JP7418072B1 - ソフトウェア、データ処理装置及びデータ処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明のソフトウェアは、被介護者の自立支援・重度化防止を目的とし、職員のスキルや経験に依らず、科学的なリハビリ・支援を実施することで、日常生活動作(ADL)のアウトカムを出すことが求められている。本発明は、ソフトウェア、データ処理装置及びデータ処理方法に関する。詳しくは、対象者の日常生活動作(ADL)維持・改善に最も効率的な個人最適化された支援内容の提案し、かつ対象者のBIの予測を行うソフトウェア、データ処理装置及びデータ処理方法に係るものである。

Description

本発明はソフトウェア、データ処理装置及びデータ処理方法に関する。詳しくは、被介護者の自立支援・重度化防止のアウトカムにつながる、日常生活動作(ADL)維持・改善における、対象者のBIの予測、及び、効率的な支援内容の提案を可能にするソフトウェア、データ処理装置及びデータ処理方法に係るものである。
日本では2000年に、介護保険制度が設立されて以来、介護報酬評価は主として「要介護度」、即ち、被介護者に対する生活介助の必要時間が長さで決められている。また、この「要介護度」が上がるにつれ、介護報酬も上がる仕組みになっている。そのため被介護者が重度化し「要介護度」が上がれば、介護サービス提供事業者(以下、事業者と称する)の報酬も上昇し、被介護者が受けられる介護サービスの種類や内容が豊富になるように規定されている。
一方、医療分野における診療報酬の評価は、エビデンス(根拠、証拠)に基づく治療が求められ、治療の対象者が、治療を受け、病気や症状が良くなることが、評価や報酬に繋がる制度、即ち、治療に対するアウトカム(成果)で報酬評価している。
このように、従来の介護分野では、医療分野と異なり、被介護者に対し、身体の状態や日常生活動作(Activities of Daily Living:以下、「ADL」と称する)等の改善・維持に対するインセンティブが少なく、その結果、事業者及び被介護者の家族に対して、改善・維持に対するモチベーションが上がる制度ではないことが、介護保険料の増大を招いている原因の一つとされている。
また、昨今の医療・介護制度改革により「癒す医療」は、病院ではなく、介護施設等の在宅医療の役割に移ることになったため、急性期病院から療養病院を経由せずに、介護施設に退院する患者が増加しており、以前に比べ、介護施設では、医療分野の視点が必要になってきている。
こうした背景により、日本では、令和3年度介護報酬改定において、20年に一度と言われる大改革が実施され、「科学的に効果が裏付けられた自立支援・重度化防止に資する質の高い介護サービス提供の推進を目的とする(厚労省老健局事務連絡)」とした「要介護度=介助時間」中心の評価からの転換の方向性が示された。
また、その方法として「科学的介護情報システム:LIFE(Long-term care Information system For Evidence)を用いた厚生労働省へのデータ提出と、フィードバックの活用による、PCDAサイクル・ケアの向上を図る取り組みの推進」がなされることとなった(例えば、非特許文献1参照)。
この科学的介護(科学的裏付けに基づく介護)の導入により、介護分野においても、被介護者に対する自立支援・重度化防止のアウトカム(成果)が要求されることとなった。例えば、令和3年度介護報酬改定では、「ADL維持等加算」等は、施設における被介護者のADLの変化に対するアウトカム評価を行う成果報酬型であり、このようなアウトカム評価に対する報酬割合は、介護保険改正ごとに拡大していくと言われている。
よって、各事業者は、科学的介護に関わる被介護者のADLや介助サービス内容等のデータを厚労省に提出するだけでなく、図1のように、リハビリテーションや栄養管理、口腔ケアに関わる各専門職種が一体になってPDCAサイクルを回す運用をし、自立支援・重度化防止のアウトカム(成果)を出す体制を作る必要に、急遽迫られることとなった。
上述のように、従来の介護保険制度で評価されていなかった事もあり、各専門職種で供した介助・リハビリのサービス内容やADL、及び、改善内容をデータ化し、多職種で密にこれらを情報共有し、自立支援・重度化防止することを目的とした介護分野のシステムは稀有であり、事業者側も紙記録やエクセル等を用いて自立支援・重度化防止のアウトカムを公開している事業者は極めて少ない。
しかし、今後、事業者は、科学的介護情報システム(LIFE)に対し、例えば「科学的介護推進体制加算」では、毎月各データの集積及び提出だけでなく、データ分析を行い、エビデンスに基づく質の高い介護ケアの提供計画を提出することが求められている。
また、図1(a)に、ADL(日常生活動作)の具体的な内容の一例を示し、図1(b)に、BI(バーセルインデックス)の食事の項目を例に、BI値の出し方を示している。
このようなエビデンスに基づく、対象者一人一人の状態に合わせたリハビリテーションや介護の支援を行う科学的介護は、もともと科学的医療に基づいており、同技術は医療機関にもそのまま流用できる。
"厚生労働省 科学的介護 科学的介護情報システム(LIFE)による科学的介護の推進について"、[online]、[令和4年10月13日検索]、インターネット< https://www.mhlw.go.jp/content/12301000/000949376.pdf >
ここで、科学的介護を実施するにあたって、介護施設や病院では、被介護者の「自立支援・重度化防止」に繋がる有効な支援計画を提案する必要がある。
しかしながら、上述したように、現状、自立支援・重度化防止することや、これに繋が宇具体的な支援内容の提案を目的とした介護分野のシステムはほとんど存在しない。
介護施設や病院にて、被介護者の「自立支援・重度化防止」に繋がる有効な支援計画を提案するには、まず、介護分野のシステムを用いて、施設内の介護士・看護師・リハビリスタッフ・栄養・ケアマネージャー等の各専門職が、自らが供した介助・リハビリのサービス内容やADL、及び、改善内容をデータ化し、多職種で密にこれらを情報共有することがなされていなかった。
また、当然に、従前の介護システムでは、各専門職が日々入力したバイタル・リハビリ記録・介助記録・生活記録等のデータを収集して、被介護者の特性を分析し、ADL維持・改善、より具体的には、被介護者におけるBI値(Barthel Indexの値)の改善に効果的な支援を提案したり、ケアプランを作成したりすることに寄与する介護システムは存在しなかった。
また、介護システムではなく、単独のAIシステムとしては、今までに、ケアマネージャーが入力した記録簿よりデータ収集した学習型AIが提案を行う、ケアプランAIシステムが存在する。同様にリハビリAIシステムも存在する。
しかし、いずれのAIシステムも、職員の勘や経験に基づいて作成されたケアプランやリハビリ計画と、最終的な改善結果との因果関係を分析しているものであり、読みこませた記録の精度検証はなく、この手法では交絡因子が発生しやすく、BI値の改善において、精度が出にくいものとなっている。また、実際に販売されているAIシステムは、いずれも「参考になる」程度とされており、精度や効果性を公表しているものは存在しない。
また、これらのAIシステムでアウトプットを出すには、AIにデータをインプットさせる必要があるため手間がかかる。一般的な介護システムには、リハビリ職員向けの機能は無く、ケアプランの機能はあるものの、そのデータは構造化されていないことから、AIシステムと介護システムを連動させるとしても限界があった。
さらに、自立支援・重度化防止は、ケアマネやリハビリが単独で行うものではなく、図2のように多職種で総合的に支援する必要があり、この手法で総合的なインプットデータを得ようとすると、電子カルテのような入力装置が必要となってくる。
ここで、厚生労働省は、2021年、エビデンスに基づく介護を行うべく、科学的介護を導入し、その科学的介護情報システム(LIFE)には、患者の年齢や性別等の属性や病名(ICD10コード)、薬品コード等の入力が必要となっている。科学的介護情報システム(LIFE)にあるデータの取得はCSV出力等を通じて可能となっている。
さらに、このLIFEデータは、ナショナルデータベースに格納されており、公開申請により、この大量のデータが閲覧できる。これによりビックデータを利用した機械学習も後述のように可能である。
こうした点を考慮して、本発明は、属人的に書かれたケアプランやリハビリ計画からインプットデータを収集するのではなく、科学的介護情報システム(LIFE)に格納されているデータを中心に、不足データのみ追加入力を促し、(1)対象者の属性としてICFモデル、具体的には「健康状態」、「心身機能・身体機能」、「活動」、「参加」、「環境因子」、「個人因子」の6要素を構造的に分類して収集し、また、(2)実施された支援内容はLIFEコードと呼ばれる構造化されたデータから収集して、説明変数とし、目的変数(アウトプット)として、BIの10項目(食事・移乗・整容・トイレ動作・入浴・歩行・階段昇降・着替え・排便コントロール・排尿コントロール)の変化について、それぞれのBI項目への影響度を重回帰分析し、スコアリング(もしくは機械学習)するため、因果関係がホワイトボックス化される構造であるため、BI値の改善の精度が出やすい。なお、図3には、本発明のAIアルゴリズムの基本ロジックの概略を示すモデル図を示している。
本発明は、以上の点に鑑みて創案されたものであり、被介護者の自立支援・重度化防止のアウトカムにつながる、日常生活動作(ADL)維持・改善における、対象者のBIの予測、及び、効率的な支援内容の提案を可能にするソフトウェア、データ処理装置及びデータ処理方法を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明のソフトウェアは、LIFE(Long-term care Information system For Evidence)のコードに関する情報であるLIFEコード情報、または、ICF(International Classification of Functioning, Disability and Health)モデルに関する情報であるICFモデル情報の少なくとも一方の情報と、BI(Barthel Index)の評価項目ごとの点数であるBI値の情報に基づいて、所定の期間経過後の個体のBI値の変化を予測することを特徴として構成されている。
なお、本明細書において、ソフトウェアとは、コンピュータの動作に関するプログラムのことである。また、プログラムとは、コンピュータによる処理に適した命令の順番付けられた列からなるものをいう。
ここで、LIFEコード情報、または、ICFモデル情報の少なくとも一方の情報に属する情報であると共に、BIの特定の評価項目に影響を及ぼす可能性のある情報である要因候補情報を用いることによって、科学的介護情報システム(LIFE)を介して入力されたLIFEコード情報や、介護現場で使用され、健康の構成要素に関する分類である国際生活機能分類(ICF)に基づく、被介護者の属性を示すICFモデル情報を、BI値の変化を予測するための要因の情報として利用することができる。
なお、ここでいうLIFEコード情報とは、LIFEを介して入力される情報のうち、個別機能訓練の短期目標及び長期目標に関する「個別機能訓練の目標コード表」や、「個別機能訓練計画のプログラム内容・具体的支援内容コード表」を用いて入力される情報である。
また、ここでいう被介護者の属性とは、被介護者を介護的な観点、または、医療的な観点で分類した際の被介護者が有する性質、特性、及びこれらの関係等を意味するものである。
また、ここでいう、BI値の変化とは、ある被介護者での、BIの特定の評価項目についての、評価点数の変化を意味する。
また、本発明のソフトウェアは、LIFE(Long-term care Information system For Evidence)のコードに関する情報であるLIFEコード情報、または、ICF(International Classification of Functioning, Disability and Health)モデルに関する情報であるICFモデル情報の少なくとも一方の情報と、BI(Barthel Index)の評価項目ごとの点数であるBI値の情報に基づいて、所定の期間経過後の個体のBI値の変化を予測するためソフトウェアであって、情報処理機器を、同一個体における、前記LIFEコード情報、または、前記ICFモデル情報の少なくとも一方の情報に属する情報であると共に、BIの特定の評価項目に影響を及ぼす可能性のある情報である要因候補情報と、前記所定の期間前後でのBIの特定の評価項目におけるBI値の変化の情報であるBI変化値情報との組み合わせの情報で、複数の個体に由来する情報群から重回帰分析に基づく解析を行う重回帰分析解析手段と、前記要因候補情報の少なくとも一部と、前記重回帰分析により得られた前記要因候補情報ごとに算出される係数の情報に基づき、スコア配点表を作成すると共に、前記スコア配点表により、複数の個体の、それぞれのスコア合計点を算出し、前記BI変化値情報ごとの前記スコア合計点の人数分布を算出するスコア分布算出手段と、前記スコア分布算出手段が算出した前記人数分布に基づき作成され、かつ、予測対象となる個体の前記所定期間経過後のBI値の変化を予測するための基準となる情報である予測基準情報に基づき、BI値の変化を予測する第1の目的変数生成手段と、を含む手段として機能させるためのソフトウェアとして構成されている。
