JP7464549B2 - スロットマシン - Google Patents

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Description

本発明は、各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示部を備え、可変表示部を変動表示した後、可変表示部の変動表示を停止することで表示結果を導出し、該表示結果に応じて入賞が発生可能なスロットマシンに関する。
スロットマシンは、一般に、外周部に識別情報としての複数種類の図柄が描かれたリールを有する可変表示部を備えており、規定の賭数が設定された状態でスタートスイッチが操作されることによりリールが回転開始し、ストップスイッチが操作されてリールの回転が停止したときに入賞ライン上に予め定められた図柄組合せ(たとえば、7-7-7、以下、図柄組合せを表示結果の組合せ、または役とも称する)が導出されることにより入賞が発生する。
このようなスロットマシンとして、賭数の設定などにより減算更新されるとともに入賞の発生などにより加算更新されるクレジットを遊技者所有の遊技価値として記憶するものであって、遊技の進行を制御する遊技制御部が設けられた遊技制御基板とは別に、遊技者所有の遊技価値の加減算制御を行う払出制御部が設けられた払出制御基板を備えるスロットマシンがあった(たとえば、特許文献1参照)。
特開2003-102919号公報
特許文献1のスロットマシンにおいては、ゲームの進行を考慮しながら遊技の進行を制御する手段と遊技者所有の遊技価値に関する制御を行う手段との間で遣り取りすることに関して改良の余地があった。
本発明は、かかる実情に鑑み考え出されたものであり、その目的は、遊技の進行を制御する遊技制御手段と遊技者所有の遊技価値に関する制御を行う価値制御手段との間の遣り取りに関して改良を施したスロットマシンを提供することである。
各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示部(たとえば、リール2L、2C、2R)を備え、
前記可変表示部を変動表示した後、前記可変表示部の変動表示を停止することで表示結果を導出し、該表示結果に応じて入賞が発生可能なスロットマシン(たとえば、S台2)において、
遊技の進行を制御する遊技制御手段(たとえば、主制御基板16)と、
遊技者所有の遊技価値に関する制御を行う価値制御手段(たとえば、メダル数制御基板17)と、を備え、
前記価値制御手段は、
付与済みの全ての遊技価値のうち、特定状態(たとえば、有利区間など)において付与された遊技価値が占める割合を出力する価値付与比率処理を実行し、
前記価値付与比率処理に用いられるデータをバックアップ(たとえば、図54に示されるバックアップ処理)し、
前記遊技制御手段は、前記スロットマシンの電源が投入されたときに、該遊技制御手段が有する固有情報を特定可能な固有情報コマンド(たとえば、遊技機設置情報コマンド)を前記価値制御手段に送信し、
前記価値制御手段は、前記固有情報コマンドから特定した前記固有情報が、前回受信した前記固有情報コマンドから特定した前記固有情報と異なっている場合に、前記価値付与比率処理に用いられるデータを初期化する(たとえば、図54に示されるバックアップ初期化処理)。
カードユニットおよびスロットマシンの正面図である。 カードユニットおよびスロットマシンの内部構成を示すブロック図である。 リールの図柄配列を示す図である。 主制御部が制御する遊技状態を説明する図である。 内部抽選の対象役を説明する図である。 ナビ小役、特定小役、複合小役を説明する図である。 主制御基板がメダル数制御基板へ送信するコマンドの種類を示す図である。 遊技機設置情報コマンドを説明する図である。 遊技機特性の詳細を示す図である。 役物情報コマンドの構成を示す図である。 役物作動情報の詳細を示す図である。 有利区間情報コマンドの構成を示す図である。 有利区間情報の詳細を示す図である。 投入コマンドの構成を示す図である。 精算コマンドの構成を示す図である。 開始時コマンドの構成を示す図である。 終了時コマンドの構成を示す図である。 払出パルスコマンドの構成を示す図である。 大当りコマンドの構成を示す図である。 ホールコンピュータ信号の詳細を示す図である。 遊技機不正1コマンドの構成を示す図である。 設定情報の詳細を示す図である。 遊技機不正2コマンドの構成を示す図である。 ドア情報の詳細を示す図である。 遊技機不正3コマンドの構成を示す図である。 主制御状態コマンドの構成を示す図である。 主制御基板エラーコマンドの構成を示す図である。 主制御基板エラー一覧を示す図である。 遊技機性能情報(予備)コマンドの構成を示す図である。 メダル数制御基板から主制御基板へのコマンド一覧を示す図である。 応答コマンドの構成を示す図である。 枠側情報コマンドの構成を示す図である。 主制御基板とメダル数制御基板間の通信の一例を示す図である。 枠側情報コマンドの通信を説明するための図である。 主制御基板がコマンド受信をする際の処理を示すフローチャートである。 主制御基板とメダル数制御基板との間のシリアル通信回路について説明す る図である。 電源投入からの主制御基板とメダル数制御基板との間の通信の流れを示す 図である。 通番が正常である場合の通信の一例を示す図である。 通番不一致エラーが発生した場合の通信の一例を示す図である。 遊技メダルに関するエラーが発生した場合の通信の一例を示す図である。 遊技機設置情報コマンドの送受信前における通信が発生した例を示す図で ある。 電源投入におけるタイムアウトの例を示す図である。 賭数設定操作と精算操作について説明する図である。 賭数設定操作後、応答コマンドを受信する前に新たに賭数設定操作がされ た例を示す図である。 精算操作後、応答コマンドを受信する前に新たに精算操作がされた例を示 す図である。 賭数設定操作後、応答コマンドを受信する前に新たに精算操作がされた例 を示す図である。 精算操作後、応答コマンドを受信する前に新たに賭数設定操作がされた例 を示す図である。 賭数設定操作における通番エラーを説明する図である。 精算操作における通番エラーを説明する図である。 枠側情報の確認処理を説明する図である。 払出枚数の表示制御を説明する図である。 役比モニタを示す図である。 役比モニタの表示例を示す図である。 役比情報の初期化処理を説明するための図である。 主制御基板が行う起動時の処理と初期設定処理を説明する図である。 主制御基板が行うメイン処理の制御内容を説明する図である。 主制御基板が行う遊技開始待ち処理の制御内容を説明する図である。 主制御基板が行う賭数設定操作受付処理の制御内容を説明する図である。 主制御基板が行う精算操作受付処理の制御内容を説明する図である。
本発明に係るスロットマシンを実施するための形態を実施例に基づいて以下に説明する。
[スロットマシンの構成]
図1は、カードユニットおよびスロットマシンの正面図である。
図1を参照して、遊技場(ホール)内に複数配置されている各遊技島(図示略)には、スロットマシン(以下、S台と略称することがある)2が併設されており、そのS台2の所定側の側方位置に該S台2に対して遊技用装置の一例のカードユニット(以下CUと略称することもある)3が1対1に対応設置されている。なお、カードユニットは、「遊技メダル貸出装置」とも称する。
S台2は、遊技者がメダルを手に取り投入口に投入することなく、また遊技者の手元にメダルが払出されることもない遊技機である。このため、貸出操作などに応じて遊技価値が直接クレジット(ゲームに使用可能な遊技点(以下、「遊技メダル」とも称する))に加算される。加算されたクレジット数(遊技メダル数)は、クレジット表示器11に表示される。また、従来のスロットマシンのように、クレジット数として加算可能な上限数が「50」に限定されることなく、クレジット表示器11に表示可能な数の範囲内で設ければよい。また、上限数を設けなくてもよい。以下では、クレジット数を遊技メダル数と称する場合がある。
また、従来のスロットマシンのように、メダルの投入口や払出口がないだけではなく、メダルセレクタやホッパーなどの投入されたメダルを制御するための装置も備える必要がない。このような、メダルを一切必要としないスロットマシンを「管理遊技機」や「メダルレススロットマシン」と称する。
S台2の内部には、外周に複数種の図柄が配列されたリール2L、2C、2R(以下、左リール、中リール、右リールともいう)が水平方向に並設されており、これらリール2L、2C、2Rに配列された図柄のうち連続する3つの図柄が透過窓3Wから見えるように配置されている。
各リール2L、2C、2Rは、図2に示される各々対応して設けられたリールモータ32L、32C、32Rによって回転する。これにより、各リール2L、2C、2Rの図柄が透過窓3Wに連続的に変化しつつ表示される。また、各リール2L、2C、2Rの回転を停止させることで、透過窓3Wに3つの連続する図柄が表示結果として導出表示されるようになっている。
リール2L、2C、2Rの内側には、図1に示されているリール2L、2C、2Rを背面から照射するリールLED55が設けられている。また、リールLED55は、リール2L、2C、2Rの連続する3つの図柄に対応する12のLEDからなり、各図柄をそれぞれ独立して照射可能とされている。
各リール2L、2C、2Rの手前側(遊技者側)の位置には、液晶表示器51の表示領域が配置されている。液晶表示器51は、表示領域の透過窓3Wに対応する透過領域および透過窓3Wを介して遊技者側から各リール2L、2C、2Rが視認できるようになっている。図3は、リールの図柄配列を示す図である。図3に示すように、各リールには、各々が識別可能な複数種類の図柄(「赤7」、「白7」、「リプレイa」、「リプレイb」、「ベルa」、「ベルb」、「ベルc」、「スイカ」、「チェリー」、「プラム」)が所定の順序で配列されている。
透過窓3Wよりも下方の位置からは奥から手前側へと緩やかに傾斜する傾斜面が形成され、そこからさらに手前側に張り出すように操作部が形成されている。操作部の上面にはMAXBETスイッチ6、1BETスイッチ20、賭数クリアスイッチ21、1BETLED14、2BETLED15、3BETLED16、クレジット表示器11、および遊技補助表示器12が設けられ、操作部の手前側側面にはスタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8R、計数ボタン10が設けられている。
クレジット表示器11は、7セグメント式のLEDディスプレイで構成されており、図2に示されるメダル数制御部171によって制御される。遊技補助表示器12は、入賞の発生により払い出されたメダル枚数、操作態様に対応する操作情報(ナビ報知)などを表示する。以下では、遊技補助表示器12が表示する払い出されたメダル枚数を「払出枚数」と称する場合がある。すなわち、遊技補助表示器12は、一のゲームの結果に応じて遊技者へ付与される遊技価値を表示する。遊技補助表示器12は、7セグメント式のLEDディスプレイで構成されており、主制御部161によって制御される。
操作部に設けられた各種の操作手段について説明する。MAXBETスイッチ6は、最大の賭数(本実施の形態では、「3」)を設定する際に操作されるスイッチである。
1BETLED14は、賭数が1設定されている旨を点灯により報知する。2BETLED15は、賭数が2設定されている旨を点灯により報知する。3BETLED16は、賭数が3設定されている旨を点灯により報知する。
スタートスイッチ7は、賭数設定後にリールを回転開始させるためのスイッチである。ストップスイッチ8L、8C、8Rは、回転中のリールを停止操作するためのスイッチであり、8Lが左、8Cが中、8Rが右のそれぞれのリールに対応する。計数ボタン10は、クレジット数(遊技メダル数)を計数して持ちメダル数に変換する際に操作されるスイッチである。
S台2の前面扉の内側には、前面扉の開放状態を検出するドア開放検出スイッチ25が設けられている。筐体内部には、電源ボックスが設けられている。電源ボックスの前面には、設定変更状態または設定確認状態に切り替えるための設定キースイッチ37、通常時においてはエラー状態や打止状態を解除するためのリセットスイッチとして機能し、設定変更状態においては内部抽選の当選確率(出玉率)の設定値を変更するための設定スイッチとして機能するリセット/設定スイッチ38などが設けられている。
なお、本実施の形態では、回転を開始した3つのリール2L、2C、2Rのうち、最初に停止するリールを第1停止リールと称し、また、その停止を第1停止と称する。同様に、2番目に停止するリールを第2停止リールと称し、また、その停止を第2停止と称し、3番目に停止するリールを第3停止リールと称し、また、その停止を第3停止、最終停止、あるいは全リール停止と称する。
次に、S台2におけるゲームの流れについて説明する。S台2においてゲームを行う場合には、まず、CU3において貸出操作をしてクレジット(遊技メダル)を確保する。この貸出操作は、従来のメダル払出し方式のスロットマシンにおいて、「メダルの貸出操作」と「貸し出されたメダルを手で投入口に投入する操作」との2ステップの操作に対応する。
クレジットが存在する状態でMAXBETスイッチ6を操作すると、クレジットの範囲で賭数が最大数になるように追加設定され、クレジット数がその追加設定分だけ減算される。賭数が設定されると、入賞ラインL1~L5のうち賭数および遊技状態に応じて定められた入賞ラインが有効となり、スタートスイッチ7の操作が有効な状態、すなわち、ゲームが開始可能な状態となる。
ここで、入賞ラインとは、各リール2L、2C、2Rの透過窓3Wに表示された図柄の組合せが入賞図柄の組合せであるかを判定するために設定されるラインである。本実施の形態では、図1に示すように、各リール2L、2C、2Rの中段に並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL1、各リール2L、2C、2Rの上段に並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL2、各リール2L、2C、2Rの下段に並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL3、リール2Lの上段、リール2Cの中段、リール2Rの下段、すなわち右下がりに並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL4、リール2Lの下段、リール2Cの中段、リール2Rの上段、すなわち右上がりに並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL5の5種類が入賞ラインとして定められている。
ゲームが開始可能な状態でスタートスイッチ7を操作すると、各リール2L、2C、2Rが回転し、各リール2L、2C、2Rの図柄が連続的に変動する。この状態でいずれかのストップスイッチ8L、8C、8Rを操作すると、対応するリール2L、2C、2Rの回転が停止し、透過窓3Wに表示結果が導出表示される。
全てのリール2L、2C、2Rが停止することで1ゲームが終了し、有効化されたいずれかの入賞ラインL1~L5上に予め定められた図柄の組合せが各リール2L、2C、2Rの表示結果として停止した場合には入賞が発生する。入賞が発生すると、その入賞に応じて定められた点数が遊技者に対して付与される。この点数は、クレジットに加算される。
クレジットは、計数ボタン10を操作することによって、計数して持ちメダルに変換することができる。持ちメダルに変換することによって、遊技終了時にはその持ちメダルをカードに記録することが可能となる。
本実施の形態では、計数ボタン10を1度押下した場合には、その押下時間に関わらず(長押しか否かに関わらず)、現在遊技者が所有している遊技球のすべてが計数される。しかし、これに限らず、計数ボタン10を押下し続けた時間に応じて計数動作が繰返し実行される(たとえば0.3秒押下状態が継続する度に50枚の計数処理が実行される)ようにしてもよい。また、押下継続時間に関わらず、1度押下すると、所定数(たとえば50枚)だけ遊技球から持ちメダルへの計数が行われるようにしてもよい。
液晶表示器51の上部には、クレジット表示セグメント7Sと、スピーカ53,54が設けられている。クレジット表示セグメント7Sは、5つの7セグメントから形成され、遊技者が所持するクレジット数を表示する。クレジット表示セグメント7Sは、S台2の上部に設けられていることにより、S台2で遊技をしている遊技者以外の遊技者または店員に対して、S台2が記憶するクレジット数を表示することができる。スピーカ53,54は、演出に合わせた効果音などを発する。
[カードユニットの構成]
図1を参照して、本実施の形態に係るCU3の構成を説明する。このCU3は、会員登録をしていない一般の遊技者に対して発行される遊技用記憶媒体であるプリペイド機能を備えるビジターカード(一般カードとも言う)や、該遊技場に会員登録した会員遊技者に対して発行される遊技用記憶媒体である会員カードを受付ける。ビジターカードや会員カードはICカードで構成されている。
それらのカードを受付けたCU3は、カードの記憶情報により特定される遊技者所有の遊技価値(たとえばプリペイド残高、持ちメダル数、あるいは貯メダル数(「貯玉数」とも称する)など)をクレジット数(遊技メダル数)に変換する機能を有する。
CU3の前面側には、紙幣を挿入するための紙幣挿入口302、装置前面より装置前方方向に突出形成された突出部305、会員カードやビジターカードを挿入するためのカード挿入/排出口309などが設けられている。このカード挿入/排出口309に挿入された会員カードやビジターカードがカードリーダライタ(図示省略)に受付けられ、そのカードに記録されている情報が読取られる。
前述の突出部305において、遊技者と対向する面には、表示器312と、会員カードを受付けた場合において、該会員カードに記録された会員カードID(単に、カードID、C-IDともいう)並びに会員カードIDにより特定される貯メダル数(貯玉数)を用いた再プレイ遊技を実施するための再プレイボタン319と、遊技場の係員が所持するリモコン(図示略)から赤外線信号を受信して電子信号に変換して出力するIR感光ユニット320が設けられている。
表示器312は、挿入された遊技用記録媒体(カード)に記録されているプリペイド残高(カード残高または単に残高ともいう)や、持ちメダル数、クレジット数(遊技メダル数)、その他の各種情報を表示可能であるとともに、表面が透明タッチパネルで構成されている。表示器312の表示部に表示された各種表示項目を指でタッチすることにより各種操作が入力可能となるように構成されている。
持ちメダルボタン324を操作した場合、挿入されたカードに記録されている持ちメダル数の一部が引き落とされてクレジット数(遊技メダル数)に変換される。再プレイボタン319を操作した場合に、挿入されたカードに遊技者が獲得した持ちメダル数が記憶されているときにはその持ちメダル数の一部を引落としてクレジットに変換し、変換したクレジットに基づいてS台2による遊技を行うことが可能となる。
一方、挿入されたカードが会員カードであり持ちメダル数が記憶されておらずかつ貯メダルがホール用管理コンピュータなどに記憶されている場合には、その貯メダルの一部が引落とされてクレジットに変換され、S台2による遊技が可能となる。つまり、挿入されたカードに対応付けて貯メダルと持ちメダルとの双方が記憶されている場合には、持ちメダルが優先的に引落とされる。なお、再プレイボタン319とは別に、持ちメダルを引落とすための専用の持ちメダル払出ボタンを設け、再プレイボタン319は貯メダル引落とし専用のボタンとしてもよい。
ここで、「クレジット数(遊技メダル数)」とは、賭数設定に使用可能であるとともに、「持ちメダル数」に変換可能なデータである。「クレジット数」は、プリペイドカードの残高、持ちメダル数、あるいは貯メダル数を引き落とすことと引き換えにして生成される。
「持ちメダル数」とは、遊技者が遊技機により遊技を行った結果、遊技者の所有となったクレジット数(遊技メダル数)を計数変換したものである。この「持ちメダル数」は、遊技者のカードによって特定可能に記憶される。なお、持ちメダル数を遊技場に設定された持ちメダル数管理用の管理装置で管理してもよい。
「貯メダル数(貯玉数)」とは、遊技場に預け入れられた持ちメダル数である。遊技者が遊技で獲得した持ちメダル数は、当日中は持ちメダル数として管理されるが、獲得した翌日以降は「貯メダル数」として管理される。すなわち、遊技場において当日遊技者が獲得して計数したクレジット数(遊技メダル数)を「持点」と言い、前日以前に遊技者が獲得して遊技場に預け入れられた持ちメダル数を「貯メダル数」と言う。この「貯メダル数」は、一般的に当該遊技場に設置されたホール用管理コンピュータやその他の管理コンピュータにより管理される。
以上の「残高」、「貯メダル数(貯玉数)」、「持ちメダル数」、「クレジット数(遊技メダル数)」の各データの変換可能方向を矢印で表すと、「『残高、貯メダル数、持ちメダル数』→『クレジット数』→『持ちメダル数』→『貯メダル数』」となる。
本実施形態では、貯メダル数データは会員カードに直接記録させずホール用管理コンピュータなどの上位サーバに会員カード番号と対応付けて記憶させ、会員カード番号に基づいて対応する貯メダル数を検索できるように構成されている。一方、持ちメダル数は、カードに直接記録している。
しかし、両者ともに上位サーバにカード番号と対応付けて記憶させてもよい。ビジターカードの場合も、持ちメダル数は、ビジターカードに直接記録している。しかし、持ちメダル数を上位サーバにカード番号と対応させて記憶させてもよい。この上位サーバにカード番号と対応させて記憶させる際に、上位サーバに記憶させた時刻を特定できるデータをカード(会員カード、ビジターカード)に書込んで排出してもよい。また、プリペイド残高についてはカード(会員カード、ビジターカード)に直接書込んで排出する。
なお、持ちメダル数を、カード(会員カード、ビジターカード)、または上位サーバに記憶させるタイミングは、たとえば、計数ボタン10が操作されて計数処理が行われるタイミングである。しかしながら、これに代えて、カードを返却するときに一括して記憶させるようにしてもよい。
また、遊技者が遊技を終えてCU3からカードを返却したときには、CU3に記憶していた持ちメダルが一旦貯玉としてホールサーバに記憶されるようにし、その遊技者がカードの返却を受けた日と同じ日に再び同じまたは別のCU3にカードを挿入したときには、一旦貯玉として記憶された当日分の持ちメダルのみが再びそのCU3に記憶され、その持ちメダルの範囲でクレジットを加算し、遊技できるようにしてもよい。
紙幣挿入口302に挿入された紙幣は、貨幣識別器(図示省略)により取込まれてその真贋や紙幣種別の識別がなされる。
CU3の前面側には、さらに、貸出ボタン321とカード返却ボタン322とが設けられている。貸出ボタン321は、挿入されたカードに記録されている残高を引き落としてクレジット数を得るための操作を行うボタンである。具体的には、貸出ボタン321を操作することで引き落とされる残高に応じてクレジット数が加算される。カード返却ボタン322は、遊技者が遊技を終了するときに操作され、挿入されているカードに遊技終了時の確定した持ちメダル数(カード挿入時の持ちメダル数-持ちメダル数からクレジット数への変換数+計数操作によって計数された数)を記憶させて排出するための操作ボタンである。
以上、説明したように、本実施の形態に係るS台2によれば、カードで特定される持ちメダル数に応じてクレジット数(遊技メダル数)に変換し、さらにはクレジット数を用いて賭数設定が可能となるため、メダルの貸し出しを受けて、そのメダルを投入してクレジットを確保し、そのクレジットを用いて賭数設定が行われるような従来のスロットマシンに慣れている遊技者に混乱を与えることなく、メダルを用いない新たなスロットマシン(管理遊技機)による遊技を提供できる。
[カードユニットとスロットマシンとの内部構成]
図2は、カードユニットおよびスロットマシンの内部構成を示すブロック図である。図2を参照して、CU3とS台2との制御回路の概略を説明する。
CU3にはCU制御基板32が設けられ、このCU制御基板32にはマイクロコンピュータなどから構成されたCU制御部323が設けられている。このCU制御部323は、CU3の主制御機能部であり、制御中枢としてのCPU、CPUが動作するためのプログラムや制御データなどを記憶しているROM、CPUのワークエリアとして機能するRAM、周辺機器との信号の整合性を保つための入出力インターフェイスなどが設けられている。
CU制御部323には、ホール用管理コンピュータやセキュリティ上の管理を行うホールサーバと通信を行うための外部出力端子(図示省略)が設けられている。CU3は、外部出力端子を介して、CU3の状態や、S台2から受信した遊技機状態情報をホール用管理コンピュータ(ホールコン)やセキュリティ上の管理を行うホールサーバなどの外部に送信する。CU制御部323は、通信制御IC325を介してS台2のメダル数制御基板17と通信を行っている。通信制御IC325とメダル数制御基板17とは、たとえば、非同期シリアル通信ポートで接続されている。通信制御IC325とメダル数制御基板17との通信は、接続端子版1000を介して行われる。
CU制御部323とメダル数制御基板17との通信は、貸出情報(挿入されたカードに記憶されている残高を引落としてS台2による遊技に用いるための操作に関する情報)と貸出応答情報(貸出情報に対する応答情報)とを双方向で行い、それ以外の計数情報(クレジットから持ちメダルへの計数処理に関する情報)、および遊技機情報を、メダル数制御基板17からCU制御部323への一方向の通信で行っている。そのため、CU3が計数情報および遊技機情報を受信したか否かをS台2側では認識していない。CU3にはS台2側への接続部(図示省略)が設けられており、S台2にはCU3側への接続部(図示省略)が設けられている。これら接続部は、たとえばコネクタなどで構成されている。
CU制御部323は、遊技者が遊技している際、遊技者の持ちメダルを管理・記憶する。表示器312には、CU制御部323から出力される残高あるいは持ちメダル数などのデータに応じた画像が表示される。また、表示器312の表面に設けられているタッチパネルを遊技者が操作すれば、その操作信号がCU制御部323に入力される。遊技者が貸出ボタン321を操作することにより、その操作信号がCU制御部323に入力される。なお、貸出ボタン321は、CU3に設ける構成に限定されるものではなく、S台2に設けて操作信号をCU制御部323に入力する構成であってもよい。遊技者がカード返却ボタン322を操作することによりその操作信号がCU制御部323に入力される。
S台2には、S台2の遊技の進行を制御する主制御基板16と、遊技者所有のクレジットに関する制御を行うメダル数制御基板17と、遊技状態に応じた演出の制御を行う演出制御基板15と、電源基板101とが設けられている。電源基板101によってS台2を構成する電気部品の駆動電源が生成され、各部に供給される。
電源基板101には、外部からAC100Vの電源が供給されるとともに、このAC100Vの電源からS台2を構成する電気部品の駆動に必要な直流電圧が生成され、主制御基板16、メダル数制御基板17および演出制御基板15に供給されるようになっている。
メダル数制御基板17には、メダル数制御部171である払出制御用マイクロコンピュータが搭載されている。メダル数制御部171は、制御中枢としてのCPU、CPUが動作するためのプログラムや制御データなどを記憶しているROM、CPUのワークエリアとして機能するRAM171c、周辺機器との信号の整合性を保つための入出力インターフェイスなどが設けられている。
メダル数制御基板17には、RAMに記憶された情報を消去するためのRAMクリアスイッチ293、ドア開放検出スイッチ25が接続されており、これら接続されたスイッチ類の検出信号が入力される。また、メダル数制御基板17には、計数ボタン10が接続されており、計数ボタン10の検出信号が入力される。
メダル数制御基板17には、クレジット表示器11および役比モニタ89が接続されており、メダル数制御部171により表示が制御される。また、メダル数制御基板17には、バックアップメモリ294が接続されており、メダル数制御基板17が役比モニタ89に表示するための役比情報をバックアップする。
役比モニタ89は、通常、スロットマシンの性能を示す数値(以下、「役比情報」とも称する)を表示する。スロットマシンの性能を示す数値は、たとえば、総累計払出枚数に対する指示込役物払出比率、過去6000ゲーム間の連続役物払出比率、過去6000ゲーム間の役物払出比率、総累計払出枚数に対する連続役物払出比率、総累計払出枚数に対する役物払出比率、総累計払出枚数に対する役物等状態比率である。これらの情報についての詳細は、図53を用いて後述する。
主制御基板16には、主制御部161である遊技制御用マイクロコンピュータが搭載されている。主制御部161は、制御中枢としてのCPU、CPUが動作するためのプログラムや制御データなどを記憶しているROM、CPUのワークエリアとして機能するRAM161c、周辺機器との信号の整合性を保つための入出力インターフェイスなどが設けられている。
主制御基板16には、リールモータ32L、32C、32Rが接続されており、主制御部161の制御に基づいて駆動される。また、主制御基板16には、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38、スタートスイッチ7が接続されており、これら接続されたスイッチ類の検出信号が入力される。また、主制御基板16には、遊技補助表示器12が接続されており、主制御部161により表示が制御される。
また、主制御基板16には、中継基板1100を介して、賭数クリアスイッチ21、1BETスイッチ20、ストップスイッチ8L、8C、8R、ドア開放検出スイッチ25、MAXBETスイッチ6が接続されており、これら接続されたスイッチ類の検出信号が入力される。また、主制御基板16には、中継基板1100を介して、1~3BETLED14~16が接続されており、主制御部161により表示が制御される。
演出制御基板15には、演出制御部151である演出制御用マイクロコンピュータが搭載されている。演出制御部151は、制御中枢としてのCPU、CPUが動作するためのプログラムや制御データなどを記憶しているROM、CPUのワークエリアとして機能するRAM151c、周辺機器との信号の整合性を保つための入出力インターフェイスなどが設けられている。
