JP7479426B2 - 基地局、ユーザ機器および方法 - Google Patents

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Description

本開示は、3GPP通信システムなどの通信システムに関する方法、デバイスおよび物品を対象とする。
現在、第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP)では、第5世代(5G)とも呼ばれる次世代セルラー技術の技術仕様のリリース(Release15)に向けての作業をしている。3GPP技術仕様化グループ(TSG)無線アクセスネットワーク(RAN)会議No.71(グーテンベルク、2016年3月)では、RAN1、RAN2、RAN3およびRAN4を含む最初の5G検討項目“Study on New Radio Access Technology”が承認され、最初の5G規格を規定するRelease15作業項目になることが予想されている。その検討項目のねらいは、「New Radio(NR)」アクセス技術(RAT)を開発することであり、このアクセス技術は、100GHzまでの周波数範囲で機能し、RAN要求事項検討中に定義された広範囲の使用事例をサポートする(たとえば、www.3gpp.orgで入手でき、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、非特許文献1参照)。
1つの目的は、拡張モバイルブロードバンド(eMBB)、超高信頼・低遅延通信(URLLC)、大規模マシン型通信(mMTC)を少なくとも含む、TR38.913に定義されている全ての使用シナリオ、要求事項および配備シナリオに対処する単独の技術フレームワークを提供することである。たとえば、eMBB配備シナリオは、屋内ホットスポット、密集都市、地方、都市マクロおよび高速を含むことができ、URLLC配備シナリオは、工業用制御システム、モバイル健康管理(遠隔監視、診断および治療)、車両のリアルタイム制御、広域監視、およびスマートグリッドの制御システムを含むことができ、mMTCは、スマートウェアラブルおよびセンサネットワークなどの非時間クリティカルデータ転送に関して多数のデバイスを用いるシナリオを含むことができる。第2の目的は後方互換性を実現することである。Long Term Evolution(LTE、LTE-A)セルラーシステムとの後方互換性は必要とされず、これにより、完全に新しいシステム設計および/または新規の特徴を導入することが容易になる。
基本的な物理レイヤ信号波形はOFDMに基づくことになり、非直交波形および多重アクセスの潜在的なサポートがある。たとえば、DFT-S-OFDM、および/またはDFT-S-OFDMの変形物、および/またはフィルタリング/ウィンドウィングなどのOFDMの上の追加の機能がさらに検討される。LTEでは、CPベースのOFDMおよびDFT-S-OFDMが、それぞれダウンリンク送信およびアップリンク送信の波形として使用される。NRの設計目標の1つは、ダウンリンク、アップリンクおよびサイドリンクに対して可能な限り共通の波形を探し求めることである。
波形に加えて、いくつかの基本的フレーム構造およびチャネルコーディング方式が、上記の目的を達成するために開発される。その検討ではまた、上記の目的を達成するための無線プロトコル構造およびアーキテクチャに関して、何が必要になるかについての共通の知識も探し求められることになっている。さらに、上記の目的に対処するための新しいRATを可能にするために必要な技術的機能が、様々なサービスのためのトラフィックの効率的な多重化、および同一隣接ブロックのスペクトルのユースケースを含めて検討されることになっている。
3GPPの第5世代システムのNRの標準化は始まったばかりであるので、まだ明確になっていない問題がいくつかある。たとえば、UE向けの参照信号それぞれの同期信号のダウンリンク送信をどのようにサポートするかについての進行中の議論がある。このような参照/同期信号は、セル同期などの様々な目的のためにUEによって使用され、チャネル品質を判定するための測定、および/またはRRM(無線リソース管理)関連でのUEモビリティの測定(たとえば、RRC IDLEモードおよび/またはRRC CONNECTEDモードのUEについて)を行うことができる。参照/同期信号がgNBおよびUEによって、最大の利益が得られるように完全に使用されることを可能にする処理を確立し定義することが重要である。
3GPP TR38.913"Study on Scenarios and Requirements for Next Generation Access Technologies",current version 14.2.0 Technical Report TR38.804 v14.0.0 TS38.300 v.2.0、section4 3GPP TR38.801 v14.0.0 section5.2 of TR38.801 TS38.300 v0.2.0,section4.4.1 sub-clause6.5 of S TS38.300 v0.2.0 TS38.300,section4.4.2 sub-clause6,of TS38.300 sub-clauses6.4,6.3,and 6.2 of TS38.300 sub-clause7 of TS38.300 TS38.300 v0.2.0 section 5.5.2 of TR38.804 v14.0.0 TR38.804 3GPP TS36.331 v14.2.2, section 5.4 3GPP 36.423 v14.2.0 section 8.2 TS36.211 version14.2.0 sections6.10"Reference signals" TS36.211 version14.2.0 sections6.11"Synchronization signals" 3GPP TS36.331,version14.2.2 section5.5"Measurements" 3GPP TS36.355 specification,latest version being 14.1.0,section5"LPP Procedures" 3GPP TS36.455 v14.1.0
1つの非限定的および例示的な実施形態では、様々なエンティティ(UE、gNB)が参加する、改善された(セル)測定手順を実現することが容易になる。
1つの一般的な態様では、本明細書に開示された技法は、移動通信システムの第1の無線セル内のユーザ機器にサービスする無線基地局を特徴とする。無線基地局は、隣接無線基地局(neighbor radio station)がビームフォーム化参照信号をユーザ機器に供給していないと判定する処理回路を備える。隣接無線基地局は、その隣接無線セルにおいて全方向性参照信号およびビームフォーム化参照信号の送信を制御する。無線基地局の送信器が参照信号要求を隣接無線基地局へ送信する。参照信号要求は、隣接無線基地局にビームフォーム化参照信号をユーザ機器に供給するように要求する。無線基地局の受信器が、要求されたビームフォーム化参照信号の送信についての情報を含む参照信号要求応答を隣接無線基地局から受信する。送信器は、要求されたビームフォーム化参照信号についての情報を含むユーザ機器への通知メッセージを送信する。
1つの一般的な態様では、本明細書に開示された技法は、全方向性参照信号およびビームフォーム化参照信号の送信を無線基地局の第1の無線セルにおいて制御する、移動通信システムの無線基地局を特徴とする。無線基地局は、ビームフォーム化参照信号についての情報を1つまたは複数の隣接無線基地局へ送信することを決定する処理回路を備える。無線基地局の送信器が、ビームフォーム化参照信号を送信するために無線基地局によって使用される無線リソースを識別できるようにするビームフォーム化参照信号のスケジューリング情報を含む、参照信号通知メッセージを1つまたは複数の隣接無線基地局へ送信する。
1つの一般的な態様では、本明細書に開示された技法は、移動通信システムのユーザ機器を特徴とする。ユーザ機器は、隣接無線基地局がビームフォーム化参照信号をユーザ機器に供給していないと判定する処理回路を備える。隣接無線基地局は、その隣接無線セルにおいて全方向性参照信号およびビームフォーム化参照信号の送信を制御する。ユーザ機器の送信器が参照信号要求を、ユーザ機器にサービスするサービング無線基地局へ送信する。参照信号要求は、ビームフォーム化参照信号をユーザ機器に供給するように隣接無線基地局に要求することをサービング無線基地局に要求するものである。ユーザ機器の受信器が、要求されたビームフォーム化参照信号についての情報を含む通知メッセージをサービング無線基地局から受信する。
1つの一般的な態様では、本明細書に開示された技法は、移動通信システムの第1の無線セル内のユーザ機器にサービスする無線基地局を動作させる方法を特徴とする。この方法は、無線基地局によって実行される以下のステップを含む。隣接無線基地局がビームフォーム化参照信号をユーザ機器に供給していないと判定される。隣接無線基地局は、その隣接無線セルにおいて全方向性参照信号およびビームフォーム化参照信号の送信を制御する。参照信号要求が隣接無線基地局へ送信され、参照信号要求は隣接無線基地局にビームフォーム化参照信号をユーザ機器に供給するように要求する。隣接無線基地局から、要求されたビームフォーム化参照信号の送信についての情報を含む参照信号要求応答が受信される。要求されたビームフォーム化参照信号についての情報を含むユーザ機器への通知メッセージが送信される。
1つの一般的な第1の態様では、本明細書に開示された技法は、移動通信システムのユーザ機器を動作させる方法を特徴とする。この方法は、ユーザ機器によって実行される以下のステップを含む。隣接無線基地局がビームフォーム化参照信号をユーザ機器に供給していないと判定される。隣接無線基地局が、その隣接無線セルにおいて全方向性参照信号およびビームフォーム化参照信号の送信を制御する。参照信号要求が、ユーザ機器にサービスするサービング無線基地局へ送信される。参照信号要求は、ビームフォーム化参照信号をユーザ機器に供給するように隣接無線基地局に要求することをサービング無線基地局に要求するものである。要求されたビームフォーム化参照信号についての情報を含む通知メッセージが、サービング無線基地局から受信される。
一般的または具体的な実施形態は、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラム、記憶媒体、またはこれらのいずれかの選択的な組み合わせとして実現できることに留意されたい。
開示された実施形態のさらなる利益および利点は、本明細書および図から明らかになろう。これらの利益および/または利点は、本明細書および図面の様々な実施形態および特徴によって個々に得ることができるが、これらの実施形態および特徴は、そのような利益および/または利点の1つ以上を得るために全てが必要であるわけではない。
以下では、例示的な実施形態について添付の図および図面を参照してより詳細に説明する。
3GPP NRシステムの例示的なアーキテクチャを示す図である。 LTE eNB、gNBおよびUEの例示的なユーザおよび制御プレーンアーキテクチャを示す図である。 5G NRのユーザプレーンプロトコルスタックを示す図である。 5G NRの制御プレーンプロトコルスタックを示す図である。 LTE通信システムのX2ハンドオーバ手順の例示的なシグナリング図である。 それぞれRRC IDLEおよびRRC CONNECTEDのモビリティ関連RRM動作の概要を示す図である。 それぞれRRC IDLEおよびRRC CONNECTEDのモビリティ関連RRM動作の概要を示す図である。 隣接するgNBがビームフォーム化NR接続参照信号を全く送信していない潜在的な問題を説明するためのシナリオを示す図である。 隣接するgNBがビームフォーム化NR接続参照信号をUEが位置する方向とは別の方向に送信している潜在的な問題を説明するためのシナリオを示す図である。 隣接するgNBから送信されるビームフォーム化NR接続参照信号についての必要なスケジューリング情報をUEが有していない潜在的な問題を説明するためのシナリオを示す図である。 UEのハンドオーバがNR接続参照信号のスイッチオフビームによる悪影響を受ける潜在的な問題を説明するためのシナリオを示す図である。 UEおよびeNBの例示的な簡略化された構成を示す図である。 UEにサービスするサービングgNBによって開始される、改善されたgNB間調整手順のシグナリング図である。 UEによって開始される、改善されたgNB間調整手順のシグナリング図である。 UE開始参照信号要求メッセージに使用できる例示的なMAC制御要素を示す図である。 UE開始参照信号要求メッセージに使用できる例示的なPDCP制御PDUを示す図である。 隣接gNBによって開始される、改善されたgNB間調整手順のシグナリング図である。
本開示の基礎
5G NRシステムアーキテクチャおよびプロトコルスタック
背景技術の項で提示されたように、3GPPは、5Gと簡単に呼ばれる、100GHzまでの周波数範囲で動作する新無線アクセス技術(NR)の開発を含む第5世代セルラー技術の次のReleaseに向けて作業している。3GPPは、NRシステムを成功裏に標準化するために必要な技術構成要素を特定し開発して、差し迫った市場ニーズとより多くの長期要件との両方を適時に満たさなければならない。これを実現するために、無線インターフェースならびに無線ネットワークアーキテクチャの展開が検討項目「新無線アクセス技術」として検討されている。結果および合意が、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる非特許文献2に集約されている。
特に、システムアーキテクチャ全体についての暫定合意があった。NG-RAN(次世代無線アクセスネットワーク)は、NG無線アクセスユーザプレーン(SDAP/PDCP/RLC/MAC/PHY)とUE向けの制御プレーン(RRC)プロトコル終端とを提供する、gNBから構成される。各gNBは、Xnインターフェースによって互いに相互接続される。gNBはまた、次世代(NG)インターフェースによってNGC(次世代コア)に接続され、より詳細には、N2インターフェースによってAMF(アクセスおよびモビリティ管理機能)に、またN3インターフェースによってUPF(ユーザプレーン機能)に接続される。NG-RANアーキテクチャは、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる非特許文献3から引用した図1に示されている。
