<第1の実施形態>
以下、遊技機の一種である回胴式遊技機、具体的にはスロットマシンに適用した場合の一実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はスロットマシン10の正面図、図2はスロットマシン10の前面扉12を閉じた状態の斜視図、図3はスロットマシン10の前面扉12を開いた状態の斜視図、図4は前面扉12の背面図、図5は筐体11の正面図である。
図1~図5に示すように、スロットマシン10は、その外殻を形成する筐体11を備えている。筐体11は、全体として前面を開放した箱状に形成されており、遊技ホールへの設置の際にいわゆる島設備に対し釘を打ち付ける等して取り付けられる。
筐体11の前面側には、前面扉12が開閉可能に取り付けられている。すなわち、筐体11には、その正面から見て左側部に上下一対の支軸13a,13bが設けられており、前面扉12には、各支軸13a,13bと対応する位置に軸受部14a,14bが設けられている。そして、各軸受部14a,14bに各支軸13a,13bが挿入された状態では、前面扉12が筐体11に対して両支軸13a,13bを結ぶ上下方向へ延びる開閉軸線を中心として回動可能に支持され、前面扉12の回動によって筐体11の前面開放側を開放したり閉鎖したりすることができるようになっている。また、前面扉12は、その裏面に設けられた施錠装置20によって開放不能な施錠状態とされる。前面扉12の右端側上部には、施錠装置20と一体化されたキーシリンダ21が設けられており、キーシリンダ21に対する所定のキー操作によって前記施錠状態が解除されるように構成されている。
前面扉12の中央部上寄りには、遊技者に遊技状態を報知する遊技パネル25が設けられている。遊技パネル25には、縦長の3つの表示窓26L,26M,26Rが横並びに形成されており、各表示窓26L,26M,26Rを通じてスロットマシン10の内部が視認可能な状態となっている。なお、各表示窓26L,26M,26Rを1つにまとめて共通の表示窓としてもよい。
図3に示すように、筐体11は仕切り板30によりその内部が上下2分割されており、仕切り板30の上部には、可変表示手段を構成するリールユニット31が取り付けられている。リールユニット31は、円筒状(円環状)にそれぞれ形成された左リール32L,中リール32M,右リール32Rを備えている。各リール32L,32M,32Rは、その中心軸線が当該リールの回転軸線となるように回転可能に支持されている。各リール32L,32M,32Rの回転軸線は略水平方向に延びる同一軸線上に配設され、それぞれのリール32L,32M,32Rが各表示窓26L,26M,26Rと1対1で対応している。したがって、各リール32L,32M,32Rの表面の一部はそれぞれ対応する表示窓26L,26M,26Rを通じて視認可能な状態となっている。また、リール32L,32M,32Rが正回転すると、各表示窓26L,26M,26Rを通じてリール32L,32M,32Rの表面は上から下へ向かって移動しているかのように映し出される。
ここで、リールユニット31の構成を簡単に説明する。
各リール32L,32M,32Rは、それぞれがステッピングモータに連結されており、各ステッピングモータの駆動により各リール32L,32M,32Rが個別に、すなわちそれぞれ独立して回転駆動し得る構成となっている。ステッピングモータは、例えば500パルスの駆動信号(以下、励磁パルスともいう。)を与えることにより1回転されるように設定されており、この励磁パルスによってステッピングモータの回転位置、すなわちリールの回転位置が制御される。また、リールユニット31には、リールが1回転したことを検出するためのリールインデックスセンサが各リール32L,32M,32Rに設置されている。そして、リールインデックスセンサからは、リールが1回転したことを検出した場合、その検出の都度、後述する主制御装置101に検出信号が出力されるようになっている。このため主制御装置101は、リールインデックスセンサの検出信号と、当該検出信号が入力されるまでに出力した励磁パルス数とに基づいて、各リール32L,32M,32Rの角度位置を1回転毎に確認するとともに補正することができる。
各リール32L,32M,32Rの外周面には、その長辺方向(周回方向)に、識別情報としての図柄が複数個描かれている。より具体的には、20個の図柄が等間隔に描かれている。このため、所定の位置においてある図柄を次の図柄へ切り替えるには、25パルス(=500パルス÷20図柄)の励磁パルスの出力を要する。また、主制御装置101は、リールインデックスセンサの検出信号が入力されてから出力した励磁パルス数により、表示窓26L,26M,26Rから視認可能な状態となっている図柄を把握したり、表示窓26L,26M,26Rから視認可能な位置に所定の図柄を停止させたりする制御を行うことができる。
次に、各リール32L,32M,32Rに描かれている図柄について説明する。
図6には、左リール32L,中リール32M,右リール32Rの図柄配列が示されている。同図に示すように、各リール32L,32M,32Rには、それぞれ20個の図柄が一列に配置されている。また、各リール32L,32M,32Rに対応して番号が0~19まで付されているが、これら番号は主制御装置101が表示窓26L,26M,26Rから視認可能な状態となっている図柄を認識するための番号であり、リール32L,32M,32Rに実際に付されているわけではない。但し、以下の説明では当該番号を使用して説明する。
図柄としては、「ベル」図柄(例えば、左リール32Lの1番目)、「リプレイ」図柄(例えば、左リール32Lの0番目)、「赤7」図柄(例えば、左リール32Lの14番目)、「スイカ」図柄(例えば、左リール32Lの2番目)、「チェリー」図柄(例えば、左リール32Lの8番目)、「BAR」図柄(例えば、左リール32Lの9番目)、「白7」図柄(例えば、左リール32Lの3番目)、「青年」図柄(例えば、左リール32Lの18番目)、「赤貝」図柄(例えば、左リール32Lの4番目)、「白貝」図柄(例えば、左リール32Lの19番目)の10種類がある。そして、図6に示すように、各リール32L,32M,32Rにおいて各種図柄の数や配置順序は全く異なっている。
各表示窓26L,26M,26Rは、対応するリールに付された20個の図柄のうち図柄全体を視認可能となる図柄が3個となるように形成されている。このため、各リール32L,32M,32Rがすべて停止している状態では、3×3=9個の図柄が表示窓26L,26M,26Rを介して視認可能な状態となる。
本スロットマシン10では、上記視認可能となる図柄のうち、各リール32L,32M,32Rそれぞれ1の図柄ずつ、計3つの図柄の組合せを利用して各ゲームの遊技結果が報知される。上記のように3×3=9個の図柄が視認可能となることから、これら3つの図柄の組合せとしては、例えば、図7に示すように、各リール32L,32M,32Rの上段図柄を結んだ上ラインL1に停止する各図柄の組合せや、各リール32L,32M,32Rの中段図柄を結んだ中ラインL2に停止する各図柄の組合せや、各リール32L,32M,32Rの下段図柄を結んだ下ラインL3に停止する各図柄の組合せがある。また、左リール32Lの上段図柄,中リール32Mの中段図柄,右リール32Rの下段図柄を結んだ右下がりラインL4に停止する各図柄の組合せや、左リール32Lの下段図柄,中リール32Mの中段図柄,右リール32Rの上段図柄を結んだ右上がりラインL5に停止する各図柄の組合せがある。その他、左リール32Lの中段図柄,中リール32Mの上段図柄,右リール32Rの上段図柄を結んだ折れ曲がりラインL6に停止する各図柄の組合せもある。上記のラインL1~L5は各図柄を並べると一直線となるラインであり、折れ曲がりラインL6は各図柄を並べると途中で折れ曲がりが生じるラインである。なお、折れ曲がりが生じるラインに停止する各図柄の組合せとしては、折れ曲がりラインL6以外にもあるが、ここでは説明を省略する。
これらラインL1~L6のうち、メダルのベットによって有効化されるラインと有効化されないラインとが設定され、有効化されたライン、すなわち有効ライン上に図柄が所定の組合せで停止した場合には、入賞成立として、遊技媒体たるメダルが所定数払い出される特典が付与されたり、遊技状態が移行される特典が付与されたりするようになっている。その一方で、有効化されないライン上に図柄が所定の組合せで停止した場合には、入賞は成立せず、上記特典は付与されない。
本スロットマシン10では、上記のラインL1~L6のうち、折れ曲がりラインL6が有効ラインとして設定される。より詳しくは、本スロットマシン10では、3枚のメダルがベットされてゲームが開始され、この場合、折れ曲がりラインL6のみが有効ラインとして設定され、他のラインL1~L5は有効ラインとしては設定されない。以下の説明では、折れ曲がりラインL6を有効ラインMLと称する場合がある。また、以下では、3枚のメダルがベットされて開始されるゲームを3ベットゲーム、2枚のメダルがベットされて開始されるゲームを2ベットゲーム、1枚のメダルがベットされて開始されるゲームを1ベットゲーム、ともいう。なお、本実施形態では、1ベットゲーム及び2ベットゲームは設定されない。すなわち、本実施形態では、3ベットゲームのみが設定される。
図8及び図9は、入賞となる図柄の組合せと、入賞となった場合に付与される特典と、の対応関係を示す図である。
メダル払出が行われる小役入賞としては、第1小役入賞~第27小役入賞がある。
左リール32Lの「リプレイ」図柄と、中リール32Mの「ベル」図柄と、右リール32Rの「ベル」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合には、第1小役入賞となる。第1小役入賞が成立した場合、7枚のメダル払出が行われる。
図10(a)に示すように、有効ラインMLに第1小役入賞に対応する図柄が停止すると、上ラインL1には「ベル」図柄が揃って停止する。そのため、遊技者は、ベルに対応する小役入賞が成立したことを容易に理解可能となる。
左リール32Lの「ベル」図柄と、中リール32Mの「白7」図柄、「チェリー」図柄、「赤貝」図柄又は「青年」図柄と、右リール32Rの「白7」図柄、「白貝」図柄又は「青年」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合には、第2小役入賞となる。第2小役入賞が成立した場合、7枚のメダル払出が行われる。
図11(b)に示すように、有効ラインMLに第2小役入賞に対応する図柄が停止すると、右下がりラインL4には「スイカ」図柄が揃って停止する。そのため、遊技者は、スイカに対応する小役入賞が成立したことを容易に理解可能となる。
左リール32Lの「ベル」図柄と、中リール32Mの「スイカ」図柄と、右リール32Rの「スイカ」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合には、第3小役入賞となる。第3小役入賞が成立した場合、7枚のメダル払出が行われる。
図11(c)に示すように、有効ラインMLに第3小役入賞に対応する図柄が停止すると、上ラインL1には「スイカ」図柄が揃って停止する。そのため、遊技者は、スイカに対応する小役入賞が成立したことを容易に理解可能となる。
第4小役~第27小役は、主に、第1小役の取りこぼし時に入賞が成立する、所謂取りこぼし役である。第4小役~第27小役の入賞が成立した場合、1枚のメダル払出が行われる。第4小役~第27小役は、左リール32Lの「リプレイ」図柄、「赤7」図柄、「BAR」図柄、「赤貝」図柄、「白貝」図柄、「青年」図柄又は「ベル」図柄と、中リール32Mの「白7」図柄、「チェリー」図柄、「赤貝」図柄、「青年」図柄、「赤7」図柄、「スイカ」図柄、「リプレイ」図柄、「BAR」図柄、「ベル」図柄又は「白貝」図柄と、右リール32Rの「赤7」図柄、「白7」図柄、「白貝」図柄、「青年」図柄、「スイカ」図柄、「赤貝」図柄、「BAR」図柄又は「リプレイ」図柄と、による対応する組み合わせが有効ラインML上に停止することで入賞が成立する。図8に示すように、これら第4小役入賞~第27小役入賞に対応する図柄の組み合わせは、いずれも直線ライン(L1~L5)に「ベル」図柄が揃って停止することがないように設定されており、ベルに対応する小役入賞が成立していないことを容易に理解可能となるように設定されている。
ちなみに、上記の第1小役~第27小役の入賞に基づいてメダルが払い出される構成において、払い出されるメダルは、遊技の結果に応じて付与される特典の一種である。なお、本明細書においては、払い出されたメダルのことを出玉とも称する場合があり、投入した(ベットした)メダルの数に対する払出メダル(出玉)の数の割合を出玉率とも称する場合がある。
メダルを投入することなく次ゲームの遊技を行うことが可能な再遊技の特典が付与される入賞としては、第1再遊技入賞~第11再遊技入賞がある。図9に示すように、これら第1再遊技~第11再遊技に対して、入賞となる図柄組み合わせがそれぞれ設定されている。
第1再遊技は、左リール32Lの「リプレイ」図柄と、中リール32Mの「スイカ」図柄と、右リール32Rの「赤7」図柄、「白7」図柄、「白貝」図柄又は「青年」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合に入賞が成立する。図10(d)に示すように、有効ラインMLに第1再遊技入賞に対応する図柄が停止すると、中ラインL2には「リプレイ」図柄が揃って停止する。そのため、遊技者は、リプレイに対応する再遊技入賞が成立したことを容易に理解可能となる。
第2再遊技は、左リール32Lの「リプレイ」図柄と、中リール32Mの「ベル」図柄と、右リール32Rの「BAR」図柄又は「チェリー」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合に入賞が成立する。有効ラインMLに第2再遊技入賞に対応する図柄が停止すると、図12(a)に示すように、右上がりラインL5に「BAR」図柄が揃って停止したり、図12(b)に示すように、右上がりラインL5に左から順に「赤7」図柄、「赤7」図柄、「BAR」図柄が停止したりする。第2再遊技入賞が成立する場合、遊技状態の移行は生じないものの、遊技者にとって有利な報知モードへの移行が生じ、メダル獲得が期待できるATモードが開始される。なお、ATモードについては後に詳細に説明する。
第3再遊技及び第4再遊技は、複数の再遊技が重複して当選する場合の調整用の再遊技である。
第5再遊技は、左リール32Lの「ベル」図柄と、中リール32Mの「スイカ」図柄と、右リール32Rの「赤7」図柄、「白7」図柄、「BAR」図柄、「チェリー」図柄、「白貝」図柄又は「青年」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合に入賞が成立する。図10(e)に示すように、有効ラインMLに第5再遊技入賞に対応する図柄が停止すると、左リール32Lの上段と中リール32Mの上段とに「スイカ」図柄が停止する一方、右リール32Rの上段には「スイカ」図柄が停止せず(右リール32Rの下段に「スイカ」図柄が停止し)、所謂上段スイカテンパイ外れの停止態様となる。また、有効ラインMLに第5再遊技入賞に対応する図柄が停止すると、左リール32Lの上段と右リール32Rの下段とに「スイカ」図柄が停止する一方、中リール32Mの中段には「スイカ」図柄が停止せず(中リール32Mの上段に「スイカ」図柄が停止し)、所謂右下がりスイカテンパイ外れの停止態様となる。
第6再遊技は、左リール32Lの「ベル」図柄と、中リール32Mの「白7」図柄、「チェリー」図柄、「赤貝」図柄又は「青年」図柄と、右リール32Rの「スイカ」図柄又は「赤貝」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合に入賞が成立する。図10(f)に示すように、有効ラインMLに第6再遊技入賞に対応する図柄が停止すると、左リール32Lの上段と右リール32Rの上段とに「スイカ」図柄が停止する一方、中リール32Mの上段には「スイカ」図柄が停止せず(中リール32Mの中段に「スイカ」図柄が停止し)、所謂上段スイカテンパイ外れの停止態様となる。また、有効ラインMLに第6再遊技入賞に対応する図柄が停止すると、左リール32Lの上段と中リール32Mの中段とに「スイカ」図柄が停止する一方、右リール32Rの下段には「スイカ」図柄が停止せず(右リール32Rの上段に「スイカ」図柄が停止し)、所謂右下がりスイカテンパイ外れの停止態様となる。
第7再遊技は、左リール32Lの「スイカ」図柄と、中リール32Mの「白7」図柄、「チェリー」図柄、「赤貝」図柄又は「青年」図柄と、右リール32Rの「リプレイ」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合に入賞が成立する。図11(a)に示すように、有効ラインMLに第7再遊技入賞に対応する図柄が停止すると、中ラインL2には「スイカ」図柄が揃って停止する。
第8再遊技は、左リール32Lの「リプレイ」図柄と、中リール32Mの「スイカ」図柄と、右リール32Rの「スイカ」図柄又は「赤貝」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合に入賞が成立する。図11(b)に示すように、有効ラインMLに第8再遊技入賞に対応する図柄が停止すると、左リール32Lの中段と中リール32Mの中段とに「リプレイ」図柄が停止する一方、右リール32Rの中段には「リプレイ」図柄が停止せず(右リール32Rの中段に「ベル」図柄が停止し)、所謂中段リプレイテンパイ外れの停止態様となる。
第9再遊技は、左リール32Lの「BAR」図柄と、中リール32Mの「白7」図柄、「BAR」図柄、「チェリー」図柄、「赤貝」図柄又は「青年」図柄と、右リール32Rの「赤7」図柄、「白7」図柄、「BAR」図柄、「チェリー」図柄、「白貝」図柄又は「青年」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合に入賞が成立する。また、第11再遊技は、左リール32Lの「BAR」図柄と、中リール32Mの「BAR」図柄と、右リール32Rの「ベル」図柄、「スイカ」図柄又は「赤貝」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合に入賞が成立する。図11(c)及び図11(d)に示すように、有効ラインMLに第9再遊技入賞又は第11再遊技入賞に対応する図柄が停止すると、左リール32Lの下段に「チェリー」図柄が停止する。第9再遊技又は第11再遊技に当選している場合、右リール32Rに「チェリー」図柄を狙って停止操作を行うと、第9再遊技入賞の場合には上段に「チェリー」図柄が停止し、第11再遊技入賞の場合には中段又は下段に「チェリー」図柄が停止するため、これら第9再遊技入賞と第11再遊技入賞とを区別することが可能である。第10再遊技は、これら第9再遊技や第11再遊技を入賞させることができない場合、すなわち取りこぼしが生じ得る場合に入賞が成立するものである。
より詳しくは、第10再遊技入賞は、第9再遊技に当選している場合であって、且つ第9再遊技入賞を成立させることができない場合に成立し、また、第11再遊技に当選している場合であって、且つ第11再遊技入賞を成立させることができない場合に成立する。すなわち、第10再遊技入賞が成立した場合、第9再遊技に当選しているのか、それとも第11再遊技に当選しているのか、の区別がつきにくくなっている。言い換えると、第9再遊技と第11再遊技のいずれに当選しているかの判別を行うためには、左リール32Lに「チェリー」を狙って操作する必要がある。
遊技状態の移行のみが行われる状態移行入賞としては、第1BB入賞及び第2BB入賞がある。
左リール32Lの「白7」図柄と、中リール32Mの「白貝」図柄と、右リール32Rの「チェリー」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合には、第1BB入賞となる。第1BB入賞が成立した場合、遊技状態が第1BB状態に移行する。図11(e)に示すように、有効ラインMLに第1BB入賞に対応する図柄が停止すると、中ラインL2には「白7」図柄が揃って停止する。
左リール32Lの「白7」図柄と、中リール32Mの「白貝」図柄と、右リール32Rの「BAR」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合には、第2BB入賞となる。第2BB入賞が成立した場合、遊技状態が第2BB状態に移行する。図11(f)に示すように、有効ラインMLに第2BB入賞に対応する図柄が停止すると、左リール32Lの中段及び中リール32Mの中段に「白7」図柄が停止し、右リール32Rの中段に「赤7」図柄が停止する。
遊技パネル25の下方左側には、各リール32L,32M,32Rの回転を開始させるために操作されるスタートレバー41が設けられている。スタートレバー41はリール32L,32M,32Rを回転開始、すなわち図柄の可変表示を開始させるべく操作される開始操作手段又は始動操作手段を構成する。所定数のメダルが投入されている状態でスタートレバー41を操作された場合、各リール32L,32M,32Rが回転を開始するようになっている。
スタートレバー41の右側には、回転している各リール32L,32M,32Rを個別に停止させるために操作されるボタン状のストップスイッチ42~44が設けられている。各ストップスイッチ42~44は、停止対象となるリール32L,32M,32Rに対応する表示窓26L,26M,26Rの直下にそれぞれ配置されている。
ストップスイッチ42~44には、それぞれストップ検出センサ42a~44a(図15)が接続されており、ストップ検出センサ42a~44aと後述する主制御装置101とが接続されている。そして主制御装置101では、ストップ検出センサ42a~44aからの検知信号に基づいて、ストップスイッチ42~44の操作が行われたことを把握する。具体的には、ストップスイッチ42~44が操作されていない場合には、ストップ検出センサ42a~44aからはLOW信号の検知信号が出力されており、ストップスイッチ42~44が操作されることにより、当該検知信号がLOW信号からHI信号に切り換わる。主制御装置101では、かかる信号の切り換わりを把握して、ストップスイッチ42~44が操作されたことを把握する。主制御装置101では、ストップスイッチ42~44が操作されたことを把握した場合には、操作されたスイッチに対応するリールの回転を停止するように制御する。
すなわち、左ストップスイッチ42が操作された場合には左リール32Lの回転が停止し、中ストップスイッチ43が操作された場合には中リール32Mの回転が停止し、右ストップスイッチ44が操作された場合には右リール32Rの回転が停止する。ストップスイッチ42~44はリール32L,32M,32Rの回転に基づく図柄の可変表示を停止させるべく操作される停止操作手段を構成する。
表示窓26L,26M,26Rの下方右側には、メダルを投入するためのメダル投入口45が設けられている。メダル投入口45は遊技媒体を入力する入力手段を構成する。また、メダル投入口45が遊技者によりメダルを直接投入するという動作を伴う点に着目すれば、遊技媒体を直接入力する直接入力手段を構成するものとも言える。
メダル投入口45から投入されたメダルは、前面扉12の背面に設けられた通路切替手段としてのセレクタ46によって貯留用通路47か排出用通路48のいずれかへ導かれる。より詳しくは、セレクタ46にはメダル通路切替ソレノイド46aが設けられており、そのメダル通路切替ソレノイド46aの非励磁時にはメダルが排出用通路48側に導かれ、前記メダル通路切替ソレノイド46aの励磁時にはメダルが貯留用通路47側に導かれるようになっている。貯留用通路47に導かれたメダルは、筐体11の内部に収納されたホッパ装置51へと導かれる。一方、排出用通路48に導かれたメダルは、前面扉12の前面下部に設けられたメダル排出口49からメダル受け皿50へと導かれ、遊技者に返還される。
ホッパ装置51は、メダルを貯留する貯留タンク52と、メダルを遊技者に払い出す払出装置53とより構成されている。払出装置53は、図示しないメダル払出用回転板を回転させることにより、排出用通路48に設けられた開口48aへメダルを排出し、排出用通路48を介してメダル受け皿50へメダルを払い出すようになっている。また、ホッパ装置51の右方には、貯留タンク52内に所定量以上のメダルが貯留されることを回避するための予備タンク54が設けられている。ホッパ装置51の貯留タンク52内部には、この貯留タンク52から予備タンク54へとメダルを排出する誘導プレート52aが設けられている。したがって、誘導プレート52aが設けられた高さ以上にメダルが貯留された場合、かかるメダルが予備タンク54に貯留されることとなる。
メダル投入口45の下方には、ボタン状の返却スイッチ55が設けられている。メダル投入口45に投入されたメダルがセレクタ46内に詰まった状況下で返却スイッチ55を操作された場合、セレクタ46が機械的に連動して動作され、当該セレクタ46内に詰まったメダルがメダル排出口49から返却されるようになっている。
表示窓26L,26M,26Rの下方左側には、遊技媒体としてのクレジットされた仮想メダルを一度に、ゲームの規定枚数のうちの予め定められた特定枚数を投入するための第1クレジット投入スイッチ56が設けられている。特定枚数は、遊技の進行状況によって設定されるものである。例えば、ゲームの規定枚数が3枚として設定されており特定枚数が3枚として設定されている場合に第1クレジット投入スイッチ56が操作されると、クレジットがあることを条件に3枚の仮想メダルの投入が行われ、規定枚数が2枚として設定されており特定枚数が2枚として設定されている場合に第1クレジット投入スイッチ56が操作されると、クレジットがあることを条件に2枚の仮想メダルの投入が行われ、規定枚数が3枚又は2枚として設定されている場合であって、特定枚数が3枚として設定されている場合に第1クレジット投入スイッチ56が操作されると、クレジットがあることを条件に3枚の仮想メダルの投入が行われ、規定枚数が3枚又は2枚として設定されている場合であって、特定枚数が2枚として設定されている場合に第1クレジット投入スイッチ56が操作されると、クレジットがあることを条件に2枚の仮想メダルの投入が行われる。また、第1クレジット投入スイッチ56の左方には第2クレジット投入スイッチ57が設けられている。第2クレジット投入スイッチ57は仮想メダルを1枚投入するためのものである。各クレジット投入スイッチ56,57は前記メダル投入口45とともに遊技媒体を入力する入力手段を構成する。また、メダル投入口45が遊技者によりメダルを直接投入するという動作を伴うのに対し、各クレジット投入スイッチ56,57は貯留記憶に基づく仮想メダルの投入という動作を伴うに過ぎない点に着目すれば、遊技媒体を間接入力する間接入力手段を構成するものとも言える。なお、本スロットマシン10では、仮想メダルを2枚投入するためクレジット投入スイッチは設けられていない。
第1クレジット投入スイッチ56は第2クレジット投入スイッチ57よりも、遊技者により操作される操作面が大きく設定されており、その操作性が第1クレジット投入スイッチ56の方が第2クレジット投入スイッチ57よりも優れている。そのため、通常であれば、遊技者は、第1クレジット投入スイッチ56を操作して遊技を進行することが想定される。つまり、通常であれば、規定枚数のうちの設定されている特定枚数を投入して遊技を行うものと考えられる。
第1クレジット投入スイッチ56と第2クレジット投入スイッチ57との右方には、演出発生時に操作される演出スイッチ66が設けられている。
スタートレバー41の左方には、精算スイッチ59が設けられている。すなわち、本スロットマシン10では、所定の最大値(メダル50枚分)となるまでの余剰の投入メダルや入賞時の払出メダルを仮想メダルとして貯留記憶するクレジット機能を有しており、仮想メダルが貯留記憶されている状況下で精算スイッチ59を操作された場合、仮想メダルが現実のメダルとしてメダル排出口49から払い出されるようになっている。この場合、クレジットされた仮想メダルを現実のメダルとして払い出すという機能に着目すれば、精算スイッチ59は貯留記憶された遊技媒体を実際に払い出すための精算操作手段を構成するものとも言える。
遊技パネル25の表示窓26L,26M,26R下方には、クレジットされている仮想メダル数を表示するクレジット表示部60と、BB状態が終了するまでに払い出される残りのメダル数を表示する残払出枚数表示部61と、入賞時に払い出したメダルの枚数を表示する払出枚数表示部62とがそれぞれ設けられている。これら表示部60~62は7セグメント表示器によって構成されているが、液晶表示器等によって代替することは当然可能である。
遊技パネル25における表示窓26L,26M,26R下方であって、払出枚数表示部62の右方には、ストップスイッチ42~44の操作順序を報知する押し順表示器と、操作順序を報知することによって小役の入賞率を変化させ遊技者にとって有利な状況で遊技を進行可能となる区間である有利区間を示すための区間表示器と、を有する指示モニタ68が設けられている。指示モニタ68については、後に詳細に説明する。
前面扉12の上部には、遊技の進行に伴い点灯したり点滅したりする上部ランプ63と、遊技の進行に伴い種々の効果音を鳴らしたり、遊技者に遊技状態を報知したりする左右一対のスピーカ64と、遊技者に各種情報を与える補助表示部65とが設けられている。補助表示部65は、遊技の進行に伴って各種表示演出を実行するためのものであり、各リール32L,32M,32Rによる遊技を主表示部によるものと考えることができることから、本実施形態では補助表示部65と称している。補助表示部65の背面には、上部ランプ63やスピーカ64、補助表示部65を駆動させるための表示制御装置81が設けられている。
前面扉12において、遊技パネル25の下方であって、ストップスイッチ42~44よりも下方には、遊技機の機種名が記載されたり、所定の表示画面を構成する場合がある下表示部69が設けられている。なお、下表示部69を液晶表示部として構成してもよく、下表示部69に演出用の操作手段を設けてもよく、下表示部69全体を操作可能な操作手段としてもよい。
筐体11の内部においてホッパ装置51の左方には、電源ボックス70が設けられている。電源ボックス70は、その内部に電源装置91を収容するとともに、電源スイッチ71やリセットスイッチ72、設定キー挿入孔73などを備えている。電源スイッチ71は、主制御装置101を始めとする各部に電源を供給するための起動スイッチである。リセットスイッチ72は、スロットマシン10のエラー状態をリセットするためのスイッチである。また、設定キー挿入孔73は、ホール管理者などがメダルの出玉調整を行うためのものである。すなわち、ホール管理者等が設定キーを設定キー挿入孔73へ挿入してON操作することにより、スロットマシン10の当選確率(設定値)を設定できるようになっている。なお、リセットスイッチ72は、エラー状態をリセットする場合の他に、スロットマシン10の各種記憶情報をクリアする場合や、当選確率を変更する場合にも操作される。
リールユニット31の上方には、遊技を統括管理する主制御装置101が筐体11に取り付けられている。
主制御装置101には、遊技者にとって有利な遊技状態と、そうではない状態との比率を明示するための役比モニタ77が設けられている。役比モニタ77は、前面扉12を開放状態とすることで遊技機前方から視認可能となり、且つ、前面扉12を閉鎖状態とすることで遊技機前方から視認不可となるように、主制御装置101において遊技機前方を向く側に設置されており、より詳しくは、主制御装置101が収容される基板ボックスを介して役比モニタ77の表示面が視認可能となるように、基板ボックス内に収容されている。ちなみに、前面扉12が閉鎖状態とされている場合、役比モニタ77は表示窓26L~26Rの隙間等のからも視認不可であり、キーシリンダ21に対する所定のキー操作によって施錠状態が解除されて前面扉12を開放状態としない限り、役比モニタ77を確認することが不可となっている。なお、役比モニタ77については、後に詳細に説明する。
次に、本スロットマシン10の電気的構成について、図13及び図14のブロック図に基づいて説明する。
主制御装置101には、演算処理手段であるCPU102を中心とするマイクロコンピュータが搭載されている。CPU102には、電源装置91の他に、所定周波数の矩形波を出力するクロック回路103や、入出力ポート104などが内部バスを介して接続されている。かかる主制御装置101は、スロットマシン10に内蔵されるメイン基盤としての機能を果たすものである。
主制御装置101の入力側には、リールユニット31(より詳しくは各リール32L,32M,32Rが1回転したことを個別に検出するリールインデックスセンサ)、スタートレバー41の操作を検出するスタート検出センサ41a、各ストップスイッチ42~44の操作を個別に検出するストップ検出センサ42a~44a、メダル投入口45から投入されたメダルを検出する投入メダル検出センサ45a、ホッパ装置51から払い出されるメダルを検出する払出検出センサ51a、第1クレジット投入スイッチ56の操作を個別に検出する第1クレジット投入検出センサ56a、第2クレジット投入スイッチ57の操作を個別に検出する第2クレジット投入検出センサ57a、精算スイッチ59の操作を検出する精算検出センサ59a、リセットスイッチ72の操作を検出するリセット検出センサ72a、設定キー挿入孔73に設定キーが挿入されてON操作されたことを検出する設定キー検出センサ73a等の各種センサが接続されており、これら各種センサからの信号は入出力ポート104を介してCPU102へ出力されるようになっている。
また、主制御装置101の入力側には、入出力ポート104を介して電源装置91が接続されている。電源装置91には、主制御装置101を始めとしてスロットマシン10の各電子機器に駆動電力を供給する電源部91aや、停電監視回路91bなどが搭載されている。
停電監視回路91bは電源の遮断状態を監視し、停電時はもとより、電源スイッチ71による電源遮断時に停電信号を生成するためのものである。そのため停電監視回路91bは、電源部91aから出力されるこの例では直流12ボルトの安定化駆動電圧を監視し、この駆動電圧が例えば10ボルト未満まで低下したとき電源が遮断されたものと判断して停電信号が出力されるように構成されている。停電信号はCPU102と入出力ポート104のそれぞれに供給され、CPU102ではこの停電信号を認識することにより後述する停電処理が実行される。また、この停電信号は表示制御装置81にも供給されるように構成されている。
電源部91aは、出力電圧が10ボルト未満まで低下した場合でも、主制御装置101などの制御系において駆動電圧として使用される5ボルトの安定化電圧が出力されるように構成されている。この安定化電圧が出力される時間としては、主制御装置101による停電処理を実行するに十分な時間が確保されている。
主制御装置101の出力側には、リールユニット31(より詳しくは各リール32L,32M,32Rを回転させるためのステッピングモータ)、セレクタ46に設けられたメダル通路切替ソレノイド46a、ホッパ装置51、クレジット表示部60、残払出枚数表示部61、払出枚数表示部62、指示モニタ68、役比モニタ77、表示制御装置81、図示しないホール管理装置などに情報を送信できる外部集中端子板121等が入出力ポート104を介して接続されている。
上述したCPU102には、このCPU102によって実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM105と、このROM105に記憶されている制御プログラムを実行するにあたって各種のデータを一時的に記憶する作業エリアを確保するためのRAM106の他に、図示はしないが周知のように割込み回路を始めとしてタイマ回路、データ送受信回路などスロットマシン10において必要な各種の処理回路や、クレジット枚数をカウントするクレジットカウンタなどの各種カウンタが内蔵されている。ROM105とRAM106によって記憶手段としてのメインメモリが構成され、各種処理を実行するためのプログラムは、制御プログラムの一部として上述したROM105に記憶されている。
RAM106は、スロットマシン10の電源が遮断された後においても電源装置91からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっている。RAM106には、各種のデータを一時的に記憶するためのメモリや、役の抽選結果を記憶するための当選フラグ格納エリア106a、各リール32L,32M,32Rの停止制御を行う場合に用いる停止情報を記憶するための停止情報格納エリア106b、設定値を記憶するための設定値情報格納エリア106c等の他に、バックアップエリアが設けられている。
バックアップエリアは、停電等の発生により電源が遮断された場合において、電源遮断時(電源スイッチ71の操作による電源遮断をも含む。以下同様)のスタックポインタの値を記憶しておくためのエリアであり、停電解消時(電源スイッチ71の操作による電源投入をも含む。以下同様)には、バックアップエリアの情報に基づいてスロットマシン10の状態が電源遮断前の状態に復帰できるようになっている。バックアップエリアへの書き込みは停電処理(図15参照)によって電源遮断時に実行され、バックアップエリアに書き込まれた各値の復帰は電源投入時のメイン処理において実行される。
また、CPU102のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路91bからの停電信号が入力されるように構成されている。そして、電源遮断時には、停電フラグ生成処理としてのNMI割込み処理が即座に実行されるようになっている。
図14に示すように、表示制御装置81は、演算処理手段であるCPU181を中心とするマイクロコンピュータが搭載されている。CPU181には、このCPU181によって実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM182と、このROM182内に記憶されている制御プログラムを実行するに当たって各種のデータを一時的に記憶する作業エリアを確保するためのRAM183などが内蔵されている。
表示制御装置81には、図示しない入出力ポートが設けられており、入力側に主制御装置101が接続されており、出力側に上部ランプ63、スピーカ64、及び補助表示部65が接続されている。そして、主制御装置101から入力する各種コマンドに基づいて上部ランプ63、スピーカ64、及び補助表示部65を駆動制御する。つまり、表示制御装置81は、遊技を統括管理するメイン基盤たる主制御装置101との関係では補助的な制御を実行するサブ基盤となっている。即ち、間接的な遊技に関する音声やランプ、表示についてはサブ基盤を設けることにより、メイン基盤の負担軽減を図っている。
表示制御装置81の入力側には、演出スイッチ66(より詳しくは当該演出スイッチ66の操作を検出する演出スイッチ検出センサ)等が接続されている。なお、各種表示部60~62、68も表示制御装置81が駆動制御する構成としてもよい。
続いて、主制御装置101のCPU102により実行される各制御処理について説明する。かかるCPU102の処理としては、大別して、電源投入に伴い起動されるメイン処理と、定期的に(本実施の形態では1.49msec周期で)起動されるタイマ割込み処理と、NMI端子への停電信号の入力に伴い起動されるNMI割込み処理とがある。以下では、これら各処理のうち遊技の進行に関わる処理、すなわちタイマ割込み処理と、メイン処理とを説明する。
図15は、主制御装置101で定期的に実行されるタイマ割込み処理のフローチャートであり、主制御装置101のCPU102により例えば1.49msec毎にタイマ割込みが発生する。
先ず、ステップS101に示すレジスタ退避処理では、後述する通常処理で使用しているCPU102内の全レジスタの値をRAM106のバックアップエリアに退避させる。ステップS102では停電フラグがセットされているか否かを確認し、停電フラグがセットされているときにはステップS103に進み、停電処理を実行する。
ここで、停電処理について概略を説明する。
停電の発生等によって電源が遮断されると、電源装置91の停電監視回路91bから停電信号が出力され、当該停電信号がNMI端子を介して主制御装置101に入力される。主制御装置101は、停電信号が入力された場合、即座にNMI割込み処理を実行し、停電フラグをRAM106に設けられた停電フラグ格納エリアにセットする。
停電処理では、先ずコマンドの送信が終了しているか否かを判定し、送信が終了していない場合には本処理を終了してタイマ割込み処理に復帰し、コマンドの送信を終了させる。コマンドの送信が終了している場合には、CPU102のスタックポインタの値をRAM106のバックアップエリアに保存する。その後、入出力ポート104における出力ポートの出力状態をクリアし、図示しない全てのアクチュエータをオフ状態にする。そして、停電解消時にRAM106のデータが正常か否かを判定するためのRAM判定値を算出してバックアップエリアに保存することにより、それ以後のRAMアクセスを禁止する。以上の処理を行った後は、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるのに備え、無限ループに入る。なお、例えばノイズ等に起因して停電フラグが誤ってセットされる場合を考慮し、無限ループに入るまでは停電信号が出力されているか否かを確認する。停電信号が出力されていなければ停電状態から復旧したこととなるため、RAM106への書き込みを許可するとともに停電フラグをリセットし、タイマ割込み処理に復帰する。停電信号の出力が継続してなされていれば、そのまま無限ループに入る。ちなみに、無限ループ下においても停電信号が出力されているか否かを確認しており、停電信号が出力されなくなった場合にはメイン処理に移行する。
タイマ割込み処理の説明に戻り、ステップS102にて停電フラグがセットされていない場合には、ステップS104以降の各種処理を行う。
すなわち、ステップS104では、誤動作の発生を監視するためのウオッチドッグタイマの値を初期化するウオッチドッグタイマのクリア処理を行う。ステップS105では、CPU102自身に対して次回のタイマ割込みを設定可能とする割込み終了宣言処理を行う。ステップS106では、各リール32L,32M,32Rを回転させるために、それぞれの回胴駆動モータであるステッピングモータを駆動させるステッピングモータ制御処理を行う。ステップS107では、入出力ポート104に接続されたストップ検出センサ42a~44a,投入メダル検出センサ45a,払出検出センサ51a等の各種センサ(図15参照)の状態を読み込むとともに、読み込み結果が正常か否かを監視するセンサ監視処理を行う。ステップS108では、各カウンタやタイマの値を減算するタイマ演算処理を行う。ステップS109では、メダルのベット数や、払出枚数をカウントした結果を外部集中端子板121へ出力するカウンタ処理を行う。
ステップS110では、後述する抽選結果コマンド等の各種コマンドを表示制御装置81へ送信するコマンド出力処理を行う。ステップS111では、クレジット表示部60、残払出枚数表示部61、払出枚数表示部62及び指示モニタ68にそれぞれ表示されるセグメントデータを設定するセグメントデータ設定処理を行う。ステップS112では、セグメントデータ設定処理で設定されたセグメントデータを各表示部60~62,68に供給して該当する数字、記号などを表示するセグメントデータ表示処理を行う。ステップS113では、入出力ポート104からI/O装置に対応するデータを出力するポート出力処理を行う。ステップS114では、先のステップS101にてバックアップエリアに退避させた各レジスタの値をそれぞれCPU102内の対応するレジスタに復帰させる。その後ステップS115にて次回のタイマ割込みを許可する割込み許可処理を行い、この一連のタイマ割込み処理を終了する。
次に、遊技に関わる主要な制御を行う通常処理について図16のフローチャートに基づき説明する。
先ずステップS201では、次回のタイマ割込みを許可する割込み許可処理を行う。ステップS202では、遊技を可能とするための開始前処理を行う。開始前処理では、表示制御装置81等が初期化を終了するまで待機する。表示制御装置81等の初期化が終了した場合には、ステップS203~ステップS212に示す遊技管理処理を行う。
遊技管理処理として、ステップS203では、RAM106に格納された各種遊技情報等のデータ(例えば前回の遊技で用いた乱数値等)をクリアする。その後、ステップS204では開始待ち処理を行う。
開始待ち処理では、前回の遊技でいずれかの再遊技入賞が成立したか否かを判定する。いずれかの再遊技入賞が成立していた場合には、前回のベット数と同数の仮想メダルを自動投入する自動投入処理を行い、開始待ち処理を終了する。具体的には、例えば、3ベットゲームにて再遊技入賞が成立した場合には3枚の仮想メダルを自動投入する処理を行い、2ベットゲームにて再遊技入賞が成立した場合には2枚の仮想メダルを自動投入する処理を行う。
なお、自動投入処理では、クレジット表示部60に表示された仮想メダル数を減じることなく仮想メダルの投入を行う。つまり、前回の遊技でいずれかの再遊技入賞が成立した場合には、遊技者は所有するメダルを減らすことなく且つメダルを投入することなく今回の遊技を行うことができる。いずれの再遊技入賞も成立していなかった場合には、タイマ割込み処理のセンサ監視処理ステップS107にてなされたセンサの読み込み結果に異常が発生していないかを確認するセンサ異常確認処理を行い、異常が発生している場合にはスロットマシン10をエラー状態とするとともにエラーの発生を報知する異常発生時処理を行う。かかるエラー状態は、リセットスイッチ72が操作されるまで維持される。センサの読み込み結果が正常である場合には精算スイッチ59が操作されたか否かを判定し、精算スイッチ59が操作された場合には、クレジットされた仮想メダルと同数のメダルを払い出すメダル返却処理を行う。
メダル返却処理の終了後又は精算スイッチ59が操作されていない場合には、前回の開始待ち処理から今回の開始待ち処理までの間にメダルの投入又はクレジット投入スイッチ56,57の操作がなされたか否かを判定し、いずれかが行われた場合には、ベット数の変更等を行うメダル投入処理を行い、開始待ち処理を終了する。また、前回の開始待ち処理から今回の開始待ち処理までの間にメダルの投入とクレジット投入スイッチ56,57の操作のいずれもなされていない場合には、そのまま開始待ち処理を終了する。
開始待ち処理の終了後、ステップS205ではメダルのベット数が規定枚数に達しているか否かを判定する。本スロットマシン10では、ボーナス状態(BB状態)における規定枚数として「3」が設定されており、ボーナス状態以外の遊技状態における規定枚数として「3」が設定されている。つまり、ボーナス状態においては、ベット数が「3」となっていることを条件にステップS205にて肯定判定し、ボーナス状態以外でもベット数が「3」となっていることを条件にステップS205にて肯定判定する。言い換えると、メダルがベットされていない場合、又は、ベットされていてもベット数が「1」又は「2」である場合にはステップS205にて否定判定する。ベット数が規定枚数に達していない場合には、ステップS204の開始待ち処理に戻り、当該処理のうちセンサ異常確認処理以降の処理を行う。
ベット数が規定枚数に達している場合には、ステップS205にて肯定判定することとなったベット数の情報を含むベットコマンドを、ステップS206にてサブ側の制御装置としての表示制御装置81への出力対象としてセットする。ここでセットされたコマンドは、タイマ割込み処理におけるステップS110にて表示制御装置81へ出力される。ベットコマンドを受信した表示制御装置81では、ベット操作に基づく報知(例えば、遊技開始条件が成立したことの報知や、以前のゲームでの抽選結果の報知)のための処理を実行し、スピーカ64や補助表示部65の制御を行う。
ステップS206の処理を実行した後は、ステップS207にてスタートレバー41が操作されたか否かを判定する。スタートレバー41が操作されていない場合には、ステップS204の開始待ち処理に戻り、当該処理のうちセンサ異常確認処理以降の処理を行う。
一方、スタートレバー41が操作された場合には、規定枚数のメダルがベットされている状況下でスタートレバー41が操作されると遊技を開始できる構成となっているため、遊技を開始させるべく開始指令が発生したことを意味する。かかる場合には、ステップS208にてベット数と対応する組合せラインを有効ラインと設定する有効ライン設定処理を行う。すなわち、折れ曲がりラインL6のみを有効ラインと設定する。ステップS209では、メダル通路切替ソレノイド46aを非励磁状態に切り替えてベット受付を禁止する。その後、ステップS210の抽選処理、ステップS211のリール制御処理、ステップS212のメダル払出処理を順に実行し、ステップS203に戻る。
