[第1実施形態]
以下では、本発明に係る遊技機の一実施形態を示すパチスロ機について、図面を参照しながら説明する。本実施の形態のパチスロ機では、遊技を行うための遊技媒体としてメダルを用いる。なお、遊技媒体としては、メダル以外にも、コイン、遊技球、遊技用のポイントデータ又はトークンなどを適用することもできる。また、遊技媒体を払い出す遊技機に限定されず、遊技球等の遊技媒体を封入し所定の付与条件が成立した場合に獲得ポイント等、電子データとして特典を付与する封入式の遊技機に適用することも可能である。また、本実施形態では、特定の小役の成立をランプなどでナビゲートする機能であるアシストタイム(以下、「AT」という)と、特定プレイ数の間、リプレイ確率が通常時より高くなる機能であるRTとが同時に作動するアシストリプレイタイム(以下、「ART」という)の機能を備えたパチスロについて説明する。
[パチスロ機の機能フロー]
図1に示すように、パチスロ機1は、遊技者によりメダルが投入され、スタートレバー6が操作されると、予め定められた数値の範囲(例えば、0~65535)の乱数から一つの値(以下、乱数値)を抽出する。
内部当籤役決定手段(後述のメインCPU31)は、抽出された乱数値に基づいて抽籤を行い、内部当籤役を決定する。すなわち、内部当籤役決定手段は、スタートスイッチ6S(図4参照)によるスタートレバー6に対する単位遊技の開始操作の検出(所定の開始条件の成立)に基づき、複数の役の中から所定の当籤確率で内部当籤役を決定する。
内部当籤役の決定により、後述の入賞ラインに沿って表示を行うことを許可する図柄の組合せが決定される。なお、図柄の組合せの種別としては、メダルの払出、再遊技(リプレイ)の作動、ボーナスの作動などといった特典が遊技者に与えられる「入賞」に係るものと、それ以外のいわゆる「ハズレ」に係るものとが設けられている。
続いて、複数のリール3L、3C、3Rの回転が行われた後で、遊技者によりストップボタン7L、7C、7Rが押されると、リール停止制御手段(後述のメインCPU31、後述のモータ駆動回路39、後述のステッピングモータ49L、49C、49R)は、内部当籤役とストップボタン7L、7C、7Rが押されたタイミングとに基づいて、該当するリール3L、3C、3Rの回転を停止する制御を行う。
ここで、パチスロ機1では、基本的に、ストップボタン7L、7C、7Rが押されたときから規定時間(190msec)内に、該当するリール3L、3C、3Rの回転を停止する制御が行われる。本実施の形態では、上記規定時間内でのリール3L、3C、3Rの回転に伴って移動する図柄の数を「滑り駒数」と呼び、その最大数を図柄4個分(最大滑り駒数)に定める。
リール停止制御手段は、入賞に係る図柄の組合せの表示を許可する内部当籤役が決定されているときでは、上記規定時間を利用して、その図柄の組合せが入賞ライン(以下、「有効ライン」という)に沿って極力表示されるように最大滑り駒数の範囲でリール3L、3C、3Rの回転を停止する。
その一方で、内部当籤役によってその表示が許可されていない図柄の組合せについては、上記規定時間を利用して、有効ラインに沿って表示されることがないように最大滑り駒数の範囲でリール3L、3C、3Rの回転を停止する。
こうして、複数のリール3L、3C、3Rの回転が全て停止されると、入賞判定手段(後述のメインCPU31)は、有効ラインに沿って表示された図柄の組合せが、入賞に係るものであるか否かの判定を行う。
すなわち、入賞判定手段は、リール停止制御手段により図柄の変動が停止されたことに基づいて、有効ライン上に停止した図柄の組合せに基づいて役の入賞又は非入賞を判定する。
入賞に係るものであるとの判定が行われると、メダルの払出などの特典が遊技者に与えられる。以上のような一連の流れがパチスロ機1における1回の遊技(単位遊技)として行われる。
なお、本実施の形態では、全てのリール3L、3C、3Rが回転しているときに最初に行われるリールの停止操作(ストップボタン7L、7C、7Rの操作)を第1停止操作、第1停止操作の次に行われる停止操作を第2停止操作、第2停止操作の次に行われる停止操作を第3停止操作という。
また、パチスロ機1では、前述した一連の流れの中で、表示ユニット100により行う光(映像)の出力、スピーカ9L、9Rにより行う音の出力、あるいはこれらの組合せを利用して様々な演出が行われる。
スタートレバーが操作されると、上述した内部当籤役の決定に用いられた乱数値とは別に、演出用の乱数値(以下、演出用乱数値)が抽出される。演出用乱数値が抽出されると、演出内容決定手段は、内部当籤役に対応づけられた複数種類の演出内容の中から今回実行するものを抽籤により決定する。この演出内容決定手段は、後述する副制御基板が担う。
演出内容が決定されると、表示ユニット100やスピーカ9L,9Rは、リールの回転開始時、各リールの回転停止時、入賞の有無の判定時などの各契機に連動させて対応する演出を実行する。このように、パチスロ機1では、内部当籤役に対応づけられた演出内容を実行することによって、決定された内部当籤役(言い換えると、狙うべき図柄の組合せ)を知る機会又は予想する機会が遊技者に提供され、遊技者の興味の向上を図ることができる。
[パチスロ機の構造]
パチスロ機1の機能フローについての説明は以上である。次に、図2及び図3を参照して、本実施の形態におけるパチスロ機1の構造について説明する。
図2は、本実施の形態におけるパチスロ機1の斜視図である。図3は、本実施の形態におけるパチスロ機1の正面図である。
パチスロ機1の全体を形成している筐体60は、前面側に矩形状の開口を有する箱状のキャビネット61と、キャビネット61の前面上部に配置された上ドア62aと、キャビネット61の前面下部に配置された下ドア62bとを有している。キャビネット61は、遊技に用いられる機器(例えば、リールなど)を収容する。上ドア62a及び下ドア62bは、キャビネット61の開口の形状及び大きさに対応するように形成されている。上ドア62aは、キャビネット61における開口の上部を閉塞可能に設けられ、下ドア62bは、キャビネット61における開口の下部を閉塞可能に設けられる。
なお、キャビネット61は、上ドア62a及び下ドア62bを固定する部材であるため、固定枠と称することがあり、また、上ドア62a及び下ドア62bは、前扉と称することがある。
上ドア62aは、表示ユニット100を中央部に有している。表示ユニット100は、遊技の進行に応じた演出を行う演出装置であり、後述の副制御基板72の制御のもと遊技の進行に応じて様々な映像を表示する。なお、表示ユニット100は、例えば、液晶ディスプレイや有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイなどのような表示装置であってもよいが、本実施形態では、所謂プロジェクションマッピング装置を用いる。
下ドア62bの上部の略中央部には、矩形状の開口部として形成された表示窓4が設けられている。表示窓4は、後述するリール3L、3C、3Rに表示された複数の図柄の一部を表示する図柄表示手段を構成する。表示窓4には、右上り斜めのクロスアップライン、上段のトップライン、中段のセンターライン、下段のボトムライン及び右下がり斜めのクロスダウンラインが表示されている。
図3に示すように、表示窓4は、リール3L、3C、3Rに表示された複数の図柄のうちの3個の図柄を表示する。そのため、表示窓4は、3×3の図柄が表示される。表示窓4に表示されるクロスアップライン~クロスダウンラインの5本のラインは、表示窓4が表示する3×3の図柄を直線的に結ぶラインである。
本実施形態では、これら5本のラインのうちのセンターラインが有効ラインであり、センターラインに沿って表示された図柄の組合せに基づいて、入賞の判定が行われる。一方、センターライン以外の4本のラインは、入賞の判定に用いられることのない疑似的なラインである。
なお、有効ライン(センターライン)は、後述のMAXベットボタン11を操作すること、又はメダル投入口22にメダルを投入することにより有効化される。ここで、MAXベットボタン11を操作することと、メダルを投入することとは同義である。したがって、例えば「メダルの投入枚数」という場合には、上述のMAXベットボタン11の操作によるBET枚数と実際にメダル投入口22に投入された投入枚数のいずれも含まれる。
キャビネット61には、複数のリール3L、3C、3Rが回転自在に横一列に設けられている。各リール3L、3C、3Rは、それぞれの外周面に、遊技に必要な複数種類の図柄によって構成される識別情報としての図柄列が描かれたリール帯を有する。すなわち、リール3L、3C、3Rには、複数の図柄が表示されている。
各リール帯に描かれた図柄は表示窓4を通して、パチスロ機1の外部から視認できるようになっている。また、各リール3L、3C、3Rは、定速回転(例えば80回転/分)で回転し、図柄列を変動表示する。
表示窓4の下方には、略水平面の台座部10が形成されている。台座部10の水平面内のうち、右側にはメダル投入口22が設けられ、左側にはMAXベットボタン11及び1ベットボタン(図示せず)が設けられる。MAXベットボタン11の内部には、メダルの投入が可能な時に点灯するベットボタンLED103(図4参照)が設けられている。
このMAXベットボタン11を押下操作することで、単位遊技(一のゲーム)の用に供される枚数(3枚)のメダルが投入され、有効ラインが有効化される。一方、1ベットボタンを1回、押下操作する度に1枚のメダルが投入される。1ベットボタンが3回操作されると、単位遊技用に供される3枚のメダルが投入され、有効ラインが有効化される。
MAXベットボタン11の操作、1ベットボタンの操作及びメダル投入口22にメダルを投入する操作(遊技を行うためにメダルを投入する操作)を「投入操作」という。
台座部10の水平面内の略中央には、情報表示器14が設けられている。情報表示器14には、今回の遊技に投入されたメダルの枚数(以下、投入枚数)に対応して点灯するLED(図示せず)が設けられている。また、情報表示器14には、特典として遊技者に対して払い出すメダルの枚数(以下、払出枚数)、パチスロ機1の内部に預けられているメダルの枚数(以下、クレジット枚数)などの情報を遊技者に対してデジタル表示するデジタル表示器(図示せず)が設けられている。
また、情報表示器14には、内部当籤役として決定された役に応じた図柄の組合せを有効ラインに沿って表示するために必要な停止操作の情報を報知する指示モニタ(図示せず)が設けられている。指示モニタは、例えば、7セグメントLEDにより構成され、報知する停止操作の情報に一義的に対応する態様で点灯や点滅することで、遊技者に対して必要な停止操作の情報を報知する。後述するように、本実施形態では、停止操作の順序(押し順)に応じて表示される図柄の組合せが異なる役である「押し順役」を設けている。報知する停止操作の情報に一義的に対応する態様とは、例えば、押し順「1st(第1停止操作を左のリール3Lに対して行うこと)」を報知する場合に「1」を表示し、押し順「2nd(第1停止操作を中のリール3Cに対して行うこと)」を報知する場合に「2」を表示し、押し順「3rd(第1停止操作を右のリール3Rに対して行うこと)」を報知する場合に「3」を表示するといったことである。なお、指示モニタにおける停止操作の情報の報知の詳細は、図48で後述する。
後述の図4に示すように、情報表示器14は、ドア中継基板74を介して主制御基板71により制御される。ここで、パチスロ機1では、主制御基板71により制御される指示モニタに加えて、副制御基板72により制御される他の手段を用いて停止操作の情報を報知することとしてもよく、例えば、上述の表示ユニット100において停止操作の情報を報知することとしてもよい。
この場合において、指示モニタにおける報知の態様と、その他の手段における報知の態様とは、異なる態様であってもよい。すなわち、指示モニタでは、報知する停止操作の情報に一義的に対応する態様で報知すればよく、必ずしも、停止操作の情報を直接的に報知する必要はない(例えば、指示モニタにおいて「1」と表示されたとしても、遊技者によっては報知内容を特定できない可能性もあり、直接的な報知とは言えない)。これに対して、その他の手段における報知では、停止操作の情報を直接的に報知することとしてもよい。例えば、押し順「1st」を報知する場合に、指示モニタでは報知する押し順に一義的に対応する「1」を表示する一方で、その他の手段(表示ユニット100)では、第1停止操作を左のリール3Lに対して行うことを直接的に報知することとしてもよい。
このように本実施形態のパチスロ機1では、副制御基板72の制御だけでなく、主制御基板71の制御によっても、内部当籤役に応じた必要な停止操作の情報を報知することができる。もちろん、停止操作の情報の報知は、遊技状態に応じて制御されることとしてもよい。より具体的には、後述の一般遊技状態(非ART)では停止操作の情報を報知することなく、後述のART遊技状態(図7参照)において停止操作の情報を報知することとしてもよい。
また、台座部10の前面部の左寄りには、遊技者がゲームで獲得したメダルのクレジット/払出を押しボタン操作で切り換える精算ボタン13が設けられている。この精算ボタン13の切り換えにより、正面下部のメダル払出口15からメダルが払い出され、払い出されたメダルはメダル受け部16に溜められる。
精算ボタン13の右側には、遊技者の傾動操作により上記リール3L、3C、3Rを回転させ、表示窓4内での図柄の変動表示を開始するための開始操作手段としてのスタートレバー6が所定の角度範囲で傾動自在に取り付けられている。
台座部10の前面部の略中央には、遊技者の押下操作により3個のリール3L、3C、3Rの回転をそれぞれ停止させるための停止操作手段としてのストップボタン7L、7C、7Rが設けられている。なお、実施例では、一のゲーム(単位遊技)は、基本的にスタートレバー6が操作されることにより開始し、全てのリール3L、3C、3Rが停止したときに終了する。
下ドア62bの上部の正面には、第1サブ表示装置201及び第2サブ表示装置202が設けられる。第1サブ表示装置201及び第2サブ表示装置202は、液晶ディスプレイや有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイであり、各種情報を表示する。図2及び図3に示すように、第1サブ表示装置201及び第2サブ表示装置202は、下ドア62bの前面部のうち、台座部10の水平面から略垂直に立設する面の側方に設けられ、左側(MAXベットボタン11やスタートレバー6側)に第1サブ表示装置201が設けられ、右側(メダル投入口22側)に第2サブ表示装置202が設けられる。
第1サブ表示装置201及び第2サブ表示装置202のうちの少なくとも一方、本実施形態では、第1サブ表示装置201の表示面上には、タッチセンサ201aを設けられ、タッチセンサ201aを介して受け付けた遊技者の操作に応じて表示が切り替え可能になっている。タッチセンサ201aは、静電容量方式などの所定の動作原理に従い動作し、遊技者の操作を受け付けると、タッチ入力情報として当該操作に応じた信号を出力する。第1サブ表示装置201は、タッチセンサ201aから出力されるタッチ入力情報に基づいて副制御基板72(図5参照)により制御される。
下ドア62bの下部の正面には、左右に効果音や音声などの音による演出を行うスピーカ9L、9Rが設けられ、このスピーカ9L、9Rの間にメダルが払い出されるメダル払出口15が設けられている。下ドア62bの最下部には、払い出されたメダルを貯留するメダル受け部16が設けられている。
また、下ドア62bの下部の正面のうち、ストップボタン7L、7C、7Rとメダル受け部16とに上下を挟まれた面には、機種のモチーフに対応したデザインがあしらわれた腰部パネル25が取り付けられている。この腰部パネル25は、背後に設けられた腰部パネル照明器(図示せず)により照射される。
[パチスロ機が備える回路の構成]
パチスロ機1の構造についての説明は以上である。次に、図4及び図5を参照して、本実施の形態におけるパチスロ機1が備える回路の構成について説明する。本実施の形態におけるパチスロ機1は、主制御基板71、副制御基板72及びこれらと電気的に接続する外部集中端子板73や周辺装置(アクチュエータ)を備える。
<主制御基板>
図4は、本実施の形態におけるパチスロ機1の主制御基板71を主とする電気的な構成を示す。
(マイクロコンピュータ)
主制御基板71は、回路基板上に設置されたマイクロコンピュータ30を主たる構成要素としている。マイクロコンピュータ30は、CPU(以下、メインCPU)31、ROM(以下、メインROM)32及びRAM(以下、メインRAM)33により構成される。
メインROM32には、メインCPU31により実行される制御プログラム、内部抽籤テーブルなどのデータテーブル、副制御基板72に対して各種制御指令(コマンド)を送信するためのデータなどが記憶されている。メインRAM33には、制御プログラムの実行により決定された内部当籤役などの各種データを格納する格納領域が設けられる。
(乱数発生器など)
メインCPU31には、クロックパルス発生回路34、分周器35、乱数発生器36及びサンプリング回路37が接続されている。クロックパルス発生回路34及び分周器35は、クロックパルスを発生する。
メインCPU31は、発生されたクロックパルスに基づいて、制御プログラムを実行する。乱数発生器36は、予め定められた範囲の乱数(例えば、0~65535)を発生する。サンプリング回路37は、発生された乱数の中から用途に応じて少なくとも一つの値を抽出する。
(周辺装置及び回路)
マイクロコンピュータ30により動作が制御される周辺装置としては、ステッピングモータ49L、49C、49R及びメダル払出装置(以下、ホッパーという)40がある。また、マイクロコンピュータ30の入出力ポートには、各周辺装置の動作を制御するためのモータ駆動回路39やホッパー駆動回路41、リール位置検出回路50、払出完了信号回路51、外部集中端子板73及びドア中継基板74などの各種回路や各種基板が接続されている。
モータ駆動回路39は、図柄変動手段を構成し、各リール3L、3C、3Rに対応して設けられたステッピングモータ49L、49C、49Rの駆動を制御する。すなわち、モータ駆動回路39は、所定の開始条件の成立に基づき、各リール3L、3C、3Rを回転させることにより各リール3L、3C、3Rに表示された図柄を変動させる。
リール位置検出回路50は、発光部と受光部とを有する光センサにより、リール3L、3C、3Rが一回転したことを示すリールインデックスを各リール3L、3C、3Rに応じて検出する。ここで、リールインデックスとは、リール3L、3C、3Rが一回転したことを示す情報である。
ステッピングモータ49L、49C、49Rは、運動量がパルスの出力数に比例し、回転軸を指定された角度で停止させることが可能な構成を備えている。ステッピングモータ49L、49C、49Rの駆動力は、所定の減速比をもったギアを介してリール3L、3C、3Rに伝達される。ステッピングモータ49L、49C、49Rに対して1回のパルスが出力されるごとに、リール3L、3C、3Rは一定の角度で回転する。
メインCPU31は、リールインデックスを検出してから各リール3L、3C、3Rのステッピングモータ49L、49C、49Rに対してパルスを出力した回数をカウントする。これにより、メインCPU31は、各リール3L、3C、3Rの回転角度(主に、リールが図柄何個分だけ回転したか)を管理する。
次いで、各リール3L、3C、3Rの回転角度の管理について、具体的に説明する。ステッピングモータ49L、49C、49Rに対して出力されたパルスの数は、メインRAM33に設けられたパルスカウンタによって計数される。そして、図柄1個分の回転に必要な所定回数のパルスの出力がパルスカウンタで計数されるごとに、メインRAM33に設けられた図柄カウンタが1ずつ加算される。図柄カウンタは、各リール3L、3C、3Rに応じて設けられている。図柄カウンタの値は、リール位置検出回路50によってリールインデックスが検出されるとクリアされる。
つまり、本実施の形態において、メインCPU31は、図柄カウンタを管理することにより、リールインデックスが検出されてから図柄何個分の回転が行われたのかを管理するようになっている。したがって、各リール3L、3C、3Rの各図柄の位置は、リールインデックスが検出される位置を基準として検出される。
ホッパー駆動回路41は、ホッパー40の動作を制御する。また、払出完了信号回路51は、ホッパー40に設けられたメダル検出部40Sが行うメダルの検出を管理し、ホッパー40から外部に払い出されたメダルが払出枚数に達したか否かをチェックする。
(外部集中端子板)
外部集中端子板73は、主制御基板71からのメダルの投入/払出枚数、遊技回数、ボーナスの作動有無情報などの信号が入力されるとともに、それらの信号を遊技回数やボーナス作動回数などを表示する外部表示器や、遊技場のホストコンピュータに出力する。外部表示器は、例えばパチスロ機1の上方に設置され、遊技回数の進行やボーナス作動と連動して表示を更新したり、ランプなどによりボーナス作動を報知したりするものである。
ここで、メダル投入信号は、メダル投入を認識可能とする信号であって、スタートレバー6の操作時に出力される。メダル払出信号は、メダル払出又は再遊技を認識可能とする信号であって、メダル払出(クレジット貯留含む)時、又は再遊技作動時に出力される。
(ドア中継基板)
ドア中継基板74は、主制御基板71と、各種のボタンやスイッチ及び情報表示器14との配線を中継する基板である。また、ドア中継基板74は、副中継基板75を介して副制御基板72と接続されている。なお、ドア中継基板74は、副中継基板75に対してのみ情報を送信可能に接続されており、副中継基板75から情報が送信されないようになっている。これにより、主制御基板71と副制御基板72との間は、主制御基板71から副制御基板72に対してのみ情報を送信可能な一方向通信とされる。
このドア中継基板74には、スタートスイッチ6S、ストップスイッチ7S、メダルセンサ42S、MAXベットスイッチ11S、1ベットスイッチ(図示せず)及び精算スイッチ13Sが接続されている。
スタートスイッチ6Sは、開始操作検出手段を構成し、スタートレバー6が遊技者により操作されたこと(開始操作)を検出する。また、ストップスイッチ7Sは、停止操作検出手段を構成し、3つのストップボタン7L、7C、7Rのそれぞれが遊技者により押されたこと(停止操作)を検出する。
メダルセンサ42Sは、メダル投入口22に受け入れられたメダルがセレクタ内を通過したことを検出する。また、MAXベットスイッチ11Sは、MAXベットボタン11が遊技者により押されたことを検出する。また、1ベットスイッチは、1ベットボタンが遊技者により押されたことを検出する。メインCPU31は、メダルセンサ42S、あるいはMAXベットスイッチ11S及び1ベットスイッチの検出結果に基づき有効ラインを有効化する。また、精算スイッチ13Sは、精算ボタン13が遊技者により押されたことを検出する。
また、ドア中継基板74には、ストップボタン7L、7C、7Rのそれぞれ内部に設けられ、これらの受付け状態を表示するストップボタン内部LED107L、107C、107Rと、メダル枚数や有利な停止操作を一義的に報知する情報表示器14(指示モニタ)とが接続されている。
<副制御基板>
図5は、本実施の形態におけるパチスロ機1の副制御基板72を主とする電気的な構成を示す。副制御基板72は、主制御基板71と電気的に接続されており、主制御基板71から送信されるコマンドに基づいて演出内容の決定や実行などの処理を行う。
副制御基板72は、基本的に、CPU(以下、サブCPU)81、ロムカートリッジ基板82、RAM(以下、サブRAM)83、レンダリングプロセッサ84、描画用RAM85及びドライバ86を含む。
サブCPU81は、主制御基板71から送信されたコマンドに応じて、ロムカートリッジ基板82に記憶されている制御プログラムに従い、映像、音、光の出力制御を行う。なお、ロムカートリッジ基板82は、基本的には、プログラム記憶領域及びデータ記憶領域を有する。
プログラム記憶領域には、サブCPU81が実行する各種制御プログラムが記憶される。なお、プログラム記憶領域に格納される制御プログラムには、例えば、主制御基板71との通信を制御するための主基板通信タスク、演出用乱数値を抽出して演出内容(演出データ)の決定及び登録を行うための演出登録タスク、決定した演出内容に基づいて表示ユニット100による映像の表示を制御するための描画制御タスク、各種LED101による光の出力を制御するためのランプ制御タスク、スピーカ9L,9Rによる音の出力を制御するための音声制御タスクなどのプログラムが含まれる。
データ記憶領域には、例えば、各種データテーブルを記憶する記憶領域、各種演出内容を構成する演出データを記憶する記憶領域、映像の作成に関するアニメーションデータを記憶する記憶領域、BGMや効果音に関するサウンドデータを記憶する記憶領域、光の点消灯のパターンに関するランプデータを記憶する記憶領域などの各種記憶領域が含まれる。
サブRAM83は、決定された演出内容や演出データを登録する格納領域や、主制御基板71から送信される内部当籤役などの各種データを格納する格納領域などを有する。
また、副制御基板72には、図4及び図5に示すように、表示ユニット100、第1サブ表示装置201及び第2サブ表示装置202が所定の中継基板を介して接続される。例えば、副制御基板72は、役物中継基板(図示せず)を表示ユニット100と接続され、また、液晶中継回路(図示せず)を介して第1サブ表示装置201及び第2サブ表示装置202と接続される。表示ユニット100、第1サブ表示装置201及び第2サブ表示装置202は、副制御基板72の制御のもとそれぞれ個別に制御される。
また、図4に示すように、主制御基板71と副制御基板72との間には、副中継基板75が設けられ、主制御基板71と副制御基板72とを接続する配線を中継する。また、副中継基板75は、副制御基板72と副制御基板72の周辺に配設された複数の基板とを接続する配線を中継することで、副制御基板72と各種周辺装置とを接続する。例えば、副中継基板75は、LED基板(図示せず)を介して副制御基板72と各種LED101、リール照明器102及びベットボタンLED103とを接続する。また、副中継基板75は、サウンドI/O基板(図示せず)を介して副制御基板72とスピーカ9L、9Rとを接続し、タッチセンサ中継基板(図示せず)を介して副制御基板72とタッチセンサ201aとを接続する。
[パチスロ機の遊技状態の遷移フロー]
次に、図6及び図7を参照しながら、本実施形態のパチスロ機1の主制御基板71(メインCPU31)により制御される遊技状態及びその遷移フローについて説明する。
<基本的な遊技状態の遷移フロー>
本実施形態では、主制御基板71は、ボーナスの当籤/作動の有無、リプレイに係る内部当籤役の種別、及びその当籤確率に基づいて遊技状態を管理する。図6に示すように、主制御基板71は、ボーナス(F_BB1,2)の当籤/作動の有無に基づいて、ボーナス非当籤状態、フラグ間状態及びボーナス状態を区別する。具体的には、ボーナス非当籤状態は、ボーナスに非当籤、かつ、ボーナスが作動していない状態であり、フラグ間状態は、ボーナス当籤、かつ、ボーナスが作動していない状態であり、ボーナス状態は、ボーナスが作動している状態である。
なお、ボーナスの当籤の有無は、メインRAM33に設けられる内部当籤役格納領域(図示せず)に格納されるデータに基づいて管理され、ボーナスの作動の有無は、メインRAM33に設けられる遊技状態フラグ格納領域(図示せず)に格納されるデータに基づいて管理される。ここで、本実施形態のパチスロ機1では、ボーナスに係る役が内部当籤役として決定されると、ボーナスが作動するまで複数回の遊技にわたりボーナスに係る役が内部当籤役として持ち越される。フラグ間状態は、ボーナス役が内部当籤役として持ち越されている状態である。
また、主制御基板71は、リプレイに係る内部当籤役の種別及びその当籤確率が互いに異なる、RT0遊技状態~RT5遊技状態の6種類の状態を設ける。なお、RT0遊技状態、RT2遊技状態及びRT5遊技状態は、リプレイに係る役が内部当籤役として決定される確率が低確率となる遊技状態であり、RT1遊技状態はリプレイに係る役が内部当籤役として決定される確率が中程度の中確率となる遊技状態である。また、RT3遊技状態及びRT4遊技状態は、リプレイに係る役が内部当籤役として決定される確率が高確率となる遊技状態である。
これらRT0遊技状態~RT5遊技状態は、メインRAM33に設けられる遊技状態フラグ格納領域(図示せず)に格納されるデータに基づいて管理される。具体的には、パチスロ機1では、RT1遊技状態フラグ~RT5遊技状態フラグの5つのフラグを有し、これらフラグのオン/オフをメインRAM33で管理することでRT遊技状態を管理する。より具体的には、主制御基板71は、オンであるRT遊技状態フラグに応じたRT遊技状態を現在のRT遊技状態として特定する。なお、全てのRT遊技状態フラグがオフである場合には、主制御基板71は、現在のRT遊技状態がRT1遊技状態であると特定する。
図6に示すように、主制御基板71は、(1)ボーナス非当籤状態においてボーナスに係る役(F_BB1,2)が内部当籤役として決定されると、ボーナス非当籤状態からフラグ間状態に遊技状態を移行させる。そして、主制御基板71は、(2)フラグ間状態においてボーナスに係る役が入賞すると、フラグ間状態からボーナス状態に遊技状態を移行させる。
また、主制御基板71は、(3)ボーナス状態において規定枚数(216枚)を超えるメダルが払い出されると、ボーナス状態を終了し、ボーナス状態からRT1遊技状態に遊技状態を移行させる。このRT1遊技状態では、主制御基板71は、(4)20ゲームが経過すると、RT1遊技状態からRT0遊技状態に遊技状態を移行させ、20ゲームが経過する前に(5)ベルこぼし目が表示されると、RT1遊技状態からRT2遊技状態に遊技状態を移行させる。また、RT0遊技状態では、主制御基板71は、(5)ベルこぼし目が表示されると、RT0遊技状態からRT2遊技状態に遊技状態を移行させる。
また、主制御基板71は、(6)RT2遊技状態においてRT3移行リプが表示されると、RT2遊技状態からRT3遊技状態に遊技状態を移行させ、(7)RT3遊技状態においてRT4移行リプが表示されると、RT3遊技状態からRT4遊技状態に遊技状態を移行させる。また、主制御基板71は、(8)RT3遊技状態においてベルこぼし目又はRT2移行リプが表示されると、RT3遊技状態からRT2遊技状態に遊技状態を移行させ、同様に、RT4遊技状態においてベルこぼし目又はRT2移行リプが表示されると、RT4遊技状態からRT2遊技状態に遊技状態を移行させる。
ここで、ベルこぼし目は、後述する押し順ベル(F_3択ベル_1st、F_3択ベル_2nd、F_3択ベル_3rd)が内部当籤役として決定された場合に、押し順ベルの種別ごとに定められた押し順に不正解のときに表示される図柄の組合せである。また、RT2移行リプは、後述する維持リプ(F_維持リプ_1st、F_維持リプ_2nd、F_維持リプ_3rd)が内部当籤役として決定された場合に、維持リプの種別ごとに定められた押し順に不正解のときに表示される図柄の組合せである。また、RT3移行リプは、後述するRT3リプ(F_RT3リプ_1st、F_RT3リプ_213、F_RT3リプ_231、F_RT3リプ_3rd)が内部当籤役として決定された場合に、RT3リプの種別ごとに定められた押し順に正解のときに表示される図柄の組合せである。また、RT4移行リプは、後述するRT4リプ(F_RT4リプ_123、F_RT4リプ_132、F_RT4リプ_2nd、F_RT4リプ_3rd)が内部当籤役として決定された場合に、RT4リプの種別ごとに定められた押し順に正解のときに表示される図柄の組合せである。
<報知の有無に関する遊技状態の遷移フロー>
以上のようにパチスロ機1は、ボーナスの当籤/作動の有無、リプレイに係る内部当籤役の種別、及びその当籤確率に基づいて遊技状態を管理する一方で、遊技者にとって有利な停止操作を報知するか否かなどに基づいて遊技状態を管理する。図7は報知の有無に関する遊技状態の遷移フローを示す図である。
図7に示すように、パチスロ機1の主制御基板71は、報知の有無に基づいて一般遊技状態とART遊技状態とを区別する。一般遊技状態は、基本的には、遊技者にとって有利な停止操作の内容を報知しない遊技状態(非ART)であり、遊技者にとって不利な遊技状態である。反対に、ART遊技状態は、遊技者にとって有利な停止操作を報知する遊技状態であり、遊技者にとって有利な遊技状態である。本実施形態のパチスロ機1では、遊技者は、一般遊技状態から(状況に応じてボーナス状態を挟みながら)、遊技者にとって有利なART遊技状態に移行するように遊技を行っていくことになる。
一般遊技状態は、RT0~RT4遊技状態のうちARTに非当籤の遊技状態である。図7に示すように、一般遊技状態は、通常遊技状態及びCZ(チャンスゾーン)により構成される。通常遊技状態及びCZは、移行先の遊技状態がそれぞれ異なる遊技状態であり、本実施形態のパチスロ機1では、通常遊技状態からCZに移行し、CZからART遊技状態に移行することで、遊技が行われる。
通常遊技状態は、パチスロ機1において最も不利な遊技状態であり、図7に示すように、通常遊技状態からはCZに移行する可能性がある。具体的には、通常遊技状態ではCZへの移行抽籤を行っており、(A)この移行抽籤に当籤すると、主制御基板71は、通常遊技状態からCZに遊技状態を移行させる。
CZは、ART遊技状態に移行することについての期待度が高い遊技状態(チャンスゾーン)であり、図7に示すように、CZからは通常遊技状態又はART遊技状態に移行する可能性がある。具体的には、CZではARTへの移行抽籤を行っており、(B)この移行抽籤に非当籤すると、主制御基板71は、CZから通常遊技状態に遊技状態を移行させ、(C)この移行抽籤に当籤すると、主制御基板71は、CZからART準備中を経由してART遊技状態(通常ART又はCT)に遊技状態を移行させる。
ここで、パチスロ機1において、ART遊技状態は、基本的にはRT4遊技状態のうちARTに当籤中の遊技状態であり、ART当籤後にRT遊技状態がRT4遊技状態まで移行すると開始する。図6に示すように、RT4遊技状態は、RT0~RT2遊技状態からRT3遊技状態を経由して移行することになるため、ART当籤後であってもすぐにART遊技状態が開始されるわけではない。そこで、パチスロ機1では、ART当籤後のRT4遊技状態に移行するまでの間をART準備中とし、このART準備中においてRT4遊技状態に移行するために必要な停止操作を報知する。
続いて、ART遊技状態は、基本的にはRT4遊技状態のうちARTに当籤中の遊技状態である。図7に示すように、ART遊技状態は、通常ART及びCTにより構成される。通常ART及びCTは、それぞれ遊技性が異なる遊技状態であり、通常ARTは、所定ゲーム数の間、遊技者にとって有利な停止操作(例えば、払い出されるメダルの枚数が多い図柄の組合せを表示させるための停止操作や、RT4遊技状態を維持するために必要な停止操作)を報知する遊技状態であり、CTは、遊技者にとって有利な停止操作を報知するとともに、通常ARTの継続期間を上乗せする上乗せチャンスゾーンとして機能する遊技状態である。なお、CT中は、通常ARTの継続期間を消化せずに遊技が行われる。
図7に示すように、通常ARTからはCT又は一般遊技状態に移行する可能性がある。具体的には、通常ARTではCTへの移行抽籤を行っており、(D)この移行抽籤に当籤すると、主制御基板71は、通常ARTからCTに遊技状態を移行させる。また、通常ARTは、継続期間が管理されており、(E)この継続期間が終了すると、主制御基板71は、通常ARTから一般遊技状態(通常遊技状態又はCZ)に遊技状態を移行させる。なお、通常ARTの継続期間の管理方法は任意であるが、本実施形態のパチスロ機1では、ゲーム数により継続期間を管理する。もちろん、ゲーム数ではなく、通常ART中に払い出されるメダルの枚数や差枚数により継続期間を管理することとしてもよく、また、通常ART中にメダルの払い出しに影響を与える報知を行った回数(ナビ回数)により継続期間を管理することとしてもよい。
図7に示すように、CTからは通常ARTに移行する可能性がある。具体的には、CTは、継続期間が管理されており、(F)この継続期間が終了すると、主制御基板71は、CTから通常ARTに遊技状態を移行させる。本実施形態のパチスロ機1では、CTは、1セット8ゲームの継続期間により管理されるが、詳しくは後述する(図37参照)。
また、図7に示すように、一般遊技状態(通常遊技状態又はCZ)及びART遊技状態(通常ART又はCT)からは、ボーナス状態に移行する可能性がある。具体的には、図6に示すように、(2)一般遊技状態及びART遊技状態においてボーナスに係る役が入賞すると、主制御基板71は、一般遊技状態又はART遊技状態からボーナス状態に遊技状態を移行させる。
ボーナス状態では、ARTへの移行抽籤を行っており、(G)この移行抽籤に非当籤すると、主制御基板71は、ボーナス状態から一般遊技状態(通常遊技状態又はCZ)に遊技状態を移行する(ただし、ART遊技状態(通常ART又はCT)からボーナス状態に移行していた場合には、移行抽籤に非当籤しても、主制御基板71は、ボーナス状態からART遊技状態(通常ART又はCT)に遊技状態を移行する)。また、(H)ボーナス状態中の移行抽籤に当籤すると、主制御基板71は、ボーナス状態からART遊技状態(通常ART又はCT)に遊技状態を移行する。なお、上述のように、ボーナス状態が終了した場合には、RT1遊技状態に移行するため、ボーナス状態からART遊技状態に遊技状態を移行する場合には、主制御基板71は、ART準備中を経由してART遊技状態に遊技状態を移行する。
[主制御側の各種のデータテーブル]
次に、図8~図48を参照して、メインROM32に記憶されている各種データテーブルの構成について説明する。
<図柄配置テーブル>
図8に示す図柄配置テーブルは、左リール3L、中リール3C及び右リール3Rの各々の表面に配されている図柄の配列をデータによって表している。図柄配置テーブルは、20個の図柄位置「0」~「19」と、これらの図柄位置の各々に対応する図柄との対応関係を規定する。
図柄位置「0」~「19」は、左リール3L、中リール3C及び右リール3Rの各々において回転方向に沿って配されている図柄の位置を示す。図柄位置「0」~「19」に対応する図柄は、図柄カウンタの値を用いて図柄配置テーブルを参照することによって特定することができる。
図柄の種類としては、「白7」、「青7」、「チリ上1」、「チリ上2」、「チリ下」、「リプレイ」、「帽子」、「サボテン1」、「サボテン2」及び「サボテン3」を含んでいる。
図8に示す図柄配置テーブルは、リールインデックスが検出されるときに表示窓4の中段に位置する図柄(表示窓4の中段を通過中の図柄)を図柄位置「0」に割り当てるとともに、リール3L、3C、3Rの回転方向に移動する順に、20個の図柄の各々に対して図柄位置「0」~「19」を割り当てた対応関係を規定する。
このように、表示窓4の中段を基準にすることで、表示窓4の中段に位置する図柄の種別を、3つのリール3L、3C、3Rごとに特定することができる。
<図柄コード表>
また、図8に示すように、各リール3L、3C、3Rに配された各図柄は、図柄コード表によって特定され、1バイト(8ビット)のデータによって区別される。図8に示す図柄コード表は、3つのリール3L、3C、3Rの表面に配された図柄を特定するためのコードを表している。
本実施の形態によるパチスロ機1で用いる図柄は、上述のように「白7」、「青7」、「チリ上1」、「チリ上2」、「チリ下」、「リプレイ」、「帽子」、「サボテン1」、「サボテン2」及び「サボテン3」の10種類である。
図柄コード表では、「白7」図柄(図柄コード1)に対して、データとして「00000001」が割り当てられている。「青7」図柄(図柄コード2)に対しては、データとして「00000010」が割り当てられている。「チリ上1」図柄(図柄コード3)に対しては、データとして「00000011」が割り当てられている。
同様に、「チリ上2」、「チリ下」、「リプレイ」、「帽子」、「サボテン1」、「サボテン2」及び「サボテン3」の各図柄(図柄コード4~10)に対しても、データとして「00000100」から「00001010」が割り当てられている。
<図柄組合せテーブル>
次に、図9~図12を参照して、図柄組合せテーブルについて説明する。図柄組合せテーブルは、特典の種類に応じて予め定められた図柄の組合せ(コンビネーション)と、当該図柄の組合せが表示された際にメインRAM33に格納するデータと、当該図柄の組合せが表示された際の特典(メダルの払出枚数)との対応関係を規定する。
本実施形態では、有効ラインに沿って表示される図柄の組合せが、図柄組合せテーブルに規定された図柄の組合せ(コンビネーション)と一致する場合に入賞と判定される。そして、入賞と判定されると、メダルの払い出し、再遊技(リプレイ)の作動、ボーナスゲーム(役物連続作動装置)の作動といった特典が遊技者に与えられる。なお、有効ラインに沿って表示された図柄の組合せが、図柄組合せテーブルに規定されている図柄の組合せのいずれとも一致しない場合には、いわゆる「はずれ」となる。すなわち、本実施形態では、「はずれ」に対応する図柄の組合せを図柄組合せテーブルに規定しないことにより、「はずれ」の図柄の組合せを規定する。なお、本発明はこれに限定されず、図柄組合せテーブルに、「はずれ」の項目を設けて、直接「はずれ」を規定してもよい。
図柄組合せテーブル中のデータ欄は、有効ラインに沿って表示された図柄の組合せを識別するための情報が規定される。具体的には、データ欄には、対応する図柄の組合せのデータが格納される「格納領域」と、当該格納領域に格納される「データ(1バイトのデータ中の図柄の組合せに応じたビットを指定するためのデータ)」が規定される。本実施形態では、1バイトの格納領域を22個用いることで、それぞれの図柄の組合せを判別する。例えば、図9に示す「C_BB1」は、格納領域0のビット1に1が格納されることで判別される。
図柄組合せテーブルに規定する、コンビネーションは、各リール3L、3C、3Rが停止した場合に、有効ラインに沿って表示される各リール3L、3C、3Rの図柄組合せを意味する。それぞれのコンビネーションには、当該コンビネーションの役割や当該コンビネーションを構成する図柄の種別に応じたコンビネーション名が規定されている。
また、図柄組合せテーブルに規定する、払出枚数は、対応する図柄の組合せ(コンビネーション)が表示された際に払い出されるメダルの枚数を規定する。例えば、図11を参照すると、コンビネーション名「C_9枚A_01」が表示された場合には、9枚のメダルが払い出されることになる。
また、図柄組合せテーブル中の内容欄は、それぞれの図柄の組合せの役割や、それぞれの図柄の組合せの特徴を示す。図9を参照して、例えば、コンビネーション名「C_BB1」「C_BB2」は、BBに係る図柄の組合せであり、有効ラインに沿って表示されると、遊技状態がボーナス状態に移行する(図6参照)。
また、コンビネーション名「R_RT移行目A_01」~「R_RT移行目B_02」は、ベルこぼし目である。有効ラインに沿ってベルこぼし目が表示されると、RT遊技状態がRT2遊技状態に移行する(図6参照)。
また、コンビネーション名「C_維持リプA_01」~「C_維持リプG_01」は、リプレイである。リプレイは、表示窓4に表示されるボトムライン、トップライン又はクロスダウンラインの3つのラインのいずれかに「リプレイ-リプレイ-リプレイ」が表示される図柄の組合せである。有効ラインに沿ってリプレイが表示されると、再遊技の作動が行われる。
また、コンビネーション名「C_RT2リプA_01」、「C_RT2リプA_02」は、RT2移行リプである。RT2移行リプは、表示窓4に表示されるクロスアップラインに「リプレイ-リプレイ-リプレイ」が表示される図柄の組合せである。有効ラインに沿ってRT2移行リプが表示されると、再遊技の作動が行われるとともに、RT遊技状態がRT2遊技状態に移行する(図6参照)。
また、コンビネーション名「C_RT3リプ_01」は、RT3移行リプである。RT3移行リプは、表示窓4に表示されるセンターライン(有効ライン)に「リプレイ-リプレイ-リプレイ」が表示される図柄の組合せである。有効ラインに沿ってRT3移行リプが表示されると、再遊技の作動が行われるとともに、RT遊技状態がRT3遊技状態に移行する(図6参照)。
また、コンビネーション名「C_RT4リプA_01」~「C_RT4リプD_02」は、RT4移行リプである。有効ラインに沿ってRT4移行リプが表示されると、再遊技の作動が行われるとともに、RT遊技状態がRT4遊技状態に移行する(図6参照)。
また、コンビネーション名「C_チリリプA_01」~「C_1確チリリプD_01」は、チリリプである。チリリプは、表示窓4にチリ図柄が表示される図柄の組合せである。ここで、図8に示すように、本実施形態では、各リール上に図柄「チリ上1」と図柄「チリ下」とを連続して配置している。チリ図柄とは、図柄「チリ上1」と図柄「チリ下」とを一つの図柄として捉えた場合の名称である。有効ラインに沿ってチリリプが表示されると、再遊技の作動が行われる。
なお、チリリプのうち、コンビネーション名「C_チリリプA_01」は、表示窓4に表示されるリール3L、3C、3Rのうちの一つのリールにのみチリ図柄が表示される図柄の組合せであり、以下では「単チリリプ」と呼ぶことがある。また、チリリプのうち、コンビネーション名「C_チリリプB_01」「C_チリリプC_01」は、表示窓4に表示されるリール3L、3C、3Rのうちの二つのリールにチリ図柄が表示される図柄の組合せであり、以下では「2連チリリプ」と呼ぶことがある。また、チリリプのうち、コンビネーション名「C_チリリプD_01」~「C_1確チリリプD_01」は、表示窓4に表示されるリール3L、3C、3Rの全てにチリ図柄が表示される図柄の組合せ(又は当該図柄の組合せを表示させるための停止操作に失敗した際に(いわゆる、目押ミス時)に表示される図柄の組合せ)であり、以下では「3連チリリプ」と呼ぶことがある。
また、コンビネーション名「C_リーチ目リプA_01」~「C_リーチ目リプP_02」は、リーチ目リプである。リーチ目リプは、いわゆるリーチ目であり、表示窓4Lに特別な図柄の組合せが表示される図柄の組合せである。例えば、コンビネーション名「C_リーチ目リプA_01」は、トップラインに沿って「白7-白7-白7」が表示される図柄の組合せである。有効ラインに沿ってリーチ目リプが表示されると、再遊技の作動が行われる。
また、コンビネーション名「C_RB役A_01」~「C_RB役G_02」は、BB中9枚出目である。有効ラインに沿ってBB中9枚出目が表示されると、9枚のメダルが払い出される。なお、BB中9枚出目のうち、コンビネーション名「C_RB役C_01」、「C_RB役C_02」を除く図柄の組合せは、表示窓4に表示される5本のラインのいずれかに7図柄(図柄「白7」又は図柄「青7」)が3つ並んで表示される図柄の組合せ(又は当該図柄の組合せを表示させるための停止操作に失敗した際に表示される図柄の組合せ)であり、以下では「BB中7揃い」と呼ぶことがある。一方、コンビネーション名「C_RB役C_01」、「C_RB役C_02」は、5本のラインのいずれかに7図柄が2つ並んで表示される図柄の組合せであり、以下では「BB中7煽り」と呼ぶことがある。
また、コンビネーション名「C_9枚A_01」~「C_9枚H_04」は、ベルである。ベルは、表示窓4に表示される5本のラインのいずれかに「帽子-帽子-帽子」が表示される図柄の組合せである。有効ラインに沿ってベルが表示されると、9枚のメダルが払い出される。
また、コンビネーション名「C_1st_A_01」~「C_2nd_B_04」は、1枚出目である。有効ラインに沿って1枚出目が表示されると、1枚のメダルが払い出される。また、コンビネーション名「C_SP1_01」「C_SP2_01」は、確定出目である。有効ラインに沿って確定出目が表示されると、1枚のメダルが払い出される。
また、コンビネーション名「C_3枚A_01」~「C_3枚F_01」は、サボテンである。有効ラインに沿ってサボテンが表示されると、3枚のメダルが払い出される。また、コンビネーション名「C_弱2枚A_01」~「C_弱2枚B_03」は、弱チェリーであり、コンビネーション名「C_強2枚A_01」~「C_強2枚C_09」は、強チェリーである。有効ラインに沿って弱チェリー又は強チェリーが表示されると、2枚のメダルが払い出される。
<内部抽籤テーブル>
続いて、図13及び図14を参照して、内部当籤役を決定する際に参照される内部抽籤テーブルについて説明する。内部抽籤テーブルは、遊技状態ごとに設けられ、それぞれの役に対応する抽籤値の情報を規定する。図13は、RT0遊技状態~RT4遊技状態のそれぞれにおいて参照される内部抽籤テーブルであり、図14は、RT5遊技状態又はボーナス状態において参照される内部抽籤テーブルである。
本実施形態では、予め定められた数値の範囲「0~65535」から抽出される抽籤用乱数値を、各役に応じた抽籤値で順次減算し、減算の結果が負となったか否か(いわゆる「桁かり」が生じたか否か)の判定を行うことによって内部的な抽籤が行われる。
したがって、抽籤値として規定されている数値が大きいほど、これが割り当てられた役が内部当籤役として決定される確率が高い。すなわち、各番号の当籤確率は、「各番号に対応する抽籤値/抽出される可能性のある全ての乱数値の個数(65536)」によって表すことができる。
内部抽籤テーブルは、基本的には、RT遊技状態の種別に応じて内部当籤役として決定されるリプレイに係る役の種別及び当籤確率が変化する。図13に示すRT0遊技状態~RT4遊技状態の内部抽籤テーブルを比較すると、それぞれの遊技状態において内部当籤役として決定されるリプレイに係る役の種別及び当籤確率が異なることが分かる。最も特徴的な点として、本実施形態のパチスロ機1では、「F_チリリプ(No.25)」~「F_リーチ目リプD(No.31)」は、RT0遊技状態~RT3遊技状態では内部当籤役として決定されることなく、RT4遊技状態でのみ内部当籤役として決定される。パチスロ機1では、RT4遊技状態中に、「F_チリリプ(No.25)」~「F_リーチ目リプD(No.31)」が内部当籤役として決定された場合には、特有の制御(後述のフラグ変換)を行うが、この特有の制御については後述する。
なお、RT0遊技状態~RT3遊技状態であっても、「F_リーチ目リプA~D」については「F_BB1,2」とともに内部当籤役として決定されることはあるものの(No.3~6、No.15~18参照)、「F_リーチ目リプA~D」が単独で内部当籤役として決定されることはない。そのため、RT0遊技状態~RT3遊技状態中に「F_リーチ目リプA~D」が内部当籤役として決定された場合(遊技者からすると「F_リーチ目リプA~D」に応じた図柄の組合せが表示された場合)、ボーナスに係る役(F_BB1,2)が同時に内部当籤役として決定されていることになる。
また、フラグ間状態であるRT5遊技状態は、上述のようにボーナスに係る役を内部当籤役として持ち越す。そのため、図14に示すRT5遊技状態の内部抽籤テーブルでは、持ち越しているボーナスに係る役が必ず内部当籤役として決定されるようになっている。
<内部当籤役と図柄組合せの比較表>
図15~図20は、それぞれの役が内部当籤役として決定された場合に各内部当籤役において有効ライン上に表示可能な図柄の組合せ(コンビネーション)との対応関係を示す比較表である。各対応表における丸印は、内部当籤役として決定された役において、有効ライン上に表示可能な図柄の組合せ(コンビネーション)を示す。
パチスロ機1では、主制御基板71は、内部当籤役及び遊技状態に応じて停止制御を異ならせ、所定の役が内部当籤役として決定された場合に、図16~図22に示す対応関係の図柄の組合せ(コンビネーション)を表示可能にリール3L,3C,3Rの回転を停止する。なお、図16~図22に示す対応表では、役が内部当籤役として決定された場合に表示される可能性のある全ての図柄の組合せを列挙しているが、役に対応して丸印が付された図柄の組合せであっても、表示されないことがある。
すなわち、パチスロ機1では、停止表示可能な図柄の組合せや現在の遊技状態に応じて停止制御(例えば、優先して引き込む図柄)を異ならせることとしており、優先して引き込む図柄の関係上、丸印が付された図柄の組合せであっても表示されないことがある。そこで、役の種別と実際に停止表示される図柄の組合せとの対応関係を、図21及び図22に示す。
<非フラグ間中の当籤役と停止表示される図柄の組合せとの対応関係>
図21は、フラグ間状態を除く遊技状態中の当籤役と停止表示される図柄の組合せとの対応関係(一部の役については省略)とを示す図である。パチスロ機1では、複数の役として、停止操作の順序(押し順)に応じて表示される図柄の組合せが異なる役である「押し順役」を設ける。図21における「押し順正解」に対応付けられた図柄の組合せは、押し順に応じて表示される図柄の組合せのうち、遊技者にとって有利な図柄の組合せであり、「押し順不正解」に対応付けられた図柄の組合せは、押し順に応じて表示される図柄の組合せのうち、遊技者にとって不利な図柄の組合せである。遊技者にとって有利な停止操作を報知する場合、正解となる押し順を報知し、結果、「押し順正解」に対応付けられた図柄の組合せが表示されることになる。なお、ART遊技状態であっても、不正解となる押し順を報知することもあるが、詳しくは後述する。
ここで、本実施形態では、押し順役の名称の末尾は、正解となる押し順を表している。具体的には、役の名称の末尾「1st」は、正解となる押し順が、第1停止操作が左のリール3Lに対するものであることを意味し、役の名称の末尾「2nd」は、正解となる押し順が、第1停止操作が中のリール3Cに対するものであることを意味し、役の名称の末尾「3rd」は、正解となる押し順が、第1停止操作が右のリール3Rに対するものであることを意味している。また、役の名称の末尾「123」は、正解となる押し順が「左、中、右」であることを意味し、役の名称の末尾「132」は、正解となる押し順が「左、右、中」であることを意味し、役の名称の末尾「213」は、正解となる押し順が「中、左、右」であることを意味し、役の名称の末尾「231」は、正解となる押し順が「左、右、中」であることを意味している。
図21に示すように役「F_チリリプ」は、押し順に応じて表示される図柄の組合せが異なる役であり、押し順が正解である場合には、チリリプ(図9参照)のうちの図15~図20に示した表示可能な図柄の組合せのいずれかが有効ラインに沿って表示され、また、押し順が正解でない場合には、リプレイ(図9参照)のうちの図15~図20に示した表示可能な図柄の組合せのいずれかが有効ラインに沿って表示される。なお、図15~図20を参照すると、役「F_チリリプ」は、3連チリリプ(「C_チリリプD_01」~「C_1確チリリプD_01」)を表示できず、単チリリプ又は2連チリリプ(「C_チリリプA_01」「C_チリリプB_01」「C_チリリプC_01」)しか表示できないことが分かる。すなわち、役「F_チリリプ」は、3連チリリプを表示できない役である。
また、役「F_確チリリプ」「F_1確チリリプ」は、押し順に応じて表示される図柄の組合せが異なる役であり、押し順が正解である場合には、チリリプ(図9参照)のうちの図15~図20に示した表示可能な図柄の組合せのいずれかが有効ラインに沿って表示され、また、押し順が正解でない場合には、リプレイ(図9参照)のうちの図15~図20に示した表示可能な図柄の組合せのいずれかが有効ラインに沿って表示される。なお、図15~図20を参照すると、役「F_確チリリプ」「F_1確チリリプ」は、3連チリリプを表示できることが分かる。すなわち、役「F_確チリリプ」「F_1確チリリプ」は、3連チリリプを表示できる役である。
また、役「F_リーチ目リプA」~「F_リーチ目リプD」は、押し順に応じて表示される図柄の組合せが異なる役であり、押し順が正解である場合には、リーチ目リプ(図9、図10参照)のうちの図15~図20に示した表示可能な図柄の組合せのいずれかが有効ラインに沿って表示され、また、押し順が正解でない場合には、リプレイ(図9参照)のうちの図15~図20に示した表示可能な図柄の組合せのいずれかが有効ラインに沿って表示される。
なお、役「F_チリリプ」「F_確チリリプ」「F_1確チリリプ」及び役「F_リーチ目リプA」~「F_リーチ目リプD」における正解の押し順は、任意であってよいが、本実施形態では、第1停止操作が左のリール3Lに対するものである押し順を正解の押し順としている。そのため、例えば、役「F_リーチ目リプA」が内部当籤役として決定されている遊技において、遊技者が左のリール3Lに対して第1停止操作を行った場合には、リーチ目リプが表示されることになる。
また、役「F_維持リプA」「F_維持リプB」は、押し順に関わらずリプレイ(図9参照)のうちの図15~図20に示した表示可能な図柄の組合せのいずれかが有効ラインに沿って表示される。また、役「F_維持リプ_1st」~「F_維持リプ_3rd」は、押し順に応じて表示される図柄の組合せが異なる役であり、押し順が正解である場合には、リプレイ(図9参照)のうちの図15~図20に示した表示可能な図柄の組合せのいずれかが有効ラインに沿って表示され、また、押し順が正解でない場合には、RT2移行リプ(図9参照)のうちの図15~図20に示した表示可能な図柄の組合せのいずれかが有効ラインに沿って表示される。
また、役「F_RT3リプ_1st」~「F_RT3リプ_3rd」は、押し順に応じて表示される図柄の組合せが異なる役であり、押し順が正解である場合には、RT3移行リプ(図9参照)が有効ラインに沿って表示され、また、押し順が正解でない場合には、リプレイ(図9参照)のうちの図15~図20に示した表示可能な図柄の組合せのいずれかが有効ラインに沿って表示される。
また、役「F_RT4リプ_123」~「F_RT4リプ_3rd」は、押し順に応じて表示される図柄の組合せが異なる役であり、押し順が正解である場合には、RT4移行リプ(図9参照)が有効ラインに沿って表示され、また、押し順が正解でない場合には、リプレイ(図9参照)のうちの図15~図20に示した表示可能な図柄の組合せのいずれかが有効ラインに沿って表示される。
また、役「F_3択ベル_1st」~「F_3択ベル_3rd」は、押し順に応じて表示される図柄の組合せが異なる役であり、押し順が正解である場合には、ベル(図11参照)が有効ラインに沿って表示され、また、押し順が正解でない場合には、ベルこぼし目(図9参照)又は1枚出目(図11、図12参照)が表示される。
また、役「F_共通ベル」は、押し順に関わらずベル(図11参照)のうちの図15~図20に示した表示可能な図柄の組合せのいずれかが有効ラインに沿って表示される。また、役「F_サボ1」「F_サボ2」は、押し順に関わらずサボテン(図12参照)のうちの図15~図20に示した表示可能な図柄の組合せのいずれかが有効ラインに沿って表示される。
また、役「弱チリ」は、押し順に関わらず弱チェリー(図12参照)のうちの図15~図20に示した表示可能な図柄の組合せのいずれかが有効ラインに沿って表示される。また、役「F_強チリ1」「F_強チリ2」は、押し順に関わらず強チェリー(図12参照)のうちの図15~図20に示した表示可能な図柄の組合せのいずれかが有効ラインに沿って表示される。
<フラグ間中の当籤役と停止表示される図柄の組合せとの対応関係>
図22は、フラグ間状態中の当籤役と停止表示される図柄の組合せとの対応関係(一部の役については省略)とを示す図であり、特に、フラグ間状態中にBB(「C_BB1」「C_BB2」)を表示可能であるか否を示す。図22の「BBの成立可否」において「○」とは、BBを表示可能であることを示し、「×」は、BBを表示不可能であることを示す。
なお、BBを表示不可能な場合には、内部当籤役として決定されているボーナスに係る役以外の役に応じた図柄の組合せが表示されることになる。このボーナスに係る役以外の役に応じて表示される図柄の組合せは、図21において示した通りである。例えば、役「F_BB1+F_チリリプ」では、BBを表示することはできずに、図21の役「F_チリリプ」に示した対応関係の図柄の組合せが表示される。この場合において、フラグ間状態中は、図21に示す押し順正解時に表示される図柄の組合せのみを表示可能にしてもよく、また、押し順不正解時に表示される図柄の組合せのみを表示可能にしてもよい。
例えば、役「F_BB1+F_3択ベル_1st」では、BBを表示することはできないため、図21の役「F_3択ベル_1st」に示した対応関係の図柄の組合せが表示されることになるが、この場合には、押し順正解時に表示されるベルのみを表示可能にし、押し順不正解時に表示されるベルこぼし目や1枚出目を表示不可能にしてもよい。また、役「F_BB1+F_RT3リプ_1st」の場合に、押し順不正解時に表示されるリプレイのみを表示可能にし、押し順正解時に表示されるRT3移行リプを表示不可能にしてもよい。
図22に示すように、フラグ間状態では、ボーナスに係る役と「はずれ」「F_特殊1」「F_特殊2」「F_特殊3」のいずれかとが内部当籤役として決定されている場合に、BBを表示することができる。
<当籤役の略称>
以上、当籤役と停止表示される図柄の組合せとの対応関係について説明した。続いて、一般遊技状態やART遊技状態などで各種抽籤を行う際に用いられるデータテーブルについて説明するが、以下では、当該データテーブルを参照する際に用いる当籤役を略称で表すため、当該データテーブルの説明の前に当籤役の略称について説明する。図23は、当籤役の略称を示す図である。
図23(A)に示すように、以下において、役「F_BB1」「F_BB2」は役「BB」呼び、役「F_3択ベル_1st」~「F_3択ベル_3rd」は役「押し順ベル」呼び、役「F_共通ベル」は役「共通ベル」呼び、役「F_サボ1」「F_サボ2」は役「サボテン」呼び、役「F_弱チリ」は役「弱チェリー」呼び、役「F_強チリ1」「F_強チリ2」は役「強チェリー」と呼ぶ。
また、役「F_確チリリプ」「F_1確チリリプ」は、フラグ変換抽籤に当籤すると役「3連チリリプ」と呼び、フラグ変換抽籤に非当籤すると「リプレイ」と呼ぶ。同様に、役「F_リーチ目リプA」~「F_リーチ目リプD」は、フラグ変換抽籤に当籤すると役「リーチ目リプ」と呼び、フラグ変換抽籤に非当籤すると「リプレイ」と呼ぶ。
(フラグ変換抽籤)
ここで、図23(B)を参照して、フラグ変換抽籤について説明する。本実施形態のパチスロ機1では、RT4遊技状態中に役「F_確チリリプ」「F_1確チリリプ」「F_リーチ目リプA」~「F_リーチ目リプD」のいずれかが単独で内部当籤役として決定されると、フラグ変換抽籤を行う。そして、パチスロ機1では、このフラグ変換抽籤に当籤した場合に特別な特典(例えば、ARTゲーム数の上乗せやCT当籤)を付与する。
図21に示したように、役「F_確チリリプ」「F_1確チリリプ」は、押し順正解時に「3連チリリプ」の図柄の組合せが表示され、押し順不正解時に「リプレイ」の図柄の組合せが表示される。パチスロ機1では、フラグ変換抽籤に当籤した場合に、役「F_確チリリプ」「F_1確チリリプ」を役「3連チリリプ」として扱い、「3連チリリプ」の図柄の組合せを表示するための情報を報知する(例えば、順押しでチリ図柄を狙わせる)。一方で、フラグ変換抽籤に非当籤した場合に、役「F_確チリリプ」「F_1確チリリプ」を役「リプレイ」として扱い、「リプレイ」の図柄の組合せを表示するための情報を報知する(例えば、順押し以外の押し順を報知する)。
同様に、役「F_リーチ目リプA」~「F_リーチ目リプD」は、押し順正解時に「リーチ目リプ」の図柄の組合せが表示され、押し順不正解時に「リプレイ」の図柄の組合せが表示される。パチスロ機1では、フラグ変換抽籤に当籤した場合に、役「F_リーチ目リプA」~「F_リーチ目リプD」を役「リーチ目リプ」として扱い、「リーチ目リプ」の図柄の組合せを表示させるための情報を報知する(例えば、順押しで図柄「白7」を狙わせる)。一方で、フラグ変換抽籤に非当籤した場合に、役「F_リーチ目リプA」~「F_リーチ目リプD」を役「リプレイ」として扱い、「リプレイ」の図柄の組合せを表示するための情報を報知する。
この報知に従い停止操作を行うことで、フラグ変換抽籤に当籤した場合に、「3連チリリプ」又は「リーチ目リプ」の図柄の組合せが表示され、特別な特典が付与されることになる。パチスロ機1からすると、フラグ変換抽籤に当籤したことに応じて特別な特典を付与しているものの、遊技者からすると、「3連チリリプ」の図柄の組合せが表示されたことで特別な特典が付与されたと感じることになる。
パチスロ機の遊技性を高めるためには、特典が付与される図柄の組合せの出現頻度が一定であるよりも、状態に応じて異なる方が好ましいことがある。停止制御(表示される図柄の組合せ)は、内部当籤役の種類によって異なるため、特典が付与される図柄の組合せの出現頻度を状態に応じて異ならせる手法としては、役の当籤確率を異ならせる手法も考えられる(パチスロ機1では、役の当籤確率は、ボーナスの作動の有無やRT遊技状態に応じて異ならせることができるため、例えば、ART遊技状態に対応する遊技状態としてRT4遊技状態だけでなく、RT6遊技状態やRT7遊技状態などの他の遊技状態を設けるという手法も考えられる)。しかしながら、役の当籤確率を異ならせる契機(RT遊技状態の移行契機)は限定されているため、この手法では柔軟性に欠けてしまう。
そこで、本実施形態のパチスロ機1では、役の当籤確率は変えることなく、内部当籤役を決定するための内部抽籤に加え、フラグ変換抽籤及びその抽籤結果に基づく報知を行うことで、特典が付与される図柄の組合せの出現頻度を状態に応じて柔軟に異ならせることができる。すなわち、フラグ変換抽籤に当籤し易い状態では、特典が付与される図柄の組合せの出現頻度を上げることができ、反対に、フラグ変換抽籤に当籤し難い状態では、特典が付与される図柄の組合せの出現頻度を下げることができる。
なお、以下では、役「F_確チリリプ」「F_1確チリリプ」が内部当籤役として決定された場合のフラグ変換抽籤に当籤することを、役「F_確チリリプ」「F_1確チリリプ」を「3連チリリプ」に変換する(又は単に「3連チリリプ」に変換する)と称することがあり、また、役「F_リーチ目リプA」~「F_リーチ目リプD」が内部当籤役として決定された場合のフラグ変換抽籤に当籤することを、役「F_リーチ目リプA」~「F_リーチ目リプD」を「リーチ目リプ」に変換する(又は単に「リーチ目リプ」に変換する)と称することがある。
[一般遊技状態中の遊技の流れ]
続いて、図24を参照して、一般遊技状態中の遊技の流れについて説明する。パチスロ機1では、一般遊技状態の通常遊技状態から一般遊技状態のCZに移行し、その後、一般遊技状態のCZからART遊技状態に移行することで、一般遊技状態(非ART)からART遊技状態への移行が行われる(図7参照)。図24(A)は、一般遊技状態の通常遊技状態から一般遊技状態のCZに移行する際の遊技の流れを示す図である。
図24(A)に示すように、通常遊技状態は、CZの抽籤状態として低確率状態と高確率状態とを有する。この低確率状態及び高確率状態は、通常遊技状態中に行われるCZ抽籤に当籤する期待度がそれぞれ異なる状態であり、低確率状態はCZ抽籤に当籤し難く、高確率状態はCZ抽籤に当籤し易い状態である。なお、通常遊技状態中に行われるCZ抽籤に当籤した場合には、通常遊技状態からCZに遊技状態が移行することになる(図7参照)。
本実施形態のパチスロ機1では、CZ(チャンスゾーン)として、CZ1,CZ2及びCZ3の複数のチャンスゾーンを有する。これらCZ1~CZ3は、CZ中に行われるART抽籤に当籤する期待度が異なるチャンスゾーンであり、CZ3は、ART抽籤に必ず当籤するチャンスゾーンであり、CZ1,CZ2は、所定の確率でART抽籤に当籤するチャンスゾーンである。通常遊技状態中に行われるCZ抽籤では、これらCZ1~CZ3の中から通常遊技状態から移行するCZを抽籤する。
続いて、図24(B)は、一般遊技状態のCZ1,CZ2からART遊技状態に移行する際の遊技の流れを示す図である。CZ1,CZ2は、前半部と後半部とから構成される。前半部は、CZ中に行われるART抽籤に当籤する期待度が異なるランクを昇格させる期間であり、後半部は、ランクに基づくART抽籤の抽籤結果をバトル演出により報知する期間である。
CZ1中は、ランクとして6段階のモードを用い、モードが上がるほど、ART抽籤に当籤する期待度が高くなる。CZ1の前半部は、第1ゲーム数(例えば、最大で12ゲーム)継続し、内部当籤役に基づいてモードの昇格抽籤を行う。そして、CZ1の後半部の1ゲーム目に前半部で昇格させたモードに基づいてART抽籤を行う。
また、CZ2中は、ランクとして10段階のポイントを用い、ポイントが上がるほど、ART抽籤に当籤する期待度が高くなる。CZ2の前半部は、第2ゲーム数(例えば、最大で15ゲーム)継続し、内部当籤役に基づいてポイントの昇格抽籤を行う。そして、CZ2の後半部の1ゲーム目に前半部で昇格させたポイントに基づいてART抽籤を行う。
CZ1の後半部では、味方キャラクタと敵キャラクタAとが対戦するバトル演出が行われ、CZ2の後半部では、味方キャラクタと敵キャラクタBとが対戦するバトル演出が行われる。このバトル演出は、第3ゲーム数(例えば、最大で4ゲーム)継続し、ART抽籤の結果に基づき勝敗が管理され、ART抽籤に当籤している場合には味方キャラクタが勝利し、非当籤している場合には敵キャラクタが勝利する。また、CZ1,CZ2の後半部では、毎ゲーム、内部当籤役に基づいてART抽籤を行い、このART抽籤に当籤した場合には、バトル演出の結果を書き換える。すなわち、バトル演出中にいわゆるレア役が内部当籤役として決定されると、ART抽籤を行い、その結果に基づいてバトル演出の結果を書き換える。
CZ1,CZ2において、ARTに非当籤の場合には、後半部のバトル演出で敗北し、基本的には、その後、遊技状態が通常遊技状態に移行する。一方、CZ1,CZ2において、ARTに当籤している場合には、後半部のバトル演出で勝利し、その後、遊技状態がART準備中を経由して通常ARTに移行する。なお、CZ1,CZ2の前半部では、フリーズが発生することもあり、この場合には、遊技状態が(ART準備中を経由して)通常ARTではなくCT(上乗せチャンスゾーン)に移行する。
続いて、図24(C)は、一般遊技状態のCZ3からART遊技状態に移行する際の遊技の流れを示す図である。CZ3は、第4ゲーム数(例えば、最大で17ゲーム)継続し、毎ゲーム、内部当籤役に基づいてART抽籤を行う。CZ3は、ART抽籤に当籤した時点で終了し、次ゲームから遊技状態がART準備中を経由してCT(上乗せチャンスゾーン)に移行する。また、CZ3では、フリーズが発生することもあり、この場合にも、次ゲームから遊技状態がART準備中を経由してCT(上乗せチャンスゾーン)に移行する。一方で、CZ3中のART抽籤に非当籤のまま第4ゲーム数が経過した場合、遊技状態がART準備中を経由して通常ARTに移行する。すなわち、CZ3は、移行した時点でART遊技状態への移行が確定しているチャンスゾーンである。
[一般遊技状態中に用いるデータテーブル]
続いて、図25~図30を参照して、一般遊技状態中に用いるデータテーブルについて説明する。
<通常中高確率抽籤テーブル>
図25は、CZの抽籤状態(低確率及び高確率)の移行抽籤に用いられる通常中高確率抽籤テーブルである。本実施形態のパチスロ機1では、内部当籤役に基づいてCZの抽籤状態を移行させるとともに、ボーナス終了時やCZ,ART終了時にもCZの抽籤状態を移行させる。図25(A)は、内部当籤役に基づいてCZの抽籤状態を移行させる際に用いられる通常中高確率抽籤テーブルであり、通常遊技状態中に毎ゲーム参照される。また、図25(B)は、ボーナス終了時などにCZの抽籤状態を移行させる際に用いられる通常中高確率抽籤テーブルであり、設定変更時、ボーナス終了時又はCZ,ART終了時に参照される。
図25(A)に示す通常中高確率抽籤テーブルは、現在のCZの抽籤状態及び当籤役に対応付けて、移行後のCZの抽籤状態についての抽籤値の情報を規定する。
なお、以下に示す各種データテーブルでは、抽籤値の情報を概念的に示している。図中「0」は、抽籤確率「0%」に相当する抽籤値が規定されていることを意味し、「極々低」は、抽籤確率「0%~1%未満」に相当する抽籤値が規定されていることを意味し、「極低」は、抽籤確率「1%~10%未満」に相当する抽籤値が規定されていることを意味し、「低」は、抽籤確率「10%~30%未満」に相当する抽籤値が規定されていることを意味し、「中」は、抽籤確率「30%~60%未満」に相当する抽籤値が規定されていることを意味し、「高」は、抽籤確率「60%~80%未満」に相当する抽籤値が規定されていることを意味し、「極高」は、抽籤確率「80%~99%未満」に相当する抽籤値が規定されていることを意味し、「極々高」は、抽籤確率「99%~100%未満」に相当する抽籤値が規定されていることを意味し、「確定」は、抽籤確率「100%」に相当する抽籤値が規定されていることを意味する。
そして、以下に示す各種データテーブルでは、予め定められた数値の範囲(確率分母が256の場合には「0~255」、確率分母が65536の場合には「0~65535」)から抽出される抽籤用乱数値を、規定された抽籤値で順次減算し、減算の結果が負となったか否か(いわゆる「桁かり」が生じたか否か)の判定を行うことによって内部的な抽籤が行われる。
図25(A)に示す通常中高確率抽籤テーブルを参照すると、現在のCZの抽籤状態が低確率である場合には、弱チェリーが内部当籤役である場合に高確率に移行し易いことが分かる。また、現在のCZの抽籤状態が高確率である場合には、共通ベル、サボテン、弱チェリー、強チェリーのいずれかが内部当籤役として決定されることで、高確率が維持されることが分かる。
図25(B)に示す通常中高確率抽籤テーブルは、参照する際の状況に応じて移行後のCZの抽籤状態についての抽籤値の情報を規定する。図25(B)に示す通常中高確率抽籤テーブルを参照すると、ボーナス終了時にはCZの抽籤状態が必ず高確率に移行することが分かる。
<CZ抽籤テーブル>
図26は、CZ抽籤に用いられるCZ抽籤テーブルであり、図26(A)は、通常遊技状態中に内部当籤役に基づいてCZ抽籤を行う際に用いられるCZ抽籤テーブルであり、図26(B)は、CZ失敗時やART終了時にCZの引き戻しを行うか否かのCZ抽籤を行う際に用いられるCZ抽籤テーブルである。
図26(A)に示すCZ抽籤テーブルは、現在のCZの抽籤状態及び内部当籤役に対応付けて、CZ1、CZ2,CZ3の当籤/非当籤に関する抽籤値の情報を規定する。図26(A)に示すCZ抽籤テーブルを参照すると、現在のCZの抽籤状態が高確率中である場合は、低確率中である場合よりもCZ抽籤に当籤する確率が高いことが分かる。
図26(B)に示すCZ抽籤テーブルは、CZ1、CZ2,CZ3の当籤/非当籤に関する抽籤値の情報を規定する。CZ失敗時(CZ1、CZ2中のART抽籤に非当籤時)やART遊技状態の終了時には、図26(B)に示すCZ抽籤テーブルを用いてCZの引き戻し抽籤が行われる。
<CZ1中モードアップ抽籤テーブル>
図27は、CZ1の前半部においてCZ1のモードアップ抽籤に用いられるCZ1中モードアップ抽籤テーブルである。CZ1中モードアップ抽籤テーブルは、現在のモード及び内部当籤役に対応付けて、モードアップ抽籤の結果についての抽籤値の情報を規定する。後述の図29(A)に示すように、CZ1では、モードが上がるほどART抽籤に当籤する確率が上がり、モード6まで上がると、ART抽籤に必ず当籤する。なお、抽籤結果の「モード1UP」とは、CZ1のモードが1上がることを意味し、抽籤結果の「モード2UP」とは、CZ1のモードが2上がることを意味する。すなわち、現在のモードが「2」である状況で、「モード2UP」に当籤すると、CZ1のモードは「2」から「4」に上がることになる。また、抽籤結果の「モード6UP_フリーズ発生」に当籤すると、フリーズが発生し、ART抽籤に当籤するとともにCTが付与される。
<CZ2中ポイント抽籤テーブル>
図28は、CZ2の前半部においてCZ2のポイントアップ抽籤に用いられるCZ2中ポイント抽籤テーブルである。CZ2中ポイント抽籤テーブルは、現在のポイント及び内部当籤役に対応付けて、ポイントアップ抽籤の結果についての抽籤値の情報を規定する。後述の図29(B)に示すように、CZ2では、ポイントが上がるほどART抽籤に当籤する確率が上がり、ポイント10まで上がると、ART抽籤に必ず当籤する。なお、抽籤結果の「ポイント2UP」とは、CZ2のポイントが2上がることを意味し、例えば、現在のポイントが「2」である状況で、「ポイント2UP」に当籤すると、CZ2のポイントは「2」から「4」に上がることになる。また、抽籤結果の「ポイント10UP_フリーズ発生」に当籤すると、フリーズが発生し、ART抽籤に当籤するとともにCTが付与される。
<CZ中ART抽籤テーブル>
図29及び図30は、CZ中のART抽籤に用いられるCZ中ART抽籤テーブルであり、図29(A)は、CZ1の後半部の1ゲーム目に用いられるCZ中ART抽籤テーブル(CZ1用)であり、図29(B)は、CZ2の後半部の1ゲーム目に用いられるCZ中ART抽籤テーブル(CZ2用)であり、図29(C)は、CZ1,CZ2の後半部に用いられるCZ中ART抽籤テーブル(CZ1,CZ2共通 後半バトル中用)であり、図29(D)は、CZ3中のART抽籤に用いられるCZ中ART抽籤テーブル(CZ3用)である。
図29(A)に示すCZ中ART抽籤テーブル(CZ1用)は、現在のモードに対応付けてART抽籤の当籤の有無についての抽籤値の情報を規定する。また、図29(B)に示すCZ中ART抽籤テーブル(CZ2用)は、現在のポイントに対応付けてART抽籤の当籤の有無についての抽籤値の情報を規定する。CZ中ART抽籤テーブル(CZ1用)及びCZ中ART抽籤テーブル(CZ2用)を参照すると、CZ1,CZ2では前半部のランク(モード又はポイント)が上がるほど、ART抽籤に当籤し易いことが分かる。
図29(C)に示すCZ中ART抽籤テーブル(CZ1,CZ2共通 後半バトル中用)は、内部当籤役に対応付けてART抽籤の当籤の有無についての抽籤値の情報を規定する。CZ中ART抽籤テーブル(CZ1,CZ2共通 後半バトル中用)を参照すると、CZ1,CZ2の後半部において、レア役(弱チェリー、サボテン又は強チェリー)が内部当籤役として決定されると、所定の確率でART抽籤に当籤することが分かる。
図30(D)に示すCZ中ART抽籤テーブル(CZ3用)は、CZ3の継続ゲーム数及び内部当籤役に対応付けてART抽籤の当籤の有無についての抽籤値の情報を規定する。CZ中ART抽籤テーブル(CZ3用)を参照すると、CZ3中はART抽籤に当籤すると必ずCTにも当籤することが分かる。
[通常ART中の遊技の流れ]
続いて、図31を参照して、通常ART中の遊技の流れについて説明する。パチスロ機1では、ART遊技状態として、通常ARTとCTとを有し(図7参照)、CT中を上乗せチャンスゾーンとしている。そのため、パチスロ機1では、通常ART中は、CTへの移行を目指して遊技を行うことになる。図31(A)は、通常ART中のCTへの移行抽籤の流れを示す図である。
図31(A)に示すように、パチスロ機1は、通常ART中に行われる様々な抽籤に影響を与える状態として、ARTレベル及びCT抽籤状態を有する。ARTレベルは、レベル1~レベル4の4段階設けられ、主に通常ART中の継続ゲーム数に基づいて制御される。そして、ARTレベルは、CT抽籤状態の決定や後述する通常ART中のフラグ変換抽籤に対して影響を与える。また、CT抽籤状態は、低確率、通常、高確率及び超高確率の4段階設けられ、主としてARTレベルや通常ART中の内部当籤役に基づいて制御される。そして、CT抽籤状態は、通常ART中に行うCT抽籤や後述する通常ART中のフラグ変換抽籤に対して影響を与える。
(通常ART中のフラグ変換)
上述のように、本実施形態のパチスロ機1では、RT4遊技状態中(すなわち、ART遊技状態中)に役「F_確チリリプ」「F_1確チリリプ」「F_リーチ目リプA」~「F_リーチ目リプD」のいずれかが単独で内部当籤役として決定されると、フラグ変換抽籤を行い、その抽籤結果に応じて特別な特典(例えば、ARTゲーム数の上乗せやCT当籤)を付与する。図31(B)は、通常ART中のフラグ抽籤方法を示す図である。
図31(B)に示すように、パチスロ機1は、通常ART中は、ARTレベル及びCT抽籤状態を参照して、フラグ変換抽籤を行う。その結果、フラグ変換抽籤に当籤した場合には、特別な特典を付与するとともに、「3連チリリプ」の図柄の組合せや「リーチ目リプ」の図柄の組合せを表示させるための報知(例えば、順押しで所定の図柄を狙わせる報知)を行う。反対に、フラグ変換抽籤に非当籤した場合には、「リプレイ」の図柄の組合せを表示させるための報知(例えば、順押し以外の押し順の報知)を行う。遊技者がこの報知に従い停止操作を行うことで、報知内容に応じた図柄の組合せ、すなわち、フラグ変換抽籤に当籤した場合には「3連チリリプ」の図柄の組合せや「リーチ目リプ」の図柄の組合せが表示され、フラグ変換抽籤に非当籤した場合には「リプレイ」の図柄の組合せが表示される。
[通常ART中に用いるデータテーブル]
続いて、図32~図36を参照して、通常ART中に用いるデータテーブルについて説明する。
<ART中フラグ変換抽籤テーブル>
図32は、通常ART中のフラグ変換抽籤に用いられるART中フラグ変換抽籤テーブルである。本実施形態に係るパチスロ機1では、通常ART中のフラグ変換抽籤を2段階で行う。具体的には、役「F_確チリリプ」「F_1確チリリプ」が内部当籤役として決定されると、まず、1段階目のフラグ変換抽籤を行い、この1段階目のフラグ変換抽籤に当籤すると、その後、2段階目のフラグ変換抽籤を行う。そして、この2段階目のフラグ変換抽籤に当籤すると、役「F_確チリリプ」「F_1確チリリプ」を「3連チリリプ」に変換し、1段階目のフラグ変換抽籤又は2段階目のフラグ変換抽籤に非当籤すると、役「F_確チリリプ」「F_1確チリリプ」を「3連チリリプ」に変換することなく、「リプレイ」として扱う。
図32(A)は、1段階目のフラグ変換抽籤に用いられるART中フラグ変換抽籤テーブルであり、図32(B)は、2段階目のフラグ変換抽籤に用いられるART中フラグ変換抽籤テーブルである。図32(A)に示すART中フラグ変換抽籤テーブルは、内部当籤役に対応付けて1段階目のフラグ変換抽籤の抽籤結果についての抽籤値の情報を規定する。なお、パチスロ機1では、1段階目のフラグ変換抽籤を役「F_確チリリプ」「F_1確チリリプ」に対してのみ行い、役「F_リーチ目リプA」~「F_リーチ目リプD」については2段階目のフラグ変換抽籤のみを行う。
図32(B)に示すART中フラグ変換抽籤テーブルは、内部当籤役、ARTレベル及びCT抽籤状態に対応付けて2段階目のフラグ変換抽籤の抽籤結果についての抽籤値の情報を規定する。なお、通常ARTにおいて一度CTに当籤するまでは、項目「ARTレベル」の「初回(一度CTに当籤するまで)」欄が参照される。
ここで、図32(A)(B)に示すように、ART中フラグ変換抽籤テーブルのそれぞれでは、確率分母256の範囲の乱数値(0~255)を用いて1段階目及び2段階目のフラグ変換抽籤を行うため、2段階のフラグ変換抽籤は、確率分母65536の範囲の乱数値を用いて行う抽籤と擬制することができる。近年のパチスロ機では、従来サブ側で行っていた出玉に関する抽籤(ART抽籤など)をメイン側で行うことが求められているが、メイン側の記憶手段(ROM)の容量が限られているため、容量を抑えつつ遊技性を損なうことのない抽籤を可能にする仕組みが求められている。
この点、本発明に係るパチスロ機1では、確率分母256を2段階で行うことで、確率分母65536の抽籤を行うことができるため、容量を抑えることができる。また、2段階目の抽籤に対して、ARTレベルやCT抽籤状態を参照することで、内部当籤役だけでなく現在の状態に応じてフラグ変換抽籤を行うことができるため、多様な遊技性を持ったフラグ変換抽籤を行うことができる。
<ARTレベル決定テーブル>
図33は、ARTレベルを決定するために用いるARTレベル決定テーブルである。ARTレベルの決定は、ART遊技状態への移行が決まったART当籤時、及び通常ART中に行われる。図33(A)は、ART当籤時にARTレベルを決定するためのARTレベル決定テーブルであり、図33(B)は、通常ART中にARTレベルを決定するためのARTレベル決定テーブルである。
図33(A)に示すARTレベル決定テーブルは、ARTレベルごとに抽籤値の情報を規定する。なお、ART当籤時にフリーズが発生していた場合(図27など参照)には、ARTレベルとしてARTレベル2が決定される。図33(B)に示すARTレベル決定テーブルは、現在のARTレベル及び通常ART中の継続ゲーム数に対応付けて、移行先のARTレベルについての抽籤値の情報を規定する。また、図33(B)に示すARTレベル決定テーブルは、現在のARTレベル及びCT突入時の通常ART中の継続ゲーム数に対応付けて、移行先のARTレベルについての抽籤値の情報を規定する。すなわち、通常ART中では、継続ゲーム数に応じてARTレベルが移行するとともに、通常ARTからCTに突入したタイミングでもARTレベルが移行する。
<通常ART中高確率抽籤テーブル>
図34は、通常ART中のCT抽籤状態を抽籤するための通常ART中高確率抽籤テーブルである。通常ART中高確率抽籤テーブルは、現在のCT抽籤状態及び内部当籤役に対応づけて、移行先のCT抽籤状態についての抽籤値の情報を規定する。通常ART中高確率抽籤テーブルを参照すると、役「3連チリリプ(役「F_確チリリプ」「F_1確チリリプ」当籤時のフラグ変換抽籤に当籤)」や役「リーチ目リプ(役「F_リーチ目リプA」~「F_リーチ目リプD」当籤時のフラグ変換抽籤に当籤)」では、CT抽籤状態が「低確率」に移行(転落)し易いことが分かる。上述の説明では、フラグ変換抽籤に当籤している場合には、特別な特典が付与されるとしていたため、CT抽籤状態が転落し易いことは上述の説明に反するようにも思えるが、図35で後述するように、役「3連チリリプ」「リーチ目リプ」は、CT抽籤に必ず当籤する。そのため、CT抽籤状態が転落してしまったとしても、CT当籤という特別な特典が付与されることに変わりはない。
<ART中CT抽籤テーブル>
図35は、通常ART中のCT抽籤に用いるART中CT抽籤テーブルである。ART中CT抽籤テーブルは、現在のCT抽籤状態及び内部当籤役に対応付けて、CT抽籤の抽籤結果についての抽籤値の情報を規定する。ART中CT抽籤テーブルでは、内部当籤役として「サボテン」「弱チェリー」「強チェリー」「3連チリリプ」「リーチ目リプ」「BB」が決定されている場合には、確率分母256の範囲の乱数値を用いてCT抽籤が行われる。一方で、内部当籤役としてそれ以外の役(例えば、リプレイ、共通ベル、押し順ベルなど)が決定されている場合には、確率分母65536の範囲の乱数値を用いてCT抽籤が行われる。
なお、パチスロ機1では、CTとして「通常CT」及び「高確CT」を有している。「通常CT」と「高確CT」とでは、CT(上乗せチャンスゾーン)中に上乗せするARTゲーム数の期待度が異なり、「高確CT」は「通常CT」に比べて多くのARTゲーム数が上乗せされ易い(図40参照)。
<通常ART中上乗せ抽籤テーブル>
図36は、通常ART中にARTゲーム数を上乗せする上乗せ抽籤に用いる通常ART中上乗せ抽籤テーブルである。通常ART中上乗せ抽籤テーブルは、内部当籤役に対応付けて上乗せ抽籤の抽籤結果についての抽籤値の情報を規定する。
[CT中の遊技の流れ]
続いて、図37を参照して、CT中の遊技の流れについて説明する。図37(A)に示すように、パチスロ機1では、1セット8回の遊技によりCTが行われる。CT中は、内部当籤役に基づいてARTゲーム数の上乗せ抽籤を行っており、上乗せ抽籤に当籤した場合には遊技回数の減算は行われず、上乗せ抽籤に非当籤した場合に限り遊技回数が減算される。そのため、CT中はARTゲーム数が上乗せされた遊技では終了することがなく、同一のセット内でARTゲーム数が上乗せされない遊技が8回行われると終了する。
また、図37(A)(B)に示すように、CT中に役「3連チリリプ」に当籤すると(すなわち、役「F_確チリリプ」「F_1確チリリプ」当籤時のフラグ変換抽籤に当籤すると)、1セット8回の遊技が再セットされる。例えば、同一のセット内でARTゲーム数が上乗せされない遊技が7回行われた場合、あと1回ARTゲーム数が上乗せされない遊技が行われるとCTが終了してしまうものの、役「3連チリリプ」に当籤するとCTの再セットが行われ、結果、その後、8回ARTゲーム数が上乗せされない遊技が行われるまでCTが終了しないことになる。そのため、CTは、役「3連チリリプ」が当籤するほど継続し易くなる。
(CT中のフラグ変換)
図37(C)は、CT中のフラグ抽籤方法を示す図である。CT中は、役「F_確チリリプ」「F_1確チリリプ」については必ず役「3連チリリプ」に変換する。上述したように、CT中に役「3連チリリプ」に当籤すると、CTが再セットされるため、役「F_確チリリプ」「F_1確チリリプ」が内部当籤役として決定されると、CTが再セットされることになる。
一方で、役「F_リーチ目リプA」~「F_リーチ目リプD」については、3段階のテーブル(テーブル0~2)に基づいて、フラグ変換抽籤の当籤確率を制御する。具体的には、図37(C)に示すように、テーブル0は「リーチ目リプ」に変換する確率が最も低く、テーブル1は「リーチ目リプ」に変換する確率が次に低く、テーブル2は「リーチ目リプ」に変換する確率が最も高い。なお、CT中に役「リーチ目リプ」に当籤すると、後述の図41に示すように、CTが新たに付与される。
図37(C)に示すように、通常CTでは、ARTレベルに基づいてテーブルが決定される。また、高確率CTでは、ARTレベルに関係なく、テーブル0が必ず決定される。
[CT中に用いるデータテーブル]
続いて、図38~図41を参照して、CT中に用いるデータテーブルについて説明する。
<CT中テーブル抽籤テーブル>
図38は、3段階のテーブルの中からフラグ変換抽籤に用いるテーブルを決定するためのCT中テーブル抽籤テーブルである。CT中テーブル抽籤テーブルは、ARTレベルやこれから実行するCTの種別などの状態に対応付けて、フラグ変換抽籤に用いるテーブルについての抽籤値の情報を規定する。CT中テーブル抽籤テーブルは、CT抽籤に当籤しCTに移行することが決まると、又はCTの開始時に参照され、CT中のフラグ変換抽籤に用いるテーブルを決定する。
<CT中フラグ変換抽籤テーブル>
図39は、CT中のフラグ変換抽籤に用いられるCT中フラグ変換抽籤テーブルである。CT中フラグ変換抽籤テーブルは、フラグ変換抽籤に用いるテーブル及び内部当籤役に対応付けて、フラグ変換抽籤の抽籤結果についての抽籤値の情報を規定する。CT中フラグ変換抽籤テーブルを参照すると、CT中は、役「F_確チリリプ」「F_1確チリリプ」は必ず役「3連チリリプ」に変換されることが分かる。
<CT中上乗せ抽籤テーブル>
図40は、CT中にARTゲーム数を上乗せする上乗せ抽籤に用いるCT中上乗せ抽籤テーブルである。CT中上乗せ抽籤テーブルは、内部当籤役に対応付けて上乗せ抽籤の抽籤結果についての抽籤値の情報を規定する。なお、図40に示す当籤役以外の役については、CT中の上乗せ抽籤に当籤することがない。
また、通常CT中の上乗せ抽籤では、役「3連チリリプ」に当籤した回数に応じて上乗せゲーム数が異なる。具体的には、同一のCT中に役「3連チリリプ」に当籤した回数が「1~8回」の場合には、上乗せゲーム数として「10ゲーム」が決定され易く、同一のCT中に役「3連チリリプ」に当籤した回数が「9~16回」の場合には、上乗せゲーム数として「20ゲーム」が決定され易く、同一のCT中に役「3連チリリプ」に当籤した回数が「17~24回」の場合には、上乗せゲーム数として「30ゲーム」が決定され易く、同一のCT中に役「3連チリリプ」に当籤した回数が「25回以上」の場合には、上乗せゲーム数として「50ゲーム」が決定され易い。
より具体的には、CT中上乗せ抽籤テーブルでは、同一のCT中に役「3連チリリプ」に当籤した回数が「1~8回」の場合には、図中の役「3連チリリプ」の抽籤値「極高」に対応する上乗せゲーム数は「10ゲーム」であり、抽籤値「極低」に対応する上乗せゲーム数は「20ゲーム」である。そして、同一のCT中に役「3連チリリプ」に当籤した回数が「9回以上」になると、図中の役「3連チリリプ」の抽籤値「極高」に対応する上乗せゲーム数が「20ゲーム」に昇格する。更に、同一のCT中に役「3連チリリプ」に当籤した回数が「17回以上」になると、図中の役「3連チリリプ」の抽籤値「極高」及び「極低」に対応する上乗せゲーム数が「30ゲーム」に昇格する。同様に、同一のCT中に役「3連チリリプ」に当籤した回数が「25回以上」になると、図中の役「3連チリリプ」の抽籤値「極高」及び「極低」に対応する上乗せゲーム数が「50ゲーム」に昇格する。
このように本実施形態のパチスロ機1では、CT中に役「3連チリリプ」に当籤した回数に応じて1回あたりに上乗せするゲーム数を増やす。上述のように、ARTゲーム数の上乗せが行われている限り、CTは終了することなく、また、役「3連チリリプ」に当籤するとCTの再セットが行われるため、遊技者からすると、CTが継続するほど1回あたりの上乗せ量が増えることについての期待を持つことができ、CT中の興趣が向上する。また、1回あたりの上乗せ量を増やす契機となる回数は、CTの1セット分の遊技回数(8回)よりも多い回数(9回以上)であるため、遊技者に対して過大な利益を与えてしまうことを防止でき、遊技者及び遊技店の利益のバランスを図ることができる。
<CT中セット数上乗せ抽籤テーブル>
図41は、CT中に新たなCTを付与するセット数上乗せ抽籤に用いられるCT中セット数上乗せ抽籤テーブルである。CT中セット数上乗せ抽籤テーブルは、実行しているCTの種別及び内部当籤役に対応付けて、セット数上乗せ抽籤の抽籤結果についての抽籤値の情報を規定する。図41に示すように、CT中に役「リーチ目リプ」に当籤すると、新たなCTが付与される。セット数上乗せ抽籤に伴い新たなCTが付与された場合には、実行しているCTが終了したタイミングで再度新たなCTが開始される。
なお、上述の役「3連チリリプ」に当籤した回数は、同一のCT中に限り計数することとしているが、この「同一のCT中」は、CT中に行うセット数上乗せ抽籤に当籤した場合に付与される新たなCTも含むこととしてもよく、含まないこととしてもよい。
[ボーナス状態中の遊技の流れ]
続いて、図42を参照して、ボーナス状態中の遊技の流れについて説明する。図42(A)は、一般遊技状態(ART非当籤)中にボーナス状態に移行した場合の遊技の流れを示す図であり、図42(B)は、通常ART中にボーナス状態に移行した場合の遊技の流れを示す図であり、図42(C)は、CT中にボーナス状態に移行した場合の遊技の流れを示す図である。図42(A)~(C)に示すように、パチスロ機1では、ボーナスの種別として、通常BBと特殊BBとを有し、ボーナス状態の移行時にボーナスの種別を決定する。このとき、特殊BBが決定された場合には、ボーナス状態の終了後、ART準備中を経由してCTに移行することになる。一方で、通常BBが決定された場合は、ボーナス状態に移行する前の状態に応じて異なる流れになる。
図42(A)を参照して、一般遊技状態から通常BBに移行した場合には、通常BB中に内部当籤役に基づいてART抽籤が行われる。このART抽籤に当籤すると、ボーナス状態の終了後、ART準備中を経由して通常ARTに移行することになる。なお、ART抽籤に当籤した後は、ボーナス状態中にARTゲーム数の上乗せ抽籤が行われる。
図42(B)を参照して、通常ARTから通常BBに移行した場合には、通常BBの終了時にCT抽籤が行われる。このCT抽籤は50%の確率で当籤し、当籤するとボーナス状態の終了後にART準備中を経由してCTに移行し、非当籤するとボーナス状態の終了後にART準備中を経由して通常ARTに移行する。また、通常ARTから移行したボーナス状態中は、ARTゲーム数の上乗せ抽籤も行われる。
図42(C)を参照して、CTから通常BB又は特殊BBに移行した場合には、ボーナス状態の終了後にART準備中を経由してCTに移行する。また、通常ARTから移行したボーナス状態中は、ARTゲーム数の上乗せ抽籤も行われる。
[ボーナス状態中に用いるデータテーブル]
続いて、図43~図45を参照して、ボーナス状態中に用いるデータテーブルについて説明する。
<ボーナス種別抽籤テーブル>
図43は、ボーナス種別(通常BB、特殊BB)を決定するためのボーナス種別抽籤テーブルである。ボーナス種別抽籤テーブルは、ボーナス状態の開始時に参照され、ボーナス状態に移行する前の状態に対応付けてボーナス種別についての抽籤値の情報を規定する。
<ボーナス中ARTゲーム数上乗せ抽籤テーブル>
図44は、ボーナス状態中に行うART抽籤及びARTゲーム数の上乗せ抽籤に用いられるボーナス中ARTゲーム数上乗せ抽籤テーブルである。ボーナス中ARTゲーム数上乗せ抽籤テーブルは、ボーナス種別及び内部当籤役に対応付けて、ART抽籤の抽籤結果及び上乗せゲーム数についての抽籤値の情報を規定する。
ボーナス中ARTゲーム数上乗せ抽籤テーブルは、ART非当籤の状態(一般遊技状態から移行した通常BBにおいて、ART抽籤に当籤するまで)では、ART抽籤に用いられることになる。すなわち、ART非当籤の状態で上乗せゲーム数として1以上(実際には最低50ゲーム)が決定されると、ART抽籤に当籤するとともに、対応するゲーム数が付与されることになる。一方、ART当籤後の状態では、ボーナス中ARTゲーム数上乗せ抽籤テーブルは、ARTゲーム数の上乗せ抽籤に用いられる。
<ボーナス終了時CT抽籤テーブル>
図45は、ボーナス状態の終了時に行うCT抽籤に用いられるボーナス終了時CT抽籤テーブルである。ボーナス終了時CT抽籤テーブルは、ボーナス種別及びボーナス状態に移行する前の遊技状態に対応付けて、CT抽籤の抽籤結果についての抽籤値の情報を規定する。図45に示すボーナス終了時CT抽籤テーブルを参照すると、例えば、通常ART中に通常BBが行われると、ボーナス状態の終了時に50%の確率でCTに当籤することが分かる。
[一般遊技状態中の例外的な遊技の流れ]
続いて、図46を参照して、一般遊技状態中の例外的な遊技の流れについて説明する。パチスロ機1では、基本的には、一般遊技状態中に通常遊技状態からCZに移行し、CZにおいてART抽籤に当籤することでART遊技状態を目指すことになる。ここで、パチスロ機1では、RT4遊技状態中に報知を行うことでART遊技状態を実現しており、また、図46に示すように、表示される図柄の組合せに応じてRT遊技状態を制御している。図21に示したように、RT遊技状態を移行させるための図柄の組合せは、遊技者の停止操作の順序(押し順)に応じて表示されるため、報知が行われない場合であっても、偶然にRT4遊技状態に移行することがある。
また、RT4遊技状態では、役「F_リーチ目リプA」~「F_リーチ目リプD」が内部当籤役として決定される可能性があるため、一般遊技状態(非ART)中であっても、特別な特典が付与されるリーチ目(リーチ目リプ)を表示することができる。そこで、本実施形態のパチスロ機1では、図46に示すように、一般遊技状態(非ART)中に偶然にRT4遊技状態に移行した場合に、「リーチ目リプ」の図柄の組合せを表示可能な状態になると、CZを経由することなくART遊技状態(通常ART)に移行可能にする。
より具体的には、一般遊技状態、かつ、RT4遊技状態中に役「F_リーチ目リプA」~「F_リーチ目リプD」が内部当籤役として決定されると、フラグ変換抽籤を行い、このフラグ変換抽籤に当籤すると、「リーチ目リプ」の図柄の組合せを表示するための報知を行うとともに、ARTの権利を付与する。反対に、フラグ変換抽籤に非当籤すると、「リプレイ」の図柄の組合せを表示するための報知を行い、「リーチ目リプ」の図柄の組合せが表示されないように制御する。
<非ART中フラグ変換抽籤テーブル>
図47は、一般遊技状態、かつ、RT4遊技状態中に行うフラグ変換抽籤に用いられる非ART中フラグ変換抽籤テーブルである。非ART中フラグ変換抽籤テーブルは、内部当籤役に対応付けてフラグ変換抽籤の抽籤結果についての抽籤値の情報を規定する。
[メイン側の制御による報知]
パチスロ機では、従来、ART機中にサブ(副制御基板72)側の制御のもとに停止操作の情報(押し順など)の報知を行っていたが、報知の有無が遊技者の利益(いわゆる、出玉)に影響を与えるため、近年では、遊技者の利益を管理するメイン(主制御基板71)側で報知を行うことが求められている。そこで、本実施形態のパチスロ機1では、主制御基板71が制御する情報表示器14に停止操作の情報を報知する指示モニタを設け、メイン側の制御のもとに停止操作の情報を報知することとしている。
