以下、実施形態について、図面を参照して説明する。なお、以下に説明する実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではなく、また、実施形態の中で説明されている諸要素およびその組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。さらに、以下の実施形態において、説明の便宜上必要があるときは、複数のセクションまたは実施形態に分割して説明するが、特に明示した場合を除き、それらはお互いに無関係なものではなく、一方は他方の一部または全部の変形例、詳細または補足説明などの関係にある。さらに、以下の実施形態において、その構成要素(要素ステップなどを含む)は、特に明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合などを除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。
図1は、第1実施形態に係る情報管理方法が適用されるシステム構成の一例を示すブロック図である。
図1において、各工場5A~5Cは、分業して製品を生産する。例えば、工場5Aは、製品である車両を生産するものとすると、工場5Bは、車両の部品であるドアを生産し、工場5Cは、ドアの部品であるガラスを生産する。
工場5Aは、情報管理システム2A、データレイク3A、クライアント4Aおよび通信ネットワーク6Aを備える。工場5Bは、情報管理システム2B、データレイク3B、クライアント4Bおよび通信ネットワーク6Bを備える。工場5Cは、情報管理システム2C、データレイク3C、クライアント4Cおよび通信ネットワーク6Cを備える。各クライアント4A~4Cは、ユーザインタフェース7A~7Cを備える。
情報管理システム2A、データレイク3Aおよびクライアント4Aは、通信ネットワーク6Aを介して接続されている。情報管理システム2B、データレイク3Bおよびクライアント4Bは、通信ネットワーク6Bを介して接続されている。情報管理システム2C、データレイク3Cおよびクライアント4Cは、通信ネットワーク6Cを介して接続されている。通信ネットワーク6A~6Cは、通信ネットワーク1を介して接続されている。
通信ネットワーク6A~6Cは、例えば、WiFiまたはイーサネット(登録商標)などのLAN(Local Area Network)である。通信ネットワーク1は、インターネットなどのWAN(Wide Area Network)であってもよいし、WiFiまたはイーサネットなどのLANであってもよいし、WANとLANが混在していてもよい。
各データレイク3A~3Cは、各工場5A~5Cの製造工程情報を保持する。例えば、工場5Aは、車両を生産し、工場5Bは、ドアを生産し、工場5Cは、ガラスを生産するものとすると、データレイク3Aは、車両に関する製造工程情報を保持し、データレイク3Bは、ドアに関する製造工程情報を保持し、データレイク3Cは、ガラスに関する製造工程情報を保持する。なお、製造工程情報は、例えば、テーブル、データベースまたはファイルなどに任意の形式で保持することができる。また、製造工程情報は、例えば、各工程における検査データの他、現場のIoT(Internet of Things)データまたは帳票データなどであってもよい。
各クライアント4A~4Cは、各工場5A~Cにおいて各情報管理システム2A~2Cを操作する。各クライアント4A~4Cは、例えば、パーソナルコンピュータなどの端末である。各クライアント4A~4Cの数は制限されず、各情報管理システム2A~2Cの端末と兼用してもよい。
各情報管理システム2A~2Cは、各工場5A~5Cの製造工程情報を管理し、その製造工程情報の提供および要求を行う。また、各情報管理システム2A~2Cは、他の工場5A~5Cの製造工程情報を他の情報管理システム2A~2Cから取得し、その製造工程情報の提供を行う。各情報管理システム2A~2Cは、例えば、サーバまたはパーソナルコンピュータなどの端末である。
各情報管理システム2A~2Cは、自身が管理する情報のデータ構造を定義する関連性データモデルと、分散配置された関連性データモデルとの間の関連性を示す関連性データモデル接続情報を保持する。例えば、このデータ構造は、同一または類似の属性を持つ情報の束をシンボル化したノード間の関連性を定義する
ことができる。このノードとして、情報が概念化されたクラスを用いることができる。このとき、関連性データモデルは、情報が概念化されたクラス間の関係性を示すクラス間関係性情報を含む。
また、各情報管理システム2A~2Cは、自身が管理する情報と関連性データモデルとの関連性を定義する関連性データと、分散配置された関連性データの情報間の関連性を示す関連性データ接続情報とを保持する。関連性データは、関連性データモデル内のクラスに関連付けられた関連性データ要素と、関連性データ要素間の関係性を示す要素間関係性情報を含む。
情報管理システム2Aは、自身の関連性データモデルをユーザインタフェース7Aに表示させ、情報管理システム2Bは、自身の関連性データモデルをユーザインタフェース7Bに表示させ、情報管理システム2Cは、自身の関連性データモデルをユーザインタフェース7Cに表示させる。
また、情報管理システム2Aは、共有モデル提供依頼に基づいて情報管理システム2B、2Cの関連性データモデルおよび関連性データモデル接続情報を取得する。このとき取得される関連性データモデルは、情報管理システム2B、2Cが情報管理システム2Aに提供可能な共有関連性データモデル13をさす。共有関連性データモデル13は、提供元または中継元が保持する関連性データモデルのうち、要求元または中継元に開示が可能な関連性データモデル、またはその開示が可能な関連性データモデルを加工したモデルである。共有関連性データモデル13は、通信ネットワーク1を介して提供元または中継元から要求元に提供される。共有モデルとは、共有関連性データモデルの略称である。
このとき、情報管理システム2Aは、各情報管理システム2A~Cが保持する関連性データモデル間の関連性を示す関連性データモデル接続情報に基づいて、共有モデル提供依頼の対象となる情報管理システム2B、2Cの共有関連性データモデル13を特定することができる。
そして、情報管理システム2Aは、情報管理システム2B、2Cから取得した関連性データモデルに基づいて選択されたクラスに関連付けられた関連性データ要素に紐付けされた目的情報を情報管理システム2B、2Cから取得し、ユーザインタフェース7Aに表示させる。このとき、情報管理システム2Aは、各情報管理システム2A~Cが保持する関連性データ要素情間の関連性を示す関連性データ接続情報に基づいて、情報提供依頼の対象となる情報管理システム2B、2Cが保持する目的情報を特定することができる。
情報管理システム2Bは、共有モデル提供依頼に基づいて情報管理システム2A、2Cの関連性データモデルおよび関連性データモデル接続情報を取得する。このとき、情報管理システム2Bは、各情報管理システム2A~Cが保持する関連性データモデル間の関連性を示す関連性データモデル接続情報に基づいて、共有モデル提供依頼の対象となる情報管理システム2A、2Cの関連性データモデルを特定することができる。
そして、情報管理システム2Bは、情報管理システム2A、2Cから取得した関連性データモデルに基づいて選択されたクラスに関連付けられた関連性データ要素に紐付けされた目的情報を情報管理システム2A、2Cから取得し、ユーザインタフェース7Bに表示させる。このとき、情報管理システム2Bは、各情報管理システム2A~Cが保持する関連性データ要素情間の関連性を示す関連性データ接続情報に基づいて、情報提供依頼の対象となる情報管理システム2A、2Cが保持する目的情報を特定することができる。
情報管理システム2Cは、共有モデル提供依頼に基づいて情報管理システム2A、2Bの関連性データモデルおよび関連性データモデル接続情報を取得する。このとき、情報管理システム2Cは、各情報管理システム2A~Cが保持する関連性データモデル間の関連性を示す関連性データモデル接続情報に基づいて、共有モデル提供依頼の対象となる情報管理システム2A、2Bの関連性データモデルを特定することができる。
そして、情報管理システム2Cは、情報管理システム2A、2Bから取得した関連性データモデルに基づいて選択されたクラスに関連付けられた関連性データ要素紐付けされたで目的情報を情報管理システム2A、2Bから取得し、ユーザインタフェース7Cに表示させる。このとき、情報管理システム2Cは、各情報管理システム2A~Cが保持する関連性データ要素間の関連性を示す関連性データ接続情報に基づいて、情報提供依頼の対象となる情報管理システム2A、2Bが保持する目的情報を特定することができる。
目的情報は、各情報管理システム2A~2Cが他の情報管理システム2A~2Cに情報提供依頼を行った各情報管理システム2A~2Cが管理する情報である。目的情報は、例えば、各工場5A~5Cの製造工程情報または製造工程情報に関する情報である。
ここで、各情報管理システム2A~2Cは、関連性データモデル接続情報を保持することにより、分散配置された関連性データモデルにアクセスすることが可能となり、各情報管理システム2A~2Cで管理される情報の取得を要求することが可能となる。