ここで、重回帰分析解析手段が、LIFEコード情報、または、ICFモデル情報の少なくとも一方の情報に属する情報であると共に、BIの特定の評価項目に影響を及ぼす可能性のある情報である要因候補情報を用いることによって、科学的介護情報システム(LIFE)を介して入力されたLIFEコード情報や、介護現場で使用され、健康の構成要素に関する分類である国際生活機能分類(ICF)に基づく、被介護者の属性を示すICFモデル情報を、重回帰分析の説明変数として利用することができる。また、LIFEコード情報またはICFモデル情報に属し、BIの特定の評価項目に影響を及ぼす可能性のある情報である要因候補情報を用いることによって、LIFEコード情報またはICFモデル情報のうち、BIの特定の評価項目に変化を与える可能性がある情報に絞って、これを説明変数として利用することができる。
また、ここでいう、BIの特定の評価項目とは、BI(Barthel Index)の評価項目として設定された10項目のうち、1つの評価項目を意味するものである。例えば、BIの「食事」の項目であれば、BIの点数として、自立(10点)、部分介助(5点)、及び、全介助(0点)の評価点が設定されている。また、食事以外にも、「移譲(車椅子~ベッド)、整容、トイレ動作、入浴、歩行、階段昇降、着替え、排便コントロール、及び、排尿コントロール」の項目と、各項目の評価点が設定されている。また、BIの特定の評価項目に影響を及ぼす可能性のある情報とは、「食事」の項目であれば、この食事に影響を及ぼす可能性のある、LIFEコード情報またはICFモデル情報の中の個別の種類の情報であり、例えば、「入れ歯の使用の有無」等が挙げられる。
また、重回帰分析解析手段が、LIFEコード情報、または、ICFモデル情報の少なくとも一方の情報に属する情報であると共に、BIの特定の評価項目に影響を及ぼす可能性のある情報である要因候補情報と、所定の期間前後でのBIの特定の評価項目におけるBI値の変化の情報であるBI変化値情報との組み合わせの情報を用いることによって、被介護者ごとの、要因候補情報とBI変化値情報を、1組の情報として取り扱うことができる。即ち、BIの特定の評価項目について、被介護者ごとに紐づいた要因候補情報の個々の内容と、その被介護者が、所定の期間(例えば半年間)において、そのBI項目の評価点が変化した値を組み合わせて、情報の解析や処理に用いることができる。
なお、ここでいう、BI変化値情報とは、ある被介護者での、BIの特定の評価項目についての、評価点数が変動した値の情報である。例えば、Aさんが、BIの「移譲」の項目において、ある半年間の期間で、半年前は「自立(15点)」の評価結果で、半年後には「軽介助や監視が必要(10点)」の評価結果になった場合、Aさんの移譲のBI変化値情報は「-5点」となる。
また、重回帰分析解析手段が、要因候補情報と、BI変化値情報との組み合わせの情報で、複数の個体に由来する情報群から重回帰分析に基づく解析を行うことによって、各被介護者の要因候補情報を説明変数とし、かつ、BI変化値情報を目的変数として、BI変化値情報に対して、要因候補情報を構成する各情報がどのくらいの影響を与えているかを分析可能となる。また、重回帰分析に基づく解析を行うことによって、要因候補情報を構成する各情報に対応した、それぞれの係数を算出することができる。この係数は、要因候補情報を構成する各情報の、BI変化値情報への貢献度(影響度)を表し、要因候補情報の中の複数の情報について、あるBIの項目に対する重要度の指標となると共に、スコア配点表を作成するための参考情報として利用することができる。
なお、ここでいう目的変数としてのBI変化値情報とは、それぞれのBIの項目ごとに、所定の期間を経過した後に、BIの評価点数が何点変化するかを示す、変化する数の情報である。BIの評価点の変化であるため「+15点、+10点、+5点、0点、-5点、-10点、-15点」のいずれかの値で変化する内容となる。
また、スコア分布算出手段が、要因候補情報の少なくとも一部と、重回帰分析により得られた要因候補情報ごとに算出される係数の情報に基づき、スコア配点表を作成することによって、要因候補情報を構成する各情報と、その係数を用いた配点表を作って、スコアリングを行うことが可能となる。即ち、被介護者ごとに、個々の要因候補情報の内容について、その内容の有無、または、複数に分かれた程度等と、各情報の係数を利用して、スコアの配点をして、その被介護者のスコア合計点を算出することが可能となる。また、係数を用いて、要因候補情報を構成する複数の情報に対して、一定の点数等を基準に情報を区分けして(カットオフの値を設定して)、あるBIの項目に対する影響度に応じた要因候補情報の絞り込みを行うこともできる。
また、スコア分布算出手段が、スコア配点表により、複数の個体の、それぞれのスコア合計点を算出し、BI変化値情報ごとのスコア合計点の人数分布を算出することによって、BIの特定の項目についての、スコア合計点と、BI変化値との関係を示す人数分布の情報を生成することができる。この人数分布の情報は、予測基準情報を設定するための参考情報として利用されるものとなる。
また、第1の目的変数生成手段が、スコア分布算出手段が算出した人数分布に基づき作成され、かつ、予測対象となる個体の前記所定期間経過後のBI値の変化を予測するための基準となる情報である予測基準情報に基づき、BI値の変化を予測することによって、このスコア合計点と、BI変化値との関係を示す人数分布から、予測基準情報を作成して、BI値の変化を予測可能となる。即ち、BIの特定の項目について、その項目のスコア配点表でスコアリングして、合計何点になれば、所定の期間経過後に、そのBIの評価点が何点変化するかを、予測基準情報を用いて予測することができる。
つまり、ある被介護者に対して、例えば、BIの「食事」の項目について、その被介護者の半年後のBIの評価点の変化を予測する際には、食事の項目のスコア配点表で、その被介護者のスコア合計点を算出する。そして、予測基準情報と、算出したスコア合計点から、その被介護者が半年後に食事の項目の評価点が何点変化するかを、第1の目的変数生成手段が予測して、結果を出すことが可能となる。
また、第1の目的変数生成手段が、要因候補情報の中から、係数の値が大きく、かつ、BIの特定の評価項目に関するリハビリになりうる情報を、提案ケアプラン情報として抽出する場合には、BIの特定の項目について、その項目の評価点を良くするために効果的なリハビリの種類の情報や、介護支援の種類の情報を、提案ケアプラン情報として被介護者に提案可能となる。
また、予測基準情報が、BIの特定の評価項目についての、一定範囲で区分けしたスコア合計点の範囲と、BI変化値情報とを組み合わせた合計点範囲基準を、BI変化値情報ごとに設定して構成された場合には、スコア合計点における一定の点数範囲で、複数の範囲に分かれたものを、予測基準情報として利用可能となる。この点は、例えば、スコア合計点が「25点~38点」であれば、半年後のBI変化値が「+10点」になり、スコア合計点が「21点~24点」であれば、半年後のBI変化値が「+5点」になるといった具合で、予測基準情報を設定することができる。
また、第1の目的変数生成手段が、スコア配点表に基づき、予測対象とある個体におけるスコア合計点を算出して、スコア合計点を合計点範囲基準と照合し、所定期間経過のBI値の変化を予測する場合には、予測の対象となる被介護者のスコア合計点が、スコア合計点の一定の点数範囲のうち、どの部分に含まれるかを照合して、第1の目的変数生成手段により、所定期間経過後のBI変化値を予測可能となる。例えば、スコア合計点が「25点~38点」であれば、半年後のBI変化値が「+10点」になると予測基準情報が設定された場合、予測の対象のスコア合計値が26点であれば、その被介護者における、BIの特定の評価項目における半年後のBI変化値が「+10点」になるとの予測結果を出すことができる。また、スコア配点表及び予測基準情報は、BIの項目ごとに算出または設定されるため、それぞれのBIの項目の種類ごとに、BI変化値を予測することができる。
また、要因候補情報には、集団での食事、居室外での食事、トイレでの排泄、アクティブ活動、嚥下体操、及び、レクリエーションに関する情報の、少なくともいずれか1つの情報が含まれる場合には、介護士等による介護現場の場面で確認される情報であり、かつ、BIの各項目に影響を及ぼす可能性がある情報を、要因候補情報として、更に含めて、最終的に、BI変化値の予測の精度を向上させることができる。
なお、ここで挙げた「集団での食事、居室外での食事、トイレでの排泄、アクティブ活動、嚥下体操、及び、レクリエーションに関する情報」とは、ICFモデル情報の中の一部に含まれる可能性があるが、これらは特に、介護士等が介護サービスを提供する際に、被介護者の日常生活動作の維持や改善に関係すると考える情報である。また、上記の情報と重複する内容の情報が、ICFモデルの情報の中から、要因候補情報に含まれる態様となってもよい。
また、上記の目的を達成するために、本発明のソフトウェアは、LIFE(Long-term care Information system For Evidence)のコードに関する情報であるLIFEコード情報、または、ICF(International Classification of Functioning, Disability and Health)モデルに関する情報であるICFモデル情報の少なくとも一方の情報と、BI(Barthel Index)の評価項目ごとの点数であるBI値の情報に基づいて、所定の期間経過後の個体のBI値の変化を予測するためソフトウェアであって、情報処理機器を、同一個体における、前記LIFEコード情報、または、前記ICFモデル情報の少なくとも一方の情報に属する情報であると共に、BIの特定の評価項目に影響を及ぼす可能性のある情報である要因候補情報と、前記所定の期間前後でのBIの特定の評価項目におけるBI値の変化の情報であるBI変化値情報との組み合わせの情報で、複数の個体に由来する情報群から重回帰分析に基づく解析を行い、前記要因候補情報と前記BI変化値情報のデータセットを用いて機械学習させることにより、学習済みモデルを作成する学習済みモデル作成手段と、前記学習済みモデルを適用して、予測対象となる個体における前記要因候補情報から、前記所定期間経過後のBI値の変化を予測する第2の目的変数生成手段と、を含む手段として機能させるためのソフトウェアとして構成されている。
ここで、学習済みモデル作成手段が、要因候補情報と、BI変化値情報との組み合わせの情報で、複数の個体に由来する情報群から重回帰分析に基づく解析を行うことによって、各被介護者の要因候補情報を説明変数とし、かつ、BI変化値情報を目的変数として、BI変化値情報に対して、要因候補情報を構成する各情報がどのくらいの影響を与えているかを分析可能となる。
また、学習済みモデル作成手段が、要因候補情報とBI変化値情報のデータセットを用いて機械学習させることにより、学習済みモデルを作成し、第2の目的変数生成手段が、学習済みモデルを適用して、予測対象となる個体における要因候補情報から、所定期間経過後のBI値の変化を予測することによって、学習済みモデルを用いて、予測の対象としたい被介護者における要因候補情報を入力すれば、BIの特定の項目におけるBI変化値を出力することが可能となる。
また、学習済みモデル作成手段が、要因候補情報に対応した特徴量のインパクトを生成する場合には、要因候補情報を構成する複数の情報の中から、特徴量のインパクトが最も大きな情報を、BI変化値に与える影響が大きな要因の情報として抽出することが可能となる。即ち、特徴量のインパクトに基づき、BIの特定の項目において、最もその変化に影響を与える情報の内容を、ピンポイントで抽出することができる。
