(特定の態様での点灯表示)されていなければ、全LEDが一斉に点滅するなど適宜に設定してよい。
ところで、パチンコ遊技機PYでは、遊技球が第1始動口11または第2始動口12へ入賞してもすぐに特図抽選および特図の可変表示が行われない場合がある。具体的には、特図の可変表示の実行中や大当たり遊技の実行中に遊技球の第1始動口11または第2始動口12への入賞があった場合である。この場合、その入賞に基づいて特図抽選および特図の可変表示が保留される。この保留された特図抽選および特図の可変表示のことを「特図保留」という。
特図保留には、第1始動口11への入賞に基づいて保留された特図1抽選、および特図1の可変表示を表す「特図1保留」と、第2始動口12への入賞に基づいて保留された特図2抽選、および特図2の可変表示を表す「特図2保留」と、がある。そして、特図1保留の数、すなわち保留されている特図1抽選および特図1の可変表示の数を特図1保留表示器83aが表示する。一方、特図2保留の数、すなわち保留されている特図2抽選、および特図2の可変表示の数を特図2保留表示器83bが表示する。
特図1保留の数、および特図2保留の数に上限値に設けることも設けないことも可能である。また、特図1保留の数、および特図2保留の数に上限値を設ける場合、特図1保留の数と特図2保留の数を同一にしても良いし、異ならせても良い。なお、基本的な実施形態では、特図1保留の数、および特図2保留の数の上限値が「4」に設定されているとする。
特図1保留表示器83aおよび特図2保留表示器83bのそれぞれは、4個のLEDで構成されており、特図1保留および特図2保留の数の分だけLEDを点灯させることにより特図1保留および特図2保留の数を表示する。なお、以下において、特図1保留の数を「特図1保留数(U1)」といい、特図2保留数の数を「特図2保留数(U2)」という。また、「特図1保留数」と「特図2保留数」を総称して「特図保留数」という。さらに、「特図1保留表示器83a」と「特図2保留表示器83b」とを総称して「特図保留表示器83」という。
また、普図の可変表示は、遊技球のゲート13への入賞を契機とした普図抽選が行われると実行される。そして、普図の可変表示は、普図抽選の結果を報知する。普図の可変表示では、普図が変動表示した後に停止表示する。停止表示された普図(停止普図)は、可変表示の表示結果として導出された普図抽選の結果を表す識別情報である。停止表示された普図が予め定めた特定の普図である場合には、第2始動口12の開放を伴う補助遊技が行われる。
普図表示器82は、例えば2個のLEDから構成されている。普図表示器82の点灯態様は、普図抽選の結果に応じた普図、すなわち普図抽選の結果を表す。普図抽選の結果が当たりである場合には、最終的には、「□□」(□:点灯、■:消灯)というように両LEDが点灯する。この点灯態様が当たり図柄であり、当たりを表す。また普図抽選の結果がハズレである場合には、最終的には、「■□」というように右のLEDのみが点灯する。この点灯態様がハズレ図柄であり、ハズレを表す。なお、普図抽選の結果に対応するLEDの点灯態様は限定されず、適宜に設定することができる。例えば、ハズレ図柄として全てのLEDを消灯させる態様を採用してもよい。
また、普図が停止表示される前には所定の変動時間にわたって普図の変動表示が行われる。普図の変動表示の態様は、基本的な実施形態では、両LEDが交互に点灯するという態様である。なお、普図の変動表示の態様は、特に限定されず、各LEDが停止表示(特定の態様での点灯表示)されていなければ、全LEDが一斉に点滅するなど適宜に設定してもよい。
2.遊技機の電気的構成
次に、図5~図7に基づいて、パチンコ遊技機PYの電気的な構成を説明する。図5に示すように、パチンコ遊技機PYの背面側には、遊技利益を得ることが可能な遊技に関する制御(遊技の進行)を行う遊技制御基板100、遊技制御基板100による遊技の制御に応じた演出に関する制御を行う演出制御基板120、画像の制御を行う画像制御基板140、遊技球の払い出しに関する制御などを行う払出制御基板170、および各基板100、120、140、170に電力を供給する電源基板190が取り付けられている。
電源基板190には、電源スイッチ191が接続されている。電源スイッチ191のON/OFF操作により、電源の投入/遮断が切り換えられる。
図6に示すように、遊技制御基板100には、プログラムに従ってパチンコ遊技機PYの遊技の進行を制御する遊技制御用ワンチップマイコン(以下「遊技制御用マイコン」)101が実装されている。よって、遊技制御基板100は、遊技の制御を行う遊技制御部と位置づけることができる。なお、遊技制御基板100の制御対象となる遊技利益を獲得可能な遊技には、特図抽選、特図の可変表示、大当たり遊技、後述する遊技状態の設定、普図抽選、普図の可変表示、補助遊技などが含まれる。
遊技制御用マイコン101には、遊技の進行を制御するためのプログラムやテーブル等を記憶した遊技用ROM(Read Only Memory)103、ワークメモリとして使用される遊技用RAM(Random Access Memory)104、遊技用ROM103に記憶されたプログラムを実行する遊技用CPU(Central Processing Unit)102が含まれている。
遊技用ROM103には、後述する遊技制御メイン処理や遊技制御側タイマー割り込み処理などを行うためのプログラムが格納されている。また、遊技用ROM103には、後述する大当たり判定テーブル、大当たり図柄種別判定テーブル、リーチ判定テーブル、特図変動パターン判定テーブル、先読み判定テーブル、大当たり遊技制御テーブル、遊技状態設定テーブル、当たり判定テーブル、補助遊技制御テーブルなどが格納されている。なお、遊技用ROM103は外付けであってもよい。
また、遊技用RAM104には、特図保留記憶部105が設けられている。ここで、特図保留記憶部105について説明する。前述の通り、遊技球の第1始動口11または第2始動口12への入賞があると、特図保留が発生可能であるが、特図保留が可能な場合、すなわち、特図保留数が上限値に達していないときには、この入賞に基づいて、特図抽選などを行うための各種乱数からなる判定情報が取得される。そして、この判定情報は、特図保留として特図保留記憶部105に一旦記憶される。なお、以下において、遊技球の第1始動口11への入賞により取得される判定情報のことを「特図1関連判定情報」といい、遊技球の第2始動口12への入賞により取得される判定情報のことを「特図2関連判定情報」という。また、特図1関連判定情報と特図2関連判定情報とを総称して「特図関連判定情報」という。
そして、特図1関連判定情報は、特図1保留として、特図保留記憶部105の中の特図1保留記憶部105aに記憶される。一方、特図2関連判定情報は、特図2保留として、特図保留記憶部105の中の特図2保留記憶部105bに記憶される。特図1保留記憶部105aに記憶可能な特図1関連判定情報の数、すなわち、特図1保留数の上限値は「4」に設定されている。また、特図2保留記憶部105bに記憶可能な特図2関連判定情報の数、すなわち、特図2保留数の上限値は「4」に設定されている。
また、遊技制御基板100には、所定の中継基板(図示なし)を介して各種センサ類やソレノイド類が接続されている。そのため、遊技制御基板100には、各種センサ類が出力した信号が入力する。また、遊技制御基板100は、各種アクチュエータ類に信号を出力する。
遊技制御基板100に接続されている各種センサ類には、一般入賞口センサ10a、第1始動口センサ11a、第2始動口センサ12a、ゲートセンサ13a、および大入賞口センサ14aが含まれている。
一般入賞口センサ10aは、一般入賞口10に入賞した遊技球を検知する。第1始動口センサ11aは、第1始動口11に入賞した遊技球を検知する。第2始動口センサ12aは、第2始動口12に入賞した遊技球を検知する。ゲートセンサ13aは、ゲート13を通過した遊技球を検知する。大入賞口センサ14aは、大入賞口14に入賞した遊技球を検知する。
また、遊技制御基板100に接続されている各種アクチュエータ類には、電チューソレノイド12s、およびATソレノイド14sが含まれている。電チューソレノイド12sは、電チュー12Dの電チュー開閉部材12kを駆動する。ATソレノイド14sは、大入賞装置14DのAT開閉部材14kを駆動する。
なお、遊技制御基板100に接続されるセンサの種類や数は、遊技に支障をきたさない範囲で適宜に変更可能である。また、遊技制御基板100に接続されるアクチュエータの種類や数は、遊技に支障をきたさない範囲で適宜に変更可能である。
さらに遊技制御基板100には、表示器類8(特図表示器81、普図表示器82、および、特図保留表示器83)が接続されている。これらの表示器類8の表示制御は、遊技制御用マイコン101によりなされる。
また遊技制御基板100は、払出制御基板170に各種コマンドを送信するとともに、払い出し監視のために払出制御基板170から信号を受信する。払出制御基板170には、カードユニットCU、および払出装置73が接続されているとともに、発射装置72が接続されている。また、カードユニットCUは、パチンコ遊技機PYに隣接して設置され、挿入されているプリペイドカード等の情報に基づいて球貸しを可能にする装置である。
払出制御基板170は、遊技制御用マイコン101からの信号や、接続されたカードユニットCUからの信号に基づいて、払出装置73の払出モータ73mを駆動して賞球や貸球の払い出しを行う。払い出される賞球や貸球は、その計数のための払出センサ73aにより検知される。
また、発射装置72は遊技球を発射する装置である。ハンドル72kが、発射装置72に遊技球を発射させるための操作を受け付ける操作部または入力部を構成しており、発射装置72に含まれる。ハンドル72kには、遊技者などの人のハンドル72kへの接触を検知可能なタッチスイッチ72aが設けられている。遊技者によるハンドル72kの操作があった場合には、タッチスイッチ72aが遊技者のハンドル72kへの接触を検知し、発射制御回路175を介して検知信号を払出制御基板170に出力する。
さらに、ハンドル72kには、ハンドル72kの回転角度(操作量)を検知可能な発射ボリュームのつまみ72bが接続されている。発射装置72は、発射ボリュームのつまみ72bが検知したハンドル72kの回転角度に応じた強さで遊技球が発射されるよう発射モーター72mを駆動させる。なお、パチンコ遊技機PYにおいては、ハンドル72kへの回転操作が維持されている状態では、約0.6秒毎に1球の遊技球が発射されるようになっている。
また遊技制御基板100は、遊技の進行に応じて、演出制御基板120に対し、遊技に関する情報を含んだ各種コマンドを送信する。演出制御基板120は、遊技制御基板100から送られてきた各種コマンドに基づいて、遊技制御基板100による遊技の進行状況(遊技の制御内容)を把握することができる。
なお、遊技制御基板100と演出制御基板120との接続は、遊技制御基板100から演出制御基板120への信号の送信のみが可能な単方向通信接続となっている。すなわち、遊技制御基板100と演出制御基板120との間には、通信方向規制手段としての図示しない単方向性回路(例えばダイオードを用いた回路)が介在している。
図7に示すように、演出制御基板120には、プログラムに従ってパチンコ遊技機PYの演出を制御する演出制御用ワンチップマイコン(以下「演出制御用マイコン」)121が実装されている。そして、演出制御基板120は、後述する画像制御基板140、音声制御回路161、およびサブドライブ基板162と共に、演出の制御を行う演出制御部と位置づけることができる。ただし、演出制御部は、少なくとも演出制御基板120を備え、演出装置(画像表示装置50、スピーカー52、枠ランプ53、および盤可動体55k等)を用いた遊技演出、客待ち演出、および操作促進演出などを制御可能であればよい。
なお、演出制御基板120の制御対象となる演出には、遊技演出(特図変動演出、保留演出、大当たり遊技演出など)、客待ち演出、第1演出ボタン40kや第2演出ボタン41kの操作が有効な期間(操作有効期間)において操作を促す操作促進演出などが含まれている。
演出制御用マイコン121には、遊技制御基板100による遊技の進行に伴って演出を制御するためのプログラム等を記憶した演出用ROM123、ワークメモリとして使用される演出用RAM124、演出用ROM123に記憶されたプログラムを実行する演出用CPU122が含まれている。
演出用ROM123には、後述する演出制御メイン処理、受信割り込み処理、1msタイマー割り込み処理、および10msタイマー割り込み処理などを行うためのプログラムが格納されている。なお、演出用ROM123は外付けであってもよい。
演出用RAM124には、後述する始動入賞コマンドを記憶する始動入賞コマンド保留記憶部125、後述する図柄指定コマンドを記憶する図柄指定コマンド記憶部126、および後述する特図変動開始コマンドを記憶する特図変動開始コマンド記憶部127が設けられている。
また、演出制御基板120には、画像制御基板140が接続されている。演出制御基板120の演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から受信したコマンドに基づいて、すなわち、遊技制御基板100による遊技の進行に応じて、画像制御基板140に画像表示装置50の表示制御を行わせる。なお、演出制御基板120と画像制御基板140との接続は、演出制御基板120から画像制御基板140への信号の送信と、画像制御基板140から演出制御基板120への信号の送信の双方が可能な双方向通信接続となっている。
画像制御基板140は、画像制御のためのプログラム等を記憶した画像用ROM142、ワークメモリとして使用される画像用RAM143、及び、画像用ROM142に記憶されたプログラムを実行する画像用CPU141を備えている。また、画像制御基板140は、画像表示装置50に表示される画像のデータを記憶したCGROM(Character Generator Read Only Memory)145、CGROM145に記憶されている画像データの展開等に使用されるVRAM(Video Random Access Memory)146、及び、VDP(Video Display Processor)144を備えている。これらの電子部品の全部又は一部がワンチップで構成されていてもよい。
CGROM145には、例えば、画像表示装置50に表示される画像を表示するための画像データ(静止画データや動画データ、具体的にはキャラクター、アイテム、図柄、図形、文字、数字および記号等(演出図柄を含む)や背景画像等の画像データ)が格納されている。
VDP144は、演出制御用マイコン121からの指令に基づき画像用CPU141によって作成されるディスプレイリストに従って、CGROM145から画像データを読み出してVRAM146内の展開領域に展開する。そして、展開した画像データを適宜合成してVRAM146内のフレームバッファに画像を描画する。そしてフレームバッファに描画した画像をRGB信号として画像表示装置50に出力する。これにより、種々の演出画像が表示部50aに表示される。
なお、ディスプレイリストは、フレーム単位で描画の実行を指示するためのコマンド群で構成されている。ディスプレイリストには、描画する画像の種類、画像を描画する位置、表示の優先順位、表示倍率、画像の透過率等の種々のパラメータの情報が含まれている。
また、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から受信したコマンドに基づいて、すなわち、遊技制御基板100による遊技の進行に応じて、音声制御回路161を介してスピーカー52から音声、楽曲、および効果音等を出力する。
スピーカー52から出力する音声等の音声データは、演出制御基板120の演出用ROM123に格納されている。なお、音声制御回路161を、基板で構成させてCPUを実装してもよい。この場合、そのCPUに音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、基板にROMを実装し、そのROMに音声データを格納してもよい。また、スピーカー52を画像制御基板140に接続し、画像制御基板140の画像用CPU141に音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、画像制御基板140の画像用ROM142に音声データを格納してもよい。
また、演出制御基板120には、所定の中継基板(図示なし)を介して、入力部となる各種センサ類や駆動源となる各種アクチュエータ類が接続されている。演出制御基板120には、各種センサ類が出力した信号が入力する。また、演出制御基板120は、各種アクチュエータ類に信号を出力する。
演出制御基板120に接続されている各種スイッチ類には、第1演出ボタンセンサ40a、および第2演出ボタンセンサ41aが含まれている。第1演出ボタンセンサ40aは、第1演出ボタン40kが押下操作されたことを検出する。第2演出ボタンセンサ41aは、第2演出ボタン41kが押下操作されたことを検出する。第1演出ボタンセンサ40a、および第2演出ボタンセンサ41aは、それぞれが操作されたことを検知すると、その検知内容に応じた信号を演出制御基板120に出力する。
なお、演出制御基板120に接続されるスイッチの種類や数は、遊技に支障をきたさない範囲で適宜に変更可能である。また、演出制御基板120に接続されるアクチュエータの種類や数は、遊技に支障をきたさない範囲で適宜に変更可能である。
演出制御基板120に接続された各種アクチュエータ類には、盤可動体回転用モーター55m1、および盤可動体昇降用モーター55m2が含まれている。盤可動体回転用モーター55m1は、回転部材55k1を駆動して、回転部材55k1を回転させることが可能である。盤可動体昇降用モーター55m2は、昇降部材55k2を上昇または下降させることが可能である。詳細には、演出制御用マイコン121は、回転部材55k1や昇降部材55k2の動作態様を決める動作パターンデータを作成し、サブドライブ基板162を介して、回転部材55k1や昇降部材55k2の動作を制御する。
なお、以下において、「回転部材55k1や昇降部材55k2」の動作を「盤可動体55kの動作」と総称することもある。また、回転部材55k1を回転させることや昇降部材55k2を下降または上昇させることについて「盤可動体55kを回転させる、または下降もしくは上昇させる」ともいう。
また、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から受信したコマンドなどに基づいて、サブドライブ基板162を介して枠ランプ53などの点灯制御を行う。詳細には演出制御用マイコン121は、枠ランプ53の発光態様を決める発光パターンデータ(点灯/消灯や発光色等を決めるデータ、ランプデータともいう)を作成し、発光パターンデータに従って枠ランプ53の発光を制御する。なお、発光パターンデータの作成には演出制御基板120の演出用ROM123に格納されているデータを用いる。
なお、サブドライブ基板162を基板で構成させてCPUを実装してもよい。この場合、そのCPUに、枠ランプ53等の点灯制御、および、盤可動体55kの動作制御を実行させてもよい。さらにこの場合、基板にROMを実装して、そのROMに発光パターンや動作パターンに関するデータを格納してもよい。
3.遊技機による主な遊技
次に、パチンコ遊技機PYにより行われる主な遊技について、図8~図15を用いて説明する。
3-1.普図に関わる遊技
最初に、普図に関わる遊技について説明する。パチンコ遊技機PYは、発射された遊技球がゲート13を通過すると、普図抽選を実行することができる。普図抽選を行うと、普図表示器82において、普図の可変表示(変動表示を行った後に停止表示)を行う。ここで、停止表示される普図には、当たり図柄とハズレ図柄とがある。なお、普図のハズレ図柄については、後述する特図のハズレ図柄と区別をするために「ハズレ普図」ともいう。
当たり図柄が停止表示されると補助遊技が実行されて、当該ゲート13の通過に係る遊技が終了する。一方、ハズレ普図が停止表示されると、補助遊技は行われず、当該ゲート13の通過に係る遊技が終了する。また、以下において、普図の可変表示または補助遊技が行われていないときに遊技球がゲート13を通過することを「普図変動始動条件の成立」という。
パチンコ遊技機PYは、普図変動始動条件が成立し、普図関連判定情報を取得して普図抽選を行うことに基づいて、普図の可変表示、および補助遊技といった一連の遊技を行うことができる。取得する普図関連判定情報には、図8(A)に示すように、普通図柄乱数がある。普通図柄乱数は当たり判定を行うための乱数(判定情報)である。各乱数には、適宜に範囲が設けられている。
3-1-1.当たり判定
当たり判定は、例えば図9(A)に示すような当たり判定テーブルを用いて、当たりか否か(補助遊技を実行するか否か)を決定するための判定である。当たり判定テーブルは、後述する遊技状態に関連付けることが可能である。遊技状態に関連付けられる場合、当たり判定テーブルには、非時短状態で用いる当たり判定テーブル(非時短用当たり判定テーブル)と、時短状態で用いる当たり判定テーブル(時短用当たり判定テーブル)と、がある。
各当たり判定テーブルでは、当たり判定の結果である当たりとハズレに、普通図柄乱数の判定値(普通図柄乱数判定値)が適宜に振り分けられている。よって、パチンコ遊技機PYは、取得した普通図柄乱数を当たり判定テーブルに照合して、当たりかハズレかの当たり判定を行う。当たり判定の結果が当たりであると、普図の可変表示で当たり図柄が停止表示される。一方、当たり判定の結果がハズレであると、普図の可変表示でハズレ普図が停止表示される。なお、当たりの当選確率については、適宜に変更することが可能である。
3-1-2.普図変動パターン判定・普図可変表示
普図変動パターン判定は、例えば図9(B)に示すような普図変動パターン判定テーブルを用いて、普図変動パターンを決定するための判定である。普図変動パターンとは、普図変動時間などの普図の可変表示に関する所定事項に関する識別情報である。
普図変動パターン判定テーブルは、遊技状態(非時短状態/時短状態)に関連付けることが可能である。遊技状態(非時短状態/時短状態)に関連付けられる場合、普図変動パターン判定テーブルには、非時短状態のときに用いられる普図変動パターン判定テーブル(非時短普図変動パターン判定テーブル)と時短状態のときに用いられる普図変動パターン判定テーブル(時短普図変動パターン判定テーブル)とがある。
各普図変動パターン判定テーブルには、普図変動パターン判定の結果である普図変動パターンが、停止される普図毎に1つ格納されている。すなわち、パチンコ遊技機PYは、非時短状態と時短状態とで、普図変動時間を異ならせることが可能である。例えば、非時短状態においては、ハズレの普図(ハズレ普図)を停止表示する場合の普図の可変表示については普図変動時間が30秒となる普図変動パターンに決定し、当たり図柄を停止表示する場合の普図の可変表示については普図変動時間が30秒となる普図変動パターンに決定する。また、時短状態においては、ハズレ普図を停止表示する場合の普図の可変表示については普図変動時間が5秒となる普図変動パターンに決定し、当たり図柄を停止表示する場合の普図の可変表示については普図変動時間が5秒となる普図変動パターンに決定する。なお、これら普図変動時間については、適宜に変更することが可能である。
そして、普図変動パターン判定で決定された普図変動パターンに対応付けられた普図変動時間の普図の可変表示が、普図表示器82で行われる。このように、当たり判定、および、普図変動パターン判定が行われることによって、普図表示器82において普図の可変表示が行われる。
3-1-3.補助遊技
補助遊技は、普図の可変表示で、表示結果(普図抽選の結果)として、当たり図柄が停止表示(導出)されると実行される。補助遊技において、電チュー12Dが開放する
補助遊技を構成する要素(補助遊技構成要素)には、電チュー12Dが開放する回数、および各開放についての開放時間などの様々な要素が含まれている。パチンコ遊技機PYは、補助遊技制御テーブルを用いて補助遊技を制御する。補助遊技制御テーブルには、補助遊技構成要素が格納されている。例えば図9(C)に示すように、補助遊技制御テーブルに遊技状態(非時短状態/時短状態)を関連付けることが可能である。すなわち、補助遊技構成要素を、遊技状態(非時短状態/時短状態)に関連付けることが可能である。なお、開放回数や開放時間などの各要素の具体的な内容については、適宜に変更することが可能である。
パチンコ遊技機PYは、非時短状態における補助遊技と時短状態における補助遊技とで、電チュー12Dの開放時間を異ならせることが可能である。例えば、非時短状態における補助遊技では、0.2秒などの遊技球を電チュー12Dに入賞させるのが困難な第1の開放時間だけ電チュー12Dが開放する。一方、時短状態における補助遊技では、例えば、1.0秒のインターバル(閉鎖)を挟んだ2.5秒の2回開放などの第1の開放時間よりも長く、遊技球を電チュー12Dに入賞させることが容易な第2の開放時間だけ電チュー12Dが開放する。
なお、以下において、非時短状態における補助遊技のことを「ショート開放補助遊技」ともいう。一方、時短状態における補助遊技のことを「ロング開放補助遊技」ともいう。また、各補助遊技における開放時間は、その補助遊技での合計時間であり、例えば、一度開放した後に一旦閉鎖するインターバルを挟んで再度開放するなど、1回の補助遊技の中で複数回開放するように構成しても良い。
3-2.特図に関わる遊技
次に、特図に関わる遊技について説明する。パチンコ遊技機PYは、発射された遊技球が第1始動口11に入賞すると、特図1抽選を実行することができる。特図1抽選が行われると、特図1表示器81aにおいて、特図1の可変表示(変動表示を行った後に停止表示)を行って、特図1抽選の結果を報知する。ここで、停止表示される特図1には、大当たり図柄、およびハズレ図柄がある。すなわち、特図1抽選の結果には大当たり、およびハズレがある。
大当たり図柄が停止表示されると大当たり遊技が実行され、新たな遊技状態が設定されて、当該入賞に基づく遊技が終了する。また、ハズレ図柄が停止表示されると、大当たり遊技が行われず、当該入賞に基づく遊技が終了する。
同様に、パチンコ遊技機PYは、発射された遊技球が第2始動口12に入賞すると、特図2抽選を実行することができる。特図2抽選が行われると、特図2表示器81bにおいて、特図2の可変表示(変動表示を行った後に停止表示)を行って、特図2抽選の結果を報知する。ここで、停止表示される特図2には、大当たり図柄、およびハズレ図柄がある。すなわち、特図2抽選の結果には、大当たり、およびハズレがある。
大当たり図柄が停止表示されると大当たり遊技が実行され、新たな遊技状態が設定されて、当該入賞に基づく遊技が終了する。さらに、ハズレ図柄が停止表示されると大当たり遊技が行われず、当該入賞に基づく遊技が終了する。
また、以下において、第1始動口11に遊技球が入賞することを「第1始動条件の成立」といい、第2始動口12に遊技球が入賞することを「第2始動条件の成立」という。また、「第1始動条件の成立」と「第2始動条件の成立」をまとめて「始動条件の成立」と総称する。また、特別図柄のハズレ図柄については、前述の普図のハズレ図柄と区別するために「ハズレ特図」ともいう。
パチンコ遊技機PYは、始動条件が成立し、特図関連判定情報を取得して特図抽選を行うことに基づいて、特図の可変表示、および大当たり遊技といった一連の遊技を行う。そして、特図の可変表示を行うために、当該特図関連判定情報について種々の判定を行う。取得する特図関連判定情報には、図8(B)に示すように、特別図柄乱数、大当たり図柄種別乱数、リーチ乱数および特図変動パターン乱数がある。
特別図柄乱数は大当たり判定を行うための乱数(判定情報)である。大当たり図柄種別乱数は大当たり図柄種別判定を行うための乱数(判定情報)である。リーチ乱数はリーチ判定を行うための乱数(判定情報)である。特図変動パターン乱数は特別図柄の変動パターン判定を行うための乱数(判定情報)である。各乱数には、適宜に範囲が設けられている。次に、特図関連判定情報を用いて行われる各判定について説明する。
3-2-1.大当たり判定
大当たり判定は、大当たり判定テーブルを用いて、大当たりか否か(大当たり遊技を実行するか否か)、言い換えると、大当たり、またはハズレの何れかを決定することである。大当たり判定テーブルは、例えば図10(A)に示すように、後述する遊技状態に関連付けて設けることができる。具体的には、大当たり判定テーブルには、後述する通常確率状態で用いられる大当たり判定テーブル(以下、「通常確率用大当たり判定テーブル」という)と、後述する高確率状態で用いられる大当たり判定テーブル(以下、「高確率用大当たり判定テーブル」という)と、がある。
遊技状態に関連付けられた各大当たり判定テーブルでは、大当たり判定の結果である大当たり、およびハズレに、特別図柄乱数の判定値(特別図柄乱数判定値)が振り分けられている。パチンコ遊技機PYは、遊技状態に関連付けられた大当たり判定テーブルに、取得した特別図柄乱数を照合して、大当たり、またはハズレの何れであるかを判定する。図10(A)に示すように、高確率用大当たり判定テーブルの方が、通常確率用大当たり判定テーブルよりも、大当たりと判定される特別図柄乱数判定値が多く設定されている。
なお、大当たり確率や各種大当たり判定の判定結果に対する特別図柄乱数判定値の振り分け方については、適宜に変更することが可能である。
3-2-2.大当たり図柄種別判定
大当たり図柄種別判定は、大当たり判定の結果が大当たりである場合に、例えば図10(B)に示すような大当たり図柄種別判定テーブルを用いて大当たり図柄の種別(大当たり図柄種別)を決定することである。大当たり図柄の種別に、大当たりの内容、換言すれば、遊技者に付与される遊技特典などで構成される大当たりの構成要素(遊技者に有利な内容)を対応付けることが可能である。
大当たり図柄種別判定テーブルは、可変表示される特別図柄の種別(特図1/特図2)、言い換えれば、当該大当たり図柄種別判定が起因する(当該大当たり図柄種別判定を発生させた)入賞が行われた始動口の種別(第1始動口11/第2始動口12)に関連付けられている。すなわち、大当たり図柄種別判定テーブルには、特図1の可変表示を行うときに用いられる大当たり図柄種別判定テーブル(第1大当たり図柄種別判定テーブル)と特図2の可変表示を行うときに用いられる大当たり図柄種別判定テーブル(第2大当たり図柄種別判定テーブル)とがある。
大当たり図柄は複数種類設定可能である。各大当たり図柄種別判定テーブルでは、大当たり図柄種別判定の結果である大当たり図柄種別に、大当たり図柄種別乱数の判定値(大当たり図柄種別乱数判定値)が振り分けられている。よって、パチンコ遊技機PYは、取得した大当たり図柄種別乱数を大当たり図柄種別判定テーブルに照合して、大当たり図柄の種別を判定する。そして、第1大当たり図柄種別判定テーブルおよび第2大当たり図柄種別判定テーブルでは、大当たり図柄種別乱数判定値が各種大当たり図柄に適宜に振り分けられている。
特図1の大当たり図柄、および特図2の大当たり図柄の種類は適宜に設定することができるが、例えば、図10(B)に示す大当たり図柄種別判定テーブルのように、特図1の大当たり図柄として、大当たり図柄A、大当たり図柄B、および大当たり図柄Cの3種類の大当たり図柄を設け、特図2の大当たり図柄として、大当たり図柄D、大当たり図柄E、および大当たり図柄Fの3種類の大当たり図柄を設けることができる。そして、図10(B)に示す大当たり図柄種別判定テーブルのように、第1大当たり図柄種別判定テーブルおよび第2大当たり図柄種別判定テーブルでは、大当たり図柄種別乱数判定値が各種大当たり図柄に適宜に振り分けられている。なお、大当たり図柄種別の振分率については、適宜に変更することが可能である。また、大当たり図柄の種別については、適宜に増加したり減少したりすることが可能である。
3-2-3.リーチ判定
リーチ判定は、例えば、大当たり判定の結果がハズレである場合に、図10(C)に示すようなリーチ判定テーブルを用いて、後述する特図変動演出でリーチを発生させるか否かを決定することである。
リーチ判定テーブルは、遊技状態(非時短状態/時短状態)に関連付けることが可能である。遊技状態に関連付けられる場合、例えば、リーチ判定テーブルには、非時短状態のときに用いられるリーチ判定テーブル(非時短用リーチ判定テーブル)と、時短状態のときに用いられるリーチ判定テーブル(時短用リーチ判定テーブル)とがある。
各リーチ判定テーブルでは、リーチ判定の結果である「リーチ有り(リーチを発生させる)」と「リーチ無し(リーチを発生させない)」に、リーチ乱数の判定値(リーチ乱数判定値)が振り分けられている。よって、パチンコ遊技機PYは、取得したリーチ乱数をリーチ判定テーブルに照合して、リーチ有りかリーチ無しか(リーチを発生させる否か)を判定する。
図10(C)に示すように、非時短用リーチ判定テーブルと時短用リーチ判定テーブルとで、「リーチ有り(リーチを発生させる)」と判定されるリーチ乱数判定値の数を異ならせることが可能である。なお、以下において、大当たり判定の結果が「ハズレ」であることを前提に行われるリーチ判定の結果「リーチ有り(リーチを発生させる)」のことを「リーチ有りハズレ」といい、「リーチ無し(リーチを発生させない)」のことを「リーチ無しハズレ」ということもある。また、「リーチ無しハズレ」のことを「どハズレ」と称し、「リーチ有りハズレ」のことを「リーチハズレ」と称することもある。
3-2-4.特図変動パターン判定
特図変動パターン判定は、大当たり判定の結果が大当たり、およびハズレの何れの場合にも、例えば図11~図12に示すような特別図柄の変動パターン判定テーブル(特図変動パターン判定テーブル)を用いて、特図の可変表示の変動パターン(特図変動パターン)を決定することである。
特図変動パターンとは、特図変動時間、所謂「尺」や後述する特図変動演出の演出フロー(演出内容)などに関する所定事項を識別するための識別情報である。なお、特図変動パターンには、特図変動時間や特図変動演出の演出フロー(演出内容)の他、大当たり判定の結果、およびリーチ判定の結果に関する識別情報を含ませることも可能である。なお、特図変動パターンの種類や数は適宜に変更することが可能である。
特図変動パターン判定テーブルは、判定対象となる可変表示を行う特別図柄の種別(特図1/特図2)、言い換えれば、当該特図変動パターン判定が起因する入賞が行われた始動口の種別(第1始動口11/第2始動口12)に関連付けることが可能である。すなわち、特図変動パターン判定テーブルには、特図1の可変表示を行うときに用いられる特図変動パターン判定テーブル(特図1変動パターン判定テーブル:図11)と、特図2の可変表示を行うときに用いられる特図変動パターン判定テーブル(特図2変動パターン判定テーブル:図12)とがある。
そして、各特図変動パターン判定テーブルは、遊技状態(非時短状態/時短状態)に関連付けることが可能である。具体的には、特図1変動パターン判定テーブルには、非時短状態のときに用いられる特図1変動パターン判定テーブル(非時短用特図1変動パターン判定テーブル)と時短状態のときに用いられる特図1変動パターン判定テーブル(時短用特図1変動パターン判定テーブル)とがある。一方、特図2変動パターン判定テーブルについても同様に、非時短状態のときに用いられる特図2変動パターン判定テーブル(非時短用特図2変動パターン判定テーブル)と、時短状態のときに用いられる特図2変動パターン判定テーブル(時短用特図2変動パターン判定テーブル)と、がある。
また、遊技状態(非時短状態/時短状態)に関連付けられた各特図変動パターン判定テーブルは、さらに、大当たり判定結果、およびリーチ判定結果にも関連付けることが可能である。すなわち、非時短用特図1変動パターン判定テーブルおよび時短用特図1変動パターン判定テーブルにはそれぞれ、大当たり用、リーチ有りハズレ用、およびリーチ無しハズレ用がある。同様に、非時短用特図2変動パターン判定テーブルおよび時短用特図2変動パターン判定テーブルにもそれぞれ、大当たり用、リーチ有りハズレ用、およびリーチ無しハズレ用がある。
さらに、遊技状態に関連付けられた各リーチ無しハズレ用の特図1変動パターン判定テーブルは、特図1保留数にも関連付けることが可能である。例えば、特図1保留数(U1)が0~2のときに用いられるリーチ無しハズレ用の特図1変動パターン判定テーブルと、特図1保留数(U1)が3~4のときに用いられるリーチ無しハズレ用の特図1変動パターン判定テーブルと、がある。同様に、遊技状態に関連付けられた各リーチ無しハズレ用の特図2変動パターン判定テーブルも、特図2保留数にも関連付けることが可能である。具体的には、特図2保留数(U2)が0~2のときに用いられるリーチ無しハズレ用の特図2変動パターン判定テーブルと、特図2保留数(U2)が3~4のときに用いられるリーチ無しハズレ用の特図2変動パターン判定テーブルと、がある。
そして、各特図変動パターン判定で決定された特図変動パターンに応じた特図変動時間の特図の変動表示が、特図表示器81で行われる。そして、特図の変動表示の後に、特図可変表示の表示結果(特別図柄抽選の結果)として、大当たり図柄が停止表示されると、即座に次の特図の可変表示が行われず、引き続いて、大当たり遊技が実行される。
また、各特図変動パターンに、図11~図12の表の右から3番目の欄に示すような特図変動演出の演出フローを関連付けることが可能である。ここで、特図変動パターンに関連づけられた特図変動演出の演出フローを構成する代表的な演出について説明する。
特図変動演出の演出フローを構成する演出として、通常変動、リーチ、ノーマルリーチ(Nリーチ)、ロングリーチ(Lリーチ)、スペシャルリーチ(SPリーチ)、バトルリーチ、リーチガセ、短縮変動がある。
通常変動は、停止表示していた演出図柄が変動を開始し、各演出図柄を構成する1つ1つが認識困難な程度に高速で変動表示して特図の可変表示が開始されたことを示唆する演出である。そして、リーチ無しハズレ変動に係る特図変動演出(演出図柄の変動開始から変動停止までの部分)、および、リーチが発生する特図変動演出におけるリーチが成立(確定)するまでの部分が通常変動で構成されることがある。
Nリーチは、通常変動を経てリーチが成立(確定)した直後に、例えば当該リーチを構成する演出図柄が仮停止したその位置で所定時間(例えば、10秒)維持された状態で、残り1つの演出図柄が減速していき、通常変動より低速で変動する演出である。Nリーチが示唆する大当たりの期待度は、通常変動より高く、後述するLリーチ、およびSPリーチよりも低い。Nリーチで特図変動演出が終了する場合、その低速で変動する残りの1つの演出図柄が停止する。ハズレの場合、残りの1つの演出図柄は、リーチを構成する演出図柄とは異なる演出図柄で停止する。Nリーチで特図変動演出が終了しない場合、残りの1つの演出図柄が再び高速で変動し、リーチが維持されたままNリーチからLリーチ、SPリーチに発展する(切り替わる)。したがって、Nリーチは、演出が発展するかハズレるか否かの演出と位置付けることもできる。