また、情報が概念化されたクラスに情報をまとめることにより、要求元と提供元とで管理に用いられる情報の呼称が異なる場合においても、各情報管理システム2A~2Cは、要求元が必要な情報を提供元に要求することが可能となる。
さらに、要求元から情報提供依頼を受けた提供元は、提供元が管理する情報を取捨選択して要求元に送ることができ、要求元が必要な情報を取得するために、提供元が管理する全ての情報を要求元に開示する必要がなくなることから、提供元が管理する情報の秘匿性を向上させることができる。
なお、図1では、情報管理システム2A~2Cは、それぞれ独立のサーバで構築した例を示したが、情報管理システム2A~2Cは、それぞれクラウド内のテナントでもよいし、サーバとクラウドの混合システムであってもよい。
図2は、第1実施形態に係る情報管理方法に用いられる関連性データモデルおよび関連性データの構成を示す図である。
図2において、関連性データモデルM1は、情報が概念化されたクラスC1と、関連性データモデルM1内のクラスC1間の関係性を示すクラス間関係性情報CE1を含む。クラスC1は、同一または類似の属性を持つ情報をまとめる役割を持つ。クラスC1およびクラス間関係性情報CE1は、例えば、グラフデータベースで用いられるノードおよびエッジで表すことができる。
関連性データモデルM1のクラスC1には、関連性データモデルM1と分散配置された他の関連性データモデルとの間の関連性を示す関連性データモデル接続情報CF1が紐付けられる。このとき、関連性データモデル接続情報CF1は、関連性データモデルM1外の関連性データモデルのクラスとの間の関連性を示す。
ここで、クラス間関係性情報CE1は、関連性データモデルM1を保持するシステムの情報を持たないが、関連性データモデル接続情報CF1は、関連性データモデルM1を保持するシステムの情報を持つ。関連性データモデルM1を保持するシステムの情報は、例えば、関連性データモデルM1を保持するシステムの宛先に紐付けられたシステム名である。
関連性データD1は、関連性データモデルM1内のクラスC1に関連付けられた関連性データ要素E1~E3・・と、各関連性データ要素E1~E3・・間の関係性を示す要素間関係性情報EE1~EE3・・を含む。各関連性データ要素E1~E3は、各関連性データ要素E1~E3・・が紐付けられたクラスC1を識別するクラス識別子P1~P3を含む。
各関連性データ要素E1~E3・・には、各関連性データ要素E1~E3・・と分散配置された関連性データ要素との間の関連性を示す関連性データ接続情報EF1~EF3・・が紐付けられる。
また、各関連性データ要素E1~E3・・は、プロパティを持つことができる。各関連性データ要素E1~E3・・は、複数のプロパティを持ってもよい。このとき、クラスC1は、クラスC1に関連付けられた各関連性データ要素E1~E3・・が持つプロパティの名称を項目として持つ。クラスC1が持つ項目は、各関連性データ要素E1~E3・・が持つプロパティに紐付けられる。
また、関連性データ要素E1~E3・・は、プロパティの値または実データへのポインタを持つ。プロパティの値または実データは、例えば、図1の各工場5A~5Cで発生し収集される現場データである。現場データは、例えば、業務情報、作業者、機械、作業手順または材料(部品)のいずれかの情報に分類することができる。この現場データは、計測値などの数値データであってもよいし、検査工程における合否データであってもよい。このとき、工場5Aで発生し収集されるプロパティの値または実データは、図1のデータレイク3Aに保持される。工場5Bで発生し収集されるプロパティの値または実データは、データレイク3Bに保持される。工場5Cで発生し収集されるプロパティの値または実データは、データレイク3Cに保持される。
例えば、工場5Aは、製品である車両T11、T21、T31・・を生産し、工場5Bは、各車両T11、T21、T31・・の部品であるドアT12、T22、T32・・を生産し、工場5Cは、各ドアT12、T22、T32・・の部品であるガラスT13、T23、T33・・を生産するものとする。
ここで、個々の車両T11、T21、T31・・という実体に対して車両という概念G1を共通に設定し、個々のドアT12、T22、T32・・という実体に対してドアという概念G2を共通に設定し、個々のガラスT13、T23、T33・・という実体に対してガラスという概念G3を共通に設定する。
このとき、車両という概念G1に対してクラスC1を割り当てたものとすると、各関連性データ要素E1~E3・・は、概念G1に対応する実体である個々の車両T11、T21、T31・・の情報をクラスC1に紐付けることができる。例えば、100台の車両が工場5Aで生産されたものとすると、各関連性データ要素E1~E3・・は、車両という概念G1が割り当てられたクラスC1に100台の車両の情報を紐付けることができる。
ドアという概念G2に対してクラスC1を割り当てたものとすると、各関連性データ要素E1~E3・・は、概念G2に対応する実体である個々のドアT12、T22、T32・・の情報をクラスC1に紐付けることができる。例えば、100台の車両のドアが工場5Bで生産されたものとすると、各関連性データ要素E1~E3・・は、ドアという概念G2が割り当てられたクラスC1に100台の車両のドアの情報を紐付けることができる。
ガラスという概念G3に対してクラスC1を割り当てたものとすると、各関連性データ要素E1~E3・・は、概念G3に対応する実体である個々のガラスT13、T23、T33・・の情報をクラスC1に紐付けることができる。例えば、100台の車両のドアに用いられるガラスが工場5Cで生産されたものとすると、各関連性データ要素E1~E3・・は、ガラスという概念G3が割り当てられたクラスC1に100台の車両のドアに用いられるガラスの情報を紐付けることができる。このガラスの情報は、例えば、ガラスの厚み、ガラスのサイズまたはガラスの重さなどの実データである。
ここで、情報管理システム2Aは、車両という概念G1が割り当てられたクラスC1を含む関連性データモデルM1と、個々の車両T11、T21、T31・・の情報に紐付けられた関連性データ要素E1~E3・・を持つ関連性データD1を保持する。
情報管理システム2Bは、ドアという概念G2が割り当てられたクラスC1を含む関連性データモデルM1と、個々のドアT12、T22、T32・・の情報に紐付けられた関連性データ要素E1~E3・・を持つ関連性データD1を保持する。
情報管理システム2Cは、ガラスという概念G3が割り当てられたクラスC1を含む関連性データモデルM1と、個々のガラスT13、T23、T33・・の情報に紐付けられた関連性データ要素E1~E3・・を持つ関連性データD1を保持する。
このとき、要求元は、提供元で管理される実データを取得する場合、関連性データモデルM1のクラスC1に基づいて、要求元が必要な実データを特定することができる。このため、要求元が必要な実データが、提供元で管理されている場合においても、要求元が必要な実データを特定するために、提供元が保持する関連性データモデルM1を取得すればよく、提供元が保持するすべての実データを取得する必要がなくなることから、要求元が必要な実データを提供元から取得するための通信負荷および記憶容量を減らすことが可能となるとともに、提供元で管理される情報の秘匿性を向上させることができる。
以下、各情報管理システム2A~2Cの具体的な構成および動作について説明する。以下の説明では、工場5Cは、「ガラスの製造」を行って工場5Bに完成品「ガラス」を提供し、工場5Bは、工場5Cから材料「ガラス」の提供を受け、「ドアの製造」を行って工場5Aに完成品「ドア」を提供し、工場5Aは、工場5Bから材料「ドア」の提供を受け、「ドアを用いた車両の組立」を行う場合を例にとる。
また、以下の説明では、情報管理システム2Aが、情報管理システム2B、2Cから情報を取得する場合を例にとる。具体的には、工場5Aが、車両の組立に使った工場5Bから入荷した材料「ドア」に使われている材料「ガラス」の情報「ガラスの厚み」を、工場5Cから取得する場合を例にとる。
このとき、工場5Aは、情報検索を行う主体となる要求元である。工場5Cは、要求元が必要とする目的情報を提供する提供元である。工場5Bは、要求元が必要とする目的情報を保持してないが、要求元が必要とする目的情報を保持している提供元への経路データを提供する提供元である。以下の説明では、要求元が必要とする目的情報を保持してないが、要求元が必要とする目的情報を保持している提供元への経路データを提供する提供元を中継元と言う。
また、以下の説明では、要求元、提供元および中継元は、それぞれ役割を兼任していない場合を例にとるが、要求元および提供元が1つずつ存在すれば、要求元、提供元および中継元は、いずれも任意の役割を兼任でき、通信ネットワーク内の数は制限されない。例えば、要求元が提供元になることもあるし、提供元が中継元になることもある。
また、以下の説明では、工場5Aと工場5Cに関係がなく、工場5Bのみが工場5Aおよび工場5Cそれぞれの製造工程に直接の関連がある場合を例にとるが、中継元を介して要求元と提供元がつながる場合は、要求元と提供元に直接の関係があってもなくてもよい。
図3は、図1の情報管理システムのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。なお、図3では、図1の情報管理システム2Aの構成を示すが、情報管理システム2B、2Cについても情報管理システム2Aと同様に構成することができる。