図48は、メイン側で行う報知(ナビ)とサブ側で行う報知(ナビ)との対応関係を示す図である。図48に示すように、主制御基板71は、指示モニタに「1」~「11」の数値を表示することで、停止操作の情報を報知する。この「1」~「11」の数値は、それぞれが報知する停止操作の内容に一義的に対応しており、「1」~「3」は、それぞれ第1停止操作を行うリールの種別を示しており、「1」は第1停止操作を左のリール3Lに対して行うことを意味し、「2」は第1停止操作を中のリール3Cに対して行うことを意味し、「3」は第1停止操作を右のリール3Rに対して行うことを意味している。
また、「4」~「9」は、それぞれ報知する押し順を示しており、「4」は押し順が「左、中、右」であることを意味し、「5」は押し順が「左、右、中」であることを意味し、「6」は押し順が「中、左、右」であることを意味し、「7」は押し順が「中、右、左」であることを意味し、「8」は押し順が「右、左、中」であることを意味し、「9」は押し順が「右、中、左」であることを意味している。
また、「10」「11」は、ボーナスに係る役を報知するものであり、「10」は「白7-白7-白7」からなる図柄の組合せ「C_BB1」を意味し、「11」は「青7-青7-青7」からなる図柄の組合せ「C_BB2」を意味している。
ここで、メイン側で報知する「1」~「11」の数値は、報知する停止操作の内容に一義的に対応しているものの、全ての遊技者が明確に報知内容を把握できるとは限らない。すなわち、メイン側で指示モニタに対して「6」と表示しただけでは、遊技者によっては報知内容を把握できない可能性もある。
そこで、パチスロ機1では、メイン側の報知と併せてサブ側でも停止操作の内容を報知する。具体的には、パチスロ機1は、副制御基板72が制御する表示ユニット100を設け、サブ側の制御のもとに停止操作の情報を報知する。例えば、第1停止操作を左のリール3Lに対して行うことを報知する場合、メイン側で指示モニタに対して「1」を表示するとともに、サブ側では、表示ユニット100の左のリール3Lの上方に「1」と表示し、左のリール3Lが第1停止操作の対象であることを報知する。同様に、押し順「中、左、右」を報知する場合、メイン側で指示モニタに対して「6」を表示するとともに、サブ側では、表示ユニット100の中のリール3Cの上方に「1」、左のリール3Lの上方に「2」、右のリール3Rの上方に「3」と表示し、押し順が「中、左、右」であることを報知する。また、「F_BB1」が内部当籤役として決定されている場合、メイン側で指示モニタに対して「10」を表示するとともに、サブ側では、表示ユニット100に「白7-白7-白7」を表示し、遊技者に対して狙うべき図柄を報知する。
図48(A)に示すように、ART準備中は、メイン側の制御のもと「ベルナビ」「維持リプナビ」「RT3移行リプナビ」及び「RT4移行リプナビ」が行われる。「ベルナビ」は、役「F_3択ベル_1st」~「F_3択ベル_3rd」に対して「ベル」の図柄の組合せを表示させるための押し順を報知する。また、「維持リプナビ」は、役「F_維持リプ_1st」~「F_維持リプ_3rd」に対して「リプレイ」の図柄の組合せを表示させるための押し順を報知する。また、「RT3移行リプナビ」は、役「F_RT3移行リプ_1st」~「F_RT3移行リプ_3rd」に対して「RT3移行リプ」の図柄の組合せを表示させるための押し順を報知する。また、「RT4移行リプナビ」は、役「F_RT4移行リプ_123」~「F_RT4移行リプ_3rd」に対して「RT4移行リプ」の図柄の組合せを表示させるための押し順を報知する。
なお、メイン側で報知を行うタイミングは、少なくとも報知を行う一遊技の間であればよく、任意である。例えば、開始操作を受け付けたタイミングでメイン側の報知を行うこととしてもよく、リール3L,3C,3Rの回転開始時にメイン側の報知を行うこととしてもよく、第1停止操作~第3停止操作のいずれかを受け付けたタイミングでメイン側の報知を行うこととしてもよい。一方で、サブ側で報知を行うタイミングは、少なくとも第1停止操作よりも前のタイミングであることが好ましい。この点、本実施形態のパチスロ機1では、開始操作を受け付けたタイミング、又はリール3L,3C,3Rの回転開始時にメイン側及びサブ側の双方において報知を行う。これにより、遊技者が停止操作を行う前に、メイン側の指示モニタ及びサブ側の表示ユニット100の双方において停止操作の情報が報知される。
また、図48(B)に示すように、ART遊技状態中は、メイン側の制御のもと「ベルナビ」「維持リプナビ」「RT3移行リプナビ」及び「RT4移行リプナビ」が行われる。なお、ART遊技状態(RT4遊技状態)中は、フラグ変換抽籤が行われ、この抽籤結果に基づいて「3連チリリプ」「リーチ目リプ」又は「リプレイ」の図柄の組合せを表示させるための押し順を報知するが、この報知に関しては、メイン側では行うことなく、サブ側でのみ行う。
上述したように、「3連チリリプ」「リーチ目リプ」の図柄の組合せは、特別な特典の付与に関係しているため、報知の有無が遊技者の利益(出玉)に影響を与えるようにも考えられる。しかしながら、パチスロ機1では、実際には、特別な特典をフラグ変換抽籤の抽籤結果に基づいて付与することとしており、表示される図柄の組合せは付与する特典に対して影響を与えない。すなわち、フラグ変換抽籤に当籤している場合には、仮に、「リプレイ」の図柄の組合せを表示してしまったとしても、特別な特典が付与され、反対に、フラグ変換抽籤に当籤していない場合には、仮に、「3連チリリプ」「リーチ目リプ」の図柄の組合せを表示できたとしても、特別な特典は付与しない。
本実施形態のパチスロ機1では、このように表示される図柄の組合せが遊技者の利益(出玉)に影響を与えない場合には、メイン側の指示モニタでの報知を行わずに、サブ側でのみ表示ユニット100での報知を行う。
また、図48(C)(D)に示すように、RT5遊技状態(フラグ間状態)中は、内部当籤役として持ち越しているボーナスに係る役に応じた図柄の組合せを狙わせる報知を行う。具体的には、図48(C)に示すように、役「F_BB1」を持ち越している場合には「白7ナビ」を行い、図48(D)に示すように、役「F_BB2」を持ち越している場合には「青7ナビ」を行う。「白7ナビ」は、役「F_BB1」に対して、「C_BB1」の図柄の組合せを表示させるための停止操作の情報を報知し、「青7ナビ」は、役「F_BB2」に対して、「C_BB2」の図柄の組合せを表示させるための停止操作の情報を報知する。
ここで、図22において上述したように、フラグ間状態では、ボーナスに係る役と「はずれ」「F_特殊1」「F_特殊2」「F_特殊3」のいずれかとが内部当籤役として決定されている場合に、BBの図柄の組合せを表示することができ、それ以外の役がボーナスに係る役とともに内部当籤役として決定されている場合には、BBの図柄の組合せを表示することができない。そのため、図48(C)(D)に示すように、主制御基板71は、メイン側で制御を行う場合、持ち越しているボーナスに係る役と「はずれ」「F_特殊役1」「F_特殊役2」「F_特殊役3」のいずれかとが内部当籤役として決定されている場合に限り、「白7ナビ」又は「青7ナビ」を行う。これにより、メイン側のナビを、ボーナスに係る役を入賞させることのできる適切なタイミングで行うことができる。
なお、主制御基板71は、ボーナスに係る役が内部当籤役として決定されていることを告知(ボーナス告知)した後に限り、「白7ナビ」又は「青7ナビ」を行うこととしてもよい。ここで、ボーナス告知は、例えば、ボーナス確定画面を表示することや、ボーナス確定ランプを点灯させることなどにより行われる。
一例として、ボーナスに係る役が内部当籤役として決定された場合に、数回の遊技にわたり行われる演出(いわゆる連続演出)を行い、この連続演出の結果に応じてボーナス確定画面を表示することが一般的に行われている。この連続演出の最中にメイン側で「白7ナビ」などを行ってしまったのでは、連続演出の結果が途中で分かってしまい、興趣を損ねてしまう可能性がある。そこで、パチスロ機1の主制御基板71は、ボーナス告知が行われた後に限り、「白7ナビ」又は「青7ナビ」を行う。なお、ボーナス告知が行われたタイミングをメイン側で把握可能にする方法は任意である。
一手法としては、ボーナスに係る役を内部当籤役として決定すると、主制御基板71がボーナス告知までに要するゲーム数を決定し、このゲーム数を消化した後に、「白7ナビ」又は「青7ナビ」を行う方法が考えられる。より具体的には、主制御基板71は、ボーナス告知までに要するゲーム数を決定すると、このゲーム数を副制御基板72に通知する。副制御基板72は、このゲーム数に従い演出を制御し、ゲーム数が消化したタイミングでボーナス確定画面を表示することで、メイン側においてボーナス告知が行われたタイミングを把握することができる。すなわち、主制御基板71は、ボーナスに係る役を持ち越していない状態でボーナスに係る役を内部当籤役として決定してからの単位遊技の回数を計数し、その計数結果が所定回数に達した後にボーナスに係る役と「はずれ」「F_特殊役1」「F_特殊役2」「F_特殊役3」のいずれかとが内部当籤役として決定された場合に「白7ナビ」又は「青7ナビ」を行う。
また、他の手法としては、ボーナス告知をサブ側ではなくメイン側において制御する方法が考えられる。より具体的には、主制御基板71は、ボーナスに係る役を持ち越していない状態でボーナスに係る役を内部当籤役として決定すると、表示ユニット100で実行する演出(少なくとも演出に要するゲーム数)を決定し、副制御基板72に通知する。副制御基板72が通知された演出を実行し、ボーナス確定画面を表示することで、メイン側においてボーナス告知が行われたタイミングを把握することができる。
もちろん、その他の手法によりボーナス告知が行われたタイミングをメイン側で把握可能にすることとしてもよい。この場合において、主制御基板71は、副制御基板72などからの信号を受け付けることができないため、主制御基板71が受け付け可能な信号に基づいてボーナス告知が行われたタイミングを把握する必要がある。例えば、停止操作に伴う信号は、主制御基板71が受け付け可能であるため、ボーナスに係る役が内部当籤役として決定されている状態で、所定の停止操作(例えば、順押し以外)が行われた場合に、ボーナス告知を行うことも考えられる。具体的には、副制御基板72は、主制御基板71から内部当籤役に関する情報と停止操作に関する情報とを取得し、これらの情報の組合せが所定の組合せ(内部当籤役「ボーナスに係る役」、停止操作「順押し以外」)である場合にボーナス告知を行う。このようなボーナス告知は、その契機を主制御基板71でも把握することができるため、メイン側においてボーナス告知が行われたタイミングを把握することができる。
[主制御基板の動作説明]
次に、図49~図65を参照して、主制御基板71のメインCPU31が、プログラムを用いて実行する各種処理の内容について説明する。
<メインCPUの制御によるパチスロの主要動作処理>
まず、メインCPU31の制御で行うパチスロ機1の主要動作処理(電源投入以降の処理)の手順を、図49に示すフローチャート(以下、メインフローという)を参照しながら説明する。
まず、パチスロ機1に電源が投入されると、メインCPU31は、電源投入時の初期化処理を行う(S1)。この処理では、バックアップが正常に行われたか、設定変更が適切に行われたかなどが判定され、その判定結果に対応した初期化が行われる。
続いて、メインCPU31は、一遊技終了時の初期化処理を行う(S2)。この初期化処理では、メインRAM33における指定格納領域のデータをクリアする。なお、ここでいう指定格納領域は、例えば、内部当籤役格納領域や表示役格納領域などの1回の単位遊技(ゲーム)ごとにデータの消去が必要な格納領域である。
続いて、メインCPU31は、メダル受付・スタートチェック処理を行う(S3)。この処理では、メダルセンサ42Sやスタートスイッチ6Sの入力のチェックなどが行われる。
続いて、メインCPU31は、内部抽籤処理を行う(S4)。この処理では、メインCPU31は、現在の遊技状態に応じた内部抽籤テーブル(図13、図14)を参照して、複数の役の中から内部当籤役として決定する役を抽籤する。続いて、メインCPU31は、S4の内部抽籤処理において、役「F_BB1」「F_BB2」を内部当籤役として決定したか否かを判定する(S5)。役「F_BB1」「F_BB2」を内部当籤役として決定した場合には(YES)、メインCPU31は、続いて、RT5遊技状態フラグをオンにし、遊技状態をフラグ間遊技状態にセットする(S6)。
S6の処理に続いて、又はS5において役「F_BB1」「F_BB2」を内部当籤役として決定していないと判定した場合には(NO)、メインCPU31は、続いて、図50で後述する状態別遊技制御処理を行う(S7)。
続いて、メインCPU31は、メイン側ナビ制御処理を行う(S8)。この処理では、メインCPU31は、図48に示す対応関係に基づいて、現在の遊技状態及び内部当籤役に応じたナビデータをセットする。なお、セットしたナビデータは、スタートコマンドに格納され副制御基板72に通知される。また、セットしたナビデータに応じた報知は、任意のタイミングで行われる。
続いて、メインCPU31は、図60で後述するリール停止初期設定処理を行う(S9)。この処理では、S5で決定した内部当籤役や現在の遊技状態に応じて停止制御に用いるリール停止制御情報を決定する。決定したリール停止制御情報は、メインRAM33に格納され、S12のリール停止制御処理において用いられる。
続いて、メインCPU31は、スタートコマンド送信処理を行う(S10)。この処理では、メインCPU31は、スタートコマンドのデータを生成し、副制御基板72に送信する。なお、スタートコマンドデータには、内部当籤役などの演出に必要な各種の情報が含まれる。
続いて、メインCPU31は、ウェイト処理を行った後にリール回転開始処理を行う(S11)。この処理において、メインCPU31は、全リールの回転開始を要求する。そして、全リールの回転開始が要求されると、一定の周期(1.1172msec)で実行される割込処理により、各リールは、その回転速度が定速度に達するまで加速制御され、その後、該定速度が維持されるように制御される。
続いて、メインCPU31は、図61で後述するリール停止制御処理を行う(S12)。この処理では、S9で決定したリール停止制御情報を用いて、左のストップボタン7L、中のストップボタン7C及び右のストップボタン7Rがそれぞれ押されたタイミングに基づいて該当するリールの回転が停止される。
続いて、メインCPU31は、入賞判別メダル払出処理を行う(S13)。この入賞判別メダル払出処理では、リール3L,3C,3Rが停止した結果、有効ラインに沿って表示された図柄の組合せに基づいて、メダルの払い出しや再遊技の作動などの当該図柄の組合せに応じた利益を付与する。続いて、メインCPU31は、入賞作動コマンド送信処理を行う(S14)。この処理では、メインCPU31は、入賞作動コマンドのデータを生成し、副制御基板72に送信する。なお、入賞作動コマンドデータには、有効ラインに沿って表示された図柄の組合せなどの各種の情報が含まれる。
続いて、メインCPU31は、図62で後述するBBチェック処理を行う(S15)。この処理では、メインCPU31は、ボーナス状態の作動及び終了を制御する。続いて、メインCPU31は、図63及び図64で後述するRTチェック処理を行う(S16)。この処理では、メインCPU31は、表示された図柄の組合せに基づいてRT遊技状態を移行させる制御を行う。
続いて、メインCPU31は、図65で後述するCZ・ART終了時処理を行う(S17)。この処理では、メインCPU31は、CZの引き戻し抽籤を行う。CZ・ART終了時処理を行うと、メインCPU31は、一遊技(単位遊技)が終了したとして処理をS2に戻す。
<状態別制御処理>
次に、図50を参照して、状態別制御処理について説明する。状態別制御処理では、初めに、メインCPU31は、現在の遊技状態がRT4遊技状態中であるか否かを判定する(S31)。RT4遊技状態である場合には(YES)、メインCPU31は、続いて、図51で後述するフラグ変換処理を行う(S32)。
S32の処理に続いて、又は、S31においてRT4遊技状態中ではないと判定した場合には(NO)、メインCPU31は、現在の遊技状態が通常遊技状態中であるか否かを判定する(S33)。通常遊技状態中である場合には(YES)、メインCPU31は、続いて、図52で後述する通常中スタート時処理を行い(S34)、状態別制御処理を終了する。
他方、現在の遊技状態が通常遊技状態ではない場合には(NO)、メインCPU31は、現在の遊技状態がCZ中であるか否かを判定する(S35)。CZ中である場合には(YES)、メインCPU31は、続いて、図53で後述するCZ中スタート時処理を行い(S36)、状態別制御処理を終了する。
他方、現在の遊技状態がCZではない場合には(NO)、メインCPU31は、現在の遊技状態が通常ART中であるか否かを判定する(S37)。通常ART中である場合には(YES)、メインCPU31は、続いて、図57で後述する通常ART中スタート時処理を行い(S38)、状態別制御処理を終了する。
他方、現在の遊技状態が通常ARTではない場合には(NO)、メインCPU31は、現在の遊技状態がCT中であるか否かを判定する(S39)。CT中である場合には(YES)、メインCPU31は、続いて、図58で後述するCT中スタート時処理を行い(S40)、状態別制御処理を終了する。
他方、現在の遊技状態がCTではない場合には(NO)、メインCPU31は、現在の遊技状態がボーナス状態中であるか否かを判定する(S41)。ボーナス状態中である場合には(YES)、メインCPU31は、続いて、図59で後述するBB中スタート時処理を行い(S42)、状態別制御処理を終了する。
他方、現在の遊技状態がボーナス状態ではない場合には(NO)、メインCPU31は、その他処理を行い(S43)、状態別制御処理を終了する。例えば、メインCPU31は、ART準備中である場合に、準備中に応じた処理を行う。
<フラグ変換処理>
次に、図51を参照して、フラグ変換処理について説明する。フラグ変換処理では、初めに、メインCPU31は、CT開始時であるか否かを判定する(S50)。CT開始時である場合には(YES)、メインCPU31は、続いて、CT中フラグ変換テーブル抽籤テーブル(図38)を参照して、CT中のフラグ変換抽籤に用いるテーブル番号を抽籤し、セットする(S51)。
S51の処理に続いて、又は、S50においてCT開始時ではない場合には(NO)、メインCPU31は、現在の状態に応じたフラグ変換抽籤テーブルをセットする(S52)。例えば、現在の状態が非ART中のRT4遊技状態である場合には、非ART中フラグ変換抽籤テーブル(図47)をセットし、現在の状態が通常ART中のRT4遊技状態である場合には、ART中フラグ変換抽籤テーブル(図32)をセットし、現在の状態がCT中のRT4遊技状態である場合には、CT中フラグ変換抽籤テーブル(図39)をセットする。
続いて、メインCPU31は、内部当籤役に基づいてフラグ変換抽籤を行い(S53)、続いて、当籤したか否かを判定する(S54)。フラグ変換抽籤に当籤している場合には(YES)、メインCPU31は、続いて、フラグ変換処理を行う(S55)。この処理では、例えば、役「F_1確チリリプ」が内部当籤役として決定されている場合に、役「F_1確チリリプ」を役「3連チリリプ」として扱うように処理する。
続いて、メインCPU31は、現在の遊技状態が非ART中であるか否かを判定する(S56)。すなわち、メインCPU31は、RT4遊技状態への移行が、一般遊技状態(非ART)という報知が行われない状態において、遊技者の停止操作に応じて偶然に行われたものであるか否かを判定する。現在の遊技状態が非ART中である場合には(YES)、メインCPU31は、ARTセット数に1を加算し(S57)、続いて、次遊技にART準備中をセットし(S58)、フラグ変換処理を終了する。他方、現在の遊技状態が非ART中ではない場合には(NO)、メインCPU31は、フラグ変換処理を終了する。
また、S54において、フラグ変換抽籤に当籤していない場合には(NO)、メインCPU31は、フラグ維持処理を行い(S59)、フラグ変換処理を終了する。このフラグ維持処理では、例えば、役「F_1確チリリプ」が内部当籤役として決定されている場合に、役「F_1確チリリプ」を役「リプレイ」として扱うように処理する。
<通常中スタート時処理>
次に、図52を参照して、通常中スタート時処理について説明する。通常中スタート時処理では、初めに、メインCPU31は、図26(A)に示すCZ抽籤テーブルを参照して、現在のCZの抽籤状態及び内部当籤役に基づいてCZ抽籤を行う(S61)。
続いて、メインCPU31は、このCZ抽籤に当籤したか否かを判定する(S62)。CZ抽籤に当籤した場合には(YES)、メインCPU31は、次遊技に当籤した種別のCZをセットし(S63)、続いて、当籤した種別のCZに応じた値をCZゲーム数カウンタにセットする(S64)。なお、CZゲーム数カウンタは、CZの継続期間を計数するカウンタであり、CZ1に当籤している場合には、CZゲーム数カウンタ(前半)に第1ゲーム数(例えば、12)をセットし、CZ2に当籤している場合には、CZゲーム数カウンタ(前半)に第2ゲーム数(例えば、15)をセットし、CZ3に当籤している場合には、CZゲーム数カウンタに第4ゲーム数(例えば、17)をセットする。
S64の処理に続いて、又は、S62においてCZ抽籤に当籤していない場合には(NO)、メインCPU31は、続いて、図25(A)の通常中高確率抽籤テーブルを参照して、内部当籤役に基づいてCZの抽籤状態の移行抽籤を行い(S65)、移行抽籤の結果に基づきCZの抽籤状態を更新し(S66)、通常中スタート時処理を終了する。
<CZ中スタート時処理>
次に、図53を参照して、CZ中スタート時処理について説明する。CZ中スタート時処理では、初めに、メインCPU31は、現在の遊技状態がCZ1中であるか否かを判定する(S71)。CZ1中である場合には(YES)、メインCPU31は、続いて、図54及び図55で後述するCZ1(CZ2)中処理を行い(S72)、CZ中スタート時処理を終了する。
他方、CZ1中ではない場合には(NO)、メインCPU31は、続いて、現在の遊技状態がCZ2中であるか否かを判定する(S73)。CZ2中である場合には(YES)、メインCPU31は、続いて、図54及び図55で後述するCZ1(CZ2)中処理を行い(S74)、CZ中スタート時処理を終了する。なお、本実施形態において、CZ1とCZ2とではART抽籤に当籤する期待度が異なるランク(モード又はポイント)が異なるだけであり、基本的な処理は同じである。そこで、本実施形態では、CZ1及びCZ2中の処理をCZ1(CZ2)中処理として一つの処理で説明する。
他方、CZ2中ではない場合には(NO)、メインCPU31は、続いて、図56で
後述するCZ3中処理を行い(S75)、CZ中スタート時処理を終了する。
<CZ1(CZ2)中処理>
次に、図54及び図55を参照して、CZ1(CZ2)中処理について説明する。CZ1(CZ2)中処理では、初めに、メインCPU31は、CZ1又はCZ2の前半部であるか否かを判定する(S81)。メインCPU31は、前半部である場合には(YES)、処理をS82に移し、前半部ではない(後半部である)場合には(NO)、処理を図55のS91に移す。
CZ1の前半部である場合には、メインCPU31は、CZ1中モードアップ抽籤テーブル(図27)を参照して、内部当籤役に基づいてモードアップ抽籤を行う(S82)。同様に、CZ2の前半部である場合には、メインCPU31は、CZ2中ポイント抽籤テーブル(図28)を参照して、内部当籤役に基づいてポイントアップ抽籤を行う(S82)。続いて、メインCPU31は、S82の抽籤結果に基づいて、モード(又はポイント)を更新する(S83)。
続いて、メインCPU31は、S82の抽籤においてフリーズに当籤したか否かを判定する(S84)。フリーズに当籤している場合には(YES)、メインCPU31は、遊技の進行を一時的に停止するフリーズ処理を行うとともに、ARTセット数及びCTセット数に1加算する(S85)。この処理では、メインCPU31は、更に、ARTレベル決定テーブル(図33(A))を参照してARTレベルを決定し、セットする。なお、フリーズ発生時には、ARTレベルとして「ARTレベル2」が決定される。続いて、メインCPU31は、CZを終了するとともに、次遊技にART準備中をセットし(S86)、CZ1(CZ2)中処理を終了する。
他方、S84においてフリーズに当籤していない場合には(NO)、メインCPU31は、CZゲーム数カウンタ(前半)を1減算する(S87)。続いて、メインCPU31は、CZゲーム数カウンタ(前半)が0か否かを判定する(S88)。CZゲーム数カウンタ(前半)が0ではない場合には(NO)、メインCPU31は、CZ1(CZ2)中処理を終了する。
他方、CZゲーム数カウンタ(前半)が0である場合には(YES)、メインCPU31は、続いて、次遊技にCZ1又はCZ2の後半をセットし(S89)、CZ1(CZ2)中処理を終了する。
続いて、図55を参照して、CZ1又はCZ2の後半部である場合には、メインCPU31は、後半部の1ゲーム目であるか否かを判定する(S91)。後半部の1ゲーム目である場合には、CZ中ART抽籤テーブル(図29(A)(B))を参照して、前半部のモード又はポイントに基づいてART抽籤を行う(S92)。続いて、メインCPU31は、このART抽籤に当籤したか否かを判定する(S93)。
ART抽籤に当籤している場合には(YES)、メインCPU31は、続いて、ARTセット数に1加算するとともに、ARTレベル決定テーブル(図33(A))を参照してARTレベルを抽籤し、セットする(S94)。S94の処理に続いて、又は、ART抽籤に当籤していない場合には(NO)、メインCPU31は、CZゲーム数カウンタ(後半)に所定値をセットする(S95)。メインCPU31は、例えば、ART抽籤に当籤している場合にCZゲーム数カウンタ(後半)に「4」をセットし、ART抽籤に非当籤している場合にCZゲーム数カウンタ(後半)に「3」をセットする。
S95の処理に続いて、又は、S91において後半部の1ゲームではない場合には(NO)、メインCPU31は、CZ中ART抽籤テーブル(図29(C))を参照して、内部当籤役に基づいてART抽籤を行い(S96)、ART抽籤に当籤したか否かを判定する(S97)。このART抽籤に当籤している場合には(YES)、メインCPU31は、続いて、ARTセット数に1加算するとともに、ARTレベル決定テーブル(図33(A))を参照してARTレベルを抽籤し、セットする(S98)。
S98の処理に続いて、又は、S97においてART抽籤に当籤していない場合には(NO)、メインCPU31は、CZゲーム数カウンタ(後半)を1減算する(S99)。続いて、メインCPU31は、CZゲーム数カウンタ(後半)が0であるか否かを判定する(S100)。CZゲーム数カウンタ(後半)が0ではない場合には(NO)、メインCPU31は、CZ1(CZ2)中処理を終了する。
他方、CZゲーム数カウンタ(後半)が0である場合には(YES)、メインCPU31は、続いて、ARTセット数が1以上であるか否かを判定する(S101)。ARTセット数が1以上である場合には(YES)、メインCPU31は、続いて、CZを終了するとともに、次遊技にART準備中をセットし(S102)、CZ1(CZ2)中処理を終了する。他方、ARTセット数が1以上ではない場合には(NO)、メインCPU31は、続いて、CZ失敗時をセットし(S103)、CZ1(CZ2)中処理を終了する。
<CZ3中処理>
次に、図56を参照して、CZ3中処理について説明する。CZ3中処理では、初めに、メインCPU31は、CZ中ART抽籤テーブル(図30(D))を参照して、内部当籤役に基づいてART抽籤を行い(S121)、このART抽籤に当籤したか否かを判定する(S122)。
ART抽籤に当籤している場合には(YES)、メインCPU31は、続いて、ARTセット数及びCTセット数に1加算する(S123)。続いて、メインCPU31は、S121のART抽籤においてフリーズに当籤したか否かを判定する(S124)。フリーズに当籤している場合には(YES)、メインCPU31は、遊技の進行を一時的に停止するフリーズ処理を行う(S125)。
S125の処理に続いて、又は、S124においてフリーズに当籤していない場合には(NO)、メインCPU31は、続いて、ARTレベル決定テーブル(図33(A))を参照してARTレベルを抽籤し、セットする(S126)。続いて、メインCPU31は、CZを終了するとともに、次遊技にART準備中をセットし(S127)、CZ3中処理を終了する。
他方、S122においてART抽籤に当籤していない場合には(NO)、メインCPU31は、続いて、CZゲーム数カウンタを1減算する(S128)。続いて、メインCPU31は、CZゲーム数カウンタが0であるか否かを判定する(S129)。CZゲーム数カウンタが0ではない場合には(NO)、メインCPU31は、CZ3中処理を終了する。
他方、CZゲーム数カウンタが0である場合には、メインCPU31は、ARTセット数に1加算するとともに、ARTレベル決定テーブル(図33(A))を参照してARTレベルを抽籤し、セットする(S130)。続いて、メインCPU31は、CZを終了するとともに、次遊技にART準備中をセットし(S131)、CZ3中処理を終了する。
<通常ART中スタート時処理>
次に、図57を参照して、通常ART中スタート時処理について説明する。通常ART中スタート時処理では、初めに、メインCPU31は、ART継続ゲーム数カウンタを1加算する(S141)。なお、ART継続ゲーム数カウンタは、通常ARTが継続したゲーム数を計数するカウンタである。本実施形態では、ART継続ゲーム数カウンタの他に、通常ARTが継続可能なゲーム数を計数するART終了ゲーム数カウンタを設ける。そして、パチスロ機1は、ART継続ゲーム数カウンタの値とART終了ゲーム数カウンタの値とを比較し、ART継続ゲーム数カウンタの値がART終了ゲーム数カウンタの値に到達すると、ART遊技状態を終了する。
続いて、メインCPU31は、ART中CT抽籤テーブル(図35)を参照して、現在のCT抽籤状態及び内部当籤役に基づいてCT抽籤を行い(S142)、このCT抽籤に当籤したか否かを判定する(S143)。CT抽籤に当籤している場合には(YES)、メインCPU31は、CTセット数に1加算するとともに、CTゲーム数カウンタに8をセットし(S144)、続いて、次遊技に当籤した種別のCTをセットする(S145)。
S145の処理に続いて、又は、S143においてCT抽籤に当籤していない場合には(NO)、メインCPU31は、ARTレベル決定テーブル(図33(B))を参照して、ART継続ゲーム数カウンタの値に基づいてARTレベルを抽籤し、セットする(S146)。続いて、メインCPU31は、通常ART中高確率抽籤テーブル(図34)を参照して、現在のCT抽籤状態及び内部当籤役に基づいて、移行先のCT抽籤状態を抽籤し、セットする(S147)。
続いて、メインCPU31は、通常ART中上乗せ抽籤テーブル(図36)を参照して、内部当籤役に基づいてARTゲーム数の上乗せ抽籤を行い(S148)、この上乗せ抽籤に当籤したか否かを判定する(S149)。上乗せ抽籤に当籤している場合には(YES)、メインCPU31は、続いて、当籤結果をART終了ゲーム数カウンタに加算する(S150)。
S150の処理に続いて、又は、S149において上乗せ抽籤に当籤していない場合には(NO)、メインCPU31は、続いて、ART継続ゲーム数カウンタの値が、ART終了ゲーム数カウンタの値に達したか否かを判定する(S151)。ART継続ゲーム数カウンタの値が、ART終了ゲーム数カウンタの値に達していない場合には(NO)、メインCPU31は、通常ART中スタート時処理を終了する。
他方、ART継続ゲーム数カウンタの値が、ART終了ゲーム数カウンタの値に達した場合には(YES)、メインCPU31は、ARTセット数を1減算し(S152)、続いて、ART終了時をセットし(S153)、通常ART中スタート時処理を終了する。
<CT中スタート時処理>
次に、図58を参照して、CT中スタート時処理について説明する。CT中スタート時処理では、初めに、メインCPU31は、CT中上乗せ抽籤テーブル(図40)を参照して、内部当籤役に基づいてARTゲーム数の上乗せ抽籤を行い(S161)、この上乗せ抽籤に当籤したか否かを判定する(S162)。
上乗せ抽籤に当籤している場合には(YES)、メインCPU31は、続いて、当籤結果をART終了ゲーム数カウンタに加算する(S163)。なお、上述したように、本実施形態のパチスロ機1では、同一のCT中に役「3連チリリプ」に当籤した回数が増えるほど、1回あたりの上乗せ量が増えることになる。
続いて、メインCPU31は、内部当籤役が役「3連チリリプ」であるか否か(すなわち、図51のフラグ変換処理において役「3連チリリプ」に変換されたか否か)を判定する(S164)。内部当籤役が役「3連チリリプ」である場合には(YES)、メインCPU31は、続いて、CTゲーム数カウンタに8を再セットし(S165)、CT中スタート時処理を終了する。また、内部当籤役が役「3連チリリプ」ではない場合には(NO)メインCPU31は、CT中スタート時処理を終了する。
S162において、上乗せ抽籤に当籤していない場合には(NO)、メインCPU31は、続いて、CT中セット数上乗せ抽籤テーブル(図41)を参照して、内部当籤役に基づいてCTセット数の上乗せ抽籤を行い(S166)、このCTセット数の上乗せ抽籤に当籤したか否かを判定する(S167)。CTセット数の上乗せ抽籤に当籤している場合には(YES)、メインCPU31は、続いて、CTセット数に1加算し(S168)、CT中スタート時処理を終了する。
他方、CTセット数の上乗せ抽籤に当籤していない場合には(NO)、メインCPU31は、続いて、CTゲーム数カウンタを1減算し(S169)、続いて、減算の結果、CTゲーム数カウンタが0になったか否かを判定する(S170)。CTゲーム数カウンタが0ではない場合には(NO)、メインCPU31は、CT中スタート時処理を終了する。
CTゲーム数カウンタが0である場合には(YES)、メインCPU31は、続いて、CTセット数を1減算する(S171)。続いて、メインCPU31は、CTセット数が1以上であるか否かを判定する(S172)。CTセット数が1以上である場合には(YES)、メインCPU31は、続いて、CTゲーム数カウンタに8をセットし(S173)、CT中スタート時処理を終了する。他方、CTセット数が1以上ではない場合には(NO)、メインCPU31は、CTを終了し、次遊技に通常ARTをセットし(S174)、CT中スタート時処理を終了する。
<BB中スタート時処理>
次に、図59を参照して、BB中スタート時処理について説明する。BB中スタート時処理では、初めに、メインCPU31は、ボーナス中ARTゲーム数上乗せ抽籤テーブル(図44)を参照して、内部当籤役に基づいてARTゲーム数の上乗せ抽籤を行い(S181)、この上乗せ抽籤に当籤したか否かを判定する(S182)。上乗せ抽籤に当籤していない場合には(NO)、メインCPU31は、BB中スタート時処理を終了する。
他方、上乗せ抽籤に当籤している場合には(YES)、メインCPU31は、続いて、当籤結果をART終了ゲーム数カウンタに加算する(S183)。続いて、メインCPU31は、ARTセット数が0であるか否かを判定する(S184)。ARTセット数が0ではない場合には、メインCPU31は、BB中スタート時処理を終了する。他方、ARTセット数が0である場合には、メインCPU31は、ARTセット数に1加算し(S185)、BB中スタート時処理を終了する。
<リール停止初期設定処理>
次に、図60を参照して、リール停止初期設定処理について説明する。リール停止初期設定処理では、初めに、メインCPU31は、回胴停止初期設定テーブル(図示せず)を参照し、内部当籤役などに基づいて回胴停止用番号を取得する(S191)。続いて、メインCPU31は、回胴停止初期設定テーブルを参照し、回胴停止用番号に基づいて各情報を取得する(S192)。この処理では、メインCPU31は、例えば、押下順序別判定データなどの回胴停止用番号に対応付けられた各種情報を取得する。
続いて、メインCPU31は、図柄コード格納領域(図示せず)に回転中の識別子を格納する(S193)。すなわち、メインCPU31は、全図柄コード格納領域(未使用領域を除く)のビットを「1」にセットする。続いて、メインCPU31は、ストップボタン未作動カウンタに3を格納し(S194)、リール停止初期設定処理を終了する。なお、ストップボタン未作動カウンタは、遊技者により停止操作が行われていないストップボタン7L、7C、7Rの数を判別するためのものであり、メインRAM33の所定の領域に格納されている。
<リール停止制御処理>
続いて、図61を参照して、リール停止制御処理について説明する。リール停止制御処理では、初めに、メインCPU31は、有効なストップボタンが押されたか否かを判定する(S201)。この処理は、ストップスイッチ7Sから信号が出力されたか否かを判定する処理である。メインCPU31は、有効なストップボタンが押されていないと判定した場合には(NO)、ステップS201の処理を繰り返し実行する。
一方、メインCPU31は、有効なストップボタンが押されたと判定した場合には(YES)、押されたストップボタンに応じて、押下順序格納領域(図示せず)と、作動ストップボタン格納領域(図示せず)とを更新する(S202)。すなわち、メインCPU31は、作動ストップボタン格納領域を更新することで、押されたストップボタンの種別を管理するとともに、押されたストップボタンの種別及びその順序に基づいて押下順序格納領域を更新することで、停止操作の順序(押し順)を管理する。
続いて、メインCPU31は、ストップボタン未作動カウンタから1を減算し(S203)、作動ストップボタンから検索対象リールを決定し(S204)、図柄カウンタに基づいて停止開始位置をメインRAM33に格納する(S205)。停止開始位置は、ストップスイッチ7Sによって停止操作が検出されたときの該当リールの図柄カウンタに対応する図柄位置である。
次に、メインCPU31は、滑り駒数決定処理を実行する(S206)。この滑り駒数決定処理は、回胴停止初期設定テーブルから内部当籤役に基づいて選択されるリール停止制御情報(停止テーブル群)に基づいて、停止開始位置に規定された滑り駒数を決定する処理である。
次に、メインCPU31は、主制御基板71から副制御基板72へ送信するリール停止コマンドデータを生成し、生成したリール停止コマンドデータをメインRAM33に割り当てられた通信データ格納領域に格納するリール停止コマンド生成処理を実行する(S167)。このリール停止コマンドデータは、停止されるリールの種別、停止開始位置及び滑り駒数(又は停止予定位置)などを表す。
次に、メインCPU31は、停止開始位置と滑り駒数決定データとに基づいて停止予定位置を決定し、メインRAM33に格納する(S208)。停止予定位置は、滑り駒数として規定されている予め定められた数値「0」~「4」のうちの何れかを停止開始位置に加算した図柄位置であり、リールの回転が停止する図柄位置である。
次に、メインCPU31は、停止予定位置を検索図柄位置としてセットする(S209)。次に、メインCPU31は、図柄コード格納処理を実行する(S210)。この図柄コード格納処理は、回転中のリールの図柄位置をチェックするためのチェック用図柄位置データの図柄コードを取得する。
次に、メインCPU31は、図柄コード格納処理で取得した図柄コードから図柄コード格納領域を更新する(S211)。次に、メインCPU31は、制御変更処理を行う(S212)。この制御変更処理では、特定の停止位置にあった場合に、リールの停止に用いる停止情報群が更新される。
次に、メインCPU31は、押されたストップボタンが放されたか否かを判定する(S213)。この処理は、ストップスイッチ7Sから信号が出力されなくなったか否かを判定する処理である。
メインCPU31は、押されたストップボタンが放されていないと判定した場合には(NO)、ステップS213の処理を繰り返し実行する。一方、メインCPU31は、押されたストップボタンが放されたと判定した場合には(YES)、リール停止コマンドを送信する(S214)。
次に、メインCPU31は、ストップボタン未作動カウンタが0であるか否かを判定する(S215)。ここで、ストップボタン未作動カウンタが0でないと判定した場合には(NO)、メインCPU31は、引込優先順位格納処理を実行し(S216)、ステップS201の処理を実行する。この引込優先順位格納処理では、回転しているリール3L、3C、3Rの全ての図柄の引込優先順位が決定される。一方、ストップボタン未作動カウンタが0であると判定した場合には(YES)、メインCPU31は、リール停止制御処理を終了する。
<BBチェック処理>
続いて、図62を参照して、BBチェック処理について説明する。BBチェック処理では、初めに、メインCPU31は、ボーナス状態中であるか否かを判定する(S221)。ボーナス状態中である場合には(YES)、メインCPU31は、続いて、ボーナス状態中に払い出し可能なメダルの枚数を計数するBB中払出枚数カウンタから、入賞判別メダル払出処理(図49のS13)において払い出されたメダルの払出枚数を減算する(S222)。
続いて、メインCPU31は、BB中払出枚数カウンタが0未満になったか否かを判定する(S223)。BB中払出枚数カウンタが0未満ではない場合には(NO)、BBチェック処理を終了する一方で、BB中払出枚数カウンタが0未満である場合には(YES)、メインCPU31は、続いて、ボーナス終了時処理を行う(S224)。この処理では、メインCPU31は、ボーナス状態中の各種情報をクリアするとともに、RT1遊技状態フラグをオンにセットする。
続いて、メインCPU31は、ボーナス終了時CT抽籤テーブル(図45)を参照して、ボーナス終了時のCT抽籤を行い(S225)、このCT抽籤に当籤したか否かを判定する(S226)。CT抽籤に当籤している場合には、メインCPU31は、続いて、CTセット数に1加算する(S227)。なお、ARTセット数が0のときにCT抽籤に当籤した場合には、S227においてCTセット数に1加算するとともに、ARTセット数にも1加算する。
S227の処理に続いて、又はS226においてCT抽籤に当籤していない場合には(NO)、メインCPU31は、続いて、ARTセット数又はCTセット数が1以上であるか否かを判定する(S228)。ARTセット数又はCTセット数が1以上である場合には(YES)、メインCPU31は、続いて、ボーナス状態を終了するとともに、次遊技にART準備中をセットし(S229)、BBチェック処理を終了する。
他方、ARTセット数及びCTセット数のいずれも1以上ではない場合には(NO)、メインCPU31は、続いて、ボーナス状態を終了するとともに、次遊技に通常遊技状態をセットする(S230)。続いて、メインCPU31は、通常中高確率抽籤テーブル(図25(B))を参照して、CZの抽籤状態を抽籤し、セットし(S231)、BBチェック処理を終了する。
また、S221においてボーナス状態中ではない場合には(NO)、メインCPU31は、BBの図柄の組合せ(C_BB1,2)が表示されたか否かを判定する(S232)。BBの図柄の組合せが表示されていない場合には(NO)、メインCPU31は、BBチェック処理を終了する。
他方、BBの図柄の組合せが表示された場合には(YES)、メインCPU31は、続いて、ボーナス種別抽籤テーブル(図43)を参照して、ボーナス種別を抽籤し、セットする(S233)。続いて、メインCPU31は、BB中払出枚数カウンタに所定値(例えば、216)をセットし(S234)、ボーナス開始時処理を行い(S235)、BBチェック処理を終了する。なお、ボーナス開始時処理では、メインCPU31は、ボーナスの作動を開始し、次遊技にボーナス状態をセットするなどの各種の処理を行う。
<RTチェック処理>
続いて、図63及び図64を参照して、RTチェック処理について説明する。RTチェック処理では、初めに、メインCPU31は、RT5遊技状態中であるか否かを判定する(S241)。RT5遊技状態中である場合には(YES)、メインCPU31は、RTチェック処理を終了する一方で、RT5遊技状態中ではない場合には(NO)、メインCPU31は、続いて、RT0遊技状態中であるか否かを判定する(S242)。
S242においてRT0遊技状態中である場合には(YES)、メインCPU31は、続いて、「ベルこぼし目」の図柄の組合せが表示されたか否かを判定する(S243)。「ベルこぼし目」が表示されていない場合には(NO)、メインCPU31は、RTチェック処理を終了する一方で、「ベルこぼし目」が表示された場合には(YES)、メインCPU31は、続いて、RT2遊技状態フラグをオンにセットし、RT0遊技状態からRT2遊技状態に移行させ(S244)、RTチェック処理を終了する。
他方、S242においてRT0遊技状態中でない場合には(NO)、メインCPU31は、続いて、RT1遊技状態中であるか否かを判定する(S245)。RT1遊技状態中である場合には(YES)、メインCPU31は、続いて、「ベルこぼし目」の図柄の組合せが表示されたか否かを判定する(S246)。「ベルこぼし目」が表示された場合には(YES)、メインCPU31は、続いて、RT2遊技状態フラグをオンにセットするとともにRT1遊技状態フラグをオフにし、RT1遊技状態からRT2遊技状態に移行させ(S247)、RTチェック処理を終了する。
他方、S246において「ベルこぼし目」が表示されていない場合には(NO)、メインCPU31は、続いて、RT1遊技状態が20ゲーム経過したか否かを判定する(S248)。20ゲーム経過していない場合には(NO)、メインCPU31は、RTチェック処理を終了する一方で、20ゲーム経過した場合には(YES)、メインCPU31は、RT1遊技状態フラグをオフにし、RT1遊技状態からRT0遊技状態に移行させ(S249)、RTチェック処理を終了する。
他方、S245においてRT1遊技状態中でない場合には(NO)、メインCPU31は、続いて、RT2遊技状態中であるか否かを判定する(S250)。RT2遊技状態中である場合には(YES)、メインCPU31は、続いて、「RT3移行リプ」の図柄の組合せが表示されたか否かを判定する(S251)。「RT3移行リプ」が表示されていない場合には(NO)、メインCPU31は、RTチェック処理を終了する一方で、「RT3移行リプ」が表示された場合には(YES)、メインCPU31は、続いて、RT3遊技状態フラグをオンにセットするとともにRT2遊技状態フラグをオフにし、RT2遊技状態からRT3遊技状態に移行させ(S252)、RTチェック処理を終了する。
他方、S250においてRT2遊技状態中でない場合には(NO)、メインCPU31は、続いて、RT3遊技状態中であるか否かを判定する(S261)。RT3遊技状態中である場合には(YES)、メインCPU31は、「ベルこぼし目」又は「RT2移行リプ」の図柄の組合せが表示されたか否かを判定する(S262)。「ベルこぼし目」又は「RT2移行リプ」が表示された場合には(YES)、メインCPU31は、RT2遊技状態フラグをオンにセットするとともにRT3遊技状態フラグをオフにし、RT3遊技状態からRT2遊技状態に移行させ(S263)、RTチェック処理を終了する。
他方、S262において「ベルこぼし目」及び「RT2移行リプ」のいずれも表示されていない場合には、メインCPU31は、続いて、「RT4移行リプ」の図柄の組合せが表示されたか否かを判定する(S264)。「RT4移行リプ」が表示されていない場合には(NO)、メインCPU31は、RTチェック処理を終了する一方で、「RT4移行リプ」が表示された場合には(YES)、メインCPU31は、続いて、RT4遊技状態フラグをオンにセットするとともにRT3遊技状態フラグをオフにし、RT3遊技状態からRT4遊技状態に移行させる(S265)。
続いて、メインCPU31は、ART準備中がセットされているか否かを判定する(S266)。ART準備中がセットされていない場合には(NO)、メインCPU31は、RTチェック処理を終了する一方で、ART準備中がセットされている場合には(YES)、メインCPU31は、CTセット数が1以上であるか否かを判定する(S267)。
CTセット数が1以上である場合には(YES)、メインCPU31は、次遊技にCTをセットするとともに、CTゲーム数カウンタに8をセットし(S268)、RTチェック処理を終了する。他方、CTセット数が1以上ではない場合には(NO)、メインCPU31は、次遊技に通常ARTをセットし、ART終了ゲーム数カウンタに所定値をセットし(S269)、RTチェック処理を終了する。
他方、S261においてRT3遊技状態中ではない場合には(NO)、RT4遊技状態中であるため、メインCPU31は、続いて、「ベルこぼし目」又は「RT2移行リプ」の図柄の組合せが表示されたか否かを判定する(S270)。「ベルこぼし目」及び「RT2移行リプ」のいずれも表示されていない場合には(NO)、メインCPU31は、RTチェック処理を終了する一方で、「ベルこぼし目」又は「RT2移行リプ」が表示された場合には(YES)、メインCPU31は、RT2遊技状態フラグをオンにセットするとともにRT4遊技状態フラグをオフにし、RT4遊技状態からRT2遊技状態に移行させ(S271)、RTチェック処理を終了する。
<CZ・ART終了時処理>
続いて、図65を参照して、CZ・ART終了時処理について説明する。CZ・ART終了時処理では、初めに、メインCPU31は、CZ失敗時又はART終了時であるか否かを判定する(S281)。CZ失敗時及びART終了時のいずれでもない場合には(NO)、メインCPU31は、CZ・ART終了時処理を終了する一方で、CZ失敗時又はART終了時である場合には(YES)、メインCPU31は、続いて、CZ抽籤テーブル(図26(B))を参照して、CZの引き戻し抽籤を行い(S282)、この引き戻し抽籤に当籤したか否かを判定する(S283)。
引き戻し抽籤に当籤した場合には(YES)、メインCPU31は、続いて、次遊技に当籤した種別のCZをセットし(S284)、当籤した種別のCZに応じた値をCZゲーム数カウンタにセットし(S285)、CZ・ART終了時処理を終了する。
他方、引き戻し抽籤に当籤していない場合には(NO)、メインCPU31は、続いて、次遊技に通常遊技状態をセットする(S286)。続いて、メインCPU31は、通常中高確率抽籤テーブル(図25(B))を参照して、CZの抽籤状態を抽籤し、セットし(S287)、CZ・ART終了時処理を終了する。
[副制御基板の動作説明]
次に、図66~図68を参照して、副制御基板72のサブCPU81が、プログラムを用いて実行する各種処理の内容について説明する。
<サブ側ナビ制御処理>
まず、図66を参照して、サブ側ナビ制御処理について説明する。サブ側ナビ制御処理では、初めに、サブCPU81は、ナビデータを取得したか否かを判定する(S301)。サブCPU81は、主制御基板71から受信したスタートコマンドデータの中から主制御基板71が決定したナビデータを取得する。S301の処理では、サブCPU81は、受信したスタートコマンドデータの中にナビデータが含まれていたか否かを判定する。
ナビデータを取得した場合には(YES)、サブCPU81は、続いて、ナビデータに応じたサブ側ナビデータをセットする(S302)。図48を参照して、サブCPU81は、例えば、ナビデータ「4」を取得した場合には、サブ側ナビデータといして押し順「左、中、右」を報知するためのナビデータをセットする。これにより、メイン側及びサブ側の双方において停止操作の内容を報知することができる。
他方、ナビデータを取得していない場合には(NO)、サブCPU81は、続いて、ナビ(停止操作の報知)の必要があるか否かを判定する(S303)。本実施形態では、サブCPU81は、例えば、主制御基板71においてフラグ変換抽籤が行われた場合や、主制御基板71において所定の役が内部当籤役として決定された場合に、ナビの必要があると判定する。フラグ変換抽籤の結果や、内部当籤役の種別は、スタートコマンドデータに含まれており、サブCPU81は、スタートコマンドデータに含まれる各種情報からナビの必要があるか否かを判定することができる。
ナビの必要がないと判定した場合には(NO)、サブCPU81は、サブ側ナビ制御処理を終了する。他方、ナビの必要があると判定した場合には(YES)、サブCPU81は、各種抽籤結果に応じたサブ側ナビデータをセットし(S304)、サブ側ナビ制御処理を終了する。例えば、サブCPU81は、役「F_確チリリプ」が内部当籤役として決定されており、フラグ変換抽籤に当籤している場合には、「3連チリリプ」の図柄の組合せを表示するためのナビデータ(例えば、順押しでチリ図柄を狙わせるナビデータ)をセットし、役「F_確チリリプ」が内部当籤役として決定されており、フラグ変換抽籤に非当籤した場合に、「リプレイ」の図柄の組合せを表示するためのナビデータ(例えば、順押し以外の押し順を示すナビデータ)をセットする。これにより、メイン側で停止操作の内容を報知しない場合であっても、サブ側単独で停止操作の内容を報知することができる。
<遊技者登録処理>
次に、図67を参照して、遊技者登録処理について説明する。遊技者登録処理では、初めに、サブCPU81は、登録操作を受け付けたか否かを判定する(S311)。例えば、第1サブ表示装置201のメニュー画面212(図29参照)において登録ボタン212bの操作を受け付けた場合に表示する登録画面において所定の操作を受け付けると、サブCPU81は、登録操作を受け付けたと判定する。
登録操作を受け付けた場合には(YES)、サブCPU81は、続いて、遊技者登録状態をセットする(S312)。後述するように、遊技者登録状態がセットされている状況では、サブCPU81は、第1サブ表示装置201に遊技情報画面213,214,215(図29参照)を表示可能に第1サブ表示装置201の表示画面を制御する。
他方、登録操作を受け付けていない場合には(NO)、サブCPU81は、登録削除操作を受け付けたか否かを判定する(S313)。例えば、第1サブ表示装置201の登録画面において特定の操作を受け付けると、サブCPU81は、登録削除操作を受け付けたと判定する。登録削除操作を受け付けていない場合には(NO)、サブCPU81は、遊技者登録処理を終了する。
他方、登録削除操作を受け付けた場合には(YES)、サブCPU81は、続いて、遊技者登録状態をクリアする。後述するように、遊技者登録状態がクリアされている状況では、サブCPU81は、第1サブ表示装置201に遊技情報画面213,214,215(図29参照)を表示不可能に第1サブ表示装置201の表示画面を制御する。
<履歴管理処理>
次に、図68を参照して、履歴管理処理について説明する。履歴管理処理では、初めに、サブCPU81は、主制御基板71から受信した各種コマンドデータから遊技結果を取得する(S321)。続いて、サブCPU81は、遊技履歴を更新し(S322)、履歴管理処理を終了する。サブCPU81は、例えば、スタートコマンドデータから内部当籤役として決定された役の種類を把握することができ、また、入賞作動コマンドデータから表示された図柄の組合せ(すなわち、内部当籤役として決定された役の入賞の有無)を把握することができる。また、サブCPU81は、例えば、スタートコマンドデータなどから現在の遊技状態や遊技状態の移行状況を把握することができる。サブCPU81は、各種コマンドデータから取得したこれらの遊技結果から、例えば、ボーナス回数、ART回数、ゲーム数(遊技回数)、CZ回数、CZ成功回数、それぞれの役の当籤回数及び当籤確率などの様々な遊技履歴を管理することができる。
[第2実施形態]
続いて、図69~図99を参照して、第2実施形態のパチスロ機1について説明する。なお、第1実施形態のパチスロ機1と同様の構成、制御については、詳細な説明を省略する。また、以下に示す第2実施形態のパチスロ機1の特徴は、第1実施形態のパチスロ機1においても同様に適用することができる。
<パチスロ機が備える制御系>
第2実施形態のパチスロ機1が備える制御系について、図69を参照して説明する。図69は、第2実施形態のパチスロ機1の制御系の構成を示す回路ブロック図である。
パチスロ機1は、筐体60の内部に設けられた主制御基板71と、上ドア62aに設けられた副制御基板72とを有する。また、パチスロ機1は、主制御基板71に接続された、リール中継端子板410、割合表示装置420、設定用鍵型スイッチ430、キャビネット側中継基板440及び電源装置450を有する。さらに、パチスロ機1は、キャビネット側中継基板440を介して主制御基板71に接続された外部集中端子板73、ホッパー装置40、メダル補助収納庫スイッチ441及びリセットスイッチ442を有する。
なお、外部集中端子板73及びホッパー装置40の構成については上述したので、ここでは、それらの説明を省略する。
リール中継端子板410は、各リール3L,3C,3Rのリール本体の内側に配設されている。リール中継端子板410は、各リール3L,3C,3Rのステッピングモータ(不図示)に電気的に接続されており、主制御基板71からステッピングモータに出力される信号を中継する。
割合表示装置420は、主制御基板71に接続された割合表示基板421と、割合表示基板421に接続された割合表示器422及び切替スイッチ423とを有する。割合表示基板421は、主制御基板71から出力される信号に基づいて割合表示器422の表示を制御する。割合表示器422は、特定区間割合や役物割合等の各種割合を表示する。切替スイッチ423は、割合表示器422の表示を切り替える。
なお、割合表示器422の構成、及び割合表示器422に表示される各種割合の詳細については、図71を参照して後述する。
設定用鍵型スイッチ430は、遊技者に付与される利益の大きさを設定するために設けられた複数の設定値の中から、いずれかの設定値を設定するとき、又はパチスロ機1に設定されている設定値の確認を行うときに使用される。主制御基板71は、設定用鍵型スイッチ430を用いた操作を受け付けると、複数の設定値の中から操作の内容に応じた設定値を設定する。
キャビネット側中継基板440は、主制御基板71と、外部集中端子板73、ホッパー装置40、メダル補助収納庫スイッチ441及びリセットスイッチ442とを電気的に接続するための中継基板である。メダル補助収納庫スイッチ441は、メダル補助収納庫(不図示)がメダルで満杯になっているか否かを検出する。リセットスイッチ442は、パチスロ機1の各種データをリセット(初期化)するときに使用される。
電源装置450は、主制御基板71に接続された電源基板451と、電源基板451に接続された電源スイッチ452とを有する。電源スイッチ452は、パチスロ機1に必要な電源を供給するときに押下される。
また、パチスロ機1は、ドア中継端子板460、並びに、該ドア中継端子板460を介して、主制御基板71に接続された、セレクタ461、ドア開閉監視スイッチ462、BETスイッチ11S、精算スイッチ13S、スタートスイッチ6S、ストップスイッチ基板463、遊技動作表示基板470及び副中継基板75を有する。なお、BETスイッチ11S、精算スイッチ13S、スタートスイッチ6S及び副中継基板75については、上述したので、ここでは、それらの説明を省略する。
セレクタ461は、メダルの材質や形状等が適正であるか否かを選別する装置であり、メダル投入口22に投入された適正なメダルをホッパー装置40へ案内する。セレクタ461内においてメダルが通過する経路上には、図示しないが、適正なメダルが通過したことを検出するメダルセンサ(投入操作検出手段)が設けられる。
ドア開閉監視スイッチ462は、パチスロ機1の外部へ、上ドア62a及び下ドア62bの開閉を報知するためのセキュリティー信号を出力する。ストップスイッチ基板463(停止操作検出手段)は、回転しているリールを停止させるための回路と、停止可能なリールをLED等により表示するための回路とを備える。また、ストップスイッチ基板463には、ストップスイッチが設けられる。ストップスイッチは、各ストップボタン7L、7C、7Rが遊技者により押下されたこと(停止操作)を検出する。
遊技動作表示基板470は、情報表示器14に接続され、メダルの投入を受け付けるとき、3つのリール3L,3C,3Rが回動可能なとき、及び、再遊技を行うとき等に、投入されたメダルの枚数等を情報表示器14に表示させるための基板である。また、遊技動作表示基板470は、LED群471が接続され、LED群471は、例えば、遊技動作表示基板470から入力される信号に基づいて、遊技開始を表示するマークや再遊技を行うマーク等を点灯させる。
副制御基板72は、ドア中継端子板460及び副中継基板75を介して主制御基板71に接続される。また、パチスロ機1は、副中継基板75を介して副制御基板72に接続された、スピーカ9L,9R,各種LED101、タッチセンサ201a及び表示ユニット110を有する。
また、パチスロ機1は、副制御基板72に接続された、ロムカートリッジ基板82及び液晶中継基板480を有する。なお、ロムカートリッジ基板82及び液晶中継基板480は、副制御基板72とともに副制御基板ケースに収納されている。
ロムカートリッジ基板82は、演出用の画像(映像)、音声、光及び通信のデータを管理するための基板である。液晶中継基板480は、副制御基板72及び表示ユニット100間の接続配線を中継する基板である。
<主制御回路>
次に、主制御基板71に実装される主制御回路の構成について、図70を参照して説明する。なお、副制御基板72に実装される副制御回路の構成は、図5において示したものと同様であるため、説明を省略する。図70は、パチスロ機1の主制御回路の構成例を示すブロック図である。
図70(A)に示すように、主制御回路は、主に、主制御基板71に実装されたマイクロコンピュータ30により構成される。マイクロコンピュータ30は、メインCPU31、メインROM32及びメインRAM33により構成される。
メインROM32には、メインCPU31により実行される制御プログラム、データテーブル、副制御基板72に実装される副制御回路に対して各種制御指令(コマンド)を送信するためのデータ等が記憶される。また、メインROM32には、単位遊技に係る最少の遊技時間が複数記憶される。
メインRAM33には、制御プログラムの実行により決定された内部当籤役等の各種データを格納する格納領域が設けられる。
メインCPU31には、クロックパルス発生回路34、分周器35、乱数発生器36及びサンプリング回路37が接続される。クロックパルス発生回路34及び分周器35は、クロックパルスを発生する。メインCPU31は、発生されたクロックパルスに基づいて、制御プログラムを実行する。乱数発生器36は、予め定められた範囲の乱数(例えば、0~65535)を発生する。サンプリング回路37は、発生された乱数の中から1つの値を抽出する。
<割合表示器>
次に、割合表示器422の構成について、図71を参照して説明する。図69において上述したように、本実施形態のパチスロ機1では、各種の割合を表示する割合表示器422を有する。図71(A)は、割合表示器422の取り付け例を示し、図71(B)は、割合表示器422に表示される内容を示す。
(割合表示器の構成)
図71に示すように、割合表示器422は、4桁の7セグメントLEDにより構成され、図71(B)で後述するように、上位2桁は、表示する割合の種類を示し、下位2桁は、当該割合の値を示す。割合表示器422は、管理者(遊技店の店員等)がパチスロ機1に不正改造がないか確認する際などに使用されるため、パチスロ機1の筐体60の内部に設けられる。このとき、割合表示器422自体に対する不正を防止するため、割合表示器422は、主制御基板71を覆う主制御基板ケースの内部に設けられることが好ましい。
具体的な取り付け例としては、図71(A-1)に示すように、割合表示器422は、主制御基板71上に実装することとしてもよく、また、図71(A-2)に示すように、主制御基板71に接続された他の基板(割合表示基板)上に実装することとしてもよく、また、図71(A-3)に示すように、割合表示器422としての7セグメントLEDユニットを主制御基板に接続することで、取り付けることとしてもよい。いずれの場合であっても、図71(A)に示すように、主制御基板71とともに主制御基板ケースの内部に設けられることが好ましい。
なお、通常、主制御基板ケースには、封印シールが貼りつけられるが、主制御基板ケース内に割合表示器422を設ける場合には、封印シールにより割合表示器422の視認性が損なわれることがないように、封印シールを貼りつけることが好ましい。さらに、主制御基板ケースに、かしめ記録用シールも貼り付けられる。かしめ記録用シールとは、かしめの開封記録の担当者と日付の記入欄、主制御基板の製造番号、製造時に用いる識別用の2次元コードが記載されているシールである。機種によっては、製造時に用いる2次元コードのシールをさらに別に主制御基板ケースに貼り付ける場合もある。こうしたシール等の貼り付け部材によっても割合表示器の視認性が損なわれることのない配置とすることが好ましい。
また、主制御基板に組み付けられるかしめ部材やハーネス、あるいは重畳的に複数の基板を配置する基板構成である場合の他の基板、その他の筐体内の部材によっても、フロントドア(上ドア62a又は下ドア62b)の開放時には割合表示器の視認性が損なわれることのない設計とすることが好ましく、そうすることで管理者の割合表示器の確認作業の効率が良くなる。
(割合表示器の表示内容)
続いて、割合表示器422の表示例について説明する。図71(B)に示すように、割合表示器422には、累計の特定区間割合と、直近6000ゲーム間の連続役物割合及び役物割合と、累計の連続役物割合及び役物割合と、が表示される。割合表示器422に累計の特定区間割合を表示する場合、4桁の7セグメントLEDのうちの上位2桁には、「AU」と表示され、直近6000ゲーム間の連続役物割合を表示する場合、上位2桁には、「=r」と表示され、直近6000ゲーム間の役物割合を表示する場合、上位2桁には、「=b」と表示され、累計の連続役物割合を表示する場合、上位2桁には、「Ar」と表示され、累計の役物割合を表示する場合、上位2桁には、「Ab」と表示される。また、4桁の7セグメントLEDのうちの下位2桁には、対応する割合がパーセント表示で表示される。
ここで、「特定区間割合」とは、全ての遊技状態における遊技回数(すなわち、総遊技回数)に対して、遊技者にとって有利な遊技状態における遊技回数が占める割合をいう。この場合において、遊技者にとって有利な遊技状態とは、例えば、ボーナス作動中のボーナス状態及びART遊技状態に加え、ART遊技状態への移行期待度が高いCZも含めることとしてもよい(図7参照)。
主制御基板71は、メインRAM33に設けられた所定のカウンタにおいて、全ての遊技状態における遊技回数を示す総遊技回数と、遊技者にとって有利な遊技状態における遊技回数を示す特定遊技回数とを計数しておき、以下に示す式により特定区間割合を算出する。
特定区間割合=特定遊技回数/総遊技回数×100
また、「連続役物割合」とは、全ての遊技状態において払い出されたメダルの総数(すなわち、総払出枚数)に対して、第一種特別役物、又は第一種特別役物に係る役物連続作動装置が作動中において払い出されたメダルの総数が占める割合をいう。
主制御基板71は、メインRAM33に設けられた所定のカウンタにおいて、全ての遊技状態において払い出されたメダルの総数を示す総払出枚数と、第一種特別役物、又は第一種特別役物に係る役物連続作動装置が作動中において払い出されたメダルの総数を示す第1特定遊技中払出枚数とを計数しておき、以下に示す式により連続役物割合を算出する。
連続役物割合=第1特定遊技中払出枚数/総払出枚数×100
また、「役物割合」とは、全ての遊技状態において払い出されたメダルの総数(すなわち、総払出枚数)に対して、いずれかの役物が作動中に払い出されたメダルの総数が占める割合をいう。なお、いずれかの役物とは、第一種特別役物、第一種特別役物に係る役物連続作動装置、第二種特別役物、第二種特別役物に係る役物連続作動装置、又は普通役物をいう。また、ART遊技状態中やCZ中も、遊技者にとって有利な状態であるため、いずれかの役物が作動している状態に含めることとしてもよい。
主制御基板71は、メインRAM33に設けられた所定のカウンタにおいて、全ての遊技状態において払い出されたメダルの総数を示す総払出枚数と、いずれかの役物が作動中に払い出されたメダルの総数を示す第2特定遊技中払出枚数とを計数しておき、以下に示す式により役物割合を算出する。
役物割合=第2特定遊技中払出枚数/総払出枚数×100
また、「累計」とは、パチスロ機1を設置してから現在までの全期間をいい、「直近6000ゲーム間」とは、6000ゲーム前の遊技から現在までの期間をいう。「累計」の割合を算出する場合、主制御基板71は、全期間において計数していた計数結果を用いて割合を算出すればよく、また、「直近6000ゲーム間」の割合を算出する場合、主制御基板71は、6000ゲーム前の遊技から現在までの期間において計数していた計数結果を用いて割合を算出すればよい。
なお、パチスロ機1は、メインRAM33に設けられたカウンタにおける計数項目のいずれもが電断により消去されないように構成されている。具体的には、電断時にメインRAM33に設けられたバックアップ領域に当該データを退避させ、復帰時にバックアップ領域からデータを読み出して再セットする。これにより、閉店後に電源を落とし、開店前に電源を入れるという一般的な運用がされた場合であっても、設置時から継続してデータを累積することができる。
また、リプレイの入賞に伴う再遊技の権利は、当該遊技に用いたメダルと同数のメダルの払い出しと考えることもでき、また、0枚のメダルの払い出しと考えることもできる。上述した割合の算出においては、再遊技の権利をメダルの払い出しと考える計算方法Aと、再遊技の権利をメダルの払い出しとは考えない計算方法Bとで算出結果が異なることがある。例えば、連続役物割合や役物割合のように、全ての遊技状態において払い出されたメダルの総数(総払出枚数)に対する割合の算出では、再遊技の権利をメダルの払い出しと考える計算方法Aでは、リプレイが入賞した回数分だけ総払出枚数も増えることになり、結果、当該割合が低くなる。反対に、再遊技の権利をメダルの払い出しと考えない計算方法Bでは、リプレイの入賞は総払出枚数に対して影響を与えないため、結果、当該割合は高くなる。このような計算方法Aと計算方法Bとのかい離は、リプレイが入賞した回数が増えるほど大きくなるため、遊技回数が増えるほど大きくなる。
そこで、割合表示器422では、計算方法Aによる算出結果と、計算方法Bによる算出結果とを切り替え可能に表示することとしてもよい。この場合は、計算方法Aによる算出結果を表示する際の上位2桁の識別子と、計算方法Bによる算出結果を表示する際の上位2桁の識別子とは異なるものとするべきである。また、割合表示器422を設ける基板の大きさに余裕がある場合には、割合表示器422の7セグユニットを増設して、両者を同時に表示することとしてもよい。
また、店舗管理者が表示できる設定用画面(いわゆるホールメニュー)において、連続役物割合や役物割合を表示させる場合にも、同様に、複数の計算方法で算出された結果を表示可能としてもよい。
(割合表示器の表示内容(切り替え表示))
割合表示器422では、主制御基板71が算出した各種の割合を切り替えて表示する。割合表示器422に表示する内容の切り替え方法は任意であり、例えば、所定の間隔で自動的に、各種の割合を切り替えることとしてもよく、また、切替スイッチ423(図69参照)の操作に応じて手動で、各種の割合を切り替えることとしてもよく、自動的な切り替えと手動による切り替えとを組み合わせて、各種の割合を切り替えることとしてもよい。
(割合表示器の表示内容(エラー時))
パチスロ機では、射幸性を徒に高めないように、業界内においてルール化がなされており、例えば、全遊技に対して遊技者にとって有利な遊技状態が占める割合が高くなりすぎないこと、また、通常の遊技状態において安心して遊技を行うことができるように、有利な遊技状態中だけでなく通常の遊技状態においてもメダルが所定以上払い出されることで、通常時のベース(いわゆるコイン持ち)を下げすぎてはいけない、といった規制がなされている。割合表示器422に表示する上述の各種割合は、これら規制を満たしているか確認可能にするものである。偶発的なボーナスの連続成立等により、一時的に規制の規定値を超える場合があるものの、統計的な観点から言えば遊技回数が増えるにつれて表示器に示される割合の値は、規制に沿って作成された設計値に近づくかたちで収束していく。そのため、遊技回数10万回など試行回数が多いときに、なお設計値と乖離した値が表示された場合は、不正行為がされたことを推認できる。また、設計値と乖離が大きい値が特定の台でのみ頻繁に表示される場合に、管理者は不正基板のぶら下げなど、その特定の台に不正行為が行われたことを推認できる。このように、割合表示器422に表示された値が規定値を超えるかどうかは、管理者が不正行為を見抜くための手がかりとして機能する。
そのため、割合表示器422に表示する各種割合が規定値を超えている場合には、管理者がその旨を適切に把握できるようにすることが好ましい。そこで、本実施形態のパチスロ機1では、主制御基板71が算出した上述の各種割合(特定区間割合、連続役物割合、役物割合)が、当該割合に対して設定された規定値以上である場合と、当該割合に対して設定された規定値未満である場合とで、割合表示器422における当該割合の表示態様を異ならせる。例えば、割合表示器422は、規定値以上である場合には当該割合を点滅表示し、規定値未満である場合には当該割合を点灯表示する。これにより、管理者は、各種割合が規定値を満たしているか否かを一目で把握することができる。
また、規定値以上である割合が存在する場合には、外部機器(例えば、ホールコンピュータ)に対してその旨を通知(例えば、特定区間割合が規定値を超えている旨通知)することとしてもよい。具体的には、主制御基板71は、算出した割合の中に規定値以上の割合が存在する場合に、外部集中端子板73を介して、外部機器に対してその旨を通知する。なお、外部集中端子板73からの出力ピンに限りがある場合には、現在エラー出力として利用している出力ピンを利用して、外部機器に対して通知(すなわち、エラー出力)を行うこととしてもよい。
なお、規定値以上である割合が存在するからといって、ただちに不正行為であるとはいえない。そのため、不正行為の疑いが強い異常を検知した場合に出力される第1エラー出力と、通常遊技で発生する異常を検知した場合に出力される第2エラー出力を備えた機種の場合は、規定値を超えていることに基づくエラーは、第2エラー出力とすることが好ましい。ここで、不正行為の疑いが強い異常とは、例えば、RAMクリア検知、RAMの読み書き不能、RAMのソフト的異常、磁気検知、電波検知、通信異常、内部電圧の異常、内部当籤していない役に係る図柄が有効ライン上に表示されるという入賞異常、本来払出のできないタイミングでの払出を検知した場合、設定値が6段階以外の値を示した場合などが挙げられる。また、通常遊技で発生する異常とは、例えば、ホッパー装置40のメダルが底をつくホッパーエンプティ、ホッパー装置40の払出口のメダル詰まり検出、メダル補助収納庫が一杯になってしまうメダルオーバーフロー、メダル投入時のメダル詰まり又はメダル逆流検出や、メダル投入枚数を4枚など異常な枚数で検出した場合、ホール店員がメダル補給などでフロントドア(上ドア62a又は下ドア62b)を開けたことによるドア開放エラーや、メダル補給などの際にホッパーの配線が外れたことを検知した場合、などが挙げられる。
このように規定値以上である割合が存在する場合に外部機器に対して所定の通知を行うことで、管理者は、筐体60の内部に設けられた割合表示器422を見ることなく、各種割合が規定値を満たしているか否かを把握することができるため、管理者の負担を軽減することができる。
(割合表示器の表示内容(設置直後))
パチスロ機1の設置直後のように総遊技回数が所定回数に達するまでは、各種の割合はブレ幅が大きく上下に大きく動いてしまう。そのため、総遊技回数が所定回数に達するまでは、各種の割合の表示態様を異ならせることとしてもよい。このとき、所定回数は、算出する割合の種類によって異ならせることとしてもよい。例えば、累計の割合については、総遊技回数が「17500回」に達するまでは通常とは異なる態様で表示(例えば、黄色で表示)し、総遊技回数が「17500回」に達した後は、通常の態様で表示(例えば、赤色で表示)する一方で、直近6000ゲーム間の割合については、総遊技回数が「6000回」に達するまでは通常とは異なる態様で表示し、総遊技回数が「6000回」に達した後は、通常の態様で表示することとしてもよい。
また、外部機器への出力に関しても、総遊技回数が所定回数に達するまでは、各種の割合が規定値以上である場合であっても、行わないこととしてもよい。この場合においても、所定回数は、算出する割合の種類によって異ならせることとしてもよい。
(割合表示器の変形例)
ところで、既存のパチスロ機は、割合表示器を有していないため、図71(A)に示す割合表示器の取り付け例では、既存のパチスロ機に対して大きな改変を行う必要がある。そこで、既存のパチスロ機において設けられている表示器を、各種の割合を表示する割合表示器として用いることとしてもよい。具体的には、既存のパチスロ機では、貯留されているメダルの数(クレジット数)、及び今回の遊技において払い出されたメダルの枚数(払出枚数)を表示する表示器(情報表示器14)が設けられている。そこで、パチスロ機に対して特別な操作が行われた場合に、クレジット数を表示する表示部(後述のクレジットランプ145)に表示する割合の種類を表示し、払出枚数を表示する表示部(後述の払出枚数ランプ146)に当該種類の割合を表示するように、当該表示器の表示を切り替え可能にしてもよい。
なお、特別な操作は任意であるが、筐体60の内部に設けられたスイッチを用いた操作であることが好ましい。これにより、遊技者が偶然に特別な操作を行ってしまうことを防止できる。
<情報表示器>
次に、図72を参照して、主制御基板71が停止操作の情報を報知する指示モニタを含む情報表示器14の構成について説明する。
図72に示すように、情報表示器14は、インサートランプ141と、スタートランプ142と、リプレイランプ143と、ベット数ランプ144と、クレジットランプ145と、払出枚数ランプ146と、指示モニタ147と、リミットランプ148とを含んで構成される。
インサートランプ141は、点灯(又は点滅(以下省略))することでメダルの投入が可能であることを遊技者に対して報せ、スタートランプ142は、点灯することでスタートレバー6の操作に伴い遊技の開始が可能であることを遊技者に対して報せ、リプレイランプ143は、点灯することで再遊技の作動によりメダルが自動投入されたことを遊技者に対して報せる。また、ベット数ランプ144は、点灯することでベットされたメダルの枚数を遊技者に報せ、クレジットランプ145は、点灯することでパチスロ機1の内部に貯留されているメダルの枚数(クレジット数)を遊技者に対して報せ、払出枚数ランプ146は、点灯することで遊技の結果により払い出されたメダルの枚数(払出枚数)を遊技者に対して報せる。
また、指示モニタ147は、報知ランプ147aと、状態表示器147b(ATランプ)と、を含んで構成される。報知ランプ147aは、例えば、7セグメントLEDにより構成され、報知する停止操作の情報に一義的に対応する態様で点灯することで、必要な停止操作の情報を遊技者に対して報せる。また、状態表示器147bは、点灯することで、現在の遊技状態が遊技者にとって有利な停止操作の態様を報知する遊技状態(例えば、ART遊技状態)であることを遊技者に対して報せる。
なお、本実施形態のパチスロ機1では、クレジットランプ145及び払出枚数ランプ146とは別に報知ランプ147aを設けているが、報知ランプ147aを設けることなく、クレジットランプ145又は払出枚数ランプ146のいずれかを用いて、停止操作の情報を報知することとしてもよい。
また、リミットランプ148は、遊技者にとって有利な遊技状態が長期間にわたって継続した際に点灯する。遊技者にとって有利な遊技状態が長期間にわたって継続した場合、射幸性を徒に煽ってしまうおそれがある。そこで、本実施形態のパチスロ機1では、遊技者にとって有利な遊技状態が長期間にわたって継続した際に、ART遊技状態の継続期間が満了する前であっても強制的にART遊技状態を終了する(リミット処理)。リミットランプ148は、このリミット処理によりART遊技状態を終了した際に点灯し、リミット処理が行われたことを遊技者に対して報せる。また、リミットランプ148は、リミット処理の発動が近い場合に点滅して、実際にリミット処理が行われると点灯することとしてもよい。
なお、リミット処理の詳細については、図79及び図80において後述する。
インサートランプ141~リミットランプ148は、背面に設けられたLED(図示せず)により点灯、点滅、消灯する。パチスロ機1では、主制御基板71がこのLEDの点灯、点滅、消灯を制御することで、遊技に関する各種の情報を遊技者に対して報せる。
<状態表示器>
次に、図73を参照して、情報表示器14に設けられる状態表示器147bについて説明する。図73は、状態表示器147bの点灯タイミングのパターン例を示す図である。
図73において、タイミングT1は遊技の開始時であり、タイミングT2は当該遊技のリール回転開始時であり、タイミングT3は当該遊技の第1停止操作時であり、タイミングT4は当該遊技の第2停止操作時であり、タイミングT5は当該遊技の第3停止操作時であり、タイミングT6は当該遊技の全リール停止時であり、タイミングT7は当該遊技の終了時であり、タイミングT8は次遊技の開始時である。
図73に示す例では、タイミングT1(すなわち、遊技開始時)において、特定区間(例えば、ART遊技状態)への移行抽籤に当籤している。本実施形態のパチスロ機1では、特定区間への移行抽籤に当籤すると、当該当籤した遊技中に状態表示器147bを点灯させる。例えば、点灯パターン例1では、特定区間への移行抽籤に当籤した遊技の開始時(タイミングT1)に状態表示器147bを点灯させている。また、点灯パターン例2では、特定区間への移行抽籤に当籤した遊技のリール回転開始時(タイミングT2)に状態表示器147bを点灯させ、点灯パターン例3では、特定区間への移行抽籤に当籤した遊技の第1停止操作時(タイミングT3)に状態表示器147bを点灯させ、点灯パターン例4では、特定区間への移行抽籤に当籤した遊技の全リール停止時(タイミングT6)に状態表示器147bを点灯させ、点灯パターン例5では、特定区間への移行抽籤に当籤した遊技の終了時(タイミングT7)に状態表示器147bを点灯させている。
なお、図73に示す点灯パターン例は、一例に過ぎず、本実施形態のパチスロ機1では、特定区間への移行抽籤に当籤した遊技中に状態表示器147bを点灯させればよく、そのタイミングは任意である。
このように特定区間への移行抽籤に当籤した遊技中に状態表示器147bを点灯させることで、遊技者は、特定区間への移行抽籤に当籤していることを把握できるため、その後の遊技に期待を持つことができ好適である。
(状態表示器による告知の改良)
ところで、当籤の有無を、単に一つのランプの点灯/消灯のみで告知していたのでは、当籤の有無は即座に分かるものの、遊技者に対してランプさえ点灯すればよいという気持ちを抱かせてしまうことになり、面白みにかけてしまい、結果、液晶表示装置等での他の演出に対する興味を失わせてしまうおそれがある。そこで、本実施形態のパチスロ機1では、以下に示す方法により、特定区間への移行抽籤に当籤していることを、単調になることなく当該遊技中に報せることとしている。
(状態表示器に対する工夫1)
図72(B)及び図72(C)は、状態表示器147bの別構成例を示す。図72(B)に示す状態表示器147bでは、それぞれが点灯、点滅、消灯する複数のランプ「a」~「i」を有し、これら複数のランプの点灯、点滅、消灯のパターンに基づいて、特定区間への移行抽籤に当籤していることを報せる。
一例として、特定区間への移行抽籤に当籤している場合には、複数のランプが特定のパターンで点灯(例えば、「a」「c」「d」「h」「i」が点灯)し、当籤していない場合には、複数のランプがこの特定のパターン以外のパターンで点灯する。なお、特定のパターンは、一つに限るものではなく、複数のパターンを有していてもよい。これにより、一つのランプが単に点灯した場合に当籤を報せる場合よりも、深みのある告知が可能になり、例えば、遊技を繰り返し行い当籤時の点灯パターンを覚えるにつれて、当籤の察知が早くなるといった遊技性を実現できる。
なお、移行抽籤の当籤の有無を、点灯パターンに基づいて報せるのではなく、点灯しているランプの数に基づいて報せることとしてもよい。例えば、移行抽籤に当籤している場合には、複数のランプのうちの特定数のランプが点灯し、移行抽籤に当籤していない場合には、複数のランプのうちの特定数以外の数のランプが点灯することとしてもよい。また、例えば、移行抽籤に当籤している場合には、複数のランプのうちの特定数以上(又は特定数以下)の数のランプが点灯し、移行抽籤に当籤していない場合には、複数のランプのうちの特定数未満(又は特定数を超える)の数のランプが点灯することとしてもよい。
また、遊技の進行に応じて複数のランプの点灯パターンを制御することで、複数のランプを用いて移行抽籤の当籤の期待度を示唆する演出を行うこともできる。例えば、移行抽籤に当籤していることを報せる点灯パターンを「全てのランプが点灯する」とした場合に、遊技の進行(開始操作、第1停止操作、第2停止操作、第3停止操作、全リール停止時等)に応じて点灯するランプの数を増減させることで、遊技の進行に合わせて移行抽籤の当籤の期待度を示唆することができる。
(状態表示器に対する工夫2)
図72(C)に示す状態表示器147bは、それぞれが点灯、点滅、消灯する複数のランプを有する点では図72(B)の状態表示器147bと同様であるが、図72(B)の状態表示器147bが複数のランプが全体として意味を持たなかったのに対して、図72(C)に示す状態表示器147bでは、全体として意味を持たせている点が異なる。すなわち、図72(C)に示す状態表示器147bでは、例えば、パチスロ機1のメーカー名、パチスロ機1の機種名、パチスロ機1やメーカーのモチーフとなったキャラクタ名、キャラクタの形状等の、遊技者に対して印象付けたい文字や形状を装飾としても用いる。複数のランプに対してこのような装飾を用いることで、装飾が表す文字や形状を遊技者に対して強く記憶させることができ、ブランド力の向上につながる。
この場合においても、点灯パターンや点灯するランプの数を制御することで、移行抽籤の当籤の有無を分かり難くすることができるとともに、遊技の進行に応じて複数のランプの点灯パターンを制御することで、移行抽籤の当籤の期待度を示唆する演出を行うことができる。
なお、パチスロ機によっては、特定区間として、遊技者にとっての有利度合いの異なる複数種類の特定区間を有することがあり、移行抽籤の結果に基づいていずれかの特定区間に移行することがある。例えば、ART遊技状態とCZとを有するパチスロ機において、移行抽籤の結果に基づいてART遊技状態又はCZに遊技状態を移行させるパチスロ機や、初期ゲーム数が50ゲームであるART遊技状態と初期ゲーム数が100ゲームであるART遊技状態とを有し、移行抽籤に伴い決定した初期ゲーム数のART遊技状態に遊技状態を移行させるパチスロ機等が考えられる。
ここで、上述の工夫1,2のように複数のランプを用いる場合、移行抽籤により当籤した特定区間の種類に応じて、異なる組合せのパターンで複数のランプ(状態表示器147b)を点灯又は消灯させることとしてもよい。一例として、初期ゲーム数が50ゲームのART遊技状態に当籤した場合には、第1の点灯パターンで状態表示器147bを点灯し、初期ゲーム数が100ゲームのART遊技状態に当籤した場合には、第1の点灯パターンとは異なる第2の点灯パターンで状態表示器147bを点灯することとしてもよい。
これにより、特定区間の種類に応じて点灯パターンが異なるため、状態表示器147bの点灯パターンのバリエーションを増やすことができる。遊技者にとってみれば、点灯パターンのバリエーションが増えることで、それぞれの点灯パターンの内容を正確に把握することが困難になるため、液晶表示装置等での他の演出に対する興味を失うことがない。
反対に、移行抽籤により当籤した特定区間の種類に関わらず、同一の組合せのパターンで複数のランプ(状態表示器147b)を点灯又は消灯させることとしてもよい。このような制御では、当籤した特定区間の種類に関わらず点灯パターンが同一であるため、点灯パターンからでは、当籤した特定区間の種類を把握することができない。熟練の遊技者によっては、複数のランプの点灯パターンを暗記してしまっていることがある。そこで、遊技者にとって真に有利な特定区間(例えば、50ゲーム等の長いART遊技状態)と、遊技者にとってあまり有利ではない特定区間(例えば、1ゲームで終了してしまうART遊技状態)とを設け、これら特定区間のいずれにおいても状態表示器147bの点灯パターンを同一にすることで、当籤した特定区間の種類を把握できなくすることができる。
また、初心者向けの配慮として、それぞれの点灯パターンの内容を腰部パネル25などに表示しておくこととしてもよい。例えば、一般的に導入されるデザインの腰部パネル25には、点灯パターンの内容を表示せずに、低貸玉店などのように主に初心者が多い店舗に出荷するパチスロ機の腰部パネル25には、点灯パターンの内容を表示することとしてもよい。また、購入店舗側が客層を踏まえて希望する腰部パネル25をメーカーに発注できるようにしてもよい。これにより、遊技店の客層に応じて点灯パターンの内容を報せる又は報せないといったことが可能になる。
腰部パネル25のデザイン変更は、試験機関による試験が不要であり、また、製造・開発コストの負荷も大きくないため、市場環境に合わせて簡単なパネル替えのみで適切な仕様のパチスロ機を提供することができ、好適である。なお、腰部パネル25自体のデザイン変更ではなく、所定のシール部材を貼り付ける、又は差し替え可能なシート部材により、点灯パターンの内容を報せる又は報せないを切り替え可能にしてもよい。また、点灯パターンの内容を表示する場所は、遊技者が遊技中に認識可能な場所であれば腰部パネル25以外の場所であってもよい。ただし、遊技者にとって見やすい場所であることが望ましい。
(状態表示器に対する工夫3)
また、一つのランプが点灯するか否かで当籤の有無が分かってしまうことを避けるために、状態表示器147bを遊技者が視認し難い位置に配置することとしてもよい。視認し難い位置とは、例えば、メダル受け部16、腰部パネル25、筐体60の側面、メダル投入口22の裏等の任意の場所であってよい。また、状態表示器147bを不透明なカバーで覆い、このカバーにあけられた穴部(のぞき穴)からのみ、状態表示器147bを視認できるようにすることで、状態表示器147bを視認し難くすることができる。また、例えば、お札クリップや駐車場利用サービス券のクリップをパチスロ機1に設け、このクリップの背後に状態表示器147bを設けることとしてもよい。
(状態表示器に対する工夫4)
また、特定区間への移行抽籤の当否を報せる状態表示器147bが同じ位置にある場合、その場所のみを見ていればすぐにわかってしまうため、状態表示器147bの位置を切り替えることとしてもよい。具体的な方法としては、パチスロ機1が有する複数個所のランプ(LED)の少なくとも複数に状態表示器147bの機能を持たせ、時間毎に移行抽籤の当否を報せるランプを異ならせることが考えられる。これにより、例えば、あるタイミングでは、右上部のランプが状態表示器147bの機能を果たしているが、別のタイミングでは、左下部のランプが状態表示器147bの機能を果たすといったことが可能になる。その結果、遊技者は、状態表示器147bの点灯パターンからだけでは、移行抽籤の当否を把握し難くなり、液晶表示装置等での他の演出に対する興味が失われてしまうことを防止できる。
(遊技性からの工夫)
続いて、図74を参照して、特定区間への移行抽籤に当籤していること分かり難くする方法に関する遊技性からの工夫について説明する。第1実施形態のパチスロ機1では、押し順役として「F_3択ベル_1st」「F_3択ベル_2nd」「F_3択ベル_3rd」を設け、押し順正解時には9枚のメダルが払い出され(ベルの図柄の組合せが表示され)、押し順不正解時には0枚又は1枚のメダルが払い出される(ベルこぼし目又は1枚出目の図柄の組合せが表示される)こととしている。そして、ART遊技状態では、押し順役が内部当籤役として決定されると、押し順役に応じた正解の押し順を報知することとしている。そのため、ART遊技状態中は、報知に従い遊技を行うことで、遊技に用いるメダル(例えば、3枚)を超える数のメダルが(例えば、9枚)払い出されることになる。
遊技性からの工夫としては、まず、押し順正解時であっても遊技に用いたメダル以下の数のメダルが払い出される押し順役を更に設ける。図74に示す例では、図74(A)に示すように、「F_3択1枚役_1st」「F_3択1枚役_2nd」「F_3択1枚役_3rd」という押し順役を設けている。「F_3択1枚役_1st」~「F_3択1枚役3rd」は、押し順に正解したときに、1枚出目の図柄の組合せが表示され、1枚のメダルが払い出され、押し順に不正解のときに、はずれの図柄の組合せが表示され、0枚のメダルが払い出される。
なお、新たに設ける押し順役は、押し順正解時であってもメダルが増加しなければよく、押し順正解時に遊技に用いたメダルの数以下の数(第3数量)のメダルが払い出され、押し順不正解時に当該数(第3数量)よりも少ない数(第4数量)のメダルが払い出される、又はメダルが1枚も払い出されない(すなわち、0枚)役であればよい。
また、遊技性からの工夫では、ART遊技状態として少なくとも2種類のART遊技状態を設ける。具体的には、全ての押し順役(「F_3択1枚役_1st」~「F_3択1枚役_3rd」及び「F_3択ベル_1st」~「F_3択ベル_3rd」)について、内部当籤役として決定された際に正解の押し順を報知するART遊技状態と、押し順役のうち「F_3択1枚役_1st」~「F_3択1枚役_3rd」が内部当籤役として決定された際に正解の押し順を報知し、「F_3択ベル_1st」~「F_3択ベル_3rd」が内部当籤役として決定された際には正解の押し順を報知しない1枚役ART遊技状態と、を設ける。
そして、遊技性からの工夫では、遊技状態がこれらART遊技状態及び1枚役ART遊技状態のいずれであっても、状態表示器147bを点灯させる。なお、ART遊技状態と1枚役ART遊技状態とで、状態表示器147bの点灯パターンを異ならせてもよく、また、同一の点灯パターンであってもよい。
このような工夫により、状態表示器147bにより現在の遊技状態が押し順役を報知する遊技状態であることを報せることができるものの、状態表示器147bからだけでは、遊技者にとって真に有利なART遊技状態であるのか、1枚役ART遊技状態であるのかを把握できないようにすることができる。
なお、遊技者にとって真に有利なART遊技状態への移行は、特定区間への移行抽籤に当籤することにより行われるが、遊技者にとって必ずしも有利とはいえない1枚役ART遊技状態への移行は、任意に行うことができる。
図74(B)に示す例では、ART遊技状態以外の全ての遊技を1枚役ART遊技状態としている。具体的には、図74(B)に示す例において、11回目の遊技において、特定区間への移行抽籤(すなわち、ART遊技状態への移行抽籤)に当籤しているため、11回目以降の遊技がART遊技状態となっている。このART遊技状態中は、3択1枚役(「F_3択1枚役_1st」~「F_3択1枚役_3rd」)及び3択ベル(「F_3択ベル_1st」~「F_3択ベル_3rd」)のいずれが内部当籤役として決定されたとしても、正解の押し順の報知が行われる。
一方で、図74(B)に示す例では、ART遊技状態への移行抽籤に当籤する前の全ての遊技を、1枚役ART遊技状態としている。この1枚役ART遊技状態中は、3択1枚役が内部当籤役として決定された遊技(1回目の遊技)では、正解の押し順の報知が行われる一方で、3択ベルが内部当籤役として決定された遊技(2回目の遊技)では、正解の押し順の報知が行われない。
このようにART遊技状態以外の全ての遊技を1枚役ART遊技状態とした場合、状態表示器147bは、ART遊技状態への移行抽籤に当籤したか否かに関わらず常に点灯していることになるため、遊技者は、状態表示器147bの点灯/消灯からだけでは移行抽籤に当籤したことを把握できなくなる。
また、図74(C)に示す例では、ART遊技状態以外の遊技のうち、3択1枚役が内部当籤役として決定された遊技のみを1枚役ART遊技状態とし、それ以外の遊技を、ART遊技状態及び1枚役ART遊技状態のいずれでもない状態(通常)としている。具体的には、図74(C)に示す例において、11回目の遊技において、特定区間への移行抽籤(すなわち、ART遊技状態への移行抽籤)に当籤しているため、11回目以降の遊技がART遊技状態となっている。
一方で、図74(C)に示す例では、ART遊技状態への移行抽籤に当籤する前の遊技のうち、3択1枚役が内部当籤役として決定された遊技のみを、1枚役ART遊技状態とし、それ以外の遊技を通常遊技状態としている。具体的には、1回目の遊技において3択1枚役が内部当籤役として決定されているため、この1回目の遊技の遊技状態を1枚役ART遊技状態とし、正解の押し順の報知を行っている。一方、2回目の遊技では、3択1枚役が内部当籤役として決定されてないため、通常遊技状態としており、正解の押し順の報知を行わない。
このようにART遊技状態以外の遊技のうちの3択1枚役が内部当籤役として決定された遊技のみを1枚役ART遊技状態とした場合であっても、状態表示器147bは、3択1枚役が内部当籤役として決定された遊技では、ART遊技状態への移行抽籤に当籤したか否かに関わらず点灯することになるため、遊技者は、状態表示器147bの点灯/消灯からだけでは移行抽籤に当籤したことを把握できなくなる。また、1枚役ART遊技状態といっても、遊技者にとって有利な停止操作の態様が報知されることになるため、図74(B)のように常時1枚役ART遊技状態としてしまうと、押し順の報知が行われる報知遊技状態が長期間継続してしまい、遊技の射幸性を徒に高めてしまうおそれがある。この点、図74(C)のように、ART遊技状態以外の遊技のうちの3択1枚役が内部当籤役として決定された遊技のみを1枚役ART遊技状態とすることで、報知遊技状態の期間を限定的にすることができ、射幸性が徒に高まってしまうことを防止できる。
<基本的な遊技フロー>
続いて、本実施形態のパチスロ機1の基本的な遊技フローについて説明する。図75は、パチスロ機1における報知の有無に関する遊技状態の遷移フローである。なお、図75では、報知の有無に関する遊技状態についてのみ示し、ボーナスの作動の有無に関する遊技状態の遷移フローは省略している。
図75に示すように、パチスロ機1は、遊技者にとって有利な停止操作の態様を報知しない通常区間と、遊技者にとって有利な停止操作の態様を報知する特定区間とを有する。なお、通常区間とは、例えば、第1実施形態のパチスロ機1における一般遊技状態中の通常遊技状態が該当し、また、特定区間とは、例えば、第1実施形態のパチスロ機1における一般遊技状態中のCZ及びART遊技状態が該当する(図7参照)。
(通常区間から特定区間への移行)
通常区間から特定区間へは、特定区間への移行抽籤に当籤することで移行する。ここで、特定区間への移行抽籤とは、CZへの移行抽籤とART遊技状態への移行抽籤との双方を含むものである。本実施形態のパチスロ機1において、特定区間への移行抽籤は、設定値に差のない情報に基づいて行われる。「設定値に差のない情報」とは、内部抽籤処理において全ての設定値において同一の確率で内部当籤役として決定される役(設定不問役)や、全リールの停止時に全ての設定値において同一の確率で表示されることになる図柄の組合せ(設定差のない図柄の組合せ)を少なくとも含むものである。
すなわち、本実施形態のパチスロ機1では、設定不問役が内部当籤役として決定された場合に、特定区間への移行抽籤を行い、設定差のある役(設定差役)が内部当籤役として決定された場合には、特定区間への移行抽籤を行わない。また、本実施形態のパチスロ機1では、全リールの停止時に設定差のない図柄の組合せが表示された場合に、特定区間への移行抽籤を行い、設定差のある図柄の組合せが表示された場合には、特定区間への移行抽籤を行わない。
また、特定区間への移行抽籤は、予め定められており一切変動しない完全確率に基づき行われる。「予め定められており一切変動しない完全確率」とは、少なくとも設定値に基づいて変動することのない確率(すなわち、設定値に関わらず当籤する確率が同一の確率)を意味する。
