[遊技システムの概要]
本実施形態に係る遊技システムについて図を用いて説明する。図1は、本実施形態に係る遊技システムの全体構成を示す図である。図2は、本実施形態に係る遊技システムのデータの送受信について説明するためのブロック図である。
図1および図2に示すように、本実施形態に係る遊技システム500は、遊技機11に対して遊技媒体管理装置20をデータ通信可能に接続された構成であり、遊技に用いられる遊技媒体の増減に関するデータ等を遊技機11および遊技媒体管理装置20間で送受信する。そして、遊技システム500において、遊技媒体の増減数の管理を、遊技を制御する遊技機11ではなく、遊技媒体管理装置20が実行する。
遊技システム500は、遊技機11と、遊技機11とデータの送受信が可能に接続された遊技媒体管理装置20とを有している。遊技機11と遊技媒体管理装置20とは、通信ケーブル39を介して接続されていて、これらの間でデータ通信が可能である。なお、通信ケーブル39には光ファイバを用い、光信号によってデータ通信が行われることとすればよい。
遊技機11は、いわゆるパチンコ機であり、遊技媒体として遊技球19を用いる。遊技機11は、発射装置118と、磨き装置122と、揚送装置133とを有している。発射装置118は、遊技機11の前面に設置された透過性を有する板状の保護ガラスによって覆われた遊技領域160の上方に位置し、遊技領域160に対して上方から遊技球19を発射する。これにより、遊技機11ではいわゆる戻り玉を回避することができる。戻り玉とは、遊技領域の下方に設けられた発射装置から発射された遊技球が上方に向かって通路を通って当該通路終端から遊技領域へと放出される構造の一般的な遊技機において生じる現象であり、通路を通って上方に向かった遊技球が通路終端から遊技領域に放出されず、通路を上方から下方に向かって通り、再び発射装置へと戻ってくる現象をいう。
磨き装置122は、遊技領域160を転動した後に遊技領域160から排出された遊技球19を磨く。揚送装置133は、磨き装置122により磨かれた遊技球19を上方へと搬送して、発射装置118へと導く。遊技球19は遊技機11の外部に排出されずに、遊技機11において一定数(例えば、50個)の遊技球19が一連の経路を循環するように構成されている。遊技球19が遊技機11の外部に排出されないため、遊技機11には外部に排出された遊技球19を一時的に保持するための上皿や下皿は設けられていない。ここで、一連の経路とは、具体的には、発射装置118、遊技領域160、磨き装置122、揚送装置133である。なお、発射装置118、磨き装置122および揚送装置133については、後に詳述する。
遊技機11では遊技球19が外部に排出されないことから、遊技者の手元に遊技球19が実際にあるわけではなく、遊技を行うことにより遊技球19が現実に増減するわけではない。遊技機11において、遊技者は遊技媒体管理装置20からの貸出により持ち球を得てから遊技を開始する。ここで、持ち球を得るとは、遊技者が、データ管理上、遊技媒体を得ることをいう。そして、発射装置118から遊技球19が発射されることにより持ち球が消費され、持ち球数が減少する。また、遊技球19が遊技領域160に設けられた各入賞口等を通過することにより、入賞口に応じて設定された条件に従った数だけ払出が行われ、持ち球数が増加する。さらに、遊技媒体管理装置20からの貸出によっても、持ち球数が増加する。
なお、本明細書において、「遊技媒体の消費、貸出および払出」とは、持ち球の消費、貸出および払出が行われることを示す。また、「遊技媒体の増減」とは、消費、貸出および払出によって持ち球数が増減することを示す。また、「遊技媒体の増減数を検出する」とは、持ち球が増減する要因となる現象を検出することも含み、具体的な持ち球の増減数を検出することに限定されるわけではない。また、「遊技媒体の消費、貸出および払出に伴う遊技媒体の増減に関するデータ」とは遊技球19が発射されることによる持ち球の減少と、貸出および払出による持ち球の増加とに関するデータである。
図2に示すように、遊技システム500において、遊技媒体管理装置20が遊技機11に対して、通信ケーブル39を介して光信号によるデータの送受信が可能であるように接続されている。遊技機11は、遊技者が保有する遊技媒体の増減数を検出する増減数検出手段としての増減数検出器1110(各入賞センサ1061および減算センサ1011)と、遊技機11を制御する制御手段である各種制御基板1099(主制御回路106、副制御回路107、および検知制御回路99)とを備える。増減数検出器1110は、遊技者が保有する遊技媒体の増減数すなわち持ち球の増減数を示す増減数検出信号を、遊技媒体管理装置20へ出力する。この際、増減数検出信号は、各種制御基板1099を介さずに遊技媒体管理装置20に入力される。遊技媒体管理装置20は、増減数検出器1110からの増減数検出信号に基づいて遊技者の持ち球数を管理する、管理装置制御部202を有している。本実施形態では、増減数検出信号は、遊技球19が各入賞センサ1061および減算センサ1011のいずれを通過したかを示す信号であり、遊技媒体管理装置20はこれに基づいて持ち球の増減数を決定する。なお、これに限定されず、例えば、各入賞センサ1061および減算センサ1011が、持ち球の具体的な増減数を示す増減数検出信号を遊技媒体管理装置20へ出力することとしてもよい。
このように、遊技媒体管理装置20は、持ち球数を管理している。例えば、遊技球19が各入賞口を通過した場合には、各入賞口における遊技球19の通過を検出する各入賞センサ1061から送信される増減数検出信号に基づき、遊技球19の払出個数を持ち球数に加算する。また、遊技球19が発射された場合には、これを検出する減算センサ1011から送信される増減数検出信号に基づき、持ち球数を減算する。遊技媒体管理装置20は、これら増減数検出信号に基づいて、持ち球数を管理する。そして、遊技媒体管理装置20は、現在の持ち球数に関するデータを遊技機11に送信する。また、遊技媒体管理装置20は、遊技機11で受け付けた遊技価値から持ち球への変換(球貸し)や、持ち球の計数(返却)の要求に基づく処理を実行する。
ここで、「遊技価値」とは、貨幣・紙幣、プリペイド媒体、トークン、電子マネーおよびチケット等であり、遊技媒体管理装置20によって持ち球に変換することが可能であるものを示す。なお、本実施形態において、遊技媒体管理装置20は、いわゆるCRユニットであり、紙幣およびプリペイド媒体等を受付可能に構成されている。また、計数された持ち球は、遊技システム500が設置される遊技場などにおいて、景品交換等に用いることができる。
遊技媒体管理装置20は、紙幣を挿入可能な紙幣挿入口21と、プリペイド媒体を挿入可能なプリペイド媒体挿入口22と、を有している。これにより、遊技媒体管理装置20は、外部から紙幣およびプリペイド媒体を受け付けることができ、遊技価値の管理を行うことができる。なお、図示していないが、遊技媒体管理装置20は遊技者を特定するための会員ID等の情報が記録された会員カードを挿入可能な挿入口も有していてもよく、会員カード挿入口をプリペイド媒体挿入口22と兼用させてもよい。なお、本実施形態では、遊技媒体管理装置20で受け付けた遊技価値を「残高」という。遊技媒体管理装置20は、残高に関するデータおよび貸出に関するデータに基づいて持ち球数を算出し、遊技機11に残高および持ち球数に関するデータを送信する。そして、遊技機11は残高および持ち球数についての表示を行う。また、遊技機11において遊技者が持ち球の計数(返却)操作を行った場合は、そのことを知らせる信号が遊技機11から遊技媒体管理装置20から送信される。
上述したように、本実施形態では、増減数検出器1110から出力された増減数検出信号が、遊技媒体管理装置20に入力される際は、各種制御基板1099を介することがない。ただし、増減数検出器1110から出力された増減数検出信号が、各種制御基板1099以外の回路基板や装置等を介して遊技媒体管理装置20に入力されてもよい。例えば、遊技機11が各種信号を暗号化する暗号化回路を有し、当該暗号化回路が各種制御基板1099による遊技機11の制御とは独立して動作される場合、増減数検出信号が各種制御基板1099の暗号化回路において暗号化された後に遊技媒体管理装置20へ入力されてもよい。
ここで、増減数検出器1110が出力する増減数検出信号は、遊技媒体の増減数を算出するための情報を含む信号であり、具体的には、各入賞センサ1061および減算センサ1011について遊技球19が通過したことを検出した際に出力される信号である。遊技媒体管理装置20の管理装置制御部202は、増減数検出器1110からの増減数検出信号に基づき持ち球数の管理を行う。
このように、遊技システム500において、増減数検出器1110から出力された増減数検出信号については、遊技機11の各種制御基板1099を介して、遊技媒体管理装置20へ入力されることがなく、持ち球数の管理は遊技媒体管理装置20が行う。したがって、遊技機11の各種制御基板1099において持ち球数の管理を行うことがなく、その分、各種制御基板1099の負荷が軽減される。したがって、遊技システム500において、遊技機11の各種制御基板1099の負荷を増加させることなく、持ち球数の管理を問題なく行うことができる。そのため、遊技機11における演出を制限する等、遊技機11の性能が低下することがない。
また、遊技機11の主制御回路106は、後述の始動口161を遊技球19が通過したことに基づいて遊技者にとって有利な大当り遊技状態へ移行するか否かの大当り抽選を所定の抽選条件で行う大当り抽選部1064を有している。
[パチンコ遊技の概要]
ここで、遊技機11において実行されるパチンコ遊技の概要について図を用いて説明する。図3は、本実施形態に係る遊技機および遊技媒体管理装置の正面図である。
図3に示すように、遊技機11は、タッチパネル式である第1液晶表示装置102を有している。第1液晶表示装置102は、遊技機11の上部に位置している。第1液晶表示装置102は、遊技媒体管理装置20で管理する遊技価値から持ち球への変換(球貸し)や、持ち球の計数(返却)の要求を遊技機11において受け付け、持ち球の貸出に関するデータを遊技媒体管理装置20へ送信する。遊技機11の下方には、遊技球数表示装置1024および計数ボタン1025が設けられている。遊技球数表示装置1024は液晶表示装置であり、6桁までの持ち球が表示されるようになっている。計数ボタン1025は、入力に応じて持ち球の計数を行うための信号を遊技媒体管理装置20へ送信する。第1液晶表示装置102の右方向には、ハンドル1026が設けられている。本体191の上部の左右両側には、それぞれスピーカ1075が配設されている。
遊技球19が発射装置118から遊技領域160に発射されることで、管理された持ち球が消費される。そして、遊技領域160において遊技球19が各入賞口を通過することで、当該入賞口に設定される払い出しが行われ、持ち球数が加算される。各入賞口について、具体的に説明する。図3に示すように、遊技領域160の前面中央には、始動口161および大入賞口164が形成されている。また、遊技領域160の左右両側に、それぞれ2つ(合計4つ)の一般入賞口168が形成されている。始動口161の入口側には左右に開閉する一対の羽根部材163が設けられており、大入賞口164の入口側には開閉自在のシャッタ165が設けられている。各入賞センサ1061は、これら始動口161、大入賞口164、および一般入賞口168のそれぞれに設けられ、遊技球19が各入賞口を通過したことを検出することができるようになっている。なお、各入賞センサ1061のうちの1つである始動口入賞センサ1061aは、始動口161を遊技球19が通過したことを検出する入賞検出手段として機能する。このように、各入賞センサ1061には、始動口入賞センサ1061a、大入賞口164に設けられたセンサ、および一般入賞口168に設けられたセンサが含まれる。
遊技球19が始動口161を通過した場合、所定の払出しが行われるとともに、大当り遊技状態へ移行するか否かの大当り抽選が大当り抽選部1064によって所定の抽選条件に基づき行われる。所定の抽選条件とは、例えば、ハズレになる確率や大当たりに当選する確率などの抽選処理に必要な条件である。この抽選条件は、所定の条件(例えば、大当り抽選の抽選結果)に基づき変動されるものであってもよい。遊技領域160の上部には、特別図柄表示装置169が設けられており、この大当り抽選に基づいて動作される。具体的に、特別図柄表示装置169は、7セグメント表示が可能な表示装置であり、大当り抽選毎に行われる特別図柄ゲームにおいて特別図柄(図示せず)の可変表示を行うものである。この特別図柄表示装置169における特別図柄は、一列の図柄列で構成されているが、この構成に限定されるものではなく、例えば、複数の図柄列で構成されていてもよい。
この特別図柄は、数字や記号等からなる図柄であり、7セグメントの各セグメントを適宜組み合わせて表示させることができ、“0”から“9”の数字や、“-”の絵柄を用いることができる。特別図柄ゲームは、始動口161を遊技球19が通過したことを条件として開始され、特別図柄表示装置169において特別図柄が可変表示される。
ここで、「可変表示」とは、変動可能に表示されることである。例えば、変動して表示される「変動表示」、停止して表示される「停止表示」等を可能とするものである。また、「可変表示」としては、特別図柄ゲームの結果として特別図柄が表示される「導出表示」を行うことができる。
この特別図柄表示装置169において、大当り抽選の抽選結果に応じた特別図柄の導出表示が行われ、導出表示された特別図柄が特定の表示態様(例えば、“0”から“9”のいずれかの数字が導出表示される態様、いわゆる「大当り表示態様」)になったことに基づいて、遊技状態を遊技者にとって有利な大当り遊技状態(特定遊技状態)に移行することとなる。この大当り遊技状態となった場合には、シャッタ165が開放状態に制御され、大入賞口164は遊技球19を受け入れ容易な開放状態となる。
このように、遊技球19が始動口161を通過した場合には、持ち球の加算が行われるとともに、大当り抽選部1064において遊技者にとって有利な大当り遊技状態へ移行するか否かの大当り抽選が行われる。すなわち、各入賞センサ1061に含まれる増減数検出手段としての始動口入賞センサ1061aは、持ち球の増減数を検出し、持ち球の増減数を示す増減数検出信号を遊技媒体管理装置20へ出力する。そして、入賞検出手段としての始動口入賞センサ1061aは、始動口161を遊技球19が通過したことを検出し、入賞検出信号を主制御回路106へ出力する。
つまり、遊技機11は、遊技領域160に形成された、遊技球19が通過することができる始動口161と、始動口161を遊技球19が通過したことに基づいて、遊技者にとって有利な大当り遊技状態へ移行するか否かの大当り抽選を所定の抽選条件で行う大当り抽選部1064と、始動口161を遊技球19が通過したことを検出し、入賞検出信号を出力する始動口入賞センサ1061aと、を備え、入賞検出信号は、主制御回路106および遊技媒体管理装置20に入力される。
これにより、遊技者にとって有利な大当り遊技状態へ移行するか否かの大当り抽選を行うことを指示し、かつ、持ち球の払出を指示する入賞検出信号は、主制御回路106および遊技媒体管理装置20のいずれにも入力されることから、大当り抽選処理および遊技媒体の払出処理がいずれも遅延することなく、速やかに行われる。
[遊技システムの動作]
遊技システム500において、各入賞センサ1061または減算センサ1011で遊技球19を検出したことに起因する遊技機11および遊技媒体管理装置20の動作について、フローチャートを参照して具体的に説明する。図4は、本実施形態の増減数検出信号処理のフローチャートであって、図4(a)は、遊技機の増減数検出信号処理のフローチャートであり、図4(b)は、遊技媒体管理装置の増減数検出信号処理のフローチャートである。
まず、図4(a)を参照して、遊技機11の増減数検出信号処理について説明する。遊技機11において、各入賞センサ1061または減算センサ1011によって遊技球19が検出されたか否かが判定される(S101)。各入賞センサ1061または減算センサ1011によって遊技球19が検出されない場合は(S101でNO)、後述のステップS103が実行される。一方、各入賞センサ1061によって遊技球19が検出された場合は(S101でYES)、増減数検出信号が遊技媒体管理装置20へ出力される(S102)。
ステップS102では、各入賞センサ1061のうち始動口161に設けられたセンサ(始動口入賞センサ1061a)で遊技球19が検出された場合には、始動口161で遊技球19が検出されたことを示す増減数検出信号が始動口入賞センサ1061aから遊技媒体管理装置20へ出力される。また、各入賞センサ1061のうち大入賞口164に設けられたセンサで遊技球19が検出された場合には、大入賞口164で遊技球19が検出されたことを示す増減数検出信号が大入賞口164に設けられたセンサから遊技媒体管理装置20へ出力される。また、各入賞センサ1061のうち一般入賞口168に設けられたセンサで遊技球19が検出された場合には、一般入賞口168で遊技球19が検出されたことを示す増減数検出信号が一般入賞口168に設けられたセンサから遊技媒体管理装置20へ出力される。また、減算センサ1011で遊技球19が検出された場合には、減算センサ1011で遊技球19が検出されたことを示す増減数検出信号が減算センサ1011から遊技媒体管理装置20へ出力される。
そして、遊技球19が検出されたセンサが始動口入賞センサ1061aであるか否かが判定される(S103)。そして、遊技球19が検出されたセンサが始動口入賞センサ1061aでない場合は(S103でNO)、後述のステップS105が実行される。一方、遊技球19が検出されたセンサが始動口入賞センサ1061aである場合は(S103でYES)、始動口入賞センサ1061aから入賞検出信号が主制御回路106へ送信される(S104)。
そして、大当り抽選処理が行われる(S105)。大当り抽選処理は、主制御回路106の大当り抽選部1064によって所定の抽選条件に基づき行われる大当り遊技状態へ移行するか否かの大当り抽選を行う処理である。そして、特別図柄ゲーム処理が行われる(S106)。特別図柄ゲーム処理では、主制御回路106から送信されたコマンドデータ(大当り抽選の抽選結果を示す情報)に基づき、副制御回路107によって特別図柄表示装置169の特別図柄の可変表示が行われる。さらに、普通図柄ゲーム処理が行われる(S107)。
そして、大当り抽選処理の結果が大当り(大当り遊技状態への移行)であるか否かが判定される(S108)。大当りでない場合は(S108でNO)、ステップS101が再実行される。一方、大当りである場合は(S108でYES)、シャッタ制御処理が行われる(S109)。シャッタ制御処理では、主制御回路106から送信されたコマンドデータ(大当り遊技状態への移行に当選したことを示す情報)に基づく検知制御回路99の制御によって、シャッタ165が開放状態にされた後、大当り遊技状態が完了した場合にシャッタ165が閉鎖状態にされる。
次に、図4(b)を参照して、遊技媒体管理装置20の増減数検出信号処理について説明する。遊技媒体管理装置20の管理装置制御部202において、増減数検出信号が受信されたか否かが判定される(S201)。増減数検出信号が受信されない場合は(S201でNO)、ステップS1が再実行される。一方、増減数検出信号が受信された場合は(S201でYES)、増減数検出信号の出力元が特定される(S202)。具体的に、増減数検出信号に基づいて、各入賞センサ1061および減算センサ1011のいずれから送信されたものであるかを特定する。
そして、持ち球管理処理が行われる(S203)。具体的に、始動口161、大入賞口164、および一般入賞口168にはそれぞれ払い出される持ち球の増加数が予め設定されており、特定された入賞口に応じて持ち球数が加算される。また、減算センサ1011から出力される増減数検出信号は、遊技球19の発射が行われ持ち球が消費されたことを示す。そのため、この信号が出力された場合は、持ち球数が1減算される。そして、増減数検出信号に応じて更新された持ち球数が遊技機11へ送信される(S204)。遊技機11において持ち球数を受信した場合、表示されている持ち球の更新表示処理が行われる。持ち球数の更新表示については後述する。
[遊技システムの電気的構成および動作]
遊技システムのネットワーク構成、電気的構成および動作について、図を用いて説明する。図5は、本実施形態に係る遊技システムのネットワーク構成を示す図である。図6は、本実施形態に係る遊技システムにおける遊技機および遊技媒体管理装置の電気的構成を示すブロック図である。
図5に示すように、遊技機11が設置される遊技場等において、遊技機11および遊技媒体管理装置20を含む複数の遊技システム500が、パケット通信による光信号のデータ通信が可能に、ホールコンピュータ(遊技場管理装置)50と接続されている。また、表示装置(遊技用装置)40は、遊技機11および遊技媒体管理装置20に対応付けられている。図示していないが、情報表示装置49は遊技機11の上方等に設置され、遊技機11における入賞数等を示す入賞履歴等の遊技情報を表示する。なお、情報表示装置49と第1液晶表示装置102とを一体としてもよい。この遊技情報は、遊技機11から遊技媒体管理装置20を介して情報表示装置49へ送信される。遊技機11は、情報表示装置49と直接データ通信を行うことはできない。また、ホールコンピュータ50は、遊技媒体管理装置20および情報表示装置49のそれぞれとデータ通信可能に接続されている。しかし、遊技機11は、ホールコンピュータ50と直接データ通信を行うことはできない。
遊技機11は、遊技機固有情報と、遊技情報等の遊技に関する情報およびその情報が送信された日時を示す日時情報を含む遊技機データと、を遊技媒体管理装置20へ送信する。ここで、遊技機固有情報とは、各遊技機11を識別するための識別情報であり、各遊技機11に固有の情報である。遊技機固有情報は、遊技機データとセットで遊技機11から遊技媒体管理装置20へ送信される。遊技機固有情報は、遊技機11が有するROM、RAM等の記憶手段に予め記憶されている。
遊技媒体管理装置20は、遊技機11から送信された遊技機固有情報および遊技機データを受信すると、遊技機データを情報表示装置49へ送信するとともに、遊技機固有情報および遊技機データをホールコンピュータ50へ送信する。遊技媒体管理装置20からホールコンピュータ50へ送信されたデータは、パケット通信による光信号として送信される。情報表示装置49は、遊技媒体管理装置20から遊技機データを受信した場合、表示装置固有情報(遊技用装置固有情報)と遊技機データとをホールコンピュータ50へ、パケット通信による光信号として送信する。ここで、表示装置固有情報とは、各情報表示装置49を識別するための識別情報であり、各情報表示装置49に固有の情報である。また、遊技媒体管理装置20および情報表示装置49は、電気信号を光信号に変換する信号変換器を有し、光信号をホールコンピュータ50に送信する。
ホールコンピュータ50は、信号を受信する受信部51と、受信部51が受信した遊技機データを集計して集計結果を表示する表示部52と、互いに対応付けられた遊技機11と情報表示装置49とを記憶している記憶部53と、受信部51で受信したデータを照合することにより、不正行為が行われていないか判断する照合部54とを有している。なお、ホールコンピュータ50は、いわゆるサーバであり、CPU、メモリ、各種入出力デバイス等を有する構成である。ホールコンピュータ50が有する上記各部は、ハードウェアとメモリ内のソフトウェアとが協働して構築されている。
受信部51は、光信号を電気信号に変換する信号変換器を有し、パケット通信による光信号を受信可能である。受信部51は、遊技システム500ごとに、遊技媒体管理装置20からの遊技機固有情報および遊技機データの信号をパケット通信により受信するとともに、情報表示装置49からの表示装置固有情報および遊技機データの信号をパケット通信により受信する。表示部52は、受信部51により受信された遊技機データに基づいて各遊技機の遊技に関するデータを集計し、集計結果を表示する。
記憶部53は、互いに対応している遊技機11および情報表示装置49を記憶している。つまり、互いに対応している遊技機11と情報表示装置49とについて、それらの遊技機固有情報と表示装置固有情報とを対応付けて、予め記憶している。照合部54は、情報表示装置49から受信した表示装置固有情報と、遊技媒体管理装置20を介して遊技機11から受信した遊技機固有情報とを、記憶部53に記憶された内容と照合する。照合部54の照合の結果、遊技機固有情報と表示装置固有情報とが、記憶部53において対応付けられているものとは異なっていると判断した場合には、表示部52はその旨を表示する。この場合は、不正行為が行われたと判断される。
このように、ホールコンピュータ50は、データを受信する受信部51と、受信したデータを集計して表示する表示部52と、を備え、受信部51は、遊技機固有情報と、日時情報および遊技情報を含む遊技機データとを、情報表示装置49および遊技媒体管理装置20を介して遊技機11から信号変換器を通じてパケット通信による光信号により受信し、表示部52、受信した遊技機データに基づいて各遊技機11のデータを集計し表示する。
これにより、パケット通信は送信容量が大きいことから、各遊技機11は機種IDやメイン基板のシリアル番号等の遊技機固有の情報や対応する情報表示装置49に固有の情報を、ホールコンピュータ50に送信することができる。従来は遊技機と遊技機上部に備えられた表示装置との管理は、遊技機と表示装置の番号を予め紐付けて管理していた。それに対して本実施形態では、上記構成により、遊技媒体管理装置20および情報表示装置49から送信されるデータにより遊技機11および情報表示装置49を識別することにより、これらを管理できる。したがって、遊技機11を管理するホールコンピュータ50側で、予め、遊技機11を設置場所に関連付けてデータ設定しておく必要がない。また、遊技場内で遊技機の移動を行った際に、移動先の情報表示装置49の番号を新たに遊技機11に関連付けて再設定する必要もない。これにより、遊技場の管理者の負担を軽減することができる。
また、ホールコンピュータ50は、受信部51と、表示部52と、記憶部53と、表示部52と、を備え、受信部51は、ある遊技機11とは異なる他の複数の遊技機11それぞれからデータを受信可能に配されるとともに、自身の表示装置固有情報を送信可能な情報表示装置49からの信号を受信可能に構成され、記憶部53は、遊技機11と情報表示装置49とを対応付けて記憶し、照合部54は、情報表示装置49から受信した表示装置固有情報と、遊技機11から受信した遊技機固有情報とを記憶部に記憶された情報と照合し、表示部52は、照合部54による照合の結果、受信した表示装置固有情報と受信した遊技機固有情報とが対応付けられたものでないと判断したときにはその旨を表示する。
このような構成により、遊技機11と情報表示装置49とが対応付けられているか否かを、遊技機11から遊技媒体管理装置20を介して受信された遊技機固有情報と情報表示装置49から受信された表示装置固有情報とを予め記憶された情報と照合することで判定することができる。判定の結果、これらの情報が不一致である場合には、遊技機固有情報が正しくないと判断できる。それにより、遊技機11の制御基板等を不正に交換する等の不正行為が行われたか否かを検出することができる。このように簡素な構成で不正行為を検出可能である。なお、表示装置固有情報と遊技機固有情報とが対応付けられたものでないと照合部54で判断された場合には、遊技機11になんらかの不正行為が行われたのではなく、情報表示装置49になんらかの不正行為が行われた可能性も考えられるが、不正行為を行う者は、普通、不正出玉獲得を行うことから、情報表示装置49に不正行為が行われることはほとんどない。
ここで、風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律によると、遊技機と外部装置とは電気的に接続することが認められていないと解釈できる。そこで、例えば、特開2008-173202号公報に開示されているように、従来の遊技機は、機械的に動作する電磁継電器を有する集中端子板を備え、この集中端子板と外部装置とが接続されていた。この従来の遊技機の集中端子板は、外部装置との信号の送受信を複数の信号ごとに設置された電磁継電器を用いて行っているため、大容量のデータを、簡単な構成により高速で簡単に送受信することが困難であった。しかし、本実施形態では、上述したように、遊技システム500と外部装置であるホールコンピュータ50とは、パケット通信による光信号のデータ通信が可能に接続されている。そのため、ホールコンピュータ50は、それぞれ大容量のデータである、遊技機固有情報および遊技機データの信号と、表示装置固有情報および遊技機データとを、遊技システム500ごとにパケット通信により一括して受信することができる。それにより、簡素な構成で不正行為を検出可能である。
図6に示すように、遊技機11は、検知制御回路99、表示装置制御基板103および遊技機接続基板201、主制御回路106および副制御回路107を有している。これらは、マイクロコンピュータを主要な構成部品として有している。マイクロコンピュータは、CPUおよび処理プログラム等が記憶される記憶部(RAM、ROM等)により構成される。
また、遊技機11は電源供給用の電源108を有している。電源108は、遊技機11の各部に電力を供給する。なお、主制御回路106には検知制御回路99を経由して、電源108から電力が供給されている。また、表示装置制御基板103には副制御回路107を経由して、電源108から電力が供給されている。
表示装置制御基板103は第1液晶表示装置102と接続されている。表示装置制御基板103は、第1液晶表示装置102の表示を制御する。例えば、第1液晶表示装置102に送信される画像用の信号を第1液晶表示装置102においての表示に適するように変換する。例えば、表示装置制御基板103は画像のサイズが第1液晶表示装置102の画面のサイズに合うように画像用の信号を変換する。また、表示装置制御基板103は、第1液晶表示装置102の入力信号に応じて、遊技媒体管理装置20に指示を行う送信信号を生成する。
主制御回路106は、各入賞センサ1061、磁石センサ1062および第2電波センサ1063と接続され、これらセンサからの信号を受信する。また、主制御回路106は、普通電動役物ソレノイド1064、大入賞口ソレノイド1065およびLED1066と接続され、これらの動作を制御する。
副制御回路107は、演出用ボタン1071および演出用センサ1072と接続され、これらからの信号を受信する。また、第2液晶表示装置1073、第1LED基板1074、スピーカ1075、第2LED基板1076、アクチュエータ1077が接続され、これらの動作を制御する。
検知制御回路99は、上述の各入賞センサ1061の他、第1電波センサ1001、第1開放センサ1002、第2開放センサ1003、遊技球ゼロセンサ1004、適正数センサ1005、アウト口センサ1006、ハンドルボリューム1007、停止スイッチ1008、タッチセンサ1009、発射装置入口センサ1010、減算センサ1011、揚送装置入口センサ1012、揚送モータセンサ基板1013、着脱ユニットセンサ1014、磨きモータセンサ1015および磨き装置入口センサ1016と接続され、これらからの信号を受信する。また、球送りソレノイド1017、発射ソレノイド1018、揚送モータ1019、着脱ユニットモータ1020および磨きモータ1021と接続され、これらの動作を制御する。
また、検知制御回路99は、計数スイッチ1023を有した表示基板1022と接続されている。表示基板1022は、遊技球数表示装置1024(図3参照)を制御する。
また、遊技機11は、第1接続部104および第2接続部105を有している。第1接続部104は、各入賞センサ1061および減算センサ1011に接続されている。各入賞センサ1061および減算センサ1011は、第1接続部104を介して、遊技媒体管理装置20の遊技機接続基板201に接続されている。第2接続部105は、表示装置制御基板103に接続されている。表示装置制御基板103は、第2接続部105介して、遊技媒体管理装置20の遊技機接続基板201に接続される。
第1接続部104は、各入賞センサ1061および減算センサ1011からの信号を光信号に変換する信号変換器を有しており、遊技媒体管理装置20に対して光通信方式による通信が可能である。ここで、上述の特開2008-173202号公報に開示されているように、従来の遊技機は、機械的に動作する電磁継電器を有する集中端子板を備え、この集中端子板と外部装置とが接続されていた。この従来の遊技機に対して、遊技システム500は、以下に示すように様々な有利な効果を奏する。
遊技システム500において、従来の遊技機における外部装置と端子板を接続する場合のように、これらの間に外部装置に対する信号の種別毎にそれぞれ電磁継電器を設ける必要がない。遊技システム500では、第1接続部104と遊技媒体管理装置20との間に信号変換器を1つ備えるだけでよく、コストの軽減を図ることができる。また、電磁継電器を用いたリレー回路では、その構造上、空きピンを設けることが困難であるが、光通信方式を用いる場合は、例えば受信側においても複数の空きピンを設けることが可能であり拡張性が高い。また、電磁継電器は電磁石により機械的に動作するものであるため故障が発生しやすいが、光通信方式では故障が少なく、電磁継電器を用いた場合よりも平均故障時間を低減し信頼性を向上させることができる。また、電磁継電器はノイズが発生しやすいが、光通信方式はノイズの影響を受けにくい。また、光通信方式の場合、電磁継電器を用いた場合よりも応答速度が速く、一度のパケットで大容量データを転送することもできる。一度のパケット通信で大容量のデータを送ることができるので、通信回数が減り、データ生成量が減少される。例えば、持ち球を15個増加させるという信号を送信する場合、電磁継電器を用いた方式では、1個の持ち球を増加させる信号を15回送信する必要がある。しかし、光通信方式では、15個の持ち球を増加させる信号を一括で送信できる。さらに、その他の信号(例えば、コマンド種別、通信日時などの日時データ、および、遊技機固有番号等)を同時に送信することも可能である。その結果、通信における送信側の制御および受信側の制御を、ともに簡素化することができる。それにより、各制御基板が有するCPUの小型化が可能となる。なお、各入賞センサ1061および減算センサ1011から光通信ケーブルを、遊技媒体管理装置20に直接接続してもよい。これにより、第1接続部104が不要となり、コストの軽減を図ることができる。
したがって、遊技媒体管理装置20の管理装置制御部202は、遊技媒体管理装置20の遊技機接続基板201および遊技機11の第1接続部104を介して、遊技機11の各入賞センサ1061および減算センサ1011に接続される。そして、遊技媒体管理装置20の管理装置制御部202は、遊技媒体管理装置20の遊技機接続基板201および遊技機11の第2接続部105を介して、遊技機11の表示装置制御基板103に接続される。管理装置制御部202はCPUおよび処理プログラム等が記憶される記憶部(RAM、ROM等)により構成される。
以下、これらの構成の説明とともに遊技システム500について説明する。遊技機11の各入賞センサ1061は、各入賞口を通過する遊技球19を検出する。遊技媒体管理装置20の管理装置制御部202は、上述のように、各入賞センサ1061から出力される増減数検出信号に基づいて、各入賞に応じた球数を持ち球数に加算する。このように、遊技システム500は、入賞球を検出する機能を有している。
磁石センサ1062は、遊技機11における異常な磁気を検出する。これにより、磁石を利用して遊技球19を操作するといった不正行為を防止することができる。第2電波センサ1063は、遊技機11における異常な電波を検出する。これにより、遊技機11に対して電波を照射したり放電させたりすることにより、遊技機11の誤動作を誘発させるといった不正行為を防止することができる。
普通電動役物ソレノイド1064は、始動口161に設けられる羽根部材163を有した普通電動役物162(図3参照)に接続されており、主制御回路106から供給される駆動信号に応じて、羽根部材163が開放状態または閉鎖状態とする。また、大入賞口ソレノイド1065は、シャッタ165を有した大入賞口164に接続されており、主制御回路106から供給される駆動信号に応じて、シャッタ165を駆動させ、大入賞口164を開放状態または閉鎖状態とする。LED1066は、始動口161に遊技球が入球したことに基づいて大入賞口164を開放させるか否かの抽選結果である特別図柄表示装置、普通電動役物を開放するか否かの普通図柄表示装置、またはこれらの保留数である保留表示装置等の状態を表示するものであり、主制御回路106から供給される駆動信号に応じて点灯態様が変動する。
例えば、針金等を用いて大入賞口164のシャッタ165を強制的に開放状態とする不正行為を行ったとしても、シャッタ165を駆動させる駆動信号が供給されているか否かを検出することにより、不正が行われていることを検出することができ、不正行為を防止することができる。
表示基板1022は、遊技者が有している持ち球数を表示する遊技球数表示装置1024を制御する。具体的には、図3に示すように、遊技機11の前面における下部には、遊技球数表示装置1024が設けられている。遊技球数表示装置1024は液晶表示装置であり、6桁までの持ち球数が表示されるようになっている。持ち球数は、上述したとおり、遊技媒体管理装置20によって管理されている。遊技が実行されることにより持ち球数は増減する。遊技媒体管理装置20は、各入賞センサ1061または減算センサ1011から送信される増減数検出信号に基づいて加算および減算を行い、持ち球数を管理している。そして、遊技媒体管理装置20は、持ち球数に関する信号を表示基板1022へと送信する。表示基板1022は、検知制御回路99から持ち球数の増減に関する信号を受信して、遊技球数表示装置1024に表示される持ち球数を更新する。また、表示基板1022は、持ち球数が0であった場合には、その旨を示す信号を検知制御回路99へ送信する。これにより、検知制御回路99は、遊技球19を発射してもよいか判定を行うことができる。なお、遊技機11の制御において必要であれば持ち球数が0以外であっても、持ち球数に関する信号を検知制御回路99に送信することとしてもよい。また、このような持ち球数に関する信号は、表示基板1022を介して検知制御回路99に送信されるのではなく、遊技媒体管理装置20から検知制御回路99へ直接送信されることとしてもよい。
上述のように、各入賞センサ1061で遊技球19が検出された場合、入賞ごとに設定される獲得遊技球数が持ち球数に加算される。つまり、増減数検出信号が遊技媒体管理装置20へ送信され、遊技媒体管理装置20では各入賞に応じた獲得遊技球数が現在の持ち球数に加算される。そして、遊技媒体管理装置20は、加算後の持ち球数に関するデータを表示基板1022に送信し、表示基板1022により遊技球数表示装置1024が表示される持ち球を更新する。
減算センサ1011は、発射装置118における遊技球19の出口に設けられており、発射装置118から遊技球19が発射されること(発射球)を検出する。遊技媒体管理装置20は、減算センサ1011から送信される増減数検出信号を受信すると、現在の持ち球数を減算する。これにより、遊技媒体管理装置20により管理される持ち球数が更新される。遊技媒体管理装置20は、減算後の持ち球数に関するデータを検知制御回路99に送信する。そして、検知制御回路99から表示基板1022に持ち球数が送信されることにより、遊技球数表示装置1024の持ち球数の表示が更新される。なお、戻り玉が生じた場合は、実際には遊技球19が遊技領域160に発射されていないにも関わらず、減算センサ1011では遊技球19が発射されたと誤って検出をする可能性がある。しかし、上述したように、遊技機11は戻り玉を回避することができる構造であるため、遊技媒体管理装置20は持ち球数を正しく管理できる。
表示基板1022が有する計数スイッチ1023は、図3に示すように遊技球数表示装置1024の左側に配設される計数ボタン1025への入力を検出する。遊技者が計数ボタン1025を押下すると、計数スイッチ1023から検出信号が出力される。表示基板1022は計数スイッチ1023からの検出信号を受信すると、遊技球数表示装置1024に表示された持ち球数を徐々に減少させる。そして、同時に、遊技球数表示装置1024に表示された持ち球数の減少分に関してのデータが遊技媒体管理装置20に送信される。管理装置制御部202はこのデータに応じて、遊技球数表示装置1024に表示された持ち球数の減少分を、計数球数として遊技媒体管理装置20の表示装置(図示せず)に表示させる。つまり、持ち球を計数球に変換する。
また、計数ボタン1025の押下時間が長くなればなるほど、遊技球数表示装置1024に表示された持ち球数の減少速度が速くなるようにしてもよい。その場合は、持ち球数の減少速度に対応して、遊技媒体管理装置20に表示される計数球数の増加速度も速くなる。そして、持ち球数が所望の値となったところで、計数ボタン1025の押下操作を停止すれば、計数球への変換が停止する。これにより、遊技者は容易に、持ち球のうち所望の数の球を計数球に変換することができる。
また、遊技者が第1液晶表示装置102における特定領域(後述の返却表示領域102b)を押下した後、10秒以内に計数ボタン1025を押下した場合には、遊技球数表示装置1024に表示された持ち球数がゼロになり、遊技球数表示装置1024に表示されていた持ち球数が計数球数に加算されて、遊技媒体管理装置20に表示されることとしてもよい。これにより、持ち球を一括で計数球数とすることができるため、すべての持ち球を計数する場合に、遊技者の操作が容易である。また、計数スイッチ1023を1回操作するだけですべての持ち球を一括で計数するようにしてもよい。また、第1液晶表示装置102において、計数球に変換する持ち球の数を設定できることとしてもよい。これにより、遊技者は任意の数の持ち球を容易に計数球に変換することができる。
遊技球19は各入賞口を通過して磨き装置122に到達するか、各入賞口を通過せずに遊技領域160の下部に形成されたアウト口166を通過して磨き装置122に到達するかのいずれかである。したがって、各入賞センサ1061およびアウト口センサ1006の検出信号に基づいて、遊技領域160から磨き装置122へと到達して循環されるすべての遊技球19の個数(アウト球数)を検出することができる。なお、アウト球数を検出する際の各入賞センサ1061からの信号は、各入賞口を通過したか否かを示すものであり、持ち球の増減数を示すものではない。また、アウト球検出機能は、遊技媒体管理装置20が有していてもよい。その場合は、アウト口センサ1006は、遊技球19を検出した際に、当該検出信号を遊技媒体管理装置20へ送信することとすればよい。
また、遊技システム500は、エラー検出機能を有している。例えば、発射球の検出信号およびアウト球の検出信号により、遊技領域160に発射された遊技球19の個数と、遊技領域160から磨き装置122へ到達する遊技球19の個数とを比較することができる。すなわち、外部から遊技球19が遊技領域160内へ投入されるような不正行為を検出することができる。このように、遊技システム500は、遊技球数オーバーフローエラーを検出することができる。なお、遊技球数オーバーフローエラーは、遊技機11において、認識できる持ち球数を超えた場合に生じるエラーとしてもよい。例えば、持ち球数が、遊技球数表示装置1024に表示可能な6桁の持ち球を超えた場合に、遊技球数オーバーフローエラーが検出されることとしてもよい。
また、発射球の検出信号およびアウト球の検出信号により、遊技領域160に発射された遊技球19の個数と、遊技領域160から磨き装置122に到達する遊技球19の個数とを比較し、アウト球が検出され続ける一方で発射球が検出されない状態が生じた場合には、減算センサエラーを検出することができる。すなわち、遊技球19が発射装置118において球詰まりしていることを検出することができる。
また、発射球の検出信号およびアウト球の検出信号により、遊技領域160に発射された遊技球19の個数と、遊技領域160から磨き装置122に到達する遊技球19の個数とを比較し、発射球が検出され続ける一方で、発射球に応じたアウト球が検出されない状態が生じた場合には、入賞センサエラーを検出することができる。すなわち、遊技球19が各入賞口等において球詰まりしていることを検出することができる。
第1液晶表示装置102は、球貸に関する遊技者の入力を受け付けるための入力装置であると共に、遊技価値の残高を表示する表示装置として機能する。図3に示すように、遊技機11の上方には、第1液晶表示装置102が設けられている。第1液晶表示装置102の画面上には、再プレイ表示領域102a、返却表示領域102b、球貸表示領域102cおよび残高表示領域102dが形成されている。残高表示領域102dには、遊技媒体管理装置20において、外部から紙幣またはプリペイド媒体等の遊技価値を受け付けた場合に、その遊技価値のうち持ち球に変換可能である額が表示される。
再プレイ表示領域102a、返却表示領域102bおよび球貸表示領域102cは、遊技者の入力を受け付けるための入力用の領域である。第1液晶表示装置102が遊技者によるタッチ操作がなされた領域が球貸表示領域102cであることを検出したときは、表示装置制御基板103は、球貸を要求する送信信号を遊技媒体管理装置20に送信する。遊技媒体管理装置20では球貸要求に基づいて、残高を減算すると共に減算した分に対応する持ち球数を加算する貸出処理を行う。そして、更新された残高は、表示装置制御基板103を介して遊技媒体管理装置20から第1液晶表示装置102へ送信され、残高表示領域102dの残高表示が更新される。また、加算された持ち球数は、遊技媒体管理装置20から表示基板1022へ送信され、遊技球数表示装置1024の持ち球の表示が更新される。
また、遊技媒体管理装置20において残高がない状態(例えば、遊技媒体管理装置20にプリペイド媒体が挿入されていない場合等)では、球貸表示領域102cへの入力は無効となる。このような状態で、球貸表示領域102cにおける遊技者のタッチ操作を検出した場合には、不正加算エラーが検出される。なお、残高があり、持ち球への変換が可能な場合は、球貸表示領域102cが発光しているように表示し、残高がなく、持ち球への変換が不可能な場合は、球貸表示領域102cはやや暗めとなるように表示してもよい。
また、第1液晶表示装置102が遊技者によるタッチ操作がなされた領域が返却表示領域102bであることを検出したときは、表示装置制御基板103は、遊技の終了を要求する送信信号を遊技媒体管理装置20に送信する。そして、遊技媒体管理装置20は、遊技の終了を指示するための送信信号を表示基板1022に対して送信する。また、返却表示領域102bがタッチ操作された後、10秒以内に遊技者が計数ボタン1025を押下した場合には、上述したように、持ち球数が一括で計数球数に変換されて遊技媒体管理装置20に表示される。
なお、第1液晶表示装置102の再プレイ表示領域102aは、再プレイ貯玉がある場合にのみ入力の受け付けが有効となる。再プレイ貯玉とは、前日以前に遊戯した際の持ち球を持ち越すことをいう。再プレイ球の数等の持ち越した持ち球に関する情報は、例えば、遊技場以外の場所に設置された貯玉サーバに、遊技者を特定できる会員ID等の情報と対応付けて記憶されている。遊技者は、例えば、遊技中はこの会員カードを遊技媒体管理装置20に挿入しておくこととすればよい。遊技者が、会員カードを遊技媒体管理装置20に挿入した状態で再プレイ表示領域102aをタッチ操作することで、遊技媒体管理装置20は会員カードに記録された会員IDを読み取り、貯玉サーバより当該会員IDに対応付けられた、再プレイ球の数等の情報を入手する。遊技媒体管理装置20はこの情報に基づいて再プレイ球の数を持ち球数に加算する。
第1液晶表示装置102が遊技者によるタッチ操作がなされた領域が再プレイ表示領域102aであることを検出したときは、表示装置制御基板103において再プレイを要求する送信信号が遊技媒体管理装置20へ送信される。そして、遊技媒体管理装置20は、再プレイ球数の個数情報に基づいて増加された持ち球数の情報を表示基板1022に送信し、遊技球数表示装置1024の持ち球数の表示が更新される。そして、貯玉サーバに記憶された情報が更新される。
また、図示していないが、第1液晶表示装置102には、画面切り替え領域が表示されていることとしてもよい。第1液晶表示装置102が遊技者によるタッチ操作がなされた領域が画面切り替え領域であることを検出したときは、第1液晶表示装置102に表示される内容が切り替えられることとしてもよい。例えば、上述した貸出動作の結果内容や返却動作の結果内容等の遊技媒体管理装置20からの情報と、副制御回路107から送信される演出用の画像等の情報とで、切り替えが行われることとしてもよい。
また、図示していないが、第1液晶表示装置102は、遊技媒体管理装置20に挿入された会員カードに記録された会員ID等のカード情報や遊技機11の遊技情報等を表示可能であることとしてもよい。これらのカード情報や遊技情報の表示は、第1液晶表示装置102のタッチ操作により、図3に示すような表示態様と切り替えが可能であることとしてもよい。
遊技機11は、電源が投入されると、主制御回路106に設けられたCPUの固有ID、検知制御回路99に設けられたCPUの固有ID、遊技機11に記憶された遊技機製造業者コード、上述の認証・通信制御回路300等の実現に用いられるセキュリティチップの製造業者コード、遊技機11の型式コードおよび遊技場の整合性を判定する。
第1開放センサ1002は、本体191において、ガラス枠が開放されていることを検出する。また、第2開放センサ1003は、本体191において、内枠が開放されていることを検出する。
第1電波センサ1001は、遊技機11の本体191に対する異常な電波を検出する。
また、遊技機11は、上記のようなエラーを検知した場合は、エラー報知を行う。エラー報知としては、エラーを検出する基板にもよるが、遊技の停止、遊技媒体管理装置20によるエラー情報の表示、スピーカ1075によるエラー情報の音声出力、本体演出用の第1LED基板1074や盤面演出用の第2LED基板1076に接続されるLEDの点灯、アクチュエータ1077の駆動およびタッチパネル式である第1液晶表示装置102におけるエラー情報の表示等とすればよい。
遊技機11は、遊技媒体管理装置20に対して、遊技状態の情報を出力する。具体的には、遊技機11は、遊技媒体管理装置20に対して、アウト球数、入賞により得た持ち球数、入賞毎に出力される入賞種別(始動口、大当り、小当り、出玉大の大当り、出玉小の大当り、出玉中の大当り)、大当りかつ時短状態、確変状態、時短状態、不正検出に関するセキュリティ、ガラス枠開放状態、内枠開放状態、遊技機エラー時、に関する情報を出力する。
電源108は、単相交流100Vから遊技機11に必要な電源を生成する。本実施形態では、電源108は、検知制御回路99と、副制御回路107とに直接電力を供給する。そして、主制御回路106に検知制御回路99を介して電力を供給する。また、表示装置制御基板103には副制御回路107を介して電力を供給する。なお、電力の供給は上述の態様に限定されるわけではない。
また、電源108は、図示していないバックアップ電源を有している。そのため、電源がOFFにされても、主制御回路106および検知制御回路99のそれぞれのRAMに記憶された情報を保持することができる。なお、電源108には、図示していないクリアスイッチが設けられている。クリアスイッチを操作することにより、主制御回路106および検知制御回路99のそれぞれのRAMに記憶された情報を初期化することができる。
具体的には、主制御回路106のRAMにおいて保持される内容は、大当り状態(ラウンド回数含む)、高確率・時短状態、保留メモリ(特別図柄、普通図柄)の乱数値、エラー状態、検知制御回路99への未送信コマンドデータ、普通電動役物および特別電動役物、である。また、検知制御回路99のRAMにおいて保持される内容は、持ち球数、エラー状態、遊技媒体管理装置20への未送信コマンドデータ、遊技台情報、遊技情報および遊技媒体管理装置20に挿入された会員カードのカード情報等、である。
発射ソレノイド1018は、発射装置118に設けられ、検知制御回路99からの駆動制御信号に応じて遊技球19の発射を行うための動作を行う。発射ソレノイド1018を駆動するための駆動制御信号は、遊技者によってハンドル1026(図3参照)が操作されることにより出力される。タッチセンサ1009は、ハンドル1026の周縁に設けられており、遊技者がハンドル1026を握持した場合にはタッチセンサ1009にも触れることとなるような位置に配置されている。したがって、タッチセンサ1009からの検出信号により、遊技者がハンドル1026を握持しているか否かの検出を行うことができる(タッチ検出)。
ハンドル1026は、回転可能なように本体191に設置されている。また、ハンドル1026は、回転させた場合に、時計回りの反対方向へ付勢力が働くように設置されている。したがって、ハンドル1026を回転させて手を離すと、ハンドル1026は回転して元の位置に戻る。
ハンドル1026には、時計回り方向への回転角度に応じた検出信号を出力するハンドルボリューム1007が設けられている。このハンドルボリューム1007から出力される信号に応じて、発射装置118からの遊技球19の発射強度が変更される。
また、ハンドル1026には保持レバー1026aが設けられており、遊技者が保持レバー1026aを操作することで、ハンドル1026の回転位置が固定される。すなわち、ハンドル1026を回転させて、所望の位置で保持レバー1026aを操作することにより、ハンドル1026から手を離してもハンドル1026が回転することがなく、その位置で保持される。これにより、長時間にわたる遊技による疲労を軽減することができる。
さらに、図示していないが、ハンドル1026はスイング移動構造を有しており、ハンドル1026を上下左右にスイング移動させることができる。つまり、ハンドル1026は一般的には、本体191に対して略垂直方向に突出しているが、スイング移動構造を有することから、本体191に対してハンドル1026が傾斜するように配置することができる。これにより、遊技者はハンドル1026の操作において操作しやすいように、ハンドル1026を適度にスイング移動させることができる。
また、停止スイッチ1008は、例えばハンドル1026の近傍に設けられている。検知制御回路99は停止スイッチ1008からの検出信号を受信した場合は、ハンドルボリューム1007から検出信号を受信している場合でも、発射ソレノイド1018の動作を停止させる。つまり、遊技者が停止スイッチ1008を操作している場合は、ハンドル1026が回転させられていても、発射装置118から遊技球19が発射されることはない。なお、ハンドル1026が回転させられていても、タッチセンサ1009からの検出信号が出力されていない場合すなわち遊技者がハンドル1026を握持していない場合、および、ハンドル1026の回転角度が小さすぎる場合には、発射装置118から遊技球19が発射されることはない。
ここで、発射装置118について図を用いて説明する。図7は、本実施形態に係る遊技機の発射装置について説明するための図である。また、図8は、本実施形態に係る遊技機の発射装置の平面図である。
図7に示すように、発射装置118は、発射ソレノイド1018、発射台1111、発射杵1112および支持軸1113を有している。発射杵1112はその上端部が支持軸1113に支持されており、支持軸1113を回転中心として回転可能に設置されている。発射ソレノイド1018は発射杵1112の近傍に配置されている。発射ソレノイド1018が検知制御回路99により駆動させられることにより、発射杵1112は発射ソレノイド1018に引き寄せられて、回転駆動する。発射杵1112が発射ソレノイド1018に引き寄せられることにより遊技球19を打撃し、遊技球19が発射装置118から斜め上方へと発射される。発射台1111は発射杵1112により打撃される遊技球19の待機位置である。遊技球19が発射台1111に配置された状態で、発射杵1112の反対側が発射方向であり、開放されている。
図8に示すように、発射装置118は、上述した部材以外に、球入口1114、発射装置入口センサ1010、球通路1115、球送りソレノイド1017および減算センサ1011を有している。遊技球19は、球送りソレノイド1017によって発射台1111へ送り出される。揚送装置133によって遊技機上部へ搬送された遊技球19は球入口1114に導かれる。さらに、球通路1115を通過し、待機位置にて待機する。球通路1115に設けられた発射装置入口センサ1010は、遊技球19が球通路1115を通過することにより検出信号を出力する。遊技者がハンドル1026を操作した場合は、検知制御回路99により球送りソレノイド1017が駆動させられ、図示していない球送り杵が発射台1111の方向(図8では下方向)へと、待機状態の遊技球19を押し出す。これにより、遊技球19が発射台1111へ移動する。また、待機位置から発射台1111への経路には減算センサ1011が設けられており、発射台1111へ移動する遊技球19を検出する。減算センサ1011によって、遊技球19が検出された場合には、持ち球数が1減算される。
図3に示すように、遊技領域160において、始動口161や大入賞口164等の各入賞口、または、アウト口166を通過した遊技球19は、ガイド経路167を経由して磨き装置122に案内される。
ここで、磨き装置122について説明する。磨き装置122の詳細は図示していないが、磨き装置122は筐体と筐体に着脱自在な着脱ユニットとを有している。筐体には、ガイド経路167によって案内された遊技球19を筐体の内部へ導くための球入口が形成されている。球入口には、遊技球19が投入されたことを検出する磨き装置入口センサ1016が設けられている。筐体の前面側には、着脱ユニットを嵌め込むための嵌合凹部が形成されている。また、嵌合凹部の内側には、遊技球19の搬送経路となるガイド溝が形成されている。また、球入口とガイド溝との間には遊技球19を導くために入口案内経路が形成されている。また、ガイド溝の端部には、球出口が形成されている。ガイド溝には、ガイド溝に沿って遊技球19を導くためのらせん状のスクリューが設置されている。ガイド溝に導かれた遊技球19は、このスクリューが回転することによりガイド溝に沿って搬送され、球出口へと導かれる。
着脱ユニットは、遊技球19を磨くための布を有している。当該布の一部は着脱ユニットの外部に露呈しており残りは着脱ユニットの内部に設置されている。磨き装置122に設けられた着脱ユニットモータ1020が駆動することにより、この布は一定方向に送られ、外部に露呈される部分が変化する。つまり、着脱ユニットモータ1020が駆動することにより、露呈された布が着脱ユニット内部へと送られていき、それに伴って、着脱ユニット内部から布の新たな部分が外部に送られてくる。
着脱ユニットを筐体の嵌合凹部に嵌め込むことにより、ガイド溝1204の開放された側に露呈された布が押し付けられる態様となる。つまり、スクリューが回転することにより遊技球19がガイド溝に沿って搬送されている際に、遊技球19が布に接触することとなる。なお、筐体には、着脱ユニットが嵌合凹部に嵌め込まれていることを検出する着脱ユニットセンサ1014が設けられている。磨き装置122は、さらに検知制御回路99によって制御される着脱ユニットモータ1020および磨きモータ1021を有する。
着脱ユニットが筐体の嵌合凹部に嵌め込まれている状態で、着脱ユニットモータ1020および磨きモータ1021が駆動する。これにより、布は移動し始め、スクリューは回転し始める。スクリューが回転することにより、遊技球19がガイド溝に沿って搬送される。この際に、布は、遊技球19の搬送方向とは逆方向に移動される。ガイド溝に沿って搬送される遊技球19は、遊技球19の搬送方向とは逆方向に移動される布と接触することにより、遊技球19が布により擦られて、遊技球19は磨かれる。このように、遊技球19は、布によって磨かれながらガイド溝を搬送され、球出口から排出されて、揚送装置133に導かれる。なお、着脱ユニットモータ1020および磨きモータ1021は、磨き装置入口センサ1016によって遊技球19が検出されたことを契機に駆動される。磨きモータセンサ1015は磨きモータ1021の駆動を検出する。これにより、磨きモータ1021が正常に回転駆動されているかを検出することができる。
揚送装置について図を用いて説明する。図9は、本実施形態に係る遊技機の揚送装置について説明するための図である。図10は、本実施形態に係る遊技機の揚送装置の動作について説明するための図である。
図9および図10に示すように、揚送装置133は、球入口1301、球出口1302、揚送部1303、スクリュー1304、揚送装置入口センサ1012および揚送モータ1019を有している。また、揚送装置133は、揚送モータセンサ基板1013を備えている。球入口1301には、磨き装置122によって搬送された遊技球19が導かれる。揚送装置入口センサ1012は、球入口1301に導入された遊技球19を検出する。揚送装置入口センサ1012による遊技球19の検出に応じて揚送モータ1019が駆動する。揚送部1303の内側に設けられたらせん状のスクリュー1304には、下部に設けられたギアを介して、揚送モータ1019からの動力が伝達される。球入口1301を通過した遊技球19は、さらに球通路(図示せず)を通過して、筒状の揚送部1303の下部に到達する。スクリュー1304は揚送モータ1019により回転しており、遊技球19はスクリュー1304により上方へ搬送される。揚送モータセンサ基板1013は、揚送モータ1019の駆動を検出する。これにより、揚送モータ1019が正常に回転駆動されているかを検出することができる。
スクリュー1304によって、揚送部1303の上部に到達した遊技球19は、揚送部1303の上側に設けられた球出口1302から排出され、球出口1302と連通された発射装置118の球入口1114に導かれる。そして、遊技球19は発射装置118に送られる。
また、遊技システム500は、遊技領域160における遊技球19の数を管理している。検知制御回路99に接続される適正数センサ1005は、遊技領域160内にある遊技球19の数が適正量か否かを検出する。遊技機11内に50個の遊技球19が循環しているとすると、例えば遊技領域160内に存在する遊技球が10個以下である場合を適正量とし、遊技領域160内に存在する遊技機11が10個を超えると検出信号を出力し、異常であることを知らせる。また、検知制御回路99に接続される遊技球ゼロセンサ1004は、遊技領域160内に遊技球19がない場合に検出信号を出力する。
検知制御回路99は、接続された各種センサ等に基づき、省電力状態へ移行する。例えば、タッチセンサ1009によって、所定の期間、遊技者がハンドル1026を握持していないことを検出した場合、省電力状態へ移行すればよい。例えば、副制御回路107に接続された各種演出デバイスをOFFとしてもよい。また、持ち球が0になった場合、プリペイド媒体が未挿入である場合、および現金が投入されていない場合等には、省電力状態へ移行することとしてもよい。このように、検知制御回路99は、遊技が行われているか否かを判定し、遊技機11を省電力状態に移行することができる。
電源108は、図示しないバックアップ電源を有している。これにより、夜間等に電源をOFFにした場合であっても、OFFにする直前のデータを保持することができる。また、このバックアップ電源により、例えば、第2開放センサ1003による内枠開放の検出を継続して実行させてもよい。これにより、夜間に不正行為を行われることも防止することができる。
なお、この場合は、内枠が開放された回数等の情報を記憶するものであってもよい。さらに、電源が投入された際に、内枠が開放された回数等の情報を、遊技機11の第1液晶表示装置102等に出力するものであってもよい。
[遊技機の動作]
以下に、遊技機11で実行される処理動作について図を用いて説明する。
[メイン処理]
最初に、図11に示すように、主制御回路106におけるCPU(以下、メインCPU)は、RAMアクセス許可、バックアップ復帰処理、作業領域の初期化等の初期設定処理を実行する(S10)。そして、詳しくは図13を用いて後述するが、メインCPUは、特別図柄ゲームの進行、液晶表示装置、特別図柄表示装置に表示される特別図柄、装飾図柄に関する特別図柄制御処理を実行する(S11)。
そして、詳しくは図16を用いて後述するが、メインCPUは、普通図柄ゲームの進行、普通図柄表示装置に表示される普通図柄に関する普通図柄制御処理を実行する(S12)。そして、メインCPUは、特別図柄制御処理、普通図柄制御処理の実行の結果にしたがって、特別図柄、普通図柄などの可変表示の表示制御を行う図柄表示装置制御処理を実行する(S13)。
このように、メイン処理においては、初期設定処理が終了した後、特別図柄制御処理、普通図柄制御処理、図柄表示装置制御処理を繰り返し実行することとなる。
[システムタイマ割込処理]
また、メインCPUは、メイン処理を実行している状態であっても、メイン処理を中断させ、システムタイマ割込処理を実行する場合がある。主制御回路106には、図示しないリセット用クロックパルス発生回路が設けられている。リセット用クロックパルス発生回路は、所定の周期(例えば2ミリ秒)毎にクロックパルスを発生するものである。メインCPUは、発生したクロックパルスに応じて、以下のシステムタイマ割込処理を実行する。このシステムタイマ割込処理について図12を用いて説明する。
最初に、図12に示すように、メインCPUは、大当り判定用乱数カウンタ、大当り図柄決定用乱数カウンタ等の各カウント値を“1”増加するように乱数更新処理を実行する(S20)。そして、メインCPUは、始動口161等への遊技球19の入賞または通過を検知する入力検出処理を実行する(S21)。例えば、入力検出処理は、始動口入賞センサ1061aから入賞検出信号を受信したことにより実行される。そして、メインCPUは、主制御回路106および副制御回路107間等の制御基板間の同期をとるための待ち時間タイマ、大入賞口164の開放時間を計測するための大入賞口開放時間タイマ等、各種のタイマの更新処理を実行する(S22)。そして、各種の変数に基づいて駆動制御するための信号をソレノイド、モータ等に供給するために、出力処理を実行する(S23)。
そして、メインCPUは、各種のコマンドを検知制御回路99や副制御回路107に供給するコマンド出力処理を実行する(S24)。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了し、割込発生前のアドレスへ復帰し、メイン処理を実行させる。なお、各入賞口を遊技球19が通過することに基づいて行われる入賞による持ち球の加算は、上述の通り、遊技媒体管理装置20によって行われる。すなわち、始動口入賞センサ1061aを含む入賞センサ1061から、主制御回路106を介さず遊技媒体管理装置20へ増減数検出信号が送信され、遊技媒体管理装置20において払出処理が実行される。
[特別図柄制御処理]
図11の特別図柄制御処理について図13を用いて説明する。なお、図13において、各処理の側方に記載された数値は、それら各処理に対応する制御状態フラグを示し、その制御状態フラグの数値に応じて、その数値に対応する一つのステップが実行され、特別図柄ゲームが進行することとなる。
最初に、図13に示すように、メインCPUは、制御状態フラグをロードする処理を実行する(S30)。
なお、後述する各処理において、メインCPUは、制御状態フラグの値に基づいて、各ステップにおける各種の処理を実行するか否かを判断することとなる。この制御状態フラグは、特別図柄ゲームの遊技の状態を示すものであり、各処理のいずれかを実行可能にするものである。また、それに加えて、メインCPUは、各ステップに対して設定された待ち時間タイマ等に応じて決定される所定のタイミングで各ステップにおける処理を実行する。
なお、この所定のタイミングに至る前においては、各ステップにおける処理を実行することなく終了することとなり、他のサブルーチンを実行することとなる。もちろん、所定の周期でシステムタイマ割込処理も実行する。
そして、メインCPUは、特別図柄記憶チェック処理を実行する(S31)。詳しくは図15を用いて後述するが、メインCPUは、制御状態フラグが特別図柄記憶チェックを示す値(00)である場合に、保留個数のチェックを行い、保留個数がある場合に、大当り判定、導出特別図柄、特別図柄の変動パターン等の決定を行う。また、メインCPUは、特別図柄変動時間管理を示す値(01)を制御状態フラグにセットし、今回の処理で決定された変動パターンに対応する変動時間を待ち時間タイマにセットする。つまり、今回決定された変動パターンに対応する変動時間を経過した後、後述する特別図柄変動時間管理処理を実行するように設定することとなる。
一方、メインCPUは、保留個数がない場合には、デモ画面を表示するためのデモ表示処理を行う。
そして、メインCPUは、特別図柄変動時間管理処理を実行する(S32)。この処理において、メインCPUは、制御状態フラグが特別図柄変動時間管理を示す値(01)であり、変動時間が経過した場合に、特別図柄表示時間管理を示す値(02)を制御状態フラグにセットし、確定後待ち時間を待ち時間タイマにセットする。つまり、確定後待ち時間が経過した後、後述する特別図柄表示時間管理処理を実行するように設定することとなる。
そして、メインCPUは、特別図柄表示時間管理処理を実行する(S33)。この処理において、メインCPUは、制御状態フラグが特別図柄表示時間管理を示す値(02)であり、確定後待ち時間が経過した場合に、大当りか否かを判断する。メインCPUは、大当りである場合に、大当り開始インターバル管理を示す値(03)を制御状態フラグにセットし、大当り開始インターバルに対応する時間を待ち時間タイマにセットする。つまり、大当り開始インターバルに対応する時間が経過した後、後述する大当り開始インターバル管理処理を実行するように設定することとなる。
一方、メインCPUは、大当りではない場合に、特別図柄ゲーム終了を示す値(08)をセットする。つまり、後述する特別図柄ゲーム終了処理を実行するように設定することとなる。
そして、メインCPUは、大当りであると判別した場合には、大当り開始インターバル管理処理を実行する(S34)。この処理において、メインCPUは、制御状態フラグが大当り開始インターバル管理を示す値(03)であり、その大当り開始インターバルに対応する時間が経過した場合に、大入賞口164を開放させるために、主制御回路106のROMから読み出されたデータに基づいて、主制御回路106のRAMに位置付けられた変数を更新する。メインCPUは、大入賞口開放中を示す値(04)を制御状態フラグにセットするとともに、開放上限時間(例えば30秒)を大入賞口開放時間タイマにセットする。つまり、後述する大入賞口開放中処理を実行するように設定することとなる。
そして、メインCPUは、大入賞口開放中処理を実行する(S35)。この処理において、メインCPUは、制御状態フラグが大入賞口開放中を示す値(04)である場合に、大入賞口入賞カウンタが所定数以上であるという条件、開放上限時間を経過した(大入賞口開放時間タイマが“0”である)という条件のいずれかを満たす(所定の閉鎖条件が成立した)か否かを判断する。
メインCPUは、いずれかの条件を満たした場合に、大入賞口164を閉鎖させるために、メインRAMに位置付けられた変数を更新する。そして、メインCPUは、大入賞口内残留球監視を示す値(05)を制御状態フラグにセットする。メインCPUは、大入賞口内残留球監視時間を待ち時間タイマにセットする。つまり、大入賞口内残留球監視時間が経過した後、後述する大入賞口内残留球監視処理を実行するように設定することとなる。
そして、メインCPUは、大入賞口内残留球監視処理を実行する(S36)。この処理において、メインCPUは、制御状態フラグが大入賞口内残留球監視を示す値(05)であり、大入賞口内残留球監視時間が経過した場合に、大入賞口開放回数カウンタが大入賞口開放回数最大値以上である(最終ラウンドである)という条件を満たすか否かを判断する。
メインCPUは、この条件を満たした場合に、大当り終了インターバルを示す値(07)を制御状態フラグにセットし、大当り終了インターバルに対応する時間を待ち時間タイマにセットする。つまり、大当り終了インターバルに対応する時間が経過した後、後述する大当り終了インターバル処理の処理を実行するように設定することとなる。
一方、メインCPUは、この条件を満たさない場合に、大入賞口再開放待ち時間管理を示す値(06)を制御状態フラグにセットする。また、メインCPUは、ラウンド間インターバルに対応する時間を待ち時間タイマにセットする。つまり、ラウンド間インターバルに対応する時間が経過した後、後述する大入賞口再開放前待ち時間管理処理を実行するように設定することとなる。
そして、メインCPUは、大入賞口開放回数カウンタが大入賞口開放回数最大値以上ではないと判別した場合に、大入賞口再開放前待ち時間管理処理を実行する(S37)。この処理において、メインCPUは、制御状態フラグが大入賞口再開放待ち時間管理を示す値(06)であり、ラウンド間インターバルに対応する時間が経過した場合に、大入賞口開放回数カウンタを“1”増加するように記憶更新する。メインCPUは、大入賞口開放中を示す値(04)を制御状態フラグにセットする。メインCPUは、開放上限時間(例えば30秒)を大入賞口開放時間タイマにセットする。つまり、上述した大入賞口開放中処理を再度実行するように設定することとなる。
そして、メインCPUは、大入賞口開放回数カウンタが大入賞口開放回数最大値以上であると判別した場合に、大当り終了インターバル処理を実行する(S38)。この処理において、メインCPUは、制御状態フラグが大当り終了インターバルを示す値(07)であり、大当り終了インターバルに対応する時間が経過した場合に、特別図柄ゲーム終了を示す値(08)を制御状態フラグにセットする。つまり、後述する特別図柄ゲーム終了処理を実行するように設定することとなる。
そして、メインCPUは、大当り図柄が確変図柄である場合には、確変状態に移行させる制御を行うとともに、大当り図柄が非確変図柄である場合には、通常遊技状態に移行させる制御を行うこととなる。
そして、メインCPUは、大当り遊技状態が終了した場合、または、はずれとなった場合には、特別図柄ゲーム終了処理を実行する(S39)。この処理において、メインCPUは、制御状態フラグが特別図柄ゲーム終了を示す値(08)である場合に、保留個数を示すデータ(始動記憶情報)を“1”減少するように記憶更新する。そして、メインCPUは、次回の変動表示を行うために、特別図柄記憶領域の更新を行う。メインCPUは、特別図柄記憶チェックを示す値(00)をセットする。つまり、上述した特別図柄記憶チェック処理を実行するように設定することとなる。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
上述したように、制御状態フラグをセットすることにより、特別図柄ゲームが実行されることとなる。具体的には、メインCPUは、図14に示すように、大当り遊技状態ではない場合において、大当り判定の結果がハズレであるときには、制御状態フラグを“00”、“01”、“02”、“08”と順にセットすることにより、図13に示す特別図柄記憶チェック処理、特別図柄変動時間管理処理、特別図柄表示時間管理処理、特別図柄ゲーム終了処理の処理を所定のタイミングで実行することとなる。
また、メインCPUは、大当り遊技状態ではない場合において、大当り判定の結果が大当りであるときには、制御状態フラグを“00”、“01”、“02”、“03”と順にセットすることにより、図13に示す特別図柄記憶チェック処理、特別図柄変動時間管理処理、特別図柄表示時間管理処理、大当り開始インターバル管理処理の処理を所定のタイミングで実行し、大当り遊技状態への制御を実行することとなる。
更に、メインCPUは、大当り遊技状態への制御が実行された場合には、制御状態フラグを“04”、“05”、“06”と順にセットすることにより、図13に示す大入賞口開放中処理、大入賞口内残留球監視処理、大入賞口再開放前待ち時間管理処理の処理を所定のタイミングで実行し、大当り遊技を実行することとなる。
なお、大当り遊技が実行されている場合において、大当り遊技状態の終了条件が成立した場合には、“04”、“05”、“07”、“08”と順にセットすることにより、図13に示す大入賞口開放中処理、大入賞口内残留球監視処理、大当り終了インターバル処理、特別図柄ゲーム終了処理の処理を所定のタイミングで実行し、大当り遊技状態を終了することとなる。
[特別図柄記憶チェック処理]
図13の特別図柄記憶チェック処理について図15を用いて説明する。
最初に、図15に示すように、メインCPUは、制御状態フラグが特別図柄記憶チェックを示す値(00)であるか否かの判断を行う(S40)。メインCPUは、制御状態フラグが特別図柄記憶チェックを示す値であると判別した場合(S40でYES)には、保留個数が“0”であるか否かの判断を行う(S41)。一方、メインCPUは、制御状態フラグが特別図柄記憶チェックを示す値であるとは判別しなかった場合(S40でNO)には、本サブルーチンを終了する。
そして、メインCPUは、保留個数を示すデータが“0”であると判別した場合(S41でYES)には、デモ表示処理を実行する(S42)。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。一方、メインCPUは、保留個数を示すデータが“0”であるとは判別しなかった場合(S41でNO)には、制御状態フラグとして特別図柄変動時間管理を示す値(01)をセットする処理を実行する(S43)。
そして、メインCPUは、大当り判断処理を実行する(S44)。この処理において、メインCPUは、高確率フラグを読み出し、読み出した高確率フラグに基づいて、大当りの判定値(大当り判定値)の数が異なる複数の大当り判定テーブルから1つの大当り判定テーブルを選択する。
このように、高確率フラグが所定の値である場合、つまり遊技状態が確変状態である場合には、大当り遊技状態に移行する確率は、通常時よりも向上することとなる。そして、メインCPUは、始動入賞時に抽出された大当り判定用乱数値と、選択された大当り判定テーブルとを参照する。つまり、メインCPUは、遊技者に有利な大当り遊技状態とするか否かの判定を行うこととなる。
そして、メインCPUは、特別図柄決定処理を実行する(S45)。この処理において、メインCPUは、始動入賞時に抽出された大当り図柄用乱数値を読み出し、その大当り図柄用乱数値と、上述した大当り判定の結果と、に基づいて、特別図柄を決定し、その特別図柄を示すデータを、主制御回路106が有するメインRAMの所定領域に記憶する。また、メインCPUは、特別図柄を特別の表示態様(大当り図柄が確変図柄となる表示態様)として決定する場合には、確変状態に移行させる制御を行うこととなる。
このように記憶された特別図柄を示すデータは、特別図柄表示装置に供給される。これによって、特別図柄表示装置に、特別図柄が導出表示されることとなる。また、このように記憶された特別図柄を示すデータは、主制御回路106のメインCPUから副制御回路107のCPUに導出図柄指定コマンドとして供給される。これによって、副制御回路107において、特別図柄に対応する装飾図柄が液晶表示装置に導出表示されることとなる。
そして、メインCPUは、変動パターン決定処理を実行する(S46)。この処理において、メインCPUは、演出条件選択用乱数値を抽出する。メインCPUは、上述したように決定された特別図柄に基づいて、変動パターンを決定するための変動パターン振分テーブルを選択する。そして、メインCPUは、演出条件選択用乱数カウンタから抽出した演出条件選択用乱数値と選択した変動パターン振分テーブルとに基づいて、変動パターンを決定し、メインRAMの所定領域に記憶する。メインCPUは、このような変動パターンを示すデータに基づいて、特別図柄の変動表示態様(特に、変動表示時間)を決定することとなる。
このように記憶された変動パターンを示すデータは、特別図柄表示装置に供給される。これによって、特別図柄表示装置に、特別図柄が決定した変動パターンで変動表示することとなる。また、このように記憶された変動パターンを示すデータは、主制御回路106のメインCPUから副制御回路107のCPUに変動パターン指定コマンドとして供給される。副制御回路107のCPUは、受信した変動パターン指定コマンドに応じた演出表示を実行することとなる。
そして、メインCPUは、決定した変動パターンに対応する変動時間を待ち時間タイマにセットし(S47)、今回の変動表示に用いられた記憶領域をクリアする処理を実行する(S48)。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
[普通図柄制御処理]
図11の普通図柄制御処理について図16を用いて説明する。なお、図16において、各処理の側方に記載された数値は、それらのステップに対応する普通図柄制御状態フラグを示し、その普通図柄制御状態フラグの数値に応じて、その数値に対応する一つのステップが実行され、普通図柄ゲームが進行することとなる。
最初に、図16に示すように、普通図柄制御状態フラグをロードする処理を実行する(S50)。この処理において、メインCPUは、普通図柄制御状態フラグを読み出す。
なお、後述する処理において、メインCPUは、普通図柄制御状態フラグの値に基づいて、各ステップにおける各種の処理を実行するか否かを判断することとなる。この普通図柄制御状態フラグは、普通図柄ゲームの遊技の状態を示すものであり、各処理のいずれかを実行可能にするものである。また、それに加えて、メインCPUは、各ステップに対して設定された待ち時間タイマ等に応じて決定される所定のタイミングで各ステップにおける処理を実行する。
なお、この所定のタイミングに至る前においては、各ステップにおける処理を実行することなく終了することとなり、他のサブルーチンを実行することとなる。もちろん、所定の周期でシステムタイマ割込処理も実行する。
そして、メインCPUは、普通図柄記憶チェック処理を実行する(S51)。この処理において、メインCPUは、普通図柄制御状態フラグが普通図柄記憶チェックを示す値(00)である場合に、普通図柄に関する保留個数のチェックを行い、保留個数がある場合に、当り判定等を行う。そして、メインCPUは、普通図柄変動時間管理を示す値(01)を普通図柄制御状態フラグにセットし、今回の処理で決定された変動時間を待ち時間タイマにセットする。つまり、今回決定された変動時間を経過した後、後述する普通図柄変動時間監視処理を実行するように設定するのである。
そして、メインCPUは、普通図柄変動時間監視処理を実行する(S52)。この処理において、メインCPUは、普通図柄制御状態フラグが普通図柄変動時間管理を示す値(01)であり、変動時間が経過した場合に、普通図柄表示時間監視を示す値(02)を普通図柄制御状態フラグにセットし、確定後待ち時間(例えば0.5秒)を待ち時間タイマにセットする。つまり、確定後待ち時間が経過した後、後述する普通図柄表示時間監視処理を実行するように設定するのである。
そして、メインCPUは、普通図柄表示時間監視処理を実行する(S53)。この処理において、メインCPUは、普通図柄制御状態フラグが普通図柄表示時間監視を示す値(02)であり、確定後待ち時間が経過した場合に、当りか否かを判断する。メインCPUは、当りである場合に、普通電動役物開放設定処理を実行し、普通電動役物開放を示す値(03)を普通図柄制御状態フラグにセットする。つまり、後述する普通電動役物開放処理を実行するように設定するのである。
一方、メインCPUは、当りではない場合に、普通図柄ゲーム終了を示す値(04)をセットする。つまり、後述する普通図柄ゲーム終了処理を実行するように設定するのである。
そして、メインCPUは、普通電動役物開放処理を実行する(S54)。この処理において、メインCPUは、普通図柄制御状態フラグが普通電動役物開放を示す値(03)である場合に、普通電動役物の開放中において所定数の始動入賞があったという条件、普通電動役物開放時間タイマが“0”であるという条件のいずれかを満たすか否かを判断する。
メインCPUは、いずれかの条件を満たした場合に、普通電動役物である羽根部材を閉鎖状態にさせるために、メインRAMに位置付けられた変数を更新する。メインCPUは、普通図柄ゲーム終了を示す値(04)を普通図柄制御状態フラグにセットする。つまり、後述する普通図柄ゲーム終了処理を実行するように設定するのである。
そして、メインCPUは、普通図柄ゲーム終了処理を実行する(S55)。この処理において、メインCPUは、普通図柄制御状態フラグが普通図柄ゲーム終了を示す値(04)である場合に、普通図柄に関する保留個数を示すデータを“1”減少するように記憶更新する。メインCPUは、次回の普通図柄の変動表示を行うために、普通図柄記憶領域の更新を行う。メインCPUは、普通図柄記憶チェックを示す値(00)をセットする。つまり、上述した普通図柄制御状態フラグをロードする処理を実行するように設定するのである。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
[副制御回路メイン処理]
一方、副制御回路107は、副制御回路メイン処理を実行することとなる。この副制御回路メイン処理について図17を用いて説明する。なお、この副制御回路メイン処理は、電源が投入されたときに開始される処理である。
最初に、図17に示すように、副制御回路107のCPU(以下、サブCPUと称す)は、RAMアクセス許可、作業領域を初期化等の初期設定処理を実行する(S60)。そして、サブCPUは、ワークRAMの所定領域に位置付けられた各種の乱数カウンタの乱数値を更新する乱数更新処理を実行する(S61)。
そして、詳しくは図18を用いて後述するが、サブCPUは、受信したコマンドを解析し、その解析したコマンドに応じたコマンド解析処理を実行する(S62)。そして、サブCPUは、遊技領域160内に設けられる第2液晶表示装置1073における画像の表示制御を行う表示制御処理を実行する(S63)。そして、サブCPUは、スピーカ1075から発生させる音の制御を行う音声制御処理(S64)、各種のランプの発光制御を行うランプ制御処理を実行する(S65)。この処理が終了した場合には、再度、乱数更新処理(S61)に処理を移す。
このように、副制御回路メイン処理においては、初期設定処理が終了した後、乱数更新処理からランプ制御処理を繰り返し実行することとなる。
[コマンド解析処理]
図17のコマンド解析処理について図18を用いて説明する。
最初に、図18に示すように、サブCPUは、コマンドバッファにコマンドが格納されているか否かによって、主制御回路106からの受信コマンドがあるか否かを判断する(S71)。この処理において、サブCPUは、受信コマンドがあると判別した場合には、ワークRAMの所定領域に位置付けられたコマンドバッファから、コマンドデータを読み出す(S72)。これ以降の処理については以下に詳しく説明する。一方、サブCPUは、受信コマンドがないと判別した場合(S71でNO)には、本サブルーチンを終了する。
受信コマンドがあると判別した場合(S71でYES)には、サブCPUは、読み出したコマンドデータに基づいて、変動パターン指定コマンドを受信したか否かを判断する(S73)。サブCPUは、変動パターン指定コマンドを受信したと判別した場合(S73でYES)には、装飾図柄の変動パターン、背景画像を表示する画像演出パターンなど、各種の演出パターンを決定する演出パターン決定処理を実行する(S74)。なお、演出パターンの決定には、現在行われている演出の状況を検出する演出用センサ1072からの信号および遊技者が演出用ボタン1071を操作したことにより出力される信号も考慮される。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
一方、サブCPUは、変動パターン指定コマンドを受信していないと判別した場合(S73でNO)には、読み出したコマンドデータに基づいて、導出図柄指定コマンドを受信したか否かを判断する(S75)。サブCPUは、導出図柄指定コマンドを受信したと判別した場合(S75でYES)には、導出図柄指定コマンドに基づいて、導出表示させる装飾図柄を決定する導出装飾図柄決定処理を実行し(S76)、本サブルーチンを終了する。一方、サブCPUは、導出図柄指定コマンドを受信していないと判別した場合(S75でNO)には、受信コマンドに対応する演出制御データをセットし(S77)、本サブルーチンを終了する。
[発射処理]
次に、遊技システム500において遊技球19を発射させたときの遊技機11の主な動作について、フローチャートを用いて説明する。図19は、本実施形態の発射処理のフローチャートである。図19に示すように、まず、遊技者によるハンドル1026への操作を検出したか否かが判定される(S301)。ハンドル1026が操作された場合、ハンドルボリューム1007から検知制御回路99へ検出信号が出力される。つまり、検知制御回路99がハンドルボリューム1007からの検出信号を受信したか否かで、遊技者によるハンドル1026への操作を検出したか否かが判定される。ハンドル1026への操作が検出されない場合は(S301でNO)、ステップS301が再実行される。一方、ハンドル1026への操作が検出された場合は(S301でYES)、持ち球数が0であるか否かが判定される。(S302)。ステップS302においては、表示基板1022から持ち球数が0である旨を示す信号を受信しているか否かで持ち球数の判定が行われる。持ち球数が0である場合は(S302でYES)、ステップS301が再実行される。つまり、持ち球数が0である場合には、球送りソレノイド1017によって遊技球19が発射台1111へ送られることがなく、遊技球19は発射装置118から発射されない。
一方、持ち球数が0ではない場合は(S302でNO)、遊技球発射処理が行われる(S303)。遊技球発射処理では、球送りソレノイド1017(図6、図8参照)が動作されて遊技球19が発射台1111へ送られる。このときに減算センサ1011によって遊技球19が検出されることになる。そして、発射ソレノイド1018(図6、図7参照)が、ハンドルボリューム1007が検出したハンドル1026への操作に応じた強度で動作され、遊技球19が発射される。
そして、図4(a)を参照して説明した遊技機側増減数検出信号処理が実行される(S304)。具体的には、ステップS303において減算センサ1011が遊技球19を検出することを契機として、遊技機側増減数検出信号処理が実行される。その後、ステップS301が再実行される。
以上、本発明の実施形態について説明したが、上述の実施形態は具体例を例示したに過ぎず、特に本発明を限定するものではなく、具体的構成などは適宜設計変更可能である。また、上述の作用および効果は、本発明から生じる最も好適な作用および効果を列挙したに過ぎず、本発明による作用および効果は、本実施形態に記載されたものに限定されるものではない。