サポートされる様々な異なる配備シナリオが、たとえば参照によりその全体が本明細書に組み込まれる非特許文献4に反映されているように、現在論議されている。たとえば、そこには、5G NRをサポートする基地局を配備できる非集中化配備シナリオ(非特許文献5、集中化配備がセクション5.4に図示されている)が提示されている。図2は、例示的な非集中化配備シナリオを示し、TR38.301の図5.2.-1に基づいており、さらにはLTE eNB、ならびにgNBとLTE eNB(LTEおよびLTE-Aなどの前述の3GPP規格ReleaseによればeNBと理解されるべきもの)の両方に接続されているユーザ機器(UE)も示している。上述のように、NR 5Gの新eNBは例示的にgNBと呼ばれることがある。
例として、TR38.801に定義されているeLTE eNBは、EPC(進化型パケットコア)およびNGC(次世代コア)との接続性をサポートするeNBが進化したものである。
非特許文献6に現在定義されている、NRのユーザプレーンプロトコルスタックが図3に示されている。PDCP、RLCおよびMACサブレイヤはネットワーク側のgNBにおいて終端される。加えて、新アクセス層(AS)サブレイヤ(SDAP、サービスデータ適応プロトコル)が、非特許文献7に記載されているようにPDCPの上に導入される。非特許文献8に定義されている、NRの制御プレーンプロトコルスタックが図4に示されている。レイヤ2の機能の概要が非特許文献9に示されている。PDCP、RLCおよびMACサブレイヤの機能が非特許文献10に列挙されている。RRCレイヤの機能が非特許文献11に列挙されている。上述の非特許文献12の各サブ条項は、参照により本明細書に組み込まれる。
5Gシステムに現在例示的に仮定されている新NRレイヤは、LTE(-A)通信システムに現在使用されているユーザプレーンレイヤ構成に基づくことができる。しかし、NRレイヤの全ての細部については現在のところ最終合意に達していないことに留意されたい。
RRC状態
LTEでは、RRC状態機械は、大きい電力節減、UE自律モビリティ、およびコアネットワークに対する確立したUE接続性がないことを主に特徴とするRRCアイドル状態と、無損失サービス継続をサポートするようにモビリティがネットワーク制御されている間にUEがユーザプレーンデータを送信できるRRC接続状態との、2つの状態だけから構成される。
参照により本明細書に組み込まれる非特許文献13に現在定義されているNR 5GのRRCは、次の3つの状態、RRCアイドル、RRC非活動、およびRRC接続をサポートし、非特許文献14に定義された次に続く状態遷移を可能にする。
明らかなように、新しいRRC状態である不活動は、シグナリング、電力節減、遅延などの面で要件が非常に異なるeMBB(拡張モバイルブロードバンド)、mMTC(大規模マシン型通信)およびURLLC(超高信頼および低遅延通信)などのより広範囲のサービスをサポートするときに利益が得られるように、5G 3GPPの新無線技術について定義されている。したがって、新RRC不活動状態は、たとえばデータ転送を少ない遅延で開始することを依然として可能にしながら、無線アクセスネットワークおよびコアネットワークにおけるシグナリング、電力消費およびリソースコストを最小限にできるように設計されるべきである。
LTEハンドオーバ手順
モビリティは、LTE通信システムにおける重要な手順である。アクティブモードのUEには、LTEの2種類のハンドオーバ手順、すなわちS1ハンドオーバ手順およびX2ハンドオーバ手順がある。LTE内モビリティについては、X2インターフェースを介するハンドオーバが通常ではeNodeB間モビリティのために使用される。したがって、X2ハンドオーバは、確立されたX2インターフェースがない限り、またはソースeNodeBが別のハンドオーバ(たとえば、S1ハンドオーバ)を代わりに使用するように設定されている限り、デフォルトでトリガされる。
図5は、X2LTE内ハンドオーバの簡潔な、例示的で簡略化された概要を示す。
X2ハンドオーバは、準備段階(ステップ4から6)、実行段階(ステップ7から9)および完了段階(ステップ9の後)を含む。X2LTE内ハンドオーバは、2つのeNodeBの間で直接実行される。コアネットワークの他のエンティティ(たとえば、MME(モビリティ管理エンティティ))は、新しいeNBへのパススイッチを作動させるために、一旦ハンドオーバが成功すると、ハンドオーバ手順の終了時のみに情報が与えられる。測定制御と称するステップ2は、UEとサービングeNodeB(ここでは「ソースLTE eNB」)との間で実施されるセル測定手順および測定報告手順を指す。後で明らかになるように、本出願では主に上記のステップ2に関する改善された手順を提示する。
ステップ8で状態遷移メッセージは、送出しなければならない順序番号がまだ割り当てられていない第1のパケットにターゲットeNodeBが割り当てるべき、順序番号およびハイパーフレーム番号を提示する。
LTEにおけるモビリティ手順についてのさらなる情報は、たとえば、参照により本明細書に組み込まれる非特許文献15、および参照により本明細書に組み込まれる非特許文献16から得ることができる。
LTE-(A) -同期信号、参照信号およびRRM測定
あるLTEセルにアクセスしたいユーザ機器は、ダウンリンクを復調しアップリンク信号を正しいタイミングで送信するのに必要な時間および周波数のパラメータを決定するために、最初にセルサーチ手順に取りかからなければならない。LTEにおけるセルサーチ手順は、各セルでブロードキャストされる特別設計の2つの物理信号、すなわち主同期信号(PSS)および副同期信号(SSS)を使用する同期手順から開始する。これら2つの信号は、時間および周波数の同期をイネーブルするだけでなく、UEにセルの物理レイヤ識別情報およびサイクリックプレフィックス長も提示して、さらにはUEに、セルが周波数分割複信(FDD)を使用しているのか、それとも時間分割複数信(TDD)を使用しているのかを知らせる。
PSSおよびSSSは、10ms無線フレームごとに2回、周期的に送信される。1つのFDDセルでは、PSSは常に、各無線フレームの第1および第11スロットの最後のOFDM(直交周波数分割多重)シンボル内に位置し、それによってUEが、サイクリックプレフィックス長とは関係なくスロット境界タイミングを得ることが可能になる。SSSは、PSSの直前のシンボル内に位置する。TDDセルでは、PSSは第3および第13スロットの第3OFDMシンボル内に位置し、SSSは3シンボル前に位置する。PSSおよびSSSは、中心の6つのリソースブロックで送信されて、これらの同期信号の周波数マッピングがシステム帯域幅に対して不変であることが可能になり、それによってUEが、割り当てられた帯域幅について何も事前の知識がなくてもネットワークと同期することが可能になる。
LTE参照信号およびLTE同期信号(たとえば、PSSとSSSの構成)についてのさらに詳細な情報は、たとえば、参照により本明細書に両方とも組み込まれる非特許文献17および非特許文献18に見ることができる。
eNodeBとUEの間の同期が実現されたならば、LTEは、等化および検出のアルゴリズムを使用してチャネルインパルス応答(CIR)についての知識を利用するコヒーレント通信システムになる。コヒーレント検出による最適受信には、通常は伝搬チャネルの正確な推定が必要である。この目的のために、既知の参照信号が送信信号構成に挿入される。可能な限り正確にチャネルを推定するには、時間、周波数およびスペースに関するチャネル係数間の全ての相互関係を考慮に入れなければならない。参照信号が特定のOFDMリソースエレメントによってのみ送出されるので(すなわち、特定のサブキャリア上の特定のOFDMシンボルによって)、参照信号を伝達しないリソースエレメントのチャネル推定値は補間によって計算しなければならない。
LTEダウンリンクでは、少なくとも5つの異なる種類の参照信号が提供される。すなわち、
・ セル固有参照信号(共通参照信号と呼ばれることが多い)、
・ UE固有参照信号(復調参照信号DM-RSと呼ばれることが多い)、
・ MBSFN固有参照信号、これはマルチメディアブロードキャスト単一周波数ネットワーク動作にだけ使用される、
・ 位置決め参照信号、これは、Release9以降、UE位置測定を目的として特定の位置決めサブフレームに埋め込まれることがある、
・ チャネル状態情報(CSI)参照信号、これは、データ復調のためではなく、特にダウンリンクチャネル状態推定を目的としてRelease10に導入されている。
UE固有参照信号は、セル固有参照信号に加えて送信することができ、PDSCHがこれらのUEに対してマッピングされる参照ブロックにだけ埋め込まれる。UE固有参照信号が送信される場合、UEは、UE固有参照信号を使用して、対応するPDSCHリソースブロック内のデータを復調するためのチャネル推定値を得ることが予想される。UE固有参照信号の典型的な用い方には、特定のUEへのデータ送信のビームフォーム化を可能にすることがある。eNodeBは、物理的なアンテナ素子からなる相関アレイを使用して、特定のUEの方向に細いビームを生成することができる。この細いビームは、eNodeBとUEの間のチャネル応答が異なり、それによって、UE固有参照信号を使用して、UEがビームフォーム化データをコヒーレントに復調できるようになる。Release9でUE固有参照信号が、1つのUEに向けて2つの空間レイヤの送信を含むことができる、デュアルレイヤ送信のサポートを拡張するために新たに設計されている。
LTEによる通信システムでは、無線リソース管理(RRM)が、電力制御、スケジューリング、セルサーチ、セル再選択、ハンドオーバ、無線リンクまたは接続の監視、ならびに接続確立および再確立を含む、広範囲の技法および手順を包含する。E-UTRAN(LTE)内のセルサーチは、モビリティの最も基本的な態様の1つであり、UEがキャリア周波数、タイミングおよび物理セル識別情報(PCI)を得ることを可能にする。
さらに、UEが取りかかるRRM関連動作は、RRC-IDLE状態に関連するもの、およびRRC-CONNECTED状態に関連するものに大きく分類することができる。RRC IDLEおよびRRC CONNECTEDでのRRM動作に関連したモビリティの概要は、図6および図7に示されている。
RRC-IDLE UEのモビリティには、サービングセルの測定および評価、隣接セルの測定、セル再選択のための隣接セルの評価、ターゲットセルのシステム情報の取得、およびターゲットセル向けのセル再選択が含まれ得る。RRC-CONNECTED UEのモビリティは、図7に示された様々なシナリオを区別する。
サービングセルおよび任意の隣接セルの測定は通常、UEによって定期的に行われる。この測定はまた、UEからそのサービスeNBへの測定報告の送信を伴うこともある。
UEは、E-UTRANから提供された、RRC_Connected状態のUEに適用可能な測定設定に従って、測定情報を報告する。測定設定は、たとえばRRCConnectionReconfigurationまたはRRCConnectionResumeメッセージを使用する、専用シグナリングによってUEに提供することができる。UEは、測定情報をeNBに報告してUEモビリティの管理をサポートするように設定することができる。以下の測定設定要素は、RRCConnectionReconfigurationメッセージを介して知らせることができる。
測定対象:測定対象は、キャリア周波数など、UEが何について測定を行うべきかを定義する。測定対象には、考慮されるべきセルのリスト、ならびに関連するパラメータ(たとえば、周波数またはセル固有のオフセット)が含まれ得る。
報告設定:報告設定は、UEに測定報告を送信させる(周期的またはイベントトリガ)基準、ならびにどんな情報をUEが報告すると予想されるかについての詳細(たとえば、UMTSの受信信号コード電力(TSCP)またはLTEの参照信号受信電力(RSRP)などの、数量)から構成される。
測定識別情報:これらは測定を識別し、適用可能な測定対象および報告設定を定義する。
数量設定:数量設定は、各測定に対して使用されるべきフィルタリングを定義する。
測定ギャップ:測定ギャップは、UEが測定を行うことができるように、アップリンクまたはダウンリンクの送信がスケジュールされない期間を定義する。
LTEでは、いくつかのイベントA1~A5、B1、B2が、サービングセルが絶対閾値(A1)よりも良くなるとき、または絶対閾値(A2)よりも悪くなるとき、または隣接セルがサービングセル(A3)に対するオフセットよりも良くなるときなどの、イベントトリガ測定報告に対して定義される。イベントB1およびB2は、RAT(無線アクセス技術)間モビリティに提供され、イベントB1は、隣接セルが絶対閾値よりも良くなったときにトリガされ、イベントB2は、サービングセルが絶対閾値よりも悪くなり、隣接セルが別の絶対閾値よりも良くなったときにトリガされる。
E-UTRANは、これらの条件で使用されるいくつかの設定可能パラメータ、たとえば閾値の1つ以上、オフセットなどの値を設定することによって、エントリ条件に影響を及ぼすことができる。
イベントトリガ報告に加えて、UEは、周期的測定報告を行うように設定することができる。この場合には、パラメータのいくつかは、UEが報告をイベントの発生後にようやく行うのではなく直ちに開始することを除いて、イベントトリガ報告と同様に設定することができる。
測定報告メッセージでは、UEは、単一の測定に関する測定結果だけを含む。言い換えると、各測定は報告目的のために一緒にされない。複数のセルが報告をトリガした場合、UEは、これらのセルを報告数量の値の降順に含む。すなわち、最良のセルが最初に報告される。
より詳細な情報は、参照により本明細書に組み込まれる技術仕様の非特許文献19に見ることができる。
5G NR - 同期信号、参照信号およびRRM測定
5G NR通信システムについてもまた、同期信号および参照信号が必要になると予想されるが、これらの信号は、新しい5G NR技術によって課せられる多様な要件をUEおよびgNBが満たせるように設計されなければならない。
新5G無線技術システムに必要な高いデータ転送速度を達成するには少なくともデータチャネルがビームフォーム化されなければならないので、NRビームフォーム化がより高い周波数で広く使用されることが予想される。したがって、RRC CONNECTED状態のUEが、ビームフォーム化されたデータチャネルを受信しながらRRM測定のための参照信号を検出できるようにするために、参照信号もまた、その信号強度およびデータチャネルの信号強度がUE受信器のダイナミックレンジ内になるようにビームフォーム化することができる。さらに、ビームフォーム化に依拠する高周波配置では、SINR(信号対干渉および雑音電力比)が、たとえばビーム妨害、シャドーイングなどにより非常に早く大幅に低下することがある。したがって、堅牢なモビリティ手順には、RRC IDLEモードのUEよりもRRC CONNECTEDモードのUEに対して少なくともより頻繁に得られるべき、測定のための同期信号および/または参照信号が必要になる。
