JP7436541B2 - マルチチャネル信号符号化方法、コンピュータ可読記憶媒体、コンピュータプログラム、及び符号器 - Google Patents

マルチチャネル信号符号化方法、コンピュータ可読記憶媒体、コンピュータプログラム、及び符号器 Download PDF

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Description

この出願は、その全体が参照により本明細書中に組み入れられる2017年3月31日に中国特許庁に出願された「マルチチャネル信号符号化方法、マルチチャネル信号復号化方法、符号器、及び復号器」と題される中国特許出願第201710205821.2号の優先権を主張する。
この出願は、音声符号化分野に関し、より具体的には、マルチチャネル信号符号化方法、マルチチャネル信号復号化方法、符号器、及び復号器に関する。
生活の質が向上されるにつれて、人々は高品質の音声に対する要求を高める。モノラル音声と比較して、ステレオ音声は、それぞれの音源ごとに方向の感覚及び分布の感覚をもたらすとともに、明確さ、明瞭度、及び音の現場感覚を向上させる。したがって、ステレオ音声は非常に人気がある。
ステレオ処理技術としては、主に、ミッド/サイド(Mid/Sid、MS)符号化、インテンシティステレオ(Intensity Stereo、IS)符号化、パラメトリックステレオ(Parametric Stereo、PS)符号化などが挙げられる。
従来技術において、PS符号化を使用してチャネル信号を符号化する際、符号器側は、複数のチャネル信号に関して空間パラメータ解析を実行して、複数のチャネル信号の残響ゲインパラメータ及び他の空間パラメータを取得するとともに、複数のチャネル信号の残響ゲインパラメータ及び他の空間パラメータを符号化し、それにより、復号器側は、復号中にチャネル信号の残響ゲインパラメータに基づき、聴覚効果を向上させるべく、復号化により得られる複数のチャネル信号の残響処理を実行できる。しかしながら、ある場合には、例えば、複数のチャネル信号間の相関が比較的低い場合、複数のチャネル信号に対応する残響ゲインパラメータに基づき、復号化により得られる複数のチャネル信号に関して残響処理が実行される際に、より悪い聴覚効果が引き起こされる。
この出願は、チャネル信号の品質を向上させるために、マルチチャネル信号符号化方法、マルチチャネル信号復号化方法、符号器、及び復号器を提供する。
第1の態様によれば、マルチチャネル信号符号化方法が提供され、方法は、マルチチャネル信号における第1のチャネル信号及び第2のチャネル信号のダウンミックス信号、第1のチャネル信号及び第2のチャネル信号の初期残響ゲインパラメータを決定するステップと、第1のチャネル信号とダウンミックス信号との間の相関、第2のチャネル信号とダウンミックス信号との間の相関、及び初期残響ゲインパラメータに基づいて、第1のチャネル信号及び第2のチャネル信号の目標残響ゲインパラメータを決定するステップと、ダウンミックス信号及び目標残響ゲインパラメータに基づいて第1のチャネル信号及び第2のチャネル信号を量子化して、量子化された第1のチャネル信号及び量子化された第2のチャネル信号をビットストリームに書き込むステップとを含む。
この出願では、チャネル信号の目標残響ゲインパラメータが決定されているとき、チャネル信号とダウンミックス信号との間の相関が考慮される。このようにすると、目標残響ゲインパラメータに基づいてチャネル信号に関して残響処理が行なわれるときにより良い処理効果を取得することができ、それにより、残響処理後に得られるチャネル信号の品質が向上される。
随意的に、第1のチャネル信号又は第2のチャネル信号とダウンミックス信号との間の相関は、第1のチャネル信号のエネルギー又は第2のチャネル信号のエネルギーとダウンミックス信号のエネルギーとの間の差に基づいて決定されてもよく、或いは、第1のチャネル信号の振幅又は第2のチャネル信号の振幅とダウンミックス信号の振幅との間の差に基づいて決定されてもよい。
第1の態様に関連して、第1の態様の幾つかの実施では、第1のチャネル信号、第2のチャネル信号、及びダウンミックス信号が正規化処理後に取得されるチャネル信号である。
第1の態様に関連して、第1の態様の幾つかの実施において、第1のチャネル信号とダウンミックス信号との間の相関、第2のチャネル信号とダウンミックス信号との間の相関、及び初期残響ゲインパラメータに基づいて第1のチャネル信号及び第2のチャネル信号の目標残響ゲインパラメータを決定するステップは、第1のチャネル信号とダウンミックス信号との間の相関及び第2のチャネル信号とダウンミックス信号との間の相関に基づいて目標減衰係数を決定するステップと、目標減衰係数に基づいて初期残響ゲインパラメータを調整して目標残響ゲインパラメータを取得するステップとを含む。
チャネル信号の初期残響ゲインパラメータは、減衰係数を使用することによってチャネル信号とダウンミックス信号との間の相関値に基づいて柔軟に調整され得る。
第1のチャネル信号、第2のチャネル信号、及びダウンミックス信号の間の相関はチャネル信号のエネルギーを使用することによって都合良く測定されることができる、すなわち、チャネル信号のエネルギーとダウンミックス信号のエネルギーとの間の差を比較することによって目標減衰係数は都合良く決定されることができる。具体的には、第1のチャネル信号のエネルギー又は第2のチャネル信号のエネルギーとダウンミックス信号のエネルギーとの間の差が比較的大きい(所定の閾値よりも大きい)場合には、第1のチャネル信号とダウンミックス信号との間の相関及び第2のチャネル信号とダウンミックス信号との間の相関が比較的弱いと見なされてもよい。この場合、比較的大きい目標減衰係数が決定され得る。しかしながら、第1のチャネル信号のエネルギー又は第2のチャネル信号のエネルギーとダウンミックス信号のエネルギーとの間の差が比較的小さい(所定の閾値よりも小さい)場合には、第1のチャネル信号とダウンミックス信号との間の相関及び第2のチャネル信号とダウンミックス信号との間の相関が比較的いと見なされてもよい。この場合、比較的小さい目標減衰係数が決定され得る。
第1のチャネル信号とダウンミックス信号との間の相関及び第2のチャネル信号とダウンミックス信号との間の相関に基づいて目標減衰係数を決定するステップは、チャネル信号とダウンミックス信号との間の相関に基づいて目標減衰係数を計算するステップであってもよく、或いは、チャネル信号とダウンミックス信号との間の相関が考慮された後に目標減衰係数として事前設定減衰係数を直接に決定するステップであってもよい。
第1の態様に関連して、第1の態様の幾つかの実施では、第1のチャネル信号及び第2のチャネル信号のそれぞれが複数の周波数ビンを含み、また、第1のチャネル信号とダウンミックス信号との間の相関及び第2のチャネル信号とダウンミックス信号との間の相関に基づいて目標減衰係数を決定するステップは、複数の周波数ビンにおける第1のチャネル信号のエネルギーとダウンミックス信号のエネルギーとの間及び複数の周波数ビンにおける第2のチャネル信号のエネルギーとダウンミックス信号のエネルギーとの間の差分値を決定するステップと、差分値に基づいて目標減衰係数を決定するステップとを含む。
第1のチャネル信号のエネルギーとダウンミックス信号のエネルギーとの間の差及び第2のチャネル信号のエネルギーとダウンミックス信号のエネルギーとの間の差は、複数の周波数ビンにおける第1のチャネル信号のエネルギーとダウンミックス信号のエネルギーとの間の差分値及び複数の周波数ビンにおける第2のチャネル信号のエネルギーとダウンミックス信号のエネルギーとの間の差分値を比較することによって都合良く決定されることができ、また、減衰係数が更に決定される。したがって、全ての周波数帯域で第1のチャネル信号のエネルギーとダウンミックス信号のエネルギーとの間の差及び第2のチャネル信号のエネルギーとダウンミックス信号のエネルギーとの間の差を比較する必要がない。
第1の態様に関連して、第1の態様の幾つかの実施において、複数の周波数ビンにおける第1のチャネル信号のエネルギーとダウンミックス信号のエネルギーとの間及び複数の周波数ビンにおける第2のチャネル信号のエネルギーとダウンミックス信号のエネルギーとの間の差分値を決定するステップは、第1のチャネル信号のエネルギーとダウンミックス信号のエネルギーとの間の第1の差分値を決定するステップであって、第1の差分値が複数の周波数ビンにおける第1のチャネル信号のエネルギーとダウンミックス信号のエネルギーとの間の差分値の絶対値の和を示す、ステップと、第2のチャネル信号のエネルギーとダウンミックス信号のエネルギーとの間の第2の差分値を決定するステップであって、第2の差分値が複数の周波数ビンにおける第2のチャネル信号のエネルギーとダウンミックス信号のエネルギーとの間の差分値の絶対値の和を示す、ステップとを含み、また、差分値に基づいて目標減衰係数を決定するステップは、第1の差分値と第2の差分値との間の比率に基づいて目標減衰係数を決定するステップを含む。
或いは、目標減衰係数は、第1の差分値及び第2の差分値に基づいて直接に決定されてもよい。
第1の態様に関連して、第1の態様の幾つかの実施において、差分値に基づいて目標減衰係数を決定するステップの前に、方法は、差分値が事前設定閾値よりも大きいと決定するステップを更に含む。
複数の周波数ビンにおける第1のチャネル信号のエネルギーとダウンミックス信号のエネルギーとの間及び第2のチャネル信号のエネルギーとダウンミックス信号のエネルギーとの間の差分値が比較的大きい場合にのみ、目標減衰係数が決定され、また、目標減衰係数に基づいて初期残響ゲインパラメータが調整される。差分値が比較的小さい場合には、初期残響ゲインパラメータが調整されなくてもよく、それにより、符号化効率が向上される。
複数のチャネル信号のエネルギーとダウンミックス信号のエネルギーとの間の差分値が事前設定閾値よりも小さい場合、複数のチャネル信号の初期残響ゲインパラメータは、複数のチャネル信号の目標残響ゲインパラメータとして直接に決定されてもよい。
第1の態様に関連して、第1の態様の幾つかの実施において、ダウンミックス信号のエネルギーは、第1のチャネル信号のエネルギー及び第2のチャネル信号のエネルギーに基づいて決定される。
ダウンミックス信号のエネルギーは、第1のチャネル信号のエネルギー及び第2のチャネル信号のエネルギーを使用することによって計算でき、また、ダウンミックス信号自体を使用せずに計算プロセスを簡素化できる。
第1の態様に関連して、第1の態様の幾つかの実施では、目標減衰係数が複数の減衰係数を含み、複数の減衰係数のそれぞれはマルチチャネル信号の少なくとも1つのサブバンドに対応し、また、任意のサブバンドが1つの減衰係数のみに対応する。
加えて、目標減衰係数が複数の減衰係数を含む場合には、目標減衰係数に基づいて残響ゲインパラメータはより柔軟に調整されることができる。
第1の態様に関連して、第1の態様の幾つかの実施では、第1のチャネル信号及び第2のチャネル信号が位置される周波数帯域のそれぞれが第1の周波数帯域及び第2の周波数帯域を含み、第1の周波数帯域内のサブバンドに対応する減衰係数は第2の周波数帯域内のサブバンドに対応する減衰係数以下であり、また、第1の周波数帯域の周波数は第2の周波数帯域の周波数よりも小さい。
高周波サブバンドと低周波サブバンドとに対応する残響ゲインパラメータは、高周波数サブバンドと低周波数サブバンドとに対応する残響ゲインパラメータに関して異なるサイズの減衰係数を設定することにより、異なる程度に調整可能であり、また、残響処理中により良い処理効果を得ることができる。
第2の態様によれば、マルチチャネル信号号化方法が提供され、方法は、マルチチャネル信号における第1のチャネル信号及び第2のチャネル信号のダウンミックス信号、第1のチャネル信号及び第2のチャネル信号の初期残響ゲインパラメータを決定するステップと、第1のチャネル信号とダウンミックス信号との間の相関及び第2のチャネル信号とダウンミックス信号との間の相関に基づいて、第1のチャネル信号及び第2のチャネル信号の識別情報を決定するステップであって、識別情報が、第1のチャネル信号と第2のチャネル信号とにあってその初期残響ゲインパラメータを調整する必要があるチャネル信号を示す、ステップと、ダウンミックス信号、初期残響ゲインパラメータ、及び識別情報に基づいて第1のチャネル信号及び第2のチャネル信号を量子化して、量子化された第1のチャネル信号及び量子化された第2のチャネル信号をビットストリームに書き込むステップとを含む。
随意的に、第1のチャネル信号又は第2のチャネル信号とダウンミックス信号との間の相関は、第1のチャネル信号のエネルギー又は第2のチャネル信号のエネルギーとダウンミックス信号のエネルギーとの間の差に基づいて決定されてもよく、或いは、第1のチャネル信号の振幅又は第2のチャネル信号の振幅とダウンミックス信号の振幅との間の差に基づいて決定されてもよい。
この出願では、その初期残響ゲインパラメータを調整する必要があるチャネル信号はチャネル信号とダウンミックス信号との間の相関に基づいて決定されることができ、それにより、復号器側は、最初に、幾つかのチャネル信号の初期残響ゲインパラメータを調整した後、これらのチャネル信号に関して残響処理を実行することができ、それにより、残響処理後に得られるチャネル信号の品質を向上させることができる。
第2の態様に関連して、第2の態様の幾つかの実施において、第1のチャネル信号とダウンミックス信号との間の相関及び第2のチャネル信号とダウンミックス信号との間の相関に基づいて、第1のチャネル信号及び第2のチャネル信号の識別情報を決定するステップは、第1のチャネル信号のエネルギーとダウンミックス信号のエネルギーとの間の相関及び第2のチャネル信号のエネルギーとダウンミックス信号のエネルギーとの間の相関に基づいて第1のチャネル信号及び第2のチャネル信号の識別情報を決定するステップを含む。
