JP7424353B2 - ポンプ軸の安全カバー - Google Patents

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本発明は、ポンプ軸の安全カバーに関し、詳しくは、グランドパッキンで軸封されるポンプにおいて、グランドパッキンの締め付け調整時等に回転軸(ポンプ軸)への接触や巻き込まれの事故を未然に防止するための、ポンプ軸の安全カバーに関する。
鉄鋼業等の製造業では種々の製造工程において、グランドパッキンで軸封されるポンプが多用されている。この種のポンプでは、例えば図8に示すように、ポンプ1の内部から外部へ貫通する軸穴10に通した回転軸であるポンプ軸2と軸穴10との隙間を封鎖するために設けられたスタフィングボックスと呼ばれる軸封部3にグランドパッキン4(一般に断面形状が角型で、スタフィングボックスに詰め込んで用いられるパッキンの総称)を挿入し、さらにパッキン押さえ5で締付けることにより、ポンプ軸2表面および軸封部3内面に接触面圧を発生させて内部流体11をシールする。内部流体11は、液体例えば水である場合が多い。なお、軸封部3の左側には、ポンプ軸2に固定されてポンプ軸2とともに回転し内部流体11を流動させるインペラー(図示せず)が配設されている。
前記締付けには、パッキン押さえ5に付属する締付け用具6である例えば締付け用ボルト6A及び締付け用ナット6Bが用いられる。すなわち、ポンプ1のケーシングに固設した締付け用ボルト6Aを、パッキン押さえ5に穿設された貫穴12に潜らせ、突き出た締付け用ボルト6A先端部に締付け用ナット6Bを螺合させこれを締り側に回すことにより前記締付けが行われる。なお、ポンプ軸2を回転可能に支持する軸受部15がポンプ1と共通の支持枠体(図示せず)に固定され、前記パッキン押さえ5に対面している。
上記のパッキン押さえ5による締付け作業にあたっては、グランドパッキン4の詰り具合を円周方向に均等化させるために、ポンプ軸2の回転状態下で、手動の工具で締付け用ナット6Bを回してパッキン締付け具合の初期調整を行う。また、グランドパッキン4はその挿入から取替えまでの連続使用期間中に徐々に摩耗が進行し、ポンプ軸2表面および軸封部3内面における接触面圧が低減して内部流体のシール状態が不完全となるため、前記連続使用期間中に適宜の頻度で、初期調整と同じくポンプ軸2の回転状態下で、締付け用ナット6Bを回してパッキン締付け具合の再調整を行う。
上記のパッキン締付け具合の初期調整及び再調整の作業は、ポンプ軸2が露出している箇所である軸露出箇所20の近くで、ポンプ軸2の回転状態下で行われ、軸露出箇所20の軸方向長さは、例えば40~50mmであり、短いとはいえ、締付け用ナット6Bを回す手動の工具を持つ手が偶発的にポンプ軸2に接触したり巻き込まれたりする危険性がある。
なお、安全性及び作業性の両面から、締付け用ナット6Bを回す手動の工具(スパナまたはレンチ)としてラチェット式の工具を用いるのが最適である。ラチェット式の工具は、締付け締戻しの正逆双方向回転の何れか一方を選択的に空回りさせる機構を有し、工具を締付け用ナット6Bに噛ませたまま正転逆転の繰返しで締付けができて、ラチェット式でない工具(逆転の都度工具を締付け用ナット6Bから外して噛ませ直す必要がある)を用いる場合と比べて作業能率が格段に向上し、かつポンプ軸2への接近機会も低減するからである。しかしながら、そのように工具の最適化を図るだけでは、前記危険性をゼロにすることはできない。
こうした危険性を軽減するため、前記軸露出箇所20のポンプ側を覆うように設置される安全カバーが提案されている。(特許文献1、特許文献2参照)。
特開平8-100797号公報 特開2015-169188号公報
特許文献1や特許文献2の安全カバーによれば、前記軸露出箇所のポンプ側を覆うので、ポンプ側でのポンプ軸との接触及びポンプ軸への巻き込まれの危険性を軽減することが可能となるが、依然として軸受部側のポンプ軸(以下、単に「軸」ともいう。)が露出した状態のため、ポンプ軸との接触及び軸への巻き込まれの危険性を完全に排除することができない。