Lリーチは、大当たりのときもハズレのときも実行可能であり、大当たり遊技状態になるか否かを示唆する演出であり、大当たり遊技状態になる可能性があることを示唆する。さらに、Lリーチは、例えばNリーチの後に実行可能な演出であり、Nリーチよりも長時間行われ、Nリーチよりも大当たり期待度が高いことを示唆する。Lリーチでも、成立したリーチが維持されるが、当該リーチを構成する演出図柄が縮小されると共に、Nリーチのときよりも背景画像の支障にならない所定位置(例えば、後述する左演出図柄EZ1が表示部50aの左上で、右演出図柄EZ3が表示部50aの右上)に移動した状態で、Lリーチ専用の背景画像に切り替わる(Lリーチ専用の映像が流れる)。なお、Lリーチでは、主に表示部50aにおいて2DCGによるアニメーション画像が表示される。Lリーチの演出内容としては、主人公キャラクターが必殺技を習得するために特訓を行うなど後述のSPリーチに係る試合とは異なるシーンの映像が表示される。
SPリーチは、大当たりのときもハズレのときも実行可能であり、大当たり遊技状態になるか否かを示唆する演出であり、大当たり遊技状態になる可能性があることを示唆する。さらに、SPリーチは、例えばNリーチの後に実行可能な演出であり、Lリーチよりも長時間行われ、Lリーチよりも大当たり期待度が高いことを示唆する。SPリーチでも、成立したリーチが維持されるが、当該リーチを構成する演出図柄が縮小されると共に、Nリーチのときよりも背景画像の支障にならない所定位置(例えば、後述する左演出図柄EZ1が表示部50aの左上で、右演出図柄EZ3が表示部50aの右上)に移動した状態で、SPリーチ専用の背景画像に切り替わる(SPリーチ専用の映像が流れる)。なお、SPリーチでは、主に表示部50aにおいて3DCG画像が表示される。そして、SPリーチの演出内容としては、主人公キャラクターが所属するチームと、主人公キャラクターのライバルが所属するチームとが試合を行うシーンの映像が表示される。
バトルリーチは、例えば時短状態においてリーチ後に実行可能な演出であり、通常変動よりも大当たり期待度が高いことを示唆する演出である。バトルリーチでも、成立したリーチが維持されるが、当該リーチを構成する演出図柄が縮小されると共に所定位置(例えば、左演出図柄EZ1が表示部50aの左上で、右演出図柄EZ3が表示部50aの右上)に移動した状態で、バトル演出専用の背景画像に切り替わる(バトル演出専用の映像が流れる)。また、バトル演出では、主に表示部50aにおいて3DCG画像が表示される。
リーチガセは、通常変動の直後にリーチが成立するか否かを煽るリーチ煽り演出を行い、リーチ煽り演出の結果、リーチが成立せずに、演出図柄EZ1~EZ3がハズレを示す態様で停止表示する演出である。リーチ煽り演としては、例えば、まずは、通常変動として、高速変動していた左演出図柄EZ1が表示部50aの上下方向略中央で仮停止表示し、次いで、左演出図柄EZ1と同一の演出図柄G10からなる右演出図柄EZ3が減速して上から下降してきて、表示部50aの上下方向略中央で仮停止表示するか否かの状態となる。すなわち、リーチが成立するか否かの状態となる。この左演出図柄EZ1が仮停止表示してから、リーチが成立するか否かの状態となるまでの左演出図柄EZ1、および右演出図柄EZ3の挙動がリーチ煽り演出を構成する。そして、最終的には、右演出図柄EZ3が表示部50aの上下方向略中央で仮停止表示せずに、そのまま滑って下降し、表示部50aからフェイドアウトすると共に、仮停止表示している左演出図柄EZ1と異なる演出図柄G10からなる右演出図柄EZ3が表示部50aの上下方向略中央で仮停止表示し、続いて、仮停止表示している左演出図柄EZ1、および右演出図柄EZ3と異なる演出図柄G10からなる中演出図柄EZ2が仮停止表示することによって、演出図柄EZ1~EZ3がハズレを示す態様で仮停止表示することになり、そのまま確定的に停止表示する。
短縮変動は、表示内容については基本的には通常変動と略同一であるが、当該演出に要する時間について通常変動よりも短い。
なお、Nリーチ、Lリーチ、SPリーチ、およびバトルリーチにおける「リーチが維持された状態」には、当該Nリーチ、Lリーチ、SPリーチ、およびバトルリーチにおいてリーチを構成する演出図柄が表示部50aで視認可能である状態だけではなく、例えば、専用の背景画像との関係で所定期間、当該リーチを構成する演出図柄が表示部50aから視認困難または視認不可能な状態も含むものとする。また、通常変動、Nリーチ、Lリーチ、SPリーチ、およびバトルリーチの演出内容は適宜に変更可能である。さらに、特図変動演出を構成する演出は、これらに限られず、適宜に加え、あるいは減らすことが可能である。
また、図11~図12の表の右から2番目の欄に示すように、特図変動パターンに、大当たり判定結果および特図変動演出の演出内容などを関連付けて名称を付すことが可能である。そして、大当たりに係る特図変動パターンのことを「大当たり変動」、ハズレに係る特図変動パターンのことを「ハズレ変動」と総称することもある。
さらに、大当たり判定結果に関わらずSPリーチが行われる特図変動パターンのことを「SPリーチ変動」、Lリーチが行われる特図変動パターンのことを「Lリーチ変動」、Nリーチで特図変動演出が終わる特図変動パターンのことを「Nリーチ変動」と総称することもある。また、リーチ有りのハズレ変動のことを「リーチ有りハズレ変動」といい、リーチ無しのハズレ変動のことを「通常ハズレ変動」と総称することもある。
3-2-5.先読み判定
パチンコ遊技機PYは、大当たり判定を行う前に、取得した特図関連判定情報に基づいて、例えば図13~図14に示すような先読み判定テーブルを用いて先読み判定を行うことが可能である。先読み判定テーブルは、その始動入賞に係る始動口の種別(第1始動口11/第2始動口12)、言い換えると、その始動入賞によって可変表示される特図の種類(特図1/特図2)に関連付けることが可能である。すなわち、先読み判定テーブルには、第1始動口11に入賞し、特図1の可変表示が行われる場合の第1先読み判定テーブル(図13)と、第2始動口12に入賞し、特図2の可変表示が行われる場合の第2先読み判定テーブル(図14)と、がある。なお、第1先読み判定テーブルに基づいて行う先読み判定を「第1先読み判定」、第2先読み判定テーブルに基づいて行う先読み判定を「第2先読み判定」ともいう。
また、先読み判定テーブルは、後述する遊技状態(通常遊技状態/高確率高ベース遊技状態/低確率高ベース遊技状態)にも関連付けることが可能である。すなわち、先読み判定テーブルには、通常遊技状態のときに用いられる先読み判定テーブル(通常遊技状態用先読み判定テーブル)と、高確率高ベース遊技状態のときに用いられる先読み判定テーブル(高確率高ベース遊技状態用先読み判定テーブル)と、低確率高ベース遊技状態のときに用いられる先読み判定テーブル(低確率高ベース遊技状態用先読み判定テーブル)と、がある。
つまり、先読み判定テーブルには、通常遊技状態のときに用いられる第1先読み判定テーブルと、高確率高ベース遊技状態のときに用いられる第1先読み判定テーブルと、低確率高ベース遊技状態のときに用いられる第1先読み判定テーブルと、通常遊技状態のときに用いられる第2先読み判定テーブルと、高確率高ベース遊技状態のときに用いられる第2先読み判定テーブルと、低確率高ベース遊技状態のときに用いられる第2先読み判定テーブルと、がある。
なお、図13~図14に示す先読み判定テーブルを用いる先読み判定によって、当該始動口11、12への入賞によって行われる特図の可変表示に係る特図変動パターンが特定される。すなわち、当該入賞に基づく特図の可変表示が行われるよりも前にその特図の可変表示に係る特図変動パターンが先読み判定結果として特定される。特図変動パターンを特定する過程で、大当たりの当否も先読み判定結果として特定される。
そして、特図変動パターンなどに関する情報が含まれる先読み判定結果は始動入賞コマンドに対応付けられている。後述するように、始動入賞コマンドは、その生成に伴って先読み判定結果として演出制御基板120に送信される。なお、先読み判定結果としてどのような情報を特定させるかは適宜に変更可能である。例えば、大当たり図柄種別に関する情報も先読み判定結果に含ませることができる。
以上のように、大当たり判定、大当たり図柄種別判定、リーチ判定、および特図変動パターン判定が行われることによって、特図表示器81において特図の可変表示が行われる。そして、特図の可変表示で、表示結果(特別図柄抽選の結果)として、大当たり図柄が停止表示されると、次の特図の可変表示が行われず、引き続いて、大当たり遊技が実行される。次に、大当たり遊技について説明する。
3-3.大当たり遊技
大当たり遊技は、大入賞口14の開閉を伴う複数回のラウンド遊技と、大当たり遊技が開始してから初回のラウンド遊技が開始されるまでのオープニング(OPとも表記する)と、最終回のラウンド遊技が終了してから大当たり遊技が終了するまでのエンディング(EDとも表記する)とを含んでいる。各ラウンド遊技は、オープニングの終了又は前のラウンド遊技の終了によって開始し、次のラウンド遊技の開始又はエンディングの開始によって終了する。
なお、OPやEDを設けないようすることが可能である。また、以下において、所定回数目(所定の順番)のラウンド遊技を、単に「ラウンド」という。例えば、初回(1回目)のラウンド遊技のことを「1ラウンド(1R)」ともいい、10回目のラウンド遊技のことを「10ラウンド(10R)」ともいう。
そして、パチンコ遊技機PYは、大当たり遊技制御テーブルを用いて大当たり遊技を制御する。大当たり遊技制御テーブルは大当たり図柄の種別毎に設定することが可能である。すなわち、大当たり遊技を大当たり図柄の種別に対応付けることが可能である。そして、大当たり遊技は1種類、または複数種類設定可能である。
大当たり遊技制御テーブルには、大当たり遊技を構成する要素(大当たり遊技構成要素)が格納されている。大当たり遊技構成要素には、ラウンド遊技の回数、各回のラウンド遊技における大入賞口14の開放回数、各開放が行われる大入賞口の種別および開放時間(開放パターン)、次回の開放まで閉鎖させる時間(閉鎖時間)、オープニングの時間(オープニング時間)、およびエンディングの時間(エンディング時間)などが含まれている。
そして、パチンコ遊技機PYは、例えば図15(A)に示すような大当たり遊技制御テーブルを用いて大当たり遊技を制御することが可能である。すなわち、図15(A)に示すような大当たり遊技の種別および各大当たり遊技に対する大当たり遊技構成要素を設定することが可能である。ここで、図15(A)で設定されている大当たり遊技について説明する。
大当たり図柄Aに対応付けられた大当たり遊技(以下、「第1大当たり遊技」ともいう)では、ラウンド遊技が10回行われる。そして、1Rから10Rまでの各ラウンド遊技では、1回のラウンド遊技あたり最大で29.5秒にわたって大入賞口14が開放する。また、第1大当たり遊技が開始されてから最初のラウンド遊技が開始されるまでの間、10.0秒間にわたり大入賞口14の閉鎖状態が保持されたオープニングがある。さらに、最後のラウンド遊技が終了してから第1大当たり遊技が終了するまでの間、15.0秒間にわたり大入賞口14の閉鎖状態が保持されたエンディングがある。
大当たり図柄Bに対応付けられた大当たり遊技(以下、「第2大当たり遊技」ともいう)では、ラウンド遊技が5回行われる。そして、1Rから5Rまでの各ラウンド遊技では、1回のラウンド遊技あたり最大で29.5秒にわたって大入賞口14が開放する。また、第2大当たり遊技が開始されてから最初のラウンド遊技が開始されるまでの間、10.0秒間にわたり大入賞口14の閉鎖状態が保持されたオープニングがある。さらに、最後のラウンド遊技が終了してから第2大当たり遊技が終了するまでの間、15.0秒間にわたり大入賞口14の閉鎖状態が保持されたエンディングがある。
大当たり図柄Cに対応付けられた大当たり遊技(以下、「第3大当たり遊技」ともいう)では、ラウンド遊技が5回行われる。そして、1Rから5Rまでの各ラウンド遊技では、1回のラウンド遊技あたり最大で29.5秒にわたって大入賞口14が開放する。また、第3大当たり遊技が開始されてから最初のラウンド遊技が開始されるまでの間、10.0秒間にわたり大入賞口14の閉鎖状態が保持されたオープニングがある。さらに、最後のラウンド遊技が終了してから第3大当たり遊技が終了するまでの間、15.0秒間にわたり大入賞口14の閉鎖状態が保持されたエンディングがある。
大当たり図柄Dに対応付けられた大当たり遊技(以下、「第4大当たり遊技」ともいう)では、ラウンド遊技が10回行われる。そして、1Rから10Rまでの各ラウンド遊技では、1回のラウンド遊技あたり最大で29.5秒にわたって大入賞口14が開放する。また、第4大当たり遊技が開始されてから最初のラウンド遊技が開始されるまでの間、10.0秒間にわたり大入賞口14の閉鎖状態が保持されたオープニングがある。さらに、最後のラウンド遊技が終了してから第4大当たり遊技が終了するまでの間、15.0秒間にわたり大入賞口14の閉鎖状態が保持されたエンディングがある。
大当たり図柄Eに対応付けられた大当たり遊技(以下、「第5大当たり遊技」ともいう)では、ラウンド遊技が6回行われる。そして、1Rから6Rまでの各ラウンド遊技では、1回のラウンド遊技あたり最大で29.5秒にわたって大入賞口14が開放する。また、第5大当たり遊技が開始されてから最初のラウンド遊技が開始されるまでの間、10.0秒間にわたり大入賞口14の閉鎖状態が保持されたオープニングがある。さらに、最後のラウンド遊技が終了してから第5大当たり遊技が終了するまでの間、15.0秒間にわたり大入賞口14の閉鎖状態が保持されたエンディングがある。
大当たり図柄Fに対応付けられた大当たり遊技(以下、「第6大当たり遊技」ともいう)では、ラウンド遊技が6回行われる。そして、1Rから6Rまでの各ラウンド遊技では、1回のラウンド遊技あたり最大で29.5秒にわたって大入賞口14が開放する。また、第6大当たり遊技が開始されてから最初のラウンド遊技が開始されるまでの間、10.0秒間にわたり大入賞口14の閉鎖状態が保持されたオープニングがある。さらに、最後のラウンド遊技が終了してから第5大当たり遊技が終了するまでの間、15.0秒間にわたり大入賞口14の閉鎖状態が保持されたエンディングがある。
なお、各ラウンド遊技では、予め定めた所定個数(例えば10個)の遊技球が大入賞口センサ14aによって検知されると、大入賞口14の最大開放時間が経過する前であっても、大入賞口14を閉鎖してラウンド遊技が終了する。また、大当たり遊技構成要素の種類や具体的な内容については、適宜に変更することが可能である。
また、図15(A)に示す大当たり遊技制御テーブルでは、何れの種類の大当たり遊技が実行されるかは、大当たり図柄の種類によって決定されているが、これとは異なる方法で大当たり遊技が実行されるようにしても良い。例えば、遊技領域6に2つの入賞口に振分け可能な装置を設け、一方の入賞口に入賞すると所定数のラウンド遊技からなる大当たり遊技のみが実行される一方、他方の入賞口に入賞すると、所定数より多いラウンド遊技からなる大当たり遊技と所定数より少ないラウンド遊技からなる大当たり遊技の何れかが抽選などによって所定の確率で実行されるようにしても良い。
3-4.遊技状態
次に、パチンコ遊技機PYが制御可能な遊技状態について説明する。パチンコ遊技機PYは、大当たり遊技が実行されている状態である大当たり遊技状態と、大当たり遊技が実行されていない非大当たり遊技状態がある。非大当たり遊技状態には、基本的なベースとなる遊技状態である通常遊技状態と、通常遊技状態よりも遊技者に有利な特定遊技状態と、がある。この特定遊技状態に係る「遊技者に有利」となる要素には大当たり確率と、第2始動口12の開放の容易性とがある。すなわち、特定遊技状態に大当たり確率と、第2始動口12の開放の容易性を関連付けることができる。
大当たり確率について遊技者に有利とは、通常遊技状態よりも大当たり確率が高くなり、大当たり当選し易くなるということである。また、第2始動口12の開放の容易性について遊技者に有利とは、通常遊技状態よりも第2始動口12の開放の容易性が高くなり、単位時間あたりの第2始動口12の開放時間が長くなるということである。
そして、特定遊技状態としては、大当たり確率および第2始動口12の単位時間あたりの開放時間の何れもが遊技者に有利な第1特定遊技状態と、大当たり確率のみが遊技者に有利な第2特定遊技状態と、第2始動口12の単位時間あたりの開放時間のみが遊技者に有利な第3特定遊技状態の3種類を設定可能である。なお、これらの3種類の特定遊技状態の全てをパチンコ遊技機PYに搭載せずに、3種類の特定遊技状態の中の一部を搭載することもできる。
ここで、大当たり確率に注目した部分的な遊技状態として、大当たり確率が通常遊技状態よりも高くなり、大当たり確率について遊技者に有利な状態を「高確率状態」という。これに対して、大当たり確率が通常遊技状態での通常確率であり、大当たり確率について遊技者に有利ではない状態を「通常確率状態」という。
また、単位時間あたりの第2始動口12の開放時間に注目した部分的な遊技状態として、単位時間あたりの第2始動口12の開放時間が通常遊技状態よりも長く、第2始動口12の開放の容易性が遊技者に有利な状態を「時短状態」という。これに対して、単位時間あたりの第2始動口12の開放時間が通常遊技状態での開放時間であり、第2始動口12の開放の容易性が遊技者に有利ではない状態を「非時短状態」という。
ここで、非時短状態と時短状態について詳細に説明する。前述のように、時短状態は、非時短状態に比べて、単位時間当たりの電チュー12Dの開放時間が長くなる。すなわち、時短状態は非時短状態よりも第2始動口12に入賞させ易い状態である。ここで、非時短状態よりも時短状態で第2始動口12に入賞させ易くするための具体的な方法について説明する。
例えば、時短状態を、非時短状態に比べて普図変動時間が短くなり易い状態にすることで、時短状態では第2始動口12に入賞させ易くすることができる。例えば、前述の通り、当たり判定の結果に関わらず、時短状態においては、非時短状態において決定される普図変動時間(30.0秒)よりも短い普図変動時間(5.0秒)が決定されるようにする。その結果、時短状態の方が、単位時間当たりにおける普図抽選の実行回数が多くなる。この場合、非時短状態と時短状態の違いに関わらず、当たり判定で当たりに当選する確率と1回の補助遊技における電チュー12Dの開放時間が同一であると、単位時間あたりにおける普図抽選の実行回数が多い分、単位時間あたりの電チュー12Dの開放時間が長くなる。
また、時短状態を、非時短状態に比べて1回の補助遊技における電チュー12Dの開放時間が長くなり易い状態にすることで、時短状態では第2始動口12に入賞させ易くすることができる。例えば、前述の通り、非時短状態では、1回の補助遊技で電チュー12Dが0.2秒開放するのに対し、時短状態では、1回の補助遊技で電チュー12Dが合計で5.0秒開放するようにする。この場合、非時短状態と時短状態の違いに関わらず、当たり判定で当たりに当選する確率と普図変動時間が同一であると、単位時間あたりの補助遊技の実行回数が等しくなるため、1回の補助遊技での電チュー12Dの開放時間が長い分、単位時間あたりの電チュー12Dの開放時間が長くなる。
さらに、時短状態を、非時短状態に比べて当たり判定で当たりと判定され易い状態にすることで、時短状態では第2始動口12に入賞させ易くすることができる。例えば、前述の通り、非時短状態では、当たり判定において6600/65536の確率で当たりと判定されるのに対し、時短状態では、当たり判定において59936/65536の確率で当たりと判定されるようにする。この場合、非時短状態と時短状態の違いに関わらず、1回の補助遊技における電チュー12Dの開放時間と普図変動時間が同一であると、当たり判定で当たりと判定される確率が高い分、単位時間あたりの当たり判定の回数が多くなるため、単位時間あたりの電チュー12Dの開放時間が長くなる。
このように、時短状態においては非時短状態よりも当たりに当選し易いこと、普図変動時間が短くなり易いこと、および1回の補助遊技における電チュー12Dの開放時間が長くなり易いことからなる3つの条件が成立することによって、時短状態では、非時短状態に比べて、単位時間あたりの電チュー12Dの開放時間が長くなり、第2始動口12への入賞を容易にすることができる。この結果、発射球数に対する賞球数の割合である所謂「ベース」が高くなる。そのため、ベースの高い時短状態では、通常遊技状態に比べて所持する遊技球を大きく減らすことなく大当たり当選を狙うことができる。すなわち、時短状態の方が非時短状態よりも遊技者にとって有利であるといえる。
なお、時短状態においては、第2始動口12の単位時間あたりの開放時間が長くなるための3つの条件が全て揃わずに一部の条件のみが揃うようにしても良い。最終的に、時短状態では、非時短状態に比べて、単位時間当たりの電チュー12Dの開放時間が長くなり、第2始動口12への入賞が容易になればよい。
また、時短状態では、非時短状態に比べて特図変動時間の短い特図変動パターンが選択され易くなるようにするなどして、単位時間あたりにおける特図可変表示の実行回数が少ない、または特図変動時間の平均が低くなるようにしても良い。その結果、時短状態では、特図保留が消化されるペースが速くなり、始動口への有効な入賞(特図保留として記憶され得る入賞)が発生しやすくなる。そのため、スムーズな遊技の進行のもとで大当たりを狙うことができる。
なお、以下において、各特定遊技状態について遊技者に対する有利性の内容に関連付けて、第1特定遊技状態のことを「高確率高ベース遊技状態」、第2特定遊技状態のことを「高確率低ベース遊技状態」、および第3特定遊技状態のことを「低確率高ベース遊技状態」ともいう。さらに、通常遊技状態のことを「低確率低ベース遊技状態」ともいう。
よって、低確率低ベース遊技状態は、通常確率状態且つ非時短状態で制御されている遊技状態といえる。同様に、低確率高ベース遊技状態は通常確率状態且つ時短状態、高確率低ベース遊技状態は高確率状態且つ非時短状態、および高確率高ベース遊技状態は高確率状態且つ時短状態で制御されている遊技状態といえる。
このように、パチンコ遊技機PYは、低確率低ベース遊技状態、低確率高ベース遊技状態、高確率低ベース遊技状態、高確率高ベース遊技状態、および大当たり遊技状態で制御可能である。なお、大当たり遊技状態では、大入賞口14が長時間開放し、遊技球を多量に獲得することができるので、大当たり遊技状態も遊技者に有利な遊技状態ということができる。よって、大当たり遊技状態と、特定遊技状態は、通常遊技状態よりも遊技者に有利な「有利遊技状態」ということもできる。
なお、高確率高ベース遊技状態、および高確率低ベース遊技状態は、大当たり確率が通常確率状態よりも高確率となっている点で低確率低ベース遊技状態よりも遊技者に有利な遊技状態である。また、高確率高ベース遊技状態、および低確率高ベース遊技状態は、第2始動口12への入賞容易性が非時短状態よりも高い点で低確率低ベース遊技状態よりも遊技者に有利な遊技状態である。さらには、大当たり遊技状態では、1回の入賞による賞球数が第1始動口11、および第2始動口12よりも多い大入賞口14が開放するので、大当たり遊技状態は低確率低ベース遊技状態よりも遊技者に有利な遊技状態である。
また、パチンコ遊技機PYの電源が投入されると最初に通常遊技状態が設定される。また、大当たり遊技状態は、大当たり図柄の停止表示が行われることによって設定される。一方、特定遊技状態は、大当たり当選して大当たり遊技が実行されることによって設定される。次に、特定遊技状態の設定について説明する。
3-5.特定遊技状態の設定
パチンコ遊技機PYは、大当たり遊技の終了に伴って、新たに特定遊技状態を設定することができる。すなわち、大当たり遊技の後に、特定遊技状態にて遊技を制御・進行させることができる。この特定遊技状態の継続期間は適宜に設定可能である。例えば、特定遊技状態を次回大当たり当選するまで継続させることができる。また、特定遊技状態が継続できる期間を制限することもできる。
特定遊技状態の継続期間を制限させる場合は、継続期間に対する終了条件が成立することを契機に特定遊技状態を終了させることができる。そして、特定遊技状態が終了すると通常遊技状態が設定されるようにすることができる。また、高確率高ベース遊技状態については、終了条件が成立すると、低確率高ベース遊技状態または高確率低ベース遊技状態が設定されるようにすることもできる。この場合、新たに設定された低確率高ベース遊技状態または高確率低ベース遊技状態は次回大当たり当選するまで継続するようにしても良い。また、新たに設定された低確率高ベース遊技状態または高確率低ベース遊技状態についても同一または異なる終了条件を設け、当該終了条件が成立すると通常遊技状態が設定されるようにしても良い。
また、特定遊技状態の継続期間に対する終了条件は適宜に設定することができる。終了条件として、例えば特図可変表示の実行回数を設定することができる。また、特図可変表示の実行回数に限られず、大当たり遊技後の経過時間、大当たり遊技後の遊技球の発射球数、大当たり遊技後のゲート13への通過回数、または特定遊技状態を終了させるか否かの抽選(所謂、「転落抽選」)において終了させるという結果の導出などを終了条件に設定することができる。さらには、これらの要素を単独で終了条件に設定しても良く、また複合的に設定しても良い。
なお、これらの終了条件は、大当たり遊技後に設定可能な全ての特定遊技状態に対して同一に設定しても良く、また設定可能な特定遊技状態の中の一部の特定遊技状態に対して設定しても良い。さらに、特定遊技状態毎に終了条件を異ならせても良い。
さらに、大当たり遊技の後に制御される特定遊技状態、終了条件の有無、および終了条件の内容は、その大当たり遊技に係る大当たり図柄種別に対応付けることが可能である。例えば、前述のように大当たり図柄種別が設定されている場合、図15(B)に示すように、大当たり図柄A、大当たり図柄B、および大当たり図柄Dに係る大当たり遊技の終了後に高確率高ベース遊技状態で遊技が制御されるようにしても良い。ここで、この高確率高ベース遊技状態については終了条件を設けずに、大当たり当選するまで継続可能にすることができる。さらに、大当たり図柄C、および大当たり図柄Eに係る大当たり遊技の終了後に低確率高ベース遊技状態で遊技が制御されるようにしても良い。ここで、この低確率高ベース遊技状態については終了条件を設け、終了条件として100回の特図可変表示に設定することができる。なお、この大当たり種別図柄と大当たり遊技の後に制御される特定遊技状態、終了条件の有無、および終了条件の内容との関係は一例であって、これに限られない。
また、大当たりの遊技利益に着目し、大当たり遊技後に高確率状態で遊技が進行する大当たりのことを「高確率大当たり」ともいう。さらに、大当たり遊技後に高確率状態且つ時短状態で遊技が進行する大当たりのことを「確変大当たり」ともいう。加えて、大当たり遊技後に通常確率状態且つ時短状態で遊技が進行する大当たりのことを「時短大当たり」ともいう。
4.遊技機による主な演出
次に、パチンコ遊技機PYにより行われる主な演出について、図16~図32を用いて説明する。なお、パチンコ遊技機PYには、演出上、主人公キャラクターや敵キャラクターによる野球の物語が題材として対応付けられている。
4-1.演出モード
最初に、演出モードについて説明する。演出モードは、演出の区分(あるいは、上位概念的な属性)のことである。パチンコ遊技機PYは、演出モードとして、客待ち演出モード、通常演出モードと、確変演出モード、時短演出モードおよび大当たり演出モードを設定することが可能である。
客待ち演出モードは、「低確率低ベース遊技状態」、「低確率高ベース遊技状態」、「高確率低ベース遊技状態」および「高確率高ベース遊技状態」において特図可変表示が行われていないときに設定可能であり、特図可変表示が行われていない待機状態であることを示す演出モードである。客待ち演出モードが設定されているときに客待ち演出が行われる。客待ち演出では、例えば、図16(A)に示すように、表示部50aにおいてパチンコ遊技機PYを紹介する客待ちデモ動画G100が表示される。また、客待ちデモ動画G100が表示されているときに第1演出ボタン40kが操作されると、図16(B)に示すように、パチンコ遊技機PYの演出に関する設定を行うための設定画面G101が表示される。演出に関する設定には、スピーカー52から出力される音の音量設定、表示部50aの輝度設定、および実行される演出の頻度設定などがある。なお、演出に関する設定の項目は適宜に設定することができる。また、客待ちデモ動画G100から遊技者の操作によって設定画面G101が表示されないようにすることもできる。
通常演出モードは、「低確率低ベース遊技状態」において設定可能であり、通常遊技状態であることを示す演出モードである。そして、さらに通常演出モードに属する下位の演出モードを複数設けることができる。例えば、通常演出モードに属する下位の階層の演出モードとして、第1通常演出モード、第2通常演出モード、および第3通常演出モードなどを設けることができる。
なお、以下において、演出モードに属する下位の階層の演出モードを「演出ステージ」ともいう。それに伴って、第1通常演出モードを「第1通常演出ステージ」ともいい、第2通常演出モードを「第2通常演出ステージ」ともいい、第3通常演出モードを「第3通常演出ステージ」ともいう。なお、特段の事情がない場合以外、基本的にはパチンコ遊技機PYの電源が投入された後、最初に特図変動表示が開始されたときに設定される演出モードは第1通常演出ステージ(第1通常演出モード)であるとする。ただし、当該最初に設定される演出モードの種類は特に限定されずに適宜変更しても良い。
このように通常演出モードに属する複数の演出ステージを設けた場合、所定の切替条件が成立すると演出ステージを順番に繰り返して切り替えていくことができる。切替条件は適宜に設定可能であるが、例えば、切替条件として、大当たりに当選することなく所定回数の特図可変演出が行われることに設定することができる。さらに、切替条件として、SPリーチハズレ変動に基づく特図変動演出など、特定の演出が実行されることに設定することもできる。
また、後述するように特図変動演出においてリーチが発生することがあるが、特図変動演出を、リーチが発生しない場合の特図変動演出の全区間、およびリーチが発生する場合のリーチが成立する前の前段部分と、リーチが発生する場合のリーチが成立した後の後段部分と、に分けることができる。なお、前段部分は、前述の「通常変動」で構成される。
そして、第1通常演出ステージの前段部分では、表示部50aにおいて、主に街の景色を表す背景画像(図17(A):第1通常用背景画像G111)が表示される。第2通常演出ステージの前段部分では、表示部50aにおいて、主に野球場のグラウンドを表す背景画像(図17(B):第2通常用背景画像G112)が表示される。第3通常演出ステージの前段部分では、表示部50aにおいて、主に飲食店内を表す背景画像(図17(C):第3通常用背景画像G113)が表示される。一方、第1通常演出ステージ~第3通常演出ステージの後段部分では、第1通常用背景画像G111、第2通常用背景画像G112および第3通常用背景画像G113が表示されず、通常演出モードにおけるリーチの種類に応じた専用の背景画像が表示される。
なお、通常演出モードにおけるリーチの種類に応じた専用の背景画像は、演出ステージの種別に関係なく通常演出モードに共通の背景画像としても良く、また、演出ステージ毎に異なる背景画像としても良い。
また、「高確率低ベース遊技状態」においても通常演出モードを設定可能にし、通常演出モードは非時短状態であることを示す演出モードにしても良い。あるいは「高確率低ベース遊技状態」においてのみ設定され、通常演出モードとは異なる所定の演出モードを設けても良い。さらに、ある条件で発生した低確率低ベース遊技状態、および高確率低ベース遊技状態において、通常演出モードと異なる所定の演出モードを設定しても良い。
確変演出モードは、「高確率高ベース遊技状態」において設定可能であり、高確率高ベース遊技状態であることを示す演出モードである。確変演出モードの前段部分では、例えば、図17(D)に示すように、表示部50aにおいて宇宙を表す背景画像(確変用背景画像G120)が表示され、確変用BGMがスピーカー52から出力される。また、確変演出モードの後段部分では、確変演出モードにおけるリーチの種類に応じた専用の背景画像が表示される。
時短演出モードは、「低確率高ベース遊技状態」または「高確率高ベース遊技状態」において設定可能であり、低確率高ベース遊技状態、または高確率高ベース遊技状態の何れかであり、少なくとも時短状態であることを示す演出モードである。時短演出モードの前段部分では、例えば、図17(E)に示すように、表示部50aにおいて空を表す背景画像(時短用背景画像G130)が表示され、時短用BGMがスピーカー52から出力される。また、時短演出モードの後段部分では、時短演出モードにおけるリーチの種類に応じた専用の背景画像が表示される。
なお、時短演出モードは、低確率高ベース遊技状態においてのみ設定され、低確率高ベース遊技状態であることを示す演出モードにすることもできる。
また、確変演出モードおよび時短演出モードの何れもまたは何れか一方について、通常演出モードと同様に、さらにその演出モード用の演出ステージを複数設け、所定の切替条件が成立すると、演出ステージが切り替わるようにしても良い。
大当たり演出モードは、「大当たり遊技状態」において大当たり遊技が行われているときに設定可能な演出モードであり、大当たり遊技が行われていることを示す演出モードである。大当たり演出モードでは、例えば、大当たり遊技におけるオープニング中に、図18(A)に示すように、表示部50aにおいて、大当たり遊技の開始を示唆するオープニング画像G1や「右打ち」を促す右打ち画像G2が表示される大当たりオープニング演出が行われる。加えて、オープニング中には、大当たりオープニング演出として、表示部50aにおいて、オープニング画像G1や右打ち画像G2の背景で、大当たり遊技の種別に応じた背景画像(オープニング用背景画像G200)が表示される。
また、大当たり演出モードでは、大当たり遊技におけるラウンド遊技中に、図18(B)に示すように、表示部50aにおいて、右打ち画像G2がオープニングから引き続いて表示されると共に、ラウンド数を示すラウンド画像G3や払い出された賞球数を示唆する賞球数画像G4が表示されるラウンド演出が行われる。加えて、ラウンド遊技中には、ラウンド演出として、表示部50aにおいて、右打ち画像G2、ラウンド画像G3、および賞球数画像G4の背景で、大当たり遊技の種別に応じた背景画像(ラウンド用背景画像G201)が表示されると共に、スピーカー52から大当たり遊技の種別に応じたBGMが出力される。
さらに、大当たり遊技におけるエンディング中には、図18(C)に示すように、表示部50aにおいて、大当たり遊技後に設定される演出モードを示唆するエンディング画像G5や払い出された総賞球数を示唆する総賞球数画像G6が表示される大当たりエンディング演出が行われる。加えて、エンディング中には、大当たりエンディング演出として、表示部50aにおいて、エンディング画像G5や総賞球数画像G6の背景で、大当たり遊技の種別に応じた背景画像(エンディング用背景画像G202)が表示される。
なお、以下において、大当たりオープニング演出、ラウンド演出、および大当たりエンディング演出を合わせて、大当たり遊技において実行される演出として「大当たり遊技演出」ともいう。すなわち、大当たり演出モードにおいて大当たり遊技演出が行われる。
4-2.特図変動演出
次に、特図変動演出について説明する。パチンコ遊技機PYは、特図の可変表示が開始されると、特図の可変表示に係る特図変動パターンおよび特図抽選結果(大当たり判定結果、大当たり図柄種別判定結果、リーチ判定結果、および、特図変動パターン判定結果)などに基づいて、特図変動演出を実行する。
特図変動演出では、表示部50aにおいて、所定の背景画像に重畳的に、演出図柄の変動表示が行われる。演出図柄の変動表示では、演出図柄が変動した後に停止する。すなわち、特図変動時間、演出図柄の変動表示が行われた後に、当該変動が停止して、演出図柄の停止表示が行われる。そして、基本的には、演出図柄の停止表示によって特図抽選の結果が報知される。
なお、表示部50aで行われる特図変動演出では、演出図柄の変動表示以外の画像を用いることも可能である。さらに、表示部50aを含む画像表示装置50以外に、スピーカー52、枠ランプ53、盤可動装置55、第1演出ボタン装置40、および第2演出ボタン装置41などの様々な演出装置を用いた特図変動演出を行うことが可能である。
次に、特図可変表示に応じて実行される特図変動演出において、表示部50aに表示される演出図柄について説明する。演出図柄は、特図抽選結果を示すための識別情報でもあり、複数種類設けられている。詳細には、演出図柄の構成要素の1つが、特図抽選結果を示すための識別情報を構成し、その識別情報の違いによって演出図柄が複数種類設けられている。
例えば、図19(A)に示すように、演出図柄を1~9の数字で構成させ、9つの演出図柄を設けることができる。そして、数字「1」を含む演出図柄を演出図柄G10aとする。同様に、数字「2」~数字「9」を含む演出図柄を演出図柄G10b~演出図柄G10iとする。なお、便宜上、個々の演出図柄を区別なく取り扱う場合は、「演出図柄G10」と総称する。また、演出図柄G10を数字に対応付けて、「~図柄」と称することもある。この「~」の部分には数字が入る。例えば、数字「7」を含む演出図柄G10gであれば「7図柄」となる。
また、「3」、および「7」に係る演出図柄G10c、G10gの数字部分は赤色であり、「1」、「2」、「4」、「5」、「6」、「8」、および「9」の演出図柄G10a、G10b、G10d、G10e、G10f、G10h、G10iの数字部分は青色である。すなわち、演出図柄G10の構成要素に、色が含まれている。以下において、数字部分が赤色の演出図柄G10c、G10gのことを「赤図柄」と称し、数字部分が青色の演出図柄G10a、G10b、G10d、G10e、G10f、G10h、G10iのことを「青図柄」と称することもある。なお、演出図柄G10の構成や識別情報を何に設定するかは適宜に変更しても良い。例えば、演出図柄G10に、各数字に対応付けられたキャラクターなどの他の構成要素を加えても良い。
続いて、演出図柄G10を表示するための演出図柄表示領域について説明する。例えば、図19(B)に示すように、表示部50aを水平方向に略均等に3つに分けた左側、中央および右側を、左演出図柄領域50b1、中演出図柄領域50b2、および右演出図柄領域50b3とすることができる。左演出図柄領域50b1、中演出図柄領域50b2、および右演出図柄領域50b3の何れにも演出図柄G10が表示される。
