JP7426618B1 - 遮断装置 - Google Patents

遮断装置 Download PDF

Info

Publication number
JP7426618B1
JP7426618B1 JP2023566568A JP2023566568A JP7426618B1 JP 7426618 B1 JP7426618 B1 JP 7426618B1 JP 2023566568 A JP2023566568 A JP 2023566568A JP 2023566568 A JP2023566568 A JP 2023566568A JP 7426618 B1 JP7426618 B1 JP 7426618B1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pusher
elastic member
housing
shutoff device
igniter
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2023566568A
Other languages
English (en)
Inventor
真人 中村
瞬 伊藤
進弥 木本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Intellectual Property Management Co Ltd
Original Assignee
Panasonic Intellectual Property Management Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Panasonic Intellectual Property Management Co Ltd filed Critical Panasonic Intellectual Property Management Co Ltd
Application granted granted Critical
Publication of JP7426618B1 publication Critical patent/JP7426618B1/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Abstract

遮断装置(1)は、筐体(20、30)と、ガスを発生させる点火器(10)と、筐体の内部かつ点火器の下方に位置するプッシャ(60)と、プッシャの下方に位置する分離部(51)を有する導電体(50)と、筐体とプッシャとの間に位置し、プッシャの外側面を押圧するように設けられた弾性部材(92)と、を備え、点火器が発生させたガスの圧力を受けて、プッシャが分離部を下方に移動させた後、プッシャが静止した状態において、プッシャは、弾性部材よりも下方に位置し、かつ、弾性部材の内面は、上面視でプッシャと重なっている。