5G NR通信システムに関してこれまで、(レイヤ3)モビリティのRRM測定のために、実質的に全方向性のカバレッジも提供すべき常時オン参照信号が、少なくともRRC IDLE状態のUEに使用されると論じてきた。参照信号の全方向性は、無線セルの全ての方向に同時に広がる全方向性送信パターンを使用することによって実現することができる。あるいは、参照信号の全方向性はまた、無線セルの特定の方向(領域)しか実質的にカバーしないビーム送信パターンを使用することによっても実現することができるが、この場合、ビームは無線セル全体にわたって「掃引され(sweeped)」て、全方向性が、この掃引過程が初期の方向に達すために必要な特定の期間内で実現する。
一方、RRC CONNECTED状態のUEについては、1つまたは複数の追加の、場合によってビーム方式で送信される、参照信号を使用する可能性が現在議論されている。5G NRの追加の参照信号は、LETに対してすでに定義されているCSI参照信号(上記の議論参照)と同様になる可能性があり、かつ/または、CSI参照信号とは別個に設計されるさらに別の参照信号を含むこともあり得る。RRC CONNECTEDのUEで追加および/または別の参照信号を柔軟に使用することにより、システムオーバヘッドおよび遅延を制御および制限することを同時に可能にしながら、上記の要件を満たすことが可能になる。具体的には、追加の参照信号に基づいてRRM測定を実施することがより正確であると判明しており、したがって、ハンドオーバ遅延を低減することができる。1つの理由は、追加の参照信号がデータ送信と同じビームから放たれること、および/または追加の参照信号が広いスペクトルにわたって送信されることであり得る。
RRC IDLEとして現在考えられている参照信号は、上で簡潔に論じた、LTEで使用される同期信号またはセル固有参照信号、すなわちPSSおよび/またはSSSと同じであるか同様であり得る。たとえば、NR IDLE参照信号は、ビームフォーム化できる(データチャネルのように)どんな追加NR CONNECTED参照信号とも異なり、全方向に送信することができる。NR IDLE参照信号は、NR CONNECTED参照信号と比較して、もっと疎に送信することができる。さらに、NR CONNECTED参照信号はオン/オフすることができ、かつ/または設定可能であり得る。
要約すると、以下では、5G NR通信システムに関し、全方向性参照信号(LTE PSSおよびSSSと同様の、可能性のある実施態様を考慮して同期信号と呼ばれることもある)が、RRC IDLE状態のUEによってRRM測定に使用されることが例示的に仮定される(以下では、参照しやすいようにNR IDLE参照信号と称する)。さらなる便益を得るために、以下では、NRにおいて少なくとも1つの追加のビームフォーム化された参照信号(場合によってLTE CSI-RSと同様)が、RRC CONNECTED状態のUEによってRRM測定に使用されることがさらに例示的に仮定される(以下では、参照しやすいようにNR接続参照信号(NR Connected reference signal)と称する)。
さらに、最大の便益を獲得し、また参照信号に対する設計要件に従うために、適応性のあるリソース割当てを追加の参照信号に対し予見することができる。たとえば、追加の参照は、たとえばビームのサービスを受けている領域内にサービスされているRRC_CONNECTED状態のUEがないときに、gNBによってオフに切り替えることができる。加えて、追加の参照信号を送信するために使用されるリソースは、固定される必要がなく動的に変わり得る。これはたとえば、設定された周波数キャリア内のPSSおよびSSSの位置がUEには分かっている、LTEから分かる同期信号(PSS、SSS)とは異なっている。追加のNR参照信号がどこに送信されるかがUEに分かるように、UEに何らかの設定情報(たとえば、時間および/または周波数表示)がネットワークから提供されてもよい。
5Gの新無線技術の3GPP標準化は進行中であり、上記で想定されたレイヤおよびエンティティの術語は、標準とするための段階で本発明の実施形態の機能に影響を及ぼすことなく変更され得ることに留意されたい。
上の各項で説明したように、5Gセルラーシステムは現在、RRC接続状態およびRRCアイドル状態でのUEモビリティを目的として、無線セル内の参照信号をどのように設計するかについて議論している。少なくとも2つの異なる参照信号、NRアイドル参照信号およびNR接続参照信号が、無線セル内のRRM測定の目的に使用されることになっている。NR アイドル参照信号とは異なり、NR接続参照信号は全方向に送信されそうになく、またさらに、常にオンであることもない(たとえばエネルギーを節減するため、または干渉を低減させるためにオフに切り替えられる可能性がある)。しかしこのことが、以下の問題につながり得る。
以下のシナリオは、この問題を図8~図11に関連して説明するために仮定されている。UEが現在、gNB(サービングgNB)からサービスを受けており、サービングgNBの無線セルのエッジに位置している。UEは、サービングgNBから送信された参照信号である、例示的なNR接続参照信号(ビームとして図示)およびNRアイドル参照信号(別個に図示されておらず、無線セルをカバー)を受信することができる。
一方、図8を参照すると、隣接gNBは、NR接続参照信号を送信しておらず、たとえば、隣接gNBから前記ビーム(または対応するデータビーム)のサービスを受けているRRC接続状態のUEがないことを考慮して、電力を節減するためにすでにオフに切り替えられている。その結果、UEは、NR接続参照信号を受信することができず、隣接gNBが常に送信していると仮定されているNRアイドル参照信号だけに基づいて、隣接セルの測定を行わなければならない。
別の問題は、1つまたは複数のNR接続参照信号が隣接gNBによって確かに送信されていることであり得る。図9は、1つのNR接続参照信号を表す1つのビームを例示的に示す。しかし、NR接続参照信号ビームのどれもUEの位置には向けられておらず、そのためUEはやはり、隣接セルに対して実施された測定結果を改善するための追加の参照信号を受信することができない。
問題のある別のシナリオでは、図10に示されるように、UEに到達する隣接gNBから送信されたNR接続参照信号が確かにある。しかし、UEは、この追加の参照信号ビームを送信するために隣接gNBによって使用された無線リソースが不明であるので、追加の参照信号を受信することがやはりできない。このシナリオでは、送信されるNR接続参照信号のために使用される時間-周波数無線リソースが、隣接gNBによって動的または準動的に選択されると仮定している。
いずれの場合も、図11に関連して簡潔に説明するように、UEが隣接セルの追加の参照信号(NR接続参照セル)を受信することができず、したがって、たとえばモビリティ(ハンドオーバ)手順の一部として、隣接セルに対して行われるその測定に追加の参照信号を利用することができない状況が多くあり得る。
具体的には、図11は、NR接続参照信号(ビームC1B1、...C2B3として示す)と、NRアイドル参照信号(全方向性であるとして楕円形で示す)とのそれぞれのセルカバレッジを持つ、2つのgNB(gNB1およびgNB2)の2つの無線セルを示す。さらに、ビームC2B1はオフに切り替えられていると仮定されている(破線ビーム)。UEは、時刻t1に2つの無線セルの重なり領域にあり、したがって、gNB1のNRアイドル参照信号C1、gNB2のNRアイドル参照信号C2、ならびにgNB1のNR接続参照信号C1B3を受信する。それに応じて、UEは、両方の無線セルに対するセル測定を実施できるが、gNB2の無線セルの測定は、NR接続参照信号C2B1がオフに切り替えられているので、NRアイドル参照信号C2だけに基づくことになる。
ここで、3GPPでは、gNB(ハンドオーバ決定をしている)が、同じタイプの参照信号に基づいて実施されている測定結果だけを比較すべきという、サービングgNB1が、C2に対して実施された測定結果をC1B3に基づいて実施された測定結果と比較することが許容されない可能性があることを意味する、モビリティの要件を検討していることに留意されたい。NRアイドル参照信号だけに基づいた測定結果の精度が低いことを考えると、gNB1は適正なハンドオーバ決定をすることができない可能性がある。
たとえば、t1においてgNB1は、C1およびC2それぞれに対してUEで実施された測定結果が実質的に同じである、またC1B3について実施された測定結果がC2B1についての非存在測定結果(=0)よりも高い、と仮定してハンドオーバしないことを決定し得る。UEがgNB2の方向にさらに移動し、gNB1のカバレッジエリアを出ると仮定すると、時刻t2において、C2に基づいて実施された測定結果は、C1に基づいて実施された測定結果よりも良くなる(たとえば、信号品質がより良い)。一方、t2において、C1B3の測定結果は、C2B1の測定結果よりも依然として高い。したがって、gNB1がどのようにしてハンドオーバ決定を行うかが不明確である。gNB1は、gNB2の無線セルへのUEのハンドオーバをトリガすると決定することがあり、この場合、gNB2は(RRC接続状態のUEが存在するので)C2B1をオンに切り替え、最終的には、さらに後の時刻t3においてC2B1のビームを使用してUEにサービスすることになる。したがって、ハンドオーバの遅延が生じ、UEでもt1とt3の間でQoSが劣化し得る。逆に、NB1がなおハンドオーバしないと決定した場合には、gNB1からの信号強度が大幅に減少するので、UEは最終的に無線リンク障害を宣言しなければならなくなる。
したがって、本開示は、不利点のうちの1つ以上を克服しやすくする解決策を提供し、および/または上述の要件の1つ以上を満たすものである。
本開示の詳細な説明
以下では、5G移動通信システムで考えられている新無線アクセス技術のためのUE、基地局、および手順について説明する。様々な実施態様および変形形態についても同様に説明する。以下の詳細な開示は、前述の項の「本開示の基礎」に記載された議論および知見によって容易になり、少なくともその一部に基づくことができる。
しかし、一般に、5Gセルラー通信システムに関してはほんのわずかなことしか実際に合意されておらず、そのため、本開示の根底にある原理を明確に説明できるように以下では多くの仮定をしなければならないことに留意されたい。しかし、これらの仮定は、本開示の範囲を限定してはならない単なる例として理解されるべきものである。当業者には、以下に開示された、また特許請求の範囲に提示されたその原理が、様々なシナリオに、本明細書には明示されていない方法で適用できることが承知されよう。
さらに、次の3GPP 5G通信システムの新無線アクセス技術の文脈で使用されるべき特殊な術語がまだ完全には決定されていないが、以下で用いられる用語は、LTE/LTE-Aシステムに、または3GPP 5Gの現在の検討事項に使用されている術語に、密接に関係している。それゆえに、当業者には、本発明およびその保護の範囲が、より新しい、または最終的に合意された術語がないために本明細書に例示的に用いられている特定の用語に制限されるべきではなく、本開示の機能および原理の根底をなす機能および概念に関して、より広く理解されるべきであることが承知されよう。
たとえば、移動局、または移動ノード、またはユーザ端末、またはユーザ機器(UE:User Equipment)は、通信ネットワーク内の物理的なエンティティである。1つのノードは、いくつかの機能エンティティを有することができる。機能エンティティは、所定の機能のセットをノードまたはネットワークの他の機能エンティティに実装および/または提供する、ソフトウェアモジュールまたはハードウェアモジュールを指す。ノードは、ノードが通信できるように介在する通信設備または媒体にノードを接続する、1つまたは複数のインターフェースを有することができる。同様に、ネットワークエンティティは、それが他の機能エンティティまたはコレスポンデントノードと通信できるように介在する通信設備または媒体に機能エンティティを接続する、論理インターフェースを有することができる。
本明細書で用語の「基地局(base station)」または「無線基地局(radio base station)」とは、通信ネットワーク内の物理的エンティティを指す。物理的エンティティは、通信デバイスに対して、1つまたは複数のスケジューリングおよび設定を含むいくつかの制御タスクを行う。基地局機能および通信デバイス機能はまた、単一のデバイスの中に一体化できることに留意されたい。たとえば、モバイル端末は、他の端末のための基地局の機能も実装することができる。LTEで使用される術語はeNB(またはeNodeB)であるが、5G NRに現在使用されている術語はgNBである。
用語の「全方向性参照信号(omni-directional reference signal)」とは、実際上全方向カバレッジを有する参照信号を表し、この信号はまた、「掃引(sweeping)」ビームを使用することによって得ることもでき、このビームは、異なる領域を異なる時間にカバーするが、それぞれの全掃引の後には無線セルの全ての領域をカバーしている。全方向性はこのように、ビームが、無線セルの限定された(おそらく狭い)非円形領域をカバーするにすぎないという点で、「ビームフォーム化」に対比して理解されるべきものである。それに応じて、用語の「ビームフォーム化参照信号(beamformed reference signal)」とは、無線セルの限定された(おそらく狭い)非円形領域内で(gNBから)送信され、したがって完全な無線セルカバレッジを意図的にカバーしない参照信号を指す。
図12は、ユーザ機器(通信デバイスとも称する)と、スケジューリングデバイス(ここでは、たとえばLTE eNBまたは5G NRのgNBである、基地局に置かれていると仮定されている)との一般的な、簡略化された例示的ブロック図を示す。UEとeNB/gNBは互いに、それぞれトランシーバを使用して、(無線)物理チャネルを介して通信している。
通信デバイスは、トランシーバおよび処理回路を備えることができる。次いでトランシーバは、受信器および送信器を備えることができる。処理回路は、1つまたは複数のプロセッサまたは任意のLSIなどの、1つまたは複数のハードウェアとすることができる。トランシーバと処理回路の間に入出力ポイント(またはノード)があり、これを介して処理回路は、動作時にトランシーバを制御し、すなわち受信器および/または送信器を制御し、受信/送信データを交換することができる。トランシーバは、1つまたは複数のアンテナ、増幅器、RF変調器/復調器などを含む、RF(無線周波数)フロントを含むことができる。処理回路は、処理回路から供給されたユーザデータおよび制御データを送信するように、かつ/または処理回路でさらに処理されるユーザデータおよび制御データを受信するように、トランシーバを制御するなどの制御タスクを実施することができる。処理回路はまた、判定する、決定する、計算する、測定するなどの処理を実行することを担うこともできる。送信器は、送信処理を行うことを担うことができる。受信器は、受信処理を行うことを担うことができる。