このように「設定値に差のない情報」に基づいて行う移行抽籤を、設定値に関わらず当籤する確率が同一の確率で行うことで、本実施形態のパチスロ機1では、特定区間への移行に関する期待度を各設定値に対して同一にすることができ、出玉性能の差を、設定差のある設定差役の当籤確率に抑えることができる。
(移行抽籤に用いる抽籤テーブルの例)
ここで、特定区間への移行抽籤に用いる抽籤テーブルの例を、図77に示す。図77(A)は、内部当籤役を決定するための内部抽籤テーブルであり、図77(B)は、内部当籤役に基づいて特定区間への移行抽籤を行うための移行抽籤テーブルである。なお、以下では、内部抽籤テーブルは、確率分母を32768とし、移行抽籤テーブルは、確率分母を256としている。
図77(A)に示す例のように、内部抽籤テーブルは、それぞれの役に対応する抽籤値の情報を規定する。ここで、内部抽籤テーブルを用いた抽籤により決定される役には、設定値により抽籤値が異なる設定差役と、設定値に関わらず抽籤値が同一の設定不問役とが含まれる。図77(A)に示す例では、役「F_BB1」「F_維持リプA」等は、設定値により抽籤値が異なる設定差役であり、役「F_サボ1」「F_チリリプ」「F_BB1+F_リーチ目リプ」等は、設定値に関わらず抽籤値が同一の設定不問役である。パチスロ機1では、設定差役が内部当籤役として決定された場合に、特定区間への移行抽籤を行わず、設定不問役が内部当籤役として決定された場合に、特定区間への移行抽籤を行うことができる。なお、特定区間への移行抽籤を行わないとは、移行抽籤自体を行わないことに加え、移行抽籤は行うものの必ず非当籤になることを含むものである。また、特定区間への移行抽籤は、いずれかの設定不問役が内部当籤役として決定された場合に必ず行わなければならないわけではなく、移行抽籤を行う設定不問役と移行抽籤を行わない設定不問役とを設けることとしてもよい。
続いて、図77(B)に示す例のように、移行抽籤テーブルは、内部当籤役として決定された設定不問役毎に、移行抽籤の抽籤結果についての抽籤値の情報を規定する。上述したように、特定区間への移行抽籤は、予め定められており一切変動しない完全確率に基づき行われるため、移行抽籤テーブルにおいて規定されている抽籤値の情報は、設定値に関わらず同一の値である。
なお、「予め定められており一切変動しない完全確率」として、更に、「設定値に差のない情報」に対して一義的に定められた確率であることを含めることとしてもよい。近年のパチスロ機では、移行抽籤に当籤し易い状態と当籤し難い状態とを設けることがある。このような場合に、「設定値に差のない情報に対して一義的に定められた確率」で移行抽籤を行う場合には、例えば、設定不問役の当籤時には、いかなる遊技状態であっても同一の確率で当籤する移行抽籤を行うことになる。反対に、「設定値に差のない情報に対して一義的に定められた確率ではない確率(すなわち、変動する確率)」で移行抽籤を行う場合には、例えば、設定不問役の当籤時に、現在の遊技状態に応じた確率で当籤する移行抽籤、すなわち、現在の遊技状態が高確率状態である場合には、高い確率で当籤する移行抽籤を行い、現在の遊技状態が低確率状態である場合には、低い確率で当籤する移行抽籤、を行うことになる。
(移行抽籤を一義的に定めた確率で行う場合のCZの実現方法)
ところで、このように一義的に定めた確率で移行抽籤を行う場合には、いかなる遊技状態であっても同一の確率で当籤する移行抽籤を行うことになるため、CZ(チャンスゾーン)のようにART遊技状態に移行し易い状態を設けるためには、工夫を講じる必要がある。続いて、図78を参照して、CZの実現方法の一例について説明する。
図78(A)は、CZ中のART抽籤方法の一例を示す図である。例えば、CZ中に内部当籤役として決定される確率に設定差のない押し順役の正解の押し順を報知することとし、ART遊技状態への移行抽籤を、設定差のない押し順役当籤時に表示された図柄の組合せに基づいて行うこととする。具体的には、図78(A)に示す移行抽籤テーブルのように、全リールの停止時にベルの図柄の組合せが表示されると、ART遊技状態への移行抽籤を行い、ベルこぼし目又は1枚出目の図柄の組合せが表示されると、ART遊技状態への移行抽籤を行わない。
通常区間とCZ中とを比較すると、押し順役の当籤確率は同一であるものの、通常区間では正解の押し順が報知されないため、移行抽籤が行われることになる図柄の組合せは表示され難く、反対に、CZ中は正解の押し順が報知されるため、移行抽籤が行われることになる図柄の組合せが表示され易い。その結果、CZ中は通常区間に比べて移行抽籤が行われる頻度が上がることになり、一義的に定めた確率で移行抽籤を行う場合であっても、ART遊技状態に移行し易いCZ(チャンスゾーン)を実現することができる。
また、図78(B)は、CZ中のART抽籤方法の別例を示す図である。パチスロ機1では、RT遊技状態を移行させることで、再遊技に係る役(リプレイ)の当籤確率を変更することができる。そこで、再遊技に係る役(リプレイ)のうちの設定差のない一部の役の当籤確率を、RT遊技状態において異ならせることで、一のRT遊技状態と別のRT遊技状態とでART遊技状態への移行抽籤が行われる頻度を異ならせることができる。
具体的には、図78(B)に示す内部抽籤テーブルにおいて、役「F_チリリプ」は、設定差のない設定不問役であり、図78(B)に示す移行抽籤テーブルのように、この役「F_チリリプ」が内部当籤役として決定されたときに、ART遊技状態への移行抽籤を行う。ここで、図78(B)に示す内部抽籤テーブルを参照すると、役「F_チリリプ」は、設定差はないものの、RT遊技状態に応じて当籤確率が異なり、RT2遊技状態ではRT1遊技状態よりも高い確率で内部当籤役として決定される。
そのため、RT2遊技状態では、RT1遊技状態に比べて移行抽籤が行われる頻度が上がることになり、一義的に定めた確率で移行抽籤を行う場合であっても、ART遊技状態に移行し易いCZ(チャンスゾーン)を実現することができる。より具体的には、RT2遊技状態をCZとして用いることができる。
(移行抽籤を一義的に定めた確率で行う場合のCZの実現方法の別例)
続いて、図78(C)は、CZの実現方法の別例を示す図である。図78(C)に示す方法では、MB(第二種特別役物に係る役物連続作動装置)を用いてCZを実現する。この方法におけるパチスロ機1では、MB中にも抽籤される役物として、シングルボーナス(以下「SB」)とレギュラーボーナス(以下「RB」)とを有し、MBの終了条件を、(A)規定枚数を超えるメダルが払い出されたこと、(B)MB中にSBが成立(内部当籤役として決定、又は入賞)すること、(C)MB中にRBが成立(内部当籤役として決定、又は入賞)すること、の3つの条件の何れかが満たされることとする。そして、パチスロ機1では、満たされた終了条件に応じて、MB終了後にART遊技状態に移行させる。例えば、図78(C)に示す例では、MBがRBの成立により終了すると、MB終了後にART遊技状態に移行し、その他の条件によりMBが終了した場合には、MB終了後にART遊技状態には移行しないこととしている。
すなわち、図78(C)に示す例では、SB成立によるMB終了(いわゆるパンク)や、規定枚数のメダルの払出を受けるよりも前にRBが成立した場合には、ART遊技状態への移行に当籤するというチャンスゾーン(CZ)として機能することになる。
なお、MB中のリール停止制御として、RBが内部当籤役として決定された遊技においてもメダルの払出のある図柄の組合せを優先して停止させることが可能であるため、規定枚数を超えるメダルの払出があった遊技と、RBが内部当籤役として決定された遊技とが同じ遊技であることもある。このような場合には、終了条件(C)が満たされたとしてART遊技状態に移行することが好ましい。
図78(C)に示す例では、(1)通常区間においてMBが入賞すると、CZであるMBに遊技状態が移行する。そして、(2)MB中に規定枚数を超えるメダルが払い出されると、又はSBが成立すると、CZであるMBが終了し、遊技状態が通常区間に移行する。一方で、(3)MB中にRBが内部当籤役として決定されると、CZであるMBが終了し、遊技状態がRBフラグ間に移行する。そして、(4)このRBフラグ間においてRBが入賞すると、遊技状態がRBに移行し、その後(5)RBが終了すると、RB終了を契機として発生する高RTにてART遊技状態が開始される。なお、MB中のRBが内部当籤役として決定された遊技においてRBが入賞した場合には、RBフラグ間を経由せずに、MBが終了した次の遊技からRBが開始する。
このようなパチスロ機1において、通常区間中における(CZとして機能する)MBの当籤確率、及びMB中における(ART遊技状態への移行契機となる)RBの当籤確率は、全ての設定値において共通の確率であるが、MB中における(CZの終了契機となる)SBの当籤確率は、全ての設定値において共通の確率としてもよく、設定値に応じて異なる確率としてもよい。例えば、MB中におけるSBの当籤確率を設定値に応じて異ならせる場合には、高設定ほどSBの当籤確率を低くして、MBが長く続きやすくすることでCZ(MB)中におけるART遊技状態への移行期待度を高めることができ、出玉仕様のバリエーションを豊富にすることができる。
また、ART遊技状態への移行契機となるRBの当籤確率は、他の終了条件との関係により任意に設定することができるが、現実的に当籤が期待できる確率にする方がゲームバランスが良くなるため、規定枚数を10~30枚などの少なめにして、MB中にRBが比較的高確率で内部当籤役として決定されることとすることが好ましい。
(主制御基板の別構成例)
ここで、内部抽籤テーブルを用いた内部抽籤、及び移行抽籤テーブルを用いた移行抽籤は、主制御基板71において実行される。主制御基板71では、記憶手段(メインROM)の容量が限られているため、内部抽籤に加えて移行抽籤も行う場合には、抽籤のバリエーションが単調になってしまう。そこで、主制御基板71の改良方法を以下に示す。
図70(B)は、主制御基板の別構成例を示す図である。図70(B)において、主制御回路には、第1主制御基板71aと、第2主制御基板71bとが設けられる。これら第1主制御基板71a及び第2主制御基板71bは、シリアル通信等で双方向の通信が可能に接続される。なお、第1主制御基板71a及び第2主制御基板71bの構成は、図70に示した構成と同様であるため、詳細な説明は省略する。
このように主制御基板として、複数の第1主制御基板71a及び第2主制御基板71bを設け、例えば、第1主制御基板71aにおいて内部抽籤テーブルを用いた内部抽籤を行い、第2主制御基板71bにおいて移行抽籤テーブルを用いた移行抽籤を行うことで、それぞれの抽籤に用いる記憶手段の容量を十分に確保することができ、バリエーションに富んだ抽籤を行うことができる。
なお、図70(B)では、第1主制御基板71a及び第2主制御基板71bを双方向の通信が可能な構成としているが、これに限られるものではなく、第1主制御基板71aを上流、第2主制御基板71bを下流として、一方向(第1主制御基板71aから第2主制御基板71b)にのみ通信可能な構成としてもよい。一方向のみの通信とすることで、双方向通信とする場合よりも通信負荷の軽減を図ることができる。
また、内部抽籤と移行抽籤とを別の基板(第1主制御基板71a及び第2主制御基板71b)で行う場合には、内部抽籤と移行抽籤とを行う順序は任意である。例えば、一方の基板において先ず移行抽籤を行った後に、他の基板において内部抽籤を行うこととしてもよく、反対に、一方の基板において先ず内部抽籤を行った後に、他の基板において移行抽籤を行うこととしてもよい。この場合において、先に移行抽籤を行う場合には、移行抽籤の際に内部抽籤の結果(内部当籤役)を把握できないため、移行抽籤を内部抽籤の結果に影響されない形で行うことになる。例えば、内部当籤役に関わらず、単位遊技毎に所定の確率で移行抽籤を行う仕様の場合は、このような構成としてもよい。これにより、実際の内部当籤役と異なる当籤役情報を不正に入力するという不正行為を行ったとしても、移行抽籤の結果には影響がないため、有利な移行抽籤の結果を発生させるという不正行為を抑制できる。また、移行抽籤を先に行う場合には、内部当籤役が関係ないため設定値に差のない抽籤を行うだけで、設定値に差のない情報に基づく抽籤を行うことができる。
反対に、先に内部抽籤を行う場合には、この内部抽籤の結果として決定された内部当籤役を参照して移行抽籤を行うこととしてもよく、また、内部抽籤の結果として決定された内部当籤役を参照することなく移行抽籤を行うこととしてもよい。内部当籤役を参照して移行抽籤を行う場合には、上述のように設定不問役に基づき移行抽籤を行うことで、設定値に差のない情報に基づく抽籤を行うことができ、また、内部当籤役を参照することなく移行抽籤を行う場合には、設定値に差のない抽籤を行うことで、設定値に差のない情報に基づく抽籤を行うことができる。
また、図70(C)は、主制御基板の更に別の構成例を示す図である。主制御基板71において不足しているものは、記憶手段(メインROM)の容量であるため、図70(C)では、第1メインROM32a及び第2メインROM32bのように、一つの主制御基板71上に複数のメインROMを設ける。この場合において、例えば、第1メインROM32aに、内部抽籤に用いる各種のテーブルを格納し、第2メインROM32bに、移行抽籤に用いる各種のテーブルを格納することで、それぞれの抽籤に用いる記憶手段の容量を十分に確保することができ、バリエーションに富んだ抽籤を行うことができる。
(特定区間から通常区間への移行)
続いて、図75に戻り、特定区間から通常区間への移行に関して説明する。特定区間から通常区間へは、特定区間の終了条件を満たすと移行する。なお、特定区間の終了条件は、特定区間中のゲーム数、特定区間中に行われたナビ回数、特定区間中に払い出されたメダルの枚数や差枚数等の任意の条件を用いることができる。また、特定区間の種類に応じて終了条件が異なっていてもよく、例えば、CZとART遊技状態とで、終了条件が異なっていてもよい。
このように特定区間は、基本的には終了条件を満たすと終了するが、本実施形態のパチスロ機1では、例外的に、特定区間が長期間にわたり継続した場合には終了条件を満たすことなく、特定区間から通常区間へ移行し(リミット処理)、また、特定区間の終了条件を満たしたときであっても、保証回数分のナビが行われていない場合には、その後、保証回数分のナビが行われるまで特定区間を終了することなく継続し、保証回数分のナビが行われたことに応じて、特定区間から通常区間へ移行する(ナビ保証処理)。
(リミット処理)
ここで、図79及び図80を参照して、本実施形態のパチスロ機1におけるリミット処理について説明する。図79は、特定区間のリミットゲーム数の計数方法を示す図であり、図80は、特定区間のリミット処理の流れを示す図である。
パチスロ機では、CZやART遊技状態等の特定区間が長期間にわたり継続して行われてしまうと、特定区間中に遊技者が得る利益が大きくなってしまうとともに、全体的な利益のバランスをとるために通常区間中に遊技者が得る利益を減らす必要があり、遊技の射幸性を高めてしまうことになる。そのため、近年では、遊技者にとって有利な状態の継続期間を一定期間に抑えることが求められている。リミット処理は、遊技者にとって有利な特定区間の継続期間を一定期間(例えば、1500ゲーム)に抑える処理である。
(リミットゲーム数の計数方法)
初めに、図79を参照して、リミット処理を行う際の特定区間のリミットゲーム数の計数方法について説明する。図79(A)に示すように、主制御基板71は、特定区間が継続している場合、その継続ゲーム数(リミットゲーム数)を計数する。例えば、ART遊技状態が継続している場合には、主制御基板71は、継続ゲーム数を毎遊技1ずつ加算することで、リミットゲーム数を計数する。また、例えば、通常区間からCZに移行した後にART遊技状態に移行した場合、上述のように特定区間には、少なくともCZ及びART遊技状態が含まれるため、主制御基板71は、CZの継続ゲーム数、及びその後、連続して行われるART遊技状態の継続ゲーム数の和を、リミットゲーム数として計数する。
ところで、パチスロ機によっては、図79(B)に示すように、ART遊技状態やCZ(特定区間)に移行する際に、直ちに移行することなく、待機区間を挟むことがある。例えば、通常区間と特定区間とでRT遊技状態を異ならせるパチスロ機では、RT遊技状態を遷移させてから特定区間を開始する必要があるため、一度、待機区間を挟むことがある。具体的なケースとしては、特定区間への移行抽籤に当籤した場合の、通常区間から特定区間への移行の際に待機区間を挟むことがあり、また、特定区間中にボーナス(役物)が作動した場合の、ボーナス終了後の特定区間への復帰の際に待機区間を挟むことがある。
このような待機区間については、主制御基板71は、リミットゲーム数として計数してもよく、また、計数しないこととしてもよい。すなわち、主制御基板71は、図79(B)における「A1」~「An」の回数分の遊技は、リミットゲーム数として計数することとしてもよく、また、リミットゲーム数として計数しないこととしてもよい。
また、主制御基板71は、待機区間の種別に応じて、リミットゲーム数として計数するか否かを異ならせることとしてもよい。例えば、特定区間への移行抽籤に当籤した場合の、通常区間から特定区間への移行の際に挟む特定区間については、リミットゲーム数として計数せず、特定区間中にボーナス(役物)が作動した場合の、ボーナス終了後の特定区間への復帰の際に挟む待機区間については、全体として一連の有利な状態中であるとして、リミットゲーム数として計数することとしてもよい。
また、主制御基板71は、待機区間中に行われる報知(ナビ)の種類に応じて、リミットゲーム数として計数するか否かを異ならせることとしてもよい。RT遊技状態を遷移させるために待機区間を設ける場合、待機区間中は、少なくともRT遊技状態を遷移させるための報知を行う必要があるものの、メダルの増減に係る押し順役についての報知は、必ずしも行う必要はない。第1実施形態のパチスロ機1では、ベルこぼし目の図柄の組合せがRT遊技状態を遷移させることになるためメダルの増減に係る押し順役「押し順ベル」を報知する必要があるものの、このベルこぼし目の図柄の組合せを、RT遊技状態を遷移させない制御とした場合には、メダルの増減に係る押し順役「押し順ベル」は、待機区間中に必ずしも報知しなくてもよい。
そこで、主制御基板71は、メダルの増減に係る押し順役についての報知を行う待機区間については、遊技者にとって有利な状態中であるとして、リミットゲーム数として計数し、メダルの増減に係る押し順役についての報知を行わない待機区間については、リミットゲーム数として計数しないこととしてもよい。
また、パチスロ機によっては、図79(C)に示すように、ART遊技状態やCZ(特定区間)中に、ボーナスに係る役が内部当籤役として決定されると、特定区間中にボーナスのフラグ間及びボーナス状態を挟むことがある。主制御基板71は、これらフラグ間やボーナス状態中の遊技を、リミットゲーム数として計数してもよく、また、計数しないこととしてもよい。すなわち、主制御基板71は、図79(C)における「C1」~「Cn」の回数分の遊技や、「D1」~「Dn」の回数分の遊技は、リミットゲーム数として計数することとしてもよく、また、リミットゲーム数として計数しないこととしてもよい。
この場合において、主制御基板71は、フラグ間中の遊技は、リミットゲーム数として計数する一方で、ボーナス状態中の遊技は、リミットゲーム数として計数しないこととしてもよく、また反対に、フラグ間中の遊技は、リミットゲーム数として計数しない一方で、ボーナス状態中の遊技は、リミットゲーム数として計数することとしてもよい。また、フラグ間中の遊技、及びボーナス状態中の遊技の双方ともに、リミットゲーム数として計数することとしてもよく、また反対に、双方ともに、リミットゲーム数として計数しないこととしてもよい。
また、主制御基板71は、フラグ間中に行われる報知(ナビ)の種類に応じて、リミットゲーム数として計数するか否かを異ならせることとしてもよい。具体的には、主制御基板71は、メダルの増減に係る押し順役についての報知を行うフラグ間中については、遊技者にとって有利な状態中であるとして、リミットゲーム数として計数し、メダルの増減に係る押し順役についての報知を行わないフラグ間中については、リミットゲーム数として計数しないこととしてもよい。
また、主制御基板71は、ボーナス状態中に行われる報知(ナビ)の種類に応じて、リミットゲーム数として計数するか否かを異ならせることとしてもよい。パチスロ機によっては、ボーナス状態中にも押し順役(すなわち、押し順に応じて払い出されるメダルの枚数が異なる役)を当籤可能にすることがある。このようなパチスロ機では、ボーナス状態中に押し順役を報知することで、遊技者は、より多くの利益を得ることができる。そこで、主制御基板71は、ボーナス状態中に遊技者にとって有利な停止操作の態様を報知する場合には、ボーナス状態中の遊技をリミットゲーム数として計数し、ボーナス状態中に遊技者にとって有利な停止操作の態様を報知しない場合には、ボーナス状態中の遊技をリミットゲーム数として計数しないこととしてもよい。
(リミット処理の流れ)
続いて、図80を参照して、リミット処理の流れについて説明する。図80(A)に示すように、主制御基板71は、上述した計数方法に従い計数したリミットゲーム数が一定ゲーム数(例えば、1500ゲーム)に達すると、遊技状態を特定区間から通常区間に移行させる。すなわち、主制御基板71は、リミットゲーム数が一定ゲーム数に達すると、ゲーム数やナビ回数等が未だ残っている場合(終了条件を満たしていない場合)であっても、特定区間を終了する。
そして、特定区間の終了に伴い、主制御基板71は、報知(ナビ)の発生に関する変数の値を初期化する初期化処理を行う。なお、この初期化処理においてRT遊技状態は、そのまま維持しても、初期化して低RT状態であるRT0としても良い。例えば、ART遊技状態用のRT遊技状態において、ベルこぼし目や転落リプレイなどの図柄の組み合わせによるRT遊技状態への移行を行わず、規定ゲーム数の消化又はボーナスの当籤で終了となるRT遊技状態である場合、リミット処理によりナビが非発生となったとしても、高RTという遊技者に有利な状態が続いてしまうため、後者の仕様として、リプレイ確率の低い遊技状態とすることが望ましい。特に規定ゲーム数が6000ゲームなど大きい値で実質的に次回ボーナスまで継続するようなRT遊技状態である場合に、リミット処理でRT遊技状態を転落させることで、射幸性を適切に抑制することができる。
このようにリミット処理を行う場合、主制御基板71は、リミットゲーム数が一定ゲーム数に達するまでは、状態表示器147bを点灯し続け、リミットゲーム数が一定ゲーム数に達し、特定区間を終了すると状態表示器147bを消灯する。また、主制御基板71は、リミット処理により特定区間を終了した場合には、その後、所定期間にわたり、リミットランプ148を点灯させる。なお、所定期間としては、リミット処理をリミットゲーム数が一定ゲーム数に達した遊技の終了時に行う場合には、例えば、リミット処理が行われた遊技の次遊技中であってよい。また、上述したように、主制御基板71は、リミット処理の発動が近い場合にリミットランプ148を点滅させ、リミット処理の発動が近いことを遊技者に報せることとしてもよい。
ここで、例えば、ボーナス状態中の遊技もリミットゲーム数として計数する場合、ボーナス状態中にリミットゲーム数が一定ゲーム数に達してしまうことがある。この場合には、図80(B)に示すように、主制御基板71は、ボーナス状態中であっても、リミット処理を行い、遊技状態を特定区間から通常区間に移行させることとしてもよい。また、図80(C)に示すように、主制御基板71は、ボーナス状態中は、リミット処理を行うことなく、ボーナスが終了したタイミングでリミット処理を行うこととしてもよい。すなわち、図80(B)に示す例では、リミットゲーム数が一定ゲーム数に達したタイミングで、特定区間から通常区間に遊技状態が移行しており、図80(C)に示す例では、リミットゲーム数が一定ゲーム数に達したタイミングではなく、その後、ボーナス状態が終了したタイミングで、特定区間から通常区間に遊技状態が移行している。
もちろん、特定区間の待機区間中や、ボーナスのフラグ間中も同様に、当該遊技中もリミットゲーム数として計数する場合には、待機区間中やフラグ間中にリミットゲーム数が一定ゲーム数に達すると、待機区間中やフラグ間中であってもリミット処理を行うこととしてもよく、また、リミットゲーム数が一定ゲーム数に達した後に待機区間から特定区間に移行したタイミング、又はリミットゲーム数が一定ゲーム数に達した後にフラグ間からボーナス状態を経て特定区間に移行したタイミングで、リミット処理を行うこととしてもよい。
(リミット処理時の外部機器への信号出力)
また、主制御基板71は、リミット処理により特定区間を終了した場合に、その旨を示す所定の信号を外部機器(データカウンタやホールコンピュータ)に対して出力する。この信号の出力を受けることで、ホール側では、当該パチスロ機においてリミット処理が行われたことを把握することができ、従来把握することができなかった新たな情報を把握することができる。
なお、ボーナス状態中にリミットゲーム数が一定ゲーム数に達してしまった場合には、主制御基板71は、リミットゲーム数が一定ゲーム数に達したタイミング(すなわち、ボーナス状態中)で、外部機器に対して所定の信号を出力することとしてもよく、また、ボーナス状態が終了したタイミングで、外部機器に対して所定の信号を出力する(すなわち、主制御基板71は、特定区間中のボーナス状態中にリミットゲーム数が一定ゲーム数に達すると、当該ボーナス状態の終了時に、外部機器に対して所定の信号を出力する)こととしてもよい。
また、主制御基板71は、一台のパチスロ機1において通常想定される回数を超える回数だけリミット処理が行われた場合に、リミット処理が行われたことを示す信号(リミット信号)だけでなく、リミット処理が想定以上の回数行われたことを示す信号(エラー信号)も外部機器に対して出力することとしてもよい。具体的には、主制御基板71は、特定期間内にリミットゲーム数が一定ゲーム数に達した回数(すなわち、リミット処理が行われた回数)が所定回数に達すると、外部に対して特定の信号を出力する。一例として、主制御基板71は、パチスロ機1の電源投入から電源を落とすまでの間に想定を超える回数だけリミット処理が行われた場合に、リミット信号と合わせてエラー信号も外部機器に対して出力する。これにより、例えば、一日の間にリミット処理が10回といった普通ではありえない回数行われた場合に、ホール側においてそのことを把握することができる。
(ナビ保証処理)
続いて、図81を参照して、本実施形態のパチスロ機1におけるナビ保証処理について説明する。図81は、特定区間終了時のナビ保証処理の流れを示す図である。
特定区間の終了条件をゲーム数により管理するパチスロ機の場合、特定区間中に報知対象となる役(例えば、押し順ベル等)が内部当籤役として決定される回数が少ないと、特定区間中に払い出されるメダルが少なく、遊技者が損失感を覚えてしまうことがある。そこで、本実施形態のパチスロ機1では、特定区間に移行した場合に、最低限のナビ回数を保証し、この保証回数分のナビが行われるまで特定区間を終了することなく継続する。
ここで、図81では、特定区間の終了条件がゲーム数により管理されるものであり、また、図81(A)~(C)では、50ゲーム終了時に、特定区間の終了条件が満たされているものとする。図81(A)に示す例では、特定区間が50ゲーム継続した(すなわち、終了条件が満たされた)時点で、未だ保証回数分の報知(ナビ)が行われていない。このような場合には、主制御基板71は、終了条件を満たしたとしても特定区間を継続する。図81(A)に示す例では、その後、54ゲーム目に報知対象の役(例えば、押し順ベル)が内部当籤役として決定され、当該報知対象の役に対する報知が行われている。主制御基板71は、この報知に伴い保証回数分の報知が行われた場合には、特定区間を終了する。一方、主制御基板71は、特定区間の終了条件を満たした後の報知によっても、未だ保証回数分の報知が行われていない場合には、特定区間を終了することなく、継続する。
ところで、パチスロ機の中には、押し順役として、押し順正解時のメダルの払出枚数が異なる複数種類の押し順役を設け、主制御基板71が特定区間中にこれらの押し順役に対して正解の押し順を報知することがある。複数種類の押し順役としては、例えば、押し順に正解した場合であってもメダルが増加しない(すなわち、払出枚数が投入枚数以下)、又はメダルの増加が極めて少ない(例えば、3ベット時の払出枚数が4枚)押し順役や、押し順に正解した場合にメダルが増加(例えば、3ベット時の払出枚数が9枚)する押し順役が考えられる。なお、いずれの押し順役であっても、押し順に不正解のときには、押し順に正解したときよりもメダルの払出枚数が少ない、又はメダルの払出枚数が0枚である点は、共通である。
遊技者からすると、押し順正解時にメダルが増加しない又は増加が極めて少ない押し順役に対する報知が行われたとしても、特定区間中に獲得するメダルの総数が増加しないため、これらの押し順役については、特定区間中にナビ回数が保証されている必要はない。これに対して、押し順正解時にメダルが増加する押し順役については、特定区間中に獲得するメダルの総数に影響を与えるため、遊技者からすると、特定区間中にナビ回数が保証されていることが好ましい。
そこで、本実施形態のパチスロ機1では、押し順正解時のメダルの払出枚数が異なる複数種類の押し順役のうち、押し順正解時の払出枚数が投入枚数よりも多い押し順役についてのみ、ナビ回数を保証し、押し順正解時の払出枚数が投入枚数以下の押し順役については、ナビ回数を保証しないこととしてもよい。また、押し順正解時のメダルの払出枚数が異なる複数種類の押し順役のうち、押し順正解時の払出枚数が最も多い押し順役についてのみ、ナビ回数を保証し、それ以外の押し順役については、ナビ回数を保証しないこととしてもよい。
具体的には、主制御基板71は、特定区間中に、ナビ回数を保証する押し順役に対する報知が保証回数以上行われている状況で、特定区間の終了条件が満たされると、ナビ回数を保証しない押し順役に対する報知の回数に関わらず、特定区間の終了条件が満たされたことを条件に特定区間を終了する。一方で、主制御基板71は、特定区間中に、ナビ回数を保証する押し順役に対する報知が保証回数以上行われていない状況で、特定区間の終了条件が満たされた場合には、特定区間を終了することなく継続し、その後、ナビ回数を保証する押し順役に対する報知が保証回数分行われたタイミングで、特定区間を終了する。
このようにすることで、特定区間中に獲得するメダルの総数に影響を与える押し順役についての報知(ナビ)回数が保証されることになるため、遊技者が感じる損失を軽減することができる。
続いて、ボーナス状態を挟みつつ保証回数分の報知が行われることなく特定区間の終了条件が満たされた場合について説明する。図81(B)(C)は、特定区間の終了条件を満たしたとき(50ゲーム終了時)に、未だ保証回数分の報知が行われていないものの、終了条件を満たす前の特定区間中にボーナス状態に一度移行している例を示している。
ボーナス状態は、基本的には遊技者にとって有利な遊技状態であるため、特定区間を全体としてみると、遊技者には一定の利益が付与されていると考えることができる。そこで、主制御基板71は、図81(B)に示すように、特定区間の終了条件を満たしたときに、未だ保証回数分の報知が行われていない場合であっても、この特定区間中に一度でもボーナス状態に移行しているときには、特定区間の終了条件を満たしたことをもって、特定区間を終了させることとしてもよい。
一方で、図81(C)に示すように、主制御基板71は、特定区間の終了条件を満たしたときに、未だ保証回数分の報知が行われていない場合には、この特定区間中にボーナス状態に移行していたか否かに関係なく、保証回数分の報知が行われるまでは特定区間を継続し、その後、保証回数分の報知が行われたタイミングで特定区間を終了することとしてもよい。
続いて、保証回数分の報知が行われることなく特定区間のリミットゲーム数が一定ゲーム数に達した場合について説明する。リミットゲーム数が一定ゲーム数に達するまで特定区間が継続した場合には、遊技者には一定の利益が付与されていると考えることができるため、主制御基板71は、図81(D)に示すように、特定区間のリミットゲーム数が一定ゲーム数に達すると、未だ保証回数分の報知が行われていない場合であっても、特定区間を終了させることとしてもよい。反対に、図81(E)に示すように、主制御基板71は、特定区間のリミットゲーム数が一定ゲーム数に達したとしても、未だ保証回数分の報知が行われていない場合には、保証回数分の報知が行われるまでは特定区間を継続し、その後、保証回数分の報知が行われたタイミングで特定区間を終了することとしてもよい。
なお、ナビ保証処理により、保証回数分の報知が行われるまで特定区間を継続する場合、終了条件を満たした後の特定区間中にいわゆる上乗せ抽籤を行うか否かは任意である。すなわち、主制御基板71は、特定区間中は終了条件を満たすまでは上乗せ抽籤を行う一方で、終了条件を満たした後は、特定区間中であっても上乗せ抽籤を行わないこととしてもよい。反対に、主制御基板71は、終了条件を満たした後も保証回数分の報知が行われるまでの期間は上乗せ抽籤を行うこととしてもよい。
また、ナビ保証処理により、保証回数分の報知が行われるまで特定区間を継続する場合、表示ユニット100等の液晶表示装置上では、特定区間の終了条件を満たしたタイミングで通常画面に戻し、その後、報知の対象となる押し順役が内部当籤役として決定されると、この通常画面上で押し順の報知(ナビ)を行うこととしてもよい。すなわち、保証回数分の報知が行われることなく特定区間の終了条件を満たした場合、主制御基板71は、状態表示器147bを点灯させ続けるものの、副制御基板72は、特定区間中の表示画面から通常区間中の表示画面に表示画面を切り替える。そして、その後、報知の対象となる押し順役が内部当籤役として決定されると、主制御基板71は、指示モニタ147の報知ランプ147aを介して押し順を報知するとともに、副制御基板72は、通常画面上で押し順を報知する。そして、保証回数分の報知が行われると、主制御基板71は、状態表示器147bを消灯させることとしてもよい。
<それぞれの遊技状態の概要>
以上、本実施形態のパチスロ機1の遊技フローの概要について説明した。続いて、図76を参照して、本実施形態のパチスロ機1が有するそれぞれの遊技状態の概要について説明する。
図76に示すように、本実施形態のパチスロ機1では、大きく分類すると、通常区間と、待機区間と、特定区間とを有する。通常区間は、遊技者にとって有利な停止操作の態様が報知されない状態であり、特定区間は、遊技者にとって有利な停止操作の態様が報知される状態である。また、待機区間は、特定区間への移行抽籤に当籤した後の、通常区間から特定区間に移行するまでの間の状態である。
通常区間、待機区間及び特定区間には、ボーナスに係る役の当籤の有無又はボーナスの作動の有無に応じて、ボーナスに係る役が内部当籤役として決定されておらず、かつ、ボーナスが作動していない「ボーナス非作動(非フラグ間)」と、ボーナスに係る役が内部当籤役として決定され、かつ、ボーナスが作動していない「フラグ間」と、内部当籤役として決定される確率に設定差がないボーナス役に応じたボーナスが作動している「ボーナス状態(設定差なし)」と、内部当籤役として決定される確率に設定差があるボーナス役に応じたボーナスが作動している「ボーナス状態(設定差あり)」と、の遊技状態が含まれる。
図76に示すように、通常区間の「ボーナス非作動(非フラグ間)」「フラグ間」「ボーナス状態(設定差なし)」及び「ボーナス状態(設定差あり)」では、主制御基板71は、状態表示器147bを消灯させるとともに、内部当籤役として報知に係る役が決定されている場合には、これらの役をグループ化して副制御基板72に対して送信する。具体的には、役「F_3択ベル_1st」「F_3択ベル_2nd」「F_3択ベル_3rd」のいずれかが内部当籤役として決定された場合、主制御基板71は、これらの役をグループ化した役「押し順ベル」が内部当籤役として決定されたとして、副制御基板72に対して情報を送信する。
また、通常区間の「ボーナス非作動(非フラグ間)」及び「ボーナス状態(設定差なし)」では、主制御基板71は、設定値に差のない情報に基づいて特定区間への移行抽籤を行う一方で、通常区間の「フラグ間」及び「ボーナス状態(設定差あり)」では、主制御基板71は、特定区間への移行抽籤を行わない。また、通常区間の「ボーナス非作動(非フラグ間)」「フラグ間」「ボーナス状態(設定差なし)」及び「ボーナス状態(設定差あり)」では、主制御基板71は、特定区間の継続期間の上乗せ抽籤や、押し順役当籤時の報知を行わない。
また、待機区間の「ボーナス非作動(非フラグ間)」「フラグ間」「ボーナス状態(設定差なし)」及び「ボーナス状態(設定差あり)」では、主制御基板71は、状態表示器147bを点灯させる。なお、主制御基板71は、待機区間中と特定区間中とで状態表示器147bを異なる態様で点灯させることとしてもよい。
また、待機区間の「ボーナス非作動(非フラグ間)」「フラグ間」「ボーナス状態(設定差なし)」及び「ボーナス状態(設定差あり)」では、主制御基板71は、押し順役当籤時の正解の押し順の報知を行うこととしてもよく、また、行わないこととしてもよい。なお、正解の押し順の報知を行う場合には、主制御基板71は、報知に係る役をグループ化することなく、副制御基板72に対して送信する。具体的には、役「F_3択ベル_1st」「F_3択ベル_2nd」「F_3択ベル_3rd」のいずれかが内部当籤役として決定された場合には、主制御基板71は、実際に内部当籤役として決定されている役の種類を特定できる情報を、副制御基板72対して送信する。一方、正解の押し順の報知を行わない場合には、主制御基板71は、報知に係る役をグループ化して、副制御基板72に対して送信する。
また、待機区間の「ボーナス非作動(非フラグ間)」「フラグ間」「ボーナス状態(設定差なし)」及び「ボーナス状態(設定差あり)」では、主制御基板71は、当籤している特定区間への移行抽籤を行わない(ただし、当籤している特定区間とは異なる特定区間については移行抽籤を行うこととしてもよい)。また、待機区間の「ボーナス非作動(非フラグ間)」「フラグ間」及び「ボーナス状態(設定差あり)」では、主制御基板71は、特定区間の継続期間の上乗せ抽籤を行わない。なお、待機区間の「ボーナス状態(設定差あり)」では、主制御基板71は、設定値に差のない情報に基づいて特定区間の継続期間の上乗せ抽籤を行うこととしてもよく、また、行わないこととしてもよい。
また、特定区間の「ボーナス非作動(非フラグ間)」「フラグ間」「ボーナス状態(設定差なし)」及び「ボーナス状態(設定差あり)」では、主制御基板71は、状態表示器147bを点灯させるとともに、押し順役当籤時の正解の押し順の報知を行う。そのため、主制御基板71は、特定区間の「ボーナス非作動(非フラグ間)」「フラグ間」「ボーナス状態(設定差なし)」及び「ボーナス状態(設定差あり)」では、報知に係る役をグループ化することなく、副制御基板72に対して送信する。
また、主制御基板71は、特定区間の「ボーナス非作動(非フラグ間)」「フラグ間」「ボーナス状態(設定差なし)」及び「ボーナス状態(設定差あり)」では、当籤している特定区間への移行抽籤を行わない(ただし、当籤している特定区間とは異なる特定区間については移行抽籤を行うこととしてもよい)。また、主制御基板71は、特定区間の「ボーナス非作動(非フラグ間)」及び「ボーナス状態(設定差なし)」では、設定値に差のない情報に基づいて特定区間の継続期間の上乗せ抽籤を行う一方で、特定区間の「フラグ間」及び「ボーナス状態(設定差あり)」では、特定区間の継続期間の上乗せ抽籤を行わない。
なお、主制御基板71は、3ベット時にのみ特定区間への移行抽籤、又は特定区間の継続期間の上乗せ抽籤を行い、1ベット又は2ベット時には、これらの抽籤を行わないこととしてもよい。
<移行抽籤結果の外部機器への出力>
続いて、図82~図84を参照して、特定区間への移行抽籤の結果を、パチスロ機からデータカウンタやホールコンピュータ等の外部機器に対して出力する際の流れについて説明する。
遊技店では、パチスロ機等と併せてデータカウンタやホールコンピュータ等の外部機器を設置しており、例えば、パチスロ機においてボーナス状態が開始すると、パチスロ機からデータカウンタに対して信号が出力され、データカウンタにおいてボーナス回数をカウントする。従来のパチスロ機では、特定区間への移行抽籤をサブ(副制御基板72)側で行っていたため、主制御基板71は、メイン(主制御基板71)側で認識できる事象(例えば、RT状態の遷移や特定の押し順で複数回停止操作が行われた等)から抽籤結果を推測して、その推測に基づいて外部機器に対して信号を出力していた。しかしながら、このような従来の方法では、移行抽籤に当籤したことを出力するタイミングが、実際に当籤したタイミングから数ゲーム遅れてしまう上、遊技者の停止操作により偶然に特定の押し順が繰り返されてしまうと、移行抽籤に当籤していないにも関わらず当籤していると推測してしまい、結果、誤った信号が出力されてしまうことがあった。
また、RT遊技状態の遷移に基づいて信号を出力する仕様では、ART中にボーナスを引いた場合、ボーナス消化後にボーナス終了時のRT遊技状態からART用のRT遊技状態へ復帰したときにも信号が出力されることがあった。このような場合には、正確なARTの当籤回数や消化セット数よりも多く当該信号出力がなされてしまい、遊技者が設定を推測や台選びをする際に正確な情報を把握しづらいという問題が生じていた。
この点、本実施形態のパチスロ機1では、推測結果からではなく、特定区間への移行抽籤の結果自体をそのまま外部機器に対して出力するため、移行抽籤の結果を精度良く外部機器に対して出力することができる。
図82は、外部機器への信号出力タイミングのパターン例を示す図である。図82において、タイミングT1は、特定区間(例えば、ART遊技状態)への移行抽籤に当籤した遊技の開始時であり、期間P1は、当該遊技の一遊技間の期間であり、期間P2は、次遊技の一遊技間の期間である。
図82に示す例において、タイミングT1(すなわち、遊技開始時)において、特定区間への移行抽籤に当籤している。本実施形態のパチスロ機1では、特定区間への移行抽籤をメイン(主制御基板71)側で行っているため、主制御基板71では、タイミングT1の時点から移行抽籤に当籤したことを把握できる。
そこで、本実施形態のパチスロ機1では、移行抽籤に当籤した遊技の期間P1中の任意のタイミングで、移行抽籤の結果を外部機器に対して出力する。例えば、出力パターン例Aでは、主制御基板71は、特定区間への移行抽籤に当籤した遊技の開始時(すなわち、スタートレバー6の操作時)に、外部機器に対して移行抽籤の結果を出力している。同様に、出力パターン例Bでは、主制御基板71は、当該遊技のリール回転開始時に外部機器に対して移行抽籤の結果を出力し、出力パターン例Cでは、当該遊技の第1停止操作時に外部機器に対して移行抽籤の結果を出力し、出力パターン例Dでは、当該遊技の全リール停止時に外部機器に対して移行抽籤の結果を出力している。
また、出力パターン例E,Fに示すように、主制御基板71は、移行抽籤に当籤した遊技よりも後の遊技において、外部機器に対して移行抽籤の結果を出力することもできる。例えば、出力パターン例Eでは、主制御基板71は、移行抽籤に当籤した遊技の次の遊技のためのメダル投入時に外部機器に対して移行抽籤の結果を出力している。また、出力パターン例Fでは、主制御基板71は、その後更に複数回の遊技が行われた任意の遊技中(例えば、特定区間が開始する遊技の開始時)に外部機器に対して移行抽籤の結果を出力している。
なお、図82に示す出力パターン例は、一例に過ぎず、本実施形態のパチスロ機1では、特定区間への移行抽籤に当籤した後の任意のタイミングで外部機器に対して移行抽籤の結果を出力することができる。
また、図73に示す状態表示器147bの点灯パターン例と、図82に示す外部機器への信号の出力パターン例とを任意に組み合わせることで、従来にない目新しい面白さを実現することもできる。具体的には、状態表示器147bの点灯よりも先に外部機器に対して移行抽籤に当籤したことを示す信号を出力することとしてもよく、反対に、状態表示器147bを点灯した後に外部機器に対して移行抽籤に当籤したことを示す信号を出力することとしてもよく、また、状態表示器147bの点灯と同時に外部機器に対して移行抽籤に当籤したことを示す信号を出力することとしてもよい。
例えば、外部機器への信号の出力を、状態表示器147bよりも先に行うことで、状態表示器147bの点灯よりも先に、外部機器(データカウンタ)においてカウンタが更新されるため、パチスロ機1以外の外部機器から特定区間の移行の察知を行うことができる。また、例えば、外部機器での処理時間を考慮して、外部機器への信号を状態表示器147bの点灯よりも少し前に出力することで、状態表示器147bの点灯(パチスロ機1における報知)タイミングと、外部機器の更新(パチスロ機1以外の報知)タイミングとを合わせることができ、遊技者の違和感を軽減することができる。
なお、例えば、ボーナスの種類が多く、外部機器に信号を出力する8ピン信号線に空いている出力ピンがない場合のように、外部集中端子板73からの出力ピンに限りがある場合には、主制御基板71は、移行抽籤に当籤した場合であっても、外部機器に対して信号を出力しないこととしてもよい。
また、上記実施例では移行抽籤に当籤した場合に、信号を出力するものとしたが、ARTなどの特定区間が継続する場合に信号を出力するものであっても良い。例えば、ART遊技状態を30ゲーム1セットしてセット数管理をする遊技仕様の場合、移行抽籤に当籤した時(いわゆる初当たり時)に信号出力し、1セット目の30ゲーム消化後、2セット目が開始されるタイミングで外部信号を出力するものとすることができる。このように信号出力することで、正確なセット数が把握できるようになる。また、初当たりの信号と、継続時の信号を異なる信号として、初当たり回数と継続回数を正確にデータカウンタで把握できるものとしてもよく、この場合はさらに遊技状況の把握精度が高めることができる。
なお、このようなセット数管理する遊技機では、ART遊技状態の途中でボーナス状態が開始した場合に、ボーナス終了後に当該セット中のボーナス当籤時からの残りゲーム数から遊技を再開するパチスロ機や、ボーナス終了後に新たなセットを初めから開始するパチスロ機がある。
前者の場合、例えば、ART遊技状態の1セットの30ゲーム中25ゲームを消化したところでボーナスに当籤しボーナス状態が開始した場合に、ボーナス終了後に残りゲーム数5ゲームの時点(ボーナス当籤時の残りゲーム数)からART遊技状態を再開させる。このような場合には、単に1セットが途中で区切られただけであるためART再開時に信号出力をしないことが望ましい。一方後者の場合、ART遊技状態中にボーナスに当籤したことの恩恵として、実質的に1セット分のARTが追加されることになるため、ART再開時に信号出力をすることが望ましい。なお、所定ゲーム数を1セットとするタイプのARTだけでなく、差枚数やナビ回数でARTのセット数を管理するタイプの場合も同様の信号出力処理を適用できる。
なお、ボーナス終了後に当該セット中のボーナス当籤時からの残りゲーム数から遊技を再開するパターンと、ボーナス終了後に新たなセットを初めから開始するパターンとの双方を有するパチスロ機も考えられる。例えば、ART遊技状態の残りゲーム数が所定値未満のときにボーナスに当籤した場合は救済措置として1セット追加し、残りゲーム数が所定値以上のときにボーナスに当籤した場合はボーナス終了後に残りゲーム数から遊技を再開するといった仕様が考えられる。
このようなパチスロ機では、主制御基板71は、ボーナス当籤時のARTの上乗せの有無に応じて、信号出力を制御する。すなわち、ボーナス当籤時にARTの上乗せが発生している場合には、主制御基板71は、ボーナス終了後のART遊技状態の再開時に信号出力を行い、ボーナス当籤時にARTの上乗せが発生していない場合には、主制御基板71は、ボーナス終了後のART遊技状態の再開時に信号出力を行わない。より具体的には、主制御基板71は、ART遊技状態の残りゲーム数が所定値未満のときにボーナスに当籤した場合は、ARTの上乗せが発生したとしてボーナス終了後のART再開時に信号出力を行い、残りゲーム数が所定値以上のときにボーナスに当籤した場合は、ARTの上乗せが発生していないとしてボーナス終了後のART再開時に信号出力を行わない。
言い換えると、主制御基板71は、ART遊技状態の残りゲーム数が所定値未満のときにボーナスに当籤した場合は、ボーナス終了後にボーナス当籤時に実行していたセットとは別のセットのART遊技状態を再開するとともに、外部に対して信号出力を行う。他方、主制御基板71は、ART遊技状態の残りゲーム数が所定値以上のときにボーナスに当籤した場合は、ボーナス終了後にボーナス当籤時に実行していたセットと同じセットのART遊技状態を再開するとともに、外部に対して信号出力を行わない。
また、ボーナス当籤時のART上乗せ発生の有無だけでなく、ボーナス入賞からART開始までのART上乗せの有無に応じて信号出力の有無を決定することとしてもよい。
なお、これまで説明した信号出力は、1回の出力によりデータカウンタの値が1上がるような信号であるが、価値の大きなART遊技状態を開始させる場合は、価値の大きさに応じてデータカウンタの値が複数値上がる信号としてもよい。例えば、通常1セット30ゲームのARTであるところ、プレミアムなどで1セット90ゲームからなるロングARTが開始される場合は、データカウンタの値が3上昇するように信号の出力を行うこととしてもよい。
また、通常1セット30ゲームのARTであるところ、次回ボーナスまで継続するARTを開始する場合、ボーナス当籤までの平均ゲーム数に応じてデータカウンタの値が上昇するように信号の出力を行うこととしてもよい。例えば、ボーナスの当籤確率が1/150である場合には、平均継続ゲーム数は150ゲームであり、5セット分に相当するため、データカウンタの値が5上昇する信号を出力する。この場合、ボーナスの当籤確率に設定差がある場合には、設定が特定されないように、どの設定であっても特定の設定値(例えば、設定6)のボーナス確率から決定される平均継続ゲーム数に応じた信号を出力する。このようにすることで、開始時に価値の異なる複数のART遊技状態を有するパチスロ機であっても、データカウンタなどから事後的に、どの程度の利益が得られたか判断し易くなる。なお、データカウンタの値が複数値上がる信号とは、値を1上げる信号を複数回、外部機器が識別できるように間隔を空けて送信するものとしてもよく、また、値を複数上げる専用の信号を1ショットで送信するものとしてもよい。
(外部機器と連携した演出例)
続いて、図83及び図84を参照して、特定区間への移行抽籤に当籤した場合に、外部機器と連携して行う演出例について説明する。図83は、特定区間への移行抽籤に当籤した遊技中に外部機器に対して信号を出力する場合の演出例を示し、図84は、特定区間への移行抽籤に当籤した後の遊技において外部機器に対して信号を出力する場合の演出例を示す。
(演出例1)
図83に示す演出例1では、移行抽籤に当籤した遊技において、主制御基板71は、リール回転開始に先立ちリール3L,3C,3Rを逆回転し、その後、リール3L,3C,3Rを順回転させることで遊技を進行している。この演出例1では、タイミングT1は、リール3L,3C,3Rの逆回転を開始するタイミングであり、タイミングT2は、リール3L,3C,3Rの順回転を開始するタイミング(すなわち、リール回転開始時)であり、タイミングT3は、当該遊技の全リール停止時である。また、主制御基板71は、状態表示器147bを点灯パターン例4(全リール停止時)のタイミングで点灯し、移行抽籤に当籤したことを出力パターン例B(リール回転開始時)のタイミングで外部機器に対して出力している。
タイミングT1に示すように、特定区間への移行抽籤に当籤した遊技において、主制御基板71は、スタートレバー6の操作に基づいてリール3L,3C,3Rの回転を開始する。このとき、主制御基板71は、まず、リール3L,3C,3Rを逆方向に回転させる。また、副制御基板72では、表示ユニット100を制御して、パチスロ機1の上部に設置されたデータカウンタに注目する旨の表示を行うとともに、5秒のカウントダウンを表示する。ここで、リール3L,3C,3Rの逆回転とは、リール3L,3C,3Rが下から上に向かって回転するものであるため、遊技者にとってみれば、リール3L,3C,3Rの逆回転に伴い、視線が下から上に誘導される。また、このリール3L,3C,3Rによる視線の誘導と併せて、表示ユニット100においても、データカウンタへの注目を促すため、遊技者の興味は、データカウンタに対して強く引き付けられることになる。
タイミングT1~タイミングT2では、副制御基板72は、表示ユニット100を制御して、カウントダウンを進行する。その後、タイミングT2になると、主制御基板71は、リール3L,3C,3Rを順方向に回転させるとともに、データカウンタに対して移行抽籤に当籤したことを示す信号を出力する。この信号を受けると、データカウンタでは、カウンタを更新し、また、「当たり」等の表示を行う。
このように演出例1では、リール3L,3C,3Rの逆回転、及び表示ユニット100による表示を利用して、データカウンタに視線を誘導し、その後、データカウンタに対して信号を出力することで、遊技者の視線を集めたデータカウンタ上で特定区間への移行抽籤に当籤したことを報知する。これにより、パチスロ機1だけでなく、外部機器(データカウンタ)と連携した演出を実行することができる。
また、演出例1では、タイミングT3になると、主制御基板71は、状態表示器147bを点灯させる。副制御基板72では、状態表示器147bの点灯タイミングに合わせて、表示ユニット100に対して特定区間に当籤したことを示す映像等を表示する。このように演出例1では、状態表示器147bの点灯タイミングや外部機器への信号の出力タイミングに合わせて演出を行うことで、様々な演出を連動して行うことができ、演出効果を高めることができる。
(演出例2)
続いて、図84を参照して、演出例2について説明する。ART遊技状態等の特定区間を有するパチスロ機では、特定区間への移行抽籤に当籤した後に直ちに特定区間を開始せず、移行抽籤に当籤した後に所定回数の遊技が経過してから特定区間を開始することがあり、この所定回数の遊技中にいわゆる前兆演出を行うことがある。ところで、本実施形態のパチスロ機1では、主制御基板71は、自身が行った移行抽籤の結果をそのまま外部機器に対して出力するため、図82において示した出力パターン例A~Dのように、移行抽籤に当籤した遊技においても、移行抽籤の結果を外部機器に対して出力できてしまう。ここで、移行抽籤に当籤した遊技において移行抽籤の結果を外部機器に対して出力した場合、データカウンタ(外部機器)上でカウンタが更新されてしまうため、前兆演出を行っている最中にデータカウンタの値から演出結果(すなわち、移行抽籤の当否)が分かってしまい、興趣が削がれてしまう。
そこで、図84に示す演出例2では、主制御基板71は、特定区間の移行抽籤に当籤した遊技から32ゲーム後の遊技中の任意のタイミングで、移行抽籤の結果を外部機器に対して出力する。そして、主制御基板71及び副制御基板72は、演出例Aに示すように、この32ゲームの間に前兆演出を行う。これにより、前兆演出が行われる32ゲーム間は、データカウンタの値が更新されることがなく、遊技者は、前兆演出に対して関心を抱くことができる。
なお、本実施形態のパチスロ機1では、特定区間の移行抽籤に当籤すると、当該遊技中に状態表示器147bを点灯させることとしているが、前兆演出中に状態表示器147bから移行抽籤の結果が把握できたのでは興趣が削がれてしまうため、状態表示器147bからは移行抽籤の結果が分かり難くしていることが好ましい。状態表示器147bから移行抽籤の結果を分かり難くする方法は、上述した通りである。
また、遊技者から登録操作を受け付けている場合には、前兆演出を行う期間をカスタマイズ可能にしてもよい。図84に示す例では、演出例Aは、32ゲーム間にわたり前兆演出が行われているが、演出例Bでは、16ゲーム間にわたり前兆演出が行われ、その後は、特定区間の当籤が確定した後の待機演出を行うこととしている。なお、待機演出としては、例えば、パチスロ機1に登場するキャラクタの紹介やストーリ紹介等であってもよく、また、設定値を示唆する演出等であってもよい。また、このように前兆演出の期間をカスタマイズ可能にした場合であっても、主制御基板71は、カスタマイズの有無に関わらず、同じタイミングで外部機器に対して信号を出力する。すなわち、図84に示す例では、演出例Aを行う場合であっても演出例Bを行う場合であっても共に、主制御基板71は、特定区間の移行抽籤に当籤した遊技から32ゲーム後の遊技中に、移行抽籤の結果を外部機器に対して出力している。
<特定区間中のナビ確保方法>
続いて、図85を参照して、特定区間中に遊技者にとって有利な停止操作の態様を報知する回数を確保するためのナビ確保方法について説明する。ART遊技状態等の特定区間を有するパチスロ機では、特定区間中にナビが行われないと特定区間中の遊技が単調になってしまい、遊技者の興趣を削いでしまうことがある。そこで、本実施形態のパチスロ機1では、特定区間中にナビが行われ易い状態を作り出すことで、特定区間中の遊技が単調になってしまうことを防止する。
具体的には、パチスロ機1では、特定区間を開始するタイミングを、ボーナス状態の開始時としつつ、このボーナス状態中は、ボーナス非作動中に比べて高い確率で押し順役(報知対象役)を内部当籤役として決定する。そして、ボーナス状態の開始時に特定区間も併せて開始する場合には、ボーナス状態中に当籤した押し順役に対して正解の押し順を報知し、ボーナス状態の開始時に特定区間を開始しない場合には、ボーナス状態中に押し順を報知しない。これにより、特定区間中にナビが行われないという状況を避けることができ、結果、特定区間中の遊技の興趣を高めることができる。
特に、特定区間を開始するタイミングを、ボーナス状態の開始時としているため、特定区間中に一度もボーナス状態にならないという状況、すなわち、特定区間中にナビが行われ易い状況(ボーナス状態)に一度もならないという状況を回避することができ、結果、遊技者は、特定区間中に一定回数分のナビを受けることができる。
(ボーナス開始時の特定区間開始方法例)
ここで、特定区間を開始するタイミングを、ボーナス状態の開始時とする方法は、任意である。例えば、図85(A-1)に示すように、主制御基板71は、通常区間中に設定不問役であるボーナスに係る役が内部当籤役として決定(すなわち、ボーナス当籤)されたことに応じて、移行抽籤を行う。そして、主制御基板71は、この移行抽籤に当籤している状態で、当該ボーナスに係る役に応じた図柄の組合せが表示されると、ボーナス状態と併せて特定区間を開始し、主制御基板71及び副制御基板72は、ボーナス状態中に高い確率で内部当籤役として決定される押し順役に対して正解の押し順を報知する。一方、主制御基板71は、移行抽籤に当籤していない状態で、ボーナスに係る役に応じた図柄の組合せが表示された場合には、特定区間を開始することなくボーナス状態を開始し、主制御基板71及び副制御基板72は、ボーナス状態中に押し順役が内部当籤役として決定されても正解の押し順を報知しない。
また、図85(A-2)に示すように、主制御基板71は、ボーナスに係る役が内部当籤役として決定されたことではなく、通常区間中に設定不問役であるボーナスに係る役に応じた図柄の組合せが表示(すなわち、ボーナス入賞)されたことに応じて、移行抽籤を行うこととしてもよい。
また、図85(A-3)に示すように、主制御基板71は、通常区間中にボーナスに係る役とは関係なく移行抽籤を行うこととしてもよい。具体的には、主制御基板71は、通常区間中に設定値に差のない情報に基づいて特定区間への移行抽籤を行い、この移行抽籤に当籤した場合には、特定区間への移行権利を付与する。そして、その後にボーナスに係る役に応じた図柄の組合せが表示されると、主制御基板71は、移行権利が付与されている場合には、ボーナス状態と併せて特定区間を開始し、主制御基板71及び副制御基板72は、ボーナス状態中に高い確率で内部当籤役として決定される押し順役に対して正解の押し順を報知する。一方、主制御基板71は、移行権利が付与されていない場合には、特定区間を開始することなくボーナス状態を開始し、主制御基板71及び副制御基板72は、ボーナス状態中に押し順役が内部当籤役として決定されても正解の押し順を報知しない。
(データ例)
図85(B)は、特定区間中のナビ確保方法を実現するためのデータ構成例である。図85(B)に示すように、ボーナス状態中は、ボーナス状態中以外の状態に比べて高い確率で、押し順役(「F_3択役_1st」「F_3択役_2nd」「F_3択役_3rd」)が内部当籤役として決定される。この押し順役は、例えば、押し順に正解した場合には、9枚のメダルが払い出される図柄の組合せが表示され、押し順に不正解の場合には、5枚のメダルが払い出される図柄の組合せが表示されるものである。また、ボーナス状態は、例えば、10枚以上のメダルが払い出されると終了することとする。
このようなデータ例によれば、ボーナス状態中に押し順役に対して正解の押し順を報知する場合には、遊技者は、ボーナス状態中に18枚(=9枚×2回)のメダルの払出を受けることができる一方で、ボーナス状態中に押し順役に対して正解の押し順を報知しない場合には、遊技者は、ボーナス状態中に10枚(=5枚×2回)のメダルの払出しか受けることができないこともある。
<特定区間を用いた前兆実現方法>
続いて、図86及び図87を参照して、本実施形態のパチスロ機1における前兆演出の実現方法について説明する。本実施形態のパチスロ機1では、特定区間への移行抽籤に当籤すると、その遊技中に状態表示器147bを点灯して、移行抽籤に当籤したことを報知するため、複数回の遊技にわたり行う演出を用いて移行抽籤の結果を報知することには適していない。そこで、本実施形態のパチスロ機1では、当否を報せる対象の特定区間(第2特定区間)とは別の特定区間(第1特定区間)を用いて、この第1特定区間中に前兆演出を行うこととしている。
(特定区間移行に関する前兆方法1)
初めに、図86を参照して、第2特定区間への移行に関する前兆実現方法の一手法について説明する。この方法では、ショートART(第1特定区間)及びロングART(第2特定区間)という継続期間の異なる複数の特定区間を設け、ショートART中の遊技を、ロングARTへの移行に関する前兆遊技として扱う。
具体的には、図86(A)に示すように、パチスロ機1では、第1の期間(例えば、3ゲーム間)継続するショートARTと、第1の期間を超える第2の期間(例えば、53ゲーム(3+50)間)継続するロングARTとを設け、通常区間中に、ショートART又はロングARTへの移行抽籤を行う。図86(B)は、移行抽籤に用いる移行抽籤テーブルの一例を示す図である。主制御基板71は、設定値に差のない情報(内部当籤役)に基づいて、設定値により変動することのない確率でショートART又はロングARTへの移行抽籤を行う。
この移行抽籤において、ショートART又はロングARTのいずれかに当籤すると、パチスロ機1では、ショートARTが継続する期間中にロングARTに当籤したか否かを報知する前兆演出を行う。より具体的には、パチスロ機1では、ショートARTに当籤しているときには、このショートARTの継続期間である第1の期間中にロングARTに当籤していないことを報知する前兆演出を行う。一方で、パチスロ機1では、ロングARTに当籤しているときには、ロングARTの継続期間のうちの、開始からショートARTの継続期間である第1の期間までの間、ロングARTに当籤していることを報知する前兆演出を行うとともに、この前兆演出の後にロングARTに固有の演出を行う。
なお、ショートARTを用いて前兆演出を行う場合、ショートART及びロングARTのいずれも特定区間であるため、主制御基板71は、状態表示器147bを点灯させる。すなわち、図86(A)に示すように、主制御基板71は、移行抽籤においてショートARTに当籤した場合には、ショートARTの継続期間である第1の期間中、状態表示器147bを点灯させ、また、移行抽籤においてロングARTに当籤した場合には、ロングARTの継続期間である第2の期間中、状態表示器147bを点灯させる。なお、主制御基板71は、ショートARTとロングARTとで、状態表示器147bを異なる態様で点灯することとしてもよく、また、同じ態様で点灯することとしてもよい。
また、ショートARTを用いて前兆演出を行う場合の、外部機器に対する信号の出力方法も任意である。例えば、主制御基板71は、移行抽籤においてショートARTに当籤した場合には、外部機器に対して信号を出力せずに、移行抽籤においてロングARTに当籤した場合にのみ、外部機器に対して信号を出力することとしてもよい。また、主制御基板71は、移行抽籤においてショートARTに当籤した場合も、ロングARTに当籤した場合もともに、外部機器に対して信号を出力することとしてもよい。
また、ショートART及びロングARTの終了条件としては、特定区間中のゲーム数、特定区間中に行われたナビ回数、特定区間中に払い出されたメダルの枚数や差枚数等の任意の条件を用いることができる。この場合において、ショートARTに対して用いる終了条件と、ロングARTに対して用いる終了条件とは、同一の種別であってもよく、また、異なる種別であってもよい。なお、同一の種別とは、例えば、ショートARTの終了条件としてゲーム数を用いる場合には、ロングARTの終了条件としてもゲーム数を用いることであり、異なる種別とは、例えば、ショートARTの終了条件としてゲーム数を用いる場合に、ロングARTの終了条件としてゲーム数以外の条件を用いることである。
続いて、図86(C)を参照して、ショートARTを用いて前兆遊技を行う場合の演出例について説明する。ショートART又はロングARTに当籤すると、副制御基板72は、表示ユニット100において、例えば「爆破チャンス突入」という演出を行う。この「爆破チャンス」演出は、ショートARTの継続期間である第1の期間中に、爆弾を爆破できるか否かにより、ロングARTへの当籤を報知する演出である。なお、図86に示す例では、ショートARTの継続期間が3ゲーム間であるものとしている。
副制御基板72は、移行抽籤においてショートARTに当籤していた場合(すなわち、ロングARTに非当籤の場合)、爆弾を爆破できないまま「爆破チャンス」演出を終了し、移行抽籤においてロングARTに当籤していた場合には、「爆破チャンス」演出において爆弾の爆破に成功する演出を実行する。なお、ロングARTに当籤していた場合に爆弾の爆破に成功するタイミングは、任意である。例えば、ショートARTの継続期間が3ゲームである場合には、1ゲーム目や2ゲーム目に爆弾の爆破に成功してもよく、3ゲーム目に爆弾の爆破に成功してもよく、また、4ゲーム目の開始時に爆弾の爆破に成功してもよい。
また、ショートART及びロングARTは、特定区間であるため、主制御基板71及び副制御基板72は、前兆演出中に、遊技者にとって有利な停止操作の態様を報知することができる。図86(C)に示す例では、ロングARTの前兆演出である「爆破チャンス」演出中に押し順役が当籤しているため、主制御基板71及び副制御基板72は、当該押し順役に対して正解の押し順を報知している。このようにパチスロ機1では、前兆演出中に遊技者にとって有利な停止操作の態様を報知することができるため、遊技の興趣が高まるはずの前兆演出中に、遊技者に対して損失感を与えてしまうことがない。
(特定区間移行に関する前兆方法2)
続いて、図87を参照して、第2特定区間への移行に関する前兆実現方法の別手法について説明する。上述の前兆方法1では、「爆破チャンス」演出の開始時に既に移行抽籤の結果が確定しているため、前兆演出の結果は前兆遊技の開始時に既に決まってしまっている。続いて説明する別手法では、前兆演出の結果を前兆遊技中に決定可能にする方法である。この方法では、CZ(第1特定区間)とART遊技状態(第2特定区間)という複数の特定区間を設け、CZ中の遊技を、ART遊技状態への移行に関する前兆遊技として扱う。
具体的には、図87(A)に示すように、パチスロ機1では、通常区間中にCZへの移行抽籤を行うとともに、CZ中にARTへの移行抽籤を行う。図87(B)は、移行抽籤に用いる移行抽籤テーブルの一例を示す図である。主制御基板71は、CZへの移行抽籤は、内部当籤役に基づいて行い、ART遊技状態への移行抽籤は、図柄の組合せに基づいて行う。具体的には、主制御基板71は、ベルこぼし目又は1枚出目の図柄の組合せが表示されると、ART遊技状態への移行抽籤を行わず、ベルの図柄の組合せが表示されると、ART遊技状態への移行抽籤を行う。そして、CZ中に押し順ベルに対して正解の押し順を報知することで、CZ中をART遊技状態に移行し易い状態とすることができる。
パチスロ機1では、通常区間中に行う移行抽籤においてCZに当籤すると、図87(C)に示す「爆破チャンス」演出を行う。この「爆破チャンス」演出は、例えば、3ゲーム継続し、この3ゲームの間に押し順ベルが内部当籤役として決定されると、正解の押し順が報知される結果、ART遊技状態への移行抽籤を受けることができる。そして、副制御基板72は、ART遊技状態への移行抽籤に当籤せずにCZが終了すると、爆弾を爆破できないまま「爆破チャンス」演出を終了し、CZの終了前にART遊技状態への移行抽籤に当籤した場合には、「爆破チャンス」演出において爆弾の爆破に成功する演出を実行する。
なお、主制御基板71は、CZ及びART遊技状態の双方において、状態表示器147bを点灯させるが、状態表示器147bの点灯の態様は任意である。すなわち、主制御基板71は、CZとART遊技状態とで状態表示器147bを異なる態様で点灯することとしてもよく、また、同じ態様で点灯することとしてもよい。
また、外部機器に対する信号の出力方法も任意である。例えば、主制御基板71は、移行抽籤にCZに当籤した場合には、外部機器に対して信号を出力せずに、移行抽籤においてART遊技状態に当籤した場合にのみ、外部機器に対して信号を出力することとしてもよい。また、主制御基板71は、移行抽籤においてCZに当籤した場合も、ART遊技状態に当籤した場合もともに、外部機器に対して信号を出力することとしてもよい。
また、CZ及びART遊技状態の終了条件は任意であり、それぞれ異なる種別の終了条件を用いることとしてもよく、また、同一の種別の終了条件を用いることとしてもよい。
また、上述の例の変形として、いわゆるギャップMBの開始時にショートART又はロングARTを開始させる仕様も考えられる。
ここで、ギャップMBとは、例えば、MBの終了条件が14枚を超えるメダルの払出であり、MB中には14枚のメダルが払い出される図柄の組合せ又は15枚のメダルが払い出される図柄の組合せが表示されるMBにおいて、報知が行われる状態では、MB中の1回目の遊技において、14枚のメダルが払い出される図柄の組合せが表示されることになる押し順を報知し、次の遊技において、15枚のメダルが払い出される図柄の組合せが表示されることになる押し順を報知することで、29枚のメダルの払出が得られるものの、報知が行われない状態では、15枚のメダルが払い出される図柄の組合せが表示されることが多く、15枚のメダルの払出で終了してしまうMBをいう。
上述の例では、押し順役が内部当籤役として決定されるまで待ち続ける必要があるものの、このようなギャップMBの開始時にショートARTを開始させると、ショートART開始の遊技と次の遊技で押し順ナビが発生するため、押し順役が内部当籤役として決定されるまで待ち続ける必要がなくなり、遊技が間延びしなくなるため、遊技の興趣が高まる。また、ショートARTで終了したとしても、ギャップMBにより遊技が間延びしないため、通常の遊技でベルナビ回数を消化するよりも得られるメダルが多く、お得感のあるナビ消費を体感できるため、ロングARTにつながらなかったことによる残念さを軽減し、遊技者の遊技意欲の低下を抑制できる。
<ナビ回数の節約方法>
特定区間の継続期間の終了条件として、特定区間中に行われたナビ回数を用いる、いわゆるナビ回数管理のパチスロ機では、ナビ対象の役(報知対象役)が集中して当籤してしまうと、ナビが集中して行われてしまい、結果、特定区間が直ぐに終了してしまう。特定区間が直ぐに終了してしまったのでは、遊技者が不満に感じてしまう原因になってしまうため、以下では、図88を参照して、ナビ回数の節約方法について説明する。
特定区間の継続期間の終了条件としてナビ回数を用いる場合、本実施形態のパチスロ機1では、図88(A)に示すように、ボーナス状態中も遊技者にとって有利な停止操作の態様の報知が必要なボーナス(MB1)と、ボーナス状態中は遊技者にとって有利な停止操作の態様の報知が必要ないボーナス(MB2)とを設ける。具体的には、パチスロ機1では、主制御基板71は、MB1に応じた図柄の組合せが表示されるとMB1遊技状態を開始し、MB2に応じた図柄の組合せが表示されるMB2遊技状態を開始する。
図88(B)に示すように、主制御基板71は、MB1遊技状態中は、押し順に応じて払出枚数が異なる図柄の組合せが表示される役「F_維持リプ_1st+全小役」「F_維持リプ_2nd+全小役」「F_維持リプ_3rd+全小役」を内部当籤役として決定する一方で、MB2遊技状態中は、押し順に関わらず払出枚数が同じ図柄の組合せが表示される役のみを内部当籤役として決定する。そして、MB1遊技状態中は、押し順に応じて払出枚数が異なる可能性があるため、主制御基板71及び副制御基板72は、これらの役が内部当籤役として決定されると、正解の押し順(9枚役が表示される押し順)を報知する。
このようにすることで、特定区間中にMB1遊技状態が開始してしまった場合にはナビ回数を消費しつつ遊技を行うことになるものの、特定区間中にMB2遊技状態を開始できた場合には、ナビ回数を消費することなく遊技を行うことができ、ナビ回数の消費速度を緩和することができる。
なお、MB1遊技状態中は、押し順に応じて払出枚数が異なる図柄の組合せが表示される役を内部当籤役として決定する一方で、MB2遊技状態中は、押し順に関わらず払出枚数が同じ図柄の組合せが表示される役のみを内部当籤役として決定することを実現する方法は任意である。一例として、MB1遊技状態を3ベット専用の遊技状態として、MB1遊技状態中は、リプレイに係る役に関してのみ個別に抽籤しておき、全ての小役を内部当籤役として決定する際に個別に抽籤しておいたリプレイの種別に応じて停止制御を異ならせる。これにより、MB1遊技状態中は、押し順に応じて払出枚数が異なる図柄の組合せが表示される役を内部当籤役として決定することができる。一方で、MB2遊技状態を2ベット専用の遊技状態とし、2ベット時はどの小役もメダルの払出枚数が同じとなる役構成にする。これにより、MB2遊技状態中は、押し順に関わらず払出枚数が同じ図柄の組合せが表示される役のみを内部当籤役として決定することができる。
<リプナビとベルナビの個別管理>
続いて、図89~図94を参照して、特定区間中にリプナビとベルナビとを個別に管理する方法について説明する。従来のパチスロ機では、特定区間中に、RT遊技状態を高リプ状態に維持するための報知、及びメダルを増加させるための報知の双方の報知を行うことが一般的であるが、これらの報知を個別に管理することで、従来にない新たな遊技性を実現することができる。
(遊技例1)
初めに、図89~図91を参照して、リプナビとベルナビとを個別管理する場合の遊技例1について説明する。この遊技例1は、特定区間としてリプナビAT及びベルナビATという複数種類の特定区間を有する。リプナビATでは、RT遊技状態を高リプ状態に維持するための報知を行う一方で、メダルを増加させるための報知は行わない。また、ベルナビATでは、少なくともメダルを増加させるための報知を行うとともに、RT遊技状態を高リプ状態に維持するための報知は、必要に応じて行う。
図89(A)は、遊技例1における遊技フローである。図89(A)に示すように、パチスロ機1は、RT遊技状態として、リプレイに係る内部当籤役の種別及びその当籤確率が互いに異なる、RT0遊技状態~RT3遊技状態の3種類の状態を設ける。RT0遊技状態は、リプレイに係る役が内部当籤役として決定される確率が低確率となる遊技状態であり、ボーナス終了後、初期化処理後、及び設定変更後等に滞在する遊技状態である。また、RT1遊技状態は、リプレイに係る役が内部当籤役として決定される確率が低確率となる遊技状態であり、主に通常遊技において使用される遊技状態である。また、RT2遊技状態は、リプレイに係る役が内部当籤役として決定される確率が高確率となる遊技状態であり、報知に従い移行した場合にはリプナビATとして扱われ、報知に関係なく移行した場合には通常遊技として扱われる遊技状態である。また、RT3遊技状態は、リプレイに係る役が内部当籤役として決定される確率が高確率となる遊技状態であり、主にベルナビATにおいて使用される遊技状態である。
RT0遊技状態からは、RT1遊技状態に移行する可能性がある。具体的には、RT0遊技状態において、ベルこぼし目の図柄の組合せが表示されると、主制御基板71は、遊技状態をRT0遊技状態からRT1遊技状態に移行させる。ここで、図89(B)の当籤役と停止図柄との対応関係に示すように、ベルこぼし目の図柄の組合せは、押し順役である役「F_3択ベル_1st」~「F_3択ベル_3rd」が内部当籤役として決定された遊技において、押し順に不正解のときに表示される。なお、役「F_3択ベル_1st」~「F_3択ベル_3rd」が内部当籤役として決定された遊技において、押し順に正解のときには、ベルの図柄の組合せが表示され、9枚のメダルが払い出される。
また、RT1遊技状態からは、RT2遊技状態に移行する可能性がある。具体的には、RT1遊技状態において、RT2移行リプの図柄の組合せが表示されると、主制御基板71は、遊技状態をRT1遊技状態からRT2遊技状態に移行させる。ここで、図89(B)の内部抽籤テーブルに示すように、RT1遊技状態では、押し順役である役「F_RT2移行リプ_123」~「F_RT2移行リプ_321」を所定の確率で内部当籤役として決定する。そして、図89(B)の当籤役と停止図柄との対応関係に示すように、役「F_RT2移行リプ_123」~「F_RT2移行リプ_321」が内部当籤役として決定された遊技において、押し順に正解の場合にはRT2移行リプの図柄の組合せが表示され、押し順に不正解の場合にはリプレイの図柄の組合せが表示される。
また、RT2遊技状態からは、RT1遊技状態又はRT3遊技状態に移行する可能性がある。具体的には、RT2遊技状態において、ベルこぼし目又はRT1移行リプの図柄の組合せが表示されると、主制御基板71は、遊技状態をRT2遊技状態からRT1遊技状態に移行させる。ここで、図89(B)の内部抽籤テーブルに示すように、RT2遊技状態では、押し順役である役「F_維持リプ_123」~「F_維持リプ_321」を所定の確率で内部当籤役として決定する。そして、図89(B)の当籤役と停止図柄との対応関係に示すように、役「F_維持リプ_123」~「F_維持リプ_321」が内部当籤役として決定された遊技において、押し順に正解の場合にはリプレイの図柄の組合せが表示され、押し順に不正解の場合にはRT1移行リプの図柄の組合せが表示される。主制御基板71は、押し順正解によりリプレイの図柄の組合せが表示された場合には、遊技状態をRT2遊技状態のまま維持し、押し順不正解によりRT1移行リプの図柄の組合せが表示された場合には、遊技状態をRT2遊技状態からRT1遊技状態に移行させる。
また、RT2遊技状態において、RT3移行リプの図柄の組合せが表示されると、主制御基板71は、遊技状態をRT2遊技状態からRT3遊技状態に移行させる。ここで、図89(B)の内部抽籤テーブルに示すように、RT2遊技状態では、押し順役である役「F_RT3移行リプ_123」~「F_RT3移行リプ_321」を所定の確率で内部当籤役として決定する。そして、図89(B)の当籤役と停止図柄との対応関係に示すように、役「F_RT3移行リプ_123」~「F_RT3移行リプ_321」が内部当籤役として決定された遊技において、押し順に正解の場合にはRT3移行リプの図柄の組合せが表示され、押し順に不正解の場合にはリプレイの図柄の組合せが表示される。主制御基板71は、押し順正解によりRT3移行リプの図柄の組合せが表示された場合には、遊技状態をRT2遊技状態からRT3遊技状態に移行させ、押し順不正解によりリプレイの図柄の組合せが表示された場合には、遊技状態をRT2遊技状態のまま維持する。
また、RT3遊技状態からは、RT1遊技状態に移行する可能性がある。具体的には、RT3遊技状態において、ベルこぼし目又はRT1移行リプの図柄の組合せが表示されると、主制御基板71は、遊技状態をRT3遊技状態からRT1遊技状態に移行させる。すなわち、主制御基板71は、役「F_3択ベル_1st」~「F_3択ベル_3rd」が内部当籤役として決定された遊技において、押し順正解によりベルの図柄の組合せが表示された場合には、9枚のメダルを払い出しつつ、遊技状態をRT3遊技状態のまま維持し、押し順不正解によりベルこぼし目の図柄の組合せが表示された場合には、9枚よりも少ない数(又は0枚)のメダルを払い出しつつ、遊技状態をRT3遊技状態からRT1遊技状態に移行させる。
また、図90(C)の移行抽籤テーブルに示すように、パチスロ機1では、主制御基板71は、内部当籤役に基づいてリプナビATへの移行抽籤を行っている。なお、この移行抽籤テーブルは、内部当籤役に基づいてリプナビATへの移行抽籤が行われることを示すものであり、移行抽籤を行うことになる役の種類は単なる例示に過ぎない。
また、図90(C)の移行抽籤テーブルに示すように、パチスロ機1では、主制御基板71は、表示された図柄の組合せに基づいてベルナビATへの移行抽籤を行っている。この遊技例1では、主制御基板71は、RT3移行リプの図柄の組合せが表示された場合にのみ、ベルナビATへの移行抽籤を行い、かつ、RT3移行リプの図柄の組合せが表示された場合には、必ずベルナビATに当籤することとしている。
なお、図示の例では、ベルナビATへの移行抽籤を、RT3移行リプの図柄の組合せが表示されること、すなわち、役「F_RT3移行リプ_123」~「F_RT3移行リプ_321」が内部当籤役として決定された遊技において押し順に正解することを条件に行うこととしているが、これに限られるものではなく、主制御基板71は、単に、役「F_RT3移行リプ_123」~「F_RT3移行リプ_321」が内部当籤役として決定された場合に、ベルナビATへの移行抽籤を行うこととしてもよい。
ここで、パチスロ機1では、主制御基板71は、RT2遊技状態中に役「F_RT3移行リプ_123」~「F_RT3移行リプ_321」を内部当籤役として決定し、その他のRT遊技状態中は役「F_RT3移行リプ_123」~「F_RT3移行リプ_321」を内部当籤役として決定しない、又はその他のRT遊技状態中はRT2遊技状態中よりも低い確率で役「F_RT3移行リプ_123」~「F_RT3移行リプ_321」を内部当籤役として決定する。そのため、RT2遊技状態は、その他のRT遊技状態中よりもベルナビATへの移行抽籤を行う頻度が高く、主制御基板71は、RT2遊技状態中は、その他のRT遊技状態(特に、RT1遊技状態)よりも高い頻度でベルナビATへの移行抽籤を行う。
パチスロ機1(主制御基板71及び副制御基板72)では、リプナビAT及びベルナビATのいずれにも当籤していない場合には、遊技者にとって有利な停止操作の態様(正解の押し順)を報知しない。一方で、パチスロ機1では、リプナビATに当籤している場合には、リプナビATに伴う報知を行い、ベルナビATに当籤している場合にはベルナビATに伴う報知を行う。
具体的には、リプナビATに当籤している場合には、主制御基板71及び副制御基板72は、役「F_RT2移行リプ_123」~「F_RT2移行リプ_321」、役「F_RT3移行リプ_123」~「F_RT3移行リプ_321」、及び役「F_維持リプ_123」のいずれかが内部当籤役として決定されると、正解の押し順を報知する。一方で、リプナビATに当籤している場合であっても、主制御基板71及び副制御基板72は、役「F_3択ベル_1st」~「F_3択ベル_3rd」のいずれかが内部当籤役として決定されても、正解の押し順を報知しない。
また、ベルナビATに当籤している場合には、主制御基板71及び副制御基板72は、役「F_3択ベル_1st」~「F_3択ベル_3rd」のいずれかが内部当籤役として決定されると、正解の押し順を報知する。なお、ベルナビATに当籤している場合には、主制御基板71及び副制御基板72は、役「F_RT2移行リプ_123」~「F_RT2移行リプ_321」、役「F_RT3移行リプ_123」~「F_RT3移行リプ_321」、及び役「F_維持リプ_123」のいずれかが内部当籤役として決定されている場合に正解の押し順を報知することとしてもよく、報知しないこととしてもよい。
このようにすることで、リプナビAT中を、ベルナビATへの移行抽籤の頻度が高いRT2遊技状態を維持するための報知を行う特定区間として扱うことができ、また、ベルナビAT中を、メダルを増加させるための報知を行う特定区間として扱うことができる。このように遊技例1では、リプナビATとベルナビATというそれぞれ役割が異なる特定区間を有するため、遊技者にとってみれば、報知が持つ意味が特定区間の種類によって異なることになるため、特定区間中の報知が単調になることなく、興趣の低下を防止することができる。
また、リプナビAT中は、メダルを増加させるための報知は行わないため、メダルの増加が抑えられることになる。パチスロ機では、遊技者と遊技店との利益のバランスを図る必要があるが、メダルが増加する期間が長いと遊技者が得る利益が過大になってしまうため、特定区間に移行し難くするなど他の部分で利益のバランスを図る必要がある。この点、遊技例1のパチスロ機1によれば、メダルを増加させるための報知を行うベルナビATとは別に、メダルを増加させるための報知は行わないリプナビATという特定区間を有するため、特定区間に移行し易い遊技性を実現しつつ、遊技者及び遊技店の利益のバランスを図ることができる。
なお、本実施形態のパチスロ機1では、設定値に差のない情報に基づいて行う移行抽籤を行うことで、特定区間への移行に関する期待度を各設定値に対して同一にすることとしている。この点、移行抽籤自体は、設定値に差のない情報に基づいて行いつつも、特定区間への移行に関する期待度を設定値毎に異ならせることとしてもよい。以下に、その具体的な方法を示す。
上述の遊技例1では、役「F_RT3移行リプ_123」~「F_RT3移行リプ_321」が内部当籤役として決定されたことに応じて(より詳細には、内部当籤役として決定された場合に正解の押し順で停止操作されたことに応じて)、ベルナビATへの移行抽籤を行うこととしている。移行抽籤を、設定値に差のない情報に基づいて行うため、役「F_RT3移行リプ_123」~「F_RT3移行リプ_321」は、設定値に関わらず現在の遊技状態に応じた確率で内部当籤役として決定される必要がある。具体的には、主制御基板71は、RT2遊技状態中に設定値に関わらず所定の確率で、役「F_RT3移行リプ_123」~「F_RT3移行リプ_321」を内部当籤役として決定する。なお、上述したように、RT2遊技状態以外のRT遊技状態においても役「F_RT3移行リプ_123」~「F_RT3移行リプ_321」を内部当籤役として決定することとしてもよく、この場合には、主制御基板71は、RT2遊技状態以外のRT遊技状態(例えば、RT1遊技状態)中に、設定値に関わらず所定の確率よりも低い確率で、役「F_RT3移行リプ_123」~「F_RT3移行リプ_321」を内部当籤役として決定する。
また、本実施形態のパチスロ機1では、特定区間への移行抽籤を設定値に関わらず当籤する確率が同一の確率で行うため、役「F_RT3移行リプ_123」~「F_RT3移行リプ_321」が内部当籤役として決定されたことに応じて(より詳細には、内部当籤役として決定された場合に正解の押し順で停止操作されたことに応じて)、設定値に関わらず同一の確率で当籤する移行抽籤を行う必要がある。そこで、主制御基板71は、ベルナビATへの移行抽籤を行う場合には、設定値に関わらず同一の確率で当籤するように抽籤を行う。
このようにすることで、ベルナビATへの移行抽籤が行われる契機となる、役「F_RT3移行リプ_123」~「F_RT3移行リプ_321」は、設定値に関わらず同一の確率で内部当籤役として決定され、また、ベルナビATへの移行抽籤は、設定値に関わらず同一の確率で当籤することになる。そのため、一見すると、ベルナビATへの移行に関する期待度は、各設定値に対して同一になるが、本方法では、RT遊技状態の移行に関して設定差を持たせることで、ベルナビATへの移行に関する期待度を設定値毎に異ならせる。
具体的には、主制御基板71は、設定されている設定値に応じた確率で、RT1遊技状態からRT2遊技状態に遊技状態を移行させる。上述のように、RT2遊技状態中は、その他のRT遊技状態よりも高い頻度でベルナビATへの移行抽籤を行うため、移行抽籤の契機や当籤確率には設定差を設けることなく、このRT2遊技状態への移行に関して設定差を設けることで、結果として、ベルナビATへの移行に関する期待度を設定値毎に異ならせることができる。より具体的には、図89(B)に示すRT1用の内部抽籤テーブルにおいて、役「F_RT2移行リプ_123」~「F_RT2移行リプ_321」を内部当籤役として決定する確率(抽籤値の情報)を、設定値毎に異ならせることで、RT2遊技状態への移行に関して設定差を設けることができる。これにより、役「F_RT2移行リプ_123」~「F_RT2移行リプ_321」を内部当籤役として決定する確率が高い設定値は、RT2遊技状態に移行し易くなり、結果、ベルナビATへの移行に関する期待度が高くなるため、ベルナビATへの移行に関して設定値毎の特徴を出すことができる。
(遊技例1における演出例)
続いて、図91を参照して、遊技例1のパチスロ機1における演出例について説明する。図91(A)は、当該演出を行う場合の遊技の流れの一例を示す図である。
図91(A)に示すように、1回目の遊技は、RT1遊技状態であり、リプナビAT及びベルナビATのいずれにも当籤していない遊技である。1回目の遊技では、リプナビAT及びベルナビATのいずれにも当籤していないため、状態表示器147bは消灯しており、また、リプナビ回数及びベルナビ回数の双方ともに0回のままである。なお、リプナビ回数とは、役「F_RT2移行リプ_123」~「F_RT2移行リプ_321」、役「F_RT3移行リプ_123」~「F_RT3移行リプ_321」、及び役「F_維持リプ_123」のいずれかが内部当籤役として決定されている場合に正解の押し順を報知する回数であり、ベルナビ回数とは、役「F_3択ベル_1st」~「F_3択_3rd」のいずれかが内部当籤役として決定されている場合に正解の押し順を報知する回数である。
続いて、2回目の遊技では、リプナビATへの移行抽籤に当籤している。そのため、状態表示器147bは点灯パターン1で点灯し、また、リプナビ回数として5回が付与されている。このとき、副制御基板72は、表示ユニット100において図91(B)の(a)に例示する演出を行う。すなわち、副制御基板72は、表示ユニット100にリプナビ回数が付与されたことを表示するとともに、「探索チャレンジ」演出が開始することを表示する。なお、「探索チャレンジ」演出は、リプナビAT中に行われる宝物を探索する演出であり、リプナビ回数が残っている間に宝物を見つけることができた場合には、成功(ベルナビAT)となる演出である。
続いて、3回目の遊技では、役「F_RT2移行リプ_123」~「F_RT2移行リプ_321」のいずれかが内部当籤役として決定されている。リプナビAT中であるため、主制御基板71及び副制御基板72は、正解の押し順を報知し、RT2遊技状態への移行を促す。この報知に伴い、3回目の遊技では、リプナビ回数が5回から4回に減っている。このとき、副制御基板72は、表示ユニット100において図91(B)の(b)に例示する演出を行う。すなわち、副制御基板72は、表示ユニット100に待機の間(RT1遊技状態)から宝物の間(RT2遊技状態)に移行するための押し順を表示する。遊技者がこの報知に従い停止操作を行うことで、RT2移行リプの図柄の組合せが表示され、その後、図91(B)の(b)に示すように、副制御基板72は、表示ユニット100に待機の間から宝物の間に到着したことを示す表示を行う。
続いて、4回目の遊技では、3回目の遊技においてRT2遊技状態への移行が行われたため、状態表示器147bは点灯パターン2で点灯している。また、4回目の遊技では、役「F_維持リプ_123」~「F_維持リプ_321」のいずれかが内部当籤役として決定されている。4回目の遊技はリプナビAT中であるため、主制御基板71及び副制御基板72は、正解の押し順を報知し、RT2遊技状態を維持することを促す。この報知に伴い、4回目の遊技では、リプナビ回数が4回から3回に減っている。このとき、副制御基板72は、表示ユニット100において図91(B)の(c)に例示する演出を行う。すなわち、副制御基板72は、表示ユニット100にRT2遊技状態を維持するための押し順を表示する。遊技者がこの報知に従い停止操作を行うことで、RT2遊技状態が維持され、宝物の間における探索が継続することになる。
続いて、5回目の遊技では、役「F_3択ベル_1st」~「F_3択ベル_3rd」のいずれかが内部当籤役として決定されているが、リプナビAT中であるため、主制御基板71及び副制御基板72は、正解の押し順を報知しない。そのため、副制御基板72は、図91(B)の(d)に示すように、表示ユニット100において押し順が不明であることを示す表示を行う。ここで、図91に示す例では、押し順に不正解であったものとしているため、ベルこぼし目の図柄の組合せが表示されることになる。主制御基板71は、ベルこぼし目の図柄の組合せの表示に伴い、遊技状態をRT2遊技状態からRT1遊技状態に移行させる。また、副制御基板72は、表示ユニット100に宝物の間(RT2遊技状態)から待機の間(RT1遊技状態)に転落してしまったことを示す表示を行う。
続いて、6回目の遊技では、5回目の遊技においてRT1遊技状態への移行が行われたため、状態表示器147bは点灯パターン1で点灯している。また、6回目の遊技では、役「F_RT2移行リプ_123」~「F_RT2移行リプ_321」のいずれかが内部当籤役として決定されている。リプナビAT中であるため、主制御基板71及び副制御基板72は、正解の押し順を報知し、RT2遊技状態への移行を促す。この報知に伴い、6回目の遊技では、リプナビ回数が3回から2回に減っている。また、副制御基板72は、図91の(e)に示すように、表示ユニット100に待機の間(RT1遊技状態)から宝物の間(RT2遊技状態)に移行するための押し順を表示し、その後、RT2移行リプの図柄の組合せが表示されると、表示ユニット100に待機の間から宝物の間に到着したことを示す表示を行う。
続いて、7回目の遊技では、6回目の遊技においてRT2遊技状態への移行が行われたため、状態表示器147bは点灯パターン2で点灯している。また、7回目の遊技では、役「F_RT3移行リプ_123」~「F_RT3移行リプ_321」のいずれかが内部当籤役として決定されている。7回目の遊技はリプナビAT中であるため、主制御基板71及び副制御基板72は、正解の押し順を報知する。この報知に伴い、7回目の遊技では、リプナビ回数が2回から1回に減っている。このとき、副制御基板72は、表示ユニット100において図91(B)の(f)に例示する演出を行う。すなわち、副制御基板72は、表示ユニット100に正解の押し順を表示する。
ここで、役「F_RT3移行リプ_123」~「F_RT3移行リプ_321」のいずれかが内部当籤役として決定されたときに押し順に正解すると、ベルナビATへの移行抽籤が行われベルナビATに当籤することから、副制御基板72は、表示ユニット100にベルナビATに当籤したことを示す表示を行う。また、ベルナビATの当籤に応じて、リプナビ回数及びベルナビ回数にそれぞれ初期値(10)が加算される。なお、ベルナビATに当籤したときにリプナビ回数として1回が残っていることから、ベルナビAT当籤時のリプナビ回数は11回となっている。
その後、8回目の遊技から遊技状態がベルナビATとなり、主制御基板71は、状態表示器147bを点灯パターン3で点灯する。このベルナビATでは、主制御基板71及び副制御基板72は、リプナビ回数が残っている限り、役「F_RT2移行リプ_123」~「F_RT2移行リプ_321」、役「F_RT3移行リプ_123」~「F_RT3移行リプ_321」、及び役「F_維持リプ_123」に対して正解の押し順を報知し、ベルナビ回数が残っている限り、役「F_3択ベル_1st」~「F_3択_3rd」に対して正解の押し順を報知する。
(遊技例2)
続いて、図92~図94を参照して、リプナビとベルナビとを個別管理する場合の遊技例2について説明する。この遊技例2では、特定区間中は、リプナビ及びベルナビの双方を行うが、双方の報知回数をそれぞれ個別に管理する。すなわち、この遊技例2では、特定区間の終了条件として、リプナビ及びベルナビの双方の回数を用いる。なお、リプナビとは、RT遊技状態を高リプ状態に維持するための報知をいい、ベルナビとは、メダルを増加させるための報知をいう。
図92(A)は、遊技例2における遊技フローである。図92(A)に示すように、遊技例2では、通常区間と特定区間とを有し、また、特定区間中は、リプレイに係る役が内部当籤役として決定される確率が高いリプ高確率(例えば、遊技例1におけるRT2遊技状態やRT3遊技状態)と、リプレイに係る役が内部当籤役として決定される確率が低いリプ低確率(例えば、遊技例1におけるRT1遊技状態)とを有する。
遊技例2では、主制御基板71は、通常区間中に特定区間への移行抽籤を行っており、この移行抽籤に当籤すると、主制御基板71は、遊技状態を通常区間から特定区間に移行させる。なお、遊技例2において、特定区間への移行抽籤は任意の方法により行うこととしてよい。
また、特定区間中にリプナビ回数及びベルナビ回数の双方が0回になると、主制御基板71は、遊技状態を特定区間から通常区間に移行させる。すなわち、遊技例2では、主制御基板71及び副制御基板72は、リプナビ回数が示す回数分だけRT遊技状態を高リプ状態に維持するための報知を行い、ベルナビ回数が示す回数分だけメダルを増加させるための報知を行う。そして、主制御基板71は、リプナビ回数及びベルナビ回数の双方が0回になると、特定区間を終了し、遊技状態を特定区間から通常区間に移行させる。
また、特定区間中に転落リプレイの図柄の組合せが表示されると、主制御基板71は、RT遊技状態を高リプ状態から低リプ状態に移行させ、昇格リプレイの図柄の組合せが表示されると、主制御基板71は、RT遊技状態を低リプ状態から高リプ状態に移行させる。なお、転落リプレイ及び昇格リプレイの図柄の組合せは任意であるが、遊技例1の表現に合わせると、例えば、RT1移行リプの図柄の組合せが転落リプレイの図柄の組合せに相当し、また、RT2移行リプやRT3移行リプの図柄の組合せが昇格リプレイの図柄の組合せに相当する。
なお、RT1移行リプの図柄の組合せは、役「F_維持リプ_123」~「F_維持リプ_321」が内部当籤役として決定された場合の押し順不正解時に表示され、また、RT2移行リプやRT3移行リプの図柄の組合せは、役「F_RT2移行リプ_123」~「F_RT2移行リプ_321」、役「F_RT3移行リプ_123」~「F_RT3移行リプ_321」が内部当籤役として決定された場合の押し順正解時に表示される。そのため、遊技例2におけるリプナビとは、役「F_維持リプ_123」~「F_維持リプ_321」が内部当籤役として決定された場合に正解の押し順を報知して、転落リプレイの図柄の組合せが表示されることを回避すること、及び、役「F_RT2移行リプ_123」~「F_RT2移行リプ_321」、役「F_RT3移行リプ_123」~「F_RT3移行リプ_321」が内部当籤役として決定された場合に正解の押し順を報知して、昇格リプレイの図柄の組合せの表示を促すこと、を含むものである。
なお、役「F_維持リプ_123」~「F_維持リプ_321」が内部当籤役として決定された場合に正解の押し順で停止操作が行われると、リプレイの図柄の組合せが表示され、RT遊技状態は、現在のRT遊技状態のまま維持される。すなわち、主制御基板71は、高リプ状態中に役「F_維持リプ_123」~「F_維持リプ_321」が内部当籤役として決定されたときに、リプレイの図柄の組合せが表示されると(押し順正解)、RT遊技状態を高リプ状態のまま維持する一方で、転落リプレイの図柄の組合せが表示されると(押し順不正解)、RT遊技状態を高リプ状態から低リプ状態に移行させる。
