JP7459402B1 - 熱交換器及び空気調和装置 - Google Patents

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Abstract

熱交換器は、複数の伝熱管を備え、複数の伝熱管のそれぞれには、複数の貫通孔が形成されており、複数の伝熱管は、複数の伝熱管の内、隣り合う伝熱管の複数の貫通孔同士を直接連結させた複数の連結部を有し、又は、複数の貫通孔に挿入され、複数の伝熱管の内、隣り合う伝熱管の複数の貫通孔同士を連結させる複数のヘッダ管を有し、複数の連結部又は複数のヘッダ管は、第1方向に延びるように形成された複数のヘッダ部であって、複数の伝熱管のそれぞれの内部空間との間で冷媒を連通させ、複数の伝熱管により構成された伝熱管群の冷媒の出入口となる複数のヘッダ部を構成し、複数のヘッダ部は、重力方向において複数の伝熱管を上下に分割する位置に設けられているものである。

Description

本開示は、熱交換器及びこの熱交換器を備えた空気調和装置に関するものである。
従来より、伝熱管が鉛直に設置された熱交換器であって、ヘッダ部と、そのヘッダ部に接続され上下方向に延びるように形成された複数の伝熱管と、を有する熱交換器が存在している(例えば、特許文献1参照)。
特開2018-96638号公報
特許文献1の熱交換器のように、伝熱管が鉛直に設置された熱交換器は、伝熱管の鉛直方向の長さが長くなると、凝縮運転時において熱交換器の下部から冷媒が流入する際に、ヘッド差(位置エネルギー)に負けて伝熱管の上部まで冷媒が上昇できず液滞留を生ずる恐れがある。
本開示は、上記のような課題を解決するためのものであり、ヘッド差を緩和して液滞留を抑制する熱交換器及び空気調和装置の提供を目的とするものである。
本開示に係る熱交換器は、第1方向に配列され、それぞれが第1方向と交差する第2方向に延伸しており、第2方向の両端部が封止され内部を冷媒が流れる複数の伝熱管を備え、複数の伝熱管のそれぞれには、両端部よりも内側に形成されており、複数の伝熱管のそれぞれの内部空間と外部とを連通させる複数の貫通孔が形成されており、複数の伝熱管は、複数の伝熱管の内、隣り合う伝熱管の複数の貫通孔同士を直接連結させた複数の連結部を有し、又は、複数の貫通孔に挿入され、複数の伝熱管の内、隣り合う伝熱管の複数の貫通孔同士を連結させる複数のヘッダ管を有し、複数の連結部又は複数のヘッダ管は、第1方向に延びるように形成された複数のヘッダ部であって、複数の伝熱管のそれぞれの内部空間との間で冷媒を連通させ、複数の伝熱管により構成された伝熱管群の冷媒の出入口となる複数のヘッダ部を構成し、複数のヘッダ部は、重力方向において複数の伝熱管を上下に分割する位置に設けられており、複数の伝熱管の1本当たりの流路断面積aをa[m ]と定義し、伝熱管の本数をN[本]としたときの複数の伝熱管の全流路断面積AをA[m ]=a×N[m ]と定義し、複数の伝熱管の第2方向の長さをH[m]と定義し、第1方向を水平面と平行な方向とした場合であって、水平面に対する複数の伝熱管の傾斜角度をθ[°]と定義し、冷媒流路の差圧をΔP HEX と定義し、液ヘッドをΔP HEAD と定義した場合に、ΔP HEX /ΔP HEAD =(5.94635×10-4×A-1.75030)/(8.4303HSinθ+0.8779)>1の関係を満たすものである。
また、本開示に係る空気調和装置は、上記の熱交換器を備えたものである。
本開示に係る熱交換器及び空気調和装置は、連結部あるいはヘッダ管によって複数の貫通孔が連結して構成された複数のヘッダ部を有し、複数のヘッダ部は、重力方向において複数の伝熱管を上下に分割する位置に設けられているものである。熱交換器及び空気調和装置は、複数のヘッダ部が重力方向において複数の伝熱管を上下に分割する位置に設けられていない場合と比較して、伝熱管の内部において冷媒が上昇する距離を短くすることができる。熱交換器及び空気調和装置は、複数のヘッダ部が重力方向において複数の伝熱管を上下に分割する位置に設けられていない場合と比較して、冷媒が上昇する距離を短くすることによって、ヘッド差を緩和し、液滞留を抑制することができる。
実施の形態1に係る熱交換器の概略構成を示す斜視図である。 実施の形態1に係る熱交換器の縦断面図である。 実施の形態1に係る熱交換器の伝熱管を第1方向に見た図である。 実施の形態1に係る熱交換器において、図3の伝熱管のA-A線位置の断面を矢視方向に見た概念図である。 実施の形態1に係る熱交換器の変形例の縦断面図である。 実施の形態1の熱交換器を搭載した空気調和装置の冷房運転時の冷媒回路図である。 実施の形態2に係る熱交換器の伝熱管を示す斜視図である。 実施の形態2に係る熱交換器において、図3の伝熱管のA-A線位置の断面を矢視方向に見た概念図である。 実施の形態3に係る熱交換器の伝熱管の内面の一部を示す斜視図である。 実施の形態4に係る熱交換器を第1方向に見た概念図である。 実施の形態4に係る熱交換器の変形例を第1方向に見た概念図である。 比較例に係る熱交換器を第1方向に見た概念図である。 実施の形態5に係る熱交換器を第1方向に見た概念図である。
以下、実施の形態1に係る熱交換器及びこの熱交換器を備えた空気調和装置について図面等を参照しながら説明する。なお、図1を含む以下の図面では、各構成部材の相対的な寸法の関係及び形状等が実際のものとは異なる場合がある。また、以下の図面において、同一の符号を付したものは、同一又はこれに相当するものであり、このことは明細書の全文において共通することとする。また、理解を容易にするために方向を表す用語(例えば「上」、「下」、「右」、「左」、「前」、「後」など)を適宜用いるが、それらの表記は、説明の便宜上、そのように記載しているだけであって、装置あるいは部品の配置及び向きを限定するものではない。明細書中において、各構成部材同士の位置関係、各構成部材の延伸方向、及び各構成部材の配列方向は、原則として、熱交換器が使用可能な状態に設置されたときのものである。
実施の形態1.
