JP7455278B1 - 嫌気性消化プロセス監視システムおよび嫌気性消化プロセス監視方法 - Google Patents

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Abstract

消化槽内の嫌気性微生物の活性が変動したときにも高い精度でバイオガス発生量を予測する嫌気性消化プロセス監視システム。消化槽(2)への有機性廃棄物の投入量を測定し測定結果である負荷データを出力する第1センサ(4)と、消化槽(2)の内部の発酵液の性状を測定し測定結果である発酵液性状データを出力する第2センサ(5)と、第1推定モデルを用いて負荷データおよび発酵液性状データから嫌気性微生物の活性度を示す推定活性指標データを求める前処理部(12)と、第2推定モデルを用いて負荷データ、発酵液性状データおよび推定活性指標データからバイオガス発生量予測値を求めるガス発生量予測部(13)とを備える。

Description

本願は、嫌気性消化プロセス監視システムおよび嫌気性消化プロセス監視方法に関するものである。
汚泥、食品残渣、工場廃水などの有機性廃棄物を資源としてリサイクルするために、嫌気性微生物を馴養した消化槽に有機性廃棄物を投入し、メタン発酵させてバイオガスを取り出すことが行われている。この工程は嫌気性消化プロセスと呼ばれ、有機性廃棄物から取り出したバイオガスを用いてボイラーによる熱エネルギーあるいは発電機による電気エネルギーに変換することによって、有機性廃棄物の資源化、あるいは、燃料使用量もしくは電気使用量の削減による温室効果ガス削減に貢献することができる。
エネルギー業界では、温室効果ガス削減あるいは大規模災害時の停電対策(レジリエンス強化)などを目的として、既存の大規模発電所において電気を一極集中的に発生させて供給するエネルギー形態から、再生可能エネルギーを活用した地域分散型の電力供給網を構築するエネルギー形態への変革が重要視され、エネルギー業界の3D化(脱炭素化、分散化、デジタル化)と呼ばれている。再生可能エネルギー(脱炭素化)を活用した分散型電源(分散化)を用いてマイクログリッドを構築することにより、温室効果ガス削減あるいは大規模災害時の停電対策(レジリエンス強化)が可能となる。一方で、マイクログリッドの構築においては、電力の需要と供給とのバランス調整、インバランス低減および再生可能エネルギー発電の出力抑制回避の実現が重要となるため、アグリゲーター等の事業者が分散型電源による電力調整力を把握できるように、発電可能量をモデリング化(デジタル化)し、予測できるようにする必要がある。
嫌気性消化プロセスによって得られるバイオガスを用いたバイオガス発電は、人の活動によって半永久的に生じる有機性廃棄物から電力を取り出せるだけでなく、太陽光あるいは風力とは異なり発電可能量が自然環境に左右されないことから、エネルギー業界の3D化を実現する上で有力な再生可能エネルギーを活用した分散型電源となるポテンシャルがある。
一方で、バイオガス発電の課題は2つある。1つ目は、デジタル化である。バイオガス発生量は、(1)消化槽に投入される有機物の量および性状、(2)投入する各有機物の混合比率、および、(3)消化槽内の嫌気性微生物の活性に依存して変化するため、消化槽に投入される有機性廃棄物が多様化していることもあり、有機性廃棄物がバイオガスに変換される工程は非常に複雑で、実用的な嫌気性消化プロセスのモデリング化(デジタル化)は実現できていない。2つ目は、運転管理負荷の増加である。各地に分散的にバイオガス発電設備が設置されると機器点数が非常に増えることになるため、運転管理の負荷が大幅に増加することになる。しかしながら、人口減少あるいは技術力のあるベテラン作業員不足は深刻になりつつあり、運転管理負荷の増加は、分散型電源としてバイオガス発電を社会実装する上で大きな障害となり得る。したがって、嫌気性消化プロセスで得られるバイオガスを用いたバイオガス発電を分散型電源として活用するためには、嫌気性消化プロセスの実用的なモデルを構築し、バイオガス発電量、ひいてはバイオガス発生量を精度よく予測するとともに、運転管理負荷を低減することを可能にする嫌気性消化プロセスの自動運転監視システムおよび自動運転監視方法が必要となっている。
嫌気性消化プロセス監視システムとして、消化槽から発生するバイオガス発生速度の実測値とバイオガス発生速度の予測値とを比較するシステムが提案されており、バイオガス発生量を予測する方法として、投入される有機性廃棄物の種類ごとにバイオガス発生速度あるいは分解速度をあらかじめ算出しておき、実際の有機性廃棄物の投入量あるいは混合比率に応じてバイオガス発生量を予測するシステムが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2005-111338号公報
特許文献1に示された嫌気性消化プロセス監視システムにおいては、投入される有機性廃棄物の種類ごとにバイオガス発生速度をあらかじめ算出し、実際のそれぞれの有機性廃棄物の投入量に応じてバイオガス発生量を予測しているが、有機性廃棄物の組み合わせあるいは投入量に応じて、嫌気性微生物の活性の促進あるいは阻害が生じるため、消化槽内の嫌気性微生物の活性は変動する可能性があり、消化槽内の嫌気性微生物の活性の変動によってバイオガス発生速度が変動したときにバイオガス発生量の予測精度が低下するという課題があった。
本願は、上述の課題を解決するためになされたものであり、消化槽内の嫌気性微生物の活性が変動したときにも高い精度でバイオガス発生量を予測する嫌気性消化プロセス監視システムおよび嫌気性消化プロセス監視方法を提供することを目的とする。
本願に開示される嫌気性消化プロセス監視システムは、有機性廃棄物を消化槽に投入することで消化槽の内部の嫌気性微生物が馴養された発酵液から発生するバイオガス発生量を予測して嫌気性消化プロセスの状態を監視する嫌気性消化プロセス監視システムであって、消化槽への有機性廃棄物の投入量を測定し、測定結果を負荷データとして出力する第1センサと、消化槽の内部の発酵液のpHおよび電気伝導率を性状として少なくとも測定し、測定結果を出力する第2センサと、負荷データおよび少なくともpHおよび電気伝導率を蓄積するプロセス観測部と、予め設けたシステム導入後の学習期間あるいはシステム導入前に取得された負荷データ、pHと消化槽の内部の発酵液における有機物の濃度との相関式、および負荷データ、電気伝導率と消化槽の内部の発酵液におけるアンモニア性窒素の濃度との相関式から少なくとも構成される第1推定モデルを用いて、負荷データ、pHおよび電気伝導率から有機酸の濃度およびアンモニア性窒素の濃度を少なくとも演算する前処理部と、予め設けたシステム導入後の学習期間あるいはシステム導入前に取得された負荷データ、pH、消化槽の内部の発酵液における有機酸の濃度とバイオガス発生量との相関式、および負荷データ、電気伝導率と消化槽の内部の発酵液におけるアンモニア性窒素の濃度とバイオガス発生量の相関式から少なくとも構成される第2推定モデルを用いて、負荷データ、pH、電気伝導率、および前処理部が演算した有機酸の濃度とアンモニア性窒素の濃度を少なくとも用いてバイオガス発生量予測値を予測するガス発生量予測部とを備え、前処理部が演算した有機酸の濃度とアンモニア性窒素の濃度、およびガス発生量予測部が予測したバイオガス発生量予測値を用いて嫌気性消化プロセスの状態を監視することを特徴とする。