例えば、本実施形態においては、複数の制御基板を備える構成としたが、例えば、これら複数の制御基板のすべてをワンボードに構成してもよい。
なお、上述した実施形態においては、液晶表示装置付きのパチンコ遊技機を例に挙げたが、これに限らず、羽根モノ、ヒコーキモノと称されるパチンコ遊技機、権利モノと称されるパチンコ遊技機、その他別の態様であってもよい。
以下、本発明の一実施形態に係る遊技機について、添付図面を参照しつつ説明する。なお、本発明に係る遊技機としては、封入式のパチンコ遊技機を含めパチンコ遊技機全般及びパチスロ遊技機全般を対象とするが、本実施形態ではそれぞれ図に示す形態のパチンコ遊技機を想定する。まず、本発明の第2実施形態に係る遊技機について以下に説明する。
「第2実施形態」
<遊技機の特徴的構成>
図20~図24に示すように、本実施形態に係るパチンコ遊技機は、表枠3に特徴的な構成要素を備えている。表枠3の構成要素としては、表枠ベース板を構成する右側ベース板3aa、左側ベース板3ab及び全体ベース板3acのほか、透明板ユニット7、皿ユニット8、トップ飾り14、右側装飾部材15、左側装飾部材16がある。皿ユニット8は、全体ベース板3acの下部に取り付けられる。トップ飾り14は、右側ベース板3aa及び左側ベース板3abの上部に取り付けられる。右側装飾部材15は、右側ベース板3aaの下部に取り付けられ、左側装飾部材16は、左側ベース板3abの下部に取り付けられる。以下に主たる特徴的な構成要素について図面を参照して説明する。
<皿ユニット8について>
図25~図33に示すように、皿ユニット8は、上皿上部カバー8a、下皿カバー8b、アンダーカバー8c、支持部材8d、第1操作ユニット9A、第2操作ユニット9B、スピーカユニット10、送風機構110、発光ユニット12、上皿17、下皿18等を有する。上皿17は、支持部材8dの上部左寄りの位置に設けられ、第1操作ユニット9Aは、上皿17の右隣りとなる支持部材8dの上部中央の位置に設けられ、第2操作ユニット9Bは、第1操作ユニット9Aの右隣りとなる支持部材8dの上部右寄りの位置に設けられる。下皿18は、上皿17の下方となる支持部材8dの下部左寄りの位置に設けられ、スピーカユニット10は、下皿18の右隣りとなる支持部材8dの下部中央の位置に設けられ、送風機構110は、スピーカユニット10の右隣りとなる支持部材8dの下部右寄りの位置に設けられ、発光ユニット12は、送風機構110の右隣りで発射装置26の左隣りとなる支持部材8dの下部右寄りの位置に設けられる。第1操作ユニット9A、第2操作ユニット9B、スピーカユニット10、送風機構110、発光ユニット12、上皿17、及び下皿18は、第1操作ユニット9A及び第2操作ユニット9Bの後述する操作部材(操作ボタン)や上皿17及び下皿18の上面を露出させるように上皿上部カバー8a、下皿カバー8b、アンダーカバー8cにより覆われる。上皿上部カバー8a、下皿カバー8bの一部、アンダーカバー8cは、着脱自在となっている。
[上皿17及び下皿18]
上皿17は、遊技球を貯留可能な上皿本体17p等のほか、上皿本体17pに遊技球を払い出すための払出口170を有する。下皿18は、遊技球を貯留可能な下皿本体18p等のほか、下皿本体18pに遊技球を排出するための排出口180や、下皿本体18pの下方外部に遊技球を落下させるための球抜き部181を有する。
[第1操作ユニット9A]
第1操作ユニット9Aは、遊技者が操作可能な操作部材(操作ボタン)2000のほか、押下検出センサ2035(図示略)や電飾基板2183(図示略)等を有する。第1操作ユニット9Aの操作部材2000は、上皿上部カバー8aの中央に設けられた開口から露出し、操作部材2000の押圧操作面が円形状に形成されている。この操作部材2000は、後述する演出抽選テーブル(図41参照)から明らかなように、比較的使用頻度が高い操作演出用のボタンとして設けられている。押下検出センサ2035及び電飾基板2183は、専用の図示しないハーネス等の配線を介して後述するサブ制御基板33(図40参照)に接続されている。これにより、操作部材2000の押下操作に際しては、押下検出センサ2035による操作信号がサブ制御基板33に供給される。
[第2操作ユニット9B]
第2操作ユニット9Bは、球貸ボタン23や返却ボタン24とともに、遊技者が操作演出に際して操作するための押圧ボタン3000や遊技者が選択操作するための十字ボタン3100を共通基板3200に実装して構成されたものである。球貸ボタン23、返却ボタン24、押圧ボタン3000、及び十字ボタン3100は、それぞれに対応して共通基板3200に設けられた押下検出センサにより変位動作が検出される。共通基板3200は、図示しないハーネス等の配線を介して後述するサブ制御基板33やカードユニット装置CU(図40参照)に接続されている。これにより、球貸ボタン23や返却ボタン24の押下操作に際しては、共通基板3200から押下検出センサによる球貸操作信号や返却操作信号がカードユニット装置CUに供給される一方、押圧ボタン3000や十字ボタン3100の押下操作に際しては、共通基板3200から押下検出センサによる演出操作信号や選択操作信号がサブ制御基板33に供給される。このような第2操作ユニット9Bの押圧ボタン3000は、上皿上部カバー8aの右寄りの位置に設けられた開口から露出し、押圧ボタン3000の押圧操作面が四角形状に形成されている。この押圧ボタン3000は、後述する演出抽選テーブル(図41参照)から明らかなように、比較的使用頻度が低い操作演出用のボタンとして設けられている。ここで、十字ボタン3100と押圧ボタン3000とは、共に直線状の辺を備えた略四角形状で構成され、直線状の辺が互いに対向して配置されている。
[スピーカユニット10]
スピーカユニット10は、低音域の音を増幅するバスレフ型のものであり、スピーカ10c及びエンクロージャ10eを有する。スピーカ10cは、エンクロージャ10eの前面に設けられており、下皿カバー8bの前面中央部に設けられたスピーカカバー10kによってスピーカ10cの前部が覆われる。スピーカ10cの前部で発生した音は、スピーカカバー10kを通って遊技者に直接伝わる一方、スピーカ10cの後部で発生した音は、エンクロージャ10eの内部に一旦籠る。
エンクロージャ10eは、スピーカ10cの後部から発生した音をその前部から発生した音と干渉させないように封じ込めるものであり、比較的大きな容積をもつように形成されている。図33に示すように、エンクロージャ10eの左上部10eaは、下皿18の右側上方まで迫り出すように形成されている。また、エンクロージャ10eの左上部10eaは、上皿本体17pの底部と接触するように配置される。さらに、エンクロージャ10eの左下部10ebは、下皿本体18pの右端部と接触するように配置される。
図35に示すように、エンクロージャ10eの右下端部には、内部に設けられた導管(図示略)へと通じる開口10ecが設けられている。このような導管及び開口10ecは、いわゆるヘルムホルツ共鳴の原理により、スピーカ10cの後部からエンクロージャ10eの内部に発せられた音を共振・増強しつつ外部へと伝播する。開口10ecから外部へと伝播する音は、スピーカ10cの前部から発せられた音と重なることにより、豊かで力強い低音として感じられる。また、スピーカ10cから音が発生する際には、その音の発生に連動して開口10ecから外部へと空気が流出する。スピーカ10cから音が発生していない状態では、開口10ecから外部へと空気が流出しない。
このようなスピーカユニット10によれば、エンクロージャ10eの左上部10eaが部分的に膨出した形状であるので、例えば直方体状のエンクロージャよりも容積を十分確保することができ、スピーカ10cから十分な音圧で迫力のある低音を発生させることができる。
また、スピーカ10cから音を発生させる際には、それと同時にエンクロージャ10eの開口10ecから外部へと十分な風圧で風を送出することができる。
さらに、スピーカ10cで音を発生させる際には、エンクロージャ10e全体が音圧に応じて振動するが、エンクロージャ10eの左上部10ea及び左下部10ebが上皿本体17p及び下皿本体18pの一部と接触しているので、その振動が上皿本体17pや下皿本体18p全体にも伝わる。これにより、上皿本体17pや下皿本体18pに多くの遊技球が貯留されている場合にあっても、払出口170や排出口180から出てくる遊技球の球詰まりを振動によって効果的に防ぐことができる。
[送風機構110]
送風機構110は、エンクロージャ10eの開口10ecから送出される風の方向を切り替えるものであり、エンクロージャ10eの右側面に隣接して配置される。図36及び図38に示すように、送風機構110は、左右に2分割可能なカバー部材110A,110B、ソレノイド111、スライド部材112、リンク部材113、バネ114、開閉部材115、及び開閉検知センサ116を有する。ソレノイド111、スライド部材112、リンク部材113、バネ114、開閉部材115、及び開閉検知センサ116は、カバー部材110A,110Bの内部に収容される。
図38及び図39に示すように、カバー部材110Aには、エンクロージャ10eの開口10ecからまっすぐ向かう方面を開閉部材115が閉鎖・開放可能な空間部110aが設けられている。空間部110aの下方は、開閉部材115の閉鎖・開放に関係なく常に開放されており、アンダーカバー8cに設けられた通気口8caが位置する(図35参照)。図36及び図38に示すように、カバー部材110Bには、空間部110aと対向する位置に開口部110bが設けられている。開口部110bの右側には、下皿カバー8bの一部として着脱自在の右下側面カバー8baに設けられた送風口80が位置する(図31、図34、図35参照)。これにより、開閉部材115が空間部110aを閉鎖した状態の場合、開口10ecから送出された風は、開閉部材115に当って遮られ、開口部110bを抜けることなく空間部110aの下方へと導かれる。空間部110aの下方へと導かれた風は、アンダーカバー8cの通気口8caを通って外部へと送出される。一方、開閉部材115が空間部110aを開放した状態の場合、開口10ecから送出された風は、開閉部材115に遮られることなく概ねまっすぐ流れ、空間部110a及び開口部110bを抜けた後、右下側面カバー8baの送風口80を通って外部へと送出される。送風口80と概ねまっすぐ対向する位置には、発射装置26の発射ハンドル26bが配置されており、送風口80から出た風は、発射ハンドル26bを把持する遊技者の手に当たる。すなわち、開口10ecから空間部110a及び開口部110b並びに送風口80を経て発射ハンドル26bへと風が流れる流路は、概ねまっすぐ形成されるので、発射ハンドル26bを握る遊技者の手まで風圧をできる限り弱めることなく風を到達させることができ、遊技者に対して確実に風を感じさせることができる。また、開閉部材115の閉鎖・開放状態のいずれにしても、開口10ecから風と共に送出される音は、送風口80あるいは通気口8caのいずれかを通って外部に放出されるので、ヘルムホルツ共鳴による音響効果を低減させることなく重低音を十分体感させることができる。
図36~図39に示すように、ソレノイド111は、オン・オフ動作に連動して突出・退避可能なプランジャ111aを有する。プランジャ111aの先端部は、スライド部材112と連結されている。スライド部材112は、水平方向に沿って移動可能にカバー部材110Aに支持されている。スライド部材112には、垂直方向に沿って長く伸びるように長孔112aが形成されている。この長孔112aには、リンク部材113の連結部113aが移動自在に係止される。リンク部材113の基端部113bは、回転可能にカバー部材110Aに支持され、リンク部材113の先端部寄りの部位には、バネ114の一端が係止される。バネ114の他端は、カバー部材110Aの適部に係止されている。リンク部材113の先端部には、長孔113cが形成されている。この長孔113cには、開閉部材115に設けられた連結ピン115aが移動自在に係止される。開閉部材115は、空間部110aに留まる閉鎖位置と空間部110aからずれた開放位置との間を移動可能にカバー部材110Aに案内されている。開閉検知センサ116は、例えばタッチセンサあるいは近接センサにより構成され、開閉部材115が開放位置にあるとき、リンク部材113の一部が当接あるいは近接することにより、空間部110aが開放状態にあることを検知する。開閉部材115が閉鎖位置にあるとき、リンク部材113が開閉検知センサ116から離間することにより、空間部110aが閉鎖状態にあることを検知する。開閉検知センサ116は、サブ制御基板33と電気的に接続されている。
図36及び図37に示すように、ソレノイド111がオフ状態でプランジャ111aが突出位置にあるとき、スライド部材112が図中左寄りに位置し、リンク部材113の先端部側がバネ114によって引っ張られる結果、その先端部の長孔113cに連結ピン115aを介して連結された開閉部材115は、空間部110aの閉鎖位置に留まり、空間部110aを閉鎖状態とする。このとき、リンク部材113は、開閉検知センサ116から離間した位置にあるため、開閉検知センサ116からは、閉鎖状態を示す検知信号がサブ制御基板33に供給される。
一方、図38及び図39に示すように、ソレノイド111がオン状態となると、プランジャ111aが突出位置から退避位置へと移動する。プランジャ111aが退避位置へと移動すると、スライド部材112が図中右側へと移動し、それに伴いリンク部材113の先端部側がバネ114の引っ張り力に抗して基端部113bを軸に反時計回りの方向に回動する。その結果、リンク部材113の長孔113cに連結ピン115aを介して連結された開閉部材115は、空間部110aから図中右側の退避した位置へと移動し、これにより空間部110aが開放状態となる。このとき、リンク部材113は、開閉検知センサ116と当接あるいは近接するため、開閉検知センサ116からは、開放状態を示す検知信号がサブ制御基板33に供給される。
このような送風機構110によれば、開口10ecから送風口80を経て発射ハンドル26bへと至る風の流路が概ね直線状となり、この開口10ecと送風口80との間に位置する空間部110aが閉鎖・開放状態に制御され、空間部110aを閉鎖状態とした場合、開口10ecからの風の流れを空間部110aの下方に位置する通気口8caへと導くことができる一方、空間部110aを開放状態とした場合、開口10ecからの風の流れを空間部110aから開口部110bを通ってまっすぐ送風口80へと直線的に導くことができる。送風口80を出た風は、さらにまっすぐ直線的に発射ハンドル26bの方へと流れ、発射ハンドル26bを把持する遊技者の手に当たることとなる。これにより、重低音を聞く聴覚とともに皮膚感覚によって風を感じさせることができる。開口10ecからの風が通気口8caへと導かれる場合、通気口8ca付近に遊技者の手が添えられることはないため、例えば風を感じさせずに聴覚によって重低音のみを感じさせることができる。
[発光ユニット12]
発光ユニット12は、発射ハンドル26bを把持する遊技者の手に照射光を当てるものであり、発射ハンドル26bの左斜め上方に配置される。発光ユニット12は、その詳細について図示説明を省略するが、発光手段としての複数のLED、複数のLEDを搭載した発光基板、複数のLEDからの光を所定方向に導くための導光板等を有して構成される。図32及び図33に示すように、発光ユニット12からの光が導かれる所定方向には、下皿カバー8bの一部として着脱自在の右上側面カバー8bbに設けられた照射窓81が設けられている。発光ユニット12からの光は、照射窓81を通って発射ハンドル26bの方に照射され、発射ハンドル26bを把持する遊技者の手にスポットライトとして映る。これにより、皮膚感覚に訴える風や聴覚に訴える重低音とは別に、照射光によっても視覚を刺激して感じさせることができる。
[遊技機の電気的構成]
次に、図40を用いて、本実施形態に係る遊技機の制御回路について説明する。なお、図40においては、「スイッチ」を「SW」と略記し、「ソレノイド」を「SOL」と略記する。
図40に示すように、遊技機は、遊技の制御を行う主制御手段としての主制御基板28と、遊技の進行に応じた演出の制御を行う副制御手段としてのサブ制御基板33とを有する。
主制御基板28は、メインCPU280、読み出し専用メモリであるメインROM281、読み書き可能メモリであるメインRAM282、初期リセット回路283、I/Oポート284、コマンド送信手段としてのコマンド出カポート285、リセット用クロックパルス発生回路286、及び遊技情報出力回路287を備えている。主制御基板28は、各種のデバイス(機器やスイッチ等)と接続されている。
メインCPU280は、メインROM281及びメインRAM282と接続されており、メインROM281に記憶されたプログラムにしたがって、各種の処理を実行する機能を有する。
主制御基板28には、遊技盤1における第1始動口(図示略)の後方に配置された第1始動口スイッチ311が接続されている。第1始動口スイッチ311によって遊技球が検出されると、当り抽選が行われる。
主制御基板28には、遊技盤1における第2始動口(図示略)の後方に配置された第2始動口スイッチ312が接続されている。第2始動口スイッチ312によって遊技球が検出されると、当り抽選が行われる。
これらの第1始動口スイッチ311及び第2始動口スイッチ312は、第1始動口及び第2始動口に遊技球が入球したことを検出した場合に入賞したとして、所定の検出信号を主制御基板28に供給する。
主制御基板28には、遊技盤1における通過ゲート(図示略)の後方に配置された通過ゲートスイッチ314が接続されている。通過ゲートスイッチ314によって遊技球が検出された場合、通過ゲートに遊技球が入賞したとして、普通図柄抽選が行われる。この普通図柄抽選の結果は、遊技盤1に設けられた普通図柄表示部5Aにおいて表示される。なお、普通図柄表示部5Aにおいて特定の図柄が停止表示された場合には、普通図柄抽選の結果が当選であることを遊技者に把握させる演出画像が液晶表示装置4の画面上に表示されるようにしてもよい。
通過ゲートスイッチ314は、通過ゲートを遊技球が通過したことを検出した場合に入賞したとして、所定の検出信号を主制御基板28に供給する。これにより、通過ゲートスイッチ314は、第2始動口を開放する契機を与える。
主制御基板28には、遊技盤1に設けられた一般入賞口(図示略)の後方に配置された一般入賞口スイッチ310が接続されている。一般入賞口スイッチ310によって遊技球が検出されると、払出装置35により予め設定されている数の賞球が行われる。
主制御基板28には、遊技盤1における第1大入賞口(図示略)の奥方に配置された第1大入賞口カウントスイッチ315が接続されている。第1大入賞口カウントスイッチ315は、第1大入賞口への遊技球の入賞数をカウントするためのものである。第1大入賞口カウントスイッチ315により遊技球の入賞が検出されると、払出装置35は、予め設定されている数の遊技球を賞球として払出口170又は排出口180を通じて上皿17又は下皿18に払い出しを行う。
主制御基板28には、遊技盤1における第2大入賞口(図示略)の奥方に配置された第2大入賞口カウントスイッチ316が接続されている。第2大入賞口カウントスイッチ316は、第2大入賞口への遊技球の入賞数をカウントするためのものである。第2大入賞口カウントスイッチ316により遊技球の入賞が検出されると、払出装置35は、予め設定されている数の遊技球を賞球として払出口170又は排出口180を介して上皿17又は下皿18に払い出しを行う。
これらの第1大入賞口カウントスイッチ315及び第2大入賞口カウントスイッチ316は、第1大入賞口及び第2大入賞口を遊技球が通過した場合に、所定の検出信号を主制御基板28に供給する。
主制御基板28には、第2大入賞口の内部にある特定領域及び非特定領域(図示略)に配置された特定領域スイッチ317A及び非特定領域スイッチ317Bが接続されている。特定領域スイッチ317Aは、大当り遊技状態において特定領域を遊技球が通過したことを検出した場合にV入賞として、所定の検出信号を主制御基板28に供給する。非特定領域スイッチ317Bは、大当り遊技状態において非特定領域を遊技球が通過したことを検出した場合に非V入賞として、所定の検出信号を主制御基板28に供給する。
主制御基板28は、第1大入賞口を開閉する第1大入賞口シャッタ(図示略)を駆動する第1大入賞口ソレノイド315Aと、第2大入賞口を開閉する第2大入賞口シャッタ(図示略)を駆動する第2大入賞口ソレノイド316Aとを排他的に制御する。これにより、第1大入賞口シャッタは、第1大入賞口への遊技球の入賞が容易な開放状態(第1態様)と、遊技球の入賞が不可能又は困難な閉鎖状態(第2態様)とに変動するように駆動され、第1大入賞口が少なくとも閉鎖状態とされる状況において、第2大入賞口シャッタは、第2大入賞口への遊技球の入賞が可能な開放状態と、遊技球の入賞が不可能又は困難な閉鎖状態とに変動するように駆動される。このような第1大入賞口シャッタ及び第2大入賞口シャッタによる第1大入賞口及び第2大入賞口の開放駆動は、遊技盤1に設けられた第1特別図柄表示部5C又は第2特別図柄表示部5Dにおいて特別図柄が特定の停止表示態様となって、大当り遊技状態に移行された場合に行われる。
主制御基板28は、第2始動口に設けられた羽根部材(図示略)を開閉する羽根部材ソレノイド313を制御する。これにより、普通図柄表示部5Aにおいて所定の発光態様で普通図柄が停止表示されたときに、羽根部材が所定の時間、所定の回数だけ開放状態となり、第2始動口に遊技球を入りや易くなる。
例えば、本実施形態の普通図柄ゲームにおいて、時短遊技状態ではない遊技状態(非確変・非時短遊技状態)における普通図柄の当り確率は、1/256であり、羽根部材が開放されることはない。一方、高確率状態(時短遊技状態)における普通図柄の当り確率は、例えば255/256であり、これに当選した場合に、羽根部材が例えば1.3秒間、3回開放される。また、普通図柄ゲームにおいて当り図柄となる普通図柄の数は1個であり、第2始動口の開放時に上限となる入賞カウント数は10カウント(10個)である。
主制御基板28は、第2大入賞口内の特定領域の変位部材(図示略)を開閉するように動作させる変位部材ソレノイド318を制御する。これにより、大当り遊技状態のラウンドゲームを実行中にある場合に、変位部材が所定の時間、所定の回数だけ開放状態となり、特定領域に対して遊技球が通過し易くなる。一方、大当り遊技状態であっても変位部材が閉鎖状態となる場合は、特定領域を遊技球が通過不可能又は困難となり、非特定領域を遊技球が通過し易くなる。
第1特別図柄保留表示部5Eは、第1特別図柄表示部5C又は第2特別図柄表示部5Dが変動表示しているときに、第1始動口スイッチ311によって遊技球が検出された場合、第1特別図柄表示部5C又は第2特別図柄表示部5Dにおいて変動表示中の第1特別図柄又は第2特別図柄が停止表示されるまで、第1始動口への遊技球の入賞に基づく第1特別図柄の変動表示の実行(開始)が保留される数、すなわち第1特別図柄に係る保留数を表示する。変動表示していた第1特別図柄又は第2特別図柄が停止表示された場合には、第1特別図柄に係る保留数として保留されていた第1特別図柄の変動表示が開始される。
第2特別図柄保留表示部5Fは、第1特別図柄表示部5C又は第2特別図柄表示部5Dが変動表示しているときに、第2始動口スイッチ312によって遊技球が検出された場合、第1特別図柄表示部5C又は第2特別図柄表示部5Dにおいて変動表示中の第1特別図柄又は第2特別図柄が停止表示されるまで、第2始動口への遊技球の入賞に基づく第2特別図柄の変動表示の実行(開始)が保留される数、すなわち第2特別図柄に係る保留数を表示する。変動表示していた第1特別図柄又は第2特別図柄が停止表示された場合には、第2特別図柄に係る保留数として保留されていた第2特別図柄の変動表示が開始される。
ここで、本実施形態のパチンコ遊技機において、第1特別図柄及び第2特別図柄の変動表示の優先順位は、第2特別図柄の方が第1特別図柄よりも優先するように設定されているが、第1始動口及び第2始動口への入賞順にしたがって、対応する第1特別図柄及び第2特別図柄を入賞順通りに変動表示させるようにしてもよい。
また、特別図柄の変動表示の実行が保留される保留数には、上限数が設定されており、本実施形態において、メインCPU280は、第1始動口及び第2始動口に遊技球が入賞して第1始動口スイッチ311及び第2始動口スイッチ312によって遊技球が検出されたときの第1特別図柄及び第2特別図柄の変動表示の保留数を、それぞれ最大で4個(すなわち、4検出回数)まで記憶させており、5個目以降は保留数として記憶させないようになっている。この際、特別図柄の変動表示の終了により保留数が減った時には、再び保留数が4個を上限として加算される。
第1特別図柄表示部5Cにおける第1特別図柄ゲームの保留数が例えば4個まで保留される場合、変動中の第1特別図柄表示部5Cに対応する特別図柄ゲームの情報は、メインRAM282の第1特別図柄始動記憶領域(0)に始動記憶として記憶され、以降、保留数が4個分の特別図柄ゲームの情報は、メインRAM282の第1特別図柄始動記憶領域(1)~(4)に始動記憶として順次記憶される。
第2特別図柄表示部5Dにおける第2特別図柄ゲームについても同様に、第2特別図柄ゲームの保留数が例えば4個まで保留される場合、変動中の第2特別図柄表示部5Dに対応する第2特別図柄ゲームの情報は、メインRAM282の第2特別図柄始動記憶領域(0)に始動記憶として記憶され、以降、保留数が4個分の第2特別図柄ゲームの情報は、メインRAM282の第2特別図柄始動記憶領域(1)~(4)に始動記憶として順次記憶される。
したがって、第1始動口及び第2始動口への入賞に伴う特別図柄ゲームに係る遊技球の保留数は、合計で最大8個となり、第1特別図柄保留表示部5E及び第2特別図柄保留表示部5Fによる保留表示数もそれぞれ4個となる。
第1大入賞口シャッタによる第1大入賞口の開放状態は、第1大入賞口カウントスイッチ315によるカウント値(遊技球の入賞数)が所定数(例えば、入賞数10個)となるか、あるいは予め規定された後述の開放時間を経過するといったいずれか一方の条件を満たすまで維持される。遊技球の入賞数が所定数となった場合、又は第1大入賞口シャッタの開放時間が経過した場合は、第1大入賞口シャッタが第1大入賞口を閉鎖するように駆動される。
第2大入賞口シャッタによる第2大入賞口の開放状態も同様に、第2大入賞口カウントスイッチ316によるカウント値(遊技球の入賞数)が所定数(例えば、入賞数10個)となるか、あるいは予め規定された後述の開放時間を経過するといったいずれか一方の条件を満たすまで維持される。遊技球の入賞数が所定数となった場合、又は第2大入賞口シャッタの開放時間が経過した場合は、第2大入賞口シャッタが第2大入賞口を閉鎖するように駆動される。
大当り遊技状態では、予め設定された大入賞口開閉パターン(当り開閉パターン)に基づき、第1大入賞口及び第2大入賞口の開放状態と閉鎖状態とが繰り返される。大当り遊技状態において、第1大入賞口及び第2大入賞口のそれぞれが大入賞口開閉パターン(当り開閉パターン)に基づいて所定回数にわたり開放状態及び閉鎖状態となる遊技は、「ラウンドゲーム(ラウンド遊技)」という。ラウンドゲーム(ラウンド遊技)は、単にラウンドという場合もある。1回のラウンドゲームにより第1大入賞口又は第2大入賞口が閉鎖状態とされてから、次回のラウンドゲームとして第1大入賞口又は第2大入賞口が開放状態となるまでの状態については、「ラウンド間ゲーム」又は「ラウンド間インターバル」あるいは単に「インターバル」ともいう。1回のラウンドゲームにおいては、第1大入賞口及び第2大入賞口のそれぞれが複数回にわたり開放状態及び閉鎖状態となる場合がある。また、1回のラウンドゲームでは、第1大入賞口及び第2大入賞口の開閉状態が排他的に制御される。すなわち、1回のラウンドゲームにおいては、一方の大入賞口が所定回数繰り返し開放状態となる間、他方の大入賞口が継続して閉鎖状態とされる。
なお、本実施形態の遊技機には、大当り遊技状態とは異なる性質の遊技状態として、いわゆる小当り遊技状態が設けられている。小当り遊技状態は、大当り遊技状態とは異なりラウンドゲームという概念によって規定されず、本実施形態の小当り遊技状態では、第2大入賞口が所定回数繰り返し開放状態とされるように規定されている。もちろん、小当り遊技状態においては、任意あるいは特定の大入賞口を1回あるいは複数回数にわたり繰り返し開放状態となるように制御してもよい。この小当り遊技状態とは、特別図柄抽選による小当りの当選を契機に移行する遊技状態である。小当り遊技状態に移行する前とその終了後においては、基本的に遊技状態が変化しない。例えば、非確変遊技状態において小当り当選となって小当り遊技状態に移行した場合、この小当り遊技状態の終了後の遊技状態は、小当り遊技状態に移行する前の非確変遊技状態のままであり、確変遊技状態に移行することはない。同様に、確変遊技状態において小当り当選となって小当り遊技状態に移行した場合、この小当り遊技状態の終了後の遊技状態は、確変遊技状態のゲーム数が残存する限り、小当り遊技状態に移行する前の確変遊技状態のままであり、非確変遊技状態に移行することもない。
ラウンドゲームは、1ラウンド、2ラウンドのようにラウンド数(回数)として計数される。1回のラウンドゲームにおいて、第1大入賞口又は第2大入賞口が所定回数開放状態となる前に、1ラウンドあたりの上限入賞数に到達した場合は、第1大入賞口及び第2大入賞口が閉鎖状態となり、残りの開放回数分について第1大入賞口及び第2大入賞口が開放状態とされることなく、当該ラウンドゲームが終了させられる。
また、大当り遊技状態において第2大入賞口が開放状態となる特定のラウンドゲームでは、予め設定された作動パターン(変位部材作動パターン)に基づき、変位部材が制御される。これにより、特定領域は、大当り遊技状態の特定のラウンドゲームにおいて、開放状態及び閉鎖状態となる。すなわち、特定のラウンドゲームにおいては、特定領域を遊技球が通過してV入賞となる可能がある一方、特定のラウンドゲーム以外のラウンドゲームでは、仮に第2大入賞口に遊技球が入賞したとしても、特定領域を遊技球が通過不可能又は困難な状態となる。すなわち、大当り遊技状態の種類には、特定のラウンドゲームを含む大当り遊技状態と、特定のラウンドゲームを含まない大当り遊技状態とがある。
液晶表示装置4の画面上には、第1特別図柄表示部5C及び第2特別図柄表示部5Dにおいて表示される特別図柄と関連する演出画像が表示される。例えば、第1特別図柄表示部5C及び第2特別図柄表示部5Dで表示される特別図柄の変動表示中において、特定の場合を除いて、液晶表示装置4の画面上には、数字からなる図柄(装飾図柄)、例えば、「0」、「1」、「2」・・・「7」のような数字が3列変動表示される。
一方、第1特別図柄表示部5C及び第2特別図柄表示部5Dにおいて変動表示されていた特別図柄が停止表示されると、液晶表示装置4の画面上においても装飾図柄が停止表示される。
また、第1特別図柄表示部5C及び第2特別図柄表示部5Dにおいて、変動、停止された特別図柄が特定の停止表示態様である場合には、「大当り」であることを遊技者に把握させる演出画像が液晶表示装置4の画面上に表示される。
具体的には、第1特別図柄表示部5C及び第2特別図柄表示部5Dのいずれか一方において特別図柄が、例えば「大当り」に対応する特定の表示態様で停止表示された場合には、液晶表示装置4の画面上に表示される演出用の装飾図柄の組み合わせが特定の表示態様(例えば、複数の図柄列のそれぞれに同一の図柄がすべて揃った状態で停止表示される態様)となり、さらに、大当り用の演出画像が液晶表示装置4の画面上に表示される。
このような主制御基板28のメインCPU280は、遊技領域1pにおける所定の領域(第1始動口、第2始動口)を遊技球が通過した場合に、遊技者に有利な特別遊技(大当り遊技状態)を実行するか否かを抽選可能な抽選手段を実現している。
メインROM281は、大当り抽選や図柄抽選等といった各種の処理をメインCPU280に実行させるためのプログラムや、各種テーブルを記憶している。
例えば、図41に示すように、メインROM281に記憶されたテーブルとしては、大当り抽選テーブルや図柄抽選テーブルがある。大当り抽選テーブルは、大当り抽選を乱数抽選により行う際に用いられ、例えば乱数範囲0~255のうち、0~254の乱数値が抽出されるとハズレで、255の乱数値が抽出されると大当りの当選となる旨を規定している。図柄抽選テーブルは、大当り当選の際、第1特別図柄(特図1)及び第2特別図柄(特図2)を乱数抽選により決定付けるために用いられる。このような図柄抽選テーブルは、例えば、第1特別図柄(特図1)に関し、乱数範囲0~99のうち、0~35の乱数値が抽出されると4R通常大当りに対応する4R通常図柄を決定し、36~65の乱数値が抽出されると16R通常大当りに対応する16R通常図柄を決定し、66~85の乱数値が抽出されると4R確変大当りに対応する4R確変図柄を決定し、86~99の乱数値が抽出されると16R確変大当りに対応する16R確変図柄を決定する旨を規定している。また、図柄抽選テーブルは、例えば、第2特別図柄(特図1)に関し、乱数範囲0~99のうち、0~33の乱数値が抽出されると4R確変大当りに対応する4R確変図柄を決定し、34~99の乱数値が抽出されると16R確変大当りに対応する16R確変図柄を決定する旨を規定している。
メインRAM282は、メインCPU280の一時記憶領域として、種々のデータ(フラグ、カウンタ、タイマ、及び変数の値等)を記憶する機能を有する。メインCPU280の一時記憶領域としては、メインRAM282に代えて、他の読み書き可能な記憶媒体を用いることもできる。
初期リセット回路283は、電源投入時においてリセット信号を生成するものであり、メインCPU280に接続されている。
I/Oポート284は、各種のデバイスからの入力信号をメインCPU280に、メインCPU280からの出力信号を各種のデバイスに送信するものである。
コマンド出カポート285は、メインCPU280からの各種コマンドをサブ制御基板33に送信するものである。
リセット用クロックパルス発生回路286は、タイマ割込処理を実行するためのクロックパルスを所定の周期(たとえば2msec)毎に発生するものである。
遊技情報出力回路287は、外部接続されたホールコンピュータHPや外部情報表示装置EDに各種の情報を出力するためのものである。
主制御基板28に接続される各種のデバイスには、第1大入賞口ソレノイド315A、第2大入賞口ソレノイド316A、羽根部材ソレノイド313、変位部材ソレノイド318、及び外部端子板320が含まれる。
外部端子板320は、略して外端板と称され、ホール係員を呼び出す機能や大当り回数を表示するといった機能を有する外部情報表示装置ED、あるいはホールに設置された複数の遊技機を管理するホールコンピュータHP等の外部機器との間でデータ通信するためのものである。
主制御基板28に接続される各種のスイッチには、一般入賞口スイッチ310、第1始動口スイッチ311、第2始動口スイッチ312、通過ゲートスイッチ314、第1大入賞口カウントスイッチ315、第2大入賞口カウントスイッチ316、特定領域スイッチ317A、非特定領域スイッチ317B、及びバックアップクリアスイッチ319が含まれる。
バックアップクリアスイッチ319は、電断時等における主制御基板28及び後述する払出・発射制御基板34のバックアップデータを、ホール管理者の操作に応じてクリアするものである。
また、主制御基板28には、払出・発射制御基板34を介して、発射装置26、払出装置35、及びカードユニット装置CUが接続されている。
主制御基板28は、払出・発射制御基板34に賞球制御コマンドを送信する。払出・発射制御基板34は、主として発射装置26及び払出装置35を制御するものであり、発射装置26、払出装置35、及びカードユニット装置CUが接続されている。
カードユニット装置CUは、遊技者の操作に応じて遊技球の貸し出しを要求する信号を出力する第2操作ユニット9Bと接続されており、この第2操作ユニット9Bとの間で信号を送受信可能である。
払出・発射制御基板34は、主制御基板28から供給される賞球制御コマンドと、カードユニット装置CUから供給される貸し球制御信号とを受け取り、払出装置35に対して所定の信号を送信することにより、払出装置35に遊技球を払い出させる。払出装置35は、例えば、第1始動口又は第2始動口への入賞1個あたり賞球数として3個の遊技球を払い出し、一般入賞口や第1大入賞口又は第2大入賞口への入賞1個あたり賞球数として10個の遊技球を払い出す。
払出・発射制御基板34は、発射装置26の発射ハンドル26bが遊技者によって把持され、かつ、時計回りの方向へ回動操作された場合に、その回動量に応じて発射ソレノイド(図示略)に電力を供給し、遊技球を遊技領域1pに向けて発射させる制御を行う。
サブ制御基板33は、主制御基板28に接続されており、主制御基板28から各種のコマンドが供給されるように構成されている。
サブ制御基板33は、主制御基板28から供給される各種のコマンドに応じて、各種の制御、主として演出動作に係る制御を行うものであり、サブCPU330、プログラムROM331、ワークRAM332、コマンド入力ポート333、リアルタイムクロック(以下、「RTC:Real-Time Clock」という)334、表示制御回路335、音響制御回路336、発光制御回路337、及び演出装置制御回路338を有する。表示制御回路335には、液晶表示装置4が接続されている。音響制御回路336には、スピーカ10a,10b,10cが接続されている。発光制御回路337には、ランプや各種のLED(図40においては、まとめてランプ・LED260と表記)が接続されている。演出装置制御回路338は、各種の可動演出役物や可動部材の可動機構(図40においては、まとめて可動演出装置270と表記)が接続されている。
また、サブ制御基板33は、第1操作ユニット9Aと接続され、当該第1操作ユニット9Aに設けられたセンサ類(図示略)からの信号が入力可能とされる。例えば、操作部材(操作ボタン)2000が押下された状態を押下検出センサが検出すると、この押下検出センサからサブ制御基板33に操作部材2000の操作に応じた操作信号が入力される。サブ制御基板33はまた、第2操作ユニット9Bと接続され、当該第2操作ユニット9Bに設けられたセンサ類(図示略)からの信号が入力可能とされる。例えば、押圧ボタン3000が押下された状態を押下検出センサが検出すると、この押下検出センサからサブ制御基板33に押圧ボタン3000の操作に応じた操作信号が入力される。
サブCPU330は、プログラムROM331に記憶されたプログラムにしたがって、各種の処理、主として演出動作に係る処理を実行するものである。液晶表示装置4は、表示手段として機能する。特に、サブCPU330は、主制御基板28から供給される各種のコマンドにしたがって、サブ制御基板33全体の制御を行う。
プログラムROM331は、サブCPU330が主として各種演出を制御するためのプログラムや各種のテーブルを記憶している。
例えば、図41に示すように、プログラムROM331に記憶されたテーブルとしては、演出抽選テーブルがある。演出抽選テーブルは、例えば、スピーカユニット10及び送風機構110を用いた送風に係る演出(送風演出)、発光ユニット12を用いた光照射に係る演出(光照射演出)、操作部材2000あるいは押圧ボタン3000を用いた操作演出(第1操作演出、第2操作演出)といった各種演出の実行有無を決定するための演出抽選を乱数抽選により行う際に用いられる。なお、送風演出が実行される際は、それと同時にスピーカ10cを用いて低音を発生させる音響演出も実行される。第1操作演出は、第1操作ユニット9Aの操作部材2000を用いた演出であり、第2操作演出は、第2操作ユニット9Bの押圧ボタン3000を用いた演出である。
具体的に、演出抽選テーブルは、大当り抽選によるハズレ、4R通常大当りの当選、16R通常大当りの当選、4R確変大当りの当選、16R確変大当りの当選といった場合に、送風演出、光照射演出、操作演出の各演出を実行させるか否かを乱数抽選(乱数範囲0~99による抽選)により決定するための抽籤値を規定している。
このような演出抽選テーブルによれば、送風演出については、大当り抽選結果がハズレの場合、必ず0~99の乱数値が抽出されることで「演出なし」が決定され、4R通常大当りの場合、0~30の乱数値が抽出されると「演出なし」が決定される一方、31~99の乱数値が抽出されると「演出あり」が決定され、16R通常大当りの場合、0~95の乱数値が抽出されると「演出なし」が決定される一方、96~99の乱数値が抽出されると「演出あり」が決定され、4R確変大当りの場合、0~50の乱数値が抽出されると「演出なし」が決定される一方、51~99の乱数値が抽出されると「演出あり」が決定され、16R確変大当りの場合、0~50の乱数値が抽出されると「演出なし」が決定される一方、51~99の乱数値が抽出されると「演出あり」が決定される。
光照射演出については、大当り抽選結果がハズレの場合、0~90の乱数値が抽出されると「演出なし」が決定される一方、91~99の乱数値が抽出されると「演出あり」が決定され、4R通常大当りの場合、0~90の乱数値が抽出されると「演出なし」が決定される一方、91~99の乱数値が抽出されると「演出あり」が決定され、16R通常大当りの場合、必ず0~99の乱数値が抽出されることで「演出あり」が決定され、4R確変大当りの場合、0~90の乱数値が抽出されると「演出なし」が決定される一方、91~99の乱数値が抽出されると「演出あり」が決定され、16R確変大当りの場合、必ず0~99の乱数値が抽出されることで「演出あり」が決定される。
第1操作演出については、大当り抽選結果がハズレの場合、0~95の乱数値が抽出されると「演出なし」が決定される一方、96~99の乱数値が抽出されると「演出あり」が決定され、4R通常大当りの場合、0~50の乱数値が抽出されると「演出なし」が決定される一方、51~99の乱数値が抽出されると「演出あり」が決定され、16R通常大当りの場合、0~50の乱数値が抽出されると「演出なし」が決定される一方、51~99の乱数値が抽出されると「演出あり」が決定され、4R確変大当りの場合、0~85の乱数値が抽出されると「演出なし」が決定される一方、86~99の乱数値が抽出されると「演出あり」が決定され、16R確変大当りの場合、0~95の乱数値が抽出されると「演出なし」が決定される一方、96~99の乱数値が抽出されると「演出あり」が決定される。
第2操作演出については、大当り抽選結果がハズレの場合、必ず0~99の乱数値が抽出されることで「演出なし」が決定され、4R通常大当りの場合、0~97の乱数値が抽出されると「演出なし」が決定される一方、98~99の乱数値が抽出されると「演出あり」が決定され、16R通常大当りの場合、必ず0~99の乱数値が抽出されることで「演出なし」が決定され、4R確変大当りの場合、0~90の乱数値が抽出されると「演出なし」が決定される一方、91~99の乱数値が抽出されると「演出あり」が決定され、16R確変大当りの場合、0~60の乱数値が抽出されると「演出なし」が決定される一方、61~99の乱数値が抽出されると「演出あり」が決定される。
このような演出抽選テーブルによれば、送風演出、光照射演出、第1操作演出、第2操作演出といった演出が同時に発生する組み合わせパターンが、ハズレあるいは大当りの種類に応じて確率的に異なる。すなわち、発生する演出の組み合わせパターンに応じてハズレや大当りの種類について見当をつけやすくすることができる。
また、操作演出についての規定内容からも明らかなように、第2操作ユニット9Bの押圧ボタン3000を用いた第2操作演出よりも、第1操作ユニット9Aの操作部材2000を用いた第1操作演出の方が出現頻度が高くなっている。すなわち、第1操作演出において用いられる操作部材2000よりも第2操作演出において用いられる押圧ボタン3000の方が使用頻度が低いので、押圧ボタン3000の近隣に配置される操作演出とは関係ない十字ボタン3100といったボタンの誤操作を未然に防ぐとともに、使用頻度の高い操作部材2000を独立した操作ユニットに備えることで配線や基板を簡易に専用設計することができる。
ワークRAM332は、サブCPU330の一時記憶領域として種々のデータ(フラグ、カウンタ、タイマ、及び変数の値等)を記憶するものである。
コマンド入力ポート333は、主制御基板28のメインCPU280から送信された各種コマンドを受信し、サブCPU330へと伝えるものである。
RTC334は、現在の日付を示す日付信号や現在の時刻を示す時刻信号をサブCPU330に入力する。RTC334は、通常、遊技機本体に電源が供給されているときには遊技機本体からの電源によって動作し、遊技機本体の電源が切られているときには、電源基板(図示略)に搭載されたバックアップ電源から供給される電源によって動作する。これにより、RTC334は、遊技機本体の電源が切られている場合であっても現在の日時を計時することができる。なお、RTCは、サブ制御基板上に設けた電池によって動作するようにしてもよい。また、RTCに代わるものとしては、バックアップRAMとしての機能を有するワークRAMに設けたカウンタを、所定時間ごと(例えば2ms毎)にカウントアップすることによって時間を計時する手段として用いてもよい。
表示制御回路335は、サブCPU330から供給されるデータに応じて、液晶表示装置4における表示制御を行うためのものであり、例えば画像データプロセッサ(VDP)と、各種の画像データを生成するためのデータが記憶されている画像データROMと、画像データを一時記憶するフレームバッファと、画像データを画像信号として変換するD/Aコンバータとから構成されている。なお、表示制御回路335の構成は、あくまでも一例であり、これに限定されるものではない。
表示制御回路335は、サブCPU330から供給される画像表示命令に応じて、液晶表示装置4の画面上に表示させるための画像データを一時的にフレームバッファに格納する。画像データとしては、例えば装飾図柄画像データ、背景画像データ、各種演出用画像データ、各種不正報知画像データ等が含まれる。
また、表示制御回路335は、所定のタイミングで、フレームバッファに格納された画像データをD/Aコンバータ(図示略)に供給する。D/Aコンバータは、画像データを画像信号として変換し、所定のタイミングで、この画像信号を液晶表示装置4に供給する。液晶表示装置4の画面上には、D/Aコンバータからの画像信号に基づいて画像が表示される。
音響制御回路336は、スピーカ10a,10b,10cから発生させる音楽や音声などのサウンドに関する制御を行うためのものであり、サウンド出力に関する制御を行う音源IC、各種のサウンドデータを記憶するサウンドデータROM、サウンド信号を増幅するための増幅器(AMP)を含んでいる。なお、音響制御回路336の構成も、あくまでも一例であり、これに限定されるものではない。
音源ICは、スピーカ10a,10b,10cから発生させるサウンドの制御を行うものであり、サブCPU330から供給されるサウンド発生命令に応じて、サウンドデータROMに記憶されている複数のサウンドデータから一つのサウンドデータを選択することができる。
また、音源ICは、選択されたサウンドデータをサウンドデータROMから読み出し、サウンドデータを所定のサウンド信号に変換し、そのサウンド信号を増幅器に供給する。なお、この増幅器は、サウンド信号を増幅させ、スピーカ10a,10b,10cから音を発生させる。
発光制御回路337は、装飾ランプ等を含むランプ・LED260の制御を行うためのものであり、発光制御信号を供給するためのドライブ回路、複数種類のランプ装飾パターンが記憶されている装飾データROM等から構成されている。なお、発光制御回路337の構成も、あくまでも一例であり、これに限定されるものではない。
演出装置制御回路338は、例えば、大当り遊技状態において可動演出役物等を作動させる等の演出動作を制御する。
<右側装飾部材15及び左側装飾部材16について>
右側装飾部材15及び左側装飾部材16は、互いに概ね左右対称の形状に形成されており、共に同様の部材を備えて構成される。以下の説明においては、便宜上、右側装飾部材15について説明する。
右側装飾部材15及び左側装飾部材16は、所定の遊技条件が成立した場合に光の演出を行うものである。図42~図47に示すように、右側装飾部材15は、支持部材150、発光基板(図示略)、外側導光部材151、内側導光部材152、及び装飾カバー153を有する。支持部材150、発光基板、外側導光部材151、及び内側導光部材152は、装飾カバー153により覆われる。装飾カバー153の主な前面部は、半透明あるいは透明で光透過性を有する。
支持部材150及び発光基板は、右側ベース板3aaに取り付けられる。支持部材150の裏面側には、発光基板が配置される。支持部材150には、複数のスリット150aが形成されており、これら複数のスリット150aに臨むように発光基板に設けられた複数のLED(図示略)が位置する。支持部材150の前部には、複数のスリット150aに沿うように外側導光部材151及び内側導光部材152が取り付けられる。LEDは、光量の確保とコスト面とを考慮し、所定の間隔(例えば、20mmから30mmの間隔)で配置されている。
外側導光部材151及び内側導光部材152は、各々板状部材で構成され、外側導光部材151よりも内側導光部材152が大きくなるように形成されている。外側導光部材151及び内側導光部材152は、互いに左右に所定間隔離れるように位置する。これら外側導光部材151及び内側導光部材152は、大きさや配置が異なる以外は同様の構成からなるため、以下の説明においては、便宜上、内側導光部材152について説明する。
図43~図47に示すように、内側導光部材152は、光入射面となる入射後端面152aと、光出射面となる出射前端面152bとを有する。入射後端面152aは、支持部材150の複数のスリット150aに臨むように配置される。これにより、複数のLEDは、入射後端面152aの長手方向に沿って並ぶように位置する。出射前端面152bは、装飾カバー153の内面に沿うように配置され、全体的に湾曲状に形成されている。
図44及び図45に示すように、入射後端面152aは、長手方向に沿って凹凸をなすように鋸歯状のレンズカットが形成されている。これにより、スリット150aを通って入射後端面152aに入射したLEDからの光は、内側導光部材152の内部を概ね長手方向に拡散しながら進む。出射前端面152bは、いわゆるダイヤカット状のレンズカットが形成されている。これにより、入射後端面152aから内側導光部材152の内部へと進行してきた光は、ある程度広がりをもって前方へと照射される。なお、内側導光部材152の出射前端面152bは、外側導光部材151の出射前端面よりも遊技者が位置する手前側に配置されている。
このような右側装飾部材15によれば、その内部を進行する光を側方に漏らすことなく出射前端面152bから効率よく拡散することができ、視覚を効果的に刺激するように光の演出を実行することができる。左側装飾部材16も、右側装飾部材15と同様の構成されていることから、右側装飾部材15による光の演出と同時に、あるいは右側装飾部材15による光の演出とは異なるタイミングで視覚を効果的に刺激するように光の演出を実行することができる。
<トップ飾り14について>
図23に示すように、トップ飾り14は、中央装飾ユニット14a、右側装飾ユニット14b、左側装飾ユニット14cを有する。右側装飾ユニット14b及び左側装飾ユニット14cは、互いに概ね左右対称の形状に形成されており、共に同様の部材を備えて構成される。以下の説明においては、便宜上、中央装飾ユニット14a及び右側装飾ユニット14bについて説明する。
[中央装飾ユニット14a]
中央装飾ユニット14aは、例えば大当り開始時に発光することによって光の演出を行う正面視逆三角形状のものである。図48~図52に示すように、中央装飾ユニット14aは、本体カバー140、前面カバー141、上部カバー142、支持部材143、発光基板144、遮光部材145、複数の導光部材146a~146cを有する。支持部材143、発光基板144、遮光部材145、及び複数の導光部材146a~146cは、本体カバー140、前面カバー141、及び上部カバー142により覆われる。前面カバー141の前面部141aは、半透明あるいは透明で光透過性を有する。この前面部141aは、下部より上部に至るほど前方に位置するようなせり出す面であって、鉛直方向に対して傾斜した透光面をなすように配置される。
本体カバー140の内側には、支持部材143が取り付けられる。支持部材143の前部には、発光基板144が取り付けられるとともに、発光基板144の前方に位置するように遮光部材145が取り付けられる。遮光部材145の下部には、複数の導光部材146a~146cが互いに所定間隔離れて取り付けられる。
発光基板144の前面下部には、複数の導光部材146a~146cに対応する複数のLED144aが設けられており、発光基板144の前面上部には、後述する遮光部材145の上部に設けられた複数の開口145cに対応する複数のLED144bが設けられている。
遮光部材145には、その上部と下部とを仕切るように隔壁145aが形成されている。遮光部材145の下部には、複数の導光部材146a~146cに対応するように複数のスリット145ba,145bb,145bcが形成されている。遮光部材145の上部には、後述する発光基板144のLED144bが露出するように複数の開口145cが形成されている。遮光部材145の隔壁145aの上面は、LED144bからの光を前方に向けて反射しやすい表面加工が施され、開口145cの周縁部も、LED144bからの光を前方に向けて反射しやすいように凹面状に形成されている。
複数の導光部材146a~146cは、各々板状部材で構成され、正面視略U字状あるいは略V字状に形成されている。複数の導光部材146a~146cは、下方より上方に位置するものほど小さくなるように形成されており、導光部材146aよりも導光部材146bの方が小さく、導光部材146bよりも導光部材146cの方が小さくなっている。複数の導光部材146a~146cは、互いに所定間隔離れるように位置する。
図52に示すように、複数の導光部材146a~146cは、光入射面となる入射後端面146aa,146ba,146caと、光出射面となる出射前端面146ab,146bb,146cbとを有する。入射後端面146aa,146ba,146caは、遮光部材145のスリット145ba,145bb,145bcに臨むように配置される。出射前端面146ab,146bb,146cbは、鉛直方向に対して傾斜した前面カバー141の前面部141aに沿うように配置される。
入射後端面146aa,146ba,146caは、先述した右側装飾部材15の内側導光部材152の入射後端面152aと同様に、長手方向に沿って凹凸をなすように鋸歯状に形成されている。これにより、入射後端面146aa,146ba,146caに入射したLED144aからの光は、導光部材146a~146cの内部を概ね長手方向に拡散しながら進む。出射前端面146ab,146bb,146cbは、先述した右側装飾部材15の内側導光部材152の出射前端面15bと同様に、いわゆるダイヤカット状に形成されている。これにより、入射後端面146aa,146ba,146caから導光部材146a~146cの内部へと進行してきた光は、ある程度広がりをもって前方へと照射される。
このような中央装飾ユニット14aによれば、複数の導光部材146a~146cの出射前端面146ab,146bb,146cbから照射された光は、前面カバー141の前面部141aを通って外方に導かれるが、出射前端面146ab,146bb,146cbが前面部141aに対して比較的近くに位置し、この出射前端面146ab,146bb,146cbに沿って光強度が比較的強い細長い領域が形成されるので、前面カバー141の下部の領域においては、出射前端面146ab,146bb,146cbからの光が複数のライン状に見える。一方、前面カバー141の上部の領域においては、複数のLED144bからの光が遮光部材145の開口145cの周縁部等によって乱反射しつつ前面カバー141の前面部141aを通って外方に放射されるが、導光部材146a~146cの出射前端面146ab,146bb,146cbよりも前面部141aに対して遠い奥方から反射光として前面部141aへと導かれるので、前面カバー141の上部の領域においては、平均的に光が広がった広配光として見える。すなわち、遊技者の目線となる前面カバー141の斜め下方からは、上方からの万遍なくぼんやりとした光の中に下方においてライン状の光が立体的に浮かび上がるように見える。
[右側装飾ユニット14b]
右側装飾ユニット14bは、例えば大当り開始時に音の発生や発光により演出を行うものである。図53~図58に示すように、右側装飾ユニット14bは、スピーカユニット10A、本体支持部材147A、本体カバー147B、前面カバー147C、発光基板148、導光部材149を有する。スピーカユニット10A及び発光基板148は、本体支持部材147Aの後部に取り付けられ、発光基板148は、スピーカユニット10Aの前部に取り付けられる。導光部材149は、本体支持部材147Aの前側内部に取り付けられ、前面カバー147Cによって覆われる。前面カバー147Cの前面147Caは、網目状に形成されており、隙間からスピーカ10bの振動面や導光部材149が視認可能とされる。
スピーカユニット10Aは、スピーカ10bの振動面(出音部)を前方に向けて露出させる開口(図示略)を有し、この開口の周縁部に沿うように発光基板148が取り付けられる。発光基板148には、スピーカ10bの周縁に沿って環状に並ぶように複数のLED148aが設けられている。
本体支持部材147Aには、スピーカ10bの振動面及び発光基板148の複数のLED148aを露出させて周縁に導光部材149を取り付け可能な開口部147Aaが形成されている。
導光部材149は、スピーカ10bの振動面で発生した音を前方に導くための筒部149a、筒部149aの周縁後側にあって光入射面となる入射後端面149b、筒部149aの周縁前側にあって光出射面となる出射前端面149c、出射前端面149cの周縁から前方へと広がりつつ延出する突出部149dを有する。
筒部149aの後部には、スピーカ10bの振動面が配置され、振動面で発生した音は、筒部149aを通って前方へと導かれる。入射後端面1449bは、発光基板148のLED148aと対向するように配置される。入射後端面149bは、先述した右側装飾部材15の内側導光部材152の入射後端面152aと同様に、周方向に沿って凹凸をなすように鋸歯状に形成されている。これにより、入射後端面149bに入射したLED148aからの光は、筒部149aを概ね周方向に拡散しながら進む。
出射前端面149cは、前面カバー147Cの前面147Caから所定距離後方に離れて位置する。この出射前端面149cも、入射後端面149bと同様に、周方向に沿って凹凸をなすように鋸歯状に形成されている。これにより、入射後端面149bから筒部149aへと進行してきた光は、正面から見て主として周方向に広がりつつリング状に見えるように前方へと照射される。
突出部149dは、左右両側の一部が部分的に前方へと延出するように形成されており、その先端が前面カバー147Cの前面147Caの裏側に当接するように配置される。なお、突出部149dは、前面147Caの裏側に接触させることなく近接するように配置してもよい。また、突出部149dに代えて出射前端面149cを前面147Caの裏側に当接するように配置したり、あるいは近接するように配置してもよい。
このような右側装飾ユニット14bによれば、スピーカ10bから発生する音に合わせてスピーカ10bの周りがリング状に光って見える演出を行うことができる。また、前面カバー147Cの前面147Caは、網目状に形成されているため、それだけでは外部からの衝撃や押圧によって破損しやすいが、導光部材149の突出部149dが当接することで補強支持された状態にあるため、外部からの衝撃や押圧による破損を効果的に防ぐことができる。すなわち、網目状(格子状)の前面カバー147Cは、導光部材149に沿ってスピーカ10bからの音が前面カバー147Cの裏面まで導かれるので、美観を損ねることなくスピーカ10bからの音を支障なく外方に伝えることができる。また、導光部材149が前面カバー147Cの支持部材としての機能を果たすため、前面カバー147Cの剛性を高めることができる。
以上説明した第2実施形態に係る遊技機によれば、以下のような作用効果を得ることができる。
スピーカユニット10やその周辺の構成によれば、スピーカ10cから音が出力されるのに伴いエンクロージャ10eの開口10ecから空気流が流出する。このとき、送風機構110の開閉部材115が空間部110aを開放した状態にあると、開口10ecからの空気流が送風口80へとまっすぐ向かう方向に導かれ、送風口80から発射ハンドル26bの方へと十分な風圧をもって風が流れる。その結果、遊技者は、発射ハンドル26bを把持する手に風を感じるとともに、スピーカ10cからの音も送風口80から風と共に出力される音とのヘルムホルツ共鳴によって重低音に感じることができる。
その一方、送風機構110の開閉部材115が空間部110aを閉鎖した状態にあり、開口10ecからの空気流が空間部110aの下方へと略直角に曲がって流れるような方向に導かれると、アンダーカバー8cの通気口8caから風が排出されることとなり、発射ハンドル26bへと風が導かれなくなる。これにより、遊技者は、発射ハンドル26bを把持する手に風を感じることなく、スピーカ10cからの音のみを通気口8caから風と共に出力される音とのヘルムホルツ共鳴によって重低音に感じることができる。
すなわち、スピーカユニット10の開口10ecから流出する風の方向を送風機構110により切り替えるだけで低音と風を感じさせたり、あるいは低音のみを感じさせることができるので、スピーカユニット10の小型化及び簡素化を図りつつ音と風による演出を臨機応変に行うことができる。
また、スピーカユニット10の開口10ecから出る風の方向を送風機構110により切り替えるだけで音と風を感じさせたり、あるいは音のみを感じさせることができ、着脱自在の右下側面カバー8baやアンダーカバー8cに送風口80や通気口8caを形成し、これらとスピーカユニット10との間に送風機構110配置するように各々個別に設計すればよいので、スピーカユニット10及びその周辺の構成について、製造コストや設計自由度、メンテナンス性に優れたものとすることができる。
また、バスレフ型でエンクロージャ10eの容積が比較的大きいスピーカユニット10でも、上皿17や下皿18に貯留された遊技球を取り扱う遊技者の手の支障とならならないスペースに配置することができるので、スピーカユニット10の配置スペースを確保しつつスピーカ装置を効率よくレイアウトすることができる。
また、エンクロージャ10eの左上部10eaが上皿本体17pの底部に当接するとともに左下部10eb下皿本体18pに当接するので、上皿17pを支持するとともに、スピーカ10cの作動に応じてエンクロージャ10eからの振動が上皿17や下皿18に伝えられ、この振動により上皿17や下皿18における遊技球の詰まりを効果的に解消することができる。
また、押圧ボタン3000を用いた第2操作演出よりも操作部材2000を用いた第1操作演出の方が発生頻度が高くなるように設定されており、すなわち、使用頻度が高い操作部材2000が操作ユニット9Aに単独で設けられる一方、使用頻度が低い押圧ボタン3000が球貸ボタン23や返却ボタン24と兼用の共通基板3200に設けられるので、使用頻度に応じて使いやすい位置に操作部材2000及び押圧ボタン3000を各々配置して各基板への配線を簡素化することができ、ひいては製造コスト及び配置スペースの節減化を図ることができる。
また、使用頻度が高い操作部材2000が円形状として覚えられる一方、使用頻度が低い押圧ボタン3000が円形状とは異なる四角形状として覚えやすくなるので、使用頻度に応じて操作部材2000及び押圧ボタン3000を区別しやすい外形形状として設けることができ、ひいては複数の操作手段を使いやすくすることができる。また、四角形状の押圧ボタン3000と十字状の十字ボタン3100については、互いに直線部分となる一部の端部が対向するように隣接して配置されるので、狭いスペースにあってもこれらの複数のボタンを配置することができる。
また、16R通常大当りあるいは16R確変大当りといった遊技者にとって有利な遊技状態に移行する条件を満たす場合には、必ず光照射演出が実行され、それと同時に送風演出が実行される場合があるので、遊技者は、発射ハンドル26bを把持する手に視覚及び触覚のいずれかによって光照射演出あるいは送風演出が実行されていることを感知することができ、そのような演出を見逃すことなく有利な遊技状態に移行することを察知することができる。また、送風演出が実行される際は、スピーカ10cからの重低音による音響演出も同時に実行されることとなり、重低音による振動も感じさせることができる。
また、例えば右側装飾部材15において、外側導光部材151及び内側導光部材152の入射後端面152aでは、鋸歯状のレンズカットによりLEDが並ぶ長手方向へと光を拡散しながら入射することにより、導光体内を光が効率よく進行する一方、外側導光部材151及び内側導光部材152の出射前端面152bでは、入射後端面152aから導光体内へと導かれた光をダイヤカット状のレンズカットにより外方へと効率よく散乱させることができるので、色ムラを解消して光を効率よく照射することができる。
また、例えば右側装飾ユニット14bにおいて、前面カバー147Cの網目状の前面147Caの裏面に当接するように導光部材149の突出部149dが配置され、出射前端面149cが前面147Caから所定間隔離れつつ、スピーカ10bの振動面を遮らないようにその周縁に沿って環状に配置されるので、入射後端面149b側に位置するLED148aを前面カバー147Cの正面から見えなくすることができ、美観を損ねることなくスピーカ10bからの音を支障なく外方に放出することができる。
また、例えば中央装飾ユニット14aにおいて、複数の導光部材146a~146cの出射前端面146ab,146bb,146cbは、LED144bが露出する遮光部材145の開口145cの周縁部よりも発光基板144から遠い距離にあり、前面カバー141の前面部141a付近に配置されるので、開口145cの周縁部で乱反射して前方へと導かれるLED144bの光と、導光部材146a~146cの体内を通って出射前端面146ab,146bb,146cbから照射されるLED144aの光とは、平均的に拡散したような光とライン状の光となり、これらの光の視認性に明瞭な差を生じせしめることができ、ひいては斬新な光の演出を実現することができる。
なお、送風機構110の変形例としては、図59に示すようなものを適用してもよい。図59に示す送風機構110では、空間部110aの下方及び開口部110bを排他的に開閉可能な回動自在のシャッタ部材117が設けられる。図59(a)に示すように、シャッタ部材117は、図外の開口10ecからの風の流れを開口部110bへと導く場合は、水平姿勢をなすように位置する。このとき、空間部110aの下方へと完全に風が導かれなくなる。一方、図59(b)に示すように、シャッタ部材117は、図外の開口10ecからの風の流れを空間部110aの下方へと導く場合は、図59(a)に示す水平姿勢から回動して起立姿勢をなすように位置する。このとき、空間部110aの側方へとまっすぐ進もうとする風の流れが阻害され、空間部110aの下方へと略直角に曲がるように風が導かれる。このような送風機構110によれば、図外の送風口80へと風を導く際には、空間部110aの下方へと風を漏らさずに充分な風圧をもって送風口80へと風を導くことができる。
「第3実施形態」
図60~図103は、第3実施形態に係るパチンコ遊技機Yを説明する図である。
第3実施形態に係るパチンコ遊技機Yは、表枠3(図20参照)とは異なる構成の本体枠を有し、上下方向に配列された2台のプロジェクタユニットを備える。なお、第3実施形態に係るパチンコ遊技機Yは、矛盾の無い限り、第2実施形態のパチンコ遊技機の構成を備え、同様の作用効果を得ることができる。
図60は、パチンコ遊技機Yの外観斜視図、図61は、パチンコ遊技機Yの分解斜視図である。パチンコ遊技機Yは、本体枠(外枠)2と、本体枠2に回動自在に軸支された本体ユニット400と、本体ユニット400の前面側に取り付けられた遊技盤1Aと、遊技盤1Aの前面側において本体ユニット400に取り付けられたガラスドア5と、を備える。
[本体及びガラスドア]
外枠としての本体枠2は、第3実施形態と同様の構成であり、本体ユニット400を、一方の側縁近傍において、上下方向に延びる回転軸としての本体枠ヒンジ2bを中心に回動可能に軸支する。ガラスドア5は、第3実施形態のガラスドア30と同様の構成であり、下部に、後述する皿ユニット900が設けられている。
[本体枠]
図62は、本体ユニット400の分解斜視図である。本体ユニット400は、前面側に配置される取付枠410と、取付枠410の背面側に取り付けられ、遊技機構成部品を収容可能であるカバー部材430と、取付枠410とカバー部材430との間に設けられる取付ベース420と、を備える。
[取付枠]
図63は、取付枠410の分解斜視図である。取付枠410は、1対の縦枠411と、1対の横枠412と、を有し、略長方形形状の外観を形成する。取付枠410は、貯留タンク415を有し、後述するプロジェクタユニットbによる照射光が投影されるスクリーン部b4及び遊技盤1A、発射装置26等が取り付けられている。また、取付枠410は、背面側において、遊技盤1Aのアウト口55(図61参照)に対応する位置に、後述する球検知ユニット800(図62参照)が設けられている。また、1対の縦枠411は、背面側にそれぞれ取付ベース420及びカバー部材430を別々に固定可能な固定部411a(図62参照)を有する。
1対の縦枠411の内側面には、遊技盤1Aを着脱自在に固定する遊技盤可動止め具413が、それぞれ取り付けられている。遊技盤可動止め具413は、縦枠411に沿って、上下方向の任意の位置で固定されている。遊技盤可動止め具413は、遊技盤1Aの側縁を、着脱自在に挟持する。このような遊技盤可動止め具413により、例えば、遊技盤1Aの下辺を、取付枠410の下部に配置されている溝等の係止部に係止させ、上辺の両端近傍を、遊技盤可動止め具413により挟持することで、遊技盤1Aを、取付枠410に固定することが可能となる。
また、1対の縦枠411の内側面には、スクリーン部b4を着脱自在に固定するスクリーン止め具414が、それぞれ取り付けられている。スクリーン止め具414は、縦枠411に沿って、上下方向の任意の位置で固定されている。取付枠410の背面には、遊技盤可動止め具413及びスクリーン止め具414を覆うようにカバー部材430が取り付けられている。なお、遊技盤可動止め具413やスクリーン止め具414は、縦枠411上を移動可能なように構成し、任意の位置で固定できるように構成してもよい。縦枠411に、遊技盤1A等の遊技部材や、スクリーン部b4等の演出装置を、固定する治具を、上下方向に移動可能に取り付けることで、遊技部材や演出装置の大きさや種類に応じて、治具種類や位置を変更することが可能となるので、遊技機の多様なレイアウトが可能となる。
[遊技盤]
図64は、遊技盤1Aの上面図である。遊技盤1Aは、一般的な遊技盤1と同様の構成を備え、更に、以下の構成を有する。遊技盤1Aは、遊技領域1pを備え、遊技盤1Aの裏面側(背面側)に設けられた第1大入賞口ソレノイド53b等と、第1大入賞口ソレノイド53b等の配線部が接続される遊技盤中継基板101と、を有する。また、遊技盤1Aは、透過性を有する素材で形成され、背面側にスクリーンシートが貼付され、後述するプロジェクタユニットbから照射された投影光が投影されるスクリーンとしても機能する。
遊技盤中継基板101は、裏面側(背面側)において、遊技盤1Aの遊技領域1pが形成された面に対して、略直角に背面側に延びる垂直ベース101Aに取り付けられることで、遊技盤1Aに対し、略直角に立設する。遊技盤中継基板101は、他の基板に電気的に接続するためのコネクタが接続されるコネクタ接続部101aが設けられている。
また、遊技盤中継基板101は、後述する後述するカバー部材430の開口部432eを介して、カバー部材430の外部からコネクタ接続部101aに対する接続操作が可能な位置まで延設され、かつ、少なくとも遊技盤中継基板101の外側部分がカバー部材430で覆われている状態で、コネクタ接続部101aは、配線差込口101bが、後述するカバー部材430の開口部432eの方向に向くように配置されている。コネクタ接続部101aは、遊技盤コネクタ接続部の一例として機能し、後述する中継基板100(図70参照)の特定部品コネクタ接続部の一例である中継基板コネクタ接続部100a(図70参照)と配線部材(ケーブル)により接続される。
図65は、遊技盤1Aの変形例の上面図である。図65では、遊技盤1Aの垂直ベース101Aが設けられた部分を拡大して示している。変形例の遊技盤中継基板101は、遊技盤1Aに対し、略直角に立設した状態から、遊技盤1Aと平行な状態となるように折り畳み可能である。詳細には、変形例の垂直ベース101Aは、遊技盤1Aに対し、略直角に立設したベース部材101Aaと、遊技盤1Aの遊技領域1pと並行して延びる回転軸となるヒンジ101Bにより回動自在に、ベース部材101Aaに連結され、遊技盤中継基板101が取り付けられた回動部材101Abと、を備える。また、変形例の垂直ベース101Aは、ベース部材101Aaと回動部材101Abとの接合面において、ベース部材101Aaと回動部材101Abとのいずれか一方に、突起101aが形成され、他方に、突起101aが挿入可能なボス穴101bが形成されている。回動部材101Abが遊技盤1Aに対し、略直角に立設され、突起101aがボス穴101bに挿入されることで、遊技盤中継基板101が、遊技盤1Aに対し、略直角に立設した状態で固定される。また、この状態から回動部材101Abが、ヒンジ101Bを中心に回動されることで、突起101aがボス穴101bから引き抜かれ、遊技盤中継基板101が、遊技盤1Aと平行な状態となるように折り畳まれる。
[取付ベース]
図66は取付ベース420の斜視図、図67は取付ベース420の正面図、図68は本体ユニット400の断面図である。取付ベース420は、遊技に関連する制御を実行可能な遊技装置としてのプロジェクタユニットb及びミラー部材b3が取り付けられる。取付ベース420は、プロジェクタユニットbが取り付けられる遊技装置取付部421と、遊技装置取付部421の下に形成され、プロジェクタユニットbから照射された投影光が通過可能な投影光用孔422と、投影光用孔422の下に配置され、ミラー部材b3が取り付けられるミラー部材ベース423と、遊技盤1Aの遊技盤中継基板101(図65参照)が挿通する基板用孔424と、を有する。取付ベース420は、遊技装置取付部421、投影光用孔422及びミラー部材ベース423から成る構成を2つ有し、これらの構成が上下方向に配列されている。このような上の構成は、プロジェクタユニットbから照射された投影光を、スクリーン部b4の背面に投影する。また、下の構成は、プロジェクタユニットbから照射された投影光を、遊技盤1Aの背面に投影する。基板用孔424は、遊技盤1Aが取り付けられた取付枠410に、取付ベース420を取り付けた状態において、遊技盤中継基板101の背面側に配置され、遊技盤中継基板101(図65参照)が挿通する孔である。
遊技装置取付部421は、背面側から前面側に向かって下り傾斜した板状体であり、背面側に、プロジェクタユニットbが、前面側斜め下方に向けて投影光を照射するように取り付けられる。投影光用孔422は、プロジェクタユニットbから照射された投影光を遮らない範囲で形成された孔である。ミラー部材ベース423は、背面側から前面側に向かって下り傾斜した板状体である。また、ミラー部材ベース423は、プロジェクタユニットbから照射された投影光を反射するのに必要な範囲で形成されている。具体的には、ミラー部材ベース423は、背面側から前面側に向かって下り傾斜しているため、上方に取り付けられたプロジェクタユニットbからの距離が、背面側から前面側に行くほど遠くなる。このため、プロジェクタユニットbから照射された投影光を反射するのに必要な範囲の幅は、前面側より背面側の方が狭くなる。すなわち、ミラー部材ベース423におけるプロジェクタユニットbから照射された投影光を反射するのに必要な範囲は、上面視で、背面側の辺の幅が、前面側の辺の幅より狭い台形形状となる。このため、ミラー部材ベース423は、図67に示すように、上面視で、背面側の辺の幅が、前面側の辺の幅より狭い台形形状に形成されている。
また、このミラー部材ベース423の上面に取り付けられたミラー部材b3も、上面視で、背面側の辺の幅が、前面側の辺の幅より狭い台形形状に形成されている。また、ミラー部材ベース423は背面側から前面側に向かって下り傾斜しているので、図67に示すように、ミラー部材ベース423及びミラー部材b3は、正面視で、上方の辺の幅が、下方の辺の幅より狭い台形形状に形成されている。また、ミラー部材b3は、ミラー部材ベース423に、台形形状の4隅近傍にそれぞれ設けられた調整部材423aにより取り付けられている。調整部材423aは、例えば、ミラー部材ベース423とミラー部材b3とを締結する締結部材と、ミラー部材ベース423とミラー部材b3との間に配置された弾性部材とにより構成され、締結部材を緩めることでミラー部材ベース423とミラー部材b3とが離間し、締結部材を締めることでミラー部材ベース423とミラー部材b3とが近接する。このような調整部材423aにより、ミラミラー部材b3のミラー部材ベース423に対する取り付け角度を調整することで、プロジェクタユニットbから照射された投影光の、スクリーン部b4又は遊技盤1Aに投影される位置や角度を調整することができる。
このような遊技装置取付部421にプロジェクタユニットbを取り付けることで、後述するプロジェクタ装置本体b2からの投影光を出射する投射レンズb2aが設けられたプロジェクタカバーb1の一方の端部側をパチンコ遊技機Y(図61参照)の前面側に、一方の端部側の反対の端部を背面側に配置し、かつ一方の端部側を反対の端部側より低くなるように設けることが可能となる。そして、プロジェクタユニットbは、カバー部材430に覆われる。これにより、投射レンズb2aから出射される投影光を遮らない位置であって、カバー部材430とプロジェクタカバーb1の下部とカバー部材430との間に所定の空間405が形成され、この所定の空間405に、後述するカバー部材430の凹部431aを配置し、この凹部431aに主制御基板70Aを収容することが可能となる。
なお、取付ベース420には、プロジェクタユニットbに限らず、液晶表示装置等のその他の遊技装置を取付可能な形状に形成してもよい。すなわち、取付ベース420は、取付枠410とカバー部材430との間に形成された空間内に収容可能な範囲で、遊技装置の種類に応じて、形状を変更可能である。
[プロジェクタユニット]
図68に示すように、プロジェクタユニットbは、投影光を生成可能な投影画像生成装置としてのプロジェクタ装置本体b2と、プロジェクタ装置本体b2を収容可能な収容ケースとしてのプロジェクタカバーb1と、プロジェクタ装置本体b2からの投影光を出射する照射部としての投射レンズb2aと、を含む。プロジェクタ装置本体b2は、副制御回路200(図103参照)に接続され、副制御回路200により、プロジェクタ制御回路90(図103参照)が制御され、光学機構(図示略)による投射光を、投射レンズb2aにより拡大して出射し、この照射光をミラー部材b3に反射させ、遊技盤1Aやスクリーン部b4の背面に向けて照射光を投影することにより、視覚的な演出として映像を表示する。このようなスクリーン部b4は、プロジェクタユニットbから照射される投影光を反射可能な反射部の一例として機能する。また、スクリーン部b4は、ミラー部材b3により反射される投影光により所定の画像を映し出すスクリーン部の一例として機能する。また、上述した空間405に対応する位置において、カバー部材430の一部が凹形状に形成されており、凹部内に主基板70Aを収容可能となっている。
図69は、プロジェクタユニットbから出射された投影光の光軸を説明する図である。これらの照射光は、図69に示すように、上部に設けられたプロジェクタユニットbの投射レンズb2aからの投影光L1が、点線で示すような投影範囲を形成しつつ、下方に向かって出射され、上部のミラー部材b3により、前面側斜め上方に向かって反射してスクリーン部b4の背面側に投影される。本実施形態の投射レンズb2aは、レンズ部材で構成され、またレンズ部材の上半分側(前面側)は遮光された状態となっており、レンズ部材の下半分側(背面側)から出射される投影光でもって投影画像を生成している。よって、投射レンズb2aから出射される投影光はレンズ部材の下半分側から広がるように形成される。同様に、下部に設けられたプロジェクタユニットbの投射レンズb2aからの投影光L2が、点線で示すような投影範囲を形成しつつ、下方に向かって出射され、下部のミラー部材b3により、前面側斜め上方に向かって反射して、遊技盤1Aの背面側に投影される。
このように、プロジェクタユニットbまたはミラ一部材b3を一定の設置角度にて配置し、それらの背後に生じるスペースにプロジェクタユニットbや基盤ケースなどを収容することで複数の遊技装置を配しつつも他の遊技機構成部品を効率よく配置でき、省スペース化を実現できる。
[カバー部材]
図70はカバー部材430の背面側から視た斜視図、図71はカバー部材430の前面側から視た斜視図である。図70に示すように、カバー部材430は、背面部431及び互いに対向する2つの側面432から形成され、取付ベース420(図68参照)との間に形成される空間の内部に、遊技機構成部品の少なくとも一部を収容可能である。また、カバー部材430は、最も背面側に設けられることにより、遊技盤の背面側に設けられ、電気部品を覆うカバー部材の一例として機能する。
図70に示すように、背面部431の幅は、取付ベース420の幅よりも狭く形成されている。背面部431は、主制御基板70Aを収容可能な凹部431aと、凹部431aを覆う蓋部431bと、プロジェクタユニットb(図68参照)の廃熱口に対応する位置に形成された開口部431cと、払出制御基板123Aを収容可能な払出制御基板収容部431dと、を有する。また、図71に示すように、背面部431には、後述する第2誘導樋434の受入部434a(図75参照)が配置される第2誘導??用開口432fが形成されている。図68に示すように、凹部431a及び払出制御基板収容部431dは、カバー部材430の表面からパチンコ遊技機Y内部側に突出するように形成され、主制御基板70Aや払出制御基板123Aをカバー部材430の表面よりパチンコ遊技機Y背面側に突出しないように収容可能である。凹部431aは、カバー部材430が取付ベース420(図68参照)の背面側に取り付けられた状態で、プロジェクタカバーb1の下部に形成される所定の空間405に配置され、主制御基板70Aが収容され、蓋部431bで覆われる。主制御基板70Aは、例えば、中継基板100(図70参照)と配線部材(ケーブル)により接続される一般部品コネクタ接続部の一例である主制御基板コネクタ接続部70Aaを備える。主制御基板コネクタ接続部70Aaは、主制御基板70Aの側縁近傍に設けられ、凹部431aに蓋部431bを取り付けた状態でも、蓋部431bに覆われず、露出しており、配線部材(ケーブル)の着脱が可能に構成されている。これにより、背面部431の表面が略面一の状態となる。このように、カバー部材430は、背面部431及び少なくとも2つの側面部432から形成される空間の内部に、第1の遊技機構成部品の一例である主制御基板70Aを収容可能である。また、開口部431cは、2つのプロジェクタユニットbの廃熱口に対応する位置にそれぞれ形成されている。払出制御基板収容部431dは、取付ベース420の背面側に取り付けられた状態で、下のミラー部材ベース423の下部に形成された空間に配置される。また、凹部431aは、カバー部材430において、後述する球通路ユニット730(図77参照)の配置位置より中央寄りに配置されている。
図70に示すように、互いに対向する側面432は、互いの幅が、前面側から背面側にいくにつれて狭くなっている。側面432は、背面部431と隣接しない端部側に取付ベース420に装着可能な取付部433を備えるとともに、少なくとも1つの側面432が、取付部433が設けられた端部から背面部431と隣接する端部へ傾斜するように形成されている。傾斜した側面432には、特定収容部である側面第1凹部432aと、側面第1凹部432aを覆う側面第1蓋部432bと、一般収容部である側面第2凹部432cと、側面第2凹部432cを覆う側面第2蓋部432dと、側面第1凹部432aに形成された開口部432eと、を有する。また、凹部431a及び側面第2凹部432cは、少なくとも2つ以上の収容部より構成される一般収容部の一例であり、特定収容部の一例である側面第1凹部432aに隣接している。
側面第1凹部432aは、カバー部材430の外側面に設けられ、背面部431の凹部431aや払出制御基板収容部431dと隣接する位置に形成され、特定の遊技機構成部品又は第2の遊技機構成部品としての中継基板100を収容可能である。側面第2凹部432cは、カバー部材430の外側面に設けられ、側面第1凹部432aに隣接する位置に形成され、その他の複数種類の遊技機構成部品としての副制御基板80A(サブ制御基板33に相当)を収容可能である。側面第1凹部432a及び側面第2凹部432cは、カバー部材430の表面からパチンコ遊技機Y内部側に突出するように形成され、中継基板100や副制御基板80Aをカバー部材430の表面よりパチンコ遊技機Y背面側に突出しないように収容可能である。中継基板100は、例えば、主制御基板70A(主制御基板28に相当)、副制御基板80A、遊技盤中継基板101(図64参照)等と配線部材(ケーブル)により接続される特定部品コネクタ接続部の一例である中継基板コネクタ接続部100aを備える。副制御基板80Aは、例えば、中継基板100等と配線部材(ケーブル)により接続される一般部品コネクタ接続部の一例である副制御基板コネクタ接続部80Aaを備える。すなわち、中継基板コネクタ接続部100aと、主制御基板コネクタ接続部70Aaや副制御基板コネクタ接続部80Aaと、は配線部材(ケーブル)により接続される。開口部432eは、背面部431及び2つの側面部432から形成される空間の内部に収容された遊技盤1Aの遊技盤中継基板101(図64参照)からの配線をカバー部材430の外側に設けられた中継基板100と接続可能なように設けられ、カバー部材430が取付枠410に取り付けられた状態で、遊技盤1Aの背面側から立設する遊技盤中継基板101に対応する位置に形成されている。このような開口部432eが形成された側面第1凹部432aは、側面部の外側面に設けられ、開口部を介して配線と接続される特定の遊技機構成部品を収容可能な特定収容部の一例として機能する。また、側面第2凹部432cは、カバー部材の外側の傾斜した側面部に、カバー部材の表面から遊技機内部側に突出するように形成され、第1の遊技機構成部品とは異なる第2の遊技機構成部品を収容可能な収容部の一例である。これにより、開口部432eから、遊技盤中継基板101のコネクタ接続部101aに接続したコネクタを介して、遊技盤中継基板101と、例えば、側面第1凹部432aに隣接する凹部431aに収容された主制御基板70Aと、を電気的に接続することが可能となる。このように、中継基板100が収容可能な側面第1凹部432aは、その他の基板が収容可能な凹部の中心に配置されている。
図72は、遊技盤中継基板101と、取付ベース420の基板用孔424及びカバー部材430の開口部432eとの位置関係を説明する図である。図72は、遊技盤中継基板101が取り付けられている部分の拡大斜視図であり、(a)は取付枠410の背面側に取付ベース420が取り付けられた状態を示し、(b)は更に取付ベース420の背面側にカバー部材430が取り付けられた状態を示している。図72(a)に示すように、遊技盤1A(図62参照)が取り付けられた取付枠410に、取付ベース420を取り付けた状態では、遊技盤中継基板101のコネクタ接続部101aが、取付ベース420基板用孔424から背面側に突出している。そして、図72(b)に示すように、図72(a)に示す状態から、更に取付ベース420の背面側にカバー部材430を取り付けることで、遊技盤中継基板101の側面がカバー部材430に覆われる。この状態において、コネクタ接続部101aの配線差込口101bは、カバー部材430の開口部432eの方向に向いている。なお、図72では、遊技盤中継基板101の全体をカバー部材430及び側面第2蓋部432dによって覆っているが、遊技盤中継基板101の一部分のみを覆うようにしてもよい。また、遊技盤中継基板101の外側面や内側面等1つの面のみを覆うようにしてもよい。いずれにせよ、遊技盤中継基板101に加わる外力の少なくとも一部を防ぐことができれば本発明の効果を奏することができる。なお、その場合、コネクタ接続部101aをカバー部材430に覆われていない部分に設けることが望ましい(例えば、遊技盤中継基板101の外側面をカバー部材430で覆うのであれば、遊技盤中継基板101の内側面にコネクタ接続部101aを設ける等)。
また、図72(a)に示すように、取付ベース420は、ビス等で構成される固定部材425により、取付枠410の背面の固定部411aにビス止めさる。その後、図72(b)に示すように、カバー部材430は、取付ベース420の背面側に配置され、取付部433で固定部材425を覆い、取付ベース420を貫通するビス等で構成される固定部材435により、取付枠410の背面の固定部411aにビス止めさる。よって、カバー部材430のビス止めを外した後でないと取付ベース420のビス止めを外すことができない。
図73は、パチンコ遊技機Yの上面図である。図73は、本体枠2から本体ユニット400を開いた状態(本体枠2の内側に本体ユニット400が配置された状態から、本体枠ヒンジ2bを中心に90度回動させた状態)を示している。カバー部材430は、本体枠ヒンジ2bに軸支された方と反対側の側面432が、回転軸としての本体枠ヒンジ2bを中心とし、本体枠2の内側側縁を通る仮想円VCの内側に形成され、少なくとも一部が仮想円に沿った形状に形成されている。
[樋の接続部分]
図74は、本体ユニット400の分解斜視図、図75及び図76は、第1誘導樋416及び第2誘導樋434の分解斜視図である。図75及び図76は、図74に示す第1誘導樋416及び第2誘導樋434のみを示した図である。図75は、取付枠410から視た図であり、図76は、カバー部材430から視た図である。図74に示すように、取付枠410には、図示しない貯留ユニットから供給された遊技球を貯留可能な貯留タンク415と、貯留タンク415から遊技球を下流に導く第1誘導樋416と、を有する。カバー部材430は、遊技球を払出可能な払出装置700と、払出装置700に遊技球を導く第2誘導樋434と、を有する。