Description

本開示は、遮断装置に関する。
従来、電気回路に接続されて用いられる遮断装置が知られている。このような遮断装置として、本体(筐体)と、本体内に配置され、内側(溝)で本体の側壁に対して担持される弾性的に変形可能な材料で作られた封止ガスケット(弾性部材)を有するピストン(プッシャ)とを備える遮断装置が開示されている(特許文献1を参照)。
特表2020-502772号公報
しかしながら、特許文献1の遮断装置では、プッシャに溝が形成されるので、プッシャの強度が低下し、かつ、アーク遮断時にプッシャの溝にススが溜まり絶縁劣化を引き起こす恐れがある。
そこで、本開示は、従来よりもプッシャの強度、及び、絶縁性能を向上することができる遮断装置を提供する。
本開示の一態様に係る遮断装置は、筐体と、ガスを発生させる点火器と、前記筐体の内部かつ前記点火器の下方に位置するプッシャと、前記プッシャの下方に位置する分離部を有する導電体と、前記筐体と前記プッシャとの間に位置し、前記プッシャの外側面を押圧するように設けられた弾性部材と、を備え、前記点火器が発生させた前記ガスの圧力を受けて、前記プッシャが前記分離部を下方に移動させた後、前記プッシャが静止した状態において、前記プッシャは、前記弾性部材よりも下方に位置し、かつ、前記弾性部材の内面は、上面視で前記プッシャと重なっている。
発明の効果
本開示の一態様によれば、従来よりもプッシャの強度、及び、絶縁性能を向上することができる遮断装置を実現することができる。
図1Aは、実施の形態に係る遮断装置を示す第1斜視図である。 図1Bは、実施の形態に係る遮断装置を示す第2斜視図である。 図2は、実施の形態に係る遮断装置を示す断面斜視図である。 図3は、実施の形態に係る遮断装置を示す断面図である。 図4Aは、実施の形態に係る遮断装置が備える弾性部材の上面視形状の第1例を示す図である。 図4Bは、実施の形態に係る遮断装置が備える弾性部材の上面視形状の第2例を示す図である。 図4Cは、実施の形態に係る遮断装置が備える弾性部材の上面視形状の第3例を示す図である。 図5は、実施の形態に係る遮断装置の遮断動作後の状態を説明するための断面図である。 図6Aは、実施の形態に係る遮断装置の遮断動作後の弾性部材とプッシャとの位置関係の一例を示す図である。 図6Bは、実施の形態に係る遮断装置の遮断動作後の弾性部材とプッシャとの位置関係の他の一例を示す図である。 図7は、実施の形態の変形例1に係る遮断装置を示す断面図である。 図8は、実施の形態の変形例2に係る遮断装置を示す断面図である。 図9は、実施の形態の変形例3に係る遮断装置を示す断面図である。 図10は、実施の形態等に係る遮断装置の製造工程を示すフローチャートである。 図11は、別の実施の形態に係る遮断装置を示す断面図である。 図12は、別の実施の形態に係る遮断装置の分離部が下方に移動した状態を説明するための断面図である。
(本開示に至った経緯)
本開示の実施の形態等の説明に先立ち、本開示に至った経緯について説明する。
特許文献1のような遮断装置では、点火器の力(ガスの圧力)を受けてプッシャが駆動するので、プッシャとしては強度が高いことが望まれる。しかしながら、特許文献1の遮断装置は、プッシャの外側面に弾性部材を収容する溝が形成されるので、その分強度が低下する。また、特許文献1の遮断装置は、アーク遮断時に導電性のススが溝に溜まり、そのススが絶縁劣化を起こす経路となる恐れがある。例えば、遮断動作時にプッシャに形成された溝がアーク発生位置に近づき、溝にススが溜まって絶縁劣化を起こす経路となる恐れがある。このように、特許文献1の遮断装置では、プッシャの強度、及び、絶縁性能に改善の余地がある。
また、さらに、点火器の力を受けてプッシャが下方に移動し導電体の一部(分離部)を切り離した後、プッシャが上方に戻ることによって導電体が再導通してしまうことが抑制されることが望まれる。つまり、分離部が切断された導電体の絶縁状態が維持されることが望まれる。
そこで、本願発明者らは、プッシャの強度及び絶縁性能が向上された遮断装置について、鋭意検討を行い、以下に説明する遮断装置を創案した。
本開示の一態様に係る遮断装置は、筐体と、ガスを発生させる点火器と、前記筐体の内部かつ前記点火器の下方に位置するプッシャと、前記プッシャの下方に位置する分離部を有する導電体と、前記筐体と前記プッシャとの間に位置し、前記プッシャの外側面を押圧するように設けられた弾性部材と、を備え、前記点火器が発生させた前記ガスの圧力を受けて、前記プッシャが前記分離部を下方に移動させた後、前記プッシャが静止した状態において、前記プッシャは、前記弾性部材よりも下方に位置し、かつ、前記弾性部材の内面は、上面視で前記プッシャと重なっている。
これにより、弾性部材が、プッシャの外側面を押圧する、つまり遮断装置の上面視において、プッシャの外方からプッシャを押圧するので、遮断装置では、プッシャには、外側面に弾性部材を収容する溝が形成されていなくてもよい。また、プッシャが分離部を下方に移動させた後、プッシャが静止した状態において、弾性部材は、上方に戻るプッシャと接触することで、プッシャが上方に戻ることを抑制することができる。つまり、弾性部材は、プッシャが上方に戻ることで導電体が分離部により再導通してしまうことを抑制することができる。よって、本開示によれば、従来よりもプッシャの強度、及び、絶縁性能を向上することができる遮断装置を実現することができる。
また、例えば、前記点火器が発生させた前記ガスの圧力を受けて、前記プッシャが前記分離部を切り離した後、前記プッシャが静止した状態において、前記プッシャの上端は前記弾性部材の上端よりも下方に位置し、かつ、前記プッシャの下端は前記弾性部材の下端よりも下方に位置していると好ましい。
これにより、プッシャが分離部を切り離した後、プッシャが静止した状態において、プッシャが弾性部材の上端よりも下方に位置するので、弾性部材は、プッシャが上方に戻ることを抑制することができる。
また、例えば、前記点火器が発生させた前記ガスの圧力を受けて、前記プッシャが前記分離部を切り離した後、前記プッシャが静止した状態において、前記プッシャの上端は前記弾性部材の下端よりも下方に位置していると好ましい。
これにより、プッシャが分離部を切り離した後、プッシャが静止した状態において、弾性部材は、上方に戻るプッシャと接触するので、プッシャが上方に戻ることを抑制することができる。
また、例えば、前記筐体の内部かつ前記筐体と前記プッシャとの間に位置する樹脂部材をさらに備え、前記弾性部材は、前記筐体と前記プッシャと前記樹脂部材とに接触していると好ましい。
これにより、弾性部材が筐体とプッシャと樹脂部材とに接触することで、プッシャに溝を形成することなく、筐体内部において弾性部材を保持することができる。
また、例えば、前記筐体の内部かつ前記筐体と前記プッシャとの間に位置する樹脂部材をさらに備え、前記弾性部材は、前記筐体と前記プッシャと前記樹脂部材とに押圧されていると好ましい。
これにより、弾性部材は、筐体とプッシャと樹脂部材とに押圧されるので、点火器が発生させたガスが凹部の内部空間から当該内部空間の外部の空間に漏れることをより確実に抑制することができる。
また、例えば、前記点火器が発生させた前記ガスの圧力を受けて、前記プッシャが前記分離部を切り離した後、前記プッシャが静止した状態において、前記弾性部材は、前記筐体と前記樹脂部材とに保持されていると好ましい。
これにより、本開示に係る遮断装置は、プッシャが分離部を切り離した後、プッシャが静止した状態において、弾性部材が落下することを抑制することができる。よって、弾性部材は、導電体が再導通してしまうことをより確実に抑制することができる。
また、例えば、前記筐体は曲げ部を有し、前記曲げ部は、前記弾性部材と接触していると好ましい。
これにより、筐体の曲げ部が弾性部材と接触する構成であることで、さらに筐体を小型化することが可能である。
また、例えば、前記点火器が発生させた前記ガスの圧力を受けて、前記プッシャが前記分離部を切り離した後、前記プッシャが静止した状態において、前記導電体の前記分離部が切断された面よりも上方に、前記プッシャは、前記プッシャの外周に沿って形成される溝または段差を有しないと好ましい。
例えば、プッシャが外周に沿った溝または段差を有する場合、プッシャが分離部を切り離した後、プッシャが静止した状態において、当該溝または段差に溜まったススを介して導電体が再導通してしまう恐れがある。一方、本開示に係る遮断装置は、プッシャが外周に沿った溝または段差を有していないので、プッシャが分離部を切り離した後、プッシャが静止した状態において、導電体が再導通してしまうことを抑制することができる。
また、例えば、前記プッシャの側壁は、前記弾性部材と接触し、かつ、前記プッシャの外周に沿って形成される溝を有しないと好ましい。
これにより、本開示に係る遮断装置は、プッシャの外周に沿って形成される溝または段差を有していないので、当該溝または段差により強度が低下することを抑制することができる。言い換えると、本開示に係る遮断装置は、特許文献1のように溝が形成されているプッシャに比べて、プッシャの強度を向上させることができる。
また、例えば、前記弾性部材は、リング状であると好ましい。
これにより、弾性部材は、プッシャの外側面における周方向の全周と接触することができるので、点火器が発生させたガスが凹部の内部空間から当該内部空間の外部の空間に漏れることをさらに確実に抑制することができる。