また、上記の目的を達成するために、本発明のデータ処理装置は、LIFE(Long-term care Information system For Evidence)のコードに関する情報であるLIFEコード情報、または、ICF(International Classification of Functioning, Disability and Health)モデルに関する情報であるICFモデル情報の少なくとも一方の情報と、BI(Barthel Index)の評価項目ごとの点数であるBI値の情報に基づいて、所定の期間経過後の個体のBI値の変化を予測することを特徴として構成されている。
また、上記の目的を達成するために、本発明のデータ処理方法は、LIFE(Long-term care Information system For Evidence)のコードに関する情報であるLIFEコード情報、または、ICF(International Classification of Functioning, Disability and Health)モデルに関する情報であるICFモデル情報の少なくとも一方の情報と、BI(Barthel Index)の評価項目ごとの点数であるBI値の情報に基づいて、所定の期間経過後の個体のBI値の変化を予測することを特徴として構成されている。
また、上記の目的を達成するために、本発明のデータ処理装置は、LIFE(Long-term care Information system For Evidence)のコードに関する情報であるLIFEコード情報、または、ICF(International Classification of Functioning, Disability and Health)モデルに関する情報であるICFモデル情報の少なくとも一方の情報と、BI(Barthel Index)の評価項目ごとの点数であるBI値の情報に基づいて、所定の期間経過後の個体のBI値の変化を予測するためデータ処理装置であって、同一個体における、前記LIFEコード情報、または、前記ICFモデル情報の少なくとも一方の情報に属する情報であると共に、BIの特定の評価項目に影響を及ぼす可能性のある情報である要因候補情報と、前記所定の期間前後でのBIの特定の評価項目におけるBI値の変化の情報であるBI変化値情報との組み合わせの情報で、複数の個体に由来する情報群から重回帰分析に基づく解析を行う重回帰分析解析手段と、前記要因候補情報の少なくとも一部と、前記重回帰分析により得られた前記要因候補情報ごとに算出される係数の情報に基づき、スコア配点表を作成すると共に、前記スコア配点表により、複数の個体の、それぞれのスコア合計点を算出し、前記BI変化値情報ごとの前記スコア合計点の人数分布を算出するスコア分布算出手段と、前記スコア分布算出手段が算出した前記人数分布に基づき作成され、かつ、予測対象となる個体の前記所定期間経過後のBI値の変化を予測するための基準となる情報である予測基準情報に基づき、BI値の変化を予測する目的変数生成手段とを備える。
ここで、重回帰分析解析手段が、要因候補情報と、BI変化値情報との組み合わせの情報で、複数の個体に由来する情報群から重回帰分析に基づく解析を行うことによって、各被介護者の要因候補情報を説明変数とし、かつ、BI変化値情報を目的変数として、BI変化値情報に対して、要因候補情報を構成する各情報がどのくらいの影響を与えているかを分析可能となる。また、重回帰分析に基づく解析を行うことによって、要因候補情報を構成する各情報に対応した、それぞれの係数を算出することができる。
また、スコア分布算出手段が、スコア配点表により、複数の個体の、それぞれのスコア合計点を算出し、BI変化値情報ごとのスコア合計点の人数分布を算出することによって、BIの特定の項目についての、スコア合計点と、BI変化値との関係を示す人数分布の情報を生成することができる。この人数分布の情報は、予測基準情報を設定するための参考情報として利用されるものとなる。
また、目的変数生成手段が、スコア分布算出手段が算出した人数分布に基づき作成され、かつ、予測対象となる個体の前記所定期間経過後のBI値の変化を予測するための基準となる情報である予測基準情報に基づき、BI値の変化を予測することによって、このスコア合計点と、BI変化値との関係を示す人数分布から、予測基準情報を作成して、BI値の変化を予測可能となる。即ち、BIの特定の項目について、その項目のスコア配点表でスコアリングして、合計何点になれば、所定の期間経過後に、そのBIの評価点が何点変化するかを、予測基準情報を用いて予測することができる。
また、上記の目的を達成するために、本発明のデータ処理方法は、LIFE(Long-term care Information system For Evidence)のコードに関する情報であるLIFEコード情報、または、ICF(International Classification of Functioning, Disability and Health)モデルに関する情報であるICFモデル情報の少なくとも一方の情報と、BI(Barthel Index)の評価項目ごとの点数であるBI値の情報に基づいて、所定の期間経過後の個体のBI値の変化を予測するためデータ処理方法であって、同一個体における、前記LIFEコード情報、または、前記ICFモデル情報の少なくとも一方の情報に属する情報であると共に、BIの特定の評価項目に影響を及ぼす可能性のある情報である要因候補情報と、前記所定の期間前後でのBIの特定の評価項目におけるBI値の変化の情報であるBI変化値情報との組み合わせの情報で、複数の個体に由来する情報群から重回帰分析に基づく解析を行う重回帰分析解析工程と、前記要因候補情報の少なくとも一部と、前記重回帰分析により得られた前記要因候補情報ごとに算出される係数の情報に基づき、スコア配点表を作成すると共に、前記スコア配点表により、複数の個体の、それぞれのスコア合計点を算出し、前記BI変化値情報ごとの前記スコア合計点の人数分布を算出するスコア分布算出工程と、前記スコア分布算出工程で算出した前記人数分布に基づき作成され、かつ、予測対象となる個体の前記所定期間経過後のBI値の変化を予測するための基準となる情報である予測基準情報に基づき、BI値の変化を予測する目的変数生成工程とを備える。
ここで、重回帰分析解析工程で、要因候補情報と、BI変化値情報との組み合わせの情報で、複数の個体に由来する情報群から重回帰分析に基づく解析を行うことによって、各被介護者の要因候補情報を説明変数とし、かつ、BI変化値情報を目的変数として、BI変化値情報に対して、要因候補情報を構成する各情報がどのくらいの影響を与えているかを分析可能となる。また、重回帰分析に基づく解析を行うことによって、要因候補情報を構成する各情報に対応した、それぞれの係数を算出することができる。
また、スコア分布算出工程で、スコア配点表により、複数の個体の、それぞれのスコア合計点を算出し、BI変化値情報ごとのスコア合計点の人数分布を算出することによって、BIの特定の項目についての、スコア合計点と、BI変化値との関係を示す人数分布の情報を生成することができる。この人数分布の情報は、予測基準情報を設定するための参考情報として利用されるものとなる。
また、目的変数生成工程で、スコア分布算出手段が算出した人数分布に基づき作成され、かつ、予測対象となる個体の前記所定期間経過後のBI値の変化を予測するための基準となる情報である予測基準情報に基づき、BI値の変化を予測することによって、このスコア合計点と、BI変化値との関係を示す人数分布から、予測基準情報を作成して、BI値の変化を予測可能となる。即ち、BIの特定の項目について、その項目のスコア配点表でスコアリングして、合計何点になれば、所定の期間経過後に、そのBIの評価点が何点変化するかを、予測基準情報を用いて予測することができる。
本発明に係るソフトウェア、データ処理装置及びデータ処理方法は、被介護者の自立支援・重度化防止のアウトカムにつながる、日常生活動作(ADL)維持・改善における、対象者のBIの予測、及び、効率的な支援内容の提案を可能なものとなっている。
(a)は、ADL(日常生活動作)の具体的な内容の一例を示す概略図であり、(b)は、BI(バーセルインデックス)の食事の項目を例に、BI値の出し方を示す概略図である。 介護の多職種の連携の必要性と効果の概略を示す概念図である。 本発明のAIアルゴリズムの基本ロジックの概略を示すモデル図を示している。 本発明を適用したソフトウェアを導入した端末の概略構成を示す図である(第1のシステム構成)。 本発明を適用したソフトウェアを有する第2のシステム構成を示す概略図である。 本発明を適用したソフトウェアを有する第3のシステム構成を示す概略図である。 演算部、情報送受信部及び情報記録部の構成を示すブロック図である。 個別機能訓練の目標コード表を示す図である。 個別機能訓練の目標コード表を示す図である。 個別機能訓練の目標コード表を示す図である。 個別機能訓練の目標コード表を示す図である。 個別機能訓練の目標コード表を示す図である。 個別機能訓練の目標コード表を示す図である。 個別機能訓練の目標コード表を示す図である。 個別機能訓練の目標コード表を示す図である。 ICF(国際生活機能分類)のコード表を示す図である。 ICF(国際生活機能分類)のコード表を示す図である。 ICF(国際生活機能分類)のコード表を示す図である。 ICF(国際生活機能分類)のコード表を示す図である。 ICF(国際生活機能分類)のコード表を示す図である。 ICF(国際生活機能分類)のコード表を示す図である。 ICF(国際生活機能分類)のコード表を示す図である。 ICF(国際生活機能分類)のコード表を示す図である。 ICF(国際生活機能分類)のコード表を示す図である。 個別機能訓練計画のプログラム内容・具体的支援内容コード表を示す図である。 個別機能訓練計画のプログラム内容・具体的支援内容コード表を示す図である。 個別機能訓練計画のプログラム内容・具体的支援内容コード表を示す図である。 個別機能訓練計画のプログラム内容・具体的支援内容コード表を示す図である。 個別機能訓練計画のプログラム内容・具体的支援内容コード表を示す図である。 ICFモデルを構成する各要素を示す概略図である。 ICFの評価点の内容を示す概略図である。 (a)は、パーキンソン病の被介護者のBIの「食事」の項目に関するICFモデルを示す図であり、(b)は、脳卒中麻痺の被介護者のBIの「食事」の項目に関するICFモデルである。 BIの「食事(介助)」の項目に関して、(a)は、説明変数候補としての要因候補情報の一例を示す図であり、(b)は、説明変数としての要因情報の一例を示す図である。 BIの「食事」の項目に関する予測基準情報の一例を示す図である。 BIの「食事」の項目に関する要因情報と、その係数の一例を示す図である。 BIの「食事」の項目に関して、スコア合計点の中の20点と21点の境界を示すためのグラフである。 本発明の第1の実施の形態にかかるソフトウェアを搭載した解析システムにより、被介護者のBI値の改善予測を提示する簡単な流れを示す概略図である。 本発明の第2の実施の形態による、説明変数及び目的変数を用いた機械学習によるBIの改善予測およびケアプランの提案の流れを示すモデル図である。
[本発明の第1の実施の形態]
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明し、本発明の理解に供する。
図1は、本発明の第1の実施の形態として、本発明を適用したソフトウェアを導入した端末の概略構成を示す図である。なお、以下に示す構造は本発明の一例であり、本発明の内容はこれに限定されるものではない。
[1.全体の装置構成について]
本発明を適用したソフトウェアは、汎用の情報処理機器に導入可能であり、組み込まれた情報処理機器に対して本発明の実施するために必要な各情報処理機能を付与する。この結果、パーソナルコンピュータ(パソコン端末)、タブレット端末、または、スマートフォン端末等を介して、被介護者のデータを入力または収集し、または、LIFEコード情報やICFモデル情報が蓄積されたサーバ経由でデータを収集し、端末等を介して、被介護者における、一定期間経過後のBIの評価値の変動の予測や、効率的な支援内容の提案を行うことができる。
なお、情報処理機器とは、CPUなどの演算部と、RAMやROMなどの記憶部と、液晶画面等の表示画面や、キーボード等の入力部、インターネット等との通信を制御する通信部等を備えたものである。例えば、汎用のパソコン端末やタブレット端末、スマートフォン等である。また、情報処理機器としては、例えば、各種のヘルスケア機器や、病院や施設等に設置された医療システムや介護システムも対象となり、本発明を適用したソフトウェアがこれらに組み込まれて使用されるものでもよい。