第1誘導樋416と第2誘導樋434は、取付枠410にカバー部材430を装着した際に、一方の開口部に他方の開口部が挿入するように接続されることで遊技球が流下可能な状態となる。第1誘導樋416及び第2誘導樋434のいずれか一方(図75及び図76に示す例では第2誘導樋434)には、他方(図75及び図76に示す例では第1誘導樋416)の開口部の開口面積より広い開口面積にて形成された受入部434aが設けられている。受入部434aは、受入部434aに挿入される開口部を接続位置まで案内する接続位置案内手段としてのリブ434bを有する。リブ434bは、開口を中心とする放射方向に延び、受入部434aの外縁から内縁に向かって、側縁が下り傾斜している板状体であり、開口を囲むように、複数配置されている。第1誘導樋416及び第2誘導樋434のいずれか他方(図75及び図76に示す例では第1誘導樋416)には、開口の外縁に設けられ、リブ434bにより囲まれた部分の形状と略同一形状の外形で形成され、接続位置において、リブ434bと係合する係合手段としての係合部416aを有する。
また、図62に示すように、取付枠410は、皿ユニット900の払出口901(図60参照)に遊技球を導く第3誘導樋418を有する。また、カバー部材430は、後述する払出装置700から遊技球を下流に導く第4誘導樋としての第4誘導樋(図78参照)を有する。
第3誘導樋418と第1誘導路730C及び第2誘導路730D(図79参照)は、取付枠410にカバー部材430を装着した際に、一方の開口部に他方の開口部が挿入するように接続されることで遊技球が流下可能な状態となる。第3誘導樋418と、第1誘導路730C及び第2誘導路730Dとのいずれか一方(図62に示す例では第3誘導樋418)には、受入部418aが設けられている。受入部418aは、受入部434aと同様に、複数のリブを有する。第1誘導路730C及び第2誘導路730Dの排出口730B(図78参照)は、第1誘導樋416と同様に、受入部418aの複数のリブと係合する係合部を有する。
[払出装置]
図77は、払出装置700を示す全体斜視図、図78は、払出装置700に含まれる球通路ユニット730を示す斜視図である。払出装置700は、球供給路710、球送出機構720、及び球通路ユニット730を有して構成される。球供給路710は、上部に設けられた貯留タンク415(図74参照)から球送出機構720へと遊技球を導く配管部品である。球送出機構720は、入賞に応じた賞球数を計数しながら当該賞球数分の遊技球を繰り出すものである。球通路ユニット730は、カバー部材430(図74参照)の背面側の端部に配置され、球送出機構720から繰り出された遊技球を後述する皿ユニット900の払出口901へ導くためのものである。
球供給路710は、貯留タンク415(図74参照)から、互いに接続された第1誘導樋416及び第2誘導樋434(図76参照)を介して、球送出機構720へと遊技球を1つずつ自然に流下させることが可能に鉛直状に設けられている。球供給路710の下端出口(図示略)は、球送出機構720の上部入口(図示略)に連接される。
球送出機構720は、球供給路710から流下してきた遊技球を上部入口(図示略)から内部に導きつつ下部出口(図示略)から1つずつ繰り出し可能に構成されている。球送出機構720は、遊技球を1ずつ繰り出し可能な内部機構やこれを動作させるためのソレノイド、繰り出した遊技球を計数するためのカウントセンサ(図示略)を有する。球送出機構720は、入賞がないとき、遊技球を繰り出さないように内部機構及びソレノイドを非作動状態とする一方、入賞があると、当該入賞に応じた賞球数の遊技球を繰り出すまで内部機構及びソレノイドを作動状態としつつ遊技球をカウントセンサにより計数し、賞球数分の遊技球を繰り出すと、再び内部機構及びソレノイドを非作動状態とする。これにより、球送出機構720は、入賞時に賞球数分の遊技球を1つずつ繰り出すことができる。球送出機構720の下部出口は、球通路ユニット730の上部に設けられた導入口730Aに連接され、球送出機構720から繰り出された遊技球が1つずつ球通路ユニット730の導入口730Aへと流下する。なお、球送出機構720から繰り出された遊技球は、基本的に導入口730Aへと導かれるが、導入口730Aに隣接する後述の球抜き口730aへと導かれる場合がある。
球通路ユニット730は、球送出機構720から繰り出された多数の遊技球を数珠状に並べて通過させることが可能な誘導路を有し、この誘導路を通じて後述する皿ユニット900の払出口901へと遊技球を導くように構成されている。図79は、球通路ユニット730を示す分解斜視図、図80は、図79とは異なる向きで球通路ユニット730を示す分解斜視図である。球通路ユニット730は、通路隔壁部材731、満タン検知レバー732、満タン検知センサ733、第1カバー部材734、第2カバー部材735、及び球抜き部材736を有して構成される。球通路ユニット730の誘導路としては、パチンコ遊技機Yの正面側からみて通路隔壁部材731の左側部と第1カバー部材734との間に第1誘導路730Cが形成され、パチンコ遊技機Yの正面側からみて通路隔壁部材731の右側部と第2カバー部材735との間に第2誘導路730Dが形成される。第1誘導路730C及び第2誘導路730Dは、それぞれ多数の遊技球を並べることが可能な十分な経路長を有する。
通路隔壁部材731の左側部には、第1誘導路730Cの路側壁が前後に蛇行しつつ上部の導入口730Aから下部の排出口730Bへと延びるように形成されている。この通路隔壁部材731の左側部に形成された路側壁は、第1誘導路730Cの右半分を溝状に形成している(図80参照)。通路隔壁部材731の右側部には、第2誘導路730Dの路側壁が上部の導入口730Aから下部の排出口730Bへと延びるように形成されている。この通路隔壁部材731の右側部に形成された路側壁は、第2誘導路730Dの左半分を溝状に形成している(図79参照)。このような第2誘導路730Dは、第1誘導路730Cと隔壁を挟んで隣接している。すなわち、第1誘導路730Cと第2誘導路730Dとは、互いに並んで同方向に遊技球を導くように並設されている。
一方、通路隔壁部材731の左側部に対向する第1カバー部材734の対向面にも、第1誘導路730Cの路側壁が前後に蛇行しつつ導入口730Aから排出口730Bへと延びるように形成されている。これら通路隔壁部材731の左側部と第1カバー部材734の対向面にある路側壁どうしが合わさることにより第1誘導路730Cが形成されるとともに、導入口730A及び排出口730Bが形成される。また、通路隔壁部材731の右側部に対向する第2カバー部材735の対向面にも、第2誘導路730Dの路側壁が排出口730Bへと延びるように形成されている。これら通路隔壁部材731の右側部と第2カバー部材735の対向面にある路側壁どうしが合わさることにより第2誘導路730Dが形成される。第1誘導路730Cは、横方向に比較的大きな第1の幅でもって形成される一方、第2誘導路730Dは、第1誘導路730Cの横幅(第1の幅)よりも横方向に小さい第2の幅でもって形成され、排出口730Bより上流側において第1誘導路730Cと合流するようになっている。また、排出口730Bは、横方向に第1誘導路730Cの横幅(第1の幅)と同じ第1の幅でもって形成される。なお、導入口730Aは、第1誘導路730Cのみに導通しており、基本的に球送出機構720から繰り出された遊技球は、導入口730Aへと入るようになっている。ただし、導入口730Aに隣接する部位には、通路隔壁部材731の右側部と第2カバー部材735とが合わされることによって球抜き部材736へと通じる球抜き口730aが形成される。これにより、第1誘導路730Cが詰まって導入口730Aに入りきれない遊技球は、球抜き口730aへと導かれる。第2誘導路730Dの下端部は、排出口730Bの近傍で第1誘導路730Cと合流するように形成されている。これにより、排出口730B付近における遊技球の詰まりが解消されると、第1誘導路730Cと第2誘導路730Dとに貯まった遊技球がまとまって一気に排出口730Bから排出される。
図81は、球通路ユニット730の第1誘導路730Cを示す平面図、図82は、球通路ユニット730の第2誘導路730Dを示す平面図である。通路隔壁部材731の上部には、その右側部から左側部へと遊技球を案内するための貫通口731Aが形成されている。通路隔壁部材731の右側部において第1誘導路730Cの上部途中には、貫通口731Aへと遊技球を案内可能な分岐路730Eが形成されている。貫通口731Aの反対側は、第2誘導路730Dの上端部に連通している。これにより、第1誘導路730Cの遊技球が上部まで詰まって下方へと流れない状態になると、導入口730Aから第1誘導路730Cの上部へと流下してきた遊技球がこの第1誘導路730Cを??回して分岐路730Eへと導かれ、さらに分岐路730Eへと導かれてきた遊技球は、貫通口731Aを通って第2誘導路730Dの上端部へと導かれ、第1誘導路730Cのみならず第2誘導路730Dまでもが遊技球で満タン状態となるまで球通路ユニット730の内部に賞球として払い出される遊技球が一時的に貯留される。
また、通路隔壁部材731の右側部においては、第2誘導路730Dの途中部分に先端部が突き出た姿勢で揺動可能な満タン検知レバー732と、満タン検知レバー732の先端部が突き出た姿勢から奥方に変位した状態を検知する満タン検知センサ733とが、設けられている。満タン検知レバー732は、第2誘導路730Dの略鉛直部分に設けられており、この部分まで詰まって流下できない遊技球に圧接されると、奥方に変位した状態となる。満タン検知センサ733は、奥方に変位した満タン検知レバー732が所定時間にわたり接した状態になると、第2誘導路730Dに遊技球が詰まって満タンになった状態と検知し、それに応じた信号を払出・発射制御回路123(図103参照)に出力する。これにより、第1誘導路730Cにおける遊技球の流下が停滞しても第2誘導路730Dが満タン状態となるまで球送出機構720の遊技球繰り出し動作を継続させることができる。
さらに、パチンコ遊技機Yの正面側からみて第2カバー部材735の右側部には、球抜き部材736が付設される。球抜き部材736は、球抜き口730aから導かれてきた遊技球を下端口736Aから排出する。球抜き部材736の下端口736Aから排出された遊技球は、図外の球抜き管路へと導かれ、最終的にはパチンコ遊技機Yの外部に置かれたドル箱に放出される。
[球検知ユニット]
図83は、遊技盤1Aのアウト口55を示す斜視図、図84は、遊技盤1Aを取り外した状態でアウト口55の背後に位置する球検知ユニット800を示す斜視図である。図83に示すように、遊技盤1Aの遊技領域1pにおける中央下部には、入賞せずに流下してきた遊技球を背後に導くためのアウト口55が設けられている。図84に示すように、アウト口55の背後には、アウト口55から導かれてきた複数の遊技球を受けるとともに、アウト口55と対向する箇所に遊技球を集めてさらに背後へと遊技球を導くための開口801Aを有するアウト球受け部材801が設けられている。球検知ユニット800は、取付枠410において、アウト球受け部材801の開口801Aの直後に設けられている。
図85は、球検知ユニット800の全体を示す斜視図、図86は、球検知ユニット800を示す分解斜視図、図87は、図86とは異なる向きで球検知ユニット800を示す分解斜視図である。球検知ユニット800は、左側構成部材810、右側構成部材820、突片部材830、第1検知センサ840、第2検知センサ850を有して構成される。球検知ユニット800は、流入口としてのアウト口55を通過して排出される遊技球をアウト球として検知するためのものである。左側構成部材810には、第1検知センサ840が設けられ、右側構成部材820には、第2検知センサ850が設けられており、これらの第1検知センサ840及び第2検知センサ850と一体に突片部材830を中央に挟み込んだ状態で左側構成部材810と右側構成部材820とが接合される。第1検知センサ840及び第2検知センサ850は、複数の遊技球が流入可能な流入口と、流入口より下流において、流入した遊技球を検知可能な複数の検知手段の一例として機能する。
図88は、球検知ユニット800を構成する左側構成部材810の内部側面図、図89は、球検知ユニット800を構成する右側構成部材820の内部側面図、図90は、球検知ユニット800を構成する突片部材830の上面図である。左側構成部材810及び右側構成部材820は、概ね左右対称形に形成されており、それぞれ前面開口部810A,820A、導入空間部810B,820B、センサ配置部810C,820C、遊動空間部810D,820Dを有する。
前面開口部810A,820Aは、互いに一体となってアウト球受け部材801の開口801Aの直ぐ背後に位置し、開口801Aを通過した遊技球を受け入れる受入口(流入口)を形成する。前面開口部810A,820Aは、それぞれ1個の遊技球が余裕をもって通過可能な開口面積を有する。これにより、一体となった受入口には、少なくとも2個の遊技球が同時に進入することができる。
導入空間部810B,820Bは、基本的にそれぞれ前面開口部810A,820Aからセンサ配置部810C,820Cへと遊技球を導く通路であり、それぞれ1個の遊技球が余裕をもって通過可能である。導入空間部810B,820Bの底面810Ba,820Baは、水平面より若干傾斜しており、奥側に進むほど下降するように形成されている。
センサ配置部810C,820Cは、それぞれ第1検知センサ840、第2検知センサ850が配置される箇所である。センサ配置部810C,820Cには、導入空間部810B,820Bの底面810Ba,820Baよりも第1検知センサ840、第2検知センサ850それぞれの前端が若干低位となるように配置される。第1検知センサ840、第2検知センサ850は、それぞれ前端から後端にいくほど上位となるように傾斜姿勢で配置される。第1検知センサ840、第2検知センサ850には、1個の遊技球が通過可能な通過孔が設けられており、この通過孔を遊技球が通過するとアウト球として検知され、下方に排出された後に収集される。これにより、導入空間部810B,820Bからセンサ配置部810C,820Cへと導かれてきた遊技球は、第1検知センサ840、第2検知センサ850の通過孔へと導かれやすくなっている。
遊動空間部810D,820Dは、アウト口55より下流において、センサ配置部810C,820Cより奥側上方に設けられ、センサ配置部810C,820Cよりも狭小な空間を形成している。遊動空間部810D,820Dは、互いに一体となった状態で概ね1個の遊技球が十分遊動し得るだけの広さを有する。遊動空間部810D,820Dの底面810Da,820Daは、水平面より若干傾斜しており、奥側に進むにつれて上昇(隆起)するように形成されている。底面810Da,820Daの前端は、第1検知センサ840、第2検知センサ850の後端よりも上位に位置するように形成されている。これにより、第1検知センサ840、第2検知センサ850を越えて奥方の遊動空間部810D,820Dへと1個の遊技球が導かれることがあり、この遊動空間部810D,820Dへと導かれた遊技球にあっても、第1検知センサ840、第2検知センサ850へと転落しやすくなっている。なお、遊動空間部810D,820Dは、互いに一体となった状態で2個以上の遊技球が遊動し得るだけの広さを有する部分としてもよい。
突片部材830は、センサ配置部810C,820C(第1検知センサ840,第2検知センサ850)のほか、導入空間部810B,820Bや遊動空間部810D,820Dを分け隔てるように設けられる。図88及び図89に示すように、突片部材830は、流入した遊技球の少なくとも一部が乗り上げ可能なように流入口となる前面開口部810A,820Aの底部から奥方へと延設するように配置され、前面開口部810A,820Aの底部から遊動空間部810D,820Dへと進むにつれて上昇(隆起)した傾斜状の上端830Aを有する。この上端830Aは、導入空間部810B,820Bや遊動空間部810D,820Dを完全に仕切ることなく、これらの底面810Ba,820Ba,810Da,820Daよりも若干上方に突出している。また、図90に示すように、突片部材830の上端830Aは、遊技球進入方向に沿って左右に波打つように形成されているとともに、流入した遊技球が乗り上げても滑りやすいように峰状に形成されている。これにより、センサ配置部810C,820Cの遊技球は、突片部材830の上端830Aを左右方向に越えて第1検知センサ840及び第2検知センサ850のいずれかに落下しやすい。また、センサ配置部810C,820Cより奥方の遊動空間部810D,820Dへと進んだ遊技球は、突片部材830の上端830Aに不安定に接した状態となり、第1検知センサ840及び第2検知センサ850のいずれかの方へと振り落とされる。
[皿ユニット]
図91は、皿ユニット900が設けられたガラスドア5を示す全体斜視図、図92は、ガラスドア5の正面を示す全体正面図である。ガラスドア5の正面に向かって左下部には、皿ユニット900が設けられる。なお、本実施形態の遊技機においては、一つの皿ユニット900しか存在しないが、例えば上皿ユニットと下皿ユニットとを設け、いずれか一方を本実施形態の皿ユニット900として適用してもよい。皿ユニット900は、入賞に応じて払い出される遊技球を貯留し、貯留した遊技球を発射装置26へと順次誘導するとともに、遊技者の球抜き操作に応じて下方に配置したいわゆるドル箱(図示略)へと遊技球を排出可能とするものである。皿ユニット900の後方には、遊技球を払い出す払出口901が設けられ、この払出口901から複数の遊技球が皿ユニット900へと払い出される。払出口901の背後には、発射装置26からの遊技球を受けつつ払出口901へと送り出すための球送出受け部材902が設けられる(図93参照)。
図93は、皿ユニット900の全体を示す拡大斜視図、図94は、皿ユニット900の分解斜視図、図95は、皿ユニット900の上面図、図96は、皿ユニット900の受け皿カバー部材930を取り外した状態の上面図である。皿ユニット900は、装飾カバー910、本体部920、受け皿カバー部材930、球抜き通路部材940、蓋開閉部950などを有して構成される。装飾カバー910は、本体部920の下部に配置される球抜き通路部材940などを覆うように皿ユニット900の前面及び側面に取り付けられる。図94に示すように、本体部920には、パチンコ遊技機Y内部の発射装置26へと複数の遊技球を順序よく列状に整列させる整列部920Aと、遊技者による蓋開閉部950の操作により、球抜き通路部材940へと遊技球を導くための第1開閉蓋920B及び第2開閉蓋953Bが設けられる。受け皿カバー部材930は、本体部920の上部に配置されるものであり、払出口901から払い出された遊技球を最初に受けて貯留するとともに、貯留した遊技球を下方の整列部920Aへと導くものである。受け皿カバー部材930には、本体部920の整列部920Aを上方から覆うカバー部930Aと、カバー部930Aの外側壁930Aaとの間に遊技球が通過し得る間隔をあけて周壁を形成する外周部930Bと、この外側壁930Aaと外周部930Bとの間に形成され、下方の整列部920Aへと遊技球を導く整流部930Cと、払出口901から払い出された複数の遊技球を滑り落とすことが可能なスロープ部930Dと、スロープ部930Dから滑り落ちてきた複数の遊技球を貯留しつつ整流部930Cへと流動させることが可能な貯留部930Eと、貯留部930Eの底面にあって第1開閉蓋920Bの上方に設けられる第1開口部930Fとが設けられる。なお、図93においては、払出口901の図示を省略している。図94においては、装飾カバー910の図示を省略している。
本体部920の整列部920Aは、皿ユニット900の後端側において払出口901(球送出受け部材902)が配置される側とは反対側の右寄りの箇所において左右にまっすぐ延びるように設けられる。整列部920Aは、複数の遊技球が一列に並んで流動するように、右側から左側へと下降傾斜しつつガイド片920Aaにより直線的な溝状に形成されている。すなわち、整列部920Aにおいて遊技球が整列する方向の上流側(整列方向上流側)は、払出口901から離間した整列部920Aの右端部に相当し、この整列部920Aの右端部にカバー部930Aの整流部930Cから遊技球が流下してくる。整列部920Aの整列下流側となる左端部には、内部の発射装置26へと遊技球を導くための導入口920Abが設けられ、整列部920Aの底面にあって第2開閉蓋953Bの上方に設けられる第2開口部930Gが設けられる。整列部920Aに並んだ遊技球は、1つずつ導入口920Abへと直線的に導かれる。このような整列部920Aは、右端部が一部露出しつつその余の部分が受け皿カバー部材930のカバー部930Aによって覆われる。また、本体部920において受け皿カバー部材930が配置される部分は、概ね受け皿カバー部材930の外周部930Bや整流部930C、スロープ部930Dや貯留部930E、第1開口部930Fと整合する形状に形成されている。また、整列部920Aの整流部930C側には、カバー部930Aが装着されなかった場合でも整列部920Aに整列している遊技球に流下してくる遊技球が乗り上げないような壁部920Acが設けられている。遊技者による第1蓋開閉部950Aの操作により、本体部920の第1開閉蓋920Bが開放されると、受け皿カバー部材930の貯留部930Eにある遊技球が第1開口部930Fを通じて下方へと排出される。排出された遊技球は、球抜き通路部材940を通じてドル箱の直上に位置する落下口940Aへと導かれ、落下口940Aからドル箱へと遊技球が排出される。一方、第1開閉蓋920Bが閉鎖状態にある場合、貯留部930Eの遊技球が第1開口部930Fから落下せずにそのままとどまり、整流部930Cへと導かれる。また、遊技者による第2蓋開閉部950Bの操作により、本体部920の第2開閉蓋953Bが開放されると、整列部920Aに並んだ遊技球が第2開口部930Gを通じて下方へと排出される。排出された遊技球は、球抜き通路部材940を通じてドル箱の直上に位置する落下口940Aへと導かれ、落下口940Aからドル箱へと遊技球が排出される。一方、第2開閉蓋953Bが閉鎖状態にある場合、整列部920Aに並んだ遊技球が第2開口部930Gから落下せずに導入口920Abから内部の発射装置26へと導かれる。
受け皿カバー部材930のカバー部930Aは、皿ユニット900の後端側において払出口901(球送出受け部材902)が配置される側とは反対側の右寄りの箇所に位置する。カバー部930Aの外側壁930Aaは、湾曲状に形成されており、整列部920Aの右端部と対応する部位に開口930Abが形成されている。また、外周部930Bは、外側壁930Aaとの間に整流部930Cを形成するように、外側壁930Aaに概ね沿うような湾曲状に形成されている。これにより、整流部930Cは、貯留部930Eの遊技球を開口930Abへと湾曲状に曲げつつ導くような通路として形成される。また、貯留部930Eの外壁部930Eaと整流部930Cの外周部930Bは、払出口901から放出された遊技球が接触しつつ転動して整流部930Cまで辿り着けるように連続した一つの面を形成している。これにより、貯留部930Eに遊技球が貯留されていない状態では、放出された遊技球が外壁部930Eaまで転動し、連続面(外壁部930Ea、外周部930B)にて方向を変えられつつ整流部930Cへと導かれる。ここで、遊技球を貯留部930Eの外部に排出可能な第1開口部930F及び遊技球を貯留可能な閉鎖状態と遊技球を外部へと排出可能な開放状態とに切替可能な第1開閉蓋920Bは、遊技球が連続面(外壁部930Ea、外周部930B)に接触しつつ転動可能なように、貯留部930Eの内部側(遊技盤1A側)に連続面から所定の間隔をあけて設けられている。この所定の間隔としては、少なくとも遊技球の直径以上の距離となることが望ましい。これは、払出口901から放出された遊技球が全て第1開口部930Fから外部へと排出されてしまうことを防止するためであり、例えば、貯留している遊技球が少ない場合、払出口901から放出された遊技球は、連続面(外壁部930Ea、外周部930B)に接触しながら転動し、第1開口部930Fに至ることなく第1開口部930Fから落下せずに整流部930Cへと導かれるので、仮に第1開閉蓋920Bが開放状態であっても、遊技球が第1開口部930Fからほとんど落下してしまって発射装置26へと供給される遊技球が途切れてしまうようなことがない。
整流部930Cは、貯留部930Eから開口930Abの方へと若干下降傾斜するように形成されている。また、整流部930Cは、外側壁930Aaと外周部930Bとにより開口930Abの方へと進むに従って徐々に幅狭くなるように形成されている。これにより、貯留部930Eにおいて乱雑に山積した遊技球は、整流部930Cによって徐々に曲がった列をなして開口930Abへと流れるようになる。また、払出口901から勢いよく払い出されることにより、スロープ部930D及び貯留部930Eを越えて整流部930Cにまで達する遊技球があっても、遊技球は、湾曲した外周部930Bの内面に当たることで推進力が弱められつつ整流部930Cを経て開口930Abへと導かれる。
図97は、本体部920、球抜き通路部材940及び蓋開閉部950を背面側から視た斜視図、図98は、図97に示す図の分解図である。本体部920の下には、蓋開閉部950が設けられ、蓋開閉部950の下には、球抜き通路部材940が設けられている。
図99は、球抜き通路部材940の斜視図、図100は、図99中のAA’断面図、図101は、図99中のBB’断面図である。図99に示すように、球抜き通路部材940は、上面視で略L字形状に形成され、前面側から視て左右方向に延び、中空形状に形成され、内部を遊技球が流下する第1通路941と、第1通路941の下流側端部に接続され、第1通路941と直交する方向(前面背面方向)に延び、中空形状に形成され、内部を遊技球が流下し、下流側端部において下方が開放した落下口940Aが形成された第2通路942と、を備える。第1通路941及び第2通路942は、上流側から下流側に向かって、底面が下り傾斜して配置されることで、内部を遊技球が上流から下流に向かって流下する。
第1通路941は、球抜き通路部材940内に遊技球を導くための第1受け口941a及び第2受け口941bを備える。第1受け口941aは、上流側端部において、本体部920の第1開口部930F(図98参照)及び第1蓋開閉部950Aの第1開閉蓋953A(図98参照)の下に形成され、上方が開放されている。第1受け口941aは、第1通路941の側面から突出し、湾曲して上方が開放されている。これにより、第1開口部930Fから落下した遊技球をスムーズに第1通路941の内部に導くことができる。第2受け口941bは、上流側端部と下流側端部との間において、本体部920の第2開口部930G(図98参照)及び第2蓋開閉部950Bの第2開閉蓋953B(図98参照)の下に形成され、上方が開放されている。第2受け口941bは、第1通路941の側面から突出し、湾曲して上方が開放されている。これにより、第2開口部930Gから落下した遊技球をスムーズに第1通路941の内部に導くことができる。
また、図100に示すように、第1通路941は、上流下流方向に延びる2つの側面の少なくとも一方の側面が、底面に向かって下り傾斜する傾斜壁941cを形成している。また、傾斜壁941cは、図101に示すように、中間から下流側端部に向かって、他方の側面側にせり出している。すなわち、傾斜壁941cは、底面に向かって下り傾斜しつつ、他方の側面側にせり出している。これにより、第1通路941内部の幅は、中間から下流側端部に向かって、また、底面に向かって、徐々に狭くなっている(例えば、遊技球2個分の幅から遊技球1個分の幅になっている)。これにより、例えば、第1通路941内に多量の遊技球が流入しても、遊技球を1列に整流して、第2通路942に流下させることが可能となる。また、第1通路941は、上流下流方向に延びる側面において、第1受け口941a(図99参照)と対面する部分に、第1受け口941aが設けられた側の側面側から他方の側面側に斜めに延びるガイド壁941dが形成されている。これにより、第1受け口941aから流入した遊技球をスムーズに第1通路941の内部に導くことができる。
第2通路942は、第1通路941の接続部分において、外側のコーナーを形成するコーナー壁942aを備える。コーナー壁942aは、第1通路941の下流側端部から第2通路942の上流側端部に連なる部分であり、遊技球が流下する方向に膨出した湾曲形状に形成されている。
図102は、球抜き通路部材940の分解斜視図である。球抜き通路部材940は、第1部材940aと、第2部材940bと、が互いに組み合わされることで、内部を遊技球が流下可能な中空形状に形成される。第1部材940aは、第1通路941の天面、底面及び一方の側面と、第2通路942の天面及び2つの側面を構成する。第2部材940bは、第1通路941の他方の側面と、第2通路942のコーナー壁942a及び底面を構成する。第1部材940aには、第2通路942の2つの側面を構成する部分の下端に、それぞれ下端から斜め上方に向かって欠き込まれた欠き込み940a’が形成されている。第2部材940bには、第2通路942の底面を構成する部分の2つの側縁に、それぞれ斜め上方に向かって突出する突起940b’が形成されている。欠き込み940a’と突起940b’は、第1部材940a及び第2部材940bが互いに組み合わされるときに、互いに係合され、図101に示す状態となる。よって、第1部材940a及び第2部材940bをネジ止めしなくとも、2つの部材を組み合わせた状態に維持できる。
図98に示すように、蓋開閉部950は、本体部920の第1開口部930Fを開閉するための第1蓋開閉部950Aと、本体部920の第2開口部930Gを開閉するための第2蓋開閉部950Bと、を備える。第1蓋開閉部950Aは、本体部920の下に配置された基端から前面側に延び、先端が本体部920より前面方向に突出し、遊技者が操作可能な第1把持部951Aと、第1把持部951Aの基端側をスライド自在に保持する第1蓋開閉部本体952Aと、第1把持部951Aに固定され、第1蓋開閉部本体952Aにスライド自在に取り付けられ、第1開口部930Fを塞ぐ閉状態と、第1開口部930Fを開放する開状態とに変位可能な第1開閉蓋953Aと、を備える。これにより、遊技者は、第1把持部951Aをスライド移動させることで、第1開閉蓋953Aを開状態と開状態との間で変位させ、第1開口部930Fを開閉させることができる。第2蓋開閉部950Bは、本体部920の下に配置された基端から前面側に延び、先端が本体部920より前面方向に突出し、遊技者が操作可能な第2把持部951Bと、第2把持部951Bの基端側をスライド自在に保持する第2蓋開閉部本体952Bと、第2蓋開閉部本体952Bにスライド自在に取り付けられ、第2開口部930Gを塞ぐ閉状態と、第2開口部930Gを開放する開状態とに変位可能な第2開閉蓋953Bと、第2把持部951Bと第2開閉蓋953Bとに連結され、第2把持部951Bのスライド移動により、第2開閉蓋953Bを開状態と開状態との間で変位させるリンク部954と、を備える。これにより、遊技者は、第2把持部951Bをスライド移動させることで、第2開閉蓋953Bを開状態と開状態との間で変位させ、第2開口部930Gを開閉させることができる。
[第3実施形態に係る遊技機の電気的構成]
図103は、本発明の第3実施形態に係る遊技機の回路構成を示すブロック図である。第3実施形態に係るパチンコ遊技機Yの電気的構成は、主制御回路70に第1検知センサ840及び第2検知センサ850が接続されている点と、払出・発射制御回路123に満タン検知センサ733が接続されている点と、副制御回路200に2つのプロジェクタ装置本体b2が接続されている点と、第3実施形態のパチンコ遊技機1と異なる。
第1検知センサ840及び第2検知センサ850は、アウト口55(図83参照)を通過した遊技球をそれぞれアウト球として検知し、所定の出力信号を主制御回路70に出力する。満タン検知センサ733は、奥方に変位した満タン検知レバー732(図82参照)が所定時間にわたり接した状態になると、第2誘導路730D(図82参照)に遊技球が詰まって満タンになった状態と検知し、所定の出力信号を払出・発射制御回路123に出力する。払出・発射制御回路123は、この所定の出力信号を受信した場合、賞球ケースユニット170による遊技球の払い出しを一旦停止する。また、満タン検知センサ733は、満タン検知レバー732が前面側に変位し、満タン検知センサ733から離間した状態になると、第2誘導路730Dに遊技球が詰まっていない状態と検知し、所定の出力信号を払出・発射制御回路123に出力する。払出・発射制御回路123は、この所定の出力信号を受信した場合、一旦停止していた賞球ケースユニット170による遊技球の払い出しを再開する。
副制御回路200は、第2実施形態のパチンコ遊技機と同様に、他の遊技装置等の演出動作に応じて、プロジェクタ制御回路90を制御し、2つのプロジェクタ装置本体b2をそれぞれ又は連動させて、照射光を投影させ、遊技盤1Aやスクリーン部b4の背面に向けて照射光を投影することにより、視覚的な演出として映像を表示する。
また、主制御回路70に接続されている各種センサ、各種装置、他の回路等の遊技機構成部品は、カバー部材430(図70参照)に収容されている中継基板100(図70参照)や、遊技盤1A(図64参照)の遊技盤中継基板101(図64参照)を介して、主制御回路70に接続されている。
上記実施形態でのパチンコ遊技機では、貯留皿に貯留されている遊技球を遊技盤に発射し、入賞が発生した場合に払出装置から遊技球を貯留皿に払い出す構成であったが、これに限定されるものではない。
例えば、遊技者によって遊技に必要な遊技球やメダルなどの遊技媒体が投入され、それに基づいて遊技が行われ、例えばパチスロ機やカジノマシンなど、その遊技の結果に基づいて特典が付与される形態全てについて、本発明を適用することができる。すなわち、物理的な遊技者の動作によって遊技媒体を使用し、遊技結果に応じて遊技媒体が払い出される形態のみならず、主制御回路(主制御基板)自体が、遊技者が保有する遊技媒体を電磁的に管理し、遊技媒体を遊技者が触れることなく遊技が可能とするものであってもよい。また、遊技者が保有する遊技媒体を電磁的に管理するのは、主制御回路(主制御基板)に装着され(接続され)、遊技媒体を管理する遊技媒体管理装置であってもよい。またその場合、遊技盤に発射される遊技球は遊技者が触れることのない封入式遊技機であることが望ましい。
遊技媒体管理装置は、ROM及びRWM(あるいは、RAM)を有して、遊技機に設けられる装置であって、図示しない外部の遊技媒体取扱装置と所定のインターフェイスを介して双方向通信可能に接続されるものであり、遊技媒体の貸出動作や遊技媒体の払出動作によって生じる遊技の用に供する遊技媒体を電磁的に記録する動作を行い得るものとすればよい。また、遊技媒体管理装置は、これら実際の遊技媒体数の管理のみならず、例えば、その遊技媒体数の管理結果に基づいて、パチンコ機1又は1Aの前面に、保有する遊技媒体数を表示する保有遊技媒体数表示装置(不図示)を設けることとし、この保有遊技媒体数表示装置に表示される遊技媒体数を管理するものであってもよい。すなわち、遊技媒体管理装置は、遊技者が遊技の用に供することができる遊技媒体の総数を電磁的方法により記録し、表示することができるものとすればよい。
また、この場合、遊技媒体管理装置は、遊技者が、記録された遊技媒体数を示す信号を、外部の遊技媒体取扱装置に対して自由に送信させることできる性能を有し、また、遊技者が直接操作する場合のほか、記録された遊技媒体数を減ずることができない性能を有し、また、外部の遊技媒体取扱装置との間に外部接続端子板(不図示)が設けられる場合には、その外部接続端子板を介してでなければ、遊技者が、記録された遊技媒体数を示す信号を送信できない性能を有することが望ましい。
遊技機には上記の他、遊技者が操作可能な貸出操作手段、返却(精算)操作手段、外部接続端子板が設けられ、遊技媒体取扱装置には紙幣等の有価価値の投入口、記録媒体(例えば、ICカード)の挿入口、携帯端末から電子マネー等の入金を行うための非接触通信アンテナ等、その他貸出操作手段、返却操作手段等の各種操作手段、遊技媒体取扱装置側外部接続端子板が設けられるようにしてもよい(いずれも不図示)。
その際の遊技の流れとしては、例えば、遊技者が遊技媒体取扱装置に対しいずれかの方法で有価価値を入金し、上記いずれかの貸出操作手段の操作に基づいて所定数の有価価値を減算し、遊技媒体取扱装置から遊技媒体管理装置に対し減算した有価価値に対応する遊技媒体を増加させる。そして遊技者は遊技を行い、さらに遊技媒体が必要な場合には上記操作を繰り返し行う。その後、遊技の結果、所定数の遊技媒体を獲得し、遊技を終了する際には、いずれかの返却操作手段を操作することにより、遊技媒体管理装置から遊技媒体取扱装置に対し遊技媒体数を送信し、遊技媒体取扱装置はその遊技媒体数を記録した記録媒体を排出する。遊技媒体管理装置は遊技媒体数を送信したときに自身が記憶する遊技媒体数をクリアする。遊技者は排出された記録媒体を景品交換するために景品カウンター等に持っていくか、又は他の台で記録された遊技媒体に基づいて遊技を行うために遊技台を移動する。
このように、上述した遊技媒体管理装置を設けることにより、遊技媒体が物理的に遊技に供される場合と比べて、遊技機内部の払出装置等を減らすことができ、遊技機の原価及び製造コストを削減できるのみならず、遊技者が直接遊技媒体に接触しないようにすることもでき、遊技環境が改善し、騒音も減らすことができるとともに、装置を減らしたことにより遊技機の消費電力を減らすことにもなる。また、遊技媒体や遊技媒体の投入口や払出口を介した不正行為を防止することができる。すなわち、遊技機をとりまく種々の環境を改善することができる遊技機を提供することが可能となる。
第3実施形態に係るパチンコ遊技機Yによれば、以下の作用効果を奏する。パチンコ遊技機Yによれば、プロジェクタユニットbを、前面側から背面側方向の投射レンズb2aから出射される投影光を遮らない位置において、傾斜させた状態で配置できるので、プロジェクタユニットbの前面側から背面側方向の設置スペースを抑えることができる。さらに、このように配置したプロジェクタユニットbの下部とカバー部材との間に形成された所定の空間405に、主制御基板70Aを収容できるので、所定の空間405を利用せずに、別の場所の主制御基板70Aを設けた場合に比べ、省スペース化が可能となる。したがって、裏機構を省スペース化することが可能な遊技機を提供できる。
また、プロジェクタユニットbを、投射レンズb2aを設けた一方の端部側をパチンコ遊技機Yの前面側に配置し、反対の端部を背面側に配置し、一方の端部側を反対の端部側より低くなるように設けたことで、プロジェクタユニットbからの廃熱を、パチンコ遊技機Yの裏機構内にこもらせることなく、斜め上方に逃がすことが可能となり、この廃熱が他の精密部品に悪影響を及ぼすことを防止可能となる。
これにより、カバー部材430の凹部431aに、主制御基板70Aを収容できるので、主制御基板70Aをプロジェクタユニットbの下部の所定の空間405に納めつつ、プロジェクタユニットbの廃熱から主制御基板70Aを保護し、この廃熱による主制御基板70Aへの悪影響を防止することが可能となる。また、主制御基板70Aを、外側に配置されているカバー部材430に収容することで、構成部品のメンテナンスが容易になる。
また、取付枠410とカバー部材430との間に設けられた取付ベース420に、プロジェクタユニットb及びミラー部材b3を取り付けることができるので、取付枠410の前方から飛び出すようにミラー部材b3を設ける必要がないので、パチンコ遊技機Yの美観を損ねることなく、照射光を適切に、スクリーンに投影することが可能な遊技機を提供できる。
また、取付ベース420の幅を、前面側から背面側にいくにつれて狭くし、カバー部材430の背面部431に主基板70Aを収容可能とし、カバー部材430の側面432に、主基板70Aとは異なる中継基板100を収容可能としたので、遊技機内部の限られたスペースを有効に利用することが可能となる。また、カバー部材430が、カバー部材430の表面からパチンコ遊技機Y内部側に突出するように形成され、主制御基板70Aをカバー部材430の表面よりパチンコ遊技機Y背面側に突出しないように収容可能な凹部431aを備えた。これにより、主制御基板70Aを、凹部431aに収容することで、取付ベース420とカバー部材430の表面との間において、パチンコ遊技機Y背面側に突出しないように設けることができるので、遊技機内部の限られたスペースを有効に利用することが可能となる。
また、前面側に配置される取付枠410に取り付けられた可動止め具により、遊技盤1Aを着脱自在に固定し、取付枠410の背面側に取付ベース420及びカバー部材430を取り付けたので、カバー部材430を外さないと、取付枠410に設けられた遊技盤可動止め具413へのアクセスを困難とすることで、不正行為を防止することができる。また、遊技盤1Aの背面側に設ける各種部品を、遊技盤1Aの背面側に設けられた取付ベース420やカバー部材430に、取り付けることができるので、例えば、各種部品を変えずに、遊技盤1Aだけ変更することも可能となり遊技機の設計が容易になる。また、遊技機の組み立てる際には、遊技盤1Aに関連する遊技盤可動止め具413を取付枠410の側面に、主制御基板70Aが収容されているカバー部材430を取付枠410の背面に取り付けるようにして、遊技盤1Aに関わる部材、主制御基板70A等の裏機構に関わる部材、というように、部材の大きなカテゴリ毎に取り付ける面を異なるように構成した。したがって、遊技機の設計変更や組み立て作業を容易にし、また組み立て作業における作業水を低減することが可能な遊技機を提供できる。
また、取付枠410のどの面に、どの部材を取り付けるかを分けることで、取付枠410に取り付ける部材の配置関係(内周か背面か)にしたがって組み立てることで、組み立て作業における誤作業を防止できる。
また、取付枠410と、主制御基板70Aを収容可能なカバー部材430との間に取付ベース420を設け、この取付ベース420にプロジェクタユニットbが取り付け、カバー部材に遊技装置を制御可能な制御基板を取り付け、取付枠410に、取付ベース420及びカバー部材430を別々に固定可能な固定部411aを備えることで、遊技装置の種類に応じて、取付ベース420の形状を変更可能とすることができる。よって、裏機構を覆う部材を、カバー部材430と取付ベース420との2つの部材で構成することで、共通した部材であるカバー部材430を使用しつつ、取付ベース420をパチンコ遊技機Yの演出特性に合わせた遊技装置の種類に応じた形状に変更することで、柔軟な機種開発を行うことが可能となる。したがって、裏機構を覆う部材の汎用性を向上可能な遊技機を提供できる。
また、カバー部材430を外さないと、遊技装置が取り付けられた取付ベース420を操作できないので、いたずら等で外部から遊技装置を取り外されることを防止できる。
また、カバー部材430を取付枠410に取り付けることで、遊技機全体の剛性を向上することが可能となる。また、裏機構を覆う部材を、カバー部材430と取付ベース420との二重構造とすることで、さらに、遊技機全体の剛性を向上することが可能となる。
パチンコ遊技機Yによれば、カバー部材430の側面部432の少なくとも1つを傾斜させたので、奥行き寸法が同じ場合に、側面部432を傾斜させない場合に比べ、副制御基板80A等の遊技機構成部品の設置可能面積が大きくなるので、より多様な遊技機構成部品を取り付けることが可能となる。また、背面部431及び少なくとも2つの側面部432から形成される空間の内部に収容される主制御基板70Aとは別に、この傾斜した側面部432に、副制御基板80Aを収容可能としたので、副制御基板80Aを背面部431に集約した場合に比べ、副制御基板80Aがパチンコ遊技機Yの背面部431に突出するのを抑えることが可能となる。したがって、奥行き寸法を抑えることが可能な遊技機を提供できる。
また、カバー部材430の背面部431に凹部431aを設けることで、カバー部材430の背面部431の折曲がり強度を高めることが可能となる。したがって、遊技機の背面側を覆うカバー部材の強度を向上可能な遊技機を提供できる。
また、例えば、主制御基板70Aが背面部431から突出していた場合、パチンコ遊技機Yの移動時等において、この突出した部分に外力が加わり、破損する可能性が高くなる。本発明によれば、凹部431aに主制御基板70Aを収容し、背面部431の表面を略面一の状態とすることで、遊技機の移動時等において、遊技機構成部品に外力が加わり破損する可能性を低減できる。
また、カバー部材430の側面部432の少なくとも1つを傾斜させたので、奥行き寸法が同じ場合に、側面部432を傾斜させない場合に比べ、副制御基板80A等の遊技機構成部品の設置可能面積が大きくなるので、より多様な遊技機構成部品を取り付けることが可能となる。また、本体枠2に軸支された側と反対側の側面部432の少なくとも一部を、本体ユニット400の本体枠ヒンジ2bを中心とし、本体ユニット400の内側側縁を通る仮想円VCの内側に形成したので、本体枠2の内側を回動可能な範囲で、カバー部材430内部の空間をより広くし、より多くの遊技機構成部品を配置することが可能となる。したがって、奥行き寸法を抑えることが可能な遊技機を提供できる。
また、カバー部材430の側面部432の少なくとも一部を仮想円VCに沿った形状に形成したので、本体枠2の内側を回動可能な範囲で、カバー部材430内部の空間を更に広くし、更に多くの遊技機構成部品を配置することが可能となる。
また、カバー部材430の側面部432の少なくとも1つを傾斜させたので、奥行き寸法が同じ場合に、側面部432を傾斜させない場合に比べ、副制御基板80A等の遊技機構成部品の設置可能面積が大きくなるので、より多様な遊技機構成部品を取り付けることが可能となる。また、カバー部材430において、開口部432eを、背面部431及び少なくとも2つの側面部432から形成される空間の内部に収容された遊技盤1Aの遊技盤中継基板101からの配線をカバー部材430の外側に設けられた中継基板100と接続可能なように設け、側面第1凹部432aに開口部432eを介して配線と接続される中継基板100を収容可能とし、この側面第1凹部432aに、主制御基板70Aや副制御基板80Aをそれぞれ収容可能な凹部431aや側面第2凹部432cを隣接させた。これにより、より多彩な主制御基板70Aを取り付けることが可能であっても、多様な遊技機構成部品を集約して配置可能となり、これらを接続するケーブルを短くすることが可能となる。よって、多様な遊技機構成部品の確認作業やケーブル等の取り回しが容易になる。したがって、遊技機の組み立て作業やメンテナンスを簡素にすることが可能な遊技機を提供できる。
パチンコ遊技機Yによれば、仮に貯留皿の払出口が塞がれることなどにより、払出装置700の内部において球送出機構720から排出口730Bへと通じる第1誘導路730Cで賞球となる遊技球の流れが停滞して詰まりが生じても、この第1誘導路730Cの上部途中から分岐した分岐路730E及び貫通口731Aを通じて球送出機構720からの遊技球が第2誘導路730Dへと??回して導かれ、第2誘導路730Dが遊技球で満タン状態となっても、払出口(排出口730B)付近の閉塞状態が解消されると、第1誘導路730C及び第2誘導路730Dにおいて満タン状態となった多数の遊技球を直ちにまとめて排出口730Bから排出することができる。すなわち、払出装置700の内部における遊技球の球詰まりを第2誘導路730Dが満タン状態となるまで可及的に遅らせて防ぐことができる。
また、払出装置700の内部に第1誘導路730C及び第2誘導路730Dが設けられるので、遊技者の手に誘導路内の遊技球が直接触れられるおそれもなく、外的な要因によって遊技球の球詰まりが発生してしまうことを防ぐことができる。
また、カバー部材430において、球通路ユニット730と基板の収容部を一体的なユニットとして形成でき、また、カバー部材430の中央よりに制御基板を配置することで、配線回しに柔軟性を持たせることが可能となり、また、制御基板に不正が行われているかも確認しやすくなる。
また、第2誘導路730Dが満タン状態となって満タン検知レバー732及び満タン検知センサ733により遊技球の停滞が検知されるまでは、球送出機構720により入賞に応じた賞球としての遊技球を継続して繰り出すことができる。したがって、満タン状態となっても払い出し動作をすぐに中断させずに継続することができ、払出装置700の内部により多くの遊技球を貯留することができる。また、第1誘導路730Cと第2誘導路730Dとの横方向の幅を変えることで、第1誘導部と第2誘導部とにおける遊技球の貯留量や流量を変えることが可能となり、より適切な払い出し動作を行えるように調整することが可能となる。
また、第2誘導路730Dは、第1誘導路730Cに平面的に重なるように併設されることにより、別途設けられる第2誘導路730Dの占有スペースを大きく拡張せずとも有効にスペースを確保して利用することができる。これにより、球通路ユニット730と共に払出装置700全体の小型化に貢献することができる。
また、第2誘導路730Dに満タン状態となって貯留された遊技球も排出口730Bへと合流するように導くことができる。これにより、第1誘導路730Cの遊技球もまとめて多数の遊技球を1箇所の排出口730Bから排出することができ、払出装置700の内部における遊技球の球詰まりを可及的かつ速やかに解消することができる。
パチンコ遊技機Yによれば、突片部材830が第1検知センサ840,第2検知センサ850を分け隔てつつも奥方の遊動空間部810D,820Dまで遊技球の進入を可能としており、遊動空間部810D,820Dの遊技球を突片部材830の上端830Aに接しながら底面810Da,820Daに沿って第1検知センサ840及び第2検知センサ850のいずれか一方に振り落とすことができるので、球検知ユニット800の内部において遊技球どうしで球噛みを生じることがなく、ひいてはアウト口55付近における遊技球の球詰まりを効果的に防ぐことができる。
また、突片部材830は、遊技球が進入する方向に沿って手前から奥方へと遊技球を左右に振り分けるように導くことができるので、遊技球どうしで球噛みを生じるおそれもなく、第1検知センサ840及び第2検知センサ850のいずれかへとスムーズに遊技球を導くことができる。
また、突片部材830の上端830Aは、奥側にいくほど上昇(隆起)するように形成されているので、遊動空間部810D,820Dへの遊技球の進入を許容しつつも可及的に第1検知センサ840及び第2検知センサ850のいずれかへと徐々に遊技球を落下させやすくすることができるとともに、上端830Aの前側部分では、遊技球の進行方向を規制せずに第1検知センサ840及び第2検知センサ850のいずれにも誘導することができる。
また、突片部材830は、第1検知センサ840及び第2検知センサ850を分け隔てつつも完全にこれらを仕切ることなく、上端830Aが峰状になっているので、進入した遊技球を引っ掛かりなく第1検知センサ840及び第2検知センサ850のいずれかへとスムーズに誘導することができる。
パチンコ遊技機Yによれば、遊技盤中継基板101を、遊技盤1Aに対し略直角に立設させたので、遊技盤1Aに面で取り付けた場合に比べ、遊技盤1Aの裏面側における遊技盤中継基板101の設置スペースを抑えことが可能となる。また、カバー部材430により第1大入賞口ソレノイド53bを覆うことで、第1大入賞口ソレノイド53bと遊技盤中継基板101との接続部分を保護することが可能となる。したがって、遊技盤の裏面側における基板の設置スペースを抑えつつ、基板を外部の衝撃から保護することが可能な遊技機を提供できる。
また、カバー部材430に、遊技盤中継基板101に対応する位置に開口を設け、遊技盤中継基板101を、この開口を介してカバー部材430の外部からコネクタ接続部101aに対する接続操作が可能な位置まで延設し、かつ、少なくとも遊技盤中継基板101の外側部分をカバー部材で覆った。このため、遊技盤中継基板101を外部の衝撃から保護しつつ、遊技盤中継基板101に接続されたコネクタをカバー部材430の外に引き出したり、カバー部材430を取り付けた状態で、遊技盤中継基板101にコネクタを着脱することが可能となるので、遊技機の組み立てや、メンテナンスの作業性を向上することが可能となる。
また、遊技盤中継基板101を、遊技盤1Aに対し略直角に立設させたので、遊技盤1Aに面で取り付けた場合に比べ、遊技盤1Aの裏面側における遊技盤中継基板101の設置スペースを抑えことが可能となる。また、遊技盤中継基板101を遊技盤1Aと平行な状態となるように折り畳み可能とすることで、必要に応じて(例えば、遊技盤中継基板101を取り付けた遊技盤1Aを搬送したり、重ねて保管したりする場合等)、遊技盤中継基板101を折り畳めるので、遊技盤1Aから垂直に突出させたままの状態にしておく場合に比べ、遊技盤中継基板101に外力がかかる可能性が低くなり、遊技盤中継基板101が破損してしまうリスクを低減できる。したがって、遊技盤の裏面側における基板の設置スペースを抑えつつ、基板が損傷するリスクを低減することが可能な遊技機を提供できる。
また、カバー部材430に、遊技盤中継基板101に対応する位置に開口部432eを設け、遊技盤中継基板101が、この開口部432eを介してカバー部材430の外部からコネクタ接続部101aに対する接続操作が可能な位置まで延設し、かつ、少なくとも遊技盤中継基板101の外側部分をカバー部材430で覆った状態でコネクタ接続部101aの配線差込口101bが開口部432eの方向に向くように配置した。このため、遊技盤中継基板101を外部の衝撃から保護しつつ、遊技盤中継基板101に接続されたコネクタをカバー部材430の外に引き出したり、カバー部材430を取り付けた状態で、遊技盤中継基板101にコネクタを着脱することが可能となるので、遊技機の組み立てや、メンテナンスの作業性を向上することが可能となる。
また、カバー部材430の側面部432の少なくとも1つを傾斜させたので、奥行き寸法が同じ場合に、側面部432を傾斜させない場合に比べ、副制御基板80A等の遊技機構成部品の設置可能面積が大きくなるので、より多様な遊技機構成部品を取り付けることが可能となる。また、この傾斜した側面部432に、遊技機構成部品を収容可能としたので、遊技機構成部品を背面部431に集約した場合に比べ、遊技機構成部品が遊技機の背面部431に突出するのを抑えることが可能となる。また、傾斜した側面部432において、遊技盤中継基板101に対応する位置に開口部432eを設けることで、遊技盤1Aの裏面側における遊技盤中継基板101の設置スペースを抑えつつ、カバー部材430の側面部432における遊技機構成部品の設置可能面積をより大きくすることが可能となる。
また、遊技盤中継基板101を、遊技盤1Aに対し略直角に立設させたので、遊技盤1Aに面で取り付けた場合に比べ、遊技盤1Aの裏面側における遊技盤中継基板101の設置スペースを抑えことが可能となる。また、カバー部材430により第1大入賞口ソレノイド53bを覆うことで、第1大入賞口ソレノイド53bと遊技盤中継基板101との接続部分を保護することが可能となる。したがって、遊技盤の裏面側における基板の設置スペースを抑えつつ、基板を外部の衝撃から保護することが可能な遊技機を提供できる。
また、中継基板100を収容可能な側面第1凹部432aに、主制御基板70A、副制御基板80Aをそれぞれ収容可能な側面第2凹部432c、凹部431aを隣接して配置し、かつ側面第1凹部432aには遊技盤1Aからの配線と接続可能な開口部432eを設けたので、遊技盤1Aに設けられた部品と側面第2凹部432cや凹部431aに収容された主制御基板70Aや副制御基板80Aのそれぞれとの配線長さを短くすることができる。よって、多様な遊技機構成部品の確認作業やケーブル等の取り回しが容易になる。
パチンコ遊技機Yによれば、パチンコ遊技機Yの組み立て作業において、取付枠410にカバー部材430を取り付ける場合、大まかな位置を合わせて重ねることで、取付枠410の第1誘導樋416及びカバー部材430の第2誘導樋434のいずれか他方の開口部が、一方の開口部の受入部434aのリブ434bに導かれ、一方の開口部に他方の開口部が挿入するように接続されることで遊技球が流下可能な状態となる。このように、取付枠410の第1誘導樋416及びカバー部材430の第2誘導樋434のいずれか一方の開口部と他方の開口部を、厳密に位置合わせしなくとも、大まかな位置を合わせ、重ねるだけで、一方の開口部に他方の開口部が挿入するように接続され、遊技球が流下可能な状態となるので、組み立ての作業効率を向上可能となる。したがって、組み立ての作業効率を向上可能な遊技機を提供できる。
また、パチンコ遊技機Yの組み立て作業において、取付枠410にカバー部材430を取り付ける場合、大まかな位置を合わせて重ねることで、取付枠410の第1誘導樋416及びカバー部材430の第2誘導樋434のいずれか他方の開口部が、一方の開口部の受入部434aのリブ434bに導かれ、他方の開口部が一方の開口部に挿入するように接続されることで遊技球が流下可能な状態となる。また、取付枠410の第3誘導樋418及びカバー部材430の第4誘導樋のいずれか一方の開口部が、一方の開口部の受入部434aのリブ434bに導かれ、他方の開口部が一方の開口部に挿入するように接続されることで遊技球が流下可能な状態となる。このように、取付枠410の第1誘導樋416及びカバー部材430の第2誘導樋434のいずれか一方の開口部と他方の開口部や、取付枠410の第3誘導樋418及びカバー部材430の第4誘導樋のいずれか一方の開口部と他方の開口部を、厳密に位置合わせしなくとも、大まかな位置を合わせ、重ねるだけで、一方の開口部に他方の開口部が挿入するように接続され、遊技球が流下可能な状態となるので、組み立ての作業効率を向上可能となる。さらに、第1誘導樋416及び第2誘導樋434と、第3誘導樋418及び第4誘導樋と、の2ヶ所の連結部分で、取付枠410にカバー部材430を取り付ける際の位置決めが可能となるので、大まかな位置を合わせで、より正確な位置決めが可能となる。したがって、組み立ての作業効率を向上可能な遊技機を提供できる。
また、パチンコ遊技機Yの組み立て作業において、取付枠410にカバー部材430を取り付ける場合、大まかな位置を合わせて重ねることで、取付枠410の第1誘導樋416及びカバー部材430の第2誘導樋434のいずれか他方の開口部が、一方の開口部の受入部のリブ434bに導かれ、他方の開口部が一方の開口部に挿入するように接続されることで遊技球が流下可能な状態となる。また、取付枠410の第3誘導樋418及びカバー部材430の第4誘導樋のいずれか一方の開口部が、一方の開口部の受入部のリブ434bに導かれ、他方の開口部が一方の開口部に挿入するように接続されることで遊技球が流下可能な状態となる。このように、取付枠410の第1誘導樋416及びカバー部材430の第2誘導樋434のいずれか一方の開口部と他方の開口部や、取付枠410の第3誘導樋418及びカバー部材430の第4誘導樋のいずれか一方の開口部と他方の開口部を、厳密に位置合わせしなくとも、大まかな位置を合わせ、重ねるだけで、一方の開口部に他方の開口部が挿入するように接続され、遊技球が流下可能な状態となるので、組み立ての作業効率を向上可能となる。さらに、第1誘導樋416及び第2誘導樋434と、第3誘導樋418及び第4誘導樋と、の2ヶ所の連結部分で、取付枠410にカバー部材430を取り付ける際の位置決めが可能となるので、大まかな位置を合わせで、より正確な位置決めが可能となる。したがって、組み立ての作業効率を向上可能な遊技機を提供できる。
また、パチンコ遊技機Yの組み立て作業において、取付枠410にカバー部材430を取り付ける場合、大まかな位置を合わせて重ねる。このとき、互いの開口部の位置が多少ずれていても、カバー部材430を押し込むことで、他方の開口部は、一方の開口部のリブ434bの傾斜に導かれ、リブ434bの外縁から内縁側に移動し、内縁に囲まれた部分に嵌まり、一方の開口部に他方の開口部が挿入するように接続され、遊技球が流下可能な状態となる。このように、取付枠410の第1誘導樋416及びカバー部材430の第2誘導樋434のいずれか一方の開口部と他方の開口部を、厳密に位置合わせしなくとも、大まかな位置を合わせ、重ねるだけで、一方の開口部に他方の開口部が挿入するように接続され、遊技球が流下可能な状態となるので、組み立ての作業効率を向上可能となる。したがって、組み立ての作業効率を向上可能な遊技機を提供できる。
また、パチンコ遊技機Yの組み立て作業において、取付枠410にカバー部材430を取り付ける場合、大まかな位置を合わせて重ねることで、取付枠410の第1誘導樋416及びカバー部材430の第2誘導樋434のいずれか他方の開口部の係合部416aが、一方の開口部の受入部434aのリブ434bに導かれ、接続位置において、リブ434bにより囲まれた部分に嵌まり、一方の開口部に他方の開口部が挿入するように接続されることで遊技球が流下可能な状態となる。このように、取付枠410の第1誘導樋416及びカバー部材430の第2誘導樋434のいずれか一方の開口部と他方の開口部を、厳密に位置合わせしなくとも、大まかな位置を合わせ、重ねるだけで、一方の開口部に他方の開口部が挿入するように接続され、遊技球が流下可能な状態となるので、組み立ての作業効率を向上可能となる。したがって、組み立ての作業効率を向上可能な遊技機を提供できる。
また、他方の開口部を、一方の開口部のリブ434bで案内する場合、他方の開口部の開口の外縁が、リブ434bに当接するが、このとき、開口の外縁に力が加わり、開口を変形させてしまい、接続後に、遊技球の流下に支障をきたすおそれがある。本発明によれば、他方の開口部の開口の外縁に係合部416aを設けることで、係合部416aをリブ434bに当接させ、開口の外縁に加わる力を低減し、接続後に、遊技球の流下に支障をきたすことを防止可能となる。
パチンコ遊技機Yによれば、払出口901から放出された遊技球は、外壁部930Eaに接触しつつこれに沿って転動し、さらに連続する湾曲状の外周部930Bに沿って転動しながら整列部920Aの整列方向上流側へと導かれ、整列部920Aにおいては、複数の遊技球が直線的な列をなすように整列して導入口920Abまで誘導される。その際、第1開口部930Fに設けられた第1開閉蓋953Aが開放状態にあっても、払出口901から放出された遊技球が第1開口部930Fに落下することなく外壁部930Eaから外周部930Bに沿って転動しつつ整流部930Cから整列部920Aへと導かれる。したがって、整流部930Cによって払出口901から整列部920Aに至るまでの経路長を比較的長く確保しつつも、第1開口部930Fから落下しないように、貯留部930Eの外壁部930Eaや整列部920Aの外周部930Bが第1開口部930Fから所定の間隔をあけて形成されるとともに、その外周部930Bが湾曲状に形成されているので、整流部930Cから整列部920Aへと円滑に落下・排出させることなく遊技球を導くことができる。
また、払出口901から放出された遊技球は、直接整列部920Aに達することなく整流部930Cへと??回するように導かれ、その後、この整流部930Cから整列部920Aへと導かれ、整列部においてまっすぐ整列した状態で導入口920Abへと導かれる。これによっても、整流部930Cから整列部920Aへと円滑に球詰まりさせることなく遊技球を導くことができる。
また、整流部930Cと整列部920Aとは、カバー部930Aの外側と内側とに形成されるので、これによっても、払出口901から整列部920Aに至るまでの経路長を比較的長く確保し、皿ユニット900全体の幅寸法や設置スペースを抑えることができる。
また、整列部920Aに整列している遊技球に、更に放出された遊技球が乗り上げ、整列が乱れ球詰まりが発生したり、遊技球が皿ユニット900から飛び出したりすることを防止できる。
また、湾曲状の整流部930Cを形成することによっても、払出口901から整列部920Aに至るまでの経路長を比較的長く確保することができるので、皿ユニット900全体の幅寸法や設置スペースを抑えることができ、整流部930Cから整列部920Aへと円滑に遊技球を導くことができる。
なお、本実施形態においては、受け皿カバー部材930自体のカバー部930Aの外側壁930Aaと外周部930Bとの間に整流部930Cが形成されるが、単に整列部を覆うだけのカバー部材を設け、このカバー部材の外側と皿ユニット本体部の湾曲した内周部との間に整列部のほか、スロープ部や貯留部を設けるようにしてもよい。
「第4実施形態」
次に、第4実施形態に係るパチンコ遊技機について図面を参照して説明する。なお、先述した第1~第3実施形態に係るものと同一又は類似の構成要素については、同一符号を付してその説明を省略する。図104~図154は、第4実施形態に係るパチンコ遊技機を説明するための図である。
第4実施形態に係るパチンコ遊技機は、主として、主制御基板28を収容する基板ケース2800の組付け構造、当該基板ケース2800の基板ユニット34における取付構造、前面ドア(表枠)3の形状・構造、発射ハンドル26bの内部構造、送風機構110の可動構造に特徴を有する。これらの特徴的な構造について図面を参照して以下に順に説明する。
[基板ケースの組付け構造]
図104及び図105は基板ユニット34の斜視図、図106は基板ユニット34の正面図、図107及び図108は基板ケース2800の斜視図、図109及び図110は基板ケース2800の分解斜視図、図111は基板ケース2800の正面図、図112は基板ケース2800の背面図、図113及び図114は基板ケース2800における上側部材2810の側面図、図115は上側部材2810の一部拡大側面図、図116は基板ケース2800における下側部材2820の内部正面図、図117は上側部材2810及び下側部材2820の組付け前の状態を示す斜視図、図118は上側部材2810及び下側部材2820の組付け後の状態を示す斜視図である。
図104~図106に示すように、主制御基板28を収容する基板ケース2800は、サブ制御基板33を収容するサブ制御基板収容部材33aや中継基板32と共に基板ユニット34のベース部材340に取り付けられる。中継基板32は、ベース部材340の下側部分に取り付けられ、サブ制御基板収容部材33aは、中継基板32の左寄り上方に位置し、ベース部材340の左上側部分に取り付けられ、基板ケース2800は、中継基板32の右寄り上方に位置し、サブ制御基板収容部材33aに近接しつつベース部材340の右上側部分に取り付けられる。
図107~図110に示すように、基板ケース2800は、主たる部材要素として、上側部材2810、下側部材2820、及びカバー部材2830を有する。上側部材2810、下側部材2820、及びカバー部材2830は、内部を視認可能な透明素材で形成される。図110に示すように、上側部材2810の裏面には、ネジ2840を介して主制御基板28が固定される。主制御基板28は、図示されないメインCPU280等の電子部品が実装された主面を上側部材2810の表面2810aに向けた姿勢で固定される。主制御基板28が裏面に固定された上側部材2810は、上下方向にスライドさせることで下側部材2820に組み付けられ、さらに上側部材2810と下側部材2820とは、互いに封止されることで一体化される。図109及び図110に示すように、カバー部材2830は、互いに封止された上側部材2810及び下側部材2820の上端部2811,2821を覆うように取り付けられる。
図111~図115に示すように、上側部材2810は、概ね上下方向を長手方向として蓋状に形成されており、上端部2811、端子露出部2812、封止部2813、周縁部2814を有する。
上端部2811と下側部材2820の上端部2821には、封印シール2830Aが貼着され、その上からシールストッパ2830Bが嵌め合わされ、さらにその上からカバー部材2830が被せられる(図109~図111参照)。
端子露出部2812は、主制御基板28に設けられた各種の接続端子28a~28cを露出させるための開口2812a~2812cを有する(図111参照)。主制御基板28の接続端子28a~28cは、端子露出部2812の開口2812a~2812cから外方に露出され、図示しない外部の端子と接続される。
封止部2813は、上側部材2810の左端部に一体形成されている。封止部2813は、下側部材2820の封止固定部2823とネジ2850等を介して結合・封止される(図109及び図110参照)。図111及び図112に示すように、封止部2813は、ネジ2850に対応する2つのネジ孔2813aを有し、複数のブリッジ2813bを介して上側部材2810の左端部に連接されている。このような封止部2813は、一つのネジ孔2813aにネジ2850を介して下側部材2820の封止固定部2823に結合される。ネジ2850が締結された封止部2813には、封止蓋2853が嵌め合わされる。その後、封止部2813の結合を解除する際には、複数のブリッジ2813bのうち、ネジ2850が残存する方のブリッジ2813bを切断して封止部2813の半分を分離・破壊し(図111参照)、封止固定部2823にネジ2850を残存させた状態で結合が解除される。残存するネジ2850は、封止固定部2823に取り残される。さらにその後、封止部2813は、半分破壊後に残った部分のネジ孔2813aにネジ2850を介して再び封止固定部2823に固定することができる。すなわち、上側部材2810は、封止部2813を介して2回まで下側部材2820と結合・封止することができる。
周縁部2814は、上側部材2810の周縁から後方に延出するように形成されている。図112~図114に示すように、左右両側の周縁部2814には、複数の係合爪2814A,2814Bが形成されている。複数の係合爪2814A,2814Bのうち、封止部2813に最も近接する係合爪2814Bは、他の係合爪2814Aと一部異なる。以下においては、係合爪2814Bについて説明するが、他の係合爪2814Aについて係合爪2814Bと同様の部分については、特に断らない限りその説明を省略する。
図115に示すように、係合爪2814Bは、L字状に形成されており、基端部2814Ba、屈曲部2814Bb、先端部2814Bcを有する。さらに、係合爪2814Bは、他の係合爪2814Aと異なる点として切り欠き部2814Bdを有する。
基端部2814Baは、周縁部2814から後方向に突出するように形成されている。屈曲部2814Bbは、基端部2814Baから先端部2814Bcへと直角に曲がってつながるように形成されている。先端部2814Bcは、屈曲部2814Bbから下方向に延びるように形成されている。特に係合爪2814Bにおいては、封止部2813の方へと延びるように形成されている。基端部2814Baから屈曲部2814Bbまでの部分は、相対的に太い幅である一方、屈曲部2814Bbから先端部2814Bcまでの部分は、相対的に細い幅になっている。これにより、基端部2814Baは、比較的堅牢であり、先端部2814Bcは、比較的脆弱である。切り欠き部2814Bdは、屈曲部2814Bbと先端部2814Bcとの間の細い幅の部分、より具体的には先端部2814Bcよりも屈曲部2814Bbの内側に近い部分に形成されている。このような切り欠き部2814Bdは、屈曲部2814Bbから先端部2814Bcまでの細い幅の部分に前後方向の力が加わると、その細い部分が欠損しやすくなるように設けられている。
図116に示すように、下側部材2820は、概ね上下方向を長手方向として上側部材2810と対応する形状に形成されており、上端部2821、封止固定部2823、周縁部2824を有するほか、後述する基板ユニット34のベース部材340に対して連結するための一対の軸部2825を有する。
上端部2821は、上側部材2810の上端部2811と図示しないカシメピン等を用いて結合・封止される。結合・封止された上端部2811,2821は、封印シール2830Aが貼着され、その上からシールストッパ2830Bが嵌め合わされ、さらにその上からカバー部材2830が被せられる(図109~図111参照)。
封止固定部2823は、上側部材2810の封止部2813と対応するように下側部材2820の左端部に一体形成されている。封止固定部2823には、上側部材2810の封止部2813を結合・封止する際にネジ2850を固定するための封止カバー2851及び封止プレート2852が収容される(図109及び図110参照)。封止固定部2823は、封止部2813のネジ孔2813aを通じて封止カバー2851及び封止プレート2852にネジ2850が締結されることにより、封止部2813が固定される。
周縁部2824は、係合爪2814A,2814Bと対応する複数の箇所に係合孔2824Aを有する。係合孔2824Aは、係合爪2814A,2814Bの屈曲部2814Bbから先端部2814Bcまでの部分を挿入可能に上下方向に沿った長孔状に形成されている。このような係合孔2824Aに対して係合爪2814A,2814Bが当初挿入された状態では、図117に示すように、上側部材2810が下側部材2820に対して若干上方向にずれた姿勢で組み合う。その後、上側部材2810全体を下方向に沿ってスライドさせることにより、係合孔2824Aに対して係合爪2814A,2814Bが係合される。これにより、図118に示すように、上側部材2810は、係合爪2814A,2814Bを介して下側部材2820に完全に組み付けられる。こうして組み付けられ、封止部2813及び封止固定部2823等で封止された上側部材2810及び下側部材2820は、封止部2813付近を前後方向に無理にこじ開けようとすると、封止部2813に最も近い係合爪2814Bに対して前後方向に過度な力が作用することとなる。その結果、係合爪2814Bの切り欠き部2814Bdが形成された付近が欠損しやすくなる。
軸部2825は、基板ケース2800全体をベース部材340に対して回転可能に取り付けるための部分であり、下側部材2820の左端部に一体形成されている。軸部2825には、下方向に突出するように回転軸2825Aが形成されている。このような軸部2825を介して基板ケース2800がベース部材340に取り付けられるが、これについては後述する。
このような基板ケース2800の組付け構造によれば、互いに組み付けられた上側部材2810及び下側部材2820に対し、係合爪2814A,2814B及び係合孔2824Aをスライド係合させる際の上下方向に対して垂直な前後方向に外力を加えてこじ開けようとした場合には、係合爪2814Bの切り欠き部2814Bd付近が欠損しやすいので、不正な方法で基板ケース2800をこじ開けようとした場合にその痕跡として欠損した係合爪2814Bを確実に残すことができる。
また、係合爪2814Bは、屈曲部2814Bbから先端部2814Bcへと延びる細い部分に大きなせん断力が作用し、その部分の切り欠き部2814Bd付近が欠損しやすくなるので、不正な方法で基板ケースをこじ開けようとした場合にその痕跡として欠損した係合爪2814Bを確実に残すことができる。
また、封止部2813及び封止固定部2823付近を無理にこじ開けようとした場合は、その封止部2813に最も近い係合爪2814Bの細い部分に大きなせん断力が作用し、切り欠き部2814Bd付近が欠損しやすくなるので、不正な方法で基板ケースをこじ開けようとした場合にその痕跡として欠損した係合爪2814Bを確実に残すことができる。
[基板ケースの基板ユニットにおける取付構造]
図119及び図120は、基板ユニット34における基板ケース2800の回転状態を示す斜視図、図121~図123は、基板ユニット34のベース部材340に対する基板ケース2800の取付状態を示す斜視図、図124~図126は、基板ユニット34のベース部材340に対する基板ケース2800の取付前の状態を示す分解斜視図、図127は、基板ユニット34における基板ケース2800の回転状態を示す斜視図、図128は、基板ユニット34のベース部材340に取り付けられる封止部材3410を示す分解斜視図、図129は、基板ユニット34における基板ケース2800の回転状態を示す上面図である。
図119及び図120並びに図127に示すように、基板ケース2800は、基板ユニット34のベース部材340に対して回転可能に取り付けられる。具体的には、図125及び図126に示すように、ベース部材340においてサブ制御基板収容部材33aの配置箇所に近接する右側の箇所には、封止部材3410を固定・封止可能な封止固定部340Aと、基板ケース2800の軸部2825を軸支可能な一対の軸受部340B,340Cとが形成されている。上側の軸受部340Bは、封止固定部340Aの直下に設けられている。基板ケース2800は、軸部2825の回転軸2825Aを軸受部340B,340Cに対して上方から挿入されることでベース部材340に組み付けられる。また、図119及び図121に示すように、ベース部材340の右端部には、係合フック340aが設けられているとともに、基板ケース2800の右端部には、凹部2800aが設けられており、この凹部2800aに係合フック340aが係止されることで基板ケース2800がベース部材340に対して回転不能に配置される。さらに、軸部2825を介して基板ケース2800がベース部材340に組み付けられた後、封止部材3410が封止固定部340Aに固定される。この封止部材3410の下端部は、上側の軸受部340Bに挿入された軸部2825に近接あるいは当接する。これにより、封止部材3410は、軸受部340Bにおける軸部2825の上下方向の??動を規制し、軸部2825を回転可能としつつも軸受部340Bから抜けないようにストッパとしての役割を果たす。
図128に示すように、封止部材3410は、ネジ3420に対応する2つのネジ孔3411を有する。2つのネジ孔3411の間には、封止部材3410を半壊しやすくするための縦溝3412が形成されている。一方、図126に示すように、封止固定部340Aには、封止部材3410を固定・封止する際にネジ3420を固定するための封止カバー3440及び封止プレート3450が収容される。封止固定部340Aには、封止部材3410のネジ孔3411を通じて封止カバー3440及び封止プレート3450にネジ3420が締結されることにより、封止部材3410が固定される。このような封止部材3410は、一つのネジ孔3411(具体的には上側のネジ孔3411)にネジ3420を介して封止固定部340Aに固定される。ネジ3420が締結された封止部材3410のネジ孔3411には、封止蓋3430が嵌め合わされる(図126参照)。その後、封止部材3410の固定を解除する際には、縦溝3412に沿って封止部材3410を切断して封止部材3410の上半分を分離・破壊し、封止固定部340Aにネジ3420を残存させた状態で固定が解除される。残存するネジ3420は、封止固定部340Aに取り残される。さらにその後、封止部材3410は、半分破壊後に残った下半分のネジ孔3411にネジ3420を介して再び封止固定部340Aに固定することができる。すなわち、封止部材3410は、2回まで封止固定部340Aに対して固定・封止することができる。また、封止部材3410は、上半分が破壊されても、その下半分の下端部に対して上側の軸受部340Bに挿入された軸部2825が近接あるいは当接するので、軸部2825の上下方向の??動を規制することができ、軸部2825が軸受部340Bから抜けないようにストッパとしての役割を果たすことができる。
図123に示すように、基板ケース2800がベース部材340に取り付けられ、封止部材3410が封止固定部340Aに固定された状態においては、上側の軸部2825が封止部材3410と軸受部340Bとの間において上下方向の移動が規制される。これにより、基板ケース2800は、基板ユニット34のベース部材340から取り外し不可とされる。一方、封止部材3410が封止固定部340Aに固定された状態を解除すれば、軸受部340Bから上方に軸部2825を抜き出し可能となり、基板ケース2800をベース部材340から取り外すことができる。
また、図127及び図129に示すように、基板ケース2800の凹部2800aに対して係合フック340aの係合状態を解除すると、基板ケース2800は、軸部2825を回転中心としつつベース部材340に対して回転した姿勢をとることができる。これにより、基板ケース2800の表側だけでなく裏側からも内部に収容された主制御基板28の状態を目視で確認することができる。
このとき、図129に示すように、基板ケース2800をある程度の角度(例えば30度あるいは45度)まで回転させると、基板ケース2800の左端部が封止部材3410に当接する。これにより、基板ケース2800は、その左側に近接するサブ制御基板収容部材33aと干渉させずに裏側から内部を視認可能な回転姿勢まで回転させることができる。
このような基板ケース2800の基板ユニット34における取付構造によれば、基板ユニット34のベース部材340に対して封止部材3410で基板ケース2800の上下方向への移動を規制することができる一方、基板ケース2800を回転可能としつつもその回転角度を規制することができるので、基板ケース2800をベース部材340から取り外すことなくある程度の回転角度まで回転させた姿勢とし、基板ケース2800の背面側からケース内の主制御基板28を容易に確認することができる。
また、基板ケース2800をサブ制御基板収容部材33aの方へと回転させても、基板ケース2800の左端部が封止部材3410に当接するまでの回転角度、すなわちサブ制御基板収容部材33aに当接しない回転角度まで基板ケース2800を回転させることができるので、基板ケース2800をサブ制御基板収容部材33aとは別にベース部材340から取り外すことなくある程度の回転角度まで回転させた姿勢とし、基板ケース2800の背面側からケース内の主制御基板28を容易に確認することができる。
[前面ドアの形状・構造]
図130は、前面ドア3を示す斜視図、図131は、前面ドア3を示す側面図、図132は、前面ドア3を示す分解斜視図、図133及び図134は、前面ドア3における透明板ユニット7’を示す分解斜視図、図135は、前面ドア3における透明板ユニット7’を示す正面図、図136は、前面ドア3における透明板ユニット7’を示す背面図、図137は、前面ドア3における透明板ユニット7’を示す側面図、図138及び図139は、前面ドア3の組み付け状態を示す分解斜視図である。なお、本実施形態においては、先述した第2実施形態の表枠3に相当するものを前面ドア3と称する。
図130~図132に示すように、本実施形態の前面ドア3は、図20等に示す第2実施形態の表枠3と異なる構成要素として、透明板ユニット7’を有する。右側ベース板3aa及び左側ベース板3abは、全体ベース板3acの前面に取り付けられる。全体ベース板3acには、開口部3hが形成されており、透明板ユニット7’は、主たる前面部分が開口部3hから前方に張り出すように全体ベース板3acの背面に取り付けられる。
図133及び図134に示すように、透明板ユニット7’は、背面側に位置ずる第1透明部材7A、前面側に位置する第2透明部材7B、及び装飾シート7Cを有する。第1透明部材7A及び第2透明部材7Bは、例えばアクリル樹脂といった透明性を有して成形容易な素材で形成される。装飾シート7Cは、透明あるいは半透明のシート素材で形成される。
図134及び図136に示すように、第1透明部材7Aは、概ね平板状に形成されており、開口部7Aa、一対の凹部7Ab、一対の回転係止片7Acを有する。開口部7Aaは、遊技盤1の転動領域(遊技領域1p)以外となる中央領域(液晶表示装置4の表示領域4dを含む領域)を前方に露出させるように形成されている。すなわち、第1透明部材7Aは、転動領域(遊技領域1p)における遊技球の前方への移動を規制しつつ、転動する遊技球を前方から視認可能とする一方、例えば可動演出役物1321を開口部7Aaより前方に移動可能としている(図138及び図139参照)。一対の凹部7Abは、第1透明部材7Aの下端部に設けられており、一対の回転係止片7Acは、第1透明部材7Aの上端部に設けられている。第1透明部材7Aは、凹部7Abに第2透明部材7Bの後述する係合爪7Bdが掛けられた後、回転係止片7Acを回転させて第2透明部材7Bの上端部に係止させることにより第2透明部材7Bに組み付けられる。
図133~図135及び図137に示すように、第2透明部材7Bは、主たる部分が前方に膨出するように形成されており、前面部7Ba、側面部7Bb、周縁部7Bc、一対の係合爪7Bd、一対の凸部7Beを有する。前面部7Ba及び側面部7Bbは、第2透明部材7Bの主たる部分として形成されている。
図137に示すように、前面部7Baは、下部から上部へといくにつれて次第に前方に突き出るように傾斜面状に形成されている。このような前面部7Baの奥方には、第1透明部材7Aの開口部7Aaが配置される(図133、図134、及び図136参照)。これにより、前面部7Baは、遊技盤1と対向するように配置される(図138参照)。図137~図139に示すように、前面部7Baの上部は、その下部よりも遊技盤1との間に可動演出役物1321が動作可能な十分なスペースを形成している。図135及び図137に示すように、側面部7Bbは、前面部7Baの外周部から後方へと向かうにつれて若干外側に広がるように傾斜面状に形成されており、前面部7Baから周縁部7Bcへと連続するように形成されている。側面部7Bbは、前後方向に垂直な面内において弧を描くように前面部7Baの周囲に曲面状に形成されている。側面部7Bbには、装飾シート7Cが貼着される。図133及び図134に示すように、周縁部7Bcは、その裏面に対して第1透明部材7Aが当接させられる。図135及び図136に示すように、周縁部7Bcの下端部には、後方に突出するように係合爪7Bdが形成されているとともに、下方に突出するように凸部7Beが形成されている。第2透明部材7Bは、第1透明部材7Aの凹部7Abに係合爪7Bdが掛けられ、その後、周縁部7Bcの上端部に第1透明部材7Aの回転係止片7Acが係止されることにより、第1透明部材7Aと一体化される。図132に示すように、第1透明部材7A及び第2透明部材7Bが一体的に組み付けられた透明板ユニット7’は、全体ベース板3acの開口部hから前面部7Ba及び側面部7Bbが前方に突き出る姿勢で全体ベース板3acの裏面に凸部7Be等を介して組み付けられる。
遊技者は、透明板ユニット7’の前面部7Ba及び開口部7Aaを通して液晶表示装置4の表示領域4dや可動演出役物1321を視認することができる。また、図137~図139に示すように、可動演出役物1321は、前後方向に大きく動作可能であり、可動演出役物1321によるダイナミックな動きを遊技者に対して見せることができる。また、遊技者は、前面部7Baや側面部7Bbから第1透明部材7Aの開口部7Aaの外縁部分を通して転動領域(遊技領域1p)にて転動する遊技球を視認することができる。なお、第1透明部材7A及び第2透明部材7Bは、一体成形してもよい。
このような透明板ユニット7’を備えた前面ドア3によれば、第2透明部材7Bの前面部7Baにおいて前方にせり出した上部や前面部7Baと曲面状に連なって一体的に形成された側面部7Bbが前面ドア3の飾り部分として構成され、これら前面部7Baや側面部7Bbを通して境目なく電飾等が設けられた遊技盤1を視認することができるので、複数の部材を用いることなく前面ドア3を容易に組み付けることができるとともに、軽量化を図りつつ部品コストを抑えることができ、視覚的効果を高めることができる。
[発射ハンドルの内部構造]
図140は、発射ハンドル26bを示す斜視図、図141及び図142は、発射ハンドル26bを示す分解斜視図、図143は、発射ハンドル26bを示す分解側面図、図144は、発射ハンドル26bにおけるハンドルグリップ26dを示す正面図、図145は、発射ハンドル26bにおけるハンドルグリップ26dを示す背面図、図146は、発射ハンドル26bにおけるベース部材26kを示す正面図、図147は、発射ハンドル26bにおけるベース部材26kを示す背面図である。
図141~図143に示すように、本実施形態の発射ハンドル26bは、図1等に示す第2実施形態の発射ハンドル26bと異なる構成要素として、ベース部材26kを有する。ベース部材26kは、非導電性の素材で形成されており、ハンドルキャップ26h及びハンドルグリップ26dの背面側に位置し、収容ケース26cの内部に収容される。
図141、図142、図144、及び図145に示すように、ハンドルグリップ26dは、2つの貫通部26daと、発射ボリューム26mから前方に突き出たハンドル軸26iを挿入・固定可能なボス部26dbとを有する。貫通部26daは、回転軸方向(前後方向)に貫通するとともに、円周方向(回転方向)に沿って半円弧状に形成されている。ハンドルグリップ26dの周縁部は、導電性を有する素材で形成され、遊技者の手がハンドルグリップ26dの周縁部に接触すると、タッチセンサ26pによって接触が検知される。タッチセンサ26pは、ハンドルグリップ26dの背面側に設けられている(図142及び図145参照)。
図142に示すように、収容ケース26cには、複数のネジ孔26caが設けられている。ハンドルキャップ26hには、収容ケース26cのネジ孔26caと対応する箇所にボス部26haが設けられている。ベース部材26kには、収容ケース26cのネジ孔26ca及びハンドルキャップ26hのボス部26haと対応する箇所にネジ孔kbが設けられている。ハンドルキャップ26h及びベース部材26kは、ネジ孔26caに挿通されたネジ26cbがボス部26ha及びネジ孔kbに螺着されることで収容ケース26cに固定される。一方、ハンドルグリップ26dは、ボス部26ha及びネジ孔kbに螺着されたネジ26cbが貫通部26daを貫通しつつも回転方向に相対移動可能である。これにより、ハンドルグリップ26dは、ハンドル軸26iを回転中心として回転可能である。
図141、図142、図146、及び図147に示すように、ベース部材26kは、周縁部から外方に露出するように発射停止ボタン26eが設けられ、前面側に凹部26kaを有するとともに、背面側に発射停止スイッチ26g及び発射ボリューム26mが設けられる。ハンドルグリップ26dの背面側に設けられたタッチセンサ26pは、凹部26kaの内部空間に位置し、この内部空間においてハンドルグリップ26dと一体に回転可能である。発射停止ボタン26eは、押圧されると発射停止スイッチ26gによって押圧が検知される。発射ボリューム26mは、ハンドルグリップ26dの回動角度に応じて抵抗値を変化させ、その抵抗値に応じた電力を図示しない発射装置のソレノイドアクチュエータに供給する。このようなベース部材26kによれば、電子部品としての発射停止スイッチ26gや発射ボリューム26mがベース部材26kの背面側に設けられるので、ベース部材26kの前面側に配置される導電性のハンドルグリップ26dからの沿面距離が比較的大きく(図143に示す点線部参照)、ハンドルグリップ26d等との電気的絶縁が十分確保されることとなり、発射停止スイッチ26gや発射ボリューム26mの誤作動を効果的に防ぐことができる。また、ベース部材26kは、外装として傷や汚れがつきやすい収容ケース26cやハンドルキャップ26h、ハンドルグリップ26dとは異なり、収容ケース26cの内部に収容されるので、リサイクル品として有効に再利用することができる。
このような発射ハンドル26bによれば、発射ハンドル26bをリサイクル品として再利用する際には、収容ケース26cやハンドルキャップ26h、ハンドルグリップ26dを取り替えるだけで発射停止スイッチ26gや発射ボリューム26mが設けられたベース部材26kをそのまま再利用することができるので、リサイクル品として再利用する際に電子部品の取り外しといった煩雑な作業を要することなく、リサイクル性を高めることができる。