第1のチャネル信号とダウンミックス信号との間の相関及び第2のチャネル信号とダウンミックス信号との間の相関は、チャネル信号のエネルギーとダウンミックス信号のエネルギーとを使用することによって都合良く測定されることができ、それにより、その初期残響ゲインパラメータを調整する必要があるチャネル信号が、都合良く決定されることができる。
第2の態様に関連して、第2の態様の幾つかの実施において、第1のチャネル信号のエネルギーとダウンミックス信号のエネルギーとの間の相関及び第2のチャネル信号のエネルギーとダウンミックス信号のエネルギーとの間の相関に基づいて第1のチャネル信号及び第2のチャネル信号の識別情報を決定するステップは、第1の差分値及び第2の差分値を決定するステップであって、第1の差分値が複数の周波数ビンにおける第1のチャネル信号のエネルギーとダウンミックス信号のエネルギーとの間の差分値の絶対値の和であり、第2の差分値が複数の周波数ビンにおける第2のチャネル信号のエネルギーとダウンミックス信号のエネルギーとの間の差分値の絶対値の和である、ステップと、第1の差分値と第2の差分値とに基づいて第1のチャネル信号及び第2のチャネル信号の識別情報を決定するステップとを含む。
第1のチャネル信号、第2のチャネル信号、及びダウンミックス信号のエネルギー値が正規化処理後に得られる値であってもよいことが理解されるべきである。
第1のチャネル信号のエネルギーとダウンミックス信号のエネルギーとの間の差及び第2のチャネル信号のエネルギーとダウンミックス信号のエネルギーとの間の差は、その初期残響ゲインパラメータを調整する必要があるチャネル信号を決定するべく、複数の周波数ビンにおける第1のチャネル信号のエネルギーとダウンミックス信号のエネルギーとの間及び複数の周波数ビンにおける第2のチャネル信号のエネルギーとダウンミックス信号のエネルギーとの間の差分値を比較することによって都合良く決定され得る。したがって、全ての周波数帯域で第1のチャネル信号のエネルギーとダウンミックス信号のエネルギーとの間の差及び第2のチャネル信号のエネルギーとダウンミックス信号のエネルギーとの間の差を比較する必要がない。
第2の態様に関連して、第2の態様の幾つかの実施において、第1の差分値と第2の差分値とに基づいて第1のチャネル信号及び第2のチャネル信号の識別情報を決定するステップは、第1の差分値及び第2の差分値における大きい方の差分値を目標差分値として決定するステップと、目標差分値に基づいて識別情報を決定するステップであって、識別情報が目標差分値に対応するチャネル信号を示、目標差分値に対応するチャネル信号が、その初期残響ゲインパラメータを調整する必要があるチャネル信号である、ステップとを含む。
第2の態様に関連して、第2の態様の幾つかの実施において、方法は、第1の差分値及び第2の差分値に基づいて目標減衰係数を決定するステップであって、目標減衰係数が目標チャネル信号の初期残響ゲインパラメータを調整するために使用される、ステップと、目標減衰係数を量子化して、量子化された目標減衰係数をビットストリームに書き込むステップとを更に含む。
チャネル信号の初期残響ゲインパラメータは、減衰係数を使用することによってチャネル信号とダウンミックス信号との間の相関値に基づいて柔軟に調整され得る。
第2の態様に関連して、第2の態様の幾つかの実施では、目標減衰係数が複数の減衰係数を含み、複数の減衰係数のそれぞれは目標チャネル信号の少なくとも1つのサブバンドに対応し、また、任意のサブバンドは1つの減衰係数のみに対応する。
加えて、目標減衰係数が複数の減衰係数を含む場合には、目標減衰係数に基づいて残響ゲインパラメータはより柔軟に調整されることができる。
第2の態様に関連して、第2の態様の幾つかの実施では、目標チャネル信号が第1の周波数帯域及び第2の周波数帯域を含み、第1の周波数帯域内のサブバンドに対応する減衰係数は、第2の周波数帯域内のサブバンドに対応する減衰係数以下であり、また、第1の周波数帯域の周波数は第2の周波数帯域の周波数よりも小さい。
高周波サブバンドと低周波サブバンドとに対応する残響ゲインパラメータは、高周波数サブバンドと低周波数サブバンドとに対応する残響ゲインパラメータに関して異なるサイズの減衰係数を設定することにより、異なる程度に調整可能であり、また、残響処理中により良い処理効果を得ることができる。
第2の態様に関連して、第2の態様の幾つかの実施において、ダウンミックス信号のエネルギーは、第1のチャネル信号のエネルギー及び第2のチャネル信号のエネルギーに基づいて決定される。
ダウンミックス信号のエネルギーは、計算を減らすことができる複数のチャネル信号のエネルギーを使用することによって推定され、又は推測される。
第3の態様によれば、マルチチャネル信号復号化方法が提供され、方法は、ビットストリームを取得するステップと、マルチチャネル信号における第1のチャネル信号及び第2のチャネル信号のダウンミックス信号、第1のチャネル信号及び第2のチャネル信号の初期残響ゲインパラメータ、及び第1のチャネル信号及び第2のチャネル信号の識別情報をビットストリームに基づいて決定するステップであって、識別情報が、第1のチャネル信号と第2のチャネル信号とにあってその初期残響ゲインパラメータを調整する必要があるチャネル信号を示す、ステップと、識別情報に基づいて、第1のチャネル信号と第2のチャネル信号とにあってその初期残響ゲインパラメータを調整する必要があるチャネル信号を目標チャネル信号として決定するステップと、目標チャネル信号の初期残響ゲインパラメータを調整するステップとを含む。
この出願では、識別情報を使用することによってその初期残響ゲインパラメータを調整する必要があるチャネル信号が決定されることができ、また、チャネル信号に関して残響処理が実行される前にチャネル信号の初期残響ゲインパラメータが調整され、それにより、残響処理後に得られるチャネル信号の品質が向上される。
第3の態様に関連して、第3の態様の幾つかの実施において、目標チャネル信号の初期残響ゲインパラメータを調整するステップは、目標減衰係数を決定するステップと、目標チャネル信号の目標残響ゲインパラメータを取得するために、目標減衰係数に基づいて目標チャネル信号の初期残響ゲインパラメータを調整するステップとを含む。
チャネル信号の初期残響ゲインパラメータは、減衰係数を使用することによってチャネル信号とダウンミックス信号との間の相関値に基づいて柔軟に調整され得る。
第3の態様に関連して、第3の態様の幾つかの実施において、目標減衰係数を決定するステップは、事前設定減衰係数を目標減衰係数として決定するステップを含む。
減衰係数を事前に設定することによって目標減衰係数を決定するプロセスが簡素化されることができ、それにより、復号化効率が向上される。
第3の態様に関連して、第3の態様の幾つかの実施において、目標減衰係数を決定するステップは、ビットストリームに基づいて目標減衰係数を取得するステップを含む。
ビットストリームが目標減衰係数を含む場合には、目標減衰係数がビットストリームから直接に得られてもよく、また、目標減衰係数を決定するプロセスも簡素化されることができ、それにより、復号化効率が向上する。
第3の態様に関連して、第3の態様の幾つかの実施において、目標減衰係数を決定するステップは、第1のチャネル信号と第2のチャネル信号との間のチャネル間レベル差をビットストリームから取得するステップと、チャネル間レベル差に基づいて目標減衰係数を決定する、又は、チャネル間レベル差とダウンミックス信号とに基づいて目標減衰係数を決定するステップとを含む。
目標減衰係数は、減衰係数に基づいてチャネル信号の初期残響ゲインパラメータがより正確に調整されることができるように、チャネル間レベル差、ダウンミックス信号等に基づいてより柔軟且つ正確に決定され得る。
第3の態様に関連して、第3の態様の幾つかの実施では、目標減衰係数が複数の減衰係数を含み、複数の減衰係数のそれぞれは目標チャネル信号の少なくとも1つのサブバンドに対応し、また、任意のサブバンドは1つの減衰係数のみに対応する。
加えて、目標減衰係数が複数の減衰係数を含む場合には、目標減衰係数に基づいて残響ゲインパラメータはより柔軟に調整されることができる。
第3の態様に関連して、第3の態様の幾つかの実施では、目標チャネル信号が第1の周波数帯域及び第2の周波数帯域を含み、第1の周波数帯域内のサブバンドに対応する減衰係数は、第2の周波数帯域内のサブバンドに対応する減衰係数以下であり、また、第1の周波数帯域の周波数は第2の周波数帯域の周波数よりも小さい。
高周波サブバンドと低周波サブバンドとに対応する残響ゲインパラメータは、高周波数サブバンドと低周波数サブバンドとに対応する残響ゲインパラメータに関して異なるサイズの減衰係数を設定することにより、異なる程度に調整可能であり、また、残響処理中により良い処理効果を得ることができる。
第4の態様によれば、符号器が提供され、符号器は、第1の態様又は第1の態様の様々な実施における方法を実行するように構成されるモジュール又はユニットを含む。
第5の態様によれば、符号器が提供され、符号器は、第2の態様又は第2の態様の様々な実施における方法を実行するように構成されるモジュール又はユニットを含む。
第6の態様によれば、復号器が提供され、号器は、第3の態様又は第3の態様の様々な実施における方法を実行するように構成されるモジュール又はユニットを含む。
第7の態様によれば、符号器が提供される。符号器はメモリ及びプロセッサを含み、メモリはプログラムを記憶するように構成され、プロセッサはプログラムを実行するように構成され、プログラムが実行されると、プロセッサは第1の態様又は第1の態様の様々な実施における方法を実行する。
第8の態様によれば、符号器が提供される。符号器はメモリ及びプロセッサを含み、メモリはプログラムを記憶するように構成され、プロセッサはプログラムを実行するように構成され、プログラムが実行されると、プロセッサは第2の態様又は第2の態様の様々な実施における方法を実行する。
第9の態様によれば、復号器が提供される。復号器はメモリ及びプロセッサを含み、メモリはプログラムを記憶するように構成され、プロセッサはプログラムを実行するように構成され、プログラムが実行されると、プロセッサは第3の態様又は第3の態様の様々な実施における方法を実行する。
第10の態様によれば、コンピュータ可読媒体が提供され、コンピュータ可読媒体は、デバイスにより実行されるべきプログラムコードを記憶し、また、プログラムコードは、第1の態様又は第1の態様の様々な実施における方法を実行するために使用される命令を含む。
第11の態様によれば、コンピュータ可読媒体が提供され、コンピュータ可読媒体は、デバイスにより実行されるべきプログラムコードを記憶し、また、プログラムコードは、第2の態様又は第2の態様の様々な実施における方法を実行するために使用される命令を含む。
第12の態様によれば、コンピュータ可読媒体が提供され、コンピュータ可読媒体は、デバイスにより実行されるべきプログラムコードを記憶し、また、プログラムコードは、第3の態様又は第3の態様の様々な実施における方法を実行するために使用される命令を含む。
従来技術における左チャネル信号及び右チャネル信号を符号化する概略フローチャートである。 従来技術における左チャネル信号及び右チャネル信号を復号する概略フローチャートである。 この出願の一実施形態に係るマルチチャネル信号符号化方法の概略フローチャートである。 この出願の一実施形態に係るマルチチャネル信号号化方法の概略フローチャートである。 この出願の一実施形態に係るマルチチャネル信号号化方法の概略フローチャートである。 この出願の一実施形態に係るマルチチャネル信号符号化方法の概略フローチャートである。 この出願の一実施形態に係るマルチチャネル信号復号化方法の概略フローチャートである。 この出願の一実施形態に係る符号器の概略ブロック図である。 この出願の一実施形態に係る符号器の概略ブロック図である。 この出願の一実施形態に係る復号器の概略ブロック図である。 この出願の一実施形態に係る符号器の概略ブロック図である。 この出願の一実施形態に係る符号器の概略ブロック図である。 この出願の一実施形態に係る復号器の概略ブロック図である。
以下では、添付図面を参照してこの出願の技術的解決策について説明する。この出願の実施形態におけるマルチチャネル信号符号化方法及びマルチチャネル信号復号化方法をより良く理解するために、以下では、最初に、図1及び図2を参照して従来技術におけるマルチチャネル信号符号化方法及びマルチチャネル信号復号化方法について簡単に説明する。
図1は、従来技術における左チャネル信号及び右チャネル信号を符号化するプロセスを示す。図1に示される符号化プロセスは具体的には以下のステップを含む。
110.左チャネル信号(図ではLで表わされる)及び右チャネル信号(図ではRで表わされる)に関して空間パラメータ解析及びダウンミックス処理を実行する。
具体的には、ステップ110は、具体的には、左チャネル信号及び右チャネル信号に関して空間パラメータ解析を実行して、左チャネル信号の空間パラメータ及び右チャネル信号の空間パラメータを取得すること、及び左チャネル信号及び右チャネル信号に関してダウンミックス処理を実行してダウンミックス信号を取得すること(ダウンミックス処理後に得られるダウンミックス信号はモノラル音声信号であり、また、音声信号の当初の2チャネルは、ダウンミックス処理によって音声信号の1チャネルに変換される)を含む。