演出制御基板15には、演出用スイッチ56が接続されており、演出用スイッチ56の検出信号が入力される。また、演出制御基板15には、液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55、クレジット表示セグメント7Sなどの演出装置が接続されており、これら演出装置は、演出制御部151による制御に基づいて駆動されるようになっている。
また、演出制御基板15には、光量・音量調整基板111が接続されている。光量・音量調整基板111には、光量や音量を調整するためのスイッチ類が接続されており、これらのスイッチ類からの検出信号は、光量・音量調整基板111を介して演出制御基板15に入力される。
主制御部161は、演出制御部151に各種のコマンドを送信する。主制御部161から演出制御部151へ送信されるコマンドは一方向のみで送られ、演出制御部151から主制御部161へ向けてコマンドが送られることはない。演出制御部151は、主制御部161から送信されるコマンドを受けて、演出を行うための各種の制御を行う。
メダル数制御部171は、主制御部161に対して各種のコマンドを送信する。また、主制御部161もメダル数制御部171に対して各種のコマンドを送信する。すなわち、メダル数制御部171と主制御部161との通信は双方向通信である。また、メダル数制御基板17からは、主制御基板16に対するバックアップ電源が供給される。
また、メダル数制御部171は、RAM171cの所定領域にクレジットを記憶する。具体的には、クレジット数はクレジットカウンタに記憶されている。メダル数制御部171は、クレジット加算処理またはクレジット減算処理において、RAM171cの所定領域に記憶されているクレジットを更新する。
設定された賭数は、RAM161cの所定領域に記憶されている。具体的には、設定された賭数は、BETカウンタに記憶されている。BETカウンタに記憶されている値が「3」である場合に、遊技を開始可能な状態となる。以下では、BETカウンタに記憶されている値を、単に「賭数」と称する場合がある。
以上説明したような、メダルが不要なメダルレススロットマシンにおいては、メダル数制御基板17を備えるようにしている。そして、従来のスロットマシンにおけるメダルの投入や払出に関する機能をメダル数制御基板17に集中させるようにしている。また、メダルが必要な従来のスロットマシンであれば、メダルセレクタやホッパーやのようなメダルの投入・払出に関連する装置を備える必要があるが、メダルレススロットマシンにおいては、このような装置は不要である。
また、本実施の形態のようにメダルレススロットマシンを構成することで、従来のスロットマシンと部品を共通化することができる。具体的には、クレジットを更新する機能(メダルの投入や払出に関する機能)をメダル数制御基板17に集中させているため、メダルレススロットマシンのメダル数制御基板17を交換することで従来のスロットマシンを構成することができる。従来のスロットマシンを構成する場合は、メダル数制御基板17にメダルの投入や払出に関する機能を備えた上で、メダルセレクタやホッパーやのようなメダルの投入・払出に関連する装置をメダル数制御基板17に接続すればよい。このような構成にすることで、従来のスロットマシンと互換性を有するとともに、部品の共通化により、スロットマシンの設計および製造において、コストダウンを図ることができる。
主制御部161は、スタートスイッチ7より検出信号が入力されると、リールモータ32L、32C、32Rを回転駆動させるとともに、入賞役の抽選を行う。
入賞役の種類は、遊技状態に応じて定められているが、大きく分けて、ビッグボーナス(BB)、レギュラーボーナス(RB)への移行を伴う特別役と、メダルの払い出しを伴う小役と、賭数の設定を必要とせずに次のゲームを開始可能となる再遊技役(リプレイ)とがある。
主制御部161は、入賞役の抽選をし、リールを回転駆動させた後、遊技者によるリールの停止操作を待つ。主制御部161は、いずれかのストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたときに、当該ストップスイッチ8L、8C、8Rに対応するリールの回転を停止させる。主制御部161は、3つの図柄を停止させ、入賞の有無を判定する入賞判定処理を実行する。入賞と判定された場合には、入賞の種類に応じた数のクレジット数が遊技者に付与される。主制御部161は、クレジット数の減算に応じてクレジット表示器11の表示を減算して表示するとともに、クレジット数の加算に応じてクレジット表示器11の表示を加算して表示する。電源基板101には、電源投入スイッチ102が接続されており、電源投入スイッチ102の検出信号が入力される。
なお、本実施の形態における「ゲーム(遊技)」とは、スタートスイッチ7が操作されてからリール2L、2C、2Rが停止するまでをいう。なお、ゲームを行う際には、スタートスイッチ7の操作前の賭数の設定や、リール2L、2C、2Rの停止後にメダルの払い出しや遊技状態の移行も行われるので、これらの付随的な処理も広義には「ゲーム」に含まれるものとする。
また、本実施の形態では、MAXBETスイッチ6の操作をMAXBET操作、スタートスイッチ7の操作を開始操作、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作を停止操作、計数ボタン10の操作を計数操作、貸出ボタン321の操作を貸出操作、カード返却ボタン322の操作を返却操作とも称する。
また、S台2は、設定値に応じてメダルの払出率が変わる構成である。詳しくは、内部抽選などの遊技者に対する有利度に影響する抽選において設定値に応じた当選確率を用いることにより、メダルの払出率が変わるようになっている。設定値は1~6の6段階からなり、6が最も払出率が高く、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど払出率が低くなる。すなわち設定値として6が設定されている場合には、遊技者にとって最も有利度が高く、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど有利度が段階的に低くなる。
設定値を変更するためには、設定キースイッチ37をON状態としてからS台2の電源をONする必要がある。設定キースイッチ37をON状態として電源をONすると、設定値表示器にRAM161cから読み出された設定値が表示値として表示され、リセット/設定スイッチ38の操作による設定値の変更が可能な設定変更状態に移行する。設定変更状態において、リセット/設定スイッチ38が操作されると、設定値表示器に表示された表示値が1ずつ更新されていく(設定値6からさらに操作されたときは、設定値1に戻る)。そして、スタートスイッチ7が操作されると表示値を設定値として確定する。そして、設定キースイッチ37がOFFされると、確定した表示値(設定値)が主制御部161のRAM161cに格納され、遊技の進行が可能な状態に移行する。
[遊技状態について]
図4は、主制御部161が制御する遊技状態を説明する図である。主制御部161は、図4に示すように、遊技状態として通常遊技状態、特別遊技状態のいずれかに制御することが可能である。通常遊技状態は、BBの当選が持ち越されていない通常遊技状態(非内部中)と、BBの当選が持ち越されている通常遊技状態(内部中)と、を含む。
通常遊技状態(非内部中)は、通常遊技状態においてBBが当選していない状態であり、S台2の工場出荷時の状態や、設定変更状態へ移行させることにより設定値が新たに設定されることで主制御部161のRAM161cが初期化された状態において制御される遊技状態である。また、特別遊技状態が終了された場合にも通常遊技状態(非内部中)に制御される。そして、通常遊技状態(非内部中)は、内部抽選にてBBが当選するまで継続し、内部抽選にてBBが当選したゲームにおいてBBが入賞せずに通常遊技状態(内部中)に移行するか、内部抽選にてBBが当選したゲームにおいてBBが入賞して特別遊技状態に移行することで終了する。
通常遊技状態(内部中)は、通常遊技状態においてBBが持ち越されている状態である。本実施の形態では、特別役と小役が同時に当選している場合には、小役を優先して揃える制御を行い、特別役と再遊技役が同時に当選している場合には、再遊技役を必ず揃える制御を行うことで、通常遊技状態(内部中)において小役が当選している場合にも、再遊技役が当選している場合にも、BBが入賞しないようになっている。そして、通常遊技状態(内部中)では、必ずいずれかの小役またはいずれかの再遊技役が当選するので、通常遊技状態(内部中)に一度移行するとBBが入賞せず、通常遊技状態(内部中)への移行後は、設定変更状態へ移行させることにより設定値が新たに設定されることで主制御部161のRAM161cが初期化されるまで、当該通常遊技状態(内部中)が維持されるようになっている。
特別遊技状態は、通常遊技状態(非内部中)においてBBが当選したゲームにおいてBBが入賞することで移行する遊技状態であり、所定の終了条件が成立(本実施の形態では、特別遊技状態におけるメダルの総払出枚数が50枚を超えること)するまで継続し、所定の終了条件が成立して通常遊技状態(非内部中)に移行することで終了する。
このように本実施の形態では、遊技の大半において通常遊技状態(内部中)に制御されることとなるので、通常遊技状態(内部中)に制御されていることを前提とし、設定値(本実施の形態では、1~6)に応じたメダルの払出率が設計されている。
[内部抽選の対象役について]
図5は、内部抽選の対象役を説明する図である。図5に示すように、本実施の形態において、通常遊技状態(非内部中)においては、通常リプレイA、通常リプレイB、通常リプレイC、弱チャンスリプレイA、弱チャンスリプレイB、強チャンスリプレイA、強チャンスリプレイB、ナビ小役、特定小役、3枚、BB、BB+3枚、およびスイカが内部抽選の対象となる。通常遊技状態(非内部中)において、通常リプレイA、通常リプレイB、通常リプレイC、弱チャンスリプレイA、弱チャンスリプレイB、強チャンスリプレイA、強チャンスリプレイB、ナビ小役、特定小役、3枚、BB、BB+3枚、およびスイカの当選確率は、それぞれ約1/9.9、約1/65、約1/16384、約1/137、約1/101、約1/524、約1/655、約1/1.37、約1/16.2、約1/166、約1/16384、約1/14.6、約1/145に設定されており、不当選(ハズレ)の確率は0となる。
また、通常遊技状態(内部中)においては、通常リプレイA、通常リプレイB、通常リプレイC、弱チャンスリプレイA、弱チャンスリプレイB、強チャンスリプレイA、強チャンスリプレイB、ナビ小役、特定小役、3枚、およびスイカが内部抽選の対象となる。通常遊技状態(内部中)において、通常リプレイA、通常リプレイB、通常リプレイC、弱チャンスリプレイA、弱チャンスリプレイB、強チャンスリプレイA、強チャンスリプレイB、ナビ小役、特定小役、3枚、およびスイカの当選確率は、それぞれ約1/9.9、約1/65、約1/8192、約1/137、約1/101、約1/524、約1/655、約1/1.37、約1/16.2、約1/16、約1/145に設定されており、不当選(ハズレ)の確率は0となる。
また、特別遊技状態においては、複合小役A、複合小役Bが内部抽選の対象となる。特別遊技状態において、複合小役A、複合小役Bの当選確率は、それぞれ約1/33、約1/1.2に設定されており、不当選(ハズレ)の確率は、約1/7.3となる。
通常リプレイAの当選時には、停止操作順、停止操作タイミングに関わらず、必ず通常リプレイAが入賞する。通常リプレイBの当選時には、停止操作順、停止操作タイミングに関わらず、必ず通常リプレイBが入賞する。通常リプレイCの当選時には、停止操作順、停止操作タイミングに関わらず、必ず通常リプレイCが入賞する。
弱チャンスリプレイAの当選時には、停止操作順、停止操作タイミングに関わらず、必ず弱チャンスリプレイAが入賞する。弱チャンスリプレイBの当選時には、停止操作順、停止操作タイミングに関わらず、必ず弱チャンスリプレイBが入賞する。強チャンスリプレイAの当選時には、停止操作順、停止操作タイミングに関わらず、必ず強チャンスリプレイAが入賞する。強チャンスリプレイBの当選時には、停止操作順、停止操作タイミングに関わらず、必ず強チャンスリプレイBが入賞する。
通常リプレイA、通常リプレイB、通常リプレイC、弱チャンスリプレイA、弱チャンスリプレイB、強チャンスリプレイA、強チャンスリプレイBの入賞時には、再遊技が付与される。
ナビ小役は、複数の小役(本実施の形態では、主小役と副小役)が当選する役であり、それぞれのナビ小役に対応する停止操作順で各リールの停止操作が行われた場合に、15枚のメダルの払出を伴う主小役が入賞する一方、対応する停止操作順以外の停止操作順で停止操作が行われた場合に、停止操作タイミングに応じて1枚のメダルの払出を伴う副小役が入賞するか、いずれの役も入賞しないハズレとなる。すなわち、停止操作順が異なることにより付与されるメダル数の期待値が変化するとともに、当選したナビ小役に対応する停止操作順を示すナビ番号がナビ報知によって報知されることにより付与されるメダル数の期待値が変化する。
なお、ナビ小役に対応する操作態様、すなわち主小役を入賞させる操作態様は、停止操作順に限らず、ナビ小役に対応する操作態様として、少なくとも一部のリールの停止操作タイミング、停止操作タイミングと停止操作順との組合せを適用してもよい。
特定小役は、複数の小役(本実施の形態では、特定小役A~Cのいずれかと1枚)が当選する役であり、特定小役の当選時には、それぞれの特定小役に対応して特定小役A,B,Cを入賞させる停止操作順で各リールの停止操作が行われた場合に、15枚のメダルの払出を伴う特定小役A,B,Cのいずれかが入賞する一方、それぞれの特定小役に対応して1枚を入賞させる停止操作順で各リールの停止操作が行われた場合に、1枚のメダルの払出を伴う1枚が入賞する。
なお、特定小役に対応して特定小役A,B,Cを入賞させる操作態様、特定小役に対応して1枚を入賞させる操作態様は、停止操作順に限らず、特定小役に対応して特定小役A,B,Cを入賞させる操作態様、特定小役に対応して1枚を入賞させる操作態様として、少なくとも一部のリールの停止操作タイミング、停止操作タイミングと停止操作順との組合せを適用してもよい。3枚の当選時には、停止操作順、停止操作タイミングに関わらず、必ず3枚のメダルの払出を伴う3枚が入賞する。
BBの当選時には、全てのリールにおいてBBの構成図柄(本実施の形態では、「白7-プラム-プラム」の組合せ)の引込範囲となる停止操作タイミングで停止操作が行われた場合に、BBが入賞し、遊技状態が特別遊技状態に移行する一方、いずれかのリールにおいてBBの構成図柄の引込範囲外となる停止操作タイミングで停止操作が行われた場合に、いずれの役も入賞しないハズレとなり、BBの当選が次ゲーム以降に持ち越されることにより、通常遊技状態(内部中)に移行する。
BB+3枚は、BBと3枚が当選する役であり、BB+3枚の当選時には、停止操作順、停止操作タイミングに関わらず、必ず3枚のメダルの払出を伴う3枚が入賞し、BBの当選が次ゲーム以降に持ち越されることにより、通常遊技状態(内部中)に移行する。
複合小役Aは、ナビ小役を構成する全ての主小役と特定小役A~Cが当選する役であり、複合小役Aの当選時には、停止操作順、停止操作タイミングに関わらず、必ず15枚のメダルの払出を伴う特定の主小役が入賞する。
複合小役Bは、ナビ小役を構成する全ての副小役と1枚と3枚が当選する役であり、複合小役Bの当選時には、停止操作順、停止操作タイミングに関わらず、必ず1枚のメダルの払出を伴う1枚が入賞する。
スイカは、入賞役としてスイカが当選する役であり、スイカの当選時には、スイカを入賞させる停止操作タイミングで各リールの停止操作が行われた場合に、スイカが入賞する。
内部抽選の抽選対象(不当選を含む)において、不当選、通常リプレイA、通常リプレイB、通常リプレイC、弱チャンスリプレイA、弱チャンスリプレイB、強チャンスリプレイA、強チャンスリプレイB、ナビ小役、特定小役、3枚、BB、BB+3枚、複合小役A、複合小役B、およびスイカには、それぞれ当選番号(一般役)および当選番号(特別役)が割り当てられており、内部抽選の抽選結果に対応する当選番号(一般役)および当選番号(特別役)がRAM161cに設定されるようになっている。
詳しくは、当選番号(一般役)は、いずれの一般役も当選しなかった不当選、一般役を含まない特別役であるBBに対して、いずれも0が割り当てられており、一般役である通常リプレイA、通常リプレイB、通常リプレイC、弱チャンスリプレイA、弱チャンスリプレイB、強チャンスリプレイA、強チャンスリプレイB、ナビ小役、特定小役、3枚、複合小役A、複合小役B、およびスイカに対して、順番に1~26が割り当てられており、一般役である3枚を含むBB+3枚に対して、3枚と同じ23が割り当てられている。
また、当選番号(特別役)は、いずれの特別役も当選していない不当選、通常リプレイA、通常リプレイB、通常リプレイC、弱チャンスリプレイA、弱チャンスリプレイB、強チャンスリプレイA、強チャンスリプレイB、ナビ小役、特定小役、3枚、複合小役A、複合小役B、およびスイカに対して、いずれも0が割り当てられており、特別役であるBBには1が割り当てられており、特別役であるBBを含むBB+3枚には、BBと同じく1が割り当てられている。
なお、RAM161cの当選番号設定領域に設定された当選番号(一般役)は、当選番号(一般役)が設定されたゲームにおいてのみ保持され、当該ゲームの終了に伴ってクリアされる。
また、RAM161cの当選番号設定領域に設定された0以外の当選番号(特別役)は、当選番号(特別役)に対応する特別役が入賞するまで維持され、当該特別役が入賞したゲームの終了に伴ってクリアされる。すなわち一度BBが当選し、0以外の当選番号(特別役)が当選番号設定領域に設定されると、当選した当選番号(特別役)の組合せを揃えることができなかった場合にも、その当選番号(特別役)はクリアされずに、次ゲームへ持ち越されるようになっている。なお、当選番号(特別役)は、設定変更状態に移行することでもクリアされる。
また、内部抽選の抽選対象(不当選を含む)には、それぞれ対応する0~4の有利区間移行用フラグ、0~3の抽選用フラグ1、0~3の抽選用フラグ2、0~4の抽選用フラグ3が割り当てられており、内部抽選の結果(当選番号(一般役))に応じた有利区間移行用フラグ、抽選用フラグ1~3がRAM161cに設定されるようになっている。有利区間移行用フラグは、有利区間へ移行させるか否かの判定などを行う際に参照される。また、抽選用フラグ1~3は、AT状態に関連する抽選(後述する通常ゲーム数短縮抽選、第2、第3AT抽選、第1~第3上乗せ抽選など)を行うか否かの判定、AT状態に関連する抽選を行う際に参照される。
有利区間移行用フラグは、有利区間移行役以外の抽選対象に対して0が割り当てられ、有利区間移行役については、たとえば、複数種類の押し順役、当選確率が近い複数の抽選対象など、有利区間移行時に行われる抽選を行う際に区別する必要のない共通の属性を有する抽選対象に対して共通の値が割り当てられている。このため、主制御部161は、有利区間に移行させるか否かを判定する際に、個々の当選番号(一般役)から有利区間移行役であるか否かを個々に特定する必要がなく、有利区間移行用フラグが0か否かによって有利区間移行役か否かを特定することができる。また、有利区間移行時に行われる抽選に際して当選番号(一般役)に応じた確率を特定する場合に、個々の当選番号(一般役)から確率を特定するのではなく、有利区間移行用フラグの値から当選番号(一般役)に応じた確率を特定するようになっており、個々の当選番号(一般役)ごとに確率を定める必要がなく、当選番号(一般役)の種類数よりも少ない有利区間移行用フラグごとに確率を定めることで、抽選対象の属性に応じた確率を特定することができる。
抽選用フラグは、AT状態に関連する抽選の対象外となる抽選対象に対して0が割り当てられ、ATの付与に関連する抽選の対象となる抽選対象については、たとえば、複数種類のナビ小役など、AT状態に関連する抽選を行う際に区別する必要のない共通の属性を有する抽選対象に対して共通の値が割り当てられている。このため、主制御部161は、AT状態に関連する抽選を行う際に、個々の当選番号(一般役)から当該抽選を行うか否かを個々に特定する必要がなく、抽選用フラグが0か否かによってAT状態に関連する抽選を行うか否かを特定することができる。また、AT状態に関連する抽選に際して当選番号(一般役)に応じた確率を特定する場合に、個々の当選番号(一般役)から確率を特定するのではなく、抽選用フラグの値から当選番号(一般役)に応じた確率を特定するようになっており、個々の当選番号(一般役)ごとに確率を定める必要がなく、当選番号(一般役)の種類数よりも少ない抽選用フラグごとに確率を定めることで、抽選対象の属性に応じた確率を特定することができる。また、抽選用フラグは、AT状態に関連する抽選の対象外となる抽選対象、AT状態に関連する抽選を行う際に区別する必要のない共通の属性を有する抽選対象が異なる抽選用フラグ1~3からなり、AT状態に関連する抽選の種類に応じて抽選用フラグ1~3のいずれかを用いることにより、AT状態に関連する抽選の種類に応じてAT状態に関連する抽選の対象外となる抽選対象を異なるものとすることができ、AT状態に関連する抽選を行う際に区別する必要のない共通の属性を有する抽選対象ごとの確率を異なる確率とすることができる。
[ナビ小役、特定小役、複合小役について]
図6は、ナビ小役、特定小役、複合小役を説明する図である。通常遊技状態(非内部中・内部中)において内部抽選の対象となるナビ小役、特定小役、特別遊技状態において内部抽選の対象となる複合小役について説明する。
図6に示すように、ナビ小役には、左中右ベルA、左中右ベルB、左右中ベルA、左右中ベルB、中左右ベルA、中左右ベルB、中右左ベルA、中右左ベルB、右左中ベルA、右左中ベルB、右中左ベルA、右中左ベルBが含まれる。
左中右ベルAは、15枚のメダルの払出を伴う主小役として上段ベルAが1枚のメダルの払出を伴う副小役とともに当選する役である。左中右ベルAの当選時に、対応する操作態様(左リール、中リール、右リールの停止操作順)で操作された場合には、上段ベルAの組合せが入賞ラインL1に導出され、上段ベルAが入賞する。上段ベルAの入賞時には、入賞ラインL2にベルa~cのいずれかが揃う。また、左中右ベルAの当選時に、対応する操作態様以外の操作態様で操作された場合には、停止操作タイミングに応じて副小役の図柄組合せが入賞ラインL1に導出され、副小役が入賞するか、いずれの役も構成しない図柄組合せが入賞ラインL1に導出され、いずれの役も入賞しないハズレとなる。
左中右ベルBは、15枚のメダルの払出を伴う主小役として上段ベルBが1枚のメダルの払出を伴う副小役とともに当選する役である。左中右ベルBの当選時に、対応する操作態様(左リール、中リール、右リールの停止操作順)で操作された場合には、上段ベルBの組合せが入賞ラインL1に導出され、上段ベルBが入賞する。上段ベルBの入賞時には入賞ラインL2にベルa~cのいずれかが揃う。また、左中右ベルBの当選時に、対応する操作態様以外の操作態様で操作された場合には、停止操作タイミングに応じて副小役の図柄組合せが入賞ラインL1に導出され、副小役が入賞するか、いずれの役も構成しない図柄組合せが入賞ラインL1に導出され、いずれの役も入賞しないハズレとなる。
左右中ベルAは、15枚のメダルの払出を伴う主小役として右下がりベルAが1枚のメダルの払出を伴う副小役とともに当選する役である。左右中ベルAの当選時に、対応する操作態様(左リール、右リール、中リールの停止操作順)で操作された場合には、右下がりベルAの組合せが入賞ラインL1に導出され、右下がりベルAが入賞する。右下がりベルAの入賞時には入賞ラインL5にベルa~cのいずれかが揃う。また、左右中ベルAの当選時に、対応する操作態様以外の操作態様で操作された場合には、停止操作タイミングに応じて副小役の図柄組合せが入賞ラインL1に導出され、副小役が入賞するか、いずれの役も構成しない図柄組合せが入賞ラインL1に導出され、いずれの役も入賞しないハズレとなる。
左右中ベルBは、15枚のメダルの払出を伴う主小役として右下がりベルBが1枚のメダルの払出を伴う副小役とともに当選する役である。左右中ベルBの当選時に、対応する操作態様(左リール、右リール、中リールの停止操作順)で操作された場合には、右下がりベルBの組合せが入賞ラインL1に導出され、右下がりベルBが入賞する。右下がりベルBの入賞時には入賞ラインL5にベルa~cのいずれかが揃う。また、左右中ベルBの当選時に、対応する操作態様以外の操作態様で操作された場合には、停止操作タイミングに応じて副小役の図柄組合せが入賞ラインL1に導出され、副小役が入賞するか、いずれの役も構成しない図柄組合せが入賞ラインL1に導出され、いずれの役も入賞しないハズレとなる。
中左右ベルAは、15枚のメダルの払出を伴う主小役として中段ベルAが1枚のメダルの払出を伴う副小役とともに当選する役である。中左右ベルAの当選時に、対応する操作態様(中リール、左リール、右リールの停止操作順)で操作された場合には、中段ベルAの組合せが入賞ラインL1に導出され、中段ベルAが入賞する。中段ベルAの入賞時には入賞ラインL1にベルa~cのいずれかが揃う。また、中左右ベルAの当選時に、対応する操作態様以外の操作態様で操作された場合には、停止操作タイミングに応じて副小役の図柄組合せが入賞ラインL1に導出され、副小役が入賞するか、いずれの役も構成しない図柄組合せが入賞ラインL1に導出され、いずれの役も入賞しないハズレとなる。
中左右ベルBは、15枚のメダルの払出を伴う主小役として中段ベルBが1枚のメダルの払出を伴う副小役とともに当選する役である。中左右ベルBの当選時に、対応する操作態様(中リール、左リール、右リールの停止操作順)で操作された場合には、中段ベルBの組合せが入賞ラインL1に導出され、中段ベルBが入賞する。中段ベルBの入賞時には入賞ラインL1にベルa~cのいずれかが揃う。また、中左右ベルBの当選時に、対応する操作態様以外の操作態様で操作された場合には、停止操作タイミングに応じて副小役の図柄組合せが入賞ラインL1に導出され、副小役が入賞するか、いずれの役も構成しない図柄組合せが入賞ラインL1に導出され、いずれの役も入賞しないハズレとなる。
中右左ベルAは、15枚のメダルの払出を伴う主小役として右上がりベルAが1枚のメダルの払出を伴う副小役とともに当選する役である。中右左ベルAの当選時に、対応する操作態様(中リール、右リール、左リールの停止操作順)で操作された場合には、右上がりベルAの組合せが入賞ラインL1に導出され、右上がりベルAが入賞する。右上がりベルAの入賞時には入賞ラインL4にベルa~cのいずれかが揃う。また、中右左ベルAの当選時に、対応する操作態様以外の操作態様で操作された場合には、停止操作タイミングに応じて副小役の図柄組合せが入賞ラインL1に導出され、副小役が入賞するか、いずれの役も構成しない図柄組合せが入賞ラインL1に導出され、いずれの役も入賞しないハズレとなる。
中右左ベルBは、15枚のメダルの払出を伴う主小役として右上がりベルBが1枚のメダルの払出を伴う副小役とともに当選する役である。中右左ベルBの当選時に、対応する操作態様(中リール、右リール、左リールの停止操作順)で操作された場合には、右上がりベルBの組合せが入賞ラインL1に導出され、右上がりベルBが入賞する。右上がりベルBの入賞時には入賞ラインL4にベルa~cのいずれかが揃う。また、中右左ベルBの当選時に、対応する操作態様以外の操作態様で操作された場合には、停止操作タイミングに応じて副小役の図柄組合せが入賞ラインL1に導出され、副小役が入賞するか、いずれの役も構成しない図柄組合せが入賞ラインL1に導出され、いずれの役も入賞しないハズレとなる。
右左中ベルAは、15枚のメダルの払出を伴う主小役として下段ベルAが1枚のメダルの払出を伴う副小役とともに当選する役である。右左中ベルAの当選時に、対応する操作態様(右リール、左リール、中リールの停止操作順)で操作された場合には、下段ベルAの組合せが入賞ラインL1に導出され、下段ベルAが入賞する。下段ベルAの入賞時には入賞ラインL3にベルa~cのいずれかが揃う。また、右左中ベルAの当選時に、対応する操作態様以外の操作態様で操作された場合には、停止操作タイミングに応じて副小役の図柄組合せが入賞ラインL1に導出され、副小役が入賞するか、いずれの役も構成しない図柄組合せが入賞ラインL1に導出され、いずれの役も入賞しないハズレとなる。
右左中ベルBは、15枚のメダルの払出を伴う主小役として下段ベルBが1枚のメダルの払出を伴う副小役とともに当選する役である。右左中ベルBの当選時に、対応する操作態様(右リール、左リール、中リールの停止操作順)で操作された場合には、下段ベルBの組合せが入賞ラインL1に導出され、下段ベルBが入賞する。下段ベルBの入賞時には入賞ラインL3にベルa~cのいずれかが揃う。また、右左中ベルBの当選時に、対応する操作態様以外の操作態様で操作された場合には、停止操作タイミングに応じて副小役の図柄組合せが入賞ラインL1に導出され、副小役が入賞するか、いずれの役も構成しない図柄組合せが入賞ラインL1に導出され、いずれの役も入賞しないハズレとなる。
右中左ベルAは、15枚のメダルの払出を伴う主小役として小山ベルAが1枚のメダルの払出を伴う副小役とともに当選する役である。右中左ベルAの当選時に、対応する操作態様(右リール、中リール、左リールの停止操作順)で操作された場合には、小山ベルAの組合せが入賞ラインL1に導出され、小山ベルAが入賞する。小山ベルAの入賞時には入賞ラインL5にベルa~cのいずれかが揃う。また、右中左ベルAの当選時に、対応する操作態様以外の操作態様で操作された場合には、停止操作タイミングに応じて副小役の図柄組合せが入賞ラインL1に導出され、副小役が入賞するか、いずれの役も構成しない図柄組合せが入賞ラインL1に導出され、いずれの役も入賞しないハズレとなる。
右中左ベルBは、15枚のメダルの払出を伴う主小役として小山ベルBが1枚のメダルの払出を伴う副小役とともに当選する役である。右中左ベルBの当選時に、対応する操作態様(右リール、中リール、左リールの停止操作順)で操作された場合には、小山ベルBの組合せが入賞ラインL1に導出され、小山ベルBが入賞する。小山ベルBの入賞時には入賞ラインL5にベルa~cのいずれかが揃う。また、右中左ベルBの当選時に、対応する操作態様以外の操作態様で操作された場合には、停止操作タイミングに応じて副小役の図柄組合せが入賞ラインL1に導出され、副小役が入賞するか、いずれの役も構成しない図柄組合せが入賞ラインL1に導出され、いずれの役も入賞しないハズレとなる。