次に、ステップS210の抽選処理について、図17のフローチャートに基づき説明する。
ステップS301では、役の当否判定を行う際に用いる乱数を取得する。本スロットマシン10では、スタートレバー41が操作されると、ハード回路がその時点におけるフリーランカウンタの値をラッチする構成となっている。フリーランカウンタは0~65535の乱数を生成しており、CPU102は、スタートレバー41の操作を確認した後、ハード回路がラッチした値をRAM106に格納する。かかる構成とすることにより、スタートレバー41が操作されたタイミングで速やかに乱数を取得することが可能となり、同期等の問題が発生することを回避することが可能となる。本スロットマシン10のハード回路は、スタートレバー41が操作される毎にその都度のフリーランカウンタの値をラッチする構成となっている。
乱数を取得した後、ステップS302では、役の当否判定を行うための抽選テーブルを取得する。本スロットマシン10では、遊技状態として、大別して通常遊技状態及びボーナス状態を有しており、抽選テーブルは、各遊技状態用にそれぞれ設定されている。
すなわち、ステップS302では、遊技状態と対応した抽選テーブルを選択する。例えば、現在の遊技状態が通常遊技状態である場合、通常遊技状態用抽選テーブルを選択する。また、本スロットマシン10では、「設定1」から「設定6」まで6段階の当選確率が予め用意されており、設定キー挿入孔に設定キーを挿入してON操作するとともに所定の操作を行うことにより、いずれの当選確率に基づいて内部処理を実行させるのかを設定することができる。ステップS302では、設定値が「設定1」のときにメダル払出の期待値が最も低い抽選テーブルを選択し、「設定6」のときにメダル払出の期待値が最も高い抽選テーブルを選択する。
ここで、当選確率の設定に関する処理について補足説明する。
当選確率の設定処理は、電源投入時に主制御装置101にて起動されるメイン処理にて実行される。より詳しくは、当選確率の設定処理は、設定キー挿入孔に設定キーが挿入されてON操作されていることを設定キー検出センサ73aにて検出している状態で、電源投入された場合に、RAM106の初期化処理の後に起動される。当選確率の設定処理では、所定の操作として、スタートレバー41の操作毎に設定値を1ずつ更新し、例えば、スタートレバー41が1回操作される度に、「設定1」→「設定2」→「設定3」→「設定4」→「設定5」→「設定6」→「設定1」となるように設定値を更新する。なお、各設定値は、例えばクレジット表示部60にて表示され、上記設定値の更新毎にその表示も更新される。そして、設定キー検出センサ73aがOFF操作された状態でスタートレバー41が操作されたことを設定値の確定操作とし、その時点での設定値を今回の設定値として、当選確率の設定処理を終了する。当選確率の設定処理の終了に基づいて、クレジット表示部60の表示も終了する。当選確率の設定処理で設定された設定値は、次の当選確率の設定処理が起動されるまで、RAM106の設定値情報格納エリア106cに記憶保持される。ステップS302では、この記憶されている設定値に基づいて、抽選テーブルを選択する処理を行うこととなる。
ステップS302において今回のゲームが第1BBや第2BBといったボーナスに当選しておらず、通常遊技状態である場合、ステップS302では通常遊技状態用抽選テーブルを取得する。図18は、通常遊技状態で取得される通常遊技状態用抽選テーブルである。抽選テーブルには、インデックス値IVが設定されており、各インデックス値IVには、当選となる役がそれぞれ一義的に対応付けられるとともにポイント値PVが設定されている。
抽選テーブルを取得した後、ステップS303ではインデックス値IVを1とし、続くステップS304では役の当否を判定する際に用いる判定値DVを設定する。かかる判定値設定処理では、現在の判定値DVに、現在のインデックス値IVと対応するポイント値PVを加算して新たな判定値DVを設定する。なお、初回の判定値設定処理では、ステップS301にて取得した乱数値を現在の判定値DVとし、この乱数値に現在のインデックス値IVである1と対応するポイント値PVを加算して新たな判定値DVとする。
その後、ステップS305ではインデックス値IVと対応する役の当否判定を行う。役の当否判定では判定値DVが65535を超えたか否かを判定する。65535を超えた場合には、ステップS306にて、ステップS305にて肯定判定したインデックス値IVに応じた遊技結果の当選フラグを、当選フラグ格納エリア106aにセットする処理を実行する。例えば、IV=23のときに判定値DVが65535を超えた場合、ステップS306にて第2小役当選フラグ及び第3小役当選フラグをセットする。また、IV=24のときに判定値DVが65535を超えた場合、ステップS306にて第1BB当選フラグ及び第1再遊技当選フラグをセットし、IV=25のときに判定値DVが65535を超えた場合、ステップS306にて第2BB当選フラグ及び第1再遊技当選フラグをセットする。
ちなみに、セットされた当選フラグが第1BBに当選したことを示す当選フラグ(第1BB当選フラグ)又は第2BBに当選したことを示す当選フラグ(第2BB当選フラグ)でない場合、当選フラグ格納エリア106aにセットされた当選フラグは該当選フラグがセットされたゲームの終了後にリセットされる(通常処理のS203参照)。一方、当選フラグが第1BB当選フラグ又は第2BB当選フラグである場合、これら当選フラグは対応する入賞が成立したことを条件の1つとしてリセットされる。すなわち、第1BB当選フラグ及び第2BB当選フラグは、複数回のゲームに亘って有効とされる場合がある。
第1BB当選フラグ又は第2BB当選フラグを持ち越した状態においては、持ち越し状態用の抽選テーブルが参照されてゲームの抽選処理が行われる。持ち越し状態用抽選テーブル(図19)では、第1BB,第2BBに当選しないように各インデックス値IVやポイント値PV値が設定されている。
なお、持ち越し状態用抽選テーブルを別途用意するのではなく、第1BB当選フラグ又は第2BB当選フラグを持ち越した状態におけるステップS306にて、第1BB,第2BBに対応する役(リプ重複第1BB、リプ重複第2BB)以外の役に当選していれば対応する当選フラグをセットし、第1BB,第2BBに対応する役以外の役に当選していなければ対応する当選フラグをセットしない構成としてもよい。
すなわち、例えば、第1BB当選フラグが持ち越された状態で、例えば、インデックス値IV=24のときに判定値DVが65535を超えた場合、第1BB当選フラグ及び第1再遊技当選フラグをセットせず、第1BB当選フラグが持ち越された状態で、例えば、インデックス値IV=11のときに判定値DVが65535を超えた場合、第1小役当選フラグ、第4小役当選フラグ、第5小役当選フラグ及び第8小役当選フラグをセットする構成としてもよい。
ステップS305にて判定値DVが65535を超えなかった場合には、インデックス値IVと対応する役に外れたことを意味する。かかる場合にはステップS307にてインデックス値IVを1加算し、続くステップS308ではインデックス値IVと対応する役があるか否か、すなわち当否判定すべき判定対象があるか否かを判定する。具体的には、1加算されたインデックス値IVが抽選テーブルに設定されたインデックス値IVの最大値を超えたか否かを判定する。当否判定すべき判定対象がある場合にはステップS304に戻り、役の当否判定を継続する。このとき、ステップS304では、先の役の当否判定に用いた判定値DV(すなわち現在の判定値DV)に現在のインデックス値IVと対応するポイント値PVを加算して新たな判定値DVとし、ステップS305では、当該判定値DVに基づいて役の当否判定を行う。
ちなみに、図18に示した抽選テーブルを用いて役の当否判定を行う場合、すなわち、通常遊技状態において遊技を行った場合、通常リプAに当選となる確率(IV=1の際に当選となる確率)は、約27.3分の1である。通常リプBに当選となる確率(IV=2の際に当選となる確率)及び通常リプCに当選となる確率(IV=3の際に当選となる確率)は、約26.2分の1である。チャンス目Aに当選となる確率(IV=4の際に当選となる確率)は、約164分の1であり、チャンス目Bに当選となる確率(IV=5の際に当選となる確率)は、約262分の1であり、チャンス目Cに当選となる確率(IV=6の際に当選となる確率)は、約16400分の1であり、チャンス目Cよりもチャンス目Bの方が当選し易く、チャンス目Bよりもチャンス目Aの方が当選し易くなるように設定されている。チェリーAに当選となる確率(IV=7の際に当選となる確率)は、約107分の1である。チェリーBに当選となる確率(IV=8の際に当選となる確率)は、約215分の1であり、チェリーCに当選となる確率(IV=9の際に当選となる確率)は、約13100分の1であり、チェリーCよりもチェリーBの方が当選し易く、チェリーBよりもチェリーAの方が当選し易くなるように設定されている。共通ベルに当選となる確率(IV=10の際に当選となる確率)は、約6550分の1である。順押しベル1、順押しベル2、挟み押しベル1、挟み押しベル2、中順押しベル1、中順押しベル2、中逆押しベル1、中逆押しベル2、逆挟みベル1、逆挟みベル2、逆押しベル1、逆押しベル2(以下では、これらをまとめて押し順ベルと称する)に当選となる確率(IV=11~22の際に当選となる確率)は、それぞれ約18.2分の1である。スイカに当選となる確率(IV=23の際に当選となる確率)は、約219分の1である。リプ重複第1BBに当選となる確率(IV=24の際に当選となる確率)は、約20.1分の1である。リプ重複第2BBに当選となる確率(IV=25の際に当選となる確率)は、約6.7分の1である。これらリプ重複第1BBとリプ重複第2BBとのいずれかに当選となる確率(IV=24,25の際に当選となる確率)は、合わせて約5分の1であり、他の役(再遊技や小役、IV=1~23)の当選確率よりも高く設定されている。
第1BB又は第2BBに当選している状況で取得される持ち越し状態用の抽選テーブル(図19)では、第1BBや第2BBに対応するリプ重複第1BBとリプ重複第2BBの当選確率が通常遊技状態用の抽選テーブルと異なり、その他の抽選確率は通常遊技状態と持ち越し状態とで同じ確率となっている。すなわち、持ち越し状態用の抽選テーブルでは、リプ重複第1BBとリプ重複第2BBとに当選する確率(IV=24,25の際に当選となる確率)はゼロである。そして、持ち越し状態用の抽選テーブルでは、これらリプ重複第1BBやリプ重複第2BBに当選しない分、いずれの役にも当選しない確率(外れ結果となる確率)は、約5.02分の1である。なお、通常遊技状態用の抽選テーブルや持ち越し状態用の抽選テーブルは、上記ステップS302の処理にて状態に応じて取得される。
ちなみに、通常遊技状態では、第1BB状態や第2BB状態での増減分を除いて、1ゲーム当たり約0.91枚のメダル減少が期待でき(純増枚数マイナス約0.91枚)、持ち越し状態では、第1BB状態や第2BB状態での増減分を除いて、1ゲーム当たり約1.51枚のメダル減少が期待できる(純増枚数マイナス約1.51枚)。
ステップS306にて当選フラグをセットした後、又はステップS308にて当否判定すべき判定対象がないと判定した場合には、役の当否判定が終了したことを意味する。かかる場合には、ステップS309に進み、ストップスイッチ42~44の操作を所定期間無効とするフリーズ演出を実行するか否かを決定すべくフリーズ抽選処理を行う。
続くステップS310では、抽選結果対応処理を行う。抽選結果対応処理では、ステップS301~ステップS308の抽選の結果に応じて遊技状態を移行させるか否かの処理や、押し順役の報知用の処理等を行う。当該抽選結果対応処理については、後に詳細に説明する。
ステップS310の処理を実行した後は、ステップS311にて抽選結果コマンドをセットする。ここで、抽選結果コマンドとは、役の当否判定の結果を把握させるべく表示制御装置81に対して送信されるコマンドである。但し、通常処理では、上記抽選結果コマンド等の各種コマンドをリングバッファにセットするのみであって、表示制御装置81に対してコマンドを送信しない。表示制御装置81へのコマンド送信は、先述したタイマ割込み処理のコマンド出力処理(ステップS110)にて行われる。
そして、ステップS312では、今回のゲームの抽選結果に基づいて各リール32L,32M,32Rに停止可能な図柄を設定する停止情報設定処理を実行する。停止情報設定処理では、ステップS306にてセットされる当選フラグに基づいて、入賞可能な役に応じた停止図柄情報を設定する。例えば、押し順ベル1に当選(IV=11の際に当選)となり、第1小役当選フラグ、第4小役当選フラグ、第5小役当選フラグ及び第8小役当選フラグがセットされた場合、第1小役、第4小役、第5小役及び第8小役入賞に対応する図柄が各リール32L,32M,32Rに停止可能となるように停止図柄情報を設定する。また、スイカに当選(IV=23の際に当選)となり、第2小役当選フラグ及び第3小役当選フラグがセットされた場合、第2小役及び第3小役入賞に対応する図柄が各リール32L,32M,32Rに停止可能となるように停止図柄情報を設定する。
続くステップS313では、ステップS312にて複数の停止可能な図柄情報が設定された場合に、その優先順位を設定する優先設定処理を実行する。優先設定処理では、小役,再遊技,ボーナスの各役種のうち複数の役種に当選している場合、以下に示す優先順位を設定する。小役とボーナスに当選している場合には、小役入賞が優先して成立するように、小役入賞を成立させることができない場合にボーナス入賞が成立するようにして、優先順位を設定する。再遊技とボーナスに当選している場合には、再遊技入賞が優先して成立するようにして優先順位を設定する。
例えば、第1BBに当選している状況(第1BB当選フラグがセットされており、第1BBに当選したゲームや第1BB当選が持ち越されている状況)で、更にスイカに当選し、第1BB入賞と、第2小役及び第3小役入賞とに対応する停止図柄情報の設定が行われている場合、第1BB入賞よりも第2小役、第3小役入賞が優先して成立するように優先順位を設定する。また、第2BBに当選している状況(第2BB当選フラグがセットされており、第2BBに当選したゲームや第2BB当選が持ち越されている状況)で、更に通常リプAに当選し、第2BB入賞と、第1再遊技及び第2再遊技入賞とに対応する停止図柄情報の設定が行われている場合、第2BB入賞よりも各再遊技入賞が優先して成立するように優先順位を設定する。
ここで、再遊技に当選している場合、当選している再遊技のうちのいずれかの再遊技が必ず入賞するように、入賞となる図柄の組合せが設定されている。つまり、再遊技に当選している場合には再遊技入賞が必ず成立し、取りこぼしは発生しない。そのため、再遊技とボーナスとの停止図柄情報の設定が行われている場合、設定されている再遊技のいずれかの再遊技入賞が必ず成立し、ボーナス入賞が成立することがない。そして、本実施形態では、リプ重複第1BBやリプ重複第2BBに当選することで第1BBや第2BBに当選する構成としており、これらリプ重複第1BBやリプ重複第2BBに当選する場合、第1BBや第2BBだけではなく第1再遊技にも当選する。そのため、第1BBや第2BBに当選するゲームでは、第1BBや第2BBではなく、第1再遊技入賞が成立することになる。
ステップS313の処理を実行した後は、ステップS314にて区間表示第1処理を実行してから、抽選処理を終了する。区間表示第1処理は、指示モニタ68や役比モニタ77の表示制御に関する処理であり、かかる処理については後に詳細に説明する。
次に、ステップS211のリール制御処理について、図20のフローチャートに基づき説明する。
リール制御処理では、先ずステップS401において回転演出処理を行う。回転演出処理は、上記ステップS309にて行ったフリーズ抽選処理の結果等に基づいて、無効期間中のリール制御を用いた演出を行うための処理である。続くステップS402では、各リール32L,32M,32Rの回転を開始させる回転開始処理を行う。
回転開始処理では、前回の遊技でリールが回転を開始した時点から予め定めたウエイト時間(例えば4.1秒)が経過したか否かを確認し、経過していない場合にはウエイト時間が経過するまで待機する。ウエイト時間が経過した場合には、次回の遊技のためのウエイト時間を再設定するとともに、RAM106に設けられたモータ制御格納エリアに回転開始情報をセットするモータ制御初期化処理を行う。かかる処理を行うことにより、タイマ割込み処理のステッピングモータ制御処理(ステップS106)にてステッピングモータの加速処理が開始され、各リール32L,32M,32Rが回転を開始する。このため、遊技者が規定数のメダルをベットしてスタートレバー41を操作したとしても、直ちに各リール32L,32M,32Rが回転を開始しない場合がある。その後、各リール32L,32M,32Rが所定の回転速度で定速回転するまで待機し、回転開始処理を終了する。また、CPU102は、各リール32L,32M,32Rの回転速度が定速となると、各ストップスイッチ42~44の図示しないランプを点灯表示することにより、停止指令を発生させることが可能となったことを遊技者等に報知する。
回転開始処理に続き、ステップS403では、ストップスイッチ42~44のいずれかが操作されたか否かを判定する。いずれのストップスイッチ42~44も操作されていない場合には、ストップスイッチ42~44のいずれかが操作されるまで待機する。ストップスイッチ42~44のいずれかが操作されたと判定した場合には、ステップS404に進み、回転中のリールと対応するストップスイッチが操作されたか否か、すなわち停止指令が発生したか否かを判定する。停止指令が発生していない場合には、ステップS403に戻り、ストップスイッチ42~44のいずれかが操作されるまで待機する。停止指令が発生した場合には、ステップS405にて停止指令コマンドをセットする。ここで、停止指令コマンドとは、いずれのストップスイッチが操作されて停止指令が発生したのかを把握させるべく表示制御装置81に対して送信されるコマンドである。停止指令コマンドをセットした場合には、回転中のリールを停止させるべくステップS406~ステップS412に示す停止制御処理を行う。
ステップS406では、ストップスイッチの操作されたタイミングで基点位置(本実施形態では下段)に到達している到達図柄の図柄番号を確認する。具体的には、リールインデックスセンサの検出信号が入力された時点から出力した励磁パルス数により、基点位置に到達している到達図柄の図柄番号を確認する。続くステップS407では、停止情報格納エリア106bに格納されている停止情報に基づいて、今回停止させるべきリールのスベリ数を算出する。本スロットマシン10では、各リール32L,32M,32Rを停止させる停止態様として、ストップスイッチ42~44が操作された場合に、基点位置に到達している到達図柄をそのまま停止させる停止態様と、対応するリールを1図柄分滑らせた後に停止させる停止態様と、2図柄分滑らせた後に停止させる停止態様と、3図柄分滑らせた後に停止させる停止態様と、4図柄分滑らせた後に停止させる停止態様との5パターンの停止態様が用意されている。そこでステップS407では、停止情報格納エリア106bに格納されている停止情報に基づいて、スベリ数として0~4のいずれかの値を算出する。その後、ステップS408では、算出したスベリ数を到達図柄の図柄番号に加算し、基点位置に実際に停止させる停止図柄の図柄番号を決定する。ステップS409では今回停止させるべきリールの到達図柄の図柄番号と停止図柄の図柄番号が等しくなったか否かを判定し、等しくなった場合にはステップS410にてリールの回転を停止させるリール停止処理を行う。その後、ステップS411では、全リール32L,32M,32Rが停止したか否かを判定する。全リール32L,32M,32Rが停止していない場合には、ステップS412にて停止情報第2設定処理を行い、ステップS403に戻る。
ここで、停止情報第2設定処理とは、RAM106の停止情報格納エリア106bに格納された停止情報を、リールの停止後に変更する処理である。停止情報第2設定処理では、セットされている当選フラグと、停止しているリールの停止出目と、に基づいて停止情報を変更する。本スロットマシン10では、例えばIV=11~22の際に当選となった場合、すなわち押し順ベルに当選となった場合(図18、図19参照)に、停止指令を発生させたストップスイッチ42~44の操作順序によって成立する入賞態様を変化させるべく停止情報第2設定処理を行う。
図21は、当選役と、ストップスイッチ42~44の操作順序と成立する入賞態様との対応関係を示す説明図である。例えば、中順押しベル1に当選している場合には、各ストップスイッチ42~44が左→中→右、左→右→中、中→右→左、右→左→中、又は右→中→左の順で操作された場合には第12小役入賞、第13小役入賞又は第16小役入賞が成立するように停止情報を設定し、中→左→右の順で操作された場合には第12小役入賞、第13小役入賞及び第16小役入賞の他に第1小役入賞も成立し得るように停止情報を設定する。但し、このように停止情報を設定した場合であっても、ストップスイッチ42~44の操作タイミングによっては対応する入賞が成立しない場合がある。
各リール32L,32M,32Rの図柄配列について簡単に説明する。本スロットマシン10では、リール32L,32M,32Rをストップスイッチ42~44の操作されたタイミングから最大4図柄分滑らせた後に停止させることができる。このため、各リール32L,32M,32Rに同種図柄同士の間隔が4図柄以下で配置されている場合には、ストップスイッチ43の操作タイミングに関わらず当選図柄となった際に当該当選図柄を有効ライン上に停止させることができる。一方、5図柄以上離れた区間が形成されるようにして配置されている図柄に関しては、有効ライン上に停止させる場合に遊技者が図柄を狙ってストップスイッチ42~44を操作する必要がある。
中順押しベル1に当選となり、各ストップスイッチ42~44が左→中→右の順で操作された場合を例として説明する。かかる場合には、上記の通り第12小役入賞、第13小役入賞又は第16小役入賞を成立させるべく各リール32L,32M,32Rの停止制御を行う。
左リール32Lにおける第12小役図柄は、「赤7」図柄及び「BAR」図柄である。また、左リール32Lにおける第13小役図柄は、「赤貝」図柄及び「白貝」図柄である。そして、左リール32Lにおける第16小役図柄は、「リプレイ」図柄及び「青年」図柄である。左リール32Lには、これら第12小役図柄、第13小役図柄及び第16小役図柄が、図柄同士の間隔が4図柄以下となるように配置されている。そのため、左ストップスイッチ42が最初に操作された場合には、その操作タイミングに関わらず、有効ライン(中段)に第12小役図柄、第13小役図柄及び第16小役図柄のいずれかが停止する。本スロットマシン10では、複数の対象図柄を停止可能なタイミングで操作された場合には、スベリコマ数が少ない図柄を有効ラインに停止させるように停止制御が行われる。すなわち、例えば、左リール32Lの1番目の「ベル」図柄が下段に到達したタイミングで左ストップスイッチ42の操作が行われた場合、第13小役図柄である4番目の「赤貝」図柄(2コマスベリ)、及び、第16小役図柄である5番目の「リプレイ」図柄(3コマスベリ)を中段に停止させることが可能であるところ、最もスベリコマ数の少ない4番目の「赤貝」図柄が中段に停止するように左リール32Lの停止制御が行われる。この場合、第13小役入賞が成立する余地は残るものの、第12小役入賞及び第16小役入賞は成立しないこととなる。
左リール32Lの第13小役図柄が中段に停止した場合、停止情報第2設定処理では、第13小役入賞が成立し得るように停止情報を変更する。
中リール32Mにおける第13小役図柄は、「リプレイ」図柄である。左リール32Lには、「リプレイ」図柄同士の間隔が4図柄以下となるように「リプレイ」図柄が配置されている。そのため、この場合には、中ストップスイッチ43の操作タイミングに関わらず、中リール32Mの上段に「リプレイ」図柄が停止するように停止制御が行われる。
右リール32Rにおける第13小役図柄は、「白貝」図柄及び「青年」図柄である。右リール32Rには、「白貝」図柄及び「青年」図柄同士の間隔が5図柄以上となるようにこれらの図柄が配置されている。つまり、右ストップスイッチ44の操作タイミングによって、第13小役図柄である「白貝」図柄又は「青年」図柄を上段に停止させることができる場合と、上段に停止させることができない場合と、がある。上段に停止させることが可能なタイミングで右ストップスイッチ44の操作が行われると第13小役入賞が成立し、上段に停止させることができないタイミングで右ストップスイッチ44の操作が行われると所謂取りこぼしとなる。
ここで、左リール32Lの中段に「赤貝」図柄が停止し、中リール32Mの上段に「リプレイ」図柄が停止する場合とは、上記のように中順押しベル1に当選して第13小役入賞が成立する可能性がある場合のほか、中順押しベル2に当選して第15小役入賞が成立する可能性がある場合もある。すなわち、中順押しベル2における第15小役図柄は、左リール32Lと中リール32Mとが第13小役図柄と共通している。そして、右リール32Rにおいて、第13小役図柄が「白貝」図柄及び「青年」図柄であるのに対して、第15小役図柄が「赤7」図柄及び「白7」図柄であり異なっている。特に、右リール32Rにおいて、第13小役図柄と第15小役図柄とは、第13小役図柄を有効ラインに停止させることが可能なタイミングで右ストップスイッチ44を操作すると第15小役図柄を有効ラインに停止させることができず、第15小役図柄を有効ラインに停止させることが可能なタイミングで右ストップスイッチ44を操作すると第13小役図柄を有効ラインに停止させることができないようにこれら各図柄が配置されている。そのため、中順押しベル1に当選しているのか中順押しベル2に当選しているのかがわからないことを前提とすると、左リール32Lと中リール32Mとを停止させて、第13小役入賞及び第15小役入賞の可能性がある停止態様となっていても、それを狙って入賞させることができない。
次に、中順押しベル1当選となり、各ストップスイッチ42~44が、中→左→右の順で操作された場合を例として説明する。かかる場合には、第1小役入賞、第12小役入賞、第13小役入賞又は第16小役入賞を成立させるべく各リール32L,32M,32Rの停止制御を行う。
ここで、本実施形態では、抽選処理(図17)の優先設定処理(ステップS313)において、複数の小役の当選フラグが設定されている場合の優先順位として、図柄数優先制御と、枚数優先制御とのいずれかに基づいてその優先順位が設定される。すなわち、上記の通り、例えば、ボーナスと小役(メダル払出が発生し得る第1小役~第27小役)が重複して当選している場合には、小役の入賞が優先的に成立するように設定され、ボーナスと再遊技が重複して当選している場合には、再遊技の入賞が優先的に成立するように設定される。これに対して、複数の小役同士が重複して当選している場合には、入賞時の特典として払い出されるメダル数が共通する小役をグループ分けしたうえで、各グループの入賞図柄として対応付けられている図柄数が多いグループの小役の入賞が優先的に成立するように設定する図柄数優先制御と、入賞時の特典として払い出されるメダル数が多いグループの小役の入賞が優先的に成立するように設定する枚数優先制御と、のいずれかの制御により優先順位が設定される。
例えば、中順押しベル1において中→左→右の操作順序に対応付けられた第1小役入賞、第12小役入賞、第13小役入賞及び第16小役入賞の場合について説明する。第1小役入賞が成立すると15枚のメダル払出が発生するのに対し、第12小役入賞、第13小役入賞又は第16小役入賞が成立すると1枚のメダル払出が発生する。この場合、入賞時の特典として払い出されるメダル数が共通する小役のグループ分けとしては、15枚のメダル払出が発生する第1グループ(第1小役)と、1枚のメダル払出が発生する第2グループ(第12小役、第13小役及び第16小役)と、なる。そして、図柄数優先制御においては、例えば中リール32Mにおける第1グループの入賞図柄(中リール32Mの第1小役図柄)は、「リプレイ」図柄であり、中リール32Mにおいて4つ設けられており、中リール32Mにおける第2グループの入賞図柄(中リール32Mの第12小役図柄、第13小役図柄及び第16小役図柄)は、「リプレイ」図柄及び「赤貝」図柄であり、中リール32Mにおいて5つ設けられており、第2グループの入賞図柄の方が多いため、第2グループの小役入賞が優先的に成立するように設定される。これに対して、枚数優先制御においては、メダル払出数の多い第1グループの小役入賞が優先的に成立するように設定される。つまり、中順押しベル1において中→左→右の操作順序で操作された場合、図柄数優先制御が適用される場合、第12小役入賞、第13小役入賞又は第16小役入賞が成立するように制御されるのに対し、枚数優先制御が適用される場合、第1小役入賞が成立するように制御される。
中順押しベル1に当選となり、各ストップスイッチ42~44が第1小役に対応付けられている中→左→右の順で操作された場合において、図柄数優先制御が適用される場合、中リール32Mにおける第1小役図柄は「ベル」図柄であり、第12小役図柄及び第13小役図柄は「リプレイ」図柄であり、第16小役図柄は「白7」図柄である。この場合、中ストップスイッチ43が最初に操作された場合には、「ベル」図柄と、「リプレイ」図柄又は「白7」図柄とを同時に有効ライン(上段)に停止させることが可能であれば、「リプレイ」図柄又は「白7」図柄を優先して有効ラインに停止させるように停止制御が行われる。「リプレイ」図柄及び「白7」図柄は、図柄同士の間隔が4図柄以下となるように配置されているため、その操作タイミングに関わらず、有効ラインに第12小役図柄、第13小役図柄及び第16小役図柄のいずれかが停止する。そして、残りの左リール32Lと右リール32Rとは、上記の通り、既に停止している図柄との関係で、入賞し得る小役を最大限入賞させるように停止制御が行われる。つまり、中順押しベル1当選時において、図柄数優先制御が適用されると、中ストップスイッチ43が最初に操作されても、第1小役入賞の余地がなく、第12小役入賞、第13小役入賞及び第16小役入賞のいずれかが成立することとなる。
これに対して、中順押しベル1に当選となり、各ストップスイッチ42~44が第1小役に対応付けられている中→左→右の順で操作された場合において、枚数優先制御が適用される場合、中ストップスイッチ43が最初に操作された場合には、「ベル」図柄と、「リプレイ」図柄又は「白7」図柄とを同時に有効ライン(上段)に停止させることが可能であれば、第1小役図柄たる「ベル」図柄を優先して有効ラインに停止させるように停止制御が行われる。「ベル」図柄は、図柄同士の間隔が4図柄以下となるように配置されているため、その操作タイミングに関わらず、有効ラインに第1小役図柄が停止する。第1小役については、中リール32Mだけでなく、左リール32Lと右リール32Rについても図柄同士の間隔が4図柄以下となるように配置されているため、その操作タイミングに関わらず、有効ラインに第1小役図柄を停止させることが可能である。そのため、中順押しベル1に当選となり、中→左→右の順で操作された場合において、枚数優先制御が適用される場合、その操作タイミングに関わらず第1小役入賞が成立する。
上記中順押しベル1に限られず、各押し順ベルでは、第1小役に対応する操作順序に、当該第1小役だけではなく1枚メダル払出となる第4小役~第27小役が複数設定されている(図21)。そして、いずれの押し順ベルであっても、第1小役に対応する操作順序では、第1小役とは異なるグループの入賞図柄数のほうが多くなるように設定されている。
本実施形態では、通常遊技状態や第1BB乃至第2BBの持ち越し状態、及び第1BB状態や第2BB状態といった、いずれの遊技状態であっても、基本的に枚数優先制御が適用されて各小役間の優先順位が設定される構成としている。つまり、いずれの遊技状態においても、押し順ベル当選時の操作順序が第1小役の他に第4小役~第27小役にも対応する操作順序であっても、枚数優先制御によって、1枚メダル払出となる第4小役~第27小役ではなく7枚メダル払出となる第1小役の入賞が優先して成立する。
つまり、押し順ベル当選となったゲームにおいて、第1小役を含む操作順序に対応する順序にてストップスイッチ42~44が操作された場合には第1小役入賞が成立して7枚のメダル払出が発生する。これに対して、押し順ベル当選となったゲームにおいて、第1小役を含まない操作順序に対応する順序にてストップスイッチ42~44が操作された場合には第1小役入賞は成立せず、第4小役入賞~第27小役入賞が成立して1枚のメダル払出が発生するか、いずれの小役入賞も成立せず取りこぼしとなってメダル払出が発生しない。
ちなみに、共通ベルに当選となった場合には、第1小役当選フラグがセットされ、他の1枚メダル払出となる第4小役~第27小役当選フラグはセットされない。そのため、共通ベルに当選した場合において、仮に、図柄数優先制御が適用されても、操作順序及び操作タイミングに関わらず第1小役入賞が成立する。
リール制御処理の説明に戻り、ステップS411にて全リール32L,32M,32Rが停止していると判定した場合には、ステップS413にて払出判定処理を行う。払出判定処理とは、当選図柄の組合せが有効ライン上に並んでいることを条件の1つとしてメダルの払出枚数を設定する処理である。払出判定処理では、各リール32L,32M,32Rの下段に停止した停止図柄の図柄番号から有効ライン上に形成された図柄の組合せを導出し、有効ライン上で入賞が成立しているか否かを判定する。入賞が成立している場合には、さらに入賞成立役が当選フラグ格納エリア106aにセットされている当選フラグと対応しているか否かを判定する。入賞成立役が当選フラグと対応している場合には、入賞成立役と、当該入賞成立役と対応する払出数と、をRAM106に設けられた払出情報格納エリアにセットする。一方、入賞成立役が当選フラグと対応していない場合には、スロットマシン10をエラー状態とするとともにエラーの発生を報知する異常発生時処理を行う。かかるエラー状態は、リセットスイッチ72が操作されるまで維持される。
払出判定処理を行った後は、ステップS414にてボーナス状態処理を実行する。ボーナス状態処理は、入賞結果に基づいて第1BB状態や第2BB状態といったボーナス状態へ移行させる処理等を行う。当該ボーナス状態処理については、後に詳細に説明する。続くステップS415では、入賞結果対応処理を行う。入賞結果対応処理では、入賞結果に基づいて表示モードの移行等を行わせるための処理等を行う。当該入賞結果対応処理については、後に詳細に説明する。
入賞結果対応処理を行った後は、ステップS416にて区間表示第2処理を実行する。区間表示第2処理は、指示モニタ68の表示制御に関する処理であり、かかる処理については後に詳細に説明する。その後、ステップS417にて今回のゲームにおける入賞成立役を表示制御装置81に把握させるべく入賞結果コマンドをセットし、リール制御処理を終了する。
次に、ステップS212のメダル払出処理について、概略を説明する。
メダル払出処理では、払出情報格納エリアにセットされた払出数が0か否かを判定する。払出数が0の場合、先の払出判定処理にて小役入賞が成立していないと判定したことを意味する。かかる場合には、払出判定処理にてセットした入賞成立役に基づいて、第1再遊技入賞~第11再遊技入賞のいずれかが成立したか否かを判定する。いずれの再遊技入賞も成立していない場合にはそのままメダル払出処理を終了し、いずれかの再遊技入賞が成立している場合には、遊技モードを再遊技モードとする再遊技設定処理を行い、メダル払出処理を終了する。なお、先に説明した開始待ち処理(ステップS204)では、現在の遊技モードが再遊技モードであると判定した場合に自動投入処理を行っている。
一方、払出情報格納エリアにセットされた払出数が0でない場合には、当該払出数と同数のメダルを払い出し、メダル払出処理を終了する。メダルの払い出しについて具体的には、クレジットカウンタのカウント値が上限(貯留されているメダル数が50枚)に達していない場合、クレジットカウンタのカウント値に払出数を加算するとともに加算後の値をクレジット表示部60に表示させる。また、クレジットカウンタのカウント値が上限に達している場合、又は払出数の加算途中でカウント値が上限に達した場合には、メダル払出用回転板を駆動し、メダルをホッパ装置51からメダル排出口49を介してメダル受け皿50へ払い出す。なお、メダル払出処理では、メダルの払い出しにあわせて払出枚数表示部62に表示される払出数を変更する処理も行っている。また、現在の遊技状態がBB状態である場合には、後述する残払出数カウンタの値から払出数を減算するとともに、残払出枚数表示部61に表示される残払出数を減算する処理を行う。
<ボーナス状態処理>
リール制御処理におけるステップS414のボーナス状態処理を、図22のフローチャートに基づいて説明する。上記のように、ボーナス状態処理は、リール制御処理(図20)における払出判定処理(ステップS413)と入賞結果対応処理(ステップS415)との間で起動される処理である。
先ずステップS501では、現在の遊技状態がボーナス状態か否か、すなわち現在の遊技状態が第1BB状態又は第2BB状態であるか否かを判定する。これら第1BB状態や第2BB状態であるか否かは、第1BB状態又は第2BB状態へ移行する際にRAM106の各種フラグ格納エリア106dにセットされる第1BB状態フラグや第2BB状態フラグの有無により判別可能である。すなわち、ステップS501では、第1BB状態フラグ及び第2BB状態フラグのいずれもがセットされていない場合には、第1BB状態及び第2BB状態ではないと判定してステップS502に進む。
ステップS502では、第1BB当選フラグ又は第2BB当選フラグがセットされており、いずれかのBBに当選している状態であるか否かを判定する。いずれのBB当選フラグもセットされていない場合は、そのままボーナス状態処理を終了する。いずれかのBB当選フラグがセットされている場合には、ステップS503に進む。
ステップS503では、第1BB入賞又は第2BB入賞が成立したか否かを判定する。いずれかのBB入賞も成立していない場合には、そのままボーナス状態処理を終了する。これに対して、第1BB入賞又は第2BB入賞が成立したと判定した場合、ステップS504に進む。ステップS504では、今回入賞したBBに対応するBB当選フラグをクリアする。
その後、ステップS505にて、今回入賞したBBに対応するBB状態フラグを各種フラグ格納エリア106dにセットする。すなわち、第1BB入賞が成立した場合には第1BB状態フラグをセットし、第2BB入賞が成立した場合には第2BB状態フラグをセットする。これにより、次ゲームからはステップS501にて肯定判定することになる。
続くステップS506では、今回入賞したBBに対応するBB開始コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本ボーナス状態処理を終了する。すなわち、第1BB入賞が成立した場合には第1BB開始コマンドをセットし、第2BB入賞が成立した場合には第2BB開始コマンドをセットする。表示制御装置81は、これら第1BB開始コマンドや第2BB開始コマンドを受信することにより、移行するボーナス状態の種類を把握可能となり、移行するボーナス状態に対応するBB開始演出を補助表示部65等にて行うための処理を実行する。
ステップS501にて肯定判定し、第1BB状態又は第2BB状態である場合、ステップS507に進み、各種カウンタエリア106eに設けられたBBゲームカウンタを1加算する処理を実行する。BBゲームカウンタはボーナス状態(第1BB状態や第2BB状態)のゲーム数をCPU102が把握するためのカウンタであり、特別状態としてのBB状態への移行が可能となるBB当選してからBB状態が終了するまでのゲームの遊技進行に応じて更新される特別情報の一種である。
続くステップS508では、今回のゲームの遊技結果として、いずれかの小役入賞が成立したか否かを判定する。
ここで、第1BB状態や第2BB状態における各ゲームの抽選に用いられるBB状態用抽選テーブルについて、図23を参照しながら説明する。
本実施形態では、第1BB状態と第2BB状態とはいずれも同じBB状態用抽選テーブルを用い、第1BB状態及び第2BB状態における各ゲームの抽選結果の内容及び当選確率は共通している。また、BB状態用抽選テーブルでは、インデックス値IV=1~10、12~23のポイント値PVが、通常遊技状態用抽選テーブル及び持ち越し状態用抽選テーブルにおけるそれと共通しており、これらインデックス値IV=1~10、12~23にて当選となる確率が通常遊技状態、持ち越し状態、第1BB状態及び第2BB状態において共通している。これに対して、インデックス値IV=11の共通ベルにて当選となる確率は、通常遊技状態や持ち越し状態よりも第1BB状態や第2BB状態の方が高くなるようにポイント値PVが設定されており、その点においては、第1BB状態や第2BB状態の方が通常遊技状態や持ち越し状態よりも遊技者にとって有利な状態となっている。
ステップS508では、インデックス値IV=11~23の小役入賞が成立しているか否かを判定し、インデックス値IV=1~10の再遊技入賞が成立している場合や、外れ結果である場合、又は、インデックス値IV=11~23のいずれかの小役当選であっても入賞が成立せず、取りこぼしである場合には、そのままボーナス状態処理を終了する。いずれかの小役入賞が成立している場合には、ステップS509に進み、各種カウンタエリア106eに設けられたBB払出カウンタに、今回のゲームで入賞が成立して払い出されるメダル払出数を加算する処理を実行する。なお、かかるメダル払出数は、直前のステップS412の払出判定処理の結果を利用可能である。BB払出カウンタは、ボーナス状態(第1BB状態や第2BB状態)におけるメダル払出数をCPU102が把握するためのカウンタであり、特別状態としてのBB状態への移行が可能となるBB当選してからBB状態が終了するまでのゲームの遊技進行に応じて更新される特別情報の一種である。
ステップS509の処理を実行した後は、ステップS510にて、BB払出カウンタがBB状態の上限払出数として設定されている「71」以上となっているか否かを判定する。ステップS510にて否定判定した場合には、そのままボーナス状態処理を終了する。これに対して、ステップS510にて肯定判定した場合には、ステップS511に進み、ボーナス状態を終了するための処理を実行する。
すなわち、ステップS511では、BBゲームカウンタを初期化する処理を実行する。かかる処理により、特別情報としてのBBゲームカウンタは初期値(0)に設定される。続くステップS512では、BB払出カウンタを初期化する処理を実行する。かかる処理により、特別情報としてのBB払出カウンタは初期値(0)に設定される。続くステップS513では、今回終了するボーナス状態に対応するBB状態フラグをクリアする処理を実行する。すなわち、第1BB状態を終了する場合には第1BB状態フラグをクリアし、第2BB状態を終了する場合には第2BB状態フラグをクリアする。そして、ステップS514にて、今回終了するボーナス状態に対応するBB終了コマンドを、表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本ボーナス状態処理を終了する。すなわち、第1BB状態を終了する場合には第1BB終了コマンドをセットし、第2BB状態を終了する場合には第2BB終了コマンドをセットする。表示制御装置81は、これら第1BB終了コマンドや第2BB終了コマンドを受信することにより、終了するボーナス状態の種類を把握可能となり、終了するボーナス状態に対応するBB終了演出を補助表示部65等にて行うための処理を実行する。
本実施形態においては、上記の通り、通常遊技状態や持ち越し状態と、第1BB状態や第2BB状態では、共通ベル(IV=11)の当選確率を除いて、各再遊技結果や小役の当選確率が共通している。そして、BB状態用抽選テーブルでは、第1BBや第2BBに対応するインデックス値IV=24,25のポイント値PVが0と設定されていることから、第1BB状態や第2BB状態では、同様にIV=24,25のポイント値PVが0として設定されている持ち越し状態と比較して、共通ベルの分を除いて1ゲーム当たりで期待できるメダル増減数は共通している。共通ベルの当選確率は、持ち越し状態で約6550分の1であり、第1BB状態や第2BB状態では約3280分の1であり、第1BB状態や第2BB状態の方が当選し易いとはいえ、その差は非常に小さい。そして、図24に示すように、押し順ベル当選時に、第1小役に対応する操作順序に6分の1の確率で合致することを前提とすると、持ち越し状態では、1ゲーム当たり約1.51枚のメダル減少が期待でき(純増枚数マイナス約1.51枚)、第1BB状態や第2BB状態においても、1ゲーム当たり約1.51枚のメダル減少が期待できる(純増枚数マイナス約1.51枚)。
これに対して、押し順ベル当選時に押し順報知が行われるようになると(ATモード)、約1.5分の1の確率で当選する押し順ベルにおいて全て第1小役入賞を成立させることが可能となり、持ち越し状態では、1ゲーム当たり約2.06枚のメダル増加が期待でき(純増枚数プラス約2.06枚)、第1BB状態や第2BB状態においても、1ゲーム当たり約2.06枚のメダル増加が期待できる(純増枚数プラス約2.06枚)ようになる。つまり、押し順報知が行われるようになっても、持ち越し状態と第1BB状態や第2BB状態とで、メダル増加期待値に差はほとんどないように設定されている。但し、本実施形態では、押し順報知が行われる状況において第1BB状態や第2BB状態への移行を生じさせることで、遊技者にとって有利となる事象が生じ得る、といった特徴的な構成を有している。そこで、先ずは、押し順報知を行うための構成について説明し、その後、第1BB状態や第2BB状態に関する構成について説明する。
<抽選結果対応処理>
先ず、図25のフローチャートを参照しながら、ステップS310にて実施される抽選結果対応処理について説明する。抽選結果対応処理は、各ゲームの抽選処理が行われた後に実施される処理であり、ゲームの抽選結果に基づいて押し順報知が発生するモードとしてのATモード(アシストタイムモード、ナビモード、特定状態)への移行抽選等を行う処理である。
先ず、ステップS601~ステップS603では、今回のゲームのベット数が、遊技状態に対応付けられて規定(設定)されている一の特定規定数(特定設定数)であるか否かを判定する処理を実行する。すなわち、ステップS601では、第1BB状態フラグ及び第2BB状態フラグのいずれかのフラグがセットされているか否かを把握して、今回開始するゲームがいずれかのBB状態であるか否かの判定を行う。BB状態ではない場合には、ステップS602にてベット数が「3」であるか否かを判定する。また、BB状態である場合には、ステップS603にてベット数が「3」であるか否かを判定する。ステップS602やステップS603にて否定判定し、今回のゲームのベット数が遊技状態に対応付けられて規定されている特定規定数はない場合には、ステップS604以降の表示モード用の処理(指示機能に関する処理)を行うことなく抽選結果対応処理を終了する。
なお、既に説明した通り、本実施形態では、いずれの遊技状態であっても3ベットゲームのみが実行可能となっていることから、ステップS602やステップS603にて否定判定することはなく、いずれも肯定判定することになる。つまり、通常遊技状態、持ち越し状態、第1BB状態及び第2BB状態のいずれにおいても、各ゲームでステップS604以降の表示モード用の処理(指示機能に関する処理)が実行される。
ステップS602又はステップS603にて肯定判定した場合には、ステップS604にて各種フラグ格納エリア106dに有利区間フラグがセットされているか否かを判定する。上記の通り、本スロットマシン10では、押し順報知等の発生の有無について、当該押し順報知等が発生し得る有利区間と、発生し得ない通常区間とが設定されている。有利区間フラグは、今回のゲームが有利区間であることをCPU102が把握するためのフラグであり、有利区間へ移行することに基づいてセットされ、通常区間に移行することに基づいてクリアされるフラグである。
有利区間フラグがセットされていない場合、今回のゲームが通常区間であることを意味し、この場合、ステップS605にて有利区間移行抽選処理を実行してから、本抽選結果対応処理を終了する。
