JP7428909B2 - 弾球遊技機 - Google Patents

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Description

遊技球が発射される遊技領域を備えた弾球遊技機に関する。
従来、各種の弾球遊技機のうち、いわゆる第1種ぱちんこ遊技機と呼ばれていた遊技機は、遊技盤の略中央に設けられた液晶ディスプレイなどの表示領域に複数の図柄を変動させながら表示する(以下、そうした表示を「図柄変動」または「変動表示」等という)。この遊技機は、複数列の図柄変動を停止させたときの図柄の組合せが特定の態様となった場合に、通常遊技より多くの賞球が得られる、いわゆる大当りと呼ばれる特別遊技へと移行するものとして知られている。表示領域における図柄の変動表示は、単に複数の図柄が変動表示されるだけでなく、いわゆるリーチ画面と呼ばれる状態のように、あと一つ図柄が揃えば大当りとなる状態で変動表示の時間を通常よりも長くする等、遊技者の期待感を高めるための演出が図られている。また、図柄等の画像にキャラクタを用いて変動表示にストーリーを持たせる演出や、特別遊技への移行期待度の高さを予告的に示唆する予告演出によっても遊技者の期待感を高めている(例えば、特許文献1参照)。
特開2003-230714号公報
上述のような構成を採用する遊技機は、従来機種として既に多数存在している。従来機種との差別化を図るために、演出の多様化および適正化が求められている。
本願発明は上記課題に鑑みたもので、演出の多様化および適正化を実現しうる遊技機を提供することを目的とする
本発明のある態様の弾球遊技機は、遊技領域が形成された遊技盤と、遊技領域に設けられる始動口と、始動口への入球を契機として取得した抽選値に基づいて当否判定を実行する当否判定手段と、特別図柄が変動表示され、特別図柄の停止表示により当否判定の結果を示す特別図柄表示装置と、特別図柄表示装置に当否判定の結果が大当りとなることを示す図柄が停止表示された場合、その停止表示後に通常遊技より遊技者に有利な特別遊技を実行可能とする特別遊技制御手段と、演出が表示される演出表示装置と、を備える。特別図柄が変動表示される場合、特別図柄の変動開始から変動停止まで演出表示装置に装飾図柄および簡易図柄が変動表示され、演出表示装置に通常色の演出を表示する第1演出と、演出表示装置に通常色とは異なる特殊色の演出を表示する第2演出とがあり、第1演出に重畳して変動表示される装飾図柄の表示色は、第2演出に重畳して変動表示される装飾図柄の表示色と異なり、第1演出に重畳して変動表示される簡易図柄の表示色は、第2演出に重畳して変動表示される簡易図柄の表示色と共通である。
なお、以上の構成要素の任意の組合せや、本発明の構成要素や表現を方法、装置、システム、コンピュータプログラム、コンピュータプログラムを格納した記録媒体、データ構造などの間で相互に置換したものもまた、本発明の態様として有効である。
本発明のある態様によれば、演出の多様化および適正化を実現しうる遊技機を提供できる。
ぱちんこ遊技機の前面側における基本的な構造を示す図である。 ぱちんこ遊技機の背面側における基本的な構造を示す図である。 ぱちんこ遊技機の機能ブロックを示す図である。 メイン基板の機能構成を示すブロック図である。 当否判定テーブルを模式的に示す図である。 設定値ごとの当否抽選値の範囲設定を模式的に示す図である。 図柄判定テーブルを模式的に示す図である。 変動パターンテーブルを模式的に示す図である。 事前当否判定で参照される事前当否判定テーブルを模式的に示す図である。 遊技設定に対応した事前当否判定テーブルを模式的に示す図である。 サブ基板の構成を示すブロック図である。 携帯連携システムの概略を模式的に示す図である。 メイン基板およびサブ基板のハードウェア構成を概略的に示すブロック図である。 演出制御装置のハードウェア構成を概略的に示すブロック図である。 ぱちんこ遊技機におけるメイン基板の制御開始処理を示すフローチャートである。 図15におけるS124の設定変更処理を詳細に示すフローチャートである。 図15におけるS126の設定確認処理を詳細に示すフローチャートである。 図15におけるS120のメイン処理を詳細に示すフローチャートである。 割込処理の詳細を示すフローチャートである。 ぱちんこ遊技機におけるサブ基板の制御開始処理を示すフローチャートである。 図20におけるS518のメイン処理を詳細に示すフローチャートである。 メイン基板からコマンドを受信した場合の割込処理を示すフローチャートである。 演出表示制御のためのタイマ割込が発生した場合の割込処理を示すフローチャートである。 サブCPUが制御CPUからコマンドを受信した場合の割込処理を示すフローチャートである。 各種デバイス制御のためのタイマ割込が発生した場合の割込処理を示すフローチャートである。 特別図柄変動表示の過程を示すフローチャートである。 装飾図柄変動表示の過程を示すフローチャートである。 特別遊技の過程を示すフローチャートである。 小当り遊技の過程を示すフローチャートである。 演出表示装置の画面例を示す図である。 画面変形演出におけるフレーム画像の収縮の例を模式的に示す図である。 画面変形演出におけるフレーム画像の揺動の例を模式的に示す図である。 画面変形演出における演出画面のレイヤー構造を模式的に示す図である。 画面変形演出と同時並行的に実行される可動役物演出の過程を模式的に示す図である。 フレームバッファを分割した複数のバッファ領域を模式的に示す図である。 フレーム画像の表示サイズとフレームバッファ領域の容量の関係を模式的に示す図である。 バッファ領域に格納されたフレーム画像を変形させる過程を模式的に示す図である。 第3の特殊演出パターンの画面例を示す図である。 第3の特殊演出パターンにおいてバッファ領域を使用する過程を模式的に示す図である。 スロットマシンの外面における基本的な構造を示す斜視図である。 筐体扉部を開放したときに露出する筐体扉部の背面図である。 筐体扉部を開放したときに露出する筐体基部の内部構成を示す正面図である。 リールの図柄配列を示す図である。 スロットマシンの機能ブロック図である。 スロットマシンにおける基本的な遊技の流れを示すフローチャートである。 主制御装置および副制御装置のハードウェア構成を概略的に示すブロック図である。 演出表示制御部のハードウェア構成を概略的に示すブロック図である。 スロットマシンにおける主制御装置の主なプログラム制御処理を示すフローチャートである。 主制御装置におけるタイマ割込処理を示すフローチャートである。 高確率状態かつ入球容易状態に移行後の遊技状態の遷移を示す。 特別図柄の変動開始処理の一例を示すフローチャートである。 特別図柄の図柄停止処理の一例を示すフローチャートである。 実施例に係る遊技フローを示す図である。 変動演出の過程の一例を示す図である。 演出態様の切替タイミングの一例を示す図である。 操作指示演出を契機とする第1演出の実行過程の一例を示す図である。 操作指示演出を契機とする第2演出の実行過程の一例を示す図である。 オープニング演出の実行過程の一例を示す図である。 オープニング演出の実行過程を一例を示す図である。 通常色の変動演出の実行過程の一例を示す図である。 特殊色の変動演出の実行過程の一例を示す図である。 役物作動演出の実行過程の一例を示す図である。 示唆演出の実行態様が選択可能となる演出過程の一例を示す図である。 回数増加演出の実行過程の一例を示す図である。 個別演出の実行過程の一例を示す図である。 潜伏モードに移行された場合の変動パターン選択状態の遷移過程の一例を示す図である。 入球容易状態に関する試験信号および外端信号の出力の一例を示す図である。 入球容易状態に関する試験信号および外端信号の出力の一例を示す図である。
(前提技術1)
本実施例のぱちんこ遊技機においては、従来にいう第1種ぱちんこ遊技機に相当する遊技が複数混在する。その複数の遊技としての第1の遊技と第2の遊技とが、同時に実行されないよう第2の遊技が優先的に実行される。またこれらの遊技性を両立させるために、複数の始動入賞口、複数の特別図柄表示装置、複数の保留ランプを備える。第1の遊技における大当りの出玉より、第2の遊技における大当りの出玉の方がおおむね多くなるように設計される。例えば、第2の遊技の方が確変を伴う大当りとなる確率が高く、また、第2の遊技の方が大当りした際の特別遊技を構成する単位遊技数が多い(大入賞口の開放時間が長い長開放単位遊技と開放時間が短い短開放単位遊技とが一つの特別遊技中に混在し、同一単位遊技数であっても第2の遊技の方が第1の遊技よりも長開放単位遊技の数が多い場合を含む)など、第2の遊技の方が第1の遊技より相対的に利益が高くなる設計がされている。その上で、最初は第1の遊技にて初当りを狙い、第1の遊技における大当りで時短が付与された後は第2の遊技を繰り返し狙って多くの出玉を得る、という遊技性を実現する。
図1は、ぱちんこ遊技機の前面側における基本的な構造を示す。ぱちんこ遊技機100は、主に遊技機枠と遊技盤で構成される。ぱちんこ遊技機100の遊技機枠は、外枠101、前枠102、透明板103、扉104、上球皿105、下球皿106、発射ハンドル107、スピーカー108、演出ボタン109、十字キー110、装飾ランプ111を含む。外枠101は、開口部分を有し、ぱちんこ遊技機100を設置すべき位置に固定するための枠体である。前枠102は、外枠101の開口部分に整合する枠体であり、図示しないヒンジ機構により外枠101へ開閉可能に取り付けられる。前枠102は、遊技球を発射する機構や、遊技盤を着脱可能に収容させるための機構、遊技球を誘導または回収するための機構等を含む。
透明板103は、ガラスなどにより形成され、扉104により支持される。扉104は、図示しないヒンジ機構により前枠102へ開閉可能に取り付けられる。上球皿105は、遊技球の貯留、発射レールへの遊技球の送り出し、下球皿106への遊技球の抜き取り等をする機構を有する。下球皿106は、遊技球の貯留、抜き取り等の機構を有する。扉104の上部には左右にスピーカー108が設けられており、演出を制御する手段によって遊技状態や演出などに応じた効果音や楽曲の音声を出力する。扉104の外観を構成する樹脂部材の大部分が半透明であり、その透過する内部に装飾ランプ111が設けられる。装飾ランプ111は、演出を制御する手段によって遊技状態や演出などに応じた様々な色で発光するLEDであり、点滅等することで演出の役割を果たす。
遊技盤80は、レール82により区画された遊技領域81上に、第1始動口11、第2始動口12、大入賞口20、第1作動口31、第2作動口32、一般入賞口33、アウト口34、演出表示装置60、センター飾り64を含む。センター飾り64は、遊技領域81の略中央部とその上部および右部にわたって演出表示装置60の画面枠を形成するように設けられる装飾的な樹脂部材であり、遊技球の流路、演出表示装置60の保護、装飾等の機能を有する。センター飾り64の下部には流入した遊技球が転動するステージ65が形成され、その転動の仕方によってステージ65からの落下方向は第1始動口11へ入球する方向と第1始動口11に入球しない側方の方向とに振り分けられる。センター飾り64の上部には、演出内容に沿って駆動されて演出的な動作をする可動役物66が設けられる。遊技領域81には、遊技球の流路を形成するための図示しない複数の遊技釘や風車などの機構が設置される。なお、本明細書において「入球」「入賞」「落入」は相互に同義としてもよい。また、各入賞口や各入球口は、遊技球が通過するタイプの「通過口」(「ゲート」や「スルーチャッカー」等とも呼ぶ)で構成される場合があってもよく、「入球」「入賞」「落入」と「通過」もまた相互に同義としてもよい。
第1始動口11は第1の遊技に対応する始動入賞口として設けられ、第2始動口12は第2の遊技に対応する始動入賞口として設けられる。第1始動口11と第2始動口12は、遊技者の意思にしたがった遊技球の発射強弱によって一方への入球を狙うことが可能となるように構成される。第1始動口11は、遊技領域81における略中央下部に設けられ、第2始動口12は、第1始動口11の直下に設けられる。左打ち、すなわちセンター飾り64の左側通路へ流れるように狙って相対的に弱めに打球した場合は第1始動口11および第2始動口12に入球可能ないし入球容易である一方、右打ち、すなわちセンター飾り64の右側通路へ流れるように狙って相対的に強めに打球した場合は第2始動口12には入球可能ないし入球容易であるが第1始動口11には入球不能ないし入球困難となるように遊技釘の配置による流路が形成される。ただし、通常時には第2始動口12の開口部上方が第1始動口11に覆われて遊技球の流入が妨げられることから、第2始動口12の拡開機構が開放されない限り第2始動口12には入球不能ないし入球困難である。当否抽選は、通常遊技より遊技者に有利な状態である特別遊技へ移行するか否かを判定する抽選であり、第1始動口11または第2始動口12へ入球があるたびに実行される。
なお、第1始動口11および第2始動口12は、遊技球の発射強弱によっていずれかを目標にした打ち分けが可能な程度に互いに離れた位置に設けられてもよい。第1始動口11と第2始動口12は、それぞれ遊技領域81の左側と右側に離して設置され、一方を狙った遊技球が他方へ入球しがたい構成としてもよい。たとえば、第1始動口11は、左打ち、すなわちセンター飾り64の左側通路へ流れるように狙って比較的弱めに発射したときに入球可能ないし入球容易となるような位置に設けられる。第2始動口12は、右打ち、すなわちセンター飾り64の右側通路へ流れるように狙って比較的強めに発射したときに入球可能ないし入球容易となるような位置に設けられる。
第1始動口11は、第1始動入賞検出装置16を備える。第1始動入賞検出装置16は、第1始動口11への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す第1始動入賞情報を生成する。第2始動口12は、第2始動入賞検出装置17と、拡開機構である普通電動役物90(いわゆる電動チューリップ)と、普通電動役物90を開閉させるための普通電動役物ソレノイド91を備える。第2始動入賞検出装置17は、第2始動口12への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す第2始動入賞情報を生成する。
第1作動口31は、遊技領域81の左側方位置に設けられ、第1通過検出装置36を含む。第1通過検出装置36は、第1作動口31への遊技球の通過を検出するセンサであり、通過時にその通過を示す通過情報を生成する。第2作動口32は、遊技領域81の右側方位置に設けられ、第2通過検出装置37を含む。第2通過検出装置37は、第2作動口32への遊技球の通過を検出するセンサであり、通過時にその通過を示す通過情報を生成する。第1作動口31または第2作動口32への遊技球の通過は普通電動役物90を拡開させるか否かを決定する開放抽選の契機となる。第1作動口31または第2作動口32を遊技球が通過すると、開放抽選の判定結果を示す図柄である普通図柄が普通図柄表示部45に変動表示される。したがって、開放抽選は「普通図柄抽選」とも呼ぶ。変動開始から所定時間の経過後に、普通図柄の変動表示が停止する。普通図柄が当りの図柄で停止すると、普通電動役物ソレノイド91の駆動力により普通電動役物90が拡開され、第2始動口12への入球可能性が高まる。なお、変形例として作動口の個数を1個とし、遊技領域81の左側方位置に設ける構成としてもよい。
3つの一般入賞口33は、遊技球の入球を検出するための一般入賞検出装置38をそれぞれ備える。一般入賞検出装置38は、一般入賞口33への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す一般入賞情報を生成する。
大入賞口20は、遊技球の入球を検出するための大入賞検出装置25と、大入賞口20を開閉させるための大入賞口ソレノイド92を備える。大入賞検出装置25は、大入賞口20への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す大入賞口入賞情報を生成する。大入賞口20は、第1特別図柄51または第2特別図柄52が所定の態様にて停止したときに「大当り」として開放状態となる横長方形状の入賞口である。大入賞口20はアウト口34の右上方の位置に設けられる。なお、変形例として大入賞口を遊技領域81の中央下部や大入賞口20の上方または下方にさらにもう一つ設け、複数の大入賞口が設けられる構成としてもよい。アウト口34は、各入賞口のいずれにも入球しなかった遊技球が排出される排出口であり、アウト検出装置39を備える。アウト検出装置39は、アウト口34を通過して排出される遊技球を検出するセンサであり、検出時にその検出を示す排出情報を生成する。アウト口34は、各入賞口のいずれにも入球しなかった遊技球がすべて誘導されて通過し得るよう、遊技領域81の中央最下端部に設けられる。アウト口34の球詰まりを防止するために十分な幅の遊技球通路を確保しつつ、アウト検出装置39を複数個並べて設ける仕様としてもよい。
遊技盤80における遊技領域81の外側下方に、図柄等表示ユニット120が配置される。図柄等表示ユニット120には、第1特別図柄表示部41、第2特別図柄表示部42、第1特図保留表示部71、第2特図保留表示部72、普通図柄表示部45、普図保留表示部75、遊技状態表示部76、異常報知部77等の各表示部が設けられる。具体的には、第1の遊技に対応する第1特別図柄表示部41と第2の遊技に対応する第2特別図柄表示部42とが左側下位置に左右に並設され、第1特別図柄51および第2特別図柄52の変動が表示される。
第1特別図柄51は、第1始動口11への遊技球の入球を契機とする第1当否抽選の判定結果に対応した図柄であり、所定の当り態様にて停止されたときに特別遊技としての大当りが発生する。第2特別図柄52は、第2始動口12への遊技球の入球を契機とする第2当否抽選の判定結果に対応した図柄であり、所定の当り態様にて停止されたときに特別遊技としての大当りが発生する。第1特別図柄表示部41および第2特別図柄表示部42は、例えば「8の字」を形成する7個のセグメントおよび「ドット」を表す1個のセグメントの8個のセグメントからなる8セグメントLEDの表示装置である。8セグメントLEDでは、8個のセグメントを組み合わせることにより8ビット分の数値を表現できる。セグメントの組合せで表される第1特別図柄51および第2特別図柄52は、必ずしも文字や数字の体をなしておらず、各セグメントの組合せで形成される一般に意味を持たない記号であってよい。これらの記号が高速で次々に入れ替わって第1特別図柄表示部41および第2特別図柄表示部42へ表示され、または、所定の表示(例えば「-」)と非表示(例えば全消灯)とが所定時間繰り返された後に判定結果に対応した図柄が表示されることにより、第1特別図柄51および第2特別図柄52の図柄変動表示が実現される。なお、第1特別図柄表示部41および第2特別図柄表示部42を8セグメントLEDではないLEDドットアレーを用いて、その点灯パターンや点灯色の組合せで複数種類の第1特別図柄51および第2特別図柄52を表現してもよい。
また、第1特別図柄51および第2特別図柄52は必ずしも演出的な役割をもつことを要しないため、本実施例では遊技領域81の左下方の第1特別図柄表示部41および第2特別図柄表示部42にて目立たない大きさで表示させる。ただし、特別図柄自体に演出的な役割をもたせることで装飾図柄を用いずに表現する手法を採用する場合には、特別図柄を8セグメントLEDではなく、例えば液晶ディスプレイ等の他の表示装置に表示させる構成としてもよい。
第1特別図柄表示部41の上方には第1の遊技に対応する特別図柄変動の保留ランプとして第1特図保留表示部71が設けられ、第2特別図柄表示部42の上方には第2の遊技に対応する特別図柄変動の保留ランプとして第2特図保留表示部72が設けられる。第1特図保留表示部71は2個のランプからなり、その点灯個数または点滅個数によって第1の遊技における当否抽選値の保留されている数(以下、当否抽選値の保留されている数を単に「保留数」ともいう)を表示する。第1特図保留表示部71における保留数は、第1特別図柄51の変動中または特別遊技の実行中に第1始動口11へ入賞したことに基づいて抽選値を取得した回数(個数)であり、図柄変動がまだ実行されていない入賞球の数を示す。第2特図保留表示部72も2個のランプからなり、その点灯個数または点滅個数によって第2の遊技における保留数を表示する。第2特図保留表示部72における保留数は、第2特別図柄52の変動中または特別遊技の実行中に第2始動口12へ入賞したことに基づいて抽選値を取得した回数(個数)であり、図柄変動がまだ実行されていない入賞球の数を示す。当否抽選値の保留数は、演出表示装置60の画面下部にも保留ランプ画像の点灯個数で表す形で表示される。
図柄等表示ユニット120における右側には、普通図柄表示部45が設けられる。普通図柄表示部45は、便宜上、二つのランプで構成されるとともに、それらの点灯組合せによって普通図柄の表示状態が表現される。まず、第1のランプと第2のランプを同時に点滅表示させることにより普通図柄の変動が表現され、最終的には第1のランプと第2のランプの点灯状態の組合せで普通図柄の停止図柄が表現される。例えば、第1のランプの点灯と第2のランプの消灯で外れの停止図柄が表現され、第1のランプの消灯と第2のランプの点灯で第1の当り態様が表現され、第1のランプと第2のランプの両方の点灯で第2の当り態様が表現される。
また、普通図柄表示部45の右側には普通図柄変動の保留ランプとして普図保留表示部75が設けられる。普図保留表示部75もまた2個のランプからなり、その点灯個数または点滅個数によって普通図柄変動の保留数を表示する。普通図柄変動の保留数は、普通図柄の変動中に第1作動口31または第2作動口32を通過した遊技球の個数であり、普通図柄の変動がまだ実行されていない普通図柄抽選の数を示す。
なお、図柄等表示ユニット120には遊技状態表示部76、異常報知部77が設けられている。遊技状態表示部76は、後述する特定遊技状態等の遊技状態に対応した表示をする表示部であり、例えば1つのランプと1つの7セグメントLEDで構成される。例えば、確率変動中の場合にランプを点灯表示、入球容易状態中の場合に点滅表示、通常状態の場合に消灯表示することにより各遊技状態を報知し、特別遊技の実行中は7セグメントLEDによりその特別遊技で実行する単位遊技数(ラウンド数)を表示する。異常報知部77は、遊技機の一部の異常を報知する表示部であり、例えば複数のランプで構成され、異常の種類に応じた点灯パターンにより異常を報知する。なお、これらの表示部を図柄等表示ユニット120に集約配置せず、各表示部を個別に構成してもよいし、または、適宜まとめた複数の表示装置に分けて構成してもよい。また、特定遊技状態等の遊技状態の報知は、例えば電源断から復帰した後の一定時間といった所定期間に限りなされるよう構成してもよい。
遊技領域81の略中央にはセンター飾り64により形成される画面枠から画面が露出するように演出表示装置60が設けられ、第1特別図柄51または第2特別図柄52に連動する装飾図柄61を含む演出画像の変動を表示する。以下、そうした表示を「図柄変動」または「変動表示」等という。
演出表示装置60は、第1特別図柄51または第2特別図柄52の変動表示と連動する形で装飾図柄61を変動表示する液晶ディスプレイで構成される表示装置である。装飾図柄61は、第1特別図柄51および第2特別図柄52で示される抽選の判定結果表示を視覚的に演出するための図柄である。演出表示装置60は、装飾図柄61として、例えばスロットマシンのゲームを模した複数列の図柄を変動させる動画像を画面の中央領域に表示する。本実施例においては、「0」~「9」の数字で構成される図柄を3列に表示して変動させ、最終的に停止表示される3個の図柄組合せによって当りまたは外れを示す。装飾図柄61を構成する複数図柄のそれぞれは、色彩や模様の装飾が施された数字、文字、または記号で構成されるが、これら数字、文字、記号に対して全図柄に共通する絵柄または図柄ごとに異なる絵柄を加えて一体化させる形で構成されてもよい。この絵柄は、ぱちんこ遊技機100の当該機種に設定された装飾または演出のテーマに関連するモチーフが描かれた絵柄であり、例えば人物や動物のキャラクタが描かれた絵柄であってもよい。装飾図柄61は、絵柄が一体的に含まれる図柄が変動表示される場合と、絵柄が分離して数字、文字、記号の部分のみが変動表示される場合とが、演出の展開に沿って切り替えられる構成であってもよい。装飾図柄61の変動表示の背景には、ぱちんこ遊技機100の当該機種に設定された装飾または演出のテーマに関連する演出的効果を有する動画像が図柄変動と連動して表示される。
演出表示装置60は、高精細なドットマトリクス型表示装置である液晶ディスプレイで構成されるが、その表示領域の横幅は遊技領域の横幅の半分程度であってもよいし、半分を超える大型サイズであってもよい。大型サイズの場合、演出表示装置の右側の遊技球通路は遊技球1個が通過できる程度の通路幅にて形成され、遊技者はいわゆる「右打ち」として最大強度で打ち出せばほぼ確実に右側通路へ遊技球を通過させることができ、いわゆる「左打ち」との打ち分けができる。演出表示装置60は、単一の表示装置で構成される場合だけでなく、複数の表示装置の組合せで構成されてもよい。複数の場合、メイン液晶とサブ液晶の組合せといった大小異なる大きさのディスプレイを組み合わせてもよく、サブ液晶はメイン液晶に隣接する位置に配置されてもよいし、遊技盤以外の位置、例えば発射ハンドルの近傍(上球皿、右側装飾ランプなど)に設置されてもよい。発射ハンドルの近傍に設置される場合、遊技者が操作入力可能なタッチパネルの形で構成されてもよい。演出表示装置60は、液晶ディスプレイに限らず、有機ELディスプレイなどの表示装置で構成されてもよいし、ドラム回転式などの機械的表示手段やLEDマトリクス式などの表示手段で構成されてもよい。
演出ボタン109は、遊技者が演出内容に応じて遊技機へ所定の指示を入力するために押下する操作入力手段であり、その押下態様に応じて演出内容等に変化が加えられる。演出ボタン109は、前枠102に設けられる。演出ボタン109は、通常、前枠102内に格納されているが、演出ボタン109の裏側には棒状の部材が取り付けられており、棒状の部材と演出ボタン109とを盤面に略垂直な方向に突出させることができるように設けられる。棒状の部材と演出ボタン109は、外部に突出した状態において演出レバー112として機能し、遊技者は演出ボタン109を握持して演出レバー112を下方へ引くことができるようになっている。これによっても、遊技者が遊技機へ所定の指示を入力することができる。十字キー110は、遊技者が遊技機へ方向指示を入力する操作入力手段であり、上球皿105の左方の外壁面に設けられる。
以上のような構成の遊技機においてなされる遊技の方法および制御の流れを概説する。遊技者が発射ハンドル107を手で回動させると、その回動角度に応じた強度で上球皿105に貯留された遊技球が1球ずつレール82に案内されて遊技領域81へ発射される。遊技者が発射ハンドル107の回動位置を手で固定させると一定の時間間隔で遊技球の発射が繰り返される。遊技領域81の上部へ発射された遊技球は、複数の遊技釘や風車、センター飾り64等に当たりながらその当たり方に応じた方向へ落下する。遊技球が一般入賞口33、第1始動口11、第2始動口12、大入賞口20の各入賞口へ落入すると、その入賞口の種類に応じた賞球が上球皿105または下球皿106に払い出される。一般入賞口33等の各入賞口に落入した遊技球はセーフ球として処理され、アウト口34に落入した遊技球はアウト球として処理される。セーフ球の排出はアウト検出装置39による検出の対象外とする仕様としてもよいし、セーフ球もアウト検出装置39が設けられた領域に誘導してその排出をすべてアウト検出装置39により検出する仕様としてもよい。あるいは、セーフ球の誘導およびアウト検出装置39によるセーフ球の検出はせず、セーフ球の検出球数をアウト球の検出球数に加算した合計を排出球数とする仕様としてもよい。
また、第1作動口31または第2作動口32を遊技球が通過すると、普通図柄表示部45において普通図柄が変動表示され、表示に先だって決定された変動表示時間の経過後に停止表示される。普通図柄が第1の当り態様または第2の当り態様で停止表示された場合、停止表示された図柄の当り態様と停止表示された際の遊技状態に基づいて普通電動役物90を拡開する。すなわち、図柄停止時の遊技状態が通常遊技状態で、普通図柄が第1の当り態様で停止表示した場合には、普通電動役物90の開放として0.1秒間の短開放が実行される。また、特定遊技状態(例えば入球容易状態)時に普通図柄が第1の当り態様で停止表示した場合、通常時および特定遊技状態(例えば入球容易状態)時に普通図柄が第2の当り態様で停止表示した場合には、普通電動役物90の開放として6秒間の長開放が実行される。ここで、普通図柄の当選確率と長開放の実行確率は、遊技状態によって異なるように設定される。具体的には、通常状態における開放抽選では、1/100の確率で普通図柄が当りとなり、その場合の短開放の実行確率(第1の当り態様の当り図柄が選択される確率)は1/3、長開放の実行確率(第2の当り態様の当り図柄を選択する確率)は2/3に設定される。また、特定遊技状態(例えば入球容易状態)における開放抽選では、99/100の確率で普通図柄が当りとなり、第1の当り態様と第2の当り態様の選択確率は通常遊技状態と変わらないものの、いずれの態様で当選しても長開放が実行されるように設定される。このように入球容易状態では普通図柄の当り確率の変動機能(1/100から99/100に確率変動)と開放時間の延長機能(第1の当り態様で停止表示した場合の開放時間を0.1秒から6.0秒に延長)により、第2始動口12への入球容易性を高めている。なお、普通電動役物90の作動期間を延長させる機能(長開放)を「開放延長」と呼ぶこともある。
なお、上述のように通常状態では長開放となる確率の方が短開放の確率より高い仕様とすることで、普通図柄の当選時には通常状態でも一定の割合で長開放が実行されるようにする。変形例として、通常状態では逆に短開放となる確率の方が長開放の確率より高い仕様としてもよいし、両者の確率を同じにする仕様としてもよいし、必ず短開放となる仕様としてもよい。また、入球容易状態のときには、さらに普通図柄の変動時間の短縮機能を加えた3つの機能を用いて第2始動口12への入球容易性を高める構成としてもよい。その場合の普通図柄の変動時間は、例えば通常状態では10秒間であり、入球容易状態では2秒間である。なお、通常状態における開放抽選の当り確率をゼロ(0/100)に設定し、入球容易状態において開放抽選がなされた場合に限り普通電動役物90が拡開されうる仕様としてもよい。さらに、普通電動役物90が拡開するときはその旨を事前に報知してもよく、普通図柄変動の保留を先読みして普通図柄の変動開始前に報知してもよいし、普通図柄の変動中に報知してもよい。
第2始動口12の普通電動役物90を長開放させるときの開放態様の変形例としては、短開放時より長い2秒開放を3回繰り返すことにより総開放時間を6秒程度にまで長くする態様としてもよい。また、開放時間と開放回数の組合せを複数通り用意し、いずれかを選択する構成としてもよい。例えば2秒開放を3回の場合、6秒開放を1回の場合と比較して総開放時間は同じであるが、インターバル期間も含めると前者は後者より長い。そのため、特に第2始動口12を右打ちの方向に配置する変形例の構成では、開放に気がついた遊技者がその時点から打球方向を第2始動口12に合わせたとして前者の方が入球チャンスが長いともいえる。また、普通図柄の当り種類が複数存在するように構成し、その当り種類に応じて拡開機構の開放態様が異なるようにしてもよい。例えば、普通図柄が第1の当りとなった場合、通常状態では0.1秒開放を1回、入球容易状態では1秒開放を3回とし、第2の当りとなった場合、通常状態では6秒開放を1回、入球容易状態では2秒開放を2回としてもよい。
一方、第1始動口11または第2始動口12に入球すると、第1特別図柄表示部41、第2特別図柄表示部42および演出表示装置60において第1特別図柄51、第2特別図柄52、および装飾図柄61が変動表示される。第1特別図柄51、第2特別図柄52、および装飾図柄61の変動表示は、表示に先だって決定された変動表示時間の経過後に停止される。第1特別図柄51および第2特別図柄52は、その変動開始から停止までの変動態様が定められた変動パターンにしたがって変動表示される。装飾図柄61は、その変動開始から停止までの変動態様が定められた変動演出パターンにしたがって変動表示される。変動パターンおよび変動演出パターンはそれぞれ複数種ずつ用意され、それぞれが長短様々な変動時間をもつ。変動パターンにしたがって第1特別図柄51および第2特別図柄52が変動表示される間、同じ変動時間をもつ変動演出パターンにしたがって装飾図柄61が変動表示される。変動パターンには、その図柄変動の終了条件としてパターンごとに変動表示時間が定められており、その変動表示時間の経過時に第1特別図柄51、第2特別図柄52、および装飾図柄61の変動が停止される。以下、変動演出パターンにしたがって表示される装飾図柄61の変動表示を例示するとともに、変動演出パターンについて簡単に説明する。なお、変動パターンおよび変動演出パターンの決定方法等の詳細は別途説明する。
装飾図柄61の変動表示の一例としては、まず変動開始とともにスロットマシンのリール回転のように3列とも図柄を変動させ、変動終了タイミングへ近づいたときに一列ずつ停止させることで最終的な停止態様としての図柄組合せを表示する。なお、装飾図柄190の変動停止時の動作として、1列ずつではなく複数列同時に停止させるよう制御して変動表示中に装飾図柄以外の演出表示を注目させてもよいし、より短い変動時間で図柄変動を表示できるようにしてもよい。また、装飾図柄190の変動開始時の動作として当該変動におけるその後の展開(演出パターンの種類等)に応じて一部の列の変動開始を遅延させるように制御して、期待感を演出するようにしてもよい。
次に、変動演出パターンについて簡単に説明する。変動演出パターンには、通常外れ演出パターン、リーチ外れ演出パターン、リーチ大当り演出パターンが含まれる。通常外れ演出パターンは、通常の外れの図柄組合せを表示するときの演出パターンである。リーチ外れ演出パターンは、あと一つ図柄が揃えば大当りとなる状態であるリーチ状態を経て外れの図柄組合せを表示するときの演出パターンである。リーチ大当り演出パターンは、リーチ状態を経て大当りの図柄組合せを表示するときの演出パターンである。特に、リーチ状態を経るときのパターンとしては、長短様々な変動時間をもつパターンが含まれ、相対的に変動時間の短いリーチパターンを「ノーマルリーチ」と称し、変動時間の長いリーチパターンを「スーパーリーチ」と称する。通常外れ演出パターン、リーチ外れ演出パターン、リーチ大当り演出パターンは、それぞれ通常状態にて表示する通常のパターンと、時短状態において表示する時短用パターンとがある。ただし、通常状態であっても、第2始動口12への入球に対応する第2図柄変動であった場合は、大当りが確変を伴う確率や特別遊技の単位遊技数が多くなる確率が第1始動口11への入球に対応する第1変動より高いチャンス状態といえるため、相対的に有利な大当りが発生するチャンスであることを表示するチャンス演出用のパターンを用いてもよい。なお、実施例では時短状態において時短用のパターンを用いるが、確変状態では時短を伴うため、確変状態においても時短用パターンが用いられる。ただし、変形例では確変状態において時短用とは異なる確変用のパターンを用いる仕様としてもよい。あるいは、時短用と確変用で共通のパターンを用いる仕様としてもよいし、時短用のパターンは特に用いずに確変状態において確変用のパターンを用いる仕様としてもよい。
なお、当否抽選の保留数が所定数(例えば3個)になると、遊技効率を高めるために外れの場合の図柄変動時間が通常より短縮される(以下、「短縮変動」ともいう)。同様に、当否抽選の保留数が4個になると、さらに遊技効率を高めるために外れの場合の図柄変動時間が上記3個の場合よりもさらに短縮される(以下、「超短縮変動」ともいう)。上述の図柄変動を経て、停止時の第1特別図柄51、第2特別図柄52、および装飾図柄61が大当りを示す停止態様となった場合、通常遊技よりも遊技者に有利な遊技状態である特別遊技に移行し、大入賞口20の開閉動作が開始される。大当りを示す装飾図柄61の停止態様は、例えば3つの図柄の種類が一致する組合せの態様である。
特別遊技には通常特別遊技と短縮特別遊技の2種類があり、それぞれ獲得賞球による利益に大きな差が生じる。通常特別遊技は、開始デモ時間と呼ばれる演出画面の表示によって開始される。開始デモ時間の画面表示後に大入賞口20が開放され、その開放が約30秒間続いた後、または9球以上の遊技球が落入した後で一旦閉鎖される。このような大入賞口20の開放から閉鎖までが、基本的には単位遊技と呼ばれるが、1回の単位遊技の間に複数回の短時間の開放を繰り返す場合があってもよい。大入賞口20の開閉ないし単位遊技が所定回数、例えば4回または10回繰り返された後、終了デモ時間と呼ばれる演出画面の表示によって通常特別遊技が終了される。通常特別遊技においては、1回の単位遊技あたり9球以上の入球が十分に期待でき、10回分の単位遊技によって十分な賞球(これを「出玉」ともいう)を獲得でき、大きな利益が得られる。10回の単位遊技が繰り返される特別遊技を適宜「10R大当り」とも称し、4回の単位遊技が繰り返される特別遊技を適宜「4R大当り」とも称する。なお、単位遊技は10回繰り返されるものの、一部の単位遊技で大入賞口20を通常よりも短い時間(例えば1.6秒)開放させることで実質的に少数回の単位遊技が繰り返されたものと同様の通常特別遊技(「実質nR大当り」と称する場合もある)を実現することもできる。
一方、短縮特別遊技は、開始デモ時間および終了デモ時間が短く、または、ほとんどなく(0.1秒など)、1回の単位遊技で大入賞口20を1.6秒間だけ開放させる。この単位遊技を2回繰り返して短縮特別遊技が終了される。短縮特別遊技では、ごく短時間の大入賞口20の開放を2回繰り返すだけであるため、大入賞口20にはほとんど入球し得ず、実質的に出玉がほぼゼロまたは少数(例えば数球~数10球程度など、1ラウンドに1~2球程度までの入球に応じた払出数)に等しい特別遊技である。2回の単位遊技が繰り返される特別遊技を適宜「2R大当り」とも称する。なお、単位遊技の回数は通常特別遊技と同じものの、全ての単位遊技で大入賞口20を通常よりも短い時間開放させることで短縮特別遊技を実現することもできる。
また、上述の図柄変動を経て、停止時の第1特別図柄51または第2特別図柄52および装飾図柄61が所定の小当り態様であった場合、1回の単位遊技で構成される小当り遊技に移行し、大入賞口20の開閉動作が実行される。小当り遊技を構成する1回の単位遊技においては、大入賞口20が約1.6秒間だけ開放され、外観上は2R大当りと近似する動作態様となる。
特別遊技が発生した場合であってそのときの当り停止図柄が特定の態様(例えば「777」)であった場合、特別遊技の終了後に特定遊技の一つである確変がさらに開始される。確変中は、通常の確率状態より当りの確率が高い当否抽選が行われ、比較的早期に新たな特別遊技が発生し得る。なお、当否抽選の判定結果が特定大当り、すなわち確変を伴う大当りであったことは外観上明示せず、装飾図柄や演出内容として明示的に報知しない潜伏確変状態としてもよい。その場合、確変中であっても確変であるか非確変であるかが演出表示装置60には明示されない。なお、所定条件が成立した場合に確変であるか非確変であるかを演出表示装置60に明示してもよい。
特別遊技が終了した後の通常遊技において特定遊技状態の一つである入球容易状態が開始される。入球容易状態では、開放抽選の当り確率を通常より高めるとともに、普通電動役物90の拡開時間を長開放とする開放延長を実行する。一定時間あたりの普通図柄の当り回数が増加し得る上、第2始動口12への入球容易性も増すため、第2始動口12への入球数が増加する可能性も高い。したがって、第2始動口12への入球による賞球を得られる機会が増加する結果、持ち玉をほとんど減らさないか、あるいは少しずつ持ち玉を増やしながら遊技し続けることが可能となる。
入球容易状態においては、特定遊技状態の一つとして、第1特別図柄51、第2特別図柄52、装飾図柄61の変動時間が通常状態よりも短縮される、いわゆる時短がさらに実行される。第1特別図柄51、第2特別図柄52、装飾図柄61の変動時間は、所定の変動回数、例えば100回の変動表示がなされた後で元の変動時間に戻されるが、その変動回数に達する前に大当りが発生すれば時短もいったん終了する。時短において第1特別図柄51、第2特別図柄52、装飾図柄61の変動時間が短縮されるため、通常の変動時間のまま図柄変動がなされる通常状態の場合と比べて、大当りが発生するまでの時間を短縮することができ、大当りの獲得容易性を相対的に高めることができる。変形例では、入球容易状態において特別図柄の時短を実施しない仕様としてもよい。
図2は、ぱちんこ遊技機の背面側における基本的な構造を示す。電源スイッチ150は、ぱちんこ遊技機100の電源をオンオフするスイッチである。メイン基板200は、ぱちんこ遊技機100の全体動作を制御し、とくに第1始動口11、第2始動口12へ入賞したときの抽選等、遊技動作全般を処理する。サブ基板300は、液晶ユニット151を備え、演出表示装置60における表示内容を制御し、特にメイン基板200による判定結果に応じて演出的な表示内容を変動させる。裏セット機構152は、賞球タンク153や賞球の流路、賞球を払い出す払出装置154等を含む。払出装置154は、各入賞口への入賞に応じて賞球タンク153から供給される遊技球を上球皿105へ払い出す。払出制御基板155は、払出装置154による払出動作を制御する。発射装置156は、上球皿105の貯留球を遊技領域81へ1球ずつ発射する。発射制御基板157は、発射装置156の発射動作を制御する。電源基板158は、ぱちんこ遊技機100の各部へ電力を供給する。メイン基板200の基板上には、性能表示部159が設けられる。性能表示部159は、セーフ球とアウト球の合計である発射球総数に対する総賞球数の比率を、例えば4桁の数字を表示する4つの7セグメントLEDで構成される。
メイン基板200の基板上には、設定変更装置170が設けられる。設定変更装置170は、複数の遊技仕様に対応する複数の設定(遊技設定ともいう)のいずれかに設定を変更するための装置である。遊技設定として例えば6段階の設定(設定1~設定6)が用意され、遊技設定に応じて大当りとなる確率を異ならせることができる。具体的には、設定1から設定6のうち数値が大きいほど遊技者に有利な遊技仕様にでき、設定1から設定6までの大当り確率のそれぞれをM1~M6とした場合、M1≦M2≦M3≦M4≦M5≦M6となるように各設定の大当り確率を定めることができる。異なる遊技設定に対して異なる大当り確率を割り当てることは必須ではなく、異なる遊技設定間で大当り確率が同一となるようにしてもよい。例えば、設定1から設定6までの全ての遊技設定に対して同一の大当り確率を割り当ててもよい。
設定変更装置170は、遊技店の従業員が持つ設定キーを挿入する設定キーシリンダ171と、複数の遊技設定のいずれかに設定を変更するための設定変更ボタン172と、設定された設定値を点灯表示する設定表示部173と、設定された設定値を記憶する設定メモリとを含む。設定キーシリンダ171は、設定を変更できる状態(以下「設定変更状態」という)や設定を確認できる状態(以下「設定確認状態」という)へ移行するためのターンキー型のスイッチである。まず、電源スイッチ150をオフにし、設定キーシリンダ171に設定キーを挿入して設定キーを回してオン状態にしてから、電源スイッチ150をオンにすると、設定変更状態または設定確認状態へ移行する。設定変更状態へ移行するためには、RAMクリアスイッチ(「RWMクリアスイッチ」と呼称する場合もある)を押下しながら電源スイッチ150をオンにする。一方、設定確認状態へ移行するには、RAMクリアスイッチを押下せずに電源スイッチ150をオンにする。
設定変更状態へ移行した場合、設定表示部173に遊技設定の初期値として設定1を示す「1」の数字が表示され、設定変更ボタン172を押下することで設定を変更できる。設定表示部173は、1桁の数字を表示する7セグメントLEDで構成される。設定変更ボタン172を1回押下するごとに設定表示部173に表示される設定値が1→2→3→4→5→6→1→・・・というように順番に変更される。設定を変更した後に設定キーシリンダ171に挿入した設定キーを元に戻してオフ状態にすると、そのときに設定表示部173に表示されている設定値が設定メモリに記憶されて設定変更が確定し、遊技可能な状態となる。一方、設定確認状態へ移行した場合、設定メモリに記憶された設定値が設定表示部173に表示される。設定確認状態では、設定変更ボタン172を押下しても設定表示部173に表示される設定値は切り替わらず、設定を変更することはできない。その後、設定キーシリンダ171に挿入した設定キーを元に戻してオフ状態にすると、遊技可能な状態となる。なお、設定キーをオフ状態にして遊技可能な状態にすると、設定表示部173が消灯し、現在の設定値を視認できない状態となる。
なお、設定変更ボタン172は、RAMクリアスイッチと兼用されてもよい。この場合、設定キーが回されていない状態(設定キーオフ状態)でRAMクリアスイッチが押されたまま電源投入があれば、RAMクリアが実行される。一方、設定キーが回された状態(設定キーオン状態)でRAMクリアスイッチが押されたまま電源投入があれば、RAMクリアの実行とともに設定変更状態へ移行する。また、設定キーオフ状態でRAMクリアスイッチが押されずに電源投入があれば、RAMクリアを伴わない電源復帰となる。一方、設定キーオン状態でRAMクリアスイッチが押されずに電源投入があれば、設定確認状態へ移行する。また、設定表示部173は、性能表示部159と兼用されてもよい。この場合、兼用表示部は、遊技可能状態の場合には性能表示部159として機能し、設定変更状態または設定確認状態の場合には設定表示部173として機能してもよい。その他、設定変更装置170を設けないこととし、遊技設定の変更が不可となるようにしてもよい。
<機能ブロック>
図3は、ぱちんこ遊技機100の機能ブロックを示す。以下、各構成を用いて実現される機能を説明するが、本明細書中では、物理構成と機能構成を整合させるため、例えばメイン基板200、払出制御基板155、発射制御基板157等、物理構成として既に説明している部分については便宜上その用語をそのまま使用する場合がある。
ぱちんこ遊技機100は、遊技機外部から供給される交流電源(AC24V等)に基づいて遊技機内で使用する電源を生成する電源基板158と、遊技の基本動作や遊技の進行を制御する主制御装置としてのメイン基板200と、賞球払出しを制御する枠制御装置としての払出制御基板155と、遊技領域への遊技球の発射を制御する発射制御基板157と、演出的な動作や処理を制御する副制御装置としてのサブ基板300とに機能を分担させた形態で構成される。
メイン基板200は、第1始動口11、第2始動口12、大入賞口20、第1作動口31、第2作動口32、一般入賞口群(第1一般入賞口33a,第2一般入賞口33b)、アウト口34、図柄等表示ユニット120、外部情報出力端子160と電気的に接続されており、各々との間で各種制御信号を送受信する。払出制御基板155は、メイン基板200、発射制御基板157、払出装置154と電気的に接続されている。払出制御基板155は、メイン基板200から送信される賞球払出やメイン基板200の制御状態を示す信号等に基づいて発射の許可信号を発射制御基板157に送信して発射制御基板157を間接的に制御するとともに、払出装置154による賞球の払出を制御する。払出装置154は、払出モータ166と球計数センサ167を含む。発射制御基板157は、払出制御基板155、発射装置156、球送装置164と電気的に接続されており、払出制御基板155から送信される発射の許可信号等に基づいて球送装置164および発射装置156を制御して遊技球を発射させる。サブ基板300は、演出表示装置60、可動役物66(駆動モータ67、位置検出センサ68)、スピーカー108、演出用入力操作装置115(演出ボタン109、十字キー110)、装飾ランプ111と電気的に接続されており、各々との間で各種制御信号を送受信する。
メイン基板200とサブ基板300の間におけるデータの送受信はメイン基板200からサブ基板300への一方向となるよう一方向でのデータ送受信にて全体動作を実現するための各構成がメイン基板200とサブ基板300に配置される。メイン基板200からサブ基板300へのデータ送信の一方向性が保たれるため、サブ基板300に含まれる構成からメイン基板200に含まれる構成へはデータを送信することができず、データ送信の要求もできない。したがって、サブ基板300は、メイン基板200で生成された情報が送信されない限りその情報を参照することはできない。また、メイン基板200と払出制御基板155の間、払出制御基板155と発射制御基板157の間は、双方向でデータ送受信がなされる。ただし、メイン基板200とサブ基板300の間と同様、メイン基板200から払出制御基板155への一方向でのデータ送受信とする構成や、払出制御基板155から発射制御基板157への一方向でのデータ送受信とする構成にしてもよい。
なお、以下に説明するメイン基板200、払出制御基板155、発射制御基板157、サブ基板300に含まれる各機能ブロックはあくまで例示にすぎず、変形例として、一部の機能ブロックが他の基板に搭載されてもよい。例えばメイン基板200に含まれる機能ブロックがサブ基板300に搭載される形で構成してもよいし、発射制御基板157に含まれる機能ブロックが払出制御基板155に搭載される形で構成してもよい。また、例えばメイン基板200に含まれる機能ブロックの一部がメイン基板200に搭載される形で構成してもよいし、残りの部分が払出制御基板155に搭載される等、機能ブロックの一部を複数の基板に分割して設け、全体として1つの機能ブロックが構成されるようにしてもよい。
<メイン基板200>
図4は、メイン基板200の機能構成を示すブロック図である。メイン基板200は、入球判定手段201、性能表示部159、乱数生成手段202、第1抽選手段211、第2抽選手段212、事前判定手段235、普図抽選手段213、保留制御手段240、メイン表示制御手段250、特別遊技制御手段260、小当り遊技制御手段265、特定遊技制御手段270、開閉制御手段275、特図調整手段276、メイン初期処理実行手段280、メイン電断処理実行手段282、メインエラー検出手段284、設定変更手段286、設定確認手段287、コマンド通信手段205を備える。
<入球判定手段201>
入球判定手段201は、各入賞口への遊技球の入球を判定する。入球判定手段201は、第1始動入賞情報を受け取ると遊技球が第1始動口11に入賞したと判断し、第2始動入賞情報を受け取ると遊技球が第2始動口12に入賞したと判断する。入球判定手段201は、大入賞口入賞情報を受け取ると遊技球が大入賞口20に入賞したと判断し、一般入賞情報を受け取ると遊技球が一般入賞口33に入賞したと判断する。入球判定手段201は、通過情報を受け取ると遊技球が第1作動口31または第2作動口32を通過したと判断する。入球判定手段201は、排出情報を受け取ると遊技球がアウト口34を通過したと判断する。入球判定手段201は、セーフ球とアウト球の合計である発射球総数に対する総賞球数の比率を算出して性能表示部159に表示させる。入球判定手段201は、大当りとなる確率が通常確率状態かつ通常入球状態(いわゆる低確率かつ低入球である低低状態)のときの「払出球数」÷「アウト球数」×100の値を性能表示部159に表示させる。したがって、性能表示部159は、低ベース状態でのベースを表示する。
<乱数生成手段202>
乱数生成手段202は、第1抽選手段211、第2抽選手段212、普図抽選手段213での各種決定に用いるための乱数を生成する。具体的には、乱数生成手段202は、第1当否判定手段221、第2当否判定手段222による当否抽選で使用する乱数(「当否抽選値」ともいう)として「0」から「65535」までの範囲の乱数を所定手段により生成する。また、乱数生成手段202は、第1図柄決定手段226、第2図柄決定手段227による図柄決定(図柄抽選)で使用する乱数(「図柄決定抽選値」ともいう)として「0」から「255」までの範囲の乱数を所定手段により生成する。また、乱数生成手段202は、第1変動パターン決定手段231、第2変動パターン決定手段232による変動パターンの決定で使用する乱数(「変動パターン決定抽選値」ともいう)として「0」から「255」までの範囲の乱数を所定手段により生成する。また、乱数生成手段202は、普図抽選手段213による当否抽選で使用する乱数として「0」から「99」までの範囲の乱数を所定手段により生成する。また、乱数生成手段202は、普通図柄の決定の際に使用する乱数として「0」~「2」までの範囲の乱数を所定手段により生成する。なお、ここでいう「乱数」は、乱数生成回路で生成する物理乱数や数学的な意味での真正乱数のほか、16ビットカウンタを利用した乱数や乱数生成アルゴリズムを利用したソフトウェア乱数などの疑似乱数でもよい。またはハードウェア乱数とソフトウェア乱数を組み合わせて生成する乱数でもよい。また、第1抽選手段211および第2抽選手段212で取得する乱数は、同じ生成手段により生成された乱数を取得してもよいし、別の生成手段により生成された乱数を取得してもよい。
<普図抽選手段213>
普図抽選手段213は、第1作動口31または第2作動口32を遊技球が通過したときに、普通図柄の当否抽選に用いる乱数と普通図柄の停止図柄決定に用いる乱数とを乱数生成手段202から取得して抽選を実行する。普図抽選手段213は、普通図柄の当否判定のために参照する普通図柄当否判定テーブル(不図示)と、普通図柄表示部45に表示させる普通図柄の停止図柄決定のために参照する普通図柄判定テーブルとを保持する。普通図柄当否判定テーブルには当否抽選用の抽選値と当りとの対応関係が、普通図柄判定テーブルには停止図柄決定用の抽選値と普通図柄との対応関係がそれぞれ定められており、前述した当り確率と図柄の選択確率に基づいて普通図柄の当否および停止図柄が決定される。普図抽選手段213は、普通図柄の当否抽選用の抽選値が当りに該当する場合、普通図柄判定テーブルを参照して普通図柄の停止図柄を決定し、普通図柄の当否抽選用の抽選値が外れに該当する場合はつねに1の外れ図柄の態様を決定する。普通図柄の当否判定の結果が当りに該当し、普通図柄が所定の図柄(第1の当り態様または第2の当り態様)で停止すると、後述する開閉制御手段275が停止図柄の態様と遊技状態に応じて第2始動口12の普通電動役物90を拡開する。拡開時間は、短開放時が0.1秒で、長開放時で6秒である。普通図柄の抽選値は、後述する保留制御手段240により一時的に保留される。ただし、保留制御手段240により保留される所定の保留上限数を超えない場合にだけ抽選値が保留される。
<第1抽選手段211および第2抽選手段212>
第1抽選手段211は、第1の遊技に係る第1の抽選を実行する機能として、第1抽選値取得手段216、第1当否判定手段221、第1図柄決定手段226、第1変動パターン決定手段231を含み、第1始動口11への入球に対応する当否抽選として第1当否抽選を実行する。第1抽選手段211による各種の抽選結果に基づき、メイン表示制御手段250により第1特別図柄表示部41において第1特別図柄51の変動表示がなされる。また、コマンド通信手段205から送信される情報に基づき、演出表示装置60の表示領域において装飾図柄61の変動表示がなされる。第2抽選手段212は、第2抽選値取得手段217、第2当否判定手段222、第2図柄決定手段227、第2変動パターン決定手段232を含み、第2始動口12への入球に対応する当否抽選として第2当否抽選を実行する。第2抽選手段212による各種の抽選結果に基づき、メイン表示制御手段250により第2特別図柄表示部42において第2特別図柄52の変動表示がなされる。また、コマンド通信手段205から送信される情報に基づき、演出表示装置60の表示領域において装飾図柄61の変動表示がなされる。
<第1抽選値取得手段216および第2抽選値取得手段217>
第1抽選値取得手段216は、第1始動口11への入球を契機に、第1抽選手段211による各種の抽選や決定のための乱数を乱数生成手段202から取得する。具体的には、第1当否判定手段221による当否判定用の第1当否抽選値、第1図柄決定手段226による第1特別図柄51の停止態様決定用の第1図柄抽選値、第1変動パターン決定手段231による第1特別図柄51の変動パターン(変動時間)決定用の第1パターン抽選値をそれぞれ対応する乱数生成手段から取得する。第2抽選値取得手段217は、第2始動口12への入球を契機に、第2抽選手段212による各種の抽選や決定のための乱数を乱数生成手段202から取得する。具体的には、第2当否判定手段222による当否判定用の第2当否抽選値、第2図柄決定手段227による第2特別図柄52の停止態様決定用の第2図柄抽選値、第2変動パターン決定手段232による第2特別図柄52の変動パターン(変動時間)決定用の第2パターン抽選値をそれぞれ対応する乱数生成手段から取得する。
第1当否判定手段221は、第1当否抽選値に基づき、特別遊技へ移行するか否かを判定する当否判定を実行する。第2当否判定手段222は、第2当否抽選値に基づき、特別遊技へ移行するか否かを判定する当否判定を実行する。当否判定では、より具体的には、特別遊技へ移行することを示す「大当り」、小当り遊技へ移行することを示す「小当り」、特別遊技および小当り遊技には移行しないことを示す「外れ」、のいずれに該当するかが判定される。第1当否判定手段221および第2当否判定手段222は、当否判定で参照する当否判定テーブルを保持する。なお、図柄変動を開始するにあたって実行する当否判定を、後述する事前当否判定と区別するために、適宜「本判定としての当否判定」とも呼ぶ。なお、本明細書において「テーブル」や「選択基準」というときは、厳密に抽選値などの第1のパラメータと、選択肢を示す値などの第2のパラメータとの対応関係をテーブル構造で定めたデータを指すだけでなく、そのような対応関係として第1のパラメータから第2のパラメータを導出するプログラム構造で実現する場合も広く含むものとする。それらを含めて実質的に「テーブル」と同義の概念として適宜「選択基準」と称する。また、テーブル構造を用いる場合、実質的に1種類となる選択基準を構造的に細分化された複数のテーブルの組合せで構成してもよいが、「複数種の選択基準」というときはその細分化されたテーブルの数ではなくテーブルの実質的な種類の数を示す。
第1当否判定手段221および第2当否判定手段222は、当否判定で参照する当否判定テーブルとして、それぞれの当否判定に対応するテーブルを保持する。具体的には、第1当否判定手段221による当否判定用の当否判定テーブル(「第1当否判定テーブル」ともいう)と、第2当否判定手段222による当否判定用の当否判定テーブル(「第2当否判定テーブル」ともいう)を保持し、実行する当否判定に応じて参照するテーブルを選択する。複数の当否判定テーブルには、大当り、小当り、外れの判定結果と当否抽選値とが対応付けられており、対応付けられた大当りの範囲設定に応じて当否確率が定まる。また、複数の遊技設定に対応する複数種類の当否判定テーブルが用意され、例えば設定1から設定6までの遊技設定のそれぞれに対し、当否抽選値と当否判定結果との対応関係が異なる当否判定テーブルが用意される。なお、複数の遊技設定間で大当り、小当り、外れの確率が同一である場合には、複数の遊技設定で共通となる当否判定テーブルが用意されてもよい。
図5は、当否判定テーブルを模式的に示す図である。本図は、特定の遊技設定に対応する当否判定テーブルを示し、設定6に対応する当否判定テーブルを示す。本図の当否判定テーブルには、大当り、小当り、外れの判定結果と当否抽選値とが対応付けられており、対応付けられたそれぞれの範囲設定に応じて大当り当否確率や小当りの当否確率が定まる。第1当否判定手段221および第2当否判定手段222は、本判定として当否判定において本図の当否判定テーブルを参照する。第1当否判定手段221による第1当否抽選と第2当否判定手段222による第2当否抽選のいずれにおいても、通常時には当否抽選値が0~299の範囲に該当したときのみ大当りとなる。確変時には大当りの範囲が拡大され、当否抽選値が0~299の範囲に該当する場合だけでなく、300~2999の範囲に該当する場合にも大当りとなる。このように、大当りに該当する範囲は遊技状態に応じて変化する。なお、本図では単一の当否判定テーブルによって通常時と確変時の双方の大当り範囲を示したが、当否判定テーブルは通常時用と確変時用とで別個に用意してもよいし、第1当否抽選用と第2当否抽選用とで別個に用意してもよい。
本実施例においては、当否抽選値が大当り範囲に該当しない場合であっても、所定の範囲に該当した場合には小当りとなる。本図の例では、第1当否判定手段221が取得する当否抽選値が56500~65535の範囲に該当した場合に小当りとなり、第2当否判定手段222が取得する当否抽選値が64000~65535の範囲に該当した場合に小当りとなる。すなわち、第2当否抽選よりも第1当否抽選の方が小当りに該当する範囲が広く、小当りが発生しやすい。このように、大当りに該当しなかった場合、本来はすべて「外れ」であるが、本図の例では大当りに該当しなかった場合のうち小当りにも該当しなかった場合の当否抽選値範囲を特に「外れ」と表現している。すなわち、「当否」を「大当りか否か」の観点で捉える場合は、「小当り」は「大当りではない」という意味で広義の「外れ」に含めて考えてもよい。また、「当否」を「当りか否か」の観点で捉える場合には、「小当り」は「大当り」とともに広義の「当り」に含めて考えてもよい。なお、本図では大当りか否かの判定テーブルと小当りか否かの判定テーブルとを単一の当否判定テーブルの形で実現する例を示したが、それぞれを別個のテーブルとして実現してもよい。また、「小当り」については、第1の遊技と第2の遊技の一方のみに設けることとしてもよいし、いずれの遊技にも設けないこととしてもよい。その場合、対応する当否判定テーブルに小当りに対応する値が設定されない。
図6は、設定値ごとの当否抽選値の範囲設定を模式的に示す。本図(a)は、第1当否判定手段221が取得する第1当否抽選値と当否判定結果の対応関係を示す。本図(b)は、第2当否判定手段222が取得する第2当否抽選値と当否判定結果の対応関係を示す。通常時および確変時に大当りとなる第1当否抽選値および第2当否抽選値の範囲は、設定値「1」であれば0~294、設定値「2」であれば0~295、設定値「3」であれば0~296、設定値「4」であれば0~297、設定値「5」であれば0~298、設定値「6」であれば、0~299である。したがって、設定値が大きくなるほど通常時に大当りとなる当否抽選値の範囲が増え、通常時に大当りとなる確率が高められる。また、確変時にのみ大当り(つまり、通常時は外れ)となる第1当否抽選値および第2当否抽選値の範囲は、設定値「1」であれば295~2949、設定値「2」であれば296~2959、設定値「3」であれば297~2969、設定値「4」であれば298~2979、設定値「5」であれば299~2989、設定値「6」であれば、300~2999である。したがって、設定値が大きくなるほど確変時に大当りとなる当否抽選値の範囲も増え、確変時に大当りとなる確率も高められる。なお、通常時に大当りとなる通常時大当り確率と、確変時に大当りとなる確変時大当り確率との比は、設定値に拘わらず一定となるように当否抽選値の範囲が定められる。本図では、通常時大当り確率に対して確変時大当り確率が10倍となるように当否抽選値の範囲が定められており、全ての設定値「1」~「6」において共通となっている。また、小当りとなる確率も設定値に拘わらず一定となるように当否抽選値の範囲が定められる。全ての設定値「1」~「6」において、第1当否抽選値の範囲が56500~65535に該当した場合に小当りとなり、第2当否抽選値の範囲が64000~65535に該当した場合に小当りとなる。大当りまたは小当りとなる範囲外の当否抽選値の範囲は「外れ」となる。本図では、設定値ごとに大当り確率を異ならせているが、異なる設定値間で大当り確率が同一となるように当否抽選値と当否判定結果の対応関係を定めてもよい。
<第1図柄決定手段226および第2図柄決定手段227>
図4に戻り、第1図柄決定手段226および第2図柄決定手段227は、乱数生成手段202から取得する図柄抽選値と当否判定の結果に基づいて、図柄の変動開始にあたってその停止図柄を決定する。第1図柄決定手段226および第2図柄決定手段227は、特別図柄の停止図柄を決定するために参照する複数の図柄判定テーブルを保持する。具体的には、第1図柄決定手段226は第1当否判定手段221による当否判定の結果に応じた複数の図柄判定テーブルを保持し、第2図柄決定手段227は第2当否判定手段222による当否判定の結果に応じた複数の図柄判定テーブルを保持する。第1当否判定手段221は、大当り時に参照する大当り時第1図柄判定テーブル、小当り時に参照する小当り時第1図柄判定テーブル、外れ時に参照する外れ時第1図柄判定テーブルを保持する。第2当否判定手段222は、大当り時に参照する大当り時第2図柄判定テーブル、小当り時に参照する小当り時第2図柄判定テーブル、外れ時に参照する外れ時第2図柄判定テーブルを保持する。第1図柄決定手段226および第2図柄決定手段227は、当否判定の結果に応じて参照する図柄判定テーブルを選択する。なお、図柄変動を開始するにあたって実行する図柄判定を、後述する事前図柄判定と区別するために、適宜「本判定としての図柄判定」とも呼ぶ。
図7は、図柄判定テーブルを模式的に示す図である。図7(a)は当否判定結果が大当りであった場合に参照するテーブルであり、図7(b)は当否判定結果が外れであった場合に参照するテーブルであり、図7(c)は当否判定結果が小当りであった場合に参照するテーブルである。第1図柄決定手段226および第2図柄決定手段227は、本判定として図柄判定において本図の図柄判定テーブルを参照する。各図柄判定テーブルには、特別図柄の種類を示す「0」~「10」の番号と第1図柄抽選値または第2図柄抽選値との対応関係が定められている。特別図柄の種類はそれぞれ大当り、小当り、外れの当否判定結果と対応付けられており、「0」~「4」が大当りに対応し、「5」~「9」が小当りに対応し、「10」が外れに対応する。各種類には複数の特別図柄、すなわちセグメントの組合せで形成される一般に意味を持たない記号が複数割り当てられている。
図7(a)に示す通り、特別図柄の種類「0」~「4」が大当りおよび大当り後の確率変動の有無に対応付けられている。具体的には、種類「0」は特定大当りとして確変を伴う10R大当りを示し、第1図柄抽選値の場合は「0~99」に対応付けられ、第2図柄抽選値の場合は「0~144」に対応付けられる。種類「1」は特定大当りとして確変を伴う4R大当り(または「実質4R当り」)を示し、第1図柄抽選値の場合は「100~149」に対応付けられ、第2図柄抽選値の場合は「145~149」に対応付けられる。種類「2」は確変を伴う2R大当りを示し、第1図柄抽選値および第2図柄抽選値がともに「150~189」に種類「2」が対応付けられる。種類「3」は通常大当りとして確変を伴わない10R大当りを示し、第1図柄抽選値および第2図柄抽選値がともに「150~189」に種類「3」が対応付けられる。種類「4」は通常大当りとして確変を伴わない4R大当りを示し、第1図柄抽選値および第2図柄抽選値がともに「230~255」に種類「4」が対応付けられる。このように図柄抽選値の範囲の大きさによって大当り種類(すなわち、大当りの内容とその後の確率変動の有無)ごとの選択確率が定まる。
なお、特別図柄の種類をより多く設けることも可能であり、その場合には複数の特別図柄の種類に対応して1の大当り種類が定まるように構成することで、図柄種類を増やしつつ大当りの種類を少なく設定することができる。あるいは、増加した図柄種類に対応させてより多くの大当りの種類に細分化することも可能である。さらに、第1の抽選時と第2の抽選時とで異なる図柄種類を設けることも可能である。この場合には、第1の抽選時に選択される特別図柄の種類、第2の抽選時に選択される特別図柄の種類のそれぞれに対応するように1の大当り種類が定まるように構成される。ただし、第1の抽選と第2の抽選とで確率変動の割合が同一となるように設定することが望ましい。
図7(b)に示す通り、種類「10」は当否判定結果が外れの場合における全範囲の図柄抽選値に対応付けられている。したがって、外れの場合には必ず同じ特別図柄が停止表示することが決定される。なお、外れの場合に停止表示する特別図柄を複数設けることも可能である。
図7(c)に示す通り、特別図柄の種類「5」~「9」が小当りに対応付けられている。種類「5」は図柄抽選値の範囲「0~49」に対応付けられ、種類「6」は図柄抽選値の範囲「50~99」に対応付けられる。種類「7」は図柄抽選値の範囲「100~149」に対応付けられ、種類「8」は図柄抽選値の範囲「150~199」に対応付けられ、種類「9」は図柄抽選値の範囲「200~255」に対応付けられる。
なお、本実施例においては、メイン基板200における記憶領域を節約するために、事前図柄判定においても図7のテーブルが事前図柄判定テーブルとして参照される。第1図柄決定手段226および第2図柄決定手段227は、事前図柄判定の結果として特別図柄の種類を示す「0」~「10」の値を第1当否抽選または第2当否抽選であることを示す値や保留の個数とともに演出決定手段303へ送信する。なお、事前図柄判定テーブルとして、さらに細分化し複雑な判定を実施可能としたもの、または同様の特別遊技を実行する大当り図柄の判定範囲をまとめて簡易的にしたものを利用するようにしてもよい。また、本実施例のように外れの際に一律に図柄が定まる場合は、取得した図柄抽選値を参照することなく、また、外れ時用の図柄判定テーブルを用意することなく、特定の図柄を決定してもよい。
<第1変動パターン決定手段231および第2変動パターン決定手段232>
図4に戻り、第1変動パターン決定手段231は、第1特別図柄表示部41および演出表示装置60に表示させる図柄変動の表示過程が定められた変動パターンを、乱数生成手段202から取得する第1パターン抽選値に基づいて複数の変動パターンの中から決定する。第2変動パターン決定手段232は、第2特別図柄表示部42および演出表示装置60に表示させる図柄変動の表示過程が定められた変動パターンを、乱数生成手段202から取得する第2パターン抽選値に基づいて複数の変動パターンの中から決定する。第1変動パターン決定手段231および第2変動パターン決定手段232は、それぞれ図柄変動を開始する際に変動パターンテーブルを参照してその図柄変動の変動パターンを決定する。また、第1変動パターン決定手段231および第2変動パターン決定手段232は、パターン抽選値がいずれの変動パターン範囲に該当するかの事前パターン判定を実行する。第1変動パターン決定手段231および第2変動パターン決定手段232、メイン基板200の制御手段は、変動開始条件を満たした際に変動パターンを決定するために参照する変動パターンテーブルと、始動口への入球時に先読み処理の実行判定のための情報生成に使用する事前パターン判定テーブルをそれぞれ保持または共有する。変動パターンには、特別図柄を変動表示させるときの変動開始から停止までの変動時間が定められており、その種類によって長短様々な変動時間をもつ。すなわち、図柄変動の表示過程が定められた各変動パターンには、実質的には、その図柄変動の終了条件としてパターンごとに変動表示時間が定められており、その変動表示時間の経過時に特別図柄の変動が停止される。なお、図柄変動を開始するにあたって実行する変動パターン判定を、特に事前パターン判定と区別するために、適宜「本判定としての変動パターン判定」とも呼ぶ。また、後述する装飾図柄の変動演出パターンの選択に資するため、同一の変動時間でありながら異なる種類の変動パターンとして定義する場合もある。
図8は、変動パターンテーブルを模式的に示す図である。第1変動パターン決定手段231および第2変動パターン決定手段232は、通常状態においては本図(a)のテーブルを参照し、時短状態においては本図(b)のテーブルを参照する。
図8(a)の通り、通常状態において当否判定結果が外れとなった場合、パターン抽選値が0~4であればパターン範囲番号「0」のスーパーリーチである「スーパー1」を選択し、パターン抽選値が5~9であればパターン範囲番号「1」のスーパーリーチである「スーパー2」を選択する。パターン抽選値が10~19であればパターン範囲番号「2」のノーマルリーチである「ノーマル1」を選択し、パターン抽選値が20~29であればパターン範囲番号「3」のノーマルリーチである「ノーマル2」を選択する。パターン抽選値が30~255であればパターン範囲番号「4」の「リーチなし外れ」を選択する。「リーチなし外れ」としては、保留数に応じて異なる変動パターンが選択され、保留数が0~2のときは10秒の変動パターン、保留数が3のときは7秒の変動パターン、保留数が4のときは4秒の変動パターンがそれぞれ選択される。
本図では、変動時間別に主に5種類に分類した例を説明するが、サブ基板300においてそれらの変動パターンごとに複数の変動演出パターンが用意されており、全体で数十種類の変動演出パターンがそれぞれの分類の抽選値範囲に対応付けられていることに等しい。
「ノーマル1」「ノーマル2」「リーチなし外れ」に割り当てられたパターン抽選値の範囲もまた保留数に応じて異なる。保留数が0,1のときは本図(a)に示す通りであるが、保留数が増えるほど「ノーマル1」「ノーマル2」の抽選値範囲が狭くなり、「リーチなし外れ」の抽選値範囲が広くなる。保留数が少ないほど変動時間が相対的に長い変動パターンの抽選値範囲が広くされており、変動時間の長い変動パターンが選択される確率が高まる。そのため、保留数が少ないほど平均的な変動時間が長くなり、保留数が多いほど平均的な変動時間が短くなる。保留数ごとにパターン抽選値範囲と変動パターンの対応関係が異なる変動パターンテーブルを用いることにより、保留数が少なくなったときに変動時間の長い変動パターンが選択されやすくなる制御を実現できる。
通常状態において当否判定結果が4R大当りまたは10R大当りとなった場合、パターン抽選値が0~123であればパターン範囲番号「5」のスーパーリーチである「スーパー1」を選択し、パターン抽選値が124~248であればパターン範囲番号「6」のスーパーリーチである「スーパー2」を選択する。パターン抽選値が249~252であればパターン範囲番号「7」のノーマルリーチである「ノーマル1」を選択し、パターン抽選値が253~255であればパターン範囲番号「8」のノーマルリーチである「ノーマル2」を選択する。
通常状態において当否判定結果が2R大当りまたは小当りとなった場合、パターン抽選値が0~122であればパターン範囲番号「9」のスーパーリーチである「スーパー3」を選択し、パターン抽選値が123~255であればパターン範囲番号「10」のノーマルリーチである「ノーマル3」を選択する。
