JP7425734B2 - 2’-デオキシヌクレオシドを製造するための立体選択的合成およびプロセス - Google Patents

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Description

関連出願の引用
本出願は、2018年2月1日出願の米国仮特許出願第62/624,967号(これは、その全体において本明細書に参考として援用される)の早い方の出願日の利益を主張する。
分野
2’-デオキシヌクレオシドを立体選択的に合成するための方法の実施形態が開示される。
背景
2’-デオキシ-β-ペントフラノシルヌクレオシドの立体選択的合成の開発は、非常に密接に関連したシステムからの既知の化学物質の適用が、しばしば制限された成功に遭遇するという課題の経験的な性質に起因して、難題である。2’-デオキシ-β-ペントチオフラノシルヌクレオシドの立体選択的合成は、ペントフラノシルチオグリコシドとペントチオフラノシルチオグリコシドとの間の化学当量の欠如によって複雑である。そのペントチオフラノシルチオグリコシドが、erythroまたはD配置を与えるように3’αヒドロキシル,4’βヒドロキシメチルを有する場合に、さらにより大きな難題が生じる。
Sugimuraは、チオグリコシドとシリル化複素環式塩基とのN-ブロモスクシンイミド(NBS)で促進されるカップリング反応による2’-デオキシ-β-threo-ペントフラノシルヌクレオシドの立体選択的合成のための方法を開示する(J.Org.Chem.1994,59:7653-7660)。Sugimuraは、β-アノマーが、threo-ペントフラノ-1-チオグリコシド5a-fをNBS(DCM)の存在下でチミンとカップリングする場合に優先的に合成されて、2’-デオキシ-β-threo-ペントフラノシルヌクレオシド6a-fを与えることを報告する:
Figure 0007425734000001
Sugimuraは、-SPh基の最初の配向に拘わらず、NBSが、中間体(D)を出発化合物で形成するために立体的に好都合である(この中間体は、ペルシリル化チミンと反応して、そのβヌクレオシドを与える(第7655頁))という仮説を唱える。
Figure 0007425734000002
Sugimuraは、そのケタールまたはアセタール保護されたチオグリコシドの反応の間に観察される高いジアステレオ選択性が、立体反発力に伴う固定されたコンホメーションに起因し、その中間体Dの形成およびそのβ-ヌクレオシドを与えるためのシリル化チミン誘導体とのその後の反応をもたらすことを提唱する(第7655頁)。Sugimuraは、二環式ケタール保護されたthreo-チオグリコシドが中間体Dのコンホメーションの偏りを増強して、非常に高レベルのジアステレオ選択性を、塩基付加工程において生じてその所望のβアノマーを提供することをさらに開示する(第7654頁)。
他の研究者らは、3’αヒドロキシル,4’βヒドロキシメチル(erythro)配置を有する2’-デオキシリボシドが、立体選択性なしにシリル化塩基とカップリングすることを決定した。例えば、Wilson(Nitrogen Glycosylation Reactions Involving Pyrimidine and Purine Nucleoside Bases 1995,1465-1479)は、1-フェニルチオ基およびNBSの使用が、Sugimuraによって示唆されるとおり、3’α,4’β配置を有する2’-デオキシリボシドにおいて立体選択性を提供せず、2:1のα:β比を生じることを発見した(第1475~1476頁)。Wilsonは、立体選択性の欠如がオキソニウム中間体の形成に原因があり、それによって、α-フェニルチオ基の立体特異性を失うとしている(第1476頁)。
Sugimura,J.Org.Chem.1994,59:7653-7660 Wilson,Nitrogen Glycosylation Reactions Involving Pyrimidine and Purine Nucleoside Bases 1995,1465-1479
要旨
2’-デオキシヌクレオシド(例えば、2’-リボヌクレオシド)を立体選択的に合成し、製造するための方法が、開示される。いくつかの実施形態において、上記2’-デオキシリボヌクレオシドは、そのerythroまたはD配置に相当する3’αヒドロキシルおよび4’βヒドロキシメチルを有する2’-デオキシヌクレオシドのβ-アノマーである。
ある種の実施形態において、ヌクレオシドのβ-アノマーを立体選択的に合成するための方法は、式I:
Figure 0007425734000003
に従う構造および立体化学を有する化合物を提供する工程であって、ここでRは、必要に応じて置換された-(CH-アリール、または-(CH-アルキルであり、ここでnは、0、1、または2であり;そしてRは、式-Si(R)(R)-O-Si(R)(R)-を有する保護基であり、ここで各RおよびRは独立して、アルキル、シクロアルキル、またはアリールである工程を包含する。上記方法は、上記式Iに従う化合物と、ハロゲン化薬剤(例えば、N-ブロモスクシンイミド)およびシリル化ピリミジンとを、保護されたピリミジンベースのヌクレオシドのα-アノマーおよびβ-アノマーの混合物を生成するために有効な反応条件下で合わせる工程、上記保護されたヌクレオシドのβ-アノマーを、上記α-アノマーから分離する工程、ならびに上記保護基を、上記保護されたピリミジンベースのヌクレオシドの上記β-アノマーから除去して、ピリミジンベースのヌクレオシドのβ-アノマーを提供する工程をさらに包含する。前述の実施形態のうちのいずれかまたは全てにおいて、上記方法によって提供されるα-アノマーおよびβ-アノマーの混合物は、少なくとも2:1のβ/α質量比を有し得る。
前述の実施形態において、Rは、式-Si(R)(R)-O-Si(R)(R)-を有する保護基である。いくつかの実施形態において、RおよびRは独立して、C-Cアルキル、シクロアルキル、またはフェニルである。RおよびRは、同じであっても異なっていてもよい。ある種の例では、Rは、-Si(CH(CH-O-Si(CH(CH-、-Si(CH-O-Si(CH-、または-Si(C-O-Si(C-である。
上記の実施形態のうちのいずれかまたは全てにおいて、Rは、アリールまたは-(CH-アリールであり得、ここで上記アリールは、アルキル、アルコキシ、またはハロで必要に応じて置換されており、n=0または1である。いくつかの例では、Rは、
Figure 0007425734000004
である。
上記の実施形態のうちのいずれかまたは全てにおいて、上記ピリミジンベースのヌクレオシドのβ-アノマーは、一般構造:
Figure 0007425734000005
を有し、ここでYは、N、C(H)、C(CH)またはC(X)であり、ここでXは、ハロである。ある種の例では、上記ピリミジンベースのヌクレオシドの上記β-アノマーは、
Figure 0007425734000006
である。
本発明の前述および他の目的、特徴、および利点は、添付の図面を参照しながら進んでいく、以下の詳細な説明からより明らかになる。
図1は、2’-デオキシヌクレオシドを作製するための例示的合成スキームである。
図2は、チオ糖を作製するための例示的合成スキームである。
図3は、4-オクチルオキシフェニルメタンチオールを作製するための例示的合成スキームである。
図4は、5-アザ-4’-チオ-2’-デオキシシチジン(5-アザ-T-dCyd)を作製するための経路を示す先行技術の合成スキームである。
図5は、5-アザ-T-dCydを作製するための別の経路を示す合成スキームである。
図6は、本明細書で開示される方法に従って合成されるいくつかの2’-デオキシヌクレオシドのデータを提供する。
図7は、5-アザ-T-dCydを作製するための、本開示に従う例示的合成スキームである。
詳細な説明
2’-デオキシヌクレオシド(例えば、2’-デオキシリボヌクレオシド)を製造するための立体選択的合成およびプロセスの実施形態が開示される。いくつかの実施形態において、そのプロセスは、少なくとも2:1のβ-アノマー対α-アノマー質量比を提供する。有利なことには、そのアノマーは、高価かつ困難なプロセス(例えば、超臨界流体クロマトグラフィー)を使用せずに分離され得る。その開示されるプロセスの実施形態は、数グラム量の2’-デオキシリボヌクレオシドを合成するために有用である。いくつかの実施形態において、その2’-デオキシリボヌクレオシドは、2’-デオキシ-β-erythro-ペントチオフラノシルヌクレオシドである。その開示される2’-デオキシ-β-erythro-ペントチオフラノシルヌクレオシドのいくつかの実施形態は、抗がん剤として有用である。例えば、4’-チオ-2’-デオキシシチジン(T-dCyd; 4-アミノ-1-((2R,4S,5R)-4-ヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロチオフェン-2-イル)ピリミジン-2(1H)-オン)および5-アザ-4’-チオ-2’-デオキシシチジン(5-アザ-T-dCyd; アザ-T-dCyd; アザ-T-dC; 4-アミノ-1-((2R,4S,5R)-4-ヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロチオフェン-2-イル)-1,3,5-トリアジン-2(1H)-オン)(4-amino-1-((2R,4S,5R)-4-hydroxy-5-(hydroxymethyl)tetrahydrothiophen-2-yl)-1,3,5-trazin-2(1H)-one)のβ-アノマーは、DNAメチルトランスフェラーゼI(DNMT1)を枯渇させ、それによって、腫瘍増殖を阻害することが示されるヌクレオシドである(Tholtassery et al.,Cancer Chemother Pharmacol.2014,74(2):291-302)。
I.定義および略語
用語および略語の以下の説明は、本開示をよりよく記載しかつ本開示の実施において当業者をガイドするために提供される。本明細書で使用される場合、「含む、包含する(comprising)」は、「含む、包含する、が挙げられる(including)」を意味し、単数形「1つの、ある(a)」または「1つの、ある(an)」または「上記、この、その(the)」は、状況が別段明確に規定しなければ、複数形への言及を包含する。用語「または(or)」とは、状況が別段明確に示さなければ、述べられた代替の要素の単一の要素または2もしくはこれより多くの要素の組み合わせに言及する。
別段説明されなければ、本明細書で使用される全ての技術用語および科学用語は、本開示が属する分野の当業者に一般に理解されるものと同じ意味を有する。本明細書に記載されるものに類似または等価な方法および材料は、本開示の実施または試験において使用され得るが、適切な方法および材料は、以下に記載される。その材料、方法および例は、例証に過ぎず、限定であるとは意図されない。本開示の他の特徴は、以下の詳細な説明および請求項から明らかである。
別段示されなければ、構成要素の量、分子量、パーセンテージ、温度、時間などを表す全ての数字は、本明細書または請求項において使用される場合、用語「約(about)」によって修飾されていると理解されるべきである。よって、別段暗示的にも明示的にも示されなければ、または状況がより最終的な構築物を有すると当業者によって適切に理解されなければ、示される数値パラメーターは、求められる所望の特性および/または当業者公知のとおりの標準的試験条件/方法の下での検出限界に依存し得る近似値である。考察される先行技術から実施形態を直接的かつ明示的に区別する場合に、その実施形態の数字は、文言「約」が記載されていなければ、近似値ではない。
本明細書で示される種々の構成要素、パラメーター、作業条件などに対する代替手段は存在するが、それら代替手段が必ずしも等価であることを意味しない、および/または等しく十分に機能することを意味しない。別段述べられなければ、その代替手段が好ましい順に列挙されることを意味するものでもない。
化学における一般用語の定義は、Richard J.Lewis,Sr.(編),Hawley’s Condensed Chemical Dictionary,発行:John Wiley & Sons,Inc.,1997(ISBN 0-471-29205-2)に見出され得る。本開示の種々の実施形態の検討を容易にするために、具体的用語の以下の説明が提供される。
アルキル(alkyl): 飽和炭素鎖を有する炭化水素基。その鎖は、環式であっても、分枝状であっても、非分枝状であってもよい。アルキル基の例としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニルおよびデシルが挙げられるが、これらに限定されない。
アルコキシ(alkoxy): 構造-OR(ここでRは、置換されたまたは置換されていないアルキルである)を有するラジカル(または置換基)。メトキシ(-OCH)は、例示的なアルコキシ基である。置換されたアルコキシでは、Rは、干渉しない置換基で置換されたアルキルである。
アノマー(anomer): 環式サッカリドにおいて存在するエピマー(1個のみのキラル炭素で異なる配置を有する異性体)。
アリール(aryl): 別段特定されなければ6~15個の炭素原子の、一価の芳香族炭素環式基であって、1個の環(例えば、フェニル)、または少なくとも1個の環が芳香族であるが、ただし、その結合点は、そのアリール基の芳香族部分の原子を通じてのものであり、その結合点における芳香族部分は、その芳香環における炭素のみを含む、多数の縮合した環(例えば、キノリン、インドール、ベンゾジオキソールなど)を有するもの。任意の芳香環部分がヘテロ原子を含む場合、その基は、ヘテロアリールであり、アリールではない。アリール基は、単環式、二環式、三環式または四環式である。
シクロアルキル(cycloalkyl): 3~7個の環炭素の一価の飽和環式炭化水素ラジカル(例えば、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルなど)。
ジアステレオマー(diastereomer): 立体中心のうちの1またはこれより多くにおいて異なる配置を有し、互いに鏡像でない、2個またはこれより多くの不斉炭素を含む光学的に活性な異性体:
Figure 0007425734000007
ヌクレオシド(nucleoside): d-リボース(リボシドを形成する)またはd-デオキシリボース(デオキシリボシドを形成する)のいずれかに連結されたプリン塩基またはピリミジン塩基を含む化合物。ヌクレオシドは、リン基のないヌクレオチドである。