続いて、図92(B)は、遊技例2の特定区間の特徴を示す図である。図92(B)に示すように、遊技例2では、特定区間中に、通常ART及び特殊状態という複数の状態を有する。通常ARTと特殊状態とを比較すると、通常ARTは、特殊状態に比べてベルナビ回数の消費速度が速い状態である。また、遊技例2では、特定区間中にリプナビ回数及びベルナビ回数の上乗せを行うところ、通常ARTと特殊状態とを比較すると、特殊状態中は、通常ARTに比べてベルナビ回数の上乗せ量を少なくする一方で、リプナビ回数の上乗せ量を多くする。すなわち、ベルナビ回数の消費速度が抑えられる特殊状態中は、ベルナビ回数よりもリプナビ回数を優先して上乗せする。
(特殊状態の実現方法)
続いて、図93を参照して、ベルナビ回数の消費速度を抑えることが可能な特殊状態の実現方法について説明する。パチスロ機1では、ベルナビの対象となる役として、役「F_3択ベルA_1st」「F_3択ベルA_2nd」「F_3択ベルA_3rd」と、役「F_3択ベルB_12t」「F_3択ベルB_2nd」「F_3択ベルB_3rd」と、を有する。なお、以下では、役「F_3択ベルA_1st」~「F_3択ベルA_3rd」を単に役「F_3択ベルA」と呼び、役「F_3択ベルB_1st」~「F_3択ベルB_3rd」を単に役「F_3択ベルB」と呼ぶことがある。
図93(A)に示すように、ボーナス非当籤時、すなわち、ボーナスに係る役が内部当籤役として持ち越されていない状態では、役「F_3択ベルA」及び役「F_3択ベルB」のいずれも押し順に応じて表示される図柄の組合せが異なる役である。具体的には、役「F_3択ベルA」及び役「F_3択ベルB」のいずれも、押し順正解時には、ベルの図柄の組合せが表示され、9枚のメダルが払い出され、押し順不正解時には、ベルこぼし目の図柄の組合せが表示され、9枚よりも少ない数(又は0枚)のメダルが払い出される。
そのため、主制御基板71及び副制御基板72は、ボーナス非当籤時の特定区間中に役「F_3択ベルA」及び役「F_3択ベルB」のいずれかが内部当籤役として決定されると、ベルナビ回数分だけベルナビ(正解の押し順の報知)を行う。言い換えると、ボーナス非当籤時の特定区間中は、役「F_3択ベルA」又は役「F_3択ベルB」のいずれが内部当籤役として決定された場合であっても、ベルナビ回数が減ることになる。
一方で、図93(B)に示すように、フラグ間中、すなわち、ボーナスに係る役が内部当籤役として持ち越されている状態では、役「F_3択ベルB」は押し順に応じて表示される図柄の組合せが異なる役であるが、役「F_3択ベルA」は押し順に関わらず表示される図柄の組合せが同一の役である。具体的には、役「F_3択ベルB」は、押し順正解時には、ベルの図柄の組合せが表示され、9枚のメダルが払い出され、押し順不正解時には、ベルこぼし目の図柄の組合せが表示され、9枚よりも少ない数(又は0枚)のメダルが払い出される。一方で、役「F_3択ベルA」は、押し順に関わらず、ベルの図柄の組合せが表示され、9枚のメダルが払い出される。
そのため、主制御基板71及び副制御基板72は、フラグ間の特定区間中に役「F_3択ベルA」が内部当籤役として決定された場合には、押し順の報知を行わずに、フラグ間の特定区間中に役「F_3択ベルB」が内部当籤役として決定された場合に、ベルナビ回数分だけベルナビ(正解の押し順の報知)を行う。言い換えると、フラグ間の特定区間中は、役「F_3択ベルA」が内部当籤役として決定されてもベルナビ回数は減らずに、役「F_3択ベルB」が内部当籤役として決定された場合にベルナビ回数が減ることになる。
このように、ボーナスに係る役が内部当籤役として持ち越されているか否かに応じて、通常ARTと特殊状態とを区別することで、ベルナビ回数の消費速度を抑えることが可能な特殊状態の実現することができる。すなわち、上述の例の場合には、ボーナス非当籤時の特定区間を通常ARTとし、フラグ間の特定区間を特殊状態とすることで、ベルナビ回数の消費速度を抑えることが可能な特殊状態の実現することができる。
(上乗せ例)
続いて、図94を参照して、リプナビ回数及びベルナビ回数の上乗せ方法について説明する。図94(A)の上乗せ抽籤テーブルは、内部当籤役及び遊技状態毎に、ベルナビ回数及びリプナビ回数の上乗せ量に対する抽籤値の情報を規定する。パチスロ機1では、主制御基板71は、図94(A)に示す上乗せ抽籤テーブルを参照して、ベルナビ回数及びリプナビ回数の上乗せを行う。なお、図94(B)は、図94(A)の上乗せ抽籤テーブルに応じた上乗せの期待度の概要を示す図である。
図94(A)(B)を参照すると、通常ARTと特殊状態とでは、ベルナビ回数の上乗せ期待度とリプナビ回数の上乗せ期待度が異なることが分かる。具体的には、サボテン及び弱チェリーに基づく上乗せでは、通常ART中は、ベルナビ回数の方が上乗せされ易い一方で、特殊状態中は、リプナビ回数の方が上乗せされ易い。より具体的には、特殊状態中は通常ART中に比べて、ベルナビ回数の上乗せ量を少なくし、反対にリプナビ回数の上乗せ量を多くしている。
なお、図94に示す例では、強チェリーに基づく上乗せは、通常ART中と特殊状態中とで、上乗せ期待度を同一にしている。
このような遊技例2のパチスロ機1では、特定区間中にリプナビとベルナビとを個別に管理し、リプナビ回数分だけリプナビを行い、また、ベルナビ回数分だけベルナビを行う。これにより、特定区間中にリプナビの対象となる役、又はベルナビの対象となる役のいずれかが集中して内部当籤役として決定された場合であっても、いずれか一方のナビ回数のみが消費され、他方のナビ回数が消費しないため、ナビ回数の消費速度を緩和することができる。
また、遊技例2のパチスロ機1では、特定区間として通常ARTと特殊状態とを設け、現在の状態に応じて上乗せの期待度を異ならせることとしている。具体的には、ベルナビ回数の消費速度が速い通常ART中は、ベルナビ回数が上乗せされ易くし、反対に、ベルナビ回数の消費速度が抑えられる特殊状態中は、ベルナビ回数の上乗せ量を少なくして、リプナビ回数の上乗せ量を多くする。これにより、ナビ回数の消費速度を緩和することができ、結果、特定区間中の興趣を損ねることがない。
<終了期間の異なるCZの選択方法>
続いて、図95を参照して、終了期間の異なるCZの選択方法について説明する。本実施形態のパチスロ機1では、特定区間が長期間にわたり継続した場合には終了条件を満たすことなく、特定区間から通常区間へ移行することとしている(リミット処理)。また、特定区間にはART遊技状態の他にCZも含まれるため、リミット処理が行われる場合には、CZから連続して行われるART遊技状態は、CZが継続した遊技回数分だけ遊技期間が短くなってしまう。そこで、本実施形態のパチスロ機1では、終了期間の異なるCZの中から実行するCZを遊技者が選択可能にするとともに、選択の際に遊技者にとって好ましいと考えられるCZを選択し易くしている。
図95に示すように、本実施形態のパチスロ機1では、終了期間の異なる複数のCZを有する。具体的には、図95(A)に示すCZ「短期戦」は、終了期間が0ゲームのCZであり、図95(B)に示すCZ「勝負」は、終了期間が1ゲームのCZであり、図95(C)に示すCZ「安定」は、終了期間が10ゲームのCZであり、図95(D)に示すCZ「波乱」は、終了期間が10ゲームのCZであり、図95(E)に示すCZ「長期戦」は、終了期間が30ゲームのCZである。パチスロ機1では、主制御基板71は、CZの継続期間が実行する種類のCZの終了期間を超えると、CZを終了して遊技状態を通常区間に移行する。一方で、主制御基板71は、CZの継続期間が実行する種類のCZの終了期間を超える前に、ART遊技状態への移行抽籤に当籤すると、CZを終了して遊技状態をART遊技状態に移行する。
ここで、CZの選択方法について説明する。図95(A)~(E)は、CZを選択するための選択画面である。この選択画面には、CZを選択するための選択カーソルが設けられている。図95において選択カーソルは、図95(A)ではCZ「短期戦」を指しており、図95(B)ではCZ「勝負」を指しており、図95(C)ではCZ「安定」を指しており、図95(D)ではCZ「波乱」を指しており、図95(E)ではCZ「長期戦」を指している。この選択カーソルは、例えば、時間の経過に伴い選択するCZを切り替える。
選択画面では、チャンスボタン(図示せず)に対する遊技者の操作を受け付けており、主制御基板71は、チャンスボタンが操作されたタイミングで選択カーソルが指しているCZを選択するものとして、実行するCZの選択を受け付け、その後、選択されたCZを開始する。すなわち、図95(A)のタイミングでチャンスボタンが操作された場合には、主制御基板71は、CZ「短期戦」を選択するものとして、遊技者からの選択を受け付け、その後、CZ「短期戦」を開始する。なお、主制御基板71による選択カーソルが指しているCZの特定方法は任意であるが、例えば、選択カーソルが指し示すCZを切り替える間隔を、主制御基板71においてもカウントしておくことで、主制御基板71において選択カーソルが指しているCZを特定することができる。
本実施形態のパチスロ機1では、選択カーソルは、初期状態において、終了期間が最も短いCZ「短期戦」を指しており、その後、時間の経過に伴い、終了期間が短い順に他のCZを指し示す。例えば、選択カーソルは、時間の経過に伴い、CZ「短期戦」、CZ「勝負」、CZ「安定」、CZ「波乱」、CZ「長期戦」の順にCZを指し示す。
ここで、上述のようにリミット処理が行われる場合には、CZが継続した遊技回数分だけART遊技状態の遊技期間が短くなってしまうため、終了期間が最も短いCZ「短期戦」は、遊技者にとって好ましいと考えられる。パチスロ機1では、選択カーソルが指しているCZに基づいてCZの選択が行われるが、選択カーソルの初期状態として、CZ「短期戦」を指し示すこととすることで、遊技者にとって親切なCZの選択方法を実現することができる。
また、遊技者によっては、選択画面において何らの選択もすることなく遊技を進行することがある。例えば、選択画面においてチャンスボタンに対する操作を受け付けることなく、スタートレバー6が操作され遊技が開始した場合(すなわち、所定の操作が行われた場合)には、遊技者による選択が行われていないことになる。このようにCZの選択を受け付けることなく遊技が開始された場合には、主制御基板71は、終了期間が異なる複数のCZのうち終了期間が最も短いCZを開始する。すなわち、主制御基板71は、遊技者がCZを選択することなく遊技を開始した場合には、遊技を開始したタイミングにおける選択カーソルの位置に関係なく、終了期間が最も短いCZ「短期戦」を自動的に選択し、その後、CZ「短期戦」を開始する。これにより、遊技者にとって親切なCZの選択方法を実現することができる。
なお、このような選択画面は、例えばCZの開始時、言い換えるとCZへの移行権利が付与されている状態で表示される。すなわち、主制御基板71は、ART遊技状態に移行させるか否かの移行抽籤を行うCZへの移行権利を付与するとともに、このCZへの移行権利が付与されている状態で、複数種類のCZの中から一のCZの選択を受け付ける。
<特定区間開始時のリール制御>
続いて、図96~図98を参照して、特定区間を開始する際のリール制御について説明する。本実施形態のパチスロ機1では、特定区間を開始する際に「7-7-7」等の特定の図柄の組合せ(以下、「AT開始出目」と呼ぶ)を表示可能にリールの停止制御を行う。具体的には、主制御基板71は、特定区間への移行抽籤に当籤すると、特定区間への移行権利を付与する。この特定区間への移行権利は、遊技状態が特定区間に移行するまで持ち越され、遊技状態が特定区間に移行するとクリア(剥奪)される。すなわち、主制御基板71は、移行権利が付与されている状態で特定区間への移行条件(例えば、AT開始出目が表示)を満たすと、遊技状態を特定区間に移行させるとともに、移行権利をクリアする。そして、主制御基板71は、移行権利が付与されている場合と、移行権利が付与されていない場合とで、異なる態様でリール3L,3C,3Rの回転を停止する(すなわち、リールの停止制御を異ならせる)。
図96及び図97は、リールの停止制御に用いられる回胴停止初期設定テーブルの一例を示す図であり、上述した図49のステップS9及びステップS12において用いられる。この回胴停止初期設定テーブルは、リール3L,3C,3Rの回転を停止するためのリール停止制御情報を決定する際に参照される。回胴停止初期設定テーブルは、内部当籤役として決定された役、現在の遊技状態、及び特定区間への移行権利の有無に対応付けて、当該役が内部当籤役として決定された際に用いられるリール停止制御情報を規定する。主制御基板71は、回胴停止初期設定テーブルを参照して、内部当籤役、遊技状態及び移行権利の有無に対応するリール停止制御情報を取得し、当該リール停止制御情報を用いてリール3L、3C、3Rを停止させる。
当籤役、遊技状態及び移行権利の有無に対応付けられたリール停止制御情報は、回胴停止用番号、押下順序別判定データ(引込優先順位テーブル番号、引込優先順位選択テーブル番号)、テーブル番号選択値(変更ステータス、ストップ用テーブルデータ)、第一回胴第一停止用テーブル変更データ、第一回胴停止データテーブル選択データ(左第1停止用停止テーブル)、第一回胴第一停止用テーブル変更初期データ選択値(変更ステータス、テーブル番号)、及び検索順序データテーブル番号を含む情報である。
「押下順序別判定データ」は、引込優先順位テーブル番号と、引込優先順位選択テーブル番号とを含む。「引込優先順位テーブル番号」は、引込優先順位テーブル(図示せず)を選択するための番号である。また、「引込優先順位選択テーブル番号」は、引込優先順位選択テーブル(図示せず)を選択するための番号である。
「テーブル番号選択データ」は、第一停止リールが左リール3L以外である場合に、全てのリールを停止させるときに参照される値であり、変更ステータスと、ストップ用テーブルデータと、を含む。
「ストップ用テーブル番号」は、第一停止リールが左リール3L以外である場合に、全てのリールを停止させるときに参照されるストップ用テーブルを選択するための番号である。「変更ステータス」は、ストップ用テーブルデータに基づいて選択されたストップ用テーブルにおいて参照されるラインを表す一遊技ごとのラインステータスを変更するためのデータであり、本実施の形態におけるラインステータスの初期状態は、Aラインである。ここで、変更ステータスが「0」の場合には、ラインステータスの変更は行われず、「2」の場合には、ラインステータスがAラインであれば、Bラインに変更される。
第一回胴第一停止用テーブル変更データと、第一回胴停止データテーブル選択データと、第一回胴第一停止用テーブル変更初期データ選択値とは、第一停止リールが第一回胴すなわち左リール3Lである場合に参照されるデータである。
「第一回胴第一停止用テーブル変更データ」は、第一停止リールが左リール3Lである場合に、第二停止目以降にも同じ左第一停止後停止テーブルを使用するか変更するかを示すデータである。第一回胴第一停止用テーブル変更データに値(0以外の値)がある場合には、停止予定位置を基に変更データ検索テーブルを選択し、データの検索を行って第2停止目以降の停止テーブルを選択する。
「第一回胴停止データテーブル選択データ」は、第一回胴を停止させるときに参照される第一回胴停止データテーブル(図示せず)を選択するための番号である。
「第一回胴第一停止用テーブル変更初期データ選択値」は、第二及び第三回胴を停止させるときに参照されるデータであり、テーブル番号と、ラインステータスとを含む。「テーブル番号」は、第二及び第三停止リールを停止させるときに参照される第一回胴第一停止後停止データテーブルを選択するための番号である。「変更ステータス」は、テーブル番号に基づいて選択された第一回胴第一停止後停止データテーブルにおいて参照されるラインを表す一遊技ごとのラインステータスを変更するためのデータである。変更ステータスが「0」の場合には、ラインステータスの変更は行われず、「2」の場合には、ラインステータスがAラインであれば、Bラインに変更され、「3」の場合には、ラインステータスがAライン又はBラインであれば、Cラインに変更される。
「検索順序テーブル番号」は、滑り駒数を決定するための検索順序テーブル(図示せず)を選択するための番号である。
図96(A)(B)に示すように、パチスロ機1では、ボーナスに係る役が内部当籤役として決定されているか否かに応じてそれぞれ異なるリール停止制御情報が用いられる。具体的には、ボーナスに係る役が非当籤の際に参照される図96(A)の回胴停止初期設定テーブルでは、役「F_3択ベル_1st」に対して回胴停止用番号「17」のリール停止制御情報が規定されており、ボーナスに係る役が当籤している際に参照される図96(B)の回胴停止初期設定テーブルでは、同一の役「F_3択ベル_1st」に対して回胴停止用番号「31」のリール停止制御情報が規定されている。このようにパチスロ機1では、ボーナスに係る役の当籤の有無に応じてリール停止制御情報を異ならせることで、ボーナスに係る役が内部当籤役として決定されている場合にリールの停止制御を異ならせることができる。
同様に、図96(A)及び図97(C)に示すように、パチスロ機1では、移行権利が付与されているか否かに応じてそれぞれ異なるリール停止制御情報が用いられる。具体的には、移行権利が付与されていない場合に参照される図96(A)の回胴停止初期設定テーブルでは、役「F_3択ベル_1st」に対して回胴停止用番号「17」のリール停止制御情報が規定されており、移行権利が付与されている場合に参照される図97(C)の回胴停止初期設定テーブルでは、同一の役「F_3択ベル_1st」に対して回胴停止用番号「41」のリール停止制御情報が規定されている。このようにパチスロ機1では、移行権利の有無に応じてリール停止制御情報を異ならせることで、特定区間への移行抽籤に当籤している場合にリールの停止制御を異ならせることができる。
続いて、図96及び図97に示す回胴停止初期設定テーブルを用いてリールの停止制御を行う場合の、当籤役と停止図柄との対応関係を図98に示す。図98に示すように、特定区間への移行権利が付与されていない通常区間では、内部当籤役が「はずれ」である場合には「はずれ」の図柄の組合せが表示され、また、内部当籤役が役「F_3択ベル_1st」~「F_3択ベル_3rd」である場合には、押し順に正解するとベルの図柄の組合せが表示され、押し順に不正解するとベルこぼし目又は1枚出目の図柄の組合せが表示される。
一方で、特定区間への移行権利が付与されている特定区間の待機区間では、内部当籤役が「はずれ」のときは、目押し操作が正確である場合にはAT開始出目の図柄の組合せが表示され、目押し操作が不正確である場合には「はずれ」の図柄の組合せが表示される。また、内部当籤役が役「F_3択ベル_1st」~「F_3択ベル_3rd」のときには、目押し操作が正確である場合にはAT開始出目の図柄の組合せが表示され、目押し操作が不正確である場合にはベル、ベルこぼし目又は1枚出目の図柄の組合せが表示される。
このようにパチスロ機1では、特定区間への移行権利の有無に応じてリールの停止制御を異ならせるため、特定区間の開始時に遊技者の停止操作に応じてAT開始出目の図柄の組合せを表示するようにリールの回転を停止することができる。
また、パチスロ機1では、移行先の特定区間の種別に応じてリールの停止制御を異ならせることとしてもよい。すなわち、パチスロ機1では、遊技者にとって有利の度合いが異なる複数の特定区間を有し、主制御基板71は、一の特定区間への移行権利が付与されている場合と、当該一の特定区間とは異なる他の特定区間への移行権利が付与されている場合とで、リールの停止制御を異ならせることとしてもよい。具体的には、一の特定区間への移行権利が付与されている場合と他の特定区間への移行権利が付与されている場合とで、同一の役が内部当籤役として決定されたときに用いられるリール停止制御情報が異なるように、回胴停止初期設定テーブルを設ければよい。
これにより、移行先の特定区間の種別に応じてリールの停止制御を異ならせることができるため、例えば、遊技者にとってより有利な特定区間に移行する場合とそれ以外の特定区間に移行する場合とで、特定区間の開始時に表示される図柄の組合せを異ならせることができる。遊技者にとってみれば、特定区間の開始時に表示される図柄の組合せによりその後の遊技の有利度合いが異なることになるため、特定区間の開始時の停止操作に対して強い関心を抱くことになり、遊技の興趣が向上する。
なお、パチスロ機1では、ボーナス状態やRT遊技状態に応じては、内部当籤役の当籤確率が異なるものの、特定区間の種別に応じては、内部当籤役の当籤確率は異ならない。
ここで、近年では、内部抽籤の結果に応じて制御されるリール(以下、「第1メインリール」)の他に別のリール(以下、「第2メインリール」)を設けるパチスロ機も知られている。例えば、第1メインリールとして、上述のリール3L,3C,3Rの3つのリールを有し、第2メインリールとして、リール3Rの右に一列だけ設けられるリールを有するパチスロ機などが知られている。移行抽籤の結果に応じて停止制御を異ならせるリールは、第1メインリールであってもよく、また、第2メインリールであってもよい。
移行抽籤の結果に応じて第2メインリールの停止制御を異ならせる場合、主制御基板71は、特定区間への移行抽籤を行った遊技では、スタートレバー6の操作に応じて、第1メインリールの回転を開始する前に第2メインリールの回転を開始する。そして、ストップボタン7Rが操作されると、主制御基板71は、特定区間への移行抽籤の結果に応じて第2メインリールの回転を停止する。具体的には、特定区間への移行抽籤に当籤している場合には、当籤していない場合には表示されることのない図柄を表示可能に、第2メインリールの回転を停止する。このようにして特定区間への移行抽籤の結果に応じて第2メインリールの回転を停止すると、その後、主制御基板71は、第1メインリールの回転を開始する。
なお、上述の例では、ストップボタン7Rの操作に基づいて第2メインリールを停止することとしているが、ストップボタン7L,7C,7Rの他に第2メインリール専用のストップボタンを設けることとしてもよい。また、第2メインリールは1つとせずに複数設けることとしてもよい。
このように特定区間の移行抽籤の結果に対する停止操作と、内部抽籤の結果に対する停止操作とを切り分けることで、双方の目押しを楽しむことができるとともに、遊技者がゲーム性を把握し易くなる。
<設定変更時の制御>
続いて、図99を参照して、設定変更時の制御について説明する。図99は、設定変更時とメインRAM33のクリア時との制御内容の対応関係を示す図である。本実施形態のパチスロ機1において、主制御基板71は、新たな設定値が設定された場合(設定変更時)は、フラグ間中であっても内部当籤役として持ち越されているボーナスに係る役をクリアすることなく維持し、特定区間中であっても特定区間を維持し、また、特定区間の移行抽籤に当籤している待機区間中であっても移行抽籤の結果を維持する。すなわち、パチスロ機1では、フラグ間中、特定区間中又は待機区間中に新たな設定値が設定された場合であっても、新たな設定値が設定される前の遊技状態がそのまま維持される。
なお、新たな設定値が設定された場合(設定変更時)とは、設定1から設定6というように異なる設定値へ変更する場合だけに限定されず、設定1から設定1というように同じ設定値を再設定する場合(いわゆる同一設定への打ち直し)も含まれる。
一方で、メインRAM33がクリアされた場合(RAMクリア時)は、主制御基板71は、全ての遊技状態をクリアする。すなわち、主制御基板71は、フラグ間中にRAMクリアがされた場合には、持ち越されているボーナスに係る役をクリアし、特定区間中にRAMクリアがされた場合には、特定区間を終了し遊技状態を通常区間に移行し、待機区間中にRAMクリアがされた場合には、移行抽籤の結果をクリアする。
このようにパチスロ機1では、特定区間中にRAMクリアが行われた場合には特定区間をクリアするものの、特定区間中に設定変更が行われた場合には、特定区間のまま維持する。遊技店側からすると、設定値を変更しつつ特定区間を維持/クリアするか選択することができるため、パチスロ機の運営に関して遊技店側に多様な選択肢を与えることができる。
なお、設定変更の操作は、例えば、設定用鍵型スイッチ430(図69参照)を介して行うことができ、また、RAMクリアの操作は、例えば、リセットスイッチ442(図69参照)を介して行うことができる。
[第3実施形態]
続いて、第3実施形態のパチスロ機1について説明する。なお、第3実施形態のパチスロ機1について、第1実施形態又は第2実施形態のパチスロ機1と同様の構成、制御については、詳細な説明を省略する。また、第2実施形態において説明した「特定区間」については、第3実施形態において「有利区間」と称し、いわゆるナビや演出態様を加味した遊技状態を「出玉状態」と称する。その他、第1~3実施形態において説明したものと同一又は類似の要素で異なる用語を用いる際は、その用語の末尾に第1~3実施形態で使用した用語を括弧書きで付す。以下に示す第3実施形態のパチスロ機1の特徴は、第1~3実施形態のパチスロ機1においても同様に適用することができる。
[第3実施形態のパチスロ機の遊技フロー]
初めに、第3実施形態のパチスロ機1の遊技フローについて説明する。図100は、第3実施形態のパチスロ機1の出玉状態の遷移フローである。図101は、出玉状態のうちMB作動中の処理を示す図である。図102は、出玉状態及び遊技状態の概要を一覧にまとめて示す図である。なお、図101及び図102において示す出玉状態やモードなどは、主制御基板71により制御される。
図100に示すように、出玉状態は、大きく分けて通常区間と有利区間とに分けられる。通常区間では、主制御基板71の制御により有利区間ランプ(状態表示器147b)が消灯状態とされ、有利区間では、主制御基板71の制御により有利区間ランプ(状態表示器147b)が点灯状態とされる。有利区間ランプは、消灯状態によって有利区間に滞在していない旨を遊技者に告知する一方、点灯状態によって有利区間に滞在している旨を遊技者に告知する。ただし、本実施形態においては、有利区間に滞在して有利区間ランプが点灯している状態にあっても、報知ランプ147aの点灯態様によって必要な停止操作の情報を遊技者に報知することを抑制(不許容)する状態と許容する状態とがある。図101に示すように、MBは、通常区間と有利区間とのいずれにあってもMBの入賞に応じて作動する。なお、本実施形態においては、当籤時にいずれの押し順によっても必ず入賞し、1枚を超えるメダル払出を終了条件として1Gで終了するショートMB(略して「SMB」という)と、基本的に当籤によりフラグ間状態を経て入賞し、81枚を超えるメダル払出を終了条件として複数ゲームを消化することで終了するロングMB(略して「LMB」という)とがある。LMBは、当籤確率について設定差が無く、SMBは、当籤確率について設定差が有る。以下の説明においては、SMB及びLMBをまとめてMBという。
本実施形態では、主制御基板71は、各種の抽籤処理を行うことで、出玉状態を制御するが、こうした出玉状態を制御する各種の抽籤処理は、大別して通常処理と共通処理とに分けられる。なお、主制御基板71は、通常区間中は、通常処理のみを行い、共通処理を行うことがなく、また、有利区間中は、通常処理と共通処理との双方の処理を行うことができる。
通常処理は、内部当籤役や表示された図柄組合せに応じて行う処理であり、本実施形態では、主制御基板71は、内部当籤役を決定すると、決定した内部当籤役に応じて各種の抽籤処理を行い、出玉状態を制御する。この通常処理は、内部当籤役として決定される確率について設定差のない役が内部当籤役として決定された場合に、設定値に関わらず同一の確率で行われる抽籤処理である。なお、図102に示すように、LMBの作動中は、内部当籤役に応じて各種の通常処理を行うものの、SMBの作動中は、内部当籤役に基づく通常処理は行わない。これは、LMBは、当籤確率について設定差が無いため、LMB作動中という状態に滞在する確率も設定差が無いが、SMBは、当籤確率について設定差が有るため、SMB作動中という状態に滞在する確率には設定差が有る。通常処理は、設定差無く行う処理であるため、状態に滞在する確率が異なる時点で設定差が表れてしまうため、主制御基板71は、SMBの作動中は通常処理を行わない。
また、共通処理は、ボーナスの作動時に行う処理であり、本実施形態では、主制御基板71は、MBの作動時に各種の抽籤処理を行い、出玉状態を制御する。この共通処理は、MBの作動時に設定値に関わらず同一の確率で行われる抽籤処理である。なお、MBの作動時とは、対応する図柄組合せが表示されたことを契機にMB(ボーナス)が作動するタイミングをいう(第1実施形態の図62のS235参照)。なお、上述の共通処理とは異なり、主制御基板71は、SMBの作動時及びLMBの作動時の双方において、共通処理により各種の抽籤処理を実行可能である。
通常区間は、出玉状態として「通常」が実行される。図100及び図102に示すように、「通常」は、電源オン後や設定変更後の初期状態であり、後述する有利区間の終了後に有利区間に関する全ての変数がクリアされ、この「通常」の状態に移行する。「通常」では、ナビが行われず、単位遊技(一のゲーム)ごとに有利区間移行抽籤が実行される。有利区間移行抽籤で当籤すると、有利区間当籤となる。有利区間当籤には、「通常当籤」と「ART当籤」とがある。「通常当籤」の場合、次ゲームから出玉状態として後述する「通常有利」に移行する。一方、「ART当籤」の場合、出玉状態として後述する「ART前兆」に移行する。なお、有利区間移行抽籤については後述する。
有利区間は、主たる出玉状態として、「通常有利」、「SCZ」、「ART前兆」、「MB_HCZ」、「上乗せ特化ゾーン」、「ART」、「エンディング」が実行可能である。有利区間は、最大払出枚数の押し順小役(本実施形態では、「押し順ベル」又は「打順ベル」)を入賞させ得るナビ(ベルナビ)が発生可能な状態であり、有利区間に応じた特典が付与されるまで終了させることができない。なお、本実施形態において、有利区間に応じた特典とは、ベルナビの発生(押し順ベルの当籤)、又はボーナス(MB)の作動をいう。言い換えると、本実施形態では、有利区間は、ベルナビの発生(押し順ベルの当籤)あるいはボーナス(MB)の作動といった終了条件のうち、少なくともいずれかの終了条件が成立するまでは終了させることができない。上記の終了条件が成立すると、後述する有利区間終了抽籤が実行され、この抽籤結果に応じて「通常」に移行する。有利区間終了抽籤の抽籤結果によっては、有利区間が継続される場合もある。ただし、本実施形態では、MBが作動する場合を除き、有利区間が開始されてから例えば100G経過するまでは、押し順ベルに当籤してもベルナビが発生させられないベルナビ非発生状態(報知抑制状態、「待機区間」ともいう)とされる。すなわち、本実施形態においては、原則として、有利区間の開始からMBが作動することなく所定ゲーム数(100G)経過したことを条件に、押し順ベルの当籤に応じて初回のベルナビが発生可能(ベルナビ発生可能状態、報知許容状態)となる。なお、例外として、有利区間の開始から所定ゲーム数(100G)が経過する前であっても、MBに当籤した場合は、ベルナビ発生可能状態(報知許容状態)となる。なお、ゲーム数に関係なく押し順ベルの当籤についてフラグで管理し、フラグの有無や数に応じてベルナビ非発生状態とベルナビ発生可能状態とを制御するようにしてもよい。また、本実施形態では、有利区間が開始されてから例えば1500Gに達すると、上記有利区間の終了条件(押し順ベル当籤、ボーナス(MB)作動)が成立する前であっても、有利区間が強制的に終了させられ、通常区間(「通常」の状態)に移行するといったリミット処理が実行される。例えば、ARTの状態であって有利区間の開始から1500Gに到達すると、ARTの残りゲーム数がたとえ残存していても、リミット処理が実行される。これにより、ARTと共に有利区間が終了させられ、通常区間に移行させられる。
図100及び図102に示すように、「通常有利」は、「通常」において有利区間抽籤により「通常当籤」となることで移行する。また、「通常有利」は、「ART」終了時の有利区間終了抽籤で継続となる抽籤結果が得られた場合のほか、後述「SCZ」においてART非当籤で残り0Gとなった場合にも移行する。「通常有利」においては、SCZ抽籤及び後述するART抽籤が実行される。SCZ抽籤に当籤すると、「通常有利」から後述する「SCZ」の状態に移行し、ART抽籤に当籤すると、「通常有利」から後述する「ART前兆」の状態に移行する。
「通常有利」には、“低確”、“天国準備”、“天国”、“超天国”、“特殊”、“次回前兆”といったART抽籤の「ART」当籤確率が異なる通常モードがある。通常モードの種類は、「通常」において有利区間抽籤により「通常当籤」となった場合、後述する有利区間初期通常モード抽籤により当初決定される。「通常有利」中の通常モードは、当籤役に応じて通常モード移行抽籤が実行され、抽籤結果に応じて基本的にART抽籤の当籤確率が高いモードに昇格したりあるいはモードが維持される。
また、「通常有利」には、“低確”、“高確A”、“高確B”、“高確C”、“高確D”といった「SCZ」の当籤確率が異なるSCZモードがある。SCZモードの種類は、当初“低確”であり、「通常有利」中に行うSCZモードの移行抽籤により昇格・転落あるいは維持される。本実施形態において、「通常有利」中に行うSCZモードの移行抽籤には、当籤役に応じて行うSCZモード移行抽籤と、MBの作動時に行うSCZモード移行抽籤と、「通常有利」中の経過ゲーム数が規定ゲーム数に達したときに行う規定ゲーム数到達時専用のSCZモード移行抽籤とがある。ここで、当籤役に応じて行うSCZモード移行抽籤では、基本的にSCZモードは、「SCZ」の当籤確率が低いモードに転落又は維持され、また、MB作動時に行うSCZモード移行抽籤では、基本的にSCZモードは、「SCZ」の当籤確率が高いモードに昇格又は維持される。
また、規定ゲーム数到達時専用のSCZモード移行抽籤は、例えば「通常有利」中の経過ゲーム数が20G、40G、80Gに到達すると実行され、「SCZ」の当籤確率が高いモードに昇格又は維持される。また、本実施形態では、「通常有利」中の経過ゲーム数が120Gに到達すると、SCZモードが専用の抽籤モード(高確D)となり、SCZ抽籤及びART抽籤において当籤確率が当初より上がる。なお、専用の抽籤モード(高確D)となる“ハマリ天井”となった後は、「通常有利」から「通常」への移行契機となる後述する有利区間終了抽籤(図122参照)を行わないものとし、実質的に「ART」当籤を確定させることが望ましい。このような救済的な措置を行うことにより、押し順ベルやMBにほぼ当籤することなく120ゲーム程度遊技を進めることで、メダルを減らした遊技者に対して恩恵を付与することができ、「通常有利」の状態においてあいにく押し順ベルやMBを引くこと(当籤)ができなかった場合であったとしても、“ハマリ天井”到達への期待感をもって遊技を進めることができるようになり、遊技の興趣が低下することを抑制することができる。なお、「通常有利」中の経過ゲーム数とは、「通常」から「通常有利」に移行した後、「ART」又は「通常」に移行するまでに経過したゲーム数をいう。このとき、「ART」又は「通常」に移行する前に「SCZ」や「MB_HCZ」に移行することもあるが、この「SCZ」中の経過ゲーム数や「MB_HCZ」中の経過ゲーム数を、「通常有利」中の経過ゲーム数に含めることとしてもよく、また、含めないこととしてもよい。なお、「SCZ」中の経過ゲーム数や「MB_HCZ」中の経過ゲーム数を含めない場合、「SCZ」や「MB_HCZ」が終了した後の「通常有利」において、「SCZ」や「MB_HCZ」に移行するまでに計数していた経過ゲーム数を引き継いで「通常有利」中の経過ゲーム数を計数することとしてもよく、新たに最初から「通常有利」中の経過ゲーム数を計数することとしてもよい。
また、“ハマリ天井”のモード(高確D)においては、「ART」のみを抽籤してもよいし、「SCZ」のみを抽籤してもよい。また、各通常モード及びSCZモードよりも「ART」や「SCZ」の当籤確率を高くして、“ハマリ天井”に到達したことで却って「ART」や「SCZ」に当籤し難くなるといった事態が生じないようにすることが遊技の興趣を高める上で望ましい。また、「SCZ」に当籤し、「SCZ」に失敗したとしても、“ハマリ天井”のモード(高確D)へと復帰させるようにして、メダル増加区間である「ART」当籤以上の恩恵を保障することが望ましい。また、「ART」以上の恩恵が確定する“ハマリ天井”のモード(高確D)において「SCZ」に当籤した場合、メダル増加区間である「ART」が開始されるまでのゲーム数が結果的に増えることとなるが、「SCZ」を経由して「ART」に当籤した場合は、後述の「上乗せ特化ゾーン」からARTが開始されるため、5ゲーム程度の「SCZ」中に消費されるメダルを考慮したとしても、「ART」に直接当籤する場合よりも獲得することができるメダルの期待値が高くなるので、「ART」が確定しているのに余計なチャンス遊技でメダルを減らされるといった不快感を遊技者に与えにくいようにすることができる。
さらに、「通常有利」においては、後述するMBの当籤確率が約1/17であり、100Gに達するまでにMB入賞の可能性が高くなっている。そして、MBが入賞すると、ベルナビ発生可能状態となり、MB作動終了後に後述する有利区間終了抽籤が実行され、抽籤結果に応じて「通常」に移行するこことなる。要するに、「通常有利」に移行して所定ゲーム数(100G)を超えると、ベルナビ発生可能状態となるものの、100Gに達するまでにMBが成立するゲームにおいて又はフラグ間状態を経て入賞する可能性が高くなるので、「通常有利」の平均滞在ゲーム数は、概ね25G程度とされる。なお、詳しくは後述するが、MBの入賞を遊技者が意図的に遅らせることで出玉率が上昇するという攻略がなされないように、MBの図柄組合せが引き込み1(全ての押し順で、どのタイミングでストップボタン7L、7C、7Rを停止操作したとしても入賞可能)となるように、図柄配列及びリール停止制御を構成することが望ましい。
図100及び図102に示すように、「SCZ」は、「通常有利」においてSCZ抽籤によりSCZ当籤となることで移行する。「SCZ」は、後述する「ART」に比較的当籤しやすいチャンスゾーン(CZ)である。「SCZ」には、“通常”、“レジェンド”といったSCZモードに応じてART抽籤の当籤確率が異なる種別がある。例えば、SCZモードが“高確A”で種別が“レジェンド”の場合は、同じくSCZモードが“高確A”で種別が“通常”の場合よりもART当籤確率が高くなる。基本的に、種別が“レジェンド”の場合の方が“通常”の場合よりもART当籤確率が高くなる。SCZの種別は、役不問の抽籤により決定される。「SCZ」中にART抽籤に当籤すると、「SCZ」から後述する「上乗せ特化ゾーン」の状態に移行する。ART抽籤で当籤することなく「SCZ」の規定ゲーム数(5G)が終了した場合、「通常有利」へ移行する。なお、「SCZ」では、当籤した押し順ベルのナビが基本的に行われない。また、「SCZ」の種別は、SCZ抽籤に当籤した単位遊技(ゲーム)の内部当籤役を参照して決定するようにしてもよい。例えば、「強ベル」の当籤を契機に「SCZ」に当籤した場合は、他の役を契機に当籤した場合よりも“レジェンド”が選択されやすいなどとしてもよい。また、「SCZ」の種別は、「SCZ」当籤時のSCZモードを参照してもよく、“低確”、“高確A”、“高確B”、“高確C”、“高確D”といったSCZモードごと又はその一部において“レジェンド”の選択率を異ならせてもよい。また、前述の“ハマリ天井”モード(高確D)においては、“レジェンド”が確定するなどの特典を設けて、メダルを減らした遊技者に対する救済措置を設けることにより、遊技者の遊技意欲の低下を抑制する仕様としてもよい。なお、「SCZ」中は、5ゲームの間、内部当籤役を参照してART抽籤を行うが、ハズレ時においては、内部当籤役に非当籤の状態とも考えられるため、ART抽籤を行わないものとしてもよい。また、内部当籤役又は停止出目の少なくともいずれか一方を参照してART抽籤を行うようにしてもよい。停止出目に基づいてART抽籤を行う場合は、遊技者にリールでの出目を楽しませることができ、内部当籤役に基づいてART抽籤を行う場合は、主制御基板71の制御負荷を軽減することができる。
図100及び図102に示すように、「ART前兆」は、「通常」又は「通常有利」においてART抽籤によりART当籤となることで移行する。「ART前兆」は、規定ゲーム数消化後にART準備状態を経て「ART」に移行する。ただし、通常モードが「特殊」に滞在でART当籤により「ART前兆」に移行してきた場合には、後述する「上乗せ特化ゾーン」を経て「ART」に移行する。「ART前兆」においては、開始時からART中に用いる各種モードの初期モードのランクアップ抽籤が実行される。ART中に用いる各種モードは、基本的にランクが高いほど遊技者にとって有利であるため、「ART前兆」中のランクアップ抽籤においてランクアップすることができた場合には、「ART」の開始直後の各種モード(初期モード)が遊技者にとって有利なモードとなる。
図100及び図102に示すように、「MB_HCZ」は、通常区間又は有利区間の如何を問わずLMBに当籤することで移行する。「MB_HCZ」においては、HCZモード昇格抽籤や役不問のART抽籤が実行される。HCZモードは、ランクが高いほど、遊技者にとって有利な状態となる。ART抽籤に当籤してLMBの作動が終了すると、「MB_HCZ」から後述する「上乗せ特化ゾーン」の状態を経て「ART」に移行する。ART抽籤に当籤することなくLMBの作動が終了すると、「MB_HCZ」から元の出玉状態(例えば、「通常」や「通常有利」など)に移行する。
図100及び図102に示すように、「上乗せ特化ゾーン」は、ARTの上乗せが行われ易い期間であり、「SCZ」や「MB_HCZ」でのART当籤、あるいは「ART前兆」の規定ゲーム数終了後に移行する。詳細については省略するが、本実施形態では複数の「上乗せ特化ゾーン」を設け、「上乗せ特化ゾーン」では、上乗せ特化ゾーン種別に応じてARTゲーム数の上乗せ抽籤が実行される。「上乗せ特化ゾーン」の種類の儲け方は任意であり、例えば、平均上乗せが異なる複数の上乗せ特化ゾーンを設けることとしてもよく、また、上乗せのゲーム性が異なる複数の上乗せ特化ゾーンを設けることとしてもよい。「上乗せ特化ゾーン」の規定ゲーム数消化後、終了抽籤に当籤すると上乗せ特化ゾーンのストックがあればそのまま「上乗せ特化ゾーン」の状態となり、上乗せ特化ゾーンのストックなければ、「ART」に移行する。
図100及び図102に示すように、「ART」は、いわゆるARTの状態であり、「上乗せ特化ゾーン」あるいは「ART前兆」から移行する。「ART」は、ARTモード、チャンスAモード、チャンスBモード、チャンスCモードといった上乗せ抽籤などの有利度合いが異なるモードがあり、上乗せ抽籤や各種モード移行抽籤が実行される。「ART」は、初期ゲーム数として例えば100Gが付与され、上乗せ抽籤の結果に応じてゲーム数が加算される。「ART」のゲーム数終了時、当籤役不問の有利区間抽籤が実行され、その抽籤結果が「継続」であれば「通常有利」に移行する一方、「終了」であれば「通常」に移行する。
ARTモードには、“モード0”、“モードA”、“モードB”、“モードC”というART中の上乗せ抽籤などの有利度合いが異なる複数のモードがあり、基本的には“モード0”が最も不利なARTモードであり、“モードA”、“モードB”、“モードC”の順にART中の上乗せ抽籤などが有利となる(“モードC”が最も有利)。ART中はARTモードの移行抽籤が実行され、この移行抽籤の結果に応じてARTモードが移行する。ARTモードの移行は、基本的には、現在のARTモードが維持されるか、あるいは、現在のARTモードよりも下位のARTモードに転落する(“モードC”から“モードB”に転落、“モードB”から“モードA”に転落、又は“モードA”から“モード0”に転落(なお、2段階以上の転落を含むこととしてもよい))。そして、ARTモードが最も下位の“モード0”まで転落した場合には、ART中の上乗せ抽籤などが抑制される。一方で、ARTモードが“モード0”以外(“モードA”、“モードB”、“モードC”)である場合には、上乗せ抽籤などが抑制されることなく、通常の確率で上乗せ抽籤などに当籤する。なお、本実施形態では、ARTモードが“モード0”以外である場合、上乗せ抽籤などに当籤は全て同一であるが、上乗せ抽籤などが抑制される“モード0”までの転落のし易さが、それぞれのARTモードにおいて異なるため、ART中の上乗せ抽籤などの有利度合いが異なることになる。ARTモードは、通常処理による移行抽籤では維持又は転落するが、MB作動時の共通処理による移行抽籤により昇格することがある。
なお、本実施形態では、ARTモード“モード0”では、ART中の上乗せ抽籤などが抑制されることとしているが、ART中の上乗せ抽籤などを抑制するのではなく禁止することとしてもよい。通常のパチスロでは、ART中の上乗せは、所謂レア役を契機として行われるが、上乗せの契機となるレア役として弱レア役と強レア役とを設けることもある。ここで、上乗せ抽籤などを禁止する場合、強レア役の当籤時にも上乗せを行わないことになってしまい、遊技者が不満を感じやすくなってしまう。この点、本実施形態のように上乗せ抽籤などを抑制することで、強レア役である「強ベル」の当籤時に上乗せを行うことができるため、遊技者が不満を感じることがない。
また、チャンスAモード、チャンスBモード、チャンスCモードには、それぞれ“通常”、“高確準備”、“高確”、“超高確”というART中の上乗せ抽籤などの有利度合いが異なる複数のモードがあり、基本的には“通常”が最も不利なモードであり、“高確準備”、“高確”、“超高確”の順にART中の上乗せ抽籤などが有利となる(“超高確”が最も有利)。チャンスAモード、チャンスBモード、チャンスCモードは、それぞれが個別に管理され、例えば、ある遊技においてそれぞれのモードが別々のモードであることもあれば(チャンスAモード“高確”、チャンスBモード“超高確”、チャンスCモード“通常”)、一部のモードが共通であることもあれば(チャンスAモード“高確”、チャンスBモード“高確”、チャンスCモード“通常”)、全てのモードが共通であることもある(チャンスAモード“高確”、チャンスBモード“高確”、チャンスCモード“高確”)。ART中は、それぞれのモード毎に移行抽籤が実行され、この移行抽籤の結果に応じてそれぞれのモードが個別に移行する。
チャンスAモード、チャンスBモード、チャンスCモードでは、それぞれ管理するART中の上乗せの契機が異なる。本実施形態では、チャンスBモードは、後述する「SPリプA2」に基づく上乗せ抽籤を管理するモード(図134参照)であり、チャンスCモードは、後述する「SPリプA1」に基づく上乗せ抽籤を管理するモード(図135参照)であり、チャンスAモードは、それ以外の役に基づく上乗せ抽籤を管理するモード(図133参照)である。なお、本発明では、上乗せの契機毎に個別のモードを管理することに特徴を有するものであり、それぞれのモードが管理する上乗せの契機は、上述したものに限られない。一例として、内部当籤役に基づく上乗せを管理するモード、周期到達時の上乗せを管理するモード、ボーナス作動時の上乗せを管理するモード、ボーナス作動中の上乗せを管理するモード、ART準備中の上乗せを管理するモード、ART終了待機中の上乗せを管理するモードなど任意の上乗せ契機毎に個別のモードを管理することができる。
また、図100及び図102に示すように、「ART」中に出玉状態が「エンディング」に移行することがある。上述したように、本実施形態では、有利区間が開始されてから例えば1500Gに達すると、残りゲーム数がたとえ残存していても有利区間を終了するリミット処理を実行する。リミット処理自体は、1500ゲーム到達時に行うものの、パチスロ1では内部的に残りゲーム数も管理しているため、将来1500ゲームに到達するか否かを、1500ゲーム到達前から予め把握することができる。そこで、主制御基板71は、有利区間の消化ゲーム数と残りゲーム数との合算値が規定値以上になった場合に出玉状態を「エンディング」に移行する。「エンディング」に移行した場合、将来リミット処理が行われることが決まっているため、主制御基板71は、上乗せに関する全ての抽籤を行わない。なお、「エンディング」への移行契機となる有利区間の消化ゲーム数と残りゲーム数との合算値の閾値は、任意に設定することができる。一例として、1500ゲーム到達時にリミット処理が行われるため、閾値を1500ゲームとしてもよいが、本実施形態では、リミット処理が行われる場合に、100ゲーム間のエンディング演出を行うため、閾値を1400ゲームとしている。そして、有利区間の消化ゲーム数と残りゲーム数との合算値が1400ゲームに到達した場合、1400ゲーム消化後に100ゲームのエンディング演出を行い、リミット処理を行う。
図100及び図102に示すように、「MB」は、いわゆるボーナスの状態であり、LMB作動中以外は、通常区間又は有利区間のいずれにおいても入賞に応じて発生し得る。「MB」では、通常モード移行抽籤、SCZモード移行抽籤、ARTモード移行抽籤、ゲーム数上乗せ抽籤などが実行される。
[主制御基板の制御による遊技状態]
次に、図103を参照して、第3実施形態のパチスロ機1の主制御基板71の制御による遊技状態について説明する。図103は、第3実施形態のパチスロ機1の遊技状態の遷移フローである。
図103に示すように、遊技状態としては、リプレイ当籤確率が比較的低いRT0、RT1と、リプレイ当籤確率が比較的高いRT2、RT3とがある。RT0は、設定変更後の初期状態あるいはLMB終了後の遊技状態であって、出玉状態が「通常」の場合に滞在する状態であり、RT1移行図柄あるいはRT1移行リプが表示されると、RT1に移行する。RT1は、主として出玉状態が「通常」の場合に滞在する状態であり、RT2移行リプが表示されると、RT2に移行する。RT2は、RT3移行時における途中の状態であり、RT3移行リプが表示されると、RT3に移行する。RT3は、出玉状態が「ART」あるいは「上乗せ特化ゾーン」などに相当するいわゆるARTの状態であり、RT1移行図柄あるいはRT1移行リプの表示を経てRT1に移行する。
なお、設定変更後の初期状態は、必ずRT0で「通常」の状態となる一方、設定変更がない電源オン後の初期状態では、電源オフとなる前の遊技状態(一般的にはRT1)のままで「通常」の状態となる。設定変更後の初期状態においては、RT0の「通常」状態で有利区間に当籤すると、設定変更がない電源オン後の初期状態において有利区間に当籤した場合よりも相対的に有利な有利区間となる。これについては、図146を参照して後述する。
[主制御側の各種のデータテーブル]
次に、メインROM32に記憶されている各種データテーブルの構成について説明する。
<図柄配置テーブル>
図104に示す図柄配置テーブルは、左リール3L、中リール3C及び右リール3Rの各々の表面に配されている図柄の配列をデータによって表している。図柄配置テーブルは、21個の図柄位置「0」~「20」と、これらの図柄位置の各々に対応する図柄との対応関係を規定する。
図柄位置「0」~「20」は、左リール3L、中リール3C及び右リール3Rの各々において回転方向に沿って配されている図柄の位置を示す。図柄位置「0」~「20」に対応する図柄は、図柄カウンタの値を用いて図柄配置テーブルを参照することによって特定することができる。
図柄の種類としては、「黒BAR」、「赤BAR」、「赤7」、「リプレイA」、「リプレイB」、「リプレイC」、「ベルA」、「ベルB」、「ベルC」及び「ベルD」を含んでいる。
図104に示す図柄配置テーブルは、リールインデックスが検出されるときに表示窓4の中段に位置する図柄(表示窓4の中段を通過中の図柄)を図柄位置「0」に割り当てるとともに、リール3L、3C、3Rの回転方向に移動する順に、21個の図柄の各々に対して図柄位置「0」~「20」を割り当てた対応関係を規定する。
このように、表示窓4の中段を基準にすることで、表示窓4の中段に位置する図柄の種別を、3つのリール3L、3C、3Rごとに特定することができる。
<図柄コード表>
また、図104に示すように、各リール3L、3C、3Rに配された各図柄は、図柄コード表によって特定され、1バイト(8ビット)のデータによって区別される。図104に示す図柄コード表は、3つのリール3L、3C、3Rの表面に配された図柄を特定するためのコードを表している。
本実施の形態によるパチスロ機1で用いる図柄は、上述のように「黒BAR」、「赤BAR」、「赤7」、「リプレイA」、「リプレイB」、「リプレイC」、「ベルA」、「ベルB」、「ベルC」及び「ベルD」の10種類である。
図柄コード表では、「黒BAR」図柄(図柄コード1)に対して、データとして「00000001」が割り当てられ、同様に、「赤BAR」~「ベルD」の各図柄(図柄コード2~10)に対しても、データとして「00000010」から「00001011」が割り当てられている。
<図柄組合せテーブル>
次に、図105~図108を参照して、図柄組合せテーブルについて説明する。図柄組合せテーブルは、特典の種類に応じて予め定められた図柄の組合せ(コンビネーション)と、当該図柄の組合せが表示された際にメインRAM33に格納するデータと、当該図柄の組合せが表示された際の特典(メダルの払出枚数)との対応関係を規定する。
本実施形態では、有効ラインに沿って表示される図柄の組合せが、図柄組合せテーブルに規定された図柄の組合せ(コンビネーション)と一致する場合に入賞と判定される。そして、入賞と判定されると、メダルの払い出し、再遊技(リプレイ)の作動、ボーナスゲーム(役物連続作動装置)の作動といった特典が遊技者に与えられる。なお、有効ラインに沿って表示された図柄の組合せが、図柄組合せテーブルに規定されている図柄の組合せのいずれとも一致しない場合には、いわゆる「はずれ」となる。すなわち、本実施形態では、「はずれ」に対応する図柄の組合せを図柄組合せテーブルに規定しないことにより、「はずれ」の図柄の組合せを規定する。なお、本発明はこれに限定されず、図柄組合せテーブルに、「はずれ」の項目を設けて、直接「はずれ」を規定してもよい。
ここで、本実施形態では、単位遊技の用に供されるメダルの枚数が「2枚」である場合(2BET時)、表示窓4に表示される3×3の図柄のうちの、左列の下段と、中列の下段と、右列の下段とを結ぶボトムライン、及び、左列の下段と、中列の中段と、右列の下段とを結ぶ小山ラインの2本のラインが有効ラインとなり、単位遊技の用に供されるメダルの枚数が「3枚」である場合(3BET時)、表示窓4に表示される3×3の図柄のうちの、左列の中段と、中列の中段と、右列の中段とを結ぶセンターラインの1本のラインが有効ラインとなる。なお、SMBの作動中は、2BET遊技のみが可能であり、LMBの作動中及びMBの非作動中は、3BET遊技のみが可能である。
図柄組合せテーブル中のデータ欄は、有効ラインに沿って表示された図柄の組合せを識別するための情報が規定される。具体的には、データ欄には、対応する図柄の組合せのデータが格納される「格納領域」と、当該格納領域に格納される「データ(1バイトのデータ中の図柄の組合せに応じたビットを指定するためのデータ)」が規定される。
図柄組合せテーブルに規定する、コンビネーションは、各リール3L、3C、3Rが停止した場合に、有効ラインに沿って表示される各リール3L、3C、3Rの図柄組合せを意味する。それぞれのコンビネーションには、当該コンビネーションの役割や当該コンビネーションを構成する図柄の種別に応じたコンビネーション名が規定されている。
また、図柄組合せテーブルに規定する、払出枚数は、対応する図柄の組合せ(コンビネーション)が表示された際に払い出されるメダルの枚数を規定する。また、図柄組合せテーブル中の内容欄は、それぞれの図柄の組合せの役割や、それぞれの図柄の組合せの特徴を示す。
図105を参照して、例えば、コンビネーション名「S_赤CLリプ_01」~「S赤CLリプ_18」は、“W揃いリプ”に係る図柄の組合せである。より具体的には、コンビネーション名「S_赤CLリプ_01」~「S_赤CLリプ_18」は、図柄「赤BAR」と図柄「赤7」との双方が直線状に3個並んで表示され得る図柄の組合せである。
なお、“W揃いリプ”のうち、コンビネーション名「S_赤CLリプ_01」に係る図柄の組合せは、図柄「赤BAR」と図柄「赤7」との双方が直線状に並んで表示されるが、それ以外の図柄の組合せは、図柄「赤BAR」と図柄「赤7」との双方が直線状に並んで表示されるわけではない。これは、リール3L,3C,3Rに配置される図柄の配列の関係から図柄「赤BAR」及び図柄「赤7」は、停止操作のタイミングによっては停止表示できないことがあるためであり、コンビネーション名「S_赤CLリプ_01」以外の図柄の組合せは、いわゆる目押し操作が適切でない場合に代わりに表示される図柄の組合せを示している。これは、“赤BARリプ”などのその他の図柄の組合せについても同様である。
また、コンビネーション名「S_赤XUリプ」~「S_赤XDリプ_06」は、“赤BARリプ”に係る図柄の組合せであり、図柄「赤BAR」が直線状に3個並んで表示され得る図柄の組合せである。また、コンビネーション名「S_赤7CLリプ_01」「S_赤7CLリプ_02」は、“W揃いリプ”に係る図柄の組合せであり、図柄「赤BAR」と図柄「赤7」との双方が直線状に3個並んで表示され得る図柄の組合せである。また、コンビネーション名「S_赤7XUリプ_01」~「S_赤7XDリプ_04」は、“赤7リプ”に係る図柄の組合せであり、図柄「赤7」が直線状に3個並んで表示され得る図柄の組合せである。
図106及び図107を参照して、また、コンビネーション名「S_共通リプ1_01」~「S_共通リプ3_04」は、“赤BAR煽り”に係る図柄の組合せであり、図柄「赤BAR」が直線状に2個並んで表示され得るものの、3個は並ぶことがない図柄の組合せである。同様に、コンビネーション名「S_共通リプ4_01」~「S_共通リプ6_03」は、“赤7煽り”に係る図柄の組合せであり、図柄「赤7」が直線状に2個並んで表示され得るものの、3個は並ぶことがない図柄の組合せである。
すなわち、本実施形態では、図柄「赤BAR」が直線状に3個並んで表示され得る図柄の組合せを“赤BARリプ”と呼び、図柄「赤BAR」が直線状に2個並んで表示され得るものの、3個は並ぶことがない図柄の組合せを“赤BAR煽り”と呼ぶ。同様に、図柄「赤7」が直線状に3個並んで表示され得る図柄の組合せを“赤7リプ”と呼び、図柄「赤7」が直線状に2個並んで表示され得るものの、3個は並ぶことがない図柄の組合せを“赤7煽り”と呼ぶ。また、図柄「赤BAR」と図柄「赤7」との双方が直線状に3個並んで表示され得る図柄の組合せを“W揃いリプ”と呼ぶ。
<内部抽籤テーブル>
次に、図109を参照して、内部当籤役を決定する際に参照される内部抽籤テーブルについて説明する。内部抽籤テーブルは、遊技状態ごとに設けられ、それぞれの役に対応する抽籤値の情報を規定する。図109は、RT0~RT3、MB内部中、MB(作動)中のそれぞれにおいて参照される内部抽籤テーブルである。
本実施形態では、予め定められた数値の範囲「0~65535」から抽出される抽籤用乱数値を、各役に応じた抽籤値で順次減算し、減算の結果が負となったか否か(いわゆる「桁かり」が生じたか否か)の判定を行うことによって内部的な抽籤が行われる。
したがって、抽籤値として規定されている数値が大きいほど、これが割り当てられた役が内部当籤役として決定される確率が高い。すなわち、各番号の当籤確率は、「各番号に対応する抽籤値/抽出される可能性のある全ての乱数値の個数(65536)」によって表すことができる。
内部抽籤テーブルは、基本的には、RT遊技状態の種別に応じて内部当籤役として決定されるリプレイに係る役の種別及び当籤確率が変化する。図109に示すRT0~RT3の内部抽籤テーブルを比較すると、それぞれの遊技状態において内部当籤役として決定されるリプレイに係る役の種別及び当籤確率が異なることが分かる。ちなみに、RT0~RT3又はMB内部中において、押し順ベル(「F_4択ベル1A(No.34)」~「F_4択ベル4B(No.41)」)は、約1/4の確率で内部当籤役として決定される。
なお、SMBは、設定差が有るボーナス役であり、「SMB(No.48)」の単独当籤役として決定可能とされる。一方、LMBは、設定差が無いボーナス役であり、「LMB+F_煽りリプB(No.49)」又は「LMB+F_XDリプ(No.50)」の重複当籤役として決定可能とされる。ここで、図109には設定1用の内部抽籤テーブルについてのみ示しているが、RT0~RT3において設定差があるSMBは、設定1では約1/18の確率で内部当籤役として決定され、設定6では約1/15の確率で内部当籤役として決定される。また、SMBとLMBとを加味した場合、RT0~RT3においてMB(「SMB(No.48)」~「LMB+F_XDリプ(No.50)」)は、設定1では約1/17の確率で内部当籤役として決定され、設定6では約1/15の確率で内部当籤役として決定される。
また、「SMB」は、単独当籤のみ、かつ「SMB」に対応する図柄組合せが引き込み1(全ての押し順で、どのタイミングでストップボタン7L、7C、7Rを停止操作したとしても他の役に阻害されない限り入賞可能)となるように、図柄配列及びリール停止制御が設計されており、必ず成立ゲーム(ボーナス非当籤の状態から持越しではなく初めて当籤したゲーム)で入賞するため、持ち越されることがない。「LMB」は、成立ゲームでは再遊技役(リプレイ)と重複して内部当籤し、再遊技役は、「LMB」よりも優先的に入賞するため、「LMB」の成立時は、必ずフラグ間状態であるMB内部中へ移行する。そして、「LMB」に対応する図柄組合せも引き込み1であるため、フラグ間状態においてボーナスよりも優先的に入賞する小役又は再遊技役が同時に成立しない限り必ず入賞する。このような役構成とすることにより、遊技者が目押しで意図的にMBの入賞を回避して、有利区間の終了条件の充足を遅らせることで“ハマリ天井”への到達率を上昇させるといった攻略法を予防し、ホール側に不測の損害が発生しないように抑制することができる。
なお、図109に示す内部抽籤テーブルでは、MB内部中とMB(作動)中との「F_RT1中リプ1(No.1)」~「F_共通リプ(No.24)」の抽籤値を省略しているが、MB内部中及びMB中は、その時点におけるRT状態に応じた抽籤値が規定されている。また、MB中は、「F_4択ベル1A(No.34)」~「F_1枚役(No.47)」の抽籤値を省略しているが、MBの作動中は、内部抽籤処理に関わらず全ての小役(「F_4択ベル1A(No.34)」~「F_1枚役(No.47)」)に当籤する。
上述の通り、MB中では、リプレイ役については、現在のRT状態の当籤確率(すなわち、図109に示す抽籤値)が引き継がれて抽籤が行われる一方、小役についての抽籤は行われることなく、全ての小役が内部当籤役として決定され得るようになっている。図102にて図示した通り、LMBは、LMB役(図109のNo.49,50)の内部当籤により移行する内部中RT状態をLMB作動中に引き継ぎ、SMBは、SMB役(図109のNo.48)に内部当籤した遊技でのRT状態であるRT0~3の何れかのRT状態をSMB作動中に引き継ぐことになる。なお、図103で示した通り、LMBの作動終了後はRT0(低RT)に遷移するが、SBMは、内部当籤、作動開始及び作動終了の何れの場合においてもRT状態の遷移を行わない。獲得枚数の少なく、かつ、当籤確率の高いSMBを契機として高RTから低RTに移行しないことにより、高RTを維持し易くして「ART」による出玉の増加速度が低減しないようにしている。
また、MB中における内部当籤役の決定の手法は、上述したものに限られない。例えば、MB中において、現在のRT状態に応じた内部抽籤テーブルを参照し(すなわち、MB中用の内部抽籤テーブルを規定せず)、上述した当籤番号全て(「F_4択ベル1A(No.34)」~「F_1枚役(No.47)」を含む)に対して、規定された抽籤値に基づいて当籤か否かが判別され得るようにし、その後、全ての小役(「F_4択ベル1A(No.34)」~「F_1枚役(No.47)」)をさらに内部当籤役として決定するようにしてもよい。これにより、内部抽籤テーブルに係るデータ容量を削減することができる。
さらに、MB中における内部当籤役の決定の手法として、図109に示す内部抽籤テーブルを用いた抽籤を行わずに、全ての小役(「F_4択ベル1A(No.34)」~「F_1枚役(No.47)」)を内部当籤役として決定するものとしてもよい。この場合は、更にデータ容量や処理負荷の軽減を図ることができる。
<内部当籤役と図柄組合せの対応表>
図110~図111は、それぞれの役が内部当籤役として決定された場合に各内部当籤役において有効ライン上に表示可能な図柄の組合せ(コンビネーション)との対応関係を示す表である。
図110は、通常時(すなわち、主制御基板71の遊技状態がMB内部中及びMB(作動)中以外の状態(図102参照))における当籤役と停止表示される図柄の組合せとの対応関係を示す図である。主制御基板71は、内部当籤役を決定すると、決定した内部当籤役と停止操作の順序(押し順)とに基づき、図110に示す図柄の組合せが表示されるようにリール3L,3C,3Rを制御する。
例えば、内部当籤役として「F_通常リプB(No.14)」が決定された場合、第1停止操作が左のリール3Lに対する操作(左中右、又は左右中)である“左1st”の押し順で停止操作が行われると、“リプレイ”に係る図柄の組合せ(図106の内容欄参照)が表示され、第1停止操作が中のリール3Cに対する操作(中左右、又は中右左)である“中1st”の押し順で停止操作が行われると、“赤BAR煽り”に係る図柄の組合せが表示され、第1停止操作が右のリール3Lに対する操作(右左中、又は右中左)である“右1st”の押し順で停止操作が行われると、“赤7煽り”に係る図柄の組合せが表示される。
また、内部当籤役として「F_SPリプA1(No.20)」が決定された場合、“左1st”の押し順で停止操作が行われると、“リプレイ”に係る図柄の組合せが表示され、“中1st”の押し順で停止操作が行われると、“赤BARリプ”に係る図柄の組合せが表示され、“右1st”の押し順で停止操作が行われると、“赤7煽り”に係る図柄の組合せが表示される。同様に、内部当籤役として「F_SPリプA2(No.21)」が決定された場合、“左1st”の押し順で停止操作が行われると、“リプレイ”に係る図柄の組合せが表示され、“中1st”の押し順で停止操作が行われると、“赤BAR煽り”に係る図柄の組合せが表示され、“右1st”の押し順で停止操作が行われると、“赤7リプ”に係る図柄の組合せが表示される。
上述したように、ART中は、チャンスBモードにより「SPリプA2」に基づく上乗せ抽籤を管理し、チャンスCモードにより「SPリプA1」に基づく上乗せ抽籤を管理する。「SPリプA2」に基づく上乗せ抽籤は、内部当籤役として「F_SPリプA2(No.21)」が決定された場合に行われ、この上乗せ抽籤に当籤した場合には、パチスロ1の主制御基板71及び(又は)副制御基板72は、“中1st”の押し順を報知(指示)し、“赤BARリプ”に係る図柄の組合せを表示させる。同様に、「SPリプA1」に基づく上乗せ抽籤は、内部当籤役として「F_SPリプA1(No.20)」が決定された場合に行われ、この上乗せ抽籤に当籤した場合には、パチスロ1の主制御基板71及び(又は)副制御基板72は、“右1st”の押し順を報知(指示)し、“赤7リプ”に係る図柄の組合せを表示させる。
一方、狙うべき図柄の指示がある場合に常に当該図柄が揃ってしまうと遊技性が単調になってしまうため、内部当籤役として「F_通常リプB(No.14)」が決定された場合、又は「SPリプA1」に基づく上乗せ抽籤や「SPリプA2」に基づく上乗せ抽籤に非当籤した場合に、パチスロ1の主制御基板71及び(又は)副制御基板72は、所定の確率で“赤BAR煽り”や“赤7煽り”に係る図柄の組合せが表示される押し順を報知(指示)し、図柄揃いの煽りを行う。なお、図柄揃いの煽りも行わない場合には、パチスロ1の主制御基板71及び(又は)副制御基板72は、“左1st”の押し順を報知(指示)して“リプレイ”に係る図柄の組合せを表示させる。
また、内部当籤役として「F_SPリプB1(No.22)」~「F_SPリプB3(No.24)」が決定された場合も、押し順に応じて表示される図柄の組合せが異なり、“左1st”の押し順で停止操作が行われると、“リプレイ”に係る図柄の組合せが表示され、“中1st”又は“右1st”の押し順で停止操作が行われると、図柄揃いを煽る図柄の組合せ(“赤BAR煽り”“赤7煽り”)は表示されることなく、図柄が揃う図柄の組合せ(“赤BARリプ”“赤7リプ”“W揃いリプ”)が表示される。後述するように本実施形態では、ART中に上乗せ抽籤に当籤した場合、直ぐに上乗せを報知するのではなく、一時的に保持した後に上乗せを報知することがあり、「F_SPリプB1(No.22)」~「F_SPリプB3(No.24)」は、上乗せを後で報知する場合に用いる。例えば、パチスロ1の主制御基板71及び(又は)副制御基板72は、保持している50ゲーム分の上乗せを報知する場合、内部当籤役として「F_SPリプB1(No.22)」~「F_SPリプB3(No.24)」が決定されると“赤7リプ”に係る図柄の組合せが表示される押し順を報知(指示)し、保持している100ゲーム分の上乗せを報知する場合、“赤BARリプ”に係る図柄の組合せが表示される押し順を報知(指示)し、保持している150ゲーム分の上乗せを報知する場合、“W揃いリプ”に係る図柄の組合せが表示される押し順を報知(指示)する。
なお、通常時においてその他の役が内部当籤役として決定された場合に表示され得る図柄の組合せは、図110に示す通りであり、また、MB内部中やMB(作動)中における当籤役と停止表示される図柄の組合せとの対応関係は、図111に示すとおりである。
[非ART中の遊技の流れ]
続いて、図112を参照して、非ART(「通常」又は「通常有利」)中の遊技の流れについて説明する。図112(A)に示すように、パチスロ1では、基本的に非ARTからARTを目指して遊技を行う遊技性を有している。図112(A)や図100に示すように、パチスロ1において、非ARTからARTへの移行ルートは、非ARTからARTに直接移行するART直当りルートと、非ARTからSCZを経由してARTに移行するSCZ経由ルートと、非ARTからMB_HCZを経由してARTに移行するMB_HCZ経由ルートと、がある。以下では、ART直当りルートと、SCZ経由ルートとの流れについて説明する。
図112(B)は、ART直当りルートの遊技の流れを示す図である。図100に示したように、本実施形態において主制御基板71は、「通常」(通常区間)中に有利区間移行抽籤を行い、この移行抽籤に当籤した場合に「通常」から有利区間に移行する。この有利区間移行抽籤では、主制御基板71は、移行先の有利区間の種別も併せて抽籤し、例えば、移行先としてARTが決定された場合には、「通常」から有利区間のARTに直接移行する。
一方で、有利区間移行抽籤において移行先として通常有利が決定された場合には、「通常」から有利区間の通常有利に移行する。図100に示したように、本実施形態において主制御基板71は、通常有利中にART抽籤を行い、この移行抽籤に当籤した場合に通常有利からARTに移行する。本実施形態では、このように「通常」中に行う有利区間移行抽籤において移行先としてARTが決定された場合、又は、通常有利中に行うART抽籤に当籤した場合に、非ARTからARTに直接移行する(ART直当りルート)。
なお、通常有利中のART抽籤は、通常モードに基づいて行う。この通常モードには、“低確”、“天国準備”、“天国”、“超天国”、“特殊”、“次回前兆”といった複数のモードがあり、それぞれART抽籤の当籤確率が異なる。具体的には、ART抽籤の当籤確率は、通常モードのうち“超天国”が最も高く、“天国”及び“特殊”が次に高く、“天国準備”が次に高く、“低確”が最も低い。なお、“次回前兆”はART抽籤に当籤することが確定する通常モードである。通常有利中の通常モードは、任意に移行することができ、例えば、主制御基板71は、通常有利中に当籤役に応じて通常モード移行抽籤を行い、抽籤結果に応じて通常モードを移行させることができる。
また、通常モードに基づくART抽籤の当籤確率と、「通常」中の有利区間移行抽籤においてARTが決定される確率とを比較すると、「通常」中の有利区間移行抽籤においてARTが決定される確率は、通常モード“天国準備”に基づくART抽籤の当籤確率よりも若干高い。そのため、本実施形態では、通常モードによっては、「通常」中の有利区間移行抽籤においてARTが決定される確率よりも、有利区間中のART抽籤の当籤確率の方が低い場合がある(例えば、通常モード“低確”“天国準備”)。
なお、上述したように、通常有利中の経過ゲーム数が120ゲームに到達すると(ハマリ天井)、SCZモードが専用の抽籤モード(高確D)となる。ここで、ハマリ天井後の通常有利中は、主制御基板71は、通常モードに関係なく、SCZモード“高確D”に基づき通常有利中のART抽籤を行う。なお、後述の図115に示すように、SCZモード“高確D”に基づくART抽籤は、通常モード“超天国”よりも当籤確率が高い。
図112(C)は、SCZ経由ルートの遊技の流れを示す図である。図100に示したように、本実施形態において主制御基板71は、通常有利中にSCZ抽籤を行い、このSCZ抽籤に当籤した場合にSCZに移行する。また、主制御基板71は、SCZ中にART抽籤を行い、このART抽籤に当籤した場合にARTに移行する。このように通常有利中に行うSCZ抽籤に当籤し、その後、SCZ中に行うART抽籤に当籤した場合に、非ARTからSCZを経由してARTに移行する(SCZ経由ルート)。一方で、SCZ中に行うART抽籤に当籤することなくSCZが終了した場合、SCZから通常有利に移行する。なお、SCZは、ART抽籤に当籤することなく規定ゲーム数(5G)が経過した場合に終了する。
通常有利中のSCZ抽籤、及び、SCZ中のART抽籤は、SCZモードに基づいて行う。このSCZモードには、“低確”、“高確A”、“高確B”、“高確C”、“高確D”といった複数のモードがあり、それぞれSCZ抽籤、及び、ART抽籤の当籤確率が異なる。具体的には、SCZ抽籤、及び、ART抽籤の当籤確率は、SCZモードのうち“高確D”が最も高く、“高確C”が次に高く、“高確B”が次に高く、“高確A”が次に高く、“低確”が最も低い。これらSCZモードは、任意に移行することができるが、本実施形態では、主制御基板71は、通常有利中の経過ゲーム数や、通常有利中の当籤役に応じてSCZモードの移行抽籤を行い、この抽籤結果に応じてSCZモードを移行させる。
[ART直当りルートで用いる各種データテーブル]
続いて、ART直当りルートにおいて用いる各種のデータテーブルの構成について説明する。なお、以下に示す各種のデータテーブルは、メインROM32に記憶されており、主制御基板71は、これら各種のデータテーブルを参照して、各種の抽籤を行う。
<通常_有利区間移行抽籤テーブル>
初めに、図113を参照して、通常_有利区間移行抽籤テーブルについて説明する。通常_有利区間移行抽籤テーブルは、「通常」の状態(通常区間)においてゲーム(単位遊技)ごとに内部当籤役に基づき有利区間移行抽籤を行う際に参照されるテーブルである。同図に示すように、通常_有利区間移行抽籤テーブルには、参照項目として、「打順ベル」、「共通ベル、1枚」、「共通リプ、チャンスリプ、弱チャンス」、「中チャンス、煽りリプ」、「強ベル」、「確定役」、「LMB」が規定され、参照項目ごとに抽籤結果を示す「非当籤」、「通常有利」、「特定役」、「LMB」の抽籤値が規定される。図109に示す内部当籤役として、「打順ベル」は、「F_4択ベル1A(No.34)」~「F_4択ベル4B(No.41)」に相当し、「共通ベル、1枚」は、「F_共通ベルA(No.45)~F_共通ベルB(No.46)」、「F_1枚役(No.47)」に相当し、「共通リプ、チャンスリプ、弱チャンス」は、「F_共通リプ(No.25)」、「F_チャンスリプ(No.26)」、「F_弱チャンス役(No.44)」に相当し、「中チャンス、煽りリプ」は、「F_中チャンス役(No.43)」、「F_煽りリプA(No.31)」~「F_煽りリプB(No.32)」に相当し、「強ベル」は、「F_強ベル(No.42)」に相当し、「確定役」は、「F_黒BARリプ(No.37)」、「F_赤BARリプ(No.28)」、「F_赤7リプA(No.29)」~「F_赤7リプB(No.30)」に相当し、「LMB」は、「LMB+F_煽りリプB(No.49)」~「LMB+F_XDリプ(No.50)」に相当する。なお、抽籤結果としての「特定役」は、「確定役」として特定の処理の契機となるものである。また、他の抽籤テーブルにおいて参照項目として、「打順リプ」、「SPリプA1」、「SPリプA2」、「SPリプB1」、「SPリプB2」を用いることがあるが、「打順リプ」は、「F_RT1中リプ1(No.1)」~「F_維持リプ5(No.19)」に相当し、「SPリプA1」は、「F_SPリプA1(No.20)」に相当し、「SPリプA2」は、「F_SPリプA2(No.21)」に相当し、「SPリプB1」は、「F_SPリプB1(No.22)」に相当し、「SPリプB2」は、「F_SPリプB2(No.23)」、「F_SPリプB3(No.24)」に相当する。
このような通常_有利区間移行抽籤テーブルを用いた有利区間移行抽籤によれば、「通常」の状態において例えば「打順ベル」に当籤すると、1/256の確率で「通常有利」の抽籤結果が得られ、当該抽籤結果に基づいて次のゲームから「通常有利」の状態となる。また、例えば「中チャンス」あるいは「煽りリプ」に当籤すると、248/256の確率で「通常有利」の抽籤結果が得られ、当該抽籤結果に基づいて次のゲームから「通常有利」の状態となるほか、8/256の確率で「ART」の抽籤結果が得られる場合があり、この場合、当該抽籤結果に基づいて次のゲームから「ART前兆」の状態となる。このような「ART」の当籤確率は、「中チャンス、煽りリプ」の当籤時に3.2%程度であり、「強ベル」の当籤時に12.5%程度であり、「有利区間」に当籤する確率よりも低く抑えられている。
<通常_有利区間初期通常モード抽籤テーブル>
次に、図114を参照して、通常_有利区間初期通常モード抽籤テーブルについて説明する。通常_有利区間初期通常モード抽籤テーブルは、「通常」から有利区間移行抽籤に当籤することで「有利区間」に移行した直後の初回ゲーム(単位遊技)において、当該初回ゲームの通常モードを有利区間初期通常モード抽籤により決定する際に参照されるテーブルである。同図に示すように、通常_有利区間初期通常モード抽籤テーブルには、参照項目として、「打順ベル」、「共通ベル、1枚」、「共通リプ、チャンスリプ、弱チャンス」、「中チャンス、煽りリプ」、「強ベル」、「確定役」、「LMB」が規定され、参照項目ごとに抽籤結果を示す通常モードの種類として、“低確”、“天国準備”、“天国”、“超天国”、“特殊”、“次回前兆”の抽籤値が規定される。
このような通常_有利区間初期通常モード抽籤テーブルを用いた有利区間初期通常モード抽籤によれば、「通常有利」の初回ゲームにおいて例えば「打順ベル」に当籤すると、248/256の確率で“低確”の抽籤結果が得られ、当該初回ゲームでは、その抽籤結果に基づいて“低確”の通常モードとなる。一方、例えば「打順ベル」に当籤した場合には、6/256の確率で“天国準備”の抽籤結果が得られ、この場合に「通常有利」の初回ゲームでは、その抽籤結果に基づいて“天国準備”の通常モードとなる。「通常有利」の初回ゲーム以降は、通常モード移行抽籤の抽籤結果に応じて通常モードが昇格する可能性がある。通常モードは、“低確”、“天国準備”、“天国”、“超天国”、“特殊”、“次回前兆”の順に昇格し(2段階以上の昇格を含む)、基本的に昇格するほど「ART」の当籤確率(図115参照)が高くなるようになっているが、初回ゲームでの通常モードともなり得る“特殊”の場合は、「ART」の当籤確率が“超天国”の場合よりも必ずしも高いとはいえないようになっている(図115参照)。また、「通常有利」の状態で通常モードが“低確”又は“天国準備”の場合の「ART」の当籤確率は、「通常」の状態における「ART」の当籤確率よりも低くなるようになっている(図113及び図115参照)。これにより、「通常」から「通常有利」への移行直後は、「通常」の状態よりも「ART」に当籤し難い状態になりやすい。これについては、後述する通常有利_ART抽籤テーブルを参照して詳述する。
<通常有利_ART抽籤テーブル>
次に、図115を参照して、通常有利_ART抽籤テーブルについて説明する。通常有利_ART抽籤テーブルは、通常モードの種類(“低確”、“天国準備”、“天国”、“超天国”、“特殊”、“次回前兆”)及びSCZモード“高確D”ごとに設けられており、それぞれのモードごとに内部当籤役に基づき「ART」への移行(「ART当籤」)を決定する際に参照されるテーブルである。同図に示すように、各モードに対応する通常有利_ART抽籤テーブルには、参照項目として、「打順ベル」、「共通ベル、1枚」、「共通リプ、フェイクリプ」、「弱チャンス」、「チャンスリプ」、「中チャンス」、「強ベル」が規定され、参照項目ごとに抽籤結果(非当籤、当籤)に対応する抽籤値が規定される。
このような通常有利_ART抽籤テーブルを用いたART抽籤によれば、「通常有利」の状態において例えば“低確”の通常モードである場合には、「弱チャンス」に当籤すると、1/256の確率で「ART」当籤の抽籤結果が得られ、その後「ART前兆」を経て「ART」の状態に移行する。
ここで、通常モードが“低確”又は“天国準備”である場合、「ART」当籤の確率は、内部当籤役の当籤確率も加味すると、「ART」当籤確率(“低確”又は“天国準備”)=0.4%×0.8+0.8%×0.3+12.5%×0.1=1.81%程度となる。一方、図113を参照して「通常」時において有利区間移行抽籤により「ART」当籤の確率は、同様に内部当籤役の当籤確率も加味すると、「ART」当籤確率(通常時)=2.5%程度となる。すなわち、本実施形態では、「通常有利」に移行した当初の通常モード(主として“低確”又は“天国準備”)は、「通常」の状態よりも「ART」当籤の確率が低くなるように抑えられており、「通常」の状態よりも「通常有利」に移行した直後の方が「ART」に移行しにくくなっている。これにより、「通常」の状態であっても「通常有利」を経由せずに「ART」に移行するかもしれないという期待度が高められ、遊技の興趣を高めることができる。また、有利区間が終了し、有利区間ランプ(状態表示器147b)が消灯した場合であっても、必ずしも最も不利な状況であるとは言い切れないため、ランプ消灯時をきっかけに遊技を止めようと考える遊技者に遊技を続行する意欲を生じさせることができる。また、開店直後以外の遊技場においては、前任者が遊技を止めた状態で放置された状況から空き台を選択することとなる。前述の工夫を施したとしても、有利区間ランプが消灯した状況で放置された台の方が多くなる傾向にあり、仮に有利区間ランプ消灯の状況がその機種で相対的に最も不利な状況であることが確定してしまうと、敢えて最も不利な状況から遊技を始める必要もないのではないか、とその遊技者が遊技の開始をためらう可能性がある。わざわざ遊技場まで足を運び、その機種を見に来ている時点で非常に高い遊技意欲をもっている遊技者といえるが、そのような遊技者の意欲を削ぐと稼働率の低下につながる。上述のように、有利区間ランプ消灯の状況が必ずしもその機種の遊技状態の中で最も不利とは限らない仕様とすることにより、ひとまず最も不利な状況とは言い切れないようし、これにより遊技を行ってみようかという気持ちを遊技者に抱かせて稼働率の低下を抑制するといった効果を期待することもできる。
[SCZ経由ルートで用いる各種データテーブル]
続いて、SCZ経由ルートにおいて用いる各種のデータテーブルの構成について説明する。なお、以下に示す各種のデータテーブルは、メインROM32に記憶されており、主制御基板71は、これら各種のデータテーブルを参照して、各種の抽籤を行う。
<通常有利_規定ゲーム到達時SCZモード移行抽籤テーブル>
次に、図116を参照して、通常有利_規定ゲーム到達時SCZモード移行抽籤テーブルについて説明する。通常有利_規定ゲーム到達時SCZモード移行抽籤テーブルは、通常有利の経過ゲーム数(“20G経過時”、“40G経過時”、“80G経過時”)ごとに設けられており、現在(移行前)のSCZモードから移行先のSCZモードを決定する際に参照されるテーブルである。同図に示すように、通常有利_規定ゲーム到達時SCZモード移行抽籤テーブルには、現在のSCZモードごとに抽籤結果(移行先のSCZモード)に対応する抽籤値が規定される。
このような通常有利_規定ゲーム到達時SCZモード移行抽籤テーブルを用いたSCZモードの移行抽籤によれば、規定ゲーム到達時のSCZモード移行抽籤では、通常有利中に経過したゲーム数が多いほど、より上位のSCZモードに移行し易い。なお、本実施形態では上述したように、通常有利中の経過ゲーム数が120Gに到達すると、SCZモードが専用の抽籤モード(高確D)となり、その後、ARTに移行するまで“高確D”から移行することがない。この“高確D”への移行は、移行抽籤を行うことなく行われ、主制御基板71は、通常有利中の経過ゲーム数が120Gに到達すると、SCZモードを“高確D”に移行する。
<通常有利_SCZモード移行抽籤テーブル>
次に、図117を参照して、通常有利_SCZモード移行抽籤テーブルについて説明する。通常有利_SCZモード移行抽籤テーブルは、SCZモードの種類(“低確”、“高確A”、“高確B”、“高確C”、“高確D”)ごとに設けられており、それぞれのモードごとに内部当籤役に基づき移行先のSCZモードを決定する際に参照されるテーブルである。各モードに対応する通常有利_SCZモード移行抽籤テーブルには、参照項目として、「打順ベル」、「共通ベル、1枚」、「共通リプ、フェイクリプ」、「弱チャンス」、「チャンスリプ」、「中チャンス」、「強ベル」が規定され、参照項目ごとに抽籤結果(移行先のSCZモード)に対応する抽籤値が規定される。
このような通常有利_SCZモード移行抽籤テーブルを用いたSCZモードの移行抽籤によれば、通常有利中は、内部当籤役に基づきSCZモードが移行する。なお、図117に示す例では、内部当籤役に基づく移行抽籤では、SCZモードは、転落又は維持されるだけであり、昇格することがない。この点、内部当籤役に基づく移行抽籤においても、SCZモードが昇格することとしてもよい。
<通常有利_SCZ抽籤テーブル>
次に、図118を参照して、通常有利_SCZ抽籤テーブルについて説明する。通常有利_SCZ抽籤テーブルは、通常有利中の各遊技においてSCZモードに基づき「SCZ」への移行(「SCZ当籤」)を決定する際に参照されるテーブルである。同図に示すように、通常有利_SCZ抽籤テーブルには、参照項目として現在のSCZモード(“低確”、“高確A”、“高確B”、“高確C”、“高確D”)が規定され、参照項目ごとに抽籤結果(非当籤、当籤)に対応する抽籤値が規定される。
このような通常有利_SCZ抽籤テーブルを用いたSCZ抽籤によれば、「通常有利」の状態において例えば“高確A”のSCZモードである場合には、24/256の確率で「SCZ」当籤の抽籤結果が得られ、その後「SCZ」の状態に移行する。なお、図118に示す例では、通常有利中のSCZ抽籤では、内部当籤役に関わらず一律の抽籤により「SCZ」への移行を決定するが、これに限られるものではなく、一律の抽籤に変えて、又は一律の抽籤に加えて、内部当籤役及びSCZモードに基づくSCZ抽籤を行うこととしてもよい。また、SCZ抽籤において「SCZ」当籤の抽籤結果が得られた場合、「SCZ」の種類(“通常”、“レジェンド”)を抽籤により決定することとしてもよく、この場合においても、SCZモードや「SCZ」当籤の抽籤結果が得られた際の内部当籤役に応じて「SCZ」の種別の抽籤結果が異なることとしてもよい。例えば、SCZモードが“高確D”である場合には、“レジェンド”が決定され易い、又は、“レジェンド”が必ず決定されることとしてもよい。
<SCZ_ART抽籤テーブル>
次に、図119を参照して、SCZ_ART抽籤テーブルについて説明する。SCZ_ART抽籤テーブルは、「SCZ」の種類、及び、SCZモードの種類(“低確”、“高確A”、“高確B”、“高確C”、“高確D”)ごとに設けられており、それぞれのモードごとに内部当籤役に基づき「ART」への移行(「ART当籤」)を決定する際に参照されるテーブルである。同図に示すように、SCZ_ART抽籤テーブルには、参照項目としてSCZの種類(“通常”、“レジェンド”)、SCZモードの種類(“低確”、“高確A”、“高確B”、“高確C”、“高確D”)、内部当籤役(「打順ベル」、「共通ベル、1枚」、「共通リプ、フェイクリプ」、「弱チャンス」、「チャンスリプ」、「中チャンス」、「強ベル」)が規定され、参照項目ごとに抽籤結果(非当籤、当籤)に対応する抽籤値が規定される。
このようなSCZ_ART抽籤テーブルを用いたART抽籤によれば、例えば“通常”の「SCZ」において、SCZモードが“高確D”である場合には、「中チャンス」に当籤すると、128/256の確率で「ART」当籤の抽籤結果が得られ、その後「上乗せ特化ゾーン」を経て「ART」の状態に移行する。
<SCZ_SCZ終了時SCZモード抽籤テーブル>
次に、図120を参照して、SCZ_SCZ終了時SCZモード抽籤テーブルについて説明する。SCZ_SCZ終了時SCZモード抽籤テーブルは、「ART」への移行に非当籤のまま「SCZ」が終了した場合に、現在のSCZモードごとに移行先のSCZモードを決定する際に参照されるテーブルである。同図に示すように、SCZ_SCZ終了時SCZモード抽籤テーブルには、現在のSCZモードごとに抽籤結果(移行先のSCZモード)に対応する抽籤値が規定される。
このようなSCZ_SCZ終了時SCZモード抽籤テーブルを用いたSCZモードの抽籤によれば、例えばSCZモードが“高確D”である場合には、SCZモードは“高確D”のまま維持される。
<通常有利_有利区間終了抽籤テーブル>
次に、図121を参照して、通常有利_有利区間終了抽籤テーブルについて説明する。通常有利_有利区間終了抽籤テーブルは、通常モードの種類(“低確”、“天国準備”、“天国”、“超天国”、“特殊”)ごとに設けられており、「通常有利」の各通常モードごとに内部当籤役に基づき有利区間の終了を決定する際に参照されるテーブルである。なお、通常モードが“次回前兆”の場合、有利区間を終了させないようにするために、“次回前兆”に対応する有利区間終了抽籤テーブルか設けられていない。また、上述のようにSCZモードが“高確D”の場合も有利区間を終了させないため、SCZモードが“高確D”の場合、主制御基板71は、通常モードの種類に関わらず、有利区間の終了抽籤を行わない。同図に示すように、各通常モードに対応する通常有利_有利区間終了抽籤テーブルには、参照項目として、「打順ベル」、「共通ベル、1枚」、「共通リプ、フェイクリプ」、「弱チャンス」、「チャンスリプ」、「中チャンス」、「強ベル」が規定され、参照項目ごとに抽籤結果(継続、終了)に対応する抽籤値が規定される。
このような通常有利_有利区間終了抽籤テーブルを用いた有利区間終了抽籤によれば、有利区間の開始から例えば100Gに達した後、「通常有利」の状態において、例えば“低確”の通常モードである場合には、「打順ベル」に当籤すると、252/256の高確率で有利区間終了の抽籤結果が得られ、次ゲームから有利区間の「通常有利」の状態から通常区間の「通常」の状態に移行する。一方、例えば“低確”の通常モードで「打順ベル」に当籤した場合にあっても、4/256という低い確率で有利区間継続の抽籤結果が得られる場合がある。この場合、有利区間が終了されることなく継続される。なお、有利区間終了の抽籤結果が得られた後に所定ゲーム数を経過してから通常区間の「通常」の状態に移行するようにしてもよい。また、有利区間終了の抽籤結果が得られた後に、通常区間の「通常」の状態に移行するまでに所定ゲーム数の移行待ち状態を設けることにより、当該所定ゲーム数において勝利で有利区間継続又は/及びART当籤、敗北で有利区間終了といった複数ゲームにまたがる連続演出を行うことができるようにしてもよく、これにより遊技の興趣を高めることができる。この場合は、当該連続演出の最中に有利区間ランプが消灯してしまい、連続演出の途中において敗北が確定してしまうといった興趣が低下する状況を避けることができる。なお、連続演出は、移行待ちの所定ゲーム数よりも1ゲーム以上短いゲーム数で基本的な決着がつく構成として、基本的な決着としての敗北演出が発生した次ゲームで復活するパターンをもたせるようにしてもよい。敗北確定演出が発生したゲームの例えば第3停止時において有利区間ランプが消灯した場合は、復活演出で有利区間継続又はART当籤となる可能性がなくなるため、次ゲームの遊技を継続する意欲が低下するので、そのような状況を避けるための配慮である。具体例としては、所定ゲーム数を5ゲームとして、連続演出について復活演出用の1ゲームを除いた決着までの内容を最大4ゲームで構成し、1ゲームで復活演出を行うといった場合である。復活演出が発生しないことを遊技者が確認した後に有利区間ランプが消灯することにより、連続演出の興趣を途中で低下させる事態を防止することができる。なお、リミッタ(リミット処理)が発動する場合は、「通常有利」から通常区間の「通常」に移行するまでに移行待ち状態を設けることができないので、リミッタ発動の直前については、上述の有利区間継続に関する連続演出の発生を抑制し、連続演出がリミッタで打ち切られる事態を防止するとよい。
[ART中の遊技の流れ]
続いて、図122を参照して、「ART」中の遊技の流れ(より具体的にはART中の上乗せに関する遊技の流れ)について説明する。図122(A)に示すように、本実施形態において主制御基板71は、「ART」を継続可能なゲーム数を延長するゲーム数上乗せと、「上乗せ特化ゾーン」の権利を付与する特化ゾーンのストック上乗せと、の2種類の上乗せを「ART」中に行う。ここで、上述したように、「ART」中は、ARTモード、チャンスAモード、チャンスBモード、チャンスCモードという複数のモードに基づいて上乗せが制御される。以下、「ART」中のモードと上乗せとの関係について説明する。
図122(B)は、ARTモードと上乗せとの関係を示す図である。上述したように、ARTモードには、“モード0”、“モードA”、“モードB”、“モードC”というART中の上乗せ抽籤などの有利度合いが異なる複数のモードがある。「ART」移行時のARTモードの初期状態は、基本的には“モードA”であるが、「確定役」を契機として「ART」に移行した場合には、“モードB”や“モードC”から開始することがある。より具体的には、「確定役1」を契機として「ART」に移行した場合、ARTモードは“モードB”から開始し、「確定役2」を契機として「ART」に移行した場合、ARTモードは“モードC”から開始する。なお、「確定役1」とは、「F_赤BARリプ(No.28)」、「F_赤7リプA(No.29)」、「F_赤7リプB(No.30)」が相当し、「確定役2」とは、「F_黒BARリプ(No.37)」が相当する。
図122(B)に示すように、ARTモードは、上乗せ期待度がそれぞれ異なり、基本的には、“モード0”は上乗せの期待度がほとんどなく、“モードA”、“モードB”、“モードC”は所定の確率で上乗せが行われる。なお、上述のように、ARTモードが“モード0”以外である場合、上乗せの期待度は全て同一であるが、“モード0”までの転落のし易さが、それぞれのARTモードにおいて異なるため、「ART」中の上乗せに関する有利度合いが、“モードA”、“モードB”、“モードC”において異なる。もちろん、“モードA”、“モードB”、“モードC”において上乗せ抽籤などに当籤する確率自体を異ならせることで、「ART」中の上乗せに関する有利度合いを異ならせることとしてもよく、また、上乗せ抽籤などに当籤する確率と、“モード0”までの転落のし易さとの双方から上乗せに関する有利度合いを異ならせることとしてもよい。このとき、“モード0”まで転落し難いARTモードほど上乗せ抽籤などに当籤する確率を高くしてもよく(例えば、“モードC”が上乗せ抽籤などに当籤する確率が最も高い)、また、“モード0”までの転落のし易さと上乗せ抽籤などに当籤する確率とをミックスして調整することとしてもよい。一例として、“モード0”に最も転落し易い“モードA”における上乗せ抽籤などに当籤する確率を、“モードB”における上乗せ抽籤などに当籤する確率よりも高くすることとしてもよい。このようにすることで、ARTモードが“モード0”の直前まで転落すると、却って上乗せし易い状態になる。
また、主制御基板71は、「ART」中にARTモードの移行抽籤を行い、この移行抽籤の結果に応じてARTモードを移行する。ARTモードの移行抽籤は、内部当籤役に基づく抽籤(通常処理)により行われるほか、MB作動時の共通処理により行われる。本実施形態では、通常処理に基づく移行抽籤では、基本的に、ARTモードは維持又は転落するが、共通処理に基づく移行抽籤では、基本的に、ARTモードは維持又は昇格する。もちろん、これに限られるものではなく、通常処理に基づく移行抽籤においてもARTモードを昇格可能としてもよく、また、共通処理に基づく移行抽籤においてもARTモードを転落可能としてもよい。
続いて、図122(C)は、チャンスモードと上乗せとの関係を示す図である。上述のように本実施形態では、管理する上乗せの契機が異なるチャンスAモード、チャンスBモード、チャンスCモードという複数のモードを有する。具体的には、チャンスBモードは、「SPリプA2」に基づく上乗せを管理し、チャンスCモードは、「SPリプA1」に基づく上乗せを管理する。なお、「SPリプA2」は、“右1st”の押し順で停止操作が行われることで図柄「赤7」が3個並んで表示される“赤7リプ”に係る図柄の組合せが表示され、「SPリプA1」は、“中1st”の押し順で停止操作が行われることで図柄「赤BAR」が3個並んで表示される“赤BARリプ”に係る図柄の組合せが表示されるため、チャンスBモードは、赤7揃いに基づく上乗せを管理し、チャンスCモードは、赤BAR揃いに基づく上乗せを管理するといえる。また、チャンスAモードは、「SPリプA1」「SPリプA2」以外の当籤役に基づく上乗せを管理する。
また、チャンスAモード、チャンスBモード、チャンスCモードには、それぞれ“通常”、“高確準備”、“高確”、“超高確”というART中の上乗せ抽籤などの有利度合いが異なる複数のモードがある。主制御基板71は、「ART」中に、チャンスAモード、チャンスBモード、チャンスCモードのそれぞれについて個別のモード移行抽籤を行い、この移行抽籤の結果に応じて各チャンスモードのモードを移行する。そのため、「ART」中にチャンスAモード、チャンスBモード、チャンスCモードは、それぞれ個別に管理され、例えば、ある遊技においてそれぞれのモードが別々のモードであることもあれば、一部のモードが共通であることもあれば、全てのモードが共通であることもある。
続いて、図122(C)は、本実施形態における特殊な上乗せであるラストフリーズの流れを示す図である。本実施形態では、主制御基板71は、「ART」の残りゲーム数が1から0に減算されるタイミングでラストフリーズを発生させるか否かの抽籤を行う。この抽籤に当籤した場合、主制御基板71は、ARTの残りゲーム数に有利区間のリミットに達するまでの値(=1500-消化した有利区間のゲーム数)を加算し、所定のフリーズ処理を行う。一例として、有利区間中に消化したゲーム数が200回のときにラストフリーズの抽籤に当籤した場合、主制御基板71は、ARTの残りゲーム数に1300を加算する。一方で、この抽籤に非当籤の場合には、主制御基板71は、ART終了時の所定の処理を行う。なお、ラストフリーズの抽籤に当籤した場合、リミット処理が行われることが確定するため、主制御基板71は、出玉状態を「エンディング」に移行し、その後、上乗せ抽籤を一切行わない。
また、ラストフリーズの抽籤を行うタイミングは、「ART」の最終ゲームの任意のタイミングであってよく、例えば、「ART」最終ゲームの遊技開始時であってもよく、また、「ART」最終ゲームの第1停止操作時~第3停止操作時であってもよい。なお、停止操作時とは、ストップスイッチ7Sがオンになったときであってもよく、また、オフになったときであってもよい。
[ART中に用いる各種データテーブル]
続いて、「ART」中の上乗せ抽籤などに用いる各種のデータテーブルの構成について説明する。なお、以下に示す各種のデータテーブルは、メインROM32に記憶されており、主制御基板71は、これら各種のデータテーブルを参照して、各種の抽籤を行う。
以下に示す図123~図128は、ARTモードに関連する制御に用いられるデータテーブルである。具体的には、図123及び図124は、ARTモードの移行抽籤に用いられるデータテーブルであり、図125及び図126は、ARTモードに基づくゲーム数の上乗せ抽籤に用いられるデータテーブルであり、図127及び図128は、ARTモードに基づく特化ゾーンのストックの上乗せ抽籤に用いられるデータテーブルである。