図3において、情報管理システム2Aは、メモリ21、プロセッサ22、入出力デバイス23、補助記憶装置24およびネットワークインタフェース25を備える。メモリ21、プロセッサ22、入出力デバイス23、補助記憶装置24およびネットワークインタフェース25は、内部バス26を介して相互に接続されている。メモリ21および補助記憶装置24は、プロセッサ21からアクセス可能である。
プロセッサ22は、情報管理システム2A全体の動作制御を司るハードウェアである。プロセッサ22は、CPU(Central Processing Unit)であってもよいし、GPU(Graphics Processing Unit)であってもよい。プロセッサ22は、シングルコアロセッサであってもよいし、マルチコアロセッサであってもよい。プロセッサ22は、処理の一部または全部を行うハードウェア回路(例えば、FPGA(Field-Programmable Gate Array)またはASIC(Application Specific Integrated Circuit))を備えていてもよい。プロセッサ22は、ニューラルネットワークを備えていてもよい。
メモリ21は、例えば、SRAMまたはDRAMなどの半導体メモリから構成することができる。メモリ21には、プロセッサ22が実行中のプログラムを格納したり、プロセッサ22がプログラムを実行するためのワークエリアを設けたりすることができる。
補助記憶装置24は、大容量の記憶容量を備える記憶デバイスであり、例えば、ROM(ReadOnlyMemory)、ハードディスク装置またはSSD(Solid State Drive)である。補助記憶装置24は、各種プログラムの実行ファイルやプログラムの実行に用いられるデータを非一時的または一時的に保持することができる。
入出力デバイス23は、入力デバイスおよび出力デバイスである。入力デバイスは、例えば、キーボード、マウス、タッチパネル、テンキー、スキャナ、カードリーダまたは音声入力装置等である。出力デバイスは、例えば、ディスプレイ、プリンタまたは音声出力装置である。
ネットワークインタフェース25は、外部との通信を制御する機能を備えるハードウェアである。ネットワークインタフェース25は、通信ネットワーク6Aを介して通信ネットワーク1に接続される。
メモリ21は、モデル出力プログラムP1、共有モデル提供プログラムP2、情報提供依頼プログラムP3、情報提供プログラムP4、情報処理プログラムP5、ユーザインタフェースプログラムP6、関連性データ検索プログラムP7、蓄積データ取得プログラムP8、関連性データモデル11、関連性データ12、共有関連性データモデル13、関連性データモデル接続情報14、関連性データ接続情報15、指示情報16、情報提供依頼クエリ17、宛先18および分析用データ19を保持する。
モデル出力プログラムP1は、要求元が保持する関連性データモデル11を出力する処理をプロセッサ22に実行させる。
共有モデル提供プログラムP2は、提供元および中継元が保持する関連性データモデルを要求元が共有する処理をプロセッサ22に実行させる。
情報提供依頼プログラムP3は、要求元が提供元および中継元に情報提供依頼を行う処理をプロセッサ22に実行させる。
情報提供プログラムP4は、提供元および中継元が要求元に情報を提供する処理をプロセッサ22に実行させる。
情報処理プログラムP5は、要求元が提供元および中継元から受け取った情報の処理を行う処理をプロセッサ22に実行させる。
ユーザインタフェースプログラムP6は、要求元のユーザの操作に基づいてクライアント4Aなどから呼び出され、ユーザインタフェース7Aの閲覧および操作に関する処理をプロセッサ22に実行させる。
関連性データ検索プログラムP7は、所定の関連性データ要素が選択された場合、その関連性データ要素に付与された関連性データ要素識別子に基づいて、その関連性データ要素に関連する他の関連性データ要素を検索し、検索した結果得られた関連性データ要素の全てまたは一部をユーザインタフェース7Aにハッチングや色分けなどで表示してユーザに提示させる処理をプロセッサ22に実行させる。また、関連性データ検索プログラムP7は、選択された関連性データ要素や、検索した結果得られた関連性データ要素の接続関係を分析用データ19として送信する処理をプロセッサ22に実行させる。
蓄積データ取得プログラムP8は、メモリ21に保持された関連性データ12に基づいて、データレイク3A~3Cから情報を取得する処理をプロセッサ22に実行させる。
関連性データモデル11は、情報管理システム2Aで管理される情報のデータ構造を定義する。関連性データモデル11は、クラスと、クラス間関係性情報を有する。クラスは、業務や材料などの製造工程における概念化された情報として定義され、クラス識別子を有する。クラス間関係性情報は、関連性データモデル11内のある2つのクラスの関係性を示す。
関連性データ12は、関連性データモデル11と、情報管理システム2Aで管理される情報との関連性を定義する。関連性データ12は、関連性データ要素と、要素間関係性情報を有する。関連性データ要素は、製造工程で実際に実績として存在する材料または業務などに紐付けられる情報である。関連性データ要素は、プロパティを持つ。プロパティは、任意の数の値を持っていてもよく、プロパティの値または実データに紐付けられていてもよい。目的プロパティは、関連性データ要素が持つプロパティのいずれかである。関連性データ要素は、実データに紐付けられた関連性データ要素識別子およびクラス識別子を含む。要素間関係性情報は、関連性データモデル11との関連性が定義されたある2つの関連性データ要素の関係性を示す。
関連性データモデル接続情報14は、要求元が保持する関連性データモデルと、提供元または中継元が保持する関連性データモデルとのつながりを示すマッピング情報である。このとき、関連性データモデル接続情報14は、関連性データモデルを保持するシステムの情報と、その関連性データモデル内のクラスのクラス識別子を含む。
関連性データ接続情報15は、要求元が保持する関連性データと、提供元または中継元が保持する関連性データのつながりを示すマッピング情報である。
指示情報16は、ユーザインタフェースプログラムP6またはその他のプログラムから指示される要求元が必要とする目的情報に関する情報である目的データおよびその経路データを含む。目的データは、少なくともクラス識別子と、目的プロパティと、それらを保持する提供元または中継元の情報を含む。経路データは、少なくとも経路となるクラスの識別子と、経路データを保持する提供元または中継元の情報を含む。一度に与えられる目的データは、複数あってもよいし、1つでもよい。
情報提供依頼クエリ17は、要求元から提供元または中継元に送信される情報提供依頼のクエリである。
宛先18は、要求元との間でデータのやり取りがある提供元または中継元の宛先である。宛先18は、例えば、提供元または中継元のIP(Internet Protocol)アドレスである。
分析用データ19は、要求元から情報提供依頼があったデータを作成するために、提供元または中継元から提供されたデータまたは識別子のデータをマージするための作業エリアである。
なお、補助記憶装置24は、モデル出力プログラムP1、共有モデル提供プログラムP2、情報提供依頼プログラムP3、情報提供プログラムP4、情報処理プログラムP5、ユーザインタフェースプログラムP6、関連性データ検索プログラムP7、蓄積データ取得プログラムP8、関連性データモデル11、関連性データ12、関連性データモデル接続情報14および関連性データ接続情報15を保持してもよい。
そして、プロセッサ22は、補助記憶装置24に記憶されているプログラムまたはデータを必要に応じてメモリ21に読み出してもよい。モデル出力プログラムP1、共有モデル提供プログラムP2、情報提供依頼プログラムP3、情報提供プログラムP4、情報処理プログラムP5、ユーザインタフェースプログラムP6、関連性データ検索プログラムP7および蓄積データ取得プログラムP8は、情報管理システム2Aにインストール可能なソフトウェアであってもよいし、情報管理システム2Aにファームウェアとして組み込まれていてもよい。
なお、モデル出力プログラムP1、共有モデル提供プログラムP2、情報提供依頼プログラムP3、情報提供プログラムP4、情報処理プログラムP5、ユーザインタフェースプログラムP6、関連性データ検索プログラムP7および蓄積データ取得プログラムP8の実行は、複数のプロセッサやコンピュータに分担させてもよい。あるいは、プロセッサ22は、通信ネットワーク1を介してクラウドコンピュータなどにモデル出力プログラムP1、共有モデル提供プログラムP2、情報提供依頼プログラムP3、情報提供プログラムP4、情報処理プログラムP5、ユーザインタフェースプログラムP6、関連性データ検索プログラムP7および蓄積データ取得プログラムP8の全部または一部の実行を指示し、その実行結果を受け取るようにしてもよい。
図4は、図1の情報管理システムが保持する関連性データモデルの一例を示す図である。
図4において、関連性データモデルMA~MCは互いに分散配置されている。