また、例えば、前記弾性部材は、前記プッシャの外側面に沿うように配置されていていると好ましい。
これにより、弾性部材は、プッシャの形状が変更された場合であっても、点火器が発生させたガスが凹部の内部空間から当該内部空間の外部の空間に漏れることを抑制することができる。
また、例えば、前記弾性部材は、前記筐体に押圧されるように設けられていてもよい。
また、例えば、前記点火器が発生させた前記ガスの圧力を受けて、前記プッシャは、前記分離部を切り離し、前記分離部を下方に移動させる構成であってもよい。以下、実施の形態等について、図面を参照しながら具体的に説明する。
なお、以下で説明する実施の形態等は、いずれも包括的または具体的な例を示すものである。以下の実施の形態等で示される数値、形状、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ(工程)、ステップ(工程)の順序などは、一例であり、本開示を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
また、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。したがって、例えば、各図において縮尺などは必ずしも一致しない。また、各図において、実質的に同一の構成については同一の符号を付しており、重複する説明は省略又は簡略化する。
また、本明細書及び図面において、X軸、Y軸及びZ軸は、右手系の三次元直交座標系の三軸を示している。実施の形態等では、Z軸方向をプッシャの移動方向としている。また、本明細書において、「上面視」とは、Z軸プラス側からZ軸マイナス側に向かって見ることを意味し、「断面視」とは、Z軸を通り、かつ、Z軸と平行な面で切断された遮断装置の切断面を見ることを意味し、「側方」とはZ軸方向と直交する方向を意味する。また、本明細書では、Z軸方向を上下方向とも記載する。ただし、本明細書において遮断装置の上下方向は、実施の形態等の説明の便宜上、遮断装置における各要素の相対的な位置関係を示すものに過ぎない。例えば、本明細書において、「上方」及び「下方」という用語は、絶対的な空間認識における上方向(鉛直上方)及び下方向(鉛直下方)を指すものではなく、プッシャの移動方向を基に相対的な位置関係により規定される用語として用いる。また、遮断装置を設置する際の姿勢は、図面に示した方向に限定されるものではない。
また、本明細書において、等しい、平行などの要素間の関係性を示す用語、及び、円、台形などの要素の形状を示す用語、並びに、数値、及び、数値範囲は、厳格な意味のみを表す表現ではなく、実質的に同等な範囲、例えば数%程度(あるいは、10%程度)の差異をも含むことを意味する表現である。
また、本明細書において、「第1」、「第2」などの序数詞は、特に断りの無い限り、構成要素の数又は順序を意味するものではなく、同種の構成要素の混同を避け、区別する目的で用いられている。
(実施の形態)
以下、本実施の形態に係る遮断装置について、図1A~図6Bを参照しながら説明する。
[1-1.遮断装置の構成]
まず、本実施の形態に係る遮断装置の構成について、図1A~図4Cを参照しながら説明する。図1Aは、本実施の形態に係る遮断装置1を示す第1斜視図である。図1Bは、本実施の形態に係る遮断装置1を示す第2斜視図である。図2は、本実施の形態に係る遮断装置1を示す断面斜視図である。図3は、本実施の形態に係る遮断装置1を示す断面図である。
図1Aは、X軸方向から見ることを正面視とすると、正面視の状態からZ軸を回転軸として回転した状態の遮断装置1を見た図であり、図1Bは、斜め下方向から遮断装置1を見た図である。また、図2は、遮断動作していないときの(初期状態の)遮断装置1をYZ平面で切断した場合の断面を示す斜視図であり、図3は、遮断動作していないときの(初期状態の)遮断装置1をYZ平面で切断した場合の断面を示す正面図である。
図1A~図3に示すように、遮断装置1は、点火器10と、上部筐体20と、下部筐体30と、樹脂部材40と、導電体50と、プッシャ60と、保護部80と、弾性部材90、92、94、96とを備える。遮断装置1は、電気回路を有する対象物に搭載され、対象物内の電気回路、システムなどの異常時に作動し電気回路を遮断することにより、異常の被害が大きくなることを防ぐための装置である。遮断装置1は、例えば、対象物の一例である車両に搭載され、モータとモータ駆動用のバッテリ(例えば、リチウムイオンバッテリ)との間に接続され、異常、事故などの緊急時にモータとモータ駆動用のバッテリとの電気的な接続を遮断する。なお、対象物は、車両以外であってもよく、例えば、家電製品、太陽光発電システム等が例示されるが、特に限定されない。
点火器10は、内部に火薬を保持し、火薬とプッシャ60との間に設けられた蓋部11を有し、凹部61内に配置され、ガスを発生させる。例えば、点火器10は、点火薬を有する火薬部と、火薬部と通電するための導電ピンとを有する電気式点火器である。導電ピンには、動作時に、点火薬を点火するための作動電流が外部電源から供給され、これにより、点火薬を着火・燃焼させ、ガス(燃焼ガス)を発生させる。なお、凹部61が形成されることで、遮断装置1を小型化することができる。
点火器10は、上部筐体20の上方の小径部21に固定されている。
上部筐体20及び下部筐体30は、遮断装置1の外郭を構成する部材であり、点火器10、樹脂部材40及び導電体50の一部と、プッシャ60と、保護部80と、弾性部材92、94、96とを収容する。また、上部筐体20及び下部筐体30の内部には、上下方向に延在する空間70が形成されている。空間70は、プッシャ60が移動可能なように円筒状に形成された空間である。空間70の上下方向(Z軸方向)における上端側(Z軸プラス側)には、プッシャ60が収容されている。
上部筐体20及び下部筐体30はそれぞれ、ステンレス鋼(SUS)等の金属により形成されるが、アルミニウム等の他の金属により形成されてもよい。また、上部筐体20及び下部筐体30は、円柱状の外形を有するが、形状はこれに限定されない。また、上部筐体20及び下部筐体30は、ネジ、リベット等の締結部材を用いて固定される。上部筐体20及び下部筐体30は、筐体の一例である。
上部筐体20は、例えば、段付きの円筒状を有するシリンダ部材であり、内側が空洞になっている。上部筐体20は、上方に位置する小径部21と、下方に位置する大径部23と、これらを接続する接続部22とを有する。小径部21及び大径部23は同軸に配置されており、大径部23は小径部21よりも直径が大きい。
上部筐体20は、弾性部材92と接触する曲げ部24を有する。曲げ部24は、筐体の折れ曲がった部分(例えば、小径部21と接続部22との境界部分)及びその周辺の筐体の部分を含んで構成される(図5に示す破線枠を参照)。曲げ部24は、その周辺の筐体の部分として、筐体において弾性部材92と接触し、かつ、上下方向と交差する部分を含み、例えば、接続部22の少なくとも一部を含んでいてもよい。
このように、曲げ部24は、筐体における折れ曲がった部分の周辺において、弾性部材92を押圧するように設けられる。なお、大径部23は、曲げ部24には含まれない。
下部筐体30は、内側が空洞の有底筒形状を有する部材であり、上方に突出する凸部30aを有する。具体的には、下部筐体30は、凸部30aと、底部33と、側壁部34とを有する。凸部30a、底部33及び側壁部34は一体形成されている。
なお、本明細書において一体形成とは、各構成部が、同一材料で形成されていること、同時形成されること、及び、同一物(単一物)であることのうち少なくとも一つが成り立つこと、等を意味する。
凸部30aは、分離部51の下方に位置し、空間70において、上方に向かって突出するように構成される。凸部30aは、底部33の一端と接続され、空間70において、底部33から上方(Z軸プラス側)に向かって突出する。凸部30aは、点火器10により発生したガスにより下方に移動したプッシャ60と接触し、当該プッシャ60に押圧され下方に変形するように構成される。つまり、凸部30aは、変形することで、プッシャ60からの衝撃(応力)を吸収する機能を有する。
また、遮断装置1をZ軸マイナス側からZ軸プラス側に向かって見た場合、下部筐体30の凹部を形成する凸部30aは、遮断装置1の外部から見て露出している。本実施の形態では、凸部30aは、空間70において、上方に向かうにつれて先細りとなる形状を有するが、形状はこれに限定されない。
底部33は、凸部30aと側壁部34とを接続する。言い換えると、凸部30aと側壁部34とは底部33を介して接続されている。底部33は、外面及び内面のそれぞれが凸部30aから側壁部34に向かって上方に傾斜する。
側壁部34は、底部33の他端と接続され、底部33から上方に延びるように形成される。側壁部34は、筒状を有し、本実施の形態では円筒状を有する。側壁部34は、小径部21及び大径部23と同軸に配置される。側壁部34は、例えば、大径部23と直径が等しい。
凸部30a、底部33及び側壁部34の厚みは、本実施の形態では同じであるが、例えば、互いに異なっていてもよい。
樹脂部材40は、導電体50の一部を覆う部材である。また、樹脂部材40は、空間70を形成する構成要素の一部である。樹脂部材40は、埋設部41と、第1筒部42と、第2筒部43とを有する。