簡単で例示的なシナリオが、前に論じた図11に基づいて以下で仮定されており、UEが、ここではそのサービングgNB1に接続され、対応する無線セル内を移動しており、最終的に別の隣接する無線セル(ここではgNB2)の重なりカバレッジエリアに達している。UEは、たとえば現在のgNB1の無線セルに対して、しかしまた、妥当な場合にはgNB2の隣接無線セルなどの隣接するセルに対しても、何回かのセル測定を行うように設定されている。1つの例示的な選択肢は、前に簡潔に説明したように、UEによって行われるべきセル測定を設定するためのLTE手順を再使用することである。それに応じて、gNB1は、測定対象、報告設定、測定識別情報、数量設定、測定ギャップなどの、様々な要素を含む測定制御メッセージを使用して(たとえば、RRCConnectionReconfigurationメッセージの一部として)、UEを設定することができる。
たとえば、UEは、NRアイドル参照信号に対しての、また得られる場合にはNR接続参照信号に対しての、セル測定を行うように設定することができる。1つの例示的な実施態様では、たとえば別々の測定対象を設定することによって、参照信号ごとに別々の測定が行われることになる。
1つの例示的な実施態様によれば、gNB1から送信された、動的割当てNR接続参照信号を受信するために、UEは、前記参照信号がどこに送信され、どのようにして受信されるのかをUEが知ることができるように、NR接続参照信号についての適切な情報を備えることができる。動的割当てNR接続参照信号の、様々な異なる実施態様があり得る。たとえば、NR接続参照信号は、周波数および時間領域の別々の無線リソースによって動的に送信することができる。一方、NR接続参照信号は、固定された時刻インスタンスで、またはあらかじめUEが知っている特定の周波数で送信することができる。NR接続参照信号送信の周期性および継続時間は、変化しても固定されてもよい。
動的割当てNR接続参照信号に対して選択された特定の実施態様では、gNB1から送信されたNR接続参照信号を受信するようにUEをイネーブルするためにどれだけの情報がUEに提供される必要があるかを決定する。不変パラメータ(たとえば、時間、周波数、周期性など)は、UEがセルに接続されるときに、たとえばgNB1による初期設定から、またはUEのプログラムコードから(たとえば、3GPP仕様によって固定される)、または他の適切な機構から、UEが知ることができる。逆に、動的に変わるパラメータは、UEに適時に、かつ適切に提供される必要がある。
図11の例示的なシナリオから明らかなように、gNB1がNRアイドル参照信号を全方向に送信し(C1)、それによって実質的に全サービング無線セル領域をカバーすることが仮定されている。さらに、図11に示されるように、ビームフォーム化NR接続参照信号(C1B1、C1B2、C1B3)がgNB1から送信される。それゆえに、ビームC1B3の領域に位置するUEは、サービング無線セルに対するセル測定をNRアイドル参照信号C1ならびにNR接続参照信号C1B3に基づいて行うことができる。
さらに、gNB2もまた、それ自体のNRアイドル参照信号を全方向に送信し(C2)、またビームフォーム化NR接続参照信号(C2B2、C2B3)を送信する。第3のNR接続参照信号(C2B1)は、ここではオフに切り替えられており、したがってgNB2から送信されない。それゆえに、UEによってgNB2の隣接無線セルに対して行われるセル測定では、gNB2から送信されるNRアイドル参照信号だけを使用する。その理由は、UEの位置では他のビームC2B2、C2B3が利用できないからである。
UEは、サービングgNB1への測定報告を準備し送信するように設定される。測定報告は、たとえば周期的に、または特定の事前設定イベントに基づいて、トリガすることができる。測定をトリガするいくつかのイベントは、上記のLTE測定報告手順との関連ですでに提示した。これらのLTEイベントA1~A5、B1、B2のいくつかまたは全ては、5G NRの測定報告手順にも再使用することができる。別法として、または加えて、他のイベントが、たとえば追加の参照信号であるNR接続参照信号に関連して、測定報告をトリガするために定義されてもよい。たとえば、別個のイベントをNR接続参照信号およびNRアイドル参照信号に対して定義することができる。
改善された測定報告手順の実施態様によれば、UEによって準備され提供される測定報告はまた、付属の測定結果がNRアイドル参照信号および/またはNR接続参照信号に基づいて計算されたかどうかに関する情報を提供することもできる。たとえば、測定結果ごとに、実際のメトリック値(たとえば、RSRP値および/またはRSRQ値)と、場合によっては測定セル(たとえば隣接セルであり、サービングセルのセルIDを含まないことがある)のセルIDと、場合によっては対応測定IDとを提供することは別として、測定報告は、計算のベースを示すための、すなわち結果がNRアイドル参照信号に基づいて計算されたか、それともNR接続参照信号に基づいて計算されたかを示すための、フラグを提示することができる。1つの例示的な実施態様では、測定フラグMF=0は、付随する測定結果がNRアイドル参照信号だけに基づいて計算されたことを意味し得るのに対し、測定フラグMF=1は逆に、付随する測定結果がNR接続参照信号に基づいて計算されたことを意味する。
測定報告手順の別の改善では、測定フラグを使用する必要がなく、したがって、前記フラグによって生じるオーバヘッドが回避される。代わりに、サービングgNBは、NRアイドル参照信号に基づいて行われた測定をNR接続参照信号に基づいて行われた測定と区別できるように、UEによって行われるべき測定を設定する。たとえば、サービングgNBは、1つの測定対象を、隣接セルをNRアイドル参照信号に基づいて測定するための特定の測定(対象)IDで定義する一方、別の測定対象を、隣接セルをNR接続参照信号に基づいて測定するための別の測定(対象)IDで定義する。これは、たとえば、UEに送信される、それぞれの(またはいくつかの)測定対象の測定制御メッセージ中に、2つの測定ベースを区別するための対応するフラグを使用することによって実現することができる。したがって、UEは、指示された測定設定に従ってセル測定を行い、それに応じて次に、測定の結果を含む測定報告を準備する。測定報告はまた、測定結果ごとの測定結果IDを含むこともでき、それによりサービングgNB1は、測定報告を受信したときに、受信された測定結果IDと設定された測定対象IDの間の関連を特定し、その関連から、測定結果がNRアイドル参照信号に基づいて得られたのか、それともNR接続参照信号に基づいて得られたのかを推定することができる。
改善された測定報告手順の別の実施態様は、サービングgNBは、NRアイドル参照信号に基づいて行われた報告をNR接続参照信号に基づいた報告と区別できるように、UEによって行われるべき報告を設定することである。たとえば、サービングgNBは、1つの報告設定を、NRアイドル参照信号に基づいた測定を報告するための特定の設定IDで定義する一方、別の報告設定を、隣接セルをNR接続参照信号に基づいて報告するための別の設定IDで定義する。これは、たとえば、UEに送信される、それぞれの(またはいくつかの)報告設定の測定制御メッセージ中に、2つの測定ベースを区別するための対応するフラグを使用することによって実現することができる。したがって、UEは、指示された報告設定に従って測定報告を行い、それに応じて次に、測定の結果を含む測定報告を準備する。測定報告はまた、測定結果ごとの測定結果IDを含むこともでき、それによりサービングgNB1は、測定報告を受信したときに、受信された測定結果IDと設定された報告設定IDの間の関連を特定し、その関連から、測定結果がNRアイドル参照信号に基づいて得られたのか、それともNR接続参照信号に基づいて得られたのかを推定することができる。
この改善された測定報告手順を使用することにより、サービングgNBは、UEによって行われた測定の測定ベースを区別すること、すなわち、UEがNRアイドル参照信号に基づいて測定したのか、それともNR接続参照信号に基づいて測定したのかを区別することが可能になる。この情報は、たとえば、同じタイプの参照信号測定結果を比較できるようにするために、gNB1によって使用されてもよい。その理由は、同じタイプの参照信号についての比較に基づいてハンドオーバ決定をすることがより正確であり、それゆえにユーザ機器により有利であるので、この比較が重要になるからである。
セル測定手順を改善するために、gNB間調整(ここでは例示的にサービングgNB1とgNB2の間)の別の有利な実施態様が以下で説明され、すでに明らかにされた問題を克服することが特に容易になる。gNB間調整の以下の実施態様では、隣接セルがUEへのNR接続参照信号の送信をサポートすると確かに決定するのであれば当然ながら、UEが隣接セルのNR接続参照信号を受信する機会を提供することになる。
一般にgNB間調整は、別途以下で提示されるように、UE側、サービングgNB側、および/または隣接gNB側で開始することができる。最初に、サービングgNBとUE側で開始されるgNB間調整について説明する。その理由は、隣接gNB開始のgNB間調整に対比して、このgNB間調整が処理のほとんどを占めるからである。
ある時点でサービングgNBは、測定精度に有害であり得る、かつすでに上で論じた問題のうちの1つ以上につながり得る、隣接セルを出たNR接続参照信号がユーザ機器に供給されていないと判定する。さらに、UEが位置する領域内で隣接gNBがNR接続参照信号を送信していないこともまた、隣接gNBがすでに大きい負荷を有しており(したがって、可能な場合にエネルギーを節減しようとしている)、別のUEに(データ)カバレッジを提供しようとしない、またはできない、という表示であり得る。
この潜在的な問題の源が明らかになったので、サービングgNBは、欠落しているNR接続参照信号をUEに供給するように隣接gNBに要求する決定をすることができる。その結果、サービングgNBは、参照信号要求を隣接gNBへ送信して、NR接続参照信号をUEに供給することを要求する。この要求メッセージは、たとえば、隣接gNBの隣接セルのセル識別情報を含むことがある。加えて、この要求メッセージはまた、任意選択で、隣接gNBがUEの位置を特定できるように、ユーザ機器のモビリティ情報を含むこともある。このモビリティ情報(位置情報と称されることもある)が含むものについての様々な実施態様がある。1つの実施形態では、UEの位置はそのGPS(全地球測位システム)座標によって提示され、UEから得ることができる。
UE位置情報の別の実施態様では、LTE位置決めプロトコル(LPP)を使用し、このプロトコルによりgNB1がUEの位置を決定できるようになる。このようにしてgNB1はまた、LPPプロトコルを使用して、たとえば、UEと接続されている進化型サービングモバイル位置特定センター(Evolved-Serving Mobile Location Center)からGPS座標を得ることもできる。LPPの詳細な定義は、参照により本明細書に組み込まれる非特許文献20、および参照により本明細書に組み込まれる非特許文献21に見ることができる。
参照信号要求メッセージ中のUEの位置情報の別の実施態様は、UEによって得られた測定結果に基づいている。具体的には、サービングgNBは、UEが位置しているところの測定結果から評価をすることができる。たとえば、この評価は、いくつかのセルについてUEで実施された測定結果を比較することによって行い、それによって関連RSRP情報を決定することができる。GPS座標よりも精度が低いが、このような位置情報は、隣接UEが要求されたNR接続参照信号をUEに供給するかどうかを決定できるようにするには十分であり得る。
参照信号要求メッセージ中のUEの位置情報のさらに別の実施態様では、gNBはただ単に、測定報告(その一部または全部)を参照信号要求メッセージに入れることができる。その場合、隣接gNBは、必要または関連があるならば、前述の実施形態のgNB1について詳細に説明したのと同じように、または同様に、UEの位置を測定結果から得なければならない可能性がある。
次表は、参照信号要求メッセージの例示的な実施態様を示す。
Figure 0007479426000001
次いで隣接gNBは、UEのサービングgNBから参照信号要求メッセージを受信後、NR接続参照信号をUEに供給するかどうかを決定することができる。隣接gNBによるこの決定では、様々な異なる留意事項を考慮に入れることができる。たとえば、隣接gNBがすでにあまりに多くのUEにサービスしていることがあり、あるいは電力出力がすでに制限されていることがあり、そのためどちらの場合も隣接gNBは、NR接続参照信号をUEに供給しないことを決定する可能性がある(また後で、サービングgNBからのあり得るハンドオーバ要求をいずれにしても拒否しなければならないはずである)。一方、隣接gNBはまた、NR接続参照信号をUEに供給するかどうかを決定するときに、UEの位置情報を考慮に入れることもできる。たとえば、NR接続参照信号がすでに隣接gNB2から送信されているが、UEが位置している方向とは別の方向であると例示的に仮定することができる。前記の場合には、NR接続参照信号のために追加ビームを送信する代わりに、NR接続参照信号のすでに利用可能であるビームの方向をNR接続参照信号がUEの位置に到達できるように単に変更することで十分である可能性がある。前記の場合、余分な電力を消費しなくてもよく、ビームの方向の変更は特定の期間に限定することさえできるので、隣接gNB2はNR接続参照信号をUEに供給すると決定することができる。
別のシナリオによれば、隣接gNBはまた、NR接続参照信号の1つまたは複数のビームを送信することによって無線セル内に生じるおそれがある干渉を考慮に入れることもできる。
ちょうど説明したように、隣接gNBは、NR接続参照信号をUEに供給すべきかどうかを決定することができる。しかし、いずれの場合にも、隣接gNBはサービングgNB1に対する受信参照信号要求に対し、要求されたNR接続参照信号の送信についての適切な情報を提供することによって応答することができる。この参照信号要求応答メッセージのコンテンツは、NR接続参照信号をUEに供給するかしないかの決定の結果によって決まる。