なお、ナビ小役を構成する主小役のうち中段ベルA,Bは、いずれも入賞ラインL1にベルa~cのいずれかが揃うが、入賞ラインL1に揃う図柄組合せが異なる。また、ナビ小役を構成する主小役のうち上段ベルA,Bは、いずれも入賞ラインL2にベルa~cのいずれかが揃うが、入賞ラインL1に揃う図柄組合せが異なる。また、ナビ小役を構成する主小役のうち、下段ベルA,Bは、いずれも入賞ラインL3にベルa~cのいずれかが揃うが、入賞ラインL1に揃う図柄組合せが異なる。また、ナビ小役を構成する主小役のうち、右下がりベルA,Bは、いずれも入賞ラインL5にベルa~cのいずれかが揃うが、入賞ラインL1に揃う図柄組合せが異なる。また、ナビ小役を構成する主小役のうち右上がりベルA,Bは、いずれも入賞ラインL4にベルa~cのいずれかが揃うが、入賞ラインL1に揃う図柄組合せが異なる。また、ナビ小役を構成する主小役のうち小山ベルA,Bは、いずれも入賞ラインL5にベルa~cのいずれかが揃うが、入賞ラインL1に揃う図柄組合せが異なる。
左特定小役は、15枚のメダルの払出を伴う特定小役Aが1枚のメダルの払出を伴う1枚とともに当選する役である。左特定小役の当選時に、第1停止リールが左リールとなる操作態様(左リール、中リール、右リールの停止操作順、左リール、右リール、中リールの停止操作順)で操作された場合には、1枚の図柄組合せが入賞ラインL1に導出され、1枚が入賞する。左特定小役の当選時に、第1停止リールが中リールまたは右リールとなる操作態様(中リール、左リール、右リールの停止操作順、中リール、右リール、左リールの停止操作順、右リール、左リール、中リールの停止操作順、右リール、中リール、左リールの停止操作順)で操作された場合には、特定小役Aの図柄組合せが入賞ラインL1に導出され、特定小役Aが入賞する。
中特定小役は、15枚のメダルの払出を伴う特定小役Bと1枚のメダルの払出を伴う1枚とともに当選する役である。中特定小役の当選時に、第1停止リールが中リールとなる操作態様(中リール、左リール、右リールの停止操作順、中リール、右リール、左リールの停止操作順)で操作された場合には、1枚の図柄組合せが入賞ラインL1に導出され、1枚が入賞する。中特定小役の当選時に、第1停止リールが左リールまたは右リールとなる操作態様(左リール、中リール、右リールの停止操作順、左リール、右リール、中リールの停止操作順、右リール、左リール、中リールの停止操作順、右リール、中リール、左リールの停止操作順)で操作された場合には、特定小役Bの図柄組合せが入賞ラインL1に導出され、特定小役Bが入賞する。
右特定小役は、15枚のメダルの払出を伴う特定小役Cと1枚のメダルの払出を伴う1枚とともに当選する役である。右特定小役の当選時に、第1停止リールが右リールとなる操作態様(右リール、左リール、中リールの停止操作順、右リール、中リール、左リールの停止操作順)で操作された場合には、1枚の図柄組合せが入賞ラインL1に導出され、1枚が入賞する。右特定小役の当選時に、第1停止リールが左リールまたは中リールとなる操作態様(左リール、中リール、右リールの停止操作順、左リール、右リール、中リールの停止操作順、中リール、左リール、右リールの停止操作順、中リール、右リール、左リールの停止操作順)で操作された場合に、特定小役Cの図柄組合せが入賞ラインL1に導出され、特定小役Cが入賞する。特定小役A,B,Cは、いずれも15枚のメダルの払出を伴う小役であるが、入賞ラインL1に揃う図柄組合せが異なる。
複合小役1は、ナビ小役を構成する全ての主小役、すなわち上段ベルA,B、中段ベルA,B、下段ベルA,B、右下がりベルA,B、右上がりベルA,B、小山ベルA,B、特定小役A,B,Cが同時当選する役である。複合小役1の当選時には、停止操作順、停止操作タイミングに関わらず、必ず15枚のメダルの払出を伴う中段ベルA,Bのいずれかの図柄組合せが入賞ラインL1に導出され、中段ベルA,Bのいずれかが入賞する。
複合小役2は、ナビ小役を構成する全ての副小役と1枚と3枚が当選する役である。複合小役2の当選時には、停止操作順、停止操作タイミングに関わらず、必ず1枚のメダルの払出を伴う1枚の図柄組合せが入賞ラインL1に導出され、1枚が入賞する。
[ナビ小役、特定小役、複合小役に関連する制御について]
主制御部161は、内部抽選の後、内部抽選の結果を特定可能な内部当選コマンドを演出制御部151に対して送信し、演出制御部151は、内部当選コマンドから特定される内部抽選の結果に応じて演出内容を決定し、決定した演出内容に従って演出を実行する。
主制御部161は、図6に示すように、内部抽選においてナビ小役が当選した場合に、ナビ報知を行う場合にも、ナビ報知を行わない場合にも、ナビ小役の種類、対応する操作態様に関わらず、全てのナビ小役に共通の当選番号8を示す内部当選コマンド、すなわちナビ小役が当選したことを特定可能となるが、対応する操作態様を特定不能な内部当選コマンドを演出制御部151に対して送信する。
また、主制御部161は、図6に示すように、左中右ベルA、左中右ベルBのいずれかが当選してナビ報知を行う場合には、遊技補助表示器12にナビ番号「1」を表示させることで、左リール、中リール、右リールの停止操作順(左中右)での停止操作、すなわち主小役を入賞させる操作態様での停止操作を促すナビ報知を行う。
また、図6に示すように、左右中ベルA、左右中ベルBのいずれかが当選してナビ報知を行う場合には、遊技補助表示器12にナビ番号「2」を表示させることで、左リール、右リール、中リールの停止操作順(左右中)での停止操作、すなわち主小役を入賞させる操作態様での停止操作を促すナビ報知を行う。
また、図6に示すように、中左右ベルA、中左右ベルBのいずれかが当選してナビ報知を行う場合には、遊技補助表示器12にナビ番号「3」を表示させることで、中リール、左リール、右リールの停止操作順(中左右)での停止操作、すなわち主小役を入賞させる操作態様での停止操作を促すナビ報知を行う。
また、図6に示すように、中右左ベルA、中右左ベルBのいずれかが当選してナビ報知を行う場合には、遊技補助表示器12にナビ番号「4」を表示させることで、中リール、右リール、左リールの停止操作順(中右左)での停止操作、すなわち主小役を入賞させる操作態様での停止操作を促すナビ報知を行う。
また、図6に示すように、右左中ベルA、右左中ベルBのいずれかが当選してナビ報知を行う場合には、遊技補助表示器12にナビ番号「5」を表示させることで、右リール、左リール、中リールの停止操作順(右左中)での停止操作、すなわち主小役を入賞させる操作態様での停止操作を促すナビ報知を行う。
また、図6に示すように、右中左ベルA、右中左ベルBのいずれかが当選してナビ報知を行う場合には、遊技補助表示器12にナビ番号「6」を表示させることで、右リール、中リール、左リールの停止操作順(右中左)での停止操作、すなわち主小役を入賞させる操作態様での停止操作を促すナビ報知を行う。
このように、ナビ小役の種類が異なっても主小役を入賞させる操作態様が共通するナビ小役が当選した場合には、共通のナビ報知を行う。
また、主制御部161は、ナビ小役の当選時にナビ報知を行わない場合には、内部当選コマンドを送信した後、ナビ小役に対応する操作態様が特定されないナビ番号「0」を特定可能なナビコマンドを送信する一方で、図6に示すように、左中右ベルA、左中右ベルBのいずれが当選してナビ報知を行う場合には、対応する停止操作順が左中右であることを示すナビ番号「1」を特定可能なナビコマンドを演出制御部151に対して送信し、左右中ベルA、左右中ベルBのいずれが当選してナビ報知を行う場合には、対応する停止操作順が左右中であることを示すナビ番号「2」を特定可能なナビコマンドを演出制御部151に対して送信し、中左右ベルA、中左右ベルBのいずれが当選してナビ報知を行う場合には、対応する停止操作順が中左右であることを示すナビ番号「3」を特定可能なナビコマンドを演出制御部151に対して送信し、中右左ベルA、中右左ベルBのいずれが当選してナビ報知を行う場合には、対応する停止操作順が中右左であることを示すナビ番号「4」を特定可能なナビコマンドを演出制御部151に対して送信し、右左中ベルA、右左中ベルBのいずれが当選してナビ報知を行う場合には、対応する停止操作順が右左中であることを示す「ナビ番号5」を特定可能なナビコマンドを演出制御部151に対して送信し、右中左ベルA、右中左ベルBのいずれが当選してナビ報知を行う場合には、対応する操作態様が右中左であることを示すナビ番号「6」を特定可能なナビコマンドを演出制御部151に対して送信する。
このように、ナビ小役の種類が異なっても同じ停止操作順が対応するナビ小役が当選した場合には、共通のナビコマンドを演出制御部151に対して送信する。
主制御部161は、図6に示すように、内部抽選において特定小役のいずれかが当選した場合に、ナビ報知を行う場合にも、ナビ報知を行わない場合にも、特定小役の種類に関わらず、全ての特定小役に共通の当選番号20を示す内部当選コマンド、すなわち特定小役が当選したことを特定可能となるが、特定小役の種類、1枚を入賞させる操作態様および特定小役A,B,Cのいずれかを入賞させる操作態様を特定不能な内部当選コマンドを演出制御部151に対して送信する。
また、主制御部161は、図6に示すように、後述する通常状態および前兆状態において左特定小役が当選してナビ報知を行う場合には、遊技補助表示器12にナビ番号「7」を表示させることで、左リールを第1停止させること、すなわち1枚を入賞させる操作態様での停止操作を促すナビ報知を行い、後述するCZ状態およびAT状態において左特定小役が当選してナビ報知を行う場合には、遊技補助表示器12にナビ番号「3」を表示させることで、中リール、左リール、右リールの停止操作順(中左右)での停止操作、すなわち特定小役Aを入賞させる複数種類の操作態様のうちの一の種類の操作態様での停止操作を促すナビ報知を行う。
また、主制御部161は、図6に示すように、後述する通常状態および前兆状態において中特定小役が当選してナビ報知を行う場合には、遊技補助表示器12にナビ番号「8」を表示させることで、中リールを第1停止させること、すなわち1枚を入賞させる操作態様での停止操作を促すナビ報知を行い、後述するCZ状態およびAT状態において中特定小役が当選してナビ報知を行う場合には、遊技補助表示器12にナビ番号「5」を表示させることで、右リール、左リール、中リールの停止操作順(右左中)での停止操作、すなわち特定小役Bを入賞させる複数種類の操作態様のうちの一の種類の操作態様での停止操作を促すナビ報知を行う。
また、主制御部161は、図6に示すように、後述する通常状態および前兆状態において右特定小役が当選してナビ報知を行う場合には、遊技補助表示器12にナビ番号「9」を表示させることで、右リールを第1停止させること、すなわち1枚を入賞させる操作態様での停止操作を促すナビ報知を行い、後述するCZ状態およびAT状態において右特定小役が当選してナビ報知を行う場合には、遊技補助表示器12にナビ番号「1」を表示させることで、左リール、中リール、右リールの停止操作順(左中右)での停止操作、すなわち特定小役Cを入賞させる複数種類の操作態様のうちの一の種類の操作態様での停止操作を促すナビ報知を行う。
このように、左特定小役が当選した場合に、特定小役Aを入賞させる停止操作順は、中左右ベルA,Bが当選した場合に、主小役を入賞させる停止操作順を含むものであり、CZ状態およびAT状態において左特定小役が当選して特定小役Aを入賞させる操作態様を報知する場合にも、CZ状態およびAT状態において中左右ベルA,Bが当選して主小役を入賞させる操作態様を報知する場合にも、共通のナビ報知を行う。また、中特定小役が当選した場合に、特定小役Bを入賞させる停止操作順は、右左中ベルA,Bが当選した場合に、主小役を入賞させる停止操作順を含むものであり、CZ状態およびAT状態において中特定小役が当選して特定小役Bを入賞させる操作態様を報知する場合にも、CZ状態およびAT状態において右左中ベルA,Bが当選して主小役を入賞させる操作態様を報知する場合にも、共通のナビ報知を行う。また、右特定小役が当選した場合に、特定小役Cを入賞させる停止操作順は、左中右ベルA,Bが当選した場合に、主小役を入賞させる停止操作順を含むものであり、CZ状態およびAT状態において右特定小役が当選して特定小役Cを入賞させる操作態様を報知する場合にも、CZ状態およびAT状態において左中右ベルA,Bが当選して主小役を入賞させる操作態様を報知する場合にも、共通のナビ報知を行う。
主制御部161は、特定小役のいずれかの当選時にナビ報知を行わない場合には、内部当選コマンドを送信した後、いずれが当選したかが特定されないナビ番号「0」を特定可能なナビコマンドを送信する一方で、図6に示すように、後述する通常状態および前兆状態において、左特定小役が当選してナビ報知を行う場合には、対応する停止操作順が左リールを第1停止させることであることを示すナビ番号「7」を特定可能なナビコマンドを演出制御部151に対して送信し、中特定小役が当選してナビ報知を行う場合には、対応する停止操作順が中リールを第1停止させることであることを示すナビ番号「8」を特定可能なナビコマンドを演出制御部151に対して送信し、右特定小役が当選してナビ報知を行う場合には、対応する停止操作順が右リールを第1停止させることであることを示すナビ番号「9」を特定可能なナビコマンドを演出制御部151に対して送信する。
また、後述するCZ状態およびAT状態において、左特定小役が当選してナビ報知を行う場合には、対応する停止操作順が中左右であることを示すナビ番号「3」を特定可能なナビコマンドを演出制御部151に対して送信し、中特定小役が当選してナビ報知を行う場合には、対応する停止操作順が右左中であることを示すナビ番号「5」を特定可能なナビコマンドを演出制御部151に対して送信し、右特定小役が当選してナビ報知を行う場合には、対応する停止操作順が左中右であることを示すナビ番号「1」を特定可能なナビコマンドを演出制御部151に対して送信する。
このように、CZ状態およびAT状態において左特定小役が当選して特定小役Aを入賞させる操作態様を報知する場合にも、CZ状態およびAT状態において中左右ベルA,Bが当選して主小役を入賞させる操作態様を報知する場合にも、共通のナビコマンドを演出制御部151に対して送信する。また、CZ状態およびAT状態において中特定小役が当選して特定小役Bを入賞させる操作態様を報知する場合にも、CZ状態およびAT状態において右左中ベルA,Bが当選して主小役を入賞させる操作態様を報知する場合にも、共通のナビコマンドを演出制御部151に対して送信する。また、CZ状態およびAT状態において右特定小役が当選して特定小役Cを入賞させる操作態様を報知する場合にも、CZ状態およびAT状態において左中右ベルA,Bが当選して主小役を入賞させる操作態様を報知する場合にも、共通のナビコマンドを演出制御部151に対して送信する。
[主制御基板とメダル数制御基板との送受信態様]
主制御基板16とメダル数制御基板17との送受信態様を説明する。本実施の形態においては、主制御基板16とメダル数制御基板17との間でコマンドによる通信が行われる。主制御基板16は、イベントが発生する度にメダル数制御基板17に所定のコマンドを送信する。イベントには、スタートスイッチ7が押下されたこと、1BETスイッチ20やMAXBETスイッチ6が押下されたこと、全リール停止したことなどが含まれる。
メダル数制御基板17は、主制御基板16から送信された所定のコマンドが、予め定められた応答を必要とするコマンドである場合、応答コマンドを主制御基板16に送信する。たとえば、S台2が遊技場に設置されて電気的に接続された状態で電源を立上げたことを契機として、主制御基板16は、メインチップID(主制御チップID)を含む遊技機設置情報コマンドをメダル数制御基板17に送信する。それ以降の電源投入時においても、主制御基板16から、メインチップID(主制御チップID)を含む遊技機設置情報がメダル数制御基板17に送信される。すなわち、主制御基板16は、S台2の電源が投入されたときに、主制御基板16が有する固有情報のメインチップIDを特定可能な遊技機設置情報コマンドをメダル数制御基板17に送信する。
主制御基板16およびメダル数制御基板17の双方は、コマンドに「通番」を付与して送信する。また、主制御基板16およびメダル数制御基板17の双方は、受信した「通番」を記憶する。S台2では、コマンドに「通番」を付与することにより、メダルを不正に取得しようとする者(以下、不正者と称する。)がS台2を不正操作することを防止する。不正操作とは、たとえば、主制御基板16とメダル数制御基板17との間で送受信されるコマンドが改変される操作、または、不正者が主制御基板16またはメダル数制御基板17を制御する操作などを示す。不正者は、たとえば、不正操作を実行する装置等(以下、不正装置と称する。)を、主制御基板16またはメダル数制御基板17に接続することによって不正操作をする。
「通番」の初期値および加算値は、メダル数制御基板17および主制御基板16の各々によって定められる。メダル数制御基板17は、主制御基板16から受信した遊技機設置情報コマンドに基づいて「通番」の初期値および加算値を定める。遊技機設置情報コマンドに含まれるメインチップIDは、4バイト長のチップ固有ナンバーレジスタを含む。メインチップIDが含む各バイトには、16進数のチップ固有の値が記憶されている。メダル数制御基板17は、メインチップIDが含む各バイトに記憶されている16進数の値を加算して、合計値を算出する。メダル数制御基板17は、算出した合計値の下位2バイトが示す値を10進数に変換した値を「通番」における初期値として決定する。
たとえば、合計値の値が「189h」である場合(hは「189」が16進数であることを示す。)、通番における初期値は、「89h」の10進数で表した値となる。すなわち、「通番」における初期値は「137」となる。
さらに、メダル数制御基板17は、初期値に対して予め定められた数を除算する。予め定められた数が、たとえば「5」である場合、除算の結果として算出される余りの種類が「0」、「1」、「2」、「3」、「4」の4種類となる。メダル数制御基板17は、当該4種類の余りに対応した加算値を予め定め記憶する。たとえば、メダル数制御基板17は、「0」に対応して「7」を記憶し、「1」に対応して「11」を記憶し、「2」に対応して「13」を記憶し、「3」に対応して「19」を記憶し、「4」に対応して「23」を記憶する。メダル数制御基板17は、初期値に対して予め定められた数を除算した後、当該除算の結果の余りに対応して記憶している値を加算値とする。
一例を示すと、初期値である「137」を5で除した結果の余りは「2」である。上述の通り、メダル数制御基板17は、除算の結果の余りである「2」に対応して「13」を記憶している。したがって、メダル数制御基板17は、通番における加算値を「13」として決定する。このように、メダル数制御基板17は遊技機設置情報コマンドから特定したメインチップIDに基づき、主制御基板16から送信されたコマンドが正常であるか否かを判定するための通番の初期値と加算値を生成する。また、主制御基板16においても、同様の計算を行うことによって、初期値と加算値を生成する。これにより、主制御基板16とメダル数制御基板17との双方において、同様の初期値と加算値とが記憶されることとなる。
上述の通り、本実施の形態においては、イベントが発生したことを契機に主制御基板16がメダル数制御基板17に所定のコマンドを送信する。主制御基板16は、当該所定のコマンドに対して、通番を付与する。たとえば、遊技機設置情報コマンドがメダル数制御基板17へ送信され、主制御基板16とメダル数制御基板17との双方が通番における初期値と加算値とを決定した後に、所定のイベントAが発生した例を説明する。
所定のイベントAが発生したことに基づいて、主制御基板16は、メダル数制御基板17にコマンドAを送信する。このとき、主制御基板16は、遊技機設置コマンドを送信した後に、初めて送信するコマンドAに対して通番の初期値を付与する。すなわち、主制御基板16は、当該コマンドAに通番「137」を付与して送信する。
メダル数制御基板17は、初期値として「137」を記憶しており、遊技機設置コマンドを受信してから初めて受信するコマンドAに付与された通番が「137」であるため、通信は正常であると判断する。
続いて、新たなイベントBが発生した場合、主制御基板16は、メダル数制御基板17に対して、コマンドBを送信する。このとき、主制御基板16は、前回送信した通番の値に加算値を加えた値を付与したコマンドBを送信する。すなわち、主制御基板16は、前回送信した「137」に加算値「13」を加えた値である「150」をコマンドBに付与して、送信する。メダル数制御基板17は、コマンドBを受信する前に、事前に次に送信されてくるコマンドに付与される通番が「150」であることを算出する。メダル数制御基板17は、受信したコマンドBに付与されている通番が「150」であり、事前に算出した通番と一致するため、主制御基板16との間における通信が正常であると判断する。
すなわち、主制御基板16は、コマンドを送るごとに、前回送信した通番の値に加算値を加えた値を通番として付与する。メダル数制御基板17においても、初期値と加算値を記憶しているため、次に受信するコマンドに付与されるべき通番の値を事前に算出することができ、コマンドを受信する度に通番が正常であるか否かを判断することができる。メダル数制御基板17は、受信したコマンドに付与されている通番が算出した通番の値と一致しない場合、主制御基板16とメダル数制御基板17との間において通信異常が発生していると判断する。
主制御基板16は、前回送信した通番の値に加算値を加えた値が255を超える場合は、255を差し引いた値を通番として送信する。主制御基板16は、メダル数制御基板17からエラーが発生していることを示す応答コマンドを受信した場合、当該応答コマンドの後に送信するコマンドの通番に加算値を加算せず、再度、同一の通番を付与して送信する。
[主制御基板からメダル数制御基板へ送信されるコマンド]
図7は、主制御基板16がメダル数制御基板17へ送信するコマンドの種類を示す図である。本実施の形態において、主制御基板16は、図7のコマンド名欄に示されるように、遊技機設置情報コマンド、役物情報コマンド、有利区間情報コマンド、投入コマンド、精算コマンド、終了時コマンド、開始時コマンド、払出パルスコマンド、大当りコマンド、遊技機不正1コマンド、遊技機不正2コマンド、遊技機不正3コマンド、主制御状態コマンド、主制御基板エラーコマンド、遊技機性能情報(予備)コマンドを、メダル数制御基板17へ送信する。また、番号欄には、各コマンドに予め設定されているコマンド番号が示されている。さらに、電文長欄には、各コマンドが有する電文長、すなわち、バイト長が示されている。
双方向欄には、主制御基板16がコマンドを送信した後に、メダル数制御基板17が応答コマンドを送信する必要があるか否かが示されている。たとえば、メダル数制御基板17は、開始時コマンドを主制御基板16から受信したときには、当該開始時コマンドに応答する応答コマンドを送信しない。すなわち、主制御基板16は、メダル数制御基板17から応答コマンドの受信を待たずに、リールの回胴などの制御をする。
一方で、メダル数制御基板17は、投入コマンド、精算コマンド、終了時コマンドを主制御基板16から受信した場合、これらのコマンドを受信したことに応答して、応答コマンドを主制御基板16へ送信する。投入コマンド、精算コマンド、終了時コマンドは、メダル数制御基板17が管理するクレジット数に直接影響するコマンドである。そのため、主制御基板16は、投入コマンド、精算コマンド、終了時コマンドを送信した後は、メダル数制御基板17からの応答コマンドを受信したことを条件に次の制御を行う。以下では、図8~図29を用いて、主制御基板16からメダル数制御基板17へ送信されるコマンドについて説明する。
図8は、遊技機設置情報コマンドを説明する図である。図8に示されるように、遊技機設置情報コマンドは、22バイト長を有するコマンドである。1バイト目には、遊技機設置情報コマンドの電文長が格納される。2バイト目には、通番が送信される。遊技機設置情報コマンドは、電源投入後、メダル数制御基板17が通番の初期値と加算値を決定する前に送信されるコマンドであるため、通番として「0」の値が固定されて格納される。3バイト目~6バイト目には、それぞれ、コマンド番号、遊技機特性、遊技機種別、識別コードを示す値が格納される。7バイト目~10バイト目には、メインチップIDが有する固有ナンバーレジスタの1~4バイト目の値が格納される。メダル数制御基板17は、7バイト目~10バイト目のメインチップIDの値を用いて、通番の初期値および加算値を定める。
11バイト目~13バイト目には、メーカーコードが格納される。14バイト目~21バイト目には、製品コードが格納される。22バイト目には、1バイト目~21バイト目に送信した情報に誤りが生じていたか否かを判断するためのチェックサムが格納される。
図9は、遊技機特性の詳細を示す図である。以下では、遊技設置情報コマンドの4バイト目に示される遊技機特性の詳細について説明する。遊技機特性は、0ビット目~7ビット目までの1バイトのデータである。0ビット目は、S台2が、RB(レギュラーボーナス)搭載であるか否かを示す。S台2がRB搭載である場合、0ビット目は「1」となり、S台2がRB搭載でない場合、0ビット目は「0」となる。
1ビット目は、S台2が、BB(ビッグボーナス)搭載であるか否かを示す。S台2がBB搭載である場合、1ビット目は「1」となり、S台2がBB搭載でない場合、1ビット目は「0」となる。2ビット目は、S台2がCT(チャレンジタイム)搭載であるか否かを示す。S台2がCT搭載である場合、2ビット目は「1」となり、S台2がCT搭載でない場合、2ビット目は「0」となる。3ビット目は、S台2がCB(チャレンジボーナス)搭載であるか否かを示す。S台2がCB搭載である場合、3ビット目は「1」となり、S台2がCB搭載でない場合、3ビット目は「0」となる。
4ビット目は、S台2がSB(シングルボーナス)搭載であるか否かを示す。S台2がSB搭載である場合、4ビット目は「1」となり、S台2がSB搭載でない場合、4ビット目は「0」となる。5ビット目は、S台2が指示機能搭載であるか否かを示す。S台2が指示機能搭載である場合、5ビット目は「1」となり、S台2が指示機能搭載でない場合、5ビット目は「0」となる。6ビット目は、S台2の指示種別を示す。S台2の指示種別が7Pタイプである場合、6ビット目は「1」となり、S台2の指示種別が7Uタイプである場合、6ビット目は「0」となる。7ビット目は使用されず、「0」が格納される。
図10は、役物情報コマンドの構成を示す図である。役物情報コマンドは、メダル数制御基板17が遊技機性能情報、役比モニタ情報を更新するためのコマンドである。役物情報コマンドは、終了時コマンドが送信された後にメダル数制御基板17へ送信される。
役物情報コマンドは、5バイトのデータから構成される。1バイト目には、役物情報コマンドの電文長が格納される。2バイト目には、通番が格納される。3バイト目には、コマンド番号を示す値が格納される。図7に示されるように、役物情報コマンドのコマンド番号は、「1」である。
4バイト目には、役物作動情報が格納される。役物作動情報は、現在、いずれかのボーナスに当選中であるか否かを示す情報が格納される。5バイト目には、1バイト目~4バイト目に送信した情報に誤りが生じていたか否かを判断するためのチェックサムが格納される。
図11は、役物作動情報の詳細を示す図である。役物作動情報は、役物情報コマンドの4バイト目に格納されるデータである。役物作動情報は、0ビット目~7ビット目までの1バイトのデータから構成される。0ビット目には、RBが作動中であるかを示す「一種」の情報が格納される。1ビット目には、BBが作動中であるかを示す「一種連」の情報が格納される。2ビット目には、CTが作動中であるかを示す「二種」の情報が格納される。3ビット目には、CBが作動中であるかを示す「二種連」の情報が格納される。5ビット目には、SBが作動中であるかを示す「普通役物」の情報が格納される。4ビット目、6ビット目、7ビット目は使用されず、「0」が格納される。
図12は、有利区間情報コマンドの構成を示す図である。有利区間情報コマンドは、メダル数制御基板17が遊技機性能情報、役比モニタ情報を更新するためのコマンドである。有利区間情報コマンドは、終了時コマンドが送信された後に、送信される。
有利区間情報コマンドは、5バイトのデータから構成される。1バイト目には、役物情報コマンドの電文長が格納される。2バイト目には、通番が格納される。3バイト目には、コマンド番号を示す値が格納される。図7に示されるように、有利区間情報コマンドのコマンド番号は、「2」である。
4バイト目には、有利区間情報が格納される。有利区間情報は、有利区間における再遊技、指示情報に関するデータが送信される。5バイト目には、1バイト目~4バイト目に送信した情報に誤りが生じていたか否かを判断するためのチェックサムが格納される。
図13は、有利区間情報の詳細を示す図である。有利区間情報は、有利区間情報コマンドの4バイト目に格納されるデータであり、有利区間情報コマンドが送信される前に、行われた遊技に関する情報を示すデータである。
有利区間情報は、0ビット目~7ビット目までの1バイトのデータから構成される。0ビット目には、有利区間情報コマンドが送信される前に行われた遊技が有利区間中であったか否かを示す情報が格納される。有利区間中であった場合、0ビット目には、「1」が格納される。1ビット目には、有利区間情報コマンドが送信される前に行われた遊技において指示情報があったか否かを示す情報が格納される。指示情報があった場合は、1ビット目には、「1」が格納される。4ビット目には、有利区間情報コマンドが送信される前に行われた遊技において再遊技図柄組み合わせが表示されたか否かを示す情報が格納される。再遊技図柄組み合わせが表示された場合は、4ビット目には、「1」が格納される。2,3,5,6,7ビット目は使用されず、「0」が格納される。
図14は、投入コマンドの構成を示す図である。投入コマンドは、1BETスイッチ20が押下されたとき、または、MAXBETスイッチ6が押下されたときに、主制御基板16からメダル数制御基板17へと送信される。すなわち、主制御基板16は、一のゲームを開始するための賭数を設定するための賭数設定操作を受け付けたときに、投入コマンドをメダル数制御基板17に送信する。また、図7を参照して、投入コマンドは双方向性を有するコマンドであるため、メダル数制御基板17は、投入コマンドを受信したときに、投入コマンドに応答する応答コマンドを主制御基板16に送信する。投入コマンドは、5バイトのデータから構成される。1バイト目には、投入コマンドの電文長が格納される。2バイト目には、通番が格納される。3バイト目には、コマンド番号を示す値が格納される。図7に示されるように、投入コマンドのコマンド番号は「3」である。