本願に開示される嫌気性消化プロセス監視システムは、消化槽への有機性廃棄物の投入量を測定し、測定結果を負荷データとして出力する第1センサと、消化槽の内部の発酵液のpHおよび電気伝導率を性状として少なくとも測定し、測定結果を出力する第2センサと、負荷データおよび少なくともpHおよび電気伝導率を蓄積するプロセス観測部と、予め設けたシステム導入後の学習期間あるいはシステム導入前に取得された負荷データ、pHと消化槽の内部の発酵液における有機物の濃度との相関式、および負荷データ、電気伝導率と消化槽の内部の発酵液におけるアンモニア性窒素の濃度との相関式から少なくとも構成される第1推定モデルを用いて、負荷データ、pHおよび電気伝導率から有機酸の濃度およびアンモニア性窒素の濃度を少なくとも演算する前処理部と、予め設けたシステム導入後の学習期間あるいはシステム導入前に取得された負荷データ、pH、消化槽の内部の発酵液における有機酸の濃度とバイオガス発生量との相関式、および負荷データ、電気伝導率と消化槽の内部の発酵液におけるアンモニア性窒素の濃度とバイオガス発生量の相関式から少なくとも構成される第2推定モデルを用いて、負荷データ、pH、電気伝導率、および前処理部が演算した有機酸の濃度とアンモニア性窒素の濃度を少なくとも用いてバイオガス発生量予測値を予測するガス発生量予測部とを備え、前処理部が演算した有機酸の濃度とアンモニア性窒素の濃度、およびガス発生量予測部が予測したバイオガス発生量予測値を用いて嫌気性消化プロセスの状態を監視するので、消化槽内の嫌気性微生物の活性が変動したときにも高い精度でバイオガス発生量を予測することができる。


実施の形態1による嫌気性消化プロセス監視システムの構成を示す図である。 実施の形態1による嫌気性消化プロセス監視システムにおける処理の詳細を示すフローチャートである。 実施の形態2による嫌気性消化プロセス監視システムの構成を示す図である。 実施の形態3による嫌気性消化プロセス監視システムの構成を示す図である。
以下、本願を実施するための実施の形態に係る嫌気性消化プロセス監視システムおよび嫌気性消化プロセス監視方法について、図面を参照して詳細に説明する。なお、各図において同一符号は同一もしくは相当部分を示している。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1による嫌気性消化プロセス監視システムの構成を示す図である。図1において、実線の矢印は配管を表しており、点線の矢印は情報のやり取りを表すものであり例えば信号線を表している。嫌気性消化プロセス監視システムは、監視装置10、第1センサ4、第2センサ5および第3センサ7を備えている。監視装置10は、プロセス観測部11、前処理部12、ガス発生量予測部13およびプロセス監視部14を備えている。汚泥、食品残渣、工場廃水などの有機性廃棄物は、必要に応じてディスポーザーなどで破砕され、バッファ槽1に送液される。バッファ槽1は消化槽2に投入される有機性廃棄物を蓄えておくものであって、バッファ槽1と消化槽2とは投入配管31を介して接続されており、バッファ槽1の内部の有機性廃棄物は投入手段3によって消化槽2に投入される。投入手段3は、例えば、ポンプである。消化槽2に投入された有機性廃棄物は、消化槽2の内部で馴養されている嫌気性微生物によって資化され、バイオガスが発生する。投入配管31には消化槽2への有機性廃棄物の投入量を測定する第1センサ4が設けられており、第1センサ4は測定結果である有機性廃棄物の投入量の情報を負荷データとして監視装置10のプロセス観測部11に出力する。プロセス観測部11は、取得した負荷データを蓄積する。
消化槽2において発生したバイオガスは、ガス配管32を通して例えばバイオガス発電機に送られる。ガス配管32には消化槽2において発生したバイオガスの発生量を測定する第3センサ7が設けられており、第3センサ7は測定結果であるバイオガス発生量実測値の情報を監視装置10のプロセス監視部14に出力する。
消化槽2に設けられた第2センサ5は、消化槽2の内部の有機性廃棄物と嫌気性微生物との懸濁液である発酵液の性状を測定して、測定結果である発酵液の性状の情報を発酵液性状データとして監視装置10のプロセス観測部11に出力する。プロセス観測部11は、取得した発酵液性状データを蓄積する。第2センサ5において測定される発酵液の性状は、嫌気性微生物の活性の指標となる物性値である推定活性指標データと相関を持ったものである。すなわち、第2センサ5において測定される発酵液の性状は、例えば、嫌気性微生物によって有機性廃棄物がバイオガスに変換されるプロセスにおける中間生成物(有機酸、水素、二酸化炭素など)が示す自動測定が可能な物性値であることが条件であり、例えば、pH、TDS(Total Dissolved Solids)および炭酸ガスイオン濃度のいずれかが使用できる。あるいは、第2センサ5において測定される発酵液の性状は、例えば、嫌気性微生物の活性の阻害に関与する物質(アンモニア性窒素、有機酸、栄養塩など)が示す自動測定が可能な物性値であることが条件であり、例えば、pH、TDSおよび電気伝導率のいずれかが使用できる。すなわち、第2センサ5において測定される発酵液の性状は、例えば、pH、TDS、炭酸ガスイオン濃度および電気伝導率の少なくとも一つを含むものである。
有機性廃棄物が消化槽2へ投入されるのに合わせて、排出手段6は、不要となった嫌気性微生物およびバイオガスに変換されなかった有機性廃棄物の残渣を発酵残渣として排出配管33を通して消化槽2の外へ排出する。排出手段6は、例えば、ポンプである。
なお、第1センサ4からプロセス観測部11への情報の受け渡し、第2センサ5からプロセス観測部11への情報の受け渡し、および、第3センサ7からプロセス監視部14への情報の受け渡しは、有線あるいは無線による通信によって行われてもよく、インターネットなどのネットワークを介して行われてもよい。
次に、監視装置10の動作について説明する。プロセス観測部11は、第1センサ4から負荷データを取得し、第2センサ5から発酵液性状データを取得し、取得した負荷データおよび発酵液性状データを蓄積するとともに、負荷データおよび発酵液性状データを前処理部12およびガス発生量予測部13に出力する。前処理部12は、プロセス観測部11から負荷データおよび発酵液性状データを取得し、第1推定モデルを用いて負荷データと発酵液性状データとから嫌気性微生物の活性度を示す推定活性指標データを求めて、求めた推定活性指標データを蓄積するとともにガス発生量予測部13に出力する。
ガス発生量予測部13は、プロセス観測部11から負荷データおよび発酵液性状データを取得し、前処理部12から推定活性指標データを取得し、第2推定モデルを用いて負荷データと発酵液性状データと推定活性指標データとからバイオガス発生量予測値を求める。求めたバイオガス発生量予測値は、プロセス監視部14に出力されるとともに、監視装置10の外部にも出力される。例えば、ガス配管32がバイオガス発電設備に接続されている場合は、ガス発生量予測部13から出力されるバイオガス発生量予測値は、バイオガス発電設備におけるバイオガス発電量の予測に使用される。