埋設部41は、樹脂部材40のうち導電体50が埋設される部分である。埋設部41は、例えば、一部が筐体から露出している。埋設部41には、導電体50(具体的には、保持部52)が配置される貫通孔が形成されている。
第1筒部42は、樹脂部材40のうち筐体内に配置される部分であり、遮断動作していないとき(点火器10によりガスが発生されていないとき)に、プッシャ60が内部に配置される。つまり、第1筒部42は、筐体とプッシャ60との間に位置する。第1筒部42は、第2筒部43よりも内径が小さい。なお、図2及び図3に示すプッシャ60の位置は、遮断動作していないときの初期位置を示している。
第2筒部43は、樹脂部材40のうち筐体内に配置される部分であり、第1筒部42よりも下方に位置する部分である。第2筒部43は、第1筒部42よりも内径が大きい。これにより、空間70における下方側の容積を広くすることができる。そのため、点火器10の発生させたガス及びそれによるプッシャ60の移動による筐体内の圧力の上昇を抑制できるため、遮断装置1の変形を抑制できる。
このように、第1筒部42及び第2筒部43により形成される空間70内を、プッシャ60が移動する。なお、第1筒部42及び第2筒部43は、内径が異なることに限定されず、内径が同じであってもよい。
導電体50は、一部が上部筐体20及び下部筐体30の内部に位置する導電性の金属体である。また、導電体50は、遮断装置1を所定の電気回路に取り付けたときに当該電気回路の一部を形成し、バスバーとも称される。導電体50は、樹脂部材40に保持され、上部筐体20及び下部筐体30の内部を横切るように配置されている平板状の部材である。導電体50は、分離部51と、保持部52とを有する。
導電体50は、例えば、銅(Cu)等の金属によって形成することができる。ただし、導電体50は、銅以外の金属で形成されていてもよいし、銅と他の金属との合金で形成されてもよい。例えば、導電体50は、マンガン(Mn)、ニッケル(Ni)、白金(Pt)等を含んで構成されてもよい。
分離部51は、導電体50のうち、点火器10で発生されたガスの圧力を受けたプッシャ60により切り離される部分であり、初期位置のプッシャ60の下方に位置する。
保持部52は、導電体50のうち、樹脂部材40により保持される部分である。保持部52は、上面視においてプッシャ60と重ならない部分であり、例えば、上面視において樹脂部材40と重なる部分及び筐体外部に位置する部分である。保持部52は、分離部51が切り離された後も樹脂部材40により保持される状態を維持する。
プッシャ60は、点火器10の下方に位置し、下方に移動可能に配置され、システムの異常発生時等に下方に移動することで導電体50を切断し、電気回路での導通を緊急遮断する。このように、プッシャ60は、点火器10で発生されたガスの圧力を受けて導電体50から分離部51を切り離すように構成される。
本実施の形態では、プッシャ60は上部に凹みが形成された円柱状である。プッシャ60の側面には、弾性部材92を保持するための周状の凹みが形成されていない。これにより、本実施の形態では、先行技術のように、プッシャの側壁に周状の凹部が形成されることによる、プッシャの強度低下及び遮断後の絶縁性能の低下を抑制することができる。
プッシャ60は、例えば、合成樹脂等の絶縁部材によって形成されている。本実施の形態では、プッシャ60は、ナイロンにより形成されている。プッシャ60は、円柱状を有し、上部筐体20の小径部21の内径と対応する外径を有している。また、プッシャ60は、凹部61を有し、凹部61の内部には点火器10が配置される。なお、プッシャ60の形状は上記に限定されず、上部筐体20及び下部筐体30の形状等に応じて適宜変更することができる。凹部61は、プッシャ60における上方の部分であり、また下方に向かう凹みが設けられる部分である。
また、図2の例では、凹部61は、遮断装置1が遮断動作していない状態(図2に示す状態)において、側方の面が小径部21及び接続部22に囲まれる部分である。
凹部61は、上面視において、保護部80の第1筒部81より径(例えば、内径)が大きい第1部位62と、第1部位62よりも下方に位置し、第2筒部82よりも径(例えば、内径)が大きい第2部位63とを有する。上面視において、第1部位62の径は、第2部位63の径よりも大きい。例えば、断面視において、第1部位62の内壁は、第2部位63に向かうにつれて径が小さくなるテーパ状であるが、例えば、段階的に径が小さくなる階段状であってもよい。
保護部80は、点火器10がガスを発生させたときにプッシャ60が点火器10の開口部11a(図5を参照)によって破損してしまうことを抑制するための構成要素である。具体的には、保護部80は、開口部11aが大きく開いてしまうことに対する防壁となることで、点火器10がガスを発生させることで開口した開口部11aがプッシャ60と接触し、プッシャ60の凹部61が破損してしまうことを抑制するための部材である。
保護部80は、筐体(例えば、上部筐体20)または点火器10に設けられ、凹部61の内部に位置する部分を有する。本実施の形態では、保護部80は、筐体(具体的には、小径部21)に設けられる。保護部80は、例えば、小径部21に溶接により固定されるが、固定方法はこれに限定されない。
図3等に示されるように、保護部80は、第1筒部81と、第2筒部82とを有する。第1筒部81と、第2筒部82とは、一体形成されている。
第1筒部81は、点火器10の側方を囲む筒状の部分であり、点火器10に沿った形状を有する。本実施の形態では、第1筒部81は、断面視において、下方に向かうと段階的に径(例えば、内径)が小さくなる階段状(例えば、2段の階段状)に形成される。なお、第1筒部81の形状はこれに限定されず、例えば、第1筒部81は、下方に向かうほど径が小さくなるテーパ状であってもよいし、他の形状であってもよい。
第1筒部81は、点火器10と少なくとも一部が接触していてもよい。第1筒部81の下端には第2筒部82が配置される。
また、第1筒部81は、上方にフランジ部83を有する。フランジ部83は、第1筒部81の上端から上面視における外方に向けて突出するように形成された環状の部分(例えば、板状部材)であり、小径部21に溶接などにより固定される。フランジ部83は、例えば、少なくとも一部が第1部位62と小径部21との間に配置される。このように、第1筒部81は、筐体と繋がる部分を有し、筐体に固定される。
第2筒部82は、第1筒部81よりも下方に位置し、第1筒部81よりも径(例えば、内径)が小さい環状の部分である。第2筒部82は、第1筒部81の下端からZ軸マイナス側に直線状に突出しており、ガスが発生したときに蓋部11と接触する部分である。第2筒部82の下端(Z軸マイナス側の端部であり、例えば最下端)は、ガスが発生していない状態の蓋部11の下端(Z軸マイナス側の端部であり、例えば最下端)よりも下方(Z軸マイナス側)に位置する。
保護部80は、例えば、ステンレス鋼(SUS)等の金属により形成されるが、アルミニウム等の他の金属により形成されてもよいし、樹脂(例えば、プッシャ60と異なる樹脂)により形成されてもよい。
図2等に示されるように、弾性部材90、92、94及び96は、ゴム等の弾性を有する部材であり、環状(リング状)に形成されるOリングである。弾性部材90、92、94及び96のそれぞれは、押圧された状態(変形した状態)で配置されている。
弾性部材90は、凹部61内に配置された点火器10を固定するための固定部材100と、点火器10と、小径部21との間に形成された空間に配置される。弾性部材90は、固定部材100、点火器10及び小径部21のそれぞれと接触しており、例えば固定部材100、点火器10及び小径部21のそれぞれにより押圧されている。
弾性部材92は、筐体とプッシャ60との間に位置し、筐体に押圧され、プッシャ60の外側面を押圧するように設けられる。また、弾性部材92は、プッシャ60の外側面に沿うように配置される。本実施の形態では、弾性部材92は、凹部61の内部空間と、当該内部空間の外部の空間(例えば、プッシャ60と樹脂部材40との間の空間)とが空間的に接続されることを抑制するために、筐体(例えば、接続部22)と、プッシャ60と、樹脂部材40との間に形成された空間に配置される。弾性部材92は、点火器10により発生されたガスが凹部61の内部空間から外部の空間に漏れてしまうことを抑制する。これにより、点火器10により発生したガスが凹部61の内部空間から逃げてしまい、凹部61内のガスの圧力が低下することを抑制することができる。なお、本明細書において外側面とは、断面視において一直線上で示される部分であり、周状の凹部(溝)を構成する面は外側面に含まれない。
本実施の形態では、弾性部材92は、筐体(曲げ部24)とプッシャ60と樹脂部材40とに接触(例えば、面接触)しており、例えば筐体(曲げ部24)、プッシャ60及び樹脂部材40のそれぞれにより押圧されている。
弾性部材92は、押圧されたときの断面形状が三角形状であるがこれに限定されない。また、弾性部材92が押圧されていないときの断面形状は、押圧後に凹部61の内部空間と導電体50とを空間的に分断することができれば特に限定されず、円状であってもよいし、多角形状(例えば、四角形状)であってもよいし、楕円状であってもよい。
なお、本明細書において、「押圧」とは、「一方の部材が他方の部材を押すこと」に加えて、「当該他方の部材が弾性変形することで生じる反発力により当該一方の部材または他の部材を押すこと」も押圧に含まれる。
