JP7477713B2 - ディンプル付きコンタクトレンズ - Google Patents

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Description

本発明は、コンタクトレンズ、並びに、コンタクトレンズを形成するための金型及び金型インサート、に関する。より具体的には、本発明は、コンタクトレンズにおけるディンプルの使用、及び、その製造方法に関する。ディンプルを有するコンタクトレンズは、ディンプル付きコンタクトレンズと見なされ得る。
健康な眼は、上皮に位置する涙液を含んでいる。涙液は、大部分が水であるが、ムコイド、脂質、酵素やビタミン等の様々な抗酸化分子、といった追加成分を含み、光の影響や汚染物質から目や眼表面を保護する。
コンタクトレンズは、視力の矯正及び/若しくは改善、美容改善、並びに/または、視力の矯正と美容改善との両方、を提供する。コンタクトレンズは、角膜の健康を促進するために、目、特には角膜に、十分なレベルの酸素が供給されることを保証するように設計されることが好ましい。しかしながら、現在のコンタクトレンズは、角膜への栄養分を含んだ涙の流れを減少させ得る。この涙の流れの減少は、眼の健康に悪影響を及ぼし得て、及び/または、一般的な着用者の不快感をもたらし得る。
従って、コンタクトレンズの利点の全てではないにしても多くを維持し得て、更に着用者の快適さを改善し得るような、コンタクトレンズを提供することが望まれている。更に、当業界においては、レンズと角膜との間の涙液の保持性を改善または増大させることができるようなコンタクトレンズのニーズがある。
本発明の特徴は、コンタクトレンズが着用されている時、レンズと角膜との間の涙液の保持性を改善または増大させるような、コンタクトレンズを提供することである。
本発明の更なる特徴は、レンズと角膜との間の涙液の保持性を改善または増大させると共に、長時間の眼における着用が快適であるような、コンタクトレンズを提供することである。
本発明の更なる特徴は、レンズと角膜との間の涙液の保持性を改善または増加させると共に、目の瞬き後の動きが同一であるような、コンタクトレンズを提供することである。
本発明の更なる特徴及び利点が、以下の説明において部分的に記載され、当該説明から部分的に明らかになる、あるいは、本発明の実践によって学習され得る。本発明の目的及び他の利点は、明細書及び添付の特許請求の範囲で特に指摘される要素及び組み合わせによって、実現及び達成される。
これら及び他の利点を達成するために、本発明の目的に従って、本明細書で具体化されて且つ広く説明されるように、本発明は、部分的に、コンタクトレンズに関する。当該コンタクトレンズは、光学領域と、周辺領域と、周縁と、を有する後面を備える。周辺領域は、少なくとも1000個のディンプルを有する。前記ディンプルは、少なくとも0.01μlの充填容積を提供すると共に、後面の全表面積に基づく最大80%までのディンプル被覆率を有する。
本発明は、更に、コンタクトレンズの注型成形用金型に関する。当該金型は、ディンプルのディンプルパターンのネガティブパターンであるドームパターンを備える。ディンプルパターンは、その中で成形されるコンタクトレンズの周縁領域上に形成される。前記ディンプルの数は、少なくとも1000個である。前記ディンプルは、少なくとも0.01μlの充填容積を提供すると共に、最大80%までのディンプル被覆率を有する。
また、本発明は、コンタクトレンズの注型成形用金型を形成するための射出成形インサートに関する。当該射出成形インサートは、注型成形されるコンタクトレンズの周縁領域上に形成されるディンプルのディンプルパターンを備える。前記ディンプルの数は、少なくとも1000個である。前記ディンプルは、少なくとも0.01μlの充填容積を提供すると共に、最大80%までのディンプル被覆率を有する。
前述の一般的な説明と以下の詳細な説明との両方が、例示的かつ説明的なものにすぎず、特許請求される本発明の更なる説明を提供することが意図されている、ということが理解されるべきである。
添付の図面は、本出願に組み込まれて本出願の一部を構成するものであるが、本発明の特徴の幾つかを図示し、本発明の説明と共に、本発明の原理を説明するのに役立つ。
図1は、ディンプル付きコンタクトレンズの一実施例の後方側の図(縮尺通りではない)である。
図2は、ディンプル付きコンタクトレンズの別の一実施例の後方側の図である。
図3は、本発明のコンタクトレンズに存在し得る2つの隣接するディンプルの一実施例を示す斜視図である。
図4は、コンタクトレンズの2つの隣接するディンプルの一実施例を示す断面図である。
図5は、ディンプル付きコンタクトレンズの別の一実施例の後方側の図である。
図6は、ディンプル付きコンタクトレンズの別の一実施例の後方側の図である。
図7は、ディンプル付きコンタクトレンズの別の一実施例の後方側の図である。
図8は、ディンプル付きコンタクトレンズの別の一実施例の後方側の図である。
図9は、ディンプル付きコンタクトレンズの別の一実施例の後方側の図である。
図10Aは、ディンプル付きコンタクトレンズの一実施例の後方側の図であり、ディンプルのクラスタを示している。
図10Bは、図10Aのディンプル付きコンタクトレンズの一部を形成するディンプルのクラスタの拡大図を示している。
図11Aは、金型インサートのディンプルパターンを示す、詳細断面図である。
図11Bは、雄型部材のドームパターンを示す、詳細断面図である。
図11Cは、ディンプル付きコンタクトレンズのディンプルパターンを示す、詳細断面図である。
ディンプルを備えたコンタクトレンズ、当該コンタクトレンズを製造するための注型成形用金型及び射出成形インサート、並びに、ディンプル付きコンタクトレンズを製造する方法が、本明細書において説明される。ディンプルを備えた1または複数のコンタクトレンズが、本明細書ではディンプル付きコンタクトレンズと呼ばれる。
本発明において、ディンプル付きコンタクトレンズは、好ましくは、ディンプル内に涙液を保持し、それによって、当該コンタクトレンズと眼との間に涙液を保持する。このことが、少なくとも一部の着用者においてレンズの快適性及び眼の健康を改善し得る。
本明細書において、「実施例」、「特定の実施例」、「態様」、「実施形態」、または、それらと同様の語句への言及は、ディンプル付きコンタクトレンズ、その構成要素、または、ディンプル付きコンタクトレンズの製造方法、の1または複数の特徴を紹介することが意図されている(文脈に応じて)。それらは、特定の特徴の組み合わせが相互に排他的でない限り、あるいは、文脈がそうでないことを示さない限り、前述されるまたは後述される、実施例、態様、実施形態(すなわち、特徴)の任意の組み合わせと組み合わされ得る。更に、本明細書で使用されるように、単数形「a」、「an」、及び「the」は、文脈が明示的にそうでないことを示さない限り、複数の指示対象(例えば、少なくとも1または複数)を含む。従って、例えば、「a」「コンタクトレンズ」という言及は、単一のレンズ、及び、同一または異なる2以上のレンズ、を含む。
ディンプル付きコンタクトレンズは、レンズと角膜との間に保持され得る涙液の量を増大する能力を有する。このことが、増大される快適性及び/または眼の健康をもたらし得る。1または複数のディンプルが、流体リザーバを作成する能力を有する。当該流体リザーバは、レンズの後方の涙の量を増大させ得て、より多くのパッケージング溶液及び/または快適剤をレンズパッケージから眼に運ぶのを助け得て、レンズの後方の涙液を保持するのを助け得て、及び/若しくは、コンタクトレンズが既に存在する状態の目に快適剤が分配される場合に当該快適剤を保持するのを助け得て、レンズと眼との間の摩擦を低減し得て、眼に接触するレンズの面積を低減し得て、レンズとの神経接触を低減し得て、浸透圧の変動を低減し得て、及び/若しくは、表面の湿潤性を改善し得て、並びに/または、それらの組合せをなし得る。
ディンプルは、後面に位置するピットまたはポケットと見なされ得る。ディンプルは、更に、それらの直径、ピッチ(2つのディンプル間の中心から中心までの距離)及び深さによって、定義され得る。これは、以下でより詳細に説明される。測定されるパラメータの各々について、当該パラメータは、乾燥(ドライ)コンタクトレンズに適用可能であるか、あるいは、水和(例えば、完全に水和された)コンタクトレンズに適用可能である、ということが理解され得る。幾つかのパラメータを伴う乾燥コンタクトレンズが完全に水和された同一のコンタクトレンズと比較される時、水和されたコンタクトレンズの方が、乾燥コンタクトレンズよりも、直径、ピッチ及び/または深さ等のパラメータは、少なくとも1%、少なくとも2.5%、少なくとも5%、または、少なくとも10%、高い可能性がある。当該差は、乾燥コンタクトレンズと比較して水和コンタクトレンズの方が、約1%~25%、5%~20%、または、10%~25%、高い可能性がある。
ディンプルに関して、ディンプルは、オプション(選択肢)として、マイクロディンプルが考慮され得る。
ディンプル直径(乾燥レンズまたは水和レンズの場合)は、少なくとも約5μm、10μm、15μm、20μm、25μmまたは30μmから、約40μm、50μm、60μm、70μm、80μm、90μmまたは100μmまで、であり得る。例えば、ディンプル直径は、5μm~100μm、5μm~70μm、5μm~50μm、5μm~30μm、105μm~50μm、等であり得る。サイズは、平均ディンプル直径が考慮され得る。オプション(選択肢)として、ディンプルは、各ディンプル直径が、平均ディンプル直径の約20%、15%、10%、5%、または、1%、以内(の相違)になるように、狭いディンプル直径分布を含み得る。例えば、ディンプルは、各々、平均ディンプル直径の約5μm以内、2.5μm以内、または、1μm以内(の相違)、であるディンプル直径を有し得る。