第1変動パターン決定手段231および第2変動パターン決定手段232は、いわゆる先読み結果として事前判定結果を演出決定手段303へ送信する場合は、パターン範囲番号の値(0~10)を、第1当否抽選と第2当否抽選のいずれであるかを示す値や保留の個数とともに送信する。なお、図8に示す実施例では、事前パターン判定にて当否判定結果別にテーブルを有するように例示しているが、当否抽選結果にかかわらず1の事前パターン判定テーブルを用いて、乱数値がおよそどの範囲に位置するかに関する情報のみを導き出すようにするとともに、サブ基板300の制御手段側で、事前当否判定結果とともに、いかなる変動が実行されるかを判断するように制御してもよい。
時短状態において参照する図8(b)の変動パターンテーブルは、すべて時短用の変動パターンにパターン抽選値が割り当てられている。ただし、パターン抽選値の範囲と変動時間の対応関係は、外れで選択される「リーチなし外れ短縮」以外はすべて図8(a)と同様である。「リーチなし外れ短縮」は、図8(a)における「リーチなし外れ」と同じ抽選値範囲とパターン範囲番号に対応付けられる、相対的に短い変動時間の変動パターンである。「リーチなし外れ短縮」もまた、保留数に応じて異なる変動パターンが選択され、保留数が0,1のときは10秒の変動パターン、保留数が2~4のときは1秒の変動パターンがそれぞれ選択される。なお、第1変動パターン決定手段231と第2変動パターン決定手段232で異なる変動パターンテーブルを参照する仕様としてもよいし、遊技状態に応じて異なる変動パターンテーブルを参照する仕様としてもよい。例えば、第2の抽選を第1の抽選より有利な設定とし、第2の抽選を第1の抽選に優先して処理するような遊技機では、時短に伴う入球容易状態にもかかわらず第2の抽選の保留が枯渇して第1の抽選が連続実行されてしまう状況は遊技者にとって好ましくない。そのため、入球容易状態における第1の抽選における外れ変動では、変動時間を短縮しない長時間(例えば10秒)の変動パターンが保留数に拘らず一律に選択されるような変動パターンテーブルを参照することとしてもよい。
<保留制御手段240>
図4に戻り、保留制御手段240は、特図保留手段241、普図保留手段242を含む。特図保留手段241は、新たに第1当否抽選値または第2当否抽選値が取得されるときに、それ以前に取得されていた第1当否抽選値または第2当否抽選値に対応する図柄変動が表示されている場合、新たに取得された第1当否抽選値または第2当否抽選値に対応する図柄変動の開始を保留し、その当否抽選値を対応する図柄の変動表示開始まで記憶する。ここで、第1特別図柄について、それぞれ4個を上限に、第1当否抽選値、第1図柄抽選値、第1パターン抽選値を記憶し、第2特別図柄について、それぞれ4個を上限に、第2当否抽選値、第2図柄抽選値、第2パターン抽選値を記憶する。普図保留手段242は、普図抽選手段213により取得された普図抽選値を保留球として記憶する。これらの保留数がそれぞれ第1特図保留表示部71、第2特図保留表示部72、普図保留表示部75の点灯数または点滅数により表される。特図保留手段241による保留の数は演出表示装置60にも表示される。
特図保留手段241に保留された第2当否抽選の抽選値は第1当否抽選の抽選値より優先的に消化されて図柄変動が表示される。そのため、第1当否抽選として大当りの抽選値が保留されていても第2当否抽選として抽選値の保留がある限りは第1当否抽選の大当り抽選値に対応する図柄変動は表示されない。したがって、第1当否抽選として大当りの保留があっても、さらに第2当否抽選として大当りの保留が入るまで打ち続けることで、複数回の連続的な大当りを獲得できる可能性がある。
<メイン表示制御手段250>
メイン表示制御手段250は、第1特図制御手段251、第2特図制御手段252、普図制御手段254を含む。第1特図制御手段251は、第1抽選手段211による第1当否抽選の判定結果に対応して決定された変動パターンにしたがい第1特別図柄51の変動を第1特別図柄表示部41に表示させる。第1特図制御手段251は、それ以前になされた第1当否抽選または第2当否抽選に対応する図柄の変動表示が終了していることを新たな図柄変動の開始条件とする。第2特図制御手段252は、第2抽選手段212による第2当否抽選の判定結果に対応して決定された変動パターンにしたがい第2特別図柄52の変動を第2特別図柄表示部42に表示させる。第2特図制御手段252もまた、それ以前になされた第1当否抽選または第2当否抽選に対応する図柄の変動表示が終了していることを新たな図柄変動の開始条件とする。
第1特図制御手段251は、特図保留手段241により第2当否抽選の当否抽選値が記憶されている場合は第1当否抽選に対応する図柄変動表示の開始を留保する。一方、第2特図制御手段252は、特図保留手段241により第1当否抽選の当否抽選値が記憶されているか否かにかかわらず第2当否抽選に対応する図柄変動表示を開始する。これにより、第1当否抽選と第2当否抽選の双方に抽選値が保留されていた場合、第2当否抽選で保留された抽選値が優先的に読み出されて図柄変動が表示される。そのような場合、第2当否抽選の保留数が0になるまでは第1当否抽選で保留された抽選値は読み出されずその図柄変動も開始しない。
第1特図制御手段251および第2特図制御手段252は、第1特別図柄51および第2特別図柄52の変動表示を開始するタイミングと停止するタイミングにて、後述するコマンド通信手段205により変動開始コマンドと変動停止コマンドを演出決定手段303(サブメイン)へ送信する。変動開始コマンドを送信するとき、本判定として判定ないし決定された当否判定結果、停止図柄、変動パターンのそれぞれを示す値と第1当否抽選と第2当否抽選のいずれであるかを示す値とを変動開始コマンドとともに演出決定手段303へ送信する。変動停止コマンドを送信するとき、あらためて停止図柄を示す値を変動停止コマンドとともに演出決定手段303へ送信する。また、演出決定手段303(サブメイン)は、演出制御手段304(サブサブ)による装飾図柄の変動表示を制御するために、変動開始コマンドや変動停止コマンドなどを演出制御手段304へ送信する。これにより、メイン表示制御手段250および演出制御手段304(サブサブ)による変動表示が同期し、連動が保たれる。普図制御手段254は、普図抽選手段213による抽選の判定結果を普通図柄の変動表示として普通図柄表示部45に表示させる。
<特図調整手段276>
特図調整手段276は、第1特別図柄51および第2特別図柄52のうち、一方を変動表示させる間は他方の変動表示の開始を待機させる。特図調整手段276は、第1始動口11および第2始動口12のうちいずれに遊技球が入球したかの順序に関係なく、第2始動口12への入球に基づく第2特別図柄52の変動表示を、第1始動口11への入球に基づく第1特別図柄51の変動表示より優先させる。例えば、第1当否抽選値および第2当否抽選値の双方が保留されているとき、つねに第2当否抽選値を優先的に消化させ、第2特別図柄52を連続的に変動表示させる。
なお、変形例における特図調整手段276は、第1特別図柄51の変動表示と第2特別図柄52の変動表示とを、第1始動口11および第2始動口12への入球順序にしたがって選択的に変動表示させてもよい。例えば、第1始動口11、第1始動口11、第2始動口12の順序で入球したときは、第1特別図柄51、第1特別図柄51、第2特別図柄52の順序で変動表示される。この場合、特図調整手段276は保留制御手段240を監視して当否抽選値の保留順序を記憶する。どちらの特別図柄を変動させるべきかが遊技球の入球順、すなわち保留制御手段240における当否抽選値の保留順序にしたがって決定されるので、遊技者は変動の順序を視覚的に把握しやすい。
別の変形例における特図調整手段276は、第1特別図柄51の変動表示と第2特別図柄52の変動表示とを、入球順序にかかわらず予め定められた消化順序にて表示させてもよい。例えば、第1特別図柄51の変動表示と第2特別図柄52の変動表示とを交互に表示することを優先してもよい。例えば、第1当否抽選値および第2当否抽選値の双方が保留されているとき、第1特別図柄51と第2特別図柄52とが交互に変動表示される。いずれの特別図柄を変動させるべきかが遊技球の入球順に関係なく単純に交互に入れ替わるので、遊技者は変動の順序を感覚的に把握しやすい。
特図調整手段276は、また、第1特別図柄51および第2特別図柄52のうち、一方が当り態様で停止されたときは他方の変動表示の開始を待機させる。この場合、特別遊技を実行する間は特別図柄の変動表示は開始されないので、遊技者は特別遊技に集中することができる。
<事前判定手段235>
事前判定手段235は、第1抽選事前判定手段236と第2抽選事前判定手段237を含む。第1抽選事前判定手段236は、第1当否判定手段221、第1図柄決定手段226、第1変動パターン決定手段231による各種判定の実行前に、第1抽選値取得手段216が取得した各種乱数を用いて第1特図制御手段251による第1特別図柄の変動開始前に当該変動に関する情報を事前に判定する。第2抽選事前判定手段237は、第2当否判定手段222、第2図柄決定手段227、第2変動パターン決定手段232による各種判定の実行前に、第2抽選値取得手段217が取得した各種乱数を用いて第2特図制御手段252による第2特別図柄の変動開始前に当該変動に関する情報を事前に判定する。
第1抽選事前判定手段236は、第1抽選手段211に係る事前判定用の判定テーブルとして、第1事前当否抽選値判定テーブル、第1事前図柄抽選値判定テーブル、第1事前変動パターン乱数値判定テーブルを保持する。第1抽選事前判定手段236は、第1事前当否抽選値判定テーブルを用いて特図保留手段241に記憶される第1当否抽選値が属する乱数グループを判定する。第1抽選事前判定手段236は、第1事前図柄抽選値判定テーブルを用いて特図保留手段241に記憶される第1図柄抽選値が属する乱数グループを判定する。第1抽選事前判定手段236は、第1事前変動パターン判定テーブルを用いて特図保留手段241に記憶される第1変動パターン抽選値が属する乱数グループを判定する。そしてこれらの判定結果を事前判定結果として一時的に記憶して、後述するコマンド通信手段205(サブ制御コマンド送信手段207)により事前判定結果に関する情報をサブ基板300に送信する。
図9は、事前当否判定で参照される事前当否判定テーブルを模式的に示す図である。第1抽選事前判定手段236(第1の遊技に関する事前当否判定)は、第1始動口11への入球時に図9(a)の第1事前当否抽選値判定テーブルを参照し、当否抽選値が「0~299」の場合はその旨を示す「1」の値を事前当否判定結果として設定する。当否抽選値が「300~2999」の場合はその旨を示す「2」の値を事前当否判定結果として設定する。当否抽選値が「3000~56499」の場合はその旨を示す「3」の値を事前当否判定結果として設定する。当否抽選値が「56500~65535」の場合はその旨を示す「4」の値を事前当否判定結果として設定する。次に、第1事前図柄抽選値判定テーブル(図示省略)を参照し、第1図柄抽選値が「0~99」の場合はその旨を示す「0」の値を事前図柄判定結果として設定する。第1図柄抽選値が「100~149」の場合はその旨を示す「1」の値を事前図柄判定結果として設定する。第1図柄抽選値が「150~189」の場合はその旨を示す「2」の値を事前図柄判定結果として設定する。第1図柄抽選値が「190~229」の場合はその旨を示す「3」の値を事前図柄判定結果として設定する。第1図柄抽選値が「230~255」の場合はその旨を示す「4」の値を事前図柄判定結果として設定する。さらに、第1事前変動パターン乱数値判定テーブル(図示省略)を参照し、第1パターン抽選値が「0~9」の場合はその旨を示す「A」の値を事前パターン判定結果として設定する。第1パターン抽選値が「10~29」の場合はその旨を示す「B」の値を事前パターン判定結果として設定する。第1パターン抽選値が「30~255」の場合はその旨を示す「C」の値を事前パターン判定結果として設定する。以上のように第1抽選事前判定手段236(第1の遊技に関する事前当否判定)により設定された事前判定情報は、後述するコマンド通信手段205(サブ制御コマンド送信手段207)により第1始動口11への入球を示す(第1当否抽選であることを示す)情報、保留の個数を示す情報等の送信タイミングにあわせて演出決定手段303に送信される。
第2抽選事前判定手段237(第2の遊技に関する事前当否判定)は、第2始動口12への入球時に図9(b)の、第2事前当否抽選値判定テーブルを参照し、当否抽選値が「0~299」の場合はその旨を示す「1」の値を事前当否判定結果として設定する。当否抽選値が「300~2999」の場合はその旨を示す「2」の値を事前当否判定結果として設定する。当否抽選値が「3000~63999」の場合はその旨を示す「3」の値を事前当否判定結果として設定する。当否抽選値が「64000~65535」の場合はその旨を示す「4」の値を事前当否判定結果として設定する。次に、第2事前図柄抽選値判定テーブル(図示省略)を参照し、第2図柄抽選値が「0~144」の場合はその旨を示す「0」の値を事前図柄判定結果として設定する。第2図柄抽選値が「145~149」の場合はその旨を示す「1」の値を事前図柄判定結果として設定する。第2図柄抽選値が「150~189」の場合はその旨を示す「2」の値を事前図柄判定結果として設定する。第2図柄抽選値が「190~229」の場合はその旨を示す「3」の値を事前図柄判定結果として設定する。第2図柄抽選値が「230~255」の場合はその旨を示す「4」の値を事前図柄判定結果として設定する。さらに、第2事前変動パターン乱数値判定テーブル(図示省略)を参照し、第2パターン抽選値が「0~9」の場合はその旨を示す「A」の値を事前パターン判定結果として設定する。第2パターン抽選値が「10~29」の場合はその旨を示す「B」の値を事前パターン判定結果として設定する。第2パターン抽選値が「30~255」の場合はその旨を示す「C」の値を事前パターン判定結果として設定する。以上のように第2抽選事前判定手段237(第2の遊技に関する事前当否判定)により設定された事前判定情報は、後述するコマンド通信手段205(サブ制御コマンド送信手段207)により第2始動口12への入球を示す(第2当否抽選であることを示す)情報、保留の個数を示す情報等の送信タイミングにあわせて演出決定手段303に送信される。
なお、事前判定手段235による事前判定結果として一時記憶された各種情報は、保留記憶数と同様に、それぞれ4個を上限に所定の事前判定結果記憶領域に記憶する。なお、事前判定結果を保留制御手段240が記憶する保留記憶領域を用いて記憶してもよい。事前判定手段235による事前判定結果を後述するコマンド通信手段205(サブ制御コマンド送信手段207)により演出決定手段303に送信したことに基づいて当該情報を消去するようにしてもよい。このように、他の領域と共用したり、送信完了に基づいて情報を消去することにより、メイン基板200における記憶領域の効率利用が期待できる。また、事前判定用の判定テーブルとして、事前判定専用のテーブルを設けずに、本判定用の判定テーブルを用いてもよく、第1の遊技に関する事前当否判定と第2の遊技に関する事前判定とで一部または全部が共通の事前判定テーブルを共用してもよい。このように、他の判定テーブルと共用することで、メイン基板200におけるデータ容量の削減が期待できる。なお、事前判定手段235の判定結果として送信する内容は、例えば、当否の判定結果のみを送信するなど、適宜選択することも可能である。また、事前判定手段235により判定することなく、第1抽選値取得手段216、第2抽選値取得手段217で取得した乱数の値を前述のコマンド通信手段205によりサブ基板300に送信し、サブ基板300により事前判定の内容を判断するように構成してもよい。
事前判定手段235は、設定変更装置170により設定される設定値に応じて、当否抽選値と事前当否判定結果との対応関係が異なる事前当否抽選値判定テーブルを参照してもよい。上述の当否判定テーブルと同様、複数の遊技設定に対応する複数種類の事前当否抽選値判定テーブルを用意し、遊技設定の設定値に応じて参照する事前当否抽選値判定テーブルを切り替えてもよい。その他、複数の遊技設定間で共通利用できる事前当否抽選値判定テーブルを用いてもよい。この場合、遊技設定の設定値と事前当否判定結果の値の組み合わせにより当否が事前判定されてもよい。
図10は、遊技設定に対応した事前当否判定テーブルを模式的に示す図である。本図(a)は、第1抽選事前判定手段236が参照する事前当否判定テーブルであり、本図(b)は、第2抽選事前判定手段237が参照する事前当否判定テーブルである。当否抽選値が「0~294」の場合には事前当否判定結果が「11」となり、全設定1~6において大当りとなることを示す。当否抽選値が「295」の場合には事前当否判定結果が「12」となり、通常時の設定2以上または確変時の全設定において大当りとなることを示す。当否抽選値が「296」の場合には事前当否判定結果が「13」となり、通常時の設定3以上または確変時の全設定にて大当りとなることを示す。当否抽選値が「297」の場合には事前当否判定結果が「14」となり、通常時の設定4以上または確変時の全設定において大当りとなることを示す。当否抽選値が「298」の場合には事前当否判定結果が「15」となり、通常時の設定5以上または確変時の全設定において大当りとなることを示す。当否抽選値が「299」の場合には事前当否判定結果が「16」となり、通常時の設定6または確変時の全設定にて大当りとなることを示す。また、当否抽選値が「300~2949」の場合には事前当否判定結果が「21」となり、確変時の全設定において大当りとなることを示す。当否抽選値が「2950~2959」の場合には事前当否判定結果が「22」となり、確変時の設定2以上において大当りとなることを示す。当否抽選値が「2960~2969」の場合には事前当否判定結果が「23」となり、確変時の設定3以上において大当りとなることを示す。当否抽選値が「2970~2979」の場合には事前当否判定結果が「23」となり、確変時の設定4以上において大当りとなることを示す。当否抽選値が「2980~2989」の場合には事前当否判定結果が「25」となり、確変時の設定5以上において大当りとなることを示す。当否抽選値が「2990~2999」の場合には事前当否判定結果が「26」となり、確変時の設定6において大当りとなることを示す。さらに、(a)に示す第1当否抽選値が「3000~56499」となる場合、および、(b)に示す第2当否抽選値が「3000~63999」となる場合、事前当否判定結果が「30」となり、全設定において小当りとなることを示す。また、(a)に示す第1当否抽選値が「56500~65535」となる場合、および、(b)に示す第2当否抽選値が「64000~65535」となる場合、事前当否判定結果が「40」となり、全設定において外れとなることを示す。このような事前当否判定テーブルを用いることにより、遊技設定の設定値ごとに適切な事前当否判定結果を示すことができる。
<特別遊技制御手段260>
特別遊技制御手段260は、第1抽選手段211による第1当否抽選が特別遊技への移行を示す結果となった場合、第1特別図柄51が所定の大当り態様で停止されたときに特別遊技作動条件が成立したと判定し、大入賞口20を開放させることにより特別遊技を実行する。同様に、特別遊技制御手段260は、第2抽選手段212による第2当否抽選が特別遊技への移行を示す結果となった場合、第2特別図柄52が所定の大当り態様で停止されたときに特別遊技作動条件が成立したと判定し、大入賞口20を開放させることにより特別遊技を実行する。
特別遊技は、大入賞口20の開閉動作を複数回数連続して継続する遊技であり、複数回の単位遊技で構成される。特別遊技には、単位遊技を10回繰り返す10R大当りと、単位遊技を4回繰り返す4R大当りと、10R大当りおよび4R大当りより開放時間が短い単位遊技を2回だけ繰り返す2R大当りがある。10R大当りは第2当否抽選での大当りであり、4R大当りは第1当否抽選での大当りである。10R大当りおよび4R大当りにおいては、1回の単位遊技において大入賞口20を原則として約30秒間開放させる。2R大当りにおいては、1回の単位遊技において大入賞口20を約1.6秒間だけ開放させる。特別遊技制御手段260は、単位遊技の設定ラウンド数を消化したときに特別遊技を終了させる。なお、2R大当りとなった場合においても、所定の条件を満たした場合には、10R大当りおよび4R大当りと同様の開放態様で大入賞口20を開放させてもよい。
<小当り遊技制御手段265>
小当り遊技制御手段265は、第1抽選手段211による第1の抽選が小当りを示す結果となった場合、第1特別図柄51が所定の小当り態様で停止されたときに小当り遊技作動条件が成立したと判定し、開閉制御手段275に大入賞口20を開放させることにより小当り遊技を実行する。同様に、小当り遊技制御手段265は、第2抽選手段212による第2の抽選が小当りを示す結果となった場合、第2特別図柄52が所定の小当り態様で停止されたときに小当り遊技作動条件が成立したと判定し、開閉制御手段275に大入賞口20を開放させることにより小当り遊技を実行する。
小当り遊技においては、単位遊技が1回実行され、1回の単位遊技において大入賞口20を2回開閉する。小当り遊技制御手段265は、1回の開閉あたり大入賞口20を約0.8秒間だけ開放させた後、大入賞口20を閉鎖して小当り遊技を終了させる。
<特定遊技制御手段270>
特定遊技制御手段270は、確変状態、時短状態、および入球容易状態における通常遊技を制御する。特定遊技制御手段270は、特別図柄が確変への移行を伴う特定大当りの図柄であった場合に、特別遊技の終了後に遊技状態を確変状態、時短状態および入球容易状態へ移行させる。確変状態、時短状態および入球容易状態は、次の大当りが発生するまで継続される。時短状態においては、第1特別図柄51および第2特別図柄52の変動表示時間が概ね短くなるよう、第1変動パターン決定手段231および第2変動パターン決定手段232が変動時間の短い変動パターンを選択する。ただし、通常状態においては、保留制御手段240による当否抽選値の保留数に応じた変動パターンテーブルを参照し、保留制御手段240による保留数が少なくなるほど変動時間の長い変動パターンが出現しやすくなる。入球容易状態においては、普通図柄の確変および普通図柄の時短、並びに第2始動口12の開放延長の3つの機能のうち少なくともいずれかが実施されることにより、第2始動口12への入球頻度(入球容易性)が向上する。確変状態の間は第1当否判定手段221および第2当否判定手段222による当否判定結果が大当りとなる確率が高い値のまま維持される。また、特定遊技制御手段270は、特定大当りとなった場合に第2始動口12を開放延長状態にさせるとともに、その当否抽選が第2当否抽選であった場合に限りさらに開放抽選の当り確率を通常確率状態より高い確変状態へ移行させる。
<開閉制御手段275>
開閉制御手段275は、第2始動口12の普通電動役物90や大入賞口20の開閉を制御する。開閉制御手段275は、普通図柄が特定の態様で停止されると、普通電動役物ソレノイド91に開放指示を送り、第2始動口12の普通電動役物90を開放させる。開閉制御手段275は、通常状態においては開放抽選の結果に応じて短開放または長開放の開放時間にて第2始動口12を開放させ、入球容易状態においては長開放の開放時間にて第2始動口12を開放させる。第2始動口12の入球容易性を高め、遊技者が持ち玉を減らさずに遊技を継続できるようにするものである。開閉制御手段275は、特別遊技において、大入賞口ソレノイド92に開放指示を送り、大入賞口20を開放させる。
<メイン初期処理実行手段280、メイン電断処理実行手段282、メインエラー検出手段284>
メイン初期処理実行手段280は、ぱちんこ遊技機100の電源投入時または電源断復帰時におけるメイン基板200の制御開始処理を実行する。メイン電断処理実行手段282は、電源断などの電源異常発生時にメイン基板200における電源断処理などの異常時対応処理を実行する。メインエラー検出手段284は、メイン基板200における異常検知処理を実行する。なお、メイン基板200の制御開始処理、異常時対応処理、および異常検知処理については後述する。
<設定変更手段286、設定確認手段287>
設定変更手段286は、遊技設定を変更するための「設定変更処理」を実行する。設定変更手段286は、設定キーシリンダ171がオン状態のときにRAMクリアスイッチを押しながら電源スイッチ150がオンにされた場合、上述の設定変更状態へ移行させる。設定変更手段286は、設定変更状態へ移行された場合、設定メモリに記憶される設定値を設定表示部173に表示させる。設定変更手段286は、設定変更ボタン172の押下に応じて設定表示部173に表示される設定値を1→2→3→4→5→6→1→・・・のように順番に変更し、設定メモリに記憶される設定値を設定表示部173の表示と同じ値に更新する。設定変更手段286は、設定キーシリンダ171がオフ状態にされた場合、設定変更状態を終了させ、設定表示部173を消灯させる。
設定確認手段287は、遊技設定を確認するための「設定確認処理」を実行する。設定確認手段287は、設定キーシリンダ171がオン状態のときにRAMクリアスイッチが押されずに電源スイッチ150がオンにされた場合、上述の設定確認状態へ移行させる。設定確認手段287は、設定確認状態へ移行された場合、設定メモリに記憶される設定値を設定表示部173に表示させる。設定確認手段287は、上述の設定変更手段286と異なり、設定変更ボタン172が押下されたとしても設定表示部173に表示される設定値を変更せず、設定メモリに記憶される設定値も更新しない。設定確認手段287は、設定キーシリンダ171がオフ状態にされた場合、設定確認状態を終了させ、設定表示部173を消灯させる。
なお、設定メモリで管理する設定値データは「1」~「6」の数値ではなく、代わりに「0」~「5」の数値を用いてもよい。この場合、設定値「0」が設定1に対応し、設定値「1」が設定2に対応し、設定値「2」が設定3に対応し、設定値「3」が設定4に対応し、設定値「4」が設定5に対応し、設定値「5」が設定6に対応してもよい。設定値データの正常値として「0」を用いることにより、RAM異常時にRAMクリア処理をして設定値データを初期値「0」にセットしたときに異常判定されなくなるため、異常時のRAMクリア処理を簡易化できる。また、設定値データを利用して何らかの抽選を実行する場合、例えば、先読み処理において設定値毎に異なるテーブルやデータを選択する場合に、その選択のためのオフセット処理を簡略化できるという利点もある。例えば、設定値データとして「1」~「6」を用いる場合、テーブルやデータ選択のオフセットデータとしてこれらの値をそのまま使用する際には開始アドレスを-1する等の追加処理が必要となる。一方、設定値データとして「0」~「5」を用いる場合には、設定値データの数値をそのままオフセットデータとして使用できる。なお、設定変更手段286および設定確認手段287は、設定値データとして「0」~「5」の数値を用いる場合、設定値データの数値をそのまま設定表示部173に表示してもよいし、設定値データの数値に+1を加えた数値を設定表示部173に表示してもよい。後者の場合、「0」~「5」の数値データが遊技設定における設定1~設定6の数値に変換されて表示されるため、遊技機の管理者にとって分かりやすい表示とすることができる。
<コマンド送信手段>
コマンド通信手段205は、払出等の実行に必要な制御コマンドを払出制御基板155に送信する払出制御コマンド通信手段206と、演出制御等の実行に必要な制御コマンドをサブ基板300に送信するサブ制御コマンド送信手段207を含む。払出制御コマンド通信手段206は、入球判定手段201による各入賞口への入球の判定に基づいて各入賞口に対応した数の賞球の払出を指示する払出コマンドを送信し、メイン基板200で発生したエラーの状態等を示すコマンドを送信する。サブ制御コマンド送信手段207は、図柄変動を開始するにあたり、その図柄変動に対応する抽選の判定結果を図柄変動の制御コマンドとともに演出決定手段303へ送信する。
サブ制御コマンド送信手段207は、第1特図制御手段251および第2特図制御手段252が第1特別図柄51および第2特別図柄52の変動表示を開始するタイミングと停止するタイミングにて、変動開始コマンドと変動停止コマンドを演出決定手段303(サブメイン)へ送信する。変動開始コマンドを送信するとき、本判定として判定ないし決定された当否判定結果、停止図柄、変動パターンのそれぞれを示す値と第1当否抽選と第2当否抽選のいずれであるかを示す値とを変動開始コマンドとともに演出決定手段303へ送信する。変動停止コマンドを送信するとき、あらためて停止図柄を示す値を変動停止コマンドとともに演出決定手段303へ送信する。また、演出決定手段303(サブメイン)は、演出制御手段304(サブサブ)による装飾図柄の変動表示を制御するために、変動開始コマンドや変動停止コマンドなどを演出制御手段304へ送信する。これにより、メイン表示制御手段250および演出制御手段304(サブサブ)による変動表示が同期し、連動が保たれる。また、サブ制御コマンド送信手段207は、事前判定手段235による事前判定結果を演出決定手段303へ送信する。事前判定結果は送信バッファに一時保存された後、その抽選に対応する図柄変動表示が直ちに開始されるか否かにかかわらず事前判定結果に対応する入賞口(第1始動口11、第2始動口12)の種別情報、保留個数の情報、遊技状態等と併せて演出決定手段303へ送信され、送信バッファから消去または後に上書きされる。これにより、サブ基板300の側にとっては受信した事前判定結果により、図柄変動開始の順番が巡ってくる前にあらかじめ当否結果を推測的に認識できる、いわゆる「先読み」と呼ばれる処理が実現される。なお、サブ基板300が行う事前判定情報に基づく処理等については後述する。サブ制御コマンド送信手段207は、特別遊技制御手段260による特別遊技に関する情報、小当り遊技制御手段265による小当り遊技に関する情報、普図抽選手段213による抽選結果の情報、設定変更手段286により設定される遊技設定の設定値情報をサブ基板300に送信する。また、サブ制御コマンド送信手段207は、メイン初期処理実行手段280およびメインエラー検出手段284等による初期処理に関する情報やエラーに関する情報等、メイン基板200での各種制御、または、メイン基板200に送信される各種信号等に関する情報を適宜、サブ基板300に送信する。
図11は、サブ基板の構成を示すブロック図である。サブ基板300は、図柄態様決定手段301、パターン記憶手段302、演出決定手段303、演出制御手段304、計時手段307、演出設定手段308、サブ初期処理実行手段360、サブ電断処理実行手段362、サブエラー検出手段364、コマンド受信手段370、サブ側事前判定手段371を備える。
パターン記憶手段302は、装飾図柄61の変動において演出表示装置60に表示させる演出的な画像内容とその表示過程が定められた複数の演出パターンを保持する。演出パターンには、装飾図柄61の変動表示における変動開始から停止までの変動過程と演出過程が定められた複数の変動演出パターンと、装飾図柄の変動表示とは別に表示されて大当りへの期待度の高さを変動表示の停止前に予告的に示唆する複数の予告演出パターンとが含まれる。
コマンド受信手段370は、コマンド通信手段205から送信される各種コマンドを受信し、サブ側事前判定手段371は、コマンド通信手段205から送信される事前判定結果を保持する。演出決定手段303は、通常演出決定手段373と先読み演出決定手段374を含む。通常演出決定手段373は、コマンド通信手段205から送信される第1当否抽選の判定結果または第2当否抽選の判定結果の情報に応じて、演出制御手段304によって演出表示装置60へ表示し、スピーカー108、装飾ランプ111等に出力する演出内容を決定する。演出決定手段303は、コマンド通信手段205から送信される遊技設定の設定値に応じて演出内容を決定する。先読み演出決定手段374は、コマンド通信手段205から送信される事前判定結果に応じて、演出制御手段304によって演出表示装置60へ表示し、スピーカー108、装飾ランプ111等に出力する演出内容を決定する。通常演出決定手段373は、第1変動パターン決定手段231または第2変動パターン決定手段232により決定され、コマンド通信手段205から送信された特別図柄の変動パターンに対応する複数の変動演出パターンの中からいずれかを選択してパターン記憶手段302から読み出す。通常演出決定手段373は、読み出した変動演出パターンの情報を演出制御手段304へ送る。通常演出決定手段373は、変動演出パターンを選択するために参照すべきパターンテーブルを保持する。なお、コマンド通信手段205から送信される事前判定結果を参照して通常演出決定手段373により変動演出パターンを決定する場合があってもよく、先読み演出決定手段374による先読み演出の内容と併せて変動演出パターンを決定する場合があってもよい。先読み演出決定手段374は、コマンド通信手段205からの事前判定結果と、サブ基板300に保持する過去の事前判定結果や遊技状態情報等に基づいて本判定の結果をより精度よく特定し、その特定した結果に基づいて本判定前から先読み演出を実行するか否か、および、その実行内容を決定する。具体的には、先読み演出決定手段374は、現在の遊技状態が確率変動遊技中であるかを判定した上で、今回受信した事前判定結果より前の事前判定結果に基づいて通常遊技状態に移行するか否かを判定する。その判定結果を踏まえ、今回受信した事前判定結果に係る本判定の当否結果や選択される変動パターン等を特定し、当該特定結果に基づいて先読み演出の実行可否、先読み演出の実行内容を決定する。なお、演出決定手段303は、通常演出決定手段373と先読み演出決定手段374とが協同している部分が多いため、特に必要な部分を除き、両者を包括した演出決定手段303として説明する。
各変動演出パターンには、その図柄変動の終了条件としてパターンごとに変動時間が定められており、その変動時間の経過時に図柄変動が停止される。演出決定手段303は、特別図柄の変動パターンに応じて、変動時間が等しい演出画像の変動演出パターンを選択する。
図柄態様決定手段301は、装飾図柄61の停止図柄の組合せとその配置を、第1抽選手段211または第2抽選手段212による抽選の判定結果、特別図柄の停止図柄、特別図柄の変動パターン、装飾図柄の変動演出パターンに応じて決定する。図柄態様決定手段301は、決定した停止図柄の組合せを示す情報を演出制御手段304へ送信する。図柄態様決定手段301は、装飾図柄の停止図柄を決定するために参照すべき図柄範囲テーブルを保持する。
装飾図柄61の停止図柄は、3つの図柄の組合せとして形成され、例えば第1当否判定手段221および第2当否判定手段222による当否判定結果が4R大当りまたは10R大当りの特別遊技への移行を示す場合には特定の組合せ、例えば「777」や「111」のように3つの図柄が揃った組合せが選択される。当否判定結果が2R大当りの場合や小当りの場合もまた特定の組合せ、例えば「357」のような所定の組合せが選択されるが、それらの特定の組合せは必ずしも3つの図柄が揃った組合せでなくてもよい。当否判定結果が大当りでも小当りでもない場合は、「312」や「946」のように3つの図柄が揃っていない組合せであって、2R大当りや小当りのときに選択される特定の組合せに該当しない組合せが選択される。当否判定結果が4R大当りや10R大当りではない場合であって、リーチ付きの外れを示す変動パターンが選択された場合は、「191」や「727」のように一つだけ図柄が揃っていない組合せを選択する。
装飾図柄の変動演出パターンには、装飾図柄の変動表示態様、すなわち装飾図柄の変動開始から変動停止までの演出過程が定義される。変動演出パターンには、通常の外れ図柄を表示するときのパターンと、あと一つ図柄が揃えば大当りとなるリーチ状態を経て外れ図柄を表示するときのパターンと、リーチ状態を経て大当り図柄を表示するときのパターンが含まれる。特に、リーチ状態を経るときのパターンとしては、長短様々な変動時間をもつパターンが含まれる。各変動演出パターンには、その図柄変動の終了条件としてパターンごとに変動時間が定められており、その変動時間の経過時に図柄変動が停止される。演出決定手段303は、特別図柄の変動パターンに応じて、特別図柄と変動時間が等しい装飾図柄の変動演出パターンを選択する。
時短状態において、第1変動パターン決定手段231または第2変動パターン決定手段232により選択された変動パターンが時短用のパターンであった場合、演出決定手段303は時短用の演出内容が定められた変動演出パターンを選択する。時短用の演出内容は、時短または確変により遊技者に有利な状態であることを印象づける背景映像や音声が出力される演出である。
予告演出パターンは、特定のキャラクタやモチーフの画像、アニメーション、映像などを一時的に画面表示させる演出パターンや、役物を動作させる演出パターン、特定の音声を出力する演出パターンである。予告演出パターンによる演出は、図柄変動と並行して実行され、その図柄変動が大当り態様にて停止する期待度が高いことを予告的に示唆する。例えば、キャラクタの画像を一つだけ画面に表示させるだけの通常予告演出や、多数のキャラクタの群れを画面の一端から他端へ通過させるように表示させる群予告演出がある。また、予告演出の表示過程を複数段階に分け、表示させる段階数を可変にして段階数が多いほど大当りへの期待度が高くなるように設定されるステップアップ予告演出がさらに含まれる。
予告演出パターンには、装飾図柄61の表示態様がリーチ状態となった後のタイミングで演出が実行されて図柄の最終的な停止態様を予告するパターン(リーチ後予告)と、装飾図柄61が一つも停止していないタイミングで演出が実行されてリーチ状態となることを同時に予告するパターン(リーチ前予告)とがある。
演出決定手段303は、当否抽選の判定結果または事前判定結果に応じて演出表示装置60に予告演出を表示させるか否かを所定の予告抽選により決定して事前演出設定をするとともに、表示させるべき予告演出パターンを決定する。演出決定手段303は、予告演出を表示させるか否かを決定するために参照すべき予告決定テーブルと、予告演出パターンの種類を選択するときに参照すべき予告種類テーブルとを保持する。予告決定テーブルは、当否抽選の判定結果または事前判定結果に応じて異なる欄が参照されるように設定されており、当否抽選が当りの場合は外れの場合よりも高い確率で予告演出を表示させるよう、当否抽選の判定結果と予告演出を表示するか否かの対応関係が定められる。これにより、予告演出が表示されること自体で大当りへの期待度の高さを示唆することができる。
演出制御手段304は、選択された変動演出パターンデータにしたがって演出表示装置60へ装飾図柄61を含む演出画像を変動表示させる。演出制御手段304は、装飾図柄61の変動開始コマンドを受け取ったことを新たな装飾図柄の変動表示の開始条件とする。演出制御手段304は、予告演出を表示させる旨が演出決定手段303により決定された場合、選択された予告演出パターンにしたがった予告演出を図柄変動の演出に重畳させる形で演出表示装置60へ表示させる。
演出制御手段304は、第2当否抽選の当否抽選値が記憶されている場合は第1当否抽選に対応する図柄変動表示の開始を留保し、第1当否抽選の当否抽選値が記憶されているか否かにかかわらず第2当否抽選に対応する図柄変動表示を開始する。これにより、第1当否抽選と第2当否抽選の双方について抽選値が保留されていた場合は第2当否抽選で保留された抽選値が優先的に読み出されて装飾図柄の変動が表示される。そのような場合、第2当否抽選の保留数が0になるまでは第1当否抽選で保留された抽選値は読み出されずその装飾図柄の変動も開始しない。このように演出制御手段304は、装飾図柄61の変動表示を含む図柄変動演出を演出表示装置60に表示させる。
演出制御手段304は、装飾ランプ111の点灯および消灯や、可動役物66の動作をさらに制御する。演出制御手段304は、演出表示制御手段305、音声制御手段306、ランプ制御手段309を有する。演出表示制御手段305は、演出表示装置60への表示を制御し、音声制御手段306は、スピーカー108からの音声出力を制御する。ランプ制御手段309は、装飾ランプ111の点灯および消灯を制御する。
第1特別図柄51および第2特別図柄52の変動中、演出表示装置60には図柄変動中であることを示す画像を表示する必要がある。通常、ある程度の大きさを持つ通常サイズの装飾図柄61を変動表示させるが、通常サイズの装飾図柄61の変動表示の視認性を阻害する態様で、装飾図柄61の変動以外を主要な演出内容とする特殊な演出を表示させてもよい。この場合、通常サイズの装飾図柄より小さいサイズの装飾図柄である代替図柄を変動表示させることにより図柄変動中であることを遊技者に提示する。以下、単に装飾図柄と呼ぶ場合は通常サイズの装飾図柄を意味するが、代替図柄と区別する場合、通常サイズの装飾図柄を「通常装飾図柄」や「メイン装飾図柄」とも呼ぶ。
代替図柄は、通常装飾図柄の視認性が阻害される間、例えば通常装飾図柄が非表示となる間に表示される。代替図柄は、当否判定結果を演出的に示唆するための装飾図柄の一形態であり、通常装飾図柄よりも簡略化(言い換えれば簡易化、簡素化)された表示形態を有し、通常装飾図柄よりも簡略化された変動過程にて表示される。代替図柄は、通常装飾図柄の図柄種類を示す部分に対応した外観上の表示形態を有し、例えば、図柄種類を示す数字、文字、記号を表す表示形態を有する。また代替図柄は、通常装飾図柄が変動表示される領域よりも狭い領域で変動表示され、典型的には図柄以外の要素によるメイン演出を阻害しにくい位置、例えば演出表示装置60の画面の隅で変動表示される。代替図柄は、通常装飾図柄よりも相対的に小さく表示されるが、少なくとも図柄種類が外観上識別可能となる表示形態を有する。なお代替図柄は、通常装飾図柄をそのまま縮小したものでもよく、サイズ以外は通常装飾図柄と同一であってもよい。
複数の通常装飾図柄の代わりに表示される複数の代替図柄は、変動終了時の停止態様の組合せによって当否抽選の結果が遊技者に有利な状態となる期待度の高さを示唆する。例えば、複数の代替図柄は、3つの代替図柄のうち2つの図柄種類が揃ったリーチ状態となることによって当該変動における大当りの期待度が高いことを示唆する。また、リーチ状態となる左右図柄が「3」や「7」などの期待度が相対的に高いことを示唆する特定種類の図柄となることや、「1」や「2」などの期待度が相対的に低いことを示唆する種類の図柄となることによって、そのリーチ状態の期待度の高低を示唆してもよい。なお代替図柄は、外観上、確定的な停止状態になることはなく、微小な揺れが維持される仮停止状態になる。代替図柄の仮停止後に、代替図柄に代えて通常装飾図柄を表示させ、その通常装飾図柄を確定停止の状態で表示させてもよい。また、通常装飾図柄と代替図柄を排他的に表示するのではなく、表示期間の重複があってもよい。さらにまた、通常装飾図柄の視認性が阻害される所定の演出時に、通常装飾図柄の変動表示を継続するとともに代替図柄の変動を表示させてもよい。代替図柄とは異なり、第1特別図柄51および第2特別図柄52の変動中に演出表示装置60の所定の領域において、代替図柄と同程度かそれよりも小さい画像にて特別図柄が変動中であることを示唆する簡易図柄を変動表示してもよい。簡易図柄は、通常装飾図柄と同様に3つの図柄組合せの変動表示で構成してもよいし、一つの図柄の変動表示で構成してもよいし、単なる記号(「○」「×」など)を順次切り替える形で構成してもよい。簡易図柄は通常装飾図柄や代替図柄の変動表示態様とは関連性を持たせず、特別図柄の変動開始から変動終了まで一定の変動を表示し、停止表示時には通常装飾図柄の停止表示態様と関連した表示をしてもよい。なお、簡易図柄は、特別図柄の変動表示中であることの示唆および特別図柄の結果が最低限報知されるものであればよく、2つの図柄組合せで表示するものなど適宜変更可能である。また、簡易図柄を「簡易装飾図柄」「サブ装飾図柄」「サブ装図」「ミニ装飾図柄」「ミニ装図」などと呼んでもよい。演出表示装置60とは別に簡易図柄と同等の表示をLED等の発光態様によって示す第4図柄と呼ばれる装飾図柄の変動表示を用いてもよい。第4図柄は、演出表示装置60に不具合が発生した場合などにおいて、遊技の進行(特別図柄の変動中表示、結果表示)を示すために用いられる。第4図柄の表示態様の一例として、LEDが「白」、「青」、「緑」、「黄」、「橙」、「赤」と順次点灯(消灯を含む点滅としても可)していくことで変動表示してもよいし、特別図柄の種類に応じてある単色で点滅することで変動表示を示唆し、停止表示した際の発光色で外れや大当りの種類を示唆してもよい。
計時手段307は、遊技に使用する時間情報を出力する計時回路である。計時手段307は、電源投入時からの時間をカウンタで計測して時間情報として出力するタイマ回路である。ただし、電池を内蔵してぱちんこ遊技機100の電源オフ時や停電時も電池によって日時を計測し続けられるリアルタイムクロック回路でもよい。リアルタイムクロック回路の場合、個体差や時刻ズレによって遊技台ごとの時刻に微差が生じる可能性があるのに対し、タイマ回路の場合、同時に電源投入する限り複数の遊技台の間で時刻の差が生じる可能性は小さい。
演出決定手段303は、計時手段307により出力される時間情報が所定の時間を示したことを契機とする所定タイミングに開始する同調演出を実行する。同調演出は、図柄変動の変動期間や遊技状態とは実質的に非同期の期間である同調演出期間にて演出表示装置60に表示させる演出である。同調演出期間は数分間に及び、その長さは1回分の図柄変動時間よりも長く、複数回の図柄変動期間を包含し得る。同調演出の演出パターンはパターン記憶手段302に格納されており、その演出パターンには所定の楽曲と映像の再生が定められている。同調演出の演出パターンは複数種類用意され、月、日付、曜日、時刻などの日時によって異なる種類の演出パターンが選択され得る。
同調演出は通常遊技中か特別遊技中かを問わず実行される。ここで「通常遊技中」には、いわゆる待機デモ画面の表示中も含まれる。すなわち「通常遊技中」には、(1)図柄が変動表示されている「変動表示中通常遊技」、(2)図柄の変動表示中ではなく待機デモ画面の表示中でもない「変動停止中通常遊技」、(3)図柄の変動表示中ではなく待機デモ画面の表示中である「待機デモ画面表示中通常遊技」、が含まれる。(1)~(3)のいずれの期間中も同調演出は実行され得るが、(2)および(3)のときは同調演出における音量低減や輝度低減などの制御をする出力態様が(1)のときとは異なり得る。また、待機デモ画面表示中は、遊技者による演出ボタン109や十字キー110の操作によって後述の携帯連携システムに関する情報を入力でき、その操作入力があったときは同調演出の映像および音声の出力が抑制され、携帯連携システムによる演出カスタマイズなどの画面表示が優先される。
同調演出は、例えば所定の楽曲の演奏や映像を所定の時間(「同調演出開始時間」と呼ぶ)に再生する演出である。同調演出を再生する契機となる時間は、ぱちんこ遊技機100の電源投入時から所定時間間隔を挟んで到達する時間であってもよいし、標準時を基準とした毎正時または正時半の時刻であってもよい。あるいは、日付または曜日によって異なり得る時刻が設定されてもよく、「1時間ごと」のように一定間隔ではなく、最初は1時間後、次は3時間後、というように間隔が異なったり、その間隔が日付や曜日によって異なったりしてもよい。遊技店ごとに遊技店員によって時間を指定できる可変設定であってもよい。ただし、同じ遊技店に設置される複数台の同一機種間において少なくとも同じ時刻で同じ同調演出が実行されるようあらかじめ設定される。例えば、電源投入時から所定時間間隔を挟んで到達する時間を契機とする仕様の場合、遊技店においては複数台を同時に電源投入する。これにより、所定時間となったことを契機にそれら複数の遊技台において一斉に同じ同調演出が実行される。その結果、あたかも複数台で同期しているように同時に演出が表示され、同時に同じ楽曲や映像が流れることでその場でライブ演奏や映画の上映がなされているかの如く臨場感のある相乗的な演出効果が得られる。
同調演出の機能は同じ機種の別の遊技台にも同様に内蔵されており、同じ遊技島における複数の遊技台は毎日遊技店員によって同時に電源投入される。そして、同時に電源投入される複数の遊技台はすべてほぼ同時に同調演出開始時間を迎えることとなり、一斉に同時進行で同調演出を実行し得ることになる。これを複数台同期演出と呼ぶ。その場合、映像の表示が複数台で同調するだけでなく、効果音や背景音楽の出力もまた複数台で同調することとなり、同調する台数が多いほど一斉に演出を実行することによる相乗効果も高まる。
演出設定手段308は、遊技者の遊技履歴を記憶する。遊技履歴とは、遊技結果の履歴および演出結果の履歴を含む。遊技結果の履歴は、打球数、賞球数、大当り回数、確変回数、時短回数といった遊技の結果として遊技者が得られる出玉につながる遊技の結果である。演出結果の履歴は、遊技上の利益とは異なり、演出の内容や種類を変更できる権利や特定種類の演出を出現しやすくできる権利が付与されるといった利益を獲得するために記録される演出上の得点等の情報である。例えば、所定の演出の出現回数やミニゲームの結果などを得点化して遊技者に付与するために、その得点や遊技履歴を示す符号化情報、例えば二次元コードを画面に表示する。その二次元コードを遊技者が自分の携帯端末のカメラで読み取って復号すると、復号により得られた得点や遊技履歴の情報が遊技者の携帯端末に蓄積される。二次元コードを介した遊技機と遊技者の携帯端末との連携システムについては後述する。なお、ここでいう得点は、後述の演出カスタマイズの幅を広げるために必要となるもので、得点が所定の累積値に達すること(例えば1000ポイントに到達することや、100ポイント到達ごと、など)を契機として、カスタマイズ可能な項目が増加する仕様である。
演出設定手段308は、遊技者の選択指示および遊技履歴に基づき、演出カスタマイズとして複数種類の演出内容の選択肢からいずれを選択するかの設定を記憶する。例えば、特別遊技中に表示させる演出パターンとして、表示されるモチーフやキャラクタや楽曲が異なる複数種類の演出パターンがパターン記憶手段302に用意され、そのうちいずれの演出を表示させるかを遊技者に選択させることとする。または、図柄変動させる装飾図柄に含まれる絵柄のデザインとして複数種類のモチーフまたはキャラクタの絵柄がパターン記憶手段302に用意され、そのうちいずれの絵柄を表示させるかを遊技者に選択させることとする。それらの場合に、待機デモ画面の表示中に遊技者による演出ボタン109や十字キー110の操作を受け付け、その操作を介して演出パターンの選択がなされると、演出設定手段308はその選択内容を記憶する。演出決定手段303は、演出設定手段308により記憶された設定に応じて、特別遊技中の演出パターンの種類を選択する。
サブ初期処理実行手段360は、ぱちんこ遊技機100の電源投入時または電源断復帰時におけるサブ基板300の制御開始処理を実行する。サブ電断処理実行手段362は、電源断などの電源異常発生時にサブ基板300における電源断処理などの異常時対応処理を実行する。サブエラー検出手段364は、サブ基板300における異常検知処理を実行する。サブエラー検出手段364が電源断を検出すると、サブ電断処理実行手段362は、電源断処理としてRAMのデータをバックアップ用RAMにバックアップする。
図12は、携帯連携システムの概略を模式的に示す図である。携帯連携システムの前提として、遊技者はあらかじめ携帯端末354で専用サイトが設けられた遊技履歴サーバ358にアカウントおよびパスワードを設定することでユーザ登録しておく。遊技開始時において遊技者により演出ボタン109が押下されたとき、演出表示制御手段305が演出表示装置60の画面に遊技履歴サーバ358の専用サイトのアドレスを符号化した二次元コード350を表示させ、それを遊技者に携帯端末のカメラで読み取らせて遊技履歴サーバ358の専用サイトにアクセスさせる。その専用サイトから遊技者の識別情報や演出得点履歴を符号化した文字情報(これを「パスワード情報」とも呼ぶ)が携帯端末に送信され、携帯端末の画面に表示される。そのパスワード情報の入力画面を演出表示制御手段305が演出表示装置60に表示させ、十字キー110等のボタン操作を介して遊技者に入力させる。入力されたパスワード情報を演出設定手段308が復号して遊技者の識別情報や演出得点履歴として登録することにより、その遊技者の前回までの遊技内容や演出得点状態を引き継ぐことができる。このパスワード情報の入力が、その遊技者の遊技履歴の記録開始指示および各種演出要素を選択する演出カスタマイズの開始指示となる。以降、ぱちんこ遊技機100においては遊技や演出の進行に伴い、演出設定手段308がその遊技者に対して演出上の利益として付与する得点を随時加算して演出得点履歴として累積させるとともに、遊技者は随時、演出カスタマイズを実施して、各種演出要素として好みの要素を選択して設定することができる。演出上の得点付与は、図柄変動ごとに加算することを基本とし、特別遊技への移行期待度が高い演出種類ほど高い得点を付与し、特別遊技へ移行したときも高い得点を付与する。
演出カスタマイズとして、遊技者は累積的に獲得した得点の一部を利用し、その利用するポイント数に応じて、演出表示装置60に表示される演出内容を構成する色、背景、形状、キャラクタ、楽曲などの演出要素を好みの種類に変更することができる。演出設定手段308は、遊技者によるボタン操作を介した演出要素の変更指示を受け取り、その指示に応じて各種演出要素を変更する。カスタマイズできる演出要素は、その要素ごとに複数種類の項目が用意され、項目ごとに必要なポイント数として異なる値が設定されている。したがって、累積された得点が所定値に達することを契機にカスタマイズ可能な項目が増え、あるいはカスタマイズ可能項目を増加させるチャンスが付与されることとなる。遊技者が遊技ないし演出カスタマイズの終了指示としてボタン操作をすると、演出設定手段308は、演出上の特典や演出得点履歴などの情報を符号化した二次元コード350を生成し、これを演出表示制御手段305が演出表示装置60に表示する。その二次元コード350を遊技者が自身の携帯端末のカメラで読み取り、その読み取った二次元コード352を復号することにより情報を取得して携帯端末354に蓄積できる。またその情報は携帯端末354から専用サイトのある遊技履歴サーバ358へネットワーク356を経由して送信され、自身のアカウント情報と紐付けられて管理される。このように、演出上の特典や演出得点履歴などの情報が二次元コード350の表示およびその読み取りという伝送手段を介して携帯端末354へ伝達され、遊技履歴サーバ358にて管理されることで、次回の遊技で遊技や演出の内容を引き継ぐことができる。また、長く遊技を続けることで図柄変動回数や演出回数が増える分、得点を得ることができる。
図13は、メイン基板200およびサブ基板300のハードウェア構成を概略的に示すブロック図である。メイン基板200は、メインCPU290、メインRAM291、メインROM292などの電子部品を含む。メインROM292には、遊技動作全般を制御するためのメイン制御プログラムおよびデータがあらかじめ格納される。メインROM292からメイン制御プログラムまたはデータがメインRAM291へ読み込まれ、メイン制御プログラムがメインCPU290によって実行される。各電子部品間は図示しないシステムバスやデータバスなどのバスで結ばれる。各入球口からの入球信号や払出制御基板155からの払出信号などは図示しない各種インタフェースを介してメインCPU290により取得される。メインCPU290は、図示しない各種駆動回路により各入賞口ソレノイドや第1特別図柄表示部41、第2特別図柄表示部42などの外部装置を駆動制御する。また、メインCPU290からサブ基板300へは、演出制御に必要な命令が当否抽選の結果や図柄の決定結果、変動パターンの決定結果などの情報とともに送信される。メイン基板200からサブ基板300へは、一方向通信で信号が送信される。
メイン基板200からサブ基板300へ送信する命令データは、いわゆるMODEデータと呼ばれる1バイトの命令種別データと、いわゆるEVENTデータと呼ばれる1バイトの命令内容データとの組合せによる2バイト構成である。メイン基板200は、命令種別データおよび命令内容データを対応付けてサブ基板300へ送信することで一命令を送ることができる。命令種別データは、命令の種別を示すビット列であり、あらかじめ命令の種別ごとに開発段階で一意の種別コードを割り当ててある。命令内容データは、命令の内容を示すビット列である。命令種別データおよび命令内容データの最上位ビットは命令種別データと命令内容データのいずれであるかを示す識別ビットであり、最上位ビットが1のときは命令種別データであることを示し、最上位ビットが0のときは命令内容データであることを示す。
メイン基板200からサブ基板300への通信は、1回のデータ送信につき1バイトのデータを送信する仕様のため、2バイトの命令データを送信するために1バイトずつ2回の送信が必要となる。1回目の通信で上位バイトであるMODEデータを送信し、2回目の通信で下位バイトであるEVENTデータを送信する。ノイズ等の影響による通信失敗の可能性を考慮し、メイン基板200は同じデータを連続で送信し、サブ基板300により同じデータが2連続で読み込まれた時点でそのデータの送受信の完了を確定する。2連続で読み込まれるまではメイン基板200は同じデータを繰り返し送信し、最大5回まで送信する。
サブ基板300は、サブCPU310、サブRAM311、サブROM312、演出制御装置313などの電子部品を含む。サブROM312は、演出過程が定義された演出パターンデータや演出表示過程が定義された表示パターンデータなどを含むサブ制御プログラムを保持するデータ格納手段の一つである。サブROM312から演出パターンデータ、表示パターンデータ、音声パターンデータを含むサブ制御プログラムがサブRAM311へ読み込まれ、そのサブ制御プログラムによる演出制御がサブCPU310によって実行される。各電子部品間は図示しないシステムバスやデータバスなどのバスで結ばれる。演出ボタン109などの外部装置からの信号は図示しない各種インタフェースを介してサブCPU310により取得される。サブCPU310は、演出パターンデータにしたがって、演出制御装置313、図示しない各種駆動回路や制御回路により演出表示装置60、スピーカー108、装飾ランプ111、可動役物66などの外部装置を駆動して表示出力、音声出力、ランプ点灯、役物動作による演出を制御する。サブCPU310は、表示パターンデータおよび音声パターンデータを演出制御装置313へ送信する。なお、本実施例ではサブ基板300が演出制御装置313を内包する例を説明するが、サブ基板300と演出制御装置313とは基板として一体化していることを要さず、分離して互いに接続された別個の基板として形成されてもよい。
図14は、演出制御装置313のハードウェア構成を概略的に示すブロック図である。演出制御装置313は、制御CPU320、制御RAM322、データROM324、表示制御回路326、音声制御回路314を含む。データROM324は、演出表示に用いられる演出画像データおよびモーションデータや、音声出力に用いられる音声データなどの素材データをデータ圧縮した状態で保持するデータ格納手段の一つである。演出画像データは、当否抽選の判定結果などを示す演出オブジェクトとして変動表示や演出表示に用いられる画像であり、例えば装飾図柄変動に用いる装飾図柄のスプライト画像、予告演出に用いるスプライト画像、各種演出に用いる動画といった素材画像である。モーションデータは、各種演出に用いる画像に所定タイミングで演出的な動作を加える場合のその動作が定義されたデータである。音声データは、演出中に出力される楽曲、背景音、効果音、キャラクタのセリフといった音声のデータである。
サブCPU310から送られた表示パターンデータに基づいて、その表示パターンデータに指定された演出画像データやモーションデータがデータROM324から制御RAM322へ読み出され、その演出画像データやモーションデータを用いた演出表示が制御CPU320によって実行される。その結果、制御CPU320から表示制御回路326へ演出表示に関するコマンド、演出画像データ、モーションデータが送信され、表示制御回路326により表示制御がなされる。同様にして、制御CPU320から音声制御回路314へ音声出力に関するコマンド、音声データが送信され、音声制御回路314により音声出力制御がなされる。
表示制御回路326は、デコーダ332、描画メモリ334、描画回路336、フレームバッファ338、表示回路340を含み、それぞれがバス330を介して接続される。本図のバス330は、便宜上、システムバス、データバス、アドレスバスなどのバスを包括的に示したものである。
制御CPU320から送られた演出画像データやモーションデータは描画メモリ334に格納され、それらのデータのうち圧縮されたデータはデコーダ332によって復号される。描画メモリ334は、演出画像データやモーションデータをデコーダ332により復号する場合のワークエリアとして用いられたり、描画回路336による描画処理や画像処理を実行する場合のワークエリアとして用いられたりするVRAM(VideoRAM)である。
描画回路336は、描画メモリ334に格納されたデータを用い、制御CPU320から送られたコマンドを順に実行して表示用画像を生成し、その生成された表示用画像を動画像のフレームとしてフレームバッファ338に格納する。フレームバッファ338は、演出表示装置60へ出力すべき動画像のフレームを一時的に格納するバッファメモリとしてのVRAMである。
表示回路340は、フレームバッファ338に格納された表示用画像を格納された順に映像信号の形で演出表示装置60へ出力する。フレームバッファ338は、例えば2フレーム分のメモリ領域を有し、表示回路340が1フレーム分のメモリ領域から表示用画像を出力する間に、描画回路336が次の表示用画像を生成して、もう1フレーム分のメモリ領域に格納する。
なお、データROM324には、表示制御回路326によりなされる表示制御過程が定義された「詳細表示パターンデータ」が保持されている。このとき、サブCPU310から送られる表示パターンデータは、演出表示過程の概要が定義される「概略表示パターンデータ」ということができる。例えば、概略表示パターンデータには、装飾図柄の変動開始および変動停止タイミングや、複数の動画像の再生順序や、再生開始および停止のタイミングなど、一連の演出表示過程の大まかな流れが定義される。一方、詳細表示パターンデータには、装飾図柄の変動表示を実現するためのスプライト画像の表示順序や、モーションデータに基づく動画像を表示するためのフレーム単位での表示処理順序など、細かな表示制御過程が定義される。
演出制御装置313は、サブCPU310から送られた「概略表示パターンデータ」に基づく表示制御をする場合、その処理に必要な「詳細表示パターンデータ」をデータROM324から読み出し、双方の表示パターンデータを用いて表示処理を実行する。したがって、演出制御装置313は、「概略表示パターンデータ」および「詳細表示パターンデータ」を含む表示パターデータに基づいて表示制御処理を実行するということができる。そこで、本明細書においては、明示的に言及しない限り、サブROM312に格納される「概略表示パターンデータ」とデータROM324に格納される「詳細表示パターンデータ」を区別せず、単に「表示パターンデータ」という。例えば、演出制御手段が、データ格納手段に保持される表示パターンデータに基づき特定の処理をするという場合、この表示パターンデータには、「概略表示パターンデータ」と「詳細表示パターンデータ」を含むものとする。なお、変形例においては、表示パターンデータが、「概略表示パターンデータ」と「詳細表示パターンデータ」とに分かれておらず、双方を兼ねる表示パターンデータがサブROM312またはデータROM324に保持されていてもよい。
本実施例では、演出制御装置313のハードウェア構成として、制御CPU320、制御RAM322、データROM324および表示制御回路326が含まれる構成を示している。変形例においては、制御CPU320、制御RAM322、データROM324および表示制御回路326が、それぞれ別の電子部品として構成されるのではなく、一体化されていてもよい。また、表示制御回路326によって実行されるとした処理が、制御CPU320、制御RAM322またはデータROM324により実行されてもよい。例えば、演出制御装置313に含まれる制御CPU320が、表示制御回路326に含まれるデコーダ332、描画回路336、表示回路340により実行されるとした処理を実行してもよい。また、演出制御装置313に含まれる制御RAM322が描画メモリ334やフレームバッファ338の機能を兼ねてもよい。その他、演出制御装置313に表示制御回路326が含まれないハードウェア構成であってもよく、この場合、表示制御回路326により実行されるとした処理が、制御CPU320、制御RAM322またはデータROM324により実行されてもよい。
また、本実施例では、サブ基板300のハードウェア構成として、サブCPU310、サブRAM311およびサブROM312の他に、演出制御装置313が含まれる構成を示している。変形例においては、サブCPU310、サブRAM311、ROM312および演出制御装置313が、それぞれ別の電子部品として構成されるのではなく、一体化されていてもよい。また、演出制御装置313によって実行されるとした処理が、サブCPU310、サブRAM311またはサブROM312により実行されてもよい。例えば、サブCPU310が制御CPU320の処理を実行してもよいし、サブRAM311が制御RAM322の機能を兼ねてもよいし、サブROM312がデータROM324の機能を兼ねてもよい。その他、サブ基板300に演出制御装置313が含まれないハードウェア構成であってもよく、この場合、演出制御装置313により実行されるとした処理が、サブCPU310、サブRAM311またはサブROM312により実行されてもよい。
図15は、ぱちんこ遊技機におけるメイン基板200の制御開始処理を示すフローチャートである。この制御開始処理は、メイン初期処理実行手段280により実行されるが、以降、メイン初期処理実行手段280として機能するメインCPU290が実行するものとして説明する。電源スイッチ150が投入されると、メインCPU290は、スタックポインタを設定し(S100)、メインRAM291へのアクセスを許可し(S102)、メインCPU290の内蔵レジスタの設定などのハードウェアに関する初期設定を実行する(S104)。
メインCPU290は、設定キーの操作状態を確認し、設定キーがON状態であれば(S105のY)、RAMクリアスイッチの操作状態を確認する。RAMクリアスイッチがONされていれば(S122のY)、設定変更処理を実行する(S124)。一方、RAMクリアがOFFであれば(S122のN)、設定確認処理を実行する(S126)。なお、S105にいて、設定キーがOFF状態であれば(S105のN)、S122~S126の処理をスキップする。
つづいて、RAMクリアスイッチの操作状態、電源断情報フラグの値、及びメインRAM291に格納されているデータの状態に応じて、電源断復帰処理又はメインRAM291の初期化処理を実行する。具体的には、RAMクリアスイッチがONされず、かつ、電源断情報フラグの値と、メインRAM291に格納されているデータとの双方が正常であった場合は、電源断復帰時の処理を実行する。それ以外の場合、すなわち、RAMクリアスイッチがONされた場合、又は、RAMクリアスイッチがONされなかった場合でも、電源断情報フラグと、メインRAM291に格納されているデータとのいずれかが正常でなかった場合は、メインRAM291の初期化処理を実行する。
メインCPU290は、RAMクリアスイッチの操作状態を確認し、RAMクリアスイッチがONされた場合(S106のY)、メインRAM291を初期化する(S116)。RAMクリアスイッチがONされなかった場合(S106のN)、メインCPU290は、電源断情報フラグの値を確認する(S108)。電源断情報フラグの値が電源断正常データと一致しなければ(S108のN)、メインRAM291を初期化する(S116)。電源断情報フラグの値が電源断正常データと一致すれば(S108のY)、メインRAM291に格納されているデータを検査する(S110)。後述するように、前回の電源断時に処理が正常に終了していれば、メインRAM291に格納されていたデータのチェックサムがメインRAM291に格納されているので、メインCPU290は、チェックサムを用いてメインRAM291のデータを検査する。メインRAM291に格納されているデータが正常でなければ(S112のN)、メインRAM291のデータを初期化する(S116)。メインRAMに格納されているデータが正常であれば(S112のY)、電源断前の状態に復帰するための処理を実行する(S114)。
電源断復帰処理(S114)において、電源投入が正常に行われたことを示す電源投入正常データを電源断情報フラグに格納し、各種エラーの初期設定及び払出制御基板155との通信初期設定を実行する。つづいて、電源断前の未送信分のコマンド要求をクリアし、遊技状態を示す各種情報のコマンド送信を要求する。つづいて、第1特別図柄及び第2特別図柄の作動保留球数に対応した演出コマンドを要求する。つづいて、第2始動口12及び大入賞口20の開放/閉鎖状態を電源断前の状態に復帰させる。つづいて、特別図柄の確率変動機能の作動状態を報知するための処理を実行する。
RAM初期化処理(S116)において、電源投入正常データを電源断情報フラグに格納し、メインRAM291の全領域を0でクリアし、メインRAM291の初期設定及び演出表示器の初期化を実行する。なお、S116の初期化処理では、設定変更装置170の設定メモリに記憶される設定値はクリアされず、S124の設定変更処理で設定された設定値がそのまま保持される。
電源断復帰処理(S114)又はRAM初期化処理(S116)が終了すると、後述する割込処理を起動するためにカウント値をセットし、割込タイマの動作を開始させる(S118)。これにより、以降、所定の時間(例えば4ミリ秒)ごとにタイマ割込が発生し、後述する割込処理が実行される。つづいて、メインCPU290は、遊技機を管理するためのメイン処理を実行する(S120)。
図16は、図15におけるS124の設定変更処理を詳細に示すフローチャートである。遊技設定の設定値が記憶されるべき設定メモリの値を確認し、設定メモリ値が正常でなければ(S132のN)、設定値を初期化して初期値にする(S134)。設定値データとして「1」~「6」を用いる場合、初期値として「1」をセットし、設定値データとして「0」~「5」を用いる場合、初期値として「0」をセットする。設定メモリ値が正常であれば(S132のY)、S134の処理をスキップする。つづいて、設定変更状態へ移行し(S136)、設定メモリに記憶された設定値を設定表示部173に表示させる(S138)。設定変更ボタン172による変更操作があれば(S140のY)、設定表示部173に表示される設定値を更新するとともに、設定メモリに記憶される設定値を更新する(S142)。変更操作がなければ(S140のN)、S142の処理をスキップする。設定キーがONのままであれば(S144のN)、S138~S142の処理を繰り返す。設定キーシリンダ171に挿入される設定キーが元に戻されてOFFになれば(S144のY)、設定表示部173を非表示にして設定値が視認できない状態にし(S146)、リターンする。
図17は、図15におけるS126の設定確認処理を詳細に示すフローチャートである。遊技設定の設定値が記憶されるべき設定メモリの値を確認し、設定メモリ値が正常でなければ(S152のN)、設定値を初期化して初期値にする(S154)。設定メモリ値が正常であれば(S152のY)、S154の処理をスキップする。設定確認状態へ移行し(S156)、設定メモリに記憶された設定値を設定表示部173に表示させる(S158)。設定キーがONのままであれば(S160のN)、S158の処理を繰り返して設定値の表示を継続し、設定キーがOFFになれば(S160のY)、設定表示部173を非表示にして設定値が視認できない状態にし(S162)、リターンする。
図18は、図15におけるS120のメイン処理を詳細に示すフローチャートである。メインCPU290は、タイマ割込をいったん禁止し(S200)、ウォッチドッグタイマの動作を開始させ(S202)、電源断を監視する(S204)。図示しない電源電圧監視回路において電源基板158から供給される電源電圧の低下が検出されると、電源電圧監視回路からメインCPU290に無条件割込要求信号が入力されることにより実行される電源断記憶処理において、電源断確認データが電源断確認フラグに格納される。したがって、メインCPU290は、電源断確認フラグの値を監視し(S204)、電源断確認フラグの値が電源断確認データに一致する場合は(S206のY)、電源断のための処理を実行するために、S212に進む。電源断確認フラグの値が電源断確認データに一致しない場合は(S206のN)、普通図柄当り初期値乱数、特別図柄当り図柄初期値乱数、及び特別図柄当りソフト初期値乱数を更新するため、初期値乱数更新処理を実行し(S208)、タイマ割込を許可して(S210)、S200に戻る。以降、S200~S210が繰り返される。タイマ割込が禁止されている間(S202~S208)にタイマ割込が発生した場合、S210においてタイマ割込が許可された後に、後述する割込処理を実行する。
S206において電源断が検知されると(S206のY)、メインCPU290は、ウォッチドッグタイマをリスタートさせ(S212)、電源断情報フラグの内容を確認する(S214)。電源断情報フラグの内容が電源投入正常データと一致しない場合は(S214のN)、電源投入時のデータが正常に保存されていないと判断し、電源断異常データを電源断情報フラグに格納して(S216)、S222に進む。電源断情報フラグの内容が電源投入正常データと一致する場合は(S214のY)、電源投入時のデータが正常に保存されていると判断し、電源断正常データを電源断情報フラグに格納する(S218)。つづいて、次回の電源投入時に、バックアップされたメインRAM291のデータを検査するために、メインRAM291に格納されているデータのチェックサムを算出してメインRAM291に格納する(S220)。つづいて、メインRAM291へのアクセスを禁止して(S222)、電源が落ちるまでループする。なお、上記の電源断時の処理は、メインCPU290により実現されるメイン電断処理実行手段282が実行する。