弾性部材94は、導電体50より上方の空間と外部空間とが空間的に接続されることを抑制するために、導電体50より上方であって、樹脂部材40に形成された周状の凹部と筐体(例えば、大径部23)との間に形成された空間に配置される。本実施の形態では、弾性部材94は、樹脂部材40及び大径部23それぞれと接触しており、例えば樹脂部材40及び大径部23のそれぞれにより押圧されている。
弾性部材96は、導電体50より下方の空間と外部空間とが空間的に接続されることを抑制するために、導電体50より下方であって、樹脂部材40に形成された周状の凹部と下部筐体30(例えば、側壁部34)との間に形成された空間に配置される。本実施の形態では、弾性部材96は、樹脂部材40及び側壁部34それぞれと接触しており、例えば樹脂部材40及び側壁部34のそれぞれにより押圧されている。
なお、弾性部材94及び96は、周状の凹部に隙間なく配置されることに限定されず、上下方向の少なくとも一方に隙間が形成されていてもよい。
ここで、弾性部材92の形状について、図4A~図4Cを参照しながら説明する。図4A~図4Cは、本実施の形態に係る遮断装置1が備える弾性部材92の上面視形状の各例を示す図である。なお、図4A~図4Cでは、弾性部材92の形状について説明するが、他の弾性部材90、94及び96についても、同様のことが言える。
プッシャ60が円柱状である場合、図4Aに示すように、弾性部材92(92d)は、円環状であってもよい。
また、プッシャ60が四角柱状である場合、図4Bに示すように、弾性部材92(92e)は、矩形環状であってもよい。
また、プッシャ60が楕円柱状である場合、図4Cに示すように、弾性部材92(92f)は、楕円環状であってもよい。
本実施の形態では、弾性部材92は、円環状である。このように、弾性部材92は、プッシャ60の外側面に沿う形状を有する。これにより、プッシャ60の形状がどのような形状であっても弾性部材92をプッシャ60の外側面に沿うように配置することができる。なお、弾性部材92の形状は上記に限定されず、プッシャ60の形状が他の形状である場合、当該他の形状に沿う弾性部材92が適宜選択される。
[1-2.遮断動作後の遮断装置の状態]
続いて、上記のように構成される遮断装置1における遮断動作後の状態について、図5~図6Bを参照しながら説明する。図5は、本実施の形態に係る遮断装置1の遮断動作後の状態を説明するための断面図である。図5は、点火器10が発生させたガスの圧力を受けて、プッシャ60が分離部51を切り離した後、プッシャ60が静止した状態の断面構成を示している。なお、図5では、便宜上、開口部11aがZ軸方向に沿って開口された状態であり、開口部11aが最も下方の位置に到達したときの状態を示している。そのため、図5では開口部11aと保護部80とが接触していない図になっているが、実際には第2筒部82と接触するように開口部11aが開口する。
まずは、遮断装置1の遮断動作について説明する。プッシャ60は、点火器10の作動時に当該点火器10からのエネルギーを、上面(受圧面)が受圧することで、図3に示す初期位置から下方に高速移動し、分離部51を保持部52から切り離し、切り離された分離部51と一体となってさらに下方に高速移動し、分離部51が凸部30aに接触する。これにより、プッシャ60は、導電体50を強制的にかつ物理的に切断することができる。
また、凸部30aは、プッシャ60に押されて下方に変形する。これにより、凸部30aが変形することでプッシャ60からの衝撃(応力)を吸収することができる。また、プッシャ60がさらに下方に移動しても、プッシャ60の一部(例えば、凹部61の少なくとも一部)は切断面53より上方に位置する。これにより、導電体50の切断面53同士の絶縁距離を長くすることができるので、導電体50の遮断時にアークが発生することを抑制することができる。
なお、図5に示すように、弾性部材92は、遮断動作において、静止しており、プッシャ60とともに下方に向かって移動することはない。なお、遮断動作における、静止状態において、弾性部材92は振動している場合があり、本実施の形態においては、振動している状態も静止状態とみなすことができる。
図5に示すように、プッシャ60が静止した状態において、弾性部材92は、筐体と樹脂部材40とに保持され、かつ、プッシャ60からの圧力から解放されるので、筐体及び樹脂部材40との接触を維持したまま、内側に向かって膨らむように変形する。つまり、弾性部材92は、上面視において、内側の一部がプッシャ60と重なるように変形する。言い換えると、プッシャ60は、弾性部材92よりも下方に位置し、かつ、弾性部材92の内面92a(内側面)は、上面視でプッシャ60と重なっている。また、プッシャ60が静止した状態において、弾性部材92は、筐体により保持されるので落下しない。プッシャ60が静止した状態において、弾性部材92は、導電体50(例えば、切断面53)より上方に位置する。
これにより、弾性部材92のうち内側に膨らんだ部分が、プッシャ60が上方に戻ることを抑制するストッパーとして機能するので、プッシャ60及び分離部51が上方に戻ることで導電体50が分離部51により再導通してしまうことを抑制することができる。弾性部材92は、上方に戻るプッシャ60からの衝撃(応力)に耐える程度の強度を有する。
なお、図5に示すように、プッシャ60は、導電体50の分離部51が切断された切断面53よりも上方に、プッシャ60の外周に沿って形成される溝または段差を有しない。例えば、プッシャ60の凹部61は、切断面53よりも上方に、プッシャ60の外周に沿って形成される溝または段差を有しない。ここでの「溝」とは、段差が1段の凹みを意味し、「段差」とは段差が2段以上の凹みを意味する。また、ここでの溝または段差は、プッシャ60の外周において半周以上にわたって連続して形成される溝または段差である。つまり、ここでの溝または段差は、図5に示す状態のプッシャ60がZ軸を回転軸として回転した場合であっても、両端の切断面53が溝また段差を介して空間的につながらない程度の溝または段差である。
ここで、遮断動作後の弾性部材92とプッシャ60との位置関係について、図6A及び図6Bを参照しながら説明する。図6A及び図6Bは、本実施の形態に係る遮断装置1の遮断動作後の弾性部材92とプッシャ60との位置関係の各例を示す図である。図6A及び図6Bは、点火器10が発生させたガスの圧力を受けて、プッシャ60が分離部51を切り離した後、プッシャ60が静止した状態(静止状態)での弾性部材92及びプッシャ60との位置関係の模式的に示している。なお、図6A及び図6Bは模式図であり、弾性部材92を楕円状で示し、プッシャ60を矩形状で示している。
図6A及び図6Bに示すように、静止状態において、プッシャ60の上端60a(最も上方に位置する箇所であり、例えば、上面)は弾性部材92の上端92b(最も上方に位置する箇所)よりも下方に位置し、かつ、プッシャ60の下端60b(最も下方に位置する箇所であり、例えば、下面)は弾性部材92の下端92c(最も下方に位置する箇所)よりも下方に位置する。
また、図6Aに示すように、静止状態において、プッシャ60の上端60aは弾性部材92の下端92cよりも下方に位置していてもよい。つまり、静止状態において、プッシャ60と弾性部材92とは上下方向に間隔を開けて位置しており、接触していなくてもよい。この場合、例えば、凸部30aの上端と弾性部材92の下端92cとのZ軸方向の距離は、プッシャ60及び分離部51のZ軸方向の合計厚みより大きい。
このような場合、分離部51が凸部30aに衝突した衝撃でプッシャ60が上方へ移動する、または、静止状態の後、車両の振動等によりプッシャ60が上方へ移動する場合に、プッシャ60の上端60aが弾性部材92と接触するので、プッシャ60が上方へ移動することが抑制される。つまり、弾性部材92は、プッシャ60が上方へ移動することの防壁となる。
また、図6Bに示すように、静止状態において、プッシャ60の上端60aは弾性部材92の上端92b及び下端92cの間に位置していてもよい。つまり、静止状態において、プッシャ60と弾性部材92とは接触していてもよい。この場合、例えば、凸部30aの上端と弾性部材92の下端92cとのZ軸方向の距離は、プッシャ60及び分離部51のZ軸方向の合計厚みより小さく、かつ、凸部30aの上端と弾性部材92の上端92bとのZ軸方向の距離は、プッシャ60及び分離部51のZ軸方向の合計厚みより大きい。
このように、静止状態において、プッシャ60が弾性部材92の上下方向の途中にある場合(接触する場合)でも、弾性部材92の上部が内側に向かって膨らむので、上面視でプッシャ60と弾性部材92とは一部が重なっており、内側に膨らんだ弾性部材92の部分が上方に戻るプッシャ60と接触するので、プッシャ60が上方に戻ることを抑制するストッパーとして機能する。
(実施の形態の各種変形例)
以下では、実施の形態に適用可能な各種変形例について、図7~図9を参照しながら説明する。なお、以下では、実施の形態との相違点を中心に説明し、実施の形態と同一又は類似の内容については説明を省略又は簡略化する。
(実施の形態の変形例1)
図7は、本変形例に係る遮断装置1aを示す断面図である。図7を用いて、筐体が有する曲げ部の他の第1例について説明する。
図7に示すように、遮断装置1aは、実施の形態に係る遮断装置1の上部筐体20に替えて上部筐体20aを備える。
