JP7457424B1 - 太陽光発電海上浮遊体モジュール - Google Patents
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Abstract
Description
また地球温暖化による海水温度上昇により、海面の上昇、植物プランクトン減少や海洋動物の移動による食物連鎖の乱れなどの問題が深刻化、さらにそれによる経済的損失の発生も懸念化されている。
そこで、太陽光発電海上浮遊体プラントにさらに上昇気流を抑制する機能を有するものとして、洋上に設置した躯体上にある水平な複数の各開口部に、太陽発電パネルを有する基板を備え、当該基板が、海面と並行した風等によって開口部が閉じる方向に搖動され、それにより、開口部下方の海面に日陰をつくり海面からの過剰な水蒸気蒸発を抑制するといった、海上過剰水蒸気蒸発を緩和調整可能な海上発電装置がある(例えば先行技術文献1、参照)。
しかしこのような日影により蒸気を抑制する方法は、直接的に上昇気流を抑制する方法ではなく受動的な方法であって、熱帯低気圧発生の大きな抑制力とはならないという問題があった。
第2の発明による太陽光発電海上浮遊体モジュールは、第1の発明による太陽光発電海上浮遊体モジュールであって、さらに、太陽光発電海上浮遊体モジュールを推進させるための推進手段を備えている、ことを特徴とする。
第3の発明による太陽光発電海上浮遊体モジュールは、第2の発明による太陽光発電海上浮遊体モジュールであって、さらに、送風部には、送風部の送風方向を垂直方向から水平方向に変換する送風方向変換手段を備え、推進手段は、送風方向変換手段によって送風部の送風方向が水平方向とされることによるものである、ことを特徴とする。
第4の発明による太陽光発電海上浮遊体モジュールは、第1の発明から第3の発明のいずれかによる太陽光発電海上浮遊体モジュールであって、さらに、各蓄電池の出力が、一つの支柱部の外側一か所に集約されて電気的に配線されている、ことを特徴とする。
本発明において「送風部」とは、単に空気を送風する機能だけに留まらず、推進機とも成り得る機能や性能(推進手段)をも有し得るものと定義する。
図1は本実施例に係る、下降気流生成用、すなわち、パネル基礎部12の外側の海面Wに向けて垂直真下方向に空気を送るための、送風部14を備えた本モジュール1を示す斜視図である。すなわち、図1は本モジュールの下降気流を発生させるモードの形態を示す図である。
図2は、送風方向変換手段18により、送風部14が推進手段17を兼ねている本モジュール1を示す斜視図である。すなわち、図2は本モジュールの推進モードの形態を示す図である。
図3は、一モジュールについての各蓄電池15の出力が一つの支柱部11の外側一か所に集約されていることで、16個の本モジュール1から一度に電力回収を行うことを可能としていることを示す斜視図である。
図4は、本実施例の別例として、支柱部下部、すなわち、支柱部11の水面下に相当する位置に、送風部14とは別途、推進手段17を備えた本モジュール1を示す斜視図である。
本モジュール1は、海上で太陽光発電パネル13により発電するモジュールである。
本モジュール1は、略円柱形であって、垂直に立てられた長手方向20m以上の複数(本実施例では4本)の支柱部11と、支柱部11の上に設置されたパネル基礎部12と、パネル基礎部12の上面に縦横に敷き詰めるように設置された複数(本実施例においては5000枚:下記[本ジュールの規模と充電能力について]参照)の太陽光発電パネル13と、パネル基礎部12の上面の外周位置に設置された、パネル基礎部12の外側の海面Wに向けて垂直真下方向に空気を送るための複数(本実施例では4個)の送風部14と、各太陽光発電パネルで発電された電力を充電するためであって、各支柱部11の内部に設置された複数の蓄電池15と、太陽光発電パネルと充電池との間に電気的に配線され、充電池の充電を制御するための、パネル基礎部12の内部に設置された1以上のパワーコンディショナ16と、を備えている。
さらに、本モジュール1を推進させるための推進手段17を備えている。
また送風部14には、送風部14の送風方向を垂直方向から水平方向に変換する送風方向変換手段18を備え、上記推進手段17は、送風方向変換手段18によって送風部の送風方向が水平方向とされることによるものである。
すなわち、送風部14が推進手段17を兼ねているものである。
また各蓄電池15の出力は、一つの支柱部11の外側一か所に(例えばコネクタ等により)集約されて電気的に配線されている。
また、日照時間の中の蓄電時間帯以外の時間帯においては、太陽光発電パネル13からの電力はパワーコンディショナ16の制御により送風部14を駆動するための電力として使用される。