ディンプルのディンプル直径は、互いに対して均一であり得るし、2以上のディンプル直径の組合せを含んでいてもよい。例えば、複数のディンプルは、第1ディンプル直径を有する1つのセットと、第2ディンプル直径を有する第2のセットとの、2セットのディンプルを有し得る。第1のセットと第2のセットとの間の平均ディンプル直径は、例えば前述されたように、任意の直径であり得る。第1のセットと第2のセットとの間の平均ディンプル直径は、少なくとも5%だけ、少なくとも10%だけ、少なくとも20%だけ、または、少なくとも50%だけ、例えば5%~200%、5%~100%、または、10%~75%、変化し得る。更に、オプション(選択肢)として、複数のディンプルは、平均ディンプル直径が異なる、3セットまたは4セットまたはそれ以上などの、2より多いセットのディンプルを有し得る。ディンプルの2以上のセットが存在する場合、ディンプルの配置は、ランダムであり得るし、あるいは、任意の所望のパターンで配置され得る(各セットの複数の領域または複数のセクタ、交互、1つのセットの1つの環状ゾーンと別のセットの第2の環状ゾーン、等)。ディンプルは、バイモーダルまたはマルチモーダルの分布を含み得る。その場合、ディンプルは、2以上のタイプのディンプルの組合せを含み、各タイプは、少なくとも異なる平均ディンプル直径を有する。
ディンプルピッチは、互いに隣り合う(隣接する)2つのディンプルのディンプル中心間の距離である。例えば、図3を参照して、線bの終端は、2つの隣接ディンプル(20)の中心、x及びy、に位置している。線bの長さが、当該ピッチである。
ディンプルピッチに関して、ディンプルピッチ(乾燥レンズまたは水和レンズの場合)は、少なくとも約5μm、10μm、20μm、30μm、40μm、50μm、60μm、70μm、80μmから、約90μm、100μm、110μm、120μm、130μm、140μm、150μm、160μm、170μmまたは180μmまで、であり得る。例えば、ディンプルピッチは、約10μm~約125μm、または、約15μm~約90μm、であり得る。サイズは、平均ディンプルピッチが考慮され得る。オプション(選択肢)として、ディンプルは、各ディンプルピッチが、平均ディンプルピッチの約20%、15%、10%、5%、または、1%、以内(の相違)になるように、狭いディンプルピッチ分布を含み得る。
ディンプルピッチは、互いに対して均一であり得る。
オプション(選択肢)として、ディンプルピッチは、不均一であり得る。例えば、複数のディンプルは、ディンプルの配置及びそれらの間の間隔により、ディンプルピッチの2以上のセットまたはグループを有し得る。ディンプルピッチの2以上のセットまたはグループが存在する場合、ディンプルピッチの各セットまたはグループは、少なくとも5%だけ、少なくとも10%だけ、少なくとも20%だけ、または、少なくとも50%だけ、例えば5%~100%、または、10%~75%、変化し得る。
2以上のディンプルピッチが存在する場合、ディンプルの2以上のセットが存在する時のディンプルの配置は、ランダムであり得るし、あるいは、任意の所望のパターンで配置され得る(各セットの複数の領域または複数のセクタ、交互、1つのセットの1つの環状ゾーンと別のセットの第2の環状ゾーン、等)。
別の例では、周辺領域の全体に亘るディンプルの分布が、準ランダムであり得る。そのような例では、ディンプルの各対の間のピッチは、特定の最小値と特定の最大値との間ではあるが、それ以外はランダムである。例えば、ディンプルの準ランダム分布は、各ディンプル間ピッチが20μmと40μmとの値の間でランダムに分布するという、周辺領域の全体に分布されたディンプルを含み得る。
コンタクトレンズの光学領域内または光学領域付近のディンプルのランダム分布または準ランダム分布は、夜間のハローやグレア等の視覚障害の可能性を低減または回避し得る。一例では、コンタクトレンズの中心(すなわち、光学領域の幾何学的中心)から5.5mm、または5mm、または4.5mm、以内に位置する全てのディンプルが、準ランダム分布を有する。
更なる一例では、コンタクトレンズは、準ランダム分布を有するコンタクトレンズの中心から5mm以内に位置するディンプルと、均一な分布を有するコンタクトレンズの中心から少なくとも5.5mmに位置するディンプルと、を含む。
オプション(選択肢)として、コンタクトレンズは、当該コンタクトレンズの中心(すなわち、光学領域の幾何学的中心)から5.5mm、または5mm、または4.5mm、以内に位置するディンプルを有しない場合もある。
放物面、円柱面、または、他の一般的なディンプル形状、を有するディンプルの場合、ディンプル深さ(乾燥レンズまたは水和レンズの場合)は、ディンプルの中心軸に沿った長さ(または高さ)に基づいて一般に測定され得る。例えば、図3は、ディンプルの1つのタイプの一例を示し、ディンプル深さは、図3において「a」によって示される線の長さである。
ディンプル深さは、少なくとも約2μm、5μm、10μmまたは15μmから、約30μm、40μm、50μmまたは60μmまで、であり得る。例えば、ディンプル深さは、約2μm~約60μm、約5μm~約40μm、または、約10μm~約30μm、であり得る。サイズは、平均ディンプル深さが考慮され得る。オプション(選択肢)として、ディンプルは、各ディンプル深さが、平均ディンプル深さの約20%、15%、10%、5%、または、1%、以内(の相違)になるように、狭いディンプル深さ分布を含み得る。
ディンプル深さは、互いに対して均一であり得るし、2以上のディンプル深さの組合せを含んでいてもよい。例えば、複数のディンプルは、第1ディンプル深さを有する1つのセットと、第2ディンプル深さを有する第2のセットとの、2セットのディンプルを有し得る。第1のセットと第2のセットとの間の平均ディンプル深さは、例えば前述されたように、任意の深さであり得る。第1のセットと第2のセットとの間の平均ディンプル深さは、少なくとも5%だけ、少なくとも10%だけ、少なくとも20%だけ、または、少なくとも50%だけ、例えば5%~100%、または、10%~75%、変化し得る。更に、オプション(選択肢)として、複数のディンプルは、平均ディンプル深さが異なる、3セットまたは4セットまたはそれ以上などの、2より多いセットのディンプルを有し得る。ディンプルの2以上のセットが存在する場合、ディンプルの配置は、ランダムであり得るし、あるいは、任意の所望のパターンで配置され得る(各セットの複数の領域または複数のセクタ、交互、1つのセットの1つの環状ゾーンと別のセットの第2の環状ゾーン、等)。ディンプルは、バイモーダルまたはマルチモーダルの分布を含み得る。その場合、ディンプルは、2以上のタイプのディンプルの組合せを含み、各タイプは、少なくとも異なる平均ディンプル深さを有する。
オプション(選択肢)として、ディンプルの一部または全部が、少なくとも0.25、少なくとも0.3、少なくとも0.4、または、少なくとも0.5、の平均直径に対する平均ディンプル深さの比を有し得る。例えば、このような比は、0.25~2.5、0.25~2.25~1.5、0.3~2、0.3~1.5、または、任意の他の範囲、であり得る。
オプション(選択肢)として、ディンプルの一部または全部が、少なくとも1.25、少なくとも1.5、少なくとも2、または、少なくとも2.5、の平均直径に対する平均ディンプル間ピッチの比を有し得る。それは、例えば、約1.25~4、約1.25~3.5、または、2~4、または、他の範囲、であり得る。
ディンプルは、任意の形状を有し得る。当該形状は、中心軸を通るディンプルの断面を取ることによって特徴付けられ得る。例えば、ディンプルの少なくとも一部または全部は、円形、楕円形、三角形、長方形、ガウス形状、放物線、不規則な形状、または、他の幾何学的形状、である形状を有し得る。例えば、図3は、各々が放物面形状を有する2つのディンプル(20)を示す。付加的に、ディンプルは、断面図と同一であってもよいし同一でなくてもよい形状を有する平面図を有する。この平面図は、円形、楕円形、三角形、長方形、不規則な形状、等の形状であり得る。複数のディンプルは、同一の形状を有し得るし、あるいは、ディンプルの一部が、1または複数の異なる形状を有し得る。例えば、コンタクトレンズは、2セットのディンプル形状を有し得る。ディンプルの2以上のセットが存在する場合、ディンプルの配置は、ランダムであり得るし、あるいは、任意の所望のパターンで配置され得る(各セットの複数の領域または複数のセクタ、交互、1つのセットの1つの環状ゾーンと別のセットの第2の環状ゾーン、等)。ディンプルは、バイモーダルまたはマルチモーダルの分布を含み得る。その場合、ディンプルは、2以上のタイプのディンプルの組合せを含み、各タイプは、少なくとも異なる形状を有する。