上部筐体20aは、上方に位置する小径部21aと、下方に位置する大径部23と、これらを接続する接続部22aとを有する。小径部21aは、周方向に沿って外向きに突出する部分及びその周辺の筐体の部分を含んで構成される曲げ部25(図7に示す破線枠を参照)を有する。外向きとは、遮断装置1aの上面視において、遮断装置1aの内部から遮断装置1aの外部に向かう向きである。曲げ部25は、上部筐体20aの成型時に形成される。
接続部22aは、小径部21a(例えば、曲げ部25)と、大径部23とを接続するY軸方向に延在する。
上面視において、曲げ部25は、接続部22aの一部と重なる。例えば、曲げ部25は、上面視において、大径部23より外向きには突出していない。
弾性部材92は、筐体の曲げ部25とプッシャ60(例えば、凹部61)との間に位置し、曲げ部25に押圧され、プッシャ60の外側面を押圧するように設けられる。弾性部材92は、曲げ部25と、プッシャ60との間に形成された空間に配置される。本変形例では、弾性部材92は、筐体(曲げ部25)とプッシャ60とに接触しており、例えば筐体(曲げ部25)及びプッシャ60のそれぞれにより押圧されている。言い換えると、弾性部材92は、樹脂部材40とは接触しておらず、樹脂部材40より押圧されていない。なお、押圧された弾性部材92の断面形状は、例えば、三角形状であるが、これに限定されない。
(実施の形態の変形例2)
図8は、本変形例に係る遮断装置1bを示す断面図である。図8を用いて、筐体が有する曲げ部の他の第2例について説明する。
図8に示すように、遮断装置1bは、実施の形態に係る遮断装置1の上部筐体20に替えて上部筐体20bを備える。
上部筐体20bは、上方に位置する小径部21と、下方に位置する大径部23と、これらを接続する接続部22bとを有する。
接続部22bは、小径部21と、大径部23とを接続し、階段状に形成される。図8の例では、接続部22bは1段であるが複数段であってもよい。
上部筐体20bは、周方向に沿って階段状に形成される曲げ部26を有する。曲げ部26は、接続部22bの少なくとも一部を含んで構成される(図8に示す破線枠を参照)。曲げ部26は、小径部21の下端から当該小径部21の延在方向(Z軸方向)と直交する方向(図8の例では、Y軸方向)に曲げられた部分を含む。曲げ部26は、上部筐体20bの成型時に形成される。
弾性部材92は、筐体の曲げ部26とプッシャ60(例えば、凹部61)との間に位置し、曲げ部26に押圧され、プッシャ60の外側面を押圧するように設けられる。弾性部材92は、曲げ部26と、プッシャ60と、樹脂部材40との間に形成された空間に配置される。本変形例では、弾性部材92は、筐体(曲げ部26)とプッシャ60と、樹脂部材40とに接触しており、例えば筐体(曲げ部26)、プッシャ60及び樹脂部材40のそれぞれにより押圧されている。
なお、押圧された弾性部材92の断面形状は、例えば、矩形状であるが、これに限定されない。また、本変形例において、弾性部材92は、樹脂部材40と接触していなくてもよい。
(実施の形態の変形例3)
図9は、本変形例に係る遮断装置1cを示す断面図である。図9を用いて、弾性部材92の保持の仕方の他の例について説明する。
図9に示すように、遮断装置1cは、実施の形態に係る遮断装置1の上部筐体20に替えて上部筐体20cを備え、かつ、樹脂部材40に替えて樹脂部材40cを備える。
上部筐体20cは、上方に位置する小径部21と、下方に位置する大径部23と、これらを接続するY軸方向に延在する接続部22aとを有する。
樹脂部材40cは、実施の形態の樹脂部材40に加えて、第3筒部44を有する。
第3筒部44は、樹脂部材40cのうち筐体内に配置される部分であり、遮断動作していないとき(点火器10によりガスが発生されていないとき)に、プッシャ60の凹部61が内部に配置される。つまり、第3筒部44は、筐体(例えば、小径部21)とプッシャ60との間に位置する。第3筒部44は、第1筒部42より上方に位置する部分であり、第1筒部42と内径が等しい。つまり、第3筒部44と第1筒部42とは、内面が面一である。
弾性部材92は、樹脂部材40cの第3筒部44の内面に形成された周状の凹部とプッシャ60との間に形成された空間に配置される。本実施の形態では、弾性部材92は、樹脂部材40c(第3筒部44)及びプッシャ60(凹部61)それぞれと接触しており、例えば樹脂部材40c及びプッシャ60のそれぞれにより押圧されている。
本変形例の遮断装置1cは、筐体と弾性部材92との間に樹脂部材40cが配置されているので、弾性部材92が筐体と接触しておらず、筐体が樹脂部材40c(第3筒部44)を介して弾性部材92を押圧するように構成される。このような弾性部材92は、筐体に押圧され、プッシャ60の外側面を押圧するように設けられた弾性部材の一例である。
また、本変形例において、プッシャ60の移動後の弾性部材92は、樹脂部材40cにより保持されるので、落下しない。
(別の遮断装置の構成)
分離部51の構造が異なる遮断装置について図11および図12を参照しながら説明する。図11は、別の実施の形態に係る遮断装置を示す断面図である。図12は、図11に示す別の実施の形態に係る遮断装置の分離部が下方に移動した状態を説明するための断面図である。
なお、図11、図12については、上述した遮断装置1と同様の構成については同じ符号を付して、説明を省略する。
上述した遮断装置1では、点火器10が発生させたガスの圧力を受けて、プッシャ60が分離部51を導電体50から切り離すことで、分離部51が下方に移動する。つまり、分離部51を保持部52から切り離すことで、分離部51と保持部52との間が非導通になり、結果、導電体50が非導通になる。しかしながら、本開示の遮断装置は、必ずしも分離部51を切り離す構成である必要はない。
例えば、図11および図12に示すように、点火器10が発生させたガスの圧力を受けて、プッシャ60が分離部を下方に移動させることで、導電体50を非導通にさせてもよい。つまり、保持部52に接触している分離部51を下方に移動させることで、保持部52から分離部51を離すことで、導電体50を非導通にさせてもよい。
(製造方法)
続いて、上記のように構成される実施の形態等に係る遮断装置の製造方法について、図10を参照しながら説明する。図10は、実施の形態1に係る遮断装置1の製造工程を示すフローチャートである。図10では、実施の形態1に係る遮断装置1の製造工程を示すが、他の変形例に係る遮断装置1a~1cにおいても同様である。
図10に示すように、成型等により上部筐体20が作製され(S10)、成型等により下部筐体30が作製される(S20)。なお、ステップS20のあとにステップS10を行ってもよい。
ステップS10において、さらに上部筐体20に保護部80が設けられる。例えば、上部筐体20に溶接などにより保護部80が固定される。また、ステップS20において、凸部30aは、下部筐体30の成型時に同時に形成される。
次に、上部筐体20及び下部筐体30が固定される(S30)。例えば、点火器10、樹脂部材40、導電体50、プッシャ60及び保護部80、弾性部材90、92、94、96を内部に収容した状態で、上部筐体20及び下部筐体30が締結部材等により隙間なく固定される。このとき、弾性部材92は、筐体と、樹脂部材40と、プッシャ60とにより形成される空間に配置される。これにより、上記の遮断装置1が作製される。
(その他の実施の形態)
以上、一つまたは複数の態様に係る遮断装置について、各実施の形態等に基づいて説明したが、本開示は、この各実施の形態等に限定されるものではない。本開示の趣旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を本実施の形態に施したものや、異なる実施の形態における構成要素を組み合わせて構築される形態も、本開示に含まれてもよい。
例えば、上記各実施の形態等では、筐体は金属で構成される例について説明したが、これに限定されず、例えば、筐体のうち下部筐体は、変形する特性を有する樹脂により構成されてもよい。
また、上記各実施の形態等で説明した遮断装置の製造方法における各工程の順序は、入れ替えられてもよい。また、上記実施の形態で説明した遮断装置の製造方法における各工程は、1つの工程で実施されてもよいし、別々の工程で実施されてもよい。なお、1つの工程で実施されるとは、各工程が1つの装置を用いて実施される、各工程が連続して実施される、又は、各工程が同じ場所で実施されることを含む意図である。また、別々の工程とは、各工程が別々の装置を用いて実施される、各工程が異なる時間(例えば、異なる日)に実施される、又は、各工程が異なる場所で実施されることを含む意図である。
本開示は、電気回路に配置される遮断装置等に有用である。
1、1a、1b、1c 遮断装置
10 点火器
11 蓋部
20、20a、20b、20c 上部筐体
21、21a 小径部
22、22a、22b 接続部
23 大径部
24、25、26 曲げ部
30 下部筐体
30a 凸部
33 底部
34 側壁部
40、40c 樹脂部材
41 埋設部
42、81 第1筒部
43、82 第2筒部
44 第3筒部
50 導電体
51 分離部
52 保持部
53 切断面
60 プッシャ
60a、92b 上端
60b、92c 下端
61 凹部
62 第1部位
63 第2部位
70 空間
80 保護部
83 フランジ部
90、92、92d、92e、92f、94、96 弾性部材
92a 内面