保護基(protecting group)または保護基(protective group): 有機化合物を合成するために、しばしば、いくつかの特定の官能基は、その必要とされる試薬または化学的環境に耐えて残存することができない。これらの基は、保護されなければならない。保護基は、その後の化学反応において化学選択性を得るために、官能基の化学修飾によって分子へと導入される。種々の例示的な保護基は、Peter G.M.Wuts and Theodora W.GreeneによるGreene’s Protective Groups in Organic Synthesis(2006年10月30日)(これは本明細書に参考として援用される)に開示される。保護基を含む化合物は、保護されている(protected)といわれる。
プリン(purine): イミダゾール環に縮合したピリミジン環を含む複素環式芳香族有機化合物。ヌクレオシド中に見出される天然に存在するプリンとしては、アデニンおよびグアニンが挙げられる。
Figure 0007425734000008
ピリミジン(pyrimidine): 一般式Cを有し、環の中の1位および3位に窒素原子を有する複素環式芳香族有機化合物。ヌクレオシド中に見出される天然に存在するピリミジンとしては、シトシン、チミン、およびウラシルが挙げられる。
Figure 0007425734000009
シリル(silyl): 異なる官能基に結合したケイ素原子を含み、代表的には、式:
Figure 0007425734000010
を有する官能基(ここでR~Rは独立して、例えば、水素、脂肪族、置換された脂肪族、環式脂肪族、置換された環式脂肪族、アリール、置換されたアリール、ヘテロアリール、および置換されたヘテロアリールを含む種々の基から選択される)。本明細書で使用される場合、用語「シリル化され(silylated)」は、ピリミジン、トリアジン、またはプリン上の1またはこれより多くのアミノまたは酸素置換基がシリル基で保護されることを意味する。
立体化学(stereochemistry): 分子の三次元空間配置。
立体異性体(stereoisomer): 同じ分子式および結合した原子の順番を有するが、空間におけるその原子の三次元配向においてのみ異なる異性体。
立体選択的合成(stereoselective synthesis): 一方の立体異性体を、もう一方より優先的に形成する合成。
置換基(substituent): 反応の結果として分子において別の原子と置き換わる、原子または原子団。用語「置換基」とは、代表的には、親の炭化水素鎖または環上で1個の水素原子と、またはその置換基が二重結合を介して結合される場合には2個の水素原子と置き換わる、原子もしくは原子団をいう。用語「置換基」は、その分子に対する多数の結合点を有する原子団をも網羅し得る。例えば、その置換基は、親の炭化水素鎖または環上で2個またはこれより多くの水素原子と置き換わり得る。このような場合には、その置換基は、別段特定されなければ、その親の炭化水素鎖または環に対して任意の空間的配向において結合され得る。例示的な置換基としては、例えば、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルキルアミノ、アルキルチオ、アシル、アルデヒド、アミド、アミノ、アミノアルキル、アリール、アリールアルキル、アリールアミノ、カーボネート、カルボキシル、シアノ、シクロアルキル、ジアルキルアミノ、ハロ、ハロ脂肪族(例えば、ハロアルキル)、ハロアルコキシ、ヘテロ脂肪族、ヘテロアリール、ヘテロシクロ脂肪族、ヒドロキシル、オキソ、スルホンアミド、スルフヒドリル、チオ、およびチオアルコキシ基が挙げられる。
置換された(substituted): アリールもしくは脂肪族化合物、またはこれらのラジカルのような、これらに対して1個またはこれより多くの置換基が連結されている基礎化合物(各々の置換基は代表的には、その基礎化合物上の水素原子と置き換わる)。単に例示であって限定ではなく、置換されたアリール化合物は、そのアリールの基本の閉じた環に連結した脂肪族基(例えば、トルエンに伴う)を有し得る。同様に単に例示であって限定ではなく、長鎖炭化水素は、これに結合したヒドロキシル基を有し得る。
トリアジン(triazine): 窒素含有芳香族複素環の1クラス。置換されていないトリアジンは、一般式Cを有し、3種の異性体形態 - 1,2,3-トリアジン、1,2,4-トリアジン、および1,3,5-トリアジンで存在する。最も一般的な異性体は、1,3,5-トリアジンである。
II.立体選択的合成
3’αヒドロキシル,4’βヒドロキシメチル(D、erythro)配置を有する2’-デオキシ-リボヌクレオシドのβ-アノマーを立体選択的に合成する方法の実施形態が、開示される。その方法は、式I:
Figure 0007425734000011
に従う構造および立体化学を有する化合物を提供する工程であって、ここでZは、SまたはOであり;Rは、必要に応じて置換されたアリール、-(CH-アリール、-アルキル、または-(CH-アルキルであり、ここでnは0または1であり;Rは、式-Si(R)(R)-O-Si(R)(R)-または-Si(R)(R)-を有する保護基であり、ここで各RおよびRは独立して、アルキル、シクロアルキル、またはアリールである工程;その式Iに従う化合物と、N-ブロモスクシンイミドおよびシリル化ピリミジン、トリアジン、またはプリンとを、保護されたピリミジンベースの、トリアジンベースの、またはプリンベースのヌクレオシドのα-アノマーおよびβ-アノマーの混合物を生成するために有効な反応条件下で合わせる工程;その保護されたヌクレオシドのβ-アノマーを、そのα-アノマーから分離する工程;ならびにその保護基を、その保護されたヌクレオシドのβ-アノマーから除去して、ピリミジンベースの、トリアジンベースの、またはプリンベースのヌクレオシドのβ-アノマーを提供する工程を包含する。いくつかの実施形態において、ZはSである。
は、必要に応じて置換された-(CH-アリールまたは-(CH-アルキルであり、ここでnは、0、1、または2である。いくつかの実施形態において、Rは、-(CH-アリールであり、ここでnは0または1であり、そのアリールは、アルキル、アルコキシ、またはハロで必要に応じて置換される。そのアルキルまたはアルコキシ置換基は、1~10個の炭素原子を含み得る。ある種の実施形態において、Rのアリール部分は、フェニル基である。R基の非限定的な例としては、以下が挙げられる:
Figure 0007425734000012
上記の実施形態のうちのいずれかまたは全てにおいて、Rは保護基である。いくつかの実施形態において、Rは、式-Si(R)(R)-O-Si(R)(R)-または-Si(R)(R)-を有し、ここで各RおよびRは独立して、アルキル、シクロアルキル、またはアリールである。Rは、これが結合される原子と一緒になって、8員または6員のシリル環(silylcycle)を形成する。いくつかの実施形態において、Rは、これが結合される原子と一緒になって、8員のシリル環を形成する。前述の実施形態のうちのいずれかにおいて、RおよびRは独立して、C-Cアルキル(例えば、メチル、エチル、イソプロピル、t-ブチル)、C-Cシクロアルキル(例えば、シクロペンチル)、またはフェニルであり得る。いくつかの実施形態において、RおよびRは、同じである。適切なR基としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:-Si(CH(CH-O-Si(CH(CH-、-Si(CH-O-Si(CH-、-Si(C-O-Si(C-、-Si(CH(CH-、-Si(CH-、および-Si(C-。いくつかの実施形態において、そのR基は、-Si(CH(CH-O-Si(CH(CH-、-Si(CH-O-Si(CH-、または-Si(C-O-Si(C-である。
式Iに従う例示的な化合物は、表1に示される。
Figure 0007425734000013
その式Iに従う化合物は、ハロゲン化薬剤およびシリル化ピリミジン、トリアジン、またはプリンと、保護されたピリミジンベースの、トリアジンベースの、またはプリンベースのヌクレオシドのα-アノマーおよびβ-アノマーの混合物を生成するために有効な反応条件下で合わせられる。適切なハロゲン化薬剤としては、臭素化薬剤(例えば、N-ブロモスクシンイミド、ピリジニウムブロミド、N-ブロモフタルイミドなど)が挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態において、そのハロゲン化薬剤は、N-ブロモスクシンイミドである。
いくつかの実施形態において、保護されたピリミジンベースの、トリアジンベースの、またはプリンベースのヌクレオシドのα-アノマーおよびβ-アノマーの混合物を生成するために有効な反応条件は、シリル化ピリミジン、トリアジン、またはプリンを適切な溶媒に溶解させる工程、その式Iに従う化合物を添加する工程、および完全に混合する工程を包含する。いくつかの実施形態において、そのシリル化ピリミジン、トリアジン、またはプリンは、その式Iに従う化合物を添加する前に、インサイチュでシリル化される。有利なことには、その式Iに従う化合物は、制限反応物であり、モル過剰のシリル化ピリミジン、トリアジン、またはプリンが使用される。モレキュラーシーブ(例えば、4Å)が含まれ得る。いくつかの実施形態において、その溶媒は、非極性または実質的に非極性である。適切な溶媒としては、ジクロロメタン、ベンゼン、四塩化炭素などが挙げられるが、これらに限定されない。ある種の実施形態において、その溶媒は、ジクロロメタンであった。混合する工程は、周囲温度を下回る温度(例えば、-10~10℃の温度)で10~60分間(例えば、10~30分間)行われ得る。ある種の実施形態において、混合する工程は、0℃で行われる。完全な混合後に、NBSが添加される。NBSのモル量は、その式Iに従う化合物のモルに少なくとも等しい。いくつかの実施形態において、NBSのモル量は、その式Iに従う化合物に対して1~1.5当量である。その反応は、シリル化ピリミジン、トリアジン、またはプリンを、その式Iに従う化合物にカップリングし、保護されたピリミジンベースのまたはプリンベースのヌクレオシドのα-アノマーおよびβ-アノマーの混合物を生成するために有効な時間にわたって進められる。その有効な時間は、30分~数時間(例えば、30分~3時間、30分~2時間、または30~90分)の範囲に及び得る。いくつかの実施形態において、その反応時間は、1時間であった。その反応は、周囲温度を下回る温度(例えば、-10~10℃の温度)で行われ得る。ある種の例では、その温度は、0℃であった。その反応は、例えば、チオ硫酸ナトリウムを添加することによってクエンチされる。上記の実施形態のうちのいずれかまたは全てにおいて、そのα-アノマーおよびβ-アノマーを含む有機層は、例えば、ジクロロメタンで分離および抽出され得る。その有機相を、硫酸マグネシウムで乾燥させて、微量の水を除去し得、濾過し、濃縮して、そのα-アノマーおよびβ-アノマーを含む粗製生成物を提供し得る。上記の実施形態のうちのいずれかまたは全てにおいて、その粗製生成物は、少なくとも2:1のβ/αアノマー質量比を有し得る。いくつかの実施形態において、そのβ/αアノマー質量比は、2:1~10:1の範囲内(例えば、2:1~8:1、2:1~7:1、2:1~6:1、または2:1~5:1のβ/α質量比)である。
いくつかの実施形態において、その式Iに従う化合物が、シリル化ピリミジンまたはトリアジンと合わされる場合、その粗製生成物は、式IIまたはIIIに従う構造(ここでYはN、C(H)、C(CH)またはC(X)であり、ここでXは、ハロ(F、Cl、Br、またはI)であり;ZおよびRは、先に定義されたとおりである)を有する。ある種の実施形態において、ZはSである。
Figure 0007425734000014
いくつかの実施形態において、その式Iに従う化合物がシリル化プリンと合わされる場合、その粗製生成物は式IVまたはVに従う構造(ここでZおよびRは、先に定義されたとおりであり、Rは、HまたはNHであり、Rは、HまたはNHである)を有する。ある種の実施形態において、ZはSである。
Figure 0007425734000015
その保護されたヌクレオシドのα-アノマーおよびβ-アノマーは、純粋または実質的に純粋なβ-アノマーを提供するために分離される。有利なことには、分離は、超臨界流体クロマトグラフィーなしで行われ得る。実際に、そのアノマーは、カラムクロマトグラフィー(例えば、シリカゲルクロマトグラフィー)によって分離され得る。その溶離液は、例えば、ジクロロメタン中の酢酸エチルの勾配(例えば、ジクロロメタン中の酢酸エチルの0~100%(v/v)、10~80%(v/v)、20~70%(v/v)、または30~50%(v/v)の勾配)であり得る。いくつかの実施形態において、そのβ-アノマーが最初に溶離し、続いて、そのα-アノマーまたはβ-アノマーおよびα-アノマーの混合物が溶離する。最初に溶離するそのβ-アノマーは、純粋なβ-アノマーまたは実質的に純粋なβ-アノマー、すなわち、少なくとも90wt%純粋、少なくとも92wt%純粋、または少なくとも95wt%純粋であり得る。
最後に、そのシリル保護基(R)は、その保護されたピリミジンベースのまたはプリンベースのヌクレオシドのβ-アノマーから除去されて、ピリミジンベースの、トリアジンベースの、またはプリンベースのヌクレオシドのβ-アノマーを提供する。そのシリル保護基Rは、任意の適切な方法によって(例えば、フッ化物ベースの化合物との反応によって)除去され得る。いくつかの実施形態において、そのフッ化物ベースの化合物は、フッ化アンモニウムまたはテトラ-n-ブチルアンモニウムフルオリドである。ある種の実施形態において、そのフッ化物ベースの化合物は、フッ化アンモニウムである。前述の実施形態のうちのいずれかまたは全てにおいて、その脱保護反応は、無水溶媒(例えば、無水C-Cアルカノール(例えば、メタノール))中のその保護されたピリミジンベースのまたはプリンベースのヌクレオシドと、そのフッ化物ベースの化合物とを合わせ、その保護基を除去するために有効な条件下で反応させることによって行われ得る。有効な条件は、30~90℃の範囲内(例えば、40~80℃または50~70℃)の温度および/または30~4時間の反応時間(例えば、1~3時間の反応時間)を含み得る。その反応の完了は、従来の方法によって(例えば、薄層クロマトグラフィーによって)評価され得る。いくつかの例では、脱保護を、60℃において2~2.5時間の反応時間で行った。上記の実施形態のうちのいずれかまたは全てにおいて、その脱保護された化合物を、その後、濾過によって集め、洗浄し、濃縮して、そのピリミジンベースのまたはプリンベースのヌクレオシドのβ-アノマーを提供し得る。さらなる精製は、望ましい場合、例えば、フラッシュクロマトグラフィーによって行われ得る。いくつかの実施形態において、そのβ-アノマーは、式VI~IXのうちのいずれか1つに従う構造および立体化学を有する(ここでY、Z、R、およびRは、先に定義されたとおりである)。ある種の実施形態において、ZはSである。