また、ベース部材26kの背面側に発射停止スイッチ26gや発射ボリューム26mが設けられているので、ベース部材26kの前面側に配置されたハンドルキャップ26hの導電性を有する周縁部までの沿面距離を大きく確保することができ、発射停止スイッチ26gや発射ボリューム26mの誤作動を有効に防ぐことができる。
[送風機構の可動構造]
図148は、送風機構110を示す斜視図、図149は、送風機構110を示す分解斜視図、図150は、送風機構110の内部を示す内部平面図、図151は、送風機構110の動作を説明するための内部平面図、図152は、送風機構110の動作を説明するための左側面図、図153は、送風機構110の動作を説明するための内部平面図、図154は、送風機構110の動作を説明するための左側面図である。
図149に示すように、本実施形態の送風機構110は、図36等に示す第2実施形態の送風機構110と異なる構成要素として、第1リンク部材120、第2リンク部材121、可変フラップ130を有する。また、カバー部材110A,110Bには、風を導くための楕円状の開口部110c,110bが形成されている。
図149及び図153に示すように、カバー部材110Aには、先述したエンクロージャ10eの開口10ec(図35参照)からまっすぐ向かう方面に開口部110cが形成されており、開口部110cの内側に空間部110aが設けられている。空間部110aにおいては、可変フラップ130が傾斜姿勢・水平姿勢に変動可能である。空間部110aの下方は、可変フラップ130の傾斜姿勢・水平姿勢に関係なく常に開放されており、先述した通気口8caが位置する(図35参照)。図149に示すように、カバー部材110Bには、カバー部材110Aの開口部110cから左右方向にまっすぐ向かう方面に開口部110bが形成されている。
図151及び図153に示すように、ソレノイド111は、オン・オフ動作に連動して退避・突出可能なプランジャ111aを有し、プランジャ111aの先端部は、第1リンク部材120の基端部120aと連結されている。第1リンク部材120は、中間部120bが回転可能にカバー部材110Aに軸支されている。第1リンク部材120の先端部120cは、第2リンク部材121の基端部121aに連結されている。第2リンク部材121は、長穴状の開口121bを有し、この開口121bにカバー部材110Aの裏面に突設されたピン110dが相対的に遊動可能となるように配置される。これにより、第2リンク部材121は、ピン110dを介して上下動可能に支持される。第2リンク部材121の先端部121cは、可変フラップ130の一端部を左右移動可能としつつこの一端部に連結されている。図151に示すように、ソレノイド111のプランジャ111aが下方に突き出た状態では、第1リンク部材120を介して第2リンク部材121が相対的に上位に位置し、これに伴い可変フラップ130が上端部を持ち上げられた姿勢(傾斜姿勢)となる。一方、図153に示すように、ソレノイド111のプランジャ111aが退避した状態になると、第1リンク部材120を介して第2リンク部材121が相対的に下位に位置し、これに伴い可変フラップ130が上端部を引き下げられた姿勢(水平姿勢)となる。
図149に示すように、可変フラップ130は、空間部110aにおいて下端部が回転軸131を介して回転可能に支持されており、通常時は上端部が下端部よりも開口部110cに近づくような傾斜姿勢に保たれる(図149において実線で示す姿勢)。一方、上述したようにソレノイド111のプランジャ111aが退避した状態になると、可変フラップ130は、空間部110aの下方を塞ぐような水平姿勢になる(図149において仮想線で示す姿勢)。図150に示すように、カバー部材110Bの内側部分において開口部110bの上縁付近には、弾力性を有する緩衝部材132が貼着されている。可変フラップ130が傾斜姿勢の状態では、風の流れが可変フラップ130を緩衝部材132の方方向へと押し出す力として作用し、可変フラップ130の上端部分が緩衝部材132に密接する。これにより、開口部110bと可変フラップ130との隙間から風が漏れることを効果的に防ぐことができる。開口部110bの右側には、先述した図32、図34、図35に示すような送風口80が位置する。
可変フラップ130が傾斜姿勢の場合、開口10ec(図35参照)から送出された風は、可変フラップ130に当って遮られ、開口部110bを抜けることなく空間部110aの下方へと導かれる(図152参照)。空間部110aの下方へと導かれた風は、アンダーカバー8cの通気口8ca(図35参照)を通って外部へと送出される。一方、可変フラップ130が水平姿勢の場合、開口10ec(図35参照)から送出された風は、可変フラップ130に遮られることなく概ねまっすぐ流れ、空間部110aを通って開口部110bへとまっすぐ抜ける(図154参照)。開口部110bを抜けた風は、右下側面カバー8baの送風口80(図34、図35参照)を通って外部へと送出される。送風口80と概ねまっすぐ対向する位置には、発射装置26の発射ハンドル26bが配置されており、送風口80から出た風は、発射ハンドル26bを把持する遊技者の手に当たる。このように、通常時は発射ハンドル26bの方へと風が漏れることなく下方へと導かれる一方、演出音等に応じて発射ハンドル26bの方へと風を導く際には、開口10ecから空間部110a及び開口部110c,110b並びに送風口80へと至る風の流路が概ねまっすぐ形成されるので、発射ハンドル26bを握る遊技者の手まで風圧をできる限り弱めることなく風を到達させることができる。
このような送風機構110によれば、スピーカ10cから音が出力されるのに伴いエンクロージャ10eの開口10ecから流出する空気流が、可変フラップ130の水平姿勢によって直線的に案内されると発射ハンドル26bの方へと導かれる一方、可変フラップ130の傾斜姿勢によって曲折して下方へと案内されると発射ハンドル26bの方へと導かれなくなるので、送風機構110の小型化を図りつつも発射ハンドル26bの方には抵抗なく十分な風量をもって空気流を導くことができ、スピーカユニット10の小型化及び簡素化を図ることができる。
また、可変フラップ130が傾斜姿勢にあるときでも、可変フラップ130の上端部と相対する接触面との間から緩衝部材132によって空気流が漏れないようにすることができるので、発射ハンドル26bの方には抵抗なく十分な風量をもって空気流を導く一方、下方へと空気流を導く際には発射ハンドル26bの方に風が漏れないようにすることができる。
「第5実施形態」
次に、第5実施形態に係るパチンコ遊技機について図面を参照して説明する。なお、先述した第1~第4実施形態に係るものと同一又は類似の構成要素については、同一符号を付してその説明を省略する。図155~図199は、第5実施形態に係るパチンコ遊技機を説明するための図である。なお、図155~図199においては、便宜上、適宜部品の図示を省略している。
第5実施形態に係るパチンコ遊技機は、主として、本体サブユニット440における第1演出ユニット4000の動作及び構造、本体サブユニット440における第2演出ユニット5000の動作及び構造、遊技盤1の球通路構造に特徴を有する。これらの特徴的な構造について図面を参照して以下に順に説明する。
[本体サブユニットの構造]
図155及び図156は、本体サブユニット440を示す斜視図、図157は、本体サブユニット440を示す正面図、図158及び図159は、本体サブユニット440を示す分解斜視図である。
本実施形態の本体サブユニット440は、図示しない本体ユニット400の取付枠410(図62及び図63参照)に対して遊技盤1や液晶表示装置4等を一体的に装着するためのものである。図158及び図159に示すように、本体サブユニット440は、本体ケース441、遊技盤1、液晶表示装置4、第1演出ユニット4000、第2演出ユニット5000、及び装飾ユニット6000を有して構成される。
本体ケース441は、液晶表示装置4の表示領域4dを前方に露出させる開口部442を有し、矩形箱状に形成されている。本体ケース441の背面には、液晶表示装置4が表示領域4dを開口部442に対向させるように取り付けられる。本体ケース441の前面奥側の左右側部から下部には、第1演出ユニット4000が配置される。本体ケース441の前方内部における左右側部から下部には、第1演出ユニット4000が配置される。本体ケース441の前方内部における上部には、第2演出ユニット5000が取り付けられる。本体ケース441の前方内部における下部には、第1演出ユニット4000よりも前方に位置するように装飾ユニット6000が取り付けられる。本体ケース441の前面には、遊技盤1が取り付けられる。遊技盤1には、液晶表示装置4の表示領域4dを前方に露出させるための開口領域1dが形成されており、この開口領域1dの外周に遊技球が転動可能な遊技領域1pが形成される。開口領域1dは、液晶表示装置4の表示領域4dを前方に臨ませるだけでなく、表示領域4dと重なって出現した状態の第1演出ユニット4000や第2演出ユニット5000を遊技者に対して視認可能とする。このような開口領域1dは、第1演出ユニット4000等の出現を見ることが可能な視野面となる。装飾ユニット6000は、遊技盤1の透明な下部分を通して遊技者に視認可能となるように配置される。第1演出ユニット4000及び第2演出ユニット5000については後述する。また、遊技盤1に設けられた球通路カバー7000等についても後述する。
[第1演出ユニット]
図160は、第1演出ユニット4000を示す斜視図、図161は、第1演出ユニット4000を示す正面図、図162は、第1演出ユニット4000を示す背面図、図163は、第1演出ユニット4000を示す側面図、図164は、第1演出ユニット4000の一部を示す上面図、図165は、第1演出ユニット4000における下ユニット4100の動作を説明するための正面図、図166は、第1演出ユニット4000における下ユニット4100の動作を説明するための背面図、図167は、第1演出ユニット4000における左ユニット4200の動作を説明するための正面図、図168は、第1演出ユニット4000における左ユニット4200の動作を説明するための背面図、図169は、第1演出ユニット4000における左ユニット4200の動作を説明するための斜視図、図170は、第1演出ユニット4000における右ユニット4300の動作を説明するための正面図、図171は、第1演出ユニット4000における右ユニット4300の動作を説明するための背面図、図172は、第1演出ユニット4000における右ユニット4300の動作を説明するための側面図、図173は、第1演出ユニット4000における右ユニット4300の動作を説明するための斜視図、図174は、第1演出ユニット4000における直立ユニット4400の動作を説明するための正面図、図175は、第1演出ユニット4000における直立ユニット4400の動作を説明するための背面図、図176は、第1演出ユニット4000における直立ユニット4400の動作を説明するための側面図、図177は、第1演出ユニット4000における直立ユニット4400の動作を説明するための上面図、図178は、第1演出ユニット4000における直立ユニット4400の動作を説明するための斜視図である。
図160~図164に示すように、第1演出ユニット4000は、下ユニット4100、左ユニット4200、右ユニット4300、及び直立ユニット4400を有して構成される。下ユニット4100は、第1演出ユニット4000の下方において上下方向に移動可能に設けられる。左ユニット4200は、第1演出ユニット4000の左側において開口領域1d(視野面)に垂直な水平軸周りに回転可能に設けられる。右ユニット4300は、第1演出ユニット4000の右側において開口領域1dに垂直な水平軸周りに回転可能に設けられる。直立ユニット4400は、右ユニット4300よりも前方に配置され、開口領域1dに沿う鉛直軸周りに反転可能に設けられる。
図161及び図162に示すように、下ユニット4100は、主として、下可動体4110、ベース部材4120、一対のリンク部材4130,4140、ラック部材4150、複数の歯車4160~4162、及びモータ4170を有して構成される。左ユニット4200は、主として、左可動体4210、ベース部材4220、アーム部材4230、複数の歯車4240~4242、及びモータ4250を有して構成される。右ユニット4300は、主として、右可動体4310、ベース部材4320、アーム部材4330、複数の歯車4340~4343、及びモータ4350を有して構成される。図160~図164に示すように、直立ユニット4400は、主として、直立可動体4410、ベース部材4420、複数の歯車4430~4433、及びモータ4440を有して構成される。
[下ユニット]
下ユニット4100において、下可動体4110は、遊技者から見えない開口領域1dより下方の退避位置から開口領域1dの下縁付近の出現位置へと上下方向にスライド移動可能な部材である。下可動体4110は、内部に発光手段を有しており、出現の際に発光する。下可動体4110の構造については後述する。図162及び図166に示すように、下可動体4110の裏面には、左右一対の支持部4111,4112が設けられており、ベース部材4120に形成された上下縦長状の案内溝4121,4122に支持部4111,4112が??動可能に支持されている。また、下可動体4110の下部は、リンク部材4130,4140の先端部4132、4142に当接しており、リンク部材4130,4140が所定方向に回転して先端部4132、4142が上方に移動すると、先端部4132、4142に持ち上げられるようにして下可動体4110が上方に移動して出現位置へと現れる。その逆に、リンク部材4130,4140が所定方向とは逆方向に回転して先端部4132、4142が下方に移動すると、先端部4132、4142に持ち下げられるようにして下可動体4110が下方に移動して退避位置へと戻る。
図162、図165、及び図166に示すように、下ユニット4100において、ベース部材4120には、上記した案内溝4121,4122のほか、リンク部材4130,4140の先端部4132、4142を??動可能に案内するための円弧状の湾曲溝4123,4124が形成されている。リンク部材4130,4140の基端部には、ピニオン4131,4141が設けられており、これらのピニオン4131,4141が回転すると、リンク部材4130,4140の先端部4132、4142が湾曲溝4123,4124に沿って回転移動する。ベース部材4120の背後には、左右方向に移動可能にラック部材4150が配置されている。ラック部材4150には、上向きのラック4151と下向きのラック4152とが形成されている。上向きのラック4151は、左側のリンク部材4130のピニオン4131と噛合されており、下向きのラック4152は、右側のリンク部材4140のピニオン4141と噛合されている。
図166を参照して説明すると、図中右側のピニオン4131が図中で反時計回りに回転すると、リンク部材4130の先端部4132が下方から上方へと湾曲溝4123に沿って回転移動する。その際、ピニオン4131と噛合された上向きのラック4151が図中右方向へと転移することとなり、ラック部材4150全体も図中右方向へと移動する。すると、図中左側に配置された下向きのラック4152も図中右方向へと転移する。その結果、下向きのラック4152と噛合されたピニオン4141が図中で時計回りに回転し、リンク部材4140の先端部4142が下方から上方へと湾曲溝4124に沿って回転移動する。図中右側のピニオン4131を図中で時計回りに回転させた場合は、上記とは逆の挙動となる。これにより、一方のピニオン4131を回転させるだけで左右一対のリンク部材4130,4140を連動させ、それらの先端部4132,4142を同時に上下変位させることができ、ひいては下可動体4110を上下方向に容易にスライド移動させることができる。
リンク部材4130,4140、ラック部材4150、複数の歯車4160~4162、及びモータ4170は、下可動体4110を上下移動させるための駆動手段としてベース部材4120に設けられている。リンク部材4130のピニオン4131は、複数の歯車4160~4162を介してモータ4170の駆動力が伝えられ、モータ4170の回転方向に応じて正逆両方向に回転可能である。
[左ユニット]
左ユニット4200において、左可動体4210は、遊技者から見えない開口領域1dより左側の退避位置から開口領域1dに出現した下可動体4110の上端部左側に接する開口領域1dの左側の出現位置へと前後方向に沿う水平軸周りに回転可能な部材である。左可動体4210は、内部に発光手段を有しており、出現の際に発光する。左可動体4210の構造については、下可動体4110の構造と同様であるため省略する。図166及び図168に示すように、左可動体4210は、端部に支持部4211が設けられており、この支持部4211が同図において省略されたベース部材4220に回転可能に支持されている。支持部4211から離間した左可動体4210の端部には、アーム部材4230の一端が回動自在に連結されている。アーム部材4230の他端は、歯車4242の側部に回動自在に連結されている。
図168を参照して説明すると、歯車4242が図中で反時計回りに回転すると、アーム部材4230が左可動体4210の端部に回転モーメントを付与する。これにより、左可動体4210は、支持部4211を中心に下方に向けて回転し、下可動体4110の上端部左側と合体するように出現位置へと現れる。その逆に、歯車4242が図中で時計回りに回転すると、アーム部材4230が左可動体4210の端部に逆方向の回転モーメントを付与する。これにより、左可動体4210は、支持部4211を中心に上方に向けて回転し、下可動体4110の左側上端部から離れるように退避位置へと戻る。
アーム部材4230、複数の歯車4240~4242、及びモータ4250は、左可動体4210を回転移動させるための駆動手段としてベース部材4220に設けられている。アーム部材4230は、複数の歯車4240~4242を介してモータ4250の駆動力が伝えられ、モータ4250の回転方向に応じて正逆両方向に回転可能である。
[右ユニット]
右ユニット4300において、右可動体4310は、遊技者から見えない開口領域1dより右側の退避位置から開口領域1dに出現した下可動体4110の上端部右側に接する出現位置へと前後方向に沿う水平軸周りに回転可能な部材である。右可動体4310は、退避位置にある状態において、直立可動体4410の背後に位置する。右可動体4310は、内部に発光手段を備えておらず、出現の際には下可動体4110からの光を受けて自ら発光しているように見える。これについては、右可動体4310の構造とともに後述する。図168及び図171に示すように、右可動体4310は、図示省略するが、左可動体4210と同様に、端部に支持部が設けられており、この支持部が同図において省略されたベース部材4320に回転可能に支持されている。支持部から離間した右可動体4310の端部には、アーム部材4330の一端が回動自在に連結されている。アーム部材4330の他端は、歯車4343の側部に回動自在に連結されている。
図171を参照して説明すると、歯車4343が図中で時計回りに回転すると、アーム部材4330が右可動体4310の端部に回転モーメントを付与する。これにより、右可動体4310は、支持部を中心に下方に向けて回転し、下可動体4110の上端部右側と合体するように出現位置へと現れる。その逆に、歯車4343が図中で反時計回りに回転すると、アーム部材4330が右可動体4310の端部に逆方向の回転モーメントを付与する。これにより、右可動体4310は、支持部を中心に上方に向けて回転し、下可動体4110の右側上端部から離れるように退避位置へと戻る。
アーム部材4330、複数の歯車4340~4343、及びモータ4350は、右可動体4310を回転移動させるための駆動手段としてベース部材4320に設けられている。アーム部材4330は、複数の歯車4340~4343を介してモータ4350の駆動力が伝えられ、モータ4350の回転方向に応じて正逆両方向に回転可能である。
[直立ユニット]
直立ユニット4400において、直立可動体4410は、開口領域1dの右側に一部視認し得る状態に配置されている(図157参照)。直立可動体4410は、前面部4410Aと背面部4410Bとを有し、これらのうち背面部4410Bが下可動体4110、左可動体4210、及び右可動体4310と統一したモチーフのデザインで装飾が施されている。直立可動体4410は、背面部4410Bが裏向き状態となる退避位置から開口領域1dの右側に背面部4410Bの一部が見える出現位置へと上下方向に沿う鉛直軸(回転軸S)周りに回転可能な部材である。図172に示すように、直立可動体4410は、背面部4410Bが退避位置にある状態(裏向き状態)において、前面部4410Aが回転軸Sよりも前方に位置するように側面視略コ字状に形成されている。これにより、背面部4410Bが退避位置にある状態では、直立可動体4410の背後に大きな空間が形成され、この空間を退避スペースとして右可動体4310が退避される。図176に示すように、右可動体4310が出現位置へと回転移動すると、右可動体4310の退避スペースを占有しつつ背面部4410Bが反転可能となる。すなわち、直立可動体4410の背面部4410Bが退避位置から反転して出現位置にある状態(表向き状態)になる。直立可動体4410は、内部に発光手段を有しており、背面部4410Bが反転して表向き状態となった際に発光する。なお、直立ユニット4400の前方には、開口領域1dに露出することなく直立可動体4410と重ならない位置において上下方向に延びるように球回収通路部材9000が設けられる。
図178に示すように、直立可動体4410は、縦長フレーム状のベース部材4420に回転可能に支持されている。図164に示すように、直立可動体4410の上部には、歯車4433が設けられており、この歯車4433に連動して直立可動体4410が回転軸S周りに回転する。
図164、図170~図172、図174~図176を参照して説明すると、図170~図172に示すように、直立可動体4410の前面部4410Aが表向きの状態(背面部4410Bが裏向きの状態)において、歯車4443が図164で時計回りに回転すると、図174~図176に示すように、直立可動体4410が180度反転して前面部4410Aが裏向きの状態となる。すなわち、背面部4410Bが表向きの状態となって出現位置に現れる。その逆に、図174~図176に示すように、直立可動体4410の前面部4410Aが裏向きの状態(背面部4410Bが表向きの状態)において、歯車4443が図164で反時計回りに回転すると、直立可動体4410が逆向きに反転し、図170~図172に示すように、直立可動体4410の前面部4410Aが表向きの状態となり、背面部4410Bが裏向きの状態となって退避位置に戻る。
複数の歯車4440~4443、及びモータ4440は、直立可動体4410を回転軸S周りに反転させるための駆動手段としてベース部材4420に設けられている。直立可動体4410は、複数の歯車4440~4443を介してモータ4450の駆動力が伝えられ、モータ4450の回転方向に応じて正逆両方向に180度反転可能である。
[第1演出ユニットの動作]
次に、図165~図178を参照して第1演出ユニット4000の動作について説明する。
まず、下可動体4110、左可動体4210、右可動体4310、及び直立可動体4410は、当初において退避位置にある状態とする。この状態から、図165~図166に示すように、下可動体4110が下方の退避位置から上方の出現位置へと移動する。すると、特に図示しないが、遊技盤1の開口領域1dの下縁に沿って下可動体4110が出現する。
次に、下可動体4110が出現位置にある状態において、図167~図169に示すように、左可動体4210が左側の退避位置から下方の出現位置へと回転移動する。これにより、左可動体4210は、下可動体4110の上端部左側に合体した状態となる。
次に、下可動体4110及び左可動体4210が出現位置にある状態において、図170~図173に示すように、右可動体4310が右側の退避位置から下方の出現位置へと回転移動する。これにより、右可動体4310は、下可動体4110の上端部左側から上端部中央にわたって合体した状態となる。
次に、最終的には、下可動体4110、左可動体4210、及び右可動体4310が出現位置にある状態において、図174~図178に示すように、直立可動体4310の背面部4410Bが裏向きとなった退避位置から表向きの出現位置へと反転する。これにより、直立可動体4310の背面部4410Bは、下可動体4110、左可動体4210、及び右可動体4310と一体になって統一したモチーフの立体的な装飾が施された演出物の全体像が完全に出現した状態となる。
このような第1演出ユニット4000によれば、上下移動する下可動体4110、水平軸周りに回転移動する左可動体4210及び右可動体4310、並びに鉛直軸周りに反転する直立可動体4410を各々異なる動作態様によって遊技盤1の開口領域1dに順次出現させ、最終的に演出物の全体像を遊技者に視認させることができるので、動作態様が多様となり、多彩な演出効果として合体時のダイナミックさを高め、ひいては面白味や興趣を高めることができる。なお、下可動体4110、左可動体4210及び右可動体4310、並びに直立可動体4410の動作態様は、互いに異なっていればよく、上記した上下移動や水平軸周りの回転、鉛直軸周りの回転に限定されず、斜め方向や奥行き方向(前後方向)の動きでもよいことはいうまでもない。
また、下可動体4110、左可動体4210、及び右可動体4310を遊技盤1の開口領域1dに出現させた後、部分的に前面部4410Aが見える直立可動体4410を反転させることで背面部4410Bを出現させることにより、連続的な異なる動作によって演出物の全体像を視認させることができるので、動作態様が多彩で連動性のある演出効果として面白味や興趣を高めることができる。なお、上記実施形態では、上下移動する下可動体4110、水平軸周りに回転移動する左可動体4210及び右可動体4310、並びに鉛直軸周りに反転する直立可動体4410でもって1つの構成物を形成したが、上記実施形態よりも可動体の数を少なくしてもよいし、多くしてもよいことは言うまでもない。例えば、可動体の数を少なくして、上下移動する可動体と、水平軸周りに回転移動する可動体と、鉛直軸周りに反転する可動体の3つの可動体で1つの構成物を構成してもよい。
[第1演出ユニットの導光構造]
図179は、下可動体4110、左可動体4210、及び右可動体4310を示す斜視図、図180は、下可動体4110、左可動体4210、及び右可動体4310を示す分解斜視図、図181は、右可動体4310を示す分解斜視図、図182は、下可動体4110及び右可動体4310の一部を示す斜視図、図183は、下可動体4110、左可動体4210、及び右可動体4310を示す一部切り欠き側面図である。なお、第1演出ユニット4000においては、下可動体4110と右可動体4310との導光構造に特徴を有するため、これらの導光構造を主として説明する。
図180に示すように、下可動体4110は、ベース板4113、発光基板4114、中間フレーム部材4115、複数の導光部材4116、前面装飾部材4117、及び上縁レンズ部材4118を有して構成される。左可動体4210は、上部装飾部材4212、前面装飾部材4213、及び上縁レンズ部材4214を有して構成される。右可動体4310は、上部装飾部材4311、支持部材4312、上縁レンズ部材4313、及び上縁装飾部材4314を有して構成される。
下可動体4110において、ベース板4113の前面には、発光基板4114が取り付けられる。図183に示すように、発光基板4114の前面には、複数のLED4114Aが設けられており、LED4114Aの光が概ね前方に向けて照射される。発光基板4114の前面には、LED4114Aを前方に露出させるように中間フレーム部材4115が設けられる。中間フレーム部材4115の前面には、LED4114Aからの光を前方に導くように複数の導光部材4116が設けられる。導光部材4116は、LED4114Aからの光を前方だけでなく側方にも導く。また、中間フレーム部材4115の前面には、複数の導光部材4116を覆うように前面装飾部材4117が取り付けられる。前面装飾部材4117は、モチーフに応じたデザインで透光性を有する装飾レンズとして形成されている。図183に示すように、LED4114Aからの光は、導光部材4116を通って前面装飾部材4117へと導かれ、さらに前面装飾部材4117を透過して前方へと照射される。図182に示すように、前面装飾部材4117の上部中央には、右可動体4310が合体時に近接する後述の上縁レンズ部材4313を位置決めするための凹部4117Aが形成されている。また、中間フレーム部材4115の右上部分には、前面装飾部材4117の右上端部に近接するように上縁レンズ部材4118が取り付けられる。上縁レンズ部材4118は、モチーフに応じた横長波状のデザインで透光性を有する装飾レンズとして形成されている。特に図示しないが、LED4114Aからの光は、導光部材4116を通って上縁レンズ部材4118へと導かれ、さらに上縁レンズ部材4118を透過して前方へと照射される。なお、上縁レンズ部材4118は、後述する右可動体4310の上縁レンズ部材4313と同様の形状に形成されている。
左可動体4210は、特に細部について図示しないが、下可動体4110と同様に発光基板や導光部材を内蔵しており、発光基板のLEDからの光が導光部材を通って前面装飾部材4213や上縁レンズ部材4214へと導かれ、これら前面装飾部材4213及び上縁レンズ部材4214を透過して前方へと照射される。
右可動体4310は、下可動体4110や左可動体4210とは異なり、発光基板を備えておらず、下可動体4110のLED4114Aからの光を利用してあたかも自ら発光して見えるように構成されている。図180に示すように、右可動体4310において、上部装飾部材4311は、モチーフ(砲台及び甲板)に応じたデザインの装飾形状に形成されている。上部装飾部材4311の左前上端部には、支持部材4312が取り付けられる。支持部材4312の前面には、合体時に下可動体4110の上縁レンズ部材4118や左可動体4210の上縁レンズ部材4214と横方向に連続するように上縁レンズ部材4313が設けられている。上縁レンズ部材4313は、下可動体4110との合体時に凹部4117Aに対応する凸部(図示略)を有し、この凸部が凹部4117Aに嵌合することで下可動体4110の上端部中央に位置決めされる。上縁レンズ部材4313は、上縁レンズ部材4118等と統一したモチーフ(甲板の端部に設けられた手??)に基づく横長波状のデザインで透光性を有する装飾レンズとして形成されている。図183に示すように、上縁レンズ部材4313は、下方から上方へと前方にせり出すように屈曲状に形成されている。このような上縁レンズ部材4313は、合体時に下可動体4110のLED4114Aからの光を凹部4117Aに対応する凸部を含む下端部から受け、その光を内部において屈折・反射させつつ上縁レンズ部材4313において前方に突出した部分(手??部分)のみ前方へと光が照射するようになっている。ただし、下可動体4110が出現位置にあっても右可動体4310が退避位置にある状態では、下可動体4110のLED4114Aからの光が上縁レンズ部材4313に入射することはない。上縁レンズ部材4313の下部には、上縁装飾部材4314が取り付けられる。上縁装飾部材4314は、下可動体4110の前面装飾部材4117と統一したデザインの装飾形状に形成されている。
このような右可動体4310によれば、発光基板を備えずに下可動体4110と合体するように出現させても、下可動体4110のLED4114Aからの光を受け、この光が上縁レンズ部材4313を通って前方に照射されるので、発光演出による演出効果を高めつつも部品のコストダウンを図ることができる。
また、下可動体4110のLED4114Aからの光は、下可動体4110の上縁レンズ部材4118を通じて屈折・反射しつつ前方に照射されるだけでなく、右可動体4310の上縁レンズ部材4313によっても屈折・反射しつつ前方に照射されるので、同様の統一感のある発光演出を行い、そのような発光演出による発光効率を高めることができる。さらに、上縁レンズ部材4313は、合体時に下可動体4110の上縁レンズ部材4118や左可動体4210の上縁レンズ部材4214と横方向に連続するように設けられているので、それぞれの上縁レンズ部材の端部から入光してくる光によって光量が補填され、さらに鮮やかな発光を実現できる。
なお、本実施形態においては、左可動体4210が下可動体4110と同様に発光基板を有して自ら発光するように構成されるが、左可動体4210を右可動体4310と同様に発光基板を備えないものとし、左可動体4210においても下可動体4110のLED4114Aからの光を受けて前方に導くように構成してもよい。
[第2演出ユニット]
図184は、第2演出ユニット5000を示す斜視図、図185は、第2演出ユニット5000を示す正面図、図186は、第2演出ユニット5000を示す上面図、図187は、第2演出ユニット5000を示す背面図、図188は、第2演出ユニット5000における上下動ユニット5200の動作を説明するための斜視図、図189は、第2演出ユニット5000における上下動ユニット5200の動作を説明するための正面図、図190は、第2演出ユニット5000における上下動ユニット5200の動作を説明するための背面図である。
図184~図187に示すように、第2演出ユニット5000は、揺動ユニット5100及び上下動ユニット5200を有して構成される。揺動ユニット5100は、第2演出ユニット5000の上方の所定位置において左右方向の水平軸周りに揺動可能に設けられている。揺動ユニット5100は、開口領域1dの上端側に視認し得る状態に配置されている(図157参照)。上下動ユニット5200は、第2演出ユニット5000の上方において揺動ユニット5100の背後となる遊技者から見えない退避位置から揺動ユニット5100の下方の出現位置へと移動可能に設けられる。本実施形態においては、上下動ユニット5200に主な特徴を有するため、以下においては、上下動ユニット5200について説明する。
[上下動ユニットの構造・動作]
図185~図187、図189、及び図190に示すように、上下動ユニット5200は、前面装飾部材5210、背面部材5211、連結支持部材5220、ガイド部材5230、ばね部材5240、滑車部材5241、左右一対のアーム部材5250,5251、歯車5260、モータ5270、揺動機構5280を有して構成される。なお、図185に示すように、ガイド部材5230、滑車部材5341、ばね部材5240の他端5240B等は、本体ケース441の内部面(図158参照)に固定されている。
上下動ユニット5200において、前面装飾部材5210は、モチーフに応じたデザインで透光性を有する装飾レンズとして形成されており、背面部材5211に設けられた揺動機構5280を介して背面部材5211に支持されている(図187及び図190参照)。前面装飾部材5210の背面側には、図示しない発光基板や導光部材が設けられる。前面装飾部材5210及び背面部材5211は、互いに一体となって連結支持部材5220に支持されており、遊技者から見えない揺動ユニット5100の背後の退避位置から揺動ユニット5100より下方の出現位置へと上下方向に移動可能である。
図187及び図190に示すように、連結支持部材5220は、背面部材5211を片持ち支持するように背面部材5211の片側部分(左側部分)に連結されている。連結支持部材5220の先端部5221は、??動部分としてガイド部材5230に沿って上下方向に移動可能に支持されている。ガイド部材5230は、本体ケース441に固定されている。ばね部材5240は、その一端5240Aが連結支持部材5220の適部に係止されるとともに、他端5240Bが本体ケース441の適部に係止される。ばね部材5240は、連結支持部材5220が下方から上方へと移動する際に弾性収縮力によって移動を補助する役割を果たす。ばね部材5240は、その中間部分の側部が本体ケース441に固定された滑車部材5241に当接することで略直角に曲げられており、一端5240Aから滑車部材5241に接するまでの部分がガイド部材5230によって移動案内される方向、すなわち概ね上下方向に沿うように配置される一方、滑車部材5241から他端5240Aまでの部分が概ね左右方向に沿うように配置される。これにより、ばね部材5240は、弾性限界が比較的大きくて長いものが用いられる。その結果、連結支持部材5220とともに前面装飾部材5210及び背面部材5211は、上下方向に移動するストロークが相当大きくなっている。
図190に示すように、左右一対のアーム部材5250,5251は、それらの先端部が背面部材5211に設けられた案内溝5211A,5211Bに??動可能に連結されている。アーム部材5250,5251の基端部は、前後方向に沿う水平軸周りに回転可能に支持されている。一方のアーム部材5250の基端部は、図示しないリンク部材を介して歯車5260と連結されており、この歯車5260に連動してアーム部材5250が回転することにより背面部材5211と一体となって前面装飾部材5210が上下方向に移動する。アーム部材5250は、歯車5260を介してモータ5270の駆動力が伝えられ、モータ5270の回転方向に応じて正逆両方向に回転可能である。歯車5260やモータ5270は、ベース部材に取り付けられている。
具体的には、図187に示すように、前面装飾部材5210及び背面部材5211が揺動ユニット5100背後の退避位置にある状態において、歯車5260が図187で反時計回りに回転すると、図190に示すように、アーム部材5250,5251が下方向に回転し、前面装飾部材5210及び背面部材5211が連結支持部材5220を介してガイド部材5230に案内されつつ下方の出現位置へと移動する。その際、ばね部材5240は、連結支持部材5220に対して下方に変位するほど上向きの弾性収縮力を強める。ただし、前面装飾部材5210及び背面部材5211が所定の出現位置にあって連結支持部材5220が最下位に位置しても、ばね部材5240のみの弾性収縮力によってはこれらを引き上げるほどの力が発生せず、あくまでも上方に移動する際の補助的な弾性収縮力が作用するにすぎない。そのため、図190に示す状態から図187に示す状態へとアーム部材5250,5251を介して前面装飾部材5210及び背面部材5211が上方へと移動させられる際には、これらを上方へと引き戻そうとする適度な弾性収縮力がばね部材5240によって補助的に付与される。このようなばね部材5240は、左右方向に沿う部分がガイド部材5230から離れて邪魔にならない上下動ユニット5200の上方の空きスペースに配置される。
このような上下動ユニット5200によれば、ばね部材5240の一端5240Aから滑車部材5241までの部分については、前面装飾部材5210及び背面部材5211を上下移動させる上下方向に伸長するように配置される一方、ばね部材5240の他端5240Bから滑車部材5241までの部分については、上下移動の方向とは異なる左右方向に伸長するように配置することができる。これにより、上下移動を補助するためのばね部材5240の長さに応じて上下動ユニット5200の移動ストロークをより大きくすることができる。
また、上下動ユニット5200において、構成部品等に邪魔されない空きスペースにばね部材5240を曲げた姿勢で配置することができるので、比較的長いばね部材5240でも支障なく上下動ユニット5200に配置することができる。
なお、本実施形態において、ばね部材5240は、滑車部材5241によって概ね上下方向に沿う部分と左右方向に沿う部分とに屈曲変形する姿勢で配置されるが、配置スペースによっては、滑車部材5241を介してばね部材5240を例えば上下方向から前後方向に屈曲変形する姿勢で配置するようにしてもよい。また、上記したばね部材5240以外にも、ゴム等の弾性部材を用いてもよく、伸縮して付勢力が生じる部材であれば本発明に適用できることはいうまでもない。
[遊技盤]
図191は、遊技盤1を示す正面図、図192及び図193は、遊技盤1の要部を示す分解斜視図、図193は、遊技盤1の要部を示す分解斜視図、図194は、遊技盤1における球通路カバー7000を示す斜視図、図195は、遊技盤1における球通路カバー7000を示す背面図、図196は、遊技盤1における開閉ユニット8000を示す斜視図、図197は、遊技盤1における開閉ユニット8000の動作を説明するための斜視図、図198は、遊技盤1における開閉ユニット8000の動作を説明するための一部切り欠き斜視図、図199は、遊技盤1における開閉ユニット8000の動作を説明するための一部切り欠き上面図である。
図157及び図191に示すように、遊技盤1は、球発射通路40、ステージ41、第1始動口42、第2始動口43、第2始動口43を開閉する開閉ユニット8000、通過ゲート44、第1大入賞口45、第1大入賞口45を開閉する第1大入賞口シャッタ45A、第2大入賞口46、第2大入賞口46を開閉する大入賞口シャッタ46A、複数の一般入賞口47、アウト口48、球通路カバー7000(図191において図示略)等を備える。なお、本実施形態のパチンコ遊技機では、第1始動口42、第2始動口43、通過ゲート44、第1大入賞口45、第2大入賞口46、及び一般入賞口47により遊技球が通過により入賞可能な入賞領域が形成される。図191は、球通路カバー7000を取り外した状態を示している。
球発射通路40は、遊技盤1に向かって左側から概ね中央上部へと延びるように配設され、一対の外レールと内レールとによって形成される。外レールは、遊技領域1p全体を囲むように配置されている。内レールは、外レールとともに遊技球を遊技盤1の上部に案内するためのものであり、遊技盤1の左側において外レールの内側に配設されている。
ステージ41は、遊技領域1pにおける遊技球の流化領域を振り分けるものであり、開口領域1dの下縁部に沿って配置されている。
図外の発射装置26によって発射された遊技球は、遊技盤1に打ち込まれた遊技釘(符号略)やステージ41等との衝突により、その進行方向を変えながら遊技盤1の下方に向かって流下する。この過程において、遊技球は、第1始動口42、第2始動口43、大入賞口46、一般入賞口47のいずれかに入賞することで回収され、また、入賞しなかった場合や、通過ゲート44を通過してその後入賞しなかった場合にアウト口48から排出されることで回収される。
第1始動口42及び第2始動口43は、遊技球が入賞(通過)することを条件に抽選の契機を与えるとともに、抽選の結果を図外の液晶表示装置4等に表示させる契機を与えるものである。
第1始動口42は、遊技盤1の中央で概ね下方位置に設けられている。第1始動口42に遊技球が入賞すると、予め設定されている数の遊技球が図外の上皿17又は下皿18に払い出される。第1始動口42への遊技球の入賞は、第1始動口スイッチ311(図40参照)により検出される。
第2始動口43は、遊技盤1の右側で第1始動口42より上方位置に設けられている。第2始動口43に遊技球が入賞すると、予め設定されている数の遊技球が図外の上皿17又は下皿18に払い出される。第2始動口43は、普通電動役物としての後述する開閉ユニット8000の動作により開閉される。第2始動口43への遊技球の入賞は、第2始動口スイッチ312(図40、図191、図192参照)により検出される。
通過ゲート44は、第2始動口43を開放する契機を与えるものである。通過ゲート44への遊技球の入賞は、通過ゲートスイッチ314(図40、図191、図192参照)により検出される。なお、この通過ゲート44に遊技球が入賞しても、賞球は発生しない。
第1大入賞口45は、遊技者に有利な遊技状態である当り遊技状態(大当り遊技状態など)のときに開放されるものである。第1大入賞口45は、遊技領域1pの右側上部に設けられている。
第1大入賞口45には、これを開閉するための第1大入賞口シャッタ45Aが設けられている。第1大入賞口シャッタ45Aは、棒部材が前後方向に移動することで第1大入賞口45に遊技球を導く状態と、導かない状態とに切替可能となるように構成されている。このような第1大入賞口45は、遊技者に有利な遊技状態である大当り遊技状態のときに開放される。第1大入賞口シャッタ45Aは、第1大入賞口ソレノイド315A(図40参照)により開閉可能に駆動される。第1大入賞口45への遊技球の入賞は、第1大入賞口カウントスイッチ315(図40参照)により検出される。
第2大入賞口46も、遊技者に有利な遊技状態である当り遊技状態(大当り遊技状態など)のときに開放されるものである。第2大入賞口46は、遊技領域1pの右側下部にあって、第1始動口42の右側上方で第2始動口43の概ね左側下方に設けられている。
第2大入賞口46は、複数の遊技球が同時に入賞し得るように比較的左右方向の寸法が大きい開口からなる。第2大入賞口46は、第2大入賞口シャッタ46A及び後述する球通路カバー7000により形成される。第2大入賞口46は、遊技領域1pの右側下部に設けられている。第2大入賞口46は、第2大入賞口シャッタ46Aが開放状態にある時、遊技盤1の前面と球通路カバー7000との間に開放口として形成され、第2大入賞口シャッタ46Aが閉鎖状態にある時に閉鎖口となる。
第2大入賞口シャッタ46Aは、第2大入賞口46を覆うように左右方向に沿う長手方向寸法が比較的大きい板状部材である。第2大入賞口シャッタ46Aの短手方向寸法は、遊技球の直径程度である。第2大入賞口シャッタ46Aは、遊技盤1の前後方向に突出・退避可能に設けられている。第2大入賞口シャッタ46Aは、遊技盤1の前方に突出した状態が第2大入賞口46を閉鎖する閉鎖状態となり、遊技盤1の後方へと退避した状態が第2大入賞口46を開放する開放状態となる。第2大入賞口シャッタ46Aの上面は、閉鎖状態において比較的緩やかな左下がり傾向の傾斜面になっている。第2大入賞口シャッタ46Aは、第2大入賞口ソレノイド316A(図40参照)により開閉可能に駆動される。第2大入賞口46への遊技球の入賞は、第2大入賞口カウントスイッチ316(図40、図191、図192参照)により検出される。
一般入賞口47は、遊技盤1の適宜位置に一つ以上設けられている。この一般入賞口47に遊技球が入賞すると、抽選が行われないものの、所定数の賞球が払い出される。一般入賞口47への遊技球の入賞は、一般入賞口スイッチ310(図40参照)により検出される。
[球通路カバー]
図192~図195に示すように、球通路カバー7000は、通過ゲート44の付近から第2始動口43を経て第2大入賞口46へと遊技球を導く球通路T1~T5を形成するものであり、遊技領域1pの前面に所定の間隔をあけて対向するように取り付けられる。球通路カバー7000の前面は、透明な素材で形成されており、球通路T1~T5を通る遊技球を前方から視認可能となっている。球通路カバー7000の裏面には、複数のリブ7100,7110,7120,7130,7140、複数の凸部7200、第1減速部7300、及び第2減速部7310が形成されている。
図194及び図195に示すように、球通路カバー7000において、球通路T1は、通過ゲート44を通過した遊技球あるいは通過ゲート44から逸れた遊技球を下方へと落下するように導く縦長状の通路(縦通路)であり、遊技盤1の前面や開口領域1dの周縁壁とリブ7100により形成される。球通路T1の下方には、リブ7110が形成されている。球通路T1を通って落下してきた遊技球は、リブ7110において略水平状に形成された当接部7110Aに突き当たる。当接部7110Aの左側は、その先の第2始動口43へと遊技球を放出するように開放状の放出部7110Bが形成されている。また、当接部7110Aには、球通路T1を通って落下してきた遊技球を遊技領域1pの後面に向けて一旦跳ね返らせるように、遊技領域1pの後面に向けて傾斜した姿勢の第1減速部7300が形成され、跳ね返った遊技球は、遊技盤1の壁部によって転動を阻止され、転動速度が大幅に減速される。球通路T1を通って落下してきた遊技球は、第1減速部7300に当たることにより、直ぐに放出部7110Bの方へと跳ね返ることなく放出部7110Bへと向かう転動速度が低下させられる。これにより、球通路T1を経て放出部7110Bから放出された遊技球は、比較的緩慢な転動速度でゆっくりと第2始動口43へと向かう。なお、第1減速部7300は、当たった遊技球が遊技領域1pの前面に跳ね返るように形成してもよい。要するに、放出部7110B以外の方向に壁部が存在し、第1減速部7300に当たった遊技球がその壁部に転動を阻止されることで遊技球の転動速度が減速されればよい。
次に、球通路カバー7000において、球通路T2は、後述する開閉ユニット8000が第2始動口43を閉状態としている場合に、放出部7110Bから放出された遊技球を第2始動口43の上から開閉ユニット8000の内部を通過させつつさらに左側へと導く若干左下がりの通路であり、主として開閉ユニット8000により形成される。この球通路T2については、開閉ユニット8000の説明とあわせて後述する。
次に、球通路カバー7000において、球通路T3は、球通路T2を通過してきた遊技球をさらにその左側で落下させる通路であり、遊技盤1の前面とリブ7120,7130により形成される。リブ7120は、第2始動口43の左側に近接している。リブ7130は、リブ7120より下方に形成されており、リブ7120と高低差のある段差部7130Aを有する。段差部7130Aのさらに左側には、第2大入賞口46が位置する。球通路T3を経て落下した遊技球は、リブ7130の段差部7130Aに突き当たる。この段差部7130Aにおいても、球通路T3を経て落下してきた遊技球を遊技領域1pの前面に向けて一旦跳ね返らせるように、遊技領域1pの前面に向けて傾斜した姿勢の第2減速部7310が形成されている。球通路T3を経て落下してきた遊技球は、第2減速部7310に当たることにより、直ぐに第2大入賞口46の方へと跳ね返ることなく第2大入賞口46へと向かう転動速度が低下させられる。これにより、球通路T3を経て第2大入賞口46へと向かう遊技球についても、比較的遅い転動速度で転動させることができる。また、球通路T3に沿う球通路カバー7000の裏面部分には、凸部7200が形成されている。球通路T3を通過する際の遊技球は、凸部7200に当たることによっても転動速度が低下させられる。したがって、第2大入賞口46へと向かう遊技球は、比較的遅い転動速度で第2大入賞口46へと誘導される。
次に、球通路カバー7000において、球通路T4は、第2大入賞口46を図外の第2大入賞口シャッタ46Aにより閉状態としている場合に、その第2大入賞口シャッタ46Aの上面に沿って遊技球をさらに左側へと導く若干左下がりの通路であり、第2大入賞口シャッタ46Aと球通路カバー7000の裏面により形成される。球通路T4に沿う球通路カバー7000の裏面部分にも、凸部7200が形成されている。これにより、球通路T4を通過する際の遊技球は、凸部7200に当たることによって転動速度が低下させられる。その結果、複数の遊技球が停滞しながら第2大入賞口シャッタ46A上を転動することとなり、その際に第2大入賞口シャッタ46Aが開状態となると、一度に複数の遊技球が第2大入賞口46から同時に落下することで多くの入賞球数が期待される。
次に、球通路T5は、球通路T4を通過してきた遊技球をさらにその左側で落下させる通路であり、遊技盤1の前面とリブ7140により形成される。リブ7140は、第2大入賞口46の左側に近接している。球通路T5を経て落下した遊技球は、主として図外のアウト口48へと導かれる。
[開閉ユニット]
図196~図199に示すように、開閉ユニット8000は、基本的な構成部品として、本体部材8100、後カバー部材8200、羽根部材8300、及び羽根部材ソレノイド313(図示略)を有して構成される。
本体部材8100及び後カバー部材8200の内部には、球通路T2がU字状に形成される(図198、図199参照)。本体部材8100の前面右側には、放出部7110B(図194、図195参照)から転動してきた遊技球を内部に誘導するための入口部8110が形成されているとともに、本体部材8100の前面左側には、内部において転動する遊技球を外部に誘導するための出口部8120が形成されている。本体部材8100の内部には、入口部8110及び出口部8120を仕切ってU字状の球通路T2を形成するための仕切り部8130が形成されている。
後カバー部材8200は、本体部材8100の後部に取り付けられ、本体部材8100の仕切り部8130との間に遊技球が通過可能な内部空間を形成している。後カバー部材8200の内壁には、U字状の球通路T2に沿って転動する遊技球をスムーズに曲げるための凹湾曲部8210,8211が設けられている。
羽根部材8300は、第2始動口43から本体部材8100及び後カバー部材8200の内部にわたって球通路T2の底面を形成する可動部品である。羽根部材8300は、図示しない羽根部材ソレノイド313(図40参照)によって遊技盤1の前後方向に突出・退避するように駆動させられる。羽根部材8300は、前方に突出した状態において、第2始動口43を閉状態とする一方、後方に退避した状態において、第2始動口43を開状態とする。羽根部材8300は、第2始動口43を閉状態とする前側部分が右側から左側へと低位となるように段差状に形成されている。これにより、羽根部材8300が第2始動口43を閉状態とした場合には、後カバー部材8200の内部に遊技球をスムーズに流入させるための誘導湾曲部7115によって入口部8110から本体部材8100及び後カバー部材8200の内部に入ることで球通路T2に沿って導かれる。羽根部材8300が第2始動口43を閉状態あるいは開状態のいずれの場合にあっても、羽根部材8300の後側部分8320は、本体部材8100及び後カバー部材8200の内部において球通路T2の底面を形成している。この後側部分8320において、入口部8110の後方に続く部分から出口部8120の後方へと続く部分にかけては、球通路T2の進行方向に沿って低位となる傾斜状の連続面となっている。これにより、羽根部材8300が第2始動口43を閉状態としている場合には、入口部8110から出口部8120へと球通路T2に沿って複数の遊技球が比較的緩やかな速度でスムーズに導かれる。また、羽根部材8300が第2始動口43を開状態とした場合には、羽根部材8300の後側部分8320上に滞留している複数の遊技球が出口部8120からスムーズに排出され、第2始動口43の下方へと落下して入賞することとなる。第2始動口43への遊技球の入賞は、第2始動口スイッチ312(図40、図191、図192参照)により検出される。
図194及び図195に示すように、球通路T2に進入する直前の遊技球は、球通路T1を経て落下した後、第1減速部7300に当たることで直ぐに第2始動口43の方へと跳ね返ることなく、第2始動口43へと向かう転動速度が低下させられる。これにより、球通路T2に進入する直前で第2始動口43へと向かう遊技球は、比較的遅い転動速度で転動させることができる。その結果、複数の遊技球が球通路T2に沿って停滞しながら羽根部材8300上を転動することとなり、その際に羽根部材8300が開状態となると、一度に複数の遊技球が第2始動口43から同時に落下することで多くの入賞球数が期待される。
このような遊技盤1によれば、縦通路となる球通路T1に沿って落下してきた遊技球が当接部7110Aに突き当たって放出部7110Bから左方向に放出される際に、第1減速部7300によって遊技球の進行速度が減速されつつ当該遊技球が左方向に位置する第1始動口43及び羽根部材8300へと案内され。さらに、第1始動口43及び羽根部材8300を経て段差部7130Aへと落下してきた遊技球は、第2減速部7310によって進行速度が減速されつつ第2大入賞口46及び第2大入賞口シャッタ46Aへと案内される。これにより、遊技球の跳ね返りを抑えてスムーズに遊技球を放出部7110Bから第1始動口43及び羽根部材8300を経て第2大入賞口46及び第2大入賞口シャッタ46Aへと導くことができ、連続する複数の入賞領域に対しても複数の遊技球を十分減速させて連続的に導くことができ、また、羽根部材8300や第2大入賞口シャッタ46Aの傾斜を緩くしても球通路T1から球通路T5までの通路全体の落下距離を十分に維持することができ、ひいては放出部7110B付近や第2始動口43及び第2大入賞口46の羽根部材8300上や及び第2大入賞口シャッタ46A上における遊技球の球噛みや球詰まりを防ぎつつ多くの入賞球数を期待させることができる。
「第6実施形態」
次に、第6実施形態に係るパチンコ遊技機について図面を参照して説明する。なお、先述した第1~第5実施形態に係るものと同一又は類似の構成要素については、同一符号を付してその説明を省略する。図200~図260は、第6実施形態に係るパチンコ遊技機を説明するための図である。
第6実施形態に係るパチンコ遊技機は、主として、本体サブユニット440における第1演出ユニット4000の動作及び構造並びに発光態様、第1演出ユニット4000のベース部材4500の配線接続構造、本体ケース441の配線収容構造、透明板ユニット7’における導光板ユニット700’の構造及び発光動作に特徴を有する。これらの特徴的な構成について図面を参照して以下に順に説明する。
[本体サブユニットの構成]
図200は、透明板ユニット7’を分解して本体サブユニット440を示す斜視図、図201は、透明板ユニット7’を略して本体サブユニット440を示す斜視図、図202は、遊技盤1を示す正面図、図203は、本体サブユニット440を示す分解斜視図である。
図200及び図203に示すように、本実施形態の本体サブユニット440は、透明板ユニット7’、本体ケース441、遊技盤1、液晶表示装置4、ロゴ装飾部材1000、上部装飾パネル1100、下部装飾部材1200、第1演出ユニット4000、第2演出ユニット5000、及び第3演出ユニット5000’を有して構成される。
透明板ユニット7’は、遊技盤1の前面全体を覆うように配置される。透明板ユニット7’は、図133~図136に示すものと概ね同様の構成を備えるほか、開口部7Aaに対応するように設けられた導光板ユニット700’(図200において図示略、図238、図239等参照)を備える。本体ケース441の内部奥方の上部には、第1演出ユニット4000が配置される。本体ケース441の内部奥方の下部には、第3演出ユニット5000’が配置される。本体ケース441の内部において第1演出ユニット4000の前方上部には、第2演出ユニット5000が配置される。本体ケース441の内部において第1演出ユニット4000の前方下部には、下部装飾部材1200が配置される。本体ケース441の内部において遊技盤1と第2演出ユニット5000との間には、上部装飾パネル1100が配置される。遊技盤1の開口領域1dの上部において上部装飾パネル1100の前方には、ロゴ装飾部材1000が配置される。上部装飾パネル1100及び下部装飾部材1200は、透過性素材で形成された遊技盤1を通して前方から視認可能である。一方、第1演出ユニット4000、第2演出ユニット5000、及び第3演出ユニット5000’は、夫々待機状態にある場合、上部装飾パネル1100及び下部装飾部材1200の背後に位置し、遊技盤1を通しても前方から視認することができない。第1演出ユニット4000、第2演出ユニット5000、及び第3演出ユニット5000’は、各々出現状態になると、液晶表示装置4の表示領域4dの前方にあって開口領域1dに出現した状態となり、遊技盤1の前方から視認可能となる。第1演出ユニット4000、第2演出ユニット5000、第3演出ユニット5000’、本体ケース441、及び導光板ユニット700’については後述する。また、遊技盤1に設けられたステージ41及び大入賞口ユニット450等についても後述する。
[第1演出ユニット]
次に、第1演出ユニット4000の構成について、図204~図224を参照して説明する。図204~図212は、第1演出ユニット4000を示す図である。図213~図224は、左可動ユニット4600Aの駆動伝達機構4610Aを示す図である。なお、図204~図206は、第1演出ユニット4000の可動体が待機位置にある状態を示し、図207~図209は、第1演出ユニット4000の可動体が中間位置にある状態を示し、図210~図212は、第1演出ユニット4000の可動体が出現位置にある状態を示している。また、図213~図224は、基本的に駆動伝達機構4610Aが待機位置にある状態を示しているが、図219~図224は、待機位置から中間位置へと移動する直前の状態を示している。
図204~図212に示すように、第1演出ユニット4000は、主なアセンブリパーツとして、ベース部材4500、左可動ユニット4600A、及び右可動ユニット4600Bを有して構成される。左可動ユニット4600A及び右可動ユニット4600Bは、互いに左右対称な動作を行うものであり、それぞれの可動体4620A、4620Bがベース部材4500の左右両端の待機位置から中央の出現位置へと移動し、その後、再び出現位置から待機位置へと移動可能である。なお、左可動ユニット4600A及び右可動ユニット4600Bは、互いに左右対称の動作を行うもので左右反対の動きを実現する以外は同様の構成であるため、以下の説明においては、左可動ユニット4600A及び右可動ユニット4600Bに対応する構成パーツを末尾の符号「A」及び「B」で分け、特に断らない限り左可動ユニット4600Aの構成について説明する。右可動ユニット4600Bの構成要素の一部については、図中において適宜符号を省略する。
ベース部材4500は、左可動ユニット4600A及び右可動ユニット4600Bを保持し、可動体4620A,4620Bを左右方向に沿って往復移動可能に支持するものである。ベース部材4500の上部には、左可動ユニット4600A及び右可動ユニット4600Bの可動体4620A,4620Bを懸架しつつ左右方向に案内するためのガイドロッド4510A,4510Bが設けられている。ベース部材4500の上部には、可動体4620A,4620Bの左右方向の移動に伴って上下方向の動作を発生させるためのカム溝4511A,4511Bが設けられている。図206等に示すように、カム溝4511A,4511Bは、概ね左右方向に延伸し、左右両端から中央へと進むに従って次第に低位となるように形成されている。ベース部材4500の下部には、可動体4620A,4620Bのそれぞれ下端部を支持しつつ左右方向に案内するためのガイドレール4520A,4520Bが設けられている。図210~図212によく示すように、ベース部材4500の内側下部には、可動体4620A、4620Bが中央から左右両端へと進むと可動体4620A,4620Bの一部に突き当たる突出部4530A,4530Bが設けられている。ベース部材4500の下部中央には、左可動ユニット4600A及び右可動ユニット4600Bの電子部品等と外部との電気的な接続を図るための配線接続部4540が設けられている。配線接続部4540は、遊技機の組み立て時に保護カバー4541で閉鎖される。配線接続部4540の構成については後述する。
左可動ユニット4600Aは、駆動伝達機構4610A及び可動体4620Aを有して構成される。駆動伝達機構4610Aは、主として可動体4620Aを主として左右方向に移動させる駆動力を発生・伝達するためのものであり、ベース部材4500の上部に設けられる。可動体4620Aは、駆動伝達機構4610Aの駆動力によりベース部材4500の左側で主として左右方向に移動するものである。また、可動体4620Aは、移動位置に応じて動作態様・発光態様が変化するものである。可動体4620Aの動作態様・発光態様については後述する。
次に、駆動伝達機構4610Aについて、図213~図224を参照して説明する。図213によく示すように、駆動伝達機構4610Aは、駆動手段としてのモータ4611、駆動ギヤ4612、回転体4613、及びラック部材4614を有して構成される。
モータ4611は、可動体4620Aを移動させる駆動力を発生するものであり、正逆両方向に回転制御される。駆動ギヤ4612は、モータ4611の駆動軸に回転可能に固定されている。
図215に示すように、回転体4613は、ピニオン4613a、押出片4613b、ロック片4613cを一体化して構成される。ピニオン4613aは、駆動ギヤ4612に常時噛み合わされ、駆動ギヤ4612の回転に伴って回転する。押出片4613bは、ピニオン4613aの一側面側にロック片4613cを介して固定され、ピニオン4613aと一体になって回転する。図216等に示すように、押出片4613bは、全体的な外径がピニオン4613aの外径よりも小さい一方、ピニオン4613aの外径よりも部分的に大きく外方に突き出た突出部4613baを有する。ロック片4613cは、ピニオン4613aの一側面に一体形成され、ピニオン4613aと一体になって回転する。図217に示すように、ロック片4613cは、正面視小判形状に形成されており、押出片4613bの外径より若干小さい外径を有する一対の湾曲部4613caと、これらの湾曲部4613caよりも小径となり、湾曲部4613caに直線状に連なる一対の直線部4613cbとを有する。
図213に示すように、ラック部材4614は、その左端部が可動体4620A(ベース部材4630)の上部に固定されており、可動体4620Aと一体になって左右方向に移動する。図215に示すように、ラック部材4614は、ラック4614a、案内部4614b、及び壁部4614cを有して構成される。
ラック4614aは、左右方向に沿って歯を形成したものであり、回転体4613のピニオン4613aと噛み合わされる。ただし、可動体4620Aが基本的に待機位置にある場合、ラック4614aは、ピニオン4613aと噛み合わない状態となる。このような駆動伝達機構4610Aの動作については後述する。
案内部4614bは、壁部4614cに対してラック4614aの反対側に形成されたものであり、主としてラック4614aよりも低い平坦面をなすようにラック4614aに平行して形成される。図216に示すように、案内部4614bの右端部には、回転体4613の押出片4613bの突出部4613baが入り込んで側壁部分に当接するように凹部4614baが形成されている。凹部4614baを含めて案内部4614bの底面は、押出片4613bの突出部4613baが回転しつつも接触しない程度に形成されている。可動体4620Aが基本的に待機位置にある場合、案内部4614bの凹部4614baには、押出片4613bの突出部4613baが入り込んだ状態となる。このような駆動伝達機構4610Aの動作については後述する。
壁部4614cは、ラック4614aと案内部4614bとを仕切るように形成されたものであり、主としてラック4614aよりも高い平坦面をなすようにラック4614aに平行して形成される。図213及び図217に示すように、壁部4614cの右端部には、回転体4613のロック片4613cの湾曲部4613caが摺接するように窪み部4614caが形成されている。窪み部4614caの内面は、ロック片4613cの湾曲部4613caが摺動しながら概ね接触可能である一方、ロック片4613cの直線部4613cbが接触することなく回転可能となるように形成されている(図220及び図223参照)。可動体4620Aが基本的に待機位置にある場合、壁部4614cの窪み部4614caには、その内面にちょうど添う姿勢でロック片4613cの湾曲部4613caが接触した状態となる。このような駆動伝達機構4610Aの動作については後述する。
図211及び図212によく示すように、可動体4620Aは、ベース部材4630、上可動部4640、中可動部4650、下可動部4660、連接部材4670、及び揺動部材4680を有して構成される。上可動部4640、中可動部4650、下可動部4660は、右可動ユニット4600Bの可動体4620Bと一体になって演出役物を構成するものである。
図211及び図213等に示すように、ベース部材4630は、その上端部がラック部材4614と一体になってベース部材4500のガイドロッド4510Aに懸架されており、ガイドロッド4510Aに沿って左右方向に移動可能である。ベース部材4630の下端部は、ベース部材4500のガイドレール4520Aに案内された状態で左右方向に移動可能である。このようなベース部材4630は、基本的に上下動することなく左右方向に水平移動する。図212等に示すように、ベース部材4630には、連接部材4670を介して上可動部4640が揺動可能に支持されるとともに、揺動部材4680を介して中可動部4650及び下可動部4660が揺動可能に支持される。
図209及び図212等に示すように、上可動部4640は、支点Xを軸として揺動可能にベース部材4630に支持されている。上可動部4640は、支点Xから所定距離の部位に案内ピン4640Aを有する。案内ピン4640Aは、ベース部材4630に形成された上下方向に対して傾斜状の第1案内溝4630A及び連接部材4670に形成されたくの字状の案内溝4670Aに挿通された状態で移動可能に係合されている。連接部材4670の上端部には、上側案内ピン4670Bが設けられており、この上側案内ピン4670Bがベース部材4500のカム溝4511Aに挿通された状態で移動可能に係合されている。連接部材4670は、上下方向に長手状の案内溝4670Cを有し、この案内溝4670Cにベース部材4630に設けられた一対の案内ピン4630Bが挿通された状態で係合されることにより、ベース部材4630に対して上下方向に移動可能に支持されている。連接部材4670の下端部は、バネ4671を介してベース部材4630に支持されており、このバネ4671の弾性力によって常に下向きに付勢されている。これにより、ベース部材4630の左右方向の移動に伴って連接部材4670が上下方向に変位し、連接部材4670の上下動に連動して第1案内溝4630Aを案内ピン4640Aが移動することにより、上可動部4640が支点X周りに揺動する。ベース部材4630の移動に連動する上可動部4640の揺動動作については後述する。
図209及び図212等に示すように、中可動部4650は、支点Yを軸として揺動可能にベース部材4630に支持されている。中可動部4650は、支点Yから所定距離の部位に案内ピン4650Aを有する。案内ピン4650Aは、ベース部材4630に形成された第2案内溝4630Cに挿通された状態で揺動部材4680の一端部に連結されている。揺動部材4680は、支点Yを軸として回転可能にベース部材4630に支持されている。揺動部材4680の支点Yから他端部に至るまでの中間部には、案内溝4680Aが形成されており、この案内溝4680Aに対して連接部材4670に設けられた下側案内ピン4670Dが挿通された状態で移動可能に係合されている。これにより、揺動部材4680は、ベース部材4630の左右方向の移動に伴う連接部材4670の上下動に連動して第2案内溝4630Cを案内ピン4650Aが移動することにより支点Y周りに揺動し、それに連動して中可動部4650も支点Y周りに揺動する。ベース部材4630の移動に連動する中可動部4650の揺動動作については後述する。
図209及び図212等に示すように、下可動部4660は、支点Zを軸として揺動可能にベース部材4630に支持されている。具体的に、下可動部4660は、支点Zとなる揺動部材4680の他端部に回転可能に軸支されている。支点Z(揺動部材4680の他端部)は、ベース部材4630に形成された弧状の第4案内溝4630Eに挿通された状態で移動可能に係合されている。下可動部4660は、支点Zから所定距離の部位に案内ピン4660Aを有する。案内ピン4660Aは、ベース部材4630に形成されたくの字状の第3案内溝4630Dに挿通された状態で移動可能に係合されている。図209及び図212に示すように、案内ピン4660Aは、揺動部材4680の他端部(支点Z)が支点Y周りに揺動する際、第3案内溝4630Dの下側部分に沿うことで支点Zと同心円状に支点Y周りに移動する。一方、図206に示すように、可動体4620Aが待機位置へと移動してくると、下可動部4660の背面適部に突出部4530Aが突き当たる状態となり、その結果、案内ピン4660Aは、第3案内溝4630Dの上側部分に進入し、揺動部材4680の他端部(支点Z)周りに移動することとなる。すなわち、下可動部4660は、可動体4620A(ベース部材4630)の左右移動に伴う上可動部4640や中可動部4650の一定の支点X,Y周りの揺動動作とは異なり、揺動中心となる支点Y,Zが左右移動の途中で切り替えられることで逆方向に揺動するような挙動を示す。このようなベース部材4630の移動に連動する下可動部4660の揺動動作については後述する。
[可動部の構成]
次に、特に上可動部4640に着目し、この上可動部4640の構成について、図225~図227を参照して説明する。図225~図227は、左可動ユニット4600Aの可動体4620Aを示している。なお、図225及び図226は、可動体4620Aが待機位置にある状態を示し、図227は、可動体4620Aが出現位置にある状態を示している。
図225に示すように、上可動部4640は、前面装飾カバー4641、前面レンズ4642、赤色レンズ4643、白色レンズ4644、可動ベース部材4645、導光板4646、及び発光基板4647を有して構成される。
前面装飾カバー4641は、可動ベース部材4645の前面全体を覆うように可動ベース部材4645に装着される。前面装飾カバー4641は、可動ベース部材4645と一体になって支点X周りに揺動する。
前面レンズ4642は、例えば光を透過可能な半透明の黒色に着色された黒色レンズであり、前面装飾カバー4641の前面に装着される。前面レンズ4642は、前面装飾カバー4641と一体になって支点X周りに変位する。
赤色レンズ4643は、例えば光を透過可能な赤色に着色されたレンズであり、前面レンズ4642の背後に対応するように可動ベース部材4645に取り付けられる。赤色レンズ4643は、前面レンズ4642との相対的な位置関係を一定に保ちつつ可動ベース部材4645と一体になって支点X周りに変位する。なお、特に図示しないが、赤色レンズ4643の中心部には、白色レンズ4644を装着するための貫通口が形成されている。
白色レンズ4644は、例えば光を透過可能な白色に着色されたレンズであり、前面レンズ4642の背後に対応するように赤色レンズ4643の中心部に装着される。白色レンズ4644も、赤色レンズ4643と同様に、前面レンズ4642との相対的な位置関係を一定に保ちつつ可動ベース部材4645と一体になって支点X周りに変位する。
可動ベース部材4645は、光を透過可能な部材であり、支点Xを軸として揺動可能にベース部材4630に支持され、支点Xから所定距離の部位に案内ピン4640Aを有する(図226、図227参照)。
導光板4646は、発光基板4647からの光を前方へと導くものであり、可動ベース部材4645の背後に概ね対応するようにベース部材4630に固定される。導光板4646は、ベース部材4630に固定されているため、ベース部材4630の左右方向の移動によっても支点X周りに変位することはない。
発光基板4647は、前面に複数のLED4647a,4647b,4647cを搭載した基板であり、導光板4646の背後に対応するようにベース部材4630に固定される。LED4647aは、前面装飾カバー4641において前面レンズ4642が設けられない領域全体を発光させるように導光板4646を通して光を照射する。LED4647bは、赤色レンズ4643に対応して例えば赤色光を照射するものであり、一例として本実施形態では4個設けられており、発光基板4647の前面に半円弧状に配列されている。以下の説明において、LED4647bは、特に「赤色LED4647b」という。LED4647cは、白色レンズ4644に対応して例えば白色光を照射するものであり、一例として本実施形態では1個設けられており、発光基板4647の前面において複数のLED4647bの中心に配置されている。以下の説明において、LED4647cは、特に「白色LED4647c」という。このような発光基板4647も、ベース部材4630に固定されているため、ベース部材4630の左右方向の移動によっても支点X周りに変位することはない。そのため、赤色レンズ4643及び白色レンズ4644の支点X周りの変位状態によっては、4個全ての赤色LED4647bが赤色レンズ4643に対応するように位置するとともに、1個の白色LED4647cが白色レンズ4644に対応するように位置する状態と(図227参照)、4個のうち1個の赤色LED4647bが白色レンズ4644に対応するように位置するとともに、1個の白色LED4647cと2個の赤色LED4647bとが赤色レンズ4643に対応するように位置する状態がある(図226参照)。赤色レンズ4643及び白色レンズ4644に対する赤色LED4647b及び白色LED4647cの対応位置関係に応じて前面レンズ4642の発光態様が変化する。このような上可動部4640の発光態様の変化については後述する。
なお、中可動部4650及び下可動部4660については、特に詳細な図示説明を省略するが、互いに異なる色の光を発するLEDやレンズを備えておらず、それ以外においては上可動部4640と同様の構成要素を有して構成される。また、右可動ユニット4600Bも、上記した左可動ユニット4600Aと同様の構成要素を有するが、特に詳細な図示説明を省略する。
[ベース部材の配線接続構造]
次に、ベース部材4500の配線接続構造について、図228~図233を参照して説明する。図228~図233は、ベース部材4500における配線接続部4540の構成を示している。
図228に示すように、配線接続部4540は、保護カバー4541、ベース部4542、2つの接続端子部4543を備えた中継基板4544、及び接続端子部4543に付設された開閉蓋4545を有して構成される。
図229及び図230に示すように、保護カバー4541は、配線接続部4540の前面とその周囲を覆うものである。保護カバー4541の上部には、いわゆるフレキシブルフラットケーブル(以下、「FFC」という)の先端を内部に案内するための開口部4541aが形成されている。保護カバー4541の背面には、中継基板4544の接続端子部4543に対応して位置するように凸部4541bが形成されている。このような保護カバー4541は、中継基板4544の前面を覆うように配線接続部4540のベース部4542に図示しないネジを介して取り付けられる。
中継基板4544は、第1演出ユニット4000の電子部品等と外部との電気的な接続を中継するためのものであり、電子部品等に接続されたFFCを接続するための接続端子部4543を有する。中継基板4544は、配線接続部4540のベース部4542に固定される。
接続端子部4543は、FFCの先端を電気的に接続する部分である。接続端子部4543の下端には、接続端子部4543にFFCの先端を挿入する際に起立した開状態となり、接続端子部4543にFFCの先端を接続する際に接続端子部4543との間にFFCを介在させた状態で閉状態となる開閉蓋4545が設けられている。このような接続端子部4543には、遊技機の組み立て時にFFCの先端が接続された後に開閉蓋4545が閉状態とされ、さらにそうした後に保護カバー4541がベース部4542に取り付けられる。
図231に示すように、遊技機の組み立て時において、保護カバー4541がベース部4542に取り付けられる前には、接続端子部4543にFFCを接続する前の状態にあり、開閉蓋4545が起立した開状態とされる。
例えば、図232に示すように、接続端子部4543にFFCを接続することなく保護カバー4541をベース部4542に取り付けようとした場合には、起立した開状態の開閉蓋4545の端部に保護カバー4541の凸部4541bが当接する。これにより、FFCの接続を忘れたまま保護カバー4541を取り付けることができないようになっている。これにより、FFCの接続を完了せずに遊技機の組み立てを完成してしまうといった事態を防ぐことができる。
図233に示すように、接続端子部4543にFFCを接続した状態で保護カバー4541をベース部4542に取り付ける場合には、開閉蓋4545を閉状態としてこの開閉蓋4545と接続端子部4543との間にFFCの先端を挟んだ状態で確実に接続することができ、保護カバー4541の凸部4541bに対して開閉蓋4545の表面がほとんど接するか接しない状態で保護カバー4541をベース部4542に取り付けることができる。これにより、接続端子部4543に対してFFCを確実に接続した状態で保護カバー4541を取り付けることができ、FFCの接続を確実に完了した状態で遊技機の組み立てを完成することができる。
[本体ケースの配線収容構造]
次に、本体ケース441の配線収容構造について、図234~図237を参照して説明する。図234~図237は、本体ケース441の配線収容部443の構成を示している。
図237に示すように、配線収容部443は、複数の配線を束ねた配線束Sをその先端に設けられたコネクタCと共に配線収容部443の外部から内部へとまとめて引き込むための部分である。図234に示すように、配線収容部443は、一例として本体ケース441の背面部441Aの左側部分から左側部441Bにかけて設けられている。なお、左側部441Bは、前後方向に概ね垂直状の面をなす第1壁部441Baと、第1壁部441Baに連続して屈曲形成され、左右方向に概ね垂直状の面をなす第2壁部441Bbとによって形成される。
図235~図237に示すように、配線収容部443は、第1の開口領域443A及び第2の開口領域443Bを有して構成される。第1の開口領域443Aは、背面部441Aを貫通するように形成される。第2の開口領域443Bは、左側部441Bの第1壁部441Ba及び第2壁部441Bbを貫通し、第1の開口領域443Aに連続するように形成される。第2の開口領域443Bは、第1壁部441Baに形成された挿通部443Baと、第2壁部441Baに形成された連通部443Bbとを有する。
第1の開口領域443Aは、第2の開口領域443Bの連通部443Bbを介して挿通部443Baへと連続するように形成されている。第1の開口領域443Aには、連通部443Bbとの境目部分に凸部443Aaが形成されている。また、第1の開口領域443Aの内側には、第1の開口領域443Aを囲うように前後方向に沿う配線収容壁443Abが形成されている。凸部443Aaと配線収容壁443Abとの間には、配線束Sを押し入れることができる隙間Gが形成される。このような第1の開口領域443Aは、コネクタCを出し入れ不可能である一方、配線束Sをまとめて収容することが可能な開口部分となる。
第2の開口領域443Bの挿通部443Baは、コネクタCを出し入れ可能な程度の開口面積を有し、第1の開口領域443Aよりも広く形成される。第2の開口領域443Bの連通部443Bbは、挿通部443Baから第1の開口領域443Aへと連続するように前後方向に細長いスリット状の開口部分として形成される。これにより、挿通部443Baには、本体ケース441の背後から前方へとコネクタCと共に配線束Sを挿入することが可能であり、連通部443Bbには、コネクタCに続く配線束Sを内側へと押し入れることが可能となる。
配線収容部443において配線束Sを本体ケース441の背後から前方へと引き回す際には、次のような手順で作業を行う。
図237の(1)に示すように、まず、配線束Sの先端に一体となったコネクタCを挿通部443Baに差し込む。次に、(2)に示すように、コネクタCに続く配線束Sをまとめて連通部443Bbに押し込む。その後、(3)に示すように、連通部443Bbに押し込んだ配線束Sをさらに凸部443Aaを越えて隙間Gから挿通部443Baへと押しやる。これにより、挿通部443Baの内側においては、配線収容壁443Abによって配線束Sがばらつくことなく纏まって収容・保持される。
[導光板ユニットの構成]
次に、導光板ユニット700’の構成について、図238~図241を参照して説明する。図238~図240は、導光板ユニット700’の構成を示している。図241は、導光板ユニット700’の変形例を示している。
図238及び図239に示すように、導光板ユニット700’は、透明パネル740、発光基板750、及び2つの傾斜レンズ760,770を有して構成される。
透明パネル740は、全体が光を透過可能な面をなし、図239に示すように、部分的な表面加工により上端部740Aから導入された光を前方へと反射可能な発光領域741,742,743を有する。発光領域741は、透明パネル740の上端部740Aに対して概ね垂直に導入された光を最も強く前方に向けて反射するように形成されている。一方、発光領域742,743は、透明パネル740の上端部740Aに対して若干斜め方向に導入された光を最も強く前方に向けて反射するように形成されている。発光領域742と発光領域743とは、発光領域741の両側に配置され、互いに最も強く反射する光の導入方向が左右対称となるように形成されている。
発光基板750は、透明パネル740の上端部740Aに配置され、その上端部740Aから透明パネル740の内部へと光を入射させるように複数のLED751,752,753を有する。LED751は、透明パネル740の上端部740Aに沿うように配置されており、上端部740Aに対して概ね垂直に光を照射する。一方、LED752,753は、傾斜レンズ760,770を介して透明パネル740の上端部740Aに対して若干斜め方向に光を照射するように配置されている。
傾斜レンズ760,770は、透明パネル740の上端部740Aにおいて、各々の光軸が発光領域742,743を通るように配置される。図240に示すように、傾斜レンズ760は、光入射面760Aが透明パネル740の上端部740Aに対して全体的に傾斜状であり、LED752に対応する部分が凸面状に形成される。傾斜レンズ760の光出射面760Bは、透明パネル740の上端部740Aに対して平行な平坦状に形成される。このような傾斜レンズ760は、LED752からの光を集光しつつ上端部740Aに対して斜め方向に光を出射する役割をはたす。傾斜レンズ770も同様である。このような導光板ユニット700’の発光動作については後述する。
[第2演出ユニットの構成・動作]
次に、第2演出ユニット5000の構成・動作について、図250~図255を参照して説明する。図250~図255は、第2演出ユニット5000の構成を示している。なお、図250~図252は、第2演出ユニット5000の構成要素が待機位置にある状態を示し、図253~図255は、第2演出ユニット5000の構成要素が出現位置にある状態を示している。
図250~図255に示すように、第2演出ユニット5000は、主なアセンブリパーツとして、ベース部材5300、左右一対のガイド部5310A,5310B、中央前可動ユニット5320、左可動ユニット5330A、右可動ユニット5330B、中央後可動ユニット5340、及び左右一対の駆動機構5350A,5350Bを有して構成される。中央前可動ユニット5320の左右両側には、左可動ユニット5330A及び右可動ユニット5330Bが位置するように一体化されており、中央前可動ユニット5320の背後には、中央後可動ユニット5340が配置される。中央前可動ユニット5320、左可動ユニット5330A、右可動ユニット5330B、及び中央後可動ユニット5340は、上下方向に沿って待機位置から出現位置まで往復移動可能である。駆動機構5350A,5350Bは、駆動手段としてのモータ5351、駆動ギヤ5352、従動ギヤ5353、揺動アーム5354を有して構成される。なお、第2演出ユニット5000は、互いに左右対称の構成要素を有するが、主として上下方向の動きを実現するように構成されている。そのため、以下の説明においては、左側及び右側の構成パーツを末尾の符号「A」及び「B」で分け、特に断らない限り左側の構成要素について説明する。右側の構成要素については、図中において適宜符号を省略する。
ベース部材5300は、左可動ユニット5330A及び右可動ユニット5330Bを介して中央前可動ユニット5320を上下方向に沿って往復移動可能に支持するものである。
ガイド部5310A,5310Bは、ベース部材5300の左右両端部に設けられる。ガイド部5310A,5310Bには、上下方向に沿ってバネ5311が巻回されたガイドロッド5312と、ガイドロッド5312の上下方向所定位置に固定されたストッパ5313とが設けられる。ガイドロッド5312には、バネ5311によって常に下向きの弾性力が付勢された状態で左可動ユニット5330A及び右可動ユニット5330Bの支持部が上下方向に移動可能に支持される。左可動ユニット5330A及び右可動ユニット5330Bが待機位置にあるとき、これらの支持部の下端がストッパ5313に当接しない一方、左可動ユニット5330A及び右可動ユニット5330Bが所定の出現位置に達すると、これらの支持部の下端がストッパ5313に当接することでそれよりも下方に移動不可能となる。
中央前可動ユニット5320は、その左右両側に左可動ユニット5330A及び右可動ユニット5330Bが固定され、これらと一体になって上下方向に移動する。ただし、中央前可動ユニット5320と中央後可動ユニット5340とは、一体化されておらず、中央前可動ユニット5320は、所定の出現位置まで中央後可動ユニット5340に追従して移動する。中央後可動ユニット5340は、中央前可動ユニット5320が所定の出現位置に達した後にあっても、その所定の出現位置を通り越してさらに下方の最下限の出現位置まで移動する。
図252及び図255に示すように、左可動ユニット5330Aの背部には、上下方向に沿って延伸するようにカム溝5331が形成されている。カム溝5331には、中央後可動ユニット5340の背部に設けられた一対の案内ピン5341が挿通された状態で移動可能に係合されている。右可動ユニット5330Bも、左可動ユニット5330Aと同様の構成からなる。このような左可動ユニット5330A及び右可動ユニット5330Bは、中央後可動ユニット5340が待機位置から最下限の出現位置に達するまでの所定の中間位置まで移動するのに伴い、バネ5311の下向き弾性付勢力によって案内ピン5341がカム溝5331の上端に当接した状態のまま移動し、これらの支持部がストッパ5313に当接する所定の出現位置まで移動する。
図252及び図255に示すように、中央後可動ユニット5340の背部には、左右方向に沿って延伸するようにカム溝5342が形成されている。カム溝5342には、揺動アーム5354の先端部が移動可能に係合されている。このような揺動アーム5354の先端部が回転するのに伴い、カム溝5342を従節として中央後可動ユニット5340が待機位置から最下限の出現位置まで移動する。このとき、揺動アーム5354の先端部がカム溝5342の中間に位置し、中央後可動ユニット5340が待機位置から最下限の出現位置までの間の中間位置に達すると、左可動ユニット5330A及び右可動ユニット5330Bは、ストッパ5313に当接することでそれより下方に移動することなく所定の出現位置に達した状態となる。さらにその後、揺動アーム5354の先端部がカム溝5342の中間から移動すると、左可動ユニット5330A及び右可動ユニット5330Bが所定の出現位置に留まった状態のまま、案内ピン5341がカム溝5331の下方へと移動することで中央後可動ユニット5340が中間位置から最下限の出現位置へと移動する。すなわち、中央後可動ユニット5340が待機位置から中間位置へと移動するまでは、中央前可動ユニット5320が中央後可動ユニット5340の前面全体を覆い隠す状態で所定の出現位置まで移動し、中央前可動ユニット5320が所定の出現位置に止まった状態の後、中央前可動ユニット5320の背後から中央後可動ユニット5340がさらに最下限の出現位置へと現れるように移動する。出現位置から待機位置へと戻る際は、上記した動作とは逆の手順で中央前可動ユニット5320及び中央後可動ユニット5340が移動する。