4バイト目には、投入メダル数が格納される。賭数が0枚、1枚、または2枚のいずれかの状態で1BETスイッチ20が押下された場合、投入メダル数は1枚となる。賭数が0枚の状態でMAXBETスイッチ6が押下された場合、投入メダル数は3枚となり、賭数が1枚の状態でMAXBETスイッチ6が押下された場合、投入メダル数は2枚となり、賭数が2枚の状態でMAXBETスイッチ6が押下された場合、投入メダル数は1枚となる。再遊技作動状態のときにおいて、1BETスイッチ20またはMAXBETスイッチ6が押下されて、投入コマンドが送信される場合、投入メダル数にはデータが格納されない。5バイト目には、1バイト目~4バイト目に送信した情報に誤りが生じていたか否かを判断するためのチェックサムが格納される。「再遊技作動状態」とは、再遊技役が入賞した後の状態を示す。
図15は、精算コマンドの構成を示す図である。精算コマンドは、賭数クリアスイッチ21が押下されたときに、主制御基板16からメダル数制御基板17へと送信される。すなわち、主制御基板16は、一のゲームを開始するための賭数をキャンセルするための精算操作を受け付けたときに、精算コマンドをメダル数制御基板17に送信する。また、図7を参照して、精算コマンドは双方向性を有するコマンドであるため、メダル数制御基板17は、精算コマンドを受信したときに、精算コマンドに応答する応答コマンドを主制御基板16に送信する。精算コマンドは、5バイトのデータから構成される。1バイト目には、精算コマンドの電文長が格納される。2バイト目には、通番が格納される。3バイト目には、コマンド番号を示す値が格納される。図7に示されるように、精算コマンドのコマンド番号は、「4」である。
4バイト目には、精算メダル数が格納される。賭数が1枚の状態で賭数クリアスイッチ21が押下された場合、精算メダル数は1枚となり、賭数が2枚の状態で賭数クリアスイッチ21が押下された場合、精算メダル数は2枚となり、賭数が3枚の状態で賭数クリアスイッチ21が押下された場合、精算メダル数は3枚となる。5バイト目には、1バイト目~4バイト目に送信した情報に誤りが生じていたか否かを判断するためのチェックサムが格納される。
図16は、開始時コマンドの構成を示す図である。開始時コマンドは、スタートスイッチ7が押下されたときに、主制御基板16からメダル数制御基板17へ送信される。すなわち、主制御基板16は、一のゲームを開始するときに、開始時コマンドをメダル数制御基板17へ送信する。開始時コマンドは、再遊技作動状態でスタートスイッチ7が押下された場合であっても、送信される。開始時コマンドは、メダル数制御基板17が管理するクレジット数に直接的に影響を及ぼさないコマンドである。そのため、メダル数制御基板17は、開始時コマンドを受信したときに、開始時コマンドに対する応答コマンドを主制御基板16へ送信せず、開始時コマンドに応じた制御を行う。開始時コマンドに応じた制御とは、たとえば、ゲーム終了待ち状態に制御する処理や終了時コマンドを受信するための準備処理などが該当する。主制御基板16は、開始時コマンドを送信した後はメダル数制御基板17からの応答を待たずに次の制御を行う。次の制御とは、リールを駆動させる制御などである。
開始時コマンドは、5バイトのデータから構成される。1バイト目には、開始時コマンドの電文長が格納される。2バイト目には、通番が格納される。3バイト目には、コマンド番号を示す値が格納される。図7に示されるように、開始時コマンドのコマンド番号は、「6」である。
4バイト目には、ホールコンピュータに送信する1~3の投入パルス数が格納される。再遊技作動状態においても、投入規定数分の投入パルス数が送信される。5バイト目には、1バイト目~4バイト目に送信した情報に誤りが生じていたか否かを判断するためのチェックサムが格納される。
図17は、終了時コマンドの構成を示す図である。終了時コマンドは、全てのリールが停止したとき、すなわち、第3停止されたときに、主制御基板16からメダル数制御基板17へ送信される。言い換えれば、主制御基板16は、一のゲームを終了するときに、終了時コマンドをメダル数制御基板17へ送信する。終了時コマンドには、導出された図柄の組み合わせに応じて定められる払出メダルの枚数が含まれる。メダルが遊技者に払い出される場合、クレジット数は増加する。そのため、終了時コマンドは、メダル数制御基板17が管理するクレジット数に直接的に影響を及ぼすコマンドである。よって、メダル数制御基板17は、終了時コマンドを受信したとき、応答コマンドを主制御基板16へ送信する。また、主制御基板16は、終了時コマンドを送信した後は当該応答コマンドを受信したことを条件に次の制御を行う。次の制御とは、遊技補助表示器12に表示するデータの更新処理などが該当する。
ようするに、メダル数制御基板17は、終了時コマンドを受信したときに、該終了時コマンドに応答する応答コマンドを主制御基板16に送信するとともに、該終了時コマンドに応じた制御を行う。該終了時コマンドに応じた制御とは、たとえば、払出メダル数をクレジット数に加算する制御である。
終了時コマンドは、5バイトのデータから構成される。1バイト目には、終了時コマンドの電文長が格納される。2バイト目には、通番が格納される。3バイト目には、コマンド番号を示す値が格納される。図7に示されるように、終了時コマンドのコマンド番号は、「5」である。
4バイト目には、払出メダル数が格納される。払出メダル数は、最大15枚のメダル数となる。再遊技の図柄組み合わせが導出された場合、または、払出メダル数がない場合は、4バイト目には「0」が格納される。すなわち、終了時コマンドは、一のゲームを終了するときに、該一のゲームの結果に応じて遊技者に付与される遊技価値を特定可能なコマンドである。5バイト目には、1バイト目~4バイト目に送信した情報に誤りが生じていたか否かを判断するためのチェックサムが格納される。
図18は、払出パルスコマンドの構成を示す図である。払出パルスコマンドは、全リール停止したとき、すなわち、第3停止されたときに、主制御基板16からメダル数制御基板17へ送信される。払出パルスコマンドは、メダル数制御基板17と接続された図示しないホールコンピュータへ、入賞に応じて遊技者に付与されるメダル数を送信するためのパルス信号である。メダル数制御基板17は、払出パルスコマンドを受信した後、図示しないホールコンピュータへ払出パルス信号を送信する。これにより、ホールコンピュータは、S台2における払出枚数を記憶することができる。払出パルスコマンドは、再遊技作動状態であるときにおいてもメダル数制御基板17へ送信される。主制御基板16は、払出パルスコマンドを送信した後はメダル数制御基板17からの応答を待たずに次の制御を行う。
払出パルスコマンドは、5バイトのデータから構成される。1バイト目には、払出パルスコマンドの電文長が格納される。2バイト目には、通番が格納される。3バイト目には、コマンド番号を示す値が格納される。図7に示されるように、払出パルスコマンドのコマンド番号は、「7」である。
4バイト目には、ホールコンピュータに送信するための払出パルス数が格納される。払出パルス数は、最大で15のパルス数となる。再遊技の図柄組み合わせが導出された場合、または、払出メダル数がない場合は、4バイト目には「0」が格納される。5バイト目には、1バイト目~4バイト目に送信した情報に誤りが生じていたか否かを判断するためのチェックサムが格納される。
図19は、大当りコマンドの構成を示す図である。大当りコマンドは、大当りの開始時および終了時に主制御基板16からメダル数制御基板17へ送信される。また、大当りコマンドは、電源投入時にホットスタート時である場合においても主制御基板16からメダル数制御基板17へ送信される。これにより、S台2では、ホールコンピュータ信号をバックアップせずともホールコンピュータ信号を復旧させることができる。
大当りコマンドは、5バイトのデータから構成される。1バイト目には、大当りコマンドの電文長が格納される。2バイト目には、通番が格納される。3バイト目には、コマンド番号を示す値が格納される。図7に示されるように、大当りコマンドのコマンド番号は、「8」である。
4バイト目には、ホールコンピュータ信号が格納される。ホールコンピュータ信号は、ホールコンピュータにS台2の大当り情報を通知するための信号である。RB、BB、ATなどの大当り種別などが格納される。5バイト目には、1バイト目~4バイト目に送信した情報に誤りが生じていたか否かを判断するためのチェックサムが格納される。
図20は、ホールコンピュータ信号の詳細を示す図である。ホールコンピュータ信号は、大当りコマンドの4バイト目に格納されるデータである。ホールコンピュータ信号は、0ビット目~7ビット目までの1バイトのデータから構成される。0ビット目には、大当りの種別がRBであることを示すの情報が格納される。1ビット目には、大当りの種別がBBであることを示すの情報が格納される。2ビット目には、大当りの種別がATであることを示すの情報が格納される。3ビット目~7ビット目は使用されず、「0」が格納される。
図21は、遊技機不正1コマンドの構成を示す図である。遊技機不正1コマンドは、設定変更・設定確認の開始、終了時に主制御基板16からメダル数制御基板17へ送信される。
遊技機不正1コマンドは、5バイトのデータから構成される。1バイト目には、遊技機不正1コマンドの電文長が格納される。2バイト目には、通番が格納される。3バイト目には、コマンド番号を示す値が格納される。図7に示されるように、遊技機不正1コマンドのコマンド番号は、「9」である。
4バイト目には、設定情報が格納される。設定情報は、設定変更・設定確認される際の情報、および、その際に不正を検知したか否かなどを示す情報である。5バイト目には、1バイト目~4バイト目に送信した情報に誤りが生じていたか否かを判断するためのチェックサムが格納される。
図22は、設定情報の詳細を示す図である。設定情報は、遊技機不正1コマンドの4バイト目に格納されるデータである。設定情報は、0ビット目~7ビット目までの1バイトのデータから構成される。0ビット目には、設定変更中であるか否かを示すデータが格納される。1ビット目には、設定確認中であるか否かを示すデータが格納される。2ビット目~4ビット目には、メーカー定義の不正を検知したか否かを示すデータが格納される。6ビット目、7ビット目は使用されず、「0」が格納される。
図23は、遊技機不正2コマンドの構成を示す図である。遊技機不正2コマンドは、S台2においては未使用のコマンドである。S台2では、ドア開放検出スイッチ25がメダル数制御基板17に接続されている。したがって、主制御基板16は、メダル数制御基板17にドア情報を送信する必要がない。そのため、4バイト目は、「0」が格納される。
図24は、ドア情報の詳細を示す図である。メダル数制御基板17がドアの開放または閉鎖を検出するため、ドア情報が含む全てのビットは使用されず「0」が格納される。
図25は、遊技機不正3コマンドの構成を示す図である。遊技機不正3コマンドは、S台2においては未使用のコマンドである。遊技機不正3コマンドは、拡張用のコマンドであり、主制御基板16からメダル数制御基板17へ将来的に新たなコマンドを送信する必要が生じた場合に使用される。
図26は、主制御状態コマンドの構成を示す図である。主制御状態コマンドは、主制御基板16の状態を示すコマンドである。主制御状態コマンドは、予め定められたタイミングで主制御基板16からメダル数制御基板17へ送信される。メダル数制御基板17は、主制御状態コマンドを受信することによって、主制御基板16またはS台2の状態を取得することができる。
主制御状態コマンドは、5バイトのデータから構成される。1バイト目には、主制御状態コマンドの電文長が格納される。2バイト目には、通番が格納される。3バイト目には、コマンド番号を示す値が格納される。図7に示されるように、主制御状態コマンドのコマンド番号は「12」である。4バイト目には、遊技機状態信号が格納される。5バイト目には、1バイト目~4バイト目に送信した情報に誤りが生じていたか否かを判断するためのチェックサムが格納される。
図27は、主制御基板エラーコマンドの構成を示す図である。主制御基板エラーコマンドは、主制御基板16で発生したエラーの種類を示すコマンドである。主制御基板エラーコマンドは、主制御基板16にてエラーが発生したとき、および、発生したエラーが解消したときに、主制御基板16からメダル数制御基板17へ送信される。
主制御基板エラーコマンドは、5バイトのデータから構成される。1バイト目には、主制御状態コマンドの電文長が格納される。2バイト目には、通番が格納される。3バイト目には、コマンド番号を示す値が格納される。図7に示されるように、主制御基板エラーコマンドのコマンド番号は、「13」である。4バイト目には、エラー番号が格納される。エラー番号は、主制御基板16で発生しているエラーの種類を示す番号である。5バイト目には、1バイト目~4バイト目に送信した情報に誤りが生じていたか否かを判断するためのチェックサムが格納される。
図28は、主制御基板エラー一覧を示す図である。図28に示されるエラー番号は、主制御基板エラーコマンドの4バイト目に格納されるエラー番号である。E6は、リール回転エラーを示すエラー番号である。主制御基板16は、3回連続で原点センサからの入力を検出することができない場合、リール回転エラーが発生したと判断する。リール回転エラーが発生したとき、主制御基板16は、主制御基板エラーコマンドの4バイト目の値を「E6」として送信する。主制御基板16は、図示しないエラー解除スイッチが押下されたことを契機にして、当該エラーが解消されたと判断する。当該エラーが解消されたときにおいても、主制御基板16は、主制御基板エラーコマンドを送信する。
E7は、遊技メダル数オーバーフローエラーを示すエラー番号である。主制御基板16は、遊技メダル数が16383を超えたとき、遊技メダル数オーバーフローエラーが発生したと判断する。遊技メダル数オーバーフローエラーが発生したとき、主制御基板16は、主制御基板エラーコマンドの4バイト目の値を「E7」として送信する。主制御基板16は、図示しないエラー解除スイッチが押下されたとき、当該エラーが解消されたと判断する。当該エラーが解消されたときにおいても、主制御基板16は、主制御基板エラーコマンドを送信する。
E8は、バックアップエラーを示すエラー番号である。主制御基板16は、電源投入後のRAMの検査において、電断前にバックアップしたRAMの値と一致しないとき、バックアップエラーが発生したと判断する。バックアップエラーが発生したとき、主制御基板16は、主制御基板エラーコマンドの4バイト目の値を「E8」として送信する。主制御基板16は、S台2の電源を切断し、再度設定変更されたことを契機として、当該エラーが解消されたと判断する。当該エラーが解消されたときにおいても、主制御基板16は、主制御基板エラーコマンドを送信する。
E9は、通信異常エラーを示すエラー番号である。主制御基板16は、メダル数制御基板17へ応答コマンドが必要となるコマンドを送信してから、40msが経過する前に応答コマンドを受信しない場合、通信異常エラーが発生したと判断する。通信異常エラーが発生したとき、主制御基板16は、主制御基板エラーコマンドの4バイト目の値を「E9」として送信する。主制御基板16は、図示しないエラー解除スイッチが押下されたとき、当該エラーが解消されたと判断する。当該エラーが解消されたときにおいても、主制御基板16は、主制御基板エラーコマンドを送信する。
図29は、遊技機性能情報(予備)コマンドの構成を示す図である。遊技機性能情報は、性能情報の集計を目的とする情報である。遊技機性能情報は、遊技に基づいて算出された結果を出力するものである。
遊技機性能情報(予備)コマンドは、28バイトのデータから構成される。1バイト目には、遊技機性能情報(予備)コマンドの電文長が格納される。2バイト目には、通番が格納される。3バイト目には、コマンド番号を示す値が格納される。図7に示されるように、遊技機性能情報(予備)コマンドのコマンド番号は、「14」である。4バイト目~27バイト目には、遊技機性能情報が格納され得る。本実施の形態において、当該予備領域には、「0」が格納される。28バイト目には、1バイト目~27バイト目に送信した情報に誤りが生じていたか否かを判断するためのチェックサムが格納される。
図30は、メダル数制御基板17から主制御基板16へのコマンド一覧を示す図である。メダル数制御基板17は、主制御基板16に対して2種類のコマンドを送信する。
応答コマンドは、主制御基板16から受信したコマンドに応答するためのコマンドである。たとえば、メダル数制御基板17は、終了時コマンドを受信したとき、当該終了時コマンドはクレジット数に影響を与えるコマンドであるため、応答コマンドを送信する。すなわち、応答コマンドは、受信したことに応じて応答するので双方向性を有するコマンドである。応答コマンドは、3~5のコマンド番号が設定され得る。応答コマンドの電文長は、4バイトである。
枠側情報コマンドは、メダル数制御基板17とCU3との間の接続情報を含むシステム情報を送信するコマンドである。メダル数制御基板17は、0.3秒ごとに枠側情報コマンドを主制御基板16に送信する。なお、枠側情報コマンドが送信される所定の期間は、0.3秒ではなく、その他の期間であってもよい。主制御基板16は、枠側情報コマンドを受信しても応答は行わない。そのため、枠側情報コマンドは、双方向性を有さないメダル数制御基板17から主制御基板16への単方向で送信し続けるコマンドである。枠側情報コマンドのコマンド番号は、「81h」であり、電文長は、4バイトである。
図31は、応答コマンドの構成を示す図である。応答コマンドは、4バイトのデータから構成される。1バイト目には、応答コマンドの電文長が格納される。2バイト目には、コマンド番号を示す値が格納される。応答コマンドにおけるコマンド番号は、応答の対象となる受信したコマンドのコマンド番号が格納される。投入コマンドに対する応答コマンドを送信する場合、メダル数制御基板17は、コマンド番号として「3」を格納する。精算コマンドに対する応答コマンドを送信する場合、メダル数制御基板17は、コマンド番号として「4」を格納する。終了時コマンドに対する応答コマンドを送信する場合、メダル数制御基板17は、コマンド番号として「5」を格納する。
3バイト目には、応答コマンドの受領結果を示す情報が格納される。3バイト目は、1~4ビットのデータ領域を含む。3バイト目のデータ領域における0ビット目が「1」である場合、応答コマンドは「受領OK」であることを示す。「受領OK」とは、メダル数制御基板17が受信した受信コマンドが正常である旨を示す。以下では、3バイト目のデータ領域における0ビット目が「1」である応答コマンドを、「受領OKを示す応答コマンド」と称する場合がある。すなわち、応答コマンドは、受信コマンドを正常に受信したことを主制御基板16へ通知するコマンドとなる。受信コマンドとは、応答コマンドの応答の対象となった主制御基板16から送信されたコマンドである。3バイト目のデータ領域における1ビット目が「1」である場合、応答コマンドは「通番不一致」であることを示す。「通番不一致」とは、メダル数制御基板17が受信した受信コマンドが正常でない旨を示す。以下では、3バイト目のデータ領域における1ビット目が「1」である応答コマンドを、「通番不一致を示す応答コマンド」と称する場合がある。すなわち、応答コマンドは、応答の対象となった受信コマンドの通番がメダル数制御基板17で算出した通番と不一致であったことを示す。
3バイト目のデータ領域における2ビット目が「1」である場合、応答コマンドは「遊技メダル数不足」であることを示す。メダル数制御基板17が受信コマンドとして投入コマンドを受信し、クレジット数の減算を要求されたにも関わらず、クレジット数が不足している場合に、2ビット目が「1」が格納された応答コマンドが送信される。
3バイト目のデータ領域における3ビット目が「1」である場合、応答コマンドは「遊技メダル数オーバーフロー」であることを示す。メダル数制御基板17が受信コマンドとして精算コマンドを受信し、クレジット数(遊技メダル数)が上限である場合、3ビット目が「1」が格納された応答コマンドが送信される。4バイト目には、1バイト目~3バイト目に送信した情報に誤りが生じていたか否かを判断するためのチェックサムが格納される。
図32は、枠側情報コマンドの構成を示す図である。枠側情報コマンドは、上述の通り、0.3秒ごとにメダル数制御基板17から主制御基板16へ送信される。
枠側情報コマンドは、4バイトのデータから構成される。1バイト目には、枠側情報コマンドの電文長が格納される。2バイト目には、コマンド番号が格納される。枠側情報コマンドのコマンド番号は、「81h」である。3バイト目には、メダル数制御基板17のシステム状態を示す情報が格納される。メダル数制御基板17のシステム状態は、計数ボタンが押下されたか否か、CU3とメダル数制御基板17とが正常に接続されているか否かという情報を含む。4バイト目には、1バイト目~3バイト目に送信した情報に誤りが生じていたか否かを判断するためのチェックサムが格納される。
[主制御基板とメダル数制御基板間の通信について]
図33は、主制御基板16とメダル数制御基板17間の通信の一例を示す図である。主制御基板16とメダル数制御基板17間の通信は、シリアル通信が採用される。図33に示すように、主制御基板16は、賭数設定操作がされたことにより投入コマンドを送信する。賭数設定操作とは、1BETスイッチ20またはMAXBETスイッチ6が押下されたことを含む。
メダル数制御基板17は、主制御基板16からコマンドを受信したとき、カウンタを用いて経過時間を測定する。主制御基板16からコマンドを受信したときから10msが経過するまでに、当該コマンドの受信が終了しない場合、メダル数制御基板17は、主制御基板16とメダル数制御基板17との間の通信においてタイムアウトエラーが発生したと判断する。図33の例では、投入コマンドは、メダル数制御基板17が受信してから10msが経過する前に受信が完了しているため、タイムアウトエラーは発生しない。
メダル数制御基板17は、投入コマンドを受信したことに応じて、応答コマンドを送信する。主制御基板16は、メダル数制御基板17からコマンドを受信したとき、カウンタを用いて経過時間を測定する。メダル数制御基板17からコマンドを受信したときから2.24msが経過するまでに、当該コマンドの受信が終了しない場合、主制御基板16は、主制御基板16とメダル数制御基板17との間の通信においてタイムアウトエラーが発生したとして判断する。図33の例では、応答コマンドは、主制御基板16が受信してから2.24msが経過する前に受信が完了しているため、タイムアウトエラーは発生しない。
また、主制御基板16は、投入コマンドなどのメダル数制御基板17からの応答コマンドが必要なコマンドを送信する場合、投入コマンドを送信する契機となった賭数設定操作がされたときからの経過時間を、カウンタを用いて測定する。
賭数設定操作などのイベントが発生したときから40msが経過するまでに、メダル数制御基板17からの応答コマンドの受信が完了しない場合、主制御基板16は、主制御基板16とメダル数制御基板17との間の通信においてタイムアウトエラーが発生したとして判断する。図33の例では、応答コマンドの受信は、賭数設定操作がされてから40msが経過する前に完了しているため、タイムアウトエラーは発生しない。
主制御基板16は、投入コマンドに対する応答コマンドを受信した後に、賭数設定操作がされたことに対応する制御を開始する。すなわち、主制御基板16は、クレジット表示器11に表示するクレジット数を減算する。
続いて、S台2のスタートスイッチ7が遊技者によって押下される。主制御基板16は、スタートスイッチ7が押下されたことに基づいて、開始時コマンドをメダル数制御基板17へ送信する。上述の通り、開始時コマンドは、メダル数制御基板17からの応答コマンドを必要としないコマンドである。そのため、メダル数制御基板17は、応答コマンドを送信しない。
最後に、遊技者によって第3停止の操作がされると、全てのリールが停止する。全リールが停止したことに基づいて、主制御基板16は、終了時コマンドをメダル数制御基板17へ送信する。この例では、終了時コマンドは応答コマンドが必要なコマンドであるにも関わらず、メダル数制御基板17は、応答コマンドを送信しない。したがって、主制御基板16は、全リールが停止してから40msが経過するまでに、応答コマンドを受信せず、タイムアウトエラーが発生したと判定する。
図34は、枠側情報コマンドの通信を説明するための図である。図34に示されるように、メダル数制御基板17は、枠側情報コマンドを300msが経過するごとに主制御基板16へ送信する。主制御基板16は、枠側情報コマンドの受信を開始してから、受信が完了するまでに、2.24ms秒を超える期間が経過した場合、タイムアウトエラーが発生したと判断する。
図35は、主制御基板16がコマンド受信をする際の処理を示すフローチャートである。図31および図32に示されるように、メダル数制御基板17は、主制御基板16へ、応答コマンドまたは枠側情報コマンドの2種類のコマンドを送信する。
図35を参照して、主制御基板16は、メダル数制御基板17からコマンドを受信する(ステップS10)。主制御基板16は、受信したコマンドが枠側情報コマンドであるか否かを判断する(ステップS11)。受信したコマンドが枠側情報コマンドである場合(ステップS11でYES)、主制御基板16は、枠側情報コマンドにエラー情報が含まれているか否かを確認する(ステップS12)。当該エラー情報とは、CU3がS台2と正常に接続されているか否かを示す情報である。枠側情報コマンドにエラー情報が含まれている場合(ステップS12でYES)、主制御基板16は、演出制御基板15に当該エラー情報を送信して、処理を終了する。これにより、演出制御基板15は、S台2にCU3が接続されていないエラーが発生していることを液晶表示器51に表示することができる。枠側情報コマンドにエラー情報が含まれていない場合(ステップS12でNO)、処理を終了する。
受信したコマンドが枠側情報コマンドでない場合(ステップS11でNO)、すなわち、受信したコマンドが応答コマンドである場合、主制御基板16は、当該応答コマンドに応じた処理を実行して、処理を終了する。
図36は、主制御基板16とメダル数制御基板17との間のシリアル通信回路について説明する図である。図36(A)に示すように、本実施の形態のS台2では、主制御基板16とメダル数制御基板17との間のシリアル通信回路67Aとシリアル通信回路67Bとが設けられている。
図36(B)は、メダル数制御基板17が主制御基板16にコマンドを送信する際の処理を示すフローチャートである。メダル数制御基板17は、主制御基板16にコマンドを送信する際に、送信するコマンドが枠側情報コマンドであるか否かを判断する(ステップS20)。送信するコマンドが枠側情報コマンドである場合、メダル数制御基板17は、シリアル通信回路67Aを介して、枠側情報コマンドを主制御基板16へ送信し(ステップS21)、処理を終了する。
送信するコマンドが枠側情報コマンドではない場合、すなわち、応答コマンドである場合、メダル数制御基板17は、シリアル通信回路67Bを介して、枠側情報コマンドを主制御基板16へ送信し(ステップS21)、処理を終了する。シリアル通信回路67Aは、枠側情報コマンドを送信するための専用回路であり、シリアル通信回路67Bは、応答コマンドを送信するための専用回路である。メダル数制御基板17は、CU3との接続状況を示す情報コマンドである枠側情報コマンドを、シリアル通信回路67Bを介して主制御基板16へ送信する。また、メダル数制御基板17は、応答コマンドを、シリアル通信回路67Aを介して主制御基板16へ送信する。
S台2ではこのような構成とすることにより、シリアル通信回路でバッファオーバーフローが生じることを防ぐことができる。具体的には、主制御基板16とメダル数制御基板17との間にシリアル通信回路が1つしか設けられていない場合、当該1つのシリアル通信回路を介して枠側情報コマンドがメダル数制御基板17から主制御基板16へ送信されている間に、応答コマンドがメダル数制御基板17から主制御基板16へ送信されることがあり得る。
枠側情報コマンドは、一定の期間ごとに送信されるコマンドであることに対して、応答コマンドは、主制御基板16からコマンドが送信されたことに応答するようにして送信されるコマンドである。そのため、シリアル通信回路は、枠側情報コマンドを処理しているときに、さらに応答コマンドが送信されてきた場合、そのバッファに応答コマンドを格納することができず、応答コマンドを主制御基板16へ送信することができない不都合が発生するおそれがある。または、シリアル通信回路は、枠側情報コマンドを処理しているときに、さらに応答コマンドが送信されてきた場合、枠側情報コマンドを送信する処理に遅延が生じてしまうおそれがある。枠側情報コマンドの送信が遅延することにより、主制御基板16は、枠側情報コマンドを一定期間ごとに受信できないことから、エラーが発生したと主制御基板16が判断してしまう不都合が発生する虞がある。
図36に示すように、S台2では、2つのシリアル通信回路67Aおよびシリアル通信回路67Bといったように複数(この例では2つ)のシリアル通信回路が設けられていることによって、上述するように、一方のシリアル通信回路67Aが枠側情報コマンドを処理しているときに、メダル数制御基板17が応答コマンドを送信した場合であっても、応答コマンドは、他方のシリアル通信回路67Bによって処理されるため、不都合が発生することを防ぐことができる。さらに、2つのシリアル通信回路のうち、一方のシリアル通信回路67Aが枠側情報コマンドの専用回路として用いられ、他方のシリアル通信回路67Bが応答コマンドの専用回路として用いられることで、主制御基板16とメダル数制御基板17との間の通信経路をコマンドの種類に応じて区別することができ、通信形態をより分かり易くすることができる。なお、S台2は、2つのシリアル通信回路を、コマンドの種類ごとに必ずしも専用にしなくてもよく、一方のシリアル通信回路が使用されている場合には、他方のシリアル通信回路が使用されるような通信形態であってもよい。