図19は、割込処理の詳細を示すフローチャートである。メイン処理(S120)においてタイマ割込が発生すると、メインCPU290は割込処理を実行する。まず、割込動作条件を設定し(S300)、ウォッチドッグタイマをリスタートさせる(S302)。つづいて、遊技機を管理するため、入力処理(S304)、各種乱数更新処理(S306)、初期値更新型乱数更新処理(S308)、初期値乱数更新処理(S310)、タイマ減算処理(S312)、第2始動口有効期間設定処理(S314)、入賞監視処理(S316)、賞球制御処理(S318)、普通図柄作動ゲート監視処理(S320)、普通図柄制御処理(S322)、普通図柄変動開始監視処理(S324)、始動口監視制御処理(S326)、特別図柄制御処理(S328)、特別電動役物制御処理(S330)、大入賞口有効期間設定処理(S332)、特別図柄変動開始監視制御処理(S334)、異常検知処理(S336)、入球通過時間異常検出処理(S338)、遊技状態表示処理(S340)、ハンドル状態信号検査処理(S342)、LED出力処理(S344)、発射制御信号出力処理(S346)、試験信号出力処理(S348)、ソレノイド出力処理(S350)、演出制御コマンド送信処理(S352)、外部情報出力処理(S354)を順に実行し、次回のタイマ割込を許可して(S356)、リターンする。
入力処理(S304)において、遊技盤面に取り付けられているスイッチ、断線短絡電源異常検知信号、扉・枠の開放信号、磁気検知信号、電波検知信号、及びタッチ状態信号の入力ポートのデータを監視し、入力状態を示すデータを作成してメインRAM291に格納する。なお、この入力状態を示すデータは、レベルデータ(今回の割込時における入力ポートのデータ)と、立ち上がりデータまたは立ち下がりデータ(今回の割込時における入力ポートのデータと前回の割込時における入力ポートのデータを排他的論理和で比較して切り替わりが見られたスイッチを示すデータ)である。
各種乱数更新処理(S306)において、普通図柄変動パターン乱数及び変動パターン乱数を更新する。普通図柄変動パターン乱数をメインRAM291から読み出し、値が所定の最大値未満である場合は値をインクリメントして格納し、値が所定の最大値以上である場合は0を格納する。また、変動パターン乱数をメインRAM291から読み出し、値から所定値を減算した結果が0以上である場合は減算結果を格納し、0未満である場合は所定の最大値を格納する。これにより、普通図柄変動パターン乱数及び変動パターン乱数は、タイマ割込が発生する時間ごとに更新される。
初期値更新型乱数更新処理(S308)において、普通図柄当り乱数、特別図柄当り図柄乱数、及び特別図柄当りソフト乱数を更新する。それぞれの乱数の値、最大値、及び初期値をメインRAM291から読み出し、乱数の値をインクリメントする。インクリメントした結果が、最大値を超えた場合は、乱数の値を0とする。また、インクリメントした結果が、初期値に一致した場合は、初期値乱数をメインRAM291から読み出し、初期値を更新する。これにより、普通図柄当り乱数、特別図柄当り図柄乱数、及び特別図柄当りソフト乱数は、タイマ割込が発生する時間ごとに更新され、乱数の値が初期値に戻ると、すなわち乱数の範囲を一巡すると、新たに初期値を設定し直して乱数が生成される。
初期値乱数更新処理(S310)において、普通図柄当り初期値乱数、特別図柄当り図柄初期値乱数、及び特別図柄当りソフト初期値乱数を更新する。メインRAM291の初期値乱数更新テーブルから初期値乱数を読み出し、初期値乱数の値をインクリメントする。インクリメントした結果が、上限値を超えていた場合は、初期値乱数の値を0とする。メイン処理(S120)における初期値乱数更新処理(S208)においても、同様の処理が実行される。
タイマ減算処理(S312)において、2バイトタイマを更新する。各種制御用のタイマの値をそれぞれテーブルにしたがってメインRAM291から読み出し、タイマの値が0以外である場合、値を順次デクリメントして格納する。タイマの値が0である場合、タイマの更新は実行しない。
第2始動口有効期間設定処理(S314)において、第2始動口12の有効期間を設定する。第2始動口12には、遊技球の入球により賞球の払い出し及び第2特別図柄に係る抽選が実行される有効期間と、遊技球が入球しても賞球の払い出し及び第2特別図柄に係る抽選が実行されない無効期間が設定される。後述するように、始動口監視制御処理(S326)において、第2始動口12の無効期間には、第2始動口入賞の監視処理を実行しないので、第2始動口12に遊技球が入球しても賞球の払い出し及び第2特別図柄に係る抽選は実行されない。第1始動口11、大入賞口20、第1作動口31、第2作動口32、一般入賞口33などに、有効期間及び無効期間が設定される場合についても同様である。普通図柄の状態が「普通電動役物作動中」である場合、第2始動口有効期間フラグに第2始動口12が有効期間であることを示すデータを格納する。普通図柄の状態が「普通電動役物作動中」でない場合、第2始動口有効延長タイマの値が0でなければ、第2始動口有効期間フラグに第2始動口12が有効期間であることを示すデータを格納し、第2始動口有効延長タイマの値が0であれば、第2始動口有効期間フラグに第2始動口が無効期間であることを示すデータを格納する。
入賞監視処理(S316)において、遊技球のスイッチ通過を検査し、遊技球がスイッチを通過したとき、そのスイッチに無効期間がない、又は、現在有効期間である場合で、かつ、賞球払い出しがある場合、入賞カウンタを更新する。また、外部情報出力端子160へ出力するセキュリティの出力要求の作成及びコマンドの送信を要求する。
賞球制御処理(S318)において、払出制御基板155からのデータ受信の監視、払出制御基板155へのコマンド送信要求、払出制御基板155へのコマンド送信、及び払出制御基板155からの受信データの検査を、順に実行する。
普通図柄作動ゲート監視処理(S320)において、遊技球の第1作動口31、第2作動口32の通過を監視し、遊技球が第1作動口31または第2作動口32を通過したと判断したとき、普通図柄変動の保留数が上限値である4未満である場合は、普通図柄の保留数を更新し、普通図柄に係る乱数をメインRAM291に格納する。
普通図柄制御処理(S322)において、普通図柄の状態を監視し、普通図柄制御中と判断した場合、普通図柄表示部45又は普通電動役物90に係る処理を実行する。普通図柄の状態が「普通図柄変動中」である場合、普通図柄変動中処理を実行し、「普通図柄停止図柄表示中」である場合、普通図柄停止図柄表示中処理を実行し、「普通電動役物作動中」である場合、普通電動役物作動中処理を実行し、「普通電動役物作動終了デモ中」である場合、普通電動役物作動終了デモ中処理を実行する。普通図柄変動中処理において、普通図柄の変動を行った後、変動時間を監視し、普通図柄の変動時間終了と判断した場合、普通図柄の変動停止設定を実行して、普通図柄の状態を「普通図柄停止図柄表示中」に設定する。普通図柄停止図柄表示中処理において、普通図柄の停止図柄表示時間を監視し、普通図柄の停止図柄表示時間終了と判断した場合、当り判定の結果に対応した普通図柄の作動終了設定を実行する。当りの場合は、普通図柄の状態を「普通電動役物作動中」に設定し、普通電動役物作動開始時の普通電動役物開放延長機能の作動状態を保存し、普通電動役物作動開始時の普通電動役物開放延長機能の作動状態に対応した普通電動役物ソレノイド91の作動設定を実行する。はずれの場合は、普通図柄の状態を「普通図柄変動待機中」に設定する。普通電動役物作動中処理において、遊技球の普通電動役物90に係る入賞口の入賞を監視し、普通電動役物90に係る入賞口の入賞数が最大入賞数に達したと判断した場合は、普通電動役物90の作動終了設定及び第2始動口有効延長時間の設定を実行する。普通電動役物90に係る入賞口の入賞数が最大入賞数に達していないと判断した場合は、普通電動役物90に係る入賞口の入口の開放/閉鎖時間の監視、普通電動役物90に係る入賞口の入口の開放/閉鎖の設定を行い、一連の普通電動役物90の入口の開放が終了したと判断した場合は、普通電動役物90の作動終了設定及び第2始動口有効延長時間の設定を実行する。なお、普通電動役物90に係る入賞口の入口の開放/閉鎖時間の終了でないと判断した場合は、普通電動役物90に係る入賞口の入口の開放/閉鎖の設定は実行しない。普通電動役物作動終了デモ中処理において、普通電動役物90の作動終了デモ時間の監視を行い、普通電動役物90の作動終了デモ時間終了と判断した場合、普通図柄の状態を「普通図柄変動待機中」に設定する。
普通図柄変動開始監視処理(S324)において、普通図柄の状態を監視し、「普通図柄変動待機中」であり、かつ、普通図柄作動保留球数の値が0以外である場合、普通図柄の変動を開始させると判断する。普通図柄の変動を開始させると判断した場合、普通図柄作動保留球数をデクリメントし、当り判定、停止図柄の決定、普通図柄の変動パターン番号の設定、及び普通図柄の変動時間の設定を実行する。その後、普通図柄の状態を「普通図柄変動中」に設定し、普通図柄の状態設定、当り判定、及び変動パターン決定に使用したメインRAM291の領域をクリアする。
始動口監視制御処理(S326)において、遊技球の第1始動口11入賞及び第2始動口12入賞を監視する。第1特別図柄の作動保留球数が4未満であるときに遊技球の入賞を確認した場合は、内蔵乱数を取得し、取得した内蔵乱数に特別図柄当りソフト乱数の値を加算した値を、大当り判定で使用する特別図柄当り乱数としてバッファに格納する。また、特別図柄に係る乱数として、図柄乱数及び変動パターン乱数を取得して記憶する。第2特別図柄の保留を第1特別図柄の保留に優先して消化する場合は、当該入賞に係る保留の更新のみを実行するが、特別図柄の保留の消化順序が入賞順である場合は、当該入賞に係る保留の更新のほか、合計保留数の更新及び入賞順序の記憶を実行する。つづいて、始動口入賞時に記憶する乱数に対応した予告演出コマンドを要求するため、遊技機の状態を確認し、コマンド送信期間と判断した場合、当り予告演出要求、当り図柄予告演出要求、パターン予告演出要求を順に実行する。ここで、(1)当り待ち中で、かつ、普通図柄の確率変動機能が未作動中に、第1特別図柄に係る乱数を記憶する場合、(2)当り待ち中で、かつ、普通図柄の確率変動機能が未作動中に、第2特別図柄に係る乱数を記憶する場合、(3)大当り中又は小当り中に第2特別図柄に係る乱数を記憶する場合のいずれかに該当する場合に、コマンド送信期間であると判断する。つづいて、特別図柄の作動保留球数に対応した演出コマンドを要求する。これにより、特別図柄の作動保留球数が更新されたことが、サブ基板300に通知される。以上のように、先読みにおいては、事前判定情報(事前当否判定情報、事前図柄判定情報、事前パターン判定情報)、保留球数の4つがセットとしてサブ基板300に送信される。なお、上記の例では、メインCPU290において、事前判定処理のためのコマンドの送信を制御したが、別の例では、始動口への入球がある場合には一様に送信を行い、先読み可能期間であるか否かなどの各種の状況判断は、サブCPU310が行ってもよい。つづいて、第2始動口有効期間フラグの値を検査し、第2始動口有効期間フラグの値が第2始動口12が有効期間であることを示すデータである場合、第1始動口入賞の場合と同様に、第2始動口入賞の監視処理を実行する。第2始動口有効期間フラグの値が第2始動口12が無効期間であることを示すデータである場合、第2始動口入賞の監視処理は実行しない。なお、保留球数が0であったときに遊技球の入賞を確認した場合には、ここでいったん保留球数を0から1にした上で、後述する変動開始に係る制御処理が実行される。
特別図柄制御処理(S328)において、当り待ち状態の検査を行い、特別電動役物が作動中、すなわち、大当り中又は小当り中である場合、特別図柄制御処理を終了する。特別電動役物が未作動である場合、特別図柄の状態を検査し、「特別図柄変動待機中」であれば、特別図柄制御汎用処理を終了し、「変動開始」であれば、特別図柄変動開始処理を実行し、「特別図柄変動中」であれば、特別図柄変動中処理を実行し、「特別図柄停止図柄表示中」であれば、特別図柄停止図柄表示中処理を実行する。特別図柄変動開始処理において、変動パターン乱数に基づいて特別図柄変動パターンの選択番号を取得し、特別図柄変動パターン番号に対応した変動時間を決定し、サブ基板300に演出表示を開始させるため、変動付加図柄情報、変動パターン、及びキャラクタの情報のコマンドを要求し、特別図柄の状態を「特別図柄変動中」に設定し、特別図柄変動パターンの決定に使用した変動パターン判定領域を0でクリアする。特別図柄変動中処理において、特別図柄の変動を行った後、変動時間を監視し、特別図柄の変動時間終了と判断した場合、特別図柄の変動停止設定を行って、特別図柄の状態を「特別図柄停止図柄表示中」に設定する。特別図柄停止図柄表示中処理において、特別図柄の停止図柄表示時間を監視し、特別図柄の停止図柄表示時間終了と判断した場合、当り判定の結果に対応した特別図柄の作動終了設定を実行する。大当りの場合は、特別図柄の作動を終了させるため、特別図柄の状態を「特別図柄変動待機中」に設定し、特別電動役物が連続して作動する回数の設定を行い、特別図柄の確率変動機能、特別図柄の変動時間短縮機能、普通図柄の確率変動機能、普通図柄の変動時間短縮機能、及び普通電動役物の開放延長機能を未作動にし、遊技機の状態を大入賞口開放準備中に設定し、当り開始デモ表示時間の設定、当り開始デモ演出のコマンド要求、及び発射位置指定演出のコマンド要求(「右打ち」など推奨発射位置を示唆する演出を実行させるためのコマンド要求)を実行する。当り判定の結果が小当りである場合、特別図柄の変動時間短縮機能及び普通図柄の確率変動機能の作動終了判定を行い、変動パターン選択状態を更新し、遊技状態のコマンド要求を行い、特別図柄の作動を終了させるため、特別図柄の状態を「特別図柄変動待機中」に設定し、遊技機の状態を小当り開始デモ中に設定し、当り開始デモ表示時間の設定、当り開始デモ演出のコマンド要求、及び発射位置指定演出のコマンド要求を実行する。当り判定の結果がはずれである場合、特別図柄の変動時間短縮機能及び普通図柄の確率変動機能の作動終了判定を行い、変動パターン選択状態を更新し、遊技状態のコマンド要求を行い、特別図柄の作動を終了させるため、特別図柄の状態を「特別図柄変動待機中」に設定し、発射位置指定演出のコマンド要求を実行する。
特別電動役物制御処理(S330)において、特別電動役物に係る処理を実行するため、条件装置及び特別電動役物の作動状態を検査し、条件装置が作動中又は特別電動役物が作動中と判断した場合、特別電動役物に係る処理を実行する。特別電動役物の作動状態に応じて、大入賞口開放準備中処理、特別電動役物作動中処理、大入賞口閉鎖中処理、大当り終了デモ中処理、小当り開始デモ中処理、小当り特電作動中処理、小当り大入賞口閉鎖中処理、小当り終了デモ中処理を実行する。
大入賞口有効期間設定処理(S332)において、大入賞口20の有効期間判定の結果を保存するため、大入賞口有効時間の値が0である場合は、大入賞口有効期間フラグに大入賞口無効期間データを格納し、0以外である場合は、大入賞口有効期間フラグに大入賞口有効期間データを格納する。
特別図柄変動開始監視制御処理(S334)において、特別図柄の作動状態を監視し、特別図柄が変動開始できる状態であるか否かを判定する。特別図柄の保留球の消化順序が、第2特別図柄の優先消化である場合、(1)大当り中又は小当り中でないこと、(2)第1特別図柄が変動待機中であること、(3)第2特別図柄が変動待機中であること、(4)当該特別図柄の作動保留球数が0以外であること、の全てが満たされているときに、特別図柄が変動開始できる状態であると判定する。特別図柄の保留球の消化順序が、入賞順である場合、上記(1)~(3)に加えて、(5)特別図柄の保留球数の合計が0以外であること、(6)当該判定が消化順序すなわち入賞順と一致すること、の全てが満たされているときに、特別図柄が変動開始できる状態であると判定する。
特別図柄が変動開始できる状態であると判定された場合、当該特別図柄の作動保留球数を減算し、第1特別図柄及び第2特別図柄の保留球数に対応した演出コマンドを要求する。これにより、特別図柄の保留球数が更新されたことがサブ基板300に通知される。
つづいて、特別図柄の当り判定を実行する。当り判定において、特別図柄当り乱数により、大当り、小当り、はずれのいずれであるかが判定され、判定結果が、特別図柄判定フラグに格納される。つづいて、図柄を決定する。図柄の決定において、当り判定が大当りであった場合、特別図柄当り図柄乱数に基づいて大当り図柄が決定され、小当りであった場合、小当り図柄が決定され、はずれであった場合、はずれ図柄が決定される。
当り判定の結果が大当りであった場合、図柄の決定処理において決定された当り図柄の種別を示す群判定番号の値に基づいて、特別図柄の確率変動機能の作動内容を判定し、特別図柄の変動時間短縮機能の作動内容や、普通図柄の入賞容易状態を設定など、大当り終了後の遊技状態を設定する。つづいて、特別電動役物が連続して作動する回数や、大入賞口の開放時間の内容など、大当り中の設定を実行する。つづいて、当り判定の結果と、普通図柄の確率変動機能の作動状態に基づいて、大当り終了後に参照すべき変動パターンテーブルを選択することにより、変動パターン選択状態の内容を設定する。つづいて、遊技状態及び当り図柄の種別を示す群判定番号の値に基づいて選択されたテーブルを参照して、開始デモ時間及び終了デモ時間を設定する。つづいて、当り判定及び図柄決定に使用したメインRAM291の領域をクリアし、特別図柄の状態を「変動開始」に設定する。
当り判定の結果が小当りであった場合、小当り終了後に参照すべき変動パターンテーブルを選択することにより、変動パターン選択状態の内容を設定し、開始デモ時間及び終了デモ時間を設定し、当り判定及び図柄決定に使用したメインRAM291の領域をクリアして、特別図柄の状態を「変動開始」に設定する。当り判定の結果がはずれであった場合、当り判定及び図柄決定に使用したメインRAM291の領域をクリアして、特別図柄の状態を「変動開始」に設定する。
異常検知処理(S336)において、メインエラー検出手段284として機能するメインCPU290は、磁気検知信号、断線短絡電源異常検知信号、電波検知信号、扉・枠の開放信号を検査し、エラー状態に変化があった場合は、エラー状態を記憶して、サブ基板300に遊技機のエラー状態演出の表示を要求する。このとき、制御基板に搭載されたLED等の発光手段の発光態様をエラー状態に応じて制御してもよい。エラー状態に変化がなかった場合は、エラー状態の記憶及びエラー状態演出の表示要求は実行しない。
入球通過時間異常検出処理(S338)において、メインエラー検出手段284として機能するメインCPU290は、入球通過時間異常を検出するため、各スイッチレベルの連続オン時間の監視を行い、連続オン時間(例えば、スイッチがオンであるとき割込み毎にインクリメントするカウンタの値)が異常値であったと判断した場合、入球通過時間異常の設定、コマンドの送信要求、外部情報出力端子160へ出力するセキュリティの出力要求の作成を順に実行する。このとき、制御基板に搭載されたLED等の発光手段の発光態様を入球通過時間異常に応じて制御してもよい。連続オン時間が異常ではないと判断した場合は、セキュリティの出力要求の作成は実行しない。
遊技状態表示処理(S340)において、特別電動役物が連続して作動する回数、エラー状態、普通図柄の作動保留球数、及び特別図柄の作動保留球数の表示を要求するため、それぞれの表示データを作成する。
ハンドル状態信号検査処理(S342)において、ハンドルのタッチ状態を監視するため、ハンドル状態の検査を行い、検査の結果、ハンドル状態に変化ありと判断した場合、ハンドル状態監視タイマの減算、ハンドル状態の更新、ハンドル状態監視タイマの設定、及びハンドル状態演出のコマンド送信要求を実行する。検査の結果、ハンドル状態に変化なしと判断した場合、ハンドル状態監視タイマの設定を実行する。ハンドル状態監視タイマの値をデクリメントした結果が0以外の場合、タイマ減算中と判断して、以降の処理は実行しない。
LED出力処理(S344)において、特別図柄の表示、普通図柄の表示、特別図柄の作動保留球数の表示、普通図柄の作動保留球数の表示、遊技状態の表示、特別電動役物が連続して作動する回数の表示、役物連続作動装置未作動時の特別電動役物の作動状態の表示、打ち分けの表示、エラーの表示、賞球比率の表示を実行するために、表示の初期化、表示データの取得及び出力を順に実行する。
発射制御信号出力処理(S346)において、遊技球の発射の禁止/許可の信号を出力するため、払出制御基板155との通信状態及び断線短絡電源異常に対応した発射の禁止/許可の設定、及び発射の禁止/許可データを取得した後、発射の禁止/許可の信号の出力を実行する。
試験信号出力処理(S348)において、試験装置に出力する信号を作成し、対応した出力ポートに出力する。
ソレノイド出力処理(S350)において、普通電動役物ソレノイド91及び大入賞口ソレノイド92の出力データを出力するために、普通電動役物ソレノイド91の出力データの取得、大入賞口ソレノイド92の出力データの取得及び出力データの出力を実行する。それぞれのソレノイドの作動フラグ及び作動タイマを取得し、取得したソレノイド作動フラグ及びソレノイド作動タイマに対応した出力データを取得する。つづいて、ソレノイド作動タイマを更新し、出力データをソレノイド出力ポートへ出力する。
演出制御コマンド送信処理(S352)において、サブ基板300へ送信するコマンドの送信要求の有無を検査し、送信要求があると判断した場合、要求するコマンドデータを取得し、使用したコマンドバッファを0でクリアし、取得したコマンドデータに対応したMODEデータの取得、MODEデータの出力、MODEデータの保持、取得したコマンドデータに対応したEVENTデータの取得、EVENTデータの出力を順に実行する。
外部情報出力処理(S354)において、外部情報出力端子160に出力する信号を作成し、作成した信号を外部情報出力ポートに出力する。
上述したメイン基板200の動作過程において使用される乱数について、より詳細に説明する。メイン基板200において使用される乱数には、主に、普通図柄に係る乱数として、普通図柄当り乱数、及び普通図柄変動パターン乱数があり、特別図柄に係る乱数として、特別図柄当り乱数(ハード乱数)、特別図柄当りソフト乱数、特別図柄当り図柄乱数、変動パターン乱数がある。また、初期値更新型乱数である、普通図柄当り乱数、特別図柄当り図柄乱数、及び特別図柄当りソフト乱数の初期値を与えるための乱数として、普通図柄当り初期値乱数、特別図柄当り図柄初期値乱数、及び特別図柄当りソフト初期値乱数がある。
普通図柄当り乱数は、割込処理の初期値更新型乱数更新処理(S308)において更新され、メインRAM291の所定位置に格納される。普通図柄当り乱数は、割込処理の普通図柄作動ゲート監視処理(S320)において、遊技球が第1作動口31または第2作動口32を通過したと判断されたとき、普通図柄変動の保留数が上限値である4未満である場合に、メインRAM291の所定位置から取得され、メインRAM291の別の領域に格納される。普通図柄乱数は、普通図柄変動開始監視処理(S324)において、普通図柄の変動を開始させると判断されたときに、当り判定及び停止図柄の決定のために使用される。
普通図柄変動パターン乱数は、例えば0~232の値をとり、割込処理の各種乱数更新処理(S306)において更新され、メインRAM291の所定位置に格納される。普通図柄変動パターン乱数は、割込処理の普通図柄作動ゲート監視処理(S320)において、遊技球が第1作動口31または第2作動口32を通過したと判断されたとき、普通図柄変動の保留数が上限値である4未満である場合に、メインRAM291の所定位置から取得され、メインRAM291の別の領域に格納される。普通図柄変動パターン乱数は、普通図柄変動開始監視処理(S324)において、普通図柄の変動を開始させると判断されたときに、普通図柄の変動パターンの決定のために使用される。
特別図柄当り乱数は、割込処理の始動口監視制御処理(S326)において、第1特別図柄又は第2特別図柄の作動保留球数が4未満であるときに遊技球の入賞を確認した場合に、内蔵乱数と特別図柄当りソフト乱数の値を取得し、両者を加算することにより生成され、メインRAM291の所定位置に格納される。特別図柄当り乱数は、割込処理の特別図柄変動開始監視制御処理(S334)において、大当り判定及び小当り判定を実行するために使用される。
特別図柄当りソフト乱数は、割込処理の初期値更新型乱数更新処理(S308)において更新され、メインRAM291の所定位置に格納される。特別図柄当りソフト乱数は、始動口監視制御処理(S326)において、第1特別図柄又は第2特別図柄の作動保留球数が4未満であるときに遊技球の入賞を確認した場合に、メインRAM291の所定位置から取得され、上述したように、特別図柄当り乱数を生成するために使用される。
特別図柄当り図柄乱数は、例えば0~999(図7の例では0~255)の値をとり、割込処理の初期値更新型乱数更新処理(S308)において更新され、メインRAM291の所定位置に格納される。特別図柄当り図柄乱数は、始動口監視制御処理(S326)において、第1特別図柄又は第2特別図柄の作動保留球数が4未満であるときに遊技球の入賞を確認した場合に、メインRAM291の所定位置から取得され、メインRAM291の別の領域に格納される。特別図柄当り図柄乱数は、割込処理の特別図柄変動開始監視制御処理(S334)において、当り判定が大当りであった場合に、大当り図柄を決定するために用いられる。
変動パターン乱数は、例えば0~49999(図8の例では0~255)の値をとり、割込処理の各種乱数更新処理(S306)において更新され、メインRAM291の所定位置に格納される。変動パターン乱数は、始動口監視制御処理(S326)において、第1特別図柄又は第2特別図柄の作動保留球数が4未満であるときに遊技球の入賞を確認した場合に、メインRAM291の所定位置から取得され、メインRAM291の別の領域に格納される。変動パターン乱数は、割込処理の特別図柄制御処理(S328)において、特別図柄変動パターンを決定するために用いられる。
普通図柄当り初期値乱数、特別図柄当り図柄初期値乱数、及び特別図柄当りソフト初期値乱数は、それぞれ、普通図柄当り乱数、特別図柄当り図柄乱数、及び特別図柄当りソフト乱数と同じ範囲の値をとり、メイン処理(S120)の初期値乱数更新処理(S208)及び割込処理の初期値乱数更新処理(S310)において更新され、メインRAM291の所定位置に格納される。普通図柄当り初期値乱数、特別図柄当り図柄初期値乱数、及び特別図柄当りソフト初期値乱数は、初期値更新型乱数更新処理(S308)において、普通図柄当り乱数、特別図柄当り図柄乱数、及び特別図柄当りソフト乱数を更新するときに、それぞれの乱数の初期値として用いられる。
割込処理は、タイマ割込により一定時間ごとに実行されるので、割込処理に含まれる各種乱数更新処理(S306)及び初期値更新型乱数更新処理(S308)も、一定時間ごとに実行される。すなわち、普通図柄当り乱数、普通図柄変動パターン乱数、特別図柄当り乱数、特別図柄当りソフト乱数、特別図柄当り図柄乱数、変動パターン乱数は、一定時間ごとに更新される。これに対して、メイン処理(S120)は、割込処理が終了してから次のタイマ割込が発生するまでの間、すなわち、タイマにより計測される一定時間から割込処理に要した時間を減じた時間だけ繰り返される。割込処理に要する時間は、遊技状態などに応じて異なるので、メイン処理(S120)における初期値乱数更新処理(S208)は、各種乱数更新処理(S306)や初期値更新型乱数更新処理(S308)と異なり、一定時間ごとに実行されるわけではない。これにより、初期値更新型乱数更新処理(S308)において初期値を設定する際に取得される初期値乱数を毎回ランダムにすることができる。
図20は、ぱちんこ遊技機におけるサブ基板300の制御開始処理を示すフローチャートである。この制御開始処理は、サブ初期処理実行手段360により実行されるが、以降、サブ初期処理実行手段360として機能するサブCPU310が実行するものとして説明する。サブ基板300の制御を開始すると、サブCPU310はスタックポインタを設定し(S500)、各種の初期設定が完了するまですべての割込を禁止し(S502)、サブCPU310のレジスタ設定やポート初期化といったハードウェアに関する初期設定を実行する(S504)。サブROM312から制御プログラムを読み出してサブRAM311に配置するとともに、制御プログラムにおける各種の変数のうち、初期値のある変数については初期値を設定し、初期値のない変数についてはゼロクリアのデータを設定することにより、サブRAM311を初期化する(S506)。なお、サブ基板300における割込処理は、最優先で実行される割込処理として、電源立ち上げ時の処理と、ウォッチドッグ機能が有効な場合における各種異常発生時のリセット処理とがある。次に実行優先度の高い優先レベル7の割込処理として、メイン基板200から受信するコマンド処理があり、その次に優先度の高い優先レベル3の割込処理として、ウォッチドッグタイマによるCPU暴走検知時のリセット処理がある。次に優先される優先レベル2の割込処理として、制御CPU320との間で送受信されるコマンドに係る処理があり、最も優先度の低い優先レベル1の割込処理として、リアルタイムクロックとの通信処理やランプ、ソレノイド、モータ等の各種デバイス制御処理等がある。以上の各種処理に関する割込が仮に同時に発生した場合には、割込の種類ごとにあらかじめ設定された優先度の高いものから優先して実行される。なお、本図に示す処理は、最優先レベルの割込である電源立ち上げ時の処理および各種異常発生時のリセット処理と、優先レベル3の割込であるCPU暴走検知時のリセット処理とを含む。
メイン基板200から受信するコマンド以外の割込(優先レベル7)を禁止し(S510)、あらかじめ記憶された全機種用のすべてのエラー情報から当該機種で使用する各種エラー情報を設定する(S512)。装飾ランプ111などのすべてのランプを消灯し(S514)、ウォッチドッグタイマの動作を開始し(S516)、メイン処理を実行する(S518)。通常はS518のメイン処理から本フローへ戻ることはないが、戻ったときはスリープ(小消費電力モード)へ移行する(S520)。
図21は、図20におけるS518のメイン処理を詳細に示すフローチャートである。図20のS506においてサブRAM311に配置された制御プログラムが正確に配置されているかを本図のメイン処理内でチェックするためにそのチェックを開始する先頭アドレスを取得し(S530)、以降の処理においてすべての割込を許可し(S532)、モータやソレノイド等のデバイスの初期化動作を実行する(S534)。
ウォッチドッグタイマを使用する設定であればウォッチドッグタイマをクリアし(S536)、装飾図柄の外れの組合せがランダムの組合せになるように装飾図柄のカウンタを更新し(S540)、サブCPU310の入力ポートを監視する(S542)。なお、S540はカウンタを用いて装飾図柄の外れ図柄を決定する方式における処理であるため、外れ図柄となる全ての図柄組合せを組み込んだ抽選シートを用いて装飾図柄の外れ図柄を決定する方式の場合にはS540の処理は実行しない。その抽選シートを用いて装飾図柄の外れ図柄を決定する処理は、S552で後述する通りメイン基板200から特別図柄の停止図柄を示すコマンドを受信したときに実行する。サブエラー検出手段364として機能するサブCPU310は、エラー状態を監視して各種エラーを検知したときはそのエラーを報知し(S544)、演出ボタン109の入力状態に応じた処理を実行し(S546)、予告抽選を実行する(S548)。なお、S548における予告抽選は、特に図柄変動開始直後に出現させる予告演出のコマンドをできる限り早期に演出制御装置313へ送信するため、抽選処理を1回のループで処理するのではなく複数回のループに分け、図柄変動開始直後に出現させる予告演出を先のループで抽選する。リアルタイムクロック、ランプ、モータ、ソレノイド等のデバイスに対する動作要求があればその動作を実行し(S550)、コマンドバッファに保存されたコマンドを解析し(S552)、コマンド解析直後の場合はS536の処理へ戻り(S554のY)、コマンド解析直後でないときは(S554のN)、空き時間で行えばよい低優先度の処理として抽選用ソフト乱数を更新し(S556)、S536の処理に戻る。なお、S552において、解析するコマンドが特別図柄の変動パターンを示す場合は装飾図柄の変動演出パターンをこのS552の処理にて決定し、解析するコマンドが特別図柄の停止図柄を示す場合は抽選シートを用いて装飾図柄の外れ図柄を決定する方式であれば装飾図柄の停止図柄をこのS552の処理にて決定する。
図22は、メイン基板200からコマンドを受信した場合の割込処理を示すフローチャートである。メイン基板200から受信するメインコマンドは、リセット割込やエラー割込に次いで優先度の高い優先レベル7の割込命令である。メイン基板200から受信したデータを入力ポートへ読みに行き、2回連続で同じデータが読み込まれたときにそのデータを新たなコマンドとして確定し(S600のY)、その確定したコマンドが第1コマンド(MODEデータ)であれば(S602のY)、その第1コマンドを一時記憶領域に保存する(S604)。ハード乱数を後続の処理のために取得し(S606)、元のルーチンに戻る。このようにメイン基板200からメインコマンドの割込があるたびにハード乱数を取得しておくことにより、乱数の取得タイミングに周期性を生じさせず、値のランダム性を高める。S600において読み込まれたデータが2回連続で一致しなければ(最高5回まで読み込み可能)、S602をスキップして元のルーチンに戻る(S600のN)。
S602において、確定したコマンドが第1コマンドではなく第2コマンドの場合は(S602のN)、第1コマンドがすでに適切に受信済みであることが確認できれば(S608のY)、コマンドバッファ(コマンドデータ用のリングバッファ)における読み取り位置であるコマンドライトポインタを取得し(S610)、第1コマンドと第2コマンドとをコマンドバッファに保存する(S612)。コマンドバッファに保存されたコマンドデータは、図21のS552において解析される。コマンドライトポインタを更新し(S614)、一時記憶領域に保存させていた第1コマンドをクリアして(S616)、元のルーチンに戻る。S608において第1コマンドが受信済みでないときはS610以降をスキップして(S608のN)、元のルーチンに戻る。
図23は、演出表示制御のためのタイマ割込が発生した場合の割込処理を示すフローチャートである。このタイマ割込は、サブCPU310から制御CPU320へ演出表示に関するコマンドを送信するための優先レベル2の割込であり、500μs周期で発生する。この割込では、バッファをチェックし(S620)、バッファに送信用のコマンドデータがあれば(S622のY)、そのコマンドデータを読み込み(S624)、制御CPU320へ送信する(S626)。なお、制御CPU320へのコマンドデータの送信は、制御CPU320側で正常受信された旨を示すコマンドをサブCPU310が制御CPU320から受信するまで所定時間間隔で最大3回まで送信を試みる。送信後、バッファの読み出しアドレスの設定を更新し(S628)、元のルーチンに戻る。バッファに送信用のデータがなければ(S622のN)、S624以降をスキップして元のルーチンに戻る。
図24は、サブCPU310が制御CPU320からコマンドを受信した場合の割込処理を示すフローチャートである。この割込もまた優先レベル2の割込である。サブCPU310が制御CPU320から受信するコマンドは、主にサブCPU310から制御CPU320へ送信したコマンドが正常受信された旨を示すコマンドである。制御CPU320からコマンドを受信した場合、受信したコマンドデータを読み出し(S630)、コマンドを解析し(S632)、コマンドバッファに保存して(S634)、元のルーチンに戻る。
図25は、各種デバイス制御のためのタイマ割込が発生した場合の割込処理を示すフローチャートである。このタイマ割込は、装飾ランプ111などのランプ制御、可動役物66を駆動するソレノイドやモータの制御、各種タイマの管理制御のための割込であり、1ms周期で発生する。優先度が最も低い優先レベル1の割込であるため、優先レベル2以上の割込を許可し(S640)、演出ボタン109からの入力を示す信号、エラー検知を示す信号、電断を示す信号、モータやソレノイド等の制御対象デバイスへの駆動信号等を入出力するポートの入出力を処理する(S642)。このとき、電断を示す信号が入力された場合は直ちにバックアップ処理へ移行する。モータやソレノイド等のデバイスの制御パターンに基づくカウント処理やS642でポートにデータを書き込むためのバッファのオンオフ制御など、デバイス制御に係るデータを更新し(S644)、演出のタイミングを計るためのタイマを更新し(S646)、演出ボタン109の入力有効時間を管理するためのタイマを更新し(S648)、装飾ランプ111の点灯切換制御や制御CPU320の暴走監視制御等のためのタスク制御用カウンタを更新して16ms周期を作成する(S650)。
なお、装飾ランプ111の点灯切換制御の最小単位は16msである。画像表示制御の1フレームが16msまたは32msであり、その整数倍を装飾ランプ111の点灯切換制御の最小単位としておくことで、ランプ制御と画像表示制御を同期させやすくできる。また、例えば30秒間のエラー報知といった、比較的長時間の期間をカウントする場合に、仮に1割込(1ms)周期のカウントを用いてしまうとカウント値が必要以上に長くなってしまうが、16ms周期のカウント値とすることによってカウント値を短くすることもできる。
タスク制御には処理0~15までの16種類のタスクがあり、そのうち1つのタスクが装飾ランプ111の点灯切換制御であり、2つのタスクが制御CPU320の暴走監視制御である。装飾ランプ111の点灯切換制御は、タスク制御用カウンタのカウント値に応じて16割込に1回実行することで16ms周期での切換を実現する。制御CPU320の暴走監視制御は、例えば処理0と処理8に割り当て、タスク制御用カウンタのカウント値が0と8のとき、すなわち8割込に1回、制御CPU320からのトグル信号を監視(S652)することで、8ms周期での監視を実現する。
なお、制御CPU320からは1フレームごとにオンオフ反転するトグル信号が出力されており、このトグル信号が1600ms連続して同じ値のまま変化しない場合に制御CPU320が暴走していると判断し、サブCPU310から制御CPU320へリセット信号を送信し、リセット信号を受信した制御CPU320はリセットを実行する。制御CPU320からは1フレーム(16msまたは32ms)周期でトグル信号を受信するため、その周期より短い8ms周期で監視する。最後に、上述のような例えば30秒間のエラー報知といった比較的長時間のエラー報知期間を管理するタイマを減算し(S654)、そのタイムアウト時にエラー報知が終了する。
図26は、特別図柄変動表示の過程を示すフローチャートである。第2当否抽選値の保留がなされている場合(S700のY)、第2当否判定手段222が第2当否抽選値を読み出して第2特別図柄52の当否を判定し(S702)、第2当否判定手段222が第2特別図柄52の停止図柄を決定し(S704)、第2変動パターン決定手段232が第2特別図柄52の変動パターンを決定し(S706)、決定した結果とともに変動開始コマンドをサブ基板300へ送信して第2特別図柄52の図柄変動を開始する(S716)。
第2当否抽選値の保留がなされていない場合であって(S700のN)、第1当否抽選値の保留がなされている場合(S708のY)、第1当否判定手段221が第1当否抽選値を読み出してあらためて第1特別図柄51の当否を判定し(S710)、第1当否判定手段221が第1特別図柄51の停止図柄を決定し(S712)、第1変動パターン決定手段231が第1特別図柄51の変動パターンを決定し(S714)、決定した結果とともに変動開始コマンドをサブ基板300へ送信して第1特別図柄51の図柄変動を開始する(S716)。第1当否抽選値の保留がなされていない場合はS710からS722までの処理をスキップする(S708のN)。
特別図柄の図柄変動表示を処理し(S718)、所定の変動時間が経過して図柄表示の停止タイミングに達するまでS718を繰り返し(S720のN)、所定の変動時間が経過して図柄表示の停止タイミングに達したときは(S720のY)、変動停止コマンドをサブ基板300へ送信して表示中の図柄変動をあらかじめ決定された停止図柄にて停止し(S722)、特別図柄の変動表示を終了する。
図27は、装飾図柄変動表示の過程を示すフローチャートである。サブ基板300の演出決定手段303がメイン基板200から変動開始および演出表示内容を示すコマンドを受信し(S750)、受信した特別図柄の停止図柄、変動パターン、当否判定結果に応じて装飾図柄の停止態様を決定し(S752)、変動パターンに対応する変動演出パターンを決定する(S754)。ここで、事前判定により前兆設定がオンになっている場合(S756のY)、すでに決定されている変動演出パターンが、予告演出との重畳表示を回避すべき特定の演出内容が含まれたパターンでない場合であって(S758のN)、前兆設定がオンされた契機である図柄変動でなければ(S760のN)、所定の予告演出を表示すべき設定を実行し(S764)、前兆設定がオンされた契機である図柄変動である場合は(S760のY)、前兆設定をオフする(S762)。前兆設定がオンでない場合や(S756のN)、変動演出パターンに特定の演出内容が含まれる場合は(S758のY)、S760からS764の処理をスキップする。
その後、装飾図柄の変動演出表示を開始し(S766)、装飾図柄の変動演出表示処理と(S768)、予告演出の表示処理を実行し(S770)、メイン基板200から変動停止コマンドを受信するまでS768とS770を繰り返し(S772のN)、変動停止コマンドを受信したときに(S772のY)、S752で決定された停止態様にて装飾図柄を停止表示させることで図柄変動表示を停止し(S774)、装飾図柄の変動演出を終了する(S776)。
図28は、特別遊技の過程を示すフローチャートである。まず、演出表示制御手段305が特別遊技の演出処理を開始し(S800)、開閉制御手段275が大入賞口20を開放する(S802)。所定の開放時間が経過せず(S804のN)、大入賞口20への入球数も9球以上に達していなければS804に戻り(S806のN)、所定の開放時間が経過したか(S804のY)、開放時間が経過していないものの(S804のN)、大入賞口20への入球数が9球以上に達した場合(S806のY)、開閉制御手段275が大入賞口20を閉鎖させる(S810)。
単位遊技が最終ラウンドに達していなければ(S810のN)、ラウンド数に1を加算してS802に戻り(S812)、単位遊技が最終ラウンドに達していた場合は(S810のY)、演出表示制御手段305は特別遊技の演出処理を終了させ(S814)、特別遊技制御手段260は特別遊技を終了させ(S816)、特定遊技、すなわち確変、時短、入球容易状態の実行を開始する(S818)。
図29は、小当り遊技の過程を示すフローチャートである。小当り遊技において、1回だけ実行される単位遊技を開始し(S819)、大入賞口20を開放させ(S820)、所定の開放時間を経過するまで開放を継続させ(S822のN)、開放時間を経過した場合(S822のY)、大入賞口20を閉鎖し(S824)、設定回数分の開閉が終了していなければ(S826のN)、開閉回数に1を加算してS820に戻り(S828)、設定回数分の開閉が終了していれば(S826のY)、小当り遊技を終了する。
前提技術においては、第1の遊技における大当りの出玉より、第2の遊技における大当りの出玉の方が概ね多い、すなわち、第1の遊技よりも第2の遊技の方が1回の大当りにおける賞球獲得期待値が多くなるように設計されていたが、別の例では、第1の遊技の方が第2の遊技よりも賞球獲得期待値が多くなるように設計されてもよいし、第1の遊技と第2の遊技の賞球獲得期待値が概ね等しくなるように設計されてもよい。後者の場合、第1の遊技において実行される特別遊技と第2の遊技において実行される特別遊技に含まれる単位遊技の数の平均が等しくなるように設計されてもよい。例えば、第1の遊技においては、100%の確率で単位遊技が7回実行される特別遊技が実行され、第2の遊技においては、50%の確率で単位遊技が4回実行される特別遊技が、50%の確率で単位遊技が10回実行される特別遊技が実行されてもよい。また、いずれの場合においても、大入賞口に特定領域が設けられ、大入賞口に入球した遊技球が特定領域に入球または特定領域を通過した場合に、特別遊技終了後の通常遊技において確変状態などの特定遊技が実施されるように構成されてもよい。この場合、第1の遊技において大当りとなった場合に実行される特別遊技よりも、第2の遊技において大当りとなった場合に実行される特別遊技の方が、特定領域への入球容易性が高く、特別遊技の終了後に確変状態の通常遊技が実行される確率が高くなるように構成されてもよい。例えば、特定領域への入球が相対的に困難となる特別遊技が実行される第1当りと、特定領域への入球が相対的に容易となる特別遊技が実行される第2当りとが設けられ、第1の遊技よりも第2の遊技の方が第2当りとなる確率が高いように構成されてもよい。または、第1の遊技において第2当りとなる確率は100%未満であるが、第2の遊技において第2当りとなる確率は100%であるように構成されてもよい。
(第1実施例)
本実施例では、特殊演出として画面変形演出を備えるぱちんこ遊技機における好適な制御および演出を提案する。以下、前提技術のぱちんこ遊技機100を構成する要素と同一または対応する要素には同じ符号を付して説明する。また、前提技術で説明済みの内容は適宜省略し、主に、前提技術のぱちんこ遊技機100と異なる内容を説明する。
<特殊演出>
本実施例における特殊演出として、画面変形演出を説明する。ここでいう画面変形演出は、表示中の映像に含まれるフレーム画像に対してその周囲に配した枠画像とともに拡大、縮小、移動、歪曲、揺動、色反転、色変換、などの変形を加える演出である。フレーム画像の変形には、元の映像に含まれる一つのフレーム画像に対して順次変形を加えていく場合(「枠内静止演出」とも呼ぶ)と、元の映像に含まれる複数のフレーム画像のそれぞれに対して順次変形を加えていく場合(「枠内動画演出」とも呼ぶ)とがある。枠内静止演出は、表示中であった元の映像を静止し、その静止した時点のフレーム画像に変形を加えることで、いわゆるスクリーンキャプチャ画像を静止画として枠画像に嵌め込んで変形させるような演出である。枠内動画演出は、表示中であった映像の各フレーム画像に変形を加えることで、元の映像を動画像のまま枠画像に嵌め込んで変形させるような演出である。元の映像のフレーム画像をフレームバッファに一時記憶させるとともに、そのフレーム画像に拡大、縮小、移動、歪曲、揺動、色反転、色変換などの変形を加えた新たなフレーム画像を順次生成してフレームバッファに記憶させることで画面変形演出としての新たな動画像を表示する。このように、動画像の一場面の画像に対してその変形後の画像を動的に生成することで、複数の動画像における多数の場面に対応する変形後のフレーム画像をあらかじめ用意しておく必要がなく、データ量と処理負荷の増大を抑制しながら演出の多様化を図ることができる。
まず、画面変形演出の実行前の画面について説明する。
図30は、演出表示装置60の画面例を示す。図30(a)は変動停止中の状態を示す。演出表示装置60の演出画面500において、略中央の大部分の領域を使って装飾図柄61として通常装飾図柄502が垂直方向に変動表示され、右上隅に装飾図柄61として簡易装飾図柄504が垂直方向に変動表示される。このように、本実施例の装飾図柄61は、通常装飾図柄502と簡易装飾図柄504を含んで構成される。通常装飾図柄502は、左図柄である第1通常装飾図柄502aと、中図柄である第2通常装飾図柄502bと、右図柄である第3通常装飾図柄502cで構成される。
保留画像として、通常保留画像506と簡易保留画像507とが表示される。演出画面500の下部には、最大4個を上限とする抽選値の保留個数を示す通常保留画像506が表示される。図においては、左から右へ入球順序(すなわち変動開始される順序)の通りに第1通常保留画像506a、第2通常保留画像506b、第3通常保留画像506c、第4通常保留画像506dが水平方向に並んで表示されている。第1通常保留画像506a、第2通常保留画像506b、第3通常保留画像506c、第4通常保留画像506dは、通常は所定色(例えば青色)で点灯する玉を模した画像として表示される。各保留画像は、入球時におけるいわゆる先読み、すなわち各保留に対応する抽選値の事前判定情報により大当り期待度が高いと判定された場合、その大当り期待度の高さに応じた色で点灯する玉を模した画像を表示する。図30(a)の例では第3通常保留画像506cだけ青色とは異なる色(例えば赤色)で点灯する玉を模した画像として表示される。このように先読みによって青色とは異なる色で点灯する演出が、本実施例における先読み予告演出である。例えば、通常色である「青色」が示唆する大当り期待度が最も低く、「緑色」「赤色」「虹色」の順に大当り期待度が高くなっていくことを示唆するように、演出決定手段303は通常保留画像506の色を決定する。これら保留画像の個数および色(または模様)により、保留個数と大当り期待度を遊技者に示唆する。3番目に図柄変動開始予定である第3通常保留画像506cに対応する図柄変動は、先読みの対象(先読み予告演出の実行契機)となった図柄変動であり、以下、「ターゲット変動」とも呼ぶ。
演出画面500の右隅には、通常保留画像506より小さく簡略化された形の保留画像である簡易保留画像507が表示される。簡易保留画像507は、表示されている通常保留画像506の個数を数字で示す画像であり、図30(a)では「4」の数字が表示される。
図30(b)は図柄変動表示中の状態を示す。図30(b)は図30(a)の状態に続く図柄変動開始後の変動表示中の状態であり、図30(a)の第1通常保留画像506aから第4通常保留画像506dの4個の通常保留画像506が、それぞれの位置から保留画像一つ分ずつ左へ移動される。図30(a)の第1通常保留画像506aは左へ移動して変動中画像508として表示される。変動中画像508は、現在図柄変動中である抽選値を示す画像であり、通常保留画像506より直径が大きく、周囲に背景の模様が表示され、通常保留画像506とは区別されて図柄変動中であることが強調される。なお、変動中画像508と通常保留画像506とは別の画像データではなく、共通する画像データである。具体的には、画像データとしては変動中画像508の画像データのみを有しており、通常保留画像506は、変動中画像508の画像データを縮小して表示される。図30(a)の第2通常保留画像506b、第3通常保留画像506c、第4通常保留画像506dは左へ1つずつ移動して第1通常保留画像506a、第2通常保留画像506b、第3通常保留画像506cとなる。第1通常装飾図柄502aは、すでに変動表示を終えて仮停止の状態、すなわち実質的に停止しているが細かく揺動していて停止が確定していない状態にて表示される。第2通常装飾図柄502bは高速回転にて変動中である。第3通常装飾図柄502cは、高速回転の後で、これから停止を迎えようとして低速で変動している状態である。簡易装飾図柄504は高速回転中であり、第1通常装飾図柄502a、第2通常装飾図柄502b、第3通常装飾図柄502cのすべてが停止(確定停止)するときに簡易装飾図柄504も停止(確定停止)される。なお、確定停止とは、仮停止とは異なり細かな揺動が行われず微動だにしない停止態様を指す。但し、通常装飾図柄502が数字(または、文字や記号)と人物や動物のキャラクタが描かれた絵柄とで構成され、簡易装飾図柄504が数字(または、文字や記号)のみで構成される場合、簡易装飾図柄504である数字(または、文字や記号)は仮停止となることはなく確定停止のみであり、確定停止時には細かな揺動が行われず微動だにしない。一方、通常装飾図柄502は仮停止可能であるとともに、仮停止する際は数字(または、文字や記号)も絵柄も細かな揺動が行われ、確定停止時には数字(または、文字や記号)も絵柄も細かな揺動が行われず微動だにしないが、確定停止から所定時間経過(例えば、5秒)した後は、数字(または、文字や記号)もしくは絵柄の少なくとも一方は確定停止時であっても細かな揺動が行われる。
演出画面500の右隅に表示される簡易保留画像507は、表示されている通常保留画像506の個数を数字で示す画像であり、図30(b)では「3」の数字が表示される。なお、可動役物520は、この遊技機の機種タイトルのロゴが象られた可動式装飾ランプであり、所定タイミングで動作されることで大当り期待度が高いことを演出的に示唆する。なお、詳細は後述するが、本実施例における可動役物は、可動役物520以外にも複数備わっている。
図31は、画面変形演出におけるフレーム画像の収縮の例を模式的に示す。図31(a)は敵キャラクタ512と戦闘するストーリーをモチーフとするスーパーリーチ演出などの所定の図柄変動演出において、所定タイミングで敵キャラクタ512が登場した状態を示す。なお、このような所定の図柄変動演出(スーパーリーチ演出)の実行中においては、図31に示すように、通常保留画像506や変動中画像508は非表示とすることが好適であるが、変動中画像508においては、通常保留画像506の非表示中であっても表示を継続するようにしてもよい。例えば、スーパーリーチ演出に発展した場合、通常保留画像506は非表示となるが、変動中画像508はスーパーリーチ演出の実行期間の少なくとも一部の期間(例えば前半期間)においては表示されるよう構成してもよい。また、このような所定の図柄変動演出(スーパーリーチ演出など)の実行中においては、図31に示すように、通常装飾図柄502を非表示としているが、表示態様を小さくして(または、数字と絵柄とで構成される通常装飾図柄502である場合、数字のみとして)表示を継続してもよい。例えば、スーパーリーチ演出に発展した場合、通常装飾図柄502がリーチ態様にて、小さくおよび/または数字のみでスーパーリーチ演出の実行期間の少なくとも一部の期間(例えば前半期間)において表示されるよう構成してもよい。ここで、画面変形演出として枠内静止演出を実行する場合、図31(b)に示すように、それまで図31(a)のように画面に表示中の敵キャラクタ512の映像を静止し、その静止したフレーム画像を一回り小さいサイズに縮小するとともに、その縮小したフレーム画像の周囲にはそれまで表示されていなかった額縁のような枠画像510が表示される。画面変形演出として枠内動画演出を実行する場合は特に図示しないが、枠内静止演出と同様に元の映像に含まれる複数のフレーム画像のそれぞれに順次縮小等の変形処理が施され、そのような複数のフレーム画像もまた、以下、特に言及しない限り変形の対象に含まれるものとする。なお、この枠画像510は、少なくともその一部があらかじめ表示されていてもよい(例えば、枠画像510の内側寄りの一部の領域が表示されていてもよい)。枠画像510の内側を、以降は枠内画像514と呼ぶ。ここで、図31(a)の状態では演出画面500に表示されていなかった枠画像510が図31(b)の状態では枠内画像514の周囲に表示される。この枠画像510の部分は、実際には図31(a)の時点でも演出表示制御手段305によって表示制御の処理自体は実行されているものの、演出画面500の枠の外側に相当する位置に配された部分であるために、演出画面500内に表示されておらず、可視化されていなかった画像部分である。なお、図示するように、本実施例においては枠画像510の全てが可視化されているが、枠画像510の上部分のみを可視化するように(すなわち、それ以外の部分は不可視であるように)してもよいし、枠画像510の左右部分のみを可視化するように(すなわち上下部分は不可視であるように)してもよい。
ここで、図31(a)のフレーム画像を縮小した枠内画像514には、簡易装飾図柄504および簡易保留画像507は含まれていない。すなわち、簡易装飾図柄504および簡易保留画像507は画面変形演出の対象とはなっておらず、画面変形演出が表示されるレイヤーより前面側のレイヤーに表示されている。図30の段階では表示されていた通常装飾図柄502、通常保留画像506、変動中画像508は非表示の状態に切り替わり、変形の対象には含まれず、枠内画像514にも含まれていない。すなわち、通常装飾図柄502を非表示とする一方で簡易装飾図柄504の表示を継続させることで装飾図柄の表示を担保し(変動中であるか否かを認識可能とし)、通常保留画像506および変動中画像508を非表示とする一方で簡易保留画像507の表示を継続させることで保留画像の表示を担保している(保留が存在するか否か、幾つ保留が存在するかを認識可能としている)。変形例においては、通常装飾図柄502、変動中画像508も枠内画像514に含めて変形の対象としてもよい。つまり、前述したとおり、所定の図柄変動演出(スーパーリーチ演出など)においても通常装飾図柄502や変動中画像508は表示を継続するよう構成した場合、通常装飾図柄502や変動中画像508を枠内画像514に含ませ、画面変形演出の対象としてもよい。また、通常保留画像506も所定の図柄変動演出(スーパーリーチ演出など)にて継続表示するよう構成し、通常装飾図柄502や変動中画像508と同様に、枠内画像514に含ませ、画面変形演出の対象としてもよい。枠内画像514は、図31(a)におけるフレーム画像を、前述したとおり縮小させ、それに加えて、色反転(いわゆる「ネガポジ反転」ともいう)させた状態の画像である。枠内画像514および枠画像510は、以降の変形処理の対象とするオブジェクトであるため、対象オブジェクト516と呼ぶ。
図32は、画面変形演出におけるフレーム画像の揺動の例を模式的に示す。対象オブジェクト516を図31(b)の状態よりさらに縮小した上で、それまで2次元的に変化させていたものをさらに奥行き方向にも変化させて3次元的に変形する。その結果、対象オブジェクト516は、3次元オブジェクトの1面に、直前まで表示していた動画像のフレーム画像(枠内静止演出であれば演出の動画像を静止させたキャプチャ画像のような画像であり、枠内動画演出であれば次々に切り替わるフレーム画像)を貼り付けた、あるいは投影させたような画像となる。対象オブジェクト516は、図示する通り湾曲した枠画像510の内側に枠内画像514を配置した形状であって、厳密な矩形ではないものの、以降は説明の便宜上、矩形であるものと仮定し、その左端側を左辺、右端側を右辺、上端側を上辺、下端側を下辺と呼んで説明する。図32(a)では対象オブジェクト516の左辺を手前側に動かし、右辺を奥側に動かすように見せるための4頂点変形を実行する。すなわち、左辺を長くし、右辺を短くし、左辺上下の内角を直角より小さくし、右辺上下の内角を直角より大きくした台形となるように変形する。図32(b)では対象オブジェクト516の右辺を手前側に動かし、左辺を奥側に動かすように見せるための4頂点変形を実行する。すなわち、右辺を長くし、左辺を短くし、右辺上下の内角を直角より小さくし、左辺上下の内角を直角より大きくした台形となるように変形する。図32(a)と図32(b)の状態を高速で交互に繰り返すことにより、左辺と右辺を交互に前後方向に往復旋回させて対象オブジェクト516を揺らすように見せることができる。
<第1態様>
(特徴1)演出決定手段303は、演出表示装置60の演出画面500に表示させる演出内容として、画面変形演出の実行有無を変動パターンに応じて決定する。画面変形演出は、所定のタイミングにおけるフレームバッファ338に格納されたフレーム画像を変形させた対象オブジェクト516の画像と、背景画像518と、遊技状況を示す画像と、を少なくとも合成させた新たなフレーム画像を順次生成してフレームバッファ338に格納させることにより動画像として表示される。ここで、背景画像518については、黒一色(黒塗り)であるが、このような表示態様に限らず、例えば、「CHANCE」という文字がテロップのように流れる動画像をループ再生するような表示態様としてもよい。
図33は、画面変形演出における演出画面500のレイヤー構造を模式的に示す。演出画面500のレイヤー構造は、最前面から最後面までエラー表示レイヤー521、音量光量表示レイヤー522、遊技状況レイヤー523、演出レイヤー524、背景レイヤー525の順に含まれて構成される。最前面のエラー表示レイヤー521には、エラー発生時にエラーが発生した旨およびエラーの種類等を示すエラー警告画像536が表示される。次のレイヤーである音量光量表示レイヤー522には、遊技者による音量調整のためのインタフェースを示す音量設定画像532と、遊技者による光量調整のためのインタフェースを示す光量設定画像534と、が表示される。
次のレイヤーである遊技状況レイヤー523は、例えば簡易装飾図柄504、簡易保留画像507、変動中画像508、右打ちを案内する案内表示530などの画像が表示され、その表示内容は常時更新される。変形例として、変動中画像508は、遊技状況レイヤー523ではなく、演出レイヤー524に表示してもよい。次のレイヤーである演出レイヤー524は、主に通常装飾図柄502の変動や通常保留画像506、対象オブジェクト516が表示されるレイヤーである。対象オブジェクト516の形状や色彩、表示位置は常時更新されるが、対象オブジェクト516に含まれる枠内画像514の内容は、スクリーンキャプチャのように静止させる演出の場合は変形や移動等の変化が加えられない限り内容は固定であり、動画を枠内画像514に嵌め込んだような演出の場合は元の映像に含まれるフレーム画像が順次嵌め込まれる。通常装飾図柄502および通常保留画像506は、画面変形演出において対象オブジェクト516の一部として変形の対象としてもよい。また、前述したように、変動中画像508を遊技状況レイヤー523ではなく演出レイヤー524に表示するようにした場合は、変動中画像508についても、画面変形演出における対象オブジェクト516の一部として変形の対象としてもよい。最後面の背景レイヤー525は、黒一色の背景画像518である。背景レイヤー525に背景画像518を表示することによって奥行き感のある立体空間のように見せることができ、演出レイヤー524に表示される対象オブジェクト516も立体的に見せることができる。演出表示装置60に表示可能な演出画像として、第1画像グループに属する1以上の第1画像および第2画像グループに属する1以上の第2画像とを少なくとも有しており、画面変形演出では、第1画像を所定態様に変形させた特殊第1画像と、所定態様に変形させない第2画像とを表示させる。第1画像グループとは、後述する変形対象演出を構成する画像、つまり、変形処理の対象となる画像にカテゴライズされる画像の集合体を指し、第2画像グループとは、後述する変形対象演出を構成する画像以外の画像、つまり、変形処理の対象とならない画像にカテゴライズされる画像の集合体を指す。第1画像は、画面変形演出における変形の対象となり得る画像であり、演出レイヤー524に表示され得る画像である。第1画像グループには、第1画像として、例えば対象オブジェクト516が含まれ、通常装飾図柄502や通常保留画像506がさらに含まれてもよい。第2画像は、画面変形演出における変形の対象とならない画像であり、演出レイヤー524以外のレイヤーに表示される画像である。第2画像グループには、第2画像として、例えば簡易装飾図柄504、簡易保留画像507、変動中画像508、案内表示530が含まれる。特殊第1画像は、例えば変形後の対象オブジェクト516であり、通常装飾図柄502や通常保留画像506を画面変形演出における変形の対象とした場合、変形後の通常装飾図柄502や変形後の通常保留画像506がさらに含まれてもよい。
(特徴2)演出決定手段303は、変動演出パターンとして、複数種類の変動演出パターンからいずれかを選択する。複数種類の変動演出パターンには、その演出過程において画面変形演出の実行対象となる変動演出パターンと、画面変形演出の実行対象でない変動演出パターンとが含まれる。画面変形演出の実行対象となる変動演出パターンは、別途の抽選結果に応じて画面変形演出が実行される場合とされない場合があるように定義されてもよいし、あるいは、必ず画面変形演出が実行されるように定義されてもよい。これにより、同じ変動演出パターンでも、あるいは途中までは同じ演出の進行内容であっても、途中から画面変形演出が実行される場合とされない場合とで演出の見せ方が異なるようにすることができる。例えば、スーパーリーチ演出に発展する演出の流れの場合、「変動開始→リーチ状態形成→スーパーリーチ演出発展→スーパーリーチ演出中に画面変形演出の発生なし→スーパーリーチ演出終了→変動終了」といった演出の流れと、「変動開始→リーチ状態形成→スーパーリーチ演出発展→スーパーリーチ演出中に画面変形演出の発生あり→スーパーリーチ演出終了→変動終了」といった演出の流れのいずれかとすることができる。
演出決定手段303は、予告演出パターンとして、複数種類の予告演出パターンからいずれかを選択する。複数種類の予告演出パターンには、その演出過程において画面変形演出の実行対象となる予告演出(例として、前述したスーパーリーチ演出中の敵キャラクタを静止させる演出以外にも、リーチ状態となる前の予告演出の一部であるステップアップ予告演出など)と、画面変形演出の実行対象でない予告演出(例として、リーチ状態となる前の予告演出の一部であり通常装飾図柄502が仮停止したうえで再度変動を行う擬似連演出の際に表示される特殊な通常装飾図柄502(例えば、「NEXT」との文字が付された通常装飾図柄502)が表示される予告演出パターン、前述したスーパーリーチ演出中の敵キャラクタを静止させる演出が終了した以降に可動役物520が駆動し且つそれに伴い画面が虹色に染まるような表示がなされる予告演出パターンなど)とが含まれる。画面変形演出の実行対象となる予告演出は、別途の抽選結果に応じて画面変形演出が実行される場合とされない場合があるように定義されてもよいし、あるいは、必ず画面変形演出が実行されるように定義されてもよい。これにより、同じ予告演出パターンでも、画面変形演出が実行される場合とされない場合とで演出の見せ方が異なるようにすることができる。なお、画面変形演出の実行対象である演出、すなわち演出過程で画面変形演出が実行され得る図柄変動演出および予告演出を、以下「変形対象演出」と称する。
(特徴3)演出決定手段303は、始動口への新たな入球に対応する保留の生起を契機にその当否抽選の判定結果が当りとなる期待度の高さを事前に示唆する、いわゆる先読みによる予告演出の実行有無を、事前判定の情報(新たな入球を契機に主制御装置としてのメイン基板200から送信される事前情報)に応じて決定する。また、先読みによる予告演出(先読み予告)の態様によって画面変形演出が実行される期待度が異なる。つまり、ターゲット変動に係る保留が、画面変形演出の実行が予定されている変動に係る保留である、または、画面変形演出が実行される確率が高い変動に係る保留である場合(更に言えば、画面変形演出の実行対象となる予告演出が実行される変動に係る保留である場合)、そのような保留でない場合よりも、高期待度の先読み予告(後述する保留変化演出であれば、青色の通常保留画像506より赤色の通常保留画像506のほうが高期待度の先読み予告である)が実行されるように構成される。このように構成する場合、同じ演出パターンであっても、画面変形演出が実行される方が、画面変形演出が実行されないよりも、大当り期待度が高くなるよう構成することが好適であり、例えば、前述したスーパーリーチ演出中に敵キャラクタを静止させる演出が実行される(画面変形演出が実行される)方が、スーパーリーチ演出中に敵キャラクタを静止させる演出が実行されない(画面変形演出が実行されず、敵キャラクタが静止しない)よりも、大当り期待度が高いよう構成することが好適である。先読みによる予告演出は、例えば図30に示した、先読み対象となったターゲット変動に対応する通常保留画像506の点灯色によって大当り期待度ないし画面変形演出の実行期待度を示唆する演出(保留変化演出)である。これにより、予告演出の種類、すなわち通常保留画像506の点灯色によって画面変形演出の実行されやすさが異なるようにすることができる。例えば、青色の通常保留画像506(例えば、大当り期待度10%)より赤色の通常保留画像506(例えば、大当り期待度50%)が表示される方が、その先読みの対象となったターゲット変動において画面変形演出が実行されやすい。このような保留変化演出は、通常保留画像506のみならず、変動中画像508としても実行してよく、例えば、第1通常保留画像506aが移動して変動中画像508となる場合、(1)第1通常保留画像506aでは青色の通常保留画像506が表示され、変動中画像508でも青色の通常保留画像506(正確には、青色の変動中画像508)が表示されることで、現在の変動の大当り期待度が10%であることが把握でき、(2)第1通常保留画像506aでは青色の通常保留画像506が表示され、変動中画像508では赤色の通常保留画像506(正確には、赤色の変動中画像508)が表示されることで、現在の変動の大当り期待度が10%から50%に上がったことが把握できる。なお、画面変形演出の実行対象となる変動演出パターンが選択された場合における画面変形演出の実行有無は、その変動演出パターンによる図柄変動の開始時に決定され、その変動開始時までに実行された先読み予告の種類に応じて、画面変形演出の実行確率が相違する。変形例として、先読み予告が実行される時点で(先読み予告の実行が決定された時点で)、その先読み予告の実行契機となった変動(ターゲット変動)にて画面変形演出の実行有無を決定してもよい。
(特徴4)当該変動の予告演出の態様によって画面変形演出が実行される期待度が異なる。なお、ここで言う当該変動とは、現在の変動のことを意味しており、先読み予告が実行されている場合は、その先読み予告の実行契機となった変動(ターゲット変動)であり、先読み予告を実行している変動(ターゲット前の変動)ではない。また、ここで言う当該変動の予告演出の態様とは、画面変形演出の実行対象となる予告演出が実行される変動において実行される予告演出(画面変形演出は除く)の態様であり、先読み予告の態様ではない、つまり、画面変形演出の実行対象となる予告演出が実行される変動よりも先の変動における予告演出の態様ではないことを補足しておく。なお、当該変動の予告演出の実行有無およびその態様と画面変形演出の実行対象となる予告演出の実行有無および画面変形演出の実行有無は、いずれも当該変動の開始時に別々の抽選で決定される。このように、画面変形演出の実行対象である変動演出パターンが選択される場合でも必ず画面変形演出が実行されるわけではない。例えば、当該変動の予告演出の態様として、登場するキャラクタのセリフを吹き出しの形で表示する演出であるセリフ予告演出(このセリフ予告演出は、当該変動において、画面変形演出の実行対象となる予告演出が実行されるよりも先のタイミングにて実行される)においてその吹き出しの色が青色の場合よりキリン柄模様(青色よりも大当り期待度が高い表示態様)である方が画面変形演出の実行期待度が高くなるように構成してもよい。変形例として、当該変動の予告演出の実行有無およびその態様と画面変形演出の実行対象となる予告演出の実行有無および画面変形演出の実行有無を、当該変動の開始時に同抽選にて一括で決定してもよい。
画面変形演出の実行有無によって演出の進行内容としては同じであってもその見せ方が異なるようにすることができる。また、事前に実行される先読み予告の演出内容とターゲット変動の演出内容の組合せによって演出の見せ方の相違に関する期待感を段階的なものとすることができる。なお、前述した保留変化演出やセリフ予告演出は、ターゲット変動およびターゲット前の変動のいずれにおいても実行可能であり、例えば、先読み予告で赤色の通常保留画像506を表示させることで画面変形演出の実行期待度が高いように見せた後、ターゲット変動の演出で青色のセリフ吹き出しを表示させることで画面変形演出の実行期待度が低くなったように見せることができる。また例えば、先読み予告で青色の通常保留画像506を表示させることで画面変形演出の実行期待度が低いように見せた後、ターゲット変動の演出でキリン柄模様のセリフ吹き出しを表示させることで画面変形演出の実行期待度が高くなったように見せることができる。変形例において、先読み予告の実行開始(ターゲット前の変動)からターゲット変動までの一連の過程、または、先読み予告からターゲット変動における画面変形演出の実行タイミングまでの一連の過程を、一括して決定する仕様にした場合、画面変形演出の実行期待度が途中で阻害されることを防ぐことができる。
<第2態様>
図34は、画面変形演出と同時並行的に実行される可動役物演出の過程を模式的に示す。図34(a)は可動役物520の動作の初期段階を示し、図34(b)は可動役物520が動作した状態を示す。本実施例における可動役物520には、第1可動役物520a、第2可動役物520b、第3可動役物520c、第4可動役物520dが含まれる。第1可動役物520aは、この遊技機の機種タイトルのロゴが象られた可動式装飾ランプであり、所定の演出時における所定タイミングで図34(b)のように下方向に落下するように大きく移動することで、大当り期待度が高いことを演出的に示唆する。第2可動役物520bおよび第3可動役物520cは、シザーアーム型の装飾部材であり、図34(b)のように第2可動役物520bが演出画面500の左方から演出画面500の中央に伸び、第3可動役物520cが演出画面500の右方から演出画面500の中央に伸びるように動作することで、大当り期待度が高いことを演出的に示唆する。第4可動役物520dは、ノコギリの刃のような山型の装飾ランプであり、所定の演出時における所定タイミングで図34(b)のように上方向に迫り出すように大きく移動することで、大当り期待度が高いことを演出的に示唆する。図34(b)のように、簡易装飾図柄504および簡易保留画像507は、第1可動役物520a、第2可動役物520b、第3可動役物520c、第4可動役物520dのすべてが動作した状態でも視認性が妨げられないような位置に表示される。なお、変動停止時および変動停止までの所定時間(例えば、変動停止2秒前から変動停止までの期間)においては、いずれの可動役物も動作しない、すなわち初期位置にあるよう構成することで、少なくとも遊技の境目(すなわち遊技進行が一旦停止する状況)において、より確実な視認性の担保が可能となる。なお、変形例として、簡易装飾図柄504および簡易保留画像507は、第1可動役物520a、第2可動役物520b、第3可動役物520c、第4可動役物520dのうち、少なくともいずれかの可動役物の動作時に視認性が妨げられないような位置に表示するよう構成してもよい。例えば、簡易装飾図柄504および簡易保留画像507は、第3可動役物520cの動作時には視認性が妨げられてしまうが、他の可動役物の動作時には視認性が妨げられないような位置に表示してもよく、そのように構成する場合、第3可動役物520cが動作する頻度は、第1可動役物520a、第2可動役物520b、第4可動役物520dのいずれかが動作する頻度よりも低いことが好適であり、また、1回の変動内で第3可動役物520cが動作する時間は、第3可動役物520cが動作しない時間よりも短い時間とすることも好適である。そのように構成する場合は、全ての変動パターン(変動時間)において、1回の変動内で第3可動役物520cが動作する時間を第3可動役物520cが動作しない時間よりも短い時間とすることがより好適である。