ディンプルは、ディンプルの開口部の周りに縁部(エッジ)を有する。以下に詳述されるように、縁部の鋭さは、ディンプルが形成される態様の結果であり得る。本発明によれば、ディンプルの一部または全部の縁部が、滑らかであり得る。オプション(選択肢)として、縁部は、角付けられないで、丸みを帯びているか湾曲していることが考慮され得る。図4は、2つの隣接するディンプル(20)であるx及びyを示し、ディンプルxは、湾曲した縁部(21)を有し、ディンプルyは、角付けられた縁部(22)を有する。より滑らかな縁部は、着用者の快適性を更に向上させ得る。更なる例として、ディンプル(20)の縁部(21)は、図4に示されるように、ディンプル(20)の口部を画定する縁部である。滑らかな縁部(21)は、当該縁部が後面(17)に垂直に近づかないように、丸みを帯びていてよい。滑らかな縁部は、レーザを使用して金型インサートのディンプルを作成することで製造され得る。金型インサート及びその製造方法は、以下でより詳細に説明される。
ディンプルは、単一のレンズ上に存在する全てのディンプルの内部に含まれ得る流体の量である「総充填容積」によっても、特徴付けられ得る。当該総充填容積は、少なくとも0.01μl、0.02μl、0.025μl、0.05μl、0.1μl、0.15μl、0.2μl、0.3μlまたは0.4μlから、約0.5μl、0.6μl、0.7μl、0.8μl、0.9μlまたは1μl以上まで、であり得る。放物面形状を有する個々のディンプルの充填容積Vは、式V=1/2×π×r2×aによって計算され得る。ここで、図3を参照して、aは、ディンプルの中心軸の長さ(すなわちディンプル深さ)であり、rは、ディンプルの開口部の半径である。コンタクトレンズ後方の涙膜の厚さは、約2.3μmであることが示されている(Nichols及びKing-Smith、Invest Ophthalmol Vis Sci(2003)44(1):68-77)。約210mm2の後面の表面積を有するコンタクトレンズの場合、レンズ後方の涙液の量は、約0.5μlである。ディンプル付きコンタクトレンズは、ディンプルの総充填容積により、対照レンズと比較して、涙液または他の流体の増大された体積を保持する能力を有する。本明細書で使用される場合、「対照レンズ」とは、レンズにディンプルが存在しないが他の態様は比較対象の当該コンタクトレンズ(すなわち試験レンズ)と同一であって、同一のコンタクトレンズ処方(本明細書では「重合性組成物」とも称される)を用いて同一の製造プロセスで製造されたコンタクトレンズを指す。
対照レンズと比較した時のディンプル付きコンタクトレンズの体積増加率は、約5%、10%、20%、30%、40%、50%または60%から、約70%、80%、90%、100%、120%、150%または200%以上まで、であり得る。
コンタクトレンズ上に存在するディンプルの数は、任意の数であり得る。好ましくは、ディンプルの数は、後面上などにおいて、少なくとも約1,000個のディンプルである。例えば、総数は、約1,000~1,000,000、約2,000~1,000,000、約5,000~1,000,000、約10,000~約1,000,000、約15,000~約1,000,000、約20,000~1,000,000、約30,000~1,000,000、約40,000~1,000,000、約50,000~1,000,000、約10,000~500,000、約10,000~250,000、または、約10,000~200,000、等であり得る。これらの数値は、例えば後面だけにおいての、ディンプルの総数であり得る。
オプション(選択肢)として、表面上のディンプルは、任意の他のディンプルと接触しない。換言すれば、コンタクトレンズの各ディンプル内ピッチは、1より大きい。
コンタクトレンズのディンプルは、オプション(選択肢)として、(後方側の)周辺領域のみにディンプルを有し得る。例えば、図1は、中央光学領域(11)、周縁(12)、及び、光学領域と周縁との間の周辺領域(13)、を備えたコンタクトレンズ(10)の後面を示す。この形態では、全てのディンプル(20)が、周辺領域に含まれている。
オプション(選択肢)として、コンタクトレンズのディンプルは、周辺領域にディンプルを有し得る一方で、周縁近くにはディンプルがないという領域を有し得る。例えば、図2に示されるように、コンタクトレンズ(10)は、ディンプルのない光学領域(11)、周縁(12)、及び、2つのリング部分を含む周辺領域、を備え、外側リング部分(15)はディンプルを含んでおらず、内側リング部分(16)はディンプル(20)を含んでいる。ディンプル(20)を有する周辺領域(13)の最も外側の部分は、周縁(12)からある距離、例えば、0.01mm~2.0mm、0.25mm~1.5mm、0.5mm~2.0mm、または、他の距離、であり得る。ディンプルを有する周辺領域の翼弦距離(図2の距離「d」)は、約2mm~6mm、例えば2mm~5mmまたは2mm~4mm、であり得る。一例では、コンタクトレンズ上の全てのディンプルは、コンタクトレンズの中心(すなわち、光学領域の中心)から少なくとも4.5mm、または5mm、または5.5mm、に位置して、夜間のハローまたはグレア等の視覚障害の可能性を低減または回避する。
ディンプル付きコンタクトレンズは、ディンプル被覆率によって更に特徴付けられ得る。ディンプル被覆率は、ディンプルを含む表面、例えば後面、の総表面積に対するディンプル被覆の割合(百分率)である。ここで、総表面積とは、対照レンズの対応する表面(すなわち後面)の表面積と同一であるように取られる。換言すれば、各ディンプルの表面積は、総表面積に含まれないが、各ディンプルの開口部の面積(すなわち、円形の開口部を有するディンプルの場合、π×r2)は含まれる。レンズの片側のディンプル被覆率は、レンズの片側の総表面積(例えば後面の表面積)の、少なくとも約4%、5%、10%、15%、20%または30%から、約40%、50%、60%、70%、80%またはそれ以上まで、であり得る。例えば、図1を参照して、周辺領域(13)がコンタクトレンズ(10)の後面の表面積の60%を含み、周辺領域の表面積の40%がディンプル(20)を含む場合、レンズの後面のディンプル被覆率は、24%である。
ディンプル付きコンタクトレンズは、パッキング密度によっても特徴付けられ得る。パッキング密度は、ディンプル領域またはテクスチャ領域内でのディンプルの割合(百分率)である。パッキング密度は、当該領域の、少なくとも約6%、10%、15%、20%または30%から、約40%、50%、60%、70%、80%または90%まで、であり得る。従って、再び図1を参照して、周辺領域(13)の40%がディンプル(20)を含む場合、ディンプル領域のパッキング密度は40%である。
オプション(選択肢)として、ディンプルの1または複数のパラメータ(本明細書で説明されるように)は、周縁に向かって、及び/または、光学領域に向かって、変化し得る(例えば、先細であり得る)。例えば、ディンプルの直径と深さとが、周縁に向かって及び光学領域に向かって(またはその逆)減少し得て、ディンプルのピッチが、周縁に向かって及び光学領域に向かって(またはその逆)増大し得る。例えば、図5は、周辺領域にディンプル(20)を含むコンタクトレンズ(10)を示す。ディンプルの第1のセットは、光学領域(11)を取り囲み、当該第1のセットの各ディンプルは、直径d1を有する。ディンプルの第2のセットは、周縁(12)の直ぐ内側に配置され、当該第2のセットの各ディンプルは、より小さい直径d2を有する。図6が示すコンタクトレンズ(10)は、光学領域(11)を取り囲む第1のゾーン及び周縁(12)の内側の第3のゾーンに、より小さな直径d2のディンプルを有し、第1のゾーンと第3のゾーンとの間に位置する第2のゾーンに、より大きな直径d1のディンプルを有する。
オプション(選択肢)として、周辺領域は、ディンプルのない1または複数の領域を含み得る。例えば、図7は、ディンプルのない光学領域(11)、周縁(12)、及び、周辺領域、を備えたコンタクトレンズ(10)を示し、当該周辺領域は、ディンプルを含む内側リング部分(16)、ディンプルを含まない中間リング部分(18)、及び、ディンプルを含む外側リング部分(17)、を有する。換言すれば、周辺領域は、ディンプルのない領域によって分離された、ディンプルの外側リングとディンプルの内側リングとを含み得る。代替的に、周辺領域は、図8に示されるように、周縁(12)に隣接するディンプル(20)を含む外側リング部分(17)のみを含み得て、あるいは、図9に示されるように、光学領域(11)に隣接するディンプル(20)の内側リング部分(16)のみを含み得る。
オプション(選択肢)として、ディンプルを有するレンズの表面を見る時、例えば図1に示されるように、ディンプルの全体的な集合図によって、何ら全体的に識別可能な幾何学的形状またはパターンは生成されていない。例えば、ディンプルは、スポークパターン、ラインパターン、または、リングパターン、の外観を有しないで、周辺領域の周りにランダムにまたは均一に分散された外観を有する。例えば、図1に示されるように、図の全体が、ディンプルの位置に基づく何ら識別可能な幾何学的形状を提示しない。
一例では、ディンプル付きコンタクトレンズのディンプルは、ディンプルの多くのクラスタから構成され得て、各クラスタは、六角形、立方体、多角形、等の整然としたパターンを形成するものであり得る。そのような例では、ディンプルのクラスタによって、何ら全体的に識別可能な幾何学的形状が生成されていない可能性がある。例えば、図10Aは、ディンプルのクラスタ(23)を含むディンプル付きコンタクトレンズ(10)を示しているが、コンタクトレンズの全てのディンプルの集合図は、全体的に識別可能な幾何学的形状を有していない。ディンプルは、レンズ上に均一に分布しているように見える。図10Bは、図10Aに示されるディンプルのクラスタ(23)の六角形配置を示す。この場合、ディンプルの単一クラスタは、あたかも六角形の頂点上のように配置された6個の周辺ディンプルと、中央ディンプル(20)と、を含む。