Figure 0007425734000016
その開示される方法の実施形態によって調製されるβ-アノマーの2つの非限定的な例は、5-アザ-4’-チオ-2’-デオキシシチジン(5-アザ-T-dCyd)および4’-チオ-2’-デオキシシチジン(T-dCyd)である。
Figure 0007425734000017
式Iに従う化合物の実施形態は、化学合成の当業者に公知の方法によって調製される。簡潔には、式Iに従う化合物のいくつかの実施形態は、式X:
Figure 0007425734000018
に従う構造および立体化学を有するジオール化合物を提供し、その化合物と、ジハロ-ジシロキサン(例えば、式ClSi(R)(R)-O-Si(R)(R)Clを有するジクロロ-ジシロキサン)とを、その式Iに従う化合物を生成するために有効な反応条件下で反応させることによって調製される。R、R、およびRは、先に定義されたとおりである。有効な反応条件は、その式Xに従う化合物と、イミダゾールおよび溶媒(例えば、N,N-ジメチルホルムアミド)とを合わせる工程、その溶液を、周囲温度を下回る温度(例えば、-10~10℃の温度)に冷却する工程、およびそのジハロ-ジシロキサンを添加する工程を包含し得る。その反応は、さらに冷却する工程なしで、その式Iに従う化合物を生成するために有効な時間にわたって進められる。いくつかの実施形態において、その有効な時間は、1~数時間(例えば、1~24時間、4~20時間、または8~20時間)である。
スキーム1~3(図1~3)は、式Iに従う化合物(ここでRは、-CH-C-OC17である)を作製するための1つの例示的合成経路を示す。スキーム2(図2)は、チオ糖を作製するための例示的方法を図示する。4,4-ジエトキシブタ-1-エン(1)と、(Z)-ブタ-2-エン-1,4-ジイルジアセテートとの間の反応は、(E)-5,5-ジエトキシペンタ-2-エン-1-イルアセテート(2)を形成する。化合物2を炭酸カリウムと反応させて、(E)-5,5-ジエトキシペンタ-2-エン-1-オール(3)を形成する。化合物3をその後、そのエポキシド((2S,3S)-3-(2,2-ジエトキシエチル)オキシラン-2-イル)メタノール(4)へと変換する。4を、二硫化炭素、テトラヒドロフラン、およびナトリウムビス(トリメチルシリル)アミドで処理すると、(R)-4-((S)-3,3-ジエトキシ-1-ヒドロキシプロピル)-1,3-オキサチオラン-2-チオン(5)および(R)-4-((S)-3,3-ジエトキシ-1-((トリメチルシリル)オキシ)プロピル)-1,3-オキサチオラン-2-チオンが提供される。その(R)-4-((S)-3,3-ジエトキシ-1-((トリメチルシリル)オキシ)プロピル)-1,3-オキサチオラン-2-チオンを、ジシリル化して、さらなる化合物5を提供する。化合物5をイミダゾールおよびtert-ブチルクロロジフェニルシラン(TBDPS)で処理して、(R)-4-((S)-1-((tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ)-3,3-ジエトキシプロピル)-1,3-オキサチオラン-2-チオン(6)を形成する。化合物6を、炭酸カリウムと反応させて、tert-ブチル((S)-3,3-ジエトキシ-1-((S)-チイラン-2-イル)プロポキシ)ジフェニルシラン(7)を形成する。化合物7を、酢酸、酢酸無水物、および酢酸カリウム中での反応によって、((2R,3S)-3-((tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ)-5-エトキシテトラヒドロチオフェン-2-イル)メチルアセテート(8)に変換する。
4-オクチルオキシフェニルメタンチオールを合成するための1つの例示的な経路を、図3に示す。アセトニトリル中の4-ヒドロキシベンズアルデヒド、1-ブロモオクタン、および炭酸カリウムの混合物を還流し、その得られたアルデヒドを還元して、4-オクチルオキシフェニルメタノール(9)を形成する。化合物9をHClおよびアセトニトリルと反応させて、そのメチルクロリドを形成し、続いて、チオウレアおよびアセトニトリルと反応させる。水酸化ナトリウムとのその後の還流、続いて、HClへの添加は、4-オクチルオキシフェニルメタンチオール(10)を提供する。
化合物8および10をジクロロメタン中で合わせ、三フッ化ホウ素ジエチルエテラートを滴下により添加し、続いて、トリエチルアミンを添加して、((2R,3S)-3-((tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ)-5-((4-オクチルオキシベンジル)チオ)-テトラヒドロチオフェン-2-イル)メチルアセテート(11a)を形成する(スキーム1、図1)。化合物11aをテトラヒドロフランに添加し、水酸化リチウムの溶液と混合し、還流して、そのアセチル基およびシリル化した基を除去し、それによって、(4S,5R)-4-ヒドロキシ-5-ヒドロキシメチル-2-((4-(オクチルオキシ)ベンジル)チオ)-テトラヒドロチオフェン(12a)を形成する。そのジオールを、イミダゾールおよびN,N-ジメチルホルムアミドを含む溶液中での化合物12aと1,3-ジクロロ-1,1,3,3-テトライソプロピルジシロキサンとの反応によって保護して、(6aR,9aS)-2,2,4,4-テトライソプロピル-8-((4-(オクチルオキシ)ベンジル)チオ)テトラヒドロ-6H-チエノ[3,2-f][1,3,5,2,4]トリオキサジシロシン(13a)、式Iに従う化合物を提供する。式Iに従う他の化合物の合成を、以下に実施例において詳述する。
操作の特定の理論によって拘束されることは望まないが、そのジシロキサンがその3’αヒドロキシルおよび4’βヒドロキシメチル基と反応する場合に形成されるその8員のシリル環は、そのペントチオフラノシル環を平面配置に拘束する。緊密なイオン対がNBSと形成され、ここでそのスクシンイミジル基は、主にその式Iに従う化合物のα面と会合するようである。そのシリル化ピリミジン、トリアジン、またはプリンとのその後のカップリングは、その化合物のβ面で主に起こり、そのβ-アノマーの優先的な形成を伴う立体選択性をもたらす。この知見は、そのスクシンイミジル基とその平面のペントチオフラノシル環のα面との優先的な会合が推測可能でなく、β,β配置で起こる立体反発力の非存在下では予測外であったことから、非常に驚くべきことであった。
背景おいて考察したように、Sugimura(J.Org.Chem.1994,59:7653-7660)は、チオグリコシドとシリル化複素環式塩基とのNBS促進性カップリング反応による2’-デオキシ-β-threo-ペントフラノシルヌクレオシドの立体選択的合成を開示する。しかし、Sugimuraは、その方法が、チオフラノースで、ましてやerythro-チオフラノースで同様に立体選択的であることを教示も示唆もしていない。例えば、ヌクレオシドを生成するためのチオ糖の塩基カップリングは、概して、β-アノマーが望まれる場合に合成効率を大いに低減する、α-選択性を伴って進む。さらに、他の研究者ら、例えば、Wilson(Nitrogen Glycosylation Reactions Involving Pyrimidine and Purine Nucleoside Bases 1995,1465-1479)は、3’α,4’β配置を有する2’-デオキシリボシドが、NBSの存在下で立体選択性なしにシリル化塩基とカップリングすることを決定した。この結果は、驚くべきことではない。そのerythro-チオフラノースがそのSugimuraの中間体のコンホメーションをとることは不可能であり、そのフラノースのα,β配置は、環置換基が互いに密接した状態にあるSugimuraのβ,β配置と同じ立体反発力を提供できない。
にも拘わらず、本発明者らは、erythro-チオ-フラノチオグリコシドAおよびBを調製し、その化合物をSugimuraによって記載される反応条件に供した。
Figure 0007425734000019
Sugimuraの反応条件下では、出発物質が消費され、塩基付加生成物は単離されず、その単離された物質は、分解したerythro-チオ-フラノチオグリコシドであるようであった。その所望の生成物は全く得られなかった。
米国国立がん研究所の薬物合成・化学部門は、5-アザ-4’-チオ-2’-デオキシシチジン(5-アザ-T-dCyd)を調製するための合成経路を開発した。図4に示されるように、そのジオールを、1’位においてアセチル基を有する環式テトライソプロピルジシリルオキシ誘導体に変換し、次いでこれを5-アザシトシン(MeCN)と、トリメチルシリルトリフルオロメタンスルホネート(TMSOTf)、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)およびトリメチルシリルクロリド(TMSCl)の存在下でカップリングして、90%収率のα-異性体およびβ-異性体を、それぞれ、約5:3の比で得る。超臨界流体クロマトグラフィー(SFC)分離は、全体で25%収率において所望のβ-異性体を与えた。テトライソプロピルジシリルオキシ保護基の除去を、熱メタノール中のフッ化アンモニウムで達成して、5-アザ-T-dCydを得た。テトラブチルアンモニウムフルオリドでの最後の脱保護は、5-アザ-T-dCydを提供する(https://dtp.cancer.gov/organization/dscb/smchemistry/tdyd.htm(2015年6月17日更新))。別の代替の経路は、糖の1’位において4-オクチルオキシベンジルチオを有する5’-アセチル,3-t-ブチルジフェニルシリルオキシ(5’-acetyl,3-t-butyldphenylsilyloxy)保護したジオール(11a、図5)を利用した。11aとシリル化アザ-シトシンとをNBSの存在下(DCM,0℃)でカップリングしたところ、6:5のα:β比率を有する60%収率の標的アノマー混合物を得た。そのαアノマーおよびβアノマーの分画を、無水エタノールからの分別晶析法を介して達成して、90%純度のβアノマーを30%収率で得る。テトラブチルアンモニウムフルオリド(THF,77%)でのその後の脱保護、続いて、触媒としてのメタノール性ナトリウムメトキシドの存在下での加溶媒分解から、純粋な5-アザ-T-dCydを得た。1’位において(4-オクチルオキシベンジル)チオ基を有するベンゾイル保護したジオールと、4’-ベンゾイルシトシンおよびN-ヨードスクシンイミドの存在下でのカップリングとを利用するなお別の経路は、α-アノマーおよびβ-アノマーの6:5混合物の60%収率を生じた。この合成は、カップリング反応が一貫性に欠けることから、効率的にスケールアップできなかった(https://dtp.cancer.gov/organization/dscb/smchemistry/ tdyd.htm(2015年6月17日更新))。
前述の方法とは対照的に、本発明者らは驚くべきことに、(i)-SR基、(ii)Rで形成された8員のシリル環および(iii)促進剤としてのNBSの使用の組み合わせが、他の合成と比較してそのβ-アノマーが優先的に形成されかつより高い単離収率で所望のβ:α立体選択性を提供することを見出した。いくつかの例では(例えば、図7に示されるように)、5-アザ-T-dCydを調製する場合、そのβ/α比は、7:1程度の高さであった。いくつかの実施形態において、60%までの純粋な保護されたβ-アノマーの単離収率が得られ得る。単離収率は、25~55%の範囲に及び得るが、単離収率はより代表的には、35~45%の範囲に入ると予測され得る(例えば、図6を参照のこと)。対照的に、他の方法は、遙かに低いβ:α選択性、しばしば1未満のβ:α比、および遙かに低い単離収率を提供する。結論として、他の方法のその単離収率は、代表的には、10~25%の純粋な保護されたβアノマーの範囲にある。有利なことには、その増大した収率との組み合わせでのそのβ-アノマーの高い選択性は、従来のシリカゲルクロマトグラフィーによって、高価な分離技術(例えば、超臨界流体クロマトグラフィー)の必要性なしに、そのアノマーの分離を容易にする。その開示される合成の実施形態が、そのβ-アノマーの製造コストを、低い収率を提供する、および/または高価な精製技術を要する立体選択性の低い合成法に対して60%まで低減すると予測される。
III.実施例
2’-デオキシヌクレオシドを立体選択的に合成する一般的アプローチを、スキーム1(図1)に図示する。
チオ糖8の合成
スキーム2は、チオ糖の1つの合成を示す(図2)。その合成の詳細は、以下のとおりである。
4,4-ジエトキシブタ-1-エン(1)の調製:
Figure 0007425734000020
Cloux,R.;Schlosser,M.Helv.Chim.Acta.1984,67,1470-1474によって報告された方法の適合。マグネシウム(グリット,≧99.0%(KT)(Aldrich:63040-250G-F)(31.8g、1307mmol)およびトリエトキシメタン(123ml、738mmol)の混合物に、3-クロロプロパ-1-エン(53.2ml、653mmol)を、滴下漏斗を介して4秒ごとに1滴の速度で、105℃未満に温度を維持しながら添加した。その反応混合物を、オーバーヘッドスターラーで激しく撹拌した。添加を完了した後、その混合物を室温へと一晩(14時間)冷却させた。次いで、その反応混合物を0℃へと冷却し、飽和NHCl溶液(200mL)で処理し、90分間激しく撹拌した。次いで、その水層を(Mgがなお残っていたとしても)EtOで抽出した(3×150mL)。その有機層を合わせ、乾燥させ(MgSO)、濃縮したところ、透明かつ無色の残渣を得た(NHClの添加から4時間後にMgが完全にクエンチされたことを観察した。これは水層を抽出することをより安全にする)。その透明な残渣に、酢酸(20 ml、349mmol)、酢酸ナトリウム(10g、122mmol)、および水(50 ml、2775mmol)の溶液を添加した。その混合物を2.5時間撹拌した。次いで、炭酸水素ナトリウム(32.4g、386mmol)および水(約200mL)をその混合物にゆっくりと添加した。COの放出が停止した場合、その水層をEtOで抽出した(2×150mL)。その有機層を合わせ、乾燥させ(MgSO)、濃縮して、4,4-ジエトキシブタ-1-エン(1)(80.6g、559mmol、86%の収率)を透明かつ無色の液体として得た。1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 5.86-5.75 (m, 1H); 5.14-5.06 (m, 1H); 4.54-4.51 (m, 1H); 3.66-3.62 (m, 2H); 3.55-3.49 (m, 2H); 1.23-1.19 (m, 6H).