モータ5351は、主として中央後可動ユニット5340を上下方向に移動させる駆動力を発生するものであり、正逆両方向に回転制御される。駆動ギヤ5352は、モータ5351の駆動軸に回転可能に固定されている。従動ギヤ5353は、駆動ギヤ5352に噛み合わされ、駆動ギヤ5352の回転に伴って回転する。このような従動ギヤ5353は、揺動アーム5354の基端部に固定されており、従動ギヤ5353の回転に伴って揺動アーム5354の先端部が回転する。
このような第2演出ユニット5000によれば、中央前可動ユニット5320と中央後可動ユニット5340との差動動作を簡単な仕組みによって実現することができ、斬新な演出を行うことができる。
[第3演出ユニットの構成・動作]
次に、第3演出ユニット5000’の構成・動作について、図242~図249を参照して説明する。図242~図249は、第3演出ユニット5000’の構成を示している。なお、図242~図245は、第3演出ユニット5000’の構成要素が待機位置にある状態を示し、図246~図249は、第3演出ユニット5000’の構成要素が出現位置にある状態を示している。
図242~図249に示すように、第3演出ユニット5000’は、主なアセンブリパーツとして、ベース部材5500、左前可動ユニット5510A、右前可動ユニット5510B、左後可動ユニット5520A、右後可動ユニット5520B、及び左右一対の駆動機構5530A,5530Bを有して構成される。左前可動ユニット5510A及び右前可動ユニット5510Bは、ベース部材5500の前面側に配置されており、左後可動ユニット5520A及び右後可動ユニット5520Bは、ベース部材5500の前面側にあって左前可動ユニット5510A及び右前可動ユニット5510Bの背後に配置される。左前可動ユニット5510A及び右前可動ユニット5510Bは、互いに左右に開いた待機位置の状態から、左後可動ユニット5520A及び右後可動ユニット5520Bと概ね一体になって起立した出現位置の状態まで変動可能である。駆動機構5530A,5530Bは、駆動手段としてのモータ5531、駆動ギヤ5352、従動ギヤ5353、従動カム5534を有して構成される。なお、第3演出ユニット5000’は、互いに左右対称の構成要素を有するが、互いに左右に開いた待機状態から起立した出現状態へと揺動する動きを実現するように構成されている。そのため、以下の説明においては、左側及び右側の構成パーツを末尾の符号「A」及び「B」で分け、特に断らない限り左側の構成要素について説明する。右側の構成要素については、図中において適宜符号を省略する。
ベース部材5500は、回転軸5501A,5501Bを介して左前可動ユニット5510A及び右前可動ユニット5510Bを揺動可能に支持している。また、ベース部材5500には、左前可動ユニット5510A及び右前可動ユニット5510Bが出現状態となる直前に後述する揺動レバー5512の基端部に当接可能な突設ピン5500A,5500B(図242、図244、図248参照)が設けられている。
図244、図245、図248、及び図249に示すように、左前可動ユニット5510Aの基端部には、カム溝5511が形成されている。カム溝5511には、従動カム5534が挿通された状態で移動可能に係合されている。また、左前可動ユニット5510Aの背部には、突設ピン5500Aに当接可能な揺動レバー5512と、揺動レバー5512に連結されたリンク部材5513が支持されている。右前可動ユニット5510Bも、左前可動ユニット5510Aと同様の構成からなる。このような左前可動ユニット5510A及び右前可動ユニット5510Bは、従動カム5534の回転に伴い、回転軸5501A,5501Bを中心として揺動する。そうして待機位置から出現位置に達する直前には、揺動レバー5512の基端部に突設ピン5500A,5500Bが当接することにより、揺動レバー5512及びリンク部材5513の相対的な姿勢が変化する。
図244、図245、図248、及び図249に示すように、左後可動ユニット5520Aの基端部は、回転軸5521を介して回転可能に左前可動ユニット5510Aの背部に支持されている。回転軸5521には、図示しないトーションバネが巻回されており、このトーションバネの弾性力により左後可動ユニット5520Aが常に左側へと開く方向に付勢されている。一方、回転軸5521には、凸片5522が一体となって回転可能に設けられている(図248、図249参照)。左後可動ユニット5520Aが左前可動ユニット5510Aと共に待機位置にある場合、この凸片5522は、揺動レバー5512及びリンク部材5513の連結部に当接する。これにより、凸片5522が当接する位置よりも左後可動ユニット5520Aが左側に揺動することなく、左前可動ユニット5510Aの背後に隠れた状態となる。その一方、左前可動ユニット5510Aが出現位置に達する直前になると、揺動レバー5512の基端部に突設ピン5500Aが当接し、揺動レバー5512及びリンク部材5513の連結部が凸片5522の変位に支障がない姿勢に変化する。これにより、凸片5522によるストッパーの機能が解除され、左後可動ユニット5520Aは、左前可動ユニット5510Aの出現位置よりもさらに左側へと揺動し、左前可動ユニット5510Aの背後から現れるように移動する。右後可動ユニット5520Bも、左後可動ユニット5520Aと同様の構成からなる。出現位置から待機位置へと戻る際は、上記した動作とは逆の手順で左前可動ユニット5510A及び右前可動ユニット5510B、並びに左後可動ユニット5520A及び右後可動ユニット5520Bが揺動する。
モータ5531は、主として左前可動ユニット5510Aを揺動させる駆動力を発生するものであり、正逆両方向に回転制御される。駆動ギヤ5532は、モータ5351の駆動軸に回転可能に固定されている。従動ギヤ5533は、駆動ギヤ5532に噛み合わされ、駆動ギヤ5532の回転に伴って回転する。従動カム5534は、従動ギヤ5533と一体になって回転し、カム溝5511に沿って移動する。
このような第3演出ユニット5000’によれば、左前可動ユニット5510A及び右前可動ユニット5510Bと左後可動ユニット5520A及び右後可動ユニット5520Bとの差動動作を簡単な仕組みによって実現することができ、斬新な演出を行うことができる。
[遊技盤のステージ]
次に、遊技盤1のステージ41について、図256及び図257を参照して説明する。図256及び図257は、ステージ41の構造を示している。
第1始動口42の上方となるステージ41の中央部41Aには、周辺面よりも若干高く隆起した頂面41Aaが形成されており、さらにこの頂面41Aaから窪むように窪み部41Abが形成されている。窪み部41Abには、後方から前方へと延伸し、前端が凹状の開口をなすように凹溝41Acが形成されている。また、中央部41Aの左右両側におけるステージ41の前端部には、ステージ41上を転動する遊技球に当接可能で、ステージ41からの遊技球の落下を防ぐための壁部41Bが形成されている。
窪み部41Abの上縁外径Wは、遊技球の直径よりも大きい寸法に形成されている。これにより、窪み部41Abには、ステージ41上を転動する遊技球が進入しやすい。また、凹溝41Acは、その幅寸法wが遊技球の直径よりも小さく、深さが遊技球の半径よりも小さくなるように形成されている。さらに、凹溝41Acは、後方から前方へと進むほど低位となるように前後方向にスロープ状に形成されている。これにより、窪み部41Abに進入してきた遊技球は、凹溝41Acの左右両側の上縁に当接しながら凹溝41Acに沿って前方へと転がり、中央部41Aの前端から下方へと落下しやすくなる。
このようなステージ41によれば、ステージ41上へと導かれてきた遊技球が中央部41Aから凹溝41Acに沿ってまっすぐ落下しやすくなり、ひいては第1始動口42に対して遊技球が入賞し易くなるので、ステージ41上における遊技球の動きに注目度や関心を高め、遊技の興趣を高めることができる。
[大入賞口ユニット]
次に、大入賞口ユニット450について、図258~図260を参照して説明する。図258は、大入賞口ユニット450の全体を示し、図259及び図260は、大入賞口ユニット450に含まれるシャッタ部材452を示している。
図202に示すように、大入賞口ユニット450は、遊技盤1の第1大入賞口45を開閉するためのものであり、第1大入賞口45の背後において遊技盤1の背面に取り付けられる。図258に示すように、大入賞口ユニット450は、ユニット本体451及びシャッタ部材452を有して構成される。
図258に示すように、ユニット本体451は、前面開口を開閉可能なシャッタ部材452を有し、シャッタ部材452を第1大入賞口45の後方から前方へと臨ませるように第1大入賞口45の背後に取り付けられる。ユニット本体451には、特に図示しないが、シャッタ部材452を開閉動作させるためのソレノイドや前面開口から内部へと進入した遊技球を検知するためのセンサが設けられる。ユニット本体451の内部に進入した遊技球は、図示しない球通路を通って回収される。なお、本実施形態の第1大入賞口45に対しては、基本的に右側から遊技球が転動してくる。
シャッタ部材452は、ユニット本体451の前面開口に対して前後方向に回転することで第1大入賞口45を開閉するものであり、ユニット本体451の前面下部に回転可能に軸支されている。シャッタ部材452は、図示しないソレノイドによって開閉動作する。シャッタ部材452は、開状態の場合、ユニット本体451の前面開口から内部に複数の遊技球を案内可能であり、閉状態の場合、ユニット本体451の前面開口を閉じた状態で内部に遊技球を案内不可となる。
図259及び図260に示すように、シャッタ部材452は、左右方向に沿って長手状の面をなす前面部452Aを有する。前面部452Aは、開状態の場合、遊技球が進入してくる右側において遊技球をユニット本体451の内部へと案内する右案内部452Aaと、右案内部452Aより左側において右案内部452Aaを通ってきた遊技球をユニット本体451の内部へと案内する左案内部452Abとを有する。右案内部452Aaは、全体の厚みが左案内部452Abの全体の厚みよりも薄くなるように形成されており、右端にいくほど薄くなるように形成されている。これにより、遊技球が進入してくるユニット本体451の前面開口の右半分領域と右案内部452Aaとの隙間が、その前面開口の左半分領域と左案内部452Abとの隙間よりも大きくなる。また、前面部452Aには、閉状態の場合、前面部452Aの外面に沿って転動する遊技球に当接可能な複数の凸部452Acが形成されている。シャッタ部材452が閉状態の場合、前面部452Aの凸部452Acに転動する遊技球が接触することにより、遊技球の転動速度が抑えられる。
このようなシャッタ部材452を備えた大入賞口ユニット450によれば、シャッタ部材452が開状態から閉状態へと変動する直前に、その右側から進入してくる遊技球があっても、ユニット本体451の前面開口の右半分領域と右案内部452Aaとの隙間が左側よりも大きいので、そのような隙間に遊技球を球噛みさせることなくユニット本体451の内部へとスムーズに遊技球を導くことができる。
[可動体の動作態様]
次に、第1演出ユニット4000の左側の可動体4620Aの動作態様について、図204~図212を参照して説明する。なお、右側の可動体4620Bの動作態様は、左側の可動体4620Aの動作態様と左右対称になるので、可動体4620Bの動作態様の説明については省略する。
図204~図206に示すように、可動体4620Aが待機位置にある場合、上可動部4640、中可動部4650、及び下可動部4660は、各々に対応する支点X,Y,Zで揺動可能に支持された状態にある。図205に示すように、正面から見た場合、上可動部4640は、支点Xを中心として反時計方向の限度まで回り切った姿勢にあり、中可動部4650は、支点Yを中心として時計方向の限度まで回り切った姿勢にあり、下可動部4660は、支点Zを中心として反時計方向の限度まで回り切った姿勢にある。なお、下可動部4660は、背部の外縁部分に突出部4530Aが当接することで支点Z周りに回転した姿勢を保っている。
次に、図207~図209に示すように、可動体4620Aが待機位置から中間位置まで移動した場合、連接部材4670が待機位置と同程度の高さ位置にあって上下方向にほとんど変位していないため、上可動部4640及び中可動部4650は、各々に対応する支点X,Yを中心として待機位置と概ね同じ姿勢を保っている。一方、下可動部4660は、突出部4530Aに当接する状態が解除され、案内ピン4660Aが第3案内溝4630Dの上側部分から屈曲部分まで移動することにより、支点Z周りに揺動した姿勢に変化する。具体的には、図208に示すように、正面から見た場合、下可動部4660は、第3案内溝4630Dの上側部分に沿うように支点Zを中心として時計方向に回転した姿勢となる。このとき、支点Z(揺動部材4680の他端部)は、揺動部材4680が待機位置と同程度の姿勢に保たれているため、上下方向にほとんど高さ位置が変化していない。
次に、図210~図212に示すように、可動体4620Aが中間位置から出現位置まで移動した場合、連接部材4670が待機位置や中間位置よりも低位となり、それに応じて揺動部材4680が支点Y周りに揺動した姿勢になることから、上可動部4640及び中可動部4650は、各々に対応する支点X,Yを中心として揺動した姿勢に変化する。また、下可動部4660は、支点Z(揺動部材4680の他端部)の移動に追従するように変動する。具体的には、図211に示すように、正面から見た場合、上可動部4640は、支点Xを中心として時計方向に回った姿勢に変化し、中可動部4650は、支点Yを中心として反時計方向に回った姿勢に変化する。下可動部4660は、支点Zに追従しつつ支点Yを中心として反時計方向に回った姿勢に変化する。すなわち、下可動部4660は、待機位置から中間位置まで移動する際の回転中心(支点Z)及び回転方向(正面から見て時計回りの方向)が、中間位置から出現位置まで移動する際の回転中心(支点Y)及び回転方向(正面から見て反時計回りの方向)に変転するようになっている。
なお、可動体4620Aが出現位置から中間位置を経て待機位置へと戻る際には、上述した流れとは逆の流れで上可動部4640、中可動部4650、及び下可動部4660の姿勢が変化することとなる。また、右側の可動体4620Bも同様の流れで姿勢が変化する。
このような可動体4620A,4620Bを備えた第1演出ユニット4000によれば、可動体4620A,4620Bが待機位置から中間位置まで移動する際の姿勢変化や変化方向と、中間位置から出現位置まで移動する際の姿勢変化や変化方向とが異なるように切り替えられるので、可動体4620A,4620Bの多彩な動きを実現することができ、役物の演出効果として面白味や興趣を高めることができる。
[可動体の発光態様]
次に、可動体4620Aの発光態様について、図226及び図227を参照して説明する。
まず、図226に示すように、可動体4620Aが待機位置にある場合、赤色レンズ4643は、2個の赤色LED4647bとその間に位置する1個の白色LED4647cとに対応するように位置する。また、白色レンズ4644は、1個の赤色LED4647bのみに対応するように位置する。これにより、2個の赤色LED4647bから発せられた赤色光と1個の白色LED4647cから発せられた白色光とが混合しつつ赤色レンズ4643を透過するとともに、1個の赤色LED4647bから発せられた赤色光が白色レンズ4644を透過する。その結果、図示しない外側の前面レンズ4642を通して比較的低い明度や光量をもって赤色と白色とが混じった不鮮明なピンク色の発光態様が視認される。可動体4620Aが中間位置にある場合も、待機位置と同様に上可動部4640の姿勢に変化がないため、上述したものと同様の発光態様が視認される。
一方、図227に示すように、可動体4620Aが出現位置まで移動した場合、赤色レンズ4643は、4個全ての赤色LED4647bに対応するように位置する。また、白色レンズ4644は、1個の白色LED4647cのみに対応するように位置する。これにより、4個の赤色LED4647bから発せられた赤色光が同色の赤色レンズ4643を透過するとともに、1個の白色LED4647cから発せられた白色光も同色の白色レンズ4644を透過する。その結果、図示しない外側の前面レンズ4642を通して比較的高い明度や光量をもって赤色の中に白色がはっきりと鮮明に光って見えるような発光態様が視認される。
このような可動体4620Aの発光態様によれば、可動体4620Aの移動位置に応じて赤色レンズ4643及び白色レンズ4644に各々対応するLEDの色や個数を変化させ、前面レンズ4642を通して視認し得る発光態様を点灯制御することなく変化させることができるので、簡単な移動の仕組みだけで役物の演出効果として面白味や興趣を高めることができる。なお、本実施形態では、複数のLED又は複数のレンズともに互いに異なる色で構成しているが、LEDとレンズのうちいずれか一方を同色で構成してもよい。例えば、2個のLEDをともに白色で、2個のレンズを赤色と白色で構成したり、2個のLEDを赤色と白色で、2個のレンズをともに赤色で構成してもよい。
[駆動伝達機構の動作]
次に、駆動伝達機構4610Aの動作について、図216~図224を参照して説明する。なお、図216~図224は、可動体4620Aと一体になってラック部材4614が待機位置にある状態を示している。
まず、図216~図218に示すように、ラック部材4614が待機位置にあり、回転体4613の押出片4613bの突出部4613baがラック部材4614の凹部4614baに進入する直前の姿勢にあり、ロック片4613cの湾曲部4613caがラック部材4614の窪み部4614caに対してちょうど添う姿勢にある場合について考察する。この場合、ピニオン4613aがラック4614aと噛み合った状態にないものの、湾曲部4613caが窪み部4614caに添って接した状態にあるため、可動体4620Aと共にラック部材4614を左右方向に揺らすような外力などが生じても、ラック部材4614が左右方向に動くことはない。
次に、図219~図221に示すように、ラック部材4614が待機位置にある状態において、このラック部材4614を右方向に移動させるように回転体4613が回転し始めた回転開始直後の場合について考察する。この場合、ラック部材4614が依然として待機位置に留まる一方、回転体4613の押出片4613bの突出部4613baがラック部材4614の凹部4614baに進入した姿勢となり、ロック片4613cの湾曲部4613caがラック部材4614の窪み部4614caから脱出する姿勢となる。また、この段階においても、ピニオン4613aがラック4614aと噛み合った状態になく、湾曲部4613caの一部が窪み部4614caに添って接した状態にあるため、ラック部材4614が左右方向に動くことはない。
さらに進んで、図222~図224に示すように、回転体4613が回転し始めてから概ね45度程度まで回転した場合について考察する。押出片4613bの突出部4613baが凹部4614baの右側壁に当接して押し出す状態となり、ロック片4613cの湾曲部4613caがラック部材4614の窪み部4614caから完全に離脱した姿勢となる。これにより、ピニオン4613aがラック4614aと噛み合った状態となり、ラック部材4614が右方向に移動し、待機位置から少し移動した待機位置直前の位置となる。なお、可動体4620Aと共にラック部材4614が待機位置へと戻るように左方向に移動する際には、上述した流れとは逆の流れで駆動伝達機構4610Aが動作することとなる。
このような駆動伝達機構4610Aを備えた第1演出ユニット4000は、その前面に導光板ユニット700’が設けられ、導光板ユニット700’を容易に取り外すことができないので、遊技機の移送に際してがたつき防止用に可動部品の周囲に緩衝材を詰め込んだり、駆動伝達機構4610Aに対して直接がたつき防止用のピン等を差し込んだりすることができない。一方、本実施形態の駆動伝達機構4610Aによれば、可動体4620Aと共にラック部材4614を待機位置に移動させておくだけで、ラック部材4614を左右方向にがたつかせることなく定位置に留めておくことができるので、遊技機の移送中にあっては、第1演出ユニット4000に含まれる可動部品を外力等による衝撃で想定外の位置へと移動させることなく、可動部品やその周辺部材の破損を確実に防ぐことができる。
[導光板ユニットの発光動作]
次に、導光板ユニット700’の発光動作について、図239及び図241を参照して説明する。
図239に示す導光板ユニット700’の場合、中央のLED751を点灯させると、中央の発光領域741がLED751からの光を受けて最も強く発光する一方、左右の発光領域742,743がLED751からの光を受けるものの入射角度が斜めになっているため、中央の発光領域741よりも弱く発光する。
また、図239に示す導光板ユニット700’の場合、例えば左側のLED752を点灯させると、左の発光領域742がLED752からの光を効率よく受けて最も強く発光する。左側のLED752は、傾斜レンズ760によって光の指向性が強められているので、中央の発光領域741には左側のLED752からの光がほとんど入射せず、中央の発光領域741がほとんど発光しない。右側のLED753を点灯させた場合も同様に、右の発光領域743が最も強く発光する一方、中央の発光領域741がほとんど発光しないこととなる。
図241に示す導光板ユニット700’の変形例の場合、中央のLED751を点灯させると、下側の発光領域741がLED751からの光を受けて強く発光する一方、左右上側左右の発光領域742,743がLED751からの光を受けるものの入射角度が斜めになっているため、若干弱く発光する。
また、図241に示す導光板ユニット700’の変形例の場合、例えば左側のLED752を点灯させると、上側左の発光領域742がLED752からの光を効率よく受けて最も強く発光する。左側のLED752からの光は、下側左の発光領域741にも入射するが、下側左の発光領域741に対する入射角度が斜めになっており、また、上側左の発光領域742よりも遠い位置にあるため、下側左の発光領域741は、上側左の発光領域742よりも弱く発光するか、あるいはほとんど発光しない状態となる。右側のLED753を点灯させた場合も同様に、上側右の発光領域743が最も強く発光する一方、下側左の発光領域741が弱く発光するか、あるいはほとんど発光しない状態となる。なお、本実施形態では、それぞれのLEDから近い発光領域が一番強く発光するように表面加工を施しているが、LEDから近い場所に弱く発光する発光領域を設けてもよい。また、LEDの発光タイミングを、例えば左側から右側に順番に点灯、消灯を繰り返すことにより、発光領域が左側から右側に流れるような発光演出を行うことも可能である。また、本実施形態では、透明パネル740の上端部740Aを直線的に形成しているが、例えば透明パネル740の左端部のように、一定の角度をつけて形成したり、曲線にて形成してもよい。
このような導光板ユニット700’によれば、透明パネル740の一端部となる上端部740Aに複数のLED751,752,753や傾斜レンズ760,770を配置し、中央のLED751から照射した光によって一部の発光領域741を発光させる態様と、左右のLED752,753から照射した光によって他の発光領域742,743を発光させる態様とで発光態様を変化させることができるので、LEDの配置スペースや個数を抑えてコストを抑制しつつも多彩な発光演出を行うことができる。
上述した第1~第6実施形態の各構成にあっては、それぞれ他の実施形態において本発明の範囲内で適宜援用したり変更したりして、任意の構成での組合せが可能である。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態では、遊技機としてパチンコ遊技機を例に挙げ説明したが、本発明はこれに限定されない。上述した本発明の各種技術は、他の遊技機にも適用可能であり、例えば、弾球遊技機や封入式遊技機にも適用することができる。また、汎用的な技術については、上記に挙げた遊技機のほか、例えばゲーミングマシン、スロットマシン、あるいはパチスロ遊技機等といった各種遊技機にも適用することができる。
また、上記実施形態で示した数値や情報、構成要素などは、あくまでも一例にすぎず、本発明の範囲内において適宜変更することができるのはいうまでもない。
以上の実施形態に基づき、本発明の概要を以下に列挙する。
(付記1)
[背景技術]
この種の遊技機には、可動体を動作させるための駆動手段として、ラック及び回転体を備え、この回転体に設けられたピンを作動アームの連結部に当接させることで回転体の動きを阻止し、ひいては可動体の動作をロックさせるように構成されたものが提案されている(例えば、特開2001-340557号公報参照)。
[発明の概要]
[発明が解決しようとする課題]
しかしながら、上記従来の遊技機では、可動体のロック時にあって作動アームの連結部にピンが当接した状態にあっては、外力などによって無理にロックが解除させられると、作動アームやこれを駆動するソレノイドの軸部が曲がってしまう可能性があり、可動体の動作に支障をきたすおそれがあった。
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、可動体のロック状態を無理に解除しようとしても、可動体を動作させる機構に支障をきたすことがないようにすることができる遊技機を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段]
上記の目的を達成するために、本発明は、以下のような遊技機を提供する。
本発明に係る遊技機は、
可動体(例えば、可動体4620A)と、前記可動体を駆動するための駆動手段(モータ4611)と、前記駆動手段の駆動力を前記可動体に伝達する伝達機構(例えば、駆動伝達機構4610A)と、を備え、
前記可動体は、第1の位置(例えば、待機位置)から第2の位置(例えば、出現位置)へと移動可能であり、
前記伝達機構は、前記駆動手段の駆動力により回転可能な歯車(例えば、ピニオン4613a)を有する回転体(例えば、回転体4613)と、前記歯車と噛合可能なラック(例えば、ラック4614a)を有するラック部材(例えば、ラック部材4614)と、を有し、
前記可動体は、前記ラック部材が一体的に設けられ、前記歯車と前記ラックとが噛合した状態において、前記第1の位置から前記第2の位置に至るまでの移動経路上にある第3の位置(例えば、待機位置直前の位置)から前記第2の位置へと移動可能であり、
前記ラック部材は、前記ラックの一端側に凹部(例えば、凹部4614ba)及び窪み部(例えば、窪み部4614ca)を有し、
前記回転体は、前記歯車とともに回転しつつ前記ラック部材の前記凹部に入り込むことで前記可動体を前記第3の位置から前記第1の位置へと押し出し可能な押出片(例えば、押出片4613b)と、前記歯車とともに回転しつつ前記ラック部材の前記窪み部に摺接することで前記可動体を前記第1の位置に留止可能なロック片(例えば、ロック片4613c)と、を有し、
前記可動体が前記第1の位置にあるとき、前記歯車と前記ラックとが噛合しない状態で前記回転体が回転するのに応じて、前記ロック片が前記窪み部に対して摺接する留止状態と、前記ロック片が前記窪み部に対して摺接しない非留止状態とに切替可能であることを特徴とする。
このような構成によれば、ラック部材の窪み部に回転体のロック片が摺接した状態で可動体が第1の位置において留止状態にある場合は、その留止状態を無理に解除しようとしても、窪み部に対してロック片が摺接するだけで回転体やラック部材に無理な力が作用しないので、可動体を動作させるための回転体やラック部材に支障をきたすことがないようにすることができる。
[発明の効果]
本発明によれば、可動体のロック状態を無理に解除しようとしても、可動体を動作させる機構に支障をきたすことがないようにすることができる。
(付記1-1)
[背景技術]
この種の遊技機には、可動体を動作させるための駆動手段として、ラック及び回転体を備え、この回転体に設けられたピンを作動アームの連結部に当接させることで回転体の動きを阻止し、ひいては可動体の動作をロックさせるように構成されたものが提案されている(例えば、特開2001-340557号公報参照)。
[発明の概要]
[発明が解決しようとする課題]
しかしながら、上記従来の遊技機では、可動体のロック時にあって作動アームの連結部にピンが当接した状態にあっては、外力などによって無理にロックが解除させられると、作動アームやこれを駆動するソレノイドの軸部が曲がってしまう可能性があり、可動体の動作に支障をきたすおそれがあった。
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、可動体のロック状態を無理に解除しようとしても、可動体を動作させる機構に支障をきたすことがないようにすることができる遊技機を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段]
上記の目的を達成するために、本発明は、以下のような遊技機を提供する。
本発明に係る遊技機は、
可動体(例えば、可動体4620A)と、前記可動体を駆動するための駆動手段(モータ4611)と、前記駆動手段の駆動力を前記可動体に伝達する伝達機構(例えば、駆動伝達機構4610A)と、を備え、
前記可動体は、第1の位置(例えば、待機位置)から第2の位置(例えば、出現位置)へと移動可能であり、
前記伝達機構は、前記駆動手段の駆動力により回転可能な歯車(例えば、ピニオン4613a)を有する回転体(例えば、回転体4613)と、前記歯車と噛合可能なラック(例えば、ラック4614a)を有するラック部材(例えば、ラック部材4614)と、を有し、
前記可動体は、前記ラック部材が一体的に設けられ、前記歯車と前記ラックとが噛合した状態において、前記第1の位置から前記第2の位置に至るまでの移動経路上にある第3の位置(例えば、待機位置直前の位置)から前記第2の位置へと移動可能であり、
前記ラック部材は、前記ラックの一端側に凹部(例えば、凹部4614ba)及び窪み部(例えば、窪み部4614ca)を有し、
前記回転体は、前記歯車とともに回転しつつ前記ラック部材の前記凹部に入り込むことで前記可動体を前記第3の位置から前記第1の位置へと押し出し可能な押出片(例えば、押出片4613b)と、前記歯車とともに回転しつつ前記ラック部材の前記窪み部に摺接することで前記可動体を前記第1の位置に留止可能なロック片(例えば、ロック片4613c)と、を有し、
前記可動体が前記第1の位置にあるとき、前記歯車と前記ラックとが噛合しない状態で前記回転体が回転するのに応じて、前記ロック片が前記窪み部に摺接しつつも前記押出片が前記凹部に入り込まない状態から、前記押出片が前記凹部に入り込んで前記ロック片が前記窪み部に摺接しない状態になると、前記可動体が前記第1の位置から前記第3の位置へと押し出されることを特徴とする。
このような構成によれば、ラック部材の窪み部に回転体のロック片が摺接した状態で可動体が第1の位置において留止状態にある場合は、回転体の押出片もラック部材の凹部に入り込まずにラック部材を留止させた状態となり、その留止状態を無理に解除しようとしても、窪み部に対してロック片が摺接するだけで回転体やラック部材に無理な力が作用しないので、可動体を動作させるための回転体やラック部材に支障をきたすことがないようにすることができる。
[発明の効果]
本発明によれば、可動体のロック状態を無理に解除しようとしても、可動体を動作させる機構に支障をきたすことがないようにすることができる。
(付記1-2)
[背景技術]
この種の遊技機には、可動体を動作させるための駆動手段として、ラック及び回転体を備え、この回転体に設けられたピンを作動アームの連結部に当接させることで回転体の動きを阻止し、ひいては可動体の動作をロックさせるように構成されたものが提案されている(例えば、特開2001-340557号公報参照)。
[発明の概要]
[発明が解決しようとする課題]
しかしながら、上記従来の遊技機では、可動体のロック時にあって作動アームの連結部にピンが当接した状態にあっては、外力などによって無理にロックが解除させられると、作動アームやこれを駆動するソレノイドの軸部が曲がってしまう可能性があり、可動体の動作に支障をきたすおそれがあった。
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、可動体のロック状態を無理に解除しようとしても、可動体を動作させる機構に支障をきたすことがないようにすることができる遊技機を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段]
上記の目的を達成するために、本発明は、以下のような遊技機を提供する。
本発明に係る遊技機は、
可動体(例えば、可動体4620A)と、前記可動体を駆動するための駆動手段(モータ4611)と、前記駆動手段の駆動力を前記可動体に伝達する伝達機構(例えば、駆動伝達機構4610A)と、を備え、
前記可動体は、第1の位置(例えば、待機位置)から第2の位置(例えば、出現位置)へと移動可能であり、
前記伝達機構は、前記駆動手段の駆動力により回転可能な歯車(例えば、ピニオン4613a)を有する回転体(例えば、回転体4613)と、前記歯車と噛合可能なラック(例えば、ラック4614a)を有するラック部材(例えば、ラック部材4614)と、を有し、
前記可動体は、前記ラック部材が一体的に設けられ、前記歯車と前記ラックとが噛合した状態において、前記第1の位置から前記第2の位置に至るまでの移動経路上にある第3の位置(例えば、待機位置直前の位置)から前記第2の位置へと移動可能であり、
前記ラック部材は、前記ラックの一端側に凹部(例えば、凹部4614ba)及び窪み部(例えば、窪み部4614ca)を有し、
前記回転体は、前記歯車とともに回転しつつ前記ラック部材の前記凹部に入り込むことで前記可動体を前記第3の位置から前記第1の位置へと押し出し可能な押出片(例えば、押出片4613b)と、前記歯車とともに回転しつつ前記ラック部材の前記窪み部に摺接することで前記可動体を前記第1の位置に留止可能なロック片(例えば、ロック片4613c)と、を有し、
前記可動体が前記第1の位置にあるとき、前記歯車と前記ラックとが噛合しない状態で前記回転体が回転し、前記ロック片が前記窪み部に摺接しつつも前記押出片が前記凹部に入り込まない回転角度から、前記押出片が前記凹部に入り込んで前記ロック片が前記窪み部に摺接しない回転角度に回転可能であることを特徴とする。
このような構成によれば、ラック部材の窪み部に回転体のロック片が摺接した状態で可動体が第1の位置において留止状態にある場合は、回転体の押出片もラック部材の凹部に入り込まない回転角度を保ってラック部材を留止させた状態となり、その留止状態を無理に解除しようとしても、窪み部に対してロック片が摺接するだけで回転体やラック部材に無理な力が作用しないので、可動体を動作させるための回転体やラック部材に支障をきたすことがないようにすることができる。
[発明の効果]
本発明によれば、可動体のロック状態を無理に解除しようとしても、可動体を動作させる機構に支障をきたすことがないようにすることができる。
(付記2)
[背景技術]
この種の遊技機には、駆動源によって所定方向に移動可能なスライドバーに支持された前面可動演出役物と、前面可動演出役物の移動に連動して所定角度回転可能な複数の可動演出役物を備えたものが提案されている(例えば、特開2015-47429号公報参照)。
[発明の概要]
[発明が解決しようとする課題]
しかしながら、上記従来の遊技機では、可動演出役物の移動に連動して複数の可動演出役物が一方向に回転するのみであり、役物の演出効果として面白味や興趣に欠けるという難点があった。
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、役物の演出効果として面白味や興趣を高めることができる遊技機を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段]
上記の目的を達成するために、本発明は、以下のような遊技機を提供する。
本発明に係る遊技機は、
可動体(例えば、4620A)と、前記可動体を駆動するための駆動手段(例えば、モータ4611)と、を備え、
前記可動体は、
前記駆動手段の駆動力により所定の移動方向(例えば、左右方向)に沿って第1の位置(例えば、待機位置)から第2の位置(例えば、中間位置)を経て第3の位置(例えば、出現位置)へと移動可能であり、
前記所定の移動方向に沿う移動に連動して動作する複数の動作部(例えば、上可動部4640、中可動部4650、下可動部4660)を有し、
前記複数の動作部のうち少なくとも一の動作部(例えば、下可動部4660)は、
前記可動体の前記第1の位置から前記第2の位置までの移動に連動し、前記所定の移動方向とは異なる第1の方向(例えば、支点Zを中心とした時計回りの方向)に動作するための第1の動作機構(例えば、第3案内溝4630D)と、
前記可動体の前記第2の位置から前記第3の位置までの移動に連動し、前記所定の移動方向及び前記第1の方向とは異なる第2の方向(例えば、支点Yを中心とした反時計回りの方向)に動作するための第2の動作機構(例えば、揺動部材4680)と、に連結されていることを特徴とする。
このような構成によれば、動作部について、可動体が第1の位置から第2の位置まで移動するまでは第1の方向に動作する一方、可動体が第第2の位置から第3の位置まで移動するまでは第1の方向から切り替わって第2の方向に動作するので、動作部の多彩な動きを実現することができ、役物の演出効果として面白味や興趣を高めることができる。
本発明の好ましい実施の形態は、
前記第1の動作機構は、前記複数の動作部のうち少なくとも一の動作部と前記可動体とは別に設けられた突出部(例えば、突出部4530A)とが当接した状態で、前記可動体が前記第1の位置から前記第2の位置まで移動することにより、前記複数の動作部のうち少なくとも一の動作部が前記第1の方向に動作することを特徴とする。
このような構成によれば、可動体が第1の位置から第2の位置まで移動する際に一の動作部を突出部に当接させるだけで第1の方向に動作させることができる。
[発明の効果]
本発明によれば、役物の演出効果として面白味や興趣を高めることができる。
(付記2-1)
[背景技術]
この種の遊技機には、駆動源によって所定方向に移動可能なスライドバーに支持された前面可動演出役物と、前面可動演出役物の移動に連動して所定角度回転可能な複数の可動演出役物を備えたものが提案されている(例えば、特開2015-47429号公報参照)。
[発明の概要]
[発明が解決しようとする課題]
しかしながら、上記従来の遊技機では、可動演出役物の移動に連動して複数の可動演出役物が一方向に回転するのみであり、役物の演出効果として面白味や興趣に欠けるという難点があった。
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、役物の演出効果として面白味や興趣を高めることができる遊技機を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段]
上記の目的を達成するために、本発明は、以下のような遊技機を提供する。
本発明に係る遊技機は、
可動体(例えば、4620A)と、前記可動体を駆動するための駆動手段(例えば、モータ4611)と、を備え、
前記可動体は、
前記駆動手段の駆動力により所定の移動方向(例えば、左右方向)に沿って第1の位置(例えば、待機位置)から第2の位置(例えば、中間位置)を経て第3の位置(例えば、出現位置)へと直線的に移動可能であり、
前記所定の移動方向に沿う移動に連動して動作する複数の動作部(例えば、上可動部4640、中可動部4650、下可動部4660)を有し、
前記複数の動作部のうち少なくとも一の動作部(例えば、下可動部4660)は、
前記可動体の前記第1の位置から前記第2の位置までの移動に伴って第1の支点(例えば、支点Z)を中心に揺動し、
前記可動体の前記第2の位置から前記第3の位置までの移動に伴って前記第1の支点とは異なる第2の支点(例えば、支点Y)を中心に揺動するように軸支されていることを特徴とする。
このような構成によれば、動作部について、可動体が第1の位置から第2の位置まで直線的に移動するまでは第1の支点を中心に揺動する一方、可動体が第第2の位置から第3の位置まで直線的に移動するまでは第1の支点から切り替わって第2の支点を中心に揺動するので、動作部の多彩な動きを実現することができ、役物の演出効果として面白味や興趣を高めることができる。
本発明の好ましい実施の形態は、
前記複数の動作部のうち少なくとも一の動作部は、前記可動体とは別に設けられた突出部(例えば、突出部4530A)に当接した状態で、前記可動体が前記第1の位置から前記第2の位置まで移動することにより、前記第1の支点を中心に揺動することを特徴とする。
このような構成によれば、可動体が第1の位置から第2の位置まで移動する際に一の動作部を突出部に当接させるだけで第1の支点を中心に揺動させることができる。
[発明の効果]
本発明によれば、役物の演出効果として面白味や興趣を高めることができる。
(付記2-2)
[背景技術]
この種の遊技機には、駆動源によって所定方向に移動可能なスライドバーに支持された前面可動演出役物と、前面可動演出役物の移動に連動して所定角度回転可能な複数の可動演出役物を備えたものが提案されている(例えば、特開2015-47429号公報参照)。
[発明の概要]
[発明が解決しようとする課題]
しかしながら、上記従来の遊技機では、可動演出役物の移動に連動して複数の可動演出役物が一方向に回転するのみであり、役物の演出効果として面白味や興趣に欠けるという難点があった。
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、役物の演出効果として面白味や興趣を高めることができる遊技機を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段]
上記の目的を達成するために、本発明は、以下のような遊技機を提供する。
本発明に係る遊技機は、
可動体(例えば、4620A)と、前記可動体を駆動するための駆動手段(例えば、モータ4611)と、を備え、
前記可動体は、
前記駆動手段の駆動力により所定の移動方向(例えば、左右方向)に沿って第1の位置(例えば、出現位置)から第2の位置(例えば、中間位置)を経て第3の位置(例えば、待機位置)へと直線的に移動可能であり、
前記所定の移動方向に沿う移動に連動して動作する複数の動作部(例えば、上可動部4640、中可動部4650、下可動部4660)と、
前記所定の移動方向に沿う移動に連動して揺動する揺動部材(例えば、揺動部材4680)と、を有し、
前記揺動部材は、前記可動体の前記第1の位置から前記第2の位置までの移動に従って第1の支点(例えば、支点Y)を中心に揺動するように軸支されており、
前記複数の動作部のうち少なくとも一の動作部(例えば、下可動部4660)は、
前記可動体が前記第1の位置から前記第2の位置まで移動する際に前記揺動部材と一体になって前記第1の支点を中心に揺動し、
前記可動体が前記第2の位置から前記第3の位置まで移動する際に前記第1の支点とは異なる第2の支点(例えば、支点Z)を中心に揺動するように前記揺動部材に軸支されていることを特徴とする。
このような構成によれば、動作部について、可動体が第1の位置から第2の位置まで直線的に移動するまでは揺動部材と一体になって第1の支点を中心に揺動する一方、可動体が第第2の位置から第3の位置まで直線的に移動するまでは第1の支点から切り替わって揺動部材に軸支された第2の支点を中心に揺動するので、動作部の多彩な動きを実現することができ、役物の演出効果として面白味や興趣を高めることができる。
本発明の好ましい実施の形態は、
前記複数の動作部のうち少なくとも一の動作部は、前記可動体とは別に設けられた突出部(例えば、突出部4530A)に当接した状態で、前記可動体が前記第2の位置から前記第3の位置まで移動することにより、前記第2の支点を中心に揺動することを特徴とする。
このような構成によれば、可動体が第2の位置から第3の位置まで移動する際に一の動作部を突出部に当接させるだけで第2の支点を中心に揺動させることができる。
[発明の効果]
本発明によれば、役物の演出効果として面白味や興趣を高めることができる。
(付記3)
[背景技術]
この種の遊技機には、可動演出役物の内部に発光基板を備え、可動演出役物の前面として装飾カバーで発光基板を覆うように構成されたものが提案されている(例えば、特開2010-259550号公報参照)。
[発明の概要]
[発明が解決しようとする課題]
しかしながら、上記従来の遊技機では、可動演出役物が変動するものの、装飾カバーを通じて視認し得る発光態様に変化がないので、役物の演出効果として面白味や興趣に欠けるという難点があった。
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、役物の演出効果として面白味や興趣を高めることができる遊技機を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段]
上記の目的を達成するために、本発明は、以下のような遊技機を提供する。
本発明に係る遊技機は、
基板(例えば、発光基板4647)上に設けられた発光手段(例えば、LED4647a、赤色LED4647b、白色LED4647c)と、前記発光手段から照射された光が透過可能なレンズ部材(例えば、赤色レンズ4643、白色レンズ4644)と、前記レンズ部材を変位させるための変位手段(例えば、上可動部4640、連接部材4670)と、を備えた遊技機であって、
前記発光手段は、前記基板上の所定の位置に固定され、
前記変位手段は、前記レンズ部材について、前記発光手段から照射された光が前記レンズ部材を透過して第1の明度で発光する第1の位置(例えば、待機位置)と、前記発光手段から照射された光が前記レンズ部材を透過して前記第1の明度より明るい第2の明度で発光する第2の位置(例えば、出現位置)と、に変位可能であることを特徴とする。
このような構成によれば、レンズ部材を第1の位置に変位させると、レンズ部材を通じて第1の明度で発光するような発光態様となる一方、レンズ部材を第1の位置から第2の位置に変位させると、レンズ部材を通じて第2の明度で発光するような発光態様となるので、レンズ部材の変位に応じて発光態様を変化させることができ、役物の演出効果として面白味や興趣を高めることができる。
[発明の効果]
本発明によれば、役物の演出効果として面白味や興趣を高めることができる。
(付記3-1)
[背景技術]
この種の遊技機には、可動演出役物の内部に発光基板を備え、可動演出役物の前面として装飾カバーで発光基板を覆うように構成されたものが提案されている(例えば、特開2010-259550号公報参照)。
[発明の概要]
[発明が解決しようとする課題]
しかしながら、上記従来の遊技機では、可動演出役物が変動するものの、装飾カバーを通じて視認し得る発光態様に変化がないので、役物の演出効果として面白味や興趣に欠けるという難点があった。
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、役物の演出効果として面白味や興趣を高めることができる遊技機を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段]
上記の目的を達成するために、本発明は、以下のような遊技機を提供する。
本発明に係る遊技機は、
基板(例えば、発光基板4647)上に設けられた複数の発光手段(例えば、LED4647a、赤色LED4647b、白色LED4647c)と、前記複数の発光手段から照射された光が透過可能なレンズ部材(例えば、赤色レンズ4643、白色レンズ4644)と、前記レンズ部材を変位させるための変位手段(例えば、上可動部4640、連接部材4670)と、を備えた遊技機であって、
前記複数の発光手段は、第1の発光手段(例えば、白色LED4647c)と、前記第1の発光手段の周囲に配列された第2の発光手段(例えば、赤色LED4647b)と、を含み、
前記レンズ部材は、第1のレンズ部材(例えば、白色レンズ4644)と、前記第1のレンズ部材の周囲に配置された第2のレンズ部材(例えば、赤色レンズ4643)と、を含み、
前記第1の発光手段が照射する光の色と前記第2の発光手段が照射する光の色との組み合わせ、及び前記第1のレンズ部材に着色された色と前記第2のレンズ部材に着色された色との組み合わせのうち、少なくともいずれか一方の色の組み合わせが異なるように構成され、
前記変位手段は、前記第1の発光手段から照射された光が前記第2のレンズ部材を透過するとともに前記第2の発光手段から照射された光が前記第1のレンズ部材を透過することで発光する第1の位置(例えば、待機位置)と、前記第1の発光手段から照射された光が前記第1のレンズ部材を透過するとともに前記第2の発光手段から照射された光が前記第2のレンズ部材を透過することで発光する第2の位置(例えば、出現位置)と、に移動可能であることを特徴とする。
このような構成によれば、第1のレンズ部材及び第2のレンズ部材を第1の位置に変位させると、第1の発光手段からの光が第2のレンズ部材を通じて発光しつつ第2の発光手段からの光が第1のレンズ部材を通じて発光するような発光態様となる一方、第1のレンズ部材及び第2のレンズ部材を第1の位置から第2の位置に変位させると、第1の発光手段からの光が第1のレンズ部材を通じて発光しつつ第2の発光手段からの光が第2のレンズ部材を通じて発光するような発光態様となるので、レンズ部材の変位に応じて発光態様を多様に変化させることができ、役物の演出効果として面白味や興趣を高めることができる。
[発明の効果]
本発明によれば、役物の演出効果として面白味や興趣を高めることができる。
(付記3-2)
[背景技術]
この種の遊技機には、可動演出役物の内部に発光基板を備え、可動演出役物の前面として装飾カバーで発光基板を覆うように構成されたものが提案されている(例えば、特開2010-259550号公報参照)。
[発明の概要]
[発明が解決しようとする課題]
しかしながら、上記従来の遊技機では、可動演出役物が変動するものの、装飾カバーを通じて視認し得る発光態様に変化がないので、役物の演出効果として面白味や興趣に欠けるという難点があった。
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、役物の演出効果として面白味や興趣を高めることができる遊技機を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段]
上記の目的を達成するために、本発明は、以下のような遊技機を提供する。
本発明に係る遊技機は、
基板(例えば、発光基板4647)上に設けられた複数の発光手段(例えば、LED4647a、赤色LED4647b、白色LED4647c)と、前記複数の発光手段から照射された光が透過可能なレンズ部材(例えば、赤色レンズ4643、白色レンズ4644)と、前記レンズ部材を変位させるための変位手段(例えば、上可動部4640、連接部材4670)と、を備えた遊技機であって、
前記複数の発光手段は、
第1の発光手段(例えば、白色LED4647c)と、
前記第1の発光手段の周囲に配列された複数の第2の発光手段(例えば、赤色LED4647b)と、を含み、
前記レンズ部材は、
第1のレンズ部材(例えば、白色レンズ4644)と、
前記第1のレンズ部材の周囲に配置された第2のレンズ部材(例えば、赤色レンズ4643)と、を有し、
前記変位手段は、前記第1の発光手段が前記第2のレンズ部材に対応するとともに前記第2の発光手段が前記第1のレンズ部材に対応する第1の位置(例えば、待機位置)と、前記第1の発光手段が前記第1のレンズ部材に対応するとともに前記第2の発光手段が前
記第2のレンズ部材に対応する第2の位置(例えば、出現位置)と、に移動可能であり、
前記第1の位置よりも前記第2の位置の方が前記レンズ部材に対応する前記複数の発光手段の個数が多くなることを特徴とする。
このような構成によれば、第1のレンズ部材及び第2のレンズ部材を第1の位置に変位させると、第1の発光手段からの光が第2のレンズ部材を通じて発光しつつ第2の発光手段からの光が第1のレンズ部材を通じて発光するような発光態様となる一方、第1のレンズ部材及び第2のレンズ部材を第1の位置から第2の位置に変位させると、第1の発光手段からの光が第1のレンズ部材を通じて発光しつつ第2の発光手段からの光が第2のレンズ部材を通じて発光し、レンズ部材に対応する発光手段の個数も多くなるような発光態様となるので、レンズ部材の変位に応じて発光態様を多様に変化させることができ、役物の演出効果として面白味や興趣を高めることができる。
[発明の効果]
本発明によれば、多彩な演出効果として面白味や興趣を高めることができる遊技機を提供することができる。
(付記4)
[背景技術]
この種の遊技機に適用可能な配線接続構造としては、フレキシブルケーブルの先端部をコネクタ接続部の開口に挿入し、アクチュエータを開状態から閉状態へと回転させることにより、フレキシブルケーブルの先端部をコネクタ接続部に固定するように構成されたものが提案されている(例えば、特開2002-124330号公報参照)。
[発明の概要]
[発明が解決しようとする課題]
しかしながら、上記従来の配線接続構造では、遊技機の組立作業に際してアクチュエータを閉状態とすることを忘れたまま気付かないことがあり、そうした場合にフレキシブルケーブルの先端部がコネクタ接続部から抜けた状態で組み立てられてしまうおそれがあった。
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、配線接続部に対して配線を確実に接続した状態で組み立てることができる遊技機を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段]
上記の目的を達成するために、本発明は、以下のような遊技機を提供する。
本発明に係る遊技機は、
配線(例えば、FFC)が接続される配線接続部(例えば、接続端子部4543)と、
前記配線が前記配線接続部に接続された状態で、前記配線を固定可能な配線固定手段(例えば、開閉蓋4545)と、
前記配線接続部及び前記配線固定手段を覆う保護カバー(例えば、保護カバー4541)と、
前記保護カバーを取付可能なベース部(例えば、ベース部4542)と、を有し、
前記配線固定手段は、前記配線接続部に対して前記配線の挿入が容易となる開放状態と、前記配線接続部に挿入された配線を固定する閉鎖状態と、に動作可能であり、
前記保護カバーは、前記ベース部に取り付けられた状態において、前記配線接続部及び前記配線固定手段を内側に収容可能であり、
前記保護カバーの内面には、前記配線固定手段が開放状態の場合、当該配線固定手段に当接可能で前記ベース部への取り付けを妨げるための取付阻止部(例えば、凸部4541b)が設けられていることを特徴とする。
このような構成によれば、ベース部に対して保護カバーを取り付ける際には、配線接続部に配線を挿入して配線固定手段を閉鎖状態として固定しておかなければ、取付阻止部が配線固定手段に当接することで保護カバーを取り付けることができないので、配線接続部に対して配線を確実に接続・固定した状態でベース部に保護カバーを取り付けることができる。
[発明の効果]
本発明によれば、配線接続部に対して配線を確実に接続した状態で組み立てることができる。
(付記5)
[背景技術]
この種の遊技機には、枠体(機構板)の取付ベース部に断面略L字状の配線カバーを設け、この配線カバーの内側に複数の配線を束ねた状態で収容可能な配線収容部を形成したものが提案されている(例えば、特開2007-282853号公報参照)。
[発明の概要]
[発明が解決しようとする課題]
しかしながら、上記従来の遊技機では、配線収容部が枠体の一面側に形成されるのみであり、反対側の面に配線束を案内することができないので、電子部品が収容された枠体の内側から外側へと配線束を纏めて引き回すことができないという難点があった。
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、電子部品が収容された内側から外側へと配線束を容易に纏めて引き回すことができる遊技機を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段]
上記の目的を達成するために、本発明は、以下のような遊技機を提供する。
本発明に係る遊技機は、
電子部品を収容するための収容部材(例えば、本体ケース441)を備え、
前記収容部材は、
第1の壁部(例えば、背面部441A)と、
前記第1の壁部から立設するように形成される第2の壁部(例えば、左側部441B)と、を有し、
前記第1の壁部には、配線束を挿通するための第1の開口領域(例えば、第1の開口領域443A)が形成され、
前記第2の壁部には、前記配線束を挿通するための第2の開口領域(例えば、第2の開口領域443B)が形成され、
前記第2の開口領域は、
前記第1の開口領域より広い挿通部(例えば、挿通部443Ba)と、
前記挿通部に連続し、当該挿通部に挿通された前記配線束を前記第1の開口領域まで導引可能な連通部(例えば、連通部443Bb)と、を有し、
前記第1の開口領域の周囲には、前記配線束を纏めるための配線収容部(例えば、配線収容部443)が形成されていることを特徴とする。
このような構成によれば、第2の開口領域の挿通部に配線束の先端を挿入して収容部材の一面側から反対面側へと配線束を案内した後、当該配線束を連通部に押し込んだ状態とし、さらに配線束を第1の開口領域から配線収容部へと纏めて収容しておくことができるので、電子部品が収容された収容部材の内側から外側へと配線束を容易に纏めて引き回すことができる。
[発明の効果]
本発明によれば、電子部品が収容された内側から外側へと配線束を容易に纏めて引き回すことができる。
(付記5-1)
[背景技術]
この種の遊技機には、枠体(機構板)の取付ベース部に断面略L字状の配線カバーを設け、この配線カバーの内側に複数の配線を束ねた状態で収容可能な配線収容部を形成したものが提案されている(例えば、特開2007-282853号公報参照)。
[発明の概要]
[発明が解決しようとする課題]
しかしながら、上記従来の遊技機では、配線収容部が枠体の一面側に形成されるのみであり、反対側の面に配線束を案内することができないので、電子部品が収容された枠体の内側から外側へと配線束を纏めて引き回すことができないという難点があった。
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、電子部品が収容された内側から外側へと配線束を容易に纏めて引き回すことができる遊技機を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段]
上記の目的を達成するために、本発明は、以下のような遊技機を提供する。
本発明に係る遊技機は、
電子部品を収容するための収容部材(例えば、本体ケース441)を備え、
前記収容部材は、
第1の壁部(例えば、背面部441A)と、
前記第1の壁部から連続して立設する第2の壁部(例えば、第2壁部441Bb)と、
前記第2の壁部から連続して屈曲する第3の壁部(例えば、第1壁部441Ba)と、
を有し、
前記第1の壁部には、配線束を挿通するための第1の開口領域(例えば、第1の開口領域443A)が形成され、
前記第3の壁部には、前記配線束を挿通するための第2の開口領域(例えば、挿通部443Ba)が形成され、
前記第2の壁部には、前記第1の開口領域及び前記第2の開口領域に連続し、当該第2の開口領域に挿通された前記配線束を前記第1の開口領域まで導引可能な連通部(例えば、連通部443Bb)が形成され、
前記連通部は、前記第1の開口領域及び前記第2の開口領域よりも狭幅に形成されていることを特徴とする。
このような構成によれば、第2の開口領域の挿通部に配線束の先端を挿入して収容部材の一面側から反対面側へと配線束を案内した後、当該配線束を連通部に押し込んだ状態とし、さらに配線束を連通部から第1の開口領域へと纏めて導引しておくことができるので、電子部品が収容された収容部材の内側から外側へと配線束を容易に纏めて引き回すことができる。
[発明の効果]
本発明によれば、電子部品が収容された内側から外側へと配線束を容易に纏めて引き回すことができる。
(付記6)
[背景技術]
この種の遊技機には、遊技盤の前方に導光板を配置し、この導光板の左端面と上端面とに光を入光可能な複数の発光手段(LED)を設け、左端面から入光した光と上端面から入光した光とで異なる発光態様の画像を表示するように構成されたものが提案されている(例えば、特開2016-59483号公報参照)。
[発明の概要]
[発明が解決しようとする課題]
しかしながら、上記従来の遊技機では、発光手段の配置箇所が導光板の左端面及び上端面といった広範囲に及ぶので、発光手段の配置スペースや個数に応じてコストが増大してしまう難点があった。
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、発光手段の配置スペースや個数を抑えてコストを抑制しつつも多彩な発光演出を行うことができる遊技機を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段]
上記の目的を達成するために、本発明は、以下のような遊技機を提供する。
本発明に係る遊技機は、
発光手段(例えば、LED751,752,753)と、
複数の反射領域(例えば、発光領域741,742,743)を有する導光板(例えば、透明パネル740)と、を備え、
前記発光手段は、前記導光板の周縁部(例えば、上端部740A)から前記導光板の内部に光を入光可能な位置に配置され、
前記周縁部の所定の辺に対して第1の方向(例えば、直角方向)から光を入光させる第1の発光手段(例えば、LED751)と、
前記周縁部の前記所定の辺に対して前記第1の方向とは異なる第2の方向(例えば、斜め方向)から光を入光させる第2の発光手段(例えば、LED752,753)と、を含み、
前記複数の反射領域は、前記周縁部から入光された光を遊技者が視認可能な正面側に反射可能に設けられ、
前記第2の発光手段から照射された光よりも前記第1の発光手段から照射された光を強く反射可能な第1の反射領域(例えば、発光領域741)と、
前記第1の発光手段から照射された光よりも前記第2の発光手段から照射された光を強く反射可能な第2の反射領域(例えば、発光領域742,743)と、を含むことを特徴とする。
このような構成によれば、導光板の周縁部に複数の発光手段を配置し、第1の発光手段から照射した光によって第1の反射領域を発光させる態様と第2の発光手段から照射した光によって第2の反射領域を発光させる態様とで発光態様を変化させることができるので、発光手段の配置スペースや個数を抑えてコストを抑制しつつも多彩な発光演出を行うことができる。
[発明の効果]
本発明によれば、発光手段の配置スペースや個数を抑えてコストを抑制しつつも多彩な発光演出を行うことができる。
(付記6-1)
[背景技術]
この種の遊技機には、遊技盤の前方に導光板を配置し、この導光板の左端面と上端面とに光を入光可能な複数の発光手段(LED)を設け、左端面から入光した光と上端面から入光した光とで異なる発光態様の画像を表示するように構成されたものが提案されている(例えば、特開2016-59483号公報参照)。
[発明の概要]
[発明が解決しようとする課題]
しかしながら、上記従来の遊技機では、発光手段の配置箇所が導光板の左端面及び上端面といった広範囲に及ぶので、発光手段の配置スペースや個数に応じてコストが増大してしまう難点があった。
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、発光手段の配置スペースや個数を抑えてコストを抑制しつつも多彩な発光演出を行うことができる遊技機を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段]
上記の目的を達成するために、本発明は、以下のような遊技機を提供する。
本発明に係る遊技機は、
複数の発光手段(例えば、LED751,752,753)と、
前記複数の発光手段からの光を正面側に向けて反射可能な複数の反射領域(例えば、発光領域741,742,743)を有する導光板(例えば、透明パネル740)と、を備え、
前記複数の発光手段は、前記導光板の周縁部(例えば、上端部740A)から前記導光板の内部に光を入光可能な位置に配置され、
前記周縁部の所定の辺に対して第1の方向(例えば、直角方向)から光を入光させる第1の発光手段(例えば、LED751)と、
前記周縁部の前記所定の辺に対して前記第1の方向とは異なる第2の方向(例えば、斜め方向)に光を透過可能なレンズ部材(例えば、傾斜レンズ760,770)と、
前記レンズ部材を通して前記周縁部に対して光を入光させる第2の発光手段(例えば、LED752,753)と、を含み、
前記複数の反射領域は、
前記第2の発光手段から前記レンズ部材を透過して照射された光よりも前記第1の発光手段から照射された光を強く反射可能な第1の反射領域(例えば、発光領域741)と、
前記第1の発光手段から照射された光よりも前記第2の発光手段から前記レンズ部材を透過して照射された光を強く反射可能な第2の反射領域(例えば、発光領域742,743)と、を含むことを特徴とする。
このような構成によれば、導光板の周縁部に複数の発光手段を配置し、第1の発光手段から照射した光によって第1の反射領域を発光させる態様と第2の発光手段からレンズ部材を透過して照射した光によって第2の反射領域を発光させる態様とで発光態様を変化させることができるので、発光手段の配置スペースや個数を抑えてコストを抑制しつつも多彩な発光演出を行うことができる。
[発明の効果]
本発明によれば、発光手段の配置スペースや個数を抑えてコストを抑制しつつも多彩な発光演出を行うことができる。
(付記6-2)
[背景技術]
この種の遊技機には、遊技盤の前方に導光板を配置し、この導光板の左端面と上端面とに光を入光可能な複数の発光手段(LED)を設け、左端面から入光した光と上端面から入光した光とで異なる発光態様の画像を表示するように構成されたものが提案されている(例えば、特開2016-59483号公報参照)。
[発明の概要]
[発明が解決しようとする課題]
しかしながら、上記従来の遊技機では、発光手段の配置箇所が導光板の左端面及び上端面といった広範囲に及ぶので、発光手段の配置スペースや個数に応じてコストが増大してしまう難点があった。
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、発光手段の配置スペースや個数を抑えてコストを抑制しつつも多彩な発光演出を行うことができる遊技機を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段]
上記の目的を達成するために、本発明は、以下のような遊技機を提供する。
本発明に係る遊技機は、
複数の発光手段(例えば、LED751,752,753)と、
前記複数の発光手段からの光を正面側に向けて反射可能な複数の反射領域(例えば、発光領域741,742,743)を有する導光板(例えば、透明パネル740)と、を備え、
前記複数の発光手段は、前記導光板の周縁部(例えば、上端部740A)から前記導光板の内部に光を入光可能な位置に配置され、
前記周縁部の所定の辺に対して第1の方向(例えば、直角方向)から光を入光させる第1の発光手段(例えば、LED751)と、
前記周縁部の前記所定の辺に対して前記第1の方向とは異なる第2の方向(例えば、右斜め下向き)から光を入光させる第2の発光手段(例えば、LED752)と、
前記周縁部の前記所定の辺に対して前記第1の方向及び前記第2の方向とは異なる第3の方向(例えば、左斜め下向き)から光を入光させる第3の発光手段(例えば、LED753)と、を含み、
前記複数の反射領域は、
前記第2の発光手段及び前記第3の発光手段から照射された光よりも前記第1の発光手段から照射された光を強く反射可能な第1の反射領域(例えば、発光領域741)と、
前記第1の発光手段及び前記第3の発光手段から照射された光よりも前記第2の発光手段から照射された光を強く反射可能な第2の反射領域(例えば、発光領域742)と、
前記第1の発光手段及び前記第2の発光手段から照射された光よりも前記第3の発光手段から照射された光を強く反射可能な第3の反射領域(例えば、発光領域743)と、を含むことを特徴とする。
このような構成によれば、導光板の周縁部に複数の発光手段を配置し、第1の発光手段から照射した光によって第1の反射領域を発光させる態様と第2の発光手段から照射した光によって第2の反射領域を発光させる態様と第3の発光手段から照射した光によって第3の反射領域を発光させる態様とで発光態様を変化させることができるので、発光手段の配置スペースや個数を抑えてコストを抑制しつつも多彩な発光演出を行うことができる。
[発明の効果]
本発明によれば、発光手段の配置スペースや個数を抑えてコストを抑制しつつも多彩な発光演出を行うことができる。
以下では、図261から図274を参照して、本発明の第7実施形態に係る遊技システム600について説明する。
図261に示す遊技システム600が図2に示す第1実施形態に係る遊技システム500と異なる点は、遊技機11に代えて遊技機9000を具備する点である。遊技機9000は、増減数検出器1110に代えて増減数検出器9001を具備する。増減数検出器9001は、各入賞センサ1061、アウト球カウントセンサ9063、球送りカウントセンサ9075、上側ファール球カウントセンサ9103及び下側ファール球カウントセンサ9114を具備する。増減数検出器9001は、増減数検出信号を遊技媒体管理装置20へ出力する。遊技媒体管理装置20は増減数検出信号に基づいて持ち球の増減数を決定する。本実施形態では、増減数検出信号は、遊技球19が各入賞センサ1061、アウト球カウントセンサ9063、球送りカウントセンサ9075、上側ファール球カウントセンサ9103及び下側ファール球カウントセンサ9114のいずれかを通過したかを示す信号である。遊技媒体管理装置20は、各入賞センサ1061、球送りカウントセンサ9075、上側ファール球カウントセンサ9103及び下側ファール球カウントセンサ9114から出力された増減数検出信号や、それらを参照して生成された遊技情報に基づいて持ち球の増減数を決定する。不明球数については後述する。
図262に示すように、遊技機9000は、第1実施形態に係る遊技機11と同様に、検知制御回路99、表示装置制御基板103および遊技機接続基板201、主制御回路106および副制御回路107を有している。これらは、マイクロコンピュータを主要な構成部品として有している。マイクロコンピュータは、CPUおよび処理プログラム等が記憶される記憶部(RAM、ROM等)により構成される。
検知制御回路99は、各入賞センサ1061の他、第1電波センサ1001、第1開放センサ1002、第2開放センサ1003、遊技球ゼロセンサ1004、ハンドルボリューム1007、停止スイッチ1008、タッチセンサ1009及び着脱ユニットセンサ1014と接続され、これらからの信号を受信する。また、検知制御回路99は、球送りソレノイド9074及び発射モーター9082と接続され、これらの動作を制御する。
また、遊技機9000は、第1接続部104および第2接続部105を有している。第1接続部104は、各入賞センサ1061、アウト球カウントセンサ9063、球送りカウントセンサ9075、上側ファール球カウントセンサ9103及び下側ファール球カウントセンサ9114に接続されている。前記各入賞センサ1061等は、第1接続部104を介して、遊技媒体管理装置20の遊技機接続基板201に接続されている。第2接続部105は、表示装置制御基板103に接続されている。表示装置制御基板103は、第2接続部105を介して、遊技媒体管理装置20の遊技機接続基板201に接続される。
次に、図263から図269を用いて、遊技機9000の具体的な構造について説明する。以下では、主として遊技機9000が遊技機11と異なる点(具体的には、遊技球19の循環経路に係る構造)について説明を行い、共通する部分については説明を省略する。なお、第1実施形態に係る遊技機11は、遊技中において遊技球19が遊技機11内を循環する筐体内循環式(完全封入式)であるのに対して、第7実施形態に係る遊技機9000は、遊技中においては遊技球19が島設備と遊技機9000とを循環する島循環式である。
遊技機9000は、遊技盤9002、タンク9010、第一補給球通路9020、振分けユニット9030、第二補給球通路9040、球抜き通路9050、アウト球通路9060、球送り装置9070、発射装置9080、案内通路9090、上側ファール球通路9100、下側ファール球通路9110及び球排出部9120を具備する。
図263、図264及び図266に示す遊技盤9002は、遊技球19が転動流下可能な遊技領域160を有するものである。遊技盤9002は、本体枠ベース板(不図示)に着脱可能に設けられている。
図263、図264及び図266に示すタンク9010は、島設備(不図示)から供給される遊技球19を受け取る部分である。タンク9010は、上方が開口した器状に形成される。タンク9010は、遊技盤9002の上部の後方に設けられる。
図263、図264及び図266に示す第一補給球通路9020は、島設備から供給されタンク9010が受け取った遊技球19を下流側へ案内するものである。第一補給球通路9020の一端は、タンク9010に接続される。第一補給球通路9020は、遊技盤9002の後方において、タンク9010との接続部分(一端)から左方に延びた後、遊技盤9002の左端部近傍に沿って下方に延びるように形成される。
図264及び図266に示す振分けユニット9030は、第一補給球通路9020を通過した遊技球19を、下流側の2つの通路(具体的には、後述する第二補給球通路9040及び球抜き通路9050)のいずれかに振り分けるものである。振分けユニット9030は、第一補給球通路9020の下端に接続される。振分けユニット9030は、遊技盤9002の左端部の後方に設けられる。振分けユニット9030は、切替板(不図示)を具備し、当該切替板が動作することにより、後述する第二補給球通路9040又は球抜き通路9050のいずれかに遊技球19を供給可能とする。
図263から図266に示す第二補給球通路9040は、振分けユニット9030によって振分けられた遊技球19を下流側(具体的には、後述する球送り装置9070)に供給するものである。第二補給球通路9040は、上流側補給樋9041、下流側補給樋9042及び接続部9043を具備する。
図264から図266に示す上流側補給樋9041は、第二補給球通路9040の上流側の部分を構成するものである。上流側補給樋9041の一端は、振分けユニット9030の下端の左部に接続される。上流側補給樋9041は、振分けユニット9030との接続部分(一端)から適宜屈曲しながら遊技盤9002よりも下方まで延びた後、略右方に屈曲して、後述する発射装置9080の後方まで到達するように形成される(図264参照)。上流側補給樋9041は、その略右方に延びる部分が右方(下流側)に向かうにつれて上下方向の高さが低くなるように形成される。
下流側補給樋9042は、第二補給球通路9040の下流側の部分を構成するものである。下流側補給樋9042の一端は、上流側補給樋9041の下流側端部の近傍に位置するように形成される。下流側補給樋9042は、その一端から後述する球送り装置9070及び発射装置9080の右方において概ね前方に延びた後、球送り装置9070及び発射装置9080の前方において左方に屈曲するように形成される。これにより、下流側補給樋9042は、球送り装置9070及び発射装置9080を右方及び前方から取り囲むように形成される(図263及び図265参照)。下流側補給樋9042は、球送り装置9070の前部まで延伸し、その先端(他端)が後述する球送り装置9070に接続される。
図264から図266に示す接続部9043は、上流側補給樋9041と下流側補給樋9042とを接続するものである。接続部9043は、上流側補給樋9041と下流側補給樋9042との間に設けられる。
図264から図266に示す球抜き通路9050は、振分けユニット9030によって振分けられた遊技球19を、島設備に排出するものである。球抜き通路9050の一端は、振分けユニット9030の下端の右部に接続される。球抜き通路9050は、振分けユニット9030との接続部分(一端)から適宜屈曲しながら上流側補給樋9041(の前記略右方に延びる部分)よりも前方まで延びるように形成される(図264参照)。球抜き通路9050は、上流側補給樋9041の前方を略右方に延びて、その右端部が後述する上側ファール球通路9100(第一上流側ファール球樋9101)に接続される。
図263から図266に示すアウト球通路9060は、アウト口166を通過した遊技球19や各入賞口(不図示)を通過し遊技盤9002の裏面側を流下する遊技球19を集合させて下流側へ案内する部分である。アウト球通路9060は、アウト球受け部9061及びアウト球樋9062を具備する。また、アウト球通路9060には、アウト球カウントセンサ9063が設けられる。
図264から図266に示すアウト球受け部9061は、アウト口166を通過した遊技球19や各入賞口を通過した遊技球19を受け取る部分である。アウト球受け部9061は、アウト口166の直ぐ後下方に設けられる(図264参照)。アウト球受け部9061は、上方が開口した器状に形成される。アウト球受け部9061の底面は、遊技機9000の左右中央側に向かうにつれて上下方向の高さが低くなるように形成される。アウト球受け部9061の底面の略左右中央には、開口部(不図示)が形成される。
図264から図266に示すアウト球樋9062は、アウト球受け部9061で受け取った遊技球19を下流側へ案内する部分である。アウト球樋9062の一端(上端)は、アウト球受け部9061の前記開口部(不図示)に接続される。アウト球樋9062は、アウト球受け部9061の開口部との接続部分(一端)から、上流側補給樋9041よりも前方において左下方に延びた後、右下方に屈曲するように形成される。アウト球樋9062の他端(下端)は、後述する球排出部9120に接続される。
図265に示すアウト球カウントセンサ9063は、アウト口166から流入してアウト球通路9060を通過した遊技球19や各入賞口を通過した遊技球19を検出するものである。アウト球カウントセンサ9063は、アウト球樋9062の中途部に設けられる。アウト球カウントセンサ9063は、アウト球樋9062のアウト球カウントセンサ9063が設けられた部分を通過した遊技球19を検出すると、増減数検出信号を遊技媒体管理装置20に送信する。
図263及び図265から図269に示す球送り装置9070は、遊技球19を下流側(具体的には、後述する発射装置9080)に供給するものである。球送り装置9070は、球送り装置カバー9071、球送り装置ベース9072、球送りレバー9073、球送りソレノイド9074及び球送りカウントセンサ9075を具備する。
図267及び図268に示す球送り装置カバー9071は、球送り装置9070の前部を構成する部分である。なお、図269においては、球送り装置カバー9071の図示を省略している。球送り装置カバー9071には、球入口9071aが形成される。
球入口9071aは、島設備から補給される遊技球19の入口である。球入口9071aは、球送り装置カバー9071の中央部が貫通するように形成される。球入口9071aは、下流側補給樋9042の下流側端部と接続される(図265参照)。
図267から図269に示す球送り装置ベース9072は、球送り装置9070の主たる構造体を構成するものである。球送り装置ベース9072は、球送り装置カバー9071によって前方から覆われている。球送り装置ベース9072には、案内路9072a及び球出口9072bが形成される。
図267及び図269に示す案内路9072aは、球入口9071aから入ってきた遊技球19を下流側へ案内するものである。案内路9072aは、リブが前方に立ち上がることで形成される。案内路9072aは、正面視において球入口9071aと重複する位置に形成されることにより、球入口9071aに接続される。案内路9072aは、球入口9071aとの接続部分(一端)から左下方に延びるように形成される。また、案内路9072aには、球入口9071aから入ってきた遊技球19を左下方に案内する案内リブ9072cが形成されている(図269(b)参照)。
図268及び図269に示す球出口9072bは、案内路9072aによって案内された遊技球19の出口である。球出口9072bには、案内路9072aの他端(左端)が接続される。球出口9072bは、球送り装置ベース9072の後部が開口するように形成される。
図267及び図269に示す球送りレバー9073は、球出口9072bから遊技球19を排出するか否かを切り替えるものである。球送りレバー9073は、長手方向を略左右方向に向けて配置される。球送りレバー9073の左端部には、揺動軸9073aが設けられる。球送りレバー9073は、その右端部が揺動軸9073a回りに所定の範囲(揺動範囲)において上下に揺動可能に球送り装置ベース9072に支持される。また、球送りレバー9073には、当該球送りレバー9073の右端部が切り欠かれるように形成された切欠部9073bが形成されている。
図267及び図269に示す球送りソレノイド9074は、球送りレバー9073を回動させるものである。球送りソレノイド9074は、球送りレバー9073の上方に設けられる。球送りソレノイド9074に電力が供給(通電)されることにより、球送りソレノイド9074は、球送りレバー9073を吸引し正面視で反時計回りに回動させる。これにより、球送りレバー9073の右端部が前記揺動範囲において最も上方まで回動される。一方、球送りソレノイド9074への電力の供給が停止される(非通電となる)ことにより、球送りソレノイド9074は球送りレバー9073を吸引しなくなる。これにより、球送りレバー9073の右端部が前記揺動範囲において最も下方まで回動される(元の位置に戻る)。
球送りソレノイド9074に通電されていないときには、球送りレバー9073の右端は前記揺動範囲において最も下方に位置している。このときに案内路9072aを通過してきた遊技球19は、球送りレバー9073の右端部に当接することで、球出口9072bへの進入が防止される(図269(a)参照)。そして、球送りソレノイド9074に通電されると、球送りレバー9073の右端部は前記揺動範囲において最も上方まで回動される(正面視で反時計回りに回動される)。すると、遊技球19は、球送りレバー9073の切欠部9073b内に進入し、当該切欠部9073bに保持される。そして、球送りソレノイド9074が再び非通電となると、球送りレバー9073の右端は前記揺動範囲において最も下方まで回動される(正面視で時計回りに回動される)。これにより、切欠部9073bに保持された遊技球19は、球出口9072bと対向する位置に案内され、当該球出口9072bから排出される。このように、球送りレバー9073が1回揺動することにより、遊技球19が後述する発射装置9080に1球ずつ案内される。
図268に示す球送りカウントセンサ9075は、球送り装置9070から発射装置9080に送られる遊技球19を検出するものである。球送りカウントセンサ9075は、球出口9072b付近に設けられる。球送りカウントセンサ9075は、球出口9072bを通過した遊技球19を検出すると、増減数検出信号を遊技媒体管理装置20に送信する。
図263から図268に示す発射装置9080は、遊技盤9002の遊技領域160に遊技球19を発射するものである。発射装置9080は、球送り装置9070から発射位置に供給された遊技球19を遊技領域160に発射する。発射装置9080は、発射杵9081及び発射モーター9082を具備する。
図267に示す発射杵9081は、遊技球19を発射するために弾く部分である。発射杵9081は、正面視略L字状に形成される。発射杵9081は、その延伸部が上端及び右端に位置するように配置される。発射杵9081の中途部には、揺動軸9081aが設けられる。発射杵9081は、その下端部が揺動軸9081a回りに左右に揺動可能に支持される。発射杵9081の下端が左方に(正面視時計回り方向に)回動することにより、遊技球19を打撃し、発射レール9083を転動して当該遊技球19が発射装置9080から斜め上方へと発射される。
図267に示す発射モーター9082は、発射杵9081を揺動させるものである。発射モーター9082は、発射杵9081の後方に設けられる。発射モーター9082が駆動することにより、発射杵9081の下端を左方に(正面視時計回り方向に)回動させる。これにより、発射杵9081によって遊技球19を発射させる。
図263及び図265に示す案内通路9090は、発射装置9080から発射された遊技球19を遊技領域160に案内するものである。案内通路9090は、下側ガイドレール9091及び上側ガイドレール9092を具備する。
図263及び図265に示す下側ガイドレール9091は、案内通路9090の下部を構成する部分である。下側ガイドレール9091は、遊技球19が通過可能な斜面状に形成される。下側ガイドレール9091の一端(下端)は、発射装置9080の発射レール9083に接続される。下側ガイドレール9091は、その一端から左上方に延びて、遊技盤9002の直ぐ下方まで到達するように形成される。即ち発射装置9080によって発射された遊技球19は、発射レール9083上を転動した後に下側ガイドレール9091上を転動し、その後上側ガイドレール9092上を転動して遊技領域160に到達する。下側ガイドレール9091には、上回収口9091a及び下回収口9091bが設けられる。
図265に示す上回収口9091aは、発射装置9080により発射され、上側ガイドレール9092に到達したにもかかわらず、遊技領域160に到達しなかった遊技球19(以下、「ファール球」という)を回収するものである。上回収口9091aは、下側ガイドレール9091の斜面が開口するように形成される。上回収口9091aは、遊技球19(ファール球)が通過可能な大きさに形成される。上回収口9091aは、遊技盤9002よりも下方、かつ、球送り装置9070及び発射装置9080よりも上方に形成される。
図265に示す下回収口9091bは、発射装置9080により発射されたが、上側ガイドレール9092にまで到達しなかった遊技球19(ファール球)を回収するものである。下回収口9091bは、下側ガイドレール9091の斜面が開口するように形成される。下回収口9091bは、遊技球19(ファール球)が通過可能な大きさに形成される。下回収口9091bは、遊技盤9002よりも下方、かつ、球送り装置9070及び発射装置9080よりも上方に形成される。下回収口9091bは、上回収口9091aよりも下方に(発射装置9080に近い位置に)設けられる。
図263に示す上側ガイドレール9092は、案内通路9090の上部を構成する部分である。上側ガイドレール9092の一端(下端)は、遊技盤9002の下方において、下側ガイドレール9091の上端の近傍に位置するように形成される。上側ガイドレール9092は、その一端(下端)から遊技盤9002の遊技領域160の上端近傍まで延びるように形成される。上側ガイドレール9092は、遊技盤9002の遊技領域160に沿って略円弧状に延びるように形成される。
このように形成された案内通路9090によって、発射装置9080から発射された遊技球19を発射装置9080よりも上方に案内しつつ、当該案内通路9090(上側ガイドレール9092)の上側端部から遊技領域160に遊技球19を射出可能となる。
図263から図266に示す上側ファール球通路9100は、上回収口9091aにより回収された遊技球19(ファール球)を、下流側に誘導するものである。上側ファール球通路9100は、第一上流側ファール球樋9101及び第一下流側ファール球樋9102を具備する。また、上側ファール球通路9100には、上側ファール球カウントセンサ9103が設けられる。
図264から図266に示す第一上流側ファール球樋9101は、上側ファール球通路9100の上流側の部分を構成するものである。第一上流側ファール球樋9101の一端は、上回収口9091aに接続される。第一上流側ファール球樋9101は、その一端から適宜屈曲しながら後方に延びて、上流側補給樋9041(の前記略右方に延びる部分)のすぐ前方まで到達するように形成される。第一上流側ファール球樋9101の後端部には、球抜き通路9050の下流側端部が接続される(図264参照)。
図264から図266に示す第一下流側ファール球樋9102は、上側ファール球通路9100の下流側の部分を構成するものである。第一下流側ファール球樋9102の一端は、第一上流側ファール球樋9101の後端部(下流側端部)に接続される。第一下流側ファール球樋9102は、その一端から略右下方に延びて、アウト球樋9062の中途部に接続するように形成される。第一下流側ファール球樋9102の他端(右端)は、アウト球カウントセンサ9063よりも下流側でアウト球樋9062に接続される(図265参照)。
図265に示す上側ファール球カウントセンサ9103は、上回収口9091aにより回収され上側ファール球通路9100を通過する遊技球19(ファール球)を検出するものである。上側ファール球カウントセンサ9103は、上側ファール球通路9100(第一下流側ファール球樋9102)の中途部に設けられる。上側ファール球カウントセンサ9103は、上側ファール球通路9100を通過する遊技球19(ファール球)を検出すると、増減数検出信号を遊技媒体管理装置20に送信する。
図263から図266に示す下側ファール球通路9110は、下回収口9091bにより回収された遊技球19(ファール球)を、下流側に誘導するものである。下側ファール球通路9110は、第二上流側ファール球樋9111、第二下流側ファール球樋9112及び接続部9113を具備する。また、下側ファール球通路9110には、下側ファール球カウントセンサ9114が設けられる。
図265及び図266に示す第二上流側ファール球樋9111は、下側ファール球通路9110の上流側の部分を構成するものである。第二上流側ファール球樋9111の一端は、下回収口9091bに接続される。第二上流側ファール球樋9111は、その一端から左方に延びるように形成される。