[熱交換器100の構成]
図1は、実施の形態1に係る熱交換器100の概略構成を示す斜視図である。なお、図1に示す白抜き矢印は、冷媒の流れる方向の一例を示している。図1を用いて熱交換器100の構成について説明する。なお、以下に白抜き矢印で示す冷媒の方向は、一例であり、熱交換器100が蒸発器又は凝縮器として機能する場合によって冷媒の流れる方向が図示と逆方向になる場合がある。また、図1では、伝熱管10の内部に設けられた仕切部70を破線で示している。
熱交換器100は、熱交換器100の内部を流れる冷媒と熱交換器100の外部を流れる流体との間で熱交換を行う機器である。熱交換器100は、空気調和装置の場合、熱交換器100の内部を流れる冷媒と熱交換器100の外部を流れる空気との間で熱交換を行う。熱交換器100は、他の熱交換器及び圧縮機等と冷媒配管によって接続されており、冷媒回路を構成する各種機器の一部を構成している。
図2は、実施の形態1に係る熱交換器100の縦断面図である。図3は、実施の形態1に係る熱交換器100の伝熱管10を第1方向D1に見た図である。図4は、実施の形態1に係る熱交換器100において、図3の伝熱管10のA-A線位置の断面を矢視方向に見た概念図である。なお、図2に示す断面図は、第1方向D1及び第2方向D2に沿った平面における熱交換器100の断面を示している。また、図2は、熱交換器100の一部を示している。また、図3では、伝熱管10の内部に設けられた仕切部70を破線で示している。以下、図1~図4を用いて、熱交換器100の構造について詳しく説明する。
熱交換器100は、第1方向D1に配列され、それぞれが第1方向D1と交差する第2方向D2に延伸しており、第2方向D2の両端部が封止され内部を第2方向D2に冷媒が流れる複数の伝熱管10を備える。
(伝熱管10)
図1に示すように、熱交換器100は、第1方向D1に配列され互いに連結された複数の伝熱管10を有する。伝熱管10は、一例として、扁平管であり、管軸Axが延びる方向(以下、管軸方向ともいう)に延伸し、管軸Axと垂直な断面において一方向に長い扁平形状を呈する。なお、伝熱管10は、扁平管が好ましいが、扁平管に限定されるものではない。
以下の説明では、複数の伝熱管10が配列する第1方向D1を配列方向といい、伝熱管10の管軸方向を第2方向D2あるいは伝熱管10の長手方向といい、伝熱管10の断面の長手方向を第3方向D3あるいは伝熱管10の短手方向という場合がある。第3方向D3は、第1方向D1及び第2方向D2に直交する方向である。
また、以下の説明では、図1に示すように、熱交換器100は、伝熱管10の配列方向(第1方向D1)が左右方向となるように設置されているものと定義する。そして、各伝熱管10は、その管軸Axが、配列方向(第1方向D1)と直交する上下方向となり、その短手方向(第3方向D3)が、管軸方向及び配列方向と直交する前後方向となるように配置されているものと定義する。
なお、熱交換器100の配置、あるいは、熱交換器100における伝熱管10の配列方向(第1方向D1)と各伝熱管10の管軸方向(第2方向D2)との角度は、上記の場合に限定されない。例えば、各伝熱管10の管軸方向が上下方向に対して傾斜した方向となるように、熱交換器100が傾いて配置されてもよい。あるいは、伝熱管10の配列方向(第1方向D1)が左右方向となるように熱交換器100が設置された場合において各伝熱管10の管軸方向が上下方向に対して傾斜した方向となるように、熱交換器100を構成してもよい。
伝熱管10の配列方向(第1方向D1)において隣り合う伝熱管10の管壁11間には、空気の流路P2である隙間が形成されており、熱交換器100において各隙間には、伝熱管10の短手方向(第3方向D3)に沿って空気が流通する。伝熱管10内に流通する流体は、冷媒である。伝熱管10の内部には、冷媒が流れる伝熱流路P1aが設けられている。なお、伝熱管10内に流通する流体は、冷媒の代わりに、水又はブライン等の他の流体でもよい。
伝熱管10の長手方向(第2方向D2)両側の端部は封止されている。具体的には、熱交換器100は、伝熱管10の長手方向(第2方向D2)両側の各開口端10eを閉塞する管封止部20を備える。図2の例では、管封止部20は、扁平管の上側及び下側の2箇所に、伝熱管10毎に設けられる。管封止部20は、例えば、伝熱管10の開口端10eにロウ付け又は接着剤等の接合手段により接合されている。
図2~図4に示すように、複数の伝熱管10のそれぞれは、内部空間に冷媒が流通する伝熱流路P1aが設けられた管壁11を有する。伝熱管10は、その長手方向(第2方向D2)にわたり、すなわち管壁11の上端から下端まで、冷媒が流通する内部空間が保たれた管構造を有する。
伝熱管10の管壁11は、第1方向D1で向かい合う略平板状の管側壁部10a及び管側壁部10bを有する。また、伝熱管10の管壁11は、管側壁部10a及び管側壁部10bの第3方向D3両側の各端部において管側壁部10aと管側壁部10bとを接続する曲面状の接続壁部10c及び接続壁部10dを有する。なお、以下の説明では、管側壁部10a及び管側壁部10bを、管側壁部10a等と記載する場合がある。
管側壁部10a及び管側壁部10bはそれぞれ、伝熱管10の長手方向(第2方向D2)に長辺が延び、伝熱管10の短手方向(第3方向D3)に短辺が延びた長方形状を有する。管側壁部10a及び管側壁部10bはそれぞれ平板状であるが、本願でいう「平板状」は完全に平面で構成された面でなくてもよく、全体として平面的に広がって見える構造であれば良い。例えば、管側壁部10a及び管側壁部10bは、平面的に広がる領域の一部に窪み、突起、波形が形成されていてもよい。図2では、管壁11の左側の壁部が管側壁部10aであり、管壁11の右側の壁部が管側壁部10bである。なお、伝熱管10が円管である場合は、管壁11は円筒状形成されている。
図2及び図3に示すように、複数の伝熱管10のそれぞれには、第2方向D2における両端部よりも内側に形成されており、複数の伝熱管10のそれぞれの内部空間と外部とを連通させる複数の貫通孔30が形成されている。
図2及び図3に示すように、管側壁部10a及び管側壁部10bには、貫通孔30が形成されている。左側の管側壁部10aには、第1方向D1に貫通する貫通孔30aが形成され、右側の管側壁部10bには、第1方向D1に貫通する貫通孔30bが形成されている。
貫通孔30a及び貫通孔30bは、後述する第1ヘッダ部51及び第2ヘッダ部52を構成する貫通孔である。貫通孔30a及び貫通孔30bは、第1方向D1において互いに対向する位置に形成されている。なお、貫通孔30は、貫通孔30a及び貫通孔30bの総称である。貫通孔30は、後述するヘッダ部50を構成する貫通孔である。
図2に示すように、隣り合う伝熱管10は、互いの管壁11を連結するための連結部12を有する。隣り合う伝熱管10は、管壁11同士を接続し、且つ管壁11の内部の伝熱流路P1a同士を連通させる連結部12を有する。各伝熱管10は、管壁11と、管壁11から外側の第1方向D1に延びた、連結部12を構成する連結突起部12a及び連結突起部12bとを有する。
隣り合う伝熱管10の連結部12は、第1方向D1に貫通する中空部Sgが形成された筒形状を有する。連結部12は、連結突起部12a及び連結突起部12bを組み合わせて形成されている。図2の例では、連結部12は、連結突起部12bが連結突起部12aに挿入されて形成されている。連結部12を構成する連結突起部12aと連結突起部12bとは、例えば嵌まり合う構成となっている。
連結部12は、隣り合う伝熱管10の対向する管側壁部10a等の少なくとも一方に形成された、貫通孔30の周縁部から第1方向D1へ突出する連結突起部12a及び連結突起部12bにより構成されている。
なお、連結部12は、連結突起部12aと連結突起部12bとが嵌まり合う構成でなくともよい。例えば、連結部12は、ロウ付け又は接着剤等の接合手段により連結突起部12aと連結突起部12bとを接合する構成でもよい。
連結部12は、隣り合う伝熱管10において対向する管側壁部10a及び管側壁部10bの内、少なくとも一方の管側壁部10a又は管側壁部10bに設けられた連結突起部12a又は連結突起部12bで構成される。連結突起部12aは、貫通孔30aの周縁部から、対向する管側壁部10b側へ延びている。連結突起部12bは、貫通孔30bの周縁部から、対向する管側壁部10aの側へ延びている。
