JP7465192B2 - 優先度判定装置、優先度判定方法及び優先度判定システム - Google Patents
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Description
例えば、特許文献1(特開2016-057842号公報)には、「災害対応支援システムは、災害対応支援サーバと、現在の位置を認識可能であり、災害対応支援サーバに通信回線を介して接続可能である少なくとも1つの携帯端末とを備えている。災害対応支援サーバは、少なくとも1つの携帯端末から災害発生の通報を受信した際に、作業指示に関する通報の優先度を判定する優先度判定手段と、受信した通報の情報及び優先度判定手段によって判定した優先度の情報を記憶するデータベースとを備えている。この優先度判定手段は、通報の通報者に基づいて定まる信頼度に応じて重み付け係数を求める信頼度重み付け係数取得手段と、通報と共に受信した人的被害の有無の付加情報に応じて重み付け係数を求める人的被害重み付け係数取得手段等に従って災害の優先度を決定するように構成されている」発明が記載されている。
しかしながら、特許文献1に記載の手段は、災害の通報の信頼度に応じて災害の優先度を決定することに着目しており、災害等のイベントの種類(火事、停電、テロ)に応じてイベントの影響を受ける可能性がある影響領域への影響に基づいて優先度を判定することを想定していない。このため、例えば同じ種類のイベントが異なる場所で多数発生する場合には、イベントの影響領域への影響を考慮した優先度判定ができず、適切な対処法を選択することができない。
上記以外の課題、構成及び効果は、以下の発明を実施するための形態における説明により明らかにされる。
従来のイベント優先度判定手段では、イベントの優先度は「高い」、「中」、「低い」等の大まかなカテゴリーに分類される。しかし、スマートシティのような、数多くのイベントが発生する大規模な環境では、複数のイベントに対して同レベルの優先度が割り当てられることがあり、どのイベントを優先して対応すべきかが不明となる。従って、スマートシティで発生する多数のイベントを限られている資源で最も効率よく対応する対処法を判定するためには、より細かな優先度を判定できる手段が望ましい。
また、状況によっては、直ぐにイベントに対応しなければ、当該イベントによる二次的なイベントが発生し、被害が甚大となることがある。一例として、ガソリンスタンドの周辺で火事が発生した場合、消火活動を迅速に実施しない限り、火事がガソリンスタンドまで移り、爆発等を引き起こすこと等が考えられる。
一例として、火事が公園とガソリンスタンドとで同時に発生した場合、それぞれの火事が発生した場所の周辺環境や人口密度を考慮し、火事がガソリンスタンドまで移った場合の爆発等のような二次的なイベントの発生を防ぐためにガソリンスタンド付近で発生した火事の対応を優先することが望ましい。
また、本開示におけるイベントとは、スマートシティに対して重大な影響を与える可能性がある事象であり、例えば火事、停電、テロ、交通事故、感染症、自然災害(竜巻、地震、津波、台風)等を含んでもよい。
本開示によれば、イベントによる二次的なイベントの発生を防ぎつつ、スマートシティでのイベント対策効率及び安全性を向上させることができる。
図1に示すように、優先度判定装置110は、本開示の実施形態に係る機能における各種処理を実行するためのプロセッサ100及びメモリ101、センサ情報を取得するセンサ群102、分析部103、優先度判定部104、対策フロー生成部105、及び人材派遣部106を含む。
センサ群102は、スマートシティに関するセンサ情報を継続的に取得し、分析部103に送信する。
また、ここでのイベント判定ルールとは、例えば優先度判定装置110のユーザによって事前に定められ、発生する可能性がある様々なイベントのそれぞれについて、当該イベントを検出するために用いられる基準を規定するルールである。例えば、火事を判定するための判定ルールとして、「所定面積内に所定数の火災警報器が作動したか」や、「温度は所定値を超えたか」等が考えられる。また、分析部103は、センサ情報に基づいてイベントを検出するために訓練されたニューラルネットワークで構成された場合、ここでのイベント判定ルールは、それぞれのイベントを検出するために設定されるニューラルネットワークのパラメータであってもよい。