(特徴5)可動役物520は、演出表示装置60の近傍に設けられ、演出表示装置60に表示される演出と連動する形で演出的に動作する。画面変形演出の表示と可動役物520の動作が同時並行的に実行されることが相対的に多くなるように、可動役物520の動作有無および画面変形演出の実行有無が対応付けられている。例えば画面変形演出は、画面変形演出を伴わない他の種類の演出(例えば、キャプチャ演出、反転演出、ステップアップ予告やセリフ予告、保留変化演出や群予告などの予告演出)よりも、可動役物520が同時並行的に実行されることが多い。また例えば、画面変形演出は、可動役物520の動作を伴わない場合よりも可動役物520の動作を伴う場合の方が多い。演出制御手段304は、演出決定手段303により決定された可動役物520の動作有無にしたがって可動役物520を動作させる。このように画面変形演出と可動役物520の動作を連係させることにより、画面変形演出を実行する際に演出表示装置60に表示させる演出内容の立体感や躍動感をより高めることができる。すなわち、表示する演出内容で立体感や躍動感のある動きを表現するだけでなく、演出表示装置60の周囲でも立体感や躍動感を演出する。逆に、可動役物520の動作を伴わない画面変形演出においては、可動役物520の動作を控えることで画面変形演出の内容そのものをより際立たせることができる。なお、可動役物520が動作している状態を正面視した場合に、図34のように第1可動役物520a、第2可動役物520b、第3可動役物520c、第4可動役物520dは簡易装飾図柄504の視認性を阻害しない位置および形状となるように動作する。
(特徴6)装飾図柄には、少なくとも特別図柄の停止時において演出表示装置60へ主要な図柄として表示される通常装飾図柄502と、少なくとも通常装飾図柄502が視認困難なときに通常装飾図柄502より簡略化された表示形態にて表示される簡易装飾図柄504とが含まれる。通常装飾図柄502は、簡易装飾図柄504より大きなサイズで表示される図柄である。通常装飾図柄502は、3個の図柄で構成され、変動表示後に原則として1個ずつ順に停止される。簡易装飾図柄504もまた3個の図柄で構成されるが、変動表示後に3個が同時に停止される。簡易装飾図柄504の停止図柄の組合せとしては、通常装飾図柄502の停止図柄の組合せと同じ組合せが表示される。
なお、スーパーリーチ演出の実行中は、少なくとも一部の期間において通常装飾図柄502を小さく表示する(代替図柄を表示する)よう構成してもよいし、通常装飾図柄502を非表示としてもよい(代替図柄も表示しないよう構成してもよい)が、そのような状況において、簡易装飾図柄504は常に変動表示している。この簡易装飾図柄504は、演出表示装置60の右上に小さく表示され、特別図柄が変動している最中は変動表示を行い、特別図柄が停止している最中は停止表示を行うものであり、通常装飾図柄502と同じく、3つの図柄が変動表示および停止表示するものである。この簡易装飾図柄504を設けることで、通常装飾図柄502を小さくしたい又は非表示としたいような状況(例えば、スーパーリーチ演出を実行する場合、可動役物による演出を行って演出表示装置60の中央が隠れる場合など)であっても、変動中であること(換言すれば、当否結果が確定していないこと)を報知することができる。つまり、この簡易装飾図柄504は、表示担保用の(通常装飾図柄502の表示状態を補償するための)図柄であると言える。なお、この簡易装飾図柄504が変動表示する場合、特別図柄の変動開始から停止表示を行うまで、常に変動表示を継続することが好適である、つまり、通常装飾図柄502が途中で仮停止を行う場合(例えば擬似連演出を実行するに際し、「NEXT」などの文字を表示する特殊な通常装飾図柄502を仮停止する場合)であっても簡易装飾図柄504は途中で仮停止を行うことがないように構成することが好適であり(そのため、簡易装飾図柄504については、「NEXT」などの文字を表示する特殊な図柄を設けておらず、簡易装飾図柄504は確定停止しか行わない)、更に、はずれ変動である場合は大当りであるとの誤認を防ぐよう、大当り変動である場合は事前に大当りであることを察知されないよう、はずれ変動であっても大当り変動であっても、遊技者に対してはずれを示す図柄組み合わせを維持した状態で変動表示する(例えば、簡易装飾図柄504の種類が「1」~「7」である場合、「123」→「234」→「345」→「456」→「567」→「671」→「712」→「123」→・・・のように変動表示する)ことが好適である。更に、通常装飾図柄502および簡易装飾図柄504が確定停止している状況から変動開始する場合、その起点となる図柄組合せ(変動開始直後の最初の図柄組合せ)は、確定停止時の図柄組合せから1つ進行した図柄組合せであるが、簡易装飾図柄504が確定停止している状況から変動開始する場合、その起点となる図柄組合せは、確定停止時の組合せにかかわらず、あらかじめ決まった図柄組合せとなる。例えば、通常装飾図柄502および簡易装飾図柄504に係る数字組合せのいずれも「243」で確定停止している状況にて、通常装飾図柄502および簡易装飾図柄504が変動開始する場合、通常装飾図柄502の起点となる図柄組合せは「354」となるが、簡易装飾図柄504の起点となる図柄組合せは「123」固定であり、通常装飾図柄502および簡易装飾図柄504に係る数字組合せのいずれも「333」で確定停止している状況にて、通常装飾図柄502および簡易装飾図柄504が変動開始する場合、通常装飾図柄502の起点となる図柄組合せは「444」となるが、簡易装飾図柄504の起点となる図柄組合せは「123」固定である。これ以外にも、簡易装飾図柄504については、以下のような特徴を有することで、通常装飾図柄502と明確に役割を差別化することができる。
(1)遊技者が認識しやすい通常装飾図柄502の表示領域のほうが、表示担保用の(通常装飾図柄502の表示状態を補償するための)簡易装飾図柄504の表示領域よりも大きい。これは、通常装飾図柄502および簡易装飾図柄504が確定停止している状況、通常装飾図柄502はリーチ状態を形成した直後(スーパーリーチ演出へ発展していない状態でのリーチ状態)であり簡易装飾図柄504は変動表示中である状況に限らず、スーパーリーチ演出中などで通常装飾図柄502が小図柄となっている状況であり簡易装飾図柄504は変動表示中である状況であっても、このように構成することが好適である。
(2)通常装飾図柄502の表示位置は第1演出モード(例えば、通常モード、もしくは通常モードにおけるステージA)であるか第2演出モードで(例えば、ラッシュモード、もしくは通常モードにおけるステージB)あるかに応じて異なる表示位置にすることで、演出モードに応じて通常装飾図柄502での演出の多様性を実現できる。一方で、簡易装飾図柄504は通常装飾図柄502の表示状態を補償する役割さえ果たせればよいので、第1演出モードであるか第2演出モードであるかにかかわらず、同一の表示位置として余計な開発設計を行わずに済ませることが好適である。なお、演出モードの詳細については後述する。
(3)通常装飾図柄502の表示態様は第1演出モード(例えば、通常モード、もしくは通常モードにおけるステージA)であるか第2演出モード(例えば、ラッシュモード、もしくは通常モードにおけるステージB)であるかに応じて異なる表示態様にすることで、演出モードに応じて通常装飾図柄502での演出の多様性を実現できる。例えば、第1演出モードでは数字の通常装飾図柄502のみで通常装飾図柄502が構成され(「1」、「2」、・・・、「7」といった通常装飾図柄502)、第2演出モードでは数字の通常装飾図柄502と味方キャラクタの通常装飾図柄502とを組み合わせて通常装飾図柄502が構成される(「1」+「キャラクタa」、「2」+「キャラクタb」、・・・、「7」+「キャラクタg」といった通常装飾図柄502)。一方で、簡易装飾図柄504は通常装飾図柄502の表示状態を補償する役割さえ果たせれば良いので、第1演出モードであるか第2演出モードであるかにかかわらず、同一の表示態様のみ、例えば数字の通常装飾図柄502のみで簡易装飾図柄504を構成し余計な開発設計を行わずに済ませることが好適である。
(4)通常装飾図柄502の表示領域は変動状況(例えば、ノーマルリーチ中であるか否か、スーパーリーチ演出中であるか否か、など)に応じて可変する(移動する、小図柄とする)ことで、通常装飾図柄502の演出に多様性を持たせることができる。一方で、簡易装飾図柄504は通常装飾図柄502の表示状態を補償する役割さえ果たせれば良いので、簡易装飾図柄504の表示領域は可変しない(移動しない、小図柄としない)ようにして余計な開発設計を行わずに済ませることが好適である。
(5)通常装飾図柄502は変動状況(例えば、変動開始時点なのか、変動途中なのか、変動終了間際なのか、など)に応じて変動速度が低速、中速、高速、超高速などに可変とすることで、通常装飾図柄502の演出に多様性を持たせることができる。一方で、簡易装飾図柄504は通常装飾図柄502の表示状態を補償する役割さえ果たせればよいので、簡易装飾図柄504の変動速度は可変としない、もしくは可変とする段階を少なくする(例えば、低速と高速のみにする)ことで余計な開発設計を行わずに済ませることが好適である。また、変動方向についても、通常装飾図柄502は、上から下への変動のみならず下から上への変動を可能とする(複数方向の変動を可能とする)一方で、簡易装飾図柄504は、上から下への変動のみとすることが好適である。
(6)通常装飾図柄502は確定停止(特別図柄が停止するタイミングでの停止)するよりも前に仮停止(特別図柄の変動途中における仮停止であり、微小な揺れ変動を伴いながらの暫定的な停止)を行い、その際に数字以外の通常装飾図柄502である特定図柄(例えば、スーパーリーチ演出への発展を予告する「スーパー」という文字が書かれた通常装飾図柄502)を仮停止させることで、通常装飾図柄502の演出とその他演出とに関連性を持たせることができる。一方で、簡易装飾図柄504は通常装飾図柄502の表示状態を補償する役割さえ果たせればよいので、簡易装飾図柄504は仮停止もしなければ、特定図柄を仮停止させることもしないようにして余計な開発設計を行わずに済ませることが好適である。
(7)通常装飾図柄502はその他の予告演出(例えば、コメント予告演出、ステップアップ予告演出など)の表示領域と重複する、つまり重畳表示がなされる。演出表示装置60上の領域をできる限り用いて迫力ある演出を行うため、このような重畳表示を許容しているが、簡易装飾図柄504については、通常装飾図柄502の表示状態を補償する役割を果たすため、簡易装飾図柄504の表示領域は当該その他予告演出の表示領域とは重複しない(重畳表示しない)よう設計することが望ましい。但し、どうしても重複してしまう特殊な予告演出(例えば、演出表示装置60全体に表示される群予告演出、背景予告演出など)との関係性については、簡易装飾図柄504の表示優先度を、当該特殊な予告演出の表示優先度よりも高く設定する(簡易装飾図柄504のほうが当該特殊な予告演出よりも前面に表示されるよう設定する)ことが好適である。また、右打ち報知画像(特別遊技中に表示される画像とは異なり、高ベース状態中に表示される高ベース状態専用の右打ち報知画像、但し、特別遊技中の画像と共通する画像でもよい)についても、遊技者に対して必ず視認できるようにすることが望ましいため、簡易装飾図柄504の表示領域と右打ち報知画像の表示領域とは重複しない(重畳表示しない)よう設計することが望ましい。但し、通常装飾図柄502の表示領域が移動したり拡大されたりした場合など、通常装飾図柄502の表示領域と右打ち報知画像の表示領域とは重複する(重畳表示する)ようにしても良く、その場合は、通常装飾図柄502の表示優先度を、右打ち報知画像の表示優先度よりも低く設定する(通常装飾図柄502のほうが右打ち報知画像よりも後面に表示されるよう設定する)ことが好適である。
(8)特別遊技中においては、通常装飾図柄502は組み合わせ表示ではなく、1つのみの表示としてよい。例えば、「777」が確定停止したうえで特別遊技が実行された場合は、特別遊技中には「7」が表示され、「222」が確定停止したうえで特別遊技が実行された場合は、特別遊技中には「2」が表示される。これにより、どの通常装飾図柄502で大当りしたかを特別遊技中に認識することができる。変形例として、有利度が高い大当りに対応した通常装飾図柄502(例えば、7R以上の大当りまたは10Rの大当りであることを示す「333」、「555」、「777」など)のみ、特別遊技中に表示してもよい。このように特別遊技中に表示される1つの通常装飾図柄502を表示する表示領域は、特別遊技中の他の表示領域であるラウンド表示領域、右打ち表示領域、賞球獲得表示領域、累積賞球数表示領域とは重複しない、つまり重畳表示しないよう構成することが望ましい(但し、強調表示とは重畳表示してもよく、その場合、強調表示の方が表示優先度は高い)。また、簡易装飾図柄504については、特別遊技中には非表示とすることが好適であるが(特別遊技中は変動表示が行われないため)、特別遊技中に表示してもよく、そのように構成する場合、特別遊技中の他の表示領域であるラウンド表示領域、右打ち表示領域、賞球獲得表示領域、累積賞球数表示領域とは重複しない、つまり重畳表示しないよう構成することが望ましく、強調表示とも重畳表示しないことが望ましい。
(9)通常装飾図柄502においては、変動(例えば、上から下への移動)を行う以外にも、変動開始時、仮停止直後、リーチ成立後、仮停止中などにおいては、所定の動作を伴った表示を行ってもよい(それぞれの状況における動作を、変動開始時動作、仮停止時動作、リーチ成立時動作、揺れ動作と称してもよい)。例えば、非リーチとなる場合(確定停止時において、通常装飾図柄502および簡易装飾図柄504が「624」と表示される場合)、変動開始時は、通常装飾図柄502における左図柄、中図柄、右図柄の全てが拡大するような動作を行ったうえで変動を開始し、その後、左図柄が仮停止する際に、跳ねるような動作を行ったうえで「6」が仮停止してから揺れ動作を継続し、その後、右図柄が仮停止する際に、跳ねるような動作を行ったうえで「4」が仮停止してから揺れ動作を継続し、その後、中図柄が仮停止する際に、跳ねるような動作を行ったうえで「2」が仮停止し揺れ動作を少しだけ行い、その後、確定停止タイミングにて、左図柄、中図柄、右図柄の全ての動作を終了させる。この場合においては、簡易装飾図柄504は、各動作を一切行わない。また、ノーマルリーチとなる場合(確定停止時において、通常装飾図柄502および簡易装飾図柄504が「212」と表示される場合)、変動開始時は、通常装飾図柄502における左図柄、中図柄、右図柄の全てが拡大するような動作を行ったうえで変動を開始し、その後、左図柄が仮停止する際に、跳ねるような動作を行ったうえで「2」が仮停止してから揺れ動作を継続し、その後、右図柄が仮停止する際に、跳ねるような動作を行ったうえで「2」が仮停止してから揺れ動作を継続し、その後、リーチであることを報知するために左図柄と右図柄が回転動作を行ったうえで再度揺れ動作を継続し、その後、中図柄が仮停止する際に、跳ねるような動作を行ったうえで「1」が仮停止し揺れ動作を少しだけ行い、その後、確定停止タイミングにて、左図柄、中図柄、右図柄の全ての動作を終了させる(中図柄は回転動作を行わない)。この場合においては、簡易装飾図柄504は、各動作を一切行わない。
また、スーパーリーチ演出に発展する場合(確定停止時において、通常装飾図柄502および簡易装飾図柄504が「232」と表示される場合)、変動開始時は、通常装飾図柄502における左図柄、中図柄、右図柄の全てが拡大するような動作を行ったうえで変動を開始し、その後、左図柄が仮停止する際に、跳ねるような動作を行ったうえで「2」が仮停止してから揺れ動作を継続し、その後、右図柄が仮停止する際に、跳ねるような動作を行ったうえで「2」が仮停止してから揺れ動作を継続し、その後、リーチであることを報知するために左図柄と右図柄が回転動作を行ったうえで再度揺れ動作を継続し、その後、左図柄と右図柄とが揺れ動作を行っている最中に中図柄が変動し(この際、中図柄が拡大した状態で上から下へ変動しており、それまでは重複していなかったまたは重複割合が少なかった左右の図柄に対して、重複しているまたは重複割合が高くなっている)、その後、スーパーリーチ演出を実行するために通常背景からリーチ背景へと移行し、はずれの結果であることがスーパーリーチ演出にて報知されるとリーチ背景から通常背景へと移行し、移行後、左図柄、中図柄、右図柄が所定時間揺れ動作を継続し、その後、確定停止タイミングにて、左図柄、中図柄、右図柄の全ての動作を終了させる(中図柄は跳ねる動作も回転動作も行わない)。この場合においては、簡易装飾図柄504は、各動作を一切行わない。このように構成することで、通常装飾図柄502の演出に多様性を持たせることができる一方で、簡易装飾図柄504は通常装飾図柄502の表示状態を補償する役割さえ果たせれば良いので、簡易装飾図柄504については、特に動作を行わないよう構成し、余計な開発設計を行わずに済ませることが好適である。また、変動停止してから待機デモ演出が表示されるまでの間であっても、変動停止してから所定時間経過後(例えば、10秒後)には通常装飾図柄502が揺れ動作を行ってもよいが、この状況においても、簡易装飾図柄504は一切動作を行わないことが好適である。このように構成することで、遊技待機中(図柄停止中)であっても、遊技意欲をかきたてることができるとともに、簡易装飾図柄504は揺れ動作を行わないことで、遊技待機中であることの報知を担保できる。その他、待機デモ演出が表示された場合、通常装飾図柄502は非表示となるが、簡易装飾図柄504は表示が継続されることが好適である。こうすることで、待機デモ演出画面の表示を強調しつつも、どのような図柄が停止しているかの表示を担保することができる。但し、待機デモ演出中であれば、遊技が行われていないため、簡易装飾図柄504についても非表示としてもよい。
また、通常装飾図柄502の中でも特定の図柄(例えば、中図柄の「7」)については、その他図柄と比べて、所定の動作を行わないまたは行う確率が低くなるよう構成してもよい。この所定の動作は、例えば前述した仮停止時動作(跳ねるような動作)であってよい(特に、リーチ成立後の中図柄の「7」について)。このように構成することで、特定の図柄における動作の希少性を高めることができる。なお、数字の通常装飾図柄502と味方キャラクタの通常装飾図柄502とを組み合わせて通常装飾図柄502が構成される(「1」+「キャラクタa」、「2」+「キャラクタb」、・・・、「7」+「キャラクタg」といった通常装飾図柄502)場合、通常装飾図柄502の揺れ動作については、数字の通常装飾図柄502も、味方キャラクタの通常装飾図柄502も、いずれも揺れ動作を行うが、その揺れ幅(揺動距離であり、例えば、上下に揺れるのであれば、揺れ動作中の通常装飾図柄502が最も上に表示されている状態と最も下に表示されている状態との距離幅)を異ならせることで、躍動感のある揺れ動作を実現しても良く、そのように構成した場合、数字の通常装飾図柄502の揺れ幅を、味方キャラクタの通常装飾図柄502の揺れ幅よりも小さくする、もしくは、数字の通常装飾図柄502は揺れ動作を行わず、味方キャラクタの通常装飾図柄502のみ揺れ動作を行うよう構成しても良い。
通常装飾図柄502は、画面変形演出における対象オブジェクト516の画像の中に含まれて変形の対象となり得る、すなわち第1画像グループに属する第1画像に含まれ得るものであり、演出レイヤー524に表示される。一方、簡易装飾図柄504は、画面変形演出における対象オブジェクト516の画像の中に含まれず、変形の対象にもならない、すなわち第2画像グループに属する第2画像に含まれる一方、画面変形演出では遊技状況を示す画像に含まれ得る対象であり、遊技状況レイヤー523に表示される。なお、通常装飾図柄502を対象に含めて画面変形演出処理を実行している所定の状況(例えば、通常装飾図柄502が変動している最中、仮停止している最中、リーチ状態を形成している状態に対して画面変形演出処理を実行している状況、なお、この状況においては静止画面ではなく通常装飾図柄502のスクロールの動きや仮停止時およびリーチ状態形成時の揺れ動作を継続的に再生表示させながら画像変形させることになる)においても可動役物520が動作され得る。その動作中の可動役物520を正面視した場合に、動作中の第1可動役物520a、第2可動役物520b、第3可動役物520c、第4可動役物520dの少なくともいずれかにて、画面変形演出中の通常装飾図柄502の視認性が阻害されるが、図34のように動作中の第1可動役物520a、第2可動役物520b、第3可動役物520c、第4可動役物520dのいずれにおいても、画面変形演出中の簡易装飾図柄504の視認性は阻害されない。なお、前述したとおり、少なくともいずれかの可動役物の動作時に視認性が妨げられないような位置に表示するよう構成してもよい。
画面変形演出に一体感を出すため、逆に画面変形演出を伴わない図柄変動演出と通常装飾図柄502とが同じように躍動するよう構成する。一方、現在図柄変動中であるか否か、および、図柄が仮停止しているのであればどの図柄で仮停止しているかを把握しやすくするために、簡易装飾図柄504を画面変形演出による変形の対象外として簡易装飾図柄504の視認性を担保する。その場合、連係する可動役物520の動作について、簡易装飾図柄504の視認性を阻害しないような動作態様とすることで、より確実に簡易装飾図柄504の視認性を担保する。なお、通常装飾図柄502および簡易装飾図柄504との関係を、通常保留画像506(変動中画像508)および簡易保留画像507との関係に適用してもよい。つまり、通常保留画像506(変動中画像508)を対象に含めて画面変形演出処理を実行している所定の状況(例えば、通常保留画像506(変動中画像508)を表示している最中に画面変形演出処理を実行している状況、なお、この状況においては静止画面ではなく通常保留画像506(変動中画像508)が回転アニメーションや発光アニメーションを伴って表示されているのであれば、そのアニメーションを継続的に再生表示させながら画像変形させることになる)においても可動役物520が動作され得る。その動作中の可動役物520を正面視した場合に、動作中の第1可動役物520a、第2可動役物520b、第3可動役物520c、第4可動役物520dの少なくともいずれかにて、画面変形演出中の通常保留画像506(変動中画像508)の視認性が阻害されるが、図34のように動作中の第1可動役物520a、第2可動役物520b、第3可動役物520c、第4可動役物520dのいずれにおいても、画面変形演出中の簡易保留画像507の視認性は阻害されない。なお、前述したとおり、少なくともいずれかの可動役物の動作時に視認性が妨げられないような位置に表示するよう構成してもよい。
画面変形演出に一体感を出すため、逆に画面変形演出を伴わない図柄変動演出と通常保留画像506(変動中画像508)とが同じように躍動するよう構成する。一方、現在図柄変動中であるか否か、および、図柄が仮停止しているのであればどの図柄で仮停止しているかを把握しやすくするために、簡易保留画像507を画面変形演出による変形の対象外として簡易保留画像507の視認性を担保する。その場合、連係する可動役物520の動作について、簡易保留画像507の視認性を阻害しないような動作態様とすることで、より確実に簡易保留画像507の視認性を担保する。
<第3態様>
(特徴7)画面変形演出において、変形の対象となる第1画像としてのフレーム画像の内容にかかわらず第2画像としての背景画像518は他の画像を変形の対象とする他の画面変形演出における背景画像518と内容が共通する。例えば、本実施例における共通の背景画像518は全面が黒一色の画像であり、各画面変形演出における背景レイヤー525に表示される。各画面変形演出の背景画像を黒一色の画像で共通化することにより、表示処理負担の増加と画像容量の増加を抑制することができる。なお、前述したとおり、背景画像518を、例えば、「CHANCE」という文字がテロップのように流れる動画像をループ再生するような表示態様としてもよい。
<第4態様>
(特徴8)演出表示装置60には、所定のエラー(例えば、扉・枠の開放信号を検知した場合に発生する扉開放エラーや枠開放エラー、遊技球の不足や上球皿105・下球皿106の遊技球が満タンになることで賞球払出が停止する賞球払出エラーなど)が発生した場合はそのエラーを示す(エラーの発生およびエラーの種類を示す)エラー警告画像536が表示される。また、画面変形演出の実行前にエラーが発生したことでエラー警告画像536が表示されている状況下で画面変形演出が実行される場合、エラー警告画像536の表示がそのまま継続される。この場合、図33にも示される通り、エラー警告画像536は最前面のエラー表示レイヤー521に表示されており、演出レイヤー524に表示されていないため、変形の対象となるフレーム画像である対象オブジェクト516には含まれず、変形処理は施されない。これにより、エラー発生時でも画面変形演出の実行を阻害しないように構成することができるだけでなく、エラー警告画像536を画面変形演出の対象外とすることでエラー警告画像536の視認性も阻害しないように構成することができる。
なお、エラー警告音は規定音量である最大音量で出力されていたとしても、並行して遊技者による操作を介した音量レベルの調整(音量調整)は可能であり、遊技者操作によって図33の音量光量表示レイヤー522に音量設定画像532を表示可能である。なお、遊技進行中に発生したエラーの種類(エラー警告音の種類)によっては、遊技進行に伴う演出音(例えば、スーパーリーチ演出のBGMや画面変形演出に伴って発生する効果音)が、エラー警告音の優先出力により出力されないよう構成される。例えば、画面変形演出中にエラーが発生した場合、そのエラーが賞球払出エラーであれば、エラー警告音と演出音との両方が出力される(但し、エラー警告音は規定音量である最大音量で、演出音は現在設定されている音量レベルに対応した音量にて出力される)が、扉開放エラーであれば、エラー警告音のみが出力され、演出音は出力されない(または賞球払出エラー発生時よりも演出音を低音量で出力する)よう構成される。なお、エラーの種類は一例である。このような遊技進行中のエラー発生の場合、画面変形演出が実行されたとしても音量設定画像532もまた演出レイヤー524に表示されていないため、変形の対象となるフレーム画像である対象オブジェクト516には含まれず、変形処理は施されない。これにより、エラー発生時でも音量調整の実行を阻害しないように構成することができるだけでなく、音量設定画像532を画面変形演出の対象外とすることで音量設定画像532の視認性も阻害しないように構成することができる。
音量設定画像532においては、現在設定されている音量レベルが何であるかを表示可能であり(例えば、「音量レベルは1です」、「音量レベルは5です」などの表示が可能であり)、遊技者操作により音量レベルが調整されると、その表示内容が変更される(例えば、音量レベルを1から2へ変更した場合、「音量レベルは1です」の表示から「音量レベルは5です」の表示へ切り替わる)。ここで、画面変形演出の実行中に遊技者操作により音量設定画像532が表示され、画面変形演出の実行中且つ音量設定画像532の表示中に更に遊技者操作が行われることで、音量調整且つ音量設定画像532の表示変化がなされる場合、画面変形演出実行中且つ表示変化前の音量設定画像532(例えば、「音量レベルは1です」の表示)と画面変形演出実行中且つ表示変化後の音量設定画像532(例えば、「音量レベルは2です」の表示)のいずれにおいても、画面変形されていない表示態様にて表示される。また、画面変形演出の実行直前に遊技者操作により音量設定画像532が表示され、その直後(音量設定画像532の表示中)に画面変形演出が実行され、その音量設定画像532の表示中且つ画面変形演出の実行中に遊技者操作が行われることで、音量調整且つ音量設定画像532の表示変化がなされる場合、画面変形演出実行前且つ表示変化前の音量設定画像532(例えば、「音量レベルは1です」の表示)と画面変形演出実行後且つ表示変化後の音量設定画像532(例えば、「音量レベルは2です」の表示)のいずれにおいても、画面変形されていない表示態様にて表示される。なお、視認性担保のため、エラー警告画像536と音量設定画像とは、重複表示しない(異なる表示領域にて表示する)よう構成することが好適である。
<第5態様>
(特徴9)演出表示装置60には、図30に示す通り、保留が記憶される場合にその保留数を示す通常保留画像506が表示される。また、新たな入球に対応する保留が生起する際は、保留が生起したことを示すために、通常保留画像506をいきなり表示させるのではなく、徐々に表示されるようなアニメーション(詳細は後述する)を伴って表示され、通常保留画像506のアニメーション表示中、つまり通常保留画像506のアニメーションが開始してから完了するまでの間(通常保留画像506の表示が完了するまでの間)に画面変形演出が実行される場合であってもそのアニメーション表示は中止されない。ここでいう通常保留画像506のアニメーション表示は、通常の保留生起時(先読み予告を伴わない保留生起時)のアニメーション表示以外にも、先読み予告演出として通常保留画像506の色や模様を変化させる際に実行されるアニメーション表示も含まれる(例えば、保留生起時に通常保留画像506が白く光った後に色が変化するアニメーション、小さなキャラクタが登場して表示中の通常保留画像506に魔法をかけて色を変化させるアニメーションなど)。但し、画面変形演出の実行中、または、画面変形演出を実行する変動中(当該変動にて画面変形演出を実行予定であるが実行タイミングには到達していない状況)においては、画面変形演出に注目させるべく、新たな入球があっても先読み予告を実行しない(抽選や決定をしない)よう構成する場合、通常の保留生起時のアニメーション表示演出が実行されないよう構成した場合、画面変形演出が実行される場合にそのアニメーション表示を中止しない仕様を採用するのは、通常の保留生起時(先読み予告を伴わない保留生起時)のアニメーション表示のみとなる。
通常の保留生起時の通常保留画像506(先読み予告を伴わない保留生起時)のアニメーション表示は、例えば通常保留画像506のフェードイン表示、画面下方などの画面外からの移動により出現させるアニメーション、回転や揺動をさせるアニメーション、一瞬光らせるなどの色変化を加えるアニメーション、サイズを一瞬だけ拡縮させるアニメーションなどである。通常保留画像506は演出レイヤー524に表示させるため、保留生起時のアニメーション表示の途中で画面変形演出が実行される場合は、そのアニメーション表示の途中の画像を含むフレーム画像を順次変形の対象としてもよいし、画面変形演出の表示中、すなわち対象オブジェクト516の変形中にその対象オブジェクト516に含まれる通常保留画像506のアニメーション表示を継続させるように表示内容を更新してもよい。このように、保留生起時の通常保留画像506のアニメーション表示中に画面変形演出が実行される場合でもアニメーション表示を中止せずに継続させることで、演出の流れに不自然さや違和感が生じるのを防ぐことができる。
なお、保留生起が連続して保留生起時のアニメーション表示が連続した場合も、先の入球に対応する通常保留画像506のアニメーション表示を中止することなく、後の入球に対応する通常保留画像506のアニメーション表示を同時並行的に実行する。そのため、保留生起タイミングによっては、(1)画面変形演出が実行されている最中に先の入球があった場合、画面変形演出が実行されている最中に先の入球に対応する通常保留画像506のアニメーション表示を実行し、且つ、画面変形演出および先の入球に対応する通常保留画像506のアニメーション表示中に後の入球があった場合、先の入球に対応する通常保留画像506のアニメーション表示を中止することなく、画面変形演出、先の入球に対応する通常保留画像506のアニメーション表示、後の入球に対応する通常保留画像506のアニメーション表示を同時並行的に実行する、(2)先の入球に対応する通常保留画像506のアニメーション表示の実行中に画面変形演出の実行開始タイミングに到達した場合、先の入球に対応する通常保留画像506のアニメーション表示の実行中に画面変形演出を実行し、且つ、先の入球に対応する通常保留画像506のアニメーション表示および画面変形演出の実行中に後の入球があった場合、先の入球に対応する通常保留画像506のアニメーション表示を中止することなく、先の入球に対応する通常保留画像506のアニメーション表示、画面変形演出、後の入球に対応する通常保留画像506のアニメーション表示を同時並行的に実行する、(3)先の入球に対応する通常保留画像506のアニメーション表示の実行中に後の入球があった場合、先の入球に対応する通常保留画像506のアニメーション表示の実行中に後の入球に対応する通常保留画像506のアニメーション表示を実行し、且つ、先の入球に対応する通常保留画像506のアニメーション表示および後の入球に対応する通常保留画像506のアニメーション表示の実行中に画面変形演出の実行開始タイミングに到達した場合、先の入球に対応する通常保留画像506のアニメーション表示および後の入球に対応する通常保留画像506のアニメーション表示を中止することなく、先の入球に対応する通常保留画像506のアニメーション表示、後の入球に対応する通常保留画像506のアニメーション表示、画面変形演出を同時並行的に実行する、のいずれかとなる。なお、(1)~(3)のいずれの状況においても、その状況にて(同時並行的に実行している状況にて)更なる後の入球があり且つその入球が大当り期待度の高い保留(例えば、スーパーリーチ演出が実行される予定の保留、大当りとなる予定の保留)の生起であったとしても、その状況においてはその保留に対しては、先読み予告演出として通常保留画像506の色や模様を変化させる際に実行されるアニメーション表示を実行しないことが好適である。
(特徴10)本実施例では、複数種類の演出モードがあり、演出モードごとに図柄変動演出や予告演出などの演出のうちいずれの種類の演出が実行され得るかが定められている。
演出モードおよび演出モードにて実行される演出内容について具体的に説明すると、例えば、複数種類の演出モードとして、「通常モード」、「チャンスモード」、「ラッシュモード」が設定されており、遊技状態(又は変動パターン選択状態)や特別図柄の変動表示回数などに応じて、複数種類の演出モードのうちのいずれかが択一的に設定され、該設定された演出モードに応じた変動演出が実行される。基本的には、遊技状態が通常状態であるときは「通常モード」が設定され、遊技状態が時短状態であるときは「チャンスモード」が設定され、遊技状態が確変状態であるときは「ラッシュモード」が設定される。いずれかの演出モードが設定されると、当該演出モードに滞在中であることを示唆する演出(変動演出)として、画面上において当該演出モード専用の背景画像(装飾図柄61の背面表示となる背景画像)が表示され、また、当該演出モード専用のBGMがスピーカー108から出力される。このように背景画像およびBGMは演出モード毎に互いに異なるよう設定されているため、背景画像又はBGMの種類から、現在滞在中の演出モードがいずれであるかを遊技者が認識し得るようになっている。具体的には、「通常モード」については「ステージA」、「ステージB」、「ステージC」、「先読みステージ」の4つのステージを備え、20変動以上の経過又はスーパーリーチ演出がはずれることを契機に、「ステージA」から「ステージB」へ移行、「ステージB」から「ステージC」へ移行、「ステージC」から「ステージA」へ移行し、先読み予告演出判定にて「先読みステージ」の実行(移行)に当選した場合は、現在滞在しているステージから「先読みステージ」へ移行する(「先読みステージ」に移行した時点でスーパーリーチ演出の実行が確定し、大当りする場合は「先読みステージ」にてゾロ目が表示され、はずれる場合は「先読みステージ」にてゾロ目以外が表示され、次の変動で「先読みステージ」移行前のステージに復帰する)。「ステージA」、「ステージB」、「ステージC」、「先読みステージ」のそれぞれについてBGM(ステージBGM)が異なる(「チャンスモード」のステージBGMとも、「ラッシュモード」のステージBGMとも異なる)が、「ステージA」においては、非リーチはずれ(リーチ状態を形成せずのはずれであり、例えば「351」などのばらけ目)の変動停止(確定停止)を契機にステージBGMが途切れ(終了し)、次変動開始を契機にステージBGMが最初から開始され、「ステージB」、「ステージC」、「先読みステージ」においては、非リーチはずれの変動停止(確定停止)となってもステージBGMが途切れることはなく(終了することはなく)、次変動に継続してステージBGMが出力される(「チャンスモード」および「ラッシュモード」についても、同様に継続出力する構成である)。
ここで、「ステージA」、「ステージB」、「ステージC」、「先読みステージ」のいずれにおいても、擬似連演出を実行可能であるが、いずれのステージにおいても、擬似連演出における仮停止時(中図柄として所定の擬似連図柄(例えば「NEXT」という文字の図柄)が所定の仮停止位置の近傍に変動表示されたうえで仮停止表示される際)には、ステージBGMが出力されず(途切れ)、再変動表示(仮停止後の再度の変動)を契機にステージBGMが最初から開始される、もしくは、再変動表示前とは異なる特定のBGMへと切り替わる。その後、「ステージA」、「ステージB」、「ステージC」、「先読みステージ」においてスーパーリーチ演出へ発展する場合、各ステージ(滞在していたステージ)の背景画像からスーパーリーチ演出の背景画像へと切り替わり(それとともにスーパーリーチ演出専用のBGMへと切り替わり)、スーパーリーチ演出実行中はステージBGMが出力されず、スーパーリーチ演出にてはずれを示す演出が表示されることで、スーパーリーチ演出が実行された変動表示内で再度各ステージの背景画像(スーパーリーチ演出発展前に表示していたステージの背景画像)へと切り替わるが、その状況においては、次の変動表示が開始するまで、ステージの背景画像が表示されていても、ステージBGMは出力されず、スーパーリーチ演出専用のBGMも出力されない(無音である、もしくは、ステージBGMともスーパーリーチ演出専用BGMとも異なる特定のBGMが出力される)。よって、非リーチはずれの変動停止(確定停止)となってもステージBGMが途切れることはなく(終了することはなく)、次変動に継続してステージBGMが出力される「ステージB」、「ステージC」、「先読みステージ」であっても(そうではない「ステージA」であっても)、スーパーリーチ演出を経由してはずれとなった場合は、変動停止(確定停止)よりも前にステージBGMが途切れることなり、次変動開始を契機にステージBGMが最初から開始される。
なお、「チャンスモード」および「ラッシュモード」においては擬似連演出が実行されない。ここで、擬似連演出が実行されることを示唆する特殊演出(例えば、継続セリフ予告であり、以降の擬似連演出の実行が確定する「継続するよ!」、以降の擬似連演出の実行が確定しない「継続するかも?」などの演出)が実行されることで、以降に擬似連演出(再変動表示)が行われることが示唆されるが、この特殊演出は、「ステージA」および「ステージC」でのみ表示され、「ステージB」および「先読みステージ」では表示されない。つまり、事前に擬似連演出が実行される可能性を察知できるステージと察知できないステージの両方を用意し、そのステージ間でステージ遷移を繰り返すことで、遊技者に対して飽きさせないような演出を実現している。なお、「ステージA」では、キャラクタAをモチーフとした特殊演出を実行するが、「ステージC」では、キャラクタBをモチーフとした特殊演出を実行する。また、特殊演出とは異なる演出であり、発生するだけで以降に擬似連演出が実行されることが確定する擬似連確定演出(例えば、キャラクタCが出現すると必ず「継続確定!」とのセリフが表示される演出)も設けられ、更に、特殊演出とも擬似連確定演出とも異なる演出であり、発生するだけで以降に擬似連演出が実行されずスーパーリーチ演出に発展することが確定する発展確定演出(例えば、キャラクタDが出現すると必ず「発展確定!」とのセリフが表示される演出)も設けられる。この擬似連確定演出および発展確定演出は、「ステージA」、「ステージB」、「ステージC」、「先読みステージ」のいずれにおいても実行可能である。このように、擬似連演出が行われる場合および擬似連演出が行われない場合、特殊演出、擬似連確定演出、発展確定演出を1以上組み合わせて表示させることで、擬似連演出の実行期待度、スーパーリーチ演出への発展期待度を多様化させることができる。なお、1回の変動表示中において、特殊演出、擬似連確定演出、発展確定演出の全てが実行されてもよく、その場合、ある再変動表示中(例えば、再変動表示の1回目や2回目)においては、特殊演出が実行されるパターン、擬似連確定演出が実行されるパターン、発展確定演出が実行されるパターンを備えてもよく、ここで、ある再変動表示中(例えば、再変動表示の1回目や2回目)において特殊演出が実行されるパターンでは、当該ある再変動表示中において特殊演出が実行された後に当該ある再変動表示中に擬似連確定演出が更に実行されてもよい。
本実施例においては、いずれの演出モードが実行されているかに応じて、異なる種類の演出が実行され得ることに加え、演出モードによって、実行される変形対象演出の種類が異なり、変形対象演出が実行され得ることを示唆する示唆演出の種類や示唆演出の実行有無が異なる。また、本実施例においては、擬似連演出の「NEXT」が表示されるタイミングでは、擬似連演出の実行を遊技者に認識させるため、画面変形演出を実行しないが(変形対象演出としないが)、それには限定されず、画面変形演出を実行してもよい(変形対象演出としてもよい)。その場合、他の所定の予告演出(例えば、前述したスーパーリーチ演出中の敵キャラクタを静止させる演出や、リーチ状態となる前の予告演出の一部であるステップアップ予告演出など)よりも、画面変形演出となる可能性が低くなるよう構成することが好適である。
<第6態様>
(特徴11)まず、画面変形演出が実行される図柄変動であっても、画面変形演出が実行されない図柄変動であっても、その図柄変動中にリーチ状態を形成可能である。そのうえで、図柄変動演出の態様および図柄がリーチとなる場合のリーチ図柄態様によって画面変形演出が実行される期待度が異なる。具体的には、例えば「7」の図柄でリーチとなった場合の方が、「2」の図柄でリーチとなった場合よりも、画面変形演出が実行されやすくなるように、リーチ図柄態様と画面変形演出の実行有無(実行確率)が対応付けられている。より具体的には、「7」の図柄でリーチとなる場合、スーパーリーチ演出中に敵キャラクタを静止させる画面変形演出が実行される場合と実行されない場合の比率は5:5であり、「2」の図柄でリーチとなる場合、スーパーリーチ演出中に敵キャラクタを静止させる画面変形演出が実行される場合と実行されない場合の比率は2:8である。画面変形演出が実行されるほうが、「7」の図柄でリーチとなりやすいように構成してもよく、例えば、ステップアップ予告演出にて画面変形演出が実行されてその後にリーチ状態となる場合、「7」の図柄でリーチとなる確率は10%であり、「2」の図柄でリーチとなる場合は15%であるが、ステップアップ予告演出にて画面変形演出が実行されずその後にリーチ状態となる場合、「7」の図柄でリーチとなる確率は1%であり、「2」の図柄でリーチとなる場合は20%であるよう構成してもよい。
<第7態様>
(特徴12)画面変形演出においては、通常装飾図柄502は対象オブジェクト516として演出レイヤー524に含まれ得るが、簡易装飾図柄504は対象オブジェクト516に含まれず、遊技状況を示す画像として遊技状況レイヤー523に含まれ得る。また、画面変形演出の実行中であっても音量調整のための音量設定画像532の表示および遊技者の操作に応じた音量調整が可能である。
(特徴13)画面変形演出の実行前に音量設定画像532が表示されている状況下で画面変形演出が実行される場合、音量設定画像532は変形の対象となるフレーム画像に含まれない形、すなわち演出レイヤー524とは異なるレイヤーである音量光量表示レイヤー522にて音量設定画像532の表示が継続され、遊技者の操作により音量調整も可能である。
(特徴14)通常保留画像506は画面変形演出による変形の対象となり得るが、簡易保留画像507は画面変形演出による変形の対象とならない。なお、通常保留画像506を変形の対象に含めた画面変形演出を実行中の状況においても可動役物520を動作させ得るため、動作中の可動役物520を正面視した場合に可動役物520によって簡易保留画像507の視認性が阻害されないようにする。この場合、通常保留画像506の視認性もまた可動役物520によって阻害されないように表示させる仕様としてもよいし、阻害され得る形の仕様としてもよい。または、通常保留画像506を画面変形演出による変形の対象としない仕様としてもよい。
(特徴15)画面変形演出が実行される場合には特定の演出音(効果音)が出力されるように構成される。具体的には、画面変形演出の実行開始時(開始からの1秒間)は、「ピキーン!」という効果音が出力され、画面変形演出の実行中(開始から1秒後~終了までの1秒前)は「グググ」という効果音が出力され、画面変形演出の終了時(終了までの1秒間)は「ピシャーン!」という効果音が出力される。この際、画面変形演出の開始時または終了時の効果音の方が、画面変形演出の中盤の効果音よりも、音量調整における音量レベルが同一である状況下で演出音の音量が大きくなる(これは、いずれの音量レベルが設定されている場合であってもそのような関係となる)よう構成することで、画面変形演出を視覚的のみならず聴覚的にもメリハリのある内容とすることができる。なお、変形対象演出の変形度合い/変形比率について、画面変形演出の開始時または終了時においては、画面変形演出開始前と比較して、音量とは異なり、変形対象演出の変形度合い/変形比率が小さい(縮小するのであれば縮小率が小さく、4頂点変形するのでれば当初の各頂点の位置移動距離が短い)一方で、画面変形演出の中盤においては、画面変形演出開始前と比較して変形対象演出の変形度合い/変形比率が大きい(縮小するのであれば縮小率が大きく、4頂点変形するのでれば当初の各頂点の位置移動距離が長い)よう構成することが好適であり、そのように構成することで、視覚的なメリハリと聴覚的なメリハリとが逆転する意外性のある演出とすることができる。なお、音量調整における音量レベルは、例えば5段階備えており、音量調整としてレベル1~5のいずれかに設定可能であり、各種演出に対応した演出音が設定された音量レベルに応じた音量にて出力される。ここで、同じ音量レベルであっても、演出種別に応じて音量が異なる。例えば、前述したとおり、画面変形演出の実行開始時(開始からの1秒間)の「ピキーン!」という効果音や画面変形演出の終了時(終了までの1秒間)の「ピシャーン!」という効果音は、画面変形演出の実行中(開始から1秒後~終了までの1秒前)の「グググ」という効果音よりも、いずれの音量レベルが設定されている場合であっても音量が大きい(例えば、音量レベル1の場合、「ピキーン!」および「ピシャーン!」との効果音は30dBであり、「グググ」との効果音は20dBであり、音量レベル5の場合、「ピキーン!」および「ピシャーン!」との効果音は80dBであり、「グググ」との効果音は70dB)。
(特徴16)前述したように、通常保留画像506および変動中画像508も、画面変形演出における変形の対象として対象オブジェクト516に含まれて表示される仕様としてもよい。
(特徴17)あるいは、図33の遊技状況レイヤー523に示すように、通常保留画像506および変動中画像508は、画面変形演出における変形の対象として対象オブジェクト516に含まれず、別のレイヤーである遊技状況レイヤー523に表示される仕様としてもよい。
<第8態様>
(特徴18)演出表示装置60には、所定のエラーが発生した場合はそのエラーを示すエラー警告画像536が表示される。画面変形演出の実行中にエラーが発生した場合、エラー警告画像536は変形の対象となるフレーム画像に含まれず、画面変形演出が表示される演出レイヤー524とは異なるレイヤーであるエラー表示レイヤー521に表示される。
(特徴19)スーパーリーチ演出の演出過程は、前半部と後半部とがあり、画面変形演出の実行を伴う場合の方が、前半部においていわゆる裏ボタン演出である後半部への発展が確定的または高期待度であることを示唆する赤色の発光演出が発生しやすい。ここでの画面変形演出は、スーパーリーチ演出前であることが望ましく、例えば、リーチ状態となる前のステップアップ予告演出にて画面変形演出が実行される場合などが挙げられるが、それ以外にも、例えば、前半部においてスーパーリーチ演出中に敵キャラクタを静止させる画面変形演出が実行される仕様とし、前半部に画面変形演出が実行されるほうが、前半部において裏ボタン演出の出現を示唆する赤色の発光演出が発生しやすくしてもよい。裏ボタン演出とは、画面にはボタン画像やボタン操作の指示は表示されないものの、所定タイミングで遊技者が演出ボタン109を操作すると特定の演出(ここでは発光演出)が出現するというものであり、ここでは前半部にて実行される。また、発光演出とは、演出表示装置60の周囲にある装飾ランプ111の発光色および演出表示装置60に光を模したエフェクト表示の色(画像としての色)を変化させる演出であり、発光色が青色→緑色→赤色の順で期待度が高くなる(後半部への発展期待度または大当り期待度が高くなる)。なお、裏ボタン演出は、演出ボタン109の長押しによる自動的な連打も可能である。変形例として、スーパーリーチ演出の前半部ではなく後半部で敵キャラクタを静止させる画面変形演出が実行される仕様とした場合、後半部で画面変形演出が実行される場合には、画面変形演出が実行されない場合と比べて、スーパーリーチ演出の前半部における演出ボタン109の連打演出(演出ボタン109の長押しによる自動連打が可能)にて、演出表示装置60の周囲にある装飾ランプ111の発光色および演出表示装置60に光を模したエフェクト表示の色が青色や緑色ではなく、スーパーリーチ演出の後半部への発展が確定的または高期待度であることを示唆する赤色となりやすいよう構成してもよい。
(特徴20)画面変形演出が実行される場合の方が、通常色(例えば、白色)ではないボタン画像、例えば大当り期待度が相対的に高いことを示唆する赤色のボタン画像や虹色のボタン画像が表示されやすい。ここでのボタン画像については、リーチ状態となる前のボタン画像や、スーパーリーチ演出中のボタン画像でよく、このボタン画像が表示されている最中に遊技者が実際に演出ボタン109を操作することを契機として、ボタン画像以外の演出が表示される。例えば、リーチ状態となる前にボタン画像が表示されて且つ演出ボタン109を操作するとセリフ予告演出(セリフ内容や吹き出しの色で大当り期待度が異なる演出)が表示され、スーパーリーチ演出中(後半部の終盤)にボタン画像が表示されて且つ演出ボタン109を操作するとカットイン演出(味方キャラクタのカットイン画面が表示される演出であり、カットインに表示されるキャラクタの種類やカットインの色で大当り期待度が異なる演出)を実行する。ここで、通常色のボタン画像よりも、通常色ではないボタン画像が表示される方が、大当り期待度が高い種類の演出(セリフ予告演出であれば青色よりも赤色のセリフ予告演出、カットイン演出であれば青色よりも赤色のカットイン演出)が演出ボタン109の操作を契機に表示されやすい。それに加えて、本実施例においては、そのボタン画像が表示される前に画面変形演出が実行される場合は、画面変形演出が実行されない場合と比べて、通常色のボタン画像よりも、通常色ではないボタン画像が表示されやすくなる。なお、ボタン画像が表示されることで遊技者の操作を指示する(促す)演出を操作指示演出(ボタン演出)と称する。
更に、本実施例においては、操作指示演出(ボタン演出)が開始されるか否かを煽る演出であるボタン出現煽り演出を有する。このボタン出現煽り演出では、画面上に演出ボタン109のシルエットを表すシルエット画像を事前に表示することで、その後に演出ボタン109を模したボタン画像が出現すること(すなわち、操作指示演出が開始されること)を期待させる演出となる。このボタン出現煽り演出にて、演出ボタン109のシルエット画像がボタン画像へと徐々に変化すると煽り成功演出となる。一方、このボタン出現煽り演出にて、演出ボタン109のシルエット画像が画面からフェードアウトすると煽り失敗となる。なお、ボタン画像を表示する場合、このようなボタン出現煽り演出を必ず実行する必要はなく、ボタン出現煽り演出を経由せずにいきなりボタン画像を表示させてもよい。ここで、このボタン出現煽り演出については、表示態様を複数種類備えてもよく、そのように構成した場合、例えば、青いエフェクトを伴うボタン出現煽り演出よりも、赤いエフェクトを伴うボタン出現煽り演出のほうが、ボタン画像へと変化する可能性が高くなるよう構成してもよい。また、その他変形例として、ボタン出現煽り演出が実行されると、必ずボタン画像へと変化するようにしてもよく、そのように構成した場合、青いエフェクトを伴うボタン出現煽り演出よりも、赤いエフェクトを伴うボタン出現煽り演出のほうが、大当り期待度が高くなるよう構成してもよいし、ボタン画像を複数種類備え(青色ボタン画像と赤色ボタン画像などを備え、青色ボタン画像よりも赤色ボタン画像のほうが高期待度の予告演出が実行されやすく、例えば、青色のセリフ予告演出よりも赤色のセリフ予告演出が実行されやすい)、青いエフェクトを伴うボタン出現煽り演出よりも、赤いエフェクトを伴うボタン出現煽り演出のほうが、特定のボタン画像(例えば、赤色ボタン画像)となるよう構成してもよい。ボタン出現煽り演出が実行されると、必ずボタン画像へと変化するようにした場合、上記以外にも、短時間(例えば、2秒)のボタン出現煽り演出よりも、長時間(例えば、4秒)のボタン出現煽り演出のほうが、大当り期待度が高くなるよう構成してもよいし、短時間(例えば、2秒)のボタン出現煽り演出よりも、長時間(例えば、4秒)のボタン出現煽り演出のほうが、特定のボタン画像(例えば、赤色ボタン画像)となるよう構成してもよい。また、ボタン出現煽り演出の表示態様を複数種類備えるよう構成する場合、変動表示中の前半部(リーチ前の所定タイミング)よりも、変動表示中の後半部(リーチ後の特定タイミング)のほうが、期待度の高いボタン出現煽り演出が実行されやすくなるよう構成してもよい、もしくは、変動表示中の前半部(リーチ前の所定タイミング)ではボタン出現煽り演出を実行させず、変動表示中の後半部(リーチ後の特定タイミング)のみボタン出現煽り演出を実行可能なよう構成してもよい。
操作指示演出の実行中は、演出ボタン109の操作が有効となる操作有効期間(入力有効時間)が設定される。操作有効期間とは、演出ボタン109が操作された場合に、該操作を有効に受け付ける期間である。「演出ボタン109の操作を有効に受け付ける」とは、演出ボタン109が操作された場合に、サブ基板300により演出ボタン109の操作が有効に受け付けられて、その有効な操作に基づき所定の処理が行われることを意味する。なお、所定の処理とは、演出ボタン109が操作されたことを契機としてセリフ予告演出を進行する処理が該当する。この操作有効期間中は、演出ボタン109(該演出ボタン109に内蔵されたLED素子)を発光表示するとともに、画面上に演出ボタン109を模したボタン画像や操作有効期間の残余期間を視覚的に示すインジケータ画像を表示して、該演出ボタン109の操作が有効であること又は操作入力を促すための報知が行われる。また、画面上には、ボタン画像の周囲に、火花を発する円環形のエフェクト画像(「特定画像」と呼称する)が表示される。この特定画像は、操作有効期間が経過するとともに徐々に拡大していく。そして、操作有効期間中に演出ボタン109が操作されると、セリフ予告演出へと進展する。なお、演出ボタン109が操作されると、特定画像の表示態様が最終表示態様へと強制的に変化する。特定画像の最終表示態様とは、特定画像が最大限に拡大表示されたときの表示態様である。なお、この操作指示演出(ボタン演出)は、ボタン画像およびインジケータ画像の表示中(操作有効期間中)に特定画像が表示される演出(ボタン演出パターンA)であるが、本実施例のその他のボタン演出(該操作指示演出以外のボタン演出)は、ボタン画像およびインジケータ画像の表示中(操作有効期間中)に特定画像が表示されない演出(ボタン演出パターンB)である。
セリフ予告演出は、複数のキャラクタ(前述の味方キャラクタおよび敵キャラクタ)のうちのいずれかのキャラクタが登場して、所定のセリフを発する演出とした場合、このキャラクタの周囲には、特定画像が最終表示態様にて継続表示される。このセリフ予告演出では、キャラクタが発するセリフの表示態様(表示色)に応じて、大当り期待度が示唆される。本実施形態では、セリフの表示色として、「青」、「赤」、「キリン柄」の3種類が設定されており、「青」<「赤」<「キリン柄」の順に、大当り期待度が1段階ずつ高くなる。なお、セリフ予告演出が開始されると(演出ボタン109が操作されると)、ボタン画像およびインジケータ画像は非表示となるが、特定画像は継続的に表示される。なお、本実施形態の変形例として、セリフ予告演出をステップアップ形式の演出として構成してもよい。このステップアップ演出は、予告演出の表示過程を複数段階に分け、表示させる段階数を可変にして段階数が多いほど大当りへの期待度が高くなるように設定されるものであり、本実施例においては、予め定められた順番に従って演出態様(キャラクタとセリフ)を段階的に変化させる発展型の演出であり、その発展する段階数に応じて大当り期待度の高さを示唆又は報知する。例えば、ステップアップ演出を、2段階の演出ステップ(ステップアップ1,ステップアップ2)にて構成して、1段階目の演出ステップであるステップアップ1にて表示される演出態様(キャラクタとセリフ)と、2段階目の演出ステップであるステップアップ2にて表示される演出態様(キャラクタとセリフ)とを異ならせてもよい。
演出の流れとしては、以下のとおりである。
(A)ボタン出現煽り演出が開始されると、画面上に演出ボタン109のシルエットを表すシルエット画像が表示される。このシルエット画像がボタン画像へと徐々に変化して煽り成功となると、操作指示演出が開始される。
(B)操作指示演出が開始されると、演出ボタン109の操作有効期間が設定され、演出ボタン109が発光表示されるとともに、演出ボタン109を模したボタン画像と、該操作有効期間の残期間を視覚的に示すインジケータ画像とが画面に表示される。また、ボタン画像の周囲には、火花を発する円環状の特定画像(エフェクト画像)が表示される。そして、そのような表示によって、ボタン操作有効期間内に演出ボタン109を操作することが促される。
(C)ボタン操作有効期間の経過とともに、インジケータ画像の表示態様(残期間)が変化するとともに、ボタン画像の周囲において特定画像が拡大表示されていく。このとき、操作有効期間内に演出ボタン109が操作されると、操作指示演出からセリフ予告演出に切り替わる。このとき、ボタン画像とインジケータ画像とは非表示となる。一方、エフェクト画像は、強制的に最終表示態様に変化して、そのまま継続して表示される。
(D)セリフ予告演出が開始されると、画面上にキャラクタと「大チャンスだよ」というセリフが表示され、該セリフの表示色により大当り期待度が示唆される。キャラクタおよびセリフの周囲には、特定画像が最終表示態様で継続表示される。このように特定画像を操作指示演出とセリフ予告演出とに跨って表示することで、演出ボタン109を操作することを契機にセリフ予告演出が発生することを遊技者に示唆することができる(今回のボタン演出がセリフ予告演出であることが示唆される)。
また、上述の実施形態の変形例として、ボタン出現煽り演出の実行可否を抽選で決定して、ボタン出現煽り演出が実行されない場合よりも、ボタン出現煽り演出が実行される場合の方が、当該変動表示における大当り期待度が相対的に高くなるように構成してもよい。また、ボタン出現煽り演出の実行時間(上記シルエット画像の表示時間)が長いほど、当該変動表示における大当り期待度が相対的に高くなる、或いは、ボタン操作を契機として大当りか否かを示す確度の高い演出が発生するように構成してもよい。そのとき、セリフ予告演出(ボタン出現煽り演出)を当落分岐のタイミング(前述した変動表示中の後半部であるリーチ後の特定タイミング)にて実行する場合には、ボタン出現煽り演出の演出時間(上記シルエット画像の表示時間)は、演出ボタン109の操作有効期間よりも長時間に設定されていることが好適である。なお、その構成とは逆に、ボタン出現煽り演出の演出時間(上記シルエット画像の表示時間)を、演出ボタン109の操作有効期間よりも短時間に設定してもよい。また、その他の変形例として、ボタン画像の表示態様として、複数種の表示態様(例えば、青色ボタン画像、赤色ボタン画像、虹色ボタン画像、大型ボタン画像、小型ボタン画像など)を用意してもよい。その場合には、ボタン出現煽り演出の実行可否および実行された場合の演出時間を、その後に実行予定のボタン画像の表示態様に応じて異ならせてもよい。
また、更なる変形例として、先読み対象の作動保留球が消化される以前の一又は複数回の変動表示(ターゲット前の変動である先読み変動表示)の実行中においてもセリフ予告演出を実行可能且つ(ボタン画像を表示可能)とし、該先読み変動表示の実行中の方が、この先読み対象の作動保留球が消化されたときの変動表示(当該変動表示)の実行中よりも、ボタン出現煽り演出が実行される可能性を低くしてもよいし、該先読み変動表示の実行中の方が、この先読み対象の作動保留球が消化されたときの変動表示(当該変動表示)の実行中よりも、高期待度のボタン出現煽り演出(前述したような赤いエフェクトを伴うボタン出現煽り演出や長時間(例えば、4秒)のボタン出現煽り演出など)が実行される可能性を低くしてもよい。その他変形例として、変動表示中の前半部(リーチ前の所定タイミング)でボタン出現煽り演出を実行させず(もしくは、高期待度のボタン出現煽り演出を実行させず低期待度のボタン出現煽り演出を実行させ)、変動表示中の後半部(リーチ後の特定タイミング)でボタン出現煽り演出を実行させる(もしくは、低期待度のボタン出現煽り演出ではなく高期待度のボタン出現煽り演出を実行させる)場合、変動表示中の前半部であるリーチ前の所定タイミングと、変動表示中の後半部であるリーチ後の特定タイミングとの期間が長いほど(例えば、60秒よりも90秒であるほうが)、大当り期待度が高くなるよう構成してもよいし、変動表示中の後半部であるリーチ後の特定タイミングにおけるボタン画像が高期待度の画像となりやすく(例えば、青色ボタン画像ではなく赤色ボタン画像となりやすく)なるよう構成してもよい。また、変動表示中の前半部(リーチ前の所定タイミング)においては、ボタン演出パターンAとし、変動表示中の後半部(リーチ後の特定タイミング)においては、ボタン演出パターンBとするよう構成してもよい。また、詳細は後述するが、変動表示中の前半部であるリーチ前の所定タイミングにおけるボタン画像を表示するための計時は、変動表示の開始時を起点として開始され、変動表示中の後半部であるリーチ後の特定タイミングにおけるボタン画像を表示するための計時は、特定演出(ノーマルリーチ演出やスーパーリーチ演出)の開始時を起点として開始され、変動表示中の前半部であるリーチ前の所定タイミングにおけるボタン画像を表示するための計時時間よりも、変動表示中の後半部であるリーチ後の特定タイミングにおけるボタン画像を表示するための計時時間のほうが長時間となるよう構成してもよい。
(特徴21)先読みによる予告演出として画面変形演出を実行してもよい。そのように構成する場合、先読みタイミングである新たな入球タイミングにて実行中の図柄変動から画面変形演出は実行されず、その次の変動(新たな入球があった変動の次変動)から画面変形演出が実行される。具体的には、新たな入球があった変動では通常の図柄変動(画面が変形せずに通常装飾図柄502が変動)であり、その次変動の開始直後(例えば、変動開始から0.5秒後)までは同じく通常の図柄変動(画面が変形せずに通常装飾図柄502が変動)であるが、以降は先読みの対象となったターゲット変動の途中(例えば、ターゲット変動の変動開始から10秒後)までの間、画面変形演出が実行されたうえでの図柄変動が継続される。画面変形演出が実行されたうえでの図柄変動とは、例えば、画面が傾いた状態や画面が縮小された状態での通常装飾図柄502の変動表示である。前述したとおり、先読みの対象となったターゲット変動においては、途中までは画面変形演出が継続され、その後は通常の図柄変動演出に切り替わる。なお、少なくともスーパーリーチ演出に発展するまでの間に切り替わる。これら複数回の図柄変動演出にわたって継続される画面変形演出の途中であるターゲット前の変動で電源断などの電源異常が発生し、その電源断から復帰した場合であっても、原則として、ターゲット前の変動では元の画面変形演出には復帰させない。ただし、先読みの対象となったターゲット変動においては画面変形演出を再び実行させてもよい。
(特徴22)画面変形演出の実行前にエラーが発生したことで変形の対象となるフレーム画像において表示すべき変形前の演出が開始されなくなった場合、その変形前の演出の開始タイミングとなっても画面変形演出は実行されない。例えば、サブ基板300の計時手段307によって演出のタイミングを計るタイマに不具合が生じたために、変形の対象となるフレーム画像において表示すべき変形前の演出が開始されなくなった場合である。変形例として、タイマの不具合等により変形前の演出が開始されなくなった場合でも、表示中の背景演出だけを変形の対象として画面変形演出を実行するようにしてもよい。
(特徴23)待機デモ画面は、演出レイヤー524に表示されるが、画面変形演出による変形の対象とはならない。変形例においては、待機デモ画面を遊技状況レイヤー523に表示させてもよい。
(特徴24)画面変形演出を遊技者による演出ボタン109の操作に応じて実行する仕様とする場合、画面変形演出の実行開始タイミングは演出ボタン109の操作開始タイミングに依存する。なお、ボタン画像もまた演出レイヤー524に表示されるが、画面変形演出による変形の対象とはならず、演出ボタン109の操作後、ボタン画像の消去後に画面変形演出が実行される。変形例においては、ボタン画像を遊技状況レイヤー523に表示させてもよい。また、更なる変形例においては、画面変形演出の実行中にボタン画像の表示タイミングに到達した場合、ボタン画像についても画面変形演出の対象(変形対象)としてもよく、そのボタン画像表示中の演出ボタン109の操作を契機に表示される演出についても、画面変形演出の対象(変形対象)としてもよい。なお、画面変形演出の実行中にボタン画像が表示開始する場合、画面変形演出の実行終了タイミングよりもボタン画像の表示終了タイミングのほうが早い場合は、ボタン画像については表示開始から終了まで画面変形演出として表示されるが、画面変形演出の実行終了タイミングよりもボタン画像の表示終了タイミングのほうが遅い場合は、ボタン画像については表示開始から途中までが画面変形演出として表示され、その後の終了までは通常態様で(変形せずに)表示される。これは、ボタン画像表示中の演出ボタン109の操作を契機に表示される演出についても同様であり、画面変形演出の実行中にボタン画像表示中の演出ボタン109の操作を契機に表示される演出が表示開始する場合、画面変形演出の実行終了タイミングよりもボタン画像表示中の演出ボタン109の操作を契機に表示される演出の表示終了タイミングのほうが早い場合は、ボタン画像表示中の演出ボタン109の操作を契機に表示される演出については表示開始から終了まで画面変形演出として表示されるが、画面変形演出の実行終了タイミングよりもボタン画像表示中の演出ボタン109の操作を契機に表示される演出の表示終了タイミングのほうが遅い場合は、ボタン画像表示中の演出ボタン109の操作を契機に表示される演出については表示開始から途中までが画面変形演出として表示され、その後の終了までは通常態様で(変形せずに)表示される。
<第9態様>
(特徴25)画面変形演出の実行中は、新たな入球に対応する保留が生起した場合であって、その保留に対応する事前情報が先読み予告演出を実行可能な情報であった場合(例えば、スーパーリーチ演出を実行可能な高期待度の保留である場合、大当りとなる保留である場合など)であっても、先読み予告演出の実行が制限される。例えば、画面変形演出を実行している間は、新たな入球を契機とする先読み予告演出を実行しないように制御してもよいし、先読み自体を実行しないように制御してもよい。
<第10態様>
(特徴26)画面変形演出が実行される場合、簡易装飾図柄504は画面変形演出において変形の対象でない遊技状況レイヤー523の遊技状況を示す画像に含められる形で表示される。したがって、画面変形演出の開始前までは演出画面500内の位置、すなわち枠内画像514に重なる位置に表示されていた簡易装飾図柄504が、画面変形演出において枠内画像514が縮小された場合には簡易装飾図柄504は枠内画像514の外側、例えば特殊第1画像である枠画像510や第2画像である背景画像518に重なる位置に表示され得る(画面変形演出実行中の所定タイミング(例えば、中盤)にてそのような表示関係となる)。一方、通常装飾図柄502は画面変形演出において遊技状況レイヤー523の遊技状況を示す画像には含められず、演出レイヤー524において変形の対象とされるフレーム画像に含められ得る。したがって、通常装飾図柄502は、画面変形演出において、例えば特殊第1画像である枠内画像514に重なる位置には表示され得るが、第2画像である背景画像518に重なる位置には表示されない。このような表示関係は、画面変形演出実行中であれば必ず充足することが好適であるが、変形例としては、少なくとも画面変形演出実行中の所定タイミング(例えば、中盤)にてそのような表示関係となる仕様であってもよい(所定タイミング以外であれば、背景画像518と重なる位置に表示されてもよい)。また、その他変形例として、通常装飾図柄502もまた遊技状況レイヤー523の遊技状況を示す画像に含められる形で表示する仕様としてもよい。
(特徴27)画面変形演出が実行される場合、簡易保留画像507は画面変形演出において変形の対象でない遊技状況レイヤー523の遊技状況を示す画像に含められる形で表示される。一方、通常保留画像506は画面変形演出において遊技状況レイヤー523の遊技状況を示す画像には含められず、演出レイヤー524において変形の対象とされるフレーム画像に含められ得る。変形例として、通常保留画像506もまた遊技状況レイヤー523の遊技状況を示す画像に含められる形で表示する仕様としてもよい。
(特徴28)前述したように、通常装飾図柄502において、変動(例えば、上から下への移動)を行う以外にも、変動開始時、仮停止直後、リーチ成立後、仮停止中などにおいては、所定の動作を伴った表示(変動開始時動作、仮停止時動作、リーチ成立時動作、揺れ動作)を行うよう構成した場合、更なる所定の動作として、例えば「777」のように図柄を3つ揃えて大当り図柄の組合せを成立させる際に、図柄を拡大表示させるような大当り動作を実行可能に構成しても良い。そのように構成した場合、大当り動作実行時においては、画面変形演出は実行されないが、それ以外の所定の動作の実行時においては、画面変形演出を実行可能とすることが好適であり、また、画面変形演出実行中においては、大当り動作は実行されることはないが、それ以外の所定の動作は実行可能とすることが好適である。
(特徴29)画面変形演出の実行中に新たな保留が生起した場合、通常保留画像506も画面変形演出による変形の対象に含める仕様としてもよいし、通常保留画像506を画面変形演出による変形の対象に含めない仕様としてもよい。これは、スーパーリーチ演出に発展する変動においては、スーパーリーチ演出に発展するまでの変動期間中における仕様とすることが好適である。スーパーリーチ演出の表示中は通常保留画像506を非表示とするため、スーパーリーチ演出に画面変形演出を実行する場合はいずれにしても画面変形演出による変形の対象には含まれない。なお、画面変形演出におけるフレーム画像を変形させる処理の継続時間(つまりは画面変形演出の実行期間)は、変形対象がどのような演出であっても、保留生起時のアニメーション表示の時間より長くなるように設定される。
<第11態様>
(特徴30)演出表示装置60には、通常の演出中において保留が記憶される場合には、その保留数を示す通常保留画像506が表示される。通常保留画像506のうち図柄変動表示が開始された抽選値に対応する通常保留画像506は図柄変動中であることを示す変動中画像508に切り替えられる。ここで、画面変形演出の実行中においては、通常保留画像506を非表示とする一方で変動中画像508は表示が継続される。画面変形演出の一つである枠内静止演出は、それまで表示されていた演出を一時停止表示のように静止させてその静止画であるフレーム画像を変形させる演出であり、そのフレーム画像の中では動きのある画像を含めないようにするのが演出上好ましいため、通常保留画像506を非表示とする。一方、変動中画像508は図柄変動中に増減することはないため、画面変形演出の実行中もそのまま表示を継続させる。変形例においては、画面変形演出の実行中は変動中画像508も非表示とする仕様としてもよい。
画面変形演出が実行される間、簡易保留画像507は表示を継続する。その結果、画面変形演出の実行中に新たな保留の生起があっても通常保留画像506の追加表示はされないが、簡易保留画像507で示される保留個数の数字は画面変形演出を阻害することなく増やされる。
(特徴31)画面変形演出の一つである枠内静止演出を実行する場合、それまで表示されていた演出を一時停止表示のように静止させた静止画であるフレーム画像に通常保留画像506を含めてもよい。保留生起時のアニメーション表示を実行中であった場合はそのアニメーション表示も静止状態でフレーム画像に含められる。変動中画像508の表示もフレーム画像に含めてよく、そのアニメーション表示も静止状態でフレーム画像に含まれる。なお、画面変形演出が実行される間、簡易保留画像507は表示を継続する。その結果、画面変形演出の実行中に新たな保留の生起があっても通常保留画像506の追加表示はされないが、簡易保留画像507で示される保留個数の数字は画面変形演出を阻害することなく増やされる。
(特徴32)画面変形演出の一つである枠内静止演出を実行する場合、それまで表示されていた演出を一時停止表示のように静止させた静止画であるフレーム画像に通常装飾図柄502は含めずに非表示としてよい。一方、簡易装飾図柄504は変動表示を継続する。なお、簡易装飾図柄504の変動1周分(前述したように、例えば、簡易装飾図柄504の種類が「1」~「7」である場合、「123」→「234」→「345」→「456」→「567」→「671」→「712」→「123」→・・・のように変動表示するのであれば、最初の「123」から次の「123」が表示されるまでが1周となる)の時間よりも画面変形演出における演出の静止時間の方が長時間である。このように、画面変形演出中に簡易装飾図柄504が少なくとも1周することが認識できれば、現在の遊技状況が一時停止であるのか本当に停止している(遊技進行していない)のかを見分けることができる。