図2では、連結部12は、隣り合う伝熱管10において対向する管側壁部10a及び管側壁部10bの双方の管側壁部に形成された円筒形状の連結突起部12a及び連結突起部12bで構成されている。このような貫通孔30a及び貫通孔30bと連結突起部12a及び連結突起部12bとは、たとえば伝熱管10の平板部分に穴をあけ、その周縁の平板部分を筒状に立ち上げるように変形するバーリング加工によって形成することができる。
図2に示すように、連結部12は、管側壁部10a及び管側壁部10bに設けられた貫通孔30aと貫通孔30bとを中空部Sgによって接続することで隣り合う管壁11の内部空間同士を連通させる。また、連結部12は、その内側の中空部Sgと、連結部12の外側の空間である空気の流路P2とを隔てる機能を有する。
図2及び図3に示すように、貫通孔30及び連結部12は、伝熱管10の長手方向(第2方向D2)において両側の開口端10eよりも内側に形成される。具体的には、図1のように配置された熱交換器100では、各伝熱管10の貫通孔30、連結突起部12a及び連結突起部12bは、伝熱管10の上側の開口端10eよりも下側且つ伝熱管10の下側の開口端10eよりも上側に形成されている。
貫通孔30及び連結部12は、重力方向において複数の伝熱管10を上下に分割する位置に形成されている。また、貫通孔30及び連結部12は、第2方向D2において複数の伝熱管10の中央部17に設けられている。なお、中央部17は、伝熱管10の第2方向D2における完全な中央部分だけではなく、中央部部分の付近の部分も含む。また、2つの貫通孔30は、伝熱管10の第3方向D3において並んで形成されている。また、2つの連結部12は、伝熱管10の第3方向D3において並んで形成されている。
伝熱管10は、例えば、伝熱管10の元になる部材に予め貫通孔30と連結突起部12a及び連結突起部12bとを形成しておき、その部材をロールフォーミングにより成形することで製造することができる。また、連結突起部12a及び連結突起部12bは、伝熱管10の元になる部材において貫通孔30を形成する際に穴周縁部を起こすことで形成するようにしてもよい。伝熱管10には、例えば、アルミニウム、銅又は真鍮等の高い熱伝導性を有する金属材料が用いられる。
複数の伝熱管10のそれぞれは、管壁11の内部空間に配置され、第2方向D2に延伸し、内部空間を第1方向D1及び第2方向D2に対してそれぞれ直交する第3方向D3に分割する仕切部70を有する。仕切部70の第2方向D2の両端は、伝熱管10の伝熱流路P1aにおける第2方向D2の両側の端よりも内側に位置している。仕切部70の上端70aは、伝熱管10の上側の開口端10e(図2参照)よりも下側に設けられており、仕切部70の下端70bは、伝熱管10の下側の開口端10e(図2参照)よりも上側に設けられている。
仕切部70は、伝熱管10の内部空間において、第1方向D1及び第2方向D2に延びる板状あるいは棒状の部材である。仕切部70は、管側壁部10a及び管側壁部10bと接続するように設けられている。仕切部70は、管側壁部10aと管側壁部10bとの間に延びるように設けられている。仕切部70は、伝熱管10の第2方向D2の両端部を除いて、伝熱管10の内部空間を、第3方向D3に隔てる部材である。
仕切部70は、例えば、伝熱管10の内部空間において、第3方向D3の中央部分に設けられている。なお、仕切部70の設置位置は、当該部分に限定されるものではなく、第3方向D3において、いずれか一方の方向に偏って設けられてもよい。
熱交換器100における冷媒の流路は、各伝熱管10の管壁11内に設けられ、伝熱管10の長手方向(第2方向D2)に延伸する伝熱流路P1aを有する。また、熱交換器100における冷媒の流路は、複数の伝熱管10の配列方向(第1方向D1)に延伸し、複数の伝熱管10の伝熱流路P1aを連通させるヘッダ流路P1bを有する。また、熱交換器100における冷媒の流路は、複数の伝熱管10の配列方向(第1方向D1)に延伸し、複数の伝熱管10の伝熱流路P1aを連通させるヘッダ流路P1cを有する。
伝熱流路P1aは、仕切部70によって、第1流路P1a1と、第2流路P1a2とに隔てられている。第1流路P1a1は、伝熱管10の第2方向D2に延びており、後述する第1ヘッダ部51から流入した冷媒が伝熱管10の中央部17から上下端に向かうように分かれて流れる流路である。第2流路P1a2は、伝熱管10の第2方向D2に延びており、第1流路P1a1から流入した冷媒が伝熱管10の上下端から中央部17に向かい合流して第2ヘッダ部52に流れる流路である。
第1流路P1a1と第2流路P1a2とは、伝熱管10の上下の両端部において互いに連通している。そのため、冷媒の伝熱流路P1aは、略O字形状に形成されている。
熱交換器100の冷媒の流路は、複数の伝熱流路P1aと、熱交換器100の中央部17に前後に並列して設けられたヘッダ流路P1b及びヘッダ流路P1c(図3参照)と、により構成されている。ヘッダ流路P1bは、熱交換器100の中央部17において前側に設けられた複数の連結部12の中空部Sg等で構成される。また、ヘッダ流路P1cは、熱交換器100の中央部17において後側に設けられた複数の連結部12の中空部(図示は省略)等で構成されている。
伝熱流路P1aは、伝熱管10の長手方向(第2方向D2)において、伝熱流路P1aの中央部17で、ヘッダ流路P1b及びヘッダ流路P1cと連通している。ヘッダ流路P1b及びヘッダ流路P1cは、それぞれ複数の伝熱流路P1aと連通している。上述した貫通孔30a、貫通孔30b及び連結部12の中空部Sg等は、ヘッダ流路P1b及びヘッダ流路P1cを構成するものであり、中空部Sgには冷媒が流通する。
熱交換器100において、連結部12は、伝熱管10の一部で構成され、そして、ヘッダ流路P1b及びヘッダ流路P1cの内、伝熱管10の管壁11間に配置される部分は、連結部12の内側の中空部Sgである。したがって、熱交換器100では、熱交換部材である伝熱管10にヘッダ流路P1b及びヘッダ流路P1cが形成されるので、複数の伝熱管10の外側にヘッダ部を備える必要が無い構成となっている。
複数の伝熱管10は、複数の伝熱管10の内、隣り合う伝熱管10の複数の貫通孔30同士を連結して形成された複数のヘッダ部50を有する。ヘッダ部50は、例えば、水平方向に延びるように形成されている。ヘッダ部50は、第1方向D1及び第2方向D2に直交する第3方向D3において、複数の伝熱管10の幅よりも小さく形成されている。ヘッダ部50は、図1に示すように複数の伝熱管10のそれぞれの内部空間との間で冷媒を連通させ、複数の伝熱管10により構成された伝熱管群15の冷媒の出入口51a及び出入口52aとなる。なお、ヘッダ部50の出入口51a及び出入口52aの反対側の端部は、管壁11等により閉塞されている。
ヘッダ部50は、伝熱管群15に流入する冷媒を、複数の伝熱管10に分配する分配機構として機能する。また、ヘッダ部50は、冷媒が、伝熱管群15から流出する際に、複数の伝熱管10から流出する冷媒が合流する際の合流機構として機能する。
複数のヘッダ部50は、少なくとも第1ヘッダ部51と、第2ヘッダ部52とを含む。ヘッダ部50は、第1ヘッダ部51及び第2ヘッダ部52の総称である。図1及び図2に示すように、複数のヘッダ部50は、第3方向D3において、伝熱管10の一方の端部側に設けられた第1ヘッダ部51と、伝熱管10の他方の端部側に設けられた第2ヘッダ部52とを有する。なお、ヘッダ部50は、伝熱管10の第2方向D2における端部よりも内側に設けられている。第3方向D3における、第1ヘッダ部51と第2ヘッダ部52との位置は、図示の位置と逆の位置でもよい。
複数のヘッダ部50は、重力方向において複数の伝熱管10を上下に分割する位置に形成されている。また、複数のヘッダ部50は、第2方向D2において複数の伝熱管10の中央部17に設けられている。また、第1ヘッダ部51及び第2ヘッダ部52は、伝熱管10の第3方向D3において並んで形成されている。
実施の形態1の熱交換器100では、複数のヘッダ部50は、熱交換器100が凝縮器又は蒸発器のいずれか一方である場合、冷媒の流入口となる第1ヘッダ部51と、冷媒の流出口となる第2ヘッダ部52と、を含む。第1ヘッダ部51及び第2ヘッダ部52は、第3方向D3において、仕切部70を間に挟んで仕切部70の両側に設けられている。