そこで、本発明は、ポンプから軸受部までの間に存在する軸露出箇所(前述のとおり、ポンプ軸の露出箇所の意。以下同じ)を全面的に覆うポンプ軸の安全カバーを提供することを目的とする。
本発明者は、前記課題を解決するために鋭意検討し、以下の各項に記載の要旨構成になる本発明を成した。
[1] ポンプと軸受部との間の軸露出箇所を囲う、ポンプ側部材と軸受部側部材とからなるポンプ軸の安全カバーであって、
前記ポンプは、グランドパッキン、パッキン押さえ及び締付け用具で軸封されており、
前記ポンプ側部材は、一対の夫々が長さ方向の一端に複数の留め穴が付いたフランジを有する半円筒体からなり、これらを合体してなる円筒体が前記軸露出箇所の長さ方向の一部との同軸位置で隙間を介して固定され、
前記軸受部側部材は、一対の夫々が長さ方向の一端に複数の留め穴が付いたフランジを有する半円筒体からなり、これらを合体してなる円筒体が前記軸露出箇所の長さ方向の余部との同軸位置で隙間を介して固定されていることを特徴とするポンプ軸の安全カバー。
[2] 前記ポンプ側部材と前記軸受部側部材とは、円筒体同士の長さ方向の一部に、互いのいずれか一方を内側、他方を外側とする重ね合わせ部を有することを特徴とする[1]に記載のポンプ軸の安全カバー。
[3] 前記重ね合わせ部において、ポンプ側部材の円筒体を外側としたことを特徴とする[2]に記載のポンプ軸の安全カバー。
[4] 前記ポンプ側部材の複数の留め穴が前記締付け用具で前記パッキン押さえに固定されていることを特徴とする[1]~[3]のいずれか1項に記載のポンプ軸の安全カバー。
[5] 前記締付け用具が、締め付け用ボルト及び締め付け用ナットからなることを特徴とする[1]~[4]のいずれか1項に記載のポンプ軸の安全カバー。
[6] 前記軸受部側部材の複数の留め穴が固定手段で前記軸受部に固定されていることを特徴とする[1]~[5]のいずれか1項に記載のポンプ軸の安全カバー。
[7] 前記固定手段が、前記軸受部側部材の複数の留め穴に嵌合する複数本の固定用ボルト及び該固定用ボルトを前記軸受部に締結する固定用ボルト穴からなることを特徴とする[6]に記載のポンプ軸の安全カバー。
[8] 前記ポンプ側部材及び前記軸受部側部材の合計4つの半円筒体の内少なくとも1つの半円筒体が、該半円筒体の半径方向に貫通する液抜き穴を有することを特徴とする[1]~[7]のいずれか1項に記載のポンプ軸の安全カバー。
[9] 前記液抜き穴を有する半円筒体が、前記ポンプ側部材の一対の半円筒体であることを特徴とする[8]に記載のポンプ軸の安全カバー。
本発明によれば、ポンプから軸受部にかけての軸露出箇所が全面的に覆われ、ポンプ軸との接触の危険性が完全に排除されるため、ポンプのパッキン締付け具合調整作業の安全性が従来に増して向上する。さらに、液抜き穴を配設したことにより、締付け具合の確認及び漏液時の安全カバー内への液溜まり防止も可能となる。
本発明に係る安全カバーの一例を示す概略図である。 本発明に係るポンプ側部材の一例を示す分解図である。 本発明に係るポンプ側部材の一例を示す合体図である。 本発明に係る軸受側部材の一例を示す分解図である。 本発明に係る軸受側部材の一例を示す合体図である。 本発明に係るポンプ側部材の一例を示す取付け図である。 本発明に係る軸受部側部材の一例を示す取付け図である。 安全カバーの無い従来のポンプの軸封部及び軸受部の一例を示す概略図である。
[ポンプ]
本発明は、ポンプ軸を軸封されるポンプを適用対象とする。ポンプの型式は、遠心ポンプ、渦巻ポンプ、カスケードポンプ、ギアポンプ等のいずれであってもよい。ポンプの内部流体、吐出量、ポンプ軸の軸径及び回転速度は特に限定されないが、工場での稼働実績から、内部流体は液体で例えば水、吐出量は200~4000m3/h、軸径は50~200mm、回転速度は590~1180rpmを想定している。なお、軸受の種類は特に限定されず、転がり軸受、すべり軸受、磁気軸受及び流体軸受のいずれであってもよい。