図265及び図266に示す第二下流側ファール球樋9112は、下側ファール球通路9110の下流側の部分を構成するものである。第二下流側ファール球樋9112の一端は、第二上流側ファール球樋9111の左端(下流側端部)の近傍に位置するように形成される。第二下流側ファール球樋9112は、その一端から後方に延びた後、右方に屈曲するように形成される。第二下流側ファール球樋9112の他端(右端)は、アウト球樋9062の右端(下流側端部)の近傍まで延びるように形成される。
図265及び図266に示す接続部9113は、第二上流側ファール球樋9111と第二下流側ファール球樋9112とを接続するものである。接続部9113は、第二上流側ファール球樋9111と第二下流側ファール球樋9112との間に、遊技球19が通過可能に設けられる。
図265に示す下側ファール球カウントセンサ9114は、下回収口9091bにより回収され下側ファール球通路9110を通過する遊技球19(ファール球)を検出するものである。下側ファール球カウントセンサ9114は、下側ファール球通路9110(第二上流側ファール球樋9111)の中途部に設けられる。下側ファール球カウントセンサ9114は、下側ファール球通路9110を通過する遊技球19(ファール球)を検出すると、増減数検出信号を遊技媒体管理装置20に送信する。
図263から図266に示す球排出部9120は、遊技球19を遊技機9000の外部(島設備)に排出するためのものである。球排出部9120は、アウト球樋9062の下流側端部及び第二下流側ファール球樋9112の下流側端部と接続される(図266参照)。球排出部9120には、球排出口9121が形成される。
図266に示す球排出口9121は、遊技球19を島設備に排出するものである。球排出口9121は、球排出部9120が下方に開口するように形成される。このように球排出口9121が形成されることにより、アウト球通路9060を通過した遊技球19、及び下側ファール球通路9110を通過した遊技球19が当該球排出口9121から島設備に排出可能である。
次に、図270(a)を用いて、遊技機9000側の増減数検出信号処理について説明する。図270(a)に示す増減数検出信号処理が図4(a)に示す第1実施形態に係る増減数検出信号処理と異なる点は、ステップS101に代えてステップS311を行う点である。したがって、第1実施形態と同一のステップについては説明を省略する。
図270(a)に示すステップS311において、増減数検出器9001によって遊技球19が検出された否かが判定される。すなわち、ステップS311においては、各入賞センサ1061、アウト球カウントセンサ9063、球送りカウントセンサ9075、上側ファール球カウントセンサ9103又は下側ファール球カウントセンサ9114によって遊技球19が検出された否かが判定される。増減数検出器9001によって遊技球19が検出されない場合(ステップS311でNO)、ステップS103が実行される。一方、増減数検出器9001によって遊技球19が検出された場合(ステップS311でYES)、増減数検出信号が遊技媒体管理装置20へ出力される(ステップS102)。
次に、図270(b)及び図271(a)を用いて、遊技媒体管理装置20側の第一増減数検出信号処理について説明する。
図270(b)に示すステップS321において、遊技媒体管理装置20の管理装置制御部202において、増減数検出信号が受信されたか否かが判定される。増減数検出信号が受信されない場合(ステップS321でNO)、ステップS321が再実行される。一方、増減数検出信号が受信された場合は(ステップS321でYES)、管理装置制御部202はステップS322に処理を移す。
ステップS322において、管理装置制御部202は、増減数検出信号の出力元を特定する。具体的には、管理装置制御部202は、増減数検出信号に基づいて、当該増減数検出信号が各入賞センサ1061、球送りカウントセンサ9075、上側ファール球カウントセンサ9103又は下側ファール球カウントセンサ9114のいずれから送信されたものであるかを特定する。この処理を終了した場合には、管理装置制御部202はステップS323に処理を移す。
ステップS323において、管理装置制御部202は、持ち球管理処理を行う。この処理において、図271(a)に示すように、持ち球数が加算又は減算される。具体的には、始動口161、大入賞口164、および一般入賞口168それぞれに持ち球の増加数(賞球数)が予め設定されており、特定された入賞口に応じた賞球数の分だけ持ち球数が加算される。球送りカウントセンサ9075から増減数検出信号が出力された場合は、持ち球数が1減算される。上側ファール球カウントセンサ9103又は下側ファール球カウントセンサ9114から増減数検出信号が出力された場合は、持ち球数が1加算される。また、遊技媒体の貸出操作が行われた場合は、貸出球数に応じて持ち球数が加算される。また、計数操作(遊技媒体の返却)が行われた場合は、持ち球数はクリアされ0とされる。この処理を終了した場合には、管理装置制御部202はステップS324に処理を移す。
ステップS324において、管理装置制御部202は、持ち球数を遊技機9000に送信する。管理装置制御部202は、この処理を終了した場合には、第一増減数検出信号処理ルーチンを終了する。
次に、図270(c)及び図271(b)を用いて、遊技媒体管理装置20側の第二増減数検出信号処理について説明する。
図270(c)に示すステップS325において、遊技媒体管理装置20の管理装置制御部202において、増減数検出信号が受信されたか否かが判定される。増減数検出信号が受信されない場合(ステップS325でNO)、ステップS325が再実行される。一方、増減数検出信号が受信された場合は(ステップS325でYES)、管理装置制御部202はステップS326に処理を移す。
ステップS326において、管理装置制御部202は、増減数検出信号の出力元を特定する。具体的には、管理装置制御部202は、増減数検出信号に基づいて、当該増減数検出信号がアウト球カウントセンサ9063、球送りカウントセンサ9075、上側ファール球カウントセンサ9103又は下側ファール球カウントセンサ9114のいずれから送信されたものであるかを特定する。この処理を終了した場合には、管理装置制御部202はステップS327に処理を移す。
ステップS327において、管理装置制御部202は、不明球管理処理を行う。ここで、「不明球」とは、球送り装置9070から発射装置9080に送られた後、存在が確認されない遊技球19のことをいう。この処理において、図271(b)に示すように、不明球数が加算又は減算される。具体的には、球送りカウントセンサ9075から増減数検出信号が出力された場合は、不明球数が1加算される。上側ファール球カウントセンサ9103又は下側ファール球カウントセンサ9114から増減数検出信号が出力された場合は、不明球数が1減算される。アウト球カウントセンサ9063から増減数検出信号が出力された場合(すなわち、アウト口166を通過した遊技球19及び各入賞口を通過した遊技球19が検出された場合)は、不明球数が1減算される。この処理を終了した場合には、管理装置制御部202はステップS328に処理を移す。
ステップS328において、管理装置制御部202は、不明球数を遊技機9000に送信する。この処理を終了した場合には、管理装置制御部202はステップS329に処理を移す。
ステップS329において、管理装置制御部202は、不明球報知処理を行う。不明球報知処理は、図272に示すフローチャートに従って行われる。
図272に示すステップ331において、管理装置制御部202は、不明球数がマイナス閾値より少ない(マイナス閾値を超えた)か否かを判定する。ここで、マイナス閾値は予め設定された負の値であり、任意の値とすることができる。
管理装置制御部202は、不明球数がマイナス閾値より少ないと判定した場合(ステップS331で「YES」)、ステップS333に処理を移す。一方、管理装置制御部202は、不明球数がマイナス閾値より少なくないと判定した場合(ステップS331で「NO」)、ステップS332に処理を移す。
なお、不明球数がマイナス閾値より少ない場合(ステップS331で「YES」)とは、球送りソレノイド9074で遊技球19が検出されていないにもかかわらず、アウト球カウントセンサ9063、上側ファール球カウントセンサ9103又は下側ファール球カウントセンサ9114で遊技球19が検出された場合であって、遊技システム600の外部から遊技球19が取り込まれたことを示している。すなわち、不明球数がマイナス閾値より少ない場合(ステップS331で「YES」)とは、不正入賞や不正な遊技の可能性があることを示している。
ステップ332において、管理装置制御部202は、不明球数がプラス閾値より多い(プラス閾値を超えた)か否かを判定する。ここで、プラス閾値は予め設定された正の値であり、任意の値とすることができる。
管理装置制御部202は、不明球数がプラス閾値より多いと判定した場合(ステップS332で「YES」)、ステップS333に処理を移す。一方、管理装置制御部202は、不明球数がプラス閾値より多くないと判定した場合(ステップS332で「NO」)、不明球報知処理ルーチンを終了する。
なお、不明球数がプラス閾値より多い場合(ステップS332で「YES」)とは、遊技領域160において遊技球19が数珠繋ぎになって詰まっている状態(所謂ブドウの発生)等の盤面異常状態の可能性があることを示している。
ステップS333において、管理装置制御部202は、不明球報知処理を行う。この処理において、管理装置制御部202は、マイナス閾値より少ないこと、又はプラス閾値より多いことを、例えば第1液晶表示装置102に表示させることにより、従業員等に報知する。この処理を終了した場合には、不明球報知処理ルーチンを終了する。
[発射処理]
次に、図273を用いて、発射処理について説明する。
遊技機9000における発射処理(図273参照)が第1実施形態に係る遊技機11における発射処理(図19参照)と異なる点は、ステップS302及びステップS304を行わない点である。すなわち、図270に示す発射処理においては、持ち球数が0であっても、ハンドル1026が操作されると発射杵9081が回動される。
[球送り処理]
次に、図274を用いて、球送り処理について説明する。
図274に示すように、ステップS341において、メインCPUは、ハンドル1026の操作を検出したか否かを判定する。この処理において、メインCPUは、タッチセンサ1009からの検出信号を受信した場合に、ハンドル1026の操作を検出したと判定する。
メインCPUは、ハンドル1026の操作を検出したと判定した場合(ステップS341で「YES」)、ステップS342に処理を移す。一方、メインCPUは、ハンドル1026の操作を検出していないと判定した場合(ステップS341で「NO」)、球送り処理ルーチンを終了する。
ステップS342において、メインCPUは、持ち球数が0であるか否かを判定する。この処理において、メインCPUは、表示基板1022から持ち球数が0である旨を示す信号を受信しているか否かに基づいて、持ち球数が0であるか否かを判定する。
メインCPUは、持ち球数が0ではないと判定した場合(ステップS342で「NO」)、ステップS343に処理を移す。一方、メインCPUは、持ち球数が0であると判定した場合(ステップS342で「YES」)、球送り処理ルーチンを終了する。
ステップS343において、メインCPUは、球送り装置作動処理を行う。この処理において、メインCPUは、球送りソレノイド9074に通電を行った後再び非通電とすることにより、球送りレバー9073を1回揺動させる。これにより、遊技球19は、球出口9072bから排出され、発射装置9080へと送られる。メインCPUは、この処理を終了した場合には、ステップS344に処理を移す。
ステップS344において、メインCPUは、遊技機側増減数検出信号処理を行う。この処理において、メインCPUは、図270(a)に示す遊技機側増減数検出信号処理を行う。この処理を終了した場合には、球送り処理ルーチンを終了する。
次に、遊技機9000における遊技球19の流れを説明する。
島設備(不図示)からタンク9010に遊技球19が供給される。タンク9010に供給された遊技球19は、第一補給球通路9020を通過し、振分けユニット9030に供給される。振分けユニット9030の切替板(不図示)の状態により、遊技球19は第二補給球通路9040又は球抜き通路9050のいずれかに供給される(図264参照)。以下、遊技球19が第二補給球通路9040に供給された場合について説明し、球抜き通路9050に供給された場合については後述する。
第二補給球通路9040に供給された遊技球19は、当該第二補給球通路9040を通過し、球送り装置9070の球入口9071aに供給される(図263及び図265参照)。球入口9071aに供給された遊技球19は、案内路9072aによって球出口9072bの近傍まで案内される。
このとき、球送りソレノイド9074が駆動していない場合(球送りレバー9073が図269(a)に示す位置にある場合)、遊技球19は球出口9072bから排出されない。したがって、遊技球19は、発射装置9080に供給されない。
一方、ハンドル1026の操作があり(ステップS341でYES)、持ち球数が0でない場合(ステップS342でNO)、球送り装置作動処理(ステップS343)が行われる。球送り装置作動処理において球送りレバー9073が1回揺動することにより、遊技球19は球出口9072bから排出される。球送りカウントセンサ9075が球出口9072bを通過した遊技球19を検出することにより、持ち球数が1減算され、不明球数が1加算される。球出口9072bを通過した遊技球19は、発射装置9080に供給される。
発射装置9080に送られた遊技球19は、ハンドルボリューム1007が検出したハンドル1026への操作に応じた強度で発射モーター9082が動作されることにより、案内通路9090によって案内されて遊技領域160に発射される(ステップS303)。
遊技領域160に発射された遊技球19が各入賞口を通過した場合、各入賞センサ1061が各入賞口を通過する遊技球19を検出することにより、入賞口に応じた賞球数の分だけ持ち球数が加算される。各入賞口を通過した遊技球19は、遊技盤9002の裏面側に設けられた樋(不図示)を通過して、アウト球通路9060に送られる。アウト球カウントセンサ9063がアウト球通路9060を通過する遊技球19を検出することにより、不明球数が1減算される。
一方、遊技領域160に発射され、各入賞口を通過せずにアウト口166を通過した遊技球19は、アウト球通路9060に送られる。当該遊技球19は、アウト球通路9060を通過し、球排出口9121から島設備に排出される。この際、アウト球カウントセンサ9063がアウト球通路9060を通過する遊技球19を検出することにより、不明球数が1減算される。
一方、発射装置9080により発射されたにもかかわらず、遊技領域160に到達しなかった遊技球19(ファール球)は、上回収口9091a又は下回収口9091bによって回収される。
上回収口9091aによって回収された遊技球19は、上側ファール球通路9100に送られる。当該遊技球19は、上側ファール球通路9100及び当該上側ファール球通路9100に接続されたアウト球通路9060を通過し、球排出口9121から島設備に排出される。この際、上側ファール球カウントセンサ9103が上側ファール球通路9100を通過する遊技球19を検出することにより、持ち球数が1加算され、不明球数が1減算される。
下回収口9091bによって回収された遊技球19は、下側ファール球通路9110に送られる。当該遊技球19は、下側ファール球通路9110及び当該下側ファール球通路9110に接続された球排出部9120を通過し、球排出口9121から島設備に排出される。この際、下側ファール球カウントセンサ9114が下側ファール球通路9110を通過する遊技球19を検出することにより、持ち球数が1加算され、不明球数が1減算される。
一方、振分けユニット9030によって遊技球19が球抜き通路9050に供給された場合、当該遊技球19は、球抜き通路9050を介して、当該球抜き通路9050に接続された上側ファール球通路9100に送られる。その後、遊技球19は、上側ファール球通路9100を介して、当該上側ファール球通路9100に接続されたアウト球樋9062に送られる。その後、遊技球19は、アウト球樋9062を介して、当該アウト球樋9062に接続された球排出部9120に送られ、球排出口9121から島設備に排出される。
このように、遊技球19は島設備から供給され、遊技盤9002に発射された後、再び島設備に排出される。そして、持ち球数が管理されており、持ち球数に応じて計数(返却)の要求に基づく処理が実行される。よって、遊技球19は遊技機9000の外部に排出されるものの、遊技者が実際に遊技球19に触れることはない。したがって、例えば遊技球19が不正行為者により不正の遊技球に交換されることを防止し、不正防止を図ることができる。
さらに、本実施形態においては、不明球数が管理されている(図270(c)に示すステップS327)。そして、不明球数がマイナス閾値より少ない場合(図272に示すステップS331でYES)、又は不明球数がプラス閾値より多い場合(図272に示すステップS332でYES)、その旨が従業員等に報知される(図272に示すステップS333)。これにより、従業員等は、不明球数がマイナス閾値より少ない場合には、不正入賞や不正な遊技の可能性があることを把握することができる。また、従業員等は、不明球数がプラス閾値より多い場合には、ブドウ発生等の盤面異常状態の可能性があることを把握することができる。このように、不明球数を管理することにより、これらの不正や異常状態の発生の可能性を把握することができ、適切な対応を図ることができる。
また、本実施形態においては、ファール球の回収手段として2つの回収口(上回収口9091a及び下回収口9091b)が案内通路9090(下側ガイドレール9091)に上下に間隔をおいて設けられている。下側ガイドレール9091の上端付近まで到達した遊技球19や、上側ガイドレール9092まで到達したものの遊技領域160に到達しなかった遊技球19は、上回収口9091aによって回収することができる。
また、打ち出し強度が極端に弱くて上回収口9091aにも到達しない遊技球19は、発射位置に戻ってくる。このような遊技球19が複数発生し、下側ガイドレール9091の下端に数珠繋ぎとなって滞留した場合であっても、発射位置に近い位置に設けられた下回収口9091bによって当該遊技球19を案内通路9090から回収することができる。
また、本実施形態においては、遊技球数が1以上であるときにハンドル1026が操作された場合、球送りソレノイド9074(球送りレバー9073)及び発射杵9081が動作する。これにより、遊技球19が遊技領域160に発射される。一方、遊技球数が0であるときにハンドル1026が操作された場合、発射杵9081は動作するが球送りソレノイド9074(球送りレバー9073)は動作しない。これにより、遊技球19が発射装置9080に供給されない。
ここで、持ち球数が1であるときに、発射装置9080から遊技球19が発射されたにもかかわらず、下回収口9091bに到達しないほど打ち出し強度が弱かった場合、第1実施形態に係る遊技機11のように発射装置9080に使用球センサが設けられている(発射装置118における遊技球19の出口に減算センサ1011が設けられていると)と、持ち球数が1減算されて0となり、発射機能が停止される。このため、当該遊技球19が発射装置9080に戻ってきている(実際には遊技球19が存在する)にもかかわらず、当該遊技球19を発射することができない。
一方、本実施形態においては、使用球センサ(球送りカウントセンサ9075)が球送り装置9070に設けられている。また、持ち球数が1であるときに、球送り装置9070から発射装置9080に遊技球19が送られると、球送りカウントセンサ9075の検出によって持ち球数が1減算され0になるが、発射装置9080の発射機能は停止されていない。このため、発射装置9080によって遊技球19を発射可能である。そして、発射装置9080から遊技球19が発射されたにもかかわらず、下回収口9091bに到達しないほど打ち出し強度が弱く再び発射装置9080に戻ってきた場合であっても、再び発射装置9080によって遊技球19を発射することができる。
次に、図275及び図276を参照して、本発明の第8実施形態に係る遊技機9200について説明する。以下では、第8実施形態に係る遊技機9200のうち第7実施形態に係る遊技機9000と同一の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。なお、第8実施形態に係る遊技機9200は、遊技中において遊技球19が遊技機9200内を循環する筐体内循環式(完全封入式)である。
遊技機9200は、遊技盤9002、アウト球通路9260、球送り装置9070、発射装置9080、案内通路9090、上側ファール球通路9300、下側ファール球通路9310、球磨き機9320、球排出通路9330及び球交換操作レバー9340を具備する。
図275及び図276に示すアウト球通路9260は、アウト口166を通過した遊技球19を下流側へ案内する部分である。アウト球通路9260が第7実施形態に係るアウト球通路9060と異なる点は、アウト球樋9062に代えて上流側アウト球樋9262、下流側アウト球樋9263及び接続部9264を具備する点である。
上流側アウト球樋9262は、アウト球通路9260の上流側の部分を構成するものである。上流側アウト球樋9262の一端(上端)は、アウト球受け部9061の開口部(不図示)に接続される。上流側アウト球樋9262は、アウト球受け部9061の開口部との接続部分(一端)から、球送り装置9070及び発射装置9080よりも後方において、左下方に延びた後、右下方に屈曲するように形成される。上流側アウト球樋9262の中途部には、アウト球カウントセンサ9063が設けられる。
下流側アウト球樋9263は、アウト球通路9260の下流側の部分を構成するものである。下流側アウト球樋9263の一端(上端)は、上流側アウト球樋9262の他端(右端)の近傍に位置するように形成される。下流側アウト球樋9263は、その一端から概ね前方に延びた後、左方に屈曲することで、球送り装置9070及び発射装置9080を取り囲むように形成される。下流側アウト球樋9263は、球送り装置9070の前部まで延伸し、その先端(他端)が球送り装置9070に接続される。なお、上記実施形態では、球送り装置9070に接続される樋は下流側アウト球樋9263のみであるが、上側ファール球通路9300、アウト球通路9460、補給球樋9441が下流側アウト球樋9263に合流せずにそれぞれ独立した樋で形成されて球送り装置9070に接続するように構成してもよい。
接続部9264は、上流側アウト球樋9262と下流側アウト球樋9263とを、遊技球19が通過可能に接続するように設けられる。また、接続部9264には、第一下流側ファール球樋9102の右端(下流側端部)が接続される。
図275及び図276に示す上側ファール球通路9300は、上回収口9091aにより回収された遊技球19(ファール球)を、球送り装置9070に誘導するものである。
図275に示す上側ファール球カウントセンサ9103は、上回収口9091aにより回収され上側ファール球通路9300を通過する遊技球19(ファール球)を検知するものである。上側ファール球カウントセンサ9103は、上側ファール球通路9300を通過する遊技球19(ファール球)を検出すると、検出信号をメインCPUに送信する。
図275に示す下側ファール球通路9310は、下回収口9091bにより回収された遊技球19(ファール球)を、球送り装置9070に誘導するものである。下側ファール球通路9310が第7実施形態に係る下側ファール球通路9110と異なる点は、第二上流側ファール球樋9111に代えて第二上流側ファール球樋9311を具備し、第二下流側ファール球樋9112に代えて第二下流側ファール球樋9312を具備し、接続部9113に代えて接続部9313を具備する点である。
図275に示す第二上流側ファール球樋9311は、下側ファール球通路9310の上流側の部分を構成するものである。第二上流側ファール球樋9311の一端は、下回収口9091bに接続される。第二上流側ファール球樋9311は、その一端から左方に延びるように形成される。第二上流側ファール球樋9311の中途部には、下側ファール球カウントセンサ9114が設けられる。
図275に示す第二下流側ファール球樋9312は、下側ファール球通路9310の下流側の部分を構成するものである。第二下流側ファール球樋9312の一端は、第二上流側ファール球樋9311の左端(下流側端部)の近傍に位置するように形成される。第二下流側ファール球樋9312は、その一端から前方に延びた後、右方に屈曲することで、球送り装置9070及び発射装置9080を取り囲むように形成される。第二下流側ファール球樋9312及び下流側アウト球樋9263、球送り装置9070の前部まで延伸し、接続部9350に接続する。接続部9350は球送り装置9070に接続され、第二下流側ファール球樋9312及び下流側アウト球樋9263から流下してくる遊技球19を集合させて球送り装置9070に誘導する。
図275に示す接続部9313は、第二上流側ファール球樋9311と第二下流側ファール球樋9312とを接続するものである。接続部9313は、第二上流側ファール球樋9311と第二下流側ファール球樋9312との間に、遊技球19が通過可能に設けられる。
図275に示す下側ファール球カウントセンサ9114は、下回収口9091bにより回収され下側ファール球通路9310を通過する遊技球19(ファール球)を検知するものである。下側ファール球カウントセンサ9114は、下側ファール球通路9310を通過する遊技球19(ファール球)を検出すると、検出信号をメインCPUに送信する。
図275及び図276に示す球磨き機9320は、遊技球19を磨くものである。球磨き機9320は、下流側アウト球樋9263の中途部に設けられる。球磨き機9320は、球送り装置9070及び発射装置9080の右方に設けられる。
球排出通路9330は、球交換の際に遊技球19を遊技機9200の外部に排出するためのものである。球排出通路9330の一端は、接続部9264に接続される。これにより、球排出通路9330の一端は、アウト球カウントセンサ9063の下流側、かつ、球磨き機9320の上流側でアウト球通路9260(接続部9264)に接続される。球排出通路9330は、その一端から右方に延びた後、球磨き機9320よりも右方において前方に屈曲するように形成される。球排出通路9330には、球排出口9331が形成される。
図275に示す球排出口9331は、球排出通路9330を移動する遊技球19を遊技機9200の外部に排出するものである。球排出口9331は、球排出通路9330の他端(前端)が前方に開口するように形成される。このように球排出口9331が形成されることにより、球排出通路9330を通過した遊技球19が球排出口9331から外部に排出される。球排出口9331には、当該球排出口9331の開放と閉鎖を切り替え可能な排出口シャッタ(不図示)が設けられている。
球交換操作レバー9340は、アウト球通路9260(接続部9264)と球排出通路9330との接続部分において、下流側アウト球樋9263と球排出通路9330とのいずれかの流路に切り替えるものである。球交換操作レバー9340は、初期位置にあるときには、当該接続部分において下流側アウト球樋9263を開放し球排出通路9330を閉鎖している。これにより、遊技球19は下流側アウト球樋9263を流通することとなる。一方、球交換操作レバー9340は、操作されて初期位置から操作位置に移動されることにより、当該接続部分において下流側アウト球樋9263を閉鎖し球排出通路9330を開放する。これにより、遊技球19は球排出通路9330を流通することとなる。球交換操作レバー9340には、球交換操作レバー9340の操作を検出するセンサ(不図示)が設けられており、球交換操作レバー9340が初期位置から操作位置に移動すると(アウト球通路9260を閉鎖し球排出通路9330を開放すると)、当該センサからの検出信号がメインCPUに出力される。
[球交換処理]
次に、図277を用いて、球交換処理について説明する。図277に示す球交換処理は、球交換の際に遊技球19を遊技機9200の外部に排出する処理である。
図277に示すように、ステップS351において、メインCPUは、球交換操作レバー操作があったか否かを判定する。この処理において、メインCPUは、球交換操作レバー9340の操作を検出するセンサからの検出信号を受信した場合に、球交換操作レバー操作があった(球交換操作レバー9340が操作位置にある)と判定する。
メインCPUは、球交換操作レバー操作があったと判定した場合(ステップS351で「YES」)、ステップS352に処理を移す。一方、メインCPUは、球交換操作レバー操作がなかったと判定した場合(ステップS351で「NO」)、球交換処理ルーチンを終了する。
ステップS352において、メインCPUは、排出口シャッタ開放処理を行う。この処理において、メインCPUは、球排出口9331に設けられた排出口シャッタ(不図示)を動作させ、球排出口9331を開放させる。メインCPUは、この処理を終了した場合には、ステップS353に処理を移す。
ステップS353において、メインCPUは、自動球送り処理を行う。この処理において、メインCPUは、球送りソレノイド9074に通電を行った後再び非通電とすることにより、球送りレバー9073を1回揺動させる。これにより、遊技球19は、球出口9072bから排出され、発射装置9080へと送られる(図267参照)。この処理は、ハンドル1026が操作されていなくても自動的に行われる。メインCPUは、この処理を終了した場合には、ステップS354に処理を移す。
ステップS354において、メインCPUは、自動ファール打ち処理を行う。この処理において、メインCPUは、発射装置9080から発射される遊技球19が遊技領域160に到達せず、かつ、上回収口9091aに到達するような強度で発射モーター9082を動作させる。これにより、発射装置9080から発射された遊技球19が、上回収口9091aによって回収される。なおこの処理は、ハンドル1026が操作されていなくても自動的に行われる。メインCPUは、この処理を終了した場合には、ステップS355に処理を移す。
ステップS355において、メインCPUは、球送りカウントセンサ9075による検出があったか否かを判定する。この処理において、メインCPUは、球送りカウントセンサ9075からの検出信号を受信した場合に、球送りカウントセンサ9075による検出があったと判定する。一方、メインCPUは、球送りカウントセンサ9075からの検出信号を所定期間受信しなかった場合に、球送りカウントセンサ9075による検出がなかったと判定する。
メインCPUは、球送りカウントセンサ9075による検出があったと判定した場合(ステップS355で「YES」)、ステップS353に処理を戻す。一方、メインCPUは、球送りカウントセンサ9075による検出がなかったと判定した場合(ステップS355で「NO」)、ステップS356に処理を移す。
ステップS356において、メインCPUは、排出完了報知処理を行う。この処理において、メインCPUは、遊技球19の排出が完了したことを、例えば第1液晶表示装置102に表示させることにより、従業員等に報知する。メインCPUは、この処理を終了した場合には、ステップS357に処理を移す。
ステップS357において、メインCPUは、球交換操作レバー9340が初期位置にあるか否かを判定する。この処理において、メインCPUは、球交換操作レバー9340の操作を検出するセンサからの検出信号を受信しなくなった場合に、球交換操作レバー9340が初期位置にあると判定する。
メインCPUは、球交換操作レバー9340が初期位置にないと判定した場合(ステップS357で「NO」)、再びステップS357に処理を移す。一方、メインCPUは、球交換操作レバー9340が初期位置にあると判定した場合(ステップS357で「YES」)、球交換処理ルーチンを終了する。
次に、遊技機9200の遊技時における遊技球19の流れを説明する。
遊技領域160に発射された遊技球19が各入賞口を通過した場合、各入賞センサ1061が各入賞口を通過する遊技球19を検出することにより、入賞口に応じた賞球数の分だけ持ち球数が加算される。各入賞口を通過した遊技球19は、遊技盤9002の裏面側に設けられた樋(不図示)を通過して、アウト球通路9260に送られる。アウト球カウントセンサ9063がアウト球通路9260を通過する遊技球19を検出することにより、不明球数が1減算される。
一方、遊技領域160に発射され、各入賞口を通過せずにアウト口166を通過した遊技球19は、アウト球通路9260に送られる。アウト球通路9260に送られた遊技球19は、アウト球通路9260の中途部に設けられた球磨き機9320によって磨かれた後、球送り装置9070に送られる。
球送り装置9070の球入口9071aに供給された遊技球19は、案内路9072aによって球出口9072bの近傍まで案内される。
このとき、球送りソレノイド9074が駆動していない場合(球送りレバー9073が図269に示す位置にある場合)、遊技球19は球出口9072bから排出されない。したがって、遊技球19は、発射装置9080に供給されない。
一方、ハンドル1026の操作があり(ステップS311でYES)、持ち球数が0でない場合(ステップS312でNO)、球送り装置作動処理(ステップS313)が行われる。球送り装置作動処理において球送りレバー9073が1回揺動することにより、遊技球19は球出口9072bから排出される。球送りカウントセンサ9075が球出口9072bを通過した遊技球19を検出することにより、持ち球数が1減算され、不明球数が1加算される。球出口9072bを通過した遊技球19は、発射装置9080に供給される。
発射装置9080に送られた遊技球19は、ハンドルボリューム1007が検出したハンドル1026への操作に応じた強度で発射モーター9082が動作されることにより、案内通路9090によって案内されて遊技領域160に発射される(ステップS303)。
遊技領域160に発射され、各入賞口を通過せずにアウト口166を通過した遊技球19は、再びアウト球通路9260に送られる。
一方、発射装置9080により発射されたにもかかわらず、遊技領域160に到達しなかった遊技球19(ファール球)は、上回収口9091a又は下回収口9091bによって回収される。
上回収口9091aによって回収された遊技球19は、上側ファール球通路9300に送られる。当該遊技球19は、上側ファール球通路9300及び当該上側ファール球通路9300に接続されたアウト球通路9260を通過し、球磨き機9320を経由して再び球送り装置9070に送られる。この際、上側ファール球カウントセンサ9301が上側ファール球通路9300を通過する遊技球19を検出することにより、持ち球数が1加算され、不明球数が1減算される。
下回収口9091bによって回収された遊技球19は、下側ファール球通路9310に送られる。当該遊技球19は、下側ファール球通路9310を通過し、球磨き機9320を経由することなく再び球送り装置9070に送られる。この際、下側ファール球カウントセンサ9114が下側ファール球通路9310を通過する遊技球19を検出することにより、持ち球数が1加算され、不明球数が1減算される。
次に、遊技機9200の球交換(排出)時における遊技球19の流れを説明する。
自動ファール打ち処理(ステップS354)が行われることにより、遊技領域160に到達しなかった遊技球19(ファール球)は、上回収口9091aによって回収される。
上回収口9091aによって回収された遊技球19は、上側ファール球通路9300に送られる。当該遊技球19は、上側ファール球通路9300及び当該上側ファール球通路9300に接続されたアウト球通路9260を流通する。そして、球交換操作レバー9340が操作位置にあることにより、当該遊技球19は、球排出通路9330に送られ、球排出口9331から外部に排出される。これにより、球交換を行うことができる。
以上の実施形態に基づき、本発明の概要を以下に列挙する。
従来、遊技機の技術は公知となっている。例えば、特開2013-180080号公報に記載の如くである。
特開2013-180080号公報には、封入式の遊技機において、貸出操作に応じてカードの残高から所定の金額が減算されて所定の持球数が付与された後、発射球検出センサが検知されると持球数が1減算される処理、ファール球検出センサが検知されると持球数が1加算される処理、入賞球検出センサが検知されると所定数の持球数が加算される処理を行うとともに、現在の持球数を情報表示部に表示し、持球数が0になるまで遊技が可能な遊技機が開示されている。
しかしながら、特開2013-180080号公報には、持球数が0のときに、どのように遊技を停止させるかの具体的な開示はない。例えば、保有する遊技媒体がなくなった場合に発射装置を停止することで遊技を停止する仕様だと、センサ類が検知するまでに複数の遊技媒体が発射されてしまうという問題や、発射球検出センサ(使用球センサ)を通過した後に遊技媒体が発射装置に戻ってきた場合次の発射が行えないという問題があった。
本発明は、上述した課題に鑑みてなされたものであり、保有する遊技媒体数による遊技制御を確実に行うことができる遊技機を提供することを目的とする。
(2-1)
以上の如く、第8実施形態に係る遊技システム600は、
遊技球19(遊技媒体)が流下可能な遊技領域160を有する遊技盤9002と、
前記遊技領域160に遊技球19を発射可能な発射装置9080(発射手段)と、
前記発射装置9080に遊技球19を供給可能な球送り装置9070(供給手段)と、
前記発射装置9080及び前記球送り装置9070を制御可能な主制御回路106(遊技制御手段)と、
前記発射装置9080から発射された遊技球19を前記発射装置9080よりも上方に案内しつつ、上側端部から前記遊技領域160に遊技球19を射出可能な案内通路9090(案内手段)と、
前記遊技領域160を流下した遊技球19が流入可能な流入口(アウト口166、始動口161、大入賞口164、一般入賞口168)と、
前記流入口に流入した遊技球19を前記球送り装置9070に誘導可能なアウト球通路9260(誘導手段)と、
遊技者が保有する持ち球数(遊技媒体数)の増減数を検出する増減数検出器9001(増減数検出手段)と、
前記増減数検出器9001からの増減数検出信号(検出信号)に基づいて、遊技者が持ち球(遊技媒体)を保有しているか否かを判定可能な遊技媒体管理装置20(管理制御手段)と、
を備え、
前記主制御回路106は、前記遊技媒体管理装置20により遊技者が持ち球を保有していると判定される場合には、前記発射装置9080及び前記球送り装置9070の動作を可能とし、
前記遊技媒体管理装置20により遊技者が持ち球を保有していないと判定される場合には、前記発射装置9080の動作を可能とし、前記球送り装置9070の動作を不可能とするものである。
また、遊技システム600においては、前記増減数検出器9001(増減数検出手段)は、遊技者が使用した遊技媒体数を検出する球送りカウントセンサ9075(使用遊技媒体検出手段)を含み、
前記球送りカウントセンサ9075は、前記球送り装置9070(供給手段)に設けられているものである。
また、第8実施形態に係る遊技機9200は、遊技機9200に備えられまたは遊技機9200の外部に設けられた管理制御手段の情報に応じて制御可能な遊技機9200であって、
遊技球19(遊技媒体)が流下可能な遊技領域160を有する遊技盤9002と、
前記遊技領域160に遊技球19を発射可能な発射装置9080(発射手段)と、
前記発射装置9080に遊技球19を供給可能な球送り装置9070(供給手段)と、
前記発射装置9080及び前記球送り装置9070を制御可能な主制御回路106(遊技制御手段)と、
前記発射装置9080から発射された遊技球19を前記発射装置9080よりも上方に案内しつつ、上側端部から前記遊技領域160に遊技球19を射出可能な案内通路9090(案内手段)と、
前記遊技領域160を流下した遊技球19が流入可能な流入口(アウト口166、始動口161、大入賞口164、一般入賞口168)と、
前記流入口に流入した遊技球19を前記球送り装置9070(供給手段)に誘導可能なアウト球通路9260(誘導手段)と、
遊技球19を検出可能な増減数検出器9001(検出手段)と、
を備え、
前記主制御回路106は、
前記管理制御手段により、前記増減数検出器9001からの検出信号に応じて更新された遊技者が保有する遊技媒体情報から遊技者が遊技球19を保有していると判定される場合には、前記発射装置9080及び前記球送り装置9070の動作を可能とし、
前記管理制御手段により、前記増減数検出器9001からの検出信号に応じて更新された遊技者が保有する遊技媒体情報から遊技者が遊技球19を保有していないと判定される場合には、前記発射装置9080の動作を可能とし、前記球送り装置9070の動作を不可能とするものである。
また、遊技機9200においては、前記増減数検出器9001(増減数検出手段)は、遊技者が使用した遊技媒体数を検出する球送りカウントセンサ9075(使用遊技媒体検出手段)を含み、
前記球送りカウントセンサ9075は、前記球送り装置9070(供給手段)に設けられているものである。
このような構成によれば、保有する持ち球数(遊技媒体数)による遊技制御を確実に行うことができる。
具体的には、仮に保有する持ち球数(遊技媒体数)が0になった場合に発射装置9080を停止することで遊技を停止する仕様であると、遊技球19の打ち出し強度が弱く使用球センサを通過した後に当該遊技球19が発射装置9080に戻ってくる場合がある。この場合、持ち球数(遊技媒体数)が0と認定され、発射装置9080の機能が停止されてしまう。このため、実際には遊技球19が存在するにもかかわらず、当該遊技球19を発射することができない。
これに対して、遊技機9200においては、持ち球数が0になった場合であっても発射装置9080の発射機能は失われない。よって、発射装置9080に戻ってきた遊技球19を再び発射させることができる。
(2-2)
また、第8実施形態に係る遊技システム600は、
遊技球19(遊技媒体)が流下可能な遊技領域160を有する遊技盤9002と、
前記遊技領域160に遊技球19を発射可能な発射装置9080(発射手段)と、
前記発射装置9080に遊技球19を供給可能な球送り装置9070(供給手段)と、
前記発射装置9080及び前記球送り装置9070を制御可能な主制御回路106(遊技制御手段)と、
前記発射装置9080から発射された遊技球19を前記発射装置9080よりも上方に案内しつつ、上側端部から前記遊技領域160に遊技球19を射出可能な案内通路9090(案内手段)と、
前記遊技領域160を流下した遊技球19が流入可能な流入口(アウト口166、始動口161、大入賞口164、一般入賞口168)と、
前記流入口に流入した遊技球19を前記球送り装置9070に誘導可能なアウト球通路9260(誘導手段)と、
遊技者が保有する持ち球数(遊技媒体数)の増減数を検出する増減数検出器9001(増減数検出手段)と、
前記増減数検出器9001からの増減数検出信号(検出信号)に基づいて、遊技者が持ち球(遊技媒体)を保有しているか否かを判定可能な遊技媒体管理装置20(管理制御手段)と、
を備え、
前記増減数検出器9001は、
前記球送り装置9070に設けられ、前記球送り装置9070から前記発射装置9080に供給される遊技球19を検出する球送りカウントセンサ9075(使用球検出手段)を有し、
前記主制御回路106は、前記遊技媒体管理装置20により遊技者が持ち球を保有していないと判定される場合には、前記発射装置9080の動作を可能とし、前記球送り装置9070の動作を不可能とするものである。
また、第8実施形態に係る遊技機9200は、遊技機9200に備えられまたは遊技機9200の外部に設けられた管理制御手段の情報に応じて制御可能な遊技機9200であって、
遊技球19(遊技媒体)が流下可能な遊技領域160を有する遊技盤9002と、
前記遊技領域160に遊技球19(遊技媒体)を発射可能な発射装置9080(発射手段)と、
前記発射装置9080に遊技球19を供給可能な球送り装置9070(供給手段)と、
前記発射装置9080及び前記球送り装置9070を制御可能な主制御回路106(遊技制御手段)と、
前記発射装置9080から発射された遊技球19を前記発射装置9080よりも上方に案内しつつ、上側端部から前記遊技領域160に遊技球19を射出可能な案内通路9090(案内手段)と、
前記遊技領域160を流下した遊技球19が流入可能な流入口(アウト口166、始動口161、大入賞口164、一般入賞口168)と、
前記流入口に流入した遊技球19を前記球送り装置9070に誘導可能なアウト球通路9260(誘導手段)と、
遊技球19を検出可能な増減数検出器9001(検出手段)と、
を備え、
前記増減数検出器9001は、前記球送り装置9070に設けられ、前記球送り装置9070から前記発射装置9080に供給される遊技球19を検出する球送りカウントセンサ9075(使用球検出手段)を有し、
前記主制御回路106は、前記管理制御手段により、前記増減数検出器9001からの検出信号に応じて更新された遊技者が保有する遊技媒体情報から遊技者が遊技球19を保有していないと判定される場合には、前記発射装置9080の動作を可能とし、前記球送り装置9070の動作を不可能とするものである。
このような構成によれば、保有する持ち球数(遊技媒体数)による遊技制御を確実に行うことができる。
具体的には、仮に使用球検出手段が発射装置9080から発射される遊技球19を検出するように設けられた仕様であると、球送り装置9070から使用球検出手段までの距離が比較的遠いため、使用球検出手段による検出の前に複数の遊技球19が発射装置9080に送られ発射されてしまう可能性があった。
これに対して、遊技機9000においては、球送り装置9070の球出口9072b付近に使用球検出手段(球送りカウントセンサ9075)が設けられているため、使用球検出手段(球送りカウントセンサ9075)による検出の前に複数の遊技球19が発射装置9080に送られるのを防止することができ、ひいては複数の遊技球19が発射装置9080に送られ発射されてしまうのを防止することができる。
なお、本実施形態に係る遊技球19は、遊技球の実施の一形態である。
また、本実施形態に係る主制御回路106は、遊技制御手段の実施の一形態である。
また、本実施形態に係るアウト口166、始動口161、大入賞口164及び一般入賞口168は、流入口の実施の一形態である。
また、本実施形態に係る遊技媒体管理装置20は、管理制御手段の実施の一形態である。
また、本実施形態に係る増減数検出器1110は、増減数検出手段の実施の一形態である。
また、本実施形態に係る球送り装置9070は、供給手段の実施の一形態である。
また、本実施形態に係る発射装置9080は、発射手段の実施の一形態である。
また、本実施形態に係る案内通路9090は、案内手段の実施の一形態である。
また、本実施形態に係るアウト球通路9260は、誘導手段の実施の一形態である。
以上、本発明の一実施形態を説明したが、本発明は上記構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で種々の変更が可能である。
例えば、第8実施形態においては、持ち球数及び不明球数の管理は、遊技媒体管理装置20によって管理するものとしたが、遊技機9200によって管理するものであってもよい。すなわち、遊技機9200が管理装置制御部202を具備してもよい。その場合、主制御回路106に管理制御手段の機能を持たせてもよいし、主制御回路106が設けられた基板とは別に設けられた基板に管理制御手段を備えてもよい。また、遊技機9200の外部から送信されてくる遊技媒体関連情報に基づいて主制御回路106が球送りソレノイド9074の動作を制御するようにしてもよい。
また、入賞した遊技球19はアウト球カウントセンサ9063により検出されるものとしたが、入賞した遊技球19を検出するセンサを別途設けるようにしてもよい。
また、第8実施形態においては、球排出口9331に設けられた排出口シャッタ(不図示)は、制御により動作するものとしたが(図277に示すステップS352)、球交換操作レバー9340により機械的に動作するものであってもよい。
以上の実施形態に基づき、本発明の概要を以下に列挙する。
従来、遊技機の技術は公知となっている。例えば、特開2013-180080号公報に記載の如くである。
特開2013-180080号公報には、球磨き装置を循環通路内に備えた封入式の遊技機において、貸出操作に応じてカードの残高から所定の金額が減算されて所定の持球数が付与された後、発射球検出センサが検知されると持球数が1減算される処理、ファール球検出センサが検知されると持球数が1加算される処理、入賞球検出センサが検知されると所定数の持球数が加算される処理を行うとともに、現在の持球数を情報表示部に表示し、持球数が0になるまで遊技が可能な遊技機が開示されている。
しかしながら、特開2013-180080号公報には、遊技領域に到達しなかった遊技球(ファール球)をどのように回収するかの具体的な開示はない。遊技が適正に行われるためには、案内手段(ガイドレール)に複数の遊技球が滞留した場合、当該遊技球を素早く回収することが望まれる。
本発明は、上述した課題に鑑みてなされたものであり、案内手段に遊技媒体が複数滞留しても案内手段から遊技媒体を素早く回収できる遊技機を提供することを目的とする。
(4-1)
第8実施形態に係る遊技機9200は、
遊技球19(遊技媒体)が流下可能な遊技領域160を有する遊技盤9002と、
前記遊技領域160に遊技球19を発射可能な発射装置9080(発射手段)と、
前記発射装置9080に遊技球19を供給可能な球送り装置9070(供給手段)と、
前記発射装置9080から発射された遊技球19を前記発射装置9080よりも上方に案内しつつ、上側端部から前記遊技領域160に遊技球19を射出可能な案内通路9090(案内手段)と、
前記発射装置9080により発射された遊技球19であって、前記遊技領域160に到達しなかった遊技球19を回収する回収手段と、
前記遊技領域160を流下した遊技球19が流入可能な流入口(アウト口166、始動口161、大入賞口164、一般入賞口168)と、
前記回収手段により回収された遊技球19を前記球送り装置9070に誘導可能な上側ファール球通路9300及び下側ファール球通路9310(第1の誘導手段)と、
前記流入口に流入した遊技球19を前記球送り装置9070に誘導可能なアウト球通路9260(第2の誘導手段)と、を備え、
前記回収手段は、前記案内通路9090によって移動する遊技球19を回収可能な上回収口9091a(第1の回収口)と、前記上回収口9091aよりも下方に設けられ前記案内通路9090によって移動する遊技球19を回収可能な下回収口9091b(第2の回収口)とを有するものである。
また、前記下側ファール球通路9310は、前記上回収口9091aに回収された遊技球19を前記球送り装置9070に供給可能であり、
前記下側ファール球通路9310には、前記下側ファール球通路9310を移動する遊技球19を遊技機9200の外部に排出可能な球排出口9331(排出口)が設けられているものである。
このような構成によれば、案内通路9090(案内手段)の上側端部付近まで到達した遊技球19(遊技媒体)は上回収口9091a(第1の回収口)によって回収され、発射装置9080の近傍に複数滞留してしまった遊技球19は下回収口9091b(第2の回収口)から回収されるので、案内通路9090に遊技球19が複数滞留しても案内通路9090から遊技球19を素早く回収できる。
以上の実施形態に基づき、本発明の概要を以下に列挙する。
従来、遊技機の技術は公知となっている。例えば、特開2013-180080号公報に記載の如くである。
特開2013-180080号公報には、球磨き装置を循環通路内に備えた封入式の遊技機において、貸出操作に応じてカードの残高から所定の金額が減算されて所定の持球数が付与された後、発射球検出センサが検知されると持球数が1減算される処理、ファール球検出センサが検知されると持球数が1加算される処理、入賞球検出センサが検知されると所定数の持球数が加算される処理を行うとともに、現在の持球数を情報表示部に表示し、持球数が0になるまで遊技が可能な遊技機が開示されている。
しかしながら、特開2013-180080号公報には、遊技領域に到達しなかった遊技球(ファール球)が、どのような経路で供給手段(球送り装置)に戻されるのかの具体的な開示はない。当該遊技球(ファール球)は、球磨き装置によって清掃されることが望ましく、かつ、供給手段に確実に誘導することが望まれる。
本発明は、上述した課題に鑑みてなされたものであり、回収手段により回収された遊技媒体を、可能な限り清掃しつつ供給手段に確実に誘導することができる遊技機を提供することを目的とする。
(4-2)
第8実施形態に係る遊技機9200は、
遊技球19(遊技媒体)が流下可能な遊技領域160を有する遊技盤9002と、
前記遊技領域160に遊技球19を発射可能な発射装置9080(発射手段)と、
遊技に使用された遊技球19に付着した汚れを除去する球磨き機9320(球磨き手段)と、
前記発射装置9080に遊技球19を供給可能な球送り装置9070(供給手段)と、
前記発射装置9080から発射された遊技球19を前記発射装置9080よりも上方に案内しつつ、上側端部から前記遊技領域160に遊技球19を射出可能な案内通路9090(案内手段)と、
前記発射装置9080により発射された遊技球19であって、前記遊技領域160に到達しなかった遊技球19を回収する回収手段と、
前記遊技領域160を流下した遊技球19が流入可能な流入口(アウト口166、始動口161、大入賞口164、一般入賞口168)と、
前記回収手段により回収された遊技球19を前記球送り装置9070に誘導可能な上側ファール球通路9300及び下側ファール球通路9310(第1の誘導手段)と、
前記流入口に流入した遊技球19を前記球送り装置9070に誘導可能なアウト球通路9260(第2の誘導手段)と、を備え、
前記回収手段は、前記案内通路9090によって移動する遊技球19を回収可能な上回収口9091a(第1の回収口)と、前記上回収口9091aよりも下方に設けられ前記案内通路9090によって移動する遊技球19を回収可能な下回収口9091b(第2の回収口)とを有し、
前記上回収口9091a及び前記下回収口9091bは、前記球送り装置9070よりも上方に設けられ、
前記下回収口9091bに回収された遊技球19は、前記球磨き機9320を経由することなく前記球送り装置9070に送られ、
前記上回収口9091aに回収された遊技球19は、前記球磨き機9320を経由して前記球送り装置9070に送られるものである。
このような構成によれば、球送り装置9070(供給手段)までの高低差が比較的大きい上回収口9091a(第1の回収口)により回収された遊技球19(遊技媒体)は球磨き機9320(球磨き手段)を経由させ、一方、球送り装置9070までの高低差が比較的小さい下回収口9091b(第2の回収口)により回収された遊技球19は球磨き機9320を経由させないことにより、回収手段(上回収口9091a又は下回収口9091b)により回収された遊技球19に付着した汚れを、可能な限り除去しつつ球送り装置9070に確実に誘導することができる。
以上の実施形態に基づき、本発明の概要を以下に列挙する。
従来、遊技機の技術は公知となっている。例えば、特開2013-180080号公報に記載の如くである。
特開2013-180080号公報には、球磨き装置を循環通路内に備えた封入式の遊技機において、貸出操作に応じてカードの残高から所定の金額が減算されて所定の持球数が付与された後、発射球検出センサが検知されると持球数が1減算される処理、ファール球検出センサが検知されると持球数が1加算される処理、入賞球検出センサが検知されると所定数の持球数が加算される処理を行うとともに、現在の持球数を情報表示部に表示し、持球数が0になるまで遊技が可能な遊技機が開示されている。
しかしながら、特開2013-180080号公報には、遊技機内の遊技媒体(遊技球)を交換する方法についての具体的な開示はない。遊技媒体の交換作業は容易に実行できることが望ましい。
本発明は、上述した課題に鑑みてなされたものであり、遊技媒体の交換の作業性を向上させることができる遊技機を提供することを目的とする。
(5-2)
第8実施形態に係る遊技機9200は、
遊技球19(遊技媒体)が流下可能な遊技領域160を有する遊技盤9002と、
前記遊技領域160に遊技球19を発射可能な発射装置9080(発射手段)と、
前記発射装置9080に遊技球19を供給可能な球送り装置9070(供給手段)と、
前記発射装置9080及び前記球送り装置9070を制御可能な主制御回路106(遊技制御手段)と、
前記発射装置9080から発射された遊技球19を前記発射装置9080よりも上方に案内しつつ、上側端部から前記遊技領域160に遊技球19を射出可能な案内通路9090(案内手段)と、
前記発射装置9080により発射された遊技球19であって、前記遊技領域160に到達しなかった遊技球19を回収する上回収口9091a及び下回収口9091b(回収手段)と、
前記遊技領域160を流下した遊技球19が流入可能な流入口(アウト口166、始動口161、大入賞口164、一般入賞口168)と、
前記球送り装置9070に遊技球19を誘導する誘導手段と、
を備えた遊技機9200であって、
前記誘導手段は、
前記上回収口9091a及び下回収口9091bにより回収された遊技球19を誘導する上側ファール球通路9300及び下側ファール球通路9310(第1の誘導手段)と、
前記流入口に流入した遊技球19を誘導するアウト球通路9260(第2の誘導手段)と、を含み、
前記誘導手段には、前記誘導手段を移動する遊技球19を遊技機9200の外部に排出可能な排出手段(球排出通路9330及び球交換操作レバー9340)が設けられており、
前記主制御回路106は、所定の条件が満たされた場合に、発射される遊技球19が前記上回収口9091aにより回収されるように前記発射装置9080の動作を制御するものである。
このような構成によれば、遊技球19(遊技媒体)の交換の作業性を向上させることができる。
具体的には、球交換の際に球交換操作レバー9340を操作するだけで、自動的に自動ファール打ち処理(ステップS354)が行われる。これにより、球排出通路9330を介して遊技球19を自動的に遊技機9200の外部に排出することができる。なお、上記実施形態では、球交換操作レバー9340が操作されたことを条件に、自動球送り処理及び自動ファール打ちを行ったが、遊技媒体管理装置20に設けられた操作ボタンが操作されたことに応じて自動球送り処理及び自動ファール打ちを行ってもよい。また球交換操作レバー9340が操作された後、ハンドル1026が操作されたことを条件に球交換処理(排出)を行ってもよい。
(5-3)
また、第8実施形態に係る遊技機9200は、
遊技球19(遊技媒体)が流下可能な遊技領域160を有する遊技盤9002と、
前記遊技領域160に遊技球19を発射可能な発射装置9080(発射手段)と、
前記発射装置9080に遊技球19を供給可能な球送り装置9070(供給手段)と、
前記発射装置9080から発射された遊技球19を前記発射装置9080よりも上方に案内しつつ、上側端部から前記遊技領域160に遊技球19を射出可能な案内通路9090(案内手段)と、
前記発射装置9080により発射された遊技球19であって、前記遊技領域160に到達しなかった遊技球19を回収する上回収口9091a及び下回収口9091b(回収手段)と、
前記遊技領域160を流下した遊技球19が流入可能な流入口(アウト口166、始動口161、大入賞口164、一般入賞口168)と、
前記球送り装置9070に遊技球19を誘導する誘導手段と、
を備えた遊技機9200であって、
前記誘導手段は、
前記上回収口9091a及び下回収口9091bにより回収された遊技球19を誘導する上側ファール球通路9300及び下側ファール球通路9310(第1の誘導手段)と、
前記流入口に流入した遊技球19を誘導するアウト球通路9260(第2の誘導手段)と、を含み、
前記誘導手段には、前記誘導手段を移動する遊技球19を遊技機9200の外部に排出可能な球排出口9331(排出口)が設けられており、
前記球排出口9331は、前記遊技機9200の手前側に向けられているものである。
このような構成によれば、遊技球19(遊技媒体)の交換の作業性を向上させることができる。
具体的には、球排出口9331が遊技機9200の手前側に向けられているため、球交換を行う作業者が、排出された遊技球19を受け取り易くすることができる。特に、遊技機の背面側に一定のスペースを有する通常の遊技機島設備ではなく、封入式遊技機等の島設備において遊技機の背面側にスペースを有さない場合や、壁際に遊技機を配置した場合は、排出口を遊技機背面側ではなく手前側に向けたほうが望ましいことは言うまでもない。
以上の実施形態に基づき、本発明の概要を以下に列挙する。
従来、遊技機の技術は公知となっている。例えば、特開2013-180080号公報に記載の如くである。
特開2013-180080号公報には、球磨き装置を循環通路内に備えた封入式の遊技機において、貸出操作に応じてカードの残高から所定の金額が減算されて所定の持球数が付与された後、発射球検出センサが検知されると持球数が1減算される処理、ファール球検出センサが検知されると持球数が1加算される処理、入賞球検出センサが検知されると所定数の持球数が加算される処理を行うとともに、現在の持球数を情報表示部に表示し、持球数が0になるまで遊技が可能な遊技機が開示されている。
しかしながら、特開2013-180080号公報には、遊技領域に到達しなかった遊技球(ファール球)が、どのような経路で供給手段(球送り装置)に戻されるのかの具体的な開示はない。当該遊技球(ファール球)は、簡易な構成で供給手段に戻されることが望まれる。
本発明は、上述した課題に鑑みてなされたものであり、遊技領域に到達しなかった遊技球(ファール球)を簡易な構成で供給手段に戻すことができる遊技機を提供することを目的とする。
(4-3)
第8実施形態に係る遊技機9200は、
遊技球19(遊技媒体)が流下可能な遊技領域160を有する遊技盤9002と、
前記遊技領域160に遊技球19を発射可能な発射装置9080(発射手段)と、
前記発射装置9080に遊技球19を供給可能な球送り装置9070(供給手段)と、
前記発射装置9080から発射された遊技球19を前記発射装置9080よりも上方に案内しつつ、上側端部から前記遊技領域160に遊技球19を射出可能な案内通路9090(案内手段)と、
前記発射装置9080により発射された遊技球19であって、前記遊技領域160に到達しなかった遊技球19を回収する回収手段と、
前記遊技領域160を流下した遊技球19が流入可能な流入口(アウト口166、始動口161、大入賞口164、一般入賞口168)と、
前記ファール球回収口により回収された遊技球19を前記球送り装置9070に誘導可能な第1の誘導手段と、
前記流入口に流入した遊技球19を前記球送り装置9070に誘導可能なアウト球通路9260(第2の誘導手段)と、を備え、
前記回収手段は、前記案内通路9090によって移動する遊技球19を回収可能な上回収口9091a(第1の回収口)と、前記上回収口9091aよりも下方に設けられ前記案内通路9090によって移動する遊技球19を回収可能な下回収口9091b(第2の回収口)とを有し、
前記第1の誘導手段は、前記上回収口9091aに回収された遊技球19を前記球送り装置9070に供給可能な上側ファール球通路9300(第1の樋)と、前記下回収口9091bに回収された遊技球19を前記球送り装置9070に供給可能な下側ファール球通路9310(第2の樋)と、を有し、
前記上側ファール球通路9300及び前記下側ファール球通路9310は互いに干渉しないように配置され、
前記上側ファール球通路9300の下流側端部と前記下側ファール球通路9310の下流側端部が接続する接続部9350を有し、
前記接続部9350から前記球送り装置9070に遊技球19が供給されるものである。
また、前記上側ファール球通路9300及び前記下側ファール球通路9310は、前記発射装置9080及び前記球送り装置9070の周囲に設けられているものである。
このような構成によれば、遊技領域160に到達しなかった遊技球(ファール球)を簡易な構成で球送り装置9070(供給手段)に戻すことができる。
次に、図278から図280を参照して、本発明の第9実施形態に係る遊技機9400について説明する。以下では、第9実施形態に係る遊技機9400のうち第7実施形態に係る遊技機9000及び第8実施形態に係る遊技機9200と同一の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。なお、第9実施形態に係る遊技機9400は、遊技中において遊技球19が遊技機9400内を循環し、球交換時においては遊技球19が島設備と遊技機9000とを循環するものである。すなわち、第9実施形態に係る遊技機9400は、筐体内循環式と島循環式とを併用するものである。
遊技機9400は、遊技盤9002、タンク9010、第一補給球通路9020、賞球装置9430、第二補給球通路9440、球抜き通路9450、アウト球通路9460、球送り装置9070、発射装置9080、案内通路9090、上側ファール球通路9300、下側ファール球通路9310及び球交換操作レバー9540を具備する。
図279及び図280に示す賞球装置9430は、島設備から遊技球19を取込むものである。賞球装置9430は、第一補給球通路9020の下端に接続される。賞球装置9430の下端には、第二補給球通路9440及び後述する球抜き通路9450が接続され、賞球装置9430は、遊技球を第二補給球通路9440に流すか、球抜き通路9450に流すかを切り替え可能な切替装置を備える。遊技球を遊技機9400に補給したい場合は、賞球装置9430から排出される遊技球が第二補給球通路9440に流れるように切替装置を切り替えた後、賞球装置9430の近傍に設けられた補給ボタン(不図示)を1回押圧すると所定数(例えば10球)の遊技球19が第二補給球通路9440に供給される。なお、補給ボタンは、遊技機9400の前面側に設けてもよいし、遊技媒体管理装置20に設けてもよい。
第二補給球通路9440は、賞球装置9430から補給された遊技球19を下流側(具体的には、後述する球送り装置9070)に供給するものである。第二補給球通路9440は、補給球樋9441及び接続部9442を具備する。
図279及び図280に示す補給球樋9441の一端は、賞球装置9430の下端の左部に接続される。補給球樋9441は、賞球装置9430との接続部分(一端)から適宜屈曲しながら遊技盤9002よりも下方まで延びた後、略右方に屈曲して、発射装置9080の後方まで到達するように形成される。補給球樋9441は、その略右方に延びる部分が右方(下流側)に向かうにつれて上下方向の高さが低くなるように形成される。
接続部9442は、補給球樋9441とアウト球通路9460とを接続するものである。接続部9442は、補給球樋9441の右端(下流側端部)と下流側アウト球樋9263との間に設けられ、互いを接続するように形成される。これにより、接続部9442は、球排出口9464aよりも下流側でアウト球通路9460と接続される。
球抜き通路9450は、タンク9010に貯溜された遊技球19を、島設備に排出するためのものである。球抜き通路9450の一端は、賞球装置9430の下端の右部に接続される。球抜き通路9450は、賞球装置9430との接続部分(一端)から適宜屈曲しながら補給球樋9441(の前記略右方に延びる部分)よりも前方まで延びるように形成される(図279参照)。球抜き通路9450は、上流側補給樋9041の前方を略右方に延びて、その左端部が第一上流側ファール球樋9101に接続される。
アウト球通路9460は、アウト口166を通過した遊技球19を下流側へ案内する部分である。アウト球通路9460が第8実施形態に係るアウト球通路9260と異なる点は、接続部9264に代えて接続部9464を具備する点である。
接続部9464は、上流側アウト球樋9262と下流側アウト球樋9263とを、遊技球19が通過可能に接続するように設けられる。また、接続部9464には、上流側アウト球樋9262の下流側端部とともに第一下流側ファール球樋9102の右端(下流側端部)が接続される(図278参照)。接続部9464には、球排出口9464aが形成される。
図280に示す球排出口9464aは、アウト球通路9460を移動する遊技球19を遊技機9400の島設備に排出するものである。球排出口9464aは、接続部9464の下端が下方に開口するように形成される。このように球排出口9464aが形成されることにより、アウト球通路9460、及びアウト球通路9460に接続された上側ファール球通路9300を通過した遊技球19が球排出口9464aから島設備に排出可能となる。
球交換操作レバー9540は、球排出口9261の開閉を切り替えるものである。球交換操作レバー9540は、初期位置にあるときには、球排出口9464aを閉鎖している。これにより、遊技球19は球排出口9464aから島設備に排出される。一方、球交換操作レバー9540は、操作されて初期位置から操作位置に移動されることにより、球排出口9464aを開放する。これにより、遊技球19は球排出口9464aから排出されることなく、球送り装置9070に送られる。球交換操作レバー9540には、球交換操作レバー9540の操作を検出するセンサ(不図示)が設けられており、球交換操作レバー9540が初期位置から操作位置に移動すると(球排出口9464aが開放されると)、当該センサからの検出信号がメインCPUに出力される。
次に、第9実施形態に係る遊技機9400の遊技時における遊技球19の流れは、第8実施形態に係る遊技機9200と同じであるため、説明を省略する。
次に、遊技機9400の球交換(排出)時における遊技球19の流れを説明する。
自動ファール打ち処理(図277に示すステップS354)が行われることにより、遊技領域160に到達しなかった遊技球19(ファール球)は、上回収口9091aによって回収される。
上回収口9091aによって回収された遊技球19は、上側ファール球通路9300に送られる。当該遊技球19は、上側ファール球通路9300及び当該上側ファール球通路9300に接続されたアウト球通路9460を流通する。そして、球交換操作レバー9540が操作位置にあることにより、当該遊技球19は、球排出口9464aから島設備に排出される。
排出完了報知処理(図277に示すステップS356)が行われた後、作業者は、球交換操作レバー9540を初期位置に戻す。その後、賞球装置9430から一定球数の遊技球19を補給する。これにより、球交換が完了する。
このように遊技機9400においては、遊技球19を球排出口9464aから島設備に排出し、賞球装置9430から補給することで、球交換を行うことができる。このため、遊技機9400の外部で球磨きを行うことが可能となり、遊技機9400ごとにその内部に球磨き機を設けなくても、遊技球19に付着した汚れを除去することが可能となる。
以上の実施形態に基づき、本発明の概要を以下に列挙する。
従来、遊技機の技術は公知となっている。例えば、特開2013-180080号公報に記載の如くである。
特開2013-180080号公報には、球磨き装置を循環通路内に備えた封入式の遊技機において、貸出操作に応じてカードの残高から所定の金額が減算されて所定の持球数が付与された後、発射球検出センサが検知されると持球数が1減算される処理、ファール球検出センサが検知されると持球数が1加算される処理、入賞球検出センサが検知されると所定数の持球数が加算される処理を行うとともに、現在の持球数を情報表示部に表示し、持球数が0になるまで遊技が可能な遊技機が開示されている。
しかしながら、特開2013-180080号公報に記載の技術においては、球磨き装置の球磨き部を定期的に交換しなければならず、また稼動の高い遊技機は球磨き装置の交換時期が早まり、稼動の悪い遊技機は交換時期が遅くなることから、交換タイミングを管理することが煩雑であるいう問題があった。
本発明は、上述した課題に鑑みてなされたものであり、コストの削減や装置交換の煩雑さを回避することができる遊技機を提供することを目的とする。
(5-1)
以上の如く、第9実施形態に係る遊技機9400は、
遊技球19(遊技媒体)が流下可能な遊技領域160を有する遊技盤9002と、
前記遊技領域160に遊技球19を発射可能な発射装置9080(発射手段)と、
前記発射装置9080に遊技球19を供給可能な球送り装置9070(供給手段)と、
前記発射装置9080から発射された遊技球19を前記発射装置9080よりも上方に案内しつつ、上側端部から前記遊技領域160に遊技球19を射出可能な案内通路9090(案内手段)と、
前記発射装置9080により発射された遊技球19であって、前記遊技領域160に到達しなかった遊技球19を回収する上回収口9091a及び下回収口9091b(回収手段)と、
前記遊技領域160を流下した遊技球19が流入可能な流入口(アウト口166、始動口161、大入賞口164、一般入賞口168)と、
遊技機9400の外部から遊技球19を取込可能な賞球装置9430(取込部)と、
前記球送り装置9070に遊技球19を誘導する誘導手段と、
を備えた遊技機9400であって、
前記誘導手段は、
前記上回収口9091a及び下回収口9091bにより回収された遊技球19を誘導する上側ファール球通路9300及び下側ファール球通路9310(第1の誘導手段)と、
前記流入口に流入した遊技球19を誘導するアウト球通路9460(第2の誘導手段)と、
前記賞球装置9430から取り込まれた遊技球19を誘導する補給球樋9441(第3の誘導手段)と、を含むものである。
このような構成によれば、遊技機9400に球磨き機9320(球磨き装置)を備える必要がないので、コストの削減や装置交換の煩雑さを回避することができる。
また、前記誘導手段(アウト球通路9460)には、前記誘導手段(アウト球通路9460)を移動する遊技球19を遊技機9400の外部に排出可能な排出手段(球排出口9464a及び球交換操作レバー9540)が設けられているものである。
このような構成によれば、簡易な構成で、賞球装置9430から取り込まれた遊技球19を遊技機9400の外部に排出することができる。
以上の実施形態に基づき、本発明の概要を以下に列挙する。
従来、遊技機の技術は公知となっている。例えば、特開2013-180080号公報に記載の如くである。
特開2013-180080号公報には、球磨き装置を循環通路内に備えた封入式の遊技機において、貸出操作に応じてカードの残高から所定の金額が減算されて所定の持球数が付与された後、発射球検出センサが検知されると持球数が1減算される処理、ファール球検出センサが検知されると持球数が1加算される処理、入賞球検出センサが検知されると所定数の持球数が加算される処理を行うとともに、現在の持球数を情報表示部に表示し、持球数が0になるまで遊技が可能な遊技機が開示されている。
しかしながら、特開2013-180080号公報には、遊技機内の遊技媒体(遊技球)を交換する方法についての具体的な開示はない。遊技媒体を交換する際には、遊技媒体を遊技機の外部に取り出す(球抜きを行う)ための構成が必要となるが、その球抜きのための構成の配置スペースが問題となる。
本発明は、上述した課題に鑑みてなされたものであり、球抜きのための構成の配置スペースを削減することができる遊技機を提供することを目的とする。
(5-4)
第9実施形態に係る遊技機9400は、
遊技球19(遊技媒体)が流下可能な遊技領域160を有する遊技盤9002と、
前記遊技領域160に遊技球19を発射可能な発射装置9080(発射手段)と、
前記発射装置9080に遊技球19を供給可能な球送り装置9070(供給手段)と、
前記発射装置9080及び前記球送り装置9070を制御可能な主制御回路106(遊技制御手段)と、
前記発射装置9080から発射された遊技球19を前記発射装置9080よりも上方に案内しつつ、上側端部から前記遊技領域160に遊技球19を射出可能な案内通路9090(案内手段)と、
前記発射装置9080により発射された遊技球19であって、前記遊技領域160に到達しなかった遊技球19を回収する上回収口9091a及び下回収口9091b(回収手段)と、
前記遊技領域160を流下した遊技球19が流入可能な流入口(アウト口166、始動口161、大入賞口164、一般入賞口168)と、
遊技機9400の外部から遊技球19を取込可能な賞球装置9430(取込部)と、
前記球送り装置9070に遊技球19を誘導する誘導手段と、
を備えた遊技機9400であって、
前記誘導手段は、
前記上回収口9091a及び下回収口9091bにより回収された遊技球19を誘導する上側ファール球通路9300及び下側ファール球通路9310(第1の誘導手段)と、
前記流入口に流入した遊技球19を誘導するアウト球通路9460(第2の誘導手段)と、
前記賞球装置9430から取り込まれた遊技球19を誘導する第3の誘導手段(第二補給球通路9440及び球抜き通路9450)と、を含み、
前記誘導手段(アウト球通路9460)には、前記誘導手段(アウト球通路9460)を移動する遊技球19を遊技機9400の外部に排出可能な排出手段(球排出口9464a及び球交換操作レバー9540)が設けられており、
前記第3の誘導手段は、前記排出手段(球排出口9464a)よりも上流側で前記誘導手段を形成する球抜き通路9450(球抜き樋)を含むものである。
このような構成によれば、球抜きのための部材の配置スペースを減少させることができる。
以上、本発明の一実施形態を説明したが、本発明は上記構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で種々の変更が可能である。例えば、以下の如く構成することができる。
封入式の遊技機は、払出制御回路および操作手段(例えば、タッチパネル式である液晶表示装置であって、遊技機と別体又は一体的に備えられていてもよい)を有していても良いし、遊技媒体管理装置が操作手段(例えば、タッチパネル式である液晶表示装置であって、遊技媒体管理装置と別体又は一体的に備えられていてもよい)を有していても良い。払出制御回路は、遊技球が各入賞口等の通過を検出する各種センサに接続されている。払出制御回路は、持ち球数を管理している。例えば、遊技球が各入賞口を通過した場合には、そのことによる遊技球の払出個数を持ち球数に加算する。また、遊技球が発射されると持ち球数を減算する。払出制御回路は、遊技者の操作により、持ち球数に関するデータを遊技媒体管理装置へ送信する。また、上記の液晶表示装置(又はタッチパネルなど)は、その設置位置が特に限定されることはないが主に遊技機の下部に位置し、遊技媒体管理装置で管理する遊技価値から持ち球への変換(球貸し)や、持ち球数の計数(返却)の要求を受け付ける。そして、これらの要求を遊技媒体管理装置を介して払出制御回路に伝え、払出制御回路が現在の持ち球数に関するデータを遊技媒体管理装置に送信するように指示する。ここで、「遊技価値」とは、貨幣・紙幣、プリペイド媒体、トークン、電子マネーおよびチケット等であり、遊技媒体管理装置によって持ち球に変換することが可能であるものを示すがこれに限られるものではなく、遊技機における賞球や遊技者の持ち球数を示すデータなど、遊技媒体としての価値を示すものであればこれに限定されないものである。なお、本実施形態において、遊技媒体管理装置は、いわゆるCRユニットであり、紙幣およびプリペイド媒体等を受付可能に構成されている。また、計数された持ち球は、遊技システムが設置される遊技場などにおいて、景品交換等に用いることができる。
また、封入式の遊技機は、バックアップ電源を有している。これにより、夜間等に電源をOFFにした場合であっても、OFFにする直前のデータを保持することができる。また、このバックアップ電源には、例えば、扉開放センサによる扉枠開放の検出を継続して実行させてもよい。これにより、夜間に不正行為が行われることも防止することができる。なお、この場合は、扉枠が開放された回数等の情報を記憶するものであってもよい。さらに、電源が投入された際に、扉枠が開放された回数等の情報を、遊技機の液晶表示装置等に出力するものであってもよい。
遊技媒体管理装置は、遊技機接続基板を有している。遊技媒体管理装置は、遊技機接続基板を介して、遊技機とのデータ(送信信号)の送受信を行うように構成されている。送受信されるデータは、主制御回路に設けられたCPUの固有ID、払出制御回路に設けられたCPUの固有ID、遊技機に記憶された遊技機製造業者コード、セキュリティチップの製造業者コード、遊技機の型式コードなどの情報である。そして、遊技機および前記遊技媒体管理装置のいずれか一方を送信元とし他方を送信先として、送信元が送信信号を送信した際に、上記送信信号を受信した送信先が上記送信信号と同じ信号である確認用信号を上記送信元に送信し、上記送信元は、上記送信信号と上記確認用信号とを比較して、これらが同一か否かを判別するようにしている。
このように、送信元において、送信先から送信された確認用信号を送信信号と比較して、これらが同一か否かを判別することにより、送信元から送信した信号が改ざんされることなく、送信元に送信されていることを確認することができる。これにより、遊技機と遊技媒体管理装置との間での送受信信号を改ざんする等の不正行為を抑制することができる。
また、上記遊技システムにおいて、上記送信元は信号を変調する変調部を有し、該変調部により変調された信号を上記送信信号として送信し、上記送信先は上記変調部により変調された信号を復調する復調部を有することとしてもよい。
これにより、仮に、遊技機と遊技媒体管理装置との間での送受信信号を読み取られたとしても、この信号の解読は困難であり、遊技機と遊技媒体管理装置との間での送受信信号を改ざんする等の不正行為を抑制することができる。
また、上記遊技システムにおいて、上記送信先は、上記送信元からの上記送信信号を受信した際に、上記送信信号を受信したことを示す信号である承認信号を、上記確認用信号とは別に上記送信元に送信することとしてもよい。
これにより、送信信号と確認用信号とを比較することにより、正規の信号の送受信が行われたことを確認するだけでなく、承認信号に基づいて正規の信号の送受信が行われたことを確認することができるので、不正行為の抑制をより強化することができる。
特別図柄の変動に応じて実行される演出には「ノーマルリーチ」や、「ノーマルリーチ」に比べて大当りとなるときに選択される割合が高く、大当りとなる期待度が高い変動パターンの時に実行される「スーパーリーチ」の演出を備えていても良い。このとき、「スーパーリーチ」は、「ノーマルリーチ」に比べて変動時間が長い変動パターンであることが望ましい。なお、期待度とは、大当りや確変や時短に対する期待度等を含む概念である。具体的には、大当りに対する期待度(信頼度など)とは、各リーチ変動パターンが選択された場合に大当りとなる期待度(大当りとなる割合)であり、例えば、リーチ変動が100回行われた場合に70回大当りとなるのであれば、大当りに対する期待度が70%(大当りが出現する出現率(確率)が70%)となる。また、確変や時短に対する期待度とは、大当り等の終了後に確変状態(特図の高確率状態であり、普図の高確率又は普図の低確率)や時短状態(電サポ状態で普図の高確率状態であり、主に特図の低確率状態だが特図の高確率であってもよい)へ移行する期待度、各種の期待度が複合されたもののことを示すものであっても良い。
特別図柄の変動に応じて実行される演出には遊技状態や当りに対する期待度等の「示唆」を行う場合があるが、このとき「示唆」とは、例えば演出による表現等において間接的に又は直接的に当りとなることを文字や数値等で表現することを示してもよい。例えば、一般的にガセ演出と呼ばれるものや、虹色等の表現を介して当りであることが濃厚又は確実であることを遊技者に示すことも可能である。なお、遊技者に示す内容として当りであることを例として挙げたが、これに限られるものではなく、確変、時短、パチスロであればAT、RT、BB、RB等様々な情報を示すことが可能である。
なお、遊技者に対して情報を示すことを「報知」と呼称する場合もあるが、「報知」と表現した場合に「示唆」の意味合いを含んでいても良いし、「示唆」の意味合いに「報知」の意味を含むものであっても良い。
また、遊技機に対応して設けられた遊技用装置として、計数機、サンド、ホールコンピュータ、POS、代表ランプ、データ公開機、データ表示機、封入式遊技機に併設されたユニットなどが存在するが、この場合の「対応」とは遊技機のデータを間接的に又は直接的に受信する場合以外にも、遊技場に設置されていることで結果的に遊技機に対応して設けられている場合も存在する。何れにしても、遊技機に関するデータや遊技者が遊技機で遊技を行った結果(例えば、持ち球や貯球等)を管理していれば遊技機との関係性があるため何れの遊技用装置も遊技機に対応して設けられていると考えられる。
(2)拡張性
大当り遊技状態はラウンド遊技を行うことが可能であり、一方で小当り遊技状態は基本的にはラウンド遊技を備えず、役物連続作動装置が作動しない大入賞口の開閉を行うことが可能であり、大当り遊技機終了後は遊技者にとって有利な遊技状態へ移行することが可能であるが、基本的には小当り遊技状態の終了後は小当り遊技状態へ移行される前よりも有利な遊技状態へ移行させないものである。
ただし、小当り遊技状態中に特定領域を備えた大入賞口が開放し、特定領域を遊技球が通過することで条件装置が作動し、役物連続作動装置が作動する場合には、小当り遊技状態の終了後に遊技者にとって有利な遊技状態である大当り遊技状態へ移行し、このとき、小当り遊技状態もラウンド数に数えられる場合があっても良い。
(3)拡張性
本発明の遊技機では、ソフトウェア上において、ドア開放が設定変更の条件となるようにしてもよい。電源投入時に設定キーON+RWM(RAM)クリアスイッチONでさらにドア開放を監視(検知)して初めて設定変更が可能となる。設定値がセットされていない状態では性能表示モニタの4桁には全て「E」が表示される。なお、この際、所定音も発生するが、所定音だけでなく「RWM異常エラーです。」という音声を発生させても良い。設定変更時には、特定音が発生し(「設定変更中です。」という音声を発生させてもよい)、ランプも全点灯する。遊技機の裏面ではRWMクリアスイッチを押す度に設定値が変わり、設定キーを戻す(抜く)と通常の状態に戻る。鍵を回した状態で扉を開けて電源を入れると設定確認状態で裏面では設定値を確認することができ、画面では「設定変更中です。」という文言が表示される。
なお、ドア開放が設定変更の条件とならない場合には、電源投入時に設定キーON+RWM(RAM)クリアスイッチONで設定変更可能とし、電源投入時に設定キーON+RWM(RAM)クリアスイッチOFFで設定確認可能とし、その後、設定キーを抜くと遊技可能な状態となるよう制御可能である。
また、電源投入時に設定キーOFF+RWM(RAM)クリアスイッチONでラムクリアされ、電源投入時に設定キーOFF+RWM(RAM)クリアスイッチOFFで通常の電断復帰がおこなわれるように制御可能である。
また、メンテナンスモードが搭載されていてもよい。メンテナンス履歴では、電源ONした時間、設定確認を行った時間、RWM(RAM)異常が発生した時間、設定に係るエラー等が記録される。この場合、例えば、最大200件程度のメンテナンス履歴を記録可能としてもよい。設定履歴では、設定変更及び設定確認の履歴と、設定値とを確認することができる。なお、この履歴は、設定キーが無ければ見ることができない構成となっている。
また、設定変更の表示は、サブ側の制御のみで行っても良いが、メイン側の制御により特図関連表示を全点灯にして表示してもよい。なお、設定変更の表示を特図関連表示を全点灯により行う場合、特別図柄の表示パターンでは、全点灯のパターンは設けられない。また、設定変更履歴は、例えば、最大100件程度まで記録可能であり、メンテナンスモードは、設定確認中にしか作動させることができない。また、履歴はホール(遊技場)では消去することができない。
また、電源基板にはバックアップ機能が設けられているため、盤の切り替え時には、RWM異常となり、性能表示モニタもクリアされる。なお、設定値をセットする最後の確定時にはディレイは入らない。ディレイ中は設定変更状態になる。
(4)拡張性
パチンコ遊技機においては、前扉の開放制御を行う第1のセンサと、外枠(機枠など)から本体部(盤の保持枠)が移動(開放動作など)したことを検知する第2のセンサとが設けられている。
第1のセンサにより開放検知されているときには設定変更を行えないようにし、第2のセンサにより開放検知されているときには設定変更を行えるようにしても良い。この場合、設定変更を行うために押下されるスイッチは、遊技機背面側にある基板等に設けられており、遊技場の作業員が本体部を動かして、遊技機前方(遊技機の外枠前方)から作業することが保証された状態で設定変更可能になる。なお、本発明はこれに限定されず、第1のセンサ及び第2のセンサの両方により開放検知されているときに設定変更を可能にする構成にしても良いし、第1のセンサにより開放検知されているときに設定変更を可能にする構成にしても良い。
なお、本明細書においては複数の実施形態について説明したが、各実施形態の構成は他の実施形態に適用可能である。例えば、第9実施形態において球排出口9464aは、接続部9464の下端が下方に開口するように形成される(すなわち、下側に向けられている)ものとしたが、第8実施形態に係る球排出口9331と同様に遊技機9400の手前側に向けられているものとしてもよい。
以下では、本発明の第10実施形態に係るパチンコ遊技機の遊技盤P1100について説明する。なお、先述した第1~第9実施形態に係るものと同一又は類似の構成要素については、同一名称や同一符号を付する等してその説明を省略する。
図281に示す遊技盤P1100は、透明板ユニットP1110、遊技領域P1120、球発射通路P1130、ワープ通路P1140、ステージP1150、一般入賞口ユニットP1160、上アタッカ部P1170、下アタッカ部P1180、アウト口P1190、上部可動演出役物P2000及び回転役物P3000等を具備する。
図281に示す透明板ユニットP1110は、遊技盤P1100の前側に位置するように設けられる。透明板ユニットP1110は、図200等に示す透明板ユニット7’の変形例である。透明板ユニットP1110は、遊技盤P1100の中央に開口された開口領域1dの前方も含めて、遊技盤P1100の前側全体を覆うように形成される。透明板ユニットP1110には、開口領域1dの周囲に位置する台板P1111や、台板P1210(図286等参照)、図239等に示す導光板ユニット700’の変形例である導光板ユニットの導光板P1112(透明パネル)等が含まれる。導光板P1112は、開口領域1dの前方に配置され、複数のLEDから照射した光によって発光演出を行うことができる。
図281、図284、図286等に示す遊技領域P1120は、遊技球が転動可能な領域である。遊技領域P1120は、透明板ユニットP1110の前面に形成される。遊技領域P1120は、開口領域1dの周囲を囲うように形成される。