複数の伝熱管10は、上述したように、複数の伝熱管10の内、隣り合う伝熱管10の複数の貫通孔30同士を直接連結させた複数の連結部12を有し、複数のヘッダ部50のそれぞれは、複数の連結部12により構成されている。すなわち、複数の連結部12は、第1方向D1に延びるように形成された複数のヘッダ部50を形成する。複数の連結部12は、複数の伝熱管10のそれぞれの内部空間との間で冷媒を連通させ、複数の伝熱管10により構成された伝熱管群15の冷媒の出入口となる複数のヘッダ部50を構成する。熱交換器100は、貫通孔30に設けられた連結部12によって、直接、貫通孔30同士を連結している。
[熱交換器100の変形例]
図5は、実施の形態1に係る熱交換器100の変形例の縦断面図である。なお、図5は、熱交換器100の一部を示している。図5を用いて、熱交換器100の変形例について説明する。
熱交換器100は、ヘッダ部50の構成に当たり、連結部12を用いず、ヘッダ管80を有してもよい。すなわち、熱交換器100は、貫通孔30同士の連結に当たり、連結部12の代わりにヘッダ管80を用いてもよい。熱交換器100は、貫通孔30同士を、ヘッダ管80を用いて伝熱管10とは別部材で連結してもよい。
複数の伝熱管10は、複数の貫通孔30に挿入され、複数の伝熱管10の内、隣り合う伝熱管10の複数の貫通孔30同士を連結させる複数のヘッダ管80を有する。複数のヘッダ部50のそれぞれは、貫通孔30に挿入されたヘッダ管80により構成されている。ヘッダ管80には、複数の伝熱管10のそれぞれの内部空間と連通する複数の穴82が形成されている。
複数の伝熱管10のそれぞれは、内部空間に流体が流通する伝熱流路P1aが設けられた管壁11を有する。管壁11は、第1方向D1で向かい合う管側壁部10a等を有し、管側壁部10a等には、ヘッダ管80が挿入される貫通孔30が形成されている。熱交換器100は、ヘッダ管80によって、間接的に貫通孔30同士を連結している。
ヘッダ管80は、上述したように、複数の伝熱管10を第1方向D1に貫通しており、内部を冷媒が流れる。ヘッダ管80は、例えば、断面形状が円筒状の円管である。なお、ヘッダ管80は、円管に限定されるものではなく、断面形状が円筒とは異なる他の形状の管でもよい。
ヘッダ管80又は連結部12の内部には、ヘッダ流路P1b又はヘッダ流路P1cが形成されている。例えば、第1ヘッダ部51を構成するヘッダ管80又は連結部12は、ヘッダ流路P1bを構成し、第2ヘッダ部52を構成するヘッダ管80又は連結部12は、ヘッダ流路P1cを構成する。
複数のヘッダ部50は、第1方向D1に延びるように形成された複数のヘッダ部50であって、複数の伝熱管10のそれぞれの内部空間との間で冷媒を連通させ、複数の伝熱管10により構成された伝熱管群15の冷媒の出入口となる複数のヘッダ部50を構成する。
次に、図1及び図2を用いて、熱交換器100の動作の一例について説明する。図1に示すように、第1ヘッダ部51から伝熱管群15に流入した冷媒は、伝熱管群15の内部を流れ、第2ヘッダ部52から流出する。より詳細には、図1に白抜き矢印で示すように、冷媒が、第1ヘッダ部51の冷媒の出入口51aから熱交換器100内に流入する。図2に示すように、熱交換器100において冷媒は、まず、複数の伝熱管10の中央部17を左右方向に貫通する第1ヘッダ部51のヘッダ流路P1bに流入し、ヘッダ流路P1bを流れる。その過程で、冷媒は、複数の伝熱管10のそれぞれの管壁11内に設けられた伝熱流路P1aに分配され流入する。
図3に示すように、各伝熱管10の内部では、第1ヘッダ部51から各伝熱流路P1aに流入した冷媒は、第1流路P1a1において上下に分岐して流れ、第1流路P1a1から第2流路P1a2で合流し、第2ヘッダ部52から流出する。このとき、冷媒は、伝熱管10の管壁11同士の隙間(すなわち空気の流路P2)を流通する空気と、管壁11を介して熱交換する。冷媒は、複数の伝熱流路P1aから複数の伝熱管10の中央部17を貫通する第2ヘッダ部52のヘッダ流路P1cに流入し、ヘッダ流路P1cにおいて合流する。ヘッダ流路P1cにおいて合流した冷媒は、ヘッダ流路P1cを流れ、第2ヘッダ部52の冷媒の出入口52a(図1参照)から熱交換器100の外部へ流出する。
なお、図1~図5に示した熱交換器100は、本開示の熱交換器100の一例であり、伝熱管10、伝熱流路P1a、ヘッダ流路P1b及びヘッダ流路P1cの数及び形状は、適宜変更できる。例えば、伝熱管10は、伝熱促進部材となるフィンを備えてもよい。また、伝熱管10は、空気の流路P2に突出したディンプル等の凸部を有してもよい。
[空気調和装置200]
図6は、実施の形態1の熱交換器100を搭載した空気調和装置200の冷房運転時の冷媒回路図である。図6に示すように、熱交換器100は、空気調和装置200において冷媒が循環する冷媒回路250の一部を構成する。熱交換器100は、後述する室外側熱交換器203又は室内側熱交換器205のいずれか一方又は双方に適用される。
空気調和装置200は、圧縮機201と、冷媒の流路を切り替える流路切替装置202と、室外空気と内部を流れる冷媒との間で熱交換を行う室外側熱交換器203と、を有する。また、空気調和装置200は、内部を流れる冷媒を減圧する膨張弁204と、室内空気と内部を流れる冷媒との間で熱交換を行う室内側熱交換器205と、を備える。なお、空気調和装置200は、流路切替装置202を有していなくともよい。
図6では、空気調和装置200は、圧縮機201、流路切替装置202、室外側熱交換器203及び膨張弁204が室外機ユニット231に設けられ、室内側熱交換器205が室内機ユニット232に設けられている。熱交換器100の冷媒の出入口となるヘッダ部50(図2参照)は、冷媒回路250の流路切替装置202及び膨張弁204に接続される。
空気調和装置200は、圧縮機201、流路切替装置202、室外側熱交換器203、膨張弁204、室内側熱交換器205が冷媒配管255で接続され、冷媒が循環する冷媒回路250を構成している。図6に示す空気調和装置200は、流路切替装置202の切り替えにより冷房運転及び暖房運転の両方が運転可能である。
圧縮機201は、低温低圧の冷媒を吸入し、吸入した冷媒を圧縮し、高温高圧の冷媒を吐出する。流路切替装置202は、例えば四方弁であり、冷媒の流れる方向を切り替えることにより、冷房運転と暖房運転との切り替えを行う。流路切替装置202は、暖房運転時に圧縮機201の吐出側と室内側熱交換器205とを接続させ、冷房運転時に圧縮機201の吐出側と室外側熱交換器203とを接続させる。
室外側熱交換器203は、室外空気と室外側熱交換器203の内部を流れる冷媒との間で熱交換を行う。室外側熱交換器203は、図6に示すように、冷房運転の際に、冷媒の熱を室外空気に放熱して冷媒を凝縮させる凝縮器221として機能する。また、室外側熱交換器203は、暖房運転の際に、冷媒を蒸発させ、その際の気化熱により室外空気を冷却する蒸発器として機能する。
膨張弁204は、例えば絞りの開度を調整することができる電子式膨張弁であり、開度を調整することによって室外側熱交換器203又は室内側熱交換器205に流入する冷媒の圧力を制御する。なお、実施の形態では、膨張弁204は、室外機ユニット231に設けられているが、室内機ユニット232に設けられていてもよく、設置箇所は限定されない。
室内側熱交換器205は、室内空気と室内側熱交換器205の内部を流れる冷媒との間で熱交換を行う。室内側熱交換器205は、図6に示すように、冷房運転の際に、冷媒を蒸発させ、その際の気化熱により室外空気を冷却する蒸発器222として機能する。また、室内側熱交換器205は、暖房運転の際に、冷媒の熱を室外空気に放熱して冷媒を凝縮させる凝縮器として機能する。
なお、空気調和装置200は、室外側熱交換器203及び室内側熱交換器205に空気を送風するための室外ファン203a及び室内ファン205aを有してもよい。室外ファン203a及び室内ファン205aは、隣接する伝熱管10同士の間の流路P2(図2参照)を流れる空気の流れを形成する。