プロセス監視部14は、第3センサ7からバイオガス発生量実測値を取得し、ガス発生量予測部13からバイオガス発生量予測値を取得し、バイオガス発生量実測値とバイオガス発生量予測値とから誤差率を算出し、誤差率があらかじめ定められた範囲に含まれる値であるかどうかを監視する。また、プロセス監視部14は、誤差率を監視装置10の外部に出力してもよく、誤差率があらかじめ定められた範囲に含まれる値であるかどうかを判定した結果を監視装置10の外部に出力してもよい。誤差率は、例えば、(バイオガス発生量予測値-バイオガス発生量実測値)/バイオガス発生量実測値*100によって求めることができる。
ここで、第1推定モデルおよび第2推定モデルについて説明する。第1推定モデルは、例えば、負荷データと発酵液性状データとから嫌気性微生物の活性度を示す推定活性指標データを求める演算式であり、目的変数として中間生成物(有機酸、水素、二酸化炭素など)の濃度あるいは嫌気性微生物の活性の阻害に関与する物質(アンモニア性窒素、有機酸、栄養塩など)の濃度といった推定活性指標データが設定され、それぞれの推定活性指標データに対し、複数の説明変数として負荷データと発酵液性状データとが設定された回帰式である。第2推定モデルは、例えば、負荷データと発酵液性状データと推定活性指標データとからバイオガス発生量予測値を求める演算式であり、目的変数としてバイオガス発生量が設定され、複数の説明変数として負荷データと発酵液性状データと推定活性指標データとが設定された回帰式である。システム導入後に学習期間を設け、前処理部12において多変量解析を行うことで、それぞれの推定活性指標データに対し、測定した負荷データと発酵液性状データの中から必要な説明変数を抽出し、必要な説明変数にかかる係数を取得することで第1推定モデルの回帰式を構築する。第1推定モデルの構築後、ガス発生量予測部13において多変量解析を行うことでバイオガス発生量実測値に対し、測定した負荷データと発酵液性状データと第1推定モデルで得られた推定活性指標データの中から必要な説明変数を抽出し、必要な説明変数にかかる係数を取得することで第2推定モデルの回帰式を構築する。なお、システム導入前に第1推定モデルの演算式と第2推定モデルの演算式とを事前の試験によって求めることも可能であり、その方法を、以下に示す。
ラボ試験用の消化槽に有機性廃棄物を投入する試験において、消化槽に投入される有機性廃棄物の投入量を負荷データとして測定するとともに、投入される有機性廃棄物の有機物量の指標であるTVS(Total Volatile Solids)を測定する。複数の種類の有機性廃棄物がある場合は、有機性廃棄物の種類ごとに有機性廃棄物の投入量とTVSとを測定する。有機性廃棄物を投入されたラボ試験用の消化槽を一定の温度に保温し、例えば、20日経過後にバイオガス発生量を測定する。これにより、投入される有機性廃棄物の投入量である負荷データに応じた投入TVS当たりのバイオガス発生量のデータを取得することができる。また、このときに、消化槽への有機性廃棄物の投入量(負荷データ)の条件を振って、消化槽の内部の発酵液のpH、TDS、炭酸ガスイオン濃度および電気伝導率などの値を発酵液性状データとして測定しておく。さらに、アンモニア性窒素、有機酸(酢酸、吉草酸、酪酸、プロピオン酸など)および栄養塩(ニッケル、鉄、コバルトなど)などの濃度を、嫌気性微生物の活性の指標となる物性値である推定活性指標データとして測定しておく。
消化槽への有機性廃棄物の投入量(負荷データ)を変動させると、有機酸(酢酸、吉草酸、酪酸、プロピオン酸など)の濃度が上昇する、あるいは、栄養塩の量が不足することにより、消化槽内の発酵液のpHが低下し、嫌気性微生物の活性が低下する。したがって、第2センサ5によって消化槽2の発酵液の性状として発酵液のpH、TDSまたは炭酸ガスイオン濃度などを測定してpH、TDSまたは炭酸ガスイオン濃度などの値を発酵液性状データすることにより、発酵液性状データであるpH、TDSまたは炭酸ガスイオン濃度などの値から嫌気性微生物の活性の指標となる推定活性指標データである有機酸濃度あるいは栄養塩濃度を推定することができる。例えば、ラボ試験用の消化槽への有機性廃棄物の投入量を徐々に増加させて、負荷量を測定しながら発酵液の発酵液性状データであるpH、TDSまたは炭酸ガスイオン濃度と有機酸濃度とを測定することにより、発酵液の発酵液性状データであるpH、TDSまたは炭酸ガスイオン濃度と有機酸濃度との相関関係の情報を得ることができ、これをもとに負荷データと発酵液性状データであるpH、TDSまたは炭酸ガスイオン濃度とから嫌気性微生物の活性度を示す推定活性指標データである有機酸濃度あるいは栄養塩濃度を求める第1推定モデルを得ることができる。
また、消化槽への有機性廃棄物の投入量(負荷データ)を変動させると、アンモニア性窒素濃度が増加し、嫌気性微生物の活性が低下する。したがって、第2センサ5によって消化槽2の発酵液の性状として発酵液の電気伝導率を測定して電気伝導率の値を発酵液性状データとすることにより、発酵液性状データである電気伝導率の値から嫌気性微生物の活性の指標となる推定活性指標データであるアンモニア性窒素濃度を推定することができる。例えば、ラボ試験用の消化槽への有機性廃棄物の投入量を徐々に増加させて、負荷量を測定しながら発酵液の電気伝導率およびアンモニア性窒素濃度を測定することにより、発酵液の電気伝導率とアンモニア性窒素濃度の相関関係の情報を得ることができ、これをもとに負荷データと発酵液性状データである電気伝導率とから嫌気性微生物の活性度を示す推定活性指標データであるアンモニア性窒素濃度を求める第1推定モデルを得ることができる。
さらに、投入TVS当たりのバイオガス発生量と、有機性廃棄物の投入量である負荷量と、発酵液のpH、TDSまたは炭酸ガスイオン濃度と、pH、TDSまたは炭酸ガスイオン濃度から求めた有機酸濃度あるいは栄養塩濃度とを多変量解析することによって、負荷データ、pH、TDSまたは炭酸ガスイオン濃度、および、有機酸濃度あるいは栄養塩濃度と、バイオガス発生量予測値との、相関関係の情報を得ることができ、負荷量と、発酵液のpH、TDSまたは炭酸ガスイオン濃度とから、バイオガス発生量予測値を求める第2推定モデルを得ることができる。あるいは、投入TVS当たりのバイオガス発生量と、有機性廃棄物の投入量である負荷量と、発酵液の電気伝導率と、電気伝導率から求めたアンモニア性窒素濃度とを多変量解析することによって、負荷データ、電気伝導率およびアンモニア性窒素濃度と、バイオガス発生量予測値との、相関関係の情報を得ることができ、負荷量と発酵液の電気伝導率とからバイオガス発生量予測値を求める第2推定モデルを得てもよい。さらに、投入TVS当たりのバイオガス発生量と、有機性廃棄物の投入量である負荷量と、発酵液のpH、TDSまたは炭酸ガスイオン濃度と、pH、TDSまたは炭酸ガスイオン濃度から求めた有機酸濃度と、発酵液の電気伝導率と、電気伝導率から求めたアンモニア性窒素濃度とを多変量解析することによって、負荷データ、pH、TDSまたは炭酸ガスイオン濃度、電気伝導率、有機酸濃度およびアンモニア性窒素濃度と、バイオガス発生量予測値との、相関関係の情報を得ることができ、負荷量と発酵液のpH、TDSまたは炭酸ガスイオン濃度と発酵液の電気伝導率とからバイオガス発生量予測値を求める第2推定モデルを得てもよい。