推進手段17の駆動は、太陽光発電パネル13からの電力、かつ/または、蓄電池14からの電力による。
この電気的配線や制御方法は従来方法によるものであるため、図1においては図示していない。
また、パワーコンディショナ16および蓄電池15は、各々パネル基礎部12と支柱部11の内部に組み込まれているため図示していない。
送風部14は図1に示す様に、送風機本体を支えるタワー部141、送風機本体である、電気モータを内蔵したナセル142、ハブ143、例えば3個のブレードからなるプロペラ144、から構成される。
図1と図2との間の形態変換は、送風方向変換手段18によりタワー部141の最下部が回転し、送風部14全体が倒れたり起きたりすることによって行われる。この回転は、送風方向変換手段18に内蔵された電気モータを太陽光発電パネル13からの電力、かつ/または、蓄電池14からの電力により駆動することで行われる(簡単のため、図示はしていない)。
また、支柱部11を長手方向20m以上(実施例においては40m以上としている:図1に示す様に、海面W位置は支柱部11の中間あたりである)としたのは、海面下10m以上、海上10m以上とすることで、10m程度の高波に対応するためである。すなわち本支柱部11により、10m程度の高波があってもパネル基礎部12より上の太陽光発電パネル13と送風部14に対して高波による機能停止や破壊などの被害を受けないようにするといった、高波対策機能を有する。
ここで、上記高波対策機能をより強固なものとするため、支柱部11に高さ調整機能を有する形態としても良い。すなわち、高波が発生した時、太陽光発電パネル13から直接または蓄電池15からの電力を使って、ポンプを駆動して、支柱部11に対して水の出し入れを行うことで、高さ調整によって高波対策を行うものとしても良い。
さらに、海上10m以上の位置にあることによって、海水による塩害に対して太陽光発電パネル13と送風部14(さらには推進手段17)を守るといった、塩害対策機能を有する。
ここで、上記塩害対策機能をより強固なものとするため、防水規格に準じる構造とし、コネクタやケーブルも塩害対策仕様とすることが望ましい。
また図2の様な推進モードの形態とすることで、本モジュールが自力で推進・位置調整できるといった、推進機能を有する。
さらに、図3に示す通り簡単に一つの支柱部11の外側一か所に(例えばコネクタ等により)集約されて電気的に配線されているため、電力回収ケーブル3により、容易に電力回収できるといった機能を有する。また、電力回収ケーブル3による電力回収により、例えば波や強風、雨天の影響を受けずに容易に電力回収できるといった機能を有する。
本実施例において太陽光発電パネル13は1枚縦横1m*2mの大きさで、これをパネル基礎部12の上100m*100m四方に縦横100枚*50枚、合計で5000枚敷き詰めている。なお、図1においては簡単のため、縦横100枚*50枚を縦横10枚*5枚として簡略化して示している。
よって本モジュール1つの大きさ(縦横の寸法)は100m*100m以上の大きさである。
パネル1枚あたり550W供給可能とし、1軒あたり5枚分の配分とすると、1軒あたり5*550W=2.75kWの供給となり、4時間充電すると1軒あたり約10kWhを1000軒分について1日で充電可能となる。余った日照時間(例えば4時間以上)分の太陽光発電パワーは上昇気流を抑える下降気流生成用の送風部14の駆動に充当される。
1つの本モジュール1は、上述の通り、1日当たり10kWh/軒を1000軒分供給できるパワープラントである。売電額を16円/1kWhとすると、160,000円に該当し、5840万円/年を、構造体製造の費用回収に充てることができる。浮遊体の建設費を10億円程度と仮定すると、17年で回収可能であり、十分採算性が採れる。
よって、本モジュール1は、社会貢献が期待でき、かつ、現実的に製造が可能なモジュールである。
本実施例は、送風部14に送風部14の送風方向を垂直方向から水平方向に変換する送風方向変換手段18を備えることで、送風部14が推進手段17を兼ねている実施例である。すなわち、図1の形態から図2の形態へ推移することで、本モジュール1の推進が可能となる。
この推進機能は、例えば本モジュール1の組立基地から稼働場所(海水温度の高い場所や上昇気流が観測される場所など)までの移動のため、また、稼働場所における本モジュール1の位置をキープさせるために使用される。
しかし、本発明における推進手段17は本実施例による方法に限定されるものではない。