そして、主に、特図変動演出の前段部分において、左演出図柄領域50b1に表示される演出図柄G10を「左演出図柄EZ1」と総称し、中演出図柄領域50b2に表示される演出図柄G10を「中演出図柄EZ2」と総称し、および右演出図柄領域50b3に表示される演出図柄G10を「右演出図柄EZ3」と総称する。すなわち、左演出図柄領域50b1、中演出図柄領域50b2、および右演出図柄領域50b3において、共通して、数字の1~9からなる演出図柄G10が表示されるが、相対的な表示位置で演出図柄G10を区別する場合には、左演出図柄EZ1、中演出図柄EZ2、および右演出図柄EZ3と表記する。
なお、後述するように、特図変動演出において、演出図柄EZ1~EZ3の変動表示が行われるが、最終的には、特図抽選結果(大当たり判定結果、大当たり図柄種別、リーチ判定結果)を示す態様で演出図柄EZ1~EZ3の停止表示が行われる。そして、特図抽選結果として大当たりを報知する場合には、同じ数字の演出図柄G10が3つ横に並ぶように(所謂「ゾロ目」で)、演出図柄EZ1~EZ3が停止表示する。そこで、以下において、大当たりを報知する場合に停止表示している演出図柄EZ1~EZ3を構成する同一の数字からなる演出図柄G10のことを「大当たり演出図柄」と称する。例えば、演出図柄EZ1~EZ3が「7・7・7」と停止表示する場合、大当たり演出図柄は「演出図柄G10g」となり、「9・9・9」と停止表示する場合、大当たり演出図柄は「演出図柄G10i」となる。また、さらに、大当たり演出図柄について、演出図柄に含まれる数字で略称することもある。例えば、大当たり演出図柄が「演出図柄G10g」であれば大当たり演出図柄は「7」となり、大当たり演出図柄が「演出図柄G10i」であれば大当たり演出図柄は「9」となる。また、後述するように、特図変動演出において、特図抽選結果が完全に示されるのは、演出図柄EZ1~EZ3が確定的に停止表示するときである。しかしながら、基本的には、特図変動演出の途中で、演出図柄EZ1~EZ3が確定的に停止表示する前に、演出図柄EZ1~EZ3が暫定的に停止表示(仮停止表示)する。これは、一度暫定的に停止表示された演出図柄EZ1~EZ3の内容が変更することもあるからである。例えば、ある(相対的に遊技者に不利な)大当たりを示す態様で演出図柄EZ1~EZ3が暫定的に停止表示した後に、別の(相対的に遊技者に有利な)大当たりを示す態様に変更されることがある。そこで、このように最初に大当たりを示す態様で演出図柄EZ1~EZ3が暫定的に停止表示する場合(変更される前)の演出図柄EZ1~EZ3を構成する同一の数字からなる演出図柄G10のことについても「大当たり演出図柄」と称する。
また、特図変動演出において、演出図柄EZ1~EZ3の変動表示が行われるが、演出図柄EZ1~EZ3の変動表示の途中で、左演出図柄EZ1および右演出図柄EZ3が同じ数字の演出図柄G10で暫定的に停止表示(仮停止表示)するリーチを行うことがある。後述するように、リーチは、大当たり遊技状態になる可能性があることを示唆する演出であり、リーチが行われたことによって大当たりに対してチャンスアップしたことになる。そこで、リーチに係る左演出図柄EZ1および右演出図柄EZ3を構成する同一の数字からなる演出図柄G10のことを「リーチ演出図柄」と称する。例えば、左演出図柄EZ1および右演出図柄EZ3が「1」の演出図柄G10aで仮停止表示する場合、リーチ演出図柄は「演出図柄G10a」となり、「3」の演出図柄G10aで仮停止表示する場合、リーチ演出図柄は「演出図柄G10c」となる。また、さらに、リーチ演出図柄について、演出図柄に含まれる数字で略称することもある。例えば、リーチ演出図柄が「演出図柄G10a」であればリーチ演出図柄を「1」と略称し、リーチ演出図柄が「演出図柄G10c」であればリーチ演出図柄を「3」と略称する。
また、図19(B)に示すように、表示部50aの下端部の左端(左下隅)の一区画に、小図柄を可変表示する小図柄領域50cを設けることが可能である。小図柄領域50cにおいて、特図の可変表示に応じて小図柄を可変表示させることができる。なお、小図柄のデザインは適宜に設定可能であるが、例えば、演出図柄G10の数字部分をそのまま縮小させて構成させることができる。
なお、図19(B)において、左演出図柄領域50b1、中演出図柄領域50b2、右演出図柄領域50b3、および小図柄領域50cは一点鎖線で明示されているが、これは左演出図柄領域50b1、中演出図柄領域50b2、右演出図柄領域50b3、および小図柄領域50cの範囲を表すために記載したものであり、実際には表示されていない。
また、前述したように、特図変動演出の演出フローを構成する演出として、通常変動、Nリーチ、Lリーチ、SPリーチ、およびバトル演出がある。ここで、これらの一部について説明する。
4-2-1.通常変動
パチンコ遊技機PYは、特図変動演出において、先ず通常変動を行うことが可能である。通常変動は、特図の可変表示が開始されたことを示唆する演出として機能する。次に、通常変動を具体的に説明する。なお、小図柄として、左演出図柄EZ1、中演出図柄EZ2、および右演出図柄EZ3に対応する左小図柄KZ1、中小図柄KZ2、および右小図柄KZ3が小図柄領域50cで可変表示する。
例えば、図20(A)に示すように、表示部50aにおいて、左演出図柄EZ1、中演出図柄EZ2および右演出図柄EZ3が停止表示されていると共に、左小図柄KZ1、中小図柄KZ2および右小図柄KZ3が停止表示されており、特図の可変表示が行われておらず、特図の可変表示を待機している状態から、特図の可変表示が開始されると、図20(B)に示すように、その開始に伴って特図変動演出が開始される。具体的には、演出図柄EZ1~EZ3の変動表示が開始されると共に、左小図柄KZ1、中小図柄KZ2および右小図柄KZ3の変動表示が開始される。
演出図柄EZ1~EZ3の変動表示の表示態様と、小図柄KZ1~KZ3の変動表示の表示態様とを異ならせることができる。例えば、演出図柄EZ1~EZ3の変動表示は、各演出図柄EZ1~EZ3が表示部50aの上から下にスクロール表示して行い、小図柄KZ1~KZ3の変動表示は、各小図柄KZ1~KZ3を定位置で次々に入れ替えて行うようにしても良い。なお、演出図柄EZ1~EZ3の変動表示の表示態様と、小図柄KZ1~KZ3の変動表示の表示態様とを同一にしても良い。
また、演出図柄EZ1~EZ3および小図柄KZ1~KZ3は変動表示の開始直後から高速で変動表示する。演出図柄EZ1~EZ3および小図柄KZ1~KZ3が高速で変動表示されている間は、演出図柄EZ1~EZ3および小図柄KZ1~KZ3は、基本的に背景画像G111~G115などのその背景側の画像が視認容易な透明性を持って表示される。なお、通常変動を構成する演出図柄EZ1~EZ3の変動表示の表示態様のことを「通常変動態様」と称することもある。また、通常変動態様として、演出図柄EZ1~EZ3が表示されていないことを含ませても良い。すなわち、演出図柄EZ1~EZ3が表示されていないことを、演出図柄EZ1~EZ3があまりに高速で変動表示しているので変動表示している演出図柄EZ1~EZ3を視認できない状況と見立てても良い。
そして、この特図の可変表示の特図変動パターンがリーチ無しハズレの特図変動パターン(例えば、通常ハズレ変動)であると、リーチが発生することなく、特図の可変表示の終了(特図の停止表示)に伴って、リーチ無しハズレに特有なハズレ目(所謂「バラケ目」)で演出図柄EZ1~EZ3および小図柄KZ1~KZ3の停止表示が行われる。
演出図柄EZ1~EZ3の停止表示に向けて、例えば、最初に図20(C)に示すように、左演出図柄EZ1が上下方向略中央位置で暫定的に停止(仮停止)し、次に図20(D)に示すように、右演出図柄EZ3が上下方向略中央位置で暫定的に停止(仮停止)し、さらに、図20(E)に示すように、中演出図柄EZ2が上下方向略中央位置で暫定的に停止(仮停止)する。
そして、最後に、上下方向略中央位置で水平方向に並んだ状態で暫定的に停止(仮停止)している演出図柄EZ1~EZ3が、図20(F)に示すように、そのまま一斉に完全に停止し、停止が確定する(演出図柄EZ1~EZ3の停止表示が行われる)。暫定的に停止(仮停止)していた演出図柄EZ1~EZ3がバラケ目で完全に停止するとき、すなわち、演出図柄EZ1~EZ3の確定的な停止表示が行われるとき、3つの小図柄KZ1~KZ3が、演出図柄EZ1~EZ3と同一のバラケ目で一斉に停止し、小図柄KZ1~KZ3の停止表示も行われる。
なお、演出図柄EZ1~EZ3が暫定的に停止するとは、演出図柄EZ1~EZ3がスクロール表示のように場所を大きく移動することはなく、その場で微かに揺れたり小さく往復運動したりすることをいう。よって、厳密には、演出図柄EZ1~EZ3が暫定的に停止表示している状態と、演出図柄EZ1~EZ3が確定的に停止表示している状態とは異なるが、この暫定的な停止表示と確定的な停止表示を広義に「停止表示」と称することもある。また、図20の例では、演出図柄EZ1~EZ3の停止表示が行われる際に、左演出図柄EZ1→右演出図柄EZ3→中演出図柄EZ2の順で演出図柄が停止したが、停止する順序(方法)はこれに限られず、適宜に設定することができる。
4-2-2.リーチ
次に、リーチの成立について説明する。特図の可変表示の特図変動パターンがリーチ有りハズレの特図変動パターン(例えば、Nハズレ変動)である場合も、基本的には前述のリーチ無しの場合と同様に、表示部50aにおいて、図21(A)に示すように、演出図柄EZ1~EZ3が確定的に停止表示されていると共に、小図柄KZ1~KZ3が停止表示されている状態から、特図の可変表示が開始されて、図21(B)に示すように、演出図柄EZ1~EZ3の変動表示が開始すると共に、小図柄KZ1~KZ3の変動表示が開始する。
その後、所定時間が経過した後に、図21(C)に示すように、数字「5」に係る左演出図柄EZ1が上下方向略中央位置で暫定的に停止(仮停止)し、次に、図21(D)に示すように、同一の数字「5」に係る右演出図柄EZ3が上下方向略中央位置で水平方向に並んで暫定的に停止(仮停止)して、リーチが成立する。リーチが成立したときには、リーチが成立したことを示す画像(リーチ成立示唆画像)G11が表示される。なお、左演出図柄EZ1、および右演出図柄EZ3でリーチが成立しても、小図柄KZ1~KZ3の変動表示は継続して行われている。
さらに、図21の例では、リーチが成立する際に、左演出図柄EZ1→右演出図柄EZ3の順で演出図柄が暫定的に停止(仮停止)したが、仮停止する順序(方法)はこれに限られず、適宜に設定することができる。また、リーチを構成する演出図柄の数字も「5」に限られない。また、暫定的に停止(仮停止)する位置も上下方向略中央位置に限られない。また、リーチを構成する演出図柄が並ぶ方向も水平方向に限られず斜め方向など他の方向であってもよい。
このように、リーチ無しハズレである場合の特図変動演出の全期間と、リーチが発生する場合の特図変動演出の開始時からリーチ成立時までの区間を通常変動とすることができる。ただし、リーチが成立するまでの時間は、特図変動パターンなどに基づいて適宜に設定することができる。さらに、リーチが成立するまでの間に、所謂「疑似連」や、カットイン予告、台詞予告などの種々の予告演出を実行することも可能である。あるいは、リーチが成立するまでの間に、所謂「ゾーン」に突入するようにすることも可能である。
4-2-3.Nリーチ
パチンコ遊技機PYは、通常変動の後にリーチが成立するとNリーチを行うことが可能である。Nリーチは、特図抽選の抽選結果が「大当たり」であった可能性があることを示唆する演出であり、遊技者に大当たりを期待させるための演出として機能する。次に、Nリーチを具体的に説明する。
リーチが成立すると、例えば、図21(D)に示すように、その時点からNリーチが行われる。Nリーチでは、図22(A)に示すように、リーチが成立したときの状態が所定時間(例えば、10秒)維持される。Nリーチが開始されると、図22(B)に示すように、通常態様の高速で変動表示(スクロール)をしている中演出図柄EZ2が徐々に減速していく。
特図の可変表示の特図変動パターンがリーチ有りハズレの特図変動パターン(例えば、Nハズレ変動)であると、リーチが成立した状態から、中演出図柄EZ2が上下方向略中央位置で暫定的に停止(仮停止)してハズレを示す演出図柄の停止表示が行われる。このとき、リーチが成立しているので、図22(C-1)に示すように、リーチを構成する数字とは異なる数字(図22(C-1)において「4」)からなる中演出図柄EZ2が仮停止する。そして、特図の可変表示の終了(特図の停止表示)に伴って、図22(D-1)に示すように、仮停止状態が完全な停止状態になり、リーチ有りハズレに特有なハズレ目で左演出図柄EZ1、中演出図柄EZ2および右演出図柄EZ3の停止表示が行われる。
また、暫定的に停止(仮停止)していた演出図柄EZ1~EZ3がリーチ有りハズレに特有なハズレ目で完全に停止するとき、すなわち、演出図柄EZ1~EZ3の停止表示が行われるとき、3つの小図柄KZ1~KZ3が、演出図柄EZ1~EZ3と同一のリーチ有りハズレに特有なハズレ目で一斉に停止し、小図柄KZ1~KZ3の停止表示も行われる。なお、Nリーチの内容は、適宜に変更または追加することが可能である。
Nリーチで特図変動演出が終了しない場合、図22(C-2)に示すように、停止していない残りの1つの中演出図柄EZ2が再び高速で変動すると、表示部50a全体が徐々に白くなっていき、図22(D-2)に示すように、ホワイトアウトした後に、LリーチまたはSPリーチに発展する(切り替わる)ことがある。
4-2-4.Lリーチ
パチンコ遊技機PYは、Nリーチの後にLリーチを行うことが可能である。Lリーチは、特図抽選の結果が「大当たり」である可能性が、Nリーチよりも高いことを示唆する演出であり、遊技者に大当たりを期待させるための演出として機能する。なお、Lリーチでも、成立したリーチが維持されるが、例えば、図23(A)に示すように、Lリーチの開始時に、当該リーチを構成する演出図柄EZ1、EZ3が縮小されると共に、表示部50aにおける小図柄領域50cに重複しない所定位置(例えば、左演出図柄EZ1は表示部50aの左上で、右演出図柄EZ3は表示部50aの右上)に移動する。
また、Lリーチの開始時に、例えば、図23(A)に示すように、表示部50aにLリーチ専用の背景画像(Lリーチ用背景画像G114)が表示される。Lリーチ用背景画像G114は、所定のスーリーが展開する動画で構成されている。Lリーチ用背景画像G114に係る動画のストーリーの内容は適宜に設定可能であるが、基本的な実施形態では、主人公キャラクターが女の子に告白するという内容で構成されている。
Lリーチ用背景画像G114が表示されると、最初に、図23(A)に示すように、主人公キャラクターがある待ち合わせ場所で女の子を待っているシーンから開始される。続いて、図23(B)に示すように、待ち合わせ場所に女の子が現れる。このとき、表示部50aの略中央にて、中演出図柄EZ2として、リーチを構成している数字「5」の演出図柄と、リーチを構成していない数字「4」の演出図柄と、が現れて、奥側から手前側に出てきてはまた奥側へ戻るようにゆっくりと回転する。
数字「4」の演出図柄と数字「5」の演出図柄の回転が継続して行われている中、Lリーチ用背景画像G114に係るスーリーが進展する。そして、図23(C)に示すように、主人公キャラクターが女の子に告白するシーンを迎える。このとき、表示部50aの略中央にて、リーチを構成している数字「5」の演出図柄と、リーチを構成していない数字「4」の演出図柄と、が相互に相手を弾き飛ばそうとぶつかり合う。数字「5」の演出図柄はリーチを構成し、数字「4」の演出図柄はリーチを構成していないことから、数字「4」の演出図柄が弾き飛ばされて数字「5」の演出図柄が残ると、大当たりを示す態様の演出図柄EZ1~EZ3の停止表示が成立する一方、数字「5」の演出図柄が弾き飛ばされて数字「4」の演出図柄が残ると、リーチハズレを示す態様の演出図柄EZ1~EZ3の停止表示が成立する。よって、この図23(C)の場面は、当該Lリーチの最終局面であり、大当たりを示唆する演出(大当たり示唆演出)が実行されるかハズレを示唆する演出(ハズレ示唆演出)が実行されるかに分岐する分岐点(所謂「当落分岐点」)を構成している。
当落分岐点において、特図の可変表示の特図変動パターンが大当たり変動(L大当たり変動)であると、図24(A-1)に示すように、表示部50aに、笑顔の女の子がアップで表示された後、図24(B-1)に示すように、告白に成功して喜んでいる主人公キャラクターが表示されると共に、スピーカー52から所定の効果音が出力される。このとき、リーチを構成している数字「5」の左演出図柄EZ1および右演出図柄EZ3と共に、そのリーチを構成している数字「5」の中演出図柄EZ2が表示部50aの中央に仮停止態様で表示される。すなわち、演出図柄EZ1~EZ3が大当たりを示す態様で仮停止表示している。
告白に成功して喜んでいる主人公キャラクターの表示と、所定の効果音の出力とは、大当たり示唆演出を構成する。大当たり示唆演出の後は、図24(C-1)に示すように、大当たりを示す態様で演出図柄EZ1~EZ3および小図柄KZ1~KZ3の停止表示が行われる。
一方、当落分岐点後、特図の可変表示の特図変動パターンがリーチ有りハズレ変動(Lハズレ変動)であると、大当たり示唆演出が行われることなく、Lリーチ用背景画像G114にて、図24(A-2)に示すように、表示部50aに、悲しい表情をした女の子がアップで表示された後、図24(B-2)に示すように、告白に失敗して落胆している主人公キャラクターが表示される。このとき、リーチを構成している数字「5」の左演出図柄EZ1および右演出図柄EZ3と共に、リーチを構成していない数字「5」の中演出図柄EZ2が表示部50aの中央に仮停止態様で表示される。すなわち、演出図柄EZ1~EZ3がリーチハズレを示す態様で仮停止表示している。
告白に失敗して落胆している主人公キャラクターの表示は、ハズレ示唆演出を構成する。ハズレ示唆演出の後は、図24(C-2)に示すように、リーチ用のハズレ目で演出図柄EZ1~EZ3および小図柄KZ1~KZ3の停止表示が行われる。
4-2-5.SPリーチ
また、パチンコ遊技機PYは、Nリーチの後にSPリーチを行うことが可能である。SPリーチは、特図抽選の結果が「大当たり」である可能性が、Lリーチよりも高いことを示唆する演出であり、遊技者に大当たりを期待させるための演出として機能する。なお、SPリーチでも、成立したリーチが維持されるが、例えば、図25(A)に示すように、SPリーチの開始時に、当該リーチを構成する演出図柄EZ1、EZ3が縮小されると共に、表示部50aにおける小図柄領域50cに重複しない所定位置(例えば、左演出図柄EZ1は表示部50aの左上で、右演出図柄EZ3は表示部50aの右上)に移動する。
また、SPリーチの開始時に、例えば、図25(A)に示すように、表示部50aにSPリーチ専用の背景画像(SPリーチ用背景画像G115)が表示される。SPリーチ用背景画像G115は、所定のスーリーが展開する動画で構成されている。SPリーチ用背景画像G115に係る動画のストーリーの内容は適宜に設定可能であるが、基本的な実施形態では、主人公キャラクターと、主人公キャラクターのライバルである敵キャラクターとが対決するという内容で構成されている。なお、主人公キャラクターは野球のピッチャーであり、敵キャラクターは野球のバッターであり、両者は野球の試合においてピッチャーとバッターの立場で対決する。
SPリーチ用背景画像G115が表示されると、最初に、図25(A)に示すように、敵キャラクターが出現し、続いて、図25(B)に示すように、表示部50aの中央にSPリーチが開始されたことを表す画像(SPリーチ開始タイトル画像)G11が表示される。SPリーチ開始タイトル画像G11は、SPリーチのタイトルを表すタイトル画像G11a「図25(B)において「敵バッター○○を打ち取れ!!」」と、タイトル画像G11aを引き立てるエフェクト画像G11bとで構成される。
次に、図25(C)に示すように、主人公キャラクターと敵キャラクターが対峙しているシーンが表示される。その後、SPリーチ用背景画像G115にて、図26(A)に示すように、主人公キャラクターがボールを投げ、図26(B)に示すように、ボールが敵キャラクターに向かって進み、図26(C)に示すように、敵キャラクターがバットを振り始める。続いて、図26(D)に示すように、ボールとバットとが接近し、主人公キャラクターと敵キャラクターとの対決に決着がつこうとする場面を迎える。この場面は、ピッチャーとバッターの対決で主人公キャラクターが勝利して大当たりが示唆されるか敗北してハズレが示唆されるかの分岐点(当落分岐点)を構成する。
この当落分岐点後、特図の可変表示の特図変動パターンが大当たり変動(SP大当たり変動)であると、図27(A-1)に示すように、表示部50aに、敵キャラクターが空振りをして対決に勝利した後、図27(B-1)に示すように、敵キャラクターを三振に取ってマウンド上で雄叫びを上げる主人公キャラクターが表示されると共に、スピーカー52から所定の効果音が出力される。このとき、演出図柄EZ1~EZ3は大当たりを示す態様で仮停止表示している。
対決に勝利して雄叫びを上げている主人公キャラクターの表示と、所定の効果音の出力とが、大当たり示唆演出を構成する。大当たり示唆演出の後は、図27(C-1)に示すように、大当たりを示す態様で演出図柄EZ1~EZ3および小図柄KZ1~KZ3の停止表示が行われる。
一方、当落分岐点後、特図の可変表示の特図変動パターンがリーチハズレ変動(SPハズレ変動)であると、大当たり示唆演出が行われることなく、SPリーチ用背景画像G115にて、図27(A-2)に示すように、敵キャラクターがホームランを打って対決に敗北し、図27(B-2)に示すように、主人公キャラクターがマウンド上で落胆する。このとき、演出図柄EZ1~EZ3はリーチハズレを示す態様で仮停止表示している。
対決に敗北して落胆している主人公キャラクターの表示が、ハズレ示唆演出を構成する。ハズレ示唆演出の後は、図27(C-2)に示すように、リーチ用のハズレ目で演出図柄EZ1~EZ3および小図柄KZ1~KZ3の停止表示が行われる。
なお、リーチの詳細な表示態様に関わらず、少なくとも中演出図柄EZ2が変動表示すると共に、左演出図柄EZ1、および右演出図柄EZ3によってリーチが形成されているときの演出図柄EZ1~EZ3の変動表示の表示態様のことを「リーチ変動態様」と称することもある。また、図21(D)に示すように、リーチが成立すること、言い換えると、リーチ成立示唆画像G11が表示されることは、演出図柄EZ1~EZ3の変動表示の表示態様がリーチ変動態様になったことを報知する演出(リーチ成立報知演出)を構成する。ただし、リーチ成立報知演出の演出内容は、リーチ成立示唆画像G11の表示に限られない。例えば、左演出図柄EZ1、および右演出図柄EZ3の仮停止表示が確定した直後に、当該左演出図柄EZ1、および右演出図柄EZ3が一瞬拡大して元に戻るような動作を行うことをリーチ成立報知演出にしても良い。さらには、リーチ成立報知演出として、当該リーチの成立、言い換えると演出図柄EZ1~EZ3の変動表示の表示態様がリーチ変動態様になったことに対応付けられた特定の効果音を出力しても良い。
次に、特図変動演出において行われる可動体演出と操作演出について説明する。可動体演出と操作演出は、前述のSPリーチ、Lリーチ、およびNリーチ、さらには大当たり遊技演出などに組み込まれる形でこれらの演出の一部として行われる場合と、これらの演出とは独立して行われる場合とがある。最初に可動体演出について説明する。
4-3.可動体演出
パチンコ遊技機PYは、特図変動演出や大当たり遊技演出などの所定の演出における所定のタイミングで可動体の動作を伴う可動体演出を行うことが可能である。可動体演出は、例えば盤可動装置55などの可動装置を用いた演出であり、大当たり期待度やSPリーチへの発展を示唆する演出として機能する。
例えば、可動体演出がSPリーチへの発展を示唆する演出として機能する場合、図28(A)に示すように、特図変動演出において、NリーチからSPリーチに発展する際に、まずは図28(B)に示すように、盤可動装置55が作動し、盤可動体55kが正面視で作動位置まで下降し、所定時間その位置で保持される。さらに、このとき、表示部50aの全体に、盤可動体55kの動作に伴うエフェクト画像G13も表示される。そして、図28(C)に示すように、エフェクト画像G13が消去され、盤可動体55kが待機位置まで上昇して、盤可動装置55が通常の待機状態に戻る。盤可動装置55が通常の待機状態に戻ると、SPリーチに発展する。なお、可動体演出における可動装置の作動内容は、適宜に変更または追加することが可能である。
4-4.操作演出
次に操作演出について説明する。パチンコ遊技機PYは、特図変動演出や大当たり遊技演出などの所定の演出における所定のタイミングで、操作促進演出、および第1演出ボタン40kや第2演出ボタン41k等の操作に応じた操作結果演出を含む操作演出を行うことが可能である。操作促進演出は、遊技者に操作手段の操作を促す演出であり、操作結果演出は、操作促進演出における操作手段の操作に応じて行われる演出であり、それぞれ遊技者に大当たりを期待させるための演出として機能する。
例えば、前述のように、LリーチやSPリーチにおいて当落分岐点に達すると、第1演出ボタン40kの押下操作が有効な期間(操作有効期間)が発生し、この操作有効期間の発生に伴って、図29(A)に示すように、第1演出ボタン40kの操作を促す演出(操作促進演出)が行われる。
操作促進演出において、表示部50aに、第1ボタン操作促進演出画像G12が表示される。第1ボタン操作促進演出画像G12は、操作対象である第1演出ボタン40kを表す画像(操作対象画像)G12aと、第1演出ボタン40kの操作態様(すなわち、押下操作)を表す画像(押下操作画像)G12bと、第1演出ボタン40kの操作に係る操作有効期間(操作有効期間)の残り時間を表す画像(操作有効期間残り時間画像)G12cと、を含む。
なお、操作有効期間残り時間画像G12cは、おおむね曲線状のプログレスバーからなり、時間の経過に伴って、遊技者が操作有効期間の残り時間を容易に理解できるように変化する。なお、図29(B)は、操作有効期間が発生して、操作有効時間の1/3の時間が経過した様子を表している。
そして、特図の可変表示の特図変動パターンが大当たり変動(SP大当たり変動)であると、操作有効期間において第1演出ボタン40kが押下操作された後、または、操作有効期間において第1演出ボタン40kが操作されることなく操作有効期間の残り時間がなくなった後、操作結果演出が行われる。
操作結果演出としては、例えば図29(C)に示すように、盤可動装置55が作動して、盤可動体55kが作動位置まで下降し、所定時間その位置で保持されると共に、回転部材55k1が所定時間回転する。このように、操作結果演出に可動体演出も含まれている。さらに、このとき、操作結果演出として、表示部50aの全体に、盤可動体55kの動作に伴うエフェクト画像G13が表示される。そして、図29(D)に示すように、エフェクト画像G13が消去され、回転部材55k1の回転が止まり、盤可動体55kが上昇することによって操作結果演出が終了する。操作結果演出が終了すると大当たり示唆演出が行われる。
一方、特図の可変表示の特図変動パターンがリーチハズレ変動(SPハズレ変動)であると、操作有効期間において第1演出ボタン40kが押下操作されても、または、第1演出ボタン40kが押下操作されることなく演出ボタン操作有効期間の残り時間がなくなっても、操作結果演出が行われることがなく、ハズレ示唆演出が行われる。
なお、操作結果演出は、盤可動装置55の作動やエフェクト画像G13の表示に限られず、適宜に変更または追加することが可能である。また、操作演出は特図変動演出に限られず大当たり演出においても実行可能である。
4-5.先読み演出
次に、特図保留の対象となる特図可変表示が実行される前に実行可能な先読み演出について説明する。パチンコ遊技機PYは、特図変動演出の任意のタイミングで、先読み判定の結果に基づいて、大当たり判定が行われていない特図1保留または特図2保留に対する先読み演出を行うことが可能である。先読み演出は、特図1保留または特図2保留に対する大当たり期待度を示唆する演出であり、その保留に対応する特図の可変表示の前から大当たりを期待させる演出として機能する。先読み演出の一例として、特図保留を表す保留演出を用いた保留変化予告がある。ここで、通常演出モードにおいて行われる保留演出、および保留変化予告について説明する。
保留演出は、図30(A)に示すように、表示部50aの下端部における略中央の一区画において横長矩形状に形成された保留表示領域50dにおいて行われる。保留表示領域50dは、保留表示領域50dを左右方向に略均等に4つに分割した第1領域50d1、第2領域50d2、第3領域50d3、および、第4領域50d4で構成されている。すなわち、保留表示領域50dにおいて、第1領域50d1~第4領域50d4が左端から右端に向けて順に並んで設けられている。
第1領域50d1には、保留されている特図1保留の中で最も先に発生し、その特図1保留に対応する特図1関係乱数に基づいて最も先に特図1可変表示が行われる特図1保留を表す保留アイコンが表示される。同様に、第2領域50d2~第4領域50d4には、保留されている特図1保留の中で2~4番目に発生し、その特図1保留に対応する特図1関係乱数に基づいて2~4番目に特図1可変表示が行われる特図1保留を表す保留アイコンが表示される。
なお、以下において、第1領域50d1に表示される保留アイコンに対応する特図1保留のことを「保留順1の特図1保留」と称する。同様に、第2領域50d2、第3領域50d3、および第4領域50d4に表示される保留アイコンに対応する特図1保留のことを「保留順2の特図1保留」、「保留順3の特図1保留」、および「保留順4の特図1保留」と称する。すなわち、存在している特図1保留について、発生した順に「保留順1」~「保留順4」と称する。
また、保留表示領域50dの左隣には、当該表示領域50eが形成されている。当該表示領域50eには、現在実行中の特図1変動表示を表す当該アイコンが表示される。よって、当該表示領域50eに表示される当該アイコンが示す対象は、保留表示領域50dに表示される保留アイコンが示す対象と異なり、厳密には、特図1保留に応じた「保留演出」には含まれないが、保留アイコンの表示と当該アイコンの表示とは関連性を有しているので、以下においては、保留アイコンの表示と当該アイコンの表示とをまとめて、「保留演出」とする。また、保留アイコンと当該アイコンとをまとめて、「アイコン」と称する。さらに、当該アイコンが示す実行中の特図1変動表示を「当該変動」とも称する。
なお、図30(A)において保留表示領域50dおよび当該表示領域50eは一点鎖線で明示され、第1領域50d1~第4領域50d4は破線で明示されているが、これは保留表示領域50d、第1領域50d1~第4領域50d4、および当該表示領域50eの範囲を表すために記載したものであり、実際には表示されていない。
次に、保留演出の具体例について説明する。なお、以降の説明では、小図柄KZ1~KZ3の可変表示は省略する。前提として、特図1変動表示中(特図変動演出中)であり、特図1保留数(U1)が「2」であるとする。この状況下において、図30(B)に示すように、前述した不図示の第1領域50d1において、現在保留されている特図1保留の中で最も先に発生した特図1保留(保留順1の特図1保留)を表した保留アイコンHA2が表示され、前述した不図示の第2領域50d2において、保留アイコンHA2が表す特図1保留の次に発生した特図1保留(保留順2の特図1保留)を表した保留アイコンHA3が表示されている。また、前述した不図示の当該表示領域50eには、現在実行中の特図1変動表示を表す当該アイコンHA1が表示されている。なお、図30(B)で表示されているアイコンHA1~HA3の表示態様は通常態様である。
このように、保留演出においては、特図1保留が発生した順に保留表示領域50dの左端から右に並んで表示される。すなわち、保留されている特別図柄の可変表示、言い換えれば、特図保留記憶部105に記憶されている特図関連判定情報に基づく未実行の特別図柄の可変表示は、個別に保留アイコンで表示される。
そして、図30(C)に示すように、演出図柄EZ1~EZ3の停止表示が行われると、その直前まで実行中の特図変動表示を表していた当該アイコンHA1が消去される。続けて、保留アイコンHA2を表す特図1保留に基づいて特別図柄の可変表示(特図変動演出)が開始されると、保留アイコンHA2と保留アイコンHA3がシフトする。具体的には、不図示の第1領域50d1に表示されていた保留アイコンHA2は不図示の当該表示領域50eに移動し、不図示の第2領域50d2に表示されていた保留アイコンHA3は不図示の第1領域50d1に移動する。すなわち、表示されていた保留アイコンHA2および保留アイコンHA3がそれぞれ1つずつ左にシフトする。これは、保留アイコンHA2に対応する特別図柄の可変表示が開始され、保留アイコンHA3が表す特図1保留が、現在保留されている特図1保留の中で最も先に発生した特図1保留になり、次に開始される特図可変表示になったことに応じて、保留アイコンHA2および保留アイコンHA3をその状況に適応させるためである。
また、当該表示領域50eに表示されている保留アイコンHA2は、実行中の特図1変動表示を表しているので、当該表示領域50eに表示される際に当該アイコンHA2となる。すなわち、「アイコン」の前に付く言葉として、保留表示領域50dに表示されているアイコンについては「保留」とし、当該表示領域50eに表示されているアイコンについては「当該」とする。換言すれば、保留アイコンが表示されているときに、該保留アイコンが示す特図保留に対して特別図柄の変動表示の開始条件が成立すると、該開始条件の成立に係る特別図柄の変動表示に対応する保留アイコンが当該アイコンとして表示される。
なお、保留アイコンから当該アイコンになる際に、言い換えると、アイコンは保留表示領域50dから当該表示領域50eに移動する際に、アイコンの大きさが同一のままでも拡大されても良い。図30(C)では、アイコンは保留表示領域50dから当該表示領域50eに移動する際に約2倍に拡大している。
そして、この状況から第1始動口11に遊技球が入賞して、特図1保留が発生すると、図30(E)に示すように、当該特図1保留の発生に応じて、新たな保留アイコンHA4が前述した不図示の第2領域50d2に表示される。
このように、第1始動口11に入賞して特図1関係乱数が取得されると、1つの共通したアイコンが表示される。このアイコンは、当該入賞に基づく特図1可変表示が終了すると消去されるが、表示されている間は、当該特図1可変表示の置かれている状態(保留の状態および実行中の状態)に応じて、異なる名称(保留アイコンおよび当該アイコン)で存在していることになる。
ところで、前述のとおり、始動入賞コマンドには当否情報および特図変動パターン情報が含まれている。そして、パチンコ遊技機PYは、この当否情報および特図変動パターン情報に基づいて、保留アイコンを通常態様、または特別態様で表示することができる。この保留アイコンを特別態様で表示することを「保留変化予告」という。
保留アイコンの表示態様が特別態様である、すなわち保留変化予告が行われると、遊技者は、その保留アイコンに対応した特別図柄の可変表示で大当たりに当選できるかもしれないという期待を持つことができる。次に、保留変化予告の具体例について説明する。保留変化予告の具体例として、図30(E)に示す保留アイコンHA4の表示態様が特別態様になるとする。
保留変化予告の1つの種別として、保留アイコンが表示された直後に特別態様になる、言い換えれば、特図1保留の発生時(第1始動口11への入賞時)に保留変化予告が行われる保留予告種別がある。例えば、図31(A)に示すように、保留アイコンHA4が表示される前の状況(図30(D)の状況)から、第1始動口11に遊技球が入賞して、特図1保留が発生すると、図30(E)の場合と同様に、当該特図1保留の発生に応じて、通常態様の保留アイコンHA4が前述した不図示の第2領域50d2に表示される。なお、図面においては、通常態様の保留アイコンは完全に静止しているように見えるが、実際には、基本的には、完全に静止状態にするようにしても、表示位置は移動しないがその場で軽く揺れたりするように構成しても良い。
そして、その直後に、図31(B)に示すように、保留アイコンHA4の表示態様が通常態様から特別態様(図31(B)において灰色)に変化する(保留変化予告が行われる)。なお、図31の例では保留アイコンHA4は表示直後に一瞬通常態様で表示されるが、特別態様で表示されるようにし、通常態様で表示される期間をなくしてもよい。
別の保留変化予告の種別として、保留アイコンが移動する際に特別態様になる、言い換えれば、特図1保留のシフト時に保留変化予告が行われる保留予告種別がある。例えば、図32(A)に示すように、保留アイコンHA4が表示される前の状況(図30(D)の状況)から、第1始動口11に遊技球が入賞して、特図1保留が発生すると、図32(B)に示すように、当該特図1保留の発生に応じて、通常態様(図32(B)において白色)の保留アイコンHA4が前述した不図示の第2領域50d2に表示される。
そして、図32(C)に示すように、演出図柄EZ1~EZ3の停止表示が行われると、その直前まで実行中の特図変動表示を表していた当該アイコンHA2が消去される。続けて、保留アイコンHA3が表す特図1保留に基づいて特別図柄の可変表示(特図変動演出)が開始されると、図32(D)に示すように、第1領域50d1に表示されていた保留アイコンHA3は不図示の当該表示領域50eに移動し、第2領域50d2に表示されていた保留アイコンHA4は不図示の第1領域50d1に移動する。ここで、保留アイコンHA4が第2領域50d2から第1領域50d1に移動する際に、その表示態様が通常態様から特別態様(図32(D)において灰色)に変化する(保留予告が行われる)。
また、保留変化予告に係る特別態様を複数種類設けて、特別態様の種類によって大当たり期待度が異なるようにすることができる。例えば、保留アイコンの表示態様を、保留アイコンの色に関連付け、保留アイコンの表示態様として白色、緑色、赤色、および金色が設定されているとする。ここで、白色が通常態様であり、緑色、赤色、および金色が特別態様とする。そして、保留アイコンの表示態様が示す大当たり期待度は、白色<緑色<赤色<金色の順で高くなるように設定することができる。
なお、先読み演出は、特図1保留および特図2保留の両方または一方に対して行うことが可能である。また、先読み演出は、保留アイコンHAの表示態様に限られず、例えば背景画像などの表示部50aにおける保留アイコンHA以外の画像や、スピーカー52から出力される音、枠ランプ53による発光、および盤可動装置55による動作などの画像表示装置50以外の演出装置を用いて実行することが可能である。さらには、先読み演出の演出態様として、保留アイコンHAによる保留変化予告などのように実行されてから特図変動表示が開始されるまで途切れることなく継続する演出態様の他に、演出図柄の停止表示が行われる度または演出図柄の変動表示が開始される度など、断続的且つ連続的に実行する演出態様にしても良い。