本発明を適用したソフトウェアは、アプリケーションソフトウェアとして解析端末3に組み込まれており、複数の被介護者に由来する集団データから、目的変数生成手段を構築して、対象となる被介護者について、一定期間経過後のBIの評価値の変動を予測する機能を備えた解析端末を解析装置1とする。
図4に示すように、解析装置1(解析端末3)は、演算部2を備えている。演算部2は、解析装置1の有する各情報処理機能を実行する処理部である。即ち、本発明を適用したソフトウェアでは、解析端末3の演算部2を情報入力手段23、情報記録手段24、重回帰分析解析手段25、スコア分布算出手段26、基準情報設定手段27、抽出条件設定手段100、目的変数生成手段6などとして機能させる。この各手段の処理機能により、情報の送受信、情報の記録、情報処理・解析、各種基準情報の設定、予測結果の出力、各種情報の通知、表示情報の作成や表示等を行う。
なお、解析端末3は、インターネットを介して、外部のサーバ、端末等にアクセス可能であり、外部のサーバや端末等との間で情報の送受信を行うことも可能である。
解析端末3は、情報記録部4と、情報送受信部3cと、入力部3aと、表示画面3bを有している。
情報送受信部3cは、演算部2、情報記録部4、入力部3a及び表示画面3b等の間での情報の送受信を担う部分である。また。解析端末3と、外部端末との間で情報の送受信可能に構成されるものであってもよい。
ここで、以下、本発明を適用したソフトウェアが取り扱う各情報が、必ずしも、解析端末3の情報記録部4に記録される必要はない。例えば、解析端末3の情報送受信部3cを介して、外部サーバや外部端末に各種情報を送信して記録させ、情報処理等の際に、外部サーバ等から必要な情報を受信する態様であってもよい。
更に言えば、解析端末3に、解析装置1の主要な構成が全て組み込まれる必要はない。例えば、解析端末3では、予測結果の表示等のみを行い、各種情報の記録や、情報の分析、解析処理等は、外部サーバ等で行う態様であってもよい。
本発明を適用したソフトウェアは、システム上の構成において、複数のバリエーションが存在しうる。以下、幾つかのバリエーションの事例を説明する。
(第1のシステム構成)
図4に示した解析端末3は、本発明を適用したソフトウェアを端末に導入して、端末単体で、情報の入力(外部端末から受信した入力データの入力を含む)、記録、抽出、予測結果の表示、各種情報処理の基準の設定等が可能となっている。
(第2のシステム構成)
図5では、第2のシステム構成として、本発明を適用したソフトウェア1aの機能を外部サーバに持たせた構成も採用しうる。ここでは、ユーザ端末50aや、外部端末50bが、インターネット30aを介して、情報管理サーバ32aにアクセス可能となっている。情報管理サーバ32aは、例えば、クラウド形式で提供される外部サーバであり、情報管理サーバ32a上で本発明を適用したソフトウェア1aの機能が利用しうる。
情報管理サーバ2aは、情報記録部4a、情報送受信部3c、演算部2aを有している。また、演算部2aは、情報記録手段24a、重回帰分析解析手段25a、スコア分布算出手段26a、基準情報設定手段27a、抽出条件設定手段100a、目的変数生成手段6aを有している。データの入力は、ユーザ端末50aや、外部端末50bを介して行い、各端末から入力されたデータが、情報管理サーバ32aに送信され、情報管理サーバ32a側で情報の記録、情報処理・解析、各種基準情報の設定、予測結果の出力等がなされる。予測結果や、記録された情報は、ユーザ端末50aや、外部端末50bに送信され、各端末で確認することができる。このように、外部サーバ上にソフトウェア1aの機能を付与するシステム構成も採用しうる。
(第3のシステム構成)
図6では、第3のシステム構成として、本発明を適用したソフトウェア32bの機能以外に、複数のソフトウェア32c、32d等を有するモジュールAを備える管理端末70bの構成を示している。本発明を適用したソフトウェア32bは、これとは異なる各種機能を管理端末70bに実行させる他のソフトウェアと共に、1つのモジュールAを構成している。即ち、予め複数のソフトウェア32c、32d等が導入された管理端末70bのモジュールAに、ソフトウェア32bを組み込んで機能させることが可能である。例えば、電子カルテ等の医療システムの管理端末が備えるモジュールに本発明を適用したソフトウェアを組み込むこともできる。
このような第3のシステム構成では、管理端末70bにデータを入力して、情報の記録、情報処理・解析、各種基準情報の設定、予測結果の出力を行い、予測結果の情報を管理端末70b上で確認可能である。また、ユーザ端末60aや、外部端末60bと、管理端末70bを接続させて、ユーザ端末60aや、外部端末60bからデータを入力して管理端末70bに送信し、管理端末70bで情報の記録、情報処理・解析、各種基準情報の設定、予測結果の出力等を行い、予測結果の情報をユーザ端末60aや、外部端末60bで受信して確認することもできる。このように、本発明を適用したソフトウェアは、複数のソフトウェアで構成されたモジュールの一部として機能させる構成も採用しうる。
以上のように、本発明を適用したソフトウェア(又は解析装置)のシステム上の構成は複数のバリエーションが存在する。なお、上記では、3つの例を中心に説明したが、本発明を適用したソフトウェア(又は解析装置)の構成はこれに限定されるものではなく、適宜設定することができる。
図4に示した解析端末3の使用態様を用いて、以下、詳細な構成の説明を続ける。
[2.情報記録部]
図7に示すように、情報記録部4には、各種情報が記録されている。まず、情報記録部4には、予測基準情報を作成するために必要な、複数の被介護者のそれぞれに由来する「個人単位の情報(以下、「個人単位情報7」と称する)」が記録される。
また、この情報記録部4は、既知のLIFE(Long-term care Information system For Evidence)システムと連動して構成されている。そのため、情報記録部4に記録された個人単位情報7をはじめとする各種情報は、介護施設等でLIFEシステムを介して、入力または、記録された各種情報の全部または一部を利用することができる。
即ち、BI(Barthel Index)の各評価項目の種類に合わせて、それぞれの予測基準情報の作成に必要な、個人(被介護者)の氏名や性別等の個人情報、LIFEコード情報、または、個人を介護的な観点や医療的な観点で分類した際の個人の性質の情報(ICFモデル情報)等を、LIFEシステムの中の情報から抽出して、情報処理を行うことが可能となっている。
また、情報記録部4には、複数の被介護者についての個人単位情報7が、被介護者を識別可能な識別情報に紐づけられて記録されている。つまり、情報記録部4は、複数の被介護者に由来する、予測基準情報を生成するための元のデータとなる「母集団データ情報群」が記録される部分となる。また、各個人に由来する個人単位情報7が、識別情報を介して、識別可能に記録されている。
即ち、例えば、情報記録部4には、介護施設等における一人ずつの情報を含めて、それらの情報を、数十人~数万人分収集した集団の情報が記録される。なお、ここで挙げる人数は、特に限定されるものではなく、数十人~数万人分はあくまで一例である。
また、本発明の第1の実施の形態では、予測基準情報を生成するための被介護者、および、予測の対象となる被介護者は、要介助(要介護度が1~5である)の被介護者である。そのため、日常生活を営むことに支障がある「要支援」の被介護者や、比較的健康な高齢の介護施設の利用者や、回復期リハビリテーション病院を利用する、原因疾患に対して、専門的なリハビリにより完全回復を目指す利用者は、本発明の第1の実施の形態における被介護者から除外される。
ここで、必ずしも、本発明における被介護者の種類が、要介助(要介護度が1~5である)の被介護者に限定される必要はない。但し、要介助の被介護者は、各BIの評価項目におけるBI値が、介護サービスやリハビリの提供により改善する可能性が高く、効率良く、ADLの維持および改善の効果が見込まれる点から、本発明における被介護者の種類は、要介助の被介護者に限定されることが好ましい。
また、さらに言えば、本発明の第1の実施の形態では、各BIの評価項目(BI値の合計点の満点は100点)において、BI値の合計点が50点以下の被介護者がメインのターゲットとなる。
また、本発明の第1の実施の形態では、対象とする介護施設の種類としては、特別養護老人ホーム(特養)、介護老人保健施設(老健)、介護療養型医療施設または介護医療院を対象とすることが好ましい。一方、通所介護を主とする介護施設や、LIFEシステムが導入されておらず、被介護者のデータの入手が困難な、一般的な住宅型やサービス付き高齢者向け住宅は、本発明の第1の実施の形態における介護施設の種類からは除外される。
ここで、必ずしも、本発明における対象とする介護施設の種類としては、特別養護老人ホーム(特養)、介護老人保健施設(老健)、介護療養型医療施設または介護医療院に限定される必要はない。但し、本発明の利用シーンが限定され、ADL改善のための効率的な支援内容の提案の精度や質、及び、介護現場での有効性を向上させることができる点で、本発明における対象とする介護施設の種類としては、特別養護老人ホーム(特養)、介護老人保健施設(老健)、介護療養型医療施設または介護医療院に限定されることが好ましい。
また、情報記録部4に記録される個人単位情報7には、個人(被介護者)の氏名、生年月日の情報、性別の情報を含む個人情報が含まれている。これらの個人情報は、上述したように、LIFEシステムの情報を抽出して利用することができる。
また、個人単位情報7には、LIFEコード情報71と、ICFモデル情報72と、その他情報73が含まれている。また、個人単位情報7には、BI値の変化値情報74が含まれている(図7参照)。
[LIFEコード情報]
LIFEコード情報71とは、LIFEを介して入力される情報のうち、個別機能訓練の短期目標及び長期目標に関する「個別機能訓練の目標コード表」や、「個別機能訓練計画のプログラム内容・具体的支援内容コード表」を用いて入力される情報である。
より具体的には、LIFEコード情報71に含まれる「個別機能訓練の目標コード表」とは、「ケアの質の向上に向けた科学的介護情報システム(LIFE)利活用の手引き(令和3年3月株式会社三菱総合研究所ヘルスケア・ウェルネス事業本部発行)」の第25ページから第32ページに掲載された「個別機能訓練の目標コード表」である(図8~図15参照)。
この「個別機能訓練の目標コード表」とは、LIFEシステムに介護施設からデータ提出される「個別機能訓練計画書」の書類中の「個別機能訓練の目標・個別機能訓練項目の設定」の欄に記載する短期目標、および、長期目標の内容が掲載されたコード表である。「個別機能訓練の目標コード表」は、目標分類として、「心身機能」と「活動・参加」があり、各目標分類について、目標(解決すべき課題)、含まれる行為、ICFコード、ICF(国際生活機能分類)名称、コードの説明が複数設定されている。
また、ここでいうICFコードとは、ICF(国際生活機能分類)のコード表に掲載されたコードの情報(図16~図24参照)を意味する。また、ICFコードとは、図16~図24に示す、ICFのそれぞれの項目をコード化した情報だけでなく、ICFのそれぞれの項目と、その「評価点」まで含めてコード化した情報を指す場合もある。また、ICFコードは、その内容が改定される場合があり、本発明の第1の実施の形態では、内容が改定され、修正や追加がなされたICFコードについても、適宜利用することができる。
また、「個別機能訓練の目標コード表」では、例えば、「心身機能(目標分類)、身体機能・構造(目標)、排尿機能(含まれる行為)、b620(ICFコード)、排尿機能(ICF名称)、膀胱から尿を排出する機能(コードの説明)」といったように、個別の機能や行為について、ICFコードが付されて分類されている。また、「個別機能訓練計画書」では、被介護者の目標として、ICFコードを用いて入力が行われている。この他、複数のICF名称と、これに紐づいたICFコードが設定されている(図8参照)。
また、LIFEコード情報71に含まれる「個別機能訓練計画のプログラム内容・具体的支援内容コード表」とは、上記の「ケアの質の向上に向けた科学的介護情報システム(LIFE)利活用の手引き」の第32ページから第36ページに掲載された「個別機能訓練計画・リハビリテーション計画のプログラム内容・具体的支援内容コード表」に相当する情報である(図25~図29参照)。
この「個別機能訓練計画のプログラム内容・具体的支援内容コード表」とは、上述した「個別機能訓練計画書」の書類中の「個別機能訓練項目」の欄に記載する訓練項目のプログラム内容が掲載されたコード表である。「個別機能訓練計画のプログラム内容・具体的支援内容コード表」は、「大項目、細項目及び説明」の情報から構成され、各情報に対応したICFコードを選択して、「個別機能訓練項目」の欄に入力される情報となる。