また、図129~図135は、チャンスモードに関連する制御に用いられるデータテーブルである。具体的には、図129は、「ART」移行時のチャンスモード(チャンスAモード、チャンスBモード、チャンスCモード)を抽籤するために用いられるデータテーブルであり、図130~図132は、それぞれのチャンスモードの移行抽籤に用いられるデータテーブルであり、図133~図135は、それぞれのチャンスモードに基づくゲーム数の上乗せ抽籤に用いられるデータテーブルである。
また、図136は、100ゲーム以上のゲーム数の上乗せを行う場合の上乗せ抽籤に用いられるデータテーブルであり、図137は、ラストフリーズを発生させるか否かの抽籤に用いられるデータテーブルである。
<ART_ARTモード移行抽籤テーブル>
初めに、図123を参照して、ART_ARTモード移行抽籤テーブルについて説明する。ART_ARTモード移行抽籤テーブルは、内部当籤役に基づきARTモードの移行先を決定する際に参照されるテーブルである。同図に示すように、ART_ARTモード移行抽籤テーブルは、現在のARTモードの種類(“モード0”、“モードA”、“モードB”、“モードC”)毎に設けられるとともに、参照項目として、「打順ベル」、「共通ベル、1枚」、「共通リプ、フェイクリプ」、「弱チャンス」、「チャンスリプ」、「中チャンス」、「強ベル」が規定され、参照項目ごとに抽籤結果(移行先のARTモード)に対応する抽籤値が規定される。
このようなART_ARTモード移行抽籤テーブルを用いたARTモードの移行抽籤によれば、主制御基板71は、「ART」中に内部当籤役に基づいてARTモードの移行抽籤(通常処理)を行い、この抽籤結果に基づいてARTモードを移行させる。例えば、現在のARTモードが“モードB”の状態において「打順ベル」に当籤すると、12/256の確率で“モードA”への移行(転落)という抽籤結果が得られ、ARTモードが“モードB”から“モードA”へと移行する。
<MB作動_ARTモード移行抽籤テーブル>
次に、図124を参照して、MB作動_ARTモード移行抽籤テーブルについて説明する。MB作動_ARTモード移行抽籤テーブルは、MB作動時の共通処理において用いられ、ARTモードの移行先を決定する際に参照されるテーブルである。同図に示すように、MB作動_ARTモード移行抽籤テーブルは、現在のARTモードの種類(“モード0”、“モードA”、“モードB”、“モードC”)ごとに抽籤結果(移行先のARTモード)に対応する抽籤値が規定される。
このようなMB作動_ARTモード移行抽籤テーブルを用いたARTモードの移行抽籤によれば、主制御基板71は、「ART」中のMB作動時にARTモードの移行抽籤(共通処理)を行い、この抽籤結果に基づいてARTモードを移行させる。例えば、現在のARTモードが“モード0”の場合、63/256の確率で“モードA”への移行(昇格)という抽籤結果が得られ、ARTモードが“モード0”から“モードA”へと移行する。
<ART_通常上乗せ抽籤テーブル>
次に、図125を参照して、ART_通常上乗せ抽籤テーブルについて説明する。ART_通常上乗せ抽籤テーブルは、「ART」中に行うARTモードに基づく上乗せ抽籤において用いられ、内部当籤役に基づき上乗せゲーム数(すなわち、「ART」を継続可能な期間を延長するゲーム数)を決定する際に参照されるテーブルである。同図に示すように、ART_通常上乗せ抽籤テーブルは、現在のARTモードの種類(“モード0”、“モードA”、“モードB”、“モードC”)毎に設けられるとともに、参照項目として、「打順ベル」、「共通ベル、1枚」、「共通リプ、フェイクリプ」、「弱チャンス」、「チャンスリプ」、「中チャンス」、「強ベル」が規定され、参照項目ごとに抽籤結果(上乗せゲーム数)に対応する抽籤値が規定される。
このようなART_通常上乗せ抽籤テーブルを用いた上乗せ抽籤によれば、主制御基板71は、「ART」中に内部当籤役及びARTモードに基づいて上乗せゲーム数の抽籤を行い、この抽籤結果に基づいて「ART」を継続可能な期間を延長する。例えば、現在のARTモードが“モードA”の状態において「中チャンス」に当籤すると、28/256の確率で上乗せゲーム数として「30G」という抽籤結果が得られ、「ART」を継続可能な期間が30ゲーム分延長される。
ここで、ART_通常上乗せ抽籤テーブルを参照すると、本実施形態では、上乗せゲーム数の抽籤結果として「100A」「100B」「100C」が決定されることがある。これら「100A」~「100C」は、少なくとも100ゲーム以上の上乗せゲーム数が確定する抽籤結果であり、「100A」~「100C」が決定された場合には、主制御基板71は、続いて、後述の図136に示す共通_上位上乗せゲーム数抽籤テーブルを参照して、実際に上乗せするゲーム数を抽籤する。
なお、ARTモード“モード0”に対応するART_通常上乗せ抽籤テーブルと、ARTモード“モードA”~“モードC”に対応するART_通常上乗せ抽籤テーブルとを比較すると、ARTモード“モード0”では、ART中の上乗せ抽籤などが抑制されていることが分かる。具体的には、ARTモードが“モード0”の状態では、強レア役である「強ベル」の当籤時にのみ上乗せが行われ、その他の役の当籤時には上乗せが行われない。
なお、「ART」を継続可能な期間(残りゲーム数)を延長する上乗せゲーム数を決定すると、主制御基板71は、自身が管理する所定のカウンタの値を更新(すなわち、残りゲーム数に上乗せゲーム数を加算)して、「ART」を継続可能な期間を延長する。このとき、副制御基板72は、主制御基板71が上乗せゲーム数を決定したことを契機として、遊技者に対して上乗せしたゲーム数を報知することとしてもよく、また、主制御基板71が決定した上乗せゲーム数を一時的に保持しておき、その後の所定の契機において遊技者に対して保持しているゲーム数を報知することとしてもよい。そのため、副制御基板72は、「ART」を継続可能な期間(残りゲーム数)を計数するカウンタとして、遊技者に対して報知済みの期間(報知済みゲーム数)を計数するカウンタ(報知済みカウンタ)と、遊技者に対して未報知の期間(未報知ゲーム数)を計数するカウンタ(未報知カウンタ)とを有する。なお、メイン(主制御基板71)側で管理する「ART」を継続可能な期間を計数するカウンタの値は、サブ(副制御基板72)側で管理する報知済みカウンタの値と未報知カウンタの値との和に一致する。
ここで、主制御基板71が上乗せゲーム数を決定したことを「契機」として上乗せゲーム数を報知する、とは、主制御基板71が上乗せゲーム数を決定した当該遊技に限られるものではなく、当該遊技から所定ゲーム数後に報知することを含むものである。すなわち、パチスロでは、決定した上乗せゲーム数を複数回の遊技にわたって行う連続演出の結果により報知することがあり、このような連続演出の結果として報知することも、主制御基板71が上乗せゲーム数を決定したことを「契機」として上乗せゲーム数を報知することに含めることとしてもよい。
また、一時的に保持しておいた上乗せゲーム数を報知する「所定の契機」は任意に設定することができ、例えば、見た目上の残りゲーム数(報知済みカウンタ)が所定値以下になった場合であってもよく、また、いわゆるレア役(本実施形態の場合、例えば「弱チャンス」「チャンスリプ」「中チャンス」「強ベル」など)が内部当籤役として決定されたにも関わらず、上乗せ抽籤に非当籤の場合であってもよく、また、主制御基板71が上乗せゲーム数を決定してから所定ゲーム数経過後であってもよく、また、主制御基板71が上乗せゲーム数を決定してから所定時間経過後であってもよい。
なお、主制御基板71が上乗せゲーム数を決定したことを契機として副制御基板72が上乗せゲーム数を報知することを、以下では「即報知」と呼ぶことがあり、また、主制御基板71が決定した上乗せゲーム数を副制御基板72が一時的に保持しておくことを、以下では「潜伏」と呼ぶことがある。また、本実施形態では、様々な条件を契機として上乗せ抽籤を行うこととしているが、上乗せゲーム数を即報知することや、潜伏させることは、ART_通常上乗せ抽籤テーブルを用いた上乗せ抽籤の抽籤結果だけでなく、他の上乗せ抽籤の抽籤結果についても同様に適用することができる。
<MB作動_ARTゲーム数上乗せ抽籤テーブル>
次に、図126を参照して、MB作動_ARTゲーム数上乗せ抽籤テーブルについて説明する。MB作動_ARTゲーム数上乗せ抽籤テーブルは、MB作動時の共通処理において用いられ、ARTモードに基づき上乗せゲーム数を決定する際に参照されるテーブルである。同図に示すように、MB作動_ARTゲーム数上乗せ抽籤テーブルには、参照項目として現在のARTモードの種類(“モード0”、“モードA”、“モードB”、“モードC”)が規定され、参照項目ごとに抽籤結果(上乗せゲーム数)に対応する抽籤値が規定される。
このようなMB作動_ARTゲーム数上乗せ抽籤テーブルを用いた上乗せ抽籤によれば、主制御基板71は、「ART」中にARTモードに基づいて上乗せゲーム数の抽籤を行い、この抽籤結果に基づいて「ART」を継続可能な期間を延長する。具体的には、主制御基板71は、ARTモードが“モード0”の状態では、MB作動時の共通処理において上乗せゲーム数を決定することがなく(「0G」が必ず決定)、“モード0”以外の状態では、MB作動時の共通処理において例えば12/256の確率で上乗せゲーム数として「50G」を決定し、「ART」を継続可能な期間を50ゲーム分延長する。
<ART_履歴種別抽籤テーブル>
次に、図127を参照して、ART_履歴種別抽籤テーブルについて説明する。ART_履歴種別抽籤テーブルは、内部当籤役に基づき履歴高確に移行するか否かを決定する際に参照されるテーブルである。同図に示すように、ART_履歴種別抽籤テーブルは、参照項目として、「打順ベル」、「共通ベル、1枚」、「共通リプ、フェイクリプ」、「弱チャンス」、「チャンスリプ」、「中チャンス」、「強ベル」が規定され、参照項目ごとに抽籤結果(非当籤、当籤)に対応する抽籤値が規定される。
このようなART_履歴種別抽籤テーブルを用いた履歴高確への移行抽籤によれば、主制御基板71は、「ART」中に内部当籤役に基づいて履歴高確への移行抽籤を行い、この抽籤に当籤した場合、5ゲーム間の履歴高確状態をセットする。この5ゲーム間の履歴高確状態中は、図128で後述するART_上乗せ特化ゾーン抽籤テーブルを参照して「上乗せ特化ゾーン」のストック抽籤が行われ、このストック抽籤に当籤した場合、「上乗せ特化ゾーン」のストックが1つ付与される。例えば「中チャンス」に当籤すると、32/256の確率で履歴高確の当籤という抽籤結果が得られ、その後の5ゲーム間が履歴高確状態となる。
<ART_上乗せ特化ゾーン抽籤テーブル>
次に、図128を参照して、ART_上乗せ特化ゾーン抽籤テーブルについて説明する。ART_上乗せ特化ゾーン抽籤テーブルは、内部当籤役に基づき「上乗せ特化ゾーン」のストックを付与するか否かを決定する際に参照されるテーブルである。同図に示すように、ART_上乗せ特化ゾーン抽籤テーブルには、参照項目として、「打順ベル」、「共通ベル、1枚」、「共通リプ、フェイクリプ」、「弱チャンス」、「チャンスリプ」、「中チャンス」、「強ベル」が規定され、参照項目ごとに抽籤結果(非当籤、ガセ1、ガセ2、当籤)に対応する抽籤値が規定される。なお、抽籤結果「非当籤、ガセ1、ガセ2」は、「上乗せ特化ゾーン」のストック抽籤に非当籤であることを意味するが、抽籤結果「ガセ1、ガセ2」の場合、サブ(副制御基板72)側において所定の演出(例えば、非当籤であるものの、当籤を煽る演出)を実行する。
主制御基板71は、「ART」中の履歴高確中のみART_上乗せ特化ゾーン抽籤テーブルを参照して「上乗せ特化ゾーン」のストック抽籤を行い、この抽籤に当籤した場合には、「上乗せ特化ゾーン」の種類を抽籤により決定するとともに、「ART」から「上乗せ特化ゾーン」の状態に移行する。このようなART_上乗せ特化ゾーン抽籤テーブルを用いた「上乗せ特化ゾーン」のストック抽籤によれば、履歴高確中に例えば「中チャンス」に当籤すると、128/256の確率で「上乗せ特化ゾーン」のストック抽籤に当籤という抽籤結果が得られる。
ここで、図127に示すART_履歴種別抽籤テーブルと、図128に示すART_上乗せ特化ゾーン抽籤テーブルとを比較すると、両テーブルとも「打順ベル」「共通ベル、1枚」の当籤時は抽籤結果として「非当籤」のみが決定されることが分かる。同様に、「共通リプ、フェイクリプ」、「弱チャンス」、「チャンスリプ」、「中チャンス」、「強ベル」の当籤時は、両テーブルとも所定の確率で「当籤」が決定されることが分かる。そのため、本実施形態では、履歴高確に移行可能な役が、履歴高確中に当籤すると所定の確率で「上乗せ特化ゾーン」のストック抽籤に当籤することになる。言い換えると、本実施形態では、「ART」中の5ゲーム間にレア役(「共通リプ、フェイクリプ」、「弱チャンス」、「チャンスリプ」、「中チャンス」、「強ベル」)が2回当籤すると、「上乗せ特化ゾーン」のストック抽籤に当籤する可能性がある。なお、本実施形態では、履歴データ(例えば、5ゲーム間の当籤役の履歴)を持つことなく、5ゲーム間の遊技結果に基づいて「ART」の上乗せに関する制御を可能にしているが、この点については後述する。
また、両テーブルを比較すると、ART_履歴種別抽籤テーブルでは、当籤したレア役の種類に応じて履歴高確への移行抽籤に当籤する確率が異なるのに対して、ART_上乗せ特化ゾーン抽籤テーブルでは、当籤したレア役の種類に関わらず一律の確率(例えば、50%)で「上乗せ特化ゾーン」のストック抽籤に当籤することが分かる。これにより、本実施形態では、履歴高確に移行できた場合には、レア役の種類に関係なく(いわゆる弱レア役の当籤時であっても)「上乗せ特化ゾーン」のストックが期待できることになる。
なお、ART_履歴種別抽籤テーブルを参照した履歴高確への移行抽籤は、ARTモードが“モード0”以外の状態において行われ、ARTモードが“モード0”の状態においては行わない。そのため、“モード0”中は履歴高確に移行することがない。図128に示すART_上乗せ特化ゾーン抽籤テーブルを参照した「上乗せ特化ゾーン」のストック抽籤は、履歴高確中のみ行うため、この点からもARTモード“モード0”は上乗せの期待度が低いことが分かる。
<ART_初期高確抽籤テーブル>
次に、図129を参照して、ART_初期高確抽籤テーブルについて説明する。ART_初期高確抽籤テーブルは、「ART」の開始時にチャンスAモード、チャンスBモード、チャンスCモードの初期状態を決定する際に参照されるテーブルである。同図に示すように、ART_初期高確抽籤テーブルには、参照項目として「ART」への移行契機が規定され、参照項目ごとに抽籤結果(ALL通常、チャンスA、チャンスB、チャンスA+B、チャンスC、チャンスA+C、チャンスB+C、ALL高確)に対応する抽籤値が規定される。
上述のようにチャンスAモード、チャンスBモード、チャンスCモードには、“通常”、“高確準備”、“高確”、“超高確”という複数のモードがある。ART_初期高確抽籤テーブルを参照した抽籤により決定される抽籤結果は、「ART」開始時に初期状態として“高確”をセットするチャンスモードの種類を示している。例えば、主制御基板71は、抽籤結果として「チャンスA」を決定した場合、「ART」開始時の初期状態としてチャンスAモード“高確”、チャンスBモード“通常”、チャンスCモード“通常”をセットし、また、抽籤結果として「チャンスB+C」を決定した場合、「ART」開始時の初期状態としてチャンスAモード“通常”、チャンスBモード“高確”、チャンスCモード“高確”をセットし、また、抽籤結果として「ALL通常」を決定した場合、「ART」開始時の初期状態としてチャンスAモード“通常”、チャンスBモード“通常”、チャンスCモード“通常”をセットする。
また、参照項目として設けられた「ART」への移行契機は、任意に設定することができるが、本実施形態では一例として以下のような移行契機を用いる。例えば、主制御基板71は、“レジェンド”の「SCZ」を経由して「ART」に移行した場合、「契機B」の参照項目を用いて抽籤を行い、「F_赤7リプA(No.29)」、「F_赤7リプB(No.30)」の当籤を契機として「ART」に移行した場合、「契機C」の参照項目を用いて抽籤を行い、「F_赤BARリプ(No.28)」の当籤を契機として「ART」に移行した場合、「契機D」の参照項目を用いて抽籤を行い、「F_黒BARリプ(No.37)」の当籤を契機として「ART」に移行した場合、「契機E」の参照項目を用いて抽籤を行い、それ以外の条件を契機として「ART」に移行した場合、「契機A」の参照項目を用いて抽籤を行う。
このようなART_初期高確抽籤テーブルを用いた抽籤によれば、「契機C(「F_赤7リプA」「F_赤7リプB」)」を契機として「ART」に移行した場合、チャンスBモードの初期状態が必ず“高確”になり、また、「契機D(「F_赤BARリプ」)」を契機として「ART」に移行した場合、チャンスCモードの初期状態が必ず“高確”になる。ここで、上述のようにチャンスBモードは、赤7揃いに基づく上乗せを管理するモードであり、チャンスCモードは、赤BAR揃いに基づく上乗せを管理するモードである。そのため、赤7(「F_赤7リプA」「F_赤7リプB」)を契機として「ART」に移行した場合には、「ART」の初期状態が赤7揃いに基づく上乗せが優遇された状態となり、赤BAR(「F_赤BARリプ」)を契機として「ART」に移行した場合には、「ART」の初期状態が赤BAR揃いに基づく上乗せが優遇された状態となる。
<ART_チャンスモード移行抽籤テーブル>
次に、図130~図132を参照して、ART_チャンスモード移行抽籤テーブルについて説明する。ART_チャンスモード移行抽籤テーブルは、チャンスモードの移行抽籤において参照され、図130は、チャンスAモードの移行抽籤に参照されるテーブルであり、図131は、チャンスBモードの移行抽籤に参照されるテーブルであり、図132は、チャンスCモードの移行抽籤に参照されるテーブルである。ART_チャンスモード移行抽籤テーブルは、チャンスモードの種類(チャンスAモード、チャンスBモード、チャンスCモード)及び現在のモード(“通常”、“高確準備”、“高確”、“超高確”)ごとに設けられ、参照項目として、「打順ベル」、「共通ベル、1枚」、「共通リプ、フェイクリプ」、「弱チャンス」、「チャンスリプ」、「中チャンス」、「強ベル」が規定され、参照項目ごとに抽籤結果(移行先のモード)に対応する抽籤値が規定される。
このようなART_チャンスモード移行抽籤テーブルを用いた移行抽籤によれば、主制御基板71は、「ART」中にチャンスAモードが“通常”である状態で「チャンスリプ」に当籤すると、32/256の確率で“高確準備”への移行という抽籤結果が得られ、チャンスAモードが“通常”から“高確準備”へ移行する。なお、上述したように、主制御基板71は、チャンスAモード、チャンスBモード、チャンスCモードを個別に管理する。すなわち、主制御基板71は、内部当籤役を決定すると、当該内部当籤役に基づいて、チャンスAモードと、チャンスBモードと、チャンスCモードとのそれぞれの移行抽籤を個別に行う。
<ART_チャンスモード用上乗せ抽籤テーブル>
次に、図133~図135を参照して、ART_チャンスモード用上乗せ抽籤テーブルについて説明する。ART_チャンスモード用上乗せ抽籤テーブルは、チャンスモードに基づく上乗せ抽籤において参照され、図133は、チャンスAモードに基づく上乗せ抽籤において参照されるテーブルであり、図134は、チャンスBモードに基づく上乗せ抽籤において参照されるテーブルであり、図135は、チャンスCモードに基づく上乗せ抽籤において参照されるテーブルである。ART_チャンスモード用上乗せ抽籤テーブルは、チャンスモードの種類(チャンスAモード、チャンスBモード、チャンスCモード)及び現在のモード(“通常”、“高確準備”、“高確”、“超高確”)ごとに設けられ、参照項目として、「打順ベル」、「共通ベル、1枚」、「打順リプ」、「SPリプA1」、「SPリプA2」、「SPリプB1」、「SPリプB2」、「弱チャンス、共通リプ」、「チャンスリプ」、「中チャンス、フェイクリプ」、「強ベル」が規定され、参照項目ごとに抽籤結果(上乗せゲーム数)に対応する抽籤値が規定される。
このようなART_チャンスモード用上乗せ抽籤テーブルを用いた上乗せ抽籤によれば、主制御基板71は、「ART」中に内部当籤役及びチャンスモード(チャンスAモード、チャンスBモード、チャンスCモード)に基づいて上乗せゲーム数の抽籤を行い、この抽籤結果に基づいて「ART」を継続可能な期間を延長する。なお、主制御基板71は、「ART」中の単位遊技において、チャンスAモードに基づく上乗せ抽籤と、チャンスBモードに基づく上乗せ抽籤と、チャンスCモードに基づく上乗せ抽籤と、をそれぞれ行う。ただし、同図を比較すると分かるように、チャンスモードごとに上乗せ抽籤に当籤する可能性のある当籤役が異なるため、チャンスAモードに基づく上乗せと、チャンスBモードに基づく上乗せと、チャンスCモードに基づく上乗せとが重複することはない。
なお、本実施形態では、「ART」中にARTモードに基づく上乗せ抽籤を行うこととしているが、ARTモードに基づく上乗せと、チャンスモードに基づく上乗せとは、重複することがある。例えば、「強ベル」の当籤時に、ARTモードに基づいて上乗せゲーム数として「30G」が決定され(図125参照)、チャンスAモードに基づいて上乗せゲーム数として「50G」が決定された場合には(図133参照)、当該遊技において「80G(=30+50)」の上乗せが行われることになる。
ここで、図134に示すチャンスBモード用のART_チャンスモード用上乗せ抽籤テーブルを参照すると、チャンスBモードに基づく上乗せ抽籤は、「SPリプA2」の当籤時に上乗せゲーム数が決定されることがある。図110において上述したように、「SPリプA2」の当籤時には、“左1st”の押し順で停止操作が行われると、“リプレイ”に係る図柄の組合せが表示され、“中1st”の押し順で停止操作が行われると、“赤BAR煽り”に係る図柄の組合せが表示され、“右1st”の押し順で停止操作が行われると、“赤7リプ”に係る図柄の組合せが表示される。上乗せが行われた場合に通常では揃い難い特定の図柄が揃うことは、上乗せと図柄揃いとが関連することから遊技の興趣を向上させることができる。「SPリプA2」の当籤時にチャンスBモードに基づく上乗せ抽籤に当籤した場合(すなわち、抽籤結果として「0G」以外が決定された場合)、主制御基板71及び(又は)副制御基板72は、第1停止操作として右のリール3Rを停止させるとともに、図柄「赤7」を狙うことを促す演出(結果として“赤7リプ”に係る図柄の組合せが表示)を行うことが好ましい。一方で、「SPリプA2」の当籤時にチャンスBモードに基づく上乗せ抽籤に非当籤した場合(すなわち、抽籤結果として「0G」が決定された場合)、主制御基板71及び(又は)副制御基板72は、第1停止操作として左のリール3Lを停止させることを促す演出(結果として“リプレイ”に係る図柄の組合せが表示)や、第1停止操作として中のリール3Cを停止させるとともに、図柄「赤BAR」を狙うことを促す演出(結果として“赤BAR煽り”に係る図柄の組合せが表示)を行うこととしてもよい。
チャンスCモードについても同様であり、「SPリプA1」の当籤時にチャンスCモードに基づく上乗せ抽籤に当籤した場合(すなわち、抽籤結果として「0G」以外が決定された場合)、主制御基板71及び(又は)副制御基板72は、第1停止操作として中のリール3Cを停止させるとともに、図柄「赤BAR」を狙うことを促す演出(結果として“赤BARリプ”に係る図柄の組合せが表示)を行い、「SPリプA2」の当籤時にチャンスCモードに基づく上乗せ抽籤に非当籤した場合(すなわち、抽籤結果として「0G」が決定された場合)、主制御基板71及び(又は)副制御基板72は、第1停止操作として左のリール3Lを停止させることを促す演出(結果として“リプレイ”に係る図柄の組合せが表示)や、第1停止操作として右のリール3Rを停止させるとともに、図柄「赤7」を狙うことを促す演出(結果として“赤7煽り”に係る図柄の組合せが表示)を行うこととしてもよい。
<共通_上位上乗せゲーム数抽籤テーブル>
次に、図136を参照して、共通_上位上乗せゲーム数抽籤テーブルについて説明する。共通_上位上乗せゲーム数抽籤テーブルは、「ART」中の上乗せ抽籤において抽籤結果として「100A」、「100B」、「100C」の何れかが決定された場合に参照されるテーブルである。共通_上位上乗せゲーム数抽籤テーブルには、参照項目として「100A」、「100B」、「100C」が規定され、参照項目ごとに抽籤結果(上乗せゲーム数)に対応する抽籤値が規定される。
主制御基板71は、「ART」中に行うARTモードに基づく上乗せ抽籤やチャンスモードに基づく上乗せ抽籤において「100A」、「100B」、「100C」の何れかを決定すると、共通_上位上乗せゲーム数抽籤テーブルを参照して、上乗せゲーム数の抽籤を行う。例えばARTモードに基づく上乗せ抽籤などにより「100A」を決定した場合、主制御基板71は、246/256の確率で上乗せゲーム数として「100G」を決定し、8/256の確率で上乗せゲーム数として「200G」を決定し、2/256の確率で上乗せゲーム数として「300G」を決定する。
<ART_ラストフリーズ抽籤テーブル>
次に、図137を参照して、ART_ラストフリーズ抽籤テーブルについて説明する。ART_ラストフリーズ抽籤テーブルは、「ART」の終了時に内部当籤役に関係なくラストフリーズを行うか否かを決定する際に参照されるテーブルである。同図に示すように、ART_ラストフリーズ抽籤テーブルには、抽籤結果(非当籤、当籤)に対応する抽籤値が規定される。
主制御基板71は、自身が管理する「ART」の残りゲーム数を計数するカウンタの値が0になると、ART_ラストフリーズ抽籤テーブルを参照した抽籤を行い、この抽籤に当籤した場合には、「ART」の残りゲーム数に有利区間のリミットに達するまでの値を加算し、所定のフリーズ処理を行う。一方で、主制御基板71は、この抽籤に非当籤の場合には、次の図138に示す共通_終了時有利区間終了抽籤テーブルを参照した抽籤を行う。
<共通_終了時有利区間終了抽籤テーブル>
次に、図138を参照して、共通_終了時有利区間終了抽籤テーブルについて説明する。共通_終了時有利区間終了抽籤テーブルは、例えば「ART」の終了時に内部当籤役に関係なく有利区間の終了を決定する際に参照されるテーブルである。同図に示すように、共通_終了時有利区間終了抽籤テーブルには、抽籤結果(継続、終了)に対応する抽籤値が規定される。
このような共通_終了時有利区間終了抽籤テーブルを用いた終了時有利区間終了抽籤によれば、例えば「ART」のゲーム数を消化した終了時において、内部当籤役とは無関係に243/256の確率で有利区間終了の抽籤結果が得られ、次ゲームから通常区間の「通常」の状態に移行する。一方、例えば「ART」のゲーム数を消化した終了時においては、内部当籤役とは無関係に13/256の確率で有利区間継続の抽籤結果が得られる場合がある。この場合、有利区間が終了されることなく「ART」から「通常有利」の状態に移行することで有利区間が継続される。なお、本実施形態では、ART(AT)関連の処理においては、設定1~6の全設定で共通のテーブルを採用している。これにより、ART(AT)の設定差が極端に高くなることで射幸性を煽りすぎることを抑制することができるとともに、主制御基板71におけるART(AT)抽籤に必要なデータ容量を削減することができる。
[有利区間の流れについて]
次に、図139~図146を参照して、有利区間の流れについて説明する。図139~図141は、有利区間の開始当初からベルナビを発生させる仕様例1を図示したものであり、仕様例1において打順ベル役及びMBの当籤する順番が異なる3パターンについて有利区間の流れを説明するための図である。図142は、第3実施形態の実施例1に係る有利区間の流れを説明するための図である。仕様例1との相違点として、実施例1では、有利区間開始直後においてベルナビ抑制状態(ベルナビ非発生状態)となっている。図143は、仕様例1と実施例1との有利区間における払出量を比較するための図であり、図142に示される実施例1による効果を示したものである。図144は、仕様例2に係る有利区間終了時の流れを説明するための図であり、図145は、第3実施形態の実施例2に係る有利区間終了時の流れを説明するための図である。図146は、第3実施形態の実施例3として、設定変更がない場合の電源オン後と、設定変更がなされた場合の電源オン後について説明するための図である。なお、仕様例とは、各実施例の効果を説明するために例示した仕様であるが、各仕様例も周知技術ではなく、採用する場合に各々の仕様に応じた効果を発揮するものであり、企画者が意図する遊技性によっては課題の解決手段として適宜採用することができる仕様である。以下の説明において「MB」は、図109に示す「SMB」及び「LMB」のいずれも該当するため、これらを総称して「MB」と表記するが、主に当籤確率が高い「SMB」を想定しており、フラグ間状態については、図示を省略している。
<有利区間の終了条件>
図139~図141に示す仕様例1及び図142に示す実施例1における有利区間の終了条件は、以下のとおりである。
条件1:打順ベルの当籤による押し順報知の少なくとも1回以上の発生
条件2:MBの少なくとも1回以上の入賞又は作動(入賞により作動するので、いずれに基づいて判定してもよい)
条件3:条件1又は条件2の少なくともいずれか一方を充足したことを前提として所定の終了条件が成立
この条件3における所定の終了条件が成立したときに有利区間を終了させるものであり、仕様例1と実施例1とで差はない。
なお、有利区間の開始時から所定期間経過(20ゲーム以上経過)又は当該有利区間の開始時から毎ゲーム有利区間の終了抽籤を行い、上述の条件1又は条件2の充足よりも以前に終了抽籤で当籤していた場合、終了フラグを設定しておき、ベルナビ発生により条件1を満たしたゲーム又はMB作動で条件2を充足したゲームにおいて条件3を充足したとみなして有利区間を終了させてもよい。また、条件3を充足してから有利区間を終了さるまでの間に、少なくとも1ゲーム以上の所定ゲーム数の移行待ち状態を設けてもよい。なお、説明の便宜上、MBと表記しているが、MB以外の所定のボーナスの作動を終了条件としてもよい。また、変形例として、ボーナス非搭載の機種、又はシングルボーナス(SB)や1ゲーム限りのCTボーナス(CB)のみをボーナスとして有する機種においては、条件2を設定せずに打順ベル成立によるナビ発生のみを有利区間終了の前提条件として設定しても問題ない。
<仕様例1>
仕様例1では、有利区間が開始されてから最初に打順ベルが当籤するまではベルナビ確定状態となる点に特徴がある。この仕様では、有利区間において打順ベルの当籤後、できる限り早期にベルナビ(押し順報知)を行い、有利区間の開始直後からベルナビ確定状態として、打順ベルに当籤すればそれに応じて1回目のベルナビが発生させられることとなり、その後は有利区間の終了抽籤の結果に応じて有利区間が終了される。この仕様は、実際に一様にメダルが増加するART状態である「ART」に当籤しない場合、なるべく早く有利区間を終了可能状態へと移行させることを目的とするものである。例えば、「通常有利」の有利区間に当籤した場合に、結果としてART非当籤であるにもかかわらず、過度に長いゲーム数を有利区間として報知し、遊技者が遊技を止めにくい状況で遊技の続行が強いられる場合に、最終的に当たらなかったのに当たりそうな煽りを極端に長く見せられたと感じた遊技者が遊技機への興味を著しく低下させる場合があり、そうした場合を適切に抑制することができる仕様である。
有利区間終了までの流れとして、図139~図141の3パターンについて以下、図の順に説明を行う。
まず、図139は、有利区間開始後にMBよりも先に打順ベルに当籤し、MBに当籤することなく有利区間が終了した場合である。この場合は、ナビにより打順ベルが遊技者に獲得されるため、図143に示す「有利区間(CZ/高確用)のベルナビによる払出」が発生することとなる。打順ベルの当籤確率が約1/4であり、MBの当籤確率に設定差があるものの1/15~1/17程度であることから、打順ベルがMBより先に当籤するというこのパターンは、発生の頻度が高い。なお、打順ベルに当籤して1回以上の押し順ナビが発生した後の有利区間終了前に、MBに当籤する場合も発生し得るが、MBの入賞及びMB作動中の獲得枚数は、押し順ナビの発生の影響を受けず、図143に示す「有利区間(CZ/高確用)のベルナビによる払出」にも影響しないものである。詳しくは後述の図141にて説明する。合わせて説明するが、本仕様例及び実施例のMBは同じ仕様であり、目押し位置正解で9枚の払出、目押し位置不正解で8枚の払出が得られる仕様である。最低限の技量介入を担保するために、8枚が入賞する場合を設けているが、例えば少なくとも1以上のいずれかのリールに赤BARの図柄を目押しで停止させれば9枚獲得可能など、容易に入賞できるものとして初心者でも安心して遊技を行うことができる仕様としている。
次に、図140は、仕様例1おいて打順ベルよりも先にMBに当籤し、その後に打順ベルに当籤することなく有利区間が終了した場合のパターンを示している。このパターンは、前述の通り、図143に示す「有利区間(CZ/高確用)のベルナビによる払出」が発生しないものであるが、MBの方が打順ベルよりも当籤確率が低いため、図139に示すパターンよりも発生の頻度は低い。なお、単に当籤確率のみを考慮した場合、MB当籤確率を打順ベルよりも高い確率とすれば、ベルナビの発生頻度を抑えられるとも考えられるが、例え当該MBによる払出枚数が少ないものとしても、出玉試験における役物比率(全払出に占めるボーナスによる払出の割合が高すぎることに基づく不適合事由)の項目で不適合となる可能性があり、MB当籤確率を打順ベルよりも高めるという解決策を採用する場合は、出玉設計の自由度が極めて低いものとなる。
次に、図141は、仕様例1において打順ベルがMBよりも先に当籤してベルナビが発生したものの、その後の有利区間終了よりも前にMBが当籤したパターンである。この場合は、結果的にMBの当籤・作動により上記条件2を満たすことで有利区間の終了条件を成立させることができたため、有利区間の「通常有利」の状態におけるナビによる出玉を抑制し、その分ART(本ATと記載する場合もある)における出玉の獲得を増して遊技者が待ち望む“当り”である「ART」で十分な出玉を獲得させて遊技の興趣を高めたいとの出玉設計思想からすると、有利区間突入直後に打順ベルナビの発生を許容する仕様が好ましくない方向に作用してしまったパターンといえる。なお、初回のベルナビ発生時点で即座に有利区間を終了させるという手法でこの事象を抑制することができるが、1/4程度の高確率で打順ベルが成立するため、有利区間ランプが点灯した直後に平均4ゲーム程度で、ベルナビが1回発生して有利区間が終了してしまうとなると、「通常有利」の状態を設けて適度なゲーム数の間、ARTに当籤するか否かを演出などで楽しませることが難しいという側面もあるため、この手法を採用した場合は、出玉設計や演出設計の自由度が大幅に狭くなることとなる。
<実施例1>
次に、図142を参照して実施例1に係る有利区間の流れについて説明する。同図に示すように、実施例1では、有利区間について以下の条件が適用される。
第1条件:有利区間の開始から100G経過するまでは、打順ベルに当籤してもベルナビ非発生状態とし、ベルナビを発生させない。
第2条件:MBの当籤確率が比較的高い1/17程度とされる(図109参照)。
第3条件:MB作動終了後、有利区間終了抽籤の抽籤結果に応じて有利区間が終了させられる。
これにより、有利区間が開始されてから100Gに達するまでは打順ベルに当籤しても有利区間の終了不能状態(ベルナビ非発生状態)とされる一方、MBの当籤確率が比較的高いため、100GまでにMBが当籤しやすく、その後、有利区間の終了可能状態(ベルナビ発生可能状態)としてゲーム(単位遊技)ごとに有利区間の終了抽籤が行われ、有利区間の終了に当籤することでMB作動終了後に有利区間が終了することとなる。この実施例1によれば、有利区間の「通常有利」の状態におけるナビによる出玉を抑制し、その分ART(本ATと記載する場合もある)における出玉の獲得を増して遊技者が待ち望む“当り”である「ART」で十分な出玉を獲得させて遊技の興趣を高めたいとの出玉設計思想からすると、図139及び図141に示すように「通常有利」で打順ベルナビの発生によりベルを入賞させて出玉が獲得されるという、好ましくない事象を抑制することができる。なお、MB作動によるメダルの獲得は、ナビの影響を受けないため、「通常有利」でのナビ発生率を抑制することで、通常区間の「通常」と「通常有利」とのベース値(投入枚数に対する払出枚数の割合)を概ね近い値に抑制することができ、その分の出玉を「ART」に振り分けることができる。
このような実施例1による有利区間の流れでは、有利区間における押し順ナビの発生を適切に抑制することができ、出玉設計の自由度を高めることができる。具体的には、有利区間の「通常有利」の状態における出玉を増やさず、図143に示すように白抜き矢印で示す出玉分を「ART」などの出玉に割振ることができ、出玉の設計自由度を高めることができる。
ここまでの説明において、MBは、成立ゲームで必ず入賞する「SMB」として図示及び説明をした。一方、「LMB」では、成立ゲームでリプレイにより入賞が阻害され、ボーナスのフラグ間状態(持越し中)が発生する。ここで、ボーナスのフラグ間状態では、押し順ナビを発生させる仕様としてもよいし、あるいは発生させない仕様としてもよい。前述の「通常有利」の状態におけるベルナビ発生を抑制する観点からは、押し順ナビを発生させない仕様とすると効果的である。また、有利区間中に約1/448(図109の当籤番号No.49及びNo.50参照 当籤確率が146/65536)の当籤確率でLMBを当籤させたことに基づいて、「ART」に当籤させる場合などは、フラグ間状態、LMB入賞、LMB作動中、「ART」という流れでゲームを進めていくため、当該フラグ間状態も遊技者にART当籤状態と同視できる遊技状態となるので、ベルナビを発生させる仕様とすることが望ましい。なお、この実施例1の場合、持越し可能なボーナスが1種類であるが、例えばLMB1、LMB2など複数種類の持越し可能ボーナスを搭載した機種の場合は、持越し中のボーナス種別に応じて押し順ナビを発生させたり発生させなかったりして、ナビの有無でボーナスの種別を遊技者に対して推測させるようにしてもよいし、持越し中の打順ベル当籤ゲームでは、ナビを必ず発生させる仕様とするか、全く発生させない仕様として画一的に処理し、ナビの有無からボーナス種別の絞り込みが困難としてメインリールの停止出目(いわゆるリーチ目)でボーナス種別を絞り込ませるゲーム性としてもよい。
<仕様例2>
次に、図144を参照して仕様例2に係る有利区間終了時の流れについて説明する。同図に示すように、仕様例2では、ARTが所定ゲーム数(例えば100G)を消化して終了すると、それに伴って有利区間も終了して初期化処理が行われる。これにより、ART終了後は、次ゲームから通常区間(非有利区間)に移行することとなる。このような有利区間終了時の流れによれば、ART中にはある程度の出玉を獲得することを期待しつつ遊技を行うことができるものの、それと引き換えにART終了後には通常区間へと移行してしまうことが確定しているため、遊技者は、ARTの終了時点で必ず遊技を終了しがちとなってしまう。すなわち、ARTの終了と共に有利区間も終了してしまう仕様であると、遊技の興趣を高めることができないばかりか、遊技機の稼働率低下も招きやすくなる。
<実施例2>
次に、図145を参照して実施例2に係る有利区間の流れについて説明する。同図に示すように、実施例2では、ARTが所定ゲーム数(例えば100G)を消化して終了すると、先述した終了時有利区間終了抽籤が行われる。この終了時有利区間終了抽籤の結果として「終了」となると、仕様例2と同様に、ART終了後は、次ゲームから通常区間(非有利区間)に移行することとなる。
一方、ARTの終了時に終了時有利区間終了抽籤の結果として「継続」に当籤すると、通常区間の「通常」に移行することなく有利区間初期通常モード抽籤により通常モードが決定され、有利区間の「通常有利」に移行する。このとき、「通常有利」の状態においては、基本的に有利区間の開始から所定ゲーム数(100G)を超えているため、ゲームごとに有利区間終了抽籤が行われ、そうして有利区間終了抽籤に当籤すると、有利区間の初期化処理を経て通常区間の「通常」の状態に移行することとなる。
また、「通常有利」の状態では、通常モードのランクが昇格して高くなると(例えば“超天国”や“次回前兆”等の場合)、ART抽籤に当籤しやすくなり、そうしてART当籤すると、「ART前兆」等を経て再びARTに移行することとなる。
このような実施例2の有利区間終了時の流れによれば、ART終了後にあっても有利区間が継続して再びARTに移行するかもしれないという期待感が高められるので、遊技の興趣を高めることができ、遊技機の稼働率アップにも寄与することができる。
<実施例3>
次に、図146を参照して実施例3に係る有利区間の流れについて説明する。同図に示すように、実施例3では、例えば開店時において表示ユニット100に表示される態様が異なる場合がある。
例えば、閉店後に電源を落とし、設定変更することなくそのまま開店前に電源オンとした後の初期状態では、同図の(a)に示すように、「通常」の状態に応じた一般的な表示態様が表示ユニット100に表示される。このとき、一般的には、遊技状態がRT1となっている。
一方、開店前などに設定変更(例えば、設定変更作業を行ったものの設定1から再度設定1を決定するなど同一設定への打ち直しを含む)がなされた後の初期状態では、同図の(b)に示すように、一般的に開店時に遊技状態として滞在するであろうRT1とは異なるRT0にあることを示唆するために、例えば「早起きは三文の徳ステージ」などといった表示態様が表示ユニット100に表示される。すなわち、設定変更後の開店時における初期状態では、遊技状態がRT0となっており、このRT0の「通常」状態であることが表示ユニット100において示唆される。
RT0と他のRT(例えばRT1)とにおいて「通常」の状態で有利区間に当籤した場合は、以下に示すような第1~第3のいずれかのパターンで有利さに差が設けられている。
(第1のパターン)
RT0で有利区間当籤の場合:押し順ナビ2回以上となって出玉有りでARTに当籤しやすい。
他のRTで有利区間当籤の場合:押し順ナビ1回で出玉無しのままCZに当籤しやすい。
(第2のパターン)
RT0で有利区間当籤の場合:ARTの当籤が確定。
他のRTで有利区間当籤の場合:AR又はCZのいずれかに当籤可能。
(第3のパターン)
RT0で有利区間当籤の場合:ART及びCZのうち、ARTに当籤する比率が相対的に高い。なお、「相対的に高い」とは、ARTに当籤する比率が100%で、CZに当籤する比率が0%の場合を含むものとしてもよい。
他のRTで有利区間当籤の場合:ART及びCZのうち、ARTに当籤する比率が相対的に低い。なお、「相対的に低い」とは、ARTに当籤する比率が0%で、CZに当籤する比率が100%の場合を含むものとしてもよい。
このような実施例3の初期状態によれば、開店時の表示態様によって「通常」の状態でも有利さが期待し得る状態を判別することができ、遊技者が朝一で遊技機を選定する際の目安として有効に利用することができる。
なお、上述の仕様であると、遊技場側にとっては、設定変更がバレやすいというデメリットもある。同一設定への打ち直しを行えば、設定値が前日と変化したか否かを遊技者に推測されにくくすることはできるものの、設置台数が多い場合などは、全台を設定変更する作業に膨大な労力がかかる。そこで、電源投入時に、前回の電断から所定時間経過したことを条件として、電源投入後は設定変更時と同一の図146(a)に示すような画面を表示させるものとしてもよい。この場合の所定時間とは、営業中の一時的な電断で図146(a)に示すような示唆画面が表示されないように、例えば2時間あるいは4時間程度の時間として深夜の電断後に一般的に経過するであろう時間長さとすることが望ましい。
そして、携帯端末連動機能(ユニメモ(登録商標))などメーカーが提供するサービスを積極的にユーザが利用し得るように、携帯端末連動機能をONにする操作を遊技者が遊技機で行った場合のみ図146(a)に示すような開店時の有利画面を表示させる仕様としてもよい。また、遊技者がメダルを1枚も投入していない客待ち画面では、設定変更状態か否かを判定することができないように、共通の客待ち画面(デモ画面)を表示するものとしてもよい。このようにすることにより、メダルを借りて実際にメダルを投入することで初めて状態を判別することができるようになるので、まず遊技者に着席してメダルを借りようという動機付けと開店時からの来店の動機付けを行うことができる。しかし、開店時の遊技客が極端に少ない店舗では、借りたメダルを持って複数の台を渡り歩いて有利なRT0を独占しようとする遊技者が現れる場合もある。そのような遊技者に対する対策として、図146(a)に示すような設定変更示唆画面を表示可能とするか否かをホールメニューで遊技場のスタッフが任意に設定可能として、設定変更を遊技者に判別されたくない店舗では、設定変更時においても図146(b)に示すような通常画面が表示される設定を可能とする機能を備えるようにしてもよい。
[主制御基板及び副制御基板が有する各種機能]
以上、本発明に係るパチスロ機1について説明した。続いて、パチスロ機1の主制御基板71及び副制御基板72が有する各種機能について説明する。
主制御基板71は、スタートスイッチ6Sやストップスイッチ7Sと接続され、図1に示す遊技の進行を制御するため、変動制御手段、内部当籤役決定手段、停止制御手段、状態制御手段、有利状態告知手段、モード制御手段、及びRT制御手段として機能する。ストップボタン7L、7C、7Rは、停止操作手段として機能する。リール3L、3C、3R及び表示窓4は、可変表示手段として機能する。副制御基板72及び報知ランプ147aは、操作態様報知手段として機能する。状態表示器147bは、有利状態告知手段として機能する。これらの機能については、以下の付記において説明し、実施形態において対応するものを末尾に括弧書き付す。
なお、本発明は、上記した実施形態に限定されるものではなく、例えば以下に説明するような機能などを備えたものでもよい。
例えば、ART終了時の終了時有利区間終了抽籤で当籤(継続)した場合には、所定ゲーム数にわたって「通常有利」の有利区間における滞在が保障される保障区間の状態を設けるようにしてもよい。保障区間を設けた場合は、終了時有利区間終了抽籤に当籤したにもかかわらず、例えば1ゲームや2ゲームで終了するような事態を回避することができ、たとえ有利区間が継続されても遊技者がストレスを感じるようなことを抑制することができる。
上記保障区間としては、例えば20ゲーム等といった固定的な期間を付与するようにしてもよい。固定的な期間とした場合、主制御基板71による出玉抽籤の処理による負荷を軽減することができ、ゲーム性も明瞭となる。一方、保障区間として付与されるゲーム数等を保障区間の継続及び終了に関する条件に基づき抽籤で決定するようにしてもよい。保障区間自体の付与についても決定するようにしてもよい。さらに、終了時有利区間終了抽籤によって当籤となる継続と共に一括して保障区間のゲーム数等を決定するようにしてもよい。そうした場合、抽籤処理に必要なデータを軽減することができる。終了時有利区間終了抽籤とは別途の抽籤によって保障区間のゲーム数等を決定するようにした場合は、多彩なゲーム性を実現することができる。
また、上記保障区間については、ゲーム数を管理することなく、所定役(例えばベルあるいはリプレイ、MB等)が所定回数当籤又は入賞するまで継続させるようにしてもよい。
「通常有利」における有利区間終了抽籤については、上記保障区間が終了するまで行わないようにしてもよいし、保障区間中に行うようにしてもよい。保障区間中の有利区間終了抽籤において当籤(終了)した場合は、その当籤結果を例えばフラグとして記憶しておき、保障区間の終了時又はその終了時の次ゲームで通常区間(「通常」)へと移行させるようにしてもよい。
保障区間中であることや保障区間の終了条件が成立した旨を示唆あるいは報知するようにしてもよい。そうした場合、ART終了後にチャンスであることが分かりやすくなり、遊技者にとっては遊技意欲の低下を抑制することができ、ひいては遊技機の稼働率をも高めることができる。例えば、表示ユニット100に「チャンス状態継続確定残り20ゲーム」等と表示することで明確に報知してもよいし、ARTが当籤しやすいことを示唆するステージ等を表示するような演出を行うようにしてもよい。また、映像、音、ランプなどの演出実行手段により保障区間専用の演出態様で演出を実行可能としてもよい。
保障区間の可否については、設定差を設けるようにし、設定値に基づいて保障区間に関する決定についての有利度合いを異ならせるようにしてもよい。例えば、保障区間のゲーム数を抽籤で決定する場合に、設定1であれば平均20ゲームとし、設定6であれば平均50ゲームとなるように設定し、高設定になるほどARTの引き戻し(ARTが終了してからすぐに再度ARTに当籤すること)が発生しやすい仕様としてもよい。そうした場合、遊技者は、有利区間の終了について、状態表示器147bの消灯を確認することで確実に察知することができ、ART終了後の有利区間のゲーム数を確実に把握することができる。さらに、遊技者は、把握したART終了後有利区間のゲーム数に応じて設定値を推測することができ、ART終了後の出玉が減る状態であっても、設定値推測や引き戻しの期待感を持ちつつ遊技を行うことで遊技の興趣が高められる。
[パチスロに特有の別制御]
続いて、図147~図153を参照して、本実施形態のパチスロ1に特有の別の制御について説明する。
<通常有利中の経過ゲーム数と特典との関係>
初めに、図147を参照して、「通常有利」中の経過ゲーム数と特典との関係について説明する。なお、図147に示す例では、上述の実施例1における終了条件を採用している。具体的には、第1条件として「有利区間の開始から100G経過するまでは、打順ベルに当籤してもベルナビ非発生状態とし、ベルナビを発生させない。」という条件を採用している。もちろん、以下に示す説明においても、上述の仕様例1における終了条件を採用することとしてもよい。
上述したように本実施形態のパチスロ1では、「通常(通常区間)」から「ART(有利区間)」を目指して遊技を行う遊技性を有し、主制御基板71は、「通常」中に有利区間移行抽籤を行っている。この移行抽籤において「ART」に当籤した場合には、「通常」から「ART」に直接移行できるものの、多くの場合において「通常」から「通常有利(有利区間)」を経由して「ART」に移行する。図102に示すように、「通常有利」中は「ART」中に比べて報知内容(押し順指示)が制限され、例えば、高RT(RT3)への移行や高RTを維持するための報知が行われないため、「ART」に比べて不利な状態であり、本実施形態の場合、出玉率が1を超えない区間として設計されている。そのため、通常区間から有利区間に移行できた場合であっても、「ART」ではなく「通常有利」に移行してしまった場合には、結果としてメダルを消費してしまうばかりで恩恵が少なく、遊技意欲が低減してしまうおそれがある。
そこで、本実施形態では、主制御基板71は、「通常有利」中の経過ゲーム数に応じて遊技者に対して所定の特典を付与する。具体的には、図147に示すように、主制御基板71は、「通常有利」中の経過ゲーム数が「20G」に達すると第1の特典(特典1)を付与し、「40G」に達すると第2の特典(特典2)を付与し、「80G」に達すると第3の特典(特典3)を付与する。なお、第1の特典、第2の特典、第3の特典は、SCZモードの移行(昇格)であり、「通常有利」中の経過ゲーム数が多いほど上位のSCZモードに移行し易い(図116参照)。
上述したように、設定差があるもののMBは1/15~1/17程度の確率で当籤するため、「通常有利」中の経過ゲーム数が「20G」、「40G」に達することは現実的にあり得るものであり、また、「80G」にも稀に到達し得る。しかしながら、このときに付与する特典は、SCZモードの昇格抽籤であり、そして、SCZモードが昇格した場合には「SCZ」という「ART」のチャンスゾーンに移行し易くなるだけであり、直ちに「ART」に移行するわけではない。そのため、「通常有利」中の経過ゲーム数に応じてSCZモードの昇格という特典を付与したとしても、遊技者に対して過度な特典を付与することにならず、射幸性を徒に高めることがない。一方で、遊技者にとってみれば、「通常有利」中の経過ゲーム数が増えるほど、「SCZ」という「通常有利」とは異なる遊技性の状態に移行し易くなるため、遊技性が多彩に変化することになり、遊技の興趣が向上する。
また、「通常有利」中の経過ゲーム数が「120G」に達すると、主制御基板71は、第4の特典(特典4)を付与する。この第4の特典は、“ハマリ天井”であり、SCZモードが専用のモード“高確”となり、「ART」に移行するまでSCZモードが転落することがなくなる。このようにパチスロ1では、「通常有利」中の経過ゲーム数が「120G」に達すると、その後の「ART」への移行が確定する。ここで、打順ベルの当籤確率は約1/4であり、仮に上述の実施例1における第1条件を採用した場合であっても、打順ベル及びMBの何れにも当籤せずに「通常有利」が120ゲーム経過することは極めて稀である。また、「通常有利」が120ゲーム経過していた場合、「通常有利」中に所定量のメダルを消費してしまっていることがあるため、このような極めて稀なケースにおいて「ART」が確定する“ハマリ天井”とした場合であっても、遊技者に対して過度な特典を付与することはない。
なお、「通常有利」は有利区間であるため、「通常有利」中の経過ゲーム数は、リミット処理が行われるゲーム数の計数に含まれる。そのため、「通常有利」に長期間滞在した結果、大きな特典が付与されたとしても、遊技者に対して有利な停止操作の態様を報知する有利区間(「ART」)が必要以上に継続してしまうことがなく、射幸心を徒に高めてしまうことを防止できる。
なお、主制御基板71は、「通常有利」が予め定められた所定の期間継続したときに何らかの特典を付与可能であればよく、長期間滞在するほど大きな特典を付与するものに限られるものではない。
[主制御基板及び副制御基板が有する各種機能]
以上のようなパチスロ1に特有の制御を実現するために、パチスロ1の主制御基板(主制御回路91,メインCPU93)及び副制御基板(副制御回路101,サブCPU102)は、次のような機能を有する。
パチスロ1は、複数の図柄が表面に描かれた複数のリール3L,3C,3Rと、リール3L,3C,3Rに対応して設けられ遊技者が停止可能な複数のストップボタン7L,7C,7Rを有し、主制御基板71は、スタートスイッチ6Sやストップスイッチ7Sと接続され、図1に示す遊技の進行を制御するため、主制御基板71は、変動制御手段、内部当籤役決定手段、停止制御手段、状態制御手段として機能する。
また、主制御基板71は、報知ランプ147aを制御して遊技者に対して所定の押し順を報知するとともに、副制御基板72は、表示ユニット100を制御して遊技者に対して所定の押し順を報知するため、主制御基板71、報知ランプ147a、副制御基板72、及び表示ユニット100は、操作態様報知手段として機能する。
また、主制御基板71は、「通常有利」中の経過ゲーム数を計数するとともに、経過ゲーム数に応じて遊技者に対して特典(SCZモードの昇格)を付与することから、主制御基板71は、計数手段及び特典付与手段として機能する。
また、主制御基板71は、「ART」の残りゲーム数を管理する所定のカウンタを設け、基本的には、この残りゲーム数が0になると「ART」を終了するが、一連の有利区間中に行われたゲーム数(例えば、「ART」中の経過ゲーム数と「通常有利」中の経過ゲーム数との和)が1500回に達すると、「ART」の残りゲーム数に関わらず有利区間を終了するリミット処理を行うため、主制御基板71は、状態制御手段として機能する。
<疑似的な履歴抽籤>
続いて、図148及び図149を参照して、「ART」中の疑似的な履歴抽籤について説明する。なお、図148は、本実施形態のパチスロ1における疑似的な履歴抽籤の概要を示す図であり、図149は、疑似的な履歴抽籤の別例の概要を示す図である。
従来のパチスロでは、過去の遊技に関する履歴データを保持しておき、この履歴データに基づいて様々な抽籤を行うことがある。このような従来のパチスロでは、容量に余裕のあるサブ(副制御基板72)側で様々な抽籤を行っていたため、問題にはならなかったが、近年のパチスロでは、出玉に関する抽籤をメイン(主制御基板71)側で行わなければならず、容量が限られるメイン側で履歴データを保持したり、また、履歴データに基づいて各種の抽籤を行っていたのでは、データ容量や処理負荷が増大してしまう。一方で、過去の遊技の履歴も加味して抽籤が行われることで多彩な遊技性を実現することができるため、興趣が向上するとともに、遊技者からすると、レア役などが連続して当籤した場合にいわゆる引き損感を感じることがなくなるため、安心して遊技を行うことができる。
そこで、本実施形態のパチスロ1では、図148及び図149に示す制御を行うことで、疑似的な履歴抽籤を実現する。具体的には、本実施形態のパチスロ1では、主制御基板71による制御と副制御基板72による制御とを組み合わせることで、疑似的な履歴抽籤を実現する。
ここで、図148(A)は、疑似的な履歴抽籤の内部的な抽籤仕様の例を示す図であり、主制御基板71による制御例を示している。上述したように本実施形態では、主制御基板71は、「ART」中に履歴高確への移行抽籤を行っており、この移行抽籤に当籤した場合に5ゲーム間の履歴高確に移行する。そして、主制御基板71は、この5ゲーム間の履歴高確中に「上乗せ特化ゾーン」のストック抽籤を行い、当籤した場合に特典(「上乗せ特化ゾーン」のストック)を付与し、非当籤のまま5ゲームが経過すると、履歴高確を終了する。これにより、本実施形態では、短期間(5ゲーム間)にレア役に連続して当籤した場合に特典を付与することができる。
続いて、図148(B)は、疑似的な履歴抽籤の演出例を示す図である。過去の履歴を参照していると遊技者に錯覚させるために、副制御基板72は、表示ユニット100の所定の表示領域に、履歴表示窓と履歴アイコンとを表示する。履歴表示窓は、過去の遊技の履歴を表示するための表示領域であり、例えば、5ゲームに相当する5つの表示領域から構成される(なお、履歴表示窓は、所定の演出情報(後述の履歴アイコン)が所定回数分の遊技に対応して表示される表示領域であればよく、必ずしも窓枠の領域に限られるものではない。窓枠の領域とすることで、所定の演出情報を表示しない場合であっても、当該所定の演出情報が表示される領域であることを遊技者が識別可能である点で好適であるが、他の演出との重なりを考慮して、履歴の表示領域であることを明示する窓枠などを設けずに、レア役に当籤や入賞した場合に所定の演出情報の表示のみを行うこととしてもよい)。5つの表示領域のそれぞれは、今回の遊技から複数回数前の遊技までの5ゲーム分の遊技のそれぞれに対応して設けられており、例えば、一番左の表示領域(窓)は、前回の遊技の履歴を表示し、左から2番目の表示領域(窓)は、2ゲーム前の遊技の履歴を表示し、左から3番目の表示領域(窓)は、3ゲーム前の遊技の履歴を表示し、左から4番目の表示領域(窓)は、4ゲーム前の遊技の履歴を表示し、一番右の表示領域(窓)は、5ゲーム前の遊技の履歴を表示する(なお、詳細には、今回の遊技の開始操作~第3停止操作までは、一番左の表示領域に前回の遊技の履歴を表示し、今回の遊技の第3停止操作~次回の遊技の開始操作が行われるまでは、一番左の表示領域に今回の遊技の履歴を表示する(他の表示領域についても同様である))。
そして、副制御基板72は、履歴高確への移行抽籤に当籤し得るレア役(「共通リプ、フェイクリプ」、「弱チャンス」、「チャンスリプ」、「中チャンス」、「強ベル」)が内部当籤役として決定されると、表示窓の対応する表示領域に所定の演出情報(履歴アイコン)を表示する。図148(B)に示すように、この履歴アイコンとして、“赤アイコン”と“緑アイコン”とを有し、副制御基板72は、履歴高確への移行抽籤した場合には、“赤アイコン”又は“緑アイコン”を所定の確率で表示し、履歴高確への移行抽籤に非当籤の場合には、必ず“緑アイコン”を表示する。これにより、履歴高確への移行抽籤に非当籤の場合に“赤アイコン”が表示されることがなくなるため、“赤アイコン”は、履歴高確に当籤していることを報せる役割を有することになる。
なお、副制御基板72は、レア役が内部当籤役として決定されたことを条件に履歴アイコンを表示することとしてもよく、また、レア役に応じた図柄の組合せが表示されたことを条件に履歴アイコンを表示することとしてもよい。ここで、レア役に応じた図柄の組合せは、レア役が内部当籤役として決定されないと表示されることがないため、副制御基板72は、「レア役が内部当籤役として決定されたことに応じて、」履歴アイコンを表示するといえる。この点は、図149に示す疑似的な履歴抽籤の別例についても同様である。
一方で、副制御基板72は、履歴高確への移行抽籤に当籤することがない「打順ベル」、「共通ベル、1枚」が内部当籤役として決定された場合、表示窓の対応する表示領域に“赤アイコン”及び“緑アイコン”の何れも表示しない。その結果、5ゲーム分の表示窓には、5ゲーム間のレア役の当籤履歴が“赤アイコン”及び“緑アイコン”を用いて表示されることになる。なお、履歴アイコンを表示する表示領域の位置は、遊技の進行に応じてスライドする。図148(B)に示す例では、一番左の表示領域に表示されていた“赤アイコン”は、次ゲームの終了時に一つ右の表示領域にスライドしている。これにより、履歴アイコンは、レア役が当籤してから5ゲーム後に表示窓から消えるため、履歴高確中は履歴アイコンが表示窓内に表示されることになる。
その後、履歴高確中に再びレア役が内部当籤役として決定されると、副制御基板72は、表示窓の対応する表示領域に履歴アイコンを表示する。なお、このとき表示する履歴アイコンの種別の決定は、今回当籤したレア役に基づく履歴高確の移行抽籤に基づいて行うこととしてもよく、また、履歴高確中の「上乗せ特化ゾーン」のストック抽籤の結果に基づいて行うこととしてもよく、また、双方を加味して行うこととしてもよい。その結果、履歴高確中にレア役に当籤した場合、5ゲーム分の表示窓内に履歴アイコンが少なくとも2つ表示されることになる。
このとき、図148(A)に示すように、内部的には履歴高確中のレア役という当該遊技の結果のみに基づいて「上乗せ特化ゾーン」のストック抽籤を行い、過去の履歴を参照していないものの、副制御基板72は、表示窓内に表示された複数の履歴アイコンや、表示窓自体を発光させるなどの演出を行う。遊技者からすると、過去の履歴を表示する表示窓や過去の履歴を示す履歴アイコンが発光することで、あたかも履歴抽籤が行われたかのように感じるため、遊技の興趣が向上する。一方で、メイン側の制御としては、主制御基板71は、特定の条件を満たした場合に限り履歴高確という状態であることを把握可能であればよく、従来のように5ゲーム分の履歴データを毎遊技更新して保持し続ける必要がないため、データ容量や処理負荷が増大することがない。
なお、ここでは1ゲームの進行毎に履歴アイコンの表示が更新される場合を例示したが、履歴アイコンの表示の更新条件は、これに限られるものではなく任意に設定することができる。一例として、副制御基板72は、履歴アイコンに対応する内部当籤役が成立する度に履歴アイコンの表示を更新することとしてもよく、また、再遊技役以外の内部当籤役が成立する度に履歴アイコンの表示を更新することとしてもよい。このように所定の役が内部当籤役として決定される度に履歴アイコンの表示を更新することで、疑似的な履歴抽籤演出が行われる状態を一定ゲーム数に定めず所定の期間継続させることができる。また、副制御基板72は、内部当籤役としてハズレ(内部当籤役非当籤)が5回決定されたら履歴高確を終了、打順役が5回成立したら終了など履歴高確の終了条件を一定のゲーム数消化以外の条件と関連付けしてもよい。なお、打順役が5回成立するとは、打順役が内部当籤役として5回決定されたことであってもよく、また、打順役が内部当籤役として決定された場合に正解の押し順で停止操作が行われた結果、遊技者にとって有利な図柄の組合せが停止表示されたことであってもよい。また、副制御基板72は、反対に、打順役が5回不成立した場合、すなわち、打順役が内部当籤役として決定されたにも関わらず不正解の押し順で停止操作が行われ、結果、遊技者にとって不利な図柄の組合せが停止表示された場合に、履歴高確の終了することとしてもよい。この場合に、1つの履歴表示窓に複数のアイコンが表示されることのないように適宜履歴アイコンの表示ルールや更新タイミングを定めるものとしてもよい。例えば、ハズレ5回で履歴高確を終了させる場合などはハズレ又はレア役当籤となる度に履歴アイコンを1つ進める更新するなどの更新ルールとすればよい。
なお、副制御基板72は、「上乗せ特化ゾーン」のストック抽籤の結果に応じて、表示窓や履歴アイコンを用いた演出の態様を変化させることとしてもよい。例えば、「上乗せ特化ゾーン」のストック抽籤に当籤している場合に、表示窓又は履歴アイコンの少なくとも一方においてストック抽籤の当否と関連付けされた演出(例えば、表示窓の周囲を大きく発光)を行い、「上乗せ特化ゾーン」のストック抽籤に非当籤している場合に、表示窓又は履歴アイコンの少なくとも一方においてストック抽籤の当否と関連付けされた演出(例えば、表示窓の周囲を小さく発光)を行うこととしてもよい。
続いて、図148(C)は、疑似的な履歴抽籤における演出例2である。図148(B)では、履歴高確中に再びレア役が当籤した場合の演出例を示していたが、図148(C)では、最初のレア役当籤時に履歴高確の移行抽籤に当籤することなく、その後、5ゲーム以内に再びレア役に当籤した場合の演出例を示す。この場合、2度目のレア役当籤時は履歴高確中ではないため、メイン側において「上乗せ特化ゾーン」のストック抽籤は行わないが、副制御基板72は、履歴高確中のレア役当籤時と同様に、表示窓内に表示された複数の履歴アイコンや、表示窓自体を発光させるなどの演出を行う。このようにすることで、内部的に履歴高確中ではない場合であっても、あたかも履歴抽籤が行われたかのように感じさせることができる。
なお、メイン側と比べてサブ側には制限が少ないため、副制御基板72は、任意の方法により、履歴高確中と履歴高確中以外とで同様の演出を行うことができる。一例として、副制御基板72は、履歴データを保持しておくことで、履歴高確中と履歴高確中以外とで同様の演出を行うこととしてもよく、また、表示窓内に履歴アイコンが複数表示されたという情報に基づいて、履歴高確中と履歴高確中以外とで同様の演出を行うこととしてもよい。
ところで、図148に示す例では、疑似的な履歴抽籤として、所定ゲーム数(5ゲーム)の間にレア役が複数回(2回)当籤した場合を例にとって説明したが、履歴抽籤には、このような履歴抽籤の他に、所定役が「連続」して当籤した場合に行う履歴抽籤も含まれる。続いて、図149を参照して、所定役が連続して当籤した場合の疑似的な履歴抽籤方法について説明する。なお、図149では、ベルが4回連続して当籤した場合に所定の特典を付与する方法について説明する。
図149(A)(B)は、疑似的な履歴抽籤の内部的な抽籤仕様の例を示す図であり、主制御基板71による制御例を示している。図149(A)に示すように、主制御基板71は、履歴高確の状態として“非高確”、“履歴高確A”、“履歴高確B”、“履歴高確C”を有する。図149(A)(B)に示すように、主制御基板71は、“非高確”においてベルが内部当籤役として決定されると、履歴高確の状態を1ゲームで終了する“履歴高確A”に移行する。そして、主制御基板71は、この“履歴高確A”中(すなわち、次の遊技)にベルが内部当籤役として決定されると、履歴高確の状態を“履歴高確B”に移行し、“履歴高確A”中にベルが内部当籤役として決定されないと、“履歴高確A”を終了し、履歴高確の状態を“非高確”に移行する。
また、主制御基板71は、“履歴高確B”中(すなわち、次の遊技)にベルが内部当籤役として決定されると、履歴高確の状態を“履歴高確C”に移行し、“履歴高確B”中にベルが内部当籤役として決定されないと、“履歴高確B”を終了し、履歴高確の状態を“非高確”に移行する。そして、主制御基板71は、“履歴高確C”中(すなわち、次の遊技)にベルが内部当籤役として決定されると、「ART」を継続可能な期間を延長するなどの特典を付与し、“履歴高確C”中にベルが内部当籤役として決定されないと、“履歴高確C”を終了し、履歴高確の状態を“非高確”に移行する。なお、“履歴高確C”中にベルが内部当籤役として決定された場合、主制御基板71は、履歴高確の状態を“履歴高確C”のまま維持することとしてもよく、また、“非高確”に移行することとしてもよい。
続いて、図149(C)は、ベルが連続して当籤した場合の疑似的な履歴抽籤における演出例である。副制御基板72は、ベルが内部当籤役として決定されると、表示窓の対応する表示領域にベルの当籤や入賞を示唆する“ベルアイコン”を表示し、反対に、ベルが内部当籤役として決定されないと、表示窓の対応する表示領域に“ベルアイコン”を表示しない。
そして、副制御基板72は、“ベルアイコン”が表示窓に4個連続して表示されると、表示窓内に表示された複数の“ベルアイコン”や、表示窓自体を発光させるなどの演出を行う。これにより、メイン側で履歴データを持つことなく、ベルが連続して当籤したことに基づいて特典が付与されたかのように感じさせることができる。
なお、図149に示す例では、ベルの当籤時に履歴高確の状態が必ず一つ昇格し、また、履歴高確の状態が最上位の状態(“履歴高確C”)の場合にベルに当籤すると、必ず特典を付与することとしているが、これに限られるものではない。例えば、主制御基板71は、ベルの当籤時に履歴高確の状態を所定確率で一つ昇格させることとしてもよい。また、例えば、主制御基板71は、ベルの当籤時に履歴高確の状態を一度に複数段階昇格可能としてもよい(例えば、95%の確率で一つ昇格し、5%の確率で二つ昇格するなど)。また、これらの場合、現在の履歴高確の状態ごとに確率を異ならせることとしてもよい。また、主制御基板71は、履歴高確の状態が最上位の状態の場合にベルに当籤すると、所定確率で特典を付与することとしてもよい。
なお、ここまで主制御基板71と副制御基板72との処理を合わせる形で、疑似的な履歴抽籤を行う場合について説明したが、主制御基板71の処理負荷をさらに軽減させるために、主制御基板71において履歴高確の状態を持たずに、副制御基板72により制御される演出表示のみで擬似的な履歴抽籤演出を行うものとしても良い。
この場合、主制御基板71は所定役の当籤に基づいて特典の付与を決定すればよく、5ゲーム相当の履歴高確状態を持たないものとできる。副制御基板72は、所定役が当籤した場合に対応する第1の履歴アイコンの表示を行う。その後、5ゲーム以内に、内部当籤役に応じて主制御基板71により特典が付与された場合は、副制御基板72は、当該ゲームに対応する表示領域に第2の履歴アイコンを表示し、第1及び第2の履歴アイコンと履歴表示窓とを用いて履歴を参照して当ったかのような演出を行うものとしてもよい。このようにすることで、あたかも履歴抽籤が行われたかのような印象を遊技者に与えつつも、主制御基板71の処理をさらに軽減することができる。
なお、第1の履歴アイコンと第2の履歴アイコンの表示ゲームにおける内部当籤役は同じ役であっても異なる役であってもよい。例えば、第1の履歴アイコンの表示ゲームはレア役の1種であるチェリー役、第2の履歴アイコンの表示ゲームは他のレア役であるスイカ役などどとしてもよい。
[主制御基板及び副制御基板が有する各種機能]
以上のようなパチスロ1に特有の制御を実現するために、パチスロ1の主制御基板(主制御回路91,メインCPU93)及び副制御基板(副制御回路101,サブCPU102)は、次のような機能を有する。
パチスロ1は、複数の図柄が表面に描かれた複数のリール3L,3C,3Rと、リール3L,3C,3Rに対応して設けられ遊技者が停止可能な複数のストップボタン7L,7C,7Rを有し、主制御基板71は、スタートスイッチ6Sやストップスイッチ7Sと接続され、図1に示す遊技の進行を制御するため、主制御基板71は、遊技制御手段として機能する。
また、副制御基板72は、疑似的な履歴抽籤を行う際に、今回の遊技から複数回前の遊技までの5ゲーム分の遊技のそれぞれに対応して設けられた、5つの表示領域を有する表示窓を表示ユニット100に表示するため、パチスロ1は、表示窓を有する。
また、主制御基板71は、「ART」中のレア役当籤を契機に行う履歴高確への移行抽籤に当籤すると、履歴高確を開始し、この履歴高確中に5ゲームの遊技が行われると、履歴高確を終了するため、主制御基板71は、状態制御手段として機能する。そして、主制御基板71は、履歴高確中にレア役に当籤すると、「上乗せ特化ゾーン」のストック付与という特典を付与可能であるため、主制御基板71は、特典付与手段として機能する。
そして、副制御基板72は、「ART」中にレア役が内部当籤役として決定されたことに応じて、表示ユニット100に表示される表示窓が有する複数の表示領域のうちの、レア役が当籤役として決定された遊技に対応する表示領域に、履歴アイコンを表示するとともに、主制御基板71が履歴高確中のレア役当籤に伴い特典を付与する場合(すなわち、表示窓に履歴アイコンが2つ以上表示された場合)に、表示窓又は履歴アイコンの少なくとも一方においてストック抽籤の当否と関連付けされた演出を行うため、副制御基板72及び表示ユニット100は、演出実行手段として機能する。
<ART中の上乗せ報知>
続いて、図150を参照して、「ART」中の上乗せ報知(上乗せ演出)に関して説明する。パチスロでは、ART(AT)中にスイカやチェリーなどの遊技者が注目し易いレア役を契機に上乗せ抽籤を行い、この上乗せ抽籤に当籤した場合に当籤した上乗せを報知することが一般的に行われているが、レア役に当籤したにも関わらず上乗せが行われない頻度が高いと遊技者の落胆を誘うことになり、遊技の興趣が低下してしまう。この点、本実施形態のパチスロ1では、以下に示すように遊技者が注目し易いレア役の当籤時に上乗せの報知が行われる頻度を高めることとしている。なお、以下においてレア役とは、ART中の上乗せ抽籤に当籤し得る役をいい、例えば、ARTモードに基づく上乗せ抽籤の場合、「弱チャンス」、「チャンスリプ」、「中チャンス」、「強ベル」が相当する(図125参照)。
図150(A)は、副制御基板72による上乗せ報知の概要を示す図である。本実施形態において副制御基板72は、主制御基板71が上乗せゲーム数を決定すると上乗せを即報知することもあれば、潜伏させることもある。図150(A)に示すように、上乗せゲーム数を潜伏してい状態では、副制御基板72は、例えば、その後に主制御基板71が行った上乗せ抽籤において非当籤の場合に、潜伏させた上乗せのゲーム数を代わりに報知する。一方で、上乗せゲーム数を潜伏してい状態であっても、その後に主制御基板71が行った上乗せ抽籤に当籤している場合には、副制御基板72は、例えば、潜伏分の上乗せゲーム数を保持したまま、当該上乗せ抽籤の結果として決定された上乗せゲーム数を報知する。これにより、上乗せゲーム数を潜伏している状態では、上乗せ抽籤の結果に関わらず、上乗せの報知が行われることになるため、上乗せの報知が行われる頻度を高めることができる。
ここで、主制御基板71は、レア役の当籤時に通常処理に基づき上乗せ抽籤(図125参照)を行う他、MBの作動時(すなわち、MBに応じた図柄の組合せが表示されて、MBの作動が行われた時)に共通処理に基づき上乗せ抽籤(図126参照)を行うが、副制御基板72は、MB作動時の上乗せ抽籤に当籤した場合、基本的に上乗せゲーム数を即報知することなく、未報知のまま保持する(潜伏させる)。そして、副制御基板72は、その後、レア役の当籤を契機とする上乗せ抽籤時に、潜伏させていたMB作動時の上乗せゲーム数を代わりに報知する。これにより、遊技者が注目し易いレア役の当籤時に上乗せの報知が行われる頻度を高めることができる。一方で、MB作動時には上乗せの報知は行われないものの、遊技者からすると、MB作動時にはそもそも上乗せ抽籤自体が行われていないと感じるだけであり、MB作動時の上乗せ報知の頻度に高低が生じるわけではなく、遊技者の落胆を誘うことがない。
続いて、図150(B)は、副制御基板72が上乗せの報知を行う際の制御例1を示す図である。図150(B)に示す制御例1では、まずMB作動時の上乗せ抽籤において主制御基板71が「50G」の上乗せゲーム数を決定している。副制御基板72は、MB作動時の上乗せゲーム数を報知することなく保持する結果、この時点において、副制御基板72は、潜伏分のゲーム数として「50G」を加算する。
図150(B)に示す制御例1では、続いて、レア役に当籤した結果、主制御基板71は、上乗せ抽籤を行い、「10G」の上乗せゲーム数を決定している。この時点において副制御基板72は、潜伏分のゲーム数として「50G」を保持しているものの、レア役を契機とする上乗せ抽籤に当籤しているため、副制御基板72は、保持している「50G」は維持したまま、今回決定された「10G」の上乗せゲーム数を報知する。そのため、遊技者には、レア役の当籤に伴い10ゲームの上乗せが行われたことが報知される。なお、副制御基板72は、潜伏分のゲーム数を維持したままであるため、この時点において、副制御基板72は、潜伏分のゲーム数として「50G」を保持している。
図150(B)に示す制御例1では、続いて、レア役に当籤した結果、主制御基板71は、上乗せ抽籤を行っているが、この上乗せ抽籤には当籤しなかった。この時点において副制御基板72は、潜伏分のゲーム数として「50G」を保持しているため、副制御基板72は、保持している「50G」の範囲で上乗せゲーム数を報知する。具体的には、副制御基板72は、上乗せ抽籤の契機となったレア役により上乗せする可能性のあるゲーム数を、潜伏分のゲーム数として保持しているゲーム数の範囲で報知する。図125を参照して、例えば、「弱チャンス」を契機とする上乗せ抽籤では、上乗せゲーム数として「10G」、「20G」、「30G」が決定される可能性があり、潜伏分のゲーム数として保持している「50G」が決定されることはない。そのため、この場合には、副制御基板72は、「10G」、「20G」、「30G」の何れかを報知する。また、例えば、「強ベル」を契機とする上乗せ抽籤では、上乗せゲーム数として「30G」、「50G」、「100A(100G以上)」が決定される可能性があるものの、潜伏分のゲーム数として保持している「50G」しか保持していない。そのため、この場合には、副制御基板72は、「30G」、「50G」の何れかを報知し、保持している潜伏分のゲーム数を超える「100G以上」を報知することはない。なお、副制御基板72は、潜伏分のゲーム数の範囲において報知すればよく、上乗せ抽籤の契機となったレア役により上乗せする可能性のあるゲーム数のうちの最大のゲーム数を報知する必要はなく、潜伏分のゲーム数の範囲において、その一部又は全部を適宜報知することができる。
図150(B)に示す制御例1では、副制御基板72は、潜伏分のゲーム数として保持しているゲーム数の範囲の中から、上乗せ抽籤の契機となったレア役により上乗せする可能性のあるゲーム数として「50G」を決定し、「50G」の上乗せゲーム数を報知している。これにより、遊技者には、あたかもレア役の当籤に伴い50ゲームの上乗せが行われたかのような報知が行われることになる。なお、副制御基板72は、潜伏分のゲーム数を報知したため、この時点において、副制御基板72が保持する潜伏分のゲーム数は、「0G」となる。
続いて、図150(C)は、副制御基板72が上乗せの報知を行う際の制御例2を示す図である。図150(B)に示す制御例1では、副制御基板72は、レア役当籤時の上乗せ抽籤に非当籤の場合に、潜伏分の上乗せゲーム数を代わりに報知することとしているが、図150(C)に示す制御例2では、副制御基板72は、レア役当籤時の上乗せ抽籤に当籤した場合に、当籤した上乗せゲーム数に潜伏分の上乗せゲーム数を加えて報知する。
具体的には、図150(C)に示す制御例2では、まずMB作動時の上乗せ抽籤において主制御基板71が「50G」の上乗せゲーム数を決定している。副制御基板72は、MB作動時の上乗せゲーム数を報知することなく保持する結果、この時点において、副制御基板72は、潜伏分のゲーム数として「50G」を加算する。
図150(C)に示す制御例1では、続いて、レア役に当籤した結果、主制御基板71は、上乗せ抽籤を行い、「10G」の上乗せゲーム数を決定している。この時点において副制御基板72は、潜伏分のゲーム数として「50G」を保持しているため、副制御基板72は、上乗せ抽籤において当籤した「10G」に潜伏分の上乗せゲーム数を加えて報知する。具体的には、副制御基板72は、上乗せ抽籤の契機となったレア役により上乗せする可能性のあるゲーム数を、上乗せ抽籤において当籤した上乗せゲーム数と、潜伏分のゲーム数として保持している上乗せゲーム数との和の範囲で報知する。図150(C)に示す制御例2では、上乗せ抽籤において当籤した上乗せゲーム数と、潜伏分のゲーム数として保持している上乗せゲーム数との和は「60G」であるが、上乗せ抽籤の契機となったレア役により上乗せする可能性のあるゲーム数として「60G」はなく「50G」があったものとする。そこで、副制御基板72は、「50G」の上乗せゲーム数を報知している。これにより、遊技者には、レア役の当籤に伴い10ゲームの上乗せしか行われていないにも関わらず、あたかも50ゲームの上乗せが行われたかのような報知が行われることになる。なお、副制御基板72は、潜伏分のゲーム数を報知したため、この時点において、副制御基板72が保持する潜伏分のゲーム数は、「10G」となる。
図150(C)に示す制御例2では、その後、レア役に当籤した結果、主制御基板71は、上乗せ抽籤を行っているが、この上乗せ抽籤には当籤しなかったため、副制御基板72は、保持している「10G」の上乗せゲーム数を報知している。その結果、副制御基板72が保持する潜伏分のゲーム数は、「0G」となる。
なお、副制御基板72は、上乗せゲーム数を保持している状態で、レア役に基づく上乗せ抽籤に非当籤などの場合に、必ず保持している潜伏分の上乗せゲーム数を報知することとしてもよく、所定の確率で保持している潜伏分の上乗せゲーム数を報知することとしてもよい。
<ART中の上乗せ報知と設定示唆>
以上のように本実施形態において副制御基板72は、潜伏分の上乗せゲーム数をレア役当籤時に回すことで、レア役当籤時に上乗せの報知が行われる頻度を高くし、また、一度に報知される上乗せゲーム数を多くしている。このような潜伏を用いた制御によれば、以下のような設定示唆の制御も可能になる。
近年のパチスロでは、内部当籤役などに基づくART(AT)に関する抽籤(通常処理)を、設定値に関係なく共通の確率で行うことが求められている。これにより、利益バランスのブレが抑えられ、安心して遊技を行うことができるが、設定推測要素が減ってしまうという問題がある。そこで、本実施形態のパチスロ1では、ART(AT)に関する通常処理に基づく抽籤から設定差を無くしつつも、共通処理を用いた抽籤結果を潜伏させることで新たな設定推測要素を実現している。
具体的には、図150(D)に示すように、パチスロ1では、レア役を契機とする通常処理に基づく上乗せ抽籤から設定差を完全になくすため、レア役が内部当籤役として決定される確率と、レア役当籤時の上乗せ抽籤との双方を設定値に関わらず共通の確率で行う。説明を簡易にするため、図150(D)に示す例では、レア役が内部当籤役として決定される確率は、全設定共通で約1/60であり、レア役当籤時の上乗せ抽籤において決定され得る上乗せゲーム数の一回当たりの期待度は、全設定共通で約「10G」とする。
SMB作動時の共通処理に基づく上乗せ抽籤は、上乗せ抽籤の抽籤確率自体は全設定共通とするものの、SMBが内部当籤役として決定される確率に設定差をつける。説明を簡易にするため、図150(D)に示す例では、SMBが内部当籤役として決定される確率は、設定1で約1/18、設定6で約1/15とし、SMB作動時の上乗せ抽籤において決定され得る上乗せゲーム数の一回当たりの期待度は、全設定共通で約「5G」とする。
このような場合において、例えば、180回の遊技が行わると、設定値に関係なく、レア役は3回内部当籤役として決定され、レア役を契機として「30G」の上乗せが期待できる。一方で、SMBに関しては、設定1では、SMBは10回作動し、SMBの作動を契機として「50G」の上乗せが期待でき、設定6では、SMBは12回作動し、SMBの作動を契機として「60G」の上乗せが期待できる。
このとき上述のように、副制御基板72がMB作動時の上乗せ分を潜伏させて、レア役当籤時の上乗せ報知に回すことで、設定1ではトータルとして「80G」の上乗せゲーム数の報知が行われ、設定6ではトータルとして「90G」の上乗せゲーム数の報知が行われる。MB作動時の上乗せ分を潜伏させることで、遊技者からすると、MB作動時には上乗せが行われていないと感じることになるため、通常処理に基づくART(AT)に関する抽籤から完全に設定差を無くしつつも、遊技者に対して設定推測要素を提供することができる。
[主制御基板及び副制御基板が有する各種機能]
以上のようなパチスロ1に特有の制御を実現するために、パチスロ1の主制御基板(主制御回路91,メインCPU93)及び副制御基板(副制御回路101,サブCPU102)は、次のような機能を有する。
パチスロ1は、複数の図柄が表面に描かれた複数のリール3L,3C,3Rと、リール3L,3C,3Rに対応して設けられ遊技者が停止可能な複数のストップボタン7L,7C,7Rを有し、主制御基板71は、スタートスイッチ6Sやストップスイッチ7Sと接続され、図1に示す遊技の進行を制御するため、主制御基板71は、遊技制御手段として機能する。
また、主制御基板71は、MBに応じた図柄の組合せが表示され、MBの作動が行われると、「ART」の上乗せゲーム数を決定するとともに、レア役が内部当籤役として決定されると、「ART」の上乗せゲーム数を決定するため、主制御基板71は、第1上乗せ決定手段及び第2上乗せ決定手段として機能する。このとき、主制御基板71は、上乗せゲーム数を決定すると、決定した上乗せゲーム数分だけ「ART」を継続可能な期間を延長するため、主制御基板71は、上乗せ制御手段として機能する。
また、副制御基板72は、MB作動時の上乗せ抽籤による上乗せゲーム数を未報知のまま保持するため、副制御基板72は上乗せ潜伏手段として機能する。そして、副制御基板72は、主制御基板71が決定した上乗せゲーム数を、表示ユニット100を用いて遊技者に対して報知するとともに、レア役当籤時の上乗せ抽籤に非当籤の場合に未報知のまま保持している上乗せゲーム数を代わりに報知するため、副制御基板72及び表示ユニット100は、報知手段として機能する。
<ART中の演出ステージ>
続いて、図151及び図152を参照して、「ART」中の演出ステージについて説明する。まず、図151(A)(B)を参照して、本実施形態のパチスロ1における潜伏させている上乗せゲーム数の報知に関する、図150とは異なる制御例について説明する。具体的には、副制御基板72は、潜伏させている上乗せゲーム数を、図柄揃いにより報知する。
図151(A)に示すように、内部当籤役として「F_SPリプB1(No.22)」~「F_SPリプB3(No.24)」が決定された場合、押し順に応じて表示される図柄の組合せが異なり、“中1st”や“右1st”の押し順で停止操作が行われると、図柄が揃う図柄の組合せ(“赤BARリプ”“赤7リプ”“W揃いリプ”)が表示される。パチスロ1では、潜伏させている上乗せゲーム数がある場合、“赤BARリプ”“赤7リプ”“W揃いリプ”といった図柄の組合せを表示させて、潜伏させている上乗せゲーム数を報知する。具体的には、潜伏させている上乗せゲーム数が無い場合や、潜伏させている上乗せゲーム数を報知しない場合には、“左1st”の押し順を報知し、“リプレイ”に係る図柄の組合せの表示を促す。なお、この場合における押し順の報知は、少なくとも副制御基板72が表示ユニット100を介して行うものであるが、副制御基板72とともに主制御基板71も報知ランプ147aを介して行うこととしてもよい。
一方で、副制御基板72は、潜伏させている上乗せゲーム数を50ゲーム分報知する場合には、“赤7リプ”に係る図柄の組合せの表示を促す押し順を報知し、50ゲームの上乗せが行われたことを示す上乗せ報知演出を行う。同様に、副制御基板72は、潜伏させている上乗せゲーム数を100ゲーム分報知する場合には、“赤BARリプ”に係る図柄の組合せの表示を促す押し順を報知し、100ゲームの上乗せが行われたことを示す上乗せ報知演出を行い、潜伏させている上乗せゲーム数を150ゲーム分報知する場合には、“W揃いリプ”に係る図柄の組合せの表示を促す押し順を報知し、150ゲームの上乗せが行われたことを示す上乗せ報知演出を行う。
続いて、図151(B)は、副制御基板72が未報知のまま保持している潜伏分の上乗せゲーム数と、副制御基板72が報知する押し順との関係を示す図である。なお、図151では、「F_SPリプB1(No.22)」~「F_SPリプB3(No.24)」に加えて、「F_SPリプA1(No.20)」、「F_SPリプA2(No.21)」についても例示している。ここで、「F_SPリプA1(No.20)」、「F_SPリプA2(No.21)」は、チャンスCモード及びチャンスBモードに基づく上乗せ抽籤において用いられる役であるが、図151に示すように、潜伏分の上乗せゲーム数の報知に用いることとしてもよいため、合わせて説明する。
初めに、「F_SPリプA1(No.20)」は、図柄が揃う図柄の組合せとして「100G報知」に用いる“赤BARリプ”を表示可能である。そのため、副制御基板72は、潜伏させている上乗せゲーム数が「0~49G」、「50~99G」の場合には、“左1st”の押し順を報知し、“リプレイ”に係る図柄の組合せの表示を促す、又は、“右1st”の押し順とともに図柄「赤7」を狙うことを促す演出を行い、“赤7煽り”に係る図柄の組合せの表示を促す。また、副制御基板72は、潜伏させている上乗せゲーム数が「100~149G」、「150G以上」の場合には、“中1st”の押し順とともに図柄「赤BAR」を狙うことを促す演出を行い、“赤BARリプ”に係る図柄の組合せの表示を促すとともに、100ゲームの上乗せが行われたことを示す上乗せ報知演出を行う。
「F_SPリプA1(No.20)」~「F_SPリプB3(No.24)」についても同様であり、副制御基板72は、図151(B)に示すように、未報知のまま保持している潜伏分の上乗せゲーム数に応じて所定の押し順や狙うべき図柄を報知するとともに、所定ゲーム数の上乗せが行われたことを示す上乗せ報知演出を行う。例えば、「F_SPリプB1(No.22)」の当籤時には、副制御基板72は、潜伏させている上乗せゲーム数が「0~49G」、「50~99G」の場合には、“左1st”の押し順を報知し、“リプレイ”に係る図柄の組合せの表示を促し、また、潜伏させている上乗せゲーム数が「100~149G」の場合には、“中1st”の押し順とともに図柄「赤BAR」を狙うことを促す演出を行い、“赤BARリプ”に係る図柄の組合せの表示を促すとともに、100ゲームの上乗せが行われたことを示す上乗せ報知演出を行い、また、潜伏させている上乗せゲーム数が「150G以上」の場合には、“右1st”の押し順とともに図柄「赤BAR」を狙うことを促す演出を行い、“W揃いリプ”に係る図柄の組合せの表示を促すとともに、150ゲームの上乗せが行われたことを示す上乗せ報知演出を行う。なお、本実施形態では、全てのリール3L,3C,3Rにおいて図柄「赤BAR」の隣に図柄「赤7」が配置されていることから、“W揃いリプ”に係る図柄の組合せの表示を促す場合には、図柄「赤BAR」を狙うことを促す演出を行えばよい。
このように副制御基板72は、図柄が揃う図柄の組合せごとに報知する上乗せゲーム数を対応付けておき、潜伏させている上乗せゲーム数が、内部当籤役として決定された役において停止表示可能な図柄の組合せに対応付けられた報知する上乗せゲーム数以上である場合に、当該図柄の組合せの表示を促す押し順などの報知を行うとともに、当該図柄の組合せに対応付けられた上乗せゲーム数分の上乗せの報知を行う。これにより、一度の上乗せ演出で報知される上乗せゲーム数を多くすることができ、遊技の興趣を向上させることができる。なお、副制御基板72は、潜伏させている上乗せゲーム数が、内部当籤役として決定された役において停止表示可能な図柄の組合せに対応付けられた報知する上乗せゲーム数以上である場合に、必ず上乗せ演出のための報知を行うこととしてもよく、所定確率で上乗せ演出のための報知を行うこととしてもよい。
なお、報知する上乗せゲーム数が対応付けられた図柄の組合せを複数停止表示可能な役も存在し、当該複数の図柄の組合せに対応付けられた報知する上乗せゲーム数の何れよりも、潜伏させている上乗せゲーム数が多いことがある。一例として、「F_SPリプB1(No.20)」は、「100G」が対応付けられた“赤BARリプ”と、「150G」が対応付けられた“W揃いリプ”とを停止表示可能であるため、「F_SPリプB1(No.20)」が内部当籤役として決定された場合の潜伏させている上乗せゲーム数が「150G以上」である場合が該当する。この場合、副制御基板72は、何れの報知を行うこととしてもよく、例えば、以下に示す演出ステージに応じて報知の種別を決めることとしてもよい。
続いて、「ART」中の演出ステージについて説明する。本実施形態のパチスロ1では、「ART」中の演出ステージとして複数の演出ステージを有しており、副制御基板72は、滞在している演出ステージに応じた上乗せ報知の演出を行う。なお、演出ステージとは、演出状態の一種であり、遊技状態に応じて決定される。演出ステージとしては、例えば、背景や場面(シーン)の他、表示されるキャラクタの種類又はキャラクタの動作、また、これらの組合せを用いることができる。ここで、副制御基板72は、演出ステージを決定するための遊技状態として、例えば、「ART」中の上乗せに関する各種モード(チャンスAモード、チャンスBモード、チャンスCモード)を用いるが、これら各種モードの他に潜伏させている上乗せゲーム数も加味することとしている。
図151(C)は、潜伏させている上乗せゲーム数と演出ステージとの対応関係の概念図である。図151(C)に示す例では、「ART」中の演出ステージとして、例えば、「ステージA」、「ステージB」、「ステージC」、「ステージC」を有する。例えば、「ステージA」は、基本的な演出ステージであり、「ステージB」は、図柄「赤7」を遊技者に狙わせ“赤7リプ”の表示を促す演出が比較的行われ易い演出ステージである。また、「ステージC」は、図柄「赤BAR」を遊技者に狙わせ“赤BARリプ”の表示を促す演出が比較的行われ易い演出ステージであり、「ステージD」は、図柄「赤BAR」を遊技者に狙わせ“W揃いリプ”の表示を促す演出が比較的行われ易い演出ステージである。
副制御基板72は、潜伏させている上乗せゲーム数に応じて演出ステージを決定し、決定した演出ステージに対応する上乗せ報知演出により潜伏させている上乗せゲーム数(の一部)を遊技者に対して報知する。例えば、副制御基板72は、潜伏させている上乗せゲーム数が多いほど、演出ステージとして「ステージD」を決定し易く、潜伏させている上乗せゲーム数が少ないほど、演出ステージとして「ステージA」を決定し易い。遊技者にとってみれば、より上位の演出ステージに移行した場合には、その後の遊技に期待を持つことができ、興趣が向上する。また、潜伏させている上乗せゲーム数が多いため、上位の演出ステージではより賑やかな演出を行うなどのように多彩な演出制御を実現することができる。
なお、演出ステージを単に潜伏させている上乗せゲーム数のみから決定したのでは、上位の演出ステージといっても単なる潜伏分の報知が行われるだけであり、仕様を理解した熟練の遊技者からすると、興趣が削がれてしまう。そこで、本実施形態では、副制御基板72は、「ART」中の上乗せに関する各種モード(チャンスAモード、チャンスBモード、チャンスCモード)と、潜伏させている上乗せゲーム数とから演出ステージを決定する。これにより遊技者は、潜伏分の上乗せの報知なのか、各種モードに基づく上乗せ抽籤の結果としての上乗せの報知なのかを把握し難くなるため、上乗せの報知演出について遊技者の興趣が削がれることがない。特に、本実施形態では、チャンスBモードは“赤7リプ(赤7揃い)”に基づく上乗せを管理し、チャンスCモードは“赤BARリプ(赤BAR揃い)”に基づく上乗せを管理する。そして、潜伏分の上乗せの報知も同様に、“赤7リプ”や“赤BARリプ”に基づいて行うため、チャンスBモード及びチャンスCモードと、潜伏させている上乗せゲーム数とを加味して演出ステージを決定することで、上乗せ報知の契機を、更に把握し難くすることができ、上乗せの報知演出について遊技者の興味を引き付けることができる。
図152は、本実施形態のパチスロ1における「ART」中の演出ステージを示す図である。初めに、図152(A)を参照して、本実施形態のパチスロ1における「ART」中の演出ステージの種類について説明する。パチスロ1では、「ART」中の演出ステージとして“ARTステージ1”、“ARTステージ2”、“ARTステージ3”、“ARTステージ4”、“ARTステージ5”という5つの演出ステージを有する。なお、詳細には、「ART」中の演出ステージとして、更に“エンディングステージ”という演出ステージを有しているが、この“エンディングステージ”は、出玉状態「エンディング」に対応する専用の演出ステージであり、専用の移行条件に従い移行するため図152の説明では省略する。
図152(A)に示すように、“ARTステージ1”は、「ART」中の基本的な演出ステージであり、“ARTステージ2”は、チャンスAモードが“高確”以上(“高確”、“超高確”)、又は、潜伏させている上乗せゲーム数が“小”(0~49G)であることを示唆する演出ステージである。また、“ARTステージ3”は、チャンスBモードが“高確”以上(“高確”、“超高確”)、又は、潜伏させている上乗せゲーム数が“中”(50~99G)であることを示唆する演出ステージであり、“ARTステージ4”は、チャンスCモードが“高確”以上(“高確”、“超高確”)、又は、潜伏させている上乗せゲーム数が“大”(100~149G)であることを示唆する演出ステージである。また、“ARTステージ5”は、チャンスAモード、チャンスBモード、チャンスCモードのうちの複数のモードが“高確”以上(“高確”、“超高確”)、又は、潜伏させている上乗せゲーム数が“特大”(150G以上)であることを示唆する演出ステージである。
このようにすることで、5つの演出ステージでは、副制御基板72が上乗せ演出を行う頻度が異なることになり、“ARTステージ1”は、副制御基板72が上乗せ演出を行う頻度が最も低い演出ステージに相当し、“ARTステージ2”は、副制御基板72が上乗せ演出を行う頻度が次に低い演出ステージに相当し、“ARTステージ3”は、副制御基板72が上乗せ演出を行う頻度が次に低い演出ステージに相当し、“ARTステージ4”は、副制御基板72が上乗せ演出を行う頻度が次に低い演出ステージに相当し、“ARTステージ5”は、副制御基板72が上乗せ演出を行う頻度が最も高い演出ステージに相当する。
図152(B)は、副制御基板72が演出ステージを移行する際に参照されるサブ_演出ステージ移行抽籤テーブルである。サブ_演出ステージ移行抽籤テーブルは、現在の演出ステージごとに設けられる(なお、図152(B)では、現在の演出ステージが“ARTステージ1”である場合に参照されるサブ_演出ステージ移行抽籤テーブルのみを示し、他の演出ステージに滞在している場合に参照されるテーブルは省略している)。
サブ_演出ステージ移行抽籤テーブルには、参照項目として、「チャンスC+チャンスB高確以上」、「チャンスC高確以上」、「チャンスB高確以上」、「チャンスA高確以上」、「潜伏特大」、「潜伏大」、「潜伏中」、「潜伏小」が規定され、参照項目ごとに抽籤結果(移行先の演出ステージ)についての抽籤値が規定される。このようなサブ_演出ステージ移行抽籤テーブルによれば、例えば「チャンスC高確以上」である場合には、16384/32768の確率で演出ステージが“ART1ステージ”のまま維持され、16384/32768の確率で演出ステージが“ART1ステージ”から“ART4ステージ”に移行する。