Claims (14)

  1. 筐体と、
    ガスを発生させる点火器と、
    前記筐体の内部かつ前記点火器の下方に位置するプッシャと、
    前記プッシャの下方に位置する分離部を有する導電体と、
    前記筐体と前記プッシャとの間に位置し、前記プッシャの外側面を押圧するように設けられた弾性部材と、
    を備え、
    前記点火器が発生させた前記ガスの圧力を受けて、前記プッシャが前記分離部を下方に移動させた後、前記プッシャが静止した状態において、
    前記プッシャは、前記弾性部材よりも下方に位置し、かつ、
    前記弾性部材の内面は、上面視で前記プッシャと重なっている
    遮断装置。
  2. 前記点火器が発生させた前記ガスの圧力を受けて、前記プッシャが前記分離部を切り離した後、前記プッシャが静止した状態において、
    前記プッシャの上端は前記弾性部材の上端よりも下方に位置し、かつ、
    前記プッシャの下端は前記弾性部材の下端よりも下方に位置する
    請求項1に記載の遮断装置。
  3. 前記点火器が発生させた前記ガスの圧力を受けて、前記プッシャが前記分離部を切り離した後、前記プッシャが静止した状態において、
    前記プッシャの上端は前記弾性部材の下端よりも下方に位置する
    請求項2に記載の遮断装置。
  4. 前記筐体の内部かつ前記筐体と前記プッシャとの間に位置する樹脂部材をさらに備え、
    前記弾性部材は、前記筐体と前記プッシャと前記樹脂部材とに接触する
    請求項1~3のいずれか一項に記載の遮断装置。
  5. 前記筐体の内部かつ前記筐体と前記プッシャとの間に位置する樹脂部材をさらに備え、
    前記弾性部材は、前記筐体と前記プッシャと前記樹脂部材とに押圧される
    請求項1~3のいずれか一項に記載の遮断装置。
  6. 前記点火器が発生させた前記ガスの圧力を受けて、前記プッシャが前記分離部を切り離した後、前記プッシャが静止した状態において、
    前記弾性部材は、前記筐体と前記樹脂部材とに保持されている
    請求項4に記載の遮断装置。
  7. 前記筐体は曲げ部を有し、
    前記曲げ部は、前記弾性部材と接触する
    請求項1~のいずれか一項に記載の遮断装置。
  8. 前記点火器が発生させた前記ガスの圧力を受けて、前記プッシャが前記分離部を切り離した後、前記プッシャが静止した状態において、
    前記導電体の前記分離部が切断された面よりも上方に、前記プッシャは、前記プッシャの外周に沿って形成される溝または段差を有しない
    請求項1~のいずれか一項に記載の遮断装置。
  9. 前記プッシャの側壁は、前記弾性部材と接触し、かつ、前記プッシャの外周に沿って形成される溝を有しない
    請求項1~のいずれか一項に記載の遮断装置。
  10. 前記弾性部材は、リング状である
    請求項1~のいずれか一項に記載の遮断装置。
  11. 前記弾性部材は、前記プッシャの外側面に沿うように配置されている
    請求項1~のいずれか一項に記載の遮断装置。
  12. 前記弾性部材は、前記筐体に押圧されるように設けられている
    請求項1~のいずれか一項に記載の遮断装置。
  13. 前記点火器が発生させた前記ガスの圧力を受けて、前記プッシャは、前記分離部を切り離し、前記分離部を下方に移動させる
    請求項1~のいずれか一項に記載の遮断装置。
  14. 前記弾性部材は、前記プッシャの外側面に沿うように配置されている
    請求項7に記載の遮断装置。
JP2023566568A 2022-12-23 2023-07-27 遮断装置 Active JP7426618B1 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2022206460 2022-12-23
JP2022206460 2022-12-23
JP2023027522 2023-07-27