(特徴33)また、特徴32とは異なり、画面変形演出の一つである枠内静止演出を実行する場合、それまで表示されていた演出を一時停止表示のように静止させた静止画であるフレーム画像に通常装飾図柄502は含めてもよいが、その場合、通常装飾図柄502は固定表示である。すなわち、通常装飾図柄502は変動表示やアニメーション表示はしない。一方、簡易装飾図柄504は変動表示を継続する。なお、簡易装飾図柄504の変動1周分(前述したように、例えば、簡易装飾図柄504の種類が「1」~「7」である場合、「123」→「234」→「345」→「456」→「567」→「671」→「712」→「123」→・・・のように変動表示するのであれば、最初の「123」から次の「123」が表示されるまでが1周となる)の時間よりも画面変形演出における演出の静止時間の方が長時間である。このように、画面変形演出中に簡易装飾図柄504が少なくとも1周することが認識できれば、現在の遊技状況が一時停止であるのか本当に停止している(遊技進行していない)のかを見分けることができる。
(特徴34)画面変形演出の一つである枠内静止演出において、それまで表示されていた演出を一時停止表示のように静止させた静止画を色反転させた画像を枠内画像514として対象オブジェクト516に含めてよく、その静止と色反転を同時に処理してもよいし、同時に変形処理してもよい。ただし、画面変形演出の一つである枠内静止演出の実行中にさらにその演出を一時停止表示のように静止させた静止画であるフレーム画像を変形の対象にする枠内静止演出を実行することもできるが、演出の静止中は変形処理は実行開始されない。
(特徴35)画面変形演出の実行中であっても、音量設定画像532を表示でき、音量調整も可能である。
(特徴36)画面変形演出の発生前に音量設定画像532を表示している状況下で画面変形演出が実行される場合、音量設定画像532の表示がそのまま継続され、並行して遊技者による操作を介した音量調整も可能である。
(特徴37)画面変形演出の実行前にエラーが発生したことでエラー警告画像536が表示されている状況下で画面変形演出が実行される場合、エラー警告画像536の表示がそのまま継続される。なお、エラー警告音は規定音量である最大音量で出力されていたとしても、並行して遊技者による操作を介した音量調整は可能であり、図33の音量光量表示レイヤー522に音量設定画像532を表示可能である。ただし、音量設定画像532は画面変形演出において変形の対象に含まれない。より具体的には、画面変形演出の実行中に遊技者操作により音量設定画像532が表示され、画面変形演出の実行中且つ音量設定画像532の表示中に更に遊技者操作が行われることで、音量調整且つ音量設定画像532の表示変化がなされる場合、画面変形演出実行中且つ表示変化前の音量設定画像532(例えば、「音量レベルは1です」の表示)と画面変形演出実行中且つ表示変化後の音量設定画像532(例えば、「音量レベルは2です」の表示)のいずれにおいても、画面変形されていない表示態様にて表示される。また、画面変形演出の実行直前に遊技者操作により音量設定画像532が表示され、その直後(音量設定画像532の表示中)に画面変形演出が実行され、その音量設定画像532の表示中且つ画面変形演出の実行中に遊技者操作が行われることで、音量調整且つ音量設定画像532の表示変化がなされる場合、画面変形演出実行前且つ表示変化前の音量設定画像532(例えば、「音量レベルは1です」の表示)と画面変形演出実行後且つ表示変化後の音量設定画像532(例えば、「音量レベルは2です」の表示)のいずれにおいても、画面変形されていない表示態様にて表示される。
(特徴38)保留生起時の通常保留画像506のアニメーション表示中に画面変形演出の一つである枠内静止演出(それまで表示されていた演出を一時停止表示のような演出)が実行された場合に、通常保留画像506の表示を維持する場合、通常保留画像506のアニメーション表示を中止してもよい(つまり、通常保留画像506の表示は継続するが、アニメーションなしの状態で表示される)。ここでいう通常保留画像506のアニメーション表示は、通常の保留生起時のアニメーション表示であり、先読み予告演出として通常保留画像506の色や模様を変化させるような表示は除かれる。
(特徴39)画面変形演出において、それまで表示されていた映像のフレーム画像(枠内静止演出であれば一時停止表示のように静止させた一つのフレーム画像であり、枠内動画演出であれば順次切り替えられる複数のフレーム画像である)を色反転の対象(変形対象)とする場合、色反転中であっても音量設定画像532を表示可能であり、並行して遊技者による操作を介した音量調整は可能である。なお、以降の「色反転」もまた、枠内静止演出において一時停止表示のように静止させたフレーム画像と、枠内動画演出において順次切り替えられる複数のフレーム画像の双方を色反転処理の対象とする。
(特徴40)色反転の実行前に音量設定画像532が表示されている状況下で、その後に色反転が実行されても音量設定画像532の表示はそのまま継続され、並行して遊技者による操作を介した音量調整も可能である。
(特徴41)色反転の実行前にエラーが発生してエラー警告画像536が表示されている状況下で、その後に色反転が実行されてもエラー警告画像536の表示はそのまま継続される。なお、エラー警告音は規定音量である最大音量で出力されていたとしても、並行して遊技者による操作を介した音量調整は可能であり、図33の音量光量表示レイヤー522に音量設定画像532を表示可能である。ただし、音量設定画像532は色反転の対象とはされない。より具体的には、色反転の実行中に遊技者操作により音量設定画像532が表示され、色反転の実行中且つ音量設定画像532の表示中に更に遊技者操作が行われることで、音量調整且つ音量設定画像532の表示変化がなされる場合、色反転実行中且つ表示変化前の音量設定画像532(例えば、「音量レベルは1です」の表示)と色反転実行中且つ表示変化後の音量設定画像532(例えば、「音量レベルは2です」の表示)のいずれにおいても、色反転されていない表示態様にて表示される。また、色反転の実行直前に遊技者操作により音量設定画像532が表示され、その直後(音量設定画像532の表示中)に色反転が実行され、その音量設定画像532の表示中且つ色反転の実行中に遊技者操作が行われることで、音量調整且つ音量設定画像532の表示変化がなされる場合、色反転実行前且つ表示変化前の音量設定画像532(例えば、「音量レベルは1です」の表示)と色反転実行後且つ表示変化後の音量設定画像532(例えば、「音量レベルは2です」の表示)のいずれにおいても、色反転されていない表示態様にて表示される。
(特徴42)保留生起時の通常保留画像506のアニメーション表示中に色反転が実行された場合に、通常保留画像506の表示を維持する場合、通常保留画像506のアニメーション表示を中止してもよい(つまり、通常保留画像506の表示は継続するが、アニメーションなしの状態で表示される)。ここでいう通常保留画像506のアニメーション表示は、通常の保留生起時のアニメーション表示であり、先読み予告演出として通常保留画像506の色や模様を変化させるような表示は除かれる。
<第12態様>
図35は、フレームバッファを分割した複数のバッファ領域を模式的に示す。
(特徴43)演出表示制御手段305は、演出表示装置60に表示させる動画像を構成するフレーム画像を一時的に格納するフレームバッファ338を含む。フレームバッファ338は、それぞれフレーム画像を格納し得る容量の複数のバッファ領域として、第1バッファ領域540、第2バッファ領域542、第3バッファ領域544、第4バッファ領域546、第5バッファ領域548の5つのバッファ領域を含むように分割される。
(特徴44)画面変形演出を実行する演出パターンでは、例えば第1バッファ領域540、第2バッファ領域542、第3バッファ領域544の3つのバッファ領域を使用する。
図36は、フレーム画像の表示サイズとフレームバッファ領域の容量の関係を模式的に示す。
(特徴45)本実施例のフレームバッファ338は、演出表示装置60の画面領域サイズを超える第1の表示サイズのフレーム画像を格納し得る容量の第1バッファ領域540と、第1バッファ領域540とは異なる領域であって、演出表示装置60の画面領域サイズと同じまたは演出表示装置60の画面領域サイズ以下である第2の表示サイズのフレーム画像を格納し得る容量の第2バッファ領域542と、を少なくとも含む。図36で模式的に表した通り、第1バッファ領域540は対象オブジェクト516の画像(すなわち、上記の「第1の表示サイズのフレーム画像」)を格納し得る容量を有する。第2バッファ領域542は枠内画像514(すなわち、上記の「第2の表示サイズのフレーム画像」)を格納し得る容量を有するが、対象オブジェクト516の全体までは格納できない容量である。対象オブジェクト516の画像は、そのまま100%の大きさで表示制御するときは、表示サイズが演出表示装置60の画面領域サイズを超え、主に枠画像510の部分が画面領域から外れるため、実際にはほとんど枠内画像514の部分だけが遊技者から視認できるように演出表示装置60に表示される。すなわち、対象オブジェクト516を100%の大きさで表示制御するときは、枠画像510の大部分は演出表示装置60にほぼ表示されないか、一部表示されてもセンター飾り64に隠れて遊技者からはほとんど視認困難となる。少なくとも画面変形演出の対象となり得る演出を表示する場合は、フレームバッファとして第1バッファ領域540を使用し、画面変形演出の対象とならない演出を表示する場合にフレームバッファとして第2バッファ領域542を使用する。複数種類の演出パターンには、画面変形演出の対象となり得る演出が定められた第1の特殊演出パターンと、画面変形演出の対象とならない演出が定められた第2の特殊演出パターンと、が含まれる。
図35に示したように、第3バッファ領域544、第4バッファ領域546、第5バッファ領域548もまた第2バッファ領域542と同等の容量を持ち、枠内画像514を格納し得る容量を有するが、対象オブジェクト516の全体までは格納できない容量である。このように、枠画像510も含めた対象オブジェクト516を格納し得るバッファ領域は第1バッファ領域540のみとし、他のバッファ領域は対象オブジェクト516までは格納できないが枠内画像514は格納できる程度に抑えている。これにより、必ずしも潤沢なデータ容量を持たないフレームバッファ338であっても、バッファ領域ごとの容量を必要最少限度に抑えることで5個分のバッファ領域を確保できる。また、これにより、描画処理におけるバッファ領域の使用の競合を避けて処理負担を抑制しながら効率よく演出の多様化を図ることができる。
第1の特殊演出パターンは、第1バッファ領域540をフレームバッファとして使用し、所定のタイミングにおける第1バッファ領域540に格納された第1の表示サイズのフレーム画像を演出表示装置60の画面領域内に表示できるように変形させた画像と遊技状況を示す画像と背景画像とを合成させた新たなフレーム画像を順次生成して第1バッファ領域540に格納させることにより演出表示装置60へ動画像を表示させる第1の特殊演出が定められた演出パターンである。第2の特殊演出パターンは、第2バッファ領域542をフレームバッファとして使用し、所定のタイミングにおける第2バッファ領域542に格納された第2の表示サイズのフレーム画像を変形させた画像と遊技状況を示す画像と背景画像とを合成させた新たなフレーム画像を順次生成して第2バッファ領域542に格納させることにより演出表示装置60へ動画像を表示させる演出であって第1の特殊演出とは異なる第2の特殊演出が定められた演出パターンである。
(特徴46)複数種類の特殊演出パターンには、それぞれ複数のバッファ領域のうちいずれのバッファ領域をフレームバッファとして使用するかが定められる。
<第13態様>
(特徴47)例えば、第1の特殊演出パターンでは第1バッファ領域540を使用し、第2の特殊演出パターンでは第2バッファ領域542を使用し、第3の特殊演出パターンでは第3バッファ領域544、第4バッファ領域546を使用する、というように定められる。このように、画面変形演出による変形の対象とするフレーム画像の大きさに合わせて異なるバッファ領域を使用する複数種類の特殊演出パターンを定義でき、描画処理の効率性とフレームバッファ338の利用効率を保ちながら演出に多様性を持たせることができる。
(特徴48)第4の特殊演出パターンでは第1の特殊演出パターンと同様に第1バッファ領域540を使用することが定められ、第5の特殊演出パターンでは第2の特殊演出パターンと同様に第2バッファ領域542を使用することが定められるなど、使用するバッファ領域が重複する複数種類の特殊演出パターンがあってもよい。
(特徴49)第1の特殊演出パターンと第2の特殊演出パターンは同時並行的には実行されない(設計上、同一変動内で実行されない、または、同一変動内で実行されても実行タイミングが重複し得ない)。また、第4の特殊演出パターンと第5の特殊演出パターンもまた同時並行的には実行されない(設計上、同一変動内で実行されない、または、同一変動内で実行されても実行タイミングが重複し得ない)。第3の特殊演出パターンは、第1の特殊演出パターン、第2の特殊演出パターン、第4の特殊演出パターン、第5の特殊演出パターンとは同時並行的には実行されない(設計上、同一変動内で実行されない、または、同一変動内で実行されても実行タイミングが重複し得ない)。
(特徴50)同時に表示されることが予定されている(設計上、同一変動内で実行可能であり、且つ、同一変動内で実行タイミングが重複し得る)複数の特殊演出パターンについては、それぞれ異なるバッファ領域を使用することが定められる。ただし、同時表示が予定されていない(設計上、同一変動内で実行されない、または、同一変動内で実行されても実行タイミングが重複し得ない)複数の特殊演出パターンについて、一方の特殊演出パターンによる演出の表示中に他方の特殊演出パターンによる演出の表示が決定された場合は、先に表示されていた一方の特殊演出パターンによる演出より、後から決定された他方の特殊演出パターンによる演出を優先して表示させる。例えば、同じ第1バッファ領域540を使用する第1の特殊演出パターンと第4の特殊演出パターンとが同時並行的に実行されてしまう場合には、先に実行されていた特殊演出パターンの演出を実行中止し、後から命令された特殊演出パターンの演出を優先して実行開始する。同様に、同じ第2バッファ領域542を使用する第2の特殊演出パターンと第5の特殊演出パターンとが同時並行的に実行されてしまう場合には、先に実行されていた特殊演出パターンの演出を実行中止し、後から命令された特殊演出パターンの演出を優先して実行開始する。
ここで、「先に実行されていた特殊演出パターンの演出を実行中止し」は、それまで実行していた画面変形演出の実行をキャンセルして画面変形演出を実行開始する前の動画像の再生に戻す処理であってもよい。これにより、画面変形演出による変形の対象とする特殊演出パターンの数を増やしたとしても、使用するバッファ領域が競合した場合の処理上の不具合を未然に回避することができる。また、画面変形演出が重複した場合であっても、画面変形演出の中止と優先する演出を切り替えることで、正常な画像処理を維持して画像処理の負担を軽減することができる。なお、変形例として、設計上、同じバッファ領域を使用する複数種類の特殊演出パターンが同時並行的に実行されるよう構成してもよく(つまり、あらかじめ同時並行的に実行することがあるように設計されていてもよく)、そのように構成する場合、例えば、同じ第1バッファ領域540を使用する第1の特殊演出パターンと第4の特殊演出パターンとが同時並行的に実行される場合には、先に実行されていた特殊演出パターンの演出を実行中止し、後から命令された特殊演出パターンの演出を優先して実行開始する。同様に、同じ第2バッファ領域542を使用する第2の特殊演出パターンと第5の特殊演出パターンとが同時並行的に実行される場合には、先に実行されていた特殊演出パターンの演出を実行中止し、後から命令された特殊演出パターンの演出を優先して実行開始する。
図37は、バッファ領域に格納されたフレーム画像を変形させる過程を模式的に示す。まず、画面変形演出が実行開始される所定タイミングで、フレームバッファ338の第1バッファ領域540に格納されたフレーム画像を描画メモリ334に読み出す(S900)。このフレーム画像は、枠内画像514と枠画像510を含む対象オブジェクト516であり、それまで表示されていた動画像の一コマである。このフレーム画像を描画メモリ334に読み出して変形させるが、それまで表示していた動画像の続きのフレーム画像は本来表示される予定であったフレーム画像であるが、以降はそのフレーム画像に代えて、これから変形処理と合成処理によって生成される新たなフレーム画像が表示されることになる。したがって、このフレーム画像の内容に含まれる敵キャラクタは、枠内静止演出においては、それまで動いている様子が表示されていたのが、このフレーム画像で静止するため、動画像のキャプチャ画像のようになる。枠内動画演出の場合は、描画メモリ334に読み出すフレーム画像を順次切り替えることにより、それらのフレーム画像の内容に含まれる敵キャラクタについて引き続き動いている様子が表示される。
対象オブジェクト516が第1バッファ領域540に格納されて演出表示装置60に表示された時点では、枠画像510は演出表示装置60の画面領域の外側に位置し、遊技者からは実質的に視認されない状態、または、視認できる箇所がわずかな状態である。この対象オブジェクト516を縮小して(S902)、枠画像510が演出表示装置60の画面領域に収まるようにすることで対象オブジェクト516の全体を視認可能な状態とする。なお、本図では便宜上、S10での対象オブジェクト516の大きさを100%としてS12では対象オブジェクト516が約80%に縮小された状態を描いている。しかし、実際の動画像の描画処理では、100%から80%に瞬時に切り替える処理ではなく、微視的には新たなフレーム画像を生成するごとに例えば1%ずつ縮小させた描画を繰り返すような漸減縮小処理となる。このように縮小させた対象オブジェクト516に前景画像517と背景画像518が重ねられる(S904)。本図では前景画像517の例として稲妻の形をしたオブジェクトを対象オブジェクト516の前景として重ねる例を描いたが、その他、簡易装飾図柄504や簡易保留画像507などの遊技状況を示す画像もフレーム画像ごとに内容を更新しながら前景として重ねる。S14で重ねられた画像が合成されて次のフレーム画像519を構成し(S906)、第1バッファ領域540に書き込まれることにより、動画像を構成する次のフレーム画像となる。
S14の対象オブジェクト516は、以降も順次後続のフレーム画像を描画するときに少しずつ変形が加えられる。例えば、S14の対象オブジェクト516を色反転し、その画像に前景画像517をもう1つ重ね(S908)、内容が更新された簡易装飾図柄504および簡易保留画像507などの遊技状況を示す画像と背景画像518が重ねられ、これらの重ねられた画像が合成されて新たなフレーム画像519を構成し(S910)、第1バッファ領域540に書き込まれることにより、動画像を構成する次のフレーム画像となる。以降、後続のフレーム画像ごとに対象オブジェクト516を順次変形させて前景画像517や背景画像518を重ね、更新した簡易装飾図柄504および簡易保留画像507などの遊技状況を示す画像を重ね(S912)、これにより新たなフレーム画像を合成して動画像を構成する。
<第14態様>
(特徴51)第1の特殊演出パターンおよび第4の特殊演出パターンによる演出は、演出表示装置60の画面領域サイズと同等の表示サイズの主要画像部分とその主要画像部分の外周を囲むように形成される枠画像510とで一つの演出用画像を構成し、初期的には演出表示装置60の画面領域の外側に位置する枠画像510の少なくとも一部を演出表示装置60の画面領域内に表示できるように演出用画像の表示比率および形状を変化させた画像と遊技状況を示す画像とを合成させた新たなフレーム画像を順次生成することにより演出表示装置60へ動画像を表示させる。このように、画面変形演出の実行時に、通常は視認困難な部分である枠画像510をあえて見せながら拡縮させたり揺動させたりといった変形を加えることにより、一層躍動感のある演出とすることができる。枠画像510に通常保留画像506を表示させる仕様とする場合は、画面変形演出により通常保留画像506も含んだ画像を変形してもよい。
第2の特殊演出パターン、第3の特殊演出パターン、および、第5の特殊演出パターンによる演出は、演出表示装置60の画面領域サイズと同等の表示サイズの主要画像部分で一つの演出用画像を構成し、演出用画像の表示比率および形状を変化させた画像と遊技状況を示す画像とを合成させた新たなフレーム画像を順次生成することにより演出表示装置60へ動画像を表示させる。
(特徴52)第2の特殊演出パターン、第3の特殊演出パターン、および、第5の特殊演出パターンによる演出では、枠画像510が表示されない。なお、枠画像510は、待機デモ画面や大当り中などの特定状況においても表示制御されていない。
<第15態様>
図38は、第3の特殊演出パターンの画面例を示す。第3の特殊演出パターンは、演出ボタン109の操作入力によって変形タイミングが決められる画面変形演出を伴う演出である。第3の特殊演出パターンでは、所定のタイミングでボタン画像550を表示し、遊技者に演出ボタン109の操作入力を促す。遊技者が演出ボタン109を操作したことを契機に、画面変形演出によるフレーム画像の変形を実行する。ボタン画像550は複数回にわたって表示され、ボタン画像550にしたがった演出ボタン109の操作があるたびに画面変形演出によるフレーム画像の変形が実行される。
(特徴53)第3の特殊演出パターンでは、演出ボタン109の操作入力がなされた場合に、その操作入力タイミングにおけるフレーム画像を変形させた画像と遊技状況を示す画像とを合成させた新たなフレーム画像を順次生成して第1バッファ領域540に格納させることにより演出表示装置60へ動画像を表示させる。さらに演出ボタン109の操作入力がなされた場合に、その操作入力タイミングにおける第1バッファ領域540に格納されたフレーム画像を変形させた画像と遊技状況を示す画像とを合成させた新たなフレーム画像を順次生成して第2バッファ領域542に格納させることにより演出表示装置60へ動画像を表示させる。
図39は、第3の特殊演出パターンにおいてバッファ領域を使用する過程を模式的に示す。第3の特殊演出パターンでは、遊技者による演出ボタン109の操作のたびに第3バッファ領域544と第4バッファ領域546へ交互にフレーム画像が格納される。すなわち、第3バッファ領域544には現在表示中の動画像のフレーム画像を順次格納し、所定タイミングでボタン画像550を表示する(S920)。遊技者によりボタン画像550が操作されたときに第3バッファ領域544からフレーム画像を読み出し(S922)、画面変形演出による変形を加えた画像を生成し(S924)、次のフレーム画像として第4バッファ領域546に格納する(S926)。第4バッファ領域546には動画像のフレーム画像を順次格納し、所定タイミングでボタン画像550を再び表示する。
遊技者によりボタン画像550が操作されたときに第4バッファ領域546からフレーム画像を読み出し(S928)、画面変形演出による変形を加えた画像を生成し(S930)、次のフレーム画像として第3バッファ領域544に格納する(S932)。第3バッファ領域544には動画像のフレーム画像を順次格納し、所定タイミングでボタン画像550を再び表示する。遊技者によりボタン画像550が操作されたときに第3バッファ領域544からフレーム画像を読み出し(S934)、画面変形演出による変形を加えた画像を生成し(S936)、次のフレーム画像として第4バッファ領域546に格納する(S938)。第4バッファ領域546には動画像のフレーム画像を順次格納する。
このように、第3バッファ領域544と第4バッファ領域546に交互に使用しながら少しずつ動かしたフレーム画像の格納を繰り返す。これにより、画面変形演出の実行時に、その躍動感はそのままに遊技者が視認しなければいけない演出、例えば演出ボタン109および遊技状況を示す画像については、その演出の進行や表示がしっかりと確認できるようにすることで、演出の躍動感と演出進行の視認とを両立することができる。また、画面変形演出を繰り返すような処理負荷の高い演出を実行するにあたり、バッファ領域を複数に分けて交互に処理することで、処理負荷を分散し、不具合を回避することができる。
(特徴54)第3の特殊演出パターンによる演出では、ボタン画像550は画面変形演出による変形の対象に含まれない。
(特徴55)第6の特殊演出パターンをさらに含んでもよい。第6の特殊演出パターンによる演出は、画面変形演出による変形の対象ではないが、画面変形演出を実行したかのような演出態様を含む。ただし、画面変形演出ではないため、第1表示要素と第2表示要素の両方を演出的に動作させるが、画面変形演出のような第1表示要素と第2表示要素とを完全同期させた演出的動作ではなく、第1表示要素と第2表示要素とを同期させない演出的動作である(例えば、第1表示要素は背景表示、第2表示要素は通常装飾図柄502やその演出固有の表示物などである)。
以上、本発明を実施例をもとに説明した。この実施例はあくまで例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
また、本実施例における特別遊技の実行中には、特別遊技における大入賞口への入球検知に基づき、演出表示装置60の画面に賞球数の合計をカウントアップするカウントアップ演出(例えば、現在獲得済みの賞球数が「2000」で、15賞球があった場合、2000→2001→2002→・・・2015のように1ずつカウントアップする演出)を実行可能であるとともに、カウントアップ表示されている表示上の賞球数が特定数に到達することを契機として、特定数に到達したことを強調する強調表示を実行可能(例えば、カウントアップ表示されている表示上の賞球数が2500に到達すると、カウントアップ演出における表示とは別に「2500」との表示を、カウントアップ表示されている表示上の賞球数よりも大きく表示する演出)である。これら演出および表示については、以下に記載する仕様を採用してもよい。なお、1の単位遊技において大入賞口20が開放した場合、遊技球が9球入球することで閉鎖される(なお、1球の入球に対する賞球は「15」とする)。このように、単位遊技の終了条件(大入賞口20の閉鎖条件)である遊技球数を規定カウント数と称する。
(1)規定カウント数以内の遊技球の入球に対応したカウントアップ演出(特に、規定カウント数目である9カウント目に対応したカウントアップ演出)が行われている最中であり未だ15球分のカウント分のカウントアップが完了していないときに、オーバー入賞(規定カウント数を超過した入球)が発生すると、未だ15球分のカウントアップが完了していないカウントアップ演出のカウントアップが全て完了してから(15球分のカウントが行われてから)、該オーバー入賞に対応したカウントアップ演出が開始されるよう構成されることが望ましい。ここで、該オーバー入賞がインターバル期間(各単位遊技の終了が設定されてから次の単位遊技又は終了デモの設定が開始されるまでの休止時間)の終了間際で検知された場合は、該オーバー入賞に対応したカウントアップ演出自体は次のラウンド(インターバル期間経過後に開始される次のラウンド)の実行期間と重複することになるが、該次のラウンド(インターバル期間経過後に開始される次のラウンド)の実行中に行われる該オーバー入賞に対応したカウントアップ演出の実行中に大入賞口20に入球があっても、その入球タイミングが該オーバー入賞に対応したカウントアップ演出が行われている最中であり未だ15球分のカウントアップが完了していないときには、未だ15球分のカウントアップが完了していないカウントアップ演出のカウントアップが全て完了してから(15球分のカウントが行われてから)、次のラウンドにおける大入賞口20の入球に対応したカウントアップ演出が開始されるよう構成されることが好適である。
(2)賞球1個分のカウントアップの時間(「N」から「N+1」へのカウントアップに要する時間)は、「0.03秒」に設定する、つまり、「0.03秒」刻みでカウントアップされる。カウントアップ演出の実行時間は、賞球1個分のカウントアップに要する時間値に、大入賞口20に遊技球が1個入球することで付与される賞球数(単位賞球数)の値を乗算することで導出され、カウントアップ演出の実行時間は、「15(単位賞球数)×0.03秒(カウントアップの間隔)=0.45秒」となる。但し、特別遊技の実行中であっても、開始デモの実行中および終了デモの実行中には、カウントアップ演出は実行しないよう構成されている。また、カウントアップ演出の実行時間は、各単位遊技の終了後に設定されたインターバル時間(「インターバル期間」とも呼称する)よりも短く設定されている。インターバル時間とは、各単位遊技の間又は最終回の単位遊技と終了デモとの間に設定される待機時間であり大入賞口20の閉鎖動作開始から閉鎖が維持されている期間である単位遊技待ち時間又は終了デモ待ち時間であり、全てのラウンド遊技に共通して、「2秒」に設定されている。また、カウントアップ演出時間(0.45秒)がインターバル時間(2秒)よりも短くなるように構成したことで、或る単位遊技の終了間際に遊技球が大入賞口20に入球することに基づきカウントアップ演出が行われる場合であっても、該単位遊技の終了後のインターバル時間内にカウントアップ演出が完結することになる。そのため、カウントアップ演出がインターバル期間を越えて次回の単位遊技又は終了デモまでに跨って行われる可能性を低くすることができ(オーバー入賞した場合は、インターバル期間を超えてしまう可能性がある)、各単位遊技の間の区切り又は最終回の単位遊技と終了デモとの間の区切りを明確にすることができる。
(3)カウントアップ演出時間は、終了デモの実行時間よりも短く設定されている。前述したとおり、カウントアップ演出時間は、「0.45秒」に設定されている。そして、終了デモの実行時間は、全ての大当り種別(大当り中演出)に共通して、「20秒」に設定されている。終了デモの実行時間とは、特別遊技における最終回の単位遊技の終了後のインターバル時間が経過したときから、特別遊技が終了するまでの待機時間である。つまり、終了デモの実行時間には、最終回の単位遊技の終了後に設定されたインターバル時間は含まれない。すなわち、最終回の単位遊技の終了後のインターバル時間は、その時間内に大入賞口20への遊技球の入球が有効に検出(つまり、入賞球払出の対象として検出、不正入球と判定されない検出)される可能性のある該単位遊技の残余時間(猶予時間)として設定されているが、終了デモの実行時間は、その時間内に大入賞口20への遊技球の入球が有効に検出される可能性の無い、該単位遊技と区切られた特別遊技終了後の遊技(演出モード)への準備時間として設定されている。カウントアップ演出時間(0.45秒)が、終了デモの実行時間(20秒)よりも短くなるように構成したことで、最終回の単位遊技の終了間際に遊技球が大入賞口20に入球することに基づきカウントアップ演出が行われる場合であっても、更に言えば、最終回の単位遊技にてオーバー入賞が発生しても、最終回の単位遊技後である大入賞口20の閉鎖後であっても(終了デモ期間であっても)カウントアップ演出を行う仕様とした場合には、終了デモ期間内にカウントアップ演出が完結することになる。そのため、カウントアップ演出が終了デモ期間を越えて特別遊技終了後の変動表示までに跨って行われることがなく、特別遊技の終了時と1回転目の変動表示の開始時との区切りを明確にすることができる。
(4)1回の単位遊技において大入賞口20へ規定カウント数の遊技球が入球する場合、この1回の単位遊技における規定カウント数分のカウントアップ演出時間の合計時間(1回の単位遊技にて獲得可能な賞球数分のカウントアップ演出)は、大当り終了デモの実行時間よりも短くなるように構成されている。具体的には、規定カウント数分のカウントアップ演出時間の合計時間は、「0.45秒(カウントアップ演出時間)×10球(規定カウント数)=4.5秒」となる。一方、大当り終了デモの実行時間は、前述したとおり、全ての大当り種別(大当り中演出)に共通して、「20秒」に設定されている。本実施形態では、規定カウント数分のカウントアップ演出時間の合計時間(4.5秒)が、大当り終了デモの実行時間(20秒)よりも短くなるように構成したことで、最終回の単位遊技の終了間際に複数個の遊技球が大入賞口20に連続して入球することに基づき複数回のカウントアップ演出が連続的に行われる場合であっても、最終回の単位遊技後である大入賞口20の閉鎖後であっても(大当り終了デモ期間であっても)カウントアップ演出を行う仕様とした場合には、大当り終了デモ期間内にカウントアップ演出が完結することになる。そのため、カウントアップ演出が大当り終了デモ期間を越えて特別遊技終了後の変動表示までに跨って行われることがなく、特別遊技の終了時と1回転目の変動表示の開始時との区切りを明確にすることができる。
なお、実施例および変形例に記載の技術は、以下の態様によって特定されてもよい。
[第1態様]
遊技領域が形成された遊技盤と、
前記遊技領域の所定位置に設けられ、遊技球の入球が抽選の契機となる始動入賞口と、
前記始動入賞口への入球を契機として、通常遊技より遊技者に有利な状態である特別遊技へ移行するか否かを判定するための抽選値に基づいて当否抽選を実行する当否抽選手段と、
前記当否抽選の判定結果を示すための図柄が変動表示される図柄表示装置と、
前記図柄の変動表示過程が定められた複数種類の変動パターンからいずれかを選択する変動パターン決定手段と、
前記始動入賞口へ新たな入球があったときにそれ以前の入球に対応する図柄変動が表示されている場合、所定個数を上限に新たな入球に対応する抽選値を保留として記憶する保留制御手段と、
演出的な内容が表示される演出表示装置と、
前記演出表示装置に表示させる演出内容を決定する演出決定手段と、
前記演出決定手段により決定された演出内容を前記演出表示装置に表示させる演出表示制御手段と、を備え、
新たな入球があった場合にその入球に対応する抽選値に関する事前情報を前記演出決定手段へ送信し、
前記演出表示装置に表示可能な演出画像として、第1画像グループに属する1以上の第1画像および第2画像グループに属する1以上の第2画像とを少なくとも有しており、
前記第1画像を所定態様に変形させた特殊第1画像と、前記所定態様に変形させない前記第2画像とを表示させる特殊演出を実行可能であり、
前記事前情報に基づき、その事前情報に対応する保留に係る特別遊技移行期待度を示唆する特定演出を、その事前情報に対応する保留に係る図柄変動よりも前の図柄変動にて実行可能であり、
前記特定演出を複数種類有し、前記特定演出の実行契機となった保留に係る図柄変動よりも前の図柄変動にて実行される前記特定演出の種類に応じて、前記特定演出の実行契機となった保留に係る図柄変動にて前記特殊演出が実行されるか否かの期待度が異なることを特徴とする弾球遊技機。
[第2態様]
遊技領域が形成された遊技盤と、
前記遊技領域の所定位置に設けられ、遊技球の入球が抽選の契機となる始動入賞口と、
前記始動入賞口への入球を契機として、通常遊技より遊技者に有利な状態である特別遊技へ移行するか否かを判定するための抽選値に基づいて当否抽選を実行する当否抽選手段と、
前記当否抽選の判定結果を示すための特別図柄が変動表示される図柄表示装置と、
前記特別図柄の変動表示過程が定められた複数種類の変動パターンからいずれかを選択する変動パターン決定手段と、
演出的な内容が表示される演出表示装置と、
前記演出表示装置の近傍に設けられ、前記演出表示装置に表示される演出と連動する形で演出的に動作する所定の可動役物と、
前記演出表示装置に表示させる演出内容を決定する演出決定手段と、
前記演出決定手段により決定された演出内容を前記演出表示装置に表示させる演出制御手段と、を備え、
前記当否抽選の判定結果を演出的に示す図柄である装飾図柄を有し、前記装飾図柄は、少なくとも前記特別図柄の停止時において前記演出表示装置へ主要な図柄として表示される通常装飾図柄と、前記通常装飾図柄より簡略化された表示形態にて表示される簡易装飾図柄と、を含み、
前記演出表示装置に表示可能な演出画像として、第1画像グループに属する1以上の第1画像および第2画像グループに属する1以上の第2画像とを少なくとも有しており、
前記第1画像を所定態様に変形させた特殊第1画像と、前記所定態様に変形させない前記第2画像とを表示させる特殊演出を実行可能であり、
前記特殊演出が実行される場合は、前記特殊演出が実行されない場合よりも、前記所定の可動役物の動作が同時並行的に実行されることが相対的に多く、
前記特殊演出においては、前記通常装飾図柄は前記第1画像グループに属する第1画像に含まれ得るが、前記簡易装飾図柄は前記第2画像グループに属する第2画像に含まれ得ることを特徴とする弾球遊技機。
[第3態様]
遊技領域が形成された遊技盤と、
前記遊技領域の所定位置に設けられ、遊技球の入球が抽選の契機となる始動入賞口と、
前記始動入賞口への入球を契機として、通常遊技より遊技者に有利な状態である特別遊技へ移行するか否かを判定するための抽選値に基づいて当否抽選を実行する当否抽選手段と、
前記当否抽選の判定結果を示すための図柄が変動表示される図柄表示装置と、
前記図柄の変動表示過程が定められた複数種類の変動パターンからいずれかを選択する変動パターン決定手段と、
演出的な内容が表示される演出表示装置と、
前記演出表示装置に表示させる演出内容を決定する演出決定手段と、
前記演出決定手段により決定された演出内容を前記演出表示装置に表示させる演出表示制御手段と、を備え、
前記演出表示装置に表示可能な演出画像として、第1画像グループに属する1以上の第1画像および第2画像グループに属する1以上の第2画像とを少なくとも有しており、
前記第1画像を所定態様に変形させた特殊第1画像と、前記所定態様に変形させない前記第2画像とを表示させる特殊演出を実行可能であり、
前記特殊演出において変形の対象となる前記第1画像の種類が異なっていても、前記特殊演出において変形の対象とならない前記第2画像は共通の画像であることを特徴とする弾球遊技機。
[第4態様]
遊技領域が形成された遊技盤と、
前記遊技領域の所定位置に設けられ、遊技球の入球が抽選の契機となる始動入賞口と、
前記始動入賞口への入球を契機として、通常遊技より遊技者に有利な状態である特別遊技へ移行するか否かを判定するための抽選値に基づいて当否抽選を実行する当否抽選手段と、
前記当否抽選の判定結果を示すための図柄が変動表示される図柄表示装置と、
前記図柄の変動表示過程が定められた複数種類の変動パターンからいずれかを選択する変動パターン決定手段と、
演出的な内容が表示される演出表示装置と、
前記演出表示装置に表示させる演出内容を決定する演出決定手段と、
前記演出決定手段により決定された演出内容を前記演出表示装置に表示させる演出表示制御手段と、を備え、
前記演出表示装置に表示可能な演出画像として、第1画像グループに属する1以上の第1画像および第2画像グループに属する1以上の第2画像とを少なくとも有しており、
前記第1画像を所定態様に変形させた特殊第1画像と、前記所定態様に変形させない前記第2画像とを表示させる特殊演出を実行可能であり、
所定のエラーが発生した場合は、前記所定のエラーが発生したことを示す警告画像を表示可能であり、
前記特殊演出の実行開始前に前記所定のエラーが発生したことで前記警告画像が表示されている状況下で前記特殊演出が実行開始される場合、前記警告画像は前記所定態様に変形せずに前記特殊演出の実行開始前の表示態様を維持して表示が継続されることを特徴とする弾球遊技機。
[第5態様]
遊技領域が形成された遊技盤と、
前記遊技領域の所定位置に設けられ、遊技球の入球が抽選の契機となる始動入賞口と、
前記始動入賞口への入球を契機として、通常遊技より遊技者に有利な状態である特別遊技へ移行するか否かを判定するための抽選値に基づいて当否抽選を実行する当否抽選手段と、
前記当否抽選の判定結果を示すための図柄が変動表示される図柄表示装置と、
前記図柄の変動表示過程が定められた複数種類の変動パターンからいずれかを選択する変動パターン決定手段と、
前記始動入賞口へ新たな入球があったときにそれ以前の入球に対応する図柄変動が表示されている場合、所定個数を上限に新たな入球に対応する抽選値を保留として記憶する保留制御手段と、
演出的な内容が表示される演出表示装置と、
前記演出表示装置に表示させる演出内容を決定する演出決定手段と、
前記演出決定手段により決定された演出内容を前記演出表示装置に表示させる演出表示制御手段と、を備え、
前記演出表示装置に表示可能な演出画像として、第1画像グループに属する1以上の第1画像および第2画像グループに属する1以上の第2画像とを少なくとも有しており、
前記第1画像を所定態様に変形させた特殊第1画像と、前記所定態様に変形させない前記第2画像とを表示させる特殊演出を実行可能であり、
新たな入球に対応する保留が生起したことを契機として、その保留に対応する保留画像を表示可能であり、
前記保留画像を表示するに際しては、所定のアニメーション表示を伴って表示開始可能であり、
前記特殊演出の実行開始前に前記所定のアニメーション表示を伴って前記保留画像の表示が開始し、前記所定のアニメーション表示の実行中に前記特殊演出が実行開始される場合であっても、前記所定のアニメーション表示は中止されずに継続して実行されることを特徴とする弾球遊技機。
[第6態様]
遊技領域が形成された遊技盤と、
前記遊技領域の所定位置に設けられ、遊技球の入球が抽選の契機となる始動入賞口と、
前記始動入賞口への入球を契機として、通常遊技より遊技者に有利な状態である特別遊技へ移行するか否かを判定するための抽選値に基づいて当否抽選を実行する当否抽選手段と、
前記当否抽選の判定結果を示すための図柄が変動表示される図柄表示装置と、
前記図柄の変動表示過程が定められた複数種類の変動パターンからいずれかを選択する変動パターン決定手段と、
前記始動入賞口へ新たな入球があったときにそれ以前の入球に対応する図柄変動が表示されている場合、所定個数を上限に新たな入球に対応する抽選値を保留として記憶する保留制御手段と、
演出的な内容が表示される演出表示装置と、
前記演出表示装置に表示させる演出内容を決定する演出決定手段と、
前記演出決定手段により決定された演出内容を前記演出表示装置に表示させる演出表示制御手段と、を備え、
新たな入球があった場合にその入球に対応する抽選値に関する事前情報を前記演出決定手段へ送信し、
前記演出表示装置に表示可能な演出画像として、第1画像グループに属する1以上の第1画像および第2画像グループに属する1以上の第2画像とを少なくとも有しており、
前記第1画像を所定態様に変形させた特殊第1画像と、前記所定態様に変形させない前記第2画像とを表示させる特殊演出を実行可能であり、
前記事前情報に基づき、その事前情報に対応する保留に係る特別遊技移行期待度を示唆する特定演出を、その事前情報に対応する保留に係る図柄変動よりも前の図柄変動にて実行可能であり、
前記特定演出を複数種類有し、前記特定演出の実行契機となった保留に係る図柄変動よりも前の図柄変動にて実行される前記特定演出の種類に応じて、前記特定演出の実行契機となった保留に係る図柄変動にて前記特殊演出が実行されるか否かの期待度が異なり、
前記特殊演出が実行される図柄変動であっても、前記特殊演出が実行されない図柄変動であっても、その図柄変動中にリーチ状態を形成可能であり、
前記リーチ状態を形成する図柄変動である場合、前記リーチ状態を形成する図柄の種類に応じて、その図柄変動にて前記特殊演出が実行されるか否かの期待度が異なることを特徴とする弾球遊技機。
[第7態様]
遊技領域が形成された遊技盤と、
前記遊技領域の所定位置に設けられ、遊技球の入球が抽選の契機となる始動入賞口と、
前記始動入賞口への入球を契機として、通常遊技より遊技者に有利な状態である特別遊技へ移行するか否かを判定するための抽選値に基づいて当否抽選を実行する当否抽選手段と、
前記当否抽選の判定結果を示すための特別図柄が変動表示される図柄表示装置と、
前記特別図柄の変動表示過程が定められた複数種類の変動パターンからいずれかを選択する変動パターン決定手段と、
演出的な内容が表示される演出表示装置と、
前記演出表示装置の近傍に設けられ、前記演出表示装置に表示される演出と連動する形で演出的に動作する所定の可動役物と、
前記演出表示装置に表示させる演出内容を決定する演出決定手段と、
前記演出決定手段により決定された演出内容を前記演出表示装置に表示させる演出制御手段と、を備え、
前記当否抽選の判定結果を演出的に示す図柄である装飾図柄を有し、前記装飾図柄は、少なくとも前記特別図柄の停止時において前記演出表示装置へ主要な図柄として表示される通常装飾図柄と、前記通常装飾図柄より簡略化された表示形態にて表示される簡易装飾図柄と、を含み、
前記演出表示装置に表示可能な演出画像として、第1画像グループに属する1以上の第1画像および第2画像グループに属する1以上の第2画像とを少なくとも有しており、
前記第1画像を所定態様に変形させた特殊第1画像と、前記所定態様に変形させない前記第2画像とを表示させる特殊演出を実行可能であり、
前記特殊演出が実行される場合は、前記特殊演出が実行されない場合よりも、前記所定の可動役物の動作が同時並行的に実行されることが相対的に多く、
前記特殊演出においては、前記通常装飾図柄は前記第1画像グループに属する第1画像に含まれ得るが、前記簡易装飾図柄は前記第2画像グループに属する第2画像に含まれ得るものであり、
前記特殊演出の実行中であっても、遊技者操作に基づく音量調整を実行可能であるとともに、前記音量調整を実行する場合、音量設定画像を表示可能であり、
前記特殊演出の実行開始前に前記音量調整画像が表示されている状況下で前記特殊演出が実行開始される場合、前記音量調整画像は前記所定態様に変形せずに前記特殊演出の実行開始前の表示態様を維持して表示が継続されることを特徴とする弾球遊技機。
[第8態様]
遊技領域が形成された遊技盤と、
前記遊技領域の所定位置に設けられ、遊技球の入球が抽選の契機となる始動入賞口と、
前記始動入賞口への入球を契機として、通常遊技より遊技者に有利な状態である特別遊技へ移行するか否かを判定するための抽選値に基づいて当否抽選を実行する当否抽選手段と、
前記当否抽選の判定結果を示すための図柄が変動表示される図柄表示装置と、
前記図柄の変動表示過程が定められた複数種類の変動パターンからいずれかを選択する変動パターン決定手段と、
演出的な内容が表示される演出表示装置と、
前記演出表示装置に表示させる演出内容を決定する演出決定手段と、
前記演出決定手段により決定された演出内容を前記演出表示装置に表示させる演出表示制御手段と、を備え、
前記演出表示装置に表示可能な演出画像として、第1画像グループに属する1以上の第1画像および第2画像グループに属する1以上の第2画像とを少なくとも有しており、
前記第1画像を所定態様に変形させた特殊第1画像と、前記所定態様に変形させない前記第2画像とを表示させる特殊演出を実行可能であり、
前記特殊演出において変形の対象となる前記第1画像の種類が異なっていても、前記特殊演出において変形の対象とならない前記第2画像は共通の画像であり、
所定のエラーが発生した場合は、前記所定のエラーが発生したことを示す警告画像を表示可能であり、
前記特殊演出の実行中に前記所定のエラーが発生した場合、前記警告画像は前記所定態様に変形せずに表示されることを特徴とする弾球遊技機。
[第9態様]
遊技領域が形成された遊技盤と、
前記遊技領域の所定位置に設けられ、遊技球の入球が抽選の契機となる始動入賞口と、
前記始動入賞口への入球を契機として、通常遊技より遊技者に有利な状態である特別遊技へ移行するか否かを判定するための抽選値に基づいて当否抽選を実行する当否抽選手段と、
前記当否抽選の判定結果を示すための図柄が変動表示される図柄表示装置と、
前記図柄の変動表示過程が定められた複数種類の変動パターンからいずれかを選択する変動パターン決定手段と、
前記始動入賞口へ新たな入球があったときにそれ以前の入球に対応する図柄変動が表示されている場合、所定個数を上限に新たな入球に対応する抽選値を保留として記憶する保留制御手段と、
演出的な内容が表示される演出表示装置と、
前記演出表示装置に表示させる演出内容を決定する演出決定手段と、
前記演出決定手段により決定された演出内容を前記演出表示装置に表示させる演出表示制御手段と、を備え、
新たな入球があった場合にその入球に対応する抽選値に関する事前情報を前記演出決定手段へ送信し、
前記演出表示装置に表示可能な演出画像として、第1画像グループに属する1以上の第1画像および第2画像グループに属する1以上の第2画像とを少なくとも有しており、
前記第1画像を所定態様に変形させた特殊第1画像と、前記所定態様に変形させない前記第2画像とを表示させる特殊演出を実行可能であり、
前記事前情報に基づき、その事前情報に対応する保留に係る特別遊技移行期待度を示唆する特定演出を、その事前情報に対応する保留に係る図柄変動よりも前の図柄変動にて実行可能であり、
所定のエラーが発生した場合は、前記所定のエラーが発生したことを示す警告画像を表示可能であり、
前記特殊演出の実行開始前に前記所定のエラーが発生したことで前記警告画像が表示されている状況下で前記特殊演出が実行開始される場合、前記警告画像は前記所定態様に変形せずに前記特殊演出の実行開始前の表示態様を維持して表示が継続され、
前記特殊演出の実行中において新たな入球に対応する保留が生起した場合、その保留に対応する前記特定演出の実行を制限することを特徴とする弾球遊技機。
[第10態様]
遊技領域が形成された遊技盤と、
前記遊技領域の所定位置に設けられ、遊技球の入球が抽選の契機となる始動入賞口と、
前記始動入賞口への入球を契機として、通常遊技より遊技者に有利な状態である特別遊技へ移行するか否かを判定するための抽選値に基づいて当否抽選を実行する当否抽選手段と、
前記当否抽選の判定結果を示すための特別図柄が変動表示される図柄表示装置と、
前記特別図柄の変動表示過程が定められた複数種類の変動パターンからいずれかを選択する変動パターン決定手段と、
演出的な内容が表示される演出表示装置と、
前記演出表示装置に表示させる演出内容を決定する演出決定手段と、
前記演出決定手段により決定された演出内容を前記演出表示装置に表示させる演出制御手段と、を備え、
前記当否抽選の判定結果を演出的に示す図柄である装飾図柄を有し、前記装飾図柄は、少なくとも前記特別図柄の停止時において前記演出表示装置へ主要な図柄として表示される通常装飾図柄と、前記通常装飾図柄より簡略化された表示形態にて表示される簡易装飾図柄と、を含み、
前記演出表示装置に表示可能な演出画像として、第1画像グループに属する1以上の第1画像および第2画像グループに属する1以上の第2画像とを少なくとも有しており、
前記第1画像を所定態様に変形させた特殊第1画像と、前記所定態様に変形させない前記第2画像とを表示させる特殊演出を実行可能であり、
新たな入球に対応する保留が生起したことを契機として、その保留に対応する保留画像を表示可能であり、
前記保留画像を表示するに際しては、所定のアニメーション表示を伴って表示開始可能であり、
前記特殊演出の実行開始前に前記所定のアニメーション表示を伴って前記保留画像の表示が開始し、前記所定のアニメーション表示の実行中に前記特殊演出が実行開始される場合であっても、前記所定のアニメーション表示は中止されずに継続して実行され、
前記特殊演出における所定タイミングにおいて、前記簡易装飾図柄は前記特殊演出における前記特殊第1画像および前記第2画像と重複表示され得る一方で、前記通常装飾図柄は前記特殊演出における前記特殊第1画像とは重複表示され得るが前記第2画像とは重複表示されないことを特徴とする弾球遊技機。
[第11態様]
遊技領域が形成された遊技盤と、
前記遊技領域の所定位置に設けられ、遊技球の入球が抽選の契機となる始動入賞口と、
前記始動入賞口への入球を契機として、通常遊技より遊技者に有利な状態である特別遊技へ移行するか否かを判定するための抽選値に基づいて当否抽選を実行する当否抽選手段と、
前記当否抽選の判定結果を示すための図柄が変動表示される図柄表示装置と、
前記図柄の変動表示過程が定められた複数種類の変動パターンからいずれかを選択する変動パターン決定手段と、
前記始動入賞口へ新たな入球があったときにそれ以前の入球に対応する図柄変動が表示されている場合、所定個数を上限に新たな入球に対応する抽選値を保留として記憶する保留制御手段と、
演出的な内容が表示される演出表示装置と、
前記演出表示装置に表示させる演出内容を決定する演出決定手段と、
前記演出決定手段により決定された演出内容を前記演出表示装置に表示させる演出表示制御手段と、を備え、
前記演出表示装置にて表示される所定の演出内容を、所定タイミングにおいて一時停止表示させる特殊演出を実行可能であり、
新たな入球に対応する保留が生起したことを契機として、その保留に対応する保留画像を表示可能であるとともに、前記保留画像のうち図柄変動表示が開始された抽選値に対応する保留画像は、その図柄変動表示に対応する変動中画像として表示可能であり、
前記特殊演出の実行中は前記保留画像を非表示とする一方で、前記変動中画像は表示が継続されることを特徴とする弾球遊技機。
[第12態様]
遊技領域が形成された遊技盤と、
前記遊技領域の所定位置に設けられ、遊技球の入球が抽選の契機となる始動入賞口と、
前記始動入賞口への入球を契機として、通常遊技より遊技者に有利な状態である特別遊技へ移行するか否かを判定するための抽選値に基づいて当否判定を実行する当否判定手段と、
前記当否判定の結果が大当りであった場合に前記特別遊技を実行する特別遊技制御手段と、
演出内容が表示される演出表示装置と、
前記演出表示装置に表示させる演出内容として複数種類の演出パターンからいずれかを決定する演出決定手段と、
前記決定された演出パターンに基づく演出内容を前記演出表示装置へ表示させる演出表示制御手段と、
を備え、
前記演出表示制御手段は、前記演出表示装置に表示させる動画像を構成するフレーム画像を一時的に格納するフレームバッファを有し、
前記フレームバッファは、
前記演出表示装置の画面領域サイズを超える第1の表示サイズのフレーム画像を格納し得る第1バッファ領域と、
前記第1バッファ領域とは異なる領域であって、前記演出表示装置の画面領域サイズ以下である第2の表示サイズのフレーム画像を格納し得る第2バッファ領域と、
を少なくとも含み、
前記複数種類の演出パターンには、
前記第1バッファ領域をフレームバッファとして使用し、所定のタイミングにおける前記第1バッファ領域に格納された前記第1の表示サイズのフレーム画像を前記演出表示装置の画面領域内に表示できるように変形させた画像と遊技状況を示す画像とを合成させた新たなフレーム画像を順次生成して前記第1バッファ領域に格納させることにより前記演出表示装置へ動画像を表示させる第1の特殊演出が定められた第1の特殊演出パターンと、
前記第2バッファ領域をフレームバッファとして使用し、所定のタイミングにおける前記第2バッファ領域に格納された前記第2の表示サイズのフレーム画像を変形させた画像と遊技状況を示す画像とを合成させた新たなフレーム画像を順次生成して前記第2バッファ領域に格納させることにより前記演出表示装置へ動画像を表示させる演出であって前記第1の特殊演出とは異なる第2の特殊演出が定められた第2の特殊演出パターンと、
が含まれることを特徴とする弾球遊技機。
[第13態様]
遊技領域が形成された遊技盤と、
前記遊技領域の所定位置に設けられ、遊技球の入球が抽選の契機となる始動入賞口と、
前記始動入賞口への入球を契機として、通常遊技より遊技者に有利な状態である特別遊技へ移行するか否かを判定するための抽選値に基づいて当否判定を実行する当否判定手段と、
前記当否判定の結果が大当りであった場合に前記特別遊技を実行する特別遊技制御手段と、
演出内容が表示される演出表示装置と、
前記演出表示装置に表示させる演出内容として複数種類の演出パターンからいずれかを決定する演出決定手段と、
前記決定された演出パターンに基づく演出内容を前記演出表示装置へ表示させる演出表示制御手段と、
を備え、
前記演出表示制御手段は、前記演出表示装置に表示させる動画像を構成するフレーム画像を一時的に格納するフレームバッファを有するとともに、前記フレームバッファは、それぞれフレーム画像を格納し得る複数のバッファ領域を含み、
前記複数種類の演出パターンには、それぞれ前記複数のバッファ領域のうちいずれをフレームバッファとして使用するかが定められ、所定のタイミングにおける前記バッファ領域に格納されたフレーム画像を変形させた画像と遊技状況を示す画像とを合成させた新たなフレーム画像を順次生成して前記バッファ領域に格納させることにより前記演出表示装置へ動画像を表示させる特殊演出が定められた複数の特殊演出パターンが含まれ、
前記演出表示制御手段は、
同一変動内で実行タイミングが重複し得るよう設計されている複数の特殊演出パターンについては、それぞれ異なるバッファ領域を使用することが定められ、
同一変動内で実行タイミングが重複しないよう設計されている複数の特殊演出パターンについては、一方の特殊演出パターンによる演出の表示中にもかかわらず他方の特殊演出パターンによる演出の表示が開始される場合、先に表示されていた前記一方の特殊演出パターンによる演出より、後から決定された前記他方の特殊演出パターンによる演出を優先して表示させることを特徴とする弾球遊技機。
[第14態様]
遊技領域が形成された遊技盤と、
前記遊技領域の所定位置に設けられ、遊技球の入球が抽選の契機となる始動入賞口と、
前記始動入賞口への入球を契機として、通常遊技より遊技者に有利な状態である特別遊技へ移行するか否かを判定するための抽選値に基づいて当否判定を実行する当否判定手段と、
前記当否判定の結果が大当りであった場合に前記特別遊技を実行する特別遊技制御手段と、
演出内容が表示される演出表示装置と、
前記演出表示装置に表示させる演出内容として複数種類の演出パターンからいずれかを決定する演出決定手段と、
前記決定された演出パターンに基づく演出内容を前記演出表示装置へ表示させる演出表示制御手段と、
を備え、
前記演出表示装置の画面領域内に表示可能な表示サイズの主要画像部分と、その主要画像部分の外周を囲むように形成される外枠画像部分と、で一つの演出用画像を構成し、
初期的な状況における前記演出用画像においては、前記外枠画像部分の一部または全部が前記演出表示装置の画面領域内に表示されず、
前記初期的な状況とは異なる所定の状況における前記演出用画像においては、前記初期的な状況では前記演出表示装置の画面領域内に表示されていなかった前記外枠画像部分の一部または全部が前記演出表示装置の画面領域内に表示できるように、前記演出用画像の表示比率および形状のうち少なくともいずれかを変化させた画像と遊技状況を示す画像とを合成させた新たなフレーム画像を順次生成することにより前記演出表示装置へ動画像を表示させる特殊演出を実行可能であることを特徴とする弾球遊技機。
[第15態様]
遊技領域が形成された遊技盤と、
前記遊技領域の所定位置に設けられ、遊技球の入球が抽選の契機となる始動入賞口と、
前記始動入賞口への入球を契機として、通常遊技より遊技者に有利な状態である特別遊技へ移行するか否かを判定するための抽選値に基づいて当否判定を実行する当否判定手段と、
前記当否判定の結果が大当りであった場合に前記特別遊技を実行する特別遊技制御手段と、
演出内容が表示される演出表示装置と、
前記演出表示装置に表示させる演出内容として複数種類の演出パターンからいずれかを決定する演出決定手段と、
前記決定された演出パターンに基づく演出内容を前記演出表示装置へ表示させる演出表示制御手段と、
遊技者による操作入力を受け付ける操作入力手段と、
を備え、
前記演出表示制御手段は、前記演出表示装置に表示させる動画像を構成するフレーム画像を一時的に格納するフレームバッファを有するとともに、前記フレームバッファは、それぞれフレーム画像を格納し得る複数のバッファ領域を含み、
前記複数種類の演出パターンには、前記操作入力手段の操作入力がなされた場合に、その操作入力タイミングにおけるフレーム画像を変形させた画像と遊技状況を示す画像とを合成させた新たなフレーム画像を順次生成して第1のバッファ領域に格納させることにより前記演出表示装置へ動画像を表示させるとともに、さらに前記操作入力手段の操作入力がなされた場合に、その操作入力タイミングにおける前記第1のバッファ領域に格納されたフレーム画像を変形させた画像と遊技状況を示す画像とを合成させた新たなフレーム画像を順次生成して第2のバッファ領域に格納させることにより前記演出表示装置へ動画像を表示させる特殊演出が定められた特殊演出パターンが含まれることを特徴とする弾球遊技機。
(前提技術2)
前提技術としてスロットマシンの基本構成を説明する。
図40は、スロットマシン1010の外面における基本的な構造を示す斜視図である。スロットマシン1010は、主に箱状体である筐体基部1102と、筐体基部1102の前面に設けられた筐体扉部1104と、筐体基部1102および筐体扉部1104に設けられた各種装置と、を備える。筐体扉部1104は、筐体基部1102の開口部に開閉自在に取り付けられた扉体であり、筐体基部1102と筐体扉部1104とが一体となることによりスロットマシン1010の筐体を形成する。筐体扉部1104は、遊技店の営業時間中は施錠され、スロットマシン1010の内部への不正なアクセスが防止される。遊技店の従業員によって筐体扉部1104が解錠されたときにはじめて内部へのアクセスが可能となる。
筐体扉部1104には、その前面略中央に透明窓1132が設けられ、内部で回転するリールが透明窓1132を通じて視認される。筐体扉部1104の前面上部には、演出的な内容が表示される演出表示装置1130が設けられる。筐体扉部1104における透明窓1132の下方に設けられた操作領域には、第1ベットボタン1112a、第2ベットボタン1112b、精算ボタン1113、十字キー1118、演出ボタン1120、メダル投入口1110が設けられる。第1ベットボタン1112aは、メダルを1枚掛ける(以下、「ベットする」ともいう)ためのボタンであり、第2ベットボタン1112bは、いわゆるマックスベットボタンであり、最大ベット枚数である3枚のメダルを掛けるためのボタンである。精算ボタン1113は、メダル投入口1110から投入されて貯留メダルとして記憶されたメダルまたはベットされたメダルを遊技者に払い出す指示をするボタンである。十字キー1118および演出ボタン1120は演出としての遊技者の操作入力を受け付ける操作入力手段である。ベットボタン1112a、bの下方には、遊技者がリールの回転開始を指示するためのスタートレバー1114が設けられる。スタートレバー1114の右方には、3つのリールの回転停止をそれぞれ指示するための左ストップボタン1116a、中ストップボタン1116b、右ストップボタン1116cが設けられる。筐体扉部1104の下方にはメダルの払出口1108とその前方にメダル受け皿1106が設けられ、払出口1108の左右にスピーカー1122が設けられる。筐体扉部1104の外周など複数箇所に複数の演出ランプ1124が設けられる。
演出表示装置1130の図示しない上部には、状態表示ランプ、回数表示ランプ、貯留枚数表示ランプ、払出数表示ランプが設けられる。状態表示ランプは、例えばボーナス遊技やAT(アシストタイム)が開始されると点灯し、終了すると消灯する。回数表示ランプは、ボーナス遊技やATの実行回数等を表示する7セグメント表示器である。貯留枚数表示ランプは、貯留(クレジット)された遊技メダルの枚数を表示する7セグメント表示器である。払出数表示ランプは、小役が成立した際に払い出される遊技メダルの枚数を表示する7セグメント表示器である。払出数表示ランプは、スロットマシン1010に何らかの異常(エラー)が発生した際に、そのエラーの種類を示すアルファベット文字を表示する。例えば、ホッパーエンプティエラー、遊技メダル払出エラー、遊技メダル滞留エラー、遊技メダル逆流エラー、補助収納庫満杯エラー、回胴停止エラー、設定値エラー等がある。ホッパーエンプティエラーは、ホッパータンク1162の中の遊技メダルが空になった場合のエラーである。遊技メダル払出エラーは、本来とは異なるタイミングで遊技メダルが払い出された場合のエラーである。遊技メダル滞留エラーは、メダル投入口1110の内部に遊技メダルが詰まった場合のエラーである。遊技メダル逆流エラーは、メダル投入口1110とは異なる位置から遊技メダルが侵入するなど、本来の順路とは異なる方向へ遊技メダルが進んだ場合のエラーである。補助収納庫満杯エラーは、ホッパータンク1162の中の遊技メダルが満杯となった場合のエラーである。回胴停止エラーは、予め定められた位置に各リールが停止しない場合のエラーである。設定値エラーは、予め定められた数値範囲外の設定値となった場合のエラーである。
図41は、筐体扉部1104を開放したときに露出する筐体扉部1104の背面図である。略中央には、透明窓1132が設けられる。上部には、遊技における演出を制御する、いわゆるサブ基板と呼ばれる副制御装置1300が設置される。透明窓1132の下方には、メダルセレクタ1150と、その右方にメダル誘導路1152、下方にメダル返却路1154が設けられる。メダルセレクタ1150は、後述するメダル投入口にメダルが投入されたとき、メダルを受付可能な状態の場合はメダル誘導路1152に振り分け、受付不可の状態の場合はメダル返却路1154に振り分ける。メダル誘導路1152に振り分けられたメダルは、メダル誘導路1152を通じて後述するホッパータンクに貯留される。
図42は、筐体扉部1104を開放したときに露出する筐体基部1102の内部構成を示す正面図である。筐体基部1102の略中央部には、左リール1160a、中リール1160b、右リール1160cが回転可能に設けられる。左リール1160a、中リール1160b、右リール1160cは、それらの外周面に複数の図柄が印字された回転部材であり、それぞれステッピングモータの駆動力によって回転することで図柄の回転移動が透明窓1132を通じて遊技者に視認される。
筐体基部1102の上部には、遊技の進行を制御する、いわゆるメイン基板である主制御装置1200が設置される。主制御装置1200において、その右部分に設定変更スイッチ1168が設けられる。設定変更スイッチ1168は、6段階ある遊技仕様を変更するためのボタンと、遊技店の従業員が持つ設定キーを挿入する鍵穴と、設定された設定値を記憶する設定メモリと、を含む。それぞれ異なる遊技仕様に対応付けられた6段階の設定値は、設定1から設定6までのうち数値が大きいほど遊技者に有利な遊技仕様となる。遊技店の従業員が設定キーを鍵穴に挿入して回すと、ボタンを操作して設定変更できる状態となる。
筐体基部1102の下部にはホッパータンク1162が設けられ、ホッパータンク1162の下方にはメダルを払出口1108から払い出す払出装置1164(以下、「ホッパー」とも称する)が設けられる。ホッパータンク1162の左方には、スロットマシン1010の各部へ電力を供給する電源基板1166が設けられる。
図43は、リールの図柄配列を示す図である。左リール1160a、中リール1160b、右リール1160cのそれぞれの外周面には、図の表に示されるような図柄列が印字されている。各リールには、それぞれ図柄番号0~19に対応する20個の図柄が等間隔で配置されている。これらの図柄のうち有効ライン上に停止した図柄の組合せが所定の役が成立する所定の同じ図柄や所定の組合せとなった場合に、その役の入賞が決まる。一方、図柄が並ぶラインには、有効ラインとして設定されないラインであって所定の同じ図柄や所定の組合せが停止したとしても役の入賞とは扱わないこととする組合せラインも含まれる。
以上のスロットマシン1010において、遊技者はメダル投入口1110から1枚~3枚のメダルを投入することでメダルを掛ける。クレジットとしてメダルが貯留されている場合は、遊技者は第1ベットボタン1112a、第2ベットボタン1112b、または精算ボタン1113を押下することで1枚または3枚のメダルを掛ける。遊技者がスタートレバー1114を操作すると、左リール1160a、中リール1160b、右リール1160cの回転が開始し、リール上の図柄列が縦方向に高速移動する。遊技者が任意の順序で左ストップボタン1116a、中ストップボタン1116b、右ストップボタン1116cを押下すると、その押下順序に対応する順序で左リール1160a、中リール1160b、右リール1160cの回転が停止し、それぞれいずれかの図柄が停止位置に表示される。所定の有効ライン上に停止した図柄の組合せ態様が複数種類の役のいずれかに該当した場合に「入賞」と判定され、その役の種類に応じた数のメダルが払い出され、または遊技状態の移行が実行される。
図44は、スロットマシン1010の機能ブロック図である。スロットマシン1010は、主制御装置1200と副制御装置1300とを備える。主制御装置1200は、リール1160a~c、ベットボタン1112a、b、精算ボタン1113、スタートレバー1114、ストップボタン1116a~c、設定変更スイッチ1168と電気的に接続され、副制御装置1300は、演出ランプ1124、演出表示装置1130、スピーカー1122、十字キー1118、演出ボタン1120と電気的に接続される。主制御装置1200および副制御装置1300は、それぞれハードウェア的にはデータやプログラムを格納するROMやRAM、演算処理に用いるCPU等の素子を含んで構成されるが、本図では主にソフトウェア的な観点から捉えた機能ブロックを説明する。
なお、主制御装置1200に含まれる各機能ブロックは、いずれかが主制御装置1200ではなく副制御装置1300に搭載されるかたちで構成されてもよい。同様に、副制御装置1300に含まれる各機能ブロックは、いずれかが副制御装置1300ではなく主制御装置1200に搭載されるかたちで構成されてもよい。ただし、主制御装置1200と副制御装置1300の間におけるデータの送受信は主制御装置1200から副制御装置1300への一方向であるため、そのような一方向でのデータ送受信にて全体動作が実現されるよう各構成が主制御装置1200と副制御装置1300に配置される。このように主制御装置1200から副制御装置1300へのデータ送信の一方向性が保たれるため、副制御装置1300に含まれる構成から主制御装置1200に含まれる構成へはデータを送信することができず、データ送信の要求もできない。したがって、主制御装置1200で生成された情報は、主制御装置1200が副制御装置1300へ一方的に送信しない限り副制御装置1300から参照することはできない。
主制御装置1200は、役抽選手段1202、乱数判定手段1204、当選フラグ制御手段1206、リール制御手段1208、停止位置決定テーブル1210、操作順序検出手段1212、入賞判定手段1214、払出手段1216、特別遊技制御手段1218、設定変更手段1220を備える。
役抽選手段1202は、遊技者によりスタートレバー1114の操作がなされたことを契機として、複数種類の役から当選役を決定する役抽選を実行するとともに、役抽選の結果を副制御装置1300へ送信する。役の種類には、小役、特別役、再遊技役があり、いずれの当選役も決定されない場合は外れとなる。小役には複数種類があり、その種類に応じた数のメダルが払い出される。特別役には、レギュラーボーナス(「RB」ともいう)とビッグボーナス(「BB」ともいう)がある。再遊技役は「リプレイ」とも呼ばれ、新たなメダル投入をせずに同数のメダルが投入されたのと同じ状態となり、再び遊技ができる役である。乱数判定手段1204は、役抽選に用いる乱数の値を抽選値として取得する。なお、本願にいう「乱数」は、数学的に発生させる乱数でなくてもよく、ハードウエア乱数やソフトウエア乱数などにより発生させる疑似乱数でもよい。役抽選手段1202は、役抽選として、乱数判定手段1204により取得される抽選値が役ごとに割り当てられたいずれかの抽選値範囲に該当するか否かによって当選役を決定する。
当選フラグ制御手段1206は、各役に対応する複数のフラグのうち、当選役に対応するフラグをオンする。フラグをオンした当選役が小役の場合、その当選の持ち越しはないため、当該遊技が終了するときに入賞有無を問わずフラグをオフする。フラグをオンした当選役が特別役の場合、その当選は入賞まで持ち越されるため、入賞があるまでフラグをオンのまま維持し、入賞した時にフラグをオフする。フラグをオンした当選役が再遊技役の場合、その当選も持ち越しはないため、当該遊技が終了するときにフラグをオフする。
リール制御手段1208は、スタートレバー1114の操作がなされたことを契機として、左リール1160a、中リール1160b、右リール1160cの回転を開始させる制御をするとともに、スタートレバー1114の操作を示す情報を副制御装置1300へ送信する。リール制御手段1208は、役抽選の結果に応じて、複数の停止位置決定テーブル1210からいずれかを選択する。リール制御手段1208は、左ストップボタン1116a、中ストップボタン1116b、右ストップボタン1116cの個別の押下を契機とし、その押下に対応して左リール1160a、中リール1160b、右リール1160cの回転を停止させる制御をするとともに、ストップボタンの押下を示す情報を副制御装置1300へ送信する。リール制御手段1208は、それぞれに設けられるステッピングモータの駆動を制御することによって左リール1160a、中リール1160b、右リール1160cを回転および停止を制御する。
リール制御手段1208は、停止位置決定テーブル1210に基づき、左ストップボタン1116a、中ストップボタン1116b、右ストップボタン1116cが押下されたタイミングおよび押下順序に応じて左リール1160a、中リール1160b、右リール1160cの停止位置を決定する。操作順序検出手段1212は、左ストップボタン1116a、中ストップボタン1116b、右ストップボタン1116cが押下された順序を検出する。リール制御手段1208は、左リール1160a、中リール1160b、右リール1160cの回転位置を、それぞれに対応するフォトセンサによって基準位置を検出する。
停止位置決定テーブル1210には、役抽選の結果と、ストップボタン1116a~cが押下されたときのリール1160a~cの位置と、ストップボタン1116a~cの押下順序と、リール1160a~cの複数の図柄のうちいずれを有効ライン上に停止させるかの対応関係が定められる。すなわち、小役の種類、特別役の種類、再遊技役の種類に応じて個別の停止位置決定テーブル1210が用意され、役ごとの入賞条件として、ストップボタン1116a~cが押下タイミングおよび押下順序がそれぞれの停止位置決定テーブル1210に定められる。いずれかの役に当選している場合、その当選役に応じた停止位置決定テーブル1210に基づき、ストップボタン1116a~cの押下タイミングおよび押下順序が入賞条件を満たした場合に、リール制御手段1208は当選役に対応する図柄組合せが有効ライン上に揃うようにリール1160a~cの停止位置を決定する。いずれかの役に当選している場合であっても、ストップボタン1116a~cの押下タイミングおよび押下順序が入賞条件を満たしていない場合は、リール制御手段1208はその当選役に応じた停止位置決定テーブル1210に基づいて当選役に対応する図柄組合せが有効ライン上に揃わないようにリール1160a~cの停止位置を決定する。いずれの役にも当選していない場合、外れに対応する停止位置決定テーブル1210に基づき、リール制御手段1208は役に対応する図柄組合せが有効ライン上に揃わないようにリール1160a~cの停止位置を決定する。