5.遊技制御用マイコン101による遊技の制御
[遊技制御メイン処理]
次に図33~図42に基づいて遊技制御用マイコン101による遊技の制御について説明する。なお、以下に説明する遊技を制御するためのフローチャートは、一例である。そして、フローチャートにおける複数の処理については、処理内容に矛盾が生じない範囲で、適宜に実行順序を変更し、または並列に実行することができる。
また、以下において説明する遊技制御用マイコン101による遊技の制御において登場するカウンタ、タイマー、フラグ、ステータス、バッファ等は、遊技用RAM104に設けられている。また、カウンタの初期値は「0」であり、フラグの初期値は「0」つまり「OFF」であり、ステータスの初期値は「1」である。
遊技制御基板100に備えられた遊技制御用マイコン101は、パチンコ遊技機PYが電源投入されると、遊技用ROM103から図33に示した遊技制御メイン処理のプログラムを読み出して実行する。同図に示すように、遊技制御メイン処理では、まず、電源投入時処理(S001)を行う。電源投入時処理では、遊技用RAM104へのアクセスの許可設定、遊技用CPU102の設定、SIO(SyStem Input/Output)、PIO(Parallel Input/Output)、CTC(Counter/Timer Circuit:割り込み時間の管理のための回路)の設定等が行われる。
電源投入時処理に次いで、割り込みを禁止し(S002)、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)を実行する。この普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)では、普図関連判定情報および特図関連判定情報に係る種々の乱数のカウンタ値を1加算して更新する。各乱数のカウンタ値は上限値に達すると「0」に戻って再び加算される。なお各乱数のカウンタの初期値は「0」以外の値であってもよく、ランダムに変更されるものであってもよい。また各乱数のうちの少なくとも一部は、カウンタIC等からなる公知の乱数生成回路を利用して生成される所謂ハードウェア乱数であってもよい。
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)が終了すると、割り込みを許可する(S004)。割り込み許可中は、遊技制御側タイマー割り込み処理(S005)の実行が可能となる。遊技制御側タイマー割り込み処理(S005)は、例えば4msec周期で遊技用CPU102に繰り返し入力される割り込みパルスに基づいて実行される。すなわち、遊技制御側タイマー割り込み処理(S005)は4msec周期で実行される。そして、遊技制御側タイマー割り込み処理(S005)が終了してから、次に遊技制御側タイマー割り込み処理(S005)が開始されるまでの間に、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)による種々の乱数のカウンタ値の更新処理が繰り返し実行される。なお、割り込み禁止状態のときに遊技用CPU102に割り込みパルスが入力された場合は、遊技制御側タイマー割り込み処理(S005)はすぐには開始されず、割り込み許可(S004)がされてから開始される。
[遊技制御側タイマー割り込み処理]
次に、遊技制御側タイマー割り込み処理(S005)について説明する。図34に示すように、遊技制御側タイマー割り込み処理(S005)では、まず出力処理(S101)を実行する。出力処理(S101)では、以下に説明する各処理において遊技制御基板100の遊技用RAM104に設けられた出力バッファにセットされたコマンド等を、演出制御基板120や払出制御基板170等に出力する。
出力処理(S101)に次いで行われる入力処理(S102)では、遊技制御用マイコン101は、余剰球貯留穴35Aの満杯を検出する下皿満杯スイッチからの検出信号を取り込み、下皿満杯データとして遊技用RAM104の出力バッファに記憶する。
次に行われる普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)は、図33の遊技制御メイン処理で行う普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)と同じである。即ち、普図関連判定情報および特図関連判定情報に係る各種乱数のカウンタ値の更新処理は、遊技制御側タイマー割り込み処理(S005)の実行期間と、それ以外の期間(メイン側タイマー割り込み処理(S005)の終了後、次の遊技制御側タイマー割り込み処理(S005)が開始されるまでの期間)との両方で行われている。
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)に次いで、遊技制御用マイコン101は、センサ検知処理(S104)を行い、続いて普通動作処理(S105)を行い、さらに特別動作処理(S106)を行う。センサ検知処理、普通動作処理および特別動作処理については後述する。
次に、遊技制御用マイコン101は、その他の処理(S107)を実行して、遊技制御側タイマー割り込み処理(S005)を終了する。その他の処理(S107)としては、電源が断たれる際の電源断監視処理、遊技用RAM104に設けられているタイマーの更新などが行われる。また、その他の処理(S107)として、遊技者に賞球を払い出す払出制御処理が行われる。払出制御処理では、第1始動口11用の賞球カウンタ、第2始動口12用の賞球カウンタ、大入賞口14用の賞球カウンタ、及び、一般入賞口10用の賞球カウンタが「0」を超えているか否かのチェックを行い、「0」を超えていると、賞球要求信号を払出制御基板170に送信する。そして、賞球信号を送信するとき、その信号に係る賞球カウンタを「1」減算する更新処理を行う。
そして、遊技制御用マイコン101は、次に遊技用CPU102に割り込みパルスが入力されるまでは遊技制御メイン処理のステップS002~S004の処理を繰り返し実行し、割り込みパルスが入力されると(約4msec後)、再び遊技制御側タイマー割り込み処理(S005)を実行する。遊技制御用マイコン101は、再び実行された遊技制御側タイマー割り込み処理(S005)の出力処理(S101)において、前回の遊技制御側タイマー割り込み処理(S005)にて遊技用RAM104の出力バッファにセットされたコマンド等を出力する。
[センサ検知処理]
次に、図35~図36を用いてセンサ検知処理について説明する。センサ検知処理(S104)ではまず、一般入賞口10に遊技球が入賞したか否か、即ち、一般入賞口センサ10aによって遊技球が検出されたか否か判定する(S201)。一般入賞口10に遊技球が入賞していない場合(S201でNO)にはステップS203に進み、一般入賞口10に遊技球が入賞した場合には(S201でYES)、遊技球に所定個数の賞球を払い出すための一般入賞口賞球処理を行う(S202)。一般入賞口賞球処理では、一般入賞口10用の賞球カウンタに、一般入賞口10への入賞に応じた賞球個数(基本的な実施形態において「3」)を加算する。
ステップS203では、遊技球がゲート13を通過したか否か、即ち、ゲートセンサ13aによって遊技球が検出されたか否か判定する。遊技球がゲート13を通過していなければ(S203でNO)、ステップS207に進む。一方、遊技球がゲート13を通過していれば(S203でYES)、後述する普通動作ステータス=1であるか否か、言い換えれば、普図可変表示または補助遊技の何れも行われていないか否かを判定する(S204)。普通動作ステータス=1でない場合には(S204でNO)、ステップS207に進み、普通動作ステータス=1である場合(S204でYES)には、普通図柄乱数カウンタ(ラベル-TRND-F)のカウンタ値が示す普通図柄乱数を普図関連判定情報として取得し(S205)、取得した普図関連判定情報を、遊技用RAM104に設けられた普図保留記憶部86に記憶して(S206)、ステップS207に進む。
ステップS207では、第2始動口12に遊技球が入賞したか否か、即ち、第2始動口センサ12aによって遊技球が検出されたか否か判定する。第2始動口12に遊技球が入賞していない場合(S207でNO)にはステップS214に進み、第2始動口12に遊技球が入賞した場合には(S207でYES)、遊技球に所定個数の賞球を払い出すための第2始動口賞球処理を行う(S208)。第2始動口賞球処理では、第2始動口12用の賞球カウンタに、第2始動口12への入賞に応じた賞球個数(基本的な実施形態において「2」)を加算する。
次に、特図2保留数(具体的には遊技用RAM104に設けた特図2保留数をカウントするカウンタ(特図2保留数カウンタ)の数値)が「4」(上限記憶数)以上であるか否か判定する(S209)。特図2保留数が「4」以上である場合(S209でYES)には、ステップS214に進むが、特図2保留数が「4」以上でない(「4」未満である)場合には(S209でNO)、特図2保留数加算処理を行う(S210)。特図2保留数加算処理では、特図2保留数カウンタを「1」加算し、特図2保留表示器83bが示す特図2保留数を「1」増加させる。
続いて、特別図柄乱数カウンタ(ラベル-TRND-T)、大当たり図柄種別乱数カウンタ(ラベル-TRND-OS)、リーチ乱数カウンタ(ラベル-TRND-RC)及び特図変動パターン乱数カウンタ(ラベル-TRND-HP)からなる特図2関連判定情報を取得し、遊技用RAM104に設けられた特図関連判定情報用バッファに記憶する(S211)。
次に、第2先読み判定処理を行う(S212)。第2先読み判定処理では、図14に示す第2先読み判定テーブルに、現在の遊技状態とステップS211で取得した特図2関連判定情報とを照合して第2始動入賞コマンドを特定し、特定した第2始動入賞コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。
続いて、遊技制御用マイコン101は、ステップS211で取得した特図2関連判定情報を特図2保留記憶部105bに記憶する(S213)。
続いて、ステップS214では、第1始動口11に遊技球が入賞したか否か、即ち、第1始動口センサ11aによって遊技球が検出されたか否か判定する。第1始動口11に遊技球が入賞していない場合(S214でNO)にはステップS221に進み、第1始動口11に遊技球が入賞した場合には(S214でYES)、遊技球に所定個数の賞球を払い出すための第1始動口賞球処理を行う(S215)。第1始動口賞球処理では、第1始動口11用の賞球カウンタに、第1始動口11への入賞に応じた賞球個数(基本的な実施形態において「4」)を加算する。
次に、特図1保留数(具体的には遊技用RAM104に設けた特図1保留の数をカウントするカウンタ(特図1保留数カウンタ)の数値)が「4」(上限記憶数)以上であるか否か判定する(S216)。特図1保留数が「4」以上である場合(S216でYES)には、ステップS221に進むが、特図1保留数が「4」以上でない(未満である)場合には(S216でNO)、特図1保留数加算処理を行う(S217)。特図1保留数加算処理では、特図1保留数カウンタを「1」加算し、特図1保留表示器83aが示す特図1保留数を「1」増加させる。
続いて、特別図柄乱数カウンタ(ラベル-TRND-T)、大当たり図柄種別乱数カウンタ(ラベル-TRND-OS)、リーチ乱数カウンタ(ラベル-TRND-RC)及び特図変動パターン乱数カウンタ(ラベル-TRND-HP)からなる特図1関連判定情報を取得し、遊技用RAM104に設けられた特図関連判定情報用バッファに記憶する(S218)。
次に、第1先読み判定処理を行う(S219)。第1先読み判定処理では、図13に示す第1先読み判定テーブルに、現在の遊技状態とステップS218で取得した特図1関連判定情報とを照合して第1始動入賞コマンドを特定し、特定した第1始動入賞コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。
続いて、遊技制御用マイコン101は、ステップS218で取得した特図1関連判定情報を特図1保留記憶部105aのうち現在の特図1保留数に応じた記憶領域に記憶する(S220)。
ステップS221では、大入賞口14に遊技球が入賞したか否か、即ち、大入賞口センサ14aによって遊技球が検出されたか否か判定する。大入賞口14に遊技球が入賞していない場合(S221でNO)にはセンサ検知処理を終了し、大入賞口14に遊技球が入賞した場合には(S221でYES)、遊技用RAM104に設けられた大入賞口入賞カウンタのカウンタ値が「9」以上であるか否かを判定する(S222)。大入賞口入賞カウンタは、大当たり遊技の1回のラウンド遊技において大入賞口14に入賞した個数を計数するためのカウンタである。なお、大入賞口入賞カウンタは各ラウンド遊技が終了するたびにクリアされる。基本的な実施形態では、1回のラウンド遊技において賞球に関われる大入賞口14への入賞個数(入賞規定個数)が「10」に設定されている。よって、ステップS222の処理が行われる。
大入賞口入賞カウンタのカウンタ値が「11」以上であると(S222でYES)、センサ検知処理を終了し、大入賞口入賞カウンタのカウンタ値が「11」以上でない、すなわち、「11」未満であると(S222でNO)、大入賞口入賞カウンタのカウンタ値を「1」加算し(S223)、遊技者に所定個数の賞球を払い出すための大入賞口賞球処理を行い(S224)、センサ検知処理を終了する。なお、大入賞口賞球処理では、大入賞口14用の賞球カウンタに、大入賞口14への入賞に応じた賞球個数(基本的な実施形態において「9」)を加算する。
なお、遊技球を検知可能なセンサとして、センサ10a~14a以外のセンサを設け、そのセンサが遊技球を検知したことに基づいて、図35~図36に示す処理以外の処理を行うようにしても良い。
[普通動作処理]
次に、普図表示器82および電チュー12Dの制御に関する普通動作処理について説明する。図37に示すように、普図表示器82および電チュー12Dに関する処理が4つのステータス(段階)に分けられている。そして、それらの各ステータスに「普通動作ステータス=1,2,3,4」が割り当てられている。遊技制御用マイコン101は、普通動作処理(S105)において、最初に、「普通動作ステータス」を確認する(S1101)。「普通動作ステータス」が「1」である場合には、普通図柄待機処理(S1102)を行い、「普通動作ステータス」が「2」である場合には、普通図柄変動処理(S1103)を行い、「普通動作ステータス」が「3」である場合には、普通図柄確定処理(S1104)を行い、「普通動作ステータス」が「4」である場合には、補助遊技制御処理(S1105)を行う。なお「普通動作ステータス」は初期設定で「1」に設定される。
普通図柄待機処理(S1102)は、普図の可変表示および補助遊技が行われていない待機中に行われる処理である。普通図柄待機処理(S1102)では、普図保留記憶部86に記憶された普通図柄乱数に基づいて当たり判定を行う。さらに、現在の遊技状態に基づいて普図変動パターン判定を行って普図変動パターンを決定し、決定した普図変動パターンに応じた普図変動時間の普図の変動表示を普図表示器82に開始させて、普通動作ステータスを「2」に変更する。また、遊技制御用マイコン101は、普図の変動表示の開始時に、普図変動パターン判定結果に応じた普図変動開始コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。
普通図柄変動処理(S1103)は、普図が変動表示しているときに行われる処理である。普通図柄変動処理(S1103)では、実行中の普図の変動表示が開始してから普図変動時間が経過したか否か(普図の変動表示を終了させるか否か)を判定し、普図変動時間が経過したと判定されれば、当たり判定結果に基づいて普図の停止表示を行って、普通動作ステータスを「3」に変更する。また、遊技制御用マイコン101は、普図の変動表示の開始時に、普図変動停止コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。
普通図柄確定処理(S1104)は、普図が停止表示しているときに行われる処理である。普通図柄確定処理(S1104)では、実行中の普図の停止表示が開始してから所定の停止時間(例えば、0.8秒)が経過したか否か(普図の停止表示を終了させるか否か)を判定し、所定の停止時間が経過したと判定されれば、停止表示している普図が当たり図柄であるか否かを判定する。当たり図柄でなければ(停止表示している普図がハズレ図柄であれば)、普通動作ステータスを「1」に変更する。一方、当たり図柄が停止表示していれば、普通動作ステータスを「4」に変更して、現在の遊技状態および補助遊技制御テーブルに基づいて補助遊技を開始させる。さらに、遊技制御用マイコン101は、補助遊技の開始時に、補助遊技開始コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。
補助遊技制御処理(S1105)は、補助遊技が行われているときに行われる処理である。補助遊技制御処理(S1105)では、現在の遊技状態および補助遊技制御テーブルに基づいて補助遊技を制御する。そして、補助遊技が終了すれば、普通動作ステータスを「1」に変更する。
[特別動作処理]
次に、特図表示器81、特図保留表示器83および大入賞装置14Dの制御に関する特別動作処理について説明する。図38に示すように、特図表示器81、特図保留表示器83および大入賞装置14Dに関する処理は、5つのステータス(段階)に分けられている。そして、それらの各ステータスに「特別動作ステータス=1,2,3,4,5」が割り当てられている。遊技制御用マイコン101は、最初に「特別動作ステータス」を確認する(S1501)。
遊技制御用マイコン101は、「特別動作ステータス」が「1」である場合には、特別図柄待機処理(S1502)を行い、「特別動作ステータス」が「2」である場合には、特別図柄変動処理(S1503)を行い、「特別動作ステータス」が「3」である場合には、特別図柄確定処理(S1504)を行い、「特別動作ステータス」が「4」である場合には、大当たり遊技制御処理(S1505)を行い、「特別動作ステータス」が「5」である場合には、遊技状態設定処理(S1506)を行う。なお「特別動作ステータス」は初期設定で「1」に設定される。
特別図柄待機処理(S1502)は、特別図柄の可変表示、大当たり遊技が行われていない待機中に行われる処理である。特別図柄待機処理については後に詳述する。
特別図柄変動処理(S1503)は、特別図柄が変動表示しているときに行われる処理である。特別図柄変動処理については後に詳述する。
特別図柄確定処理(S1504)は、特別図柄が停止表示しているときに行われる処理である。特別図柄確定処理については後に詳述する。
大当たり遊技制御処理(S1505)は、大当たり遊技において行われる処理である。遊技制御用マイコン101が、大当たり遊技制御処理を行うことによって、大当たり遊技制御テーブルに応じた大当たり遊技を行う。大当たり遊技が終了する際に特別動作ステータスを「5」に変更する。なお、各ラウンド遊技が開始される際には、そのラウンド数を示すラウンド数指定コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。また、全てのラウンド遊技が終了してエンディングが開始される際には、当該大当たり遊技に係る大当たり図柄に応じたエンディングを示すエンディングコマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。なお、遊技制御用マイコン101が、特別動作ステータス「4」を設定し、大当たり遊技を制御する状態が、「大当たり遊技状態」であり、特別動作ステータス「4」が設定されていることを「大当たり遊技状態」と称する。
遊技状態設定処理(S1506)は、大当たり遊技が終了する際に、大当たり遊技後に制御する遊技状態を設定する処理である。例えば、大当たり遊技後に高確率状態で制御する場合は、高確率フラグを遊技用RAM104の高確率フラグ領域にONして高確率状態を設定する。さらにこのときに、高確率状態の継続期間を制限する場合、継続期間も併せて設定する。例えば、高確率状態の終了条件が特図可変表示の実行回数である場合、その回数(以下において、「高確率規定回数」という)を遊技用RAM104に設けられた高確率残り回数カウンタにセットする。また、大当たり遊技後に時短状態で制御する場合は、時短フラグを遊技用RAM104の時短フラグ領域にONして時短状態を設定する。さらにこのときに、時短状態の継続期間を制限する場合、継続期間も併せて設定する。例えば、時短状態の終了条件が特図可変表示の実行回数である場合、その回数(以下において、「時短規定回数」という)を遊技用RAM104に設けられた時短残り回数カウンタにセットする。
また、遊技制御用マイコン101は、遊技状態設定処理において、大当たり遊技後の遊技状態を示す遊技状態コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。
[特別図柄待機処理]
次に図39を用いて特別図柄待機処理について説明する。特別図柄待機処理(S1502)ではまず、特図2保留数が「0」であるか否かを判定する(S1601)。特図2保留数が「0」である場合(S1601でYES)、即ち、第2始動口12への入賞に起因して取得した特図2関連判定情報の記憶がない場合には、特図1保留数が「0」であるか否かを判定する(S1608)。そして、特図1保留数も「0」である場合(S1608でYES)、即ち、第1始動口11への入賞に起因して取得した特図1関連判定情報の記憶もない場合には、客待ちフラグがONか否かを判定する(S1618)。ここで、客待ちフラグがONであれば(S1618でYES)、特別図柄待機処理を終え、客待ちフラグがONでなければ(S1618でNO)、客待ちコマンドを出力バッファにセットし(S1619)、客待ちフラグをONにし(S1620)、特別図柄待機処理を終える。
また、特図2保留数が「0」であるが特図1保留数が「0」でない場合(S1601でYES且つS1608でNO)、即ち、特図2関連判定情報はないが、第1始動口11への入賞に起因して取得した特図1関連判定情報の記憶が1つ以上ある場合には、特図1判定処理(S1609)及び特図1変動パターン判定処理(S1610)を行う。
特図1判定処理(S1609)では、特図1保留記憶部105aに記憶されている特別図柄乱数の中で最も先に記憶されたものを読み出して、遊技状態に関連付けられた大当たり判定テーブルに基づいて、大当たり、またはハズレの何れであるかの判定(大当たり判定)を行う。
ここで、大当たり判定の結果が大当たりであれば、大当たり図柄種別乱数を読み出して第1大当たり図柄種別判定テーブルに基づいて大当たり図柄種別の判定(大当たり図柄種別判定)を行う。そして、大当たり図柄種別を表す大当たり図柄データを遊技用RAM104に設けられた特図バッファにセットすると共に、大当たり図柄種別を表す図柄指定コマンドを遊技用RAM104に設けられた出力バッファにセットする。
また、大当たり判定の結果が「ハズレ」であれば、ハズレを表すハズレ図柄データを特図バッファにセットすると共に、ハズレを表す図柄指定コマンドを出力バッファにセットする。
次に、特図1変動パターン判定処理(S1610)について図40を用いて説明する。特図1変動パターン判定処理では、まず、現在非時短状態であるか否かを判定する(S1651)。非時短状態であれば(S1651でYES)、非時短状態用の特図1変動パターン判定テーブルを選択(S1652)してからステップS1654に進み、非時短状態でなければ(S1651でNO)、時短状態用の特図1変動パターン判定テーブルを選択(S1653)してからステップS1654に進む。
ステップS1654において、遊技制御用マイコン101は、大当たり判定結果が「大当たり」であるか否かを判定する。大当たりでなければ(S1654でNO)、ステップS1655に進み、大当たりであれば(S1654でYES)、ステップS1652またはステップS1653の何れかで選択した特図1変動パターン判定テーブルの中から大当たり図柄用の特図1変動パターン判定テーブルを選択(S1659)してからステップS1660に進む。
ステップS1655において、遊技制御用マイコン101は、リーチ判定を行う。リーチ判定では、リーチ乱数を読み出して、そのリーチ乱数を現在の遊技状態(非時短状態/時短状態)に応じたリーチ判定テーブルに照合して、リーチ有りかリーチ無しかを判定する。
遊技制御用マイコン101は、次に、ステップS1655のリーチ判定の結果が「リーチ有り」であるか否かを判定する(S1656)。リーチ有りであれば(S1656でYES)、ステップS1652またはステップS1653の何れかで選択した特図1変動パターン判定テーブルの中からリーチ有りハズレ用の特図1変動パターン判定テーブルを選択(S1658)してからステップS1660に進み、リーチ有りでなければ(S1656でNO)、現在の特図1保留数を確認して、ステップS1652またはステップS1653の何れかで選択した特図1変動パターン判定テーブルの中から特図1保留数に応じたリーチ無しハズレ用の特図1変動パターン判定テーブルを選択(S1657)してからステップS1660に進む。
遊技制御用マイコン101は、ステップS1660において、特図変動パターン乱数を読み出して、その特図変動パターン乱数をステップS1657~ステップS1659の何れかで選択した特図1変動パターン判定テーブルに照合して、特図1変動パターンを判定する特図1変動パターン判定を行う。続けて、遊技制御用マイコン101は、決定された特図1変動パターンを示す特図1変動開始コマンドを出力バッファにセットし(S1661)、決定された特図1変動パターンに応じた特図変動時間を特別動作用タイマーにセットし(S1662)、特図1変動パターン判定処理を終了して、特別図柄待機処理に処理を戻す。
なお、特別動作用タイマーは、遊技制御側タイマー割り込み処理におけるその他の処理において、4ms分、更新される。また、セットされる特図1変動開始コマンドには、特別図柄の種別(特図1であるということ)に関する情報や特図1変動パターン判定処理(S1610)で行われた特図変動パターン判定の結果に関する情報(リーチの有無や特図変動時間の情報を含む特図変動パターンの情報)が含まれている。
続いて、遊技制御用マイコン101は、ステップS1610で決定された特図1変動パターンに応じた特図変動時間に基づいて特図1表示器81aに特図1の変動表示を開始させる(S1611)。
次に、遊技制御用マイコン101は、特図1保留記憶部105aにおける各種カウンタ値の格納場所(記憶領域)を現在の位置から読み出される側に一つシフトするとともに、特図1保留記憶部105aにおける保留1個目に対応する記憶領域(読み出される側から最も遠い記憶領域)をクリアする特図1保留記憶部シフト処理を行う(S1612)。このようにして、特図1保留が保留された順に消化される。
次に、遊技制御用マイコン101は、特図1保留数カウンタを「1」減算し(S1613)、特図1保留表示器83aが示す特図1保留数を「1」減少させて変更し(S1614)、特別動作ステータスを「2」に変更する(S1615)。
遊技制御用マイコン101は、続いて、客待ちフラグがONか否かを判定し(S1616)、ONであれば(S1616でYES)、客待ちフラグをOFFして(S1617)、特別図柄待機処理を終え、ONでなければ(S1616でNO)、ステップS1617を実行することなく特別図柄待機処理を終える。
また、ステップS1601において特図2保留数が「0」でない場合(S1601でNO)、即ち、第2始動口12への入賞に起因して取得した特図2関連判定情報の記憶が1つ以上ある場合には、特図2判定処理(S1602)及び特図2変動パターン判定処理(S1603)を行う。特図2判定処理(S1602)及び特図2変動パターン判定処理(S1603)は、特図1判定処理(S1609)および特図1変動パターン判定処理(S1610)と基本的には同じ処理内容である。
特図2判定処理(S1602)は、大当たり判定で用いるテーブルが第2大当たり判定テーブルであること、および大当たり図柄種別判定で用いるテーブルが第2大当たり図柄種別判定テーブルであることを除いて、基本的には特図1判定処理(S1609)と同様の処理であるため説明を省略する。また、特図2変動パターン判定処理(S1603)も、基本的には、特図2変動パターン判定で用いるテーブルが特図2変動パターン判定テーブルであることを除いて特図1変動パターン判定処理(S1610)と同様の処理であるため説明を省略する。
次に、遊技制御用マイコン101は、ステップS1603で決定された特図変動パターンに応じた特図変動時間に基づいて特図2表示器81bに特図2の変動表示を開始させる(S1604)。
次に、遊技制御用マイコン101は、特図2保留記憶部105bにおける各種カウンタ値の格納場所(記憶領域)を現在の位置から読み出される側に一つシフトするとともに、特図2保留記憶部105bにおける保留4個目に対応する記憶領域(読み出される側から最も遠い記憶領域)をクリアする特図2保留記憶部シフト処理を行う(S1605)。このようにして、特図2保留が保留された順に消化される。
続いて遊技制御用マイコン101は、特図2保留数カウンタを「1」減算し(S1606)、特図2保留表示器83bが示す特図2保留数を「1」減少させて変更し(S1607)、特別動作ステータスを「2」に変更し(S1615)、ステップS1616に進む。
上記のように基本的な実施形態では、特図1保留に基づく特別図柄の変動表示は、特図2保留が「0」の場合(S1601でYESの場合)に限って行われる。すなわち特図2保留の消化は、特図1保留の消化に優先して実行される。そして基本的な実施形態では、特図2保留に基づく抽選の方が、特図1保留に基づく抽選よりも、遊技者にとって利益の大きい大当たり図柄に当選しやすくなっている。なお、特図1保留の消化を特図2保留の消化に優先して実行されるようにしても良い。また、特図1保留の消化と特図2保留の消化を、特図の種別に関わらず保留が発生した順に行っても良い。
[特別図柄変動処理]
次に図41を用いて特別図柄変動処理について説明する。遊技制御用マイコン101は、特別図柄変動処理ではまず、特別図柄の変動表示を終了させるか否か、即ち、ステップS1603又はステップS1610で特別動作用タイマーにセットした特図変動時間が経過した(特別動作カウンタ=0)か否かを判定する(S1701)。特別図柄の変動表示を終了させない場合(S1701でNO)、特別図柄変動処理を終了し、特別図柄の変動表示を終了させる場合(S1701でYES)、特図表示器81に、特別図柄の変動表示を終了させるとともに、ステップS1602又はステップS1609で特図バッファにセットした図柄データ(大当たり図柄データ、またはハズレ特図データ)に応じた特別図柄の停止表示をさせる(S1702)。
続いて、予め設定された特図確定時間(例えば、0.8秒)を特別動作用タイマーにセットし(S1703)、特別図柄の変動表示が終了することを示す特図変動停止コマンドを出力バッファにセットし(S1704)、特別動作ステータスを「3」に変更し(S1705)、特別図柄変動処理を終了する。
[特別図柄確定処理]
次に図42を用いて特別図柄確定処理について説明する。遊技制御用マイコン101は、特別図柄確定処理(S1504)ではまず、特別図柄の停止表示を終了させるか否か、即ち、ステップS1703で特別動作用タイマーにセットした特図確定時間が経過した(特別動作カウンタ=0)か否かを判定する(S1751)。特別図柄の停止表示を終了させない場合(S1751でNO)、特別図柄確定処理を終了し、特別図柄の停止表示を終了させる場合(S1751でYES)、現在、通常確率状態(高確率フラグがOFF)であるか否かを判定する(S1752)。
遊技制御用マイコン101は、現在、通常確率状態でなければ(S1752でNO)、ステップS1757に進み、現在、通常確率状態であれば(S1752でYES)、時短状態(時短フラグがON)であるか否かを判定する(S1753)。遊技制御用マイコン101は、時短状態でなければ(S1753でNO)、ステップS1757に進み、現在、時短状態であれば(S1753でYES)、時短状態で実行可能な特別図柄の可変表示の残りの回数(時短残り回数)を計測する時短残り回数カウンタの値を「1」減算し(S1754)、時短残り回数カウンタの値が「0」であるか否かを判定する(S1755)。時短残り回数カウンタの値(時短残り回数)が「0」でなければ(S1755でNO)、ステップS1757に進み、時短残り回数カウンタの値(時短残り回数)が「0」であれば(S1755でYES)、時短状態から非時短状態に移行させて(時短フラグをOFFする)(S1756)、ステップS1757に進む。
次に、遊技制御用マイコン101は、現在の遊技状態を確認し、その遊技状態を示した遊技状態コマンドを出力バッファにセットし(S1757)、現在停止表示している特別図柄が大当たり図柄か否かを判定する(S1758)。大当たり図柄でなければ(S1758でNO)、特別動作ステータスを「1」に変更して(S1762)、特別図柄確定処理を終え、大当たり図柄であれば(S1758でYES)、遊技状態をリセットする(通常遊技状態を設定する。具体的には、高確率フラグおよび時短フラグをOFFし、高確率残り回数カウンタおよび時短残り回数カウンタの値を「0」にする)(S1759)。
続いて、遊技制御用マイコン101は、大当たり遊技準備処理を行い(S1760)、特別動作ステータスを「4」に変更し(S1761)、特別図柄確定処理を終了する。遊技制御用マイコン101は、大当たり遊技準備処理において、大当たり図柄の種別に応じた大当たり遊技制御テーブルを遊技用RAM104の所定領域にセットする。また、停止表示している大当たり図柄に応じたオープニング中であることを示す大当たりオープニングフラグを遊技用RAM104の所定領域にONし、大当たり図柄の種別に応じて、所定のオープニング時間(大当たり遊技が開始されてから1ラウンドを開始するまでの時間)を特別動作用タイマーにセットする。さらには、大当たり図柄の種別に応じ、大当たり図柄の種別を示すオープニングコマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。大当たり図柄の種別に応じたオープニングコマンドは、その停止表示した大当たり図柄の種別に応じた大当たり遊技(大当たり遊技のオープニング)が開始されることを表す。
6.演出制御基板120による演出の制御
[演出制御メイン処理]
次に図43~図47のフローチャートを用いて、演出制御基板120による演出の制御について説明する。なお、以下に説明する演出を制御するためのフローチャートは、一例である。そして、フローチャートにおける複数の処理については、処理内容に矛盾が生じない範囲で、適宜に実行順序を変更し、または並列に実行することができる。
また、以下の演出制御基板120による演出の制御の説明において登場するカウンタ、タイマー、フラグ、バッファ等は、演出用RAM124に設けられている。演出制御基板120に備えられた演出制御用マイコン121は、パチンコ遊技機PYが電源投入されると、図43に示したサブ制御メイン処理のプログラムを演出用ROM123から読み出して実行する。
同図に示すように、演出制御メイン処理では、最初に、電源投入に応じた電源投入時処理を行う(S4001)。電源投入時処理では、例えば、演出用CPU122の設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間の管理のための回路)等の設定等を行う。
次に、割り込みを禁止し(S4002)、乱数シード更新処理を実行する(S4003)。乱数シード更新処理(S4003)では、種々の演出に関する判定を行うための種々の演出判定用乱数カウンタの値を更新する。なお、演出判定用乱数には、後述する停止図柄パターン判定用乱数、および特図変動演出パターン判定用乱数等の演出内容を決定するための様々な乱数がある。
種々の演出についての判定用乱数カウンタの更新方法は、一例として、前述の遊技制御基板100が行う乱数更新処理と同様の方法をとることができる。更新に際して乱数値を1ずつ加算するのではなく、2ずつ加算するなどしてもよい。これは、前述の遊技制御基板100が行う乱数更新処理においても同様である。
乱数シード更新処理が終了すると、コマンド送信処理を実行する(S4004)。コマンド送信処理では、演出制御基板120の演出用RAM124内の出力バッファに格納されている各種のコマンド(例えば、後述する特図変動演出開始コマンド、客待ち開始コマンド、オープニング演出開始コマンド、ラウンド演出開始コマンド、およびエンディング演出開始コマンドなど)を、画像制御基板140に送信する。
コマンドを受信した画像制御基板140は、受信したコマンドに従って、表示部50aに画像を表示する(画像による種々の演出を実行する)。また、演出制御基板120は、画像制御基板140によって行われる種々の演出とともに、音声制御回路161を介してスピーカー52から音声を出力させたり(音声による種々の演出を実行したり)、サブドライブ基板162を介して枠ランプ53を発光させたり(発光による種々の演出を実行したり)、盤可動体55kを作動させたり(動作による種々の演出を実行したり)する。なお、種々の演出としては、特図変動演出、大当たり遊技演出(大当たりオープニング演出、ラウンド演出、大当たりエンディング演出)、客待ち演出、操作演出、および先読み演出等がある。
演出制御用マイコン121は続いて、割り込みを許可する(S4005)。以降、ステップS4002~ステップS4005をループさせる。割り込み許可中においては、受信割り込み処理(S4010)、1msタイマー割り込み処理(S4011)、および10msタイマー割り込み処理(S4012)の実行が可能となる。1msタイマー割り込み処理(S4011)、および10msタイマー割り込み処理(S4012)については後述する。
受信割り込み処理(S4010)は、ストローブ信号、すなわち、遊技制御基板100から送られた各種のコマンドが演出制御用マイコン121の外部INT入力部に入力される度に実行される。受信割り込み処理(S4010)では、演出制御用マイコン121は遊技制御基板100の出力処理(S101)により送信されてきて受信した各種のコマンドを演出用RAM124の受信バッファに格納する。この受信割り込み処理は、他の割り込み処理(S4011、S4012)に優先して実行される。
[1msタイマー割り込み処理]
次に図44を用いて1msタイマー割り込み処理について説明する。1msタイマー割り込み処理(S4011)は、演出制御基板120に1msec周期の割り込みパルスが入力される度に実行される。演出制御用マイコン121は、1msタイマー割り込み処理(S4011)ではまず、入力処理を行う(S4101)。入力処理では、演出制御用マイコン121は、第1演出ボタンセンサ40aからの検出信号に基づいて第1演出ボタンスイッチデータを作成する。演出制御用マイコン121は、第2演出ボタンセンサ41aからの検出信号に基づいて第2演出ボタンスイッチデータを作成する。