有利区間移行抽選処理では、図26のフローチャートに示すように、ステップS701にて今回のゲームの抽選結果を把握する。そしてステップS702にて、ROM105の各種テーブル記憶エリア105aから有利区間移行抽選テーブルを取得する。有利区間移行抽選テーブルは、図28に示すように、各ゲームの抽選結果に応じて、有利区間への移行率(有利区間移行抽選の当選確率)が設定されている。有利区間への移行抽選の契機役としては、図28にも示すように、通常リプA、通常リプB、通常リプC、チャンス目A、チャンス目B、チャンス目C、チェリーA、チェリーB、チェリーC、押し順ベル、スイカ、が設定されている。すなわち、通常遊技状態や持ち越し状態、第1BB状態及び第2BB状態のいずれにおいても当選確率が共通している結果が有利区間への移行抽選の契機役として設定されている。
ステップS702にて抽選テーブルを取得した後は、ステップS703にて有利区間移行抽選用の乱数を取得する処理を実行する。有利区間移行抽選用の乱数は、各種カウンタエリア106eの専用のカウンタが用いられ、当該専用のカウンタは所定周期で更新され、ステップS703ではそのカウンタのうち最新の更新値を取得する。そして、ステップS704にて有利区間移行抽選を実行し、ステップS705にて、移行抽選に当選したか否かを判定し、当選していない場合には、そのまま有利区間移行抽選処理を終了する。ちなみに、本実施形態では、いずれの契機役であっても100%の確率で有利区間移行抽選に当選するように抽選テーブルが設定されている。この場合、ステップS701にて把握したゲームの結果が、移行抽選の契機役である(外れ結果ではない)と判定した場合、ステップS702~ステップS705の処理を省略することも可能である。
ステップS705にて移行抽選に当選していると判定した場合、ステップS706にて、各種フラグ格納エリア106dに有利区間当選ゲームフラグをセットする処理を実行してから、有利区間移行抽選処理を終了する。有利区間当選ゲームフラグは、今回のゲームで有利区間への移行抽選に当選したことをCPU102が把握するためのフラグである。
抽選結果対応処理の説明に戻り、ステップS604にて有利区間フラグがセットされていると判定した場合は、ステップS606に進む。ステップS606では、各種フラグ格納エリア106dにATモード当選フラグ又はいずれかのATモードフラグがセットされているか否かを判定する。ATモード当選フラグは、そのATモードへの移行抽選に当選した場合にセットされるフラグである。また、ATモードへ移行する際には、そのATモードの種類に応じATモードフラグがセットされる。つまり、ステップS606では、既にATモードへの移行が確定している状況又は移行済みの状況であるか否かを判定する。ステップS606にていずれのフラグもセットされておらず、未だATモードへの移行が確定していない状況である場合には、ステップS607にてAT抽選用処理を実行する。一方、ステップS606にていずれかのフラグがセットされている場合、ステップS608にてAT上乗せ用処理を実行する。
<AT抽選用処理>
先ず、ステップS607のAT抽選用処理について図27のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS801では、各種カウンタエリア106eに設けられた天井カウンタを1減算する処理を実行する。天井カウンタは、有利区間移行後のゲーム数が天井ゲーム数に至った場合、ATモード移行抽選の当否に関わらず(当選することなく)ATモードへの移行を生じさせるためのカウンタであり、当該天井ゲーム数までの残りゲーム数をCPU102が把握するためのカウンタである。天井ゲーム数は有利区間移行時に設定される。ちなみに、上記のように、AT抽選用処理はベット数が遊技状態に応じた特定規定数である場合に実行されることからして、天井カウンタはベット数が遊技状態に応じた特定規定数であるゲームにて減算される。
ステップS801にて天井カウンタの減算処理を実行した後は、ステップS802にて天井カウンタが0に至ったか否かを判定する。0に至っていない場合には、ステップS803~ステップS807にてATモード移行抽選用の処理を実行する。
すなわち、ステップS803にて、各種フラグ格納エリア106dにCZモードフラグがセットされているか否かを判定する。本実施形態では、ATモード移行抽選の当選確率が異なる表示モードとして、通常モードと、当該通常モードよりもATモード移行抽選に当選し易いCZモードとが設定されており、CZモードフラグはCZモードであることをCPUが把握するためのフラグである。
ステップS803にてCZモードフラグがセットされていない場合には、ステップS804にて、各種テーブル記憶エリア105aから通常用ATモード移行抽選テーブルを取得する処理を実行する。一方、ステップS803にてCZモードフラグがセットされている場合には、ステップS805にて、CZ用ATモード移行抽選テーブルを取得する処理を実行する。
これら通常用ATモード移行抽選テーブルとCZ用ATモード移行抽選テーブルとは、図28に示すように、ゲームの抽選結果に応じてATモード移行抽選の当選確率がそれぞれ設定されており、例えば、チャンス目Aを契機とするATモード移行抽選であれば、通常用では1%の確率でATモード移行当選となり、CZ用であれば3%の確率でATモード移行当選となる、といったように、通常用ATモード移行抽選テーブルよりもCZ用ATモード移行抽選テーブルの方がATモード移行抽選に当選し易くなるように設定されている。また、通常リプA、通常リプB及び通常リプCについては、通常用ではATモード移行当選とならない一方、CZ用ではATモード移行当選となり得るように設定されている。
ステップS804又はステップS805にてATモード移行抽選テーブルを取得した後は、当該取得した移行抽選テーブルに基づいて、ステップS806にてATモード移行抽選処理を実行する。そして、ステップS807にてATモード移行当選であったか否かを判定する。
ステップS807にてATモード移行当選であると判定した場合、又は、ステップS802にて天井カウンタが0であると判定した場合、ステップS808~ステップS810のATモード当選用の処理を実行する。また、ステップS807にてATモード移行当選ではないと判定した場合は、ステップS811~ステップS814にてATモード非当選用の処理を実行する。
ATモード当選用の処理において、ステップS808では、CZモードフラグがセットされているか否かを判定する。CZモードフラグがセットされている場合には、ステップS809にて当該CZモードフラグをクリアする処理を実行する。ステップS809の処理を行うことにより、CZモードが終了することになる。ステップS808にてCZモードフラグがセットされていない場合、又はステップS809にてCZモードフラグをクリアした後は、ステップS810にてATモード当選フラグをセットする処理を実行する。ステップS810の処理を実行することにより、次回の抽選結果対応処理におけるステップS606では肯定判定することになる。
一方、ATモード非当選用の処理では、ステップS811にてCZモードフラグがセットされているか否かを判定し、セットされていない場合には、ステップS812にてCZモード移行抽選処理を実行する。CZモード移行抽選処理では、図28に示すCZモード移行抽選テーブルを取得し、今回のゲームの抽選結果と抽選用の乱数に基づきCZモードへ移行させるか否かの抽選を行う。CZモード移行抽選テーブルでは、ATモード移行抽選に当選し易い結果ほどCZモード移行抽選に当選し易くなるように設定されている。そのため、ATモード移行抽選に当選し易い結果であったのにもかかわらず、ATモード移行抽選に非当選であった場合には、CZモードに当選し易くなるようになり、遊技者の救済が図られている。
CZモード移行抽選処理を実行した後は、ステップS813にてCZモード移行抽選に当選したか否かを判定し、当選している場合には、ステップS814にてCZモード当選フラグをセットする処理を実行する。ステップS811にてCZモード中であると判定した場合や、ステップS813にてCZモード移行抽選に非当選であると判定した場合は、そのままAT抽選用処理を終了する。
ステップS810又はステップS814の処理を実行した後は、ステップS815~ステップS818にて前兆モードの設定用の処理を行う。前兆モードとは、ATモード移行抽選に当選したこと、又はCZモード移行抽選に当選したことの報知を行うよりも前のゲームにおいて、これらの移行抽選に当選したことの示唆を行うモードである。ステップS815では、前兆モードのゲーム数を抽選により決定する処理を行う。ステップS815の処理では、例えば0ゲームから32ゲームのうちからランダムに前兆モードのゲーム数が決定される。なお、移行当選の契機となったゲームの抽選結果に応じて前兆モードのゲーム数が異なり得るように設定してもよい、同じゲームの抽選結果でもATモード移行抽選に当選した場合とCZモード移行抽選に当選した場合とで前兆モードのゲーム数が異なり得るように設定してもよい。
ステップS815にて前兆ゲーム数抽選処理を実行した後は、ステップS816にて各種カウンタエリア106eに設けられた前兆カウンタに、前兆ゲーム数に対応する数値を入力する処理を実行する。前兆カウンタは、前兆モードの残りゲーム数をCPU102が把握するためのカウンタであり、前兆モードを1ゲーム消化するたびに1ずつ減算されるカウンタである。その後、ステップS817にて各種フラグ格納エリア106dに前兆フラグをセットし、ステップS818にて前兆コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本AT抽選用処理を終了する。前兆フラグは、前兆モード中であることをCPU102が把握するためのフラグである。また、前兆コマンドには、前兆モードのゲーム数に相当する情報が含まれており、表示制御装置81はかかる前兆コマンドを受信することにより、前兆モードのゲーム数を把握し、当該前兆モード中に対応する演出(前兆演出)を実行するように補助表示部65等を制御する。
<AT上乗せ用処理>
次に、ステップS608にて実行されるAT上乗せ用処理について、図29のフローチャートを参照しながら説明する。既に説明した通り、AT上乗せ用処理は、ATモード当選フラグやいずれかのATモードフラグがセットされている状況で実行される処理であり、ATモードの継続ゲーム数の上乗せを行うための処理である。
AT上乗せ用処理では、先ずステップS901にて、今回のゲームの抽選結果を把握する。そして、ステップS902にて、各種テーブル記憶エリア105aから上乗せ抽選テーブルを取得する処理を実行する。
ここで、本実施形態ではATモードとして、上乗せ当選確率の異なる第1ATモードと第2ATモードとが設定されており、第1ATモードよりも第2ATモードの方が上乗せ当選率が高くなるように設定されている。より詳しくは、図30に示すように、上乗せ抽選テーブルでは、ゲームの抽選結果と、ATモードの種類と、に応じて上乗せ当選率が設定されており、例えば、チェリーAを契機とする上乗せ抽選においては、第1ATモードでは5%の確率で上乗せ抽選に当選する一方、第2ATモードでは10%の確率で上乗せ抽選に当選するように設定されている。
ステップS903では上乗せ抽選を実行し、ステップS904にて上乗せ抽選に当選したか否かの判定を行う。上乗せ抽選に非当選であった場合には、そのままAT上乗せ用処理を終了する。上乗せ抽選に当選であった場合には、ステップS905にて上乗せゲーム数抽選処理を実行する。上乗せゲーム数抽選処理では、各種テーブル記憶エリア105aから上乗せゲーム数テーブルを取得し、今回の上乗せゲーム数を抽選により決定する。上乗せゲーム数テーブルは、図30に示すように、上乗せ契機となったゲームの抽選結果に応じて、上乗せゲーム数が異なるように設定されており、例えば、通常リプAを契機として上乗せが行われる場合には平均150ゲームの上乗せが発生する一方、チェリーAを契機として上乗せが行われる場合は平均15ゲームの上乗せが発生する、といったように、上乗せ抽選に当選しにくい契機にて上乗せが行われる場合の方が上乗せゲーム数が多くなるように設定されている。
ステップS905にて上乗せゲーム数抽選処理を実行した後は、ステップS906にて各種カウンタエリア106eに設けられたATゲームカウンタに、今回の上乗せゲーム数を加算する処理を実行する。ATゲームカウンタは、ATモードの残りゲーム数をCPU102が把握するためのカウンタである。ステップS906の処理を実行した後は、ステップS907にて上乗せコマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、AT上乗せ用処理を終了する。上乗せコマンドを受信した表示制御装置81は、上乗せが行われたことに対応する上乗せ報知演出を補助表示部65やスピーカ64にて行うための処理を実行する。
ストップスイッチ42~44の操作順序の報知は、抽選結果対応処理(図27)における、ステップS609~ステップS612の処理にて実行される。すなわち、ステップS607又はステップS608の処理にてAT抽選用処理やAT上乗せ用処理を実行した後は、ステップS609~ステップS612にて押し順報知用の処理を実行する。
<押し順報知の概要>
ステップS609~ステップS612にて実行される押し順報知用の処理の説明に先立って、指示モニタ68にて実行される押し順報知や、補助表示部65にて実行される押し順報知演出の概要について説明する。なお、押し順報知や押し順報知演出は、例えば、押し順ナビ、順序報知や態様報知とも称することが可能である。指示モニタ68は主制御装置101に接続されており、主制御装置101により押し順報知が行われる。これに対して、補助表示部65は表示制御装置81に接続されており、表示制御装置81により押し順報知演出が行われる。
先ず、この指示モニタ68の構成について、図31を参照しながら説明する。図31(a)は、指示モニタ68の正面図であり、図31(b)は、指示モニタ68の表示態様と表示内容との関係を説明するための図である。
図31(a)に示すように、指示モニタ68には8個の表示用セグメントN1~N8が設けられている。各表示用セグメントN1~N8は、LEDからなる個別の光源を有しており、それら個別の光源がオンオフ制御されることで、任意の1個の表示用セグメントのみを点灯させることができるとともに、任意の組み合わせの表示用セグメントを点灯させることができる。これにより、指示モニタ68では、それぞれ個別に所定の記号(アルファベットや数字を含む)が表示されるようになっている。なお、上記個別の光源はいずれも同一色の光を照射するものであるため、各表示用セグメントN1~N8においてはいずれも同一の色が表示されることとなる。
各表示用セグメントN1~N8について詳細には、第1表示用セグメントN1~第7表示用セグメントN7は、いずれも直線状の表示用セグメントであり、これら第1表示用セグメントN1~第7表示用セグメントN7は、数字の「1」~「6」を少なくとも表示することができるように配置されている。また、第8表示用セグメントN8は、円形状の表示用セグメントであり、第1表示用セグメントN1~第7表示用セグメントN7が設けられた領域の右下部分の横方に配置されている。したがって、指示モニタ68では、「1」~「6」と、「1.」~「6.」と、「 .」と、を少なくとも表示することができる。
なお、指示モニタ68において、複数パターンの記号をそれぞれ個別に表示することが可能であれば、各表示用セグメントN1~N8の形状や配置態様は任意であり、さらには8個のセグメントではなく7個のセグメント、又は9個のセグメント等を用いる構成としてもよい。また、各表示用セグメントN1~N8において表示される色が同一であることは必須ではなく、各表示用セグメントN1~N8において表示される色が適宜変更可能となる構成としてもよい。また、光源をオンオフ制御することで、各表示用セグメントN1~N8の点灯又は消灯を制御する構成は必須のものではなく、各表示用セグメントN1~N8において個別に表示制御が行えるのであれば、単一のバックライトと液晶ディスプレイとによりセグメント表示器を構成してもよい。さらには、各表示領域に対してセグメント表示を適用するのではなく、液晶表示装置、有機EL表示装置、CRT、ドットマトリックス等その他のタイプの表示装置によって記号を表示する構成としてもよい。
第1表示用セグメントN1~第7表示用セグメントN7は、押し順役の操作順序の報知に用いられる表示用セグメントである。例えば、図31(b)に示すように、各ストップスイッチ42~44の操作順序として「左」→「中」→「右」の順で停止操作を行うことにより遊技者にとって有利な入賞態様となる場合、第6表示用セグメントN6及び第7表示用セグメントN7が点灯表示されて「1」が表示される。また、各ストップスイッチ42~44の操作順序として「右」→「左」→「中」の順で停止操作を行うことにより遊技者にとって有利な入賞態様となる場合、第1表示用セグメントN1、第2表示用セグメントN2、第3表示用セグメントN3、第5表示用セグメントN5及び第6表示用セグメントN6が点灯表示されて「5」が表示される。つまり、各表示用セグメントN1~N7にて表示される数字(記号)は、ストップスイッチ42~44の操作順序と1対1で対応付けられており、表示用セグメントN1~N7にて表示される数字(記号)に基づいて、ストップスイッチ42~44を停止操作することで、遊技者にとって有利な態様にて入賞させることが可能となる。
第8表示用セグメントN8は、有利区間に移行し、押し順報知が発生し得る状況となる報知条件を含む所定の開始条件が成立した場合に、その開始条件が成立したゲームにて点灯される。また、ATモードが終了して有利区間から通常区間へ移行する場合に消灯される。
つまり、押し順ベル等の操作順序が報知され易くなることによって遊技者にとって有利な態様にて入賞させ易くなる区間を有利区間(有利状態、特定状態)とし、第8表示用セグメントN8は、当該有利区間において、実際に押し順報知による恩恵が得られるようになる特定区間中は点灯し、有利区間ではない通常区間や、有利区間であっても特定区間ではない非特定区間中は消灯する区間表示器(特定報知手段)をなすものである。
既に説明したとおり、押し順表示器としての第1表示用セグメントN1~第7表示用セグメントN7、及び区間表示器としての第8表示用セグメントN8を有する指示モニタ68は、遊技パネル25において払出枚数表示部62の側方付近に配置されている。つまり、指示モニタ68は、遊技者が操作するストップスイッチ42~44等よりも上方に配置されており、言い換えると、ストップスイッチ42~44等が設けられている位置よりも下方において遊技機前面部である化粧パネルに配置されていない。そのため、ストップスイッチ42~44等を操作する手等によって、第8表示用セグメントN8が隠されることが抑制され、遊技者が視認し易い位置に配置されているといえる。また、メダルの獲得を目指して遊技を進行させる遊技者が注視し易い払出枚数表示部62の近くに配置されていることからしても、遊技者による見逃しが抑制されているといえる。
さらに、指示モニタ68において特に第8表示用セグメントN8は、周囲の表示部(例えば払出枚数表示部62や、遊技パネル25のバックライト)の明度よりも高い明度となるように(より詳しくは、周囲の表示部の明度の2倍の明度となるように)、対応するLEDの明度が定められている。そのため、第8表示用セグメントN8と周囲の表示部とがいずれも発光制御されている場合(点灯状態となっている場合)であっても、第8表示用セグメントN8が一際目立つようになっている。遊技機前方に向けた照度についても、第8表示用セグメントN8の方が周囲の表示部より、遊技機前方に向けた照度が高くなるように(より詳しくは、周囲の表示部の照度の2倍の照度となるように)、対応するLEDの照度が定められている。このような構成からも、第8表示用セグメントN8の視認性が向上されており、当該第8表示用セグメントN8が点灯状態となった場合の見逃しが抑制されている。
次に、補助表示部65にて行われる押し順報知演出について、図32を参照しながら説明する。ここでは、今回報知する操作順序が、中→右→左である場合の押し順役に当選している場合を例として、補助表示部65での押し順報知演出を説明する。
図32(a)に示すとおり、補助表示部65では、ストップスイッチ42~44に対応して3つ並列したボタン表示のうち、最初に操作すべきストップスイッチに対応するボタン表示(図では中ストップスイッチ43に対応する真ん中のボタン表示)に数字の1が付されて、他のボタン表示よりも大きく表示される。また、各ボタン表示は、当選役に対応する色(ベルなら黄色、再遊技なら青色等)にて表示される。これにより、遊技者は、今回のゲームにて当選している役と、最初に操作すべきストップスイッチが中ストップスイッチ43であることを認識することができる。また、補助表示部65では、次に操作すべきストップスイッチが右ストップスイッチ44であり、最後に操作すべきストップスイッチが左ストップスイッチ42であることを示すように、右のボタン表示に数字の2が付されて表示され、左のボタン表示に数字の3が付されて表示される。
遊技者が中ストップスイッチ43を操作すると、図32(b)に示すように、補助表示部65では、中ストップスイッチ43に対応する真ん中のボタン表示が消え、右ストップスイッチ44に対応する右のボタン表示が大きく表示される。これにより、遊技者は、中ストップスイッチ43の操作が完了したこと、及び、次に操作すべきストップスイッチが右ストップスイッチ44であることを確認することができる。
遊技者が右ストップスイッチ44を操作すると、図32(c)に示すように、補助表示部65では、右ストップスイッチ44に対応する右のボタン表示が消え、左ストップスイッチ42に対応する左のボタン表示が大きく表示される。これにより、遊技者は、右ストップスイッチ44の操作が完了したこと、及び、次に操作すべきストップスイッチが左ストップスイッチ42であることを確認することができる。
押し順報知の実行タイミングについて説明すると、各リール32L,32M,32Rの回転が開始されてから、加速期間を経て定速回転に至るまでのストップスイッチ42~44の無効期間中に、押し順報知が実行されるように設定されている。このようにストップスイッチ42~44の操作が有効となるよりも前のタイミングで押し順報知を実行する構成とすることで、ストップスイッチ42~44の操作順序を認識したうえでストップスイッチ42~44の操作に望ませることが可能となり、テンポ良く遊技を進行させることができる。
ステップS609~ステップS612における押し順報知用の処理の説明を行う。
すなわち、ステップS609では、今回のゲームの抽選結果が押し順ベル当選であったか否かを判定する。押し順ベル当選である場合、ステップS610にて、第1ATモードフラグ又は第2ATモードフラグがセットされているか否かを判定する。いずれかのATモードフラグがセットされている場合、ステップS611にて今回の押し順ベルの種類に応じて第1小役入賞に対応する押し順報知が行われるように指示モニタ68を制御する。そして、ステップS612にて、第1小役入賞に対応する操作順序の情報を含む押し順報知コマンドを、表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本押し順報知用処理を終了する。この押し順報知コマンドを受信した表示制御装置81では、第1小役入賞に対応する押し順報知演出が行われるように補助表示部65やスピーカ64を制御する。
ステップS609にて押し順ベル当選ではない場合、又はステップS610にていずれのATモードフラグもセットされていない場合には、そのまま抽選結果対応処理を終了する。
<入賞結果対応処理>
次に、リール制御処理におけるステップS415にて実施される入賞結果対応処理について、図33のフローチャートを参照しながら説明する。入賞結果対応処理では、ゲームの遊技結果に応じて、ATモード等を開始させたり終了させたりするための処理を行う。
入賞結果対応処理では、先ず、ステップS1001~ステップS1003にて、ステップS601~ステップS603と同様に、今回のゲームのベット数が特定規定数であるか否かを判定する処理を実行する。今回のゲームのベット数が特定規定数はない場合には、ステップS1004以降の表示モード用の処理(指示機能に関する処理)を行うことなく入賞結果対応処理を終了する。
今回のゲームのベット数が特定規定数である場合、ステップS1004にて前兆フラグがセットされており、前兆モード中であるか否かを判定する。前兆モード中である場合、ステップS1005にて前兆カウンタを1減算する処理を実行する。そして、ステップS1006にて前兆カウンタが0となったか否かを判定し、0となっていない場合には、そのまま入賞結果対応処理を終了する。一方、前兆カウンタが0となった場合には、ステップS1007にて、前兆フラグをクリアし、その後、ステップS1008にて、ATモード当選フラグの有無を把握することにより、今回の前兆モードがATモード移行抽選に当選したことに基づくものであるか否かを判定する。ATモード移行抽選に当選したことに基づく前兆モードであった場合、ステップS1009にて、AT種別決定処理を実行する。
ステップS1009のAT種別決定処理は、今回開始するATモードを第1ATモードとするか第2ATモードとするかを決定する処理である。すなわち、図34のフローチャートに示すように、ステップS1101にて、AT種別抽選処理を行い、いずれのATモードとするかを抽選により決定する。かかる抽選処理では、例えば、設定値や前回のATモードの種別、有利区間中のメダル増加数や有利区間中のゲーム数等に応じて、又はランダムに今回のATモードの種別を抽選により決定する。続くステップS1102では、ステップS1101の処理結果が第1ATモードであったか否かを判定する。今回のATモードが第1ATモードとして決定された場合には、ステップS1103にて第1ATモードフラグをセットする処理を実行し、続くステップS1104にて第1ATコマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本AT種別決定処理を終了する。表示制御装置81では、第1ATコマンドを受信することに基づき、今回開始されるATモードが第1ATモードであることの報知演出を補助表示部65等にて行うように制御する。
ステップS1102にて第1ATモードではなく第2ATモードである場合、ステップS1105にて第2ATモードフラグをセットする処理を実行し、続くステップS1106にて第2ATコマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本AT種別決定処理を終了する。表示制御装置81では、第2ATコマンドを受信することに基づき、今回開始されるATモードが第2ATモードであることの報知演出を補助表示部65等にて行うように制御する。
入賞結果対応処理において、AT種別決定処理を実行した後は、ステップS1010にてATモード当選フラグをクリアする処理を実行する。そして、ステップS1011にて、ATモードのゲーム数を設定する処理を実行する。より詳しくは、ステップS1011では、各種カウンタエリア106eに設けられたATゲームカウンタに、ATモードのゲーム数の初期値として「50」を入力する処理を実行する。ATゲームカウンタは、ATモードの残りゲーム数をCPU102が把握するためのカウンタであり、ATモードにおいて1ゲーム消化するたびに1ずつ減算されるカウンタである。つまり、本実施形態では、開始するATモードの種別に関わらず、一律で初期ゲーム数が50ゲームとして設定される。続くステップS1012では、AT開始コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本入賞結果対応処理を終了する。表示制御装置81では、AT開始コマンドを受信したことに基づき、ATモードが開始されることの報知演出を補助表示部65等にて行うように制御する。なお、AT開始コマンドが出力される場合、上記のように、第1ATコマンド又は第2ATコマンドが出力されており、表示制御装置81では、ATモードが開始されることの報知演出を行う場合、その開始されることの報知演出とともに、開始されるATモードの種別の報知演出も行うことが可能である。
ステップS1008にて、今回の前兆モードがATモード移行抽選に当選したことに基づくものではないと判定した場合とは、今回の前兆モードがCZモード移行抽選に当選したことに基づくものであることを意味する。この場合、ステップS1013にてCZモード当選フラグをクリアする処理を実行する。そして、ステップS1014にてCZモードフラグをセットする処理を実行し、ステップS1015にて、CZモードのゲーム数を設定する処理を実行する。より詳しくは、ステップS1015では、各種カウンタエリア106eに設けられたCZゲームカウンタに、CZモードのゲーム数の初期値として「10」を入力する処理を実行する。CZゲームカウンタは、CZモードの残りゲーム数をCPU102が把握するためのカウンタであり、CZモードにおいて1ゲーム消化するたびに1ずつ減算されるカウンタである。つまり、本実施形態では、CZモードは一律で10ゲームに亘って継続するように設定される。その後、ステップS1016にて、CZ開始コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本入賞結果対応処理を終了する。表示制御装置81では、CZ開始コマンドを受信したことに基づき、CZモードが開始されることの報知演出を補助表示部65等にて行うように制御する。
ステップS1004にて前兆フラグがセットされていない場合、ステップS1017に進む。ステップS1017では、CZモードフラグの有無を把握することにより、CZモード中であるか否かを判定する。CZモード中である場合、ステップS1018にてCZゲームカウンタを1減算する処理を実行する。そして、ステップS1019にてCZゲームカウンタが0となったか否かを判定し、0となっていない場合には、そのまま入賞結果対応処理を終了する。0となっている場合、ステップS1020にてCZモードフラグをクリアする処理を実行し、ステップS1021にてCZ終了コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、入賞結果対応処理を終了する。表示制御装置81は、CZ終了コマンドを受信したことに基づき、CZモードが終了されることの報知演出を補助表示部65等にて行うように制御する。
ステップS1017にてCZモード中ではないと判定した場合、ステップS1022に進む。ステップS1022では、各ATモードフラグの有無を把握することにより、ATモード中であるか否かを判定する。ATモード中である場合、ステップS1023にてATゲームカウンタを1減算する処理を実行する。そして、ステップS1024にてATゲームカウンタが0となったか否かを判定し、0となっていない場合には、そのまま入賞結果対応処理を終了する。0となっている場合、ステップS1025にて今回のATモードフラグをクリアする処理を実行し、ステップS1026にて各種フラグ格納エリア106dにAT終了フラグをセットする処理を実行する。AT終了フラグは、今回のゲームにてATモードが終了したことをCPU102が把握するためのフラグである。なお、本実施形態では、ATモードが終了した場合に有利区間も終了する構成としており、AT終了フラグは、有利区間の一の終了条件が成立したことをCPU102が把握するためのフラグともいうことができる。その後、ステップS1027にて、AT終了コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、入賞結果対応処理を終了する。表示制御装置81は、AT終了コマンドを受信したことに基づき、ATモードが終了されることの報知演出を補助表示部65等にて行うように制御する。
<有利区間のゲーム数・差枚数管理>
次に、区間表示器としての第8表示用セグメントN8を制御したり、有利区間のゲーム数や差枚数を管理したりするための、区間表示第1処理、及び区間表示第2処理について説明する。
<区間表示第1処理>
先ず、区間表示第1処理について、図35を参照しながら説明する。区間表示第1処理は、抽選処理(図17)におけるステップS314にて実施される処理であり、スタートレバー41の操作に基づいて当該ゲームの抽選結果が決定されるとともに、当該抽選結果に基づいて表示モードの移行抽選等(抽選結果対応処理)が行われた後に実施される。
ステップS1201では、区間表示器としての第8表示用セグメントN8が表示中であるか否か、より詳しくは、第8表示用セグメントN8を点灯中か否かを判定する。既に説明した通り、第8表示用セグメントN8を点灯中である場合とは、有利区間のうち、少なくとも押し順報知が発生し得る報知条件が成立している特定区間である場合を示している。ステップS1201にて否定判定し、第8表示用セグメントN8を消灯中であると判定した場合、ステップS1202に進む。
ステップS1202では、有利区間当選ゲームフラグがセットされているか否かを判定する。有利区間当選ゲームフラグは、上記有利区間移行抽選処理において有利区間移行抽選に当選した場合にセットされるフラグであり、その当選ゲームであることをCPU102が特定するためのフラグである。有利区間当選ゲームフラグがセットされている場合、ステップS1203にて有利区間当選ゲームフラグをクリアする処理を実行する。そして、ステップS1204にて有利区間フラグをセットする。有利区間フラグをセットすることにより、通常区間から有利区間に移行することとなる。そして、ステップS1205にて、有利区間中のゲーム数のカウント、より詳しくは、各種カウンタエリア106eの有利区間ゲーム数AGの計測を開始する処理を行う。有利区間ゲーム数AGは、有利区間の実行ゲーム数を把握する把握手段に相当するものであり、有利区間中の各ゲームにおいて1ずつ加算する処理が実行される。
続くステップS1206では、有利区間移行時処理を実行する。有利区間移行時処理は、有利区間への移行が生じた際に行われる指示機能に関する処理である。有利区間移行時処理については、後に詳細に説明する。
ステップS1206の処理を実行した後は、ステップS1207にて、第8表示用セグメントN8を点灯させることにより区間表示器の表示を開始する。付け加えると、主制御装置101では、区間表示器としての第8表示用セグメントN8を点灯状態として表示を開始する際には、スピーカ64から所定の効果音(例えば、機械音で「ガゴッ!」という音)が出力されるように表示制御装置81へ音出力用のコマンドを出力する。表示制御装置81は、当該音出力用のコマンドに基づいて、上記所定の効果音が発せられるようにスピーカ64を制御する。なお、第8表示用セグメントN8の表示開始に際して、補助表示部65や他の表示部において演出を発生させる構成としてもよく、この場合、表示制御装置81に対して対応するコマンドを出力するとともに、表示制御装置81にて対応する演出が行われるよう補助表示部65等の制御を行う構成とするとよい。すなわち、本実施形態では、有利区間に移行することで押し順報知が発生し得る報知条件が成立しているとして、区間表示器の表示開始を開始する構成としており、有利区間のうち押し順報知が発生し得る特定区間は有利区間と等しくなるように設定されている。
ステップS1201にて区間表示器としての第8表示用セグメントN8を表示中であると判定した場合、ステップS1208にて、有利区間中の表示を継続するための処理を実行する。具体的には、第8表示用セグメントN8が点灯状態である状況を継続させる。
ステップS1202にて有利区間当選ゲームフラグがセットされていないと判定した場合と、ステップS1207にて区間表示器の表示開始処理を実行した後と、ステップS1208にて区間表示器の表示継続処理を実行した後は、ステップS1209に進む。ステップS1209では、ATモードフラグがセットされているか否かを判定する。ATモードフラグがセットされていない場合、ステップS1210に進む。ステップS1210では、各種カウンタエリア106eに設けられた役比第1カウンタに1を加算する処理を実行する。役比第1カウンタは、押し順報知が行われなかったり、押し順報知が行われてもメダル増加が見込めないゲーム数をカウントするためのカウンタである。
一方、ステップS1209にてATモードフラグがセットされていると判定した場合は、ステップS1211に進む。ステップS1211では、各種カウンタエリア106eに設けられた役比第2カウンタに1を加算する処理を実行する。役比第2カウンタは、押し順報知によってメダル増加が見込めるゲーム数をカウントするためのカウンタである。
ステップS1210又はステップS1211の処理を実行した後は、ステップS1212にて役比算出処理を実行する。かかる処理では、役比第2カウンタの値を役比第1カウンタと役比第2カウンタとの加算値(全ゲーム数)で除算する処理を行う。すなわち、役比算出処理は、全ゲーム数のうち、押し順報知によりメダル増加が見込めるゲーム数の割合を算出する処理である。そして、ステップS1213にて、ステップS1212の演算処理結果が役比モニタ77にて表示されるようにするための処理を実行する。
図5に示すように、役比モニタ77は、7つの表示用セグメントからなる7セグ表示部を複数有している。具体的には、役比モニタ77は、7セグ表示部としての第1表示部77a、第2表示部77b、第3表示部77c、第4表示部77d、第5表示部77eを有している。第1表示部77a~第5表示部77eにおける表示用セグメントは、指示モニタ68の表示用セグメントN1~N7と同様に、LEDからなる個別の光源を有しており、それら個別の光源がオンオフ制御されることで、任意の1個の表示用セグメントのみを点灯させることができるとともに、任意の組み合わせの表示用セグメントを点灯させることができる。これにより、役比モニタ77は、それぞれ個別に所定の記号(アルファベットや数字を含む)が表示されるようになっており、特に、役比モニタ77では、5桁の数字を表示可能となっている。
ステップS1213では、ステップS1212の演算処理の結果を役比モニタ77に出力するとともに、役比モニタ77にて、4桁の数字が表示されるように役比モニタ77における各表示部77a~77eの表示制御を行う。具体的には、全ゲーム数のうち、押し順報知が発生し得るゲーム数の割合として、例えば、「0.5012」といったように、1よりも小さい数であって、小数点以下4桁までの数字が役比モニタ77にて表示される。ステップS1213の処理を実行した後は、区間表示第1処理を終了する。
なお、ステップS1212の演算処理において小数点以下第5桁の数字を四捨五入する処理を行ったうえで、役比モニタ77の表示制御を行う構成としてもよい。また、役比モニタ77のうち、第1表示部77aは、基本的には「0」が表示されるため、第1表示部77aを有さないようにしたり、第1表示部77aを印刷等によって「0」との表示が常にされる構成としてもよい。また、第1表示部77aと第2表示部77bとの間に、小数点が印刷等により表示される構成とするとよい。
<区間表示第2処理>
次に、区間表示第2処理について、図36のフローチャートを参照しながら説明する。既に説明したとおり、区間表示第2処理は、リール制御処理のステップS416にて実施される処理であり、1ゲームの終了に際して、メダルの払出(払出判定処理)及び入賞結果に基づく遊技状態の移行等(ボーナス状態処理、入賞結果対応処理)が行われてから実施される。
ステップS1301では、有利区間フラグがセットされているか否かを判定する。セットされていない場合には、そのまま区間表示第2処理を終了する。有利区間フラグがセットされている場合にはステップS1302にて、有利区間中のゲーム数をカウントする処理を実行する。具体的には、上記有利区間ゲーム数AGを1加算する処理を行う。ステップS1302の処理を実行した後は、ステップS1303にて、各種カウンタエリア106eに設けられた有利区間増減枚数MY(MYカウンタ)の更新処理を実行する。
ステップS1303のMY更新処理では、今回のゲームの遊技結果がいずれかの再遊技入賞ではないことを条件として、払出枚数から投入枚数(ベット数)を減算し、その減算結果を有利区間増減枚数MYに加算することによって、有利区間増減枚数MYの更新を行う。
ステップS1303のMY更新処理を実行した後は、ステップS1304にて、残ゲーム数管理処理を実行し、続くステップS1305にて、残枚数管理処理を実行する。残ゲーム数管理処理は、ATモードの残りゲーム数等に基づき、現状の残りゲーム数で有利区間が上限ゲーム数(1500ゲーム)に達する状況となっているか否かの管理を行うための処理である。残ゲーム数管理処理では、例えば、ATモード開始時において、有利区間ゲーム数AGやATモードの残りゲーム数等に基づき、このままATモードを行っても、そのATモードの終了条件よりも先に有利区間の上限ゲーム数に達するような状況か否かを把握する。そして、そのような状況であれば、その状況を特定するためのフラグとして、各種フラグ格納エリア106dに第1超過フラグをセットする。また、残枚数管理処理は、ATモードの残りゲーム数等に基づき、現状の残りゲーム数で有利区間が上限増加数(2400枚)に達する状況となっているか否かの管理を行うための処理である。残払出枚数管理処理では、例えば、ATモードの残りゲーム数から算出される期待メダル増加数と、現状の有利区間増減枚数MYとの合計が上限増加数(2400枚)を超過している場合等、このままATモードを行っても、そのATモードの終了条件よりも先に有利区間の上限増加数に達するような状況か否かを把握する。そして、そのような状況であれば、その状況を特定するためのフラグとして、各種フラグ格納エリア106dに第2超過フラグをセットする。
続くステップS1306では、上記有利区間ゲーム数AGが上限ゲーム数である1500に達したか否か、又は有利区間増減枚数MYが上限増加数である2400以上となったか否かを判定する。これらいずれかの強制終了条件が成立している場合には、ステップS1307にて、有利区間ゲーム数AG及び有利区間増減枚数MYを0にクリアする。続くステップS1308では、区間表示器としての第8表示用セグメントN8の表示を終了させる処理を行う。そして、ステップS1309にて、有利区間中の各種フラグやカウンタ等のパラメータ、情報を初期化する処理を行ってから、本区間表示第2処理を終了する。
ステップS1309のデータ初期化処理について、より詳しくは、今回の有利区間への移行に際して設定されたフラグやカウンタ、及び、今回の有利区間中に設定されたフラグやカウンタを初期値に戻す処理である。例えば、有利区間フラグや、ATモード当選フラグやATモードフラグ、CZモードフラグ等がクリアされておらずセットされていれば、これらのフラグをクリアする。さらに、有利区間ゲーム数AGや有利区間増減枚数MY、前兆モード用の前兆カウンタ、ATモードやCZモード等の継続ゲーム数用のカウンタ等が0より大きければ、これらのカウンタを全て0にリセットする。つまり、初期化処理では、押し順報知を用いた有利な状態としての有利区間に関し、押し順報知に係る性能に及ぼす全ての変数乃至パラメータを初期化するものであり、かかる変数乃至パラメータに関してRAMクリアを行う処理である。
ステップS1306にて有利区間ゲーム数AGが上限値に達しておらず、且つ有利区間増減枚数MYが上限増加数に達していないと判定した場合は、ステップS1310に進み、ATモード終了フラグがセットされているか否かを判定することにより、今回のゲームにてATモードが終了したかを判定する。ATモードが終了した場合、ステップS1307に進み、ステップS1307~ステップS1309の有利区間終了用の処理を行ってから、区間表示第2処理を終了する。
これに対して、ATモード終了フラグがセットされていない場合、ステップS1311にて各ATモードフラグの有無を把握することにより、ATモード中であるか否かを判定する。ATモード中ではない場合には、そのまま区間表示第2処理を終了する。
一方、ATモード中である場合、ステップS1312にて、BBゲームカウンタが特定数であるか否かを判定する。上記の通り、BBゲームカウンタは第1BB状態や第2BB状態でのゲーム数に相当するものであり、BBゲームカウンタが特定数である場合とは、第1BB状態や第2BB状態における特定数ゲーム目であることを意味する。より詳しくは、区間表示第2処理が、各リール32L,32M,32Rの停止後に実行されることからして、ステップS1312では第1BB状態や第2BB状態における特定数ゲーム目の終了時であるか否かを判定する。本実施形態では、特定数として1が設定されており、ステップS1312では、BBゲームカウンタが1であるか否かを判定し、第1BB状態や第2BB状態における1ゲーム目の終了時であるか否かを判定する。
ATモード中の第1BB状態や第2BB状態の1ゲーム目の終了時である場合、ステップS1307~ステップS1309の有利区間終了用の処理を行ってから、区間表示第2処理を終了する。これに対して、ATモード中であっても第1BB状態や第2BB状態ではない場合や、ATモード中の第1BB状態や第2BB状態であっても1ゲーム目の終了時ではない場合、例えば2ゲーム目の終了時である場合は、ステップS1307に進むことなく、そのまま区間表示第2処理を終了する。
すなわち、本実施形態では有利区間の終了条件として、上限ゲーム数(1500ゲーム)や上限増加数(2400枚)に達することや、ATモードが終了したことに加えて、ATモード中に第1BB状態や第2BB状態に移行させた場合における1ゲーム目の終了時であることも設定されている。言い換えると、ATモード中において、第1BB状態や第2BB状態に移行させてしまうと、残りゲーム数が存在する場合であっても、有利区間の終了とともに当該ATモードも終了する構成としている。
図24に示すように、本実施形態においては、ATモード中に第1BB状態や第2BB状態に移行させても、1ゲーム当たりのメダル増加期待数は変化しない。しかも、上記の通り、ATモード中に第1BB状態や第2BB状態へ移行させた場合、ATモードの残りゲーム数に関わらず、そのBB状態の1ゲーム目に有利区間とともにATモードが終了する。そのため、ATモード中に第1BB状態や第2BB状態へ移行させることは、遊技者にとって有利とならないことも考えられる。その一方で、本実施形態では、ATモード中の第1BB状態や第2BB状態へ移行させることが遊技者にとって有利となり得るように、通常区間から有利区間へ移行する場合に実行される有利区間移行時処理が設定されている。
<有利区間移行時処理>
本実施形態における有利区間移行時処理について、図37のフローチャートを参照しながら説明する。有利区間移行時処理は、区間表示第1処理におけるステップS1206にて実行される処理であり、スタートレバー41の操作に基づきゲームが開始される際に実施される処理である。より詳しくは、当該開始されるゲームの抽選結果対応処理において、有利区間移行抽選に当選した場合に実施される処理である。
ステップS1401では、第1BB状態フラグ又は第2BB状態フラグがセットされており、今回開始されるゲームが第1BB状態及び第2BB状態のいずれかであるか否かを判定する。いずれのBB状態フラグもセットされていない場合、ステップS1402に進み、今回移行する有利区間の天井ゲーム数を設定する処理を行う。
すなわち、ステップS1402に天井ゲーム数の抽選処理を実行する。かかる天井ゲーム数の抽選処理では、各種テーブル記憶エリア105aから天井ゲーム数テーブルを取得し、取得した天井ゲーム数テーブルに基づいて、今回の天井ゲーム数を抽選により決定する。天井ゲーム数テーブルは、図38に示すように、100ゲームから999ゲームまでの間で一の天井ゲーム数がランダムに決定されるように設定されており、100ゲーム、200ゲーム、300ゲーム、、、999ゲームといったようにおよそ100ゲーム単位で選択され易いゲーム数が設定されている。また、天井ゲーム数テーブルでは、設定値によって選択され易い天井ゲーム数が異なり、設定値が高くなるほど(出玉率が高い設定値となるほど)短い天井ゲーム数が選択され易くなるように設定されている。
続くステップS1403では、ステップS1402にて抽選した天井ゲーム数に対応する値を、上記の天井カウンタに入力する処理を実行する。既に説明した通り、天井カウンタはAT抽選用処理において1ゲーム消化するたびに1ずつ減算処理が行われ、0となることでATモード移行抽選を経ることなくATモードへの移行が生じるようになる。その後、ステップS1404にて、上記の天井ゲーム数の情報を含む天井コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行した後、有利区間移行時処理を終了する。