図37は、電源投入からの主制御基板16とメダル数制御基板17との間の通信の流れを示す図である。電源投入スイッチ102が押下されて、主制御基板16に電源が投入されたことに応じて、主制御基板16は、遊技機設置情報コマンドを送信する。その後、賭数設定操作がされたことに応じて、主制御基板16は、投入コマンドを送信する。投入コマンドは、応答コマンドが必要なコマンドであるため、メダル数制御基板17は、投入コマンドを受信したことに基づいて、応答コマンドを主制御基板16へ送信する。たとえば、メダル数制御基板17は、遊技メダル数に余裕がある場合は応答コマンドの3バイト目における0ビット目を「1」(受領OK)とし、通番が一致しない場合は応答コマンドの3バイト目における1ビット目を「1」(通番不一致)とし、遊技メダル数が足りない場合は応答コマンドの3バイト目における2ビット目を「1」(遊技メダル数不足)とする。
続いて、主制御基板16は、精算操作がされたことに基づいて、精算コマンドをメダル数制御基板17へ送信する。精算操作とは、賭数クリアスイッチ21が押下されたことを示す操作である。これにより、賭数をクレジット数に戻す処理が実行される。精算コマンドは、応答コマンドを必要とするコマンドであるため、メダル数制御基板17は、精算コマンドを受信したことに基づいて、応答コマンドを主制御基板16へ送信する。たとえば、メダル数制御基板17は、遊技メダル数に余裕がある場合は応答コマンドの3バイト目における0ビット目を「1」(受領OK)とし、通番が一致しない場合は応答コマンドの3バイト目における1ビット目を「1」(通番不一致)とし、遊技メダル数がオーバーフローする場合は応答コマンドの3バイト目における3ビット目を「1」(遊技メダル数オーバーフロー)とする。
図37では、再度、賭数設定操作がされ、当該賭数設定操作に基づく通信が行われる。続いて、スタートスイッチ7が押下されたことに基づいて、主制御基板16が開始時コマンドをメダル数制御基板17へ送信する。主制御基板16は、開始時コマンドを送信した後、メダル数制御基板17からの応答を待たずに、リールを駆動させる制御など、ゲームを進行させる制御を行う。メダル数制御基板17は、主制御基板16から開始時コマンドを受信すると、開始時コマンドに応じた制御として、ゲーム終了待ち状態に制御する。開始時コマンドは、応答コマンドを必要としないコマンドであるため、メダル数制御基板17は、応答コマンドを送信しない。
全リール停止したことに基づいて、主制御基板16は、終了時コマンドをメダル数制御基板17へ送信する。メダル数制御基板17は、終了時コマンドの受信に基づいて、応答コマンドを主制御基板16へ送信する。たとえば、メダル数制御基板17は、終了時コマンドが正常である場合は応答コマンドの3バイト目における0ビット目を「1」(受領OK)とし、通番が一致しない場合は応答コマンドの3バイト目における1ビット目を「1」(通番不一致)とする。続いて、主制御基板16は、役物情報コマンド、有利区間コマンド、払出パルスコマンドの順番でメダル数制御基板17へ送信する。
このように、主制御基板16は、一のゲームを開始するときは、クレジット数に影響しないため、開始時コマンドを送信した後、メダル数制御基板17からの応答を待たずに次の制御を実行し、一のゲームを終了するときは、クレジット数に影響し得るため、終了時コマンドを送信した後、メダル数制御基板17から送信された応答コマンドを受信したことを条件に次の制御を実行する。これにより、主制御基板16とメダル数制御基板17との間の遣り取りに関して改良を施すことで、主制御基板16は、メダル数制御基板17の状況を確認しながらゲームを進行させることができる。
[通番における処理の例]
上述の通り、主制御基板16とメダル数制御基板17とは、通番を用いて通信をする。すなわち、メダル数制御基板17は、主制御基板16から送信されたコマンドが正常であるか否かを判定するために、通番が一致するかを確認する処理を実行する。以下では、通番における処理の例を図38~図40を用いて説明する。図38は、通番が正常である場合の通信の一例を示す図である。
電源投入に基づいて、主制御基板16は、遊技機設置情報コマンドをメダル数制御基板17へ送信する。図8で説明した通り、遊技機設置情報コマンドに付与される通番は、「0」である。メダル数制御基板17は、遊技機設置情報コマンドが含むメインチップIDに基づいて、通番における初期値と加算値を定める。図38の例では、メダル数制御基板17は、通番における初期値を「137」とし、加算値を「13」として決定する。主制御基板16は、同様の計算方法を用いて、メインチップIDに基づいて、通番における初期値を「137」とし、加算値を「13」として決定する。
遊技機設置情報コマンドを送信した後、賭数設定操作がされ、主制御基板16は、投入コマンドを送信する。当該投入コマンドは、遊技機設置情報コマンドが送信されてから初めてメダル数制御基板17へ送信されるコマンドである。そのため、主制御基板16は、当該投入コマンドに通番として初期値である「137」を付与して送信する。メダル数制御基板17は、当該投入コマンドに対する応答コマンドを送信する。このとき、メダル数制御基板17は、通信が正常であったため、受領OKを示す応答コマンドを主制御基板16へ送信する。すなわち、メダル数制御基板17は、通番が一致するかを確認する処理によって、主制御基板16から送信された投入コマンドが正常であると判定したときに、該投入コマンドに応答して該投入コマンドが正常である旨を示す応答コマンドを主制御基板16に送信する。
続いて、スタートスイッチ7が押下されたことにより、主制御基板16は、開始時コマンドを送信する。このとき、主制御基板16は、前回送信した通番の値である「137」に加算値「13」を加えた値を付与して送信する。すなわち、主制御基板16は、開始時コマンドの通番として「150」を付与して送信する。
メダル数制御基板17は、通番が「137」である投入コマンドを受信した時点において、次に受信するコマンドの通番を加算値に基づいて「150」であることを算出する。メダル数制御基板17は、開始時コマンドを受信した際に、受信する前に算出した通番の値と、実際に受信した開始時コマンドに付与されている通番の値とが一致するかを確認する処理を実行する。メダル数制御基板17は、通番が一致するため、通信は正常であると判断する。
図39は、通番不一致エラーが発生した場合の通信の一例を示す図である。主制御基板16が賭数設定操作に対応する応答コマンドを受信するまでの処理は、図37と同一であるため、説明を繰り返さない。上述の通り、メダル数制御基板17は、投入コマンドを受信した時点において、次に受信するコマンドに付与されている通番は「150」であると算出する。
図39の例では、賭数設定操作がされた後、不正操作がされる。上述の通り、不正操作とは、たとえば、主制御基板16とメダル数制御基板17との間で送受信されるコマンドが改変される操作、または、不正者が主制御基板16またはメダル数制御基板17を制御する操作などを示す。図39では、主制御基板16が不正者によって制御されることにより、主制御基板16は、全リール停止していないにもかかわらず、終了時コマンドを送信する。すなわち、図39では、入賞が発生していないにもかかわらず、メダル数制御基板17に払出処理を実行させる目的で不正操作が行なわれる。しかしながら、不正者は、主制御基板16のメインチップIDに基づいて定められる通番の初期値および加算値、さらに、コマンドの送受信の回数を取得することができないため、次のコマンドに付与されるべき通番の値を知ることができない。そのため、図39の例では、不正者は、終了時コマンドに通番「78」を付与して送信しているが、メダル数制御基板17は、算出した通番「150」と実際に受信した通番「78」とが一致しないため、通番不一致エラーが発生したと判断し、通番不一致であることを示す応答コマンドを主制御基板16へ送信する。すなわち、メダル数制御基板17は、通番が一致するかを確認する処理によって主制御基板16から送信された終了時コマンドが正常でないと判定したときに、該終了時コマンドに応答して該終了時コマンドが正常でない旨を示す応答コマンドを主制御基板16に送信する。通番不一致であることを示す応答コマンドを受信した主制御基板16は、終了時コマンド後に行う払出制御を実行しない。これにより、不正操作がされることを防止することができる。
不正操作には、図39に示すような入賞が発生していないにもかかわらず、主制御基板16に終了時コマンドを送信させるものだけでなく、下記に示すような不正操作も含まれる。
たとえば、不正操作として、主制御基板16におけるRAM161cのBETカウンタに設定されている賭数が0にもかかわらず、主制御基板16に賭数キャンセルコマンドを送信させることが考えられる。これにより、不正者は、賭数が設定されていないにもかかわらず、メダル数制御基板17が記憶するクレジット数を増加させることができる。
また、不正操作として、主制御基板16が送信する投入コマンドに対して、メダル数制御基板17が送信する応答コマンドを改変することが考えられる。たとえば、不正者は、クレジット数が「0」であるにもかかわらず、メダル数制御基板17に、受領OKを示す応答コマンドを主制御基板16に送信させる。これにより、不正者は、クレジット数が「0」であるにもかかわらず、賭数を設定することができる。
このように、不正操作には、主制御基板16が送信するコマンドを偽造する不正操作、および、メダル数制御基板17が送信するコマンドを偽造する不正操作が考えられる。本実施の形態のS台2では、「通番」を用いることによって、上述に示した不正操作の全てを防止することができる。
続いて、通番「150」が付与された開始時コマンドがメダル数制御基板17に送信される。開始時コマンドに付与された通番「150」は、事前にメダル数制御基板17が算出した通番と一致する。一致したことにより、メダル数制御基板17は、通番不一致エラーが解消したと判断し、受領OKを示す応答コマンドを主制御基板16へ送信する。このように、S台2では、メダル数制御基板17において通番不一致エラーが解消したことを容易に判断することができる。
図38、図39に示されるように、メダル数制御基板17は、主制御基板16から送信されたコマンドを受信したときに、通番の初期値と加算値とを用いて、主制御基板16から送信されたコマンドが正常であるか否かを判定する。すなわち、メダル数制御基板17は、応答の必要なコマンドを受信した際に応答コマンドを送信し、さらに、当該応答コマンドに通信が正常であるか否かを示す情報が付与されていることにより、主制御基板16は、メダル数制御基板17の状況を確認しながらゲームを進行させることができる。
また、図39に示されるように、通番が不一致であることから不正操作がされている可能性があることを把握することができ、主制御基板16とメダル数制御基板17との間の遣り取りに関してセキュリティが高まる。
図40は、遊技メダルに関するエラーが発生した場合の通信の一例を示す図である。メダル数制御基板17が開始時コマンドを受信するまでの処理は、図37と同一であるため、説明を繰り返さない。主制御基板16は、開始時コマンドを送信した後、全リールが停止したことに基づいて、通番「163」を付与した終了時コマンドを送信する。このとき、終了時コマンドには、払出メダル数が付与されているが、クレジット数が上限値であることから、遊技メダルに関するエラーが発生する。そのため、メダル数制御基板17は、遊技メダル数オーバーフローを示す応答コマンドを主制御基板16へ送信する。これにより、主制御基板16は、払出に関する処理を実行しない。
その後、計数ボタン10が操作されたことなどに基づいて、クレジット数が減算され、メダル数制御基板17が払出メダルを許容することできる状態となる。すなわち、遊技メダルに関するエラーが解消する。その後、主制御基板16は、再度、通番「163」が付与された終了時コマンドをメダル数制御基板17へ送信する。これに対して、メダル数制御基板17は、遊技メダルに関するエラーが発生しないことから、受領OKを示す応答コマンドを送信する。
[遊技機設置情報コマンドの送受信前における通信]
図41は、遊技機設置情報コマンドの送受信前における通信が発生した例を示す図である。図8で説明したように、主制御基板16は、電源投入後に、遊技機設置情報コマンドをメダル数制御基板17へ送信する。
図41の例では、主制御基板16は、電源投入後であって、遊技機設置情報コマンドを送信する前に、終了時コマンドをメダル数制御基板17へ送信する。メダル数制御基板17は、遊技機設置情報コマンドを受信する前に、コマンドを主制御基板16から受信した場合、当該コマンドの種類、付与された通番に関わらず当該コマンドを破棄する。すなわち、メダル数制御基板17は、少なくとも遊技機設置情報コマンドを受信するまでは、主制御基板16から該遊技機設置情報コマンド以外のコマンドに応じた処理を実行しない。
これにより、メダル数制御基板17は、遊技機設置情報コマンドに基づき主制御基板16との間で通信が確立していない状態で、主制御基板16との間で遣り取りを行わないため、主制御基板16とメダル数制御基板17との間の遣り取りに関してセキュリティを高めることができる。すなわち、遊技機設置情報コマンドを受信する前に行われる不正操作を防止することができる。
図41の例では、終了時コマンドが破棄された後に、電源投入に応じて、遊技機設置情報コマンドAがメダル数制御基板17に送信される。メダル数制御基板17は、遊技機設置情報コマンドAを受信したことに基づいて、通番における初期値と加算値とを決定する。
続いて、図41では、メダル数制御基板17は、主制御基板16から、遊技機設置情報コマンドBを受信する。このとき、メダル数制御基板17は、既に遊技機設置情報コマンドAを受信していることから、遊技機設置情報コマンドBに基づいて通番の初期値と加算値を更新しない。すなわち、メダル数制御基板17は、遊技機設置情報コマンドを受信した後、主制御基板16から再び遊技機設置情報コマンドが送信されても、遊技機設置情報コマンドに応じた処理を実行しない。
これにより、メダル数制御基板17は、たとえば、メダル数制御基板17に接続された主制御基板16以外の不正基板などによる主制御基板16のなりすましを防止することができる。すなわち、通番の初期値と加算値とが不正に書き換えられることを防止することができる。
[電源投入におけるタイムアウト]
図42は、電源投入におけるタイムアウトの例を示す図である。主制御基板16は、電源投入に基づいて、遊技機設置情報コマンドを送信する。主制御基板16は、電源投入されたときからの経過時間を、カウンタを用いて測定する。
主制御基板16の電源投入されたときから5000msが経過するまでに、主制御基板16が遊技機設置情報コマンドの送信を完了しない場合、主制御基板16は、主制御基板16とメダル数制御基板17との間の通信にいてエラーが発生したとして判断する。すなわち、メダル数制御基板17は、S台2の電源が投入された後、5000ms以内に遊技機設置情報コマンドを受信することができなかったときに、異常状態に制御する。図42の例では、主制御基板16の電源投入されたときから5000msが経過するまでに、遊技機設置情報コマンドが送信されていないため、メダル数制御基板17は、通信エラーが発生したと判断する。メダル数制御基板17は、通信エラーが発生した旨を、CU3が有する表示器312に表示させる。
これにより、メダル数制御基板17は、S台2の電源が投入された後、遊技機設置情報コマンドに基づきメダル数制御基板17との間で通信を確立することができなかった場合に、通信異常である旨を外部に知らせることができる。
メダル数制御基板17は、CU制御基板32と接続されている。主制御基板16において、通信エラーが発生している場合であっても、メダル数制御基板17は、CU制御基板32との間で通信をすることができる。
主制御基板16において発生した当該通信エラーは、電源を再投入し、遊技機設置情報コマンドが主制御基板16の電源投入されたときから5000msが経過するまでに正常に送信され、メダル数制御基板17から受領OKを示す応答コマンドが送信されることにより解消する。
[賭数設定操作と精算操作について]
図43は、賭数設定操作と精算操作について説明する図である。上述のように、主制御基板16は、1BETスイッチ20またはMAXBETスイッチ6が押下される賭数設定操作がされることに基づいて、図14に示す投入コマンドをメダル数制御基板17へ送信する。また、主制御基板16は、賭数クリアスイッチ21が押下される精算操作がされることに基づいて、図15に示す精算コマンドをメダル数制御基板17へ送信する。
図43に示されるように、主制御基板16は、賭数設定操作がされたことに基づいて、投入コマンドをメダル数制御基板17へ送信する。投入コマンドは、図14に示すように投入メダル数を含むコマンドである。メダル数制御基板17は、受信した投入コマンドに含まれる投入メダル数を読み取り、賭数設定処理を行う。具体的には、メダル数制御基板17が管理するクレジット数から投入メダル数を減算し、賭数に投入メダル数を加算する。たとえば、賭数設定処理が実行される前の賭数が0枚であり、賭数設定操作としてMAXBETスイッチ6が押下された場合、メダル数制御基板17は、クレジット数から3枚を減算し、賭数に3枚を加算する。メダル数制御基板17は、投入コマンドを受信したことに基づいて、応答コマンドを主制御基板16へ送信する。
続いて、主制御基板16は、精算操作がされたことに基づいて、精算コマンドをメダル数制御基板17へ送信する。精算コマンドは、図14に示すように精算メダル数を含むコマンドである。メダル数制御基板17は、受信した精算コマンドが含む精算メダル数を読み取り、賭数キャンセル処理を行う。具体的には、メダル数制御基板17が管理する賭数から精算メダル数を減算し、クレジット数に精算メダル数を加算する。たとえば、賭数キャンセル処理が実行される前の賭数が3枚であり、賭数クリアスイッチ21が押下された場合、メダル数制御基板17は、賭数から3枚を減算し、クレジット数に3枚を加算する。メダル数制御基板17は、精算コマンドを受信したことに基づいて、応答コマンドを主制御基板16へ送信する。
ここで、メダル数制御基板17は、投入コマンドおよび精算コマンドに対して、図31に示す共通の応答コマンドを送信する。すなわち、メダル数制御基板17は、投入コマンドを受信したときと、精算コマンドを受信したときとで、共通の応答コマンドを主制御基板16に送信する。具体的には、メダル数制御基板17は、投入コマンドを受信したときと、精算コマンドを受信したときとのいずれにおいても、図31に示したような応答コマンドを主制御基板16に送信する。ここで、メダル数制御基板17では、投入コマンドを受信した場合、クレジット数(遊技メダル数)を加算する処理を実行することはないため、遊技メダル数オーバーフローは生じ得ない。したがって、メダル数制御基板17では、投入コマンドに対する応答コマンドの3バイト目の3ビット目に「1」を格納して送信することはない。
また、メダル数制御基板17では、精算コマンドを受信した場合、クレジット数を減算する処理を実行することはないため、遊技メダル数不足は生じ得ない。したがって、メダル数制御基板17では、投入コマンドに対する応答コマンドの3バイト目の2ビット目に「1」を格納して送信することはない。
このように、メダル数制御基板17は、投入コマンドを受信したときと、精算コマンドを受信したときとで、3バイト目に格納されるデータを使い分けることで、遊技メダル数不足や遊技メダル数オーバーフローを主制御基板16に通知する。これにより、メダル数制御基板17は、賭数設定操作が行われたときと、賭数キャンセル操作が行われたときとで、応答コマンドを共通化することができるため、処理負担を軽減することができる。
図44は、賭数設定操作後、応答コマンドを受信する前に新たに賭数設定操作がされた例を示す図である。図44に示されるように、主制御基板16は、賭数設定操作Aに基づいて投入コマンドを送信する。主制御基板16は、タイムアウトエラーが発生しないように、投入コマンドを送信開始から40msが経過する前に送信を完了するように制御する。メダル数制御基板17は、投入コマンドを受信したことに応じて、応答コマンドを送信する。
図44の例では、賭数設定操作Aを受け付けてから、賭数設定操作Aに基づく投入コマンドに対する応答コマンドを受信する前に、新たに賭数設定操作Bがなされる。主制御基板16は、賭数設定操作Bを受け付けない。すなわち、主制御基板16は、投入コマンドをメダル数制御基板17に送信した後、メダル数制御基板17から応答コマンドを受信するまでは、新たな賭数設定操作を受け付けない。これにより、メダル数制御基板17において賭数設定操作Aに応じた処理が確定していない状況で新たな賭数設定操作Bが受け付けられることを防止することができる。
図45は、精算操作後、応答コマンドを受信する前に新たに精算操作がされた例を示す図である。図45に示されるように、主制御基板16は、精算操作Aに基づいて精算コマンドを送信する。主制御基板16は、タイムアウトエラーが発生しないように、精算コマンドを送信開始から40msが経過する前に送信を完了するように制御する。メダル数制御基板17は、精算コマンドを受信したことに応じて、応答コマンドを送信する。
図45の例では、精算操作Aを受け付けてから、精算操作Aに基づく投入コマンドに対する応答コマンドを受信する前に、新たに精算操作Bがなされる。主制御基板16は、精算操作Bを受け付けない。すなわち、主制御基板16は、精算コマンドをメダル数制御基板17に送信した後、メダル数制御基板17から応答コマンドを受信するまでは、新たな精算操作を受け付けない。これにより、メダル数制御基板17において精算操作Aに応じた処理が確定していない状況で新たな精算操作Bが受け付けられることを防止することができる。
図46は、賭数設定操作後、応答コマンドを受信する前に新たに精算操作がされた例を示す図である。図46に示されるように、主制御基板16は、賭数設定操作に基づいて投入コマンドを送信する。メダル数制御基板17は、投入コマンドを受信したことに応じて、応答コマンドを送信する。
図46の例では、賭数設定操作を受け付けてから、当該賭数設定操作に基づく投入コマンドに対する応答コマンドを受信する前に、新たに精算操作がなされる。主制御基板16は、当該精算操作を受け付けない。すなわち、主制御基板16は、投入コマンドをメダル数制御基板17に送信した後、メダル数制御基板17から応答コマンドを受信するまでは、新たな精算操作を受け付けない。これにより、メダル数制御基板17において賭数設定操作に応じた処理が確定していない状況で新たな精算操作が受け付けられることを防止することができる。
図47は、精算操作後、応答コマンドを受信する前に新たに賭数設定操作がされた例を示す図である。図47に示されるように、主制御基板16は、精算操作に基づいて投入コマンドを送信する。メダル数制御基板17は、投入コマンドを受信したことに応じて、応答コマンドを送信する。
図47の例では、精算操作を受け付けてから、当該精算操作に基づく精算コマンドに対する応答コマンドを受信する前に、新たに賭数設定操作がなされる。主制御基板16は、当該賭数設定操作を受け付けない。すなわち、主制御基板16は、精算コマンドをメダル数制御基板17に送信した後、メダル数制御基板17から応答コマンドを受信するまでは、新たな賭数設定操作を受け付けない。これにより、メダル数制御基板17において精算操作に応じた処理が確定していない状況で新たな賭数設定操作が受け付けられることを防止することができる。
[賭数設定操作と通番]
図48は、賭数設定操作における通番エラーを説明する図である。図48に示されるように、メダル数制御基板17は、遊技機設置情報コマンドを受信したことに基づいて、通番の初期値を「137」に決定する。
その後、S台2では、賭数設定操作がなされる。主制御基板16は、賭数設定操作に基づいて、投入コマンドを送信する。当該投入コマンドには、通番として「78」が付与されている。すなわち、当該投入コマンドに付与された通番は、通番の初期値と一致しない。そのため、メダル数制御基板17は、通番不一致を示す応答コマンドを主制御基板16へ送信する。主制御基板16は、通番不一致を示す応答コマンドを受信したときから、新たな賭数設定操作を受け付けない。すなわち、主制御基板16は、正常でない旨を示す応答コマンドを受信した場合、賭数設定操作の受付を再開しない。
図49は、精算操作における通番エラーを説明する図である。図49に示されるように、メダル数制御基板17は、遊技機設置情報コマンドを受信したことに基づいて、通番の初期値を「137」に決定する。
その後、S台2では、賭数設定操作がなされる。主制御基板16は、賭数設定操作に基づいて、投入コマンドを送信する。当該投入コマンドには、通番として「137」が付与されている。すなわち、当該投入コマンドに付与された通番は、通番の初期値と一致する。そのため、メダル数制御基板17は、受領OKを示す応答コマンドを主制御基板16へ送信する。主制御基板16は、受領OKを示す応答コマンドを受信したことに基づいて、賭数設定操作を受け付け、次の制御をする。
続いて、図49では、精算操作がなされる。主制御基板16は、精算操作に基づいて、精算コマンドを送信する。当該精算コマンドには、通番として「78」が付与されている。すなわち、当該精算コマンドに付与された通番は、メダル数制御基板17が算出する通番と一致しない。そのため、メダル数制御基板17は、通番不一致を示す応答コマンドを主制御基板16へ送信する。主制御基板16は、通番不一致を示す応答コマンドを受信したことに基づいて、新たな精算操作を受け付けない。すなわち、主制御基板16は、正常でない旨を示す応答コマンドを受信した場合、精算操作の受付を再開しない。
図48および図49を参照して、主制御基板16は、メダル数制御基板17において賭数設定操作または精算操作に応じた処理が確定していない状況で新たな賭数設定操作または賭数キャンセル操作が受け付けられることを防止することができる。
[枠側情報の確認処理]
図50は、枠側情報の確認処理を説明する図である。図34で説明したように、メダル数制御基板17は、一定期間ごとに主制御基板16へ、図32に示す枠側情報コマンドを送信する。図32に示される枠側情報コマンドが含むシステム情報には、メダル数制御基板17とCU制御基板32とが正常に接続されているか否かを示す接続状況を示す情報が含まれている。
図50の例では、メダル数制御基板17とCU制御基板32との接続が切断される。切断された後、メダル数制御基板17は、接続異常を示す枠側情報コマンドを主制御基板16へ送信する。主制御基板16が接続異常を示す枠側情報コマンドを受信した後、スタートスイッチ7が押下される。このとき、主制御基板16は、開始時コマンドを送信しない。
一方で、図50に示されるように、主制御基板16が接続異常を示す枠側情報コマンドを受信した後であっても、賭数設定操作および精算操作がされた場合、主制御基板16は、投入コマンドおよび精算コマンドを送信する。すなわち、主制御基板16は、一のゲームの開始するための賭数を設定するための賭数設定操作を受け付けたときに、メダル数制御基板17とCU3との接続が正常であるか否かに関わらず、投入コマンドをメダル数制御基板17に送信する。また、主制御基板16は、一のゲームの開始するための賭数をキャンセルするための精算操作を受け付けたときに、メダル数制御基板17とCU3との接続が正常であるか否かに関わらず、精算コマンドをメダル数制御基板17に送信する。さらに、主制御基板16は、メダル数制御基板17とCU制御基板32との接続が回復し、接続正常を示す枠側情報コマンドを受信した後には、開始時コマンドを送信する。すなわち、主制御基板16は、一のゲームの開始時に枠側情報コマンドに基づいて、メダル数制御基板17とCU3との接続状況を確認するとともに、メダル数制御基板17とCU3との接続が正常であるときに該一のゲームを開始する。また、主制御基板16は、開始時コマンドを送信した後はメダル数制御基板17からの応答を待たずに次の制御を行う。次の制御とは、ゲームを開始するためのリールの駆動制御などである。
これにより、主制御基板16は、メダル数制御基板17とCU3との接続が正常であることを条件に一のゲームを開始するため、メダル数制御基板17の状況を確認しながらゲームを進行させることができる。さらに、主制御基板16は、一のゲームを開始するときは、遊技価値に影響しないため、開始時コマンドを送信した後、メダル数制御基板17からの応答を待たずに次の制御を実行することができる。
また、主制御基板16は、メダル数制御基板17とCU3との接続が正常であるか否かに関わらず、賭数設定操作に応じて投入コマンドを送信することができ、精算操作に応じて精算コマンドを送信することができる。
[払出数の表示について]
図51は、払出枚数の表示制御を説明する図である。全リール停止した後、主制御基板16は、終了時コマンドをメダル数制御基板17へ送信する。図51に示す終了時コマンドは、少なくとも1枚以上の払出メダルを伴うコマンドである。メダル数制御基板17は、終了時コマンドを受信したことに基づいて、応答コマンドを送信する。また、メダル数制御基板17は、終了時コマンドが示す払出メダル数に応じて、クレジット数の加算、クレジット表示器11の更新などを行う。主制御基板16は、応答コマンドを受信した後に、遊技補助表示器12へ払出枚数を表示する。すなわち、主制御基板16は、終了時コマンドを送信した後、応答コマンドを受信したことを条件に、払出メダル数を遊技補助表示器12に表示させる。これにより、主制御基板16は、メダル数制御基板17の状況を確認しながら払出枚数を遊技補助表示器12に表示させることができる。
主制御基板16は、応答コマンドを送信した後に、役物情報コマンド、有利区間コマンド、払出パルスコマンドを送信する。すなわち、主制御基板16は、終了時コマンドを送信した後、応答コマンドを受信したことを条件に、特別役が入賞した状態に制御されているか否かを特定可能な役物情報コマンド、有利区間コマンドをメダル数制御基板17に送信する。これにより、主制御基板16は、メダル数制御基板17の状況を確認しながら有利区間などに制御されているか否かをメダル数制御基板17に知らせることができるため、メダル数制御基板17の状況を確認しながら有利区間などにおいて付与された払出枚数が占める割合をメダル数制御基板17に出力させることができる。
[役比モニタについて]