以上により、第1推定モデルでは、有機性廃棄物の投入量である負荷量と消化槽の発酵液の性状の情報である発酵液性状データとから、あらかじめ設けたシステム導入後の学習期間あるいはシステム導入前のラボ試験において取得した相関関係の情報に基づき、発酵液の嫌気性微生物の活性の指標となる推定活性指標データを演算できる。発酵液性状データが発酵液のpH、TDSまたは炭酸ガスイオン濃度の場合には推定活性指標データは発酵液の有機酸濃度あるいは栄養塩濃度であり、発酵液性状データが発酵液の電気伝導率の場合には推定活性指標データは発酵液のアンモニア性窒素濃度である。また、第2推定モデルでは、有機性廃棄物の投入量である負荷量と消化槽の発酵液の性状の情報である発酵液性状データと第1推定モデルで演算した推定活性指標データとから、あらかじめ設けたシステム導入後の学習期間あるいはシステム導入前のラボ試験において取得した相関関係の情報に基づき、投入TVS当たりのバイオガス発生量予測値を演算できる。
センサ等では自動測定できないがバイオガス発生量を精度良く予測するときに必要となる嫌気性微生物の活性の指標となる物性値を推定活性指標データとして第1推定モデルで推定し、推定活性指標データと負荷データと発酵液性状データとを第2推定モデルの演算式に入力してバイオガス発生量予測値を得ることができるため、運転負荷の増加を抑制しつつ、バイオガスの発生量を高い精度で予測することができる。なお、発酵液性状データは、pH、TDS、炭酸ガスイオン濃度または電気伝導率に限定されるものではなく、酢酸イオン濃度、COD(Chemical Oxygen Demand)濃度などでもよく、発酵液の有機酸濃度、栄養塩濃度あるいはアンモニア性窒素濃度などの嫌気性微生物の活性となる物性値との相関がラボ試験用の消化槽に有機性廃棄物を投入する試験において確認できるものであればよい。発酵液性状データの種類を多くすれば多くするほど推定活性指標データの推定精度を高くすることができるが、発酵液性状データの種類を多くすると必要となるセンサ数が多くなり、イニシャルコストおよび運転管理の負荷が高くなるので、必要な推定精度に応じて発酵液性状データの種類の数を決定すればよい。
プロセス監視部14は、ガス発生量予測部13からバイオガス発生量予測値を取得し、第3センサ7からバイオガス発生量実測値を取得し、バイオガス発生量実測値とバイオガス発生量予測値との誤差率の値があらかじめ定められた誤差率正常範囲の外側にあり、かつ、バイオガス発生量実測値があらかじめ定められたガス発生量正常範囲に含まれる場合に、第1センサ4および第2センサ5の少なくとも一方が故障したことで第1推定モデルによって求めた推定活性指標データが正常値の範囲から逸脱した可能性があると判断し、第1センサ4および第2センサ5のメンテナンスを促す信号を出力してもよい。以上の処理により、第1センサ4および第2センサ5のメンテナンス対応をスムーズに行うことができる。
また、ガス発生量予測部13は、バイオガス発生量予測値と共に推定活性指標データをプロセス監視部14に出力してもよい。このとき、プロセス監視部14は、第3センサ7から取得したバイオガス発生量実測値とガス発生量予測部13から取得したバイオガス発生量予測値との誤差率の値があらかじめ定められた誤差率正常範囲の外側にあり、かつ、バイオガス発生量実測値があらかじめ定められたガス発生量正常範囲の外側にあり、かつ、ガス発生量予測部13から取得した推定活性指標データがあらかじめ定められた活性指標正常範囲に含まれる場合に、第3センサ7が故障している可能性があると判断し、第3センサ7のメンテナンスを促す信号を出力してもよい。以上の処理により、第3センサ7のメンテナンス対応を、スムーズに行うことができる。さらに、プロセス監視部14は、第3センサ7から取得したバイオガス発生量実測値とガス発生量予測部13から取得したバイオガス発生量予測値との誤差率の値があらかじめ定められた誤差率正常範囲に含まれ、かつ、バイオガス発生量実測値があらかじめ定められたガス発生量正常範囲の外側にあり、かつ、推定活性指標データがあらかじめ定められた活性指標正常範囲の外側にある場合に、嫌気性微生物の活性が有機性廃棄物の影響で低下したと判断し、バイオガス発生システムの停止を促しバッファ槽1の内部にある消化槽2に投入される有機性廃棄物の性状確認を促す信号を出力してもよい。以上の処理により、バイオガス発生システムの停止およびバッファ槽1の内部の有機性廃棄物の性状確認を、スムーズに行うことができる。なお、プロセス監視部14は、推定活性指標データを前処理部12から取得してもよい。
誤差率正常範囲は、嫌気性消化プロセスによって得られるバイオガスを用いたバイオガス発電を分散型電源として活用するときに、アグリゲーター等の事業者が、バイオガス発電の電力量と当該バイオガス発電を含むマイクログリッドの総電力量に応じて要求する電力調整力の変動許容率に応じて、適宜、設定すればよいが、10%以内が望ましく、5%以内がより望ましい。なお、有機性廃棄物の性状に季節性の変動がある場合には、季節変動を加味して定格値を変動させる必要がある。したがって、有機性廃棄物の性状に季節変動がある場合には、有機性廃棄物の投入量をパラメータとしてラボ試験用の消化槽に有機性廃棄物を投入する試験を、春夏秋冬のそれぞれの季節で実施することが望ましい。活性指標正常範囲は、有機性廃棄物の投入量をパラメータとしてラボ試験用の消化槽に有機性廃棄物を投入する試験において取得されるデータに基づいて適宜設定すればよい。例えば、有機酸濃度は、2000mg/L以下が望ましく、100mg/L以下がより望ましい。また、例えば、アンモニア性窒素濃度は、5000mg/L以下が望ましく、1000mg/L以下がより望ましい。
バイオガス発生量の予測精度向上の観点から、第1センサ4は、有機性廃棄物の投入量をあらかじめ定められた測定時間間隔でリアルタイムに測定して負荷データとしてプロセス観測部11に出力し、プロセス観測部11は負荷データを測定時間間隔の時系列データとして蓄積することが望ましい。また、第2センサ5は、消化槽2の内部の発酵液の性状を第1センサ4と同じ測定時間間隔でリアルタイムに測定して発酵液性状データとしてプロセス観測部11に出力し、プロセス観測部11は発酵液性状データを第1センサ4と同じ測定時間間隔の時系列データとして蓄積することが望ましい。さらに、第3センサ7は、消化槽2において発生したバイオガスの発生量を第1センサ4と同じ測定時間間隔でリアルタイムに測定してバイオガス発生量予測値としてプロセス監視部14に出力することが望ましい。第1センサ4、第2センサ5および第3センサ7による測定の測定時間間隔は、特に限定されないが、測定時間間隔が大きいとバイオガスの発生量の予測精度が低下するおそれがあり、また、測定時間間隔が小さいとプロセス観測部11あるいはプロセス監視部14に蓄積されるデータ量が大きくなることから、測定時間間隔は1分以上で60分以内が望ましく、5分以上で10分以下がより望ましい。