例えば、「1呼吸機能訓練(大項目)、1呼吸機能訓練(細項目)、無呼吸、過呼吸、不規則な呼吸、肺気腫などの呼吸機能障害を対象として、呼吸数、呼吸リズム、呼吸の深さなどの呼吸機能を維持・向上させることを目的とした訓練である(説明)」の項目(図25参照)の場合、これに関連するICFコードが、被介護者の訓練項目の内容として、ICFコード「b440(呼吸機能)」、「b445(呼吸筋の機能)」、または、「b450(その他の呼吸機能)」等から、リハビリ職が選択して、「個別機能訓練項目」の欄に入力される。即ち、「個別機能訓練計画書」では、被介護者の訓練項目のプログラム内容として、ICFコードを用いた入力が行われている。この他、複数の「大項目、細項目及び説明」の組み合わせの情報と、これに対応して選択されるICFコードが設定されている。
このように、LIFEコード情報71には、「個別機能訓練の目標コード表」や、「個別機能訓練計画のプログラム内容・具体的支援内容コード表」を用いて入力される情報であり、LIFEシステムを介して記載された各支援内容コードが、LIFEコード情報71を構成するものとなる。
[ICFモデル情報]
ICFモデル情報72とは、ICF(国際生活機能分類)を構成する各要素の関係性を分かりやすく示したモデル(ICFモデル)に含まれる各情報であり(図30参照:ICFモデルの図)、本発明においては、被介護者の属性(被介護者を介護的な観点、または、医療的な観点で分類した際の被介護者が有する性質)を示す情報である。なお、ICFモデルは、ICFの生活機能モデルと称される場合もある。
このICFモデル情報72は、後述するICFの各要素に関して、被介護者ごとに、LIFEシステムを介して記載された各項目の情報のICFコード(項目のみ、または、評価点まで示した両方を含む)で構成されている。
ICF(International Classification of Functioning, disability and Health)は、人間の「生活機能」と「障害」を判断するための「分類」の仕方を示したものであり、2001年に世界保健機関(WHO)によって採択された分類指標である。
このICFでは、人の「生活機能」を、「心身機能・身体構造」、および、「活動」と「参加」という3つの要素から構成している。また、ICFでは、その生活機能に相互に影響を与えあう「背景因子」を、「環境因子」と「個人因子」の2つの要素から構成している(図30参照)。
ここで、ICFは、人の生活機能を的確にとらえるための分類を提供するが、ICFの考え方を最大限に活用するためには「心身機能」や「環境」の状況をバラバラに評価するだけでは十分ではなく、それぞれの項目を独立したものとして評価するだけでなく、各項目がどのように関わりあっているのか、どこを改善すれば生活機能がよりよい状況になるのか、を考えていくことがICFの考え方では重要である。そこで、ICFの各要素の関係性を分かりやすく示したのがICFモデルである。
また、ICFモデル情報72を構成する、ICFの各要素とは、以下に示す内容である。また、本発明では、既知のICFモデルの内容の情報に加えて、本発明で独自に設定した情報を含めて、ICFモデル情報72として利用している。また、既知のICFモデルの各要素に紐づいた情報(項目)とは、例えば、図16~図24に示す各ICFコードや、その項目ごとに評価された被介護者ごとの評価点まで含めたICFコードの情報である。
また、現状、ICFは、「健康状態」、「心身機能・身体構造」、「活動」、「参加」、「環境因子」、「個人因子」の組み合わせで、約1500項目に分類されていると言われており、本明細書では、その全てを列挙することはせず、具体的な記載を省略するが、本発明では、既知のICFの各要素の各項目と、その項目ごとに評価された被介護者ごとの評価点の情報を利用することが可能である。
まず、「健康状態」とは、病気や怪我、障害の有無などを指している。また、体調の変化として、肥満や妊娠、加齢等も健康状態の指標として扱われる。
また、本発明の第1の実施の形態においては、「健康状態」に該当する情報は、後述する5つの「心身機能・身体構造」、「活動」、「参加」、「環境因子」、「個人因子」のいずれかに分類される情報であり、「健康状態」の情報としては、ICFモデル情報72を構成する情報に含まれない。
例えば、一般的なICFの健康状態では、「疾患名(例:変形性ひざ関節症:人工膝関節の術後60日経過しており痛みは自制内の状態)」や「既往歴(例:高血圧症)」が記載されるが、本発明の第1の実施の形態においては、「疾患名」や「既往歴」は、「個人因子」に分類され、その情報が利用される。
また、LIFEシステムにおいては、健康状態の情報は、文章で入力されたデータ(非構造化データ)として記載されることが多く、健康状態として記載された被介護者の各情報を、後述する「要因候補情報」として利用する際には、文章を一定の単語や文字・数値、または、所定の単語等の組み合わせで簡潔に表した情報である「構造化データ」に変換することが好ましい。また、LIFEシステムにおいては、多くの項目はLIFEコードや、選択肢の中から選ぶ構造化データが多いが、一部文章で入力可能な項目(非構造化データ)もあるため、入力装置を工夫して、「構造化データ」に変換することが好ましい。
また、「心身機能」とは、身体の生理的、心理的機能のことを指し、見ることや聞くこと、呼吸をすることや音声を発すること等の能力がはかられる項目である。また、例えば、手足の動き、精神の働き、視覚、聴覚、内蔵の働き等の機能が含まれる。また、心身機能には、既往歴も含まれる。
また、「身体構造」とは、身体のそれぞれの器官や、肢体とその構成部分等のことを指し、脳や呼吸器、手足の一部、心臓の一部(弁など)、骨や皮膚等の、身体の各部分の位置や大きさ等が分類されている。
また、心身機能・身体構造は、LIFEシステムにおいて構造化データとして記載される。例えば、プラス面の記載として、「認知機能:見当識に問題なし(MMSE28/30)」、「精神状態:不穏なく穏やかに過ごしている」、「皮膚状態:良好」のように記載される。また、例えば、マイナス面の記載としては、「関節可動域:右膝を伸ばす際に制限あり(評価:右膝関節屈曲125° 伸展?20°)」、「筋力テスト:右膝を伸ばす力が低下(MMT:右膝関節屈曲4 伸展3)」、「痛み:荷重時痛あり(VAS:60)」のように記載される。
また、「活動」とは、生活上の目的を持った具体的な行いのことを指し、読むことや書くことに加え、コミュニケーションをとることや家庭生活を行うこと等がここに含まれる。
また、活動は、LIFEシステムにおいて、「BI(Barthel Index)」、「起居動作」、「IADL(手段的日常生活動作)」、「要介護度」として、構造化データで記載される。
活動は、例えば、プラス面の記載として、「食事:普通食で箸を使用して自立」、「更衣:自立」、「トイレ動作:オムツを使用して自立」のように記載される。また、例えば、マイナス面の記載としては、「入浴:シャワー浴で洗体に一部介助を要す」、「移動:つえで自室内のみ自立」、「料理:非実施」、「洗濯:全介助」のように記載される。
また、「参加」とは、家庭や社会等への関わりのことを指し、働くことやスポーツをすること、地域の中で何か役割を果たすこと等が、参加の中に含まれる。
また、参加は、介護施設に入居した被介護者であれば、その内容が限定的になるが、例えば、「隣のベッドの方と自らお話されている」、「病棟やデイルームでのレクリーションに参加される」、「車椅子で中庭の散歩に行く」等のように記載される。
また、ICFでは、活動と参加は「実行状況(現在「している」活動)」と「能力(することが「できる」活動)」の2つにおいて評価される項目となっている。また、活動と参加の評価は、評価点数や、できている・できていないで記載される。
また、「背景因子」とは、生活機能に大きく影響を与える因子のことで、生活機能の低下を招く状況を作り出す要因を指している。背景因子には、環境因子と、個人因子の要素が含まれている。
また、「環境因子」は、その人の生活機能に影響を与える外的な要因である。例えば、建物の設備、交通機関のバリアフリー状況等の物的な環境が例として挙げられる。また、それだけではなく、環境因子には、家族や友達、世間の人の目等の人的な環境や、医療や保健等のサービスも制度的な環境として含まれる。
また、環境因子は、物的環境、人的環境、社会制度的環境の3つの環境がある。物的環境とは、建物、道路、交通機関、日常的に使用する物体・器具(食品、薬、衣服等)、福祉用具(杖等の歩行補助具、技師装具、車いす等)、自然環境(地形、植物、動物、災害等)である。
また、人的環境は、家族、友人、仕事上の仲間等、また、それらの人の態度や社会的意識としての環境(会社や同僚が障碍者や高齢者をどう見るか、どう扱うか)等である。また、社会的環境は、医療、保健、福祉、介護等に関するサービス・制度・政策等である。
また、環境因子には、施設タイプの情報と、介助体制の情報が含まれる。施設タイプの情報とは、介護施設の種類が、特別養護老人ホーム(特養)、介護老人保健施設(老健)、介護療養型医療施設または介護医療院の、どの種類の施設であるかの情報である。
また、介助体制の情報とは、介護施設における「集団での食事」の有無や、「手段でのリハビリ(例:嚥下体操等)」の有無の情報である。
また、環境因子は、LIFEシステムにおいて構造化データとして記載される。
また、「個人因子」とは、その人に固有の特徴のことを指している。この個人因子に関しては、年齢や性別、民族等の基本的な特徴に加えて、社会的状況や人生体験なども、この個人因子として生活機能の分類に含めることができる。具体的には、本人の年齢、性別、BMI、学歴、職歴、職位、モチベーションや情緒等が記載される。
また、個人因子は、LIFEシステムにおいて構造化データとして記載される。
また、個人因子には、健康リスク(トリアージ)の項目と、低栄養・脱水等の生活リスクの項目を含めることができる。
また、健康リスク(トリアージ)の項目とは、被介護者から測定したバイタルサインに基づき、スコアリングを行い、スコアリングの結果の値に応じて、例えば、三段階の赤(異常)、黄色(注意)、緑色(正常)と判定した判定結果の情報である。このバイタルサインのスコアリングには、本発明者が発明したスコアリング技術(例えば、特許第6551959号及び特許第7045749号)を利用することができる。
また、低栄養・脱水等の生活リスクの項目とは、栄養や水分の摂取に関しての、低リスク(正常)、中リスク、高リスクの三段階でのリスク評価の結果や、リスクあり・なしの二段階でのリスク評価の結果である。また、LIFEシステムでは、低栄養の生活リスクについて、三段階での評価の記載がなされている。
また、個人因子には、施設の医療体制の項目を含めることができる。施設の医療体制とは、入院(常時医師がいる)、嘱託医師(臨時に医師がいる)、看護師常勤、看護師非常勤等の情報で分類される。
また、個人因子には、被介護者の希望(興味・関心シート)の情報を含めることができる。被介護者の希望(興味・関心シート)の情報は、日常生活動作(ADL)や家事動作(IADL)、趣味・余暇活動、スポーツ、社会参加等の項目から、被介護者のニーズを把握するためのチェックシートを活用して収集される情報である。
また、環境因子や個人因子は、生活機能にマイナスの影響を与えるものとしてのみとらえられるべきではなく、プラスの影響も与えるものとして理解されるものである。
また、ICFは、それぞれの項目を記録する際に「評価点」を使って記録される項目がある。この評価点はコード化され(ICFコード)、被介護者の状況を当該コードで把握することができるようになっている。
この評価点は、身体、個人、社会レベルでの生活機能の問題点を記録するために使われ、価点には、第1評価点と第2評価点がある。また、構成要素によっては任意評価点として第3評価点、第4評価点がつくものもある(図31参照)。
また、心身機能・身体構造の第1評価点、活動と参加の実行状況と能力の評価点、環境因子の第1評価点は、それぞれの構成要素における「問題の程度」を表している。
また、心身機能と身体構造の分類に関しては、「問題なし」、「軽度の問題」、「中等度の問題」、「重度の問題」及び「完全な問題」を5点のスケールで表している。
また、活動と参加の領域では、上述したように、「実行状況の評価点」(現在の環境で行っているもの、福祉用具や人的支援を含む)や「能力の評価点」(個人ができること、ある時点で遂行できる最高のレベル)で評価される。
また、環境因子は、「阻害因子」と「促進因子」のどちらなのか、その程度の強さを評価点で表している。