空間パラメータ(空間センシングパラメータとも称される場合がある)は、チャネル間相関(Inter-channel Coherent、IC)、チャネル間レベル差(Inter-channel Level Difference、ILD)、チャネル間時間差(Inter-channel Time Difference、ITD)、チャネル間位相差(Inter-channel Phase Difference、IPD)等を含む。
ICは、チャネル間相互相関又はコヒーレンスを表わす。このパラメータは、音場範囲の検出を決定し、音声信号の空間感覚及び音安定性を向上させることができる。ILDは、ステレオソースの水平方向角度を区別するために使用され、チャネル間強度差を表わし、また、このパラメータは、スペクトル全体の周波数成分に影響を与える。ITD及びIPDは、音源の水平方向を表わす空間パラメータである。ITD及びIPDは、チャネル間時間及び位相差を表わす。パラメータは主に2 kHz未満の周波数成分に影響を与える。2チャネル信号の場合、ITDは、ステレオの左チャネル信号と右チャネル信号との間の時間遅延を表わしてもよく、また、IPDは、時間調整後のステレオの左チャネル信号及び右チャネル信号の波形類似性を表わしてもよい。ILD、ITD、及びIPDは、音源の位置の人の耳の検出を決定し、音場位置を効果的に決定するとともに、ステレオ信号復元において重要な役割を果たすことができる。
120.ダウンミックス信号を符号化してビットストリームを取得する。
130.空間パラメータを符号化してビットストリームを取得する。
140.ダウンミックス信号を符号化することにより得られるビットストリームと、空間パラメータを符号化することにより得られるビットストリームとを多重化して1つのビットストリームを取得する。
符号化によって得られるビットストリームは、記憶され又は復号器側デバイスに送信される。
図2は、従来技術における左チャネル信号及び右チャネル信号を復号するプロセスを示す。図2に示される復号化プロセスは具体的には以下のステップを含む。
210.ビットストリームを逆多重化して、ダウンミックス信号を符号化することにより得られるビットストリームと空間パラメータを符号化することにより得られるビットストリームとを別々に取得する。
220.ビットストリームを復号して、左チャネル信号及び右チャネル信号のダウンミックス信号、左チャネル信号の空間パラメータ、及び右チャネル信号の空間パラメータを取得する。
空間パラメータは左チャネル信号及び右チャネル信号のICを含む。
230.ダウンミックス信号と現在のフレームの空間パラメータとに基づいて無相関信号を取得する。
左チャネル信号及び右チャネル信号は、現在のフレームの復号されたダウンミックス信号及び無相関信号に基づいて得られる。
240.空間パラメータ、左チャネル信号、及び右チャネル信号に基づいて、最終的に出力される左チャネル信号及び右チャネル信号(図2ではL’及びR’によってそれぞれ表わされる)を取得する。
ステップ240における左チャネル信号及び右チャネル信号(図2ではL’及びR’によってそれぞれ表わされる)が復号化によって得られるとともに符号器側で符号化される左チャネル信号及び右チャネル信号と比較してある程度まで歪められる場合があることが理解されるべきである。
具体的には、ダウンミックス信号がフィルタリングされてもよく、その後、フィルタリングされたダウンミックス信号を補正して無相関信号を取得するためにチャネル間相関パラメータが使用される。
無相関信号を生成する目的は、復号器側で最終的に生成されるステレオ信号の残響の感覚を改善して、ステレオ信号の音場幅を広げ、それにより、出力される音声信号が聴覚に関してよりメロウで十分となるようにすることである。残響の感覚は、本質的に、当初の音声信号を異なって反射及び屈折させるなどして遅延させ、その後、反射及び屈折された音声信号を人の耳に入るように当初の音声信号に重ね合わせるという効果である。
従来技術では、ICが得られた後、ICを適応的に調整するために、異なるチャネル信号の相関が考慮されない。この場合、以前に得られたICに基づいてチャネル信号に関して残響処理が行なわれると、比較的悪い聴覚効果が引き起こされる場合がある。例えば、異なるチャネル信号間の相関が比較的低い場合、無相関信号を補正するために以前に得られたICが依然として使用され、その後に、異なるチャネル信号に関して同じ残響処理を実行するために無相関信号が使用されれば、復号器側から最終的に出力されるチャネル信号の品質は比較的低い。すなわち、異なるチャネル信号間の差が比較的大きいため、以前の比較的大きいICによって補正された無相関信号を依然として使用することによって異なるチャネル信号に関して残響処理が行なわれれば、チャネル信号の残響効果は増大されないが、出力チャネル信号が歪められる場合がある。
したがって、この出願の実施形態は、マルチチャネル信号の符号化又は復号化方法を提供する。この方法では、異なるチャネル信号間の相関に基づいて残響ゲインパラメータが対応して調整されることができ、また、調整された残響ゲインパラメータを使用することによって無相関信号が補正される。その後、無相関信号を使用することによって異なるチャネル信号に関して残響処理が行なわれる。このように、異なるチャネル信号に関して残響処理が実行されると、異なるチャネル信号間の相関が考慮され、それにより、出力チャネル信号の品質がより良好となる。
図3は、この出願の一実施形態に係るマルチチャネル信号符号化方法の概略フローチャートである。図3の方法は、符号器側デバイス又は符号器によって実行されてもよい。図3の方法は以下のステップを含む。
310.マルチチャネル信号における第1のチャネル信号及び第2のチャネル信号のダウンミックス信号、第1のチャネル信号及び第2のチャネル信号の初期残響ゲインパラメータを決定する。
この出願のこの実施形態では、ダウンミックス信号を決定して初期残響ゲインパラメータを決定するシーケンスが限定されず、また、ダウンミックス信号及び初期残響ゲインパラメータが同時に又は連続して決定されてもよいことが理解されるべきである。
初期残響ゲインパラメータは、空間パラメータ解析が第1のチャネル信号及び第2のチャネル信号に関して実行された後に得られる残響ゲインパラメータであってもよい。
具体的には、複数のチャネル信号に関してダウンミックス処理を行なうことによってダウンミックス信号が得られてもよい。第1のチャネル信号の空間パラメータ及び第2のチャネル信号の空間パラメータは、第1のチャネル信号及び第2のチャネル信号に関して空間パラメータ解析を実行することによって得られ、空間パラメータは、第1のチャネル信号及び第2のチャネル信号の初期残響ゲインパラメータを含む。
第1のチャネル信号及び第2のチャネル信号が同じ空間パラメータに対応してもよく、また、それに対応して、第1のチャネル信号及び第2のチャネル信号が同じ初期残響ゲインパラメータに対応してもよいことが理解されるべきである。すなわち、第1のチャネル信号の空間パラメータ及び第2のチャネル信号の空間パラメータが同じであってもよく、また、第1のチャネル信号及び第2のチャネル信号の初期残響ゲインパラメータが同じであってもよい。
更に、第1のチャネル信号及び第2のチャネル信号のそれぞれが10個のサブバンドを含むとともに、各サブバンドが1つの残響ゲインパラメータに対応すると仮定すると、第1のチャネル信号及び第2のチャネル信号の、そのインデックス値が同じであるサブバンドに対応する残響ゲインパラメータが同じであってもよい。
また、第1のチャネル信号、第2のチャネル信号、及びダウンミックス信号は、正規化処理後に得られるチャネル信号であってもよい。
320.第1のチャネル信号とダウンミックス信号との間の相関、第2のチャネル信号とダウンミックス信号との間の相関、及び初期残響ゲインパラメータに基づいて、第1のチャネル信号及び第2のチャネル信号の目標残響ゲインパラメータを決定する。
随意的に、第1のチャネル信号又は第2のチャネル信号とダウンミックス信号との間の相関は、第1のチャネル信号のエネルギー又は第2のチャネル信号のエネルギーとダウンミックス信号のエネルギーとの間の差に基づいて決定されてもよく、或いは、第1のチャネル信号の振幅又は第2のチャネル信号の振幅とダウンミックス信号の振幅との間の差に基づいて決定されてもよい。
具体的には、第1のチャネル信号のエネルギー又は振幅とダウンミックス信号のエネルギー又は振幅との間の差が比較的小さい場合には、第1のチャネル信号とダウンミックス信号との間の相関が比較的大きいと見なされてもよい。第1のチャネル信号のエネルギー又は振幅とダウンミックス信号のエネルギー又は振幅との間の差が比較的大きい場合には、第1のチャネル信号とダウンミックス信号との間の相関が比較的小さいと見なされてもよい。
第1のチャネル信号のエネルギー又は第2のチャネル信号のエネルギーとダウンミックス信号のエネルギーとの間の差は、具体的には、第1のチャネル信号のエネルギー又は第2のチャネル信号のエネルギーとダウンミックス信号のエネルギーとの間の差分値であってもよい。同様に、第1のチャネル信号の振幅又は第2のチャネル信号の振幅とダウンミックス信号の振幅との間の差は、具体的には、第1のチャネル信号の振幅又は第2のチャネル信号の振幅とダウンミックス信号の振幅との間の差分値であってもよい。
更に、第1のチャネル信号又は第2のチャネル信号とダウンミックス信号との間の相関が、代わりに、第1のチャネル信号又は第2のチャネル信号の位相、周期等とダウンミックス信号の位相、周期等との間の差を指してもよい。
330.ダウンミックス信号と目標残響ゲインパラメータとに基づいて第1のチャネル信号及び第2のチャネル信号を量子化し、量子化された第1のチャネル信号と量子化された第2のチャネル信号とをビットストリームに書き込む。
マルチチャネル信号が3つ以上のチャネル信号を有するとき、例えば、マルチチャネル信号が第1のチャネル信号、第2のチャネル信号、第3のチャネル信号、及び第4のチャネル信号を含むとき、第1のチャネル信号及び第2のチャネル信号が図3の方法を使用することによって処理されるとともに、第3のチャネル信号及び第4のチャネル信号も図3の方法を使用することによって処理されることが理解されるべきである。
この出願では、チャネル信号の目標残響ゲインパラメータが決定されているとき、チャネル信号とダウンミックス信号との間の相関が考慮される。このようにすると、目標残響ゲインパラメータに基づいてチャネル信号に関して残響処理が行なわれるときにより良い処理効果を取得することができ、それにより、残響処理後に得られるチャネル信号の品質が向上される。
随意的に、一実施形態において、第1のチャネル信号とダウンミックス信号との間の相関、第2のチャネル信号とダウンミックス信号との間の相関、及び初期残響ゲインパラメータに基づいて第1のチャネル信号及び第2のチャネル信号の目標残響ゲインパラメータを決定するステップは、第1のチャネル信号とダウンミックス信号との間の相関及び第2のチャネル信号とダウンミックス信号との間の相関に基づいて目標減衰係数を決定するステップと、目標減衰係数に基づいて初期残響ゲインパラメータを調整して目標残響ゲインパラメータを取得するステップとを含む。
具体的には、第1のチャネル信号とダウンミックス信号との間の相関及び第2のチャネル信号とダウンミックス信号との間の相関に基づいて目標減衰係数を決定するステップは、チャネル信号とダウンミックス信号との間の相関に基づいて目標減衰係数を計算するステップであってもよく、或いは、チャネル信号とダウンミックス信号との間の相関が考慮された後に目標減衰係数として事前設定減衰係数を直接に決定するステップであってもよい。
チャネル信号の初期残響ゲインパラメータは、減衰係数を使用することによってチャネル信号とダウンミックス信号との間の相関値に基づいて柔軟に調整され得る。
例えば、第1のチャネル信号とダウンミックス信号との間の相関及び第2のチャネル信号とダウンミックス信号との間の相関が比較的大きい場合(この場合には、第1のチャネル信号が第2のチャネル信号に比較的類似していると見なされてもよい)には、比較的小さい値を伴う目標減衰係数が決定され得る。しかしながら、第1のチャネル信号とダウンミックス信号との間の相関及び第2のチャネル信号とダウンミックス信号との間の相関が比較的小さい場合(この場合には、第1のチャネル信号が第2のチャネル信号とは比較的異なると見なされてもよい)には、比較的大きい値を伴う目標減衰係数が決定され得る。
幾つかの実施形態において、複数のチャネル信号とダウンミックス信号との間の相関は、複数のチャネル信号のエネルギーとダウンミックス信号のエネルギーとの間の差、又は、複数のチャネル信号の振幅とダウンミックス信号の振幅との間の差を指してもよい。複数のチャネル信号のエネルギーとダウンミックス信号のエネルギーとの間の差は、具体的には、複数のチャネル信号のエネルギーとダウンミックス信号のエネルギーとの差分値であってもよい。同様に、複数のチャネル信号の振幅とダウンミックス信号の振幅との間の差は、具体的には、複数のチャネル信号の振幅とダウンミックス信号の振幅との間の差分値であってもよい。加えて、複数のチャネル信号とダウンミックス信号との間の相関は、代わりに、複数のチャネル信号の位相、周期等とダウンミックス信号の位相、周期等との間の差を指してもよい。
幾つかの実施形態では、第1のチャネル信号又は第2のチャネル信号とダウンミックス信号との間の相関が、第1のチャネル信号のエネルギー又は第2のチャネル信号のエネルギーとダウンミックス信号のエネルギーとの間の差に基づいて決定されてもよく、更に、目標減衰係数が決定される。
第1のチャネル信号とダウンミックス信号との間の相関及び第2のチャネル信号とダウンミックス信号との間の相関はチャネル信号のエネルギー及びダウンミックス信号のエネルギーを使用することによって都合良く測定されることができる、すなわち、第1のチャネル信号のエネルギー又は第2のチャネル信号のエネルギーとダウンミックス信号のエネルギーとの間の差を比較することによって目標減衰係数が都合良く決定されることができる。