本明細書で使用される場合、「実質的に同一」とは、測定された1つの特性あるいは測定された2つ以上の特性の、15%以内、10%以内、5%以内、または、1%以内(の相違)、を意味し、「同一」である測定値とは、当該特性の測定値のエラー測定以内(の相違)、を意味する。
ディンプルのパラメータ及び/またはそれらの配置により、ディンプル付きコンタクトレンズは、水性流体中で膨潤した後、対照レンズと比較して、同一または実質的に同一の平衡含水量(EWC)を有し得る。
ディンプルのパラメータ及び/またはそれらの配置により、ディンプル付きコンタクトレンズは、対照レンズと同一同じまたは実質的に同一の摩擦係数(CoF)を有し得る。
ディンプルのパラメータ及び/またはそれらの配置により、ディンプル付きコンタクトレンズは、対照レンズと同一同じまたは実質的に同一の酸素透過を有し得る。
ディンプル付きコンタクトレンズは、一般に、対照レンズと比較して、目との全体的な接触面積(例えば、角膜と接触する表面積)が少ない可能性がある。例えば、減少される接触面積は、目(または角膜)に接触する後面領域の総表面積の、少なくとも2%、少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも15%、または、少なくとも25%、例えば約5%~25%、または、5%~15%、の減少率であり得る。
ディンプル付きコンタクトレンズは、対照レンズと比較して、目において同一または実質的に同一の瞬き後の動き(PBM)を有し得る。一例では、ディンプル付きコンタクトレンズは、対照レンズのものより大きくない量のPBMを有し得る。
ディンプル付きコンタクトレンズは、対照レンズのものと同一か、実質的に同一か、またはそれよりも小さい、目の下向きの動きの量を有し得る。一例では、ディンプル付きコンタクトレンズは、対照レンズのものより大きくない量の眼の下向きの動きの量を有し得る。
PBMの量を測定するには、接眼目盛りが嵌合された細隙灯顕微鏡が使用され得る。例えば、測定は、10倍の倍率で行われる。PBMの量は、レンズ着用者が主たる凝視位置を凝視した状態で、瞬き直後に測定される。当該測定は、レンズの下縁を観察することによってなされる。測定値は、鉛直に向けられた接眼目盛りを使用して、ミリメートル単位~0.05mm単位で記録される。
ディンプル付きコンタクトレンズは、当該技術分野で一般的な任意のレンズ材料から製造され得る。コンタクトレンズは、ハードコンタクトレンズまたはソフトコンタクトレンズであり得る。好ましくは、コンタクトレンズは、ヒドロゲルコンタクトレンズである。コンタクトレンズは、好ましくは、シリコーンヒドロゲル材料から製造され得るか、あるいは、シリコーンヒドロゲル材料である。
シリコーンヒドロゲル材料は、典型的には、少なくとも1つのシロキサンモノマー及び少なくとも1つの親水性モノマー、または少なくとも1つの親水性ポリマー、またはそれらの組み合わせを含む重合性組成物(すなわち、モノマー混合物)を硬化することによって形成される。本明細書で使用される場合、「モノマー」とは、ポリマーまたはコポリマーを形成するために、同一または異なる他の重合性基含有分子と反応することができる重合可能な炭素-炭素二重結合(すなわち、重合性基)を含む分子を指す。「モノマー」という用語は、重合可能なプレポリマー及びマクロマーを包含し、別段の指示がない限り、モノマーのサイズの制約はない。モノマーは、単一の重合可能な炭素-炭素二重結合、または、2以上の重合可能な基、を含み得て、従って、架橋官能基を有し得る。本明細書で使用される場合、「シロキサンモノマー」という用語は、少なくとも1つのSi-O基を含むモノマーである。コンタクトレンズ組成物において有用なシロキサンモノマーは、当該技術分野で周知である(例えば、米国特許第8,658,747号及び米国特許第6,867,245号を参照)。(本明細書において言及される全ての特許及び刊行物は、当該参照によりその全体の内容が本明細書の一部に組み込まれる(incorporated by reference)。)幾つかの実施例では、重合性組成物は、少なくとも、10重量%、20重量%または30重量%から、約40重量%、50重量%、60重量%または70重量%までの、シロキサンモノマーの総量を含む。別段の指定が無い限り、本明細書で使用される場合、重合性組成物のある成分の所与の重量パーセント(重量%)は、当該重合性組成物中の全ての重合性成分及びIPNポリマー(以下で更に説明する)の総重量に対するものである。最終的なコンタクトレンズ製品には取り込まれない成分、例えば希釈剤など、が寄与する重合性組成物の重量は、重量%の計算には含まれない。
特定の実施例では、重合性組成物は、親水性ビニルモノマーを含む。本明細書で使用される場合、「親水性ビニルモノマー」という用語は、アクリル基の一部では無いその分子構造中に重合性の(重合可能な)炭素-炭素二重結合(すなわち、ビニル基)を有する、シロキサンを含まない(すなわち、Si-O基を含まない)親水性モノマーである。当該ビニル基の炭素-炭素二重結合は、フリーラジカル重合下で重合可能なメタクリレート基に存在する炭素-炭素二重結合よりも反応性が低い。本明細書で使用される場合、「アクリル基」という用語は、アクリレート、メタクリレート、アクリルアミド、等に存在する重合性基である。従って、炭素-炭素二重結合は、アクリレート基及びメタクリレート基にも存在するが、本明細書で使用される場合、そのような重合性基はビニル基とはみなされない。更に、本明細書で使用されるように、標準的な振とうフラスコ法を使用して視覚的に判定されるように、少なくとも50グラムのモノマーが20℃で1リットルの水に完全に溶解する場合(すなわち、水に約5%溶解する場合)、当該モノマーは「親水性」である。様々な実施例において、親水性ビニルモノマーは、N-ビニル-N-メチルアセトアミド(VMA)、N-ビニルピロリドン(NVP)、1,4-ブタンジオールビニルエーテル(BVE)、エチレングリコールビニルエーテル(EGVE)、ジエチレングリコールビニルエーテル(DEGVE)、または、それらの任意の組み合わせ、である。一実施例では、重合性組成物は、少なくとも、10重量%、15重量%、20重量%または25重量%から、約45重量%、60重量%または75重量%までの、親水性ビニルモノマーを含む。本明細書で使用される場合、重合性組成物中の特定のクラスの成分(例えば、親水性ビニルモノマー、シロキサンモノマー、等)の所与の重量パーセントは、当該クラスに該当する当該組成物中の各成分の重量%の合計に等しい。従って、例えば、5重量%のBVEと25重量%のNVPとを含み他の親水性ビニルモノマーを含まない重合性組成物は、30重量%の親水性ビニルモノマーを含むと称される。一実施例では、親水性ビニルモノマーは、ビニルアミドモノマーである。例示的な親水性ビニルアミドモノマーは、VMA及びNVPである。特定の実施例では、重合性組成物は、少なくとも25重量%のビニルアミドモノマーを含む。別の特定の実施例では、重合性組成物は、約25重量%から約75重量%までの、VMA、NVP、またはそれらの組み合わせ、を含む。重合性組成物に含まれ得る追加の親水性モノマーは、N,N-ジメチルアクリルアミド(DMA)、2-ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)、エトキシエチルメタクリルアミド(EOEMA)、エチレングリコールメチルエーテルメタクリレート(EGMA)、及び、それらの組み合わせ、である。
親水性モノマーに対して付加的または代替的に、重合性組成物は、非重合性親水性ポリマーを含み得て、これは、非重合性親水性ポリマーがシリコーンヒドロゲルポリマーマトリックスと相互貫入した相互貫入ポリマーネットワーク(IPN)を含むポリマーレンズ本体に帰結する。この実施例では、非重合性親水性ポリマーは、IPNポリマーと呼ばれ、これは、コンタクトレンズの内部湿潤剤として作用する。対照的に、重合性組成物中に存在するモノマーの重合によって形成されるシリコーンヒドロゲルネットワーク内のポリマー鎖は、IPNポリマーとはみなされない。IPNポリマーは、例えば約50,000~約500,000ダルトンの高分子量親水性ポリマーであり得る。特定の実施例では、IPNポリマーは、ポリビニルピロリドン(PVP)である。他の実施例では、重合性組成物は、ポリビニルピロリドンまたは他のIPNポリマーを実質的に含まない。