そして、ICFコードは、それぞれの項目の評価点を、アルファベットと数字と記号によって表している。ここで、アルファベットは構成要素を表し、そのあとに続く3~4ケタの数字は、それぞれの機能の項目を表している。
心身機能:b110~899
身体構造:s100~899
活動・参加:d110~999
環境因子:e110~599
また、心身機能・身体構造・活動・参加に関しては、数字のあと、「.」で区切られ、評価点が並んで表示される。第1評価点のみのものは1ケタ、第4評価点まであるものは4ケタの数字が並ぶ。評価点の数字は、問題の度合いを表している。例えば、ICFコードが「b167.3」の場合、「言語に関する精神機能に重度の問題がある」との性質を示している。
また、環境因子に関しては、その評価点が促進因子になっている場合は「+」、阻害因子になっている場合は「.」で表される。記号の後ろの数字が、程度を表している。例えば、「e130+2」の場合、「教育用の生産品と用具が中等度の促進因子になっている」との性質を示している。
このように、ICFはただの分類ではなく、分類をしながら評価を行い、評価も含めてICFコードにより、コード化して記録されるものである。
また、本発明において、ICFモデル情報72は、被介護者ごとのICFモデルに含まれた各情報であり、被介護者ごとに、LIFEシステムを介して記載された各項目の情報のICFコード(項目のみ、または、評価点まで示した両方を含む)で構成されている。
ここで、BIの評価項目のうち、特定の評価項目に関する被介護者ごとのICFモデルは、その被介護者の属性によって、内容が異なってくる。例えば、BIの「食事」の項目に関して、ICFモデルを表した場合、図32に示すように、被介護者の疾患や状態によって、ICFモデルの内容が変化して表されるものとなる。なお、図32(a)は、パーキンソン病の被介護者のBIの「食事」の項目に関するICFモデルであり、図32(b)は、脳卒中麻痺の被介護者のBIの「食事」の項目に関するICFモデルである。
[その他情報]
また、個人単位情報7に含まれるその他情報73とは、介護士等による介護現場の場面で、被介護者から確認される情報であり、かつ、BIの各項目に影響を及ぼす可能性がある情報である。
また、その他の情報73とは、「集団での食事」、「居室外での食事」、「トイレでの排泄」、「アクティブ活動」、「嚥下体操」、及び、「レクリエーション」に関する情報が含まれている。これらは、ICFモデル情報72の中の一部に含まれる可能性があるが、これらは特に、介護士等が介護サービスを提供する際に、被介護者の日常生活動作の維持や改善に関係すると考えられる情報である。また、その他の情報73と重複する内容の情報が、ICFモデル情報72の中から、後述する要因候補情報に含まれる態様となってもよい。
また、個人単位情報7に含まれるBI値の変化値情報74とは、各被介護者において、一定の期間の経過前後における、BIの各項目のBI値の変化値の情報である。本発明の実施の形態では、一定の期間の一例として「半年(6か月)」の期間を設定している。
つまり、BI値の変化値情報74とは、LIFEシステムを介して、LIFEコード情報71、ICFモデル情報72、および、その他の情報73が記録された、個々の被介護者について、BIの各項目のBI値が、半年間の間に、どのように変化したかを示す、数値の変化の情報である。
例えば、被介護者Aさんについて、半年間の期間で、「期間経過前」のBIの10項目(食事から排尿コントロールまで)の各BI値(0点~10点または0点~15点)の情報と、「期間経過後」のBIの10項目の各BI値(0点~10点または0点~15点)の情報が記録されている。
これにより、被介護者Aさんの、項目ごとのBI値の変化値(-15点、-10点、-5点、0点、+5点、+10点、+15点。なお、変価値の値はBI項目の種類により変わる)が算出可能であり、BI値の変化値情報74として記録されている。また、各タイミングでのBI値は、LIFEシステムを介して記録された情報である。
また、情報記録部4には、複数の被介護者(例えば、数百人単位)の情報が記録されているため、被介護者の人数の分、その被介護者ごとの、BIの10項目のBI値の変化値情報74が記録されていることになる。
ここで、必ずしも、BI値の変化値情報74を求めるための「一定の期間」が半年(6か月)に限定される必要はなく、ここでの期間の長さは適宜設定することができる。但し、BI値の変化が生じている状態を捉える観点から、一定程度の長さの期間で、設定されることが好ましい。また、この一定の期間は、最終的に、BI値の変化の予測において、予測したい期間に応じて、設定することが可能である。
以上のような構成から、情報記録部4には、複数の被介護者について、個人単位情報7が記録され、各被介護者のLIFEコード情報71、ICFモデル情報72、その他情報73、および、BI値の変化値情報74が記録されているものとなる。
[要因候補情報]
続いて、要因候補情報11について説明する(図7参照)。要因候補情報11とは、BIの10項目の1つずつについて、抽出・設定される情報であり、重回帰分析解析手段25の解析対象となる情報である。また、要因候補情報11から後述するスコア配点表情報110が生成される。
また、さらに言えば、ある被介護者の特定のBIの項目(例えば、食事)について、半年後(6カ月)のBI値の変化値を「目的変数」とした場合、この要因候補情報11は、目的変数に対する「説明変数」の候補となる情報としての性質を有している。
即ち、重回帰分析解析手段25で、要因候補情報11を重回帰分析することで、特定のBIの項目のBI値に影響を与える要因情報111(説明変数)を絞り込み、決定することが可能となる。
また、要因候補情報11は、BIの10項目の1つずつについて、例えば、次のような工程を経て、要因候補情報11の選定が行われる。
(1)データ収集:LIFEコード情報71、ICFの情報、ICFモデル情報72、および、その他の情報73に関するインプット情報の過不足を検証する。
(2)データ整理:LIFEシステムを介して記録された情報について、必要に応じて、ICFの情報、ICFモデル情報72の分類や整理を行う。
(3)予測モデル作成:LIFEコード情報71、ICFモデル情報72、および、その他の情報73に属する多数の情報の中から、BIの各項目のBI値の変化に影響しそうな情報を、要因候補情報11として選定する。
ここで、上記の要因候補情報11を選定するまでの各工程の作業は、ドメイン知識に基づき、作業が行われる。ここで、ドメイン知識とは、特定の専門分野や業界についての知識、知見のことを指し、専門家や、その領域に詳しい人が持つような体型的な専門知識のことを意味する。
即ち、本発明の第1の実施の形態では、介護士・看護師・医師・リハビリスタッフ・栄養・ケアマネージャー等の介護に関する各専門職が有する知識を、ドメイン知識として活用して、上記(1)~(3)の工程の作業を行う。
また、特に、上記(3)予測モデル作成の工程においては、LIFEコード情報71、ICFモデル情報72、および、その他の情報73の各情報を構成する個々の項目について、ドメイン知識により、因果関係の仮説を行い、BIの各項目のBI値の変化に影響しそうな情報を、要因候補情報11として選定する。
例えば、LIFEシステムを介して入力された、選定前の情報の種類(数)が1000項目あった場合、特定のBIの項目(例えば、食事)のBI値の変化に影響しそうな情報を、ドメイン知識により、40項目に絞りこみ、この40項目が要因候補情報11として選定される(図33(a)参照)。また、選定された要因候補情報11は、重回帰分析解析手段25の解析対象となる
[重回帰分析解析手段]
重回帰分析解析手段25は、1人の被介護者についての、その人の要因候補情報11と、各BI項目のBI値の変化値情報74との組み合わせの情報をベースにして、これの複数人分の情報から、重回帰分析を行い、要因候補情報11を構成する複数の情報(例えば、BIの食事の項目に関しての、個人因子の「入れ歯の使用」や「脳梗塞(疾患なし)等の情報」)について、それぞれの情報の「係数」を算出する部分である。
また、ここでの「複数人分の情報」とは、例えば、1つの介護施設単位での被介護者の人数分(例:200人分)の情報である。
また、ここで算出される係数は、その数の大きさが、要因候補情報11を構成する各項目の情報の、BI変化値情報への貢献度(影響度)を表す値である。係数は、整数や小数点以下を有する数値として算出される。
また、1人の被介護者に対して、BIの10項目の1つずつに、要因候補情報11と、BI値の変化値情報74の組み合わせが存在するものとなる。つまり、「食事」、「移譲(車椅子~ベッド)」、「整容」等、それぞれのBIの項目ごとに、要因候補情報11とBI値の変化値情報74が存在する。そして、BIの1つの項目ごとに、要因候補情報11に対しての係数が算出される態様となっている。
[スコア分布算出手段]
スコア分布算出手段26は、重回帰分析解析手段25が算出した係数と、各BIの項目の要因候補情報11に基づき、スコア配点表情報110を生成する部分である。
また、スコア配点表情報110とは、要因候補情報11ごとの係数に基づき、情報記録部4に記録された1人ずつの被介護者の、介護に関する状態(性質)に点数を付けて、個々人のスコア合計点を出すための配点表である。
例えば、100人分の被介護者について、各被介護者について、要因候補情報11を構成する複数の情報で、その状態の有無や程度により、係数に基づく点数を付ける際に、スコア配点表情報110が用いられる。
また、スコア配点表情報110とは、予測の対象となる被介護者の、介護に関する状態(性質)に点数を付けるための配点表にもなる。この際のスコア合計点が、半年後のBI値の変化を予測するために用いられる。
また、スコア分布算出手段26により、スコア配点表情報110を作成する際、各情報を配点するための点数は、重回帰分析解析手段25が算出した係数について、小数点以下の数値を除いて、整数化した値を用いることができる。
例えば、BIの食事について、要因候補情報11の1つとして、「パーキンソン病(疾病なし)」の係数が「4.123638」として算出された場合、「パーキンソン病(疾病なし)」の性質に対して、配点するための点数は「4」と設定する。また、「入れ歯の使用(あり)」の係数が「0.6233」として算出された場合、「入れ歯の使用(あり)」の性質に対して、配点するための点数は「1」と設定する。
なお、配点するための点数の設定の条件として、例えば、算出された係数が1未満で、かつ、小数点第1位の数字が四捨五入しても、1にならない少数(0.11等)の場合も、配点するための点数を「1」として設定することも可能である。
ここで、係数に基づく配点するための点数は、必ずしも、整数化した値が採用される必要はない。例えば、算出された係数をそのまま(小数点以下の数値を含んだまま)、配点するための点数に用いることもできる。但し、その後の、スコア合計点の人数分布や、予測基準情報112の設定において、内容が分かりやすくなる点からは、係数に基づく配点するための点数は、整数化した値が採用されることが好ましい。また、整数化する際の条件は、適宜設定することができる。
また、スコア分布算出手段26により、スコア配点表情報110を作成する際には、特定のBIの項目に対して設定された、要因候補情報11を構成する複数の情報の全てを採用せず、カットオフ値を設定し、要因候補情報11を絞り込んで、スコア配点表情報110が作成される。例えば、係数のカットオフ値を「0.5以上」と設定すれば、条件を満たす情報のみが、スコア配点表情報110における配点のための情報として採用される。
ここでは、要因候補情報11を構成する複数の情報ごとの係数(または配点するための点数)に対して、採用可否の基準となる数値を設定し、一定の数値以上の情報のみを、スコア配点表情報110の項目として採用する。これにより、係数の大きな情報、即ち、特定のBIの項目についてのBI値の変化に与える影響が大きな情報が、スコア配点表情報110でのスコアリングに用いられることになる。この要因候補情報11からカットオフで絞り込んだ情報が、特定のBIの項目のBI値に影響を与える要因情報111(説明変数)となる(図33(b)参照)。
また、スコア分布算出手段26は、スコア配点表情報110で、複数の被介護者に対して、個人ごとのスコア合計点を算出し、その人数分布を算出する部分となる。このスコア合計点の人数分布は、予測の対象となる被介護者の、半年後のBI値の変化を予測するための、予測基準情報112を生成するための根拠データとなる。
[目的変数生成手段および予測基準情報]