空気調和装置200は、圧縮機201が動作することにより、圧縮機201、室外側熱交換器203、膨張弁204及び室内側熱交換器205を冷媒が相変化しながら循環する冷凍サイクルが行われる。
図7に示す空気調和装置200の冷房運転時には、圧縮機201で圧縮された冷媒が室外側熱交換器203へ送られる。室外側熱交換器203では、冷媒が室外の空気へ熱を放出して凝縮される。この後、冷媒は、膨張弁204へ送られ、膨張弁204で減圧された後、室内側熱交換器205へ送られる。この後、冷媒は、室内側熱交換器205で室内の空気から熱を取り込んで蒸発した後、圧縮機201へ戻る。したがって、空気調和装置200の冷房運転時には、室外側熱交換器203が凝縮器221として機能し、室内側熱交換器205が蒸発器222として機能する。
空気調和装置200の暖房運転時には、圧縮機201で圧縮された冷媒が室内側熱交換器205へ送られる。室内側熱交換器205では、冷媒が室内の空気へ熱を放出して凝縮される。この後、冷媒は、膨張弁204へ送られ、膨張弁204で減圧された後、室外側熱交換器203へ送られる。この後、冷媒は、室外側熱交換器203で室外の空気から熱を取り込んで蒸発した後、圧縮機201へ戻る。したがって、空気調和装置200の暖房運転時には、室外側熱交換器203が蒸発器として機能し、室内側熱交換器205が凝縮器として機能する。
[熱交換器100の作用効果]
熱交換器100は、第1方向D1に配列され、それぞれが第1方向D1と交差する第2方向D2に延伸しており、第2方向D2の両端部が封止され内部を冷媒が流れる複数の伝熱管10を備える。複数の伝熱管10のそれぞれには、両端部よりも内側に形成されており、複数の伝熱管10のそれぞれの内部空間と外部とを連通させる複数の貫通孔30が形成されている。複数の伝熱管10は、複数の伝熱管10の内、隣り合う伝熱管10の複数の貫通孔30同士を直接連結させた複数の連結部12を有する。あるいは、複数の伝熱管10は、複数の貫通孔30に挿入され、複数の伝熱管10の内、隣り合う伝熱管10の複数の貫通孔30同士を連結させる複数のヘッダ管80を有する。複数の連結部12又は複数のヘッダ管80は、第1方向D1に延びるように形成された複数のヘッダ部50を構成する。複数のヘッダ部50は、複数の伝熱管10のそれぞれの内部空間との間で冷媒を連通させ、複数の伝熱管10により構成された伝熱管群15の冷媒の出入口となる。複数のヘッダ部50は、重力方向において複数の伝熱管10を上下に分割する位置に設けられているものである。
熱交換器100は、連結部12あるいはヘッダ管80によって複数の貫通孔30が連結して構成された複数のヘッダ部50を有し、複数のヘッダ部50は、重力方向において複数の伝熱管10を上下に分割する位置に設けられているものである。熱交換器100は、複数のヘッダ部50が重力方向において複数の伝熱管10を上下に分割する位置に設けられていない場合と比較して、伝熱管10の内部において冷媒が上昇する距離を短くすることができる。熱交換器100は、冷媒が上昇する距離を短くすることによって、複数のヘッダ部50が重力方向において複数の伝熱管10を上下に分割する位置に設けられていない場合と比較して、ヘッド差を緩和し、液滞留を抑制することができる。
また、複数のヘッダ部50は、第2方向D2において複数の伝熱管10の中央部17に設けられている。熱交換器100は、複数のヘッダ部50が複数の伝熱管10の中央部17に設けられていない場合と比較して、伝熱管10の内部においてヘッダ部50から流出する冷媒あるいはヘッダ部50に流入する冷媒が上昇する距離を短くすることができる。熱交換器100は、冷媒が上昇する距離を短くすることによって、複数のヘッダ部50が重力方向において複数の伝熱管10を上下に分割する位置に設けられていない場合と比較して、ヘッド差を緩和し、液滞留を抑制することができる。また、熱交換器100は、複数のヘッダ部50が複数の伝熱管10の中央部17に設けられていることで、冷媒の出入口を中央部分に集められることができ、配管の取り回しが容易になる。
また、複数の伝熱管10のそれぞれは、管壁11の内部空間に配置され、第2方向D2に延伸し、内部空間を第1方向D1及び第2方向D2に対してそれぞれ直交する第3方向D3に分割する仕切部70を有する。仕切部70の第2方向D2の両端は、伝熱管10の伝熱流路P1aにおける第2方向D2の両側の端よりも内側に位置している。複数のヘッダ部50は、冷媒の流入口となる第1ヘッダ部51と、冷媒の流出口となる第2ヘッダ部52と、を含む。第1ヘッダ部51及び第2ヘッダ部52は、第3方向D3において、仕切部70を間に挟んで仕切部70の両側に設けられている。熱交換器100は、仕切部70を有することによって、第1ヘッダ部51から流入する冷媒を上下に分岐させやすくなり、伝熱管10の内部の流路を狭めることによって上昇する冷媒の流速を上げることができる。そのため、熱交換器100は、仕切部70を有していない場合と比較して、冷媒を上昇させやすくなるため、ヘッド差を緩和し、液滞留を抑制することができる。
また、空気調和装置200は、熱交換器100を備える。空気調和装置200は、熱交換器100を備えているため、上述した熱交換器100の効果を発揮することができる。
実施の形態2.
図7は、実施の形態2に係る熱交換器100の伝熱管10を示す斜視図である。図8は、実施の形態2に係る熱交換器100において、図3の伝熱管10のA-A線位置の断面を矢視方向に見た概念図である。実施の形態2の熱交換器100は、実施の形態1の熱交換器100における伝熱管10の構成を変更したものである。なお、実施の形態1と同一の機能及び作用を有する構成要素については、同一の符号を付してその説明を省略する。
図7及び図8に示すように、実施の形態2に係る熱交換器100の仕切部70は、第3方向D3において、いずれか一方の方向に偏って設けられている。仕切部70は、第3方向D3において中央部分よりも第1ヘッダ部51に近い位置に設けられている。
熱交換器100は、第1ヘッダ部51側の内部空間の流路断面積が、第2ヘッダ部52側の内部空間の流路断面積よりも小さく形成されている。すなわち、熱交換器100は、第1流路P1a1の流路断面積が、第2流路P1a2の流路断面積よりも小さく形成されている。
熱交換器100は、第1ヘッダ部51には第2ヘッダ部52よりも、液成分がガス成分よりも多い冷媒が流れるヘッダ部50であるとする。熱交換器100は、第1ヘッダ部51側の内部空間には、第2ヘッダ部52側の内部空間よりも液成分がガス成分よりも多い冷媒が流れる。熱交換器100は、第1流路P1a1には、第2流路P1a2よりも、液成分がガス成分よりも多い冷媒が流れる。熱交換器100において、第1ヘッダ部51側の内部空間は、第2ヘッダ部52側の内部空間よりも、ガス成分に対する液成分の比率が高い冷媒が流れる。
第1ヘッダ部51は、例えば、熱交換器100が蒸発器である場合に冷媒が流入する側のヘッダ部50であり、熱交換器100が蒸発器である場合に冷媒が流出する側のヘッダ部50である。図6に示す例では、実施の形態2に係る熱交換器100は、室内側熱交換器205に適用される。
[熱交換器100の作用効果]
実施の形態2の熱交換器100における仕切部70は、第3方向D3において中央部分よりも第1ヘッダ部51に近い位置に設けられている。そのため、熱交換器100の伝熱管10は、第1ヘッダ部51側の内部空間の流路断面積が、第2ヘッダ部52側の内部空間の流路断面積よりも小さく形成されている。そして、熱交換器100の伝熱管10は、第1ヘッダ部51側の内部空間には第2ヘッダ部52側の内部空間よりも、液成分がガス成分よりも多い冷媒が流れる。
熱交換器100は、上記の構成を有することで、ガス成分が多い側の冷媒に対して液成分が多い側の流速が速くなるため、上記構成を有していない場合と比較して、冷媒を上昇させやすくなり、更にヘッド差を緩和し、液滞留を抑制することができる。熱交換器100は、上記の構成を有することで、ガス成分が多い側の冷媒に対して熱伝達が行われやすい液成分が多い側の流速が速くなるため、熱伝達率も向上し、熱交換器性能が向上する。
また、空気調和装置200は、熱交換器100を備える。空気調和装置200は、熱交換器100を備えているため、上述した熱交換器100の効果を発揮することができる。
実施の形態3.
