JP7454256B2 - 遊技機 - Google Patents

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Description

本発明は、パチンコ遊技機等の遊技機に関する。
従来、通常遊技状態において、特別図柄などの識別情報の可変表示において特定の結果が導出された後に、通常遊技状態よりも遊技者に有利な特定遊技状態になる遊技機があった(特許文献1参照)。
特開2011-172741号公報
しかしながら、通常遊技状態、および特定遊技状態になり得る遊技機について、遊技興趣の向上を図るために未だ改善の余地がある。
本発明に係る遊技機は、
通常遊技状態において所定の判定を実行可能であり、前記所定の判定で第1特定結果が導出されることによって、特定遊技を実行し、その後に前記通常遊技状態よりも遊技者に有利な有利遊技状態にすることがある遊技制御手段を備える遊技機において、
前記遊技制御手段は
前記通常遊技状態において、前記所定の判定で、前記第1特定結果と異なる第2特定結果が導出されると、前記通常遊技状態または前記有利遊技状態と異なる特定遊技状態に移行させ、
前記特定遊技状態において、前記所定の判定で、前記第1特定結果が導出されることによって、前記特定遊技を実行し、その後に、前記通常遊技状態よりも遊技者に有利であり、且つ前記有利遊技状態よりも遊技者に不利な特別遊技状態にすることがあり、
前記特定遊技状態における前記所定の判定で前記第1特定結果が導出されて前記有利遊技状態に移行する確率よりも、前記通常遊技状態における前記所定の判定で前記第1特定結果が導出されて前記有利遊技状態に移行する確率の方が高いことを特徴とする。
本発明によれば、遊技興趣の低下を抑えることが可能である。
本発明の基本的な実施形態に係るパチンコ遊技機の斜視図である。 遊技盤ユニットの正面図である。 (A)は盤可動体の待機状態を説明する正面図、(B)は盤可動体の移動状態を説明する正面図、(C)は盤可動体の回転状態を説明する正面図である。 表示器類の正面図である。 本発明の基本的な実施形態に係るパチンコ遊技機の背面図である。 遊技制御基板側の電気的な構成を示すブロック図である。 演出制御基板側の電気的な構成を示すブロック図である。 (A)は普図関連判定情報を示す表であり、(B)は特図関連判定情報を示す表である。 (A)は当たり判定テーブルの構成例であり、(B)は普図変動パターン判定テーブルの構成例であり、(C)は補助遊技制御テーブルの構成例である。 (A)は大当たり判定テーブルの構成例であり、(B)は大当たり図柄種別判定テーブルの構成例であり、(C)はリーチ判定テーブルの構成例である。 特図1変動パターン判定テーブルの構成例である。 特図2変動パターン判定テーブルの構成例である。 第1先読み判定テーブルの構成例である。 第2先読み判定テーブルの構成例である。 (A)は大当たり遊技制御テーブルの構成例であり、(B)は遊技状態設定テーブルの構成例である。 (A)はデモ動画の一例を示す図であり、(B)は設定画面の一例を示す図である。 (A)は第1通常用背景画像の一例を示す図であり、(B)は第2通常用背景画像の一例を示す図であり、(C)は第3通常用背景画像の一例を示す図であり、(D)は確変用背景画像の一例を示す図であり、(E)は時短用背景画像の一例を示す図である。 (A)は大当たりオープニング演出の一例を示す図であり、(B)はラウンド演出の一例を示す図であり、(C)は大当たりエンディング演出の一例を示す図である。 (A)は演出図柄の一例を示す図であり、(B)は演出図柄表示領域の一例を示す図である。 リーチ無しハズレの特図変動演出の一例を表す図である。 特図変動演出が開始してからリーチになるまでの一例を表す図である。 Nリーチの一例を表す図である。 Lリーチの一例を表す図である。 Lリーチの一例を表す図であり、図23の続きである。 SPリーチの一例を表す図である。 SPリーチの一例を表す図であり、図25の続きである。 SPリーチの一例を表す図であり、図26の続きである。 可動体演出の一例を表す図である。 操作演出の一例を表す図である。 保留演出の一例を表す図である。 保留アイコン変化予告の一例を表す図である。 保留アイコン変化予告の一例を表す図である。 遊技制御メイン処理のフローチャートである。 遊技制御側タイマ割り込み処理のフローチャートである。 センサ検知処理のフローチャートである。 センサ検知処理のフローチャートであり、図35の続きを表す図である。 普通動作処理のフローチャートである。 特別動作処理のフローチャートである。 特別図柄待機処理のフローチャートである。 特図1変動パターン判定処理のフローチャートである。 特別図柄変動処理のフローチャートである。 特別図柄確定処理のフローチャートである。 演出制御メイン処理のフローチャートである。 1msタイマ割り込み処理のフローチャートである。 10msタイマ割り込み処理のフローチャートである。 受信コマンド解析処理のフローチャートである。 受信コマンド解析処理のフローチャートであり、図46の続きを表す図である。 第1実施形態に係る遊技盤の正面図である。 遊技球が第2大入賞口15へ入賞した後の部分の遊技盤1の構成を模式的に表した説明図である。 第1実施形態に係る遊技制御基板側の電気的な構成を示すブロック図である。 (A)は第1実施形態に係る大当たり判定テーブルの構成例であり、(B)は第1実施形態に係る大当たり図柄種別判定テーブルの構成例であり、(C)は第1実施形態に係るハズレ図柄種別判定テーブルの構成例である。 第1実施形態に係る大当たり遊技制御テーブルの構成例である。 (A)は通常用小当たり遊技制御テーブルの構成例であり、(B)は時短用小当たり遊技制御テーブルの構成例である。 (A)は、通常小当たり遊技の流れを示すタイムチャートであり、(B)は、時短小当たり遊技の流れを示すタイムチャートである。 (A)は当たり判定テーブルの構成例であり、(B)は普図変動パターン判定テーブルの構成例であり、(C)は補助遊技制御テーブルの構成例である。 (A)は通常遊技状態において大当たりした場合の当該大当たり遊技の発生契機となる特別図柄の種別(特別図柄種別)と、当該特別図柄種別に対応する大当たり遊技の終了に伴って移行する遊技状態、および遊技状態に係る終了条件との関係を表した遊技状態設定テーブルの構成例であり、(B)は時短状態において大当たりした場合の当該大当たり遊技の発生契機となる特別図柄の種別(特別図柄種別)と、当該特別図柄種別に対応する大当たり遊技の終了に伴って移行する遊技状態、および遊技状態に係る終了条件との関係を表した遊技状態設定テーブルの構成例である。 第1実施形態に係る主要な遊技フローを示す図である。 通常遊技状態における特図1変動パターン判定テーブルの構成例である。 時短状態における特図1変動パターン判定テーブルの構成例である。 特別演出の具体例を表す図である。 特別演出の具体例を表す図である。 特別演出の具体例を表す図である。 特別演出の具体例を表す図である。 ハズレ時短否定演出の具体例を表す図である。 時短状態において大当たりした場合の当該大当たり遊技の発生契機となる特別図柄の種別(特別図柄種別)と、当該特別図柄種別に対応する大当たり遊技の終了に伴って移行する遊技状態、および遊技状態に係る終了条件との関係を表した遊技状態設定テーブルの構成例である。 第2実施形態に係る主要な遊技フローを示す図である。 第3実施形態に係るハズレ図柄種別判定テーブルの構成例である。 第3実施形態に係る主要な遊技フローを示す図である。 通常滞在示唆演出の具体例を表す図である。 通常滞在示唆演出、およびハズレ時短滞在示唆演出の具体例を表す図である。 ハズレ時短滞在示唆演出の具体例を表す図である。 通常滞在示唆演出、およびハズレ時短滞在示唆演出の具体例を表す図である。
<基本的な実施形態>
最初に、本発明の遊技機の特徴部分の前提となる本発明の基本的な実施形態を、図面を参照して具体的に説明する。参照される各図において、同一の部分には同一の符号を付し、同一の部分に関する重複する説明を原則として省略する。なお、以下において、記述の簡略化上、情報、信号、物理量又は部材等を参照する記号又は符号を記すことによって、該記号又は符号に対する情報、信号、物理量又は部材等の名称を省略又は略記することがある。
1.遊技機の機械的構成
本発明の遊技機の基本的な実施形態であるパチンコ遊技機PYについて説明する。最初に、パチンコ遊技機PYの機械的構成について図1~図4を用いて説明する。なお、以下の説明において、パチンコ遊技機PYの各部の左右上下方向は、そのパチンコ遊技機PYに対面する遊技者にとっての(正面視の)左右上下方向のことである。また、「前方」とはパチンコ遊技機PYから当該パチンコ遊技機PYに対面する遊技者に近づく方向とし、「後方」をパチンコ遊技機PYに対面する遊技者から当該パチンコ遊技機PYに近づく方向として、説明する。
図1に示すように、パチンコ遊技機PYは、遊技盤1を含む遊技盤ユニットYUと、遊技盤ユニットYUを内部に収納した遊技機枠2とを備えている。遊技機枠2は、遊技店に固定される枠状の外枠21と、外枠21に取り付けられ、遊技盤ユニットYUが取り付けられる内枠22と、内枠22に回転自在に支持される前扉23と、を備える。
外枠21、内枠22、および前扉23の正面視外周形状は大体同一である。そして、外枠21の前面に内枠22が取り付けられている。
前扉23は内枠22に対して開閉が可能である。前扉23は、大体中央に略縦長矩形状の大きな開口部が形成された枠状の前枠23mと、その開口部に嵌め込まれた透明板23tと、を備える。前扉23が閉じられているとき、遊技盤ユニットYUに含まれる遊技盤1と透明板23tとが対面する。透明板23tは、透明な合成樹脂板で略縦長矩形状に成形されている。よって、パチンコ遊技機PYが遊技店に設置されると、当該パチンコ遊技機PYの前方にいる遊技者は、透明板23tを通して、遊技盤1の前面に形成された遊技領域6を視認することができる。なお、透明板23tとして、透明な合成樹脂板の代わりに透明なガラス板を用いてもよい。パチンコ遊技機PYの前方から透明板23tを通して遊技領域6を視認可能であればよい。
前枠23mの前面の右下部には、遊技球を発射させるための回転操作が可能なハンドル72kが設けられている。ハンドル72kは時計回りに回転操作可能であり、ハンドル72kが操作された量(回転角度)が、遊技球を発射させるために遊技球に与えられる力の大きさ(発射強度)に対応付けられている。よって、遊技球は、ハンドル72kの回転操作に応じた発射強度で発射される。
また、前枠23mの前面の下部には、前方に大きく突出した上皿34と、上皿34の直下に配された下皿35が設けられている。上皿34の前方側中央には、下方に押下操作可能な第1演出ボタン40kが設けられている。第1演出ボタン40kの上皿34の上面から視認可能に突出している操作部分は半球形に成形されている。さらに、上皿34の上面の後方側には、ハンドル72kに供給される遊技球を貯留するための供給球貯留穴34Aが形成されている。また、下皿35の上面には、供給球貯留穴34Aに収容しきれない余剰の遊技球を貯留するための余剰球貯留穴35Aが設けられている。
さらに、前枠23mの前面の透明板23tの上側、右側、および左側には、前方に突出した上側装飾体31、右側装飾体32、および左側装飾体33が設けられている。上側装飾体31の底面には、音を出力可能な一対の2つのスピーカー52、具体的には左側に配されたスピーカー52Lと右側に配されたスピーカー52R、が下方を向いて左右方向に所定距離をおいて並設されている。また、右側装飾体32の下部には、下方に押下操作可能な第2演出ボタン41kが設けられている。第2演出ボタン41kの操作部分は棒状に成形されている。さらに、右側装飾体32から上皿34の正面右部分にかけて、および左側装飾体33から上皿34の正面左部分にかけて、発光可能な枠ランプ53が設けられている。
なお、遊技機枠2に設けられる部材や装置の位置や数は、遊技に支障をきたさない範囲で適宜に変更可能である。
次に、遊技盤ユニットYUについて、図1に加えて図2を用いて説明する。遊技盤ユニットYUは、遊技盤1と、遊技盤1の背面に取り付けられた盤用演出ユニットEUと、を有する。最初に、遊技盤1について説明する。遊技盤1は、透明な合成樹脂板で構成されている。遊技盤1の略中央には正面視略円形の開口部1Aが形成されている。
遊技盤1の前面には、開口部1Aに沿って、略リング状のセンター装飾体61が前方に突出して形成されている。また、センター装飾体61の外側には、センター装飾体61を大きく取り囲むように略リング状に形成された外レール62と、外レール62の左側部分とセンター装飾体61との間で、外レール62およびセンター装飾体61に略平行な湾曲状の内レール63と、が形成されている。
そして、遊技盤1の前面において、センター装飾体61、外レール62および内レール63などで囲まれた領域が遊技領域6を形成している。すなわち、遊技盤1の前面が、センター装飾体61、外レール62および内レール63によって、遊技領域6とそれ以外の領域とに区切られている。また、外レール62と内レール63とで囲まれた領域は、発射された遊技球が遊技領域6へ向かうために通過可能な発射領域7を形成している。
遊技領域6は、ハンドル72kの操作によって発射された遊技球が流下可能な領域であり、パチンコ遊技機PYで遊技を行うために設けられている。なお、遊技領域6には、多数の遊技用くぎ(図示なし)が突設されている。遊技用くぎは、遊技領域6に進入して遊技領域6を流下する遊技球を、一般入賞口10、第1始動口11、第2始動口12、ゲート13、および大入賞口14などに適度に誘導する経路を構成している。
遊技領域6の所定位置に一般入賞装置10Dが設けられている。一般入賞装置10Dには、一般入賞口10が遊技球の入球が可能に形成されている。遊技球が一般入賞口10へ入球すると、所定個数(例えば、3個)の遊技球が賞球として払い出される。なお、一般入賞口10に入球した遊技球はそのまま遊技領域6の外部へ排出される。
また、遊技領域6におけるセンター装飾体61の中央直下には第1始動入賞装置11Dが設けられている。第1始動入賞装置11Dには、第1始動口11が遊技球の入球が可能に形成されている。第1始動入賞装置11Dは作動しない非作動構造からなる。そのため、第1始動口11は、遊技球の入球のし易さが変化せずに一定(不変)である。遊技球が第1始動口11へ入球すると、所定個数(例えば、4個)の遊技球が賞球として払い出される。なお、第1始動口11に入球した遊技球はそのまま遊技領域6の外部へ排出される。
なお、センター装飾体61の左側部から下端部にかけて、遊技球を内部に通すワープ部61wが形成されている。ワープ部61wへの入口はセンター装飾体61の左側部に形成されている。ワープ部61wに入った遊技球はワープ部61wの内部を通って出口から出る。ワープ部61wの出口付近であってセンター装飾体61の下端部上面には、遊技球が転動可能なステージ61sが設けられている。ステージ61sの先端には、遊技球を下方に導く下方誘導部61yが設けられている。この下方誘導部61yの直下には第1始動口11が設けられている。
遊技領域6における第1始動口11の直下には、第2始動入賞装置(所謂「電チュー」)12Dが設けられている。電チュー12Dには、遊技球が入球不可能な閉態様と入球可能な開態様とに変化可能な第2始動口12が形成されている。第2始動口12は、電チュー12Dが具備する電チュー開閉部材12kによって閉態様と開態様とをとる。すなわち、電チュー開閉部材12kの作動によって第2始動口12が開閉する。
電チュー開閉部材12kは正面視略L字状部材からなり、通常は第2始動口12を閉鎖している。電チュー開閉部材12kは、前方側先端面が遊技領域6と面一状態になる退避状態から前方に突出することができる。電チュー開閉部材12kが前方に突出すると、電チュー開閉部材12kが遊技領域6に垂直に突出した状態になり、第2始動口12が入球可能に開放する。具体的には、電チュー開閉部材12kの水平部の左端に立設された垂直部分が遊技球を受けとめられ、水平部から第2始動口12へと導かれる。
このように、電チュー開閉部材12kが開状態であるときだけ遊技球の第2始動口12への入球が可能となる。遊技球が第2始動口12へ入球すると、所定個数(例えば、2個)の遊技球が賞球として払い出される。なお、第2始動口12に入球した遊技球はそのまま遊技領域6の外部へ排出される。
また、センター装飾体61の右側にゲート13が設けられている。ゲート13は、遊技球が通過可能に構成されている。遊技球がゲート13を通過しても賞球が払い出されない。なお、ゲート13を通過した遊技球はそのまま遊技領域6を流下する。
遊技領域6における第1始動入賞装置11Dの右側でゲート13の下流側には、大入賞装置14Dが設けられている。大入賞装置14Dには、遊技球が入球不可能な閉態様と入球可能な開態様とに変化可能な大入賞口14が形成されている。大入賞口14は、大入賞装置14Dが具備するAT開閉部材14kによって閉態様と開態様とをとる。すなわち、AT開閉部材14kの作動によって大入賞口14が開閉する。
AT開閉部材14kは正面視略横長矩形状の平板からなる可動部材であり、通常は大入賞口14を閉鎖している。AT開閉部材14kの下端部には、水平な回転軸が設けられている。AT開閉部材14kはその回転軸を中心に、上端が前方へ倒れるように略90度回転することができる。AT開閉部材14kが回転すると、AT開閉部材14kが遊技領域6に垂直に突出した状態になり、大入賞口14が入球可能に開放する。
このように、AT開閉部材14kが開状態であるときだけ遊技球の大入賞口14への入球が可能となる。遊技球が大入賞口14へ入球すると、所定個数(基本的な実施形態では、9個)の遊技球が賞球として払い出される。なお、大入賞口14に入球した遊技球はそのまま遊技領域6の外部へ排出される。
また、遊技領域6における大入賞装置14Dの下方には、その上面が左斜め下方に形成され、遊技球を第2始動口12へ誘導する誘導経路64が遊技領域6(遊技盤1の前面)から前方に突出して設けられている。なお、誘導経路64の上面を転動する遊技球は、第2始動口12の方へ向かって流下可能であるが、基本的には第1始動口11へ入球することはできない。
なお、第1始動口11、第2始動口12、大入賞口14、および一般入賞口10への遊技球の入球や、遊技球のゲート13の通過をまとめて、第1始動口11、第2始動口12、大入賞口14、一般入賞口10、およびゲート13への「入賞」と総称する。
ところで、遊技球が流下可能な遊技領域6は、左右方向の中央より左側の左遊技領域6Aと、右側の右遊技領域6Bと、に分けることができる。遊技球が左遊技領域6Aを流下するように遊技球を発射させるハンドル72kの操作態様を「左打ち」という。一方、遊技球が右遊技領域6Bを流下するように遊技球を発射させるハンドル72kの操作態様を「右打ち」という。
遊技領域6において、左打ちにて遊技球を発射したときに遊技球が流下可能な流路を、第1流路R1といい、右打ちにて遊技球を発射したときに遊技球が流下可能な流路を、第2流路R2という。第1流路R1および第2流路R2には、不図示の多数の遊技用くぎによっても構成されている。
第1流路R1上には、第1始動口11と、2つの一般入賞口10と、が設けられている。よって、遊技者は、左打ちにより第1流路R1を流下するように遊技球を発射させることで、第1始動口11、または、一般入賞口10への入賞を狙うことができる。一方、第2流路R2上には、第2始動口12と、ゲート13と、大入賞口14と、が設けられている。よって、遊技者は、右打ちにより第2流路R2を流下するように遊技球を発射させることで、ゲート13、第2始動口12、または大入賞口14への入賞を狙うことができる。
なお、遊技領域6の略最下部には、遊技領域6へ打ち込まれたもののいずれの入賞口にも入賞しなかった遊技球を遊技領域6の外部へ排出する2つのアウト口19が設けられている。また、各入賞口への入賞による賞球数は、適宜に設定することが可能である。
次に、遊技盤1の背面に取り付けられた盤用演出ユニットEUについて説明する。盤用演出ユニットEUは、主に演出を行う複数の装置をユニット化したものである。盤用演出ユニットEUには、画像表示装置50、および盤可動装置55が取り付けられている。
画像表示装置50は、20インチの3D液晶ディスプレイで構成されており、3D画像を表示可能な表示部50aを具備する。画像表示装置50は、遊技盤1の数センチ後方に配置されている。
盤可動装置55は、動作可能な盤可動体55kを備える。盤可動体55kは、水平状態を保持された横長で板状の昇降部材55k2と、昇降部材55k2の左右方向中央に設けられた略楕円形状の回転部材55k1と、を有する。盤可動体55kは、遊技盤1と画像表示装置50との間に配されている。盤可動体55kは、初期位置に配されている待機状態において、盤可動体55kの下端部分、具体的に回転部材55k1の下端部分が、遊技盤1の開口部1Aの上端から少しだけ下方に位置している。すなわち、盤可動体55kは、待機状態において、回転部材55k1の下端部の一部のみが遊技者から視認でき、大部分が視認できないよう配されている(図3(A)参照)。
そして、盤可動体55kは、全体的に初期位置から所定の作動位置まで下降し、その作動位置から上昇して初期位置に戻ることができる(図3(B)参照)。所定の作動位置としては、正面視で盤可動体55kが開口部1Aの略中央につく位置である。ここで、所定の作業位置は適宜に設定可能であり、正面視で盤可動体55kが開口部1Aの略中央より上方側におかれる位置であっても下方側におかれる位置であってもよい。
また、回転部材55k1は、その中心において前後方向に形成された回転軸を中心に正面視右回りおよび左回りに回転運動することが可能である(図3(C)参照)。なお、回転部材55k1の回転運動は、盤可動体55kが待機位置から作動位置に移動するとき、作動位置に保持されているとき、および作動位置から待機位置に移動するときに実行可能である。
なお、遊技盤ユニットYUに設けられる部材や装置の位置や数は、遊技に支障をきたさない範囲で適宜に変更可能である。
次に、遊技盤1の前面に形成された遊技領域6の上下方向略中央の右隣(遊技領域6以外の部分)に配置されている表示器類8について説明する。図4に示すように、表示器類8には、第1特別図柄(以下、「特図1」という)を可変表示する特図1表示器81a、第2特別図柄(以下、「特図2」という)を可変表示する特図2表示器81b、及び、普通図柄(以下、「普図」という)を可変表示する普図表示器82が含まれている。また、表示器類8には、後述する特図1保留数を表示する特図1保留表示器83a、および後述する特図2保留数を表示する特図2保留表示器83bが含まれている。
特図1の可変表示は、遊技球の第1始動口11への入賞を契機とした特図1抽選が行われると実行される。また、特図2の可変表示は、遊技球の第2始動口12への入賞を契機とした特図2抽選が行われると実行される。特図1抽選、および特図2抽選については後述する。なお、以下の説明では、特図1、および特図2を総称して「特図」といい、特図1抽選、および特図2抽選を総称して「特図抽選」という。また、特図1表示器81a、および特図2表示器81bを総称して「特図表示器81」という。さらに、特図1保留表示器83a、および特図2保留表示器83bを総称して「特図保留表示器83」という。
特図の可変表示は、特図抽選の結果を報知する。特図の可変表示では、特図が変動表示した後に停止表示する。停止表示された特図(停止特図)は、可変表示の表示結果として導出された特図抽選の結果を表す識別情報である。停止表示された特図が予め定めた特定の特図である場合には、大入賞口14の開放を伴う大当たり遊技が行われる。
特図1表示器81a、および特図2表示器81bはそれぞれ、横並びに配された8個のLEDから構成されている。特図1表示器81a、および特図2表示器81bの点灯態様は、特図抽選の結果に応じた特図、すなわち特図抽選の結果を表す。例えば特図抽選の結果が大当たりである場合には、最終的に「□□■■□□■■」(□:点灯、■:消灯)というように左から1,2,5,6番目にあるLEDが点灯する。この点灯態様が大当たり図柄であり、大当たりを表す。また、特図抽選の結果がハズレである場合には、最終的に「■■■■■■■□」というように一番右にあるLEDのみが点灯する。この点灯態様がハズレ図柄であり、ハズレを表す。なお、特図抽選の結果に対応するLEDの点灯態様は限定されず、適宜に設定することができる。よって、例えば、ハズレ図柄として全てのLEDを消灯させてもよい。
また、特図の可変表示において、特図が停止表示される前には所定の変動時間にわたって特図の変動表示がなされる。特図の変動表示の態様は、例えば左から右へ光が繰り返し流れるように各LEDが点灯する態様である。なお、変動表示の態様は、特に限定されず、各LEDが停止表示(特定の態様での点灯表示)されていなければ、全LEDが一斉に点滅するなど適宜に設定してよい。
ところで、パチンコ遊技機PYでは、遊技球が第1始動口11または第2始動口12へ入賞してもすぐに特図抽選および特図の可変表示が行われない場合がある。具体的には、特図の可変表示の実行中や大当たり遊技の実行中に遊技球の第1始動口11または第2始動口12への入賞があった場合である。この場合、その入賞に基づいて特図抽選および特図の可変表示が保留される。この保留された特図抽選および特図の可変表示のことを「特図保留」という。
特図保留には、第1始動口11への入賞に基づいて保留された特図1抽選、および特図1の可変表示を表す「特図1保留」と、第2始動口12への入賞に基づいて保留された特図2抽選、および特図2の可変表示を表す「特図2保留」と、がある。そして、特図1保留の数、すなわち保留されている特図1抽選および特図1の可変表示の数を特図1保留表示器83aが表示する。一方、特図2保留の数、すなわち保留されている特図2抽選、および特図2の可変表示の数を特図2保留表示器83bが表示する。
特図1保留の数、および特図2保留の数に上限値に設けることも設けないことも可能である。また、特図1保留の数、および特図2保留の数に上限値を設ける場合、特図1保留の数と特図2保留の数を同一にしても良いし、異ならせても良い。なお、基本的な実施形態では、特図1保留の数、および特図2保留の数の上限値が「4」に設定されているとする。
特図1保留表示器83aおよび特図2保留表示器83bのそれぞれは、4個のLEDで構成されており、特図1保留および特図2保留の数の分だけLEDを点灯させることにより特図1保留および特図2保留の数を表示する。なお、以下において、特図1保留の数を「特図1保留数(U1)」といい、特図2保留数の数を「特図2保留数(U2)」という。また、「特図1保留数」と「特図2保留数」を総称して「特図保留数」という。さらに、「特図1保留表示器83a」と「特図2保留表示器83b」とを総称して「特図保留表示器83」という。
また、普図の可変表示は、遊技球のゲート13への入賞を契機とした普図抽選が行われると実行される。そして、普図の可変表示は、普図抽選の結果を報知する。普図の可変表示では、普図が変動表示した後に停止表示する。停止表示された普図(停止普図)は、可変表示の表示結果として導出された普図抽選の結果を表す識別情報である。停止表示された普図が予め定めた特定の普図である場合には、第2始動口12の開放を伴う補助遊技が行われる。
普図表示器82は、例えば2個のLEDから構成されている。普図表示器82の点灯態様は、普図抽選の結果に応じた普図、すなわち普図抽選の結果を表す。普図抽選の結果が当たりである場合には、最終的には、「□□」(□:点灯、■:消灯)というように両LEDが点灯する。この点灯態様が当たり図柄であり、当たりを表す。また普図抽選の結果がハズレである場合には、最終的には、「■□」というように右のLEDのみが点灯する。この点灯態様がハズレ図柄であり、ハズレを表す。なお、普図抽選の結果に対応するLEDの点灯態様は限定されず、適宜に設定することができる。例えば、ハズレ図柄として全てのLEDを消灯させる態様を採用してもよい。
また、普図が停止表示される前には所定の変動時間にわたって普図の変動表示が行われる。普図の変動表示の態様は、基本的な実施形態では、両LEDが交互に点灯するという態様である。なお、普図の変動表示の態様は、特に限定されず、各LEDが停止表示(特定の態様での点灯表示)されていなければ、全LEDが一斉に点滅するなど適宜に設定してもよい。
2.遊技機の電気的構成
次に、図5~図7に基づいて、パチンコ遊技機PYの電気的な構成を説明する。図5に示すように、パチンコ遊技機PYの背面側には、遊技利益を得ることが可能な遊技に関する制御(遊技の進行)を行う遊技制御基板100、遊技制御基板100による遊技の制御に応じた演出に関する制御を行う演出制御基板120、画像の制御を行う画像制御基板140、遊技球の払い出しに関する制御などを行う払出制御基板170、および各基板100、120、140、170に電力を供給する電源基板190が取り付けられている。
電源基板190には、電源スイッチ191が接続されている。電源スイッチ191のON/OFF操作により、電源の投入/遮断が切り換えられる。
図6に示すように、遊技制御基板100には、プログラムに従ってパチンコ遊技機PYの遊技の進行を制御する遊技制御用ワンチップマイコン(以下「遊技制御用マイコン」)101が実装されている。よって、遊技制御基板100は、遊技の制御を行う遊技制御部と位置づけることができる。なお、遊技制御基板100の制御対象となる遊技利益を獲得可能な遊技には、特図抽選、特図の可変表示、大当たり遊技、後述する遊技状態の設定、普図抽選、普図の可変表示、補助遊技などが含まれる。
遊技制御用マイコン101には、遊技の進行を制御するためのプログラムやテーブル等を記憶した遊技用ROM(Read Only Memory)103、ワークメモリとして使用される遊技用RAM(Random Access Memory)104、遊技用ROM103に記憶されたプログラムを実行する遊技用CPU(Central Processing Unit)102が含まれている。
遊技用ROM103には、後述する遊技制御メイン処理や遊技制御側タイマ割り込み処理などを行うためのプログラムが格納されている。また、遊技用ROM103には、後述する大当たり判定テーブル、大当たり図柄種別判定テーブル、リーチ判定テーブル、特図変動パターン判定テーブル、先読み判定テーブル、大当たり遊技制御テーブル、遊技状態設定テーブル、当たり判定テーブル、補助遊技制御テーブルなどが格納されている。なお、遊技用ROM103は外付けであってもよい。
また、遊技用RAM104には、特図保留記憶部105が設けられている。ここで、特図保留記憶部105について説明する。前述の通り、遊技球の第1始動口11または第2始動口12への入賞があると、特図保留が発生可能であるが、特図保留が可能な場合、すなわち、特図保留数が上限値に達していないときには、この入賞に基づいて、特図抽選などを行うための各種乱数からなる判定情報が取得される。そして、この判定情報は、特図保留として特図保留記憶部105に一旦記憶される。なお、以下において、遊技球の第1始動口11への入賞により取得される判定情報のことを「特図1関連判定情報」といい、遊技球の第2始動口12への入賞により取得される判定情報のことを「特図2関連判定情報」という。また、特図1関連判定情報と特図2関連判定情報とを総称して「特図関連判定情報」という。
そして、特図1関連判定情報は、特図1保留として、特図保留記憶部105の中の特図1保留記憶部105aに記憶される。一方、特図2関連判定情報は、特図2保留として、特図保留記憶部105の中の特図2保留記憶部105bに記憶される。特図1保留記憶部105aに記憶可能な特図1関連判定情報の数、すなわち、特図1保留数の上限値は「4」に設定されている。また、特図2保留記憶部105bに記憶可能な特図2関連判定情報の数、すなわち、特図2保留数の上限値は「4」に設定されている。
また、遊技制御基板100には、所定の中継基板(図示なし)を介して各種センサ類やソレノイド類が接続されている。そのため、遊技制御基板100には、各種センサ類が出力した信号が入力する。また、遊技制御基板100は、各種アクチュエータ類に信号を出力する。
遊技制御基板100に接続されている各種センサ類には、一般入賞口センサ10a、第1始動口センサ11a、第2始動口センサ12a、ゲートセンサ13a、および大入賞口センサ14aが含まれている。
一般入賞口センサ10aは、一般入賞口10に入賞した遊技球を検知する。第1始動口センサ11aは、第1始動口11に入賞した遊技球を検知する。第2始動口センサ12aは、第2始動口12に入賞した遊技球を検知する。ゲートセンサ13aは、ゲート13を通過した遊技球を検知する。大入賞口センサ14aは、大入賞口14に入賞した遊技球を検知する。
また、遊技制御基板100に接続されている各種アクチュエータ類には、電チューソレノイド12s、およびATソレノイド14sが含まれている。電チューソレノイド12sは、電チュー12Dの電チュー開閉部材12kを駆動する。ATソレノイド14sは、大入賞装置14DのAT開閉部材14kを駆動する。
なお、遊技制御基板100に接続されるセンサの種類や数は、遊技に支障をきたさない範囲で適宜に変更可能である。また、遊技制御基板100に接続されるアクチュエータの種類や数は、遊技に支障をきたさない範囲で適宜に変更可能である。
さらに遊技制御基板100には、表示器類8(特図表示器81、普図表示器82、および、特図保留表示器83)が接続されている。これらの表示器類8の表示制御は、遊技制御用マイコン101によりなされる。
また遊技制御基板100は、払出制御基板170に各種コマンドを送信するとともに、払い出し監視のために払出制御基板170から信号を受信する。払出制御基板170には、カードユニットCU、および払出装置73が接続されているとともに、発射装置72が接続されている。また、カードユニットCUは、パチンコ遊技機PYに隣接して設置され、挿入されているプリペイドカード等の情報に基づいて球貸しを可能にする装置である。
払出制御基板170は、遊技制御用マイコン101からの信号や、接続されたカードユニットCUからの信号に基づいて、払出装置73の払出モーター73mを駆動して賞球や貸球の払い出しを行う。払い出される賞球や貸球は、その計数のための払出センサ73aにより検知される。
また、発射装置72は遊技球を発射する装置である。ハンドル72kが、発射装置72に遊技球を発射させるための操作を受け付ける操作部または入力部を構成しており、発射装置72に含まれる。ハンドル72kには、遊技者などの人のハンドル72kへの接触を検知可能なタッチスイッチ72aが設けられている。遊技者によるハンドル72kの操作があった場合には、タッチスイッチ72aが遊技者のハンドル72kへの接触を検知し、発射制御回路175を介して検知信号を払出制御基板170に出力する。
さらに、ハンドル72kには、ハンドル72kの回転角度(操作量)を検知可能な発射ボリュームのつまみ72bが接続されている。発射装置72は、発射ボリュームのつまみ72bが検知したハンドル72kの回転角度に応じた強さで遊技球が発射されるよう発射モーター72mを駆動させる。なお、パチンコ遊技機PYにおいては、ハンドル72kへの回転操作が維持されている状態では、約0.6秒毎に1球の遊技球が発射されるようになっている。また、ハンドル72kの回転可能な範囲で
また遊技制御基板100は、遊技の進行に応じて、演出制御基板120に対し、遊技に関する情報を含んだ各種コマンドを送信する。演出制御基板120は、遊技制御基板100から送られてきた各種コマンドに基づいて、遊技制御基板100による遊技の進行状況(遊技の制御内容)を把握することができる。
なお、遊技制御基板100と演出制御基板120との接続は、遊技制御基板100から演出制御基板120への信号の送信のみが可能な単方向通信接続となっている。すなわち、遊技制御基板100と演出制御基板120との間には、通信方向規制手段としての図示しない単方向性回路(例えばダイオードを用いた回路)が介在している。
図7に示すように、演出制御基板120には、プログラムに従ってパチンコ遊技機PYの演出を制御する演出制御用ワンチップマイコン(以下「演出制御用マイコン」)121が実装されている。そして、演出制御基板120は、後述する画像制御基板140、音声制御回路161、およびサブドライブ基板162と共に、演出の制御を行う演出制御部と位置づけることができる。ただし、演出制御部は、少なくとも演出制御基板120を備え、演出装置(画像表示装置50、スピーカー52、枠ランプ53、および盤可動体55k等)を用いた遊技演出、客待ち演出、および操作促進演出などを制御可能であればよい。
なお、演出制御基板120の制御対象となる演出には、遊技演出(特図変動演出、保留演出、大当たり遊技演出など)、客待ち演出、第1演出ボタン40kや第2演出ボタン41kの操作が有効な期間(操作有効期間)において操作を促す操作促進演出などが含まれている。
演出制御用マイコン121には、遊技制御基板100による遊技の進行に伴って演出を制御するためのプログラム等を記憶した演出用ROM123、ワークメモリとして使用される演出用RAM124、演出用ROM123に記憶されたプログラムを実行する演出用CPU122が含まれている。
演出用ROM123には、後述する演出制御メイン処理、受信割り込み処理、1msタイマ割り込み処理、および10msタイマ割り込み処理などを行うためのプログラムが格納されている。なお、演出用ROM123は外付けであってもよい。
演出用RAM124には、後述する始動入賞コマンドを記憶する始動入賞コマンド保留記憶部125、後述する図柄指定コマンドを記憶する図柄指定コマンド記憶部126、および後述する特図変動開始コマンドを記憶する特図変動開始コマンド記憶部127が設けられている。
また、演出制御基板120には、画像制御基板140が接続されている。演出制御基板120の演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から受信したコマンドに基づいて、すなわち、遊技制御基板100による遊技の進行に応じて、画像制御基板140に画像表示装置50の表示制御を行わせる。なお、演出制御基板120と画像制御基板140との接続は、演出制御基板120から画像制御基板140への信号の送信と、画像制御基板140から演出制御基板120への信号の送信の双方が可能な双方向通信接続となっている。
画像制御基板140は、画像制御のためのプログラム等を記憶した画像用ROM142、ワークメモリとして使用される画像用RAM143、及び、画像用ROM142に記憶されたプログラムを実行する画像用CPU141を備えている。また、画像制御基板140は、画像表示装置50に表示される画像のデータを記憶したCGROM(Character Generator Read Only Memory)145、CGROM145に記憶されている画像データの展開等に使用されるVRAM(Video Random Access Memory)146、及び、VDP(Video Display Processor)144を備えている。これらの電子部品の全部又は一部がワンチップで構成されていてもよい。
CGROM145には、例えば、画像表示装置50に表示される画像を表示するための画像データ(静止画データや動画データ、具体的にはキャラクタ、アイテム、図柄、図形、文字、数字および記号等(演出図柄を含む)や背景画像等の画像データ)が格納されている。
VDP144は、演出制御用マイコン121からの指令に基づき画像用CPU141によって作成されるディスプレイリストに従って、CGROM145から画像データを読み出してVRAM146内の展開領域に展開する。そして、展開した画像データを適宜合成してVRAM146内のフレームバッファに画像を描画する。そしてフレームバッファに描画した画像をRGB信号として画像表示装置50に出力する。これにより、種々の演出画像が表示部50aに表示される。
なお、ディスプレイリストは、フレーム単位で描画の実行を指示するためのコマンド群で構成されている。ディスプレイリストには、描画する画像の種類、画像を描画する位置、表示の優先順位、表示倍率、画像の透過率等の種々のパラメータの情報が含まれている。
また、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から受信したコマンドに基づいて、すなわち、遊技制御基板100による遊技の進行に応じて、音声制御回路161を介してスピーカー52から音声、楽曲、および効果音等を出力する。
スピーカー52から出力する音声等の音声データは、演出制御基板120の演出用ROM123に格納されている。なお、音声制御回路161を、基板で構成させてCPUを実装してもよい。この場合、そのCPUに音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、基板にROMを実装し、そのROMに音声データを格納してもよい。また、スピーカー52を画像制御基板140に接続し、画像制御基板140の画像用CPU141に音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、画像制御基板140の画像用ROM142に音声データを格納してもよい。
また、演出制御基板120には、所定の中継基板(図示なし)を介して、入力部となる各種センサ類や駆動源となる各種アクチュエータ類が接続されている。演出制御基板120には、各種センサ類が出力した信号が入力する。また、演出制御基板120は、各種アクチュエータ類に信号を出力する。
演出制御基板120に接続されている各種スイッチ類には、第1演出ボタンセンサ40a、および第2演出ボタンセンサ41aが含まれている。第1演出ボタンセンサ40aは、第1演出ボタン40kが押下操作されたことを検出する。第2演出ボタンセンサ41aは、第2演出ボタン41kが押下操作されたことを検出する。第1演出ボタンセンサ40a、および第2演出ボタンセンサ41aは、それぞれが操作されたことを検知すると、その検知内容に応じた信号を演出制御基板120に出力する。
なお、演出制御基板120に接続されるスイッチの種類や数は、遊技に支障をきたさない範囲で適宜に変更可能である。また、演出制御基板120に接続されるアクチュエータの種類や数は、遊技に支障をきたさない範囲で適宜に変更可能である。
演出制御基板120に接続された各種アクチュエータ類には、盤可動体回転用モーター55m1、および盤可動体昇降用モーター55m2が含まれている。盤可動体回転用モーター55m1は、回転部材55k1を駆動して、回転部材55k1を回転させることが可能である。盤可動体昇降用モーター55m2は、昇降部材55k2を上昇または下降させることが可能である。詳細には、演出制御用マイコン121は、回転部材55k1や昇降部材55k2の動作態様を決める動作パターンデータを作成し、サブドライブ基板162を介して、回転部材55k1や昇降部材55k2の動作を制御する。
なお、以下において、「回転部材55k1や昇降部材55k2」の動作を「盤可動体55kの動作」と総称することもある。また、回転部材55k1を回転させることや昇降部材55k2を下降または上昇させることについて「盤可動体55kを回転させる、または下降もしくは上昇させる」ともいう。
また、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から受信したコマンドなどに基づいて、サブドライブ基板162を介して枠ランプ53などの点灯制御を行う。詳細には演出制御用マイコン121は、枠ランプ53の発光態様を決める発光パターンデータ(点灯/消灯や発光色等を決めるデータ、ランプデータともいう)を作成し、発光パターンデータに従って枠ランプ53の発光を制御する。なお、発光パターンデータの作成には演出制御基板120の演出用ROM123に格納されているデータを用いる。
なお、サブドライブ基板162を基板で構成させてCPUを実装してもよい。この場合、そのCPUに、枠ランプ53等の点灯制御、および、盤可動体55kの動作制御を実行させてもよい。さらにこの場合、基板にROMを実装して、そのROMに発光パターンや動作パターンに関するデータを格納してもよい。
3.遊技機による主な遊技
次に、パチンコ遊技機PYにより行われる主な遊技について、図8~図15を用いて説明する。