隣接gNB2がNR接続参照信号をUEに供給しないことを決定する場合、応答メッセージは、要求を拒否することに対応する情報要素を含むだけでよい。任意選択で、UEがNRアイドル参照信号に基づくだけで測定を継続して行い、したがって、利用できないNR接続参照信号を測定しようとすることを省くことができるように、サービングgNBは次に、この拒否についてUEに知らせることができる。さらに、この場合UEは、gNB間調整がすでに拒否されたので、もはやgNB間調整を開始しない。任意選択で、UEは、他の隣接セルにNR接続参照信号が送信されていない場合には、意味のある測定結果の比較をすることができないので、サービングセルのNR接続参照信号の測定を停止することさえある。
応答メッセージは、応答がどの無線セルに(およびどの要求に)関連しているかをサービングgNBが判定できるように、隣接セルのセルIDを含むことができる。
一方、隣接gNB2がNR接続参照信号をUEに供給すると決定した場合には、参照信号応答メッセージは要求の確認を含むことができ、必要または有利な場合には、要求されたNR接続参照信号に関連する別の情報を含むこともできる。
たとえば、参照要求応答は、NR接続参照信号のスケジューリング情報をUEへ転送されるように含むことができ、それによりUEはNR接続参照信号を受信できるようになる。スケジューリング情報は、要求されたNR接続参照信号を送信するために隣接gNB2によって使用される、周波数領域および/または時間領域の無線リソースを表示することができる。一方、スケジューリング情報の全部または一部は、必ずしも参照要求応答メッセージに含まれないことがある。たとえば、無線リソースの周波数および/または時間は、3GPP標準規格では固定することができ、あるいは以前の情報交換からUEまたはgNB1にはすでに知られている可能性があるので、スケジューリング情報のさらなる交換の必要性は過去のものになる。同一または別のUEに対する以前の参照信号要求メッセージに応答して、gNB2は、要求されたNR接続参照信号のスケジューリング情報をgNB1にすでに提供していることがある。したがって、参照信号応答メッセージ中にスケジューリング情報が存在することは任意選択である。
さらに、別の例示的な実施態様によれば、gNB2は、NR接続参照信号を要求されたようにUEに供給することをたとえ決定していても、NR接続参照信号がUEに供給される期間を制限すると別に決定することがある。この制限は、UEに隣接セルの正確な測定を行う機会を同時になお提供しながら、やはりエネルギーを節減できるように、かつ/または干渉を低減できるようにするために行われることがある。その期間が経過した後、隣接gNBは、ビームフォーム化NR接続参照信号をオフに切り替えるか、またはその方向を元に戻すことができる。前記の場合では、gNB2は、対応する継続期間情報を参照信号要求応答メッセージに入れることも入れないこともあり、この継続期間情報は次に(gNB1およびUEに転送された後に)gNB1およびUEが、NR接続参照信号を使用して、どの期間に拡張測定が行われてよいかが分かるようにする。
gNB2は加えて、または別法として、NR接続参照信号をUEに、常に送信するのではなく特定の周期性で送信することを決定することができる。やはり、このように送信することは、gNB2がたとえばエネルギーを節減する、かつ/または干渉を低減するのに有利であり得る。前記の場合では、gNB2は、対応する周期性情報を参照信号要求応答メッセージに入れることも入れないこともあり、この情報は次に(gNB1およびUEに転送された後に)gNB1およびUEが、どの周期性でNR接続参照信号がgNB2から送信されるかが分かるようにする。
次表は、この参照信号要求応答メッセージの特定の例示的な実施態様を示す。
Figure 0007479426000002
上述のTRPは送受信ポイントを表し、当技術分野でビーム(またはビームフォーム化送信)の範囲を定めるために使用される。それゆえに、上記の例示的な応答信号は、隣接セル内でgNB2(付随するセルIDによって識別される)から送信されるビームのリストを含み、それぞれ、必須情報要素としてビーム指標番号を含み、任意選択の情報要素としてスケジューリング情報、継続期間情報および周期性情報を含む。
上で説明したように、gNB2は、NR接続参照信号をUEに供給すると決定するときに、NR接続参照信号をUEに送信するために新しいビームを確立するか、または、すでに送信されているNR接続参照信号に用いる別のビームの方向および/または送信出力をUEに到達できるように変更するか、を決定することができる。
サービングgNB1は、それに応じて、上で論じたように参照信号要求応答メッセージを使用して通知される。続いて、サービングgNB1はUEに、要求されたNR接続参照信号に関する情報を含めて、通知メッセージをUEに送信することによって通知することができる。この通知メッセージのコンテンツは、実施態様および仮定されたシナリオに実質的に基づいて変わり得る。通知メッセージの送信は、UEが、さらなる情報がなくても要求されたNR接続参照信号を、その信号が隣接gNBで利用可能になった(たとえば、オンに切り替えられた、またはすでに利用可能であるNR接続参照信号のビームがUEに再び向けられた)後に受信することができるシナリオでは不必要でさえあり得る。
一方、通知メッセージは、必要なスケジューリング情報(周波数領域および/または時間領域内)、および/または継続期間情報、および/または周期性情報を含むことができ、これらの全てが、要求されたNR接続参照信号をUEが適切に受信および処理できるためには必要であり得る。
サービングgNBからUEへ送信されるこの通知メッセージの1つの例示的な実施態様は、新しい測定設定をUEに、場合によっては要求されたNR接続参照信号についての必要な情報を含めて提供するためにサービング基地局で使用される、RRCConnectionReconfigurationメッセージである。たとえば、新しい測定対象を新しいNR接続参照信号に対して定義することができ、あるいは以前に定義された測定対象をそれ相応に適合させることができる。その場合、新しい、または適合された測定対象は、NR接続参照信号を含む測定をどのようにして行うかを示すことができる。
あるいは、通知メッセージはまた、MAC制御エレメント、またはPHYレイヤの制御信号の形で実施することもできる。
いずれの場合でも、UEは、要求されたNR接続参照信号を受信できるはずである。それに応じて、UEは、隣接セルに対するセル測定を、このNR接続参照信号を使用して行い、それによって測定結果の精度が改善され、測定結果はその後、測定報告としてサービング無線基地局に提供され、この測定報告は次に、たとえばUEを隣接セルにハンドオーバするかしないかの決定をするために、gNB2によって使用され得る。したがって、図11との関連で上で説明したハンドオーバ手順中の問題が、NR接続参照信号に対し改善された測定結果の可用性の点から見て、軽減されることになる。
上で説明した様々な実施態様のうちの1つによるこの改善されたgNB間調整により、NR接続参照信号を使用することから生じる問題を軽減することが可能になる。NR接続参照信号は、その限られた(ビームの形の)カバレッジエリア、常にオンではないこと(オフに切り替えることができるので)、動的または準動的にスケジューリングできること(たとえば、周波数およびまたは時間の無線リソースが変わり得る)などの、固有の特性を有する。RRC接続状態のUEに対するこの追加参照信号のこれらの固有の特性は、適応性の向上、エネルギー節減可能性、干渉軽減可能性などの、上で説明した様々な利点をもたらす。改善されたgNB間調整を使用することによって、このような特性を持つNR接続参照信号を使用するというこれらの利点を維持することができ、同時に、UEがNR接続参照信号を全面的に利用して測定精度を向上させることが可能になる。
以上で、ある時点でサービングgNBが、測定精度に有害であり得る、かつすでに上で論じた問題のうちの1つ以上につながり得るNR接続参照信号が隣接セルからユーザ機器に供給されていないと判定することが簡潔に説明された。以下で説明するように、概念上は、ユーザ機器にNR接続参照信号が供給されていないことをサービングgNBがどのようにして判定するかについて、少なくとも2つ異なる解決策がある。1つの解決策によれば、この判定は、UEから受信された測定報告に基づいてgNB1によって行われる(サービングgNB開始のgNB間調整)。第2の解決策によれば、UEは最初に、それがNR接続参照信号を受信していないと判定し、したがって、以下で説明するように、gNB1をトリガすることによってgNB間調整をそれ自体で開始する(UE開始のgNB間調整)。
サービングgNB開始のeNodeB間調整に関しては、サービングgNBは、上で説明したように、たとえば、改善された測定報告フォーマットを使用してUEから測定報告を受信している。サービングgNBは次に、測定報告のコンテンツ、特に、隣接セルに対してUEで行われた測定の結果を分析する。上で説明したように、改善された測定報告は、どの測定がNRアイドル参照信号に対して行われ、どの測定がNR接続参照信号に対して行われたかをサービングgNBが区別できるようにするための情報(フラグまたは測定IDなど)を含むことができる。たとえば、サービングgNBが、UEが隣接セルに対する測定をNR接続参照信号に基づいてではなく、NRアイドル参照信号だけに基づいて行ったと判定した場合、サービングgNBは、隣接セルにNR接続参照信号をUEにも供給するように要求するために、gNB間調整を開始すると決定することができる。
より具体的な例示的実施形態では、上で説明したgNB間調整を開始するようにサービングgNBをトリガし得る1つまたは複数の特定のイベントを定義する。たとえば、1つのイベントは、UEが特定の隣接セルのNR接続参照信号の測定結果を長期間報告しなかったこととすることができる。別のイベントは、UEが特定の隣接セルのNR接続参照信号の測定結果を報告しておらず、UEとサービングgNBの間のリンク品質が特定の閾値よりも悪くなっていることとすることができる。別の例示的なイベントは、UEが特定の隣接セルのNR接続参照信号の測定結果を報告しておらず、UEモビリティ(たとえば、移動速度)が特定の閾値を超えることとすることができる。
UE開始のgNB間調整に関しては、UEは、それが隣接セルのNR接続参照信号を受信しておらず、したがって、NR接続参照信号をUEに供給するように隣接gNBに要求するために、gNB間調整を開始すると決定する。たとえば、UEは、NRアイドル参照信号を受信しており、したがって、隣接する無線セルのカバレッジ内にあることが分かるが、この隣接する無線セルの対応するNR接続参照信号は受信していないことにも気付く。UEがNR接続参照信号に基づいて測定精度を改善したい場合、UEは、対応するUE開始の参照信号要求をそのサービングgNBへ送信することを決定することができ、この要求は、UEがやはりNR接続参照信号を受信したい相手先の1つまたは複数の無線セルを示し得る。次に、サービングgNBは、UEから要求を受信すると、その要求をさらに、要求が意図されている隣接gNBへ転送するかどうかを決定することができる。たとえば、サービングgNBには、隣接gNBが別のUEにサービスできないことがすでに分かっていることがあり、あるいは隣接基地局が実際にはeNBであり、gNBではないことが分かっていることがある。両方の場合で、サービングgNBは、UEの要求には応じないと決定し得る。
上で詳細に説明したように、サービングgNBがUEの要求に応じて、隣接gNBにNR接続参照信号を供給することを要求し、したがって、サービングgNBは参照信号要求を隣接セルに送信することが例示的に仮定される。
上記を要約すると、gNB間調整は、UEまたはサービングgNBによって開始することができる。このような解決策の対応する例示的で簡略化された実施態様が、それぞれ図13および図14に示してあり、概要として以下で説明する。
UEとgNB1とgNB2の間のメッセージ交換を示す図13は、サービングgNBによって開始されるgNB間調整に関する(ボックス「gNB2にNR接続RSを要求」参照)。図13に示されるように、UEが最初に測定を行うように設定されることが例示的に仮定されている(矢印「測定制御」参照)。図11で仮定されたシナリオに従って、サービングgNB1がNRアイドル参照信号ならびにNR接続参照信号を送信し、その両方がUEで受信されることが仮定されている(破線矢印参照)。その一方、隣接gNB2はUEに、NRアイドル参照信号を送信するが(破線矢印参照)、NR接続参照信号は送信しない。最初に設定された測定設定に従って、UEは最終的に測定報告をサービングgNB1に提供し、この測定報告からサービングgNB1は、隣接gNB2のNR接続参照信号がUEで受信されていないと判定することができる(詳細は上記参照)。したがって、サービングgNB1は、対応する要求を送信することによって、NR接続参照信号をUEに供給するように隣接gNB2に要求する決定をすることができる(矢印「NR接続RS要求」参照)。隣接gNB2は次に、NR接続参照信号をUEに供給するかどうかを決定することができる。gNB2で行われた決定に従って、対応する応答メッセージが次に、gNB2からgNB1へ返信される。図13では、隣接gNB2がNR接続参照信号をUEに供給することを確かに受諾し、それに応じて、破線矢印で示されるようにNR接続参照信号をUEに送信することがさらに仮定されている。サービングgNB1は、要求の結果についてUEにたとえば、(たとえば、NR接続参照信号のスケジューリング情報を提供するための)別の測定制御メッセージを送信することによって知らせることができる。
次にUEは、新たに供給されたNR接続参照信号にやはり基づいてセル測定を行うことに進み、その測定結果をサービングgNB1に測定報告として提供することができる。測定結果は次に、UEを隣接セルにハンドオーバするかどうかを決定するためにサービングgNB1で使用することができ、その場合、対応するハンドオーバ要求は、隣接gNB2へ(たとえば、LTEから知られている)適切な方法で送信することができる。これ以降のステップは、本出願で提示されるアイデアおよび実施態様とあまり関連していないので、図13はハンドオーバ要求メッセージの送信で終了している。手順はたとえば、図5に関連して説明したLTEにおける典型的なハンドオーバ手順に従って継続することができる。
一方、図14は、UEによって開始されるgNB間調整に関し、図13に関連して上で論じた実施態様と大部分で一致している。図13と図14を比較することで理解できるように、主な違いは、(サービングgNB1ではなく)UEが、ある時点でgNB2にNR接続参照信号をUEに供給するように要求することを決定し(ボックス「gNB2にNR接続RSを要求する」参照)、したがって、UE開始のNR接続参照信号要求(矢印「UE NR接続RS要求」参照)をサービングgNB1に送信することである。次に、図14に例示的に仮定されているように、サービングgNB1はUEの要求に従うことを決定し、NR接続参照信号要求を隣接gNB2に送信する。図14の残りのステップは、図13に関連して上で説明したものと同じであるか、同様である。