随意的に、一実施形態では、第1のチャネル信号及び第2のチャネル信号の両方が複数の周波数ビンを含み、また、第1のチャネル信号とダウンミックス信号との間の相関及び第2のチャネル信号とダウンミックス信号との間の相関に基づいて目標減衰係数を決定するステップは、複数の周波数ビンにおける第1のチャネル信号のエネルギーとダウンミックス信号のエネルギーとの間及び複数の周波数ビンにおける第2のチャネル信号のエネルギーとダウンミックス信号のエネルギーとの間の差分値を決定するステップと、差分値に基づいて目標減衰係数を決定するステップとを含む。
複数の周波数ビンにおける第1のチャネル信号のエネルギーとダウンミックス信号のエネルギーとの間の差分値は、複数の同じ周波数ビンにおける第1のチャネル信号のエネルギーとダウンミックス信号のエネルギーとの間の差分値であってもよい。例えば、第1のチャネル信号は、3つの周波数ビン(第1の周波数チャネル番号、第2の周波数チャネル番号、及び第3の周波数チャネル番号)を含む。この場合、3つの周波数ビンにおける第1のチャネル信号のエネルギーとダウンミックス信号のエネルギーとの間の差分値は、具体的には、第1の周波数チャネル番号における第1のチャネル信号とダウンミックス信号との間の差分値、第2の周波数チャネル番号における第1のチャネル信号とダウンミックス信号との間の差分値、及び第3の周波数チャネル番号における第1のチャネル信号とダウンミックス信号との間の差分値である。
同様に、複数の周波数ビンにおける第2のチャネル信号のエネルギーとダウンミックス信号のエネルギーとの間の差分値は、複数の同じ周波数ビンにおける第2のチャネル信号のエネルギーとダウンミックス信号のエネルギーとの間の差分値であってもよい。
随意的に、複数の周波数ビンにおける第1のチャネル信号のエネルギーとダウンミックス信号のエネルギーとの間の差分値は、複数の周波数ビンにおける第1のチャネル信号のエネルギーとダウンミックス信号のエネルギーとの間の差分値の絶対値の和であってもよい。同様に、複数の周波数ビンにおける第2のチャネル信号のエネルギーとダウンミックス信号のエネルギーとの間の差分値は、複数の周波数ビンにおける第2のチャネル信号のエネルギーとダウンミックス信号のエネルギーとの間の差分値の絶対値の和であってもよい。
第1のチャネル信号、第2のチャネル信号、及びダウンミックス信号のエネルギー値が正規化処理後に得られる値であってもよいことが理解されるべきである。
第1のチャネル信号のエネルギーとダウンミックス信号のエネルギーとの間の差及び第2のチャネル信号のエネルギーとダウンミックス信号のエネルギーとの間の差は、複数の周波数ビンにおける第1のチャネル信号のエネルギーとダウンミックス信号のエネルギーとの間の差分値及び複数の周波数ビンにおける第2のチャネル信号のエネルギーとダウンミックス信号のエネルギーとの間の差分値を比較することによって都合良く決定されることができ、また、減衰係数が更に決定される。したがって、全ての周波数帯域で第1のチャネル信号のエネルギーとダウンミックス信号のエネルギーとの間の差及び第2のチャネル信号のエネルギーとダウンミックス信号のエネルギーとの間の差を比較する必要がない。
随意的に、一実施形態において、複数の周波数ビンにおける第1のチャネル信号のエネルギーとダウンミックス信号のエネルギーとの間及び複数の周波数ビンにおける第2のチャネル信号のエネルギーとダウンミックス信号のエネルギーとの間の差分値を決定するステップは、第1のチャネル信号のエネルギーとダウンミックス信号のエネルギーとの間の第1の差分値を決定するステップであって、第1の差分値が複数の周波数ビンにおける第1のチャネル信号のエネルギーとダウンミックス信号のエネルギーとの間の差分値の絶対値の和を示す、ステップと、第2のチャネル信号のエネルギーとダウンミックス信号のエネルギーとの間の第2の差分値を決定するステップであって、第2の差分値が複数の周波数ビンにおける第2のチャネル信号のエネルギーとダウンミックス信号のエネルギーとの間の差分値の絶対値の和を示す、ステップと、第1の差分値と第2の差分値とに基づいて目標減衰係数を決定するステップとを含む。
第1の差分値と第2の差分値とに基づいて目標減衰係数を決定するステップは、第1の差分値と第2の差分値との間の比率に基づいて目標減衰係数を決定するステップを含んでもよい。
具体的には、第1のチャネル信号が左チャネル信号であり、第2のチャネル信号が右チャネル信号である場合、第1の差分値及び第2の差分値は、以下の式にしたがって計算され得る。
Figure 0007436541000001
ここで、diff_l_hは第1の差分値であり、diff_r_hは第2の差分値であり、左チャネル信号及び右チャネル信号のそれぞれの周波数帯域が高周波部分及び低周波部分を含み、M1が高周波部分の開始周波数チャネル番号であり、M2が高周波部分の終了周波数チャネル番号であり、mag_l[k]は、M1とM2との間の周波数チャネル番号における左チャネル信号のエネルギー又は振幅値であり、mag_r[k]は、M1とM2の間のインデックスkを伴う周波数チャネル番号における右チャネル信号のエネルギー又は振幅値であり、mag_dmx[k]は、M1とM2の間のインデックスkを伴う周波数チャネル番号におけるダウンミックス信号のエネルギー又は振幅値であり、また、mag_dmx[k]は、ダウンミックス信号自体を使用することによって計算により得られてもよく、又は、左チャネル信号及び右チャネル信号のエネルギー又は振幅値に基づいて計算により得られてもよい。
第1の差分値と第2の差分値とに基づいて目標減衰係数が決定されている場合、第1の差分値と第2の差分値との間の比率が目標減衰係数として直接に決定されてもよい。例えば、第1の差分値がaであり、第2の差分値がbである。a<bの場合、a/bは目標減衰係数として決定され、又は、a>bの場合、b/aは目標減衰係数として決定される。また、第1の差分値及び第2の差分値に基づいて目標減衰係数が決定された後、目標減衰係数と前のフレームの減衰係数とに関して何らかの平滑化処理が行なわれてもよく、また、平滑化処理後に得られる目標減衰係数は、複数のチャネル信号の初期残響ゲインパラメータを更に調整するために使用される。
随意的に、一実施形態において、前述の差分値に基づいて目標減衰係数が決定される前に、図3の方法は、差分値が事前設定閾値よりも大きいと決定することを更に含む。
ここで、差分値が本明細書中の事前設定閾値よりも大きいことが、複数の周波数ビンにおける第1のチャネル信号のエネルギーとダウンミックス信号のエネルギーとの間及び第2のチャネル信号のエネルギーとダウンミックス信号のエネルギーとの間の差分値が同じ事前設定閾値よりも大きいことを意味してもよく、或いは、第1のチャネル信号のエネルギーとダウンミックス信号のエネルギーとの間の差が事前設定された第1の閾値よりも大きいとともに、第2のチャネル信号のエネルギーとダウンミックス信号のエネルギーとの間の差が事前設定された第2の閾値よりも大きいことを意味してもよいことが理解されるべきである。
複数の周波数ビンにおける第1のチャネル信号のエネルギーとダウンミックス信号のエネルギーとの間及び第2のチャネル信号のエネルギーとダウンミックス信号のエネルギーとの間の差分値が比較的大きい場合にのみ、目標減衰係数が決定され、また、目標減衰係数に基づいて初期残響ゲインパラメータが調整される。差分値が比較的小さい場合には、初期残響ゲインパラメータが調整されなくてもよく、それにより、符号化効率が向上される。
例えば、第1のチャネル信号のエネルギーとダウンミックス信号のエネルギーとの間の差分値が第1のチャネル信号のエネルギーのM(Mは0.5~1)倍よりも大きい場合には、第1のチャネル信号のエネルギーとダウンミックス信号のエネルギーとの間の差分値が事前設定閾値よりも大きいと見なされてもよい。この場合、事前設定閾値は、第1のチャネル信号のエネルギーのM倍である。或いは、第1のチャネル信号のエネルギーに対する第1のチャネル信号のエネルギーとダウンミックス信号のエネルギーとの間の差分値の比率がMよりも大きい場合には、第1のチャネル信号のエネルギーとダウンミックス信号のエネルギーとの間の差分値が事前設定閾値よりも大きいと見なされてもよい。
複数のチャネル信号のエネルギーとダウンミックス信号のエネルギーとの間の差分値が事前設定閾値よりも小さい場合、複数のチャネル信号の初期残響ゲインパラメータは、複数のチャネル信号の目標残響ゲインパラメータとして直接に決定されてもよい。
随意的に、一実施形態において、ダウンミックス信号のエネルギーは、第1のチャネル信号のエネルギー及び第2のチャネル信号のエネルギーに基づいて決定される。
ダウンミックス信号のエネルギーは、第1のチャネル信号のエネルギー及び第2のチャネル信号のエネルギーを使用することによって計算でき、また、ダウンミックス信号自体を使用せずに計算プロセスを簡素化できる。
確かに、この出願のこの実施形態において、ダウンミックス信号のエネルギーは、代わりに、ダウンミックス信号自体に基づいて直接に計算されてもよい。
随意的に、一実施形態では、目標減衰係数が複数の減衰係数を含み、複数の減衰係数のそれぞれはマルチチャネル信号の少なくとも1つのサブバンドに対応し、また、任意のサブバンドは1つの減衰係数のみに対応する。
例えば、第1のチャネル信号及び第2のチャネル信号のそれぞれに含まれるサブバンドのインデックスは0~9である。第1のチャネル信号及び第2のチャネル信号はいずれも10個の残響ゲインパラメータを含み、各サブバンドは1つの残響ゲインパラメータに対応し、目標減衰係数は5つの減衰係数を含み、また、各減衰係数は2つのサブバンドに対応し、或いは、目標減衰係数が10個の減衰係数を含み、各減衰係数が1つのサブバンドに対応する。
加えて、目標減衰係数が複数の減衰係数を含む場合には、目標減衰係数に基づいて残響ゲインパラメータがより柔軟に調整されることができる。例えば、複数のチャネル信号の、そのインデックスが0~4であるサブバンドに対応する残響ゲインパラメータは僅かに調整される必要があるが、チャネル信号のそのインデックスが5~9であるサブバンドに対応する残響ゲインパラメータは大きく調整される必要がある。この場合、そのインデックスが0~4であるサブバンドに対応する残響ゲインパラメータに関しては比較的小さい減衰係数が設定されてもよく、また、そのインデックスが5~9であるサブバンドに対応する残響ゲインパラメータに関しては比較的大きい減衰係数が設定される。
随意的に、一実施形態において、第1のチャネル信号及び第2のチャネル信号のそれぞれ(第1のチャネル信号により占められる周波数帯域及び第2のチャネル信号により占められる周波数帯域は同じである)は第1の周波数帯域及び第2の周波数帯域を含み、第1の周波数帯域内のサブバンドに対応する減衰係数は第2の周波数帯域内のサブバンドに対応する減衰係数以下であり、また、第1の周波数帯域の周波数は第2の周波数帯域の周波数よりも小さい。
例えば、第1のチャネル信号及び第2のチャネル信号が位置される周波数帯域のそれぞれは低周波部分及び高周波部分を含み、また、目標減衰係数は複数の減衰係数を含む。低周波部分は少なくとも1つの減衰係数に対応し、高周波部分は少なくとも1つの減衰係数に対応し、また、低周波部分に対応する減衰係数は高周波部分に対応する減衰係数よりも小さい。
高周波サブバンドと低周波サブバンドとに対応する残響ゲインパラメータは、高周波数サブバンドと低周波数サブバンドとに対応する残響ゲインパラメータに関して異なるサイズの減衰係数を設定することにより、異なる程度に調整可能であり、また、残響処理中により良い処理効果を得ることができる。
図4は、この出願の一実施形態に係るマルチチャネル信号符号化方法の概略フローチャートである。図4において、チャネル信号は左チャネル信号及び右チャネル信号を含み、また、左チャネル信号及び右チャネル信号を符号化するプロセスは、具体的には以下のステップを含む。
410.左チャネル信号の空間パラメータ及び右チャネル信号の空間パラメータを計算する。
空間パラメータは、左チャネル信号及び右チャネル信号の初期残響ゲインパラメータ、及び他の空間パラメータを含む。
420.ダウンミックス信号を取得するために左チャネル信号(図中にLで表わされる)及び右チャネル信号(図中にRで表わされる)に関してダウンミックス処理を実行する。
430.左チャネル信号のエネルギーとダウンミックス信号のエネルギーとの間及び右チャネル信号のエネルギーとダウンミックス信号のエネルギーとの間の差分値を決定する。
具体的には、左チャネル信号及び右チャネル信号のそれぞれが高周波部分と低周波部分とに分割されてもよく、また、高周波部分における左チャネル信号のエネルギーとダウンミックス信号のエネルギーとの間及び右チャネル信号のエネルギーとダウンミックス信号のエネルギーとの間の差分値は、左チャネル信号のエネルギーとダウンミックス信号のエネルギーとの間及び右チャネル信号のエネルギーとダウンミックス信号のエネルギーとの間の差分値として決定される。
440.左チャネル信号のエネルギーとダウンミックス信号のエネルギーとの間及び右チャネル信号のエネルギーとダウンミックス信号のエネルギーとの間の差分値に基づいて左チャネル信号及び右チャネル信号の残響ゲインパラメータを調整する。
具体的には、符号器側は、左チャネル信号のエネルギーとダウンミックス信号のエネルギーとの間及び右チャネル信号のエネルギーとダウンミックス信号のエネルギーとの間の差分値に基づいて目標減衰係数を決定するとともに、目標減衰係数に基づいて左チャネル信号及び右チャネル信号の残響ゲインパラメータを調整してもよい。