このとき、図1の情報管理システム2Aは、例えば、関連性データモデルMAを保持する。関連性データモデルMAは、工場5Aの製造工程を概念的に表現することができる。
関連性データモデルMAは、例えば、クラスA11~A18を含む。各クラスA11~A18には、各クラスA11~A18に紐付けられた関連性データ要素の情報の概念が割り当てられる。また、関連性データモデルMAは、関連性データモデルMA内の各クラスA11~A18間の関係性を示すクラス間関係性情報を含む。
例えば、クラスA11には、工場5Aで生産される車両の部品であるドアという概念が割り当てられる。また、クラスA11とクラスA13との関係性を示すクラス間関係性情報EAが設定される。
例えば、関連性データモデルMAにおいて、クラスA18に割り当てられた完成品である車両は、要求元で組み立てた製品を示し、クラスA18のクラス識別子は「製品」である。クラスA11に割り当てられた部品であるドアは、要求元が、中継元から入荷した完成品である「ドア」に対応し、クラス識別子は「ドア」である。
ここで、情報管理システム2Aは、例えば、関連性データモデルMAのクラスA11と、関連性データモデルMBのクラスB18との関連性を示す関連性データモデル接続情報EABを保持する。
図1の情報管理システム2Bは、例えば、関連性データモデルMBを保持する。関連性データモデルMBは、工場5Bの製造工程を概念的に表現することができる。
関連性データモデルMBは、例えば、クラスB11~B18を含む。各クラスB11~B18には、各クラスB11~B18に紐付けられた関連性データ要素の情報の概念が割り当てられる。また、関連性データモデルMBは、関連性データモデルMBの各クラスB11~B18間の関係性を示すクラス間関係性情報を含む。
例えば、クラスB11には、工場5Bで生産されるドアの部品であるガラスという概念が割り当てられる。また、クラスB11とクラスB12との関係性を示すクラス間関係性情報EBが設定される。
例えば、関連性データモデルMBにおいて、クラスB18に割り当てられた完成品であるドアは、中継元が作成した出荷前の「ドア」に対応し、クラス識別子は「ドアP」である。クラスA11に割り当てられた材料であるガラスは、中継元が、提供元から入荷した「ガラス」に対応し、クラス識別子は「ガラス」である。
ここで、情報管理システム2Bは、例えば、関連性データモデルMBのクラスB11と、関連性データモデルMCのクラスC26との関連性を示す関連性データモデル接続情報EBCを保持する。
図1の情報管理システム2Cは、例えば、関連性データモデルMCを保持する。関連性データモデルMCは、工場5Cの製造工程を概念的に表現することができる。
関連性データモデルMCは、例えば、クラスC11~C26を含む。各クラスC11~C26には、各クラスC11~C26に紐付けられた関連性データ要素の情報の概念が割り当てられる。また、関連性データモデルMCは、関連性データモデルMCの各クラスC11~C26間の関係性を示すクラス間関係性情報を含む。
例えば、クラスC26には、工場5Cで生産される完成品であるガラスという概念が割り当てられる。また、クラスC25とクラスC26との関係性を示すクラス間関係性情報ECが設定される。
例えば、関連性データモデルMCにおいて、クラスC26に割り当てられた完成品であるガラスは、提供元が作成した出荷前の「ガラス」に対応し、クラス識別子は「ガラスP」である。クラスC25に割り当てられた検査は、提供元の製造工程における「ガラスの厚み検査」に対応し、クラス識別子は「ガラスの厚み検査」であり、プロパティには「ガラスの厚み」を有する。
図5は、図1の情報管理システムが保持する関連性データモデル接続情報の一例を示す図である。
図5において、例えば、図1の情報管理システム2Aは、関連性データモデル接続情報10Aを保持する。関連性データモデル接続情報10Aは、識別番号11A、要求元システム名12A、要求元で使われているクラス識別子13A、直接契約のある中継元または提供元のシステム名14Bおよび提供元または中継元で使われているクラス識別子15Aを有する。
関連性データモデル接続情報10Aを用いると、納品と検収によって同じものでありながら、情報管理システムによって呼称の違うクラス識別子13Aとクラス識別子15Aを、同一対象として識別できるように変換することが可能となる。
例えば、この関連性データモデル接続情報10Aを用いれば、要求元の情報管理システム2Aは、要求元で検収した「ドア」という部品について、情報管理システム2Bの管理者から納品されており、納品元では「ドアP」という完成品として管理されているということがわかる。このため、情報管理システム2Aのユーザは、「ドア」という部品が情報管理システム2Bでは「ドアP」という完成品として管理されているということを意識することなく、「ドア」という部品に関連する情報を情報管理システム2Bから取得することが可能となる。
関連性データモデル接続情報10Aは、要求元が保持するが、中継元または提供元から情報を受け取るタイミングは任意である。関連性データモデル接続情報10Aは、関連性データ接続情報を集約して作成してもよいし、手動で作成してもよい。例えば、要求元および提供元は、要求元と提供元とのデータのやり取りに基づいて、要求元と提供元の関連性データ要素識別子の対を含む関連性データ接続情報を作成することができる。また、要求元および提供元は、関連性データ接続情報が保持する関連性データ要素識別子に基づいて、クラスを識別するクラス識別子を特定し、その特定したクラス識別子に基づいて、関連性データモデル接続情報を作成することができる。
図6は、図1の情報管理システムが保持する関連性データ接続情報の一例を示す図である。
図6において、例えば、図1の情報管理システム2Aは、関連性データ接続情報30Aを保持する。関連性データ接続情報30Aは、識別番号31A、要求元システム名32A、要求元で使われている関連性データ要素識別子33A、直接契約のある中継元または提供元のシステム名34Aおよび提供元または中継元で使われている関連性データ要素識別子35Aを有する。
関連性データ接続情報30Aを用いると、納品と検収によって同じものでありながら、情報管理システムによって呼称の違う識別子33Aと識別子35Aを、同一対象として識別できるように変換することが可能となる。
例えば、この関連性データ接続情報30Aを用いれば、要求元の情報管理システム2Aは、要求元で検収した「ドア001」について、情報管理システム2Bの管理者から納品されており、納品元では「ドアP001」という識別子で管理されているということがわかる。このため、情報管理システム2Aのユーザは、「ドア001」という識別子が情報管理システム2Bでは「ドアP001」という識別子で管理されているということを意識することなく、「ドア001」という識別子で管理されるドアに関連する情報を情報管理システム2Bから取得することが可能となる。
この関連性データ接続情報30Aは、要求元が保持していてもよいし、中継元または提供元が所有していてもよいし、双方で保持していてもよい。関連性データモデル接続情報10Aおよび関連性データ接続情報30Aは、他の形態であってもよく、例えば、関連性データモデル接続情報10Aおよび関連性データ接続情報30Aを同一のリストとして保持してもよい。関連性データ接続情報30Aは、例えば、各工場5A~5Cの持つ帳票データやERP(Enterprise Resources Planning)などから作成することも可能である。
図7は、図1の情報管理システムが保持する宛先の一例を示す図である。
図7において、図1の情報管理システム2Aは、例えば、宛先リスト40を保持する。宛先リスト40は、宛先42と、宛先42に対応する情報管理システムの識別子であるシステム名41を持つ。
宛先42は、通信先の情報であり、例えば、IPアドレス(Internet Protocol Address)などの形式で保持されてもよい。情報管理システム2Aは、情報管理システム2Aの構築時に宛先リスト40を用意してもよいし、他の情報管理システム2B、2Cとのやり取りまたは他工場5B、5Cとのやり取りにおいて、宛先42の情報を適宜収集してもよい。
図8は、図1の情報管理システムの関連性データモデルの出力方法の流れを示すシーケンス図である。
図8において、図1のクライアント4Aは、ユーザインタフェース7Aを介し、情報管理システム2Aが保持する関連性データモデルの出力を情報管理システム2Aに要求する(K11)。このとき、図3のプロセッサ22は、ユーザインタフェースプログラムP6を実行する。
次に、情報管理システム2Aは、モデル出力要求を受け付けると、モデル出力処理を実行し(K12)、自身が持つ関連性データモデルをクライアント4Aに出力する(K13)。このとき、プロセッサ22は、モデル出力プログラムP1を実行する。
ここで、情報管理システム2Aは、自身が持つ関連性データモデルをユーザインタフェース7Aに表示させ、ユーザに提示することができる。このとき、プロセッサ22は、ユーザインタフェースプログラムP6を実行する。
次に、クライアント4Aは、ユーザインタフェース7Aを介し、情報管理システム2Bが保持する関連性データモデルの出力を情報管理システム2Aに要求する(K14)。このとき、プロセッサ22は、ユーザインタフェースプログラムP6を実行する。