なお、分析部103は、センサ情報からイベントを検出する機能のみならず、スマートシティの市民等によって通報されたイベントを検出する機能を備えてもよい。
また、ここでの影響領域とは、イベントによって被害を受ける可能性がある領域を意味する。また、この影響領域は、例えば後述するユーザ入力データベース207に格納される影響領域の半径によって設定されてもよい。一例として、影響領域の半径が「300メートル」の場合、イベントの発生地から300メートルの半径以内の領域は、イベントの影響を受ける可能性がある「影響領域」として設定される。
なお、優先度判定部104の構成及び機能について、図2を参照して説明するため、ここではその説明を省略する。
一例として、「火事」のイベントが発生した場合には、対策フローは、「火事が発生した場所から所定の距離以内の人間や動物を避難させる」アクションと、「消防団を派遣する」アクションとを含んでもよい。
図2に示すように、優先度判定部104のハードウェア構成は、イベントキュー201、パラメータ計算部202、イベント深刻度判定部203、畳み込みニューラルネットワーク204、第1のデータベース205、周辺影響度判定部206、ユーザ入力データベース207、静的資産パラメータ計算部208、動的資産パラメータ計算部209、施設情報データベース210、優先度計算部211、ニューラルネットワーク212、及び第2のデータベース213を含む。
なお、イベントキュー201の詳細については、図5を参照して説明する。
なお、畳み込みニューラルネットワーク204の学習に用いられる学習データを格納する第1のデータベース205の詳細については、図6を参照して説明する。
なお、施設情報データベース210及びユーザ入力データベース207の詳細については、後述する図7及び図8を参照して説明する。
静的資産パラメータ計算部208は、イベントの影響領域における静的資産の重要性を示す静的資産パラメータを計算するための機能部である。ここでの静的資産とは、イベントの影響領域において、外部からの力によって変化されない限り、状態が変化しないものを意味し、例えばイベントの影響領域に存在する建物、物品、インフラ、個人や企業の財産、現金等を含む。静的資産パラメータ計算部208は、イベントキュー201、ユーザ入力データベース207、及び施設情報データベース210に格納されている情報に基づいて静的資産パラメータを計算してもよい。
動的資産パラメータ計算部209は、イベントの影響領域における動的資産の重要性を示す動的資産パラメータを計算するための機能部である。ここでの動的資産とは、イベントの影響領域において、自らの力で状態が変化するものを意味し、例えばイベントの影響領域に滞在する人間や動物等の生命体、自動車、列車、ロボット等の自動的に走行する機械を含む。動的資産パラメータ計算部209は、イベントキュー201、ユーザ入力データベース207、及び施設情報データベース210に格納されている情報に基づいて動的資産パラメータを計算してもよい。
なお、ニューラルネットワーク212の学習に用いられる学習データを格納する第2のデータベース213の詳細については、図9を参照して説明する。
例えば、ここでは、分析部は、公園に設置されている防犯カメラの映像と、当該公園に配置されている熱カメラからの熱映像をセンサ情報として受け付けてもよい。
ここで、分析部は、例えば、イベントを一意に識別するためのイベントインデックス、イベントの発生時刻を示すタイムスタンプ、イベントの種類(火事、交通事故)を示すイベントタイプ、イベントが発生した場所(緯度及び経度)、イベントの様子を示す映像データ等をイベント特徴量としてイベントキューに保存してもよい。
なお、図4に示すイベント優先度判定方法400は、図3に示すイベント優先度を計算するステップS365に対応する。また、以下では、1つのイベントに対する優先度を判定する場合を一例として説明する箇所があるが、以下の各ステップを複数のイベントに対して実行し、複数のイベントに対する優先度を判定することができることは言うまでもない。
次に、優先度判定部は、取得したイベント特徴量をパラメータ計算部のイベント深刻度判定部(例えば、図2に示すイベント深刻度判定部203)と、周辺影響度判定部(例えば、図2に示す周辺影響度判定部206)とに転送する。
ここでのコンテクスト係数は、図8に示す状況情報行列に基づいて判定される。なお、コンテクスト係数及び状況情報行列の詳細については、図8を参照して後述する。