続いて、演出制御用マイコン121は、発光データ出力処理を行う(S4102)。発光データ出力処理では、演出制御用マイコン121は、画像による演出等に合うタイミングなどで枠ランプ53を発光させるべく、後述の10msタイマー割り込み処理における発光データ作成処理(S4203)で作成された発光データをサブドライブ基板162に出力する。つまり、演出制御用マイコン121は、発光データに従って枠ランプ53を所定の発光態様で発光させる。
次いで、演出制御用マイコン121は、可動装置制御処理を行う(S4103)。可動装置制御処理では、演出制御用マイコン121は、所定のタイミングで盤可動体55kを駆動させるべく、駆動データ(盤可動体55kの駆動のためのデータ)を作成し、または、出力する。つまり、演出制御用マイコン121は、駆動データに従って、盤可動体55kを所定の動作態様で駆動させる。
次に、演出制御用マイコン121は、タイマー更新処理を行う(S4104)。タイマー更新処理では、各種所定の演出に関する時間の管理・制御を行うために、後述する演出用RAM124に設けられた各種タイマーの更新が行われる。当該処理では、演出用RAM124に設けられたタイマーが1msec分、更新される。
そして、演出制御用マイコン121は、ウォッチドッグタイマのリセット設定を行うウォッチドッグタイマ処理を行って(S4105)、1msタイマー割り込み処理を終える。
[10msタイマー割り込み処理]
次に図45を用いて10msタイマー割り込み処理について説明する。10msタイマー割り込み処理(S4012)は、演出制御基板120に10msec周期の割り込みパルスが入力される度に実行される。演出制御用マイコン121は、10msタイマー割り込み処理ではまず、ステップS4010で受信バッファに格納したコマンドなどを解析する受信コマンド解析処理を行う(S4201)。受信コマンド解析処理については後述の基本的な実施形態で詳細に説明する。
次いで、演出制御用マイコン121は、音声制御処理を行う(S4202)。音声制御処理では、演出用RAM124にセットされる特図変動演出データなどが示す演出内容などに基づいて、音声データ(スピーカー52からの音声の出力を制御するデータ)の作成と音声制御回路161への出力が行われる。
次いで、演出制御用マイコン121は、発光データ作成処理を行う(S4203)。発光データ作成処理では、演出用RAM124にセットされる特図変動演出データなどが示す演出内容などに基づいて、発光データの作成が行われる。
[受信コマンド解析処理]
次に図46~図47を用いて受信コマンド解析処理について説明する。演出制御用マイコン121は、受信コマンド解析処理ではまず、遊技制御基板100から始動入賞コマンド(第1始動入賞コマンド又は第2始動入賞コマンド)を受信したか否か、言い換えれば、始動入賞コマンドを受信バッファに格納したか否かを判定する(S4301)。演出制御用マイコン121は、始動入賞コマンドを受信していれば(S4301でYES)、ステップS4302に進む一方、始動入賞コマンドを受信していなければ(S4301でNO)、ステップS4303に進む。
ステップS4302において、演出制御用マイコン121は、第1始動口11や第2始動口12に遊技球が入賞することに応じた始動入賞時処理を行う。始動入賞時処理では、受信した始動入賞コマンドを演出用RAM124にある始動入賞コマンド保留記憶部125に記憶する。次に、演出制御用マイコン121は、その記憶した始動入賞コマンドを解析して、大当たり期待度を示す先読み演出を実行するか否かの判定を行う。先読み演出には、保留アイコンを特別態様で表示する保留変化予告の他に、連続する複数回の特別図柄の変動表示にわたって行われる連続予告演出等がある。これらの先読み演出を実行すると決定した場合には、決定した演出を実行するための先読み演出開始コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする。
演出用RAM124の出力バッファにセットされた先読み演出開始コマンドが、コマンド送信処理(S4004)により画像制御基板140に送信されると、画像制御基板140の画像用CPU141は、画像用ROM142から所定の演出画像を読み出して、画像表示装置50の表示部50aにて画像による先読み演出を行う。また、演出制御用マイコン121は、画像制御基板140によって行われる画像による先読み演出が行われている間、画像制御基板140に送信された先読み演出開始コマンドが示す先読み演出内容に応じて、音声制御回路161を介してスピーカー52から音声を出力させ(音声による先読み演出を実行し)、また、サブドライブ基板162を介して枠ランプ53を発光させ(発光による先読み演出を実行し)、盤可動体55kを作動させる(動作による先読み演出を実行する)ことが可能である。
ステップS4303において、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から図柄指定コマンドを受信したか否か、言い換えれば、図柄指定コマンドを受信バッファに格納したか否かを判定する。演出制御用マイコン121は、図柄指定コマンドを受信していなければ(S4303でNO)、ステップS4305に進む一方、図柄指定コマンドを受信していれば(S4303でYES)、図柄指定コマンドを演出用RAM124にある図柄指定コマンド記憶部126に記憶する(S4304)。
ステップS4305において、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から特図変動開始コマンドを受信したか否か、言い換えれば、特図変動開始コマンドを受信バッファに格納したか否かを判定する。特図変動開始コマンドを受信していなければ(S4305でNO)、ステップS4307に進む一方、特図変動開始コマンドを受信していれば(S4305でYES)、特図変動演出の演出内容を決定し、特図変動演出を開始させるための特図変動演出開始処理(S4306)を行う。
演出制御用マイコン121は、特図変動演出開始処理では、まず、特図変動開始コマンドを演出用RAM124にある特図変動開始コマンド記憶部127に記憶する。次いで、ステップS4304で既に記憶した図柄指定コマンドが示す停止特図の内容(大当たり図柄の種別、ハズレ特図)と特図変動開始コマンドが示す特図変動パターンに基づいて、停止表示させる演出図柄EZ1~EZ3、および小図柄KZ1~KZ3を判定する停止図柄判定を行うための停止図柄パターン判定テーブルを選択する。停止図柄パターン判定テーブルは、特図および特図変動パターンに関連づけられて複数設けられている。よって、演出制御用マイコン121は、停止特図および特図変動パターンに対応付けられた停止図柄パターン判定テーブルを1つ選択する。各停止図柄パターン判定テーブルには、所定の振分率(%)となるように、複数の演出図柄EZ1~EZ3、および小図柄KZ1~KZ3に停止図柄パターン判定用乱数の値(停止図柄パターン判定値)が振り分けられている。次に、演出制御用マイコン121は、停止図柄パターン判定用乱数カウンタが示す値を停止図柄パターン判定用乱数として取得し、取得した停止図柄パターン判定用乱数に基づいて停止図柄パターン判定を行う。
演出制御用マイコン121は、停止図柄パターン判定において、選択した停止図柄パターンテーブルに、取得した停止図柄パターン判定用乱数を照合し、停止表示させる演出図柄EZ1~EZ3、および小図柄KZ1~KZ3を決定して、決定した演出図柄EZ1~EZ3、および小図柄KZ1~KZ3を表すデータを演出用RAM124の所定領域にセットする。例えば、特図変動パターンがリーチ無しハズレ変動であれば所謂「バラケ目」となるように演出図柄EZ1~EZ3、および小図柄KZ1~KZ3の組み合わせが選択される。また、特図変動パターンがリーチ有りハズレ変動であれば、左演出図柄EZ1と右演出図柄EZ3とが同一で、中演出図柄EZ2がそれらと異なるように演出図柄EZ1~EZ3、および小図柄KZ1~KZ3の組み合わせが選択される。さらに、特図変動パターンが大当たり変動であれば、演出モードおよび大当たり図柄の種別に応じて所謂「ゾロ目」となるように演出図柄EZ1~EZ3、および小図柄KZ1~KZ3の組み合わせが選択される。
次に、演出制御用マイコン121は、滞在している演出モードと特図変動開始コマンドが示す特図変動パターンに基づいて、特図変動演出の演出内容が対応付けられた特図変動演出パターンを判定する特図変動演出パターン判定を行うための特図変動演出パターン判定テーブルを選択する。特図変動演出パターン判定テーブルは、演出モードおよび特図変動パターンに関連づけられて複数設けられている。よって、演出制御用マイコン121は、特図変動パターンに対応付けられた特図変動演出パターン判定テーブルを1つ選択する。各特図変動演出パターン判定テーブルには、所定の振分率(%)となるように、1又は複数の特図変動演出パターンに特図変動演出パターン判定用乱数の値(特図変動演出パターン判定値)が振り分けられている。続いて、演出制御用マイコン121は、特図変動演出パターン判定用乱数カウンタが示す値を特図変動演出パターン判定用乱数として取得し、取得した特図変動演出パターン判定用乱数に基づいて特図変動演出パターン判定を行う。
演出制御用マイコン121は、特図変動演出パターン判定において、選択した特図変動演出パターンテーブルに、取得した特図変動演出パターン判定用乱数を照合し、特図変動演出パターンを決定して、決定した特図変動演出パターンを表すデータ(特図変動演出パターンデータ)を演出用RAM124の所定領域にセットすると共に、特図変動演出パターンを示す特図変動演出開始コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする。
演出用RAM124の出力バッファにセットされた特図変動演出開始コマンドが、コマンド送信処理(S4004)により画像制御基板140に送信されると、画像制御基板140の画像用CPU141は、画像用ROM142から所定の演出画像を読み出して、画像表示装置50の表示部50aにて画像による特図変動演出を行う。
また、特図変動演出開始コマンドには、特図変動開始コマンドが示す特図変動パターンに関連付けられた演出フローに関する情報が含まれている。また、特図変動演出開始コマンドには、画像表示装置50で行われる画像による特図変動演出の他に、スピーカー52から出力される音声による特図変動演出、枠ランプ53で行われる発光による特図変動演出の演出内容、および、盤可動体55kで行われる動作による特図変動演出の演出内容が含まれている。
また、演出制御用マイコン121は、画像制御基板140によって行われる画像による特図変動演出が行われている間、画像制御基板140に送信された特図変動演出開始コマンドが示す特図変動演出内容に応じて、音声制御回路161を介してスピーカー52から音声を出力させ(音声による特図変動演出を実行し)、また、サブドライブ基板162を介して枠ランプ53を発光させ(発光による特図変動演出を実行し)、盤可動体55kを作動させる(動作による特図変動演出を実行する)。
ステップS4307において、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から特図変動停止コマンドを受信したか否か、言い換えれば、特図変動停止コマンドを受信バッファに格納したか否かを判定する。演出制御用マイコン121は、特図変動停止コマンドを受信していなければ(S4307でNO)、ステップS4309に進む一方、特図変動停止コマンドを受信していれば(S4307でYES)、特図変動演出を終了させる(演出図柄EZ1~EZ3および小図柄KZ1~KZ3の変動表示を停止し、停止表示を行う)ための特図変動演出終了処理(S4308)を行う。
演出制御用マイコン121は、特図変動演出終了処理では、特図変動停止コマンドを解析し、その解析結果に基づいて、特図変動演出を適宜に終了(演出図柄EZ1~EZ3、および小図柄KZ1~KZ3の変動表示を停止)させるための特図変動演出終了コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする。画像制御基板140は、特図変動演出終了コマンドを受信すると、実行中の特図変動演出を終了(変動中の演出図柄EZ1~EZ3、および小図柄KZ1~KZ3を停止)する。
ステップS4309において、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から遊技状態コマンドを受信したか否か、言い換えれば、遊技状態コマンドを受信バッファに格納したか否かを判定する。演出制御用マイコン121は、遊技状態コマンドを受信していなければ(S4309でNO)、ステップS4311に進む一方、遊技状態コマンドを受信していれば(S4309でYES)、遊技状態コマンドを解析して、遊技状態コマンドが表す遊技状態を特定し、遊技状態を設定するための遊技状態設定処理を行う(S4310)。
演出制御用マイコン121は、遊技状態設定処理において、遊技状態コマンドが示す遊技状態に応じた遊技状態フラグを演出用RAM124の遊技状態フラグ領域に設定する。例えば、演出制御用マイコン121は、遊技状態コマンドが示す遊技状態が通常遊技状態であれば遊技状態フラグ「00H」を演出用RAM124の遊技状態フラグ領域に設定する。また、演出制御用マイコン121は、遊技状態コマンドが示す遊技状態が高確率高ベース遊技状態であれば遊技状態フラグ「01H」を演出用RAM124の遊技状態フラグ領域に設定する。さらに、演出制御用マイコン121は、遊技状態コマンドが示す遊技状態が低確率高ベース遊技状態であれば遊技状態フラグ「02H」を演出用RAM124の遊技状態フラグ領域に設定する。
ステップS4311において、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から客待ちコマンドを受信したか否か、言い換えれば、客待ちコマンドを受信バッファに格納したか否かを判定する。演出制御用マイコン121は、客待ちコマンドを受信していなければ(S4311でNO)、ステップS4313に進む一方、客待ちコマンドを受信していれば(S4311でYES)、客待ち演出待機処理を行い(S4312)、受信コマンド解析処理を終える。
演出制御用マイコン121は、客待ち演出待機処理では、演出図柄の停止表示が行われてから客待ち演出を開始させるまでの待機時間(客待ち演出待機時間:例えば、20秒)を客待ち演出タイマーにセットする。なお、演出制御用マイコン121は、この待機時間が経過したか否かを判定可能であり、待機時間が経過したと判定すると、客待ち演出を開始させるための客待ち演出開始コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする。
ステップS4313において、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100からオープニングコマンドを受信したか否か、言い換えれば、オープニングコマンドを受信バッファに格納したか否かを判定する。演出制御用マイコン121は、オープニングコマンドを受信していなければ(S4313でNO)、ステップS4315に進む一方、オープニングコマンドを受信していれば(S4313でYES)、大当たり遊技のオープニングの開始に伴う大当たりオープニング演出開始処理を行う(S4314)。
演出制御用マイコン121は、大当たりオープニング演出開始処理では、オープニングコマンドを解析して、その解析結果に基づいて、これから実行される大当たり遊技のオープニングに応じた大当たりオープニング演出を実行するか否かを判定し、実行するのであれば大当たりオープニング演出の演出内容(大当たりオープニング演出パターン)を選択し、選択した大当たりオープニング演出パターンにて大当たりオープニング演出を開始するための大当たりオープニング演出開始コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする。
ステップS4315において、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100からラウンド数指定コマンドを受信したか否か、言い換えれば、ラウンド数指定コマンドを受信バッファに格納したか否かを判定する。ラウンド数指定コマンドを受信していなければ(S4315でNO)、ステップS4317に進む一方、ラウンド数指定コマンドを受信していれば(S4315でYES)、ラウンド遊技の開始に伴うラウンド演出開始処理を行う(S4316)。
演出制御用マイコン121は、ラウンド演出開始処理では、ラウンド数指定コマンドを解析して、これから開始されるラウンド遊技に応じたラウンド演出を実行するか否かを判定し、実行するのであればラウンド演出の演出内容(ラウンド演出パターン)を選択し、選択したラウンド演出パターンに応じたラウンド演出開始コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする。
ステップS4317において、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100からエンディングコマンドを受信したか否か、言い換えれば、エンディングコマンドを受信バッファに格納したか否かを判定する。エンディングコマンドを受信していなければ(S4317でNO)、受信コマンド解析処理を終える一方、エンディングコマンドを受信していれば(S4317でYES)、大当たり遊技のエンディングの開始に伴う大当たりエンディング演出開始処理(S4318)、および演出モード設定処理(S4319)を行ってから受信コマンド解析処理を終える。
演出制御用マイコン121は、大当たりエンディング演出開始処理において、エンディングコマンドを解析して、これから実行される大当たり遊技のエンディングに応じた大当たりエンディング演出を実行するか否かを判定し、実行するのであれば大当たりエンディング演出の演出内容(大当たりエンディング演出パターン)を選択し、選択した大当たりエンディング演出パターンに応じた大当たりエンディング演出開始コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする。
また、演出制御用マイコン121は、演出モード設定処理において、エンディングコマンドの解析結果、具体的には、エンディングコマンドが示す大当たり図柄に基づいて、大当たり遊技後の演出モードを設定する処理(演出モードを制御するための処理)を行う。
例えば、演出制御用マイコン121は、大当たりエンディングコマンドが示す大当たり図柄が、大当たり図柄A、または大当たり図柄Dであると、高確率高ベース遊技状態を示唆する確変演出モードに設定する。そして、確変演出モードを示す演出モードフラグを演出用RAM124の所定領域にONすると共に、確変演出モードを設定することを示す確変演出モード開始コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする。演出用RAM124の出力バッファにセットされた確変演出モード開始コマンドが、コマンド送信処理(S4004)により画像制御基板140に送信されると、画像制御基板140の画像用CPU141は、エンディングが終了するタイミングで、背景画像として確変用背景画像G120を表示し、BGMとして確変用BGMを出力する。
また、演出制御用マイコン121は、大当たりエンディングコマンドが示す大当たり図柄が、大当たり図柄B、大当たり図柄C、または大当たり図柄Eであると、高確率高ベース遊技状態、または低確率高ベース遊技状態の何れであるか判別困難、または判別不可能な時短演出モードを設定する。そして、演出制御用マイコン121は、時短演出モードを示す演出モードフラグを演出用RAM124の所定領域にONすると共に、時短演出モードを設定することを示す時短演出モード開始コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする。演出用RAM124の出力バッファにセットされた時短演出モード開始コマンドが、コマンド送信処理(S4004)により画像制御基板140に送信されると、画像制御基板140の画像用CPU141は、エンディングが終了するタイミングで、背景画像として時短用背景画像G130を表示し、BGMとして時短用BGMを出力する。
<第1実施形態>
次に、前述の本発明に係る基本的な実施形態に基づいて、本発明に係る第1実施形態について説明する。以下においては、主に、第1実施形態として、基本的な実施形態と異なる点について説明する。また、基本的な実施形態と同一の構成、または同様に対応する構成については同一の符号、および用語を用いる。
第1実施形態に係るパチンコ遊技機PY1では、特図1に係る特図変動演出の演出フローを構成する演出(演出フロー構成演出)について、基本的な実施形態と一部異なる。言い換えると、通常遊技状態、および時短状態において決定可能な特図1変動パターン、ならびに通常遊技状態、および時短状態に係る特図1変動パターン判定テーブルについて第1実施形態と基本的な実施形態とで一部異なる。
図48は、第1実施形態に係る特図1変動パターン判定テーブルの構成例を表す図である。図48に示すように、通常遊技状態で決定可能な特図1変動パターンに基づく特図変動演出で実行可能な演出フロー構成演出には、基本的な実施形態で含まれていた通常変動、リーチ、Nリーチ、Lリーチ、およびSPリーチの他に、全回転リーチが含まれる。また、時短状態で決定可能な特図1変動パターンに基づく特図変動演出で実行可能な演出フロー構成演出には、基本的な実施形態で含まれていた短縮変動の他に、特殊変動が含まれる。
全回転リーチは、通常変動を経てリーチが成立(確定)した直後に、発展的に実行される。全回転リーチは、大当たりのときに実行可能であるが、ハズレのときに実行されることはない。言い換えると、全回転リーチは、大当たり遊技状態になることを示唆する演出である。したがって、全回転リーチは、LリーチやSPリーチよりも大当たり遊技状態になる可能性が高いことを示唆する演出である。
全回転リーチでは、大当たりを示す態様で揃った状態の演出図柄EZ1~EZ3が、当該演出図柄EZ1~EZ3を構成する演出図柄G10が順次入れ替わっていくようにゆっくりと下方にスクロール表示する。また、全回転リーチの開始と共に、全回転リーチ専用の背景画像(全回転用背景画像)G116が背景画像として表示部50aの全体に表示される(全回転リーチ専用の映像が流れる)。全回転用背景画像G116は、所定のストーリーが展開される動画で構成されている。全回転用背景画像G116に係る演出内容は、適宜に設定可能であるが、例えば、主人公キャラクターと監督キャラクターとの出会いに関する内容となっている。また、第1実施形態では、全回転用背景画像G116に係る動画の時間(全回転リーチ時間)は120秒に設定されている。
なお、全回転リーチにおいてスクロール表示されているときの演出図柄EZ1~EZ3を構成する演出図柄G10は、演出図柄EZ1~EZ3の確定的な停止表示が行われる場合などの通常の場合に比べて、70%~90%の透過度で表示される。演出図柄EZ1~EZ3が、せっかくの全回転リーチ専用の映像に支障を来すことを防ぐためである。以下において、全回転リーチを構成する演出図柄EZ1~EZ3が同一の演出図柄G10で揃った状態で演出図柄G10が順次入れ替わっていくようにスクロール表示することを「演出図柄EZ1~EZ3の全回転表示」と称する。また、演出図柄EZ1~EZ3の全回転表示に係る演出図柄EZ1~EZ3の変動表示の表示態様のことを「全回転変動態様」と称することもある。
また、図48に示す通り、全回転リーチに係る振分率は10%である。したがって、全回転リーチは希少性を有するプレミアムな演出である。
特殊変動は、大当たりのときに実行可能であるが、ハズレのときに実行されることはない。言い換えると、特殊変動は、大当たり遊技状態になることを示唆する演出である。したがって、特殊変動に係る特図1変動表示の後には大当たり遊技が実行される。
ところで、特殊変動は、時短状態における特図1変動パターンに基づく特図変動演出で実行される演出であるが、時短状態では、基本的には右打ちで遊技が行われ、第1始動口11への入賞が想定されていないところ、時短状態において特図1変動パターンに基づく特図変動演出が行われているということは、それは通常遊技状態で大当たりとなって当該大当たり遊技が実行された後の間もないタイミングということになる。すなわち、通常遊技状態での大当たり当選に基づく大当たり遊技が実行されているときに、特殊変動に係る特図1変動表示に対応する特図1保留が存在していたことになる。そして、第1実施形態では、そのような場合には、通常遊技状態での大当たり当選に基づく大当たり遊技の途中で全回転リーチを開始させ、その後の特殊変動に係る特図1変動表示、および大当たり遊技に跨がって全回転リーチを実行する。したがって、特殊変動は、全回転リーチの一部を構成する演出である。また、第1実施形態では、特殊変動に係る特図1変動表示の直後に行われる大当たり遊技においても当該全回転リーチが及ぶ。したがって、特殊変動に係る特図1変動表示、および当該特図1変動表示の前後の大当たり遊技に跨がって全回転リーチが行われることになる。以下において、特殊変動に係る特図1変動表示の前に実行される大当たり遊技のことを「全回転前段大当たり遊技」と称し、特殊変動に係る特図1変動表示の後に実行される大当たり遊技のことを「全回転後段大当たり遊技」と称する。
なお、以下において、通常遊技状態における1回の特図変動演出において全回転リーチの全てが実行される(全回転リーチが完結する)特図1変動パターン(図48において「THP00」)のことを「全回転大当たり変動」と称する。一方、時短状態における1回の特図変動演出において全回転リーチの一部が実行される(全回転リーチが完結しない)特図1変動パターン(図48において「THP31」)のことを「特殊大当たり変動」と称する。また、全回転大当たり変動に基づく特図1変動表示で実行される全回転リーチのことを「通常全回転リーチ」と称し、大当たり遊技と、特殊大当たり変動に基づく特図1変動表示とで跨がって実行される全回転リーチのことを「特別全回転リーチ」と称することもある。さらには、第1先読み判定テーブルは、図48に示す特図1変動パターン判定テーブルの構成例に応じて適宜に変更されているものとする。
また、通常遊技状態での大当たり当選に基づく大当たり遊技が実行されているときに、大当たりに係る特図1保留が存在していれば、特別全回転リーチが実行されることになるが、この特図1保留の保留順がいくつであっても特別全回転リーチが実行される。大当たりに係る特図1保留の保留順が保留順1である場合は、前段大当たり遊技が終了すると、直ぐに特殊大当たり変動に係る特図1変動表示が行われることになる。一方、大当たりに係る特図1保留の保留順が保留順2~保留順4の何れかである場合は、前段大当たり遊技が終了した後、特殊大当たり変動に係る特図1変動表示が行われる前に、ハズレに係る特図1変動表示が行われることになるが、図48に示すように、時短状態におけるハズレに係る特図1変動パターンとして、特図変動時間が1秒の短縮ハズレ変動しか設定されていない。したがって、大当たりに係る特図1保留の保留順が保留順2~保留順4の何れかであっても、前段大当たり遊技が終了してから直ぐに特殊大当たり変動に基づく特図1変動表示が開始されることになる。そして、第1実施形態では、短縮ハズレ変動に係る特図1変動表示が行われている間、特別全回転リーチを途切れさせることなくシームレスに続けて実行する。
次に、通常全回転リーチ、および特別全回転リーチの具体例について説明する。図49は、通常全回転リーチの具体例を説明する説明図であり、図50乃至図53は、特別全回転リーチの具体例を説明する説明図である。
最初に、通常全回転リーチについて説明する。前述の通り、通常全回転リーチは、リーチが成立した直後から実行される。例えば、図49(A)に示すように、リーチが成立する(リーチ成立報知演出が実行される)と、図49(B)に示すように、リーチの成立から通常全回転リーチへ転換するための演出(転換演出)が実行される。具体的には、盤可動体55kが作動すると共に、表示部50aの全体には当該盤可動体55kの作動に応じたエフェクト画像G13が表示される。転換演出は3秒間実行される。
転換演出が終了すると、全回転リーチが開始され、図49(C)に示すように、表示部50a全体に、全回転表示する(全回転変動態様で変動表示する)演出図柄EZ1~EZ3が出現すると共に、背景画像として全回転用背景画像G116が表示される。全回転リーチ時間は120秒に設定されているので、全回転リーチが開始されると、その後は、図49(D)に示すように、全回転リーチ時間が経過するまで、表示部50aにおいて、演出図柄EZ1~EZ3が全回転表示し続けると共に、全回転用背景画像G116が表示される。全回転用背景画像G116においては、全回転用背景画像G116に係る動画におけるストーリーが展開される。なお、全回転用背景画像G116に係る動画が終了するタイミングは、全回転大当たり変動に係る特図1変動表示が終了するタイミングに対応付けられている。
そして、全回転大当たり変動に係る特図1変動表示が終了するタイミングに応じて、図49(E)に示すように、全回転用背景画像G116に係る動画が終了すると共に、大当たりを示す態様で演出図柄EZ1~EZ3が確定的に停止表示する。
なお、表示部50aでは、全回転大当たり変動に係る特図1変動表示が開始されることに応じて小図柄KZ1~KZ3が変動表示を開始し、全回転大当たり変動に係る特図1変動表示が開始されることに応じて、小図柄KZ1~KZ3が大当たりを示す態様で停止表示する(図49参照)。
次に、特別全回転リーチについて説明する。前述の通り、特別全回転リーチは、通常遊技状態における大当たり当選に基づく大当たり遊技が開始されるときに、特別全回転特図1保留が存在していることを条件に行われる。そして、ここでは、通常遊技状態において、大当たり図柄Bの停止表示が行われて、前段大当たり遊技として第2大当たり遊技が実行され、当該第2大当たり遊技が開始されるときに、保留順1の特図1保留としてハズレに係る特図1保留が存在し、保留順2の特図1保留として大当たりに係る特図1保留が存在していたと仮定する。
なお、第1実施形態においては、ラウンド演出として、ラウンド用背景画像G201が表示部50a全体に表示されると共に、ラウンド用背景画像G201に重畳的に、右打ち画像G2、およびラウンド画像G3が表示されるものとする。また、ラウンド用背景画像G201に重畳的に、当該大当たり遊技に係る大当たりを示す態様の小図柄KZ1~KZ3の停止表示が継続して行われているものとする。
例えば、図50(A)に示すように、第2大当たり遊技における4回目のラウンド遊技の中間辺り、言い換えると、4回目のランド遊技が開始されてから15秒が経過したときに、図50(B)に示すように、第1ボタン操作促進演出画像G12が表示されて第1ボタン操作促進演出が実行されると共に、第1演出ボタン40kへの操作有効期間が発生する。なお、ここでの第1演出ボタン40kに係る操作有効時間、言い換えると、第1ボタン操作促進演出の演出時間(第1ボタン操作促進演出時間)は適宜に設定可能であるが、ここでは4秒に設定されているものとする。
第1ボタン操作促進演出が実行されているときに、第1演出ボタン40kが操作されると、図50(C)に示すように、第1ボタン操作促進演出が終了すると共に、表示部50a全体が所定時間(例えば、3秒間)、黒色で表示されて(ブラックアウトして)、演出上の暗転が行われる。ここで、大当たりに係る特図1保留がある場合、特別全回転リーチが開始する。一方、大当たりに係る特図1保留がない場合、特別全回転リーチが開始されることはなく、第1ボタン操作促進演出が実行される前の状態に戻り、ラウンド演出が再開する。
ここでは、大当たりに係る特図1保留が存在していると仮定しているので、特別全回転リーチが開始する。具体的には、図50(D-1)に示すように、表示部50a全体に全回転用背景画像G116が表示される。言い換えると、第1ボタン操作促進演出を堺に、背景画像がラウンド用背景画像G201から全回転用背景画像G116に切り替わる。さらに、特別全回転リーチとして、全回転用背景画像G116に重畳的に、全回転表示している演出図柄EZ1~EZ3が出現する。なお、全回転用背景画像G116の表示は、通常全回転リーチの場合と同様に開始される。すなわち、全回転用背景画像G116を構成する動画に係るストーリーが最初から展開される。
また、特別全回転リーチが実行されても、大当たり遊技に係る演出は部分的に行われる。言い換えると、特別全回転リーチが実行されることによって、大当たり遊技に係る演出が限定的に実行されることになる。「部分的に」、「限定的に」というのは、ラウンド用背景画像G201の表示は行われないが、右打ち画像G2、およびラウンド画像G3の表示、ならびに大当たりを示す態様での小図柄KZ1~KZ3の停止表示は行われる。また、後述するように、特別全回転リーチが実行されると、エンディングにおいて、エンディング用背景画像G202の表示、ならびにエンディング画像G5、および総賞球数画像G6の表示も行われない。
なお、第1ボタン操作促進演出が開始されたときに、大当たりに係る特図1保留がない場合、図50(D-2)に示すように、ラウンド用背景画像G201が表示され、第1ボタン操作促進演出が実行される前の状態に戻り、ラウンド演出が再開する。
また、第1ボタン操作促進演出が開始されてから第1ボタン操作促進演出時間(4秒)が経過するまでの間に、第1演出ボタン40kが操作されなかった場合、当該第1ボタン操作促進演出時間(4秒)の経過に応じて、第1ボタン操作促進演出が終了すると共に、第1演出ボタン40kが行われた場合と同様に演出上の暗転が行われる。そして、第1演出ボタン40kが行われた場合と同様に、大当たりに係る特図1保留がある場合は、特別全回転リーチが開始する一方、大当たりに係る特図1保留がない場合は、ラウンド演出が再開する。
そして、特別全回転リーチが開始されると、その後は、大当たり遊技の進行に関係なく、演出図柄EZ1~EZ3の全回転表示が継続的に行われ続けると共に、全回転用背景画像G116の表示が進行する。一方、ラウンド画像G3の表示は大当たり遊技の進行に応じて行われる。したがって、例えば、図50(D-1)の状況から大当たり遊技が進行して、5回目のラウンド遊技が開始されると、図51(A)に示すように、ラウンド画像G3が示す数字部分が「5」となる。
さらに、大当たり遊技が進行して、第2大当たり遊技の最後のラウンド遊技である5回目のラウンド遊技が終了して、エンディングに突入すると、図51(B)に示すように、ラウンド画像G3が消える。また、エンディングにおいては、特別全回転リーチが行われていなければ、例えば、図18(C)に示すように、エンディング用背景画像G202、ならびにエンディング画像G5、および総賞球数画像G6が表示されるが、特別全回転リーチが行われているときには、これらは表示されない。なお、ラウンド遊技が実行されている間、およびエンディングにおいて、右打ち画像G2の表示、および大当たりを示す態様での小図柄KZ1~KZ3の停止表示は継続的に行われている。
次に、第2大当たり遊技が終了するときには、高確率高ベース遊技状態に移行し、続いて、高確率高ベース遊技状態による特図変動表示が開始されるが、ここでは、保留順1の特図1保留は、ハズレに係る特図1保留であると仮定されている。そして、図48に示すように、時短状態で決定可能なハズレに係る特図1変動パターンは、短縮ハズレ変動のみであるので、第2大当たり遊技が終了すると直ぐに、短縮ハズレ変動に係る特図1変動表示が開始される。
ところで、前述の通り、特別全回転リーチは、4回目のラウンド遊技の大体中間で開始されている。1回のラウンド遊技の大入賞口14の開放時間が29.5秒であり、最後のラウンド遊技を除く閉鎖時間が2.0秒であり、エンディング時間は15.0秒である(図15(A)参照)ことに基づくと、特別全回転リーチが開始してから、第2大当たり遊技が終了するまで約60秒経過したことになる。その一方で、全回転リーチ時間は120秒である。したがって、前段大当たり遊技としての第2大当たり遊技が終了したときには、特別全回転リーチは約半分まで進行していることになる。すなわち、特別全回転リーチが約半分まで進行したところで、遊技状況として、前段大当たり遊技としての第2大当たり遊技から、短縮ハズレ変動に係る特図1変動表示に切り替わるが、この切り替わりのときに、図51(C)に示すように、全回転用背景画像G116の表示、および演出図柄EZ1~EZ3の全回転表示は途切れることなく進行し続ける。すなわち、前段大当たり遊技としての第2大当たり遊技、および短縮ハズレ変動に係る特図1変動表示に跨がって、全回転用背景画像G116の表示、および演出図柄EZ1~EZ3の全回転表示が実行され続ける。ただし、短縮ハズレ変動に係る特図1変動表示が開始されたことに応じて、第2大当たり遊技において大当たりを示す態様で停止表示していた小図柄KZ1~KZ3は変動表示を開始する。
特図1に係る短縮ハズレ変動の特図変動時間は1.0秒であるので、当該特図1変動表示が開始してから1.0秒が経過すると、特図1変動表示が終了して、ハズレを示す態様の特図1停止表示が行われるが、それに応じて、図51(D)に示すように、適宜にハズレを示す態様で小図柄KZ1~KZ3も停止表示する。なお、当該短縮ハズレ変動に係る特図1変動表示が開始したときに、特別全回転リーチが開始してから約60秒経過していることになっていたので、ハズレを示す態様の特図1停止表示が行われた時点では、当該開始時からさらに1.0秒経過していることになる。したがって、この時点では、全回転リーチはまだまだ途中段階までしか進んでいないことになる。
ハズレを示す態様での特図1停止表示に続いて、大当たりに係る特図1保留に基づく特図1変動表示が開始されるが、図48に示すように、時短状態で決定可能な大当たりに係る特図1変動パターンは、特殊大当たり変動のみであるので、ハズレを示す態様での特図1停止表示が終了すると直ぐに、特殊大当たり変動に係る特図1変動表示が開始される。そして、ここでも、第2大当たり遊技から短縮ハズレ変動に係る特図1変動表示への切り替えと同様に、図51(E)に示すように、この特殊大当たり変動に係る特図1変動表示の開始のときに、全回転用背景画像G116の表示、および演出図柄EZ1~EZ3の全回転表示は途切れることなく進行し続ける。すなわち、短縮ハズレ変動に係る特図1変動表示と特殊大当たり変動に係る特図1変動表示とに跨がって、全回転用背景画像G116の表示、および演出図柄EZ1~EZ3の全回転表示が実行され続ける。ただし、特殊大当たり変動に係る特図1変動表示が開始されたことに応じて、ハズレを示す態様で停止表示していた小図柄KZ1~KZ3は変動表示を開始する。