[本発明に係る安全カバー]
本発明に係る安全カバーは、例えば図1に示すように、ポンプ1と軸受部15の間の軸露出箇所20を囲うために用いられる。なお、図8は安全カバー100がない場合のポンプ1を示している。ポンプ1は、グランドパッキン4、パッキン押さえ5及び締付け用具6で軸封されている。
図1に示すように、本発明に係る安全カバー100は、ポンプ側部材30と軸受部側部材40とからなる([1]の発明)。なお、ポンプ側部材30及び軸受部側部材40は以下、夫々部材30及び部材40と略記する場合がある。
[ポンプ側部材]
ポンプ側部材30は、概略図(図1)と併せてその分解図(図2)、合体図(図3)及び取付け図(図6)にも示すように、一対の夫々が長さ方向の一端に複数の留め穴33が付いたフランジ32を有する半円筒体31からなり、これらを合体してなる円筒体34が前記軸露出箇所20の長さ方向の一部との同軸位置で隙間35を介して固定されている。
複数の留め穴33の個数は3個以上であってもよいが、締付け用としては図2、図3に例示される2個で十分である。一対の半円筒体31を合体して円筒体34とする際には、図2、図3に示すように留め穴33同士を重ね合わせて合体するとよい。
[軸受部側部材]
軸受部側部材40は、概略図(図1)と併せてその分解図(図4)、合体図(図5)及び取付け図(図7)をも示すように、一対の夫々が長さ方向の一端に複数の留め穴43が付いたフランジ42を有する半円筒体41からなり、これらを合体してなる円筒体44が前記軸露出箇所20の長さ方向の余部(ポンプ側部材30の囲い残し区間)との同軸位置で隙間35を介して、固定手段8にて固定されている。
複数の留め穴43の個数は、特に限定されないが、固定用としては軸受部側のポンプ本体の支持枠体ボルト穴を利用して固定できるよう、前記支持枠体ボルト穴と同じ個数が好適である。多くの場合、前記支持枠体ボルト穴は、円周方向に30°~90°程度の等角度間隔に並んで配設されている。図4、図5の例では前記等角度間隔が45°になる個数(8個)とした。
安全カバー100が、仮にポンプ側部材30のみからなるとすると、円筒体34で囲われるのは軸露出箇所20の一部のみであり、その余部は囲い残し区間となる。この囲い残し区間を無くすことはできない。というのは、ポンプ側部材30の取付け当初及びパッキン締付け具合の初期調整時は前記余部である囲い残し区間の間隙がごく狭小(例えば1mm以下)で安全上問題がなかったとしても、パッキン締付け具合の再調整の度にパッキン押さえ5が軸封部3に近づいていくため、円筒体34が軸受部15から離れていき、上記の囲い残し区間の間隙が拡大するからである。これに対し、本発明では、ポンプ側部材30に加えてさらに軸受部側部材40を有するから、ポンプ側部材30と軸受部側部材40の端部同士間の間隙を例えば金属テープの巻き付け等により簡便に封鎖できて、上記の囲い残し区間を無くすことができる。
[重ね合わせ部]
本発明では、例えば図1に示すように、ポンプ側部材30と軸受部側部材40とは、取り付けた状態下で、円筒体34、44同士の長さ方向の一部に、互いのいずれか一方を内側、他方を外側とする重ね合わせ部50を有すること([2]の発明)が好ましい。これにより、上述のポンプ側部材30と軸受部側部材40の端部同士間の間隙は存在しなくなり、重ね合わせ部50が無いときの前記間隙に対する上述の封鎖作業が不要となる。
ここで、重ね合わせ部50の長さは、ポンプの形状に合わせて適宜決定されるべきであるが、好ましくは10~30mmである。重ね合わせ部50の長さが10mm未満であると、パッキン締付け具合の再調整時にポンプ側部材30が軸封部3に近づく(軸受部15から離れる)ことで重ね合わせ部50が消失(円筒体34及び44で囲われない部位が発生)してポンプ軸2が露出する可能性がある。一方、重ね合わせ部50の長さが30mm超であると、取付けの際、前記締付け用具6(ポンプ側部材30の締付け用具6)及び前記固定手段8(軸受部側部材40の固定手段8)が夫々相手方の部材(40及び30)と干渉して作業性を損う可能性がある。