重合性組成物は、少なくとも1つの架橋剤を更に含み得る。本明細書で使用される場合、「架橋剤」という用語は、少なくとも2つの重合性基を有するモノマーである。従って、架橋剤は、2以上のポリマー鎖上の官能基と反応し得て、1つのポリマーを別のポリマーに架橋し得る。当該架橋剤は、アクリル基、ビニル基、または、アクリル基とビニル基との両方、を含み得る。特定の実施例では、架橋剤は、シロキサン部分を含まない、すなわち、非シロキサン架橋剤である。シリコーンヒドロゲル重合性組成物での使用に適した様々な架橋剤が、当該技術分野で知られている(例えば、米国特許第8,231,218号を参照。当該特許は、当該参照により、本明細書に組み込まれる)。適切な架橋剤の例は、トリエチレングリコールジメタクリレートやジエチレングリコールジメタクリレート等の低級アルキレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリ(低級アルキレン)グリコールジ(メタ)アクリレート、低級アルキレンジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジビニルエーテルやジエチレングリコールジビニルエーテルや1,4-ブタンジオールジビニルエーテルや1,4-シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル等のジビニルエーテル、ジビニルスルホン、ジビニルベンゼン及びトリビニルベンゼン、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、メチレンビス(メタ)アクリルアミド、フタル酸トリアリル、1,3-ビス(3-メタクリロキシプロピル)テトラメチルジシロキサン、ジアリルフタレート、並びに、それらの組み合わせ、を含むが、これらに限定されない。
当業者に理解されるように、重合性組成物は、重合開始剤、UV吸収剤、着色剤、脱酸素剤、連鎖移動剤、等のうちの1または複数など、コンタクトレンズ配合に従来から使用されている追加の重合性または非重合性の成分を含み得る。幾つかの実施例では、重合性組成物は、光学的に透明なレンズが得られるように、当該重合性組成物の親水性成分と疎水性成分との間の相分離を防止または最小化する量で有機希釈剤を含み得る。コンタクトレンズ配合に一般的に使用される希釈剤は、ヘキサノール、エタノール、及び/または、他のアルコール、を含む。他の実施例では、重合性組成物は、有機希釈剤を含まないか、または、実質的に含まない(例えば、500ppm未満)。このような実施例では、ポリエチレンオキシド基、ペンダントヒドロキシル基、または他の親水性基、等の親水性部分を含むシロキサンモノマーの使用が、重合性組成物に希釈剤を含めることを不要にし得る。重合性組成物に含まれ得るこれらの成分及び追加の成分の非限定的な例が、米国特許第8,231,218号に提供されている。
使用され得るシリコーンヒドロゲルの非限定的な例は、コンフィルコンA、ファンフィルコンA、ステンフィルコンA、セノフィルコンA、セノフィルコンC、ソモフィルコンA、ナラフィルコンA、デレフィルコンA、ナラフィルコンA、ロトラフィルコンA、ロトラフィルコンB、バラフィルコンA、サムフィルコンA、ガリフィルコンA、アスモフィルコンA、を含む。
前述のように、好適な実施形態では、本発明のコンタクトレンズは、ソフトコンタクトレンズ、特にはソフトシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ、が考慮され得る。
コンタクトレンズは、任意のレンズ着用(装用)モダリティであり得る。レンズ着用モダリティとは、取り外し無しでレンズが連続着用(装用)可能な昼夜の数(日数)を指す。一例では、コンタクトレンズは、1日使い捨てレンズである。1日使い捨てレンズは、1回の使用について、約12~16時間までの連続着用が指示されており、当該1回の使用の後は廃棄されるべきものである。他の例では、コンタクトレンズは、1日着用レンズである。1日着用レンズは、起きている時間の間、典型的には約12~16時間まで、着用され、就寝前に取り外される。1日着用レンズは、典型的には、非使用の時間中、当該レンズを洗浄して消毒するためのコンタクトレンズケア溶液を含むコンタクトレンズケース内で保管される。典型的には、1日着用レンズは、最大で30日の着用の後に廃棄される。更に別の例では、コンタクトレンズは、長期着用レンズである。長期着用レンズは、典型的には、連続で6日、14日または30日も着用される。
本発明の一部として、ディンプル付きコンタクトレンズは、コンタクトレンズパッケージ内に密封され得る。コンタクトレンズパッケージ内に密封されるパッケージング溶液は、任意の従来のコンタクトレンズ適合溶液であり得る。一実施例では、パッケージング溶液は、緩衝剤及び/または等張化剤の水溶液を含むか、それらからなるか、または本質的にそれらからなる。別の実施例では、パッケージング溶液は、1または複数の追加の抗菌剤、及び/または快適剤、及び/または親水性ポリマー、及び/または界面活性剤、及び/または他の有用剤、などの追加の助剤を含む。幾つかの実施例では、パッケージング溶液は、多糖類(例えば、ヒアルロン酸、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースなど)、または、ポリビニルピロリドンなどの他の高分子量ポリマー、を含み得る。それらは、眼科用溶液及びコンタクトレンズパッケージング溶液において快適ポリマーまたは増粘剤として、一般的に使用されている。他の実施例では、パッケージング溶液は、眼科用薬剤(点眼薬)を含み得る。パッケージング溶液は、約6.8または7.0から約7.8または8.0までの範囲のpHを有し得る。一実施例では、パッケージング溶液は、リン酸緩衝液またはホウ酸緩衝液を含む。別の実施例では、パッケージング溶液は、塩化ナトリウムまたはソルビトールから選択される等張化剤を、約200~400mOsm/kg、典型的には約270mOsm/kg~約310mOsm/kg、の範囲に浸透圧を維持する量で含む。
コンタクトレンズパッケージに関して、このパッケージは、コンタクトレンズ及びパッケージング溶液を保持するように構成されたキャビティと、当該キャビティの周りに外向きに延在するフランジ領域と、を含むプラスチックベース部材を備え得る。密封されたコンタクトレンズパッケージを提供するために、取り外し可能なホイルがフランジ領域に取り付けられる。そのようなコンタクトレンズパッケージは、一般に「ブリスターパック」と呼ばれ、当該技術分野で周知である(例えば、米国特許第7,426,993号)。
当該密封されたコンタクトレンズパッケージを製造するために従来の製造方法が利用され得ることが理解されるであろう。コンタクトレンズパッケージを製造する方法において、当該方法は、レセプタクル(容器)内に未着用のコンタクトレンズとコンタクトレンズパッケージング溶液とを入れる工程と、レセプタクル上にカバーを置く工程と、レセプタクル上でカバーを密封する工程と、を含み得る。一般に、レセプタクルは、単一のコンタクトレンズと、当該コンタクトレンズを完全に覆うのに十分な量、典型的には約0.5~1.5ml、のパッケージング溶液と、を受容するように構成される。レセプタクルは、ガラスやプラスチックなどの、任意の適切な材料から製造され得る。一実施例では、レセプタクルは、コンタクトレンズ及びパッケージング溶液を保持するように構成されたキャビティと、当該キャビティの周りに外向きに延在するフランジ領域と、を含むプラスチックベース部材を備え、カバーは、密封されたコンタクトレンズパッケージを提供するためにフランジ領域に取り付けられる取り外し可能なホイルを有する。取り外し可能なホイルは、ヒートシールまたは接着などの、任意の従来の手段によって密封(シール)され得る。別の実施例では、レセプタクルは、複数のネジ部を含むプラスチックベース部材の形態であり、カバーは、当該ベース部材のネジ部と係合するための適合性のあるネジ部のセットを含むプラスチックキャップ部材を含み、それによって再密封可能なカバーを提供する。再密封可能なパッケージを提供するために、他のタイプのパッケージングも利用され得ることを理解されたい。例えば、コンタクトレンズパッケージは、レセプタクルの適合する特徴部と係合して締まり嵌めを形成する特徴部を含むプラスチックカバーを含み得る。密封されたコンタクトレンズパッケージを製造する方法は、密封されたコンタクトレンズパッケージをオートクレーブすることによって未着用のコンタクトレンズを滅菌する工程を更に含み得る。オートクレーブ処理工程は、一般に、密封されたコンタクトレンズパッケージを少なくとも121℃の温度に少なくとも20分間さらす工程を含む。
ディンプル付きコンタクトレンズは、未着用の状態で提供され(すなわち、患者によって以前に使用されていない、新しいコンタクトレンズ)、パッケージング溶液内に浸漬されて、パッケージ内に密封され得る。パッケージは、ブリスターパッケージ、ガラスバイアル、または、他の適切な容器であり得る。パッケージは、パッケージング溶液及び未着用のコンタクトレンズを収容するためのキャビティを有するベース部材を備える。密封されたパッケージは、オートクレーブ、ガンマ線放射、電子ビーム放射、紫外線放射、等のような、熱または蒸気を含む所定量の放射滅菌によって、滅菌され得る。
特定の例では、パッケージ化(包装)されたディンプル付きコンタクトレンズは、オートクレーブによって滅菌される。
最終製品は、眼科的に許容可能な表面湿潤性を有する無菌のパッケージ化されたディンプル付きコンタクトレンズ(例えば、シリコーンヒドロゲルのディンプル付きコンタクトレンズ)であり得る。
ディンプル付きコンタクトレンズのディンプルは、ブリスターパッケージからの溶液、または、ボトルやスポイト等から追加される他の流体、の追加量を移すことができる。例えば、対照レンズと比較して、少なくとも0.025μlの追加量のパッケージング溶液または他の流体が、ブリスターパックから後面に、あるいは、点眼薬などの他の供給源から眼表面に、移され得る。従って、ディンプル付きコンタクトレンズは、被験者の眼表面に有益な薬剤を送達する方法において使用され得る。一例では、当該方法は、ブリスターパッケージのパッケージング溶液からディンプル付きコンタクトレンズを取り出す工程と、被験者の角膜上に当該ディンプル付きるコンタクトレンズを配置する工程と、を備え、パッケージング溶液が有益な薬剤を含む。別の例では、当該方法は、ディンプル付きコンタクトレンズの後面に眼科用溶液(点眼液)を適用する工程と、被験者の角膜上に当該ディンプル付きるコンタクトレンズを配置する工程と、を備え、前記眼科用溶液が有益な薬剤を含む。