この図14のUE開始の参照信号要求は、様々な方法で実施することができ、基本的な例示的解決策では、隣接セルのセルID(たとえば、NRアイドル参照信号から得られる)を、UEがNR接続参照信号を受信したい相手先のセルを識別するために、簡単に含むことができる。さらに、UE開始の参照信号要求はまた、万一UEが様々な隣接するセルからのNR接続参照信号の送信を要求したい場合に備えて、様々なセルIDを含むこともできる。
例示的な解決策では、UEは、UE開始の参照信号要求メッセージとしてMAC制御エレメントを使用することができる。UEにもgNB1にも知られている固有のLCID値(たとえば非予約LCID値、たとえば01100)により、MAC制御エレメントがUE開始の参照信号要求として識別される。基本的な解決策に関してすでに述べたように、MAC制御エレメントは、参照信号要求が示されている1つまたは複数のセルをgNB1が識別できるようにする情報を含むことができる。セル識別の1つの解決策は、MAC制御エレメントの中でセルIDを直接搬送することであり得るが、こうすると、特に参照信号要求がいくつかの無線セルを指す場合に、MAC制御エレメントのサイズがかなり増大することがある。
セル識別の別の解決策は、セルのビットマップを提供することとすることができ、このビットマップは測定報告と合わさって、要求が示されている無線セルをgNB1が識別できるようにする。したがって、MAC制御エレメントのサイズはかなり低減させることができる。具体的には、たとえば7ビットのビットマップがMAC制御エレメントの中に提供され、ビットマップの各ビットが測定報告中の特定の測定結果と関連付けられている。次いで測定報告は、隣接セルの測定結果に対し、これらの隣接セルのセルIDもまた含み、そのためビットマップは、UEがNR接続参照信号の送信を要求する対象の測定結果(したがって、無線セルおよびそのID)を識別するようになる。UEは、MAC制御エレメント中のセルビットマップが、UEがNR接続参照信号の送信を要求している対象の、無線セルと関連付けられている測定報告中の測定結果を適正に示していることに配慮しなければならない。
例示的なMAC制御エレメントが図15に示されており、この図は第2のオクテットに7ビットC1~C7のセルビットマップを示し、このビットマップを使用して、測定結果が測定報告に含まれている隣接セルのどれに参照信号要求が送信されるべきかを示すことができる(それぞれのビットをたとえば1に設定することによって)。
別の例示的な解決策では、UEは、UE開始の参照信号要求メッセージとしてPDCP制御PDUを使用することができる。UEにもgNB1にも知られている固有のPDUタイプ値(非予約PDUタイプ値のうちの1つ、たとえば100)により、PDCP制御PDUがUE開始の参照信号要求メッセージとして識別される。MAC制御エレメント解決策について詳細に論じたように、PDCP制御PDUは、参照信号要求が示されている1つまたは複数のセルをgNB1が識別できるようにする情報を含むことができる。MAC制御エレメントにおけるセル識別のための上で詳細に論じられた2つの解決策は、PDCP制御PDUに同様に適用することができる。
例示的なPDCP制御PDUが図16に示されている。図15に関連してすでに説明したように、7ビットC1~C7のセルビットマップが、UEがNR接続参照信号の追加の送信を要求している対象の無線セルを識別する目的のために例示的に仮定されている。
上述のように、サービングgNBまたはUEどちらかによって開始される代わりに、gNB間調整はまた、隣接gNB(ここでは、たとえばgNB2)によって開始されてもよい。前記の場合、隣接gNB2は、UE(および場合によって他の隣接するgNB)にサービスしているサービングgNB1に、gNB2の無線セルにおけるNR接続参照信号の送信を知らせる。これには、他のgNBに、NR接続参照信号を送信するためにgNB2で使用されるスケジューリング情報、たとえば周波数領域および時間領域の無線リソースを知らせることが含まれ得る。このスケジューリング情報は、UEがNR接続参照信号をgNB2から受信できるようにするために必要なことがある。
前出の実施態様に関してすでに説明したように、他の情報もまた、UEがNR接続参照信号を適正に受信し処理するために必要なことがある。たとえば、参照信号の送信は時間の特定の期間に制限されることがあり、あるいは特定の周期性で行われることがある。それに応じて、スケジューリング情報に加えて継続期間情報および/または周期性情報もまた、隣接するgNBに提供されることがある。
スケジューリング情報(および場合によって他の情報)を他のgNBに提供した後であっても、gNB2はなお、NR接続参照信号を送信するための1つまたは複数のビームを維持するかしないかの決定をすることができる。前出の解決策についてすでに説明したように、gNB2は、エネルギーを節減するために、かつ/またはその無線セル内での干渉を低減するために、特に、RRC接続状態のUEが前記ビームのカバレッジエリア内に位置していない場合に、いくつかのビームをオフに切り替える決定をすることがある。あるいは、gNB2はまた、たとえば、NR接続参照信号を別のカバレッジエリアで(一時的に)供給するために、いくつかのビームの方向および/または送信出力を変える決定をすることもある。逆に、gNB2はまた、ある時点でNR接続参照信号のいくつかの作動停止ビームをオンに切り替える決定をすることもできる。
1つの例示的な実施態様では、NR接続参照信号をgNB2から送信するためのビームの状態(たとえば、オフに切り替えられた、オンに切り替えられた、方向が変更されたなど)に対する隣接gNBの更新が維持されているように、gNB2は、別の通知メッセージを隣接gNBに送信すると決定することがある。これらの後続通知メッセージは、上で説明した第1の通知メッセージと同様とすることができる。別の例示的な実施態様では、後続の通知メッセージは、状態が変化した1つまたは複数のビーム(たとえば、今はオフもしくはオンに切り替えられている、または方向が変えられている)をただ単に識別することによって、簡単なものにすることができる。前記目的のために、NR接続参照信号を送信するための様々なビームがそれぞれビーム指標と関連付けられて、gNB2から送信されるビームが一意に識別される。ビーム指標はすでに、gNB間調整の第1の通知メッセージ中のスケジューリング情報と一緒に他のgNBへ送信することができる。その場合、後続の通知は、起動状態が変えられているビームのビーム指標を単に含むことができ、それにより、受信している隣接gNBは、どのビームが(対応するスケジューリング情報によって)gNB2からもはや送信されない(または再び利用できない)かを推定することができる。
図17は、隣接するgNB2によって開始されたgNB間調整のための例示的なメッセージ交換を示す。図示のように、gNB2がNR接続参照信号の送信を他の隣接gNBに知らせることが仮定されている。これは、たとえば、NR接続参照信号の送信を初めて開始すると行われことがある。それに応じて、gNB2は、参照信号通知メッセージを1つまたは複数の隣接するgNBに(ここでは例示的にgNB1に)送信する。参照信号通知メッセージは上で説明したものに相当し、したがってセルID、および任意選択で、NR接続参照信号についてのスケジューリング情報を含み得る。
隣接するgNBは、gNB2から通知メッセージを受信すると、図17に例示的に示されているように、受信通知メッセージをgNB2に返信することによって通知メッセージの受信を任意選択で通知することができる。
図17に示された手順では次に、たとえば、UEにgNB2のNR接続参照信号についての情報を提供するために、測定制御メッセージをUEに送信することを例示的に続けることができる。しかし、UEに送信されるこの測定制御メッセージは、たとえばUEがgNB2の近辺にない場合、またはNR接続参照信号を測定する機能がいずれにしてもUEにない場合には、必要がないことがある。
図17はまた、NR接続参照信号(または、少なくともその1つのビーム)をオフに切り替える処理を示し、この処理は、別の参照信号通知メッセージの送信をトリガして、オフに切り替えられた参照信号を隣接するgNBのうちの1つ以上に知らせることができる。上で説明したように、1つの例示的な実施態様では、この後続の通知には、オフに切り替えられているビームを識別するビーム指標を含むことしか必要がないことがある。図17は、UEが、たとえばその時間には適切でないので、オフに切り替えられたビームを知らされていないと例示的に仮定している。
次表は、gNB2から別の隣接gNBへ送信される例示的なNR接続参照信号通知メッセージのコンテンツを示す。
Figure 0007479426000003
これらから明らかなように、必須要素としてのメッセージはgNB2のセルIDを含み、さらにビームのリストを含むことが仮定されている。それぞれのビームに、ビーム指標(TRP指標番号)が強制的に与えられ、スケジューリング情報および周期性情報が任意選択情報要素として与えられる。
前出の解決策について説明したように、NR接続参照信号は動的に、すなわち変化する無線リソースによってスケジューリングすることができる。しかしこのことは、隣接gNBによって開始されたgNB間調整が、スケジューリングが動的に適合されるたびに有利にトリガされなければならないという意味では好ましくない。それゆえに、上で説明した隣接gNBによって開始されるgNB間調整は特に、最初に送信されたスケジューリング情報が長時間有効なままであるように、NR接続参照信号のスケジューリング情報が頻繁に変化しない場合に有利であることがある。
有効なスケジューリング情報で隣接セルを更新しておくことができるので、サービングgNB1にはNR接続参照信号のビームがgNB2から送信されていることが分かっており、したがって、それに応じて測定がUEによって前もって迅速に行われるように設定することができる。前記の点で、サービングgNB1は、たとえばUEがgNB2に近いときに、かつ/または早い時点で、UEの測定設定の最大数に達していないかどうかも考慮に入れて、測定制御メッセージをUEへ送信することができる。
前に何度か説明したように、次にUEは、測定制御された設定に従ってセル測定を行い、それに応じて測定報告をそのサービングgNBへ送信する。次に測定結果報告を、たとえばサービングgNBで使用し、隣接するセルにUEをハンドオーバするかどうかの決定をすることができる。図17に例示的に示されているように、サービングgNB1は、隣接するgNB2へハンドオーバ要求を送信することによってハンドオーバを開始することができる。
gNB間調整の改善のためのいくつかの異なる、具体的にはどのエンティティがgNB間調整を開始するかに関して概念的に異なる解決策を上で説明した。これらの異なる解決策を互いに別々に説明したが、これらはまた並行して、すなわちそれぞれの解決策の最大の利益が得られるように組み合わせても適用できることに留意されたい。
たとえば、隣接gNBによって開始されたgNB間調整は、前もって他のgNBに知らせるように適用することができる。加えて、gNB2のNR接続参照信号がUEで受信されないと例示的に仮定すると、UE開始のgNB間調整またはサービングgNB開始のgNB間調整を用いて、gNB2からのNR接続参照信号の送信を要求することができる。その要求に応答してgNB2は次に、ビームをオンに切り替えてNR接続参照信号をUEに供給すること、またはNR接続参照信号をすでに供給している別のビームの方向を適切に変更することができる。以前に行われた隣接gNB開始のgNB間調整により、必要なスケジューリング情報がgNB1にはすでに分かっているので、gNB2は、このような情報をサービングgNBに応答して再び提供する必要はない。さらに、隣接gNB開始のgNB間調整の間に、対応する測定設定情報をサービングgNBがすでに提供している場合には、測定のためにUEを適切に設定する必要がもはやないこともある。
同様に、gNB間調整は、UEまたはサービングgNBによって並行して開始することができる。
別の態様
第1の態様によれば、移動通信システムの第1の無線セル内のユーザ機器にサービスする無線基地局が提供される。無線基地局は、隣接無線基地局がビームフォーム化参照信号をユーザ機器に供給していないと判定する処理回路を備える。隣接無線基地局は、その隣接無線セルにおいて全方向性参照信号およびビームフォーム化参照信号の送信を制御する。無線基地局の送信器が、参照信号要求を隣接無線基地局へ送信する。参照信号要求は、隣接無線基地局にビームフォーム化参照信号をユーザ機器に供給するように要求する。無線基地局の受信器が、要求されたビームフォーム化参照信号の送信についての情報を含む参照信号要求応答を隣接無線基地局から受信する。送信器は、要求されたビームフォーム化参照信号についての情報を含むユーザ機器への通知メッセージを送信する。
第1の態様に加えて提供される第2の態様によれば、参照信号要求応答は、隣接無線基地局が要求されたビームフォーム化参照信号をユーザ機器に供給しないことを知らせる。1つの任意選択の実施態様では、ユーザ機器へ送信された通知メッセージは、要求されたビームフォーム化参照信号がユーザ機器に供給されないことを知らせる。
第1または第2の態様に加えて提供される第3の態様によれば、参照信号要求応答は、隣接無線基地局が要求されたビームフォーム化参照信号をユーザ機器に供給することを知らせる。任意選択の一実施態様では、参照信号要求応答はさらに、要求されたビームフォーム化参照信号のスケジューリング情報を含む。任意選択の一実施態様では、スケジューリング情報は周波数領域および/または時間領域の無線リソースを識別する。任意選択の一実施態様では、ユーザ機器へ送信された通知メッセージは、ユーザ機器が要求されたビームフォーム化参照信号を受信できるように、要求されたビームフォーム化参照信号のスケジューリング情報を含む。
第1~第3の態様のうちの1つに加えて提供される第4の態様によれば、参照信号要求は、ユーザ機器の位置を導出するための情報を含む。任意選択の一実施態様では、位置を導出するためのこの情報は、全地球測位システム座標、またはユーザ機器から受信された測定報告から計算された相対測定結果、またはユーザ機器から受信された測定報告を含む。任意選択の一実施態様では、参照信号要求がさらに、隣接無線セルの識別情報を含む。
第1~第4の態様のうちの1つに加えて提供される第5の態様によれば、参照信号要求応答は、要求されたビームフォーム化参照信号を送信するためのビームのリストを含む。任意選択の一実施態様では、リスト中のビームごとに参照信号要求応答は、
・ 要求されたビームフォーム化参照信号が隣接無線基地局から送信される期間についての継続期間情報、および/または