なお、本明細書において「テーブル」というときは、厳密に抽選値などの第1のパラメータと、選択肢を示す値などの第2のパラメータとの対応関係をテーブル構造で定めたデータを指すだけでなく、そのような対応関係として第1のパラメータから第2のパラメータを導出するプログラム構造で実現する場合も広く含むものとする。それらを含めて実質的に「テーブル」と同義の概念として適宜「選択基準」とも称する。また、テーブル構造を用いる場合、実質的に1種類となる選択基準を構造的に細分化された複数のテーブルの組み合わせで構成してもよいが、「複数種の選択基準」というときはその細分化されたテーブルの数ではなくテーブルの実質的な種類の数を示す。
入賞判定手段1214は、いずれかの役に対応する図柄組合せが有効ライン上に揃った場合に入賞したと判定し、入賞した役に対応する払出メダル数を決定する。払出手段1216は、入賞判定手段1214で決定された払出メダル数を貯留メダル数に加算する。ただし、貯留メダル数が50を超えるときは超えた分のメダルを払出装置1164により払い出す。また、入賞した役が再遊技役の場合は前回遊技で掛けられた投入メダル数と同数のメダルが再び掛けられた状態にする。入賞判定手段1214は、入賞に関する情報や払出メダル数の情報を副制御装置1300へ送信する。
特別遊技制御手段1218は、特別役に入賞した場合に通常遊技から特別遊技へ移行させ、特別遊技の終了条件を満たしたときに特別遊技から通常遊技へ移行させる制御をする。特別遊技としては、RBに入賞した場合に移行するRB遊技と、BBに入賞した場合に移行するBB遊技がある。RB遊技は、所定の図柄または所定の組合せが有効ライン上に8回停止したとき、または、12回の遊技結果が得られたときに終了する。BB遊技は、所定の図柄または所定の組合せが有効ライン上に停止したことによるメダルの払出枚数の合計が465枚を超えるときに終了する。
設定変更手段1220は、6段階の遊技仕様のうち、設定変更スイッチ1168により設定された設定値に対応する遊技仕様に決定し、役抽選手段1202による役抽選における各役の当選確率を変更する。6段階の遊技仕様は、設定1から設定6までのうち数値が大きいほど当選確率が高い。設定変更スイッチ1168を操作するたびに「設定1」→「設定2」→「設定3」→・・・→「設定6」→「設定1」のように設定値を1ずつインクリメントするとともに、「設定6」から「設定1」に戻すことによりインクリメントを循環させる。最後にスタートレバー1114を操作することにより、その時点で選択されている設定値に決定され、設定変更が確定する。
副制御装置1300は、パターン記憶手段1302、演出決定手段1304、演出制御手段1306を備える。パターン記憶手段1302は、複数種類の演出パターンを記憶する。演出パターンには、遊技の進行に合わせて演出表示装置1130に表示させる演出内容や、演出ランプ1124の点灯パターン、スピーカー1122から出力する音声パターンなどが定められている。演出決定手段1304は、スタートレバー1114の操作を示す情報やストップボタン1116の押下を示す情報、役抽選の結果を示す情報、入賞に関する情報、払出メダル数の情報などの情報を主制御装置1200から受信する。演出決定手段1304は、スタートレバー1114やストップボタン1116a~cの操作やリール1160a~cの停止を契機として、役抽選手段1202による役抽選の結果や入賞状況、遊技状態にしたがってパターン記憶手段1302に記憶される複数種類の演出パターンからいずれかを選択する。演出制御手段1306は、演出決定手段1304により選択された演出パターンにしたがい、演出表示装置1130の表示、演出ランプ1124の点灯、およびスピーカー1122からの出力を制御する。演出制御手段1306は、演出ボタン1120や十字キー1118の入力内容に応じて演出表示装置1130への表示内容や演出ランプ1124の点灯パターン、スピーカー1122からの音声出力などを変化させる。演出パターンによる演出を制御する間に、あらたにベットボタン1112a,bやスタートレバー1114の操作がなされた場合、演出制御手段1306は表示中の演出をキャンセルし、演出決定手段1304はあらたな遊技に対応する演出パターンを選択し、選択した演出パターンによる演出を演出制御手段1306が開始する。
図45は、スロットマシン1010における基本的な遊技の流れを示すフローチャートである。まず、リール1160a~cのいずれもまだ回転していない場合であって(S1010のN)、メダルのベットもされていない状態(S1012のN)を想定する。その状態において、クレジットとしてメダルの貯留がある場合(S1014のY)、ベットボタン1112a、bのいずれかが押下されれば(S1016のY)、押下されたベットボタンに対応するメダル枚数のベットを設定する(S1018)。クレジットがない場合はメダル投入等がなされるまで本フローのルーチンを抜けて残りの処理をスキップする(S1014のN)。S1016においてベットボタン1112a、bの押下がない場合も押下がなされるまで本フローのルーチンを抜けて残りの処理をスキップする(S1016のN)。S1012においてすでにベットがなされた状態であればS1014からS1018までをスキップする(S1012のY)。
ベットが設定された状態で、スタートレバー1114の操作があれば(S1020のY)、役抽選手段1202が役抽選を実行し(S1022)、当選フラグ制御手段1206は役抽選の結果に応じて当選役に対応するフラグをオンし(S1024)、役抽選の結果に応じた停止位置決定テーブル1210を選択する(S1025)。前の遊技終了から4.1秒が経過していなければ待機し(S1026のN)、経過していれば(S1026のY)、リール制御手段1208はリール1160a~cの回転を開始して(S1028)、本フローのルーチンを抜ける。S1020においてスタートレバー1114の操作がなければ本フローのルーチンを抜けて残りの処理をスキップする(S1020のN)。
S1010において、リール1160a~cのうち少なくともいずれかが回転中の場合(S1010のY)、ストップボタン1116a~cのいずれかの押下があれば(S1030のY)、当選役を示すフラグの状態、ストップボタンの押下タイミング、押下順序、および停止位置決定テーブル1210に基づいてリールの停止位置を決定し(S1032)、押下されたストップボタンに対応するリールを停止させる(S1034)。ストップボタンの押下がなければS1032およびS1034をスキップする(S1030のN)。リール1160a~cがすべて停止状態となった場合(S1036のY)、それらの停止位置に基づいて当選役の入賞を判定し(S1038)、入賞があれば当選役に対応する払出数にてメダルを払い出す(S1040)。全リールが停止された状態でなければS1038およびS1040をスキップする(S1036のN)。
なお、リール停止管理処理としては、ウエイト時間をセットし、リールの回転開始の待機中を示す情報を含む制御コマンドを生成してコマンドバッファに書き込み、リールの加速に用いる各種データの初期値を所定の記憶領域に記憶する。全リールが定速回転しているか否かを判定し、定速回転していないと判定した場合には、全リールの回転が異常であるか否かを判定し、異常である場合には、再び、リールの加速に用いる各種データの初期値を所定の記憶領域に記憶して全リールの確認を終了する。一方、定速回転していると判定した場合や、回転が異常ではないと判定した場合はそのまま全リールの確認を終了する。
なお、メダルの払出において払出の貯留が不可の場合、ホッパー払出を実行する。このホッパー払出処理では、まず、ホッパーの駆動を開始し、払出しが検出されるまで待機する(所定時間が経過するまで払出しが検出されない場合は、ホッパーエンプティエラーとなる)。払出しが検出された場合は払出数を加算し、払出終了か否かを判定し、払出終了でなければ払出処理を繰り返し、払出終了であればホッパーの駆動を終了する。
図46は、主制御装置1200および副制御装置1300のハードウェア構成を概略的に示すブロック図である。主制御装置1200は、メインCPU1250、メインRAM1252、メインROM1254などの電子部品を含む。メインROM1254には、遊技動作全般を制御するためのメイン制御プログラムおよびデータがあらかじめ格納される。メインROM1254からメイン制御プログラムまたはデータがメインRAM1252へ読み込まれ、メイン制御プログラムがメインCPU1250によって実行される。各電子部品間は図示しないシステムバスやデータバスなどのバスで結ばれる。メダルの投入を示す信号、ベットボタン1112a、bの押下を示す信号、精算ボタン1113の押下を示す信号、スタートレバー1114の操作を示す信号、ストップボタン1116a~cの押下を示す信号、リール1160a~cの位置を示す信号などは図示しない各種インタフェースを介してメインCPU1250により取得される。メインCPU1250は、図示しない各種駆動回路によりリール1160a~cのステッピングモータなどの外部装置を駆動制御する。また、メインCPU1250から副制御装置1300へ演出制御に必要なコマンドが役抽選の結果や入賞情報、各ボタンやレバーの操作を示す情報とともに送信される。
副制御装置1300は、サブCPU1350、サブRAM1352、サブROM1354、演出表示制御部1360などの電子部品を含む。サブROM1354は、演出過程が定義された演出パターンデータや演出表示過程が定義された表示パターンデータなどを含むサブ制御プログラムを保持するデータ格納手段の一つであり、図44でいうパターン記憶手段1302として機能するハードウェア構成である。サブROM1354から演出パターンデータや表示パターンデータを含むサブ制御プログラムがサブRAM1352へ読み込まれ、そのサブ制御プログラムによる演出制御がサブCPU1350によって実行される。各電子部品間は図示しないシステムバスやデータバスなどのバスで結ばれ、互いに信号の送受信が可能な双方向通信にて接続される。例えば、サブCPU1350から演出表示制御部1360へコマンドを送信する場合は複数回コマンドを送信し、演出表示制御部1360はコマンドを少なくとも1回適切に受信し次第、サブCPU1350へ確認応答(ACK)を返信することにより、ノイズ等による通信エラーを回避する。仮に複数のコマンドの受信順序が通常と異なる場合は演出表示制御部1360はACKを返信せずに無視し、適切なコマンドに対してのみ返信する。演出ボタン1120などの外部装置からの信号は図示しない各種インタフェースを介してサブCPU1350により取得され、その信号の受信または受信回数に応じて演出表示制御部1360へ対応するコマンドを送信する。サブCPU1350は、演出パターンデータにしたがって、図示しない各種駆動回路や制御回路によりスピーカー1122などの外部装置を駆動して音声出力による演出を制御する。また、サブCPU1350は、表示パターンデータを演出表示制御部1360へ送信する。サブCPU1350および演出表示制御部1360は、図44でいう演出決定手段1304および演出制御手段1306として機能するハードウェア構成である。なお、本実施例では副制御装置1300が演出表示制御部1360を内包する例を説明するが、副制御装置1300と演出表示制御部1360とは基板として一体化していることを要さず、分離して互いに接続された別個の基板として形成されてもよい。
図47は、演出表示制御部1360のハードウェア構成を概略的に示すブロック図である。演出表示制御部1360は、制御CPU1362、制御RAM1364、データROM1366、表示制御回路1370を含む。データROM1366は、演出表示に用いられる演出画像データやモーションデータ、三次元画像のオブジェクト定義データなどの素材データをデータ圧縮した状態で保持するデータ格納手段の一つであり、図44でいうパターン記憶手段1302として機能するハードウェア構成である。演出画像データは、入賞判定結果などを示す演出オブジェクトとして演出表示に用いられる画像であり、例えば各種演出に用いるスプライト画像、各種演出に用いる動画といった素材画像である。モーションデータは、各種演出に用いる画像に所定タイミングで演出的な動作を加える場合のその動作が定義されたデータである。オブジェクト定義データは、三次元オブジェクトの形状が定義されたデータである。
サブCPU1350から送られた表示パターンデータに基づいて、その表示パターンデータに指定された演出画像データやモーションデータ、オブジェクト定義データなどの素材データがデータROM1366から制御RAM1364へ読み出され、その素材データを用いた演出表示が制御CPU1362によって実行される。その結果、制御CPU1362から表示制御回路1370へ演出表示に関するコマンドや素材データが送信され、表示制御回路1370により表示制御がなされる。演出表示中にあらたなベットボタン1112a,bやスタートレバー1114の操作を示す信号を受信した場合は、サブCPU1350はあらたな演出パターンを決定してあらたな演出表示を示すコマンドを制御CPU1362に送信する。サブCPU1350および表示制御回路1370は、図44でいう演出決定手段1304および演出制御手段1306として機能するハードウェア構成である。
表示制御回路1370は、デコーダ1374、描画メモリ1376、描画回路1378、フレームバッファ1380、表示回路1382を含み、それぞれがバス1372を介して接続される。本図のバス1372は、便宜上、システムバス、データバス、アドレスバスなどのバスを包括的に示したものである。
制御CPU1362から送られた演出画像データやモーションデータ、オブジェクト定義データなどの素材データは描画メモリ1376に格納され、それらのデータのうち圧縮されたデータはデコーダ1374によって復号される。描画メモリ1376は、演出画像データやモーションデータをデコーダ1374により復号する場合のワークエリアとして用いられたり、描画回路1378による描画処理や画像処理を実行する場合のワークエリアとして用いられたりするVRAM(VideoRAM)である。
描画回路1378は、描画メモリ1376に格納されたデータを用い、制御CPU1362から送られたコマンドを順に実行して表示用画像を生成し、その生成された表示用画像を動画像のフレームとしてフレームバッファ1380に格納する。フレームバッファ1380は、演出表示装置1130へ出力すべき動画像のフレームを一時的に格納するバッファメモリとしてのVRAMである。なお、フレームバッファ1380と描画メモリ1376は単一のVRAMで構成して領域を分け合う形で形成されてもよい。
表示回路1382は、フレームバッファ1380に格納された表示用画像を格納された順に映像信号の形で演出表示装置1130へ出力する。フレームバッファ1380は、例えば2フレーム分のメモリ領域を有し、表示回路1382が1フレーム分のメモリ領域から表示用画像を出力する間に、描画回路1378が次の表示用画像を生成して、もう1フレーム分のメモリ領域に格納する。
スロットマシン1010は、電源装置として機能する電源基板1166から電力供給される。電源装置には、電源スイッチおよびリセットスイッチが接続されており、これら各スイッチからの信号がメインCPU1250に送信される。電源スイッチは、電源装置からスロットマシン1010への電源投入および電源断の操作を受け付けるスイッチである。リセットスイッチは、スロットマシン1010においてエラーが発生した際等に、主制御装置1200に搭載された各回路等をリセットするためのスイッチである。電源装置からの電力は、主制御装置1200および副制御装置1300に供給される。電源装置から主制御装置1200および副制御装置1300への電力供給経路上には、供給電圧を監視してその電圧が所定電圧以下に低下する電源断を検出する電源監視手段が設けられる。電源監視手段は、供給電圧が所定電圧まで低下したときに電源断と判定し、電源断検出信号をメインCPU1250またはサブCPU1350に出力する。なお、主制御装置1200の電源断を検出するときの基準電圧値は、副制御装置1300の電源断を検出するときの基準電圧値よりも高い値に設定され、副制御装置1300よりも先に主制御装置1200が電断時に実行するようにプログラムされた処理(電源断処理)を実行する。
図48は、スロットマシン1010における主制御装置1200の主なプログラム制御処理を示すフローチャートである。主制御装置1200で実行される遊技制御処理では、まず、遊技開始処理を実行し(S1100)、遊技メダル管理処理を実行し(S1102)、開始条件としてベット数が規定数に一致し、かつ、スタートレバーの操作が受け付けられた場合は(S1104のY)、レバー受付時処理を実行し(S1106)、少なくともいずれかの開始条件が満たされていない場合は(S1104のN)、S1102に戻る。S1106に続き、役決定処理を実行し(S1108)、フリーズ抽選処理としてフリーズ(演出)を実行するか否かと、フリーズ中の演出態様を決定する(S1110)。フリーズ抽選において擬似遊技フリーズが選択された場合は擬似遊技を実行する(S1112)。ウエイト時間待機等のリール停止管理処理を実行し(S1114)、停止表示図柄判定処理を実行して遊技役の成立有無を判定する(S1116)。次いで、遊技メダル払出処理を実行し(S1118)、遊技終了処理を実行し(S1120)、S1100に戻って本図のフローを繰り返す。
図49は、主制御装置1200におけるタイマ割込処理を示すフローチャートである。このタイマ割込処理においては、遊技者によりなされるベット操作等の遊技操作に応じて出力される各遊技操作信号の読込みや信号レベルの検出(確認)、各制御コマンドの送信等の処理が、一定の時間(例えば2.235ミリ秒)ごとに実施される。まず、割込初期処理(レジスタの退避、割込禁止等)を実行し(S1200)、電源断が検知されたか否かが判定され、電源断が検知された場合は(S1202のY)、電源断処理が実行される(S1204)。電源断処理では、レジスタの退避やスタックポインタの保存、割込み状態の保存等がなされる。また、所定の記憶領域に記憶されている、役決定結果に関する情報やRT遊技状態に関する情報の保持や、チェックサムの算出および記憶等が処理される。電源断が検知されなかった場合は(S1202のN)、タイマ計測を実行する(S1206)。タイマ計測は、遊技制御処理においてセットされた任意のタイマの経過時間等を計測するものである。次いで、表示用ランプの制御(出力ポートに出力された制御データに基づく表示用ランプにおける表示値の更新等)を実行し(S1208)、さらに入力ポートの読込みを実行する(S1020)。入力ポートの読込みでは、入力ポートに入力された各遊技操作信号の信号レベルの読込みと格納、信号レベルの判定等がなされる。
次いで、リールの回転の加速、減速、定速維持や停止維持等を制御するためのリール駆動制御(S1212)を、全リールが終了するまで繰り返す(S1214)。次に、リールやホッパー、ブロッカ等の励磁出力を行うポート出力処理を実行し(S1216)、制御コマンド送信処理を実行する(S1218)。所定の記憶領域に記憶されていた外端信号データを読出し外端信号を出力し(S1220)、割込終了処理(レジスタの復帰、割込許可等)を実行して(S1222)、割込リターンする。
なお、主制御装置1200において実行される他の制御処理として、主制御電源投入処理がある。主制御電源投入処理は、主制御装置1200への電力供給開始時(電源投入時)になされる処理であり、仮スタックポインタのセットやチェックサムの算出、チェック等がなされ、電源復帰処理を実行できるように処理される。スタックポインタの復帰や割込みの起動がなされ、電源断時に所定の記憶領域に記憶されていた、役決定結果に関する情報やRT遊技状態に関する情報等に基づき遊技が行われる。
(第2実施例)
本実施例では、転落判定手段を備えるぱちんこ遊技機における好適な制御および演出を提案する。以下、前提技術1および第1実施例のぱちんこ遊技機100を構成する要素と同一または対応する要素には同じ符号を付して説明する。また、前提技術で説明済みの内容は適宜省略し、主に、前提技術1および第1実施例のぱちんこ遊技機100と異なる内容を説明する。
本実施例では、確率変動状態(高確率状態ともいう)から通常確率状態(低確率状態ともいう)への転落判定が実行される。特別遊技の終了後に高確率状態に移行されると、図柄の変動開始時に実行される変動開始処理にて転落判定が実行される。転落判定に当選した場合、転落判定後に高確率状態が終了して低確率状態へ移行される。一方、転落判定に当選しない場合、転落判定後においても高確率状態が継続される。
本実施例では、図4の第1抽選手段211に第1転落判定手段がさらに設けられ、第2抽選手段212に第2転落判定手段がさらに設けられる。第1転落判定手段は、第1抽選値取得手段216が取得する抽選値に基づいて転落判定を実行する。第2転落判定手段は、第2抽選値取得手段217が取得する抽選値に基づいて転落判定を実行する。第1抽選値取得手段216は、第1始動口11への入球を契機に第1転落判定手段による転落判定用の第1転落抽選値を乱数生成手段202から取得する。第1抽選値取得手段216が取得する第1転落抽選値は、第1当否抽選値、第1図柄抽選値および第1パターン抽選値とは別に取得される。第2抽選値取得手段217は、第2始動口12への入球を契機に、第2転落判定手段による転落判定用の第2転落抽選値を乱数生成手段202から取得する。第2抽選値取得手段217が取得する第2転落抽選値は、第2当否抽選値、第2図柄抽選値および第2パターン抽選値とは別に取得される。変形例として、第1転落抽選値は、第1始動口11への入球を契機として取得されるのではなく、第1特別図柄51の変動開始処理にて取得されてもよい。同様に、第2転落抽選値は、第2始動口12への入球を契機として取得されるのではなく、第2特別図柄52の変動開始処理にて取得されてもよい。
第1抽選値取得手段216が取得する第1転落抽選値および第2抽選値取得手段217が取得する第2転落抽選値は、抽選値に対応する新たな図柄変動が開始されるまで特図保留手段241に保留される。事前判定手段235は、特図保留手段241に保留される第1転落抽選値および第2転落抽選値を当該抽選値に対応する図柄変動の開始前に事前に判定することが可能である。事前判定手段235は、第1転落抽選値および第2転落抽選値の事前判定結果に基づいて遊技状態の遷移について事前判定し、事前判定の対象となる抽選値が本判定された場合の遊技状態が高確率状態となるか低確率状態となるかを事前判定することが可能である。事前判定手段235は、事前判定した遊技状態の遷移にしたがって特図保留手段241に保留される抽選値を事前判定することが可能である。
本実施例では、図4の特定遊技制御手段270に確率状態制御手段および入球状態制御手段が設けられる。確率状態制御手段は、当否判定の結果が大当りとなる確率が通常となる低確率状態から当否判定の結果が大当りとなる確率が前記所定確率よりも高確率である高確率状態へ移行させる。確率状態制御手段は、高確率状態への移行を可能とする条件が充足される場合、特別遊技の終了後に高確率状態へ移行させる。確率状態制御手段は、低確率状態への移行を可能とする条件が充足される場合、特別遊技の終了後または図柄変動の開始を契機に低確率状態へ移行させる。入球状態制御手段は、第2始動口12への入球容易性が相対的に低い通常入球状態(低入球状態ともいう)から第2始動口12への入球容易性が相対的に高い入球容易状態(高入球状態ともいう)へ移行させる。入球状態制御手段は、入球容易状態への移行を可能とする条件が充足される場合、特別遊技の終了後、または、図柄変動の終了を契機として入球容易状態に移行させる。入球状態制御手段は、入球容易状態を終了させる条件(または通常入球状態へ移行させる条件)が充足される場合、特別遊技の終了後、または、図柄変動の開始もしくは終了を契機として通常入球状態へ移行させる。
確率状態制御手段は、所定種類の大当り図柄が停止表示されて実行される特別遊技の終了後に高確率状態への移行を可能とする。例えば、大当りであることを示す図柄の種類として確変大当り図柄(第1大当り図柄)と、非確変大当り図柄(第2大当り図柄)とが用意され、第1大当り図柄の停止表示後に実行される特別遊技の終了後には高確率状態へ移行され、第2大当り図柄の停止表示後に実行される特別遊技の終了後には低確率状態へ移行される。なお、高確率状態に移行可能な大当り図柄のみが用意され、大当り後の特別遊技中に開放される大入賞口内の特定領域に遊技球が入球するか否かに応じて確率変動状態に移行されるか否かが決定されてもよい。つまり、特別遊技中の特定領域への入球(V入賞)により確率変動状態への移行が確定する「玉確」または「V確」といわれる構成であってもよい。特別遊技中に開放可能な大入賞口として、大入賞口内に特定領域が設けられていない第1大入賞口と、大入賞口内に特定領域が設けられる第2大入賞口とが設けられ、1回の特別遊技中に第1大入賞口が開放される第1単位遊技および第2大入賞口が開放される第2単位遊技が実行されてもよい。この場合、大当り図柄の種類に応じて第2大入賞口の開放態様や開放時間が異なる第2単位遊技を実行可能とし、特定領域の入球容易性が異なる第2単位遊技を実行可能とすることで、大当り図柄の種類に応じて確率変動状態への移行確率が異なるようにしてもよい。例えば、大当り図柄Aで大当りとなって特別遊技が実行される場合には第2大入賞口の開放時間が相対的に長い第2単位遊技を実行し、特定領域への入球が容易となるようにしてもよい。一方で、大当り図柄Bで大当りとなって特別遊技が実行される場合には第2大入賞口の開放時間が相対的に短い第2単位遊技を実行し、特定領域への入球が困難となるようにしてもよい。その他、大入賞口の開放タイミングと、大入賞口内で特定領域と非特定領域のいずれかに遊技球を振り分けるための振分機構の作動タイミングとを大当り図柄の種類に応じて異ならせることにより、特定領域への入球が容易または可能な特別遊技(大当り図柄A)または特定領域への入球が困難または不可となる特別遊技(大当り図柄B)が実行されるようにしてもよい。その他、特定領域が設けられる大入賞口のみを設け、第1単位遊技である特定回数以外の単位遊技(例えば、第4ラウンド以外のラウンド)においては特定領域と非特定領域のいずれかに遊技球を振り分けるための振分機構を作動させず、第2単位遊技である特定回数の単位遊技(例えば第4ラウンド)において特定領域と非特定領域のいずれかに遊技球を振り分けるための振分機構を作動させるようにし、その作動態様を大当り図柄の種類に応じて異ならせることにより、特定領域への入球が容易または可能となる特別遊技(大当り図柄A、特定領域に入球可能となる振分時間値が10秒)と、特定領域への入球が困難または不可となる特別遊技(大当り図柄B、特定領域に入球可能となる振分時間値が0.05秒)とが実行されるようにしてもよい。この場合、特定領域への入球が容易または可能となる特別遊技(大当り図柄A)または特定領域への入球が困難または不可となる特別遊技(大当り図柄B)のいずれにおいても、大入賞口の開放時間は同じ(例えば30秒であり、特定回数の単位遊技でも特定回数以外の単位遊技でも一律30秒)としてもよい。この場合、振分機構の作動タイミング(特定領域に振り分ける態様の作動を開始するタイミング)を、大入賞口への入球数が特定個数(例えば2個)に到達したタイミングとしてもよい。例えば、特定回数の単位遊技(例えば第4ラウンド)における特定個数の入球(例えば2個の入球)を契機に、非特定領域に振り分ける態様から特定領域に振り分ける態様へと振分機構を作動させるようにし、その作動時間(特定領域に振り分ける態様を維持する期間)を大当り図柄の種類に応じて異ならせることにより、特定領域への入球が容易または可能となる特別遊技(大当り図柄A、特定領域に振り分けられる態様を維持する期間が10秒)と、特定領域への入球が困難または不可となる特別遊技(大当り図柄B、特定領域に振り分けられる態様を維持する期間が0.05秒)とが実行されるようにしてもよい。
上述の「V確」の構成において、第1特別図柄51が大当りとなって特別遊技が実行される場合の第2単位遊技の実行態様と、第2特別図柄52が大当りとなって特別遊技が実行される場合の第2単位遊技の実行態様とを異ならせることにより、確率変動状態への移行確率が異なるようにしてもよい。例えば、第1特別図柄51が大当りとなって特別遊技が実行される場合には第2単位遊技における第2大入賞口の開放時間を相対的に短くして特定領域への入球が相対的に困難となるようにする一方、第2特別図柄52が大当りとなって特別遊技が実行される場合には第2単位遊技における第2大入賞口の開放時間を相対的に長くして特定領域への入球が相対的に容易となるようにしてもよい。具体例を挙げれば、第1特別図柄51が大当りとなって特別遊技が実行される場合の第2大入賞口内の特定領域への入球確率が50%程度となるようにする一方、第2特別図柄52が大当りとなって特別遊技が実行される場合の第2大入賞口内への入球確率が80%程度となるようにしてもよい。また、第2特別図柄52が大当りとなって特別遊技が実行される場合の第2単位遊技における第2大入賞口の開放時間を長くする(例えば5秒以上、10秒以上または20秒以上)とすることで、特別遊技中に第2大入賞口に向けて遊技球を発射していればほぼ確実に第2大入賞口に入球するように第2単位遊技を構成してもよい。これにより、第2特別図柄52が大当りとなって特別遊技が実行される場合に第2大入賞口内の特定領域への入球確率が実質的に100%となるようにしてもよい。つまり、第2特別図柄52が大当りとなる場合の確率変動状態への移行確率が実質的に100%となるようにしてもよい。この場合、第1特別図柄51が大当りとなる場合の確率変動状態への移行確率は100%未満であってもよく、第1特別図柄51が大当りとなる場合の確率変動状態への移行確率が50%~80%程度であってもよい。つまり「V確」の構成において、第1特別図柄51を確変100%未満とし、第2特別図柄52を確変100%としてもよい。
確率状態制御手段は、転落判定に当選した場合、その転落判定の直後に低確率状態へ移行させる。特別図柄の図柄変動が開始される際の変動開始処理では、転落判定処理、当否判定処理、図柄決定処理、変動パターン決定処理の順で各処理が実行され、各処理の実行後に特別図柄の変動表示が開始される。また、転落判定に当選した場合、転落判定、転落による高確率状態から低確率状態への移行、当否判定の順に処理が実行される。したがって、転落判定に当選した図柄変動が開始される場合、その図柄変動の開始前の遊技状態(確率状態)は高確率状態であるが、その図柄変動に係る当否判定の実行時の遊技状態(確率状態)は低確率状態である。したがって、転落判定に当選した図柄変動に係る当否判定では、低確率状態にて当否判定が実行され、例えば低確率用の当否判定テーブルを参照して当否判定が実行される。一方、転落判定に当選しない図柄変動に係る当否判定では、高確率状態にて当否判定が実行され、例えば高確率用の当否判定テーブルを参照して当否判定が実行される。
本実施例では、特別遊技の終了後に高確率状態へ移行される場合、高確率状態かつ入球容易状態へ移行される。入球容易状態は、特別遊技の終了後の図柄変動回数が少なくとも所定回数(例えば120回であり、その他に220回)となる図柄変動まで継続され、図柄変動回数が所定回数となる図柄変動時に高確率状態が継続しているか、低確率状態へ転落しているかに応じて入球容易状態の継続可否が決定される。具体的には、図柄変動回数が所定回数(例えば120回目)となる図柄変動時に高確率状態であれば、そのまま入球容易状態が継続される。その後、図柄変動回数が所定回数を超える(例えば121回以降の)図柄変動に係る変動開始処理にて転落判定に当選して低確率状態へ移行されると、低確率状態かつ通常入球状態へ移行され、転落判定に当選した図柄変動中における遊技状態は、低確率状態かつ通常入球状態となる。一方、図柄変動回数が所定回数(例えば120回目)となる図柄変動時に低確率状態であれば、その図柄変動の終了を契機として入球容易状態から通常入球状態に移行される。つまり、所定回数(例えば120回目)となる図柄変動の終了までは入球容易状態であるが、所定回数を超える(例えば121回目以降の)図柄変動では通常入球状態となる。変形例として、図柄変動回数が所定回数(例えば120回目)となる図柄変動時に低確率状態であれば、その図柄変動の開始を契機に入球容易状態から通常入球状態に移行されてもよい。つまり、図柄変動回数が所定回数となる直前(例えば119回目)の図柄変動の終了までは入球容易状態であるが、図柄変動回数が所定回数以降(例えば120回目以降)の図柄変動では通常入球状態としてもよい。なお「図柄変動回数」とは、第1特別図柄51の変動回数と第2特別図柄52の変動回数の合計数のことをいう。たいていの場合、入球容易状態においては第2特別図柄52が変動される第2の遊技のみがなされるため、入球容易状態の終期となりうる図柄変動回数は、第2特別図柄52の累計変動回数と一致しうる。
図50は、高確率状態かつ入球容易状態に移行後の遊技状態の遷移を示す。本図において、高確率状態を「高確率」とし、低確率状態を「低確率」とし、入球容易状態を「高入球」とし、通常入球状態を「低入球」としている。図50(a)は、特別遊技の終了後の初回の図柄変動において転落判定に当選した場合を示す。この場合、特別遊技の終了後の図柄変動回数が所定回数(例えば120回目)となる図柄変動の終了まで低確率かつ高入球状態となる。その後、図柄変動回数が所定回数を超える(例えば121回目以降の)図柄変動では低確率かつ低入球状態となる。高入球状態は、右打ちをすべき遊技状態であるため、高入球状態においては、右打ちをすべき遊技状態であることを示す右打ち画像が演出表示装置60に表示される。一方、低入球状態は、左打ちをすべき遊技状態であるため、低入球状態においては、右打ち画像が非表示となる。図50(a)の場合、入球容易状態の開始から図柄変動回数が所定回数(例えば120回目)となる図柄の変動停止まで右打ち画像が表示され、図柄変動回数が所定回数(例えば120回目)となる図柄の停止表示を契機に右打ち画像が非表示となる。
図50(b)は、特別遊技の終了後の初回の図柄変動において転落判定に当選せず、図柄変動回数が初回を除く所定回数以内(例えば2回目~120回目)となる図柄変動において転落判定に当選した場合を示す。この場合、特別遊技の終了後の初回の図柄変動では高確率かつ高入球状態である。その後に初回を除く所定回数以内(例えば2回目~120回目)となる図柄変動において転落判定に当選した場合、転落判定に当選した図柄変動から図柄変動回数が所定回数(例えば120回目)となる図柄変動の終了まで低確率かつ高入球状態となる。その後、図柄変動回数が所定回数を超える(例えば121回目以降の)図柄変動では低確率かつ低入球状態となる。図50(b)の場合、入球容易状態の開始から図柄変動回数が所定回数(例えば120回目)となる図柄の変動停止まで右打ち画像が表示され、図柄変動回数が所定回数(例えば120回目)となる図柄の停止表示を契機に右打ち画像が非表示となる。
図50(c)は、図柄変動回数が所定回数以内(例えば1回目~120回目)となる図柄変動において転落判定に当選しない場合を示す。この場合、転落判定に当選するまで高確率かつ高入球状態が継続される。その後に図柄変動回数が所定回数を超える(例えば121回目以降の)図柄変動にて転落判定に当選した場合、転落判定に当選した図柄変動から低確率かつ低入球状態となる。なお、図50(c)において、図柄変動回数が所定回数を超える(例えば121回目以降の)図柄変動まで転落判定に当選せずに、図柄変動回数が所定回数を超える(例えば121回目以降の)図柄変動にて当否判定に当選して大当りとなる場合、当否判定に当選した図柄変動から低確率かつ低入球状態となる。図50(c)の場合、入球容易状態の開始から転落判定または当否判定に当選する図柄変動の開始直前まで右打ち画像が表示され、転落判定または当否判定に当選する図柄変動の開始を契機に右打ち画像が非表示となる。
本実施例では、特別遊技の実行を契機に移行可能な入球容易状態(A時短ともいう)とは別に、当否判定の結果が大当り以外となることを契機に移行可能な入球容易状態(B時短またはC時短ともいう)が用意される。A時短は、当否判定の結果が大当りとなり、特別遊技が実行された場合に、特別遊技の終了後に移行される入球容易状態である。A時短は、入球容易状態へ移行可能な特定の大当りとなる場合に移行可能であってもよい。A時短の遊技状態は、低確率状態かつ入球容易状態になる場合と、高確率状態かつ入球容易状態になる場合とがある。高確率状態かつ入球容易状態となる場合、転落判定が実行され、転落判定に当選した場合には低確率状態に移行される。
B時短は、低確率状態において大当りが発生することなく図柄変動の累計回数が規定の天井回数に到達することを契機に移行される入球容易状態である。天井回数は、低確率状態にて大当りが発生する確率の分母(例えば319)の2.5倍以上3倍以下(例えば798回~957回)である。B時短の天井回数は1種類(例えば900回)のみが設定される。低確率状態における図柄変動の累計回数が規定の天井回数(例えば900回)に到達した場合、天井回数となる図柄変動の終了後に入球容易状態に移行される。つまり、天井回数に到達した図柄変動の次の図柄変動から入球容易状態となる。なお、天井回数に到達した図柄変動の終了後(停止後)に入球容易状態に移行するため、例えば、天井回数に到達した図柄変動の終了後(停止後)に第1の抽選値の保留または第2の抽選値の保留が残存しておらず、天井回数に到達した図柄変動の次の図柄変動が開始しなくても、天井回数に到達した図柄変動の終了後(停止後)における遊技待機中(図柄停止中)において入球容易状態となっている。低確率状態における図柄変動の累計回数は、大当りの発生またはRAMクリア処理によって初期化されるが、B時短への移行を契機としては初期化されない。B時短中に大当りが発生せずにB時短が終了した場合、その後に大当りが発生しなければB時短用の天井回数が初期化されないため、その後に大当りが発生しなければB時短に再度移行されることはない。
C時短は、低確率状態において当否判定の結果が大当り以外となり、当否抽選値または図柄抽選値が特定範囲となることを契機に移行される入球容易状態である。例えば、C時短に移行可能であることを示す特定図柄(C時短用図柄ともいう)が用意され、低確率状態においてC時短用図柄が停止表示されることを契機にC時短に移行される。低確率状態ではない場合、つまり、高確率状態である場合には、C時短用図柄が停止表示されてもC時短には移行されない。C時短用図柄は、大当り以外であることを示す図柄である。小当りを備えない遊技機におけるC時短用図柄は、はずれであることを示す図柄であり、小当りを備える遊技機におけるC時短用図柄は、はずれであることを示す図柄、または、小当りであることを示す図柄である。大当りが発生せずに低確率状態が継続している場合、低確率状態が継続する間にC時短に複数回移行されてもよい。例えば、C時短中に大当りが発生せずにC時短が終了した場合、その後に大当りが発生しなくても、C時短用図柄の停止表示を契機としてC時短に再度移行されてもよい。C時短は、低確率かつ低入球状態においてC時短用図柄が停止表示される場合にのみ移行可能であってもよい。この場合、低確率かつ高入球状態においてC時短用図柄が停止表示された場合にはC時短に移行されなくてもよい。つまり、A時短、B時短またはC時短の実行中にC時短用図柄が停止表示された場合にはC時短に移行されない。この場合、第1特別図柄51のみにC時短用図柄が用意され、第2特別図柄52にはC時短用図柄が用意されなくてもよい。A時短、B時短またはC時短の実行中にC時短用図柄が停止表示された場合にC時短に移行されない仕様において、第2特別図柄52のみにC時短用図柄が用意され、第1特別図柄51にはC時短用図柄が用意されなくてもよい。C時短は、低確率かつ高入球状態においてC時短用図柄が停止表示される場合に移行可能であってもよい。例えば、A時短、B時短またはC時短の実行中にC時短用図柄が停止表示された場合、A時短、B時短またはC時短を終了して、C時短に移行してもよい。この場合、第1特別図柄51および第2特別図柄52の双方にC時短図柄が用意されてもよいし、第2特別図柄52のみにC時短用図柄が用意され、第1特別図柄51にはC時短用図柄が用意されなくてもよい。
図51は、特別図柄の変動開始処理の一例を示すフローチャートである。図51に示される処理は、特別図柄の変動表示が開始される直前に実行される。つまり、図51のフローの処理後に特別図柄の変動表示が開始される。変動開始処理の最初に、現在の遊技状態が記憶される(S1300)。記憶される遊技状態には、確率状態(低確率状態または高確率状態)、入球状態(低入球状態または高入球状態)、変動パターン選択状態、図柄の累計変動回数(高入球状態の累計変動回数および低確率状態の累計変動回数)などが含まれる。現在の遊技状態が高確率状態であれば(S1302のY)、転落判定を実行する(S1304)。転落判定に当選した場合(S1306のY)、低確率状態に移行する(S1308)。低確率状態に移行される場合であって、高入球状態の残回数が0であれば(S1310のY)、低入球状態に移行し(S1312)、低確率状態にて当否判定を実行する(S1314)。S1310にて高入球状態の残回数が0でなければ(S1310のN)、S1312の処理をスキップし、低確率状態にて当否判定を実行する(S1314)。S1306にて転落判定に当選しなかった場合(S1306のN)、高確率状態が継続され、高確率状態にて当否判定が実行される(S1316)。S1316の当否判定の結果が大当りであり(S1318のY)、高入球状態の残回数が0であれば(S1320のY)、低確率かつ低入球状態に移行する(S1322)。S1318にて当否判定の結果が大当り以外である場合(S1318のN)や、S1320にて高入球状態の残回数が0でなければ(S1320のN)、S1322の処理がスキップされ、高確率かつ高入球状態が維持される。S1302にて現在の遊技状態が低確率状態であれば(S1302のN)、S1304~S1312の処理がスキップされ、低確率状態にて当否判定が実行される(S1314)。
S1310およびS1320の「高入球残回数」とは、高入球状態に移行後の累計変動回数が所定回数に到達するまでの残回数のことをいう。図51における「高入球状態の残回数」は、特別遊技の終了後に入球容易状態に移行した場合(つまりA時短)において、特別遊技の終了後に移行される入球容易状態の累計変動回数が所定回数(120回や220回など)に到達するまでの残回数であってもよい。高入球状態に移行されると、高入球状態の残回数として所定回数(例えば120回)がセットされる。高入球状態の残回数は、図柄停止時に減算される。したがって、高入球状態の初回の図柄変動の停止時には、残回数が所定回数から1減算された回数(例えば119回)となる。高入球状態の図柄変動回数が所定回数(例えば120回目)となる図柄変動に係る変動開始処理では、高入球状態の残回数が1となる。したがって、高入球状態の図柄変動回数が所定回数(例えば120回目)となる図柄変動に係る変動開始処理での高入球残回数は0ではないため、S1310の処理はNとなり、変動開始処理にて低入球状態に移行されない。一方、高確率かつ高入球状態に移行後の図柄変動回数が所定回数以内(例えば1回目~120回目)となる図柄変動において転落判定に当選しない場合、所定回数を超える(例えば121回目以降の)図柄変動に係る変動開始処理での高入球残回数は0となる。高入球残回数が0の状態で転落判定に当選した場合(S1306のY)、低確率状態に移行され(S1308)、S1310の処理がYとなることで、低入球状態に移行される(S1312)。つまり、高確率かつ高入球状態に移行後の図柄変動回数が所定回数を超える(例えば121回目以降の)図柄変動に係る転落判定に当選した場合、変動開始処理にて低確率かつ低入球状態に移行される。また、高確率かつ高入球状態に移行後の図柄変動回数が所定回数以内(例えば1回目~120回目)となる図柄変動に係る変動開始処理にて転落判定に当選せずに大当りとなる場合(S1318のY)、高入球残回数が1以上であるため、S1320の処理がNとなることで、高確率かつ高入球状態が維持される。一方、高確率かつ高入球状態に移行後の図柄変動回数が所定回数を超える(例えば121回目以降の)図柄変動に係る変動開始処理にて転落判定に当選せずに大当りとなる場合(S1318のY)、高入球残回数が0であるため、S1320の処理がYとなることで、変動開始処理にて低確率かつ低入球状態に移行される。
つづいて、当否判定の結果および図柄抽選値に基づいて特別図柄の図柄種類が決定される(S1324)。次に、変動パターン選択状態が決定され(S1326)、決定された変動パターン選択状態およびパターン抽選値に基づいて特別図柄の変動パターンが決定される(S1328)。S1326の変動パターン選択状態の決定処理では、例えば、S1300にて記憶された変動開始前の遊技状態と、S1326の時点での遊技状態とに基づいて変動パターン選択状態が決定されてもよい。
図52は、特別図柄の図柄停止処理の一例を示すフローチャートである。図52に示される処理は、特別図柄の停止表示の開始を契機に実行され、特別図柄が停止してから次の図柄変動が開始するまでの停止表示期間内に実行される。大当り以外(はずれまたは小当り)となることを示す特別図柄が停止表示され(S1330のY)、高入球状態の残回数が0より大きければ(S1332のY)、高入球状態の残回数を1減算する(S1334)。S1334の処理は、高入球状態に移行後の累計変動回数が所定回数(例えば120回)に到達するまでの残回数をカウントする処理であり、時短回数減算処理ともいえる。図52における「高入球状態の残回数」とは、特別遊技の終了後に入球容易状態に移行した場合(つまりA時短)における入球容易状態での累計変動回数が所定回数(120回や220回)に到達するまでの残回数に限られず、大当り以外となる図柄の停止後に入球容易状態に移行した場合(つまりB時短やC時短)における入球容易状態での累計変動回数が所定回数(100回や200回)に到達するまでの残回数であってもよい。S1334の減算処理によって高入球状態の残回数が0となった場合(S1336のY)、低入球状態に移行する(S1338)。高入球状態の残回数が0でなければ(S1336のN)、S1338の処理がスキップされ、高入球状態が継続される。S1332にて高入球状態の残回数が0より大きくなければ(S1332のN)、S1334~S1338の処理がスキップされる。
次に、変動開始処理の最初に記憶された遊技状態が低確率かつ低入球状態であり(S1340のY)、C時短用図柄が停止表示された場合(S1342のY)、C時短用の高入球残回数(例えば100回)をセットし(S1344)、高入球状態に移行する(S1346)。変動開始処理の最初に記憶された遊技状態が低確率かつ低入球状態でない場合(S1340のN)や、C時短用図柄以外が停止表示された場合(S1342のN)、S1344~S1346の処理をスキップする。S1340~S1346の処理は、C時短への移行判定をする処理であり、C時短突入処理ともいえる。
次に、図柄停止時の現在の遊技状態が低確率状態であれば(S1348のY)、天井到達残回数を1減算する(S1350)。天井到達残回数とは、低確率状態における累計変動回数がB時短への移行条件となる天井回数に到達するまでの残回数のことをいう。天井到達残回数は、大当りの発生またはRAMクリア処理によって初期化され、天井回数(例えば900回)が天井到達残回数の初期値として設定される。S1350の処理は、B時短への移行条件となる天井回数に到達するまでの残回数をカウントする処理であり、B時短用回数減算処理ともいえる。S1350の減算処理によって天井到達残回数が0となった場合(S1352のY)、B時短用の高入球残回数(例えば200回)をセットし(S1354)、高入球状態に移行する(S1356)。S1348にて現在の遊技状態が低確率状態でない場合(S1348のN)、S1350~S1356の処理をスキップする。S1352にて天井到達残回数が0ではない場合(S1352のN)、S1354~S1356の処理をスキップする。なお、S1354およびS1356の処理にてB時短に突入した場合、天井到達残回数は初期化されず、天井到達残回数は0のままとなる。B時短中の遊技状態は低確率状態であるため、B時短中の図柄停止処理では、S1348がYとなり、S1350にて天井到達残回数が1減算されるため、天井到達残回数は0よりも小さい負の値となって減算されていく。その後、B時短が終了したとしても天井到達残回数は初期化されないため、負の値のまま減算されていくことになり、天井到達残回数が0になることはない。その結果、B時短に移行後に大当りが発生して天井到達残回数が初期化されなければ、B時短に再度移行されることはない。
S1330にて大当りとなることを示す特別図柄が停止表示された場合(S1330のN)、天井到達残回数が初期化され、天井回数(例えば900回)が初期値として設定され(S1358)、低確率かつ低入球状態に移行される(S1360)。その後、特別遊技が開始される。
変形例として、S1346およびS1356にて高入球状態への移行処理を実行するのではなく、高入球状態に移行可能であることを示すフラグをオンにしてもよい。この場合、図52のフローの最後に、高入球状態に移行可能であることを示すフラグがオンであれば高入球状態に移行する処理を実行してもよい。なお、フラグがオフであれば高入球状態に移行する処理がスキップされる。
図53は、実施例に係る遊技フローを示す図であり、複数用意される演出モード間の遷移を示す。本実施例では、遊技状態に応じて選択される演出モードとして、通常モード、A時短モード、B時短モード、C時短モード、潜伏モード、延長モード、特殊モードが用意される。左打ちとなる第1の遊技にて第1特別図柄51が大当りとなる場合、例えば、90%の確率で4R大当りとなり、10%の確率で10R大当りとなる。右打ちとなる第2の遊技にて第2特別図柄52が大当りとなる場合、例えば、100%の確率で10R大当りとなる。図53での大当りを契機とする演出モードの遷移は、通常モードでは、左打ちとなる第1の遊技での第1特別図柄51の大当りを契機とし、通常モード以外のモードでは、右打ちとなる第2の遊技での第2特別図柄52の大当りを契機とする。特殊モードは、遷移前の演出モードにて第2の抽選値が遷移直前に保留されている場合にのみ遷移され、第2の抽選値が保留されていない場合には特殊モードではなく通常モードに遷移する。本実施例では、高確率状態に移行可能な大当り図柄のみが用意され、大当り後の特別遊技中に開放される大入賞口内の特定領域に遊技球が入球するか否かに応じて確率変動状態に移行されるか否かが決定されるよう構成される。本実施例では、4R大当りが特定領域への入球が困難または不可となる特別遊技(大当り図柄B、特定領域に振り分けられる態様を維持する期間が0.05秒)であり、10R大当りが特定領域への入球が容易または可能となる特別遊技(大当り図柄A、特定領域に振り分けられる態様を維持する期間が10秒)である。したがって、本実施例では、4R大当りでは特定領域に遊技球が入球せず、10R大当りでは特定領域に遊技球が入球することを前提として、大当りを契機とする演出モードの遷移を示す。以下の説明においても、これらを前提とする。
通常モードは、遊技状態が低確率かつ低入球状態(低低状態)であり、左打ちとなる第1の遊技に対応する演出モードであり、遊技開始時に設定される初期モードである。通常モードでは右打ち画像は非表示である。通常モードにて4R大当りとなる場合には特別遊技の終了後にA時短モードに移行される。通常モードにて10R大当りとなる場合には特別遊技の終了後に潜伏モードへ移行される。通常モードにおいて、低確率状態の図柄変動の累計回数が規定の天井回数(例えば900回)に到達した場合、B時短モードに移行される。通常モードにおいてC時短用図柄が停止表示された場合、C時短モードに移行される。
A時短モードは、遊技状態が低確率かつ高入球状態(低高状態)であり、右打ちとなる第2の遊技に対応する演出モードである。A時短モードでは右打ち画像が表示される。A時短モードは、高入球状態の継続回数(つまり終期)が200回に設定されている。A時短モードにて大当りとなる場合、特別遊技の終了後に潜伏モードへ移行される。A時短モードにて高入球状態の所定の終期(200回)に到達した場合、所定の終期(200回目)となる図柄変動の終了後に特殊モードに移行される。
A時短モードに移行された場合、A時短モードへの移行契機となった特別遊技の実行により、低確率状態の図柄変動の累計回数(例えば天井到達残回数)が初期化される。A時短モードの終期回数(200回)は、B時短モードへの移行条件となる天井回数(900回)よりも少ないため、A時短モードの実行中にB時短モードへの移行条件が充足されることはない。したがって、A時短モードからB時短モードに直接移行されることはない。変形例として、A時短モードの終期回数がB時短モードへの移行条件となる天井回数よりも大きい場合には、A時短モードにおける図柄変動の累計回数が規定の天井回数に到達することを契機にB時短モードに移行されてもよい。
A時短モードにおいてC時短用図柄が停止表示された場合、C時短モードに移行不可であってもよい。例えば、低確率かつ低入球状態においてのみC時短モードに移行可能であり、低確率かつ高入球状態においてはC時短モードへ移行不可であってもよい。A時短モードは、C時短モードに比べて遊技者にとって有利な状態であり、A時短モードの継続回数(200回)は、C時短モードの継続回数(100回)よりも多い。したがって、A時短モードの開始後にC時短モードに移行されてしまうと、高入球状態の残回数が極端に減ってしまう可能性があり、遊技者にとって不利な状態となりうる。このような事態を防ぐため、A時短モードからC時短モードへの移行が禁止される。なお変形例では、A時短モードにおいてC時短用図柄が停止表示された場合にC時短モードに移行可能であってもよい。例えば、低確率かつ高入球状態においてC時短図柄が停止した場合にC時短モードへ移行されるようにしてもよい。
B時短モードは、遊技状態が低確率かつ高入球状態(低高状態)であり、右打ちとなる第2の遊技に対応する演出モードである。B時短モードでは右打ち画像が表示される。B時短モードは、高入球状態の継続回数(終期)が200回に設定されており、高入球状態の継続回数がA時短モードと同じである。B時短モードは、例えば、A時短モードと同様の演出が実行可能である。B時短モードにて大当りとなる場合、特別遊技の終了後に潜伏モードへ移行される。B時短モードにて高入球状態の所定の終期(200回)に到達した場合、所定の終期(200回)となる図柄変動の終了後に特殊モードに移行される。低確率かつ低入球状態においてのみC時短モードに移行可能な仕様の場合、B時短モードにおいてC時短用図柄が停止表示された場合、C時短モードに移行されない。変形例では、B時短モードにおいてC時短用図柄が停止表示された場合にC時短モードに移行されてもよい。なお、B時短モードにおける高入球状態の継続回数は、A時短モードにおける高入球状態の継続回数よりも多くなるよう設定してもよく、例えば、500回や1000回などに設定してもよい。
C時短モードは、遊技状態が低確率かつ高入球状態(低高状態)であり、右打ちとなる第2の遊技に対応する演出モードである。C時短モードでは右打ち画像が表示される。C時短モードは、高入球状態の継続回数(終期)が100回に設定されており、高入球状態の継続回数がA時短モードやB時短モードに比べて少ない。したがって、C時短モードは、A時短モードやB時短モードに比べて遊技者にとって不利といえる。C時短モードは、例えば、A時短モードやB時短モードとは異なる演出が実行可能である。C時短モードにて大当りとなる場合、特別遊技の終了後に潜伏モードへ移行される。C時短モードにて高入球状態の所定の終期(100回)に到達した場合、所定の終期(100回)となる図柄変動の終了後に特殊モードに移行される。
C時短モード中に低確率状態の図柄変動の累計回数が規定の天井回数(例えば900回)に到達した場合、C時短モードからB時短モードに移行される。B時短モードは、C時短モードよりも高入球状態の継続回数が多く、C時短モードよりも遊技者にとって有利であるため、C時短モードからB時短モードへの移行は禁止されなくてもよい。A時短モードやB時短モードからC時短モードへの移行を禁止するために低確率かつ低入球状態においてのみC時短モードに移行可能な仕様の場合、C時短モードにおいてC時短用図柄が停止表示された場合、C時短モードに再移行されない。変形例においては、C時短モードにおいてC時短用図柄が停止表示された場合にC時短モードに再移行される仕様であってもよい。例えば、C時短モードにおける50回目の図柄変動にてC時短用図柄が停止表示された場合、停止表示を契機にC時短モードがいったん終了し、新たなC時短モードが開始され、高入球状態の終期が100回に再設定されてもよい。
潜伏モードは、遊技状態が高確率かつ高入球状態(高高状態)または低確率かつ高入球状態(低高状態)であり、右打ちとなる第2の遊技に対応する演出モードである。潜伏モードでは右打ち画像が表示される。潜伏モードの開始時の遊技状態は、高確率かつ高入球状態(高高状態)であるが、潜伏モードの途中で転落判定に当選した場合、低確率かつ高入球状態(低高状態)に移行される。なお、特別遊技中のV入賞により高確率状態への移行が確定する「玉確」の仕様である場合、特別遊技中にV入賞した場合に潜伏モードの開始時に高確率状態となり、特別遊技中にV入賞しない場合には潜伏モードの開始時に低確率状態となってもよい。潜伏モードは、少なくとも所定回数(120回または220回)まで高入球状態が継続する。潜伏モードにおいて高入球状態が継続可能な所定回数は、例えば、潜伏モードへの移行契機となった大当り図柄の種類に応じて決定され、例えば、第2特別図柄52の大当り図柄である大当り図柄a、b、c、d、eのうち、大当り図柄a~cについては所定回数が120回に設定され、大当り図柄d~eについては所定回数が220回に設定される。潜伏モードにて大当りとなる場合、特別遊技の終了後に潜伏モードへ移行される。潜伏モードにおける図柄変動回数が所定回数(120回または220回)以内となる図柄変動にて転落判定に当選した場合、所定回数(120回目または220回目)となる図柄変動の終了後に特殊モードに移行される。潜伏モードにおける図柄変動回数が所定回数(120回または220回)以内となる図柄変動にて転落判定に当選しなかった場合、所定回数(120回目または220回目)となる図柄変動の終了後に延長モードに移行される。
延長モードは、遊技状態が高確率かつ高入球状態(高高状態)であり、右打ちとなる第2の遊技に対応する演出モードである。延長モードは、延長モードにて転落判定に当選するまで継続され、転落判定に当選した場合、転落判定に当選した図柄変動の終了後に特殊モードに移行される。延長モードにて大当りとなる場合、特別遊技の終了後に潜伏モードへ移行される。延長モードにて転落判定に当選した場合、転落判定の直後に低確率かつ低入球状態(低低状態)に移行される。したがって、延長モードにて転落判定に当選した図柄変動における遊技状態は低確率かつ低入球状態(低低状態)であり、転落判定に当選した図柄変動の停止時には天井到達残回数が1減算される。延長モードでは、転落判定または当否判定に当選する図柄変動の開始直前まで右打ち画像が表示され、転落判定または当否判定に当選する図柄変動の開始を契機に右打ち画像が非表示となる。なお、延長モードの最終変動にて天井到達残回数が減算されることを契機にB時短モードに移行されることはない。特別遊技の終了後から延長モードの最終変動の直前までの遊技状態は高確率かつ高入球状態であるため、天井到達残回数が初期値(例えば900回)のままとなるためである。延長モードの最終変動の停止時に天井到達残回数が1減算されると、減算処理後の天井到達残回数は、初期値から1減算した値(例えば899回)となる。
特殊モードは、遊技状態が低確率かつ低入球状態(低低状態)であり、左打ちとなる第1の遊技に対応する演出モードである。特殊モードでは右打ち画像は非表示である。特殊モードは、入球容易状態の終了時に第2の抽選値が保留されている場合に移行され、第2の抽選値を消化することにより第2特別図柄52が変動表示される。特殊モードでは、特殊モードにおいてのみ実行可能な特殊演出が実行可能であり、例えば、通常モード、時短モード、潜伏モードおよび延長モードでは実行されない特殊演出が実行される。特殊モードでは、例えば、大当りの発生により高入球状態に戻れるか否かを煽るような演出が実行される。特殊モードにて大当りとなる場合、特別遊技の終了後に潜伏モードへ移行される。特殊モードにて第2の抽選値の保留が全て消化された場合、通常モードに移行される。
特殊モードでは第2特別図柄52が変動表示されるため、C時短用図柄が第1特別図柄51のみに用意される場合、特殊モードにてC時短用図柄が停止表示されることはない。この場合、特殊モードからC時短モードに直接移行されることはない。なお、C時短用図柄が第2特別図柄52に用意される場合(C時短用図柄が第2特別図柄52にのみ用意される場合、または、C時短用図柄が第1特別図柄51および第2特別図柄52の双方に用意される場合)、特殊モードにおいてC時短用図柄が停止表示され、C時短用図柄の停止表示後に特殊モードからC時短モードに直接移行されてもよい。
本実施例の遊技フローでは、高入球状態において選択される時短モード、潜伏モードまたは延長モードが終了した場合、第2の抽選値の残存保留が消化されるまで共通の特殊モードに移行される。高入球状態では、第2始動口12に遊技球が入球しやすい状態となっているため、第2の抽選値の保留が最大(例えば4個)となる状態が維持されることが多く、時短モード、潜伏モードまたは延長モードが終了時に第2の抽選値が保留されていることがほとんどである。したがって、時短モード、潜伏モードまたは延長モードの終了後には、ほとんどのケースで特殊モードに移行され、第2の抽選値の残存保留が消化されてから通常モードに移行される。なお、時短モード、潜伏モードまたは延長モードの終了時に第2の抽選値の保留がなければ、特殊モードではなく、通常モードに直接移行される。
なお、本実施例に係る遊技フローにて発生しうるイレギュラーな状況として、右打ちすべき遊技中において、第2特別図柄52ではなく、第1特別図柄51が大当りとなることが考えられる。本実施例において、高確率状態に移行可能な大当り図柄のみが用意され、大当り後の特別遊技中に開放される大入賞口内の特定領域に遊技球が入球するか否かに応じて確率変動状態に移行されるか否かが決定されるよう構成する場合、4R大当りは特定領域への入球が困難または不可となる特別遊技(大当り図柄B、特定領域に振り分けられる態様を維持する期間が0.05秒)であり、10R大当りは特定領域への入球が容易または可能となる特別遊技(大当り図柄A、特定領域に振り分けられる態様を維持する期間が10秒)であるため、4R大当りの特別遊技の終了後は低確率状態となる。したがって、右打ち遊技中(つまり、A時短モード、B時短モード、C時短モード、潜伏モードおよび延長モード)において第1特別図柄51が4R大当りになってしまうと、特別遊技終了後に移行される遊技状態は低確率状態となってしまう。特別遊技終了後に移行される遊技状態が低確率状態となる場合、原則としてA時短モードに移行することが考えられるが、右打ち中に大当りとなったにも拘わらず、再度A時短モードに移行してしまうと遊技者に与える不利益が大きい。そこで本実施例では、右打ち遊技中に第1特別図柄51が4R大当りとなる場合、A時短モードに移行させるのではなく、低確率かつ高入球状態220回が設定される潜伏モードに移行されるようにする。4R大当りの特別遊技終了後に移行される潜伏モードは、開始時の遊技状態が低確率かつ高入球状態であるイレギュラーな潜伏モードといえる。イレギュラーな潜伏モードにて設定される低確率かつ高入球状態の継続回数(220回)は、A時短モードにて設定される低確率かつ高入球状態の継続回数(200回)よりも多い。イレギュラーな潜伏モードに移行される場合の継続回数(220回)をA時短モードの継続回数(200回)よりも多くすることで、右打ち遊技中に4R大当りとなる不運な事象が発生した場合であっても、遊技者に与える不利益が過度に大きくなることを防止できる。なお、イレギュラーな潜伏モードにて設定される低確率かつ高入球状態の継続回数は、A時短モードの継続回数(200回)よりも多い任意の数(例えば500回)であってよい。
以下、本実施例において特徴的ないくつかの態様について説明する。
(態様2-1:大当り期待度および時短突入期待度を示唆する変動演出)
図54は、変動演出の過程の一例を示す図である。特別図柄の変動開始から停止表示までの1回の図柄変動期間内において、装飾図柄の変動表示を伴う図柄変動演出が実行可能である。図柄変動演出では、大当りとなる期待度を示唆する特定演出が実行可能である。複数種類の特定演出があり、少なくとも第1特定演出、第2特定演出および第3特定演出がある。大当りとなる期待度の高さは、第1特定演出<第2特定演出<第3特定演出の順である。つまり、第2特定演出は、第1特定演出よりも大当りとなる期待度が高いことを示唆し、第3特定演出は、第1特定演出および第2特定演出よりも大当りとなる期待度が高いことを示唆する。
第1特定演出の一例は、ロングリーチ演出であり、ノーマルリーチ演出よりも大当りとなる期待度が高いが、SPリーチ演出よりも大当りとなる期待度が低い。ロングリーチ演出の具体例として、登場するキャラクタにまつわるエピソードが物語形式で順に表示されていくエピソード演出や、キャラクタが特定のミッションを達成するまでの過程が表示されるミッション演出などが挙げられる。第1特定演出の実行後は、大当りとなる場合と、大当り以外(はずれまたは小当り)となる場合がある。第1特定演出の実行後に大当り以外となる場合、C時短モードには移行されない。つまり、第1特定演出の終了を契機にC時短用図柄が停止表示されることはない。第1特定演出の実行後に大当りとならない場合、C時短モードへの移行が否定される。
第2特定演出の一例は、SPリーチ演出である。SPリーチ演出の具体例として、メインキャラクタが敵キャラクタとバトルする過程が表示されるバトル演出などが挙げられる。第2特定演出の実行後は、大当りとなる場合と、C時短用図柄が停止表示される場合とがある。第2特定演出の実行後は、C時短用図柄とは異なる大当り以外の図柄が停止表示されることはない。したがって、第2特定演出は、大当りになるか、C時短モードに移行されることを示唆する。第2特定演出が実行された場合、大当りを契機とする第1入球容易状態へ移行されるか、C時短用図柄の停止を契機とする第2入球容易状態へ移行される。したがって、第2特定演出が実行された場合、入球容易状態への移行(つまり時短突入)が確定する。
第3特定演出の一例は、全回転演出であり、複数の装飾図柄列が同じ図柄となった状態で、複数の装飾図柄列が同期して変動表示される演出である。例えば、三つの装飾図柄列の図柄組み合わせが111→222→333→444→555→・・・となるように変動表示される。第3特定演出は、大当りが確定する演出であり、第3特定演出の実行後には必ず大当りとなり、大当り以外にはならない。
特定演出の実行後に大当りとなる場合、特定演出の終了を契機に装飾図柄が大当り態様にて仮停止表示または停止表示されてもよい。例えば、第1特定演出、第2特定演出または第3特定演出の実行後に、複数の装飾図柄列が同じ図柄(例えば777)となって仮停止表示または停止表示され、特別図柄が大当りを示す図柄にて停止表示される。複数の装飾図柄列が同じ図柄となる場合、777であれば10R大当りが確定し、777以外(222や666など)であれば4R大当りが確定する。なお、複数の装飾図柄列が777以外(222や666など)となる場合、4R大当りまたは10R大当りのいずれであるかが確定せず、4R大当りになる場合と10R大当りになる場合とがあってもよい。第1特定演出が実行されて大当りになる場合よりも、第2特定演出が実行されて大当りになる場合のほうが10R大当りになる確率が高い。第1特定演出が実行されて大当りになる場合および第2特定演出が実行されて大当りになる場合、複数の装飾図柄列が777よりも777以外となりやすい。また、第2特定演出が実行されて大当りになる場合よりも第3特定演出が実行されて大当りになる場合のほうが10R大当りとなる確率が高い。第3特定演出が実行されて大当りになる場合、複数の装飾図柄列が777以外よりも777となりやすい。
1回の図柄変動期間内に複数の特定演出が実行されてもよい。1回の図柄変動期間内に第1特定演出および第2特定演出が実行されてもよく、例えば、第1特定演出から第2特定演出に発展してもよい。一方で、第1特定演出から第3特定演出には発展不可であってもよい。第2特定演出から第3特定演出に発展可能であってもよいし、発展不可であってもよい。第1特定演出から第3特定演出に直接発展不可である一方、第1特定演出から第2特定演出を経由して第3特定演出に発展可能であってもよい。ただし、第2特定演出から第1特定演出に発展することはなく、第3特定演出から第1特定演出や第2特定演出に発展することもない。第1特定演出から第2特定演出や第3特定演出に発展する場合、第1特定演出がはずれ態様(エピソード演出が最後まで展開されない演出態様)にならず、第1特定演出が大当り態様(エピソード演出が最後まで展開される演出態様)にもならず、第1特定演出が発展態様(エピソード演出の途中で「バトル発展!」の文字や「全回転!」の文字が表示される演出態様)になってから第2特定演出や第3特定演出に発展する。第2特定演出から第3特定演出に発展する場合、第2特定演出がはずれ態様(バトル演出で敗北する演出態様)にならず、第2特定演出が大当り態様(バトル演出で勝利する演出態様)にもならず、第2特定演出が発展態様(バトル演出の途中で可動役物66が虹色に発光して画面が徐々に白んでいく演出態様)になってから第3特定演出に発展する。
特定演出の終了を契機に復活演出が実行されてもよい。復活演出は、いったんはずれとなるように見せかけた後に、大当りになる演出である。復活演出は、例えば、複数の装飾図柄列がはずれ態様にて仮停止した後に実行され、復活演出の実行後に複数の装飾図柄列が大当り態様にて停止表示される。復活演出では、例えば、複数の装飾図柄列がはずれ態様にて仮停止した状態において、演出ボタン109を押下することを指令する「ボタン演出」や、演出レバー112を引くことを指令する「レバー演出」が実行されてもよい。復活演出では、大当りの確定を報知する報知演出が実行されてもよい。報知演出の一例は、可動役物66が作動する役物作動演出であり、例えば、虹色の点灯色にて役物作動演出が実行される。
復活演出は、第2特定演出の終了を契機に実行可能である一方、第1特定演出または第3特定演出の終了を契機として実行不可であってもよい。第2特定演出の終了を契機に実行可能な復活演出は、バトル演出の続きの演出ではなく、バトル演出の背景表示からノーマルリーチ演出が実行される際の背景表示に戻ったうえで、可動役物66が虹色の点灯色にて作動する役物作動演出であり、役物作動演出の実行後に複数の装飾図柄列が同じ図柄になる。第2特定演出の終了を契機に復活演出が実行される場合、大当りが確定してもよい。つまり、第2特定演出の終了を契機に復活演出が実行される場合、C時短用図柄が停止表示されなくてもよい。つまり、第2特定演出の終了を契機に復活演出が実行される場合、C時短モードへの移行が否定されてもよい。第2特定演出の実行後に復活演出が実行される場合、復活演出の実行前にバトルに敗北したことを示す失敗演出が実行されてもよい。第2特定演出の実行後に失敗演出(前述したはずれ態様)が実行される場合、復活演出が実行されて大当りになる場合と、復活演出が実行されずにC時短に移行される場合とがあってもよい。第2特定演出の実行後に失敗演出が実行されない場合、第2特定演出の実行後にバトルに勝利したことを示す成功演出(前述した大当り態様)が実行され、大当りになってもよい。
第2特定演出が実行される図柄変動期間において、第2特定演出の実行前および実行中の少なくとも一方において、1回以上の予告演出が実行可能であってもよい。予告演出は、擬似連続変動演出において装飾図柄が停止表示されたかのように見せる仮停止表示や、仮停止表示において仮停止後の演出内容を示唆する擬似連専用図柄の仮停止表示であってもよい。予告演出は、装飾図柄のリーチ態様を伴うリーチ変動演出において、リーチ態様となる前のタイミングで実行されるリーチ前予告や、リーチ態様となった後に実行されるリーチ後予告であってもよい。予告演出は、期待度を示唆する文言やキャラクタ画像の表示が比較的短時間(数秒程度)にわたって表示されるカットイン演出や、期待度がより高い状態に突入ないし発展することを示唆する突入演出であってもよい。予告演出では、期待度の高さに応じて異なる種類のキャラクタが表示されてもよいし、期待度の高さに応じて文字やウィンドウ枠などの表示色が異なってもよい。予告演出は、可動役物66を作動させる役物作動演出であってもよい。予告演出は、演出ボタン109を連打することにより画面の表示内容や表示色が段階的に変化していくボタン連打演出でもよい。予告演出は、第2特定演出が実行される図柄変動期間内に1回も実行されなくてもよいし、1回だけ実行されてもよいし、複数回実行されてもよい。第2特定演出が実行される図柄変動期間内に予告演出を複数回実行可能とすることにより、期待度を段階的に高めていくステップアップ予告演出(またはチャンスアップ演出)が実行されてもよい。第2特定演出が実行される図柄変動期間内に実行可能な予告演出は、大当りとなるか、または、C時短モードに移行されるかの期待度を示唆してもよい。つまり、第2特定演出が実行される図柄変動期間における予告演出の実行態様に応じて、大当り図柄が停止する確率(またはC時短用図柄が停止する確率)が異なってもよい。例えば、第2特定演出が実行される図柄変動期間において、リーチ前予告として第1キャラクタが表示された場合、大当り図柄が停止する確率が40%、C時短用図柄が停止する確率が60%となる一方、リーチ前予告として第2キャラクタが表示された場合、大当り図柄が停止する確率が70%、C時短用図柄が停止する確率が30%となり、リーチ前予告として第3キャラクタが表示された場合、大当り図柄が停止する確率が100%となってもよい。なお、リーチ前予告としていずれのキャラクタが表示されてもC時短用図柄の停止は確定しない。
本態様によれば、複数種類の特定演出のいずれが実行されるかに応じて、単に大当りとなる期待度を示唆するだけでなく、入球容易状態への移行期待度(つまり時短突入期待度)を示唆できる。第2特定演出が実行される場合、大当り期待度が高いことを示唆するとともに、入球容易状態への移行が確定することを示唆できる。つまり、第2特定演出が実行される場合、大当りを契機とする入球容易状態への移行、または、C時短用図柄の停止を契機とする入球容易状態への移行の確定を示唆できる。そのため、第2特定演出の実行後に大当りとならない場合であっても、入球容易状態(C時短モード)への移行が期待できるため、従来に比べて演出の発展先に期待が持てる演出とすることができる。