(E)-5,5-ジエトキシペンタ-2-エン-1-イルアセテート(2)の調製:
Figure 0007425734000021
CHCl(34.7ml)中の4,4-ジエトキシブタ-1-エン(1)(2g、13.87mmol)および(Z)-ブタ-2-エン-1,4-ジイルジアセテート(8.84ml、55.5mmol)の溶液に、グラブス第二世代触媒(0.235g、0.277 mmol)を添加した。その反応混合物を、45℃へと14時間にわたって加熱した。その反応混合物を室温へと冷却させた。TLCから、生成物の考えられる生成が示された。次いで、その反応混合物の溶媒を除去して、黒色残渣を得た。その残渣を32グラムカートリッジ上に装填し、80グラムRediSep(登録商標) Rf Gold Silica Gelカラム(Teledyne Isco,Lincoln,NE)を使用して、0~10%のEtOAc/ヘキサン勾配を用いて、CombiFlash(登録商標)クロマトグラフィーシステム(Teledyne Isco)で溶離して精製した。画分6~16を集め、濃縮して、(E)-5,5-ジエトキシペンタ-2-エン-1-イルアセテート(2)(2.6g、12.02mmol、87%の収率)を透明な淡褐色油状物として得た。1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 5.81 - 5.58 (m, 2H), 4.67 - 4.45 (m, 3H), 3.63 (dq, J = 9.3, 7.0 Hz, 2H), 3.48 (dq, J = 9.4, 7.1 Hz, 2H), 2.46 - 2.34 (m, 2H), 2.04 (s, 3H), 1.18 (t, J = 7.1 Hz, 6H).
(E)-5,5-ジエトキシペンタ-2-エン-1-オール(3)の調製:
Figure 0007425734000022
MeOH(35ml)中の(E)-5,5-ジエトキシペンタ-2-エン-1-イルアセテート(2)(2.6g、12.02mmol)の溶液に、炭酸カリウム(0.831g、6.01mmol)を添加した。その反応混合物を、一晩(16時間)室温で撹拌した。その反応混合物を、水(100mL)および2:1のEtOAc/Hex(100mL)で希釈した。その層を分離し、その水層を2:1のEtOAc/Hexで抽出した(2×70mL)。その有機層を合わせ、乾燥させ(MgSO4)、濃縮して、透明なわずかに褐色の油状物を得た。その油状物を、12グラム装填カートリッジおよび24グラム金RediSep(登録商標)シリカゲルカラムを使用して、CombiFlash(登録商標)クロマトグラフィーシステムで0~10%のEtOAc/ヘキサンを用いて溶離して精製した。画分2~16を集め、濃縮して、(E)-5,5-ジエトキシペンタ-2-エン-1-オール(3)(1.4g、8.03mmol、66.8%の収率)を透明かつ無色の油状物として得た。1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 5.72-5.70 (m, 2H), 4.59-4.50 (m, 1H), 4.12-4.10 (m, 2H), 3.68-3.63 (m, 2H), 3.53-3.49 (, 2H), 2.42-2.38 (m, 2H), 1.23-1.19 (m, 6H).
((2S,3S)-3-(2,2-ジエトキシエチル)オキシラン-2-イル)メタノール(4)の調製:
Figure 0007425734000023
窒素下にある5,000mLの三ツ口丸底フラスコに、75℃で貯蔵しておいた活性化モレキュラーシーブ4A(60g、287mmol)を装填した。そのフラスコを十分に火炎乾燥し、高真空(2~4mmHg)下に一晩置いた。そのフラスコを、窒素雰囲気下に置き、DCM(ジクロロメタン)無水物(2000mL)を装填した。その懸濁物を投げ込み式クーラーで-23℃へと冷却し、チタン(IV)イソプロポキシド(8.50 mL、28.7mmol)およびL-酒石酸ジエチル(5.90mL、34.4mmol)で連続して処理した。その混合物を、tert-ブチルヒドロペルオキシド(115mL、574mmol)を迅速に滴下して処理し、その反応物を40分間撹拌した間に、その触媒混合物は「古く」なった。その反応混合物に、無水DCMで500mL容積へと希釈した(E)-5,5-ジエトキシペンタ-2-エン-1-オール(3)(50g、287mmol)をゆっくりと滴下して処理した(2~2.5時間)。添加を開始した後-22℃で5時間撹拌した後、薄層クロマトグラフィー(50%のEtOAc/ヘキサン)から、出発物質の完全な消費が示された。その反応物を、合計18時間、-22℃で撹拌した。その反応を、飽和塩化ナトリウム中のNaOHの10%水溶液23mLでクエンチした。250 mLのジエチルエーテルを添加した後、その反応物を、冷却バスから外し、撹拌している間にそれが10℃へと加温された。30分間撹拌した後、その混合物を、硫酸マグネシウム(23g、191 mmol)、続いて、3g Celite(登録商標)珪藻土(Imerys Filtration,San Jose,CA)で処理した。15分間撹拌した後、その混合物をCelite(登録商標)珪藻土のパッドに通し、その濾過ケークを、500mLのジエチルエーテルで洗浄した。その濾液を、真空中で容積1リットルへと濃縮した(約1:1のジエチルエーテル/DCM)。その混合物を0℃へと冷却し、亜リン酸トリメチル(37.3mL、316mmol)を滴下して処理し、0℃で30分間撹拌した。その混合物を、300mLのブラインで希釈した。その乳状懸濁物を、Celite(登録商標)珪藻土のベッドに通して濾過して、相分離をもたらす助けにした。その水層を、200mLのジエチルエーテルで洗浄し、その合わせた有機層を300mLのブラインで洗浄した。その有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、真空中で濃縮して、89.4g(54%純粋、計算上の収率88%)の色の薄い油状物を得た。H-NMRから、t-ブタノールおよび他の微量不純物とともに、エポキシドおよびリン酸ジメチルの1:1混合物よりわずかに良好であることが示された。1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 4.65 (m, 1H), 3.88 (m, 1H), 3.62 (m, 2H), 3.50 (m, 2H), 3.05 (m, 1H), 2.94 (m, 1H), 1.91 (m, 2H), 1.84 - 1.71 (m, 2H), 1.19 (m, 6H).
(R)-4-((S)-3,3-ジエトキシ-1-ヒドロキシプロピル)-1,3-オキサチオラン-2-チオン(5)の調製:
Figure 0007425734000024
窒素下で、オーブン中で乾燥した250mLの二つ口丸底フラスコに、二硫化炭素(60.3mL、1001mmol)、乾燥テトラヒドロフラン(475mL、5797 mmol)および((2S,3S)-3-(2,2-ジエトキシエチル)オキシラン-2-イル)メタノール(4)(47.6g、250 mmol)を装填し、その溶液を-78℃へと冷却した。その無色の溶液を、THF(300mL、300mmol)中のナトリウムビス(トリメチルシリル)アミドを滴下して処理した(約1時間の添加)。その濃橙色溶液を-78℃で30分間撹拌した。その反応物を合計2時間撹拌し、-78℃において、酢酸(17.90mL、313mmol)でクエンチした。次いで、その反応物を、これが-30℃へと加温されるまで、バスなしで撹拌し、225gのシリカゲル(230~400メッシュ)で処理し、その混合物を乾燥するまで一晩濃縮した。その粗製プラグ(CombiFlash(登録商標)乾式装填カートリッジ中に置いた)を、340 G UltraSphereTM SNAPカートリッジ上へと、0~60%のEtOAc/ヘキサン勾配を用いて27mL画分へと直接溶離した。画分54~138を合わせ、濃縮して、53.10g(80%)の(R)-4-((S)-3,3-ジエトキシ-1-ヒドロキシプロピル)-1,3-オキサチオラン-2-チオン(5)を琥珀色の油状物として得た。画分27~40を合わせ、濃縮して、10.1g(12%)の(R)-4-((S)-3,3-ジエトキシ-1-((トリメチルシリル)オキシ)プロピル)-1,3-オキサチオラン-2-チオン(5a)を濃黄色油状物として得た。TMSエーテル(5a)(10.15g、30.0mmol)を、500mLの一つ口丸底フラスコにおいてメタノール(110mL)中に溶解した。その溶液を、酢酸(5.4ml、94mmol)で処理し、その反応物を19時間、室温で撹拌した。その反応物を、200mLのトルエンで希釈し、濃縮して、さらに8.0g(12%)の標題化合物(5)を暗黄色油状物として得た。アルコール5:1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 5.16 - 5.08 (m, 1H), 4.87 - 4.78 (m, 1H), 4.69 (m, 1H), 4.04 - 3.87 (m, 3H), 3.69 (m, 2H), 3.58 - 3.43 (m, 2H), 1.90 (m, 1H), 1.88 - 1.73 (m, 1H), 1.20 (m, 6H). TMSエーテル5a:1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 4.93 (m, 1H), 4.76 (m, 1H), 4.61 (m, 1H), 4.10 (m, 1H), 3.97 (m, 1H), 3.68 - 3.52 (m, 2H), 3.51 - 3.38 (m, 2H), 1.90 (m, 1H), 1.79 (m, 1H), 1.26 (s, 1H), 1.25 - 1.13 (m, 6H), 0.15 (d, J = 0.7 Hz, 9H).
調製:(R)-4-((S)-1-((tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ)-3,3-ジエトキシプロピル)-1,3-オキサチオラン-2-チオン(6):
Figure 0007425734000025
(R)-4-((S)-3,3-ジエトキシ-1-ヒドロキシプロピル)-1,3-オキサチオラン-2-チオン(5)(11.78 g、44.2 mmol)を、窒素下の500mLの一つ口丸底フラスコにおいてDMF(ジメチルホルムアミド、44mL、568mmol)中に溶解した。その溶液を、イミダゾール(7.53g、111mmol)で一度に処理し、続いて、tert-ブチルクロロジフェニルシラン(TBDPS)(23.00ml、88 mmol)で処理し、その反応物を72時間撹拌した。その混合物を200mLのEtOAcで希釈し、100mLの50%の飽和1:1炭酸水素ナトリウム/塩化ナトリウムとともに10分間激しく撹拌し、その層を分離した。その有機層を3×50mLの50%の飽和塩化ナトリウムで洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、真空中で濃縮して、琥珀色の油状物を得た。その粗製物質をヘキサン中に溶解し、50 G UltraSil(登録商標) SNAPカートリッジ上に装填した。そのカラムを、100 G UltraSil(登録商標) SNAPカートリッジで、0~10%のEtOAc/ヘキサン勾配を用いて溶離しながら、Biotage(登録商標)システム(Uppsala,Sweden)で27mLの画分を集めた。画分13~52を合わせ、濃縮して、19.28g(86%)の(R)-4-((S)-1-((tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ)-3,3-ジエトキシプロピル)-1,3-オキサチオラン-2-チオン(6)を金色の油状物として得た。1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 7.74 - 7.60 (m, 4H), 7.50 - 7.32 (m, 6H), 4.82 (m, 1H), 4.70 (m, 1H), 4.46 m, 1H), 4.23 (m, 1H), 4.04 (m, 1H), 3.50 - 3.22 (m, 3H), 3.12 (m, 1H), 1.90 (m, 1H), 1.72 (m, 1H), 1.11 (m, 3H), 1.05 (s, 9H), 1.10 - 0.92 (m, 6H).
tert-ブチル((S)-3,3-ジエトキシ-1-((S)-チイラン-2-イル)プロポキシ)ジフェニルシラン(7)の調製:
Figure 0007425734000026
(R)-4-((S)-1-((tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ)-3,3-ジエトキシプロピル)-1,3-オキサチオラン-2-チオン(6)(11.9g、23.57mmol)を、窒素下の250mLの一つ口丸底フラスコにおいて無水メタノール(140mL、3460mmol)中に溶解し、その混合物を0℃へと冷却した。その黄色溶液を、粉末化炭酸カリウム325メッシュ(3.75g、27.1mmol)で処理し、その反応物を0℃で3時間撹拌した。その混合物を500mLの1:1のジエチルエーテル/ヘキサンで希釈し、その不溶性物質を、無水炭酸カリウムを通して濾過することによって除去し、その濾液を真空中で黄色油状物へと濃縮した。その粗製物質を最小量のヘキサン中に溶解し、50 G UltraSphere(登録商標) SNAPカートリッジ上に装填し、0~4%のEtOAc/ヘキサン勾配を用いて、Biotage(登録商標)システムで27mLの画分へと溶離した。画分3~11を合わせ、真空中で濃縮して、9.67g(92%)のtert-ブチル((S)-3,3-ジエトキシ-1-((S)-チイラン-2-イル)プロポキシ)ジフェニルシラン(7)を無色油状物として得た。1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 7.71 (m, 4H), 7.47 - 7.32 (m, 6H), 4.91 (m, 1H), 3.66 - 3.28 (m, 5H), 2.90 (m, 1H), 2.12 - 2.00 (m, 2H), 1.84 (m, 1H), 1.52 (m, 1H), 1.16 (m, 6H), 1.02 (s, 9H).