まず、上述したように、オフィスビル、ガソリンスタンド、及び公園の3つの施設について、静的資産パラメータと、動的資産パラメータとが計算され、この合計(Si)が計算される。また、それぞれの施設のイベントからの距離(Di)が判定される。その後、それぞれの施設について、コンテクスト係数(Cki)が図8に示す状況情報行列から判定される。この場合、図8に示す状況情報行列で示されるように、オフィスビル、ガソリンスタンド、及び公園の3つの施設は全て、イベントタイプが「火事」のイベントの影響を受けるため、各施設のコンテクスト係数が「1」となる。
その後、数式1に示すように、それぞれの施設について、静的資産パラメータと動的資産パラメータとの合計Si、イベントからの距離Diの逆数、及びコンテクスト係数Ckiを乗算し、各施設について得た積の和を計算することで、周辺影響度パラメータSAPPを得ることができる。
なお、ここでの学習データ601とは、過去のイベントについて取得したイベント特徴量であってもよい。
なお、施設情報データベース210は、予めユーザによって作成されてもよい。
なお、ここでの貴重品の有無や可燃物の有無は、所定の判断基準によって定められてもよい。一例として、ある実施形態では、ある施設において、10万円以上に相当する財産が保管されている場合、当該施設には貴重品があると判定され、10万円未満に相当する財産が保管されている場合、当該施設には貴重品がないと判定される。
状況情報行列801は、イベントタイプ毎に、特定の施設がイベントの影響を受けるか否かを示すデータ構造であり、上述したコンテクスト係数803を判定するために用いられる。施設が特定のイベントタイプの影響を受ける場合には、コンテクスト係数803が「1」となり、施設が特定のイベントタイプの影響を受けない場合には、コンテクスト係数803が「0」となる。例えば、イベントタイプが「火事」の場合、オフィスビル、ガソリンスタンド、及び公園の3つの施設が影響を受けるため、それぞれのコンテクスト係数803が「1」となる。一方、イベントタイプが「停電」の場合、オフィスビル及びガソリンスタンドは停電の影響を受けるため、これらの施設のコンテクスト係数803が「1」となるが、公園は停電に影響されないため、公園のコンテクスト係数803が「0」となる。
なお、この影響領域の半径802は、例えばユーザに推定されてもよく、過去のイベントの影響領域の半径に基づいて定められてもよい。
なお、ここでの学習データ901とは、例えば過去のイベントについて計算されたパラメータである。
101メモリ
102センサ群
103分析部
104優先度判定部
105対策フロー生成部
106人材派遣部
201イベントキュー
202パラメータ計算部
203イベント深刻度判定部
204畳み込みニューラルネットワーク
205第1のデータベース
206周辺影響度判定部
207ユーザ入力データベース
208静的資産パラメータ計算部
209動的資産パラメータ計算部
210施設情報データベース
211優先計算部
212ニューラルネットワーク
213第2のデータベース
Claims (9)
- イベントの優先度を判定するための優先度判定装置であって、
センサ情報を取得するセンサ群と、
前記センサ情報を分析することで、イベントの発生を検出し、検出した前記イベントに関するイベント特徴量を判定する分析部と、
前記イベントに関する前記イベント特徴量に基づいて、前記イベントの影響を受ける可能性がある影響領域について、前記イベントが前記影響領域に与える影響を示す周辺影響度パラメータを判定する周辺影響度判定部と、
少なくとも前記周辺影響度パラメータに基づいて、前記イベントの優先度を判定する優先度計算部と、
を含み、
前記周辺影響度判定部は、
前記影響領域における施設について、前記施設の静的資産の重要性を示す静的資産パラメータを計算するための静的資産パラメータ計算部と、
前記影響領域における施設について、前記施設の動的資産の重要性を示す動的資産パラメータを計算する動的パラメータ計算部と、
を含むことを特徴とする優先度判定装置。 - 前記優先度判定装置は、
前記イベントの種類を示すイベントタイプ毎に、特定の施設に対するイベントの影響度を示すコンテクスト係数を規定する状況情報行列を格納するユーザ入力データベースを更に含む、
ことを特徴とする、請求項1に記載の優先度判定装置。 - 前記周辺影響度判定部は、