また、重ね合わせ部50での隙間35(円筒体34及び44のうち、内側の円筒体とポンプ軸2とのポンプ軸半径方向の間隔)の値は、1~10mmが好ましい。重ね合わせ部50での隙間35の値が、1mm未満であると内側の円筒体の内面がポンプ軸2で擦られて破損することが懸念され、一方、10mm超であると外側の円筒体の外面と当該外側の部材(ポンプ側部材30又は軸受部側部材40)の締付け用具6又は固定手段8の間隔が狭くなりすぎて、締付け用具6又は固定手段8に夫々締付け用又は固定用の手動工具を噛ませにくくなって、作業性を損うことが懸念される。
ところで、グランドパッキン4は、耐用期間が尽きるとポンプ軸2の回転停止状態下で交換される。その交換時には、パッキン押さえ5と共にポンプ側部材30を取り外す必要があるが、重ね合わせ部50において軸受部側部材40を外側とした場合は、ポンプ側部材30の取り外しの妨げとなるため、軸受部側部材40も取り外す必要が生じ、余分な手間がかかる。そこで、この手間を省くために、重ね合わせ部50において、ポンプ側部材30の円筒体34を外側とした形態([3]の発明)が好適である。図1にはこの好適な形態を示した。
上記の好適な形態の場合、安全カバー100の取付けの際には、まず軸受部側部材40の取付けを行い、その後ポンプ側部材30の取付けを行う。
[締付け用具]
ポンプ側部材30は、好ましくは、図1に示したように、その複数の留め穴33が締付け用具6でパッキン押さえ5に固定されている([4]の発明)。締付け用具6は、図1、図3及び図6に示した締付け用ボルト6A及び締付け用ナット6Bからなるもの([5]の発明)が好ましい。締付け用ボルト6Aは頭無し型でポンプ1のケーシングに固設されており、留め穴33に通し締付け用ボルト6Aに係合させた状態の締付け用ナット6Bを、好ましくはラチェット式の工具で締り側に回すことにより簡便にパッキン締付け具合の調整ができる。
なお、締付け用具6に代えて、ポンプ1のケーシングに設けたボルト穴と該ボルト穴にポンプ側部材30の留め穴33を締結可能な六角ボルトからなる別種の締付け用具(図示せず)としてもよい。この場合も前記留め穴33に通し前記ボルト穴に係合させた状態の前記六角ボルトを、好ましくはラチェット式の工具で締り側に回すことにより簡便にパッキン締付け具合の調整ができる。
[固定手段]
軸受部側部材40は、好ましくは、図1に示したように、その複数の留め穴43が固定手段8で軸受部15に固定されている([6]の発明)。固定手段8は、図1、図5及び図7に示した軸受部側部材40の複数の留め穴43に嵌合する複数本の固定用ボルト(例えば六角ボルト)8A及び該固定用ボルト8Aを軸受部15に締結する固定用ボルト穴8Bからなるもの([7]の発明)が好ましい。なお、軸受部15におけるボルト穴8Bの配設箇所は、例えば軸受ケースのボス端面(図示せず)が好適である。前記ボスとは、ホイール(車輪)や歯車、プーリーといった車軸あるいはポンプ軸が嵌められている穴の周囲で、肉厚になっている部分のことであり、軸受とともに、内部を車軸あるいはポンプ軸が貫いていて、ハブ、軸頭とも呼ばれ、車輪あるいはポンプ軸のぐらつきを防止するのに役立っている。
これによれば、固定用ボルト穴8Bに留め穴43を合わせて固定用ボルト8Aを挿入し、これを好ましくはラチェット式の工具で締り側に回すことにより簡便に軸受部側部材40の取付け・固定ができる。ここで、固定用ボルト穴8Bとしては、前述のように、軸受部側のポンプ本体の支持枠体ボルト穴を利用するとよい。
なお、固定用ボルト8Aと固定用ボルト穴8Bとからなる固定手段8に代えて、軸受部15に固設した複数の頭無し型のボルトと該頭無し型のボルトに複数の留め穴43を夫々締結・固定するナットとからなる別種の固定手段(図示せず)としてもよい。この場合も前記複数の頭無し型のボルトに複数の留め穴43を夫々通し前記ナットを係合させた状態で当該ナットを、好ましくはラチェット式の工具で締り側に回すことにより簡便に軸受部側部材40の取付け・固定ができる。