第1センサ4が有機性廃棄物の投入量を測定する時系列の負荷データのそれぞれの測定時刻(測定タイミング)、第2センサ5が消化槽2の内部の発酵液の性状を測定する時系列の発酵液性状データのそれぞれの測定時刻(測定タイミング)、および、第3センサ7がバイオガスの発生量の実測値を測定する時系列のバイオガス発生量実測値のそれぞれの測定時刻(測定タイミング)は、同一とすることが望ましく、すなわち、第2センサ5は第1センサ4が有機性廃棄物の投入量を測定する時刻に発酵液の性状を測定するのが望ましく、第3センサ7は第1センサ4が有機性廃棄物の投入量を測定する時刻にバイオガスの発生量の実測値を測定するのが望ましい。さらに、第1センサ4が有機性廃棄物の投入量を測定した時刻の1つを特定時刻としたときに、前処理部12では、特定時刻に測定された負荷データと特定時刻に測定された発酵液性状データとから第1推定モデルを用いて特定時刻の推定活性指標データを求めて、それぞれの時刻の推定活性指標データを測定時間間隔の時系列データとして蓄積することが望ましい。同様に、ガス発生量予測部13が負荷データと発酵液性状データと推定活性指標データとを入力として、第2推定モデルを用いて、バイオガス発生量予測値を求めるときにも、特定時刻に測定された負荷データおよび特定時刻に測定された発酵液性状データと、同じ特定時刻の推定活性指標データとから、バイオガス発生量予測値を求めることが望ましい。以上の処理により、時々刻々と変化する可能性のある嫌気性微生物の活性変化に対応したバイオガス発生量の高精度予測を、運転負荷の増加を抑制して行うことができる。
図2は、実施の形態1による嫌気性消化プロセス監視システムの処理の詳細を示すフローチャートである。図2において、ステップS01は負荷測定ステップであり、ステップS02は発酵液測定ステップであり、ステップS03はガス量測定ステップであり、ステップS04はプロセス観測ステップであり、ステップS05は前処理ステップであり、ステップS06はガス発生量予測ステップであり、ステップS07はプロセス監視ステップであり、ステップS08は故障判定ステップである。
まず、汚泥、食品残渣、工場廃水などの有機性廃棄物は、必要に応じてディスポーザーなどで破砕され、バッファ槽1に送液される。図2のステップS01では、バッファ槽1の内部の有機性廃棄物が投入手段3によって消化槽2に投入され、第1センサ4は、消化槽2への有機性廃棄物の投入量を測定し、測定結果である負荷データをプロセス観測部11に出力し、ステップS02に進む。ステップS02では、第2センサ5は、消化槽2の内部の有機性廃棄物と嫌気性微生物との懸濁液である発酵液の性状を測定し、測定結果である発酵液性状データをプロセス観測部11に出力し、ステップS03に進む。ステップS03では、第3センサ7は、消化槽2の内部において馴養されている嫌気性微生物によって発生するバイオガスの発生量を測定し、測定結果であるバイオガス発生量実測値をプロセス監視部14に出力し、ステップS04に進む。なお、図2においては、ステップS01、ステップS02、ステップS03の順番に処理をするように示したが、ステップS01とステップS02とステップS03とにおいては、あらかじめ定められた測定時間間隔でそれぞれ同じ測定時刻においてそれぞれの値が測定されることが望ましい。
ステップS04では、プロセス観測部11は、第1センサ4から取得した負荷データを時系列データとして蓄積し、第2センサ5から取得した発酵液性状データを時系列データとして蓄積するとともに、負荷データおよび発酵液性状データを前処理部12およびガス発生量予測部13に出力し、ステップS05に進む。ステップS05では、前処理部12は、プロセス観測部11から負荷データおよび発酵液性状データを取得し、第1推定モデルを用いて取得した負荷データと発酵液性状データとから嫌気性微生物の活性度を示す推定活性指標データを求めて蓄積するとともに、推定活性指標データをガス発生量予測部13に出力し、ステップS06に進む。ステップS06では、ガス発生量予測部13は、プロセス観測部11から負荷データおよび発酵液性状データを取得し、前処理部12から推定活性指標データを取得し、第2推定モデルを用いて負荷データと発酵液性状データと推定活性指標データとからバイオガス発生量予測値を求めて、バイオガス発生量予測値をプロセス監視部14および監視装置10の外部に出力し、推定活性指標データをプロセス監視部14に出力し、ステップS07に進む。ステップS07では、プロセス監視部14は、第3センサ7からバイオガス発生量実測値を取得し、ガス発生量予測部13からバイオガス発生量予測値を取得し、バイオガス発生量実測値とバイオガス発生量予測値とから誤差率を算出し、誤差率を監視装置10の外部に出力し、ステップS08に進む。
ステップS08では、プロセス監視部14は、ガス発生量予測部13から推定活性指標データを取得する。さらに、プロセス監視部14は、バイオガス発生量実測値とバイオガス発生量予測値との誤差率の値があらかじめ定められた誤差率正常範囲の外側にあり、かつ、バイオガス発生量実測値があらかじめ定められたガス発生量正常範囲に含まれる場合に、第1センサ4および第2センサ5のメンテナンスを促す信号を出力する。さらに、プロセス監視部14は、バイオガス発生量実測値とバイオガス発生量予測値との誤差率の値があらかじめ定められた誤差率正常範囲の外側にあり、かつ、バイオガス発生量実測値があらかじめ定められたガス発生量正常範囲の外側にあり、かつ、推定活性指標データがあらかじめ定められた活性指標正常範囲に含まれる場合に、第3センサ7のメンテナンスを促す信号を出力する。さらに、プロセス監視部14は、バイオガス発生量実測値とバイオガス発生量予測値との誤差率の値があらかじめ定められた誤差率正常範囲に含まれ、かつ、推定活性指標データがあらかじめ定められた活性指標正常範囲の外側にある場合に、バイオガス発生システムの停止を促し消化槽2に投入されるバッファ槽1の内部の有機性廃棄物の性状確認を促す信号を出力し、嫌気性消化プロセス監視システムの処理を終了する。
以上のように、実施の形態1による嫌気性消化プロセス監視システムは、有機性廃棄物を消化槽2に投入することで消化槽2の内部の嫌気性微生物が馴養された発酵液から発生するバイオガス発生量を予測して嫌気性消化プロセスの状態を監視する嫌気性消化プロセス監視システムであって、消化槽2への有機性廃棄物の投入量を測定し、測定結果を負荷データとして出力する第1センサ4と、消化槽2の内部の発酵液の性状を測定し、測定結果を発酵液性状データとして出力する第2センサ5と、第1推定モデルを用いて、負荷データおよび発酵液性状データから嫌気性微生物の活性度を示す推定活性指標データを求める前処理部12と、第2推定モデルを用いて、負荷データ、発酵液性状データおよび推定活性指標データからバイオガス発生量予測値を求めるガス発生量予測部13とを備えるので、消化槽2の内部の嫌気性微生物の活性が変動したときにも高い精度でバイオガス発生量を予測することができる。
また、投入する有機性廃棄物の組み合わせによってバイオガス発生速度あるいは分解速度が向上(変動)する相乗効果が得られることが明らかになっており、近年の投入有機性廃棄物の多様化の傾向を受けて、消化槽内の嫌気性微生物の活性を把握できないと、さらにバイオガス発生量の予測は難しいものとなっている。有機性廃棄物の投入量あるいは混合比率に関する情報に加え消化槽内の嫌気性微生物の菌数を測定してバイオガス発生量の予測演算を行う方法が提案されているが、この方法では、バイオガス発生量の予測精度は向上するが、消化槽2の内部の嫌気性微生物の菌数の測定に多大な労働力が必要となるため、運転管理の負荷増加につながる。実施の形態1による嫌気性消化プロセス監視システムは、運転管理負荷の増加抑制とバイオガスの高精度予測との両立を可能とする。
実施の形態2.