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP7426618B1 true JP7426618B1 (ja) 2024-02-02

Family

ID=89718090

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2023566568A Active JP7426618B1 (ja) 2022-12-23 2023-07-27 遮断装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7426618B1 (ja)

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2019054262A1 (ja) 2017-09-15 2019-03-21 株式会社ダイセル 電気回路遮断装置
JP2022526315A (ja) 2019-03-18 2022-05-24 イートン インテリジェント パワー リミテッド 短絡電流の高速切断のためのスイッチングデバイス
WO2022209250A1 (ja) 2021-03-31 2022-10-06 株式会社ダイセル 電気回路遮断装置

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2019054262A1 (ja) 2017-09-15 2019-03-21 株式会社ダイセル 電気回路遮断装置
JP2022526315A (ja) 2019-03-18 2022-05-24 イートン インテリジェント パワー リミテッド 短絡電流の高速切断のためのスイッチングデバイス
WO2022209250A1 (ja) 2021-03-31 2022-10-06 株式会社ダイセル 電気回路遮断装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6553154B2 (ja) 二次電池および電池モジュール
US11373823B2 (en) Electric circuit breaker device
US10475610B2 (en) Electric circuit breaker device
CN110168779B (zh) 包括电极接片切断装置的袋形二次电池
CN109416999B (zh) 电路切断装置
JP6296153B2 (ja) 蓄電装置
US10147928B2 (en) Secondary battery and battery pack
US20190315238A1 (en) High voltage battery for a motor vehicle
JP5673195B2 (ja) 電池
JP5747859B2 (ja) 蓄電装置および車両
JP7426618B1 (ja) 遮断装置
JP2015056380A (ja) 電流遮断装置及びそれを用いた蓄電装置
CN117219466A (zh) 电路断路装置
JP6111856B2 (ja) 蓄電装置
US11810742B2 (en) Projectile assembly and electric circuit breaker device
JP7442113B1 (ja) 遮断装置
EP3059752B1 (en) Vacuum interrupter
EP4318526A1 (en) Electrical circuit circuit-breaking device
JP6281423B2 (ja) 蓄電装置
WO2023153013A1 (ja) 電気回路遮断装置
WO2023063011A1 (ja) 電気回路遮断装置
WO2023063393A1 (ja) 電気回路遮断装置
WO2023153012A1 (ja) 電気回路遮断装置
WO2023063395A1 (ja) 電気回路遮断装置
KR20220139753A (ko) 파이로 퓨즈

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20231027

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20231027

A871 Explanation of circumstances concerning accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871

Effective date: 20231027

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20231212

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20240111

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 7426618

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151