[液抜き穴]
本発明に係る安全カバー100においては、図1のポンプ側部材30及び軸受部側部材40の合計4つの半円筒体31、31、41、41の内少なくとも1つの半円筒体が該半円筒体の半径方向に貫通する液抜き穴60(図2及び図6に例示)を有すること([8]の発明)が好ましい。このとき、軸封部3からの漏液が溜まる部位である円筒体の底部に液抜き穴60が位置するように、合体して当該円筒体とする半円筒体への液抜き穴60の配設位置を決定すべきである。液抜き穴60が前記円筒体の底部に位置しないと、安全カバー100内からの液抜きが困難である。
液抜き穴60を設けることにより、内部流体11が液体例えば水である場合、グランドパッキン4からの水の漏れ量を確認しながら締付け具合の調整が可能となる。また、液抜き穴60により、調整中に漏れた水が安全カバー100内に滞留せず、安全カバー100の腐食や劣化を防止できる。
液抜き穴60は1つであってもよいが、2つ以上が好ましい。2つ以上であれば、1つが閉塞しても残りの液抜き穴60から液抜き可能である。液抜き穴60が1つのみの場合、その1つが閉塞すると液抜き不能となり、その際に必要となる液抜き穴60の再貫通作業は、安全上、ポンプ軸2の回転停止状態下で行わねばならず、ポンプ1の稼働能率を阻害する。
液抜き穴60の穴径は、7~9mmが好ましい。この穴径が7mm未満であると液の表面張力により液が抜け難い場合がある、一方、この穴径が9mm超であると、安全カバー100の強度不足となる惧れがある。また、2つ以上の液抜き穴60同士の穴間隔(=穴中心間距離-穴径)は、穴径と同等以上で前記軸露出箇所20の長さ以下が好ましい。この穴間隔が穴径と同等未満であると、安全カバー100の強度不足となる惧れがある。一方、この穴間隔が前記軸露出箇所20の長さ超であると、液抜き穴60をポンプ軸方向に2つ以上、すなわち、液が溜まる円筒体底部に2つ以上設ける好ましい形態を実現できない。
また、本発明では、例えば図2及び図6に示すように、液抜き穴60を有する半円筒体が、ポンプ側部材30の一対の半円筒体31、31であること([9]の発明)が、さらに好ましい。液抜き穴60を漏液源(軸封部3)に近い側のポンプ側部材30に設けることで、軸受部側部材40のみに設ける場合と比べてより確実に安全カバー100内の液溜まりを防止できる。また、液抜き穴60を一対の半円筒体31、31に設けることで、部品仕様を穴付き半円筒体に統一でき、現地に運ぶポンプ側部材30を穴付きの一対とすべきところを誤って穴無しの一対としてしまうといった段取りミスを無くすことができる。
なお、液抜き穴60を一対の半円筒体31、31に設ける際に、複数の液抜き穴60が、合体した円筒体34の長手方向の2箇所以上で円周方向に互い違いに並ぶようにすること(図2及び図6参照)が好ましい。これによれば、締付け用具6の配設位置の位相(ポンプ軸周りの角度位置)がポンプにより異なる場合の夫々において、複数の液抜き穴60のいずれかが円筒体34底部に存在するようになるため、ポンプにより締付け用具6の設置位置の位相が種々異なる場合、それらのポンプに対して、液抜き穴60の位置を種々変えた複数種のポンプ側部材30を用意せずとも、単一種のポンプ側部材30を用意すれば足りる。
安全カバー100の材質は、ポンプ側部材30及び軸受部側部材40の双方とも、鋼(炭素鋼、ステンレス鋼等)、非鉄金属(アルミ、銅等)及び合成樹脂(塩ビ等)の何れであってもよい。なお、強度及び耐久性に優れ、耐食性にも優れるという観点からすれば、ステンレス鋼(例えばSUS304)が最適である。
なお、安全カバーの取付けは、ポンプ軸の回転停止状態下のグラントパッキンの挿入の時に行っておく。パッキン締付け具合の初期調整および再調整に際しては、ポンプ軸は回転状態とされるが、取付けられたままの安全カバーの外側から工具で締付け用ナットを回すことができるから、工具が回転状態のポンプ軸に接触する危険性はゼロとなり、安全性が究極まで向上する。これにより、作業者は安心感を持ってパッキン締付け具合の初期調整および再調整の作業に専念できるので、作業性の向上にも繋がる。