図52は、役比モニタ89を示す図である。図52(a)は、消灯時の役比モニタ89を示す図である。図52(a)に示すように、役比モニタ89は、第1セグメントA、第2セグメントB、第3セグメントC、第4セグメントD、第5セグメントE、第6セグメントF、第7セグメントG、第8セグメントDPをそれぞれ点灯/消灯可能な5つの役比情報表示器50a,50b,50c,50d,50eからなり、メダル数制御基板17は、役比情報表示器50a,50b,50c,50d,50eそれぞれに対して表示データを設定することで、第1~第8セグメントA~DPを点灯または消灯させることにより種々の情報を表示可能な表示器である。
図53は、役比モニタ89の表示例を示す図である。メダル数制御基板17は、役比モニタ89に、(1)総累計払出枚数に対する指示込役物払出比率、(2)過去6000ゲーム間の連続役物払出比率、(3)過去6000ゲーム間の役物払出比率、(4)総累計払出枚数に対する連続役物払出比率、(5)総累計払出枚数に対する役物払出比率、(6)総累計払出枚数に対する役物等状態比率を、(1)~(6)の順番で表示させる。以下では、(1)~(6)で示される情報を、表示内容と称する場合がある。
役物払出比率とは、所定の期間の払出枚数に対して特別役(BB)に入賞したときの役物払出数の割合を示す。連続役物比率とは、所定の期間の払出枚数に対して特別役(RB)に入賞したときの役物払出数の割合を示す。また、指示込役物払出比率とは、指示(ナビ)発生時の払出数を役物払出数に含めたときの、所定の期間の払出枚数に対する役物払出数の割合を示す。すなわち、メダルの総累計払出枚数に対して、ナビ報知が行われたときに払い出されたメダルの枚数とBBやRBで払い出されたメダルの枚数との累計枚数の割合である。役物等状態比率とは、所定の期間の遊技回数に対して、特別役(BB、RB、CB、およびSB)に入賞したときの遊技回数の割合を示す。すなわち、役比モニタ89は、付与済みの全ての払出メダル数のうち、特別役に入賞した状態において付与された払出メダル数が占める割合を出力する。役比モニタ89に表示される表示内容は、メダル数制御基板17によって、算出される。
メダル数制御部171は、図53および上述に示す(1)~(6)の表示順にて表示内容を所定期間毎に切り替えて表示させる際に、各表示が一巡し終えるまでの一の期間内において、ゲームが進行されて、これらの値が新たな値に更新され得る場合であっても、新たな値に更新することを制限して、元の値を用いて表示を一巡させる。
詳しくは、これらの表示が一巡し終えるまでの一の期間内において、ゲームが進行されて、これらの値が新たな値に更新され得る場合には、新たな値を演算してRAM171cに記憶させるが、役比モニタ89に表示内容を表示させるための出力バッファに当該新たな値を設定することなく、元の値を設定することで、役比モニタ89における表示を出力バッファに設定された元の値を用いて一巡させ、一巡の表示が終了したときから、新たな値を出力バッファに設定することで、その後、新たな値で表示を行うようにしてもよい。また、これらの表示が一巡し終えるまでの一の期間内において、これらの値が新たな値に更新され得る場合には、新たな値を求めるための演算を行うことを制限して、役比モニタ89における表示を一巡させ、一巡の表示が終了した際に、新たな値を求めるための演算を行い、その後、当該新たな値を用いて役比モニタ89における表示を行うようにしてもよい。このようにすることで、役比モニタ89における表示内容が一巡するまでの期間において、異なる時期に演算された値が混在してしまうことを防止できる。
また、メダル数制御基板17は、過去6000ゲーム間の連続役物払出比率、総累計払出枚数に対する連続役物払出比率が規定割合(たとえば、60%)を超える場合には、通常と異なる表示態様(たとえば、通常が常時点灯であれば、役比モニタ89の上位2桁の点滅点灯など)にて連続役物払出比率を表示する。また、メダル数制御基板17は、過去6000ゲーム間の役物払出比率、総累計払出枚数に対する役物払出比率が規定割合(たとえば、70%)を超える場合には、通常と異なる表示態様(たとえば、通常が常時点灯であれば、役比モニタ89の上位2桁の点滅点灯など)にて役物払出比率を表示する。
このように連続役物払出比率、役物払出比率が規定割合を超えると、通常と異なる表示態様にて表示されるようになっており、射幸性が高い状態に制御されている可能性があることを警告できるようになっている。
また、メダル数制御基板17は、過去6000ゲーム間の連続役物払出比率、役物払出比率を役比モニタ89に表示させる場合において、電源投入から過去の総ゲーム数が6000ゲームに到達していない状態であるときには、たとえば、役比モニタ89の全ての桁の表示を点滅させるなど、通常とは異なる表示態様に制御することで、集計が6000ゲームに到達していないことが認識できるようになっている。すなわち、メダル数制御基板17は、役比モニタ89に表示させる表示内容を算出する処理において、当該処理に用いられるデータの蓄積開始から6000ゲームが消化される期間を経過していないときに、役比モニタ89の全ての桁を点滅させる。なお、メダル数制御基板17は、役比モニタ89に表示させる表示内容を算出する処理において、当該処理に用いられるデータの蓄積開始から6000ゲームが消化される期間を経過していないときに、役比モニタ89の一部の桁を点滅させてもよい。これにより、表示されている割合、比率に偏りが生じている可能性が認識できるようになっており、メダル数制御基板17は、連続役物払出比率、役物払出比率を役比モニタ89に表示させるにあたって、データ不足のおそれがあることを外部に知らせることができる。
なお、メダル数制御基板17は、6000ゲームに到達していない状態では、役比モニタ89の下位2桁に「00」を表示し、6000ゲームに到達した以降の状態では、役比モニタ89の下位2桁に表示すべき割合、比率を表示してもよい。すなわち、6000ゲームに到達していない状態では、役比モニタ89の下位2桁の表示態様を、6000ゲーム以降の表示態様とは異なる表示態様とする構成とすることが好ましい。このような構成とすることで、6000ゲームに到達していない状態では、役比モニタ89の上位2桁の表示(たとえば、「1C」)により特定される連続役物払出比率などの集計が6000ゲームに到達していないことが認識でき、表示されている割合、比率に偏りが生じている可能性が認識できる。また、6000ゲームに到達していない状態では、役比モニタ89の下位2桁に「00」を表示する構成とすることで、6000ゲームに到達していない状態では、常に役比モニタ89の下位2桁にデータが表示されることとなり、たとえば、下位2桁の役比モニタ89の一方にデータが表示されない場合に、役比モニタ89の異常を認識させることができる。
また、メダル数制御基板17は、総累計払出枚数に対する連続役物払出比率を役比モニタ89に表示させる場合において、過去のゲーム数が概ねスロットマシンの設計値に連続役物払出比率が収束する規定ゲーム数(たとえば、175000ゲーム)に到達していない状態であるときには、たとえば、役比モニタ89の上位2桁の表示を点滅させるなど、通常とは異なる表示態様に制御することで、連続役物払出比率が概ねスロットマシンの設計値に収束する規定ゲーム数に到達していないことが認識できるようになっており、表示されている割合、比率に偏りが生じている可能性が認識できるようになっている。
また、メダル数制御基板17は、総累計払出枚数に対する役物払出比率を役比モニタ89に表示させる場合において、過去のゲーム数が概ねスロットマシンの設計値に役物払出比率が収束する規定ゲーム数(たとえば、175000ゲーム)に到達していない状態であるときには、たとえば、役比モニタ89の上位2桁の表示を点滅させるなど、通常とは異なる表示態様に制御することで、役物払出比率が概ねスロットマシンの設計値に収束する規定ゲーム数に到達していないことが認識できるようになっており、表示されている割合、比率に偏りが生じている可能性が認識できるようになっている。
また、メダル数制御基板17は、総累計払出枚数に対する指示込役物払出比率を役比モニタ89に表示させる場合において、過去のゲーム数が概ねスロットマシンの設計値に指示込役物払出比率が収束する規定ゲーム数(たとえば、175000ゲーム)に到達していない状態であるときには、たとえば、役比モニタ89の上位2桁の表示を点滅させるなど、通常とは異なる表示態様に制御することで、指示込役物払出比率が概ねスロットマシンの設計値に収束する規定ゲーム数に到達していないことが認識できるようになっており、表示されている割合、比率に偏りが生じている可能性が認識できるようになっている。
また、メダル数制御基板17は、過去6000ゲーム間の連続役物払出比率、役物払出比率、を算出するために用いるデータが正常か否かを判定し、異常と判定された場合(格納された値がある一定のデータ形式(01繰り返しなど)である場合など)には、異常と判定されたデータおよび当該データに関連するデータを初期化し、役比モニタ89に異常が検知された旨の表示(たとえば、「FFFF」)をさせて、その旨を報知するようになっており、これらのデータの算出が正常に行われていないことを認識できるようになっている。
なお、異常と判定されたデータおよび当該データに関連するデータを初期化する際には、たとえば、過去6000ゲーム間の連続役物払出比率または役物払出比率のうちのいずれか1つが異常と判定された場合には、これら全てに関するデータを初期化するようにしてもよいし、一部のデータのみを初期化するようにしてもよい。
また、過去6000ゲーム間または総累計払出枚数に対する連続役物払出比率、役物払出比率、総累計払出枚数に対する指示込役物払出比率を算出するために用いるデータが正常か否かを判定し、異常と判定された場合には、その旨を報知し、その後、所定の操作(たとえば、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8R、設定キースイッチ37などのスイッチ類が所定の手順で操作されること)されることで、当該データに関する初期化を行うようにしてもよい。
また、異常が判定された旨の報知では、前述のように、役比モニタ89に異常が検知された旨の表示(たとえば、「FFFF」)をさせて、その旨を報知してもよいし、異常が判定された際に、その旨を特定可能なコマンドを演出制御部151に対して送信し、演出制御部151側において液晶表示器51などにより異常が判定された旨を報知させるようにしてもよい。
なお、本実施の形態では、電源投入後、電力供給が停止するまでの期間において、総累計払出枚数に対する指示込役物払出比率、過去6000ゲーム間の連続役物払出比率、過去6000ゲーム間の役物払出比率、総累計払出枚数に対する連続役物払出比率、総累計払出枚数に対する役物払出比率、総累計払出枚数に対する役物等状態比率が所定期間毎に切り替えて表示されるようになっているが、前面扉1bの開放状態が検出されている場合のみ表示されるようにしたり、所定の操作スイッチ(たとえばリセット/設定スイッチ38)の操作が検出されている場合のみ表示されるようにしたり、ゲーム中でないときに表示されるようにしたり、設定変更状態や設定確認中に表示されるようにしたり、電源投入後から所定期間のみ表示されるようにしたりしてもよい。また、所定期間毎に自動で切り替わるのではなく、所定の操作がされる毎に表示内容が切り替わるようにしてもよい。
また、本実施の形態では、役比モニタ89の表示内容を算出するために用いるデータ異常が判定されたことや表示内容を算出するためのデータが不十分な期間であることが役比モニタ89を用いて報知される構成であるが、その旨を特定可能なコマンドを演出制御部151に送信し、演出制御部151が制御する液晶表示器51や演出装置にて確認できるようにしてもよい。
また、本実施の形態では、総累計払出枚数に対する指示込役物払出比率、過去6000ゲーム間の連続役物払出比率、過去6000ゲーム間の役物払出比率、総累計払出枚数に対する連続役物払出比率、総累計払出枚数に対する役物払出比率、総累計払出枚数に対する役物等状態比率が、役比モニタ89に表示される構成であるが、これらの表示に加えて設定変更によってRAM171cが初期化されたこと、S台2に設けられた配線(バックアップ電源の配線など)の断線検出があったときなどに、その旨が認識可能となる内容が役比モニタ89に表示されるようにしてもよい。
特に、ボーナス中、有利区間中やボーナスの持越中に設定変更がされてボーナスや有利区間が強制的に終了されたり、持越中のボーナスがクリアされた場合、ボーナスの持越中のままゲームが規定数以上行われたり、故意に有利区間を終了させる操作が行われたりしたこと、すなわち故意に遊技者にとって相対的に有利な遊技状態から不利な遊技状態に移行された場合、および役比モニタ89に断線などが生じたことにより正常に接続されていない可能性を検出した場合などには、その旨を特定可能に報知する。このようにすることで、役物払出比率、連続役物払出比率、指示込役物払出比率などとして正しい情報が表示されないように不正に操作された可能性があることを認識することができる。
また、総累計ゲーム数や総累計払出枚数などのオーバーフローを回避するために、当該総累計データなどを初期化する構成においては、その旨を特定可能に、前述した役物払出比率、連続役物払出比率、指示込役物払出比率などとして正しい情報が表示されないように不正に操作された可能性がある場合とは異なる態様で、報知することが好ましい。このようにすることで、オーバーフローを回避する処理より総累計ゲーム数や総累計払出枚数などが初期化されたことを、役物払出比率などとして正しい情報が表示されないようにするための不正な操作による初期化とは、別に認識させることができる。
なお、前述のように役物払出比率、連続役物払出比率、指示込役物払出比率などとして正しい情報が表示されないように不正に操作された可能性がある場合には、その旨を検出して当該検出の履歴をメダル数制御基板17側で記録し、当該検出時には報知することなく、その後、所定の操作が行われることで、これらの履歴を、メダル数制御基板17側に設けられた表示器(たとえば、役比モニタ89など)や演出制御部151側に設けられた表示器(たとえば、液晶表示器51など)、S台2の外部の表示器(たとえば、表示器312)などにより確認できるようにしてもよい。
また、設定変更がされたこと、断線検出がされたこと、役比モニタ89の接続不良が発生して役物払出比率、連続役物払出比率、指示込役物払出比率などとして正しい情報が表示されない可能性があること、前述のように役物払出比率、連続役物払出比率、指示込役物払出比率などとして正しい情報が表示されないように不正に操作された可能性があることを演出制御部151が制御する表示器や演出装置にて確認できるようにしてもよい。また、ボーナス中、有利区間中やボーナスの持越中に設定変更がされてボーナスや有利区間が強制的に終了されたり、持越中のボーナスがクリアされたりして、役物払出比率、連続役物払出比率、指示込役物払出比率などとして正しい情報が表示されないように不正に操作された可能性があることが検出されたことの履歴を演出制御部151側で記録し、所定の操作でこれらの履歴を確認できるようにしてもよい。
なお、各比率表示は、役比モニタ89ばかりでなく、クレジット表示器11に表示される構成であっても良く、クレジット表示器11は、遊技の進行に応じた情報が表示される表示器であり、比率表示を常時表示させることができないため、遊技が行われていない状況下で遊技店の店員などにより所定の操作が行われたことにより比率表示を表示させ、クレジット表示器11に比率表示を表示させた状態で、前面扉1bの閉鎖、S台2への賭数設定操作、エラーの発生、設定キースイッチ37の操作、賭数クリアスイッチ21の操作、S台2への電力供給の停止のいずれかが検出されると、比率表示を表示させる前に表示されていた元の表示内容へ切り替えて比率表示を終了させることが好ましい。
[役比情報の初期化処理]
図54は、役比情報の初期化処理を説明するための図である。図54に示されるように、電源投入後、主制御基板16は、遊技機設置情報コマンドAをメダル数制御基板17へ送信する。その後、遊技が繰り返され、主制御基板16は、有利区間コマンドおよび払出パルスコマンドをメダル数制御基板17へ送信する。
メダル数制御基板17は、払出パルスコマンドを受信したことに基づいて、役比情報をバックアップメモリ294に記憶させるバックアップ処理を実行する。役比情報とは、役比モニタ89に表示するデータを算出するために使用されるデータであり、役物情報コマンド、有利区間コマンド、払出パルスコマンドに含まれる。メダル数制御基板17は、役比情報を含むコマンドを受信する度に、当該役比情報をバックアップメモリ294に記憶させてもよい。
図54の例では、バックアップ処理が実行された後に、主制御基板16に対して不正操作がなされる。上述の通り、「不正操作」とは、主制御基板16とメダル数制御基板17との間で遣り取りされるコマンドが改変される操作または主制御基板16またはメダル数制御基板17を不正に制御する操作などを示す。図39の例では、不正操作がされたことにより、主制御基板16が不正に接続された装置によって制御され、主制御基板16は、遊技機設置情報コマンドBをメダル数制御基板17へ送信する。このとき、メダル数制御基板17は、再び、遊技機設置情報コマンドを受信したことに基づいて、バックアップメモリ294に記憶させていた役比情報を初期化するバックアップ初期化を実行する。すなわち、メダル数制御基板17は、遊技機設置情報コマンドから特定したメインチップIDが、前回受信した遊技機設置情報コマンドから特定したメインチップIDと異なっている場合に、役比モニタ89の表示に用いられるデータを初期化する。
これにより、メダル数制御基板17は、主制御基板16が有するメインチップIDに基づき、主制御基板16が正当なものでない場合は役比情報の表示に用いられるデータを初期化するため、各スロットマシンに対応した正常な役比が出力されることを担保することができる。
[主制御基板16の起動時の処理と初期設定処理について]
図55は、主制御基板16が行う起動時の処理と初期設定処理を説明する図である。起動時の処理、初期設定処理は、遊技プログラムに含まれる。
主制御基板16は、S台2への電力供給が開始された際に、リセットの発生によりタイマ割込みが禁止に設定された状態で起動し、主制御基板16が備えるROMに格納されているプログラムに従って各種処理を行う。起動した後は、まず、遊技プログラムに含まれる起動時設定処理を行って、すべての出力ポート0~9を初期化し、主制御基板16が備える内部レジスタをROMの所定領域に予め設定されている内蔵レジスタ初期化テーブルに基づいて初期化した、遊技プログラムに含まれる初期設定処理を行う。
初期設定処理はタイマ割込みが禁止された状態で開始され、図55に示すように、初期設定処理では、まず、入力ポートの所定領域を参照して(Sa1)、電断検出回路から出力される電断検出信号がON状態であるか否かを判定する(Sa2)。そして、電断検出信号がON状態である場合には、電断検出信号がOFF状態となるまで待機する。その後、S台2の電源電圧が正常となり、電断検出信号がOFF状態となった後は、RAM161cの所定領域のパリティを算出し(Sa3)、スタックポインタに予め定められた初期アドレスを設定する(Sa4)。そして、Sa3のステップにおいて算出したパリティが正常であるか否かを判定し(Sa5)、パリティが正常ある場合には、電断時にRAM161cの所定領域に設定されたRAM破壊診断用固定データを取得して(Sa6)、当該RAM破壊診断用固定データに基づきRAM161cの記憶内容が破壊されていないか否かを診断する(Sa7)。
Sa5のステップにおいてパリティが正常であると判定した場合、およびSa7のステップにおいてRAM161cの記憶内容を診断した場合は、Sa3のステップにおいて算出したRAMのパリティとSa7における診断の結果に基づいて、RAM161cに異常があるか否かを判定する(Sa8)。なお、RAM161cに異常がある場合とは、パリティが正常でない場合、またはパリティが正常であるが記憶内容に異常があると診断した場合である。
そして、RAM161cに異常がある場合には、主制御基板16が備えるレジスタのうち演算結果が格納されるフラグレジスタの値を、遊技RAM領域の遊技スタック領域に所定の順序で記憶させることで退避させた後(Sa9)、非遊技プログラムに含まれる非遊技RAM領域初期化処理を呼び出して行う(Sa10)。そして、非遊技RAM領域初期化処理において、RAM161cの非遊技RAM領域を初期化した後、初期設定処理に戻る。そして、初期設定処理に戻った際には、Sa9のステップにおいて遊技スタック領域に退避させたフラグレジスタの値を、退避させるときと逆の順序で遊技スタック領域から順次読み出してフラグレジスタに設定することで、RAM領域初期化処理を行う前の状態にフラグレジスタを復帰させる(Sa11)。
非遊技RAM領域初期化処理では、まず、呼び出し元の遊技プログラムにより使用されていたスタックポインタSPにより示される遊技スタック領域の現在のアドレスの値を、非遊技RAM領域の所定領域に記憶させて退避させる。その後、当該スタックポインタSPの値として非遊技スタック領域の所定値(前回の非遊技プログラムの終了時にスタックポインタSPにより示されるアドレスとして非遊技RAM領域の所定領域に記憶されている値)を設定することで、スタックポインタSPを非遊技プログラム用に設定する。そして、上述のフラグレジスタを含む主制御基板16が備えるすべてのレジスタの値を、スタックポインタSPにより特定される非遊技RAM領域の非遊技スタック領域に所定の順序で記憶させることで退避させる。その後、初期化対象RAMの先頭アドレス(未使用領域の最初のアドレス)と終了アドレス(非遊技RAM領域の最後のアドレス)を指定し、当該先頭アドレスを指定アドレスの初期値として指定アドレスのデータをクリアした後に指定アドレスを次のアドレスに更新する処理を、指定アドレスが当該終了アドレスとなるまで繰り返し実行することで、初期化対象RAMの先頭アドレスから終了アドレスまでの領域(本実施の形態では、未使用領域の最初から非遊技RAM領域の最後までの領域)を初期化する。そして、非遊技RAM領域初期化処理を開始した際に非遊技スタック領域に記憶させて退避させていたレジスタの値を、退避させるときと逆の順序で非遊技スタック領域から順次読み出して、当該順序に対応するレジスタに設定することで、非遊技RAM領域初期化処理を開始したときの状態にすべてのレジスタを復帰させる。その後、非遊技RAM領域初期化処理を開始した際に非遊技RAM領域の所定領域に退避させたスタックポインタSPの値を、スタックポインタSPに設定することで、非遊技RAM領域初期化処理を開始したときの状態にスタックポインタSPを復帰させて、非遊技RAM領域初期化処理を終了させる。
なお、非遊技RAM領域初期化処理において、初期化対象RAMの先頭アドレスと終了アドレスとを指定することで、初期化対象RAMの容量を算出し、当該容量分のRAM領域を初期化対象RAMの先頭アドレスから順次クリアすることで、初期化対象RAMの先頭アドレスから終了アドレスまでの領域を初期化する構成としてもよい。
Sa8のステップにおいてRAM161cに異常がないと判定した場合、およびSa11のステップにおいてレジスタを復帰させた場合は、RAM161cに設定されているRAM破壊診断用固定データをクリアして(Sa12)、RAM161cに異常がある場合に初期化処理を行う対象となる遊技RAM領域のアドレスを指定するためのRAM破壊時初期化開始アドレスを設定する(Sa13)。その後、入力ポート2を参照して設定キースイッチ37がON状態であるか否かを判定する(Sa14)。
Sa14のステップにおいて設定キースイッチ37がON状態であると判定した場合は、メダル数制御基板17へ遊技機設置情報コマンドを送信し(Sa14a)、設定変更処理を行う。設定変更処理では、リセット/設定スイッチ38およびスタートスイッチ7が所定の手順で操作されることにより設定値が確定され、設定キースイッチ37がOFFにされたことが検出されることで、設定変更処理を終了して、遊技を進行可能な状態に移行する。また、設定変更処理では、設定変更処理を開始する際に、設定変更処理を開始する旨を示す設定コマンド(開始)を演出制御部151に対して送信し、設定変更処理を終了する際に、設定変更処理を終了する旨を示す設定コマンド(終了)するようになっている。また、設定変更処理では、設定変更処理を終了する際に、設定変更時の初期化対象RAM領域の先頭アドレスを指定し、後述で説明するメイン処理のSb47のステップに復帰する。そして、Sb47のステップにおいてRAM初期化処理が行われることで、設定変更時の初期化対象RAM領域の先頭アドレスから遊技RAM領域の終端のアドレスまでの領域、すなわちすべての遊技RAM領域が初期化されるようになっている。なお、RAM161cの使用中のスタック領域を除く全ての遊技RAM領域を初期する構成としてもよい。
Sa14のステップにおいて設定キースイッチ37がON状態でないと判定した場合は、Sa3のステップにおいて算出したRAMのパリティとSa7における診断結果に基づいて、RAM161cに異常があるか否かを判定し(Sa15)、RAM161cに異常がないと判定した場合には、外部出力信号を出力するための出力バッファをクリアする(Sa16)。また、RAM161cの所定領域に設定されており、後述のメイン処理においてリールの回転エラーが検出された回数を計数するためのリールエラーカウンタをクリアする(Sa17)。その後、RAM161cの記憶内容に基づいてスタックポインタSPに電断時のアドレスを設定することで、スタックポインタを電断時の状態に復帰させる(Sa18)。その後、メダル数制御基板17へ遊技機設置情報コマンドを送信し(Sa15a)、ポート入力処理を2回連続で行う(Sa19、Sa20)。
ポート入力処理は、パラレル入力ポートに入力される各種スイッチ類の検出信号などの入力状態に関する入力状態データ(各種スイッチ類の現在の入力状態を示す入力データ、前回と今回の入力データが同じ状態である旨を示す確定データ、前回から確定データが変化した旨を示すエッジデータ)を更新する処理である。RAM161cの遊技RAM領域の所定領域には、各種スイッチ類の入力状態データを格納するポート入力バッファ0~2が設けられており、ポート入力処理により更新される各種スイッチ類の入力状態データは、その種類毎に予め定められたポート入力バッファの所定ビットに格納されるようになっている。ポート入力処理では、パラレル入力ポートの入力ポート0~2にされる。
各種スイッチ類の検出状態(ON状態またはOFF状態)を入力データとして、ポート入力バッファの所定ビットに格納する。また、前回と今回のポート入力処理での検出状態(ON状態またはOFF状態)を比較して、今回と前回の入力データが同じ状態である場合には、今回の入力データの検出状態を示すように確定データを更新する一方、今回と前回の入力データが異なる状態である場合には、前回の確定データを維持する。また、今回と前回の確定データを比較して、確定データがOFF状態からON状態に変化した場合には、確定データがOFF状態からON状態に変化した旨を示すONエッジデータをポート入力バッファ0~2の所定ビットに格納し、確定データがON状態からOFF状態に変化した場合には、確定データがON状態からOFF状態に変化した旨を示すOFFエッジデータをポート入力バッファ0~2の所定ビットに格納する。ポート入力バッファに格納された各種スイッチ類の入力データ、確定データ、エッジデータは、遊技プログラムおよび非遊技プログラムから参照することが可能である。
また、初期設定処理では、ポート入力処理を2回連続して行うことで、その後、ポート入力処理が行われる際に、初期設定処理が行われた以後の各種スイッチ類の入力状態すなわちS台2への電力供給が再開された後の各種スイッチ類の入力状態に基づいて、各種スイッチ類の検出信号などの入力状態に関する入力状態データが作成されるので、意図しない入力状況が特定されてしまうことを防止できるようになっている。また、ポート入力処理において、3回以上のポート入力処理により取得された入力データ(たとえば、今回、前回および前々回の入力データ)に基づいて確定データを作成する構成でもよい。このような構成では、確定データを作成するために必要なポート入力処理の回数よりも1回少ない回数連続してポート入力処理を初期設定処理において行う構成とすることで、初期設定処理が行われた後にポート入力処理が行われる際に、初期設定処理が行われた以後の各種スイッチ類の入力状態に基づいて入力状態データを作成させることができる。
Sa19およびSa20のステップにおいてポート入力処理を行った後は、所定の入力ポートを参照して(Sa21)、リセット/設定スイッチ38がON状態であるか否かを判定し(Sa22)、リセット/設定スイッチ38がON状態である場合には、当該リセット/設定スイッチ38がON状態である旨を示すステータスデータをRAM161cの所定領域に設定する(Sa23)。
Sa22のステップにおいてリセット/設定スイッチ38がON状態でないと判定した場合、およびSa23のステップにおいてステータスデータを設定した後は、電断前の制御状態に復帰した旨を示す復帰コマンドを演出制御部151に送信した後(Sa24)、タイマ割込み処理(メイン)のコマンド送信処理において、ドア開放検出スイッチ25の検出状態を示すドアコマンドを送信する旨を示すドアコマンド送信フラグをRAM161cの所定領域に設定する(Sa25)。コマンド送信処理では、通常、ドア開放検出スイッチ25の検出状態が変化した場合にドアコマンドを送信するが、RAM161cの所定領域にドアコマンド送信フラグが設定されている場合には、ドア開放検出スイッチ25の検出状態が変化したか否かに関わらず、ドア開放検出スイッチ25の検出状態を示すドアコマンドを送信する。
そして、Sa25のステップにおいてドアコマンド送信フラグを設定した後は、すべてのレジスタをRAM161cに記憶されている電断前の状態に復帰させ(Sa26)、タイマ割込みを許可に設定して(Sa27)、初期設定処理を終了させてタイマ割込処理(メイン)に移行させた後、S台2への電力供給が停止される前に実行していたメイン処理における処理に復帰する。
一方、Sa15のステップにおいて、RAM161cに異常があると判定した場合には、メダル数制御基板17へ遊技機設置情報コマンドを送信し(Sa15b)、遊技RAM初期化処理を行って(Sa28)、Sa13のステップにおいて設定したRAM破壊時初期化開始アドレスからRAM161cの遊技RAM領域の終端までの領域を初期化する。その後、Sa9~Sa11のステップまでの処理と同様に、レジスタのうちフラグが設定されるフラグレジスタの値を遊技RAM領域の遊技スタック領域に退避させた後(Sa29)、非遊技プログラムに含まれる非遊技RAM領域初期化処理を呼び出して行って(Sa30)、RAM161cのすべての非遊技RAM領域を初期化した後、呼び出し元に戻り、Sa29のステップにおいて退避させたレジスタを復帰させる(Sa31)。