なお、参照項目の「チャンスC+チャンスB高確以上」とは、チャンスCモードとチャンスBモードとが“高確”以上であることを意味し、「チャンスC高確以上」とは、チャンスCモードが“高確”以上であることを意味し、「チャンスB高確以上」とは、チャンスBモードが“高確”以上であることを意味し、「チャンスA高確以上」とは、チャンスAモードが“高確”以上であることを意味する。また、「潜伏特大」とは、潜伏させている上乗せゲーム数が“特大”(150G以上)であることを意味し、「潜伏大」とは、潜伏させている上乗せゲーム数が“大”(100~149G)であることを意味し、「潜伏中」とは、潜伏させている上乗せゲーム数が“中”(50~99G)であることを意味し、「潜伏小」とは、潜伏させている上乗せゲーム数が“小”(0~49G)であることを意味する。
参照項目が規定するこれらの条件は、重複して成立していることがある。そこで、副制御基板72は、図152(C)に示す検索順序に従い、参照項目が規定する条件を検索し、最初に満たした条件を参照項目として用いて、演出ステージの移行抽籤を行う。このように「ART」中の上乗せに関する各種モード(チャンスAモード、チャンスBモード、チャンスCモード)と、潜伏させている上乗せゲーム数とから演出ステージを決定することで、潜伏分の上乗せの報知なのか、各種モードに基づく上乗せ抽籤の結果としての上乗せの報知なのかを把握し難くすることができる。
[主制御基板及び副制御基板が有する各種機能]
以上のようなパチスロ1に特有の制御を実現するために、パチスロ1の主制御基板(主制御回路91,メインCPU93)及び副制御基板(副制御回路101,サブCPU102)は、次のような機能を有する。
パチスロ1は、複数の図柄が表面に描かれた複数のリール3L,3C,3Rと、リール3L,3C,3Rに対応して設けられ遊技者が停止可能な複数のストップボタン7L,7C,7Rを有し、主制御基板71は、スタートスイッチ6Sやストップスイッチ7Sと接続され、図1に示す遊技の進行を制御するため、主制御基板71は、遊技制御手段及び停止制御手段として機能する。
また、主制御基板71は、所定の条件を満たすと「ART」の上乗せゲーム数を決定するとともに、決定した上乗せゲーム数分だけ「ART」を継続可能な期間を延長するため、主制御基板71は、上乗せ決定手段及び上乗せ制御手段として機能する。
また、副制御基板72は、上乗せゲーム数を未報知のまま保持可能であるため、副制御基板72は上乗せ潜伏手段として機能する。そして、副制御基板72は、主制御基板71が決定した上乗せゲーム数を、表示ユニット100を用いて遊技者に対して報知するため、副制御基板72及び表示ユニット100は、報知手段として機能する。
また、副制御基板72は、潜伏させている上乗せゲーム数(未報知の上乗せゲーム数)に応じて複数の演出ステージの中から一の演出ステージを決定可能であり、潜伏させている上乗せゲーム数を報知する場合に、演出ステージに応じた図柄揃いを促す上乗せ報知演出を実行可能であるため、副制御基板72は、演出ステージ決定手段として機能する。
<ART中のエンディング制御>
続いて、図153を参照して、「ART」中のエンディング制御について説明する。本実施形態では、有利区間が開始されてから例えば1500Gに達すると、残りゲーム数がたとえ残存していても有利区間を終了するリミット処理を実行するが、リミット処理を将来行うことが確定した段階(有利区間の消化済みゲーム数と残りゲーム数との合算値が規定値以上になった段階)で、主制御基板71は、出玉状態を「エンディング」に移行する。一方で、副制御基板72は、メイン側において出玉状態を「エンディング」に移行した場合であっても、直ぐにはサブ側の演出状態を「エンディング(END)」に移行させることなく、所定の条件を契機に演出状態を「エンディング」に移行させる。以下では、特に、副制御基板72が演出状態を「エンディング」に移行させる制御の詳細について説明する。なお、本実施形態では、有利区間には「ART」や「通常有利」などが含まれるため、有利区間と「ART」とは完全には一致しないものの、以下に示す制御において有利区間と「ART」との差異は関係がないため、以下では有利区間と「ART」とが全く同一の遊技状態であるものとして説明する。
初めに、図153(A)は、有利区間に関連してメイン(主制御基板71)側で計数するメイン側カウンタと、サブ(主制御基板71)側で計数するサブ側カウンタとの関係を示す図である。主制御基板71は、第1のカウンタを用いて有利区間中に経過したゲーム数(消化済みゲーム数)を計数するとともに、第2のカウンタを用いて有利区間を継続可能な期間(残りゲーム数)を計数する。主制御基板71は、第1のカウンタの値が「1500」に達するとリミット処理を行い、第2のカウンタの値に関係なく有利区間を終了し、第1のカウンタの値が「1500」に達する前に、第2のカウンタの値が「0」になると、有利区間を終了する。
一方で、副制御基板72は、第3のカウンタを用いて有利区間中に経過したゲーム数(消化済みゲーム数)を計数するとともに、第4のカウンタを用いて有利区間を継続可能な期間(残りゲーム数)のうちの遊技者に対して報知した期間(報知済みゲーム数)を計数し、また、第5のカウンタを用いて有利区間を継続可能な期間(残りゲーム数)のうちの遊技者に対して未報知の期間(未報知ゲーム数(=潜伏させている上乗せゲーム数))を計数する。なお、副制御基板72は、潜伏させている上乗せゲーム数を報知した場合には、報知したゲーム数分だけ、報知済みゲーム数を加算するとともに、未報知ゲーム数を減算する。
メイン・サブの双方において計数する消化済みゲーム数は、基本的には一致するため、メイン側の第1のカウンタの値とサブ側の第3のカウンタの値とは一致する(なお、有利区間と「ART」とが一致しない場合、リミット処理はサブ側では行わないため、サブ側では有利区間の消化済みゲーム数を計数する必要が無く、「ART」中の消化済みゲーム数を計数することになるため、両カウンタの値は完全には一致しないものの、以下に説明する制御には関係が無い)。
また、サブ側では、報知済みの残りゲーム数と、未報知のまま保持している残りゲーム数とを個別に計数するため、メイン側の第2のカウンタの値と、サブ側の第4カウンタの値とは一致せず、また、メイン側の第2のカウンタの値と、サブ側の第5カウンタの値とも一致しない。ただし、報知済みの残りゲーム数と未報知のまま保持している残りゲーム数との和は、メイン側で計数する残りゲーム数と一致するため、メイン側の第2のカウンタの値と、サブ側の第4カウンタの値及び第5カウンタの値の和とは、一致する。
図153(B)に示すように、主制御基板71は、有利区間の消化済みゲーム数と残りゲーム数との合算値に基づいて「エンディング」への移行制御を行っており、例えば、ゲーム数の上乗せが行われた結果、有利区間の消化済みゲーム数と残りゲーム数との合算値が規定値以上になった段階で出玉状態を「エンディング」に移行する。
一方で、副制御基板72は、有利区間の消化済みゲーム数と報知済みゲーム数との合算値(すなわち、未報知ゲーム数を除いた合算値)に応じてサブ側の演出状態を「エンディング(END)」に移行させる。ここで、図153(C)は、サブ側の「エンディング」移行制御の概念図であり、図153(D)は、副制御基板72が演出状態を「エンディング」に移行させる際に参照されるサブ_エンディング移行抽籤テーブルである。
図153(D)に示すように、サブ_エンディング移行抽籤テーブルは、参照項目として消化済みゲーム数と報知済みゲーム数との合算値を規定し、合算値ごとに「エンディング」に移行させるか否かの抽籤結果(非当籤、当籤)についての抽籤値の情報を規定する。このようなサブ_エンディング移行抽籤テーブルによれば、例えば消化済みゲーム数と報知済みゲーム数との合算値が「1000~1199G」である場合には、24576/32768の確率で「エンディング」への移行抽籤に非当籤し、8192/32768の確率で「エンディング」への移行抽籤に当籤する。
図153(C)(D)に示すように、副制御基板72は、有利区間の消化済みゲーム数と報知済みゲーム数との合算値が大きくなるほど高い確率で演出状態を「エンディング」に移行させる。そして、副制御基板72は、演出状態を「エンディング」に移行させると、演出ステージを専用の“エンディングステージ”に移行し、有利区間が終了するまで当該“エンディングステージ”のまま維持する。なお、メイン側において出玉状態が「エンディング」に移行していない場合には、サブ側において「エンディング」への移行抽籤を行う必要がないため、副制御基板72は、メイン側において出玉状態が「エンディング」に移行した場合(すなわち、メイン側の管理するカウンタにおいて、有利区間の消化済みゲーム数と残りゲーム数との合算値が規定値以上になった場合)に限り、サブ側の演出状態を「エンディング」に移行させるか否かの抽籤を行うこととしてもよい。
このように「エンディング」移行時に専用の演出ステージに移行させることで、遊技者は、リミット処理が行われることを予め把握することができる。なお、“エンディングステージ”に移行した後は、リミット処理が行われることが確定しているため、ゲーム数の上乗せ報知演出を行う意味がない。そのため、副制御基板72は、“エンディングステージ”に移行した後は、上乗せ報知演出を行わない。
また、“エンディングステージ”への移行は、メイン側の合算値が規定値以上に達している状態で、サブ側の合算値(未報知ゲーム数を除く)が大きくなるほど高い確率で行われる。そのため、“エンディングステージ”への移行確率は、未報知のまま保持している上乗せゲーム数(未報知ゲーム数)が少ないほど高い確率となり、未報知のまま保持している上乗せゲーム数が多いほど低い確率となる。図151及び図152において上述した「ART」中の演出ステージの移行制御は、メイン側の合算値が規定値以上に達している状態にも関わらず“エンディングステージ”に移行しない場合においても同様に適用することができ、副制御基板72は、未報知のまま保持している上乗せゲーム数が多い場合には高い確率で上乗せ報知演出を行う頻度が相対的に高い演出ステージに移行する。遊技者にとってみれば、上乗せ報知演出が行われると興趣が向上するため、残りゲーム数の報知状況に応じて演出態様をコントロールすることで、遊技の興趣を向上させることができる。
また、“エンディングステージ”に移行した後は、原則として有利区間の終了まで“エンディングステージ”の演出を継続し、有利区間が終了するゲームにおいて“エンディングステージ”の演出を終了し、当該ゲームの終了時又は次ゲームの開始時などに通常区間に対応する演出ステージへと移行させる。
また、“エンディングステージ”の滞在中は、LMBなどのボーナスが作動した場合でも依然としてリミット処理が近いうちに行われるという状況に変わりはないため“エンディングステージ”を維持することが望ましい。ここで、有利区間終了の直前のゲーム(例えば、第1のカウンタの値が「1499」のゲーム)においてLMBなどのように所定ゲーム数を消化に要するボーナスに当籤し、ボーナスが作動した場合、ボーナスの作動中に第1のカウンタが「1500」に達してリミット処理が行われ、有利区間が終了することになる。このとき、出玉が増加する状態であるボーナス作動中にも関わらず“エンディングステージ”を終了させて別の演出ステージ(通常区間に対応する演出ステージやボーナス作動中の演出ステージ)へ移行させると、遊技者に違和感を与える恐れがある。そこで、副制御基板72は、ボーナスの作動中にリミット処理により有利区間が終了する場合には、当該ボーナスの終了まで“エンディングステージ”のまま演出ステージを継続し、ボーナスの終了時に(有利区間の終了報知や、のめり込み防止表示などを行って)通常区間に対応する演出ステージへと移行させることとしてもよい。
さらに、第1のカウンタの値が「1498」~「1500」などリミット処理発動の直前でボーナス役が内部当籤役として決定され、入賞されずに持ち越された場合にも、副制御基板72は、“エンディングステージ”を継続して、当該持ち越し中のボーナス役が入賞して作動したボーナスの終了を待って“エンディングステージ”を終了させるというエンディング状態終了の遅延処理を行うことが好ましい。なお、この場合、リミット処理により有利区間が終了し、押し順などの報知を行わない状況(通常区間)となっても“エンディングステージ”が一時的に継続されてしまうため、副制御基板72は、このような非有利区間の“エンディングステージ”では有利区間中の“エンディングステージ”と演出を異ならせて、遊技者に機械の故障ではない旨を明示することが好ましい。また、副制御基板72は、非有利区間の“エンディングステージ”では、ボーナス役の入賞が可能な遊技(リプレイなどのボーナス役の入賞を阻害する役に当籤していない遊技)でボーナス役の入賞を促す旨の報知や、指示機能が終了しており、ボーナスの終了後に“エンディングステージ”が終了する旨の報知などを行って、遊技者に状況を分かり易く伝えることとしてもよい。また、ボーナス作動中にリミット処理により有利区間が終了した場合、又は、ボーナス作動中にリミット処理が行われる可能性が高い場合などは、副制御基板72は、それ以外のボーナス作動中とは異なる演出(例えば、大量獲得を祝福する演出や設定示唆情報など何らかの有利な情報を含む演出など)を、当該ボーナスの開始時、作動中、ないしは終了時に行うこととしてもよい。
また、有利区間が終了する際に、主制御基板71は、全リールの停止後などに所定時間、遊技操作(例えば、次遊技のメダルの投入操作や再遊技の作動による自動再投入、開始操作など)を受け付けない有利区間終了時のフリーズ処理を行うこととしてもよい。このとき、副制御基板72は、有利区間終了時のフリーズの時間を利用して、当該有利区間中に獲得したメダルの枚数、消化ゲーム数、ないしはセット数のように当該有利区間に関する情報を表示することとしてもよく、また、のめり込み防止表示をこれらに合わせて表示することとしてもよい。また、上述のように、リミット処理による有利区間の終了がボーナス作動中に発生する場合は、主制御基板71は、ボーナスの消化を妨げないようにリミット処理による有利区間の終了時にフリーズを発生させずに、ボーナスの終了時に有利区間終了時のフリーズを行うこととしてもよい。なお、有利区間の終了とは関係なく、ボーナス終了時に有利区間中に獲得したメダルの枚数などの有利区間に関する情報などを表示する表示用の時間を確保するなどの目的で、ボーナス終了時に所定時間のフリーズが設けられている場合は、有利区間の終了がボーナス作動中に発生する場合は、有利区間終了時のフリーズを有利区間終了時にも、ボーナス終了時にも行わず、主制御基板71は、ボーナス終了時のフリーズのみをボーナス終了時に行い、このボーナス終了時のフリーズ中に副制御基板72は、有利区間に関する情報やのめり込み防止表示などを表示することとしてもよい。フリーズによる遊技の遅延が複数発生することを抑制することで、遊技のテンポが悪くなってしまうことを防止できる。なお、ここまで説明した内容は、後述する別例のリミット処理によりボーナス作動中に有利区間が終了する場合においても適用することとしてもよく、また、仕様設計者は発動するリミッタの種別により上記の処理を適用するか、不適用とするか演出の流れなどを考慮して任意に決定することができる。
<可変リミッタ>
ここまで、有利区間を終了するリミット処理を実行する条件を有利区間が開始されてから例えば1500Gに達した場合など、リミット処理の実行条件が一定の場合を前提として説明を行った。しかし、主制御基板71によるリミット処理の実行条件は必ずしも一定である必要はなく、少なくとも上限値(例えば有利区間開始から1500G)を超えて有利区間が継続しないようにすれば十分に過度の射幸性を抑制するという効果を発揮することができる。そこで、主制御基板71は、第1のカウンタ(消化済みゲーム数)が所定の終了条件を満たした場合に、第1のカウンタ(消化済みゲーム数)が上限値を超えるより前に有利区間を終了させるリミット処理を行うこととしてもよい。
例えば、「ART」が1セットあたり50G固定のセット数管理タイプのパチスロでは、「通常有利」の期間や「ART」中のボーナスなどにより、1セットのゲーム数に対して中途半端なタイミング(例えば、上限値まで残り20Gである1480G)で今回のセットの「ART」が終了することがある。このようなケースでは、次セットの「ART」を1セット全て(50G)行うことができず、セットの途中でリミット処理を行うことになってしまう。次セットの「ART」が開始されたにも関わらず、直ぐに強制的に終了させられてしまったのでは遊技者が不満を感じる可能性もある。そこで、主制御基板71は、上限値に達する前ではあるものの、区切りが良い今回のセットの「ART」終了時に、有利区間のリミット処理を行うこととしてもよい。これにより、有利区間(「ART」)は、必ず区切りの良いタイミングで終了することになるため、遊技者が不満を感じる可能性を軽減することができる。
また、パチスロによっては、リミット処理を行う場合に所定のエンディング制御を行うことも考えられるため、このようなエンディング制御を行うケースについても説明する。例えば、「ART」が1セットあたり50G固定のセット数管理タイプのパチスロにおいて、有利区間開始からの消化済みゲーム数及び残りゲーム数の値の合計値が1400~1450Gの範囲(所定の終了条件の設定範囲)に達した場合に、主制御基板71は、残りの未消化セット数にかかわらずエンディング用の1セットとして50Gの有利区間(「ART」)を設定し、当該エンディング用の1セットが終了した時点で所定の終了条件を満たしたとしてリミット処理を実行し、有利区間を終了させるものとしてもよい。つまり、リミット処理は有利区間の開始から1400~1450Gの時点で予約され、1450~1500Gまでで実行されることとなる。このようにある程度、リミット処理の実行タイミングに幅を持つことを許容することで、不自然なタイミングで有利区間が終了して遊技者に違和感を与えることを防ぎつつ、射幸性を適切に抑制できる。また、「ART」1セットあたりのゲーム数を固定としても、途中でボーナスの作動や基本のセットと異なる上乗せ特化状態などの消化が加わることで、エンディング用の1セットが決定されるタイミングは必ずしも50の倍数である1400ゲームちょうどとはならないため、所定の終了条件の設定範囲(リミット処理を予約可能である期間)にも幅を持たせることが好ましい。
なお、後述するようにリミット処理は、ゲーム数に限らず有利区間中に遊技者が獲得したメダルの差枚数やナビの発生回数に基づいて行うことができる(後述の枚数リミッタ、払出枚数リミッタ、ナビ回数リミッタ)。上述の可変リミッタの説明は、リミット処理の種類に関係なく適用可能である。すなわち、主制御基板71は、リミット処理の実行タイミングをリミット処理発動用のカウンタ(ゲーム数カウンタ、払出枚数カウンタ、ナビ回数カウンタなど)がリミッタ発動の閾値(上限値)に達した場合に限らず、所定の終了条件を充足した場合には、リミッタ発動の閾値に達するよりも前にリミット処理を行うものとしてもよい。なお、所定の終了条件は任意であるが、一例として、セット数管理タイプの「ART」において、次セットの「ART」を開始してしまうと、次セットの「ART」の途中でリミッタが発動してしまうことが予測されることを採用することができる(パチスロでは、「ART」中の1ゲームあたりのメダルの増加量やそれぞれの役の当籤確率などが設計仕様から把握することができるため、後述の枚数リミッタ、払出枚数リミッタ又はナビ回数リミッタを用いる場合であっても、次セットの「ART」の途中でリミッタが発動してしまうことを予測することができる)。
この点についての技術的思想を整理すると、以下のようになる。
特定の遊技状態(有利区間)を継続可能な残り期間を示す第2数値(有利区間継続可能な残りゲーム数、差枚数、ナビ回数)が終了閾値(残り0ゲーム、0枚、0回)に達すると前記特定の遊技状態を終了するとともに、少なくとも前記計数手段が計数する前記第1数値(消化済みのゲーム数等)が所定の終了条件(例えば、リミット処理の実行となる有利区間1500ゲーム消化または、変形例のようにリミット処理の実行タイミングに幅が許容される場合は設定された1450~1500までのゲーム数のいずれかの到達等)を満たす場合は前記第2数値の値が前記終了閾値に達していないときであっても前記特定の遊技状態を終了させる特定状態終了手段(主制御基板71)。
なお、特定状態終了手段は、「ART」など有利区間の権利がゼロとなったことに基づいて有利区間を終わらせる処理と、リミット処理により有利区間を終わらせる場合の双方についてまとめて記載したが、プログラム上、別の処理として持たせるものとしてもよい。
[主制御基板及び副制御基板が有する各種機能]
以上のようなパチスロ1に特有の制御を実現するために、パチスロ1の主制御基板(主制御回路91,メインCPU93)及び副制御基板(副制御回路101,サブCPU102)は、次のような機能を有する。
パチスロ1は、複数の図柄が表面に描かれた複数のリール3L,3C,3Rと、リール3L,3C,3Rに対応して設けられ遊技者が停止可能な複数のストップボタン7L,7C,7Rを有し、主制御基板71は、スタートスイッチ6Sやストップスイッチ7Sと接続され、図1に示す遊技の進行を制御するため、主制御基板71は、遊技制御手段として機能する。
また、主制御基板71は、所定の条件を満たすと有利区間を開始し、有利区間の残りゲーム数が0になった場合や有利区間の消化済みゲーム数が1500回に達した場合や、リミット処理の実行タイミングに幅を持たせるケースでは、一例として設定された1450~1500までのゲーム数に達した場合に有利区間を終了するため、特定状態開始手段及び特定状態終了手段として機能する。
また、主制御基板71及び副制御基板72は、有利区間に関連する数値(例えば、有利区間の消化済みゲーム数、有利区間の残りゲーム数、有利区間の残りゲーム数のうちの報知済みゲーム数又は未報知ゲーム数)を計数するため、主制御基板71及び副制御基板72は、計数手段として機能する。
また、副制御基板72は、表示ユニット100を制御して、有利区間の残りゲーム数のうちの一部を報知し、報知済みゲーム数として管理するため、副制御基板72及び表示ユニット100は、残期間報知手段として機能する。そして、副制御基板72は、有利区間の残りゲーム数のうちの未報知分の残りゲーム数を、未報知のまま保持するため、副制御基板72は、残期間潜伏手段として機能する。そして、副制御基板72は、表示ユニット100を制御して、未報知のまま保持している未報知ゲーム数の一部を上乗せゲーム数として報知するとともに、報知した上乗せゲーム数に応じて、報知済みゲーム数と未報知ゲーム数とを更新するため、副制御基板72及び表示ユニット100は、上乗せ報知手段として機能する。そして、副制御基板72は、複数の演出ステージの中から一の演出ステージを決定するため、副制御基板72は、演出ステージ決定手段として機能する。
<ART中のラストフリーズ>
続いて、主制御基板71が「ART」の終了時に行うラストフリーズについて説明する。上述したように、本実施形態では、主制御基板71は、「ART」の残りゲーム数が1から0に減算されるタイミングでラストフリーズを発生させるか否かの抽籤を行う。この抽籤に当籤した場合、主制御基板71は、ARTの残りゲーム数に有利区間のリミットに達するまでの値(=1500-消化した有利区間のゲーム数)を加算し、所定のフリーズ処理を行う。一例として、有利区間中に消化したゲーム数が200回のときにラストフリーズの抽籤に当籤した場合、主制御基板71は、ARTの残りゲーム数に1300を加算する。なお、リミット処理は、有利区間中に消化したゲーム数が1500回に到達すると行われるため、例えば「通常有利」中の遊技を50回行い、その後「ART」に移行し、「ART」中の遊技を100回行った後にラストフリーズの抽籤に当籤した場合、有利区間中に消化したゲーム数は、150回(=50+100)となり、ARTの残りゲーム数に1300を加算する。なお、主制御基板71は、ラストフリーズの抽籤に当籤した場合、リミット処理が行われるまで「ART」の継続を許容すればよく、ARTの残りゲーム数に有利区間のリミットに達するまでの値を加算するという加算処理を必ずしも行う必要はない。例えば、主制御基板71は、リミット処理以外による有利区間の終了を禁止することで、リミット処理が行われるまで「ART」の継続を許容することとしてもよく、また、例えば、主制御基板71は、これまでに消化した有利区間のゲーム数に関係なく、ARTの残りゲーム数にリミッタを超える値(9999)を加算することで、リミット処理が行われるまで「ART」の継続を許容することとしてもよい。
[主制御基板及び副制御基板が有する各種機能]
以上のようなパチスロ1に特有の制御を実現するために、パチスロ1の主制御基板(主制御回路91,メインCPU93)及び副制御基板(副制御回路101,サブCPU102)は、次のような機能を有する。
パチスロ1は、複数の図柄が表面に描かれた複数のリール3L,3C,3Rと、リール3L,3C,3Rに対応して設けられ遊技者が停止可能な複数のストップボタン7L,7C,7Rを有し、主制御基板71は、スタートスイッチ6Sやストップスイッチ7Sと接続され、図1に示す遊技の進行を制御するため、主制御基板71は、遊技制御手段として機能する。
また、主制御基板71は、所定の条件を満たすと有利区間を開始し、有利区間の消化済みゲーム数が1500回に達した場合や、リミット処理の実行タイミングに幅を持たせるケースでは、一例として設定された1450~1500までのゲーム数に達した場合に有利区間を終了するため、特定状態開始手段及び特定状態終了手段として機能する。
また、主制御基板71は、有利区間に関連する数値(例えば、有利区間の消化済みゲーム数、有利区間の残りゲーム数)を計数するため、主制御基板71は、計数手段として機能する。そして、主制御基板71は、「ART」の残りゲーム数が0になると、ラストフリーズを行うか否かを決定し、ラストフリーズを行うと決定した場合には「ART」の残りゲーム数にリミット処理が行われるまでのゲーム数を加算する一方で、ラストフリーズを行わないと決定した場合には「ART」を終了するため、主制御基板71は、終了時処理決定手段及び終了時処理実行手段として機能する。
[第3実施形態の変形例]
また、第3実施形態の変形例としては、例えば図154に示すような遊技状態の流れとし、このような遊技状態に対して図100に示すような出玉状態を適用するようにしてもよい。
また、第3実施形態は、有利区間ランプ(状態表示器147b)の点灯・非点灯の状態が有利区間と非有利区間(通常区間)とに対応するものとして説明したが、例えば図155に示すように、非有利区間(通常区間)から有利区間に移行する途中の区間として、ボーナス(設定差無しのBB等)に関係する待機区間を設定するようにしてもよい。
待機区間とは、設定差無しのボーナス当籤時に有利区間当籤となっても、当該ボーナスの入賞まで有利区間ランプ(状態表示器147b)を点灯させない区間を意味する。すなわち、ボーナスの当籤から入賞までは、有利区間ランプが非点灯の状態で待機区間となり、そのボーナス入賞時に有利区間ランプが点灯状態となって有利区間が進行することとなる。
このような待機区間について、例えば「BB1+スイカ」の当籤で待機区間フラグがセットされ、BB1の入賞まで待機区間が進行する一方、「BB1+チェリー」の当籤では待機区間フラグがセットされず、その当籤を条件に待機区間を経由することなく有利区間が開始されるというように、フラグ別に待機区間の設定有無を決定するようにしてもよい。ただし、同一のフラグで待機区間の設定有無を分けないことが望ましい。このように、待機区間設定有りに対応するボーナスでは、当該ボーナスの当籤と同時に有利区間に当籤していてもボーナス持越し中は待機区間として有利区間ランプを非点灯とすることができる。
[別制御例]
続いて、図156~図163を参照して、上述した特有の制御とは別のパチスロ1に特有な別制御例について説明する。
<有利区間中の上乗せ制御>
初めに、図156及び図157を参照して、パチスロ1における有利区間中の上乗せ制御について説明する。パチスロによっては、いわゆる確定役やプレミア役といった、内部当籤役として決定された場合に、遊技者に対して特典を付与し易い役(以下では、特定役とする)を設けていることがある。通常、このような特定役(確定役やプレミア役)は、内部当籤役として決定される確率が他の役に比べて低い一方で、遊技者に対して特典を付与する確率が他の役に比べて高い(例えば100%)、又は、付与する特典が他の契機において付与する特典よりも大きい、といったように、特典の付与が優遇されている。
ところで、有利区間中の遊技に対して、上述のようにリミット処理を行うパチスロの場合、リミット処理が行われる直前に特典の付与が優遇されている特定役が内部当籤役として決定されてしまうと、特定役に伴い大きな特典が付与されたとしてもリミット処理に掛かってしまうため、特定役に伴い付与された大きな特典が無駄になってしまい、遊技意欲を損ねてしまう可能性がある。一方で、有利区間(ART)などの遊技者にとって有利な遊技状態中に制限なく特典を付与してしまったのでは、遊技者の射幸心を徒に高めてしまい、射幸性が高すぎると感じる一部の遊技者から敬遠されてしまうという問題もある。
この点、以下に示すように本発明に係るパチスロ1では、リミット処理により射幸性のバランスをとりつつも、遊技意欲を損ねることのない有利区間中の上乗せ制御を実行する。詳細は後述するが、パチスロ1では、主制御基板71は、特定役が当籤したタイミングに応じて特典の付与を制限する。ここで、通常のパチスロでは、特定役の当籤時に固有の図柄の組合せを表示することで、特定役の当籤を遊技者に対して把握させることとしているため、遊技者にとってみれば、表示された図柄の組合せから特定役の当籤が分かってしまう。この点、パチスロ1では、主制御基板71は、特定役に基づき大きな特典を付与する場合には、固有の図柄の組合せが表示されるように停止制御を行い、特定役に基づく特典の付与を制限する場合には、他の役においても表示され得る汎用的な図柄の組合せが表示されるように停止制御を行う。遊技者にとってみれば、特定役が当籤していることを把握することができないため、特典の付与を制限したとしても引き損感を感じることがない。
初めに、図156(A)を参照して、有利区間の上乗せ制御を説明するために用いる役構成と図柄の組合せとについて説明する。なお、以下では、第1実施形態において説明した図柄の組合せなどを参照して有利区間中の上乗せ制御について説明する。有利区間中の上乗せ制御の説明においては、図156(A)に示すように、特定役(確定役やプレミア役)として、「F_単チリリプ」、「F_2連チリリプ」、「F_3連チリリプ」の3種類の役を用いる。なお、それぞれの特定役の当籤確率については、本制御において関係がないため、省略する。
「F_単チリリプ」、「F_2連チリリプ」、「F_3連チリリプ」は、停止操作の態様に応じて停止表示される図柄の組合せが異なり、特定の態様で停止操作が行われると、固有の図柄の組合せが有効ラインに沿って表示され、特定の態様以外の態様で停止操作が行われると、汎用的な図柄の組合せが有効ラインに沿って表示される。
具体的には、主制御基板71は、「F_単チリリプ」当籤時に“左1st”の押し順で停止操作が行われると、「単チリリプ」に係る図柄の組合せを有効ラインに沿って表示し、“中1st”又は“右1st”の押し順で停止操作が行われると、「リプレイ」に係る図柄の組合せを有効ラインに沿って表示する。また、主制御基板71は、「F_2連チリリプ」当籤時に“左1st”の押し順で停止操作が行われると、「2連チリリプ」に係る図柄の組合せを有効ラインに沿って表示し、“中1st”又は“右1st”の押し順で停止操作が行われると、「リプレイ」に係る図柄の組合せを有効ラインに沿って表示する。また、主制御基板71は、「F_3連チリリプ」当籤時に“左1st”の押し順で停止操作が行われると、「3連チリリプ」に係る図柄の組合せを有効ラインに沿って表示し、“中1st”又は“右1st”の押し順で停止操作が行われると、「リプレイ」に係る図柄の組合せを有効ラインに沿って表示する。
なお、第1実施形態で説明したように、「単チリリプ」に係る図柄の組合せは、表示窓4に表示されるリール3L、3C、3Rのうちの一つのリールにのみチリ図柄が表示される図柄の組合せであり、「2連チリリプ」に係る図柄の組合せは、二つのリールにチリ図柄が表示される図柄の組合せであり、「3連チリリプ」に係る図柄の組合せは、全てのリールにチリ図柄が表示される図柄の組合せである。ただし、第1実施形態では、「単チリリプ」、「2連チリリプ」、「3連チリリプ」は、ある一つの役に固有の図柄の組合せではなかったが、以下に示す説明では、「単チリリプ」は「F_単チリリプ」に固有の図柄の組合せであり、「2連チリリプ」は「F_2連チリリプ」に固有の図柄の組合せであり、「3連チリリプ」は「F_3連チリリプ」に固有の図柄の組合せであるものとする。
一方で、「単チリリプ」、「2連チリリプ」、「3連チリリプ」に“中1st”又は“右1st”の押し順で停止操作が行われたときに表示される「リプレイ」に係る図柄の組合せは、汎用的な図柄の組合せであり、例えば「F_リプレイ」当籤時に停止操作の態様に関係なく表示される図柄の組合せである。なお、特定役に固有の図柄の組合せを停止表示するための停止操作の態様は、任意であり、押し順に限られるものではない。また、図156(A)に示す例では、全ての特定役において固有の図柄の組合せを停止表示するための停止操作の態様が共通としているが、これに限られるものではなく、それぞれ別々の停止操作の態様としてもよく、また、一部の特定役のみ別の停止操作の態様としてもよい。
続いて、図156(B)を参照して、それぞれの特定役が内部当籤役として決定された場合の上乗せ抽籤の概要について説明する。なお、本制御では、特定役の当籤時に特典の付与を制限することとしているが、以下では、説明を簡易にするため、特典付与の制限として、特典の付与を行わないこと例にとり説明する。もちろん、特典の付与を制限するとは無効にすることに限らず、制限をする場合に制限をしない場合よりも特典を付与する確率を低くすることを含むものである。ここで、確率を低くするとは、確率を0%にすることを含むものである。
図156(B)に示すように、特定役に基づく上乗せ抽籤は、有効区間であるか無効区間であるかに応じて異なる。ここで、有効区間とは特定役に基づく上乗せ抽籤を行う区間であり、無効区間とは特定役に基づく上乗せ抽籤を行わない区間である。有効区間の場合、主制御基板71は、「F_単チリリプ」が内部当籤役として決定されると“小さな特典”を付与し、「F_2連チリリプ」が内部当籤役として決定されると“中の特典”を付与し、「F_3連チリリプ」が内部当籤役として決定されると“大きな特典”を付与する。なお、本説明における“小さな特典”、“中の特典”、“大きな特典”は、比較上のものであり、“中の特典”とは“小さな特典”よりも大きく、“大きな特典”よりも小さいことを意味し、“小さな特典”が絶対的に小さい特典であることを意味するものではない。また、付与する特典の種類は任意であり、有利区間の継続期間の管理方法による。一例として、ゲーム数により継続期間を管理する場合には、継続期間を延長する上乗せゲーム数や、上乗せゲーム数を獲得し易い上乗せ特化ゾーンの権利(ストック)が相当する。
続いて、図156(C)を参照して、特定役に基づく上乗せ抽籤の有効区間及び無効区間における押し順ナビの概要について説明する。なお、図156(C)では、「F_3連チリリプ」当籤時についてのみ説明するが、「F_単チリリプ」、「F_2連チリリプ」についても同様である。同図に示すように、有効区間において、「F_3連チリリプ」が内部当籤役として決定されると、主制御基板71及び副制御基板72は、報知ランプ147a及び表示ユニット100を介して“左1st”の押し順と狙うべき図柄とを報知する。遊技者がこの報知に従い停止操作を行うことで、有効ライン上には「3連チリリプ」に係る図柄の組合せが表示されることになる。一方で、無効区間において、「F_3連チリリプ」が内部当籤役として決定されると、主制御基板71及び副制御基板72は、報知ランプ147a及び表示ユニット100を介して、例えば“中1st”の押し順を報知する。遊技者がこの報知に従い停止操作を行うことで、有効ライン上には「リプレイ」に係る図柄の組合せが表示されることになる。なお、特典を付与するか否かは、報知する押し順に関係なく決まっているため、この場合の報知は、副制御基板72が表示ユニット100を介して行い、主制御基板71は行わないこととしてもよい。
有効区間中は、「F_3連チリリプ」が内部当籤役として決定されたことに応じて“大きな特典”が付与されているため、遊技者は、表示された「3連チリリプ」に係る図柄の組合せから“大きな特典”が付与されたことを把握でき、また、当該特典を享受することができる。一方で、無効区間中は何らの特典も付与されていないが、「リプレイ」に係る図柄の組合せが表示されているため、遊技者は、「F_3連チリリプ」が内部当籤役として決定されていることを把握することはできず、興趣を損ねることがない。
続いて、図157を参照して、特定役に基づく上乗せ抽籤の有効区間と無効区間の設定方法の一例について説明する。図157(D)は、有効区間と無効区間の設定方法の第1方法を示す図である。この第1方法では、リミット処理が行われるまでの有利区間の残り期間(言い換えると、有利区間が開始してから経過した期間)に基づいて、特定役に基づく上乗せ抽籤の有効区間と無効区間とを設定する。なお、上述したように特定役ごとに付与する特典の大きさが異なるため、この第1方法では、有効区間又は無効区間として設定する期間を、特定役ごとに異ならせる。
一例として、“大きな特典”が付与される「F_3連チリリプ」は、リミット処理が行われるまでの有利区間の残り期間が「1000G」になるまで(言い換えると、有利区間が開始してから「500G」経過するまで)を有効区間とし、それ以降を無効区間として設定する(なお、通常区間中は、特定役の種類に関わらず有効区間として設定する)。また、“中の特典”が付与される「F_2連チリリプ」は、リミット処理が行われるまでの有利区間の残り期間が「800G」になるまで(言い換えると、有利区間が開始してから「700G」経過するまで)を有効区間とし、それ以降を無効区間として設定する。また、“小さな特典”が付与される「F_単チリリプ」は、リミット処理が行われるまでの有利区間の残り期間が「600G」になるまで(言い換えると、有利区間が開始してから「900G」経過するまで)を有効区間とし、それ以降を無効区間として設定する。もちろん、図157(D)に示す設定方法は一例に過ぎず、付与する特典の大きさに応じて有効区間と無効区間とを設定することができる。
主制御基板71は、有効区間中(有利区間が開始してから規定ゲーム数が経過するまで)に特定役が内部当籤役として決定されると、当該特定役に対応する特典を付与することができる一方で、無効区間中(有利区間が開始してから規定ゲーム数を経過した後)に特定役が内部当籤役として決定されると、何らの特典も付与しない。そして、主制御基板71及び副制御基板72は、有効区間中に特定役が内部当籤役として決定されると、報知ランプ147a及び表示ユニット100を介して、当該特定役に固有の図柄の組合せを停止表示させるために必要な停止操作の態様を報知(“左1st”の押し順と狙うべき図柄とを報知)し、主制御基板71及び副制御基板72は、無効区間中に特定役が内部当籤役として決定されると、報知ランプ147a及び表示ユニット100を介して、汎用的な図柄の組合せを停止表示させるために必要な停止操作の態様を報知(“中1st”の押し順を報知)する。
なお、本制御では、特定役の当籤時に特典の付与を制限することとしているが、上述したように、特典の付与を制限することには、制限をする場合に制限をしない場合よりも特典を付与する確率を低くすることを含む。ここで、特典を付与する確率を低くする場合の主制御基板71及び副制御基板72の制御処理について説明する。なお、以下の説明は、後述する図157(E)(F)のように有効区間と無効区間とを設定する場合にも同様に当てはまる。また、以下の説明では、無効区間を「低減区間」と読み直して説明する。低減区間とは、特定役の当籤時に特典を付与する確率を低くする区間をいう。
主制御基板71は、有効区間中(有利区間が開始してから規定ゲーム数が経過するまで)に特定役が内部当籤役として決定されると、第1の確率(100%を含んでもよい)で当該特定役に対応する特典を付与すると決定する一方で、低減区間中(有利区間が開始してから規定ゲーム数を経過した後)に特定役が内部当籤役として決定されると、第1の確率よりも低い第2の確率(0%を含んでもよい)で当該特定役に対応する特典を付与すると決定する。そして、特定役が内部当籤役として決定されたことに応じて主制御基板71が特典を付与すると決定すると、主制御基板71及び副制御基板72は、報知ランプ147a及び表示ユニット100を介して、当該特定役に固有の図柄の組合せを停止表示させるために必要な停止操作の態様を報知(“左1st”の押し順と狙うべき図柄とを報知)し、特定役が内部当籤役として決定されたにも関わらず主制御基板71が特典を付与しないと決定すると、主制御基板71及び副制御基板72は、報知ランプ147a及び表示ユニット100を介して、汎用的な図柄の組合せを停止表示させるために必要な停止操作の態様を報知(“中1st”の押し順を報知)する。なお、低減区間中に特典を付与する第2の確率は、変動させることとしてもよく、例えば、有利区間が開始してから経過した期間(言い換えると、リミット処理が行われるまでの残り期間)に長いほど第2の確率を低くしてもよく、また、付与する特典の大きな特定役ほど第2の確率を低くしてもよい。
続いて、図157(E)を参照して、特定役に基づく上乗せ抽籤の有効区間と無効区間の設定方法の第2方法について説明する。この第2方法では、有利区間中の特殊区間を無効区間とし、その他の区間を有効区間とする。なお、特殊区間とは、例えば上乗せ特化ゾーンのストックを複数所有している状態をいう。パチスロによっては、通常区間中にプレミア役に当籤すると、有利区間(ART)に移行するとともに、上乗せ特化ゾーンのストックを最初から複数所持している状態で有利区間(ART)が開始することがある。このような状態で更にプレミア役に当籤してしまうと、遊技者に対して過度な利益を付与することになってしまう。
図157(E)に示すように、第2方法では、このような状態において特定役が内部当籤役として決定された場合には、特典の付与を制限する。具体的には、主制御基板71は、有効区間中(すなわち、特殊区間以外)に特定役が内部当籤役として決定されると、当該特定役に対応する特典を付与することができる一方で、無効区間中(すなわち、特殊区間中)に特定役が内部当籤役として決定されると、何らの特典も付与しない。そして、主制御基板71及び副制御基板72は、有効区間中に特定役が内部当籤役として決定されると(言い換えると、主制御基板71が特典を付与すると決定すると)、報知ランプ147a及び表示ユニット100を介して、当該特定役に固有の図柄の組合せを停止表示させるために必要な停止操作の態様を報知し、また、主制御基板71及び副制御基板72は、無効区間中に特定役が内部当籤役として決定されると(言い換えると、主制御基板71が特典を付与しないと決定すると)、報知ランプ147a及び表示ユニット100を介して、汎用的な図柄の組合せを停止表示させるために必要な停止操作の態様を報知する。
なお、特殊区間は、任意に設定することができ、上述のように上乗せ特化ゾーンのストックを所定数以上所持している状態であってもよく、また、有利区間(ART)を継続可能な期間を延長するための上乗せ量(例えば、上乗せゲーム数)を未報知のまま所定量以上所持している状態であってもよい。また、特殊区間中は、専用の演出ステージに滞在させ、遊技者に特殊区間中であることを把握可能にしてもよい。
また、図157(E)では、特典の大きさが異なる複数の特定役のそれぞれにおいて、特殊区間の範囲が共通となっているが、異ならせることとしてもよい。例えば、“大きな特典”が付与される「F_3連チリリプ」は、上乗せ特化ゾーンのストックを第1所定数以上所持している状態を特殊区間とし、“中の特典”が付与される「F_2連チリリプ」は、上乗せ特化ゾーンのストックを第1所定数よりも多い第2所定数以上所持している状態を特殊区間とし、“小さな特典”が付与される「F_単チリリプ」は、上乗せ特化ゾーンのストックを第2所定数よりも多い第3所定数以上所持している状態を特殊区間としてもよい。
続いて、図157(F)は、特定役に基づく上乗せ抽籤の有効区間と無効区間の設定方法の第3方法を示す図である。この第3方法では、第1方法と第2方法と組み合わせて、有効区間と無効区間とを設定する。すなわち、第3方法では、特定役の種類に関係なく、有利区間中の特殊区間を無効区間として設定するとともに、“大きな特典”が付与される「F_3連チリリプ」については、特殊区間以外の有利区間のうち、リミット処理が行われるまでの有利区間の残り期間が「1000G」になるまで(言い換えると、有利区間が開始してから「500G」経過するまで)を有効区間とし、それ以降を無効区間として設定する。同様に、“中の特典”が付与される「F_2連チリリプ」については、特殊区間以外の有利区間のうち、リミット処理が行われるまでの有利区間の残り期間が「800G」になるまで(言い換えると、有利区間が開始してから「700G」経過するまで)を有効区間とし、それ以降を無効区間として設定する。また、“小さな特典”が付与される「F_単チリリプ」については、特殊区間以外の有利区間のうち、リミット処理が行われるまでの有利区間の残り期間が「600G」になるまで(言い換えると、有利区間が開始してから「900G」経過するまで)を有効区間とし、それ以降を無効区間として設定する。
そして、主制御基板71は、有効区間中(すなわち、特殊区間以外)に特定役が内部当籤役として決定されると、当該特定役に対応する特典を付与することができる一方で、無効区間中に特定役が内部当籤役として決定されると、何らの特典も付与しない。そして、主制御基板71及び副制御基板72は、有効区間中に特定役が内部当籤役として決定されると(言い換えると、主制御基板71が特典を付与すると決定すると)、報知ランプ147a及び表示ユニット100を介して、当該特定役に固有の図柄の組合せを停止表示させるために必要な停止操作の態様を報知し、また、主制御基板71及び副制御基板72は、無効区間中に特定役が内部当籤役として決定されると(言い換えると、主制御基板71が特典を付与しないと決定すると)、報知ランプ147a及び表示ユニット100を介して、汎用的な図柄の組合せを停止表示させるために必要な停止操作の態様を報知する。
このように有利区間中を、特定役に基づく特典を付与可能な有効区間と、当該特典の付与を制限する無効区間(低減区間)とに分け、それぞれにおいて停止表示させる図柄の組合せが異なるように報知を行うことで、遊技者に対して付与する利益が過度になり過ぎず、適度な射幸性のバランスをとることができるだけでなく、遊技者に対して引き損を感じさせることがないため、遊技者の遊技意欲を損ねてしまうことがない。
[主制御基板及び副制御基板が有する各種機能]
以上のようなパチスロ1に特有の制御を実現するために、パチスロ1の主制御基板(主制御回路91,メインCPU93)及び副制御基板(副制御回路101,サブCPU102)は、次のような機能を有する。
パチスロ1は、複数の図柄が表面に描かれた複数のリール3L,3C,3Rと、リール3L,3C,3Rに対応して設けられ遊技者が停止可能な複数のストップボタン7L,7C,7Rを有し、主制御基板71は、スタートスイッチ6Sやストップスイッチ7Sと接続され、図1に示す遊技の進行を制御するため、主制御基板71は、変動制御手段、内部当籤役決定手段、停止制御手段として機能する。
また、主制御基板71は、所定の条件を満たすと有利区間を開始し、有利区間の残りゲーム数が0になった場合や有利区間の消化済みゲーム数が1500回に達した場合や、リミット処理の実行タイミングに幅を持たせるケースでは、一例として設定された1450~1500までのゲーム数に達した場合に有利区間を終了するため、状態制御手段として機能する。
また、主制御基板71は、特定役が内部当籤役として決定されると、有利区間に関する特典を所定の確率で付与可能であり、また、主制御基板71は、特定役が内部当籤役として決定されたときの状態(有効区間又は低減区間)に応じて、特典を付与し得る確率を変化させるため、確率変更手段として機能する。また、主制御基板71は、有利区間中に所定条件を満たすと、当該条件を満たしている状態を特殊区間(特殊状態)として設定することができるため、主制御基板71は、状態制御手段として機能する。
また、特定役の当籤時に、主制御基板71は、報知ランプ147aを制御して遊技者に対して所定の押し順を報知するとともに、副制御基板72は、表示ユニット100を制御して遊技者に対して所定の押し順を報知するため、主制御基板71、報知ランプ147a、副制御基板72、及び表示ユニット100は、報知手段として機能する。
<ART移行時の特典付与>
続いて、図158を参照して、パチスロ1におけるART移行時の特典付与について説明する。初めに、図158(A)を参照して、本制御における遊技状態の遷移フローについて説明する。同図に示すように本制御のパチスロ1では、通常区間と有利区間とを有するとともに、有利区間中を更に「通常有利」と「ART」という出玉状態に分ける。なお、通常区間は、主制御基板71及び(又は)副制御基板72が遊技者に対して停止操作の態様を報知しない非報知状態であり、有利区間は、主制御基板71及び(又は)副制御基板72が遊技者に対して停止操作の態様を報知可能な報知状態である。また、「通常有利」及び「ART」は、主制御基板71及び(又は)副制御基板72が遊技者に対して停止操作の態様を報知可能であるものの、「通常有利」よりも「ART」の方が停止操作の態様を報知する頻度(可能性)が高い状態である。この点は、第3実施形態における「通常有利」と「ART」との関係と同じである(図102参照)。なお、本制御では、通常区間及び「通常有利」は出玉率が1を超えない区間であり、「ART」は通常区間及び「通常有利」よりも出玉率が高い区間(例えば出玉率が1を超える区間)であるものとする。
同図に示すように、本制御において主制御基板71は、(1)通常区間から有利区間の「通常有利」に遊技状態を移行することができる。この移行条件は任意であり、例えば、移行抽籤の当籤であってもよく、また、所定ゲーム数の経過であってもよく、また、特定の役が内部当籤役として決定されたことであってもよく、また、特定の図柄の組合せが有効ラインに沿って表示されたことであってもよい。本制御において(1)の通常区間から「通常有利」への移行は、比較的高確率で行われ、例えば約1/30の確率で移行するものとする。
また、本制御において主制御基板71は、(2)「通常有利」から「ART」に有利状態を移行することができる。この移行条件も上述と同様に任意であるが、本制御において(2)の「通常有利」から「ART」への移行は、通常区間から「通常有利」への移行よりも低い確率で行われ、例えば約1/100の確率で移行するものとする。また、主制御基板71は、「通常有利」のまま所定ゲーム数(例えば、500ゲーム)が経過した場合にハマリ天井として「通常有利」から「ART」に移行させることとしてもよい。
また、本制御において主制御基板71は、(3)「ART」から通常区間に遊技状態を移行することができる。この移行条件は、「ART」が終了することであり、例えば、「ART」を継続可能な期間が終了閾値に達した場合や、有利区間中に消化したゲーム数がリミット閾値に達したことでリミット処理が行われた場合に、主制御基板71は、「ART」を終了し、通常区間に遊技状態を移行する。
なお、同図に示すように、本制御において主制御基板71は、(4)「通常有利」から通常区間に遊技状態を移行させることとしてもよい。この移行条件も上述と同様に任意であり、また、移行確率も任意である。例えば、(1)の通常区間から「通常有利」への移行確率と同程度であってもよく、また、(1)の移行確率よりも高い確率であってもよく、また、(1)の移行確率と(2)の「通常有利」から「ART」への移行確率との間の確率であってもよく、また、(2)の移行確率と同程度であってもよく、また、(2)の移行確率よりも低い確率であってもよい。なお、同図に示す例では、(2)の移行確率と同じく、「通常有利」から通常区間には、例えば約1/100の確率で移行するものとする。
このような遊技状態の遷移フローを有するパチスロ1では、一段階目の有利区間(「通常有利」)までは高頻度で移行することになるため、遊技状態の移行が高頻度で行われ、遊技性が多様化するため非ART中においても遊技を続ける要素となる。一方で、二段階目の有利区間(「ART」)への移行は、一段階目の有利区間までの移行確率よりも低確率であるため、二段階目の有利区間までは移行し難くなっている。本制御では、主制御基板71は、一段階目の有利区間(「通常有利」)において、二段階目の有利区間(「ART」)に移行することなく経過した期間の長さに応じて、「ART」移行時に特典を付与することとしている。具体的には、主制御基板71は、「ART」に移行することなく「通常有利」のまま経過したゲーム数が多いほど、「ART」の初期ゲーム数(すなわち、「ART」開始時に設定される「ART」を継続可能な期間)として多くのゲーム数を付与する。
ここで、図158(B)は、本制御における「ART」移行時に付与する特典の一例を示す図である。同図に示すように、「通常有利」から「ART」に移行すると、主制御基板71は、「通常有利」のまま経過したゲーム数が「0~99G」である場合には「ART」の初期ゲーム数として「50G」を付与し、同ゲーム数が「100~199G」である場合には「ART」の初期ゲーム数として「100G」を付与し、同ゲーム数が「200~299G」である場合には「ART」の初期ゲーム数として「200G」を付与し、同ゲーム数が「300~399G」である場合には「ART」の初期ゲーム数として「300G」を付与し、同ゲーム数が「400~499G」である場合には「ART」の初期ゲーム数として「500G」を付与し、同ゲーム数が「500G」である場合には「ART」の初期ゲーム数として「1000G」を付与する。なお、「通常有利」が500ゲーム経過し、その後「ART」が1000ゲーム経過すると、有利区間が1500ゲーム継続することになり、リミット処理に掛かってしまう。そのため、同ゲーム数が「500G」である場合に付与する「ART」の初期ゲームとは、有利区間に関するリミット処理が行われるまでの残りゲーム数と同じである。
このような制御によれば、「ART」の継続期間は、「通常有利」から「ART」に移行するまでの期間に応じて決定され、当該期間が長いほど「ART」の継続期間も長くなる。これにより、「通常有利」が長く継続してしまった場合であっても単にメダルを消費してしまうだけでなく、その後に「ART」が長期間継続することについての期待を持つことができるため、遊技意欲の低減を抑制することができる。一方で、本制御においても、主制御基板71は、有利区間のリミット処理を行うため、「ART」が必要以上に継続してしまうことがなく、射幸心を徒に高めてしまうことを防止できる。
[主制御基板及び副制御基板が有する各種機能]
以上のようなパチスロ1に特有の制御を実現するために、パチスロ1の主制御基板(主制御回路91,メインCPU93)及び副制御基板(副制御回路101,サブCPU102)は、次のような機能を有する。
パチスロ1は、複数の図柄が表面に描かれた複数のリール3L,3C,3Rと、リール3L,3C,3Rに対応して設けられ遊技者が停止可能な複数のストップボタン7L,7C,7Rを有し、主制御基板71は、スタートスイッチ6Sやストップスイッチ7Sと接続され、図1に示す遊技の進行を制御するため、主制御基板71は、遊技制御手段として機能する。
また、主制御基板71は、通常区間において移行条件(第1開始条件)を満たすと、通常区間から「通常有利」に遊技状態を移行し、「通常有利」において移行条件(第2開始条件)を満たすと、「通常有利」から「ART」に遊技状態を移行し、「通常有利」において移行条件(終了条件)を満たすと、「通常有利」から通常区間に遊技状態を移行するため、主制御基板71は、第1状態制御手段、第2状態制御手段及び第3状態制御手段として機能する。
また、主制御基板71は、「ART」に移行することなく「通常有利」のまま経過したゲーム数が多いほど、「ART」の初期ゲーム数として多くのゲーム数を付与するため、期間決定手段として機能する。
<状態リセットの再認識>
続いて、図159を参照して、パチスロ1における状態リセットの再認識について説明する。パチスロ1では、主制御基板71は、有利区間の終了時に有利区間に関する全ての情報を初期化(リセット)するため、例えば、有利区間終了後の通常区間においてどのような有利区間を経てきたかを把握することができず、その後の遊技が単調になってしまう恐れがある。そこで、本制御では、主制御基板71は、リセット時に表示された図柄の組合せ(出目)を介して、リセットによる情報の初期化を迂回し、リセット後に再認識する。
図159(A)は、本制御(リセット再認識)の概念を示す図である。本制御では、リール3L,3C,3Rの停止時に表示される図柄の組合せ(出目)に対して、特定の状態であることを予め対応付けておく。そして、同図に示すように、主制御基板71は、リセットによる情報の初期化からの復帰後に、停止表示されている図柄の組合せから、対応付けられた特定の状態を読み出し、当該特定の状態であることをリセット後に再認識する。
続いて、図159(B)は、本制御(リセット再認識)の流れを示す図である。同図に示す例では、主制御基板71は、所定の図柄の組合せ“リプレイの右下がり”が停止表示されると、所定の遊技状態を終了し別の遊技状態に移行するとともに、当該所定の遊技状態の終了時に当該所定の遊技状態に関する全ての情報を初期化(リセット)することとする。そして、所定の図柄の組合せである“リプレイの右下がり”に対して、所定の遊技状態の終了という状態を対応付けておく。
同図に示すように、“リプレイの右下がり”という図柄の組合せが表示されると、主制御基板71は、所定の遊技状態を終了し、各種情報をリセットする。ここで、次ゲームが開始されるまで、“リプレイの右下がり”という図柄の組合せは表示されたままであり、主制御基板71によるリセット制御は極めて短時間に行われるため、リセットによる情報の初期化からの復帰した後であっても、“リプレイの右下がり”という図柄の組合せは表示されたままであり、主制御基板71は、“リプレイの右下がり”という図柄の組合せを読み込むことができる。そこで、本制御では、主制御基板71は、リセットによる情報の初期化からの復帰後に、読み込んだ“リプレイの右下がり”という図柄の組合せから、当該図柄の組合せに対して予め対応付けられた「所定の遊技状態の終了」という状態を読み込み、所定の遊技状態の終了時であることを再認識する。
続いて、図159(C)(D)を参照して、本制御を用いたパチスロ1の遊技性について説明する。図159(C)は、本制御を好適に用いる場合の遊技状態の遷移フローの一例である。なお、それぞれの遊技状態の詳細は、これまでに説明したとおりであるため、省略する。同図に示すように、主制御基板71は、(1)通常区間から有利区間の「通常有利」に遊技状態を移行することができ、(2)「通常有利」から「ART」に遊技状態を移行することができ、(3)「ART」から通常区間に遊技状態を移行することができ、(4)「通常有利」から通常区間に遊技状態を移行させることができる。なお、それぞれの移行条件や移行確率は、本制御を用いた遊技性に関係あるものを除き、説明を省略する。
同図を参照すると、主制御基板71は、有利区間から通常区間に遊技状態を移行させる場合、(3)のように「ART」から通常区間に移行させるケースと、(4)のように「通常有利」から通常区間に移行させるケースとがある。本制御を用いる場合、「ART」から通常区間への移行条件、又は「通常有利」から通常区間への移行条件のうちの何れか一方を、特定の図柄の組合せ(終了出目)が表示されることという条件に設定し、当該特定の図柄の組合せに対して、対応する遊技状態の終了時であることを対応付けておく。なお、図159に示す例では、「ART」の終了条件を特定の図柄の組合せが表示されることとして用い、また、特定の図柄の組合せに対して、「ART」の終了時であることを対応付けておく。
このようにすることで、有利区間から通常区間に遊技状態を移行させる場合に有利区間に関する情報をリセットした場合であっても、どのような有利区間を経て通常区間に移行したのかを把握することができる。具体的には、図159(D)に示すように、「通常有利」は特定の状態に対応付けられた図柄の組合せとは関係なく終了するため、「通常有利」の有利区間から通常区間に移行した場合、主制御基板71は、リセットから復帰した後に、表示されている図柄の組合せから特定の状態であることを再認識することはない。他方、「ART」は特定の状態に対応付けられた図柄の組合せが表示されることで終了するため、「ART」の有利区間から通常区間に移行した場合、主制御基板71は、リセットから復帰した後に、表示されている図柄の組合せから「ART」の終了時であることを再認識することができる。
すなわち、通常であれば「通常有利」「ART」という複数の状態を有する有利区間の終了時に有利区間に関する情報を初期化するため、有利区間の終了後にどのような有利区間(「通常有利」又は「ART」)が終了したのかを把握することはできない。これに対して、本制御によれば、「通常有利」「ART」という複数の状態を有する有利区間の終了時に有利区間に関する情報を初期化するものの、「ART」の終了時には「ARTの終了時であること」を再認識するため、有利区間の終了後にどのような有利区間(「通常有利」又は「ART」)が終了したのかを把握することができる。
[主制御基板及び副制御基板が有する各種機能]
以上のようなパチスロ1に特有の制御を実現するために、パチスロ1の主制御基板(主制御回路91,メインCPU93)及び副制御基板(副制御回路101,サブCPU102)は、次のような機能を有する。
パチスロ1は、複数の図柄が表面に描かれた複数のリール3L,3C,3Rと、リール3L,3C,3Rに対応して設けられ遊技者が停止可能な複数のストップボタン7L,7C,7Rを有し、主制御基板71は、スタートスイッチ6Sやストップスイッチ7Sと接続され、図1に示す遊技の進行を制御するため、主制御基板71は、停止制御手段として機能する。
また、主制御基板71は、特定の図柄の組合せが停止表示されたことに応じて、「ART」を終了するとともに、「ART」の終了時にリセット制御を行う。そして、主制御基板71は、リセット制御からの復帰後に、表示されている特定の図柄の組合せから「ARTの終了時であること」を再認識するため、主制御基板71は、状態制御手段、終了手段及び初期化手段として機能する。
<有利区間の任意リセット>
続いて、図160を参照して、パチスロ1における有利区間の任意リセット制御について説明する。通常区間と有利区間とを有し、有利区間として「ART」とART以外の状態(例えば「通常有利」)とを有するパチスロでは、「ART」の終了時に有利区間を終了し、通常区間に移行することが考えられる。しかしながら、通常区間中は、有利区間への移行確率を変更することが困難であるため、「ART」終了後(=有利区間の終了後)に引き戻しが期待できず、「ART」が終了したタイミングで遊技をやめ易くなり、遊技機の稼動が低下してしまう恐れがある。
この点、第3実施形態のパチスロ1では、「ART」の終了後に有利区間を終了せずに「通常有利」に移行可能にしているが(図138参照)、有利区間にはリミットがあるため、例えば、リミットの直前に「ART」が終了し、その後、有利区間のまま維持されてしまうと、仮に、「ART」の終了直後に「ART」に戻ることができたとしても、リミット処理により引き戻した「ART」は直ぐに終了してしまう。
そこで、図160(A)に示すように、パチスロ1では有利区間を遊技者が任意にリセット可能にしている。具体的には、主制御基板71は、遊技者がリセット操作を行うと有利区間を終了する。なお、主制御基板71がリセット操作を受け付ける方法は、任意であり、例えば、主制御基板71は、任意の操作部などの操作に伴い遊技者によるリセット操作を受け付けることができる。また、遊技者が有利区間をリセット可能なタイミングも、有利区間中の任意のタイミングであってよいが、以下に示す説明では、遊技者は「ART」の終了時に有利区間のリセット操作を行うことができるものとする。
同図に示すように、主制御基板71は、「ART」の終了時に遊技者からリセット操作を受け付けたか否かを判定する。リセット操作を受け付けた場合、主制御基板71は、有利区間を終了し、遊技状態を「ART」から通常区間に移行する。一方で、リセット操作を受け付けていない場合、主制御基板71は、有利区間を継続し、遊技状態を「ART」から有利区間の「通常有利」に移行する。
続いて、図160(B)は、本制御を好適に用いる場合の遊技状態の遷移フローの一例である。なお、それぞれの遊技状態の詳細は、これまでに説明したとおりであるため、省略する。また、それぞれの移行条件や移行確率は、本制御を用いた遊技性に関係あるものを除き、説明を省略する。
同図に示すように、主制御基板71は、(1)通常区間から有利区間の「ART」に遊技状態を移行することができる。なお、本制御は、「ART」の終了後に有利区間を終了せずに「通常有利」に移行可能としている点に特徴を有しているため、同図では通常区間から「ART」に直接移行する例のみ示しているが、これに限られるものではなく、通常区間から「通常有利」を経由して「ART」に移行するものであってもよい。
また、主制御基板71は、「ART」が終了すると、(2)遊技者からリセット操作を受け付けた場合には、遊技状態を「ART」から通常区間に移行し、(3)遊技者からリセット操作を受け付けていない場合には、遊技状態を「ART」から有利区間の「通常有利」に移行する。なお、主制御基板71がリセット操作を受け付けることと、遊技者がリセット操作を行うこととの対応関係は任意である。すなわち、遊技者が意図的な操作を行った場合に、主制御基板71がリセット操作を受け付けることとしてもよく、遊技者が何らの操作も行わない場合に、主制御基板71がリセット操作を受け付けることとしてもよい。
また、主制御基板71は、(4)「通常有利」から「ART」に遊技状態を移行させることができ、また、(5)「通常有利」から通常区間に遊技状態を移行させることができる。なお、同図に示すように、「ART」への移行期待度は、通常区間よりも「通常有利」の方が高い。言い換えると、通常区間において「ART」への移行条件(「ART」の開始条件)を満たす確率と、「通常有利」において「ART」への移行条件(「ART」の開始条件)を満たす確率とでは、後者の方が高い確率である。
このような本制御によれば、「ART」の終了後を「ART」引き戻しのチャンスゾーン(「通常有利」)とすることができ、「ART」終了後の稼動の低下を抑制することができる。また、「ART」終了時が有利区間のリミットに近いときには、遊技者は自らの意思で有利区間をクリアし、リミットまでの期間をリセットすることができる。その結果、遊技者にとってみれば、メリット・デメリットを考慮した上で、リセット操作を行うか否かの選択を行うことができるため、「ART」が終了した後の選択に戦略性を持たせることができ、遊技性の幅を広げることができる。
なお、「ART」終了後の「通常有利」は、最大で100ゲーム間継続することとし、この100ゲーム間のうちに「ART」に移行できなかった場合には、主制御基板71は、有利区間を終了し、遊技状態を通常区間に移行することとしてもよい。
[主制御基板及び副制御基板が有する各種機能]
以上のようなパチスロ1に特有の制御を実現するために、パチスロ1の主制御基板(主制御回路91,メインCPU93)及び副制御基板(副制御回路101,サブCPU102)は、次のような機能を有する。
主制御基板71は、有利区間中に消化したゲーム数がリミット閾値に達したことでリミット処理を行うとともに、「ART」の終了時に遊技者からのリセット操作を受け付けることができるため、主制御基板71は、操作受付手段として機能する。
また、主制御基板71は、「ART」への移行条件が満たされると、遊技状態を「ART」に移行するとともに、リセット操作を受け付けている場合には「ART」終了後に遊技状態を通常区間に移行し、リセット操作を受け付けていない場合には「ART」終了後に遊技状態を「通常有利」に移行するため、主制御基板71は、状態制御手段として機能する。
<有利区間を用いたゲーム数天井>
続いて、図161を参照して、パチスロ1における有利区間を用いたゲーム数天井について説明する。図161(A)は、本制御を好適に用いる場合の遊技状態の遷移フローの一例である。本制御においては、主制御基板71は、RT状態と報知に関する状態とを管理する。RT状態とは再遊技の作動に係る「リプレイ」の種類や「リプレイ」が内部当籤役として決定される確率が異なる状態であり、以下の説明では、「リプレイ」が内部当籤役として決定される確率が低い「低RT」と、「リプレイ」が内部当籤役として決定される確率が高い「高RT」とを有する。また、報知に関する状態とは遊技者に対して停止操作の態様を報知する確率が異なる状態であり、以下の説明では、通常区間と有利区間とを有する。なお、通常区間は、基本的には遊技者に対して停止操作の態様を報知しない状態であり、有利区間は、遊技者に対して停止操作の態様を報知可能であるものの、後述のようにゲーム数天井に到達するまでは停止操作の態様を報知しない状態である。
同図に示すように、主制御基板71は、(1)「低RT」において後述する“7揃いリプレイ”に係る図柄の組合せが有効ラインに沿って表示されると、「低RT」から「高RT」にRT状態を移行させる。また、主制御基板71は、(2)「高RT」において所定条件(任意の第1条件)を満たすと、「高RT」から「低RT」にRT状態を移行させる。なお、「高RT」から「低RT」への移行契機となる所定条件は、任意であり、例えば、ボーナスに係る役が内部当籤役として決定されることや、ボーナスの作動が行われることや、ボーナスの作動が終了することなどである。
また、主制御基板71は、(3)通常区間において特定条件(任意の第2条件)を満たすと、通常区間から有利区間に報知に関する状態を移行させる。なお、通常区間から有利区間への移行契機となる特定条件は、本制御には関係ないため詳細な説明を省略する。また、主制御基板71は、(4)有利区間において“7揃いリプレイ”に係る図柄の組合せが有効ラインに沿って表示されると、有利区間から通常区間に報知に関する状態を移行させる。また、主制御基板71は、有利区間に消化した1500回に達した場合にも、リミット処理を行い、有利区間から通常区間に報知に関する状態を移行させる。
このように本制御では、“7揃いリプレイ”に係る図柄の組合せが有効ラインに沿って表示されると、主制御基板71は、RT状態を「低RT」から「高RT」に移行させるとともに、報知に関する状態を有利区間から通常区間に移行させる。後述するように本制御では、有利区間中のRT状態を「低RT」とし、通常区間中のRT状態を「高RT」としている。そのため、有利区間(「低RT」)と通常区間(「高RT」)とを比較すると、通常区間の方が有利な状態となっている。
続いて、図161(B)は、本制御において用いる役構成と当該役に対応する図柄の組合せとの対応関係を示す図である。本制御では、有利区間中の報知対象となる役として「択数リプ」(「F_択数リプ_01」~「F_択数リプ_??」)を有する。なお、「択数リプ」は停止操作の態様に応じて停止表示される図柄の組合せが異なる役(リプレイ)であり、「択数リプ」ごとに正解となる態様で停止操作が行われた場合には“7揃いリプレイ”に係る図柄の組合せが有効ラインに沿って表示され、不正解となる態様で停止操作が行われた場合には“リプレイ”に係る図柄の組合せが有効ラインに沿って表示される。
有利区間(「低RT」)中は、ゲーム数天井に到達するまでは報知を行わないため、主制御基板71(及び副制御基板72)は、「択数リプ」が内部当籤役として決定されても、停止操作の態様を報知しない一方で、ゲーム数天井に到達した後は、主制御基板71(及び副制御基板72)は、「択数リプ」ごとに正解となる停止操作の態様を報知する。その結果、ゲーム数天井に到達した後は、「択数リプ」の当籤時に“7揃いリプレイ”に係る図柄の組合せが有効ラインに沿って表示され、通常区間(「高RT」)に移行することになる。なお、報知が行われない場合であっても遊技者が偶然に正解となる態様で停止操作を行うことがあり、この場合にも、“7揃いリプレイ”に係る図柄の組合せが有効ラインに沿って表示され、通常区間(「高RT」)に移行する。このようなケースを避けるため、「択数リプ」の択数はなるべく多くすることが好ましい。例えば、3つのリール3L,3C,3Rの押し順のみで択数を設けるときには、最大で6択にしかならないが、押し順に加えて狙うべき図柄も異ならせることで、択数を6択以上に増やすことができる。
続いて、図161(C)は、本制御における遊技の流れの概要を示す図である。同図に示すように、本制御では、有利区間中を「低RT」とし、この有利区間(「低RT」)中主制御基板71(及び副制御基板72)は、ゲーム数天井に到達するまで何らの報知も行わない。その後、有利区間(「低RT」)中にゲーム数天井に到達すると、主制御基板71(及び副制御基板72)は、報知を解禁し、その後、「択数リプ」が内部当籤役として決定されると、「択数リプ」ごとに正解となる停止操作の態様を報知する。これにより、“7揃いリプレイ”に係る図柄の組合せが有効ラインに沿って表示される結果、主制御基板71(及び副制御基板72)は、通常区間(「高RT」)に遊技状態を移行する。その後は、例えば、ボーナスに当籤するまで「高RT」のまま遊技が行われることになる。すなわち、本制御によれば、「低RT」(有利区間)の状態でボーナスに当籤することなく所定ゲーム数が経過すると、天井状態となり、その後、ボーナスに当籤するまでの遊技を「高RT」(通常区間)の状態で行うことができる。
なお、天井のゲーム数は、有利区間中に報知を行わない期間(ゲーム数)に応じて適宜設定することができる。そこで、主制御基板71は、通常区間から有利区間への移行時に、報知を行わない期間を抽籤により決定し、セットすることとしてもよい。これにより、有利区間中に報知を行わない期間がその都度変わることになり、結果、天井に到達するまでのゲーム数も変わることになる。また、図161に示す説明では、天井としてゲーム数天井を例にとり説明したが、天井の実現方法は任意であり、例えば、所定役が内部当籤役として決定された回数に応じて天井を実現することとしてもよい。具体的には、主制御基板71(及び副制御基板72)は、有利区間中に所定役が内部当籤役として決定された回数が所定回数に達するまでは報知を行わず、所定回数に達した後に報知を行うこととしてもよい。
[主制御基板及び副制御基板が有する各種機能]
以上のようなパチスロ1に特有の制御を実現するために、パチスロ1の主制御基板(主制御回路91,メインCPU93)及び副制御基板(副制御回路101,サブCPU102)は、次のような機能を有する。
パチスロ1は、複数の図柄が表面に描かれた複数のリール3L,3C,3Rと、リール3L,3C,3Rに対応して設けられ遊技者が停止可能な複数のストップボタン7L,7C,7Rを有し、主制御基板71は、スタートスイッチ6Sやストップスイッチ7Sと接続され、図1に示す遊技の進行を制御するため、主制御基板71は、遊技制御手段として機能する。
また、主制御基板71は、“7揃いリプレイ”に係る図柄の組合せが有効ラインに沿って表示されると、「低RT」から「高RT」にRT状態を移行させるとともに、有利区間から通常区間に報知に関する状態を移行させる。また、主制御基板71は、通常区間において所定の開始条件が満たされると、通常区間から有利区間に報知に関する状態を移行させるため、主制御基板71は、RT状態制御手段、状態終了手段、及び状態開始手段として機能する。
また、主制御基板71は、有利区間中に経過したゲーム数を計数しておき、この経過したゲーム数がゲーム数天井に応じた回数に達すると、「択数リプ」の当籤時に“7揃いリプレイ”に係る図柄の組合せを停止表示するために必要な停止操作の態様を報知するため、主制御基板71は、計数手段及び報知手段として機能する。また、主制御基板71は、有利区間の開始時にゲーム数天井に応じた回数(すなわち、有利区間中に報知を行わない期間)を決定可能であるため、主制御基板71は、所定値設定手段として機能する。
<有利区間を用いた遊技性>
続いて、図162を参照して、パチスロ1における有利区間を用いた新たな遊技性の実現方法について説明する。通常区間と有利区間とを有するパチスロでは、通常区間中は有利区間への移行確率を変更することが困難な一方で、有利区間中は様々な確率で抽籤を行うことができる。そこで、有利区間として「通常有利」と「ART」とを設け、「通常有利」から「ART」に移行可能にするとともに、通常区間から有利区間の「ART」に移行する確率と、「通常有利」から「ART」に移行する確率とを異ならせることで、「ART」への移行確率が異なる複数の状態を実現している(例えば、第3実施形態の「通常」と、通常有利中の通常モード“低確”“天国”など)。
ところで、有利区間には上限(リミット)が設けられていることから、「ART」への移行ルートとして、「通常有利」からの移行を主な移行ルートとしてしまうと、リミット処理が行われる場合に「通常有利」(有利区間)中の遊技分だけ遊技可能な「ART」の期間が損なわれてしまう。そこで、本制御では、通常区間から「ART」への移行を、「ART」への主な移行ルートとして設定し、リミット処理が行われる場合であっても、遊技可能な「ART」の期間を無駄にしてしまうことを防止する。
図162(A)は、本制御を好適に用いる場合の遊技状態の遷移フローの一例である。なお、それぞれの遊技状態の詳細は、これまでに説明したとおりであるため、省略する。また、それぞれの移行条件や移行確率は、本制御を用いた遊技性に関係あるものを除き、説明を省略する。
同図に示すように、主制御基板71は、(1)通常区間から有利区間の「通常有利」に遊技状態を移行することができ、また、(2)通常区間から有利区間の「ART」に遊技状態を移行することができる。また、主制御基板71は、(3)有利区間の「通常有利」から通常区間に遊技状態を移行することができ、また、(4)有利区間の「通常有利」から有利区間の「ART」に遊技状態を移行することができる。ここで、同図に示すように、「ART」への移行期待度は、「通常有利」よりも通常区間の方が高い。言い換えると、通常区間において「ART」への移行条件(「ART」の開始条件)を満たす確率と、「通常有利」において「ART」への移行条件(「ART」の開始条件)を満たす確率とでは、前者の方が高い確率である。
このように遊技状態を制御することで、図162(B)に示すように、非ART中は、「ART」への移行期待度が低い「通常有利」から、「ART」への移行期待度が高い通常区間を目指して遊技を行うことになる。言い換えると、非ART中は、如何にして有利区間(「通常有利」)を抜けて、通常区間に移行できるかという遊技性を有することになる。そして、「ART」へは通常区間から直接移行することになるため、本制御によれば、リミット処理を行う場合であっても、遊技可能な「ART」の期間を無駄にしてしまうことがない。
[主制御基板及び副制御基板が有する各種機能]
以上のようなパチスロ1に特有の制御を実現するために、パチスロ1の主制御基板(主制御回路91,メインCPU93)及び副制御基板(副制御回路101,サブCPU102)は、次のような機能を有する。
パチスロ1は、有利区間中に消化したゲーム数がリミット閾値に達したことでリミット処理を行うとともに、主制御基板71は、スタートスイッチ6Sやストップスイッチ7Sと接続され、図1に示す遊技の進行を制御するため、主制御基板71は、遊技制御手段として機能する。
また、主制御基板71は、通常区間において第1条件を満たすと、遊技状態を「通常有利」に移行し、通常区間において第2条件を満たすと、遊技状態を「ART」に移行し、「通常有利」において第3条件を満たすと、遊技状態を通常区間に移行し、「通常有利」において第4条件を満たすと、遊技状態を「ART」に移行する。そして、主制御基板71は、「通常有利」からよりも通常区間からの方が「ART」に移行し易いため、主制御基板71は、状態制御手段として機能する。
<通常区間中の設定差なしのボーナス役を用いた遊技性>
続いて、図163を参照して、パチスロ1における通常区間中の設定差なしのボーナス役を用いた制御について説明する。有利区間を有するパチスロでは、ボーナス役を契機として様々な特典を付与することができ、例えば、有利区間中にボーナス役が内部当籤役として決定され、その後、ボーナスの作動が行われると、主制御基板71は、ボーナスの作動時に特典を付与することができる(共通処理)。この有利区間中のボーナス作動に伴う特典の付与は、複数のボーナス役に共通して行うことができ、また、内部当籤役として決定される確率に設定差があるボーナス役であっても、ボーナスの作動時に特典を付与することができる。なお、共通処理は、有利区間中のボーナス作動時に行うものであるが、ボーナスの作動は、ボーナス役が内部当籤役として決定されないと行われないため、共通処理は、「ボーナス役が内部当籤役として決定されると」行われる処理であるともいえる。
また、通常区間中にボーナス役が内部当籤役として決定された場合、主制御基板71は、特典を付与することができる(通常処理)。この通常区間中のボーナス当籤に伴う特典の付与は、複数のボーナス役のそれぞれにおいて個別に行うことができるものの、内部当籤役として決定される確率に設定差があるボーナス役については行うことができず、設定差のないボーナス役の当籤時にのみ行うことができる。
本制御では、このような通常処理と共通処理との差異を用いて以下に示すような遊技性を実現する。初めに、図163(A)を参照して、本制御において好適に用いることができるボーナス役の構成について説明する。同図に示すような本制御では、ボーナスとしてBB1及びBB2を設け、これらのボーナスを他の役とともに重複して内部当籤役として決定可能にしている。具体的には、本制御では、BB1が単独で当籤する「F_BB1」という役と、BB2が単独で当籤する「F_BB2」という役と、BB2が特殊役とともに重複して当籤する「F_BB2+特殊役」という役とを有する。そして、「F_BB1」については内部当籤役として決定される確率に設定差がないように設定し、「F_BB1」については内部当籤役として決定される確率に設定差があるように設定し、「F_BB2+特殊役」については内部当籤役として決定される確率に設定差がないように設定する。
このようなボーナス役の構成において、有利区間中は、「F_BB1」、「F_BB2」、「F_BB2+特殊役」の何れが内部当籤役として決定された場合であっても(その後のボーナスの作動時に)、主制御基板71は共通処理を行う。その結果、有利区間中は、主制御基板71は、ボーナス役の種類(「F_BB1」、「F_BB2」、「F_BB2+特殊役」)に関わらず共通の特典を付与することになる。
これに対して、通常区間中は、主制御基板71は、内部当籤役として決定されたボーナス役の種類に応じて固有の処理(通常処理)を行うことができ、主制御基板71は、例えば、通常区間中に「F_BB1」が内部当籤役として決定されると、「F_BB1」に固有の処理(通常処理)を行い、また、通常区間中に「F_BB2+特殊役」が内部当籤役として決定されると、「F_BB2+特殊役」に固有の処理(通常処理)を行う。一方で、通常区間中に「F_BB2」が内部当籤役として決定されても、「F_BB2」は設定差があるボーナス役であるため、何らの処理も行わない。その結果、通常区間中は、主制御基板71は、ボーナス役の種類(「F_BB1」、「F_BB2」、「F_BB2+特殊役」)に応じて固有の特典を付与することになる。
本制御では、このような有利区間中の共通処理による共通の特典と、通常区間中の通常処理(固有の処理)による固有の特典とに差を設けることで、本制御特有の遊技性を実現する。一例として、図163(A)に示すように、「F_BB2+特殊役」が内部当籤役として決定される確率を、他のボーナス役に比べて低い確率とする一方で、通常区間中の「F_BB2+特殊役」に基づく固有の特典を、有利区間中の共通処理に基づく共通の特典よりも大きくする。より具体的には、「F_BB2+特殊役」は、いわゆるプレミアムなボーナス役とし(例えば、設定1~6共通の約1/16384で当籤)、通常区間中に内部当籤役として決定された場合には、プレミア役に応じた非常に大きな特典を付与する。一方で、有利区間中に内部当籤役として決定された場合には、他のボーナス役と共通の特典を付与する。
このようにすることで、本制御によれば、通常区間中をプレミアムな特典を受けることが可能な期間とすることができ、反対に、有利区間中をプレミアムな特典を受けることができない期間とすることができる。通常区間と有利区間とを有するパチスロでは、有利区間中に状態表示器147bが点灯し、有利区間に滞在中であることを告知することとしている。遊技者にとってみれば、状態表示器147bの点灯状態から有利区間中であるか否かを明確に把握できてしまうため、有利区間中ではない場合(通常区間中)に遊技の稼動が低下してしまう可能性がある。この点、本制御によれば、有利区間中ではない場合にプレミアムな特典を受けることができるため、状態表示器147bの点灯状態から通常区間中であることが分かったとしても、遊技の稼動が低下してしまうことを抑制することができる。
なお、本制御では、有利区間中に「F_BB2+特殊役」が内部当籤役として決定された場合、共通処理に基づく小さな特典しか付与されないため、遊技者が引き損を感じてしまう可能性がある。そこで、主制御基板71は、「F_BB2」が内部当籤役として決定された場合と、「F_BB2+特殊役」が内部当籤役として決定された場合とで、基本的に共通の図柄の組合せが有効ラインに沿って表示されるように停止制御を行う。具体的には、図163(C)に示すように、“第1の操作態様”で停止操作が行われた場合、主制御基板71は、「F_BB2」が内部当籤役として決定された場合であっても、「F_BB2+特殊役」が内部当籤役として決定された場合であっても共通の図柄の組合せが有効ラインに沿って表示されるように停止制御を行う。一方で、“第2の操作態様”で停止操作が行われた場合には、主制御基板71は、「F_BB2」が内部当籤役として決定された場合であっても、「F_BB2+特殊役」が内部当籤役として決定された場合とで異なる図柄の組合せ(例えば、「F_BB2」の当籤時にはハズレの図柄の組合せ、「F_BB2+特殊役」の当籤時には「特殊役」に応じた図柄の組合せ)が有効ラインに沿って表示されるように停止制御を行う。
このとき、共通の図柄の組合せが表示される“第1の操作態様”は、停止操作のタイミングが、「特殊役」以外の取りこぼしが発生する(引込1ではない)小役を取りこぼすことのないタイミング(いわゆる「小役回収打法」)であることが好ましい。より好ましくは、個別の図柄の組合せが表示される“第2の操作態様”は、停止操作のタイミングが、「特殊役」以外の取りこぼしが発生する小役を取りこぼすタイミングである。また、更に好ましくは、「特殊役」に対応する図柄の組合せが有効ラインに沿って表示されたときに払い出されるメダルの枚数は、「特殊役」以外の取りこぼしが発生する小役に対応する図柄の組合せが有効ラインに沿って表示されたときに払い出されるメダルの枚数よりも少ない。
このようにすることで、“第1の操作態様(小役回収打法)”で遊技を行っている限り、表示された図柄の組合せからでは「F_BB2」が内部当籤役として決定されたのか、「F_BB2+特殊役」が内部当籤役として決定されたのかを判別することができないため、引き損を感じることがない。なお、図163に示す例では、「F_BB2」と「F_BB2+特殊役」という役構成を有しているが、これに限られるものではない。すなわち、本制御は、ボーナス役(BB2)が共通しつつ、当該ボーナス役と重複して当籤する役の種類が異なっていればよい。
[主制御基板及び副制御基板が有する各種機能]
以上のようなパチスロ1に特有の制御を実現するために、パチスロ1の主制御基板(主制御回路91,メインCPU93)及び副制御基板(副制御回路101,サブCPU102)は、次のような機能を有する。
パチスロ1は、複数の図柄が表面に描かれた複数のリール3L,3C,3Rと、リール3L,3C,3Rに対応して設けられ遊技者が停止可能な複数のストップボタン7L,7C,7Rを有し、主制御基板71は、スタートスイッチ6Sやストップスイッチ7Sと接続され、図1に示す遊技の進行を制御するため、主制御基板71は、変動制御手段、内部当籤役決定手段及び停止制御手段として機能する。
また、主制御基板71は、有利区間においてボーナス役が内部当籤役として決定されると、決定されたボーナス役の種別に関わらず共通の特典を付与する共通処理を実行するとともに、通常区間において「F_BB2+特殊役」が内部当籤役として決定されると、プレミアムな特典を付与するため、共通処理手段及び個別処理手段として機能する。
[変形例]
続いて、図164~図173を参照して、本発明に係るパチスロ1の変形例について説明する。
<有利区間の移行抽籤に関する別制御>
初めに、図164~図167を参照して、有利区間の移行抽籤に関する変形例について説明する。図164(A)は、通常区間中の遊技状態ごとに、有利区間への移行抽籤に当籤する確率(有利区間移行確率(=P(X)))を示す。なお、図164における参照項目「役物非作動時」とは、役物(第一種特別役物など)が作動していない状態である。また、「役物非作動時の一般中(以下、「一般中」)」とは、役物が作動していない状態、かつ、ボーナス役が内部当籤役として決定されていない状態である。また、「役物非作動時の内部中(以下、「内部中」)」とは、役物が作動していない状態、かつ、ボーナス役が内部当籤役として決定されている状態(フラグ間)である。また、「役物非作動時のBB一般中(以下、「BB一般中」)」とは、ボーナス状態中であるものの、役物が作動していない状態である。また、参照項目「役物作動時」とは、役物が作動している状態である。また、「役物作動時のRB作動中(以下、「RB作動中」)」とは、役物のうち第一種特別役物(RB)が作動している状態である。また、「役物作動時のCB作動中(以下、「CB作動中」)」とは、役物のうち第二種特別役物(CB)が作動している状態である。
パチスロ1において主制御基板71は、有利区間への移行抽籤を行うことができるが、有利区間移行確率が一律であることを担保する必要がある。そのため、この移行抽籤は、内部当籤役(リプレイを除く)を決定するための内部抽籤に用いる抽籤値が、遊技状態により変動する場合は、「一般中」を除いて行うことができない。図164(A)における原則パターンは、有利区間移行確率が遊技状態により変動するパターンを示している。このような原則パターンでは、図164(B)に示すように、主制御基板71は、「一般中」においてのみ有利区間への移行抽籤を行うことができ、その他の場合には行うことができない。
ここで、有利区間移行確率が一律であることを担保できればよいため、「一般中」と、内部当籤役を決定するための内部抽籤に用いる抽籤値が共通の場合には、一律性の担保ができているため、主制御基板71は、例外的に有利区間への移行抽籤を行うことができる。
一例として、同図における例外パターン1は、小役(払出のある入賞役)及びRT状態の変動でも当籤確率が変化しないリプレイ(以下、「有利区間抽籤対象役」)に関する内部抽籤に用いる抽籤値が、「一般中」と「内部中」と「BB一般中」とにおいて共通(言い換えると、有利区間抽籤対象役の当籤確率が共通)の場合を示す。この例外パターン1の場合、主制御基板71は、図164(B)に示すように、「内部中」及び「BB一般中」も「一般中」と同じく有利区間への移行抽籤を行うことができる。
また、同図における例外パターン2は、「RB作動中」も「一般中」「内部中」「BB一般中」と有利区間抽籤対象役の当籤確率が共通の場合を示す。この例外パターン2の場合、主制御基板71は、図164(B)に示すように、「内部中」「BB一般中」「RB作動中」も「一般中」と同じく有利区間への移行抽籤を行うことができる。
また、同図における例外パターン3は、「CB作動中」も「一般中」「内部中」「BB一般中」「RB作動中」と有利区間抽籤対象役の当籤確率が共通の場合を示す。この例外パターン3の場合、主制御基板71は、図164(B)に示すように、「内部中」「BB一般中」「RB作動中」「CB作動中」も「一般中」と同じく有利区間への移行抽籤を行うことができる。
なお、「内部中」「RB作動中」「BB一般中」「CB作動中」は、パチスロの仕様により設けられ、パチスロの仕様によっては部分的にない場合もある。一例として、BB(第一種特別役物に係る連続作動装置)及びRB(第一種特別役物)を非搭載で、CB(第二種特別役物)を搭載(MB(第二種特別役物に係る連続差動装置)を含んでもよい)しているパチスロや、BBやRBを搭載しているものの「BB一般中」や「RB作動中」には有利区間への移行抽籤をせずに、「CB作動中」に有利区間への移行抽籤をパチスロにおいては、主制御基板71は、図164(B)の例外パターン4に示すように、「一般中」と「内部中」と「CB作動中」とにおいて有利区間への移行抽籤を行うことができる。
なお、主制御基板71は、内部当籤役として決定される確率に設定差のない役(設定不問役)だけでなく、設定差のある役(設定差役)に基づいて有利区間への移行抽籤を行うこととしてもよい。また、主制御基板71は、有利区間への移行抽籤を、設定値に関わらず当籤する確率が同一の確率で行うこととしてもよく、設定値に応じて異なる確率で行うこととしてもよい。
ここで、図165は、設定不問役及び設定差役の双方に基づいて有利区間への移行抽籤を行うとともに、有利区間への移行抽籤を、設定値に関わらず当籤する確率が同一の確率で行う場合に好適に用いられる有利区間への移行抽籤テーブルの一例である。
主制御基板71は、原則として、「役物非作動時」の「一般中」にのみ有利区間への移行抽籤を行う。例外として、「一般中」以外の状態においても、「一般中」と同じくじの構成を用いる場合に限り、有利区間への移行抽籤の結果が一律であることを担保できるものとし、有利区間への移行抽籤を行うことができる。例えば、同図の例では「リプレイ1」「チェリー」「スイカ1」「スイカ2」「押し順ベル1」~「押し順ベル6」の内部当籤確率が「BB一般中」「RB作動中」も「一般中」と同様であれば、「一般中」と同様に有利区間への移行抽籤を行ってよい。なお、「BB一般中」「RB作動中」などボーナス状態中に再遊技が当籤しない仕様とする場合は、「一般中」の再遊技当籤時の有利区間への移行抽籤を行わない(抽籤処理自体の対象から外すものでも、抽籤処理を行うものの抽籤値を「0」とするものでもよい)ものとすれば一律性を担保できる。
同図において「リプレイ1」は、RT状態が変動しても当籤確率が変わらない再遊技役であり、「リプレイ2」は、RT状態が変動すると当籤確率も変わる再遊技役である。(注1)に示すように、「リプレイ2」に基づいて有利区間への移行抽籤を行ってしまうと、RT状態に応じて有利区間移行確率が異なり、一律性が確保できないため、主制御基板71は、「リプレイ2」に当籤した場合であっても有利区間への移行抽籤を行わない。他方、「リプレイ1」は一律性が担保できるため、主制御基板71は、「リプレイ1」に当籤した場合には有利区間への移行抽籤を行うことができる。なお、RT状態などにおいて当籤確率が異なるリプレイであっても、主制御基板71は、RT状態が非作動の再遊技確率非変動状態(RT0)中のみ有利区間への移行抽籤を行うこととしてもよい。
また、同図において「チェリー」は、単独で内部当籤役として決定されることもあれば「チェリー(No.3)」、BB1とともに内部当籤役として決定さえることもある「BB1+チェリー(No.11)」。この場合、参照くじはどちらも「チェリー」であるため、(注2)に示すように、主制御基板71は、「チェリー」に紐づいた移行抽籤の抽籤値を用いて、有利区間への移行抽籤を行う。
一方で、スイカに関しては、「スイカ1(No.4)」と「BB2+スイカ2(No.12)」とでは、参照くじは「スイカ1」と「スイカ2」とで異なる。そのため、(注3)に示すように、主制御基板71は、それぞれにおいて異なる抽籤値を用いて、有利区間への移行抽籤を行うことができる。
また、「RB(No.13)」のように単独で内部当籤役として決定されるボーナス役は、「内部中」「BB一般中」「RB作動中」「CB作動中」において、内部当籤役として決定される確率が「一般中」から変動する。そのため、(注4)に示すように、主制御基板71は、単独で内部当籤役として決定される「RB」に当籤した場合であっても有利区間への移行抽籤を行わない。
続いて、図166は、設定不問役及び設定差役の双方に基づいて有利区間への移行抽籤を行うとともに、有利区間への移行抽籤を、設定値に応じて異なる確率で行う場合に好適に用いられる有利区間への移行抽籤テーブルの一例である。
同図に示すように、主制御基板71は、有利区間への移行抽籤を設定値に応じて異なる確率で行うこととしてもよい。なお、有利区間への移行抽籤に設定差を設ける方法は任意であり、例えば、「リプレイ1」のように全ての設定値において有利区間への移行抽籤の当籤確率を異ならせることとしてもよく、また、「押し順ベル1」~「押し順ベル6」のように一部の設定値において共通することとしてもよい。また、「チェリー」のように内部当籤役として決定される確率が異なる役についても、有利区間への移行抽籤を設定値に応じて異なる確率で行うこととしてもよい。また、「スイカ2」のように、全ての設定値において有利区間への移行抽籤の当籤確率を共通としてもよい。また、「押し順ベル1」~「押し順ベル6」では、「押し順ベル1」における有利区間への移行抽籤の当籤確率~「押し順ベル6」における有利区間への移行抽籤の当籤確率を共通としているが、「押し順ベル」の種別により当籤確率を異ならせることとしてもよい。
続いて、図167は、本変形例における役物割合の算出方法を示す図である。図167(A)は、遊技者に対して有利な停止操作の態様を報知(指示)する指示機能(AT)がない機種における役物割合の算出方法である。このような機種の場合、主制御基板71は、全ての遊技状態において払い出されたメダルの総数(=X+Y)に対して、いずれかの役物が作動中(ボーナス作動中)に払い出されたメダルの総数(=X)が占める割合を役物割合として算出する。
また、図167(B)は、指示機能を有する機種における役物割合の第1の算出方法であり、図167(C)は、指示機能を有する機種における役物割合の第2の算出方法である。指示機能を有する場合、遊技者に払い出されるメダルは、(X)ボーナス作動中に払い出されるメダル、(Y)ボーナス作動中以外の状態における指示機能の作動中に払い出されるメダル、(Z)ボーナスも指示機能も作動しない状態に払い出されるメダル、に分けることができる。
図167(B)に示すように、第1の算出方法では主制御基板71は、全ての遊技状態において払い出されたメダルの総数(=X+Y+Z)に対して、ボーナス作動中に払い出されたメダルの総数(=X)が占める割合を、役物割合として算出する。また、図167(C)に示すように、第2の算出方法では主制御基板71は、全ての遊技状態において払い出されたメダルの総数(=X+Y+Z)に対して、ボーナス作動中に払い出されたメダルの総数と、ボーナス作動中以外の状態における指示機能の作動中に払い出されるメダルの総数との和(=X+Y)が占める割合を、役物割合として算出する。
指示機能を有する機種では、第1の算出方法を用いて役物割合を算出することとしてもよく、第2の算出方法を用いて役物割合を算出することとしてもよい。なお、第2の算出方法を用いることで、ボーナスを不正に作動させるゴトだけでなく、指示機能を不正に作動させるゴト行為が行われた場合でも察知がしやすくなり、セキュリティ性を高めることができる。なお、第1の算出方法と第2の算出方法とを手動で又は時間経過などで自動的に切り換えて確認できるものとしてもよい。
また、有利区間への移行抽籤の方法に応じて、役物割合を算出する方法を異ならせることとしてもよい。例えば、主制御基板71は、図165のように有利区間への移行抽籤を設定値に関わらず当籤する確率が同一の確率で行う場合には、第1の算出方法で役物割合を算出し、割合表示器422に表示することとしてもよい。また、例えば、主制御基板71は、図166のように有利区間への移行抽籤を設定値に応じて異なる確率で行う場合には、第1の算出方法及び第2の算出方法で役物割合を算出し、両方を割合表示器422に表示することとしてもよい。
なお、割合表示器422で表示する項目が多すぎると、メイン(主制御基板71)側の計算の負荷が大きくなるため、第2の算出方法で算出した役物割合を表示する場合には、特定区間割合(有利区間比率(=全体のゲーム数のうち、有利区間に滞在したゲーム数の比率を示す値))を表示しないこととしてもよい。