450.ダウンミックス信号、調整された残響ゲインパラメータ、及び他の空間パラメータを量子化してビットストリームを取得する。
図5は、この出願の一実施形態に係るマルチチャネル信号復号化方法の概略フローチャートである。図5において、チャネル信号は左チャネル信号及び右チャネル信号を含む。図5において、図4の符号化方法における符号化によって生成されるビットストリームが復号されてもよい。図5の復号化プロセスは、具体的には以下のステップを含む。
510.左チャネル信号及び右チャネル信号のビットストリームを取得する。
520.ビットストリームを復号して、ダウンミックス信号を取得する。
530.ビットストリームを復号して、左チャネル信号及び右チャネル信号の空間パラメータを取得する。
空間パラメータは、符号器側により調整される残響ゲインパラメータを含み、すなわち、符号器側は、調整された残響ゲインパラメータを符号化する。このようにして、ビットストリームを復号した後、復号器側は、符号器側により調整された残響ゲインパラメータを取得する。
ステップ520及びステップ530は、順々に実行されず、同時に実行されてもよい。
540.復号化によって得られる空間パラメータに関してその後の処理(例えば平滑化フィルタリング)を実行する。
550.復号化によって得られるダウンミックス信号及び残響ゲインパラメータに基づいて無相関信号を取得する(残響ゲインパラメータは、符号器側により調整された残響ゲインパラメータである)。
ステップ540で処理された空間パラメータ及びダウンミックス信号に基づいてアップミックス処理を実行して、左チャネル信号及び右チャネル信号を取得する。
570.無相関信号に基づいて左チャネル信号及び右チャネル信号に関して別々に残響処理を実行する。
図5に示される方法において、左チャネル信号及び右チャネル信号に関して実行される残響処理が基づく残響ゲインパラメータは、左チャネル信号とダウンミックス信号との間及び右チャネル信号とダウンミックス信号との間の相関に基づいて調整されてしまっている。このようにすると、左チャネル信号と右チャネル信号との間の差に基づいて対応する残響処理を行なうことができ、それにより、残響処理後に得られるチャネル信号の品質が向上される。
図3の符号化方法において、符号器側は、チャネル信号の初期残響ゲインパラメータを調整する必要があるかどうかを決定する。チャネル信号の初期残響ゲインパラメータを調整する必要がある場合、符号器側は、チャネル信号の初期残響ゲインパラメータを調整して、調整された残響ゲインパラメータを符号化し、それにより、復号化によって得られる残響ゲインパラメータに基づいて復号器側が残響処理を直接に実行する。
実際には、符号器側は、代わりに、チャネル信号の初期残響ゲインパラメータを調整する必要があるかどうかのみを決定してもよい。チャネル信号の初期残響ゲインパラメータを調整する必要がある場合、符号器側は対応する指示情報を号器側に送信する。復号器側は、指示情報を受信した後、チャネル信号の初期残響ゲインパラメータを調整する。
図6は、この出願の一実施形態に係るマルチチャネル信号符号化方法の概略フローチャートである。図6の方法は以下のステップを含む。
610.マルチチャネル信号における第1のチャネル信号及び第2のチャネル信号のダウンミックス信号、第1のチャネル信号及び第2のチャネル信号の初期残響ゲインパラメータを決定する。
具体的には、ダウンミックス信号は、第1のチャネル信号及び第2のチャネル信号に関してダウンミックス処理を実行することによって得られてもよく、また、空間パラメータは、第1のチャネル信号及び第2のチャネル信号に関して空間パラメータ解析を実行することによって得られ、空間パラメータは、第1のチャネル信号及び第2のチャネル信号の初期残響ゲインパラメータを含む。
ダウンミックス信号及び初期残響ゲインパラメータが同時に又は連続して決定されてもよいことが理解されるべきである。
第1のチャネル信号及び第2のチャネル信号が同じ空間パラメータに対応してもよく、また、具体的には、第1のチャネル信号及び第2のチャネル信号が同じ初期残響ゲインパラメータにも対応することが理解されるべきである。すなわち、第1のチャネル信号の空間パラメータ及び第2のチャネル信号の空間パラメータが同じであり、また、第1のチャネル信号及び第2のチャネル信号の初期残響ゲインパラメータが同じである。
更に、第1のチャネル信号及び第2のチャネル信号のそれぞれが10個のサブバンドを含むとともに、各サブバンドが1つの残響ゲインパラメータに対応すると仮定すると、第1のチャネル信号及び第2のチャネル信号の、そのインデックス値が同じであるサブバンドに対応する残響ゲインパラメータが同じであってもよい。
620.第1のチャネル信号とダウンミックス信号との間の相関及び第2のチャネル信号とダウンミックス信号との間の相関に基づいて第1のチャネル信号及び第2のチャネル信号の識別情報を決定し、識別情報は、第1のチャネル信号と第2のチャネル信号とにあってその初期残響ゲインパラメータを調整する必要があるチャネル信号を示す。
随意的に、第1のチャネル信号又は第2のチャネル信号とダウンミックス信号との間の相関は、第1のチャネル信号のエネルギー又は第2のチャネル信号のエネルギーとダウンミックス信号のエネルギーとの間の差に基づいて決定されてもよく、或いは、第1のチャネル信号の振幅又は第2のチャネル信号の振幅とダウンミックス信号の振幅との間の差に基づいて決定されてもよい。
具体的には、第1のチャネル信号のエネルギー又は振幅とダウンミックス信号のエネルギー又は振幅との間の差が比較的小さい場合には、第1のチャネル信号とダウンミックス信号との間の相関が比較的大きいと見なされてもよい。第1のチャネル信号のエネルギー又は振幅とダウンミックス信号のエネルギー又は振幅との間の差が比較的大きい場合には、第1のチャネル信号とダウンミックス信号との間の相関が比較的小さいと見なされてもよい。
第1のチャネル信号のエネルギー又は第2のチャネル信号のエネルギーとダウンミックス信号のエネルギーとの間の差は、具体的には、第1のチャネル信号のエネルギー又は第2のチャネル信号のエネルギーとダウンミックス信号のエネルギーとの間の差分値であってもよい。同様に、第1のチャネル信号の振幅又は第2のチャネル信号の振幅とダウンミックス信号の振幅との間の差は、具体的には、第1のチャネル信号の振幅又は第2のチャネル信号の振幅とダウンミックス信号の振幅との間の差分値であってもよい。
更に、第1のチャネル信号又は第2のチャネル信号とダウンミックス信号との間の相関が、代わりに、第1のチャネル信号又は第2のチャネル信号の位相、周期等とダウンミックス信号の位相、周期等との間の差を指してもよい。
第1のチャネル信号、第2のチャネル信号、及びダウンミックス信号は、正規化処理後に得られるチャネル信号であってもよい。
具体的には、識別情報は、第1のチャネル信号又は第2のチャネル信号がその初期残響ゲインパラメータを調整する必要があるチャネル信号であることを示してもよく、又は、第1のチャネル信号及び第2のチャネル信号がその初期残響ゲインパラメータを調整する必要があるチャネル信号であることを示してもよく、又は、第1のチャネル信号及び第2のチャネル信号の両方に関して残響ゲインパラメータを調整する必要がないことを示してもよい。
幾つかの実施形態において、識別情報は、識別子フィールドの値を使用することにより、複数のチャネル信号にあってその初期残響ゲインパラメータを調整する必要があるチャネル信号を示してもよい。例えば、識別情報の識別子フィールドが2ビットを占める。識別子フィールドの値が00の場合、それは、第1のチャネル信号の初期残響ゲインパラメータも第2のチャネル信号の初期残響ゲインパラメータも調整する必要がないことを示す。識別子フィールドの値が01の場合、それは、第1のチャネル信号の初期残響ゲインパラメータのみを調整する必要があることを示す。識別子フィールドの値が10の場合、それは、第2のチャネル信号の初期残響ゲインパラメータのみを調整する必要があることを示す。識別子フィールドの値が11の場合、それは、第1のチャネル信号及び第2のチャネル信号の初期残響ゲインパラメータの両方を調整する必要があることを示す。
幾つかの実施形態において、第1のチャネル信号とダウンミックス信号との間の相関及び第2のチャネル信号とダウンミックス信号との間の相関に基づいて、第1のチャネル信号及び第2のチャネル信号の識別情報を決定するステップは、第1のチャネル信号のエネルギーとダウンミックス信号のエネルギーとの間及び第2のチャネル信号のエネルギーとダウンミックス信号のエネルギーとの間の相関に基づいて第1のチャネル信号及び第2のチャネル信号の識別情報を決定するステップを含む。
第1のチャネル信号とダウンミックス信号との間の相関及び第2のチャネル信号とダウンミックス信号との間の相関は、チャネル信号のエネルギーとダウンミックス信号のエネルギーとを使用することによって都合良く測定されることができ、それにより、その初期残響ゲインパラメータを調整する必要があるチャネル信号が、都合良く決定されることができる。
幾つかの実施形態において、ダウンミックス信号のエネルギー又は振幅は、第1のチャネル信号のエネルギーと第2のチャネル信号のエネルギーとに基づいて計算されてもよく、それにより、計算プロセスを簡素化する。或いは、ダウンミックス信号のエネルギーは、ダウンミックス信号自体に基づいて直接に計算されてもよい。
630.ダウンミックス信号、初期残響ゲインパラメータ、及び識別情報に基づいて第1のチャネル信号及び第2のチャネル信号を量子化し、量子化された第1のチャネル信号と量子化された第2のチャネル信号とをビットストリームに書き込む。
この出願では、事前設定閾値と、チャネル信号のエネルギーとダウンミックス信号のエネルギーとの間の差分値の大きさとの関係を決定することにより、チャネル信号のエネルギーがダウンミックス信号のエネルギーと大きく異なるときに、その初期残響ゲインパラメータを調整する必要があるチャネル信号としてチャネル信号が決定されることができる。したがって、復号器側は、最初に、チャネル信号の初期残響ゲインパラメータを調整でき、その後、チャネル信号に関して残響処理を行なうことができ、それにより、残響処理後に得られるチャネル信号の品質を向上させることができる。
随意的に、一実施形態において、第1のチャネル信号のエネルギーとダウンミックス信号のエネルギーとの間及び第2のチャネル信号のエネルギーとダウンミックス信号のエネルギーとの間の相関に基づいて第1のチャネル信号及び第2のチャネル信号の識別情報を決定するステップは、第1の差分値及び第2の差分値を決定するステップであって、第1の差分値が複数の周波数ビンにおける第1のチャネル信号のエネルギーとダウンミックス信号のエネルギーとの間の差分値の絶対値の和であり、第2の差分値が複数の周波数ビンにおける第2のチャネル信号のエネルギーとダウンミックス信号のエネルギーとの間の差分値の絶対値の和である、ステップと、第1の差分値と第2の差分値とに基づいて第1のチャネル信号及び第2のチャネル信号の識別情報を決定するステップとを含む。
第1のチャネル信号のエネルギーとダウンミックス信号のエネルギーとの間の差及び第2のチャネル信号のエネルギーとダウンミックス信号のエネルギーとの間の差は、その初期残響ゲインパラメータを調整する必要があるチャネル信号を決定するべく、複数の周波数ビンにおける第1のチャネル信号のエネルギーとダウンミックス信号のエネルギーとの間及び複数の周波数ビンにおける第2のチャネル信号のエネルギーとダウンミックス信号のエネルギーとの間の差分値を比較することによって都合良く決定され得る。したがって、全ての周波数帯域で第1のチャネル信号のエネルギーとダウンミックス信号のエネルギーとの間の差及び第2のチャネル信号のエネルギーとダウンミックス信号のエネルギーとの間の差を比較する必要がない。
随意的に、第1の差分値と第2の差分値とに基づいて第1のチャネル信号及び第2のチャネル信号の識別情報を決定するステップは、第1の差分値及び第2の差分値における大きい方の差分値を目標差分値として決定するステップと、目標差分値に基づいて識別情報を決定するステップであって、識別情報が目標差分値に対応するチャネル信号を示、目標差分値に対応するチャネル信号が、その初期残響ゲインパラメータを調整する必要があるチャネル信号である、ステップとを含む。
具体的には、複数の周波数ビンにおける第1のチャネル信号のエネルギーとダウンミックス信号のエネルギーとの間の差分値の絶対値の和が複数の周波数ビンにおける第2のチャネル信号のエネルギーとダウンミックス信号のエネルギーとの間の差分値の絶対値の和よりも大きい場合、第1のチャネル信号は、その初期残響ゲインパラメータを調整する必要があるチャネル信号として決定されてもよい。
更に、複数の周波数ビンにおける第1のチャネル信号のエネルギーとダウンミックス信号のエネルギーとの間の差分値の絶対値の和及び複数の周波数ビンにおける第2のチャネル信号のエネルギーとダウンミックス信号のエネルギーとの間の差分値の絶対値の和の両方が比較的大きい(例えば、両方が事前設定閾値よりも大きい)場合には、識別情報の他の断片が決定されてもよく、また、識別情報は、第1のチャネル信号及び第2のチャネル信号の初期残響ゲインパラメータの両方を調整する必要があることを示す。
具体的には、幾つかの実施形態において、複数の周波数ビンにおける第1のチャネル信号のエネルギー又は第2のチャネル信号のエネルギーとダウンミックス信号のエネルギーとの間の差分値の絶対値の和に基づいて第1のチャネル信号及び第2のチャネル信号の識別情報を決定するステップは、複数の周波数ビンにおける第1のチャネル信号のエネルギーとダウンミックス信号のエネルギーとの間の差分値の絶対値の和が事前設定閾値よりも大きいときに第1の識別情報を生成するステップであって、第1の識別情報が、第1のチャネル信号の初期残響ゲインパラメータを調整する必要があることを示す、ステップと、複数の周波数ビンにおける第2のチャネル信号のエネルギーとダウンミックス信号のエネルギーとの間の差分値の絶対値の和が事前設定閾値よりも大きいときに第2の識別情報を生成するステップであって、第2の識別情報が、第2のチャネル信号の初期残響ゲインパラメータを調整する必要があることを示す、ステップとを含む。