・ 要求されたビームフォーム化参照信号が隣接無線基地局から送信される時間の周期性についての周期性情報を含む。
第1~第5の態様のうちの1つに加えて提供される第6の態様によれば、受信器は、ユーザ機器から、少なくとも隣接無線セルに対してユーザ機器によって行われた測定の1つまたは複数の結果を含む、測定結果を受信する。処理回路は、受信された測定報告に基づいて、隣接無線基地局がビームフォーム化参照信号をユーザ機器に供給していないと判定し、隣接無線セルについての1つまたは複数の測定結果が、全方向性参照信号に基づいてユーザ機器によって行われた測定の結果を含むが、要求されたビームフォーム化参照信号に基づいてユーザ機器によって行われた測定の結果は含まない場合に、参照信号要求を隣接無線基地局へ送信することを決定する。任意選択の一実施態様では、測定結果は、測定報告中でフラグと関連付けられて、関連付けられた測定結果が全方向性参照信号および/またはビームフォーム化参照信号に基づいて計算されたかどうかを示し、かつ/または、測定結果が測定識別情報と関連付けられ、この識別情報に基づいて、処理回路は、動作中のときに、関連付けられた測定結果が全方向性参照信号および/またはビームフォーム化参照信号に基づいて計算されたかどうかを判定する。
第1~第6の態様のうちの1つに加えて提供される第7の態様によれば、受信器は、隣接無線基地局によって供給されるべきビームフォーム化参照信号を要求するユーザ機器開始の参照信号要求をユーザ機器から受信する。処理回路は、受信したユーザ機器開始の参照信号要求に基づいて、隣接無線基地局がビームフォーム化参照信号をユーザ機器に供給していないと判定する。処理回路は、受信したユーザ機器開始の参照信号要求に基づいて、参照信号要求を隣接無線基地局へ送信することを決定する。
第7の態様に加えて提供される第8の態様によれば、ユーザ機器開始の参照信号要求は、隣接無線セルを識別する情報を含み、任意選択で、対応するビームフォーム化参照信号が要求される別の無線セルを少なくとも識別する情報を含む。任意選択の一実施態様では、ユーザ機器開始の参照信号要求は媒体アクセス制御(MAC)制御エレメントであり、MAC制御エレメントがユーザ機器開始の参照信号要求であることを識別する所定の論理チャネル識別子を含む。あるいは、ユーザ機器開始の参照信号要求がパケットデータ収束プロトコル制御パケットデータユニット(PDCP制御PDU)であり、PDCP制御PDUがユーザ機器開始の参照信号要求であることを識別する所定のタイプの識別子を含む。
第1~第8の態様のうちの1つに加えて提供される第9の態様によれば、全方向性参照信号は、その参照信号を全方向に実質的に同時に送信することによって得られ、かつ/または、そのように全方向に送信されるように方向が適時に連続的に変えられるビームの形で参照信号を送信することによって得られる。
第1~第9の態様のうちの1つに加えて提供される第10の態様によれば、無線基地局は、第1の無線セル内の第2の全方向性参照信号の送信と、第1の無線セル内の第2のビームフォーム化参照信号の送信とを制御する。受信器は、第2のビームフォーム化参照信号を別のユーザ機器に供給するように要求する別の無線基地局からの第2の参照信号要求を受信する。処理回路は、第2のビームフォーム化参照信号を別のユーザ機器に供給するかどうかを決定する。第2のビームフォーム化参照信号を別のユーザ機器に供給する場合に、無線基地局は以下の、
・ 第2のビームフォーム化参照信号の送信をオンに切り替えること、ならびに/または、別のユーザ機器が第2のビームフォーム化参照信号を受信できるように、第2のビームフォーム化参照信号の方向および/もしくは送信出力を変更することと、
・ スケジューリング情報を別の無線基地局へ、要求された第2のビームフォーム化参照信号に対して送信し、任意選択で、スケジューリング情報により、要求された第2のビームフォーム化参照信号を送信するために無線基地局によって使用される周波数領域および/または時間領域の無線リソースを識別すること、
・ 任意選択で、第2のビームフォーム化参照信号が別のユーザ機器に供給されるべき期間を決定すること、
のうちの1つを少なくとも実行する。
第2のビームフォーム化参照信号を別のユーザ機器に供給しない場合には、無線基地局は、第2の参照信号要求応答を別の無線基地局へ送信して、無線基地局が要求された第2のビームフォーム化参照信号を別のユーザ機器に供給しないことを知らせる。
第1~第10の態様のうちの1つに加えて提供される第11の態様によれば、処理回路は、ユーザ機器を隣接無線基地局へハンドオーバするかどうかを、隣接無線セルに対してユーザ機器によって行われた測定の結果を含むユーザ機器から受信した測定報告に基づいて決定する。肯定の場合、送信器は、ハンドオーバ要求を隣接無線基地局へ送信する。
第12の態様によれば、移動通信システムの無線基地局が提供される。無線基地局は、全方向性参照信号およびビームフォーム化参照信号の送信を無線基地局の第1の無線セルにおいて制御する。無線基地局は、ビームフォーム化参照信号についての情報を1つまたは複数の隣接無線基地局へ送信することを決定する処理回路を備える。無線基地局の送信器が、ビームフォーム化参照信号を送信するために無線基地局によって使用される無線リソースを識別できるようにするビームフォーム化参照信号のスケジューリング情報を含む参照信号通知メッセージを、1つまたは複数の隣接無線基地局へ送信する。
第12の態様に加えて提供される第13の態様によれば、送信器は、全方向性参照信号およびビームフォーム化参照信号を第1の無線セルにおいて送信する。任意選択の一実施態様では、処理回路は、ビームフォーム化参照信号の送信をオフに切り替えるかどうか、またはビームフォーム化参照信号の方向を変更するかどうかを決定する。
第12または第13の態様に加えて提供される第14の態様によれば、参照信号通知メッセージは第1の無線セルの識別情報を含み、ビームフォーム化参照信号を送信するためのビームのリストをさらに含む。任意選択の一実施態様では、リスト中のビームごとに参照信号通知メッセージは、
・ スケジューリング情報、および
・ ビームフォーム化参照信号が無線基地局から送信される期間についての継続期間情報、および/または
・ ビームフォーム化参照信号が無線基地局から送信される時間の周期性についての周期性情報
を含む。
第12~第14の態様のうちの1つに加えて提供される第15の態様によれば、参照信号通知メッセージは、ビームフォーム化参照信号の識別情報を含む。送信器は、ビームフォーム化参照信号の識別情報を含む別の参照信号通知メッセージを1つまたは複数の隣接無線基地局へ送信して、識別されたビームフォーム化参照信号が現在オンまたはオフに切り替えられていることを1つまたは複数の隣接無線基地局に知らせる。
第16の態様によれば、移動通信システムのユーザ機器が提供される。ユーザ機器は、隣接無線基地局がビームフォーム化参照信号をユーザ機器に供給していないと判定する処理回路を備える。隣接無線基地局は、その隣接無線セルにおいて全方向性参照信号およびビームフォーム化参照信号の送信を制御する。ユーザ機器の送信器が参照信号要求を、ユーザ機器にサービスするサービング無線基地局へ送信する。参照信号要求は、ビームフォーム化参照信号をユーザ機器に供給するように隣接無線基地局に要求することをサービング無線基地局に要求するものである。ユーザ機器の受信器が、要求されたビームフォーム化参照信号についての情報を含む通知メッセージをサービング無線基地局から受信する。
第16の態様に加えて提供される第17の態様によれば、受信器は、全方向性参照信号およびビームフォーム化参照信号を受信する。処理回路は、全方向性参照信号およびビームフォーム化参照信号の測定を行う。処理回路は、行われた測定の結果を含む測定報告を準備する。任意選択の一実施態様では、測定結果が測定報告中でフラグと関連付けられて、関連付けられた測定結果が全方向性参照信号および/またはビームフォーム化参照信号に基づいて計算されたかどうかを示し、かつ/または、測定結果が測定識別情報と関連付けられ、この識別情報に基づいて、サービング無線基地局が、関連付けられた測定結果が全方向性参照信号および/またはビームフォーム化参照信号に基づいて計算されたかどうかを判定する。
第16または第17の態様に加えて提供される第18の態様によれば、ユーザ機器から送信される参照信号要求は、隣接無線基地局の隣接無線セルを識別する情報を含み、任意選択で、対応するビームフォーム化参照信号が要求される別の無線セルを少なくとも識別する情報を含む。任意選択の一実施態様では、参照信号要求は媒体アクセス制御(MAC)制御エレメントであり、MAC制御エレメントが参照信号要求であることを識別する所定の論理チャネル識別子を含む。あるいは、参照信号要求はパケットデータ収束プロトコル制御パケットデータユニット(PDCP制御PDU)であり、PDCP制御PDUが参照信号要求であることを識別する所定のタイプの識別子を含む。
第18の態様に加えて提供される第19の態様によれば、隣接無線セルを識別するための情報は、無線セル識別情報であるか、2つ以上のビットがあるビットマップであり、ビットマップのビットのそれぞれが、隣接セルに対しユーザ機器によって準備された測定報告中の測定の結果と関連付けられており、それぞれの結果が隣接無線セルの無線セル識別情報と関連付けられている。
第20の態様によれば、移動通信システムの第1の無線セル内のユーザ機器にサービスする無線基地局を動作させる方法が提供される。この方法は、無線基地局によって実行される以下のステップを含む。隣接無線基地局がビームフォーム化参照信号をユーザ機器に供給していないと判定される。隣接無線基地局は、その隣接無線セルにおいて全方向性参照信号およびビームフォーム化参照信号の送信を制御する。参照信号要求が隣接無線基地局へ送信され、参照信号要求は隣接無線基地局にビームフォーム化参照信号をユーザ機器に供給するように要求する。隣接無線基地局から、要求されたビームフォーム化参照信号の送信についての情報を含む参照信号要求応答が受信される。要求されたビームフォーム化参照信号についての情報を含むユーザ機器への通知メッセージが送信される。
第21の態様によれば、移動通信システムのユーザ機器を動作させる方法が提供される。この方法は、ユーザ機器によって実行される以下のステップを含む。隣接無線基地局がビームフォーム化参照信号をユーザ機器に供給していないと判定される。隣接無線基地局が、その隣接無線セルにおいて全方向性参照信号およびビームフォーム化参照信号の送信を制御する。参照信号要求が、ユーザ機器にサービスするサービング無線基地局へ送信される。参照信号要求は、ビームフォーム化参照信号をユーザ機器に供給するように隣接無線基地局に要求することをサービング無線基地局に要求するものである。要求されたビームフォーム化参照信号についての情報を含む通知メッセージが、サービング無線基地局から受信される。
本開示のハードウェアおよびソフトウェア実施態様
本開示は、ソフトウェア、ハードウェア、またはハードウェアと組み合わせたソフトウェアによって実現することができる。上述の各実施形態の説明に使用された各機能ブロックは、集積回路などのLSIによって部分的または全体的に実現することができ、各実施形態で説明された各処理は、同じLSIによって、または複数のLSIの組み合わせによって部分的または全体的に制御することができる。LSIは、チップとして個々に形成することができ、あるいは1つのチップが、機能ブロックの一部または全部を含むように形成されてもよい。LSIは、それに結合されたデータ入出力部を含むことができる。LSIは、本明細書では、集積度の違いに応じてIC(集積回路)、システムLSI、超LSI、または極超LSIと呼ばれることがある。しかし、集積回路を実装する技法はLSIに限定されず、専用回路、汎用プロセッサ、または特定目的プロセッサを使用して実現されてもよい。加えて、LSIの製造後にプログラムできるFPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)、またはLSIの内部に配置された回路セルの接続および設定を再構成できる再構成可能プロセッサを使用することもできる。本開示は、デジタル処理またはアナログ処理として実現することができる。半導体技術または他の派生技術の進歩の結果として将来の集積回路技術がLSIに取って代わる場合、機能ブロックは、その将来の集積回路技術を使用して集積することもできる。生物工学もまた適用することができる。
さらに、様々な実施形態はまた、ソフトウェアモジュールによって実施することもでき、このモジュールはプロセッサによって、または直接ハードウェアの形で実行される。また、ソフトウェアモジュールの組み合わせ、およびハードウェア実装も可能であり得る。ソフトウェアモジュールは、任意の種類のコンピュータ可読記憶媒体、たとえば、RAM、EPROM、EEPROM、フラッシュメモリ、レジスタ、ハードディスク、CD-ROM、DVDなどに記憶することができる。様々な実施形態の個々の特徴は個別に、または任意の組み合わせで、別の実施形態の素材になり得ることにさらに留意されたい。
当業者には、多くの変形形態および/または修正形態が、特定の実施形態で示された本開示に加えられ得ることが理解されよう。したがって、本実施形態は、全ての態様に関して限定的ではなく説明的なものと考えられるべきである。

Claims (18)

  1. 移動通信システムの第1の無線セル内のユーザ機器にサービスする無線基地局であって、
    動作中に、前記ユーザ機器から測定報告を受信する受信器と、
    動作中に、前記測定報告に基づいて、隣接無線基地局がビームフォームド参照信号(beamformed reference signal)を前記ユーザ機器に供給していないと判定する、処理回路と、
    動作中に、参照信号要求を前記隣接無線基地局へ送信する送信器であって、前記参照信号要求が前記隣接無線基地局に前記ビームフォームド参照信号を前記ユーザ機器に供給するように要求する、送信器と、
    を備え、
    前記受信器が、動作中に、参照信号要求応答を前記隣接無線基地局から受信し、
    前記送信器が、動作中に、前記要求されたビームフォームド参照信号についての情報を含む前記ユーザ機器への通知メッセージを送信し、
    前記参照信号要求応答が、前記隣接無線基地局が前記要求されたビームフォームド参照信号を前記ユーザ機器に供給しないことを知らせるときは、
    前記ユーザ機器へ送信された前記通知メッセージは、前記要求されたビームフォームド参照信号が前記ユーザ機器に供給されないことを知らせる、無線基地局。
  2. 前記参照信号要求応答は、前記隣接無線基地局が前記要求されたビームフォームド参照信号を前記ユーザ機器に供給することを知らせ、任意選択で、前記参照信号要求応答はさらに、前記要求されたビームフォームド参照信号のスケジューリング情報を含み、任意選択で、前記スケジューリング情報が周波数領域および/または時間領域の無線リソースを識別し、