3-1.普図に関わる遊技
最初に、普図に関わる遊技について説明する。パチンコ遊技機PYは、発射された遊技球がゲート13を通過すると、普図抽選を実行することができる。普図抽選を行うと、普図表示器82において、普図の可変表示(変動表示を行った後に停止表示)を行う。ここで、停止表示される普図には、当たり図柄とハズレ図柄とがある。なお、普図のハズレ図柄については、後述する特図のハズレ図柄と区別をするために「ハズレ普図」ともいう。
当たり図柄が停止表示されると補助遊技が実行されて、当該ゲート13の通過に係る遊技が終了する。一方、ハズレ普図が停止表示されると、補助遊技は行われず、当該ゲート13の通過に係る遊技が終了する。また、以下において、普図の可変表示または補助遊技が行われていないときに遊技球がゲート13を通過することを「普図変動始動条件の成立」という。
パチンコ遊技機PYは、普図変動始動条件が成立し、普図関連判定情報を取得して普図抽選を行うことに基づいて、普図の可変表示、および補助遊技といった一連の遊技を行うことができる。取得する普図関連判定情報には、図8(A)に示すように、普通図柄乱数がある。普通図柄乱数は当たり判定を行うための乱数(判定情報)である。各乱数には、適宜に範囲が設けられている。
3-1-1.当たり判定
当たり判定は、例えば図9(A)に示すような当たり判定テーブルを用いて、当たりか否か(補助遊技を実行するか否か)を決定するための判定である。当たり判定テーブルは、後述する遊技状態に関連付けることが可能である。遊技状態に関連付けられる場合、当たり判定テーブルには、非時短状態で用いる当たり判定テーブル(非時短用当たり判定テーブル)と、時短状態で用いる当たり判定テーブル(時短用当たり判定テーブル)と、がある。
各当たり判定テーブルでは、当たり判定の結果である当たりとハズレに、普通図柄乱数の判定値(普通図柄乱数判定値)が適宜に振り分けられている。よって、パチンコ遊技機PYは、取得した普通図柄乱数を当たり判定テーブルに照合して、当たりかハズレかの当たり判定を行う。当たり判定の結果が当たりであると、普図の可変表示で当たり図柄が停止表示される。一方、当たり判定の結果がハズレであると、普図の可変表示でハズレ普図が停止表示される。なお、当たりの当選確率については、適宜に変更することが可能である。
3-1-2.普図変動パターン判定・普図可変表示
普図変動パターン判定は、例えば図9(B)に示すような普図変動パターン判定テーブルを用いて、普図変動パターンを決定するための判定である。普図変動パターンとは、普図変動時間などの普図の可変表示に関する所定事項に関する識別情報である。
普図変動パターン判定テーブルは、遊技状態(非時短状態/時短状態)に関連付けることが可能である。遊技状態(非時短状態/時短状態)に関連付けられる場合、普図変動パターン判定テーブルには、非時短状態のときに用いられる普図変動パターン判定テーブル(非時短普図変動パターン判定テーブル)と時短状態のときに用いられる普図変動パターン判定テーブル(時短普図変動パターン判定テーブル)とがある。
各普図変動パターン判定テーブルには、普図変動パターン判定の結果である普図変動パターンが、停止される普図毎に1つ格納されている。すなわち、パチンコ遊技機PYは、非時短状態と時短状態とで、普図変動時間を異ならせることが可能である。例えば、非時短状態においては、ハズレの普図(ハズレ普図)を停止表示する場合の普図の可変表示については普図変動時間が30秒となる普図変動パターンに決定し、当たり図柄を停止表示する場合の普図の可変表示については普図変動時間が30秒となる普図変動パターンに決定する。また、時短状態においては、ハズレ普図を停止表示する場合の普図の可変表示については普図変動時間が5秒となる普図変動パターンに決定し、当たり図柄を停止表示する場合の普図の可変表示については普図変動時間が5秒となる普図変動パターンに決定する。なお、これら普図変動時間については、適宜に変更することが可能である。
そして、普図変動パターン判定で決定された普図変動パターンに対応付けられた普図変動時間の普図の可変表示が、普図表示器82で行われる。このように、当たり判定、および、普図変動パターン判定が行われることによって、普図表示器82において普図の可変表示が行われる。
3-1-3.補助遊技
補助遊技は、普図の可変表示で、表示結果(普図抽選の結果)として、当たり図柄が停止表示(導出)されると実行される。補助遊技において、電チュー12Dが開放する
補助遊技を構成する要素(補助遊技構成要素)には、電チュー12Dが開放する回数、および各開放についての開放時間などの様々な要素が含まれている。パチンコ遊技機PYは、補助遊技制御テーブルを用いて補助遊技を制御する。補助遊技制御テーブルには、補助遊技構成要素が格納されている。例えば図9(C)に示すように、補助遊技制御テーブルに遊技状態(非時短状態/時短状態)を関連付けることが可能である。すなわち、補助遊技構成要素を、遊技状態(非時短状態/時短状態)に関連付けることが可能である。なお、開放回数や開放時間などの各要素の具体的な内容については、適宜に変更することが可能である。
パチンコ遊技機PYは、非時短状態における補助遊技と時短状態における補助遊技とで、電チュー12Dの開放時間を異ならせることが可能である。例えば、非時短状態における補助遊技では、0.2秒などの遊技球を電チュー12Dに入賞させるのが困難な第1の開放時間だけ電チュー12Dが開放する。一方、時短状態における補助遊技では、例えば、1.0秒のインターバル(閉鎖)を挟んだ2.5秒の2回開放などの第1の開放時間よりも長く、遊技球を電チュー12Dに入賞させることが容易な第2の開放時間だけ電チュー12Dが開放する。
なお、以下において、非時短状態における補助遊技のことを「ショート開放補助遊技」ともいう。一方、時短状態における補助遊技のことを「ロング開放補助遊技」ともいう。また、各補助遊技における開放時間は、その補助遊技での合計時間であり、例えば、一度開放した後に一旦閉鎖するインターバルを挟んで再度開放するなど、1回の補助遊技の中で複数回開放するように構成しても良い。
3-2.特図に関わる遊技
次に、特図に関わる遊技について説明する。パチンコ遊技機PYは、発射された遊技球が第1始動口11に入賞すると、特図1抽選を実行することができる。特図1抽選が行われると、特図1表示器81aにおいて、特図1の可変表示(変動表示を行った後に停止表示)を行って、特図1抽選の結果を報知する。ここで、停止表示される特図1には、大当たり図柄、およびハズレ図柄がある。すなわち、特図1抽選の結果には大当たり、およびハズレがある。
大当たり図柄が停止表示されると大当たり遊技が実行され、新たな遊技状態が設定されて、当該入賞に基づく遊技が終了する。また、ハズレ図柄が停止表示されると、大当たり遊技が行われず、当該入賞に基づく遊技が終了する。
同様に、パチンコ遊技機PYは、発射された遊技球が第2始動口12に入賞すると、特図2抽選を実行することができる。特図2抽選が行われると、特図2表示器81bにおいて、特図2の可変表示(変動表示を行った後に停止表示)を行って、特図2抽選の結果を報知する。ここで、停止表示される特図2には、大当たり図柄、およびハズレ図柄がある。すなわち、特図2抽選の結果には、大当たり、およびハズレがある。
大当たり図柄が停止表示されると大当たり遊技が実行され、新たな遊技状態が設定されて、当該入賞に基づく遊技が終了する。さらに、ハズレ図柄が停止表示されると大当たり遊技が行われず、当該入賞に基づく遊技が終了する。
また、以下において、第1始動口11に遊技球が入賞することを「第1始動条件の成立」といい、第2始動口12に遊技球が入賞することを「第2始動条件の成立」という。また、「第1始動条件の成立」と「第2始動条件の成立」をまとめて「始動条件の成立」と総称する。また、特別図柄のハズレ図柄については、前述の普図のハズレ図柄と区別するために「ハズレ特図」ともいう。
パチンコ遊技機PYは、始動条件が成立し、特図関連判定情報を取得して特図抽選を行うことに基づいて、特図の可変表示、および大当たり遊技といった一連の遊技を行う。そして、特図の可変表示を行うために、当該特図関連判定情報について種々の判定を行う。取得する特図関連判定情報には、図8(B)に示すように、特別図柄乱数、大当たり図柄種別乱数、リーチ乱数および特図変動パターン乱数がある。
特別図柄乱数は大当たり判定を行うための乱数(判定情報)である。大当たり図柄種別乱数は大当たり図柄種別判定を行うための乱数(判定情報)である。リーチ乱数はリーチ判定を行うための乱数(判定情報)である。特図変動パターン乱数は特別図柄の変動パターン判定を行うための乱数(判定情報)である。各乱数には、適宜に範囲が設けられている。次に、特図関連判定情報を用いて行われる各判定について説明する。
3-2-1.大当たり判定
大当たり判定は、大当たり判定テーブルを用いて、大当たりか否か(大当たり遊技を実行するか否か)、言い換えると、大当たり、またはハズレの何れかを決定することである。大当たり判定テーブルは、例えば図10(A)に示すように、後述する遊技状態に関連付けて設けることができる。具体的には、大当たり判定テーブルには、後述する通常確率状態で用いられる大当たり判定テーブル(以下、「通常確率用大当たり判定テーブル」という)と、後述する高確率状態で用いられる大当たり判定テーブル(以下、「高確率用大当たり判定テーブル」という)と、がある。
遊技状態に関連付けられた各大当たり判定テーブルでは、大当たり判定の結果である大当たり、およびハズレに、特別図柄乱数の判定値(特別図柄乱数判定値)が振り分けられている。パチンコ遊技機PYは、遊技状態に関連付けられた大当たり判定テーブルに、取得した特別図柄乱数を照合して、大当たり、またはハズレの何れであるかを判定する。図10(A)に示すように、高確率用大当たり判定テーブルの方が、通常確率用大当たり判定テーブルよりも、大当たりと判定される特別図柄乱数判定値が多く設定されている。
なお、大当たり確率や各種大当たり判定の判定結果に対する特別図柄乱数判定値の振り分け方については、適宜に変更することが可能である。
3-2-2.大当たり図柄種別判定
大当たり図柄種別判定は、大当たり判定の結果が大当たりである場合に、例えば図10(B)に示すような大当たり図柄種別判定テーブルを用いて大当たり図柄の種別(大当たり図柄種別)を決定することである。大当たり図柄の種別に、大当たりの内容、換言すれば、遊技者に付与される遊技特典などで構成される大当たりの構成要素(遊技者に有利な内容)を対応付けることが可能である。
大当たり図柄種別判定テーブルは、可変表示される特別図柄の種別(特図1/特図2)、言い換えれば、当該大当たり図柄種別判定が起因する(当該大当たり図柄種別判定を発生させた)入賞が行われた始動口の種別(第1始動口11/第2始動口12)に関連付けられている。すなわち、大当たり図柄種別判定テーブルには、特図1の可変表示を行うときに用いられる大当たり図柄種別判定テーブル(第1大当たり図柄種別判定テーブル)と特図2の可変表示を行うときに用いられる大当たり図柄種別判定テーブル(第2大当たり図柄種別判定テーブル)とがある。
大当たり図柄は複数種類設定可能である。各大当たり図柄種別判定テーブルでは、大当たり図柄種別判定の結果である大当たり図柄種別に、大当たり図柄種別乱数の判定値(大当たり図柄種別乱数判定値)が振り分けられている。よって、パチンコ遊技機PYは、取得した大当たり図柄種別乱数を大当たり図柄種別判定テーブルに照合して、大当たり図柄の種別を判定する。そして、第1大当たり図柄種別判定テーブルおよび第2大当たり図柄種別判定テーブルでは、大当たり図柄種別乱数判定値が各種大当たり図柄に適宜に振り分けられている。
特図1の大当たり図柄、および特図2の大当たり図柄の種類は適宜に設定することができるが、例えば、図10(B)に示す大当たり図柄種別判定テーブルのように、特図1の大当たり図柄として、大当たり図柄A、大当たり図柄B、および大当たり図柄Cの3種類の大当たり図柄を設け、特図2の大当たり図柄として、大当たり図柄D、大当たり図柄E、および大当たり図柄Fの3種類の大当たり図柄を設けることができる。そして、図10(B)に示す大当たり図柄種別判定テーブルのように、第1大当たり図柄種別判定テーブルおよび第2大当たり図柄種別判定テーブルでは、大当たり図柄種別乱数判定値が各種大当たり図柄に適宜に振り分けられている。なお、大当たり図柄種別の振分率については、適宜に変更することが可能である。また、大当たり図柄の種別については、適宜に増加したり減少したりすることが可能である。
3-2-3.リーチ判定
リーチ判定は、例えば、大当たり判定の結果がハズレである場合に、図10(C)に示すようなリーチ判定テーブルを用いて、後述する特図変動演出でリーチを発生させるか否かを決定することである。
リーチ判定テーブルは、遊技状態(非時短状態/時短状態)に関連付けることが可能である。遊技状態に関連付けられる場合、例えば、リーチ判定テーブルには、非時短状態のときに用いられるリーチ判定テーブル(非時短用リーチ判定テーブル)と、時短状態のときに用いられるリーチ判定テーブル(時短用リーチ判定テーブル)とがある。
各リーチ判定テーブルでは、リーチ判定の結果である「リーチ有り(リーチを発生させる)」と「リーチ無し(リーチを発生させない)」に、リーチ乱数の判定値(リーチ乱数判定値)が振り分けられている。よって、パチンコ遊技機PYは、取得したリーチ乱数をリーチ判定テーブルに照合して、リーチ有りかリーチ無しか(リーチを発生させるか否か)を判定する。
図10(C)に示すように、非時短用リーチ判定テーブルと時短用リーチ判定テーブルとで、「リーチ有り(リーチを発生させる)」と判定されるリーチ乱数判定値の数を異ならせることが可能である。なお、以下において、大当たり判定の結果が「ハズレ」であることを前提に行われるリーチ判定の結果「リーチ有り(リーチを発生させる)」のことを「リーチ有りハズレ」といい、「リーチ無し(リーチを発生させない)」のことを「リーチ無しハズレ」ということもある。また、「リーチ無しハズレ」のことを「どハズレ」と称し、「リーチ有りハズレ」のことを「リーチハズレ」と称することもある。
3-2-4.特図変動パターン判定
特図変動パターン判定は、大当たり判定の結果が大当たり、およびハズレの何れの場合にも、例えば図11~図12に示すような特別図柄の変動パターン判定テーブル(特図変動パターン判定テーブル)を用いて、特図の可変表示の変動パターン(特図変動パターン)を決定することである。
特図変動パターンとは、特図変動時間、所謂「尺」や後述する特図変動演出の演出フロー(演出内容)などに関する所定事項を識別するための識別情報である。なお、特図変動パターンには、特図変動時間や特図変動演出の演出フロー(演出内容)の他、大当たり判定の結果、およびリーチ判定の結果に関する識別情報を含ませることも可能である。なお、特図変動パターンの種類や数は適宜に変更することが可能である。
特図変動パターン判定テーブルは、判定対象となる可変表示を行う特別図柄の種別(特図1/特図2)、言い換えれば、当該特図変動パターン判定が起因する入賞が行われた始動口の種別(第1始動口11/第2始動口12)に関連付けることが可能である。すなわち、特図変動パターン判定テーブルには、特図1の可変表示を行うときに用いられる特図変動パターン判定テーブル(特図1変動パターン判定テーブル:図11)と、特図2の可変表示を行うときに用いられる特図変動パターン判定テーブル(特図2変動パターン判定テーブル:図12)とがある。
そして、各特図変動パターン判定テーブルは、遊技状態(非時短状態/時短状態)に関連付けることが可能である。具体的には、特図1変動パターン判定テーブルには、非時短状態のときに用いられる特図1変動パターン判定テーブル(非時短用特図1変動パターン判定テーブル)と時短状態のときに用いられる特図1変動パターン判定テーブル(時短用特図1変動パターン判定テーブル)とがある。一方、特図2変動パターン判定テーブルについても同様に、非時短状態のときに用いられる特図2変動パターン判定テーブル(非時短用特図2変動パターン判定テーブル)と、時短状態のときに用いられる特図2変動パターン判定テーブル(時短用特図2変動パターン判定テーブル)と、がある。
また、遊技状態(非時短状態/時短状態)に関連付けられた各特図変動パターン判定テーブルは、さらに、大当たり判定結果、およびリーチ判定結果にも関連付けることが可能である。すなわち、非時短用特図1変動パターン判定テーブルおよび時短用特図1変動パターン判定テーブルにはそれぞれ、大当たり用、リーチ有りハズレ用、およびリーチ無しハズレ用がある。同様に、非時短用特図2変動パターン判定テーブルおよび時短用特図2変動パターン判定テーブルにもそれぞれ、大当たり用、リーチ有りハズレ用、およびリーチ無しハズレ用がある。
さらに、遊技状態に関連付けられた各リーチ無しハズレ用の特図1変動パターン判定テーブルは、特図1保留数にも関連付けることが可能である。例えば、特図1保留数(U1)が0~2のときに用いられるリーチ無しハズレ用の特図1変動パターン判定テーブルと、特図1保留数(U1)が3~4のときに用いられるリーチ無しハズレ用の特図1変動パターン判定テーブルと、がある。同様に、遊技状態に関連付けられた各リーチ無しハズレ用の特図2変動パターン判定テーブルも、特図2保留数にも関連付けることが可能である。具体的には、特図2保留数(U2)が0~2のときに用いられるリーチ無しハズレ用の特図2変動パターン判定テーブルと、特図2保留数(U2)が3~4のときに用いられるリーチ無しハズレ用の特図2変動パターン判定テーブルと、がある。
そして、各特図変動パターン判定で決定された特図変動パターンに応じた特図変動時間の特図の変動表示が、特図表示器81で行われる。そして、特図の変動表示の後に、特図可変表示の表示結果(特別図柄抽選の結果)として、大当たり図柄が停止表示されると、即座に次の特図の可変表示が行われず、引き続いて、大当たり遊技が実行される。
また、各特図変動パターンに、図11~図12の表の右から3番目の欄に示すような特図変動演出の演出フローを関連付けることが可能である。ここで、特図変動パターンに関連づけられた特図変動演出の演出フローを構成する代表的な演出について説明する。
特図変動演出の演出フローを構成する演出として、通常変動、リーチ、ノーマルリーチ(Nリーチ)、ロングリーチ(Lリーチ)、スペシャルリーチ(SPリーチ)、バトル演出、がある。
通常変動は、停止表示していた演出図柄が変動を開始し、各演出図柄を構成する1つ1つが認識困難な程度に高速で変動表示して特図の可変表示が開始されたことを示唆する演出である。そして、リーチ無しハズレ変動に係る特図変動演出(演出図柄の変動開始から変動停止までの部分)、および、リーチが発生する特図変動演出におけるリーチが成立(確定)するまでの部分が通常変動で構成されることがある。
Nリーチは、通常変動を経てリーチが成立(確定)した直後に、例えば当該リーチを構成する演出図柄が仮停止したその位置で所定時間(例えば、10秒)維持された状態で、残り1つの演出図柄が減速していき、通常変動より低速で変動する演出である。Nリーチが示唆する大当たりの期待度は、通常変動より高く、後述するLリーチ、およびSPリーチよりも低い。Nリーチで特図変動演出が終了する場合、その低速で変動する残りの1つの演出図柄が停止する。ハズレの場合、残りの1つの演出図柄は、リーチを構成する演出図柄とは異なる演出図柄で停止する。Nリーチで特図変動演出が終了しない場合、残りの1つの演出図柄が再び高速で変動し、リーチが維持されたままNリーチからLリーチ、SPリーチに発展する(切り替わる)。
Lリーチは、大当たりのときもハズレのときも実行可能であり、大当たり遊技状態になるか否かを示唆する演出であり、大当たり遊技状態になる可能性があることを示唆する。さらに、Lリーチは、例えばNリーチの後に実行可能な演出であり、Nリーチよりも長時間行われ、Nリーチよりも大当たり期待度が高いことを示唆する。Lリーチでも、成立したリーチが維持されるが、当該リーチを構成する演出図柄が縮小されると共に、Nリーチのときよりも背景画像の支障にならない所定位置(例えば、後述する左演出図柄EZ1が表示部50aの左上で、右演出図柄EZ3が表示部50aの右上)に移動した状態で、Lリーチ専用の背景画像に切り替わる(Lリーチ専用の映像が流れる)。なお、Lリーチでは、主に表示部50aにおいて2DCGによるアニメーション画像が表示される。Lリーチの演出内容としては、主人公キャラクタが必殺技を習得するために特訓を行うなど後述のSPリーチに係る試合とは異なるシーンの映像が表示される。
SPリーチは、大当たりのときもハズレのときも実行可能であり、大当たり遊技状態になるか否かを示唆する演出であり、大当たり遊技状態になる可能性があることを示唆する。さらに、SPリーチは、例えばNリーチの後に実行可能な演出であり、Lリーチよりも長時間行われ、Lリーチよりも大当たり期待度が高いことを示唆する。SPリーチでも、成立したリーチが維持されるが、当該リーチを構成する演出図柄が縮小されると共に、Nリーチのときよりも背景画像の支障にならない所定位置(例えば、後述する左演出図柄EZ1が表示部50aの左上で、右演出図柄EZ3が表示部50aの右上)に移動した状態で、SPリーチ専用の背景画像に切り替わる(SPリーチ専用の映像が流れる)。なお、SPリーチでは、主に表示部50aにおいて3DCG画像が表示される。そして、SPリーチの演出内容としては、主人公キャラクタが所属するチームと、主人公キャラクタのライバルが所属するチームとが試合を行うシーンの映像が表示される。
バトル演出は、例えば時短状態においてリーチ後に実行可能な演出であり、通常変動よりも大当たり期待度が高いことを示唆する演出である。バトル演出でも、成立したリーチが維持されるが、当該リーチを構成する演出図柄が縮小されると共に所定位置(例えば、左演出図柄EZ1が表示部50aの左上で、右演出図柄EZ3が表示部50aの右上)に移動した状態で、バトル演出専用の背景画像に切り替わる(バトル演出専用の映像が流れる)。また、バトル演出では、主に表示部50aにおいて3DCG画像が表示される。
なお、Nリーチ、Lリーチ、SPリーチ、およびバトル演出における「リーチが維持された状態」には、当該Nリーチ、Lリーチ、SPリーチ、およびバトル演出においてリーチを構成する演出図柄が表示部50aで視認可能である状態だけではなく、例えば、専用の背景画像との関係で所定期間、当該リーチを構成する演出図柄が表示部50aから視認困難または視認不可能な状態も含むものとする。また、通常変動、Nリーチ、Lリーチ、SPリーチ、およびバトル演出の演出内容は適宜に変更可能である。さらに、特図変動演出を構成する演出は、これらに限られず、適宜に加え、あるいは減らすことが可能である。
また、図11~図12の表の右から2番目の欄に示すように、特図変動パターンに、大当たり判定結果および特図変動演出の演出内容などを関連付けて名称を付すことが可能である。そして、大当たりに係る特図変動パターンのことを「大当たり変動」、ハズレに係る特図変動パターンのことを「ハズレ変動」と総称することもある。
さらに、大当たり判定結果に関わらずSPリーチが行われる特図変動パターンのことを「SPリーチ変動」、Lリーチが行われる特図変動パターンのことを「Lリーチ変動」、Nリーチで特図変動演出が終わる特図変動パターンのことを「Nリーチ変動」と総称することもある。また、リーチ有りのハズレ変動のことを「リーチ有りハズレ変動」といい、リーチ無しのハズレ変動のことを「通常ハズレ変動」と総称することもある。
3-2-5.先読み判定
パチンコ遊技機PYは、大当たり判定を行う前に、取得した特図関連判定情報に基づいて、例えば図13~図14に示すような先読み判定テーブルを用いて先読み判定を行うことが可能である。先読み判定テーブルは、その始動入賞に係る始動口の種別(第1始動口11/第2始動口12)、言い換えると、その始動入賞によって可変表示される特図の種類(特図1/特図2)に関連付けることが可能である。すなわち、先読み判定テーブルには、第1始動口11に入賞し、特図1の可変表示が行われる場合の第1先読み判定テーブル(図13)と、第2始動口12に入賞し、特図2の可変表示が行われる場合の第2先読み判定テーブル(図14)と、がある。なお、第1先読み判定テーブルに基づいて行う先読み判定を「第1先読み判定」、第2先読み判定テーブルに基づいて行う先読み判定を「第2先読み判定」ともいう。
また、先読み判定テーブルは、後述する遊技状態(通常遊技状態/高確率高ベース遊技状態/低確率高ベース遊技状態)にも関連付けることが可能である。すなわち、先読み判定テーブルには、通常遊技状態のときに用いられる先読み判定テーブル(通常遊技状態用先読み判定テーブル)と、高確率高ベース遊技状態のときに用いられる先読み判定テーブル(高確率高ベース遊技状態用先読み判定テーブル)と、低確率高ベース遊技状態のときに用いられる先読み判定テーブル(低確率高ベース遊技状態用先読み判定テーブル)と、がある。
つまり、先読み判定テーブルには、通常遊技状態のときに用いられる第1先読み判定テーブルと、高確率高ベース遊技状態のときに用いられる第1先読み判定テーブルと、低確率高ベース遊技状態のときに用いられる第1先読み判定テーブルと、通常遊技状態のときに用いられる第2先読み判定テーブルと、高確率高ベース遊技状態のときに用いられる第2先読み判定テーブルと、低確率高ベース遊技状態のときに用いられる第2先読み判定テーブルと、がある。
なお、図13~図14に示す先読み判定テーブルを用いる先読み判定によって、当該始動口11、12への入賞によって行われる特図の可変表示に係る特図変動パターンが特定される。すなわち、当該入賞に基づく特図の可変表示が行われるよりも前にその特図の可変表示に係る特図変動パターンが先読み判定結果として特定される。特図変動パターンを特定する過程で、大当たりの当否も先読み判定結果として特定される。
そして、特図変動パターンなどに関する情報が含まれる先読み判定結果は始動入賞コマンドに対応付けられている。後述するように、始動入賞コマンドは、その生成に伴って先読み判定結果として演出制御基板120に送信される。なお、先読み判定結果としてどのような情報を特定させるかは適宜に変更可能である。例えば、大当たり図柄種別に関する情報も先読み判定結果に含ませることができる。
以上のように、大当たり判定、大当たり図柄種別判定、リーチ判定、および特図変動パターン判定が行われることによって、特図表示器81において特図の可変表示が行われる。そして、特図の可変表示で、表示結果(特別図柄抽選の結果)として、大当たり図柄が停止表示されると、次の特図の可変表示が行われず、引き続いて、大当たり遊技が実行される。次に、大当たり遊技について説明する。
3-3.大当たり遊技
大当たり遊技は、大入賞口14の開閉を伴う複数回のラウンド遊技と、大当たり遊技が開始してから初回のラウンド遊技が開始されるまでのオープニング(OPとも表記する)と、最終回のラウンド遊技が終了してから大当たり遊技が終了するまでのエンディング(EDとも表記する)とを含んでいる。各ラウンド遊技は、オープニングの終了又は前のラウンド遊技の終了によって開始し、次のラウンド遊技の開始又はエンディングの開始によって終了する。
なお、OPやEDを設けないようすることが可能である。また、以下において、所定回数目(所定の順番)のラウンド遊技を、単に「ラウンド」という。例えば、初回(1回目)のラウンド遊技のことを「1ラウンド(1R)」ともいい、10回目のラウンド遊技のことを「10ラウンド(10R)」ともいう。
そして、パチンコ遊技機PYは、大当たり遊技制御テーブルを用いて大当たり遊技を制御する。大当たり遊技制御テーブルは大当たり図柄の種別毎に設定することが可能である。すなわち、大当たり遊技を大当たり図柄の種別に対応付けることが可能である。そして、大当たり遊技は1種類、または複数種類設定可能である。
大当たり遊技制御テーブルには、大当たり遊技を構成する要素(大当たり遊技構成要素)が格納されている。大当たり遊技構成要素には、ラウンド遊技の回数、各回のラウンド遊技における大入賞口14の開放回数、各開放が行われる大入賞口の種別および開放時間(開放パターン)、次回の開放まで閉鎖させる時間(閉鎖時間)、オープニングの時間(オープニング時間)、およびエンディングの時間(エンディング時間)などが含まれている。
そして、パチンコ遊技機PYは、例えば図15(A)に示すような大当たり遊技制御テーブルを用いて大当たり遊技を制御することが可能である。すなわち、図15(A)に示すような大当たり遊技の種別および各大当たり遊技に対する大当たり遊技構成要素を設定することが可能である。ここで、図15(A)で設定されている大当たり遊技について説明する。
大当たり図柄Aに対応付けられた大当たり遊技(以下、「第1大当たり遊技」ともいう)では、ラウンド遊技が10回行われる。そして、1Rから10Rまでの各ラウンド遊技では、1回のラウンド遊技あたり最大で29.5秒にわたって大入賞口14が開放する。また、第1大当たり遊技が開始されてから最初のラウンド遊技が開始されるまでの間、10.0秒間にわたり大入賞口14の閉鎖状態が保持されたオープニングがある。さらに、最後のラウンド遊技が終了してから第1大当たり遊技が終了するまでの間、15.0秒間にわたり大入賞口14の閉鎖状態が保持されたエンディングがある。
大当たり図柄Bに対応付けられた大当たり遊技(以下、「第2大当たり遊技」ともいう)では、ラウンド遊技が5回行われる。そして、1Rから5Rまでの各ラウンド遊技では、1回のラウンド遊技あたり最大で29.5秒にわたって大入賞口14が開放する。また、第2大当たり遊技が開始されてから最初のラウンド遊技が開始されるまでの間、10.0秒間にわたり大入賞口14の閉鎖状態が保持されたオープニングがある。さらに、最後のラウンド遊技が終了してから第2大当たり遊技が終了するまでの間、15.0秒間にわたり大入賞口14の閉鎖状態が保持されたエンディングがある。
大当たり図柄Cに対応付けられた大当たり遊技(以下、「第3大当たり遊技」ともいう)では、ラウンド遊技が5回行われる。そして、1Rから5Rまでの各ラウンド遊技では、1回のラウンド遊技あたり最大で29.5秒にわたって大入賞口14が開放する。また、第3大当たり遊技が開始されてから最初のラウンド遊技が開始されるまでの間、10.0秒間にわたり大入賞口14の閉鎖状態が保持されたオープニングがある。さらに、最後のラウンド遊技が終了してから第3大当たり遊技が終了するまでの間、15.0秒間にわたり大入賞口14の閉鎖状態が保持されたエンディングがある。
大当たり図柄Dに対応付けられた大当たり遊技(以下、「第4大当たり遊技」ともいう)では、ラウンド遊技が10回行われる。そして、1Rから10Rまでの各ラウンド遊技では、1回のラウンド遊技あたり最大で29.5秒にわたって大入賞口14が開放する。また、第4大当たり遊技が開始されてから最初のラウンド遊技が開始されるまでの間、10.0秒間にわたり大入賞口14の閉鎖状態が保持されたオープニングがある。さらに、最後のラウンド遊技が終了してから第4大当たり遊技が終了するまでの間、15.0秒間にわたり大入賞口14の閉鎖状態が保持されたエンディングがある。
大当たり図柄Eに対応付けられた大当たり遊技(以下、「第5大当たり遊技」ともいう)では、ラウンド遊技が6回行われる。そして、1Rから6Rまでの各ラウンド遊技では、1回のラウンド遊技あたり最大で29.5秒にわたって大入賞口14が開放する。また、第5大当たり遊技が開始されてから最初のラウンド遊技が開始されるまでの間、10.0秒間にわたり大入賞口14の閉鎖状態が保持されたオープニングがある。さらに、最後のラウンド遊技が終了してから第5大当たり遊技が終了するまでの間、15.0秒間にわたり大入賞口14の閉鎖状態が保持されたエンディングがある。
大当たり図柄Fに対応付けられた大当たり遊技(以下、「第6大当たり遊技」ともいう)では、ラウンド遊技が6回行われる。そして、1Rから6Rまでの各ラウンド遊技では、1回のラウンド遊技あたり最大で29.5秒にわたって大入賞口14が開放する。また、第6大当たり遊技が開始されてから最初のラウンド遊技が開始されるまでの間、10.0秒間にわたり大入賞口14の閉鎖状態が保持されたオープニングがある。さらに、最後のラウンド遊技が終了してから第5大当たり遊技が終了するまでの間、15.0秒間にわたり大入賞口14の閉鎖状態が保持されたエンディングがある。
なお、各ラウンド遊技では、予め定めた所定個数(例えば10個)の遊技球が大入賞口センサ14aによって検知されると、大入賞口14の最大開放時間が経過する前であっても、大入賞口14を閉鎖してラウンド遊技が終了する。また、大当たり遊技構成要素の種類や具体的な内容については、適宜に変更することが可能である。
また、図15(A)に示す大当たり遊技制御テーブルでは、何れの種類の大当たり遊技が実行されるかは、大当たり図柄の種類によって決定されているが、これとは異なる方法で大当たり遊技が実行されるようにしても良い。例えば、遊技領域6に2つの入賞口に振分け可能な装置を設け、一方の入賞口に入賞すると所定数のラウンド遊技からなる大当たり遊技のみが実行される一方、他方の入賞口に入賞すると、所定数より多いラウンド遊技からなる大当たり遊技と所定数より少ないラウンド遊技からなる大当たり遊技の何れかが抽選などによって所定の確率で実行されるようにしても良い。
3-4.遊技状態
次に、パチンコ遊技機PYが制御可能な遊技状態について説明する。パチンコ遊技機PYは、大当たり遊技が実行されている状態である大当たり遊技状態と、大当たり遊技が実行されていない非大当たり遊技状態がある。非大当たり遊技状態には、基本的なベースとなる遊技状態である通常遊技状態と、通常遊技状態よりも遊技者に有利な特定遊技状態と、がある。この特定遊技状態に係る「遊技者に有利」となる要素には大当たり確率と、第2始動口12の開放の容易性とがある。すなわち、特定遊技状態に大当たり確率と、第2始動口12の開放の容易性を関連付けることができる。
大当たり確率について遊技者に有利とは、通常遊技状態よりも大当たり確率が高くなり、大当たり当選し易くなるということである。また、第2始動口12の開放の容易性について遊技者に有利とは、通常遊技状態よりも第2始動口12の開放の容易性が高くなり、単位時間あたりの第2始動口12の開放時間が長くなるということである。
そして、特定遊技状態としては、大当たり確率および第2始動口12の単位時間あたりの開放時間の何れもが遊技者に有利な第1特定遊技状態と、大当たり確率のみが遊技者に有利な第2特定遊技状態と、第2始動口12の単位時間あたりの開放時間のみが遊技者に有利な第3特定遊技状態の3種類を設定可能である。なお、これらの3種類の特定遊技状態の全てをパチンコ遊技機PYに搭載せずに、3種類の特定遊技状態の中の一部を搭載することもできる。
ここで、大当たり確率に注目した部分的な遊技状態として、大当たり確率が通常遊技状態よりも高くなり、大当たり確率について遊技者に有利な状態を「高確率状態」という。これに対して、大当たり確率が通常遊技状態での通常確率であり、大当たり確率について遊技者に有利ではない状態を「通常確率状態」という。
また、単位時間あたりの第2始動口12の開放時間に注目した部分的な遊技状態として、単位時間あたりの第2始動口12の開放時間が通常遊技状態よりも長い遊技状態を「時短状態」とい。これに対して、単位時間あたりの第2始動口12の開放時間が通常遊技状態での開放時間である遊技状態を「非時短状態」という。ここで、単位時間あたりの第2始動口12の開放時間が長くなるということは、第2始動口12に遊技球を入賞させ易くなるということである。したがって、時短状態は、通常遊技状態よりも第2始動口12への入賞の容易性(第2始動口12への入賞容易性)が高くて遊技者に有利である遊技状態と位置づけることができる。
ここで、非時短状態と時短状態について詳細に説明する。前述のように、時短状態は、非時短状態に比べて、単位時間当たりの電チュー12Dの開放時間が長くなる。すなわち、時短状態は非時短状態よりも第2始動口12に入賞させ易い状態である。ここで、非時短状態よりも時短状態で第2始動口12に入賞させ易くするための具体的な方法について説明する。
例えば、時短状態を、非時短状態に比べて普図変動時間が短くなり易い状態にすることで、時短状態では第2始動口12に入賞させ易くすることができる。例えば、前述の通り、当たり判定の結果に関わらず、時短状態においては、非時短状態において決定される普図変動時間(30.0秒)よりも短い普図変動時間(5.0秒)が決定されるようにする。その結果、時短状態の方が、単位時間当たりにおける普図抽選の実行回数が多くなる。この場合、非時短状態と時短状態の違いに関わらず、当たり判定で当たりに当選する確率と1回の補助遊技における電チュー12Dの開放時間が同一であると、単位時間あたりにおける普図抽選の実行回数が多い分、単位時間あたりの電チュー12Dの開放時間が長くなる。
また、時短状態を、非時短状態に比べて1回の補助遊技における電チュー12Dの開放時間が長くなり易い状態にすることで、時短状態では第2始動口12に入賞させ易くすることができる。例えば、前述の通り、非時短状態では、1回の補助遊技で電チュー12Dが0.2秒開放するのに対し、時短状態では、1回の補助遊技で電チュー12Dが合計で5.0秒開放するようにする。この場合、非時短状態と時短状態の違いに関わらず、当たり判定で当たりに当選する確率と普図変動時間が同一であると、単位時間あたりの補助遊技の実行回数が等しくなるため、1回の補助遊技での電チュー12Dの開放時間が長い分、単位時間あたりの電チュー12Dの開放時間が長くなる。
さらに、時短状態を、非時短状態に比べて当たり判定で当たりと判定され易い状態にすることで、時短状態では第2始動口12に入賞させ易くすることができる。例えば、前述の通り、非時短状態では、当たり判定において6600/65536の確率で当たりと判定されるのに対し、時短状態では、当たり判定において59936/65536の確率で当たりと判定されるようにする。この場合、非時短状態と時短状態の違いに関わらず、1回の補助遊技における電チュー12Dの開放時間と普図変動時間が同一であると、当たり判定で当たりと判定される確率が高い分、単位時間あたりの当たり判定の回数が多くなるため、単位時間あたりの電チュー12Dの開放時間が長くなる。
このように、時短状態においては非時短状態よりも当たりに当選し易いこと、普図変動時間が短くなり易いこと、および1回の補助遊技における電チュー12Dの開放時間が長くなり易いことからなる3つの条件が成立することによって、時短状態では、非時短状態に比べて、単位時間あたりの電チュー12Dの開放時間が長くなり、第2始動口12への入賞を容易にすることができる。この結果、発射球数に対する賞球数の割合である所謂「ベース」が高くなる。そのため、ベースの高い時短状態では、通常遊技状態に比べて所持する遊技球を大きく減らすことなく大当たり当選を狙うことができる。すなわち、時短状態の方が非時短状態よりも遊技者にとって有利であるといえる。
なお、時短状態においては、第2始動口12の単位時間あたりの開放時間が長くなるための3つの条件が全て揃わずに一部の条件のみが揃うようにしても良い。最終的に、時短状態では、非時短状態に比べて、単位時間当たりの電チュー12Dの開放時間が長くなり、第2始動口12への入賞が容易になればよい。
また、時短状態では、非時短状態に比べて特図変動時間の短い特図変動パターンが選択され易くなるようにするなどして、単位時間あたりにおける特図可変表示の実行回数が少ない、または特図変動時間の平均が低くなるようにしても良い。その結果、時短状態では、特図保留が消化されるペースが速くなり、始動口への有効な入賞(特図保留として記憶され得る入賞)が発生しやすくなる。そのため、スムーズな遊技の進行のもとで大当たりを狙うことができる。
なお、以下において、各特定遊技状態について遊技者に対する有利性の内容に関連付けて、第1特定遊技状態のことを「高確率高ベース遊技状態」、第2特定遊技状態のことを「高確率低ベース遊技状態」、および第3特定遊技状態のことを「低確率高ベース遊技状態」ともいう。さらに、通常遊技状態のことを「低確率低ベース遊技状態」ともいう。
よって、低確率低ベース遊技状態は、通常確率状態且つ非時短状態で制御されている遊技状態といえる。同様に、低確率高ベース遊技状態は通常確率状態且つ時短状態、高確率低ベース遊技状態は高確率状態且つ非時短状態、および高確率高ベース遊技状態は高確率状態且つ時短状態で制御されている遊技状態といえる。
このように、パチンコ遊技機PYは、低確率低ベース遊技状態、低確率高ベース遊技状態、高確率低ベース遊技状態、高確率高ベース遊技状態、および大当たり遊技状態で制御可能である。なお、大当たり遊技状態では、大入賞口14が長時間開放し、遊技球を多量に獲得することができるので、大当たり遊技状態も遊技者に有利な遊技状態ということができる。よって、大当たり遊技状態と、特定遊技状態は、通常遊技状態よりも遊技者に有利な「有利遊技状態」ということもできる。
なお、高確率高ベース遊技状態、および高確率低ベース遊技状態は、大当たり確率が通常確率状態よりも高確率となっている点で低確率低ベース遊技状態よりも遊技者に有利な遊技状態である。また、高確率高ベース遊技状態、および低確率高ベース遊技状態は、第2始動口12への入賞容易性が非時短状態よりも高い点で低確率低ベース遊技状態よりも遊技者に有利な遊技状態である。さらには、大当たり遊技状態では、1回の入賞による賞球数が第1始動口11、および第2始動口12よりも多い大入賞口14が開放するので、大当たり遊技状態は低確率低ベース遊技状態よりも遊技者に有利な遊技状態である。
また、パチンコ遊技機PYの電源が投入されると最初に通常遊技状態が設定される。また、大当たり遊技状態は、大当たり図柄の停止表示が行われることによって設定される。一方、特定遊技状態は、大当たり当選して大当たり遊技が実行されることによって設定される。次に、特定遊技状態の設定について説明する。
3-5.大当たり遊技の終了に伴う遊技状態の設定
パチンコ遊技機PYは、大当たり遊技の終了に伴って、新たに遊技状態を設定することができる。すなわち、大当たり遊技の後に、新たな遊技状態にて遊技を制御・進行させることができる。この遊技状態の継続期間は適宜に設定可能である。例えば、新たな遊技状態として、特定遊技状態を次回大当たり当選するまで継続させることができる。また、特定遊技状態が継続できる期間を制限することもできる。
特定遊技状態の継続期間を制限させる場合は、継続期間に対する終了条件が成立することを契機に特定遊技状態を終了させることができる。そして、特定遊技状態が終了すると通常遊技状態が設定されるようにすることができる。また、高確率高ベース遊技状態については、終了条件が成立すると、低確率高ベース遊技状態または高確率低ベース遊技状態が設定されるようにすることもできる。この場合、新たに設定された低確率高ベース遊技状態または高確率低ベース遊技状態は次回大当たり当選するまで継続するようにしても良い。また、新たに設定された低確率高ベース遊技状態または高確率低ベース遊技状態についても同一または異なる終了条件を設け、当該終了条件が成立すると通常遊技状態が設定されるようにしても良い。
また、特定遊技状態の継続期間に対する終了条件は適宜に設定することができる。終了条件として、例えば特図可変表示の実行回数を設定することができる。また、特図可変表示の実行回数に限られず、大当たり遊技後の経過時間、大当たり遊技後の遊技球の発射球数、大当たり遊技後のゲート13への通過回数、または特定遊技状態を終了させるか否かの抽選(所謂、「転落抽選」)において終了させるという結果の導出などを終了条件に設定することができる。さらには、これらの要素を単独で終了条件に設定しても良く、また複合的に設定しても良い。
なお、これらの終了条件は、大当たり遊技後に設定可能な全ての特定遊技状態に対して同一に設定しても良く、また設定可能な特定遊技状態の中の一部の特定遊技状態に対して設定しても良い。さらに、特定遊技状態毎に終了条件を異ならせても良い。