ステップS1401にていずれかのBB状態中に有利区間へ移行する場合、ステップS1405にて、BB払出カウンタが予め定められた特定数であるか否かを判定する。既に説明した通り、BB払出カウンタは、BB状態中のメダル払出数をCPU102が把握するためのカウンタであって、BB状態を終了させるか否かに用いられるカウンタである。本実施形態では、ステップS1405においてBB払出カウンタが特定数として「7」であるか否かを判定する。つまり、ステップS1405では、BB状態のメダル払出数が7枚である状況で、有利区間移行時処理が実行されたか否かを判定する。7枚である場合とは、BB状態において1回だけ押し順ベルの第1小役入賞、スイカ(第2小役、第3小役)入賞のいずれかが成立した場合である。
ステップS1405にて肯定判定し、BB払出カウンタが特定数(7)である場合、ステップS1406にて移行時ATモード移行抽選処理を実行する。本実施形態では、有利区間移行時処理において、BB払出カウンタが特定数である場合にATモード移行抽選を行う構成としている。言い換えると、有利区間移行時に、BB払出カウンタが特定数ではない場合には、ATモード移行抽選は実行されない。ステップS1406の移行時ATモード移行抽選の当選確率は任意であるが、本実施形態では一律の確率(ゲームの抽選結果や設定値に関わらず、例えば約33%の確率)でATモード移行当選となるように設定されている。
続くステップS1407では、ステップS1403の移行抽選に当選したか否かの判定を行う。ステップS1405にてBB払出カウンタが特定数ではない場合や、ステップS1407にてATモード移行抽選に非当選であると判定した場合には、ステップS1402に進み、天井ゲーム数の設定を行ってから有利区間移行時処理を終了する。
これに対して、BB払出カウンタが特定数であり、移行時ATモード移行抽選に当選している場合、ステップS1408に進み、ATモードを開始するための処理を行う。すなわち、ステップS1408では、AT種別決定処理を実行する。当該AT種別決定処理は、上記ステップS1009(図34)の処理と同様である。そして、ステップS1409にてATゲームカウンタに50を入力し、ステップS1410にてAT開始コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本有利区間移行時処理を終了する。
すなわち、本実施形態では、BB状態中に有利区間への移行が生じた場合、BB払出カウンタの値を利用してATモード移行抽選が行われる場合があり、そのATモード移行抽選に当選すると、ATモードへの移行が生じる構成としている。上記の通り、本実施形態では、ATモードにおいて第1BB状態や第2BB状態の1ゲーム目に有利区間が終了する構成としている。そのため、例えば、当該有利区間の終了ゲームとなるBB状態の1ゲーム目に第1小役入賞を成立させて7枚のメダル払出を生じさせ、次のゲームにて有利区間への移行を生じさせた場合には、BB払出カウンタが特定数(7)であることから、約33%の確率でATモードへの移行が生じることになる。ATモードであれば押し順ベル当選時に第1小役入賞に対応する押し順報知が発生することから、ATモード中にいずれかのBB状態への移行を生じさせれば、BB払出カウンタが特定数である状況で有利区間への移行を生じさせる可能性が高く、ATモードへの再セットを行うことが可能となる。
つまり、ATモードの残りゲーム数が0となることで有利区間が終了してしまうよりも、ATモードの残りゲーム数がまだ存在する状況であえて有利区間をさせることで、有利区間への再移行に際してATモードに再セットされる可能性が生じるようになる。本実施形態では、このような構成を利用してATモードの連荘性を実現している。
<演出設定処理>
次に、表示制御装置81のCPU181にて実行される演出設定処理について、図39のフローチャートに基づき説明する。演出設定処理は、CPU181により所定周期(例えば、2msec周期)で起動される処理である。
演出設定処理では、先ずステップS1501にて、主制御装置101から新たなコマンドを受信したか否かを判定する。新たなコマンドを受信している場合には、ステップS1502にて、受信したコマンドをRAM183に格納する処理を実行する。RAM183にはコマンド格納エリアが設けられており、当該コマンド格納エリアは、複数のコマンドを個別に記憶可能であって先に記憶したコマンドから読み出し可能なリングバッファとして構成されている。
ステップS1501にて否定判定した場合、又はステップS1502の処理を実行した後は、ステップS1503にて、新たに受信したコマンドが、ベット時コマンドであったか否かを判定する。ベット時コマンドとは、ベット操作が行われたことに基づいて主制御装置101から出力されるコマンドであり、通常処理のステップS206にてセットされるベットコマンド等である。ベット時コマンドである場合には、ステップS1504にてベット時演出設定処理を実行する。ベット時演出設定処理では、今回のベット操作に基づく演出が行われるように補助表示部65やスピーカ64を制御するための処理を行う。
ステップS1503にて否定判定した場合、又はステップS1504の処理を実行した後は、ステップS1505にて、新たに受信したコマンドが、開始時コマンドであったか否かを判定する。開始時コマンドとは、スタートレバー41の操作が行われたことに基づいて主制御装置101から出力されるコマンドであり、抽選処理のステップS311にてセットされる抽選結果コマンドの他、抽選結果対応処理(図25)にてセットされる前兆コマンド、上乗せコマンド、押し順報知コマンドや、区間表示第1処理(図35)にてセットされるAT開始コマンド、天井コマンド等がある。これらの開始時コマンドである場合には、ステップS1506にて開始時演出設定処理を実行する。
ステップS1505にて否定判定した場合、又はステップS1506の処理を実行した後は、ステップS1507にて、新たに受信したコマンドが、各停止操作時コマンドであったか否かを判定する。各停止操作時コマンドとは、各リール32L,32M,32Rのそれぞれの停止操作が行われたことに基づいて主制御装置101から出力されるコマンドであり、リール制御処理(図20)のステップS405にてセットされる停止指令コマンドである。かかる各停止操作時コマンドとしての停止指令コマンドである場合には、ステップS1508にて各停止操作時演出設定処理を実行する。各停止操作時演出設定処理では、今回の停止操作に基づく演出が行われるように補助表示部65やスピーカ64を制御するための処理を行う。
ステップS1507にて否定判定した場合、又はステップS1508の処理を実行した後は、ステップS1509にて、新たに受信したコマンドが、全停止時コマンドであるか否かを判定する。全停止時コマンドとは、全リール32L,32M,32Rが停止したことに基づいて主制御装置101から出力されるコマンドであり、リール制御処理(図20)のステップS417にてセットされる入賞結果コマンドの他、入賞結果対応処理(図33)にてセットされる第1ATコマンド、第2ATコマンド、AT開始コマンド、AT終了コマンド、CZ開始コマンド、CZ終了コマンド等がある。これらの全停止時コマンドである場合には、ステップS1510にて全停止時演出設定処理を実行する。
ステップS1509にて否定判定した場合、又はステップS1510の処理を実行した後は、ステップS1511にて、その他の処理を実行してから、演出設定処理を終了する。ステップS1511では、ベット時、開始時、停止時以外の主制御装置101からの指令に基づく演出(例えば、精算スイッチ59の操作に基づく演出等)の設定や、主制御装置101を介さずに接続されたセンサ(演出スイッチ検出センサ等)からの信号に基づく演出の設定、エラー報知用の設定等を行う。
以下、開始時演出設定処理、全停止時演出設定処理について説明する。なお、各演出設定処理の説明では、図44~図48の表示演出の概要図等を参照しながら説明する。
<開始時演出設定処理>
ステップS1506の開始時演出設定処理について、図40のフローチャートに基づき説明する。
ステップS1601では、受信している抽選結果コマンドに基づいて、今回開始されるゲームの抽選結果が押し順役当選であるか否かを判定する。押し順役当選である場合には、ステップS1602にて、押し順報知コマンドを受信しているか否かを判定する。押し順報知コマンドを受信している場合、ステップS1603にて、第1小役入賞に対応する押し順報知演出が行われるように、補助表示部65やスピーカ64等を制御する。
ステップS1601にて、今回のゲームの抽選結果が押し順役当選ではないと判定した場合、ステップS1604にて今回のゲームの抽選結果が特定役当選であるか否かを判定する。特定役とは、各ゲームの抽選結果として出現しにくい(当選しにくい)所謂レア役と称される抽選結果であり、本実施形態では、特定役としてチャンス目A~チャンス目C、チェリーA~チェリーC及びスイカを設定している。図28に示す通り、これらの抽選結果を契機とするATモード移行抽選においては、特定役以外の抽選結果を契機とするよりもATモード移行当選となり易いように設定されている。今回のゲームの抽選結果が特定役当選である場合、ステップS1605にて、特定役報知用処理を実行する。特定役報知用処理では、今回のゲームの抽選結果が上記特定役のいずれかであることの特定役報知が補助表示部65やスピーカ64にて行われるように制御する。特定役報知としては、例えば、図44(a)に示すように、3つ設けられているストップスイッチ42~44に対応させて、ビックリマークのキャラクタが補助表示部65に3つ表示されるような演出が設定されている。上記のように、ATモード移行当選となる確率が特定役の種類によって異なることから、特定役の種類へ高い関心が寄せられており、上記のように特定役報知が行われた場合、いずれの結果当選であるかの判別が試みられるものと考えられる。
ここで、特定役のうち、特に、チェリーA及びチェリーBと、チェリーCとでは、前者のチェリーA及びチェリーB当選となると、弱チェリーリプレイたる第9再遊技入賞が可能となるのに対して、後者のチェリーC当選となると、弱チェリーリプレイたる第9再遊技入賞の他に強チェリーリプレイたる第11再遊技入賞が可能となる、といった違いがあり、且つ、チェリーA~チェリーCのいずれであっても、チェリーこぼしリプレイたる第10再遊技入賞が可能となると、といった共通点がある。つまり、第9再遊技入賞や第10再遊技入賞が成立した場合には、チェリーA~チェリーCのいずれの当選の可能性もあり、第11再遊技入賞が成立した場合には、チェリーA~チェリーCのうちのチェリーC当選であったことが確定する。この場合、チェリーA~チェリーCのいずれの当選であるかを判別しようとするためには、第11再遊技入賞に対応する図柄を狙って、該当図柄が有効ラインに停止することでチェリーC当選であると判別でき、狙ったのにも関わらず該当図柄が有効ラインにしなければ、チェリーA又はチェリーBであると判別可能である。左リール32Lにおいて、第11再遊技入賞に対応する図柄は、「BAR」図柄である。つまり、この場合、少なくとも左リール32Lの9番目の「BAR」図柄を狙って停止操作することで、チェリーCであるか否かの判別を行うことが可能である。なお、左リール32Lの5番目の「リプレイ」図柄が中段に到達したタイミングから、左リール32Lの8番目の「BAR」図柄が中段に到達したタイミングで左ストップスイッチ42の停止操作が行われた場合には、左リール32Lの中段に「BAR」図柄を停止させることが可能である。
これに対して、有効ラインに左から「白7」図柄、「白貝」図柄、「チェリー」図柄が停止すると第1BB入賞を成立し、左から「白7」図柄、「白貝」図柄、「BAR」図柄が停止すると第1BB入賞を成立するところ、左リール32Lの有効ライン(中段)に「白7」図柄が停止不可となるタイミングでストップスイッチ42の停止操作を行うと第1BBや第2BBの入賞を成立させることができない。より詳しくは、左リール32Lの19番目の「白貝」図柄が中段に到達するタイミングから3番目の「白7」図柄が中段に到達するタイミングを避けて停止操作されると、第1BBや第2BBの入賞を成立させることはできない。
つまり、本実施形態では、特定役の種類を判別するための操作タイミングにてストップスイッチ42~44の停止操作が行われると、第1BB入賞や第2BB入賞を成立させることができないように設定されている。
ステップS1602若しくはステップS1604にて否定判定した場合、又はステップS1603若しくはステップS1605の処理を実行した後は、ステップS1606に進む。ステップS1606では、各種フラグ格納エリア183aにATフラグがセットされているか否かを判定する。ATフラグは、ATモード中であることをCPU181が把握するためのフラグである。ATモード中である場合、ステップS1607にて、AT演出設定処理を実行する。AT演出設定処理については、後に詳細に説明する。
ステップS1606にて否定判定した場合、又はステップS1607の処理を実行した後は、ステップS1608に進む。ステップS1608では、今回の開始時コマンドとして、天井コマンドを受信しているか否かを判定する。天井コマンドを受信しており、有利区間移行ゲームである場合、ステップS1609にて天井ゲーム数に応じた有利区間開始演出を補助表示部65やスピーカ64にて実行するための演出設定処理を実行する。有利区間開始演出としては、図45(a)~図45(c)に示すように、メインキャラクタの顔をアップで表示したカットイン演出が設定されており、図45(b)は通常のメインキャラクタの顔を表示したカットイン演出を示し、図45(a)は気落ちしたメインキャラクタの顔を表示したカットイン演出を示し、図45(b)は気合の入ったメインキャラクタの顔を表示したカットイン演出を示している。天井ゲーム数との関係では、図45(a)のカットイン演出は天井ゲーム数が比較的多い場合に選択され易く、図45(c)のカットイン演出は天井ゲーム数が比較的少ない場合に選択され易く設定されている。つまり、これら各有利区間開始時演出は、今回の天井ゲーム数を示唆する示唆演出であり、当該有利区間開始時演出によって、今回移行した有利区間の天井ゲーム数を遊技者は予測することが可能となる。
ステップS1608にて否定判定した場合、又はステップS1609の処理を実行した後は、ステップS1610にてBB演出設定処理を実行する。BB演出設定処理については、後に詳細に説明する。その後、ステップS1611にて、その他の開始時演出の設定処理を行ってから、開始時演出設定処理を終了する。ステップS1611では、例えば、遊技状態に応じた演出が補助表示部65やスピーカ64にて行われるように設定したり、ゲーム開始に対応させて抽選結果を示唆する演出を設定したり、スタートレバー41周辺のランプを消灯させてその操作が受け付けられたことを報知する処理等を行う。
<全停止時演出設定処理>
次に、ステップS1510にて実行される全停止時演出設定処理について、図41のフローチャートに基づき説明する。全停止時演出設定処理は、1ゲームの終了に際して実行される演出を設定するための処理である。
ステップS1701では、CZ開始コマンドを受信しているか否かを判定する。CZ開始コマンドを受信している場合、ステップS1702にて各種フラグ格納エリア183aにCZフラグをセットする処理を実行する。CZフラグは、CZモード中であることをCPU181が把握するためのフラグであり、当該CZフラグがセットされている状況で開始されるゲームでは、CZモード用の演出が補助表示部65やスピーカ64にて行われるように制御される(ステップS1611)。続くステップS1703では、CZ開始演出が行われるように、補助表示部65やスピーカ64を制御する。CZ開始演出では、例えば、「チャンスゾーン突入!!」といった文字表示を補助表示部65にて行い、ATモードへの移行抽選に当選し易い状態(CZモード)へ移行することを遊技者に対して報知する。
ステップS1701にてCZ開始コマンドを受信していない場合、ステップS1704に進み、CZ終了コマンドを受信しているか否かを判定する。CZ終了コマンドを受信している場合、ステップS1705にて、上記のCZフラグをクリアする処理を実行する。そして、ステップS1706にて、CZ終了演出が行われるように、補助表示部65やスピーカ64を制御する。CZ終了演出では、例えば、「チャンスゾーン終了!!」といった文字表示を補助表示部65にて行い、ATモードへの移行抽選に当選することなくCZモードが終了したことを遊技者に対して報知する。
ステップS1704にてCZ終了コマンドを受信していない場合、ステップS1707にてAT開始コマンドを受信しているか否かを判定する。既に説明した通り、本実施形態では、AT開始コマンドは、ゲームの終了に際して主制御装置101側の入賞結果対応処理において前兆モードの終了に際して出力される場合の他、ゲームの開始に際して主制御装置101側の有利区間移行時処理において移行時ATモード移行抽選に当選した際にも出力される。この場合、ステップS1707では、RAM183のコマンド格納エリアを参照し、今回のゲームの終了時(全停止時)だけでなく、今回のゲームの開始時にAT開始コマンドを受信しているか否かを確認する。
ステップS1707にてAT開始コマンドを受信していると判定した場合、ステップS1708にて、表示用ATゲームカウンタに今回開始するATモードの初期ゲーム数(50ゲーム)を入力する処理を実行する。そして、ステップS1709にて、各種フラグ格納エリア183aにATフラグをセットする処理を実行する。上記の通り、ATフラグは、ATモード中であることをCPU181が把握するためのフラグであり、当該ATフラグがセットされている状況で開始されるゲームでは、ATモード用の演出が補助表示部65やスピーカ64にて行われるように制御される(ステップS1611)。
続くステップS1710では、第1ATコマンドを受信しているか否かを把握することで、今回開始するATモードが第1ATモードであるか否かを判定する。第1ATモードである場合、ステップS1711にて、第1AT開始演出が行われるように、補助表示部65やスピーカ64を制御する。これに対して、第2ATモードである場合、ステップS1712にて、第2AT開始演出が行われるように、補助表示部65やスピーカ64を制御する。これら第1AT開始演出や第2AT開始演出では、「AT スタート!!」といった文字表示を補助表示部65にて行い、ATモードが開始されることを遊技者に対して報知する。そして、第1AT開始演出と第2AT開始演出とで、背景やキャラクタ等を異ならせることにより、今回開始するATモードがいずれのATモードであるかを遊技者が識別可能となるように報知する。
ステップS1707にてAT開始コマンドを受信していない場合、ステップS1713にてAT終了コマンドを受信しているか否かを判定する。AT終了コマンドを受信している場合、ステップS1714にてATフラグをクリアする処理を実行してから、ステップS1715にてAT終了演出が行われるように、補助表示部65やスピーカ64を制御する。AT終了演出では、例えば、「AT END!!」といった文字表示を補助表示部65にて行い、ATモードが終了したことを遊技者に対して報知する。なお、AT終了演出において、今回終了するATモードにおいて払い出されたメダルの払出数や増加数、ATモードの継続ゲーム数等をあわせて報知するとよい。
ステップS1713にてAT終了コマンドを受信していない場合、ステップS1716にていずれかのBB開始コマンドを受信しているか否かを判定する。いずれかのBB開始コマンドを受信している場合、ステップS1717にて、ATフラグがセットされているか否かを判定する。ATフラグがセットされており、ATモード中のBB入賞である場合、上記のように、次ゲーム(BB状態の1ゲーム目)で有利区間が終了する。この場合、ステップS1718にて終了予告第1演出が行われるように、補助表示部65やスピーカ64を制御する。終了予告第1演出では、例えば、図47(a)に示すように、所定のキャラクタとともに、「次ゲームがベルならチャンスよ!!」といった文字表示を補助表示部65にて行い、有利区間移行時処理において移行時ATモード移行抽選処理にて利用されるBB払出カウンタが特定数となることで、ATモードが再セットされる可能性があることの報知を遊技者に対して行う。
ステップS1717にて否定判定した場合、又はステップS1718の処理を実行した後は、ステップS1718にて、各種フラグ格納エリア183aにBBフラグをセットする処理を実行する。BBフラグは、BBモード中であることをCPU181が把握するためのフラグである。当該BBフラグがセットされている状況で開始されるゲームでは、BB状態用の演出が補助表示部65やスピーカ64にて行われるように制御される(ステップS1611)。但し、本実施形態では、当該BBフラグがセットされている状況であっても、CZフラグやATフラグがあわせてセットされている場合には、これらCZフラグやATフラグに対応する演出が優先して実行される構成としている。つまり、CZモードであって且つBB状態である場合には、CZモード用の演出が行われ、また、ATモードであって且つBB状態である場合には、ATモード用の演出が行われる。これは、上記の通り、BB状態は、持ち越し状態と比較してメダル増加期待数に実質的な差がないことに起因するものである。なお、BB入賞が生じたことの報知としては、図47(a)に示すように「777 GET!!」といった表示を補助表示部65にて行う構成としてもよい。
ステップS1716にていずれのBB開始コマンドも受信していない場合、ステップS1720にていずれかのBB終了コマンドを受信しているか否かを判定する。いずれかのBB終了コマンドを受信している場合、ステップS1721にてBBフラグをクリアする処理を実行する。
ステップS1703、ステップS1706、ステップS1711、ステップS1712、ステップS1715、ステップS1719若しくはステップS1722にて、その他の全停止時演出の設定処理を行ってから、本全停止時演出設定処理を終了する。ステップS1722では、例えば、入賞役に対応させた色で上部ランプ63が点灯するように制御したり、入賞役の払出数に対応する効果音がスピーカ64から発せられるように制御したり、リプレイ時の自動ベットに対応する効果音がスピーカ64から発せられるように制御したりする。
<AT演出設定処理>
次に、開始時演出設定処理におけるAT演出設定処理(ステップS1607)について、図42のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS1801では、各種カウンタエリア183bに設けられている表示用ATゲームカウンタを1減算する処理を実行する。本実施形態では、ATモードの残りゲーム数を残りゲーム数表示(図46参照)として補助表示部65にて表示する構成としており、表示用ATゲームカウンタは、その残りゲーム数表示を行うためのカウンタである。CPU181は、表示用ATゲームカウンタが更新されるたびに、補助表示部65の残りゲーム数表示を更新するように制御する。
ステップS1801の処理を実行した後は、ステップS1802にて、今回の開始時コマンドとして、上乗せコマンドを受信しているか否かを判定する。上乗せコマンドを受信している場合には、ステップS1803にて、後乗せ抽選処理を実行する。後乗せ抽選処理では、上乗せ抽選に当選したゲームよりも後のゲームであって、例えば、表示されているATモードの残りゲーム数が所定数(残り1ゲーム)となってから上乗せ演出を事後的に行う所謂後乗せ演出を行うか否かを抽選にて決定する。後乗せ抽選の当選確率は任意であるが、例えば、上乗せ当選の契機となったゲームの抽選結果に応じて後乗せ抽選の当選確率が異なるようにしてもよく、例えば、特定役で上乗せ当選した場合よりも、特定役以外(通常リプA~通常リプC)で上乗せ当選した場合の方が後乗せ抽選に当選し易くなるようにしてもよく、その逆としてもよい。また、当選確率の設定処理にて設定される設定値に応じて後乗せ抽選の当選確率が異なるようにしてもよく、例えば、高設定ほど後乗せ抽選に当選し易い構成としてもよく、その逆としてもよい。更に、ATモードの種別に応じて後乗せ抽選の当選確率が異なるようにしてもよく、例えば、第1ATモードよりも第2ATモードの方が後乗せ抽選に当選し易い構成としてもよく、その逆としてもよい。
ステップS1803にて後乗せ抽選を行った後は、ステップS1804にて当該後乗せ抽選に当選しているか否かを判定し、当選していない場合には、ステップS1805にて、今回のゲームにおいて、上乗せ演出が補助表示部65やスピーカ64にて行われるように設定する。上乗せ演出としては、例えば、図44(b)に示すように、補助表示部65にて、上乗せゲーム数に対応する数値を「+10」として表示する。その他、上乗せ演出では、スピーカ64から対応する効果音(例えば、電子音で「キュキュキュキュキュイーン!」)が発せられるように制御する。続くステップS1806では、上記の表示用ATゲームカウンタの値を、今回の上乗せに応じた数値が加算されるように更新する処理を行う。
ステップS1804にて後乗せ当選していると判定した場合、ステップS1807にて各種フラグ格納エリア183aに後乗せフラグをセットする処理を実行する。後乗せフラグは、表示されているATモードの残りゲーム数が所定数となった場合に後乗せ演出を行うべきこと、すなわち、後乗せ演出が事後的に行われることをCPU181が把握するためのフラグである。そして、ステップS1808にて、各種カウンタエリア183bに設けられている後乗せカウンタに、今回の上乗せゲーム数を加算する処理を実行してから、本AT演出設定処理を終了する。後乗せカウンタは、後乗せ演出として上乗せするゲーム数をCPU181が把握するためのカウンタである。すなわち、後乗せカウンタの値と、表示用ATゲームカウンタの値との合計値が、実際のATモードの残りゲーム数に相当し、主制御装置101側のATゲームカウンタの値と等しくなる。
ステップS1802にて上乗せコマンドを受信していないと判定した場合、ステップS1809にて、上記の後乗せフラグがセットされているか否かを判定する。後乗せフラグがセットされている場合、ステップS1810にて、後乗せカウンタが所定数として100以上であるか否かを判定する。後乗せカウンタが100未満であり、100ゲーム未満の上乗せが行われることが確定している場合、ステップS1811にて、上記の表示用ATゲームカウンタが第1所定数(11)であるか否かを判定する。表示用ATゲームカウンタが第1所定数である場合、ステップS1812にて後乗せフラグをクリアする処理を行ってから、ステップS1805に進み、上乗せ演出を行うための処理を実行する。これに対して、後乗せフラグがセットされている場合であっても、後乗せカウンタが100以上であり、100ゲーム以上の上乗せが行われることが確定している場合には、ステップS1813に進み、表示用ATゲームカウンタが、第1所定数よりも小さい値に設定されている第2所定数(1)であるか否かを判定する。表示用ATゲームカウンタが第2所定数である場合、ステップS1812にて後乗せフラグをクリアする処理を実行してから、ステップS1805に進み、上乗せ演出を行うための処理を実行する。ステップS1811やステップS1813にて否定判定し、後乗せ演出を行うべきゲームではない場合には、そのまま本AT演出設定処理を終了する。
すなわち、本実施形態では、後乗せ演出に際して上乗せされるゲーム数に応じて後乗せ演出が発生するゲームが異なり、上乗せされるゲーム数が多いほど、ATモードの残りゲーム数が少ないゲームにて実行される。
ステップS1806にて表示用ATゲームカウンタの更新処理を行った後は、ステップS1814にて後乗せフラグがセットされておらず、且つ、後乗せカウンタが0よりも大きいか否かを判定する。ステップS1814の処理は、ステップS1805にて設定した上乗せ演出が、今回の上乗せコマンドに基づくものであるか、それとも、後乗せ演出としてのものであるかを判定するための処理である。すなわち、後乗せフラグがセットされていないのにも関わらず、後乗せカウンタが0よりも大きい場合とは、後乗せ演出として上乗せ演出を行ったことを意味し、この場合、ステップS1815にて後乗せカウンタを0にクリアする処理を実行する。ステップS1814にて否定判定した場合、又はステップS1815の処理を実行した後は、AT演出設定処理を終了する。
<BB演出設定処理>
次に、開始時演出設定処理(図40)におけるステップS1610にて実施されるBB演出設定処理について、図43のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS1901では、BBフラグがセットされているか否かを判定する。BBフラグがセットされておらず、今回開始するゲームがBB状態ではない持ち越し状態や通常遊技状態でのゲームである場合、ステップS1902にて、ATフラグがセットされているか否かを判定する。ATフラグがセットされている場合、ステップS1903にて、表示用ATゲームカウンタが予め定められた第3所定数以下であるか否かを判定する。本実施形態では、第3所定数として10を設定しており、ステップS1903では、補助表示部65にて表示されているATモードの残りゲーム数が10ゲーム以下であるか否かを判定する。第3所定数は、ステップS1811にて判定する第1所定数(11)よりも小さく、ステップS1813にて判定数第2所定数(1)よりも大きい数として設定されている。
ATモードの残りゲーム数の表示が10ゲーム以下である場合、ステップS1904にて、後乗せフラグがセットされているか否かを判定する。ATモードの残りゲーム数の表示が10ゲーム以下であるのにもかかわらず、後乗せフラグがセットされている場合とは、後乗せ演出として100ゲーム以上の上乗せが発生する場合である。後乗せフラグがセットされていない場合には、ステップS1905にて、現状が持ち越し状態であるか否かを判定する。持ち越し状態である場合、ステップS1906にて、今回のゲームの抽選結果が持ち越しているBB入賞を成立させることが可能な結果であるか否かを判定する。
既に説明した通り、主制御装置101側の優先設定処理(ステップS313)では、第1BBや第2BBが再遊技や小役と重複している場合は、再遊技や小役を優先して停止させるように各リール32L,32M,32Rを制御する。つまり、BB入賞を成立させることが可能な結果とは、基本的には、今回のゲームの抽選結果が外れ結果であることを意味する。
外れ結果ではない場合、ステップS1907にて、当選しているBBを入賞させるべき状況であり、且つ今回のゲームの抽選結果がBB入賞を成立させることができない結果であることの報知として、入賞待ち演出を実行するか否かの報知抽選処理を実行する。報知抽選処理の当選確率は任意であるが、本実施形態では、約3分の1の確率で報知抽選に当選する構成としている。そして、ステップS1908にて報知抽選に当選したか否かの判定を行い、報知抽選に当選している場合には、ステップS1909にて、入賞待ち演出が補助表示部65やスピーカ64にて行われるように制御し、その後、BB演出設定処理を終了する。入賞待ち演出では、例えば、図46(a)に示すように、所定のキャラクタとともに、「ラストまでにボーナス入賞で連荘のチャンスだぜ!!」といった文字表示を補助表示部65にて行い、ボーナス入賞を成立させることで有利区間の再移行に伴うATモードの再セットが行われ得ることを、遊技者に対して報知する。
ステップS1906にて、今回のゲームの抽選結果が持ち越しているBB入賞を成立させることが可能な結果である場合、ステップS1910にて、入賞指示演出が補助表示部65やスピーカ64にて行われるように制御し、その後、BB演出設定処理を終了する。入賞指示演出では、例えば、図46(b)に示すように、所定のキャラクタとともに、「狙うんだー!!」といった文字表示、及び持ち越しているBBの種別に対応する表示(図における第1BB報知)を補助表示部65にて行い、BB入賞を成立させるべき状況であることを遊技者に対して報知する。
これに対して、ステップS1902にてATモードではない場合や、ステップS1903にてATモードの残りゲーム数の表示が第3所定数以下ではない場合や、ステップS1904にて残りゲーム数が第3所定数以下であっても後乗せフラグがセットされている場合や、ステップS1905にてBB当選前の通常遊技状態である場合や、ステップS1908にて報知抽選に当選していないと判定した場合は、入賞待ち演出や入賞指示演出を行うことなく、そのままBB演出設定処理を終了する。
既に説明した通り、本実施形態では、持ち越し状態とBB状態とでメダル増減の期待値に実質的な差はないし、更に、ATモード中にBB入賞させることでATモードの残りゲーム数に関わらず当該ATモードが終了してしまうことから、基本的にはBB状態へ入賞させるメリットはない。むしろ、ATモードの残りゲーム数がまだまだあるような状況でBB入賞させてしまうと、仮にATモードが再セットされたとしてもその再セットされたATモードよりも再セット前のATモードの残りゲーム数の方が多い場合もあり、遊技者にとって不利な場面も生じ得る。そこで、本実施形態では、BB入賞を成立させるべきことの報知を、ATモードの残りゲーム数がわずか(第3所定数以下)になってから行うようにしていることから、ATモードの再セットを行わせることが遊技者にとって不利とならないようにすることができる。
本実施形態では、持ち越し状態中の各ゲームで外れ結果となる確率は、約5.03分の1と設定されている。つまり、入賞待ち演出や入賞指示演出が発生し得るようになるATモードの残りゲーム数は、BB入賞を成立させることが可能な抽選結果となるのに十分なゲーム数(確率の分母の約2倍のゲーム数)として設定されている。このようにすることで、ATモードの終盤においてBB入賞を成立させようとしても、なかなか外れ結果とならずにBB入賞を成立させないままATモードが終了してしまう、といった不都合を生じさせにくくすることが可能となる。
上記の通り、後乗せ演出が発生することが確定している場合(後乗せフラグがセットされている場合)、補助表示部65にて表示されるATモードの残りゲーム数と、実際のATモードの残りゲーム数とが異なる。また、後乗せ演出の際に上乗せされるゲーム数が100ゲーム未満である場合には、入賞待ち演出や入賞指示演出が行われることとなるゲーム(残り10ゲーム)よりも前のゲーム(残り11ゲーム)にて後乗せ演出が発生する。そのため、ATモードの残りゲーム数がまだまだたくさん存在するのにもかかわらず、BB入賞を成立させてしまって、ATモードを終了させてしまうことが回避されている。
これに対して、後乗せ演出の際に上乗せされるゲーム数が100ゲーム以上である場合には、入賞待ち演出や入賞指示演出が行われることとなるゲーム(残り10ゲーム)となっても、入賞待ち演出や入賞指示演出が発生しない。つまり、ATモードの残りゲーム数表示が第3所定数以下となったのにもかかわらず、入賞待ち演出や入賞指示演出が発生しないことを通じて、100ゲーム以上の後乗せ演出が発生することを期待させることが可能となる。
但し、入賞待ち演出は、後乗せフラグがセットされていない状況であっても、報知抽選に当選しなければ実行されない構成としている。つまり、ATモードの残りゲーム数表示が10ゲーム以下となっても入賞待ち演出が発生しない場合とは、100ゲーム以上の後乗せ演出が控えている場合か、報知抽選に当選していない場合となる。
そのうえで、入賞指示演出は、報知抽選を介さずに実行する構成としていることから、後乗せ演出が控えていないのにもかかわらず、BB入賞を成立させることができずに、ATモードを再セットさせるチャンスを逃してしまうことが回避されている。つまり、ATモードの残りゲーム数表示が10ゲーム以下となり、ゲームの抽選結果が外れ結果である場合に入賞指示演出が発生した場合には、後乗せ演出が控えていないことが確定し、逆に、残りゲーム数表示が10ゲーム以下であり、且つ外れ結果であるのにも関わらず、入賞指示演出が発生しなかった場合には、後乗せ演出が控えていることが確定する。このようにすることで、ATモードの残りゲーム数表示が10ゲーム以下となってからの遊技の面白みを劇的に高めることが可能となる。
ステップS1901にてBBフラグがセットされており、BB状態である場合、ステップS1911に進む。ステップS1911では、各種カウンタエリア183bに設けられているBBゲーム数カウンタを1加算する処理を実行する。BBゲーム数カウンタは、BB状態のゲーム数をCPU181が把握するためのカウンタであり、主制御装置101側のBBゲームカウンタに相当するものである。続くステップS1912では、ATフラグがセットされているか否かを判定し、ATフラグがセットされている場合、ステップS1913にてBBゲーム数カウンタが1であるか否かを判定する。すなわち、今回開始するゲームが、ATモード中のBB状態の1ゲーム目であるか否かを判定する。ATモード中ではない場合や、ATモード中であってもBB状態の1ゲーム目ではない場合には、そのまま本BB演出用第1処理を終了する。
既に説明した通り、ATモード中にBB状態への移行が生じた場合、当該ゲームの全停止時演出として終了予告第1演出が行われる(ステップS1718、図47(a))。ステップS1913にて肯定判定する場合とは、当該終了予告第1演出が行われた次のゲームの開始時である。この場合、ステップS1914にて、今回のゲームの抽選結果が押し順ベル当選であるか否かを判定する。押し順ベル当選である場合、ステップS1915にて、終了予告第2演出が行われるように補助表示部65やスピーカ64を制御し、その後、BB演出用第1処理を終了する。終了予告第2演出では、例えば、図47(b)に示すように、所定のキャラクタとともに、「やったね!!」といった文字表示を補助表示部65にて行い、BB払出カウンタを特定数(7)とすることに成功したことの報知を行う。なお、終了予告第2演出は、押し順報知演出と重複しないように実行され、終了予告第2演出が行われていても、第1小役に対応する押し順を遊技者が容易に把握可能となるように設定されている。
ステップS1914にて否定判定し、今回のゲームの抽選結果が押し順ベルではない場合には、ステップS1916にて、終了予告第3演出が行われるように補助表示部65やスピーカ64を制御し、その後、BB演出用第1処理を終了する。終了予告第3演出では、例えば、図48(a)に示すように、所定のキャラクタとともに、「まだまだあきらめるな!!」といった文字表示を補助表示部65にて行い、今回のゲームの抽選結果は押し順ベル当選ではないものの、BB払出カウンタを特定数(7)とすることのチャンスがまだあることの報知を行う。すなわち、本実施形態では、ゲームの抽選結果がスイカ当選であり、第2小役入賞又は第3小役入賞を成立させることができれば、7枚のメダル払出が生じ、この場合、BB払出カウンタを特定数とすることが可能である(図48(b))。その為、BB状態の1ゲーム目の抽選結果が押し順ベル当選ではなくても、有利区間移行時処理において移行時ATモード移行抽選を受けるチャンスがあり、ストップスイッチ42~44を停止操作するまで期待感を持続させることが可能である。
これに対して、今回のゲームの抽選結果が外れ結果であったり、いずれかの再遊技結果入賞であったりした場合、BB払出カウンタを特定数とすることはできず、有利区間移行時処理において移行時ATモード移行抽選を受けることはできない(図48(c))。
本実施形態では、上記のように、BB状態において押し順ベル当選となる確率は約1.5分の1であり、スイカ当選となる確率は約219分の1であり、これらの抽選結果である場合にBB払出カウンタが特定数となって移行時ATモード移行抽選が実行される。そして、その移行時ATモード移行抽選に当選する確率は約3分の1であることからして、ATモード中にBB入賞させた場合において、約4.5分の1の確率でATモードが再セットされることになる。
ちなみに、押し順ベル当選時であっても、ストップスイッチ42~44を押し順報知通りに操作しなかった場合には、第1小役入賞ではなく、第4小役入賞~第27小役入賞が成立したり、取りこぼしとなったりして、BB払出カウンタは特定数とは異なる数になる(0,1)。また、スイカ当選であっても、ストップスイッチ42~44の操作タイミングによって第2小役入賞及び第3小役入賞のいずれも成立させることができず、所謂取りこぼしとなった場合には、BB払出カウンタは特定数とは異なる数になる(0)。これらの場合、移行時ATモード移行抽選は実施されない。よって、ストップスイッチ42~44のより慎重な操作が促され、当該遊技への面白みを向上させることが可能となる。また、このようにすることで、遊技者がATモードを終了させたい場合にまで、移行時ATモード移行抽選が行われることを回避することが可能となり、遊技者の操作により遊技が開始され、遊技者の操作により遊技が終了するといった所謂スロットマシンの醍醐味を抹殺しない範囲で、ATモードの連荘性を実現することが可能となる。
なお、ATモード中のBB状態の1ゲーム目に特定役当選となった場合、特定役報知演出(ステップS1605)の実行が制限される構成としてもよい。このようにすることで、ストップスイッチ42~44の操作前では、当該ゲームが外れ結果であるのか、特定役であるのかの区別がつかない又はつきにくくなり、終了予告第3演出が行われた場合に、スイカ当選であることへの期待感を持続させる効果を高めることが可能である。
<移行時ATモード移行抽選と、BB払出カウンタとの関係>
本実施形態における、移行時ATモード移行抽選と、BB払出カウンタとの関係について、図49のタイミングチャートを参照しながら説明する。
例えば、BB状態ではない状況であるt1のタイミングで有利区間への移行が生じた場合、有利区間移行時処理では、移行時ATモード移行抽選は実行されずに天井ゲーム数の設定が行われる。ATモード移行前であるt2のタイミングでいずれかのBB状態への移行が生じた場合、BB状態の1ゲーム目であるt3のタイミングで有利区間の終了処理は実行されない。また、ATモード中ではないため押し順報知演出は発生せず、当該BB状態中に押し順ベル当選となってもストップスイッチ42~44の操作順序がたまたま第1小役入賞に合致しない限り第1小役入賞は成立しない。
BB状態は、当該BB状態中のメダル払出数が予め定められた数以上となることで、BB状態が終了する。BB払出カウンタは、当該BB状態の終了条件が成立することをCPU102が把握するためのカウンタであり、BB状態中にt4のタイミングのようにメダル払出が生じると、BB払出カウンタに払い出されたメダル数が加算される。そして、BB払出カウンタが予め定められた数(71)以上となるt5のタイミングで、BB状態が終了する。
また、有利区間においてt6のタイミングでATモードへの移行が生じ、t7のタイミングでATモードの残りゲーム数が0となったり、有利区間の上限ゲーム数や上限増加数に達した場合には、ATモードの終了とともに有利区間も終了する。通常区間においては、有利区間移行抽選が実行され、当該移行抽選に当選することで有利区間の移行が生じる。有利区間移行抽選は、共通ベル以外の抽選結果で実施され、その当選確率は100%であることから、比較的少ないゲーム数で有利区間に移行することになる。例えば、t8のタイミングで有利区間への移行が生じた場合、当該タイミングではBB状態中ではないため、t1のタイミングと同様に、移行時ATモード移行抽選処理は実行されず、天井ゲーム数の設定が行われる。
t9のタイミングでATモードへの移行が生じ、当該ATモードの残りゲーム数がわずかとなったt10のタイミングでBB状態への移行が生じたとする。この場合、BB状態の1ゲーム目の終了時であるt11のタイミングで有利区間が終了し、ATモードも終了することになる。例えば、BB状態の1ゲーム目の抽選結果が押し順ベル当選であった場合、ATモード終了前であることから押し順報知演出が発生し、第1小役入賞を成立させることが可能となる。そうすると、t11のタイミングで有利区間が終了する際には、BB払出カウンタが7となる。
BB払出カウンタは、有利区間の終了の際の初期化処理の対象とはならいない特別情報であり、有利区間への再移行が生じるt12のタイミングでも維持されている。そして、t12のタイミングで有利区間移行時処理が実施されると、BB状態中の有利区間移行であり、BB払出カウンタが7であって特定数であることからして、移行時ATモード移行抽選が実行されて約3分の1の確率でATモードへの移行が生じることとなる。そして、BB払出カウンタが71となるt13のタイミングでBB状態は終了する。BB状態の終了に際して、BB払出カウンタの初期化処理が実行され、t13のタイミングでは、BB払出カウンタは初期値である0となる。
以上、詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
第1BB状態や第2BB状態中の遊技の遊技進行に応じて更新されるBB払出カウンタを有利区間移行時処理に用いる構成としたため、BB当選に基づきBB状態へ移行させる遊技性と、有利区間移行当選に基づき押し順報知が発生可能となる有利区間へ移行させる遊技との関連付けを行うことができる。このようにしたことで、パラレルに進行するBB状態と有利区間との遊技性を関連付け、遊技の興趣向上が図られる。
BB払出カウンタは、有利区間への移行の有無に関わらず、ボーナス状態処理において各ゲームの遊技結果に応じて更新される。より詳しくは、BB払出カウンタは、有利区間移行時処理が行われるゲームであっても、有利区間中のゲームであっても、通常区間中のゲームであっても、各ゲームの遊技結果に応じて更新されるカウンタである。そして、BB払出カウンタは、有利区間の終了時の有利区間情報の初期化処理の対象とならないカウンタである。このようなカウンタを用いることで、有利区間と関係なくパラレルに進行する遊技と有利区間とを関連付けることが可能となるし、例えば、通常区間中の遊技の情報を有利区間へ引き継いだり、一の有利区間中の遊技の情報を後続の有利区間に引き継いだりすることも可能となる。
BB状態が終了するゲームよりも前のゲームであるBB状態の1ゲーム目に有利区間を終了させる構成としたことにより、当該BB状態中に有利区間移行抽選に当選すれば、当該BB状態において有利区間への再移行が生じることになる。このようにしたことで、一のBB状態において更新されるカウンタを用いて、一の有利区間と後続の有利区間との関連付けを行うことが可能となる。
本実施形態では、ATモード中に移行させたBB状態の1ゲーム目で有利区間を終了するようにした。このようにすることで、有利区間が終了する場合のBB払出カウンタが特定数となり易くすることができる。すなわち、ATモード中に移行したBB状態の1ゲーム目の押し順ベル当選となった場合、当該BB状態の1ゲーム目はATモードであるため、第1小役入賞に対応する押し順報知が発生する。そのため、当該BB状態の1ゲーム目で有利区間が終了する場合には、BB払出カウンタが特定数としての7となる。このようにすることで、押し順報知を利用してBB払出カウンタを特定数となるようにし、そのBB払出カウンタを次回の有利区間移行時処理にて利用する、といった斬新な構成にて、複数の有利区間の関連付けを行うことが可能となる。
そして、BB払出カウンタが7であれば、有利区間移行時処理において移行時ATモード移行抽選が実行され、当該移行抽選に当選することで、ATモードに再セットされる。つまり、BB払出カウンタが7であっても、必ずATモードに再セットされるわけではなく、移行時ATモード移行抽選を経て再セットされる構成としたことで、ATモードの連荘性を高めすぎることなく、遊技の健全化を図ることが可能となる。
ATモード中に移行させたBB状態の1ゲーム目で有利区間が終了する場合に、当該ゲームの抽選結果が押し順ベル当選ではなく、いずれかの再遊技結果当選であったり外れ結果であったりした場合には、BB払出カウンタは特定数となることなくそのまま有利区間が終了する。この場合、次回の有利区間移行時処理で、移行時ATモード移行抽選は行われない。このようにしたことで、ATモード中にBB状態へ移行させた場合の、当該BB状態の1ゲーム目の抽選結果に大きな関心を寄せさせることが可能となる。
BB状態の1ゲーム目が押し順ベル当選であり、押し順報知が発生した場合であっても、当該押し順報知に従わずに、第1小役入賞を成立させないようにする遊技も許容されている。また、BB状態の1ゲーム目がスイカ当選となった場合であっても、当該スイカに対応する第2小役入賞及び第3小役入賞のいずれも成立させずに取りこぼしとする遊技も許容されている。このような構成とすることで、BB状態1ゲーム目におけるストップスイッチ42~44の慎重な操作が促され、遊技の興趣向上が図られている。