また、(Y)ボーナス作動中以外の状態における指示機能の作動中に払い出されるメダル、の算出方法は任意である。例えば、実際の払出枚数から乖離しないように、主制御基板71は、実際に払い出されたメダルの枚数を算出用の払出枚数カウンタに加算するものとしてもよい。この場合、指示(ナビ)と異なる停止操作の結果、打順役(押し順役)を取りこぼした場合には、払出枚数のカウンタの値は維持されるか、+0枚の処理がされて値が変化しない。一方で、主制御基板71は、指示(ナビ)が行われた場合には、打順役に応じたメダルが払い出されたものとして、指示機能の作動中に払い出されるメダルを算出することとしてもよい。この場合には、主制御基板71は、打順役が内部当籤役として決定された時点で、払出枚数のカウンタの値を打順役に応じたメダル枚数分だけ更新すればよい。これにより、遊技者の偶発的な操作ミスに左右されない遊技機の挙動を把握することができる。
また、(Y)の払出枚数を算出するメダルは、指示機能の作動中に払い出されたメダルであってもよく、また、指示機能が発動されたことに応じて払い出されたメダルであってもよい。ここで、パチスロではART中(指示機能の作動中)に、停止操作の態様によって遊技の結果(例えば、払い出されるメダルの枚数)が異なる役(例えば、押し順ベル(打順ベル))が内部当籤役として決定されると遊技者に対して有利な停止操作の態様を報知する一方で、停止操作の態様に関わらず遊技の結果が異なる役(例えば、スイカ、チェリーなどの所謂レア役)が内部当籤役として決定された場合には報知の必要がないため、遊技者に対して停止操作の態様を報知しない。
(Y)の払出枚数を前者(指示機能の作動中に払い出されたメダル)から算出する場合、主制御基板71は、報知の有無に関係なくART中(指示機能の作動中)に払い出された全てのメダル(例えば、レア役に伴い払い出されたメダルも含む)を用い、(Y)の払出枚数を算出する。一方で、(Y)の払出枚数を後者(指示機能が発動されたことに応じて払い出されたメダル)から算出する場合、主制御基板71は、報知の結果としてART中(指示機能の作動中)に払い出されたメダルのみを(Y)の払出枚数を算出し、報知することなく払い出されたメダルについては(Z)の払出枚数の算出に用いる。
また、後者の場合には、主制御基板71は、以下のような制御を行うこととしてもよい。
上述したように、指示機能の作動中は、停止操作の態様に応じて異なる図柄の組合せが表示される役が内部当籤役として決定された場合に、遊技者にとって有利な停止操作の態様を報知する。このような指示機能により報知する対象の役として、例えば、押し順正解時に所定の図柄の組合せ(ベル-ベル-ベル)が表示され、押し順不正解時に特定の図柄の組合せ(ベルこぼし目)が表示される役(押し順ベル(打順ベル))があるが、パチスロによっては、停止操作の態様に関係なく(引込1)所定の図柄の組合せ(ベル-ベル-ベル)が表示される役(共通ベル)を設けることもある。このような「共通ベル」は、遊技者に対して停止操作の態様を報知する必要はないものの、所定の図柄の組合せが表示されたときに当籤した役が「押し順ベル」であるのか「共通ベル」であるのかを、報知の有無から把握できてしまうため、主制御基板71及び(又は)副制御基板72は、「共通ベル」が内部当籤役として決定された場合であっても、演出的に押し順の報知を行うこともできる。
ここで、「共通ベル」当籤時の押し順の報知は、演出的なものであり、遊技の結果(払い出されるメダルの枚数)に影響しない。そのため、(Y)の払出枚数を後者から算出する場合、「共通ベル」により払い出されたメダルの枚数を(Y)の払出枚数に含める必要はないが、主制御基板71は、「共通ベル」により払い出されたメダルの枚数を(Y)の払出枚数に含めることとしてもよく、含めないこととしてもよい。
「共通ベル」により払い出されたメダルの枚数を(Y)の払出枚数に含める場合、指示機能の発動(報知ランプ147aの点灯)時に払出枚数を計数するカウンタを画一的に加算することで、処理を画一的に行えるため、メイン(主制御基板71)側のプログラム容量を削減することができる。
なお、「共通ベル」当籤時の押し順の報知は、主制御基板71が報知ランプ147aを用いて行うこともできるが、副制御基板72が表示ユニット100を用いて行うこともでき、また、主制御基板71及び副制御基板72の双方において行うこともできる。ここで、「共通ベル」当籤時の押し順の報知を副制御基板72のみが行い、主制御基板71が行わない場合には、指示機能は発動していないとして、「共通ベル」により払い出されたメダルの枚数を(Y)の払出枚数に含めないこととしてもよい。
また、主制御基板71は、役物割合が所定値(70%)に近い所定の閾値以上(例えば、60%)である場合には、「共通ベル」などの引込1の役の当籤時に指示機能の発動(報知ランプ147aの点灯)を低下させる、又は発動しないようにするなどの抑制処理を行い、役物割合が所定の閾値未満(例えば、60%未満)である場合には、引込1の役の当籤時に指示機能の発動を許容するというように、役物割合に応じて、引込1の役の当籤時に指示機能の発動頻度に変化をつけるものとしてもよい。
<有利区間の別構成例>
ここまでの実施例及び仕様例では、有利区間はあくまで1つの有利区間という概念を前提として、その中で打順役の指示(ナビ)が発生しやすい状態、発生しにくい状態などを工夫することで出玉設計の白由度を高めつつ、遊技の興趣高める発明について説明をしてきた。ここからは、有利区間の概念をさらに細分化させることで、ゲーム性を整理し、
開発の効率を高めることも考えられる。以下、一例として、図168に示すように、有利区間のうち、出玉が増加しにくい区間を「演出区間」、概ね出玉が増加しやすい区間を「増加区間」と定義する案について説明する。
まず、前提として各区間を以下のように定義する。
通常区間:出玉率が1を超えない区間(指示の発生は任意)であり、演出区間もしくは増加区間への移行割合が一の割合で定められている区間。
演出区間:出玉率が1を超えない区間(指示の発生は任意)であり、他の演出区間もしくは増加区間への移行割合が通常区間と共通であるが、移行先(指示機能に係る処理の内容)が異なる区間。有利区間に含まれる。なお、上述の説明における「通常有利」を本案のように演出区間として定義した遊技性としてもよい。
増加区間:押しなべて遊技メダルが増加する区間(常時出玉率が1を超えるわけではない)であり、通常区間及び演出区間とは異なり、増加区間においてあらかじめ定められている増加区間の状態ごとに指示機能に係る処理を自由に行うことができる区間。有利区間に含まれる。
この定義を前提として、有利区間ランプについては、演出区間又は増加区間に当籤し、かつ、出玉率が1を超える状態になったときに点灯させ、初期化するときに消灯させるものとするとよい。このようにすることで、有利区間ランプが点灯しているのに、メダルが増えないという状況が生じなくなるため、少なくともメダルが増加することで遊技者にとって分かりやすい仕様の遊技機となる。
また、増加区間を終了させる際には、指示機能に係る性能に関するパラメータを初期化し、通常区間に移行させることで、遊技者間の公平性も担保することができる。そして、前述の「ART」終了時の有利区間継続抽籤で当籤した場合のように、増加区間後に演出区間に移行して、「ART」の連荘を期待させる遊技状態では、出玉が減る状態であっても有利区間ランプが点灯状態を維持して、“当り”が連続する可能性がある状態で遊技者が遊技を止めないようにとの観点から配慮した仕様としてもよい。
他の演出区間もしくは増加区間への移行割合(当籤確率)が同じで、移行先(指示機能に係る処理の内容)が異なるとは、一例として以下のような遊技仕様を指すものである。
1:通常区間での有利区間移行抽籤
有利区間移行抽籤の当籤確率:1/100
移行先振分 演出区間(CZ)75% 増加区間(ART)25%
移行発生確率 演出区間(CZ)約1/133 増加区間(ART)約1/400
1:演出区間(CZ)での有利区間移行抽籤
有利区間移行抽籤の当籤確率:1/100 この当籤確率1/100が共通であり移行割合が同一となる。
移行先振分 演出区間(上位CZ)10% 増加区間(ART)90%
移行発生確率 演出区間(上位CZ)約1/1000 増加区間(ART)約1/111
このように、移行先の振り分けを変化させることにより、有利区間抽籤の当籤係数は同じ値を参照としつつ、有利区間のうち、「ART」のようにメダルが増加する増加区間へ移行させるか、「通常有利」や「SCZ」のように、メダルの増加はあまり期待できないもののART当籤のチャンス状態とするかという振り分けに幅を持たせることができ、全体的な処理のフローをシンプルなものとしつつ、多彩な遊技状態の遷移バリエーションを創出することができる。
なお、演出区間はあまりに長いと、メダルの増加が期待できない状態で過度に遊技者に遊技を強制することとなり、遊技者に不快感を与えるおそれがあるため、例えば16ゲーム以下とする、又は32ゲームとするなど一定のゲーム数を上限として設定してもよい。また、消費したメダルが所定枚数(例えば50枚)に達した場合や、打順ベルの成立回数が所定回数(例えば8回)となった場合など遊技者を過度に拘束しない指標として機能するゲーム数以外のパラメータを参照して演出区間の終了条件としてもよい。
前述の実施例では、設定差のない内部当籤役に基づいて有利区間移行抽籤を行っていたが、本変形例では、設定差のある内部当籤役が決定されたことに基づいて有利区間移行抽籤を行うものとしている。この場合でも、あくまで有利区間関連の抽籤テーブル自体には設定差がない全設定共通の抽籤テーブルを参照することとして、内部当籤役の当籤確率の差に基づいて出玉率の差やART発生率に差を創出することとする。これにより、有利区間関連の抽籤テーブル自体の容量を増大させずに、出玉率の差やART発生率に差を創出することができる。
ボーナス作動中に「演出区間」に当籤した場合は、有利区間かつ演出区間かつボーナス作動により遊技メダルの増加が期待できる状態のため、有利区間ランプを点灯させることが望ましい。ボーナス作動中が消化作業ならずに、有利区間ランプに注目しつつ遊技を楽しむことができる。なお、この場合、ボーナス後に一旦演出区間(CZなど)に移行する場合は、ボーナス終了を契機として有利区間ランプを消灯させるものとする。ボーナス後に増加区間(ARTなど)に移行する場合は、そのまま有利区間ランプを点灯させ続けるものとするとよい。
RTを高RTへ移行させるいわゆるART準備中においては、必ずしも出玉率が1を超える状態ではないものの、遊技者にとって非常に有利なARTに移行する権利が既に付与されていることを確定的に報知することにより、うっかりARTの権利を残したまま遊技をやめてしまうといった事態を抑制することができる。
なお、内部当籤役だけでなく、メインリールの有効ライン上の表示出目(図柄組合せ、入賞結果、結果表示ともいう)に基づいて有利区間関連の抽籤や判定を行ってもよい。例えば、目押しタイミングにより3枚役と1枚役のいずれかを入賞させ得る内部当籤役Aがある。この場合に、3枚役が入賞した場合は、有利区間関連抽籤を行わない、又は1枚役が入賞した場合よりも不利な条件で行う、1枚役が入賞した場合は、有利区間関連抽籤を3枚役が入賞した場合よりも有利な条件で行うものとして、遊技者に対して意図的に目押しで3枚役の入賞を回避する打法を推奨することで、通常時のベースが低い打ち方を選択した遊技者には、ARTが当籤しやすいといった仕様とすることができる。
このような仕様とすることにより、通常時に3枚役を目押ししてあまりメダルを減らさない代わりにARTに当籤しにくいゲーム性にて長時間遊技を楽しむか、通常時に1枚役を目押ししてメダルの減る速度が速い代わりにARTに当籤しやすいという短時間向きの遊技性で楽しむか遊技者が任意に選択することができ、遊技性の幅が広がることとなる。
なお、あくまで上記は一例であり、1枚役など少ない払出枚数の入賞を条件とするものに限らず、目押しにより有利度合いの低いRTへ移行するRT移行出目(小役こぼし目や転落リプレイ)を表示させたり、小役を取りこぼしたりした場合に有利区間関連抽籤を、有利な表示結果を導出させた場合に比べて良い条件で行うものとしてもよい。
この思想を整理すると、停止操作態様により表示結果が異なる所定の内部当籤役が決定された場合に、遊技価値(メダル)の付与又はRTの遷移あるいはボーナスの作動などに入賞判定による恩恵に関して最も有利ではない表示結果を導出したことに基づいて所定の有利区間関連抽籤を行う、又は有利区間関連抽籤の抽籤内容が入費判定による恩恵について最も有利な表示結果が導出された場合よりも有利な内容で行われるものとなると、表現することができる。
一部のボーナス作動中をメダルが実質的に減るように内部当籤役を重複させて決定させることで、ボーナス中を減る状態した分、ART中の1ゲームあたりの増加枚数を3枚程度に増やす手法ないし、ボーナス作動中は無純増役のみが成立して純増0枚のボーナスとなることで、遊技機型式試験においてボーナスを利用して、ART中の増加速度の速さを相殺して適合させる仕様も考えられる。また、ボーナス内部中で有利区間関連抽籤を行うものとして、通常区間、演出区間、有利区間もボーナス内部中RTに滞在し、小役確率を高めることでボーナスが極めて入賞しにくいというボーナスを封じ込めるような仕様を、変形例に合わせて採用し、遊技者や遊技場の希望が高い適切な出玉速度の遊技機を提供するようにしてもよい。
なお、出玉速度が速くなると射幸性が高いと感じる遊技者もいるため、リミッタゲーム数を1500ゲームから1200ゲームなど短くして適切に射幸性を抑制して、いわゆるのめり込みを防止すべきとの観点から配慮してもよい。
また、リミッタの発動条件となるゲーム数については、演出区間を含む有利区間の開始からカウントを始めても、増加区間の開始からカウントを始めてもよい。また、一日の遊技のうちで、客側から見て一番マイナスの大きい時点の差枚数を起点として、そこから3000枚メダルが増加した場合にリミッタを発動させるなど、当該有利区間以外の差枚数などの状況を参照して、ゲーム数以外の要素に応じたリミッタで射幸性を抑制してもよい。
また、他の演出区間もしくは増加区間への移行割合(当籤確率)が同じで、移行先(指示機能に係る処理の内容)が異なる例として、図169に示す遊技仕様を用いることとしてもよい。
具体的には、図169(A)は、有利区間への移行抽籤に用いる移行抽籤テーブルの例を示す。同図に示すように、移行抽籤テーブルには、参照項目(内部当籤役)ごとに抽籤結果についての抽籤値の情報が規定されている。ここで、抽籤結果として、当籤時に行うべき処理(当籤処理)を規定している点にある。この当籤処理は、図169(B)に示す通り、当該当籤処理が決定された際に滞在している状態に応じて異なり、例えば、「当籤処理1」が決定された場合であっても、滞在している状態が「通常区間」であるときは、主制御基板71は、通常区間から演出区間Aへの移行を行い、滞在している状態が「演出区間A」であるときは、主制御基板71は、演出区間Aから演出区間Bへの移行を行う。このようにすることで、移行割合(当籤確率)が同じで、移行先(指示機能に係る処理の内容)が異なる制御を実現することができ、その結果、有利区間移行確率の一律性を担保することができ、公平な遊技性を実現し、また、データ容量の削減を図ることができる。
なお、主制御基板71は、「増加区間」中に予め定められたテーブルなどを参照して、自由に上乗せ抽籤などを行うこととしてよい。例えば、「増加区間」中に複数の状態(上乗せ低確、高確、超高確、特化ゾーン)などを設けて、現在の状態に応じて上乗せ抽籤を行うこともできる。
<有利区間ランプの点灯タイミングの別例>
続いて、図170を参照して、有利区間として「演出区間」と「増加区間」とを有するパチスロ1における有利区間ランプ(状態表示器147b)の点灯タイミング、特に、「増加区間」へ移行する旨の決定がされたことを報知する報知演出と、有利区間ランプの点灯タイミングとの関係について説明する。「演出区間」と「増加区間」とを有するパチスロ1では主制御基板71は、有利区間に移行したタイミングではなく、「増加区間」に移行したタイミングで有利区間ランプを点灯することができる。また、パチスロ1では、副制御基板72は、「演出区間」中に「増加区間」へ移行可能であるか否かに関する演出(前兆演出)を実行することができる。以下に示すように、本制御では、「増加区間」に移行することが決定されている場合、副制御基板72は「演出区間」中に前兆演出を行うとともに、前兆演出の結果として「増加区間」へ移行する旨の決定がされたことを報知する報知演出を行い、その後、「演出区間」から「増加区間」に移行すると、主制御基板71は、有利区間ランプを点灯する。言い換えると、本制御では、副制御基板72による前兆の結果の報知の後に、主制御基板71は、有利区間ランプを点灯する。
初めに、図170(A)は、有利区間ランプの点灯タイミングと、前兆の結果を報知するタイミング(報知演出のタイミング)との関係を示す第1のパターンである。同図では、通常区間中に行った有利区間への移行抽籤において、主制御基板71は、「演出区間」に移行した後に「増加区間」に移行すると決定している。この決定により、主制御基板71は、「増加区間」への移行に当籤したタイミングから、有利区間の「演出区間」に遊技状態を移行しているが、有利区間ランプは未だ点灯していない。「演出区間」中を「増加区間」への前兆として用いるべく、副制御基板72は、表示ユニット100を介して、「演出区間」中に「増加区間」への移行を煽る前兆演出を行う。その後、前兆の終了間際になると、副制御基板72は、表示ユニット100を介して、「増加区間」へ移行するか否かを報知する報知演出を実行する。同図に示す例の場合、通常区間中に行った有利区間への移行抽籤において「増加区間」に移行することが決定されているため、副制御基板72は、報知演出において「増加区間」へ移行する旨の決定がされていることを報知する。その後、主制御基板71は、「演出区間」から「増加区間」に遊技状態を移行するが、「増加区間」に移行したタイミングで、有利区間ランプを点灯する。
続いて、図170(B)は、有利区間ランプの点灯タイミングと、報知演出のタイミングとの関係を示す第2のパターンである。同図では、通常区間中に行った有利区間への移行抽籤では、主制御基板71は、「演出区間」に移行した後に「増加区間」に移行することなく有利区間を終了すると決定している。この決定により、主制御基板71は、有利区間の「演出区間」に遊技状態を移行しているが、有利区間ランプは未だ点灯していない。主制御基板71は、「演出区間」中も移行抽籤を行っており、同図に示す例では、「演出区間」中の移行抽籤の結果、「増加区間」への移行が決定されている。図170(A)と同様に、副制御基板72は、表示ユニット100を介して、「演出区間」中に「増加区間」への移行を煽る前兆演出を行う。その後、前兆の終了間際になると、副制御基板72は、表示ユニット100を介して、「増加区間」へ移行するか否かを報知する報知演出を実行する。同図に示す例の場合、通常区間中に行った有利区間への移行抽籤では「増加区間」への移行は決定されていないものの、その後の「演出区間」中に行った移行抽籤において「増加区間」に移行することが決定されているため、副制御基板72は、報知演出において「増加区間」へ移行する旨の決定がされていることを報知する。その後、主制御基板71は、「演出区間」から「増加区間」に遊技状態を移行するが、「増加区間」に移行したタイミングで、有利区間ランプを点灯する。
このように有利区間ランプの点灯タイミングを、報知演出よりも後に行うことで、本制御によれば、「演出区間」中の前兆演出や報知演出の実行時において、遊技者は「増加区間」への移行に当籤しているか否かを把握するすべがなく、演出に対する興味を失うことがない。
続いて、図170(C)は、有利区間への移行抽籤の抽籤結果(当籤処理)の別例である。同図に示すように、主制御基板71は、通常区間中の有利区間への移行抽籤において「当籤処理1」を決定した場合、通常区間から「演出区間」に移行し、当該「演出区間」において15ゲーム経過した後に有利区間を終了し、通常区間に移行する。また、主制御基板71は、通常区間中の有利区間への移行抽籤において「当籤処理2」を決定した場合、通常区間から「演出区間」に移行し、当該「演出区間」において15ゲーム経過した後に初期ゲーム数を50ゲームとするART(「増加区間」)に移行する。
このようにすることで、通常区間中の移行抽籤において「増加区間(ART)」への移行に当籤していた場合と、当籤していない場合とで、「演出区間(前兆)」の長さを同じにすることができる。遊技者にとってみれば、「演出区間(前兆)」中にその後の展開を予測することができないため、最後まで興味を失うことなく遊技を行うことになり、遊技の興趣を向上させることができる。
なお、主制御基板71は、有利区間のうち「演出区間」については、押し順役に当籤したときの押し順ナビ、すなわちナビの発生により出玉増加の利益がある押し順ナビを1回も発生させずに終了可能としてもよい。「演出区間」は有利区間ランプが点灯しない区間であるため、点灯したにも関わらずなんの恩恵もないということを遊技者が感じることがなく、遊技者を落胆させてしまう恐れもないためである。また、主制御基板71は、「演出区間」中において、押し順役に当籤した遊技において押し順を報知することで、多少の出玉の増加ないしメダルの消費低減を許容することとしてもよいが、「増加区間」と比べて押し順役に当籤した遊技における押し順の報知頻度を相対的に低いものとして、あまり出玉を増加させないものとすることが望ましい。「演出区間」中のメダルの増加を増やしてしまうと、出玉のバランス調整上「増加区間」で払い出すべき払出を相対的に低下させることに繋がる恐れがあるためである。
[主制御基板及び副制御基板が有する各種機能]
以上のようなパチスロ1に特有の制御を実現するために、パチスロ1の主制御基板(主制御回路91,メインCPU93)及び副制御基板(副制御回路101,サブCPU102)は、次のような機能を有する。
パチスロ1は、複数の図柄が表面に描かれた複数のリール3L,3C,3Rと、リール3L,3C,3Rに対応して設けられ遊技者が停止可能な複数のストップボタン7L,7C,7Rを有し、主制御基板71は、スタートスイッチ6Sやストップスイッチ7Sと接続され、図1に示す遊技の進行を制御するため、主制御基板71は、遊技制御部として機能する。
また、主制御基板71は、遊技状態の移行を決定可能であり、また、少なくとも通常区間と、通常区間よりも有利であり「演出区間」及び「増加区間」を有する有利区間とに遊技状態を制御することができるため、主制御基板71は、移行決定手段及び状態制御手段として機能する。
また、主制御基板71は、遊技状態が「増加区間」になると、遊技状態が「増加区間」であることを報知可能な有利区間ランプを点灯するため、主制御基板71及び有利区間ランプは、報知手段として機能する。
また、副制御基板72は、表示ユニット100を介して、演出を制御するとともに、遊技状態が「増加区間」へ移行する旨の決定がされたことを報知する報知演出(特定演出)を実行可能であるため、副制御基板72及び表示ユニット100は、演出制御部及び報知演出実行手段として機能する。
また、主制御基板71は報知ランプ147aを制御して、遊技者にとって有利な停止操作の態様を報知するとともに、副制御基板72は表示ユニット100を制御して、遊技者にとって有利な停止操作の態様を報知するため、主制御基板71、報知ランプ147a、副制御基板72、及び表示ユニット100は、報知手段として機能する。
<有利区間リミッタの別例(枚数リミッタ)>
続いて、図171~図173を参照して、有利区間のリミット処理に用いるリミッタの別例について説明する。これまで、有利区間のリミッタとして、有利区間中に消化したゲーム数を用いたリミッタ(以下、「ゲーム数リミッタ」)について説明したが、有利区間のリミッタの種類は、ゲーム数リミッタに限るものではない。具体的には、主制御基板71は、有利区間中に払い出されたメダルの枚数が所定枚数(例えば、2400枚)以上に達するとリミット処理を行うこととしてもよい。なお、このような有利区間中に払い出されたメダルの枚数を用いたリミッタを、以下では「枚数リミッタ」と呼ぶ。
図171(A)は、枚数リミッタの概要を示す図である。同図において、縦軸は差枚数(=払出枚数-投入枚数)であり、純増枚数ともいう。差枚数のプラス及びマイナスは、遊技者から見た値であり、遊技者に対して払い出されたメダルの方が投入されたメダルよりも多い場合(遊技者側のプラス)にはプラス、逆の場合にはマイナスになる。また、横軸はゲーム数であり、右に行くほど有利区間の開始から多くのゲームが消化されたことを意味する。枚数リミッタは、遊技者が一度に極端に多くのメダルを獲得しないように最もメダルが減った時点を起点して、2400枚のプラスの差枚数が得られたときに有利区間を強制的に終了させるものである。
同図では、有利区間開始後、100枚ほどメダルが減っている。これは、例えばART準備中又は前兆状態などでメダルが減ったものである。そして有利区間開始から-100枚となった時点からメダルは増加しつづけ、最終的に+2300枚ほどまでメダルが増加している。この時点で、遊技者目線では、少なくとも2400枚のメダルが手元にあることとなる。そこで、主制御基板71は、枚数リミッタを発動し、有利区間を強制的に終了させる。これにより、射幸性を適切に抑制することができる。
なお、主制御基板71は、ゲーム数リミッタのみを用いて有利区間のリミット処理を行うこととしてもよく、枚数リミッタのみを用いて有利区間のリミット処理を行うこととしてもよく、ゲーム数リミッタと枚数リミッタとの双方を用いて有利区間のリミット処理を行うこととしてもよい。なお、双方のリミッタを用いる場合、主制御基板71は、有利区間が開始してから何れか一方のリミッタ発動条件を満たした場合に、有利区間を終了させることが望ましい。なお、本説明においては、ゲーム数リミッタを1500ゲーム、枚数リミッタを2400枚として説明したが、これは一例であり、これより少ない値又は多い値を遊技仕様に応じて採用して射幸性を適切に制御するものとしてもよい。
ここで、ゲーム数リミッタと枚数リミッタとの双方を用いる場合について説明する。より具体的には、有利区間(ART、ATなど)におけるメダル増加の傾斜値A(1ゲームあたりの純増期待値、ボーナス作動による増加を含む純増期待値)と、ゲーム数リミッタの発動条件となるゲーム数Bと、枚数リミッタの発動条件となる差枚数Cとの関係について説明する。
なお、以下では、説明の便宜上、有利区間におけるメダル増加の傾斜値Aが「3枚」、ゲーム数リミッタの発動条件となるゲーム数Bが「100ゲーム」であるものとする。
第1の仕様では、傾斜値A×ゲーム数リミッタのゲーム数B=枚数リミッタの差枚数Cという関係の仕様(例:A(3枚)×B(100ゲーム)=C(300枚))が考えられる。このような仕様は最も基本的な仕様であり、有利区間を安定的に制御することができ、射幸性を適切に抑制することができる。
第2の仕様では、傾斜値A×ゲーム数リミッタのゲーム数B<枚数リミッタの差枚数Cという関係の仕様(例:A(3枚)×B(100ゲーム)<C(400枚))が考えられる。このような仕様の場合、リミッタが発動するケースを考慮すると以下の通りである。
100ゲーム消化するよりも前に400枚を超えるメダルが払い出された場合に、枚数リミッタが発動し、400枚を超えるメダルが払い出されるよりも前に100ゲームを消化した場合には、ゲーム数リミッタが発動する。ボーナスを期待値よりも多く引くか、純増枚数の多い押し順役を期待値よりも極端に多く引いた場合に枚数リミッタが作動し、期待値に近い値で遊技が進行した場合は、ゲーム数リミッタが発動する可能性が高くなる。傾斜値が「3枚」であるため、結果として、リミッタが発動する場合は、100G到達によるゲーム数リミッタの方が、枚数リミッタよりも発動しやすくなり、遊技者の意識は差枚数よりもゲーム数に傾くこととなる。
すなわち、傾斜値が「3枚」であるため、平均して133.3ゲームで400枚のメダルが払い出されることになり、その前にゲーム数リミッタに到達する可能性が高い。したがって、発動のし易さは、ゲーム数リミッタ>枚数リミッタ、となる。差枚数による枚数リミッタの発動をあまり気にさせたくない場合は、このような仕様とすると良い。例えば、ARTを1セット100枚の純増で終了など終了条件(リミッタではない)を差枚数で管理とするタイプの場合はこのようなリミッタ仕様とすると、リミッタの発動頻度を抑制でき、遊技者がリミッタにより有利区間が打ち切られる頻度を低下でき、遊技の興趣の低下を抑制できる。
第3の仕様では、傾斜値A×ゲーム数リミッタのゲーム数B>枚数リミッタの差枚数Cという関係の仕様(例:A(3枚)×B(100ゲーム)>C(200枚))が考えられる。このような仕様の場合、リミッタが発動するケースを考慮すると以下の通りである。
100ゲーム消化するよりも前に200枚を超えるメダルが払い出された場合に、枚数リミッタが発動し、200枚を超えるメダルが払い出されるよりも前に100ゲームを消化した場合には、ゲーム数リミッタが発動する。傾斜値が「3枚」であるため、平均して66.6ゲームほどで200枚のメダルが払い出されることになり、100ゲーム消化の前に枚数リミッタに到達する可能性が高い。したがって、発動のし易さは、ゲーム数リミッタ<枚数リミッタ、となる。ゲーム数消化によるゲーム数リミッタの発動をあまり気にさせたくない場合は、このような仕様とすると良い。例えば、1ゲームあたりの純増枚数0.1~1枚などと比較的低いが長いゲーム数継続するような仕様については、このような仕様とすると、リミッタの発動頻度を抑制でき、遊技者がリミッタにより有利区間が打ち切られる頻度を低下でき、遊技の興趣の低下を抑制できる。
なお、何れの仕様にしても、リミッタ到達により終了する割合よりも、リミッタ以外の有利区間の終了条件(ARTゲーム数やセット数ストックがゼロになるなど)によることにより、有利区間が終了する割合が高い出玉設計として、有利区間を消化できる権利がリミッタ発動により消去される事象の発生を抑制することが望ましい。
続いて、複数のリミッタを設ける場合に実現可能な遊技性について説明する。
(リミッタの種別に応じた有利区間終了時演出)
枚数リミッタの発動時と、ゲーム数リミッタの発動時とで、副制御基板72は、表示ユニット100を用いて異なる有利区間終了時演出を実行可能としても良い。それぞれを専用の演出とした場合には、それぞれの演出を一度は見てみようという遊技動機につながる。また、副制御基板72は、リミッタの種別に応じて有利区間終了時に行う演出の振り分けを異ならせるものとしても良い。例えば、枚数リミッタだとゲーム数リミッタ発動時よりも、設定示唆の精度が高い(設定ごとの係数の差が大きい、または特定の設定が確定する演出が出やすいなど)としてもよい。設定示唆など特定の情報が得られる又は専用演出が見られることで、リミッタにより有利区間が打ち切りとなる不快感を低減できる。また、有利区間終了時に行う演出の振り分けを、上述のリミッタの仕様に基づき設定することとしてもよい。例えば、仕様上、発動し易いリミッタよりも、発動し難いリミッタが発動した場合の方が、副制御基板72は、遊技者にとって好ましい(例えば、設定示唆の精度が高い)演出を決定し易いとしてもよい。
(リミッタの種別に応じたエンディング演出)
また、副制御基板72は、枚数リミッタの発動が濃厚になった状況となった場合は、エンディング演出1を、ゲーム数リミッタの発動が濃厚になった状況の場合は、エンディング演出2を、どちらが発生するか割合に大きな差がないが、少なくともどちらかが発生することが濃厚になった場合には、エンディング演出3(エンディング演出1又は2への分岐を持つ演出としてもよい)を行うなど、有利区間の終了時にいきなり打ち切りになって違和感を遊技者に与えないように、リミッタ発動前から有利区間終了示唆演出期間(エンディング)を設けることとしてもよい。なお、「枚数リミッタの発動が濃厚になった状況」とは、例えば、ARTを差枚数以外の情報に基づき管理する場合には、これまでの差枚数と、残りのART期間から算出される差枚数(例えば、ゲーム数管理のARTの場合には「残りゲーム数×傾斜値」)との和が、閾値(例えば、枚数リミッタが発動する差枚数や、当該差枚数よりも若干少ない値)に達したときであり、また、例えば、ARTを差枚数に基づき管理する場合は、これまでの差枚数と、残り枚数との和が、閾値に達したときである。また、「ゲーム数リミッタの発動が濃厚になった状況」とは、例えば、ARTをゲーム数以外の情報に基づき管理する場合には、これまでに経過したゲーム数と、残りのART期間から算出されるゲーム数(例えば、差枚数管理のARTの場合には「残り差枚数/傾斜値」)との和が、閾値(例えば、ゲーム数リミッタが発動するゲーム数や、当該ゲーム数よりも若干少ない値)に達したときであり、また、例えば、ARTをゲーム数に基づき管理する場合は、これまでに経過したゲーム数と、残りゲーム数との和が、閾値に達したときである。
(発動したリミッタの種別を履歴画面において報知ないし示唆)
また、副制御基板72は、発動したリミッタの種別ないしリミッタ種別に対応して発生する演出(上記エンディング演出の種類など)について、遊技者がメニュー画面にて閲覧可能な遊技履歴画面に表示しても良い。この場合は、そもそも多くの出玉を獲得できているため、高設定に期待できるとの遊技意欲を喚起させることができる。
(リミッタの種別に応じた外部信号を出力)
また、枚数リミッタと、ゲーム数リミッタのどちらが発動したか、ホール側がホールコンピュータなどで把握できるように、主制御基板71は、発動したリミッタに応じた種類の外部信号を出力するとよい。このとき、主制御基板71は、外部端子板の異なるピンからリミッタ発動の外部信号を出力するものとしてもよい。例えば、本来の出玉仕様であれば主にゲーム数リミッタが発動し、枚数リミッタはあまり発動しない機種において、頻繁に枚数リミッタが発動している場合は、何らかのゴト行為が行われているか、遊技機とホールコンピュータとの接続ミスの可能性をホール店員は察知することができる。
なお、同じ遊技においてで枚数リミッタの発動条件とゲーム数リミッタの発動条件を満たした場合は、主制御基板71は、予め定めたどちらか一方の信号を出力してもよいし、2種類の信号を所定の順番で出力してもよい。順番に出力する場合は、確実に受信できるように先に出力する信号の出力完了から、次の信号出力まで所定時間の間を空けるとよい。また、同じ遊技において枚数リミッタの発動条件とゲーム数リミッタの発動条件とを満たした場合は、どちらか一方のリミット処理のみを行い、他方の処理は行わないものとして、メイン(主制御基板71)において余計な処理を発生させないものとしてもよく、この場合には、主制御基板71は、行われた種別のリミッタに応じた外部信号を出力する。
(リミッタの種別を問わず一の外部信号を出力)
また、メイン(主制御基板71)の容量や、外部信号出力用の端子板のピン数に余裕がある場合は、上述のように異ならせても良いが、リミッタの種別に関わらず同じ外部信号を出力するものとしてもよい。メイン(主制御基板71)の容量を節約することができる。
(リミッタ以外の有利区間終了とリミッタによる終了で同じ外部信号を出力)
また、主制御基板71は、リミッタ以外の有利区間終了とリミッタによる終了とで同じ外部信号を出力し、有利区間が終了した旨をホールコンピュータなどで察知できるものとしてもよい。この場合は、さらにメイン(主制御基板71)の容量を節約できる。
(ボーナス作動中にリミッタが発動した場合の外部信号出力例(すぐに出力))
また、ボーナス作動中にリミッタが発動した場合は、主制御基板71は、外部信号の出力を当該遊技又は当該遊技の終了直後に開始してもよい。このようにすることで、例えば一撃の獲得枚数が枚数リミッタの枚数を超えたとしてもリミッタ機能に不備があったわけではなく、偶然枚数リミッタ到達付近でボーナスが作動して出玉を獲得したということをホール側は確認できる。
(ボーナス作動中にリミッタが発動した場合の外部信号出力(ボーナス終了時))
また、ボーナス作動中にリミッタが発動した場合は、主制御基板71は、外部信号の出力をボーナス終了時ないし終了直後に開始してもよい。実質的に出玉増加する遊技状態の
終了を正確に把握させたい場合はこのような仕様としてもよい。
(枚数リミッタ発動の可能性がある遊技で遊技者が小役を取りこぼした場合の演出)
例えば、枚数リミッタが発動するまでの残り枚数が6枚の3枚掛け遊技で、正解時に9枚のメダルが払い出される押し順ベルに当籤し、正解の押し順の報知が行われたにも関わらず遊技者が押し順をミスした場合、遊技開始時の状況を見て当該ゲームで枚数リミッタが発動すると想定して、当該遊技の開始時から枚数リミッタ発動時の演出を始めていることがある。このようなケースでは、押し順を間違えた結果、枚数リミッタは発動しないものの、副制御基板72は、当該遊技の開始時から始めていた枚数リミッタ発動時の演出(例えば、枚数リミッタの発動が予定されている旨の演出)をそのまま継続して実行することとしてもよく、また、枚数リミッタが発動しないと判断したことにより、当該演出を一旦終了ないし中断することとしてもよい。
(発動するリミッタが遊技者の操作により変更される場合の演出)
また、遊技者の操作ミスなどにより発動するリミッタの種類が異なる場合がある。例えば、枚数リミッタが発動するまでの残り枚数が6枚、かつ、ゲーム数リミッタが発動するまでの残りゲーム数が2ゲームの状況において、3枚掛け遊技で正解時に9枚のメダルが払い出される押し順ベルに当籤し、正解の押し順の報知が行われたケースが該当する。このようなケースでは、遊技者が報知に従い停止操作を行った場合には当該遊技において枚数リミッタが発動するが、報知に従わずに押し順にミスした場合には次遊技においてゲーム数リミッタが発動する(なお、次遊技で枚数リミッタが発動する可能性もあるが、ここでは、複数のリミッタ発動条件が成立した場合にゲーム数リミッタが優先して発動するものとする)。
このような場合、副制御基板72は、押し順ベルに当籤した遊技において枚数リミッタ発動時の演出を開始して、枚数リミッタの非発動が確定した移行の任意のタイミング(第1停止操作~全リール停止時のうち、取りこぼし乃至少ない枚数の図柄組合せの表示が確定した以降の任意のタイミング)で、ゲーム数リミッタ発動時の演出に切り替えるか、いずれかのリミッタ発動示唆にも対応しない演出に一旦戻すような処理を行って、発動するリミッタと演出との矛盾を回避するように制御することが好ましい。
(ボーナス作動中、内部中のリミッタ発動による終了時演出の遅延及びエンディング演出の延長)
なお、ここまで説明したリミット処理に関連して行われる演出及び制御についても、前述したボーナス作動中にリミット処理が行われる場合は、リミット処理による有利区間終了に応じた演出の発生タイミングをボーナス終了時又は終了直後まで遅らせる、かつ、エンディング演出などの有利区間中演出をそれまで延長するという手法を用いることで、遊技者の違和感を軽減することができる。
<枚数リミッタの制御方法>
続いて、図172(B)を参照して、枚数リミッタの制御方法について説明する。枚数リミッタでは、有利区間の開始時から最もメダルの絶対値が減った地点を最下点(起点)として、直近の最下点からのプラス分を、枚数リミッタの発動契機となる差枚数として用いる。同図では、有利区間開始を1ゲーム目として遊技が進行していきメダルの増減を1~8ゲームで繰り返した後に、増加していき枚数リミッタに到達する例を示している。
同図では、有利区間の開始時から最もメダルの絶対値が減った地点が「-9枚」であるため、Nゲーム目に差枚数が「+2391枚」となったタイミングで枚数リミッタが発動している。なお、枚数リミッタの発動に伴い、リミッタ用のカウンタは0にリセットされている。その後N+2ゲーム目に押し順に正解したベルが揃った結果、起点からの差枚数が「+2400枚」を超えているものの、既に枚数リミッタが発動し、有利区間(ART)は終了しているため、一時的なものに過ぎず、問題はない。
なお、同図では、当該ゲームの払出終了時点の有利区間開始時からの絶対的差枚数を示しいているが、説明用の値であり、該当するカウンタは遊技機に当籤する必要がない。もちろん、該当するカウンタを当籤して遊技者に獲得枚数を示すために用いることとしてもよい。
また、起点フラグは、現時点の遊技の状況が有利区間開始後の最下点であることを示す情報である。起点フラグを持たずに、単にリミッタに用いるカウンタ(枚数カウンタ)の値が0であることを持って最下点と認識しても良いが、枚数リミッタ発動までの差枚数減算が始まったか否かをサブ(副制御基板72)側で演出する場合など、ON/OFF判定のみで行える起点フラグを参照して、枚数カウンタの値をサブ側に送信せずに演出させることでメイン(主制御基板71)の処理負荷を軽減することができる。なお、その場合は、サブ側はメインから送信される投入枚数、払出枚数の情報を受けて枚数カウンタと同様の処理をサブ側で行い、枚数カウンタの状況として演出(枚数リミッタ発動までの枚数報知など)を行っても良い。
最下点(起点)は、直近の最下点と同じ値又はより少ない値となった場合のいずれかで更新すれば良い。有利区間開始後の1ゲーム目終了時に絶対的差枚数が「-3枚」となった後一度増加し、4ゲーム目終了時に再び絶対的差枚数が「-3枚」となっている。そのため、主制御基板71は、4ゲーム目終了時に再び起点フラグを設定している。実際には、その後もメダルが減ったため、有利区間開始後の8ゲーム目終了時の絶対的差枚数が「-9枚」が枚数リミッタにおける起点となっている。
なお、同図では、第1最下点を、有利区間開始後の1ゲーム目終了時としているが、有利区間開始時点の1ゲーム消化より前の時点(絶対的差枚数が0枚時点)を第1最下点として設定し、1ゲーム終了時を第2最下点、マイナス9枚となった時点を第3最下点として第3最下点から2400枚増加すると枚数リミッタを発動するものとしてもよい。また、同図では、リプレイの入賞時には投入枚数0枚、払出枚数0枚として枚数カウンタを更新している。これにより再遊技時の差枚数を更新する必要がなくなり処理負荷を軽減することができる。一方で、リプレイの入賞時に投入枚数分の払出枚数を行い、次ゲームにおいて投入枚数が3枚として枚数カウンタを更新することとしてもよい。このようにすることで、リプレイが入賞してから次ゲームの開始操作が行われるまでの間の枚数カウンタの値を現実の差枚数挙動と一致させることができ、枚数カウンタの値を実増減枚数として参照して、演出用の枚数表示などに流用し易くなる。
なお、副制御基板72は、枚数カウンタの値を表示ユニット100(液晶画面)などで報知して、枚数リミッタ発動までの残り枚数を遊技者に把握可能ないし示唆してもよい。また、副制御基板72は、枚数リミッタ発動までの残り枚数を直接的に表示せず、枚数リミッタ発動まで残り2000枚以上なら第1演出ステージ、残り1000~1999枚なら第2演出ステージ、残り999枚以下なら第3演出ステージのように、背景などの演出ステージを枚数リミッタ発動までの枚数範囲に応じて異ならせて示唆しても良い。
また、主制御基板71は、枚数カウンタの値を外部信号として出力して、ホールコンピュータやパチスロの上部などに設置される遊技データ閲覧用のデータ表示器などで表示可能としてもよい。なお、主制御基板71は、起点フラグ及び枚数カウンタの値を、電断時でも消去せず維持することが好ましい。一方で、主制御基板71は、設定変更時には、起点フラグ及び枚数カウンタの値を消去することとしてもよい。
<枚数リミッタの調整打法>
続いて、図173(C)を参照して、枚数リミッタの調整打法について説明する。枚数リミッタを用いて有利区間を強制的に終了させる仕様では、枚数リミッタの発動直前にメダルの増減を調整することで、枚数リミッタの発動を介する方法も考えられる。例えば、押し順役が内部当籤役として決定された場合に、正解の押し順で停止操作が行われると「9枚」のメダルが払い出され、不正解の押し順で停止操作が行われるとメダルの払い出しが「0枚」である仕様では、1回の遊技において3枚のメダルが必要であるため、押し順役の当籤時に正解の押し順で停止操作が行われると、枚数カウンタは「+6枚」され、押し順役の当籤時に不正解の押し順で停止操作が行われると、枚数カウンタは「-3枚」される。そのため、例えば、押し順役に3回当籤した場合に、押し順に2回不正解し、1回正解すると、枚数カウンタの値は維持され、結果、枚数リミッタが発動することがない。
このように枚数リミッタを調整することで、枚数リミッタの発動直前にARTのままボーナスの当籤を待つことなどができる。同図に示す例では、Mゲーム目からこのような調整打法が始まっており、BB(ボーナス)に当籤するXゲーム目まで調整打法が行われている。その結果、X+10ゲーム目には、枚数リミッタが発動する+2400枚を超える+2512枚のメダルが獲得できている。
なお、パチスロ1では、意図的に押し順の報知に逆らった方が有利である旨を示唆ないし報知する演出を行って遊技者に最大の利益を得ることのできる打ち方(打順ナビと異なる停止操作)を促しても良い。なお、このような演出は、副制御基板72が表示ユニット100などを介して行うこととしてもよく、また、主制御基板71が行うこととしてもよい。
なお、純増15枚程度かつ比較的当籤確率の高いミニボーナス(ボーナス作動中の15枚役は取りこぼし不能ないし困難)と、純増120枚のボーナスなど複数種類のボーナス役が存在する場合は、枚数リミッタ到達までの残り差枚数がミニボーナスにおける純増枚数よりも多い枚数のラインで上記調整打法を推奨する演出を行ってもよい。また、押し順役以外の小役については、払出枚数が3枚を超える増加役とせずに、枚数調整がしやすいもの(例えば、払出枚数が3枚)としてもよい。このように打ち方の工夫で出玉率を向上できる遊技性とすることで遊技の興趣が高まる。
なお、こうした遊技性の複雑さが初心者に敬遠されるなどのデメリットを重視する場合は、枚数カウンタを実際の純増枚数分だけ加算するのではなく、指示通りに遊技した場合の純増枚数分だけ加算することとしてもよい。例えば、3枚掛け遊技で、正解時に9枚のメダルが払い出される押し順ベルに当籤した場合、主制御基板71は、正解の押し順を報知したことを条件に、遊技者の操作態様や入賞結果を問わずに枚数カウンタに+6とする処理を行う。このような仕様として、こうした調整打法を封じる仕様としてもよい。
<調整打法を封じる仕様の遊技性>
続いて、このような調整打法を封じる仕様おいて実現可能な遊技性について説明する。
(ボーナス非搭載)
そもそもボーナス役を搭載せずに、小役と再遊技のみで内部当籤役を構成すると上記のような複雑な打法を遊技者に求めることがなくなり、遊技性が分かりやすくなる。
(無増減又は減るボーナス搭載)
また、上記の打法を抑制する別の仕様例として、ボーナスは作動中に投入枚数と同枚数の払出が行われる小役しか入賞しない無増減ボーナスとしてもよく、また、ボーナスは作動中に投入枚数よりも少ない枚数の払出が行われる小役しか入賞しない減るボーナスとしてもよい。この場合、ボーナスはメダルが増加しないかわりに有利区間の抽籤において有利な処理をボーナス作動時またはボーナス作動中に行うこととしてもよく、また、有利な処理を行わないものの、遊技店において遊技者が通常の遊技を行う限りリール制御でボーナスの入賞が阻害され、ボーナスが入賞困難な仕様としても良い。
(ボーナス作動中の純増枚数が3枚以下)
3枚掛け遊技を前提として、ボーナス入賞時には払出がないため、ボーナス入賞ゲームでの差枚数はマイナス3枚となる。ボーナスは3枚掛け1ゲームで終了するとして、ボーナス作動中に発生する最大枚数の入賞は6枚役以下とする。このようにすることで、ボーナス作動時からボーナス終了時までの差枚数がプラスの値になることがないため、枚数カウンタの値がボーナス作動により増加することがなくなり、前述のような複雑な打法を遊技者は行わずに済む。
<調整打法を認める仕様の遊技性>
続いて、このような調整打法を認める仕様おいて実現可能な遊技性について説明する。
(ボーナス作動中の小役はずし又は獲得枚数低減)
前述の打法を行える仕様に加えて、ボーナス作動中に枚数リミッタが発動してしまう場合は、あえてボーナスの獲得枚数を減らして、当該ボーナスを終わらせて、ボーナス後は、上述の打法により有利区間を延命しつつ、次回のボーナスを待つのが最も有利という場合がある。そこで、ボーナス作動中に、小役を目押しタイミングや押し順で取りこぼせる又は払出枚数の少ない役を入賞させることができるものとする。この場合、払出枚数の少ない役は、ボーナス作動中の投入枚数よりも少ない枚数であることが望ましいが、例えば特定ポイントを目押しすると14枚、それ以外のポイントを目押しすると15枚の払出が受けられるなど、微調整を行うことができる役を設けるというものでも一定の効果を奏することができる。
(押し順役以外の通常時の役は再遊技又は投入枚数以下の役のみ)
例えば、ボーナス非作動中3枚掛けと仮定する。押し順ベルは9枚とするが、いわゆるスイカ、チェリー、押し順の概念なしのベルなど他の役は再遊技役、又は、払出枚数3枚以下の役として構成する。こうすることで、残り数枚の純増で枚数リミッタが作動する状況で他の小役を引いた場合でも枚数リミッタが作動することなく攻略打法の難易度が低下して遊技しやすくなる。
(押し順役のナビと異なる停止操作をした場合に、特定枚数(1~2枚役)が入賞する頻度に遊技者が介入できる)
押し順役のナビと異なる停止操作をした場合は、1枚払出又はとりこぼしとなる仕様がある。この場合、当該ゲームの増減がマイナス2枚、マイナス3枚の2通り生じるため、計算しにくく、遊技していて混乱することがある。そのような仕様と比べて、ナビ無視時は、必ず1~2枚が揃うなど枚数が固定される場合は、ギリギリの枚数の状態でのナビ無視時のマイナス値が例えばマイナス2枚に固定されるため、計算しやすく、遊技者が計算をミスしてあと1回ナビ無視すべきところをナビ通りに打ってしまい打順ベルをとってしまうというケアレスミスが低減する。
なお、必ずではなく高い頻度で1枚払出となる又は取りこぼしとなるなど、おおむね安定させるものとしてもある程度の効果は発揮できる。また、ナビ無視のパターンにより、払出枚数が安定するものでもよい。例えば、「1・2・3」(左・中・右が正解打順)の打順ナビ発生時に、1枚役入賞率は“中1st”>“右1st”という関係性を持たせて、3枚減らしたい場合は、右第1停止、2枚減らしたい場合は中第一停止と遊技者が選択できるものでもよい。また、当該ゲームで第1停止正解後に第2停止をミスした場合「1・3・2」の順に停止した場合は、他のナビ無視打順よりも高い確率で又は必ず1枚役が入賞するなど、遊技者が減らし方を打法で選択できるものとするとよい。
(ナビ無視すべき場合にナビ態様変化)
ナビにしたがって遊技するのが最適な場合は、副制御基板72は、押し順表示を第1態様(青数字など)で行い、ナビに逆らって遊技するのが最適な場合は、副制御基板72は、押し順表示を第2態様(赤数字など)で行う。
(ナビ無視すべき状況か演出で変化)
主制御基板71又は副制御基板72は、BGMや映像、ランプなどの態様をナビ従う状況と、ナビに逆らう状況とで異ならせてもよい。ナビ発生よりも前の時点で、次ゲームでナビが発生したらナビに逆らうべき状況か否かを事前に把握できるようにすることが望ましい。
(ナビ無視すべき場合にロックやリールフリーズ)
主制御基板71は、レバーオン直後、リール回転開始後などにリールの回転開始遅延(フリーズやリールアクション)や、ストップボタンの一時操作受付無効化期間を設けることとしてもよい。これにより、遊技者に注意喚起をすることができ、有利区間を誤って終わらせてしまうケースを防止できる。また、主制御基板71又は副制御基板72は、合わせて音声や映像などでも注意喚起することが望ましい。
<有利区間リミッタの別例(払出枚数リミッタ)>
ここで、上述の枚数リミッタでは、差枚数(=払出枚数-投入枚数)、すなわち、遊技者に対して払い出されたメダルの枚数から当該遊技において用いられたメダルの枚数を減算した値に基づき、リミット処理を行うこととしているが、これに限られるものではない。主制御基板71は、遊技者に対して払い出されたメダルの枚数を用いてリミット処理を行うこととしてもよく、このようなリミッタを払出枚数リミッタと呼ぶ。具体的には、主制御基板71は、有利区間中に所定枚数(例えば、2400枚など)のメダルを払い出したことを契機として、有利区間を終了するリミット処理を行うこととしてもよい。
上述の枚数リミッタでは、払出枚数から投入枚数を差し引いた差枚数を基準としてリミット処理を行っているが、払出枚数リミッタでは、払出枚数から投入枚数を差し引くことなく、払出枚数をそのまま参照して、払出枚数が規定値に達した場合にリミット処理を行う。このような払出枚数リミッタでは、主制御基板71は、有利区間又は増加区間の開始時に払出枚数カウンタを初期化して、小役の入賞により払出が発生するたびに当該払出枚数カウンタを更新する。そして、主制御基板71は、払出枚数カウンタの値がリミット処理を行う規定値に達すると、有利区間を終了し、また、有利区間に関する各種の処理や値を初期化するというリミット処理を行う。
このような払出枚数リミッタにおいても、リプレイに係る役が入賞した場合の払出枚数カウンタの更新方法は任意であり、3枚の払い出しとしてカウントすることとしてもよく、また、0枚の払い出しとしてカウントすることとしてもよいが、主制御基板71は、リプレイに係る役が入賞した場合には0枚の払い出しとしてカウントすることが望ましい。このようにすることで、例えば、3BETの遊技において3枚役(入賞したときに3枚のメダルが払い出される役)が入賞した場合と、リプレイに係る役が入賞した場合とで、払出枚数カウンタの値の変化を異ならせることができる。すなわち、3枚役が入賞した場合よりも、リプレイに係る役が入賞した場合の方が払出枚数カウンタのカウントが進まない分、遊技者にお得感を感じさせることができ、実質的に同価値である3枚役とリプレイに係る役との価値に差を持たせることができる。
<有利区間リミッタの別例(ナビ回数リミッタ)>
また、有利区間のリミット処理に用いるリミッタの種類としては、以下に説明するナビ回数リミッタも用いることができる。ナビ回数リミッタを用いる場合、主制御基板71は、有利区間中に遊技者に対して所定回数(例えば、400回など)の報知(ナビ)を行ったことを契機(すなわち、ナビ回数が規定値に達したことを契機)として、有利区間のリミット処理を行う。ここで、ARTなどの有利区間中に遊技者に対して行うナビの中には、有利区間中にメダルを増加させるためのナビの他、有利区間中にメダルを維持又はメダルの減少を通常区間中に比べて抑制するためのナビがある。前者のナビは、例えば、3BET遊技において正解の停止操作の態様である場合(例えば、押し順正解時)に3枚よりも多いメダル(例えば、9枚など)が払い出される役の当籤時に正解の停止操作の態様を報知することをいい、後者のナビは、例えば、RT状態を高RTのまま維持するためのナビや、3BET遊技において正解の停止操作の態様である場合に3枚、又は、正解の停止操作の態様である場合に3枚よりも少ないが不正解の停止操作の態様である場合(例えば、押し順不正解時)よりも多いメダルが払い出される役の当籤時に正解の停止操作の態様を報知することをいう。なお、前者のナビの対象となる役は、その役割から有利区間(ART)中にメダルを増加させる増加役と呼ぶことができる。パチスロにおいて、複数の役のうちのどの役を増加役とするかは、遊技仕様の観点から任意に設計することができる。
ナビ回数リミッタを用いる場合、主制御基板71は、増加役の当籤時に行ったナビの回数については、ナビ回数リミッタによるリミット処理の発生条件となるナビ回数のカウント対象とする一方で、非増加役の当籤時に行ったナビの回数については、当該ナビ回数のカウント対象から除外することとしてもよく、また、非増加役の当籤時に行ったナビ回数についても、当該ナビ回数のカウント対象に含めることとしてもよい。非増加役の当籤時に行ったナビの回数をカウント対象から除外することで、偶然、非増加役が有利区間(ART)の開始後に多く成立してしまったケースのように、メダルがあまり増えていない場合に、過度な出玉を抑制するというリミッタの趣旨とは関係ない事象で有利区間が終了してしまうことを防止でき、遊技者に不満を与えることがない。
このようなナビ回数リミッタでは、主制御基板71は、有利区間又は増加区間の開始時にリミット処理の発生条件となるナビ回数のカウンタ(ナビ回数カウンタ)を初期化して、カウント対象となるナビが発生するたびに当該ナビ回数カウンタの値を更新する。そして、主制御基板71は、ナビ回数カウンタの値がリミット処理を行う規定値に達すると、有利区間を終了し、また、有利区間に関する各種の処理や値を初期化するというリミット処理を行う。なお、これまでに説明した各種のリミッタにおいてカウンタの更新方法は、加算式であってもよく、また、減算式であってもよい。
<リミッタ期間の別例>
また、上述の説明では、ゲーム数リミッタ、枚数リミッタ、払出枚数リミッタ、ナビ回数リミッタなどのリミッタを有利区間中にのみ利用する例について説明したが、このようなリミッタは、有利区間中ではなく、任意の期間に採用することができる。例えば、偶発的に有利区間に当たり続けた場合、一回一回の有利区間においては最大でも枚数リミッタ分しかメダルの払い出しが行われないものの、有利区間への移行が複数回行われた結果、総合すると多くのメダルの払い出しが行われてしまう場合があり、射幸心を過度に煽ってしまう恐れがある。そこで、有利区間中のリミッタとは別に、直近の所定ゲーム数分の期間(例えば、直近の6000ゲーム)の増加状況を示す値(例えば、出玉率や差枚数)が予め定められた規定値(例えば、170%又は遊技者から見て+10000枚)を超えた場合に有利区間を終了させる特別リミッタを設けることとしてもよい。このような特別リミッタによれば、主制御基板71は、有利区間中に特別リミッタの発動条件が満たされたときには、たとえ当該有利区間が開始したばかりであり、ゲーム数リミッタや枚数リミッタが全く発動し得る状況でなかったとしても、当該有利区間を強制的に終了する。
なお、主制御基板71における有利区間の制御において、現時点で獲得されている有利区間に関する権利(ATゲーム数、ATのストック数、獲得可能差枚数など)と出玉率とを参照して、特別リミッタが発動するおそれがある場合に、主制御基板71は、当該規定値に到達するよりも前に上乗せの発生率を低下させるなど特別リミッタの発動可能性を低下させる、又は、特別リミッタ発動時に消去させる増加区間(ART)の権利が低減するように制御することとしてもよい。
また、メダルの増加状況を示す値(例えば、出玉率や差枚数)による特別リミッタ発動の判定に用いられる所定期間は、ゲーム数以外を基準としてもよく、例えば、所定の時間(例えば、10時間など)や、所定の投入枚数(例えば、投入枚数18000枚)など、遊技者が遊技を所定期間にわたって行ったことを判断し得る情報に用いて、特別リミッタを発動する所定期間を決定することとしてもよい。
このような特別リミッタを用いるパチスロの構成を以下に示す。
遊技価値を用いて遊技可能な遊技機であって、
遊技状態を遊技者にとって有利な有利遊技状態(例えば、パチスロにおける有利区間、増加区間(AT、ART)であってもよく、パチンコにおける確変状態や時短状態であってもよい)とする権利(パチスロでのATストック、ATゲーム数などであってもよく、また、パチンコにおける確変状態、時短状態などへの移行権利であってもよい)を付与可能な権利付与手段(例えば、主制御基板71)と、
当該権利に基づいて終了条件の成立まで遊技状態を前記有利遊技状態に制御する遊技状態制御手段(例えば、主制御基板71)と、
前記権利がある場合に前記有利遊技状態を継続させる有利遊技状態継続手段(例えば、主制御基板71(パチスロでのATストック数がある場合にAT状態を継続などであってもよく、また、パチンコでの確変状態や時短状態の継続であってもよい))、
所定の単位遊技を起点として所定期間の経過までの遊技価値の増加状況を示す値を記憶する増加状況記憶手段(例えば、主制御基板71が特別リミッタの発動条件を判定するために用いる差枚数や出玉率監視用のカウンタ)と、
前記増加状況記憶手段の値が予め定められた規定値となったときに、前記権利がある場合であっても前記有利状態を終了させる特別終了手段(特別リミッタ)と、を備える遊技機。
また、上述の特別リミッタは、直近の所定期間に限らず、例えば、一日単位のリミッタとしてもよく、また、両者を併用して用いることとしてもよい。なお、主制御基板71が一日単位を把握する方法は任意である。一例として、主制御基板71は、所定時間(2時間、4時間など営業時の一時的な電断と区別でき、営業終了に伴う閉店中の電断と推認できる時間値)以上の電断時、又は所定時間以上の電断後の電源投入時を一日の開始時(起点)として、当該起点から(すなわち、前日分の情報をリセットして)、メダルの増加状況を示す値(例えば、出玉率や差枚数)を監視して特別リミッタを制御する。また、主制御基板71は、電源投入状態で所定時間(1時間など)以上が経過した時を、一日の開始時(起点)として、当該起点から(すなわち、前日分の情報をリセットして)、メダルの増加状況を示す値(例えば、出玉率や差枚数)を監視して特別リミッタを制御することとしてもよい。なお、何れの場合であっても、計時方法は、主制御基板71にRTCなどの計時手段を搭載することで実現することができる。
<ナビミス時のペナルティ>
また、パチスロ1では、有利区間中に遊技者に対して行った報知に従わずに停止操作を行った場合に、主制御基板71は、所定のペナルティを付すこととしてもよい。例えば、ART準備中のように高RTへの移行待ちをしている状態において、ARTの上乗せ抽籤を行う仕様の場合、高RTへの移行を回避しART準備中を引き延ばすことでART準備中の上乗せ抽籤を多く受けることができる。そこで、主制御基板71は、遊技者に対して行った報知に従わずに停止操作が行われた場合に、このようなARTの上乗せ抽籤を行わないこととしてもよい。なお、偶然のミスであるか意図的なミスであるか判別することができないため、例えば、主制御基板71は、報知に従わない停止操作を行った回数に応じて、ペナルティの度合いを変えることとしてもよい。
[その他の変形例]
ARTの継続期間の管理方法は任意である。例えば、ゲーム数により継続期間を管理することとしてもよく、また、セット数により継続期間を管理することとしてもよく、また、ART中に払い出されるメダルの枚数や差枚数により継続期間を管理することとしてもよく、また、ART中にメダルの払い出しに影響を与える報知を行った回数(ナビ回数)により継続期間を管理することとしてもよく、また、ART中の任意のタイミングで行う継続判定により継続期間を管理することとしてもよく、また、ART中に特定の図柄組合せが表示されるとARTを終了させることとしてもよい。
この場合、上乗せの対象は、ゲーム数、セット数、ナビ回数、差枚数などのようにARTの継続期間の管理方法によって適宜調整される。
また、上述のパチスロ1では、報知(ART)機能の作動を、メイン(主制御基板71)側の制御の下に行うこととしているが、これに限られるものではなく、サブ(副制御基板72)側の制御により報知(ART)機能の作動を行うこととしてもよい。
また、上述の説明では、遊技機としてパチスロを例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されない。本発明のリール制御に係る特徴や設定変更及び確認に係る特徴などのパチスロ1に特有の特徴以外の特徴は、「パチンコ」と呼ばれる遊技機にも適用可能であり、同様の効果が得られる。例えば、チェックサムの生成及び判定処理、メインCPU93専用命令コードを使用した各種処理(Qレジスタを用いたアドレスの指定処理、ソフトタイマーの更新処理、7セグLED駆動処理、通信データの生成格納処理等)、規定外ROM領域及び規定外RAM領域を使用した各種処理などの特徴は、「パチンコ」にも適用可能である。
また、設定値は1段階のみとしてもよい。このとき、設定変更処理をのこしても良いし、無くしてしまってもよい。設定変更処理を残す場合には、同一設定への打ち直しのみが可能となるため、実質的にはRAMクリアするための処理となる。設定値を1段階のみとする場合であっても、有利状態(ART状態など)の抽籤(初当り及び/又は上乗せなど)に関するモードを設け、所定確率で当籤する所定役が当籤した回数を計数し、その回数が規定値に達したときに、このモードを切り替わるようにすることで、出玉に起伏を生じさせることができる。
この場合、所定確率の分母と規定値とを掛けた値が一つの出玉の波となる。その値を1日に相当する遊技回数で切り替わるように規定すれば、設定値が1段階であっても、複数設けた遊技機と遜色のないものとすることが出来る。例えば、1日の営業時間を11時間とした場合、11h=39600secであるため、1遊技にかかる最短時間を規則に則り4.1秒とすると、1日当たりの最大遊技回数は、39600/4.1=約9659回となる。なお、休憩(食事やトイレ)を一切挟まないというのは現実的ではないため、1日当たりの遊技回数を概ね8000回程度と考える。所定確率を1/32、規定値を256とすることで、32×256=8192となるため、概ね1日で出玉の波が切り替わるようにすることができる。
さらに、所定役が当籤した回数が規定値に達するたびに、遊技者に有利なモードと不利なモードとが交互に切り替わるようにすれば、二日間サイクルで収益が安定するようになるため、遊技店の営業に資することができる。なお、設定値を1段階にした場合の説明を行ったが、1段階には限られず転用が可能である。より具体的には、設定値の数を変えずに採用すれば、設定値の数を増やさずに、出玉の波をより複雑にすることが可能となる。また、設定値の数を減らせば、設定値が減って単調になるところを補うことができる。
また、設定値の数を減らすことができた場合、その分のデータ容量を削減することができる。仮に6段階の設定値を1段階の設定値にすることができれば、データを1/6にまで削減することができる。また、各段階で望む出玉率に設計するための開発コストも1/6となる。さらに言えば、遊技機は試験に適合したもののみが、営業に用いることが許可されるものであるところ、試験に要する時間も短縮することが可能となる。
[その他の本実施形態に係る遊技機の拡張性]
本実施形態のパチスロ1では、遊技者のメダルの投入操作(すなわち、手持ちのメダルをメダル投入口に対して投入する操作、あるいは、クレジットされたメダルをMAXベットボタン、若しくは1ベットボタンを操作して投入する操作)により遊技が開始され、遊技が終了したときにメダルの払い出しがある場合には、ホッパー装置が駆動してメダル払出口からメダルが払い出され、あるいは、クレジットされる形態について説明したが、これに限られるものではない。
例えば、遊技者によって遊技に必要な遊技媒体が投入され、それに基づいて遊技が行われ、その遊技の結果に基づいて特典が付与(例えば、メダルが払い出される)形態全てについて、本発明を適用することができる。すなわち、物理的な遊技者の動作によって遊技媒体が投入され(掛けられ)、遊技媒体が払い出される形態のみならず、主制御回路91(主制御基板71)自体が、遊技者が保有する遊技媒体を電磁的に管理し、メダルレスで遊技を可能とするものであってもよい。また、遊技者が保有する遊技媒体を電磁的に管理するのは、主制御回路91(主制御基板71)に装着され(接続され)、遊技媒体を管理する遊技媒体管理装置であってもよい。
この場合、遊技媒体管理装置は、ROM及びRWM(あるいは、RAM)を有して、遊技機に設けられる装置であって、図示しない外部の遊技媒体取扱装置と所定のインターフェイスを介して双方向通信可能に接続されるものであり、遊技媒体の貸出動作(すなわち、遊技者が遊技媒体の投入操作を行う上で、必要な遊技媒体を提供する動作)若しくは遊技媒体の払出に係る役に入賞(当該役が成立)した場合の、遊技媒体の払出動作(すなわち、遊技者に対して遊技媒体の払出を行う上で、必要な遊技媒体を獲得させる動作)、又は遊技の用に供する遊技媒体を電磁的に記録する動作を行い得るものとすればよい。また、遊技媒体管理装置は、これら実際の遊技媒体数の管理のみならず、例えば、その遊技媒体数の管理結果に基づいて、パチスロ1の前面に、保有する遊技媒体数を表示する保有遊技媒体数表示装置(不図示)を設けることとし、この保有遊技媒体数表示装置に表示される遊技媒体数を管理するものであってもよい。すなわち、遊技媒体管理装置は、遊技者が遊技の用に供することができる遊技媒体の総数を電磁的方法により記録し、表示することができるものとすればよい。
また、この場合、遊技媒体管理装置は、遊技者が、記録された遊技媒体数を示す信号を、外部の遊技媒体取扱装置に対して自由に送信させることできる性能を有し、また、遊技者が直接操作する場合のほか、記録された遊技媒体数を減ずることができない性能を有し、また、外部の遊技媒体取扱装置との間に外部接続端子板(不図示)が設けられる場合には、その外部接続端子板を介してでなければ、遊技者が、記録された遊技媒体数を示す信号を送信できない性能を有することが望ましい。
遊技機には上記の他、遊技者が操作可能な貸出操作手段、返却(精算)操作手段、外部接続端子板が設けられ、遊技媒体取扱装置には紙幣等の有価価値の投入口、記録媒体(例えばICカード)の挿入口、携帯端末から電子マネー等の入金を行うための非接触通信アンテナ等、その他貸出操作手段、返却操作手段等各種操作手段、遊技媒体取扱装置側外部接続端子板が設けられるようにしてもよい(いずれも不図示)。
その際の遊技の流れとしては、例えば、遊技者が遊技媒体取扱装置に対しいずれかの方法で有価価値を入金し、上記いずれかの貸出操作手段の操作に基づいて所定数の有価価値を減算し、遊技媒体取扱装置から遊技媒体管理装置に対し減算した有価価値に対応する遊技媒体を増加させる。そして遊技者は遊技を行い、さらに遊技媒体が必要な場合には上記操作を繰り返し行う。その後遊技の結果所定数の遊技媒体を獲得し、遊技を終了する際にはいずれかの返却操作手段を操作することにより遊技媒体管理装置から遊技媒体取扱装置に対し遊技媒体数を送信し、遊技媒体取扱装置はその遊技媒体数を記録した記録媒体を排出する。遊技媒体管理装置は遊技媒体数を送信したときに自身が記憶する遊技媒体数をクリアする。遊技者は排出された記録媒体を景品交換するために景品カウンター等に持っていくか、又は他の台で記録された遊技媒体に基づいて遊技を行うために遊技台を移動する。
なお、上記例では全遊技媒体を遊技媒体取扱装置に対して送信したが、遊技機又は遊技媒体取扱装置側で遊技者が所望する遊技媒体数のみを送信し、遊技者が所持する遊技媒体を分割して処理することとしてもよい。また、記録媒体を排出するだけに限らず、現金又は現金等価物を排出するようにしてもよいし、携帯端末等に記憶させるようにしもよい。また、遊技媒体取扱装置は遊技場の会員記録媒体を挿入可能とし、会員記録媒体に貯留して後日再遊技可能とするようにしてもよい。
また、遊技機又は遊技媒体取扱装置において、図示しない所定の操作手段を操作することにより遊技媒体取扱装置又は遊技媒体管理装置に対し遊技媒体又は有価価値のデータ通信をロックするロック操作を実行可能としてもよい。その際にはワンタイムパスワード等遊技者にしか知りえない情報を設定することや遊技機又は遊技媒体取扱装置に設けられた撮像手段により遊技者を記憶するようにしてもよい。
なお、この遊技媒体管理装置は、上述のように、メダルレスでのみ遊技を可能とするものであってもよいし、物理的な遊技者の動作によって遊技媒体が投入され(掛けられ)、遊技媒体が払い出される形態、及びメダルレスで遊技を可能とする形態、双方の形態で遊技を可能とするものであってもよい。この場合には、遊技媒体管理装置が、上述のセレクタやホッパー装置を直接的に制御する方式を採用することもできるし、これらが主制御基板71によって制御され、その制御結果が送信されること基づいて、遊技者が遊技の用に供することができる遊技媒体の総数を電磁的方法により記録し、表示する制御を行い得る制御を可能とする方式を採用することもできる。
また、上記では、遊技媒体管理装置を、パチスロ1に適用する場合について説明しているが、上述した遊技球を用いるスロットマシンや封入式遊技機においても同様に遊技媒体管理装置を設け、遊技者の遊技媒体が管理されるようにすることもできる。
このように、上述した遊技媒体管理装置を設けることにより、遊技媒体が物理的に遊技に供される場合と比べて、遊技機内部のセレクタやホッパー装置等を減らすことができ、遊技機の原価及び製造コストを削減できるのみならず、遊技者が直接遊技媒体に接触しないようにすることもでき、遊技環境が改善し、騒音も減らすことができるとともに、装置を減らしたことにより遊技機の消費電力を減らすことにもなる。また、遊技媒体や遊技媒体の投入口や払出口を介した不正行為を防止することができる。すなわち、遊技機をとりまく種々の環境を改善することができる遊技機を提供することが可能となる。
[付記1]
付記1の遊技機は、以下の通りである。
[背景技術]
従来、遊技者により、メダルやコインなどの遊技媒体が投入(以下、「投入操作」という。)され、スタートレバーが操作(以下、「開始操作」という。)されると、複数の図柄がそれぞれの表面に配された複数のリールの回転が開始し、ストップボタンが操作(以下、「停止操作」という。)されると、複数のリールの回転が停止し、その結果表示された図柄の組合せに応じて特典が付与される、いわゆるパチスロ機と称される遊技機が知られている。
このような遊技機においては、開始操作をスタートスイッチにより検出すると、乱数値を抽出して抽籤を行う(以下、この抽籤の結果を「内部当籤役」という。)とともに、ステッピングモータを駆動制御して複数のリールの回転を開始させる制御を行い、停止操作をストップスイッチにより検出すると、ステッピングモータを駆動制御し、内部当籤役に基づいて複数のリールの回転を停止させる制御を行う。
この種の遊技機では、いわゆる出玉に関する設計を容易にするための工夫として、一部のボーナス状態において出玉率が1を下回るように内部当籤役を重複当籤させる遊技機が知られている(例えば、特開2015-202331号公報参照)。また、遊技者にとって有利な状態となるAT(assist time)に当籤しているか否かの前兆演出として、主に熟練度の高い遊技者を想定した複雑な演出態様によって趣向を凝らした遊技機も知られている(例えば、特開2015-16085号公報参照)。
[発明の概要]
[発明が解決しようとする課題]
しかしながら、特許文献1の遊技機では、遊技者が主にボーナス持越し状態で遊技することを前提としており、ボーナス当籤で出玉を獲得するという楽しみが失われていた。また、特許文献2の遊技機では、演出態様や仕様が複雑であり、非熟練者にとってはどのような状態が有利なのか把握しづらいという難点があった。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、遊技者にとって有利な状態を把握させやすくするとともに、旧来とは異なる手法により出玉設計の自由度を高めることができる遊技機を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段]
上記の目的を達成するために、本発明は、以下のような遊技機を提供する。
本発明に係る遊技機は、
複数の識別情報を変動表示可能な複数の可変表示手段(例えば、リール3L、3C、3R及び表示窓4)と、
前記複数の可変表示手段に対応して遊技者が停止操作可能な複数の停止操作手段(例えば、ストップボタン7L、7C、7R)と、
開始条件の成立に基づいて前記複数の可変表示手段を変動表示させる変動制御手段(例えば、主制御基板71)と、
前記開始条件の成立に基づいて内部当籤役を決定可能な内部当籤役決定手段(例えば、主制御基板71)と、
前記内部当籤役決定手段により決定された内部当籤役と前記複数の停止操作手段を介した停止操作とに基づいて、前記複数の可変表示手段の変動表示を停止させることで結果表示を導出可能な停止制御手段(例えば、主制御基板71)と、
遊技者にとって有利な前記複数の停止操作手段に対する操作態様を報知可能な操作態様報知手段(例えば、副制御基板72及び報知ランプ147a)と、
前記操作態様報知手段による報知を実行可能な有利状態(例えば、有利区間)を制御する状態制御手段(例えば、主制御基板71)と、
前記有利状態を告知する有利状態告知手段(例えば、状態表示器147b)と、
を備えた遊技機(例えば、パチスロ機1)であって、
前記有利状態として、所定条件の成立時(例えば、有利区間移行抽籤の当籤時)に前記操作態様報知手段による報知が可能な第1有利状態(例えば、「通常有利」の状態)と、当該第1有利状態よりも前記操作態様報知手段による報知の可能性が高い第2有利状態(例えば、「ART」の状態)と、を少なくとも有し、
前記内部当籤役決定手段により決定可能な前記内部当籤役として、前記複数の停止操作手段に対する特定の操作態様で停止操作を行った場合に前記複数の可変表示手段に有利な結果表示が導出され、当該特定の操作態様とは異なる操作態様で停止操作を行った場合に前記複数の可変表示手段に前記有利な結果表示とは異なる結果表示が導出され得る特定役(例えば、押し順ベル)と、所定のボーナス役(例えば、MB)とを有し、
前記状態制御手段は、前記特定役が前記内部当籤役として決定された単位遊技で前記操作態様報知手段による報知が行われること、又は前記複数の可変表示手段において前記所定のボーナス役に対応する結果表示が導出されることのうち、少なくともいずれか一方を満たした後において前記有利状態を終了させるか否かを判定するための終了判定(例えば、有利区間終了抽籤)を実行可能であり、
前記第1有利状態において、前記特定役が前記内部当籤役として決定された単位遊技で前記操作態様報知手段による報知が行われない報知抑制状態(例えば、ベルナビ非発生状態)と、前記特定役が前記内部当籤役として決定された単位遊技で前記操作態様報知手段による報知が許容される報知許容状態(例えば、ベルナビ発生可能状態)と、を有し、
前記第1有利状態が開始されてから特定条件(例えば、所定ゲーム数(100G)の経過)が成立するまでの間は、前記報知抑制状態となることを特徴とする。
このような構成によれば、報知の可能性が異なる第1有利状態及び第2有利状態が設けられ、第1有利状態は、基本的に特定条件が成立するまでは報知抑制状態として終了させられないので、そのような特定条件を適切に設定することで操作態様の報知を抑制して第1有利状態と第2有利状態との有利さバランスを図ることができ、遊技者にとって有利な状態を把握させやすくしつつ、出玉設計の自由度を高めることができる。
本発明の好ましい実施の形態としては、
前記特定条件は、所定回数の単位遊技(例えば、100G)が実行されることであり、当該所定回数は、前記所定のボーナス役が前記内部当籤役として決定されるまでの平均単位遊技回数よりも多いことを特徴とする。
このような遊技機によれば、特定条件が成立するまでに所定のボーナス役が決定されて有利状態を終了させる判定結果が得られる可能性が高くなるので、有利状態とボーナスとの有利さバランスを適切に図ることができる。
[発明の効果]
本発明によれば、遊技者にとって有利な状態を把握させやすくするとともに、旧来とは異なる手法により出玉設計の自由度を高めることができる遊技機を提供することができる。
[付記2]
付記2の遊技機は、以下の通りである。
[背景技術]
従来、遊技者により、メダルやコインなどの遊技媒体が投入(以下、「投入操作」という。)され、スタートレバーが操作(以下、「開始操作」という。)されると、複数の図柄がそれぞれの表面に配された複数のリールの回転が開始し、ストップボタンが操作(以下、「停止操作」という。)されると、複数のリールの回転が停止し、その結果表示された図柄の組合せに応じて特典が付与される、いわゆるパチスロ機と称される遊技機が知られている。
このような遊技機においては、開始操作をスタートスイッチにより検出すると、乱数値を抽出して抽籤を行う(以下、この抽籤の結果を「内部当籤役」という。)とともに、ステッピングモータを駆動制御して複数のリールの回転を開始させる制御を行い、停止操作をストップスイッチにより検出すると、ステッピングモータを駆動制御し、内部当籤役に基づいて複数のリールの回転を停止させる制御を行う。
この種の遊技機では、遊技者にとって有利な状態となるAT(assist time)に当籤しているか否かの前兆演出として、主に熟練度の高い遊技者を想定した複雑な演出態様によって趣向を凝らした遊技機が知られている(例えば、特開2015-16085号公報参照)。
[発明の概要]
[発明が解決しようとする課題]
しかしながら、特許文献1の遊技機では、演出態様や仕様が複雑であり、非熟練者にとってはどのような状態が有利なのか把握しづらいという難点があった。また、何ら利益を得ることができないまま前兆演出が終了するので、遊技の興趣が低下するおそれがあった。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、遊技者にとって有利な状態を把握させやすくするとともに、遊技の興趣を高めることができる遊技機を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段]
上記の目的を達成するために、本発明は、以下のような遊技機を提供する。
本発明に係る遊技機は、
複数の識別情報を変動表示可能な複数の可変表示手段(例えば、リール3L、3C、3R及び表示窓4)と、
前記複数の可変表示手段に対応して遊技者が停止操作可能な複数の停止操作手段(例えば、ストップボタン7L、7C、7R)と、
開始条件の成立に基づいて前記複数の可変表示手段を変動表示させる変動制御手段(例えば、主制御基板71)と、
前記開始条件の成立に基づいて内部当籤役を決定可能な内部当籤役決定手段(例えば、主制御基板71)と、
前記内部当籤役決定手段により決定された内部当籤役と前記複数の停止操作手段を介した停止操作とに基づいて、前記複数の可変表示手段の変動表示を停止させることで結果表示を導出可能な停止制御手段(例えば、主制御基板71)と、
遊技者にとって有利な前記複数の停止操作手段に対する操作態様を報知可能な操作態様報知手段(例えば、副制御基板72及び報知ランプ147a)と、
前記操作態様報知手段による報知を実行可能な有利状態(例えば、有利区間)を制御する状態制御手段(例えば、主制御基板71)と、
前記有利状態を告知する有利状態告知手段(例えば、状態表示器147b)と、
を備えた遊技機(例えば、パチスロ機1)であって、
前記有利状態として、所定条件の成立時(例えば、有利区間移行抽籤の当籤時)に前記操作態様報知手段による報知が可能な第1有利状態(例えば、「通常有利」の状態)と、当該第1有利状態から移行可能で当該第1有利状態よりも前記操作態様報知手段による報知の可能性が高い第2有利状態(例えば、「ART」の状態)と、を少なくとも有し、
前記第1有利状態におけるモード(例えば、通常モード)を制御可能なモード制御手段(例えば、主制御基板71)を備え、
前記内部当籤役決定手段により決定可能な前記内部当籤役として、前記複数の停止操作手段に対する特定の操作態様で停止操作を行った場合に前記複数の可変表示手段に有利な結果表示が導出され、当該特定の操作態様とは異なる操作態様で停止操作を行った場合に前記複数の可変表示手段に前記有利な結果表示とは異なる結果表示が導出され得る特定役(例えば、押し順ベル)と、所定のボーナス役(例えば、MB)とを有し、
前記状態制御手段は、前記特定役が前記内部当籤役として決定された単位遊技で前記操作態様報知手段による報知が行われること、又は前記複数の可変表示手段において前記所定のボーナス役に対応する結果表示が導出されることのうち、少なくともいずれか一方を満たした後において前記有利状態を終了させるか否かを判定するための終了判定(例えば、有利区間終了抽籤)を実行可能であり、
前記第1有利状態におけるモードとして、第1モード(例えば、通常モードの“低確”、“天国準備”)と第2モード(例えば、通常モードの“天国”、“超天国”、“特殊”、“次回前兆”)とを少なくとも有し、
前記第1モードと前記第2モードとは、前記第2有利状態に移行する可能性(例えば、「ART」の当籤確率)が異なることを特徴とする。
このような構成によれば、報知の可能性が異なる第1有利状態及び第2有利状態が設けられ、第1有利状態においては、第2有利状態に移行する可能性が異なる第1モードと第2モードとが設けられるので、遊技者は、いずれのモードに滞在して第2有利状態への移行に期待しながら遊技を行うことができ、遊技者にとって有利な状態を把握させやすくしつつ、遊技の興趣を高めることができる。
[発明の効果]
本発明によれば、遊技者にとって有利な状態を把握させやすくするとともに、遊技の興趣を高めることができる遊技機を提供することができる。
[付記3]
付記3の遊技機は、以下の通りである。
[背景技術]
従来、遊技者により、メダルやコインなどの遊技媒体が投入(以下、「投入操作」という。)され、スタートレバーが操作(以下、「開始操作」という。)されると、複数の図柄がそれぞれの表面に配された複数のリールの回転が開始し、ストップボタンが操作(以下、「停止操作」という。)されると、複数のリールの回転が停止し、その結果表示された図柄の組合せに応じて特典が付与される、いわゆるパチスロ機と称される遊技機が知られている。
このような遊技機においては、開始操作をスタートスイッチにより検出すると、乱数値を抽出して抽籤を行う(以下、この抽籤の結果を「内部当籤役」という。)とともに、ステッピングモータを駆動制御して複数のリールの回転を開始させる制御を行い、停止操作をストップスイッチにより検出すると、ステッピングモータを駆動制御し、内部当籤役に基づいて複数のリールの回転を停止させる制御を行う。
この種の遊技機では、遊技者にとって有利な状態となるAT(assist time)に当籤しているか否かの前兆演出として、主に熟練度の高い遊技者を想定した複雑な演出態様によって趣向を凝らした遊技機が知られている(例えば、特開2015-16085号公報参照)。
[発明の概要]
[発明が解決しようとする課題]
しかしながら、特許文献1の遊技機では、演出態様や仕様が複雑であり、非熟練者にとってはどのような状態が有利なのか把握しづらいという難点があった。例えば、内部的にATの当籤が確定した本前兆状態であるにもかかわらず、それに気づかずに遊技を終えてしまうと、遊技者が本来得られるべき利益を享受できないことになる。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、遊技者にとって有利な状態を把握させやすくし、遊技者が見逃すおそれを低下させつつも、AT抽籤に関する遊技状態を多彩なものとすることができる遊技機を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段]
上記の目的を達成するために、本発明は、以下のような遊技機を提供する。
本発明に係る遊技機は、
複数の識別情報を変動表示可能な複数の可変表示手段(例えば、リール3L、3C、3R及び表示窓4)と、
前記複数の可変表示手段に対応して遊技者が停止操作可能な複数の停止操作手段(例えば、ストップボタン7L、7C、7R)と、
開始条件の成立に基づいて前記複数の可変表示手段を変動表示させる変動制御手(例えば、主制御基板71)段と、
前記開始条件の成立に基づいて内部当籤役を決定可能な内部当籤役決定手段(例えば、主制御基板71)と、
前記内部当籤役決定手段により決定された内部当籤役と前記複数の停止操作手段を介した停止操作とに基づいて、前記複数の可変表示手段の変動表示を停止させることで結果表示を導出可能な停止制御手段(例えば、主制御基板71)と、
遊技者にとって有利な前記複数の停止操作手段に対する操作態様を報知可能な操作態様報知手段(例えば、副制御基板72及び報知ランプ147a)と、
前記操作態様報知手段による報知を実行可能な有利状態(例えば、有利区間)及び前記操作態様報知手段による報知を実行不能な一般状態(例えば、通常区間)を制御する状態制御手段(例えば、主制御基板71)と、
前記有利状態を告知する有利状態告知手段(例えば、状態表示器147b)と、
を備えた遊技機(例えば、パチスロ機1)であって、
前記有利状態として、所定条件の成立時(例えば、有利区間移行抽籤の当籤時)に前記操作態様報知手段による報知が可能な第1有利状態(例えば、「通常有利」の状態)と、当該第1有利状態から移行可能で当該第1有利状態よりも前記操作態様報知手段による報知の可能性が高い第2有利状態(例えば、「ART」の状態)と、を少なくとも有し、
前記第1有利状態におけるモード(例えば、通常モード)を制御可能なモード制御手段(例えば、主制御基板71)を備え、
前記内部当籤役決定手段により決定可能な前記内部当籤役として、前記複数の停止操作手段に対する特定の操作態様で停止操作を行った場合に前記複数の可変表示手段に有利な結果表示が導出され、当該特定の操作態様とは異なる操作態様で停止操作を行った場合に前記複数の可変表示手段に前記有利な結果表示とは異なる結果表示が導出され得る特定役(例えば、押し順ベル)と、所定のボーナス役(例えば、MB)とを有し、
前記状態制御手段は、前記特定役が前記内部当籤役として決定された単位遊技で前記操作態様報知手段による報知が行われること、又は前記複数の可変表示手段において前記所定のボーナス役に対応する結果表示が導出されることのうち、少なくともいずれか一方を満たした後において前記有利状態を終了させるか否かを判定するための終了判定(例えば、有利区間終了抽籤)を実行可能であり、
前記第1有利状態におけるモードとして、第1モード(例えば、通常モードの“低確”、“天国準備”)と第2モード(例えば、通常モードの“天国”、“超天国”、“特殊”、“次回前兆”)とを少なくとも有し、
前記第2モードは、前記第1モードよりも前記第2有利状態に移行する可能性が高く、
前記一般状態は、前記第1モードよりも前記第2有利状態に移行する可能性(例えば、「ART」の当籤確率)が高いことを特徴とする。
このような構成によれば、報知が行われない一般状態と、報知の可能性が異なる第1有利状態及び第2有利状態とが設けられ、第1有利状態においては、第2有利状態に移行する可能性が異なる第1モードと第2モードとが設けられる。そして、一般状態において第2有利状態に移行する可能性の方が、第1有利状態の第1モードにおいて第2有利状態に移行する可能性よりも高いので、遊技者は、報知を受けることができない一般状態にあっても第2有利状態への移行に期待しながら遊技を行うことができ、遊技者にとって有利な状態を把握させやすくし、遊技者が見逃すおそれを低下させつつも、いわゆるAT抽籤に関する遊技状態を多彩なものとすることができる。
[発明の効果]
本発明によれば、遊技者にとって有利な状態を把握させやすくし、遊技者が見逃すおそれを低下させつつも、AT抽籤に関する遊技状態を多彩なものとすることができる遊技機を提供することができる。
[付記4]
付記4の遊技機は、以下の通りである。
[背景技術]
従来、遊技者により、メダルやコインなどの遊技媒体が投入(以下、「投入操作」という。)され、スタートレバーが操作(以下、「開始操作」という。)されると、複数の図柄がそれぞれの表面に配された複数のリールの回転が開始し、ストップボタンが操作(以下、「停止操作」という。)されると、複数のリールの回転が停止し、その結果表示された図柄の組合せに応じて特典が付与される、いわゆるパチスロ機と称される遊技機が知られている。
このような遊技機においては、開始操作をスタートスイッチにより検出すると、乱数値を抽出して抽籤を行う(以下、この抽籤の結果を「内部当籤役」という。)とともに、ステッピングモータを駆動制御して複数のリールの回転を開始させる制御を行い、停止操作をストップスイッチにより検出すると、ステッピングモータを駆動制御し、内部当籤役に基づいて複数のリールの回転を停止させる制御を行う。
この種の遊技機では、遊技者にとって有利な状態となるAT(assist time)に当籤しているか否かの前兆演出として、主に熟練度の高い遊技者を想定した複雑な演出態様によって趣向を凝らした遊技機が知られている(例えば、特開2015-16085号公報参照)。
[発明の概要]
[発明が解決しようとする課題]
しかしながら、特許文献1の遊技機では、演出態様や仕様が複雑であり、非熟練者にとってはどのような状態が有利なのか把握しづらいという難点があった。例えば、内部的にATの当籤が確定した本前兆状態であるにもかかわらず、それに気づかずに遊技を終えてしまうと、遊技者が本来得られるべき利益を享受できないことになる。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、遊技者にとって有利な状態を把握させやすくし、遊技者が見逃すおそれを低下させつつも、AT抽籤に関する遊技状態を多彩なものとすることができる遊技機を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段]
上記の目的を達成するために、本発明は、以下のような遊技機を提供する。
本発明に係る遊技機は、
複数の識別情報を変動表示可能な複数の可変表示手段(例えば、リール3L、3C、3R及び表示窓4)と、
前記複数の可変表示手段に対応して遊技者が停止操作可能な複数の停止操作手段(例えば、ストップボタン7L、7C、7R)と、
開始条件の成立に基づいて前記複数の可変表示手段を変動表示させる変動制御手段(例えば、主制御基板71)と、
前記開始条件の成立に基づいて内部当籤役を決定可能な内部当籤役決定手段(例えば、主制御基板71)と、
前記内部当籤役決定手段により決定された内部当籤役と前記複数の停止操作手段を介した停止操作とに基づいて、前記複数の可変表示手段の変動表示を停止させることで結果表示を導出可能な停止制御手段(例えば、主制御基板71)と、
遊技者にとって有利な前記複数の停止操作手段に対する操作態様を報知可能な操作態様報知手段(例えば、副制御基板72及び報知ランプ147a)と、
前記操作態様報知手段による報知を実行可能な有利状態(例えば、有利区間)及び前記操作態様報知手段による報知を実行不能な一般状態(例えば、通常区間)を制御する状態制御手段(例えば、主制御基板71)と、
前記有利状態を告知する有利状態告知手段(例えば、状態表示器147b)と、
を備えた遊技機(例えば、パチスロ機1)であって、
前記有利状態として、所定条件の成立時(例えば、有利区間移行抽籤の当籤時)に前記操作態様報知手段による報知が可能な第1有利状態(例えば、「通常有利」の状態)と、当該第1有利状態から移行可能で当該第1有利状態よりも前記操作態様報知手段による報知の可能性が高い第2有利状態(例えば、「ART」の状態)と、を少なくとも有し、
前記内部当籤役決定手段により決定可能な前記内部当籤役として、前記複数の停止操作手段に対する特定の操作態様で停止操作を行った場合に前記複数の可変表示手段に有利な結果表示が導出され、当該特定の操作態様とは異なる操作態様で停止操作を行った場合に前記複数の可変表示手段に前記有利な結果表示とは異なる結果表示が導出され得る特定役(例えば、押し順ベル)と、所定のボーナス役(例えば、MB)とを有し、
前記状態制御手段は、前記特定役が前記内部当籤役として決定された単位遊技で前記操作態様報知手段による報知が行われること、又は前記複数の可変表示手段において前記所定のボーナス役に対応する結果表示が導出されることのうち、少なくともいずれか一方を満たした後において前記有利状態を終了させるか否かを判定するための終了判定(例えば、有利区間終了抽籤)を実行可能であり、
前記第2有利状態の終了条件(例えば、「ART」のゲーム数0)が成立したときに、前記第1有利状態に移行させるか前記一般状態に移行させるかについての判定(例えば、終了時有利区間終了抽籤)を実行可能であることを特徴とする。
このような構成によれば、報知が行われない一般状態と、報知の可能性が異なる第1有利状態及び第2有利状態とが設けられ、有利状態は、特定役が内部当籤役として決定されて報知が行われるか、あるいは所定のボーナス役に対応する結果表示が導出されるか、いずれか一方を満たした後、終了判定の結果によって一般状態に移行させられる可能性がある一方、報知の可能性がより高い第2有利状態の終了時においては、一般状態に移行させずに第1有利状態に移行させられて有利状態が継続する可能性があるので、遊技者にとって有利な状態を把握させやすくし、遊技者が見逃すおそれを低下させつつも、いわゆるAT抽籤に関する遊技状態を多彩なものとすることができる。
[発明の効果]
本発明によれば、遊技者にとって有利な状態を把握させやすくし、遊技者が見逃すおそれを低下させつつも、AT抽籤に関する遊技状態を多彩なものとすることができる遊技機を提供することができる。
[付記5]
付記5の遊技機は、以下の通りである。
[背景技術]
従来、遊技者により、メダルやコインなどの遊技媒体が投入(以下、「投入操作」という。)され、スタートレバーが操作(以下、「開始操作」という。)されると、複数の図柄がそれぞれの表面に配された複数のリールの回転が開始し、ストップボタンが操作(以下、「停止操作」という。)されると、複数のリールの回転が停止し、その結果表示された図柄の組合せに応じて特典が付与される、いわゆるパチスロ機と称される遊技機が知られている。
このような遊技機においては、開始操作をスタートスイッチにより検出すると、乱数値を抽出して抽籤を行う(以下、この抽籤の結果を「内部当籤役」という。)とともに、ステッピングモータを駆動制御して複数のリールの回転を開始させる制御を行い、停止操作をストップスイッチにより検出すると、ステッピングモータを駆動制御し、内部当籤役に基づいて複数のリールの回転を停止させる制御を行う。
この種の遊技機では、遊技者にとって有利な状態となるAT(assist time)に当籤しているか否かの前兆演出として、主に熟練度の高い遊技者を想定した複雑な演出態様によって趣向を凝らした遊技機が知られている(例えば、特開2015-16085号公報参照)。
[発明の概要]
[発明が解決しようとする課題]
しかしながら、特許文献1の遊技機では、演出態様や仕様が複雑であり、非熟練者にとってはどのような状態が有利なのか把握しづらいという難点があった。例えば、内部的にATの当籤が確定した本前兆状態であるにもかかわらず、それに気づかずに遊技を終えてしまうと、遊技者が本来得られるべき利益を享受できないことになる。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、遊技者にとって有利な状態を把握させやすくし、遊技者が見逃すおそれを低下させつつも、AT抽籤に関する遊技状態を多彩なものとすることができる遊技機を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段]
上記の目的を達成するために、本発明は、以下のような遊技機を提供する。
本発明に係る遊技機は、
複数の識別情報を変動表示可能な複数の可変表示手段(例えば、リール3L、3C、3R及び表示窓4)と、
前記複数の可変表示手段に対応して遊技者が停止操作可能な複数の停止操作手段(例えば、ストップボタン7L、7C、7R)と、
開始条件の成立に基づいて前記複数の可変表示手段を変動表示させる変動制御手段(例えば、主制御基板71)と、
前記開始条件の成立に基づいて内部当籤役を決定可能な内部当籤役決定手段(例えば、主制御基板71)と、
前記内部当籤役決定手段により決定された内部当籤役と前記複数の停止操作手段を介した停止操作とに基づいて、前記複数の可変表示手段の変動表示を停止させることで結果表示を導出可能な停止制御手段(例えば、主制御基板71)と、
前記内部当籤役として少なくとも1種類以上の再遊技役(例えば、リプレイ)の当籤確率が異なる複数のRTのうち、いずれかのRTに制御可能なRT制御手段(例えば、主制御基板71)と、
遊技者にとって有利な前記複数の停止操作手段に対する操作態様を報知可能な操作態様報知手段(例えば、副制御基板72及び報知ランプ147a)と、
前記操作態様報知手段による報知を実行可能な有利状態(例えば、有利区間)を制御する状態制御手段(例えば、主制御基板71)と、
前記有利状態を告知する有利状態告知手段(例えば、状態表示器147b)と、
を備えた遊技機(例えば、パチスロ機1)であって、
前記内部当籤役決定手段により決定可能な前記内部当籤役として、前記複数の停止操作手段に対する特定の操作態様で停止操作を行った場合に前記複数の可変表示手段に有利な結果表示が導出され、当該特定の操作態様とは異なる操作態様で停止操作を行った場合に前記複数の可変表示手段に前記有利な結果表示とは異なる結果表示が導出され得る特定役(例えば、押し順ベル)と、所定のボーナス役(例えば、MB)とを有し、
前記状態制御手段は、前記特定役が前記内部当籤役として決定された単位遊技で前記操作態様報知手段による報知が行われること、又は前記複数の可変表示手段において前記所定のボーナス役に対応する結果表示が導出されることのうち、少なくともいずれか一方を満たした後において前記有利状態を終了させるか否かを判定するための終了判定(例えば、有利区間終了抽籤)を実行可能であり、
前記RT制御手段は、設定変更時に特定のRT(例えば、RT0)に制御可能であり、
前記特定のRTに制御される旨が決定された前記有利状態は、前記特定のRT以外のRTにおいて制御される旨が決定された前記有利状態よりも遊技者にとって有利度合いが高くなる可能性が高いことを特徴とする。