事前設定閾値と、チャネル信号のエネルギーとダウンミックス信号のエネルギーとの間の差分値の大きさとの関係を決定することにより、チャネル信号のエネルギーがダウンミックス信号のエネルギーと大きく異なるときに、その初期残響ゲインパラメータを調整する必要があるチャネル信号としてチャネル信号は決定されることができる。したがって、復号器側は、最初に、チャネル信号の初期残響ゲインパラメータを調整でき、その後、チャネル信号に関して残響処理を行なうことができ、それにより、残響処理後に得られるチャネル信号の品質を向上させることができる。
第1のチャネル信号及び第2のチャネル信号の識別情報は、識別情報の1つの断片又は識別情報の2つの断片であってもよいことが理解されるべきである。例えば、第1のチャネル信号及び第2のチャネル信号の初期残響ゲインパラメータの両方を調整する必要がある場合には、第1のチャネル信号及び第2チャネル信号の識別情報が識別情報の1つの断片であってもよく、また、識別情報は、第1のチャネル信号及び第2のチャネル信号の初期残響ゲインパラメータの両方を調整する必要があることを示す。或いは、第1のチャネル信号及び第2のチャネル信号の識別情報は、識別情報の2つの断片、すなわち、第1の識別情報及び第2の識別情報のそれぞれであり、第1の識別情報は、第1のチャネル信号の初期残響ゲインパラメータを調整する必要があることを示、また、第2の識別情報は、第2のチャネル信号の初期残響ゲインパラメータを調整する必要があることを示す。チャネル信号が対応する識別情報を有さない場合、それは、チャネル信号の初期残響ゲインパラメータを調整する必要がないことを示す。すなわち、識別情報が第1の識別情報のみを含む場合、第1のチャネル信号及び第2のチャネル信号における第1のチャネル信号のみの初期残響ゲインパラメータを調整する必要がある。
随意的に、幾つかの実施形態では、第1のチャネル信号の初期残響ゲインパラメータを調整する必要がある場合、図6の方法は、第1の差分値と第2の差分値とに基づいて目標減衰係数を決定するステップであって、目標チャネル信号の初期残響ゲインパラメータを調整するために目標減衰係数が使用される、ステップと、目標減衰係数を量子化して、量子化された目標減衰係数をビットストリームに書き込むステップとを更に含む。
チャネル信号の初期残響ゲインパラメータは、減衰係数を使用することによってチャネル信号とダウンミックス信号との間の相関値に基づいて柔軟に調整され得る。
前述の式(1)及び式(2)を参照することにより第1の差分値及び第2の差分値が計算されてもよいことが理解されるべきである。
第1の差分値と第2の差分値とに基づいて目標減衰係数が決定されている場合、第1の差分値と第2の差分値との間の比率に基づいて目標減衰係数が決定されてもよい。
幾つかの実施形態では、目標減衰係数が複数の減衰係数を含み、複数の減衰係数のそれぞれは目標チャネル信号の少なくとも1つのサブバンドに対応し、また、任意のサブバンドは1つの減衰係数のみに対応する。例えば、マルチチャネル信号は複数のサブバンドを含み、また、隣り合うサブバンドは1つの減衰係数に対応する場合がある。
加えて、目標減衰係数が複数の減衰係数を含む場合には、目標減衰係数に基づいて残響ゲインパラメータはより柔軟に調整されることができる。
幾つかの他の実施形態では、目標チャネル信号が第1の周波数帯域及び第2の周波数帯域を含み、第1の周波数帯域内のサブバンドに対応する減衰係数は、第2の周波数帯域内のサブバンドに対応する減衰係数以下であり、また、第1の周波数帯域の周波数は第2の周波数帯域の周波数よりも小さい。
高周波サブバンドと低周波サブバンドとに対応する残響ゲインパラメータは、高周波数サブバンドと低周波数サブバンドとに対応する残響ゲインパラメータに関して異なるサイズの減衰係数を設定することにより、異なる程度に調整可能であり、また、残響処理中により良い処理効果を得ることができる。
例えば、目標チャネル信号が位置される周波数帯域は低周波部分と高周波部分とを含み、また、目標減衰係数は複数の減衰係数を含む。低周波部分は少なくとも1つの減衰係数に対応し、高周波部分は少なくとも1つの減衰係数に対応し、また、低周波部分に対応する減衰係数は高周波部分に対応する減衰係数よりも小さい。
幾つかの実施形態において、ダウンミックス信号のエネルギーは、第1のチャネル信号のエネルギー及び第2のチャネル信号のエネルギーに基づいて決定される。
ダウンミックス信号のエネルギーは、第1のチャネル信号のエネルギー及び第2のチャネル信号のエネルギーを使用することによって計算でき、また、ダウンミックス信号自体を使用せずに計算プロセスを簡素化できる。
以上は、図6に関連してこの出願の実施形態における符号化方法を詳細に説明する。以下は、図7に関連してこの出願の実施形態における復号化方法について説明する。図7の復号化方法が図6の符号化方法に対応することが理解されるべきである。簡潔にするため、以下では、繰り返される説明が適切に省かれる。
図7は、この出願の一実施形態に係るマルチチャネル信号復号化方法の概略フローチャートである。図7の方法は、復号器側デバイス又は復号器によって実行されてもよい。図7の方法は、具体的には以下のステップを含む。
710.ビットストリームを取得する。
720.マルチチャネル信号における第1のチャネル信号及び第2のチャネル信号のダウンミックス信号、第1のチャネル信号及び第2のチャネル信号の初期残響ゲインパラメータ、及び第1のチャネル信号及び第2のチャネル信号の識別情報をビットストリームに基づいて決定し、識別情報は、第1のチャネル信号と第2のチャネル信号とにあってその初期残響ゲインパラメータを調整する必要があるチャネル信号を示す。
730.第1のチャネル信号と第2のチャネル信号とにあってその初期残響ゲインパラメータを調整する必要があるチャネル信号を識別情報に基づいて目標チャネル信号として決定する。
740.目標チャネル信号の初期残響ゲインパラメータを調整する。
この出願では、識別情報を使用することによってその初期残響ゲインパラメータを調整する必要があるチャネル信号が決定されることができ、また、チャネル信号に関して残響処理が実行される前にチャネル信号の初期残響ゲインパラメータが調整され、それにより、残響処理後に得られるチャネル信号の品質が向上される。
随意的に、一実施形態において、目標チャネル信号の初期残響ゲインパラメータを調整するステップは、目標減衰係数を決定するステップと、目標チャネル信号の目標残響ゲインパラメータを取得するために、目標減衰係数に基づいて目標チャネル信号の初期残響ゲインパラメータを調整するステップとを含む。
チャネル信号の初期残響ゲインパラメータは、減衰係数を使用することによってチャネル信号とダウンミックス信号との間の相関の大きさに基づいて柔軟に調整され得る。
減衰係数を決定するとき、復号器側は、事前設定減衰係数を目標減衰係数として決定してもよい。或いは、復号器側は、事前設定減衰係数に基づいて目標チャネル信号の初期残響ゲインパラメータを直接に調整する。
減衰係数を事前に設定することによって目標減衰係数を決定するプロセスが簡素化されることができ、それにより、復号化効率が向上される。
幾つかの実施形態において、復号器側は、複数のチャネル信号のビットストリームから目標減衰係数を得てもよく、すなわち、複数のチャネル信号のビットストリームを復号することによって目標減衰係数を得てもよい。この場合、号器側は、目標減衰係数を決定してしまっており、目標減衰係数を符号化して、ビットストリームを得て復号器側に送信する。このようにすると、復号器側は、目標減衰係数をもはや計算する必要がなく、ビットストリームを直接に復号して目標減衰係数を取得する。
ビットストリームが目標減衰係数を含む場合には、目標減衰係数がビットストリームから直接に得られてもよく、また、目標減衰係数を決定するプロセスも簡素化されることができ、それにより、復号化効率が向上する。
随意的に、一実施形態において、目標減衰係数を決定するステップは、具体的には、第1のチャネル信号と第2のチャネル信号との間のチャネル間レベル差をビットストリームから取得するステップと、チャネル間レベル差に基づいて目標減衰係数を決定する、又は、チャネル間レベル差とダウンミックス信号とに基づいて目標減衰係数を決定するステップとを含む。
目標減衰係数は、減衰係数に基づいてチャネル信号の初期残響ゲインパラメータがより正確に調整されることができるように、チャネル間レベル差、ダウンミックス信号等に基づいてより柔軟且つ正確に決定され得る。
具体的には、チャネル間レベル差が比較的大きい場合には、第1のチャネル信号と第2のチャネル信号との間の差が比較的大きく、第1のチャネル信号と第2のチャネル信号との間の相関が比較的小さいと見なされてもよい。この場合、比較的大きい値を有する減衰係数が目標減衰係数として決定されてもよい。
加えて、ダウンミックス信号に基づいて目標減衰係数が決定されている場合には、ダウンミックス信号の周期性及び高調波を使用することによって目標減衰係数が決定されてもよい。例えば、ダウンミックス信号の周期性又は高調波が良好な場合には、第1のチャネル信号と第2のチャネル信号との間の差が比較的小さく、第1のチャネル信号と第2のチャネル信号との間の相関が比較的大きいと見なされてもよい。この場合、比較的小さい値を有する減衰係数が目標減衰係数として決定されてもよい。
随意的に、一実施形態では、目標減衰係数が複数の減衰係数を含み、複数の減衰係数のそれぞれが目標チャネル信号の少なくとも1つのサブバンドに対応し、また、任意のサブバンドが1つの減衰係数のみに対応する。例えば、第1のチャネル信号及び第2のチャネル信号のそれぞれが複数のサブバンドを含み、また、複数の隣り合うサブバンドが1つの減衰係数に対応してもよい。
加えて、目標減衰係数が複数の減衰係数を含む場合には、目標減衰係数に基づいて残響ゲインパラメータはより柔軟に調整されることができる。
幾つかの他の実施形態では、目標チャネル信号が第1の周波数帯域及び第2の周波数帯域を含み、第1の周波数帯域内のサブバンドに対応する減衰係数は、第2の周波数帯域内のサブバンドに対応する減衰係数以下であり、また、第1の周波数帯域の周波数は第2の周波数帯域の周波数よりも小さい。
高周波サブバンドと低周波サブバンドとに対応する残響ゲインパラメータは、高周波数サブバンドと低周波数サブバンドとに対応する残響ゲインパラメータに関して異なるサイズの減衰係数を設定することにより、異なる程度に調整可能であり、また、残響処理中により良い処理効果を得ることができる。
例えば、目標チャネル信号が位置される周波数帯域は低周波部分と高周波部分とを含み、また、目標減衰係数は複数の減衰係数を含む。低周波部分は少なくとも1つの減衰係数に対応し、高周波部分は少なくとも1つの減衰係数に対応し、また、低周波部分に対応する減衰係数は高周波部分に対応する減衰係数よりも小さい。
以上は、図3~図7に関連してこの出願の実施形態における符号化方法及び復号化方法を詳細に説明する。以下は、図8~図13に関連してこの出願の実施形態における符号器及び復号器について説明する。図8~図13における符号器及び復号器がこの出願の実施形態における符号化方法及び復号化方法において符号器及び復号器により実行されるステップを実施できることが理解されるべきである。簡潔にするため、以下では、繰り返される説明が適切に省かれる。
図8は、この出願の一実施形態に係る符号器の概略ブロック図である。図8における符号器800は、
マルチチャネル信号における第1のチャネル信号及び第2のチャネル信号のダウンミックス信号、第1のチャネル信号及び第2のチャネル信号の初期残響ゲインパラメータを決定するように構成される処理ユニット810であって、
該処理ユニット810が、第1のチャネル信号とダウンミックス信号との間の相関、第2のチャネル信号とダウンミックス信号との間の相関、及び初期残響ゲインパラメータに基づいて、第1のチャネル信号及び第2のチャネル信号の目標残響ゲインパラメータを決定するように更に構成される、処理ユニット810と、
ダウンミックス信号及び目標残響ゲインパラメータに基づいて第1のチャネル信号及び第2のチャネル信号を量子化して、量子化された第1のチャネル信号及び量子化された第2のチャネル信号をビットストリームに書き込むように構成される符号化ユニット820と、
を含む。
符号器800は、図3におけるマルチチャネル信号符号化方法に対応してもよく、また、符号器800は、図3におけるマルチチャネル信号符号化方法を実行してもよい。
この出願では、チャネル信号の目標残響ゲインパラメータが決定されているとき、チャネル信号とダウンミックス信号との間の相関が考慮される。このようにすると、目標残響ゲインパラメータに基づいてチャネル信号に関して残響処理が行なわれるときにより良い処理効果を取得することができ、それにより、残響処理後に得られるチャネル信号の品質が向上される。
随意的に、一実施形態において、処理ユニット810は、具体的には、第1のチャネル信号とダウンミックス信号との間の相関及び第2のチャネル信号とダウンミックス信号との間の相関に基づいて目標減衰係数を決定するとともに、目標減衰係数に基づいて初期残響ゲインパラメータを調整して目標残響ゲインパラメータを取得するように構成される。