((2R,3S)-3-((tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ)-5-エトキシテトラヒドロチオフェン-2-イル)メチルアセテート(8)の調製:
Figure 0007425734000027
tert-ブチル((S)-3,3-ジエトキシ-1-((S)-チイラン-2-イル)プロポキシ)ジフェニルシラン(7)(9.67 g、21.74 mmol)を、窒素下の250mLの一つ口丸底フラスコにおいて、酢酸(25mL、437mmol)および無水酢酸(30mL、318mmol)の混合物に溶解した。その溶液を、酢酸カリウム(10.67g、109mmol)で処理し、120℃のオイルバス中に4時間置いた。その混合物を冷却し、500mLのトルエンで希釈し、その固体物質を濾過によって除去し、その濾液を乾燥するまで濃縮した。その残渣を、最小量のDCM中に溶解し、50 G UltraSphere(登録商標) SNAPカートリッジ上に装填し、100 g UltraSil(登録商標) SNAPカートリッジで、0~5%のEtOAc/ヘキサン勾配(20%のEtOAc/ヘキサンストック溶液の0~25%)を用いて27mLの画分へとCombiFlash(登録商標)システムで溶離した。画分10~28を合わせ、濃縮して、8.6g(86%)の((2R,3S)-3-((tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ)-5-エトキシテトラヒドロチオフェン-2-イル)メチルアセテート(8)を3:2のアノマー混合物として、色の薄い油状物として得た。1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 7.71 - 7.59 (m, 4H), 7.46 - 7.33 (m, 6H), 5.15 (m, 1H), 4.50 - 4.15 (m, 1H), 4.04 (m, 1H), 3.87 (m, 1H), 3.72 - 3.58 (m, 1H), 3.56 - 3.47 (m, 1H), 3.26 (m, 1H), 2.29 - 2.06 (m, 2H), 1.88 (m, 3H), 1.16 (m, 3H), 1.05 (s, 9H).
4-オクチルオキシフェニルメタンチオール10の合成
スキーム3は、4-オクチルオキシフェニルメタンチオールの1つの合成を示す(図3)。その合成の詳細は、以下のとおりである。
4-オクチルオキシフェニルメタノール(9)の調製:
Figure 0007425734000028
アセトニトリル(3.4L)中の4-ヒドロキシベンズアルデヒド(430.0g、3.521mol)、1-ブロモオクタン(714.9g、3.701mol)および炭酸カリウム(515.7g、3.731mol)の混合物を一晩還流し、周囲温度へと冷却した。その固体を濾過し、濾液を減圧下で濃縮して、848.3g(102.8%)の粗製4-オクチルオキシベンズアルデヒドを得た。生成物をメタノール(2.6L)中に溶解した。水素化ホウ素ナトリウム(44.4g、1.173mol)を、その形成された溶液に、その温度を15℃未満に維持しながら少しずつ添加した。その反応混合物を周囲温度で1時間撹拌した。水(200mL)中のNaOH(14.33g、358.3mmol)の溶液を添加し、続いて、酢酸エチル(1.7L)およびブライン(0.5L)を添加した。その有機溶液を分離し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下でエバポレートした。ヘプタン(1L)をその残渣に添加した。その形成された混合物を4℃へと冷却した。固体を濾過し、氷冷ヘプタンで洗浄し、真空中で乾燥させて、765.4g(91.9%)の粗製4-オクチルオキシフェニルメタノール9を得た。これを、以下の工程でさらに精製せずに使用した。1H NMRスペクトル(300 MHz, CDCl3/TMS): δ7.26 (m, 2H), 6.87 (m, 2H), 4.59 (s, 2H), 3.95 (m, 2H), 1.78 m, 3H), 1.47-1.29 (m, 10 H), 0.89 (m, 3H).
4-オクチルフェニルメタンチオール(10)の調製:
Figure 0007425734000029
4-オクチルオキシフェニルメタノール(9)(765.42g、3.238mol)、濃HCl(600mL)およびアセトニトリル(1.7L)の混合物を、一晩周囲温度で撹拌した。チオウレア(296.0g、3.888mol)およびアセトニトリル(600mL)を添加した。その混合物を2時間加熱還流し、室温へと冷却し、一晩維持した。水(1L)中の水酸化ナトリウム(518.7g、12.967mol)の溶液を添加した。その混合物を3時間加熱還流し、10℃へと冷却した。濃HCl(600mL)を、その温度を15℃未満に維持しながら添加した。その混合物をMTBE(3L)で抽出した。その抽出物を硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧下で濃縮した。ヘプタン(1L)をその残渣に添加し、その混合物をエバポレートした。ヘプタン(1.5L)をその残渣に添加した。その乳状溶液を一晩維持し、シリカゲルパッド(500g)を通して濾過した。その濾液をエバポレートして、679.2g(83.1%)の4-オクチルオキシフェニルメタンチオール(10)を無色油状物として得た。1H NMRスペクトル(300 MHz, CDCl3/TMS): δ 7.23 (m, 2H), 6.84 (m, 2H), 3.95 (m, 2H), 3.66 (m, 2H), 1.77 (m, 3H), 1.21-1.59 (m, 10H), 0.88 (m, 3H).
カップリングパートナー13a~hの合成:
((2R,3S)-3-((tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ)-5-((4-オクチルオキシベンジル)チオ)-テトラヒドロチオフェン-2-イル)メチルアセテート(11a)の調製。一般的方法A:
Figure 0007425734000030
三フッ化ホウ素ジエチルエテラート(278.32g、1.961mol)を、アルゴン下で、無水DCM(4.6L)中の化合物8(455.5g、980.5mmol)および4-オクチルオキシフェニルメタンチオール(10)(252.42g、1.0mol)の撹拌溶液に、-1~0℃で滴下により添加した。その反応混合物を、この温度で2時間撹拌した。トリエチルアミン(238.12g、2.353mol)を、その温度を5℃未満に維持しながら滴下により添加し、続いて、水(2L)を滴下により添加した。その反応混合物を1時間撹拌した。その有機溶液を分離し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、エバポレートした。その残渣を、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、酢酸エチル/ヘプタン、1:15、次いで、1:9、および次いで1:4)によって精製して、486.9g(74.7%)の((2R,3S)-3-((tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ)-5-((4-オクチルオキシベンジル)チオ)-テトラヒドロチオフェン-2-イル)メチルアセテート(11a)を色の薄い油状物として得た。1H NMRスペクトル(300 MHz, CDCl3/TMS): δ 7.59-7.79 (m, 4H), 7.35-7.45 (m, 6H), 7.2 (m, 2H), 6.82 (m, 2H), 4.57 (m, 0.7 H), 4.45 (m, 0.7H), 4.04-4.22 (m, 0.4H), 3.85-3.95 (m, 3H), 3.65-3.85 (m, 2.4H), 3.5 (m, 1H), 2.0-2.25 (m, 1H), 1.87 (m, 3H), 1.75 (m, 2H), 1.24-1.50 (m, 10H), 1.06 (m, 9H), 0.87 (m, 3H).
(4S,5R)-4-ヒドロキシ-5-ヒドロキシメチル-2-((4-(オクチルオキシ)ベンジル)チオ)-テトラヒドロチオフェン,(12a)NSC-D776760-Nの調製 一般的方法B:
Figure 0007425734000031
THF(5.7L)中の化合物11a(492.1g、739.9mmol)の溶液および水(1.9L)中の水酸化リチウム一水和物(310.46g、7.399mol)の溶液の混合物を、70時間加熱還流した。その混合物を周囲温度へと冷却し、MTBE(2L)を添加した。有機溶液を分離した。水層をMTBE(1L)で抽出した。合わせた有機溶液を硫酸ナトリウムで乾燥させ、エバポレートして、485.5gの粗製生成物を得た。これを、ヘプタン(3L)中、加熱下で溶解させた。その形成した溶液を周囲温度へと冷却し、次いで、0℃へと一晩冷却した。その形成された固体を濾過し、ヘプタン(0.5L、-5℃)で洗浄し、真空下で乾燥させて、212.0g(75%)の(4S,5R)-4-ヒドロキシ-5-ヒドロキシメチル-2-((4-(オクチルオキシ)ベンジル)チオ)-テトラヒドロチオフェン(12a)を得た。その濾液をエバポレートした。その残渣を、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、酢酸エチル/ヘプタン、1:9、次いで1:4、および次いで7:3)によって精製して、さらに10.2g(3.6%)の化合物12aを得た。標的化合物のその2つの収穫物を合わせて、222.2g(78.1%)の化合物12aを得た。1H NMRスペクトル(300 MHz, CDCl3/TMS): δ 7.21 (d, J = 8.5 Hz, 2H), 6.84 (d, J = 8.5 Hz, 2H), 4.57 (m, 1H), 4.36 (t, J = 6.3 Hz, 1H), 3.93, (t, J = 6.6Hz, 2H), 3.43-3.83 (m, 4H), 3.45 (m, 1H), 2.13-2.40 (m, 4H), 1.77 (m, 2H), 1.20-1.50 (m, 10H), 0.89 (m, 3H).
(6aR,9aS)-2,2,4,4-テトライソプロピル-8-((4-(オクチルオキシ)ベンジル)チオ)テトラヒドロ-6H-チエノ[3,2-f][1,3,5,2,4]トリオキサジシロシン(13a)の調製。一般的方法C:
Figure 0007425734000032
(2R,3S)-2-(ヒドロキシメチル)-5-((4-(オクチルオキシ)ベンジル)チオ)テトラヒドロチオフェン-3-オール(12a)(5g、13.00mmol)を、窒素下の100mLの一つ口丸底フラスコにおいて、乾燥N,N-ジメチルホルムアミド(25mL、13.00mmol)中の1H-イミダゾール(2.213g、32.5mmol)と合わせた。その溶液を0℃に冷却し、1,3-ジクロロ-1,1,3,3-テトライソプロピルジシロキサン(5.82mL、18.20mmol)で処理し、その反応物を一晩撹拌し、そのときにその冷却バスを止めた。その混合物を、125mLのEtOAcで希釈し、60mLの50%の飽和1:1塩化ナトリウム/炭酸水素ナトリウムで洗浄し、続いて、3×50mLの50%の飽和塩化ナトリウムで洗浄した。その有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、真空中で濃縮して、11グラムの色の薄い油状物を得た。その粗製物質をヘキサン中に溶解し、50g UltraSil(登録商標) SNAPカートリッジ上に装填し、0~4%のEtOAc/ヘキサン勾配(20%のEtOAc/ヘキサンEtOAc相の0~20%)を用いて、CombiFlash(登録商標)システムで溶離した。画分2~13を合わせ、濃縮して、7.37g(90%)の(6aR,9aS)-2,2,4,4-テトライソプロピル-8-((4-(オクチルオキシ)ベンジル)チオ)テトラヒドロ-6H-チエノ[3,2-f][1,3,5,2,4]トリオキサジシロシン(13a)を無色油状物として得た。1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 7.20 (m, 2H), 6.81 (m, 2H), 4.59 (m, 0.2H), 4.22 (m, 2H), 4.05 (m, 1), 3.91 (m, 2H), 3.76 - 3.86 (m, 3H), 3.44 (m, 0.8H), 3.33 (m, 0.2), 2.5 (m, 0.8H), 2.18-2.40 (m, 0.4H), 2.00 (m, 0.8H), 1.75 (m, 2H), 1.2-1.45 (m, 10H), 0.92-1.19 (m, 28H), 0.89 (m, 3H).
((2R,3S)-5-(ベンジルチオ)-3-((tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ)テトラヒドロチオフェン-2-イル)メチルアセテート(11b)の調製:
Figure 0007425734000033
((2R,3S)-3-((tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ)-5-エトキシテトラヒドロチオフェン-2-イル)メチルアセテート(8)(3.6g、7.85mmol)を、一般的方法Aに記載される様式でフェニルメタンチオールと反応させて、4.02g(95%)の((2R,3S)-5-(ベンジルチオ)-3-((tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ)テトラヒドロチオフェン-2-イル)メチルアセテート(11b)を無色油状物として得た。1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 7.74 - 7.54 (m, 5H), 7.48 - 7.33 (m, 5H), 7.38 - 7.17 (m, 5H), 4.56 (m, 0.35H), 4.41 (m, 0.35H), 4.16 (m, 2H), 4.04 (m, 1H), 3.87 (m, 1H), 3.82 - 3.72 (m, 3H), 3.75 - 3.63 (m, 1H), 3.56 - 3.42 (m, 0.4H), 2.28 - 1.99 (m, 2H), 1.85 (m, 3H), 1.04 (m, 9H).
(2R,3S)-5-(ベンジルチオ)-2-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロチオフェン-3-オール(12b)の調製:
Figure 0007425734000034
((2R,3S)-5-(ベンジルチオ)-3-((tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ)テトラヒドロチオフェン-2-イル)メチルアセテート(11b)(4.02g、7.49mmol)を、一般的方法Bに記載される様式で水酸化リチウムと反応させて、1.68g(88%)の(2R,3S)-5-(ベンジルチオ)-2-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロチオフェン-3-オール(12b)を無色の粘性油状物として得た。1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 7.38 - 7.20 (m, 5H), 4.57 (m, 0.4H), 4.45 - 4.32 (m, 2H), 3.86 (m, 3H), 3.82 - 3.67 (m, 1H), 3.72 - 3.63 (m, 2H), 3.62 - 3.52 (m, 1H), 3.45 (m, 0.4H), 2.48 - 2.38 (m, 1H), 2.41 - 2.24 (m, 1H), 2.28 - 2.15 (m, 1H), 2.06 (m, 2H).