特殊大当たり変動に係る特図変動時間は30.0秒であるので、当該特図1変動表示が開始してから30.0秒が経過すると、特図1変動表示が終了して、大当たりを示す態様の特図1停止表示が行われるが、それに応じて、図52(A)に示すように、適宜に大当たりを示す態様で、演出図柄EZ1~EZ3が停止表示すると共に、小図柄KZ1~KZ3も停止表示する。なお、当該特殊大当たり変動に係る特図1変動表示が開始したときに、特別全回転リーチが開始してから約61秒経過していることになっていたので、大当たりを示す態様の特図1停止表示が行われた時点では、特別全回転リーチが開始してから約91秒経過していることになる。したがって、この時点でも、特別全回転リーチはまだまだ途中段階までしか進んでいないことになる。
大当たりを示す態様での特図1停止表示に続いて、後段大当たり遊技が開始されるが、ここでの大当たり図柄種別は大当たり図柄Aであり、第1大当たり遊技が後段大当たり遊技として開始されると仮定する。そして、ここでも、短縮ハズレ変動に係る特図1変動表示から特殊大当たり変動に係る特図1変動表示への切り替えの場合と同様に、図52(B)に示すように、後段大当たり遊技としての第1大当たり遊技の開始のときに、全回転用背景画像G116の表示は途切れることなく進行し続ける。すなわち、特殊大当たり変動に係る特図1変動表示と後段大当たり遊技としての第1大当たり遊技とに跨がって、全回転用背景画像G116の表示が実行され続ける。しかしながら、ここでは、演出図柄EZ1~EZ3の全回転表示は継続されない。すなわち、当該特別全回転リーチの対象となる特殊大当たり変動に係る特図1変動表示の終了に応じて、演出図柄EZ1~EZ3の全回転表示が終了する。
なお、後段大当たり遊技としての第1大当たり遊技が開始されることによって、オープニングに突入するが、特別全回転リーチが行われているので、前段大当たり遊技でのエンディングの場合と同様に、図18(A)に示すようなオープニング用背景画像G200、およびオープニング画像G1は表示されない。すなわち、後段大当たり遊技でも、大当たり遊技に係る演出が部分的に実行される。
そして、全回転用背景画像G116の表示は、最後まで実行され続ける。後段大当たり遊技としての第1大当たり遊技が開始したとき、特別全回転リーチが開始してから約91秒が経過していることになるので、特別全回転リーチの残り時間は約29秒ということになる。ここで、第1大当たり遊技のオープニング時間が10秒であり、1回のラウンド遊技の開放時間が29.5秒であることに基づくと、全回転用背景画像G116は、1回目のラウンド遊技の途中まで表示され続けることになる。そして、例えば、図52(B)に示す状況からオープニングが終了して1回目のラウンド遊技が開始されると、図52(C)に示すように、全回転用背景画像G116に重畳的に、1ラウンド目を示すラウンド画像G3が表示される。
その後、1回目のラウンド遊技において、特別全回転リーチが開始してから全回転リーチ時間が経過した時点を迎えると、表示部50aの全体が徐々に白くなっていって(ホワイトアウトして)最終的には、図53(A)に示すように、全回転用背景画像G116が消えることによって特別全回転リーチが終了する。そして、図53(A)に示す状況から所定時間(例えば、2秒)が経過すると、表示部50aの全体の白色表示が徐々に解除されていき、図53(B)に示すように、表示部50aには背景画像として、当該第1大当たり遊技のラウンド遊技に応じた背景画像(ラウンド用背景画像)G201が表示されて、通常の第1大当たり遊技に係る演出が開始されることになる。そして、その後は、全回転リーチが実行されない通常通りに、第1大当たり遊技に係る演出が展開される。
なお、遊技制御用マイコン101は、例えば、大当たり遊技が開始されるときに、そのときに存在している特図保留について、当該大当たり遊技の終了後に移行させる遊技状態に基づいて先読み判定を行い、当該先読み判定の結果を反映させた始動入賞コマンドを送り直すものとする。そして、演出制御用マイコン121は、送り直された始動入賞コマンドを、同一の特図保留に係る先に記憶した始動入賞コマンドに上書きするものとする。このようにすることで、演出制御用マイコン121は、通常遊技状態に基づく大当たり当選に係る大当たり遊技において、特殊大当たり変動に対応する特図1保留が存在しているか否かを判断することが可能となる。
以上のように、パチンコ遊技機PY1によれば、大当たり(特定結果)であるかハズレ(非特定結果)であるかの大当たり判定を含む特図1に係る判定(大当たり判定、大当たり図柄種別判定、特図1変動パターン判定:本判定)を行い、特図1に係る判定の結果が大当たり(特定結果)である場合に大当たり遊技(遊技者に有利な特定遊技)を実行することがある遊技制御用マイコン101(遊技実行手段)と、表示部50aにおいて演出を実行することがある演出制御用マイコン121(演出実行手段)とを備え、演出制御用マイコン121(演出実行手段)は、特図1に係る判定が行われると、表示部50aにおいて、演出図柄EZ1~EZ3(識別情報)を変動表示させてから、特図1に係る判定の結果を示唆する態様で停止表示させることがあり、演出制御用マイコン121は、大当たり遊技(特定遊技)において大当たりに係る特図1保留が存在している(特定条件が成立している)ことによって、演出図柄EZ1~EZ3(識別情報)の変動表示を開始させることがある。したがって、遊技者に驚きを与えつつ、新たな大当たりに対する期待感を与えることになり、遊技興趣が向上する。また、パチンコ遊技機PY1によれば、遊技制御用マイコン101(遊技実行手段)は、特図1に係る判定を行う権利が得られた(特図1保留が発生した)ときに当該権利に基づいて特図1に係る判定を行うことができない場合、当該特図1に係る判定を行う権利を保留させることが可能であり、演出制御用マイコン121(演出実行手段)は、大当たり遊技(特定遊技)において演出図柄EZ1~EZ3(識別情報)の変動表示を開始させた場合、当該開始させた演出図柄EZ1~EZ3(識別情報)の変動表示を当該大当たり遊技(特定遊技)が終了した後の所定タイミングまで継続して実行させるので、新たな大当たりに対する期待感を持続させることができる。さらに、パチンコ遊技機PY1によれば、遊技制御用マイコン101(遊技実行手段)は、特図1に係る判定(本判定)を行う権利が得られた場合、当該特図1に係る判定(本判定)を行う前に大当たり(特定結果)であるかハズレ(非特定結果)であるかの判定を含む先読み判定(事前判定)を行うことがあり、演出制御用マイコン121(演出実行手段)は、大当たり遊技(特定遊技)において演出図柄EZ1~EZ3(識別情報)の変動表示を開始させた場合、当該開始させた演出図柄EZ1~EZ3(識別情報)の変動表示に対して、当該開始を導出した特図1に係る判定(本判定)を行う権利に対応した当該特図1に係る判定(本判定)が行われた後に、当該特図1に係る判定(本判定)の結果を示唆する態様で停止表示させるので、大当たり遊技(特定遊技)において開始させた演出図柄EZ1~EZ3(識別情報)の変動表示にメリハリを効かせることができる。
また、パチンコ遊技機PY1によれば、大当たり(特定結果)にするかハズレ(非特定結果)にするかの大当たり判定(第1判定)を行うことが可能な遊技制御用マイコン101(遊技実行手段)と、表示部50aにおいて演出を実行することがある演出制御用マイコン121(演出実行手段)とを備え、遊技制御用マイコン101(遊技実行手段)は、大当たり判定(第1判定)を行う前に、大当たり(特定結果)にするかハズレ(非特定結果)にするかの先読み判定(第2判定)を行うことがあり、演出制御用マイコン121(演出実行手段)は、大当たり判定(第1判定)の結果に基づいて、演出図柄EZ1~EZ3(識別情報)を変動表示させてから、当該大当たり判定(第1判定)の結果を示唆する態様で停止表示させる変動演出を実行可能であり、演出図柄EZ1~EZ3(識別情報)の変動表示の表示態様には、当該変動演出に係る大当たり判定(第1判定)の結果が大当たり(特定結果)の場合に実行されることがあるがハズレ(非特定結果)の場合に実行されることがない全回転変動態様(特殊変動態様)があり、演出制御用マイコン121(演出実行手段)は、大当たり判定(第1判定)の結果が大当たり(特定結果)である場合、当該大当たり判定(第1判定)の結果に基づく変動演出の開始時以降において演出図柄EZ1~EZ3(識別情報)を全回転変動態様(特殊変動態様)で変動表示させ、演出図柄EZ1~EZ3(識別情報)を全回転変動態様(特殊変動態様)で変動表示させているときに、当該全回転変動態様(特殊変動態様)に応じた全回転用背景画像G116(特殊画像)を表示させることがあり、先読み判定(第2判定)の結果が大当たり(特定結果)である場合、当該先読み判定(第2判定)に対応する大当たり判定(第1判定)が行われる前から表示部50aにおいて全回転用背景画像G116(特殊画像)を表示させることがあるので、遊技者に驚きを与えつつ、新たな大当たりに対する期待感を与えることになり、遊技興趣が向上する。
(第1実施形態の変更例)
次に、第1実施形態に係るパチンコ遊技機PY1の変更例について説明する。なお、以下に説明する変更例同士を適宜に組み合わせることも可能である。
前段大当たり遊技において、通常全回転リーチの場合と同様に、演出図柄EZ1~EZ3の全回転表示が行われているが、前段大当たり遊技では、演出図柄EZ1~EZ3を表示しないようにして、演出図柄EZ1~EZ3の全回転表示を行わないようにしても良い。あるいは、前段大当たり遊技においては、例えば、通常全回転リーチの場合よりも高い透過度の演出図柄EZ1~EZ3、通常全回転リーチの場合よりも縮小した演出図柄EZ1~EZ3、または通常全回転リーチの場合よりも細い演出図柄EZ1~EZ3による全回転表示を行うようにしても良い。さらには、前段大当たり遊技においては、例えば、「全」という文字で構成された左演出図柄EZ1、「回」という文字で構成された中演出図柄EZ2、および「転」という文字で構成された右演出図柄EZ3を揃った状態で、全回転表示のようにゆっくりとスクロール表示するようにしても良い。言い換えると、通常の演出図柄EZ1~EZ3の変動表示では用いられない演出図柄を用いて、全回転表示のようなゆっくりとしたスクロール表示を行うようにしても良い。特図変動表示が行われているという遊技者の誤認を防ぐためである。
さらには、特別全回転リーチの開始タイミングを適宜に変更しても良い。例えば、特別全回転リーチの開始タイミングを、前段大当たり遊技のオープニングの開始時、オープニングの途中の特定タイミング、または1回目のラウンド遊技の開始時などに変更しても良い。また、特別全回転リーチの開始可能なタイミングが複数設定されており、特別全回転リーチを実行されることが決定される度に、所定の判定によって特別全回転リーチの開始タイミングを決定するようにしても良い。あるいは、大当たり遊技の種別に応じて、特別全回転リーチの開始タイミングが異なるようにしても良い。
また、前段大当たり遊技、および後段大当たり遊技の双方において、もしくは何れか一方においては、大当たりを示す態様での小図柄KZ1~KZ3の停止表示を行わないようにしても良い。
さらに、特別全回転リーチは、特殊大当たり変動の終了に応じて終了するようにして、特殊大当たり変動に係る大当たり遊技(後段大当たり遊技)では、特別全回転リーチを行わないようにしても良い。
さらに、第1実施形態では、時短状態における特図1変動パターンとして、全回転リーチを実行可能にする特殊大当たり変動のみ設定されているが、この他に、全回転リーチを実行させない大当たり変動も設定し、通常遊技状態における大当たり当選に基づく大当たり遊技が実行されているときに大当たりに係る特図1保留が存在しているが、この場合に、特別全回転リーチが実行されるときと、特別全回転リーチが実行されないときとがあるようにしても良い。
また、大当たり遊技において、特別全回転リーチを実行することができる場合と特別全回転リーチを実行することができない場合とがあるようにしても良い。例えば、相対的にラウンド数が少ない大当たり遊技では特別全回転リーチを実行できるが、相対的にラウンド数が多い大当たり遊技では特別全回転リーチを実行できないようにしても良い。反対に、相対的にラウンド数が多い大当たり遊技では特別全回転リーチを実行できるが、相対的にラウンド数が少ない大当たり遊技では特別全回転リーチを実行できないようにしても良い。すなわち、ラウンド数を基準に特別全回転リーチの実行の可否が設定されるようにしても良い。さらには、大当たり演出図柄が赤図柄の場合は大当たり遊技で特別全回転リーチを実行できないが、大当たり演出図柄が青図柄の場合は大当たり遊技で特別全回転リーチを実行できるようにするなど、大当たり演出図柄の種別を基準に特別全回転リーチの実行の可否が設定されるようにしても良い。あるいは、大当たり遊技の後に確変演出モードに移行する場合は大当たり遊技で特別全回転リーチを実行できないが、大当たり遊技の後に時短演出モードに移行する場合は大当たり遊技で特別全回転リーチを実行できるようにするなど、大当たり遊技の後に移行する演出モードの種別を基準に特別全回転リーチの実行の可否が設定されるようにしても良い。
また、第1実施形態では、大当たり遊技において演出図柄EZ1~EZ3が変動表示する場合の表示態様は、全回転表示のみであるが、他の表示態様で変動表示可能としても良い。例えば、時短状態における特図1変動パターンとして、SP大当たり変動に係る特図変動演出のSPリーチ以降の部分に対応する大当たり変動(特別SP大当たり変動)と、SPハズレ変動に係る特図変動演出のSPリーチ以降の部分に対応するハズレ変動(特別SPハズレ変動)とがあり、大当たり遊技が開始されるときに、保留順1の特図1保留として、特別SP大当たり変動に係る特図1保留、または特別SPハズレ変動に係る特図1保留が存在している場合は、当該大当たり遊技において演出図柄EZ1~EZ3の変動表示を行うようにようにしても良い。この場合の演出図柄EZ1~EZ3の変動表示としては、例えば、全回転表示における中演出図柄EZ1がないものが行われるようにしても良い。言い換えると、左演出図柄EZ1、および右演出図柄EZ3が同一の演出図柄G10で揃った状態で、演出図柄G10の種類が順次入れ替わっていくように、上から下にゆっくりとスクロール表示するようにしても良い。そして、大当たり遊技が終了して、時短状態において、特別SP大当たり変動に係る特図1保留、または特別ハズレ変動に係る特図1保留に基づく特図1変動表示が開始するときに、表示部50aでは、そのスクロール表示の流れで、何れかの種類の演出図柄G10でリーチが成立してそのままSPリーチに発展するようにしても良い。ただし、この場合の大当たり遊技における演出として、大当たり遊技のラウンド遊技においてラウンド用背景画像G201を表示するなどして通常の大当たり遊技演出を行うようにしても良いし、特別全回転リーチの場合と同様にこの場合に専用の背景画像を表示するようにしても良い。さらに、この場合には、ハズレる可能性よりも大当たりする可能性の方が高いなどハズレる可能性と大当たりする可能性が異なるようにしても良いし、ハズレる可能性と大当たりする可能性が同一となるようにしても良い。
特図1変動表示、および当該特図1変動表示の前後の大当たり遊技で特別全回転リーチが行われたが、特図2変動表示、および当該特図2変動表示の前後の大当たり遊技で特別全回転リーチを行うようにしても良い。
また、第1実施形態では、全回転リーチに係る特図1変動(特殊大当たり変動)に基づく特図変動演出が行われる前の大当たり遊技(前段大当たり遊技)から全回転リーチ(特別全回転リーチ)が開始、言い換えると全回転リーチが大当たり遊技から先行して実行されているが、当該特図変動演出が行われる前の遊技内容は大当たり遊技に限られず、特図変動表示にしても良い。
例えば、通常遊技状態における特図2変動パターンとして、全回転リーチを実行できるもの(特定特図2変動パターン)と、全回転リーチを実行できないもの(非特定特図2変動パターン)とがあるようにする。そして、低確率高ベース遊技状態に移行してから大当たりすることなく時短規定回数の特図2変動表示(高ベース最終変動)が行われているときに、特定特図2変動パターンに対応する特図2保留が存在する場合は、高ベース最終変動に係る特図変動演出が実行されているときに全回転リーチが開始され、高ベース最終変動と、特定特図2変動パターンとに跨がって全回転リーチが実行され、特定特図2変動パターンに対応する特図2保留が存在しない場合は、高ベース最終変動に係る特図変動演出が実行されているときに全回転リーチが開始されないようにしても良い。
この場合の具体例を図54を用いて説明する。例えば、高ベース最終変動に基づく特図変動演出の終盤において、図54(A)に示すように、時短用背景画像G130に重畳的に、所謂「初当たり」からここまでで大当たりした回数と、大当たり遊技において獲得した賞球数を示唆する結果画像G30が表示されているときに、図54(B)に示すように、第1ボタン操作促進演出画像G12が表示されて第1ボタン操作促進演出が実行されると共に、第1演出ボタン40kへの操作有効期間が発生する。第1ボタン操作促進演出が実行されているときに、第1演出ボタン40kが操作されると、図54(C)に示すように、第1ボタン操作促進演出が終了すると共に、表示部50a全体が所定時間(例えば、3秒間)、黒色で表示されて(ブラックアウトして)、演出上の暗転が行われる。
そして、特定特図2変動パターンに対応した特図2保留が保留順1で存在しない場合は、図54(D-1)に示すように、高ベース最終変動に基づく特図変動演出が再開して、図54(B)に示す状況の後の部分が行われる。具体的には、第1通常用背景画像G111が表示部50a全体に表示されると共に、第1通常用背景画像G111に重畳的にハズレを示す態様で仮停止表示している演出図柄EZ1~EZ3が表示され、当該高ベース最終変動の終了に応じて、仮停止表示している演出図柄EZ1~EZ3が、そのまま確定的に停止表示し、小図柄KZ1~KZ3がハズレを示す態様で停止表示する。このとき、通常遊技状態に移行する。そして、非特定特図2変動パターンに対応した特図2保留が存在していれば、通常遊技状態において特図2変動表示が開始したことに応じて、ハズレを示す態様で停止表示していた演出図柄EZ1~EZ3、および小図柄KZ1~KZ3が変動表示を開始すると共に、左打ちを報知する画像(左打ち画像)G31が表示される。
一方、特定特図2変動パターンに対応した特図2保留が保留順1で存在する場合は、当該高ベース最終変動に基づく特図変動演出から全回転リーチが開始する。具体的には、図54(D-2)に示すように、表示部50a全体に全回転用背景画像G116が表示される。言い換えると、第1ボタン操作促進演出を堺に、背景画像が時短用背景画像G130から全回転用背景画像G116に切り替わる。さらに、特別全回転リーチとして、全回転用背景画像G116に重畳的に、全回転表示している演出図柄EZ1~EZ3が出現する。なお、全回転用背景画像G116の表示は、通常全回転リーチの場合と同様に開始される。すなわち、全回転用背景画像G116を構成する動画に係るストーリーが最初から展開される。そして、高ベース最終変動が終了することに応じて、小図柄KZ1~KZ3はハズレを示す態様で停止表示する。
そして、特定特図2変動パターンに基づく特図2変動表示が開始されると、図54(D-2)に示すように、ハズレを示す態様で停止表示していた小図柄KZ1~KZ3が変動表示を開始するが、全回転用背景画像G116の表示、および演出図柄EZ1~EZ3の全回転表示は、途切れることなく実行され続ける。この後、少なくとも、特定特図2変動パターンに基づく特図2変動表示において、全回転用背景画像G116の表示、および演出図柄EZ1~EZ3の全回転表示が実行され続ける。
なお、図54に図示するケースの場合、遊技制御用マイコン101は、例えば、高ベース最終変動が開始されるときに、そのときに存在している特図保留について、当該高ベース最終変動の終了後に移行させる通常遊技状態に基づいて先読み判定を行い、当該先読み判定の結果を反映させた始動入賞コマンドを送り直すものとする。そして、演出制御用マイコン121は、送り直された始動入賞コマンドを、同一の特図保留に係る先に記憶した始動入賞コマンドに上書きするものとする。このようにすることで、演出制御用マイコン121は、低確率高ベース遊技状態における特図2変動表示(高ベース最終変動)において、特定特図2変動パターンに対応する特図2保留や非特定特図2変動パターンに対応する特図2保留が存在しているか否かを判断することが可能となる。
<第2実施形態>
次に、前述の本発明に係る基本的な実施形態に基づいて、本発明に係る第2実施形態について説明する。以下においては、主に、第2実施形態として、基本的な実施形態と異なる点について説明する。また、基本的な実施形態と同一の構成、または同様に対応する構成については同一の符号、および用語を用いる。
基本的な実施形態では、通常遊技状態、且つ通常演出モードにおいて、特図変動演出に係る演出フローを構成する演出(演出フロー構成演出)として、通常変動、および遊技者に有利な遊技状態になる可能性が通常変動よりも高いことを示唆するリーチ、ならびに各種リーチ演出、具体的には、Nリーチ、Lリーチ、およびSPリーチが実行可能であった。第2実施形態に係るパチンコ遊技機PY2では、通常遊技状態、且つ通常演出モードでの特図1変動表示に対応した特図変動演出において、リーチや各種リーチ演出などのような演出フロー構成演出とは別に、遊技者に有利な遊技状態になる可能性があることを示唆する予告演出、言い換えると、実行されることで遊技者に有利な遊技状態になることに対する期待度が高まる(チャンスアップ)となる予告演出が実行されることがある。
第2実施形態では、当該予告演出に対応付けられた段階が発展(ステップアップ)可能な予告演出が実行されることがある。この段階が発展(ステップアップ)可能な予告演出は、通常変動が行われているときに、表示部50aにおける画像の表示によって行われる。なお、以下において、段階が発展(ステップアップ)可能な予告演出のことを「ステップアップ予告」と称することもある。
ステップアップ予告に対応付けられた段階として、第1段階~第5段階の5つの段階がある。第2実施形態では、ステップアップ予告は第1段階から開始され、その後、段階が発展しない場合と、段階が発展する場合とがある。発展しない場合は、第1段階から開始したステップアップ予告がそのまま第1段階で終了する。一方、発展する場合は、第1段階から開始したステップアップ予告が、その後、最終的に第2段階まで発展するときと、第3段階まで発展するときと、第4段階まで発展するときと、第5段階まで発展するときとがある。
ステップアップ予告が終了するときの段階のことを「最終段階数」と称する。そして、ステップアップ予告に係る最終段階数は、当該ステップアップ予告が実行されている特図1変動表示で大当たりとなる可能性・期待度(大当たり期待度)に対応付けられている。第2実施形態では、最終段階数に対応付けられた大当たり期待度は、第1段階<第2段階<第3段階<第4段階<第5段階の順番で高い。
なお、以下において、最終段階数が第1段階であるステップアップ予告のことを「第1ステップアップ予告」と称する。同様に、最終段階数が第2段階であるステップアップ予告のことを「第2ステップアップ予告」と称し、最終段階数が第3段階であるステップアップ予告のことを「第3ステップアップ予告」と称し、最終段階数が第4段階であるステップアップ予告のことを「第4ステップアップ予告」と称し、最終段階数が第5段階であるステップアップ予告のことを「第5ステップアップ予告」と称する。すなわち、最終段階数に対応付けたステップアップ予告の種別(ステップアップ予告種別)として、第1ステップアップ予告~第5ステップアップ予告の5つのステップアップ予告種別がある。
また、ステップアップ予告で段階が発展する場合の発展パターンには、通常発展パターンと、特別発展パターンとがある。通常発展パターンでは、段階が1つ発展する。一方、特別発展パターンでは、段階が2つ以上発展する。そして、1つの最終段階数に対して、通常発展パターンおよび特別発展パターンの組み合わせによって複数の発展経路を取り得る。なお、詳細は後述するが、通常発展パターンと特別発展パターンとでは表示内容が異なる。
第2実施形態では、ステップアップ予告は第1段階から開始する。したがって、第2ステップアップ予告における段階の発展経路は、通常発展パターンによって第1段階から第2段階に発展するパターンの1種類のみということになる。一方、第3ステップアップ予告、第4ステップアップ予告、および第5ステップアップ予告における段階の発展経路は、通常発展パターン、および特別発展パターンによって複数種類ある。ここで、第2ステップアップ予告、第3ステップアップ予告、第4ステップアップ予告、および第5ステップアップ予告の場合の段階の発展経路パターンについて説明する。
前述の通り、第2ステップアップ予告で起こり得る発展経路パターン(第2発展経路パターン)には、第1段階から通常発展パターンによって第2段階に発展するパターン(第2発展経路パターンA)しかない。
第3ステップアップ予告で起こり得る発展経路パターン(第3発展経路パターン)には、第1段階から通常発展パターンによって第2段階に発展し、第2段階から通常発展パターンによって第3段階に発展するパターン(第3発展経路パターンA)と、第1段階から特別発展パターンによって第3段階に発展するパターン(第3発展経路パターンB)とがある。
第4ステップアップ予告で起こり得る発展経路パターン(第4発展経路パターン)には、第1段階から通常発展パターンによって第2段階に発展し、第2段階から通常発展パターンによって第3段階に発展し、第3段階から通常発展パターンによって第4段階に発展するパターン(第4発展経路パターンA)と、第1段階から通常発展パターンによって第2段階に発展し、第2段階から特別発展パターンによって第4段階に発展するパターン(第4発展経路パターンB)と、第1段階から特別発展パターンによって第3段階に発展し、第3段階から通常発展パターンによって第4段階に発展するパターン(第4発展経路パターンC)と、第1段階から特別発展パターンによって第4段階に発展するパターン(第4発展経路パターンD)とがある。
第5ステップアップ予告で起こり得る発展経路パターン(第5発展経路パターン)には、第1段階から通常発展パターンによって第2段階に発展し、第2段階から通常発展パターンによって第3段階に発展し、第3段階から特別発展パターンによって第5段階に発展するパターン(第5発展経路パターンA)と、第1段階から通常発展パターンによって第2段階に発展し、第2段階から特別発展パターンによって第5段階に発展するパターン(第5発展経路パターンB)と、第1段階から特別発展パターンによって第3段階に発展し、第3段階から特別発展パターンによって第5段階に発展するパターン(第5発展経路パターンC)と、第1段階から特別発展パターンによって第5段階に発展するパターン(第5発展経路パターンD)とがある。
このように、第3ステップアップ予告、第4ステップアップ予告、および第5ステップアップ予告には、通常発展パターン、および特別発展パターンを用いた複数の段階の発展経路パターンがある。また、第2実施形態では、第5段階へは特別発展パターンで発展することができるが、通常発展パターンで発展することができないように設定されている。ただし、第4段階から通常発展パターンで第5段階が発展できるように変更しても良い。
また、ステップアップ予告に係る段階(第1段階~第5段階)は画像に対応付けられている。図55は、各段階に対応付けられた画像を表している。段階に対応付けられた画像(段階画像)G40には、第1段階に対応付けられた画像(第1段階画像)G40A(図55(A))と、第2段階に対応付けられた画像(第2段階画像)G40B(図55(B))と、第3段階に対応付けられた画像(第3段階画像)G40C(図55(C))と、第4段階に対応付けられた画像(第4段階画像)G40D(図55(D))と、第5段階に対応付けられた画像(第5段階画像)G40E(図55(E))とがある。すなわち、段階は段階画像G40で表される。
ステップアップ予告において、第1段階画像G40Aが表示されているときに第1段階に滞在し、第2段階画像G40Bが表示されているときに第2段階に滞在し、第3段階画像G40Cが表示されているときに第3段階に滞在し、第4段階画像G40Dが表示されているときに第4段階に滞在し、第5段階画像G40Eが表示されているときに第5段階に滞在しているということになる。
第1段階画像G40A~第5段階画像G40Eは、共通して横長矩形状のウィンドウのようなものをベースとして、各ウィンドウの中央に相互に異なるキャラクターの正面視でのバストアップの外見が表示されている。言い換えると、各段階にキャラクターの種類が関連付けられている。具体的には、第1段階にはキャラクターAが関連付けられ、第2段階にはキャラクターBが関連付けられ、第3段階にはキャラクターCが関連付けられ、第4段階にはキャラクターDが関連付けられ、第5段階にはキャラクターEが関連付けられている。なお、第1段階画像G40A~第5段階画像G40Eは、通常用背景画像G111~G113、および変動表示している演出図柄EZ1~EZ3に重畳的に表示される。
また、ステップアップ予告が実行されているときに、第1段階画像G40A~第5段階画像G40Eの2つ以上が同時に表示されることはない。1回のステップアップ予告全体を通して、第1段階画像G40A~第5段階画像G40Eの2つ以上が順次別の時間帯で表示されることがあるが、その瞬間瞬間の各時点では、第1段階画像G40A~第5段階画像G40Eの何れか1つしか表示されない。そして、その表示されている第1段階画像G40A~第5段階画像G40Eの何れか1つに対応付けられた段階がそのとき滞在している段階ということになる。
次に、通常発展パターンに係る表示内容、および特別発展パターンに係る表示内容について説明する。
通常発展パターンによる段階の発展では、まずはそのときに表示されている発展元となる段階に対応付けられた段階画像G40が消えて、1秒経過後に、1つ上の段階に対応付けられた段階画像G40が表示される。
なお、第2実施形態では、通常発展パターンによる段階の発展において、各段階に対応付けられた段階画像G40、言い換えると、第1段階、および発展先の段階に対応付けられた段階画像G40が表示されてから消去されるまでの時間は1秒に設定されている。すなわち、通常発展パターンによる発展において発展元となる段階に滞在している時間(通常滞在時間)は1秒である。ただし、通常段階表示時間は特に限定されることなく適宜に変更しても良い。
また、通常発展パターンによる段階の発展において、発展元の段階に対応付けられた段階画像G40が消えてから、発展先の段階に対応付けられた段階画像G40が表示されるまでの時間は1秒に設定されている。通常発展パターンによる段階の発展では、発展先の段階に対応付けられた段階画像G40が表示された瞬間に、当該段階画像G40の表示内容、言い換えると発展先の段階を認識することができるので、通常発展パターンによる発展に要する時間(通常発展時間)は1秒ということになる。ただし、通常発展時間は特に限定されることなく適宜に変更しても良い。
特別発展パターンによる段階の発展では、当該特別発展パターンの発展元となる段階に対応付けられた段階画像G40を含む映像が表面に表示され、発展先となる段階に対応付けられた段階画像G40を含む映像が裏面に表示されている架空のモニターと見立てられたもの(架空モニター)が、表示部50aの左右方向中心を通る上下方向線を回転軸として平面視反時計回りでゆっくりと180度回転するような様子が表示部50aに表示される。ここで、当該特別発展パターンによる段階の発展の開始時に表示部50aの全体に表示されている表示内容が架空モニターの表面を構成する。そして、架空モニターの表面の中で、発展元となる段階に対応付けられた段階画像G40を発展先となる段階に対応付けられた段階画像G40に置き換えた表示内容が架空モニターの裏面を構成する。なお、架空モニターの回転、言い換えると、特別発展パターンによる段階の発展は、発展元となる段階画像G40が表示されてから1秒経過時に開始される。すなわち、特別発展パターンによる段階の発展において発展元となる段階に滞在している時間(特別滞在時間)は1秒である。ただし、特別滞在時間は特に限定されることなく適宜に変更しても良い。
特別発展パターンによる段階の発展を構成する架空モニターの回転が始まると、架空モニターの表面の見える範囲が徐々に減少していくようになる。そして、架空モニターの回転角度が90度に達すると、架空モニターの左端側面がちょうど正面を向くようになり、架空モニターの表面は完全に見えなくなる。しかし、架空モニターの回転がさらに進むと、今度は架空モニターの裏面の見える範囲が徐々に拡大していくようになる。架空モニターの回転角度が90度を越えた直後は何れの段階に対応付けられた段階画像G40が表示されているか認識困難であるが、回転がさらに進んでいく中で、その段階画像G40が徐々に認識できるようになる。そして、架空モニターの回転角度が180度に達すると、架空モニターの裏面が完全に正面を向くことになり、当該特別発展パターンによる段階の発展が終了する。
なお、架空モニターの180度の回転は一定速度で停止することなく行われる。また、架空モニターが180度回転するのに要する時間は6秒に設定されている。言い換えると、特別発展パターンによる発展に要する時間(特別発展時間)は6秒である。ただし、特に発展時間は特に限定されることなく適宜に変更しても良い。
架空モニターは一定速度で回転するので、開始後3秒で架空モニターの回転角度が90度に達し、それから3秒後に(開始後6秒で)架空モニターの回転角度が180度に達することになる。そして、架空モニターが回転し始めてから4秒~4.5秒が経過したときに、言い換えると、架空モニターの裏面が見え始めてから1秒~1.5秒が経過したときに、大体当該裏面に対応付けられた段階画像G40の表示内容、すなわち発展先の段階が認識可能となる。このような架空モニターの回転における発展先の段階に対応付けられた段階画像G40が認識可能となるまでの期間は、何れの段階に発展するかどうかを煽る期間と位置付けることができる。
また、表示部50aにおいて、架空モニターの回転が行われているような表示処理が行われるが、当該架空モニターの回転途中で、架空モニターの表面と見立てられた部分は徐々に縮小し、架空モニターの裏面と見立てられた部分は徐々に拡大する。以下において、特別発展パターンによる段階の発展が行われていない表示部50a全体を「通常表示領域」と称し、特別発展パターンによる段階の発展が行われているときの表示部50aにおける架空のモニターの表面、および裏面を形成する部分を「特別表示領域」と称することがある。また、特別発展パターンによる段階の発展が行われているときの表示部50aの特別表示領域を除いた部分を「非特別表示領域」と称することがある。
次に、ステップアップ予告の具体例について説明する。図56は、第3発展経路パターンAで第3段階まで発展する第3ステップアップ予告を説明する説明図であり、図57~図58は、第3発展経路パターンBで第3段階まで発展する第3ステップアップ予告を説明する説明図である。
最初に、第3発展経路パターンAで第3段階まで発展する第3ステップアップ予告について説明する。図56(A)に示すように、演出図柄EZ1~EZ3の変動表示(通常変動)が行われているときに、ステップアップ予告が開始されると、まずは、図56(B)に示すように、第1段階に対応付けられた第1段階画像G40Aが表示部50aの略中央に表示される。ここでは第3発展経路パターンAで段階が発展するので、次に通常発展パターンによって第2段階に発展する。したがって、図56(C)に示すように、第1段階画像G40Aは表示されてから1秒後に消えて、それから1秒経過したときに、図56(D)に示すように、第2段階に対応付けられた第2段階画像G40Bが表示部50aの略中央に表示される。
さらに次には通常発展パターンによって第3段階に発展することになるので、図56(E)に示すように、第2段階画像G40Bは表示されてから1秒後に消えて、それから1秒経過したときに、図56(F)に示すように、第3段階に対応付けられた第3段階画像G40Cが表示部50aの略中央に表示される。これで、ステップアップ予告が第3段階まで発展したことになる。そして、当該ステップアップ予告に係る段階の発展はここまでであるので、図56(G)に示すように、第3段階画像G40Cは表示されてから1秒後に消えて、それ以上、何れかの段階画像G40が表示されることはない。
なお、図56は、第3発展経路パターンAで第3段階まで発展する第3ステップアップ予告の具体例を図示しているが、例えば、第2発展経路パターンAで第2段階まで発展する第2ステップアップ予告であれば、図56(E)の段階で当該ステップアップ予告が終了することになり、第1ステップアップ予告であれば、図56(C)の段階で当該ステップアップ予告が終了することになる。
次に、第3発展経路パターンBで第3段階まで発展する第3ステップアップ予告について説明する。図57(A)に示すように、演出図柄EZ1~EZ3の変動表示(通常変動)が行われているときに、ステップアップ予告が開始されると、まずは、図57(B)に示すように、第1段階に対応付けられた第1段階画像G40Aが表示部50aの略中央に表示される。ここでは第3発展経路パターンBで段階が発展していくので、次に特別発展パターンによって第3段階に発展する。したがって、図57(C)に示すように、第1段階画像G40Aを含むそのときに表示部50a全体に表示されている表示内容が表面に示されている架空モニターが表示部50aの左右方向中心を通る上下方向直線を回転軸として、平面視反時計回りでゆっくりと回転し始めるような様子が表示部50aに表示される。
表示部50aにおいて架空モニターが回転し始めたような表示処理がなされると、図57(C)~図57(D)に示すように、架空モニターの表面の見える範囲が徐々に減少していくように、当該表面を構成する特別表示領域G150が左右方向中央に向けて縮小していくと共に、非特別表示領域G151が左右方向中央に向けて拡大していく。
そして、表示部50aにおいて架空モニターの回転角度が90度に達したようになると、図58(A)に示すように、架空モニターの左端側面が正面を向くようになり、回転開始時に表示されていた第1段階画像G40Aを含む架空モニターの表面は完全に見えなくなる。
図58(A)の状況からさらに架空モニターの回転が進むと、今度は、図58(B)~図58(C)に示すように、架空モニターの裏面の見える範囲が徐々に拡大していくように、当該裏面を構成する特別表示領域G150が左右方向両端に向けて拡大していくと共に、非特別表示領域G151が左右方向両端に向けて縮小していく。架空モニターの裏面として、特別表示領域G150には、発展先の第3段階に対応付けられた第3段階画像G40C、ならびに通常用背景画像G111~G113、および変動表示している演出図柄EZ1~EZ3が表示されている。そして、表示部50aにおいて架空モニターの回転がさらに進んでいくような表示処理がなされると、特別表示領域G150が拡大していくなかで、第3段階画像G40C、言い換えると、発展先の段階である第3段階を認識することができる。