随意的に、一実施形態では、第1のチャネル信号及び第2のチャネル信号のそれぞれが複数の周波数ビンを含み、また、処理ユニット810は、具体的には、複数の周波数ビンにおける第1のチャネル信号のエネルギーとダウンミックス信号のエネルギーとの間及び複数の周波数ビンにおける第2のチャネル信号のエネルギーとダウンミックス信号のエネルギーとの間の差分値を決定し、その差分値に基づいて目標減衰係数を決定するように構成される。
随意的に、一実施形態において、処理ユニット810は、具体的には、第1のチャネル信号のエネルギーとダウンミックス信号のエネルギーとの間の第1の差分値を決定するように構成され、第1の差分値は、複数の周波数ビンにおける第1のチャネル信号のエネルギーとダウンミックス信号のエネルギーとの間の差分値の絶対値の和を示、処理ユニット810は、第2のチャネル信号のエネルギーとダウンミックス信号のエネルギーとの間の第2の差分値を決定するように構成され、第2の差分値は、複数の周波数ビンにおける第2のチャネル信号のエネルギーとダウンミックス信号のエネルギーとの間の差分値の絶対値の和を示、及び処理ユニット810は、第1の差分値と第2の差分値との間の比率に基づいて目標減衰係数を決定するように構成される。
随意的に、一実施形態では、差分値に基づいて目標減衰係数を決定する前に、処理ユニット810は、更に具体的には、差分値が事前設定閾値よりも大きいと決定するように構成される。
随意的に、一実施形態において、ダウンミックス信号のエネルギーは、第1のチャネル信号のエネルギー及び第2のチャネル信号のエネルギーに基づいて決定される。
随意的に、一実施形態では、目標減衰係数が複数の減衰係数を含み、複数の減衰係数のそれぞれはマルチチャネル信号の少なくとも1つのサブバンドに対応し、また、任意のサブバンドは1つの減衰係数のみに対応する。
図9は、この出願の一実施形態に係る符号器の概略ブロック図である。図9における符号器900は、
マルチチャネル信号における第1のチャネル信号及び第2のチャネル信号のダウンミックス信号、第1のチャネル信号及び第2のチャネル信号の初期残響ゲインパラメータを決定するように構成される処理ユニット910であって、
該処理ユニット910が、第1のチャネル信号とダウンミックス信号との間の相関及び第2のチャネル信号とダウンミックス信号との間の相関に基づいて、第1のチャネル信号及び第2のチャネル信号の識別情報を決定し、識別情報が、第1のチャネル信号と第2のチャネル信号とにあってその初期残響ゲインパラメータを調整する必要があるチャネル信号を示す、ように更に構成される、処理ユニット910と、
ダウンミックス信号、初期残響ゲインパラメータ、及び識別情報に基づいて第1のチャネル信号及び第2のチャネル信号を量子化して、量子化された第1のチャネル信号及び量子化された第2のチャネル信号をビットストリームに書き込むように構成される符号化ユニット920と、
を含む。
この出願では、その初期残響ゲインパラメータを調整する必要があるチャネル信号はチャネル信号とダウンミックス信号との間の相関に基づいて決定されることができ、それにより、復号器側は、最初に、幾つかのチャネル信号の初期残響ゲインパラメータを調整した後、これらのチャネル信号に関して残響処理を実行することができ、それにより、残響処理後に得られるチャネル信号の品質を向上させることができる。
符号器900が図6におけるマルチチャネル信号符号化方法に対応してもよく、また、符号器900が図6におけるマルチチャネル信号符号化方法を実行してもよいことが理解されるべきである。
随意的に、一実施形態において、処理ユニット910は、具体的には、第1のチャネル信号のエネルギーとダウンミックス信号のエネルギーとの間の相関及び第2のチャネル信号のエネルギーとダウンミックス信号のエネルギーとの間の相関に基づいて第1のチャネル信号及び第2のチャネル信号の識別情報を決定するように構成される。
随意的に、一実施形態において、処理ユニット910は、具体的には、第1の差分値及び第2の差分値を決定し、第1の差分値は、複数の周波数ビンにおける第1のチャネル信号のエネルギーとダウンミックス信号のエネルギーとの間の差分値の絶対値の和であり、第2の差分値は、複数の周波数ビンにおける第2のチャネル信号のエネルギーとダウンミックス信号のエネルギーとの間の差分値の絶対値の和であり、処理ユニット910は、第1の差分値及び第2の差分値に基づいて第1のチャネル信号及び第2のチャネル信号の識別情報を決定する、ように特に構成される。
随意的に、一実施形態において、処理ユニット910は、具体的には、第1の差分値及び第2の差分値における大きい方の差分値を目標差分値として決定するとともに、目標差分値に基づいて識別情報を決定し、識別情報は、目標差分値に対応するチャネル信号を示、目標差分値に対応するチャネル信号は、その初期残響ゲインパラメータを調整する必要があるチャネル信号である、ように特に構成される。
随意的に、一実施形態において、処理ユニット910は、更に具体的には、第1の差分値及び第2の差分値に基づいて目標減衰係数を決定し、目標減衰係数は、目標チャネル信号の初期残響ゲインパラメータを調整するために使用され、処理ユニット910は、目標減衰係数を量子化して、量子化された目標減衰係数をビットストリームに書き込む、ように更に特に構成される。
随意的に、一実施形態では、目標減衰係数が複数の減衰係数を含み、複数の減衰係数のそれぞれが目標チャネル信号の少なくとも1つのサブバンドに対応し、また、任意のサブバンドが1つの減衰係数のみに対応する。
随意的に、一実施形態において、ダウンミックス信号のエネルギーは、第1のチャネル信号のエネルギー及び第2のチャネル信号のエネルギーに基づいて決定される。
図10は、この出願の一実施形態に係る復号器の概略ブロック図である。図10における復号器1000は、
ビットストリームを取得するように構成される取得ユニット1010と、
マルチチャネル信号における第1のチャネル信号及び第2のチャネル信号のダウンミックス信号、第1のチャネル信号及び第2のチャネル信号の初期残響ゲインパラメータ、及び第1のチャネル信号及び第2のチャネル信号の識別情報をビットストリームに基づいて決定するように構成される処理ユニット1020であって、識別情報は、第1のチャネル信号と第2のチャネル信号とにあってその初期残響ゲインパラメータを調整する必要があるチャネル信号を示す、処理ユニットと、
を備え、
処理ユニット1020は、識別情報に基づいて、第1のチャネル信号と第2のチャネル信号とにあってその初期残響ゲインパラメータを調整する必要があるチャネル信号を目標チャネル信号として決定するように更に構成され、
処理ユニット1020は、目標チャネル信号の初期残響ゲインパラメータを調整するように更に構成される。
この出願では、識別情報を使用することによってその初期残響ゲインパラメータを調整する必要があるチャネル信号が決定されることができ、また、チャネル信号に関して残響処理が実行される前にチャネル信号の初期残響ゲインパラメータが調整され、それにより、残響処理後に得られるチャネル信号の品質が向上される。
復号器1000が図7におけるマルチチャネル信号復号化方法に対応してもよく、また、復号器1000が図7におけるマルチチャネル信号復号化方法を実行してもよいことが理解されるべきである。
随意的に、一実施形態において、処理ユニット1020は、具体的には、目標減衰係数を決定するとともに、目標減衰係数に基づいて目標チャネル信号の初期残響ゲインパラメータを調整して、目標チャネル信号の目標残響ゲインパラメータを取得するように構成される。
随意的に、一実施形態において、処理ユニット1020は、具体的には、目標減衰係数として事前設定減衰係数を決定するように構成される。
随意的に、一実施形態において、処理ユニット1020は、具体的には、ビットストリームに基づいて目標減衰係数を取得するように構成される。
随意的に、一実施形態において、処理ユニット1020は、具体的には、ビットストリームから第1のチャネル信号と第2のチャネル信号との間のチャネル間レベル差を取得するとともに、チャネル間レベル差に基づいて目標減衰係数を決定する、又は、チャネル間レベル差とダウンミックス信号とに基づいて目標減衰係数を決定するように構成される。
随意的に、一実施形態では、目標減衰係数が複数の減衰係数を含み、複数の減衰係数のそれぞれが目標チャネル信号の少なくとも1つのサブバンドに対応し、また、任意のサブバンドが1つの減衰係数のみに対応する。
図11は、この出願の一実施形態に係る符号器の概略ブロック図である。図11における符号器1100は、
プログラムを記憶するように構成されるメモリ1110と、
プログラムを実行するように構成されるプロセッサ1120と、
を含み、プログラムが実行されるとき、プロセッサ1120は、マルチチャネル信号における第1のチャネル信号及び第2のチャネル信号のダウンミックス信号、第1のチャネル信号及び第2のチャネル信号の初期残響ゲインパラメータを決定し、第1のチャネル信号とダウンミックス信号との間の相関、第2のチャネル信号とダウンミックス信号との間の相関、及び初期残響ゲインパラメータに基づいて、第1のチャネル信号及び第2のチャネル信号の目標残響ゲインパラメータを決定するとともに、ダウンミックス信号及び目標残響ゲインパラメータに基づいて第1のチャネル信号及び第2のチャネル信号を量子化して、量子化された第1のチャネル信号及び量子化された第2のチャネル信号をビットストリームに書き込むように構成される。
符号器1100は、図3におけるマルチチャネル信号符号化方法に対応してもよく、また、符号器1100は、図3におけるマルチチャネル信号符号化方法を実行してもよい。
この出願では、チャネル信号の目標残響ゲインパラメータが決定されているとき、チャネル信号とダウンミックス信号との間の相関が考慮される。このようにすると、目標残響ゲインパラメータに基づいてチャネル信号に関して残響処理が行なわれるときにより良い処理効果を取得することができ、それにより、残響処理後に得られるチャネル信号の品質が向上される。
随意的に、一実施形態において、プロセッサ1120は、具体的には、第1のチャネル信号とダウンミックス信号との間の相関及び第2のチャネル信号とダウンミックス信号との間の相関に基づいて目標減衰係数を決定するとともに、目標減衰係数に基づいて初期残響ゲインパラメータを調整して目標残響ゲインパラメータを取得するように構成される。
随意的に、一実施形態では、第1のチャネル信号及び第2のチャネル信号のそれぞれが複数の周波数ビンを含み、また、プロセッサ1120は、具体的には、複数の周波数ビンにおける第1のチャネル信号のエネルギーとダウンミックス信号のエネルギーとの間及び複数の周波数ビンにおける第2のチャネル信号のエネルギーとダウンミックス信号のエネルギーとの間の差分値を決定し、その差分値に基づいて目標減衰係数を決定するように構成される。
随意的に、一実施形態において、プロセッサ1120は、具体的には、第1のチャネル信号のエネルギーとダウンミックス信号のエネルギーとの間の第1の差分値を決定するように構成され、第1の差分値は、複数の周波数ビンにおける第1のチャネル信号のエネルギーとダウンミックス信号のエネルギーとの間の差分値の絶対値の和を示、プロセッサ1120は、第2のチャネル信号のエネルギーとダウンミックス信号のエネルギーとの間の第2の差分値を決定するように構成され、第2の差分値は、複数の周波数ビンにおける第2のチャネル信号のエネルギーとダウンミックス信号のエネルギーとの間の差分値の絶対値の和を示、及びプロセッサ1120は、第1の差分値と第2の差分値との間の比率に基づいて目標減衰係数を決定するように構成される。
随意的に、一実施形態では、差分値に基づいて目標減衰係数を決定する前に、プロセッサ1120は、更に具体的には、差分値が事前設定閾値よりも大きいと決定するように構成される。
随意的に、一実施形態において、ダウンミックス信号のエネルギーは、第1のチャネル信号のエネルギー及び第2のチャネル信号のエネルギーに基づいて決定される。
随意的に、一実施形態では、目標減衰係数が複数の減衰係数を含み、複数の減衰係数のそれぞれはマルチチャネル信号の少なくとも1つのサブバンドに対応し、また、任意のサブバンドは1つの減衰係数のみに対応する。
図12は、この出願の一実施形態に係る符号器の概略ブロック図である。図12における符号器1200は、
プログラムを記憶するように構成されるメモリ1210と、
プログラムを実行するように構成されるプロセッサ1220と、
を含み、プログラムが実行されるとき、プロセッサ1220は、マルチチャネル信号における第1のチャネル信号及び第2のチャネル信号のダウンミックス信号、第1のチャネル信号及び第2のチャネル信号の初期残響ゲインパラメータを決定するとともに、第1のチャネル信号とダウンミックス信号との間の相関及び第2のチャネル信号とダウンミックス信号との間の相関に基づいて、第1のチャネル信号及び第2のチャネル信号の識別情報を決定するように構成され、識別情報は、第1のチャネル信号と第2のチャネル信号とにあってその初期残響ゲインパラメータを調整する必要があるチャネル信号を示、プロセッサ1220は、ダウンミックス信号、初期残響ゲインパラメータ、及び識別情報に基づいて第1のチャネル信号及び第2のチャネル信号を量子化して、量子化された第1のチャネル信号及び量子化された第2のチャネル信号をビットストリームに書き込むように構成される。
この出願では、その初期残響ゲインパラメータを調整する必要があるチャネル信号はチャネル信号とダウンミックス信号との間の相関に基づいて決定されることができ、それにより、復号器側は、最初に、幾つかのチャネル信号の初期残響ゲインパラメータを調整した後、これらのチャネル信号に関して残響処理を実行することができ、それにより、残響処理後に得られるチャネル信号の品質を向上させることができる。