目的変数生成手段6は、複数の被介護者のスコア合計点の人数分布の結果の情報から、予測基準情報112を生成する部分である。また、目的変数生成手段6は、予測基準情報112に基づき、予測の対象となる被介護者について、特定のBIの項目における、半年後のBI値の変化を予測する部分でもある。
また、予測基準情報112は、例えば、図34のような態様で設定される。図34には、予測基準情報112の一例として、BIの10項目のうち、「食事」の項目についての基準を示している。
ここで、BIの「食事」の項目のBI値に影響を与える要因情報111から設定されスコア配点表情報110を用いて、予測の対象となる被介護者のスコア合計点を出し、その点数が、図34の予測基準情報112の、どの点数範囲に含まれるかを確認することで、被介護者の食事のBI値が、半年後にどのような点数変化をするかを予測することができる。
例えば、ある被介護者が、要因情報111を構成する複数の情報について、その人の介護に関する状態(性質)に基づき、スコア配点表情報110でスコアリングして、スコア合計点が、仮に、「22点」となった場合、予測基準情報112の内容に基づき、その被介護者は、食事のBI値が、現在(半年経過前)のBI値から「+5点」が加点されたBI値になると予測することができる。
ここで、食事のBI値の範囲は、「0点、5点、10点」の3段階であるため、この被介護者は、例えば、現在の食事のBI値が「5点」の場合、半年後には、+5点が加算されて、食事のBI値が「10点」になるとして、日常生活動作の改善が、目的変数生成手段6により予測されたことになる。また、さらに、例えば、食事について、現在のBI値が「5点」の人(Aさん)が、半年後に「+10点」の加算になると予測された場合、食事のBI値の最高点は10点であるため、予測の結果としては、「食事5点→10点(+5点)」として予測の結果を表示することができる。
なお、スコアリング、スコア合計点の算出と、予測基準情報112に基づくBI値の予測は、目的変数生成手段6により行われる。
この予測基準情報112の設定の詳細は後述するが、図34の予測基準情報112は、BIの食事に関する要因情報111でスコアリングした際の点数が、0点から38点の範囲で合計点が出るものとなっている。また、21点~24点や、25点~38点のような点数の範囲の分け方の詳細は後述する。
続いて、予測基準情報112の設定の詳細について説明する。
まず、一例として、BIの食事の項目について、要因候補情報11から、重回帰分析解析手段25が算出した係数と、そのカットオフでの絞り込みにより、図35に示すような要因情報111(図35中の太字で記載された項目)が抽出される。また、図35に示す要因情報111に基づき、BIの食事に対応したスコア配点表情報110が生成される。このスコア配点表情報110は、スコアリングした際の満点の点数が38点となる。
また、予測基準情報112を設定するために、スコア分布算出手段26が、情報記録部4に記録された、複数の被介護者のデータ(例えば、1つの介護施設の200人分のデータ)に対して、BIの食事の項目におけるスコア配点表情報110でスコアリングを行い、各被介護者のスコア合計点と、その人数分布を算出する。
また、スコア分布算出手段26は、複数の被介護者のスコア合計点の人数分布の情報に対して、各被介護者の半年間のBI値の変化値情報74から、半年間の変化値の数字ごとに、分布を算出する。食事のBI値は、0点、5点、10点の三段階であるため、「半年間の変化値の数字」は、「-10点、-5点、0点、5点、10点」に区分けされる。
より詳細には、スコア合計値の0点~38点の中で、1点ごとに境界を設けて、点数間での分布の変化を算出していく。この「1点ごとの境界」とは、「0点と1点(1点以上の境界)」、「1点と2点(2点以上の境界)」、「2点と3点(3点以上の境界)」・・・(中略)、「36点と37点(37点以上の境界)」、「37点と38点(38点の境界)」といった具合に、全ての組み合わせで確認される。
そして、1点ごとに境界を設けて、点数間での分布の変化を算出すると、例えば、図36のような分布が得られる。図36は、「20点と21点(21点以上の境界)」の境界を設けて、横軸が、BI値の半年間の変化値の数字(-10点、-5点、0点、5点、10点)を示し、縦軸が、その変化値に該当する人の人数を示している。
また、被介護者は、20点以下のグループのグラフ(各グラフの左側)と、21点以上の人のグループのグラフ(各グラフの右側)の2種類で表示している。また、図36の例は、200人分のデータを元に算出されている。
図36では、半年間のBI値の変化値が「0点」では、20点以下の人が65人で、21点以上の人が20人である。これに対して、半年間のBI値の変化値が「5点(+5点)」では、20点以下の人が15人で、21点以上の人が60人となっている。
即ち、このことから、20点と21点の間で、スコア合計値が20点以下であれば、半年間のBI値の変化値は「0点(変化なし)」になる傾向があり、スコア合計値が21点以上であれば、半年間のBI値の変化値が「5点(+5点)」になる傾向があることが把握できる。このように、半年間のBI値の変化値の二点について、1点の点数の違いで、傾向が変わる点数を見出している。
そして、スコア分布算出手段26が、0点~38点の点数の範囲で、同様の作業を行い、予測基準情報112を設定することができる。上述した、+5点の変化の傾向以外に、24点と25点の違いから、半年間のBI値の変化値が「10点(+10点)」になる傾向、9点と10点の違いから、半年間のBI値の変化値が「0点(変化なし)」になる傾向、5点と6点の違いから、半年間のBI値の変化値が「-5点」になる傾向、及び、5点以下で半年間のBI値の変化値が「-10点」になる傾向が見られ、図36の内容が設定可能となる。
以上のような方法を一例として、予測基準情報112を設定することができる。なお、予測基準情報112の設定においては、基準情報設定手段27を介して、予測基準情報112の数値範囲を適宜修正することも可能である。
また、本発明では、抽出条件設定手段100により、要因候補情報11や、要因情報111を構成する個々の項目の情報や、係数の値を修正することが可能である。例えば、一度設定した要因情報111や、スコア配点表情報110の内容については精度確認の作業を行い、構成する情報を入れ替えたり、係数の値の設定を変更したりすることが可能である。
即ち、例えば、ある介護施設(A施設)に所属する100人分のデータから、要因情報11(説明変数)や、スコア配点表情報110をいったん設定して、その設定した内容について精度確認を行う場合がある。
この精度確認とは、例えば、別の介護施設(B施設)に所属する100人分のデータで、同様に、要因情報11(説明変数)や、スコア配点表情報110を生成して、2つの情報を比較したり、別の介護施設(B施設)に所属する100人の個人を、A施設で設定したスコア配点表情報110でスコアリングして、A施設に基づく予測基準情報112で半年後のBI値の予測結果を出し、実際の変化値との比較検証を行う作業等が考えられる。このように、一端設定した要因情報11(説明変数)や、スコア配点表情報110を用いた予測の精度確認を行い、予測の精度を高めることができる。
また、精度確認は、要因候補情報11の選定におけるドメイン知識に基づき、(1)データ収集、(2)データ整理、及び、(3)予測モデル生成の各作業に関連しても行われる。ここでは、専門家等が、特定のBIの項目のBI値の変化に影響しそうな、LIFEコード情報71、ICFモデル情報72、および、その他の情報73の各情報を構成する個々の項目を再検討する等して、目的変数生成手段6による、予測の精度向上を図ることができる。
[ケアプラン情報の提案]
目的変数生成手段6は、特定のBIの項目について、半年後のBI値の変化を予測するだけでなく、予測の対象者に対して、その特定のBIの項目の改善につながる支援内容の情報を、ケアプラン情報として提案する機能を有している。
このケアプラン情報とは、特定のBIの項目におけるBI値の変化への影響度の高い支援内容であり、例えば、リハビリの訓練の種類の情報や、介助支援の種類の情報等である。また、ケアプラン情報とは、LIFEコード情報71、ICFモデル情報72、または、その他情報73に属する情報である。
また、目的変数生成手段6は、特定のBIの項目について設定された要因情報111の中から、スコア配点表情報110において、係数の大きな情報であり、リハビリの訓練の種類を示す情報を抽出し、ケアプラン情報として提案を行う。
例えば、BIの項目の種類が、「移譲(車椅子~ベッド)」であり、この項目について設定された要因情報111の中で、「関節可動域訓練」や「起居・移譲動作訓練」の情報が、要因情報111の係数の大きな情報である場合に、目的変数生成手段6は、予測の対象者に対して、「関節可動域訓練(80P)」や「起居・移譲動作訓練(60P)」のように、情報の内容をポイントと共に、提示可能に構成されている。
また、ここでの80Pや60P等のポイントの数値は、個々の情報に紐づいた係数に基づき、数値の大きさを設定し、表示することができる。被介護者は、目的変数生成手段6が提示するケアプラン情報を確認することで、予測対象者に対して、BI値の改善への影響度が高い支援内容を把握して、介護のケアプラン計画の作成を行うことが可能となる。
以上のように、本発明の第1の実施の形態では、被介護者のデータを入力または収集し、または、LIFEコード情報やICFモデル情報が蓄積されたサーバ経由でデータを収集し、端末等を介して、被介護者における、一定期間経過後のBIの評価値の変動の予測や、効率的な支援内容の提案を行うことができる。なお、図37には、本発明の第1の実施の形態にかかるソフトウェアを搭載した解析システムにより、被介護者のBI値の改善予測を提示する簡単な流れを示している。
[本発明の第2の実施の形態]
続いて、本発明の第2の実施の形態について説明する。本発明の第2の実施の形態では、上述した本発明の第1の実施の形態と異なる点を中心に説明を行う。また、本発明の第2の実施の形態は、基本的な構成は、本発明の第1の実施の形態と同様である。
まず、本発明の第2の実施の形態では、上述した重回帰分析解析手段25を、機械学習による学習済みモデル生成手段とし、また、目的変数生成手段6により、学習済みモデルを適用して、予測対象者における半年後のBI値の変化を予測するという点で、本発明の第1の実施の形態と異なっている。
即ち、本発明の第2の実施の形態では、特定のBIの項目についての「要因候補情報11」を説明変数とし、かつ、そのBIの項目の「半年後のBI値の変化値」を目的変数として、学習済みモデルを構築して、学習済みモデルに基づき、半年後のBI値の変化を予測するのである。
また、本発明の第2の実施の形態では、重回帰分析解析手段25が、要因候補情報11に対応した特徴量のインパクトを生成する。この特徴量のインパクトを生成することで、要因候補情報11の中から、重要度の高い説明変数(影響度が高い支援内容)を可視化し、BIの項目に対する要因分析を行うことができる。なお、図38には、本発明の第2の実施の形態による、説明変数及び目的変数を用いた機械学習によるBIの改善予測およびケアプランの提案の流れを示している。
ここで、要因候補情報11は、上述したように、ドメイン知識に基づき、(1)データ収集、(2)データ整理、及び、(3)予測モデル生成の各作業により選定することができる。
また、本発明の第2の実施の形態では、例えば、以下に示す流れで利用される。
(1)目標変数となる特定のBIの項目の改善に対する説明変数(要因候補情報11)をドメイン知識より選出する。
(2)介護施設から、それぞれの利用者の「目的変数(半年後のBI値の変化値)」と「説明変数(要因候補情報11)」のデータを収集する。
(3)除外対象のデータ(例えば:所定日数に達していない等)を除いて、対象のデータを構造化(例:病名が文章で書かれており、「気管支炎」「風邪」と同一内容がバラバラの場合は統一する)し、その上で、全部のデータを重回帰分析解析手段25に機械学習させる。即ち、教師データとして、「半年後のBI値の変価値と、要因候補情報11」のデータセットを作り、重回帰分析解析手段25に学習させる。
(4)機械学習のプログラムに入れると「特徴量・インパクト」が表示され、要因候補情報11を構成する複数の情報について、要因が絞られ、重みがつけられる。これが暫定の学習済みモデルとなる。
(5)上記で使用していないデータ群(例えば、異なる介護施設の利用者群のデータ)を暫定の学習済みモデルに入れて、精度を確認する。また、必要に応じて、パラメーターのチューニングを行い、予測の精度向上を図る。機械学習のチューニングは、既知の手法により、手動または自動で行うことができる。