図3は、実施の形態2による嫌気性消化プロセス監視システムの構成を示す図である。図3に示す実施の形態2による嫌気性消化プロセス監視システムを図1に示す実施の形態に1よる嫌気性消化プロセス監視システムと比較すると、監視装置10が監視装置10aになっており、ガス発生量予測部13がガス発生量予測部13aになっており、プロセス監視部14がプロセス監視部14aになっている。ガス発生量予測部13aは、ガス発生量予測部13と同じ機能を有しており、さらに、以下において説明する機能を有している。同様に、プロセス監視部14aは、プロセス監視部14と同じ機能を有しており、さらに、以下において説明する機能を有している。実施の形態2による嫌気性消化プロセス監視システムの他の構成は、実施の形態1による嫌気性消化プロセス監視システムの構成と同じである。
プロセス監視部14aは、ガス発生量予測部13aから負荷データと発酵液性状データと推定活性指標データとバイオガス発生量予測値とを取得し、第3センサ7からバイオガス発生量実測値を取得し、バイオガス発生量実測値とバイオガス発生量予測値との誤差率の値があらかじめ定められた誤差率正常範囲に含まれ、かつ、バイオガス発生量実測値があらかじめ定められたガス発生量正常範囲に含まれ、かつ、推定活性指標データがあらかじめ定められた活性指標正常範囲に含まれる場合に、負荷データ、発酵液性状データおよび推定活性指標データとバイオガス発生量実測値との相関データである更新相関データを求めて、求めた更新相関データをガス発生量予測部13aに出力する。ガス発生量予測部13aは、プロセス監視部14aから取得した更新相関データを用いて第2推定モデルの演算式を更新する。すなわち、システム導入後に最初に設けた学習期間あるいはラボ試験用の消化槽に有機性廃棄物を投入する試験において取得した、有機性廃棄物の投入量である負荷量、消化槽の発酵液の性状の情報である発酵液性状データおよび推定活性指標データとバイオガス発生量との相関データに、プロセス監視部14aから取得した実際の運用において得られた負荷データ、発酵液性状データおよび推定活性指標データとバイオガス発生量実測値との相関データである更新相関データを追加していくことにより、第2推定モデルを更新することができる。更新は、例えば、第2推定モデルの回帰式において抽出された複数の説明変数(負荷データ、発酵液性状データおよび推定活性指標データ)ごとにかかる係数を修正することで行う。第2推定モデルを更新することにより、ラボ試験用の消化槽に有機性廃棄物を投入する試験において得られた有機性廃棄物の投入量である負荷量、消化槽の発酵液の性状の情報である発酵液性状データおよび推定活性指標データとバイオガス発生量との相関関係が、投入する有機性廃棄物の組み合わせによってバイオガス発生速度あるいは分解速度が向上(変動)する相乗効果の影響などにより、実際の運用において変動していった場合においても、実際の運用において取得した更新相関データを用いて第2推定モデルを更新することにより、運転管理負荷を増加させることなく、相関関係の変化に対応したバイオガス発生量の予測が可能となる。
また、バイオガス発生量実測値とバイオガス発生量予測値との誤差率の値があらかじめ定められた誤差率正常範囲に含まれ、かつ、バイオガス発生量実測値があらかじめ定められたガス発生量正常範囲に含まれ、かつ、推定活性指標データがあらかじめ定められた活性指標正常範囲に含まれることが確認されたときの更新相関データのみを用いて第2推定モデルを更新するので、第1センサ4と第2センサ5と第3センサ7とのすべてが正常な値を出力しているときのデータを用いて第2推定モデルを更新することができ、第1センサ4と第2センサ5と第3センサ7とのいずれかが故障によって異常な値を出力しているときには第2推定モデルは更新されない。
なお、プロセス監視部14aは、ガス発生量予測部13aから負荷データと発酵液性状データと推定活性指標データとを取得するとしたが、プロセス観測部11から負荷データと発酵液性状データとを取得し、前処理部12から推定活性指標データを取得してもよい。
以上のように、実施の形態2による嫌気性消化プロセス監視システムは、プロセス監視部14aは、誤差率の値があらかじめ定められた誤差率正常範囲に含まれ、かつ、バイオガス発生量実測値があらかじめ定められたガス発生量正常範囲に含まれ、かつ、推定活性指標データがあらかじめ定められた活性指標正常範囲に含まれる場合に、負荷データ、発酵液性状データおよび推定活性指標データとバイオガス発生量実測値との相関データである更新相関データを求めて、更新相関データをガス発生量予測部13aに出力し、ガス発生量予測部13aは、更新相関データを用いて第2推定モデルの演算式を更新するので、ラボ試験用の消化槽に有機性廃棄物を投入する試験において得られた負荷量、発酵液性状データおよび推定活性指標データとバイオガス発生量との相関関係が、実際の運用において変動していった場合においても、実際の運用において取得した更新相関データを用いて第2推定モデルを更新することにより、運転管理負荷を増加させることなく、相関関係の変化に対応したバイオガス発生量の予測が可能となる。
実施の形態3.
図4は、実施の形態3による嫌気性消化プロセス監視システムの構成を示す図である。図4に示す実施の形態3による嫌気性消化プロセス監視システムを図1に示す実施の形態に1よる嫌気性消化プロセス監視システムと比較すると、投入量演算部15、第4センサ21、ガスタンク22および第5センサ23が追加されており、前処理部12が前処理部12bになっており、ガス発生量予測部13がガス発生量予測部13bになっており、監視装置10bがプロセス観測部11と前処理部12bとガス発生量予測部13bとプロセス監視部14と投入量演算部15とを備えている。前処理部12bは、前処理部12と同じ機能を有しており、さらに、以下において説明する機能を有している。同様に、ガス発生量予測部13bは、ガス発生量予測部13と同じ機能を有しており、さらに、以下において説明する機能を有している。実施の形態3による嫌気性消化プロセス監視システムの他の構成は、実施の形態1による嫌気性消化プロセス監視システムの構成と同じである。
第4センサ21は、バッファ槽1の内部の有機性廃棄物の貯留量を測定し、測定結果を廃棄物貯留量として前処理部12bに出力する。ガスタンク22は、消化槽2において発生したバイオガスを貯留する。第5センサ23は、ガスタンク22の内部のバイオガスの貯留量を測定し、測定結果をガス貯留量として投入量演算部15に出力する。なお、第5センサ23から投入量演算部15への情報の受け渡しは、有線あるいは無線による通信によって行われてもよく、インターネットなどのネットワークを介して行われてもよい。
次に、監視装置10bの動作について説明する。前処理部12bは、プロセス観測部11から負荷データおよび発酵液性状データを取得し、第4センサ21から廃棄物貯留量を取得する。次に、前処理部12bは、第1推定モデルを用いて負荷データと発酵液性状データとから嫌気性微生物の活性度を示す推定活性指標データを求めて、求めた推定活性指標データを蓄積するとともにガス発生量予測部13bに出力する。さらに、前処理部12bは、第1推定モデルを用いて廃棄物貯留量と発酵液性状データとから、推定活性指標データがあらかじめ定められた活性指標基準範囲に含まれる値となる消化槽2への有機性廃棄物の投入量の最大値である投入許容量を求め、投入許容量の情報をガス発生量予測部13bに出力する。なお、活性指標基準範囲は、実施の形態1および実施の形態2に示した活性指標正常範囲と同じ範囲でもよい。