Sa31のステップにおいてレジスタを復帰させた後は、ドアコマンド送信フラグを設定し(Sa32)、タイマ割込みを許可に設定し(Sa33)、RAM161cに異常がある旨を示すRAM異常エラーコードを所定のレジスタに準備して(Sa34)、初期設定処理を終了させてエラー処理に移行させる。
なお、エラー処理では、遊技の進行が不能化されるエラー状態に制御する。また、所定のレジスタに準備されているエラーコードを特定可能なエラーコマンドを演出制御部151に対して送信し、当該エラーコードをRAM161cの所定領域にその他の処理(たとえば、後述するセンサ監視処理など)でも参照可能なエラーフラグとして設定する。また、当該エラーコードを遊技補助表示器12に表示させるように制御する。その後は、所定のレジスタに準備されているエラーコードに応じたエラー状態の解除条件が成立したことが特定されるまでエラー状態の制御を行う。RAM異常エラーコードが所定のレジスタに準備されてエラー状態に移行された場合には、設定キースイッチ37をONにした状態で電源スイッチを投入することによって、設定変更状態に移行させてすべての遊技RAM領域を初期化させることで、RAM161cのデータの異常を確実に解消してエラー状態を解除することができるようになっている。一方、設定キースイッチ37をON状態にせずに電源スイッチをONにした場合には、RAM161cの異常が再び検出されて、再度、エラー状態となる。
このように、主制御基板16は、S台2への電力供給が開始された後には、初期設定処理を最初に行うようになっており、初期設定処理では、S台2への電力供給が開始された際の主制御基板16の状態に応じて、タイマ割込処理(メイン)、設定変更処理、エラー処理のいずれかに移行させる。そして、これらの処理に移行させる際に、移行させる処理の種類を特定可能なコマンドを演出制御部151に対して送信するようになっており、タイマ割込処理(メイン)に移行させる場合すなわちS台2への電力供給が停止される前の制御状態に復帰した場合には、復帰コマンドを演出制御部151に対して送信し、設定変更処理を開始して設定変更状態に移行する場合には、設定コマンド(開始)を演出制御部151に対して送信し、RAM161cの異常によりエラー処理を開始してエラー状態に移行する場合には、エラーコマンドを演出制御部151に対して送信する。
なお、主制御基板16は、初期設定処理から設定変更処理に移行した後は、設定変更状態を経て、ゲームの進行が可能な状態に復帰するようになっており、当該ゲームの進行が可能な状態に復帰する際には、当該設定変更状態が終了されることを特定可能な設定コマンド(終了)を演出制御部151に対して送信する一方で、復帰コマンドは送信しない。また、RAM161cの異常によりエラー処理に移行した後は、上述のように設定変更処理に移行されてエラー状態が解除されることで、ゲームの進行が可能な状態に復帰するようになっており、エラー処理が終了されてゲームの進行が可能な状態に復帰する場合にも、演出制御部151に対して復帰コマンドを送信しない。
このように、本実施の形態の主制御基板16は、S台2への電力供給が開始されることで起動し、遊技プログラムに含まれる起動時設定処理を行い、当該起動時設定処理によりすべての出力ポート0~9を初期化するようになっている。
また、主制御基板16は、起動時設定処理を行った後、遊技プログラムに含まれる初期設定処理を行う。そして、初期設定処理では、RAM161cに異常があると判定した場合に、非遊技プログラムに含まれる非遊技RAM領域初期化処理を呼び出して、RAM161cの非遊技RAM領域の所定領域を初期化する。また、初期設定処理では、遊技プログラムに含まれるRAM初期化処理を呼び出して、RAM161cの遊技RAM領域の所定領域を初期化するようになっており、遊技RAM領域は遊技プログラムにより初期化し、非遊技RAM領域は非遊技プログラムにより初期化する構成になっている。
[主制御基板における処理について]
図56は、主制御基板16が行うメイン処理の制御内容を説明する図である。なお、メイン処理は、一単位の遊技毎に繰り返し実行される。そして、メイン処理の一周期が遊技の一単位に相当している。また、メイン処理は、遊技プログラムに含まれ、複数の処理を含む。以下、特に非遊技プログラムに含まれる旨を示さない処理は、遊技プログラムに含まれる。なお、遊技プログラムにより呼び出される遊技プログラムには、非遊技プログラムを呼び出すものもある。
図56に示すように、主制御基板16は、まず、レジスタのうち演算結果が格納されるフラグレジスタの値を、遊技RAM領域の遊技スタック領域に所定の順序で記憶させることで退避させて(Sb1)、非遊技プログラムに含まれるRT情報出力処理を行った後(Sb2)、Sb1のステップにおいて退避させたレジスタの値を、退避させるときと逆の順序で遊技スタック領域から順次読み出してフラグレジスタに設定することで復帰させる(Sb3)。
RT情報出力処理では、まず、呼び出し元の遊技プログラムにより使用されていたスタックポインタSPにより示される遊技スタック領域の現在のアドレスの値を、非遊技RAM領域の所定領域に記憶させて退避させる。その後、当該スタックポインタSPの値として非遊技スタック領域の所定値(前回の非遊技プログラムの終了時にスタックポインタSPにより示されるアドレスとして非遊技RAM領域の所定領域に記憶されている値)を設定することで、スタックポインタSPを非遊技プログラム用に設定する。そして、上述のフラグレジスタを含む主制御基板16が備えるすべてのレジスタの値を、スタックポインタSPにより特定される非遊技RAM領域の非遊技スタック領域に所定の順序で記憶させることで退避させる。その後、遊技RAM領域の所定領域に設定されているS台2の遊技状態に関する情報を参照し、当該遊技状態に関する情報(たとえば、RTの状態)を外部出力信号として出力ポートより出力させるように設定する。そして、RT情報出力処理を開始した際に非遊技スタック領域に記憶させて退避させていたレジスタの値を、退避させるときと逆の順序で非遊技スタック領域から順次読み出して、当該順序に対応するレジスタに設定することで、RT情報出力処理を開始したときの状態にすべてのレジスタを復帰させる。その後、RT情報出力処理を開始した際に非遊技RAM領域の所定領域に退避させたスタックポインタSPの値を、スタックポインタSPに設定することで、RT情報出力処理を開始したときの状態にスタックポインタSPを復帰させて、RT情報出力処理を終了させる。
Sb3のステップにおいてレジスタを復帰させた後は、タイマ割込みが1回行われるまで待機する割込み1回待ち処理を行う(Sb4)。割込み1回待ち処理では、タイマ割込みを許可に設定してタイマ割込み処理(メイン)が1回行われるまで待機する。そして、タイマ割込み処理(メイン)が1回行われたことが特定されることで、当該割込み1回待ち処理を終了する。割込み1回待ち処理を行うことにより、次のタイマ割込み処理(メイン)が行われるまでの時間が最大限に確保されている状態で、割込み1回待ち処理の後に行われる処理を行うことができ、割込み1回待ち処理の後に行われる一連の処理の途中で意図せずタイマ割込みが行われてしまうことを防止できる。Sb4のステップにおいて割込み1回待ち処理を行うことにより、割込み1回待ち処理の後に行われる図57に示す遊技開始待ち処理のSc1のステップ~Sc10のステップまでの処理の途中で意図せずタイマ割込みが行われてしまうことを防止して、Sc1のステップ~Sc10のステップまでの処理を一連の処理として行うことができる。
そして、タイマ割込み処理(メイン)が行われた後、図57に示す遊技開始待ち処理を行って(Sb5)、前の一遊技の制御の終了後から次の一遊技を開始させるまでの処理を行う。遊技開始待ち処理では、賭数設定操作に応じて賭数を設定する処理を行い、規定数の賭数が設定された状態でスタートスイッチ7の操作が検出されることで、次の一遊技を開始させる処理を行う。
そして、入賞の発生を許容するか否かを決定(内部抽選)するための内部抽選処理を行う(Sb6)。内部抽選処理では、S台2において予め設定された設定値(1~6)やスタートスイッチ7の検出による遊技の開始と同時に取得された内部抽選用の乱数値に基づいて、入賞の発生を許容するか否か(すなわち、表示結果の導出を許容するか否か)を決定する内部抽選を行う。
その後、Sb1のステップと同様に、フラグレジスタの値を遊技RAM領域の遊技スタック領域に所定の順序で記憶させることで退避させ(Sb7)、タイマ割込みを禁止に設定し(Sb8)、非遊技プログラムに含まれる当選情報出力処理を行って(Sb9)、内部抽選の抽選結果に関する情報を出力ポートより出力するための設定を行った後、開始時コマンドをメダル数制御基板17へ送信し(Sb9a)、大当りコマンドをメダル数制御基板17へ送信する(Sb9b)。その後、タイマ割込みを許可に設定する(Sb10)。そして、Sb3のステップと同様に、Sb7のステップにおいて遊技スタック領域に退避させたレジスタの値を、退避させるときと逆の順序で遊技スタック領域から順次読み出してフラグレジスタに設定することで、当選情報出力処理を行う前の状態にフラグレジスタを復帰させる(Sb11)。
当選情報出力処理では、まず、上述のRT情報出力処理と同様にして、呼び出し元の遊技プログラムにより使用されていたスタックポインタSPが示すアドレスの値を非遊技RAM領域の所定領域に記憶させて退避させる。その後、当該スタックポインタSPの値として非遊技スタック領域の所定値(前回の非遊技プログラムの終了時に記憶された値)を設定することで、スタックポインタSPを非遊技プログラム用に設定する。そして、主制御基板16が備えるすべてのレジスタの値を非遊技スタック領域に所定の順序で記憶させることで退避させる。その後、遊技RAM領域の所定領域に設定されている内部抽選の抽選結果を参照し、内部抽選における特別役の当選状況、一般役の当選状況を特定可能なデータを、非遊技プログラムである後述の試験信号出力処理から参照可能にRAM161cの所定領域に設定する。そして、上述のRT情報出力処理と同様にして、当選情報出力処理を開始した際に退避させていたレジスタの値を非遊技スタック領域から順次読み出して、当選情報出力処理を開始したときの状態にすべてのレジスタを復帰させる。その後、当選情報出力処理を開始した際に非遊技RAM領域の所定領域に退避させたスタックポインタSPの値を、スタックポインタSPに設定することで、当選情報出力処理を開始したときの状態にスタックポインタSPを復帰させて、当選情報出力処理を終了させる。なお、当該当選情報出力処理によりRAM161cの所定領域に設定された特別役の当選状況、一般役の当選状況は、後述の試験信号出力処理にて参照されて、試験信号として出力されるようになっている。
Sb11のステップにおいてレジスタを復帰させた後、演出制御処理(Sb12)、フリーズ制御設定処理(Sb13)、制御状態コマンド群送信処理(Sb14)、遊技開始コマンド送信処理(Sb15)を順次行う。演出制御処理では、主制御基板16が演出制御を行う際に参照する演出用フラグの設定を行う。フリーズ制御設定処理では、所定終了条件が成立するまで遊技の進行を遅延させるフリーズ制御について、当該フリーズ制御を行う旨の要求の有無を確認して、要求がある場合にフリーズ制御の種類や当該フリーズ制御を行うタイミングをRAM161cの所定領域に設定する。
制御状態コマンド群送信処理では、一遊技の開始時点における各種の制御状態を特定可能な複数のコマンドを含む制御状態コマンド群を演出制御部151に対して送信する。遊技開始コマンド送信処理では、一遊技が開始された旨を特定可能な遊技開始コマンドを演出制御部151に対して送信する。
Sa15のステップにおいて遊技開始コマンド処理を行った後は、Sb13のステップにおいてRAM161cに設定されたフリーズ制御の種類やフリーズ制御の実行タイミングに基づいてフリーズ制御を実行するフリーズ実行処理を行う(Sb16)。フリーズ実行処理では、Sb13のステップにおいて遊技の開始時にフリーズ制御を行う旨が設定されている場合には、フリーズ制御を実行して所定期間にわたり遊技の制御を遅延させる。また、フリーズ制御の種類として、リール2L、2C、2Rを用いた演出(以下、リール演出と呼ぶ)を伴うフリーズ制御の種類が設定されている場合には、リールモータ32L、32C、32Rを励磁させる励磁パターンとして演出用加速パターン(たとえば、遊技でのリールの回転と異なる方向に回転させる加速パターン、遊技でのリールの回転に比べて遅い速度で、遊技での回転と同じ方向に回転を開始させる加速パターン、リールを振動させる加速パターンなど)をRAM161cの所定領域に設定して、フリーズ制御を行っている期間内においてリール演出を行うように制御する。
Sb16のステップにおいてフリーズ制御実行処理を行った後は、演出制御を行っている旨を示すウェイト中LED19をON状態(点灯状態)に制御し(Sb17)、前回の遊技におけるリール回転開始時点からの経過時間を計時するためにRAM161cの所定領域に設定されている一遊技時間管理用タイマを参照して(Sb18)、一遊技時間管理用タイマに基づいて前回の遊技におけるリール回転開始時点から一遊技の規定時間(本実施の形態では4.1秒)が経過したか否かを判定する(Sb19)。そして、一遊技の規定時間が経過していないと判定した場合は、一遊技時間管理用タイマに基づいて一遊技の規定時間が経過するまで待機し、一遊技時間管理用タイマに基づいて一遊技規定時間が経過した後に、一遊技時間管理用タイマに予め定められた所定値(本実施の形態では、4.1秒に対応する値)を設定して、新たにリール回転開始時点からの経過時間の計時を開始させ(Sb20)、ウェイト中LED19をOFF状態(消灯状態)に制御し(Sb21)、リール2L、2C、2Rの回転制御を開始させる旨を特定可能なリール回転開始コマンドを演出制御部151に対して送信するリール回転開始コマンド送信処理を行う(Sb22)。一方、Sb19のステップにおいて一遊技の規定時間が経過していると判定した場合は、直ちに、Sb20~Sb22のステップの処理を行う。なお、一遊技時間管理用タイマは、Sb20のステップにおいて所定値が設定された後は、所定時間毎に減算されて、遊技におけるリール回転開始時点から一遊技の規定時間(本実施の形態では4.1秒)が経過したときに、0となるようになっており、一遊技時間管理用タイマが0か否かに基づいて一遊技規定時間が経過したか否かを判定できるようになっている。
Sb22のステップにおいてリール回転開始コマンド送信処理を行った後は、リールモータ32L、32C、32Rを励磁制御する際の励磁パターンとして、遊技用の所定速度でリールを回転制御する通常加速パターンをRAM161cの所定領域に設定し(Sb23)、RAM161cに設定されている励磁パターンに基づいてリールモータ32L、32C、32Rを励磁制御することでリールの回転を開始させるリール起動処理を行う(Sb24)。
そして、ナビ報知処理を行う(Sb25)。ナビ報知処理では、ATの制御が行われており、内部抽選にて報知対象役が当選している場合には、当該報知対象役に応じて遊技者にとって有利な停止態様を特定可能なナビ番号を、遊技補助表示器12に表示させるように制御する一方、ATの制御が行われていない場合には、ナビ番号を遊技補助表示器12に表示させないように制御する。
Sb25のステップにおいてナビ報知処理を行った後は、リールの停止制御に必要な各種情報をRT状態および内部抽選の抽選結果に応じて設定するリール停止初期設定処理(Sb26)を行う。そして、フリーズ制御処理を行い(Sb27)、Sb13のステップにおいて、当該タイミングでフリーズ制御を行う旨が設定されている場合には、設定されている種類のフリーズ制御を行う。
Sb27のステップにおいてフリーズ制御処理を行った後は、リールの停止制御を行うリール停止制御処理を行う(Sb28)。リール停止制御処理では、回転制御中のリールが所定の定速回転で回転されているかを判定し、定速回転で回転されていないリールがある場合には、リールエラーを検出して、該当するリールについて定速回転まで加速させる励磁パターンを設定して、回転制御中のすべてのリールが定速回転で回転されるように制御する。一方、回転制御中のすべてのリールが定速回転で回転されている場合には、回転制御中のリールの停止操作の受け付けを有効化し、ストップスイッチによる停止操作が行われるまで待機する。そして、停止操作が有効化されているリールについて有効な停止操作が検出されること(停止操作が有効なストップスイッチについてONエッジデータが検出されること)で、有効な停止操作が行われたリールについて、リール停止初期設定処理にて設定された情報などに基づいて所定の停止位置で停止させるリール停止制御を行う。このようなリール停止制御を、回転制御中のリールについて繰り返し行って、すべてのリールの回転を停止させることで、リール停止処理を終了させる。
そして、リール停止処理を終了させた後は、フリーズ制御処理を行い(Sb29)、Sb13のステップにおいて、当該タイミングでフリーズ制御を行う旨が設定されている場合には、設定されている種類のフリーズ制御を行う。
その後、RT状態チェック処理(Sb30)、入賞判定処理(Sb31)を行う。RT状態チェック処理では、リールにRT状態の移行を伴うRT移行図柄の組合せが停止しているか否かを判定し、RT移行図柄の組合せが停止している場合には、RAM161cの所定領域に設定されている現在のRT状態を、当該RT移行図柄の組合せに応じたRT状態に更新する。入賞判定処理では、内部抽選結果およびリール2L、2C、2Rに停止している図柄組合せに基づいて不正入賞が発生しているか否かを判定する。
そして、Sa31のステップにおける入賞判定処理を行った後は、割込み1回待ち処理を行い(Sb33)、タイマ割込み処理(メイン)が行われるまで待機する。そして、タイマ割込み処理(メイン)が行われた後は、Sb3のステップやSb7のステップと同様に、フラグレジスタの値を遊技RAM領域の遊技スタック領域に所定の順序で記憶させることで退避させ(Sb34)、タイマ割込みを禁止に設定し(Sb35)、非遊技プログラムに含まれる役比モニタ用データ処理を行う(Sb36)。そして、役比モニタ用データ処理を行った後は、タイマ割込みを許可に設定する(Sb37)。
このように、Sb33のステップにおいて割込み1回待ち処理を行った後に、役比モニタ用データ処理(Sb36)を行うことで、次のタイマ割込み処理(メイン)が行われるまでの時間が最大限に確保されている状態で、当該役比モニタ用データ処理を行うことができ、当該役比モニタ用データ処理の途中で意図せずタイマ割込みが行われてしまうことを防止できる。また、Sb35のステップにおいてタイマ割込みを禁止に設定して、タイマ割込みが禁止された状態で役比モニタ用データ処理を行い、その後のSb37のステップにおいてタイマ割込みの禁止設定を解除することで、当該役比モニタ用データ処理の途中で意図せずタイマ割込みが行われてしまうことを確実に防止できる。また、Sb33のステップにおいて、役比モニタ用データ処理を行うためにタイマ割込みを禁止状態に設定する前に割込み1回待ち処理を行って、タイマ割込み処理(メイン)を行わせることで、タイマ割込みが禁止されている状態(Sb35~Sb37)であるときに、タイマ割込みを行うタイミングとなることを防止できる。
役比モニタ用データ処理では、まず、上述のRT情報出力処理などと同様にして、呼び出し元の遊技プログラムにより使用されていたスタックポインタSPが示すアドレスの値を非遊技RAM領域の所定領域に記憶させて退避させる。その後、当該スタックポインタSPの値として非遊技スタック領域の所定値(前回の非遊技プログラムの終了時に記憶された値)を設定することで、スタックポインタSPを非遊技プログラム用に設定する。そして、主制御基板16が備えるすべてのレジスタの値を非遊技スタック領域に所定の順序で記憶させることで退避させる。その後、非遊技プログラムに含まれる各状態カウント処理を行って、予め定められた所定期間(たとえば、現在のゲームから6000ゲーム前までの期間、現在のゲームから175000ゲーム前までの期間、遊技者にとって有利な状態に制御された区間(有利区間)など)におけるメダルの払い出し枚数に関するデータを更新する。役比モニタ用データ処理を開始した際に非遊技スタック領域に記憶させて退避させていたレジスタの値を、退避させるときと逆の順序で非遊技スタック領域から順次読み出して、当該順序に対応するレジスタに設定することで、役比モニタ用データ処理を開始したときの状態にすべてのレジスタを復帰させる。その後、役比モニタ用データ処理を開始した際に非遊技RAM領域の所定領域に退避させたスタックポインタSPの値を、スタックポインタSPに設定することで、役比モニタ用データ処理を開始したときの状態にスタックポインタSPを復帰させて、役比モニタ用データ処理を終了させる。
Sb36のステップにおいて役比モニタ用データ処理を行い、Sb37のステップにおいてタイマ割込みを許可に設定した後は、Sb3のステップやSb11のステップと同様に、Sb34のステップにおいて退避させたレジスタの値を、退避させるときと逆の順序で遊技スタック領域から順次読み出してフラグレジスタに設定することで、役比モニタ用データ処理を行う前の状態にフラグレジスタを復帰させる(Sb38)。その後、リプレイ中LEDをOFF状態(消灯状態)に制御し(Sb39)、リプレイ中である旨を示す再遊技中フラグをクリアし(Sb40)、遊技補助表示器12におけるナビ番号の表示をクリアした後(Sb41)、メダル数制御基板17へ終了時コマンドを送信し(Sb42a)、フリーズ制御処理を行い(Sb43)、Sb13のステップにおいて、当該タイミングでフリーズ制御を行う旨が設定されている場合には、設定されている種類のフリーズ制御を行う。
そして、メダル数制御基板17へ、役物情報コマンドを送信し(Sb43a)、有利区間コマンドを送信する(Sb43b)。その後、遊技終了時設定処理を行って(Sb44)、再遊技役の図柄組合せがリール2L、2C、2Rに停止しているか否かを判定し、再遊技役の図柄組合せが停止している場合には、次ゲームにおいて再遊技を行うための賭数を設定する処理(本実施の形態では、RAM161cの所定領域に設定されている再遊技用メダルカウンタに、再遊技用メダルとして3を設定する。)や、再遊技中フラグをRAM161cの所定領域に設定する処理、リプレイ中LEDをON状態(点灯状態)に制御する処理などを行う。
そして、メダル数制御基板17へ、払出パルスコマンドを送信し(Sb44a)、大当りコマンドを送信する(Sb44b)。その後、遊技終了時の出玉制御を行う出玉制御処理を行った後(Sb45)、遊技終了時における初期化対象のRAM161cの領域の先頭アドレスを設定し(Sb46)、RAM初期化処理を行って(Sb47)、当該先頭アドレスからRAM161cの終端までの領域を初期化する。
そして、RAM161cの所定領域に設定されており、当該ゲームにおける内部抽選の抽選結果を示す当選フラグをクリアした後(Sb48)、一遊技が終了した旨を特定可能な遊技終了コマンドを演出制御部151に対して送信する遊技終了コマンド送信処理を行い(Sb49)、Sb1のステップに戻り、Sb1~Sb49のステップを繰り返し行う。メイン処理が一巡することで、一単位の遊技の制御に関する処理が終了することとなり、一単位の遊技毎にメイン処理が繰り返し実行されることとなる。
このように、本実施の形態の主制御基板16が行うメイン処理は、遊技プログラムに含まれており、非遊技プログラムに含まれる処理、たとえば、RT情報出力処理、当選情報出力処理、役比モニタ用データ処理などを呼び出すようになっている。そして、非遊技プログラムに含まれる処理を呼び出す際には、該当する非遊技プログラムの処理を呼び出す毎に、呼び出し元の遊技プログラム側で、主制御基板16が備えるレジスタのうちフラグレジスタの値を遊技スタック領域に記憶させて退避させ、呼び出し先の非遊技プログラム側で、遊技プログラムで使用しているスタックポインタSPの値を非遊技RAM領域に記憶させて退避するとともに、主制御基板16が備えるすべてのレジスタの値を非遊技スタック領域に記憶させて退避させる処理を行う。そして、呼び出された非遊技プログラムに応じた処理(たとえば、非遊技RAM領域初期化処理において非遊技RAM領域を初期化する処理、後述の役比モニタ用データ処理における各状態カウント処理、後述の非遊技関連処理におけるセンサ監視処理、試験信号出力処理、役比モニタ表示データ選択処理など)を行うようになっている。
また、主制御基板16は、非遊技プログラムの処理を行った後には、非遊技プログラム側で、当該非遊技プログラムの開始時に非遊技スタック領域に退避させた、すべてのレジスタの値を該当するレジスタに読み込んで当該非遊技プログラムの開始時の状態にレジスタを復帰させるとともに、当該非遊技プログラムの開始時に非遊技RAM領域に記憶させたスタックポインタSPの値をスタックポインタSPに設定して、当該非遊技プログラムの開始時の状態にスタックポインタSPを復帰させ、さらに、呼び出し元の遊技プログラム側で、非遊技プログラムの呼び出し前に遊技スタック領域に記憶させたフラグレジスタの値を、該当するフラグレジスタに読み込んで当該非遊技プログラムの呼び出し前の状態にレジスタを復帰させる処理を行うようになっている。
また、主制御基板16は、非遊技プログラムに従って各種処理を行う場合には、上述のCALL命令などを用いて遊技プログラムから非遊技プログラムを呼び出すことで、当該非遊技プログラムに従って各種処理を行い、当該非遊技プログラムに応じた各処理が終了することで、呼び出し元の遊技プログラムに復帰ようになっている。
[遊技開始待ち処理について]
図57は、主制御基板16が行う遊技開始待ち処理の制御内容を説明する図である。なお、遊技開始待ち処理は、遊技プログラムに含まれており、遊技プログラムに含まれるメイン処理において呼び出されるサブルーチンである。
図57に示すように、遊技開始待ち処理では、まず、賭数表示処理を行い(Sc1)、賭数として設定されたメダル数に応じた1~3BETLED14~16をON状態(点灯状態)に制御する。その後、Sc5のステップへ進む。RAM161cの所定領域に設定されている再遊技用メダルカウンタの値を所定のレジスタに読み込む(Sc5)。なお、再遊技用メダルカウンタには、前回のメイン処理における遊技終了時設定処理により、前回の遊技の結果に応じた値が設定されており、前回の遊技において再遊技役が入賞して再遊技が付与された場合には、遊技を行うために必要な賭数の規定数に相当する数値(たとえば、3)が設定されている一方で、前回の遊技において再遊技が付与されなかった場合には、0が設定されている。
その後、RAM161cの再遊技用メダルカウンタをクリアし(Sc6)、Sc5のステップにおいて読み込んだ再遊技用メダルカウンタの値が0より大きいか否か、すなわち再遊技が付与されている否かを判定し(Sc7)、再遊技が付与されている場合には、賭数設定処理を行う(Sc8)。賭数設定処理では、再遊技用メダルカウンタの値を賭数に設定するとともに、1~3BETLED14~16をON状態(点灯状態)に設定して規定数の賭数(本実施の形態では、3)が設定されている旨を報知する。また、賭数の設定に使用されたメダル枚数を特定可能な投入枚数コマンドを演出制御部151に対して送信する。
Sc7のステップにおいて再遊技用メダルカウンタの値が0である、すなわち再遊技が付与されていないと判定した場合、およびSc8のステップにおいて再遊技が付与されたことにより賭数設定処理を行った後は、割込み1回待ち処理を行う(Sc10)。割込み1回待ち処理を行うことで、タイマ割込み処理(メイン)が行われて各種スイッチ類の検出状態やLEDの点灯状態、各種タイマなどが更新されることとなり、これらの各種スイッチ類の検出状態が更新された状態で、その後の処理を行わせることができる。
Sc10のステップにおいて割込み1回待ち処理を行ってタイマ割込みが1回行われた後は、各種スイッチの操作を受け付ける有効化して、操作が有効化されているスイッチの操作が行われることで、当該スイッチによる操作を受け付ける操作入力受付処理を行う(Sc14)。
操作入力受付処理では、RAM171cの所定領域に設定されているクレジットが1以上である場合には、1BETスイッチ20およびMAXBETスイッチ6による操作の受け付けを有効化する。また、RAM171cの所定領域に設定されている賭数が規定数である場合には、スタートスイッチ7による操作の受け付けを有効化する。また、賭数クリアスイッチ21および設定キースイッチ37による操作の受け付けを有効化する。
また、操作入力受付処理では、スタートスイッチ7による操作が有効な状態で、スタートスイッチ7の操作が検出された場合には、スタートスイッチ7が操作された旨を示すスタートフラグを所定レジスタに設定を行う。また、設定キースイッチ37による操作が有効な状態で、設定キースイッチ37による操作が検出された場合には、設定値表示器24に設定値を表示させる設定値表示処理を行う。また、1BETスイッチ20およびMAXBETスイッチ6による操作が有効な状態で、1BETスイッチ20またはMAXBETスイッチ6による操作が検出された場合には、クレジットに基づいて可能な範囲で規定数までのメダル枚数を賭数に設定し、賭数に設定した分のメダル枚数をクレジットから減算する処理を行う。操作が検出されたスイッチ類に応じた処理を行った後、操作入力受付処理を終了させる。
Sc14のステップにおいて操作入力受付処理を行った後は、スタートフラグに基づいてスタートスイッチ7による有効な操作が検出されたか否かを判定する(Sc15)。所定のレジスタにスタートフラグが設定されておらず、スタートスイッチ7による有効な操作が検出されなかったと判定した場合は、Sc16のステップに進み、スタート有効LEDの点灯状態を制御するLED表示処理を行う。
LED表示処理では、Sc14のステップの操作入力受付処理によりスタートスイッチ7による操作が有効に設定されている状態において、リセットスイッチ以外のスイッチ類の操作が検出されない場合に、スタート有効LEDをON状態(点灯状態)に制御し、スタートスイッチ7による操作が有効に設定されている状態において、リセットスイッチ以外のスイッチ類の操作が検出される場合、およびスタートスイッチ7による操作が有効に設定されていない場合に、スタート有効LEDをOFF状態(消灯状態)に制御して、スタート有効LEDの点灯状態によりスタートスイッチ7による操作が有効であるか無効であるかを報知する。