本態様によれば、特定演出によって大当り期待度と時短突入期待度の双方を示唆できるため、大当り期待度を示唆する演出と、時短突入期待度を示唆する演出とが別々に用意される場合に比べて、演出の興趣を高めることができる。また、大当り期待度を示唆する演出と、時短突入期待度を示唆する演出を別々に用意する場合に比べて、演出の種類数の削減が可能となり、開発工数の過度な増加を抑制できる。
本態様の変形例として、第2特定演出の終了を契機に、C時短用図柄とは異なる大当り以外(例えばはずれ)の図柄が停止されてもよい。本変形例では、第2特定演出が実行された場合、大当りにならなくても、入球容易状態(C時短モード)への移行が期待できるため、従来に比べて演出の発展先に期待が持てる演出とすることができる。
本態様の変形例として、第2特定演出の終了を契機に、B時短モードに突入可能であってもよい。例えば、変動開始処理における天井到達残回数が1であり、大当り以外となる図柄変動の場合に第2特定演出を実行可能としてもよい。この場合、第2特定演出の実行後に特別図柄が大当り以外の図柄で停止表示され、天井到達残回数が0に減算されることにより、B時短モードに突入してもよい。この場合、第2特定演出の実行後に、B時短モードに突入するか、C時短モードに突入するかを煽る分岐演出が実行され、分岐演出の実行後に移行先を報知する報知演出が実行されてもよい。
(態様2-2:ステージチェンジ演出)
図55は、演出態様の切替タイミングの一例を示す図である。図55(a)は、通常モードにおける演出態様の切替タイミングを示す。通常モードでは、低確率かつ低入球状態において第1特別図柄51(特図1)が変動表示される。通常モードは、複数の演出態様を有し、例えば、第1通常演出、第2通常演出および第3通常演出を有する。なお、それぞれを第1通常ステージ、第2通常ステージ、第3通常ステージと称してもよく、これらを総称して「通常ステージ」としてもよい。これらは前述したステージA~Cに相当し、それ以外にも「先読みステージ」を備えてもよい。複数の演出態様は、図柄の変動開始を契機として切り替え可能であり、例えば、第1通常演出→第2通常演出→第3通常演出→第1通常演出→・・・というように演出態様が順番に切り替わる。例えば、図柄の変動開始を契機に第1通常演出から第2通常演出に切り替わる場合(切替1)、第1特別図柄51の変動開始時は第1通常演出が実行されており、変動開始から所定時間(例えば0.5秒)後に第1通常演出が終了し、第2通常演出が開始される。同様に、図柄の変動開始を契機に第2通常演出から第3通常演出に切り替わる場合(切替2)、第1特別図柄51の変動開始時は第2通常演出が実行されており、変動開始から所定時間(例えば0.5秒)後に第2通常演出が終了し、第3通常演出が開始される。演出態様の切り替えは、ステージチェンジ演出ともいわれる。このステージチェンジ演出は、前触れなく瞬間的にステージが切り替わる(例えば第1通常演出から第2通常演出へ切り替わる)ものであってもよいし、ステージチェンジを示す演出(例えば、画面に「STAGE CHANGE」の文字が0.5秒間大きく表示される演出)を介してステージが切り替わる(例えば第1通常演出から第2通常演出へ切り替わる)ものであってもよい。複数の演出態様のそれぞれは、例えば、装飾図柄61が変動表示される画面の背景表示が互いに異なる。
図55(b)は、特殊モードにおける演出態様の切替タイミングを示す。特殊モードでは、低確率かつ低入球状態において第2特別図柄52(特図2)が変動表示される。特殊モードは、低入球状態であるため、第2始動口12に新たな遊技球が入球することは困難である。特殊モードでは、特殊モードに移行される前の高入球状態(時短モード、潜伏モードまたは延長モード)にて保留される第2抽選値が消化される。特殊モードは、第2抽選値の保留が全て消化されるまで継続し、第2抽選値の保留の消化後、特図1の変動表示が可能となる前に終了する。低確率かつ低入球状態において特図1が変動表示されると、通常モードとなる。
時短モード、潜伏モードまたは延長モードでは、各モードに対応した演出態様となる。なお、時短モードは前述したチャンスモードに相当し、潜伏モードと延長モードは前述したラッシュモードに相当する。時短モード、潜伏モードまたは延長モードの最終変動では、各モードの終了を示唆する終了示唆演出が実行される。終了示唆演出は、高入球状態が継続するか否かを煽る演出を含んでもよい。時短モード、潜伏モードまたは延長モードが終了する場合、各モードの終了を報知する終了演出が実行され、特殊モードに移行される。終了演出は、各モードの最終変動における図柄の停止表示前に実行される。終了演出の実行後、時短モード、潜伏モードまたは延長モードに対応する演出から、特殊モードのみで実行可能な特殊演出に演出態様が切り替わる。特殊演出の開始タイミングは、例えば、時短モード、潜伏モードまたは延長モードの最終変動における図柄の停止表示前である(切替3)。特殊演出の開始タイミングは、時短モード、潜伏モードまたは延長モードの最終変動における図柄の停止表示後であってもよく、最終変動における図柄の停止表示中であってもよい。つまり、特殊モードの初回の図柄変動における図柄の変動開始前であってもよい。なお、特殊演出は、特殊モードの初回の図柄変動における図柄の変動開始を契機に開始されてもよい。
特殊モードにて大当りとならない場合、特殊モードは、低入球かつ低確率状態において、第2抽選値の保留がない状態で開始される第2特別図柄(特図2)の変動表示を最終変動として終了する。特殊演出は、特殊モードの最終変動の途中で終了し、特殊モードの最終変動における図柄の停止表示前に通常演出(例えば第1通常演出)が開始される。つまり、特殊演出から通常演出への切替タイミングは、特殊モードの最終変動における図柄の停止表示前である(切替4)。その結果、特殊モードの最終変動における図柄の停止表示後には特殊演出が実行されず、通常演出が実行される。なお、特殊モードの最終変動にて大当りとなる場合、特殊モードの最終変動における図柄の停止表示前に特殊演出から通常演出に切り替えされなくてもよい。例えば、特殊モードの最終変動にて装飾図柄が大当り態様(例えば777)で仮停止表示または停止表示されるタイミングに特殊演出が実行されていてもよい。
本態様によれば、特殊モードの最終変動における図柄の停止表示後に特殊演出が実行されないため、高入球状態(時短モード、潜伏モードまたは延長モード)の終了を契機に遊技を止めてしまった場合であっても、遊技終了後に特殊演出の表示が継続してしまうことを防止できる。仮に、特殊演出の表示が継続することで、特殊モードの終了直後の状態であることが分かってしまうと、B時短への突入条件となる天井到達残回数が比較的多いことが推定できてしまう。大当りを契機としてA時短モードに移行された場合、A時短モードの終了後に移行する特殊モード(特殊演出)の終了時における天井到達残回数は、天井回数(例えば900回)からA時短モードの終期回数(例えば200回)を減算した値(例えば700回)にほぼ等しい。大当りを契機として潜伏モードに移行された場合、特殊モードの終了時における天井到達残回数は、転落判定に当選するタイミングに依存するが、最大で天井回数(例えば900回)にほぼ等しいか、最小でも天井回数(例えば900回)から潜伏モードの継続回数(例えば220回)を減算した値(例えば680回)にほぼ等しい。B時短モードの終了後に特殊モード(特殊演出)に移行された場合、B時短モードへの再移行が不可であるため、特殊モード(特殊演出)の終了時における天井到達残回数は実質的に無限大となる。C時短モードの終了後に特殊モード(特殊演出)に移行された場合のみ、特殊モード(特殊演出)の終了時における天井到達残回数が比較的少ない回数になっている可能性がある。仮に、特殊演出が少なくとも10回の図柄変動にわたって継続する仕様とし、特別遊技の終了からの図柄変動回数を遊技者に報知する回数報知演出(例えば「大当り後120回転!」や「大当り後387回転!」などの表示)が実行されたり、遊技機に接続される外部機器であるデータ表示器(ホール運営側が遊技機に接続するデータ表示器)にて特別遊技の終了からの変動回数が表示されたりする場合、遊技者が把握できる特別遊技の終了からの変動回数と、現在特殊演出の表示が継続する状況とを考慮して、天井到達残回数が多い(つまり、天井到達まで遠い)ことを遊技者が理解できる可能性がある。例えば、特別遊技の終了から600回転目に特殊演出が表示されている状況の場合、591~600回転目に特殊演出に移行したことが分かる。本実施例にて特別遊技の終了から222回転目以降に特殊演出に移行する場合、220回転目までは高確率状態が維持されており、かつ、221回転目以降の転落判定に当選した変動が特殊演出に移行する直前の変動であるため、特殊演出に移行される直前まで高確率状態であった可能性が高いことを理解できる。その結果、回数報知演出にて「大当り後600回転!」と表示されていても、天井到達残回数が300回ではなく、891~900回である可能性を理解できてしまう(ただし、C時短モードの終了後に特殊モード(特殊演出)に移行される可能性もあり、天井到達残回数が891~900回転ではない可能性もある)。そうすると、別の遊技者が遊技を開始しようとする場合に、B時短に突入するまでの天井到達残回数が非常に多い(天井到達まで非常に遠い)可能性を理解することで、遊技意欲が減退してしまう可能性がある。本態様によれば、遊技終了後に特殊演出の表示が継続することを防止することで、別の遊技者が遊技を開始しようとする場合に、遊技を開始することなく、B時短に突入するまでの天井到達残回数を推定可能となることを防止できる。
(態様2-3:操作指示演出)
図56は、操作指示演出を契機とする第1演出の実行過程の一例を示す図である。操作指示演出は、演出ボタン109や演出レバー112といった遊技者から入力操作を受け付ける入力操作手段を模した操作手段画像610(ボタン画像とも称する)を表示し、入力操作手段への入力操作を遊技者に指示する演出である。図56(a)は、操作指示演出の画面例である。操作指示演出では、画面中央に演出ボタン109を模した操作手段画像610が表示され、演出ボタン109の操作を遊技者に促す「押せ!!」の文言が表示される。操作手段画像610の下方には、入力操作が有効となる操作有効期間を示すタイマ画像612が表示され、タイマ画像612のバー614の長さを徐々に短くすることで操作有効期間が終了するまでの残り時間が示される。図示する例は、図柄変動中に実行される操作指示演出であり、画面右下に三列の図柄列で構成される簡易図柄600が変動表示されている。
図56(b)は、操作指示演出の実行後に実行可能な第1演出の実行例であり、第1演出として、可動役物616が画面の手前に登場するように作動する役物作動演出が実行されている。図56(b)の役物作動演出は、図56(a)の操作指示演出にて演出ボタン109が操作されることを契機として、または、タイマ画像612のバー614がなくなって操作有効期間が終了することを契機として実行される。第1演出の実行時には、操作手段画像610が非表示となる。第1演出として役物作動演出以外の演出が実行されてもよく、操作指示演出の実行後に任意の予告演出が実行されてもよい。複数種類の第1演出が用意され、操作手段画像610が非表示となることを契機に複数種類の第1演出のいずれかが実行可能であってもよい。なお、操作指示演出にて演出ボタン109が操作されずに操作有効期間が終了した場合、操作手段画像610が非表示となった後に第1演出が実行されなくてもよい。
図57は、操作指示演出を契機とする第2演出の実行過程の一例を示す図である。図57(a)は、操作指示演出の画面例を示し、上述の図56(a)と同じである。図57(b),(c)は、操作指示演出の実行後に実行可能な第2演出の実行例を示す。第2演出は、第1演出とは異なり、操作手段画像620を表示したまま実行される。第2演出は、演出ボタン109がうまく動作せずに、故障した状態となる演出過程を有する。なお、第2演出中に演出ボタン109が実際に故障しているわけではなく、演出上、演出ボタン109が故障したかのように見せる表現をしている。第2演出用の操作手段画像620は、操作指示演出用の通常の操作手段画像610とは表示態様が異なり、例えば、演出ボタン109の故障を示唆する表示態様となっている。第2演出用の操作手段画像620は、例えば、演出ボタン109が高熱で熔けて変形してしまったような表示態様や、演出ボタン109に衝撃が加わって割れてしまったような表示態様、通常の操作手段画像610にノイズが加わって表示が乱れたような表示態様を有する。第2演出における操作手段画像620の表示態様は、第2演出専用であり、操作指示演出の実行時には使用されない。第2演出用の操作手段画像620の表示位置は、通常の操作手段画像610の表示位置と同じである。
第2演出は、演出ボタン109の故障を示唆するため、演出ボタン109の操作を契機として実行されるのではなく、タイマ画像612のバー614がなくなって操作有効期間が終了することを契機として実行される。そのため、タイマ画像612のバー614がなくなる前に演出ボタン109が操作されても予告演出は何も実行されない。タイマ画像612のバー614がなくなった後は、操作手段画像620の表示が継続されているものの、タイマ画像612が表示されていないため、操作有効期間外であり、入力操作が有効ではない。第2演出の実行中に「あれ?壊れた?」といった演出ボタン109の故障を示唆する文言が表示されてもよい。第2演出の実行中に「もしかして…」といった演出ボタン109の故障によって何かが発生することを示唆する文言が表示されてもよい。
図57(d)は、第2演出の終了後の画面例を示し、装飾図柄602の左右の図柄列が同じ図柄となってリーチ態様となるリーチ発生演出の画面例を示す。図示する例では、第2演出の実行によってリーチとなることが示唆される。第2演出の終了後に実行されるリーチ演出は、大当りとなる期待度が高いSPリーチ演出であってもよい。なお、第2演出の終了後にリーチが発生するのではなく、任意の予告演出が実行されてもよい。第2演出は、何らかの大当り期待度の高い予告演出の発生を事前示唆する事前示唆演出であってもよい。第1演出よりも第2演出のほうが大当り期待度が高いため、第1演出の終了後はリーチとならない場合がある(またはリーチとなる可能性が低い)が、第2演出の終了後は必ずリーチになる(またはリーチとなる可能性が高くなる)ようにしてもよい。第1演出の終了後は大当り期待度の高い予告演出が実行される可能性を低くし、第2演出の終了後は大当り期待度の高い予告演出が実行される可能性を高くしてもよい。
複数種類の第2演出が用意され、第2演出の種類に応じて操作手段画像620の表示態様や、第2演出の開始から終了までの実行時間が異なってもよい。また、第2演出における操作手段画像620の表示態様や実行時間の違いによって、第2演出の終了後に実行される予告演出の期待度が異なってもよいし、第2演出の終了後に大当りとなる期待度が異なっていてもよい。例えば、操作手段画像620の表示態様の変化が大きい場合や、第2演出の実行時間が長い場合に大当りとなる期待度が高くなるようにしてもよい。さらに、第2演出の終了を契機に故障していない通常の操作手段画像610を再度表示し、演出ボタン109の操作を契機に予告演出を必ず実行するようにしてもよい。つまり、第2演出の終了を契機に通常の操作手段画像610が再度表示される場合、第2演出は再実行不可であってもよい。この場合、第2演出の実行時間が長いほど、第2演出の終了後に大当り期待度の高い表示態様となる操作手段画像610が表示される可能性が高くてもよい。なお、第1演出の終了後は操作手段画像610が再度表示されず(または再度表示される確率が低く)、第2演出の実行終了後は操作手段画像610が再度表示される(または再度表示される確率が高くなる)ようにしてもよい。
図56(a)または図57(a)の操作指示演出の実行前には、操作指示演出が発生することを示唆するボタン発生示唆演出(ボタン出現煽り演出とも称する)が実行されてもよい。第1演出が実行される場合のボタン発生示唆演出は、第2演出が実行されるボタン発生示唆演出と同じであってもよい。つまり、ボタン発生示唆演出の実行態様によって、第1演出または第2演出のいずれが実行されるかの区別が不可であってもよい。一方、第2演出の終了後に通常の操作手段画像610を再度表示する場合、第2演出の開始契機となるボタン発生示唆演出とは異なる実行態様のボタン発生示唆演出を第2演出の終了後に実行してもよい。第2演出の終了後に実行されるボタン示唆演出の実行態様は、その後に第1演出が実行可能であり、第2演出が実行不可であることが区別できてもよい。その他、図56(a)または図57(a)の操作指示演出の実行前には、ボタン発生示唆演出が実行されず、第2演出の終了後に操作手段画像610が再度表示される場合にボタン発生示唆演出が実行されてもよい。
操作指示演出の開始時における操作手段画像610の表示態様は、第1演出が実行される場合に複数種類あってもよい。例えば、操作手段画像610の初期表示態様として、例えば、通常色の他に、赤色やキリン柄といった大当りとなる期待度が高い表示態様や、虹色などの大当りの確定を示唆する表示態様が用いられてもよい。一方、第2演出が実行される場合における操作手段画像610の初期表示態様は、第1演出が実行される場合より少なくてもよい。例えば、第2演出が実行される場合における操作手段画像610の初期表示態様は、通常色のみであってもよい。また、第2演出の終了後に操作手段画像610を再度表示する場合、再度表示される操作手段画像610の表示態様は、第2演出の開始時に表示される操作手段画像610の表示態様よりも、大当り期待度が高い表示態様となる可能性が高くてもよい。
本態様によれば、操作指示演出の実行後に、演出ボタン109が正常に動作して第1演出が実行される場合だけでなく、演出ボタン109が正常に動作せずに故障してしまう第2演出が実行される場合がある。このような第2演出を実行可能とすることで、演出ボタン109を操作しても反応しないという違和感を伴う演出を実現でき、演出の興趣を高めることができる。
本態様によれば、第1演出または第2演出のいずれが実行される場合であっても、操作指示演出にて表示される操作手段画像610の初期表示態様が同じ(例えば通常色)になりうるため、通常色の演出ボタン109が表示される場合であっても、発展先に期待が持てる演出にすることができる。
(態様2-4:天井到達残回数示唆)
所定条件の充足を契機に、B時短への突入条件となる天井到達残回数を示唆する特殊演出が実行可能である。特殊演出は、天井到達残回数の具体的な数値を直接的に示すのではなく、天井到達残回数が複数の範囲のいずれに該当するかを示唆する。天井到達残回数が第1範囲(例えば301回以上)であれば、第1特殊演出を実行可能とし、第1範囲とは異なる第2範囲(例えば201回以上300回以下)であれば、第2特殊演出を実行可能とし、第1範囲および第2範囲とは異なる第3範囲(例えば101回以上200回以下)であれば、第3特殊演出を実行可能とする。また、天井到達残回数が第4範囲(例えば1回以上100回以下)であれば、第4特殊演出を実行可能とする。なお、複数の範囲のいずれかに該当する場合に特殊演出を実行しないようにすることで、特定の範囲に該当することが示唆されてもよい。例えば、天井到達残回数が第4範囲(例えば1回以上100回以下)に該当する場合には特殊演出を実行しないようにすることで、第4範囲であることを示唆してもよい。
特殊演出は、特定の遊技状態においてのみ実行可能であってもよい。特殊演出は、低確率かつ低入球状態においてのみ実行されてもよく、例えば、通常モードのみで実行されてもよい。特殊演出は、特定の時短モードにて実行されてもよく、例えば、C時短モードにて実行されてもよい。一方、特殊演出は、A時短モードやB時短モードでは実行されなくてもよい。特殊演出は、高確率状態において実行されなくてもよく、例えば、潜伏モードや延長モードでは実行されなくてもよい。
特殊演出は、特別図柄の変動開始を契機に実行される。図柄の変動開始を契機に特殊演出が実行される場合、その図柄の変動停止前に特殊演出が終了するように特殊演出が実行される。特殊演出の開始から終了までの実行時間は、特殊演出が実行可能な遊技状態において選択可能な変動パターンのうち変動時間が最短となる変動時間内に収まるように設定される。特殊演出の開始から終了までの実行時間は、例えば2秒や3秒である。
特殊演出は、演出表示装置60に表示される演出であってもよい。例えば、図柄変動の開始を契機として特殊演出専用のキャラクタを登場させてもよい。この場合、キャラクタの種類や表示色の違いによって、天井到達残回数が複数の範囲のいずれに該当するかが示唆されてもよい。例えば、青色のキャラクタが登場する場合には第1範囲に該当し、緑色のキャラクタが登場する場合には第2範囲に該当し、赤色のキャラクタが登場する場合には第3範囲に該当してもよい。特殊演出は、スピーカー108から出力される音声による演出であってもよいし、装飾ランプ111を特定色(第1範囲に該当する場合は青色、第2範囲に該当する場合は緑色、第3範囲に該当する場合は赤色)で点滅させるランプ演出であってもよい。
特殊演出は、連続する複数回の図柄変動にわたって実行されてもよい。例えば、連続する複数回の図柄変動のそれぞれに対応する複数回の特殊演出が実行されてもよい。具体的には、図柄の変動開始を契機に1回目の特殊演出が実行され、次の図柄の変動開始を契機に2回目の特殊演出が実行され、さらに次の図柄の変動開始を契機に3回目の特殊演出が実行されてもよい。連続する複数回の図柄変動に対応して複数回の特殊演出が実行される場合、複数回の特殊演出の実行態様は同じであってもよく、1回目の特殊演出が実行される図柄変動の開始時の天井到達残回数に基づいて特殊演出の実行態様が決定されてもよい。なお、各回の特殊演出が実行される図柄変動の開始時の天井到達残回数に基づいて特殊演出の実行態様が決定される場合、連続する複数回の図柄変動に対応して実行される複数回の特殊演出の実行態様が途中で変わってもよい。例えば、1回目の特殊演出の実行時の天井到達残回数が201回であり、2回目の特殊演出の実行時の天井到達残回数が200回であり、3回目の特殊演出の実行時の天井到達残回数が199回である場合、1回目に第2特殊演出(例えば緑色のキャラクタ)が実行され、2回目および3回目に第3特殊演出(例えば赤色のキャラクタ)が実行されてもよい。なお、特殊演出として、大当り期待度を示唆する役割を有する第5特殊演出および第6特殊演出が用意されてもよい。例えば、第5特殊演出(例えば金色のキャラクタ)が実行された場合、第5特殊演出が実行された図柄変動の大当り期待度が高いことが示唆され、第6特殊演出(例えば虹色のキャラクタ)が実行された場合、第6特殊演出が実行された図柄変動が大当り確定であることが示唆されてもよい。
連続する複数回の図柄変動に対応して複数回の特殊演出が実行される場合、特殊演出が終了してから次の特殊演出が開始されるまでの時間間隔は、特殊演出が実行される図柄変動の変動時間に応じて異なりうる。例えば、1回目の特殊演出が実行される図柄変動の変動時間が10秒であり、2回目の特殊演出が実行される図柄変動の変動時間が30秒であり、特殊演出の実行時間が2秒である場合、1回目の特殊演出の終了から2回目の特殊演出の開始までの時間間隔は約8秒であり、2回目の特殊演出の終了から3回目の特殊演出の開始までの時間間隔は約28秒である。
特殊演出は、RAMクリア処理後、電源断復帰処理後または待機デモ画面表示後の図柄変動回数が特定回数(例えば30回)に到達することを契機に実行可能であってもよい。例えば、RAMクリア処理、電源断復帰処理または待機デモ画面表示を契機として特殊演出用のカウンタが初期化されて特定回数がセットされ、図柄の変動停止を契機に特殊演出用のカウンタを1減算してもよい。特殊演出用のカウンタが0になると、次の図柄の変動開始を契機に特殊演出が実行されてもよい。特殊演出用のカウンタは、特殊演出が実行可能な遊技状態においてのみ減算され、特殊演出が実行不可である遊技状態では減算されなくてもよい。特殊演出用のカウンタは、特殊演出が実行不可である遊技状態においても減算可能であってよい。
特殊演出用のカウンタは、特殊演出の実行を契機に初期化されてもよい。例えば、通常モードにおいて特殊演出が実行され、その後に通常モードにおける図柄変動回数が特定回数(例えば30回)に到達した場合、特殊演出が再度実行されてもよい。特殊演出は、特殊演出が実行可能な遊技状態において図柄変動回数が特定回数に到達するごと(例えば30回ごと)に実行されてもよい。
待機デモ画面は、遊技待機中であることを示す画面表示であり、通常遊技において図柄停止中であり、かつ、第1抽選値の保留も第2抽選値の保留も存在しない状況にて所定時間(例えば120秒後)が経過した場合に表示される。待機デモ画面は、通常モードにおいて遊技球の発射が一定時間なされなかった場合に表示されてもよい。待機デモ画面は、通常モード以外では表示されなくてもよい。例えば、C時短モードなどの高入球状態では、遊技球の発射が一定時間なされなかった場合であっても待機デモ画面が表示されなくてよい。
本態様によれば、通常モードにおける図柄変動回数が少なくとも特定回数に到達することを契機に特殊演出が実行されるため、通常モードにおける遊技を継続することで、天井到達残回数の目安を知ることができる。これにより、遊技を継続することによるメリットを遊技者に与えることができる。一方、通常モードにおいて遊技が終了された場合、待機デモ画面が表示され、待機デモ画面表示を契機に特殊演出用のカウンタが初期化されるため、別の遊技者が新たに遊技を開始した直後は、特殊演出の実行が禁止される。これにより、通常モードにおける遊技を継続していない遊技者が天井到達残回数を簡単に知ることができないようにすることができる。例えば、天井到達残回数を確認しながら有利な遊技機を探して遊技を開始するようなハイエナ行為を防止できる。
(態様2-5:潜伏モードにおけるオープニング演出)
特別遊技の終了後に潜伏モードに移行された場合、潜伏モードの開始から少なくとも所定時間が経過するまでの特殊期間にわたって継続可能な特殊演出(オープニング演出ともいう)が実行される。オープニング演出は、潜伏モードの開始から特定回数(例えば20回)以内の図柄変動期間にわたって実行される。潜伏モードの開始から特定回数(例えば20回)以内の図柄変動にて大当りとなる場合、大当りとなる図柄変動にてオープニング演出が終了する。オープニング演出の終盤では、大当りとなるか、潜伏モードが継続してRUSHゾーンに突入するかを煽る分岐演出が実行される。大当りとなる場合、分岐演出にて大当りの確定を報知する役物作動演出が実行され、その後、大当りが確定した状態で変動演出(例えば全回転演出)が実行される。潜伏モードの開始から特定回数(例えば20回)以内の図柄変動にて大当りにならない場合、特定回数(例えば20回目)の図柄変動にてオープニング演出が終了する。特殊期間内に大当りにならない場合、オープニング演出の終盤で分岐演出が実行され、RUSHゾーンへの突入が報知される。RUSHゾーンの突入を報知する演出では、RUSHゾーンの継続回数(100回または200回)が報知または示唆されてもよい。
図58は、オープニング演出の実行過程を示す図である。図58は、オープニング演出が継続しうる図柄変動の最大回数(つまり特定回数)が20回の場合を示す。図58(a)は、オープニング演出が実行される初回変動から最終変動まで全てはずれとなる場合の実行過程を示す。はずれ変動となる場合、初回変動と最終変動の変動時間が相対的に長く、初回と最終を除く中間(2回目~19回目)の変動時間が相対的に短い。例えば、はずれとなる初回変動の変動時間は10秒であり、はずれとなる中間変動の変動時間は2.5秒であり、はずれとなる最終変動の変動時間は25秒であり、初回変動の開始から最終変動の終了までの経過時間は80秒である。オープニング演出では、初回変動から最終変動まではずれとなる場合の80秒の経過時間を利用して、オープニング演出のみで使用される専用動画を継続して再生する。専用動画の内容として、例えばRUSHゾーンにて発生しうる演出の概要説明や前提説明が含まれる。専用動画の再生は、初回変動の開始を契機に開始され、最終変動にて分岐演出が発生する前に終了する。
オープニング演出では複数のタイミングで予告演出が実行可能であり、複数回の予告演出の実行によりステップアップ予告(またはチャンスアップ演出)が実行可能である。複数回の予告演出の実行タイミングおよび実行内容は、専用動画の再生内容と同期している。複数回の予告演出の実行タイミングは、専用動画の再生時間によって決められる。例えば、専用動画の再生開始から30秒後に予告1が実行可能であり、専用動画の再生開始から38秒後に予告2が実行可能であり、専用動画の再生開始から48秒後に予告3が実行可能であり、専用動画の再生開始から55秒後に予告4が実行可能である。予告1では、専用動画に含まれるオープニング演出のタイトル表示に合わせて、タイトル表示の文字が通常色から緑色や赤色などの高期待度色に変化する予告演出が実行される。予告2では、専用動画にてカットインにより登場するキャラクタの種類によって期待度を示唆する予告演出が実行される。予告3では、「この後、衝撃の展開!」といったカットインの有無によって期待度を示唆する予告演出が実行される。予告4では、専用動画に含まれるナレーションの台詞内容やナレーションを担当するキャラクタの種類によって期待度を示唆する予告演出が実行される。オープニング演出が実行される初回変動から最終変動まで全てはずれとなる場合、9回目の図柄変動中に予告1が実行され、12回目の図柄変動中に予告2が実行され、16回目の図柄変動中に予告3が実行され、19回目の図柄変動中に予告4が実行される。これら予告1~4の種類によって、分岐演出の実行後に大当り確定を報知する報知演出が実行され、その後に全回転演出が実行される期待度が示唆される。予告1~4において高期待度の演出内容となるものが多いほど、その後に大当りとなる期待度が高くなる。
図58(b)は、オープニング演出が実行される最終変動にて大当りとなる場合の実行過程を示す。最終変動を除く1回目~19回目の図柄変動は全てはずれとなり、(a)と同様の実行過程となる。最終変動にて大当りとなる場合、専用動画再生期間の終了後に分岐演出が実行され、分岐演出の実行後に大当り確定を報知する報知演出が実行され、その後に全回転演出が実行される。全回転演出の実行時間を確保するため、大当りとなる最終変動の変動時間は、はずれとなる最終変動の変動時間よりも長い。大当りとなる最終変動の変動時間は、例えば85秒であり、はずれとなる最終変動の変動時間(25秒)よりも60秒長い。差分となる60秒の時間を利用して、報知演出、全回転演出および図柄停止時の大当り演出が実行される。
図58(c)は、オープニング演出が実行される中間変動にて大当りとなる場合の実行過程を示し、14回目の図柄変動にて大当りとなる場合を示す。つまり、大当りとなる前の1回目~13回目の図柄変動は全てはずれであり、14回目の図柄変動にて大当りとなる。中間変動にて大当りとなる場合のオープニング演出の実行過程は、(b)の最終変動にて大当りとなる場合の実行過程と同様である。つまり、専用動画再生期間の終了後に分岐演出が実行され、分岐演出の実行後に大当りの確定を報知する報知演出が実行され、その後に全回転演出が実行される。
中間変動にて大当りとなる場合の図柄停止タイミングは、最終変動にて大当りとなる場合の図柄停止タイミングと同じである。大当りとなる中間変動の変動時間は、大当りとなる最終変動の変動時間にはずれとなる中間変動の変動時間を加えたものに等しい。大当りとなる最終変動の変動時間をP(85秒)とし、はずれとなる中間変動の変動時間をQ(2.5秒)とし、オープニング演出の図柄変動の最大回数をN(20回)とし、初回から大当りとなる中間変動までの変動回数をK(14回)とした場合、大当りとなる中間変動の変動時間Pは、P=P+Q(N-K)となる。K=14回の場合、大当りとなる14回目の図柄変動の変動時間は85+2.5×6=100秒となる。
中間変動にて大当りとなる場合の予告演出の実行タイミングは、最終変動まではずれとなる場合や最終変動にて大当りとなる場合と同じである。専用動画の再生開始を起点とすると、予告1は30秒後、予告2は38秒後、予告3は48秒後、予告4は55秒後に実行される。その結果、予告1は、はずれとなる9回目の図柄変動にて実行可能であり、予告2は、はずれとなる12回目の図柄変動にて実行可能である一方、予告3および予告4は大当りとなる14回目の図柄変動にて実行可能となる。したがって、予告3および予告4の実行態様は、予告3および予告4の実行時の当該変動(14回目の図柄変動)が大当りとなることを利用して決定できる。つまり、はずれ変動(例えば、最終変動まではずれ変動)となる場合よりも、予告3および予告4にて高期待度の演出内容が選択されやすいように予告3および予告4の演出抽選の選択確率を設定できる。また予告2は、12回目の図柄変動の開始時点で14回目の図柄変動に対応する抽選値が保留されていれば、先読みによって予告演出の実行態様を決定できる。つまり、はずれ変動(例えば、最終変動まではずれ変動)となる場合よりも、予告2にて高期待度の演出内容が選択されやすいように予告2の演出抽選の選択確率を設定できる。
図58(d)は、オープニング演出が実行される中間変動にて大当りとなる場合の実行過程を示し、3回目の図柄変動にて大当りとなる場合を示す。つまり、大当りとなる前の1回目および2回目の図柄変動ははずれであり、3回目の図柄変動にて大当りとなる。3回目の図柄変動にて大当りとなる場合のオープニング演出の実行過程は、(b)や(c)の実行過程と同じになる。大当りとなる3回目の図柄変動の変動時間は85+2.5×17=127.5秒となる。3回目の図柄変動にて大当りとなる場合の予告演出の実行タイミングは、最終変動まではずれとなる場合や最終変動にて大当りとなる場合と同じである。その結果、全ての予告演出(予告1~予告4)が大当りとなる3回目の図柄変動にて実行可能であり、当該変動が大当りとなることを利用して予告1~予告4の実行態様を決定できる。つまり、はずれ変動(例えば、最終変動まではずれ変動)となる場合よりも、予告1~4にて高期待度の演出内容が選択されやすいように予告1~4の演出抽選の選択確率を設定できる。
図58(e)は、オープニング演出が実行される初回変動にて大当りとなる場合の実行過程を示す。初回変動にて大当りとなる場合の実行過程は、(b)~(d)の実行過程と同じになる。大当りとなる初回変動の変動時間は、はずれとなる初回変動の変動時間(10秒)と、2回目~19回目のはずれとなる中間変動の変動時間の合計(2.5×18=45秒)と、大当りとなる最終変動の変動時間(85秒)とを足した値(140秒)となる。つまり、大当りとなる初回変動の変動時間は、特殊期間の経過時間に等しい。1回目の図柄変動にて大当りとなる場合の予告演出の実行タイミングは、最終変動まではずれとなる場合や最終変動にて大当りとなる場合と同じである。その結果、全ての予告演出(予告1~予告4)が大当りとなる初回変動にて実行可能であり、当該変動が大当りとなることを利用して予告1~予告4の実行態様を決定できる。つまり、はずれ変動(例えば、最終変動まではずれ変動)となる場合よりも、予告1~4にて高期待度の演出内容が選択されやすいように予告1~4の演出抽選の選択確率を設定できる。
オープニング演出における予告演出の実行タイミングでは、制御CPU320からサブCPU310に予告演出の実行タイミングを通知するコマンドが送信される。制御CPU320は、専用動画の再生開始タイミングを起点として動画の再生時間が所定時間となるタイミングにサブCPU310にコマンドを送信する。例えば、専用動画が30秒再生されると予告1の実行タイミングであることを通知するコマンドが制御CPU320からサブCPU310に送信される。同様に、専用動画が38秒再生されると予告2の実行タイミングであることを通知するコマンドが送信され、48秒再生されると予告3の実行タイミングであることを通知するコマンドが送信され、55秒再生されると予告4の実行タイミングであることを通知するコマンドが送信される。サブCPU310(演出決定手段303)は、制御CPU320からコマンドを受信したときの当該変動または保留中の抽選値に基づいて予告演出の実行態様を決定し、予告演出の実行態様を通知するコマンドを制御CPU320に送信する。制御CPU320(演出制御装置313)は、サブCPU310から受信したコマンドにより指定された予告演出を演出表示装置60に表示させる。
オープニング演出が実行される初回から特定回数までの図柄変動では、変動時間を固定するための専用の変動パターン選択状態が使用される。一例として、オープニング演出が継続しうる図柄変動の最大回数に一致する20種類の変動パターン選択状態が用意され、図柄変動ごとに変動パターン選択状態が順に切り替えされる。初回用の変動パターン選択状態では、はずれとなる場合に10秒のはずれ変動パターンが選択され、大当りとなる場合に140秒の大当り変動パターンが選択される。2回目用の変動パターン選択状態では、はずれとなる場合に2.5秒のはずれ変動パターンが選択され、大当りとなる場合に130秒の大当り変動パターンが選択される。3回目用の変動パターン選択状態では、はずれとなる場合に2.5秒のはずれ変動パターンが選択され、大当りとなる場合に127.5秒の大当り変動パターンが選択される。4回目用の変動パターン選択状態では、はずれとなる場合に2.5秒のはずれ変動パターンが選択され、大当りとなる場合に125秒の大当り変動パターンが選択される。一般化すると、初回と最終を除くK回目用の変動パターン選択状態では、はずれとなる場合に2.5秒のはずれ変動パターンが選択され、大当りとなる場合に130-(K-2)×2.5秒の大当り変動パターンが選択される。最終用の変動パターン選択状態では、はずれとなる場合に25秒のはずれ変動パターンが選択され、大当りとなる場合に85秒の大当り変動パターンが選択される。したがって、特殊期間の初回から特定回数までの図柄変動において選択される大当り変動パターンの変動時間は、図柄変動回数が増えるごとに減少する。一方、潜伏モードの初回から特定回数の図柄変動において選択されるはずれ変動パターンの変動時間は、初回と最終を除く中間変動において共通(2.5秒)となる。
特殊期間においては、専用動画の再生とともに、図柄変動回数をカウントダウンする表示がなされてもよい。例えば、初回変動では「あと19回」の表示がなされ、2回目の変動では「あと18回」の表示がなされ、19回目の変動では「あと1回」の表示がなされ、最終変動では「あと0回」の表示がなされる。なお、最終変動では「あと0回」の表示後にカウントダウン表示が非表示になってもよい。その他、最終変動の開始を契機としてカウントダウン表示を非表示としてもよく、この場合には「あと0回」の表示がなされなくてもよい。
特殊期間においては、専用動画の再生とともに、図柄の変動および停止を示すための簡易図柄600が表示される。簡易図柄600は、「簡易装飾図柄」「サブ装飾図柄」「サブ装図」「ミニ装飾図柄」または「ミニ装図」とも称する。簡易図柄600は、特別図柄の変動開始を契機に変動表示され、特別図柄の停止表示に合わせて停止表示される。最終変動を除く1回目~19回目にて大当りとなる場合、最終変動まで全てはずれとなる場合の図柄停止および変動開始タイミングに合わせて、簡易図柄600の仮停止表示および再変動表示がなされてもよい。例えば、初回に大当りとなる場合、はずれとなる初回変動の図柄停止タイミングと同じタイミングに簡易図柄600が仮停止され、はずれとなる2回目の変動開始タイミングと同じタイミングに簡易図柄600が再変動され、その後も簡易図柄600の仮停止および再変動が繰り返される。初回に大当りとなる場合、簡易図柄600の仮停止および再変動が19回実行された後、分岐演出、報知演出および全回転演出が実行され、その後に簡易図柄600が大当り態様にて停止表示される。K回目の中間変動にて大当りとなる場合、初回からK-1回までのはずれ変動では簡易図柄600の停止表示後に次の変動表示が開始され、K回目の大当り変動では簡易図柄600の仮停止後に再変動表示される。K回目の大当り変動では、簡易図柄600の仮停止および再変動がN-K-1回実行される。これにより、最終変動まで全てはずれとなる場合と同じタイミングで簡易図柄600が停止および変動しているかのように見せる疑似連続変動表示が実行される。簡易図柄600を疑似連続変動表示させることで、初回から19回目の図柄変動にて大当りとなっている場合であっても、20回目の図柄変動にて大当りが発生しているかのように見せることができる。また、専用動画の再生途中で簡易図柄600を仮停止表示させることで、大当りの確定を示唆できる。なお、特殊期間では大当り変動以外では装飾図柄602が表示されることはなく、大当り変動における全回転演出のときだけ表示される。また、特殊期間以外(通常モードにおける期間および特殊モードにおける特殊期間以外の期間)では、大当り変動であってもはずれ変動であっても装飾図柄602が表示され、簡易図柄600も常時表示されているが、装飾図柄602が仮停止(擬似連続変動)したとしても、特殊期間とは異なり、簡易図柄600が仮停止することはない。
本態様によれば、オープニング演出が実行される特殊期間に実行される図柄変動の回数が1回からN回(例えば20回)までのいずれであっても、特殊期間内に大当りとなる場合には大当りとなる図柄の停止表示タイミングが同じとなる。つまり、特殊期間の終了を契機として大当りとなる図柄が停止表示される。その結果、1回からN回までのいずれの図柄変動にて大当りが発生したとしても、共通の演出時間を確保することができ、共通の演出時間内で専用動画の再生を含む特殊演出を実行できる。
本態様によれば、特殊期間内に最大でN回(例えば20回)の図柄変動を実行できるため、変動時間が固定された1回の図柄変動のみで特殊期間が構成される場合に比べて、特殊期間内に大当りが発生する確率を高めることができる。その結果、特殊期間の終了時には大当りが発生しやすいという特異な状態を作り出すことができ、オープニング演出の期待度をより高めることができる。
なお、1回の図柄変動ごとに変動パターン選択状態を切り替える仕様とする場合、変動パターン選択状態を20種類用意する必要があり、また、大当り変動パターンも20種類用意する必要がある。そうすると、メインROM292の限られた記憶容量を逼迫させる原因となる。そこで、1回の図柄変動ごとに変動パターン選択状態を切り替えるのではなく、複数回の図柄変動ごとに変動パターン選択状態を切り替える仕様としてもよい。例えば、2回~19回の中間変動においては、3回の図柄変動ごとに変動パターン選択状態を切り替えてもよい。この場合、初回用の第1変動パターン選択状態と、2回目~4回目用の第2変動パターン選択状態と、5回目~7回目用の第3変動パターン選択状態と、8回目~10回目用の第4変動パターン選択状態と、11回目~13回目用の第5変動パターン選択状態と、14回目~16回目用の第6変動パターン選択状態と、17回目~19回目用の第7変動パターン選択状態と、最終用の第8変動パターン選択状態とが用意される。その結果、変動パターン選択状態の種類数を20から8に削減できる。また、変動パターン選択状態ごとに大当り変動パターンを用意すればよいため、大当り変動パターンの種類数も20から8に削減できる。ただし、複数回の図柄変動ごとに大当り変動パターンの種類数を集約して変動時間を共通化することで、初回から特定回数までのいずれの変動で大当りとなるかに応じて、大当りとなる図柄停止のタイミングにずれが生じうる。
図59は、オープニング演出の実行過程の一例を示す図であり、初回から大当りとなる図柄変動までの変動回数に応じて、大当りとなる図柄停止のタイミングに僅かなずれが生じる場合の例を示す。図59(a)は、最終変動で大当りとなる場合を示し、図58(b)の実行過程と同じである。図59(b)~(d)は、2回目~4回目用の第2変動パターン選択状態が選択される図柄変動にて大当りとなる場合を示す。図59(b)は、2回目の図柄変動で大当りとなる場合であり、図59(c)は、3回目の図柄変動にて大当りとなる場合であり、図59(d)は、4回目の図柄変動にて大当りとなる場合である。2回目~4回目のいずれかの図柄変動にて大当りとなる場合、共通の第2変動パターン選択状態に基づいて共通の大当り変動パターンが選択されるため、変動時間が同じとなる。つまり、2回目に大当りとなる場合の大当り変動パターンの変動時間と、3回目に大当りとなる場合の大当り変動パターンの変動時間と、4回目に大当りとなる場合の大当り変動パターンの変動時間とは全て同じである。
図59の例では、3回目の図柄変動にて大当りとなる場合の実行過程を基準に変動時間が定められており、図58(d)の3回目に大当りとなる場合の127.5秒の変動時間を採用している。その結果、図59(c)の3回目に大当りとなる場合に大当り図柄が停止するタイミングは、図59(a)の最終変動にて大当りとなる場合に大当り図柄が停止するタイミングと同じである。一方、図59(b)の2回目に大当りとなる場合に大当り図柄が停止するタイミングは、図59(a)の最終変動にて大当りとなる場合に大当り図柄が停止するタイミングよりも時間t1だけ早くなる。図柄停止タイミングのずれ時間t1は、はずれとなる中間変動の変動時間(2.5秒)に対応する。図59(b)の場合、図59(c)の場合に比べてはずれとなる中間変動の回数が1回少ないためである。逆に、図59(d)の4回目に大当りとなる場合に大当り図柄が停止するタイミングは、図59(a)の最終変動にて大当りとなる場合に大当り図柄が停止するタイミングよりも時間t2だけ遅くなる。図柄停止タイミングのずれ時間t2は、はずれとなる中間変動の変動時間(2.5秒)に対応する。図59(d)の場合、図59(c)の場合に比べてはずれとなる中間変動の回数が1回多いためである。
なお、5回目~19回目にて大当りとなる場合についても同様である。例えば、3の倍数となる6回目、9回目、12回目、15回目および18回目の図柄変動にて大当りとなる場合に大当り図柄が停止するタイミングは、最終変動にて大当りとなる図柄が停止するタイミングと同じである。一方、3の倍数から1減算した5回目、8回目、11回目、14回目および17回目の図柄変動にて大当りとなる場合に大当り図柄が停止するタイミングは、最終変動にて大当りとなる図柄が停止するタイミングよりも時間t1だけ早い。逆に、3の倍数に1加算した7回目、10回目、13回目、16回目および19回目の図柄変動にて大当りとなる場合に大当り図柄が停止するタイミングは、最終変動にて大当りとなる図柄が停止するタイミングよりも時間t2だけ遅い。
図59の例では、初回から特定回数までのいずれの図柄変動にて大当りとなるかに応じて、大当りとなる図柄の停止タイミングにずれが生じるが、ずれ時間を±2.5秒に抑えられるため、大当りとなる図柄の停止タイミングを実質的に同じにできる。その結果、オープニング演出用に実質的に共通の演出時間を確保することができ、かつ、変動パターン選択状態および大当り変動パターンの種類数を抑制してメインROM292の記憶容量の逼迫を防ぐことができる。
特殊期間においては、専用動画が再生されるため、変動開始を契機に実行される抽選によって選択される演出が存在しないか、抽選によって選択可能な演出の種類数が相対的に少ない。一方、特殊期間以外では、専用動画の再生ではなく、図柄の変動パターンに応じた変動演出が実行されるため、変動開始を契機に実行される抽選によって選択される演出が存在し、抽選によって選択可能な演出の種類数が相対的に多い。
特殊期間においては、特殊期間の開始から終了までに実行可能な複数回の図柄変動のいずれで大当りとなったとしても、特殊期間の開始を基準とする大当り演出の実行タイミングは同一、または、実質的に同一である。実質的に同一となる場合、大当り演出の実行タイミングのずれは、特殊期間にて選択可能な最短の図柄変動時間と同じであってもよい。ここで、大当り演出とは、分岐演出の直後に実行される報知演出であってもよいし、報知演出後に実行される全回転演出であってもよいし、装飾図柄が大当り態様(例えば777)にて仮停止表示される演出であってもよい。
特殊期間において選択される変動パターン選択状態の種類数は、特殊期間において実行可能な図柄変動の最大回数と同じであってもよいし、最大回数より少なくてもよく、最大回数の半分以下であってもよい。特殊期間における変動パターン選択状態の遷移回数は、特殊期間において実行可能な図柄変動の最大回数よりも少なくてもよく、最大回数の半分以下であってもよい。
特殊期間においては、図柄の変動開始および停止表示のタイミングとは無関係に進行可能な特殊演出(例えば専用動画の再生)が実行可能である。特殊演出の実行中には、1回以上の予告演出が実行可能であり、複数回の予告演出が実行可能であってもよい。複数回の予告演出の実行により、チャンスアップ演出が実行されてもよい。
特殊期間においては、図柄変動の有無とは無関係に特殊演出が進行してもよい。つまり、特殊期間において、図柄変動に係る抽選値が保留されておらず、図柄変動が停止したまま次の図柄変動が開始されない場合であっても特殊演出が継続して進行し、例えば専用動画の再生が継続されてもよい。特殊演出の実行中に実行可能な予告演出は、特殊演出の進行状況に応じたタイミングで実行されてもよい。つまり、図柄変動の累計回数や図柄変動の有無とは無関係に予告演出が実行されてもよく、図柄変動に係る抽選値が保留されておらず、図柄変動が停止したまま次の図柄変動が開始されない場合であっても予告演出が発生してもよい。特殊期間における最終変動の終了前に特殊演出が終了した場合、特殊演出の終了タイミングに表示される画像が最終変動の終了まで継続表示されてもよい。
特殊期間において、図柄変動がない場合には特殊演出の進行を一時停止してもよい。特殊期間において、図柄変動に係る抽選値が保留されておらず、図柄変動が停止したまま次の図柄変動が開始されない場合、特殊演出の進行を一時停止し、例えば専用動画の再生を一時停止してもよい。特殊演出は、複数の一時停止可能タイミングを有してもよい。複数の一時停止可能タイミングのいずれかにおいて図柄変動がない状態である場合、いずれかの一時停止可能タイミングまで特殊演出の進行を継続し、いずれかの一時停止可能タイミングになったときに特殊演出の進行を一時停止してもよい。特殊演出の一時停止中には、遊技操作をすべき旨の警告表示がなされてもよく、例えば専用動画の一時停止画面に重畳して右打ち警告表示がなされてもよい。警告表示は、専用動画の一時停止と略同一のタイミングで開始してもよいし、専用動画の一時停止から所定時間経過後(例えば、専用動画が一時停止してからも図柄変動が開始されずに5秒経過した後)に開始してもよい。特殊演出の一時停止中に図柄変動が開始された場合、右打ち警告表示が非表示となり、特殊演出の一時停止が解除され、いずれかの一時停止タイミングから特殊演出の進行が再開してもよい。特殊演出の実行中に実行可能な予告演出は、特殊演出の進行状況に応じたタイミングで実行されてもよいし、図柄変動の累計回数に応じたタイミングで実行されてもよい。
本態様の変形例として、特殊期間の初回変動にて大当りとなる場合、特殊演出とは異なる大当り演出が実行可能であってもよい。特殊期間の初回変動にて大当りとなって特殊演出とは異なる大当り演出が実行される場合、大当りとなる図柄の停止タイミングは、特殊期間の最終変動にて大当りとなる図柄の停止タイミングとは異なってもよい。例えば、特殊期間に実行される図柄変動回数がM回(Mは2以上N未満)からN回となる場合には、特殊期間の終了を契機に大当りとなる図柄が停止表示されてもよい。一方、特殊期間に実行される図柄変動回数がM回未満となる場合には、特殊演出が実行されず、特殊期間の終了前に大当りとなる図柄が停止表示されてもよい。なお、本変形例ではない場合、特殊期間に実行される図柄変動回数がM回(Mは1以上N未満)からN回となる場合に、特殊期間の終了を契機に大当りとなる図柄が停止表示されてもよい。
(態様2-6:特殊色演出)
装飾図柄が変動表示される図柄変動演出として、演出表示装置60に通常色の演出表示をする第1演出と、演出表示装置60に通常色とは異なる特殊色の演出を表示する第2演出とが実行可能である。第2演出は、第1演出と同様の演出過程を有するが、演出の表示色のみが第1演出とは異なる。第2演出では、例えば、演出表示装置60の画面全体の表示色が通常色とは異なる特殊色となる。例えば、第1演出では通常のカラー表示となる演出が実行され、第2演出ではモノクロ表示またはネガポジ反転表示となる演出が実行される。第2演出は、例えば、第1演出用の表示画像の表示色を表示制御回路326にて変化させることにより実行される。本態様によれば、画面全体の表示色を特殊色に変化させた第2演出を実行することで、インパクトのある演出を実行できる。また、第1演出用の画像の表示色を画像処理によって変化させるだけで第2演出用の画像を表示できるため、第2演出用に別途画像を用意する必要がなくなり、開発工数の過度な増加を抑制できる。
図60は、通常色の変動演出の実行過程の一例を示す図である。図60(a)は、変動停止時の画面例を示し、画面右下に簡易図柄630の複数の図柄列がはずれ態様となる「112」にて停止表示され、画面中央に装飾図柄632の複数の図柄列がはずれ態様となる「112」にて停止表示されている。画面右上には、右打ちをすべき遊技状態であることを示す右打ち画像634が表示され、画面左下にはRUSHゾーンに滞在していることを示す「RUSH-zone」の滞在ゾーン画像636が表示されている。
簡易図柄630および装飾図柄632は、図柄種類(数字)に応じた表示色が定められている。例えば、図柄「1」はピンク色、図柄「2」は水色、図柄「3」は赤色、図柄「4」は紫色、図柄「5」は緑色、図柄「6」は青色、図柄「7」は金色である。図柄の数字と表示色の対応関係は、簡易図柄630および装飾図柄632において共通である。図柄種類に応じた簡易図柄630および装飾図柄632の表示色を共通化することで、簡易図柄630および装飾図柄632を対応させて表示させることができ、簡易図柄630および装飾図柄632の図柄種類を遊技者により分かりやすく示すことができる。変形例として、簡易図柄630については、視認性を高めるために複数の色を用いず一つの色に統一してもよく、例えば、図柄「1」~「7」のいずれも白色としてよい。
図60(b)は、次の図柄変動の開始直後の状態を示す。画面中央の装飾図柄632は、変動開始直前の停止態様である「112」を起点として変動表示が開始される。一方、画面右下の簡易図柄630は、変動開始直前の停止態様である「112」を起点とするのではなく、「123」の図柄列の組み合わせを起点として変動表示が開始される。つまり、簡易図柄630は、変動開始直前の停止態様によらず、固定的な図柄列の組み合わせを起点として変動表示が開始される。画面右上には右打ち画像634が継続表示され、画面左下には滞在ゾーン画像636が継続表示されている。
図60(c)は、変動開始を契機に開始される予告演出であり、敵キャラクタを全て倒すことで大当りになる(またはスーパーリーチに発展する)ことを示唆する「ストリートバトル演出」への突入画面を示す。画面中央には装飾図柄632の代わりに「ストリートバトル突入!!」の予告画像638が表示されている。 図60(d)は、ストリートバトル演出の画面例を示し、画面中央にメインキャラクタが多数の敵キャラクタを倒していく演出過程を示す演出画像640が表示される。画面右下には簡易図柄630が変動表示される。画面右上には右打ち画像634が継続表示され、画面左下には滞在ゾーン画像636が継続表示されている。
図61は、特殊色の変動演出の実行過程の一例を示す図である。図61の演出過程は、図60の演出過程と同様であるが、演出の表示色が途中から異なっている。図61(a)は、特殊色の変動演出が開始される前の通常色の画面例であり、図60(a)と同じである。図61(b)は、特殊色の変動演出の開始時の画面例を示す。図61(b)の例では、画面全体の表示色がカラーからグレースケールに変更される。例えば、画面の背景表示が黒色となり、画面中央の装飾図柄642がカラー表示からモノクロ表示となり、画面左下の「RUSH-zone」の滞在ゾーン画像646もカラー表示からモノクロ表示となる。つまり、第2演出における装飾図柄642の表示色は、第1演出における装飾図柄632の表示色と異なる。一方で、簡易図柄630および右打ち画像634の表示色は変化しておらず、図60(b)の通常色の変動演出と同様、通常のカラー表示が維持される。つまり、第2演出における簡易図柄630および右打ち画像634の表示色は、第1演出における簡易図柄630および右打ち画像634の表示色と共通である。
図61(c)は、特殊色の変動演出の実行中の画面例を示し、画面全体の表示色がグレースケールのまま変動演出が実行される。例えば、画面の背景表示が黒色のままとなり、画面左下の「RUSH-zone」の滞在ゾーン画像646がモノクロ表示のままとなる。また、画面中央の「ストリートバトル突入!!」の予告画像648もカラー表示からモノクロ表示となる。なお、簡易図柄630および右打ち画像634の表示色は変化しておらず、図60(c)の通常色の変動演出と同様、通常のカラー表示が維持される。
図61(d)は、特殊色の変動演出の実行中の画面例を示し、画面全体の表示色がグレースケールのまま変動演出が実行される。画面の背景表示が黒色のままとなり、画面左下の「RUSH-zone」の滞在ゾーン画像646がモノクロ表示のままとなる。また、画面中央にてメインキャラクタが多数の敵キャラクタを倒していく演出過程を示す演出画像640についてもモノクロ表示となる。なお、簡易図柄630および右打ち画像634の表示色は変化しておらず、図60(c)の通常色の変動演出と同様、通常のカラー表示が維持される。
特殊色の第2演出は、第2演出が実行される1回の図柄変動期間内で終了する。例えば、図柄変動の開始を契機に第2演出が開始された場合、第2演出が開始された図柄変動の終了前に第2演出が終了し、通常色の第1演出に戻る。したがって、図柄の変動開始時および停止表示時は、通常色の第1演出が実行され、図柄の変動表示中に特殊色の第2演出が実行可能である。装飾図柄632の停止表示時において装飾図柄632を通常色で表示することで、装飾図柄632の図柄種類の視認性を高めることができる。
図61(b)の特殊色の変動演出の開始時、つまり、第1演出から第2演出に切り替える場合には、画面全体の表示色を短時間に複数回切り替える移行演出を実行してもよい。移行演出では、例えば、画面全体が点滅するように、通常色の表示状態と特殊色の表示状態とを複数回切り替えてもよい。その他、通常色の画像をグレースケール化した第1特殊色の表示状態と、グレースケール画像の輝度値を反転(いわゆるネガポジ反転)させた第2特殊色の表示状態とを複数回切り替えてもよい。その他、移行演出において、画面全体の輝度を上げて白っぽくした表示状態や、画面全体の輝度を下げて暗くした表示状態などを用いてもよいし、「色変化!」などといった文字を表示してもよい。
第2演出の実行時および移行演出の実行時は、表示色が切り替わる表示物と、表示色が切り替わらない表示物とがあってもよい。例えば、装飾図柄632の表示や、背景表示、滞在ゾーン画像636の表示、保留された抽選値を示す保留表示、演出過程で登場するキャラクタを示す予告画像の表示といった演出に関する表示は、表示色の切り替え対象となる表示物であってもよい。一方、簡易図柄630の表示や右打ち画像634の表示、エラー表示といった遊技に関する表示は、表示色の切り替え対象外となる表示物であってもよい。遊技に関する重要な表示物の表示色を切り替え対象から除外することにより、遊技に関する重要な表示に対する視認性の低下を防止できる。
特殊色の変動演出の終了時、つまり、第2演出から第1演出に切り替える場合には、画面全体の表示色を短時間に複数回切り替える移行演出が実行されなくてもよい。つまり、第2演出から第1演出に戻る際は、画面全体の表示色の切り替えが1回のみであってもよい。
第1演出の実行中に移行演出を実行した後、第2演出に切り替えずに第1演出に戻るガセ移行演出が実行されてもよい。つまり、移行演出の実行により、第2演出への移行を示唆されてもよく、移行演出の実行後に第2演出に切り替わる場合と、第2演出に切り替わらない場合とがあってもよい。
図62は、役物作動演出の実行過程の一例を示す図である。図62(a)は、通常色の変動演出(つまり第1演出)の演出表示装置60の手前に可動役物660が登場するように実行される役物作動演出の実行例を示す。役物作動演出では、可動役物660に含まれるランプなどが特定の点灯態様(点灯色や色変化を含む)で点灯し、可動役物660の動作に付随して演出表示装置60に補助的な演出表示662がなされる。通常色となる第1演出において可動役物660が動作する場合、可動役物660の点灯態様に対応した表示色にて補助的な演出表示662がなされる。例えば、可動役物660が赤色で点灯する場合には、赤色の演出表示662がなされ、可動役物660が虹色で点灯する場合には、虹色の演出表示662がなされる。第1演出における補助的な演出表示662の表示色は、可動役物660の点灯色に応じて異なってもよい。
図62(b)は、特殊色の変動演出(つまり第2演出)の表示画面の手前に可動役物664が登場するように実行される役物作動演出の実行例を示す。第2演出においても、可動役物664の動作に付随する補助的な演出表示666がなされる。特殊色となる第2演出にて役物作動演出が実行される場合の可動役物664の点灯態様は、通常色となる第1演出にて役物作動演出が実行される場合の可動役物660の点灯態様と同じであってもよい。一方、第2演出において可動役物664の動作に付随する補助的な演出表示666の表示態様は、第1演出において可動役物660の動作に付随する補助的な演出表示662の表示態様と異なってもよい。例えば、可動役物664の点灯色が赤色であっても虹色であっても、補助的な演出表示666の表示色はグレースケールまたはモノクロであってもよい。第2演出における補助的な演出表示666の表示色は、可動役物664の点灯色によらず共通であってもよい。
(態様2-7:実行態様を選択可能な示唆演出)
図63は、示唆演出の実行態様が選択可能となる演出過程の一例を示す図である。図柄変動の開始後、実行態様を遊技者が選択するための選択肢が表示される特定演出(実行態様選択演出ともいう)が実行可能である。実行態様選択演出にて第1態様または第2態様を選択すると、大当りとなる期待度を示唆する示唆演出が実行され、示唆演出の実行後に大当りが確定する報知演出が実行されるか、または、はずれとなる図柄が停止表示される。実行態様選択演出では、遊技者が演出ボタン109や十字キー110を操作することにより、示唆演出の実行態様を第1態様とするか、第2態様とするかを遊技者が選択可能である。
示唆演出では、例えば、第2特定演出などのスーパーリーチ演出中に画面全体にわたるカットイン表示がなされ、カットイン表示を段階的に変化(発展)させることで大当りとなる期待度を示唆する。第1態様が選択される場合、カットイン表示を第1段階(銀色)のままとする示唆演出、または、第1段階(銀色)から最終段階(虹色)に変化させる示唆演出が実行可能である。つまり、第1態様が選択される場合には、示唆演出の終了時のカットイン表示の種類として、第1段階と最終段階の2種類のみがある。一方、第2態様が選択される場合、カットイン表示を第1段階(銀色)のままとするか、第1段階(銀色)から第2段階(紫色)、第3段階(赤色)、第4段階(キリン柄)または最終段階(虹色)まで順に変化させる示唆演出が実行可能である。したがって、第2態様が選択される場合には、示唆演出の終了時のカットイン表示の種類として、第1段階、第2段階、第3段階、第4段階および最終段階の5種類がある。なお、選択された実行態様がいずれであったかが選択後にもわかるよう、選択した実行態様に応じてカットイン表示に含まれる表示内容(例えば、登場するキャラクタの種類や台詞内容)を異ならせてもよい。例えば、第1態様が選択された場合のカットイン表示では第1キャラクタが登場したり、第1台詞内容が表示されたりするようにし、第2態様が選択された場合のカットイン表示では第2キャラクタが登場したり、第2台詞内容が表示されたりするようにしてもよい。
示唆演出の終了時のカットイン表示が最終段階(虹色)となる場合、大当りが確定する。したがって、示唆演出にて最終段階(虹色)のカットイン表示になる演出は、大当りが確定する確定演出である。一方、示唆演出の終了時のカットイン表示が最終段階以外となる場合、大当りになる場合もあれば、はずれになる場合もあるため、大当りが確定しない。したがって、示唆演出にて最終段階(虹色)のカットイン表示にならず、第1段階~第4段階のいずれかで変化(発展)が終了する演出は、大当りが確定しない非確定演出である。
第1態様が選択される場合、1種類の確定演出または1種類の非確定演出のいずれかが実行される。第2態様が選択される場合、1種類の確定演出または4種類の非確定演出のいずれかが実行される。したがって、第2態様が選択される場合に実行可能な非確定演出の種類数は、第1態様が選択される場合に実行可能な非確定演出の種類数よりも多い。第2態様が選択されて非確定演出が実行される場合、4種類の非確定演出のいずれが実行されるかに応じて、その後に大当りとなる確率が異なる。具体的には、示唆演出におけるカットイン表示の変化の段階数が増えるにつれてその後に大当りとなる確率が高くなり、示唆演出の終了時のカットイン表示の表示態様について、第1段階<第2段階<第3段階<第4段階の順に大当りとなる確率が高くなる。
第1態様の選択後に大当りとなる場合、例えば、20%の確率で非確定演出が実行され、80%の確率で確定演出が実行される。一方、第2態様の選択後に大当りとなる場合、例えば、75%の確率で非確定演出が実行され、25%の確率で確定演出が実行される。第2態様の選択後に大当りとなる場合、例えば、5%の確率で第1段階のまま終了し、10%の確率で第2段階(紫色)まで発展し、25%の確率で第3段階(赤色)まで発展し、35%の確率で第4段階(キリン柄)まで発展し、25%の確率で第5段階(虹色)まで発展する。したがって、第1態様の選択後に確定演出が実行されて大当りとなる確率(例えば80%)は、第2態様の選択後に確定演出が実行されて大当りとなる確率(例えば25%)よりも高い。また、第1態様の選択後に第1段階のまま示唆演出が終了して大当りとなる確率(例えば20%)は、第2態様の選択後に第1段階のまま示唆演出が終了して大当りとなる確率(例えば5%)よりも高い。
第1態様および第2態様のいずれを選択した場合であっても、確定演出の実行後にはずれと見せかけてから大当りとなる復活演出が実行されることはない。逆に、第1態様および第2態様のいずれを選択した場合であっても、非確定演出の実行後にはずれと見せかけてから大当りとなる復活演出が実行されてもよい。
実行態様選択演出にて第1態様または第2態様が選択可能となる期間(例えば15秒)は、その後に実行される示唆演出(確定演出または非確定演出)の実行期間(例えば5秒)より長くてもよい。実行態様選択演出にて第1態様または第2態様が選択可能となる期間において、1回以上の予告演出が実行可能であってもよい。実行態様選択演出にて実行態様が選択可能となる期間に実行される1回以上の予告演出は、大当りとなる期待度を示唆してもよく、第1態様または第2態様の選択後に確定演出または非確定演出のいずれが実行されるかの期待度を示唆してもよい。例えば、画面端に表示される小さなキャラクタの数が多いほど、第1態様または第2態様の選択後に確定演出または高期待度の非確定演出が実行される期待度が高いことを示唆してもよい。第1態様または第2態様が選択可能となる期間を長めにするとともに、その期間内で1回以上の予告演出を可能とすることで、予告演出の実行内容に応じて、第1態様または第2態様のいずれにすべきかを悩む時間を遊技者に与えることができ、実行態様選択演出の興趣を高めることができる。変形例として、実行態様選択演出にて第1態様または第2態様が選択可能となる期間を、その後に実行される示唆演出(確定演出または非確定演出)の実行期間よりも短くし、遊技者に即時の判断を迫るような演出としてもよい。
示唆演出の実行時間は、発展する段階数に応じて異なってもよく、発展する段階数が多いほど実行時間が長くてもよい。例えば、第1段階から最終段階までの各段階を1秒ずつ実行する場合、示唆演出の実行時間は、第1段階のまま終了する場合に1秒であり、第2段階に発展して終了する場合に2秒であり、第3段階に発展して終了する場合に3秒であり、第4段階に発展して終了する場合に4秒であり、最終段階に発展して終了する場合に5秒である。なお、各段階の実行時間を異ならせてもよく、例えば、第1段階と最終段階の実行時間を相対的に長くし、途中の第2段階から第4段階の実行時間を相対的に短くしてもよい。例えば、第1段階を2秒とし、第2段階から第4段階の各段階を0.5秒とし、最終段階の3秒としてもよい。
第1態様または第2態様の選択後に確定演出が実行される場合、第1態様または第2態様のいずれを選択する場合であっても、第1段階の実行タイミングと最終段階の実行タイミングまでが共通であってもよい。例えば、第2態様の選択後に確定演出が実行される場合、第2段階から第4段階の各段階のカットイン表示が背景表示に重畳して実行される一方、第1態様の選択後に確定演出が実行される場合、第1段階の終了から最終段階の開始までのインターバル期間においてカットイン表示が重畳されずに背景表示が視認可能な状態となってもよい。
本態様の変形例として、第1態様を選択した場合に確定演出が実行可能である一方、第2態様を選択した場合には確定演出が実行不可であってもよい。つまり、第1態様を選択した場合には第1段階から最終段階に発展可能であるのに対し、第2態様を選択した場合には第1段階から第4段階のいずれかで発展が終了し、最終段階に発展不可であってもよい。
(態様2-8:高入球残回数増加演出)
潜伏モードに移行後の特定回数(20回)以内に大当りとならない場合、つまり、オープニング演出の実行中に大当りとならない場合、RUSHゾーンに突入する。RUSHゾーンは、少なくとも100回または200回の図柄変動期間にわたって継続可能である。RUSHゾーンでは、高入球状態が継続可能となる図柄変動の残回数が画面に表示され、図柄の停止表示または変動開始を契機として画面に表示される残回数が1減算される。潜伏モードに移行後の高入球状態の継続可能回数が第1回数(120回)である場合、RUSHゾーンの開始時における高入球状態の継続可能回数は、第1回数(120回)から特定回数(20回)を引いた回数(100回)である。潜伏モードに移行後の高入球状態の継続可能回数が第2回数(220回)である場合、RUSHゾーンの開始時における高入球状態の継続可能回数は、第2回数(220回)から特定回数(20回)を引いた回数(200回)である。
オープニング演出の終了時またはRUSHゾーンの開始時には、RUSHゾーンにおける高入球状態の継続可能回数を報知する報知演出が実行される。潜伏モードに移行後の高入球状態の継続可能回数が第1回数(120回)である場合、RUSHゾーンの開始時に「RUSHゾーン100回転突入!」の報知演出が実行される。潜伏モードに移行後の高入球状態の継続可能回数が第2回数(220回)である場合、RUSHゾーンの開始時に「RUSHゾーン200回転突入!」の報知演出が実行可能である。また、潜伏モードに移行後の高入球状態の継続可能回数が第2回数(220回)である場合、RUSHゾーンの開始時に「RUSHゾーン100回転突入!」の報知演出が実行可能である。この報知演出は、実際の残回数が200回であるにも拘わらず、実際の残回数よりも少ない見せかけの残回数となる100回を報知するため、偽の報知演出といえる。
RUSHゾーンの開始時に偽の残回数を報知した場合、RUSHゾーンの途中で見せかけの残回数を増加させる回数増加演出が実行可能である。例えば、RUSHゾーンの開始時における高入球状態の継続回数が200回であるにも拘わらず、RUSHゾーンの開始時に「RUSHゾーン100回転突入!」の偽の報知演出が実行された場合、RUSHゾーンの途中で「+100回転!!」などの表示がなされる回数増加演出が実行可能である。一方、RUSHゾーンの開始時に実際の残回数が報知された場合、RUSHゾーンの途中で残回数を増加させる回数増加演出は実行されない。
図64は、回数増加演出の実行過程の一例を示す図である。図64(a)は、RUSHゾーンの開始時の報知演出であり、RUSHゾーンの実際の継続回数が200回であるにも拘わらず、「RUSHゾーン100回転突入!」の偽の報知演出が実行される場合の画面例を示す。画面右下には簡易図柄600が表示され、画面右上には右打ち画像634が表示されている。図64(b)は、RUSHゾーンの初回変動時の画面例を示す。画面中央に装飾図柄602が変動表示され、画面左下には「RUSH-zone」の滞在ゾーン画像636が表示されている。画面上部にはRUSHゾーンの継続回数に到達するまでの見せかけの残回数を示す「残り99回」の残回数画像652が表示されている。図64(c)は、回数増加演出の画面例を示す。図64(c)の例では、見せかけの残回数が34回となるタイミングで「+100回転!!」の表示がなされている。図64(d)は、回数増加演出の実行後の画面例を示し、回数増加演出によって残回数画像652によって示される残回数が「残り134回」に増加している。
RUSHゾーンの開始時に偽の残回数を報知した場合、RUSHゾーンにおける図柄変動の開始時に回数増加演出を実行するか否かを決定するための演出抽選が演出決定手段303にて実行される。RUSHゾーンの開始からの図柄変動回数が所定回数(例えば50回)未満となる場合、演出抽選に当選したとしても回数増加演出が実行されない。つまり、RUSHゾーンの開始から所定回数(例えば50回)未満の図柄変動時には回数増加演出の実行が禁止される。一方、RUSHゾーンの開始からの図柄変動回数が所定回数(例えば50回)以上となる場合、演出抽選に当選した図柄変動において回数増加演出が実行される。つまり、RUSHゾーンの開始から所定回数(例えば50回)以上となる図柄変動時には回数増加演出が実行可能となる。なお、RUSHゾーンの開始時に偽の残回数が報知され、偽の残回数が1回となる(つまりRUSHゾーンの開始から99回目の)図柄変動の終了までに回数増加演出が実行されなかった場合、偽の残回数が0回となる(つまりRUSHゾーンの開始から100回目の)図柄変動の開始時に回数増加演出が強制的に実行され、画面に表示される残回数が「残り100回」に増加する。変形例としては、RUSHゾーンの開始からの図柄変動回数が所定回数(例えば50回)未満となる場合、RUSHゾーンにおける図柄変動の開始時に回数増加演出を実行するか否かを決定するための演出抽選を実行せず、RUSHゾーンの開始から所定回数(例えば50回)以上となる図柄変動時には演出抽選を実行可能としてもよい。