さらに、大当たり遊技の後に制御される遊技状態、終了条件の有無、および終了条件の内容は、その大当たり遊技に係る大当たり図柄種別に対応付けることが可能である。例えば、前述のように大当たり図柄種別が設定されている場合、図15(B)に示すように、大当たり図柄A、大当たり図柄B、および大当たり図柄Dに係る大当たり遊技の終了後に高確率高ベース遊技状態で遊技が制御されるようにしても良い。ここで、この高確率高ベース遊技状態については終了条件を設けずに、大当たり当選するまで継続可能にすることができる。さらに、大当たり図柄C、および大当たり図柄Eに係る大当たり遊技の終了後に低確率高ベース遊技状態で遊技が制御されるようにしても良い。ここで、この低確率高ベース遊技状態については終了条件を設け、終了条件として100回の特図可変表示に設定することができる。なお、この大当たり種別図柄と大当たり遊技の後に制御される特定遊技状態、終了条件の有無、および終了条件の内容との関係は一例であって、これに限られない。
また、大当たりの遊技利益に着目し、大当たり遊技後に高確率状態で遊技が進行する大当たりのことを「高確率大当たり」ともいう。さらに、大当たり遊技後に高確率状態且つ時短状態で遊技が進行する大当たりのことを「確変大当たり」ともいう。加えて、大当たり遊技後に通常確率状態且つ時短状態で遊技が進行する大当たりのことを「時短大当たり」ともいう。
4.遊技機による主な演出
次に、パチンコ遊技機PYにより行われる主な演出について、図16~図32を用いて説明する。
4-1.演出モード
最初に、演出モードについて説明する。演出モードは、演出の区分(あるいは、上位概念的な属性)のことである。パチンコ遊技機PYは、演出モードとして、客待ち演出モード、通常演出モードと、確変演出モード、時短演出モードおよび大当たり演出モードを設定することが可能である。
客待ち演出モードは、「低確率低ベース遊技状態」、「低確率高ベース遊技状態」、「高確率低ベース遊技状態」および「高確率高ベース遊技状態」において特図可変表示が行われていないときに設定可能であり、特図可変表示が行われていない待機状態であることを示す演出モードである。客待ち演出モードが設定されているときに客待ち演出が行われる。客待ち演出では、例えば、図16(A)に示すように、表示部50aにおいてパチンコ遊技機PYを紹介する客待ちデモ動画G100が表示される。また、客待ちデモ動画G100が表示されているときに第1演出ボタン40kが操作されると、図16(B)に示すように、パチンコ遊技機PYの演出に関する設定を行うための設定画面G101が表示される。演出に関する設定には、スピーカー52から出力される音の音量設定、表示部50aの輝度設定、および実行される演出の頻度設定などがある。なお、演出に関する設定の項目は適宜に設定することができる。また、客待ちデモ動画G100から遊技者の操作によって設定画面G101が表示されないようにすることもできる。
通常演出モードは、「低確率低ベース遊技状態」において設定可能であり、通常遊技状態であることを示す演出モードである。そして、さらに通常演出モードに属する下位の演出モードを複数設けることができる。例えば、通常演出モードに属する下位の階層の演出モードとして、第1通常演出モード、第2通常演出モード、および第3通常演出モードなどを設けることができる。
なお、以下において、演出モードに属する下位の階層の演出モードを「演出ステージ」ともいう。それに伴って、第1通常演出モードを「第1通常演出ステージ」ともいい、第2通常演出モードを「第2通常演出ステージ」ともいい、第3通常演出モードを「第3通常演出ステージ」ともいう。なお、特段の事情がない場合以外、基本的にはパチンコ遊技機PYの電源が投入された後、最初に特図変動表示が開始されたときに設定される演出モードは第1通常演出ステージ(第1通常演出モード)であるとする。ただし、当該最初に設定される演出モードの種類は特に限定されずに適宜変更しても良い。
このように通常演出モードに属する複数の演出ステージを設けた場合、所定の切替条件が成立すると演出ステージを順番に繰り返して切り替えていくことができる。切替条件は適宜に設定可能であるが、例えば、切替条件として、大当たりに当選することなく所定回数の特図可変演出が行われることに設定することができる。さらに、切替条件として、SPリーチハズレ変動に基づく特図変動演出など、特定の演出が実行されることに設定することもできる。
また、後述するように特図変動演出においてリーチが発生することがあるが、特図変動演出を、リーチが発生しない場合の特図変動演出の全区間、およびリーチが発生する場合のリーチが成立する前の前段部分と、リーチが発生する場合のリーチが成立した後の後段部分と、に分けることができる。なお、前段部分は、前述の「通常変動」で構成される。
そして、第1通常演出ステージの前段部分では、表示部50aにおいて、主に街の景色を表す背景画像(図17(A):第1通常用背景画像G111)が表示される。第2通常演出ステージの前段部分では、表示部50aにおいて、主に野球場のグラウンドを表す背景画像(図17(B):第2通常用背景画像G112)が表示される。第3通常演出ステージの前段部分では、表示部50aにおいて、主に飲食店内を表す背景画像(図17(C):第3通常用背景画像G113)が表示される。一方、第1通常演出ステージ~第3通常演出ステージの後段部分では、第1通常用背景画像G111、第2通常用背景画像G112および第3通常用背景画像G113が表示されず、通常演出モードにおけるリーチの種類に応じた専用の背景画像が表示される。
なお、通常演出モードにおけるリーチの種類に応じた専用の背景画像は、演出ステージの種別に関係なく通常演出モードに共通の背景画像としても良く、また、演出ステージ毎に異なる背景画像としても良い。
また、「高確率低ベース遊技状態」においても通常演出モードを設定可能にし、通常演出モードは非時短状態であることを示す演出モードにしても良い。あるいは「高確率低ベース遊技状態」においてのみ設定され、通常演出モードとは異なる所定の演出モードを設けても良い。さらに、ある条件で発生した低確率低ベース遊技状態、および高確率低ベース遊技状態において、通常演出モードと異なる所定の演出モードを設定しても良い。
確変演出モードは、「高確率高ベース遊技状態」において設定可能であり、高確率高ベース遊技状態であることを示す演出モードである。確変演出モードの前段部分では、例えば、図17(D)に示すように、表示部50aにおいて宇宙を表す背景画像(確変用背景画像G120)が表示され、確変用BGMがスピーカー52から出力される。また、確変演出モードの後段部分では、確変演出モードにおけるリーチの種類に応じた専用の背景画像が表示される。
時短演出モードは、「低確率高ベース遊技状態」または「高確率高ベース遊技状態」において設定可能であり、低確率高ベース遊技状態、または高確率高ベース遊技状態の何れかであり、少なくとも時短状態であることを示す演出モードである。時短演出モードの前段部分では、例えば、図17(E)に示すように、表示部50aにおいて空を表す背景画像(時短用背景画像G130)が表示され、時短用BGMがスピーカー52から出力される。また、時短演出モードの後段部分では、時短演出モードにおけるリーチの種類に応じた専用の背景画像が表示される。
なお、時短演出モードは、低確率高ベース遊技状態においてのみ設定され、低確率高ベース遊技状態であることを示す演出モードにすることもできる。
また、確変演出モードおよび時短演出モードの何れもまたは何れか一方について、通常演出モードと同様に、さらにその演出モード用の演出ステージを複数設け、所定の切替条件が成立すると、演出ステージが切り替わるようにしても良い。
大当たり演出モードは、「大当たり遊技状態」において大当たり遊技が行われているときに設定可能な演出モードであり、大当たり遊技が行われていることを示す演出モードである。大当たり演出モードでは、例えば、大当たり遊技におけるオープニング中に、図18(A)に示すように、表示部50aにおいて、大当たり遊技の開始を示唆するオープニング画像G1や「右打ち」を促す右打ち画像G2が表示される大当たりオープニング演出が行われる。加えて、オープニング中には、大当たりオープニング演出として、表示部50aにおいて、オープニング画像G1や右打ち画像G2の背景で、大当たり遊技の種別に応じた背景画像(オープニング用背景画像G200)が表示される。
また、大当たり演出モードでは、大当たり遊技におけるラウンド遊技中に、図18(B)に示すように、表示部50aにおいて、右打ち画像G2がオープニングから引き続いて表示されると共に、ラウンド数を示すラウンド画像G3や払い出された賞球数を示唆する賞球数画像G4が表示されるラウンド演出が行われる。加えて、ラウンド遊技中には、ラウンド演出として、表示部50aにおいて、右打ち画像G2、ラウンド画像G3、および賞球数画像G4の背景で、大当たり遊技の種別に応じた背景画像(ラウンド用背景画像G201)が表示されると共に、スピーカー52から大当たり遊技の種別に応じたBGMが出力される。
さらに、大当たり遊技におけるエンディング中には、図18(C)に示すように、表示部50aにおいて、大当たり遊技後に設定される演出モードを示唆するエンディング画像G5や払い出された総賞球数を示唆する総賞球数画像G6が表示される大当たりエンディング演出が行われる。加えて、エンディング中には、大当たりエンディング演出として、表示部50aにおいて、エンディング画像G5や総賞球数画像G6の背景で、大当たり遊技の種別に応じた背景画像(エンディング用背景画像G202)が表示される。
なお、以下において、大当たりオープニング演出、ラウンド演出、および大当たりエンディング演出を合わせて、大当たり遊技において実行される演出として「大当たり遊技演出」ともいう。すなわち、大当たり演出モードにおいて大当たり遊技演出が行われる。
4-2.特図変動演出
次に、特図変動演出について説明する。パチンコ遊技機PYは、特図の可変表示が開始されると、特図の可変表示に係る特図変動パターンおよび特図抽選結果(大当たり判定結果、大当たり図柄種別判定結果、リーチ判定結果、および、特図変動パターン判定結果)などに基づいて、特図変動演出を実行する。
特図変動演出では、表示部50aにおいて、所定の背景画像に重畳的に、演出図柄の変動表示が行われる。演出図柄の変動表示では、演出図柄が変動した後に停止する。すなわち、特図変動時間、演出図柄の変動表示が行われた後に、当該変動が停止して、演出図柄の停止表示が行われる。そして、基本的には、演出図柄の停止表示によって特図抽選の結果が報知される。
なお、表示部50aで行われる特図変動演出では、演出図柄の変動表示以外の画像を用いることも可能である。さらに、表示部50aを含む画像表示装置50以外に、スピーカー52、枠ランプ53、盤可動装置55、第1演出ボタン装置40、および第2演出ボタン装置41などの様々な演出装置を用いた特図変動演出を行うことが可能である。
次に、特図可変表示に応じて実行される特図変動演出において、表示部50aに表示される演出図柄について説明する。演出図柄は、特図抽選結果を示すための識別情報でもあり、複数種類設けられている。詳細には、演出図柄の構成要素の1つが、特図抽選結果を示すための識別情報を構成し、その識別情報の違いによって演出図柄が複数種類設けられている。
例えば、図19(A)に示すように、演出図柄を1~9の数字で構成させ、9つの演出図柄を設けることができる。そして、数字「1」を含む演出図柄を演出図柄G10aとする。同様に、数字「2」~数字「9」を含む演出図柄を演出図柄G10b~演出図柄G10eとする。なお、便宜上、個々の演出図柄を区別なく取り扱う場合は、「演出図柄G10」と総称する。
また、「3」、および「7」に係る演出図柄G10c、G10gの数字部分は赤色であり、「1」、「2」、「4」、「5」、「6」、「8」、および「9」の演出図柄G10a、G10b、G10d、G10e、G10f、G10h、G10iの数字部分は青色である。すなわち、演出図柄G10の構成要素に、色が含まれている。なお、演出図柄G10の構成や識別情報を何に設定するかは適宜に変更しても良い。例えば、演出図柄G10に、各数字に対応付けられたキャラクタなどの他の構成要素を加えても良い。
続いて、演出図柄G10を表示するための演出図柄表示領域について説明する。例えば、図19(B)に示すように、表示部50aを水平方向に略均等に3つに分けた左側、中央および右側を、左演出図柄領域50b1、中演出図柄領域50b2、および右演出図柄領域50b3とすることができる。左演出図柄領域50b1、中演出図柄領域50b2、および右演出図柄領域50b3の何れにも演出図柄G10が表示される。
そして、主に、特図変動演出の前段部分において、左演出図柄領域50b1に表示される演出図柄G10を「左演出図柄EZ1」と総称し、中演出図柄領域50b2に表示される演出図柄G10を「中演出図柄EZ2」と総称し、および右演出図柄領域50b3に表示される演出図柄G10を「右演出図柄EZ3」と総称する。すなわち、左演出図柄領域50b1、中演出図柄領域50b2、および右演出図柄領域50b3において、共通して、数字の1~9からなる演出図柄G10が表示されるが、相対的な表示位置で演出図柄G10を区別する場合には、左演出図柄EZ1、中演出図柄EZ2、および右演出図柄EZ3と表記する。
なお、後述するように、特図変動演出において、演出図柄EZ1~EZ3の変動表示が行われるが、最終的には、特図抽選結果(大当たり判定結果、大当たり図柄種別、リーチ判定結果)を示す態様で演出図柄EZ1~EZ3の停止表示が行われる。そして、特図抽選結果として大当たりを報知する場合には、同じ数字の演出図柄G10が3つ横に並ぶように(所謂「ゾロ目」で)、演出図柄EZ1~EZ3が停止表示する。そこで、以下において、大当たりを報知する場合に停止表示している演出図柄EZ1~EZ3を構成する同一の数字からなる演出図柄G10のことを「大当たり演出図柄」と称する。例えば、演出図柄EZ1~EZ3が「7・7・7」と停止表示する場合、大当たり演出図柄は「演出図柄G10g」となり、「9・9・9」と停止表示する場合、大当たり演出図柄は「演出図柄G10i」となる。また、さらに、大当たり演出図柄について、演出図柄に含まれる数字で略称することもある。例えば、大当たり演出図柄が「演出図柄G10g」であれば大当たり演出図柄は「7」となり、大当たり演出図柄が「演出図柄G10i」であれば大当たり演出図柄は「9」となる。また、後述するように、特図変動演出において、特図抽選結果が完全に示されるのは、演出図柄EZ1~EZ3が確定的に停止表示するときである。しかしながら、基本的には、特図変動演出の途中で、演出図柄EZ1~EZ3が確定的に停止表示する前に、演出図柄EZ1~EZ3が暫定的に停止表示(仮停止表示)する。これは、一度暫定的に停止表示された演出図柄EZ1~EZ3の内容が変更することもあるからである。例えば、ある(相対的に遊技者に不利な)大当たりを示す態様で演出図柄EZ1~EZ3が暫定的に停止表示した後に、別の(相対的に遊技者に有利な)大当たりを示す態様に変更されることがある。そこで、このように最初に大当たりを示す態様で演出図柄EZ1~EZ3が暫定的に停止表示する場合(変更される前)の演出図柄EZ1~EZ3を構成する同一の数字からなる演出図柄G10のことについても「大当たり演出図柄」と称する。
また、特図変動演出において、演出図柄EZ1~EZ3の変動表示が行われるが、演出図柄EZ1~EZ3の変動表示の途中で、左演出図柄EZ1および右演出図柄EZ3が同じ数字の演出図柄G10で暫定的に停止表示(仮停止表示)するリーチを行うことがある。後述するように、リーチは、大当たり遊技状態になる可能性があることを示唆する演出であり、リーチが行われたことによって大当たりに対してチャンスアップしたことになる。そこで、リーチに係る左演出図柄EZ1および右演出図柄EZ3を構成する同一の数字からなる演出図柄G10のことを「リーチ演出図柄」と称する。例えば、左演出図柄EZ1および右演出図柄EZ3が「1」の演出図柄G10aで仮停止表示する場合、リーチ演出図柄は「演出図柄G10a」となり、「3」の演出図柄G10aで仮停止表示する場合、リーチ演出図柄は「演出図柄G10c」となる。また、さらに、リーチ演出図柄について、演出図柄に含まれる数字で略称することもある。例えば、リーチ演出図柄が「演出図柄G10a」であればリーチ演出図柄を「1」と略称し、リーチ演出図柄が「演出図柄G10c」であればリーチ演出図柄を「3」と略称する。
また、図19(B)に示すように、表示部50aの下端部の左端(左下隅)の一区画に、小図柄を可変表示する小図柄領域50cを設けることが可能である。小図柄領域50cにおいて、特図の可変表示に応じて小図柄を可変表示させることができる。なお、小図柄のデザインは適宜に設定可能であるが、例えば、演出図柄G10の数字部分をそのまま縮小させて構成させることができる。
なお、図19(B)において、左演出図柄領域50b1、中演出図柄領域50b2、右演出図柄領域50b3、および小図柄領域50cは一点鎖線で明示されているが、これは左演出図柄領域50b1、中演出図柄領域50b2、右演出図柄領域50b3、および小図柄領域50cの範囲を表すために記載したものであり、実際には表示されていない。
また、前述したように、特図変動演出の演出フローを構成する演出として、通常変動、Nリーチ、Lリーチ、SPリーチ、およびバトル演出がある。ここで、これらの一部について説明する。
4-2-1.通常変動
パチンコ遊技機PYは、特図変動演出において、先ず通常変動を行うことが可能である。通常変動は、特図の可変表示が開始されたことを示唆する演出として機能する。次に、通常変動を具体的に説明する。なお、小図柄として、左演出図柄EZ1、中演出図柄EZ2、および右演出図柄EZ3に対応する左小図柄KZ1、中小図柄KZ2、および右小図柄KZ3が小図柄領域50cで可変表示する。
例えば、図20(A)に示すように、表示部50aにおいて、左演出図柄EZ1、中演出図柄EZ2および右演出図柄EZ3が停止表示されていると共に、左小図柄KZ1、中小図柄KZ2および右小図柄KZ3が停止表示されており、特図の可変表示が行われておらず、特図の可変表示を待機している状態から、特図の可変表示が開始されると、図20(B)に示すように、その開始に伴って特図変動演出が開始される。具体的には、演出図柄EZ1~EZ3の変動表示が開始されると共に、左小図柄KZ1、中小図柄KZ2および右小図柄KZ3の変動表示が開始される。
演出図柄EZ1~EZ3の変動表示の表示態様と、小図柄KZ1~KZ3の変動表示の表示態様とを異ならせることができる。例えば、演出図柄EZ1~EZ3の変動表示は、各演出図柄EZ1~EZ3が表示部50aの上から下にスクロール表示して行い、小図柄KZ1~KZ3の変動表示は、各小図柄KZ1~KZ3を定位置で次々に入れ替えて行うようにしても良い。なお、演出図柄EZ1~EZ3の変動表示の表示態様と、小図柄KZ1~KZ3の変動表示の表示態様とを同一にしても良い。
また、演出図柄EZ1~EZ3および小図柄KZ1~KZ3は変動表示の開始直後から高速で変動表示する。演出図柄EZ1~EZ3および小図柄KZ1~KZ3が高速で変動表示されている間は、演出図柄EZ1~EZ3および小図柄KZ1~KZ3は、基本的に背景画像G111~G114などのその背景側の画像が視認容易な透明性を持って表示される。
そして、この特図の可変表示の特図変動パターンがリーチ無しハズレの特図変動パターン(例えば、通常ハズレ変動)であると、リーチが発生することなく、特図の可変表示の終了(特図の停止表示)に伴って、リーチ無しハズレに特有なハズレ目(所謂「バラケ目」)で演出図柄EZ1~EZ3および小図柄KZ1~KZ3の停止表示が行われる。
演出図柄EZ1~EZ3の停止表示に向けて、例えば、最初に図20(C)に示すように、左演出図柄EZ1が上下方向略中央位置で暫定的に停止(仮停止)し、次に図20(D)に示すように、右演出図柄EZ3が上下方向略中央位置で暫定的に停止(仮停止)し、さらに、図20(E)に示すように、中演出図柄EZ2が上下方向略中央位置で暫定的に停止(仮停止)する。
そして、最後に、上下方向略中央位置で水平方向に並んだ状態で暫定的に停止(仮停止)している演出図柄EZ1~EZ3が、図20(F)に示すように、そのまま一斉に完全に停止し、停止が確定する(演出図柄EZ1~EZ3の停止表示が行われる)。暫定的に停止(仮停止)していた演出図柄EZ1~EZ3がバラケ目で完全に停止するとき、すなわち、演出図柄EZ1~EZ3の確定的な停止表示が行われるとき、3つの小図柄KZ1~KZ3が、演出図柄EZ1~EZ3と同一のバラケ目で一斉に停止し、小図柄KZ1~KZ3の停止表示も行われる。
なお、演出図柄EZ1~EZ3が暫定的に停止するとは、演出図柄EZ1~EZ3がスクロール表示のように場所を大きく移動することはなく、その場で微かに揺れたり小さく往復運動したりすることをいう。よって、厳密には、演出図柄EZ1~EZ3が暫定的に停止表示している状態と、演出図柄EZ1~EZ3が確定的に停止表示している状態とは異なるが、この暫定的な停止表示と確定的な停止表示を広義に「停止表示」と称することもある。また、図20の例では、演出図柄EZ1~EZ3の停止表示が行われる際に、左演出図柄EZ1→右演出図柄EZ3→中演出図柄EZ2の順で演出図柄が停止したが、停止する順序(方法)はこれに限られず、適宜に設定することができる。
4-2-2.リーチ
次に、リーチの成立について説明する。特図の可変表示の特図変動パターンがリーチ有りハズレの特図変動パターン(例えば、Nハズレ変動)である場合も、基本的には前述のリーチ無しの場合と同様に、表示部50aにおいて、図21(A)に示すように、演出図柄EZ1~EZ3が確定的に停止表示されていると共に、小図柄KZ1~KZ3が停止表示されている状態から、特図の可変表示が開始されて、図21(B)に示すように、演出図柄EZ1~EZ3の変動表示が開始すると共に、小図柄KZ1~KZ3の変動表示が開始する。
その後、所定時間が経過した後に、図21(C)に示すように、数字「5」に係る左演出図柄EZ1が上下方向略中央位置で暫定的に停止(仮停止)し、次に、図21(D)に示すように、同一の数字「5」に係る右演出図柄EZ3が上下方向略中央位置で水平方向に並んで暫定的に停止(仮停止)して、リーチが成立する。リーチが成立したときには、リーチが成立したことを示す画像(リーチ成立示唆画像)G11が表示される。なお、左演出図柄EZ1、および右演出図柄EZ3でリーチが成立しても、小図柄KZ1~KZ3の変動表示は継続して行われている。
さらに、図21の例では、リーチが成立する際に、左演出図柄EZ1→右演出図柄EZ3の順で演出図柄が暫定的に停止(仮停止)したが、仮停止する順序(方法)はこれに限られず、適宜に設定することができる。また、リーチを構成する演出図柄の数字も「5」に限られない。また、暫定的に停止(仮停止)する位置も上下方向略中央位置に限られない。また、リーチを構成する演出図柄が並ぶ方向も水平方向に限られず斜め方向など他の方向であってもよい。
このように、リーチ無しハズレである場合の特図変動演出の全期間と、リーチが発生する場合の特図変動演出の開始時からリーチ成立時までの区間を通常変動とすることができる。ただし、リーチが成立するまでの時間は、特図変動パターンなどに基づいて適宜に設定することができる。さらに、リーチが成立するまでの間に、所謂「疑似連」や、カットイン予告、台詞予告などの種々の予告演出を実行することも可能である。あるいは、リーチが成立するまでの間に、所謂「ゾーン」に突入するようにすることも可能である。
4-2-3.Nリーチ
パチンコ遊技機PYは、通常変動の後にリーチが成立するとNリーチを行うことが可能である。Nリーチは、特図抽選の抽選結果が「大当たり」であった可能性があることを示唆する演出であり、遊技者に大当たりを期待させるための演出として機能する。次に、Nリーチを具体的に説明する。
リーチが成立すると、例えば、図21(D)に示すように、その時点からNリーチが行われる。Nリーチでは、図22(A)に示すように、リーチが成立したときの状態が所定時間(例えば、10秒)維持される。Nリーチが開始されると、図22(B)に示すように、通常態様の高速で変動表示(スクロール)をしている中演出図柄EZ2が徐々に減速していく。
特図の可変表示の特図変動パターンがリーチ有りハズレの特図変動パターン(例えば、Nハズレ変動)であると、リーチが成立した状態から、中演出図柄EZ2が上下方向略中央位置で暫定的に停止(仮停止)してハズレを示す演出図柄の停止表示が行われる。このとき、リーチが成立しているので、図22(C-1)に示すように、リーチを構成する数字とは異なる数字(図22(C-1)において「4」)からなる中演出図柄EZ2が仮停止する。そして、特図の可変表示の終了(特図の停止表示)に伴って、図22(D)に示すように、仮停止状態が完全な停止状態になり、リーチ有りハズレに特有なハズレ目で左演出図柄EZ1、中演出図柄EZ2および右演出図柄EZ3の停止表示が行われる。
また、暫定的に停止(仮停止)していた演出図柄EZ1~EZ3がリーチ有りハズレに特有なハズレ目で完全に停止するとき、すなわち、演出図柄EZ1~EZ3の停止表示が行われるとき、3つの小図柄KZ1~KZ3が、演出図柄EZ1~EZ3と同一のリーチ有りハズレに特有なハズレ目で一斉に停止し、小図柄KZ1~KZ3の停止表示も行われる。なお、Nリーチの内容は、適宜に変更または追加することが可能である。
Nリーチで特図変動演出が終了しない場合、図22(C-2)に示すように、リーチが維持されたまま停止していない残りの1つの中演出図柄EZ2が再び高速で変動し、図22(D-2)に示すように、演出上の発展を示唆するホワイトアウトを介してNリーチからLリーチまたはSPリーチに発展する(切り替わる)ことがある。
4-2-4.Lリーチ
パチンコ遊技機PYは、Nリーチの後にLリーチを行うことが可能である。Lリーチは、特図抽選の結果が「大当たり」である可能性が、Nリーチよりも高いことを示唆する演出であり、遊技者に大当たりを期待させるための演出として機能する。なお、Lリーチでも、成立したリーチが維持されるが、例えば、図23(A)に示すように、Lリーチの開始時に、当該リーチを構成する演出図柄EZ1、EZ3が縮小されると共に、表示部50aにおける小図柄領域50cに重複しない所定位置(例えば、左演出図柄EZ1は表示部50aの左上で、右演出図柄EZ3は表示部50aの右上)に移動する。
また、Lリーチの開始時に、例えば、図23(A)に示すように、表示部50aにLリーチ専用の背景画像(Lリーチ用背景画像G114)が表示される。Lリーチ用背景画像G114は、所定のスーリーが展開する動画で構成されている。Lリーチ用背景画像G114に係る動画のストーリーの内容は適宜に設定可能であるが、基本的な実施形態では、主人公キャラクタが女の子に告白するという内容で構成されている。
Lリーチ用背景画像G114が表示されると、最初に、図23(A)に示すように、主人公キャラクタがある待ち合わせ場所で女の子を待っているシーンから開始される。続いて、図23(B)に示すように、待ち合わせ場所に女の子が現れる。このとき、表示部50aの略中央にて、中演出図柄EZ2として、リーチを構成している数字「5」の演出図柄と、リーチを構成していない数字「4」の演出図柄と、が現れて、奥側から手前側に出てきてはまた奥側へ戻るようにゆっくりと回転する。
数字「4」の演出図柄と数字「5」の演出図柄の回転が継続して行われている中、Lリーチ用背景画像G114に係るスーリーが進展する。そして、図23(C)に示すように、主人公キャラクタが女の子に告白するシーンを迎える。このとき、表示部50aの略中央にて、リーチを構成している数字「5」の演出図柄と、リーチを構成していない数字「4」の演出図柄と、が相互に相手を弾き飛ばそうとぶつかり合う。数字「5」の演出図柄はリーチを構成し、数字「4」の演出図柄はリーチを構成していないことから、数字「4」の演出図柄が弾き飛ばされて数字「5」の演出図柄が残ると、大当たりを示す態様の演出図柄EZ1~EZ3の停止表示が成立する一方、数字「5」の演出図柄が弾き飛ばされて数字「4」の演出図柄が残ると、リーチハズレを示す態様の演出図柄EZ1~EZ3の停止表示が成立する。よって、この図23(C)の場面は、当該Lリーチの最終局面であり、大当たりを示唆する演出(大当たり示唆演出)が実行されるかハズレを示唆する演出(ハズレ示唆演出)が実行されるかに分岐する分岐点(所謂「当落分岐点」)を構成している。
当落分岐点において、特図の可変表示の特図変動パターンが大当たり変動(L大当たり変動)であると、図24(A-1)に示すように、表示部50aに、笑顔の女の子がアップで表示された後、図24(B-1)に示すように、告白に成功して喜んでいる主人公キャラクタが表示されると共に、スピーカー52から所定の効果音が出力される。このとき、リーチを構成している数字「5」の左演出図柄EZ1および右演出図柄EZ3と共に、そのリーチを構成している数字「5」の中演出図柄EZ2が表示部50aの中央に仮停止態様で表示される。すなわち、演出図柄EZ1~EZ3が大当たりを示す態様で仮停止表示している。
告白に成功して喜んでいる主人公キャラクタの表示と、所定の効果音の出力とは、大当たり示唆演出を構成する。大当たり示唆演出の後は、図24(C-1)に示すように、大当たりを示す態様で演出図柄EZ1~EZ3および小図柄KZ1~KZ3の停止表示が行われる。
一方、当落分岐点後、特図の可変表示の特図変動パターンがリーチ有りハズレ変動(Lハズレ変動)であると、大当たり示唆演出が行われることなく、Lリーチ用背景画像G114にて、図24(A-2)に示すように、表示部50aに、悲しい表情をした女の子がアップで表示された後、図24(B-2)に示すように、告白に失敗して落胆している主人公キャラクタが表示される。このとき、リーチを構成している数字「5」の左演出図柄EZ1および右演出図柄EZ3と共に、リーチを構成していない数字「5」の中演出図柄EZ2が表示部50aの中央に仮停止態様で表示される。すなわち、演出図柄EZ1~EZ3がリーチハズレを示す態様で仮停止表示している。
告白に失敗して落胆している主人公キャラクタの表示は、ハズレ示唆演出を構成する。ハズレ示唆演出の後は、図24(C-2)に示すように、リーチ用のハズレ目で演出図柄EZ1~EZ3および小図柄KZ1~KZ3の停止表示が行われる。
4-2-5.SPリーチ
また、パチンコ遊技機PYは、Nリーチの後にSPリーチを行うことが可能である。SPリーチは、特図抽選の結果が「大当たり」である可能性が、Lリーチよりも高いことを示唆する演出であり、遊技者に大当たりを期待させるための演出として機能する。なお、SPリーチでも、成立したリーチが維持されるが、例えば、図25(A)に示すように、SPリーチの開始時に、当該リーチを構成する演出図柄EZ1、EZ3が縮小されると共に、表示部50aにおける小図柄領域50cに重複しない所定位置(例えば、左演出図柄EZ1は表示部50aの左上で、右演出図柄EZ3は表示部50aの右上)に移動する。
また、SPリーチの開始時に、例えば、図25(A)に示すように、表示部50aにSPリーチ専用の背景画像(SPリーチ用背景画像G115)が表示される。SPリーチ用背景画像G115は、所定のスーリーが展開する動画で構成されている。SPリーチ用背景画像G115に係る動画のストーリーの内容は適宜に設定可能であるが、基本的な実施形態では、主人公キャラクタと、主人公キャラクタのライバルである敵キャラクタとが対決するという内容で構成されている。なお、主人公キャラクタは野球のピッチャーであり、敵キャラクタは野球のバッターであり、両者は野球の試合においてピッチャーとバッターの立場で対決する。
SPリーチ用背景画像G115が表示されると、最初に、図25(A)に示すように、敵キャラクタが出現し、続いて、図25(B)に示すように、表示部50aの中央にSPリーチが開始されたことを表す画像(SPリーチ開始タイトル画像)G11が表示される。SPリーチ開始タイトル画像G11は、SPリーチのタイトルを表すタイトル画像G11a「図25(B)において「敵バッター○○を打ち取れ!!」」と、タイトル画像G11aを引き立てるエフェクト画像G11bとで構成される。
次に、図25(C)に示すように、主人公キャラクタと敵キャラクタが対峙しているシーンが表示される。その後、SPリーチ用背景画像G115にて、図26(A)に示すように、主人公キャラクタがボールを投げ、図26(B)に示すように、ボールが敵キャラクタに向かって進み、図26(C)に示すように、敵キャラクタがバットを振り始める。続いて、図26(D)に示すように、ボールとバットとが接近し、主人公キャラクタと敵キャラクタとの対決に決着がつこうとする場面を迎える。この場面は、ピッチャーとバッターの対決で主人公キャラクタが勝利して大当たりが示唆されるか敗北してハズレが示唆されるかの分岐点(当落分岐点)を構成する。
この当落分岐点後、特図の可変表示の特図変動パターンが大当たり変動(SP大当たり変動)であると、図27(A-1)に示すように、表示部50aに、敵キャラクタが空振りをして対決に勝利した後、図27(B-1)に示すように、敵キャラクタを三振に取ってマウンド上で雄叫びを上げる主人公キャラクタが表示されると共に、スピーカー52から所定の効果音が出力される。このとき、演出図柄EZ1~EZ3は大当たりを示す態様で仮停止表示している。
対決に勝利して雄叫びを上げている主人公キャラクタの表示と、所定の効果音の出力とが、大当たり示唆演出を構成する。大当たり示唆演出の後は、図27(C-1)に示すように、大当たりを示す態様で演出図柄EZ1~EZ3および小図柄KZ1~KZ3の停止表示が行われる。
一方、当落分岐点後、特図の可変表示の特図変動パターンがリーチハズレ変動(SPハズレ変動)であると、大当たり示唆演出が行われることなく、SPリーチ用背景画像G115にて、図27(A-2)に示すように、敵キャラクタがホームランを打って対決に敗北し、図27(B-2)に示すように、主人公キャラクタがマウンド上で落胆する。このとき、演出図柄EZ1~EZ3はリーチハズレを示す態様で仮停止表示している。
対決に敗北して落胆している主人公キャラクタの表示が、ハズレ示唆演出を構成する。ハズレ示唆演出の後は、図27(C-2)に示すように、リーチ用のハズレ目で演出図柄EZ1~EZ3および小図柄KZ1~KZ3の停止表示が行われる。
次に、特図変動演出において行われる可動体演出と操作演出について説明する。可動体演出と操作演出は、前述のSPリーチ、Lリーチ、およびNリーチ、さらには大当たり遊技演出などに組み込まれる形でこれらの演出の一部として行われる場合と、これらの演出とは独立して行われる場合とがある。最初に可動体演出について説明する。
4-3.可動体演出
パチンコ遊技機PYは、特図変動演出や大当たり遊技演出などの所定の演出における所定のタイミングで可動体の動作を伴う可動体演出を行うことが可能である。可動体演出は、例えば盤可動装置55などの可動装置を用いた演出であり、大当たり期待度やSPリーチへの発展を示唆する演出として機能する。
例えば、可動体演出がSPリーチへの発展を示唆する演出として機能する場合、図28(A)に示すように、特図変動演出において、NリーチからSPリーチに発展する際に、まずは図28(B)に示すように、盤可動装置55が作動し、盤可動体55kが正面視で作動位置まで下降し、所定時間その位置で保持される。さらに、このとき、表示部50aの全体に、盤可動体55kの動作に伴うエフェクト画像G13も表示される。そして、図28(C)に示すように、エフェクト画像G13が消去され、盤可動体55kが待機位置まで上昇して、盤可動装置55が通常の待機状態に戻る。盤可動装置55が通常の待機状態に戻ると、SPリーチに発展する。なお、可動体演出における可動装置の作動内容は、適宜に変更または追加することが可能である。
4-4.操作演出
次に操作演出について説明する。パチンコ遊技機PYは、特図変動演出や大当たり遊技演出などの所定の演出における所定のタイミングで、操作促進演出、および第1演出ボタン40kや第2演出ボタン41k等の操作に応じた操作結果演出を含む操作演出を行うことが可能である。操作促進演出は、遊技者に操作手段の操作を促す演出であり、操作結果演出は、操作促進演出における操作手段の操作に応じて行われる演出であり、それぞれ遊技者に大当たりを期待させるための演出として機能する。
例えば、前述のように、LリーチやSPリーチにおいて当落分岐点に達すると、第1演出ボタン40kの押下操作が有効な期間(操作有効期間)が発生し、この操作有効期間の発生に伴って、図29(A)に示すように、第1演出ボタン40kの操作を促す演出(操作促進演出)が行われる。
操作促進演出において、表示部50aに、第1演出ボタン操作促進演出画像G12が表示される。第1演出ボタン操作促進演出画像G12は、操作対象である第1演出ボタン40kを表す画像(操作対象画像)G12aと、第1演出ボタン40kの操作態様(すなわち、押下操作)を表す画像(押下操作画像)G12bと、第1演出ボタン40kの操作に係る操作有効期間(操作有効期間)の残り時間を表す画像(操作有効期間残り時間画像)G12cと、を含む。
なお、操作有効期間残り時間画像G12cは、おおむね曲線状のプログレスバーからなり、時間の経過に伴って、遊技者が操作有効期間の残り時間を容易に理解できるように変化する。なお、図29(B)は、操作有効期間が発生して、操作有効時間の1/3の時間が経過した様子を表している。
そして、特図の可変表示の特図変動パターンが大当たり変動(SP大当たり変動)であると、操作有効期間において第1演出ボタン40kが押下操作された後、または、操作有効期間において第1演出ボタン40kが操作されることなく操作有効期間の残り時間がなくなった後、操作結果演出が行われる。
操作結果演出としては、例えば図29(C)に示すように、盤可動装置55が作動して、盤可動体55kが作動位置まで下降し、所定時間その位置で保持されると共に、回転部材55k1が所定時間回転する。このように、操作結果演出に可動体演出も含まれている。さらに、このとき、操作結果演出として、表示部50aの全体に、盤可動体55kの動作に伴うエフェクト画像G13が表示される。そして、図29(D)に示すように、エフェクト画像G13が消去され、回転部材55k1の回転が止まり、盤可動体55kが上昇することによって操作結果演出が終了する。操作結果演出が終了すると大当たり示唆演出が行われる。
一方、特図の可変表示の特図変動パターンがリーチハズレ変動(SPハズレ変動)であると、操作有効期間において第1演出ボタン40kが押下操作されても、または、第1演出ボタン40kが押下操作されることなく演出ボタン操作有効期間の残り時間がなくなっても、操作結果演出が行われることがなく、ハズレ示唆演出が行われる。
なお、操作結果演出は、盤可動装置55の作動やエフェクト画像G13の表示に限られず、適宜に変更または追加することが可能である。また、操作演出は特図変動演出に限られず大当たり演出においても実行可能である。
4-5.先読み演出
次に、特図保留の対象となる特図可変表示が実行される前に実行可能な先読み演出について説明する。パチンコ遊技機PYは、特図変動演出の任意のタイミングで、先読み判定の結果に基づいて、大当たり判定が行われていない特図1保留または特図2保留に対する先読み演出を行うことが可能である。先読み演出は、特図1保留または特図2保留に対する大当たり期待度を示唆する演出であり、その保留に対応する特図の可変表示の前から大当たりを期待させる演出として機能する。先読み演出の一例として、特図保留を表す保留演出を用いた保留変化予告がある。ここで、通常演出モードにおいて行われる保留演出、および保留変化予告について説明する。
保留演出は、図30(A)に示すように、表示部50aの下端部における略中央の一区画において横長矩形状に形成された保留表示領域50dにおいて行われる。保留表示領域50dは、保留表示領域50dを左右方向に略均等に4つに分割した第1領域50d1、第2領域50d2、第3領域50d3、および、第4領域50d4で構成されている。すなわち、保留表示領域50dにおいて、第1領域50d1~第4領域50d4が左端から右端に向けて順に並んで設けられている。
第1領域50d1には、保留されている特図1保留の中で最も先に発生し、その特図1保留に対応する特図1関係乱数に基づいて最も先に特図1可変表示が行われる特図1保留を表す保留アイコンが表示される。同様に、第2領域50d2~第4領域50d4には、保留されている特図1保留の中で2~4番目に発生し、その特図1保留に対応する特図1関係乱数に基づいて2~4番目に特図1可変表示が行われる特図1保留を表す保留アイコンが表示される。
なお、以下において、第1領域50d1に表示される保留アイコンに対応する特図1保留のことを「保留順1の特図1保留」と称する。同様に、第2領域50d2、第3領域50d3、および第4領域50d4に表示される保留アイコンに対応する特図1保留のことを「保留順2の特図1保留」、「保留順3の特図1保留」、および「保留順4の特図1保留」と称する。すなわち、存在している特図1保留について、発生した順に「保留順1」~「保留順4」と称する。
また、保留表示領域50dの左隣には、当該表示領域50eが形成されている。当該表示領域50eには、現在実行中の特図1変動表示を表す当該アイコンが表示される。よって、当該表示領域50eに表示される当該アイコンが示す対象は、保留表示領域50dに表示される保留アイコンが示す対象と異なり、厳密には、特図1保留に応じた「保留演出」には含まれないが、保留アイコンの表示と当該アイコンの表示とは関連性を有しているので、以下においては、保留アイコンの表示と当該アイコンの表示とをまとめて、「保留演出」とする。また、保留アイコンと当該アイコンとをまとめて、「アイコン」と称する。さらに、当該アイコンが示す実行中の特図1変動表示を「当該変動」とも称する。
なお、図30(A)において保留表示領域50dおよび当該表示領域50eは一点鎖線で明示され、第1領域50d1~第4領域50d4は破線で明示されているが、これは保留表示領域50d、第1領域50d1~第4領域50d4、および当該表示領域50eの範囲を表すために記載したものであり、実際には表示されていない。
次に、保留演出の具体例について説明する。なお、以降の説明では、小図柄KZ1~KZ3の可変表示は省略する。前提として、特図1変動表示中(特図変動演出中)であり、特図1保留数(U1)が「2」であるとする。この状況下において、図30(B)に示すように、前述した不図示の第1領域50d1において、現在保留されている特図1保留の中で最も先に発生した特図1保留(保留順1の特図1保留)を表した保留アイコンHA2が表示され、前述した不図示の第2領域50d2において、保留アイコンHA2が表す特図1保留の次に発生した特図1保留(保留順2の特図1保留)を表した保留アイコンHA3が表示されている。また、前述した不図示の当該表示領域50eには、現在実行中の特図1変動表示を表す当該アイコンHA1が表示されている。なお、図30(B)で表示されているアイコンHA1~HA3の表示態様は通常態様である。
このように、保留演出においては、特図1保留が発生した順に保留表示領域50dの左端から右に並んで表示される。すなわち、保留されている特別図柄の可変表示、言い換えれば、特図保留記憶部105に記憶されている特図関連判定情報に基づく未実行の特別図柄の可変表示は、個別に保留アイコンで表示される。
そして、図30(C)に示すように、演出図柄EZ1~EZ3の停止表示が行われると、その直前まで実行中の特図変動表示を表していた当該アイコンHA1が消去される。続けて、保留アイコンHA2を表す特図1保留に基づいて特別図柄の可変表示(特図変動演出)が開始されると、保留アイコンHA2と保留アイコンHA3がシフトする。具体的には、不図示の第1領域50d1に表示されていた保留アイコンHA2は不図示の当該表示領域50eに移動し、不図示の第2領域50d2に表示されていた保留アイコンHA3は不図示の第1領域50d1に移動する。すなわち、表示されていた保留アイコンHA2および保留アイコンHA3がそれぞれ1つずつ左にシフトする。これは、保留アイコンHA2に対応する特別図柄の可変表示が開始され、保留アイコンHA3が表す特図1保留が、現在保留されている特図1保留の中で最も先に発生した特図1保留になり、次に開始される特図可変表示になったことに応じて、保留アイコンHA2および保留アイコンHA3をその状況に適応させるためである。