次に、情報管理システム2Aは、モデル出力要求を受け付けると、モデル出力処理を実行し(K15)、共有モデル提供依頼を情報管理システム2Bに出力する(K16)。このとき、プロセッサ22は、共有モデル提供プログラムP2を実行する。
次に、情報管理システム2Bは、共有モデル提供依頼を受け付けると、共有モデル提供処理を実行し(K17)、自身が持つ関連性データモデルおよび関連性データモデル接続情報を情報管理システム2Aに出力する(K18)。このとき、情報管理システム2Bは、自身が持つ関連性データモデルのうち提供可能な部分のみを共有関連性データモデルとして情報管理システム2Aに出力することができる。また、情報管理システム2Bは、情報管理システム2Aに出力する共有関連性データモデルに含まれるクラスの情報を暗号化するようにしてもよい。
次に、情報管理システム2Aは、共有モデル提供依頼に対する応答を受け付けると、情報管理システム2Bから取得した共有関連性データモデルをクライアント4Aに出力する(K19)。ここで、情報管理システム2Aは、情報管理システム2Bから取得した共有関連性データモデルをユーザインタフェース7Aに表示させ、ユーザに提示することができる。このとき、プロセッサ22は、ユーザインタフェースプログラムP6を実行する。
次に、クライアント4Aは、ユーザインタフェース7Aを介し、情報管理システム2Cが保持する関連性データモデルの出力を情報管理システム2Aに要求する(K20)。このとき、プロセッサ22は、ユーザインタフェースプログラムP6を実行する。
次に、情報管理システム2Aは、モデル出力要求を受け付けると、モデル出力処理を実行し(K21)、共有モデル提供依頼を情報管理システム2Cに出力する(K22)。このとき、プロセッサ22は、共有モデル提供プログラムP2を実行する。
次に、情報管理システム2Cは、共有モデル提供依頼を受け付けると、共有モデル提供処理を実行し(K23)、自身が持つ関連性データモデルおよび関連性データモデル接続情報を情報管理システム2Aに出力する(K24)。このとき、情報管理システム2Cは、自身が持つ関連性データモデルのうち提供可能な部分のみを共有関連性データモデルとして情報管理システム2Aに出力することができる。また、情報管理システム2Cは、情報管理システム2Aに出力する共有関連性データモデルに含まれるクラスの情報を暗号化するようにしてもよい。
次に、情報管理システム2Aは、共有モデル提供依頼に対する応答を受け付けると、情報管理システム2Cから取得した共有関連性データモデルをクライアント4Aに出力する(K25)。ここで、情報管理システム2Aは、情報管理システム2Cから取得した共有関連性データモデルをユーザインタフェース7Aに表示させ、ユーザに提示することができる。このとき、プロセッサ22は、ユーザインタフェースプログラムP6を実行する。
なお、このモデル共有の過程は、情報管理システム2Aからの共有モデル提供依頼を契機としてもよいし、情報管理システム2Bの共有モデル提供処理を契機としてもよいし、このような契機によらずに定期的にモデル共有を行ってもよい。あるいは、情報管理システム2Aは、情報管理システム2Bが関連性データモデルを作成または更新した時点で取得するようにしてもよい。
図9は、図1の情報管理システムの関連性データモデルに関連する情報の取得方法の流れを示すシーケンス図である。
図9において、クライアント4Aは、ユーザインタフェース7Aを介し、目的データおよび検索範囲を情報管理システム2Aに入力する(K31)。このとき、プロセッサ22は、ユーザインタフェースプログラムP6を実行する。
次に、情報管理システム2Aは、目的データおよび検索範囲を受け付けると、情報提供依頼処理を実行し(K32)、情報提供依頼を情報管理システム2Bに出力する(K33)。このとき、プロセッサ22は、情報提供依頼プログラムP3を実行する。なお、本実施形態では、要求元が製品の組立に使った中継元から入荷した材料「ドア」に使われている材料「ガラス」の検査項目「ガラスの厚み」の情報を目的データとして入力する。この目的データは、図3の指示情報16として一時的に保持される。
次に、情報管理システム2Bは、情報提供依頼を受け付けると、情報提供処理を実行し(K34)、情報管理システム2Cが保持する情報にアクセスするための経路情報を情報管理システム2Aに出力する(K35)。なお、情報管理システム2Bは、情報管理システム2Aに出力する経路情報を暗号化するようにしてもよい
経路情報は、少なくとも始点識別子および変換済み識別子を含む。始点識別子は、依頼元から中継元への情報提供依頼のクエリで特定される関連性データ要素識別子である。変換済み識別子は、依頼元から提供元への情報提供依頼のクエリで特定される関連性データ要素識別子である。この変換済み識別子は、例えば、情報管理システム2Bが保持する関連性データの関連性データ要素識別子を、情報管理システム2Cが保持する関連性データの関連性データ要素識別子に変換した識別子である。。
次に、情報管理システム2Aは、経路情報を受け付けると、情報処理を実行し(K36)、情報提供依頼を情報管理システム2Cに出力する(K37)。このとき、プロセッサ22は、情報処理プログラムP5および情報提供依頼プログラムP3を実行する。
次に、情報管理システム2Cは、情報提供依頼を受け付けると、情報提供処理を実行し(K38)、情報管理システム2Cが保持する目的情報を情報管理システム2Aに出力する(K39)。このとき、情報管理システム2Cは、情報提供依頼に含まれる目的データに基づいて、目的情報であるプロパティの値をまたは実データをデータレイク3Cから取得する。なお、情報管理システム2Cは、情報管理システム2Aに出力する目的情報を暗号化するようにしてもよい。
次に、情報管理システム2Aは、目的情報を受け付けると、情報処理を実行し(K40)、分析用データをクライアント4Aに出力する(K41)。このとき、プロセッサ22は、情報処理プログラムP5を実行する。
ここで、情報管理システム2Aは、分析用データをユーザインタフェース7Aに表示させ、ユーザに提示することができる。このとき、プロセッサ22は、ユーザインタフェースプログラムP6を実行する。
図10は、図8のモデル出力K13に対応したユーザインタフェースの表示例を示す図である。
図10において、図1のユーザインタフェース7Aは、モデル表示部7MAを備える。情報管理システム2Aは、図8のモデル出力K13を実行すると、図4の関連性データモデルMAに対応した表示モデルHAをモデル表示部7MAに表示させる。そして、ユーザが、材料「ドア」に使われている材料「ガラス」の検査項目「ガラスの厚み」の情報を要求するものとすると、表示モデルHAのクラスNA11を選択する。このとき、情報管理システム2Aは、図4の関連性データモデル接続情報EABに基づいて、図4の関連性データモデルMBの提供を情報管理システム2Bに依頼する。
図11は、図8のモデル出力K19に対応したユーザインタフェースの表示例を示す図である。
図11において、情報管理システム2Bは、図4の関連性データモデルMBの提供が依頼されると、図4の関連性データモデルMBのうち提供可能な部分のみを共有関連性データモデルとして情報管理システム2Aに出力する。このとき、情報管理システム2Bは、情報管理システム2Aが図4の関連性データモデルMCを情報管理システム2Cから取得するために必要な関連性データモデル接続情報EBCについても、情報管理システム2Aに出力する。
そして、情報管理システム2Aは、関連性データモデルMBのうち提供可能な部分のみに対応した表示モデルHBをモデル表示部7MAに表示させる。そして、ユーザが、表示モデルHBのクラスNB11を選択したものとする。このとき、情報管理システム2Aは、関連性データモデル接続情報EBCに基づいて、図4の関連性データモデルMCの提供を情報管理システム2Cに依頼する。
図12は、図8のモデル出力K25に対応したユーザインタフェースの表示例を示す図である。
図12において、情報管理システム2Cは、図4の関連性データモデルMCの提供が依頼されると、図4の関連性データモデルMCのうち提供可能な部分のみを共有関連性データモデルとして情報管理システム2Aに出力する。
そして、情報管理システム2Aは、関連性データモデルMCのうち提供可能な部分のみに対応した表示モデルHCをモデル表示部7MAに表示させる。そして、ユーザが、表示モデルHCのクラスNC25を選択したものとすると、クラスNC25に関連付けられた参照可能なプロパティ名が表示される。例えば、ユーザが、クラスNC25を選択すると、クラスNC25の検査業務が有する項目1~5の一覧81が表示される。
そして、ユーザが、項目4を選択することで、「ガラスの厚み」というプロパティ名82が表示され、「ガラスの厚み」を目的データの目的プロパティとして設定することができる。さらに、ユーザが、出力ボタン83を選択すると、情報管理システム2Aは、「ガラスの厚み」を目的データの目的プロパティとして、図9の処理を実行し、目的データに対応する目的情報を情報管理システム2Cから取得する。
図13は、図9の分析用データ出力K41に対応したユーザインタフェースの表示例を示す図である。
図13において、情報管理システム2Aは、情報管理システム2Cから取得した目的情報のマージなどの処理を実行することで分析用データ84を出力し、ユーザインタフェース7Aに表示させる。