    任意選択で、前記ユーザ機器へ送信された前記通知メッセージは、前記ユーザ機器が前記要求されたビームフォームド参照信号を受信できるように、前記要求されたビームフォームド参照信号のスケジューリング情報を含む、請求項1に記載の無線基地局。
  3. 前記参照信号要求が前記ユーザ機器の位置を導出するための情報を含み、任意選択で、前記位置を導出するためのこの情報が、全地球測位システム座標、または前記ユーザ機器から受信された測定報告から計算された相対測定結果、または前記ユーザ機器から受信された測定報告を含み、
    任意選択で、前記参照信号要求がさらに、隣接無線セルの識別情報を含む、請求項1または2に記載の無線基地局。
  4. 前記参照信号要求応答が、前記要求されたビームフォームド参照信号を送信するためのビームのリストを含み、任意選択で、前記リスト中のビームごとに前記参照信号要求応答は、
    前記要求されたビームフォームド参照信号が前記隣接無線基地局から送信される期間についての継続期間情報、および/または
    前記要求されたビームフォームド参照信号が前記隣接無線基地局から送信される時間の周期性についての周期性情報
    を含む、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の無線基地局。
  5. 前記受信器が、動作中に前記ユーザ機器から、少なくとも隣接無線セルに対して前記ユーザ機器によって行われた測定の1つまたは複数の結果を含む、測定報告を受信し、
    前記処理回路は、動作中のときに、前記受信された測定報告に基づいて、前記隣接無線基地局が前記ビームフォームド参照信号を前記ユーザ機器に供給していないと判定し、前記隣接無線セルについての前記1つまたは複数の測定結果が、全方向性参照信号に基づいて前記ユーザ機器によって行われた測定の結果を含むが、前記要求されたビームフォームド参照信号に基づいて前記ユーザ機器によって行われた測定の結果は含まない場合に、前記参照信号要求を前記隣接無線基地局へ送信することを決定し、
    任意選択で、測定結果は、前記測定報告中でフラグと関連付けられて、前記関連付けられた測定結果が前記全方向性参照信号および/または前記ビームフォームド参照信号に基づいて計算されたかどうかを示し、かつ/または、測定結果が測定識別情報と関連付けられ、この識別情報に基づいて、前記処理回路は、動作中のときに、前記関連付けられた測定結果が前記全方向性参照信号および/または前記ビームフォームド参照信号に基づいて計算されたかどうかを判定する、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の無線基地局。
  6. 前記受信器が、動作中のときに、前記隣接無線基地局によって供給されるべき前記ビームフォームド参照信号を要求するユーザ機器開始の参照信号要求を前記ユーザ機器から受信し、
    処理回路は、動作中のときに、前記受信したユーザ機器開始の参照信号要求に基づいて、前記隣接無線基地局がビームフォームド参照信号を前記ユーザ機器に供給していないと判定し、
    前記処理回路が、動作中のときに、前記受信したユーザ機器開始の参照信号要求に基づいて、前記参照信号要求を前記隣接無線基地局へ送信することを決定する、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の無線基地局。
  7. 前記ユーザ機器開始の参照信号要求は、隣接無線セルを識別する情報を含み、任意選択で、対応するビームフォームド参照信号が要求される別の無線セルを少なくとも識別する情報を含み、
    任意選択で、前記ユーザ機器開始の参照信号要求が媒体アクセス制御(MAC)制御エレメントであり、前記MAC制御エレメントが前記ユーザ機器開始の参照信号要求であることを識別する所定の論理チャネル識別子を含み、あるいは、前記ユーザ機器開始の参照信号要求がパケットデータ収束プロトコル制御パケットデータユニット(PDCP制御PDU)であり、前記PDCP制御PDUが前記ユーザ機器開始の参照信号要求であることを識別する所定のタイプの識別子を含む、請求項6に記載の無線基地局。
  8. 前記全方向性参照信号が、その参照信号を全方向に実質的に同時に送信することによって得られる、かつ/または、そのように全方向に送信されるように方向が適時に連続的に変えられるビームの形で参照信号を送信することによって得られる、請求項5に記載の無線基地局。
  9. 前記無線基地局が、前記第1の無線セル内の第2の全方向性参照信号の送信と、前記第1の無線セル内の第2のビームフォームド参照信号の送信とを制御し、
    前記受信器が、動作中のときに、前記第2のビームフォームド参照信号を別のユーザ機器に供給するように要求する別の無線基地局からの第2の参照信号要求を受信し、
    前記処理回路が、動作中のときに、前記第2のビームフォームド参照信号を前記別のユーザ機器に供給するかどうかを決定し、
    前記第2のビームフォームド参照信号を前記別のユーザ機器に供給する場合に、前記無線基地局が以下の、
    前記第2のビームフォームド参照信号の送信をオンに切り替えること、ならびに/または、前記別のユーザ機器が前記第2のビームフォームド参照信号を受信できるように、前記第2のビームフォームド参照信号の方向および/もしくは送信出力を変更することと、
    スケジューリング情報を前記別の無線基地局へ、前記要求された第2のビームフォームド参照信号に対して送信し、任意選択で、前記スケジューリング情報により、前記要求された第2のビームフォームド参照信号を送信するために前記無線基地局によって使用される周波数領域および/または時間領域の無線リソースを識別すること、
    任意選択で、前記第2のビームフォームド参照信号が前記別のユーザ機器に供給されるべき期間を決定すること、
    のうちの1つを少なくとも実行し、
    前記第2のビームフォームド参照信号を前記別のユーザ機器に供給しない場合に、前記無線基地局が、第2の参照信号要求応答を前記別の無線基地局へ送信して、前記無線基地局が前記要求された第2のビームフォームド参照信号を前記別のユーザ機器に供給しないことを知らせる、請求項1乃至8のいずれか一項に記載の無線基地局。
  10. 前記処理回路が、動作中に、前記ユーザ機器を前記隣接無線基地局へハンドオーバするかどうかを、隣接無線セルに対して前記ユーザ機器によって行われた測定の結果を含む前記ユーザ機器から受信した測定報告に基づいて決定し、
    肯定の場合、前記送信器が、動作中のときにハンドオーバ要求を前記隣接無線基地局へ送信する、請求項1乃至9のいずれか一項に記載の無線基地局。
  11. 移動通信システムのユーザ機器であって、
    動作中に、測定報告を隣接無線基地局へ送信する送信と、
    動作中に、前記隣接無線基地局がビームフォームド参照信号(beamformed reference signal)を前記ユーザ機器に供給していないと判定する処理回路と、
    動作中に、要求されたビームフォームド参照信号についての情報を含む通知メッセージをサービング無線基地局から受信する受信器と、
    を備え、
    前記送信は、動作中に、前記サービング無線基地局へ参照信号要求を送信し、
    前記参照信号要求は、前記ビームフォームド参照信号を前記ユーザ機器に供給するように前記隣接無線基地局に要求することを前記サービング無線基地局に要求し、
    前記隣接無線基地局が前記要求されたビームフォームド参照信号を前記ユーザ機器に供給しないときは、
    前記ユーザ機器へ送信された前記通知メッセージは、前記要求されたビームフォームド参照信号が前記ユーザ機器に供給されないことを知らせる、ユーザ機器。
  12. 前記受信器が、動作中のときに、全方向性参照信号およびビームフォームド参照信号を受信し、
    前記処理回路が、動作中のときに、前記全方向性参照信号および前記ビームフォームド参照信号の測定を行い、
    前記処理回路が、動作中のときに、前記行われた測定の結果を含む測定報告を準備し、
    任意選択で、測定結果が前記測定報告中でフラグと関連付けられて、前記関連付けられた測定結果が前記全方向性参照信号および/または前記ビームフォームド参照信号に基づいて計算されたかどうかを示し、かつ/または、測定結果が測定識別情報と関連付けられ、この識別情報に基づいて、前記サービング無線基地局が、前記関連付けられた測定結果が前記全方向性参照信号および/または前記ビームフォームド参照信号に基づいて計算されたかどうかを判定する、請求項11に記載のユーザ機器。
  13. 前記ユーザ機器から送信される前記参照信号要求が、前記隣接無線基地局の隣接無線セルを識別する情報を含み、任意選択で、対応するビームフォームド参照信号が要求される別の無線セルを少なくとも識別する情報を含み、
    任意選択で、前記参照信号要求は媒体アクセス制御(MAC)制御エレメントであり、前記MAC制御エレメントが参照信号要求であることを識別する所定の論理チャネル識別子を含み、あるいは、前記参照信号要求はパケットデータ収束プロトコル制御パケットデータユニット(PDCP制御PDU)であり、前記PDCP制御PDUが参照信号要求であることを識別する所定のタイプの識別子を含む、請求項11または12に記載のユーザ機器。
  14. 前記隣接無線セルを識別するための前記情報が、無線セル識別情報であるか、2つ以上のビットがあるビットマップであり、ビットマップのビットのそれぞれが、前記隣接無線セルに対し前記ユーザ機器によって準備された測定報告中の測定の結果と関連付けられており、それぞれの結果が前記隣接無線セルの無線セル識別情報と関連付けられている、請求項13に記載のユーザ機器。
  15. 移動通信システムの第1の無線セル内のユーザ機器にサービスする無線基地局を動作させる方法であって、前記無線基地局によって実行される以下のステップ、すなわち、
    隣接無線基地局がビームフォームド参照信号を前記ユーザ機器に供給していないと判定するステップであって、前記隣接無線基地局が、その隣接無線セルにおいて全方向性参照信号および前記ビームフォームド参照信号の送信を制御するステップと、
    参照信号要求を前記隣接無線基地局へ送信するステップであって、前記参照信号要求が前記隣接無線基地局に前記ビームフォームド参照信号を前記ユーザ機器に供給するように要求するステップと、
    前記要求されたビームフォームド参照信号の送信についての情報を含む参照信号要求応答を前記隣接無線基地局から受信するステップと、
    前記要求されたビームフォームド参照信号についての情報を含む前記ユーザ機器への通知メッセージを送信するステップと、を含み、
    前記参照信号要求応答が、前記隣接無線基地局が前記要求されたビームフォームド参照信号を前記ユーザ機器に供給しないことを知らせるときは、
    前記ユーザ機器へ送信された前記通知メッセージは、前記要求されたビームフォームド参照信号が前記ユーザ機器に供給されないことを知らせる、方法。
  16. 移動通信システムのユーザ機器を動作させる方法であって、前記ユーザ機器によって実行される以下のステップ、すなわち、
    測定報告を隣接無線基地局へ送信するステップと、
    隣接無線基地局がビームフォームド参照信号を前記ユーザ機器に供給していないと判定するステップと、
    参照信号要求を、前記ユーザ機器にサービスするサービング無線基地局へ送信するステップであって、前記参照信号要求が、前記ビームフォームド参照信号を前記ユーザ機器に供給するように前記隣接無線基地局に要求することを前記サービング無線基地局に要求するものであるステップと、
    前記要求されたビームフォームド参照信号についての情報を含む通知メッセージを前記サービング無線基地局から受信するステップと、を含み、
    前記隣接無線基地局が前記要求されたビームフォームド参照信号を前記ユーザ機器に供給しないときは、
    前記ユーザ機器へ送信された前記通知メッセージは、前記要求されたビームフォームド参照信号が前記ユーザ機器に供給されないことを知らせる、方法。
  17. 移動通信システムの第1の無線セル内のユーザ機器にサービスする無線基地局の処理を制御する集積回路であって、前記処理は、
    動作中に、隣接無線基地局がビームフォームド参照信号(beamformed reference signal)を前記ユーザ機器に供給していないと判定する処理であって、前記隣接無線基地局が、その隣接無線セルにおいて全方向性参照信号および前記ビームフォームド参照信号の送信を制御する前記処理と、
    動作中に、参照信号要求を前記隣接無線基地局へ送信する送信処理であって、前記参照信号要求が前記隣接無線基地局に前記ビームフォームド参照信号を前記ユーザ機器に供給するように要求する送信処理と、
    動作中に、前記要求されたビームフォームド参照信号の送信についての情報を含む参照信号要求応答を前記隣接無線基地局から受信する受信処理と、
    を含み、
    前記送信処理が、動作中に、前記要求されたビームフォームド参照信号についての情報を含む前記ユーザ機器への通知メッセージを送信し、
    前記参照信号要求応答は、前記隣接無線基地局が前記要求されたビームフォームド参照信号を前記ユーザ機器に供給しないことを知らせ、
    前記ユーザ機器へ送信された前記通知メッセージは、前記要求されたビームフォームド参照信号が前記ユーザ機器に供給されないことを知らせる、集積回路。
  18. 移動通信システムのユーザ機器の処理を制御する集積回路であって、前記処理は、
    動作中に、隣接無線基地局がビームフォームド参照信号(beamformed reference signal)を前記ユーザ機器に供給していないと判定する処理であって、前記隣接無線基地局が、その隣接無線セルにおいて全方向性参照信号および前記ビームフォームド参照信号の送信を制御する前記処理と、
    動作中に、参照信号要求を、前記ユーザ機器にサービスするサービング無線基地局へ送信する送信処理であって、前記参照信号要求が、前記ビームフォームド参照信号を前記ユーザ機器に供給するように前記隣接無線基地局に要求することを前記サービング無線基地局に要求するものである、前記送信処理と、
    動作中に、前記要求されたビームフォームド参照信号についての情報を含む通知メッセージを前記サービング無線基地局から受信する受信処理と、
    を含み、
    前記隣接無線基地局が前記要求されたビームフォームド参照信号を前記ユーザ機器に供給しないときは、
    前記ユーザ機器へ送信された前記通知メッセージは、前記要求されたビームフォームド参照信号が前記ユーザ機器に供給されないことを知らせる、集積回路。
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