また、当該表示領域50eに表示されている保留アイコンHA2は、実行中の特図1変動表示を表しているので、当該表示領域50eに表示される際に当該アイコンHA2となる。すなわち、「アイコン」の前に付く言葉として、保留表示領域50dに表示されているアイコンについては「保留」とし、当該表示領域50eに表示されているアイコンについては「当該」とする。換言すれば、保留アイコンが表示されているときに、該保留アイコンが示す特図保留に対して特別図柄の変動表示の開始条件が成立すると、該開始条件の成立に係る特別図柄の変動表示に対応する保留アイコンが当該アイコンとして表示される。
なお、保留アイコンから当該アイコンになる際に、言い換えると、アイコンは保留表示領域50dから当該表示領域50eに移動する際に、アイコンの大きさが同一のままでも拡大されても良い。図30(C)では、アイコンは保留表示領域50dから当該表示領域50eに移動する際に約2倍に拡大している。
そして、この状況から第1始動口11に遊技球が入賞して、特図1保留が発生すると、図30(E)に示すように、当該特図1保留の発生に応じて、新たな保留アイコンHA4が前述した不図示の第2領域50d2に表示される。
このように、第1始動口11に入賞して特図1関係乱数が取得されると、1つの共通したアイコンが表示される。このアイコンは、当該入賞に基づく特図1可変表示が終了すると消去されるが、表示されている間は、当該特図1可変表示の置かれている状態(保留の状態および実行中の状態)に応じて、異なる名称(保留アイコンおよび当該アイコン)で存在していることになる。
ところで、前述のとおり、始動入賞コマンドには当否情報および特図変動パターン情報が含まれている。そして、パチンコ遊技機PYは、この当否情報および特図変動パターン情報に基づいて、保留アイコンを通常態様、または特別態様で表示することができる。この保留アイコンを特別態様で表示することを「保留予告」という。
保留アイコンの表示態様が特別態様である、すなわち保留予告が行われると、遊技者は、その保留アイコンに対応した特別図柄の可変表示で大当たりに当選できるかもしれないという期待を持つことができる。次に、保留予告の具体例について説明する。保留予告の具体例として、図30(E)に示す保留アイコンHA4の表示態様が特別態様になるとする。
保留予告の1つの種別として、保留アイコンが表示された直後に特別態様になる、言い換えれば、特図1保留の発生時(第1始動口11への入賞時)に保留予告が行われる保留予告種別がある。例えば、図31(A)に示すように、保留アイコンHA4が表示される前の状況(図30(D)の状況)から、第1始動口11に遊技球が入賞して、特図1保留が発生すると、図30(E)の場合と同様に、当該特図1保留の発生に応じて、通常態様の保留アイコンHA4が前述した不図示の第2領域50d2に表示される。なお、図面においては、通常態様の保留アイコンは完全に静止しているように見えるが、実際には、基本的には、完全に静止状態にするようにしても、表示位置は移動しないがその場で軽く揺れたりするように構成しても良い。
そして、その直後に、図31(B)に示すように、保留アイコンHA4の表示態様が通常態様から特別態様(図31(B)において灰色)に変化する(保留予告が行われる)。なお、図31の例では保留アイコンHA4は表示直後に一瞬通常態様で表示されるが、特別態様で表示されるようにし、通常態様で表示される期間をなくしてもよい。
別の保留予告の種別として、保留アイコンが移動する際に特別態様になる、言い換えれば、特図1保留のシフト時に保留アイコン変化予告が行われる保留予告種別がある。例えば、図32(A)に示すように、保留アイコンHA4が表示される前の状況(図30(D)の状況)から、第1始動口11に遊技球が入賞して、特図1保留が発生すると、図32(B)に示すように、当該特図1保留の発生に応じて、通常態様(図32(B)において白色)の保留アイコンHA4が前述した不図示の第2領域50d2に表示される。
そして、図32(C)に示すように、演出図柄EZ1~EZ3の停止表示が行われると、その直前まで実行中の特図変動表示を表していた当該アイコンHA2が消去される。続けて、保留アイコンHA3が表す特図1保留に基づいて特別図柄の可変表示(特図変動演出)が開始されると、図32(D)に示すように、第1領域50d1に表示されていた保留アイコンHA3は不図示の当該表示領域50eに移動し、第2領域50d2に表示されていた保留アイコンHA4は不図示の第1領域50d1に移動する。ここで、保留アイコンHA4が第2領域50d2から第1領域50d1に移動する際に、その表示態様が通常態様から特別態様(図32(D)において灰色)に変化する(保留予告が行われる)。
また、保留予告に係る特別態様を複数種類設けて、特別態様の種類によって大当たり期待度が異なるようにすることができる。例えば、保留アイコンの表示態様を、保留アイコンの色に関連付け、保留アイコンの表示態様として白色、緑色、赤色、および金色が設定されているとする。ここで、白色が通常態様であり、緑色、赤色、および金色が特別態様とする。そして、保留アイコンの表示態様が示す大当たり期待度は、白色<緑色<赤色<金色の順で高くなるように設定することができる。
なお、先読み演出は、特図1保留および特図2保留の両方または一方に対して行うことが可能である。また、先読み演出は、保留アイコンHAの表示態様に限られず、例えば背景画像などの表示部50aにおける保留アイコンHA以外の画像や、スピーカー52から出力される音、枠ランプ53による発光、および盤可動装置55による動作などの画像表示装置50以外の演出装置を用いて実行することが可能である。さらには、先読み演出の演出態様として、保留アイコンHAによる保留アイコン変化予告などのように実行されてから特図変動表示が開始されるまで途切れることなく継続する演出態様の他に、演出図柄の停止表示が行われる度または演出図柄の変動表示が開始される度など、断続的且つ連続的に実行する演出態様にしても良い。
5.遊技制御用マイコン101による遊技の制御
[遊技制御メイン処理]
次に図33~図42に基づいて遊技制御用マイコン101による遊技の制御について説明する。なお、以下に説明する遊技を制御するためのフローチャートは、一例である。そして、フローチャートにおける複数の処理については、処理内容に矛盾が生じない範囲で、適宜に実行順序を変更し、または並列に実行することができる。
また、以下において説明する遊技制御用マイコン101による遊技の制御において登場するカウンタ、タイマ、フラグ、ステータス、バッファ等は、遊技用RAM104に設けられている。また、カウンタの初期値は「0」であり、フラグの初期値は「0」つまり「OFF」であり、ステータスの初期値は「1」である。
遊技制御基板100に備えられた遊技制御用マイコン101は、パチンコ遊技機PYが電源投入されると、遊技用ROM103から図33に示した遊技制御メイン処理のプログラムを読み出して実行する。同図に示すように、遊技制御メイン処理では、まず、電源投入時処理(S001)を行う。
遊技制御用マイコン101は、電源投入処理において、まず遊技用RAM104へのアクセスの許可設定を行う。これにより、遊技用RAM104に対する情報の書き込みや読み出しが可能になる。続いて、遊技制御用マイコン101は、遊技制御基板100に搭載されたRAMクリアスイッチ(図示なし)が操作されたか否か(ONか否か)を判定する。RAMクリアスイッチは、基本的には遊技店の店員が操作可能な操作手段であり、RAMクリアスイッチが操作されることによって遊技用RAM104がクリアされる。
遊技制御用マイコン101は、RAMクリアスイッチ(図示なし)が操作されていなければ、続いて電源断フラグがONであるか否かを判定する。電源断フラグは、電断の発生を示すフラグであり、後述する電源断監視処理でONにされるフラグである。
遊技制御用マイコン101は、電源断フラグがONであれば、チェックサムを算出して、これを電断時に算出しておいたチェックサムと比較する。チェックサムは、遊技用RAM104に記憶されている遊技情報を数値とみなしてその合計が算出されたものである。
遊技制御用マイコン101は、チェックサムの値が一致すれば、遊技用RAM104の記憶内容が正常であると判断し、復電時における遊技用RAM104の作業領域の設定管理を行う。この設定処理では、遊技用ROM103から復電時情報を読み出し、この復電時情報を遊技用RAM104の作業領域にセットする。その後、遊技制御用マイコン101は、電源断フラグをOFFして、電源投入コマンド設定処理を行う。
遊技制御用マイコン101は、電源投入コマンド設定処理では、所定時間(例えば、3秒)経過後に演出制御基板120に電源投入コマンドを出力するための設定処理を行う。具体的には、電源投入コマンドを出力するまでの所定時間をタイマにセットして、そのタイマにセットされた時間の減算を開始する。そして減算されたタイマの値が「0」になったとき、所定時間が経過したことになるため、電源投入コマンドを遊技用RAM104の所定の出力バッファにセットする。これにより、セットされた電源投入コマンドは、後述する出力処理(S101)にて演出制御基板120に出力されるようになっている。
また、遊技制御用マイコン101は、電源断フラグがONでなければ、正常に電源が遮断されていない可能性があるため、または、RAMクリアスイッチ(図示なし)が操作されていれば、遊技用RAM104に記憶されている全ての遊技情報をクリアする。その後、遊技制御用マイコン101は、遊技用RAM104の作業領域の初期設定を行う。この初期設定の処理では、遊技用ROM103から読み出された初期設定情報が遊技用RAM104の作業領域にセットされる。続いて遊技制御用マイコン101は、RAMクリアを行ったことを通知するためのRAMクリア通知コマンドを演出制御基板120に対して出力して、電源投入コマンド設定処理を行う。
遊技制御用マイコン101は、電源投入時処理に次いで、割り込みを禁止し(S002)、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)を実行する。この普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)では、普図関連判定情報および特図関連判定情報に係る種々の乱数のカウンタ値を1加算して更新する。各乱数のカウンタ値は上限値に達すると「0」に戻って再び加算される。なお各乱数のカウンタの初期値は「0」以外の値であってもよく、ランダムに変更されるものであってもよい。また各乱数のうちの少なくとも一部は、カウンタIC等からなる公知の乱数生成回路を利用して生成される所謂ハードウェア乱数であってもよい。
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)が終了すると、割り込みを許可する(S004)。割り込み許可中は、遊技制御側タイマ割り込み処理(S005)の実行が可能となる。遊技制御側タイマ割り込み処理(S005)は、例えば4msec周期で遊技用CPU102に繰り返し入力される割り込みパルスに基づいて実行される。すなわち、遊技制御側タイマ割り込み処理(S005)は4msec周期で実行される。そして、遊技制御側タイマ割り込み処理(S005)が終了してから、次に遊技制御側タイマ割り込み処理(S005)が開始されるまでの間に、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)による種々の乱数のカウンタ値の更新処理が繰り返し実行される。なお、割り込み禁止状態のときに遊技用CPU102に割り込みパルスが入力された場合は、遊技制御側タイマ割り込み処理(S005)はすぐには開始されず、割り込み許可(S004)がされてから開始される。
[遊技制御側タイマ割り込み処理]
次に、遊技制御側タイマ割り込み処理(S005)について説明する。図34に示すように、遊技制御側タイマ割り込み処理(S005)では、まず出力処理(S101)を実行する。出力処理(S101)では、以下に説明する各処理において遊技制御基板100の遊技用RAM104に設けられた出力バッファにセットされたコマンド等を、演出制御基板120や払出制御基板170等に出力する。
出力処理(S101)に次いで行われる入力処理(S102)では、遊技制御用マイコン101は、余剰球貯留穴35Aの満杯を検出する下皿満杯スイッチからの検出信号を取り込み、下皿満杯データとして遊技用RAM104の出力バッファに記憶する。
次に行われる普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)は、図33の遊技制御メイン処理で行う普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)と同じである。すなわち、普図関連判定情報および特図関連判定情報に係る各種乱数のカウンタ値の更新処理は、遊技制御側タイマ割り込み処理(S005)の実行期間と、それ以外の期間(メイン側タイマ割り込み処理(S005)の終了後、次の遊技制御側タイマ割り込み処理(S005)が開始されるまでの期間)との両方で行われている。
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)に次いで、遊技制御用マイコン101は、センサ検知処理(S104)を行い、続いて普通動作処理(S105)を行い、さらに特別動作処理(S106)を行う。センサ検知処理、普通動作処理および特別動作処理については後述する。
次に、遊技制御用マイコン101は、その他の処理(S107)を実行して、遊技制御側タイマ割り込み処理(S005)を終了する。その他の処理(S107)としては、電源が断たれる際の電源断監視処理、遊技用RAM104に設けられているタイマの更新などが行われる。また、その他の処理(S107)として、遊技者に賞球を払い出す払出制御処理が行われる。払出制御処理では、第1始動口11用の賞球カウンタ、第2始動口12用の賞球カウンタ、大入賞口14用の賞球カウンタ、及び、一般入賞口10用の賞球カウンタが「0」を超えているか否かのチェックを行い、「0」を超えていると、賞球要求信号を払出制御基板170に送信する。そして、賞球信号を送信するとき、その信号に係る賞球カウンタを「1」減算する更新処理を行う。
そして、遊技制御用マイコン101は、次に遊技用CPU102に割り込みパルスが入力されるまでは遊技制御メイン処理のステップS002~S004の処理を繰り返し実行し、割り込みパルスが入力されると(約4msec後)、再び遊技制御側タイマ割り込み処理(S005)を実行する。遊技制御用マイコン101は、再び実行された遊技制御側タイマ割り込み処理(S005)の出力処理(S101)において、前回の遊技制御側タイマ割り込み処理(S005)にて遊技用RAM104の出力バッファにセットされたコマンド等を出力する。
[センサ検知処理]
次に、図35~図36を用いてセンサ検知処理について説明する。センサ検知処理(S104)ではまず、一般入賞口10に遊技球が入賞したか否か、すなわち、一般入賞口センサ10aによって遊技球が検出されたか否か判定する(S201)。一般入賞口10に遊技球が入賞していない場合(S201でNO)にはステップS203に進み、一般入賞口10に遊技球が入賞した場合には(S201でYES)、遊技球に所定個数の賞球を払い出すための一般入賞口賞球処理を行う(S202)。一般入賞口賞球処理では、一般入賞口10用の賞球カウンタに、一般入賞口10への入賞に応じた賞球個数(基本的な実施形態において「3」)を加算する。
ステップS203では、遊技球がゲート13を通過したか否か、すなわち、ゲートセンサ13aによって遊技球が検出されたか否か判定する。遊技球がゲート13を通過していなければ(S203でNO)、ステップS207に進む。一方、遊技球がゲート13を通過していれば(S203でYES)、後述する普通動作ステータス=1であるか否か、言い換えれば、普図可変表示または補助遊技の何れも行われていないか否かを判定する(S204)。普通動作ステータス=1でない場合には(S204でNO)、ステップS207に進み、普通動作ステータス=1である場合(S204でYES)には、普通図柄乱数カウンタ(ラベル-TRND-F)のカウンタ値が示す普通図柄乱数を普図関連判定情報として取得し(S205)、取得した普図関連判定情報を、遊技用RAM104に設けられた普図保留記憶部86に記憶して(S206)、ステップS207に進む。
ステップS207では、第2始動口12に遊技球が入賞したか否か、すなわち、第2始動口センサ12aによって遊技球が検出されたか否か判定する。第2始動口12に遊技球が入賞していない場合(S207でNO)にはステップS214に進み、第2始動口12に遊技球が入賞した場合には(S207でYES)、遊技球に所定個数の賞球を払い出すための第2始動口賞球処理を行う(S208)。第2始動口賞球処理では、第2始動口12用の賞球カウンタに、第2始動口12への入賞に応じた賞球個数(基本的な実施形態において「2」)を加算する。
次に、特図2保留数(具体的には遊技用RAM104に設けた特図2保留数をカウントするカウンタ(特図2保留数カウンタ)の数値)が「4」(上限記憶数)以上であるか否か判定する(S209)。特図2保留数が「4」以上である場合(S209でYES)には、ステップS214に進むが、特図2保留数が「4」以上でない(「4」未満である)場合には(S209でNO)、特図2保留数加算処理を行う(S210)。特図2保留数加算処理では、特図2保留数カウンタを「1」加算し、特図2保留表示器83bが示す特図2保留数を「1」増加させる。
続いて、特別図柄乱数カウンタ(ラベル-TRND-T)、大当たり図柄種別乱数カウンタ(ラベル-TRND-OS)、リーチ乱数カウンタ(ラベル-TRND-RC)及び特図変動パターン乱数カウンタ(ラベル-TRND-HP)からなる特図2関連判定情報を取得し、遊技用RAM104に設けられた特図関連判定情報用バッファに記憶する(S211)。
次に、第2先読み判定処理を行う(S212)。第2先読み判定処理では、図14に示す第2先読み判定テーブルに、現在の遊技状態とステップS211で取得した特図2関連判定情報とを照合して第2始動入賞コマンドを特定し、特定した第2始動入賞コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。
続いて、遊技制御用マイコン101は、ステップS211で取得した特図2関連判定情報を特図2保留記憶部105bに記憶する(S213)。
続いて、ステップS214では、第1始動口11に遊技球が入賞したか否か、すなわち、第1始動口センサ11aによって遊技球が検出されたか否か判定する。第1始動口11に遊技球が入賞していない場合(S214でNO)にはステップS221に進み、第1始動口11に遊技球が入賞した場合には(S214でYES)、遊技球に所定個数の賞球を払い出すための第1始動口賞球処理を行う(S215)。第1始動口賞球処理では、第1始動口11用の賞球カウンタに、第1始動口11への入賞に応じた賞球個数(基本的な実施形態において「4」)を加算する。
次に、特図1保留数(具体的には遊技用RAM104に設けた特図1保留の数をカウントするカウンタ(特図1保留数カウンタ)の数値)が「4」(上限記憶数)以上であるか否か判定する(S216)。特図1保留数が「4」以上である場合(S216でYES)には、ステップS221に進むが、特図1保留数が「4」以上でない(未満である)場合には(S216でNO)、特図1保留数加算処理を行う(S217)。特図1保留数加算処理では、特図1保留数カウンタを「1」加算し、特図1保留表示器83aが示す特図1保留数を「1」増加させる。
続いて、特別図柄乱数カウンタ(ラベル-TRND-T)、大当たり図柄種別乱数カウンタ(ラベル-TRND-OS)、リーチ乱数カウンタ(ラベル-TRND-RC)及び特図変動パターン乱数カウンタ(ラベル-TRND-HP)からなる特図1関連判定情報を取得し、遊技用RAM104に設けられた特図関連判定情報用バッファに記憶する(S218)。
次に、第1先読み判定処理を行う(S219)。第1先読み判定処理では、図13に示す第1先読み判定テーブルに、現在の遊技状態とステップS218で取得した特図1関連判定情報とを照合して第1始動入賞コマンドを特定し、特定した第1始動入賞コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。
続いて、遊技制御用マイコン101は、ステップS218で取得した特図1関連判定情報を特図1保留記憶部105aのうち現在の特図1保留数に応じた記憶領域に記憶する(S220)。
ステップS221では、大入賞口14に遊技球が入賞したか否か、すなわち、大入賞口センサ14aによって遊技球が検出されたか否か判定する。大入賞口14に遊技球が入賞していない場合(S221でNO)にはセンサ検知処理を終了し、大入賞口14に遊技球が入賞した場合には(S221でYES)、遊技用RAM104に設けられた大入賞口入賞カウンタのカウンタ値が「11」以上であるか否かを判定する(S222)。大入賞口入賞カウンタは、大当たり遊技の1回のラウンド遊技において大入賞口14に入賞した個数を計数するためのカウンタである。なお、大入賞口入賞カウンタは各ラウンド遊技が終了するたびにクリアされる。基本的な実施形態では、入賞規定個数は「10」に設定されている。よって、ステップS222の処理が行われる。
大入賞口入賞カウンタのカウンタ値が「11」以上であると(S222でYES)、センサ検知処理を終了し、大入賞口入賞カウンタのカウンタ値が「11」以上でない、すなわち、「11」未満であると(S222でNO)、大入賞口入賞カウンタのカウンタ値を「1」加算し(S223)、遊技者に所定個数の賞球を払い出すための大入賞口賞球処理を行い(S224)、センサ検知処理を終了する。なお、大入賞口賞球処理では、大入賞口14用の賞球カウンタに、大入賞口14への入賞に応じた賞球個数(基本的な実施形態において「9」)を加算する。
なお、遊技球を検知可能なセンサとして、センサ10a~14a以外のセンサを設け、そのセンサが遊技球を検知したことに基づいて、図35~図36に示す処理以外の処理を行うようにしても良い。
[普通動作処理]
次に、普図表示器82および電チュー12Dの制御に関する普通動作処理について説明する。図37に示すように、普図表示器82および電チュー12Dに関する処理が4つのステータス(段階)に分けられている。そして、それらの各ステータスに「普通動作ステータス=1,2,3,4」が割り当てられている。遊技制御用マイコン101は、普通動作処理(S105)において、最初に、「普通動作ステータス」を確認する(S1101)。「普通動作ステータス」が「1」である場合には、普通図柄待機処理(S1102)を行い、「普通動作ステータス」が「2」である場合には、普通図柄変動処理(S1103)を行い、「普通動作ステータス」が「3」である場合には、普通図柄確定処理(S1104)を行い、「普通動作ステータス」が「4」である場合には、補助遊技制御処理(S1105)を行う。なお「普通動作ステータス」は初期設定で「1」に設定される。
普通図柄待機処理(S1102)は、普図の可変表示および補助遊技が行われていない待機中に行われる処理である。普通図柄待機処理(S1102)では、普図保留記憶部86に記憶された普通図柄乱数に基づいて当たり判定を行う。さらに、現在の遊技状態に基づいて普図変動パターン判定を行って普図変動パターンを決定し、決定した普図変動パターンに応じた普図変動時間の普図の変動表示を普図表示器82に開始させて、普通動作ステータスを「2」に変更する。また、遊技制御用マイコン101は、普図の変動表示の開始時に、普図変動パターン判定結果に応じた普図変動開始コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。
普通図柄変動処理(S1103)は、普図が変動表示しているときに行われる処理である。普通図柄変動処理(S1103)では、実行中の普図の変動表示が開始してから普図変動時間が経過したか否か(普図の変動表示を終了させるか否か)を判定し、普図変動時間が経過したと判定されれば、当たり判定結果に基づいて普図の停止表示を行って、普通動作ステータスを「3」に変更する。また、遊技制御用マイコン101は、普図の変動表示の開始時に、普図変動停止コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。
普通図柄確定処理(S1104)は、普図が停止表示しているときに行われる処理である。普通図柄確定処理(S1104)では、実行中の普図の停止表示が開始してから所定の停止時間(例えば、0.8秒)が経過したか否か(普図の停止表示を終了させるか否か)を判定し、所定の停止時間が経過したと判定されれば、停止表示している普図が当たり図柄であるか否かを判定する。当たり図柄でなければ(停止表示している普図がハズレ図柄であれば)、普通動作ステータスを「1」に変更する。一方、当たり図柄が停止表示していれば、普通動作ステータスを「4」に変更して、現在の遊技状態および補助遊技制御テーブルに基づいて補助遊技を開始させる。さらに、遊技制御用マイコン101は、補助遊技の開始時に、補助遊技開始コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。
補助遊技制御処理(S1105)は、補助遊技が行われているときに行われる処理である。補助遊技制御処理(S1105)では、現在の遊技状態および補助遊技制御テーブルに基づいて補助遊技を制御する。そして、補助遊技が終了すれば、普通動作ステータスを「1」に変更する。
[特別動作処理]
次に、特図表示器81、特図保留表示器83および大入賞装置14Dの制御に関する特別動作処理について説明する。図38に示すように、特図表示器81、特図保留表示器83および大入賞装置14Dに関する処理は、5つのステータス(段階)に分けられている。そして、それらの各ステータスに「特別動作ステータス=1,2,3,4,5」が割り当てられている。遊技制御用マイコン101は、最初に「特別動作ステータス」を確認する(S1501)。
遊技制御用マイコン101は、「特別動作ステータス」が「1」である場合には、特別図柄待機処理(S1502)を行い、「特別動作ステータス」が「2」である場合には、特別図柄変動処理(S1503)を行い、「特別動作ステータス」が「3」である場合には、特別図柄確定処理(S1504)を行い、「特別動作ステータス」が「4」である場合には、大当たり遊技制御処理(S1505)を行い、「特別動作ステータス」が「5」である場合には、遊技状態設定処理(S1506)を行う。なお「特別動作ステータス」は初期設定で「1」に設定される。
特別図柄待機処理(S1502)は、特別図柄の可変表示、大当たり遊技が行われていない待機中に行われる処理である。特別図柄待機処理については後に詳述する。
特別図柄変動処理(S1503)は、特別図柄が変動表示しているときに行われる処理である。特別図柄変動処理については後に詳述する。
特別図柄確定処理(S1504)は、特別図柄が停止表示しているときに行われる処理である。特別図柄確定処理については後に詳述する。
大当たり遊技制御処理(S1505)は、大当たり遊技において行われる処理である。遊技制御用マイコン101が、大当たり遊技制御処理を行うことによって、大当たり遊技制御テーブルに応じた大当たり遊技を行う。大当たり遊技が終了する際に特別動作ステータスを「5」に変更する。なお、各ラウンド遊技が開始される際には、そのラウンド数を示すラウンド数指定コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。また、全てのラウンド遊技が終了してエンディングが開始される際には、当該大当たり遊技に係る大当たり図柄に応じたエンディングを示すエンディングコマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。なお、遊技制御用マイコン101が、特別動作ステータス「4」を設定し、大当たり遊技を制御する状態が、「大当たり遊技状態」であり、特別動作ステータス「4」が設定されていることを「大当たり遊技状態」と称する。
遊技状態設定処理(S1506)は、大当たり遊技が終了する際に、大当たり遊技後に制御する遊技状態を設定する処理である。例えば、大当たり遊技後に高確率状態で制御する場合は、高確率フラグを遊技用RAM104の高確率フラグ領域にONして高確率状態を設定する。さらにこのときに、高確率状態の継続期間を制限する場合、継続期間も併せて設定する。例えば、高確率状態の終了条件が特図可変表示の実行回数である場合、その回数(以下において、「高確率規定回数」という)を遊技用RAM104に設けられた高確率残り回数カウンタにセットする。また、大当たり遊技後に時短状態で制御する場合は、時短フラグを遊技用RAM104の時短フラグ領域にONして時短状態を設定する。さらにこのときに、時短状態の継続期間を制限する場合、継続期間も併せて設定する。例えば、時短状態の終了条件が特図可変表示の実行回数である場合、その回数(以下において、「時短規定回数」という)を遊技用RAM104に設けられた時短残り回数カウンタにセットする。
また、遊技制御用マイコン101は、遊技状態設定処理において、大当たり遊技後の遊技状態を示す遊技状態コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。
[特別図柄待機処理]
次に図39を用いて特別図柄待機処理について説明する。特別図柄待機処理(S1502)ではまず、特図2保留数が「0」であるか否かを判定する(S1601)。特図2保留数が「0」である場合(S1601でYES)、すなわち、第2始動口12への入賞に起因して取得した特図2関連判定情報の記憶がない場合には、特図1保留数が「0」であるか否かを判定する(S1608)。そして、特図1保留数も「0」である場合(S1608でYES)、すなわち、第1始動口11への入賞に起因して取得した特図1関連判定情報の記憶もない場合には、客待ちフラグがONか否かを判定する(S1618)。ここで、客待ちフラグがONであれば(S1618でYES)、特別図柄待機処理を終え、客待ちフラグがONでなければ(S1618でNO)、客待ちコマンドを出力バッファにセットし(S1619)、客待ちフラグをONにし(S1620)、特別図柄待機処理を終える。
また、特図2保留数が「0」であるが特図1保留数が「0」でない場合(S1601でYES且つS1608でNO)、すなわち、特図2関連判定情報はないが、第1始動口11への入賞に起因して取得した特図1関連判定情報の記憶が1つ以上ある場合には、特図1判定処理(S1609)及び特図1変動パターン判定処理(S1610)を行う。
特図1判定処理(S1609)では、特図1保留記憶部105aに記憶されている特別図柄乱数の中で最も先に記憶されたものを読み出して、遊技状態に関連付けられた大当たり判定テーブルに基づいて、大当たり、またはハズレの何れであるかの判定(大当たり判定)を行う。
ここで、大当たり判定の結果が大当たりであれば、大当たり図柄種別乱数を読み出して第1大当たり図柄種別判定テーブルに基づいて大当たり図柄種別の判定(大当たり図柄種別判定)を行う。そして、大当たり図柄種別を表す大当たり図柄データを遊技用RAM104に設けられた特図バッファにセットすると共に、大当たり図柄種別を表す図柄指定コマンドを遊技用RAM104に設けられた出力バッファにセットする。
また、大当たり判定の結果が「ハズレ」であれば、ハズレを表すハズレ図柄データを特図バッファにセットすると共に、ハズレを表す図柄指定コマンドを出力バッファにセットする。
次に、特図1変動パターン判定処理(S1610)について図40を用いて説明する。特図1変動パターン判定処理では、まず、現在非時短状態であるか否かを判定する(S1651)。非時短状態であれば(S1651でYES)、非時短状態用の特図1変動パターン判定テーブルを選択(S1652)してからステップS1654に進み、非時短状態でなければ(S1651でNO)、時短状態用の特図1変動パターン判定テーブルを選択(S1653)してからステップS1654に進む。
ステップS1654において、遊技制御用マイコン101は、大当たり判定結果が「大当たり」であるか否かを判定する。大当たりでなければ(S1654でNO)、ステップS1655に進み、大当たりであれば(S1654でYES)、ステップS1652またはステップS1653の何れかで選択した特図1変動パターン判定テーブルの中から大当たり図柄用の特図1変動パターン判定テーブルを選択(S1659)してからステップS1660に進む。
ステップS1655において、遊技制御用マイコン101は、リーチ判定を行う。リーチ判定では、リーチ乱数を読み出して、そのリーチ乱数を現在の遊技状態(非時短状態/時短状態)に応じたリーチ判定テーブルに照合して、リーチ有りかリーチ無しかを判定する。
遊技制御用マイコン101は、次に、ステップS1655のリーチ判定の結果が「リーチ有り」であるか否かを判定する(S1656)。リーチ有りであれば(S1656でYES)、ステップS1652またはステップS1653の何れかで選択した特図1変動パターン判定テーブルの中からリーチ有りハズレ用の特図1変動パターン判定テーブルを選択(S1658)してからステップS1660に進み、リーチ有りでなければ(S1656でNO)、現在の特図1保留数を確認して、ステップS1652またはステップS1653の何れかで選択した特図1変動パターン判定テーブルの中から特図1保留数に応じたリーチ無しハズレ用の特図1変動パターン判定テーブルを選択(S1657)してからステップS1660に進む。
遊技制御用マイコン101は、ステップS1660において、特図変動パターン乱数を読み出して、その特図変動パターン乱数をステップS1657~ステップS1659の何れかで選択した特図1変動パターン判定テーブルに照合して、特図1変動パターンを判定する特図1変動パターン判定を行う。続けて、遊技制御用マイコン101は、決定された特図1変動パターンを示す特図1変動開始コマンドを出力バッファにセットし(S1661)、決定された特図1変動パターンに応じた特図変動時間を特別動作用タイマにセットし(S1662)、特図1変動パターン判定処理を終了して、特別図柄待機処理に処理を戻す。
なお、特別動作用タイマは、遊技制御側タイマ割り込み処理におけるその他の処理において、4ms分、更新される。また、セットされる特図1変動開始コマンドには、特別図柄の種別(特図1であるということ)に関する情報や特図1変動パターン判定処理(S1610)で行われた特図変動パターン判定の結果に関する情報(リーチの有無や特図変動時間の情報を含む特図変動パターンの情報)が含まれている。
続いて、遊技制御用マイコン101は、ステップS1610で決定された特図1変動パターンに応じた特図変動時間に基づいて特図1表示器81aに特図1の変動表示を開始させる(S1611)。
次に、遊技制御用マイコン101は、特図1保留記憶部105aにおける各種カウンタ値の格納場所(記憶領域)を現在の位置から読み出される側に一つシフトするとともに、特図1保留記憶部105aにおける保留1個目に対応する記憶領域(読み出される側から最も遠い記憶領域)をクリアする特図1保留記憶部シフト処理を行う(S1612)。このようにして、特図1保留が保留された順に消化される。
次に、遊技制御用マイコン101は、特図1保留数カウンタを「1」減算し(S1613)、特図1保留表示器83aが示す特図1保留数を「1」減少させて変更し(S1614)、特別動作ステータスを「2」に変更する(S1615)。
遊技制御用マイコン101は、続いて、客待ちフラグがONか否かを判定し(S1616)、ONであれば(S1616でYES)、客待ちフラグをOFFして(S1617)、特別図柄待機処理を終え、ONでなければ(S1616でNO)、ステップS1617を実行することなく特別図柄待機処理を終える。
また、ステップS1601において特図2保留数が「0」でない場合(S1601でNO)、すなわち、第2始動口12への入賞に起因して取得した特図2関連判定情報の記憶が1つ以上ある場合には、特図2判定処理(S1602)及び特図2変動パターン判定処理(S1603)を行う。特図2判定処理(S1602)及び特図2変動パターン判定処理(S1603)は、特図1判定処理(S1609)および特図1変動パターン判定処理(S1610)と基本的には同じ処理内容である。
特図2判定処理(S1602)は、大当たり判定で用いるテーブルが第2大当たり判定テーブルであること、および大当たり図柄種別判定で用いるテーブルが第2大当たり図柄種別判定テーブルであることを除いて、基本的には特図1判定処理(S1609)と同様の処理であるため説明を省略する。また、特図2変動パターン判定処理(S1603)も、基本的には、特図2変動パターン判定で用いるテーブルが特図2変動パターン判定テーブルであることを除いて特図1変動パターン判定処理(S1610)と同様の処理であるため説明を省略する。
次に、遊技制御用マイコン101は、ステップS1603で決定された特図変動パターンに応じた特図変動時間に基づいて特図2表示器81bに特図2の変動表示を開始させる(S1604)。
次に、遊技制御用マイコン101は、特図2保留記憶部105bにおける各種カウンタ値の格納場所(記憶領域)を現在の位置から読み出される側に一つシフトするとともに、特図2保留記憶部105bにおける保留4個目に対応する記憶領域(読み出される側から最も遠い記憶領域)をクリアする特図2保留記憶部シフト処理を行う(S1605)。このようにして、特図2保留が保留された順に消化される。
続いて遊技制御用マイコン101は、特図2保留数カウンタを「1」減算し(S1606)、特図2保留表示器83bが示す特図2保留数を「1」減少させて変更し(S1607)、特別動作ステータスを「2」に変更し(S1615)、ステップS1616に進む。
上記のように基本的な実施形態では、特図1保留に基づく特別図柄の変動表示は、特図2保留が「0」の場合(S1601でYESの場合)に限って行われる。すなわち特図2保留の消化は、特図1保留の消化に優先して実行される。そして基本的な実施形態では、特図2保留に基づく抽選の方が、特図1保留に基づく抽選よりも、遊技者にとって利益の大きい大当たり図柄に当選しやすくなっている。なお、特図1保留の消化を特図2保留の消化に優先して実行されるようにしても良い。また、特図1保留の消化と特図2保留の消化を、特図の種別に関わらず保留が発生した順に行っても良い。
[特別図柄変動処理]
次に図41を用いて特別図柄変動処理について説明する。遊技制御用マイコン101は、特別図柄変動処理ではまず、特別図柄の変動表示を終了させるか否か、すなわち、ステップS1603又はステップS1610で特別動作用タイマにセットした特図変動時間が経過した(特別動作カウンタ=0)か否かを判定する(S1701)。特別図柄の変動表示を終了させない場合(S1701でNO)、特別図柄変動処理を終了し、特別図柄の変動表示を終了させる場合(S1701でYES)、特図表示器81に、特別図柄の変動表示を終了させるとともに、ステップS1602又はステップS1609で特図バッファにセットした図柄データ(大当たり図柄データ、またはハズレ特図データ)に応じた特別図柄の停止表示をさせる(S1702)。
続いて、予め設定された特図確定時間(例えば、0.8秒)を特別動作用タイマにセットし(S1703)、特別図柄の変動表示が終了することを示す特図変動停止コマンドを出力バッファにセットし(S1704)、特別動作ステータスを「3」に変更し(S1705)、特別図柄変動処理を終了する。
[特別図柄確定処理]
次に図42を用いて特別図柄確定処理について説明する。遊技制御用マイコン101は、特別図柄確定処理(S1504)ではまず、特別図柄の停止表示を終了させるか否か、すなわち、ステップS1703で特別動作用タイマにセットした特図確定時間が経過した(特別動作カウンタ=0)か否かを判定する(S1751)。特別図柄の停止表示を終了させない場合(S1751でNO)、特別図柄確定処理を終了し、特別図柄の停止表示を終了させる場合(S1751でYES)、現在、通常確率状態(高確率フラグがOFF)であるか否かを判定する(S1752)。なお、特別図柄の停止表示が開始されてから特図確定時間が経過することを「特別図柄が確定する」と称することもある。
遊技制御用マイコン101は、現在、通常確率状態でなければ(S1752でNO)、ステップS1757に進み、現在、通常確率状態であれば(S1752でYES)、時短状態(時短フラグがON)であるか否かを判定する(S1753)。遊技制御用マイコン101は、時短状態でなければ(S1753でNO)、ステップS1757に進み、現在、時短状態であれば(S1753でYES)、時短状態で実行可能な特別図柄の可変表示の残りの回数(時短残り回数)を計測する時短残り回数カウンタの値を「1」減算し(S1754)、時短残り回数カウンタの値が「0」であるか否かを判定する(S1755)。時短残り回数カウンタの値(時短残り回数)が「0」でなければ(S1755でNO)、ステップS1757に進み、時短残り回数カウンタの値(時短残り回数)が「0」であれば(S1755でYES)、時短状態から非時短状態に移行させて(時短フラグをOFFする)(S1756)、ステップS1757に進む。
次に、遊技制御用マイコン101は、現在の遊技状態を確認し、その遊技状態を示した遊技状態コマンドを出力バッファにセットし(S1757)、現在停止表示している特別図柄が大当たり図柄か否かを判定する(S1758)。大当たり図柄でなければ(S1758でNO)、特別動作ステータスを「1」に変更して(S1762)、特別図柄確定処理を終え、大当たり図柄であれば(S1758でYES)、遊技状態をリセットする(通常遊技状態を設定する。具体的には、高確率フラグおよび時短フラグをOFFし、高確率残り回数カウンタおよび時短残り回数カウンタの値を「0」にする)(S1759)。
続いて、遊技制御用マイコン101は、大当たり遊技準備処理を行い(S1760)、特別動作ステータスを「4」に変更し(S1761)、特別図柄確定処理を終了する。遊技制御用マイコン101は、大当たり遊技準備処理において、大当たり図柄の種別に応じた大当たり遊技制御テーブルを遊技用RAM104の所定領域にセットする。また、停止表示している大当たり図柄に応じたオープニング中であることを示す大当たりオープニングフラグを遊技用RAM104の所定領域にONし、大当たり図柄の種別に応じて、所定のオープニング時間(大当たり遊技が開始されてから1ラウンドを開始するまでの時間)を特別動作用タイマにセットする。さらには、大当たり図柄の種別に応じ、大当たり図柄の種別を示すオープニングコマンド(大当たりオープニングコマンド)を遊技用RAM104の出力バッファにセットする。大当たり図柄の種別に応じたオープニングコマンド(大当たりオープニングコマンド)は、その停止表示した大当たり図柄の種別に応じた大当たり遊技(大当たり遊技のオープニング)が開始されることを表す。
6.演出制御基板120による演出の制御
[演出制御メイン処理]
次に図43~図47のフローチャートを用いて、演出制御基板120による演出の制御について説明する。なお、以下に説明する演出を制御するためのフローチャートは、一例である。そして、フローチャートにおける複数の処理については、処理内容に矛盾が生じない範囲で、適宜に実行順序を変更し、または並列に実行することができる。
また、以下の演出制御基板120による演出の制御の説明において登場するカウンタ、タイマ、フラグ、バッファ等は、演出用RAM124に設けられている。演出制御基板120に備えられた演出制御用マイコン121は、パチンコ遊技機PYが電源投入されると、図43に示したサブ制御メイン処理のプログラムを演出用ROM123から読み出して実行する。
同図に示すように、演出制御メイン処理では、最初に、電源投入に応じた電源投入時処理を行う(S4001)。電源投入時処理では、例えば、演出用CPU122の設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間の管理のための回路)等の設定等を行う。
次に、割り込みを禁止し(S4002)、乱数シード更新処理を実行する(S4003)。乱数シード更新処理(S4003)では、種々の演出に関する判定を行うための種々の演出判定用乱数カウンタの値を更新する。なお、演出判定用乱数には、後述する停止図柄パターン判定用乱数、および特図変動演出パターン判定用乱数等の演出内容を決定するための様々な乱数がある。