例えば、要求元は、クラスA18のクラス識別子「製品」を持つ関連性データ「製品001、製品002、製品003」を検索対象とするものとする。このとき、要求元は、要求元が保持する要素間関係性情報に基づいて、検索対象とした製品に関連するクラスA11に紐付けられた関連性データの関連性データ要素識別子「ドア001、ドア002、ドア003」を検出する。さらに、要求元は、要求元が保持する関連性データ接続情報30Aに基づいて、クラスB18に紐付けられた関連性データの関連性データ要素識別子「ドアP001、ドアP002、ドアP003」を中継元から取得する。
次に、要求元は、クラスB18に紐付けられた関連性データの関連性データ要素識別子「ドアP001、ドアP002、ドアP003」を始点識別子として、クラスB11に紐付けられた関連性データの関連性データ要素識別子を検出し、中継元から取得した関連性データ接続情報に基づいて、クラスC26に紐付けられた関連性データの関連性データ要素識別子を提供元から取得する。
次に、要求元は、クラスC26に紐付けられた関連性データの関連性データ要素識別子を始点識別子として、クラスC25に紐付けられた関連性データの関連性データ要素識別子を検出し、クラスC25に紐付けられた関連性データの関連性データ要素が持つプロパティ「ガラスの厚み」の値「2.01mm、2.00mm、2.05mm」を目的情報として取得し、分析用データ84としてユーザインタフェース7Aに表示させる。
なお、選択による展開記録を経路情報として図3の指示情報16に設定することも可能である。これらの選択による展開記録の紐付けは、関連性データモデル接続情報を参照することができる。
図14は、図9のK32の情報提供依頼の内容の一例を示す図である。
図14において、情報提供依頼50のクエリは、要求元で作成される。このクエリは、依頼先の始点識別子53、目的データの目的クラス識別子64および目的プロパティ55を少なくとも含む。ただし、依頼先の始点識別子53は、提供元、中継元および提供元のどの管理下における識別子であるかは問わない。
例えば、情報提供依頼50は、依頼番号51、依頼先名52、依頼先の始点識別子53、依頼先で管理されている目的クラス識別子54、目的プロパティ名55、証明書の提供依頼の有無56および証明書57を有する。
報管理システム2Aは、依頼番号51がNo1の情報提供依頼に基づいて情報管理システム2Bから提供された情報を参照し、依頼番号51がNo2のクエリを情報管理システム2Cに依頼することができる。このとき、依頼番号51がNo2の始点識別子53および証明書57は、情報管理システム2Bから情報管理システム2Aに提供される。
例えば、依頼番号51がNo1のクエリは、始点識別子「ドアP001、ドアP002、ドアP003」に関係する目的クラス識別子「ガラス」についての検索を行い、目的プロパティ「次のシステムで利用されている変換済み識別子」の提供を情報管理システム2Bに依頼する。さらに、このクエリは、証明書の提供依頼56において、要求元と提供元は直接のやり取りがないため、情報管理システム2A、2C間で有効な証明書の発行を情報管理システム2Bに依頼する。
ここで、情報管理システム2Bから情報管理システム2Aに提供される変換済み識別子は、情報管理システム2Cの始点識別子「ガラスP001、ガラスP002、ガラスP003」である。このため、情報管理システム2Aは、要求元と提供元に直接の契約関係がない場合においても、依頼番号51がNo2のクエリを情報管理システム2Cに依頼することができる。
依頼番号51がNo2のクエリは、始点識別子「ガラスP001、ガラスP002、ガラスP003」に関係する目的クラス識別子「ガラスの厚み検査」についての検索行い、目的プロパティ「ガラスの厚み」の情報の提供を情報管理システム2Cに依頼する。さらに、このクエリは、証明書57において、情報管理システム2Bから提供を受けた証明書を付与することで、要求元から依頼元への情報提供依頼の正当性を証明する。
図15は、図9のK35の経路情報を含む経路情報テーブルの一例を示す図である。
図15において、経路情報テーブル60は、例えば、依頼番号61、始点識別子62、変換済み識別子63および証明書64を有する。中継元は、図14の依頼番号51から経路情報テーブル60の依頼番号61を取得する。中継元は、図14の始点識別子53から始点識別子62を取得する。
中継元は、依頼元からの情報提供依頼のクエリに基づいて、始点識別子62および変換済み識別子63を依頼元に提供する。変換済み識別子63は、情報管理システム2Bの始点識別子62から変換された情報管理システム2Cの始点識別子である。依頼元は、変換済み識別子63を中継元から取得することにより、要求元と提供元に直接の契約関係がない場合においても、提供元に情報提供依頼を行うことが可能となる。なお、変換済み識別子63は、提供元の識別子に限らず、次の中継元の識別子であってもよい。
情報管理システム2Aは、図15の経路情報テーブル60を図3の分析用データ19として保持し、処理に使用する。
図16は、図9のK39の目的情報を含む目的情報テーブルの一例を示す図である。
図16において、提供元は、要求元からの情報提供依頼のクエリに基づいて、要求元に目的情報を提供する。目的情報テーブル70は、例えば、依頼番号71、提供元の始点識別子72および要求元の目的データのうち目的プロパティの情報73を有する。
提供元は、図14の依頼番号51から目的情報テーブル70の依頼番号71を取得する。提供元は、図14の始点識別子53から始点識別子72を取得する。情報管理システム2Aは、図16の目的情報テーブル70を図3の分析用データ19として保持し、処理に使用する。
図17は、図8のモデル出力処理K12、K15、K21を示すフローチャートである。
図17において、図1の情報管理システム2Aは、モデル出力要求を受け付けると、モデル出力要求が、ユーザインタフェースの起動によるものか、モデルの展開によるものかを判断する(S11)。
ユーザインタフェースの起動によるものであった場合(S11の起動)、情報管理システム2Aは、自身が保持する関連性データモデルから表示モデルを作成し(S16)、ユーザインタフェース7Aに表示させる(S17)。
一方、モデルの展開によるものであった場合(S11のモデル展開)、情報管理システム2Aは、モデル展開が指定された関連性データのクラス識別子を保持し、経路データとして指示情報16に一時保存する(S12)。
次に、情報管理システム2Aは、展開対象の共有関連性データモデルが図3の共有関連性データモデル13に存在するか、展開対象の共有関連性データモデルに伴う関連性データモデル接続情報が関連性データモデル接続情報15に存在するかを判断する(S13)。
展開対象の共有関連性データモデルと関連性データモデル接続情報が存在する場合(S13の有)、情報管理システム2Aは、共有関連性データモデルから表示モデルを作成し(S16)、ユーザインタフェース7Aに表示させる(S17)。
一方、展開対象の共有関連性データモデルと関連性データモデル接続情報が存在しない場合(S13の無)、情報管理システム2Aは、共有モデル提供依頼を作成し(S14)、各情報管理システム2B、2Cから共有関連性データモデルと関連性データモデル接続情報を取得する(S15)。
情報管理システム2Aは、各情報管理システム2B、2Cから取得した共有関連性データモデルを共有関連性データモデル13に蓄積し、その共有関連性データモデルから表示モデルを作成し(S16)、ユーザインタフェース7Aに表示させる(S17)。
図18は、図8の共有モデル提供処理K17、K23を示すフローチャートである。
図18において、各情報管理システム2B、2Cは、情報管理システム2Aから共有モデル提供依頼を受けると、自身が保持する関連性データモデルの開示可否と提供範囲を任意のタイミングで決定する(S21)。このとき、各情報管理システム2B、2Cは、関連性データモデルの一部またはすべての開示を選択する処理、要求元に開示する関連性データモデルの一部を選択する処理および関連性データモデルに含まれるクラスの情報を暗号化する処理の少なくとも1つを実行することができる。
このとき、各情報管理システム2B、2Cは、非開示を選択した関連性データモデルのクラスおよびクラス間関係性情報接を削除したモデル、非開示を選択した関連性データモデルのクラスを削除し、クラス間関係性情報を含むモデルおよび開示を選択した関連性データモデルのクラスを含み、クラス間関係性情報を削除したモデルのうちのいずれかを生成することができる。
また、各情報管理システム2B、2Cは、情報管理システム2Aが共有モデル提供依頼を出したときに限らず、自身が関連性データモデルを更新したときや、毎日決まった時間にバッチ処理を行うときなど、必要に応じて多様なタイミングで関連性データモデルの開示を行うことができる。
各情報管理システム2B、2Cは、開示する関連性データ要素が1つもない場合(S21の開示0)、他の情報管理システムとつながる関連性データ同士のマッピング情報を作成し(S22)、関連性データモデル接続情報として情報管理システム2Aに送付する(S24)。
開示する関連性データ要素が1つ以上である場合(S21の開示1つ以上)、各情報管理システム2B、2Cは、自身の所有する関連性データモデルから、依頼元への開示が可能なように定義した共有関連性データモデルを作成する(S23)。要求元の関連性データモデルと紐付くクラス識別子の情報を関連性データモデル接続情報として、共有関連性データモデルとともに要求元に送付する(S24)。