また、半円筒体に液抜き穴を設けた形態では、合体した円筒体内への漏液の液溜まりによる腐食や劣化を防止できる。また、パッキン締付け具合の初期調整時及び調整時に、グランドパッキンからの液の漏れ量を確認しながらパッキン締付け具合の調整が可能となり、適正な状態まで確実に締付けを行うことができる。
1 ポンプ
2 ポンプ軸
3 軸封部(スタフィングボックス)
4 グランドパッキン
5 パッキン押さえ
6 締付け用具
6A 締付け用ボルト
6B 締付け用ナット
8 固定手段
8A 固定用ボルト
8B 固定用ボルト穴
10 軸穴
11 内部流体
12 貫穴
15 軸受部
20 軸露出箇所(ポンプ軸が露出している箇所)
30 ポンプ側部材
31 半円筒体(ポンプ側部材の半円筒体)
32 フランジ(ポンプ側部材のフランジ)
33 留め穴(ポンプ側部材の留め穴)
34 円筒体(ポンプ側部材の円筒体)
35 隙間
40 軸受部側部材
41 半円筒体(軸受部側部材の半円筒体)
42 フランジ(軸受部側部材のフランジ)
43 留め穴(軸受部側部材の留め穴)
44 円筒体(軸受部側部材の円筒体)
50 重ね合わせ部
60 液抜き穴
100 安全カバー

Claims (8)

  1. ポンプと軸受部との間の軸露出箇所を囲う、ポンプ側部材と軸受部側部材とからなるポンプ軸の安全カバーであって、
    前記ポンプは、グランドパッキン、パッキン押さえ及び締付け用具で軸封されており、
    前記ポンプ側部材は、一対の夫々が長さ方向の一端に複数の留め穴が付いたフランジを有する半円筒体からなり、これらを合体してなる円筒体が前記軸露出箇所の長さ方向の一部との同軸位置で隙間を介して固定され、
    前記軸受部側部材は、一対の夫々が長さ方向の一端に複数の留め穴が付いたフランジを有する半円筒体からなり、これらを合体してなる円筒体が前記軸露出箇所の長さ方向の余部との同軸位置で隙間を介して固定されてい
    前記ポンプ側部材と前記軸受部側部材との円筒体は、円筒体同士の長さ方向の一部に、互いのいずれか一方を内側、他方を外側とする重ね合わせ部を有することを特徴とするポンプ軸の安全カバー。
  2. 前記重ね合わせ部において、ポンプ側部材の円筒体を外側としたことを特徴とする請求項に記載のポンプ軸の安全カバー。
  3. 前記ポンプ側部材の複数の留め穴が前記締付け用具で前記パッキン押さえに固定されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のポンプ軸の安全カバー。
  4. 前記締付け用具が、締め付け用ボルト及び締め付け用ナットからなることを特徴とする請求項1~のいずれか1項に記載のポンプ軸の安全カバー。
  5. 前記軸受部側部材の複数の留め穴が固定手段で前記軸受部に固定されていることを特徴とする請求項1~のいずれか1項に記載のポンプ軸の安全カバー。
  6. 前記固定手段が、前記軸受部側部材の複数の留め穴に嵌合する複数本の固定用ボルト及び該固定用ボルトを前記軸受部に締結する固定用ボルト穴からなることを特徴とする請求項に記載のポンプ軸の安全カバー。
  7. 前記ポンプ側部材及び前記軸受部側部材の合計4つの半円筒体の内少なくとも1つの半円筒体が、該半円筒体の半径方向に貫通する液抜き穴を有することを特徴とする請求項1~のいずれか1項に記載のポンプ軸の安全カバー。
  8. 前記液抜き穴を有する半円筒体が、前記ポンプ側部材の一対の半円筒体であることを特徴とする請求項に記載のポンプ軸の安全カバー。
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JP2015169188A (ja) 2014-03-11 2015-09-28 Jfeスチール株式会社 ポンプ軸の安全カバー
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