種々の演出についての判定用乱数カウンタの更新方法は、一例として、前述の遊技制御基板100が行う乱数更新処理と同様の方法をとることができる。更新に際して乱数値を1ずつ加算するのではなく、2ずつ加算するなどしてもよい。これは、前述の遊技制御基板100が行う乱数更新処理においても同様である。
乱数シード更新処理が終了すると、コマンド送信処理を実行する(S4004)。コマンド送信処理では、演出制御基板120の演出用RAM124内の出力バッファに格納されている各種のコマンド(例えば、後述する特図変動演出開始コマンド、客待ち開始コマンド、オープニング演出開始コマンド、ラウンド演出開始コマンド、およびエンディング演出開始コマンドなど)を、画像制御基板140に送信する。
コマンドを受信した画像制御基板140は、受信したコマンドに従って、表示部50aに画像を表示する(画像による種々の演出を実行する)。また、演出制御基板120は、画像制御基板140によって行われる種々の演出とともに、音声制御回路161を介してスピーカー52から音声を出力させたり(音声による種々の演出を実行したり)、サブドライブ基板162を介して枠ランプ53を発光させたり(発光による種々の演出を実行したり)、盤可動体55kを作動させたり(動作による種々の演出を実行したり)する。なお、種々の演出としては、特図変動演出、大当たり遊技演出(大当たりオープニング演出、ラウンド演出、大当たりエンディング演出)、客待ち演出、操作演出、および先読み演出等がある。
演出制御用マイコン121は続いて、割り込みを許可する(S4005)。以降、ステップS4002~ステップS4005をループさせる。割り込み許可中においては、受信割り込み処理(S4010)、1msタイマ割り込み処理(S4011)、および10msタイマ割り込み処理(S4012)の実行が可能となる。1msタイマ割り込み処理(S4011)、および10msタイマ割り込み処理(S4012)については後述する。
受信割り込み処理(S4010)は、ストローブ信号、すなわち、遊技制御基板100から送られた各種のコマンドが演出制御用マイコン121の外部INT入力部に入力される度に実行される。受信割り込み処理(S4010)では、演出制御用マイコン121は遊技制御基板100の出力処理(S101)により送信されてきて受信した各種のコマンドを演出用RAM124の受信バッファに格納する。この受信割り込み処理は、他の割り込み処理(S4011、S4012)に優先して実行される。
[1msタイマ割り込み処理]
次に図44を用いて1msタイマ割り込み処理について説明する。1msタイマ割り込み処理(S4011)は、演出制御基板120に1msec周期の割り込みパルスが入力される度に実行される。演出制御用マイコン121は、1msタイマ割り込み処理(S4011)ではまず、入力処理を行う(S4101)。入力処理では、演出制御用マイコン121は、第1演出ボタンセンサ40aからの検出信号に基づいて第1演出ボタンスイッチデータを作成する。演出制御用マイコン121は、第2演出ボタンセンサ41aからの検出信号に基づいて第2演出ボタンスイッチデータを作成する。
続いて、演出制御用マイコン121は、発光データ出力処理を行う(S4102)。発光データ出力処理では、演出制御用マイコン121は、画像による演出等に合うタイミングなどで枠ランプ53を発光させるべく、後述の10msタイマ割り込み処理における発光データ作成処理(S4203)で作成された発光データをサブドライブ基板162に出力する。つまり、演出制御用マイコン121は、発光データに従って枠ランプ53を所定の発光態様で発光させる。
次いで、演出制御用マイコン121は、可動装置制御処理を行う(S4103)。可動装置制御処理では、演出制御用マイコン121は、所定のタイミングで盤可動体55kを駆動させるべく、駆動データ(盤可動体55kの駆動のためのデータ)を作成し、または、出力する。つまり、演出制御用マイコン121は、駆動データに従って、盤可動体55kを所定の動作態様で駆動させる。
次に、演出制御用マイコン121は、タイマ更新処理を行う(S4104)。タイマ更新処理では、各種所定の演出に関する時間の管理・制御を行うために、後述する演出用RAM124に設けられた各種タイマの更新が行われる。当該処理では、演出用RAM124に設けられたタイマが1msec分、更新される。
そして、演出制御用マイコン121は、ウォッチドッグタイマのリセット設定を行うウォッチドッグタイマ処理を行って(S4105)、1msタイマ割り込み処理を終える。
[10msタイマ割り込み処理]
次に図45を用いて10msタイマ割り込み処理について説明する。10msタイマ割り込み処理(S4012)は、演出制御基板120に10msec周期の割り込みパルスが入力される度に実行される。演出制御用マイコン121は、10msタイマ割り込み処理ではまず、ステップS4010で受信バッファに格納したコマンドなどを解析する受信コマンド解析処理を行う(S4201)。受信コマンド解析処理については後述の基本的な実施形態で詳細に説明する。
次いで、演出制御用マイコン121は、音声制御処理を行う(S4202)。音声制御処理では、演出用RAM124にセットされる特図変動演出データなどが示す演出内容などに基づいて、音声データ(スピーカー52からの音声の出力を制御するデータ)の作成と音声制御回路161への出力が行われる。
次いで、演出制御用マイコン121は、発光データ作成処理を行う(S4203)。発光データ作成処理では、演出用RAM124にセットされる特図変動演出データなどが示す演出内容などに基づいて、発光データの作成が行われる。
[受信コマンド解析処理]
次に図46~図47を用いて受信コマンド解析処理について説明する。演出制御用マイコン121は、受信コマンド解析処理ではまず、遊技制御基板100から始動入賞コマンド(第1始動入賞コマンド又は第2始動入賞コマンド)を受信したか否か、言い換えれば、始動入賞コマンドを受信バッファに格納したか否かを判定する(S4301)。演出制御用マイコン121は、始動入賞コマンドを受信していれば(S4301でYES)、ステップS4302に進む一方、始動入賞コマンドを受信していなければ(S4301でNO)、ステップS4303に進む。
ステップS4302において、演出制御用マイコン121は、第1始動口11や第2始動口12に遊技球が入賞することに応じた始動入賞時処理を行う。始動入賞時処理では、受信した始動入賞コマンドを演出用RAM124にある始動入賞コマンド保留記憶部125に記憶する。次に、演出制御用マイコン121は、その記憶した始動入賞コマンドを解析して、大当たり期待度を示す先読み演出を実行するか否かの判定を行う。先読み演出には、保留アイコンを特別態様で表示する保留予告の他に、連続する複数回の特別図柄の変動表示にわたって行われる連続予告演出等がある。これらの先読み演出を実行すると決定した場合には、決定した演出を実行するための先読み演出開始コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする。
演出用RAM124の出力バッファにセットされた先読み演出開始コマンドが、コマンド送信処理(S4004)により画像制御基板140に送信されると、画像制御基板140の画像用CPU141は、画像用ROM142から所定の演出画像を読み出して、画像表示装置50の表示部50aにて画像による先読み演出を行う。また、演出制御用マイコン121は、画像制御基板140によって行われる画像による先読み演出が行われている間、画像制御基板140に送信された先読み演出開始コマンドが示す先読み演出内容に応じて、音声制御回路161を介してスピーカー52から音声を出力させ(音声による先読み演出を実行し)、また、サブドライブ基板162を介して枠ランプ53を発光させ(発光による先読み演出を実行し)、盤可動体55kを作動させる(動作による先読み演出を実行する)ことが可能である。
ステップS4303において、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から図柄指定コマンドを受信したか否か、言い換えれば、図柄指定コマンドを受信バッファに格納したか否かを判定する。演出制御用マイコン121は、図柄指定コマンドを受信していなければ(S4303でNO)、ステップS4305に進む一方、図柄指定コマンドを受信していれば(S4303でYES)、図柄指定コマンドを演出用RAM124にある図柄指定コマンド記憶部126に記憶する(S4304)。
ステップS4305において、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から特図変動開始コマンドを受信したか否か、言い換えれば、特図変動開始コマンドを受信バッファに格納したか否かを判定する。特図変動開始コマンドを受信していなければ(S4305でNO)、ステップS4307に進む一方、特図変動開始コマンドを受信していれば(S4305でYES)、特図変動演出の演出内容を決定し、特図変動演出を開始させるための特図変動演出開始処理(S4306)を行う。
演出制御用マイコン121は、特図変動演出開始処理では、まず、特図変動開始コマンドを演出用RAM124にある特図変動開始コマンド記憶部127に記憶する。次いで、ステップS4304で既に記憶した図柄指定コマンドが示す停止特図の内容(大当たり図柄の種別、ハズレ特図)と特図変動開始コマンドが示す特図変動パターンに基づいて、停止表示させる演出図柄EZ1~EZ3、および小図柄KZ1~KZ3を判定する停止図柄判定を行うための停止図柄パターン判定テーブルを選択する。停止図柄パターン判定テーブルは、特図および特図変動パターンに関連づけられて複数設けられている。よって、演出制御用マイコン121は、停止特図および特図変動パターンに対応付けられた停止図柄パターン判定テーブルを1つ選択する。各停止図柄パターン判定テーブルには、所定の振分率(%)となるように、複数の演出図柄EZ1~EZ3、および小図柄KZ1~KZ3に停止図柄パターン判定用乱数の値(停止図柄パターン判定値)が振り分けられている。次に、演出制御用マイコン121は、停止図柄パターン判定用乱数カウンタが示す値を停止図柄パターン判定用乱数として取得し、取得した停止図柄パターン判定用乱数に基づいて停止図柄パターン判定を行う。
演出制御用マイコン121は、停止図柄パターン判定において、選択した停止図柄パターンテーブルに、取得した停止図柄パターン判定用乱数を照合し、停止表示させる演出図柄EZ1~EZ3、および小図柄KZ1~KZ3を決定して、決定した演出図柄EZ1~EZ3、および小図柄KZ1~KZ3を表すデータを演出用RAM124の所定領域にセットする。例えば、特図変動パターンがリーチ無しハズレ変動であれば所謂「バラケ目」となるように演出図柄EZ1~EZ3、および小図柄KZ1~KZ3の組み合わせが選択される。また、特図変動パターンがリーチ有りハズレ変動であれば、左演出図柄EZ1と右演出図柄EZ3とが同一で、中演出図柄EZ2がそれらと異なるように演出図柄EZ1~EZ3、および小図柄KZ1~KZ3の組み合わせが選択される。さらに、特図変動パターンが大当たり変動であれば、演出モードおよび大当たり図柄の種別に応じて所謂「ゾロ目」となるように演出図柄EZ1~EZ3、および小図柄KZ1~KZ3の組み合わせが選択される。
次に、演出制御用マイコン121は、滞在している演出モードと特図変動開始コマンドが示す特図変動パターンに基づいて、特図変動演出の演出内容が対応付けられた特図変動演出パターンを判定する特図変動演出パターン判定を行うための特図変動演出パターン判定テーブルを選択する。特図変動演出パターン判定テーブルは、演出モードおよび特図変動パターンに関連づけられて複数設けられている。よって、演出制御用マイコン121は、特図変動パターンに対応付けられた特図変動演出パターン判定テーブルを1つ選択する。各特図変動演出パターン判定テーブルには、所定の振分率(%)となるように、1又は複数の特図変動演出パターンに特図変動演出パターン判定用乱数の値(特図変動演出パターン判定値)が振り分けられている。続いて、演出制御用マイコン121は、特図変動演出パターン判定用乱数カウンタが示す値を特図変動演出パターン判定用乱数として取得し、取得した特図変動演出パターン判定用乱数に基づいて特図変動演出パターン判定を行う。
演出制御用マイコン121は、特図変動演出パターン判定において、選択した特図変動演出パターンテーブルに、取得した特図変動演出パターン判定用乱数を照合し、特図変動演出パターンを決定して、決定した特図変動演出パターンを表すデータ(特図変動演出パターンデータ)を演出用RAM124の所定領域にセットすると共に、特図変動演出パターンを示す特図変動演出開始コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする。
演出用RAM124の出力バッファにセットされた特図変動演出開始コマンドが、コマンド送信処理(S4004)により画像制御基板140に送信されると、画像制御基板140の画像用CPU141は、画像用ROM142から所定の演出画像を読み出して、画像表示装置50の表示部50aにて画像による特図変動演出を行う。
また、特図変動演出開始コマンドには、特図変動開始コマンドが示す特図変動パターンに関連付けられた演出フローに関する情報が含まれている。また、特図変動演出開始コマンドには、画像表示装置50で行われる画像による特図変動演出の他に、スピーカー52から出力される音声による特図変動演出、枠ランプ53で行われる発光による特図変動演出の演出内容、および、盤可動体55kで行われる動作による特図変動演出の演出内容が含まれている。
また、演出制御用マイコン121は、画像制御基板140によって行われる画像による特図変動演出が行われている間、画像制御基板140に送信された特図変動演出開始コマンドが示す特図変動演出内容に応じて、音声制御回路161を介してスピーカー52から音声を出力させ(音声による特図変動演出を実行し)、また、サブドライブ基板162を介して枠ランプ53を発光させ(発光による特図変動演出を実行し)、盤可動体55kを作動させる(動作による特図変動演出を実行する)。
ステップS4307において、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から特図変動停止コマンドを受信したか否か、言い換えれば、特図変動停止コマンドを受信バッファに格納したか否かを判定する。演出制御用マイコン121は、特図変動停止コマンドを受信していなければ(S4307でNO)、ステップS4309に進む一方、特図変動停止コマンドを受信していれば(S4307でYES)、特図変動演出を終了させる(演出図柄EZ1~EZ3および小図柄KZ1~KZ3の変動表示を停止し、停止表示を行う)ための特図変動演出終了処理(S4308)を行う。
演出制御用マイコン121は、特図変動演出終了処理では、特図変動停止コマンドを解析し、その解析結果に基づいて、特図変動演出を適宜に終了(演出図柄EZ1~EZ3、および小図柄KZ1~KZ3の変動表示を停止)させるための特図変動演出終了コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする。画像制御基板140は、特図変動演出終了コマンドを受信すると、実行中の特図変動演出を終了(変動中の演出図柄EZ1~EZ3、および小図柄KZ1~KZ3を停止)する。
ステップS4309において、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から遊技状態コマンドを受信したか否か、言い換えれば、遊技状態コマンドを受信バッファに格納したか否かを判定する。演出制御用マイコン121は、遊技状態コマンドを受信していなければ(S4309でNO)、ステップS4311に進む一方、遊技状態コマンドを受信していれば(S4309でYES)、遊技状態コマンドを解析して、遊技状態コマンドが表す遊技状態を特定し、遊技状態を設定するための遊技状態設定処理を行う(S4310)。
演出制御用マイコン121は、遊技状態設定処理において、遊技状態コマンドが示す遊技状態に応じた遊技状態フラグを演出用RAM124の遊技状態フラグ領域に設定する。例えば、演出制御用マイコン121は、遊技状態コマンドが示す遊技状態が通常遊技状態であれば遊技状態フラグ「00H」を演出用RAM124の遊技状態フラグ領域に設定する。また、演出制御用マイコン121は、遊技状態コマンドが示す遊技状態が高確率高ベース遊技状態であれば遊技状態フラグ「01H」を演出用RAM124の遊技状態フラグ領域に設定する。さらに、演出制御用マイコン121は、遊技状態コマンドが示す遊技状態が低確率高ベース遊技状態であれば遊技状態フラグ「02H」を演出用RAM124の遊技状態フラグ領域に設定する。
ステップS4311において、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から客待ちコマンドを受信したか否か、言い換えれば、客待ちコマンドを受信バッファに格納したか否かを判定する。演出制御用マイコン121は、客待ちコマンドを受信していなければ(S4311でNO)、ステップS4313に進む一方、客待ちコマンドを受信していれば(S4311でYES)、客待ち演出待機処理を行い(S4312)、受信コマンド解析処理を終える。
演出制御用マイコン121は、客待ち演出待機処理では、演出図柄の停止表示が行われてから客待ち演出を開始させるまでの待機時間(客待ち演出待機時間:例えば、20秒)を客待ち演出タイマにセットする。なお、演出制御用マイコン121は、この待機時間が経過したか否かを判定可能であり、待機時間が経過したと判定すると、客待ち演出を開始させるための客待ち演出開始コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする。
ステップS4313において、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から大当たりオープニングコマンドを受信したか否か、言い換えれば、大当たりオープニングコマンドを受信バッファに格納したか否かを判定する。演出制御用マイコン121は、大当たりオープニングコマンドを受信していなければ(S4313でNO)、ステップS4315に進む一方、大当たりオープニングコマンドを受信していれば(S4313でYES)、大当たり遊技のオープニングの開始に伴う大当たりオープニング演出開始処理を行う(S4314)。
演出制御用マイコン121は、大当たりオープニング演出開始処理では、大当たりオープニングコマンドを解析して、その解析結果に基づいて、これから実行される大当たり遊技のオープニングに応じた大当たりオープニング演出を実行するか否かを判定し、実行するのであれば大当たりオープニング演出の演出内容(大当たりオープニング演出パターン)を選択し、選択した大当たりオープニング演出パターンにて大当たりオープニング演出を開始するための大当たりオープニング演出開始コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする。
ステップS4315において、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100からラウンド数指定コマンドを受信したか否か、言い換えれば、ラウンド数指定コマンドを受信バッファに格納したか否かを判定する。ラウンド数指定コマンドを受信していなければ(S4315でNO)、ステップS4317に進む一方、ラウンド数指定コマンドを受信していれば(S4315でYES)、ラウンド遊技の開始に伴うラウンド演出開始処理を行う(S4316)。
演出制御用マイコン121は、ラウンド演出開始処理では、ラウンド数指定コマンドを解析して、これから開始されるラウンド遊技に応じたラウンド演出を実行するか否かを判定し、実行するのであればラウンド演出の演出内容(ラウンド演出パターン)を選択し、選択したラウンド演出パターンに応じたラウンド演出開始コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする。
ステップS4317において、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100からエンディングコマンドを受信したか否か、言い換えれば、エンディングコマンドを受信バッファに格納したか否かを判定する。エンディングコマンドを受信していなければ(S4317でNO)、受信コマンド解析処理を終える一方、エンディングコマンドを受信していれば(S4317でYES)、大当たり遊技のエンディングの開始に伴う大当たりエンディング演出開始処理(S4318)、および演出モード設定処理(S4319)を行ってから受信コマンド解析処理を終える。
演出制御用マイコン121は、大当たりエンディング演出開始処理において、エンディングコマンドを解析して、これから実行される大当たり遊技のエンディングに応じた大当たりエンディング演出を実行するか否かを判定し、実行するのであれば大当たりエンディング演出の演出内容(大当たりエンディング演出パターン)を選択し、選択した大当たりエンディング演出パターンに応じた大当たりエンディング演出開始コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする。
また、演出制御用マイコン121は、演出モード設定処理において、エンディングコマンドの解析結果、具体的には、エンディングコマンドが示す大当たり図柄に基づいて、大当たり遊技後の演出モードを設定する処理(演出モードを制御するための処理)を行う。
例えば、演出制御用マイコン121は、大当たりエンディングコマンドが示す大当たり図柄が、大当たり図柄A、または大当たり図柄Dであると、高確率高ベース遊技状態を示唆する確変演出モードに設定する。そして、確変演出モードを示す演出モードフラグを演出用RAM124の所定領域にONすると共に、確変演出モードを設定することを示す確変演出モード開始コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする。演出用RAM124の出力バッファにセットされた確変演出モード開始コマンドが、コマンド送信処理(S4004)により画像制御基板140に送信されると、画像制御基板140の画像用CPU141は、エンディングが終了するタイミングで、背景画像として確変用背景画像G120を表示し、BGMとして確変用BGMを出力する。
また、演出制御用マイコン121は、大当たりエンディングコマンドが示す大当たり図柄が、大当たり図柄B、大当たり図柄C、または大当たり図柄Eであると、高確率高ベース遊技状態、または低確率高ベース遊技状態の何れであるか判別困難、または判別不可能な時短演出モードを設定する。そして、演出制御用マイコン121は、時短演出モードを示す演出モードフラグを演出用RAM124の所定領域にONすると共に、時短演出モードを設定することを示す時短演出モード開始コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする。演出用RAM124の出力バッファにセットされた時短演出モード開始コマンドが、コマンド送信処理(S4004)により画像制御基板140に送信されると、画像制御基板140の画像用CPU141は、エンディングが終了するタイミングで、背景画像として時短用背景画像G130を表示し、BGMとして時短用BGMを出力する。
<第1実施形態>
次に、前述の本発明に係る基本的な実施形態に基づいて、本発明に係る第1実施形態について説明する。以下においては、主に、第1実施形態として、基本的な実施形態と異なる点について説明する。また、基本的な実施形態と同一の構成、または同様に対応する構成については同一の符号、および用語を用いる。
第1実施形態に係るパチンコ遊技機PY1は、所謂「1種2種混合機」で構成される。1台のパチンコ遊技機PY1において、遊技球の第1始動口11への入賞を契機に特図1抽選が行われて大当たりに当選すると、後述の第1大入賞口14が開放する大当たり遊技が実行される「第1種(所謂「デジパチタイプ」)」と称される仕様と、遊技球の第2始動口12への入賞を契機に特図2抽選が行われて小当たりに当選すると、後述の第2大入賞口15が開放する小当たり遊技が実行され、小当たり遊技で開放した第2大入賞口15に入球した遊技球が、後述する特定領域16(所謂「Vゾーン」)を通過(所謂「V入賞」)すると大当たり遊技が実行される「第2種(所謂「羽根モノタイプ」)」と称される仕様とが混在する。
ここで、パチンコ遊技機PY1の遊技盤ユニットYUの正面図を図48に示す。図48に示すように、遊技領域6には、遊技球が入賞不可能な状態と入賞可能な状態との間で可逆的に変化可能な第1大入賞装置14D、および第2大入賞装置15Dが設けられている。第1大入賞装置14Dは、基本的な実施形態の大入賞装置14Dに対応している。したがって、第1大入賞装置14Dには、遊技球が入球不可能な閉態様と入球可能な開態様とに変化可能な第1大入賞口14が形成されており、第1大入賞口14は、第1大入賞装置14Dが具備する第1AT開閉部材14kによって閉態様と開態様とをとる。また、第1大入賞装置14Dには、遊技球が第1大入賞口14に入球(入賞)したことを検知する第1大入賞口センサ14aが設けられている。
第2大入賞装置15Dは、第1大入賞装置14Dの下流域側直下に設けられており、部分的に第1大入賞装置14Dと同じように構成されている。第2大入賞装置15Dには、遊技球が入球不可能な閉態様と入球可能な開態様とに変化可能な第2大入賞口15が形成されており、第2大入賞口15は、第2大入賞装置15Dが具備する第2AT開閉部材15kによって閉態様と開態様とをとる。また、第2大入賞装置15Dには、遊技球が第2大入賞口15に入球(入賞)したことを検知する第2大入賞口センサ15aが設けられている。
なお、第1実施形態では、第1大入賞口14への入球に伴って15個の賞球が払い出される。また、第2大入賞口15への入球に伴って15個の賞球が払い出される。
次に、遊技球が第2大入賞口15へ入賞した後の部分の遊技盤1の構成について説明する。図49は、遊技球が第2大入賞口15へ入賞した後の部分の遊技盤1の構成を模式的に表した説明図である。図49に示すように、遊技球が第2大入賞口15へ入賞した後の構成として、第2大入賞口15に入球した遊技球が通過可能な特定領域16および非特定領域17が設けられている。さらに、第2大入賞口15に入球した遊技球を特定領域16と非特定領域17に振り分け可能な振分部材16kが設けられている。
振分部材16kは、振分ソレノイド16s(図50参照)によって進退可能に構成される。振分ソレノイド16sは、遊技制御用マイコン101と電気的に接続され、遊技制御用マイコン101は、後述する小当たり遊技において、振分ソレノイド16sを制御することが可能である。
遊技制御用マイコン101は、振分ソレノイド16sを用いて振分部材16kを進退させることによって、第2大入賞口15に入賞した遊技球が特定領域16を通過可能な第1通過状態と、第2大入賞口15に入球した遊技球が非特定領域17を通過可能な第2通過状態とのどちらかの状態にすることが可能である。振分部材16kは、通常では第2通過状態となるように進出位置に保持され、小当たり遊技の実行に際し、所定時間(例えば2.8秒)だけ退避位置に退避して第1通過状態に変化する。小当たり遊技における振分部材16kの動作の詳細については後述する。
また、パチンコ遊技機PY1には、特定領域16を通過した遊技球を検知するが、非特定領域17を通過した遊技球を検知しない特定領域センサ16a(図50参照)が設けられている。特定領域センサ16aは、遊技制御用マイコン101と電気的に接続され、遊技球を検知すると、遊技球が特定領域16を通過したことを示す検知信号を遊技制御基板100に出力する。
なお、特定領域16および非特定領域17の前面には、合成樹脂製の透明な窓(図示なし)が設けられ、第2大入賞口15に入賞した遊技球が、特定領域16および非特定領域17の何れを通過したのかを、遊技者が視認可能になっている。
次に、パチンコ遊技機PY1における遊技制御基板100側の電気的な構成を説明する。図50は、パチンコ遊技機PY1における遊技制御基板100側の電気的な構成を示すブロック図である。図50に示すように、遊技制御基板100に接続されている各種アクチュエータ類として、第1ATソレノイド14s、第2ATソレノイド15s、および振分ソレノイド16sが含まれている。
遊技制御基板100は、第1ATソレノイド14s、第2ATソレノイド15s、および振分ソレノイド16sのそれぞれに対して、第1ATソレノイド14s、第2ATソレノイド15s、および振分ソレノイド16sの駆動を制御するための信号を出力可能である。第1ATソレノイド14sは第1AT開閉部材14kに接続されており、第1ATソレノイド14sが駆動することによって第1AT開閉部材14kが開閉動作を行う。第2ATソレノイド15sは第2AT開閉部材15kに接続されており、第2ATソレノイド15sが駆動することによって第2AT開閉部材15kが開閉動作を行う。振分ソレノイド16sは振分部材16kに接続されており、振分ソレノイド16sが駆動することによって振分部材16kが遊技盤1の前面に対して進退動作を行う。
また、遊技制御基板100に接続されている各種センサ類として、第1大入賞口センサ14a、第2大入賞口センサ15a、および特定領域センサ16aが遊技制御基板100へ信号を出力可能に接続されている。第1大入賞口センサ14aは、第1大入賞口14に入賞した遊技球を検知可能であり、遊技球を検知すると、第1大入賞口14に遊技球が入賞したことを示す信号を遊技制御基板100に出力する。第2大入賞口センサ15aは、第2大入賞口15に入賞した遊技球を検知可能であり、遊技球を検知すると、第2大入賞口15に遊技球が入賞したことを示す信号を遊技制御基板100に出力する。特定領域センサ16aは、特定領域16を通過した遊技球を検知可能であり、遊技球を検知すると、遊技球が特定領域16を通過(V入賞)したことを示す信号を遊技制御基板100に出力する。
次に、パチンコ遊技機PY1で制御可能な遊技状態について説明する。パチンコ遊技機PY1では、大当たり判定での大当たり当選確率に係る遊技状態として、通常確率状態の1種類のみ設定されている。一方、第2始動口12の入賞容易性に係る遊技状態として、基本的な実施形態と同様に、非時短状態(低ベース状態)と時短状態(高ベース状態)とが設定されている。そこで、以下において、低確率低ベース遊技状態のことを「通常遊技状態」と称し、低確率高ベース遊技状態のことを単に「時短状態」と称することもある。
なお、パチンコ遊技機PY1は、通常遊技状態において、第1始動口11に入賞させるように狙って左打ちで遊技球を発射させ続けて第1始動口11に入賞させるよりも、時短状態において第2始動口12に入賞させるように狙って右打ちで遊技球を発射させ続けて第2始動口12に入賞させる方が容易になるように構成されている。さらに、通常遊技状態においては、第2始動口12に入賞させるように狙って右打ちで遊技球を発射させ続けて第2始動口12に入賞させるよりも、第1始動口11に入賞させるように狙って左打ちで遊技球を発射させ続けて第1始動口11に入賞させる方が容易になるように構成されている。
次に、第1実施形態に係る大当たり判定について説明する。第1実施形態に係る大当たり判定で参照される大当たり判定テーブルの構成例を図51(A)に示す。図51(A)に示すように、大当たり判定テーブルとして、第1始動口11への入賞に基づく大当たり判定(第1大当たり判定)で用いられる特図1に係る大当たり判定テーブル(第1大当たり判定テーブル)と、第2始動口12への入賞に基づく大当たり判定(第2大当たり判定)で用いられる特図2に係る大当たり判定テーブル(第2大当たり判定テーブル)とが設けられている。
第1大当たり判定テーブルによると、第1大当たり判定では、大当たり、またはハズレに決定される。一方、第2大当たり判定テーブルによると、第2大当たり判定では、大当たり、小当たり、またはハズレに決定される。後述するように、第2大当たり判定で小当たりに決定されると、特図2可変表示で最終的に小当たりを示す態様の特図2の停止表示が実行され(「小当たり」という所定結果が導出され)、当該停止表示に応じて小当たり遊技が実行される。そして、小当たり遊技において第2大入賞口15に入賞した遊技球が特定領域16を通過すると、大当たり遊技が実行される。
また、図51(A)に示すように、第1大当たり判定において、大当たりと判定される確率は1/319に設定されている。一方、第2大当たり判定において、大当たりと判定される確率は1/319に設定され、小当たりと判定される確率は10/319に設定されている。基本的な実施形態と同様に、各大当たり判定テーブルでは、大当たり判定の結果である大当たり、小当たり、およびハズレに、特別図柄乱数の判定値(特別図柄乱数判定値)が図51(A)に示す選択率となるように適宜に振り分けられている。ただし、この大当たりの選択率、および小当たりの選択率は、特に限定されることはなく、適宜に変更可能である。また、第1大当たり判定で、大当たり判定結果として小当たりが含まれるようにしても良い。あるいは、第2大当たり判定で、大当たり判定結果として大当たりが含まれないようにしても良い。
次に、第1実施形態に係る大当たり図柄、および小当たり図柄について説明する。前述のように、大当たり図柄は、大当たり当選と共に大当たりの種類を示唆する特別図柄である。大当たり図柄は、大当たり図柄種別判定によって決定され、大当たり図柄種別判定は大当たり図柄種別判定テーブルを用いて行われる。第1実施形態に係る大当たり図柄種別判定テーブルの構成例を図51(B)に示す。
図51(B)に示すように、特図1の大当たり図柄として、大当たり図柄A、および大当たり図柄Bの2種類の大当たり図柄が設けられている。特図1に係る大当たり図柄種別判定テーブルによると、大当たり図柄Aは50%の確率で選択され、大当たり図柄Bは50%の確率で選択される。また、特図2の大当たり図柄として、大当たり図柄Cの1種類の大当たり図柄が設けられている。特図2に係る大当たり図柄種別判定テーブルによると、大当たり図柄Cは100%の確率で選択される。
また、パチンコ遊技機PY1において、特図1に係るハズレ図柄には、ハズレ図柄Aとハズレ図柄Bの2種類のハズレ図柄があり、特図2に係るハズレ図柄には、ハズレ図柄Cの1種類のハズレ図柄がある。ハズレ図柄Aは、基本的な実施形態における特図1に係るハズレ図柄と同じ位置付けであり、仕様上同一の機能を有する。一方、ハズレ図柄B、およびハズレ図柄Cは、第2始動口12への入賞容易性に係る遊技状態を、後述する第2時短状態に移行させるハズレ図柄である。すなわち、特図1可変表示でハズレ図柄Bの停止表示が行われると、大当たり遊技が実行されることなくそのまま第2時短状態になる。また、特図2可変表示でハズレ図柄Cの停止表示が行われると、大当たり遊技が実行されることなくそのまま第2時短状態になる。ただし、後述するように、ハズレ図柄Bやハズレ図柄Cの停止表示が行われて、大当たり遊技が実行されることなくそのまま第2時短状態になるのは、通常遊技状態に滞在しているときにハズレ図柄Bやハズレ図柄Cの停止表示が行われた場合のみである。後述する第1時短状態や第2時短状態などの時短状態においてハズレ図柄Bやハズレ図柄Cが停止表示しても、第2時短状態になることはない。
パチンコ遊技機PY1の遊技制御用マイコン101は、大当たり判定でハズレと判定すると、ハズレ図柄の種別を、ハズレ図柄種別判定によって決定する。ハズレ図柄種別判定はハズレ図柄種別判定テーブルを用いて行われる。第1実施形態に係るハズレ図柄種別判定テーブルの構成例を図51(C)に示す。図51(C)に示すように、特図1に係るハズレ図柄種別判定テーブルによると、198/199の確率でハズレ図柄Aに決定され、1/199の確率でハズレ図柄Bに決定され、特図2に係るハズレ図柄種別判定テーブルによると、199/199の確率でハズレ図柄Cに決定される。
なお、第1実施形態では、特図1関連判定情報、および特図2関連判定情報には、前述の特別図柄乱数、大当たり図柄種別乱数、リーチ乱数および特図変動パターン乱数の他に、ハズレ図柄種別判定を行うためのハズレ図柄種別乱数も含まれている。したがって、遊技用RAM104の所定領域には、ハズレ図柄種別乱数に係るハズレ図柄種別乱数カウンタ(ラベル-TRND-HS)が設けられており、ハズレ図柄種別乱数カウンタ(ラベル-TRND-HS)は、特別図柄乱数カウンタ(ラベル-TRND-T)や大当たり図柄種別乱数カウンタ(ラベル-TRND-OS)と同様に、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)で更新される。そして、遊技制御用マイコン101は、ステップS218において、特図1関連判定情報として、ハズレ図柄種別乱数も取得し、遊技用RAM104に設けられた特図関連判定情報用バッファに記憶する。また、遊技制御用マイコン101は、ステップS211において、特図2関連判定情報として、ハズレ図柄種別乱数も取得し、遊技用RAM104に設けられた特図関連判定情報用バッファに記憶する。なお、ハズレ図柄種別乱数の範囲は適宜に設定可能であるが、第1実施形態では、「0~199」に設定されている。
ハズレ図柄種別判定テーブルでは、ハズレ図柄種別判定の結果であるハズレ図柄種別に、ハズレ図柄種別乱数の判定値(ハズレ図柄種別乱数判定値)が、図51(C)に示す選択率となるように適宜に振り分けられている。よって、パチンコ遊技機PY1は、後述するように、取得したハズレ図柄種別乱数をハズレ図柄種別判定テーブルに照合して、ハズレ図柄の種別を判定する。なお、ハズレ図柄種別の数、および各ハズレ図柄種別の選択率は、第1実施形態に限られず適宜に設定しても良い。
次に、第1実施形態に係る大当たり遊技について説明する。第1実施形態では、大当たり遊技は、大当たり図柄が停止表示された場合と、小当たり図柄が停止表示された後に実行される小当たり遊技において開放した第2大入賞口15に入賞した遊技球が特定領域16を通過(V入賞)した場合に実行される。そして、大当たり遊技を構成する大当たり遊技構成要素、言い換えると大当たり遊技を制御するための大当たり遊技制御テーブルは、停止表示した特別図柄の種別、詳細には、当該大当たり遊技の実行契機となる大当たり図柄の種別、および小当たり図柄の種別に対応付けられている。図52は、第1実施形態に係る大当たり遊技制御テーブルの構成例を示す図である。
なお、小当たり図柄が停止表示されても、当該小当たり遊技において遊技球が特定領域16を通過しなかった場合は大当たり遊技が実行されない。したがって、小当たり図柄が停止表示した場合の大当たり遊技の直接的な実行契機は遊技球が特定領域16を通過(V入賞)することであるが、遊技球が第2大入賞口15に入賞しないと遊技球が特定領域16を通過することができず、第2大入賞口15への入賞は第2大入賞口15の開放によって実現可能であり、第2大入賞口15の開放は小当たり遊技で実行されるので、小当たり図柄の停止表示も大当たり遊技の実行契機に含めるものとする。
さらに、以下において、小当たり図柄が停止表示することを「小当たりする/小当たりになる」と称し、大当たり図柄が停止表示すること、および遊技球が特定領域16を通過することを「大当たりする/大当たりになる」と称することもある。
図52に示すように、大当たり図柄Aに対応付けられた大当たり遊技(以下、「第1大当たり遊技」ともいう)、大当たり図柄Bに対応付けられた大当たり遊技(以下、「第2大当たり遊技」ともいう)、および大当たり図柄Cに対応付けられた大当たり遊技(以下、「第3大当たり遊技」ともいう)に係るラウンド遊技の実行回数は10回である。
また、小当たり図柄に対応付けられた大当たり遊技(以下、「第4大当たり遊技」ともいう)に係るラウンド遊技の実行回数は10回である。なお、第4大当たり遊技は、小当たり図柄の停止表示によって実行される小当たり遊技(以下、「小当たり遊技」ともいう)で遊技球が特定領域16を通過した場合に当該小当たり遊技が終了することに応じて実行される。
また、第1実施形態では、大当たり遊技構成要素に、開放する大入賞口の種類も含まれている。図52に示すように、特別図柄種別に関わらず、全ての大当たり遊技の全てのラウンド遊技で、第1大入賞口14が開放するように設定されている。さらには、図52に示すように、特別図柄種別に関わらず、全ての大当たり遊技の全てのラウンド遊技について、ラウンド遊技における第1大入賞口14の開放回数が1回に設定され、各開放に係る時間(開放時間)が29.5秒に設定され、開放後の閉鎖に係る時間(閉鎖時間)が2.0秒に設定されている。なお、各大当たり遊技における最後のラウンド遊技については閉鎖時間が設定されていない。これは、最後のラウンド遊技に係る第1大入賞口14の開放が終了すると続いて、第1大入賞口14の閉鎖が保持されるエンディングが行われるからである。
さらに、第1実施形態では、特別図柄種別に関わらず、全ての大当たり遊技のオープニング時間(図52において「OP時間」)が10.0秒に設定され、全ての大当たり遊技のエンディング時間(図52において「ED時間」)が10.0秒に設定されている。
なお、大当たり遊技構成要素に係る具体的な値は特に限定されず適宜に変更しても良い。例えば、オープニング時間やエンディング時間をその特別図柄が停止表示したときの遊技状態に応じて異なるようにしても良い。また、ラウンド遊技の順番に応じて、開放する大入賞口14、15の種類が異なるようにしても良い。さらに、ラウンド遊技の順番に応じて、大入賞口14、15が開放する回数、当該ラウンド遊技において大入賞口14、15が開放する総時間、および大入賞口14、15の開放後の閉鎖に係る時間(閉鎖時間)が異なるようにしても良い。また、小当たり図柄の種別に応じて、当該大当たり遊技でのラウンド遊技の実行回数や大入賞口14、15が開放可能な総時間が異なるようにしても良い。
次に、第1実施形態に係る小当たり遊技について説明する。パチンコ遊技機PY1は、小当たり遊技制御テーブルを用いて小当たり遊技における大入賞口14、15の開閉を制御する。第1実施形態では、小当たり遊技制御テーブルは、当該小当たり遊技の契機となる小当たり図柄の停止表示が行われたときの遊技状態(小当たり時遊技状態)に対応付けて設定することが可能である。
小当たり遊技制御テーブルには、特に大入賞口14、15の開閉について小当たり遊技を構成する要素(小当たり遊技構成要素)が格納されている。小当たり遊技構成要素には、開放させる大入賞口の種類、当該小当たり遊技における大入賞口の開放回数、各開放に係る時間(開放時間)、次回の開放まで閉鎖させる時間(閉鎖時間)、オープニングの時間(オープニング時間)、およびエンディングの時間(エンディング時間)などが含まれている。すなわち、小当たり遊技構成要素は、小当たり時遊技状態に対応付けられている。図53は、第1実施形態に係る小当たり遊技制御テーブルの構成例を示す図である。
図53に示すように、小当たり遊技制御テーブルは、小当たり時遊技状態に対応付けられている。すなわち、通常遊技状態のときに小当たり図柄が停止表示された場合に用いられる小当たり遊技制御テーブル(通常用小当たり遊技制御テーブル)と、時短状態のときに小当たり図柄が停止表示された場合に用いられる小当たり遊技制御テーブルとがある(時短用小当たり遊技制御テーブル)とがある。
なお、以下において、通常用小当たり遊技制御テーブルを用いて制御・実行される小当たり遊技のことを「通常小当たり遊技」と称し、時短用小当たり遊技制御テーブルを用いて制御・実行される小当たり遊技のことを「時短小当たり遊技」と称する。
図53に示すように、全ての小当たり遊技で、第2大入賞口15の開放が1回行われる。そして、各小当たり遊技における第2大入賞口15の開放時間は1.8秒である。また、通常小当たり遊技のオープニング時間は10.0秒であり、エンディング時間は1.0秒である。一方、時短小当たり遊技のオープニング時間は2.0秒であり、エンディング時間は2.0秒である。
ここで、図54を用いて、小当たり遊技の詳細を説明する。図54(A)は、通常小当たり遊技の流れを示すタイムチャートであり、図54(B)は、時短小当たり遊技の流れを示すタイムチャートである。