ガス発生量予測部13bは、プロセス観測部11から負荷データおよび発酵液性状データを取得し、前処理部12bから推定活性指標データを取得し、第2推定モデルを用いて負荷データと発酵液性状データと推定活性指標データとからバイオガス発生量予測値を求めて出力する。さらに、ガス発生量予測部13bは、第2推定モデルを用いて、発酵液性状データと推定活性指標データとから、消化槽2への有機性廃棄物の投入量をゼロから投入許容量までの範囲で変化させたときのそれぞれの投入量におけるバイオガスの発生量の予測値であるガス発生量変化予測値を求め、有機性廃棄物の投入量をゼロから投入許容量までの範囲で変化させたときの投入量とガス発生量変化予測値との関係を示すガス発生量特性情報を生成し、投入量演算部15に出力する。
投入量演算部15は、ガス発生量予測部13bからガス発生量特性情報を取得し、第5センサ23からガス貯留量を取得し、外部からバイオガスの発生量の要求指令であるバイオガス要求量を取得し、ガス発生量特性情報とガス貯留量とを用いて、バイオガス要求量のバイオガスをガスタンク22から送り出すために必要となる消化槽2への有機性廃棄物の投入量である投入量指定値を求め、投入量指定値に示された投入量の有機性廃棄物を消化槽2へ投入するための投入量制御信号を投入手段3に送信する。投入手段3は、投入量演算部15からの投入量制御信号を取得し、投入量指定値に示された投入量の有機性廃棄物を消化槽2に投入する。
投入手段3は、例えばポンプであり、バッファ槽1から消化槽2へ有機性廃棄物を送液できるもので、かつ、投入量演算部15からの投入量制御信号によって送液量を変更できるものである。第4センサ21は、バッファ槽1の内部の有機性廃棄物の貯留量を測定するものであり、例えばバッファ槽1の水位を測定する水位センサであり、例えば有機性廃棄物を含めたバッファ槽1の重量を測定する重量センサである。第5センサ23は、ガスタンク22の内部のバイオガスの貯留量を測定するものであり、例えばガスタンク22の内部の圧力を測定するガス圧力計である。
以上のように、実施の形態3による嫌気性消化プロセス監視システムは、消化槽2に投入される有機性廃棄物を蓄えるバッファ槽1と、バッファ槽1の内部の有機性廃棄物の貯留量を測定し、測定結果を廃棄物貯留量として出力する第4センサ21と、消化槽2において発生したバイオガスを貯留するガスタンク22と、ガスタンク22の内部のバイオガスの貯留量を測定し、測定結果をガス貯留量として出力する第5センサ23と、投入量指定値に示された投入量の有機性廃棄物を消化槽2へ投入するための投入量制御信号を出力する投入量演算部15と、投入量制御信号を取得して、投入量指定値に示された投入量の有機性廃棄物を消化槽2に投入する投入手段3とを備え、前処理部12bは、第1推定モデルを用いて廃棄物貯留量と発酵液性状データとから、推定活性指標データがあらかじめ定められた活性指標基準範囲に含まれる値となる消化槽2への有機性廃棄物の投入量の最大値である投入許容量を求めて出力し、ガス発生量予測部13bは、第2推定モデルを用いて、発酵液性状データと推定活性指標データとから、消化槽2への有機性廃棄物の投入量をゼロから投入許容量までの範囲で変化させたときのそれぞれの投入量におけるバイオガスの発生量の予測値であるガス発生量変化予測値を求め、有機性廃棄物の投入量をゼロから投入許容量までの範囲で変化させたときの投入量とガス発生量変化予測値との関係を示すガス発生量特性情報を生成して出力し、投入量演算部15は、バイオガスの発生量の要求指令であるバイオガス要求量を取得し、ガス発生量特性情報とガス貯留量とを用いてバイオガス要求量のバイオガスをガスタンク22から送り出すための消化槽2への有機性廃棄物の投入量である投入量指定値を求め、投入量指定値に示された投入量の有機性廃棄物を投入するための投入量制御信号を生成するので、嫌気性消化プロセスによって得られるバイオガスをガスタンク22の後段に設置される発電機(図示せず)において発電に利用し分散型電源として活用する場合において、発電機に要求されるバイオガス発電量の管理負荷の増加を抑制すること、すなわち、嫌気性消化プロセスの運転に要求されるバイオガス発生量の管理負荷の増加を抑制することが可能となる。
本願は、様々な例示的な実施の形態が記載されているが、1つまたは複数の実施の形態に記載された様々な特徴、態様、および機能は特定の実施の形態の適用に限られるのではなく、単独で、または様々な組み合わせで実施の形態に適用可能である。
したがって、例示されていない無数の変形例が、本願に開示される技術の範囲内において想定される。例えば、少なくとも1つの構成要素を変形する場合、追加する場合または省略する場合、さらには、少なくとも1つの構成要素を抽出し、他の実施の形態の構成要素と組み合わせる場合が含まれるものとする。
1 バッファ槽、2 消化槽、3 投入手段、4 第1センサ、5 第2センサ、6 排出手段、7 第3センサ、10、10a、10b 監視装置、11 プロセス観測部、12、12b 前処理部、13、13a、13b ガス発生量予測部、14、14a プロセス監視部、15 投入量演算部、21 第4センサ、22 ガスタンク、23 第5センサ、31 投入配管、32 ガス配管、33 排出配管。

Claims (10)

  1. 有機性廃棄物を消化槽に投入することで前記消化槽の内部の嫌気性微生物が馴養された発酵液から発生するバイオガス発生量を予測して嫌気性消化プロセスの状態を監視する嫌気性消化プロセス監視システムであって、
    前記消化槽への前記有機性廃棄物の投入量を測定し、測定結果を負荷データとして出力する第1センサと、
    前記消化槽の内部の前記発酵液のpHおよび電気伝導率を性状として少なくとも測定し、測定結果を出力する第2センサと、
    前記負荷データおよび少なくとも前記pHおよび前記電気伝導率を蓄積するプロセス観測部と、
    予め設けたシステム導入後の学習期間あるいはシステム導入前に取得された前記負荷データ、前記pHと前記消化槽の内部の前記発酵液における有機酸の濃度との相関式、および前記負荷データ、前記電気伝導率と前記消化槽の内部の前記発酵液におけるアンモニア性窒素の濃度との相関式から少なくとも構成される第1推定モデルを用いて、前記負荷データ、前記pHおよび前記電気伝導率から、前記有機酸の濃度および前記アンモニア性窒素の濃度を少なくとも演算する前処理部と、
    予め設けたシステム導入後の学習期間あるいはシステム導入前に取得された前記負荷データ、前記pH、前記消化槽の内部の前記発酵液における前記有機酸の濃度と前記バイオガス発生量との相関式、および前記負荷データ、前記電気伝導率と前記消化槽の内部の前記発酵液における前記アンモニア性窒素の濃度と前記バイオガス発生量の相関式から少なくとも構成される第2推定モデルを用いて、前記負荷データ、前記pH、前記電気伝導率、および前記前処理部が演算した前記有機酸の濃度と前記アンモニア性窒素の濃度を少なくとも用いてバイオガス発生量予測値を予測するガス発生量予測部とを備え、
    前記前処理部が演算した前記有機酸の濃度と前記アンモニア性窒素の濃度、および前記ガス発生量予測部が予測した前記バイオガス発生量予測値を用いて前記嫌気性消化プロセスの状態を監視することを特徴とする嫌気性消化プロセス監視システム。
  2. 前記消化槽において発生したバイオガスの発生量を測定し、測定結果をバイオガス発生量実測値として出力する第3センサと、
    前記バイオガス発生量実測値および前記バイオガス発生量予測値とから誤差率を算出するプロセス監視部とを備えることを特徴とする請求項1に記載の嫌気性消化プロセス監視システム。
  3. 前記第1センサは、前記有機性廃棄物の投入量をあらかじめ定められた測定時間間隔で測定して前記負荷データとして出力し、
    前記第2センサは、前記発酵液の性状を前記第1センサが前記有機性廃棄物の投入量を測定する時刻に前記測定時間間隔で測定して、測定結果を出力し、
    前記第3センサは、前記消化槽において発生したバイオガスの発生量を前記第1センサが前記有機性廃棄物の投入量を測定する時刻に前記測定時間間隔で測定して前記バイオガス発生量実測値として出力し、