RUSHゾーンに移行する前のオープニング演出では、潜伏モードにおける高入球状態の継続可能回数の残回数を表示する代わりに、オープニング演出が終了するまでの図柄変動または疑似連続変動の残回数が表示されてもよい。したがって、オープニング演出の開始時には偽の残回数が表示されることはなく、オープニング演出にて実行可能な図柄変動の最大回数(20回)を起点とする残回数が減算表示される。なお、オープニング演出では、必ずしも図柄変動を契機として残回数が減算されず、図柄の疑似変動を契機として残回数が減算されることがある。また、オープニング演出では、RUSHゾーンの継続可能回数が第1回数であるか第2回数であるかを示唆する予告演出が実行可能である。例えば、オープニング演出中に「回数UP?」の文字が表示される第1予告演出が実行される場合よりも、「回数UP!?」の文字が表示される第2予告演出が実行される場合のほうが第2回数となる可能性が高くなる文字予告演出が実行可能であってもよい。
本態様によれば、RUSHゾーンの開始時に偽の残回数が報知された場合に、RUSHゾーンの開始から所定回数未満となる図柄変動時に回数増加演出の実行を禁止することで、回数増加演出の実行によって遊技者の期待感を効果的に高めることができる。RUSHゾーンの開始からの図柄変動回数が所定回数未満である場合、表示される残回数が大きい(例えば50回以上である)ため、RUSHゾーンの終了までに大当りとならないかもしれないという焦りが小さい。一方、RUSHゾーンの開始からの図柄変動回数が所定回数以上である場合、表示される残回数が小さい(例えば50回未満である)ため、RUSHゾーンの終了までに大当りとならないかもしれないという焦りが大きくなる。RUSHゾーンが終了するかもしれないという焦りが大きくなるタイミングにおいて回数増加演出の実行を可能とすることで、残回数の増加による大当りへの期待感を効果的に高めることができる。
演出抽選によって回数増加演出の実行を決定した場合、演出抽選を実行した当該変動にて回数増加演出が実行されてもよいし、保留される抽選値に対応する変動にて回数増加演出が実行されてもよい。つまり、回数増加演出は、先読みによる演出であってもよい。先読みによって回数増加演出を実行する場合、回数増加演出が実行される図柄変動よりも前の図柄変動中に回数増加演出の実行を事前に示唆する事前示唆演出が実行されてもよい。
(態様2-9:延長モードにおける変動演出)
延長モードでは、複数種類の個別演出が所定の順序で実行可能となる特殊演出が実行される。各個別演出は、複数回の図柄変動にわたって実行可能である。個別演出として、例えば、味方キャラクタが登場する第1個別演出と、敵キャラクタが登場する第2個別演出とがあり、第1個別演出と第2個別演出を交互に実行することで、味方キャラクタと敵キャラクタのバトルが進行する演出が実行される。個別演出では、例えば、味方キャラクタまたは敵キャラクタが登場して特定の台詞を発したり、特定の必殺技を繰り出したりする動画が再生される。なお、個別演出は、変動表示の開始直後に開始される演出であり、変動表示の終了間際に開始されることはない。
図65は、個別演出の実行過程の一例を示す図であり、複数回の図柄変動とともに複数回の個別演出が実行される過程を示す。図65の例では、味方キャラクタが登場する第1個別演出A(1A)、敵キャラクタが登場する第2個別演出A(2A)、味方キャラクタが登場する第1個別演出B(1B)、敵キャラクタが登場する第2個別演出B(2B)が順に実行される流れを示す。各個別演出1A、2A、1B、2Bは、複数回の図柄変動にわたって実行可能である。なお、各個別演出1A~2Bが実行される図柄変動の変動時間は必ずしも一律ではなく、選択された変動パターンに応じて変動時間が異なりうる。個別演出の開始契機となる図柄変動の変動時間が長い場合、個別演出1Bのように、1回の図柄変動内で個別演出が開始して終了してもよい。各個別演出の実行時間は、個別演出の種類によらずに一律でもよい、個別演出の種類に応じて異なってもよい。
延長モードでは、個別演出を実行するか否かの演出抽選を演出決定手段303にて実行し、演出抽選に当選した場合に図柄変動の開始を契機に個別演出を実行する。個別演出が実行される場合、個別演出が途中で中断して別の個別演出が開始されることを防止するため、個別演出が終了するまでは演出抽選が禁止される。例えば、図柄変動の開始を契機に個別演出が開始され、次の図柄変動の開始時において個別演出が継続して実行されている場合、個別演出の継続中は演出抽選が禁止となる。その後、個別演出が終了すると演出抽選の禁止が解除され、演出抽選が許可される。したがって、個別演出の開始を契機に演出抽選が禁止された状態となり、個別演出の終了を契機に演出抽選が許可された状態となる。
個別演出の開始時において、サブCPU310(演出決定手段303)は、制御CPU320(演出制御装置313)に個別演出の開始を指示するコマンドを送信する。サブCPU310は、制御CPU320に開始コマンドを送信すると、演出抽選の実行可否を示すフラグを禁止状態に変更する。開始コマンドは、例えば、個別演出が開始される図柄変動の開始後に送信される。開始コマンドには、個別演出の種類を指定する情報が含まれる。制御CPU320は、サブCPU310から開始コマンドを受信すると、開始コマンドにて指定された個別演出の種類に対応する動画の再生が開始されるように表示制御回路326の動作を制御する。制御CPU320は、個別演出の動画の再生が終了すると、サブCPU310に個別演出の終了を通知するコマンドを送信する。終了コマンドには、終了した個別演出の種類を指定する情報が含まれてもよい。サブCPU310は、制御CPU320から終了コマンドを受信すると、演出抽選の実行可否を示すフラグを許可状態に変更する。
個別演出は、複数回の図柄変動にわたって実行される可能性があるため、複数回の図柄変動が実行可能な状況においてのみ開始されてもよい。例えば、抽選値の保留があり、複数回の図柄変動が連続して実行されることが確定している場合においてのみ個別演出が開始されてもよい。保留数が特定数以上である場合にのみ個別演出が開始可能であってもよい。例えば、個別演出が3回の図柄変動にわたって実行される場合、抽選値の保留数が3個以上または4個である場合にのみ演出抽選を実行してもよい。つまり、変動表示が開始した直後の保留数が3個である場合(保留数が4個の状況から1個消化されることで変動表示が開始した場合)に、個別演出の実行が開始可能となる。一方、保留数が特定数未満である場合には、演出抽選が許可された状態であっても、演出抽選を実行せずにスキップしてもよい。
個別演出の種類として、低期待度個別演出と、高期待度個別演出とがあってもよい。個別演出が開始される図柄変動の開始時に保留される抽選値として、大当りとなる抽選値やリーチ変動となる抽選値といった高期待度の抽選値が含まれる場合、高期待度個別演出を開始してもよい。一方、個別演出が開始される図柄変動の開始時に保留される抽選値として、大当りとなる抽選値やリーチ変動となる抽選値といった高期待度の抽選値が含まれない場合、低期待度個別演出を開始してもよい。また、個別演出が開始される図柄変動(つまり当該変動)が大当りとなる図柄変動やリーチ変動となる図柄変動といった高期待度の図柄変動である場合にも、高期待度個別演出を開始してもよい。一方、個別演出が開始される図柄変動(つまり当該変動)が、大当りとなる図柄変動やリーチ変動となる図柄変動といった高期待度の図柄変動ではない場合には、低期待度個別演出を開始してもよいが、その図柄変動中に保留される抽選値として、大当りとなる抽選値やリーチ変動となる抽選値といった高期待度の抽選値が含まれる(つまり先読みされる)場合には、高期待度個別演出を開始してもよい。
高期待度個別演出の種類数は、低期待度個別演出の種類数よりも少なくてもよい。例えば、低期待度個別演出として、5種類の第1個別演出と、5種類の第2個別演出とが用意され、高期待度個別演出として、2種類の第1個別演出と、2種類の第2個別演出とが用意される。個別演出の開始時に高期待度の抽選値が含まれない状況が継続する場合、低期待度の第1個別演出(味方用)と第2個別演出(敵用)を合計した10種類の低期待度個別演出が所定の順序で(例えば、ストーリーの進行順序やバトルの進行順序に沿って)実行され、第1個別演出と第2個別演出が交互に実行される。一方、個別演出の開始時に高期待度の抽選値が含まれる場合、所定の順序にしたがって次に実行されるべき低期待度個別演出の代わりに、高期待度個別演出が実行されてもよい。つまり、低期待度個別演出の実行順序の途中に差し込まれるようにして高期待度個別演出が実行されてもよい。個別演出の開始時に高期待度の抽選値が含まれる状況が継続する場合、2回以上の高期待度個別演出が連続して実行されてもよい。高期待度個別演出が実行される場合であっても、第1個別演出(味方用)と第2個別演出(敵用)が交互に実行される規則が守られてもよい。低期待度の第1個別演出の次には、低期待度または高期待度の第2個別演出が実行可能であり、低期待度または高期待度の第1個別演出は実行不可であってもよい。低期待度の第2個別演出の次には、低期待度または高期待度の第1個別演出が実行可能であり、低期待度または高期待度の第2個別演出は実行不可であってもよい。高期待度の第1個別演出の次には、低期待度または高期待度の第2個別演出が実行可能であり、低期待度または高期待度の第1個別演出は実行不可であってもよい。高期待度の第2個別演出の次には、低期待度または高期待度の第1個別演出が実行可能であり、低期待度または高期待度の第2個別演出は実行不可であってもよい。
個別演出は、特定の先読み演出(保留変化演出や先読みステージに移行する背景変化演出)の実行中には実行不可であってもよい。演出抽選の実行可否を示すフラグが許可状態であっても、特定の先読み演出の実行中には、特定の先読み演出の実行を優先し、演出抽選を実行せずにスキップすることで、個別演出が実行されないようにしてもよい(または、演出抽選は実行するが、演出抽選に当選しても個別演出が実行されないようにしてもよい)。
個別演出の実行中に電断復帰した場合、電源断復帰処理によって個別演出の実行が中止され、個別演出用の動画が非表示となるが、個別演出が正常に終了していないため制御CPU320からサブCPU310に個別演出の終了コマンドが送信されない。そうすると、電源断復帰後において演出抽選の実行が禁止された状態が継続してしまい、電源断復帰後の延長モードにて個別演出が実行されなくなってしまう。そこで、電源断復帰した場合、電源断復帰時の図柄変動の終了を契機に演出抽選の実行可否を示すフラグを強制的に許可状態に変更してもよい。この場合、電源断復帰時の図柄変動が終了するまでは演出抽選の禁止状態が継続し、電源断復帰後の次の図柄変動の開始を契機に演出抽選が許可状態となり、個別演出の実行が可能となる。
個別演出の実行中または個別演出の終了後に演出ボタン109などへの入力操作を指示する操作指示演出が実行され、操作指示演出の終了後に役物作動演出が実行されてもよい。電源断復帰処理が実行される場合、電源断復帰後に可動役物66が所定の初期化動作をしてもよい。可動役物66の初期化動作中に個別演出が実行される場合、その後に操作指示演出が実行されてもよい。つまり、可動役物66の初期化動作中に入力操作手段を模した操作手段画像が表示されてもよい。可動役物66の初期化動作中に操作手段画像が表示された場合、入力操作手段への入力操作がなされたとしても、役物作動演出が実行されなくてもよいが、可動役物660の動作に付随する補助的な演出表示662については実行されてもよい。
本態様によれば、1回の図柄変動に収まらない個別演出を実行する場合であっても、個別演出の終了前に図柄変動の開始を契機とした別の個別演出が実行されないように制御できるため、演出の整合性を担保できる。また、個別演出の開始コマンドおよび終了コマンドに基づいて演出抽選の許可状態と禁止状態を切り替ることで、制御の煩雑化を防止できる。
(態様2-10:オープニング演出の一時停止処理)
上述の態様2-5にて説明したように、潜伏モードの開始から少なくとも所定時間が経過するまでの特殊期間にわたって特殊演出(オープニング演出)が実行可能であり、オープニング演出では専用動画が再生される動画再生演出が実行される。動画再生演出は、複数回の図柄変動期間にわたって継続的に実行され、複数回の図柄変動期間における変動開始タイミングおよび停止表示タイミングに依存せずに継続実行される。本態様では、動画再生演出の実行中において、図柄変動に係る抽選値が保留されておらず、図柄変動が停止したまま次の図柄変動が開始されない場合、動画再生演出の進行を即時に停止し、維持停止状態の動画を表示する。これにより、遊技がなされていない状況下で専用動画の再生が継続されてしまうことを防止する。
図柄変動に係る抽選値が保留されている場合、図柄が停止表示してから第1時間(例えば0.5秒)の経過後に次の図柄変動に対応する図柄の変動表示が開始される。一方、図柄変動に係る抽選値が保留されている場合、図柄が停止表示してから第1時間(例えば0.5秒)の経過後に次の図柄変動に対応する図柄の変動表示が開始されず、図柄の停止表示が継続する。そこで、図柄が停止表示してから第1時間よりも長い第2時間(例えば1秒)の経過後に次の図柄変動に対応する図柄が変動表示されていない場合、動画再生演出の進行を即時に停止する。一方、図柄が停止表示してから第1時間の経過後に次の図柄変動に対応する図柄が変動表示が開始されている場合、動画再生演出の進行が継続されるようにする。
動画再生演出の実行中においては、動画の進行過程に応じてスピーカー108から音声を出力する音声演出や、装飾ランプ111を点灯させるランプ演出が実行可能である。動画再生演出の停止中においては、図柄が停止表示してから第2時間が経過した時点の動画を一時停止した状態の画像が継続して表示され、音声演出やランプ演出についても一時停止される。一方、動画再生演出の停止中であっても、画面の右上などに右打ち画像が表示され、画面の中央に大きく右打ち警告表示がなされる。また、動画再生演出の停止中であっても、図柄等表示ユニット120における任意のランプ表示(エラー表示、遊技状態表示、図柄表示など)は一時停止されずに継続される。
動画再生演出は、複数の演出分岐点を有してもよく、各演出分岐点以降において専用動画の再生内容が異なってもよい。動画再生演出における各演出分岐点のタイミングは、専用動画の再生時間に応じて決められる。したがって、動画再生演出の実行中に図柄の停止状態が継続して動画の再生が一時停止される場合、動画再生演出の開始から各演出分岐点までの経過時間は、動画の一時停止時間分だけ遅くなる。動画再生演出の実行中に演出分岐点に達した場合、制御CPU320からサブCPU310に演出分岐点であることを通知するフィードバックコマンドが送信される。サブCPU310は、制御CPU320から受信した演出分岐点の通知コマンドに基づいて、各演出分岐点以降のランプ演出や予告演出の実行態様を決定する。フィードバックコマンドに基づいて演出の実行態様を決定することで、動画再生の一時停止によって動画再生演出の開始から各演出分岐点までの経過時間が変化したとしても、演出分岐点ごとに専用動画の再生内容と、ランプ演出や予告演出の実行タイミングを整合させることが可能となる。
本態様によれば、動画再生演出の進行を一時停止する場合に、動画の再生表示および動画の再生内容と連動するランプ演出や予告演出の実行を一時停止することで、動画の再生内容と同期してランプ演出や予告演出を実行できる。一方、動画再生演出の進行を一時停止する場合に、エラー表示や右打ち表示などを継続することで、遊技に関する重要な表示を継続できる。
(態様2-11:変動開始処理の最初に記憶される遊技状態に基づく決定処理)
本実施例では、図51のフローチャートに示されるように、変動開始処理にて転落判定を実行した後に当否判定を実行するため、変動開始処理の最初に記憶される遊技状態と当否判定時の遊技状態が異なることがある。例えば、延長モードにて転落判定に当選した場合、転落判定に当選した図柄変動に係る変動開始処理の開始時は高確率かつ高入球状態であるが、その後の当否判定の実行時は低確率かつ低入球状態である。延長モードは、右打ちの遊技状態であるため、第2特別図柄52が変動することになるが、遊技球の発射が停止され、第2特別図柄52に係る抽選値の保留がなくなった場合、第1特別図柄51が変動する可能性がある。仮に、延長モードにて第1特別図柄51が変動し、第1特別図柄51の変動開始処理にて転落判定に当選し、かつ、当否判定の結果が大当りとなる場合、大当りとなる当否判定の実行時の遊技状態は低確率かつ低入球状態である。そうすると、延長モードに滞在するにも拘わらず、低確率かつ低入球状態にて第1特別図柄51が大当りとなるため、通常モードでの大当りとみなされてしまい、延長モードからA時短モードに移行可能となってしまう。このような状況の発生確率は極めて低いが、発生した場合に遊技者に与える不利益が大きいため、好ましくない。
そこで本態様では、延長モードの滞在中に低確率かつ低入球状態に転落して第1特別図柄51が大当りとなる場合に、A時短モードではなく、潜伏モードに移行可能となるように、変動開始処理の最初に記憶される遊技状態に基づいて特別遊技終了後の遊技状態を決定する。具体的には、大当りとなる場合、図51のS1300の処理で記憶される遊技状態に基づいて特別遊技終了後の遊技状態を決定する。通常モードでは転落判定が実行されないため、通常モードにて大当りとなる場合、変動開始処理の開始時における遊技状態は低確率かつ低入球状態である。一方、延長モードにて転落判定を実行する前の変動開始処理の開始時における遊技状態は高確率かつ高入球状態であるため、変動開始処理の開始時における遊技状態を基準とすることで、その後に転落判定に当選する場合であっても当選しない場合であっても、大当りとなる場合には同じ移行先(潜伏モード)にできる。これにより、遊技状態を適切に遷移させることが可能となる。
本態様によれば、右打ち遊技中(つまり、A時短モード、B時短モード、C時短モード、潜伏モードおよび延長モード)において、第2特別図柄52ではなく、第1特別図柄51が4R大当りになってしまう場合、図51のS1300の処理で記憶される遊技状態(高入球状態)に基づいて特別遊技終了後の遊技状態を決定することで、低確率かつ高入球状態200回が設定されるA時短モードではなく、低確率かつ高入球状態220回が設定される潜伏モードに移行させることができる。これにより、遊技状態を適切に遷移させることが可能となる。上述の通り、図51のS1300の処理で記憶される遊技状態(高入球状態)に基づいて特別遊技終了後の遊技状態を決定することで、延長モードの最終変動にて第1特別図柄51が4R大当りになる場合であっても、低確率かつ高入球状態220回が設定される潜伏モードに移行させることができる。一方、左打ち遊技中に第1特別図柄51が4R大当りになる状況は、通常モードのみで発生し、特殊モードでは発生しえない。通常モードでは、図51のS1300の処理で記憶される遊技状態が低入球状態であるため、低入球状態において第1特別図柄51が4R大当りとなる場合にA時短モードに遷移させる仕様とすることで、遊技状態を適切に遷移させることが可能となる。
また本実施例では、通常モードにてC時短用図柄が停止した場合、C時短モードに移行される。原則的には、低確率かつ低入球状態において第1特別図柄51がC時短用図柄にて停止表示された場合にC時短モードに移行される。このとき、C時短用図柄の停止時の遊技状態を基準としてC時短モードに移行可能とした場合、延長モードにて第1特別図柄51が変動し、第1特別図柄51の変動開始処理にて転落判定に当選し、第1特別図柄51がC時短用図柄にて停止表示された場合にC時短モードへの突入条件を満たしてしまう。延長モードの最終変動にて大当りとならない場合、特殊モードを経由して通常モードに移行される遊技フローとしているため、延長モードからC時短モードに突入可能となることは好ましくない。そこで、本態様では、図52のS1340の処理で示されるように、S1300で記憶された変動開始処理の開始時における遊技状態を基準として、C時短モードへの移行可否を判定する。この場合、延長モードの最終変動において低確率かつ低入球状態にてC時短用図柄が停止したとしても、C時短用図柄が停止する最終変動の変動開始処理の開始時における遊技状態は高確率かつ高入球状態であるため、C時短モードへの移行条件が満たされないことになる。これにより、遊技状態を適切に遷移させることが可能となる。
(態様2-12:転落有無に応じた変動パターン選択状態遷移)
図66は、潜伏モードに移行された場合の変動パターン選択状態の遷移過程の一例を示す図である。図66では、当否判定の結果が大当り以外(はずれ)となる場合に選択されるはずれ変動パターン選択状態の遷移過程を示しており、大当りとなる場合に選択される当り変動パターン選択状態については省略しているが、遷移過程についてははずれ変動パターン選択状態の遷移過程と同様であり、初回変動から特定回数(例えば20回)までの特殊期間、RUSHゾーンの初回からRUSHゾーンの終期回数未満(例えば99回以下または199回以下)、RUSHゾーンの終期回数(例えば100回または200回)、延長モード、特殊モードの順で、当り変動パターン選択状態が遷移する。なお、A時短モード用の変動パターン選択状態、B時短モード用の変動パターン選択状態、C時短モード用の変動パターン選択状態は、それぞれ異なる変動パターン選択状態であるとともに、それぞれ1種類のみ用意され、潜伏モード用のいずれの変動パターン選択状態とも変動パターン選択状態の種類が異なる。また、各時短モードA~C内で変動パターン選択状態が遷移することはない。
潜伏モード用のはずれ変動パターン選択状態として、大別すると、選択状態A、B、C1、C2が用意される。潜伏モードでは、初回変動から特定回数(例えば20回)までの特殊期間において変動パターン選択状態Aが選択される。変動パターン選択状態Aは、オープニング演出を実行するための選択状態であり、例えば、態様2-5にて説明した第1~第8変動パターン選択状態を含む。潜伏モードの初回から特定回数(例えば20回)の図柄変動が終了し、次の(例えば21回目)の図柄変動にて変動パターン選択状態Bが選択され、変動パターン選択状態がAからBに遷移する。変動パターン選択状態Bは、RUSHゾーンの最終変動以外にて選択される選択状態であり、RUSHゾーンの初回からRUSHゾーンの終期回数未満(例えば99回以下または199回以下)の図柄変動にて選択される。この変動パターン選択状態A、Bは、高確率状態であるか低確率状態であるか(転落判定に当選済みであるか否か)にかかわらず、終期回数以内で必ず選択される。RUSHゾーンの終期回数(例えば100回または200回)となる図柄変動にて変動パターン選択状態C1またはC2が選択され、変動パターン選択状態がBからC1またはC2に遷移する。したがって、潜伏モードの最終変動では、2種類のはずれ変動パターン選択状態C1またはC2が選択可能である。変動パターン選択状態C1は、潜伏モードの初回変動から最終変動までの間に転落判定に当選しなかった場合に選択される選択状態であり、潜伏モードの最終変動にて高確率状態が維持される場合に選択される。変動パターン選択状態C2は、潜伏モードの初回変動から最終変動までのいずれかにおいて転落判定に当選した場合に選択される選択状態であり、潜伏モードの最終変動にて低確率状態となる場合に選択される。
潜伏モードの最終変動にて変動パターン選択状態C1が選択された場合、次の図柄変動から延長モードに移行される。延長モード用のはずれ変動パターン選択状態として、2種類の変動パターン選択状態D1、D2が用意される。変動パターン選択状態D1は、延長モードにて高確率状態が維持される場合、つまり、次の図柄変動においても延長モードが継続する場合に選択される。変動パターン選択状態D2は、延長モードにて低確率状態に転落する場合、つまり、次の図柄変動において延長モードが継続せずに特殊モードに移行される場合に選択される。延長モードの初回変動にて転落判定に当選しなかった場合、延長モードの初回変動にて変動パターン選択状態D1が選択される。変動パターン選択状態D1が選択された場合、その後に転落判定に当選するまで変動パターン選択状態D1が選択され、転落判定に当選した図柄変動にて変動パターン選択状態D2が選択され、変動パターン選択状態がD1からD2に遷移する。なお、延長モードの初回変動にて転落判定に当選した場合、初回変動にて変動パターン選択状態D2が選択されるため、延長モードにて変動パターン選択状態D1が選択されることはない。延長モードにて変動パターン選択状態D2が選択される図柄変動は、延長モードの最終変動となり、次の図柄変動から特殊モードに移行される。
特殊モード用のはずれ変動パターン選択状態として、1種類の選択状態Eが選択される。変動パターン選択状態Eは、変動開始時の遊技状態が低確率かつ低入球状態であり、かつ、第2特別図柄52が変動する場合に選択される。第2特別図柄52の保留が全て消化されると、通常モードに移行される。通常モードでは、通常モード用の変動パターン選択状態が選択される。
高確率かつ高入球状態へ移行後の図柄変動回数が所定回数(例えば120回または220回)となる図柄変動に係る変動パターンが決定される際の変動パターン選択状態(C1またはC2)は、高確率かつ高入球状態に移行後の図柄変動回数が所定回数未満(例えば119回以下または219回以下)となる図柄変動に係る変動パターンが決定される際の変動パターン選択状態(AまたはB)とは異なり、所定回数(120回または220回)を超える図柄変動に係る変動パターンが決定される際の変動パターン選択状態(D1またはD2)とも異なる。高確率かつ高入球状態へ移行後の図柄変動回数が所定回数未満(例えば119回以下または219回以下)である場合、転落判定に当選した後に決定される変動パターン選択状態(AまたはB)は、転落判定に当選しなかった後に決定される変動パターン選択基準(AまたはB)と同じである。高確率かつ高入球状態へ移行後の図柄変動の回数が所定回数(例えば120回または220回)以上となる場合であって、当否判定の結果がはずれとなる場合、転落判定に当選した後に決定される変動パターン選択基準(D2)は、転落判定に当選しなかった後に決定される変動パターン選択基準(D1)と異なる。
潜伏モードの最終変動または延長モードの最終変動(延長モードにて転落判定に当選する変動)にてはずれとなる場合、高入球状態の継続可否を報知する演出、または、転落判定の当選有無を報知する演出が実行可能である。例えば、はずれ変動パターン選択状態C1、C2またはD2が選択された場合、高入球状態の継続可否または転落判定の当選有無を報知する報知演出が実行可能な特定の変動パターンが選択可能となる。はずれ変動パターン選択状態C1、C2またはD2が選択された場合、報知演出が実行可能な特定の変動パターンのみが選択可能であってもよい。はずれ変動パターン選択状態C1が選択された場合、右打ち画像634が表示されたまま、リーチ演出が行われずに高入球状態の継続可否を煽る継続煽り演出を実行したうえで高入球状態の継続が確定する高入球状態継続演出が実行される。はずれ変動パターン選択状態C2が選択された場合、右打ち画像634が表示されたまま、リーチ演出が行われずに高入球状態の継続可否を煽る継続煽り演出を実行したうえで高入球状態が継続しないことが確定する高入球状態終了演出および高入球状態が終了するまでの連荘中の賞球獲得総数を報知するリザルト演出が実行される。はずれ変動パターン選択状態D2が選択された場合、変動開始時に右打ち画像634を消去(非表示に)したうえでバトル演出が実行されてはずれとなり、その後に高入球状態終了演出およびリザルト演出が実行される。なお、変動パターン選択状態D1が選択された場合、高入球状態終了演出が実行されない。
潜伏モードの最終変動または延長モードの任意の図柄変動(延長モードにて転落判定に当選する変動もしくは延長モードにて転落判定に当選しない変動)にて大当りとなる場合、当り変動パターン選択状態が選択される。潜伏モードの最終変動または延長モードの任意の図柄変動にて当り変動パターン選択状態が選択された場合、当り変動パターン選択状態に基づいて複数の当り変動パターンのいずれが選択可能であってもよい。複数の当り変動パターンとして、バトル演出を伴わないノーマル当りパターン、バトル演出後にそのまま大当りとなるリーチ通常当りパターン、バトル演出後にはずれとなると見せかけてから大当りとなる復活当りパターン、バトル演出後に高入球状態終了演出およびリザルト演出を実行した後に復活して大当りとなるリザルト復活当りパターンなどが用意されてもよい。延長モードの任意の図柄変動(延長モードにて転落判定に当選する変動もしくは延長モードにて転落判定に当選しない変動)にて大当りとなる場合、変動開始時に右打ち画像634が消去される。潜伏モードの最終変動または延長モードの任意の図柄変動にて大当りとなる場合に選択可能な当り変動パターンの種類数は、例えば2以上であってもよく、3以上または4以上であってもよい。高確率かつ高入球状態へ移行後の図柄変動回数が所定回数(例えば120回または220回)以上となる図柄変動にて大当りとなる場合に選択可能な変動パターンの種類数(例えば4種類)は、高確率かつ高入球状態へ移行後の図柄変動回数が所定回数(例えば120回または220回)以上となる図柄変動にてはずれとなる場合に選択可能な変動パターンの種類数(例えば1種類)より多くてもよい。潜伏モードの最終変動にて大当りとなる場合、右打ち画像634が表示されたまま、継続煽り演出を実行したうえで高入球状態継続演出や高入球状態終了演出を実行するのではなく、突然777が表示されるような大当り演出を実行してもよい。延長モードの任意の図柄変動(延長モードにて転落判定に当選しない変動)にて大当りとなる場合、および、変動パターン選択状態D1が選択される場合、右打ち画像634を消去せずにバトル演出を実行してもよく、大当りとなる場合はバトル演出後にそのまま大当りとなるリーチ通常当りパターンのみが実行されてもよい。変動パターン選択状態D1が選択される場合、バトル演出が実行されてはずれとなるが高入球状態が継続することを報知する継続はずれパターンが実行されてもよい。
延長モードにて転落判定に当選しない場合に選択されるはずれ変動パターン選択状態として、中速時短用変動パターン選択状態D1aおよび高速時短用変動パターン選択状態D1bの2種類が用意されてもよい。例えば、延長モードの初回変動にて転落判定に当選しなかった場合、中速時短用変動パターン選択状態D1aが選択され、その後に転落判定に当選することなく所定条件を充足する場合、例えば延長モードの初回からの図柄変動回数が所定回数以上(例えば100回以上)となる場合に高速時短用変動パターン選択状態D1bが選択される。高速時短用変動パターン選択状態D1bが選択される場合、中速時短用変動パターン選択状態D1aが選択される場合に比べて図柄の変動効率が高められる。例えば、中速時短用変動パターン選択状態D1aが選択される場合には中速時短用変動パターンが選択され、高速時短用変動パターン選択状態D1bが選択される場合には、中速時短用よりも変動時間の短い高速時短用変動パターンが選択される。中速時短用変動パターン選択状態D1aの選択後に所定条件を充足することなく転落判定に当選した場合、高速時短用変動パターン選択状態D1bに遷移することなく、特殊モード用の変動パターン選択状態Eに遷移してもよい。中速時短用変動パターン選択状態D1aの選択後に所定条件を充足した場合、中速時短用変動パターン選択状態D1aから高速時短用変動パターン選択状態D1bに遷移する変動または遷移した後の変動(つまり遷移以降の変動)にて転落判定に当選した場合、特殊モード用の変動パターン選択状態Eに遷移してもよい。
高確率かつ高入球状態に移行後の図柄変動回数が所定回数(例えば120回または220回)以上となる図柄変動にてC時短用図柄が停止する場合、C時短用図柄以外のはずれ図柄が停止する場合と同じ変動パターンが選択可能であり、同じ演出が実行可能であってもよい。また、高確率かつ高入球状態に移行後の図柄変動回数が所定回数(例えば120回または220回)未満となる図柄変動にてC時短用図柄が停止する場合も、C時短用図柄以外のはずれ図柄が停止する場合と同じ変動パターンが選択可能であり、同じ演出が実行可能であってもよい。さらに、高確率かつ高入球状態に移行後の図柄変動回数が所定回数(例えば120回または220回)以上となる図柄変動にて転落判定に当選したうえでC時短用図柄が停止する場合、変動表示中および変動停止時の遊技状態が低確率かつ低入球状態となるが、C時短用図柄以外のはずれ図柄が停止する場合と同じ変動パターンが選択可能であり、同じ演出が実行可能であってもよい。
本態様によれば、高確率かつ高入球状態に移行後に転落判定に当選するタイミングに応じて遊技フローが複雑に分岐する場合であっても、限られた数の変動パターン選択状態を用いて遊技状態を適切に遷移できるため、制御の煩雑化を防止できる。
(態様2-13:図柄停止処理)
本実施例では、入球容易状態として、A時短、B時短およびC時短の3種類が用意される。A時短は、特別遊技の実行を契機に移行可能な入球容易状態であり、B時短およびC時短は、当否判定の結果が大当り以外となることを契機に移行可能な入球容易状態である。B時短は、低確率状態において大当りが発生することなく図柄変動の累計回数が規定の天井回数に到達することを契機に移行される入球容易状態であり、C時短は、低確率状態において当否判定の結果が大当り以外となり、当否抽選値または図柄抽選値が特定範囲となることを契機に移行される入球容易状態であり、例えば、C時短用図柄の停止を契機にC時短に移行可能である。
入球容易状態に関連する図柄停止時の処理として、図52を用いて上述したように、時短回数減算処理と、C時短突入処理と、B時短用回数減算処理とがある。図52の例では、図柄停止時において、時短回数減算処理→C時短突入処理→B時短用回数減算処理の順に処理が実行される。この順序で処理を実行することで、C時短突入条件とB時短突入条件が同時に満たされた場合、C時短突入処理後にB時短突入処理を実行することで、C時短突入処理をB時短突入処理によって上書きできる。つまり、C時短突入条件とB時短突入条件が同時に満たされた場合、C時短よりもB時短が優先され、B時短に移行されることになる。本実施例では、100回まで継続可能なC時短よりも、200回まで継続可能なB時短の方が遊技者に対する有利度が大きいため、C時短が優先されることで遊技者に不利な状況となることを防止できる。
変形例では、C時短における遊技者に対する有利度がB時短の遊技者に対する有利度よりも大きくてもよい。例えば、C時短の継続回数が200回に設定され、B時短の継続回数が100回に設定され、C時短の継続回数がB時短の継続回数よりも大きくてもよい。この場合、図柄停止時におけるC時短突入処理とB時短用回数減算処理の順序を逆にし、時短回数減算処理→B時短用回数減算処理→C時短突入処理の順に処理が実行されてもよい。つまり、遊技者に対する有利度が相対的に低い時短(B時短)に関する処理の実行後に、遊技者に対する有利度が相対的に高い時短(C時短)に関する処理が実行されてもよい。これにより、B時短よりもC時短を優先することができ、C時短よりもB時短を優先させることで遊技者にとって不利な状況となってしまうことを防止できる。
時短回数減算処理にて減算される高入球残回数およびB時短用回数減算処理にて減算される天井到達残回数は、RAMクリア処理後に初期化される。RAMクリア処理後は、強制的に低確率かつ低入球状態となり、高入球残回数は0となり、天井到達残回数は所定の初期値(例えば900回)となる。一方で、時短回数減算処理にて減算される高入球残回数およびB時短用回数減算処理にて減算される天井到達残回数は、電源断復帰処理後に初期化されず、電源断前の回数を維持する。RAMクリア処理後の遊技を開始していない状態における図柄等表示ユニット120のランプ表示は特殊態様となる。例えば、RAMクリア処理後の第1特別図柄表示部41および第2特別図柄表示部42の表示態様は、図柄停止時および図柄変動時とは異なる特殊態様となり、例えば、第1特別図柄表示部41および第2特別図柄表示部42に含まれる全てのランプが点灯した状態となる。この特殊態様は、低確率かつ低入球状態において電源断復帰処理がなされた場合の復帰直後における表示態様と共通である。つまり、第1特別図柄表示部41および第2特別図柄表示部42に含まれる全てのランプが点灯した状態を確認するだけでは、RAMクリア処理後であるのか電源断復帰処理後であるのかが判別できない。なお、電源断復帰処理がなされた場合の復帰直後における表示態様は、電断前の図柄等表示ユニット120の表示態様によらず共通である。
(態様2-14:入球容易状態に関する試験信号および外端信号)
第2始動口12への入球容易性に関する状態として、通常入球状態と、第1入球容易状態と、第2入球用意状態とがある。通常入球状態にて大当りとなる場合、第1入球容易状態(例えばA時短)に移行可能である。通常入球状態にて大当り以外となる場合、第2入球容易状態に(例えばB時短またはC時短)に移行可能である。
第1入球容易状態では、普通図柄抽選の当選確率が高確率(例えば100%)となり、普通図柄抽選の当選した場合の普通電動役物90(いわゆる電チュー、入球変動機構ともいう)の開放時間が短時間(例えば1.5秒)となる。一方、第2入球容易状態では、普通図柄抽選の当選確率が低確率(例えば25%)となり、普通図柄抽選の当選した場合の普通電動役物90の開放時間が長時間(例えば5.5秒)となる。その結果、入球容易状態において右打ちを継続している場合に第2始動口12の入球容易性に関する性能は、第1入球容易状態と第2入球容易状態において略同等となる。
ぱちんこ遊技機100は、試験信号を出力するための試験信号出力端子(不図示)と、外端信号を出力するための外部情報出力端子160とを有する。試験信号出力端子は、試験信号出力処理(図19のS348)にて作成された信号を試験装置に出力する。試験装置は、遊技機外部の装置であり、遊技機における現在の遊技状態や特別電動役物や普通電動役物の作動状況が正常であるかを、遊技機の状態および状況に対応した信号が出力されているか否かで確認するための装置である。外部情報出力端子160は、外部情報出力処理(図19のS354)にて作成された信号を、例えば遊技機に接続される外部機器であるデータ表示器(ホール運営側が遊技機に接続するデータ表示器)に出力する。
試験信号出力端子は、第1入球容易状態であることを示す第1試験信号が出力される第1端子と、第2入球容易状態であることを示す第2試験信号が出力される第2端子とを少なくとも有する。外部情報出力端子は、第1入球容易状態、第2入球容易状態または特別遊技中であることを示す時短中信号が出力される第3端子と、第2入球容易状態の開始を示す第2時短開始信号が出力される第4端子と、第2入球容易状態であることを示す第2時短中信号が出力される第5端子とを少なくとも有する。試験信号出力端子は、時短中であることを示す試験信号を出力する端子を有しなくてもよい。基本的には、A時短モード、潜伏モードおよび延長モードは第1入球容易状態に対応し、B時短モードおよびC時短モードは第2入球容易状態に対応する。
図67は、入球容易状態に関する試験信号および外端信号の出力の一例を示す図である。図67では、通常モード(通常入球状態)にて大当りとなり、特別遊技の終了後に第1入球容易状態に移行し、第1入球状態にて大当りとならずに特殊モード(第2特別図柄52の保留が消化される通常入球状態)に移行し、特殊モードの終了後に通常モードに移行し、その後に第2入球容易状態に移行され、第2入球容易状態にて大当りとならずに特殊モードに移行し、特殊モードの終了後に通常モードに移行する場合を示す。
第1試験信号は、第1入球容易状態においてのみオン状態となり、それ以外はオフ状態となる。第1試験信号は、通常入球状態、第2入球容易状態および特別遊技の実行中においてオフ状態である。第1入球容易状態の最終変動(例えば、A時短モードの最終変動や、当否判定時の遊技状態が低確率状態となる潜伏モードの最終変動)にてはずれとなって特殊モードに移行される場合、第1入球容易状態の最終変動の図柄停止を契機に第1試験信号がオン状態からオフ状態となる。なお、潜伏モードにて転落判定に当選せず、延長モードに移行された場合、延長モードにて転落判定または当否判定に当選した図柄変動の開始を契機に第1試験信号がオン状態からオフ状態になる。
第2試験信号は、第2入球容易状態においてのみオン状態となり、それ以外はオフ状態となる。第2試験信号は、通常入球状態、第1入球容易状態および特別遊技の実行中においてオフ状態である。第2入球容易状態(B時短モードまたはC時短モード)の最終変動にてはずれとなって特殊モードに移行される場合、第2入球容易状態の最終変動の図柄停止を契機に第2試験信号がオン状態からオフ状態となる。
第1試験信号は、第2入球容易状態においてオフ状態となり、第2試験信号は、第1入球容易状態においてオフ状態となるため、第1試験信号と第2試験信号が同時にオン状態となることはない。第1試験信号および第2試験信号を別個に設けることで、第1入球容易状態と第2入球容易状態を明確に区別することができ、遊技機の試験において時短種別を確実に区別することができる。
第2試験信号は、B時短およびC時短に共通の信号であってもよい。第2試験信号は、B時短用とC時短用に別々に用意されてもよい(例えば、B時短用試験信号である第2試験信号BとC時短用試験信号である第2試験信号Cとを有していてもよい)。試験信号出力端子は、B時短用試験信号を出力する端子と、C時短用試験信号を出力する端子とを別々に有してもよい。B時短用試験信号は、B時短中のみオン状態となり、C時短中はオフ状態となる。C時短用試験信号は、C時短中のみオン状態となり、B時短中はオフ状態となる。したがって、B時短用試験信号とC時短用試験信号が同時にオン状態となることはない。
時短中信号は、第1入球容易状態および第2入球容易状態に共通の信号であり、高入球状態が継続している場合にオン状態となる。時短中信号は、第1試験信号がオン状態となる場合および第2試験信号がオン状態となる場合にオン状態となる。時短中信号は、特別遊技の実行中においてオン状態となる。第1入球容易状態や第2入球容易状態で大当りして特別遊技が実行され、その特別遊技の実行後に第1入球容易状態に移行される場合、特別遊技の実行前後の入球容易状態および特別遊技の実行中にわたってオン状態となる。時短中信号は、低確率かつ低入球状態にて第1特別図柄51が変動される場合、つまり、通常モードに滞在する場合はオフ状態であるが、第1入球容易状態または第2入球容易状態が終了した直後に低確率かつ低入球状態にて第2特別図柄52が変動される場合(つまり、特殊モードに滞在する場合)にはオン状態が継続する。時短中信号は、第1入球容易状態または第2入球容易状態が終了して特殊モードに移行される時点ではオン状態が継続し、特殊モードが終了して通常モードに移行されるタイミング(つまり、第1入球容易状態または第2入球容易状態が終了した直後に残存する第2抽選値の保留が全て消化され、残存する最後の第2抽選値に対応する第2特別図柄52が停止表示するタイミング)でオン状態からオフ状態に切り替わる。なお、時短中信号は、第1入球容易状態または第2入球容易状態の最終変動が停止することでオフ状態になってもよい。その場合、延長モードにて転落判定または当否判定に当選した図柄変動においても、その図柄が停止表示されることでオフ状態になる。
第2時短開始信号は、第2入球容易状態の開始を契機にオン状態となり、オン状態が一定時間(例えば1秒間)継続した後にオフ状態に切り替わる。第2時短開始信号は、例えば、第2時短中信号がオフ状態からオン状態に切り替わるときにオン状態となる。第2時短開始信号は、B時短およびC時短の開始に共通の信号であってもよい。第2時短開始信号として、B時短用とC時短用に別々の信号が用意されてもよい。例えば、外部情報出力端子160は、B時短開始信号を出力する端子と、C時短開始信号を出力する端子とを別々に有してもよい。
第2時短中信号は、第2入球容易状態に特化した時短中信号であり、第2入球容易状態の開始を契機として高入球状態が継続している場合にオン状態となる。第2時短中信号は、低入球状態から第2入球容易状態に移行される場合にオン状態となる。第2時短中信号は、第2入球容易状態が終了するタイミング、つまり、第2入球容易状態の最終変動が停止することでオフ状態となる。そのため、低確率かつ低入球状態にて第1特別図柄51が変動される場合、つまり、通常モードに滞在する場合はオフ状態である。第2時短中信号は、第2入球容易状態にて大当りとなった場合、大当りとなった図柄の停止を契機にオフ状態となる。第2時短中信号は、特別遊技中および特別遊技後に移行される第1入球容易状態ではオフ状態となる。なお、変形例として、第2入球容易状態が終了した直後の低確率かつ低入球状態にて第2特別図柄52が変動される場合(つまり、特殊モードに滞在する場合)にはオン状態を継続してもよく、その場合、第2入球容易状態が終了して特殊モードに移行される時点ではオン状態が継続し、特殊モードが終了して通常モードに移行されるタイミング(第2入球容易状態が終了した直後に残存する第2抽選値の保留が全て消化されて、残存する最後の第2抽選値に対応する第2特別図柄52が停止表示するタイミング)でオン状態からオフ状態に切り替わる。
外端信号として、時短中信号を設けることで、遊技者にとって有利な状態が継続しているか否かを容易に把握することができる。また、第2時短開始信号を設けることで、大当りを契機としない時短突入の有無を確実に把握できる。時短中信号とは別に第2時短中信号を設けることで、大当りを契機としない時短突入中の状況をより適切に把握することができる。
図68は、入球容易状態に関する試験信号および外端信号の出力の一例を示す図であり、大当りが発生することなく複数の時短状態が継続する例を示す。図68では、第1入球容易状態にて大当りが発生せずに特殊モードに移行され、特殊モード中の変動にてC時短用図柄が停止して第2入球容易状態(C時短モード)に移行され、C時短モードの途中で天井到達残回数が0になってB時短モードに移行される場合を示す。なお、第2特別図柄52にC時短用図柄が用意されていることを前提とする。
図68の例において、第1試験信号は、第1入球容易状態でのみオン状態となり、特殊モード、第2入球容易状態(C時短モードおよびB時短モード)ではオフ状態となる。第2試験信号は、第1入球容易状態および特殊モードではオフ状態となり、第2入球容易状態(C時短モードおよびB時短モード)では継続してオン状態となる。時短中信号は、継続してオン状態である。第2時短開始信号は、C時短モードの開始時にオン状態となるが、B時短モードの開始時にはオン状態とならない。B時短モードの開始時には、第2入球容易状態ではない状態から第2入球容易状態に移行していないためである。第2時短中信号は、第1入球容易状態および特殊モードではオフ状態となり、第2入球容易状態(C時短モードおよびB時短モード)では継続してオン状態となる。
時短中信号は、特殊モードから通常モードに移行された初回変動にて第2入球容易状態への移行条件が成立した場合、通常モードの初回変動の開始を契機に時短中信号がオフ状態にならずにオン状態が継続してもよい。なお、特殊モードから通常モードに移行された初回変動にて第2入球容易状態への移行条件が成立した場合、通常モードの初回変動の開始を契機に時短中信号がオフ状態になり、第2入球容易状態が開始する図柄変動の開始を契機にオン状態になってもよい。
時短中信号は、入球容易状態にてC時短用図柄の停止または天井到達残回数が0となることを契機に第2入球容易状態に移行される場合、オン状態が継続してもよい。一方、第2時短開始信号は、入球容易状態にてC時短用図柄の停止または天井到達残回数が0となることを契機に第2入球容易状態に移行される場合、第2入球容易状態の開始時にオンになってもよいし、ならなくてもよい。第2時短中信号は、第1入球容易状態から第2入球容易状態に直接移行する場合、第2入球容易状態においてオフ状態のままであってもよいし、オン状態になってもよい。
時短中信号は、第1入球容易状態の最終変動にてC時短用図柄が停止し、第2入球容易状態(C時短モード)に移行される場合においてオン状態のままであってよい。例えば、延長モードの最終変動では、低確率かつ低入球状態に転落した状態でC時短用図柄が停止しうる。例えば、C時短モードへの突入条件の一つとして、図柄停止時に低確率状態であることを条件とする場合、延長モードの最終変動の図柄停止時の遊技状態は低確率状態であるため、延長モードの最終変動にてC時短用図柄が停止した場合にC時短に移行可能となる。この場合、延長モードの終了、つまり、第1入球容易状態の終了後に第2入球容易状態に移行され、時短中信号のオン状態が継続してもよい。一方、変動開始時に低確率状態であることを条件としてC時短モードに移行可能とする場合、延長モードの最終変動の変動開始時の遊技状態は高確率状態であるため、延長モードの最終変動にてC時短用図柄が停止したとしてもC時短には移行されない。この場合、延長モードの終了、つまり、第1入球容易状態の終了を契機として時短中信号がオン状態からオフ状態に切り替わってもよい(つまり、C時短モードに移行しなくてもよい)。
以上、本実施例のいくつかの態様について説明した。本実施例に記載の技術は、前提技術1または第1実施例に記載のぱちんこ遊技機100に適用されてもよいし、前提技術2に記載のスロットマシン1010に適用されてもよい。例えば、態様2-3に記載の操作指示演出や、態様2-7に記載の実行態様を選択可能な示唆演出は、前提技術2にて示したスロットマシンに適用することも可能であり、カジノやゲームセンタ等に設置されるスロットマシンやゲーミングマシンに適用することも可能である。
上述の第2実施例では、ぱちんこ遊技機100がB時短とC時短の双方を備える場合について示した。変形例においては、ぱちんこ遊技機100がB時短およびC時短のいずれか一方のみを備え、他方を備えなくてもよい。
実施例および変形例に記載の技術は、以下の項目によって特定されてもよい。
[項目1]
遊技領域が形成された遊技盤と、
前記遊技領域に設けられる第1始動口と、
前記遊技領域に設けられ、遊技球の入球が相対的に困難な状態から容易な状態へ変化するよう作動可能な入球変動機構を有する第2始動口と、
前記第1始動口または前記第2始動口への入球を契機として取得される抽選値に基づいて当否判定を実行する当否判定手段と、
図柄が変動表示され、前記図柄の停止表示により前記当否判定の結果を示す図柄表示装置と、
前記図柄表示装置に前記当否判定の結果が大当りとなることを示す図柄が停止表示された場合、その停止表示後に通常遊技より遊技者に有利な特別遊技を実行可能とする特別遊技制御手段と、
前記第2始動口への入球容易性が相対的に低い通常入球状態から前記第2始動口への入球容易性が相対的に高い入球容易状態へ移行させる入球状態制御手段と、
演出を制御する演出制御手段と、を備え、
前記入球容易状態として、前記特別遊技の実行を契機に移行可能な第1入球容易状態と、前記当否判定の結果が大当り以外となることを契機に移行可能な第2入球容易状態とがあり、
前記当否判定の結果が大当りとなる期待度を示唆する第1特定演出および第2特定演出が実行可能であり、
前記第1特定演出の実行後に前記当否判定の結果が大当り以外となることを示す図柄が停止表示された場合、その停止表示後に前記第2入球容易状態に移行されず、
前記第2特定演出の実行後に前記当否判定の結果が大当り以外となることを示す図柄が停止表示された場合、その停止表示後に前記第2入球容易状態に移行されることがある弾球遊技機。
[項目2]
遊技領域が形成された遊技盤と、
前記遊技領域に設けられる第1始動口と、
前記遊技領域に設けられ、遊技球の入球が相対的に困難な状態から容易な状態へ変化するよう作動可能な入球変動機構を有する第2始動口と、
前記第1始動口への入球を契機として取得される第1抽選値または前記第2始動口への入球を契機として取得される第2抽選値に基づいて当否判定を実行する当否判定手段と、
図柄が変動表示され、前記図柄の停止表示により前記当否判定の結果を示す図柄表示装置と、
前記第1抽選値および前記第2抽選値をその抽選に対応する図柄の変動開始まで所定個数を上限に保留する保留制御手段と、
前記図柄表示装置に前記当否判定の結果が大当りとなることを示す図柄が停止表示された場合、その停止表示後に通常遊技より遊技者に有利な特別遊技を実行可能とする特別遊技制御手段と、
前記第2始動口への入球容易性が相対的に低い通常入球状態から前記第2始動口への入球容易性が相対的に高い入球容易状態へ移行させる入球状態制御手段と、
演出を制御する演出制御手段と、を備え、
前記通常入球状態において前記第1抽選値に対応する図柄が変動表示される場合に通常演出を実行可能であり、
前記入球容易状態から前記通常入球状態に移行される際に保留されている一以上の第2抽選値が前記通常入球状態にて消化されて図柄が変動表示される場合に特殊演出が実行可能であり、
前記通常入球状態において前記第2抽選値の保留がない状態で前記第2抽選値に対応する図柄が変動表示され、前記当否判定の結果がはずれとなることを示す図柄が停止表示される場合、その図柄の停止表示前に前記通常演出が実行され、その図柄の停止表示後に前記特殊演出が実行されない弾球遊技機。
[項目3]
遊技の進行を制御する主制御手段と、
演出を制御する演出制御手段と、
遊技者から入力操作を受け付ける入力操作手段と、を備え、
前記入力操作手段を模した操作手段画像を表示し、前記入力操作手段への入力操作を遊技者に指示する操作指示演出が実行可能であり、
前記操作指示演出が実行され、前記入力操作手段への入力操作がなされた後に、前記操作手段画像を非表示にして実行可能な第1演出があり、
前記操作指示演出が実行され、前記入力操作手段への入力操作がなされた後に、前記操作手段画像を表示したまま実行可能な第2演出がある遊技機。
[項目4]
遊技領域が形成された遊技盤と、
前記遊技領域に設けられる第1始動口と、
前記遊技領域に設けられ、遊技球の入球が相対的に困難な状態から容易な状態へ変化するよう作動可能な入球変動機構を有する第2始動口と、
前記第1始動口または前記第2始動口への入球を契機として取得される抽選値に基づいて当否判定を実行する当否判定手段と、
図柄が変動表示され、前記図柄の停止表示により前記当否判定の結果を示す図柄表示装置と、
前記図柄表示装置に前記当否判定の結果が大当りとなることを示す図柄が停止表示された場合、その停止表示後に通常遊技より遊技者に有利な特別遊技を実行可能とする特別遊技制御手段と、
前記当否判定の結果が大当りとなる確率が通常となる低確率状態から前記当否判定の結果が大当りとなる確率が通常よりも高い高確率状態へ移行させる確率状態制御手段と、
前記第2始動口への入球容易性が相対的に低い通常入球状態から前記第2始動口への入球容易性が相対的に高い入球容易状態へ移行させる入球状態制御手段と、
演出を制御する演出制御手段と、を備え、
前記低確率状態において前記当否判定の結果がはずれとなる図柄変動の連続回数が所定回数に到達することを契機に前記入球容易状態に移行可能であり、
前記連続回数が前記所定回数に到達するまでの残回数に応じて実行態様の異なる特殊演出が実行可能であり、
前記特殊演出は、RAMクリア処理後、電源断復帰処理後または待機デモ画面表示後の図柄変動の回数が特定回数に到達するまで実行不可である弾球遊技機。
[項目5]
遊技領域が形成された遊技盤と、
前記遊技領域に設けられる始動口と、
前記始動口への入球を契機として取得した抽選値に基づいて当否判定を実行する当否判定手段と、
図柄が変動表示され、前記図柄の停止表示により前記当否判定の結果を示す図柄表示装置と、
前記図柄表示装置に前記当否判定の結果が大当りとなることを示す図柄が停止表示された場合、その停止表示後に通常遊技より遊技者に有利な特別遊技を実行可能とする特別遊技制御手段と、
演出を制御する演出制御手段と、を備え、
前記図柄の変動開始から少なくとも所定時間が経過するまでの特殊期間にわたって継続可能な特殊演出が実行可能であり、
前記特殊期間において最大でN回(Nは2以上)の図柄変動が実行可能であり、
前記特殊期間に実行される図柄変動が大当りとなる場合、前記特殊期間に実行される図柄変動の回数がM回(MはN未満)からN回のいずれであっても、前記特殊期間の終了を契機に大当りとなることを示す図柄が停止表示され、
前記特殊期間において大当りとなる期待度を示唆する特定演出を実行可能であり、前記特殊期間に実行される図柄変動の回数がM回からN回のいずれであっても、前記特殊期間の開始から特定時間の経過後に特定演出が実行可能であり、
前記特殊期間の開始から前記特定時間の経過後に前記特定演出が実行される場合、前記特殊期間に実行される図柄変動の回数がM回からN回のいずれであるかに応じて、前記特殊期間の開始から前記特定演出の実行までに実行される図柄変動の回数が異なりうる弾球遊技機。
[項目6]
遊技領域が形成された遊技盤と、
前記遊技領域に設けられる始動口と、
前記始動口への入球を契機として取得した抽選値に基づいて当否判定を実行する当否判定手段と、
特別図柄が変動表示され、前記特別図柄の停止表示により前記当否判定の結果を示す特別図柄表示装置と、
前記特別図柄表示装置に前記当否判定の結果が大当りとなることを示す図柄が停止表示された場合、その停止表示後に通常遊技より遊技者に有利な特別遊技を実行可能とする特別遊技制御手段と、
演出が表示される演出表示装置と、を備え、
前記特別図柄が変動表示される場合、前記特別図柄の変動開始から変動停止まで前記演出表示装置に装飾図柄および簡易図柄が変動表示され、
前記演出表示装置に通常色の演出を表示する第1演出と、前記演出表示装置に通常色とは異なる特殊色の演出を表示する第2演出とがあり、
前記第1演出に重畳して変動表示される前記装飾図柄の表示色は、前記第2演出に重畳して変動表示される前記装飾図柄の表示色と異なり、
前記第1演出に重畳して変動表示される前記簡易図柄の表示色は、前記第2演出に重畳して変動表示される前記簡易図柄の表示色と共通である弾球遊技機。
[項目7]
遊技の進行を制御する主制御手段と、
演出を制御する演出制御手段と、
遊技者から入力操作を受け付ける入力操作手段と、を備え、
遊技者に有利な結果となる期待度を示唆する示唆演出として、前記有利な結果となることが確定する確定演出と、前記有利な結果となることが確定しない非確定演出とがあり、
前記示唆演出の実行態様を遊技者が遊技の進行中に選択する入力操作が可能であり、
前記示唆演出の実行態様の選択候補として、第1態様と、第2態様とがあり、
前記第1態様の選択後に実行可能な前記非確定演出の種類数は、前記第2態様の選択後に実行可能な前記非確定演出の種類数よりも少なく、
前記第1態様の選択後に前記確定演出が実行される確率は、前記第2態様の選択後に前記確定演出が実行される確率よりも大きい遊技機。
[項目8]
遊技領域が形成された遊技盤と、
前記遊技領域に設けられる第1始動口と、
前記遊技領域に設けられ、遊技球の入球が相対的に困難な状態から容易な状態へ変化するよう作動可能な入球変動機構を有する第2始動口と、
前記第1始動口または前記第2始動口への入球を契機として取得される抽選値に基づいて当否判定を実行する当否判定手段と、
図柄が変動表示され、前記図柄の停止表示により前記当否判定の結果を示す図柄表示装置と、
前記図柄表示装置に前記当否判定の結果が大当りとなることを示す図柄が停止表示された場合、その停止表示後に通常遊技より遊技者に有利な特別遊技を実行可能とする特別遊技制御手段と、
前記第2始動口への入球容易性が相対的に低い通常入球状態から前記第2始動口への入球容易性が相対的に高い入球容易状態へ移行させる入球状態制御手段と、
演出を制御する演出制御手段と、を備え、
前記特別遊技の終了後に前記入球容易状態に移行される場合、前記特別遊技の終了後から前記入球容易状態の特定の終期に到達するまでの前記図柄の変動回数が第1回数になる場合と、前記第1回数より多い第2回数になる場合とがあり、
前記入球容易状態において、前記特定の終期に到達するまでの実際の残回数または前記実際の残回数よりも少ない見せかけの残回数を表示可能であり、
前記見せかけの残回数が表示される場合、前記入球容易状態に移行されてからの前記図柄の変動回数が前記第1回数よりも少ない所定回数未満であれば、前記見せかけの残回数を増加させる回数増加演出が実行不可であり、前記入球容易状態に移行されてからの前記図柄の変動回数が前記所定回数以上であれば、前記回数増加演出が実行可能である弾球遊技機。
[項目9]
遊技領域が形成された遊技盤と、
前記遊技領域に設けられる始動口と、
前記始動口への入球を契機として取得した抽選値に基づいて当否判定を実行する当否判定手段と、
図柄が変動表示され、前記図柄の停止表示により前記当否判定の結果を示す図柄表示装置と、
前記図柄表示装置に前記当否判定の結果が大当りとなることを示す図柄が停止表示された場合、その停止表示後に通常遊技より遊技者に有利な特別遊技を実行可能とする特別遊技制御手段と、
演出を制御する演出制御手段と、を備え、
前記図柄の変動開始を契機として複数回の図柄変動にわたって実行される第1演出および第2演出があり、
前記第1演出の終了後に新たな図柄変動が開始される場合、新たな図柄変動の開始を契機とした第2演出が実行可能であり、
前記第1演出の終了前に新たな図柄変動が開始される場合、新たな図柄変動の開始を契機とした第2演出が実行不可である弾球遊技機。
[項目10]
遊技領域が形成された遊技盤と、
前記遊技領域に設けられる始動口と、
前記始動口への入球を契機として取得した抽選値に基づいて当否判定を実行する当否判定手段と、
図柄が変動表示され、前記図柄の停止表示により前記当否判定の結果を示す図柄表示装置と、
前記図柄表示装置に前記当否判定の結果が大当りとなることを示す図柄が停止表示された場合、その停止表示後に通常遊技より遊技者に有利な特別遊技を実行可能とする特別遊技制御手段と、
演出を制御する演出制御手段と、を備え、
前記図柄の複数回の図柄変動にわたって継続して動画を再生する動画再生演出があり、
前記動画再生演出の実行中において、前記図柄が停止表示してから第1時間の経過後に新たな図柄変動が開始される場合、前記図柄の停止表示から新たな図柄変動の開始までの期間においても動画が継続して再生され、
前記動画再生演出の実行中において、前記図柄が停止表示してから前記第1時間よりも長い第2時間の経過後に新たな図柄変動が開始されない場合、前記図柄の停止表示後に前記動画の再生が一時停止され、一時停止状態の動画が表示される弾球遊技機。
[項目11]
遊技領域が形成された遊技盤と、
前記遊技領域に設けられる第1始動口と、
前記遊技領域に設けられ、遊技球の入球が相対的に困難な状態から容易な状態へ変化するよう作動可能な入球変動機構を有する第2始動口と、
前記第1始動口または前記第2始動口への入球を契機として取得される抽選値に基づいて当否判定を実行する当否判定手段と、
図柄が変動表示され、前記図柄の停止表示により前記当否判定の結果を示す図柄表示装置と、
前記図柄表示装置に前記当否判定の結果が大当りとなることを示す図柄が停止表示された場合、その停止表示後に通常遊技より遊技者に有利な特別遊技を実行可能とする特別遊技制御手段と、
前記当否判定の結果が大当りとなる確率が通常となる低確率状態から前記当否判定の結果が大当りとなる確率が通常よりも高い高確率状態へ移行させる確率状態制御手段と、
前記高確率状態から前記低確率状態への転落判定を実行する転落判定手段と、
前記第2始動口への入球容易性が相対的に低い通常入球状態から前記第2始動口への入球容易性が相対的に高い入球容易状態へ移行させる入球状態制御手段と、を備え、
前記図柄の変動表示が開始される場合、その図柄に係る当否判定が実行される変動開始処理の実行後に前記図柄の変動表示が開始され、
前記高確率状態にて前記図柄の変動開始処理が開始される場合、その図柄に係る変動開始処理にて転落判定を実行した後に当否判定が実行され、転落判定に当選した場合には前記低確率状態にて当否判定が実行され、転落判定に当選しない場合には前記高確率状態にて当否判定が実行され、
前記特別遊技の終了後に前記高確率状態かつ前記入球容易状態へ移行され、前記特別遊技の終了後の図柄変動回数が所定回数以内となる図柄変動に係る転落判定に当選した場合、前記特別遊技の終了後の図柄変動回数が前記所定回数となる図柄変動の停止後に前記通常入球状態に移行され、
前記特別遊技の終了後に前記高確率状態かつ前記入球容易状態へ移行され、前記特別遊技の終了後の図柄変動回数が前記所定回数を超える図柄変動に係る転落判定に当選した場合、その当選した転落判定後に前記低確率状態かつ前記通常入球状態に移行され、
前記低確率状態かつ前記通常入球状態にて前記図柄の変動開始処理が開始され、その図柄に係る当否判定の結果が大当り以外となる場合、その図柄の停止表示を契機に前記入球容易状態に移行されることがあり、
前記高確率状態かつ前記入球容易状態にて前記図柄の変動開始処理が開始され、その図柄に係る当否判定の実行前に転落判定に当選して低確率状態かつ通常入球状態に移行された場合、その図柄に係る当否判定の結果が大当り以外であっても、その図柄の停止表示を契機に前記入球容易状態に移行されない弾球遊技機。
[項目12]
遊技領域が形成された遊技盤と、
前記遊技領域に設けられる第1始動口と、
前記遊技領域に設けられ、遊技球の入球が相対的に困難な状態から容易な状態へ変化するよう作動可能な入球変動機構を有する第2始動口と、
前記第1始動口または前記第2始動口への入球を契機として取得される抽選値に基づいて当否判定を実行する当否判定手段と、
図柄が変動表示され、前記図柄の停止表示により前記当否判定の結果を示す図柄表示装置と、
前記図柄の変動開始から停止表示までの変動時間を定める変動パターンを変動パターン選択状態に基づいて決定する変動パターン決定手段と、
前記図柄表示装置に前記当否判定の結果が大当りとなることを示す図柄が停止表示された場合、その停止表示後に通常遊技より遊技者に有利な特別遊技を実行可能とする特別遊技制御手段と、
前記当否判定の結果が大当りとなる確率が通常となる低確率状態から前記当否判定の結果が大当りとなる確率が通常よりも高い高確率状態へ移行させる確率状態制御手段と、
前記高確率状態から前記低確率状態への転落判定を実行する転落判定手段と、
前記第2始動口への入球容易性が相対的に低い通常入球状態から前記第2始動口への入球容易性が相対的に高い入球容易状態へ移行させる入球状態制御手段と、を備え、
前記図柄の変動表示が開始される場合、その図柄に係る当否判定が実行される変動開始処理の実行後に前記図柄の変動表示が開始され、
前記高確率状態にて前記図柄の変動開始処理が開始される場合、変動開始処理にて転落判定を実行した後に当否判定が実行され、転落判定に当選した場合には前記低確率状態にて当否判定が実行され、転落判定に当選しない場合には前記高確率状態にて当否判定が実行され、
前記特別遊技の終了後に前記高確率状態かつ前記入球容易状態へ移行され、前記特別遊技の終了後の図柄変動回数が所定回数以内となる図柄変動に係る転落判定に当選した場合、前記特別遊技の終了後の図柄変動回数が前記所定回数となる図柄変動の停止後に前記通常入球状態に移行され、
前記特別遊技の終了後に前記高確率状態かつ前記入球容易状態へ移行され、前記特別遊技の終了後の図柄変動回数が前記所定回数を超える図柄変動に係る転落判定に当選した場合、その当選した転落判定後に前記低確率状態かつ前記通常入球状態に移行され、
前記図柄の変動開始処理が開始される場合、変動開始処理にて当否判定を実行した後に変動パターン選択状態が決定され、決定した変動パターン選択状態に基づいて前記図柄の変動時間を定める変動パターンが決定され、
前記高確率状態かつ前記入球容易状態へ移行後の図柄変動回数が前記所定回数となる図柄変動に係る変動パターンが決定される際の変動パターン選択状態は、前記高確率状態かつ前記入球容易状態へ移行後の図柄変動回数が前記所定回数未満となる図柄変動に係る変動パターンが決定される際の変動パターン選択状態と異なり、前記所定回数を超える図柄変動に係る変動パターンが決定される際の変動パターン選択状態とも異なり、
前記高確率状態かつ前記入球容易状態へ移行後の図柄変動回数が前記所定回数未満である場合、転落判定に当選した後に決定される変動パターン選択状態は、転落判定に当選しなかった後に決定される変動パターン選択基準と同じであり、
前記高確率状態かつ前記入球容易状態へ移行後の図柄変動の回数が前記所定回数以上となる場合であって、当否判定の結果がはずれとなる場合、転落判定に当選した後に決定される変動パターン選択基準は、転落判定に当選しなかった後に決定される変動パターン選択基準と異なる弾球遊技機。
[項目13]
遊技領域が形成された遊技盤と、
前記遊技領域に設けられる第1始動口と、
前記遊技領域に設けられ、遊技球の入球が相対的に困難な状態から容易な状態へ変化するよう作動可能な入球変動機構を有する第2始動口と、
前記第1始動口または前記第2始動口への入球を契機として取得される抽選値に基づいて当否判定を実行する当否判定手段と、
図柄が変動表示され、前記図柄の停止表示により前記当否判定の結果を示す図柄表示装置と、
前記図柄表示装置に前記当否判定の結果が大当りとなることを示す図柄が停止表示された場合、その停止表示後に通常遊技より遊技者に有利な特別遊技を実行可能とする特別遊技制御手段と、
前記当否判定の結果が大当りとなる確率が通常となる低確率状態から前記当否判定の結果が大当りとなる確率が通常よりも高い高確率状態へ移行させる確率状態制御手段と、
前記第2始動口への入球容易性が相対的に低い通常入球状態から前記第2始動口への入球容易性が相対的に高い入球容易状態へ移行させる入球状態制御手段と、を備え、
前記入球容易状態として、第1入球容易状態と、前記第1入球容易状態よりも遊技者に有利な第2入球容易状態とがあり、
前記入球容易状態にて前記図柄の変動開始処理が開始され、その図柄に係る当否判定の結果が大当り以外となる場合、その図柄の停止表示を契機として、前記入球容易状態に移行後の図柄変動の実行に係る第1回数を更新し、更新した第1回数が第1条件を充足する場合に前記通常入球状態へ移行させる第1処理が実行され、
前記通常入球状態にて前記図柄の変動開始処理が開始され、その図柄に係る当否判定の結果が大当り以外となる場合、その図柄の停止表示を契機として、その図柄に係る抽選値に基づいて前記第1入球容易状態への移行判定を実行し、移行判定に当選した場合に前記第1入球容易状態へ移行させる第2処理が実行され、
前記低確率状態にて前記図柄の変動開始処理が開始され、その図柄に係る当否判定の結果が大当り以外となる場合、その図柄の停止表示を契機として、前記低確率状態にて前記当否判定の結果が大当り以外となる図柄変動の実行に係る第2回数を更新し、更新した第2回数が第2条件を充足する場合に前記第2入球容易状態へ移行させる第3処理が実行され、
前記第1処理は、少なくとも前記第3処理よりも前に実行可能であり、
前記第2処理は、少なくとも前記第3処理よりも前に実行可能である弾球遊技機。
[項目14]
遊技領域が形成された遊技盤と、
前記遊技領域に設けられる第1始動口と、
前記遊技領域に設けられ、遊技球の入球が相対的に困難な状態から容易な状態へ変化するよう作動可能な入球変動機構を有する第2始動口と、
前記第1始動口または前記第2始動口への入球を契機として取得される抽選値に基づいて当否判定を実行する当否判定手段と、
図柄が変動表示され、前記図柄の停止表示により前記当否判定の結果を示す図柄表示装置と、
前記図柄表示装置に前記当否判定の結果が大当りとなることを示す図柄が停止表示された場合、その停止表示後に通常遊技より遊技者に有利な特別遊技を実行可能とする特別遊技制御手段と、
前記第2始動口への入球容易性が相対的に低い通常入球状態から前記第2始動口への入球容易性が相対的に高い入球容易状態へ移行させる入球状態制御手段と、
試験信号を出力するための試験信号出力端子と、
外端信号を出力するための外部情報出力端子と、を備え、
前記入球容易状態として、前記特別遊技の実行を契機に移行可能な第1入球容易状態と、前記当否判定の結果が大当り以外となることを契機に移行可能な第2入球容易状態とがあり、
前記試験信号出力端子として、前記第1入球容易状態であることを示す試験信号が出力される第1端子と、前記第2入球容易状態であることを示す試験信号を出力する第2端子とがあり、
前記外部情報出力端子として、前記第1入球容易状態、前記第2入球容易状態または前記特別遊技中であることを示す外端信号が出力される第3端子と、前記第2入球容易状態の開始を示す外端信号が出力される第4端子と、第2入球容易状態であることを示す外端信号が出力される第5端子とがある弾球遊技機。
11 第1始動口、 12 第2始動口、 60 演出表示装置、 80 遊技盤、 81 遊技領域、 210 抽選手段、 213 普図抽選手段、 220 当否判定手段、 230 変動パターン決定手段、 260 特別遊技制御手段、 275 開閉制御手段、 303 演出決定手段、 304 演出制御手段。

Claims (1)

  1. 遊技領域が形成された遊技盤と、
    前記遊技領域に設けられる始動口と、
    前記始動口への入球を契機として取得した抽選値に基づいて当否判定を実行する当否判定手段と、
    図柄が変動表示され、前記図柄の停止表示により前記当否判定の結果を示す図柄表示装置と、
    前記抽選値をその抽選に対応する図柄の変動開始まで所定個数を上限に保留する保留制御手段と、
    前記図柄表示装置に前記当否判定の結果が大当りとなることを示す図柄が停止表示された場合、その停止表示後に通常遊技より遊技者に有利な特別遊技を実行可能とする特別遊技制御手段と、
    演出が表示される演出表示装置と、を備え、
    前記演出表示装置に表示可能な画像を特殊態様に変形させて前記演出表示装置に表示する特殊演出を実行可能であり、
    前記特殊演出における変形対象である少なくとも1以上の第1画像と、前記特殊演出における変形対象ではない少なくとも1以上の第2画像とを有しており、
    前記抽選値の保留状況を示す保留画像として、新たな入球に対応する保留の生起を契機に追加表示可能な通常保留画像と、新たな入球に対応する保留の生起を契機に更新表示可能な簡易保留画像とが前記演出表示装置に表示可能であり、
    前記通常保留画像は、保留生起時アニメーション表示を伴って表示開始可能である一方で、前記簡易保留画像は、前記保留生起時アニメーション表示を伴わずに更新表示可能であり、
    前記通常保留画像および前記簡易保留画像が表示されている状況で前記特殊演出が実行される場合、前記通常保留画像は前記特殊態様に変形可能である一方で、前記簡易保留画像は前記特殊態様に変形されず、
    前記特殊演出の実行開始前に前記保留生起時アニメーション表示を伴って前記通常保留画像の表示が開始し、前記保留生起時アニメーション表示の実行中に前記特殊演出が開始される場合、前記保留生起時アニメーション表示が中止されずに継続され、
    新たな入球があった場合にその入球に対応する抽選値に関する事前情報に基づき、その事前情報に対応する保留に係る特別遊技移行期待度を示唆する所定の先読み演出を、その事前情報に対応する保留に係る図柄変動よりも前の図柄変動にて実行可能であり、
    新たな入球に対応する保留の生起を契機に、前記所定の先読み演出の実行を伴わずに前記保留生起時アニメーション表示が実行される第1演出パターンと、前記所定の先読み演出の実行を伴って前記保留生起時アニメーション表示が実行される第2演出パターンとがあり、
    前記特殊演出の実行中に新たな入球に対応する保留が生起した場合、前記第1演出パターンは実行可能である一方、前記第2演出パターンは実行されず、
    前記特殊演出の実行期間は、前記保留生起時アニメーション表示の実行期間よりも長い弾球遊技機。
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