図9は、実施の形態3に係る熱交換器100の伝熱管10の内面の一部を示す斜視図である。実施の形態3の熱交換器100は、実施の形態1の熱交換器100における伝熱管10の構成を変更したものである。なお、実施の形態1及び実施の形態2と同一の機能及び作用を有する構成要素については、同一の符号を付してその説明を省略する。
複数の伝熱管10のそれぞれは、伝熱管10の内部空間に突出した少なくとも1つ以上の凸部60を有する。凸部60は、突起状に形成されている。凸部60は、1つでもよく、複数でもよい。熱交換器100は、凸部60によって、伝熱管10の内部における伝熱流路P1aを狭めることができる。冷媒は、狭められていない空間を流れるよりも、狭められた空間を流れる方が、流速が上がる。
凸部60は、伝熱管10の第2方向D2における両端部よりも、貫通孔30に近い位置に設けられていることが望ましい。凸部60は、伝熱管10の第2方向D2における両端部よりも、ヘッダ部50に近い位置に設けられていることが好ましい。凸部60が、貫通孔30あるいはヘッダ部50に近い位置に設けられていることで、熱交換器100は、ヘッダ部50に流入した冷媒の流速を上げることができる。
凸部60は、特に貫通孔30あるいはヘッダ部50の上方に設けられていることが好ましい。凸部60が貫通孔30あるいはヘッダ部50の上方に設けられていることで、凸部60は、上方に向かう冷媒に勢いをつけることができる。
[熱交換器100の作用効果]
実施の形態3に係る熱交換器100における複数の伝熱管10のそれぞれは、伝熱管10の内部空間に突出した少なくとも1つ以上の凸部60を有する。熱交換器100は、伝熱管10内に凸部60を設けることで、凸部60が流体抵抗となり伝熱管10の内部空間を狭めるため液冷媒の流速が上がる。熱交換器100は、凸部60を有していない場合と比較して、伝熱管10内の冷媒の流速を上げることができるため、冷媒を上昇させやすくなり、ヘッド差を緩和し、液滞留を抑制することができる。熱交換器100は、凸部60の位置によって液冷媒の偏流も制御でき、液滞留を抑えながら、伝熱管10内の冷媒分配の調整機能も果たせるため、熱交換器性能を向上させることができる。
また、空気調和装置200は、熱交換器100を備える。空気調和装置200は、熱交換器100を備えているため、上述した熱交換器100の効果を発揮することができる。
実施の形態4.
図10は、実施の形態4に係る熱交換器100を第1方向D1に見た概念図である。図11は、実施の形態4に係る熱交換器100の変形例を第1方向D1に見た概念図である。実施の形態4の熱交換器100は、実施の形態1の熱交換器100における伝熱管10の構成を変更したものである。なお、図10では伝熱管10の内部に設けられた上下仕切部90を破線で示している。実施の形態1~実施の形態3と同一の機能及び作用を有する構成要素については、同一の符号を付してその説明を省略する。
図10及び図11に示すように、複数の伝熱管10のそれぞれは、管壁11の内部空間に配置され、内部空間を第1方向D1及び第2方向D2に対してそれぞれ直交する第3方向D3に延びている少なくとも1つ以上の上下仕切部90を有する。
図10及び図11に示すように、上下仕切部90は、複数のヘッダ部50の内、第2方向D2に並列して設けられた2つのヘッダ部50同士の間を隔て、伝熱管10の内部空間を上下に分割する。あるいは、図11に示すように、上下仕切部90は、複数の端部側ヘッダ部55の内、第2方向D2に並列して設けられた2つの端部側ヘッダ部55同士の間を隔て、伝熱管10の内部空間を上下に分割する。
熱交換器100は、上下仕切部90、複数のヘッダ部50及び端部側ヘッダ部55によって2系統以上の冷媒経路が形成されている。図10では、一例として、2系統の冷媒経路を有する熱交換器100を示している。また、図11では、一例として、4系統の冷媒経路を有する熱交換器100を示している。
例えば、図10に示すように、複数の伝熱管10のそれぞれは、管壁11の内部空間に配置され、第1ヘッダ部51と第2ヘッダ部52とを隔てる上下仕切部90を有する。上下仕切部90は、伝熱管10の内部空間を第1方向D1及び第2方向D2に対してそれぞれ直交する第3方向D3に延びており、伝熱管10の内部空間を上下に分割する。伝熱管10の内部空間は、上下仕切部90によって上部空間10fと下部空間10gとに隔てられる。
上下仕切部90は、伝熱管10の内部空間において、第3方向D3に延びる板状あるいは棒状の部材である。図10に示す上下仕切部90は、第1方向D1に見た場合に、略Z字形状に形成されているが、当該形状に限定するものではない。例えば、上下仕切部90は、第1方向D1に見た場合に、第3方向D3における両端の高さ位置が異なるように傾斜した直線状に形成されてもよい。
上下仕切部90は、管側壁部10a及び管側壁部10b(図4参照)と接続するように設けられている。上下仕切部90は、管側壁部10aと管側壁部10bとの間に延びるように設けられている。
複数のヘッダ部50は、冷媒の流入口となる第1ヘッダ部51と、冷媒の流出口となる第2ヘッダ部52と、を含む。
複数の連結部12又は複数のヘッダ管80は、第1方向D1に延びるように形成された複数の端部側ヘッダ部55を構成する。端部側ヘッダ部55は、複数の伝熱管10のそれぞれの内部空間との間で冷媒を連通させ、複数の伝熱管10により構成された伝熱管群15の冷媒の出入口となる。複数の端部側ヘッダ部55は、第2方向D2において複数のヘッダ部50よりも複数の伝熱管10の端部側に構成されている。
端部側ヘッダ部55は、ヘッダ部50と同様の構造で構成されている。すなわち、端部側ヘッダ部55は、伝熱管10の貫通孔30同士を直接又は間接的に接続されて構成されている。端部側ヘッダ部55は、連結部12又はヘッダ管80で構成されている。端部側ヘッダ部55は、中央部17に設けられたヘッダ部50よりも伝熱管10の端部側に設けられている。
複数の端部側ヘッダ部55は、冷媒の流入口となる第3ヘッダ部56と、冷媒の流出口となる第4ヘッダ部57と、を含む。
第3ヘッダ部56は、第1ヘッダ部51及び第2ヘッダ部52よりも下方に形成されており、第2ヘッダ部52から流出する冷媒が流入する冷媒の流入口を形成する。第4ヘッダ部57は、第1ヘッダ部51及び第2ヘッダ部52よりも上方に形成されており、第1ヘッダ部51から流入した冷媒が流出する冷媒の流出口を形成する。
ヘッダ管80又は連結部12の内部には、ヘッダ流路P1e又はヘッダ流路P1fが形成されている。例えば、第3ヘッダ部56を構成するヘッダ管80又は連結部12は、ヘッダ流路P1eを構成し、第4ヘッダ部57を構成するヘッダ管80又は連結部12は、ヘッダ流路P1fを構成する。
実施の形態4の熱交換器100の冷媒の流路は、複数の伝熱流路P1aと、熱交換器100の中央部17に前後に並列して設けられたヘッダ流路P1b及びヘッダ流路P1c(図3参照)と、により構成されている。また、熱交換器100の冷媒流路は、熱交換器100の中央部17よりも第2方向D2の端部側に設けられたヘッダ流路P1e及びヘッダ流路P1fにより構成されている。
伝熱流路P1aは、伝熱管10の長手方向(第2方向D2)において、伝熱流路P1aの端部側で、ヘッダ流路P1e及びヘッダ流路P1fと連通している。ヘッダ流路P1e及びヘッダ流路P1fは、それぞれ複数の伝熱流路P1aと連通している。連結部12(図2参照)を有する場合、上述した貫通孔30a、貫通孔30b及び連結部12の中空部Sg等は、ヘッダ流路P1e及びヘッダ流路P1fを構成するものであり、中空部Sgには冷媒が流通する。
熱交換器100は、熱交換部材である伝熱管10にヘッダ流路P1b、ヘッダ流路P1c、ヘッダ流路P1e及びヘッダ流路P1fが形成されているので、複数の伝熱管10の外側にヘッダ部を備える必要が無い構成となっている。
[熱交換器100の作用効果]
図12は、比較例に係る熱交換器100Lを第1方向D1に見た概念図である。比較例に係る熱交換器100Lは、従来用いられている熱交換器であって、第2方向D2において伝熱管10Lの両端部にヘッダ部50Lを有する熱交換器である。比較例に係る熱交換器100は、第2方向D2において伝熱管10Lの両端部にヘッダ部50Lを有しているため、伝熱管10Lによる熱交換のための有効面積Eがヘッダ部50を有していない場合と比較して削減されている。