図54(A)に示すように、通常遊技状態において特図2の停止表示として「小当たり図柄」が停止表示すると、通常小当たり遊技が行われる。そして、通常小当たり遊技の開始に応じて、最初に第2大入賞口15の閉鎖状態が保持されるオープニング(通常小当たりOP)が行われる。通常小当たりOPは、通常小当たり遊技の開始後10.0秒が経過するまで継続し、通常小当たりOPが終了すると、第2大入賞口15が開放する(通常小当たり開放が行われる)と共に、振分部材16kが退避して第1通過状態になる。通常小当たり開放は、当該開放の開始後1.8秒が経過するまで、もしくは、10個の遊技球が第2大入賞口15に入賞するまで継続する一方、振分部材16kの退避は、当該退避の開始後2.8秒が経過するまで継続する。そして、通常小当たり開放が終了すると、第2大入賞口15が閉鎖して当該閉鎖状態が保持されるエンディング(通常小当たりED)が行われる。通常小当たりEDは、当該EDの開始後、2.0秒が経過するまで継続し、通常小当たりEDの終了によって、通常小当たり遊技が終了する。
図54(B)に示すように、時短状態において特図2の停止表示として「小当たり図柄」が停止表示すると、時短小当たり遊技が行われる。そして、時短小当たり遊技の開始に応じて、最初に第2大入賞口15の閉鎖状態が保持されるオープニング(時短小当たりOP)が行われる。時短小当たりOPは、時短小当たり遊技の開始後2.0秒が経過するまで継続し、時短小当たりOPが終了すると、第2大入賞口15が開放する(時短小当たり開放が行われる)と共に、振分部材16kが退避して第1通過状態になる。時短小当たり開放は、当該開放の開始後1.8秒が経過するまで、もしくは、10個の遊技球が第2大入賞口15に入賞するまで継続する一方、振分部材16kの退避は、当該退避の開始後2.8秒が経過するまで継続する。そして、時短小当たり開放が終了すると、第2大入賞口15が閉鎖して当該閉鎖状態が保持されるエンディング(時短小当たりED)が行われる。時短小当たりEDは、当該EDの開始後2.0秒が経過するまで継続し、時短小当たりEDの終了によって、時短小当たり遊技が終了する。
通常小当たり遊技中、および時短小当たり遊技中に第2大入賞口15に入球した遊技球は、第1通過状態では、振分部材16kが退避位置にあるため、非特定領域17まで流下することなく、特定領域16を通過する一方、第2通過状態では、振分部材16kが進出位置にあるため、振分部材16k上を流下して、非特定領域17を通過する。そして、遊技球が特定領域16を通過した場合には、当該小当たり遊技の終了に応じて、小当たり図柄種別に応じた大当たり遊技が行われる。
なお、通常小当たり遊技、および時短小当たり遊技の何れにおいても、第2大入賞口15が開放している間、さらに第2大入賞口15が閉鎖してから1.0秒が経過するまでの間、振分部材16kが退避しており(第1通過状態が保持されており)、遊技球が特定領域16を通過(V入賞)可能な状態になっている。そして、パチンコ遊技機PY1は、通常小当たり遊技、および時短小当たり遊技の何れについても、当該小当たり遊技が開始されてから右打ちで遊技球の発射を開始させ、その後、小当たり遊技において遊技球を右打ちで発射させ続けると、基本的には(特段問題がない限り)遊技球が特定領域16を通過(V入賞)できるように構成されている。また、小当たり遊技中に遊技球が第2大入賞口15に入球(入賞)すると、遊技球が特定領域16を通過したか否かに関わらず、15個の遊技球が賞球として払い出される。
次に、第1実施形態に係る遊技状態について説明する。第1実施形態に係るパチンコ遊技機PY1において、第2始動口12への入賞容易性に係る遊技状態として、通常遊技状態を構成する非時短状態(通常遊技状態)と、非時短状態よりも第2始動口12への入賞容易性が高い時短状態があるが、時短状態には、さらに、第1時短状態と、第1時短状態よりも第2始動口12への入賞容易性が低い第2時短状態がある。第1時短状態は、基本的な実施形態に係る時短状態と同一である。言い換えると、第1時短状態に係る当たり判定で当たりと判定される確率は、59937/65536であり、第1時短状態に係る普図変動時間は5秒であり、第2時短状態に係る補助遊技での第2始動口12の開放パターンは、1.0秒のインターバルを挟んだ2回の2.5秒開放である。
そして、第2時短状態は、非時短状態よりも第2始動口12への入賞容易性が低いが、第2始動口12への入賞容易性については、第1時短状態よりも非時短状態に近い。詳細には、第2時短状態は、第2始動口12への入賞容易性について、第1時短状態よりも限りなく非時短状態(通常遊技状態)に近い。ここで、第1実施形態に係る当たり判定テーブルの構成例を図55(A)に示し、第1実施形態に係る普図変動パターン判定テーブルの構成例を図55(B)に示し、第1実施形態に係る補助遊技制御テーブルの構成例を図55(C)に示す。
図55(A)、図55(B)、および図55(C)に示すように、非時短状態に係る当たり判定で当たりと判定される確率は、6601/65536であり、非時短状態に係る普図変動時間は30秒であり、非時短状態に係る補助遊技での第2始動口12の開放パターンは、1回の0.2秒開放であるのに対して、第2時短状態に係る当たり判定で当たりと判定される確率は、6701/65536であり、第2時短状態に係る普図変動時間は25秒であり、第2時短状態に係る補助遊技での第2始動口12の開放パターンは、1回の0.5秒開放である。このように、第2始動口12への入賞容易性、言い換えると単位時間当たりの第2始動口12の開放時間を構成する要素、具体的には、当たり判定で当たりと判定される確率、普図変動時間、および補助遊技での第2始動口12の開放時間の何れについても、第2時短状態は、第1時短状態よりも非時短状態に非常に近似している。したがって、パチンコ遊技機PY1は、第2時短状態において、非時短状態(通常遊技状態)の場合と同様に、第2始動口12を狙って右打ちで遊技球を発射させて第2始動口12に入賞させるよりも、第1始動口11を狙って左打ちで遊技球を発射させて第1始動口11に入賞させる方が容易に構成されている。
次に、パチンコ遊技機PY1が、大当たり遊技の終了に伴って新たに移行させる遊技状態、および各遊技状態に係る終了条件について説明する。第1実施形態では、当該大当たり遊技が大当たり図柄の停止表示に基づいて実行される場合は、大当たり遊技の終了に伴って新たに移行する遊技状態、および各遊技状態に係る終了条件は、当該大当たり図柄が停止表示したときの遊技状態、および当該大当たり図柄種別に対応付けられている。一方、当該大当たり遊技が遊技球の特定領域16の通過(V入賞)に基づいて実行される場合は、大当たり遊技の終了に伴って新たに移行する遊技状態、および各遊技状態に係る終了条件は、当該小当たり図柄が停止表示したときの遊技状態、および当小当たり図柄種別に対応付けられている。
後述するように、小当たり図柄が停止表示した場合、そのときの遊技状態が保持されたまま小当たり遊技が開始される。したがって、小当たり図柄が停止表示したときの遊技状態と、遊技球が特定領域16を通過(V入賞)したとき、言い換えると大当たりしたときの遊技状態とは同一になる。すなわち、当該大当たり遊技が遊技球の特定領域16の通過に基づいて実行される場合は、大当たり遊技の終了に伴って新たに移行する遊技状態、および各遊技状態に係る終了条件は、当該大当たりしたときの遊技状態、および当該小当たり図柄種別に対応付けられている。そのため、大当たり遊技の発生契機が大当たり図柄の停止表示の場合も小当たり図柄の停止表示の場合も、大当たり遊技の終了に伴って新たに移行する遊技状態、および各遊技状態に係る終了条件は、大当たりしたときの遊技状態、および当該大当たり遊技の発生契機となる特別図柄の種別に対応付けられていると言える。
図56(A)は、通常遊技状態において大当たりした場合の当該大当たり遊技の発生契機となる特別図柄の種別(特別図柄種別)と、当該特別図柄種別に対応する大当たり遊技の終了に伴って移行する遊技状態、および当該遊技状態に係る終了条件との関係を表した遊技状態設定テーブルの構成例を示す図であり、図56(B)は、時短状態(第1時短状態、および第2時短状態)において大当たりした場合の当該大当たり遊技の発生契機となる特別図柄の種別(特別図柄種別)と、当該特別図柄種別に対応する大当たり遊技の終了に伴って移行する遊技状態、および当該遊技状態に係る終了条件との関係を表した遊技状態設定テーブルの構成例を示す図である。
図56(A)に示すように、通常遊技状態において大当たりした場合の当該大当たりの発生契機となる特別図柄種別が大当たり図柄A、大当たり図柄B、大当たり図柄C、および小当たり図柄である場合、当該特別図柄種別に対応する大当たり遊技(第1大当たり遊技、第2大当たり遊技、第3大当たり遊技、および第4大当たり遊技)の終了に伴って、第1時短状態に移行する。そして、この第1時短状態には終了条件が設定されている。大当たり図柄A、大当たり図柄B、大当たり図柄C、および小当たり図柄の場合は特図2可変表示が50回実行されることが終了条件となる。よって、通常遊技状態において大当たり図柄A、大当たり図柄B、および大当たり図柄Cが停止表示されてから実行される大当たり遊技の終了に伴って移行する第1時短状態、ならびに、通常遊技状態において小当たり図柄が停止表示されてから実行される小当たり遊技で第2大入賞口15に入賞した遊技球が特定領域16を通過してから実行される大当たり遊技の終了に伴って移行する第1時短状態は、大当たり遊技が実行されることなく特図2可変表示が50回実行されるまで継続可能である。すなわち、通常遊技状態における大当たり図柄A、大当たり図柄B、および大当たり図柄Cの停止表示によって実行される大当たり遊技の終了に伴って移行される第1時短状態の規定回数(時短規定回数)、ならびに、通常遊技状態における小当たり図柄の停止表示によって実行される小当たり遊技で第2大入賞口15に入賞した遊技球の特定領域16の通過によって実行される大当たり遊技の終了に伴って移行される第1時短状態の規定回数(時短規定回数)は、50回である。
図56(B)に示すように、時短状態(第1時短状態、および第2時短状態)において大当たりした場合の当該大当たりの発生契機となる特別図柄の種別が大当たり図柄A、大当たり図柄B、大当たり図柄C、および小当たり図柄である場合、当該特別図柄種別に対応する大当たり遊技(第1大当たり遊技、第2大当たり遊技、第3大当たり遊技、第4大当たり遊技)の終了に伴って、第1時短状態に移行する。そして、この第1時短状態には終了条件が設定されている。しかし、特別図柄種別に応じて、当該第1時短状態の終了条件が異なる。具体的には、大当たり図柄A、大当たり図柄C、および小当たり図柄に係る第1時短状態の終了条件は、特図2可変表示が50回実行されることで構成されている。一方、大当たり図柄Bに係る第1時短状態の終了条件は、特図2可変表示が10回実行されることで構成されている。よって、時短状態において大当たり図柄A、および大当たり図柄Cが停止表示されてから実行される大当たり遊技の終了に伴って移行する第1時短状態、ならびに時短状態において小当たり図柄が停止表示されてから実行される小当たり遊技で第2大入賞口15に入賞した遊技球が特定領域16を通過してから実行される大当たり遊技の終了に伴って移行する第1時短状態は、大当たり遊技が実行されることなく特図2可変表示が50回実行されるまで継続可能である。すなわち、時短状態における大当たり図柄A、および大当たり図柄Cの停止表示によって実行される大当たり遊技の終了に伴って移行される第1時短状態の規定回数(時短規定回数)、ならびに、時短状態における小当たり図柄の停止表示によって実行される小当たり遊技で第2大入賞口15に入賞した遊技球の特定領域16の通過によって実行される大当たり遊技の終了に伴って移行される第1時短状態の規定回数(時短規定回数)は、50回である。一方、時短状態において大当たり図柄Bが停止表示されてから実行される大当たり遊技の終了に伴って移行する第1時短状態は、大当たり遊技が実行されることなく特図2可変表示が10回実行されるまで継続可能である。すなわち、時短状態における大当たり図柄Bの停止表示によって実行される大当たり遊技の終了に伴って移行される第1時短状態の規定回数(時短規定回数)は、10回である。
ところで、パチンコ遊技機PY1では、大当たりとは異なる発生契機によって第1時短状態になることがある。この大当たり以外の発生契機は、新たに通常確率状態に移行されてから大当たりすることなく特図可変表示が特定回数実行されることである。新たに通常確率状態に移行される場合として、後述するように当該パチンコ遊技機PY1への電力供給時(電源投入時)にRAMクリアスイッチ(図示なし)が操作されて通常遊技状態が設定される場合と、大当たり遊技の終了に応じて第1時短状態に移行される場合とがある。そして、この第1時短状態の発生契機のことを「天井到達」と称する。なお、大当たりによって発生する第1時短状態のことを「大当たり時短」と称し、天井到達によって発生する第1時短状態のことを「天井時短」と称する。また、天井時短に係る特図可変表示の実行回数である特定回数のことを「天井」と称することもあり、第1実施形態では、天井時短に係る特定回数は1200回に設定されている。
また、天井時短の終了条件は、大当たりすることなく特図2可変表示が50回実行されることである。すなわち、天井時短は、大当たりすることなく特図2可変表示が50回実行されるまで継続可能であり、天井時短に係る時短規定回数は、50回ということになる。
このように、大当たり時短を含めて、時短状態の時短規定回数には、50回と10回とがある。以下において、時短規定回数が50回の時短状態を「有利時短状態」と称し、時短規定回数が10回の時短状態を「不利時短状態」と称することがある。
また、パチンコ遊技機PY1では、大当たりとは異なる発生契機によって第2時短状態になることがある。この大当たり以外の発生契機は、通常遊技状態においてハズレ図柄B、またはハズレ図柄Cが停止表示されることである。以下において、この第2時短状態の発生契機のことを「突時」と称することもある。また、突時によって発生する第2時短状態のことを「ハズレ時短」と称することもある。
また、第1実施形態では、ハズレ時短の終了条件は、大当たりすることなく特図可変表示が1200回実行されることである。すなわち、ハズレ時短は、大当たりすることなく特図可変表示が1200回実行されるまで継続可能であり、ハズレ時短に係る時短規定回数は、1200回ということになる。
なお、第1実施形態では、時短状態(第1時短状態、および第2時短状態)において、ハズレ図柄B、またはハズレ図柄Cの停止表示が行われても、当該時短状態が維持され、当該時短状態に係る時短残り回数も維持される(そのまま変化しない)。
次に、パチンコ遊技機PY1における主要な遊技フローについて説明する。図57は、パチンコ遊技機PY1における主要な遊技フローを模式的に表した図である。なお、以下において、大当たり図柄Aが停止表示すること、および大当たり図柄Aが停止表示して第1大当たり遊技が実行されることを「大当たり1」と称することもある。同様に、大当たり図柄B、大当たり図柄Cが停止表示すること、および大当たり図柄B、大当たり図柄Cが停止表示して第2大当たり遊技、第3大当たり遊技が実行されることを「大当たり2」、「大当たり3」と称することもある。さらに、小当たり図柄の停止表示に基づく小当たり遊技において第2大入賞口15に入賞した遊技球が特定領域16を通過すること、および当該通過後に第4大当たり遊技が実行されることを「大当たり4」と称することもある。さらに、ハズレ図柄B、ハズレ図柄Cが停止表示すること、およびハズレ図柄B、ハズレ図柄Cが停止表示して第2時短遊技に移行することを「ハズレB」、「ハズレC」と称することもある。
詳細な説明は省略するが、第1実施形態では、パチンコ遊技機PY1に電力が供給される際に、RAMクリアスイッチ(図示なし)が操作されると、遊技制御用マイコン101が、遊技状態として通常遊技状態(低確率低ベース遊技状態)を設定すると共に、演出制御用マイコン121が演出モードとして左打ちに応じた(通常遊技状態または第2時短状態であることを示唆する)通常演出モードを設定する。なお、パチンコ遊技機PY1に電力が供給される際に、RAMクリアスイッチ(図示なし)が操作されない場合、遊技制御用マイコン101は遊技状態として、前回の電力供給の遮断(電断)の際の遊技状態をそのまま引き継ぎ、演出制御用マイコン121は演出モードとして、前回の電力供給の遮断(電断)の際の演出モードをそのまま引き継ぐ。
非時短状態で構成される通常遊技状態では、左打ちで遊技球を発射させることによって第1始動口11へ入賞させ、当該入賞に基づく特図1抽選で大当たり当選を狙う遊技が中心に行われる。特図1抽選が実行されると特図1可変表示が実行される。特図1抽選で大当たりに当選すると、特図1可変表示で大当たり図柄の停止表示が行われるが、特図1に係る大当たり図柄には、大当たり図柄A、および大当たり図柄Bがある。
通常遊技状態で大当たり図柄Aの停止表示が行われると、第1大当たり遊技が実行され(大当たり1)、当該第1大当たり遊技の終了に伴って、時短規定回数が50回の第1時短状態(有利第1時短状態)になると共に、当該有利第1時短状態に応じた演出モードになる。なお、第1実施形態では、有利第1時短状態に応じた演出モードのことを「時短RUSH」と称することもある。また、通常遊技状態で大当たり図柄Bの停止表示が行われると、第2大当たり遊技が実行され(大当たり2)、当該第2大当たり遊技の終了に伴って、時短規定回数が50回の第1時短状態(有利第1時短状態)になると共に、当該有利第1時短状態に応じた演出モード(時短RUSH)になる。すなわち、第1実施形態では、通常遊技状態において、大当たり図柄Aが停止表示された場合も大当たり図柄Bが停止表示された場合も、10Rの大当たり遊技が実行され、当該大当たり遊技の終了に応じて時短規定回数が50回の第1時短状態(有利第1時短状態)に移行する。換言すると、通常遊技状態において、大当たり図柄Aが停止表示された場合と大当たり図柄Bが停止表示された場合とで、遊技者に対する遊技利益が同一である。
また、例えば電力供給時にRAMクリアスイッチ(図示)が操作されるなどして通常遊技状態且つ通常演出モードが設定され、当該通常遊技状態且つ通常演出モードにおいて、大当たりすることなく特図可変表示が特定回数(1200回)実行されると、天井到達によって、時短規定回数が50回の第1時短状態(有利第1時短状態)に移行すると共に、当該有利第1時短状態に応じた演出モード(時短RUSH)になる。
第1時短状態である有利第1時短状態では、右打ちで遊技球を発射させることによって第2始動口12に入賞させることが可能であり、通常遊技状態において左打ちで遊技球を発射させ続けて第1始動口11に入賞させるよりも第1時短状態において右打ちで遊技球を発射させ続けて第2始動口12に入賞させる方が容易になるように構成されており、特図1抽選よりも特図2抽選の方が遊技者に有利な結果になり易いことから、有利第1時短状態では、基本的には第2始動口12へ入賞させ、当該入賞に基づく特図2抽選で大当たりまたは小当たりに当選させて大当たりさせることを狙う遊技が中心に行われる。ただし、第2大当たり判定で大当たりに当選する確率は、1/319であり、小当たりに当選する確率は、10/319であるので、有利第1時短状態では、現実的には、第2始動口12へ入賞させ、当該入賞に基づく特図2抽選で小当たりに当選させて大当たりさせることを狙う遊技が中心に行われる。
有利第1時短状態、且つ時短RUSHにおいて、小当たり図柄の停止表示が行われると、時短小当たり遊技が実行される。前述の通り、パチンコ遊技機PY1は、時短小当たり遊技において右打ちで遊技球を発射させ続けていると、基本的には(よほどのことがない限りは)遊技球が特定領域16を通過(V入賞)できるように構成されている。そして、時短小当たり遊技で第2大入賞口15に入賞した遊技球が特定領域16を通過すると、当該時短小当たり遊技の終了に応じて、第4大当たり遊技が実行される(大当たり4)。ここで、小当たり図柄の停止表示は時短状態でなされたものであるので、第4大当たり遊技の終了に伴って、再度、時短規定回数が50回の第1時短状態(有利第1時短状態)になると共に、有利第1時短状態に応じた演出モード(時短RUSH)になる。すなわち、大当たり4を介して、有利第1時短状態、且つ時短RUSHが継続(連荘)する。
有利第1時短状態、且つ時短RUSHにおいて、大当たり図柄Cの停止表示が行われると、第3大当たり遊技が実行される(大当たり3)。ここで、大当たり図柄Cの停止表示は時短状態でなされたものであるので、第3大当たり遊技の終了に伴って、再度、時短規定回数が50回の第1時短状態(有利第1時短状態)になると共に、有利第1時短状態に応じた演出モード(時短RUSH)になる。すなわち、大当たり3を介して、有利第1時短状態、且つ時短RUSHが継続(連荘)する。
また、通常遊技状態、且つ通常演出モードにおいて、特図1可変表示でハズレ図柄Bが停止表示されると、大当たり遊技が実行されることなくそのまま第2時短状態になる。ここで、前述の通り、第2時短状態は、極めて通常遊技状態に近似した遊技状態であるので、第2時短状態でも、基本的には遊技球を左打ちで発射させて第1始動口11への入賞に基づく特図1可変表示で大当たり当選させることを狙う遊技が行われる。したがって、通常遊技状態から第2時短状態に切り替わっても、遊技球を発射させるための操作態様は左打ちのまま継続される。
なお、第1実施形態では、第2時短状態でも通常演出モードによる演出が実行される。すなわち、ハズレ図柄Bの停止表示によって遊技状態が通常遊技状態から第2時短状態に移行しても演出モードは変更されない。さらに、通常遊技状態から第2時短状態に切り替わる際に、当該切り替わりの示唆・報知は実行されず、通常演出モードによる演出が特に途切れることなく継続される。したがって、通常遊技状態から第2時短状態に移行しても、遊技者の体感としては通常遊技状態が継続しているように、あるいは遊技状態が変化していないように感じられる。
第2時短状態で大当たり図柄Aの停止表示が行われると、第1大当たり遊技が実行され(大当たり1)、当該第1大当たり遊技の終了に伴って、時短規定回数が50回の第1時短状態(有利第1時短状態)になると共に、当該有利第1時短状態に応じた演出モードになる。一方、第2時短状態で大当たり図柄Bの停止表示が行われると、第2大当たり遊技が実行されるが(大当たり2)、当該大当たり図柄Bの停止表示が行われたときの遊技状態は第2時短状態(時短状態)であるので、当該第2大当たり遊技の終了に伴って、時短規定回数が10回の第1時短状態(不利第1時短状態)になる。すなわち、第2時短状態において、大当たり図柄Aが停止表示された場合も大当たり図柄Bが停止表示された場合も、10Rの大当たり遊技が実行されるが、大当たり図柄Aの場合は当該大当たり遊技の終了に応じて時短規定回数が50回の第1時短状態に移行する一方、大当たり図柄Bの場合は当該大当たり遊技の終了に応じて時短規定回数が10回の第1時短状態に移行する。換言すると、第2時短状態においては、大当たり図柄Aが停止表示された場合と大当たり図柄Bが停止表示された場合とで、遊技者に対する遊技利益、具体的には、当該大当たり遊技の後の第1時短状態の継続期間が異なる。なお、第1実施形態では、当該第2大当たり遊技の終了に伴って、時短規定回数が10回の第1時短状態(不利第1時短状態)になるときに、演出モードは、当該不利第1時短状態に応じた演出モードになる。第1実施形態では、不利第1時短状態に応じた演出モードのことを「チャンスタイム」と称することもある。
第1時短状態で遊技の主要な対象となる第2始動口12への入賞に基づく大当たり判定で、大当たりと判定される確率が1/319で小当たりと判定される確率が10/319であり、よほどのことがない限りは小当たり遊技でV入賞させることができるので、第2大当たり判定で実質的に大当たりと判定される確率は、大当たりと判定される確率と小当たりと判定される確率を合算して1/29となる。そうすると、有利第1時短状態に係る時短規定回数は50回であり、第2大当たり判定で実質的に大当たりと判定される確率を分母より大きいので、有利第1時短状態で大当たりに当選することに対して期待を持つことができる。一方、不利第1時短状態に係る時短規定回数は10回であり、第2大当たり判定で実質的に大当たりと判定される確率の分母より小さいので、不利第1時短状態で大当たりに当選することに対して期待を持つことができない。すなわち、有利第1時短状態は連荘できる可能性が高い(連荘に対する期待度が相対的に高い)が、不利第1時短状態は連荘できる可能性が低い(連荘に対する期待度が相対的に低い)。
このように、通常遊技状態と第2時短状態とで、同じように通常演出モードによる演出が行われている中で、左打ちによる遊技が行われるが、通常遊技状態において大当たり当選すると100%の確率で有利第1時短状態に移行する一方、第2時短状態において大当たり当選すると50%の確率で有利第1時短状態に移行する。
また、詳細な説明は省略するが、第1実施形態では、第1時短状態において、大当たりすることなく特図2可変表示が時短規定回数(有利第1時短状態では50回、不利第1時短状態では10回)実行されると、当該時短規定回数目(有利第1時短状態では50回目、不利第1時短状態では10回目)の特図2変動表示が終了するとき、言い換えると特図2停止表示が開始されたときに第1時短状態が終了して遊技状態が新たに通常遊技状態に移行する。そして、特図2の変動表示が終了してから、言い換えると特図2の停止表示が開始してから特図確定時間が経過すると、停止表示しているのがハズレ図柄Cであれば、そのときは通常遊技状態であるので、ハズレ図柄Cの停止表示によって、通常遊技状態から第2時短状態(突時)になる。したがって、第1時短状態で、大当たりすることなく特図2可変表示が時短規定回数(有利第1時短状態では50回、不利第1時短状態では10回)実行されると、実質的には、第1時短状態から第2時短状態に移行すると共に、遊技球の発射態様が右打ちから左打ちになる(左打ちに戻る)。以下において、第1時短状態で、大当たりすることなく特図2可変表示が時短規定回数(有利第1時短状態では50回、不利第2時短状態では10回)実行されて、第1時短状態が終了して遊技状態が第2時短状態に移行することを「第1時短抜け」と称する。そして、第1時短抜けに応じて、演出モードは、その演出モード(有利第1時短状態では時短RUSH、不利第1時短状態ではチャンスタイム)から通常演出モードに移行する。
なお、前述の通り、パチンコ遊技機PY1は、右打ちで遊技球を発射させ続けていると容易に第2始動口12に入賞できるように構成されている。したがって、有利第1時短状態において、特図2可変表示が行われているときに、右打ちで遊技球を発射させ続けていると、特図2保留が上限値(4つ)まで溜まることになる。そのため、第1時短状態が終了する直前(第1時短抜け直後)には、特図2保留が上限値(4つ)まで溜まっており、第1時短抜け直後の第2時短状態では、まずは最初にそれらの特図2保留に基づく特図2可変表示が実行されることになる。以下において、第1時短抜け直後に第2時短状態になる場合の当該第1時短状態の終了時に残存している特図2保留のことを「残保留」と称する。
また、第1実施形態では、第2時短状態で、大当たりすることなく特図可変表示が時短規定回数(1200回)実行されると、当該時短規定回数目(1200回目)の特図可変表示の終了に応じて第2時短状態が終了して新たに遊技状態が通常遊技状態に移行するように考えられる。しかし、第2時短状態へ移行するルートとして、通常遊技状態でハズレ図柄Bの停止表示が行われた場合と、第1時短抜けの場合とがある。前者の場合は、通常遊技状態が保持されているということは天井到達されていないことになるので、第2時短状態に移行しても天井残り回数は引き継がれることになる。そうすると、第2時短状態に係る時短規定回数は、天井到達に係る特定回数よりも多いことから、第2時短状態において大当たりすることなく特図可変表示が実行され続けると、当該第2時短状態の途中で天井到達して第2時短状態から第1時短状態に移行することになる。また、後者の場合は、大当たり遊技の実行を契機に移行した第1時短状態を経由して第2時短状態に移行してきているので、第2時短状態に移行してきた時点で天井残り回数が50回減っていることになるので、この場合も第2時短状態において大当たりすることなく特図可変表示が実行され続けると、当該第2時短状態の途中で天井到達して第2時短状態から第1時短状態に遷移することになる。このように、第2時短状態で当該時短規定回数目(1200回目)の特図可変表示が実行されることはなく、大当たりしない場合は必ず天井到達することになる。
次に、第1実施形態に係る特図1変動パターン判定テーブル、および特図1変動パターンについて説明する。第1実施形態に係る特図1変動パターン判定テーブルには、通常遊技状態のときに用いられる特図1変動パターン判定テーブルと、時短状態(第1時短状態、および第2時短状態)のときに用いられる特図1変動パターン判定テーブルとで分けられている。以下において、通常遊技状態のときに用いられる特図1動パターン判定テーブルのことを「通常特図1変動パターン判定テーブル」と称し、時短状態のときに用いられる特図1変動パターン判定テーブルのことを「時短特図1変動パターン判定テーブル」と称する。ここで、通常特図1変動パターン判定テーブルの構成例を図58に示し、時短特図1変動パターン判定テーブルの構成例を図59に示す。
図58に示すように、通常特図1変動パターン判定テーブルには、さらに、特図抽選結果「大当たり図柄A」に対応付けられた通常特図1変動パターン判定テーブルと、特図抽選結果「大当たり図柄B」に対応付けられた通常特図1変動パターン判定テーブルと、特図抽選結果「ハズレ図柄(ハズレ図柄A、ハズレ図柄B)」且つリーチ判定結果「リーチ有り」に対応付けられた通常特図1変動パターン判定テーブルと、特図抽選結果「ハズレ図柄(ハズレ図柄A、ハズレ図柄B)」且つリーチ判定結果「リーチ無し」に対応付けられた通常特図1変動パターン判定テーブルとがある。特図抽選結果「ハズレ図柄(ハズレ図柄A、ハズレ図柄B)」且つリーチ判定結果「リーチ無し」に対応付けられた通常特図1変動パターン判定テーブルには、さらに、特図1保留数が0~2の場合に係るものと、特図1保留数が3~4の場合に係るものとがある。
図59に示すように、時短特図1変動パターン判定テーブルには、特図抽選結果「大当たり図柄A」に対応付けられた時短特図1変動パターン判定テーブルと、特図抽選結果「大当たり図柄B」に対応付けられた時短特図1変動パターン判定テーブルと、特図抽選結果「ハズレ図柄(ハズレ図柄A、ハズレ図柄B)」且つリーチ判定結果「リーチ有り」に対応付けられた時短特図1変動パターン判定テーブルと、特図抽選結果「ハズレ図柄(ハズレ図柄A、ハズレ図柄B)」且つリーチ判定結果「リーチ無し」に対応付けられた時短特図1変動パターン判定テーブルとがある。特図抽選結果「ハズレ図柄(ハズレ図柄A、ハズレ図柄B)」且つリーチ判定結果「リーチ無し」に対応付けられた時短特図1変動パターン判定テーブルには、さらに、特図1保留数が0~2の場合に係るものと、特図1保留数が3~4の場合に係るものとがある。
また、図58に示すように、通常遊技状態において決定可能な特図1変動パターンとして、THP01~THP04、THP11~THP12、THP14~THP16があり、大当たり図柄Aの場合にはTHP01~THP02の何れかに決定され、大当たり図柄Bの場合にはTHP03~THP04の何れかに決定され、リーチ有りハズレの場合にはTHP11~THP12の何れかに決定され、リーチ無しハズレの場合にはTHP14~THP16の何れかに決定される。
大当たり図柄Aの場合は、75%の確率でTHP01に決定され、25%の確率でTHP02に決定される。大当たり図柄Bの場合は、75%の確率でTHP03に決定され、25%の確率でTHP04に決定される。リーチ有りハズレの場合は、25%の確率でTHP11に決定され、75%の確率でTHP12に決定される。リーチ無しハズレであって特図1保留数が0~2個の場合は、80%の確率でTHP14に決定され、20%の確率でTHP15に決定され、0%の確率でTHP16に決定される。リーチ無しハズレであって特図1保留数が3~4個の場合は、0%の確率でTHP14に決定され、20%の確率でTHP15に決定され、80%の確率でTHP16に決定される。
また、図59に示すように、時短状態において決定可能な特図1変動パターンとして、THP01、THP05、THP03、THP06、THP11~THP12、THP14~THP16があり、大当たり図柄Aの場合にはTHP01、またはTHP05の何れかに決定され、大当たり図柄Bの場合にはTHP03、またはTHP06の何れかに決定され、リーチ有りハズレの場合にはTHP11~THP12の何れかに決定され、リーチ無しハズレの場合にはTHP14~THP16の何れかに決定される。
大当たり図柄Aの場合は、50%の確率でTHP01に決定され、50%の確率でTHP05に決定される。大当たり図柄Bの場合は、50%の確率でTHP03に決定され、50%の確率でTHP06に決定される。リーチ有りハズレの場合は、35%の確率でTHP11に決定され、65%の確率でTHP12に決定される。リーチ無しハズレであって特図1保留数が0~2個の場合は、80%の確率でTHP14に決定され、20%の確率でTHP15に決定され、0%の確率でTHP16に決定される。リーチ無しハズレであって特図1保留数が3~4個の場合は、0%の確率でTHP14に決定され、20%の確率でTHP15に決定され、80%の確率でTHP16に決定される。
また、図58~図59に示すように、通常遊技状態、および時短状態における特図1変動パターンに基づく特図変動演出の演出フローを構成する演出(演出フロー構成演出)として、通常変動、リーチ、Nリーチ、ならびにSPリーチの他に、煽り演出、およびリベンジ演出がある。煽り演出、およびリベンジ演出の詳細な説明は後述するが、煽り演出、およびリベンジ演出のそれぞれには成功パターンと失敗パターンとがある。成功パターンは図58~図59の「特図変動演出の演出フロー」の欄に括弧書きで「成功」と記載され、失敗パターンは図58~図59の「特図変動演出の演出フロー」の欄に括弧書きで「失敗」と記載されている。
次に、演出フロー構成演出について説明する。
煽り演出は、大当たりに係る特図変動演出において、SPリーチの後に実行可能である。後述するように、SPリーチの当落分岐点で大当たり示唆演出が実行されて、演出図柄EZ1~EZ3が、不利第1時短状態になる可能性が高い態様で暫定的に停止表示(仮停止表示)した後に煽り演出が実行されることがある。
煽り演出では、最終的に成功か失敗かが導出される。煽り演出で最終的に成功が導出されると、続いて有利第1時短状態になることを示す態様で演出図柄EZ1~EZ3が確定的に停止表示する。一方、煽り演出で最終的に失敗が導出されると、続いてリベンジ演出が実行される。この成功が導出される場合の煽り演出が成功パターンの煽り演出であり、失敗が導出される場合の煽り演出が失敗パターンの煽り演出である。なお、煽り演出では、成功か失敗が導出される前に成功パターンの場合と失敗パターンの場合とで共通の煽り共通演出が実行される。煽り共通演出で、成功か失敗かが煽られる。
第1実施形態においては、非時短状態における特図変動演出で煽り演出が実行された場合、当該煽り演出では必ず成功が導出される。一方、時短状態における特図変動演出で煽り演出が実行された場合、当該煽り演出では必ず失敗が導出される。すなわち、煽り演出における成功の導出は、そのときの遊技状態が非時短状態であることを示唆し、煽り演出における失敗の導出は、そのときの遊技状態が時短状態であることを示唆している。
リベンジ演出は、煽り演出で失敗が導出された後に発展的に、または救済的に実行される。大当たりに係る特図変動演出において、煽り演出が実行され得るが、非時短状態において煽り演出で失敗が導出されることはないため、第1実施形態では、リベンジ演出は時短状態における大当たりに係る特図変動演出において実行される。
リベンジ演出では、最終的に成功か失敗かが導出される。第1実施形態においては、時短状態における大当たり図柄Aに係る特図変動演出でリベンジ演出が実行された場合、当該リベンジ演出では必ず成功が導出される。一方、時短状態における大当たり図柄Bに係る特図変動演出でリベンジ演出が実行された場合、当該リベンジ演出では必ず失敗が導出される。リベンジ演出における成功の導出は、有利第1時短状態になることを示唆し、リベンジ演出における失敗の導出は、不利第1時短状態になることを示唆している。これは、時短状態において大当たり図柄Aが停止表示した場合は当該大当たり遊技の後に有利第1時短状態になり、時短状態において大当たり図柄Bが停止表示した場合は当該大当たり遊技の後に不利第1時短状態になるからである(図56参照)。
そして、リベンジ演出で最終的に成功が導出されると、有利第1時短状態になることを示す態様で演出図柄EZ1~EZ3が確定的に停止表示する。一方、リベンジ演出で最終的に失敗が導出されると、不利第1時短状態になることを示す態様で演出図柄EZ1~EZ3が確定的に停止表示する。この成功が導出される場合のリベンジ演出が成功パターンのリベンジ演出であり、失敗が導出される場合のリベンジ演出が失敗パターンのリベンジ演出である。なお、リベンジ演出では、成功か失敗が導出される前に成功パターンの場合と失敗パターンの場合とで共通のリベンジ共通演出が実行される。リベンジ共通演出で、成功か失敗かが煽られる。
なお、図58~図59の「特図変動演出の演出フロー」の欄に記載されている通常変動、リーチ、Nリーチ、およびSPリーチは、基本的な実施形態で説明した通常変動、リーチ、Nリーチ、およびSPリーチと同一の演出であるので、これらの演出フロー構成演出についての説明は省略する。
また、各種特図変動パターンを、当該特図変動パターンに基づく特図変動演出で実行される演出フロー構成演出を加味した名称で称することもある。図58~図59に示す特図1変動パターン判定テーブルの備考欄において、特図変動パターンの名称を特図変動パターンに対応付けた形で示す。
さらに、以下において、SPリーチが実行される特図変動演出に係る特図変動パターン(THP01~THP06,THP11)を「SPリーチ変動」と称する。さらに、「SPリーチ変動」の中で大当たりに係る特図変動パターンを「SP大当たり変動」と称する。また、SP大当たり変動の中で、煽り演出、またはリベンジ演出が実行されない特図変動演出、言い換えるとSPリーチで終了する特図変動演出に係る特図変動パターンを「通常SP大当たり変動」と称する。
また、SPリーチの後に煽り演出が実行されるが、リベンジ演出が実行されない特図変動演出、言い換えると煽り演出で終了する特図変動演出に係る特図変動パターンを「煽りSP大当たり変動」と称する。さらに、SPリーチの後に煽り演出が実行され、その後さらにリベンジ演出が実行される特図変動演出、言い換えるとリベンジ演出で終了する特図変動演出に係る特図変動パターンを「リベンジSP大当たり変動」と称する。
なお、図58~図59に示すように、通常SP大当たり変動には、大当たり図柄種別の違いによって、通常SP大当たりA変動と通常SP大当たりB変動とがある。また、煽りSP大当たり変動には、大当たり図柄種別の違いによって、煽りSP大当たりA変動と煽りSP大当たりB変動とがある。さらに、リベンジSP大当たり変動には、大当たり図柄種別の違いによって、リベンジSP大当たりA変動とリベンジSP大当たりB変動とがある。
また、以下において、リベンジ演出が実行されるか否かに関わらず煽り演出が実行されるSP大当たり変動のことを「特別SP大当たり変動」と称する。すなわち、煽りSP大当たり変動とリベンジSP大当たり変動とを合わせて「特別SP大当たり変動」と総称する。また、特別SP大当たり変動に係る特図変動演出におけるSPリーチより後の部分の演出、言い換えると、成功パターンの煽り演出と、失敗パターンの煽り演出、およびリベンジ演出とを「特別演出」と称する。
次に、特別SP大当たり変動に基づく特図変動演出の流れ(演出フロー)について説明する。
THP01、THP03に基づく特図変動演出では、最初に通常変動が実行された後、リーチが成立する。リーチ成立後にはNリーチが実行され、NリーチからSPリーチに発展する。そして、SPリーチにおける当落分岐点で大当たり示唆演出が実行されて、一度、演出図柄EZ1~EZ3が不利第1時短状態に対応付けられた態様で停止表示する。そして、当該停止表示から成功パターンの煽り演出が発展的に実行され、最終的には有利第1時短状態に対応付けられた態様で演出図柄EZ1~EZ3が確定的に停止表示する。
THP05に基づく特図変動演出では、最初に通常変動が実行された後、リーチが成立する。リーチ成立後にはNリーチが実行され、NリーチからSPリーチに発展する。そして、SPリーチにおける当落分岐点で大当たり示唆演出が実行されて、一度、演出図柄EZ1~EZ3が不利第1時短状態に対応付けられた態様で停止表示する。そして、当該停止表示から失敗パターンの煽り演出が発展的に実行され、当該煽り演出で失敗が導出されると、そのまま成功パターンのリベンジ演出が発展的に実行され、最終的には有利第1時短状態に対応付けられた態様で演出図柄EZ1~EZ3が確定的に停止表示する。
THP06に基づく特図変動演出では、最初に通常変動が実行された後、リーチが成立する。リーチ成立後にはNリーチが実行され、NリーチからSPリーチに発展する。そして、SPリーチの当落分岐点で大当たり示唆演出が実行されて、一度、演出図柄EZ1~EZ3が不利第1時短状態に対応付けられた態様で停止表示する。そして、当該停止表示から失敗パターンの煽り演出が発展的に実行され、当該煽り演出で失敗が導出されると、そのまま失敗パターンのリベンジ演出が発展的に実行され、最終的には不利第1時短状態に対応付けられた態様で演出図柄EZ1~EZ3が確定的に停止表示する。
煽り演出、およびリベンジ演出は、ハズレの場合に実行されることはないが、大当たりの場合に実行されることがある演出であるので、大当たり遊技が実行される(遊技者に有利な遊技状態になる)ことを示唆する演出である。また、煽り演出、およびリベンジ演出は大当たり図柄Aの場合も大当たり図柄Bの場合も実行可能な演出であるが、前述の通り、通常遊技状態では大当たり図柄Aが停止表示した場合も大当たり図柄Bが停止表示した場合も大当たり遊技の後に第1時短状態になる一方、時短状態では大当たり図柄Aが停止表示した場合にのみ大当たり遊技の後に第1時短状態になる。したがって、煽り演出、およびリベンジ演出は、第1時短状態になる可能性があることを示唆する演出である。
次に、第1実施形態における有利第1時短状態に対応付けられた演出図柄EZ1~EZ3の停止表示態様、および不利第1時短状態に対応付けられた演出図柄EZ1~EZ3の停止表示態様について説明する。基本的な実施形態では、大当たり演出図柄として、「1」を表す演出図柄G10a~「9」を表す演出図柄G10iが設定されているが、第1実施形態における大当たり演出図柄の種類も基本的な実施形態と同一であるものとする。
そして、第1実施形態では、有利第1時短状態に対応付けられた演出図柄EZ1~EZ3の停止表示態様は、確定的に停止表示したときの演出図柄EZ1~EZ3の組み合わせ(左演出図柄EZ1・中演出図柄EZ2・右演出図柄EZ3)=「3・3・3」、「5・5・5」、および「7・7・7」で構成されている。すなわち、演出図柄EZ1~EZ3が、「3・3・3」、「5・5・5」、および「7・7・7」の何れかで確定的に停止表示すると、当該大当たり遊技の後に有利第1時短状態になる。一方、不利第1時短状態に対応付けられた演出図柄EZ1~EZ3の停止表示態様は、確定的に停止表示したときの演出図柄EZ1~EZ3の組み合わせ(左演出図柄EZ1・中演出図柄EZ2・右演出図柄EZ3)=「1・1・1」、「2・2・2」、「4・4・4」、「6・6・6」、「8・8・8」、および「9・9・9」で構成されている。すなわち、演演出図柄EZ1~EZ3が、「1・1・1」、「2・2・2」、「4・4・4」、「6・6・6」、「8・8・8」の何れかで確定的に停止表示すると、当該大当たり遊技の後に不利第1時短状態になる。したがって、第1実施形態では、「演出図柄G10c(3)」、「演出図柄G10e(5)」、および「演出図柄G10g(7)」は、有利第1時短状態に対応付けられた大当たり演出図柄であり、「演出図柄G10a(1)」、「演出図柄G10b(2)」、「演出図柄G10d(4)」、「演出図柄G10f(6)」、「演出図柄G10h(8)」、および「演出図柄G10i(9)」は、不利第1時短状態に対応付けられた大当たり演出図柄である。