本発明のコンタクトレンズの製造において、金型(モールド)インサート(マスター金型または金型ツールとしても知られる)が形成され、金型部材を形成するために使用される。金型インサートは、所望のディンプルパラメータ及びパターンが当該金型インサートの表面上に最初に形成されることを除いて、従来の態様で製造される。好適な実施形態において前述されたように、後面が、ディンプルパターンを有する表面であり、従って、雄型部材を形成するために使用される金型インサートは、所望のディンプルパラメータ及びパターンを有するように形成され得る。ディンプルパラメータ及びパターンは、レーザマイクロマシニング及び/またはナノインプリントリソグラフィ等の任意の技術を使用して、好ましくはレーザアブレーションによって、金型インサート上に形成され得る。金型インサートは、注型成形または射出成形によって金型部材を形成するために使用される。典型的には、熱可塑性材料が金型部材を形成するために使用され、例えば、限定されないが、ポリプロピレン、エチレンビニルアルコール、ポリエチレンテレフタレート、等である。容易に理解され得るように、ディンプルパターンをコンタクトレンズに提供する金型部材の表面は、金型インサート上に存在するディンプルパターンのネガパターンを有する。レンズの前面にディンプルがない場合、従来の雌型インサートが、雌型部材を形成するために使用され得る。重合性組成物が、ディンプル付きコンタクトレンズの前面を画定する凹面を有する雌型部材内に分配される。これにより、好適な方法によれば、ディンプル付きコンタクトレンズの後面を画定する凸面を有する雄型部材が、前記雌型部材と組み合わされて、コンタクトレンズ型が形成され、これがUVまたは熱硬化条件などの硬化条件にさらされる。当該硬化条件下で、硬化性組成物が、ポリマーレンズ本体に形成される。雌型部材及び雄型部材は、非極性型または極性型であり得る。当該型は、分解され(すなわち脱型され)、ポリマーレンズ本体が、当該型から取り出されて、エタノールなどの有機溶媒と接触させられて、当該レンズ本体から未反応成分が抽出される。当該抽出後、レンズ本体は、水溶液中で水和される。シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズを製造する例示的な方法は、米国特許第8,865,789号に記載されている。
図11A乃至図11Cは、ディンプル付きコンタクトレンズ(10)を製造するために使用される型アセンブリの射出成形インサート(30)と雄型部材(40)との部分分解断面図(縮尺通りではない)を示す。射出成形インサート(30)は、雄型部材(40)を作成するために、最初に使用される。射出成形インサート(30)は、マスター金型または金型ツールと見なされ得る。射出成形インサート(30)は、ディンプル(34)のディンプルパターン(32)を含む。射出成形インサート(30)のディンプルパターン(32)は、コンタクトレンズ上に成形されるものと同一のディンプルパターン(24)である(雄金型部材の収縮及び/またはコンタクトレンズ材料の収縮または膨潤を考慮しない場合)。射出成形インサート(30)のディンプルパターン(32)は、乾燥レンズが水和湿潤コンタクトレンズに膨潤することを考慮して設計される。前述のように、ディンプルパターン(32)は、射出成形インサート(30)にレーザ加工され得る。レーザアブレーションは、射出成形インサート(30)に機械加工されるディンプルと比較して、滑らかなエッジ/側面を提供する。射出成形インサート(30)は、ポリプロピレンなどの熱可塑性ポリマーを射出成形するために使用され、得られるコンタクトレンズ金型(雄型部材(40))は、その表面上にドーム(44)を有する。
前述のように、好適な実施形態では、型の雄型部材(40)の凸面が、ドーム(44)を含むドームパターン(42)を有する。ドームパターン(42)は、乾燥したディンプル付きコンタクトレンズ(10)上の所望のディンプルパターン(24)のネガパターンである。それにより、ドームパターン(42)は、その中に成形されるコンタクトレンズ上にディンプルパターンを形成する。ディンプル(20)は、乾燥したディンプル付きコンタクトレンズ(10)の前述された同一の寸法及び特徴を含む。
射出成形インサートを使用して雄型部材を作成する代わりに、ドームがプラスチック金型上に直接配置され得て(例えば、インプリント)、それが、ディンプル付きコンタクトレンズにディンプルを作成してもよい。
以下の実施例は、本発明の特定の態様及び利点を説明するものである。これは、それによって限定がなされるものではない、と理解されるべきである。
実施例1
放物面状のディンプルが、レーザアブレーションによって、雄型のコンタクトレンズ金型部材用の金属インサート上に形成された。当該金属インサートは、成形面上にドームを有するポリプロピレン製の雄型のコンタクトレンズ金型部材を射出成形するために、使用された。シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズが、ステンフィルコンA用の重合可能な(重合性の)シリコーンヒドロゲル組成物を雌型内に投与することで調製された。ドームパターンを有する雄型部材(当該雄型部材用の対応する金属インサート上のディンプルパターンのネガパターンを有する)が雌型部材と組み合わされて、コンタクトレンズ型が形成され、硬化条件にさらされた。金型が分解され(すなわち脱型され)、硬化されたポリマーレンズ本体が金型から取り出された。ポリマーレンズ本体の後面のディンプルは、対応する金属インサートのディンプルと同一の寸法を有していた(収縮は考慮されていない)。
ポリマーレンズ本体が、有機溶媒と接触させられて、レンズ本体から未反応成分が抽出された。次いで、レンズ本体が水溶液中で水和された。ステンフィルコンA材料は、22%の膨張係数を有する。これは、完全に水和したコンタクトレンズのサイズが、抽出及び水和前のポリマーレンズ本体(すなわち、乾燥レンズ)のサイズよりも22%だけ大きいことを意味する。このため、水和レンズ上の各ディンプルの寸法は、(水和前の)ポリマーレンズ本体上の(及び金属インサート上の)各ディンプルの寸法よりも、22%大きかった。
実施例2
金属インサート(及びポリマーレンズ本体)と、ステンフィルコンAから製造される水和レンズと、の例示的なディンプル寸法が、表1に示される。最後の4行に示されている値(ディンプルの数(1000単位で四捨五入)、ディンプル被覆率(%)、充填容積、及び、体積増加率(%))は、コンタクトレンズのサイズ、及び、コンタクトレンズのディンプルを含む(複数の)部分のサイズ、に依存する。表1の場合、これらのパラメータの値は、直径14.2mmの水和コンタクトレンズ、直径8mmのディンプルのない光学領域、及び、均一に分布されたディンプルを有する周辺領域(但し、水和コンタクトレンズの周縁から0.1mm以内の、周縁領域の最外領域には、ディンプルがない)、に基づいている。従って、コンタクトレンズのディンプル部分の幅は、3.0mmである。
表1
Figure 0007477713000001
表2は、ディンプルの数、ディンプル被覆率(%)、充填容積、及び、体積増加率(
%)を示す。レンズのディンプルの総数は、表1について前述されたレンズと同一である。但し、レンズのディンプル部分の内周は、光学領域の中心から5.5mmであり、ディンプル部分の外周は、水和コンタクトレンズの周縁から0.1mmに位置している。従って、コンタクトレンズのディンプル部分の幅は、1.5mmである。
表2
Figure 0007477713000002
本発明は、以下の態様/実施形態/特徴を、任意の順序及び/または任意の組み合わせで含む。
1.本発明は、光学領域と、周辺領域と、周縁と、を有する後面を備え、前記周辺領域は、少なくとも1000個のディンプルを有しており、前記ディンプルは、少なくとも0.01μlの充填容積を提供すると共に、前記後面の全表面積に基づく最大80%までのディンプル被覆率を有する
ことを特徴とするコンタクトレンズに関している。
2.前記ディンプルは、約5ミクロン~約60ミクロンの平均ディンプル直径と、約10ミクロン~約150ミクロンの平均ディンプルピッチと、を有し、前記ディンプル被覆率は、5%~80%であり、前記ディンプルは、当該ディンプルの配置によって全体的に識別可能な幾何学的形状が生成されることがないように、配置されており、当該コンタクトレンズは、目における瞬き後の動きを有し、それは、ディンプルが存在しないことを除いては同一である対照レンズの目における瞬き後の動きよりも大きいということがなく、当該コンタクトレンズは、前記対照レンズと同一の酸素透過性を有する
ことを特徴とする、前述または後述のいずれかの実施形態/特徴/態様の、コンタクトレンズ。
3.前記ディンプルは、約20ミクロン~約40ミクロンの平均ディンプル直径と、約30ミクロン~約80ミクロンの平均ディンプルピッチと、を有し、前記ディンプル被覆率は、5%~60%であり、前記ディンプルは、当該ディンプルの配置によって全体的に識別可能な幾何学的形状が生成されることがないように、配置されており、当該コンタクトレンズは、ディンプルが存在しないことを除いては同一である対照レンズと比較して、目における瞬き後の動きが同一であり、当該コンタクトレンズは、前記対照レンズと同一の酸素透過性を有する