実施の形態4に係る熱交換器100における複数の連結部12又は複数のヘッダ管80は、第1方向D1に延びるように形成された複数の端部側ヘッダ部55を構成する。端部側ヘッダ部55は、複数の伝熱管10のそれぞれの内部空間との間で冷媒を連通させ、複数の伝熱管10により構成された伝熱管群15の冷媒の出入口となる。複数の端部側ヘッダ部55は、第2方向D2において複数のヘッダ部50よりも複数の伝熱管10の端部側に構成されている。複数の伝熱管10のそれぞれは、管壁11の内部空間に配置され、内部空間を第1方向D1及び第2方向D2に対してそれぞれ直交する第3方向D3に延びており、伝熱管10の内部空間を上下に分割する少なくとも1つ以上の上下仕切部90を有している。上下仕切部90は、複数のヘッダ部50の内、第2方向D2に並列して設けられた2つのヘッダ部50同士の間を隔てる。あるいは、上下仕切部90は、複数の端部側ヘッダ部55の内、第2方向D2に並列して設けられた2つの端部側ヘッダ部55同士の間を隔てる。熱交換器100は、上下仕切部90、複数のヘッダ部50及び端部側ヘッダ部55によって2系統以上の冷媒経路が構成されている。
実施の形態4に係る熱交換器100は、複数のヘッダ部50及び複数の端部側ヘッダ部55によって、伝熱管10に直接ヘッダ部を設けている。そのため、実施の形態4に係る熱交換器100において、熱交換のための有効面積Eは、図12に示すような比較例の熱交換器100Lのようにヘッダ部によって削減されることがない。
実施の形態4に係る熱交換器100と、比較例に係る熱交換器100Lとの高さが同じ場合、熱交換器100における熱交換のための有効面積Eは、図12に示す比較例の熱交換器100Lにおける熱交換のための有効面積Eよりも広くなる。すなわち、比較例のような従来の熱交換器100Lにおいて、ヘッダ部50Lを伝熱管10Lの上下に配置する際に削減されていた熱交換のための有効面積が、実施の形態4の熱交換器100では増加する。そのため、実施の形態4に係る熱交換器100は、上記構成を有していない熱交換器100Lと比較して、熱交換のための有効面積が広くなり、熱交換効率を向上させることができる。
実施の形態4に係る熱交換器100は、伝熱管10の内部空間を上下に分割する少なくとも1つ以上の上下仕切部90を有している。熱交換器100は、上下仕切部90を有していない場合と比較して、冷媒が上昇する距離が短くなる。そのため、熱交換器100は、上下仕切部90を有していない場合と比較して、ヘッド差を緩和し、液滞留を抑制することができるため、熱交換効率を向上させることができる。
また、上下仕切部90は、管壁11の内部空間に配置され、第1ヘッダ部51と第2ヘッダ部52とを隔てている。そして、第3ヘッダ部56は、第1ヘッダ部51及び第2ヘッダ部52よりも下方に形成されており、第2ヘッダ部52から流出する冷媒が流入する冷媒の流入口を形成する。また、第4ヘッダ部57は、第1ヘッダ部51及び第2ヘッダ部52よりも上方に形成されており、第1ヘッダ部51から流入した冷媒が流出する冷媒の流出口を形成する。熱交換器100は、当該構成を有していない場合と比較して、熱交換のための有効面積Eが、図12に示すような比較例の熱交換器100Lのようにヘッダ部によって削減されることがない。そのため、実施の形態4に係る熱交換器100は、当該構成を有していない熱交換器100Lと比較して、熱交換のための有効面積が広くなり、熱交換効率を向上させることができる。
また、空気調和装置200は、熱交換器100を備える。空気調和装置200は、熱交換器100を備えているため、上述した熱交換器100の効果を発揮することができる。
実施の形態5.
図13は、実施の形態5に係る熱交換器100を第1方向D1に見た概念図である。なお、実施の形態1~実施の形態4と同一の機能及び作用を有する構成要素については、同一の符号を付してその説明を省略する。
伝熱管10の本数をN[本]としたときの複数の伝熱管10の全流路断面積Aは、以下の式(1)で求められる。
A=a×N[m]・・・・・(1)
a:複数の伝熱管10の1本当たりの流路断面積[m
N:伝熱管10の本数[本]
また、冷媒流路の差圧(以下、流路差圧と称する)をΔPHEX、液ヘッドをΔPHEADと定義した場合、ΔPHEX/ΔPHEADは、以下の式(2)で求められる。なお、流路差圧ΔPHEXは、冷媒が上昇流として流動する流路の差圧であり、伝熱管群15における伝熱管10の上下端の差圧である。
ΔPHEX/ΔPHEAD=(5.94635×10-4×A-1.75030)/(8.4303HSinθ+0.8779)>1・・・・・(2)
A:複数の伝熱管10の全流路断面積[m
H:伝熱管10の第2方向D2における長さ[m]
θ:第1方向D1を水平面Fと平行な方向とした場合であって、水平面Fに対する複数の伝熱管10の傾斜角度[°]
伝熱管10の第2方向D2の長さH[m]は、特に0.420[m]よりも長い場合(長さH>0.420)に効果的である。カーエアコンなどの室外機ユニットに用いられるコルゲートフィンを用いた熱交換器の多くは伝熱管の長さが0.300[m]程度のものが多いのに対し、ビルなどの室外機ユニットに用いられる熱交換器では、伝熱管の長さが0.420[m]以上のものが多い。
発明者らの研究によると、例えば、0.420[m]程度まで伝熱管10の長さHを長くすると、0.300[m]の長さのものに対し、ΔPHEX/ΔPHEADが低下することが分かった。そして、発明者は、熱交換器における伝熱管の長さHが0.420[m]以上である場合、ヘッド差が生じ、熱交換器の一部に液冷媒が流れにくくなる液滞留が発生することが分かった。実施の形態5に係る熱交換器100は、第2方向D2における伝熱管の長さH[m]が0.420[m]より長い場合であっても、上記(2)式を満たすことで液滞留を抑制でき、熱交換器性能を向上させることができる。
上記の式(2)は、発明者らの数値解析および実験結果によって得られた実験式である。式(2)は、流路差圧ΔPHEXが支配的な熱交換器100の形状パラメータである複数の伝熱管10の全流路断面積A[m]と、液ヘッドΔPHEADが支配的な熱交換器100の形状パラメータである伝熱管10の長さH[m]とを用いて定式化したものである。式(2)は、例えば、熱交換器100がビル用、店舗用、および、家庭用等の室外機ユニット231(図6参照)に用いられる条件の範囲において、定式化されたものである。
[熱交換器100の作用効果]
熱交換器は、ヘッダ部が水平に設置され、伝熱管が重力方向に延びるような状態で室外機ユニットに搭載された場合、伝熱管の長さH方向の距離が長くなり液冷媒が伝熱管の中を上りきらず、滞留してしまう場合がある。
実施の形態5に係る熱交換器100は、ΔPHEX/ΔPHEAD=(5.94635×10-4×A-1.75030)/(8.4303HSinθ+0.8779)>1を満たす。熱交換器100は、当該式の範囲内で使用すれば、冷媒が伝熱管100内部を上昇流として流動するとき、重力の影響により液化した冷媒が上昇できずに滞留してしまう液滞留の発生を抑制することができ、熱交換器性能を向上させることができる。
また、空気調和装置200は、熱交換器100を備える。空気調和装置200は、熱交換器100を備えているため、上述した熱交換器100の効果を発揮することができる。
実施の形態について説明したが、本開示は上述した実施の形態のみに限定されるものではない。例えば、各実施の形態を組み合わせて構成されていてもよい。
10 伝熱管、10L 伝熱管、10a 管側壁部、10b 管側壁部、10c 接続壁部、10d 接続壁部、10e 開口端、10f 上部空間、10g 下部空間、11 管壁、12 連結部、12a 連結突起部、12b 連結突起部、15 伝熱管群、17 中央部、20 管封止部、30 貫通孔、30a 貫通孔、30b 貫通孔、50 ヘッダ部、50L ヘッダ部、51 第1ヘッダ部、51a 出入口、52 第2ヘッダ部、52a 出入口、55 端部側ヘッダ部、56 第3ヘッダ部、57 第4ヘッダ部、60 凸部、70 仕切部、70a 上端、70b 下端、80 ヘッダ管、82 穴、90 上下仕切部、100 熱交換器、100L 熱交換器、200 空気調和装置、201 圧縮機、202 流路切替装置、203 室外側熱交換器、203a 室外ファン、204 膨張弁、205 室内側熱交換器、205a 室内ファン、221 凝縮器、222 蒸発器、231 室外機ユニット、232 室内機ユニット、250 冷媒回路、255 冷媒配管、P1a 伝熱流路、P1a1 第1流路、P1a2 第2流路、P1b ヘッダ流路、P1c ヘッダ流路、P1e ヘッダ流路、P1f ヘッダ流路、P2 流路、Sg 中空部。