図58(C)の状況からさらに架空モニターの回転が進んで、表示部50aにおいて架空モニター回転角度が180度に達したようになると、図58(D)に示すように、架空モニターの裏面が完全に正面を向くようになり、表示部50a全体に通常用背景画像G111が表示され、通常用背景画像G111に重畳的に演出図柄EZ1~EZ3が変動表示し、変動表示している演出図柄EZ1~EZ3の重畳的に、第3段階画像G40Cが完全に表示されている状態になる。言い換えると、特別発展パターンによる第1段階から第3段階への発展が完了し、ステップアップ予告が第3段階まで発展したことになる。そして、図示しないが、図58(D)に示す状況になってから1秒後に第3段階画像G40Cが消去されて、当該ステップアップ予告が終了する。
次に、ステップアップ予告に係る制御内容の一例について説明する。なお、以下に説明する制御内容は、ステップアップ予告に係る制御内容の一例であるので、その制御内容は以下の内容に限定されることなく、適宜に変更しても良い。
例えば、演出制御用マイコン121は、ステップS4306において、通常遊技状態、且つ通常演出モードである場合には、特図変動演出パターンを決定した後に、特図変動開始コマンドに基づいて、ステップアップ予告の実行の可否を決定するためのステップアップ予告実行判定を行う。
ステップアップ予告実行判定は、ステップアップ予告実行判定テーブルを参照して実行される。ステップアップ予告実行判定テーブルの構成例を図59(A)に示す。図59(A)に示すように、ステップアップ予告実行判定テーブルは、特図変動パターンに対応付けられている。具体的には、ステップアップ予告実行判定テーブルとして、SP大当たり変動用のステップアップ予告実行判定テーブル、L大当たり変動用のステップアップ予告実行判定テーブル、SPハズレ変動用のステップアップ予告実行判定テーブル、Lハズレ変動用のステップアップ予告実行判定テーブル、Nハズレ変動用のステップアップ予告実行判定テーブル、通常Aハズレ変動用のステップアップ予告実行判定テーブル、通常Bハズレ変動用のステップアップ予告実行判定テーブル、および通常Cハズレ変動用のステップアップ予告実行判定テーブルが設けられている。図59(A)に示す各ステップアップ予告実行判定テーブルは、ステップアップ予告を実行する/実行しないに対する選択率が図59(A)に示す所定の選択率となるように、適宜に構成されている。
図59(A)に示すように、大当たり変動の場合もハズレ変動の場合も「実行する」と選択されることがある。したがって、ステップアップ予告が実行されると、大当たり遊技状態になる可能性がある。すなわち、ステップアップ予告は、大当たり遊技状態になる可能性があることを示唆する演出、言い換えると、実行されることによって大当たり遊技状態に対する期待度が高まる(チャンスアップする)演出である。また、リーチが成立する特図変動の場合もリーチが成立しない特図変動の場合も「実行する」と選択されることがある。したがって、ステップアップ予告が実行されると、リーチが成立する可能性がある。すなわち、ステップアップ予告は、リーチが成立する可能性があることを示唆する演出、言い換えると、実行されることによってリーチの成立に対する期待度が高まる(チャンスアップする)演出である。
演出制御用マイコン121は、ステップアップ予告実行判定でステップアップ予告を実行すると判定した場合には、引き続き、特図変動開始コマンドに基づいて、最終段階数を決定するための最終段階数判定を行う。
最終段階数判定は、最終段階数判定テーブルを参照して実行される。最終段階数判定テーブルの構成例を図59(B)に示す。図59(B)に示すように、最終段階数判定テーブルは、特図変動パターンに対応付けられている。具体的には、最終段階数判定テーブルとして、SP大当たり変動用の最終段階数判定テーブル、L大当たり変動用の最終段階数判定テーブル、SPハズレ変動用の最終段階数判定テーブル、Lハズレ変動用の最終段階数判定テーブル、Nハズレ変動用の最終段階数判定テーブル、および通常Aハズレ変動用の最終段階数判定テーブルが設けられている。図59(B)に示す各最終段階数判定テーブルは、各最終段階数に対する選択率が図59(B)に示す所定の選択率となるように、適宜に構成されている。
図59(B)に示すように、SPリーチ変動(SP大当たり変動、SPハズレ変動)の場合もLリーチ変動(L大当たり変動、Lハズレ変動)の場合もNハズレ変動の場合も「第3段階」と選択されることがあるが、通常Aハズレ変動の場合は「第3段階」と選択されることがない。したがって、ステップアップ予告で第3段階まで発展すると、当該特図変動演出でリーチが成立することが確定する。
また、図59(B)に示すように、SPリーチ変動(SP大当たり変動、SPハズレ変動)の場合もLリーチ変動(L大当たり変動、Lハズレ変動)の場合も「第4段階」、「第5段階」と選択されることがあるが、Nハズレ変動の場合や通常Aハズレ変動の場合に「第4段階」、「第5段階」と選択されることがない。したがって、ステップアップ予告で第4段階、または第5段階まで発展すると、当該特図変動演出でLリーチ、またはSPリーチが実行されることが確定する。
さらに、図59(B)に示すように、SP大当たり変動、L大当たり変動の場合、およびSPハズレ変動の場合に「第5段階」と選択されることがあるが、Lハズレ変動、Nハズレ変動の場合、および通常Aハズレ変動の場合に「第5段階」と選択されることがない。また、SPハズレ変動の場合の「第5段階」に対する選択率よりもSP大当たり変動、L大当たり変動の場合の「第5段階」に対する選択率の方が高い。したがって、ステップアップ予告で第5段階まで発展すると、当該特図1変動表示で大当たりになる可能性が高い。なお、図59(B)に示すように、第2実施形態では、総じて最終段階数が示唆する大当たり期待度については、第1段階<第2段階<第3段階<第4段階<第5段階という大小関係となる。
演出制御用マイコン121は、最終段階数判定で第3段階、第4段階、または第5段階と判定した場合には、引き続き、特図変動開始コマンドに基づいて、発展経路パターンを決定するための発展経路パターン判定を行う。
発展経路パターン判定は、発展経路パターン判定テーブルを参照して実行される。発展経路パターン判定テーブルの構成例を図60に示す。図60に示すように、発展経路パターン判定テーブルは、最終段階数、および特図変動パターンに対応付けられている。具体的には、発展経路パターン判定テーブルとして、最終段階数が第3段階用の発展経路パターン判定テーブル、最終段階数が第4段階用の発展経路パターン判定テーブル、および最終段階数が第5段階用の発展経路パターン判定テーブルがある。そして、最終段階数が第3段階用の発展経路パターン判定テーブルには、SP大当たり変動用のもの、L大当たり変動用のもの、SPハズレ変動用のもの、Lハズレ変動用のもの、およびNハズレ変動用のものがある。最終段階数が第4段階用の発展経路パターン判定テーブルには、SP大当たり変動用のもの、L大当たり変動用のもの、SPハズレ変動用のもの、およびLハズレ変動用のものがある。最終段階数が第5段階用の発展経路パターン判定テーブルには、SP大当たり変動用のもの、L大当たり変動用のもの、およびSPハズレ変動用のものがある。図60に示す各発展経路パターン判定テーブルは、各発展経路パターンに対する選択率が図60に示す所定の選択率となるように、適宜に構成されている。
演出制御用マイコン121は、最終段階数が第1段階、または第2段階である場合は最終段階数判定を終えると、最終段階数が第3段階、第4段階、または第5段階である場合は発展経路パターン判定を終えると、ステップアップ予告の演出内容となるこれらの判定結果を示すコマンド(ステップアップ予告実行コマンド)を演出用RAM124の出力バッファにセットする。
出力バッファにセットされたステップアップ予告実行コマンドは、コマンド送信処理(S4004)により画像制御基板140に送信される。画像制御基板140の画像用CPU141は、ステップアップ予告実行コマンドを受信すると、特図変動演出が開始してから所定時間(例えば、1秒)が経過した時に、表示部50aにおいて、ステップアップ予告実行コマンドが示す最終段階数判定の判定結果や発展経路パターン判定の判定結果が反映されたステップアップ予告を開始させ、適宜に進行する。
以上のように、パチンコ遊技機PY2によれば、表示部50aにおいて演出を実行することが可能な演出制御用マイコン121(演出実行手段)を備え、演出制御用マイコン121(演出実行手段)は、表示部50aに段階画像G40(所定画像)を表示しているときに、当該表示部50aを含む平面における上下方向(所定方向)の直線を回転軸として、少なくとも段階画像G40(所定画像)が180度回転するように見えるステップアップ予告に係る特別発展パターンによる段階の発展(特定演出)を実行することがあり、特別発展パターンによる段階の発展(特定演出)が実行された場合、段階画像G40(所定画像)の表示内容が当該特別発展パターンによる段階の発展(特定演出)の実行前から変化していることがあるので、遊技者に驚きを与えつつ、新たな大当たりに対する期待感を与えることになり、遊技興趣が向上する。
また、パチンコ遊技機PY2によれば、特別発展パターンによる段階の発展(特定演出)において、当該特別発展パターンによる段階の発展(特定演出)が開始されたときの変化前の表示内容は、徐々に認識できなくなり、当該変化前の表示内容が認識できなくなったことに応じて、変化後の表示内容がほとんど認識できない状態で出現し、当該変化後の表示内容は出現してから徐々に認識できるようになるので、遊技者にドキドキ感が与えられることになり、遊技興趣が向上する。
(第2実施形態の変更例)
次に、第2実施形態に係るパチンコ遊技機PY2の変更例について説明する。なお、以下に説明する変更例同士を適宜に組み合わせることも可能である。
ステップアップ予告は通常遊技状態において実行可能であるが、ステップアップ予告が実行可能な遊技状態は適宜に変更可能であり、高確率高ベース遊技状態や低確率高ベース遊技状態などの他の遊技状態で実行可能としても良い。また、ステップアップ予告は通常演出モードにおいて実行可能であるが、ステップアップ予告が実行可能な演出モードは適宜に変更可能であり、確変演出モードや時短演出モードなどの他の演出モードで実行可能としても良い。また、遊技全体と通して、ステップアップ予告を、複数種類の遊技状態や演出モードで実行可能としても良い。
さらには、ステップアップ予告は、特図変動演出における通常変動において実行可能であるが、ステップアップ予告の実行時期は通常変動に限られず適宜に変更しても良い。例えば、Nリーチなどのリーチが成立した後の期間においてステップアップ予告を実行するようにしても良い。また、通常変動中、およびNリーチ中など特図変動演出における複数種類の期間においてステップアップ予告を実行可能としても良い。加えて、ステップアップ予告が実行される場合は、1回の特図変動演出において、1回実行される場合と、複数回実行される場合とがあるようにしても良い。
また、ステップアップ予告に係る最終段階数の種類は5つであるが、3つ、4つ、または6つ以上の何れかであってもよい。さらに、最終段階数は、大当たり期待度が対応付けられているが、示唆対象は大当たり期待度に限られず適宜に変更しても良い。例えば、相対的にラウンド遊技の回数の多い大当たり遊技、相対的に当該大当たり遊技において獲得可能な賞球数が多い大当たり遊技、または当該大当たり遊技の後に高確率状態や時短状態などの遊技者に有利な遊技状態に移行する大当たり遊技など特定の大当たり遊技状態になる可能性を最終段階数に対応付けても良い。あるいは、SPリーチなどの大当たり遊技状態になる可能性が高いことを示唆する演出が実行される可能性を最終段階数に対応付けても良い。
さらに、特別発展パターンの種類が1つであるが複数種類設けても良い。そして、特別発展パターンの種類によって、大当たり期待度、または発展する段階の数の期待度が異なるようにしても良い。例えば、特別発展パターンの種類を架空モニターの回転方向に対応付けて、架空モニターが平面視反時計回りに回転する特別発展パターンと平面視時計回りに回転する特別発展パターンとがあるようにしても良い。あるいは、架空モニターが平面視反時計回りに回転する特別発展パターンと右側面視時反計回りに回転する特別発展パターンとがあるようにしても良い。また、特別発展パターンの種類を架空モニターの回転速度に対応付けて、架空モニターが第1速度で第1時間掛けて180度回転する特別発展パターンと架空モニターが第1速度よりも速い第2速度で第1時間よりも短い第2時間掛けて180度回転する特別発展パターンとがあるようにしても良い。あるいは、特別発展パターンは架空モニターではなく、例えば、各側面が表示部50a全体で構成されたような直方体で行われ、架空モニターと同様に360度の範囲で回転可能であるが、90度、180度、270度、および360度で停止できるようにしても良い。ここで、停止時の回転角度が大きくなるにつれて、大当たり期待度の高い段階に対応付けられた段階画像G40が表示され易くなるようにしても良い。
また、特別発展パターンによる架空モニターの回転が開始されると、必ず段階が発展するが、段階が発展しないこともあるようにしても良い。例えば、架空モニターの回転角度が90度に達したところで、架空モニターの回転方向が平面視時計回りとなり、表示部50a全体に再度、発展元となる段階に対応付けられた段階画像G40を含む架空モニターの表面が表示されるようにしても良い。あるいは、架空モニターの裏面にも、発展元となる段階に対応付けられた段階画像G40が表示されているようにしても良い。
さらには、通常発展パターンで段階が発展しそうになるが段階が発展しないことがあるようにしても良い。例えば、発展元となる段階画像G40が消えた後に、再度同じ段階画像G40が表示されることがあるようにしても良い。
また、特別発展パターンによる段階の発展では、段階画像G40を含む表示部50a全体を架空のモニターと見立てたものが回転するが、通常用背景画像G111~G113、および変動表示している演出図柄EZ1~EZ3は特別発展パターンによる段階の発展に関わらず、段階画像G40のみが回転するようにしても良い。また、予告演出に係る大当たり期待度が背景画像の表示内容に対応付けられ、架空モニターの回転によって背景画像が切り替わる(変化する)ことがあるようにしても良い。さらには、例えば、相対的に大当たり期待度が低いことを示す演出図柄G10でリーチが成立しているときに、架空モニターの回転によって、リーチを構成する演出図柄G10が相対的に大当たり期待度が高いものに切り替わる(変化する)ことがあるようにしても良い。
さらには、ステップアップ予告に係る段階にキャラクターの種類が対応付けられているが、対応付けられるのはキャラクターに関わらず適宜に変更しても良い。例えば、段階画像G40を構成するウィンドウのようなものの大きさ、形状、または色彩をステップアップ予告に係る段階に対応付けても良い。また、段階画像G40の具体的な表示内容やステップアップ予告に係る各種時間(通常滞在時間、通常発展時間、特別滞在時間、特別発展時間)は特に限定されず、適宜に変更しても良い。さらには、架空モニターの特別発展時間が短く(例えば、1秒)、表面に係る表示内容から裏面に係る表示内容への切り替わりの過程が視認困難な態様で架空モニターの回転が行われるようにしても良い。
<第3実施形態>
次に、前述の本発明に係る基本的な実施形態に基づいて、本発明に係る第3実施形態について説明する。以下においては、主に、第3実施形態として、基本的な実施形態と異なる点について説明する。また、基本的な実施形態と同一の構成、または同様に対応する構成については同一の符号、および用語を用いる。
第3実施形態に係るパチンコ遊技機PY3は、通常遊技状態且つ通常演出モードにおける特図1に係る特図変動演出において、基本的な実施形態では実行され得なかった演出フロー構成演出を実行することがある。言い換えると、通常遊技状態において決定可能な特図1変動パターン、および通常遊技状態に係る特図1変動パターン判定テーブルについて第3実施形態と基本的な実施形態とで一部異なる。
図61は、第3実施形態に係る特図1変動パターン判定テーブルの構成例を表す図である。図61に示すように、通常遊技状態における特図1変動パターンに基づく特図変動演出で実行可能な演出フロー構成演出として、発展演出、通常Nリーチ、特別Nリーチ、リーチ後予告、および接続演出が含まれる。
発展演出は、Lリーチが実行されるかSPリーチが実行されるかを示唆する演出であり、通常変動を経てリーチが成立した(リーチ成立報知演出が実行された)直後に、発展的に実行される。Nリーチは、ハズレるかLリーチに発展するかSPリーチに発展するかを示唆する演出であって、Nリーチの最後にハズレを示す態様の演出図柄EZ1~EZ3の停止表示が行われてNリーチで当該特図変動演出が終了することがあるのに対して、発展演出でハズレが導出されてそのまま当該特図変動演出が終了することはない。
発展演出では、成立したリーチが維持されるが、LリーチやSPリーチと同様に、当該リーチを構成する演出図柄が縮小されると共に、Nリーチのときよりも背景画像の支障にならない所定位置に移動する。また、発展演出の開始に伴って、背景画像がそれまで表示されていた通常用背景画像G111~G113から発展演出専用の背景画像(発展演出用背景画像)G117に切り替わる。
なお、発展演出用背景画像G117は、所定のストーリー性を有する2DCGによるアニメーション動画で構成されている。発展演出用背景画像G117に係る所定のストーリーの内容は、適宜に設定可能であるが、第3実施形態では、主人公キャラクターのチームの応援団が主人公キャラクターを応援している内容に設定されている。
具体例は後述するが、発展演出では、最初にLリーチに発展する場合とSPリーチに発展する場合とで共通の演出(発展共通演出)が実行される。そして、発展演出の最後に、発展先(LリーチおよびSPリーチ)を示唆する演出(発展先示唆演出)が実行される。Lリーチに発展する場合はLリーチに発展することを示唆する演出(Lリーチ発展示唆演出)が発展先示唆演出として実行され、SPリーチに発展する場合はSPリーチに発展することを示唆する演出(SPリーチ発展示唆演出)が発展先示唆演出として実行される。
通常Nリーチは、基本的な実施形態のNリーチの一種であり、当該Nリーチにおいて、後述するリーチ後予告が実行されないNリーチである。したがって、実質的には、言い換えると、演出内容について、通常Nリーチと、基本的な実施形態のNリーチとは同一の演出である。
特別Nリーチは、基本的な実施形態のNリーチの一種であり、当該Nリーチにおいて、後述するリーチ後予告が一時的に割り込むように実行されるNリーチである。具体例は後述するが、特別Nリーチの大部分の演出内容は、通常Nリーチと同一である。特別Nリーチは、最初は通常Nリーチと同じように開始し、その途中でリーチ後予告が一時的に割り込むように実行されるが、リーチ後予告が終了すると、通常Nリーチと同じ演出内容に戻り、最後は通常Nリーチと同じように終了する。したがって、特別Nリーチの演出内容は、リーチ後予告が実行されていることを除いて、通常Nリーチと同一である。
なお、以下において、通常Nリーチと特別Nリーチとを合わせて「Nリーチ」と称することもある。また、通常Nリーチの演出内容全体、および特別Nリーチのリーチ後予告を除く部分についても「Nリーチ」と称することもある。以下において、特別Nリーチにおいて、リーチ後予告が実行される前の部分を「Nリーチ前半」と称し、リーチ後予告が実行された後の部分を「Nリーチ後半」と称することもある。
また、通常Nリーチが行われた場合、および特別Nリーチが行われた場合の何れについても、その後に、ハズレを示す態様で演出図柄EZ1~EZ3の停止表示が行われるときと、Lリーチに発展するときと、SPリーチに発展するときとがある。言い換えると、通常Nリーチが行われた場合、および特別Nリーチが行われた場合の何れについても、当該Nリーチで当該特図変動演出が終了するときと、当該Nリーチの後に当該特図変動演出が継続するときとがある。
リーチ後予告は、実行されることによって大当たり遊技状態になる期待度が高まる(チャンスアップする)演出であり、特別Nリーチの中盤限定で割り込むように実行される。
接続演出は、通常変動が実行されているときに実行される。接続演出が実行されることによって、通常変動から、接続演出の接続対象となる演出、具体的には、SPリーチ、発展演出、およびリーチ後予告の何れか1つに一気に接続される。言い換えると、接続演出を介して、通常変動から、リーチ成立(リーチ成立報知演出)を飛ばして、SPリーチ、発展演出、またはリーチ後予告が突然実行されることになる。以下において、SPリーチに接続される場合の接続演出を「SPリーチ接続演出」と称し、発展演出に接続される場合の接続演出を「発展演出接続演出」と称し、リーチ後予告に接続される場合の接続演出を「リーチ後予告接続演出」と称することがある。
接続演出の接続対象がSPリーチである場合、接続演出が実行された後にSPリーチが実行される。さらにこの場合は、SPリーチの後に、演出図柄EZ1~EZ3が大当たりを示す態様で停止表示するときと演出図柄EZ1~EZ3がハズレを示す態様で停止表示するときとがある。すなわち、接続演出の実行の有無に関わらず、SPリーチの後には大当たりになる可能性、およびハズレになる可能性の何れもある。なお、接続演出が実行された場合のSPリーチの演出内容と、接続演出が実行されなかった場合のSPリーチの演出内容とは同一である。
接続演出の接続対象が発展演出である場合、接続演出が実行された後に発展演出が実行される。さらにこの場合は、発展演出の後にLリーチに発展するときとSPリーチに発展するときとがある。すなわち、接続演出の実行の有無に関わらず、発展演出の後にはLリーチに発展する可能性、およびSPリーチに発展する可能性の何れもある。なお、接続演出が実行された場合の発展演出の演出内容と、接続演出が実行されなかった場合の発展演出の演出内容とは同一である。
接続演出の接続対象がリーチ後予告である場合、接続演出が実行された後にリーチ後予告が実行される。ただし、ここでの「リーチ後予告」は、特別Nリーチを構成するリーチ後予告のことである。したがって、この場合のリーチ後予告の後には、Nリーチ後半が実行される。そして、この場合、その後に、演出図柄EZ1~EZ3がハズレを示す態様で停止表示するときと、Lリーチに発展するときと、SPリーチに発展するときとがある。すなわち、接続演出の実行の有無に関わらず、リーチ後予告の後には、ハズレになる可能性、Lリーチに発展する可能性、およびSPリーチに発展する可能性の何れもある。なお、接続演出が実行された場合のリーチ後予告を含む特別Nリーチの演出内容と、接続演出が実行されなかった場合のリーチ後予告を含む特別Nリーチの演出内容とは同一である。
なお、接続演出が実行されなかった場合と接続演出が実行された場合とで、SPリーチ、発展演出、およびリーチ御予告の演出内容は同一であるが、以下において、接続演出が実行されなかった場合のSPリーチ、発展演出、およびリーチ後予告を「通常SPリーチ」、「通常発展演出」、および「通常リーチ後予告」と称し、接続演出が実行された場合のSPリーチ、発展演出、およびリーチ後予告を「特別SPリーチ」、「特別発展演出」、および「特別リーチ後予告」と称することもある。
また、具体例は後述するが、接続演出では、最初に、SPリーチに接続される場合と発展演出に接続される場合とリーチ後予告に接続される場合とで共通の演出(接続共通演出)が実行される。そして、接続演出の最後に、接続先(SPリーチ、発展演出およびリーチ後予告)を示唆する演出(接続先示唆演出)が実行される。SPリーチに接続される場合はSPリーチに接続されることを示唆する演出(SPリーチ接続示唆演出)が接続先示唆演出として実行され、発展演出に接続される場合は発展演出に接続されることを示唆する演出(発展演出接続示唆演出)が接続先示唆演出として実行され、リーチ後予告に接続される場合はリーチ後予告に接続されることを示唆する演出(リーチ後予告接続示唆演出)が接続先示唆演出として実行される。
なお、第3実施形態では、大当たりに係る特図1変動パターンが11種類設定されている。大当たりに係る各特図1変動パターンの名称は図61に記載の項目「特図1変動パターン」に示す通りである。また、リーチ有りハズレに係る特図1変動パターンが12種類設定されている。リーチ有りハズレに係る各特図1変動パターンの名称は図61に記載の項目「特図1変動パターン」に示す通りである。
次に、ステップアップ予告について説明する。ステップアップ予告は、実行されることによって大当たり遊技状態になる期待度が高まる(チャンスアップする)演出であり、通常変動において実行される。ステップアップ予告が、接続演出を構成する場合と、接続演出を構成しない場合とがある。以下において、接続演出を構成しないステップアップ予告を「通常ステップアップ予告」と称し、接続演出を構成するステップアップ予告を「特別ステップアップ予告」と称することがある。すなわち、接続演出を構成するか否かが対応付けられたステップアップ予告の種別(ステップアップ予告接続演出種別)として、通常ステップアップ予告、および特別ステップアップ予告の2種類がある。
また、ステップアップ予告は、当該予告に対応付けられた段階が発展(ステップアップ)可能な演出である。ステップアップ予告に対応付けられた段階として、第1段階~第3段階の3つの段階がある。第3実施形態では、ステップアップ予告は第1段階から開始され、その後、段階が発展しない場合と、段階が発展する場合とがある。発展しない場合は、第1段階から開始したステップアップ予告がそのまま第1段階で終了することになる。一方、発展する場合は、第1段階から開始したステップアップ予告が、第2段階まで発展して第2段階でステップアップ予告が終了するときと、第2段階まで発展し、続いてさらに第3段階まで発展して第3段階でステップアップ予告が終了するときとがある。
当該ステップアップ予告が終了するときの段階のことを「最終段階数」と称する。そして、ステップアップ予告に係る最終段階数は、当該ステップアップ予告が実行されている特図1変動表示で大当たりとなる可能性・期待度(大当たり期待度)に対応付けられている。第3実施形態では、最終段階数に対応付けられた大当たり期待度は、第1段階<第2段階<第3段階の順番で高い。
なお、以下において、最終段階数が第1段階であるステップアップ予告のことを「第1ステップアップ予告」と称する。同様に、最終段階数が第2段階であるステップアップ予告のことを「第2ステップアップ予告」と称し、最終段階数が第3段階であるステップアップ予告のことを「第3ステップアップ予告」と称する。すなわち、最終段階数に対応付けたステップアップ予告の種別(ステップアップ予告最終段階数種別)として、第1ステップアップ予告~第3ステップアップ予告の3種類がある。
そして、ステップアップ予告に係る第3段階には、接続先示唆演出を構成するものと、接続先示唆演出を構成しないものとがある。以下において、接続先示唆演出を構成しない第3段階を「通常第3段階」と称し、接続先示唆演出を構成する第3段階を「特別第3段階」と称することもある。特別第3段階まで発展するステップアップ予告が特別ステップアップ予告(第3特別ステップアップ予告)を構成し、それ以外のステップアップ予告、すなわち、第1ステップアップ予告、第2ステップアップ予告、および通常第3段階まで発展するステップアップ予告(第3通常ステップアップ予告)が通常ステップアップ予告を構成する。
特別第3段階には、SPリーチ接続示唆演出を構成するもの(特別第3段階A)と、発展演出接続示唆演出を構成するもの(特別第3段階B)と、リーチ後予告接続示唆演出を構成するもの(特別第3段階C)とがある。なお、特別ステップアップ予告における第2段階までの部分、言い換えると結果的に特別第3段階まで発展した場合の第2段階までの部分が、接続共通演出を構成する。
さらには、最終的に、通常第3段階まで発展する場合も、特別第3段階まで発展する場合も、第1段階、および第2段階の演出内容は同一である。したがって、ステップアップ予告において、第2段階まで発展している段階では、遊技者は、通常ステップアップ予告が実行されているのか特別ステップアップ予告が実行されているのかを認識することは困難である。
また、ステップアップ予告に係る段階(第1段階、第2段階、通常第3段階、特別第3段階A、特別第3段階B、特別第3段階C)は画像に対応付けられている。図62は、各段階に対応付けられた画像を表している。段階に対応付けられた画像(段階画像)G50には、第1段階に対応付けられた画像(第1段階画像)G50A(図62(A))と、第2段階に対応付けられた画像(第2段階画像)G50B(図62(B))と、通常第3段階に対応付けられた画像(通常第3段階画像)G50C(図62(C))と、特別第3段階Aに対応付けられた画像(特別第3段階A画像)G50D(図62(D))と、特別第3段階Bに対応付けられた画像(特別第3段階B)G50E(図62(E))と、特別第3段階Cに対応付けられた画像(特別第3段階C)G50F(図62(E))とがある。
ステップアップ予告において、第1段階画像G50Aが表示されているときに第1段階に滞在し、第2段階画像G50Bが表示されているときに第2段階に滞在し、通常第3段階画像G50Cが表示されているときに通常第3段階に滞在し、特別第3段階A画像G50Dが表示されているときに特別第3段階Aに滞在し、特別第3段階B画像G50Eが表示されているときに特別第3段階Bに滞在し、特別第3段階C画像G50Fが表示されているときに特別第3段階Cに滞在しているということになる。
第1段階画像G50A~特別第3段階C画像G50Fは、共通して横長矩形状のウィンドウのようなものをベースとしている。そして、第1段階画像G50A、第2段階画像G50B、および通常第3段階画像G50Cに係る各ウィンドウの中央には相互に異なるキャラクターの正面視でのバストアップの外見が表示されている。言い換えると、各段階にキャラクターの種類が関連付けられている。具体的には、第1段階にはキャラクターAが関連付けられ、第2段階にはキャラクターBが関連付けられ、通常第3段階にはキャラクターCが関連付けられている。一方、特別第3段階A画像G50D、特別第3段階B画像G50E、および特別第3段階C画像G50Fに係る各ウィンドウの中央には、各接続先に係る演出の最初の表示内容が表示されている。言い換えると、各段階に接続先の対象が関連付けられている。なお、第1段階画像G50A~特別第3段階C画像G50Fは、通常用背景画像G111~G113、および変動表示している演出図柄EZ1~EZ3に重畳的に表示される。
また、ステップアップ予告が実行されているときに、第1段階画像G50A~特別第3段階C画像G50Fの2つ以上が同時に表示されることはない。1回のステップアップ予告全体を通して、第1段階画像G50A~特別第3段階C画像G50Fの2つ以上が順次別の時間帯で表示されることがあるが、その瞬間瞬間の各時点では、第1段階画像G50A~特別第3段階C画像G50Fの1つしか表示されない。そして、その表示されている第1段階画像G50A~特別第3段階C画像G50Fの何れか1つに対応付けられた段階がそのとき滞在している段階ということになる。
次に、パチンコ遊技機PY3が実施可能な各種演出の具体例について説明する。図63は、通常リーチ後予告を含む特別Nリーチの具体例を説明する図であり、図64は、通常発展演出の具体例を説明する図であり、図65は、第3通常ステップアップ予告の具体例を説する図であり、図66は、リーチ後予告接続演出からリーチ後予告への接続の具体例を説する図であり、図67は、発展演出接続演出から発展演出への接続の具体例を説する図であり、図68は、SPリーチ接続演出からSPリーチへの接続の具体例を説する図である。
最初に、通常リーチ後予告を含む特別Nリーチの具体例について説明する。前述の通り、通常リーチ後予告は、Nリーチの中盤で実行される。例えば、図63(A)に示すように、Nリーチ(Nリーチ前半)が開始してから所定時間(例えば、4秒)が経過するとリーチ後予告が実行される。具体的には、図63(B)に示すように、リーチ後予告に対応付けられた画像(リーチ後予告画像)G51が表示部50a全体にカットインされる。リーチ後予告画像G51は所定時間(例えば、3秒)表示される。言い換えると、リーチ後予告の演出時間は所定時間(例えば、3秒)である。
通常リーチ後予告が終了すると、続いて、図63(C)に示すように、Nリーチ後半が実行される。ただし、ここでは、通常Nリーチにおけるリーチ後予告が終了した時点の部分から実行される。すなわち、特別Nリーチにおいて、通常Nリーチと同様に(リーチ後予告が実行されない場合の)Nリーチが途切れることなく実行されている中で、リーチ後予告が重畳的に実行されていたことになる。視覚的にはNリーチが中断されているようにみえるが、内部上は(制御的には)リーチ後予告が実行されている間、Nリーチが並行して実行されていたことになる。ただし、リーチ後予告の開始に応じてNリーチが停止し、リーチ後予告の終了に応じてNリーチが再開する(Nリーチが一時的に中断)するようにしても良い。このように、特別Nリーチにおいては「Nリーチ前半→リーチ後予告→Nリーチ後半」という内容の演出フローが展開される。
次に、通常発展演出の具体例について説明する。前述の通り、通常発展演出は、リーチが成立した直後から実行される。例えば、図21(D)に示すように、リーチが成立すると(リーチ成立報知演出が実行されると)、リーチの成立から発展演出へ展開するための演出、言い換えると、場面転換を行う(表示部50aにおける背景画像を切り替える)ための演出が実行される。具体的には、図64(A)に示すように、表示部50a全体に、左右一対の開閉可能な襖を表す画像(襖画像)G52が表示される。
詳細な説明は省略するが、襖画像G52が表す襖は、左側に配置される襖(左襖)と、右側に配置される襖(右襖)とを有し、襖が閉まるように、左襖が表示部50aの左端からフェイドインしてきて右方向へ移動し、右襖が表示部50aの右端からフェイドインしてきて左方向へ移動し、2枚の襖画像G52が完全に表示されて、表示部50a全体が覆われたようになる。襖画像G52が完全に表示されることによって、それまで表示されていた通常用背景画像G111、およびリーチを形成していた左演出図柄EZ1、および右演出図柄EZ3が覆われて完全に見えなくなる。
そして、襖画像G52が完全に表示されてから所定時間(例えば、2秒)が経過すると、襖画像G52が表す襖が開くように、左襖が左方向へ移動して表示部50aの左端からフェイドアウトし、右襖が右方向へ移動して表示部50aの右端からフェイドアウトして、襖画像G52が完全に消える。そして、このとき、通常発展演出が開始され、図64(B)に示すように、表示部50a全体に背景画像として発展演出用背景画像G117が表示されると共に、リーチが成立したときと比べて縮小して表示部50aの左右上隅部に移動した状態のリーチを形成する左演出図柄EZ1、および右演出図柄EZ3が出現する。
発展演出用背景画像G117は、主人公キャラクターのチームの応援団が主人公キャラクターを応援しているという内容のストーリー性を有するアニメーション動画で構成されているので、発展演出用背景画像G117が表示されているときに当該ストーリーが適宜に進行する。そして、発展演出用背景画像G117に対応付けられたストーリーが佳境を迎えると、図64(C)に示すように、SPリーチに発展するかLリーチに発展するかの分岐点(演出発展分岐点)となる。このように発展演出が開始してから演出発展分岐点を迎えるまでの部分が発展共通演出を構成する。
そして、演出発展分岐点からSPリーチに発展する場合は、図64(D-1)に示すように、SPリーチ発展示唆演出として、発展演出用背景画像G117において最後に、SPリーチ発展示唆演出に対応付けられた場面が表示されてから、当該発展演出が終了すると共に、SPリーチが開始される。一方、演出発展分岐点からLリーチに発展する場合は、図64(D-2)に示すように、Lリーチ発展示唆演出として、発展演出用背景画像G117において最後に、Lリーチ発展示唆演出に対応付けられた場面が表示されてから、当該発展演出が終了すると共に、Lリーチが開始される。
このように、発展演出において、発展共通演出が実行されて演出発展分岐点を迎えたところで、発展先示唆演出として、最終的にSPリーチ発展示唆演出またはLリーチ発展示唆演出が実行されることによって、SPリーチまたはLリーチに発展する。
次に、第3通常ステップアップ予告の具体例について説明する。図65(A)に示すように、演出図柄EZ1~EZ3の変動表示(通常変動)が開始してから所定時間(例えば、2秒)が経過したときに、第3通常ステップアップ予告が開始される。第3通常ステップアップ予告が開始されると、まずは、図65(B)に示すように、第1段階に対応付けられた第1段階画像G50Aが表示部50aの略中央に表示される。
第1段階画像G50Aが表示されてから所定時間(例えば、1秒)が経過すると、図65(C)に示すように、第1段階画像G50Aが消えて、それから所定時間(例えば、0.5秒)が経過したときに、図65(D)に示すように、第2段階に対応付けられた第2段階画像G50Bが表示部50aの略中央に表示される。これで、ステップアップ予告が第2段階まで発展したことになる。
第2段階画像G50Bが表示されてから所定時間(例えば、1秒)が経過すると、図65(D)に示すように、第2段階画像G50Bが消えて、それから所定時間(例えば、0.5秒)が経過したときに、図65(E)に示すように、通常第3段階に対応付けられた通常第3段階画像G50Cが表示部50aの略中央に表示される。これで、ステップアップ予告が通常第3段階まで発展したことになる。そして、当該ステップアップ予告に係る段階の発展はここまでであるので、図65(G)に示すように、通常第3段階画像G50Cが消えて、それ以上、何れかの段階画像G50が表示されることはない。
なお、図65は、通常第3段階まで発展する第3通常ステップアップ予告の具体例を図示しているが、例えば、第2段階まで発展する第2ステップアップ予告であれば、図65(E)の段階で当該ステップアップ予告が終了することになり、第1ステップアップ予告であれば、図65(C)の段階で当該ステップアップ予告が終了することになる。
また、第3実施形態においては、何れのステップアップ予告についても、演出図柄EZ1~EZ3の変動表示の開始時を基点とした開始時間、言い換えると、第1段階画像G50Aが表示されるタイミングは同一に設定されている。また、各段階画像G50A~G50Fが表示されている時間、言い換えると、各段階に滞在している時間、およびある段階画像G50が消えてから次の段階画像G50が表示されるまでの時間も同一に設定されている。