ことを特徴とする、前述または後述のいずれかの実施形態/特徴/態様の、コンタクトレンズ。
4.当該コンタクトレンズは、前面を有し、当該前面にはディンプルがない
ことを特徴とする、前述または後述のいずれかの実施形態/特徴/態様の、コンタクトレンズ。
5.前記ディンプルは、互いに接触していない
ことを特徴とする、前述または後述のいずれかの実施形態/特徴/態様の、コンタクトレンズ。
6.前記ディンプルは、各々、ディンプル直径を有し、前記ディンプル直径は、前記平均ディンプル直径の20%以内(の相違)である
ことを特徴とする、前述または後述のいずれかの実施形態/特徴/態様の、コンタクトレンズ。
7. 前記ディンプルは、2以上のタイプのディンプルの組合せであり、前記タイプの各々は、少なくとも異なる平均ディンプル直径を有する
ことを特徴とする、前述または後述のいずれかの実施形態/特徴/態様の、コンタクトレンズ。
8. 前記ディンプルは、スポークパターンが存在せず、ラインパターンが存在せず、且つ、リングパターンが存在しないように、配置されている
ことを特徴とする、前述または後述のいずれかの実施形態/特徴/態様の、コンタクトレンズ。
9. 前記ディンプルは、少なくとも5ミクロンの平均ディンプル深さを有する
ことを特徴とする、前述または後述のいずれかの実施形態/特徴/態様の、コンタクトレンズ。
10. 前記ディンプルは、少なくとも10ミクロンの平均ディンプル深さを有する
ことを特徴とする、前述または後述のいずれかの実施形態/特徴/態様の、コンタクトレンズ。
11. 前記ディンプルは、少なくとも15ミクロンの平均ディンプル深さを有する
ことを特徴とする、前述または後述のいずれかの実施形態/特徴/態様の、コンタクトレンズ。
12. 前記ディンプルは、15ミクロン~40ミクロンの平均ディンプル深さを有する
ことを特徴とする、前述または後述のいずれかの実施形態/特徴/態様の、コンタクトレンズ。
13. 前記ディンプルは、2以上のディンプル深さの組合せを有する
ことを特徴とする、前述または後述のいずれかの実施形態/特徴/態様の、コンタクトレンズ。
14. 前記ディンプルは、各々、少なくとも0.25の、直径に対するディンプル深さの平均の比を有する
ことを特徴とする、前述または後述のいずれかの実施形態/特徴/態様の、コンタクトレンズ。
15. 前記ディンプルの数は、5,000~1,000,000である
ことを特徴とする、前述または後述のいずれかの実施形態/特徴/態様の、コンタクトレンズ。
16. 前記ディンプルの数は、10,000~200,000である
ことを特徴とする、前述または後述のいずれかの実施形態/特徴/態様の、コンタクトレンズ。
17. 前記ディンプルは、各々、鋭いコーナー部を避けるように、ディンプル開口部の周りに滑らかな縁部を有する
ことを特徴とする、前述または後述のいずれかの実施形態/特徴/態様の、コンタクトレンズ。
18. 前記ディンプルは、前記周辺領域において、ランダムに、準ランダムに、または、均一に、分散されている
ことを特徴とする、前述または後述のいずれかの実施形態/特徴/態様の、コンタクトレンズ。
19. 前記ディンプルは、各々、少なくとも1.25の、直径に対するディンプル間ピッチの平均の比を有する
ことを特徴とする、前述または後述のいずれかの実施形態/特徴/態様の、コンタクトレンズ。
20. 前記ディンプルは、2以上のディンプルピッチの組合せを有する
ことを特徴とする、前述または後述のいずれかの実施形態/特徴/態様の、コンタクトレンズ。
21. 前記ディンプルは、各々、円形、楕円形、三角形、長方形、ガウス形、または、放物線、である断面側面図を有する
ことを特徴とする、前述または後述のいずれかの実施形態/特徴/態様の、コンタクトレンズ。
22. 前記ディンプルは、各々、円形、楕円形、三角形、または、長方形、である平面図を有する
ことを特徴とする、前述または後述のいずれかの実施形態/特徴/態様の、コンタクトレンズ。
23. 当該コンタクトレンズは、ソフトコンタクトレンズである
ことを特徴とする、前述または後述のいずれかの実施形態/特徴/態様の、コンタクトレンズ。
24. 当該コンタクトレンズは、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズである
ことを特徴とする、前述または後述のいずれかの実施形態/特徴/態様の、コンタクトレンズ。
25. 前記ディンプルは、前記周縁から少なくとも0.05mmだけ離れて位置している
ことを特徴とする、前述または後述のいずれかの実施形態/特徴/態様の、コンタクトレンズ。
26. 当該コンタクトレンズは、対照レンズと比較して、少なくとも50%の体積増加パーセンテージを有し、前記対照レンズは、レンズ内にディンプルが存在しないが、他は当該コンタクトレンズと同一である、というレンズである
ことを特徴とする、前述または後述のいずれかの実施形態/特徴/態様の、コンタクトレンズ。
27. 当該コンタクトレンズは、対照レンズと比較して、少なくとも80%の体積増加パーセンテージを有し、前記対照レンズは、レンズ内にディンプルが存在しないが、他は当該コンタクトレンズと同一である、というレンズである
ことを特徴とする、前述または後述のいずれかの実施形態/特徴/態様の、コンタクトレンズ。
28. 当該コンタクトレンズは、対照レンズと比較して、5%~200%の体積増加パーセンテージを有し、前記対照レンズは、レンズ内にディンプルが存在しないが、他は当該コンタクトレンズと同一である、というレンズである
ことを特徴とする、前述または後述のいずれかの実施形態/特徴/態様の、コンタクトレンズ。
29. 当該コンタクトレンズは、当該コンタクトレンズの中心から5mm以内には、ディンプルが存在しないか、あるいは、準ランダムな分布の前記ディンプルが位置している
ことを特徴とする、前述または後述のいずれかの実施形態/特徴/態様の、コンタクトレンズ。
30. 当該コンタクトレンズは、当該コンタクトレンズの中心から5mm以内には、準ランダムな分布の前記ディンプルが位置しており、当該コンタクトレンズの中心から少なくとも5.5mmに位置する前記ディンプルは、均一な分布の前記ディンプルを有している
ことを特徴とする、前述または後述のいずれかの実施形態/特徴/態様の、コンタクトレンズ。
31. 当該コンタクトレンズの前記ディンプルの全ては、当該コンタクトレンズの中心から少なくとも4.5mmに位置している
ことを特徴とする、前述または後述のいずれかの実施形態/特徴/態様の、コンタクトレンズ。
32. 本発明は、更に、コンタクトレンズの注型成形用金型であって、その中で成形されるコンタクトレンズの周縁領域上に形成されるディンプルのディンプルパターンのネガティブパターンであるドームパターンを備え、前記ディンプルの数が、少なくとも1000個であり、前記ディンプルは、少なくとも0.01μlの充填容積を提供すると共に、最大80%までのディンプル被覆率を有する
ことを特徴とする金型に関している。
33. 本発明は、更に、コンタクトレンズの注型成形用金型を形成するための射出成形インサートであって、注型成形されるコンタクトレンズの周縁領域上に形成されるディンプルのディンプルパターンを備え、前記ディンプルの数が、少なくとも1000個であり、前記ディンプルは、少なくとも0.01μlの充填容積を提供すると共に、最大80%までのディンプル被覆率を有する
ことを特徴とする射出成形インサートに関している。
34. 本発明は、更に、被験者の眼表面に有益な薬剤を投与する方法であって、請求項1乃至25のいずれかに記載のディンプル付きコンタクトレンズを、前記被験者の角膜上に配置する工程を備え、前記ディンプル付きコンタクトレンズを前記角膜上に配置する前に、(a)前記ディンプル付きコンタクトレンズが、前記有益な薬剤を含むコンタクトレンズパッケージング溶液から取り出される、あるいは、(b)前記有益な薬剤を含む眼科用溶液が、前記ディンプル付きコンタクトレンズの後面に適用される
ことを特徴とする方法に関している。
本発明は、文章及び/または段落で説明されたように、前述された及び/または後述される(特許請求の範囲で説明される)様々な特徴または実施形態の任意の組み合わせを含み得る。本明細書に開示された特徴の任意の組み合わせが、本発明の一部とみなされる。組み合わせ可能な特徴に関して、限定は全く意図されていない。
本明細書の開示は、特定の図示された実施例に言及しているが、これらの実施例は、限定ではなく例示として提示されていることが理解されるべきである。前述の詳細な説明の意図は、例示的な実施例について論じているが、当該実施例の全ての修正、代替、均等物、を包含すると解釈されるべきである。それらは、本発明の精神及び範囲内に入り得て、付加的な開示として定義され得る。
本開示における全ての引用文献の全内容が、本開示と矛盾しない限りにおいて、参照により本明細書に組み込まれる(incorporated by reference)。
本発明は、文章及び/または段落で説明されたように、前述された及び/または特許請求の範囲で説明される様々な特徴または実施形態の任意の組み合わせを含み得る。本明細書に開示された特徴の任意の組み合わせが、本発明の一部とみなされる。組み合わせ可能な特徴に関して、限定は全く意図されていない。