更に、ATモードの終了に際してBB状態への移行を生じさせなければ、そのままATモードの終了とともに有利区間は終了し、次回の有利区間移行時に移行時ATモード移行抽選も実行されない。つまり、上記のように、遊技者の操作に基づき有利区間を終了させ、遊技者の操作に基づき有利区間移行時のATモードの再セットを行わせる、といった遊技において、有利区間の終了やATモードの再セットを、遊技者の意思により自由に行わせることが可能な構成としている。このようにしたことで、遊技者の操作に基づきゲームが開始され、遊技者の操作に基づきゲームが終了する、といったスロットマシンの醍醐味を損なわない範囲で、上記のような有利区間の終了や再セットを行わせる遊技性を実現することが可能となる。
また、ATモードの終盤にBB状態への移行を生じさせようとしても、BB入賞を成立させることが可能な外れ結果とならなければBB状態へ移行させることができない。そのため、ATモードの終盤の各ゲームの抽選結果によっては、BB状態への移行を生じさせることなく、そのままATモードが終了してしまう場合もある。このようにすることで、ATモードの終盤の遊技性を向上させることが可能となる。
<変形例1>
本変形例では、移行時ATモード移行抽選が実行される条件が上記第1の実施形態と異なっている。先ず、図50を参照しながら、本変形例における入賞態様と付与される特典の関係や抽選テーブルの変更点を説明する。
図50(a)に示すように、本変形例では、第2小役入賞が成立した場合に付与される特典と、第3小役入賞が成立した場合に付与される特典とが、上記第1の実施形態と異なっている。すなわち、本変形例では、第2小役入賞が成立した場合には5枚のメダル払出が生じ、第3小役入賞が成立した場合には3枚のメダル払出が生じる。また、図50(b)に示すように、本変形例では、スイカ当選時の対応役が異なり、インデックス値IV=23にて当選した場合には、第2小役入賞だけが成立可能となり、第3小役入賞は成立させることができない。その分、インデックス値IV=26の当選役が設定されており、当該インデックス値IV=26にて当選となると、第3小役入賞が成立可能となる。インデックス値IV=26よりも、インデックス値IV=23の方が当選し易くなるように設定されており、第2小役入賞の方が第3小役入賞よりも成立し易くなっている。
本変形例における有利区間移行時処理について、図51のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS2001~ステップS2003の天井ゲーム数を設定する処理は、上記ステップS1402~ステップS1404の処理と同様である。本変形例では、先ず、ステップS2004にて、各種テーブル記憶エリア105aから移行時ATモード移行抽選テーブルを取得する処理を実行する。移行時ATモード移行抽選テーブルは、図50(c)に示すように、BB払出カウンタの値に応じて、移行時ATモード移行抽選の当選確率が異なるように設定されている。具体的には、BB払出カウンタが7である場合には20%の確率でATモード移行当選となり、BB払出カウンタが5である場合には50%の確率でATモード移行当選となり、BB払出カウンタが3である場合には80%の確率でATモード移行当選となるように設定されている。
BB払出カウンタが7である場合とは、上記の通り、BB状態の1ゲーム目の抽選結果が第1小役入賞が成立した場合であり、BB払出カウンタが5である場合とは第2小役入賞が成立した場合であり、BB払出カウンタが3である場合とは第3小役入賞が成立した場合である。つまり、BB状態の1ゲーム目で当選しにくい結果入賞であるほど、ATモード移行抽選に当選し易くなるように設定されている。
また、本変形例における移行時ATモード移行抽選テーブルでは、BB払出カウンタが初期値としての0である場合も設定されている。そして、BB払出カウンタが0である場合には、ATモード移行当選とならないように設定されている。つまり、BB状態の1ゲーム目が外れ結果や再遊技結果であった場合には、移行時ATモード移行抽選に当選しない。
ステップS2004にて移行時ATモード移行抽選テーブルを取得した後は、ステップS2005にてBB払出カウンタを把握する処理を実行し、ステップS2006にて移行時ATモード移行抽選処理を実行する。そして、ステップS2007にてATモード移行当選となっているか否かの判定を行い、当選している場合には、ステップS2008~ステップS2010にてATモード開始用の処理を実行してから、有利区間移行時処理を終了する。一方、ATモード移行当選とならなかった場合には、ステップS2001に進み、天井ゲーム数の設定を行ってから、有利区間移行時処理を終了する。
ここで、本変形例における有利区間移行時処理においては、有利区間への移行がBB状態中に生じたか否かを判定する処理(ステップS1401)が設定されておらず、移行時ATモード移行抽選(ステップS2006)は、BB状態か否かに関わらず実行される。上記の通り、本変形例では、移行時ATモード移行抽選を移行時ATモード移行抽選テーブルを利用して実行する構成としているところ、移行時ATモード移行抽選テーブルでは、BB払出カウンタが初期値(0)である場合にはATモード移行当選とならないように設定されている。BB払出カウンタはBB状態の終了に際して初期値に設定されるため、BB状態以外では、BB払出カウンタは常に初期値である。そのため、BB状態以外において有利区間への移行が生じた場合には、移行時ATモード移行抽選は実行されるものの、ATモード移行当選とはならないことになる。このようにすることで、有利区間移行時の状態に関わらず有利区間移行時処理が共通の処理構成となり、有利区間移行時処理の処理構成を簡素化することが可能となる。
言い換えるならば、BB払出カウンタを利用して指示機能に関する処理としての移行時ATモード移行抽選を実行する構成とし、BB払出カウンタが特定数としての7であれば移行時ATモード移行抽選に当選し得るものとしたうえで、当該BB払出カウンタを、BB状態においては特定数としての7に更新され得る一方、BB状態以外の状態においては特定数としての7に更新されないようにしている。このようにすることで、移行時ATモード移行抽選にて当選となるためには、BB状態中に移行時ATモード移行抽選を行わせる必要があるようになり、BB状態の優位性を好適に高めることが可能となる。
BB払出カウンタは、BB状態以外の通常遊技状態や持ち越し状態において押し順ベル等の小役入賞が成立しても更新されないものの、BB状態と通常遊技状態や持ち越し状態とで、押し順ベルの当選確率や、入賞時に付与される特典(メダル数)は共通している。このような構成とすることで、小役の当選確率や付与される特典によってBB状態の優位性を高める、といった従来からある構成とは全く異なる構成にて、BB状態の優位性を高めることが可能となり、斬新な遊技性の実現に大きく貢献することができる。
BB払出カウンタは、いずれかの小役入賞にて更新される構成としているところ、小役入賞によってBB払出カウンタが上限払出数(71)に達すると、BB状態は終了する。このようにすることで、BB払出カウンタを特定数にするゲームと、BB状態が終了するゲームの内容が共通化され、当該BB状態中に小役当選となるゲームへの注目度を好適に高めることが可能となる。
BB状態の1ゲーム目でBB払出カウンタが特定数に更新されたか否かに関わらず、有利区間が終了する構成としたことにより、有利区間終了時にBB払出カウンタが特定数に更新されたか否かについて、大きな関心を寄せさせることが可能となる。よって、有利区間の終了ゲームへの注目度を好適に高めることができる。
そして、本変形例では、払出数の異なる遊技結果を設け、移行時ATモード移行抽選テーブルでは、BB払出カウンタの値に応じてATモード移行当選となる確率が異なるようにしたことから、BB状態の1ゲーム目の遊技結果へより高い関心を寄せさせることが可能となる。よって、BB払出カウンタを利用して移行時ATモード移行抽選を行わせるうえでの遊技性を、大幅に向上させることが可能となる。
<変形例2>
本変形例では、有利区間移行時処理の実行タイミングを異ならせる。図52は、本変形例における区間表示第1処理を示すフローチャートである。
本変形例では、ステップS2101にて区間表示器が表示中ではないと判定した場合、ステップS2102にて有利区間当選ゲームフラグがセットされているか否かを判定する。有利区間当選ゲームフラグがセットされている場合、ステップS2102にて有利区間フラグをセットし、ステップS2103にて有利区間ゲーム数AGの計測開始処理を実行する。そして、ステップS2104にて区間表示器の表示を開始する。すなわち、本変形例では、有利区間移行時処理は、有利区間移行ゲームでは実施されない。
一方、本変形例では、ステップS2101にて区間表示器が表示中であると判定した場合、ステップS2106にて、有利区間当選ゲームフラグがセットされているか否かを判定し、セットされている場合には、ステップS2107にて、有利区間当選ゲームフラグをクリアする処理を実行する。そして、ステップS2108にて、有利区間移行時処理を実行する。
本変形例における有利区間移行時処理は、上記変形例1の有利区間移行時処理(図51)と同様の処理とする。但し、本変形例における移行時ATモード移行抽選テーブルでは、図53に示すように、BB払出カウンタの値がBB状態2ゲーム分の値として設定されている。つまり、BB払出カウンタの値が7である場合と、8である場合と、14である場合とが設定されている。
上記のように、ATモード中のBB状態の1ゲーム目に有利区間が終了するところ、BB状態の1ゲーム目で押し順ベル当選となることで、第1小役入賞が成立してBB払出カウンタが7となって有利区間が終了する。そして、その次のゲームで有利区間フラグがセットされたとしても、当該ゲームでは押し順報知が発生せず、押し順ベル当選であっても、第1小役入賞を成立させることができない場合がある。つまり、BB払出カウンタが7である場合とは、有利区間が終了するBB状態の1ゲーム目で第1小役入賞を成立させ、有利区間フラグがセットされるBB状態の2ゲーム目が外れ結果や再遊技結果入賞や、当選している小役の取りこぼしである場合であり、BB払出カウンタが8である場合とは、BB状態の1ゲーム目で第1小役入賞を成立させ、BB状態の2ゲーム目で押し順ベル当選時に第1小役入賞を成立させることができず、第4小役入賞~第27小役入賞を成立させることができた場合であり、BB払出カウンタが14である場合とは、BB状態の1ゲーム目と2ゲーム目で第1小役入賞を成立させることに成功した場合である。
本変形例における移行時ATモード移行抽選テーブルでは、BB払出カウンタが7又は8であり、少なくとも、有利区間終了ゲームで第1小役入賞を成立させることができた場合は、30%の確率でATモード移行当選となり、BB払出カウンタが14であり、有利区間終了ゲームだけではなく、次のゲームも第1小役入賞を成立させることができた場合は、BB払出カウンタが7,8である場合よりも高い60%の確率でATモード移行当選となるように設定されている。
ステップS2106にて否定判定した場合、又はステップS2108の処理を実行した後は、ステップS2109にて区間表示器の表示継続処理を行う。ステップS2109~ステップS2114の処理は、上記ステップS1208~ステップS1213の処理と同様である。
すなわち、本変形例では、有利区間移行時処理は、有利区間に移行したゲームの次のゲームの開始時に実行される構成となる。言い換えると、有利区間移行時処理は、有利区間に移行した後のゲームであって、最初のゲームの開始時に実行される。
上記の通り、本スロットマシン10では、有利区間の終了ゲームの次のゲームで有利区間フラグがセットされ得る構成としているところ、有利区間を終了するゲームを有利区間中のゲームとし、有利区間フラグがセットされるゲームも有利区間のゲームとすると、有利区間と有利区間との間に通常区間であるゲームが存在しない場合があることになる。そして、仮に有利区間フラグがセットされるゲームを通常区間中のゲームとすると、有利区間移行時処理は通常区間中のゲームで実行されることになり、指示機能としての押し順報知が発生し得る区間であって、指示機能に関する処理が実行され得る有利区間と、指示機能としての押し順報知が発生しない区間であって、指示機能に関する処理が実行されない通常区間とを区別した意義が消失しかねない。
その点、上記変形例のように、有利区間フラグがセットされた次のゲームで有利区間移行時処理を実行する構成とすることで、仮に有利区間フラグがセットされたゲームを通常区間としても、有利区間移行時処理は有利区間中に実施される構成となり、有利区間と通常区間とを区別した意義を担保しながら、有利区間移行時処理を好適に実施させることが可能となる。
有利区間移行時処理では、移行する有利区間における天井ゲーム数を設定する処理が実行され得る。仮に、天井ゲーム数が通常区間中に決定されているとすると、その決定されている天井ゲーム数によって通常区間において有利/不利が生じることとなり、好ましくない。その点、本変形例では、より確実に有利区間に移行してから、天井ゲーム数の設定が行われる構成としていることから、通常区間において有利/不利があるような状況を生じせないようにすることが可能となる。
また、有利区間移行時処理では、移行する有利区間をATモードとして移行させるか否かの移行時ATモード移行抽選が実行され得る。仮に、ATモードとして有利区間が開始されることが通常区間中に決定されているとすると、通常区間において有利/不利が生じることとなり、好ましくない。その点、本変形例では、より確実に有利区間に移行してから、ATモードへの移行を生じさせる構成としていることから、通常区間において有利/不利があるような状況を生じさせないようにすることが可能となる。
有利区間フラグがセットされた次のゲームの開始時に、有利区間移行時処理を行う構成としたことにより、確実に有利区間に移行した後であって、且つ有利区間に移行した後、最短で有利区間移行時処理を実行する構成となり、有利区間へ移行したのにもかかわらず、有利区間移行時処理が行われていない状況をなるべくなくすことが可能となる。
<変形例3>
本変形例では、有利区間移行時処理を有利区間フラグがセットされるゲームで実施するものの、当該ゲームの終了時に実施する構成とする。図54は、本変形例における区間表示第1処理を示すフローチャートであり、図55は、本変形例における区間表示第2処理を示すフローチャートである。
図54に示すように、本変形例における区間表示第1処理では、ステップS2201にて区間表示器が表示中ではないと判定した場合、ステップS2202にて有利区間当選ゲームフラグがセットされているか否かを判定する。有利区間当選ゲームフラグがセットされている場合、ステップS2203にて有利区間フラグをセットし、ステップS2204にて有利区間ゲーム数AGの計測開始処理を実行し、ステップS2205にて区間表示器の表示開始処理を実行する。また、ステップS2201にて区間表示器が表示中である場合、ステップS2206にて表示継続処理を実行する。ステップS2207~ステップS2211の処理は、ステップS1209~ステップS1213の処理と同様である。
すなわち、本変形例では、有利区間移行処理は、ゲームの開始時に実行される区間表示第1処理では実施されない。
これに対して、図55に示すように、本変形例における区間表示第2処理では、ステップS2301にて有利区間フラグがセットされている場合、ステップS2302にて有利区間当選ゲームフラグがセットされているか否かを判定する。有利区間当選ゲームフラグがセットされており、今回終了するゲームの開始時に有利区間フラグがセットされた場合には、ステップS2303に進み、有利区間当選ゲームフラグをクリアしてから、ステップS2304にて有利区間移行時処理を実行する。ステップS2304の有利区間移行時処理は、上記変形例2における有利区間移行時処理と同様の処理であり、移行時ATモード移行抽選テーブルも、変形例2におけるテーブル(図53)と同様である。
ステップS2302にて否定判定した場合、又はステップS2304の処理を実行した後は、ステップS2305~ステップS2315にて有利区間中の各種処理を実行する。ステップS2305~ステップS2315の処理は、上記ステップS1302~ステップS1312の処理と同様である。
このようにすることで、有利区間フラグがセットされている状況で開始されるゲームを有利区間とし、セットされていない状況で開始されるゲームを通常区間とする場合、当該有利区間フラグがセットされている状況でゲームが開始されるまでには、有利区間移行時処理を行う構成とすることが可能となる。
<変形例4>
本変形例では、有利区間移行時処理が実行された場合のBB状態の種類によって、移行時ATモード移行抽選の当選確率が異なっている。図56は、本変形例における有利区間移行時処理を示すフローチャートである。
本変形例では、上記変形例1の有利区間移行時処理と比較して、ステップS2401~ステップS2405、ステップS2407~ステップS2411の処理が、上記ステップS2001~ステップS2010の処理と同様であり、ステップS2405にてBB払出カウンタを把握した後で、ステップS2406にて各BB状態フラグの確認処理を実行する点で異なっている。
図57(a)は、本変形例における移行時ATモード移行抽選テーブルを示している。本変形例では、BB払出カウンタが特定数としての7であれば所定の確率でATモード移行当選となり、それ以外の値である場合にはATモード移行当選とならないように設定されている。そして、BB払出カウンタが7である場合、BB状態が第1BB状態であれば20%の確率でATモード移行当選となり、BB状態が第2BB状態であれば50%の確率でATモード移行当選となり、第1BB状態の場合よりも第2BB状態の場合の方が、移行時ATモード移行抽選にてATモード移行当選となる確率が高くなるように設定されている。
既に説明した通り、本実施形態ではいずれのBB状態であっても、持ち越し状態と比較して、実質的な有利度の差がないように設定されており、基本的には、ATモードへの移行の有無に関わらず、持ち越し状態で遊技されることを前提としている。但し、上記の通り、ATモードの再セットを有利に行わせる点からすると、第1BB当選を持ち越し状態でATモードを進行するよりも、第2BB当選を持ち越している状態でATモードを進行する方が遊技者にとって有利となる。
そして、ATモードへの移行が生じてからATモードの再セットを行うべき状況となるよりも前にBB入賞を成立させると遊技者は不利益を被り得ることからして、第2BB当選を持ち越している状態でATモードを進行できる場合とは、BB状態中にATモードの再セットが行われて当該BB状態が終了した後で第2BB当選となるか、ATモードへの移行が生じるよりも前から第2BB当選を持ち越している状態となっているかのいずれかのパターンがメインとなる。
つまり、ATモードの終盤でBB入賞させてATモードの再セットを行った後、当該BB状態がATモード中に終了した場合においては、続けて当選するBBの種類に応じてATモードの再セット確率を異ならせることが可能となり、ATモード中の新たな面白みを提供することが可能となる。
また、ATモード移行前においては、外れ結果であるゲームでBB入賞を狙って停止操作することで当選しているBBの種類を把握することが可能である。すなわち、第1BB入賞を狙って停止操作して第1BB入賞が成立すれば第1BB当選を持ち越していたことになるし、第1BB入賞が成立しなければ第2BB当選を持ち越しているか、BB当選前の通常遊技状態であるかのいずれかである。第1BB当選と第2BB当選とは重複して当選しないことからして、第1BB当選を持ち越している場合には第1BB入賞させて、当該第1BB状態を早期に消化してしまったほうが、再度、第2BB当選となるチャンスを得るといった観点で遊技者にとっては好ましい。
ここで、第1BB状態をATモード中にて消化する場合には、7枚払出の第1小役入賞が約1.5分の1の確率で生じることから、約15ゲームで当該第1BB状態を終了させることが可能である。これに対して、第1BB状態を非ATモード中にて消化する場合には、7枚払出の第1小役入賞が約9分の1の確率で生じ、1枚払出の第4小役入賞~第27小役入賞が約2.4分の1の確率で生じることから、約55ゲームで当該第1BB状態を終了させることが可能であり、ATモード中と比較して第1BB状態終了までに多くのゲームを要することになる。
そうすると、ATモード移行前に第1BB当選を持ち越していることが判明した場合には、第1BB状態に移行させてからなるべく早期に当該第1BB状態を終了させ、第2BB当選を持ち越している状態を目指す、といったように、ATモード移行前の遊技に面白みを追加することが可能となる。この場合、上記のように、いずれのBB当選を持ち越していても、当該ATモード移行前の各ゲームでの有利度には差がなく、また、いずれのBB状態であっても、持ち越し状態と比較してもATモード移行前であれば各ゲームでの有利度には差がない。そのため、ATモード移行前の各ゲームの有利度に差を生じさせないようにしながら、その後、ATモードへの移行が生じてからの有利度に差を生じさせることが可能となり、有利度の差が生じて遊技者の関心どころをATモードに集中させながらも、有利度の差が生じない箇所であっても遊技者の関心を維持することが可能となる。
しかも、ATモード移行前に第1BB状態を消化する場合には、なるべく早期に第1BB状態を終了させるべく、押し順ベル当選時に自らの勘に頼って第1小役入賞を成立させるといった遊技を行わせることが可能となる。このようにすれば、押し順ベル当選時に第1小役入賞を成立させるメリットを、持ちメダルの増加という点以外にも生じさせることができ、ATモード移行前の遊技性をさらに向上させることが可能となる。
有利区間移行時処理のAT種別決定処理(ステップS2409)において、BB状態の種類に応じてATモードの選択率を異ならせてもよい。図57(b)は、AT種別抽選テーブルの一例を示す図である。図57(b)では、第1BB状態中に有利区間移行時処理が行われた場合には、第1ATモードよりも第2ATモードの方が選択され易くし、第2BB状態中に有利区間移行時処理が行われた場合には、第2ATモードよりも第1ATモードの方が選択され易くなっている。
上記のように、第1ATモードよりも第2ATモードの方が上乗せ抽選の当選確率が高くなるように設定されており、第1ATモードよりも第2ATモードの方が遊技者にとって有利なATモードといえる。つまり、この例では、第1BB状態の方が第2BB状態よりも、AT種別決定処理にて第2ATモードが選択され易くなっており、選択されるATモードの種別という観点では、第1BB状態の方が遊技者にとって有利である。
そして、移行時ATモード移行抽選の当選確率は第1BB状態よりも第2BB状態の方が高い構成としていることから、第1BB状態にて有利区間移行時処理が行われた場合には、ATモード移行当選となりにくい一方で、第2ATモードが選択され易く、第2BB状態にて有利区間移行時処理が行われた場合には、ATモード移行当選となり易い一方で、第2ATモードが選択されにくい、といったように、有利区間移行時処理が行われるBB状態の種類に応じて、ATモードに特色を設けることが可能となる。このようにすれば、例えば、ATモード移行当選となりにくくても第2ATモードを目指したい遊技者は、第1BB当選を望むようになり、遊技者の多様なニーズに応えることが可能となる。
<変形例5>
本変形例では、ATモードの残りゲーム数に応じて、BB状態1ゲーム目の押し順報知の発生率が異なる構成としている。図58は、本変形例における抽選結果対応処理を示すフローチャートである。
本変形例では、押し順ベル当選であって(ステップS2509:YES)、いずれかのATモードフラグがセットされている(ステップS2510:YES)場合の後の処理が、上記第1の実施形態における抽選結果対応処理と異なっており、それ以外の処理(ステップS2501~ステップS2508)は、第1の実施形態における対応する処理(ステップS601~ステップS608)と同様である。
すなわち、本変形例では、ATモード中に押し順ベル当選となった場合、ステップS2511にて、いずれかのBB状態フラグがセットされているか否かを判定する。セットされている場合には、ステップS2512にて、BBゲームカウンタが0であるか否かを判定する。既に説明した通り、BBゲームカウンタはボーナス状態処理にて1ずつ加算されるカウンタであるところ、ボーナス状態処理はゲームの終了時(ステップS414)にて実施される処理である。これに対して、抽選結果対応処理は、ゲームの開始時(ステップS310)にて実施される処理である。すなわち、ステップS2512にて、BB状態フラグがセットされており且つBBゲームカウンタが0である場合とは、BB状態の1ゲーム目の開始時であることを意味し、当該ゲームで有利区間が終了することを意味する。
ATモード中のBB状態の1ゲーム目である場合、ステップS2513にて、各種テーブル記憶エリア105aから報知抽選テーブルを取得し、ステップS2514にて報知抽選処理を実行する。そして、ステップS2515にて報知当選であるか否かの判定を行い、報知当選であれば、ステップS2516にて第1小役に対応する押し順報知を行い、ステップS2517にて押し順報知コマンドをセットする処理を実行してから、抽選結果対応処理を終了する。ステップS2511やステップS2512にて否定判定した場合には、報知抽選を経ることなく、ステップS2516に進み、押し順報知を行うための処理を実行する。
本変形例における報知抽選テーブルは、図59に示すように、ATゲームカウンタの値に応じて、報知当選となる確率が異なっており、ATゲームカウンタの値が小さくなるほど報知当選となり易くなっている。例えば、ATモードの残りゲーム数が5~9であれば80%の確率で報知当選となり、2~4であれば90%の確率で報知当選となり、1であれば100%の確率で報知当選となる。つまり、ATモードの残りゲーム数が10ゲームとなって、入賞待ち演出や入賞指示演出が発生したとしても、なるべくBB入賞を引き延ばしたほうが、BB状態の1ゲーム目で押し順報知が発生し易くなり、ATモードの再セットに成功し易くなる。但し、外れ結果であるゲームでBB入賞が可能であることから、BB入賞を引き延ばしすぎると、BB入賞させることなくATモードが終了してしまう可能性もある。このような構成とすることで、ATモードの再セット率と、ATモード終了までの残りゲーム数との関係で、どのタイミングでBB入賞を成立させるか、といったハラハラドキドキする遊技を提供することが可能なる。
また、本変形例における報知抽選テーブルでは、ATゲームカウンタの値が多くなるほど報知当選となり易くも設定されており、例えば、ATモードの初期ゲーム数(50ゲーム)以上であれば、50%の確率で報知当選となるように設定されている。このようにすることで、ATモードの序盤等、まだまだATモードの残りゲーム数が存在する状況で意図せずBB入賞を成立させてしまった場合の救済とすることが可能となる。
<変形例6>
本変形例では、有利区間が、上限ゲーム数や上限増加数に到達することで終了することが事前に把握されている場合には、BB状態の1ゲーム目の押し順報知の発生率が異なる構成とする。図60は、残ゲーム数管理処理を示すフローチャートであり、図61は、残枚数管理処理を示すフローチャートである。これら残ゲーム数管理処理や残枚数管理処理は、区間表示第2処理(図36)にて実施される処理(ステップS1304、ステップS1305)である。
残ゲーム数管理処理では、ステップS2601にて有利区間ゲーム数AGを確認することで、有利区間へ移行してからのゲーム数を把握する処理を実行する。続くステップS2602では、ATゲームカウンタを確認することでATモードの残りゲーム数(G1)を把握する処理を実行する。続くステップS2603では、例えば、CZモードの残りゲーム数や、特化ゾーン等の残りゲーム数等、有利区間中に既に予定されているモードの残りゲーム数(G2)を把握する処理を実行する。そして、ステップS2604にて、有利区間ゲーム数AGとATモードの残りゲーム数(G1)と他の残りゲーム数(G2)とを加算することで、有利区間の予定終了ゲーム数(GS)を算出する処理を実行する。
ステップS2605では、ステップS2604にて算出した予定終了ゲーム数(GS)が有利区間の上限ゲーム数(1500)以上となっているか否かを判定する。1500以上である場合、ステップS2606にて各種フラグ格納エリア106dに第1超過フラグがセットされているか否かを判定する。第1超過フラグは、このままATモード等を実行しても全ての残りゲーム数を消化することなく有利区間の上限ゲーム数に達することをCPU102が把握するためのフラグである。第1超過フラグがセットされていない場合には、ステップS2607にて当該第1超過フラグをセットし、ステップS2608にて第1超過コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本残ゲーム数管理処理を終了する。第1超過コマンドは、第1超過フラグがセットされたことを表示制御装置81に把握させるためのコマンドである。ステップS2605にて否定判定した場合や、ステップS2606にて肯定判定した場合には、そのまま残ゲーム数管理処理を終了する。
残枚数管理処理では、図61に示すように、先ず、ステップS2701にて有利区間増減枚数MYを把握する処理を実行する。続くステップS2702では、上記ステップS2602にて把握したATモードの残りゲーム数(G1)で期待できるメダルの増加数(期待増加枚数、M1)を、ATモード中の1ゲーム当たりで期待できるメダルの増加数(純増枚数)から算出する処理を実行する。ステップS2703では、上記ステップS2603にて把握したその他の残りゲーム数(G2)で期待できるメダルの増加数(期待増加枚数、M2)を、その他のゲームでの1ゲーム当たりで期待できるメダルの増加数(純増枚数)から算出する処理を実行する。そして、ステップS2704にて、有利区間増減枚数MYと、ATモードでの期待増加枚数(M1)と、その他のゲームでの期待増加枚数(M2)とを加算することで、予定増減枚数(MS)を算出する処理を実行する。
ステップS2705では、ステップS2704にて算出した予定増減枚数(MS)が有利区間の上限増加数(2400)以上となっているか否かを判定する。2400以上である場合、ステップS2706にて各種フラグ格納エリア106dに第2超過フラグがセットされているか否かを判定する。第2超過フラグは、このままATモード等を実行しても全ての残りゲーム数を消化することなく有利区間の上限増加数に達する可能性が高いことをCPU102が把握するためのフラグである。第2超過フラグがセットされていない場合には、ステップS2707にて当該第2超過フラグをセットし、ステップS2708にて第2超過コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本残枚数管理処理を終了する。第2超過コマンドは、第2超過フラグがセットされたことを表示制御装置81に把握させるためのコマンドである。ステップS2705にて否定判定した場合や、ステップS2706にて肯定判定した場合には、そのまま残枚数管理処理を終了する。
本変形例では、上記変形例5のように、ATモード中のBB状態の1ゲーム目に押し順ベル当選となった場合に報知抽選を経て押し順報知を実行する構成とする。そして、本変形例における報知抽選テーブルでは、図62に示すように、第1超過フラグや第2超過フラグの有無によって、報知当選となる確率が異なるように設定されている。具体的には、いずれの超過フラグもセットされていない場合には50%の確率で報知当選となる一方、両超過フラグがセットされている場合には10%の確率で報知当選となり、ゲーム数から見てもメダル枚数から見ても、上限に到達するであろう状況ではBB状態1ゲーム目の押し順報知の発生率が低くなる構成としている。このようにすることで、連荘性を低くして有利区間に上限を設けたことの意義を担保することが可能となる。
これに対して、第1超過フラグはセットされている一方、第2超過フラグはセットされていない場合には、80%の確率で報知当選となり、いずれの超過フラグもセットされていない場合よりもBB状態1ゲーム目の押し順報知が発生し易くなっている。第1超過フラグはセットされている一方、第2超過フラグはセットされていない場合とは、上限ゲーム数に達するであろうにも関わらず、上限増加数には達しないであろうと予測されている場合であり、例えば、有利区間に移行してからATモード移行までに多くのゲーム数を要した場合等、有利区間の強制終了時に多くのメダルを獲得できていない可能性がある場合である。そこで、上記のようにBB状態1ゲーム目の押し順報知の発生率を高く設定することで、ATモードの再セット率を高くすることができ、遊技者の喪失感をうまく補填することができる。
一方、第1超過フラグはセットされていないものの、第2超過フラグはセットされている場合には、5%の確率で報知当選となり、いずれの超過フラグもセットされていない場合よりもBB状態1ゲーム目の押し順報知が発生しにくくなっている。第1超過フラグはセットされていない一方、第2超過フラグはセットされている場合とは、上限ゲーム数に達するよりも前に、上限増加数に達するであろうと予測されている場合であり、急激なメダル増加が生じている可能性が高い。そこで、上記のように、ATモードの再セット率を低くすることで、メダル増加スピードを緩やかにすることができ、遊技の健全性を担保することが可能となる。
<変形例7>
本変形例では、有利区間移行時処理において、BB当選してからBB入賞するまでのゲーム数に関する情報を特別情報として、指示機能に関する処理に用いる構成とする。図63は、本変形例におけるボーナス状態処理を示すフローチャートである。
ステップS2801では、いずれかのBB状態であるか否かを判定し、ステップS2802にて持ち越し状態であるか否かを判定する。持ち越し状態である場合には、ステップS2803にて今回のゲームでBB入賞が成立したか否かを判定し、BB入賞が成立した場合には、ステップS2804~ステップS2806にてBB状態へ移行させるための処理を実行する。これらステップS2801~ステップS2806の処理は、上記ステップS501~ステップS506の処理と同様である。但し、本変形例では、ステップS2803にてBB入賞が成立していないと判定した場合、ステップS2807にて各種カウンタエリア106eに設けられているRTゲームカウンタを1加算する処理を実行してから、本ボーナス状態処理を終了する。RTゲームカウンタはBB当選からBB入賞までのゲーム数をCPU102が把握するためのカウンタであり、特別状態としてのBB状態への移行が可能となるBB当選してからBB状態が終了するまでのゲームの遊技進行に応じて更新される特別情報の一種である。
また、ボーナス状態処理において、ステップS2801にていずれかのBB状態中である場合、ステップS2808にてBBゲームカウンタを1加算し、ステップS2809にて小役入賞が成立しているか否かを判定する。小役入賞が成立している場合、ステップS2810にてBB払出カウンタに払出数を加算し、ステップS2811にてBB終了条件が成立しているか否かを判定する。BB終了条件が成立している場合、ステップS2812にてRTゲームカウンタを初期値としての0にクリアする処理を実行する。そして、ステップS2813~ステップS2816にて、その他のボーナス終了用の処理を実行してからボーナス状態処理を終了する。ステップS2808~ステップS2811、ステップS2813~ステップS2816の処理は、上記ステップS507~ステップS514の処理と同様である。
すなわち、本変形例においてはBB当選からBB入賞までのゲーム数がRTゲームカウンタとして把握される。そして、RTゲームカウンタは、BB状態が終了する際に初期化され、BB状態中も当該BB状態への移行までに要したゲーム数がRTゲームカウンタとして把握可能となる。
なお、BB当選を持ち越している持ち越し状態では、いずれかの再遊技当選となる確率が向上するRT状態に設定される構成としてもよい。この場合、RTゲームカウンタは、持ち越し状態としてのRT状態のゲーム数をカウントするカウンタといえる。この場合、RT状態のゲーム数に上限を設けてもよく、例えば、所定ゲーム数として200ゲームを上限としてRT状態に設定される構成とし、当該上限としての所定ゲーム数に達した場合にRT状態が終了して再遊技当選となる確率が通常遊技状態と同じ確率に戻る構成としてもよい。
本変形例における通常遊技状態用の抽選テーブルの一部を、図64(a)に示している。本変形例では、第1BB当選や第2BB当選となる場合を、インデックス値IV=25,26の第1再遊技との重複当選の他、インデックス値IV=27,28にてこれら第1BBや第2BBの単独当選も生じるように設定されている。すなわち、本変形例では、第1BBや第2BBに当選したゲームにて、第1BB入賞や第2BB入賞を成立させることが可能となっている。
本変形例における有利区間移行時処理は、上記変形例1の有利区間移行時処理(図51)と同様の処理とする。但し、本変形例における移行時ATモード移行抽選テーブルでは、BB払出カウンタの値に加えて、RTゲームカウンタを用いて移行時ATモード移行抽選の当選確率が設定されている。具体的には、BB払出カウンタが7である場合には、RTゲームカウンタが1~99では5%、100~999では30%、1000~1499では50%、1500以上では100%の確率でATモード移行当選となるように設定されており、RTゲームカウンタの値が大きいほどATモード移行当選となり易いように設定されている。また、BB払出カウンタが7以外の値である場合には、RTゲームカウンタが0以外のいずれかの値であればATモード移行当選とならないように設定されている。
すなわち、BB当選してからBB入賞を成立させるべき状況が生じるまでに多くのゲーム数を要した場合ほど、移行時ATモード移行抽選の当選確率が高くなるように設定されている。BB入賞を成立させるべき状況とは、ATモードの終盤の状況であり、このような状況が生じるまでに多くのゲーム数を要した場合とは、ATモードが長く継続した場合か、ATモード移行までに多くのゲーム数を要した場合かである。よって、上記のように、RTゲームカウンタの値が大きいほどATモード移行当選となり易いようにすることで、ATモードを長く継続させるほど、ATモードが再セットされ易くなるという有利度の連鎖による遊技性の向上を図りながら、ATモード移行までに多くのゲーム数を要したハマりをATモードの再セット率にて救済することが可能となる。
上記の通り、本実施形態では、ATモードの終盤にBB入賞させることでATモードの再セットにチャレンジ可能な構成としているものの、ATモードの終盤になってもなかなかゲームの抽選結果が外れ結果とならないなど、BB入賞を成立させることなくATモードが終了する場合もある構成としている。その点、上記のように、RTゲームカウンタが多くなるほどATモードの再セット率が高くなるようにしていることから、ATモードの再セットにチャレンジできないことのハマりを救済することが可能となる。このようにすることで、ATモードへの移行がなかなか生じないことのハマりを救済する天井カウンタとは別次元で、遊技者の救済を行うことができる。よって、その救済を利用して遊技続行の後押しとすることが可能となる。
RTゲームカウンタは有利区間終了時の初期化処理の対象とはならないカウンタであり、仮に一の有利区間中に一度もBB入賞させることなく当該有利区間が終了しても、RTゲームカウンタはリセットされない。そのため、RTゲームカウンタが有利区間の上限ゲーム数よりも多くなる可能性もある。その点、本変形例では、RTゲームカウンタが有利区間の上限ゲーム数よりも多い場合も想定して、移行時ATモード移行抽選の当選確率が設定されている(当選確率100%)。つまり、ATモードの再セットへのチャレンジを行うことができないハマりへの救済は、有利区間を跨いだハマりでも有効であり、且つ有利区間の上限ゲーム数以上のハマりも救済することができる。よって、より長期間にわたったハマりをフォローすることができ、遊技者の遊技意欲の低下を抑制することができる。
また、本変形例では、RTゲームカウンタが0であり、BB当選ゲームでBB入賞を成立させることに成功した場合には、BB払出カウンタの値に関わらず高確率(100%の確率)でATモード移行当選となるように設定されている。BB当選ゲームでBB入賞させることができ、且つそのBB状態中に有利区間移行時処理が行われる場合とは、主に、BB状態移行を利用したATモードの再セットに成功した場合において、当該再セットされたATモード中にBB状態が終了した場合である。すなわち、再セットされたATモードにおいてBB状態が終了してから、再度BB当選したゲームにてBB入賞を成立させることができれば、ATモードが再セットされる。一方、BB当選したゲームにてBB入賞を成立させることができなければ、そのままBB当選を持ち越してATモードを進行させる遊技性となる。
すなわち、上記のようにATモード中にBB状態を終了させるには、約15ゲーム要するところ、図64(c)に示すように、一旦、ATモードの再セットが行われた後は、BB当選ゲームにてBB入賞を成立させることに失敗するまで、約15ゲームのBB状態中のATモードが繰り返されることになる。そして、仮にBB当選ゲームにてBB入賞を成立させることに失敗しても、再セット時のATモードのゲーム数を消化するまで、当該ATモードを継続させることは可能であり、更に、当該ATモードの終盤には、再度BB入賞を成立させて、ATモードの再セットにチャレンジすることも可能である。このようにすることで、有利区間を跨いだATモードの連荘性を実現することが可能となり、遊技の興趣向上を好適に図ることが可能である。
この場合、第1BBと第2BBとは、同時に入賞を成立させることができないように第1BBや第2BBの入賞態様が設定されていることから、第1BB入賞を狙ってストップスイッチ42~44の操作を行った場合には第2BB入賞を成立させることはできず、第2BB入賞を狙ってストップスイッチ42~44の操作を行った場合には第1BB入賞を成立させることはできない。このような構成であれば、BB当選ゲームでBB入賞を成立させることの困難性が高められるし、いずれのBBに当選しているかに正解して、その操作を誤らない限り、BB状態の分だけATモードを継続させることが可能となる、といった遊技性を実現することが可能となる。
なお、上記遊技を行う場合には、いずれのBBに当選しているかが、補助表示部65やスピーカ64等の演出により遊技者が識別困難又は識別不能となっていることが好ましい。具体的には、いずれのBBに当選していても同様の演出を補助表示部65やスピーカ64等にて行うようにするとよい。また、第1BBや第2BBの当選ゲームを見定めさせる遊技を実現するためには、第1BBや第2BBに当選したゲームを示唆する示唆演出を行う構成とするとよく、例えば、第1BBや第2BBの当選ゲームにて、所定の確率で当選ゲーム用の報知を行う構成とするとよい。この場合、当選ゲーム用の報知は、図44(a)の特定役報知演出と同様の演出としてもよいし、これとは異なる演出としてもよい。BB当選ゲームにて特定役報知演出と同様の演出を行う構成とした場合、上記の通り、特定役の種別が判別可能となるストップスイッチ42~44の操作態様では第1BB入賞や第2BB入賞を成立させることができないため、第1BB入賞や第2BB入賞を成立させる操作態様にて操作するか、特定役の種別を判別する操作態様にて操作するかを遊技者に選択させる遊技も行わせることが可能となる。
ここで、本変形例における有利区間移行時処理では、変形例1の有利区間移行時処理と同様の処理としているところ、BB状態中に有利区間移行時処理が行われるか否かに関わらず、移行時ATモード移行抽選が行われる。つまり、有利区間への移行がBB状態中であるか否かに関わらず、RTゲームカウンタが0であればATモードへの移行を生じさせることが可能な構成である。そうすると、例えば、当選確率の設定処理によって設定値の変更等が行われた後等、各BB当選フラグや有利区間フラグがクリアされ、通常遊技状態であって且つ通常区間から遊技が開始される場合には、BB当選よりも前に有利区間への移行を生じさせることに成功した場合には、ATモードへの移行も生じさせることが可能となる。よって、遊技ホールの朝一がチャンスとなり、朝一の集客効果を見込むことが可能となる。
なお、当選確率の設定処理により有利区間フラグはクリアされるものの、各BB当選フラグはクリアされない構成としてもよく、有利区間フラグをクリアする際に、各BB当選フラグをクリアするか否かを選択可能としてもよい。これらの構成とすることで、朝一が有利となり過ぎないようにすることも可能である。
<変形例8>
本変形例では、上記変形例3のように、有利区間フラグがセットされたゲームの終了時に有利区間移行時処理を行う構成としたうえで、ATモード中にBB入賞を成立させたゲームで有利区間が終了する。図65は、本変形例における区間表示第2処理を示すフローチャートである。
本変形例では、上記ステップS2301~ステップS2312と同様に、ステップS2901~ステップS2912にて有利区間中の各種情報の更新処理や、強制終了条件成立に基づく有利区間終了用の処理を実行する。また、ステップS2913にて強制終了条件が成立していないと判定した場合、ステップS2914にてATモード終了フラグがセットされているか否かを判定し、セットされている場合にステップS2910に進み、有利区間終了用の処理を実行する点も上記第1の実施形態と同様である。
ステップS2913にてATモード終了フラグがセットされていない場合、ステップS2914にていずれかのATモードフラグがセットされているか否かを判定し、セットされていてATモード中である場合には、ステップS2915にて、いずれかのBB状態フラグがセットされているか否かを判定する。ATモード中であって且つBB状態である場合、ステップS2916に進み、BBゲームカウンタが0であるか否かを判定する。BB状態フラグがセットされており、且つBBゲームカウンタが0である場合とは、BB入賞を成立させたゲームであることを意味する。この場合、ステップS2910に進み、有利区間終了用の処理を実行する。ステップS2914~ステップS2916のいずれかで否定判定した場合には、そのまま区間表示第2処理を終了する。
すなわち、本変形例では、ATモード中にBB入賞を成立させた場合には、その入賞を成立させたゲームにて有利区間及びATモードが終了する。そうすると、BB状態の1ゲーム目で有利区間への移行が生じる場合に、当該BB状態の1ゲーム目は押し順報知が発生しないことから、仮に押し順ベルに当選した場合であっても、6分の1の操作順序に正解しないと第1小役入賞を成立させることができず、BB払出カウンタは特定数の7とならない。このようにすることで、ATモードの再セットを行わせることの困難性を高く設定することが可能となり、BB状態の1ゲーム目への注目度を高めることが可能となる。
<変形例9>
本変形例では、有利区間移行時処理において、BBゲームカウンタを特別情報として利用する。既に説明した通り、BBゲームカウンタはBB状態のゲーム数を把握するためのカウンタである。また、本変形例では、有利区間移行抽選に用いられる有利区間移行抽選テーブルが上記第1の実施形態と異なっている。図66は、本変形例における有利区間移行抽選テーブルを示す図である。
本変形例では、有利区間移行抽選の契機となる抽選結果がいずれであっても、30%の確率で移行当選となるように設定されている。つまり、通常区間においてゲームの抽選結果が有利区間移行抽選の契機となる抽選結果であっても、有利区間へ移行しない場合がある。より具体的は、例えば、押し順ベル当選時の30%で有利区間への移行が生じる。そうすると、第1の実施形態のように、ATモード中のBB状態の1ゲーム目で有利区間及びATモードが終了した場合に、次ゲームで押し順ベルに当選しても有利区間への移行は生じない。
本変形例における有利区間移行時処理は、上記変形例1の有利区間移行時処理(図51)と同様の処理とする。但し、本変形例における移行時ATモード移行抽選テーブルでは、BB払出カウンタの値ではなく、BBゲームカウンタに応じて移行時ATモード移行抽選の当選確率が設定されている。具体的には、図67に示すように、本変形例における移行時ATモード移行抽選テーブルでは、BBゲームカウンタが0又は1ではATモード移行当選とはならず、2では80%、3では20%、4では10%といったように、BBゲームカウンタが4以下の場合には当該カウンタの値が大きくなるほどATモード移行当選となる確率が低くなるように設定されている。一方、BBゲームカウンタが5の場合には20%、6では30%、7では40%、8では50%、9では80%、10以上では100%として設定されており、BBゲームカウンタが5以上の場合には当該カウンタの値が大きくなるほどATモード移行当選となる確率が高くなるように設定されている。