    前記プロセス観測部は、前記負荷データおよび前記pHおよび前記電気伝導率を前記測定時間間隔の時系列データとして蓄積し、
    前記第1センサが有機性廃棄物の投入量を測定した時刻の1つを特定時刻としたときに、
    前記前処理部は、前記特定時刻に測定された前記負荷データと前記特定時刻に測定された前記pHおよび前記電気伝導率とから前記特定時刻の前記有機酸の濃度および前記アンモニア性窒素の濃度を求め、それぞれの時刻の前記有機酸の濃度および前記アンモニア性窒素の濃度を測定時間間隔の時系列データとして蓄積し、
    前記ガス発生量予測部は、前記特定時刻に測定された前記負荷データと前記特定時刻に測定された前記pHおよび前記電気伝導率と前記特定時刻の前記有機酸の濃度および前記アンモニア性窒素の濃度とから、前記特定時刻の前記バイオガス発生量予測値を求めることを特徴とする請求項2に記載の嫌気性消化プロセス監視システム。
  4. 前記プロセス監視部は、前記誤差率の値があらかじめ定められた誤差率正常範囲に含まれ、かつ、前記バイオガス発生量実測値があらかじめ定められたガス発生量正常範囲に含まれ、かつ、前記有機酸の濃度および前記アンモニア性窒素の濃度があらかじめ定められた活性指標正常範囲に含まれる場合に、前記負荷データ、前記pH、前記電気伝導率、前記有機酸の濃度および前記アンモニア性窒素の濃度と前記バイオガス発生量実測値との相関データである更新相関データを求めて、前記更新相関データを前記ガス発生量予測部に出力し、
    前記ガス発生量予測部は、前記更新相関データを用いて前記第2推定モデルの演算式を更新することを特徴とする請求項2に記載の嫌気性消化プロセス監視システム。
  5. 前記ガス発生量予測部は、前記有機酸の濃度および前記アンモニア性窒素の濃度を前記プロセス監視部に出力し、
    前記プロセス監視部は、前記誤差率の値があらかじめ定められた誤差率正常範囲の外側にあり、かつ、前記バイオガス発生量実測値があらかじめ定められたガス発生量正常範囲の外側にあり、かつ、前記有機酸の濃度および前記アンモニア性窒素の濃度があらかじめ定められた活性指標正常範囲に含まれる場合に、前記第3センサのメンテナンスを促す信号を出力することを特徴とする請求項2に記載の嫌気性消化プロセス監視システム。
  6. 前記プロセス監視部は、前記誤差率の値があらかじめ定められた誤差率正常範囲の外側にあり、かつ、前記バイオガス発生量実測値があらかじめ定められたガス発生量正常範囲に含まれる場合に、前記第1センサおよび前記第2センサのメンテナンスを促す信号を出力することを特徴とする請求項2に記載の嫌気性消化プロセス監視システム。
  7. 前記ガス発生量予測部は、前記有機酸の濃度および前記アンモニア性窒素の濃度を前記プロセス監視部に出力し、
    前記プロセス監視部は、前記誤差率の値があらかじめ定められた誤差率正常範囲に含まれ、かつ、前記バイオガス発生量実測値があらかじめ定められたガス発生量正常範囲の外側にあり、かつ、前記有機酸の濃度および前記アンモニア性窒素の濃度があらかじめ定められた活性指標正常範囲の外側にある場合に、バイオガス発生システムの停止を促し前記消化槽に投入される有機性廃棄物の性状確認を促す信号を出力することを特徴とする請求項2に記載の嫌気性消化プロセス監視システム。
  8. 前記消化槽に投入される有機性廃棄物を蓄えるバッファ槽と、
    前記バッファ槽の内部の有機性廃棄物の貯留量を測定し、測定結果を廃棄物貯留量として出力する第4センサと、
    前記消化槽において発生したバイオガスを貯留するガスタンクと、
    前記ガスタンクの内部のバイオガスの貯留量を測定し、測定結果をガス貯留量として出力する第5センサと、
    投入量指定値に示された投入量の有機性廃棄物を前記消化槽へ投入するための投入量制御信号を出力する投入量演算部と、
    前記投入量制御信号を取得して、前記投入量指定値に示された投入量の有機性廃棄物を前記消化槽に投入する投入手段とを備え、
    前記前処理部は、前記第1推定モデルを用いて前記廃棄物貯留量と前記pHと前記電気伝導率とから、前記有機酸の濃度および前記アンモニア性窒素の濃度があらかじめ定められた活性指標基準範囲に含まれる値となる前記消化槽への有機性廃棄物の投入量の最大値である投入許容量を求めて出力し、
    前記ガス発生量予測部は、前記第2推定モデルを用いて、前記pHと前記電気伝導率と前記有機酸の濃度と前記アンモニア性窒素の濃度とから、前記消化槽への有機性廃棄物の投入量をゼロから前記投入許容量までの範囲で変化させたときのそれぞれの投入量におけるバイオガスの発生量の予測値であるガス発生量変化予測値を求め、有機性廃棄物の投入量をゼロから前記投入許容量までの範囲で変化させたときの投入量と前記ガス発生量変化予測値との関係を示すガス発生量特性情報を生成して出力し、
    前記投入量演算部は、バイオガスの発生量の要求指令であるバイオガス要求量を取得し、前記ガス発生量特性情報と前記ガス貯留量とを用いて前記バイオガス要求量のバイオガスを前記ガスタンクから送り出すための前記消化槽への有機性廃棄物の投入量である前記投入量指定値を求め、前記投入量指定値に示された投入量の有機性廃棄物を投入するための前記投入量制御信号を生成することを特徴とする請求項1に記載の嫌気性消化プロセス監視システム。
  9. 有機性廃棄物を消化槽に投入することで前記消化槽の内部の嫌気性微生物が馴養された発酵液から発生するバイオガス発生量を予測して嫌気性消化プロセスの状態を監視する嫌気性消化プロセス監視方法であって、
    前記消化槽への前記有機性廃棄物の投入量を測定し、測定結果を負荷データとして出力する負荷測定ステップと、
    前記消化槽の内部の前記発酵液のpHおよび電気伝導率を性状として少なくとも測定し、測定結果を出力する発酵液測定ステップと、
    前記負荷データおよび少なくとも前記pHおよび前記電気伝導率を蓄積するプロセス観測ステップと、
    予め設けたシステム導入後の学習期間あるいはシステム導入前に取得された前記負荷データ、前記pHと前記消化槽の内部の前記発酵液における有機酸の濃度との相関式、および前記負荷データ、前記電気伝導率と前記消化槽の内部の前記発酵液におけるアンモニア性窒素の濃度との相関式から少なくとも構成される第1推定モデルを用いて、前記負荷データ、前記pHおよび前記電気伝導率から、前記有機酸の濃度および前記アンモニア性窒素の濃度を少なくとも演算する前処理ステップと、
    予め設けたシステム導入後の学習期間あるいはシステム導入前に取得された前記負荷データ、前記pH、前記消化槽の内部の前記発酵液における前記有機酸の濃度と前記バイオガス発生量との相関式、および前記負荷データ、前記電気伝導率と前記消化槽の内部の前記発酵液における前記アンモニア性窒素の濃度と前記バイオガス発生量の相関式から少なくとも構成される第2推定モデルを用いて、前記負荷データ、前記pH、前記電気伝導率、および前記前処理ステップにおいて演算した前記有機酸の濃度と前記アンモニア性窒素の濃度を少なくとも用いてバイオガス発生量予測値を予測するガス発生量予測ステップとを含み、
    前記前処理ステップにおいて演算した前記有機酸の濃度と前記アンモニア性窒素の濃度、および前記ガス発生量予測ステップにおいて予測した前記バイオガス発生量予測値を用いて前記嫌気性消化プロセスの状態を監視することを特徴とする嫌気性消化プロセス監視方法。
  10. 前記消化槽において発生したバイオガスの発生量を測定し、測定結果をバイオガス発生量実測値として出力するガス量測定ステップと、
    前記バイオガス発生量実測値および前記バイオガス発生量予測値とから誤差率を算出するプロセス監視ステップとを含むことを特徴とする請求項9に記載の嫌気性消化プロセス監視方法。
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