(6aR,9aS)-8-(ベンジルチオ)-2,2,4,4-テトライソプロピルテトラヒドロ-6H-チエノ[3,2-f][1,3,5,2,4]トリオキサジシロシン(13b)の調製:
Figure 0007425734000035
(2R,3S)-5-(ベンジルチオ)-2-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロチオフェン-3-オール(12b)を、一般的方法Cに記載される様式で1,3-ジクロロ-1,1,3,3-テトライソプロピルジシロキサン(2.396mL、7.49mmol)と反応させて、4.31g(71%)の(6aR,9aS)-8-(ベンジルチオ)-2,2,4,4-テトライソプロピルテトラヒドロ-6H-チエノ[3,2-f][1,3,5,2,4]トリオキサジシロシン(13b)を無色油状物として得た。1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 7.33 - 7.18 (m, 5H), 4.67 (m, 0.28H), 4.29 - 4.14 (m, 2H), 4.16 - 3.97 (m, 2H), 3.93 - 3.76 (m, 4H), 3.40 (m, 1H), 3.29 (m, 0.28H), 2.51 (m, 1H), 2.43 - 2.18 (m, 0.46H), 2.00 (m, 1H), 1.10 - 0.84 (m, 28H).
((2R,3S)-3-((tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ)-5-(フェニルチオ)テトラヒドロチオフェン-2-イル)メチルアセテート(11c)の調製:
Figure 0007425734000036
((2R,3S)-3-((tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ)-5-エトキシテトラヒドロチオフェン-2-イル)メチルアセテート(8)(3.6g、7.85mmol)を、一般的方法Aに記載される様式でベンゼンチオール(0.806mL、7.85 mmol)と反応させて、3.63gの((2R,3S)-3-((tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ)-5-(フェニルチオ)テトラヒドロチオフェン-2-イル)メチルアセテート(11c)を無色油状物として得た。1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 7.74 - 7.57 (m, 5H), 7.48 - 7.35 (m, 5H), 7.39 - 7.15 (m, 5H), 4.97 (m, 0.7H), 4.71 (m, 0.35H), 4.44 (m, 1H), 4.24 (m, 0.33H), 3.98 (m, 0.35H), 3.87 - 3.65 (m, 2H), 3.50 (m, 0.74H), 2.42 - 2.20 (m, 2H), 1.94 - 1.81 (m, 4H), 1.07 (m, 9H).
(2R,3S)-2-(ヒドロキシメチル)-5-(フェニルチオ)テトラヒドロチオフェン-3-オール(12c)の調製:
Figure 0007425734000037
((2R,3S)-3-((tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ)-5-(フェニルチオ)テトラヒドロチオフェン-2-イル)メチルアセテート(11c)(4.02g、7.69mmol)を、一般的方法Bに記載される様式で水酸化リチウム水和物(1.841g、77mmol)と反応させて、1.55g(83%)の(2R,3S)-2-(ヒドロキシメチル)-5-(フェニルチオ)テトラヒドロチオフェン-3-オール(12c)を粘性の色の薄い油状物として得た。1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 7.49 -7.28 (m, 5H), 4.89 - 4.81 (m, 1H), 4.55 (dt, J = 6.0, 4.5 Hz, 0.6H), 4.42 (m, 0.35H), 3.74 - 3.51 (m, 3H), 3.42 (m, 0.61H), 2.51 - 2.21 (m, 3H).
(6aR,9aS)-2,2,4,4-テトラ-イソプロピル-8-(フェニルチオ)テトラヒドロ-6H-チエノ[3,2-f][1,3,5,2,4]トリオキサジシロシン(13c)の調製:
Figure 0007425734000038
(2R,3S)-2-(ヒドロキシメチル)-5-(フェニルチオ)テトラヒドロチオフェン-3-オール(12c)(1.55 g、6.40mmol)を、一般的方法Cに記載される様式で1,3-ジクロロ-1,1,3,3-テトライソプロピルジシロキサン(2.455mL、7.67mmol)と反応させて、2.55g(82%)の(6aR,9aS)-2,2,4,4-テトラ-イソプロピル-8-(フェニルチオ)テトラヒドロ-6H-チエノ[3,2-f][1,3,5,2,4]トリオキサジシロシン(13c)を無色油状物として得た。1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 7.47 - 7.35 (m, 2H), 7.35 - 7.21 (m, 3H), 4.77 - 4.66 (m, 1H), 4.28 (m, 0.4H), 4.03 (m, 1H), 3.93 - 3.75 (m, 1H), 3.43 - 3.27 (m, 1H), 2.65 (m, 0.4H), 2.42 - 2.34 (m, 1H), 2.13 (m, 0.4H), 1.23 - 0.83 (m, 28H).
((2R,3S)-3-((tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ)-5-((4-メトキシベンジル)チオ)テトラヒドロチオフェン-2-イル)メチルアセテート(11d)の調製:
Figure 0007425734000039
((2R,3S)-3-((tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ)-5-エトキシテトラヒドロチオフェン-2-イル)メチルアセテート(8)(3.8g、8.28mmol)を、一般的方法Aに記載される様式で(4-メトキシフェニル)メタンチオール(1.154mL、8.28mmol)と反応させて、4.07gの((2R,3S)-3-((tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ)-5-((4-メトキシベンジル)チオ)テトラヒドロチオフェン-2-イル)メチルアセテート(11d)を無色油状物として得た。1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 7.71 - 7.54 (m, 4H), 7.48 - 7.32 (m, 6H), 7.20 (m, 2H), 6.86 - 6.77 (m, 2H), 4.56 (m, 0.25H), 4.41 (m, 0.25H), 4.21 - 4.00 (m, 2H), 3.92 - 3.82 (m, 0.25H), 3.82 - 3.63 (m, 6H), 3.49 (m, 0.26H), 2.29 - 2.15 (m, 1H), 2.18 - 1.99 (m, 1H), 1.86 (m, 3H), 1.04 (m, 9H).
(2R,3S)-2-(ヒドロキシメチル)-5-((4-メトキシベンジル)チオ)テトラヒドロチオフェン-3-オール(12d)の調製:
Figure 0007425734000040
((2R,3S)-3-((tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ)-5-((4-メトキシベンジル)チオ)テトラヒドロチオフェン-2-イル)メチルアセテート(11d)(4.02g、7.09mmol)を、一般的方法Cに記載される様式で水酸化リチウム水和物(1.698g、70.9mmol)と反応させて、1.68g(88%)の(2R,3S)-2-(ヒドロキシメチル)-5-((4-メトキシベンジル)チオ)テトラヒドロチオフェン-3-オール(12d)を白色固体として得た。1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 7.21 (m, 2H), 6.84 (m, 2H), 4.55 (m, 0.2H), 4.36 (m, 2H), 3.88 - 3.73 (m, 5H), 3.76 - 3.61 (m, 2H), 3.60 - 3.50 (m, 1H), 3.43 (m, 0.22H), 2.46 - 2.11 (m, 2H).
(6aR,9aS)-2,2,4,4-テトライソプロピル-8-((4-メトキシベンジル)チオ)テトラヒドロ-6H-チエノ[3,2-f][1,3,5,2,4]トリオキサジシロシン(13d)の調製:
Figure 0007425734000041
(2R,3S)-2-(ヒドロキシメチル)-5-((4-メトキシベンジル)チオ)テトラヒドロチオフェン-3-オール(12d)(1.6 g、5.59mmol)を、一般的方法Cに記載される様式で1,3-ジクロロ-1,1,3,3-テトライソプロピルジシロキサン(2.145mL、6.70 mmol)と反応させて、1.52g(51%)の(6aR,9aS)-2,2,4,4-テトライソプロピル-8-((4-メトキシベンジル)チオ)テトラヒドロ-6H-チエノ[3,2-f][1,3,5,2,4]トリオキサジシロシン(13d)を無色油状物として得た。
((2R,3S)-3-((tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ)-5-((4-メトキシフェニル)チオ)テトラヒドロチオフェン-2-イル)メチルアセテート(11e)の調製:
Figure 0007425734000042
((2S,3R)-3-((tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ)-5-エトキシテトラヒドロチオフェン-2-イル)メチルアセテート(8)(1.43g、3.12mmol)を、一般的方法Aに記載される様式で4-メトキシベンゼンチオール(0.403ml、3.27mmol)と反応させて、1.57g(91%)の((2R,3S)-3-((tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ)-5-((4-メトキシフェニル)チオ)テトラヒドロチオフェン-2-イル)メチルアセテート(11e)を透明かつ無色の油状物として得た。1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 7.65 (m, 4H), 7.51 - 7.29 (m, 7H), 6.88 - 6.77 (m, 2H), 4.84 (m, 0.3H), 4.52 (m, 0.7H), 4.39 (m, 0.3H), 4.18 (m, 0.7H), 4.00 (m, 0.7H), 3.83 - 3.72 (m, 4H), 3.70 - 3.60 (m, 0.7H), 3.44 (m, 0.3H), 2.36 - 2.12 (m, 2H), 1.83 (m, 3H), 1.05 (m, 9H).
(2R,3S)-2-(ヒドロキシメチル)-5-((4-メトキシフェニル)チオ)テトラヒドロチオフェン-3-オール(12e)の調製:
Figure 0007425734000043
((2R,3S)-3-((tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ)-5-((4-メトキシフェニル)チオ)テトラヒドロチオフェン-2-イル)メチルアセテート(11e)(1.57g、2.84mmol)を、一般的方法Bに記載される様式で水酸化リチウム一水和物(1.192g、28.4mmol)と反応させて、0.678g(88%)の(2R,3S)-2-(ヒドロキシメチル)-5-((4-メトキシフェニル)チオ)テトラヒドロチオフェン-3-オール(12e)を白色固体として得た。1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 7.51 - 7.39 (m, 2H), 6.92 - 6.82 (m, 2H), 4.75 - 4.67 (m, 1H), 4.51 (m, 0.36H), 4.40 (m, 0.67H), 3.90 (m, 0.34H), 3.80 (m, 3H), 3.73 - 3.51 (m, 3H), 3.39 (m, 0.34H), 3.18 (m, 0.33H), 2.42 - 2.16 (m, 3H).
(6aR,9aS)-2,2,4,4-テトライソプロピル-8-((4-メトキシフェニル)チオ)テトラヒドロ-6H-チエノ[3,2-f][1,3,5,2,4]トリオキサジシロシン(13e)の調製:
Figure 0007425734000044
(2R,3S)-2-(ヒドロキシメチル)-5-((4-メトキシフェニル)チオ)テトラヒドロチオフェン-3-オール(12e)(.67g、2.460mmol)を、一般的方法Cに記載される様式で1,3-ジクロロ-1,1,3,3-テトライソプロピルジシロキサン(0.944ml、2.95mmol)と反応させて、1.095g(86%)の(6aR,9aS)-2,2,4,4-テトライソプロピル-8-((4-メトキシフェニル)チオ)テトラヒドロ-6H-チエノ[3,2-f][1,3,5,2,4]トリオキサジシロシン(13e)を透明かつ無色の油状物として得た。1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 7.49 - 7.35 (m, 2H), 6.90 - 6.79 (m, 2H), 4.66 (m, 0.38H), 4.54 (m, 0.71H), 4.46 (m, 0.39H), 4.23 (m, 0.71H), 4.00 (m, 1H), 3.91 - 3.73 (m, 4H), 3.30 (m, 1H), 2.57 (0.8H), 2.41 - 2.26 (m, 0.8H), 2.14 - 2.00 (m, 0.8H), 1.21 - 0.87 (m, 28H).
((2R,3S)-3-((tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ)-5-((4-フルオロフェニル)チオ)テトラヒドロチオフェン-2-イル)メチルアセテート(11f)の調製:
Figure 0007425734000045
((2S,3R)-3-((tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ)-5-エトキシテトラヒドロチオフェン-2-イル)メチルアセテート(8)(2g、4.36mmol)を、一般的方法Aに記載される様式で4-フルオロベンゼンチオール(0.511ml、4.80mmol)と反応させて、2.28g(97%)の((2R,3S)-3-((tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ)-5-((4-フルオロフェニル)チオ)テトラヒドロチオフェン-2-イル)メチルアセテート11fを透明かつ無色の油状物として得た。1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 7.75 - 7.57 (m, 4H), 7.49 - 7.32 (m, 7H), 6.99 (m, 2H), 4.87 (m, 0.22H), 4.60 (m, 0.77H), 4.41 (m, 0.24H), 4.23 (m, 0.8H), 3.97 (m, 0.8H), 3.78 (m, 1H), 3.67 (m, 1H), 3.48 (m, 0.22H), 2.36 - 2.14 (m, 2H), 1.84 (m 3H), 1.06 (m, 9H).