つまり、BB状態の1ゲーム目で有利区間が終了した後、有利区間への再移行をなるべく早期に生じさせることができた場合と、有利区間への再移行をなるべく遅延させることができた場合とが、ATモード移行当選となり易い構成としている。このようにすることで、ATモードの再セットを行わせる際に、有利区間を一旦終了させてから再移行を生じさせるまでのゲームにおいて、強烈なドキドキ感を提供することが可能となる。
そして、上記変形例では、有利区間移行時処理において利用される特別情報としてのBBゲームカウンタが、通常区間中の遊技の遊技進行に応じても更新されることが明確化される。このようなパラメータを特別情報とし、指示機能に関する処理に用いる構成とすることで、有利区間か否かに関わらず進行する遊技の情報を、有利区間に反映させることが可能となる。よって、遊技の多様化を図るうえで大いに役立てることができる。
<第2の実施形態>
本実施形態では、BB払出カウンタ等の特別情報を有利区間移行時処理に用いる構成を、ATモードへの移行前に有利区間を終了させる遊技に適用した場合の例について説明する。かかる遊技性を実現するうえで、先ず、本実施形態では、有利区間の終了条件を上記第1の実施形態から変更する。図68は、本変形例における区間表示第2処理を示すフローチャートである。
ステップS3001~ステップS3009は、上記ステップS1301~ステップS1309の処理と同様であり、有利区間中の各種情報の更新処理や、強制終了条件成立に基づく有利区間終了用の処理を実行する。また、ステップS3006にて強制終了条件が成立していないと判定した場合、ステップS3010にてATモード終了フラグがセットされているか否かを判定し、セットされている場合にステップS3007に進み、有利区間終了用の処理を実行する点も上記第1の実施形態と同様である。
本実施形態では、ステップS3010にてATモード終了フラグがセットされていない場合、ステップS3011にて、CZモードフラグがセットされているか否かを判定する。CZモードフラグがセットされている場合、ステップS3012に進み、BBゲームカウンタが1であるか否かを判定する。CZモードにおけるBB状態の1ゲーム目である場合、ステップS3013にてBB払出カウンタが特定数としての7であるか否かを判定し、7である場合には、ステップS3014にて各種フラグ格納エリア106dに特定フラグがセットされていないことを条件に、ステップS3007に進み、有利区間終了用の処理を実行してから、本区間表示第2処理を終了する。また、ステップS3013にてBB払出カウンタが7ではない場合、ステップS3015にて特定フラグをセットする処理を実行する。そして、ステップS3016にて、特定コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本区間表示第2処理を終了する。特定コマンドは、特定フラグがセットされたことを表示制御装置81に把握させるためのコマンドである。
なお、特定フラグは、有利区間の終了処理に際しての初期化処理(ステップS3009)にてクリアされる。
すなわち、本実施形態では、CZモード中にBB状態への移行を生じさせ、当該BB状態の1ゲーム目で7枚のメダル払出が生じた場合には有利区間が終了し、7枚のメダル払出が生じなかった場合には有利区間が終了しない。また、7枚のメダル払出が生じた場合であっても、それ以前に7枚のメダル払出が生じなかった場合には、有利区間は終了しない。
本実施形態における有利区間移行時処理は、上記第1の実施形態の変形例1の有利区間移行時処理(図51)と同様の処理とする。但し、本実施形態における移行時ATモード移行抽選テーブルでは、BB払出カウンタの値が7である場合に100%の確率でATもモード移行当選となり、それ以外の値である場合にはATモード移行当選とならないように設定されている。そして、移行時ATモード移行抽選に非当選であった場合には、天井ゲーム数の設定処理が行われる点は、上述の通りである。
既に説明した通り、CZモードはATモード移行抽選の当選確率が高くなるモードであり、主に特定役当選時にATモード移行抽選に非当選となった場合に移行し得るモードである。そして、本実施形態では、CZモード中にBB入賞を成立させると、当該BB状態の1ゲーム目で7枚のメダル払出が生じたこと(例えば、押し順ベル当選時に第1小役入賞を成立させることに成功したこと)を条件として、一旦、有利区間が終了し、有利区間に再移行する場合にATモードに移行させることが可能となる。このようにすることで、CZモード中の遊技性を大幅に向上させることができる。
但し、一の有利区間において、BB入賞による有利区間を終了させるチャンスは1回だけとしており、一旦、CZモード中にBB入賞を成立させて、当該BB状態の1ゲーム目で7枚のメダル払出が生じなかった場合には、特定フラグがセットされて、以降は、仮にCZモード中にBB入賞させて、当該BB状態の1ゲーム目で7枚のメダル払出を生じさせることができても、有利区間は終了しない。このようにすることで、有利区間を終了させてATモードへの移行を生じさせるチャンスをより限定的なものとすることができ、遊技者にとって有利となり過ぎないようにすることが可能となるし、それによって、CZモード中に移行させたBB状態の1ゲーム目への注目度を大幅に向上さることが可能となる。
次に、本実施形態における全停止時演出設定処理の変更点について、図69のフローチャートを参照しながら説明する。
本実施形態では、上記ステップS1713にてAT終了コマンドを受信していないと判定した場合、ステップS3101にて上記の特定コマンドを受信しているか否かを判定する。特定コマンドを受信している場合、ステップS3102にて、各種フラグ格納エリア183aに特定済フラグをセットする処理を実行する。特定済フラグは、主制御装置101側の特定フラグに対応するものであり、今回の有利区間において、CZモード中にBB状態への移行を既に生じさせたことをCPU181が把握するためのフラグである。当該特定済フラグは、有利区間の終了に際してクリアされる(図示略)。
ステップS3101にて特定コマンドを受信していないと判定した場合、ステップS3103にて、いずれかのBB開始コマンドを受信しているか否かを判定する。いずれかのBB開始コマンドを受信している場合、ステップS3104にてCZフラグがセットされているか否かを判定する。CZフラグがセットされており、CZモード中にBB状態への移行を生じさせた場合、ステップS3105にて上記の特定済フラグがセットされているか否かを判定する。
特定済フラグがセットされておらず、今回開始するCZモード中のBB状態が、今回の有利区間において初回である場合、ステップS3106にて終了予告第1演出(図47(a))が行われるように補助表示部65やスピーカ64を制御する。ステップS3104にてCZモード中のBB入賞ではない場合や、ステップS3105にて特定済フラグがセットされている場合、又はステップS3106の処理を実行した後は、ステップS3107にてBBフラグをセットする処理を実行する。その後、ステップS1722に進む。また、ステップS3103にていずれのBB開始コマンドも受信していない場合、ステップS1720に進む。
次に、本実施形態におけるBB演出設定処理について、図70(a)のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS3201では、上記の特定済フラグがセットされているか否かを判定する。特定済フラグがセットされている場合には、そのままBB演出設定処理を終了する。特定済フラグがセットされていない場合、ステップS3202に進み、BBフラグがセットされているか否かを判定する。BBフラグがセットされていない場合、ステップS3203に進み、CZフラグがセットされているか否かを判定する。
CZフラグがセットされており、CZモード中である場合、ステップS3204にてBB持ち越し状態であるか否かを判定する。BB持ち越し状態であれば、ステップS3205にて今回のゲームの抽選結果がBB入賞を成立させることが可能な外れ結果であるか否かを判定する。外れ結果ではない場合、ステップS3206にて、入賞待ち演出が行われるように補助表示部65やスピーカ64を制御してから、本BB演出設定処理を終了する。なお、本実施形態における入賞待ち演出では、例えば、図46(a)において、文字表示部分を「ラストまでにボーナス入賞でATゲットのチャンスだ!!」といった表示に変更して適用するとよい。また、本実施形態においては、CZモードの残りゲーム数を残りゲーム数表示(図46(a))として表示する構成とするとよい。
ステップS3205にて、今回のゲームの抽選結果が外れ結果であり、BB入賞を成立させることが可能な結果である場合、ステップS3207にて、入賞指示演出(図46(b))が行われるように補助表示部65やスピーカ64を制御してから、本BB演出設定処理を終了する。
ステップS3203にてCZモード中ではない場合や、ステップS3204にて持ち越し状態ではない場合には、入賞待ち演出や入賞指示演出を行うことなく、BB演出設定処理を終了する。
ステップS3202にてBBフラグがセットされている場合、ステップS3208に進む。ステップS3208では、BBゲーム数カウンタを1加算する処理を実行する。そして、ステップS3209にてCZフラグがセットされているか否かを判定し、CZフラグがセットされている場合には、ステップS3210にてBBゲーム数カウンタが1であるか否かを判定する。CZモード中に移行したBB状態の1ゲーム目である場合、ステップS3211にて今回のゲームの抽選結果が押し順ベル当選であるか否かを判定する。押し順ベル当選であれば、ステップS3212にて、終了予告第2演出を設定する処理を実行する。本実施形態における終了予告第2演出は、図70(b)に示すように、所定のキャラクタとともに、「チャンスよ!!」といった文字表示を行うことで押し順ベル当選であることは報知するものの、第1小役入賞に対応する操作順序の報知は行わず、例えば、はてなマークのキャラクタを3つ並べて表示させる。
ステップS3211にて押し順ベル当選ではない場合には、ステップS3213に進み、終了予告第3演出が行われるように補助表示部65やスピーカ64を制御してから、本BB演出設定処理を終了する。
次に、本実施形態における遊技の流れを、図71のタイミングチャートを参照しながら説明する。
t21にて移行した有利区間において、CZモード中でもATモード中でもないt22のタイミングでBB状態への移行を生じさせた場合、当該BB状態の1ゲーム目であるt23のタイミングでは有利区間は終了しない。そのため、その次のゲームであるt24のタイミングでは有利区間移行時処理は実行されず、ATモードへの移行も生じない。t22のタイミングで移行したBB状態は、BB状態の終了条件(71枚以上の払い出し)が成立するt25のタイミングで終了する。
t26のタイミングでCZモードへの移行が生じた場合、上記のように入賞待ち演出や入賞指示演出が発生し得る。そして、t27のタイミングでBB入賞を成立させた場合には、当該ゲームで終了予告第1演出が発生し、次ゲーム(BB状態1ゲーム目)で第1小役入賞を成立させることに成功した場合に、ATモードへの移行が生じることの報知がなされる。
BB状態の1ゲーム目であるt28のタイミングで、第1小役入賞を成立させることができた場合、7枚のメダル払出が発生してBB払出カウンタは7となり、有利区間は終了する。そして、例えば、次ゲーム(t29)で有利区間への移行が生じた場合、有利区間移行時処理が実行され、移行時ATモード移行抽選処理ではBB払出カウンタが7であるため、ATモード移行当選となってATモード開始用の処理が行われる。t27のタイミングで移行させたBB状態は、その後、t30のタイミングで終了する。
これに対して、t31のタイミングで移行したCZモードにおいてt32のタイミングでBB入賞を成立させた場合、当該BB状態の1ゲーム目であるt33のタイミングで押し順ベル当選となったものの、第1小役入賞を成立させることができなかった場合、例えば、1枚のメダル払出が発生して、BB払出カウンタは1となる。この場合、有利区間は終了せず、特定フラグがセットされる。そのため、次のゲームであるt34でのタイミングでは、有利区間移行時処理は実行されず、ATモードへの移行も生じない。
t32のタイミングで移行させたBB状態は、その後、BBの終了条件が成立するt35のタイミングで終了する。この有利区間中であるt36のタイミングでCZモードに再度移行した場合において、t37のタイミングでBB入賞を成立させ、当該BB状態の1ゲーム目であるt38のタイミングで第1小役入賞を成立させたとする。この場合、7枚のメダル払出が発生し、BB払出カウンタは7となる。しかし、上記のように特定フラグがセットされていることから、有利区間は終了しない。そのため、当該ゲームの次のゲームであるt39のタイミングでは、有利区間移行時処理は実行されず、ATモードへの移行も生じない。そして、t37のタイミングで移行させたBB状態は、その後、BBの終了条件が成立するt40のタイミングで終了する。
以上、詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
特別情報としてBB払出カウンタを利用して有利区間移行時処理を行う構成において、当該BB払出カウンタを利用して有利区間終了用の処理を行う構成とした。つまり、BB状態1ゲーム目のBB払出カウンタが特定数としての7であれば有利区間を終了させるとともに、当該BB払出カウンタを利用して有利区間移行時処理を行う。これに対して、BB状態1ゲーム目のBB払出カウンタが特定数以外であれば有利区間を終了させず、その結果、当該BB払出カウンタを利用した有利区間移行時処理も行われない。このように、一の特別情報(BB払出カウンタ)を利用して、有利区間の終了処理と次の有利区間の移行時処理とを行う構成とすることで、一の有利区間と次の有利区間との関連付けを行い易くすることができる。
つまり、上記第1の実施形態では、有利区間の終了処理に用いる特別情報(BBゲームカウンタ)と有利区間の移行時処理に用いる特別情報(BB払出カウンタ)とが異なる構成としていた。これにより、有利区間が終了することとなるまで終了用の特別情報が更新された場合(BBゲームカウンタ=1)に、移行時処理用の特別情報が所定の特別情報(BB払出カウンタ=7)に更新されている場合もあれば他の特別情報(BB払出カウンタ=0,1)に更新されている場合もあるようになり、これを利用して、有利区間の移行時処理の結果の多様性を創出していた。これに対して、本実施形態のように、有利区間の終了処理に用いる特別情報と有利区間の移行時処理に用いる特別情報とを共通化することで、移行時処理が行われる場合の特別情報を均一化することが可能となり、例えば、有利区間を終了させたのにも関わらず、ATモードに移行しない、といった事象をなるべく生じさせないようにすることができる。
遊技者の操作に基づきBB状態への移行が生じ、当該BB状態の1ゲーム目で遊技者の操作に基づき7枚払出を生じさせることに成功した場合には、有利区間を終了させる構成としたうえで、BB状態への移行を生じさせたものの、当該BB状態の1ゲーム目で7枚払出を生じされられなかった場合には、有利区間は終了しない構成とした。このようにしたことで、有利区間を終了させることの難易度が高められ、有利区間再移行時に設定されるATモードの有利度とのバランスを担保することが可能となる。
そのうえで、BB状態の1ゲーム目で7枚払出を生じさせられなかった場合には、特定フラグがセットされ、当該特定フラグがセットされている状況では、BB状態の1ゲーム目で7枚払出を生じさせたとしても有利区間が終了しないようにした。このように、有利区間を終了させるチャンスを制限することで、BB状態の1ゲーム目により関心を寄せさせるとともに、より慎重な操作が促され、当該1ゲーム目の遊技性を向上させることが可能となる。
本実施形態では、CZモード中にBB状態への移行を生じさせることで、特定フラグがセットされていないことを条件として有利区間を終了させることが可能な構成としているところ、CZモードへの移行が生じない限り、BB状態への移行を生じさせても有利区間を終了させることができない。このようにすることで、BB状態への移行に基づくATモードへの移行を、あくまで通常時のATモード移行抽選のサブ的扱いでとらえさせることができ、各ゲームの抽選結果に基づいて実行されるATモード移行抽選に当選させたり、ATモード移行抽選に当選し易いCZモードへの移行を生じさせたり、といった従来からある遊技性を抹殺しない範囲で、BB状態を用いてATモードに移行させる遊技性を追加することが可能となる。
<変形例1>
本変形例では、一の有利区間中にBB状態1ゲーム目に有利区間を終了させるチャンスを1回に限定するための処理構成を異ならせる。図72は、本変形例におけるボーナス状態処理を示すフローチャートである。
ステップS3301~ステップS3306の処理は、上記ステップS501~ステップS506の処理と同様である。ステップS3301にていずれかのBB状態であると判定した場合、ステップS3307にて、上記の特定フラグがセットされているか否かを判定する。特定フラグがセットされておらず、今回のBB状態が今回の有利区間における最初のBB状態である場合、ステップS3308にて各種カウンタエリア106eに設けられた特定BBゲームカウンタを1加算する処理を実行する。特定BBゲームカウンタは、一の有利区間において最初のBB状態のゲーム数をCPU102が把握するためのカウンタである。これに対して、ステップS3307にて特定フラグがセットされている場合、ステップS3309にてBBゲームカウンタに1を加算する処理を実行する。
ステップS3308又はステップS3309の処理を実行した後は、ステップS3310に進む。ステップS3310~ステップS3316の処理は、上記ステップS508~ステップS514の処理と同様である。但し、ステップS3313においては、今回のBBゲームカウンタを初期値(0)にクリアする処理を実行する。すなわち、今回終了するBB状態において、特定BBゲームカウンタにてBBゲーム数のカウントが行われていた場合には特定BBゲームカウンタを初期値にクリアし、今回終了するBB状態において、BBゲームカウンタにてBBゲーム数のカウントが行われていた場合にはBBゲームカウンタを初期値にクリアする。
図73は、本変形例における区間表示第2処理を示すフローチャートである。
本変形例では、ステップS3410にてATモード終了フラグがセットされていないと判定した場合、ステップS3411にてCZモードフラグがセットされているか否かを判定する。CZモードフラグがセットされている場合、ステップS3412にて、上記の特定BBゲームカウンタが1であるか否かを判定する。特定BBゲームカウンタが1である場合、ステップS3413にてBB払出カウンタが7であるか否かを判定する。BB払出カウンタが7である場合、ステップS3407に進み、有利区間終了用の処理を実行する。特定BBゲームカウンタが1であっても、BB払出カウンタが7ではない場合、ステップS3414にて特定フラグをセットする処理を実行し、ステップS3415にて特定コマンドをセットする処理を実行してから、本区間表示第2処理を終了する。
ステップS3411にてCZモードフラグがセットされていない場合や、ステップS3412にて特定BBゲームカウンタが1ではない場合には、そのまま区間表示第2処理を終了する。なお、ステップS3401~ステップS3409の処理は、上記ステップS3001~ステップS3009の処理と同様である。
このように、有利区間を終了させるための処理にBB状態中のパラメータとしてのBBゲームカウンタが用いられる構成において、有利区間中のBB状態の回数に応じて当該BB状態において使用するBBゲームカウンタを異ならせる構成としたことで、有利区間を終了させるための処理を行ううえで、今回のBB状態が今回の有利区間における何回目の(最初の)BB状態であるか否かの判定(特定フラグの有無の判定)を行う必要がなくなる。よって、処理構成の簡素化が図られる。
つまり、有利区間における最初のBB状態であることの判定をBB状態中に実施されるボーナス状態処理に行う構成とすることで、毎ゲーム実施される区間表示第2処理にて上記の最初のBB状態であることの判定を行う構成と比較して、処理の圧倒的な簡素化を図ることが可能となる。
具体的には、有利区間を終了させる処理を行う場合、特定BBゲームカウンタが1であるか否かの判定を行う構成としており、当該特定BBゲームカウンタは、有利区間の最初のBB状態でだけ使用し、それ以降のBB状態では使用しない構成としていることから、有利区間の最初のBB状態だけ特定BBゲームカウンタが1となり、それ以降のBB状態では特定BBゲームカウンタは1とはならない。このようにすることで、有利区間の最初のBB状態の1ゲーム目だけ、有利区間を終了させる処理が行われ得る構成とすることが可能となる。
特に、本変形例では、BB状態において終了条件が成立していることの判定を行うためのBB払出カウンタについては、有利区間中の最初のBB状態であるか否かに関わらず、共通のBB払出カウンタを用いる構成とし、有利区間を終了させるべきタイミングを特定するためのBBゲームカウンタを、有利区間中の最初のBB状態であるか否かによって異ならせる構成としている。このようにすることで、ボーナス状態処理の処理構成の簡素化が図られ、例えば、処理エラー等によって、いつまでもBB状態が終了しない、又は直ぐにBB状態が終了してしまう、といった不都合を生じさせないようにすることができる。
そして、特定BBゲームカウンタは、BB状態の終了時に初期化される。このようにすることで、有利区間の最初のBB状態だけ特定BBゲームカウンタが1となり、それ以降のBB状態では特定BBゲームカウンタは1とはならず、初期値(0)のままとすることができる。
有利区間の最初のBB状態であるか否かをCPU102が把握するための特定フラグは、有利区間の終了時に実行される有利区間情報の初期化処理にてクリアされる。このようにすることで、次回の有利区間の最初のBB状態において、再度、特定BBゲームカウンタを使用させることが可能となる。
<変形例2>
本変形例では、一の有利区間における最初のBB状態では、通常のBB払出カウンタとは異なる特定BB払出カウンタを利用して、BB状態中の払出数をカウントする構成とする。図74は、本変形例におけるボーナス状態処理を示すフローチャートである。
本変形例においては、いずれかのBB状態である場合(ステップS3501:YES)の処理が、図22のボーナス状態処理と異なっている。すなわち、いずれかのBB状態である場合、ステップS3507にてBBゲームカウンタを1加算する処理を実行する。そして、ステップS3508にて小役入賞が成立したか否かを判定する。小役入賞が成立している場合、ステップS3509に進む。
ステップS3509では、上記の特定フラグがセットされているか否かを判定し、今回のBB状態が、今回の有利区間における最初のBB状態であるか否かを判定する。特定フラグがセットされておらず、最初のBB状態である場合、ステップS3510にて各種カウンタエリア106eに設けられた特定BB払出カウンタに今回のメダル払出数に対応する値を加算する処理を実行する。特定BB払出カウンタは、一の有利区間において最初のBB状態のメダル払出数をCPU102が把握するためのカウンタである。これに対して、ステップS3509にて特定フラグがセットされている場合、ステップS3511にてBB払出カウンタに今回のメダル払出数に対応する値を加算する処理を実行する。
ステップS3510又はステップS3511の処理を実行した後は、ステップS3512に進む。ステップS3512では、上記ステップS3510又はステップS3511にて加算処理を行ったカウンタがBB状態の終了条件に相当する71以上となったか否かを判定する。71未満である場合には、そのままボーナス状態処理を終了する。これに対して、71以上となり、BB状態の終了条件が成立している場合には、ステップS3513~ステップS3516の処理を実行してからボーナス状態処理を終了する。ステップS3513~ステップS3516の処理は、上記ステップS511~ステップS514の処理と同様である。但し、ステップS3515においては、今回のBB払出カウンタを初期値(0)にクリアする処理を実行する。すなわち、今回終了するBB状態において、特定払出カウンタにてBB状態中のメダル払出数のカウントが行われていた場合には特定BB払出カウンタを初期値にクリアし、今回終了するBB状態において、BB払出カウンタにてBB状態中のメダル払出数のカウントが行われていた場合にはBB払出カウンタを初期値にクリアする。
図75は、本変形例における区間表示第2処理を示すフローチャートである。
本変形例では、ステップS3610にてATモード終了フラグがセットされていないと判定した場合、ステップS3611にてCZモードフラグがセットされているか否かを判定する。CZモードフラグがセットされている場合、ステップS3612にて、BBゲームカウンタが1であるか否かを判定する。BBゲームカウンタが1である場合、ステップS3613にて上記の特定BB払出カウンタが7であるか否かを判定する。特定BB払出カウンタが7である場合、ステップS3607に進み、有利区間終了用の処理を実行する。BBゲームカウンタが1であっても、特定BB払出カウンタが7ではない場合、ステップS3614にて特定フラグがセットされているか否かを判定し、セットされていない場合にはステップS3615にて特定フラグをセットする処理を実行し、ステップS3616にて特定コマンドをセットする処理を実行してから、本区間表示第2処理を終了する。
ステップS3611にてCZモードフラグがセットされていない場合や、ステップS3614にて特定フラグがセットされている場合には、そのまま区間表示第2処理を終了する。なお、ステップS3601~ステップS3609の処理は、上記ステップS3001~ステップS3009の処理と同様である。
このように、有利区間を終了させるための処理にBB状態中のパラメータとしてのBB払出カウンタが用いられる構成において、有利区間中のBB状態の回数に応じて当該BB状態において使用するBB払出カウンタを異ならせる構成としたことで、有利区間を終了させるための処理を行ううえで、今回のBB状態が今回の有利区間における何回目の(最初の)BB状態であるか否かの判定(特定フラグの有無の判定)を行う必要がなくなる。よって、処理構成の簡素化が図られる。
つまり、有利区間における最初のBB状態であることの判定をBB状態中に実施されるボーナス状態処理に行う構成とすることで、毎ゲーム実施される区間表示第2処理にて上記の最初のBB状態であることの判定を行う構成と比較して、処理の圧倒的な簡素化を図ることが可能となる。
具体的には、有利区間を終了させる処理を行う場合、特定BB払出カウンタが7であるか否かの判定を行う構成としており、当該特定BB払出カウンタは、有利区間の最初のBB状態でだけ使用し、それ以降のBB状態では使用しない構成としていることから、有利区間の最初のBB状態だけ特定BB払出カウンタが7となり、それ以降のBB状態では特定BB払出カウンタは7とはならない。このようにすることで、有利区間の最初のBB状態の1ゲーム目だけ、有利区間を終了させる処理が行われ得る構成とすることが可能となる。
そして、特定BB払出カウンタは、BB状態の終了時に初期化される。このようにすることで、有利区間の最初のBB状態だけ特定BB払出カウンタが7となり、それ以降のBB状態では特定BB払出カウンタは7とはならず、初期値(0)のままとすることができる。
このようにすることで、有利区間の終了条件が成立しているか否かを判定するうえで、今回のBB状態が今回の有利区間における最初のBB状態であるか否かの判定(特定フラグの有無の判定)を行う必要がなくなる。よって、処理構成の簡素化が図られる。
<変形例3>
本変形例では、第1BBや第2BBの当選確率を上記第2の実施形態のものよりも低くする。その一方で、本変形例では、BB状態1ゲーム目に有利区間を終了させるチャンスが、有利区間中、何度でも付与される構成とする。
すなわち、図76(a)に示すように、本変形例では、インデックス値IV=25にて当選となる確率は約1000分の1であり、インデックス値IV=26にて当選となる確率も約1000分の1として設定されており、いずれかのBBに当選となる確率は約500分の1である。
本変形例における区間表示第2処理では、図76(b)に示すように、ステップS3710にてATモード終了フラグがセットされていないと判定した場合、ステップS3711にてBBゲームカウンタが1であるか否かを判定する。BBゲームカウンタが1である場合、ステップS3712にてBB払出カウンタが7であるか否かを判定する。BB状態の1ゲーム目であって、当該BB状態の払出数が7である場合、ステップS3707に進み、有利区間終了用の処理を実行する。これに対して、BB状態の1ゲーム目において、BB状態の払出数が7ではない場合には、そのまま区間表示第2処理を終了する。
本変形例における全停止時演出設定処理では、図77に示すように、ステップS1713にてAT終了コマンドを受信していないと判定した場合、ステップS3801にて持ち越し状態であるか否かを判定する。持ち越し状態である場合には、ステップS3802にて、上記の入賞待ち演出を設定する処理を実行してから、ステップS1722に進む。持ち越し状態ではない場合、ステップS3803にていずれかのBB開始コマンドを受信しているか否かを判定する。いずれかのBB状態が開始される場合には、ステップS3804にて終了予告第1演出を設定する処理を実行し、ステップS3805にてBBフラグをセットする処理を実行してから、ステップS1722に進む。ステップS3803にて否定判定した場合にも、ステップS1720に進む。
本変形例におけるBB演出設定処理では、図78に示すように、ステップS3901にてBBフラグがセットされていないと判定した場合、ステップS3902にて持ち越し状態であるか否かを判定し、ステップS3903にて今回のゲームでBB入賞を成立させることが可能であるか否かを判定する。持ち越し状態であっても、BB入賞を成立させることができない結果であれば、そのままBB演出設定処理を終了する。一方、BB入賞を成立させることが可能な結果であれば、ステップS3904にて入賞指示演出を設定する処理を実行してからBB演出設定処理を終了する。
BBフラグがセットされている場合、ステップS3905にてBBゲーム数カウンタを1加算する処理を行い、ステップS3906にてBBゲーム数カウンタが1であるか否かを判定する。BB状態の1ゲーム目であれば、ステップS3907にて、今回のゲームの抽選結果が押し順ベル当選であるか否かを判定し、押し順ベル当選であれば、ステップS3908にて終了予告第2演出を設定する処理を実行してから、本BB演出設定処理を終了する。押し順ベル当選ではない場合には、ステップS3909にて終了予告第3演出を設定する処理を実行してから、BB演出設定処理を終了する。
すなわち、本変形例では、有利区間中の最初のBB状態であるか否かに関わらず、BB状態の1ゲーム目で7枚のメダル払出が発生していれば、有利区間を終了する。また、本変形例では、CZモード中のBB状態であるか否かに関わらず、BB状態の1ゲーム目で7枚のメダル払出が発生していれば、有利区間を終了する。有利区間を終了させることで、上記の通り、移行時ATモード移行抽選を受けることが可能となり、ATモードへ移行させることが可能となる。このようにすることで、ATモードへの移行を生じさせるための要素として、いずれかのBBに当選させることの関与率が高くなり、所謂ボーナスとしてのBB当選を心待ちにさせるスロットマシンの醍醐味を抹殺しないようにしながら、有利区間移行時処理を利用した遊技性を実現することが可能となる。
<変形例4>
本変形例では、BB状態の終了条件を変更する。すなわち、本変形例では、予め定められた所定の小役入賞の回数が、予め定められた所定回数に至ったことに基づきBB状態の終了条件が成立したとして当該BB状態を終了する構成とする。図79は、本変形例におけるボーナス状態処理を示すフローチャートである。
本変形例におけるボーナス状態処理では、ステップS4001にていずれのBB状態ではないと判定した場合、ステップS4002にていずれかのBB当選フラグがセットされているか否かを判定する。いずれかのBB当選フラグがセットされている場合、ステップS4003にていずれかのBB入賞が成立したか否かを判定する。いずれかのBB入賞が成立した場合、ステップS4004に進む。
ステップS4004では、各種カウンタエリア106eに設けられたBB小役カウンタに予め定められた所定数としての8を入力する処理を実行する。BB小役カウンタはボーナス状態(第1BB状態や第2BB状態)における小役入賞回数をCPU102が把握するためのカウンタであり、特別状態としてのBB状態への移行が可能となるBB当選してからBB状態が終了するまでのゲームの遊技進行に応じて更新される特別情報の一種である。
その後、ステップS4005にてBB当選フラグをクリアする処理を実行し、ステップS4006にてBB状態フラグをセットし、ステップS4007にてBB開始コマンドをセットする処理を実行してから、ボーナス状態処理を終了する。
ステップS4001にていずれかのBB状態である場合、ステップS4008にて今回のゲームの遊技結果がいずれかの小役入賞であるか否かを判定する。いずれの小役入賞でもない場合には、そのままボーナス状態処理を終了する。なお、ステップS4008では、各種再遊技入賞である場合や、外れ結果である場合、取りこぼしである場合に、いずれの小役入賞ではないと判定する。いずれかの小役入賞である場合、ステップS4009にて上記のBB小役カウンタを1減算する処理を実行する。
続くステップS4010では、BB払出カウンタに今回のメダル払出数を加算する処理を実行する。その後、ステップS4011にてBB小役カウンタが0となったか否かを判定する。BB小役カウンタが0に至っていない場合には、そのままボーナス状態処理を終了する。一方、BB小役カウンタが0に至った場合には、ステップS4012以降のボーナス状態を終了させる処理を実行する。
すなわち、ステップS4012では、BB払出カウンタを0にクリアする処理を実行し、ステップS4013では、今回終了するBB状態フラグをクリアする処理を実行する。そして、ステップS4014にて、対応するBB終了コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本ボーナス状態処理を終了する。
本変形例における区間表示第2処理では、図80に示すように、ステップS4110にてATモード終了フラグがセットされていないと判定した場合、ステップS4111にてCZモードフラグがセットされているか否かを判定し、セットされている場合には、ステップS4112にてBB小役カウンタが予め定められた特定数としての1に至っているか否かを判定する。なお、当該特定数は、BB状態が終了するより前(1回前)の小役入賞時のBB小役カウンタの値として設定されている。BB小役カウンタが1であり、BB状態における小役入賞回数が7回に至ったゲームである場合、ステップS4107にて有利区間終了用の処理を実行する。ステップS4111にてCZモードフラグがセットされていない場合や、ステップS4112にてBB小役カウンタが特定数(1)ではない場合には、そのまま区間表示第2処理を終了する。
すなわち、本変形例では、CZモード中にBB状態への移行させた場合には、毎回、有利区間を終了させることが可能となる構成とする。また、図による詳細な説明は省略するが、本変形例においては、CZモード中にBB状態への移行を生じさせた場合には、CZモードのゲーム数のカウントが行われない構成とする。具体的には、入賞結果対応処理(図33)においてステップS1017にてCZモードフラグがセットされている場合であっても、いずれかのBB状態フラグがセットされている場合には、ステップS1018のCZカウンタの減算処理へ進まず、そのまま入賞結果対応処理を終了する。なお、BB状態であってもCZモードのゲーム数のカウントは行わないものの、CZモードの残りゲーム数が0となってもBB状態であればCZモードフラグをクリアしない構成としてもよい。
本実施形態における移行時ATモード移行抽選テーブルでは、図81に示すように、押し順ベル8回分のメダル払出数の値に相当するBB払出カウンタのパターンのそれぞれに対してATモードの当選率が設定されている。具体的には、押し順ベル8回のうち8回とも第1小役入賞を成立させることに成功した場合の56枚と、8回とも第1小役入賞を成立させることに成功しなかった場合の8枚とが、最もATモード移行当選となる確率が高くなるように設定されている。また、第1小役入賞の成立回数が少なくなるほどATモード移行当選率が低くなり、また、第1小役入賞の非成立回数が少なくなるほどATモード移行当選率が低くなり、第1小役入賞の成立回数及び非成立回数がいずれも4回となる場合の32枚が最もATモード移行当選となる確率が低くなるように設定されている。
本変形例におけるBB演出設定処理では、図82(a)のフローチャートに示すように、ステップS4201にてBBフラグがセットされているか否かを判定する。BBフラグがセットされている場合には、ステップS4202にて、今回のゲームの抽選結果がいずれかの小役当選であるか否かを判定する。いずれかの小役当選である場合、ステップS4203にて、各種カウンタエリア183bに設けられたBB小役数カウンタを1加算する処理を実行する。BB小役数カウンタは、BB状態の小役当選数をCPU181が把握するためのカウンタであり、主制御装置101側のBB小役カウンタに相当するものである。続くステップS4204では、BB状態において補助表示部65やスピーカ64にて実行されているBB中小役演出の更新処理を行ってから、本BB演出設定処理を終了する。
BB中小役演出では、図82(b)に示すように、補助表示部65の所定領域にて、BB状態において小役の入賞履歴を表示する履歴表示を行う。履歴表示では、BB状態の小役入賞の上限回数に対応させて、第1履歴表示、第2履歴表示、、、第8履歴表示といったように、8回分の個別履歴表示により構成されている。図82(b)では、1回目の小役入賞では第1小役入賞を成立させることに成功できず、第4小役入賞~第27小役入賞が成立し、2回目の小役入賞では第1小役入賞を成立させることに成功した様子を示している。
ステップS4204では、今回のゲームの抽選結果がいずれかの小役当選であることを報知するための小役当選演出がBB中小役演出にて行われるように補助表示部65やスピーカ64を制御する。小役当選演出では、ストップスイッチ42~44の操作順序や操作タイミングが合致すれば第1小役入賞等を成立させることが可能であることを示すように、例えば、図82(b)に示すように、はてなマークを示すキャラクタを3つ表示させる。
本変形例における全停止時演出設定処理では、図83(a)に示すように、ステップS1720にていずれのBB終了コマンドを受信していないと判定した場合、ステップS4301にてBBフラグがセットされているか否かを判定する。BBフラグがセットされていない場合には、そのままステップS1722に進む。BBフラグがセットされている場合には、ステップS4302にてCZフラグがセットされているか否かを判定し、セットされていなければ、そのままステップS1722に進む。CZフラグがセットされている場合には、ステップS4303にて今回のゲームがいずれかの小役当選ゲームであるか否かを判定する。小役当選ゲームではない場合には、そのままステップS1722に進む。
小役当選ゲームである場合、ステップS4304にて、今回のゲームの遊技結果として7枚のメダル払出が発生したか否かを判定する。7枚のメダル払出が発生した場合には、ステップS4305にて成功演出が行われるように補助表示部65やスピーカ64を制御してから、ステップS1722に進む。
成功演出では、図83(b)に示すように、所定のキャラクタが喜んでいる様子を示すとともに、今回の個別履歴表示を7枚メダル払出が発生したことに対応する表示に更新する。
ステップS4304にて、今回のゲームの遊技結果として7枚のメダル払出が発生していない場合には、ステップS4306にて、今回のゲームの遊技結果として1枚のメダル払出が発生したか否かを判定する。1枚のメダル払出が発生した場合には、ステップS4307にて、残念演出が行われるように補助表示部65やスピーカ64を制御してから、ステップS1722に進む。
残念演出では、図83(c)に示すように、所定のキャラクタが残念がっている様子を示すとともに、今回の個別履歴表示を7枚メダル払出が発生しなかったことに対応する表示に更新する。
ステップS4306にて否定判定し、小役当選ゲームにていずれの小役入賞も成立しなかった場合には、そのままステップS1722に進む。この場合、今回の個別履歴表示は、7枚メダル払出が発生したことに対応する表示及び1枚メダル払出が発生したことに対応する表示のいずれにも更新されない。
このように、BB状態における複数のゲームの遊技結果が移行時ATモード移行抽選に反映される構成とすることで、ATモード移行を勝ち取れるか否かといった高い関心が寄せられるゲームが複数のゲームに亘って継続されることを通じて、遊技への注目度を好適に高めることが可能となる。
<変形例5>
本変形例では、上記変形例4をベースとし、第1BBと第2BBとで、終了条件として設定されている小役当選回数が異なっている。具体的には、第1BBは小役8回当選で終了し、第2BBは小役2回当選で終了する。図84は、本変形例におけるボーナス状態処理を示すフローチャートである。
ステップS4401にていずれのBB状態でもないと判定した場合、ステップS4402にてBB当選フラグがセットされているか否かを判定し、ステップS4403にていずれかのBB入賞が成立したか否かを判定する。いずれかのBB入賞が成立している場合、ステップS4404にて第1BB入賞が成立しているか否かを判定する。第1BB入賞が成立している場合、ステップS4405にてBB小役カウンタに8を入力する処理を実行する。これに対して、ステップS4404にて第1BB入賞が成立しておらず、第2BB入賞が成立している場合、ステップS4406にてBB小役カウンタに2を入力する処理を実行する。
ステップS4405又はステップS4406の処理を実行した後は、ステップS4407にてBB当選フラグをクリアする処理を実行し、ステップS4408にてBB状態フラグをセットする処理を実行し、ステップS4409にてBB開始コマンドをセットする処理を実行してから、ボーナス状態処理を終了する。
ステップS4401にていずれかのBB状態であると判定した場合、ステップS4410以降の処理を実行する。ステップS4410~ステップS4416にて、ステップS4008~ステップS4014と同様の処理を実行する。
すなわち、本変形例では、第1BB状態では上記変形例4と同様に8回の小役入賞で第1BB状態が終了する一方、第2BB状態では第1BB状態の場合とは異なる2回の小役入賞で第2BB状態が終了する。
本変形例における移行時ATモード移行抽選テーブルは、図85に示すように、上記変形例4と同様に、BB払出カウンタに応じてATモード移行抽選の当選確率が設定されている。そして、第1BB状態については、当選している小役を押し順ベルとして、第1小役入賞を成立させることに成功した数と、第1小役入賞を成立させることができなかった数と、ATモード移行当選となる確率との関係は、変形例4と同様である。
但し、本変形例における第2BB状態では、2回の小役当選で当該第2BB状態が終了するところ、第1小役入賞を2回成功させた場合のメダル払出数(14枚)は、第1BB状態において、第1小役入賞を1回成功させ、且つ7回成功させることができなかった場合のメダル払出数と同数となる。また、第2BB状態において、第1小役入賞を1回成功させ、且つ1回成功させることができなった場合のメダル払出数(8枚)は、第1BB状態において、第1小役入賞を1回も成功させることができなかった場合のメダル払出数と同数になる。
そして、第2BB状態において第1小役入賞を2回成功させた場合は50%の確率でATモード移行当選となり、第1小役入賞を1回成功させた場合は100%の確率でATモード移行当選となり、第1小役入賞を2回成功させた場合よりも1回成功させた場合のほうがATモード移行当選となる確率が高くなるように設定されている。なお、第2BB状態において第1小役入賞を1回も成功させることができなかった場合のメダル払出数については、ATモード移行当選とならないように設定されている。
この場合、第2BB状態において2回のうち2回とも第1小役入賞を成立させることに成功した場合の50%と、2回のうち1回だけ第1小役入賞を成立させた場合の100%でATモード移行当選となり、その確率は、6通りの操作順序に1回正解する確率であることから、約71%の確率でATモード移行当選となる。そうすると、第1BB状態において第1小役入賞となる各回数に応じたATモード移行当選となる確率の合算値(約26%)よりも高くなる。つまり、ATモード移行当選となる確率は、第1BB状態よりも第2BB状態よりも高くなる。
このように、第2BB状態にて移行時ATモード移行抽選が行われる場合のBB払出カウンタのパターンが、第1BB状態にて移行時ATモード移行抽選が行われる場合のBB払出カウンタのパターンに含まれる構成とすることで、BB状態の種類に応じて移行時ATモード移行抽選テーブルをそれぞれ用意する必要がなく、両BB状態にて移行時ATモード移行抽選テーブルを共用することが可能となる。よって、記憶容量の削減が図られるし、BB状態に応じてテーブルを選択する処理を省くことが可能となるため、処理構成の簡素化にも貢献することができる。
しかも、上記のように、BB状態に応じて所定のBB払出カウンタのパターン(BB払出カウンタ=7)となる確率が異なることを利用すれば、BB状態の種類に応じて上記所定のBB払出カウンタのパターンでの移行時ATモード移行抽選の当選確率をそれぞれ設定しなくても、実質的にBB状態の種類に応じて移行時ATモード移行抽選の当選確率を異ならせることが可能となる。
<第3の実施形態>
本実施形態では、第2の実施形態のようにATモード移行前にBB状態を契機として有利区間を終了させた場合の有利区間移行処理において、特別情報を用いて天井ゲーム数の設定処理を行う構成とする。また、本実施形態では、CZモード中のBB状態であるか否かに関わらず、且つ、BB払出カウンタが7であるか否かに関わらず、BB状態の1ゲーム目で有利区間を終了させる構成とする。図86は、本実施形態における有利区間移行時処理を示すフローチャートである。
ステップS4501では、上記特別情報として、BB払出カウンタを把握する処理を実行する。続くステップS4502では、天井ゲーム数の抽選処理を実行する。本実施形態における天井ゲーム数テーブルは、図87に示すように、設定値と、BB払出カウンタが特定数としての7であるか否かと、によって選択される天井ゲーム数が異なるように設定されている。
具体的には、BB払出カウンタが特定数である場合の方が特定数はない場合よりも、短い天井ゲーム数となる確率が高くなるように設定されており、天井ゲーム数が1ゲームとして設定される確率は、BB払出カウンタが特定数である場合には20%であるのに対して、BB払出カウンタが特定数ではない場合には1%として設定されている。また、天井ゲーム数が2~100ゲームとして設定される確率は、BB払出カウンタが特定数である場合の方が特定数ではない場合よりも高く、また、天井ゲーム数が701~1000ゲームとして設定される確率は、BB払出カウンタが特定数ではない場合の方が特定数である場合よりも高くなるように設定されている。その他、設定値との関係では、設定値が高いほど、短い天井ゲーム数が設定され易くなっている。
すなわち、本実施形態では、ATモード移行前においてBB状態へ移行させ、当該BB状態の1ゲーム目で第1小役入賞を成立させることに成功した場合(7枚のメダル払出を受けた場合)には、約20%の確率で天井ゲーム数が1ゲームとして設定される。その結果、次ゲームでATモード移行抽選を受けることなくATモードへの移行を生じさせることが可能となる。これにより、上記第2の実施形態と同様の作用効果を期待することができる。
ステップS4502にて天井ゲーム数の抽選処理を実行した後は、ステップS4503にて天井カウンタに天井ゲーム数に対応する値を入力する処理を実行する。そして、ステップS4504にて天井コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行する。