符号器1200が図6におけるマルチチャネル信号符号化方法に対応してもよく、また、符号器1200が図6におけるマルチチャネル信号符号化方法を実行してもよいことが理解されるべきである。
随意的に、一実施形態において、プロセッサ1220は、具体的には、第1のチャネル信号のエネルギーとダウンミックス信号のエネルギーとの間の相関及び第2のチャネル信号のエネルギーとダウンミックス信号のエネルギーとの間の相関に基づいて第1のチャネル信号及び第2のチャネル信号の識別情報を決定するように構成される。
随意的に、一実施形態において、プロセッサ1220は、具体的には、第1の差分値及び第2の差分値を決定するように構成され、第1の差分値は、複数の周波数ビンにおける第1のチャネル信号のエネルギーとダウンミックス信号のエネルギーとの間の差分値の絶対値の和であり、第2の差分値は、複数の周波数ビンにおける第2のチャネル信号のエネルギーとダウンミックス信号のエネルギーとの間の差分値の絶対値の和であり、プロセッサ1220は、第1の差分値及び第2の差分値に基づいて第1のチャネル信号及び第2のチャネル信号の識別情報を決定するように構成される。
随意的に、一実施形態において、プロセッサ1220は、具体的には、第1の差分値及び第2の差分値における大きい方の差分値を目標差分値として決定するとともに、目標差分値に基づいて識別情報を決定するように構成され、識別情報は、目標差分値に対応するチャネル信号を示、目標差分値に対応するチャネル信号は、その初期残響ゲインパラメータを調整する必要があるチャネル信号である。
随意的に、一実施形態において、プロセッサ1220は、更に具体的には、第1の差分値及び第2の差分値に基づいて目標減衰係数を決定するように構成され、目標減衰係数は、目標チャネル信号の初期残響ゲインパラメータを調整するために使用され、プロセッサ1220は、目標減衰係数を量子化して、量子化された目標減衰係数をビットストリームに書き込むように構成される。
随意的に、一実施形態では、目標減衰係数が複数の減衰係数を含み、複数の減衰係数のそれぞれが目標チャネル信号の少なくとも1つのサブバンドに対応し、また、任意のサブバンドが1つの減衰係数のみに対応する。
随意的に、一実施形態において、ダウンミックス信号のエネルギーは、第1のチャネル信号のエネルギー及び第2のチャネル信号のエネルギーに基づいて決定される。
図13は、この出願の一実施形態に係る復号器の概略ブロック図である。図13における復号器1300は、
プログラムを記憶するように構成されるメモリ1310と、
プログラムを実行するように構成されるプロセッサ1320と、
を含み、プログラムが実行されるとき、プロセッサ1320は、ビットストリームを取得し、マルチチャネル信号における第1のチャネル信号及び第2のチャネル信号のダウンミックス信号、第1のチャネル信号及び第2のチャネル信号の初期残響ゲインパラメータ、及び第1のチャネル信号及び第2のチャネル信号の識別情報をビットストリームに基づいて決定するように構成され、識別情報は、第1のチャネル信号と第2のチャネル信号とにあってその初期残響ゲインパラメータを調整する必要があるチャネル信号を示、プロセッサ1320は、識別情報に基づいて、第1のチャネル信号と第2のチャネル信号とにあってその初期残響ゲインパラメータを調整する必要があるチャネル信号を目標チャネル信号として決定するとともに、目標チャネル信号の初期残響ゲインパラメータを調整するように構成される。
この出願では、識別情報を使用することによってその初期残響ゲインパラメータを調整する必要があるチャネル信号が決定されることができ、また、チャネル信号に関して残響処理が実行される前にチャネル信号の初期残響ゲインパラメータが調整され、それにより、残響処理後に得られるチャネル信号の品質が向上される。
復号器1300が図7におけるマルチチャネル信号復号化方法に対応してもよく、また、復号器1300が図7におけるマルチチャネル信号復号化方法を実行してもよいことが理解されるべきである。
随意的に、一実施形態において、プロセッサ1320は、具体的には、目標減衰係数を決定するとともに、目標減衰係数に基づいて目標チャネル信号の初期残響ゲインパラメータを調整して、目標チャネル信号の目標残響ゲインパラメータを取得するように構成される。
随意的に、一実施形態において、プロセッサ1320は、具体的には、目標減衰係数として事前設定減衰係数を決定するように構成される。
随意的に、一実施形態において、プロセッサ1320は、具体的には、ビットストリームに基づいて目標減衰係数を取得するように構成される。
随意的に、一実施形態において、プロセッサ1320は、具体的には、ビットストリームから第1のチャネル信号と第2のチャネル信号との間のチャネル間レベル差を取得するとともに、チャネル間レベル差に基づいて目標減衰係数を決定する、又は、チャネル間レベル差とダウンミックス信号とに基づいて目標減衰係数を決定するように構成される。
随意的に、一実施形態では、目標減衰係数が複数の減衰係数を含み、複数の減衰係数のそれぞれが目標チャネル信号の少なくとも1つのサブバンドに対応し、また、任意のサブバンドが1つの減衰係数のみに対応する。
当業者であれば気付くように、この明細書中に開示される実施形態に記載されるユニット及びアルゴリズムステップの例と組み合わせて、電子的なハードウェア又はコンピュータソフトウェアと電子的なハードウェアとの組み合わせによって実施形態が実施されてもよい。機能がハードウェアによって果たされるか或いはソフトウェアによって果たされるかどうかは、特定の用途と技術的解決策の設計制約条件とによって決まる。当業者は、それぞれの特定の用途ごとに記載された機能を実施するために異なる方法を使用してもよいが、その実施がこの出願の範囲を超えると見なされるべきでない。
当業者により明確に理解できるように、便宜のため、及び簡単な説明のため、前述のシステム、機器、及びユニットの詳細な作業プロセスに関しては、前述の方法実施形態における対応するプロセスを参照されたく、そのため、ここでは再び詳しく説明しない。
この出願において与えられる幾つかの実施形態では、開示されたシステム、機器、及び方法が他の態様で実施されてもよいことが理解されるべきである。例えば、記載された機器の実施形態は単なる一例にすぎない。例えば、ユニット分割は、単に論理的な機能分割にすぎず、実際の実施では他の分割であってもよい。例えば、複数のユニット又は構成要素が組み合わされ或いは他のシステムに組み込まれてもよく、或いは、幾つかの特徴が無視され又は実行されなくてもよい。また、示された或いは論じられた相互の結合又は直接的な結合又は通信接続は、幾つかのインタフェースを使用することにより実施されてもよい。機器間又はユニット間の間接的な結合又は通信接続は、電子的形態、機械的形態、又は、他の形態で実施されてもよい。
別個の部品として説明されるユニットは、物理的に別個であってもよく又は物理的に別個でなくてもよく、また、ユニットとして示される部品は、物理的なユニットであってもなくてもよく、1つの位置に位置されてもよく、又は、複数のネットワークユニットに分布されてもよい。ユニットの一部又は全部は、実施形態の解決策の目的を達成するように実際の要件に基づいて選択されてもよい。
また、この出願の実施形態における機能ユニットが1つの処理ユニットに組み込まれてもよく、又は、ユニットのそれぞれが物理的に単独で存在してもよく、又は、2つ以上のユニットが1つのユニットに組み込まれてもよい。
機能がソフトウェア機能ユニットの形態で実施されるとともに独立した製品として販売され或いは使用される場合には、機能がコンピュータ可読記憶媒体に記憶されてもよい。そのような理解に基づき、本質的にこの出願の技術的解決策、又は、従来技術に寄与する部分、又は、技術的解決策の一部は、ソフトウェアプロダクトの形態で実施されてもよい。コンピュータソフトウェアプロダクトは、記憶媒体に記憶されるとともに、この出願の実施形態に記載される方法のステップの全部又は一部を実行するようにコンピュータデバイス(パーソナルコンピュータ、サーバ、ネットワークデバイス等であってもよい)に指示するための幾つかの命令を含む。前述の記憶媒体は、プログラムコードを記憶できる任意の媒体、例えば、USBフラッシュドライブ、除去可能なハードディスク、リード・オンリー・メモリ(Read-Only Memory、ROM)、ランダム・アクセス・メモリ(Random Access Memory、RAM)、磁気ディスク、又は、光ディスクを含む。
前述の説明は、単にこの出願の特定の実施態様にすぎず、この出願の保護範囲を限定しようとするものではない。この出願に開示される技術的範囲内で当業者により容易に考え出されるいかなる変形も置換も、この出願の保護範囲内に入るものとする。したがって、この出願の保護範囲は、特許請求項の保護範囲に制約されるものとする。
800 符号器
810 処理ユニット
820 符号化ユニット
900 符号器
910 処理ユニット
920 符号化ユニット
1000 復号号器
1010 取得ユニット
1020 処理ユニット
1100 符号器
1110 メモリ
1120 プロセッサ
1200 符号器
1210 メモリ
1220 プロセッサ
1300 符号器
1310 メモリ
1320 プロセッサ

Claims (10)

  1. マルチチャネル信号における第1のチャネル信号及び第2のチャネル信号を処理することにより、ダウンミックス信号を決定するステップと、
    前記第1のチャネル信号及び前記第2のチャネル信号に関して空間パラメータ解析を実行することにより、初期残響ゲインパラメータを取得するステップと、
    前記第1のチャネル信号と前記ダウンミックス信号との間の第1の相関を取得するステップと、
    前記第2のチャネル信号と前記ダウンミックス信号との間の第2の相関を取得するステップと、
    前記第1の相関及び前記第2の相関に基づいて、識別情報を決定するステップであって、前記識別情報が、目標チャネル信号の前記初期残響ゲインパラメータを調整する必要があることを示し、前記目標チャネル信号が、前記第1のチャネル信号又は前記第2のチャネル信号である、ステップと、
    前記ダウンミックス信号、前記初期残響ゲインパラメータ、及び前記識別情報に基づいて前記第1のチャネル信号及び前記第2のチャネル信号を量子化するステップと、
    量子化された第1のチャネル信号及び量子化された第2のチャネル信号をビットストリームに書き込むステップと、
    を含む、マルチチャネル信号符号化方法。
  2. 前記第1の相関が、前記第1のチャネル信号のエネルギーと前記ダウンミックス信号のエネルギーに基づいて取得され、
    前記第2の相関が、前記第2のチャネル信号のエネルギーと前記ダウンミックス信号の前記エネルギーに基づいて取得される、
    請求項1に記載の方法。
  3. 前記第1の相関及び前記第2の相関に基づいて、識別情報を決定する前記ステップは、
    複数の周波数ビンにおける前記第1のチャネル信号の前記エネルギーと前記ダウンミックス信号のエネルギーとの間の差分値の絶対値を合計することにより、第1の差分値を取得するステップと、
    前記複数の周波数ビンにおける前記第2のチャネル信号の前記エネルギーと前記ダウンミックス信号の前記エネルギーとの間の差分値の絶対値を合計することにより、第2の差分値を取得するステップと、
    前記第1の差分値及び前記第2の差分値に基づいて前記識別情報を決定するステップと、
    を含む、請求項2に記載の方法。
  4. 前記第1の差分値及び前記第2の差分値に基づいて前記識別情報を決定する前記ステップは、
    目標差分値を取得するステップであって、前記目標差分値が、前記第1の差分値と前記第2の差分値とのうち大きい方である、ステップと、
    前記目標差分値に基づいて前記識別情報を決定するステップであって、前記目標チャネル信号が前記目標差分値に対応する、ステップと、
    を含む、請求項3に記載の方法。
  5. 前記第1の差分値及び前記第2の差分値に基づいて目標減衰係数を決定するステップであって、前記目標減衰係数が前記目標チャネル信号の前記初期残響ゲインパラメータを調整するために使用される、ステップと、
    前記目標減衰係数を量子化するステップと、
    量子化された目標減衰係数を前記ビットストリームに書き込むステップと、
    を更に含む、請求項4に記載の方法。
  6. 前記目標減衰係数が複数の減衰係数を含み、前記複数の減衰係数のそれぞれが前記目標チャネル信号の少なくとも1つのサブバンドに対応し、前記目標チャネル信号の任意のサブバンドが1つの減衰係数のみに対応する、請求項5に記載の方法。
  7. 前記ダウンミックス信号の前記エネルギーは、前記第1のチャネル信号の前記エネルギー及び前記第2のチャネル信号の前記エネルギーに基づいて決定される、請求項2から6のいずれか一項に記載の方法。
  8. プログラムを記録したコンピュータ可読記憶媒体であって、前記プログラムが、前記コンピュータに請求項1から7のいずれか一項に記載の方法を実行させる、コンピュータ可読記憶媒体。
  9. コンピュータに請求項1から7のいずれか一項に記載の方法を実行させるように構成された、コンピュータプログラム。
  10. 符号器であって、
    少なくとも1つのプロセッサと、
    前記少なくとも1つのプロセッサによる実行のためのコンピュータ実行可能命令を記憶するメモリであって、前記コンピュータ実行可能命令が、前記少なくとも1つのプロセッサに請求項1から7のいずれか一項に記載の方法を実行するように指示する、メモリと、
    を備える、符号器。
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