次に、特別演出の機能・役割について説明する。前述の通り、第1実施形態では、左打ちで遊技が進行する通常遊技状態、および第2時短状態では、通常演出モードによる演出が実行される。また、第2時短状態は、第2始動口12への入賞容易性について限りなく通常遊技状態に近似した遊技状態である。したがって、演出上、および第2始動口12の開放パターンなどによって通常遊技状態であるか第2時短状態であるかを見分けることは困難である。しかし、通常遊技状態では、大当たり図柄Aが停止表示した場合も大当たり図柄Bが停止表示した場合も当該大当たり遊技の後に有利第1時短状態になる。一方、第2時短状態では、大当たり図柄Aが停止表示した場合は当該大当たり遊技の後に有利第1時短状態になるものの、大当たり図柄Bが停止表示した場合は当該大当たり遊技の後に不利第1時短状態になる。すなわち、通常遊技状態の特図1抽選で大当たりすると100%の確率で有利第1時短状態に移行する(突入させることができる)一方、第2時短状態の特図1抽選で大当たりすると50%の確率でしか有利第1時短状態に移行することができない(突入させることができない)。したがって、同じように通常演出モードにおいて左打ちで遊技を行っていても、遊技者からすると滞在している遊技状態が通常遊技状態か第2時短状態かでその後に教授する遊技利益が異なってくるので、滞在している遊技状態が重要になる。そこで、通常演出モードにおいて大当たり当選している場合は、SPリーチにおける大当たり示唆演出後に一度、演出図柄EZ1~EZ3を不利第1時短状態に対応付けられた態様で暫定的に停止表示(仮停止表示)させて、遊技者に不利第1時短状態に移行するのかとがっかりさせる。言い換えると、大当たり当選しても不利第1時短状態に移行する可能性がある第2時短状態に滞在していたのかとがっかりさせる。そして、遊技者をがっかりさせた後に、特別演出を行うことで、有利第1時短状態への移行(突入)の期待、換言すると、実は通常遊技状態に滞在していることへの期待を与える。
特別演出は、大当たり変動に係る特図変動演出で実行可能であるがハズレ変動に係る特図変動演出で実行されることはない。したがって、少なくとも特別演出が開始された時点で大当たり当選していることは確定する。そして、第2時短状態で大当たり当選した場合の有利第1時短状態への移行率(突入率)は50%であり、通常遊技状態で大当たり当選した場合の有利第1時短状態への移行率(突入率)は100%であり、いったん第2時短状態に滞在していると思わせていることから、煽り演出では、あたかも第2時短状態から通常遊技状態に移行させて有利第1時短状態への移行率(突入率)を50%から100%へ上げさせることを煽る内容の演出を実行する。
そして、通常遊技状態であれば、煽り演出における成功の導出によって、第2時短状態から通常遊技状態に移行させること、言い換えると有利第1時短状態への移行率(突入率)を50%から100%へ上げることに成功したという内容が展開された上で、当該煽り演出が終了すると共に、演出図柄EZ1~EZ3が有利第1時短状態に対応付けられた態様で確定的に停止表示する。一方、第2時短状態であれば、煽り演出における失敗の導出によって、第2時短状態から通常遊技状態に移行させること、言い換えると有利第1時短状態への移行率(突入率)を50%から100%へ上げることに失敗したという内容が展開された上で、当該煽り演出が終了すると共に、リベンジ演出が開始される。
リベンジ演出が開始されたということは、既に第2時短状態に滞在していることが確定する。しかし、第2時短状態で大当たり当選した場合でも50%の確率で有利第1時短状態へ移行(突入)するので、リベンジ演出では、最後のチャンスとして、有利第1時短状態へ移行(突入)させることができるか否かを煽る内容の演出を実行する。
そして、大当たり図柄Aであれば、リベンジ演出で最終的に、有利第1時短状態へ移行(突入)させることに成功したという内容が展開された上で、当該リベンジ演出が終了すると共に、演出図柄EZ1~EZ3が有利第1時短状態に対応付けられた態様で確定的に停止表示する。一方、大当たり図柄Bであれば、リベンジ演出で、有利第1時短状態へ移行(突入)させることに失敗したという内容が展開された上で、当該リベンジ演出が終了すると共に、演出図柄EZ1~EZ3が不利第1時短状態に対応付けられた態様で確定的な停止表示する。
このように、煽り演出で成功が導出されると必ず演出図柄EZ1~EZ3が有利第1時短状態に対応付けられた態様で確定的に停止表示するので、当該成功は有利第1時短状態になることを示唆しているが、成功した時点で通常遊技状態であることが確定する。その反面、煽り演出で失敗が導出されるとその時点で第2時短状態であることが確定する。したがって、煽り演出は、基本的には滞在している遊技状態が通常遊技状態か第2時短状態かを煽る演出と位置付けることができる。そして、リベンジ演出は、第2時短状態であることが判明したが、まだ有利第1時短状態への移行(突入)の望みが残っている中で、有利第1時短状態に移行させることができるか否かを煽る演出と位置付けることができる。
次に、特別SP大当たり変動に基づく特図変動演出について具体的に説明する。図60~図63は、表示部50aにおいて、煽り演出やリベンジ演出を含む特別演出が行われている様子を表す図である。なお、以下において、便宜上、小図柄KZ1~KZ3の表示や保留アイコンおよび当該アイコンの表示については省略する。
例えば、SPリーチで大当たり示唆演出が実行され(図27(B-1)、および図29(B)参照)、続いて、図60(A)に示すように、不利第1時短状態に対応付けられた態様で演出図柄EZ1~EZ3が暫定的に停止表示されてから、当該SPリーチにおいて特別演出としてまずは煽り演出が開始される。煽り演出が開始されると、図60(B)に示すように、煽り演出の開始を示唆する画像(煽り演出開始画像G30)が、不利第1時短状態に対応付けられた態様で暫定的に停止表示している演出図柄EZ1~EZ3に重畳的に表示される。
煽り演出開始画像G30の具体的な表示内容に特に限定されず、適宜に設定可能であるが、第1実施形態では、煽り演出の機能・役割を含むフレーズ(ボタンを押して突入率を上げろ)で構成されている。煽り演出開始画像G30が所定時間(例えば、3秒)表示されると、図60(C)に示すように、煽り演出開始画像G30から操作促進演出画像G12に切り替わって、第1演出ボタン40kに係る操作促進演出が開始されて、第1演出ボタン40kの操作有効期間となる。この煽り演出開始画像G30の表示と操作促進演出が煽り共通演出を構成する。なお、煽り演出を構成する操作促進演出に係る操作有効時間も特に限定されず適宜に設定可能であるが、第1実施形態では、4秒に設定されている。
図60(C)~図60(D)に示すように、操作促進演出に係る操作有効期間残り時間が減少している中で第1演出ボタン40kが操作されると、または操作有効期間残り時間がなくなると(操作促進演出が開始されてから第1演出ボタン40kが操作されずに操作有効時間が経過すると)、当該操作促進演出(煽り共通演出)が終了すると共に、煽り演出に係る成功、または失敗が導出される。すなわち、操作促進演出は、煽り演出に係る成功と失敗との分岐点(煽り成否分岐点)を構成する。
煽り演出において成功が導出される場合は、当該成功を示唆する成功示唆演出が実行される。成功示唆演出の具体的な演出内容は適宜に設定可能であるが、第1実施形態では、図61(A)に示すように、盤可動体55kの作動と当該作動に応じたエフェクト画像G13の表示部50aでの表示と当該成功に対応付けられた音声(成功示唆音声:キュインキュインキュイーン)のスピーカー52からの出力とで構成される。
成功示唆演出が所定時間(例えば、4秒実行されると)、当該成功示唆演出が終了すると共に、有利第1時短状態に対応付けられた態様で暫定的に停止表示した演出図柄EZ1~EZ3が出現し(図示なし)、大当たり図柄の停止表示に応じて、そのまま図61(B)に示すように、演出図柄EZ1~EZ3が有利第1時短状態に対応付けられた態様で確定的に停止表示する。そして、大当たり遊技の開始に応じて、図61(C)に示すように、その後に有利第1時短状態になる大当たり遊技が開始されることを示す画像(有利第1時短状態大当たり開始画像)G31が表示部50aに表示される。有利第1時短状態大当たり開始画像G31の具体的な表示内容に特に限定されず、適宜に設定可能であるが、第1実施形態では、特別な大当たりという意味合いを表すフレーズ(SPECIAL BONUS)で構成されている。
煽り演出において失敗が導出される場合は、当該失敗を示唆する失敗示唆演出が実行される。失敗示唆演出の具体的な演出内容は適宜に設定可能であるが、第1実施形態では、図62(A)に示すような不利第1時短状態に対応付けられた態様で暫定的に停止表示した演出図柄EZ1~EZ3の出現と、当該失敗に対応付けられた音声(失敗示唆音声:プシューン)のスピーカー52からの出力とで構成される。失敗示唆演出が所定時間(例えば、2秒実行されると)、当該失敗示唆演出が終了すると共に、リベンジ演出が開始される。
リベンジ演出が開始されると、図62(B)~図62(C)に示すように、同一の演出図柄G10で水平方向に揃えられた大当たりを示す態様の演出図柄EZ1~EZ3が、大当たり演出図柄が昇順で入れ替わっていくように下から上にゆっくりとスクロール表示する。そして、このスクロール表示が所定時間(例えば、5秒)実行されると、図63(A)に示すように、何れかの不利第1時短状態に対応付けられた態様(図63(A)では、「6」)で演出図柄EZ1~EZ3が暫定的に停止表示(仮停止表示)する。ここでは、暫定的な仮停止表示として、水平方向に揃った演出図柄EZ1~EZ3が全体的に表示部50aの上下方向略中央で比較的早く揺動する。このような大当たりを示す態様で揃えられている演出図柄EZ1~EZ3のスクロール表示と、何れかの不利第1時短状態に対応付けられた態様(図63(A)では、「6」)での演出図柄EZ1~EZ3の暫定的な停止表示がリベンジ共通演出を構成する。
そして、何れかの不利第1時短状態に対応付けられた態様(図63(A)では、「6」)での演出図柄EZ1~EZ3の暫定的な停止表示が所定時間(例えば、3秒)実行されると、当該暫定的な停止表示(リベンジ共通演出)が終了すると共に、リベンジ演出に係る成功、または失敗が導出される。すなわち、当該暫定的な停止表示は、リベンジ演出に係る成功と失敗との分岐点(リベンジ成否分岐点)を構成する。
リベンジ演出において失敗が導出される場合は、図63(B-1)に示すように、暫定的に停止表示していた演出図柄EZ1~EZ3がそのまま完全に停止し、演出図柄EZ1~EZ3が不利第1時短状態に対応付けられた態様で確定的に停止表示する。そして、大当たり遊技の開始に応じて、図61(C-1)に示すように、その後に不利第1時短状態になる大当たり遊技が開始されることを示す画像(不利第1時短状態大当たり開始画像)G32が表示部50aに表示される。不利第1時短状態大当たり開始画像G32の具体的な表示内容は特に限定されず、適宜に設定可能であるが、第1実施形態では、「通常の大当たり」という意味合いを表すフレーズ(REGULAR BONUS)で構成されている。
リベンジ演出において成功が導出される場合は、暫定的に停止表示していた演出図柄EZ1~EZ3が下方に勢いよく移動する(滑る)と共に、有利第1時短状態に対応付けられた態様で揃えられた演出図柄EZ1~EZ3が勢いよく上から下にフェードインしてきて、図63(B-2)に示すように、そのまま演出図柄EZ1~EZ3が有利第1時短状態に対応付けられた態様で確定的に停止表示する。そして、大当たり遊技の開始に応じて、図63(C-2)に示すように、有利第1時短状態大当たり開始画像G31が表示部50aに表示される。
次に、パチンコ遊技機PY1が実施可能なハズレ時短否定演出について説明する。ハズレ時短否定演出は、通常演出モードにおいて、現在、第2時短状態に滞在しておらず通常遊技状態に滞在していることを示唆する演出である。また、ハズレ時短否定演出は、通常遊技状態且つ通常演出モードにおいて、特図変動表示、言い換えると特図変動演出が開始されてから3秒経過するまでの間に第1演出ボタン40kが所定操作されることに応じて実行可能である。前述の通り、通常演出モードでは、左打ちにて遊技が進行するものの、通常遊技状態であるか第2時短状態(ハズレ時短)であるかを見極めることが困難な状況である。しかし、第1実施形態では、通常遊技状態で大当たりした場合の有利第1時短状態への移行率(突入率)が100%であるのに対して、第2時短状態(ハズレ時短)で大当たりした場合の有利第1時短状態への移行率(突入率)が50%である。したがって、遊技者は、通常演出モードにおいて、通常遊技状態に滞在していること、言い換えると、通常遊技状態を基準として大当たりした場合の有利第1時短状態への移行率(突入率)が50%に転落していないことを望む。そこで、パチンコ遊技機PY1は、通常遊技状態においてハズレ時短否定演出を実行可能に構成されている。なお、パチンコ遊技機PY1は、第2時短状態(ハズレ時短)においてハズレ時短否定演出を実行することはない。遊技者に虚偽の情報を伝えることになるからである。
次に、ハズレ時短否定演出について具体的に説明する。図64は、表示部50aとスピーカー52を抽出して模式的に表している。なお、以下において、便宜上、小図柄KZ1~KZ3の表示や保留アイコンおよび当該アイコンの表示については省略する。また、図64に示す状況では、パチンコ遊技機PY1は、通常遊技状態に滞在しているものとする。
例えば、図64(A)に示すように、表示部50a全体に第1通常用背景画像G111が表示され、第1通常用背景画像G111に重畳的にハズレを示す態様で演出図柄EZ1~EZ3が完全に停止表示している状態から(図示なし)、特図1変動表示が開始されることに応じて、図64(B)に示すように、演出図柄EZ1~EZ3の変動表示(特図変動演出)が開始したとする。
ここで、演出図柄EZ1~EZ3の変動表示(特図変動演出)が開始してから5秒が経過するまでの間に、第1演出ボタン40kが所定操作されたとする。なお、ハズレ時短演出を実行するための第1演出ボタン40kに係る所定操作の具体的な内容は特に限定されず、適宜に設定可能であるが、第1実施形態では、第1演出ボタン40kの3秒に渡る継続操作(長押し)で構成されている。そして、第1演出ボタン40kが所定操作されると、当該操作に応じてすぐにハズレ時短否定演出が実行される。ハズレ時短否定演出の具体的な演出内容は、遊技者が「通常遊技状態に滞在していること、または通常遊技状態を基準として大当たりした場合の有利第1時短状態への移行率(突入率)が50%に転落していないこと」を認識可能な範囲で適宜に設定可能であるが、第1実施形態では、通常遊技状態を基準として大当たりした場合の有利第1時短状態への移行率(突入率)が50%に転落していないことを暗示する音声(ハズレ時短否定演出音声)のスピーカー52からの出力と、当該ハズレ時短否定演出に対応付けられた態様による枠ランプ53の発光(ハズレ時短否定演出発光)とで構成されている。
ハズレ時短否定演出音声の具体的な内容は、「通常遊技状態に滞在していること、または通常遊技状態を基準として大当たりした場合の有利第1時短状態への移行率(突入率)が50%に転落していないこと」を認識可能な範囲で適宜に設定可能であるが、第1実施形態では、図64(C)に示すように、「してないよう」で構成されている。これは「通常遊技状態を基準として大当たりした場合の有利第1時短状態への移行率(突入率)が50%に転落していないよう」という通常遊技状態を基準として大当たりした場合の有利第1時短状態への移行率(突入率)が50%に転落していないことを暗示するセリフの一部分「していないよう」を抽出したものである。また、ハズレ時短否定演出発光の具体的な内容は、「通常遊技状態に滞在していること、または通常遊技状態を基準として大当たりした場合の有利第1時短状態への移行率(突入率)が50%に転落していないこと」を認識可能な範囲で適宜に設定可能であるが、第1実施形態では、ハズレ時短否定演出音声に応じた赤色の発光で構成されている。
また、ハズレ時短否定演出の演出時間は特に限定されずに適宜に設定可能であるが、第1実施形態では3秒に設定されている。そして、ハズレ時短否定演出が終了すると、図64(D)に示すように、スピーカー52からのハズレ時短否定演出音声の出力が終了すると共に、枠ランプ53によるハズレ時短否定演出発光が終了する。
なお、図64(A)~図64(B)に示すように、通常遊技状態における演出図柄EZ1~EZ3の変動表示の開始の際に、第1演出ボタン40kが所定操作されることによってハズレ時短否定演出が実行されるが、この第1演出ボタン40kの所定操作に対して、当該操作を促す演出は実行されない。例えば、図60に示すような操作促進演出画像G12は表示されない。ただし、例えば、通常遊技状態における演出図柄EZ1~EZ3の変動表示の開始の際に、第1演出ボタン40kの所定操作に対する操作促進演出が実行され、当該操作促進演出が実行されているときに第1演出ボタン40kが操作されると、所謂「予告演出(大当たりになる可能性があることを示唆する演出、実行されることによって大当たりになる期待度が上昇する演出)」が実行される場合、当該機会に第1演出ボタン40kが所定操作されると、その予告演出が実行されると共に、ハズレ時短否定演出が実行されるようにしても良い。反対に、この場合には、予告演出を優先し、ハズレ時短否定演出が実行されないようにしても良い。また、この予告演出については、操作促進演出が実行されているときに第1演出ボタン40kが操作されずに当該操作促進演出に係る操作有効期間が経過すると、予告演出を実行するようにしても良い。ただし、その場合は、第1演出ボタン40kが操作されていないので、ハズレ時短否定演出は実行されない。
また、図64の例示では、そのときに滞在している遊技状態が通常遊技状態であったのでハズレ時短否定演出が実行されたが、滞在している遊技状態が第2時短状態(ハズレ時短)である場合は、演出図柄EZ1~EZ3の変動表示の開始の際に、第1演出ボタン40kが所定操作されてもハズレ時短否定演出は実行されない。
以上のように、パチンコ遊技機PY1によれば、通常遊技状態と第2時短状態とで、同じように通常演出モードによる演出が行われている中で、左打ちによる遊技が行われるが、通常遊技状態において大当たり当選すると100%の確率で有利第1時短状態に移行する一方、第2時短状態において大当たり当選すると50%の確率で有利第1時短状態に移行する。したがって、例えば、通常遊技状態において左打ちで遊技が進行している中で、ハズレ図柄Bの停止表示が行われると、遊技者が気付かないまま第2時短状態に遷移して、大当たりした場合の遊技者に有利な連荘の可能性が相対的に高い有利第1時短状態への移行率(突入率)が100%から50%に転落することになる。したがって、パチンコ遊技機PY1におけるベース(基点)となる通常演出モードにおいて左打ちで遊技を進行している中でも遊技者に緊張感を与え、遊技興趣を向上させることができる。また、ハズレ図柄Bの停止表示に基づいて通常遊技状態から第2時短状態へ移行したときに、当該移行を示唆・報知する演出が実行されず、通常演出モードが保持され、通常遊技状態と第2時短状態とは第2始動口12への入賞容易性について極めて近似していることから、遊技者からすると通常遊技状態から第2時短状態へ移行したことを認識することが困難であるので、遊技者に与えられる緊張感がさらに高まる。
さらに、パチンコ遊技機PY1によれば、遊技者からすると通常遊技状態から第2時短状態へ移行したことを認識することが困難、言い換えると通常演出モードにおいて滞在している遊技状態を判別することが困難な状況で遊技が進行している中で、例えば、特別SP大当たり変動に係る特図変動演出が実行されると、SPリーチにおける大当たり示唆演出で、ひとまず大当たり当選したことが確定する。したがって、遊技者は遊技状態の判別が困難であるので不安を抱えていたが、大当たり当選が確定したことに対して喜びを感じるので、遊技者の遊技意欲の減退を防ぎつつ遊技興趣を向上させると共に、遊技者が途中で遊技を止めて稼働率が低下することを抑えることができる。
また、パチンコ遊技機PY1によれば、特別SP大当たり変動に係る特図変動演出において大当たり示唆演出の後にいったん不利第1時短状態に対応付けられた態様で演出図柄EZ1~EZ3が暫定的に停止表示して大当たり当選が確定した後に煽り演出が実行され、当該煽り演出で導出される結果(成功/失敗)によって、滞在している遊技状態が示唆されるので(成功の場合は通常遊技状態/失敗の場合は第2時短状態)、遊技者が滞在している遊技状態が分からないまま遊技が進行して釈然としない気持ちを抱えて遊技意欲が減退することを防ぐことができる。また、この場合には、遊技者にとって不利な第2時短状態に滞在していることが判明したとしても、そこまで遊技を実行することができたので、稼働率が低下することを抑えることができると共に、少なくとも大当たりに当選していることから遊技者の遊技意欲が減退することを防ぐことができる。さらに、煽り演出で失敗が導出されて遊技者にとって不利な第2時短状態に滞在していることが判明したとしても、続いてリベンジ演出が実行され、当該大当たり遊技の後に、遊技者に有利な連荘の可能性が相対的に高い有利第1時短状態へ移行(突入)する可能性が残されているので、遊技者の期待感を持続させることができる。
また、パチンコ遊技機PY1によれば、通常遊技状態において特図変動演出が実行されているときに、現在、第2時短状態に滞在しておらず通常遊技状態に滞在していることを示唆するハズレ時短否定演出が実行される。したがって、当該パチンコ遊技機PY1の稼働率を向上させながら、遊技者にとって有用な情報を提供することができる。さらに、ハズレ時短否定演出は、第2時短状態では実行されない。したがって、遊技者に不利益を与えることを防ぐことができる。また、ハズレ時短否定演出は、第1演出ボタン40kへの所定操作によって実行可能であるが、当該操作に対する操作促進演出を実行されない。したがって、遊技者の当該パチンコ遊技機PY1への関心を向上させることができる。
(第1実施形態の変更例)
次に、第1実施形態に係るパチンコ遊技機PY1の変更例について説明する。なお、以下に説明する変更例同士を適宜に組み合わせることも可能である。
第1実施形態では、通常遊技状態において大当たり当選した場合には必ず有利第1時短状態に移行(突入)するが、不利第1時短状態に移行(突入)することがあるようにしても良い。さらに、通常遊技状態において大当たり当選した場合に有利第1時短状態に移行(突入)する確率、および第2時短状態において大当たり当選した場合に有利第1時短状態に移行(突入)する確率の具体的な値も適宜に変更しても良い。ただし、第2時短状態において大当たり当選した場合に有利第1時短状態に移行(突入)する確率よりも、通常遊技状態において大当たり当選した場合に有利第1時短状態に移行(突入)する確率の方が好ましい。
有利第1時短状態に係る時短規定回数(有利第1時短規定回数)、および不利第1時短状態に係る時短規定回数(不利第1時短規定回数)も第1実施形態に限られず適宜に変更しても良い。ただし、パチンコ遊技機PY1による遊技性にメリハリを利かせるために、第1時短状態で遊技の主要な基点となる第2始動口12への入賞に基づく第2大当たり判定で実質的に大当たりに当選する確率(特2実質大当たり当選確率)と、有利第1時短規定回数、および不利第1時短規定回数との関係として、有利第1時短規定回数が分子を「1」で表した特2実質大当たり当選確率の分母より大きくなり、不利第1時短規定回数が、分子を「1」で表した特2実質大当たり当選確率の分母より小さくなることが好ましい。
また、第1実施形態では、特図1に係る大当たり図柄の種別は2種類であるが3種類以上にしても良い。この場合、大当たり図柄の種別によって、時短規定回数の種類が3種類以上あるようにしても良い。あるいは、特図1に係る大当たり図柄の種別によって、ラウンド遊技の実行回数と時短規定回数とを適宜に組み合わせても良い。また、第1実施形態では、特図2に係る大当たり図柄の種別は1種類であるが2種類以上にしても良い。この場合、大当たり図柄の種別によって、時短規定回数の種類が2種類以上あるようにしても良い。あるいは、特図2に係る大当たり図柄の種別によって、ラウンド遊技の実行回数が異なるようにしても良い。
また、煽り演出、およびリベンジ演出の具体的な演出内容、ならびに煽り演出、およびリベンジ演出を実行する演出装置の種類も第1実施形態に限られずに適宜に変更しても良い。さらに、第1実施形態では、SPリーチの後に特別演出が実行されているが、SPリーチとは別のリーチ演出の後に特別演出が実行されるようにしても良い。
さらに、第1実施形態では、特別SP大当たり変動に係る特図変動演出において大当たり示唆演出の後には、不利第1時短状態に対応付けられた態様で演出図柄EZ1~EZ3が暫定的に停止表示するが、有利第1時短状態に対応付けられた態様で演出図柄EZ1~EZ3が暫定的に停止表示することがあるようにしても良い。この場合、有利第1時短状態に対応付けられた態様か不利第1時短状態に対応付けられた態様かで、煽り演出において成功する確率やリベンジ演出で成功する確率が異なるようにしても良い。また、不利第1時短状態に対応付けられた態様で演出図柄EZ1~EZ3が暫定的に停止表示することはなく、特別演出が実行される場合は、必ず有利第1時短状態に対応付けられた態様で演出図柄EZ1~EZ3が暫定的に停止表示するようにしても良い。
煽り演出の演出パターンが複数種類あり、煽り演出の演出パターンによって、煽り演出で成功する確率が異なるようにしても良い。例えば、第1実施形態における煽り演出に係る第1演出ボタン40kの操作パターンが、普通の1回押し(単純押し)、連打、および長押しの3種類あり、普通の1回押し(単純押し)<連打<長押しの順番で煽り演出が成功する確率が高くなるようにしても良い。あるいは、煽り演出において第1演出ボタン40kを操作させるパターンと第2演出ボタン41kを操作させるパターンがあり、第1演出ボタン40kを操作させるパターンよりも第2演出ボタン41kを操作させるパターンの方が煽り演出で成功する確率が高くなるようにしても良い。
また、リベンジ演出の演出パターンが複数種類あり、リベンジ演出の演出パターンによって、リベンジ演出で成功する確率が異なるようにしても良い。例えば、第1実施形態におけるリベンジ演出で演出図柄EZ1~EZ3がスクロール表示する方向が下から上のパターンと、上から下のパターンとがあり、下から上のパターンよりも上から下のパターンの方がリベンジ演出で成功する確率が高くなるようにしても良い。
さらに、第1実施形態では、第2時短状態における大当たり図柄Bに係る特別大当たり変動では、煽り演出で必ず失敗してそのままリベンジ演出が実行されるが、煽り演出で失敗して、リベンジ演出が実行されることなく、そのまま不利第1時短状態に対応付けられた態様で演出図柄EZ1~EZ3が確定的に停止表示することがあるようにしても良い。
また、第1実施形態では、特別演出は特図変動演出において実行されているが、大当たり遊技中に実行しても良い。例えば、特定のSP大当たり変動の場合は、当該特図変動演出において、いったん、不利第1時短状態に対応付けられた態様で演出図柄EZ1~EZ3が確定的に停止表示する。そして、大当たり遊技のオープニング、あるラウンド遊技に係る第1大入賞口14の閉鎖期間、所定のラウンド遊技の実行中、またはエンディングにおいて、特別演出を実行するようにしても良い。ただし、この場合の煽り演出、およびリベンジ演出の機能・役割は第1実施形態と同一であるものとする。すなわち、煽り演出の成功は大当たり当選時に滞在していた遊技状態は通常遊技状態であったことを示唆し、煽り演出の失敗は大当たり当選時に滞在していた遊技状態は第2時短状態であったことを示唆する。また、リベンジ演出の成功は有利第1時短状態への移行(突入)を示唆し、リベンジ演出の失敗は不利第1時短状態への移行(突入)を示唆する。
さらに、前述の図60で例示した大当たり示唆演出の後の不利第1時短状態に対応付けられた態様での演出図柄EZ1~EZ3の暫定的な停止表示は、大当たり演出図柄「4」で行われているが、演出制御用マイコン121はこのとき、「4」以外の不利第1時短状態に対応付けられた大当たり演出図柄(1、2、6、8、9)で演出図柄EZ1~EZ3の暫定的な停止表示を行っても良い。この場合、演出制御用マイコン121は、例えば5つの不利第1時短状態に対応付けられた大当たり演出図柄が同一の確率で出現可能となるようにしても良い。また、演出制御用マイコン121は、例えば5つの不利第1時短状態に対応付けられた大当たり演出図柄が相互に異なる確率で出現可能となるようにし、不利第1時短状態に対応付けられた大当たり演出図柄の種類によって煽り演出で成功が導出される期待度が異なるようにしても良い。
また、前述の図60で例示した大当たり示唆演出の後の不利第1時短状態に対応付けられた態様での演出図柄EZ1~EZ3の暫定的な停止表示を構成する大当たり演出図柄と、図62で例示した煽り演出で失敗が導出されたときの不利第1時短状態に対応付けられた態様での演出図柄EZ1~EZ3の暫定的な停止表示を構成する大当たり演出図柄とは同一であるが異なるようにしても良い。この場合、同一の場合と異なる場合とで、次に行われるリベンジ演出で成功が導出される期待度が異なるようにしても良い。さらに、図62で例示した煽り演出で失敗が導出されたときの不利第1時短状態に対応付けられた態様での演出図柄EZ1~EZ3の暫定的な停止表示は、大当たり演出図柄「4」で行われているが、演出制御用マイコン121はこのとき、「4」以外の不利第1時短状態に対応付けられた大当たり演出図柄(1、2、6、8、9)で演出図柄EZ1~EZ3の暫定的な停止表示を行っても良い。この場合、演出制御用マイコン121は、5つの不利第1時短状態に対応付けられた大当たり演出図柄が同一の確率で出現するようにしても良い。また、演出制御用マイコン121は、5つの不利第1時短状態に対応付けられた大当たり演出図柄が相互に異なる確率で出現するようにし、不利第1時短状態に対応付けられた大当たり演出図柄の種類によって続いて実行されるリベンジ演出で成功が導出される期待度が異なるようにしても良い。
さらに、図62で例示した煽り演出で失敗が導出されたときの不利第1時短状態に対応付けられた態様での演出図柄EZ1~EZ3の暫定的な停止表示を構成する大当たり演出図柄と、図63で例示したリベンジ演出で失敗が導出されたときの有利第1時短状態に対応付けられた態様での演出図柄EZ1~EZ3の確定的な停止表示を構成する大当たり演出図柄とが異なっているが、同一となるようにしても良い。この場合、何れの演出でも必ず不利第1時短状態に対応付けられた5つの大当たり演出図柄の何れか1つとなるようにしても良い。あるいは、煽り演出とリベンジ演出の何れか一方では、必ず何れか1つの不利第1時短状態に対応付けられた大当たり演出図柄となるようにし、他方では不利第1時短状態に対応付けられた5つの大当たり演出図柄の何れかとなるようにしても良い。または、煽り演出とリベンジ演出の双方で、不利第1時短状態に対応付けられた5つの大当たり演出図柄の何れかとなるようにしても良い。5つの大当たり演出図柄の何れかとなる場合は、例えば、演出制御用マイコン121は、5つの不利第1時短状態に対応付けられた大当たり演出図柄が同一の確率で出現するようにして異なる確率で出現するようにしても良い。
また、図61で例示した煽り演出で成功が導出されたときの有利第1時短状態に対応付けられた態様での演出図柄EZ1~EZ3の確定的な停止表示を構成する大当たり演出図柄と、図63で例示したリベンジ演出で成功が導出されたときの有利第1時短状態に対応付けられた態様での演出図柄EZ1~EZ3の確定的な停止表示を構成する大当たり演出図柄とが同一であるが、必ずこの1種類となるようにしても、別の有利第1時短状態に対応付けられた大当たり演出図柄(3、5)の何れか1種類で同一となるようにしても、異なるようにしても良い。あるいは、煽り演出とリベンジ演出の何れか一方では、必ず何れか1つの有利第1時短状態に対応付けられた大当たり演出図柄となるようにし、他方では有利第1時短状態に対応付けられた3つの大当たり演出図柄の何れかとなるようにしても良い。または、煽り演出とリベンジ演出の双方で、有利第1時短状態に対応付けられた3つの大当たり演出図柄の何れかとなるようにしても良い。3つの大当たり演出図柄の何れかとなる場合は、例えば、演出制御用マイコン121は、3つの有利第1時短状態に対応付けられた大当たり演出図柄が同一の確率で出現するようにして異なる確率で出現するようにしても良い。
さらに、図63で例示したリベンジ演出で成功が導出されたときに確定的に停止表示する演出図柄EZ1~EZ3は、図63で例示したリベンジ演出でのリベンジ成否分岐点で暫定的に停止表示している演出図柄EZ1~EZ3の次にスクロール表示されるものであるが、さらに後にスクロール表示される予定出会ったものでも良い。
また、パチンコ遊技機PY1では、通常遊技状態において特図変動演出が開始してから所定時間(3秒)が経過するまでの間に、ハズレ時短否定演出が実行され得るが、ハズレ時短否定演出が実行可能な時期は第1実施形態に限られず適宜に変更しても良い。例えば、通常遊技状態における各特図変動演出の全期間においてハズレ時短否定演出を実行可能にしても良い。あるいは、また、通常遊技状態における各特図変動演出の通常変動の全期間においてハズレ時短否定演出を実行可能にしても良い。特図変動演出が終了する前の所定時間(例えば、3秒)の期間においてハズレ時短否定演出を実行可能にしても良い。また、ハズレ時短否定演出は、リーチが成立する特図変動演出においてリーチが成立してから所定時間が経過するまでの間、リーチが成立する所定時間前からリーチ成立までの期間において、またはリーチ成立の際にハズレ時短否定演出を実行可能にしても良い。
さらに、パチンコ遊技機PY1では、ハズレ時短否定演出は第1演出ボタン40kが所定操作されることに応じて必ず実行されるが、第1演出ボタン40kが所定操作されても実行されない場合があるようにしても良い。例えば、演出制御用マイコン121は、通常遊技状態に滞在している場合は、特図変動演出が開始された際に第1演出ボタン40kが所定操作されると、ハズレ時短否定演出を実行するか否かの判定を行い、実行すると判定した場合にハズレ時短否定演出を実行するようにしても良い。この場合、ハズレ時短否定演出を実行すると判定される確率は、その特図変動演出に係る大当たり判定結果、特図変動パターン判定結果、および通常遊技状態に移行してから経過した期間に関わらず一定となるようにしても良い。また、その特図変動演出に係る大当たり判定結果、特図変動パターン判定結果によって、ハズレ時短否定演出を実行すると判定される確率が異なるようにしても良い。すなわち、ハズレ時短否定演出の実行は、大当たり遊技状態などの遊技者に有利な遊技状態になる期待度も示唆するようにしても良い。あるいは、通常遊技状態に移行してから経過した期間に応じて、ハズレ時短否定演出を実行すると判定される確率が変化するようにしても良い。例えば、通常遊技状態に移行してから経過した期間が長くなるにつれて、ハズレ時短否定演出を実行すると判定される確率が上昇するようにしても良い。例えば、通常遊技状態に移行してから実行された特図変動表示の回数が、1~100回<101回~200回<201回~300回<301回~の順番で、ハズレ時短否定演出を実行すると判定される確率が徐々に上昇するようにしても良い。反対に、通常遊技状態に移行してから経過した期間が長くなるにつれて、ハズレ時短否定演出を実行すると判定される確率が減少するようにしても良い。例えば、通常遊技状態に移行してから実行された特図変動表示の回数が、1~100回<101回~200回<201回~300回<301回~の順番で、ハズレ時短否定演出を実行すると判定される確率が徐々に減少するようにしても良い。
また、パチンコ遊技機PY1では、ハズレ時短否定演出の実行条件には第1演出ボタン40kの所定操作が含まれているが、第1演出ボタン40kの所定操作が含まれないようにしても良い。この場合、例えば、演出制御用マイコン121は、通常遊技状態に滞在している場合は、特図変動演出が開始される度にハズレ時短否定演出を実行するか否かの判定を行い、実行すると判定した場合にハズレ時短否定演出を実行するようにしても良い。この場合、ハズレ時短否定演出を実行すると判定される確率は、その特図変動演出に係る大当たり判定結果、特図変動パターン判定結果、および通常遊技状態に移行してから経過した期間に関わらず一定となるようにしても良い。また、その特図変動演出に係る大当たり判定結果、特図変動パターン判定結果によって、ハズレ時短否定演出を実行すると判定される確率が異なるようにしても良い。
さらに、第1実施形態では、ハズレ時短否定演出が実行されると、通常遊技状態であることが確定するが、すなわち、ハズレ時短否定演出の実行は通常遊技状態であることの示唆であるが、ハズレ時短否定演出は、通常遊技状態、および第2時短状態の双方で実行可能であり、通常遊技状態である可能性があることを示唆する演出であっても良い。この場合、例えば、何れの遊技状態においても、特図変動演出が開始される度にハズレ時短否定演出を実行するか否かの判定を行い、実行すると判定した場合にハズレ時短否定演出を実行するようにしても良い。そして、例えば、通常遊技状態においてハズレ時短否定演出を実行すると判定される確率と第2時短状態においてハズレ時短否定演出を実行すると判定される確率とを異ならせ、ハズレ時短否定演出が実行されることによって、遊技者に何れの遊技状態に滞在している推測可能にしても良い。また、ハズレ時短否定演出の演出態様が複数種類あり、当該演出態様によって通常遊技状態である可能性が異なるようにしても良い。例えば、ハズレ時短否定演出の演出態様には、演出態様1~演出態様5があり、演出態様1は通常遊技状態である可能性が20%であることを示唆し、演出態様2は通常遊技状態である可能性が40%であることを示唆し、演出態様3は通常遊技状態である可能性が60%であることを示唆し、演出態様4は通常遊技状態である可能性が80%であることを示唆し、演出態様5は通常遊技状態である可能性が100%であることを示唆するようにしても良い。
また、第1実施形態では、ハズレ時短否定演出の実行機会について制限されていないが、ハズレ時短否定演出の実行に対して制限が設けられても良い。例えば、一度、ハズレ時短否定演出が実行されると、その後の所定期間の間はハズレ時短否定演出を実行することができないようにしても良い。この所定期間としては、例えば、特図可変表示が所定回数(例えば、100回)実行されるまでの期間、遊技球が所定個数(例えば、250個)発射されるまでの期間、リーチなどの特定の演出が所定回数(例えば、10回)実行されるまでの期間、新たにデモ演出が実行されるまでの期間、新たに通常遊技状態になるまでの期間としても良い。なお、これらの実行機会の制限は、ハズレ時短否定演出を実行するか否かの判定を行う場合の判定の機会に適用しても良い。
さらに、第1実施形態では、ハズレ時短否定演出は、通常遊技状態において、通常遊技状態に滞在していること(有利第1時短状態への移行率(突入率)が転落していない)を示唆する演出として実行されるが、これに代えてあるいはこれに加えて、第2時短状態において第2時短状態に滞在している(有利第1時短状態への移行率(突入率)が転落している)ことを示唆する演出を実行可能にしても良い。
また、第1実施形態では、所謂「1種2種混合機」であり、大当たり判定で大当たりと判定される確率に係る遊技状態は通常確率状態の1種類のみであるが、基本的な実施形態のように大当たり判定で大当たりと判定される確率に係る遊技状態には、通常確率状態と高確率状態とがあり、第1実施形態の有利第1時短状態を高確率高ベース遊技状態に置き換え、不利第1時短状態を低確率高ベース遊技状態に置き換えても良い。この場合、高確率高ベース遊技状態と低確率高ベース遊技状態とで終了条件を異なるようにしても同一にしても良い。
<第2実施形態>
次に、前述の本発明に係る基本的な実施形態、および第1実施形態に基づいて、本発明に係る第2実施形態について説明する。なお、基本的な実施形態、および第1実施形態と同一の構成、または同様に対応する構成については同一の符号、および用語を用いる。
第2実施形態に係るパチンコ遊技機PY2は、大当たりした場合の当該大当たり遊技の発生契機となる特別図柄の種別(特別図柄種別)と、当該特別図柄種別に対応する大当たり遊技の終了に伴って移行する遊技状態、および遊技状態に係る終了条件との関係について、パチンコ遊技機PY1と異なる。具体的には、時短状態における大当たり図柄Bと、当該大当たり図柄Bに対応する第2大当たり遊技の終了に伴って移行する遊技状態、および遊技状態に係る終了条件との関係について、パチンコ遊技機PY1とパチンコ遊技機PY2とが異なる。
図65は、第2実施形態において、時短状態(第1時短状態、および第2時短状態)において大当たりした場合の当該大当たり遊技の発生契機となる特別図柄の種別(特別図柄種別)と、当該特別図柄種別に対応する大当たり遊技の終了に伴って移行する遊技状態、および遊技状態に係る終了条件との関係を表した遊技状態設定テーブルの構成例を示す図である。
図65に示すように、時短状態(第1時短状態、および第2時短状態)において大当たりした場合の当該大当たりの発生契機となる特別図柄の種別が大当たり図柄Bである場合、当該特別図柄種別に対応する第2大当たり遊技の終了に伴って、通常遊技状態に移行する。この通常遊技状態には終了条件が設定されていない。なお、時短状態における大当たり図柄B以外の場合の当該大当たり遊技の発生契機となる特別図柄の種別(特別図柄種別)と、当該特別図柄種別に対応する大当たり遊技の終了に伴って移行する遊技状態、および遊技状態に係る終了条件との関係、ならびに通常遊技状態における当該大当たり遊技の発生契機となる特別図柄の種別(特別図柄種別)と、当該特別図柄種別に対応する大当たり遊技の終了に伴って移行する遊技状態、および遊技状態に係る終了条件との関係は第1実施形態と同一である。
図65に示すように、時短状態(第1時短状態、および第2時短状態)において大当たり図柄Bが停止表示した場合、当該第2大当たり遊技の終了に伴って、通常遊技状態に移行することによって、パチンコ遊技機PY2に係る主要な遊技フローもパチンコ遊技機PY1と異なるようになる。
図66は、パチンコ遊技機PY2における主要な遊技フローを模式的に表した図である。ここでは、パチンコ遊技機PY1に係る主要な遊技フローとの違いについて説明する。パチンコ遊技機PY1では、第2時短状態で大当たり図柄Bの停止表示が行われると、第2大当たり遊技が実行され(大当たり2)、当該第2大当たり遊技の終了に伴って、時短規定回数が10回の第1時短状態(不利第1時短状態)且つチャンスモードになり、右打ちによる遊技が展開されることになる。一方、パチンコ遊技機PY2では、第2時短状態で大当たり図柄Bの停止表示が行われると、当該第2大当たり遊技の終了に伴って、通常遊技状態且つ通常演出モードになり、左打ちによる遊技が展開されることになる。すなわち、大当たり遊技を介して、第2始動口12への入賞容易性が第2時短状態よりも高い第1時短状態に移行(突入)させることはできなかったが、大当たりした場合は、大当たり遊技を介して、連荘に対して高い期待を持てる有利第1時短状態に移行(突入)させることができる通常遊技状態且つ通常演出モードに移行したことになる。
このように、通常遊技状態且つ通常演出モードに移行するルートとして、パチンコ遊技機PY2への電源投入時にRAMクリアスイッチ(図示なし)が操作された場合と、第2時短状態且つ通常演出モードにおいて大当たり図柄Bの停止表示が行われた場合とがある。したがって、電源投入時にRAMクリアスイッチ(図示なし)が操作された後だけでなく、左打ちで有利第1時短状態に移行(突入)させることができなかった後も、ハズレ図柄Cの停止表示が行われない限りは、大当たりした場合は連荘に対して高い期待を持てる有利第1時短状態に確実に移行(突入)させることができる状況が維持されるので、遊技興趣が向上すると共に、遊技全体を通して遊技者に安心感を与えると共に、遊技者に継続して遊技を実行させる遊技意欲を持たせて稼働率が低下することを抑えることができる。