続くステップS4505では、いずれかのBB状態フラグがセットされているか否かを判定し、BB状態中に移行した有利区間であるか否かを判定する。すなわち、BB状態の1ゲーム目に有利区間を終了させて、その後、当該BB状態中に有利区間への移行が生じた場合、ステップS4506にて特定フラグをセットする処理を実行する。そして、ステップS4507にて各種カウンタエリア106eに設けられた特定カウンタに100を入力する処理を実行する。特定カウンタは、特定フラグがセットされてからのゲーム数をCPU102が把握するためのカウンタであり、特定フラグがセットされている状況で1ゲーム消化されるたびに1ずつ減算処理が行われ、0になると特定フラグのクリア処理が行われる。特定フラグがセットされている状況では、BB状態を利用した有利区間の終了が制限される点は、上記の通りである。すなわち、本実施形態では、BB状態を利用して有利区間の再セットを行った場合には、その後、100ゲームに亘ってBB状態を利用した有利区間の終了が制限される構成としている。
図88は本実施形態における抽選結果対応処理を示すフローチャートである。
本実施形態では、ステップS4609にて押し順ベル当選である場合、ステップS4610にていずれかのATモードフラグがセットされているか否かを判定する。いずれかのATモードフラグがセットされている場合には、ステップS4611にて第1小役に対応する押し順報知を行うための処理を実行し、ステップS4612にて押し順報知コマンドをセットしてから、抽選結果対応処理を終了する。これらの処理は、上記第1,2の実施形態と同様である。
これに対して、本実施形態では、ステップS4610にていずれのATモードフラグもセットされていない場合には、ステップS4613にていずれかのBB状態であるか否かを判定する。いずれかのBB状態である場合には、ステップS4614にて、BBゲームカウンタが0であり、BB状態の1ゲーム目であるか否かを判定する。BB状態の1ゲーム目である場合、ステップS4615にて報知抽選テーブルを取得し、ステップS4616にて報知抽選処理を実行する。
本実施形態における報知抽選テーブルは、図89に示すように、有利区間ゲーム数AGの値が大きいほどBB状態1ゲーム目の押し順報知が発生し易くなるように設定されている。具体的には、有利区間ゲーム数AGが100までであれば、5%の確率で押し順報知が発生するのに対して、有利区間ゲーム数AGが901以上であれば、100%の確率で押し順報知が発生する。つまり、有利区間に移行してからなかなかATモードへの移行が生じず、ハマりが大きければBB状態1ゲーム目の押し順報知が発生し易くなる。
本実施形態における区間表示第2処理では、図90に示すように、ステップS4710にてATモード終了フラグがセットされていないと判定した場合、ステップS4711にて、特定フラグがセットされているか否かを判定する。特定フラグがセットされていない場合、ステップS4712にてBBゲームカウンタが1であるか否かを判定する。BBゲームカウンタが1であり、BB状態の1ゲーム目である場合、ステップS4707に進み、有利区間終了用の処理を実行する。
ステップS4711にて特定フラグがセットされている場合、ステップS4713にて特定カウンタを1減算する処理を実行する。そして、ステップS4714にて特定カウンタが0となったか否かを判定し、0となっていない場合には、そのまま区間表示第2処理を終了する。特定カウンタが0となった場合には、ステップS4715にて特定フラグをクリアする処理を実行する。その後、ステップS4716にてクリアコマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本区間表示第2処理を終了する。クリアコマンドを受信した表示制御装置81は、特定フラグがクリアされ、天井ゲーム数の再セットが可能となったことの報知を行うように、補助表示部65やスピーカ64を制御する。
以上のように、有利区間移行時処理において特別情報に基づき移行時ATモード移行抽選を実行したり、特別情報に基づき移行時ATモード移行抽選の当選確率を異ならせるのではなく、有利区間移行時処理において設定する天井ゲーム数を、特別情報に基づき異ならせる構成としても、BB当選からBB状態の終了までの遊技進行に応じて更新される特別情報を用いて有利区間の設定を行うことが可能となる。
この場合、通常遊技状態中に有利区間移行時処理が行われる場合よりも、BB状態中に有利区間移行時処理が行われる場合の方が、短い天井ゲーム数が設定され易いようにしたことから、BB状態の上限払出数や小役の当選確率等といったBB状態自身のパラメータを変更することなくBB状態の優位性を向上させることが可能となる。よって、比較的簡素な構成にて、BB状態への移行が可能となるBB当選となることへの注目度を向上させることができる。
BB状態の1ゲーム目の遊技結果に関わらず、有利区間を終了させることが可能となる構成としたうえで、BB状態中に有利区間への移行が生じた場合には、特定フラグをセットして、以降のBB状態の1ゲーム目で有利区間の終了が制限される構成とした。このようにすることで、BB状態の1ゲーム目の遊技結果に関わらず有利区間を終了させる構成としても、その有利区間を終了させるチャンスに制限を設けることが可能となる。
そして、特定フラグは有利区間を100ゲーム消化することでクリアされる構成としており、100ゲーム毎でBB入賞を利用して天井ゲーム数の再設定を行わせるチャンスが付与される構成となる。よって、遊技継続により特定フラグがクリアされることに期待させ、遊技意欲を掻き立てることが可能となる。
<変形例1>
本変形例では、BB状態を利用した有利区間の再セットを所定ゲーム数に亘って制限することを、抽選により決定する構成とする。図91は、本変形例における有利区間移行時処理を示すフローチャートである。
本変形例では、上記ステップS4501~ステップS4504と同様に、ステップS4801~ステップS4804にて天井ゲーム数の設定処理を実行した後、ステップS4805にて、いずれかのBB状態であるか否かを判定する。いずれかのBB状態である場合、ステップS4806にて各種テーブル記憶エリア105aから特定フラグセット抽選テーブルを取得する処理を実行し、ステップS4807にて特定フラグセット抽選処理を実行する。
特定フラグセット抽選テーブルは、図92に示すように、今回セットされた天井ゲーム数に応じて特定フラグをセットする確率が異なっている。具体的には、天井ゲーム数が少ないほど特定フラグがセットされる確率が高くなり、天井ゲーム数が多いほど特定フラグがセットされる確率が低くなるように設定されている。
ステップS4807にて特定フラグセット抽選処理を実行した後は、ステップS4808にて特定フラグセット抽選処理にて当選したか否かを判定し、当選していない場合には、そのまま有利区間移行時処理を終了する。当選している場合には、ステップS4809にて、特定フラグをセットし、ステップS4810にて特定カウンタに100を入力する処理を実行してから、有利区間移行時処理を終了する。
このように、設定された天井ゲーム数に応じて特定フラグのセット率を異ならせ、天井ゲーム数が多いほど特定フラグがセットされにくい構成とすることで、天井ゲーム数までまだまだ残りがたくさんある状況で、BB入賞を成立させて短い天井ゲーム数が設定される、といった遊技性を抹殺しないようにしながら、天井ゲーム数まで残り僅かであるのにもかかわらず、誤ってBB入賞を成立させてしまったことにより、天井ゲーム数が再設定されてしまう事象を好適に回避させることが可能となる。
<変形例2>
本変形例では、BB状態の1ゲーム目の押し順報知抽選(ステップS4616)にて用いられる報知抽選テーブルが、上記第3の実施形態のものと異なっている。
本変形例における報知抽選テーブルでは、図93に示すように、通常モード中にBB状態への移行を生じさせた場合における当該BB状態の1ゲーム目の押し順報知について、100ゲーム単位で、当該押し順報知が発生し易い状態と、押し順報知が発生しにくい状態とが交互となるように設定されている。具体的には、有利区間ゲーム数AGが1~100である場合には押し順報知は低確率である10%の確率で発生する一方、有利区間ゲーム数AGが101~200である場合には押し順報知は高確率である30%の確率で発生する。そして、有利区間ゲーム数AGが201~300であれば低確率である10%、301~400であれば高確率である30%、401~500であれば低確率である10%、といったように、低確率で押し順報知が発生する状態と、高確率で押し順報知が発生する状態とが繰り返される。
そうすると、BB状態の1ゲーム目に押し順報知を発生させて、有利な天井ゲーム数の再セットを行わせるためには、高確率で押し順報知が発生する状態にてBB状態への移行を生じさせた方が好ましくなる。
上記のように、本実施形態では、CZモード中か否かに関わらず、BB状態の1ゲーム目で有利区間が終了する構成としているところ、そもそもATモード移行抽選に当選し易いCZモードを避けて、且つ押し順報知が発生し易い状況でBB状態への移行を生じさせた方が、効率よくATモード移行のチャンスを得るためには好ましくなる。
その点、本変形例においては、CZモードへの移行率が、有利区間ゲーム数AGとの関係で変動する構成としており、上記の押し順報知が発生し易い状態ではCZモードへの移行が生じにくく、押し順報知が発生しにくい状態ではCZモードへの移行が生じ易い構成としている。より詳しくは、有利区間ゲーム数AGが1~100であって低確率で押し順報知が発生する状況では、CZモードに移行し易くなっており、有利区間ゲーム数AGが101~200であって高確率で押し順報知が発生する状況では、CZモードに移行しにくくなっており、有利区間ゲーム数AGが201~300では低確率で押し順報知が発生し、CZモードには移行し易い、といったように、CZモードへ移行し易い状態と押し順報知が発生し易い状態とが互い違いに到来するように設定されている。
つまり、CZモードへの移行が生じ易い状況では、CZモードでのATモード移行当選を期待させ、CZモードへの移行が生じにくい状況では、BB状態を利用した有利な天井ゲーム数の再セットを期待させることが可能となり、これらが畳みかけるように交互に到来するようにしたことで、いずれの状況であってもATモード移行への期待感を持続させることが可能となる。
<変形例3>
本変形例では、上記の特定フラグをセットせず、BB状態を利用した有利区間の再セットを自由なタイミングで行えるようにする。但し、本変形例では、BB状態の終了条件を変更し、BB状態を終了させるまでにより多くのゲーム数を要するように設定する。図94は、本変形例におけるボーナス状態処理を示すフローチャートである。
本変形例では、ステップS4901にていずれかのBB状態であると判定した場合、ステップS4907にてBBゲームカウンタを1加算する処理を実行する。そして、ステップS4908にて小役入賞が成立したか否かを判定し、成立している場合には、ステップS4909にてBB払出カウンタの加算処理を実行する。
続くステップS4910では、第1BB状態フラグがセットされているか否かを判定する。第1BB状態フラグがセットされており、第1BB状態である場合には、ステップS4911にてBB払出カウンタが71以上となっているか否かを判定する。71以上となっており、第1BB状態において71枚以上のメダル払出が発生した場合には、ステップS4913以降のBB状態終了用の処理を実行してから、ボーナス状態処理を終了する。
これに対して、ステップS4910にて第1BB状態フラグがセットされておらず、第2BB状態である場合には、ステップS4912にてBB払出カウンタが250以上となっているか否かを判定する。250以上となっており、第2BB状態において250枚以上のメダル払出が発生した場合には、ステップS4913以降のBB状態終了用の処理を実行してから、ボーナス状態処理を終了する。ステップS4911にて第1BB状態のメダル払出数が71枚未満である場合や、ステップS4912にて第2BB状態のメダル払出数が250枚未満である場合には、そのままボーナス状態処理を終了する。
なお、ステップS4901~ステップS4906の処理や、ステップS4913~ステップS4916の処理は、上記ステップS501~ステップS506、ステップS511~ステップS514の処理と同様である。
図による詳細な説明は省略するが、本変形例における有利区間移行時処理では、図86におけるステップS4501~ステップS4504の処理を実行した後は、ステップS4505~ステップS4507の処理を行うことなく、そのまま有利区間移行時処理を終了する。
本変形例における区間表示第2処理では、図95に示すように、ステップS5010にてATモード終了フラグがセットされていないと判定した場合、ステップS5011にてBBゲームカウンタが1であるか否かを判定する。BBゲームカウンタが1である場合には、ステップS5007に進み、有利区間終了用の処理を実行する。ステップS5011にてBBゲームカウンタが1ではない場合には、そのまま区間表示第2処理を終了する。
すなわち、本変形例では、BB状態中の有利区間の移行に際して特定フラグはセットされず、前回、天井ゲーム数の設定が行われてからのゲーム数に関わらず、BB入賞を成立させることが可能となれば、当該入賞させたBB状態の1ゲーム目で有利区間を終了させて天井ゲーム数の再セットにチャレンジすることが可能となる。
但し、本変形例では、上記のように第1BB状態と第2BB状態とで、終了条件としても最大メダル払出数を異ならせているところ、図96に示すように、第1BB状態と第2BB状態とで、これらのBB状態を終了させるために要するゲーム数が異なる。具体的には、第1BB状態は、71枚以上のメダル払出が生じることで終了するものであり、1ゲーム当たり約1.5分の1で当選する押し順ベルの6分の1が7枚払出となり、6分の5の操作順序のうち2回に1回は1枚払出となることから、当該第1BB状態を主に押し順報知が発生しない非ATモード中に消化した場合には、当該第1BB状態を終了させるまでに約55ゲーム要することになる。これに対して、第2BB状態は、第1BB状態よりも多い250枚以上のメダル払出が生じることで終了するところ、当該第2BB状態を非ATモード中に消化した場合には、当該第2BB状態を終了させるまでに第1BB状態の場合よりも多い約192ゲーム要することになる。
つまり、第1BBに当選して第1BB状態へ移行させることで天井ゲーム数の再セットを受けた場合には、当該第1BB状態を終了させて、次の天井ゲーム数の再セットを行わせるまでに約55ゲーム要するのに対して、第2BBに当選して第2BB状態へ移行させることで天井ゲーム数の再セットを受けた場合には、当該第2BB状態を終了させて次の天井ゲーム数の再セットを行わせるまでに約192ゲーム要し、第1BBに当選した場合の方が、次に天井ゲーム数の再セットを受けることが可能となるまでのゲーム数が少なく、遊技者にとって有利となる。
第1BBと第2BBとは、第2BBの方が当選し易くなっている。そのため、第1BBが有利となり過ぎないようになるとともに、第1BB当選の希少性を高め、通常遊技状態中に第1BB当選となることへ大きな注目を寄せさせることが可能となる。
以上のようにすることで、BB状態の終了条件を異ならせるだけで、天井ゲーム数の再セットが行われる頻度を調節することが可能となる。よって、比較的簡素な構成にて、かかる遊技性の遊技の多様化を図ることが可能となる。
<その他の実施形態>
なお、上述した各実施形態や各変形例の記載内容に限定されず例えば次のように実施してもよい。ちなみに、以下の各構成を個別に上記各実施形態や各変形例に対して適用してもよく、一部又は全部を組み合わせて上記各実施形態や各変形例に対して適用してもよい。また、上記各実施形態や各変形例に示した各種構成の全て又は一部を任意に組み合わせることも可能である。この場合、組み合わせの対象となる各構成の技術的意義(発揮される効果)が担保されることが好ましい。実施形態や変形例の組み合わせからなる新たな構成に対して以下の各構成を個別に適用してもよく、一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。
(1)特別状態としてのBB状態への移行が可能となるBB当選してからBB状態が終了するまでのゲームの遊技進行に応じて更新される特別情報を、指示機能に関する処理に用いる構成において、特別情報の例として、BB払出カウンタ、BBゲームカウンタ、RTゲームカウンタ、BB小役カウンタ等を説明したが、特別情報はこれらに限定されず、他の情報であってもよい。例えば、BB状態中の小役当選回数を把握するためのカウンタを特別情報としてもよいし、BB状態中のメダル増加数やメダル減少数を把握するためのカウンタを特別情報としてもよい。また、BB当選してからBB状態が終了するまでのゲーム数を把握するためのカウンタを特別情報としてもよいし、BB当選からBB状態が終了するまでのメダル増加数やメダル減少数を把握するためのカウンタを特別情報としてもよい。
(2)特別状態としてのBB状態への移行が可能となるBB当選してからBB状態が終了するまでのゲームの遊技進行に応じて更新される特別情報を、指示機能に関する処理に用いる構成において、指示機能に関する処理の例として、有利区間移行時処理や有利区間終了用の処理を説明したが、特別情報を用いて行う指示機能に関する処理はこれらに限定されず他の処理であってもよい。例えば、ATモードの上乗せ抽選に特別情報を用いる構成としてもよいし、CZモード移行抽選に特別情報を用いる構成としてもよい。また、特別情報を用いて指示機能に関する処理を実行するタイミングは、有利区間移行時や有利区間終了時に限定されず、有利区間中の所定のタイミングであってもよい。
例えば、特別情報を用いて上乗せ抽選やCZモード移行抽選を行う構成とするのであれば、BB状態中に特定役当選となった場合に、それまでのBB払出カウンタ等を用いて上乗せ抽選やCZモード移行抽選の当選確率を異ならせる(例えば、BB払出カウンタが特定数であれば当選し易く、特定数ではなければ当選しにくい)構成とすることで、有利区間中の遊技進行と、BB状態中の遊技進行とをうまく関連付けることが可能である。
(3)特別状態としてのBB状態への移行が可能となるBB当選してからBB状態が終了するまでのゲームの遊技進行に応じて更新される特別情報を、指示機能に関する処理に用いる構成において、特別状態はBB状態に限定されず、例えばRT状態やREG状態、CB状態、MB状態等であってもよい。すなわち、例えば、RT状態を特別状態とするのであれば、いずれかの再遊技当選となる確率が高くなる所定のRT状態への移行を可能とする移行結果(移行リプレイ)に当選してから、当該移行結果入賞が成立して所定のRT状態に移行し、当該所定のRT状態における終了条件が成立するまでの遊技の進行に応じて更新される特別情報を、指示機能に関する処理に用いる構成とするとよい。この場合、特別情報としては、例えば、RT状態の継続ゲーム数をCPU102が把握するためのゲーム数カウンタ(RTゲームカウンタ)であってもよいし、RT状態中のメダル払出数をCPU102が把握するための払出カウンタであってもよいし、RT状態中のメダル増減数をCPU102が把握するための増減カウンタであってもよい。
(4)特別状態としてのBB状態は、共通ベルの当選確率のみが通常遊技状態や持ち越し状態よりも高く、これらの状態の有利度の差がほとんどない構成としたが、共通ベルの当選確率も通常遊技状態や持ち越し状態と同じ確率として、これらの状態の有利度の差が全くない構成としてもよい。また、BB状態における共通ベル等の小役や再遊技の当選確率を低くしたり、BB状態における小役入賞時のメダル払出数を少なくする等して、通常遊技状態や持ち越し状態の方が、BB状態よりも有利となる構成としてもよい。BB状態よりも通常遊技状態や持ち越し状態の方が有利な構成とすることで、BB状態へ移行させるメリットを少なくし、BB状態へ移行させて有利区間を再セットさせるタイミングをより厳密に見定めさせることも可能となる。
更に、BB状態における共通ベル等の小役や再遊技の当選確率を高くしたり、BB状態における小役入賞時のメダル払出数を多くする等して、BB状態と、通常遊技状態や持ち越し状態との有利度の差を、上記各実施形態のものよりも大きくしてもよい。
BB状態と、通常遊技状態や持ち越し状態との有利度の差を、上記各実施形態のものよりも大きくする構成として、上記のようにBB状態中の小役や再遊技の当選確率を高くしたり、小役入賞時のメダル払出数を多くする構成の他、押し順ベル当選時の優先設定処理(ステップS313)の構成を変更してもよい。すなわち、上記各実施形態では、押し順ベル当選時の優先設定処理では、いずれの状態であっても枚数優先制御を行う構成としたことにより、いずれの状態であっても押し順ベル当選時に第1小役を含む操作順序に対応する順序にてストップスイッチ42~44を操作することで第1小役入賞を成立させることが可能な構成としていた。これを変更し、BB状態においては枚数優先制御を行う構成とする一方、通常遊技状態や持ち越し状態においては図柄数優先制御を行う構成としてもよい。これにより、通常遊技状態や持ち越し状態において、押し順ベル当選時に第1小役を含む操作順序に対応する順序にてストップスイッチ42~44を操作しても、第1小役入賞ではなく第4小役入賞~第27小役入賞が成立したり、取りこぼしとなったりするようになる。つまり、通常遊技状態や持ち越し状態において、押し順ベル当選時に第1小役入賞が成立しないようになり、BB状態と、通常遊技状態や持ち越し状態との有利度の差が上記各実施形態のものよりも大きくなる。
(5)BB状態の終了よりも前のゲームにて有利区間を終了させることで、BB状態中に有利区間移行時処理が行われる構成としたが、BB状態に移行するよりも前に有利区間を終了させる構成としてもよい。例えば、BBに当選したゲームにて有利区間を終了させる構成としてもよい。このようにすることで、BBに当選して有利区間が終了し、その後、有利区間への移行が生じるよりも前にBB状態に移行させることで、BB状態中に有利区間移行時処理を実行させることが可能な遊技性を実現できる。また、例えば、所定の終了結果(例えば、所定の再遊技)を設け、当該所定の終了結果当選や所定の終了結果入賞に基づいて有利区間を終了させる構成としてもよい。この場合、持ち越し状態において所定の終了結果当選や所定の終了結果入賞に基づいて有利区間を終了させ、その後、有利区間に再移行するよりも前にBB状態に移行させることで、BB状態中に有利区間移行時処理を実行させることが可能な遊技性を実現できる。
(6)第1の実施形態のようにATモード中にBB状態への移行を生じさせた場合、当該BB状態の1ゲーム目で有利区間を終了する構成としたが、ATモードの残りゲーム数に応じてBB状態の1ゲーム目で有利区間を終了するか否かを異ならせる構成としてもよい。すなわち、例えば、ATモードの残りゲーム数が所定数(例えば30)以下である場合には、BB状態の1ゲーム目で有利区間を終了する一方、ATモードの残りゲーム数が所定数よりも多い場合には、BB状態の1ゲーム目で有利区間を終了しないようにする構成としてもよい。また、BB状態の1ゲーム目で有利区間を終了するか否かの終了抽選を行い、当該終了抽選の当選確率がATモードの残りゲーム数に応じて異なる構成とし、ATモードの残りゲーム数が所定数以下である場合には当該終了抽選に当選し易く、所定数よりも多い場合には終了抽選に当選しにくい構成としてもよい。このようにすることで、ATモードの残りゲーム数がまだまだたくさんあるような状況でBB入賞を成立させてしまうことにより、ATモードを終了させてしまう事象を好適に回避することが可能となる。
(7)第1の実施形態において、ATモード中にBB状態への移行を生じさせた場合、当該BB状態の1ゲーム目で有利区間を終了する構成としたが、当該BB状態の1ゲーム目で特別情報を利用して有利区間を終了するか否かを異ならせる構成としてもよい。すなわち、第2の実施形態のように、BB状態の1ゲーム目でBB払出カウンタが特定数(7)であれば有利区間を終了させ、BB状態の1ゲーム目でBB払出カウンタが特定数ではなければ有利区間を終了させない構成としてもよい。このようにすることで、例えば、意図せずBB入賞を成立させてしまった場合には、押し順ベル当選時の押し順報知に従わない操作を行うことで、第1小役入賞を成立させず、BB払出カウンタを特定数以外として有利区間が終了してしまうことを回避することが可能となる。
(8)BB状態の種類は、第1BB状態や第2BB状態に限定されず、他のBB状態が設定されていてもよいし、BB状態が1種類だけ設定されている構成であってもよい。
(9)BB状態の種類に応じて、BB状態中の有利区間の終了の有無が異なる構成としてもよい。例えば、第1BB状態の1ゲーム目では有利区間が終了する一方、第2BB状態の1ゲーム目では有利区間が終了しない構成、又はその逆の構成としてもよい。また、有利区間を終了するか否かの終了抽選を行い、当該終了抽選に当選した場合に有利区間を終了させる構成においては、第1BB状態の1ゲーム目では終了抽選に当選し易い一方、第2BB状態の1ゲーム目では終了抽選に当選しにくい構成、又はその逆の構成としてもよい。
(10)BB状態の種類に応じて、BB状態中に有利区間への移行が生じる場合と生じない場合とがあるようにしてもよい。例えば、第1BB状態においては有利区間移行抽選に当選する若しくは当選し易い一方、第2BB状態においては有利区間移行抽選に当選しない若しくは第1BB状態よりも当選しにくい構成、又はその逆の構成としてもよい。また、いずれのBB状態であっても有利区間移行抽選に当選し得るものの、第1BB状態においては当該抽選に当選したゲームにて有利区間フラグがセットされる一方、第2BB状態においては当該抽選に当選したゲームでは有利区間フラグがセットされず、当該第2BB状態が終了してから若しくは当該第2BB状態が終了する場合に有利区間フラグがセットされる構成としてもよい。
この場合、上記(9)との関係で、有利区間は終了する又は終了し易い一方で、有利区間へ移行しにくい又は移行しないBB状態や、有利区間は終了しない又は終了しにくい一方で、有利区間へ移行し易い又は移行するBB状態を設けてもよい。
(11)有利区間移行時処理に用いられる特別情報について、例えば、BB状態1ゲーム目のメダル払出数(BB払出カウンタ)や、BB状態のゲーム数(BBゲームカウンタ)や、BB当選から入賞までのゲーム数(RTゲームカウンタ)や、BB状態中の8回分の小役入賞に基づくメダル払出数(BB払出カウンタ)を用いて、1のゲーム又は複数のゲームの遊技結果が反映される構成を説明したが、有利区間終了用の処理に用いられる特別情報について、1のゲーム又は複数のゲームの遊技結果が反映される構成としてもよい。すなわち、1のゲームの遊技結果として、BB状態の1ゲーム目において、特別情報としてのBB払出カウンタが特定数としての7である場合に有利区間を終了させる一方、BB払出カウンタが特定数ではなければ有利区間を終了させない構成を説明したが、例えば、BB状態中の所定回数分(例えば7回分)の小役入賞に基づくメダル払出数(BB払出カウンタ)が特定数であれば有利区間を終了させる若しくは終了させ易い一方、特定数とは異なる値であれば有利区間を終了させない若しくは特定数である場合よりも終了させにくい構成としてもよい。
(12)ゲームの抽選結果が外れ結果である場合に、BB入賞を成立させることが可能な構成としたが、小役入賞よりもBB入賞を優先させる構成や、再遊技入賞よりもBB入賞を優先させる構成や、その両方の構成とすることで、外れ結果以外でもBB入賞を成立させることが可能な構成としてもよい。このようにすることで、ATモード終了間際にBB入賞を成立させることができずに、そのままATモードが終了してしまう事象を好適に回避させることができる。
(13)例えば、3ベットゲームの他に2ベットゲームを遊技できる構成としたうえで、3ベットゲームにて抽選結果が外れ結果となる確率よりも、2ベットゲームにて抽選結果が外れ結果となる確率の方が高い構成としてもよい。このようにすることで、2ベットゲームに切り替えることで、3ベットゲームよりも容易にBB入賞を成立させることが可能となり、ATモード終了間際にBB入賞を成立させることができずに、そのままATモードが終了してしまう事象を好適に回避させることができる。
(14)ATモード中にBB状態への移行を生じさせた場合、当該BB状態の1ゲーム目で有利区間が終了する構成としたが、ATモードの残りゲーム数に応じて有利区間が終了するBB状態中のゲームが異なる構成としてもよい。例えば、ATモードの残りゲーム数が多い(例えば30ゲーム以上)場合には、BB状態の終盤(例えば7ゲーム目)に有利区間が終了し、ATモードの残りゲーム数が少ない(例えば30ゲーム未満)場合には、BB状態の序盤(例えば1ゲーム目)に有利区間が終了するようにする。そして、有利区間が終了する場合にATモードの残りゲーム数がなるべく少なくなるように、BB状態中に有利区間が終了するゲームを異ならせるようにする。このようにすることで、ATモードの残りゲーム数がまだまだたくさんある状況で有利区間が終了してしまう事象を好適に回避させることができる。
この場合、有利区間が終了したBB状態中のゲーム数に応じて、有利区間移行時処理における移行時ATモード移行抽選テーブルを異ならせる構成とするとよい。具体的には、BB状態の1ゲーム目で有利区間が終了した場合には、1ゲーム分のメダル払出数のパターンを移行時ATモード移行抽選テーブルに設定し(BB払出カウンタが7であればATモード移行当選する一方、7以外であればATモード移行当選しない等)、BB状態の2ゲーム目で有利区間が終了した場合には、2ゲーム分のメダル払出数のパターンを移行時ATモード移行抽選テーブルに設定する(BB払出カウンタが14であればATモード移行当選する一方、14以外であればATモード移行当選しない等)構成とするとよい。
(15)ATモード中の後乗せゲーム数(後乗せカウンタ)に関わらず、入賞許容報知や入賞指示報知が行われる表示用の残りゲーム数を後乗せ報知が発生する表示用の残りゲーム数よりも多いゲーム数として設定してもよい。このようにすることで、後乗せゲーム数が存在するか否かを慎重に見定めたうえでBB状態への移行を生じさせるか否かの決定を行わせることが可能となり、ATモード中の遊技性を向上させることが可能となる。
(16)ATモード中のBB状態の1ゲーム目で、BB払出カウンタが特定数(7)であれば有利区間を終了する一方、特定数以外であれば有利区間を終了しない構成としたうえで、後乗せゲーム数がある場合には、後乗せゲーム数がない場合よりも、BB状態の1ゲーム目で押し順報知が発生しにくい又は発生しない構成としてもよい。
(17)有利区間移行抽選に当選したゲームにて(当該ゲームの開始時にて)有利区間移行時処理を実行する構成に代えて、有利区間移行抽選に当選したゲームの終了時に有利区間移行時処理を実行する構成や、有利区間移行抽選に当選したゲームの次ゲームの開始時に有利区間移行時処理を実行する構成を説明したが、有利区間移行抽選を実行するタイミングは上記のものに限定されず、少なくとも有利区間移行抽選に当選した後であればよい。例えば、有利区間移行抽選に当選したゲームの最初のストップスイッチ42~44の操作時であってもよいし、有利区間移行抽選に当選したゲームのメダル払出が終了した後であってもよいし、有利区間移行抽選に当選したゲームの次ゲームのベット操作時であってもよいし、有利区間移行抽選に当選したゲームの次のゲームの終了時であってもよい。また、有利区間移行抽選に当選したゲームから複数ゲーム後のゲームにて有利区間移行時処理を実行する構成としてもよい。
(18)ゲームの開始操作に基づき(抽選結果対応処理にて)有利区間移行抽選を実行し、当該有利区間移行抽選に当選した場合に、有利区間当選ゲームフラグをセットし、その後、区間表示第1処理や区間表示第2処理にて有利区間フラグをセットする例を説明したが、有利区間移行抽選に当選した場合に有利区間フラグをセットする処理を行う構成としてもよい。
(19)有利区間移行抽選をゲームの開始操作に基づき実行する構成を説明したが、ゲームの終了操作に基づき(例えば、入賞結果対応処理にて)実行する構成としてもよい。この場合、当該終了操作に基づき行われる有利区間移行抽選に当選した後、次ゲームの開始操作が可能となるよりも前に有利区間フラグがセットされる構成とするとよい。
(20)特別状態としてのBB状態への移行が可能となるBB当選してからBB状態が終了するまでのゲームの遊技進行に応じて更新される特別情報は、有利区間の終了時の有利区間情報の初期化処理にて初期化されない情報としたが、初期化される構成としてもよい。このような構成であっても、例えば、有利区間の終了後、BB状態であって且つ通常区間中の遊技進行に応じて更新された特別情報に基づいて、有利区間移行時処理を実行することが可能である。
(21)天井カウンタが0となる天井ゲームに到達した場合には、ATモード移行抽選を行うことなくATモード当選フラグがセットされる構成としたが、天井ゲームに到達した場合であっても、ATモード移行抽選が実行される構成としてもよい。この場合、天井ゲームに到達したゲームにおいては、ATモード移行抽選に当選した場合と、ATモード移行抽選に当選しなかった場合とのいずれにおいてもATモード当選フラグがセットされる構成とするとよい。なお、天井ゲームに到達したゲームにてATモード移行抽選に当選した場合には、ATモード移行抽選に当選せずにATモード当選フラグがセットされる場合よりも、有利な特典が付与される(例えば、有利な第2ATモードに設定され易くなる)構成としてもよい。
(23)有利区間の上限ゲーム数に到達することの情報として第1超過フラグがセットされ、有利区間の上限増加数に到達する情報として第2超過フラグがセットされる構成とし、これら第1超過フラグや第2超過フラグの有無により、ATモード中のBB状態1ゲーム目の押し順報知の発生率を異ならせる構成を説明したが、第1超過フラグや第2超過フラグがセットされている状況で生じた上乗せゲーム数に応じて、及び/又は、第1超過フラグや第2超過フラグがセットされている状況で生じた上乗せ回数に応じて、ATモード中のBB状態1ゲーム目の押し順報知の発生率を異ならせる構成としてもよい。すなわち、第1超過フラグや第2超過フラグがセットされている状況で生じた上乗せゲーム数が多いほど、及び/又は、第1超過フラグや第2超過フラグがセットされている状況で生じた上乗せ回数が多いほど、BB状態1ゲーム目に押し順報知が発生し易い構成としてもよい。
(24)特定フラグによって、有利区間中の初回のBB状態であるか否かをCPU102が把握可能となる構成としたが、有利区間に移行してから何回目のBB状態であるかをCPU102が把握する構成としてもよい。この場合、各種カウンタエリア106eに特定カウンタを設け、有利区間に移行してBB状態に移行する度に当該特定カウンタを1加算する構成とすることで、有利区間に移行してから何回目のBB状態であるかをCPU102が把握可能となる構成としてもよい。
この場合、例えば第2の実施形態のように、有利区間中の初回のBB状態であることを、特定フラグや特定BBゲームカウンタ、特定払出カウンタによってCPU102が把握したうえで、当該BB状態の1ゲーム目で7枚のメダル払出を発生させれば、当該有利区間を終了させる、といった構成を、有利区間中の初回のBB状態であることを、特定カウンタが1であることによってCPU102が把握し、当該BB状態の1ゲーム目で7枚のメダル払出を発生させれば、当該有利区間を終了させる、といった構成としてもよい。
また、有利区間に移行してから何回目のBB状態であるかによって、有利区間の終了し易さが異なる構成としてもよい。具体的には、例えば、第2の実施形態に適用するのであれば、有利区間に移行してから初回のBB状態においては当該BB状態の1ゲーム目で7枚のメダル払出を発生させれば有利区間が終了し又は終了し易く、有利区間に移行してから2回目のBB状態においては当該BB状態の1ゲーム目で7枚のメダル払出を発生させた場合であっても、1回目の場合よりも有利区間が終了しにくい又は終了しないようにする、といったような構成としてもよい。
(25)第1BBや第2BBに当選したゲームにて入賞を成立させることができなければ、持ち越し状態に移行することを前提として説明したが、第1BB当選や第2BB当選が持ち越されることなく、当該BB当選ゲームにて入賞を成立させることができなければ第1BB当選フラグや第2BB当選フラグがクリアされる構成としてもよい。
(26)ATモードの初期ゲーム数を50ゲームとしたが、それよりも多くてもよいし少なくてもよい。但し、BB状態中にATモードの再セットが行われた場合において、BB状態が終了するまでのゲームよりも長くATモードが継続するようにすることで、再セットされたATモード中に、再度BB状態への移行を生じさせてATモードの再セットを行わせるチャンスが付与される構成とすることが可能となる。なお、BB状態の終了条件を異ならせたり、ATモードの継続ゲーム数を異ならせることにより、BB状態中にATモードの再セットが行われた場合において、再セットされたATモード中に再度BB状態への移行を生じさせてATモードの再セットを行わせるチャンスが付与される場合(BB状態よりもATモードの方が長く継続する場合)と、再セットされたATモード中に再度BB状態への移行を生じさせてATモードの再セットを行わせるチャンスが付与されない場合(BB状態よりもATモードの方が長く継続しない場合)とがあるようにしてもよい。また、再セットされたATモード中に再度BB状態への移行を生じさせてATモードの再セットを行わせるチャンスが付与されない場合(BB状態よりもATモードの方が長く継続しない場合)だけでもよい。
(27)BB状態の1ゲーム目のストップスイッチ42~44の操作態様によって、メダル払出数が特定数となったり特定数以外となることを利用して、BB状態の1ゲーム目の遊技者の操作に基づき有利区間が終了したり有利区間が終了しなかったりする構成を説明したが、少なくともBB状態中の遊技者の操作に基づき有利区間が終了したり終了しなかったりする構成であればよい。例えば、少なくともBB状態中は3ベットゲームの他に2ベットゲームも実行可能な構成としたうえで、BB状態の1ゲーム目を3ベットゲームにて遊技した場合には有利区間が終了する一方、2ベットゲームにて遊技した場合には有利区間が終了する構成としてもよい。
(28)BB状態に移行させることを、有利区間を終了させることにチャレンジする第1特定操作とし、当該BB状態の1ゲーム目で終了条件を成立させること(7枚のメダル払出を発生させること)を第2特定操作として有利区間が終了する構成とし、当該BB状態の1ゲーム目で終了条件を成立させることができなかったことを第3特定操作として有利区間を終了させないようにするとともに、当該終了条件を成立させることができなかったことの情報を特定フラグとして記憶する構成としたが、これら第1特定操作、第2特定操作、第3特定操作は、上記のものに限定されず、少なくとも遊技者が行う操作であればよい。
たとえば、通常リプA~通常リプCを、ストップスイッチ42~44の操作順序に応じて入賞する再遊技が異なるようにし、これら通常リプA~通常リプC当選時に所定の再遊技入賞を成立させることができた(当該所定の再遊技入賞に対応する操作順序でストップスイッチ42~44を操作することができた)ことを第2特定操作とし、当該所定の再遊技入賞を成立させることができなかった(当該所定の再遊技入賞に対応する操作順序とは異なる順序でストップスイッチ42~44を操作して、当該所定の再遊技とは異なる再遊技入賞が成立した)ことを第3特定操作としてもよい。
また、第1特定操作として、いずれかの再遊技当選となる確率が高くなるRT状態への移行を生じさせる移行結果入賞を成立させる停止操作であってもよいし、状態移行は必須ではなく、例えば、予め定められた特定小役(例えばスイカ)入賞を成立させる停止操作であってもよい。なお、これらの場合、当該遊技にて第1特定操作とは異なる操作が許容されていることが好ましく、より詳しくは、上記の移行結果入賞を成立させない操作や、特定小役入賞を成立させない操作が許容されている構成とするとよい。
(29)第3の実施形態において、特定フラグがセットされてから所定ゲーム数(100ゲーム)を消化することで当該特定フラグがクリアされる構成とし、この場合、クリアコマンドが表示制御装置81へ出力されることによって天井ゲーム数の再セットが可能となったことの報知が行われる構成としたが、当該天井ゲーム数の再セットが可能となったことの報知を行わない構成としてもよい。また、当該報知を実行するか否かを抽選により決定する構成としてもよい。
(30)第3の実施形態において、特定フラグがセットされてから所定ゲーム数(100ゲーム)を消化することで当該特定フラグがクリアされる構成としたが、当該所定ゲーム数が複数種類設けられており、特定フラグがクリアされるまでのゲーム数が設定される所定ゲーム数によって異なる構成としてもよい。いずれの所定ゲーム数が設定されるかについては抽選により決定する構成としてもよい。
(31)有利区間移行時処理において特別情報を用いて移行時ATモード移行抽選や天井ゲーム数抽選を行う構成としたが、これらの抽選に、当該有利区間移行時処理が行われるゲームの抽選結果が影響する構成としてもよい。具体的には、例えば、同じBB払出カウンタの値を用いて移行時ATモード移行抽選を行う場合であっても、当該移行時ATモード移行抽選が行われるゲームの抽選結果が第1結果(例えば、チェリーA)である場合よりも当該第1結果とは異なる第2結果(例えば、チェリーB)である場合のほうが、移行時ATモード移行抽選に当選となり易い構成としてもよい。
(32)有利区間移行時処理において特別情報を用いて移行時ATモード移行抽選や天井ゲーム数抽選を行う構成としたが、これらの抽選に、当選確率の設定処理にて設定される設定値が影響する構成としてもよい。具体的には、例えば、同じBB払出カウンタの値を用いて移行時ATモード移行抽選を行う場合であっても、第1設定値が設定されている場合よりも当該第1設定値とは異なる第2設定値が設定されている場合のほうが、移行時ATモード移行抽選に当選となり易い構成としてもよい。
(33)BB状態の1ゲーム目等で有利区間を終了させる構成としたが、有利区間は終了しないもののATモードやCZモードだけが終了する構成としてもよい。
(34)有利区間移行時処理において、特別情報を用いて移行時ATモード移行抽選や天井ゲーム数抽選を行う構成としたが、有利区間移行時に設定値の示唆演出が発生する場合がある構成とし、当該示唆演出の実行抽選を特別情報を用いて行う構成としてもよい。
(35)BB状態へ移行させることで、押し順ベルの当選確率がそれまでの状態(通常遊技状態や持ち越し状態)よりも高くなる構成としてもよい。
(36)有利区間の終了条件を上記のものと異ならせてもよい。具体的には、上限ゲーム数(1500ゲーム)を、上記のものよりも多くしてもよいし少なくしてもよい。また、上限増加数(2400枚)を、上記のものよりも多くしてもよいし少なくしてもよい。更に、ATモードが終了することで必ず有利区間が終了する構成としたが、ATモードが終了する場合であっても有利区間が終了しない場合もある構成としてもよい。ATモードが終了する場合に有利区間が終了しない場合とは、例えば、ATモード終了時に終了抽選を実行する構成としたうえで、当該終了抽選に非当選であった場合に有利区間が終了しない構成としてもよい。また、ATモード終了時に、有利区間の上限ゲーム数までの残りゲーム数が所定数以上存在する場合には、有利区間が終了しない若しくは終了しにくい構成としたり、上記の終了抽選に当選しにくくなるようにしたりする等、有利区間の上限ゲーム数までの残りゲーム数に応じてATモード終了時に有利区間を終了させるか否かが異なる構成としてもよい。
(37)3ベットゲームのみを実行可能な遊技機を前提として説明したが、2ベットゲームや1ベットゲームも実行可能な構成としてもよい。この場合、例えば、2ベットゲームと3ベットゲームとを実行可能な構成とし、2ベットゲームにて第1BBや第2BBに当選可能であり、且つ3ベットゲームでは第1BBや第2BBに当選不可であり、更に、2ベットゲームでは第1BB入賞や第2BB入賞を成立可能であり、且つ3ベットゲームでは第1BB入賞や第2BB入賞を成立不可とする。また、2ベットゲームよりも3ベットゲームのほうがATモード中の1ゲーム当たりの純増枚数を多くしたり、CZモード移行抽選の当選確率を高くする。このようにすると、3ベットゲームにてATモードを消化させたり、CZモード移行抽選に当選させ、ATモードの終盤やCZモードに移行してから、2ベットゲームに切り替えて第1BB状態や第2BB状態による有利区間の再セットを行わせる、といった遊技性とすることができる。この場合、3ベットゲームにて、意図せず第1BB入賞や第2BB入賞を成立させてしまうこと(有利区間を終了させてしまうこと)を回避させることができる。
(38)ATモードフラグがセットされていない状況で押し順報知が発生する構成としたが、ATモードフラグがセットされていなくても有利区間であれば押し順報知が発生し得る構成としてもよい。この場合、例えば、通常モードよりもATモードの方が、押し順報知が発生し易い構成とするとよく、CZモードよりもATモードの方が、押し順報知が発生し易い構成とするとよい。また、通常モードよりもCZモードの方が、押し順報知が発生し易い構成としてもよく、通常モードとCZモードとでは押し順報知の発生率が同程度としてもよい。
(39)ATモードが開始されるゲームや、ATモードへの移行抽選に当選したことの報知が行われるゲームにて、ストップスイッチ42~44の操作を所定期間に亘って無効とするフリーズ演出を発生させる構成としてもよい。この場合、無効期間中にストップスイッチ42~44を操作することで、各リール32L,32M,32Rに所定の絵柄組合せを仮停止させてATモードが開始されることやATモードへの移行抽選に当選したことの報知が行われる構成としてもよい。そして、所定の絵柄組合せを仮停止させた後、当該無効期間中に再度各リール32L,32M,32Rを回転させて、無効期間経過後に、ストップスイッチ42~44の操作に基づき当該ゲームの抽選結果に対応する停止制御を行う構成とするとよい。
(40)第1の実施形態において、BB払出カウンタが7ではなければ移行時ATモード移行抽選に当選しないように設定したが、7以外の値(例えば0,1)であっても移行時ATモード移行抽選に当選し得る構成としてもよい。この場合、BB払出カウンタが7である場合の方が、7以外である場合よりも当選確率が高くなるように設定するとよい。
(41)有利区間移行時処理に用いられる特別情報は1種類に限定されず、複数種類の特別情報が用いられる構成としてもよい。例えば、特別情報として、BBゲームカウンタとBB払出カウンタとを用いて移行時ATモード移行抽選を行う構成とし、BBゲームカウンタが所定数(10)未満であって、BB払出カウンタが特定数(30)以上であれば移行時ATモード移行抽選に当選する又は当選し易い一方、BBゲームカウンタが所定数以上であったり、BB払出カウンタが特定数未満である場合には、BBゲームカウンタが所定数(10)未満であって、BB払出カウンタが特定数(30)以上である場合よりも移行時ATモード移行抽選に当選しにくい又は当選しないように設定してもよい。
(42)ATモードの終盤にBB状態に移行させてATモードを終了させる構成に代えて、ATモードの残りゲーム数が0となって当該ATモードが終了した後、所定ゲーム数(例えば5)間をCZモード等に設定し、当該CZモード中にBB状態へ入賞させることができた場合には、BB状態の1ゲーム目で押し順報知が発生する又は発生し易い構成としてもよい。
(43)有利区間の上限ゲーム数(1500)や上限増加枚数(2400)に近い状況でBB状態に移行させる構成としてもよい。この場合、例えば、上限ゲーム数の所定ゲーム数(例えば5)前でBB状態に移行させたり、上限増加枚数(2400)の所定枚数前(例えば10)前でBB状態に移行させる構成とするとよい。上記所定ゲーム数は、少なくともBB状態へ移行させるゲームと、特別情報としてのBB払出カウンタを特定数(7)とするためのゲームと、を有利区間中に遊技できる程度のゲーム数であればよい。また、上記の所定枚数は、少なくとも特別情報としてのBB払出カウンタを特定数(7)とするためのゲームを有利区間にて遊技できる枚数であってもよいし、当該BB払出カウンタを特定数とすることで当該有利区間が終了する枚数であってもよい。
(44)各設定値によって出玉率が変化する構成とし、設定1が最も出玉率が低く、設定6が最も出玉率が高くなる構成としたが、設定値によって出玉(遊技媒体)の増減率や増減態様が変化する構成であればよい。例えば、設定1と設定2との出玉率が同じであるなど、一部の設定値の出玉率が同じであって、他の設定値の出玉率が異なる構成としてもよい。また、設定1,3,5は出玉の増減率が高く、設定2,4,6は出玉の増減率が低い構成としてもよい。また、設定1,5は短時間で出玉が所定量増加し長時間で出玉が所定量減少し、設定2,3,4は所定量の増加に設定1,5よりも長時間要するとともに所定量の減少に設定1,5よりも短時間で済み、設定6は出玉の増減がほとんど発生しない構成としてもよい。これらの場合、各設定値の出玉率は同じであってもよい。