本発明の他の実施形態が、本明細書の考察及び本明細書に開示された本発明の実践から、当業者には明らかである。本明細書及び実施例は、例示的であると見なされることが意図されている。本発明の真の範囲及び精神は、特許請求の範囲及びその均等物によって示される。

Claims (30)

  1. 光学領域と、周辺領域と、周縁と、を有する後面
    を備え、
    前記周辺領域は、少なくとも1000個のディンプルを有しており、
    前記ディンプルは、少なくとも0.01μlの総充填容積を提供すると共に、前記後面の全表面積に基づく最大80%までのディンプル被覆率を有する
    ことを特徴とする注型成形コンタクトレンズ。
  2. 前記ディンプルは、
    5ミクロン~60ミクロンの平均ディンプル直径と、
    10ミクロン~150ミクロンの平均ディンプルピッチと、
    を有し、
    前記ディンプル被覆率は、5%~80%であり、
    前記ディンプルは、当該ディンプルの配置によって全体的に識別可能な幾何学的形状が生成されることがないように、配置されており、
    当該注型成形コンタクトレンズは、目における瞬き後の動きを有し、それは、ディンプルが存在しないことを除いては同一である対照レンズの目における瞬き後の動きよりも大きいということがなく、
    当該注型成形コンタクトレンズは、前記対照レンズと同一の酸素透過性を有する
    ことを特徴とする請求項1に記載の注型成形コンタクトレンズ。
  3. 前記ディンプルは、
    20ミクロン~40ミクロンの平均ディンプル直径と、
    30ミクロン~80ミクロンの平均ディンプルピッチと、
    を有し、
    前記ディンプル被覆率は、5%~60%であり、
    前記ディンプルは、当該ディンプルの配置によって全体的に識別可能な幾何学的形状が生成されることがないように、配置されており、
    当該注型成形コンタクトレンズは、ディンプルが存在しないことを除いては同一である対照レンズと比較して、目における瞬き後の動きが同一であり、
    当該注型成形コンタクトレンズは、前記対照レンズと同一の酸素透過性を有する
    ことを特徴とする請求項1に記載の注型成形コンタクトレンズ。
  4. 当該注型成形コンタクトレンズは、前面を有し、当該前面にはディンプルがない
    ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の注型成形コンタクトレンズ。
  5. 前記ディンプルは、互いに接触していない
    ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の注型成形コンタクトレンズ。
  6. 前記ディンプルは、各々、ディンプル直径を有し、
    前記ディンプル直径は、平均ディンプル直径の±20%以内である
    ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の注型成形コンタクトレンズ。
  7. 前記ディンプルは、2以上のタイプのディンプルの組合せであり、
    前記タイプの各々は、少なくとも異なる平均ディンプル直径を有する
    ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の注型成形コンタクトレンズ。
  8. 前記ディンプルは、スポークパターンが存在せず、ラインパターンが存在せず、且つ、リングパターンが存在しないように、配置されている
    ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の注型成形コンタクトレンズ。
  9. 前記ディンプルは、少なくとも5ミクロンの平均ディンプル深さを有する
    ことを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の注型成形コンタクトレンズ。
  10. 前記ディンプルは、少なくとも10ミクロンの平均ディンプル深さを有する
    ことを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載の注型成形コンタクトレンズ。
  11. 前記ディンプルは、少なくとも15ミクロンの平均ディンプル深さを有する
    ことを特徴とする請求項1乃至10のいずれかに記載の注型成形コンタクトレンズ。
  12. 前記ディンプルは、15ミクロン~40ミクロンの平均ディンプル深さを有する
    ことを特徴とする請求項1乃至11のいずれかに記載の注型成形コンタクトレンズ。
  13. 前記ディンプルは、2以上のディンプル深さの組合せを有する
    ことを特徴とする請求項1乃至12のいずれかに記載の注型成形コンタクトレンズ。
  14. 前記ディンプルは、各々、少なくとも0.25の、直径に対するディンプル深さの平均の比を有する
    ことを特徴とする請求項1乃至13のいずれかに記載の注型成形コンタクトレンズ。
  15. 前記ディンプルの数は、5,000~1,000,000である
    ことを特徴とする請求項1乃至14のいずれかに記載の注型成形コンタクトレンズ。
  16. 前記ディンプルの数は、10,000~200,000である
    ことを特徴とする請求項1乃至15のいずれかに記載の注型成形コンタクトレンズ。
  17. 前記ディンプルは、各々、鋭いコーナー部を避けるように、ディンプル開口部の周りに滑らかな縁部を有する
    ことを特徴とする請求項1乃至16のいずれかに記載の注型成形コンタクトレンズ。
  18. 前記ディンプルは、前記周辺領域において、ランダムに、準ランダムに、または、均一に、分散されており、
    前記ディンプルが前記周辺領域において準ランダムに分散されているとは、前記ディンプルの各ディンプル間ピッチが20μmと40μmとの間でランダムに分布していることを意味する
    ことを特徴とする請求項1乃至17のいずれかに記載の注型成形コンタクトレンズ。
  19. 前記ディンプルは、各々、少なくとも1.25の、直径に対するディンプル間ピッチの平均の比を有する
    ことを特徴とする請求項1乃至18のいずれかに記載の注型成形コンタクトレンズ。
  20. 前記ディンプルは、2以上のディンプルピッチの組合せを有する
    ことを特徴とする請求項1乃至19のいずれかに記載の注型成形コンタクトレンズ。
  21. 前記ディンプルは、各々、円形、楕円形、三角形、長方形、ガウス形、または、放物線、である断面側面図を有する
    ことを特徴とする請求項1乃至20のいずれかに記載の注型成形コンタクトレンズ。
  22. 前記ディンプルは、各々、平面視で見られる時に、円形、楕円形、三角形、または、長方形、として視認される
    ことを特徴とする請求項1乃至21のいずれかに記載の注型成形コンタクトレンズ。
  23. 当該注型成形コンタクトレンズは、ソフトコンタクトレンズである
    ことを特徴とする請求項1乃至22のいずれかに記載の注型成形コンタクトレンズ。
  24. 当該注型成形コンタクトレンズは、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズである
    ことを特徴とする請求項1乃至23のいずれかに記載の注型成形コンタクトレンズ。
  25. 前記ディンプルは、前記周縁から少なくとも0.05mmだけ離れて位置している
    ことを特徴とする請求項1乃至24のいずれかに記載の注型成形コンタクトレンズ。
  26. 当該注型成形コンタクトレンズは、当該注型成形コンタクトレンズの中心から5mm以内には、ディンプルが存在しないか、あるいは、準ランダムな分布の前記ディンプルが位置している
    ことを特徴とする請求項1乃至25のいずれかに記載の注型成形コンタクトレンズ。
  27. 当該注型成形コンタクトレンズは、当該注型成形コンタクトレンズの中心から5mm以内には、準ランダムな分布の前記ディンプルが位置しており、当該注型成形コンタクトレンズの中心から少なくとも5.5mmに位置する前記ディンプルは、均一な分布の前記ディンプルを有している
    ことを特徴とする請求項1乃至26のいずれかに記載の注型成形コンタクトレンズ。
  28. 当該注型成形コンタクトレンズの前記ディンプルの全ては、当該注型成形コンタクトレンズの中心から少なくとも4.5mmに位置している
    ことを特徴とする請求項1乃至27のいずれかに記載の注型成形コンタクトレンズ。
  29. 注型成形コンタクトレンズの注型成形用金型であって、
    その中で成形される注型成形コンタクトレンズの周縁領域上に形成されるディンプルのディンプルパターンのネガティブパターンであるドームパターン
    を備え、
    前記ディンプルの数が、少なくとも1000個であり、
    前記ディンプルは、少なくとも0.01μlの総充填容積を提供すると共に、最大80%までのディンプル被覆率を有する
    ことを特徴とする金型。
  30. 注型成形コンタクトレンズの注型成形用金型を形成するための射出成形インサートであって、
    注型成形コンタクトレンズの周縁領域上に形成されるディンプルのディンプルパターン
    を備え、
    前記ディンプルの数が、少なくとも1000個であり、
    前記ディンプルは、少なくとも0.01μlの総充填容積を提供すると共に、最大80%までのディンプル被覆率を有する
    ことを特徴とする射出成形インサート。
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