関連性データモデルを丸める方法としては、例えば、提供可能な関連性データ要素についてのみ、関連性データモデルのクラスおよびクラス間関係性情報を作成し、共有不可部分はすべて削除した関連性データモデルを共有関連性データモデルとする方法が挙げられる。あるいは、すべてのクラスおよびクラス間関係性情報を残し、提供可能な関連性データ要素のみに紐付く関連性データモデルを共有関連性データモデルとし、提供可能な関連性データ要素のないクラスはグレーアウトする方法でもよい。あるいは、1つのクラスを新たに作成し、提供可能な関連性データ要素を登録し、クラス間関係性情報のない1クラスのみを含む関連性データモデルを共有関連性データモデルとする方法でもよい。
図19は、図9の情報提供依頼処理K32を示すフローチャートである。
図19において、情報管理システム2Aは、指示情報の残数確認を行う(S31)。指示情報は、目的データ、検索範囲および経路データを含む。目的データは、図14の目的クラス識別子54および目的プロパティ55を含む。目的情報は、目的プロパティ55に紐付く実データである。
目的データは、一度の検索で複数指定してもよい。検索範囲は、目的データ入力時に指定した検索条件を満たす識別子を有する。経路データは、少なくとも図3のモデル出力処理時に取得したクラス識別子を有する。
本実施形態では、目的クラス識別子54は、「ガラスの厚み検査」である。目的プロパティ55は、「ガラスの厚み」である。検索範囲は、「ドアを用いた製品」の関連性データ要素の識別子である。検索範囲については、日時またはプロパティの条件などで詳細に指定することも可能である。経路データは、図3のモデル出力処理時に取得した情報管理システム2Aが保持するクラス識別子「ドア」と、情報管理システム2Bが保持するクラス識別子「ガラス」である。目的情報は、「ドアを用いた製品」に使った「ドア」に使われた「ガラス」の「ガラスの厚み」に紐付く実データである。
目的データ301が指示情報16に1つ以上ある場合(S31の残数有)、情報管理システム2Aは、検索範囲の識別子とクラス間関係性情報でつながる最初の経路データのクラス識別子(つまり、情報管理システム2Aの終端のクラス識別子)までの検索を行い、終端のクラス識別子の持つ関連性データ要素識別子(つまり、情報管理システム2Aの終点識別子)をすべて取得する(S32)。
情報管理システム2Aは、自システムの検索(S32)で取得した識別子と関連性データ接続情報に基づいて、次の情報管理システムの最初の識別子(つまり、情報管理システム2Bの始点識別子)を取得する(S33)。この処理は、情報管理システム2Aで行ってもよいし、情報管理システム2Bで行ってもよいし、必要があれば両方で行ってもよい。
情報管理システム2Aは、情報管理システム2Bの始点識別子を次の検索基点となる識別子として、情報管理システム2Bに対する情報提供依頼を作成し、情報提供依頼クエリ17に蓄積し(S34)、S31の処理に戻る。情報管理システム2Aは、すべての経路情報について、この処理を行う。
一方、目的データ301が指示情報16にない場合(S31の残数無)、情報提供依頼クエリ17に存在する情報管理システム2Bへの情報提供依頼を集め、情報管理システム2Bへ送信する(S35)。
本実施形態では、情報管理システム2Aは、「ドアを用いた製品」からクラス識別子「ドア」までの検索を行い、「製品に使ったドア」の関連性データ要素識別子「ドア001、ドア002、ドア003」を取得する。情報管理システム2Aは、関連性データ接続情報に基づいて、関連性データ要素識別子「ドア001、ドア002、ドア003」を、情報管理システム2Bで管理されている関連性データ要素識別子「ドアP001、ドアP002、ドアP003」に変換する。
情報管理システム2Aは、関連性データ要素識別子「ドアP001、ドアP002、ドアP003」を図14のシステムBの始点識別子53とし、経路データから得たクラス識別子「ガラス」を目的クラス識別子54とし、「情報管理システム2Cの変換済み識別子」を目的プロパティ55として、情報管理システム2Bへの情報提供依頼50を作成し、情報提供依頼クエリ17に蓄積する。
このとき、情報管理システム2Aは、情報管理システム2Aが現在保持している情報に基づいて、目的情報を有する情報管理システム2Cへの情報提供依頼50を作成してもよい。情報管理システム2Aは、すべての指示情報のクエリを作成した後、情報管理システム2Bへの情報提供依頼50を送信する。
図20は、図9の情報提供処理K34、K38を示すフローチャートである。
図20において、各情報管理システム2B、2Cは、それぞれの情報提供依頼を受け取ると、未処理の情報提供依頼の残数を確認する(S41)。未処理の検索クエリが残っていない場合(S41の残数無)、各情報管理システム2B、2Cは、それぞれのクエリで依頼されたデータを情報管理システム2Aに送信する(S47)。
未処理の検索クエリが残っている場合(S41の残数有)、各情報管理システム2B、2Cは、それぞれの情報提供依頼50の始点識別子53および目的クラス識別子54に基づいて検索を行い、目的クラス識別子54を持つ関連性データの関連性データ要素識別子(つまり終点識別子)を取得する(S42)。
次に、各情報管理システム2B、2Cは、終点識別子を持つ目的プロパティ55の値、終点識別子を変換した識別子、あるいは蓄積データ取得プログラムP8に基づいて紐付けられた実データを取得する(S43)。
次に、各情報管理システム2B、2Cは、次の情報管理システムへの証明書の提供依頼56の有無を判断する(S44)。証明書の提供依頼56がある場合(S44の必要)、各情報管理システム2B、2Cは、証明証の発行を行い(S45)、提供用データを作成する(S46)。証明書の提供依頼56がない場合(S44の不要)、各情報管理システム2B、2Cは、証明書の発行をせずに、提供用データを作成する(S46)。
証明書の発行(S45)については、情報管理システム2B、2C間で証明できる仕組みであればよく、例えば、SSL(Secure Socket Layer)証明書などを用いてもよい。
本実施形態では、情報管理システム2Bは、システムBへの情報提供依頼50を受け取り、始点識別子「ドアP001、ドアP002、ドアP003」と、目的クラス識別子「ガラス」に基づいて終点識別子を取得する。
次に、情報管理システム2Bは、情報管理システム2Cとの関連性データ接続情報に基づいて、目的プロパティ55である変換済み識別子「ガラスP001、ガラスP002、ガラスP003」を取得し、情報管理システム2Aからの情報取得の許可を情報管理システム2Cに依頼するための証明書を発行する。
次に、情報管理システム2Bは、変換済み識別子「ガラスP001、ガラスP002、ガラスP003」と証明書を合わせて提供用データを情報管理システム2Aに送信する。
図21は、図9の情報処理K36、K40を示すフローチャートである。
図21において、情報管理システム2Aは、各情報管理システム2B、2Cから提供されたデータが、目的情報を含むか、経路情報を含むかを判断する(S51)。
経路情報を含むデータの場合、情報管理システム2Aは、情報提供依頼クエリ17から取得した依頼番号と、提供されたデータの依頼番号を照合し、提供された変換済み識別子に基づいて、次の情報提供依頼を作成し、次の情報管理システムに送信する(S52)。このとき、情報管理システム2Aは、提供された経路情報を分析用データ19に蓄積する。
各情報管理システム2B、2Cから提供されたデータが、目的情報を含むデータの場合、情報管理システム2Aは、指示情報16に含まれる目的データと、経路情報のデータと、提供された目的情報のデータを照合し、分析用データを作成する(S53)。
分析用データは、少なくとも目的データを入力したときの検索範囲(つまり、情報管理システム2Aの始点識別子)および指示情報16に含まれる目的データの目的プロパティの値(つまり、目的情報)を含む。
次に、情報管理システム2Aは、指示情報16に含まれるすべての目的データの処理が完了したかどうかを判断する(S54)。未処理の目的データがある場合(S54の未完)、情報管理システム2Aは、S53で作成した分析用データを分析用データ19に蓄積し、他の経路情報または目的情報の提供を待つ。
すべての目的データについて分析用データが完成した場合(S54の完了)、情報管理システム2Aは、それらの分析用データをマージして出力する(S55)。このとき、分析用データの出力先は問わない。例えば、他のアプリケーションまたはユーザインタフェースでもよい。
本実施形態では、情報管理システム2Bからの提供データは経路情報を含むため、情報管理システム2Aは、提供された変換済み識別子「ガラスP001、ガラスP002、ガラスP003」および情報管理システム2Bから発行された証明書に基づいて、情報管理システム2Cへの情報提供依頼を作成し、情報管理システム2Cへ送信する。
情報管理システム2Cからの提供データは目的情報を含むため、情報管理システム2Aは、提供された始点識別子「ガラスP001、ガラスP002、ガラスP003」、目的情報および情報管理システム2Bから提供された経路情報を突き合わせ、情報管理システム2Aの始点識別子「ドア001、ドア002、ドア003」に使われる「ガラスの厚み」の値「2.01mm、2.00mm、2.05mm」を含んだ分析用データ84を作成し、ユーザインタフェース7Aに表示させる。