次に、リーチ後予告接続演出からリーチ後予告への接続の具体例について説明する。特別第3段階Cまで発展する特別ステップアップ予告(特別Cステップアップ予告)において第2段階まで発展し、図66(A)に示すように、表示部50aにおいて第2段階画像G50Bが表示されてから、当該第2段階画像G50Bが消去され(図示なし)、続いて、特別第3段階Cまで発展すると、図66(B)に示すように、表示部50aの略中央に特別第3段階C画像G50Fが表示される。特別第3段階C画像G50Fの表示内容は、リーチ後予告画像G51の最初の表示内容を表している。詳細には、特別第3段階C画像G50Fの表示内容は、リーチ後予告画像G51の表示内容をほとんどそのまま表している。このように、特別Cステップアップ予告における第2段階画像G50Bの表示までの部分が接続共通演出を構成し、図66(B)における特別第3段階C画像G50Fの表示がリーチ後予告接続演出を構成する。
そして、特別第3段階C画像G50Fが表示されてから所定時間(例えば、2秒)が経過すると、リーチ後予告が開始される。具体的には、図66(C)に示すように、リーチ後予告画像G51の表示内容をほとんどそのまま表している特別第3段階C画像G50Fが全体的に拡大していき表示部50a全体に及ぶことによって、発展的にリーチ後予告画像G51に変化したことになる。言い換えると、特別第3段階C画像G50Fが拡大して表示部50a全体に表示されることによって、リーチ後予告接続示唆演出が終了すると共に、そのままリーチ後予告が開始する。これが、特別第3段階C画像G50Fの表示によるリーチ後予告接続示唆演出からリーチ後予告への接続を構成する。また、このようにステップアップ予告から発展的に実行されたリーチ後予告が特別リーチ後予告を構成する。
特別リーチ後予告が開始されてから、通常リーチ後予告の場合の演出時間と同一の演出時間が経過すると、図66(D)に示すように、リーチ後予告画像G51が消去されて特別リーチ後予告が終了すると共に、通常リーチ後予告の場合と同様に、Nリーチ後半が実行される。その後の展開も通常リーチ後予告の場合と同様である。
次に、発展演出接続演出から発展演出への接続の具体例について説明する。特別第3段階Bまで発展する特別ステップアップ予告(特別Bステップアップ予告)において第2段階まで発展し、図67(A)に示すように、表示部50aにおいて第2段階画像G50Bが表示されてから、当該第2段階画像G50Bが消去され(図示なし)、続いて、特別第3B段階まで発展すると、図67(B)に示すように、表示部50aの略中央に特別第3段階B画像G50Eが表示される。特別第3段階B画像G50Eの表示内容は、発展演出用背景画像G117の表示内容を表している。詳細には、特別第3段階B画像G50Eの表示内容は、発展演出用背景画像G117の開始時の表示内容をほとんどそのまま表している。このように、特別Bステップアップ予告における第2段階画像G50Bの表示までの部分が接続共通演出を構成し、図67(B)における特別第3段階B画像G50Eの表示が発展演出接続演出を構成する。
そして、特別第3段階B画像G50Eが表示されてから所定時間(例えば、2秒)が経過すると、発展演出が開始される。具体的には、図67(C)に示すように、発展演出用背景画像G117の開始時の表示内容をほとんどそのまま表している特別第3段階B画像G50Eが全体的に拡大していき表示部50a全体に及ぶことによって、発展的に発展演出用背景画像G117に変化したことになる。言い換えると、特別第3段階B画像G50Eが拡大して表示部50a全体に表示されることによって、発展演出接続示唆演出が終了すると共に、発展演出が開始する。これが、特別第3段階B画像G50Eの表示による発展演出接続示唆演出から発展演出への接続を構成する。また、このようにステップアップ予告から発展的に実行された発展演出が特別発展演出を構成する。
なお、特別第3段階B画像G50Eから発展演出用背景画像G117に変化したことに応じて、通常発展演出の場合と同じリーチを形成した左演出図柄EZ1、および右演出図柄EZ3が出現する。具体的には、リーチの成立時に比べて縮小された仮停止表示状態の左演出図柄EZ1が表示部50aの左上隅部に出現すると共に、左演出図柄EZ1と略同一の大きさで仮停止表示状態の右演出図柄EZ3が表示部50aの右上隅部に出現する。
特別発展演出が開始されると、それからは図67(D)に示すように、通常発展演出の場合と同じように発展演出が展開され、最終的には、SPリーチまたはLリーチに発展する。
次に、SPリーチ接続演出からSPリーチへの接続の具体例について説明する。特別第3段階Aまで発展する特別ステップアップ予告(特別Aステップアップ予告)において第2段階まで発展し、図68(A)に示すように、表示部50aにおいて第2段階画像G50Bが表示されてから、当該第2段階画像G50Bが消去され(図示なし)、続いて、特別第3段階Aまで発展すると、図68(B)に示すように、表示部50aの略中央に特別第3段階A画像G50Dが表示される。特別第3段階A画像G50Dの表示内容は、SPリーチ用背景画像G115の表示内容を表している。詳細には、特別第3段階A画像G50Dの表示内容は、SPリーチ用背景画像G115の開始時の表示内容をほとんどそのまま表している。
そして、特別第3段階A画像G50Dが表示されてから所定時間(例えば、2秒)が経過すると、SPリーチが開始される。具体的には、図68(C)に示すように、SPリーチ用背景画像G115の開始時の表示内容をほとんどそのまま表している特別第3段階A画像G50Dが全体的に拡大していき表示部50a全体に及ぶことによって、発展的にSPリーチ用背景画像G115に変化したことになる。言い換えると、特別第3段階A画像G50Dが拡大して表示部50a全体に表示されることによって、SPリーチ接続示唆演出が終了すると共に、SPリーチが開始する。これが、特別第3段階A画像G50Dの表示によるSPリーチ接続示唆演出からSPリーチへの接続を構成する。また、このようにステップアップ予告から発展的に実行されたSPリーチが特別SPリーチを構成する。なお、特別第3段階A画像G50DからSPリーチ用背景画像G115に変化したことに応じて、通常SPリーチの場合と同じリーチを形成した左演出図柄EZ1、および右演出図柄EZ3が出現する。具体的には、リーチの成立時に比べて縮小された仮停止表示状態の左演出図柄EZ1が表示部50aの左上隅部に出現すると共に、左演出図柄EZ1と略同一の大きさで仮停止表示状態の右演出図柄EZ3が表示部50aの右上隅部に出現する。
特別SPリーチが開始されると、それからは図68(D)に示すように、通常SPリーチの場合と同じようにSPリーチが展開される。
なお、図65~図68に示すように、ステップアップ予告で第2段階まで発展して第2段階画像G50Bが消えると、そこで当該ステップアップ予告が終了するときと、通常第3段階に発展するときと、特別第3段階Aに発展するときと、特別第3段階Bに発展するときと、特別第3段階Cに発展するときとがある。よって、第2段階画像G50Bが消えることは、当該ステップアップ予告が継続するか否かの分岐点、接続示唆演出が実行されるか否かの分岐点、および何れの接続示唆演出が実行されるかの分岐点を構成する。
また、特別Aステップアップ予告、特別Bステップアップ予告、および特別Cステップアップ予告における第2段階画像G50Bの表示までの部分が接続共通演出を構成し、図66(B)における特別第3段階C画像G50Fの表示がリーチ後予告接続演出を構成し、図67(B)における特別第3段階B画像G50Eの表示が発展演出接続演出を構成し、図68(B)における特別第3段階A画像G50Dの表示がSPリーチ接続演出を構成する。
次に、主に、ステップアップ予告、および接続演出に係る制御内容の一例について説明する。なお、以下に説明する制御内容は、ステップアップ予告、および接続演出などの演出に係る制御内容の一例であるので、その制御内容は以下の内容に限定されることなく、適宜に変更しても良い。
前述の通り、接続演出は演出フロー構成演出であり、特図変動パターンに組み込まれている。したがって、演出制御用マイコン121は、例えば、ステップS4306において、通常遊技状態、且つ通常演出モードである場合に、受信した特図変動パターンが、演出フロー構成演出に接続演出を含むものであれば、図61に示す当該特図パターンに基づく特図変動演出の演出フローを示す特図変動演出パターンを決定した後に、当該特図変動演出パターンを示す特図変動開始コマンドを画像制御基板150に送信する。画像制御基板150の画像用CPU151は、当該特図変動開始コマンドを受信すると、図66~図68に示すように、各種接続演出を含む特別ステップアップ予告を実行し、各種接続示唆演出からSPリーチ、発展演出、およびリーチ後予告への接続を行う。
一方、演出制御用マイコン121は、通常遊技状態、且つ通常演出モードである場合に、受信した特図変動パターンが、演出フロー構成演出に接続演出を含むものでなければ、特図変動開始コマンドに基づいて、ステップアップ予告の実行の可否を決定するためのステップアップ予告実行判定を行う。
ステップアップ予告実行判定は、ステップアップ予告実行判定テーブルを参照して実行される。ステップアップ予告実行判定テーブルの構成例を図69に示す。図69に示すように、ステップアップ予告実行判定テーブルは、特図変動パターンに対応付けられている。具体的には、ステップアップ予告実行判定テーブルとして、通常発展SP大当たり変動用のもの、通常N有SP大当たり変動用のもの、通常N無SP大当たり変動用のもの、通常発展L大当たり変動用のもの、通常N有L大当たり変動用のもの、通常N無L大当たり変動用のもの、通常発展SPハズレ変動用のもの、通常N有SPハズレ変動用のもの、通常N無SPハズレ変動用のもの、通常発展Lハズレ変動用のもの、通常N有Lハズレ変動用のもの、通常N無Lハズレ変動用のもの、Nハズレ変動用のもの、通常Aハズレ変動用のもの、通常Bハズレ変動用のもの、および通常Cハズレ変動用のものが設けられている。図69に示す各ステップアップ予告実行判定テーブルは、ステップアップ予告を実行する/実行しないに対する選択率が図69に示す所定の選択率となるように、適宜に構成されている。
図69に示すように、大当たり変動の場合もハズレ変動の場合も「実行する」と選択されることがある。したがって、ステップアップ予告が実行されると、大当たり遊技状態になる可能性がある。すなわち、ステップアップ予告は、大当たり遊技状態になる可能性があることを示唆する演出である。言い換えると、実行されることによって大当たり遊技状態に対する期待度が高まる(チャンスアップ)する演出である。また、リーチが成立する特図変動の場合もリーチが成立しない特図変動パターンの場合も「実行する」と選択されることがある。したがって、ステップアップ予告が実行されると、リーチが成立する可能性がある。すなわち、ステップアップ予告は、リーチが成立する可能性があることを示唆する演出である。
演出制御用マイコン121は、ステップアップ予告実行判定でステップアップ予告を実行すると判定した場合には、引き続き、特図変動開始コマンドに基づいて、最終段階数を決定するための最終段階数判定を行う。
最終段階数判定は、最終段階数判定テーブルを参照して実行される。最終段階数判定テーブルの構成例を図70に示す。図70に示すように、最終段階数判定テーブルは、特図変動パターンに対応付けられている。具体的には、最終段階数判定テーブルとして、通常発展SP大当たり変動用のもの、通常N有SP大当たり変動用のもの、通常N無SP大当たり変動用のもの、通常発展L大当たり変動用のもの、通常N有L大当たり変動用のもの、通常N無L大当たり変動用のもの、通常発展SPハズレ変動用のもの、通常N有SPハズレ変動用のもの、通常N無SPハズレ変動用のもの、通常発展Lハズレ変動用のもの、通常N有Lハズレ変動用のもの、通常N無Lハズレ変動用のもの、Nハズレ変動用のもの、および通常Aハズレ変動用のものが設けられている。図70に示す各最終段階数判定テーブルは、各最終段階数に対する選択率が図70に示す所定の選択率となるように、適宜に構成されている。
図70に示すように、SPリーチ変動(SP大当たり変動、SPハズレ変動)の場合もLリーチ変動(L大当たり変動、Lハズレ変動)の場合もNハズレ変動の場合も「第2段階」、「第3段階」に決定されることがあるが、通常Aハズレ変動の場合に「第2段階」、「第3段階」に決定されることはない。したがって、ステップアップ予告で第2段階、または第3段階まで発展すると、リーチが成立すること、Lリーチが実行されること、またはSPリーチが実行されることが確定する。言い換えると、ステップアップ予告での第2段階への発展、および第3段階への発展は、リーチの成立、Lリーチの実行、またはSPリーチの実行を示唆する演出である。
また、図70に示すように、SPリーチ変動(SP大当たり変動、SPハズレ変動)の場合もLリーチ変動(L大当たり変動、Lハズレ変動)の場合も「第3段階」に決定されることがあるが、Nハズレ変動の場合に「第3段階」に決定されることはない。したがって、ステップアップ予告で第3段階まで発展すると、Lリーチが実行されること、またはSPリーチが実行されることが確定する。言い換えると、ステップアップ予告での第3段階への発展は、Lリーチの実行、またはSPリーチの実行を示唆する演出である。
演出制御用マイコン121は、最終段階数判定を終えると、通常ステップアップ予告に係る演出内容を示す判定結果(最終段階数判定の結果)を示すコマンド(通常ステップアップ予告実行コマンド)を演出用RAM124の出力バッファにセットする。
出力バッファにセットされた通常ステップアップ予告実行コマンドは、コマンド送信処理(S4004)により画像制御基板140に送信される。画像制御基板140の画像用CPU141は、通常ステップアップ予告実行コマンドを受信すると、特図変動演出が開始してから所定時間が経過した時に、表示部50aにおいて、通常ステップアップ予告実行コマンドが示す通常ステップアップ予告を開始させる。具体的には、画像制御基板140の画像用CPU141は、図65で図示したような通常ステップアップ予告を表示部50aにおいて適宜に実行する。
以上のように、パチンコ遊技機PY3によれば、大当たり(特定結果)であるかハズレ(非特定結果)であるかの大当たり判定を行い、大当たり判定の結果が大当たり(特定結果)である場合に遊技者に有利な大当たり遊技状態(特定遊技状態)にすることがある遊技制御用マイコン101(遊技実行手段)と、表示部50aにおいて演出を実行することがある演出制御用マイコン121(演出実行手段)とを備え、演出制御用マイコン121(演出実行手段)は、大当たり判定を行うと、表示部50aにおいて、演出図柄EZ1~EZ3(識別情報)を変動表示させてから、当該大当たり判定の結果を示唆する態様で停止表示させることがあり、演出図柄EZ1~EZ3(識別情報)の変動表示の表示態様には、通常変動態様(第1表示態様)と、通常変動態様(第1表示態様)よりも大当たり遊技状態(特定遊技状態)になる可能性が高いことを示唆するリーチ変動態様(第2表示態様)とがあり、演出制御用マイコン121(演出実行手段)は、演出図柄EZ1~EZ3(識別情報)の変動表示の表示態様をリーチ変動態様(第2表示態様)にするときに、リーチ変動態様(第2表示態様)になることを報知するリーチ成立(報知演出)を実行することがあり、演出図柄EZ1~EZ3(識別情報)の変動表示を通常変動態様(第1表示態様)で行った後、リーチ成立を実行してから演出図柄EZ1~EZ3(識別情報)の変動表示をリーチ変動態様(第2表示態様)で行い、演出図柄EZ1~EZ3(識別情報)の変動表示をリーチ変動態様(第2表示態様)で行っているときに、大当たり遊技状態(特定遊技状態)になる可能性があることを示唆するSPリーチ、発展演出、およびリーチ後予告(特定演出)を実行する場合と、演出図柄EZ1~EZ3(識別情報)の変動表示を通常変動態様(第1表示態様)で行っているときに、SPリーチ、発展演出、およびリーチ後予告(特定演出)が実行されることを示唆する接続先示唆演出(示唆演出)を実行し、当該接続先示唆演出(示唆演出)の実行に応じてリーチ成立(報知演出)を実行することなくSPリーチ、発展演出、およびリーチ後予告(特定演出)を実行する場合とがあるので、遊技者に驚きを与えつつ、新たな大当たりに対する期待感を与えることになり、遊技興趣が向上する。
また、パチンコ遊技機PY3によれば、演出制御用マイコン121(演出実行手段)は、演出図柄EZ1~EZ3(識別情報)の変動表示を通常変動態様(第1表示態様)で行っているときに、段階が発展可能なステップアップ予告(予告演出)を実行することがあり、ステップアップ予告(予告演出)を第1段階(第1段階)で開始させて、当該第1段階で終了させるときと、第1段階よりも大当たり遊技状態(特定遊技状態)になる可能性が高いことを示唆する第3段階(第2段階)まで発展させるときとがあり、第3段階(第2段階)として、接続先示唆演出(示唆演出)を実行する場合と、SPリーチ、発展演出、およびリーチ後予告(特定演出)が実行されることを示唆しない非示唆演出(通常第3段階)を実行する場合とがあるので、遊技者にドキドキ感を与えることになり、遊技興趣がさらに向上する。
(第3実施形態の変更例)
次に、第3実施形態に係るパチンコ遊技機PY3の変更例について説明する。なお、以下に説明する変更例同士を適宜に組み合わせることも可能である。
通常ステップアップ予告、および特別ステップアップ予告は通常遊技状態において実行可能であるが、通常ステップアップ予告、および特別ステップアップ予告が実行可能な遊技状態は適宜に変更可能であり、高確率高ベース遊技状態や低確率高ベース遊技状態などの他の遊技状態で実行可能としても良い。また、通常ステップアップ予告、および特別ステップアップ予告は通常演出モードにおいて実行可能であるが、通常ステップアップ予告、および特別ステップアップ予告が実行可能な演出モードは適宜に変更可能であり、確変演出モードや時短演出モードなどの他の演出モードで実行可能としても良い。また、遊技全体と通して、通常ステップアップ予告、および特別ステップアップ予告を、複数種類の遊技状態や演出モードで実行可能としても良い。
また、ステップアップ予告に係る最終段階数は第3段階であるが、第2段階、または第4段階以上の何れかであってもよい。さらに、最終段階数は、大当たり期待度が対応付けられているが、示唆対象は大当たり期待度に限られず適宜に変更しても良い。例えば、相対的にラウンド遊技の回数の多い大当たり遊技、相対的に当該大当たり遊技において獲得可能な賞球数が多い大当たり遊技、または当該大当たり遊技の後に高確率状態や時短状態などの遊技者に有利な遊技状態に移行する大当たり遊技など特定の大当たり遊技状態になる可能性を最終段階数に対応付けても良い。あるいは、SPリーチなどの大当たり遊技状態になる可能性が高いことを示唆する演出が実行される可能性を最終段階数に対応付けても良い。
さらに、第3段階の1種として接続先示唆演出を構成するものがあるが、第1段階や第2段階に接続先示唆演出を構成するものがあるようにしても良い。また、第4段階以上も存在するようにして、第4段階以上の段階で接続先示唆演出を構成するものがあるようにしても良い。さらに、接続先示唆演出を構成する段階が複数種類あるようにしても良い。この場合、例えば、段階が高くなるにつれて、接続先示唆演出を構成するものの種類が多くなるようにしても良い。また、段階が高くなるにつれて、接続先示唆演出を構成するものの接続先の演出に係る大当たり期待度が高くなるようにしても良い。
また、ステップアップ予告は、1段階ずつ発展していくが、例えば、1段階から3段階など1回の発展で複数段階発展することがあるようにしても良い。
さらには、ステップアップ予告は、接続先示唆演出を構成する段階に発展すると必ず終了するが、終了しないことがあるようにしても良い。例えば、接続先示唆演出を構成する段階に対応付けられた段階画像G50が表示されてから消えて、続いて、接続先示唆演出を構成する段階に対応付けられていない段階画像G50が表示されることがあるようにしても良い。あるいは、ある接続先示唆演出を構成する段階に対応付けられた段階画像G50が表示されてから消えて、続いて、同一の接続先示唆演出を構成する段階に対応付けられた段階画像G50、または別の接続先示唆演出を構成する段階に対応付けられた段階画像G50が表示されることがあるようにしても良い。先の接続先示唆演出を構成する段階と、後の接続先示唆演出を構成する段階とが異なる場合、後の接続先示唆演出の対象となる演出に対応付けられた大当たり期待度は、先の接続先示唆演出の対象となる演出に対応付けられた大当たり期待度よりも高い可能性が高くなるようにしても良い。
接続演出の接続対象は、リーチ後予告、発展演出、およびSPリーチであるが、接続対象は特に限定されず、適宜に変更しても良い。例えば、接続演出の接続対象は、演出図柄EZ1~EZ3の大当たりを示す態様での仮停止表示であっても良い。また、詳細には、接続演出によって、リーチ後予告、発展演出、およびSPリーチの開始時に接続されているが、リーチ後予告、発展演出、およびSPリーチの途中に接続されることがあるようにしても良い。例えば、接続演出から、SPリーチにおける中盤の場面(例えば、図26(A)に示すような主人公キャラクターがボールを投げる場面)や、SPリーチの最終局面の当落分岐点で操作促進演出が開始される場面に接続されることがあるようにしても良い。
さらには、ステップアップ予告に係る第1段階、第2段階、および通常第3段階にキャラクターの種類が対応付けられているが、対応付けられるのはキャラクターに関わらず適宜に変更しても良い。例えば、段階画像G50を構成するウィンドウのようなものの大きさ、形状、または色彩をステップアップ予告に係る段階に対応付けても良い。また、段階画像G50の具体的な表示内容やステップアップ予告に係る各種時間は特に限定されず、適宜に変更しても良い。
7.その他の変更例
次に、基本的な実施形態に係るパチンコ遊技機PY、および第1実施形態に係るパチンコ遊技機PY1乃至第3実施形態に係るパチンコ遊技機PY3についてのその他の変更例を以下に説明する。以下、基本的な実施形態、および第1実施形態に係るパチンコ遊技機PY1乃至第3実施形態に係るパチンコ遊技機PY3について「パチンコ遊技機PYなど」という。
パチンコ遊技機PYなどでは、特図抽選結果を報知するために表示部50aを用いて演出図柄EZ1~EZ3の可変表示を行っているが、画像表示装置に代えて、所謂「回胴式遊技機(スロットマシーン)」のように図柄が表示されたドラムを配設し、当該ドラムを可変表示することによって特図抽選結果を報知してもよい。
また、パチンコ遊技機PYなどでは、大当たり遊技で大入賞口14が開放可能であるが、大入賞口14以外にも大当たり遊技で開放可能な入賞領域を設けても良い。
また、パチンコ遊技機PYなどでは、特定の大当たり図柄種別に判定されると、必ず大当たり遊技後に高確率状態にて遊技が進行する。すなわち、高確率状態の設定が大当たり図柄種別に対応付けられている。しかしながら、高確率状態の設定条件を変更してもよい。例えば、大入賞装置14Dとは別に、開閉可能であり、開放時に遊技球が入球可能な第2大入賞装置を遊技領域6の遊技球が到達可能な位置に設けておき、大当たり遊技中の所定のラウンド遊技において第2大入賞装置が開放して第2大入賞装置に入球した遊技球が、その下流側に設けられた特定領域を通過すると、大当たり遊技の終了に伴って高確率状態が設定されるようにしてもよい。
この場合、例えば第2大入賞装置が入球容易な時間(例えば、29.5秒)開放する特定の大当たり図柄(高確率状態を設定させ易い大当たり図柄)と、第2大入賞装置が入球困難な時間(例えば、0.5秒)開放する非特定の大当たり図柄(高確率状態を設定させ難い大当たり図柄)と、を設けることができる。また、第2大入賞装置に入賞した遊技球が通過可能な領域として特定領域と非特定領域があり、遊技球を特定領域と非特定領域に振り分ける振分装置を設けておく。そして、第2大入賞装置の開放時間は同じであるが、第2大入賞装置の開放態様と振分装置の作動態様との組み合わせで、高確率状態を設定させ易い大当たり図柄と高確率状態を設定させ難い大当たり図柄を設けることも可能である。
また、パチンコ遊技機PYなどでは、遊技の進行に係る基本的な制御を遊技制御基板100が行い、遊技の進行(遊技の制御)に応じた演出の進行に係る基本的な制御を演出制御基板120が行うというように、遊技の制御と演出の制御とを異なる基板で行っているが、一つの基板で行うよう構成しても良い。この場合、画像制御基板140を、その一つの基板に含めても良く、また、その一つの基板とは別に設けても良い。
また、本発明の遊技機を、アレンジボール機、雀球遊技機等の他の弾球遊技機や回胴式遊技機(所謂「スロットマシーン」)などに適用することも可能である。
8.前述した実施形態に開示されている発明
この[発明を実施するための形態]における前段落までには、以下の発明A~発明Dが開示されている。発明A~発明Dの説明では、前述した発明を実施する形態における対応する構成の名称や表現、図面に使用した符号を参考のためにかっこ書きで付記している。但し、各発明を構成する手段などの要素はこの付記に限定されるものではない。なお、発明Aは、以下の発明A1~A3の総称であり、発明Bは、以下の発明B1~B2の総称であり、発明Cは、以下の発明C1~C3の総称であり、発明Dは、以下の発明D1~D3の総称である。
なお、発明Aによれば、特開2019-000700号公報に記載の遊技機について次に説明する課題1に対して遊技興趣を向上するという効果を奏する。特開2019-000700号公報に記載の遊技機では、遊技球が始動口に入球するなどの所定条件が成立すると、大当たりにするかハズレにするかの大当たり判定を行う。大当たり判定を行うと、表示部において、演出図柄の変動表示が実行される。演出図柄の変動表示が行われた後には、大当たり判定結果を示す態様で演出図柄の停止表示が行われる。大当たりを示す態様で演出図柄の停止表示が行われると、遊技者に有利な特別遊技が実行されることがある。しかしながら、演出図柄を変動表示または停止表示する遊技機について、遊技興趣の向上を図るために未だ改善の余地がある。そこで、課題1とするところは、遊技興趣が向上する新規な遊技機を提供することである。
また、発明Bによれば、特開2018-099600号公報に記載の遊技機について次に説明する課題2に対して遊技興趣を向上するという効果を奏する。特開2018-099600号公報に記載の遊技機では、遊技球が始動口に入球するなどの所定条件が成立すると、大当たりにするかハズレにするかの大当たり判定を行う。大当たり判定を行うと、表示部において、演出図柄の変動表示が実行される。演出図柄の変動表示の表示態様には、大当たり判定の結果が大当たりの場合に実行可能であるが、ハズレの場合に実行されることがない特殊変動態様がある。しかしながら、大当たりの場合に実行可能であるが、ハズレの場合に実行されることがない特殊変動態様で演出図柄の変動表示が行われることがある遊技機について、遊技興趣の向上を図るために未だ改善の余地がある。そこで、課題2とするところは、遊技興趣が向上する新規な遊技機を提供することである。
さらに、発明Cによれば、特開2019-118416号公報に記載の遊技機について次に説明する課題3に対して遊技興趣を向上するという効果を奏する。特開2019-118416号公報に記載の遊技機では、遊技球が始動口に入球するなどの所定条件が成立すると、大当たりにするかハズレにするかの大当たり判定を行う。大当たり判定を行うと、特別図柄の変動表示が実行される。特別図柄の変動表示が行われた後には、大当たり判定結果を示す態様で特別図柄の停止表示が行われる。大当たりを示す態様で特別図柄の停止表示が行われると、遊技者に有利な特別遊技状態に制御されることがある。特別図柄の変動表示が行われているときに、所定画像が表示されることがあるが、所定画像の表示内容が変化する(切り替えられる)ことがある。しかしながら、所定画像の表示内容が変化する(切り替えられる)ことがある遊技機について、遊技興趣の向上を図るために未だ改善の余地がある。そこで、課題3とするところは、遊技興趣が向上する新規な遊技機を提供することである。
また、発明Dによれば、特開2019-000700号公報に記載の遊技機について次に説明する課題4に対して遊技興趣を向上するという効果を奏する。特開2019-000700号公報に記載の遊技機では、遊技球が始動口に入球するなどの所定条件が成立すると、大当たりにするかハズレにするかの大当たり判定を行う。大当たり判定を行うと、表示部において、演出図柄の変動表示が実行される。演出図柄の変動表示が行われた後には、大当たり判定結果を示す態様で演出図柄の停止表示が行われる。ここで、演出図柄の変動表示の表示態様には、通常態様と、通常態様よりも大当たりになる可能性が高いことを示唆するリーチ態様とがあり、演出図柄の変動表示の表示態様をリーチ態様にするときに、リーチ態様になることを報知するリーチ成立演出を実行することがあり、演出図柄の変動表示を通常態様で行った後、リーチ成立演出を実行してから演出図柄の変動表示をリーチ態様で行い、演出図柄の変動表示をリーチ態様で行っているときに、大当たりになる可能性があることを示唆するSPリーチやLリーチを実行することがある。しかしながら、演出図柄の変動表示の表示態様が遊技者に有利な遊技状態になる可能性が相対的に高いことを示唆する表示態様になることを報知する演出を実行した後に、遊技者に有利な遊技状態になる可能性があることを示唆する演出を実行することがある遊技機について、遊技興趣の向上を図るために未だ改善の余地がある。そこで、課題4とするところは、遊技興趣が向上する新規な遊技機を提供することである。
8-1-1.発明A1
発明A1に係る遊技機は、
特定結果(大当たり)であるか非特定結果(ハズレ)であるかの判定を含む本判定(大当たり判定、大当たり図柄種別判定、特図変動パターン判定)を行い、前記本判定の結果が前記特定結果である場合に遊技者に有利な特定遊技(大当たり遊技)を実行することがある遊技実行手段(遊技制御用マイコン101)と、
表示部において演出を実行することがある演出実行手段(演出制御用マイコン121)とを備え、
前記演出実行手段は、前記本判定が行われると、前記表示部において、識別情報(演出図柄EZ1~EZ3)を変動表示させてから、当該本判定の結果を示唆する態様で停止表示させることがある遊技機において、
前記演出実行手段は、前記特定遊技において特定条件(先読み判定結果が大当たりである特図1保留が存在していること)が成立していることによって、前記識別情報の変動表示を開始させることがあることを特徴とする遊技機。
8-1-2.発明A2
発明A2に係る遊技機は、
発明A1に係る遊技機であって、
前記遊技実行手段は、前記本判定を行う権利が得られたときに当該権利に基づいて前記本判定を行うことができない場合、当該本判定を行う権利を保留させることが可能であり、
前記特定条件には、前記特定遊技が実行されているときに前記本判定を行う権利が保留されていることを含み、
前記演出実行手段は、前記特定遊技において前記識別情報の変動表示を開始させた場合、当該開始させた前記識別情報の変動表示を当該特定遊技が終了した後の所定タイミングまで継続して実行させることを特徴とする遊技機。
8-1-3.発明A3
発明A3に係る遊技機は、
発明A2に係る遊技機であって、
前記遊技実行手段は、前記本判定を行う権利が得られた場合、当該本判定を行う前に前記特定結果であるか前記非特定結果であるかの判定を含む事前判定(先読み判定)を行うことがあり、
前記特定条件には、前記事前判定の結果が所定結果(大当たり)であることが含まれ、
前記演出実行手段は、前記特定遊技において前記識別情報の変動表示を開始させた場合、当該開始させた前記識別情報の変動表示に対して、前記特定条件の成立を構成する前記事前判定の結果に係る前記本判定を行う権利に対応した当該本判定が行われた後に、当該本判定の結果を示唆する態様で停止表示させることを特徴とする遊技機。
8-2-1.発明B1
発明B1に係る遊技機は、
特定結果(大当たり)にするか非特定結果(ハズレ)にするかの第1判定(大当たり判定)を行うことが可能な遊技実行手段(遊技制御用マイコン101)と、
表示部において演出を実行することがある演出実行手段(演出制御用マイコン121)とを備え、
前記遊技実行手段は、前記第1判定を行う前に、前記特定結果にするか前記非特定結果にするかの第2判定(先読み判定)を行うことがあり、
前記演出実行手段は、前記第1判定の結果に基づいて、識別情報(演出図柄EZ1~EZ3)を変動表示させてから、当該第1判定の結果を示唆する態様で停止表示させる変動演出を実行可能である遊技機において、
前記識別情報の変動表示の表示態様には、当該変動演出に係る前記第1判定の結果が前記特定結果の場合に実行されることがあるが前記非特定結果の場合に実行されることがない特殊変動態様(全回転変動態様)があり、
前記演出実行手段は、
前記第1判定の結果が前記特定結果である場合、当該第1判定の結果に基づく前記変動演出の開始時以降において前記識別情報を前記特殊変動態様で変動表示させ、前記識別情報を前記特殊変動態様で変動表示させているときに、当該特殊変動態様に応じた特殊画像(全回転用背景画像G116)を表示させることがあり、
前記第2判定の結果が前記特定結果である場合、当該第2判定に対応する前記第1判定が行われる前から前記表示部において前記特殊画像を表示させることがあることを特徴とする遊技機。
8-2-2.発明B2
発明B2に係る遊技機は、
発明B1に係る遊技機であって、
当該第2判定に対応する前記第1判定が行われる前から前記特殊画像が表示される場合の当該第1判定の結果に基づく前記変動演出に要する時間(30秒)は、当該第1判定の結果に基づく前記変動演出の開始時以降において前記特殊画像が表示される場合の当該変動演出に要する時間(180秒)よりも短いことを特徴とする遊技機。
8-3-1.発明C1
発明C1に係る遊技機は、
表示部において演出を実行することが可能な演出実行手段(演出制御用マイコン121)を備え、
前記演出実行手段は、前記表示部に所定画像(段階画像G40)を表示しているときに、当該表示部を含む平面における所定方向(上下方向)の直線を回転軸として、少なくとも前記所定画像が所定角度(180度)回転するように見える特定演出(特別発展パターンによる段階の発展)を実行することがあり、
前記特定演出が実行された場合、前記所定画像の表示内容が当該特定演出の実行前から変化していることがあることを特徴とする遊技機。
8-3-2.発明C2
発明C2に係る遊技機は、
発明C1に係る遊技機であって、
前記特定演出において、当該特定演出が開始されたときの変化前の表示内容は、徐々に認識できなくなり、当該変化前の表示内容が認識できなくなったことに応じて、変化後の表示内容がほとんど認識できない状態で出現し、当該変化後の表示内容は出現してから徐々に認識できるようになることを特徴とする遊技機。
8-4-1.発明D1
発明D1に係る遊技機は、
特定結果(大当たり)であるか非特定結果(ハズレ)であるかの判定(大当たり判定)を行い、前記判定の結果が前記特定結果である場合に遊技者に有利な特定遊技状態(大当たり遊技状態、高確率状態、時短状態)にすることがある遊技実行手段(遊技制御用マイコン101)と、
表示部において演出を実行することがある演出実行手段(演出制御用マイコン121)とを備え、
前記演出実行手段は、前記判定を行うと、前記表示部において、識別情報(演出図柄EZ1~EZ3)を変動表示させてから、当該判定の結果を示唆する態様で停止表示させることがある遊技機において、
前記識別情報の変動表示の表示態様には、第1表示態様(通常変動態様)と、前記第1表示態様よりも前記特定遊技状態になる可能性が高いことを示唆する第2表示態様(リーチ変動態様)とがあり、
前記演出実行手段は、
前記識別情報の変動表示の表示態様を前記第2表示態様にするときに、前記第2表示態様になることを報知する報知演出(リーチ成立報知演出)を実行することがあり、
前記識別情報の変動表示を前記第1表示態様で行った後、前記報知演出を実行してから前記識別情報の変動表示を前記第2表示態様で行い、前記識別情報の変動表示を前記第2表示態様で行っているときに、前記特定遊技状態になる可能性があることを示唆する特定演出を実行する場合と、前記識別情報の変動表示を前記第1表示態様で行っているときに、前記特定演出が実行されることを示唆する示唆演出(接続先示唆演出)を実行し、当該示唆演出の実行に応じて前記報知演出を実行することなく前記特定演出を実行する場合とがあることを特徴とする遊技機。
8-4-2.発明D2
発明D2に係る遊技機は、
発明D1に係る遊技機であって、
前記演出実行手段は、
前記識別情報の変動表示を前記第1表示態様で行っているときに、段階が発展可能な予告演出(ステップアップ予告)を実行することがあり、
前記予告演出を第1段階(第1段階)で開始させて、当該第1段階で終了させるときと、前記第1段階よりも前記特定遊技状態になる可能性が高いことを示唆する第2段階(第3段階)まで発展させるときとがあり、
前記第2段階として、前記示唆演出を実行する場合と、前記特定演出が実行されることを示唆しない非示唆演出(通常第3段階)を実行する場合とがあることを特徴とする遊技機。
PY,PY1,PY2,PY3…パチンコ遊技機
1…遊技盤
6…遊技領域
6A…左遊技領域
6B…右遊技領域
11…第1始動口
11a…第1始動口センサ
12…第2始動口
12a…第2始動口センサ
14…大入賞口
14a…大入賞口センサ
50…画像表示装置
50a…表示部
52…スピーカー
53…枠ランプ
100…遊技制御基板
101…遊技制御用マイコン
120…演出制御基板
121…演出制御用マイコン
140…画像制御基板

Claims (1)

  1. 特定結果にするか非特定結果にするかの第1判定を行うことが可能な遊技実行手段と、
    表示部において演出を実行することがある演出実行手段とを備え、
    前記遊技実行手段は、前記第1判定を行う前に、前記特定結果にするか前記非特定結果にするかの第2判定を行うことがあり、
    前記演出実行手段は、前記第1判定の結果に基づいて、識別情報を変動表示させてから、当該第1判定の結果を示唆する態様で停止表示させる変動演出を実行可能である遊機において、
    前記識別情報の変動表示の表示態様には、当該変動演出に係る前記第1判定の結果が前記特定結果の場合に実行されることがあるが前記非特定結果の場合に実行されることがない特殊変動態様があり、
    前記演出実行手段は、
    前記第1判定の結果が前記特定結果である場合、当該第1判定の結果に基づく前記変動演出の開始時以降において前記識別情報を前記特殊変動態様で変動表示させ、前記識別情報を前記特殊変動態様で変動表示させているときに、当該特殊変動態様に応じた特殊画像を表示させることがあり、
    前記第2判定の結果が前記特定結果である場合、当該第2判定に対応する前記第1判定が行われる前から前記表示部において前記特殊画像を表示させ、当該特殊画像の表示を当該第2判定に対応する前記第1判定に係る前記識別情報の変動表示まで継続させることがあることを特徴とする遊技機。
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