(6)構築した学習済みモデルを用いて、目的変数生成手段6が、予測の対象者における要因候補情報11に基づき(データ入力)、その対象者の特定のBIの項目における半年後のBI値の変化値(目的変数)をアウトプットできる。さらに、要因候補情報11の中から特徴量のインパクトに基づく要因分析を行い、BI値を改善する有効な支援内容(例えば、個別機能訓練(ICFコード))の情報を得ることができる。
また、上記(6)で、例えば、目的変数を「食事介助のBIの向上」とした場合、食事介助のBI値を改善する、有効な個別機能訓練(ICFコード)を知るために、要因分析を行うことができる。要因分析の結果、「影響度が大きい要因の情報」が複数得られ、該当するリハビリ訓練を行えば、食事介助のBI値に、大きな影響を及ぼす可能性が高いことが明らかとなる。
このように、本発明の第2の実施の形態では、特定のBIの項目について、要因候補情報11と、半年後のBI値の変化値の情報を収集し、学習済みモデルを構築して、学習済みモデルに基づき、半年後のBI値の変化を予測することができる。
以上のように、本発明のソフトウェアは、被介護者の自立支援・重度化防止のアウトカムにつながる、日常生活動作(ADL)維持・改善における、対象者のBIの予測、及び、効率的な支援内容の提案が可能なものとなっている。
また、本発明のデータ処理装置は、被介護者の自立支援・重度化防止のアウトカムにつながる、日常生活動作(ADL)維持・改善における、対象者のBIの予測、及び、効率的な支援内容の提案が可能なものとなっている。
また、本発明のデータ処理方法は、被介護者の自立支援・重度化防止のアウトカムにつながる、日常生活動作(ADL)維持・改善における、対象者のBIの予測、及び、効率的な支援内容の提案が可能なものとなっている。
1 解析装置
1a ソフトウェア
11 要因候補情報
100 抽出条件設定手段
100a 抽出条件設定手段
110 スコア配点表情報
111 要因情報
112 予測基準情報
2 演算部
2a 演算部
3 解析端末
3a (解析端末の)入力部
3b (解析端末の)表示画面
3c (解析端末の)情報送受信部
4 情報記録部
4a 情報記録部
6 目的変数生成手段
6a 目的変数生成手段
7 個人単位情報
71 LIFEコード情報
72 ICFモデル情報
73 その他情報
74 BI値の変化値情報
23 情報入力手段
24 情報記録手段
25 重回帰分析解析手段
25a 重回帰分析解析手段
26 スコア分布算出手段
26a スコア分布算出手段
27 基準情報設定手段
27a 基準情報設定手段
30a インターネット
32a 情報管理サーバ
32b ソフトウェア
32c ソフトウェア
32d ソフトウェア
50a ユーザ端末
50b 外部端末
60a ユーザ端末
60b 外部端末
70b 管理端末

Claims (10)

  1. LIFE(Long-term care Information system For Evidence)のコードに関する情報であるLIFEコード情報及びICF(International Classification of Functioning, Disability and Health)モデルに関する情報であるICFモデル情報と、BI(Barthel Index)の評価項目ごとの点数であるBI値の情報に基づいて、所定の期間経過後の個体のBI値の変化を予測することを特徴とし、
    前記LIFEコード情報は、個別機能訓練計画のプログラム内容、具体的支援内容コード表を用いて入力される情報を含み、
    前記所定の期間前後でのBIの特定の評価項目におけるBI値の変化の情報をBI変化値情報とし、
    同一個体における、前記LIFEコード情報、または、前記ICFモデル情報の少なくとも一方の情報に属する情報であると共に、BIの特定の評価項目に影響を及ぼす可能性のある情報である要因候補情報について、複数人分の情報から算出した、前記要因候補情報ごとの前記BI変化値情報への貢献度の値に基づき、前記要因候補情報の絞り込みを行い、前記所定の期間経過後の個体のBI値の変化を予測する
    ソフトウェア。
  2. LIFE(Long-term care Information system For Evidence)のコードに関する情報であるLIFEコード情報及びICF(International Classification of Functioning, Disability and Health)モデルに関する情報であるICFモデル情報と、BI(Barthel Index)の評価項目ごとの点数であるBI値の情報に基づいて、所定の期間経過後の個体のBI値の変化を予測するためのソフトウェアであって、
    情報処理機器を、
    前記要因候補情報と、前記BI変化値情報との組み合わせの情報で、複数の個体に由来する情報群から重回帰分析に基づく解析を行う重回帰分析解析手段と、
    前記要因候補情報の少なくとも一部と、前記重回帰分析により得られた前記要因候補情報ごとに算出される係数の情報に基づき、スコア配点表を作成すると共に、前記スコア配点表により、複数の個体の、それぞれのスコア合計点を算出し、前記BI変化値情報ごとの前記スコア合計点の人数分布を算出するスコア分布算出手段と、
    前記スコア分布算出手段が算出した前記人数分布に基づき作成され、かつ、予測対象となる個体の前記所定期間経過後のBI値の変化を予測するための基準となる情報である予測基準情報に基づき、BI値の変化を予測する第1の目的変数生成手段と、
    を含む手段として機能させるための
    請求項1に記載のソフトウェア。
  3. 前記第1の目的変数生成手段は、前記要因候補情報の中から、前記係数の値が大きく、かつ、BIの特定の評価項目に関するリハビリになりうる情報を、提案ケアプラン情報として抽出する
    請求項2に記載のソフトウェア。
  4. 前記予測基準情報は、BIの特定の評価項目についての、一定範囲で区分けした前記スコア合計点の範囲と、前記BI変化値情報とを組み合わせた合計点範囲基準を、前記BI変化値情報ごとに設定して構成された
    請求項2または請求項3に記載のソフトウェア。
  5. 前記第1の目的変数生成手段は、前記スコア配点表に基づき、予測対象とある個体におけるスコア合計点を算出して、前記スコア合計点を前記合計点範囲基準と照合し、前記所定期間経過のBI値の変化を予測する
    請求項4に記載のソフトウェア。
  6. 前記要因候補情報には、集団での食事、居室外での食事、トイレでの排泄、アクティブ活動、嚥下体操、及び、レクリエーションに関する情報の、少なくともいずれか1つの情報が含まれる
    請求項2または請求項3に記載のソフトウェア。
  7. LIFE(Long-term care Information system For Evidence)のコードに関する情報であるLIFEコード情報及びICF(International Classification of Functioning, Disability and Health)モデルに関する情報であるICFモデル情報と、BI(Barthel Index)の評価項目ごとの点数であるBI値の情報に基づいて、所定の期間経過後の個体のBI値の変化を予測することを特徴とし、
    前記LIFEコード情報は、個別機能訓練計画のプログラム内容、具体的支援内容コード表を用いて入力される情報を含み、
    前記所定の期間前後でのBIの特定の評価項目におけるBI値の変化の情報をBI変化値情報とし、
    同一個体における、前記LIFEコード情報、または、前記ICFモデル情報の少なくとも一方の情報に属する情報であると共に、BIの特定の評価項目に影響を及ぼす可能性のある情報である要因候補情報について、複数人分の情報から算出した、前記要因候補情報ごとの前記BI変化値情報への貢献度の値に基づき、前記要因候補情報の絞り込みを行い、前記所定の期間経過後の個体のBI値の変化を予測する
    データ処理装置。
  8. LIFE(Long-term care Information system For Evidence)のコードに関する情報であるLIFEコード情報及びICF(International Classification of Functioning, Disability and Health)モデルに関する情報であるICFモデル情報と、BI(Barthel Index)の評価項目ごとの点数であるBI値の情報に基づいて、所定の期間経過後の個体のBI値の変化を予測することを特徴とし、
    前記LIFEコード情報は、個別機能訓練計画のプログラム内容、具体的支援内容コード表を用いて入力される情報を含み、
    前記所定の期間前後でのBIの特定の評価項目におけるBI値の変化の情報をBI変化値情報とし、
    同一個体における、前記LIFEコード情報、または、前記ICFモデル情報の少なくとも一方の情報に属する情報であると共に、BIの特定の評価項目に影響を及ぼす可能性のある情報である要因候補情報について、複数人分の情報から算出した、前記要因候補情報ごとの前記BI変化値情報への貢献度の値に基づき、前記要因候補情報の絞り込みを行い、前記所定の期間経過後の個体のBI値の変化を予測する
    データ処理装置が行うデータ処理方法。
  9. LIFE(Long-term care Information system For Evidence)のコードに関する情報であるLIFEコード情報及びICF(International Classification of Functioning, Disability and Health)モデルに関する情報であるICFモデル情報と、BI(Barthel Index)の評価項目ごとの点数であるBI値の情報に基づいて、所定の期間経過後の個体のBI値の変化を予測するためのデータ処理装置であって、
    同一個体における、前記LIFEコード情報、または、前記ICFモデル情報の少なくとも一方の情報に属する情報であると共に、BIの特定の評価項目に影響を及ぼす可能性のある情報である要因候補情報と、前記所定の期間前後でのBIの特定の評価項目におけるBI値の変化の情報であるBI変化値情報との組み合わせの情報で、複数の個体に由来する情報群から重回帰分析に基づく解析を行う重回帰分析解析手段と、
    前記要因候補情報の少なくとも一部と、前記重回帰分析により得られた前記要因候補情報ごとに算出される係数の情報に基づき、スコア配点表を作成すると共に、前記スコア配点表により、複数の個体の、それぞれのスコア合計点を算出し、前記BI変化値情報ごとの前記スコア合計点の人数分布を算出するスコア分布算出手段と、
    前記スコア分布算出手段が算出した前記人数分布に基づき作成され、かつ、予測対象となる個体の前記所定期間経過後のBI値の変化を予測するための基準となる情報である予測基準情報に基づき、BI値の変化を予測する目的変数生成手段とを備える
    データ処理装置。
  10. LIFE(Long-term care Information system For Evidence)のコードに関する情報であるLIFEコード情報及びICF(International Classification of Functioning, Disability and Health)モデルに関する情報であるICFモデル情報と、BI(Barthel Index)の評価項目ごとの点数であるBI値の情報に基づいて、所定の期間経過後の個体のBI値の変化を予測するためのデータ処理方法であって、
    同一個体における、前記LIFEコード情報、または、前記ICFモデル情報の少なくとも一方の情報に属する情報であると共に、BIの特定の評価項目に影響を及ぼす可能性のある情報である要因候補情報と、前記所定の期間前後でのBIの特定の評価項目におけるBI値の変化の情報であるBI変化値情報との組み合わせの情報で、複数の個体に由来する情報群から重回帰分析に基づく解析を行う重回帰分析解析工程と、
    前記要因候補情報の少なくとも一部と、前記重回帰分析により得られた前記要因候補情報ごとに算出される係数の情報に基づき、スコア配点表を作成すると共に、前記スコア配点表により、複数の個体の、それぞれのスコア合計点を算出し、前記BI変化値情報ごとの前記スコア合計点の人数分布を算出するスコア分布算出工程と、
    前記スコア分布算出工程で算出した前記人数分布に基づき作成され、かつ、予測対象となる個体の前記所定期間経過後のBI値の変化を予測するための基準となる情報である予測基準情報に基づき、BI値の変化を予測する目的変数生成工程とを備える
    データ処理装置が行うデータ処理方法。
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