以上説明したように、上述した第1実施形態によれば、情報管理システム2Aは、情報管理システム2B、2Cに共有モデル提供依頼および情報提供依頼を送り、情報管理システム2B、2Cから取得したデータを処理することができる。このため、情報管理システム2Aは、共有モデル提供依頼および情報提供依頼などの処理を情報管理システム2B、2Cに実行させることなく、情報管理システム2Aが必要な情報を情報管理システム2B、2Cから取得することが可能となる。
また、上述した第1実施形態によれば、複数の工程を含む製造工程全体の規模が大きい場合においても、1システム当たりの規模の増大を抑えつつ、システム全体の最適化が可能である。
なお、上述した第1実施形態では、情報管理システム2Aは、情報管理システム2Cへの経路データを情報管理システム2Bから取得し、その経路データに基づいて情報管理システム2Cに情報提供依頼を送信することで、情報管理システム2Cから目的情報を取得する方法を説明した。
以下の第2実施形態では、情報管理システム2Aは、情報管理システム2Cに情報提供依頼を送信することなく、情報管理システム2Cが保持する目的情報を取得する方法について説明する。この第2実施形態では、情報管理システム2Aは、情報管理システム2Cが保持する目的情報の取得を情報管理システム2Bに依頼し、情報管理システム2Bが情報管理システム2Cから取得した目的情報を情報管理システム2Bから取得する。
図22は、第2実施形態に係る情報管理システムの関連性データモデルの出力および共有方法の流れを示すシーケンス図である。
図22において、図1のクライアント4Aは、ユーザインタフェース7Aを介し、情報管理システム2Aが保持する関連性データモデルの出力を情報管理システム2Aに要求する(K51)。
次に、情報管理システム2Aは、モデル出力要求を受け付けると、モデル出力処理を実行し(K52)、自身が持つ関連性データモデルをクライアント4Aに出力する(K53)。このとき、情報管理システム2Aは、自身が持つ関連性データモデルをユーザインタフェース7Aに表示させ、ユーザに提示することができる。
次に、クライアント4Aは、ユーザインタフェース7Aを介し、情報管理システム2Bが保持する関連性データモデルの出力を情報管理システム2Aに要求する(K54)。
次に、情報管理システム2Aは、モデル出力要求を受け付けると、モデル出力処理を実行し(K55)、共有モデル提供依頼を情報管理システム2Bに出力する(K56)。
次に、情報管理システム2Bは、共有モデル提供依頼を受け付けると、共有モデル提供処理を実行し(K57)、自身が持つ関連性データモデルおよび関連性データモデル接続情報を情報管理システム2Aに出力する(K58)。このとき、情報管理システム2Bは、自身が持つ関連性データモデルのうち提供可能な部分のみを共有関連性データモデルとして情報管理システム2Aに出力することができる。
次に、情報管理システム2Aは、共有モデル提供依頼に対する応答を受け付けると、情報管理システム2Bから取得した共有関連性データモデルをクライアント4Aに出力する(K59)。このとき、情報管理システム2Aは、情報管理システム2Bから取得した共有関連性データモデルをユーザインタフェース7Aに表示させ、ユーザに提示することができる。
次に、クライアント4Aは、ユーザインタフェース7Aを介し、情報管理システム2Cが保持する関連性データモデルの出力を情報管理システム2Bに依頼するように情報管理システム2Aに要求する(K60)。
次に、情報管理システム2Aは、モデル出力要求を受け付けると、モデル出力処理を実行し(K61)、共有モデル提供依頼を情報管理システム2Bに出力する(K62)。この共有モデル提供依頼は、情報管理システム2Cが保持する関連性データモデルを情報管理システム2Bが取得し、情報管理システム2Bが情報管理システム2Aに送信するように情報管理システム2Bに依頼する。
次に、情報管理システム2Bは、情報管理システム2Aからの共有モデル提供依頼を受け付けると、共有モデル提供依頼を情報管理システム2Cに出力する(K63)。
次に、情報管理システム2Cは、情報管理システム2Bからの共有モデル提供依頼を受け付けると、共有モデル提供処理を実行し(K64)、自身が持つ関連性データモデルおよび関連性データモデル接続情報を情報管理システム2Bに出力する(K65)。このとき、情報管理システム2Cは、自身が持つ関連性データモデルのうち提供可能な部分のみを共有関連性データモデルとして情報管理システム2Bに出力することができる。
次に、情報管理システム2Bは、情報管理システム2Cから関連性データモデルおよび関連性データモデル接続情報を受け取ると、関連性データモデルおよび関連性データモデル接続情報を情報管理システム2Aに出力する(K66)。
次に、情報管理システム2Aは、共有モデル提供依頼に対する応答を受け付けると、情報管理システム2Bから取得した情報管理システム2Cの共有関連性データモデルをクライアント4Aに出力する(K67)。このとき、情報管理システム2Aは、情報管理システム2Bから取得した情報管理システム2Cの共有関連性データモデルをユーザインタフェース7Aに表示させ、ユーザに提示することができる。
図23は、第2実施形態に係る情報管理システムの関連性データモデルに関連する情報の取得方法の流れを示すシーケンス図である。
図23において、クライアント4Aは、ユーザインタフェース7Aを介し、目的データおよび検索範囲を情報管理システム2Aに入力する(K71)。
次に、情報管理システム2Aは、目的データおよび検索範囲を受け付けると、情報提供依頼処理を実行し(K72)、情報提供依頼を情報管理システム2Bに出力する(K73)。この情報提供依頼は、情報管理システム2Cが保持する目的情報を情報管理システム2Bが取得し、情報管理システム2Bが情報管理システム2Aに送信するように情報管理システム2Bに依頼する。この情報提供依頼では、情報管理システム2Cが保持する目的情報に関する関連性データについて関連性データモデル接続情報の一部を伴わせて情報管理システム2Bに問い合わせを行う。例えば、情報管理システム2Aは、図14のシステムBへの情報提供依頼と、システムCへの情報提供依頼をマージして、情報管理システム2Bへの情報提供依頼を作成することができる。
ここで、図9のK33の情報管理システム2Bへの情報提供依頼には、目的クラス識別子「ガラスの厚み検査」および目的プロパティ「ガラスの厚み」を含まないが、図23のK73の情報管理システム2Bへの情報提供依頼には、目的クラス識別子「ガラスの厚み検査」および目的プロパティ「ガラスの厚み」を含む。また、図23のK73の情報提供依頼では、図14の証明書の提供依頼の有無56および証明書57は不要である。
次に、情報管理システム2Bは、情報提供依頼を受け付けると、情報提供処理を実行し(K74)、情報提供依頼および変換済み識別子を含む経路情報を情報管理システム2Cに出力する(K75)。
次に、情報管理システム2Cは、情報提供依頼および変換済み識別子を含む経路情報を受け付けると、情報提供処理を実行し(K76)、情報管理システム2Cが保持する目的情報を情報管理システム2Bに出力する(K77)。
次に、情報管理システム2Bは、情報管理システム2Cが保持する目的情報を受け取ると、目的情報および変換済み識別子を含む経路情報を情報管理システム2Aに出力する(K78)。
次に、情報管理システム2Aは、目的情報を受け付けると、情報処理を実行し(K79)、分析用データをクライアント4Aに出力する(K80)。このとき、情報管理システム2Aは、分析用データをユーザインタフェース7Aに表示させ、ユーザに提示することができる。
以上説明したように、上述した第2実施形態によれば、情報管理システム2Aは、情報管理システム2Bに共有モデル提供依頼および情報提供依頼を送ることで、情報管理システム2Cが保持する目的情報を情報管理システム2Bから取得することが可能となる。このため、情報管理システム2Aは、情報管理システム2Cが保持する目的情報を取得するために、直接契約関係がない情報管理システム2Cに共有モデル提供依頼および情報提供依頼を送る必要がなくなるとともに、情報管理システム2Cの宛先を保持する必要もなくなる。
なお、本発明は、上記した実施形態に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施形態は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。また、各実施形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。また、上記の各構成、機能、処理部、処理手段等は、それらの一部または全部を、例えば集積回路で設計する等によりハードウェアで実現してもよい。
また、上記した実施形態では、車両の製造工程の一部を例にとって説明したが、本発明は、車両などの製造業の製造工程に限らず、運搬業、販売業および金融業などの様々な業種の工程に適応することができる。また、製造、在庫管理、配送、販売および消費までの全体の一連の流れを示すサプライチェーンに適用してもよい。