また、第1実施形態では、第2時短状態且つ通常演出モードにおいて大当たり図柄Bの停止表示が行われて不利第1時短状態になった場合、有利第1時短状態になった場合に比べて連荘に対する期待度は低いが、遊技者にとっては、第2始動口12への入賞に基づく第2大当たり判定では小当たりが含まれている分、第1始動口11への入賞に基づく第1大当たり判定よりも大当たりさせる可能性が高く(遊技者に有利であり)、さらには通常遊技状態に比べて所持する遊技球を減らし難いというメリットがある。しかし、一方では不利第1時短状態で大当たりさせることなく第1時短抜けすると、大当たりした場合の有利第1時短状態への移行率(突入率)が50%の第2時短状態且つ通常演出モードに移行してしまうというデメリットがある。これに対して、第2実施形態では、第2時短状態且つ通常演出モードにおいて大当たり図柄Bの停止表示が行われた場合、第2時短状態に比べて大当たりさせ難く、所持する遊技球が減り易い通常遊技状態に移行するものの、当該通常遊技状態では、大当たりした場合の有利第1時短状態への移行率(突入率)が100%であるので、遊技者に安心感を与えると共に、仕切り直し感が出て遊技にメリハリを利かすことができる。
<第3実施形態>
次に、前述の本発明に係る基本的な実施形態、および第1実施形態に基づいて、本発明に係る第3実施形態について説明する。なお、基本的な実施形態、および第1実施形態と同一の構成、または同様に対応する構成については同一の符号、および用語を用いる。
第3実施形態に係るパチンコ遊技機PY3は、特図1に係るハズレ図柄種別と、ハズレ時短に係る時短規定回数との関係について、パチンコ遊技機PY1と異なる。具体的には、特図1に係るハズレ図柄には、ハズレ図柄Aとハズレ図柄B1とハズレ図柄B2の3種類のハズレ図柄がある。ハズレ図柄Aは、第1実施形態における特図1に係るハズレ図柄Aと同じ位置付けであり、仕様上同一の機能を有する。一方、ハズレ図柄B1、およびハズレ図柄B2は、第2始動口12への入賞容易性に係る遊技状態を、第2時短状態に移行させるハズレ図柄である。すなわち、特図1可変表示でハズレ図柄B1の停止表示、およびハズレ図柄B2の停止表示が行われると、大当たり遊技が実行されることなくそのまま第2時短状態になる。ただし、第1実施形態の場合と同様に、ハズレ図柄B1やハズレ図柄B2の停止表示が行われて、大当たり遊技が実行されることなくそのまま第2時短状態になるのは、通常遊技状態に滞在しているときのみである。第1時短状態や第2時短状態などの時短状態においてハズレ図柄B1やハズレ図柄B2が停止表示しても、第2時短状態になることはない。
また、通常遊技状態においてハズレ図柄B1やハズレ図柄B2が停止表示すると、大当たり遊技が実行されることなくそのまま第2時短状態に遷移するが、この場合の第2時短状態に係る時短規定回数がハズレ図柄種別に応じて異なる。具体的には、ハズレ図柄B1に基づく第2時短状態に係る時短規定回数が1200回であり、ハズレ図柄B2に基づく第2時短状態に係る時短規定回数が50回である。
ここで、第3実施形態に係るハズレ図柄種別判定テーブルの構成例を示す図67に示す。図67に示すように、特図1に係るハズレ図柄種別判定テーブルによると、196/199の確率でハズレ図柄Aに決定され、1/199の確率でハズレ図柄B1に決定され、2/199の確率でハズレ図柄B2に決定される。
ハズレ図柄種別判定テーブルでは、ハズレ図柄種別判定の結果であるハズレ図柄種別に、ハズレ図柄種別乱数の判定値(ハズレ図柄種別乱数判定値)が、図67に示す選択率となるように適宜に振り分けられている。なお、ハズレ図柄種別の数、および各ハズレ図柄種別の選択率は、第3実施形態に限られず適宜に設定しても良い。
次に、パチンコ遊技機PY3に係る主要な遊技フローについて説明する。図68は、パチンコ遊技機PY3における主要な遊技フローを模式的に表した図である。ここでは、パチンコ遊技機PY1に係る主要な遊技フローとの違いについて説明する。パチンコ遊技機PY3では、通常遊技状態且つ通常演出モードにおいて、ハズレ図柄B1の停止表示が行われた場合、およびハズレ図柄B2の停止表示が行われた場合、第2時短状態且つ通常演出モードに移行する。
なお、第3実施形態では、第1実施形態と同様に、左打ちで遊技が進行する通常遊技状態と第2時短状態とでは同一の通常演出モードによって特図変動演出が実行されるが、後述するように、特図可変表示に基づく特図変動演出とは別に(特図可変表示に基づく特図変動演出とは別系統で)、通常遊技状態に滞在しているときには当該通常遊技状態に滞在していることを示唆する演出(通常滞在示唆演出)が実行され、第2時短状態に滞在しているときには当該第2時短状態に滞在していることを示唆する演出(ハズレ時短滞在示唆演出)が実行される。
また、ハズレ図柄B1の停止表示によって第2時短状態に移行した場合もハズレ図柄B2の停止表示によって第2時短状態に移行した場合も同一のハズレ時短滞在示唆演出が実行される。したがって、遊技者は、ハズレ時短滞在示唆演出に基づいて、第2時短状態に係る時短規定回数が50回であるか1200回であるかを判別することが困難である。なお、ハズレ時短滞在示唆演出は、ハズレ図柄B1の停止表示によって第2時短状態に移行した場合の特図可変表示が最初に50回実行されるまでの期間、およびハズレ図柄B2の停止表示によって第2時短状態に移行した場合の特図可変表示が50回実行されるまでの期間(全期間)で実行される。
そして、ハズレ図柄B2に係る第2時短状態に移行してから大当たりすることなく特図可変表示が当該時短規定回数(50回)実行されると、そのまま第2時短状態から通常遊技状態に移行すると共に、ハズレ時短滞在示唆演出から通常滞在示唆演出に切り替わる。この第2時短状態から通常遊技状態に移行することを「第2時短抜け」と称する。また、ハズレ時短滞在示唆演出が実行されているときは、遊技者はそのときにハズレ図柄B1に係る第2時短状態に滞在しているかハズレ図柄B2に係る第2時短状態に滞在しているかを判別することができないが、前述の通り、時短規定回数が1200回の第2時短状態から通常遊技状態に移行することはないので(図57参照)、ハズレ時短滞在示唆演出から通常滞在示唆演出への切り替えによって、ハズレ図柄B2に係る第2時短状態に滞在していたことが事後的に判明する。
また、ハズレ図柄B1に係る第2時短状態に移行してから大当たりすることなく特図可変表示が当該時短規定回数(50回)実行されても、当該第2時短状態はそのまま継続すると共に、単にハズレ時短滞在示唆演出が終了する。このハズレ時短滞在示唆演出の終了によって、ハズレ図柄B1に係る第2時短状態に滞在していたことが事後的に判明する。
なお、第3実施形態では、通常遊技状態においてハズレ図柄Cの停止表示が行われると、時短規定回数が1200回の第2時短状態に移行する。すなわち、第1実施形態の場合と同様に、有利第1時短状態で大当たりすることなく時短規定回数(50回)の特図可変表示が実行されると、実質的には時短規定回数が1200回の第2時短状態に移行する。ただし、この場合の第2時短状態において、ハズレ時短滞在示唆演出は実行されない。
次に、通常滞在示唆演出、およびハズレ時短滞在示唆演出の具体例について説明する。図69~図72は、表示部50aにおいて、通常滞在示唆演出やハズレ時短滞在示唆演出が行われている様子を表す図である。なお、以下において、便宜上、小図柄KZ1~KZ3の表示や保留アイコンおよび当該アイコンの表示については省略する。
通常滞在示唆演出は、背景画像(図69~図72では、第1通常用背景画像G111)に重畳的に実行される。例えば、通常滞在示唆演出に対応付けられた画像(通常滞在示唆演出画像)G40は、表示部50aの上端部付近で両端間を横断するような帯状に形成され、無端状に右から左に循環するようにスクロール表示する。
通常滞在示唆演出画像G40には、「突入率100%」という文字が含まれている。前述の通り、通常遊技状態において大当たりした場合の有利第1時短状態への移行率(突入率)は100%であることから、「突入率100%」という文字で、通常遊技状態に滞在していることを示唆している。したがって、通常滞在示唆演出画像G40には、通常遊技状態に滞在していること、言い換えると、大当たりした場合の有利第1時短状態への移行率(突入率)が100%であることを示唆する文字が含まれている。ただし、通常滞在示唆演出画像G40の具体的な表示内容は特に限定されず、遊技者が、通常遊技状態に滞在していることを認識可能な範囲で適宜に変更しても良い。
通常遊技状態且つ通常演出モードにおいて、通常滞在示唆演出は、表示部50aにおいて常駐的に、言い換えると複数の特図可変表示にまたがって継続的に実行可能に構成されている。図69(A)に示すように、通常滞在示唆演出画像G40は、特図変動表示に応じた演出図柄EZ1~EZ3の変動表示(特図変動演出)が実行されているときに、表示部50aにおいて背景画像(図69(A)では、第1通常用背景画像G111)に重畳的に表示される。また、図69(B)に示すように、特図の停止表示に応じて演出図柄EZ1~EZ3の停止表示が実行されたときも、通常滞在示唆演出画像G40は、途切れることなくその前の状況から継続的に表示部50aにおいて背景画像(図69(A)では、第1通常用背景画像G111)に重畳的に表示される。さらに、図69(C)に示すように、新たに特図可変表示が開始されたことに応じて停止していた演出図柄EZ1~EZ3が変動表示を開始したときも、通常滞在示唆演出画像G40は、途切れることなくその前の状況から継続的に表示部50aにおいて背景画像(図69(A)では、第1通常用背景画像G111)に重畳的に表示される。
そして、通常遊技状態且つ通常演出モードにおいてハズレ図柄B1、およびハズレ図柄B2の停止表示が行われることに応じて、通常滞在示唆演出からハズレ時短滞在示唆演出に切り替わる(通常滞在示唆演出が終了すると共に、ハズレ時短滞在示唆演出が開始される)。なお、通常滞在示唆演出からハズレ時短滞在示唆演出に切り替わっても、演出モードとしては通常演出モードが継続する。
ハズレ時短滞在示唆演出は、背景画像(図70~図72では、第1通常用背景画像G111)に重畳的に実行される。例えば、ハズレ時短滞在示唆演出に対応付けられた画像(ハズレ時短滞在示唆演出画像)G41は、表示部50aの上端部付近で両端間を横断するような帯状に形成され、無端状に右から左に循環するようにスクロール表示する。すなわち、ハズレ時短滞在示唆演出画像G41は通常滞在示唆演出画像G40と同一形状に構成され、通常滞在示唆演出画像G40から切り替わるように表示される。
ハズレ時短滞在示唆演出画像G41には、「突入率50%抜けまであと〇〇回?」という文字が含まれている。この文字の中の「〇〇」の部分には、数字が表示される。具体的に、ハズレ時短滞在示唆演出画像G41が表示されたとき(ハズレ時短滞在示唆演出が開始したとき)には数字として「50」が表示され、特図停止表示(演出図柄EZ1~EZ3の停止表示)が実行される度に数字が「1」ずつ減っていく。これは、前述の通り、第2時短状態において大当たりした場合の有利第1時短状態への移行率(突入率)は50%であり、この第2時短状態がハズレ図柄B2に係るものであれば、大当たりすることなく特図可変表示が50回実行されると通常遊技状態になる(第2時短抜けする)一方、ハズレ図柄B1に係るものであれば、大当たりすることなく特図可変表示が50回実行されても通常遊技状態にならない(第2時短抜けしない)ことから、「突入率50%抜けまであと〇〇回?」という文字で、現在第2時短状態に滞在し、あと〇〇回特図可変表示が実行されると第2時短抜けする可能性があることを示唆している。したがって、ハズレ時短滞在示唆演出画像G41には、現在第2時短状態に滞在しているが、そのうち第2時短抜けする可能性があり、可能性がある場合の残りの特図可変表示の実行回数(第2時短抜け残り回数)を示唆している。ただし、ハズレ時短滞在示唆演出画像G41の具体的な表示内容は特に限定されず、遊技者が、第2時短状態に滞在していること、第2時短抜けする可能性があること、および第2時短抜け残り回数を認識可能な範囲で適宜に変更しても良い。
ここで、通常滞在示唆演出からハズレ時短滞在示唆演出への切り替えについて説明する。当該切り替えは、ハズレ図柄B1の停止表示、およびハズレ図柄B2の停止表示に応じて行われる。例えば、ハズレ図柄B1、およびハズレ図柄B2に係る特図1変動表示に応じて演出図柄EZ1~EZ3の変動表示(特図変動演出)が実行されている場合、前述の通り、図70(A)に示すように、背景画像(図70(A)では第1通常用背景画像G111)に重畳的に通常滞在示唆演出画像G40が表示されている。次に、ハズレ図柄B1の停止表示、およびハズレ図柄B2の停止表示に応じて演出図柄EZ1~EZ3の停止表示が実行されると、図70(B)に示すように、そのまま通常滞在示唆演出画像G40が表示される。このときに通常遊技状態から第2時短状態に移行する。そして、続いて、第2時短状態で新たに特図可変表示が開始されるときに、図70(C)に示すように、通常滞在示唆演出画像G40からハズレ時短滞在示唆演出画像G41に切り替わり、ハズレ時短滞在示唆演出が開始される。なお、図70(C)に図示したハズレ時短滞在示唆演出画像G41は、ハズレ時短滞在示唆演出が開始されたときのものであるので、第2時短抜け残り回数を表す部分は「50回」となっている。
第2時短状態且つ通常演出モードにおいて、ハズレ時短滞在示唆演出は、表示部50aにおいて常駐的に、言い換えると複数の特図可変表示にまたがって継続的に実行可能に構成されている。図70(C)に示すように、ハズレ時短滞在示唆演出画像G41は、特図変動表示に応じた演出図柄EZ1~EZ3の変動表示(特図変動演出)が実行されているときに、表示部50aにおいて背景画像(図70(C)では、第1通常用背景画像G111)に重畳的に表示される。また、図71(A)に示すように、特図の停止表示に応じて演出図柄EZ1~EZ3の停止表示が実行されたときも、ハズレ時短滞在示唆演出画像G41は、途切れることなくその前の状況から継続的に表示部50aにおいて背景画像(図71(A)では、第1通常用背景画像G111)に重畳的に表示される。さらに、図71(B)に示すように、新たに特図可変表示が開始されたことに応じて停止していた演出図柄EZ1~EZ3が変動表示を開始したときも、ハズレ時短滞在示唆演出画像G41は、途切れることなくその前の状況から継続的に表示部50aにおいて背景画像(図71(B)では、第1通常用背景画像G111)に重畳的に表示される。また、このとき、新たに特図可変表示が開始された(特図停止表示が行われた)ので、ハズレ時短滞在示唆演出画像G41における第2時短抜け残り回数を表す部分も1つ減って「49回」となる。
その後、第2時短状態において大当たりすることなく特図可変表示が実行され続けて、第2時短抜け残り回数が1回に係る特図停止表示が行われたとすると、図71(C)に示すように、ハズレ時短滞在示唆演出画像G41における第2時短抜け残り回数を表す部分は「1回」となる。そして、次に、ハズレ図柄Aに係る特図可変表示が開始されたとする。この場合は、まずは図71(D)に示すように、演出図柄EZ1~EZ3の変動表示が開始されると共に、ハズレ時短滞在示唆演出画像G41における第2時短抜け残り回数を表す部分がさらに1つ減って「0回」となる。この「0回」は、現在滞在している第2時短状態がハズレ図柄B2に係るものであった場合、当該特図可変表示が当該第2時短状態で最後の特図可変表示であること、言い換えると当該特図可変表示でハズレ図柄Aが導出されると、第2時短抜けして通常遊技状態に移行することを示唆している。
ここで、ハズレ図柄Aの停止表示が行われると、図72(A)に示すように、ハズレを示す態様の演出図柄EZ1~EZ3の停止表示が行われる。そして、続いて、新たな特図可変表示が実行されると、通常演出モードが継続したまま演出図柄EZ1~EZ3の変動表示が開始される。ここで、第2時短状態がハズレ図柄B1に係るものであった場合は、第2時短状態がそのまま継続し、且つ、図72(B-1)に示すように、ハズレ時短滞在示唆演出画像G41が消えてそのままハズレ時短滞在示唆演出が終了する。一方、第2時短状態がハズレ図柄B2に係るものであった場合は、第2時短状態から通常遊技状態に移行し(第2時短抜けし)、且つ、図72(B-2)に示すように、ハズレ時短滞在示唆演出画像G41から通常滞在示唆演出画像G40に切り替わって、ハズレ時短滞在示唆演出が終了すると共に、通常滞在示唆演出が開始される。このように、ハズレ時短滞在示唆演出が終了すると共に、通常滞在示唆演出が開始されることによって、新たに通常遊技状態に移行したこと、および滞在していた第2時短状態がハズレ図柄B2に係るもの(時短規定回数が50回の第2時短状態)であったことを示唆し、ハズレ時短滞在示唆演出が終了するが、通常滞在示唆演出が開始されないことによって、第2時短状態が継続すること、および滞在していた第2時短状態がハズレ図柄B1に係るもの(時短規定回数が1200回の第2時短状態)であったことを示唆している。
以上のように、パチンコ遊技機PY3によれば、第2始動口12への入賞容易性が類似し、左打ちによる遊技が進行する通常遊技状態と第2時短状態との間で、有利第1時短状態への移行率(突入率)が異なり、当該移行率(突入率)が相対的に低い遊技状態(第2時短状態)から当該移行率(突入率)が相対的に高い遊技状態(通常遊技状態)へ移行する機会があるという遊技性のもと、当該移行率(突入率)が相対的に低い遊技状態(第2時短状態)に滞在しているときに、そのことを示唆(ハズレ時短滞在示唆演出を実行)することで、遊技者に不安感を過度に募らせて遊技興趣が低下することを防ぐことができる。また、当該移行率(突入率)が相対的に高い遊技状態(通常遊技状態)に滞在しているときに、そのことを示唆(通常滞在示唆演出を実行)することで、遊技者に安心感を与えながら遊技興趣を向上させることができる。
さらに、パチンコ遊技機PY3では、当該移行率(突入率)が相対的に低い遊技状態(第2時短状態)の滞在可能期間が2種類あり、何れの場合も同じように当該移行率(突入率)が相対的に低い遊技状態(第2時短状態)に滞在していることを示唆(ハズレ時短滞在示唆演出を実行)するので、遊技者にドキドキ感を与えて遊技興趣を向上させることができる。また、当該示唆を行っている間(ハズレ時短滞在示唆演出を実行している間)、当該遊技状態の滞在期間が短い場合であれば当該遊技状態が終了するまでの残り期間を示唆する(ハズレ時短滞在示唆演出画像G41によって第2時短抜け残り回数を示唆する)ので、さらに遊技者のドキドキ感を高めて遊技興趣を向上させることができる。
また、当該遊技状態の滞在期間が短い場合であれば当該遊技状態が終了するまでの残り期間を示唆(ハズレ時短滞在示唆演出画像G41によって第2時短抜け残り回数を示唆)した場合、滞在期間が終了することが報知されたときに、実際に当該滞在期間が終了して、当該移行率(突入率)が相対的に高い遊技状態(通常遊技状態)へ移行すると、当該移行率(突入率)が相対的に高い遊技状態(通常遊技状態)に滞在していることが示唆(通常滞在示唆演出が実行)されるので、遊技者に喜びと安心感を与えて遊技興趣を向上させることができる。反対に、当該遊技状態の滞在期間が短い場合であれば当該遊技状態が終了するまでの残り期間を示唆(ハズレ時短滞在示唆演出画像G41によって第2時短抜け残り回数を示唆)した場合、滞在期間が終了することが報知されたときに、当該滞在期間が終了しておらず、当該移行率(突入率)が相対的に低い遊技状態(第2時短状態)が継続していると、当該移行率(突入率)が相対的に低い遊技状態(第2時短状態)に滞在していることが示唆される(通常滞在示唆演出が実行されない)ので、遊技者に不安感を過度に募らせて遊技興趣が低下することを防ぐことができる。
(第3実施形態の変更例)
次に、第3実施形態に係るパチンコ遊技機PY3の変更例について説明する。なお、以下に説明する変更例同士を適宜に組み合わせることも可能である。
第3実施形態では、第2時短状態に係る時短規定回数が50回と1200回の2種類設定されているが、時短規定回数の具体的な値は適宜に変更しても良い。また、第2時短状態に係る時短規定回数の種類を3種類以上にしても良い。この場合は、第2時短状態を発生させるハズレ図柄種別を3種類以上設定し、ハズレ図柄種別を時短規定回数に対応付けても良い。また、この場合、通常遊技状態から第2時短状態に移行したときにハズレ時短滞在示唆演出画像G41に含まれる第2時短抜け残り回数を表す部分は、時短規定回数が最も多いものや最も少ないものや最も多くも少なくもないものなど複数の中から様々に表示されるようにしても良い。そして、この場合は、第2時短状態に滞在しているときに、ハズレ時短滞在示唆演出画像G41に含まれる第2時短抜け残り回数を表す部分が減ったり増えたりするようにしても良い。
さらに、第3実施形態では、通常滞在示唆演出、およびハズレ時短滞在示唆演出は常駐的にずっと継続して実行されているが、これらの双方あるいは何れか一方は、各特図変動演出または特定の特図変動演出が開始してから所定時間が経過するまでの期間や、複数回の特図変動演出で1回など特定期間において実行されるようにしても良い。
また、第3実施形態では、通常滞在示唆演出画像G40、およびハズレ時短滞在示唆演出画像G41の表示位置、および形状は同一であるが、これらの表示位置、および形状の双方または一方は異なるようにしても良い。さらに、通常滞在示唆演出画像G40、およびハズレ時短滞在示唆演出画像G41は帯状に形成されているが、これらの双方または一方は帯状以外の形状で形成されても良い。また、通常滞在示唆演出画像G40は「突入率100%」という文字によって通常遊技状態に滞在していることを示唆し、ハズレ時短滞在示唆演出画像G41は「突入率50%」という文字によって第2時短状態に滞在していることを示唆しているが、他の文字あるいは文字以外の表現形式で各遊技状態に滞在していることを示唆しても良い。
さらに、第3実施形態では、ハズレ時短滞在示唆演出画像G41において、第2時短抜け残り回数がカウントダウンによって示唆されるが、当該示唆方法はカウントダウンに限られず、カウントアップなどの別の方法で示唆されても良い。さらに、第3実施形態では、第2時短状態に滞在していること、第2時短抜けする可能性があること、および第2時短抜け残り回数の3つの事項を1つのハズレ時短滞在示唆演出画像G41で示唆しているが、示唆する事項ごとに別の画像を用いて示唆するようにしても良い。
また、第3実施形態では、ハズレ時短滞在示唆演出、および通常滞在示唆演出は表示部50a(画像表示装置50)において実行されるが、これらの双方または一方は、表示部50a(画像表示装置50)以外の演出装置を用いて実行されるようにしても良い。この場合、ハズレ時短滞在示唆演出であれば、表示部50a(画像表示装置50)以外の演出装置によって、遊技者が、第2時短状態に滞在していること、第2時短抜けする可能性があること、および第2時短抜け残り回数を認識できれば良い。また、通常滞在示唆演出であれば、表示部50a(画像表示装置50)以外の演出装置によって、遊技者が、通常遊技状態に滞在していることを認識できれば良い。
また、通常遊技状態における大当たりした場合の有利第1時短状態への移行率(突入率)、および第2時短状態における大当たりした場合の有利第1時短状態への移行率(突入率)も、当該後者よりも当該前者の方が高いという関係性を維持した上で、第3実施形態に限られず適宜に変更しても良い。
さらに、第3実施形態では、ハズレ図柄B1に係る第2時短状態に滞在しているとき、ハズレ時短滞在示唆演出が終了した後は、通常滞在示唆演出画像G40やハズレ時短滞在示唆演出画像G41のようにその遊技状態に滞在していることを示唆する画像が表示されないが、そのような画像が表示されるようにして、ハズレ図柄B1に係る第2時短状態に滞在していることを示唆しても良い。また、この場合、反対に、ハズレ図柄B2に係る第2時短状態に滞在していたが第2時短抜けして通常遊技状態に移行した場合、通常滞在示唆演出を実行しないようにしても良い。また、第3実施形態では、第2時短状態に移行する前の通常滞在示唆演出と、第2時短抜けした後の通常滞在示唆演出とで同一の通常滞在示唆演出画像G40が用いられているが、異なる画像を用いるようにしても良い。
また、第3実施形態では、特図2に係るハズレ図柄種別は1種類(ハズレ図柄C)であり、通常遊技状態において、特図2に係るハズレ図柄Cが停止表示すると、時短規定回数が1200回の第2時短状態に移行するが、この時短規定回数は特に限定されず、適宜に変更しても良い。例えば、ハズレ図柄Cに係る時短規定回数を、ハズレ図柄B2と同じ50回としても良い。あるいは、特図2に係るハズレ図柄種別が2種類以上設定されており、ハズレ図柄種別に応じて2種類以上の時短規定回数が設定されており、当該第2時短状態でも大当たりすることなく特図可変表示が実行され続けると特図可変表示の実行回数が時短規定回数に達して通常遊技状態に移行する可能性があり、第1時短抜けの後の第2時短状態でも、ハズレ時短滞在示唆演出が実行されるようにしても良い。
(第1実施形態~第3実施形態の変更例)
次に、第1実施形態に係るパチンコ遊技機PY1~第3実施形態に係るパチンコ遊技機PY3の変更例について説明する。
第1実施形態~第3実施形態では、第1時短状態に係る終了条件(継続可能期間)は、特図2可変表示の実行回数で特定され、第2時短状態に係る終了条件(継続可能期間)は、特図可変表示の実行回数で特定されているが、第1時短状態、および第2時短状態の双方または一方の終了条件(継続可能期間)に係る主体(対象)は特図2可変表示や特図可変表示の実行回数に限られず適宜に変更しても良い。例えば、特図2可変表示や特図可変表示に替えて、時間、リーチやSPリーチや特定の予告演出などの特定の演出の出現回数、遊技球の発射個数、獲得した賞球数、および普図可変表示の実行回数など適宜に変更しても良い。
7.前述した実施形態に開示されている発明
この[発明を実施するための形態]における前段落までには、以下の発明A~発明Eが開示されている。発明A~発明Eの説明では、前述した発明を実施する形態における対応する構成の名称や表現、図面に使用した符号を参考のためにかっこ書きで付記している。但し、各発明を構成する手段などの要素はこの付記に限定されるものではない。なお、発明Aは、以下の発明A1~A5の総称であり、発明Bは、以下の発明B1~B4の総称であり、発明Cは、以下の発明C1~C3の総称であり、発明Dは、以下の発明D1~D4の総称であり、発明Eは、以下の発明E1~E4の総称である。
7-1-1.発明A1
発明A1に係る遊技機は、
通常遊技状態において所定の判定(大当たり判定、大当たり図柄種別判定、ハズレ図柄種別判定)を実行可能であり、前記所定の判定で第1特定結果(大当たり)が導出されることによって、特定遊技(大当たり遊技)を実行し、その後に前記通常遊技状態よりも遊技者に有利な有利遊技状態(有利第1時短状態)にすることがある遊技制御手段(遊技制御用マイコン101)を備える遊技機において、
前記遊技制御手段は、前記通常遊技状態において、前記所定の判定で、前記第1特定結果と異なる第2特定結果(ハズレ図柄B)が導出されると、前記通常遊技状態または前記有利遊技状態と異なる特定遊技状態(第2時短状態)に移行させ、
前記特定遊技状態における前記所定の判定で前記第1特定結果が導出されて前記有利遊技状態に移行する確率(50%)よりも、前記通常遊技状態における前記所定の判定で前記第1特定結果が導出されて前記有利遊技状態に移行する確率(100%)の方が高いことを特徴とする遊技機。
7-1-2.発明A2
発明A2に係る遊技機は、
発明A1に係る遊技機であって、
操作手段(RAMクリスイッチ)をさらに備え、
前記遊技制御手段は、前記通常遊技状態と異なる遊技状態に滞在しているときに、前記操作手段が操作されることによって、前記通常遊技状態に移行させることを特徴とする遊技機。
7-1-3.発明A3
発明A3に係る遊技機は、
発明A1または発明A2に係る遊技機であって、
前記遊技制御手段は、前記特定遊技状態において、前記所定の判定で、前記第1特定結果が導出されることによって、前記特定遊技を実行し、その後に、前記通常遊技状態よりも遊技者に有利であり、且つ前記有利遊技状態よりも遊技者に不利な特別遊技状態(不利第1時短状態)にすることがあることを特徴とする遊技機。
7-1-4.発明A4
発明A4に係る遊技機は、
発明A3に係る遊技機であって、
前記遊技制御手段は、前記特別遊技状態に係る終了条件(特図2可変表示が10回実行されること)が成立することによって当該特別遊技状態を終了させ、その後に前記特定遊技状態に移行させることがあることを特徴とする遊技機。
7-1-5.発明A5
発明A5に係る遊技機は、
所定の判定で第1特定結果(大当たり)が導出されることによって、前記所定の判定を実行可能な遊技状態として、通常遊技状態よりも遊技者に有利な有利遊技状態(有利第1時短状態)に移行させることがある遊技制御手(遊技制御用マイコン101)段を備える遊技機において、
操作手段(RAMクリアスイッチ)をさらに備え、
前記遊技制御手段は、前記操作手段が操作されると、前記所定の判定で前記第1特定結果が導出された場合に第1の確率(100%)で前記有利遊技状態に移行させることが可能な第1遊技状態(通常遊技状態)にし、前記第1遊技状態において、前記所定の判定で、前記第1特定結果と異なる第2特定結果(ハズレ図柄B)が導出されると、前記所定の判定で前記第1特定結果が導出された場合に前記第1の確率より低い第2の確率(50%)で前記有利遊技状態に移行させることが可能な第2遊技状態(第2時短状態)にすることを特徴とする遊技機。
7-2-1.発明B1
発明B1に係る遊技機は、
通常遊技状態において所定の判定(大当たり判定、)を実行可能であり、前記所定の判定で第1特定結果(大当たり)が導出されることによって、特定遊技(大当たり遊技)を実行し、その後に前記通常遊技状態よりも遊技者に有利な有利遊技状態(第1時短状態)にすることがある遊技制御手段(遊技制御用マイコン101)を備える遊技機において、
前記遊技制御手段は、前記通常遊技状態において、前記所定の判定で、前記第1特定結果と異なる第2特定結果(ハズレ図柄B)が導出されると、前記通常遊技状態または前記有利遊技状態と異なる特定遊技状態(第2時短状態)に移行させ、
前記特定遊技状態における前記所定の判定で前記第1特定結果が導出されて前記有利遊技状態に移行する確率(50%)よりも、前記通常遊技状態における前記所定の判定で前記第1特定結果が導出されて前記有利遊技状態に移行する確率(100%)の方が高いことを特徴とする遊技機。
7-2-2.発明B2
発明B2に係る遊技機は、
発明B1に係る遊技機であって、
操作手段(RAMクリスイッチ)をさらに備え、
前記遊技制御手段は、前記通常遊技状態と異なる遊技状態に滞在しているときに、前記操作手段が操作されることによって、前記通常遊技状態に移行させることを特徴とする遊技機。
7-2-3.発明B3
発明B3に係る遊技機は、
発明B1または発明B2に係る遊技機であって、
前記遊技制御手段は、前記特定遊技状態において、前記所定の判定で、前記第1特定結果が導出されることによって、前記特定遊技を実行し、その後に前記通常遊技状態にすることがあることを特徴とする遊技機。
7-2-4.発明B4
発明B4に係る遊技機は、
所定の判定で第1特定結果(大当たり)が導出されることによって、特定遊技(大当たり遊技)を実行し、その後に通常遊技状態よりも遊技者に有利な有利遊技状態(有利第1時短状態)に移行させるときと前記有利遊技状態に移行させないときとがある遊技制御手段(遊技制御用マイコン101)を備える遊技機において、
操作手段(RAMクリアスイッチ)をさらに備え、
前記遊技制御手段は、前記操作手段が操作された場合、および前記特定遊技の後に前記有利遊技状態に移行させない場合、前記所定の判定で前記第1特定結果が導出された場合に第1の確率(100%)で前記有利遊技状態に移行させることが可能な第1遊技状態(通常遊技状態)にし、前記第1遊技状態において、前記所定の判定で、前記第1特定結果と異なる第2特定結果(ハズレ図柄B)が導出されると、前記所定の判定で前記第1特定結果が導出された場合に前記第1の確率より低い第2の確率(50%)で前記有利遊技状態に移行させることが可能な第2遊技状態(第2時短状態)にすることを特徴とする遊技機。
7-3-1.発明C1
発明C1に係る遊技機は、
第1遊技状態(通常遊技状態)、および前記第1遊技状態と異なる第2遊技状態(第2時短状態)において、所定の判定(大当たり判定、大当たり図柄判定、ハズレ図柄種別判定)を実行可能であり、前記所定の判定で特定結果(大当たり)が導出されると、特定遊技(大当たり遊技)を実行することがある遊技制御手段(遊技制御用マイコン101)と、
演出を実行可能な演出制御手段(演出制御用マイコン121)とを備えた遊技機であって、
前記遊技制御手段は、前記特定遊技の後に、前記第1遊技状態、および前記第2遊技状態よりも遊技者に有利な特定遊技状態(有利第1時短状態)にするときとしないときとがあり、
前記第1遊技状態において前記特定結果が導出された場合に前記特定遊技状態になる確率(100%)と、前記第2遊技状態において前記特定結果が導出された場合に前記特定遊技状態になる確率(50%)とが異なり、
前記演出制御手段は、前記第1遊技状態において前記特定結果が導出された場合、および前記第2遊技状態において前記特定結果が導出された場合の双方において、前記特定結果が導出されたことを示唆する第1示唆演出(大当たり示唆演出、およびその直後の演出図柄EZ1~EZ3の不利第1時短状態を示唆する態様の暫定的な停止表示)を実行可能であり、当該示唆演出の後に、当該特定結果の導出が前記第1遊技状態、または前記第2遊技状態で行われたのかを示唆する第2示唆演出(煽り演出)を実行可能であることを特徴とする遊技機。
7-3-2.発明C2
発明C2に係る遊技機は、
発明C1に係る遊技機であって、
前記第2遊技状態において前記特定結果が導出された場合に前記特定遊技状態になる確率よりも、前記第1遊技状態において前記特定結果が導出された場合に前記特定遊技状態になる確率の方が高く、
前記演出制御手段は、前記第2示唆演出において、前記特定結果の導出が前記第2遊技状態で行われたことを示唆すると、続いて、前記特定遊技状態に移行するか否かを示唆する第3示唆演出(リベンジ演出)を実行することを特徴とする遊技機。
7-3-3.発明C3
発明C3に係る遊技機は、
発明C1または発明C2に係る遊技機であって、
前記演出制御手段は、前記特定結果の導出が前記第1遊技状態で行われており、前記特定遊技の後に前記特定遊技状態になる場合、前記第2示唆演出において、前記特定結果の導出が前記第1遊技状態で行われていたことを示唆すると、続いて、前記第3示唆演出を実行することなく、前記特定遊技状態に移行することを報知する報知演出(演出図柄EZ1~EZ3の有利第1時短状態を示唆する態様での暫定的な停止表示)を実行することを特徴とする遊技機。
7-4-1.発明D1
発明D1に係る遊技機は、
所定の判定(大当たり判定、大当たり図柄判定、ハズレ図柄判定)で第1特定結果(大当たり)が導出されることによって、遊技者に有利な有利遊技状態(有利第1時短状態)に移行させることがあり、前記有利遊技状態で前記所定の判定を実行可能な遊技制御手段(遊技制御用マイコン101)と、
演出を実行可能な演出制御手段(演出制御用マイコン121)とを備える遊技機において、
前記遊技制御手段は、前記所定の判定で前記第1特定結果が導出された場合に第1の確率(100%)で前記有利遊技状態に移行させることが可能な第1遊技状態(通常遊技状態)において、前記所定の判定で、前記第1特定結果と異なる第2特定結果(ハズレ図柄B)が導出されると、前記所定の判定で前記第1特定結果が導出された場合に前記第1の確率より低い第2の確率(50%)で前記有利遊技状態に移行させることが可能な第2遊技状態(第2時短状態)にし、
前記演出制御手段は、前記第1遊技状態において、所定条件(演出図柄EZ1~EZ3の変動表示が開始してから3秒が経過するまでの期間における第1演出ボタン40kの所定操作)が成立すると、前記所定の判定で前記第1特定結果が導出された場合に前記有利遊技状態に移行させる確率が前記第1の確率から前記第2の確率に減少していないことを示唆する減少否定演出(ハズレ時短否定演出)を実行することを特徴とする遊技機。
7-4-2.発明D2
発明D2に係る遊技機は、
所定の判定(大当たり判定、大当たり図柄判定、ハズレ図柄判定)で第1特定結果(大当たり)が導出されることによって、遊技者に有利な有利遊技状態(有利第1時短状態)に移行させることがあり、前記有利遊技状態で前記所定の判定を実行可能な遊技制御手段(遊技制御用マイコン101)と、
演出を実行可能な演出制御手段(演出制御用マイコン121)とを備える遊技機において、
前記遊技制御手段は、前記所定の判定で前記第1特定結果が導出された場合に第1の確率(100%)で前記有利遊技状態に移行させることが可能な第1遊技状態(通常遊技状態)において、前記所定の判定で、前記第1特定結果と異なる第2特定結果(ハズレ図柄B)が導出されると、前記所定の判定で前記第1特定結果が導出された場合に前記第1の確率より低い第2の確率(50%)で前記有利遊技状態に移行させることが可能な第2遊技状態(第2時短状態)にし、
前記演出制御手段は、前記第2遊技状態において、所定条件(演出図柄EZ1~EZ3の変動表示が開始してから3秒が経過するまでの期間における第1演出ボタン40kの所定操作)が成立すると、前記所定の判定で前記第1特定結果が導出された場合に前記有利遊技状態に移行させる確率が前記第1の確率から前記第2の確率に減少していることを示唆する減少肯定演出を実行することを特徴とする遊技機。
7-4-3.発明D3
発明D3に係る遊技機は、
所定の判定(大当たり判定、大当たり図柄判定、ハズレ図柄判定)で第1特定結果(大当たり)が導出されることによって、遊技者に有利な有利遊技状態(有利第1時短状態)に移行させることがあり、前記有利遊技状態で前記所定の判定を実行可能な遊技制御手段(遊技制御用マイコン101)と、
演出を実行可能な演出制御手段(演出制御用マイコン121)とを備える遊技機において、
前記遊技制御手段は、前記所定の判定で前記第1特定結果が導出された場合に第1の確率(100%)で前記有利遊技状態に移行させることが可能な第1遊技状態(通常遊技状態)において、前記所定の判定で、前記第1特定結果と異なる第2特定結果(ハズレ図柄B)が導出されると、前記所定の判定で前記第1特定結果が導出された場合に前記第1の確率より低い第2の確率(50%)で前記有利遊技状態に移行させることが可能な第2遊技状態(第2時短状態)にし、
前記演出制御手段は、前記第1遊技状態、および前記第2遊技状態において、所定条件(演出図柄EZ1~EZ3の変動表示が開始してから3秒が経過するまでの期間における第1演出ボタン40kの所定操作)が成立すると、前記所定の判定で前記第1特定結果が導出された場合に前記有利遊技状態に移行させる確率が前記第1の確率から前記第2の確率に減少していない可能性があることを示唆する減少示唆演出を実行することを特徴とする遊技機。
7-4-4.発明D4
発明D4に係る遊技機は、
発明D1乃至発明D3の何れか1つに係る遊技機であって、
操作手段(第1演出ボタン40k)をさらに備え、
前記所定条件は、少なくとも前記所定の判定が行われてから前記操作手段が所定操作(長押し)をされることであることを特徴とする遊技機。
7-5-1.発明E1
発明E1に係る遊技機は、
通常遊技状態において所定の判定(大当たり判定、大当たり図柄判定、ハズレ図柄判定)を実行可能であり、前記所定の判定で特定結果(大当たり)が導出されることによって、特定遊技(大当たり遊技)を実行し、その後に前記通常遊技状態よりも遊技者に有利な有利遊技状態(有利第1時短状態)にするときとしないときとがある遊技制御手段(遊技制御用マイコン101)と、
演出を実行可能な演出制御手段(演出制御用マイコン121)とを備える遊技機において、
前記遊技制御手段は、前記所定の判定で前記特定結果が導出された場合に前記有利遊技状態になる確率が前記通常遊技状態よりも低い特定遊技状態(第2時短状態)にすることがあり、
前記特定遊技状態に係る継続可能期間(特図可変表示が50回、または1200回実行される期間)が終了することに応じて前記通常遊技状態にすることがあり、
前記継続可能期間には、第1継続可能期間(50回)と前記第1継続可能期間よりも長い第2継続可能期間(1200回)とがあり、
前記演出制御手段は、前記第1継続可能期間に係る前記特定遊技状態、および前記第2継続可能期間に係る前記特定遊技状態において、前記特定遊技状態に滞在していることを示唆する特定滞在示唆演出(ハズレ時短滞在示唆演出)を実行可能であることを特徴とする遊技機。
7-5-2.発明E2
発明E2に係る遊技機は、
発明E1に係る遊技機であって、
前記特定滞在示唆演出は、前記特定遊技状態に滞在していることに加えて、前記第1継続可能期間を基準にした場合の前記通常遊技状態になるまでの残り期間も示唆することを特徴とする遊技機。
7-5-3.発明E3
発明E3に係る遊技機は、
発明E1または発明E2に係る遊技機であって、
前記遊技制御手段は、前記通常遊技状態において、前記所定の判定で、前記特定結果と異なる特別結果(ハズレ図柄B)が導出されると、前記特定遊技状態に移行させ、
前記特別結果には、第1特別結果(ハズレ図柄B1)、および第2特別結果(ハズレ図柄B2)があり、
前記所定の判定で前記第1特別結果が導出された場合は前記第1継続可能期間に係る前記特定遊技状態になり、前記所定の判定で前記第2特別結果が導出された場合は前記第2継続可能期間に係る前記特定遊技状態になることを特徴とする遊技機。
7-5-4.発明E4
発明E4に係る遊技機は、
発明E1乃至発明E3の何れか1つに係る遊技機であって、
前記演出制御手段は、前記通常遊技状態において、前記通常遊技状態に滞在していることを示唆する通常滞在示唆演出を実行可能であることを特徴とする遊技機。
7-5-5.発明E5
発明E5に係る遊技機は、
発明E1乃至発明E4の何れか1つに係る遊技機であって、
操作手段(RAMクリスイッチ)をさらに備え、
前記遊技制御手段は、前記通常遊技状態と異なる遊技状態に滞在しているときに、前記操作手段が操作されることによって、前記通常遊技状態に移行させることを特徴とする遊技機。
PY,PY1,PY2,PY3…パチンコ遊技機
1…遊技盤
6…遊技領域
6A…左遊技領域
6B…右遊技領域
11…第1始動口
11a…第1始動口センサ
12…第2始動口
12a…第2始動口センサ
12k…電チュー開閉部材
13…ゲート
14…第1大入賞口
14a…第1大入賞口センサ
14k…第1AT開閉部材
15…第2大入賞口
15a…第2大入賞口センサ
15k…第2AT開閉部材
16…特定領域
16a…特定領域センサ
16k…振分部材
50…画像表示装置
50a…表示部
52…スピーカー
53…枠ランプ
100…遊技制御基板
101…遊技制御用マイコン
120…演出制御基板
121…演出制御用マイコン
140…画像制御基板

Claims (1)

  1. 通常遊技状態において所定の判定を実行可能であり、前記所定の判定で第1特定結果が導出されることによって、特定遊技を実行し、その後に前記通常遊技状態よりも遊技者に有利な有利遊技状態にすることがある遊技制御手段を備える遊技機において、
    前記遊技制御手段は
    前記通常遊技状態において、前記所定の判定で、前記第1特定結果と異なる第2特定結果が導出されると、前記通常遊技状態または前記有利遊技状態と異なる特定遊技状態に移行させ、
    前記特定遊技状態において、前記所定の判定で、前記第1特定結果が導出されることによって、前記特定遊技を実行し、その後に、前記通常遊技状態よりも遊技者に有利であり、且つ前記有利遊技状態よりも遊技者に不利な特別遊技状態にすることがあり、
    前記特定遊技状態における前記所定の判定で前記第1特定結果が導出されて前記有利遊技状態に移行する確率よりも、前記通常遊技状態における前記所定の判定で前記第1特定結果が導出されて前記有利遊技状態に移行する確率の方が高いことを特徴とする遊技機。
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