Sc15のステップにおいて、所定のレジスタにスタートフラグが設定されており、スタートスイッチ7による有効な操作が検出されたと判定した場合は、内部抽選用の乱数値を乱数回路から取得して、RAM161cの所定領域に設定する(Sc17)。その後、設定されている賭数を特定可能な賭数設定状態データをRAM161cの所定領域に設定し(Sc18)、スタート有効LEDをOFF状態(消灯状態)に設定し(Sc19)、メダル手入れ許可フラグをRAM161cの所定領域からクリアし(Sc20)、遊技補助表示器12における払出枚数の表示をクリアするように制御して(Sc21)、遊技開始待ち処理を終了させ、メイン処理に戻る。その後、メイン処理では、Sc17のステップにおいて取得された乱数値を用いて内部抽選が行われ、スタートスイッチ7の操作が検出されたことに応じてリール2L、2C、2Rの回転が開始されることで、一遊技が開始されることとなる。
図58は、主制御基板16が行う賭数設定操作受付処理の制御内容を説明する図である。主制御基板16は、図57の操作入力受付処理にて、1BETスイッチ20およびMAXBETスイッチ6による操作が有効な状態となった後に、1BETスイッチ20またはMAXBETスイッチ6による操作が検出された場合に、図58に示す賭数設定操作受付処理を実行する。
主制御基板16は、RAM161cのBETカウンタに設定されている0~3の賭数を取得する(Sd1)。主制御基板16は、取得した賭数と、操作が検出されたスイッチが1BETスイッチ20であるか、MAXBETスイッチ6であるかとに基づいて、投入メダル数を算出する(Sd2)。たとえば、賭数が0であるときにMAXBETスイッチ6による操作を検出した場合、投入メダル数は3枚となり、賭数が0~2であるときに1BETスイッチ20による操作を検出した場合、投入メダル数は1枚となる。
主制御基板16は、算出した投入メダル数を含めた投入コマンドをメダル数制御基板17へ送信する(Sd3)。メダル数制御基板17は、当該投入コマンドに対する応答コマンドを送信する。主制御基板16は、当該応答コマンドを受信したことに応じて、賭数設定処理を実行する(Sd4)。すなわち、主制御基板16は、RAM161cのBETカウンタに記憶されている賭数を加算する。
図59は、主制御基板16が行う精算操作受付処理の制御内容を説明する図である。主制御基板16は、図57の操作入力受付処理にて、賭数クリアスイッチ21による操作が有効な状態となった後に、賭数クリアスイッチ21による操作が検出された場合に、図59に示す精算操作受付処理を実行する。
主制御基板16は、再遊技作動中であるか否かを判断する(Se1)。再遊技作動中である場合、主制御基板16は、処理を終了する。再遊技作動中でない場合、主制御基板16は、賭数が1以上設定されているか否かを判断する(Se2)。賭数が1以上設定されていない場合、主制御基板16は、処理を終了する。賭数が1以上設定されている場合、主制御基板16は、RAM161cのBETカウンタに設定されている1~3の賭数を取得する(Se3)。
主制御基板16は、取得した賭数を精算メダル数として含めた精算コマンドをメダル数制御基板17へ送信する(Se4)。メダル数制御基板17は、当該投入コマンドに対する応答コマンドを送信する。主制御基板16は、当該応答コマンドを受信したことに応じて、精算操作処理を実行する(Se5)。すなわち、主制御基板16は、賭数を減算する。
[主な構成]
以上、本実施の形態に係るS台2を説明した。以下において、本実施の形態に係るS台2の主な構成について説明する。
(1)各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示部(たとえば、リール2L、2C、2R)を備え、
前記可変表示部を変動表示した後、前記可変表示部の変動表示を停止することで表示結果を導出し、該表示結果に応じて入賞が発生可能なスロットマシン(たとえば、S台2)において、
遊技の進行を制御する遊技制御手段(たとえば、主制御基板16)と、
遊技者所有の遊技価値に関する制御を行う価値制御手段(たとえば、メダル数制御基板17)と、を備え、
前記遊技制御手段は、
一のゲームを開始するときに開始時コマンドを前記価値制御手段に送信し(たとえば、図37に示すスタートスイッチONした後のコマンド送信)、
一のゲームを終了するときに終了時コマンドを前記価値制御手段に送信し(たとえば、図37に示す全リール停止後のコマンド送信)、
前記価値制御手段は、
前記開始時コマンドを受信したときに、該開始時コマンドに応じた制御(たとえば、ゲーム終了待ち状態に制御)を行い、
前記終了時コマンドを受信したときに、該終了時コマンドに応答する応答コマンド(たとえば、図37に示す全リール停止後にメダル数制御基板17から送信される応答コマンド)を前記遊技制御手段に送信するとともに、該終了時コマンドに応じた制御を行い、
前記遊技制御手段は、前記開始時コマンドを送信した後は前記価値制御手段からの応答を待たずに次の制御(たとえば、リールを駆動させる制御)を行う一方で、前記終了時コマンドを送信した後は前記応答コマンドを受信したことを条件に次の制御(たとえば、遊技補助表示器12に表示するデータの更新処理)を行う。
具体的には、図37に示すように、主制御基板16は、一のゲームを開始するときは、クレジット数に影響を及ぼさない開始時コマンドを送信した後、メダル数制御基板17からの応答を待たずに次の制御を実行し、一のゲームを終了するときは、クレジット数に影響を及ぼし得る終了時コマンドを送信した後、メダル数制御基板17から送信された応答コマンドを受信したことを条件に次の制御を実行する。このように、主制御基板16とメダル数制御基板17との間の遣り取りに関して改良を施すことで、主制御基板16は、メダル数制御基板17の状況を確認しながらゲームを進行させることができる。
(2) 前記価値制御手段は、前記遊技制御手段から送信されたコマンドが正常であるか否かを判定する判定処理(たとえば、図38において、受信したコマンドに付与された通番が、算出した通番と一致するかを確認する処理)を実行し、
前記判定処理によって前記遊技制御手段から送信されたコマンドが正常であると判定したときに、該コマンドに応答して該コマンドが正常である旨を示す応答コマンドを前記遊技制御手段に送信し(たとえば、図38において、メダル数制御基板17が投入コマンドに応答して受領OKを示す応答コマンドを主制御基板16へ送信する)、
前記判定処理によって前記遊技制御手段から送信されたコマンドが正常でないと判定したときに、該コマンドに応答して該コマンドが正常でない旨を示す応答コマンドを前記遊技制御手段に送信する(たとえば、図39において、メダル数制御基板17が終了時コマンドに応答して通番不一致を示す応答コマンドを主制御基板16へ送信する)。
具体的には、図38、図39に示すように、メダル数制御基板17は応答の必要なコマンドを受信した際に、応答コマンドを送信し、さらに、当該応答コマンドに通信が正常であるか否かを示す情報が付与されていることにより、主制御基板16は、メダル数制御基板17の状況を確認しながらゲームを進行させることができる。
(3) 前記遊技制御手段は、前記スロットマシンの電源が投入されたときに、該遊技制御手段が有する固有情報(たとえば、メインチップID)を特定可能な固有情報コマンド(たとえば、遊技機設置情報コマンド)を前記価値制御手段に送信し、
前記価値制御手段は、
前記固有情報コマンドから特定した前記固有情報に基づき、前記遊技制御手段から送信されたコマンドが正常であるか否かを判定するための判定情報(たとえば、通番の初期値と加算値)を生成し、
前記遊技制御手段から送信されたコマンドを受信したときに、前記判定情報を用いて、前記遊技制御手段から送信されたコマンドが正常であるか否かを判定する(たとえば、図38、図39において、通番が一致するか否かを判定する)。
具体的には、図38、図39において、メダル数制御基板17は、主制御基板16が有するメインチップIDに基づき生成した通番の初期値と加算値を用いて、主制御基板16から送信されたコマンドが正常であるか否かを判定する。そのため、メダル数制御基板17は、通番が不一致であることから不正操作がされている可能性があることを把握することができ、主制御基板16とメダル数制御基板17との間の遣り取りに関してセキュリティが高まる。
(4) 前記遊技制御手段は、前記スロットマシンの電源が投入されたときに、該遊技制御手段が有する固有情報(たとえば、メインチップID)を特定可能な固有情報コマンド(たとえば、遊技機設置情報コマンド)を前記価値制御手段に送信し、
前記価値制御手段は、
前記固有情報コマンドから特定した前記固有情報に基づき、前記遊技制御手段から送信されたコマンドが正常であるか否かを判定するための判定情報(たとえば、通番の初期値と加算値)を生成し、
前記遊技制御手段から送信されたコマンドを受信したときに、前記判定情報を用いて、前記遊技制御手段から送信されたコマンドが正常であるか否かを判定し、
少なくとも前記固有情報コマンドを受信するまでは、前記遊技制御手段から該固有情報コマンド以外のコマンドに応じた処理を実行しない(たとえば、図41において、メダル数制御基板17は、遊技機設置情報コマンドAを受信するまでに、受信した終了時コマンドを破棄する)。
具体的には、図41に示されるように、メダル数制御基板17は、遊技機設置情報コマンドに基づき主制御基板16との間で通信が確立していない状態で、主制御基板16との間で遣り取りを行わないため、主制御基板16とメダル数制御基板17との間の遣り取りに関してセキュリティを高めることができる。すなわち、遊技機設置情報コマンドを受信する前に行われる不正操作を防止することができる。
(5) 前記遊技制御手段は、前記スロットマシンの電源が投入されたときに、該遊技制御手段が有する固有情報(たとえば、メインチップID)を特定可能な固有情報コマンド(たとえば、遊技機設置情報コマンド)を前記価値制御手段に送信し、
前記価値制御手段は、
前記固有情報コマンドから特定した前記固有情報に基づき、前記遊技制御手段から送信されたコマンドが正常であるか否かを判定するための判定情報(たとえば、通番の初期値と加算値)を生成し、
前記遊技制御手段から送信されたコマンドを受信したときに、前記判定情報を用いて、前記遊技制御手段から送信されたコマンドが正常であるか否かを判定し、
前記固有情報コマンドを受信した後、前記遊技制御手段から再び前記固有情報コマンドが送信されても、該固有情報コマンドに応じた処理を実行しない(たとえば、図41において、メダル数制御基板17は、遊技機設置情報コマンドAを受信した後に、再び遊技機設置情報コマンドBを受信しても通番における初期値と加算値とを再設定しない)。
具体的には、図41に示されるように、メダル数制御基板17は、たとえば、メダル数制御基板17に接続された主制御基板16以外の不正基板などによる主制御基板16のなりすましを防止することができる。すなわち、通番の初期値と加算値とが不正に書き換えられることを防止することができる。
(6) 前記価値制御手段は、前記スロットマシンの電源が投入された後、所定期間内(たとえば、0.5秒以内)に前記固有情報コマンドを受信することができなかったときに、異常状態に制御する(たとえば、図42に示されるように、メダル数制御基板17は、電源投入後、遊技機設置情報コマンドが主制御基板16から送信されないため、通信エラーが発生したことを判断する)。
具体的には、図42に示されるように、メダル数制御基板17は、S台2の電源が投入された後、遊技機設置情報コマンドに基づきメダル数制御基板17との間で通信を確立することができなかった場合に、通信異常である旨を外部に知らせることができる。
(7) 前記遊技制御手段は、一のゲームを開始するための賭数を設定するための賭数設定操作(たとえば、1BETスイッチ20またはMAXBETスイッチ6の押下)を受け付けたときに、賭数設定コマンド(たとえば、投入コマンド)を前記価値制御手段に送信し、
前記価値制御手段は、前記賭数設定コマンドを受信したときに、該賭数設定コマンドに応答する応答コマンド(たとえば、図44に示される応答コマンド)を前記遊技制御手段に送信し、
前記遊技制御手段は、前記賭数設定コマンドを前記価値制御手段に送信した後、該価値制御手段から前記応答コマンドを受信するまでは、新たな前記賭数設定操作を受け付けない(たとえば、図44に示されるように、主制御基板16は賭数設定操作Aがされた後から、応答コマンドを受信するまでになされた賭数設定操作Bを受け付けない)。
具体的には、図44に示されるように、価値制御手段において賭数設定操作に応じた処理が確定していない状況で新たな賭数設定操作が受け付けられることを防止することができる。
(8) 前記遊技制御手段は、一のゲームを開始するための賭数をキャンセルするための賭数キャンセル操作(たとえば、賭数クリアスイッチ21の押下)を受け付けたときに、賭数キャンセルコマンド(たとえば、精算コマンド)を前記価値制御手段に送信し、
前記価値制御手段は、前記賭数キャンセルコマンドを受信したときに、該賭数キャンセルコマンドに応答する応答コマンド(たとえば、図45に示される応答コマンド)を前記遊技制御手段に送信し、
前記遊技制御手段は、前記賭数キャンセルコマンドを前記価値制御手段に送信した後、該価値制御手段から前記応答コマンドを受信するまでは、新たな前記賭数キャンセル操作を受け付けない(たとえば、図45に示されるように、主制御基板16は精算操作Aがされた後から、応答コマンドを受信するまでになされた精算操作Bを受け付けない)。
具体的には、図45に示されるように、メダル数制御基板17において精算操作Aに応じた処理が確定していない状況で新たな精算操作Bが受け付けられることを防止することができる。
(9) 前記遊技制御手段は、一のゲームを開始するための賭数を設定するための賭数設定操作(たとえば、1BETスイッチ20またはMAXBETスイッチ6の押下)を受け付けたときに、賭数設定コマンド(たとえば、投入コマンド)を前記価値制御手段に送信し、
前記価値制御手段は、前記賭数設定コマンドを受信したときに、該賭数設定コマンドに応答する応答コマンド(たとえば、図46に示される応答コマンド)を前記遊技制御手段に送信し、
前記遊技制御手段は、一のゲームを開始するための賭数をキャンセルするための賭数キャンセル操作(たとえば、賭数クリアスイッチ21の押下)を受け付けたときに、賭数キャンセルコマンド(たとえば、精算コマンド)を前記価値制御手段に送信し、
前記価値制御手段は、前記賭数キャンセルコマンドを受信したときに、該賭数キャンセルコマンドに応答する応答コマンドを前記遊技制御手段に送信し、
前記遊技制御手段は、前記賭数設定コマンドを前記価値制御手段に送信した後、該価値制御手段から前記応答コマンドを受信するまでは、新たな前記賭数キャンセル操作を受け付けない(たとえば、図46に示されるように、主制御基板16は賭数設定操作がされた後から、応答コマンドを受信するまでになされた精算操作を受け付けない)。
具体的には、図46に示されるようにメダル数制御基板17において賭数設定操作に応じた処理が確定していない状況で新たな精算操作が受け付けられることを防止することができる。
(10) 前記遊技制御手段は、一のゲームを開始するための賭数を設定するための賭数設定操作(たとえば、1BETスイッチ20またはMAXBETスイッチ6の押下)を受け付けたときに、賭数設定コマンド(たとえば、投入コマンド)を前記価値制御手段に送信し、
前記価値制御手段は、前記賭数設定コマンドを受信したときに、該賭数設定コマンドに応答する応答コマンドを前記遊技制御手段に送信し、
前記遊技制御手段は、一のゲームを開始するための賭数をキャンセルするための賭数キャンセル操作(たとえば、賭数クリアスイッチ21の押下)を受け付けたときに、賭数キャンセルコマンド(たとえば、精算コマンド)を前記価値制御手段に送信し、
前記価値制御手段は、前記賭数キャンセルコマンドを受信したときに、該賭数キャンセルコマンドに応答する応答コマンド(たとえば、図47に示される応答コマンド)を前記遊技制御手段に送信し、
前記遊技制御手段は、前記賭数キャンセルコマンドを前記価値制御手段に送信した後、該価値制御手段から前記応答コマンドを受信するまでは、新たな前記賭数設定操作を受け付けない(たとえば、図47に示されるように、主制御基板16は精算操作がされた後から、応答コマンドを受信するまでになされた賭数設定操作を受け付けない)。
具体的には、図47に示されるように、メダル数制御基板17において精算操作に応じた処理が確定していない状況で新たな賭数設定操作が受け付けられることを防止することができる。
(11) 前記価値制御手段は、
前記遊技制御手段から送信された前記賭数設定コマンドまたは前記賭数キャンセルコマンドが正常であるか否かを判定する判定処理(たとえば、受信したコマンドに付与された通番が、算出した通番と一致するかを確認する処理)を実行し、
前記判定処理によって前記遊技制御手段から送信された前記賭数設定コマンドまたは前記賭数キャンセルコマンドが正常であると判定したときに、該賭数設定コマンドまたは該賭数キャンセルコマンドに応答して該賭数設定コマンドまたは該賭数キャンセルコマンドが正常である旨を示す応答コマンドを前記遊技制御手段に送信し、
前記判定処理によって前記遊技制御手段から送信された前記賭数設定コマンドまたは前記賭数キャンセルコマンドが正常でないと判定したときに、該賭数設定コマンドまたは該賭数キャンセルコマンドに応答して該賭数設定コマンドまたは該賭数キャンセルコマンドが正常でない旨を示す応答コマンド(たとえば、図48または図49に示される通番不一致を示す応答コマンド)を前記遊技制御手段に送信し、
前記遊技制御手段は、前記正常でない旨を示す応答コマンドを受信した場合でも、前記賭数設定操作または前記賭数キャンセル操作の受付を再開しない(たとえば、図48または図49に示されるように、主制御基板16は、通番不一致を示す応答コマンドを受信した後に賭数設定操作を受け付けない)。
具体的には、図48または図49に示されるように、遊技制御手段は、価値制御手段において賭数設定操作または賭数キャンセル操作に応じた処理が確定していない状況で新たな賭数設定操作または賭数キャンセル操作が受け付けられることを防止することができる。
(12) 前記価値制御手段は、前記賭数設定コマンドを受信したときと、前記賭数キャンセルコマンドを受信したときとで、共通の前記応答コマンドを前記遊技制御手段に送信する(たとえば、図43に示されるように、メダル数制御基板17は、投入コマンドおよび精算コマンドに対して共通の応答コマンドが送信する)。
具体的には、図43に示すように、メダル数制御基板17が投入コマンドおよび精算コマンドに対して、図31に示す共通の応答コマンドを送信することにより、賭数設定操作が行われたときと、賭数キャンセル操作が行われたときとで、応答コマンドを共通化することができるため、処理負担を軽減することができる。
(13) 前記価値制御手段は、専用ユニット(たとえば、CU3)との接続状況を示す情報コマンド(たとえば、枠側情報コマンド)を一定期間(たとえば、0.3秒)ごとに前記遊技制御手段に送信し、
前記遊技制御手段は、
一のゲームの開始時に前記情報コマンドに基づいて、前記価値制御手段と前記専用ユニットとの接続状況を確認するとともに、前記価値制御手段と前記専用ユニットとの接続が正常であるときに該一のゲームを開始し、
一のゲームの開始時に開始時コマンドを前記価値制御手段に送信し、
前記開始時コマンドを送信した後は前記価値制御手段からの応答を待たずに次の制御を行う(たとえば、主制御基板16は、図50に示されるように、接続正常を示す枠側情報コマンドを受信後には、開始時コマンドを送信し、リールの駆動制御などを行う)。
具体的には、図50に示されるように、主制御基板16は、メダル数制御基板17とCU3との接続が正常であることを条件に一のゲームを開始するため、メダル数制御基板17の状況を確認しながらゲームを進行させることができる。さらに、主制御基板16は、一のゲームを開始するときは、遊技価値に影響しないため、開始時コマンドを送信した後、メダル数制御基板17からの応答を待たずに次の制御を実行することができる。
(14) 前記価値制御手段は、専用ユニット(たとえば、CU3)との接続状況を示す情報コマンド(たとえば、枠側情報コマンド)を一定期間(たとえば、0.3秒)ごとに前記遊技制御手段に送信し、
前記遊技制御手段は、
前記情報コマンドに基づいて、前記価値制御手段と前記専用ユニットとの接続状況を確認し、
一のゲームの開始するための賭数を設定するための賭数設定操作を受け付けたときに、前記価値制御手段と前記専用ユニットとの接続が正常であるか否かに関わらず、賭数設定コマンドを前記価値制御手段に送信する(たとえば、図50に示されるように、主制御基板16は、接続異常を示す枠側情報コマンドを受信した後においても、賭数設定操作がなされたときは投入コマンドをメダル数制御基板17へ送信する)。
具体的には、図50に示されるように、主制御基板16は、メダル数制御基板17とCU3との接続が正常であるか否かに関わらず、賭数設定操作に応じて投入コマンドを送信することができる。
(15) 前記価値制御手段は、専用ユニット(たとえば、CU3)との接続状況を示す情報コマンド(たとえば、枠側情報コマンド)を一定期間(たとえば、0.3秒)ごとに前記遊技制御手段に送信し、
前記遊技制御手段は、
前記情報コマンドに基づいて、前記価値制御手段と前記専用ユニットとの接続状況を確認し、
一のゲームの開始するための賭数をキャンセルするための賭数キャンセル操作を受け付けたときに、前記価値制御手段と前記専用ユニットとの接続が正常であるか否かに関わらず、賭数キャンセルコマンドを前記価値制御手段に送信する(たとえば、図50に示されるように、主制御基板16は、接続異常を示す枠側情報コマンドを受信した後においても、精算操作がなされたときは精算コマンドをメダル数制御基板17へ送信する)。
具体的には、図50に示されるように、主制御基板16は、メダル数制御基板17とCU3との接続が正常であるか否かに関わらず、精算操作に応じて精算コマンドを送信することができる。
(16) 一のゲームの結果に応じて遊技者へ付与される遊技価値を表示する表示手段(たとえば、遊技補助表示器12)をさらに備え、
前記遊技制御手段は、一のゲームを終了するときに、該一のゲームの結果に応じて遊技者に付与される遊技価値を特定可能な付与価値コマンド(たとえば、終了時コマンド)を前記価値制御手段に送信し、
前記価値制御手段は、前記付与価値コマンドを受信したときに、該付与価値コマンドに応答する応答コマンドを前記遊技制御手段に送信するとともに、該付与価値コマンドに応じた制御を行い、
前記遊技制御手段は、前記付与価値コマンドを送信した後、前記応答コマンドを受信したことを条件に、前記遊技価値を前記表示手段に表示させる(たとえば、図51に示されるように、主制御基板16は、終了時コマンドに対する応答コマンドを受信したことに基づいて、遊技補助表示器12に払出数を表示する)。
具体的には、図51に示されるように、主制御基板16は、メダル数制御基板17の状況を確認しながら払出枚数を遊技補助表示器12に表示させることができる。
(17) 前記価値制御手段は、付与済みの全ての遊技価値のうち、特定状態(たとえば、有利区間)において付与された遊技価値が占める割合を出力する価値付与比率処理(たとえば、役比モニタに表示させるデータを算出する処理)を実行し、
前記遊技制御手段は、一のゲームを終了するときに、該一のゲームの結果に応じて遊技者に付与される遊技価値を特定可能な付与価値コマンド(たとえば、終了時コマンド)を前記価値制御手段に送信し、
前記価値制御手段は、前記付与価値コマンドを受信したときに、該付与価値コマンドに応答する応答コマンドを前記遊技制御手段に送信するとともに、該付与価値コマンドに応じた制御を行い、
前記遊技制御手段は、前記付与価値コマンドを送信した後、前記応答コマンドを受信したことを条件に、前記特定状態に制御されているか否かを特定可能な特定状態情報コマンド(たとえば、役物情報コマンド、有利区間コマンド)を前記価値制御手段に送信する(たとえば、図51に示されるように、主制御基板16は、応答コマンドを送信した後に、役物情報コマンド、有利区間コマンドを送信する)。
具体的には、図51に示されるように、主制御基板16は、メダル数制御基板17の状況を確認しながら有利区間などに制御されているか否かをメダル数制御基板17に知らせることができるため、メダル数制御基板17の状況を確認しながら有利区間などにおいて付与された払出枚数が占める割合をメダル数制御基板17に出力させることができる。
(18) 前記価値制御手段は、
付与済みの全ての遊技価値のうち、特定状態(たとえば、有利区間など)において付与された遊技価値が占める割合を出力する価値付与比率処理を実行し、
前記価値付与比率処理に用いられるデータをバックアップ(たとえば、図54に示されるバックアップ処理)し、
前記遊技制御手段は、前記スロットマシンの電源が投入されたときに、該遊技制御手段が有する固有情報を特定可能な固有情報コマンド(たとえば、遊技機設置情報コマンド)を前記価値制御手段に送信し、
前記価値制御手段は、前記固有情報コマンドから特定した前記固有情報が、前回受信した前記固有情報コマンドから特定した前記固有情報と異なっている場合に、前記価値付与比率処理に用いられるデータを初期化する(たとえば、図54に示されるバックアップ初期化処理)。
具体的には、図54に示されるように、メダル数制御基板17は、主制御基板16が有するメインチップIDに基づき、主制御基板16が正当なものでない場合は役比情報の表示に用いられるデータを初期化するため、各スロットマシンに対応した正常な役比が出力されることを担保することができる。
(19) 前記価値制御手段は、前記価値付与比率処理において、該価値付与比率処理に用いられるデータの蓄積開始から所定期間(たとえば、6000ゲームが消化される期間)経過していないときに、所定の報知(たとえば、役比モニタ89の表示を点滅させる)を行う。
具体的には、メダル数制御基板17は、連続役物払出比率、役物払出比率を役比モニタ89に表示させるにあたって、データ不足のおそれがあることを外部に知らせることができる。
(20) 前記遊技制御基板と前記価値制御手段との間に設けられた第1シリアル通信回路と、前記遊技制御基板と前記価値制御手段との間に設けられた第2シリアル通信回路とをさらに備え、
前記価値制御手段は、
専用ユニット(たとえば、CU3)との接続状況を示す情報コマンドを前記第1シリアル通信回路を介して前記遊技機設置情報へ送信し、
前記応答コマンドを前記第2シリアル通信回路を介して前記遊技機設置情報へ送信する。
具体的には、シリアル通信回路67Aが枠側情報コマンドを処理しているときに、メダル数制御基板17が応答コマンドを送信した場合であっても、応答コマンドは、シリアル通信回路67Bによって処理されるため、不都合が発生することを防ぐことができる。
[変形例]
本発明は、上記の実施の形態に限られず、種々の変形、応用が可能である。以下、本発明に適用可能な上記の実施の形態の変形例について説明する。
[賭数クリアスイッチについて]
上述の通り、主制御基板16は、賭数設定操作に基づいて、賭数設定処理をする。具体的には、主制御基板16は、MAXBETスイッチ6または1BETスイッチ20が押下されたことに基づいて、BETカウンタに記憶された賭数を加算する。また、主制御基板16は、精算操作に基づいて、精算処理をする。具体的には、主制御基板16は、賭数クリアスイッチ21が押下されたことに基づいて、BETカウンタに記憶された賭数を減算する。
変形例におけるS台2は、賭数クリアスイッチ21を備えることなく、1BETスイッチ20やMAXBETスイッチ6を用いて遊技者が精算操作を行うものであってもよい。たとえば、主制御基板16は、BETカウンタが3であるときに、1BETスイッチ20が1回操作された場合、それ以上賭数を設定できないことから、1BETを精算することでBETカウンタを2に更新してもよい。主制御基板16は、BETカウンタが3であるときに、MAXBETスイッチ6が1回操作された場合、それ以上賭数を設定できないことから、全ての賭数を精算することでBETカウンタを0に更新してもよい。そして、主制御基板16は、上述したような精算のための1BETスイッチ20やMAXBETスイッチ6が操作されたときに、精算コマンドをメダル数制御基板17へ送信してもよい。
このように、BETカウンタの値に応じて、1BETスイッチ20またはMAXBETスイッチ6が押下されたときに、賭数設定操作をするか、精算操作をするかを決定することにより、賭数クリアスイッチ21を設けることなく、賭数設定操作および精算操作の両方を行うことができる。このように構成することで、コストダウンを図ることができる。
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、本発明はこの実施例に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれることは言うまでもない。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
2 S台、2L,2C,2R リール、6 MAXBETスイッチ、7 スタートスイッチ、8L,8C,8R ストップスイッチ、51 液晶表示器、16 主制御基板、17 メダル数制御基板。

Claims (1)

  1. 各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示部を備え、
    前記可変表示部を変動表示した後、前記可変表示部の変動表示を停止することで表示結果を導出し、該表示結果に応じて入賞が発生可能なスロットマシンにおいて、
    遊技の進行を制御する遊技制御手段と、
    遊技者所有の遊技価値に関する制御を行う価値制御手段と、を備え、
    前記価値制御手段は、
    付与済みの全ての遊技価値のうち、特定状態において付与された遊技価値が占める割合を出力する価値付与比率処理を実行し、
    前記価値付与比率処理に用いられるデータをバックアップし、
    前記遊技制御手段は、前記スロットマシンの電源が投入されたときに、該遊技制御手段が有する固有情報を特定可能な固有情報コマンドを前記価値制御手段に送信し、
    前記価値制御手段は、前記固有情報コマンドから特定した前記固有情報が、前回受信した前記固有情報コマンドから特定した前記固有情報と異なっている場合に、前記価値付与比率処理に用いられるデータを初期化する、スロットマシン。
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