例えば図4に示す様に、支柱部下部、すなわち、支柱部11の水面下に相当する位置に、送風部14とは別途の推進手段17を備えることで本モジュール1を推進させるといった形態であっても良い。但し、塩害対策的には、推進手段17が空中にある本実施例(図2参照)と比較して不利であるといえる。
また、本モジュール1は略円柱の支柱で支える構造であるため推進時における水の抵抗が少ないので、図1の状態(基本的には下降気流を発生させるモードである)のままで、本モジュール1自体に推進機能を有さずとも船などによって外部から推進させる手段としても良い。
さらには、図1の下降気流を発生させるモードの形態のままで、各送風部14を個別制御し、ドローンの様に推進や回転を可能とする手段としても良い。
電力回収はリチウムイオン電池(リン酸鉄も含む)であれば、1時間で回収できる。そのため、図3の様に16個の環状配置で1つの電力回収船2で一度に電力回収する態様とすると、1時間に16モジュールの電力回収が可能である。稼働させる本モジュール1の総数を100個とすると、日没後に、全部で100個/16個=約6時間で、電力回収が可能となる。すなわち、次の日の日の出までに電力回収が終了し、次の日の充電に備えられる。
本実施例では推進手段17によって、16モジュールを図3の態様にする。また、各蓄電池15の出力は、一つの支柱部11の外側一か所に(例えばコネクタ等により)集約されて電気的に配線されている。よって、例えばコネクタを使用した場合、1モジュールにつき1つのコネクタを付けた電力回収ケーブル3を、16モジュール分の16本用意し、例えば別途用意したドローンを使って各コネクタを挿抜することで電力回収船2により電気回収する。
本モジュール1を海水温度の高い場所、上昇気流が観測される場所に移動させて稼働させる。
太陽光発電パネル13が海水温度上昇を抑えることに繋がる理由は以下の通りである。
すなわち、可視光を含む光エネルギーは、自然状態では物体(本件においては海水)に吸収されると、光吸収(吸収体の分子や原子の励起)によって熱エネルギーに変換されてしまい、海水温度上昇につながる。そこで太陽光発電パネルで、可視光を含む光エネルギーを熱エネルギーではなく電気エネルギーに変換することで、海水温度上昇を避けることに繋がるためである。
11 支柱部
12 パネル基礎部
13 太陽光発電パネル
14 送風部
141 タワー部
142 ナセル(電気モータ内臓)
143 ハブ
144 プロペラ
15 蓄電池(支柱部の中)
16 パワーコンディショナ(パネル基礎部の中)
17 推進手段
18 送風方向変換手段
2 電力回収船
3 電力回収ケーブル
W 海面
Claims (4)
- 海上で太陽光発電パネルにより発電する太陽光発電海上浮遊体モジュールであって、
前記太陽光発電海上浮遊体モジュールは、
略円柱形であって、垂直に立てられ、長手方向20m以上であり、海中へ延びる複数の支柱部と、
前記支柱部の上に設置されたパネル基礎部と、
前記パネル基礎部の上面に縦横に敷き詰めるように設置された複数の太陽光発電パネルと、
前記パネル基礎部の上面の外周位置に設置された、前記パネル基礎部の外側の海面に向けて垂直真下方向に空気を送るための複数の送風部と、
各前記太陽光発電パネルで発電された電力を充電するためであって、各前記支柱部の内部に設置された複数の蓄電池と、
前記太陽光発電パネルと前記蓄電池との間に電気的に配線され、前記蓄電池の充電を制御するための、前記パネル基礎部の内部に設置された1以上のパワーコンディショナと、
を備えていることを特徴とする太陽光発電海上浮遊体モジュール。
- 請求項1に記載の太陽光発電海上浮遊体モジュールであって、さらに、
前記太陽光発電海上浮遊体モジュールを推進させるための推進手段を備えている、
ことを特徴とする太陽光発電海上浮遊体モジュール。 - 請求項2に記載の太陽光発電海上浮遊体モジュールであって、さらに、
前記送風部には、前記送風部の送風方向を垂直方向から水平方向に変換する送風方向変換手段を備え、
前記推進手段は、前記送風方向変換手段によって前記送風部の送風方向が水平方向とされることによるものである、
ことを特徴とする太陽光発電海上浮遊体モジュール。 - 請求項1から3のいずれかに記載の太陽光発電海上浮遊体モジュールであって、さらに、
各前記蓄電池の出力が、一つの前記支柱部の外側一か所に集約されて電気的に配線されている、
ことを特徴とする太陽光発電海上浮遊体モジュール。
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- 2023-10-12 JP JP2023176545A patent/JP7457424B1/ja active Active
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