図281に示す球発射通路P1130は、図263等に示す発射装置9080から発射された遊技球を遊技領域P1120へと案内する通路である。球発射通路P1130は、外レールP1131及び内レールP1132により区画形成される。球発射通路P1130は、遊技領域P1120の左方に形成される。
図281に示すワープ通路P1140は、遊技球を後述するステージP1150へと導く通路である。ワープ通路P1140は、内部を遊技球が転動可能なトンネル状に形成される。ワープ通路P1140は、開口領域1dの左下縁部に沿うように形成される。ワープ通路P1140の上端部は、遊技領域P1120を臨むように開口される。ワープ通路P1140の下端部は、後述するステージP1150を臨むように開口される。
図281に示すステージP1150は、遊技領域P1120における遊技球の流化領域を振り分けるものである。ステージP1150は、開口領域1dの下縁部に形成される。ステージP1150は、遊技球が左右方向に転動可能な上面を有する。ステージP1150の上面の左右中央部、左部及び右部は、下方へ凹むと共に前方に傾斜するように形成される。これによって、ステージP1150の上面を転動する遊技球は、左右中央部、左部及び右部のいずれかから下方(下側の遊技領域P1120)へと落下する。
図281に示す一般入賞口ユニットP1160は、遊技球が入賞可能な後述する一般入賞口P1161aを有するものである。一般入賞口ユニットP1160は、遊技領域P1120の左下部(開口領域1dの左下方)に配置される。一般入賞口ユニットP1160の詳細については後述する。
図281に示す上アタッカ部P1170は、遊技球が入賞可能な後述する第1大入賞口P1176等を有する部分である。上アタッカ部P1170は、遊技領域P1120の右上部(開口領域1dの右上方)に位置する。上アタッカ部P1170には、遊技領域P1120から前方へ立設される複数の壁部や、後述するカバーP1171から後方へ立設される複数の壁部等により、後述する遊技球の流路(流路P1172)が形成される。上アタッカ部P1170の詳細については後述する。
図281に示す下アタッカ部P1180は、遊技球が入賞可能な後述する第2大入賞口P1300や、第1始動口P1350、上第2始動口P1250、下第2始動口P1360等を有する部分である。下アタッカ部P1180は、遊技領域P1120の右下部(開口領域1dの右下方)に配置される。下アタッカ部P1180には、後述するカバーP1220から後方へ立設される複数の壁部等により、後述する遊技球の流路(流路P1230)が形成される。下アタッカ部P1180の詳細については後述する。
図281に示すアウト口P1190は、いずれの入賞口や始動口にも入賞(入球)しなかった遊技球が最終的に流入する部分である。アウト口P1190は、遊技領域P1120の左右中央部における下端部に形成される。
図281に示す上部可動演出役物P2000は、上下方向に移動可能な役物である。上部可動演出役物P2000は、後述する回転役物P3000の後方(背後)に配置される。上部可動演出役物P2000の動作は、図103に示した副制御回路200(より詳細には、演出動作制御回路89)により制御される。上部可動演出役物P2000の詳細については後述する。
図281に示す回転役物P3000は、回転移動可能な役物である。回転役物P3000は、正面視で開口領域1dの上部に配置される。また、回転役物P3000は、上部可動演出役物P2000の前方に配置される。回転役物P3000の動作は、図103に示した副制御回路200(より詳細には、演出動作制御回路89)により制御される。回転役物P3000の詳細については後述する。
以下では、図282及び図283を用いて、一般入賞口ユニットP1160の詳細について説明する。
一般入賞口ユニットP1160は、本体部P1161、リフレクタP1162、左側発光基盤P1163及び右側発光基盤P1164を具備する。
本体部P1161は、正面視略扇状に形成される。本体部P1161は、透光性を有する(光を透過可能な)材料によって構成される。本体部P1161の前面には、当該本体部P1161を装飾するためのシール(不図示)が貼り付けられる。本体部P1161は、一般入賞口P1161aを具備する。
一般入賞口P1161aは、遊技球が入球した場合に、抽選を行わずに所定数の賞球を払い出すためのものである。一般入賞口P1161aは、本体部P1161の上面における左右中央部が凹むことで形成される。
リフレクタP1162は、後述する発光部P1163a・P1164aからの光を前方へと導くためのものである。リフレクタP1162は、本体部P1161の後方に配置される。リフレクタP1162は、透光性を有さない(光を透過しない)材料によって構成される。リフレクタP1162は、透明板ユニットP1110を前後方向に貫通するように設けられる。リフレクタP1162は、左側導光部P1162a及び右側導光部P1162bを具備する。
左側導光部P1162a及び右側導光部P1162bは、軸線方向を前後方向に向けた略筒状に形成される。左側導光部P1162aは、正面断面視において、一般入賞口P1161aの左方に配置される。右側導光部P1162bは、正面断面視において、一般入賞口P1161aの右方に配置される。
左側発光基盤P1163及び右側発光基盤P1164は、リフレクタP1162の後方において、光を発するためのものである。左側発光基盤P1163及び右側発光基盤P1164は、それぞれ発光部P1163a・P1164aを具備する。
発光部P1163aは、前方(本体部P1161側)へ光を照射可能に左側発光基盤P1163に取り付けられる。発光部P1163aは、リフレクタP1162の左側導光部P1162aの後方に配置される。発光部P1163aは、正面断面視において、左側導光部P1162aの内側に配置される。発光部P1163aは、例えば、LED等によって構成される。
発光部P1164aは、前方(本体部P1161側)へ光を照射可能に右側発光基盤P1164に取り付けられる。発光部P1164aは、リフレクタP1162の右側導光部P1162bの後方に配置される。発光部P1164aは、正面断面視において、右側導光部P1162bの内側に配置される。発光部P1164aは、例えば、LED等によって構成される。
このように構成される一般入賞口ユニットP1160は、所定のタイミングで発光部P1163a・P1164aから前方へ向けて光を照射する。当該光は、リフレクタP1162の左側導光部P1162a内及び右側導光部P1162b内を通過して本体部P1161内へ入射する。当該光は、本体部P1161内を前方へ進んで本体部P1161外へと出射する。これによって、本体部P1161を当該光によって発光させることができる。
本実施形態においては、光を透過不能なリフレクタP1162を介して、発光部P1163a・P1164aから照射された光を本体部P1161内へと導くようにしている。これによれば、発光部P1163a・P1164aから照射された光が、本体部P1161内へと導かれる前に拡散してしまうのを抑制することができる。こうして、左右の発光部P1163a・P1164aにより、本体部P1161を狙い通りに発光させ易くすることができる。
以下では、図281及び図284を用いて、上アタッカ部P1170の詳細について説明する。
図281及び図284に示す上アタッカ部P1170は、カバーP1171、流路P1172、迂回路入口P1173、迂回路出口P1174、迂回路P1175、第1大入賞口P1176及びシャッタP1177等を具備する。
図281に示すカバーP1171は、上アタッカ部P1170の前側に位置する略板状の部材である。カバーP1171は、後方へ立設される複数の壁部を有する。カバーP1171は、遊技領域P1120(台板P1111)から前方へ立設される複数の壁部等とにより、後述する流路P1172を形成する。
図284に示す流路P1172は、上アタッカ部P1170における遊技球の流路である。流路P1172は、遊技領域P1120に含まれる。流路P1172は、上アタッカ部P1170の上端部に形成された流路入口P1172aから、下端部に形成された流路出口P1172bまで、所定の経路を経由するよう、遊技球を案内可能に形成される。
図284に示す迂回路入口P1173は、後述する迂回路P1175への遊技球の入口となる孔である。迂回路入口P1173は、台板P1111を前後方向に貫通するように形成される。迂回路入口P1173は、流路入口P1172aの真下方に形成される。迂回路入口P1173の上側を除く周囲には、壁部が形成される。
図284に示す迂回路出口P1174は、後述する迂回路P1175からの遊技球の出口となる孔である。迂回路出口P1174は、台板P1111を前後方向に貫通するように形成される。迂回路出口P1174は、迂回路入口P1173の左下方に形成される。迂回路出口P1174の下方には、概ね上下方向に板面を向けた板状の壁部が形成される。
図284に示す迂回路P1175は、遊技球を遊技領域P1120の裏側へ迂回させるものである。迂回路P1175は、台板P1111の裏側に固定される所定の部材等により形成される。迂回路P1175は、遊技領域P1120の裏側を遊技球が流通するトンネル状に形成される。迂回路P1175は、正面視で略矩形状に形成され、右上左下となる姿勢で配置される。迂回路P1175の右端部は、迂回路入口P1173に接続される。迂回路P1175の左端部は、迂回路出口P1174に接続される。
図281及び図284に示す第1大入賞口P1176は、遊技球が入賞(入球)することで、所定数の賞球を払い出すためのものである。第1大入賞口P1176は、複数の壁部等により上方が開放された正面視で略箱状に形成される。第1大入賞口P1176の上端部は、左右方向に比較的大きく開口されている。
また、第1大入賞口P1176は、迂回路出口P1174の真下方に形成される。具体的には、第1大入賞口P1176の左上端部は、迂回路出口P1174よりも左方に位置する。第1大入賞口P1176の右上端部は、迂回路出口P1174よりも右方に位置する。第1大入賞口P1176の上下方向中途部には、第1大入賞口カウントスイッチP1176aが配置される。第1大入賞口P1176の下端部(第1大入賞口カウントスイッチP1176aの下方)には、透明板ユニットP1110を前後方向に貫通する回収口P1178が形成される。
図284に示すシャッタP1177は、第1大入賞口P1176を開閉するものである。シャッタP1177は、板面を上下方向へ向けた略板状に形成される。シャッタP1177は、第1大入賞口P1176の上端部の開口を塞ぐように、長手方向を概ね左右方向へ向けて配置される。シャッタP1177は、図示しないソレノイドによって、遊技領域P1120よりも前方へ突出した状態と、遊技領域P1120よりも後方へ退避した状態と、に切り替え可能に構成される。シャッタP1177は、前方に突出した状態で、第1大入賞口P1176を閉状態とする。また、シャッタP1177は、後方に退避した状態で、第1大入賞口P1176を開状態とする。
以下では、図281、図285から図295を用いて、下アタッカ部P1180の詳細について説明する。
図281及び図285に示す下アタッカ部P1180は、台板P1210、カバーP1220、流路P1230、通過ゲートP1240、上第2始動口P1250、開閉ユニットP1260(羽根部材P1261)、上迂回路入口P1270、上迂回路出口P1280、上迂回路P1290、第2大入賞口P1300、下アタッカユニットP1310(シャッタP1311)、下迂回路入口P1320、下迂回路出口P1330、下迂回路P1340、第1始動口P1350及び下第2始動口P1360等を具備する。
図285から図290に示す台板P1210は、下アタッカ部P1180のベースとなる板状の部材である。台板P1210は、板面を前後方向に向けて配置される。台板P1210は、正面視で略L字状に形成される。台板P1210は、透明板ユニットP1110の右下部に配置される。台板P1210には、後述する第1始動口P1350が形成される。また、台板P1210には、前後方向に貫通する複数の孔が形成される。前記複数の孔の一部には、後述する羽根部材P1261や、シャッタP1311、通過ゲートスイッチP1241等の部材が設けられる。また、前記複数の孔の(その他の)一部は、後述する上迂回路入口P1270等を構成する。
図281及び図285に示すカバーP1220は、下アタッカ部P1180の前側に位置する略板状の部材である。カバーP1220は、台板P1210に対応した形状に形成される。図291に示すように、カバーP1220は、後方へ立設される複数の壁部を有する。カバーP1220は、上記複数の壁部等により、後述する流路P1230を形成する。
図286に示す流路P1230は、下アタッカ部P1180における遊技球の流路である。流路P1230は、遊技領域P1120に含まれる。流路P1230は、下アタッカ部P1180の上端部に形成された流路入口P1231から概ね左下方へ向けて、所定の経路を経由するよう、遊技球を案内可能に形成される。
また、流路P1230は、カバーP1220の壁部(壁部P1232)により、大きく2つの領域に区画される。壁部P1232は、左右方向中央部よりも左側において、下アタッカ部P1180を上下方向に亘るように形成される。すなわち、流路P1230は、正面視で壁部P1232を挟んで、右側の領域と左側の領域とに区画される。流路P1230の右側の領域から左側の領域へは、後述する下迂回路P1340を介して遊技球が移動可能に構成される。
図286、図291及び図292に示す通過ゲートP1240は、遊技球が通過することを条件に、普通図柄抽選の契機を与えるためのものである。通過ゲートP1240は、カバーP1220の壁部等により、遊技球が通過可能な通路状に形成される。図286に示すように、通過ゲートP1240は、流路入口P1231のすぐ下方に形成される。通過ゲートP1240のすぐ下方には、通過ゲートスイッチP1241が配置される。
図281、図286、図291及び図292に示す上第2始動口P1250は、遊技球が入賞(入球)することを条件に、当り抽選の契機を与えるためのものである。上第2始動口P1250は、複数の壁部等により上方が開放された正面視で略箱状に形成される。上第2始動口P1250の上端部は、左右方向に比較的大きく開口されている。
また、上第2始動口P1250は、通過ゲートP1240の下方に形成される。上第2始動口P1250の上下方向中途部には、上第2始動口カウントスイッチP1251が配置される。上第2始動口P1250の下端部(上第2始動口カウントスイッチP1251の下方)には、台板P1210を前後方向に貫通する回収口P1252が形成される。
図289及び図290に示す開閉ユニットP1260は、羽根部材P1261を有すると共に、図示しないソレノイドによって羽根部材P1261を開閉動作可能に構成するものである。開閉ユニットP1260は、台板P1210の後面に固定される。
図286、図289、図291及び図292に示す羽根部材P1261は、上第2始動口P1250を開閉するものである。羽根部材P1261は、板面を上下方向へ向けた略板状に形成される。より詳細には、羽根部材P1261は、右方から左方にいくに従って下がる傾斜状に形成される。羽根部材P1261は、上第2始動口P1250の上端部の開口を塞ぐように、長手方向を概ね左右方向へ向けて配置される。羽根部材P1261は、開閉ユニットP1260に設けられたソレノイドによって、遊技領域P1120よりも前方へ突出した状態と、遊技領域P1120よりも後方へ退避した状態と、に切り替え可能に構成される。羽根部材P1261は、前方に突出した状態で、上第2始動口P1250を閉状態とする。また、羽根部材P1261は、後方に退避した状態で、上第2始動口P1250を開状態とする。
図286から図289に示す上迂回路入口P1270は、後述する上迂回路P1290への遊技球の入口となる孔である。上迂回路入口P1270は、透明板ユニットP1110の台板P1210を前後方向に貫通するように形成される。図286に示すように、上迂回路入口P1270は、羽根部材P1261の右側部分のすぐ上方に形成される。
図286から図289に示す上迂回路出口P1280は、後述する上迂回路P1290からの遊技球の出口となる孔である。上迂回路出口P1280は、透明板ユニットP1110の台板P1210を前後方向に貫通するように形成される。図286に示すように、上迂回路出口P1280は、羽根部材P1261の左側部分のすぐ上方に形成される。
なお、上迂回路入口P1270及び上迂回路出口P1280は、台板P1210において、一つの孔として形成される。そして、図286に示すように、カバーP1220の壁部等により正面視で右側と左側とに区画され、当該右側に区画された部分が上迂回路入口P1270として形成されている。また、当該左側に区画された部分が上迂回路出口P1280として形成されている。
図286及び図290に示す上迂回路P1290は、遊技球を遊技領域P1120の裏側へ迂回させるものである。上迂回路P1290は、台板P1210の裏側に固定される所定の部材により形成される。上迂回路P1290は、遊技領域P1120の裏側を遊技球が流通するトンネル状に形成される。上迂回路P1290は、正面視で略矩形状に形成され、右上左下となる姿勢で配置される。上迂回路P1290の右端部は、上迂回路入口P1270に接続される。上迂回路P1290の左端部は、上迂回路出口P1280に接続される。
図281、図286、図291及び図292に示す第2大入賞口P1300は、遊技球が入賞(入球)することで、所定数の賞球を払い出すためのものである。第2大入賞口P1300は、複数の壁部等により上方が開放された正面視で略箱状に形成される。第2大入賞口P1300の上端部は、左右方向に比較的大きく開口されている。
また、第2大入賞口P1300は、上第2始動口P1250の左下方に形成される。第2大入賞口P1300は、上第2始動口P1250と離間した位置に形成される。第2大入賞口P1300の上下方向中途部には、第2大入賞口カウントスイッチP1301が配置される。第2大入賞口P1300の下端部(第2大入賞口カウントスイッチP1301の下方)には、台板P1210を前後方向に貫通する回収口P1302が形成される。
図290に示す下アタッカユニットP1310は、シャッタP1311を有すると共に、図示しないソレノイドによってシャッタP1311を開閉動作可能に構成するものである。下アタッカユニットP1310は、台板P1210の後面に固定される。
図286、図289、図291及び図292に示すシャッタP1311は、第2大入賞口P1300を開閉するものである。シャッタP1311は、板面を上下方向へ向けた略板状に形成される。シャッタP1311は、第2大入賞口P1300の上端部の開口を塞ぐように、長手方向を概ね左右方向へ向けて配置される。シャッタP1311は、下アタッカユニットP1310に設けられたソレノイドによって、遊技領域P1120よりも前方へ突出した状態と、遊技領域P1120よりも後方へ退避した状態と、に切り替え可能に構成される。シャッタP1311は、前方に突出した状態で、第2大入賞口P1300を閉状態とする。また、シャッタP1311は、後方に退避した状態で、第2大入賞口P1300を開状態とする。
図286から図289に示す下迂回路入口P1320は、後述する下迂回路P1340への遊技球の入口となる孔である。下迂回路入口P1320は、台板P1210を前後方向に貫通するように形成される。下迂回路入口P1320は、シャッタP1311の左下方に形成される。
なお、下迂回路入口P1320の左方には、壁部P1232が形成される。すなわち、上述の如く通過ゲートP1240、上第2始動口P1250、開閉ユニットP1260(羽根部材P1261)、上迂回路入口P1270、上迂回路出口P1280、上迂回路P1290、第2大入賞口P1300、下アタッカユニットP1310(シャッタP1311)及び下迂回路入口P1320は、壁部P1232により区画された流路P1230の右側の領域に形成される。
図286から図289に示す下迂回路出口P1330は、後述する下迂回路P1340からの遊技球の出口となる孔である。下迂回路出口P1330は、台板P1210を前後方向に貫通するように形成される。下迂回路出口P1330は、台板P1210の左下部に形成される。下迂回路出口P1330は、上下方向位置が下迂回路入口P1320よりも下方に位置するように形成される。
図286に示す下迂回路P1340は、遊技球を遊技領域P1120の裏側へ迂回させるものである。下迂回路P1340は、台板P1210の裏側に固定される所定の部材により形成される。後側案内部P1341の詳細については後述する。
図281、図286から図290に示す第1始動口P1350は、遊技球が入賞(入球)することを条件に、当り抽選の契機を与えるためのものである。第1始動口P1350は、台板P1210の左下部であって、下迂回路出口P1330の上方に形成される。第1始動口P1350は、上方が開口された略箱状に形成される。第1始動口P1350の後側は、台板P1210に形成された切欠部と接続される。第1始動口P1350には、図示しない第1始動口カウントスイッチが設けられる。
図281、図286、図291及び図292に示す下第2始動口P1360は、遊技球が入賞(入球)することを条件に、当り抽選の契機を与えるためのものである。下第2始動口P1360は、下迂回路出口P1330のすぐ下方に形成される。下第2始動口P1360は、上側が開放された略箱状に形成される。下第2始動口P1360の後側は、台板P1210を前後方向に貫通するように形成された孔と接続される。下第2始動口P1360には、図示しない下第2始動口カウントスイッチが設けられる。
こうして、下迂回路出口P1330、第1始動口P1350及び下第2始動口P1360は、壁部P1232により区画された流路P1230の左側の領域に形成される。より詳細には、下迂回路出口P1330、第1始動口P1350及び下第2始動口P1360は、壁部P1232から左方に離間した位置に形成される。なお、下迂回路出口P1330、第1始動口P1350及び下第2始動口P1360付近の部材の位置関係の詳細は後述する。
また、下迂回路P1340は、遊技領域P1120の裏側で、壁部P1232を左右方向に跨ぐように、すなわち流路P1230の右側の領域と左側の領域とに亘るように形成される。以下では、図293から図295を用いて、下迂回路P1340の後側案内部P1341の詳細について説明する。
図293から図295に示す後側案内部P1341は、下迂回路P1340において下迂回路入口P1320から下迂回路出口P1330へと遊技球を案内する部材である。後側案内部P1341は、台板P1210の後面に固定される。後側案内部P1341は、長手状に形成される。後側案内部P1341は、正面視で長手方向を右上左下へ向けた若干傾斜した姿勢で配置される。後側案内部P1341は、前側が開口された略箱状に形成される。後側案内部P1341の底板P1343(下側面)の上面は、遊技球が転動可能に形成される。後側案内部P1341は、第一傾斜部P1344、第二傾斜部P1345、右側ガイド部P1346及び左側ガイド部P1347を具備する。
第一傾斜部P1344は、底板P1343のうち上面が左下方に傾斜している部分である。第一傾斜部P1344は、底板P1343の右端部から左端部近傍に亘るように形成される。
第二傾斜部P1345は、底板P1343のうち上面が前下方に傾斜している部分である。第二傾斜部P1345は、底板P1343の左端部に形成される。第二傾斜部P1345は、第一傾斜部P1344の左方に当該第一傾斜部P1344と左右方向に連続するように形成される。第二傾斜部P1345と第一傾斜部P1344との接続部分には、上下方向に段差が設けられる。第二傾斜部P1345は、底板P1343の上面において他の部分と比べて最も高さが低くなるように形成される。第二傾斜部P1345の前端部は、第一傾斜部P1344の前端部よりも前方に突出するように形成される。
右側ガイド部P1346は、後側案内部P1341内において、遊技球を左下方へ向けて案内するための部分である。右側ガイド部P1346は、斜辺となる面を左前方に向けた平面視略直角三角形状に形成される。右側ガイド部P1346は、第一傾斜部P1344の右後端部に形成される。
左側ガイド部P1347は、後側案内部P1341内において、遊技球を前方へ向けて案内するための部分である。左側ガイド部P1347は、斜辺となる面を右前方に向けた平面視略直角三角形状に形成される。左側ガイド部P1347は、第二傾斜部P1345の左端部に形成される。
こうして、下迂回路P1340は、遊技領域P1120の裏側で、壁部P1232を左右方向に跨ぐように、すなわち流路P1230の右側の領域と左側の領域とに亘るように形成される。
以下では、図296を用いて、第1始動口P1350、下迂回路出口P1330及び下第2始動口P1360付近の部材の位置関係の詳細について説明する。なお以下では便宜上、第1始動口P1350、下迂回路出口P1330及び下第2始動口P1360を、「3つの口」と称する場合がある。
図296に示すように、3つの口は、上下方向に略隙間無く連続するように配置される。具体的には、3つの口においては、第1始動口P1350、下迂回路出口P1330及び下第2始動口P1360が、上側から下側に順番に配置される。3つの口の上方には、ステージP1150、より詳細にはステージP1150の下方へ凹んだ左右中央部(以下では「ステージ中央部P1151」と称する)が配置される。
また、3つの口は、下アタッカ部P1180の壁部P1232から左方に離間した位置に配置される。具体的には、3つの口は、壁部P1232から左方に、少なくとも遊技球の外径以上の幅をあけて配置される。3つの口と壁部P1232との間には、遊技領域P1120が形成される。また、3つの口と壁部P1232との間の、遊技領域P1120の後側には、下迂回路P1340(後側案内部P1341)が配置される。また、3つの口と下アタッカ部P1180との間の上方には、ステージP1150、より詳細にはステージP1150のうち、下方へ凹んだ右部(以下では「ステージ右部P1152」と称する)が配置される。
また、3つの口は、一般入賞口ユニットP1160から右方に離間した位置に配置される。具体的には、3つの口は、一般入賞口ユニットP1160から右方に、少なくとも遊技球の外径以上の幅をあけて配置される。3つの口と一般入賞口ユニットP1160との間には、遊技領域P1120が形成される。また、3つの口と下アタッカ部P1180との間の上方には、ステージP1150、より詳細にはステージP1150のうち、下方へ凹んだ左部(以下では「ステージ左部P1153」と称する)が配置される。
以下では、図297から図301を用いて、遊技における遊技球の主たる流れについて説明する。なお、図297から図301に示す黒太線(実線及び点線)の矢印は、遊技球の流れの一例を示している。また、図297に示す黒太線の点線の矢印は、ワープ通路P1140における遊技球の流れの一例を示している。また、図298から図301に示す黒太線の点線の矢印は、各種の迂回路における遊技球の流れ(遊技領域P1120の裏側における遊技球の流れ)の一例を示している。
図297に示すように、図263等に示す発射装置9080から発射された遊技球は、球発射通路P1130により遊技領域P1120へ案内される。そして、打ち出された遊技球の勢いに応じて、開口領域1dよりも左側の領域、あるいは、開口領域1dよりも右側の領域を流れていく。なお便宜上、図示を省略しているが、遊技領域P1120には多数の遊技釘が設けられている。こうして、遊技領域P1120へと案内された遊技球は、繰り返し遊技釘に衝突して種々の方向へ跳ね返りながら、当該遊技領域P1120を落下していく。
遊技球が開口領域1dよりも左側の遊技領域P1120を落下する場合(いわゆる左打ちが行われた場合)、一部の遊技球は、ワープ通路P1140の内部に入り込み、当該ワープ通路P1140によりステージP1150へ案内される。ステージP1150へ案内された遊技球は、後述するように、ステージP1150の左右中央部、左部及び右部のいずれかから下方(下側の遊技領域P1120)へと落下する。
また、遊技球が開口領域1dよりも右側の遊技領域P1120を落下する場合(いわゆる右打ちが行われた場合)、遊技球は、まず上アタッカ部P1170へ案内される。
図298に示すように、上アタッカ部P1170へ案内された遊技球は、流路入口P1172aから上アタッカ部P1170の内部に流入する。そして、遊技球は、迂回路入口P1173から迂回路P1175へ案内され、当該迂回路P1175(すなわち、遊技領域P1120の裏側)を転動する。次に、迂回路P1175を転動した遊技球は、迂回路出口P1174から再び遊技領域P1120へ戻され、シャッタP1177を転動する。なおこの際、シャッタP1177が開状態になれば、遊技球は第1大入賞口P1176に入賞する。また、シャッタP1177を転動した遊技球は、下方へ落下し、流路出口P1172bから上アタッカ部P1170の外部へ排出される。そして、上アタッカ部P1170の外部へ排出された遊技球は、下アタッカ部P1180へ案内される。
図299及び図300に示すように、下アタッカ部P1180へ案内された遊技球は、流路入口P1231から下アタッカ部P1180の内部へ流入する。そして、遊技球は、下アタッカ部P1180の内部を落下していき、上第2始動口P1250の箇所で2方向へ振り分けられる(黒太矢印R1a及びR1b参照)。そして、黒太矢印R1aに示す左方向に振り分けられた遊技球は、羽根部材P1261を転動する共に、途中で上迂回路入口P1270から上迂回路P1290へ案内され、当該上迂回路P1290(すなわち、遊技領域P1120の裏側)を転動する。そして、上迂回路P1290を転動した遊技球は、上迂回路出口P1280から再び遊技領域P1120へ戻され、羽根部材P1261を転動する。なおこの際、羽根部材P1261が開状態になれば、遊技球は上第2始動口P1250に入球する。
そして、羽根部材P1261を転動した遊技球は、落下していき、第2大入賞口P1300の箇所で2方向へ振り分けられる(黒太矢印R2a及びR2b参照)。そして、黒太矢印R2aに示す左方向に振り分けられた遊技球は、シャッタP1311を転動する。なおこの際、シャッタP1311が開状態になれば、遊技球は第2大入賞口P1300に入賞する。そして、シャッタP1311を転動した遊技球は、下迂回路入口P1320から下迂回路P1340(遊技盤P1100の背面方向)へ案内され、当該下迂回路P1340の後側案内部P1341(すなわち、遊技領域P1120の裏側)を転動する。そして、下迂回路P1340を転動した遊技球は、下迂回路出口P1330から再び遊技領域P1120側(遊技盤P1100の前面方向)へ戻される。
上述の如く、下迂回路出口P1330のすぐ下方には、下第2始動口P1360が配置されている。したがって、図301に示すように、遊技球が下迂回路出口P1330から再び遊技領域P1120側へ戻された場合、黒太矢印R3に示すように、当該遊技球は下第2始動口P1360に容易に入球されることとなる。
なお、下迂回路出口P1330及び下第2始動口P1360には、右側の遊技領域P1120から流れてきた遊技球(すなわち、下アタッカ部P1180から下迂回路P1340を介して流れてきた遊技球)だけでなく、左側の遊技領域P1120から流れてきた遊技球も落下してくる。例えば、ステージP1150を転動した遊技球が落下してくる。
具体的には、図301に示すように、ステージP1150のステージ左部P1153から落下した遊技球は、黒太矢印R4に示すように、第1始動口P1350、下迂回路出口P1330及び下第2始動口P1360の左方を落下していく。また、ステージP1150のステージ右部P1152から落下した遊技球は、黒太矢印R5に示すように、第1始動口P1350、下迂回路出口P1330及び下第2始動口P1360の右方(すなわち、3つの口と壁部P1232との間の領域)を落下していく。
また、ステージP1150のステージ中央部P1151から落下した遊技球は、黒太矢印R6に示すように、真下方に配置された第1始動口P1350へと落下していく。そして、当該落下した遊技球は、図示しない遊技釘の間をすり抜けることができれば、第1始動口P1350に入賞することとなる。
また、また、ステージ中央部P1151から落下した遊技球であっても、例えば図示しない遊技釘に衝突した場合、例えば黒太矢印R6bに示すように左方へと弾かれ、前記3つの口(第1始動口P1350、下迂回路出口P1330及び下第2始動口P1360)と一般入賞口ユニットP1160との間の遊技領域P1120を落下していく。
また、ステージ中央部P1151から落下した遊技球であっても、図示しない遊技釘に衝突した場合、例えば黒太矢印R6aに示すように右方へと弾かれ、前記3つの口(第1始動口P1350、下迂回路出口P1330及び下第2始動口P1360)と壁部P1232との間の遊技領域P1120を落下していく。
このように、前記3つの口と壁部P1232との間の遊技領域P1120においては、右打ちを行った場合の遊技球が右方から左方へと流れてくるにもかかわらず、当該遊技球が遊技領域P1120の裏側で下迂回路P1340を転動してくるため、上方から落下してくる遊技球(黒太矢印R5及びR6a参照)との衝突を防止することができる。すなわち、2つの方向(右方向及び下方向)に遊技球が転動する領域を正面視で重複させることができるため、遊技球の転動領域の省スペース化を図ることができ、例えば複数の入賞口を形成することができる等、遊技部品の配置スペースを確保し易くすることができる。
また、下迂回路出口P1330の左右にも遊技領域P1220を確保できるので、下迂回路出口P1330から排出してくる遊技球を一律に下第2始動口P1360へ導くのではなく、下第2始動口P1360へ入賞しないハズレ球を発生させることもでき、遊技性を高めることができる。
以上の実施形態に基づき、本発明の概要を以下に列挙する。
従来、遊技盤の右側に打ち出された遊技球を大入賞口へと導く誘導路を有する大入賞口ユニットを備えた遊技機が開示されている。例えば、特開2017-35176号公報に記載の如くである。
しかしながら、大入賞口は入賞領域を広く確保する必要があるために比較的大型に形成されることが多く、大入賞口の近傍に他の入賞口を形成しようとしても配置スペースが確保しにくい問題点があった。
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、入賞口の配置スペースを確保し易くすることができる遊技機を提供することを目的とする。
以上の如く、第10実施形態に係る遊技機は、
前面側に遊技球が転動可能な遊技領域P1120を有する遊技盤P1100を備えた遊技機であって、
前記遊技盤P1100は、
前記遊技領域P1120に設けられた第1の入賞口(第1始動口P1350)と、
前記遊技盤の前面側に設けられ遊技球が転動可能な第1の球通路(例えば、上アタッカ部P1170の流路P1172や、下アタッカ部P1180の流路P1230)と、
前記第1の球通路の下流側に設けられ、遊技球を前記遊技盤P1100の背面方向に誘導する流入口(下迂回路入口P1320)と、
前記流入口(下迂回路入口P1320)から流入した遊技球が転動可能な第2の球通路(下迂回路P1340)と、
前記第2の球通路(下迂回路P1340)の下流側に設けられ、遊技球を前記遊技盤P1100の前面方向に誘導する排出口(下迂回路出口P1330)と、
前記遊技領域P1120に設けられ前記排出口(下迂回路出口P1330)の下方に設けられた第2の入賞口(下第2始動口P1360)と、を備え、
前記第2の入賞口(下第2始動口P1360)は、前記第1の入賞口(第1始動口P1350)の下方に設けられており、
前記第1の入賞口(第1始動口P1350)の左右には、前記第1の入賞口(第1始動口P1350)に流入しなかった遊技球が下方へ転動可能な遊技領域P1120が形成されており、
前記第1の入賞口(第1始動口P1350)の左右に形成された遊技領域P1120うち、少なくともいずれか一方の遊技領域は、前記第2の球通路(下迂回路P1340)の遊技盤前面側に形成されていることを特徴とする。
このような構成によれば、入賞口の配置スペースを確保し易くすることができる。
以上、本発明の第一実施形態を説明したが、本発明は上記構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で種々の変更が可能である。
例えば、本実施系形態においては、「第1の入賞口」を第1始動口P1350とし、「第2の入賞口」を下第2始動口P1360としたが、これに限定するものではない。
また、後側案内部P1341の構成は、本実施形態に係るものに限定されない。例えば後側案内部P1341は、正面視で湾曲や屈曲するような形状を有する等、種々の構成が想定される。
以下では、図302から図321を用いて、上部可動演出役物P2000及び上部役物昇降機構P2300について説明する。
[上部可動演出役物P2000]
上部可動演出役物P2000は、移動することで演出を行うものである。具体的には、上部可動演出役物P2000は、後述する第一演出部P2110及び第二演出部P2120を用いて演出を行う。なお、詳細は後述するが、上部可動演出役物P2000は左右方向に延びる軸線回りに回動して演出を行うものであるが、以下では、瞳装飾体P2113の表面(第1の演出面)を前方に向けた状態を基準に説明を行う。
上部可動演出役物P2000は、略直方体状に形成される。上部可動演出役物P2000は、長手方向を左右に向けて配置される。上部可動演出役物P2000は、主として第一演出部P2110、第二演出部P2120、被昇降部P2140及び駆動機構P2200を具備する。
[第一演出部P2110]
図302から図304及び図308等に示す第一演出部P2110は、適宜の装飾が施されており、移動されることによって演出を行うものである。具体的には、第一演出部P2110は、人の左右両側の瞳及び眉を模した装飾が施されている。第一演出部P2110は、上部可動演出役物P2000の前面に設けられる。第一演出部P2110は、主として眉可動体P2111、可動体支持アームP2112、瞳装飾体P2113、役物電飾基板P2114、後部カバーP2115、アウターレンズP2116、拡散シートP2117、導光レンズP2118及びインナーレンズP2119を具備する。
図302から図304及び図308に示す眉可動体P2111は、演出を行う際に可動する部分である。眉可動体P2111は、人の眉を模した形状に形成されている。眉可動体P2111は、第一演出部P2110の前部に左右一対設けられる。左側の眉可動体P2111は、長手方向が右下がりとなるように設けられる。右側の眉可動体P2111は、長手方向が左下がりとなるように設けられる。左右の眉可動体P2111は、互いに左右対称となるように設けられる。眉可動体P2111の後部には、眉軸部P2111aが設けられる(図304参照)。眉軸部P2111aは、軸線を前後方向に向けて、眉可動体P2111から後方に延びるように設けられる。
図304に示す可動体支持アームP2112は、眉可動体P2111を支持するものである。可動体支持アームP2112は、アーム状に形成される。可動体支持アームP2112は、眉可動体P2111の後方に左右一対設けられる。左側の可動体支持アームP2112は、長手方向が右下がりとなるように設けられる。右側の可動体支持アームP2112は、長手方向が左下がりとなるように設けられる。左右の可動体支持アームP2112は、互いに左右対称となるように設けられる。以下では左側の可動体支持アームP2112について説明を行い、右側の可動体支持アームP2112については説明を省略する。
可動体支持アームP2112の前面には、挿通孔(不図示)が形成されている。前記挿通孔は、可動体支持アームP2112の左端部近傍に設けられる。前記挿通孔には、眉可動体P2111の眉軸部P2111aが挿通される。
また、可動体支持アームP2112の後面には、アーム軸部P2112aが形成されている。アーム軸部P2112aは、可動体支持アームP2112の右端部近傍に設けられる。アーム軸部P2112aは、軸線を前後方向に向けて、可動体支持アームP2112の後面から後方に延びるように設けられている。アーム軸部P2112aは、後述する駆動機構P2200に支持されている。
このようにして、可動体支持アームP2112は、眉可動体P2111を眉軸部P2111a回りに回動可能に支持する。
図302から図304及び図308に示す瞳装飾体P2113は、第一演出部P2110の前面を構成する部分である。瞳装飾体P2113は、正面視略矩形状に形成される。瞳装飾体P2113は、長手方向を左右方向に向けて、眉可動体P2111の後方に設けられる。瞳装飾体P2113には、瞳貫通孔P2113aが形成される(図304参照)。瞳貫通孔P2113aは、正面視において人の瞳を模した形状に形成される。瞳貫通孔P2113aは左右一対形成され、左右の瞳貫通孔P2113aは互いに左右対称となるように形成される。瞳装飾体P2113の表面(前面)が、本発明に係る「第1の演出面」を構成する。
図304に示す役物電飾基板P2114は、略矩形板状に形成される。役物電飾基板P2114は、その板面を前後に向けると共に、長手方向を左右に向けて設けられる。役物電飾基板P2114の前面には、当該役物電飾基板P2114の左右略全域に亘って複数のLED(不図示)が設けられる。当該LEDを発光させることで、役物電飾基板P2114の前方へと光を照射することができる。
図304に示す後部カバーP2115は、第一演出部P2110の後部を構成する部分である。後部カバーP2115は、正面視略矩形状に形成される。後部カバーP2115は、長手方向を左右方向に向けて役物電飾基板P2114の後方に設けられ、役物電飾基板P2114を支持する。
瞳装飾体P2113と役物電飾基板P2114との間には、アウターレンズP2116、拡散シートP2117、導光レンズP2118及びインナーレンズP2119が、前から順に設けられる(図304参照)。これらアウターレンズP2116等は、瞳装飾体P2113の瞳貫通孔P2113aに対応する位置に、左右一対設けられる。これらアウターレンズP2116等が設けられることにより、役物電飾基板P2114の前記LEDから光を照射することで、瞳貫通孔P2113aが形成された部分を全体的に光らせることができる。
[第二演出部P2120]
図305及び図306に示す第二演出部P2120は、適宜の装飾が施されており、移動されることによって演出を行うものである。具体的には、第二演出部P2120は、人の左右片側の瞳及び眉を模した装飾が施されている。第二演出部P2120は、上部可動演出役物P2000の下面に設けられる。第二演出部P2120は、主として眉装飾体P2121、役物電飾基板P2122、導光レンズP2123、上部カバーP2124及び瞳可動体ユニットP2130を具備する。
図305及び図306に示す眉装飾体P2121は、第二演出部P2120の下面を構成する部分である。眉装飾体P2121は、底面視略矩形状に形成される。眉装飾体P2121は、長手方向を左右方向に向けて、第二演出部P2120の下部に設けられる。眉装飾体P2121は、底面視において人の左右片側の眉を模した形状に形成される。眉装飾体P2121の表面(下面)が、本発明に係る「第2の演出面」を構成する。
図306に示す役物電飾基板P2122は、略矩形板状に形成される。役物電飾基板P2122は、その板面を上下に向けると共に、長手方向を左右に向けて設けられる。役物電飾基板P2122の下面には、当該役物電飾基板P2122の左右略全域に亘って複数のLED(不図示)が設けられる。当該LEDを発光させることで、眉装飾体P2121側へと光を照射することができる。
眉装飾体P2121と役物電飾基板P2122との間には、導光レンズP2123が設けられる(図306参照)。導光レンズP2123が設けられることにより、役物電飾基板P2122の前記LEDから光を照射することで、眉装飾体P2121を全体的に光らせることができる。
図306に示す上部カバーP2124は、第二演出部P2120の上部を構成する部分である。上部カバーP2124は、底面視略矩形状に形成される。上部カバーP2124は、長手方向を左右方向に向けて役物電飾基板P2122の上方に設けられ、役物電飾基板P2122を支持する。
図306及び図307に示す瞳可動体ユニットP2130は、演出を行う際に可動する部分である。瞳可動体ユニットP2130は、上部カバーP2124の上方に左右一対設けられる。瞳可動体ユニットP2130は、瞳可動体P2131、電飾基板P2132及び導光レンズP2133を具備する。なお、左右の瞳可動体ユニットP2130は、互いに概ね左右対称となるように形成される。このため、以下では、左側の瞳可動体ユニットP2130について説明を行い、右側の瞳可動体ユニットP2130については説明を省略する。
図306及び図307に示す瞳可動体P2131は、底面視において人の左右片側の瞳の一部(半部)を模した形状に形成されている。瞳可動体P2131は、瞳可動体ユニットP2130の最も下側に設けられる。
図307に示す電飾基板P2132は、略矩形板状に形成される。電飾基板P2132は、瞳可動体P2131の上方において、その板面を上下に向けて設けられる。電飾基板P2132の下面には、当該電飾基板P2132の左右略全域に亘って複数のLED(不図示)が設けられる。当該LEDを発光させることで、電飾基板P2132の下方へと光を照射することができる。
瞳可動体P2131と電飾基板P2132との間には、導光レンズP2133が設けられる(図307参照)。導光レンズP2133が設けられることにより、電飾基板P2132の前記LEDから光を照射することで、瞳可動体P2131を全体的に光らせることができる。
瞳可動体P2131、電飾基板P2132及び導光レンズP2133は、互いに固定されてユニット化されている。なお、左側の瞳可動体ユニットP2130には、後述する左瞳カバーP2231も固定されている(図307参照)。また、右側の瞳可動体ユニットP2130には、後述する右瞳カバーP2232も固定されている(図307参照)。
[被昇降部P2140]
図303、図305及び図308に示す被昇降部P2140は、後述する上部役物昇降機構P2300によって昇降される部分である。被昇降部P2140は、第一演出部P2110及び第二演出部P2120と、後述する上部役物昇降機構P2300との間に介在するように設けられる。被昇降部P2140は、主としてベース部材P2141、左取付軸部材P2142、右取付軸部材P2143、左取付ガイドP2144、右取付ガイドP2145、左キャリッジP2146及び右キャリッジP2147を具備する。
図303及び図308等に示すベース部材P2141は、被昇降部P2140の左右中央部を構成するものである。ベース部材P2141は、第一演出部P2110及び第二演出部P2120の後方において左右方向に延びて、その左右両端が前方に屈曲するように形成される。ベース部材P2141の左右幅は、第一演出部P2110及び第二演出部P2120と略同じとなるように形成される。
図308及び図309に示す左取付軸部材P2142は、上部可動演出役物P2000の左側の回動軸(後述する挿通部材P2213)を取り付けるものである。左取付軸部材P2142は、ベース部材P2141の左端部に固定される。
図308及び図310に示す右取付軸部材P2143は、上部可動演出役物P2000の右側の回動軸(後述する回動軸P2143a)を取り付けるものである。右取付軸部材P2143は、ベース部材P2141の右端部に固定される。右取付軸部材P2143には、回動軸P2143aが設けられる。回動軸P2143aは、軸線を左右方向に向けて、右取付軸部材P2143から左方に延びるように設けられる。回動軸P2143aは、ベース部材P2141の右端部に設けられた貫通孔に挿通される。
図308及び図309に示す左取付ガイドP2144は、後述する左キャリッジP2146を左取付軸部材P2142に取り付けるための部材である。左取付ガイドP2144は、左取付軸部材P2142の左側に固定される。左取付ガイドP2144には、軸孔P2144a及び長孔P2144bが形成される。
図309に示す軸孔P2144aは、左取付ガイドP2144の上端部近傍を前後方向に貫通するように形成される。
図309に示す長孔P2144bは、延伸方向を略左右方向に向けて、軸孔P2144aの下方に設けられる。長孔P2144bは、正面視において後述する第一ピンP2146aを中心とする円弧状に形成される。
図308及び図310に示す右取付ガイドP2145は、後述する右キャリッジP2147を右取付軸部材P2143に取り付けるための部材である。右取付ガイドP2145は、右取付軸部材P2143の右側に固定される。
図302、図303及び図308に示す左キャリッジP2146は、後述する上部役物昇降機構P2300(左側案内部P2310)に取り付けられる部分である。左キャリッジP2146は、左取付ガイドP2144に固定される。左キャリッジP2146は、左側案内部P2310に沿って上下に移動可能に形成される。左キャリッジP2146には、第一ピンP2146a及び第二ピンP2146bが設けられる。
第一ピンP2146a及び第二ピンP2146bはともに、左キャリッジP2146から前方に延びるように設けられる。第一ピンP2146aは第二ピンP2146bの上方に設けられる。第一ピンP2146aは軸孔P2144aに挿通され、第二ピンP2146bは長孔P2144bに挿通される(図309参照)。
図302、図303及び図308に示す右キャリッジP2147は、後述する上部役物昇降機構P2300(右側案内部P2320)に取り付けられる部分である。右キャリッジP2147は、右取付ガイドP2145に固定される。右キャリッジP2147は、右側案内部P2320に沿って上下に移動可能に形成される。右キャリッジP2147には、押さえ部材P2147aが設けられている。
図308に示す押さえ部材P2147aは、右取付ガイドP2145の前方への移動を規制するものである。押さえ部材P2147aは、正面視略L字状に形成される。より詳細には、押さえ部材P2147aは、上下方向に延びる部分と、当該部分の下端から左方に延びる部分とにより構成される。押さえ部材P2147aは、右取付ガイドP2145の前方に設けられる。
[駆動機構P2200]
駆動機構P2200は、第一演出部P2110及び第二演出部P2120を駆動させるものである。駆動機構P2200は、役物回転駆動部P2210、眉回転駆動部P2220及び瞳回転駆動部P2230を具備する。
[役物回転駆動部P2210]
図312から図314に示す役物回転駆動部P2210は、上部可動演出役物P2000を回転駆動させるものである。役物回転駆動部P2210は、主として左軸穴部材P2211、回転ブッシュP2212、挿通部材P2213、伝達ギヤP2214、モータギヤP2215、回転駆動モータP2216及び右軸穴部材P2217を具備する。
図312及び図313に示す左軸穴部材P2211は、板面を左右方向に向けた板状部P2211aを具備しており、板状部P2211aが左取付軸部材P2142の右方に位置するように設けられる(図313参照)。左軸穴部材P2211は、役物電飾基板P2122の左端に載置されるとともに、眉装飾体P2121に固定される。左軸穴部材P2211には、軸孔P2211b及びガイドP2211cが形成される。
図313に示す軸孔P2211bは、板状部P2211aを貫通するように形成される。また、板状部P2211aの左方を向く面には、ガイドP2211cが形成される。ガイドP2211cは、板状部P2211aから左方に突出するように形成される。ガイドP2211cは、左側面視において軸孔P2211bと同心の円弧状に形成される。ガイドP2211cは、左側面視において軸孔P2211bの後上方において、左取付軸部材P2142の外周面に沿うように形成される。
図313に示す回転ブッシュP2212は、略円筒状に形成される。回転ブッシュP2212は、軸線を左右方向に向けて、軸孔P2211bに軸線回りに回動可能に設けられる。回転ブッシュP2212の内周面には、突起部(不図示)が形成される。回転ブッシュP2212は、その軸線が回動軸P2143aの軸線と一致するように設けられる。
図312及び図313に示す挿通部材P2213は、略円柱状に形成され、軸線を左右方向に向けて回転ブッシュP2212の内周面に挿通される。挿通部材P2213の外周面には、溝部P2213aが形成される。溝部P2213aには、回転ブッシュP2212の前記突起部(不図示)が係合される。挿通部材P2213の左端部は、左取付軸部材P2142に固定される。
図312及び図314から図316に示す伝達ギヤP2214は、軸線を左右方向に向けて挿通部材P2213の右方に設けられ、当該挿通部材P2213に固定される。伝達ギヤP2214は、その軸線が回動軸P2143aと軸線が一致するように設けられる。
図312、図314及び図315に示すモータギヤP2215は、伝達ギヤP2214に駆動力を伝達するものである。モータギヤP2215は、伝達ギヤP2214の後上方に軸線を左右方向に向けて設けられる。モータギヤP2215は、伝達ギヤP2214と噛み合うように設けられる。
図312及び図314に示す回転駆動モータP2216は、モータギヤP2215を回転させるものである。回転駆動モータP2216は、出力軸P2216aを左方に向けてモータギヤP2215の右方に設けられる。出力軸P2216aの左端にはモータギヤP2215が固定される。回転駆動モータP2216は、図示せぬモータブラケットに支持される。前記モータブラケットは、役物電飾基板P2122に載置されるとともに、眉装飾体P2121に固定される。
図311に示す右軸穴部材P2217は、右取付軸部材P2143の左方に位置するように設けられる。右軸穴部材P2217は、役物電飾基板P2122の右端に載置されるとともに、眉装飾体P2121に固定される。右軸穴部材P2217には、軸孔(不図示)が形成され、当該軸孔には右取付軸部材P2143の回動軸P2143aが挿通される。
このように役物回転駆動部P2210が構成されることにより、上部可動演出役物P2000を、回動軸P2143a回りに回動させることができる。以下、図312及び図314を参照して具体的に説明する。
まず、回転駆動モータP2216を駆動させる。回転駆動モータP2216が駆動すると、モータギヤP2215が回転する。ここで、伝達ギヤP2214は挿通部材P2213を介して左取付軸部材P2142に固定されている。このため、伝達ギヤP2214と噛み合うモータギヤP2215が回転すると、回転駆動モータP2216ひいては上部可動演出役物P2000(の挿通部材P2213及び被昇降部P2140以外の部分)が、回動軸P2143a及び回転ブッシュP2212の軸線回りに回転する。
[眉回転駆動部P2220]
図312及び図314から図316に示す眉回転駆動部P2220は、眉可動体P2111を可動させるものである。眉回転駆動部P2220は、主として可動ラックP2221、アイドルギヤP2222、第一ベベルギヤP2223、第二ベベルギヤP2224、ベベルギヤシャフトP2225、シャフトギヤP2226、伝達ギヤP2214、モータギヤP2215及び回転駆動モータP2216を具備する。なお、伝達ギヤP2214、モータギヤP2215及び回転駆動モータP2216は、前述の如く役物回転駆動部P2210に属するものであるが、眉回転駆動部P2220にも属するものとする。
図312、図314及び図315に示す可動ラックP2221は、瞳装飾体P2113の後方において、長手方向を左右方向に向けて設けられる。可動ラックP2221は、後部カバーP2115(図304参照)に、左右方向に移動可能に支持されている。可動ラックP2221には、長孔P2221a、案内孔P2221b、ギヤP2221c及び係合部P2221dが形成される。
図315に示す長孔P2221aは、長手方向を左右方向に向けて、可動ラックP2221の左右端部近傍にそれぞれ形成される。長孔P2221aには、後部カバーP2115の突起部P2115aが挿通される。これにより、可動ラックP2221が後部カバーP2115に左右方向に移動可能に支持される。
図315に示す案内孔P2221bは、可動体支持アームP2112を案内するものである。案内孔P2221bは、正面視において左方に延びた後、左上方に延び、さらに左方に延びるように形成される。案内孔P2221bは、左右一対形成される。案内孔P2221bには、可動体支持アームP2112が挿通される。
図315に示すギヤP2221cは、案内孔P2221bの左方において、可動ラックP2221の上端部に形成される。
図312に示す係合部P2221dは、後述する可動ラックP2234と係合する部分である。係合部P2221dは、可動ラックP2221の左右中途部から後方に突出するように形成される。
図312、図314及び図315に示すアイドルギヤP2222は、ギヤP2221cに駆動力を伝達するものである。アイドルギヤP2222は、軸線を前後方向に向けて、ギヤP2221cと噛み合うように設けられる。
図312、図315及び図316に示す第一ベベルギヤP2223は、アイドルギヤP2222に駆動力を伝達するものである。第一ベベルギヤP2223は、軸線を前後方向に向けてアイドルギヤP2222の左上方に設けられる。第一ベベルギヤP2223は、アイドルギヤP2222と噛み合うように設けられる。
図312及び図315に示す第二ベベルギヤP2224は、第一ベベルギヤP2223に駆動力を伝達するものである。第二ベベルギヤP2224は、軸線を左右方向に向けて第一ベベルギヤP2223の後方に設けられる。第二ベベルギヤP2224は、第一ベベルギヤP2223と噛み合うように設けられる。
図312、図314及び図315に示すベベルギヤシャフトP2225は、第二ベベルギヤP2224に駆動力を伝達するものである。ベベルギヤシャフトP2225は、延伸方向を左右方向に向けて設けられる。ベベルギヤシャフトP2225の右端部は、第二ベベルギヤP2224に固定される。
図312、図314及び図315に示すシャフトギヤP2226は、ベベルギヤシャフトP2225(第二ベベルギヤP2224)に駆動力を伝達するものである。シャフトギヤP2226は、軸線を左右方向に向けてベベルギヤシャフトP2225の左端に固定される。シャフトギヤP2226は、伝達ギヤP2214の上方において、当該伝達ギヤP2214と噛み合うように設けられる。
伝達ギヤP2214、モータギヤP2215及び回転駆動モータP2216については前述したので、ここでは説明を省略する。
このように眉回転駆動部P2220が構成されることにより、眉可動体P2111を回動させることができる。以下、図312、図314及び図315を参照して具体的に説明する。
まず、回転駆動モータP2216を駆動させると、前述の如く、上部可動演出役物P2000(の挿通部材P2213及び被昇降部P2140以外の部分)が、回動軸P2143a及び回転ブッシュP2212の軸線回りに回転する。すると、シャフトギヤP2226が伝達ギヤP2214の外周に沿って移動することとなる。シャフトギヤP2226と伝達ギヤP2214とは互いに噛み合っているので、左取付軸部材P2142に固定された伝達ギヤP2214に対してシャフトギヤP2226が回転する。これによりベベルギヤシャフトP2225及び第二ベベルギヤP2224も回転する。すると、第二ベベルギヤP2224に噛み合う第一ベベルギヤP2223も回転し、第一ベベルギヤP2223に噛み合うアイドルギヤP2222も回転する。アイドルギヤP2222が回転することにより、当該アイドルギヤP2222と噛み合う可動ラックP2221は左右方向に移動する。これにより、可動体支持アームP2112及び当該可動体支持アームP2112に固定される眉可動体P2111が、案内孔P2221bに案内されて眉軸部P2111a回りに回転する。このようにして、上部可動演出役物P2000(の被昇降部P2140等以外の部分)の回転と同時に、眉可動体P2111も回転する。
[瞳回転駆動部P2230]
図307、図312及び図316に示す瞳回転駆動部P2230は、瞳可動体ユニットP2130を可動させるものである。瞳回転駆動部P2230は、主として左瞳カバーP2231、右瞳カバーP2232、可動ギヤP2233、可動ラックP2234、可動ラックP2221、アイドルギヤP2222、第一ベベルギヤP2223、第二ベベルギヤP2224、ベベルギヤシャフトP2225、シャフトギヤP2226、伝達ギヤP2214、モータギヤP2215及び回転駆動モータP2216を具備する。なお、伝達ギヤP2214、モータギヤP2215及び回転駆動モータP2216は、前述の如く役物回転駆動部P2210及び眉回転駆動部P2220に属するものであり、可動ラックP2221、アイドルギヤP2222、第一ベベルギヤP2223、第二ベベルギヤP2224、ベベルギヤシャフトP2225及びシャフトギヤP2226は、眉回転駆動部P2220に属するものであるが、瞳回転駆動部P2230にも属するものとする。
図307、図312及び図316に示す左瞳カバーP2231は、左側の瞳可動体ユニットP2130を上方から覆うものである。左瞳カバーP2231には、左伝達ギヤP2231aが形成されている。
左伝達ギヤP2231aは、軸線を上下方向に向けて、左瞳カバーP2231の右後部に設けられる。
右瞳カバーP2232は、右側の瞳可動体ユニットP2130を上方から覆うものである。右瞳カバーP2232には、第一右伝達ギヤP2232a及び第二右伝達ギヤP2232bが形成されている。
第一右伝達ギヤP2232aは、軸線を上下方向に向けて、右瞳カバーP2232の左後部に設けられる。第一右伝達ギヤP2232aは、左伝達ギヤP2231aと噛み合うように設けられる。
第二右伝達ギヤP2232bは、軸線を上下方向に向けて、第一右伝達ギヤP2232aの上方に設けられる。第二右伝達ギヤP2232bは、第一右伝達ギヤP2232aと一体化されている。
図312及び図316に示す可動ギヤP2233は、軸線を上下方向に向けて、第二右伝達ギヤP2232bの前方に設けられる。可動ギヤP2233は、第二右伝達ギヤP2232bに噛み合うように設けられる。
図312及び図316に示す可動ラックP2234は、可動ギヤP2233に駆動力を伝達するものである。可動ラックP2234は、平面視略矩形状に形成される。可動ラックP2234は、長手方向を左右方向に向けて、可動ギヤP2233の上方に設けられる。可動ラックP2234に形成された長孔には、可動ギヤP2233の突出部が挿通され、当該突出部において可動ギヤP2233と係合する。可動ラックP2234は、その前部において可動ラックP2221の係合部P2221dと係合する。
伝達ギヤP2214、モータギヤP2215及び回転駆動モータP2216については前述したので、ここでは説明を省略する。
このように瞳回転駆動部P2230が構成されることにより、瞳可動体ユニットP2130を回動させることができる。以下、図312及び図316を参照して具体的に説明する。
まず、回転駆動モータP2216を駆動させると、前述の如く、上部可動演出役物P2000(の挿通部材P2213及び被昇降部P2140以外の部分)が、回動軸P2143a及び回転ブッシュP2212の軸線回りに回転する。すると、シャフトギヤP2226が伝達ギヤP2214の外周に沿って移動することとなる。シャフトギヤP2226と伝達ギヤP2214とは互いに噛み合っているので、左取付軸部材P2142に固定された伝達ギヤP2214に対してシャフトギヤP2226が回転する。これによりベベルギヤシャフトP2225及び第二ベベルギヤP2224も回転する。すると、第二ベベルギヤP2224に噛み合う第一ベベルギヤP2223も回転し、第一ベベルギヤP2223に噛み合うアイドルギヤP2222も回転する。アイドルギヤP2222が回転することにより、当該アイドルギヤP2222と噛み合う可動ラックP2221は左右方向に移動する。すると、可動ラックP2221と係合する可動ラックP2234も左右方向に移動し、可動ギヤP2233が回転する。すると、第二右伝達ギヤP2232b及び第一右伝達ギヤP2232aが回転し、第一右伝達ギヤP2232aと噛み合う左伝達ギヤP2231aも回転する。これにより、瞳可動体ユニットP2130が回転する。このようにして、上部可動演出役物P2000(の被昇降部P2140等以外の部分)の回転及び眉可動体P2111の回転と同時に、瞳可動体ユニットP2130も回転する。
[上部役物昇降機構P2300]
図302及び図317から図321に示す上部役物昇降機構P2300は、上部可動演出役物P2000及び下部可動演出役物(不図示)を昇降駆動させるものである。上部役物昇降機構P2300は、主として左側案内部P2310、右側案内部P2320、左側駆動機構P2330及び右側駆動機構P2340を具備する。
図317に示す左側案内部P2310は、上部可動演出役物P2000及び下部可動演出役物(不図示)を上下に案内するものである。左側案内部P2310は、長手方向を上下に向けて、遊技盤P1100に設けられる。左側案内部P2310の右側面には、その下端部から上端部に亘って上下方向に延びる左側昇降シャフトP2311が形成される。左側昇降シャフトP2311は、左キャリッジP2146の内側に挿通されることにより、左キャリッジP2146(ひいては上部可動演出役物P2000)を上下に案内する。
図320に示す右側案内部P2320は、上部可動演出役物P2000及び下部可動演出役物(不図示)を上下に案内するものである。右側案内部P2320は、長手方向を上下に向けて、遊技盤P1100に設けられる。右側案内部P2320の左側面には、その下端部から上端部に亘って上下方向に延びる右側昇降シャフトP2321が形成される。右側昇降シャフトP2321は、右キャリッジP2147の内側に挿通されることにより、右キャリッジP2147(ひいては上部可動演出役物P2000)を上下に案内する。
図317から図319に示す左側駆動機構P2330は、上部可動演出役物P2000を上下に昇降駆動するものである。左側駆動機構P2330は、主として上部プーリP2331、下部プーリP2332、ベルトP2333、伝達ギヤP2334及び昇降駆動モータP2335を具備する。
図318に示す上部プーリP2331は、略円形板状に形成される部材である。上部プーリP2331は、左側案内部P2310の右面の上端部近傍に回動可能に支持される。
図319に示す下部プーリP2332は、略円形板状に形成される部材である。下部プーリP2332は、左側案内部P2310の右面の下端部近傍(上部プーリP2331の下方)に回動可能に支持される。下部プーリP2332には、ギヤP2332aが形成される。
図318及び図319に示すベルトP2333は、上部可動演出役物P2000を支持するものである。ベルトP2333は、上部プーリP2331及び下部プーリP2332に巻回される。
図319に示す伝達ギヤP2334は、下部プーリP2332に駆動力を伝達するものである。伝達ギヤP2334は、下部プーリP2332に形成されたギヤP2332aと噛み合うように配置される。
図319に示す昇降駆動モータP2335は、上部可動演出役物P2000を上下に昇降させるための駆動源である。昇降駆動モータP2335は、左側案内部P2310の右面の下端部近傍に設けられる。昇降駆動モータP2335の図示しない出力軸からの駆動力は、伝達ギヤP2334に伝達される。昇降駆動モータP2335の駆動力によって伝達ギヤP2334が回動すると、当該伝達ギヤP2334の回動に伴って下部プーリP2332が回動する。これによって、ベルトP2333が上部プーリP2331と下部プーリP2332の間を回動する。
図320及び図321に示す右側駆動機構P2340は、上部可動演出役物P2000を上下に昇降駆動するものである。右側駆動機構P2340は、主として上部プーリ(不図示)、下部プーリP2342、ベルトP2343、伝達ギヤP2344及び昇降駆動モータP2345を具備する。なお、右側駆動機構P2340は、左側駆動機構P2330と略同様(略左右対称)に構成されているため、以下ではその構成を簡単に説明する。
上部プーリ(不図示)及び下部プーリP2342は、右側案内部P2320の左面に設けられる。上部プーリ(不図示)及び下部プーリP2342には、ベルトP2343が巻回される。下部プーリP2342には、伝達ギヤP2344を介して昇降駆動モータP2345の駆動力が伝達される。昇降駆動モータP2345の駆動力によって、ベルトP2343が回動する。
このように上部役物昇降機構P2300が構成されることにより、上部可動演出役物P2000を昇降及び傾動させることができる。具体的には、ベルトP2333及びベルトP2343が回動することにより、当該ベルトP2333に固定された左キャリッジP2146、及びベルトP2343に固定された右キャリッジP2147が昇降し、ひいては上部可動演出役物P2000を昇降及び傾動させることができる。
[演出時の上部可動演出役物P2000の動作]
以下、演出を行う際の上部可動演出役物P2000の動作について説明する。
上部可動演出役物P2000は、演出を行う前の状態(初期位置)においては、回転役物P3000の後方に位置しており、遊技者には視認されない(図281参照)。
演出を行うに際し、まず、左側駆動機構P2330の昇降駆動モータP2335を駆動させて、ベルトP2333を回動させ、左キャリッジP2146を下降させる。同様に、右側駆動機構P2340の昇降駆動モータP2345を駆動させて、ベルトP2343を回動させ、右キャリッジP2147を下降させる。
そうすることで、図322に示すように、上部可動演出役物P2000が、遊技者に視認可能な位置まで下降する。これにより、瞳装飾体P2113の表面(第1の演出面)が遊技者に視認容易な演出位置に移動する。このとき、眉可動体P2111の少なくとも一部は、正面視において瞳装飾体P2113の表面(第1の演出面)の端部より外側(上方)に突出している。
次に、回転駆動モータP2216を駆動させて、上部可動演出役物P2000(被昇降部P2140等以外の部分)を左側面視反時計回りに回転させる(図312等参照)。
そうすることで、図323に示すように、上部可動演出役物P2000の眉装飾体P2121が前方(正面)に向けられる。これにより、眉装飾体P2121の表面(第2の演出面)が遊技者に視認容易な演出位置に移動する。このとき、瞳装飾体P2113の表面(第1の演出面)は、上方に向けられ、すなわち遊技者に視認困難な待機位置に移動する。
このとき、回転駆動モータP2216が駆動することで、可動ラックP2221が移動し、可動ギヤP2233が回転する。これにより、瞳可動体ユニットP2130が回転する(図316等参照)。
すると、図323に示すように、左右の瞳可動体ユニットP2130(瞳可動体P2131)はそれぞれ、眉装飾体P2121の表面(第2の演出面)の端部の内側から外側(下方)に飛び出す。これにより、左右の瞳可動体ユニットP2130によって、正面視において左右片側の瞳を模した形状を構成する。
このように上部可動演出役物P2000を回転させることにより、遊技者が視認する演出面は、瞳装飾体P2113の表面(第1の演出面)から眉装飾体P2121の表面(第2の演出面)に変更される。また、瞳可動体ユニットP2130が遊技者に視認可能に移動(回動)する。これにより、遊技者に対する興趣を向上させることができる。
また、回転駆動モータP2216が駆動して可動ラックP2221が移動することで、可動体支持アームP2112及び当該可動体支持アームP2112に固定される眉可動体P2111が回転(瞳装飾体P2113の表面に対して平行に移動)する(図315等参照)。
すると、図324に示すように、左右の眉可動体P2111は、平面視において瞳装飾体P2113の外周端部より内側に収まるように移動する。
このように、上部可動演出役物P2000が回転する際、回転と同時に第一演出部P2110の眉可動体P2111が回動して内側に引っ込むので、上部可動演出役物P2000の後方に位置する液晶に眉可動体P2111が当ってしまうのを防止することができる。
また、回転駆動モータP2216を駆動させることにより、上部可動演出役物P2000(被昇降部P2140等以外の部分)を眉装飾体P2121の表面(第2の演出面)が遊技者に視認可能となるように回転させ、かつ、瞳可動体ユニットP2130を眉装飾体P2121から下方に飛び出すように移動させ、かつ、眉可動体P2111を瞳装飾体P2113の内側に収まるように移動させることができる。すなわち、1つの駆動源により、様々な動きを表現することができ、多様な演出を行うことができる。
次に、図325及び図326に示すように、上部可動演出役物P2000を傾動させる。具体的には、右キャリッジP2147が上昇するように昇降駆動モータP2345を駆動させ、左キャリッジP2146が下降するように昇降駆動モータP2335を駆動させる。すると、上部可動演出役物P2000(被昇降部P2140等以外の部分)は、第一ピンP2146a(図309参照)回りに正面視反時計回りに回動する。この回動範囲は、第二ピンP2146bと長孔P2144bによって規制されており、上部可動演出役物P2000(被昇降部P2140等以外の部分)は、所定の角度まで傾動することとなる。なお、上部可動演出役物P2000を傾動させる際、右キャリッジP2147が上昇するように昇降駆動モータP2345のみを駆動させて、昇降駆動モータP2335を駆動させなくてもよい。
ここで、導光板P1112は、部分的な表面加工により光を前方へと反射可能な発光領域P1112aを有している。発光領域P1112aは、瞳可動体ユニットP2130の周囲(眉装飾体P2121の周囲の少なくとも一部)に設けられている。発光領域P1112aは、正面視において左右片側の瞳及び眉を模した形状に形成されている(図326参照)。上部可動演出役物P2000が傾動した状態において、電飾基板P2132から前方の導光板P1112に光を照射することにより発光領域P1112aにおいて最も強く光が前方に反射されるため、遊技者に対して、より人の瞳及び眉を想起させるような面白みのある演出を行うことができる。
また、上部可動演出役物P2000が傾動することにより、眉装飾体P2121の長手方向の角度は、瞳装飾体P2113の表面(第1の演出面)が前方に向けられた状態(図322参照)の眉可動体P2111の長手方向の角度と概ね同じとなる。これにより、瞳装飾体P2113の表面(第1の演出面)が遊技者に視認可能な状態(第1の態様)と、眉装飾体P2121の表面(第2の演出面)が遊技者に視認可能な状態(第2の態様)との関連性を高めることができる。
また、図326に示すように、上部可動演出役物P2000は右上りに傾動すると、上部可動演出役物P2000の右部に設けられた右取付ガイドP2145等は、左方に引っ張り出されることとなる。このとき、押さえ部材P2147aは、その下端から左方に延びるように形成されているので、右取付ガイドP2145が左方に引っ張り出されても、この左方に延びる部分によって右取付ガイドP2145を前方から押えることができる。よって、右取付ガイドP2145の前方への移動を規制することができる。
演出終了時には、これまで説明した動作と反対の動作をすることにより、上部可動演出役物P2000は、初期位置(図281参照)に戻る。その際、眉装飾体P2121の表面(第2の演出面)が下方を向く(遊技者に視認困難な待機位置に移動する)ように上部可動演出役物P2000が回転すると、左右の瞳可動体ユニットP2130は、眉装飾体P2121(第2の演出面)の裏面側において当該眉装飾体P2121の外周端部より内側に収まるように移動する。
このように、上部可動演出役物P2000が回転する際、回転と同時に瞳可動体ユニットP2130が回動して内側に引っ込むので、上部可動演出役物P2000の後方に位置する液晶に瞳可動体ユニットP2130が当ってしまうのを防止することができる。
以上の実施形態に基づき、本発明の概要を以下に列挙する。
従来、演出装置を備える遊技機は公知となっている。例えば、特開2018-161333号公報に記載の如くである。
特開2018-161333号公報には、発光部を内蔵し複数の演出面を備えた演出回転体を有し、大当り中の演出や遊技情報等を複数の演出面に表示可能な遊技機が開示されている。
しかし、演出面に表示される演出内容は同一の演出態様が繰り返し表示されるだけで面白みに欠ける問題があった。
本発明は、上述した課題に鑑みてなされたものであり、演出内容の面白みを向上させることができる遊技機を提供することを目的とする。
以上の如く、本実施形態に係る遊技機は、
第1の演出面(瞳装飾体P2113の表面)と、前記第1の演出面とは異なる演出面である第2の演出面(眉装飾体P2121の表面)とを含む複数の演出面を有する上部可動演出役物P2000(演出装置)を備えた遊技機であって、
遊技者に視認困難な待機位置と遊技者に視認容易な演出位置とに前記第1の演出面又は前記第2の演出面を移動制御可能な演出動作制御回路89(演出面制御手段)と、
前記第1の演出面に設けられた眉可動体P2111(可動体)と、
前記眉可動体P2111を移動制御可能な演出動作制御回路89(可動体制御手段)と、を備え、
前記演出動作制御回路89(可動体制御手段)は、
前記第1の演出面を前記待機位置から前記演出位置に移動制御する場合、前記待機位置において前記第1の演出面の端部より内側に収まっている前記眉可動体P2111の少なくとも一部を前記第1の演出面の端部の内側から外側に突出するように移動制御し、
前記第1の演出面を前記演出位置から前記待機位置に移動制御する場合、前記演出位置において前記第1の演出面の端部より外側に突出している前記眉可動体P2111の少なくとも一部を前記第1の演出面の端部より内側に収まるように移動制御するものである。
このような構成によれば、演出内容の面白みを向上させることができる。さらには、演出面が待機位置に移動制御された際に、他の部材との干渉を防止することができる。
具体的には、上部可動演出役物P2000が第1の演出面が視認可能な状態から第2の演出面が視認可能な状態となるように回転する際、回転と同時に第一演出部P2110の眉可動体P2111が回動して瞳装飾体P2113の表面より内側に収まるので、上部可動演出役物P2000の後方に位置する液晶に眉可動体P2111が当ってしまうのを防止することができる。
以上の実施形態に基づき、本発明の概要を以下に列挙する。
従来、演出装置を備える遊技機は公知となっている。例えば、特開2018-161333号公報に記載の如くである。
特開2018-161333号公報には、発光部を内蔵し複数の演出面を備えた演出回転体を有し、大当り中の演出や遊技情報等を複数の演出面に表示可能な遊技機が開示されている。
しかし、演出面に表示される演出内容は同一の演出態様が繰り返し表示されるだけで面白みに欠ける問題があった。
本発明は、上述した課題に鑑みてなされたものであり、演出内容の面白みを向上させることができる遊技機を提供することを目的とする。
以上の如く、本実施形態に係る遊技機は、
第1の演出面(瞳装飾体P2113の表面)と、前記第1の演出面とは異なる演出面である第2の演出面(眉装飾体P2121の表面)とを含む複数の演出面を有する上部可動演出役物P2000(演出装置)を備えた遊技機であって、
遊技者に視認困難な待機位置と遊技者に視認容易な演出位置とに前記第1の演出面又は前記第2の演出面を移動制御可能な演出動作制御回路89(演出面制御手段)と、
前記第1の演出面に設けられた眉可動体P2111(可動体)と、
前記眉可動体P2111を移動制御可能な演出動作制御回路89(可動体制御手段)と、を備え、
前記演出動作制御回路89(可動体制御手段)は、
前記演出動作制御回路89(演出面制御手段)により前記第1の演出面が前記演出位置に移動制御される場合、前記眉可動体P2111を前記第1の演出面に対して平行に移動させることにより、前記待機位置において前記第1の演出面の端部より内側に収まっている前記眉可動体P2111の少なくとも一部を前記第1の演出面の端部の内側から外側に突出するように移動制御するものである。
即ち、遊技者に視認容易な演出位置に前記第1の演出面と前記第2の演出面とを切り替えて移動制御可能な演出動作制御回路89(演出面制御手段)を備えるものである。ここで演出面を切り替えるとは、第1の演出面が視認容易であり第2の演出面が視認困難な状態から、第1の演出面が視認困難であり第2の演出面が視認容易となるように可動体を移動制御することである。
このような構成によれば、演出内容の面白みを向上させることができる。さらには、演出装置の前後方向幅が広がることなく演出を実行できる。
具体的には、眉可動体P2111は、第1の演出面(瞳装飾体P2113の表面)に対して平行に移動するように形成されているので、眉可動体P2111の移動によって上部可動演出役物P2000の前後方向幅が広がることがなく、部材同士の干渉を抑制することができる。
以上の実施形態に基づき、本発明の概要を以下に列挙する。
従来、演出装置を備える遊技機は公知となっている。例えば、特開2018-161333号公報に記載の如くである。
特開2018-161333号公報には、発光部を内蔵し複数の演出面を備えた演出回転体を有し、大当り中の演出や遊技情報等を複数の演出面に表示可能な遊技機が開示されている。
しかし、演出面に表示される演出内容は同一の演出態様が繰り返し表示されるだけで面白みに欠ける問題があった。
本発明は、上述した課題に鑑みてなされたものであり、演出内容の面白みを向上させることができる遊技機を提供することを目的とする。
以上の如く、本実施形態に係る遊技機は、
第1の演出面(瞳装飾体P2113の表面)と、前記第1の演出面とは異なる演出面である第2の演出面(眉装飾体P2121の表面)とを含む複数の演出面を有する上部可動演出役物P2000(演出装置)を備えた遊技機であって、
遊技者に視認困難な待機位置と遊技者に視認容易な演出位置とに前記第1の演出面又は前記第2の演出面を移動制御可能な演出動作制御回路89(演出面制御手段)と、
前記第2の演出面に設けられた瞳可動体P2131(可動体)と、
前記瞳可動体P2131を移動制御可能な演出動作制御回路89(可動体制御手段)と、を備え、
前記演出動作制御回路89(可動体制御手段)は、
前記演出動作制御回路89(演出面制御手段)により前記第2の演出面が前記演出位置に移動制御される場合、前記瞳可動体P2131の少なくとも一部を前記第2の演出面の端部より外側に突出するように移動制御し、
前記演出動作制御回路89(演出面制御手段)により前記第2の演出面が前記待機位置に移動制御される場合、前記演出位置において前記第2の演出面の端部より外側に突出している前記瞳可動体P2131の少なくとも一部を前記第2の演出面の裏面側において当該第2の演出面の端部より内側に収まるように移動制御するものである。
このような構成によれば、演出内容の面白みを向上させることができる。さらには、演出面が待機位置に移動制御された際に、他の部材との干渉を防止することができる。
具体的には、瞳可動体P2131は、眉装飾体P2121と同じ面ではなく、眉装飾体P2121よりも上方に設けられている(図306参照)。よって、第2の演出面(眉装飾体P2121の表面)が遊技者に視認容易な状態においては、瞳可動体P2131は、眉装飾体P2121の裏面側(後方)に位置することとなる。よって、瞳可動体P2131を用いて奥行きのある演出を行うことができる。そして、第2の演出面(眉装飾体P2121の表面)が遊技者に視認困難な状態(眉装飾体P2121の表面が下方へ向けられた状態)においては、瞳可動体P2131は眉装飾体P2121の裏面側において眉装飾体P2121の外周端部より内側に収まるので、他の部材に対する干渉の防止を図ることができる。
以上の実施形態に基づき、本発明の概要を以下に列挙する。
従来、演出装置を備える遊技機は公知となっている。例えば、特開2018-161333号公報に記載の如くである。
特開2018-161333号公報には、発光部を内蔵し複数の演出面を備えた演出回転体を有し、大当り中の演出や遊技情報等を複数の演出面に表示可能な遊技機が開示されている。
しかし、演出面に表示される演出内容は同一の演出態様が繰り返し表示されるだけで面白みに欠ける問題があった。
本発明は、上述した課題に鑑みてなされたものであり、演出内容の面白みを向上させることができる遊技機を提供することを目的とする。
以上の如く、本実施形態に係る遊技機は、
第1の演出面(瞳装飾体P2113の表面)と、前記第1の演出面とは異なる演出面である第2の演出面(眉装飾体P2121の表面)とを含む複数の演出面を有する上部可動演出役物P2000(演出装置)と、前記上部可動演出役物P2000の前面側に設けられた導光板P1112(表示手段)と、を備えた遊技機であって、
遊技者に視認容易な演出位置に前記第1の演出面又は前記第2の演出面を移動制御可能な演出動作制御回路89(演出面制御手段)を備え、
前記第1の演出面には、第1の態様の装飾部(人の左右両側の瞳及び眉を模した装飾)が含まれ、
前記第2の演出面には、前記第1の態様の一部に関連した第2の態様の装飾部(人の左右片側の瞳の一部及び眉を模した装飾)が含まれ、
前記導光板P1112(表示手段)は、前記第2の演出面の周囲の少なくとも一部に前記第1の態様の一部に関連した第3の態様の演出(人の左右片側の瞳の他部を模した発光領域P1112aを用いた演出)を表示するものである。
このような構成によれば、演出内容の面白みを向上させることができる。さらには、第1の演出面(瞳装飾体P2113の表面)で表示された演出と関連した演出を第2の演出面(眉装飾体P2121の表面)と表示手段(導光板P1112)とを用いて実行することで斬新な演出を実現できる。
以上の実施形態に基づき、本発明の概要を以下に列挙する。
従来、演出装置を備える遊技機は公知となっている。例えば、特開2018-161333号公報に記載の如くである。
特開2018-161333号公報には、発光部を内蔵し複数の演出面を備えた演出回転体を有し、大当り中の演出や遊技情報等を複数の演出面に表示可能な遊技機が開示されている。
しかし、演出面に表示される演出内容は同一の演出態様が繰り返し表示されるだけで面白みに欠ける問題があった。
本発明は、上述した課題に鑑みてなされたものであり、演出内容の面白みを向上させることができる遊技機を提供することを目的とする。
以上の如く、本実施形態に係る遊技機は、
第1の演出面(瞳装飾体P2113の表面)と、前記第1の演出面とは異なる演出面である第2の演出面(眉装飾体P2121の表面)とを含む複数の演出面を有する上部可動演出役物P2000(演出装置)を備えた遊技機であって、
遊技者に視認容易な演出位置に前記第1の演出面又は前記第2の演出面を移動制御可能な演出動作制御回路89(演出面制御手段)を備え、
前記第1の演出面には、第1の態様の装飾部が含まれ、
前記第2の演出面には、前記第1の態様の一部に関連した第2の態様の装飾部が含まれ、
前記第2の演出面が遊技者に視認容易な演出位置に移動制御されている場合、前記上部可動演出役物P2000を傾斜させる上部役物昇降機構P2300(傾斜手段)を備えるものである。
また、本実施形態に係る遊技機は、
前記演出装置を傾斜させても、前記第1の態様の一部と前記第2の態様との関連性が維持されるものである。
このような構成によれば、第1の演出面で表示された演出と関連した演出を第2の演出面と表示手段とを用いて実行することで斬新な演出を実現できる。
具体的には、上部可動演出役物P2000が傾動することにより、眉装飾体P2121の長手方向の角度は、第1の演出面で表示された演出における眉可動体P2111の長手方向の角度と概ね同じとなる。これにより、瞳装飾体P2113の表面(第1の演出面)が遊技者に視認可能な状態(第1の態様)と、眉装飾体P2121の表面(第2の演出面)が遊技者に視認可能な状態(第2の態様)との関連性を高め、遊技者に対して面白みのある演出を行うことができる。
以上の実施形態に基づき、本発明の概要を以下に列挙する。
従来、演出装置を備える遊技機は公知となっている。例えば、特開2018-161333号公報に記載の如くである。
特開2018-161333号公報には、発光部を内蔵し複数の演出面を備えた演出回転体を有し、大当り中の演出や遊技情報等を複数の演出面に表示可能な遊技機が開示されている。
しかし、演出面に表示される演出内容は同一の演出態様が繰り返し表示されるだけで面白みに欠ける問題があった。
本発明は、上述した課題に鑑みてなされたものであり、演出内容の面白みを向上させることができる遊技機を提供することを目的とする。
以上の如く、本実施形態に係る遊技機は、
第1の演出面(瞳装飾体P2113の表面)と、前記第1の演出面とは異なる演出面である第2の演出面(眉装飾体P2121の表面)とを含む複数の演出面を有する上部可動演出役物P2000(演出装置)を備えた遊技機であって、
遊技者に視認容易な演出位置に前記第1の演出面又は前記第2の演出面を移動制御可能な演出動作制御回路89(演出面制御手段)と、
前記第1の演出面に設けられた眉可動体P2111(可動体)と、を備え、
前記第1の演出面には、第1の態様の装飾部が含まれ、
前記第2の演出面には、前記第1の態様の一部に関連した第2の態様の装飾部が含まれ、
前記第1の態様においては、前記眉可動体P2111が一の方向に移動し、
前記第2の態様においては、前記第2の演出面が前記一の方向に移動するものである。
また、本実施形態に係る遊技機は、
前記第2の演出面が前記第一の方向に移動しても、前記第1の態様の一部と前記第2の態様との関連性が維持されるものである。
このような構成によれば、演出内容の面白みを向上させることができる。さらには、第1の演出面で表示された演出と関連した演出を第2の演出面と表示手段とを用いて実行することで斬新な演出を実現できる。
具体的には、瞳装飾体P2113の表面(第1の演出面)が遊技者に視認可能な状態(第1の態様)において右側の眉可動体P2111は右上りに傾動する方向に移動制御されている。そして、眉装飾体P2121の表面(第2の演出面)が遊技者に視認可能な状態(第2の態様)においては上部可動演出役物P2000は右上りに傾動する方向に移動制御される。すなわち、第1の態様における右側の眉可動体P2111と第2の態様における上部可動演出役物P2000とが略同一方向に移動制御されているため、第1の態様の演出と第2の演出との関連性をより高めることができる。
以上、本発明の一実施形態を説明したが、本発明は上記構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で種々の変更が可能である。
例えば、本実施形態においては、第一演出部P2110及び第二演出部P2120は、人の瞳及び眉を模した装飾が施されているものとしたが、当該装飾は任意のものとすることができる。
また、本実施形態においては、1つの駆動源(回転駆動モータP2216)により、上部可動演出役物P2000(被昇降部P2140等以外の部分)の回転と、瞳可動体ユニットP2130の移動と、眉可動体P2111の移動とを行うものとしたが、これらの各動作は別々の駆動源によって行われるものであってもよい。
また、本実施形態においては、眉可動体P2111は、図281に示す初期位置及び図322に示す演出位置のいずれにおいても、正面視において瞳装飾体P2113の外周端部から突出しているものとしたが、上述の如く上部可動演出役物P2000(被昇降部P2140等以外の部分)の回転のための駆動源と眉可動体P2111の移動のための駆動源とを別の駆動源とし、眉可動体P2111が初期位置(図281)においては瞳装飾体P2113の外周端部の内側に収まっており、演出位置(図322)まで移動したときに(移動するにつれて)瞳装飾体P2113の外周端部の内側から外側に突出するように移動するものとしてもよい。