(2R,3S)-5-((4-フルオロフェニル)チオ)-2-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロチオフェン-3-オール(12f)の調製:
Figure 0007425734000046
((2R,3S)-3-((tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ)-5-((4-フルオロフェニル)チオ)テトラヒドロチオフェン-2-イル)メチルアセテート(11f)(2.26g、4.18mmol)を、一般的方法Bに記載される様式で水酸化リチウム一水和物(1.754g、41.8mmol)と反応させて、1g(92%)の(2R,3S)-5-((4-フルオロフェニル)チオ)-2-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロチオフェン-3-オール(12f)を透明油状物として得た。
(6aR,9aS)-8-((4-フルオロフェニル)チオ)-2,2,4,4-テトライソプロピルテトラヒドロ-6H-チエノ[3,2-f][1,3,5,2,4]トリオキサジシロシン(13f)の調製:
Figure 0007425734000047
(2R,3S)-5-((4-フルオロフェニル)チオ)-2-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロチオフェン-3-オール(1.0g、3.84 mmol)(12f)を、一般的方法Cに記載される様式で1,3-ジクロロ-1,1,3,3-テトライソプロピルジシロキサン(1.475ml、4.61 mmol)と反応させて、1.67g(86%)の(6aR,9aS)-8-((4-フルオロフェニル)チオ)-2,2,4,4-テトライソプロピルテトラヒドロ-6H-チエノ[3,2-f][1,3,5,2,4]トリオキサジシロシン(13f)を透明かつ無色の油状物として得た。1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 7.52 - 7.37 (m, 2H), 7.01 (m, 2H), 4.67 (m, 0.30H), 4.60 (m, 0.72H), 4.52 (m, 0.30H), 4.25 (m, 0.72H), 4.01 (m, 1H), 3.86 (m, 0.30H), 3.78 (m, 0.70H), 3.32 (m, 1H), 2.60 (m, 0.76H), 2.40 - 2.30 (m, 0.54H), 2.06 (m, 0.71H), 1.21-0.86 (m, 28H).
(6aR,9aS)-2,2,4,4-テトラメチル-8-((4-(オクチルオキシ)ベンジル)チオ)テトラヒドロ-6H-チエノ[3,2-f][1,3,5,2,4]トリオキサジシロシン(13g)の調製:
Figure 0007425734000048
(2R,3S)-2-(ヒドロキシメチル)-5-((4-(オクチルオキシ)ベンジル)チオ)テトラヒドロチオフェン-3-オール(3g、7.80 mmol)(12a)を、一般的方法Cに記載される様式で1,3-ジクロロ-1,1,3,3-テトラメチルジシロキサン(1.831ml、9.36mmol)と反応させて、2.07g(52%)の(6aR,9aS)-2,2,4,4-テトラメチル-8-((4-(オクチルオキシ)ベンジル)チオ)テトラヒドロ-6H-チエノ[3,2-f][1,3,5,2,4]トリオキサジシロシン(13g)を透明かつ無色の油状物として得た。1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 7.18 (dd, J = 11.2, 8.4 Hz, 2H), 6.81 (dd, J = 8.7, 2.3 Hz, 2H), 4.65 (ddd, J = 10.6, 7.2, 5.6 Hz, 1H), 4.24 - 4.12 (m, 1H), 4.09 (d, J = 6.4 Hz, 1H), 4.00 - 3.83 (m, 4H), 3.77 (dd, J = 6.2, 2.8 Hz, 1H), 3.74 (s, 2H), 3.42 (ddd, J = 8.9, 7.3, 3.6 Hz, 1H), 2.48 - 2.33 (m, 1H), 2.26 - 2.18 (m, 1H), 2.06 (dt, J = 12.6, 10.4 Hz, 1H), 1.75 (p, J = 6.8 Hz, 2H), 1.43 (p, J = 6.9 Hz, 2H), 1.38 - 1.21 (m, 8H), 0.90 - 0.83 (m, 3H), 0.22 - 0.06 (m, 12H).
(6aR,9aS)-8-((4-(オクチルオキシ)ベンジル)チオ)-2,2,4,4-テトラフェニルテトラヒドロ-6H-チエノ[3,2-f][1,3,5,2,4]トリオキサジシロシン(13h)の調製:
Figure 0007425734000049
(2R,3S)-2-(ヒドロキシメチル)-5-((4-(オクチルオキシ)ベンジル)チオ)テトラヒドロチオフェン-3-オール(3g、7.80 mmol)(12a)を、一般的方法Cに記載される様式で1,3-ジクロロ-1,1,3,3-テトラフェニルジシロキサン(4.74ml、12.48 mmol)と反応させて、6.65g(84%)の(6aR,9aS)-8-((4-(オクチルオキシ)ベンジル)チオ)-2,2,4,4-テトラフェニルテトラヒドロ-6H-チエノ[3,2-f][1,3,5,2,4]トリオキサジシロシン(13h)を粘性かつ無色の油状物として得た。1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 7.79 - 7.71 (m, 2H), 7.72 - 7.64 (m, 2H), 7.59 - 7.50 (m, 4H), 7.46 (dddd, J = 11.6, 6.6, 5.6, 2.4 Hz, 3H), 7.43 - 7.31 (m, 6H), 7.29 - 7.20 (m, 5H), 7.10 - 7.01 (m, 2H), 6.81 - 6.75 (m, 2H), 4.91 (ddd, J = 10.3, 7.1, 5.6 Hz, 1H), 4.18 - 4.07 (m, 2H), 4.03 (dd, J = 11.8, 9.0 Hz, 1H), 3.91 (t, J = 6.6 Hz, 2H), 3.78 - 3.66 (m, 2H), 3.65 - 3.54 (m, 2H), 2.54 (ddd, J = 13.0, 10.3, 6.6 Hz, 1H), 2.29 (ddd, J = 13.1, 5.6, 1.5 Hz, 1H), 1.81 - 1.70 (m, 2H), 1.44 (qd, J = 8.7, 7.8, 3.7 Hz, 2H), 1.38 - 1.22 (m, 8H), 0.92 - 0.82 (m, 3H).
2’-デオキシヌクレオシドの合成:
保護された2’-デオキシヌクレオシドを、以下で記載されるように合成した。図6は、その合成した化合物を示す。
実施例1. 4-アミノ-1-((6aR,8R,9aS)-2,2,4,4-テトライソプロピルテトラヒドロ-6H-チエノ[3,2-f][1,3,5,2,4]トリオキサジシロシン-8-イル)-1,3,5-トリアジン-2(1H)-オン(15a)の調製:
Figure 0007425734000050
50mLの丸底フラスコの中に、HMDS(13.35ml、63.7mmol)中の5-アザシトシン(1.947g、17.37mmol)および硫酸アンモニウム(0.092g、0.695mmol)を添加し、その得られた懸濁物を、136℃へと(還流)18時間加熱した。透明な溶液を得、室温(rt)へと冷却した後、その溶液を、中間体14aに相当する白色固体が単離されるまで、減圧下で濃縮した(ロトエバポレーション(rotoevaporation))。
その残渣を、DCM(30ml)中に再溶解し、続いて、3Aモレキュラーシーブ(2.5g、5.79mmol)およびDCM(30.0ml)中の(6aR,9aS)-2,2,4,4-テトライソプロピル-8-((4-(オクチルオキシ)ベンジル)チオ)テトラヒドロ-6H-チエノ[3,2-f][1,3,5,2,4]トリオキサジシロシン(3.63g、5.79mmol)(13a)を添加した。その懸濁物を、室温において10分間および0℃において20分間撹拌した。NBS(1.133g、6.37mmol)を一度に添加し、その得られた橙色の懸濁物を、0℃で1時間撹拌した。その反応を、Naの溶液(30mLの水中2.5g)でクエンチし、その混合物を激しく撹拌した。いくらかのCelite(登録商標)珪藻土を添加した後、その懸濁物をCelite(登録商標)珪藻土のプラグを通して濾過し、DCMで洗浄した。その水層をDCMで抽出し(2×)、その合わせた有機層を乾燥させ(MgSO)、濾過し、濃縮した。琥珀色の泡状物を回収した。
次いで、その残渣を、タンデム型の50+100g Biotage(登録商標) Snap Ultraカラムでクロマトグラフィーにかけ、CombiFlash(登録商標)システムで0~100 EtOAc/DCM混合物を用いて溶離した。2つの画分を単離した。第1の溶離画分は、4-アミノ-1-((6aR,8R,9aS)-2,2,4,4-テトライソプロピルテトラヒドロ-6H-チエノ[3,2-f][1,3,5,2,4]トリオキサジシロシン-8-イル)-1,3,5-トリアジン-2(1H)-オン(1.25g、44.4%)(15a)に相当し、その一方で第2の溶離画分は、15a:15bの1:1混合物(0.48g、20.6%)であった。アノマーの全体の比は、所望のβアノマー(15a)に偏って約4:1であった。15a:1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 8.55 (s, 1H), 7.57 (d, J = 6.1 Hz, 2H), 5.78 - 5.72 (m, 1H), 4.43 (q, J = 8.8 Hz, 1H), 4.03 - 3.92 (m, 2H), 3.35 (d, J = 8.7 Hz, 2H), 2.43 (dd, J = 9.8, 5.5 Hz, 2H), 1.09 - 0.94 (m, 27H). 15aおよび15bの混合物:1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 8.62 (s, 1H), 8.52 (s, 2H), 7.54 (d, J = 6.3 Hz, 5H), 5.86 (t, J = 8.0 Hz, 1H), 5.71 (dd, J = 5.8, 3.0 Hz, 2H), 4.40 (q, J = 9.0, 8.6 Hz, 2H), 4.28 (td, J = 9.5, 6.0 Hz, 1H), 4.03 - 3.88 (m, 4H), 3.86 - 3.68 (m, 3H), 3.33 (d, J = 6.2 Hz, 2H), 2.45 - 2.30 (m, 4H), 1.11 - 0.85 (m, 60H).
実施例3、4、5、6、7:
実施例1に例示される手順を使用して、チオ糖13b、13c、13d、13e、13fを独立して、5-アザシトシンと反応させて、β/αアノマーの混合物を(比は粗製1H NMRの試験によって決定)、図6に示されるようなそのβアノマーの単離収率(決定される場合)で得た。
実施例8. 4-アミノ-1-((6aR,8R,9aS)-2,2,4,4-テトラメチルテトラヒドロ-6H-チエノ[3,2-f][1,3,5,2,4]トリオキサジシロシン-8-イル)-1,3,5-トリアジン-2(1H)-オン(15g)および4-アミノ-1-((6aR,8s,9aS)-2,2,4,4-テトラメチルテトラヒドロ-6H-チエノ[3,2-f][1,3,5,2,4]トリオキサジシロシン-8-イル)-1,3,5-トリアジン-2(1H)-オン(15H)の調製:
Figure 0007425734000051
Figure 0007425734000052
(6aR,9aS)-2,2,4,4-テトラメチル-8-((4-(オクチルオキシ)ベンジル)チオ)テトラヒドロ-6H-チエノ[3,2-f][1,3,5,2,4]トリオキサジシロシン(0.86g、1.670mmol)(13g)を、一般的方法Dに記載される様式で5-アザシトシン(0.562g、5.01mmol)と反応させて、4-アミノ-1-((6aR,8R,9aS)-2,2,4,4-テトラメチルテトラヒドロ-6H-チエノ[3,2-f][1,3,5,2,4]トリオキサジシロシン-8-イル)-1,3,5-トリアジン-2(1H)-オン(15g)および4-アミノ-1-((6aR,8s,9aS)-2,2,4,4-テトラメチルテトラヒドロ-6H-チエノ[3,2-f][1,3,5,2,4]トリオキサジシロシン-8-イル)-1,3,5-トリアジン-2(1H)-オン(15h)を、粗製H NMRによって決定されるように、アノマー(β:α)の2.5:1混合物として得た。C1223SSi[M+H]のLCMS 計算値:375.10;実測値:375.6。
実施例9. 4-アミノ-1-((6aR,8R,9aS)-2,2,4,4-テトラフェニルテトラヒドロ-6H-チエノ[3,2-f][1,3,5,2,4]トリオキサジシロシン-8-イル)-1,3,5-トリアジン-2(1H)-オン(15i)および4-アミノ-1-((6aR,8S,9aS)-2,2,4,4-テトラフェニルテトラヒドロ-6H-チエノ[3,2-f][1,3,5,2,4]トリオキサジシロシン-8-イル)-1,3,5-トリアジン-2(1H)-オン(15j)の調製:
Figure 0007425734000053
(6aR,9aS)-8-((4-(オクチルオキシ)ベンジル)チオ)-2,2,4,4-テトラフェニルテトラヒドロ-6H-チエノ[3,2-f][1,3,5,2,4]トリオキサジシロシン(2g、2.62mmol)(13h)を、一般的方法Dに記載される様式で5-アザシトシン(0.881g、7.86 mmol)と反応させて、0.64g(40%)の4-アミノ-1-((6aR,8R,9aS)-2,2,4,4-テトラフェニルテトラヒドロ-6H-チエノ[3,2-f][1,3,5,2,4]トリオキサジシロシン-8-イル)-1,3,5-トリアジン-2(1H)-オン(15i)および4-アミノ-1-((6aR,8S,9aS)-2,2,4,4-テトラフェニルテトラヒドロ-6H-チエノ[3,2-f][1,3,5,2,4]トリオキサジシロシン-8-イル)-1,3,5-トリアジン-2(1H)-オン(15j)を、粗製H NMRによって決定されるように、アノマー(β:α)の4:1混合物として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 11.96 (s, 2H), 8.64 (s, 1H), 8.12 (s, 4H), 7.69 (d, J = 6.5 Hz, 7H), 7.66 - 7.61 (m, 8H), 7.56 - 7.37 (m, 63H), 7.33 (dd, J = 7.6, 4.0 Hz, 19H), 4.82 - 4.74 (m, 5H), 4.49 (q, J = 8.3 Hz, 1H), 4.12 (d, J = 5.2 Hz, 9H), 3.95 (dd, J = 12.1, 5.7 Hz, 1H), 3.68 (dt, J = 8.0, 5.1 Hz, 5H), 2.71 - 2.60 (m, 5H), 2.54 (d, J = 6.2 Hz, 3H).