このような構成によれば、報知が実行可能な有利状態が設けられ、有利状態は、特定役が内部当籤役として決定されて報知が行われるか、あるいは所定のボーナス役に対応する結果表示が導出されるか、いずれか一方を満たした後、終了判定の結果によって終了させられる可能性がある一方、設定変更がなされた場合には、遊技状態が特定のRTに制御されることで有利状態よりも有利度合いが高くなる可能性が高いので、遊技者にとって有利な状態を把握させやすくし、遊技者が見逃すおそれを低下させつつも、いわゆるAT抽籤に関する遊技状態を多彩なものとすることができる。
[発明の効果]
本発明によれば、遊技者にとって有利な状態を把握させやすくし、遊技者が見逃すおそれを低下させつつも、AT抽籤に関する遊技状態を多彩なものとすることができる遊技機を提供することができる。
[付記6]
付記6の遊技機は、以下の通りである。
[背景技術]
従来、遊技者により、メダルやコインなどの遊技媒体が投入(以下、「投入操作」という。)され、スタートレバーが操作(以下、「開始操作」という。)されると、複数の図柄がそれぞれの表面に配された複数のリールの回転が開始し、ストップボタンが操作(以下、「停止操作」という。)されると、複数のリールの回転が停止し、その結果表示された図柄の組合せに応じて特典が付与される、いわゆるパチスロ機と称される遊技機が知られている。
このような遊技機においては、開始操作をスタートスイッチにより検出すると、乱数値を抽出して抽籤を行う(以下、この抽籤の結果を「内部当籤役」という。)とともに、ステッピングモータを駆動制御して複数のリールの回転を開始させる制御を行い、停止操作をストップスイッチにより検出すると、ステッピングモータを駆動制御し、内部当籤役に基づいて複数のリールの回転を停止させる制御を行う。
また、例えば、特開2015-39536号公報には、遊技者にとって有利な有利状態(例えば、ART状態)に移行するか否かの抽籤を行い、当該抽籤結果に基づいて本前兆状態(有利状態に移行することが決定されている前兆)又はガセ前兆状態(有利状態に移行しない場合の前兆)に移行可能とする遊技機が知られている。
[発明の概要]
[発明が解決しようとする課題]
このような遊技機によれば、前兆(本前兆状態又はガセ前兆状態)中に有利状態への移行を煽る演出を行うことができ、遊技の興趣を向上させることができるものの、ガセ前兆状態に移行していた場合には、有利状態に移行することがないため、結果としてメダルを消費してしまうばかりで恩恵もないため、遊技意欲が低減してしまうおそれがあった。
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであり、遊技意欲の低減を抑制可能な遊技機を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段]
上記の目的を達成するために、本発明は、以下のような遊技機を提供する。
本発明に係る遊技機は、複数の識別情報を変動表示可能な複数の可変表示手段(例えば、リール3L、3C、3R及び表示窓4)と、前記複数の可変表示手段に対応して遊技者が停止操作可能な複数の停止操作手段(例えば、ストップボタン7L、7C、7R)と、開始条件の成立に基づいて前記複数の可変表示手段を変動表示させる変動制御手段(例えば、主制御基板71)と、前記開始条件の成立に基づいて内部当籤役を決定可能な内部当籤役決定手段(例えば、主制御基板71)と、前記内部当籤役決定手段により決定された内部当籤役と前記複数の停止操作手段を介した停止操作とに基づいて、前記複数の可変表示手段の変動表示を停止させることで結果表示を導出可能な停止制御手段(例えば、主制御基板71)と、遊技者にとって有利な前記複数の停止操作手段に対する操作態様を報知可能な操作態様報知手段(例えば、主制御基板71、報知ランプ147a、副制御基板72、表示ユニット100)と、前記操作態様報知手段による報知を実行可能な報知状態(例えば、有利区間)を制御する状態制御手段(例えば、主制御基板71)と、を備えた遊技機であって、前記報知状態として、所定条件の成立時に前記操作態様報知手段による報知が可能な第1報知状態(例えば、「通常有利」)と、当該第1報知状態から移行可能で当該第1報知状態よりも前記操作態様報知手段による報知の可能性が高い第2報知状態(例えば、「ART」)と、を少なくとも有し、前記内部当籤役決定手段により決定可能な前記内部当籤役として、前記複数の停止操作手段に対する特定の操作態様で停止操作を行った場合に前記複数の可変表示手段に有利な結果表示が導出され、当該特定の操作態様とは異なる操作態様で停止操作を行った場合に前記複数の可変表示手段に前記有利な結果表示とは異なる結果表示が導出される特定役(例えば、押し順ベル)と、所定のボーナス役(例えば、MB)とを有し、前記状態制御手段は、非報知状態において特定条件が成立すると、当該非報知状態から前記第1報知状態に移行可能であり、また、前記特定役が前記内部当籤役として決定された単位遊技で前記操作態様報知手段による報知が行われること、又は前記複数の可変表示手段において前記所定のボーナス役に対応する結果表示が導出されることのうち、少なくともいずれか一方を満たした後において前記報知状態を終了させるか否かを判定するための終了判定(例えば、有利区間終了抽籤)を実行可能であり、前記第1報知状態中に行われた単位遊技の回数を計数する計数手段(例えば、主制御基板71)と、前記計数手段が計数する前記回数に応じて特典(例えば、SCZモードの昇格)を付与する特典付与手段(例えば、主制御基板71)と、を更に備えることを特徴とする。
このような遊技機によれば、第1報知状態中に計数された単位遊技の回数に応じて特典が付与される。ここで、第1報知状態は、遊技者にとって有利な操作態様が報知される確率が高い第2報知状態に移行可能な遊技状態であるため、本実施形態の遊技機では、より有利な第2報知状態に移行できないまま第1報知状態に所定期間滞在した場合に特典を付与することができる。これにより非報知状態において、第2報知状態に移行できずに第1報知状態に移行してしまった場合であっても、単にメダルを消費してしまうだけでなく特典の付与が期待できるため、遊技意欲の低減を抑制することができる。
また、本発明に係る遊技機において、前記第2報知状態を継続可能な残り継続期間を管理する残期間管理手段(例えば、主制御基板71)を更に備え、前記状態制御手段は、前記第1報知状態中に行われた単位遊技の回数と、前記第2報知状態中に行われた単位遊技の回数との和が所定回数(例えば、1500回)に達すると、前記残期間管理手段が管理する前記残り継続期間に関わらず、前記報知状態を終了させる(例えば、リミット処理を行う)こととしてもよい。
このような遊技機によれば、第1報知状態に所定期間滞在した場合には特典の付与が期待できるものの、第1報知状態中と第2報知状態中とに行われた単位遊技の回数の和が所定回数に達すると、報知状態が強制的に終了してしまう。これにより第1報知状態に長期間滞在した結果、大きな特典が付与されたとしても、報知状態(第1報知状態又は第2報知状態)が必要以上に継続してしまうことがなく、射幸心を徒に高めてしまうことを防止できる。
また、本発明に係る遊技機は、複数の識別情報を変動表示可能な複数の可変表示部(例えば、リール3L、3C、3R及び表示窓4)と、前記複数の可変表示部に対応して遊技者が停止操作可能な複数の停止操作手段(例えば、ストップボタン7L、7C、7R)と、開始条件の成立に基づいて前記複数の可変表示部を変動表示させる変動制御手段(例えば、主制御基板71)と、前記開始条件の成立に基づいて内部当籤役を決定可能な内部当籤役決定手段(例えば、主制御基板71)と、前記内部当籤役決定手段により決定された内部当籤役と前記複数の停止操作手段を介した停止操作とに基づいて、前記複数の可変表示部の変動表示を停止させることで結果表示を導出可能な停止制御手段(例えば、主制御基板71)と、遊技者にとって有利な前記複数の停止操作手段に対する操作態様を報知可能な操作態様報知手段(例えば、主制御基板71、報知ランプ147a、副制御基板72、表示ユニット100)と、通常状態(例えば、通常区間)と、該通常状態よりも有利な有利状態(例えば、有利区間)と、を少なくとも含む複数の遊技状態を制御する状態制御手段と、を備えた遊技機であって、前記有利状態として、前記操作態様報知手段による報知が抑制された第1有利状態(例えば、通常有利や演出区間)と、前記操作態様報知手段による報知を実行可能な第2有利状態(例えば、ARTや増加区間)と、を少なくとも有し、前記第1有利状態が予め定められた所定の期間継続したときに特典を付与可能な特典付与手段(例えば、主制御基板71)と、前記有利状態中に行われた単位遊技の回数が所定回数となったときに(例えば、ゲーム数リミッタの発動時に)、前記有利状態を終了させる終了手段(例えば、主制御基板71)と、を更に備えることを特徴とする。
このような遊技機によれば、第1有利状態が予め定められた所定の期間継続したときに特典が付与されるため、上述の遊技機と同様に、第2有利状態に移行できずに第1有利状態に移行してしまった場合であっても、単にメダルを消費してしまうだけでなく特典の付与が期待できるため、遊技意欲の低減を抑制することができる。一方で、有利状態(第1有利状態又は第2有利状態)は、当該有利状態中に行われた単位遊技の回数が所定回数となったときに終了してしまうため、第1有利状態に長期間滞在した結果、大きな特典が付与されたとしても、有利状態(第1有利状態又は第2有利状態)が必要以上に継続してしまうことがなく、射幸心を徒に高めてしまうことを防止できる。
[発明の効果]
本発明によれば、遊技意欲の低減を抑制可能な遊技機を提供することができる。
[付記7]
付記7の遊技機は、以下の通りである。
[背景技術]
従来、遊技者により、メダルやコインなどの遊技媒体が投入(以下、「投入操作」という。)され、スタートレバーが操作(以下、「開始操作」という。)されると、複数の図柄がそれぞれの表面に配された複数のリールの回転が開始し、ストップボタンが操作(以下、「停止操作」という。)されると、複数のリールの回転が停止し、その結果表示された図柄の組合せに応じて特典が付与される、いわゆるパチスロ機と称される遊技機が知られている。
このような遊技機においては、開始操作をスタートスイッチにより検出すると、乱数値を抽出して抽籤を行う(以下、この抽籤の結果を「内部当籤役」という。)とともに、ステッピングモータを駆動制御して複数のリールの回転を開始させる制御を行い、停止操作をストップスイッチにより検出すると、ステッピングモータを駆動制御し、内部当籤役に基づいて複数のリールの回転を停止させる制御を行う。
このような遊技機として、特開2016-086863号公報には、遊技者にとって有利な特別役が有利状態中に表示された場合に、遊技状態を識別して外部信号を送信し、データカウンタ等の外部機器と連動して大量のメダルが獲得できることを示唆する賑やかな演出を行う遊技機が開示されている。このような遊技機によれば、単に遊技機だけで演出を行うのではなく、他の機器と連動して演出を行うため、遊技の興趣を高めることができる。
[発明の概要]
[発明が解決しようとする課題]
しかしながら、このような遊技機では、一連の有利状態において獲得できるメダルが多すぎるため、射幸性が高すぎると感じる一部の遊技者から敬遠されてしまうという問題があった。
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであり、一連の状態の中で遊技者に対して付与する利益が過度になり過ぎず適度な射幸性のバランスがとられた遊技機を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段]
上記の目的を達成するために、本発明は、以下のような遊技機を提供する。
本発明に係る遊技機は、遊技者にとって有利な停止操作の態様を報知可能な報知状態(例えば、有利区間)に関連して計数された数値がリミット閾値(例えば、1500回)に達すると、前記報知状態を継続可能な残り期間に関わらず前記報知状態を終了するリミット処理を行う遊技機であって、複数の識別情報を変動表示可能な複数の可変表示部(例えば、リール3L、3C、3R及び表示窓4)と、前記複数の可変表示部に対応して遊技者が停止操作可能な複数の停止操作手段(例えば、ストップボタン7L、7C、7R)と、開始条件の成立に基づいて前記複数の可変表示部を変動表示させる変動制御手段(例えば、主制御基板71)と、前記開始条件の成立に基づいて内部当籤役を決定可能な内部当籤役決定手段(例えば、主制御基板71)と、前記内部当籤役決定手段により決定された内部当籤役と前記複数の停止操作手段を介した停止操作とに基づいて、前記複数の可変表示部の変動表示を停止させることで結果表示を導出可能な停止制御手段(例えば、主制御基板71)と、遊技者にとって有利な停止操作の態様を報知可能な報知手段(例えば、主制御基板71、報知ランプ147a、副制御基板72、表示ユニット100)と、前記報知手段による報知を実行可能な前記報知状態を制御する状態制御手段(例えば、主制御基板71)と、を備え、前記内部当籤役決定手段により決定可能な前記内部当籤役として、前記複数の停止操作手段に対する特定の操作態様で停止操作を行った場合に前記複数の可変表示部に特定の結果表示(例えば、単チリリプ、2連チリリプ、3連チリリプ)が導出され、当該特定の操作態様とは異なる操作態様で停止操作を行った場合に前記複数の可変表示部に前記特定の結果表示とは異なる所定の結果表示(例えば、リプレイ)が導出される特定役(例えば、「F_単チリリプ」「F_2連チリリプ」「F_3連チリリプ」)を有し、前記内部当籤役決定手段により前記特定役が前記内部当籤役として決定されたことに応じて、前記報知状態に関する特典を付与可能な特典付与手段(例えば、主制御基板71)と、前記特定役が前記内部当籤役として決定されたときに、前記特典付与手段が特典を付与し得る確率である特典確率を変化させる確率変更手段(例えば、主制御基板71)と、を更に備え、前記確率変更手段は、前記数値が特定値未満である場合は前記特典確率を第1の確率とし、前記数値が前記特定値以上である場合は前記特典確率を該第1の確率より低い第2の確率とし、前記報知手段は、前記数値が前記特定値未満である場合に前記特定役が前記内部当籤役として決定されると、前記特定の操作態様を遊技者に対して報知し、前記数値が前記特定値以上である場合に前記特定役が前記内部当籤役として決定されると、前記特定の操作態様とは異なる操作態様を遊技者に対して報知することを特徴とする。
このような遊技機によれば、通常であれば、特定役の当籤時に報知状態に関する特典を付与可能であるが、報知状態に関連して計数された数値が特定値に達した後は、特定役が決定された場合であっても特典を付与する確率が低下する。これにより報知状態中に遊技者に対して付与する利益が過度になり過ぎず、適度な射幸性のバランスをとることができる。また、本発明に係る遊技機では、この数値がリミット閾値に達した場合、強制的に報知状態を終了するため、この点からも射幸性のバランスをとることができる。なお、特定役の当籤時に特典を付与する場合には、報知手段の報知に伴い特定の結果表示が導出される一方で、特定役の当籤時に特典を付与しない場合には、報知手段の報知に伴い所定の結果表示が導出される。遊技者にとってみれば、特定役が当籤したにも関わらず特典が付与されないことを把握できてしまうと不満を感じてしまう可能性があるものの、本発明に係る遊技機では、特典を付与する場合と付与しない場合とで結果表示を異ならせるため、結果表示から特定役の当籤時であることを把握されることがない。これにより、特定役の当籤時に特典を付与しない場合であっても、遊技者に不満感を与えてしまうことがなく、遊技の興趣の低下を抑制することができる。
また、本発明に係る遊技機において、前記特定役として、第1の操作態様で停止操作を行った場合に第1の結果表示が導出され、当該第1の操作態様とは異なる操作態様で停止操作を行った場合に前記第1の結果表示とは異なる第2の結果表示が導出され得る第1特定役と、第2の操作態様で停止操作を行った場合に第3の結果表示が導出され、当該第2の操作態様とは異なる操作態様で停止操作を行った場合に前記第3の結果表示とは異なる第4の結果表示が導出される第2特定役と、を有し、前記特典付与手段は、前記第1特定役が前記内部当籤役として決定されたことに応じて、第1の大きさの前記特典を付与可能であり、また、前記第2特定役が前記内部当籤役として決定されたことに応じて、前記第1の大きさよりも大きい第2の大きさの前記特典を付与可能であり、前記確率変更手段は、前記第1特定役が前記内部当籤役として決定されたときに前記特典付与手段が特典を付与し得る確率である第1特典確率及び、前記第2特定役が前記内部当籤役として決定されたときに前記特典付与手段が特典を付与し得る確率である第2特典確率を変化させることが可能であり、前記数値が第1特定値未満である場合に前記第1特典確率を所定の確率とし、前記数値が前記第1特定値以上である場合は前記第1特典確率を該所定の確率よりも低い確率とし、前記数値が前記第1特定値よりも小さい第2特定値未満である場合に前記第2特典確率を特定の確率とし、前記数値が前記第2特定値以上である場合は前記第2特典確率を該特定の確率よりも低い確率とし、前記報知手段は、前記数値が前記第1特定値未満である場合に前記第1特定役が前記内部当籤役として決定されると、前記第1の操作態様を遊技者に対して報知し、前記数値が前記第1特定値以上である場合に前記第1特定役が前記内部当籤役として決定されると、前記第1の操作態様とは異なる操作態様を遊技者に対して報知し、前記数値が前記第2特定値未満である場合に前記第2特定役が前記内部当籤役として決定されると、前記第2の操作態様を遊技者に対して報知し、前記数値が前記第2特定値以上である場合に前記第2特定役が前記内部当籤役として決定されると、前記第2の操作態様とは異なる操作態様を遊技者に対して報知することとしてもよい。
このような遊技機によれば、特定役の種別毎に対応付けられた特典の大きさに応じて、特典を付与する確率を変更する閾値である特定値の値を変え、対応付けられた特典が大きい第2特定役の当籤時には、第1特定役の当籤時よりも当該閾値の値を小さくする。これにより対応付けられた特典の大きさ毎に特典を付与し易い期間を調整することができ、適度な射幸性のバランスをとることができる。
[発明の効果]
本発明によれば、一連の状態の中で遊技者に対して付与する利益が過度になり過ぎず適度な射幸性のバランスがとられた遊技機を提供することができる。
[付記8]
付記8の遊技機は、以下の通りである。
[背景技術]
従来、遊技者により、メダルやコインなどの遊技媒体が投入(以下、「投入操作」という。)され、スタートレバーが操作(以下、「開始操作」という。)されると、複数の図柄がそれぞれの表面に配された複数のリールの回転が開始し、ストップボタンが操作(以下、「停止操作」という。)されると、複数のリールの回転が停止し、その結果表示された図柄の組合せに応じて特典が付与される、いわゆるパチスロ機と称される遊技機が知られている。
このような遊技機においては、開始操作をスタートスイッチにより検出すると、乱数値を抽出して抽籤を行う(以下、この抽籤の結果を「内部当籤役」という。)とともに、ステッピングモータを駆動制御して複数のリールの回転を開始させる制御を行い、停止操作をストップスイッチにより検出すると、ステッピングモータを駆動制御し、内部当籤役に基づいて複数のリールの回転を停止させる制御を行う。
このような遊技機として、特開2016-086863号公報には、遊技者にとって有利な特別役が有利状態中に表示された場合に、遊技状態を識別して外部信号を送信し、データカウンタ等の外部機器と連動して大量のメダルが獲得できることを示唆する賑やかな演出を行う遊技機が開示されている。このような遊技機によれば、単に遊技機だけで演出を行うのではなく、他の機器と連動して演出を行うため、遊技の興趣を高めることができる。
[発明の概要]
[発明が解決しようとする課題]
しかしながら、このような遊技機では、一連の有利状態において獲得できるメダルが多すぎるため、射幸性が高すぎると感じる一部の遊技者から敬遠されてしまうという問題があった。
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであり、一連の状態の中で遊技者に対して付与する利益が過度になり過ぎず適度な射幸性のバランスがとられた遊技機を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段]
上記の目的を達成するために、本発明は、以下のような遊技機を提供する。
本発明に係る遊技機は、遊技者にとって有利な停止操作の態様を報知可能な報知状態(例えば、有利区間)に関連して計数された数値がリミット閾値(例えば、1500回)に達すると、前記報知状態を継続可能な残り期間に関わらず前記報知状態を終了するリミット処理を行う遊技機であって、複数の識別情報を変動表示可能な複数の可変表示部(例えば、リール3L、3C、3R及び表示窓4)と、前記複数の可変表示部に対応して遊技者が停止操作可能な複数の停止操作手段(例えば、ストップボタン7L、7C、7R)と、開始条件の成立に基づいて前記複数の可変表示部を変動表示させる変動制御手段(例えば、主制御基板71)と、前記開始条件の成立に基づいて内部当籤役を決定可能な内部当籤役決定手段(例えば、主制御基板71)と、前記内部当籤役決定手段により決定された内部当籤役と前記複数の停止操作手段を介した停止操作とに基づいて、前記複数の可変表示部の変動表示を停止させることで結果表示を導出可能な停止制御手段(例えば、主制御基板71)と、遊技者にとって有利な停止操作の態様を報知可能な報知手段(例えば、主制御基板71、報知ランプ147a、副制御基板72、表示ユニット100)と、前記報知手段による報知を実行可能な前記報知状態を制御する状態制御手段(例えば、主制御基板71)と、を備え、前記内部当籤役決定手段により決定可能な前記内部当籤役として、前記複数の停止操作手段に対する特定の操作態様で停止操作を行った場合に前記複数の可変表示部に特定の結果表示(例えば、単チリリプ、2連チリリプ、3連チリリプ)が導出され、当該特定の操作態様とは異なる操作態様で停止操作を行った場合に前記複数の可変表示部に前記特定の結果表示とは異なる所定の結果表示(例えば、リプレイ)が導出される特定役(例えば、「F_単チリリプ」「F_2連チリリプ」「F_3連チリリプ」)を有し、前記報知状態中に所定条件(例えば、上乗せ特化ゾーンのストックが所定数以上)を満たすと、特殊状態(例えば、特殊区間)をセットする状態制御手段(例えば、主制御基板71)と、前記内部当籤役決定手段により前記特定役が前記内部当籤役として決定されたことに応じて、前記報知状態に関する特典を付与可能な特典付与手段(例えば、主制御基板71)と、前記特定役が前記内部当籤役として決定されたときに、前記特典付与手段が特典を付与しうる確率である特典確率を変化させる確率変更手段(例えば、主制御基板71)と、を更に備え、前記確率変更手段は、前記特殊状態ではない場合は前記特典確率を第1の確率とし、前記特殊状態中の場合は前記特典確率を該第1の確率より低い第2の確率とし、前記報知手段は、前記特定役が前記内部当籤役として決定され前記特典付与手段が前記特典を付与する場合に、前記特定の操作態様を遊技者に対して報知し、前記特定役が前記内部当籤役として決定され前記特典付与手段が前記特典を付与しない場合に、前記特定の操作態様とは異なる操作態様を遊技者に対して報知することを特徴とする。
このような遊技機によれば、報知状態中に特定役が当籤した場合、特殊状態中であるか否かに応じて特典を付与する確率が異なり、特殊状態中は、特典を付与する確率が下がる。これにより報知状態中に遊技者に対して付与する利益が過度になり過ぎず、適度な射幸性のバランスをとることができる。また、本発明に係る遊技機では、報知状態に関連して計数される数値がリミット閾値に達した場合、強制的に報知状態を終了するため、この点からも射幸性のバランスをとることができる。なお、特定役の当籤時に特典を付与する場合には、報知手段の報知に伴い特定の結果表示が導出される一方で、特定役の当籤時に特典を付与しない場合には、報知手段の報知に伴い所定の結果表示が導出される。遊技者にとってみれば、特定役が当籤したにも関わらず特典が付与されないことを把握できてしまうと不満を感じてしまう可能性があるものの、本発明に係る遊技機では、特典を付与する場合と付与しない場合とで結果表示を異ならせるため、結果表示から特定役の当籤時であることを把握されることがない。これにより、特定役の当籤時に特典を付与しない場合であっても、遊技者に不満感を与えてしまうことがなく、遊技の興趣の低下を抑制することができる。
また、本発明に係る遊技機において、前記所定条件は、前記報知状態を継続可能な残り期間を延長する上乗せ権利を所定数以上保持している場合に満たされることとしてもよい。
このような遊技機によれば、上乗せ権利を所定数以上保持している場合には特定役低減状態になり、特典付与の確率が下がるため、報知状態中に遊技者に対して付与する利益が過度になり過ぎず、適度な射幸性のバランスをとることができる。
また、本発明に係る遊技機において、前記特定役が前記内部当籤役として決定され、前記特定の操作態様で停止操作が行われた場合に導出される前記特定の結果表示は、複数の役のうち前記特定役に固有の結果表示であり、前記特定役が前記内部当籤役として決定され、前記特定の操作態様とは異なる操作態様で停止操作が行われた場合に導出される前記所定の結果表示は、複数の役のうち前記特定役以外の役が前記内部当籤役として決定された場合にも導出され得る結果表示であることとしてもよい。
このような遊技機によれば、特定役の当籤時に特典が付与される場合、特定役に固有の結果表示が導出されることになる。結果表示(図柄)を揃えて上乗せする遊技性は、遊技者からしても好ましいものであるため、特典付与時に固有の結果表示を表示することで、遊技の興趣を向上させることができる。一方で、特定役の当籤時に特典が付与されない場合、他の役の当籤時にも導出され得る結果表示が導出されることになるため、遊技者に特定役の当籤時であることを把握されることがなく、遊技の興趣の低下を抑制することができる。
[発明の効果]
本発明によれば、一連の状態の中で遊技者に対して付与する利益が過度になり過ぎず適度な射幸性のバランスがとられた遊技機を提供することができる。
[付記9]
付記9の遊技機は、以下の通りである。
[背景技術]
従来、遊技者により、メダルやコインなどの遊技媒体が投入(以下、「投入操作」という。)され、スタートレバーが操作(以下、「開始操作」という。)されると、複数の図柄がそれぞれの表面に配された複数のリールの回転が開始し、ストップボタンが操作(以下、「停止操作」という。)されると、複数のリールの回転が停止し、その結果表示された図柄の組合せに応じて特典が付与される、いわゆるパチスロ機と称される遊技機が知られている。
このような遊技機においては、開始操作をスタートスイッチにより検出すると、乱数値を抽出して抽籤を行う(以下、この抽籤の結果を「内部当籤役」という。)とともに、ステッピングモータを駆動制御して複数のリールの回転を開始させる制御を行い、停止操作をストップスイッチにより検出すると、ステッピングモータを駆動制御し、内部当籤役に基づいて複数のリールの回転を停止させる制御を行う。
また、従来、過去の遊技結果の履歴を参照して特典を付与する遊技機も知られており、例えば、特開2013-252312号公報には、5ゲーム分の入賞履歴を所定の条件に従って表示するとともに、入賞履歴データを保持して、入賞履歴が条件コードデータに該当する入賞履歴となってことに基づいてARTの抽籤を行う遊技機が開示されている。このような遊技機によれば、今回の遊技だけでなく、過去の遊技の履歴も加味して制御が行われるため、多彩な遊技性を実現することができる。
[発明の概要]
[発明が解決しようとする課題]
しかしながら、このような遊技機では、入賞履歴データを常時5ゲーム分保持し続けたり、5ゲーム分の入賞履歴を参照した判定用データを用意しなければならず、処理のためのデータ容量の増大と、仕様の複雑さゆえに開発工数が増大するという問題があった。
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであり、データ容量や処理負荷を抑えつつ、多彩な遊技性を実現可能な遊技機を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段]
上記の目的を達成するために、本発明は、以下のような遊技機を提供する。
本発明に係る遊技機は、複数の識別表示を変動表示可能な可変表示手段(例えば、リール3L、3C、3R)と、複数の役の中から決定された当籤役に応じて前記可変表示手段を用いた遊技の進行を制御する遊技制御手段(例えば、主制御基板71)と、遊技に関する演出を実行可能な演出実行手段(例えば、副制御基板72)と、を備える遊技機であって、今回の遊技から所定回数前の遊技までの所定回数の遊技のそれぞれに対応して設けられた所定数の表示領域を有する表示部(例えば、表示ユニット100に表示する履歴表示窓)と、所定役が当籤役として決定されたことに応じて、特典を付与可能な特典付与手段(例えば、主制御基板71)と、を更に備え、前記演出実行手段は、前記所定役が当籤役として決定されたことに応じて、前記表示部が有する所定数の表示領域のうちの前記所定役が当籤役として決定された遊技に対応する表示領域に所定の演出情報(例えば、履歴アイコン)を表示するとともに、前記特典付与手段が前記特典を付与する場合に、前記表示部又は前記所定の演出情報の少なくとも一方において前記特典と関連付けされた演出を実行可能であることを特徴とする。
このような遊技機によれば、所定役が当籤役として決定されると特典を付与することができる。ここで、本発明に係る遊技機では、所定役が当籤役として決定されると、表示部に所定の演出情報を表示し、また、特典を付与する場合には、表示部や所定の演出情報を用いて特典付与に関連する演出を実行する。遊技者からすると演出面から、所定役に当籤した結果として特典が付与されたと錯覚することになり、従来の遊技機のように多彩な遊技性を実現することができる。一方で、本発明に係る遊技機では、従来の遊技機のように過去の履歴データを保持する必要が無く、演出面から過去の履歴を参照して制御している遊技性を実現することができるため、データ容量を抑えることができるとともに、仕様が単調であるため開発工数も抑えることができる。
また、本発明に係る遊技機において、前記複数の役の中から前記所定役が当籤役として決定されたことに応じて、第1状態よりも前記特典の付与に関して有利度合いの高い第2状態(例えば、履歴高確)を開始可能であり、前記所定状態において前記所定回数の遊技が行われたときに前記第2状態を終了可能な状態制御手段(例えば、主制御基板71)を備えることとしてもよい。
このような遊技機によれば、所定役が当籤役として決定されると、その後、所定回数の遊技にわたり第2状態となり、この第2状態中に所定役が当籤役として決定されると、第1状態中に所定役が当籤役として決定された場合よりも、特典の付与に関する有利度合いが高くなる。これにより、本発明に係る遊技機では、従来の遊技機のように過去の履歴データを保持する必要が無く、最初の所定役を契機として第2状態に突入させるだけで、あたかも過去の履歴を参照して制御している遊技性を実現することができるため、データ容量を抑えることができるとともに、仕様が単調であるため開発工数も抑えることができる。
[発明の効果]
本発明によれば、データ容量や処理負荷を抑えつつ、多彩な遊技性を実現可能な遊技機を提供することができる。
[付記10]
付記10の遊技機は、以下の通りである。
[背景技術]
従来、遊技者により、メダルやコインなどの遊技媒体が投入(以下、「投入操作」という。)され、スタートレバーが操作(以下、「開始操作」という。)されると、複数の図柄がそれぞれの表面に配された複数のリールの回転が開始し、ストップボタンが操作(以下、「停止操作」という。)されると、複数のリールの回転が停止し、その結果表示された図柄の組合せに応じて特典が付与される、いわゆるパチスロ機と称される遊技機が知られている。
このような遊技機においては、開始操作をスタートスイッチにより検出すると、乱数値を抽出して抽籤を行う(以下、この抽籤の結果を「内部当籤役」という。)とともに、ステッピングモータを駆動制御して複数のリールの回転を開始させる制御を行い、停止操作をストップスイッチにより検出すると、ステッピングモータを駆動制御し、内部当籤役に基づいて複数のリールの回転を停止させる制御を行う。
また、近年、内部当籤役に決定された役を取りこぼすことがないように、内部当籤役を成立させるための情報など遊技者にとって有利な情報を、遊技者に対して報知する遊技機が知られている。なお、このように遊技者が有利となるような情報を報知することを、一般にナビする(ナビを行う)などといい、ナビが行われる期間をAT(assist time)という。こうしたAT機能を搭載した遊技機によれば、ナビを行うか否かを制御することで遊技者に払い出す遊技媒体の数が制御されるため、遊技者は、ATを継続するATゲーム数(ナビゲーム数)が増加することを望むことになる。
ATゲーム数を増加させるための工夫はこれまで様々な観点からなされてきており、例えば、特開2010-057732号公報には、内部当籤役としてスイカやチェリーなどの特定の役が決定されるとATゲーム数を増加させる(ATゲーム数を上乗せさせる)遊技機が開示されている。
[発明の概要]
[発明が解決しようとする課題]
このような遊技機によれば、内部当籤役に応じて特典が付与(ATゲーム数が増加)されるため、遊技者は内部当籤役の結果に着目して遊技を行うことになり、遊技の興趣が向上するものの、スイカやチェリーなどの遊技者が注目し易い特定の役が内部当籤役として決定されたにも関わらず特典が付与されない頻度が高いと遊技者の落胆を誘うことになり、遊技の興趣が低下してしまう恐れがあった。
本発明はこのような要望に鑑みてなされたものであり、特定役の当籤時に特典の付与を遊技者に対して適度な頻度で報せることが可能な遊技機を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段]
上記の目的を達成するために、本発明は、以下のような遊技機を提供する。
本発明に係る遊技機は、複数の識別表示を変動表示可能な可変表示手段(例えば、リール3L、3C、3R)と、特定役(例えば、レア役)及びボーナス役(例えば、MB)を含む複数の役の中から決定された当籤役に応じて前記可変表示手段を用いた遊技の進行を制御する遊技制御手段(例えば、主制御基板71)と、を備える遊技機であって、遊技を行う遊技状態として、所定の遊技状態(例えば、通常区間)と、前記所定の遊技状態とは異なる特定の遊技状態(例えば、「ART」)と、を含む複数の遊技状態を有し、前記ボーナス役に応じた結果表示が導出され、ボーナスの作動が行われると、前記特定の遊技状態を継続可能な期間を延長する上乗せ量(例えば、上乗せゲーム数)を決定可能な第1上乗せ決定手段(例えば、主制御基板71)と、前記特定役が当籤役として決定されると、前記特定の遊技状態を継続可能な期間を延長する上乗せ量を決定可能な第2上乗せ決定手段(例えば、主制御基板71)と、前記第1上乗せ決定手段、又は、前記第2上乗せ決定手段が決定した前記上乗せ量分だけ、前記特定の遊技状態を継続可能な期間を延長する上乗せ制御手段(例えば、主制御基板71)と、前記上乗せ量を遊技者に対して報知可能な報知手段(例えば、副制御基板72、表示ユニット100)と、前記ボーナスの作動を契機に前記第1上乗せ決定手段が前記上乗せ量を決定した場合に、当該上乗せ量を報知することなく未報知のまま保持する上乗せ潜伏手段(例えば、副制御基板72)と、を更に備え、前記報知手段は、前記特定役が当籤役として決定されたにも関わらず前記第2上乗せ決定手段が前記上乗せ量を決定しない場合に、当該特定役を契機として決定され得る上乗せ量の範囲において、前記上乗せ潜伏手段が保持している未報知の前記上乗せ量の少なくとも一部を報知可能であることを特徴とする。
このような遊技機によれば、ボーナスの作動を契機に上乗せ量を決定した場合に、この上乗せ量は報知することなく未報知のまま保持しておき、特定役の当籤時に上乗せ量を決定しない場合に、保持しておいた未報知の上乗せ量を代わりに報知する。これにより、特定役の当籤時に、特定役を契機とする上乗せ処理分だけでなく、ボーナスの作動を契機とする上乗せ処理分の報知(上乗せ演出)を行うことができ、遊技者が注目し易い特定役の当籤時に遊技者に対して適度な頻度で特典の付与を報せることができる。
また、本発明に係る遊技機において、前記報知手段は、前記特定役が当籤役として決定されたにも関わらず前記第2上乗せ決定手段が前記上乗せ量を決定しない場合に、前記上乗せ潜伏手段が保持している未報知の前記上乗せ量の少なくとも一部を報知するときに、前記第2上乗せ決定手段により決定可能な上乗せ量と同じ上乗せ量を報知することとしてもよい。
このような遊技機によれば、未報知の上乗せ量を代わりに報知する場合に、特定役の当籤時に決定可能な上乗せ量と同じ上乗せ量を報知するため、遊技者に特定役に基づき上乗せが行われたかのように錯覚させることができ、遊技者が注目し易い特定役の当籤時に遊技者に対して適度な頻度で特典の付与を報せることができる。
また、本発明に係る遊技機において、前記特定役は、複数の設定値のそれぞれにおいて当籤役として決定され得る確率が同一の設定差のない役であり、また、前記ボーナス役は、複数の設定値の少なくとも一部において当籤役として決定され得る確率が異なる設定差のある役であり、前記第1上乗せ決定手段及び前記第2上乗せ決定手段が前記上乗せ量を決定する確率は、複数の設定値のそれぞれにおいて同一であることとしてもよい。
このような遊技機によれば、特定役を契機とする上乗せは、複数の設定値において共通に行われるものの、ボーナスの作動を契機とする上乗せは、設定値毎に異なる確率で行われることになる。上述のように、ボーナスの作動を契機とする上乗せは未報知のまま保持され、その後の特定役の当籤時に代わって報知されるため、設定値に差のない特定役であっても、上乗せの報知が行われる頻度が設定値によって異なることになる。これにより、例えば、上乗せ処理に係る抽籤テーブルの設定差をなくした場合であっても、上乗せの設定差を遊技者に対して感じさせることができ、上乗せ頻度からの設定推測という遊技性を実現することができる。
[発明の効果]
本発明によれば、特定役の当籤時に特典の付与を遊技者に対して適度な頻度で報せることができる。
[付記11]
付記11の遊技機は、以下の通りである。
[背景技術]
従来、遊技者により、メダルやコインなどの遊技媒体が投入(以下、「投入操作」という。)され、スタートレバーが操作(以下、「開始操作」という。)されると、複数の図柄がそれぞれの表面に配された複数のリールの回転が開始し、ストップボタンが操作(以下、「停止操作」という。)されると、複数のリールの回転が停止し、その結果表示された図柄の組合せに応じて特典が付与される、いわゆるパチスロ機と称される遊技機が知られている。
このような遊技機においては、開始操作をスタートスイッチにより検出すると、乱数値を抽出して抽籤を行う(以下、この抽籤の結果を「内部当籤役」という。)とともに、ステッピングモータを駆動制御して複数のリールの回転を開始させる制御を行い、停止操作をストップスイッチにより検出すると、ステッピングモータを駆動制御し、内部当籤役に基づいて複数のリールの回転を停止させる制御を行う。
また、近年、内部当籤役に決定された役を取りこぼすことがないように、内部当籤役を成立させるための情報など遊技者にとって有利な情報を、遊技者に対して報知する遊技機が知られている。なお、このように遊技者が有利となるような情報を報知することを、一般にナビする(ナビを行う)などといい、ナビが行われる期間をAT(assist time)という。こうしたAT機能を搭載した遊技機によれば、ナビを行うか否かを制御することで遊技者に払い出す遊技媒体の数が制御されるため、遊技者は、ATを継続するATゲーム数(ナビゲーム数)が増加することを望むことになる。
ATゲーム数を増加させるための工夫はこれまで様々な観点からなされてきており、例えば、特開2010-057732号公報には、内部当籤役としてスイカやチェリーなどの特定の役が決定されるとATゲーム数を増加させる(ATゲーム数を上乗せさせる)遊技機が開示されている。
[発明の概要]
[発明が解決しようとする課題]
このような遊技機によれば、内部当籤役に応じて特典が付与(ATゲーム数が増加)されるため、遊技者は内部当籤役の結果に着目して遊技を行うことになり、遊技の興趣が向上するものの、特典の付与に関する演出には、更なる改善の余地があった。
本発明はこのような要望に鑑みてなされたものであり、特典付与の報知に関して興趣が向上する演出を実現可能な遊技機を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段]
上記の目的を達成するために、本発明は、以下のような遊技機を提供する。
本発明に係る遊技機は、複数の識別表示を変動表示可能な可変表示手段(例えば、リール3L、3C、3R)と、前記可変表示手段を用いた遊技の進行を制御する遊技制御手段(例えば、主制御基板71)と、を備える遊技機であって、遊技を行う遊技状態として、所定の遊技状態(例えば、通常区間)と、前記所定の遊技状態とは異なる特定の遊技状態(例えば、「ART」)と、を含む複数の遊技状態を有し、所定の条件を満たすと、前記特定の遊技状態を継続可能な期間を延長する上乗せ量(例えば、上乗せゲーム数)を決定可能な上乗せ決定手段(例えば、主制御基板71)と、前記上乗せ決定手段が決定した前記上乗せ量分だけ、前記特定の遊技状態を継続可能な期間を延長する上乗せ制御手段(例えば、主制御基板71)と、前記上乗せ量を報知することなく未報知のまま保持可能な上乗せ潜伏手段(例えば、副制御基板72)と、特定の条件を満たすと(例えば、「F_SPリプA1」等の当籤時)、前記上乗せ潜伏手段が保持している未報知の前記上乗せ量の少なくとも一部を遊技者に対して報知可能な報知手段(例えば、副制御基板72、表示ユニット100)と、前記上乗せ潜伏手段が保持している未報知の前記上乗せ量に応じて、複数の演出ステージの中から一の演出ステージを決定可能な演出ステージ決定手段(例えば、副制御基板72)と、を更に備え、前記報知手段は、前記演出ステージ決定手段が決定した前記一の演出ステージに対応する上乗せ報知演出により未報知の前記上乗せ量を遊技者に対して報知可能であることを特徴とする。
このような遊技機によれば、内部的に上乗せが行われた場合、報知することなく未報知のまま保持されることがあり、未報知のまま保持された上乗せ量は、その後、特定の条件を満たすと報知される。これにより、少ない上乗せ量が決定される度に上乗せの報知を行う場合に比べて、一度に報知可能な上乗せ量を多くすることができ、特典付与の報知演出に伴い遊技の興趣を向上させることができる。また、本発明に係る遊技機では、未報知の上乗せ量に応じて演出ステージを決定し、この演出ステージに対応する報知演出により未報知の上乗せ量を報知する。遊技者にとってみれば、演出ステージから未報知の上乗せ量を予測することができ、例えば、未報知の上乗せ量が多い場合に決定される演出ステージに移行した場合には、その後の遊技に期待を持つことができる。また、演出ステージに対応する報知演出により未報知の上乗せ量を報知するため、例えば、未報知の上乗せ量が多い場合に決定される演出ステージではより賑やかな演出を行うなどのように多彩な演出制御を実現することができる。
また、本発明に係る遊技機において、前記複数の可変表示手段に対応して遊技者が停止操作可能な複数の停止操作手段(例えば、ストップボタン7L、7C、7R)と、複数の役の中から決定された当籤役と前記複数の停止操作手段を介した停止操作とに応じて、前記複数の可変表示手段の変動表示を停止させることで結果表示を導出可能な停止制御手段(例えば、主制御基板71)と、を更に備え、前記複数の役には、前記複数の停止操作手段に対する第1の操作態様で停止操作を行った場合に前記複数の可変表示手段に第1の結果表示(例えば、リプレイ)が導出され、前記複数の停止操作手段に対する第2の操作態様で停止操作を行った場合に前記複数の可変表示手段に第2の結果表示(例えば、赤BARリプ)が導出され、前記複数の停止操作手段に対する第3の操作態様で停止操作を行った場合に前記複数の可変表示手段に第3の結果表示(例えば、W揃いリプ)が導出される特定役(例えば、「F_SPリプB1」)が含まれ、未報知の前記上乗せ量が所定値(例えば、100)未満の場合に前記特定役が前記当籤役として決定されると、前記第1の操作態様を遊技者に対して報知可能で、未報知の前記上乗せ量が所定値以上特定値(例えば、150)未満の場合に前記特定役が前記当籤役として決定されると、前記第2の操作態様を遊技者に対して報知可能で、未報知の前記上乗せ量が特定値以上の場合に前記特定役が前記当籤役として決定されると、前記第3の操作態様を遊技者に対して報知可能な操作態様報知手段を更に備え、前記報知手段は、未報知の前記上乗せ量が所定値未満の場合に前記特定役が前記当籤役として決定されると、前記上乗せ報知演出を行うことなく、未報知の前記上乗せ量が所定値以上特定値未満の場合に前記特定役が前記当籤役として決定されると、前記所定値分の上乗せ量を報知する前記上乗せ報知演出を行い、未報知の前記上乗せ量が特定値以上の場合に前記特定役が前記当籤役として決定されると、前記特定値分の上乗せ量を報知する前記上乗せ報知演出を実行可能であることとしてもよい。
このような遊技機によれば、報知する未報知の上乗せ量と、結果表示を導出するために報知する操作態様とを対応付けることができる。具体的には、上乗せ量を報知しない場合には、第1の結果表示が導出される操作態様を報知し、所定値分の上乗せ量を報知する場合には、第2の結果表示が導出される操作態様を報知し、特定値分の上乗せ量を報知する場合には、第3の結果表示が導出される操作態様を報知する。結果表示(図柄)を揃えて上乗せする遊技性は、遊技者からしても好ましいものであるため、報知演出を行う際に特定の結果表示の導出を促すことで、遊技の興趣を向上させることができる。
[発明の効果]
本発明によれば、特典付与の報知に関して興趣が向上する演出を実現することができる。
[付記12]
付記12の遊技機は、以下の通りである。
[背景技術]
従来、遊技者により、メダルやコインなどの遊技媒体が投入(以下、「投入操作」という。)され、スタートレバーが操作(以下、「開始操作」という。)されると、複数の図柄がそれぞれの表面に配された複数のリールの回転が開始し、ストップボタンが操作(以下、「停止操作」という。)されると、複数のリールの回転が停止し、その結果表示された図柄の組合せに応じて特典が付与される、いわゆるパチスロ機と称される遊技機が知られている。
このような遊技機においては、開始操作をスタートスイッチにより検出すると、乱数値を抽出して抽籤を行う(以下、この抽籤の結果を「内部当籤役」という。)とともに、ステッピングモータを駆動制御して複数のリールの回転を開始させる制御を行い、停止操作をストップスイッチにより検出すると、ステッピングモータを駆動制御し、内部当籤役に基づいて複数のリールの回転を停止させる制御を行う。
また、近年、内部当籤役に決定された役を取りこぼすことがないように、内部当籤役を成立させるための情報など遊技者にとって有利な情報を、遊技者に対して報知する遊技機が知られている。なお、このように遊技者が有利となるような情報を報知することを、一般にナビする(ナビを行う)などといい、ナビが行われる期間をAT(assist time)という。こうしたAT機能を搭載した遊技機によれば、ナビを行うか否かを制御することで遊技者に払い出す遊技媒体の数が制御されるため、遊技者は、ATを継続するATゲーム数(ナビゲーム数)が増加することを望むことになる。
ATゲーム数を増加させるための工夫はこれまで様々な観点からなされてきており、例えば、特開2010-057732号公報には、内部当籤役としてスイカやチェリーなどの特定の役が決定されるとATゲーム数を増加させる(ATゲーム数を上乗せさせる)遊技機が開示されている。
[発明の概要]
[発明が解決しようとする課題]
このような遊技機によれば、内部当籤役に応じて特典が付与(ATゲーム数が増加)されるため、遊技者は内部当籤役の結果に着目して遊技を行うことになり、遊技の興趣が向上するものの、特典の付与に関する演出には、更なる改善の余地があった。
本発明はこのような要望に鑑みてなされたものであり、特典付与の報知に関して興趣が向上する演出を実現可能な遊技機を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段]
上記の目的を達成するために、本発明は、以下のような遊技機を提供する。
本発明に係る遊技機は、複数の識別表示を変動表示可能な可変表示手段(例えば、リール3L、3C、3R)と、前記可変表示手段を用いた遊技の進行を制御する遊技制御手段(例えば、主制御基板71)と、を備える遊技機であって、所定の条件を満たすと、特定の遊技状態(例えば、有利区間)を開始可能な特定状態開始手段(例えば、主制御基板71)と、前記特定の遊技状態に関する第1数値(例えば、消化済みのゲーム数)を計数可能な計数手段(例えば、主制御基板71)と、前記特定の遊技状態を継続可能な残り期間を示す第2数値(例えば、残りゲーム数)が終了閾値(例えば、0)に達すると前記特定の遊技状態を終了するとともに、少なくとも前記計数手段が計数する前記第1数値が所定の終了条件(例えば、ゲーム数リミッタの発動条件)を満たす場合は前記第2数値の値が前記終了閾値に達していないときであっても前記特定の遊技状態を終了させる特定状態終了手段(例えば、主制御基板71)と、前記第2数値のうちの所定第2数値(例えば、報知済みの残りゲーム数)を、前記特定の遊技状態を継続可能な残り期間として報知可能な残期間報知手段(例えば、副制御基板72、表示ユニット100)と、前記第2数値のうちの前記所定第2数値以外の特定第2数値(例えば、未報知の残りゲーム数)を、前記残り期間として報知することなく未報知のまま保持可能な残期間潜伏手段(例えば、副制御基板72)と、特定の条件を満たすと、前記残期間潜伏手段が保持している未報知の前記特定第2数値の一部を前記残り期間として報知するとともに、報知した値に応じて前記所定第2数値及び前記特定第2数値を更新する上乗せ報知手段(例えば、副制御基板72、表示ユニット100)と、複数の演出ステージの中から一の演出ステージを決定可能な演出ステージ決定手段(例えば、副制御基板72)と、を更に備え、前記複数の演出ステージとして、前記上乗せ報知手段が前記報知を行う頻度が所定の頻度である第1演出ステージ及び前記頻度が前記第1演出ステージよりも高い第2演出ステージと、後に前記第1数値が前記所定の終了条件を満たすことが決まっている状態においてのみ決定され得る専用演出ステージとを有し、前記演出ステージ決定手段は、前記第1数値が前記所定の終了条件を満たすことが決まっている前記状態において、前記第1数値と前記所定第2数値との和が第1の閾値の範囲内となる第1の状況では所定の確率で前記専用演出ステージを前記一の演出ステージとして決定可能、かつ、前記第1数値と前記所定第2数値との和が前記第1の閾値よりも大きな値である第2の閾値の範囲内となる第2の状況では前記所定の確率よりも高い確率で前記専用演出ステージを前記一の演出ステージとして決定可能であり、前記一の演出ステージとして前記専用演出ステージを決定しない場合には、前記特定第2数値に応じた確率で前記第2演出ステージを前記一の演出ステージとして決定可能であることを特徴とする。
このような遊技機によれば、特定の遊技状態の残り期間は、一部(所定第2数値)が報知され、残りの一部(特定第2数値)が未報知のまま保持されるが、この未報知の残り期間は、演出ステージに応じた頻度で遊技者に対して報知(すなわち、上乗せ)される。このように残り期間の報知(上乗せ)を演出ステージに応じてコントロールすることで、演出態様をきめ細かく制御することができ、遊技の興趣を向上させることができる。すなわち、未報知の残り期間が大きいほど残り期間の報知を行う頻度が高い第2演出ステージが決定されるため、遊技者は、第2演出ステージに移行できた場合には、報知演出が行われることについての期待を持つことができる。
また、本発明に係る遊技機では、特定の遊技状態を消化した期間(第1数値)が所定の終了条件を満たすと、残り期間(第2数値)に関わらず特定の遊技状態を終了するところ、残り期間から将来、所定の終了条件を満たすことが決まっている状態では、専用演出ステージに移行することがある。遊技者からすると、専用演出ステージに移行した場合には、第1数値が終了条件を満たすまで特定の遊技状態が継続することを把握できるため、その後の遊技を安心して行うことができる。このとき、専用演出ステージへの移行は、第1数値(消化済みの期間)と所定第2数値(報知済みの残り期間)との和が大きいほど高い確率で行われ、所定の終了条件を満たすことが決まっている状態であっても、特定第2数値(未報知の残り期間)が大きい場合には、専用演出ステージに移行することなく、例えば、第2演出ステージなどに移行して、報知演出が行われる。遊技者にとってみれば、報知(上乗せ)演出が行われると興趣が向上するため、本発明に係る遊技機のように、残り期間の報知状況に応じて演出態様をコントロールすることで、遊技の興趣を向上させることができる。
[発明の効果]
本発明によれば、特典付与の報知に関して興趣が向上する演出を実現することができる。
[付記13]
付記13の遊技機は、以下の通りである。
[背景技術]
従来、遊技者により、メダルやコインなどの遊技媒体が投入(以下、「投入操作」という。)され、スタートレバーが操作(以下、「開始操作」という。)されると、複数の図柄がそれぞれの表面に配された複数のリールの回転が開始し、ストップボタンが操作(以下、「停止操作」という。)されると、複数のリールの回転が停止し、その結果表示された図柄の組合せに応じて特典が付与される、いわゆるパチスロ機と称される遊技機が知られている。
このような遊技機においては、開始操作をスタートスイッチにより検出すると、乱数値を抽出して抽籤を行う(以下、この抽籤の結果を「内部当籤役」という。)とともに、ステッピングモータを駆動制御して複数のリールの回転を開始させる制御を行い、停止操作をストップスイッチにより検出すると、ステッピングモータを駆動制御し、内部当籤役に基づいて複数のリールの回転を停止させる制御を行う。
また、近年、内部当籤役に決定された役を取りこぼすことがないように、内部当籤役を成立させるための情報など遊技者にとって有利な情報を、遊技者に対して報知する遊技機が知られている。なお、このように遊技者が有利となるような情報を報知することを、一般にナビする(ナビを行う)などといい、ナビが行われる期間をAT(assist time)という。
このようなAT機能を有する遊技機として、例えば、特開2010-233721号公報には、所定のゲーム数を1セットとして有利状態(AT)を行い、1セットの有利状態が終了した後に有利状態を再度開始することを煽る演出期間を設けた遊技機が開示されている。このような遊技機によれば、有している有利状態のセット数に関わらず、1セットの有利状態が終了しても再び次のセットの有利状態が開始されるかもしれないという期待を遊技者に与えることができ、遊技の興趣が向上する。
[発明の概要]
[発明が解決しようとする課題]
ところで、上述の遊技機では、残りのセット数が無い場合であっても、1セットの有利状態の終了後に再度の有利状態を煽る演出が行われるが、残りのセット数が無いことを遊技者に把握されている場合には、この演出が意味をなさず、却って遊技の興趣を低下させてしまう恐れがある。
本発明はこのような要望に鑑みてなされたものであり、特定の遊技状態の終了に際して遊技の興趣が低下してしまうことを抑制可能な遊技機を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段]
上記の目的を達成するために、本発明は、以下のような遊技機を提供する。
本発明に係る遊技機は、複数の識別表示を変動表示可能な可変表示手段(例えば、リール3L、3C、3R)と、前記可変表示手段を用いた遊技の進行を制御する遊技制御手段(例えば、主制御基板71)と、を備える遊技機であって、所定の条件を満たすと、特定の遊技状態(例えば、有利区間)を開始可能な特定状態開始手段(例えば、主制御基板71)と、前記特定の遊技状態に関する数値を計数可能な計数手段(例えば、主制御基板71)と、前記計数手段が計数する前記数値が特定条件を満たすと(例えば、1500回に達すると)、前記特定の遊技状態を継続可能な残り期間に関わらず前記特定の遊技状態を終了する特定状態終了手段(例えば、主制御基板71)と、前記特定の遊技状態を継続可能な残り期間が終了閾値に達すると、所定処理(例えば、ラストフリーズ)を行うか否かを決定する終了時処理決定手段(例えば、主制御基板71)と、前記終了時処理決定手段が前記所定処理を行うと決定すると、前記計数手段が計数する前記数値が前記特定条件を満たすまで前記特定の遊技状態の継続を許容する終了時処理実行手段(例えば、主制御基板71)と、を更に備え、前記特定状態終了手段は、前記終了時処理決定手段が前記所定処理を行わないと決定すると、前記特定の遊技状態を終了することを特徴とする。
このような遊技機によれば、特定の遊技状態に関連して計数される数値が特定条件を満たすと、特定の遊技状態を継続可能な残り期間に関わらず強制的に特定の遊技状態を終了する(リミット処理)。一方で、本発明に係る遊技機では、特定の遊技状態の残り期間が終了閾値に達した場合、所定処理を行うか否かを決定し、所定処理を行うと決定された場合には、リミット処理が行われるまで(計数される数値が特定条件を満たすまで)、特定の遊技状態の継続を許容する。これにより、所定処理が行われた場合には、終了すると思われた特定の遊技状態がリミット処理が行われるまで継続することになるため、特定の遊技状態の終了に伴い遊技の興趣が低下してしまうことを抑制することができるだけでなく、反対に、遊技者は、特定の遊技状態の終了時に強い関心を抱くことになり、興趣が向上する。なお、リミット処理を行う場合には、特定の遊技状態は残り期間に関わらず強制的に終了するため、所定処理が行われた場合であっても、射幸心を徒に高めてしまうことがなく、バランスのとれた遊技性を実現することができる。すなわち、所定処理が行われた段階で特定の遊技状態が既に長期間にわたり継続していた場合であっても、反対に短期間しか継続していない場合であっても、特定の遊技状態は、全体としてリミット処理が行われるまでしか継続しないため、遊技者に対して過度な利益を付与してしまうことがない。
また、本発明に係る遊技機において、前記終了時処理実行手段は、前記終了時処理決定手段が前記所定処理を行うと決定すると、前記特定の遊技状態を継続可能な残り期間に少なくとも前記数値が前記特定条件を満たすまでに要する期間を加算することとしてもよい。
このような遊技機によれば、特定の遊技状態の終了時に所定処理を行うと決定された場合には、特定の遊技状態を継続可能な残り期間にリミット処理が行われるまでに要する期間を加算する結果、特定の遊技状態の終了に伴い遊技の興趣が低下してしまうことを抑制することができるだけでなく、反対に、遊技者は、特定の遊技状態の終了時に強い関心を抱くことになり、興趣が向上する。
[発明の効果]
本発明によれば、特定の遊技状態の終了に際して遊技の興趣が低下してしまうことを抑制可能な遊技機を提供することができる。
[付記14]
付記14の遊技機は、以下の通りである。
[背景技術]
従来、遊技者により、メダルやコインなどの遊技媒体が投入(以下、「投入操作」という。)され、スタートレバーが操作(以下、「開始操作」という。)されると、複数の図柄がそれぞれの表面に配された複数のリールの回転が開始し、ストップボタンが操作(以下、「停止操作」という。)されると、複数のリールの回転が停止し、その結果表示された図柄の組合せに応じて特典が付与される、いわゆるパチスロ機と称される遊技機が知られている。
このような遊技機においては、開始操作をスタートスイッチにより検出すると、乱数値を抽出して抽籤を行う(以下、この抽籤の結果を「内部当籤役」という。)とともに、ステッピングモータを駆動制御して複数のリールの回転を開始させる制御を行い、停止操作をストップスイッチにより検出すると、ステッピングモータを駆動制御し、内部当籤役に基づいて複数のリールの回転を停止させる制御を行う。
また、例えば、特開2015-39536号公報には、遊技者にとって有利な有利状態(例えば、ART状態)に移行するか否かの抽籤を行うとともに、当該抽籤結果に基づいて本前兆状態(有利状態に移行することが決定されている前兆)又はガセ前兆状態(有利状態に移行しない場合の前兆)に移行可能とする遊技機が知られている。
[発明の概要]
[発明が解決しようとする課題]
このような遊技機によれば、前兆(本前兆状態又はガセ前兆状態)中に有利状態への移行を煽る演出を行うことができ、遊技の興趣を向上させることができるものの、ガセ前兆状態に移行していた場合には、有利状態に移行することがないため、結果としてメダルを消費してしまうばかりで恩恵もないため、遊技意欲が低減してしまうおそれがあった。
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであり、遊技意欲の低減を抑制可能な遊技機を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段]
上記の目的を達成するために、本発明は、以下のような遊技機を提供する。
本発明に係る遊技機は、複数の識別表示を変動表示可能な可変表示手段(例えば、リール3L、3C、3R)と、前記可変表示手段を用いた遊技の進行を制御する遊技制御手段(例えば、主制御基板71)と、を備え、停止操作の態様を報知可能な報知状態(例えば、有利区間)として、第1報知状態(例えば、通常有利)と、当該第1報知状態から移行可能で当該第1報知状態よりも報知の可能性が高い第2報知状態(例えば、「ART」)と、を少なくとも有し、前記報知状態に関連して計数された数値が特定値(例えば、1500回)に達すると、前記報知状態を継続可能な残り期間に関わらず前記報知状態を終了するリミット処理を行う遊技機であって、非報知状態(例えば、通常区間)において第1開始条件が満たされると、前記第1報知状態を開始可能な第1状態制御手段(例えば、主制御基板71)と、前記第1報知状態において第2開始条件が満たされると、前記第2報知状態を開始可能な第2状態制御手段(例えば、主制御基板71)と、前記第1状態制御手段が前記第1報知状態を開始してから前記第2状態制御手段が前記第2報知状態を開始するまでに要した期間に応じて、前記第2報知状態を継続可能な期間を決定可能な期間決定手段(例えば、主制御基板71)と、を更に備え、前記期間決定手段は、前記第1報知状態を開始してから前記第2報知状態を開始するまでに要した前記期間が長いほど、前記第2報知状態を継続可能な前記期間として長い期間を決定可能であることを特徴とする。
このような遊技機によれば、第1報知状態において第2開始条件が満たされると第2報知状態が開始されるが、このとき開始する第2報知状態は、第1報知状態から第2報知状態に移行するまでに要した期間に応じて決定され、当該期間が長いほど長い期間が決定される。これにより、第2報知状態に移行できずに第1報知状態に長期間滞在してしまった場合であっても、単にメダルを消費してしまうだけでなく、その後の第2報知状態が長期間継続することについての期待を持つことができるため、遊技意欲の低減を抑制することができる。また、本発明に係る遊技機では、報知状態(第1報知状態及び第2報知状態)に関連して計数された数値が特定値に達すると、報知状態を強制的に終了する。これにより第1報知状態に長期間滞在し、第2報知状態の期間として長い期間が決定された場合であっても、報知状態(第1報知状態及び第2報知状態)が必要以上に継続してしまうことがなく、射幸心を徒に高めてしまうことを防止できる。
また、本発明に係る遊技機において、前記第1報知状態において終了条件が満たされると、前記第1報知状態を終了し前記非報知状態を開始可能な第3状態制御手段(例えば、主制御基板71)を更に備え、前記非報知状態において前記第1開始条件が満たされるまでの平均単位遊技回数は、前記第1報知状態において前記第2開始条件が満たされるまでの平均単位遊技回数よりも少ないこととしてもよい。
このような遊技機によれば、非報知状態から第1報知状態への移行と、第1報知状態から第2報知状態への移行とでは、前者の方が移行頻度が高い。上述のように、第1報知状態は滞在期間が長いほど第2報知状態の期間が長くなるため、遊技者にとってみれば1段階目のチャンス(第1報知状態)が近く感じ、遊技を続ける要素となる。一方で、第2開始条件を満たすよりも前に終了条件を満たしてしまうと非報知状態に移行してしまうため、1段階目のチャンス(第1報知状態)に移行した場合であっても、必ず第2報知状態に移行するわけではなく、非報知状態に移行してしまうこともあるため、射幸心を徒に高めてしまうことがなく、遊技のバランスを図ることができる。
[発明の効果]
本発明によれば、遊技意欲の低減を抑制可能な遊技機を提供することができる。
[付記15]
付記15の遊技機は、以下の通りである。
[背景技術]
従来、遊技者により、メダルやコインなどの遊技媒体が投入(以下、「投入操作」という。)され、スタートレバーが操作(以下、「開始操作」という。)されると、複数の図柄がそれぞれの表面に配された複数のリールの回転が開始し、ストップボタンが操作(以下、「停止操作」という。)されると、複数のリールの回転が停止し、その結果表示された図柄の組合せに応じて特典が付与される、いわゆるパチスロ機と称される遊技機が知られている。
このような遊技機においては、開始操作をスタートスイッチにより検出すると、乱数値を抽出して抽籤を行う(以下、この抽籤の結果を「内部当籤役」という。)とともに、ステッピングモータを駆動制御して複数のリールの回転を開始させる制御を行い、停止操作をストップスイッチにより検出すると、ステッピングモータを駆動制御し、内部当籤役に基づいて複数のリールの回転を停止させる制御を行う。
また、近年、内部当籤役に決定された役を取りこぼすことがないように、内部当籤役を成立させるための情報など遊技者にとって有利な情報を、遊技者に対して報知する遊技機が知られている。なお、このように遊技者が有利となるような情報を報知することを、一般にナビする(ナビを行う)などといい、ナビが行われる期間をAT(assist time)という。このようなAT機能を有する遊技機として、特開2017-185099号公報には、AT等の有利区間に移行した場合に主制御部が管理する区間表示器(AT当籤の報知ランプ)を点灯させることで、有利区間中であることを報知する遊技機が開示されている。
[発明の概要]
[発明が解決しようとする課題]
このような遊技機によれば、主制御側で有利区間を管理するため、遊技性が明瞭となる反面、区間表示器が点灯するか否かのみで有利区間(AT)への移行の当否が察知できてしまうため、遊技者が区間表示器にのみ集中してしまい、映像や音声などの演出に対する興味が薄れてしまう恐れがある。
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであり、有利な状態への移行の当否を確実に報知しつつも、遊技者が演出に対する興味を失うことのない遊技機を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段]
上記の目的を達成するために、本発明は、以下のような遊技機を提供する。
本発明に係る遊技機は、複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示部(例えば、リール3L、3C、3R)を備え、前記可変表示部を変動表示した後、遊技者の停止操作に基づいて前記可変表示部の変動表示を停止することで表示結果を導出し、該表示結果に応じた特典を付与可能な遊技機において、遊技の進行を制御する遊技制御部(例えば、主制御基板71)と、演出を制御する演出制御部(例えば、副制御基板72)と、遊技者が停止操作可能な停止操作手段(例えば、ストップボタン7L、7C、7R)と、遊技状態の移行を決定可能な移行決定手段(例えば、主制御基板71)と、少なくとも通常状態(例えば、通常区間)と、当該通常状態よりも有利な有利状態(例えば、有利区間)とに遊技状態を制御可能な状態制御手段(例えば、主制御基板71)と、遊技者にとって有利な停止操作態様を指示可能な指示手段(例えば、主制御基板71、報知ランプ147a、副制御基板72、表示ユニット100)と、を備え、前記有利状態には、出玉率が1よりも低い第1状態(例えば、演出区間)と、当該第1状態よりも前記指示手段による指示の発生頻度の高い第2状態(例えば、増加区間)と、が少なくとも含まれ、前記通常状態において前記移行決定手段は、少なくとも前記第1状態に移行する第1パターン(例えば、通常区間から演出区間に移行するパターン)と、前記第1状態に移行した後に前記第2状態に移行する第2パターン(例えば、通常区間から演出区間を経由して増加区間に移行するパターン)とを決定可能であり、遊技状態が前記第2状態であることを報知可能であり、前記遊技制御部により制御される報知手段(例えば、状態表示器147b)と、前記移行決定手段により遊技状態が前記第2状態へ移行する旨の決定がされたことを報知する特定演出を実行可能であり、前記演出制御部により制御される報知演出実行手段(例えば、表示ユニット100)と、を備え、前記報知手段により遊技状態が前記第2状態であることが報知されるよりも前の前記第1状態の単位遊技において、前記報知演出実行手段により前記特定演出が実行可能であることを特徴とする。
このような遊技機によれば、遊技状態が第2状態である場合、報知手段によりその旨が報知される。ここで、報知手段は、遊技の進行を制御する遊技制御部により制御されるため、遊技者にとって有利な第2状態への移行の当否を、メイン(遊技制御部)側で確実に報知することができる。また、本発明に係る遊技機では、通常状態から有利状態に移行する場合、第1パターンで移行したときであっても、第2パターンで移行したときであっても、第1状態に一度移行するが、この第1状態中にサブ(演出制御部)側で制御する報知演出実行手段において特定演出を実行する。このとき、本発明に係る遊技機では、メイン(遊技制御部)側での報知が行われるよりも前の単位遊技において、サブ(演出制御部)側において演出を実行するため、演出実行時において遊技者は第2状態への移行に当籤しているか否かを把握するすべがなく、演出に対する興味を失うことがない。
また、本発明に係る遊技機において、前記状態制御手段は、前記第1パターンが決定されたことに基づいて前記第1状態に制御する期間の長さと、前記第2パターンが決定されたことに基づいて前記第1状態に制御する期間の長さとを、同じ長さに設定可能であることとしてもよい。
このような遊技機によれば、第1パターンで移行したときであっても、第2パターンで移行したときであっても、第1状態に制御する期間の長さが同じであるため、第1状態の期間の長さから、その後、第2状態に移行するか否かを把握することができない。遊技者にとってみれば、第1状態中にその後の展開を予測することができないため、最後まで興味を失うことなく遊技を行うことになり、遊技の興趣を向上させることができる。
[発明の効果]
本発明によれば、有利な状態への移行の当否を確実に報知しつつも、遊技者が演出に対する興味を失うことのない遊技機を提供することができる。
[付記16]
付記16の遊技機は、以下の通りである。
[背景技術]
従来、遊技者により、メダルやコインなどの遊技媒体が投入(以下、「投入操作」という。)され、スタートレバーが操作(以下、「開始操作」という。)されると、複数の図柄がそれぞれの表面に配された複数のリールの回転が開始し、ストップボタンが操作(以下、「停止操作」という。)されると、複数のリールの回転が停止し、その結果表示された図柄の組合せに応じて特典が付与される、いわゆるパチスロ機と称される遊技機が知られている。
このような遊技機においては、開始操作をスタートスイッチにより検出すると、乱数値を抽出して抽籤を行う(以下、この抽籤の結果を「内部当籤役」という。)とともに、ステッピングモータを駆動制御して複数のリールの回転を開始させる制御を行い、停止操作をストップスイッチにより検出すると、ステッピングモータを駆動制御し、内部当籤役に基づいて複数のリールの回転を停止させる制御を行う。
また、近年、内部当籤役に決定された役を取りこぼすことがないように、内部当籤役を成立させるための情報など遊技者にとって有利な情報を、遊技者に対して報知する遊技機が知られている。なお、このように遊技者が有利となるような情報を報知することを、一般にナビする(ナビを行う)などといい、ナビが行われる期間をAT(assist time)という。
このようなAT機能を有する遊技機として、例えば、特開2017-153724号公報には、ATが長期間にわたり継続すると(例えば、1500回)、残りのゲーム数に関わらず強制的にATを終了させるリミット処理を行う遊技機が開示されている。このような遊技機によれば、遊技者にとって有利な状態が無制限に継続してしまうことを防止できるため、遊技の射幸性が徒に高まってしまうことを抑制することができる。
[発明の概要]
[発明が解決しようとする課題]
ところで、遊技者にとって有利な状態を終了させる場合(リミット処理による終了か残りゲーム数の消化による終了かに関わらず)、終了させる状態に関する全ての情報がリセット(初期化)されてしまうため、その後の遊技が単調になってしまう恐れがあった。
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであり、関連する情報をリセットしつつも、その後の遊技性の幅を広げることが可能な遊技機を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段]
上記の目的を達成するために、本発明は、以下のような遊技機を提供する。
本発明に係る遊技機は、複数の識別情報を変動表示可能な複数の可変表示手段(例えば、リール3L、3C、3R)と、複数の役の中から決定された当籤役に応じて前記複数の可変表示手段の変動表示を停止させることで結果表示を導出可能な停止制御手段(例えば、主制御基板71)と、を有する遊技機であって、前記結果表示には、特定の状態(例えば、ARTの終了時)に対応付けられた特定結果表示(例えば、右下がりリプレイ)が含まれ、前記特定結果表示が導出された状態で所定のリセット制御(例えば、ARTに関する情報の初期化)が行われた場合に、当該リセット制御からの復帰後に導出されている前記特定結果表示に基づき前記特定の状態(例えば、ARTの終了時であること)をセットする状態制御手段(例えば、主制御基板71)を更に備えることを特徴とする。
このように本発明に係る遊技機では、特定結果表示を特定の状態に紐づけておき、所定のリセット制御が行われた後に(復帰後に)、その時点で導出されている特定結果表示から特定の状態であることを読み出す。すなわち、特定結果表示が導出された状態で所定のリセット制御が行われた場合、リセット制御に伴い関連する情報が初期化されるものの、導出されている特定結果表示から特定の状態であることをセットすることができる。これにより、関連する情報をリセットした後であっても、復帰後に認識した特定の状態であることを用いて遊技性の幅を広げることができる。
また、本発明に係る遊技機において、前記特定結果表示が導出されたことに応じて、所定の遊技状態(例えば、ART)を終了する終了手段(例えば、主制御基板71)と、前記終了手段が前記所定の遊技状態を終了すると、前記所定の遊技状態に関する情報をリセットする初期化手段(例えば、主制御基板71)と、を更に備え、前記状態制御手段は、前記初期化手段による前記情報のリセットの後に、導出されている前記特定結果表示に基づき前記所定の遊技状態の終了時であることをセットすることとしてもよい。
このような遊技機によれば、特定結果表示が導出された場合、終了手段が所定の遊技状態を終了するとともに、初期化手段が所定の遊技状態に関する情報をリセットする。そして、本発明に係る遊技機では、初期化手段によるリセットの後に、導出されている特定結果表示から所定の遊技状態の終了時であることをセットする。これにより、従来の遊技機であれば、初期化手段によるリセットに伴い遊技機側では単に「所定の遊技状態ではない(例えば、通常の遊技状態)」ことのみしか把握できなかったが、本発明に係る遊技機では、「所定の遊技状態が終了した直後」の通常の遊技状態であることを把握することができる。その結果、例えば、通常の遊技状態から所定の遊技状態への移行を、所定の遊技状態の終了直後とそれ以外とで異ならせることで、所定の遊技状態の終了後に、所定の遊技状態への引き戻しが行われ易いといった遊技性を持たせることができる。
[発明の効果]
本発明によれば、関連する情報をリセットしつつも、その後の遊技性の幅を広げることができる。
[付記17]
付記17の遊技機は、以下の通りである。
[背景技術]
従来、遊技者により、メダルやコインなどの遊技媒体が投入(以下、「投入操作」という。)され、スタートレバーが操作(以下、「開始操作」という。)されると、複数の図柄がそれぞれの表面に配された複数のリールの回転が開始し、ストップボタンが操作(以下、「停止操作」という。)されると、複数のリールの回転が停止し、その結果表示された図柄の組合せに応じて特典が付与される、いわゆるパチスロ機と称される遊技機が知られている。
このような遊技機においては、開始操作をスタートスイッチにより検出すると、乱数値を抽出して抽籤を行う(以下、この抽籤の結果を「内部当籤役」という。)とともに、ステッピングモータを駆動制御して複数のリールの回転を開始させる制御を行い、停止操作をストップスイッチにより検出すると、ステッピングモータを駆動制御し、内部当籤役に基づいて複数のリールの回転を停止させる制御を行う。
また、近年、内部当籤役に決定された役を取りこぼすことがないように、内部当籤役を成立させるための情報など遊技者にとって有利な情報を、遊技者に対して報知する遊技機が知られている。なお、このように遊技者が有利となるような情報を報知することを、一般にナビする(ナビを行う)などといい、ナビが行われる期間をAT(assist time)という。
このようなAT機能を有する遊技機として、例えば、特開2017-153724号公報には、ATが長期間にわたり継続すると(例えば、1500回)、残りのゲーム数に関わらず強制的にATを終了させるリミット処理を行う遊技機が開示されている。このような遊技機によれば、遊技者にとって有利な状態が無制限に継続してしまうことを防止できるため、遊技の射幸性が徒に高まってしまうことを抑制することができる。
[発明の概要]
[発明が解決しようとする課題]
ところで、遊技者にとって有利な状態を終了させる場合(リミット処理による終了か残りゲーム数の消化による終了かに関わらず)、終了させる状態に関する全ての情報がリセット(初期化)されてしまうため、その後の遊技が単調になってしまう恐れがあった。
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであり、所定の遊技状態が終了した後の遊技性の幅を広げることが可能な遊技機を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段]
上記の目的を達成するために、本発明は、以下のような遊技機を提供する。
本発明に係る遊技機は、複数の識別表示を変動表示可能な可変表示手段(例えば、リール3L、3C、3R)と、前記可変表示手段を用いた遊技の進行を制御する遊技制御手段(例えば、主制御基板71)と、を備え、停止操作の態様を報知可能な報知状態(例えば、通常区間)として、第1報知状態(例えば、通常有利)と、当該第1報知状態から移行可能で当該第1報知状態よりも報知の可能性が高い第2報知状態(例えば、「ART」)と、を少なくとも有し、前記報知状態に関連して計数された数値が特定値(例えば、1500回)に達すると、前記報知状態を継続可能な残り期間に関わらず前記報知状態を終了するリミット処理を行う遊技機であって、所定の開始条件が満たされると前記第2報知状態を開始し、所定の終了条件が満たされると前記第2報知状態を終了する状態制御手段(例えば、主制御基板71)と、前記状態制御手段による前記第2報知状態の終了時にリセット操作を受け付け可能な操作受付手段(例えば、主制御基板71)と、を更に備え、前記状態制御手段は、前記操作受付手段が前記リセット操作を受け付けると、前記第2報知状態の終了後に非報知状態を開始し、前記操作受付手段が前記リセット操作を受け付けないと、前記第2報知状態の終了後に前記第1報知状態を開始することを特徴とする。
このような遊技機によれば、第2報知状態の終了時にリセット操作を受け付けることができ、遊技者がリセット操作を行った場合には、第2報知状態の終了後に非報知状態に移行し、リセット操作を行わない場合には、第2報知状態の終了後に第1報知状態に移行する。第1報知状態は、停止操作の態様が報知される報知状態であるとともに、第2報知状態へ移行可能な遊技状態であるため、リセット操作を行わずに第1報知状態に移行した場合には、終了した第2報知状態への移行(引き戻し)に期待を持つことができる。一方で、本発明に係る遊技機では、報知状態(第1報知状態及び第2報知状態)に関連して計数された数値が特定値に達すると、報知状態を強制的に終了する(リミット処理)。ここで、リセット操作を行わない場合には、第2報知状態の終了後も報知状態(第1報知状態)中であるため、報知状態に関する数値の計数が継続し、その後、リミット処理が行われ易くなる。そのため、リセット操作を行わない場合、引き戻しに期待を持つことができるものの、リミット処理が行われ易くなるというデメリットも生じてしまう。遊技者にとってみれば、メリット・デメリットを考慮した上で、リセット操作を行うか否かの選択を行うことになるため、第2報知状態が終了した後の選択に戦略性を持たせることができ、遊技性の幅を広げることができる。
また、本発明に係る遊技機において、前記非報知状態よりも前記第1報知状態の方が、前記所定の開始条件を満たす確率が高いこととしてもよい。
このような遊技機によれば、リセット操作を行わずに第1報知状態に移行した場合の方が、第2報知状態に移行し易いため、第2報知状態が終了した後の選択に戦略性を持たせることができ、遊技性の幅を広げることができる。
[発明の効果]
本発明によれば、所定の遊技状態が終了した後の遊技性の幅を広げることができる。
[付記18]
付記18の遊技機は、以下の通りである。
[背景技術]
従来、遊技者により、メダルやコインなどの遊技媒体が投入(以下、「投入操作」という。)され、スタートレバーが操作(以下、「開始操作」という。)されると、複数の図柄がそれぞれの表面に配された複数のリールの回転が開始し、ストップボタンが操作(以下、「停止操作」という。)されると、複数のリールの回転が停止し、その結果表示された図柄の組合せに応じて特典が付与される、いわゆるパチスロ機と称される遊技機が知られている。
このような遊技機においては、開始操作をスタートスイッチにより検出すると、乱数値を抽出して抽籤を行う(以下、この抽籤の結果を「内部当籤役」という。)とともに、ステッピングモータを駆動制御して複数のリールの回転を開始させる制御を行い、停止操作をストップスイッチにより検出すると、ステッピングモータを駆動制御し、内部当籤役に基づいて複数のリールの回転を停止させる制御を行う。
また、近年、内部当籤役に決定された役を取りこぼすことがないように、内部当籤役を成立させるための情報など遊技者にとって有利な情報を、遊技者に対して報知する遊技機が知られている。なお、このように遊技者が有利となるような情報を報知することを、一般にナビする(ナビを行う)などといい、ナビが行われる期間をAT(assist time)という。こうしたAT機能を搭載した遊技機として、例えば、特開2010-057732号公報には、内部当籤役としてスイカやチェリーなどの特定の役が決定されるとATゲーム数を増加させる(ATゲーム数を上乗せさせる)遊技機が開示されている。
[発明の概要]
[発明が解決しようとする課題]
ところで、AT機能を搭載した従来の遊技機では、ナビが行われるAT期間中が遊技者にとって有利な遊技状態であるため、遊技者は、AT期間を目指して遊技を行うだけであり、遊技性が単調となっていた。
本発明はこのような要望に鑑みてなされたものであり、遊技性に富んだ遊技機を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段]
上記の目的を達成するために、本発明は、以下のような遊技機を提供する。
本発明に係る遊技機は、複数の識別表示を変動表示可能な可変表示手段(例えば、リール3L,3C,3R)と、複数の役の中から決定された当籤役に応じて前記可変表示手段を用いた遊技の進行を制御する遊技制御手段(例えば、主制御基板71)と、を備え、停止操作の態様を報知可能な報知状態(例えば、有利区間)に関連して計数された第1数値が特定値(例えば、1500回)に達すると、前記報知状態を継続可能な残り期間に関わらず前記報知状態を終了して非報知状態(例えば、通常区間)を開始するリミット処理を行う遊技機であって、前記複数の役には、特定の操作態様で停止操作を行った場合に特定の結果表示(例えば、7揃いリプレイ)が導出され、当該特定の操作態様とは異なる所定の操作態様で停止操作を行った場合に前記特定の結果表示とは異なる所定の結果表示(例えば、リプレイ)が導出される特定役(例えば、「F_択数リプ」)と、再遊技の作動に係るリプレイ役とが含まれ、前記特定の結果表示が導出されると、前記リプレイ役が当籤役として決定される確率が高い高RT状態を開始するRT状態制御手段(例えば、主制御基板71)と、非報知状態において所定の開始条件が満たされると前記報知状態を開始する状態開始手段(例えば、主制御基板71)と、前記状態開始手段が前記報知状態を開始すると前記報知状態に関する第2数値を計数する計数手段(例えば、主制御基板71)と、前記報知状態において前記特定の結果表示(例えば、7揃いリプレイ)が導出されると、前記報知状態を終了して前記非報知状態を開始する状態終了手段(例えば、主制御基板71)と、前記報知状態中に前記特定役(例えば、「F_択数リプ」)が当籤役として決定されると、前記特定の操作態様(例えば、7揃いリプレイの表示に必要な停止操作)を報知可能な報知手段(例えば、主制御基板71、報知ランプ147a、副制御基板72、表示ユニット100)と、を更に備え、前記報知手段は、前記計数手段が計数する前記第2数値が所定値に達するまでは、前記特定役が当籤役として決定された場合であっても前記特定の操作態様を報知することなく、前記第2数値が所定値に達した後に前記特定役が当籤役として決定された場合に前記特定の操作態様を報知することを特徴とする。
このような遊技機によれば、特定の結果表示が導出されると、報知状態が終了し非報知状態に移行するものの、リプレイ役が当籤役として決定される確率が高い高RT状態が開始される。すなわち、本発明に係る遊技機では、報知状態が終了し非報知状態に移行した場合、高RT状態が開始する。これにより、本発明に係る遊技機によれば、従来の遊技機とは反対に、報知状態から非報知状態(高RT)への移行を目指す遊技性を実現することができ、興趣の向上が期待できる。ここで、特定の結果表示は、特定役の当籤時に特定の操作態様で停止操作が行われた場合に導出されるところ、報知状態中に特定役に当籤すると、この特定の操作態様が報知されることがある。具体的には、報知状態中に計数された第2数値が所定値に達するまでは特定の停止態様を報知しないものの、所定値に達した後は特定の停止態様を報知する。これにより、報知状態に一定期間滞在した場合には、その後、(特定の停止態様が報知され)高RTへの移行が期待できるため、本発明に係る遊技機によれば、報知状態中の期間を高RTへの天井期間とすることができ、遊技者は安心して遊技を行うことができる。
また、本発明に係る遊技機において、前記状態開始手段が前記報知状態を開始すると、複数の数値の中から一の数値を決定し、前記所定値としてセットする所定値設定手段(例えば、主制御基板71)を更に備えることとしてもよい。
このような遊技機によれば、特定の停止態様が報知されるまでの期間を任意に設定することができるため、高RTへの天井期間がその都度変わり、遊技の興趣が向上する。
[発明の効果]
本発明によれば、遊技性に富んだ遊技機を提供することができる。
[付記19]
付記19の遊技機は、以下の通りである。
[背景技術]
従来、遊技者により、メダルやコインなどの遊技媒体が投入(以下、「投入操作」という。)され、スタートレバーが操作(以下、「開始操作」という。)されると、複数の図柄がそれぞれの表面に配された複数のリールの回転が開始し、ストップボタンが操作(以下、「停止操作」という。)されると、複数のリールの回転が停止し、その結果表示された図柄の組合せに応じて特典が付与される、いわゆるパチスロ機と称される遊技機が知られている。
このような遊技機においては、開始操作をスタートスイッチにより検出すると、乱数値を抽出して抽籤を行う(以下、この抽籤の結果を「内部当籤役」という。)とともに、ステッピングモータを駆動制御して複数のリールの回転を開始させる制御を行い、停止操作をストップスイッチにより検出すると、ステッピングモータを駆動制御し、内部当籤役に基づいて複数のリールの回転を停止させる制御を行う。
また、近年、内部当籤役に決定された役を取りこぼすことがないように、内部当籤役を成立させるための情報など遊技者にとって有利な情報を、遊技者に対して報知する遊技機が知られている。なお、このように遊技者が有利となるような情報を報知することを、一般にナビする(報知する)などといい、ナビが行われる期間をAT(assist time)という。
このようなAT機能を有する遊技機として、例えば、特開2017-153724号公報には、報知期間(AT)が長期間にわたり継続すると(例えば、1500回)、残りのゲーム数に関わらず強制的に報知期間を終了させるリミット処理を行う遊技機が開示されている。このような遊技機によれば、遊技者にとって有利な状態が無制限に継続してしまうことを防止できるため、遊技の射幸性が徒に高まってしまうことを抑制することができる。
[発明の概要]
[発明が解決しようとする課題]
ところで、このような遊技機では、非報知期間から報知期間への移行に関して高確率/低確率のように確率を異ならせることができないため、報知期間を第1区間と第2区間のように分け、第2区間を従来の遊技機におけるAT中とするとともに、第1区間中に第2区間への移行確率に差をつけることで、AT(第2区間)への移行に確率差を設けることとしている。しかしながら、第1区間は報知期間に含まれるため、このような制御では、第1区間が長期間にわたって継続した後に第2区間(AT区間)に移行した場合、報知期間が上限(1500回)に到達し易くなってしまい、遊技者の興趣を損ねてしまう恐れがある。
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであり、射幸性を徒に高めてしまうことを抑制しつつも、遊技者の興趣を損ねることのない遊技機を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段]
上記の目的を達成するために、本発明は、以下のような遊技機を提供する。
本発明に係る遊技機は、複数の識別表示を変動表示可能な可変表示手段(例えば、リール3L,3C,3R)と、前記可変表示手段を用いた遊技の進行を制御する遊技制御手段(例えば、主制御基板71)と、を備え、停止操作の態様を報知可能な報知状態(例えば、有利区間)として、第1報知状態(例えば、通常有利)と、当該第1報知状態から移行可能で当該第1報知状態よりも報知の可能性が高い第2報知状態(例えば、「ART」)と、を少なくとも有し、前記報知状態に関連して計数された数値が特定値(例えば、1500回)に達すると、前記報知状態を継続可能な残り期間に関わらず前記報知状態を終了するリミット処理を行う遊技機であって、非報知状態(例えば、通常区間)において第1条件を満たすと、遊技状態を前記第1報知状態に移行し、前記非報知状態において第2条件を満たすと、遊技状態を前記第2報知状態に移行し、前記第1報知状態において第3条件を満たすと、遊技状態を前記非報知状態に移行し、前記第1報知状態において第4条件を満たすと、遊技状態を前記第2報知状態に移行する状態制御手段を更に備え、前記非報知状態において前記第2報知状態への移行契機となる前記第2条件を満たす確率は、前記第1報知状態において前記第2報知状態への移行契機となる前記第3条件を満たす確率よりも高いことを特徴とする。
このような遊技機によれば、報知状態(第1報知状態及び第2報知状態)に関連して計数された数値が特定値に達すると、報知状態を強制的に終了するため、報知状態(第1報知状態及び第2報知状態)が必要以上に継続してしまうことがなく、射幸心を徒に高めてしまうことを防止できる。また、本発明に係る遊技機では、遊技者にとってより有利な第2報知状態への移行は、第1報知状態から行われることもあれば、非報知状態から移行することもあるが、第1報知状態から移行するよりも、非報知状態からの方が第2報知状態へ移行し易くなっている。これにより、第2報知状態へは、非報知状態から第1報知状態を経由して移行するのではなく、第1報知状態から非報知状態を経由して第2報知状態に移行するルートを主な移行ルートとする遊技性を実現することができる。このようにすることで、第2報知状態に移行した場合には、その直前の遊技状態が非報知状態であることが多く、結果、リミット処理のために計数する数値も、第2報知状態への移行の直前に一度リセットされる。その結果、本発明に係る遊技機によれば、リミット処理を行うことで射幸性を徒に高めてしまうことを防止しつつも、リミット処理のために用いる数値を第2報知状態の開始前から無駄に計数することがなく、遊技者の興趣を損ねることがない。
[発明の効果]
本発明によれば、射幸性を高めてしまうことを抑制しつつ、遊技者の興趣を損ねることのない遊技機を提供することができる。
[付記20]
付記20の遊技機は、以下の通りである。
[背景技術]
従来、遊技者により、メダルやコインなどの遊技媒体が投入(以下、「投入操作」という。)され、スタートレバーが操作(以下、「開始操作」という。)されると、複数の図柄がそれぞれの表面に配された複数のリールの回転が開始し、ストップボタンが操作(以下、「停止操作」という。)されると、複数のリールの回転が停止し、その結果表示された図柄の組合せに応じて特典が付与される、いわゆるパチスロ機と称される遊技機が知られている。
このような遊技機においては、開始操作をスタートスイッチにより検出すると、乱数値を抽出して抽籤を行う(以下、この抽籤の結果を「内部当籤役」という。)とともに、ステッピングモータを駆動制御して複数のリールの回転を開始させる制御を行い、停止操作をストップスイッチにより検出すると、ステッピングモータを駆動制御し、内部当籤役に基づいて複数のリールの回転を停止させる制御を行う。
また、近年、内部当籤役に決定された役を取りこぼすことがないように、内部当籤役を成立させるための情報など遊技者にとって有利な情報を、遊技者に対して報知する遊技機が知られている。なお、このように遊技者が有利となるような情報を報知することを、一般にナビする(ナビを行う)などといい、ナビが行われる期間をAT(assist time)という。こうしたAT機能を搭載した遊技機として、例えば、特開2016-104425号公報には、ATへの移行確率を定めるモードを複数備えた遊技機が開示されている。
[発明の概要]
[発明が解決しようとする課題]
このような遊技機によれば、モード毎の移行確率に差があるため、現在のモードに応じてATへの移行期待度が変わることになり、遊技の興趣が向上するものの、ATへの移行確率が低いモードが示唆されている状況においては、遊技意欲が損なわれ、遊技の興趣が低下してしまう恐れがあった。
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであり、遊技者にとって有利ではない状態に滞在している場合に遊技意欲が低下してしまうことを抑制可能な遊技機を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段]
上記の目的を達成するために、本発明は、以下のような遊技機を提供する。
本発明に係る遊技機は、複数の識別情報を変動表示可能な複数の可変表示手段(例えば、リール3L,3C,3R)と、前記複数の可変表示手段に対応して遊技者が停止操作可能な複数の停止操作手段(例えば、ストップボタン7L、7C、7R)と、開始条件の成立に基づいて前記複数の可変表示手段を変動表示させる変動制御手段(例えば、主制御基板71)と、前記開始条件の成立に基づいて内部当籤役を決定可能な内部当籤役決定手段(例えば、主制御基板71)と、前記内部当籤役決定手段により決定された内部当籤役と前記複数の停止操作手段を介した停止操作とに基づいて、前記複数の可変表示手段の変動表示を停止させることで結果表示を導出可能な停止制御手段(例えば、主制御基板71)と、を備えた遊技機であって、遊技を行う遊技状態として、通常状態(例えば、通常区間)と、前記通常状態よりも遊技者にとって有利な有利状態(例えば、有利区間)とを有し、前記内部当籤役決定手段により決定可能な前記内部当籤役として、ボーナス役と特定役とが重複して内部当籤役として決定される第1当籤役(例えば、「F_BB2+特殊役」)と、少なくとも前記ボーナス役が内部当籤役として決定されるとともに、重複して当籤する役の種別が前記第1当籤役とは異なる第2当籤役(例えば、「F_BB2」)とを有し、前記内部当籤役決定手段は、前記第1当籤役又は前記第2当籤役の何れか一方については、複数の設定値のそれぞれにおいて同一の確率で前記内部当籤役として決定し、他方については、複数の設定値の少なくとも一部において異なる確率で前記内部当籤役として決定し、前記有利状態において前記ボーナス役が前記内部当籤役として決定されると、前記内部当籤役として決定された役の種別に関わらず第1の特典(例えば、共通処理に基づく特典)を付与可能な共通処理手段(例えば、主制御基板71)と、前記通常状態において前記第1当籤役又は前記第2当籤役のうちの設定差のない役(例えば、「F_BB2+特殊役」)が前記内部当籤役として決定されると、第2の特典(例えば、特殊処理に基づく特典)を付与可能な個別処理手段(例えば、主制御基板71)と、を更に備え、前記第2の特典は、前記第1の特典に比べて大きな特典であることを特徴とする。
このような遊技機によれば、ボーナス役が内部当籤役として決定された際の遊技状態に応じて付与される特典が異なる。具体的には、有利状態中にボーナス役が内部当籤役として決定されると、内部当籤役として決定されたボーナス役の種別に関わらず第1の特典が付与され、通常状態中にボーナス役が内部当籤役として決定されると、決定された役が設定差のない役である場合に限り、第2の特典が付与される。このとき、第2の特典は第1の特典に比べて大きな特典であるため、本発明に係る遊技機によれば、相対的に不利な通常状態中は、より大きな第2の特典を受けることができる。その結果、遊技者にとって有利ではない通常状態に滞在している場合であっても、有利状態中に受けることのできない大きな特典(第2の特典)のチャンスがあるため、通常状態中に遊技意欲が低下してしまうことを抑制することができる。なお、通常状態中に付与可能な第2の特典は、設定差のない役が内部当籤役として決定され場合に付与される、(通常状態に滞在し易い)低設定であっても高設定と変わらずに第2の特典の付与を受けることができるため、設定状況から遊技意欲が低下してしまうことを抑制することができる。
また、本発明に係る遊技機において、前記停止制御手段は、前記第1当籤役が前記内部当籤役として決定された遊技において特定の操作態様で停止操作が行われた場合と、前記第2当籤役が前記内部当籤役として決定された遊技において前記特定の操作態様で停止操作が行われた場合とで、前記複数の可変表示手段の変動停止時に同一の結果表示を導出することを特徴とする。
このような遊技機によれば、特定の操作態様で停止操作を行っている場合、第1当籤役の当籤時と第2当籤役の当籤時とで同一の結果表示が導出されるため、例えば、有利状態中に、第1当籤役と第2当籤役とのうち設定差のない役が内部当籤役として決定された場合であっても、設定差のある役が内部当籤役として決定されたのか、設定差のない役が内部当籤役として決定されたのかを判別できないようにすることができる。上述のように設定差のない役は、有利状態中に内部当籤役として決定されるよりも、通常状態中に内部当籤役として決定される方が付与される特典が大きい。そのため、本発明に係る遊技機のように制御することで、遊技者に対して引き損感を与えることがなく、興趣が低下してしまうことを抑制することができる。
[発明の効果]
本発明によれば、遊技者にとって有利ではない状態に滞在している場合に遊技意欲が低下してしまうことを抑制することができる。