このようにすることで、右側の眉可動体P2111が移動するのを遊技者が視認することとなる。ここで、瞳装飾体P2113の表面(第1の演出面)が遊技者に視認可能な状態(第1の態様)において右側の眉可動体P2111は右上りに傾動する方向に移動する。そして、眉装飾体P2121の表面(第2の演出面)が遊技者に視認可能な状態(第2の態様)においては上部可動演出役物P2000は右上りに傾動する方向に移動する。すなわち、第1の態様における右側の眉可動体P2111と第2の態様における上部可動演出役物P2000とが略同一方向に移動するのを遊技者が視認することとなるため、第1の態様の演出と第2の演出との関連性をより高めることができる。
以下では、図327から図343を用いて、回転役物P3000について説明する。
回転役物P3000は、後述する回転体P3400を回転させると共に、発光手段P3300を発光させることで、所定の演出を行うものである。回転役物P3000は、遊技盤P1100の上部に配置される。回転役物P3000は、主として左側支持部P3100、右側支持部P3200、発光手段P3300、回転体P3400、駆動手段P3500及び遮蔽手段P3600を具備する。
図327から図329に示す左側支持部P3100は、遊技盤P1100に対して固定される部材である。左側支持部P3100は、板面を左右に向けた略板状に形成される。左側支持部P3100の後部は、ビス等により遊技盤P1100に対して固定される。
右側支持部P3200は、遊技盤P1100に対して固定される部材である。右側支持部P3200は、板面を左右に向けた略板状に形成される。右側支持部P3200は、左側支持部P3100との間に所定の間隔を空けて、左側支持部P3100の右方に配置される。右側支持部P3200の後部は、ビス等により遊技盤P1100に対して固定される。
左側支持部P3100及び右側支持部P3200の間には、後述する回転体P3400等が配置される。左側支持部P3100及び右側支持部P3200によって、回転体P3400等が遊技盤P1100に対して固定される。
図328から図332に示す発光手段P3300は、後述する回転体P3400の内側に光を照射することで、当該回転体P3400の外部方向に光を照射するものである。発光手段P3300は、主として支軸P3310、基板支持部P3320、基板P3330、発光部P3340及び回転支持部P3350を具備する。
図329、図331及び図332に示す支軸P3310は、後述する基板支持部P3320等を支持する部材である。支軸P3310は、略円柱状に形成される。支軸P3310は、長手方向を左右に向けて配置される。支軸P3310の左右両端部は、左側支持部P3100及び右側支持部P3200にそれぞれ支持される。支軸P3310は、左側支持部P3100及び右側支持部P3200に対して回転不能となるように固定される。
基板支持部P3320は、後述する基板P3330を支持する部材である。基板支持部P3320は、主として支持板部P3321及びボス部P3322を具備する。
支持板部P3321は、板面を前後方向に向けた略板状に形成される部分である。支持板部P3321は、背面視において、長手方向を左右に向けた略矩形状に形成される。支持板部P3321には、凹部P3321aが形成される。
凹部P3321aは、支持板部P3321の背面を前方に向かって凹ませるようにして形成された部分である。凹部P3321aは、支持板部P3321の上下中途部(上下略中央)に形成される。凹部P3321aは、支持板部P3321の左端から右端に亘って、当該支持板部P3321の長手方向(左右方向)に沿うように形成される。支持板部P3321の凹部P3321a内には、支軸P3310が嵌め込まれるように配置される。このようにして、支軸P3310によって、支持板部P3321(基板支持部P3320)が支持される。
ボス部P3322は、支持板部P3321に後述する基板P3330を取り付けるための部分である。ボス部P3322は、略円柱状に形成される。ボス部P3322は、長手方向を前後に向けて配置される。ボス部P3322は、支持板部P3321の前面から前方に向かって突出するように形成される。ボス部P3322は、支持板部P3321に複数設けられる。
図328から図332に示す基板P3330は、後述する発光部P3340が設けられる部材である。基板P3330は、板面を前後方向に向けた略板状に形成される。基板P3330は、正面視略矩形状に形成される。基板P3330の上下幅及び左右幅は、支持板部P3321の上下幅及び左右幅と略同一となるように形成される。基板P3330は、支持板部P3321の前方に配置される。基板P3330は、ビス等によりボス部P3322に固定される。これによって、基板P3330は基板支持部P3320に支持される。
発光部P3340は、発光可能な部材である。発光部P3340としては、例えば適宜の色に発光可能なLEDが用いられる。発光部P3340は、基板P3330の前面に設けられる。発光部P3340は、基板P3330の前面の略全域に複数設けられる。
図328、図330及び図331に示す回転支持部P3350は、後述する回転体P3400を回転可能に支持する部分である。回転支持部P3350は、側面視円形状に形成される。回転支持部P3350は、基板支持部P3320及び基板P3330の左方に配置される。回転支持部P3350は、基板支持部P3320の左端部に固定される。回転支持部P3350の中心には、支軸P3310が相対回転不能となるように挿通される。
図328、図329、図332、図333及び図334に示す回転体P3400は、複数(本実施形態では、2つ)の演出面を有し、回転可能なものである。回転体P3400は、主として第1の演出面P3410、第1のレンズ部材P3420、第2の演出面P3430、第2のレンズ部材P3440、第1の連結面P3450、第2の連結面P3460、左側面P3470及び右側面P3480を具備する。即ち、本実施形態では、第1の演出部の一例として第1の演出面P3410と、第2の演出部の一例として第2の演出面P3430を具備する。なお、演出部は、平面形状以外でもよく、凸凹に形成された演出部であったり、曲線形状に形成された演出部であってもよい。
なお、後述するように、回転体P3400は回転可能となるように設けられる。そこで以下では、図328、図329、図332、図333及び図334等に示すように、第1の演出面P3410が前方に向けられ、かつ第2の演出面P3430が後方に向けられた状態に基づいて、回転体P3400の構成を説明する。
図328、図329、図332及び図333に示す第1の演出面P3410は、適宜の装飾が施された部分である。第1の演出面P3410は、長手方向を左右に向けた略矩形板状に形成される。第1の演出面P3410は、板面を前後に向けて配置される。第1の演出面P3410の前面には、適宜の文字、図形、記号、着色等が装飾として施される。第1の演出面P3410には、光を透過させることが可能な部分(第1の透光部)が形成される。本実施形態においては、第1の演出面P3410全体が第1の透光部となるように形成されている。
図329及び図332に示す第1のレンズ部材P3420は、第1の演出面P3410に照射される光を適宜案内(拡散等)させるための部材である。第1のレンズ部材P3420は、長手方向を左右に向けた略矩形板状に形成される。第1のレンズ部材P3420は、板面を前後に向けて配置される。第1のレンズ部材P3420は、第1の演出面P3410の後面に固定される。
図328、図329、図332、図333及び図334に示す第2の演出面P3430は、適宜の装飾が施された部分である。第2の演出面P3430は、長手方向を左右に向けた略矩形板状に形成される。第2の演出面P3430は、板面を前後に向けて配置される。第2の演出面P3430は、第1の演出面P3410の後方に配置される。第2の演出面P3430の後面には、適宜の文字、図形、記号、着色等が装飾として施される。第2の演出面P3430には、第1の演出面P3410とは異なる装飾が施される。第2の演出面P3430には、光を透過させることが可能な部分(第2の透光部)が形成される。本実施形態においては、第2の演出面P3430全体が第2の透光部となるように形成されている。すなわち、第2の演出面P3430(第2の透光部)は、第1の演出面P3410(第1の透光部)と、形状、文字、図形、記号、着色等のいずれかが異なるように形成されている。
図328、図332、図333及び図334に示す第2のレンズ部材P3440は、第2の演出面P3430に照射される光を適宜案内(拡散等)させるための部材である。第2のレンズ部材P3440は、長手方向を左右に向けた略矩形板状に形成される。第2のレンズ部材P3440は、板面を前後に向けて配置される。第2のレンズ部材P3440は、第2の演出面P3430の前面に固定される。
図328、図329、図332、図333及び図334に示す第1の連結面P3450は、第1の演出面P3410と第2の演出面P3430を連結する部分である。第1の連結面P3450は、長手方向を左右に向けた略矩形板状に形成される。第1の連結面P3450は、板面を上下に向けて配置される。第1の連結面P3450の前端部は、第1の演出面P3410の上端部に固定される。第1の連結面P3450の後端部は、第2の演出面P3430の上端部に固定される。これによって第1の連結面P3450は、第1の演出面P3410と第2の演出面P3430の上端部同士を連結する。第1の連結面P3450の上面には、適宜の装飾が施される。本実施形態においては、第1の連結面P3450は、光が透過不能となるように形成されている。
第2の連結面P3460は、第1の演出面P3410と第2の演出面P3430を連結する部分である。第2の連結面P3460は、長手方向を左右に向けた略矩形板状に形成される。第2の連結面P3460は、板面を上下に向けて配置される。第2の連結面P3460の前端部は、第1の演出面P3410の下端部に固定される。第2の連結面P3460の後端部は、第2の演出面P3430の下端部に固定される。これによって第2の連結面P3460は、第1の演出面P3410と第2の演出面P3430の下端部同士を連結する。第2の連結面P3460の下面には、適宜の装飾が施される。本実施形態においては、第2の連結面P3460は、光が透過不能となるように形成されている。
図328、図329、図333及び図334に示す左側面P3470は、回転体P3400の左側部を形成する部分である。左側面P3470は、板面を左右に向けた略矩形板状に形成される。左側面P3470は、第1の演出面P3410、第2の演出面P3430、第1の連結面P3450及び第2の連結面P3460の左端部に固定される。左側面P3470には、円形孔P3471が形成される。
円形孔P3471は、左側面P3470を左右に貫通する孔である。円形孔P3471は、側面視円形状に形成される。
右側面P3480は、回転体P3400の右側部を形成する部分である。右側面P3480は、板面を左右に向けた略矩形板状に形成される。右側面P3480は、第1の演出面P3410、第2の演出面P3430、第1の連結面P3450及び第2の連結面P3460の右端部に固定される。右側面P3480には、ギヤP3481が形成される。
ギヤP3481は、後述する駆動手段P3500からの駆動力が伝達されるものである。ギヤP3481は、軸線を左右に向けて、右側面P3480の右面に一体的に形成される。
このように回転体P3400は、第1の演出面P3410、第2の演出面P3430、第1の連結面P3450、第2の連結面P3460、左側面P3470及び右側面P3480によって、6面を有する略直方体状に形成される。
図328、図329、図331及び図332に示すように、回転体P3400は、発光手段P3300の基板支持部P3320、基板P3330及び発光部P3340を収容する。図331に示すように、回転体P3400の左側面P3470(図333に示す円形孔P3471)には、発光手段P3300の回転支持部P3350が相対回転可能に挿通される。回転体P3400の右側面P3480(ギヤP3481の中心部分)には、発光手段P3300の支軸P3310が相対回転可能に挿通される。右側面P3480のギヤP3481は、後述する駆動手段P3500の収容部P3510内に挿入される。このように回転体P3400は、基板P3330等を収容すると共に、支軸P3310を中心として回転可能となるように配置される。
図328、図329及び図335に示す駆動手段P3500は、回転体P3400の回転を制御するものである。駆動手段P3500は、主として収容部P3510、モータP3520、駆動ギヤP3530、第1の検出ギヤP3540、第2の検出ギヤP3550、第1の検出センサP3560及び第2の検出センサP3570を具備する。
収容部P3510は、後述する駆動ギヤP3530、第1の検出ギヤP3540及び第2の検出ギヤP3550を収容するものである。収容部P3510は、内部空間を有する箱状に形成される。収容部P3510は、右側支持部P3200に固定される。なお、図335においては、収容部P3510の内部(駆動ギヤP3530等)を示すために、収容部P3510の右部を開放した状態を示している。
モータP3520は、回転体P3400を回転駆動させるための駆動力を発生するもの(駆動源)である。モータP3520は、収容部P3510の右側面に固定される。
図335に示す駆動ギヤP3530は、モータP3520の駆動力により回転するものである。駆動ギヤP3530は、軸線を左右に向けて収容部P3510の内部に配置される。駆動ギヤP3530は、モータP3520の出力軸(不図示)に固定される。駆動ギヤP3530は、収容部P3510に挿入された回転体P3400のギヤP3481の後下方に配置される。駆動ギヤP3530は、ギヤP3481と歯合される。
第1の検出ギヤP3540は、回転体P3400の回転位置を検出するためのものである。第1の検出ギヤP3540は、軸線を左右に向けて収容部P3510の内部に配置される。第1の検出ギヤP3540は、ギヤP3481の後上方に配置される。第1の検出ギヤP3540は、ギヤP3481と歯合される。
第2の検出ギヤP3550は、回転体P3400の回転位置を検出するためのものである。第2の検出ギヤP3550は、軸線を左右に向けて収容部P3510の内部に配置される。第2の検出ギヤP3550は、ギヤP3481の前下方に配置される。第2の検出ギヤP3550は、ギヤP3481と歯合される。
図328及び図329に示す第1の検出センサP3560は、第1の検出ギヤP3540が所定の回転位置にあるか否かを検出するものである。第1の検出センサP3560は、収容部P3510の上部に固定される。第1の検出センサP3560の一部(検出部)は収容部P3510内に挿入され、第1の検出ギヤP3540が所定の回転位置にあるか否かを検出することができる。
図328に示す第2の検出センサP3570は、第2の検出ギヤP3550が所定の回転位置にあるか否かを検出するものである。第2の検出センサP3570は、収容部P3510の下部に固定される。第2の検出センサP3570の一部(検出部)は収容部P3510内に挿入され、第2の検出ギヤP3550が所定の回転位置にあるか否かを検出することができる。
このように構成された駆動手段P3500において、モータP3520が駆動すると、当該モータP3520の駆動力は、駆動ギヤP3530を介して回転体P3400のギヤP3481に伝達される。これによって、回転体P3400は、発光手段P3300の支軸P3310を中心として回転する。
また、回転体P3400の回転に伴って、第1の検出ギヤP3540及び第2の検出ギヤP3550が回転する。第1の検出センサP3560及び第2の検出センサP3570によって、第1の検出ギヤP3540及び第2の検出ギヤP3550が所定の回転位置にあるか否かを検出することで、回転体P3400の回転位置を検出することができる。
具体的には、回転体P3400が第1の演出面P3410を正面(前方)に向けた状態、すなわち第1の演出面P3410が遊技者から視認可能な位置(以下、この位置を単に「演出位置」と称する)に位置するまで回転した状態において、第1の検出センサP3560は、第1の検出ギヤP3540が所定の回転位置にあることを検出する。すなわち、第1の検出センサP3560は、第1の演出面P3410が演出位置にあることを検出することができる。
また、回転体P3400が第2の演出面P3430を正面(前方)に向けた状態、すなわち第2の演出面P3430が演出位置に位置するまで回転した状態において、第2の検出センサP3570は、第2の検出ギヤP3550が所定の回転位置にあることを検出する。すなわち、第2の検出センサP3570は、第2の演出面P3430が演出位置にあることを検出することができる。
このように、第1の検出センサP3560及び第2の検出センサP3570によって、第1の演出面P3410又は第2の演出面P3430のどちらかが演出位置に位置していることを検出することができる。当該検出に基づいてモータP3520を駆動又は停止させることで、第1の演出面P3410又は第2の演出面P3430のいずれか一方を任意に演出位置に回転移動させることができる。
図332、及び図336から図339までに示す遮蔽手段P3600は、発光手段P3300から回転体P3400の内側面に照射される光の照射範囲を所定の範囲に制限するものである。遮蔽手段P3600は、主として発光手段側遮蔽手段P3610及び回転体側遮蔽手段P3620を具備する。
図332、図336、図337及び図339に示す発光手段側遮蔽手段P3610は、発光手段P3300に固定される部材である。発光手段側遮蔽手段P3610は、主として左遮蔽部P3611、右遮蔽部P3612、上連結部P3613、下連結部P3614、左固定部P3615及び右固定部P3616を具備する。
左遮蔽部P3611は、発光手段側遮蔽手段P3610の左部を形成する部分である。左遮蔽部P3611は、板面を左右に向けた略板状に形成される。左遮蔽部P3611の後端部の上下幅は、発光手段P3300の基板P3330の上下幅と略同一となるように形成される。左遮蔽部P3611の前端部は、後端部から前方に向かって膨出するような側面視円弧状に形成される。より具体的には、後述するように発光手段側遮蔽手段P3610が基板P3330に取り付けられた際に、左遮蔽部P3611の前端部は、側面視において支軸P3310を中心とする円弧状となるように形成される(図332参照)。左遮蔽部P3611は、正面視において適宜の形状に形成される。本実施形態に係る左遮蔽部P3611は、正面視において概ね上下に延びるように形成されると共に、上部に比べて下部が左方に位置するように、上下中途部に段差(屈曲部分)が形成されている。
右遮蔽部P3612は、発光手段側遮蔽手段P3610の右部を形成する部分である。右遮蔽部P3612は、板面を左右に向けた略板状に形成される。右遮蔽部P3612は、左遮蔽部P3611の右方に配置される。右遮蔽部P3612は、側面視において左遮蔽部P3611と略同一形状となるように形成される。右遮蔽部P3612は、正面視において適宜の形状に形成される。本実施形態に係る右遮蔽部P3612は、正面視において上下中途部が上下両端部に比べて内側(左方)に位置するように、上下両端部から上下中途部に向かって左方に傾斜するように形成されている。
上連結部P3613は、左遮蔽部P3611と右遮蔽部P3612を連結する部分である。上連結部P3613は、長手方向を左右に向けた長手状に形成される。上連結部P3613の左右両端部は、左遮蔽部P3611及び右遮蔽部P3612の上端部にそれぞれ連結される。これによって上連結部P3613は、左遮蔽部P3611と右遮蔽部P3612の上端部同士を連結する。
下連結部P3614は、左遮蔽部P3611と右遮蔽部P3612を連結する部分である。下連結部P3614は、長手方向を左右に向けた長手状に形成される。下連結部P3614の左右両端部は、左遮蔽部P3611及び右遮蔽部P3612の下端部にそれぞれ連結される。これによって下連結部P3614は、左遮蔽部P3611と右遮蔽部P3612の下端部同士を連結する。
左固定部P3615は、基板P3330に対して固定される部分である。左固定部P3615は、長手方向を上下に向けた長手状に形成される。左固定部P3615の上下両端部は、上連結部P3613及び下連結部P3614の左部にそれぞれ連結される。
右固定部P3616は、基板P3330に対して固定される部分である。右固定部P3616は、長手方向を上下に向けた長手状に形成される。右固定部P3616の上下両端部は、上連結部P3613及び下連結部P3614の右部にそれぞれ連結される。
図332及び図336に示すように、左固定部P3615及び右固定部P3616は、ビス等により基板P3330の前面に固定される。これによって、発光手段側遮蔽手段P3610が基板P3330の左右中央部に取り付けられる。この際、基板P3330に設けられた複数の発光部P3340のうち、基板P3330の左右中央部に配置された発光部P3340が、発光手段側遮蔽手段P3610の内側(正面視において、左遮蔽部P3611、右遮蔽部P3612、上連結部P3613及び下連結部P3614によって囲まれた範囲)に配置される。
図332、図336、図338及び図339に示す回転体側遮蔽手段P3620は、回転体P3400に固定される部材である。回転体側遮蔽手段P3620は、主として左遮蔽部P3621、右遮蔽部P3622、第1の連結部P3623及び第2の連結部P3624を具備する。
左遮蔽部P3621は、回転体側遮蔽手段P3620の左部を形成する部分である。左遮蔽部P3621は、板面を左右に向けた略板状に形成される。左遮蔽部P3621の後端部の上下幅は、第2のレンズ部材P3440の上下幅と略同一となるように形成される。左遮蔽部P3621は、正面視において適宜の形状に形成される。本実施形態に係る左遮蔽部P3621は、正面視において概ね上下に延びるように形成されると共に、下部に比べて上部が左方に位置するように、上下中途部に段差(屈曲部分)が形成されている。左遮蔽部P3621には、凹部P3621aが形成される。
凹部P3621aは、左遮蔽部P3621の前端部を後方に向かって凹ませるようにして形成される。凹部P3621aは、左遮蔽部P3621の前端部の上下略中央部に形成される。凹部P3621aは、側面視略円弧状に形成される。より具体的には、後述するように回転体側遮蔽手段P3620が第2のレンズ部材P3440に取り付けられた際に、凹部P3621aは、側面視において支軸P3310を中心とする円弧状となるように形成される(図332参照)。また、凹部P3621aの半径は、発光手段側遮蔽手段P3610の左遮蔽部P3611の円弧状の半径と略同一となるように(厳密には、若干大きくなるように)形成される。
右遮蔽部P3622は、回転体側遮蔽手段P3620の右部を形成する部分である。右遮蔽部P3622は、板面を左右に向けた略板状に形成される。右遮蔽部P3622は、左遮蔽部P3621の右方に配置される。左遮蔽部P3621と右遮蔽部P3622の間隔(左右の間隔)は、発光手段側遮蔽手段P3610の左遮蔽部P3611と右遮蔽部P3612の間隔と略同一となるように形成される。右遮蔽部P3622は、側面視において左遮蔽部P3621と略同一形状となるように形成される。右遮蔽部P3622は、正面視において適宜の形状に形成される。本実施形態に係る右遮蔽部P3622は、正面視において上下中途部が上下両端部に比べて内側(左方)に位置するように、上下両端部から上下中途部に向かって左方に傾斜するように形成されている。右遮蔽部P3622には、凹部P3622aが形成される。
凹部P3622aは、右遮蔽部P3622の前端部を後方に向かって凹ませるようにして形成される。凹部P3622aは、右遮蔽部P3622の前端部の上下略中央部に形成される。凹部P3622aは、側面視において、左遮蔽部P3621の凹部P3621aと略同一形状となるように形成される。
第1の連結部P3623は、左遮蔽部P3621と右遮蔽部P3622を連結する部分である。第1の連結部P3623は、板面を上下に向けた略矩形板状に形成される。第1の連結部P3623の左右両端部は、左遮蔽部P3621及び右遮蔽部P3622の上端部にそれぞれ連結される。これによって第1の連結部P3623は、左遮蔽部P3621と右遮蔽部P3622の上端部同士を連結する。
第2の連結部P3624は、左遮蔽部P3621と右遮蔽部P3622を連結する部分である。第2の連結部P3624は、板面を上下に向けた略矩形板状に形成される。第2の連結部P3624の左右両端部は、左遮蔽部P3621及び右遮蔽部P3622の下端部にそれぞれ連結される。これによって第2の連結部P3624は、左遮蔽部P3621と右遮蔽部P3622の下端部同士を連結する。
図332及び図336に示すように、第1の連結部P3623及び第2の連結部P3624は、ビス等により第2のレンズ部材P3440の前面に固定される。これによって、回転体側遮蔽手段P3620が第2のレンズ部材P3440の左右中央部(左右方向において、発光手段側遮蔽手段P3610と同一位置)に取り付けられる。
以下では、上述の如く構成された回転役物3000による演出態様について説明する。
まず、図332及び図339に示すように、回転体P3400の演出面のうち、第1の演出面P3410が正面を向く位置(演出位置)に位置している場合について説明する。
この場合、遊技者からは第1の演出面P3410が視認容易となっている。また、第2の演出面P3430は後方を向いているため、遊技者からは視認困難となっている。この際、第2の演出面P3430(第2のレンズ部材P3440)の内側に固定された回転体側遮蔽手段P3620は、発光手段P3300の基板P3330の後方に位置している。
この状態では、基板P3330の前面に固定された発光手段側遮蔽手段P3610と、第2の演出面P3430の内側に固定された回転体側遮蔽手段P3620は、別々に分離された状態(以下、単に「分離状態」と称する)となる。分離状態では、発光手段側遮蔽手段P3610と回転体P3400の第1の演出面P3410との間には大きな隙間が形成されている。このため、基板P3330に設けられた複数の発光部P3340からの光は、発光手段側遮蔽手段P3610と回転体P3400の第1の演出面P3410との間の隙間を介して、回転体P3400の第1のレンズ部材P3420全域に照射される。当該第1のレンズ部材P3420を透過した光は、第1の演出面P3410の内側全域に照射される。これによって、図340に示すように、第1の演出面P3410全体から外部に略均一に光が照射され、第1の演出面P3410全体が、略均一に発光することになる。すなわちこの場合、第1の演出面P3410(第1の透光部)に応じて、発光手段P3300から第1の演出面P3410の内面側の全体(第1の照射範囲)に光が照射される。
次に、図341及び図342に示すように、回転体P3400の演出面のうち、第2の演出面P3430が正面を向く位置(演出位置)に位置している場合について説明する。
この場合、遊技者からは第2の演出面P3430が視認容易となっている。また、第1の演出面P3410は後方を向いているため、遊技者からは視認困難となっている。この際、第2の演出面P3430(第2のレンズ部材P3440)の内側に固定された回転体側遮蔽手段P3620は、発光手段P3300の基板P3330の前方に位置している。
この状態では、基板P3330の前面に固定された発光手段側遮蔽手段P3610の前端が、第2の演出面P3430の内側に固定された回転体側遮蔽手段P3620の凹部(凹部P3621a及び凹部P3622a)に嵌り込むように位置している。このようにして、発光手段側遮蔽手段P3610と回転体側遮蔽手段P3620とによって、基板P3330から第2の演出面P3430まで延びる1つの筒状の部材が形成された状態(以下、単に「制限状態」と称する)となる。制限状態では、遮蔽手段P3600によって、基板P3330に設けられた複数の発光部P3340からの光の照射範囲が、所定の範囲に制限される。
具体的には、複数の発光部P3340のうち、遮蔽手段P3600(発光手段側遮蔽手段P3610)の内側に配置された発光部P3340から照射された光は、当該遮蔽手段P3600の外側に出ることができない。このため、当該発光部P3340から照射された光は、第2の演出面P3430のうち、正面視で遮蔽手段P3600の内側に位置する範囲にのみ照射される(図343参照)。
一方、複数の発光部P3340のうち、遮蔽手段P3600(発光手段側遮蔽手段P3610)の外側に配置された発光部P3340から照射された光は、当該遮蔽手段P3600の内側に入ることができない。このため、当該発光部P3340から照射された光は、第2の演出面P3430のうち、正面視で遮蔽手段P3600の外側に位置する範囲にのみ照射される(図343参照)。
このように、第2の演出面P3430が演出位置に移動制御されている場合、遮蔽手段P3600が制限状態となり、発光部P3340から第2の演出面P3430の内側に照射される光の照射範囲を所定の範囲(正面視において遮蔽手段P3600の内側に位置する範囲、又は外側に位置する範囲)に制限することができる。すなわち、第1の演出面P3410が演出位置に移動制御された場合の光の照射範囲(第1の照射範囲)と、第2の演出面P3430が演出位置に移動制御された場合の光の照射範囲(第2の照射範囲)と、を異ならせることができる。これによって、例えば、遮蔽手段P3600の内側の発光部P3340と外側の発光部P3340を異なる態様(例えば、異なる明るさ、色、タイミング等)で発光させることで、第2の演出面P3430を非均一に発光させることができる。
特に本実施形態では、正面視における遮蔽手段P3600の形状を、第2の演出面P3430に施された装飾と対応する形状となるように形成することを想定している。これによって、発光手段P3300から照射される光の照射範囲(第2の照射範囲)を第2の演出面P3430(第2の透光部)に応じたものとし、第2の演出面P3430の装飾をより引き立てるように発光させることができる。例えば、第2の演出面P3430に施された文字と、遮蔽手段P3600と、が正面視において一致するように形成することで、当該文字をその他の装飾と異なる態様で発光させることができる。
また本実施形態では、制限状態において、回転体側遮蔽手段P3620の後端部は、基板P3330よりも後方に位置している(図341参照)。これによって、基板P3330の前面に設けられた発光部P3340から照射された光が遮蔽手段P3600の後方から回り込む(遮蔽手段P3600の内側から外側へ、又は外側から内側へ照射される)のを効果的に抑制することができる。
また本実施形態では、図341等に示すように、発光手段側遮蔽手段P3610を、支軸P3310(回転体P3400の回転中心)を中心とする円弧状に膨出する形状とすると共に、回転体側遮蔽手段P3620を、支軸P3310を中心とする円弧状に凹む形状としている。これによって、回転体P3400が回転する際の部材同士の干渉をなくしながらも、制限状態となった遮蔽手段P3600(発光手段側遮蔽手段P3610及び回転体側遮蔽手段P3620)の隙間を小さくすることができる。
すなわち、発光手段側遮蔽手段P3610及び回転体側遮蔽手段P3620に、回転体P3400の回転軌跡に沿う円弧状の部分を形成することで、当該発光手段側遮蔽手段P3610と回転体側遮蔽手段P3620との干渉を回避することができる。またこのように構成することで、発光手段側遮蔽手段P3610と回転体側遮蔽手段P3620とが対向する部分(円弧状に形成された部分)を近づけて隙間を小さくすることができ、光の遮蔽性を向上することができる。これによって、発光部P3340から照射された光が遮蔽手段P3600を超えて漏れ出すのを効果的に抑制することができる。
このように、演出位置に移動制御されている演出面(第1の演出面P3410又は第2の演出面P3430)の種別によって、発光手段P3300による装飾面の発光態様を異ならせることができる。これによって、装飾面の種別に応じた異なる演出(発光演出)を行い、回転役物P3000による演出の興趣を向上させることができる。
以上の実施形態に基づき、本発明の概要を以下に列挙する。
従来、演出装置を備える遊技機は公知となっている。例えば、特開2018-161333号公報に記載の如くである。
特開2018-161333号公報には、発光部を内蔵すると共に複数の演出面を備えた演出回転体を有し、大当り中の演出や遊技情報等を複数の演出面に表示可能な遊技機が開示されている。
しかしながら、特許文献1に記載の遊技機では、演出面に表示される演出内容は同一の演出態様が繰り返し表示されるだけで面白みに欠ける問題があった。
本発明は、上述した課題に鑑みてなされたものであり、興趣を向上させることが可能な遊技機を提供することを目的とする。
以上の如く、本実施形態に係る遊技機は、
透光部を有し遊技者から視認可能な複数の演出面(演出部)から形成される回転体P3400を備えた遊技機であって、
前記回転体P3400の内部に設けられ、少なくとも一つの演出面の内面側に光を照射することで前記透光部を介して前記回転体P3400の外部方向に光を照射可能な発光手段P3300と、
前記発光手段P3300から演出面の内面側に照射される光の照射範囲を所定の範囲に制限する遮蔽手段P3600と、
前記回転体P3400を回転させ前記複数の演出面のうちいずれかの演出面を遊技者から視認容易な演出位置に移動制御する駆動手段P3500と、を備え、
前記複数の演出面は、
第1の演出面P3410と、
前記第1の演出面P3410とは別の演出面である第2の演出面P3430と、を含み、
前記回転体P3400は、前記遮蔽手段P3600により、前記第1の演出面P3410が前記演出位置に移動制御されている場合と、前記第2の演出面P3430が前記演出位置に移動制御されている場合とで、前記演出面の内面側に照射される光の照射範囲が異なることを特徴とするものである。
また、本実施形態に係る遮蔽手段P3600は、
前記回転体P3400に設けられる回転体側遮蔽手段P3620と、
前記発光手段P3300に設けられる発光手段側遮蔽手段P3610と、
を含み、
前記遮蔽手段P3600は、
前記回転体P3400の回転に伴って前記回転体側遮蔽手段P3620が移動することにより、前記発光手段側遮蔽手段P3610と共に前記発光手段P3300から前記演出面(演出部)の内面側に照射される光の照射範囲を所定の範囲に制限可能であり、
前記第1の演出面P3410が前記演出位置に移動制御された場合、前記発光手段P3300から前記第1の演出面P3410の内面側に照射される光の照射範囲が第1の照射範囲となり、前記第2の演出面P3430が前記演出位置に移動制御された場合に、前記発光手段P3300から前記第2の演出面P3430の内面側に照射される光の照射範囲が前記第1の照射範囲とは異なる第2の照射範囲となることを特徴とするものである。
このような構成によれば、遊技機の興趣を向上させることができる。
具体的には、第1の演出面P3410が演出位置に移動制御された場合と、第2の演出面P3430が演出位置に移動制御された場合とで、発光手段P3300による演出面の発光態様を異ならせることができる。すなわち、演出位置に移動制御されている演出面の種別によって、異なる発光演出が可能となり、ひいては遊技機の興趣を向上させることができる。
以上の実施形態に基づき、本発明の概要を以下に列挙する。
従来、演出装置を備える遊技機は公知となっている。例えば、特開2018-161333号公報に記載の如くである。
特開2018-161333号公報には、発光部を内蔵すると共に複数の演出面を備えた演出回転体を有し、大当り中の演出や遊技情報等を複数の演出面に表示可能な遊技機が開示されている。
しかしながら、特許文献1に記載の遊技機では、演出面に表示される演出内容は同一の演出態様が繰り返し表示されるだけで面白みに欠ける問題があった。
本発明は、上述した課題に鑑みてなされたものであり、興趣を向上させることが可能な遊技機を提供することを目的とする。
以上の如く、本実施形態に係る遊技機は、
透光部を有し遊技者から視認可能な複数の演出部から形成される回転体を備えた遊技機であって、
前記回転体の内部に設けられ、少なくとも一つの演出部の内面側に光を照射することで前記透光部を介して前記回転体の外部方向に光を照射可能な発光手段と、
前記発光手段から演出部の内面側に照射される光の照射範囲を所定の範囲に制限する遮蔽手段と、
前記回転体を回転させ前記複数の演出部のうちいずれかの演出部を遊技者から視認容易な演出位置に移動制御する駆動手段と、を備え、
前記複数の演出面は、
第1の演出面P3410と、
前記第1の演出面P3410とは別の演出面である第2の演出面P3430と、を含み、
前記遮蔽手段P3600は、
前記回転体P3400に設けられる回転体側遮蔽手段P3620を含み、
前記回転体側遮蔽手段P3620は、
前記回転体P3400の回転に伴って移動することにより、前記第1の演出面P3410が前記演出位置に移動制御されている場合と、前記第2の演出面P3430が前記演出位置に移動制御されている場合とで、前記演出面の内面側に照射される光の照射範囲を異ならせることを特徴とするものである。
また、本実施形態に係る前記第1の演出面P3410は、
所定の形状で形成される第1の透光部を有し、
前記第2の演出面P3430は、
前記第1の透光部とは異なる形状で形成される第2の透光部を有し、
前記回転体側遮蔽手段P3620は、
前記回転体P3400の回転に伴って移動することにより、前記第1の演出面P3410が前記演出位置に移動制御されている場合は、前記発光手段P3300から照射される光の照射範囲が前記第1の透光部に応じた第1の照射範囲となることで前記第1の透光部が発光し、前記第2の演出面P3430が前記演出位置に移動制御されている場合は、前記発光手段P3300から照射される光の照射範囲が前記第2の透光部に応じた第2の照射範囲となることで前記第2の透光部が発光することを特徴とするものである。
このような構成によれば、遊技機の興趣を向上させることができる。
具体的には、第1の演出面P3410が演出位置に移動制御された場合と、第2の演出面P3430が演出位置に移動制御された場合とで、発光手段P3300による演出面の発光態様を異ならせることができる。すなわち、演出位置に移動制御されている演出面の種別によって、異なる発光演出が可能となり、ひいては遊技機の興趣を向上させることができる。
以上の実施形態に基づき、本発明の概要を以下に列挙する。
従来、演出装置を備える遊技機は公知となっている。例えば、特開2018-161333号公報に記載の如くである。
特開2018-161333号公報には、発光部を内蔵すると共に複数の演出面を備えた演出回転体を有し、大当り中の演出や遊技情報等を複数の演出面に表示可能な遊技機が開示されている。
しかしながら、特許文献1に記載の遊技機では、演出面に表示される演出内容は同一の演出態様が繰り返し表示されるだけで面白みに欠ける問題があった。
本発明は、上述した課題に鑑みてなされたものであり、興趣を向上させることが可能な遊技機を提供することを目的とする。
以上の如く、本実施形態に係る遊技機は、
透光部を有し遊技者から視認可能な複数の演出部から形成される回転体を備えた遊技機であって、
前記回転体の内部に設けられ、少なくとも一つの演出部の内面側に光を照射することで前記透光部を介して前記回転体の外部方向に光を照射可能な発光手段と、
前記発光手段から演出部の内面側に照射される光の照射範囲を所定の範囲に制限する遮蔽手段と、
前記回転体を回転させ前記複数の演出部のうちいずれかの演出部を遊技者から視認容易な演出位置に移動制御する駆動手段と、を備え、
前記遮蔽手段P3600は、
前記回転体P3400に設けられる回転体側遮蔽手段P3620と、
前記発光手段P3300に設けられる発光手段側遮蔽手段P3610と、
を含み、
前記遮蔽手段P3600は、
前記回転体P3400の回転に伴って前記回転体側遮蔽手段P3620が移動することにより、前記発光手段側遮蔽手段P3610と共に前記発光手段P3300から前記演出面の内面側に照射される光の照射範囲を所定の範囲に制限する状態と、前記発光手段から前記演出面の内面側に照射される光の照射範囲を制限しない状態と、に切り替えられることを特徴とするものである。
このような構成によれば、遊技機の興趣を向上させることができる。
具体的には、第1の演出面P3410が演出位置に移動制御された場合と、第2の演出面P3430が演出位置に移動制御された場合とで、発光手段P3300による演出面の発光態様を異ならせることができる。すなわち、回転体P3400の回転に応じて、異なる発光演出が可能となり、ひいては遊技機の興趣を向上させることができる。
以上、本発明の第一実施形態を説明したが、本発明は上記構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で種々の変更が可能である。
例えば、駆動手段P3500による回転体P3400の移動(回転)と、発光手段P3300による光の照射は、任意に制御することができる。両者のタイミングを適宜設定することで、種々の態様の演出を行うことができる。
また、本実施形態では第1の演出面P3410及び第2の演出面P3430の全体が透光部となっている(全体的に光が透過可能である)例を示したが、第1の演出面P3410及び第2の演出面P3430の一部のみを透光部とする(一部のみ光を透過可能とする)ことも可能である。例えば、第1の演出面P3410を、表面に施される装飾に応じて、透光性を有する部材と、透光性を有さない部材と、を組み合わせて形成することも可能である。
また、遮蔽手段P3600として、回転体側遮蔽手段P3620のみを用いることも可能である。すなわち、発光手段側遮蔽手段P3610を省略することも可能である。この場合、第2の演出面P3430が演出位置に移動制御された場合、回転体側遮蔽手段P3620によって光の照射範囲が制限される。
また、遮蔽手段P3600の構成(形状、大きさ等)は、上記実施形態に限るものではない。例えば、演出面に施された装飾に応じて適宜の形状、大きさ等とすることが可能である。
また、遮蔽手段P3600は、本実施形態の回転体側遮蔽手段P3620のように、必ずしも回転体P3400に設けられている必要はない。すなわち、遮蔽手段P3600は、回転体P3400の移動制御(回転)に応じて、光の照射範囲を制限する状態と、制限しない状態と、に切り替え可能なものであればよい。例えば、回転体P3400の移動制御に応じて、別途設けられた駆動手段によって(若しくは、駆動手段P3500の駆動力を用いて)、光の照射範囲を制限する位置と、制限しない位置と、に移動可能な部材を遮蔽手段P3600とすることも可能である。
以下では、図344から図364を用いて、演出装置P4000について説明する。
図344に示す演出装置P4000は、適宜のタイミングで動作することで、遊技者に視覚的な印象(インパクト)を与えるものである。なお便宜上、演出装置P4000は、本発明の第10実施形態に係るパチンコ遊技機の別例の遊技盤P1100に設けられているものとする。
演出装置P4000は、遊技盤P1100に設置される。演出装置P4000は、遊技盤P1100の開口領域1dにおいて遊技者が視認可能な位置で可動体P4300を移動制御することで、遊技者に視覚的な印象を与える。演出装置P4000は、移動制御機構P4010、可動体P4300及び補強カバーP4400を具備している。
移動制御機構P4010は、可動体P4300を、遊技者から視認し難い位置である図344に示す待機位置と、遊技者から視認可能な位置である図358から図360までに示す演出位置と、に移動制御するものである。なお、可動体P4300の詳細な説明については後述する。
本実施形態では、図344に示すように、待機位置を、遊技盤P1100の開口領域1dよりも下方(遊技盤P1100の下側部分と重複する位置)としている。また、図358から図360までに示すように、演出位置を開口領域1dにおける下側部分としている。移動制御機構P4010は、昇降移動制御機構P4100及び左右移動制御機構P4200を具備する。
図344及び図345、図358に示す昇降移動制御機構P4100は、可動体P4300を上下方向に移動制御するものである。ここで、可動体P4300は、後述する左右移動制御機構P4200に設けられており、昇降移動制御機構P4100は、左右移動制御機構P4200を介して、可動体P4300を移動制御する。すなわち、昇降移動制御機構P4100は、直接的には、左右移動制御機構P4200を上下方向に移動制御する。なお、左右移動制御機構P4200の詳細な説明については後述する。
昇降移動制御機構P4100は、図344及び図358に示すように、待機位置と演出位置との間において左右移動制御機構P4200(可動体P4300)を移動制御する。なお、以下では、主として、可動体P4300を待機位置に位置させた状態を基準として、昇降移動制御機構P4100の構成について説明する。昇降移動制御機構P4100は、左側移動ユニットP4110及び右側移動ユニットP4160を具備する。
左側移動ユニットP4110は、遊技盤P1100の左側において左右移動制御機構P4200を上下方向に移動させると共に、上下方向の移動をガイドするものである。左側移動ユニットP4110は、ベース部P4120、第1のモータP4130、第1の伝達部P4140及び昇降シャフトP4150を具備する。
ベース部P4120は、後述する第1のモータP4130、第1の伝達部P4140及び昇降シャフトP4150が設置されるものである。ベース部P4120は、遊技盤P1100の左側部分に固定される。ベース部P4120は、後方に向けて開口する略箱形状とされている。また、ベース部P4120は、正面視において上下方向に長尺な略矩形状とされている。
図344に示す第1のモータP4130は、左右移動制御機構P4200を上下方向に移動させるための駆動源である。第1のモータP4130は、ベース部P4120の上側部分に設置される。また、第1のモータP4130は、ベース部P4120の左側部分に設置される。第1のモータP4130は、図345に示すように、出力軸P4131が、ベース部P4120を前後に貫通して後方へと突出するように設けられる。
図345に示す第1の伝達部P4140は、第1のモータP4130で発生した駆動力を、左右移動制御機構P4200側へと伝達するものである。第1の伝達部P4140は、ベース部P4120の左側部分に設置される。第1の伝達部P4140は、出力ギヤP4141、第1のギヤP4142及び第2のギヤP4143を具備する。
出力ギヤP4141は、第1のモータP4130の駆動力を取り出すものである。出力ギヤP4141は、第1のモータP4130の出力軸P4131の後端部に固定される。
第1のギヤP4142は、出力ギヤP4141の略下方に配置され、出力ギヤP4141と歯合する。第1のギヤP4142は、ベース部P4120の後面において、前後方向に向く軸心回りに回転自在に軸支される。
第2のギヤP4143は、第1のギヤP4142の略下方に配置され、第1のギヤP4142と歯合する。第2のギヤP4143は、ベース部P4120の後面において、前後方向に向く軸心回りに回転自在に軸支される。
昇降シャフトP4150は、左右移動制御機構P4200の上下方向の移動をガイドするものである。昇降シャフトP4150は、上下方向に長尺な略円柱形状とされている。昇降シャフトP4150は、ベース部P4120の右側部分に設置される。また、昇降シャフトP4150は、ベース部P4120の後面から離間するように設置される。
右側移動ユニットP4160は、遊技盤P1100の右側において、左右移動制御機構P4200の上下方向の移動をガイドするものである。右側移動ユニットP4160は、ベース部P4170及び昇降シャフトP4180を具備する。
ベース部P4170は、後述する昇降シャフトP4180が設置されるものである。ベース部P4170は、遊技盤P1100の右側部分に固定される。ベース部P4170は、後方に向けて開口する略箱形状とされている。また、ベース部P4170は、正面視において上下方向に長尺な略矩形状とされている。
昇降シャフトP4180は、左右移動制御機構P4200の上下方向の移動をガイドするものである。昇降シャフトP4180は、上下方向に長尺な略円柱形状とされている。昇降シャフトP4150は、ベース部P4170の左側部分に設置される。また、昇降シャフトP4180は、ベース部P4170の後面から離間するように設置される。
図344から図351、図358から図360までに示す左右移動制御機構P4200は、可動体P4300を支持すると共に、可動体P4300を左右方向に移動制御するものである。左右移動制御機構P4200は、図358から図360までに示すように、演出位置において、可動体P4300を移動制御する。また、左右移動制御機構P4200は、昇降移動制御機構P4100により、上下方向に移動制御される。左右移動制御機構P4200は、左側移動ユニットP4110と右側移動ユニットP4160との間に配置される。左右移動制御機構P4200は、ベース部P4210、カバー部P4220、連結部P4230、ラック部P4240、ガイド部P4250、第2のモータP4260及び第2の伝達部P4270を具備する。
図345、図347から図351までに示すベース部P4210は、後述する第2のモータP4260や第2の伝達部P4270が設置されるものである。ベース部P4210は、本体部P4211及び支持部P4219を具備する。
図348に示す本体部P4211は、ベース部P4210の大部分を構成するものである。本体部P4211は、後方に向けて開口する略箱形状とされている。また、本体部P4211は、正面視において左右方向に長尺な略矩形状とされている。本体部P4211は、前壁部P4212、上壁部P4215、下壁部P4216、左壁部P4217及び右壁部P4218を具備する。
前壁部P4212は、本体部P4211の前側部分を構成するものである。前壁部P4212は、厚さ方向を前後方向に向けた略板形状とされている。前壁部P4212は、ガイド孔部P4213及び第1の付勢部受け部P4214を具備する。
図347及び図350に示すガイド孔部P4213は、可動体P4300の左右方向の移動をガイドするものである。ガイド孔部P4213は、前壁部P4212を前後に貫通するように形成される。ガイド孔部P4213は、前壁部P4212の上下方向略中央部分に形成される。ガイド孔部P4213は、左右方向に長尺な形状とされる。
図351に示す第1の付勢部受け部P4214は、後述する付勢部の付勢力を受けるものである。第1の付勢部受け部P4214は、前壁部P4212の右側部分において、後方へ突出するように設けられる。
図348に示す上壁部P4215は、本体部P4211の上側部分を構成するものである。上壁部P4215は、前壁部P4212の上端部に設けられる。上壁部P4215は、厚さ方向を上下方向に向けた略板形状とされている。上壁部P4215は、切欠部P4215aを具備する。
切欠部P4215aは、上壁部P4215の後側部分を切り欠いたものである。切欠部P4215aは、上壁部P4215の左右方向中央部分に形成される。
下壁部P4216は、本体部P4211の下側部分を構成するものである。下壁部P4216は、前壁部P4212の下端部に設けられる。下壁部P4216は、厚さ方向を上下方向に向けた略板形状とされている。
左壁部P4217は、本体部P4211の左側部分を構成するものである。左壁部P4217は、前壁部P4212の左端部に設けられる。左壁部P4217は、厚さ方向を左右方向に向けた略板形状とされている。
右壁部P4218は、本体部P4211の右側部分を構成するものである。右壁部P4218は、右壁部P4218の右端部に設けられる。右壁部P4218は、厚さ方向を左右方向に向けた略板形状とされている。
支持部P4219は、後述するガイド部P4250を支持するものである。支持部P4219は、本体部P4211の右端部から上方に延びるように形成される。
図345に示すカバー部P4220は、本体部P4211の開口を覆うものである。カバー部P4220は、厚さ方向を前後方向に向けた、左右方向に長尺な板形状とされる。カバー部P4220は、本体部P4211とによって、後述する第2の伝達部P4270を収容するハウジングを構成する。
連結部P4230は、カバー部P4220(ベース部P4210)と、後述するラック部P4240とを連結するものである。連結部P4230は、厚さ方向を前後方向に向けた板形状とされる。連結部P4230は、右側部分が、カバー部P4220の後面における左側端部に固定される。また、連結部P4230は、左側部分が、カバー部P4220の左側端部よりも左方に突出する。
図345から図347までに示すラック部P4240は、第1の伝達部P4140が伝達する回転を、左右移動制御機構P4200の上下方向の移動に変換するものである。ラック部P4240は、連結部P4230の左側部分に固定される。ラック部P4240は、本体部P4241、ガイド孔部P4242及びラック歯部P4243を具備する。
図346及び図347に示す本体部P4241は、ラック部P4240の大部分を構成するものである。本体部P4241は、厚さ方向を前後方向に向けた板形状とされる。本体部P4241は、正面視において、上下方向に長尺な略矩形状とされる。本体部P4241は、下側部分が、連結部P4230の左側部分の前面に固定される。
ガイド孔部P4242は、本体部P4241を上下方向に貫通する孔である。ガイド孔部P4242には、左側移動ユニットP4110の昇降シャフトP4150が挿通される。ガイド孔部P4242に昇降シャフトP4150が挿通されることで、左右移動制御機構P4200の左側部分において、左右移動制御機構P4200の上下方向の移動がガイドされる。
ラック歯部P4243は、第1の伝達部P4140の第2のギヤP4143と歯合するものである。ラック歯部P4243は、本体部P4241の左端部に設けられる。ラック歯部P4243は、ガイド孔部P4242に昇降シャフトP4150が挿通された状態で第2のギヤP4143と歯合する。
図346及び図347に示すガイド部P4250は、左右移動制御機構P4200の上下方向の移動をガイドするものである。ガイド部P4250は、支持部P4219の上端部に固定される。ガイド部P4250は、厚さ方向を前後方向に向けた板形状とされる。ガイド部P4250は、正面視において略矩形状とされる。ガイド部P4250は、ガイド孔部P4251を具備する。
ガイド孔部P4251は、ガイド部P4250を上下方向に貫通する孔である。ガイド孔部P4251には、右側移動ユニットP4160の昇降シャフトP4180が挿通される。ガイド孔部P4251に昇降シャフトP4180が挿通されることで、左右移動制御機構P4200の右側部分において、左右移動制御機構P4200の上下方向の移動がガイドされる。
図346に示す第2のモータP4260は、可動体P4300を左右方向に移動させるための駆動源である。第2のモータP4260は、ベース部P4210(本体部P4211)の左側部分に設置される。第2のモータP4260は、図349に示すように、出力軸P4261が、ベース部P4210を前後に貫通して後方へと突出するように設けられる。
図347から図351までに示す第2の伝達部P4270は、第2のモータP4260で発生した駆動力を、可動体P4300へと伝達するものである。第2の伝達部P4270は、出力ギヤP4271、第1のギヤP4272、第2のギヤP4273、ベルトP4274、テンションプーリP4275、張力付与部P4276、第1のプーリP4277及び第2のプーリP4278を具備する。
図347から図349までに示す出力ギヤP4271は、第2のモータP4260の駆動力を取り出すものである。出力ギヤP4271は、第2のモータP4260の出力軸P4261の後端部に固定される。
第1のギヤP4272は、出力ギヤP4271の略下方に配置され、出力ギヤP4271と歯合する。第1のギヤP4272は、前後方向に向く軸心回りに回転自在に軸支される。
第2のギヤP4273は、第1のギヤP4272の略右方に配置され、第1のギヤP4272と歯合する。第2のギヤP4273は、前後方向に向く軸心回りに回転自在に軸支される。また、第2のギヤP4273には、後述するベルトP4274が巻回される。
図347から図351までに示すベルトP4274は、無端状に形成され、第2のギヤP4273と、後述するテンションプーリP4275と、に巻回されるものである。ベルトP4274は、前壁部P4212において、ガイド孔部P4213の上方に、左右方向に延びるように配置される。
ベルトP4274は、第2のギヤP4273の回転に伴い回転する。ベルトP4274は、内周面(第2のギヤP4273に対向する面)の一部に、ラック状の歯部P4274aが形成されている。歯部P4274aは、第2のギヤP4273に歯合する。
図351に示すテンションプーリP4275は、ベルトP4274が巻回されるものである。テンションプーリP4275は、前壁部P4212の右側部分において、後述する張力付与部P4276を介して、前後方向に向く軸心回りに回転自在に軸支される。
張力付与部P4276は、テンションプーリP4275を回転可能に支持すると共に、ベルトP4274に張力を付与するものである。張力付与部P4276は、前壁部P4212の右側部分に配置される。張力付与部P4276は、テンションプーリ支持部P4276a及び付勢部P4276dを具備する。
テンションプーリ支持部P4276aは、テンションプーリP4275を回転可能に支持するものである。テンションプーリ支持部P4276aは、左右方向に移動可能に支持される。テンションプーリ支持部P4276aは、左側部分においてテンションプーリP4275を支持する構成とされている。また、テンションプーリ支持部P4276aは、孔部P4276b及び第2の付勢部受け部P4276cを具備する。
孔部P4276bは、テンションプーリ支持部P4276aを前後に貫通する孔である。孔部P4276bは、テンションプーリ支持部P4276aの右側部分に形成される。孔部P4276bは、左右方向に長尺な長孔形状とされている。孔部P4276bには、前壁部P4212に形成された第1の付勢部受け部P4214が挿通される。
第2の付勢部受け部P4276cは、後述する付勢部P4276dの付勢力を受けるものである。第2の付勢部受け部P4276cは、テンションプーリ支持部P4276aの右端部から、後方へ突出するように設けられる。
付勢部P4276dは、テンションプーリ支持部P4276aを右方に付勢するものである。付勢部P4276dによりテンションプーリ支持部P4276aを介してテンションプーリP4275を右方に付勢することで、ベルトP4274に一定の張力を付与することができる。付勢部P4276dは、第1の付勢部受け部P4214と、テンションプーリ支持部P4276aの第2の付勢部受け部P4276cと、の間に介在され、第1の付勢部受け部P4214及び第2の付勢部受け部P4276cを互いに離間させるように付勢する圧縮ばねを構成する。
図347、図349及び図350までに示す第1のプーリP4277は、第2のギヤP4273の略右方に配置される。第1のプーリP4277は、ベルトP4274の下方において、ベルトP4274の外周面に当接するように配置される。また、第1のプーリP4277は、上端部が第2のギヤP4273の下端部よりも上方に位置するように配置される。第1のプーリP4277は、前後方向に向く軸心回りに回転自在に軸支される。第1のプーリP4277は、ベルトP4274の回転に応じて回転する。
図347、図350及び図351に示す第2のプーリP4278は、テンションプーリP4275の略左方に配置される。第2のプーリP4278は、ベルトP4274の下方において、ベルトP4274の外周面に当接するように配置される。第2のプーリP4278は、上端部がテンションプーリP4275の下端部よりも上方に位置するように配置される。また、第2のプーリP4278は、第1のプーリP4277と略同高さに配置される。第2のプーリP4278は、前後方向に向く軸心回りに回転自在に軸支される。第2のプーリP4278は、ベルトP4274の回転に応じて回転する。
図346から図355までに示す可動体P4300は、昇降移動制御機構P4100及び左右移動制御機構P4200による移動制御により、上下方向及び左右方向に移動可能なものである。可動体P4300は、左右移動制御機構P4200に対して左右方向に移動可能に設置される。可動体P4300は、正面視において略三角形状とされている。また、可動体P4300は、戦闘機を模した形状とされている。可動体P4300は、ベース部P4310、係合部P4320、基板P4330及びカバー部P4340を具備する。
図352に示すベース部P4310は、後述する基板P4330及びカバー部P4340を保持するものである。ベース部P4310は、左右移動制御機構P4200に設置される。ベース部P4310は、本体部P4311、ローラ収容部P4312及び被ガイド部P4313を具備する。
本体部P4311は、ベース部P4310の大部分を構成するものである。本体部P4311は、厚さ方向を前後方向に向けた略板形状とされている。本体部P4311は、正面視において略三角形状とされている。
ローラ収容部P4312は、後述するローラP4322を収容するものである。ローラ収容部P4312は、本体部P4311の下側部分における左右方向両側に一対配置される。ローラ収容部P4312は、後方及び下方に向けて開口している。
図350、図352、図354、図355までに示す被ガイド部P4313は、左右移動制御機構P4200のガイド孔部P4213によって左右方向にガイドされる部分である。被ガイド部P4313は、本体部P4311の下側部分における左右方向中央部分から、下方に延びるように設けられる。被ガイド部P4313は、厚さ方向を前後方向に向けた略板形状とされている。被ガイド部P4313は、突部P4314及び拡径部P4315を具備する。
図354及び図355に示す突部P4314は、被ガイド部P4313の後面から後方に向けて突出するものである。突部P4314は、左右方向に間隔を空けて一対設けられる。突部P4314は、略円柱形状とされている。突部P4314は、ガイド孔部P4213に挿通される。
拡径部P4315は、突部P4314の後端部に設けられるものである。拡径部P4315は、突部P4314よりも拡径した形状とされている。拡径部P4315の外径は、ガイド孔部P4213の上下寸法よりも大きく形成されている。
上述した突部P4314がガイド孔部P4213に挿通されることで、ガイド孔部P4213に沿って可動体P4300の左右方向の移動をガイドすることができる。また、上述した拡径部P4315が突部P4314の後端部に設けられることで、ガイド孔部P4213に対する突部P4314の抜けを防止することができる。
図352から図355までに示す係合部P4320は、ベース部P4310に固定されると共に、ベルトP4274に係合するものである。係合部P4320は、固定部P4321、ローラP4322及び係合ガイド部P4323を具備する。
固定部P4321は、ベース部P4310の後面に固定されるものである。固定部P4321は、左右方向に長尺な形状とされている。固定部P4321は、適宜の止具を介してベース部P4310に固定される。
図352及び図353に示すローラP4322は、固定部P4321に対して、前後方向に向く軸心回りに回転自在に軸支されるものである。ローラP4322は、円盤形状とされている。ローラP4322は、固定部P4321の前面における左右方向両端部にそれぞれ設けられる。ローラP4322は、固定部P4321がベース部P4310に固定された状態で、ローラ収容部P4312に収容される。また、ローラP4322は、図355に示すように、ベース部P4210(本体部P4211)の上壁部P4215の上面に接地する。
図352から図355に示す係合ガイド部P4323は、ベルトP4274に係合すると共に、可動体P4300の左右方向の移動をガイドするものである。係合ガイド部P4323は、固定部P4321の下面における左右方向中央部分に設けられる。係合ガイド部P4323は、ガイド部P4324、係合部P4325及び係合維持部P4326を具備する。
図353から図355までに示すガイド部P4324は、可動体P4300の左右方向の移動をガイドするものである。ガイド部P4324は、左右方向に長尺な形状とされている。ガイド部P4324の左右寸法は、固定部P4321の左右寸法よりも小さく形成されている。ガイド部P4324は、鉛直部P4324a及び水平部P4324bを具備する。
図355に示す鉛直部P4324aは、固定部P4321の下面における後端部から、下方に突出する部分である。鉛直部P4324aは、厚さ方向を前後方向に向けた略板形状とされている。
水平部P4324bは、鉛直部P4324aの下端部から前方に突出する部分である。水平部P4324bは、厚さ方向を上下方向に向けた略板形状とされている。
上述したガイド部P4324は、断面視(側面視)において略L字形状とされている。ガイド部P4324は、図355に示すように、水平部P4324bの上面が、ベース部P4210(本体部P4211)の上壁部P4215の下面に対向する。これにより、ガイド部P4324は、ローラP4322と共に上壁部P4215を挟むことで、可動体P4300の左右方向の移動をガイドすることができる。
図354及び図355に示す係合部P4325は、ベルトP4274に係合するものである。係合部P4325は、ガイド部P4324の下面における左右方向中央部分に設けられる。係合部P4325は、鉛直部P4325a及び水平部P4325bを具備する。
図355に示す鉛直部P4325aは、ガイド部P4324の下面における前端部から、下方に突出する部分である。鉛直部P4325aは、厚さ方向を前後方向に向けた略板形状とされている。
水平部P4325bは、鉛直部P4325aの下端部から後方に突出する部分である。水平部P4325bは、厚さ方向を上下方向に向けた略板形状とされている。水平部P4325bの上面には、ベルトP4274の歯部P4274aに歯合する歯部P4325cが形成されている。
上述した係合部P4325は、断面視(側面視)において略L字形状とされている。係合部P4325は、図355に示すように、ガイド部P4324の下面と、水平部P4325bの上面と、によってベルトP4274を上下に挟み込むように保持する。また、この状態では、係合部P4325の歯部P4325cと、ベルトP4274の歯部P4274aと、が歯合する。これにより、係合部P4325をベルトP4274に係合させ、ベルトP4274の動作を可動体P4300に伝達することができる。
図354及び図355に示す係合維持部P4326は、係合部P4325とベルトP4274との係合を維持するものである。係合維持部P4326は、ガイド部P4324の下面に設けられる。また、係合維持部P4326は、係合部P4325の左右方向両側に一対設けられる。係合維持部P4326は、鉛直部P4326a及び水平部P4326bを具備する。
図355に示す鉛直部P4326aは、ガイド部P4324の下面における後端部から、下方に突出する部分である。鉛直部P4326aは、厚さ方向を前後方向に向けた略板形状とされている。
水平部P4326bは、鉛直部P4326aの下端部から前方に突出する部分である。水平部P4326bは、厚さ方向を上下方向に向けた略板形状とされている。
上述した係合維持部P4326は、断面視(側面視)において略L字形状とされている。係合維持部P4326は、図355に示すように、ガイド部P4324の下面と、水平部P4326bの上面と、によってベルトP4274を上下に挟み込むように保持する。また、係合維持部P4326の鉛直部P4326aによって、係合部P4325に係合されたベルトP4274の後方への移動を規制することができる。これにより、ベルトP4274が係合部P4325から外れることを抑制することができる。
図352に示す基板P4330は、適宜の電子部品(機能部品)が実装されるものである。基板P4330は、ベース部P4310の前面に固定される。基板P4330は、厚さ方向を前後方向に向けた略板形状とされている。基板P4330は、正面視において略三角形状とされている。基板P4330は、前面が、適宜の発光手段が実装される実装面とされている。
カバー部P4340は、可動体P4300の正面視における外観を構成するものである。カバー部P4340は、ベース部P4310及び基板P4330を覆うように、ベース部P4310の前面に固定される。カバー部P4340は、本体部P4341、当接部P4342及び位置決め突部P4343を具備する。
本体部P4341は、カバー部P4340の大部分を構成するものである。本体部P4341は、後方に向けて開口する略箱形状とされている。また、本体部P4341は、正面視において略三角形状とされている。本体部P4341は、基板P4330に設けられた発光手段による光を透過可能な透過性部材によって形成されている。
当接部P4342は、本体部P4341の前面において前方に突出するものである。当接部P4342は、本体部P4341の下端部における左端部に配置される。当接部P4342は、図350に示すように、係合部P4320のガイド部P4324よりも左方に配置される。また、当接部P4342は、ガイド部P4324よりも下方に配置される。当接部P4342は、略円柱状とされている。
位置決め突部P4343は、本体部P4341の下端部から下方に突出するものである。位置決め突部P4343は、本体部P4341の左右方向中央部分に設けられている。位置決め突部P4343は、正面視において、下方に向かうに従い左右寸法が小さくなる形状とされている。
図344、図356及び図357に示す補強カバーP4400は、左側移動ユニットP4110及び右側移動ユニットP4160を連結するものである。補強カバーP4400は、遊技盤P1100の後面における下側部分に配置される。また、補強カバーP4400は、可動体P4300よりも前方に配置される。補強カバーP4400は、本体部P4410、規制手段P4420及び切欠部P4430を具備する。
本体部P4410は、補強カバーP4400の大部分を構成するものである。本体部P4410は、厚さ方向を前後方向に向けた板形状とされている。また、本体部P4410は、左右方向に長尺な形状とされている。本体部P4410は、左右方向両端部が左側移動ユニットP4110の下側部分及び右側移動ユニットP4160の下側部分に、適宜の止具を介してそれぞれ固定される。
規制手段P4420は、所定の場合に、可動体P4300の当接部P4342と当接することで、可動体P4300の左右方行への移動を所定の移動範囲内に制限するものである。規制手段P4420は、左右方向に離間した一対の壁部を構成する。規制手段P4420は、本体部P4410の後面において後方に突出するように設けられる。また、規制手段P4420は、本体部P4410の左右方向中央部分よりも左方に配置される。また、規制手段P4420は、図344に示すように、遊技盤P1100の開口領域1dにおける左右方向中央部分よりも左方に位置する。規制手段P4420は、第1の壁部P4421、第2の壁部P4422及び第3の壁部P4423を具備する。
第1の壁部P4421は、規制手段P4420の上側部分を構成するものである。第1の壁部P4421は、演出位置における可動体P4300の左右方向の移動を、左右の第1の壁部P4421の間の範囲である第1の範囲R1内に制限可能とする。第1の壁部P4421は、待機位置よりも演出位置寄りに形成される。
第1の壁部P4421は、上下方向に直線状に延びる形状とされる。第1の壁部P4421の上下寸法は、左右の第1の壁部P4421の間の距離よりも小さく形成される。すなわち、第1の範囲R1は、正面視において左右方向に長尺な形状とされている。また、第1の壁部P4421の上下寸法は、当接部P4342の正面視における外径よりも大きく形成されている。
第2の壁部P4422は、規制手段P4420の下側部分を構成するものである。第2の壁部P4422は、待機位置から規制手段P4420における上下方向略中央部分までの間を上下方向に移動する可動体P4300の左右方向の移動を、左右の第2の壁部P4422の間の範囲である第2の範囲R2内に制限可能とする。第2の壁部P4422は、演出位置よりも待機位置寄りに形成される。
第2の壁部P4422は、上下方向に直線状に延びる形状とされる。左右の第2の壁部P4422の間の距離は、左右の第1の壁部P4421の間の距離よりも小さく形成される。すなわち、第2の範囲R2の左右方向の幅は、第1の範囲R1の左右方向の幅よりも小さく形成される。また、第2の壁部P4422上下寸法は、左右の第2の壁部P4422の間の距離よりも大きく形成される。すなわち、第2の範囲R2は、正面視において上下方向に長尺な形状とされている。また、左右の第2の壁部P4422の間の距離は、当接部P4342の正面視における外径よりも大きく形成されている。
第3の壁部P4423は、第1の壁部P4421と第2の壁部P4422との間の部分を構成するものである。第3の壁部P4423は、第1の範囲R1と第2の範囲R2との間を上下方向に移動する可動体P4300の左右方向の移動を、左右の第3の壁部P4423の間の範囲である第3の範囲R3内に制限可能とする。
第3の壁部P4423は、第1の壁部P4421の下端部と第2の壁部P4422の上端部とに連続する。第3の壁部P4423は、左右の第3の壁部P4423の間の距離が下方に向かうに従い徐々に小さくなるように(第3の範囲R3の幅が狭くなるように)湾曲した形状とされる。また、第3の壁部P4423は、正面視において、第3の範囲R3の左右方向中央に向かって凸となる円弧形状とされる。また、第3の壁部P4423の内面と、第2の壁部P4422の内面と、は角が形成されないように連続している。また、第3の壁部P4423の上下寸法及び左右の第3の壁部P4423の間の距離は、当接部P4342の正面視における外径よりも大きく形成されている。
切欠部P4430は、本体部P4410の下端部において切欠状に形成された部分である。切欠部P4430は、本体部P4410の左右方向略中央部分に形成される。図344に示すように、切欠部P4430には、遊技球が入賞(通過)する始動口(第1始動口P1350)が配置される。
図344に示す第1始動口P1350は、遊技盤P1100の開口領域1dにおける左右方向略中央部分に位置する。また、遊技盤P1100の後面における第1始動口P1350の下方には、待機状態における可動体P4300の位置決め突部P4343を受け入れる位置決め凹部P4001が設けられる。位置決め凹部P4001によって位置決め突部P4343を受け入れることで、待機状態における可動体P4300の位置決めが可能となる。
以下では、上述の如く構成された演出装置P4000の移動制御について説明する。なお、以下では、待機位置とされた可動体P4300を演出位置で移動させる移動制御について説明する。
図344に示す待機位置においては、可動体P4300は、正面視において遊技盤P1100の開口領域1dよりも下方(遊技盤P1100の下側部分と重複する位置)に位置する。待機位置において、可動体P4300は、遊技盤P1100の背後に隠れ、遊技者から視認し難い位置となる。この状態では、図344及び図362(a)に示すように、可動体P4300の当接部P4342は、規制手段P4420における第2の範囲R2に位置する。
まず、昇降移動制御機構P4100による移動制御について説明する。第1のモータP4130を駆動させれば、図345に示す互いに歯合する出力ギヤP4141及び第1のギヤP4142を介して第2のギヤP4143が軸心回りに回転する。
第2のギヤP4143の回転は、左右移動制御機構P4200のラック部P4240に伝達される。これにより、図358及び図362(b)に示すように、左右移動制御機構P4200を介して可動体P4300が上方へ移動する。
上述のように、可動体P4300を上方に移動制御する際には、可動体P4300の当接部P4342は、規制手段P4420における第2の範囲R2及び第3の範囲R3を上方に移動する。
上述のように移動制御したことで、可動体P4300は演出位置となる。演出位置において、可動体P4300は、開口領域1dにおける下側部分において、遊技者が視認可能な位置となる。また、図358に示す状態では、可動体P4300は、開口領域1dにおける左右方向略中央部分に位置する。
次に、左右移動制御機構P4200による移動制御について説明する。第2のモータP4260を駆動させれば、図349に示す互いに歯合する出力ギヤP4271及び第1のギヤP4272を介して及び第2のギヤP4273が軸心回りに回転する。第2のギヤP4273の回転は、当該第2のギヤP4273及びテンションプーリP4275に巻回されたベルトP4274に伝達され、当該ベルトP4274が回転する。これにより、ベルトP4274に係合する可動体P4300が、例えば、図359及び図363(a)に示すように右方に移動制御される。
また、上記第2のモータP4260を、上記した移動制御と逆回転となるように駆動させれば、可動体P4300は、図360及び図363(b)に示すように、左方に移動制御される。このように、演出位置においては、可動体P4300を左右方向に移動制御可能となる。
上述のように、演出位置における可動体P4300を左右方向に移動制御する際には、可動体P4300の当接部P4342は、規制手段P4420における第1の範囲R1を左右方向に移動する。なお、可動体P4300は、当接部P4342が左右の第1の壁部P4421に接触しないように左右方向に移動制御される。なお、規制手段P4420は、可動体P4300の上下方向の可動範囲全てにわたって、可動体P4300左右方向の移動が所定の範囲内となるように規制するように構成してもよい。例えば、可動体P4300が演出位置のどの場所に存在していたとしても、可動体P4300の左右方向への移動が第1の壁部P4421によって第1の範囲R1内に制限されるような形状に規制手段P4420を形成してもよい。また規制する範囲は可動体P4300が位置する場所によって異なる範囲となるようにしてもよい。
次に、演出位置とされた可動体P4300を待機位置とする移動制御について説明する。なお、以下の例では、図360及び図363(b)に示すように、演出位置において左方に移動制御された可動体P4300を待機位置へ移動制御する。
本実施形態では、図361及び図364に示すように、演出位置とされた可動体P4300を待機位置とする際に、可動体P4300を斜め下方に移動させる構成としている。この際には、左右移動制御機構P4200による右方への移動制御と、昇降移動制御機構P4100による下方への移動制御と、を同時に行う。
上述のように、可動体P4300を斜め下方に移動制御する際には、可動体P4300の当接部P4342は、規制手段P4420における第3の範囲R3を斜め下方に移動する。なお、可動体P4300は、当接部P4342が左右の第3の壁部P4423に接触しないように移動制御される。
上述のように、可動体P4300を斜め下方に移動させることで、可動体P4300を開口領域1dの左右方向略中央部分に位置させることができる。次に、可動体P4300は、昇降移動制御機構P4100により、待機位置となるように下方に移動制御される。
上述のように、可動体P4300を下方に移動制御する際には、可動体P4300の当接部P4342は、規制手段P4420における第2の範囲R2を下方に移動する。
上述の如き演出装置P4000によれば、可動体P4300が左右方向に移動可能な範囲を、規制手段P4420を構成する左右の壁部(第1の壁部P4421、第2の壁部P4422及び第3の壁部P4423)の間の範囲(第1の範囲R1、第2の範囲R2及び第3の範囲R3)に制限することができる。これにより、遊技機に衝撃が加わったり可動体P4300に外力が加わった場合でも、規制手段P4420により、可動体P4300の左右方向の移動を所定の範囲内に制限することができ、可動体P4300が遊技盤P1100の他の部材に接触することを防止できる。
また、規制手段P4420における第1の範囲R1の幅よりも第2の範囲R2の幅を狭くしている。これにより、可動体P4300を待機位置に位置させた状態では、比較的狭い範囲内に可動体P4300の移動を規制することで、規制手段P4420の周囲において他の部材の配置スペースを確保することができると共に、演出位置では可動体P4300の左右方向へ移動可能な範囲を広くすることで、演出態様を多彩にできる。
また、規制手段P4420第3の壁部P4423を曲面形状としているので、第3の壁部P4423の内面と第2の壁部P4422の内面とを角が形成されないように連続させることができる。これにより、可動体P4300が演出位置と待機位置との間を移動する際に、遊技機に衝撃が加わったり可動体P4300に外力が加わり、可動体P4300の当接部P4342が第3の壁部P4423と当接した場合に、当該可動体P4300の移動を第3の壁部P4423によりスムーズにガイドすることができる。また、本実施形態では、第3の壁部P4423を、第3の範囲R3の左右方向中央に向かって凸となる円弧形状としている。これにより、第3の壁部P4423の外側において、他の部材の配置スペースを比較的広く確保することができる。
また、可動体P4300の当接部P4342は、当該可動体P4300のガイド部P4324と重ならない位置(ガイド部P4324よりも左右方向(左方側)にずれた位置)に配置されている。これにより、当接部P4342とガイド部P4324が重なって可動体P4300の厚みが増してしまい、前後方向(奥行方向)に余分な移動スペースが必要になるようなことがなくなり、そのスペースに他の部材を配置することができる。また、当接部P4342と規制手段P4420が当接したときの衝撃がガイド部P4324に直接加わることがなくなるので、ガイド部P4324が破損したり、ガイド部P4324とベルトP4274との係合に不具合が生じることを防止できる。
以上の実施形態に基づき、本発明の概要を以下に列挙する。
従来、移動可能に構成された役物(可動体)を備える遊技機の技術は公知となっている。例えば、特開2010-11934号公報に記載の如くである。
特開2010-11934号公報には、可動役物と、当該可動役物を収容可能な箱状の役物収容ケースと、を備え、可動役物を役物収容ケース内に収容可能な遊技機が開示されている。
しかしながら、このような遊技機においては、遊技機に衝撃が加わったり可動役物に外力が加わった場合などに、役物収容ケースや他の遊技部材等に接触して破損してしまう恐れがあった。
本発明は以上の如き状況に鑑みてなされたものであり、可動体が他の部材に接触することを防止することができる遊技機を提供することを目的とする。
以上の如く、本実施形態に係る遊技機は、
待機位置と演出位置とを移動可能な可動体P4300と、
前記可動体P4300を移動制御可能な移動制御機構P4010と、
前記可動体P4300の移動を規制する規制手段P4420と、
を備えた遊技機であって、
前記可動体P4300は、前記待機位置から前記演出位置への移動方向である上下方向(第1の方向)、及び、前記演出位置において前記上下方向とは異なる左右方向(第2の方向)、に移動可能であり、
前記可動体P4300は、前記規制手段P4420と当接可能な当接部P4342を有し、
前記規制手段P4420は、前記当接部P4342と当接することで、前記可動体P4300が前記左右方向へ移動することが可能な距離を所定の範囲内に制限するものであり、
前記所定の範囲は、前記可動体P4300が前記演出位置から前記待機位置に移動するのに伴って狭くなるものである。
このような構成により、可動体P4300が他の部材に接触することを防止することができる。すなわち、遊技機に衝撃が加わったり可動体P4300に外力が加わった場合でも、規制手段P4420により、可動体P4300の左右方向の移動を所定の範囲内に制限することができ、可動体P4300が遊技盤P1100の他の部材に接触することを防止できる。
また、規制手段P4420における第1の範囲R1の幅よりも第2の範囲R2の幅を狭くしている。これにより、可動体P4300を待機位置に位置させた状態では、比較的狭い範囲内に可動体P4300の移動を規制することで、規制手段P4420の周囲において他の部材の配置スペースを確保することができると共に、演出位置では可動体P4300の左右方向へ移動可能な範囲を広くすることで、演出態様を多彩にできる。
以上の実施形態に基づき、本発明の概要を以下に列挙する。
従来、移動可能に構成された役物(可動体)を備える遊技機の技術は公知となっている。例えば、特開2010-11934号公報に記載の如くである。
特開2010-11934号公報には、可動役物と、当該可動役物を収容可能な箱状の役物収容ケースと、を備え、可動役物を役物収容ケース内に収容可能な遊技機が開示されている。
しかしながら、このような遊技機においては、遊技機に衝撃が加わったり可動役物に外力が加わった場合などに、役物収容ケースや他の遊技部材等に接触して破損してしまう恐れがあった。
本発明は以上の如き状況に鑑みてなされたものであり、可動体が他の部材に接触することを防止することができる遊技機を提供することを目的とする。
以上の如く、本実施形態に係る遊技機は、
待機位置と演出位置とを移動可能な可動体P4300と、
前記可動体P4300を移動制御可能な移動制御機構P4010と、
前記可動体P4300の移動を規制する規制手段P4420と、
を備えた遊技機であって、
前記移動制御機構P4010は、
前記可動体P4300を上下方向に移動制御することにより、前記待機位置から前記演出位置に移動制御可能な昇降移動制御機構P4100(第1の移動制御手段)と、
前記可動体P4300を左右方向に移動制御可能な左右移動制御機構P4200(第2の移動制御手段)と、
を含み、
前記可動体P4300は、前記規制手段P4420と当接可能な当接部P4342を有し、
前記規制手段P4420は、前記当接部P4342と当接することで前記可動体P4300の左右方向の移動を制限可能であり、前記待機位置よりも前記演出位置寄りに形成され、前記可動体P4300の左右方向の移動を第1の範囲R1内に制限可能な第1の壁部P4421と、前記演出位置よりも前記待機位置寄りに形成され、前記可動体P4300の左右方向の移動を前記第1の範囲R1よりも左右方向の幅が小さい第2の範囲R2内に制限可能な第2の壁部P4422と、前記第1の壁部P4421と前記第2の壁部P4422とに連続する曲面を有する第3の壁部P4423と、を有するものである。
このような構成により、可動体P4300が他の部材に接触することを防止することができる。すなわち、遊技機に衝撃が加わったり可動体P4300に外力が加わった場合でも、規制手段P4420により、可動体P4300の左右方向の移動を所定の範囲内に制限することができ、可動体P4300が遊技盤P1100の他の部材に接触することを防止できる。
また、第3の壁部P4423を曲面形状としたことで、第3の壁部P4423の内面と第2の壁部P4422の内面とを角が形成されないように連続させることができる。これにより、可動体P4300が演出位置と待機位置との間を移動する際に、遊技機に衝撃が加わったり可動体P4300に外力が加わり、可動体P4300の当接部P4342が第3の壁部P4423と当接した場合に、当該可動体P4300の移動を第3の壁部P4423によりスムーズにガイドすることができる。
以上の実施形態に基づき、本発明の概要を以下に列挙する。
従来、移動可能に構成された役物(可動体)を備える遊技機の技術は公知となっている。例えば、特開2010-11934号公報に記載の如くである。
特開2010-11934号公報には、可動役物と、当該可動役物を収容可能な箱状の役物収容ケースと、を備え、可動役物を役物収容ケース内に収容可能な遊技機が開示されている。
しかしながら、このような遊技機においては、遊技機に衝撃が加わったり可動役物に外力が加わった場合などに、役物収容ケースや他の遊技部材等に接触して破損してしまう恐れがあった。
本発明は以上の如き状況に鑑みてなされたものであり、可動体が他の部材に接触することを防止することができる遊技機を提供することを目的とする。
以上の如く、本実施形態に係る遊技機は、
待機位置と演出位置とを移動可能な可動体P4300と、
前記可動体P4300を移動制御可能な移動制御機構P4010と、
前記可動体P4300の移動を規制する規制手段P4420と、
を備えた遊技機であって、
前記移動制御機構P4010は、
前記可動体P4300を上下方向(第1の方向)に移動制御することにより、前記待機位置から前記演出位置に移動制御可能な昇降移動制御機構P4100(第1の移動制御手段)と、
前記可動体P4300を前記昇降移動制御機構P4100による移動制御の方向とは異なる左右方向(第2の方向)に移動制御可能な左右移動制御機構P4200(第2の移動制御手段)と、を含み、
前記可動体P4300は、前記規制手段P4420と当接可能な当接部P4342と、前記左右方向に案内されるためのガイド部P4324と、を有し、
前記規制手段P4420は、前記当接部P4342と当接することで、前記可動体P4300が前記左右方向へ移動することが可能な距離を所定の範囲内に制限するものであり、
前記当接部P4342は、前記可動体P4300において、前記ガイド部P4324と重ならない位置に設けられるものである。
このような構成により、可動体P4300が他の部材に接触することを防止することができる。すなわち、遊技機に衝撃が加わったり可動体P4300に外力が加わった場合でも、規制手段P4420により、可動体P4300の左右方向の移動を所定の範囲内に制限することができ、可動体P4300が遊技盤P1100の他の部材に接触することを防止できる。
また、可動体P4300が移動可能な範囲を確保可能であると共に、可動体P4300が待機位置に位置した状態で、ガイド部P4324よりも下方側の空間を有効に利用することができる。すなわち、当接部P4342及び規制手段P4420を、ガイド部P4324と重ならない位置(ガイド部P4324に対して左右方向にずれた位置)に設けたことで、奥行方向に不必要な移動スペースを設ける必要がなくなり、他の部材を配置することができる。
なお、昇降移動制御機構P4100は、第1の移動制御手段の一形態である。
また、左右移動制御機構P4200は、第2の移動制御手段の一形態である。
以上、本発明の第一実施形態を説明したが、本発明は上記構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で種々の変更が可能である。
例えば、昇降移動制御機構P4100による移動制御及び左右移動制御機構P4200による移動制御は、上述した態様に限られない。例えば、各移動制御の順番を適宜、入れ替えてもよい。
また、本実施形態では、可動体P4300を、上下方向及び左右方向に移動制御するものとしたが、このような態様に限られない。例えば、可動体P4300を斜め方向に移動制御可能なものとしてもよく、可動体P4300を移動制御する方向は、種々の方向を採用可能である。
また、本実施形態では、可動体P4300を戦闘機を模したものとしたが、可動体P4300の形状としてはこのような態様に限られず、種々の形状を採用可能である。