実施例2および10:
Figure 0007425734000054
実施例2および10のヌクレオシドを、実施例1に記載される様式で、(6aR,9aS)-2,2,4,4-テトライソプロピル-8-((4-(オクチルオキシ)ベンジル)チオ)テトラヒドロ-6H-チエノ[3,2-f][1,3,5,2,4]トリオキサジシロシン(13a)と適切な塩基とを反応させて調製した。その結果を、表2に示す。
Figure 0007425734000055
実施例10:C2138FNSSi[M]のLCMS 計算値:503.23; 実測値:503.1。実施例2:1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 11.31 (s, 1H), 11.13 - 11.01 (m, 1H), 8.51 (d, J = 7.5 Hz, 1H), 8.01 (d, J = 7.7 Hz, 2H), 7.63 (t, J = 7.4 Hz, 1H), 7.52 (t, J = 7.6 Hz, 2H), 7.40 (d, J = 7.4 Hz, 1H), 5.91 (d, J = 7.0 Hz, 1H), 4.44 - 4.35 (m, 1H), 4.07 - 3.95 (m, 2H), 3.40 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 2.56 (s, 3H), 2.38 (dd, J = 13.4, 5.6 Hz, 1H), 1.14 - 0.88 (m, 23H).
ジオール中間体からの5-アザ-T-Cydのラージスケール合成
材料: ジオール化合物12a(98%)は、一般的方法Bに概説されるように調製できた。1,3-ジクロロ-1,1,3,3,テトラ-イソプロピルジシロキサンおよびイミダゾールを、Oakwood Chemicalsから得た。アザ-シトシン(95%+)を、Matrix Scientificから得た。ヘキサメチルジシラザン(99.9%、HMDS)、N-ブロモスクシンイミド(98%、NBS)、メタノール、NHF(98%)、およびジエチルエーテルを、Sigma-Aldrichから得た。モレキュラーシーブをAlfa-Aesarから得た。ジメチルホルムアミド、ジクロロメタンおよび(NHSOをAcros Organicsから得た。
5-アザ-T-dCydの合成のスキーム全体を、図7に示す。
S-(4-オクチルオキシ)ベンジル-2-デオキシ-3,5-O-[1,1,3,3-テトラキス(1-メチルエチル)-1,3-ジシロキサンジイル]-1,4-ジチオ-erythro-ペントフラノシド:
(6aR,9aS)-2,2,4,4-テトライソプロピル-8-((4-(オクチルオキシ)ベンジル)チオ)テトラヒドロ-6H-チエノ[3,2-f][1,3,5,2,4]トリオキサジシロシン(13a)。
Figure 0007425734000056
アルゴン下で0℃において、無水DMF(935mL)中の(2R,3S)-2-(ヒドロキシメチル)-5-((4-(オクチルオキシ)ベンジル)チオ)テトラヒドロチオフェン-3-オール(12a)(187g、486.2mmol)およびイミダゾール(82.7g、1215.5mmol、2.5当量)の溶液に、1,3-ジクロロ-1,1,3,3-テトライソプロピルジシロキサン(184.0g、583.4mmol、1.2当量)を、その反応混合物の温度を5℃未満に維持しながら添加した。その反応混合物を21時間撹拌し、その期間の間に、その反応温度を、5℃から周囲温度へと上昇させた。その混合物を氷冷水(2L)に注ぎ、その生成物を酢酸エチル(4L)で抽出した。その有機層を分離し、50%のブラインで洗浄した(1L×3)。その有機層を無水NaSO(100g)で20時間乾燥させ、酢酸エチルをロータリーエバポレーターの中で除去して、残渣380gを得た。その粗製生成物を、シリカゲル(3800g)でのカラムクロマトグラフィーによって精製し、比97:3(30L)においてヘプタン/酢酸エチルで溶離して、標的生成物(13a)を無色油状物として得た(280g、収率89.2%)。純度は、H NMRスペクトルに基づいて約95%と推定された。
4-アミノ-1-((6aR,8R,9aS)-2,2,4,4-テトライソプロピルテトラヒドロ-6H-チエノ[3,2-f][1,3,5,2,4]トリオキサジシロシン-8-イル)-1,3,5-トリアジン-2(1H)-オン(15a)。
Figure 0007425734000057
ヘキサメチルジシラザン(HMDS、980mL)中の5-アザシトシン(14a)(150.1g、1.339mol)および硫酸アンモニウム(4.4g、33.3mmol)の懸濁物を、2Lの丸底フラスコにおいてアルゴン雰囲気下で21時間撹拌しながら還流した。その溶液を周囲温度へと冷却し、過剰なHMDSをロータリーエバポレーターの中で除去して、白色固体を得た。その残渣を無水ジクロロメタン(1L)中に溶解し、その溶液を以下の工程で使用した。
(6aR,9aS)-2,2,4,4-テトライソプロピル-8-((4-(オクチルオキシ)ベンジル)チオ)テトラヒドロ-6H-チエノ[3,2-f][1,3,5,2,4]トリオキサジシロシン(13a)(280g、446.5mmol)を、無水ジクロロメタン(1300mL)中に溶解し、そのシリル化したアザシトシンの溶液を添加した。その得られた溶液を、アルゴン雰囲気下で撹拌しながら0℃へと冷却した。N-ブロモスクシンイミド(87g、491.1mmol、1.1当量)を、5つに分けて、30分間にわたってその冷却した混合物に添加した。その得られた混合物を、0℃で1.5時間撹拌した。薄層クロマトグラフィーを使用して、出発物質3の消費をモニターした(ヘプタン:酢酸エチル=19:1)。13aが完全に消費された後、その反応混合物をチオ硫酸ナトリウム(1800mLの水の中に160g)でクエンチし、0.5時間、0℃で撹拌した。その混合物を、Celite 209(200g)のパッドを通して濾過した。その有機層を分離し、その水層をジクロロメタンで抽出した(1.5L×2)。その合わせた有機層を硫酸ナトリウム(200g)で14時間乾燥させ、濾過によって清澄化し、10Lのロータリーエバポレーターの中で濃縮して、粗製生成物(420g)を得た。
クロマトグラフィーによるアノマーの混合物からの中間体15aの単離:
上記工程からの粗製生成物を、シリカゲル(kg)でのカラムクロマトグラフィーによって精製した。その生成物を、ジクロロメタン中の酢酸エチルの勾配30%から100%を用いて溶離して、4つの画分を得た:
F1: 9g(極性の低い不純物で汚染されている15a);
F2: 29.0g(純粋βアノマー);
F3: 56g(αおよび88%のβの混合物);
F4: 35g(αおよび68%のβの混合物)。
画分3を、シリカゲル(1200g)のカラムを通して、ヘプタン:酢酸エチル:トリエチルアミン(1:1:1%、36L)を用いて溶離して、38gの純粋生成物15aを得た。
画分4を、シリカゲル(1200g)のカラムを通して、ヘプタン:酢酸エチル:トリエチルアミン(1:1:1%、33L)を用いて溶離して、23.8gの純粋生成物15aを得た。
15aの合計単離量は、90.6グラム(収率41.7%)であった。
4-アミノ-1-(2-デオキシ-4-チオ-β-erythro-ペントフラノシル)-1,3,5-トリアジン-2(1H)-オン(5-アザ-T-dCyd)
Figure 0007425734000058
無水メタノール(1304mL)中の4-アミノ-1-(6aR,8R,9aS)-2,2,4,4-テトライソプロピル-テトラヒドロ-6H-チエノ[3,2-f][1,3,5,2,4]トリオキサジシロシン-8-イル)-1,3,5-トリアジン-2(1H)-オン(15a)(90g、184.9mmol)およびフッ化アンモニウム(34.3g、924.4mmol)の懸濁物を60~65℃へと2.5時間加熱した。その混合物を15℃へと冷却し、1時間撹拌した。沈殿した固体をフィルター漏斗に集め、無水メタノールで洗浄して(2×30mL)、4-アミノ-1-(2-デオキシ-4-チオ-β-erythro-ペントフラノシル)-1,3,5-トリアジン-2(1H)-オン(5-アザ-T-dCyd)を白色固体として得た(乾燥後28g、HPLCによれば100%純粋)。その母液を、Celite 209(30g)と混合し、乾燥するまで濃縮し、シリカゲル(150g)でのクロマトグラフィーによって、比5:3の酢酸エチル:エタノール(4L)を用いて、次いで、エタノール(4L)を用いて溶離して精製し、7gの粗製生成物を得た。これを、メタノール(70mL)とともに30分間撹拌し、続いて、濾過して、さらに3.5gの生成物を、乾燥後に白色固体として得た(HPLCによれば99.3%純粋)。その生成物(5)の2つの部分を混合し、発売した(HPLC:99.3%;31.5g、収率:72.9%)。
生成物である2’-デオキシ-4’-チオ-5-アザ-シチジン(白色粉末)を、H、13C NMR分光法、C、H、NおよびFに関する元素分析、ならびにHPLC(225nmでの面積%)によって特徴づけた。分析の結果から5-アザ-T-dCydの構造と一致し、その生成物のNCI提供のサンプルとHPLCで同一であると判明した。その合成の全体の収率は、超臨界流体クロマトグラフィーを要求する先行技術の方法によって観察された14.6%と比較して、21~22%であった。
開示される発明の原理が適用され得るその多くの考えられる実施形態に鑑みて、その例証される実施形態が本発明の好ましい例に過ぎず、本発明の範囲を限定すると解釈されるべきではないことは認識されるべきである。むしろ、本発明の範囲は、以下の請求項によって規定される。本発明者らは、従って、これらの請求項の範囲および趣旨の範囲内に入る全てを本発明者らの発明として特許請求する。

Claims (14)

  1. 2’-デオキシ-β-erythro-ペントチオフラノシルヌクレオシドのβ-アノマーを立体選択的に合成するための方法であって、前記方法は、
    式I:
    Figure 0007425734000059
    に従う構造および立体化学を有する化合物を提供する工程であって、ここでR、-(CH-アリールであり、ここでnは、0または1であり、前記アリールはフェニル、またはアルコキシもしくはハロで置換されたフェニルであり;そしてRは、式-Si(R)(R)-O-Si(R)(R)-を有する保護基であり、ここで各RおよびRは、独立して、アルキル、シクロアルキル、またはアリールである、工程;
    前記式Iに従う化合物と、N-ブロモスクシンイミドおよびシリル化ピリミジンまたはシリル化トリアジンとを、保護されたピリミジンベースまたはトリアジンベースの2’-デオキシ-β-erythro-ペントチオフラノシルヌクレオシドのα-アノマーおよびβ-アノマーの混合物を生成するために有効な反応条件下で合わせる工程;
    前記保護されたピリミジンベースまたはトリアジンベースの2’-デオキシ-β-erythro-ペントチオフラノシルヌクレオシドの前記β-アノマーを、前記α-アノマーから分離する工程;ならびに
    前記保護基を、前記保護されたピリミジンベースまたはトリアジンベースの2’-デオキシ-β-erythro-ペントチオフラノシルヌクレオシドの前記β-アノマーから除去して、ピリミジンベースまたはトリアジンベースの2’-デオキシ-β-erythro-ペントチオフラノシルヌクレオシドのβ-アノマーを提供する工程、
    を包含する方法。
  2. およびRは独立して、C-Cアルキル、シクロアルキル、またはフェニルである、請求項1に記載の方法。
  3. およびRは同じである、請求項1または請求項2に記載の方法。
  4. は、-Si(CH(CH-O-Si(CH(CH-、-Si(CH-O-Si(CH-、または-Si(C-O-Si(C-である、請求項1に記載の方法。
  5. 、-(CH-アリールであり、前記アリールは、アルコキシ、またはフルオロで置換されたフェニルであり、n=0または1である、請求項1~4のいずれか1項に記載の方法。
  6. は、
    Figure 0007425734000060
    Figure 0007425734000061
    である、請求項1に記載の方法。
  7. 前記ピリミジンベースまたはトリアジンベースの2’-デオキシ-β-erythro-ペントチオフラノシルヌクレオシドの前記β-アノマーは、一般構造:
    Figure 0007425734000062
    を有し、ここでYは、N、C(H)、C(CH)またはC(X)であり、ここでXはハロである、請求項1~6のいずれか1項に記載の方法。
  8. 前記ピリミジンベースまたはトリアジンベースの2’-デオキシ-β-erythro-ペントチオフラノシルヌクレオシドの前記β-アノマーは、一般構造:
    Figure 0007425734000063
    を有する、請求項7に記載の方法。
  9. 前記ピリミジンベースまたはトリアジンベースの2’-デオキシ-β-erythro-ペントチオフラノシルヌクレオシドの前記β-アノマーは、
    Figure 0007425734000064
    である、請求項8に記載の方法。
  10. α-アノマーおよびβ-アノマーの前記混合物は、少なくとも2:1のβ/α質量比を有する、請求項1~9のいずれか1項に記載の方法。
  11. 前記式Iに従う化合物は、モル過剰のN-ブロモスクシンイミドと合わされる、請求項1~10のいずれか1項に記載の方法。
  12. 前記式Iに従う化合物は、モル過剰の前記シリル化ピリミジンまたはシリル化トリアジンと合わされる、請求項1~11のいずれか1項に記載の方法。
  13. 保護されたピリミジンベースまたはトリアジンベースの2’-デオキシ-β-erythro-ペントチオフラノシルヌクレオシドのα-アノマーおよびβ-アノマーの混合物を生成するために有効な反応条件は、(i)-10~10℃の範囲内の反応温度、(ii)30分間~3時間の範囲内の反応時間、または(iii) (i)および(ii)の両方を含む、請求項1~12のいずれか1項に記載の方法。
  14. 前記保護されたピリミジンベースまたはトリアジンベースの2’-デオキシ-β-erythro-ペントチオフラノシルヌクレオシドの前記β-アノマーを前記α-アノマーから分離する工程は、シリカゲルクロマトグラフィーを含む、請求項1~13のいずれか1項に記載の方法。
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