Claims (9)

  1. 第1方向に配列され、それぞれが前記第1方向と交差する第2方向に延伸しており、前記第2方向の両端部が封止され内部を冷媒が流れる複数の伝熱管を備え、
    前記複数の伝熱管のそれぞれには、
    前記両端部よりも内側に形成されており、前記複数の伝熱管のそれぞれの内部空間と外部とを連通させる複数の貫通孔が形成されており、
    前記複数の伝熱管は、
    前記複数の伝熱管の内、隣り合う伝熱管の前記複数の貫通孔同士を直接連結させた複数の連結部を有し、又は、前記複数の貫通孔に挿入され、前記複数の伝熱管の内、隣り合う伝熱管の前記複数の貫通孔同士を連結させる複数のヘッダ管を有し、
    前記複数の連結部又は前記複数のヘッダ管は、
    前記第1方向に延びるように形成された複数のヘッダ部であって、前記複数の伝熱管のそれぞれの前記内部空間との間で冷媒を連通させ、前記複数の伝熱管により構成された伝熱管群の冷媒の出入口となる前記複数のヘッダ部を構成し、
    前記複数のヘッダ部は、
    重力方向において前記複数の伝熱管を上下に分割する位置に設けられており、
    前記複数の伝熱管の1本当たりの流路断面積aをa[m ]と定義し、
    前記伝熱管の本数をN[本]としたときの前記複数の伝熱管の全流路断面積AをA[m ]=a×N[m ]と定義し、
    前記複数の伝熱管の前記第2方向の長さをH[m]と定義し、
    前記第1方向を水平面と平行な方向とした場合であって、前記水平面に対する前記複数の伝熱管の傾斜角度をθ[°]と定義し、
    冷媒流路の差圧をΔP HEX と定義し、
    液ヘッドをΔP HEAD と定義した場合に、
    ΔP HEX /ΔP HEAD =(5.94635×10-4×A-1.75030)/(8.4303HSinθ+0.8779)>1の関係を満たす熱交換器。
  2. 前記複数のヘッダ部は、
    前記第2方向において前記複数の伝熱管の中央部に設けられている請求項1に記載の熱交換器。
  3. 前記複数の伝熱管のそれぞれは、
    前記内部空間に冷媒が流通する伝熱流路が設けられた管壁を有し、
    前記管壁は、前記第1方向で向かい合う管側壁部を有し、前記管側壁部には前記貫通孔が形成されており、
    前記複数の伝熱管のそれぞれは、
    前記管壁の前記内部空間に配置され、前記第2方向に延伸し、前記内部空間を前記第1方向及び前記第2方向に対してそれぞれ直交する第3方向に分割する仕切部を有し、
    前記仕切部の前記第2方向の両端は、前記伝熱管の前記伝熱流路における前記第2方向の両側の端よりも内側に位置しており、
    前記複数のヘッダ部は、
    冷媒の流入口となる第1ヘッダ部と、
    冷媒の流出口となる第2ヘッダ部と、
    を含み、
    前記第1ヘッダ部及び前記第2ヘッダ部は、
    前記第3方向において、前記仕切部を間に挟んで前記仕切部の両側に設けられている請求項1又は2に記載の熱交換器。
  4. 前記第1ヘッダ部側の前記内部空間には前記第2ヘッダ部側の前記内部空間よりも、液成分がガス成分よりも多い冷媒が流れる熱交換器であって、
    前記仕切部は、
    前記第3方向において中央部分よりも前記第1ヘッダ部に近い位置に設けられており、
    第1ヘッダ部側の前記内部空間の流路断面積が、前記第2ヘッダ部側の前記内部空間の流路断面積よりも小さく形成されている請求項3に記載の熱交換器。
  5. 第1方向に配列され、それぞれが前記第1方向と交差する第2方向に延伸しており、前記第2方向の両端部が封止され内部を冷媒が流れる複数の伝熱管を備え、
    前記複数の伝熱管のそれぞれには、
    前記両端部よりも内側に形成されており、前記複数の伝熱管のそれぞれの内部空間と外部とを連通させる複数の貫通孔が形成されており、
    前記複数の伝熱管は、
    前記複数の伝熱管の内、隣り合う伝熱管の前記複数の貫通孔同士を直接連結させた複数の連結部を有し、又は、前記複数の貫通孔に挿入され、前記複数の伝熱管の内、隣り合う伝熱管の前記複数の貫通孔同士を連結させる複数のヘッダ管を有し、
    前記複数の連結部又は前記複数のヘッダ管は、
    前記第1方向に延びるように形成された複数のヘッダ部であって、前記複数の伝熱管のそれぞれの前記内部空間との間で冷媒を連通させ、前記複数の伝熱管により構成された伝熱管群の冷媒の出入口となる前記複数のヘッダ部を構成し、
    前記複数のヘッダ部は、
    重力方向において前記複数の伝熱管を上下に分割する位置に設けられており、
    前記複数の伝熱管のそれぞれは、
    前記内部空間に冷媒が流通する伝熱流路が設けられた管壁を有し、
    前記管壁は、前記第1方向で向かい合う管側壁部を有し、前記管側壁部には前記貫通孔が形成されており、
    前記複数の連結部又は前記複数のヘッダ管は、
    前記第1方向に延びるように形成された複数の端部側ヘッダ部であって、前記複数の伝熱管のそれぞれの前記内部空間との間で冷媒を連通させ、前記複数の伝熱管により構成された前記伝熱管群の冷媒の出入口となる前記複数の端部側ヘッダ部を構成し、
    前記複数の端部側ヘッダ部は、
    前記第2方向において前記複数のヘッダ部よりも前記複数の伝熱管の端部側に構成されており、
    前記複数の伝熱管のそれぞれは、
    前記管壁の前記内部空間に配置され、前記内部空間を前記第1方向及び前記第2方向に対してそれぞれ直交する第3方向に延びており、複数のヘッダ部の内、前記第2方向に並列して設けられた2つの前記ヘッダ部同士の間を隔て、あるいは、複数の端部側ヘッダ部の内、前記第2方向に並列して設けられた2つの前記端部側ヘッダ部同士の間を隔て、前記内部空間を上下に分割する少なくとも1つ以上の上下仕切部を有し、
    前記上下仕切部、複数のヘッダ部及び前記端部側ヘッダ部によって2系統以上の冷媒経路が構成されている交換器。
  6. 前記複数のヘッダ部は、
    冷媒の流入口となる第1ヘッダ部と、
    冷媒の流出口となる第2ヘッダ部と、
    を含み、
    前記上下仕切部は、
    前記管壁の前記内部空間に配置され、前記第1ヘッダ部と前記第2ヘッダ部とを隔てており、
    前記複数の端部側ヘッダ部は、
    冷媒の流入口となる第3ヘッダ部と、
    冷媒の流出口となる第4ヘッダ部と、
    を含み、
    前記第3ヘッダ部は、
    前記第1ヘッダ部及び前記第2ヘッダ部よりも下方に形成されており、前記第2ヘッダ部から流出する冷媒が流入する冷媒の流入口を形成し、
    前記第4ヘッダ部は、
    前記第1ヘッダ部及び前記第2ヘッダ部よりも上方に形成されており、前記第1ヘッダ部から流入した冷媒が流出する冷媒の流出口を形成する請求項5に記載の熱交換器。
  7. 前記複数の伝熱管のそれぞれは、
    前記伝熱管の前記内部空間に突出した少なくとも1つ以上の凸部を有する請求項1又は5に記載の熱交換器。
  8. 前記複数の伝熱管の1本当たりの流路断面積aをa[m]と定義し、
    前記伝熱管の本数をN[本]としたときの前記複数の伝熱管の全流路断面積AをA[m]=a×N[m]と定義し、
    前記複数の伝熱管の前記第2方向の長さをH[m]と定義し、
    前記第1方向を水平面と平行な方向とした場合であって、前記水平面に対する前記複数の伝熱管の傾斜角度をθ[°]と定義し、
    冷媒流路の差圧をΔPHEXと定義し、
    液ヘッドをΔPHEADと定義した場合に、
    ΔPHEX/ΔPHEAD=(5.94635×10-4×A-1.75030)/(8.4303HSinθ+0.8779)>1の関係を満たす請求項5又は6に記載の熱交換器。
  9. 請求項1又は5に記載の熱交換器を備えた空気調和装置。
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