前記静的資産パラメータと、前記動的資産パラメータと、前記状況情報行列から判定した前記コンテクスト係数と、施設のイベントからの距離とを用いて前記周辺影響度パラメータを判定する、
ことを特徴とする、請求項2に記載の優先度判定装置。 - 前記優先度計算部は、
前記周辺影響度パラメータと、前記イベントの深刻度を示す深刻度パラメータとに基づいて前記イベントの優先度を判定する、
ことを特徴とする、請求項3に記載の優先度判定装置。 - 前記優先度計算部は、
前記イベントの優先度について、前記イベントに対応するための対策フローを生成する対策フロー生成部を更に含む、
ことを特徴とする、請求項4に記載の優先度判定装置。 - 優先度判定装置においてコンピュータソフトウエアによって実施され、イベントの優先度を判定するための優先度判定方法であって、
前記優先度判定装置は、
メモリと、プロセッサとを含み、
前記メモリは、
センサ群からセンサ情報を取得する工程と、
前記センサ情報を分析することで、イベントの発生を検出し、検出した前記イベントに関するイベント特徴量を判定する工程と、
前記イベントに関する前記イベント特徴量に基づいて、前記イベントの影響を受ける可能性がある影響領域における施設について、前記施設の静的資産の重要性を示す静的資産パラメータを計算する工程と、
前記イベントに関する前記イベント特徴量に基づいて、前記施設の動的資産の重要性を示す動的資産パラメータを計算する工程と、
前記施設に対するイベントの影響度を規定するコンテクスト係数を、ユーザ入力データベースに格納されている状況情報行列から判定する工程と、
前記静的資産パラメータと、前記動的資産パラメータと、前記状況情報行列から判定した前記コンテクスト係数と、前記施設のイベントからの距離とを用いて、前記イベントが前記影響領域に与える影響を示す周辺影響度パラメータを判定する工程と、
前記周辺影響度パラメータと、前記イベントの深刻度を示す深刻度パラメータとに基づいて前記イベントの優先度を判定する工程と、
を前記プロセッサに実行させる処理命令を含むことを特徴とする優先度判定方法。 - 前記イベントの優先度について、前記イベントに対応するための対策フローを生成する工程を更に含むことを特徴とする、請求項6に記載の優先度判定方法。
- イベントの優先度を判定するための優先度判定システムであって、
優先度判定システムにおいて、
センサ情報を取得するセンサ群と、
イベントの優先度を判定するための優先度判定装置とが通信ネットワークを介して接続されており、
前記優先度判定装置は、
前記センサ群から受信したセンサ情報を分析することで、イベントの発生を検出し、検出した前記イベントに関するイベント特徴量を判定する分析部と、
前記イベントに関する前記イベント特徴量に基づいて、前記イベントの影響を受ける可能性がある影響領域について、前記イベントが前記影響領域に与える影響を示す周辺影響度パラメータを判定する周辺影響度判定部と、
少なくとも前記周辺影響度パラメータに基づいて、前記イベントの優先度を判定する優先度計算部と、
を含み、
前記周辺影響度判定部は、
前記影響領域における施設について、前記施設の静的資産の重要性を示す静的資産パラメータを計算するための静的資産パラメータ計算部と、
前記影響領域における施設について、前記施設の動的資産の重要性を示す動的資産パラメータを計算する動的パラメータ計算部と、
を含むことを特徴とする優先度判定システム。 - 前記優先度判定装置は、
前記イベントの種類を示すイベントタイプ毎に、特定の施設に対するイベントの影響度を示すコンテクスト係数を規定する状況情報行列を格納するユーザ入力データベースを更に含み、
前記周辺影響度判定部は、
前記影響領域における施設について、前記施設の静的資産の重要性を示す静的資産パラメータを計算するための静的資産パラメータ計算部と、
前記影響領域における施設について、前記施設の動的資産の重要性を示す動的資産パラメータを計算するパラメータ計算部とを更に含み、
前記静的資産パラメータと、前記動的資産パラメータと、前記状況情報行列から判定した前記コンテクスト係数と、施設のイベントからの距離とを用いて前記周辺影響度パラメータを判定する、
ことを特徴とする、請求項8に記載の優先度判定システム。
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