(45)リール及びそれに対応するストップスイッチを3つ並列して備えるスロットマシンについて説明したが、かかる構成に限定されるものではなく、例えばリール及びそれに対応するストップスイッチを5つ並列して備えたスロットマシンであってもよい。リールの停止操作における誤操作を抑制するという観点からすると、リール及びそれに対応するストップスイッチは少なくとも2つあればよい。また、ベット数が3である状況で有効ラインが1ラインに設定されるスロットマシンについて説明したが、かかる構成に限定されるものではなく、例えば、有効ラインは5ラインであってもよい。
(46)スロットマシン10について具体化した例を示したが、スロットマシンとパチンコ機とを融合した形式の遊技機に適用してもよい。即ち、スロットマシンのうち、メダル投入及びメダル払出機能に代えて、パチンコ機のような球投入及び球払出機能をもたせた遊技機(所謂、球使用回胴式遊技機)としてもよい。かかる遊技機をスロットマシンに代えて使用すれば、遊技ホールでは球のみを遊技価値として取り扱うことができるため、パチンコ機とスロットマシンとが混在している現在の遊技ホールにおいてみられる、遊技価値たるメダルと球との別個の取扱による設備上の負担や遊技機設置個所の制約といった問題を解消し得る。
(47)上記実施形態では遊技媒体としてのメダルを投入することベット数を設定して遊技が開始可能となり、当該遊技の入賞に対応する特典として所定数のメダルが払い出されるタイプの遊技機について例示したが、メダルを使用しないメダルレスタイプの遊技機を否定するものではない。このようなメダルレスタイプの遊技機においては、例えば、仮想遊技媒体(所定の遊技価値)を用いてゲームのベット数を設定して遊技を開始可能とし、当該遊技の入賞に対応する特典として上記所定数のメダルに応じた仮想遊技媒体(所定の遊技価値)を付与する構成とするとよい。この場合、当該仮想遊技媒体数を所定の表示部にて表示する構成としてもよいし、当該仮想遊技媒体数に対応する情報を本遊技機外部に出力する構成としてもよい。
また、上記のパチンコ機においては、遊技球の払い出しが行われるタイプのパチンコ機だけでなく、遊技機外部に遊技球が排出されない封入タイプのパチンコ機であってもよい。このような封入タイプのパチンコ機においては、例えば賞球数を示す情報を報知する構成とするとよい。
<上記各実施の形態から抽出される発明群について>
以下、上述した各実施の形態から抽出される特徴的な構成について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、上記実施の形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
以下の各特徴群に示す発明は、「遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機では、所定の抽選条件が成立したことに基づいて内部抽選が行われ、当該内部抽選の結果に応じて遊技者に特典が付与される構成が知られている。スロットマシンについて具体的には、遊技媒体としてのメダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されると、内部抽選が実施されるとともに、リールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップスイッチが操作された場合には、リールの回転が停止する。そして、リールの停止結果が内部抽選の結果に対応したものである場合には、結果に応じた特典が付与される(例えば特開2008-295707号公報参照)。」という背景技術について、「ここで、上記例示等した遊技機においては遊技の興趣向上を図る必要があり、この点について、未だ改良の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
<特徴A群>
特徴A1.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(各リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が開始される始動操作手段(スタートレバー41)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与するか否かの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が停止される停止操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させ、前記停止操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を停止させる駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記抽選手段における抽選結果が所定結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、当該所定結果に対応する所定の絵柄組合せが停止した場合に、前記所定結果に対応する特典を付与することが可能な特典付与手段(主制御装置101による払出判定処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
前記抽選手段による抽選結果として、前記停止操作手段が第1の操作態様にて操作された場合には第1結果が入賞可能となる一方、前記停止操作手段が前記第1の操作態様とは異なる第2の操作態様にて操作された場合には前記第1結果が入賞した場合とは異なる利益が付与され得る第2結果が入賞可能となる又はいずれの結果も入賞が成立しない態様結果(押し順ベル)が設定されており、
前記抽選手段による抽選結果が前記態様結果である場合、所定の報知手段にて前記第1の操作態様又は前記第2の操作態様を含む態様報知を実行可能な態様報知手段(主制御装置101による押し順報知を行うための処理を実行する機能、表示制御装置81による押し順報知演出を行うための処理を実行する機能)を備え、
前記態様報知手段による前記態様報知が実行可能となる有利状態(有利区間)と、前記態様報知手段による前記態様報知が実行不可となる通常状態(通常区間)と、が設定されており、
予め定められた有利移行条件に基づいて、前記通常状態から前記有利状態に移行させる有利移行手段(主制御装置101による区間表示第1処理において有利区間へ移行させる処理を実行する機能)と、
予め定められた有利終了条件に基づいて、前記有利状態から前記通常状態に移行させる有利終了手段(主制御装置101による区間表示第2処理において有利区間を終了させる処理を実行する機能)と、
前記有利移行手段により前記通常状態から前記有利状態への移行が生じる場合に、前記態様報知に関する特定処理を実行可能な特定処理実行手段(主制御装置101による有利区間移行時処理を実行する機能)と、
を備え、
前記抽選手段による抽選結果として、遊技者にとって有利な特別状態への移行を可能とする特別結果(第1BB,第2BB)が設定されており、
前記抽選手段による抽選結果が前記特別結果であって、前記有効位置に前記特別結果に対応する特別の絵柄組合せが停止した場合に、前記特別状態へ移行させる特別移行手段(主制御装置101によるボーナス状態処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が前記特別結果であって、前記有効位置に前記特別の絵柄組合せが停止しなかった場合に、前記特別結果に当選していることに対応する情報を留保可能な留保手段(主制御装置101による第1BB当選フラグや第2BB当選フラグを持ち越し可能とする機能)と、
少なくとも前記抽選手段による抽選結果が前記特別結果となる当選遊技から、前記特別状態が終了する終了遊技までのいずれかの遊技を含む特別遊技の進行に応じて、予め定められた特別情報(BB払出カウンタやRTカウンタ等)の更新を行う特別情報更新手段(主制御装置101によるRTカウンタやBB払出カウンタ等の更新処理を行う機能)と、を備え、
前記特定処理実行手段は、前記特別状態において前記有利移行手段により前記有利状態への移行が生じる場合に、少なくとも前記特別情報を用いて前記特定処理を実行可能な特別手段(主制御装置101による有利区間移行時処理においていずれかのBB状態フラグがセットされている場合の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、始動操作手段の操作に基づき開始される遊技の抽選結果が態様結果である場合、停止操作手段が第1の操作態様にて操作されれば第1結果入賞が成立し、第2の操作態様にて操作されれば第2結果入賞が成立したりいずれの結果も入賞しなかったりする場合があり、これら第1の操作態様や第2の操作態様を含む態様報知が実行される場合があるため、態様報知の実行の有無によって、遊技者の利益を大きく異ならせる遊技性を実現することができる。
態様報知は有利状態において実行され、通常状態では実行されないところ、有利状態の方が遊技者にとって有利となり、しかも、有利状態への移行に際して特定処理実行手段により態様報知に関する特定処理が実行されるため、有利状態へ移行することに加えて、有利状態へ移行する際の特定処理の内容や結果へも遊技者の関心を寄せさせることが可能となり、有利状態移行時の注目度が好適に高められている。
そのうえで、抽選手段による抽選結果として、その遊技にて入賞が成立しなければ留保される所謂ボーナスとしての特別状態への移行を可能とする特別結果が設定されており、その特別状態中に有利状態への移行が生じる場合には、特別結果当選となってから特別状態が終了するまでのいずれかの遊技を含む特別遊技の進行に応じて変化する特別情報を用いて態様報知に関する特定処理が実行されるため、ボーナスの進行状況を有利状態への移行時の特定処理に関連付けて、これまでにない斬新な遊技性を実現することが可能となる。よって、遊技の注目度を好適に高めることができる。
特徴A2.前記特別情報更新手段は、前記特別情報が前記特定処理に利用されるか否かに関わらず当該特別情報の更新を行うことを特徴とする特徴A1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特別状態等の特別遊技にて更新される特別情報が態様報知に関する特定処理の専用の情報ではないことが明確化される。このようにすることで、態様報知を用いた遊技と、特別状態等の特別遊技といった、遊技の情報をリンクさせるうえで、これらの遊技が完全に別々に進行している遊技であることが明らかになり、両遊技を関連付けることによる興趣向上の効果が高められる。
特徴A3.前記特別情報更新手段は、前記通常状態において前記特別情報を更新可能であって、且つ前記有利状態において前記特別情報を更新可能であることを特徴とする特徴A1又は特徴A2に記載の遊技機。
上記構成によれば、特別情報が、態様報知の実行可能となる有利状態であるか否かに関わらず更新されるものとなり、当該特別情報が態様報知に関する特定処理の専用の情報ではないことが明確化される。このようにすることで、態様報知を用いた遊技と、特別状態等の特別遊技といった、遊技の情報をリンクさせるうえで、これらの遊技が完全に別々に進行している遊技であることが明らかになり、両遊技を関連付けることによる興趣向上の効果が高められる。
特徴A4.前記有利終了手段により前記有利状態から前記通常状態への移行が生じる場合、前記有利状態にて用いられた有利情報の初期化処理を実行する初期化手段(主制御装置101による有利区間終了時の初期化処理を実行する機能)を備え、
前記特別情報は前記初期化手段による前記初期化処理の対象とはならないことを特徴とする特徴A1乃至A3のいずれか1に記載の遊技機。
有利状態が終了する場合には、当該有利状態に用いられた有利情報の初期化処理が行われる構成とすることで、一の有利状態の独立性を担保し、有利状態の終了に際して遊技を終了した場合に、後任の遊技者に有利/不利が引き継がれないようにすることが可能となる。しかし、有利状態の独立性を担保するあまり、有利状態の終了のたびに遊技がぶつ切りとなり、遊技の興趣向上を望むうえでは好ましくない事情もある。そこで、上記構成のように、有利状態にて用いられる有利情報ではなく、特別状態等の特別遊技にて更新される特別情報を用いて有利状態移行時の特定処理を行うようにすることで、先に終了した有利状態中の情報を特別情報として引き継ぐことも可能となり、先の有利状態と後の有利状態との関連性を高めることが可能となる。
特徴A5.前記特別遊技のうち前記終了遊技よりも前の特定遊技(例えばBB状態1ゲーム目)にて、前記有利状態を終了させることが可能な特別有利終了手段(主制御装置101による有利区間をBB状態の1ゲーム目等で終了させる処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴A1乃至A4のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特別情報が更新される特別遊技中の特定遊技にて有利状態が終了する場合がある。そうすると、当該有利状態が終了した後、再度有利状態に移行する場合に、終了前の有利状態と重複している特別遊技での特別情報を用いて特定処理が行われる場合があることになる。このような構成とすることで、特別遊技で更新される特別情報を用いて、一の有利状態と後続の有利状態との情報の関連付けを行うことが可能となる。
特徴A6.前記特別手段が、前記特別情報として第1特別情報を利用して前記特定処理を実行した場合と、前記特別情報として前記第1特別情報とは異なる第2特別情報を利用して前記特定処理を実行した場合とで、当該特定処理の結果が異なることを特徴とする特徴A1乃至A5のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特別情報が特定処理に用いられるだけでなく、その用いられる特別情報の種類によって特定処理の結果が異なることになる。このようにすることで、特定処理に用いられる特別情報が所望の特別情報となるように、特別遊技が進行することへ遊技者の関心が寄せられることになる。よって、特別遊技の注目度を高めることができる。
特徴A7.前記特別遊技において前記抽選手段による抽選結果が第1特定結果である場合、前記特別情報更新手段は前記特別情報を前記第1特別情報に更新し、前記特別遊技において前記抽選手段による抽選結果が前記第1特定結果とは異なる第2特定結果である場合、前記特別情報更新手段は前記特別情報を前記第2特別情報に更新することを特徴とする特徴A6に記載の遊技機。
上記構成によれば、特別遊技の抽選結果によって、その後の特定処理の結果が異なることになる。よって、特別遊技への注目度を好適に高めることが可能となる。
特徴A8.前記特別遊技において前記有効位置に第1特定の絵柄組合せが停止した場合、前記特別情報更新手段は前記特別情報を前記第1特別情報に更新し、前記特別遊技において前記有効位置に前記第1特定の絵柄組合せとは異なる第2特定の絵柄組合せが停止した場合、前記特別情報更新手段は前記特別情報を前記第2特別情報に更新することを特徴とする特徴A6又は特徴A7に記載の遊技機。
上記構成によれば、特別遊技の停止結果によって、その後の特定処理の結果が異なることになる。よって、特別遊技への注目度を好適に高めることが可能となる。
特徴A9.前記特別遊技において前記特典付与手段により第1特定の特典が付与された場合、前記特別情報更新手段は前記特別情報を前記第1特別情報に更新し、前記特別遊技において前記特典付与手段により前記第1特定の特典とは異なる第2特定の特典が付与された場合、前記特別情報更新手段は前記特別情報を前記第2特別情報に更新することを特徴とする特徴A6乃至A8のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特別遊技にて付与される特典によって、その後の特定処理の結果が異なることになる。よって、特別遊技への注目度を好適に高めることが可能となる。
特徴A10.前記特別遊技において前記抽選手段による抽選結果が第1所定結果(押し順ベル当選)であって、前記有効位置に当該第1所定結果に対応する絵柄組合せが停止した場合、前記特典付与手段により前記第1特定の特典が付与され、前記特別遊技において前記抽選手段による抽選結果が第2所定結果(スイカ当選)であって、前記有効位置に当該第2所定結果に対応する絵柄組合せが停止した場合、前記特典付与手段により前記第2特定の特典が付与されることを特徴とする特徴A9に記載の遊技機。
上記構成によれば、特別遊技の抽選結果によって付与される特典が異なり、その特典によって、その後の特定処理の結果が異なることになる。よって、特別遊技への注目度を好適に高めることが可能となる。
特徴A11.前記抽選手段による抽選結果が前記態様結果であって、前記停止操作手段が前記第1の操作態様にて操作された場合、前記有効位置に前記第1結果に対応する絵柄組合せが停止して前記特典付与手段により前記第1特定の特典が付与され、前記抽選手段による抽選結果が前記態様結果であって、前記停止操作手段が前記第2の操作態様にて操作された場合、前記有効位置に前記第2結果に対応する絵柄組合せが停止して前記特典付与手段により前記第2特定の特典が付与されることを特徴とする特徴A9又は特徴A10に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1特定の特典が付与される場合と、第2特定の特典が付与される場合と、で、更新後の特別情報が異なることとなって特定処理の結果に影響を及ぼす構成において、第1特定の特典が付与されるか、それとも第2特定の特典が付与されるかは、態様結果当選時の停止操作手段の操作態様によって異なることになる。このようにすることで、態様結果当選時の停止操作手段の操作態様に対して大きな関心を寄せさせることができる。
特に、本遊技機においては、態様結果に当選した遊技が有利状態であれば態様報知が実行される場合があるため、例えば、一の有利状態において態様報知により特別情報を調節した後、当該有利状態を終了させ、その後、有利状態へ再移行させ、上記調節された特別情報を用いて特定処理を行わせる、といった遊技性も実現することが可能である。よって、特別情報を態様報知によって調節しながら、一の有利状態と後続の有利状態との関連付けを行うことが可能となる。
特徴A12.前記特別遊技のうち前記終了遊技よりも前の特定遊技(例えばBB状態1ゲーム目)にて、前記有利状態を終了させることが可能な特別有利終了手段(主制御装置101による有利区間をBB状態の1ゲーム目等で終了させる処理を実行する機能)を備え、
前記態様報知手段は、前記特別有利終了手段により前記有利状態が終了されるよりも前であって、前記抽選手段による抽選結果が前記態様結果である遊技にて前記態様報知を実行可能な特定態様報知手段(主制御装置101や表示制御装置81によるBB状態1ゲーム目にて押し順報知等を行うための処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴A11に記載の遊技機。
上記構成によれば、特別状態中に態様結果当選となった場合に、当該態様結果にて第1結果入賞を成立させて第1特定の特典を得ることで特別情報を第1特別情報に更新させるか、それとも第2結果入賞を成立させて第2特定の結果を得ることで特別情報を第2特別情報に更新させるかを、当該態様結果当選時の態様報知によって調節することが可能となる。そのうえで、特定遊技にて有利状態が終了された場合、仮に有利状態移行時まで更なる特別情報の更新がなされなかった場合には、当該第1特別情報又は第2特別情報を用いて特定処理が行われることになる。このような構成とすることで、次の有利状態移行時の特定処理の結果を、先の有利状態中に態様報知を用いて調節する、といった斬新な遊技性を実現することが可能となる。よって、遊技の興趣向上を図ることができる。
特徴A13.前記有利状態として、前記態様報知手段による前記態様報知が実行され易い第1有利状態(ATモード)と、当該第1有利状態よりも前記態様報知が実行されにくい第2有利状態(通常モードやCZモード)と、が設定されており、
前記有利終了手段は、前記第1有利状態における終了条件が成立した場合に前記有利終了条件が成立したとして前記有利状態を終了させて前記通常状態へ移行させる構成であり、
前記特別有利終了手段は、前記第1有利状態における終了条件が成立しているか否かに関わらず、前記特定遊技にて前記有利状態を終了させることが可能な構成であり、
前記第1有利状態が終了するまでの遊技数が第1遊技数である場合と、当該遊技数が前記第1遊技数とは異なる第2遊技数である場合とで、前記特定態様報知手段による前記態様報知の実行され易さが異なっていることを特徴とする特徴A12に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1有利状態が終了するまでの遊技数に応じて、特定態様報知手段による態様報知の実行率が異なるため、例えば、第1有利状態の終了までの遊技数が残り僅かの状況であれば態様報知が実行され易くなる構成としたり、第1有利状態の終了までの遊技数がまだまだ存在する状況であれば態様報知が実行され易くなる構成として、当該態様報知によって特別情報の調節を行った状態で特定処理を行わせ、移行する有利状態の有利度等をうまく調節することが可能となる。このようにすることで、有利状態のうち遊技者にとって有利な第1有利状態の進行度合いに応じて、その後に有利状態へ再移行する際の特定処理に供与される特別情報をうまく管理することができる。
特徴A14.前記特別手段が、前記特別情報として前記第1特別情報を利用して前記特定処理を実行した場合の方が、前記特別情報として前記第2特別情報を利用して前記特定処理を実行した場合よりも、当該特定処理の結果が遊技者にとって有利となり易い構成であり、
前記特定態様報知手段は、前記第1有利状態が終了するまでの遊技数が多いほど、前記第1の操作態様についての前記態様報知を実行し易い構成であることを特徴とする特徴A13に記載の遊技機。
態様結果当選時に第1の操作態様にて停止操作手段を操作することで、第1結果入賞を成立させることが可能であり、その結果、特別情報は第1特別情報に更新される。この場合、上記構成では、第1特別情報を利用して特定処理が実行された場合の方が第2特別情報を利用した場合よりも特定処理の結果が有利となり易い構成としたうえで、第1有利状態の残り遊技数が多いほど、特定態様報知手段により第1の操作態様についての態様報知が行われ易い構成としていることから、第1有利状態の残り遊技数が多いのにも関わらず、特別有利終了手段によって有利状態が終了してしまったことの補填を、次の有利状態移行時の特定処理にて行う構成とすることが可能となる。
特徴A15.前記特別手段が、前記特別情報として前記第1特別情報を利用して前記特定処理を実行した場合の方が、前記特別情報として前記第2特別情報を利用して前記特定処理を実行した場合よりも、当該特定処理の結果が遊技者にとって有利となり易い構成であり、
前記特定態様報知手段は、前記第1有利状態が終了するまでの遊技数が少ないほど、前記第1の操作態様についての前記態様報知を実行し易い構成であることを特徴とする特徴A13又は特徴A14に記載の遊技機。
態様結果当選時に第1の操作態様にて停止操作手段を操作することで、第1結果入賞を成立させることが可能であり、その結果、特別情報は第1特別情報に更新される。この場合、上記構成では、第1特別情報を利用して特定処理が実行された場合の方が第2特別情報を利用した場合よりも特定処理の結果が有利となり易い構成としたうえで、第1有利状態の残り遊技数が少ないほど、特定態様報知手段により第1の操作態様についての態様報知が行われ易い構成としている。
ここで、特定態様報知手段によって特別情報を第1特別情報に更新させることの恩恵を受けるためには、少なくとも特別結果当選となることや特別状態への移行を生じさせる必要がある。そのため、第1有利状態による恩恵を十分に供与させたうえで、更に、次の有利状態移行時の特定処理にて有利な結果となるようにするためには、なるべく第1有利状態の終了間際に特別状態移行を生じさせなければならず、第1有利状態の終了間際の遊技性を大幅に向上させることが可能となる。
特徴A16.前記留保手段により前記特別結果に当選していることに対応する情報が留保されている場合、前記抽選手段による抽選結果が予め定められた特殊結果(外れ結果)である遊技では前記有効位置に前記特別の絵柄組合せを停止させることが許容される一方、前記抽選手段による抽選結果が前記特殊結果とは異なる結果である遊技では前記有効位置に前記特別の絵柄組合せを停止させることが制限される構成であることを特徴とする特徴A13乃至A15のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、例えば、特徴A15のように、第1有利状態の終了間際の方が特定態様報知手段による恩恵を享受し易い構成において、なるべく第1有利状態の終了間際に特殊結果となることを望むようになる。但し、特殊結果とならないまま第1有利状態が終了してしまう場合もあり得ることから、第1有利状態の終了間際の遊技性を好適に向上させることができる。また、このように特殊結果とならなければ特別結果入賞が制限される構成とすることで、特別結果当選を留保している状況で、意図せず特別結果入賞が成立してしまいにくくすることが可能となり、特徴A14のように、第1有利状態の開始直後のように残り遊技数がたくさん存在するのにもかかわらず特別有利終了手段によって有利状態が終了してしまう事象を生じさせにくくすることができる。
特徴A17.遊技に供与される遊技価値の賭数を設定する賭数設定手段(クレジット投入スイッチ56,57)を備え、
前記抽選手段は、前記賭数設定手段により第1賭数(3ベット)が設定されている場合の方が、前記第1賭数とは異なる第2賭数(2ベット)が設定されている場合よりも、遊技者にとって有利となる抽選を行う構成であり、且つ、前記賭数設定手段により前記第1賭数が設定されている場合よりも、前記第2賭数が設定されている場合の方が、前記特殊結果となる確率は高くなるように設定されていることを特徴とする特徴A16に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1賭数が設定されている場合の方が第2賭数よりも有利な抽選が受けられることから、通常時においては第1賭数にて遊技が行われることを前提としながら、第2賭数に切り替えることで、比較的容易に特別結果入賞を成立させることが可能となる。よって、特別結果入賞を成立させることができないまま第1有利状態が終了してしまう事象を好適に回避させることが可能となる。
特徴A18.前記有利終了手段は、前記有利状態における遊技数又は遊技価値の増加数が予め定められた上限数に達した場合に、前記有利終了条件が成立したとして前記有利状態を終了させて前記通常状態に移行させることが可能な構成であり、
前記有利状態において、前記上限数に達することを、当該上限数に達するよりも先に把握することが可能な先把握手段(主制御装置101による残ゲーム数管理処理、残枚数管理処理を実行する機能)を備え、
前記特定態様報知手段は、前記先把握手段により前記上限数に達することが把握されている場合のほうが、前記上限数に達することが把握されていない場合よりも、前記態様報知を実行し易い構成であることを特徴とする特徴A12乃至A17のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、有利状態における遊技数や遊技価値の増加数が上限数に達した場合には有利状態が終了するようにしたことで、有利状態が延々と継続してしまったり、あまりにも多くの遊技価値が一度の有利状態にて付与されてしまったりする等、を回避することが可能となり、遊技の健全性を担保することができる。その一方で、有利状態にこのような上限を設けることで、例えば、上限に達することが早々に把握された場合には、それ以後の遊技が所謂消化ゲームとなり、せっかく上限まで有利状態が継続するのにもかかわらず、遊技への注目度が極端に低下しかねない。そこで、上記構成のように、上限に到達することが事前に把握されている場合には、特定態様報知手段による態様報知が行われ易くなるようにしたことから、態様報知を利用した恩恵によって、次の有利状態移行時に有利な特定処理を行わせるなどすることが可能となり、上記の注目度の低下を抑制することが可能となる。
特徴A19.前記特別遊技のうち前記終了遊技よりも前の特定遊技(例えばBB状態1ゲーム目)にて、前記有利状態を終了させることが可能な特別有利終了手段(主制御装置101による有利区間をBB状態の1ゲーム目等で終了させる処理を実行する機能)を備え、
前記有利状態として、前記態様報知手段による前記態様報知が実行され易い第1有利状態(ATモード)と、当該第1有利状態よりも前記態様報知が実行されにくい第2有利状態(通常モードやCZモード)と、が設定されており、
前記有利終了手段は、前記第1有利状態における終了条件が成立した場合に前記有利終了条件が成立したとして前記有利状態を終了させて前記通常状態へ移行させる構成であり、
前記特別有利終了手段は、前記第1有利状態における終了条件が成立しているか否かに関わらず、前記特定遊技にて前記有利状態を終了させることが可能な構成であり、
前記第1有利状態の残り遊技数を増加させる増加手段(主制御装置101によるATモードのゲーム数の上乗せ処理を実行する機能)と、
前記第1有利状態の残り遊技数に対応する遊技数報知を実行する手段(表示制御装置81による残りゲーム数表示を実行する機能)と、
前記増加手段により前記第1有利状態の残り遊技数が増加された場合、前記遊技数報知が予め定められた所定数となってから、当該残り遊技数が増加されたことに対応する増加報知(後乗せ報知)を実行する増加報知手段(表示制御装置81による後乗せ報知を実行する機能)を備え、
前記第1有利状態の残り遊技数が前記所定数よりも少ない特定数(第3所定数)となった場合に、前記特別状態への移行を生じさせるべき状況であることに対応する特定報知(入賞待ち演出)を実行可能な特定報知実行手段(表示制御装置81による入賞待ち演出を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴A1乃至A18のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1有利状態の残り遊技数が増加した場合において、所謂後乗せ報知として、報知されている残り遊技数が所定数となった場合に当該増加したことの増加報知が行われる場合があるため、残り遊技数の増加が行われたタイミングとその増加報知が行われるタイミングとが相違する場合があるようになって、第1有利状態の遊技性が向上する。このような遊技性に特徴A1の構成を適用する場合、第1有利状態において増加報知が行われる予定だったのにもかかわらず、特別状態への移行を生じさせて有利状態を終了させてしまう場合が懸念される。その点、上記構成においては、後乗せ報知が行われ得る所定数よりも少ない特定数となってから、特別状態への移行を生じさせるべき状況であることの報知を行う構成としていることから、上記のように後乗せ報知分の遊技数が残っているのにもかかわらず、特別状態移行に伴って有利状態を終了させてしまう事象を好適に回避させることが可能となる。
なお、「特定数」は、例えば、「前記第1有利状態に移行した場合に設定される遊技数よりも少ない数」とすることで、特別状態への移行によって有利状態を終了させて、有利状態への再移行を生じさせることの意義を担保することが可能となる。
特徴A20.前記増加報知手段は、前記増加手段により増加された遊技数が第1遊技数である場合には、前記増加報知を前記遊技数報知が前記所定数として第1所定数(残り11ゲーム)となってから実行する一方、前記増加手段により増加された遊技数が第1遊技数とは異なる第2遊技数である場合には、前記増加報知を前記遊技数報知が前記特定数よりも少ない第2所定数(残り1ゲーム)となってから実行する構成であり、
前記遊技数報知が前記特定数となってからの遊技にて、前記特定報知を実行するか否かの報知抽選を実行する報知抽選手段(表示制御装置81による入賞待ち演出を実行するか否かの報知抽選を実行する機能)を備え、
前記特定報知実行手段は、前記増加報知手段による前記増加報知が行われることが決定されておらず、且つ前記報知抽選手段による報知抽選の結果が前記特定報知を実行することに対応する結果である場合に、前記特定報知を実行する構成であることを特徴とする特徴A19に記載の遊技機。
上記構成によれば、増加手段により増加された遊技数に応じて、後乗せ報知としての増加報知が実行されるタイミングが異なり、特定報知が行われる特定数よりも少ない遊技数にて増加報知が行われる場合があるようになる。そして、特別状態への移行を生じさせるべき特定報知は、増加報知が行われない場合であって、且つ、報知抽選に当選した場合に実行される構成としていることから、遊技数報知が特定数よりも少ない状況において、特定報知が行われていない状況を、増加報知が行われるかもしれない、と期待感を寄せさせながら遊技させることが可能となる。よって、第1有利状態中に特別状態への移行を生じさせて有利状態を終了させる遊技において、残り遊技数が少なくなった場面の興趣を好適に向上させることが可能となる。
特徴A21.前記特別状態として、第1特別状態(第1BB状態)と、当該第1特別状態とは異なる第2特別状態(第2BB状態)とが設定されており、
前記特別手段が、前記第1特別状態にて前記特定処理を実行した場合と、前記第2特別状態にて前記特定処理を実行した場合とで、利用する前記特別情報が同じであっても当該特定処理の結果が異なり得る構成であることを特徴とする特徴A1乃至A20のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、同じ特別情報であっても、特定処理が実行される場合の特別状態が第1特別状態であるか第2特別状態であるかによって、当該特定処理の結果が異なり得る。このようにすることで、いずれの特別状態への移行を生じさせる特別結果当選となることや、いずれの特別結果を留保しているかへの関心を高め、有利状態移行時の特定処理を利用した遊技性を向上させることが可能となる。
上記特徴A1乃至A21に記載された発明は、「遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機では、所定の抽選条件が成立したことに基づいて内部抽選が行われ、当該内部抽選の結果に応じて遊技者に特典が付与される構成が知られている。スロットマシンについて具体的には、遊技媒体としてのメダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されると、内部抽選が実施されるとともに、リールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップスイッチが操作された場合には、リールの回転が停止する。そして、リールの停止結果が内部抽選の結果に対応したものである場合には、結果に応じた特典が付与される(例えば特開2008-295707号公報参照)。」という背景技術について、「ここで、上記例示等した遊技機においては遊技の興趣向上を図る必要があり、この点について、未だ改良の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
上記特徴A1乃至A21の各構成に対して、特徴A1乃至A21、特徴B1乃至B10、特徴C1乃至C9、特徴D1乃至D10、特徴E1乃至E11、特徴F1乃至F7、特徴G1乃至G10、特徴H1乃至H12のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴B群>
特徴B1.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(各リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が開始される始動操作手段(スタートレバー41)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与するか否かの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が停止される停止操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させ、前記停止操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を停止させる駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記抽選手段における抽選結果が所定結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、当該所定結果に対応する所定の絵柄組合せが停止した場合に、前記所定結果に対応する特典を付与することが可能な特典付与手段(主制御装置101による払出判定処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
前記抽選手段による抽選結果として、前記停止操作手段が第1の操作態様にて操作された場合には第1結果が入賞可能となる一方、前記停止操作手段が前記第1の操作態様とは異なる第2の操作態様にて操作された場合には前記第1結果が入賞した場合とは異なる利益が付与され得る第2結果が入賞可能となる又はいずれの結果も入賞が成立しない態様結果(押し順ベル)が設定されており、
前記抽選手段による抽選結果が前記態様結果である場合、所定の報知手段にて前記第1の操作態様又は前記第2の操作態様を含む態様報知を実行可能な態様報知手段(主制御装置101による押し順報知を行うための処理を実行する機能、表示制御装置81による押し順報知演出を行うための処理を実行する機能)を備え、
前記態様報知手段による前記態様報知が実行可能となる有利状態(有利区間)と、前記態様報知手段による前記態様報知が実行不可となる通常状態(通常区間)と、が設定されており、
予め定められた有利移行条件に基づいて、前記通常状態から前記有利状態に移行させる有利移行手段(主制御装置101による区間表示第1処理において有利区間へ移行させる処理を実行する機能)と、
予め定められた有利終了条件に基づいて、前記有利状態から前記通常状態に移行させる有利終了手段(主制御装置101による区間表示第2処理において有利区間を終了させる処理を実行する機能)と、
前記有利移行手段により前記通常状態から前記有利状態への移行が生じる場合に、予め定められた特別情報(例えばBB払出カウンタ)を用いて前記態様報知に関する特定処理を実行可能な特定処理実行手段(主制御装置101による有利区間移行時処理を実行する機能)と、
遊技状態が第1遊技状態(BB状態)である場合には前記特別情報が第1特別情報(BB払出カウンタ=0)から第2特別情報(BB払出カウンタ=7)に更新されることが許容されている一方、遊技状態が前記第1遊技状態とは異なる第2遊技状態である場合には、前記特別情報が前記第1特別情報から前記第2特別情報に更新されることが制限されており、
前記第1特別情報を用いて前記特定処理を実行した場合よりも、前記第2特別情報を用いて前記特定処理を実行した場合の方が、当該特定処理の結果が遊技者にとって有利となるように設定されていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、始動操作手段の操作に基づき開始される遊技の抽選結果が態様結果である場合、停止操作手段が第1の操作態様にて操作されれば第1結果入賞が成立し、第2の操作態様にて操作されれば第2結果入賞が成立したりいずれの結果も入賞しなかったりする場合があり、これら第1の操作態様や第2の操作態様を含む態様報知が実行される場合があるため、態様報知の実行の有無によって、遊技者の利益を大きく異ならせる遊技性を実現することができる。
態様報知は有利状態において実行され、通常状態では実行されないところ、有利状態の方が遊技者にとって有利となり、しかも、有利状態への移行に際して特定処理実行手段により態様報知に関する特定処理が実行されるため、有利状態へ移行することに加えて、有利状態へ移行する際の特定処理の内容や結果へも遊技者の関心を寄せさせることが可能となり、有利状態移行時の注目度が好適に高められている。
特定処理に用いられる特別情報は、第1特別情報から第2特別情報に更新される場合があり、第1特別情報を用いて特定処理が行われるよりも、第2特別情報を用いて特定処理が行われる場合の方が、特定処理の結果が遊技者にとって有利となるように設定されている。そのため、なるべく特別情報が第2特別情報に更新された状況で有利状態への移行を生じさせた方が遊技者にとって有利となる。
そして、第1特別情報から第2特別情報への更新は、第1遊技状態では許容されている一方で、第2遊技状態では制限されていることから、有利状態への移行が第1遊技状態にて生じたほうが有利となる。このような構成とすることで、態様報知を利用して有利度に変化を生じさせる遊技性において、単にその態様報知が実行される有利状態への移行が生じることへ注目させるだけでなく、その有利状態への移行が生じるタイミングにも関心を寄せさせることができ、これまでにない面白みのある遊技性を実現することが可能となる。
それだけでなく、上記構成のようにすることで、遊技状態に応じて特別情報を用いたり用いなかったりといったように、特定処理の処理構成を変更する必要が生じず、処理構成の簡素化が図られるし、遊技状態毎に特定処理の処理構成が異なる構成とした場合に生じる処理エラーやそれを利用した不正行為を好適に抑止することが可能となる。
特徴B2.前記第1遊技状態において、前記抽選手段による抽選結果が予め定められた更新結果(例えば押し順ベル)である場合に、前記第1特別情報から前記第2特別情報への更新が行われ得る一方、
前記第2遊技状態において、前記抽選手段による抽選結果が前記更新結果であっても、前記第1特別情報から前記第2特別情報への更新は行われないことを特徴とする特徴B1に記載の遊技機。
上記構成は、特徴B1の具体的構成であり、第1遊技状態において更新結果となれば第2特別情報に更新され得る構成とした場合であっても、第2遊技状態においては当該更新結果となっても第2特別情報に更新されないことが明確化される。このような構成とすることで、同じ更新結果となるのであれば、第1遊技状態の方がメリットが大きくなり、例えば、更新結果となる確率やそれによる特典に差を設けなくても、第1遊技状態と第2遊技状態との実質的な有利度に差を設定することが可能となる。
特徴B3.前記第1遊技状態において前記抽選手段による抽選結果が前記更新結果(押し順ベル)となる確率と、前記第2遊技状態において前記抽選手段による抽選結果が前記更新結果となる確率と、が共通していることを特徴とする特徴B2に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1遊技状態と第2遊技状態とで、更新結果当選となる確率を異ならせることなく、両遊技状態の実質的な有利度に差を設定することが可能となる。よって、比較的簡素な構成にて、遊技の抑揚をつけ、遊技の興趣向上を図ることができる。
特徴B4.前記第1遊技状態において前記有効位置に前記更新結果に対応する絵柄組合せが停止した場合に前記特典付与手段により付与される特典と、前記第2遊技状態において前記有効位置に前記更新結果に対応する絵柄組合せが停止した場合に前記特典付与手段により付与される特典と、が共通していることを特徴とする特徴B2又は特徴B3に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1遊技状態と第2遊技状態とで、更新結果入賞時に付与される特典を異ならせることなく、両遊技状態の実質的な有利度に差を設定することが可能となる。よって、比較的簡素な構成にて、遊技の抑揚をつけ、遊技の興趣向上を図ることができる。
特徴B5.前記第1遊技状態から前記第2遊技状態への移行が生じる場合、前記特別情報を前記第2特別情報から前記第1特別情報に更新する手段(主制御装置101によるボーナス状態処理におけるBB状態終了用の処理としてBB払出カウンタ等の初期化を行う処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴B1乃至B4のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、仮に第1遊技状態中に第1特別情報から第2特別情報に更新されたとしても、当該第1遊技状態が終了するまでに有利状態への移行が生じなければ、第2特別情報は第1特別情報に更新されてしまうため、第1遊技状態において第2特別情報に更新させることに加えて、当該第2特別情報に更新された後であって第1遊技状態が終了するよりも前に有利状態への移行が生じることに期待させることができ、第1遊技状態中の遊技の面白みを向上させることができる。
特徴B6.前記第1遊技状態において前記第1特別情報から前記第2特別情報への更新は、所定の更新契機(押し順ベル当選)が生じたことに基づいて行われる構成であり、
前記第1遊技状態は、前記所定の更新契機が生じた場合に終了する場合があるように設定されていることを特徴とする特徴B5に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1遊技状態において第1特別情報から第2特別情報に更新されることを願う遊技においては、その更新が行われる所定の更新契機が生じることに期待する。その一方で、その所定の更新契機が生じた場合に第1遊技状態が終了する場合があるように設定されていることから、第2特別情報を用いた特定処理を行わせるためには、所定の更新契機が生じた場合に、第2特別情報への更新が行われるだけでなく第1遊技状態が終了しないことも必要となり、所定の更新契機が生じた場合の注目度を劇的に高めることが可能となる。
特徴B7.前記第1遊技状態において前記第1特別情報から前記第2特別情報への更新は、所定の更新契機(押し順ベル当選)が生じたことに基づいて行われる構成であり、
前記第1遊技状態における特定遊技にて前記有利状態を終了させることが可能な特別有利終了手段(主制御装置101によるBB状態1ゲーム目等で有利区間を終了させる処理を実行する機能)を備え、
前記特別有利終了手段は、前記特定遊技にて前記所定の更新契機が生じた場合に前記有利状態を終了させることが可能であって、且つ前記特定遊技にて前記所定の更新契機が生じていない場合に前記有利状態を終了させることが可能であることを特徴とする特徴B5又は特徴B6に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1遊技状態中の特定遊技にて有利状態が終了する構成であって、当該特定遊技にて第2特別情報に更新されたか否かに関わらず、当該特定遊技にて有利状態は終了する。この場合、有利状態に再移行する場合に、特別情報の更新が行われていなければ、第2特別情報に更新されて有利状態が終了した場合の方が、更新されずに有利状態が終了した場合よりも遊技者にとって有利となる。このような構成とすることで、第1遊技状態における特定遊技への注目度を好適に高めることが可能となる。
特徴B8.前記第1遊技状態における特定遊技にて前記有利状態を終了させることが可能な特別有利終了手段(主制御装置101によるBB状態1ゲーム目等で有利区間を終了させる処理を実行する機能)を備え、
前記特別有利終了手段により前記有利状態が終了された場合であっても、前記第1遊技状態は継続し得る構成であることを特徴とする特徴B1乃至B7のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1遊技状態中に有利状態への移行が生じ得るものであって、有利状態が終了しても第1遊技状態は継続する構成となり、これら有利状態と第1遊技状態とがパラレルに進行する遊技状態であることが明確化される。このような構成において、第1遊技状態中に更新される特別情報を有利状態移行時の特定処理に利用する構成とすることで、有利状態と第1遊技状態とをうまく関連付けることが可能となる。
特徴B9.前記第1特別情報は前記特別情報の初期値であることを特徴とする特徴B1乃至B8のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1遊技状態においては、特別情報は初期値としての第1特別情報から第2特別情報に更新され得るものであり、第2遊技状態においては、特別情報は初期値のままとなる。このような構成とすることで、第2遊技状態において、特別情報を第1特別情報として保持する構成を比較的簡素な構成とすることができ、具体的には、初期値のままで記憶しておけばよい構成となる。
特徴B10.前記特別情報として、少なくとも前記第1特別情報を用いた場合の前記特定処理の結果と、前記第2特別情報を用いた場合の前記特定処理の結果とが記憶されている特別情報群(移行時ATモード移行抽選テーブル等)を記憶する記憶手段(各種テーブル記憶エリア105a)を備え、
前記特定処理実行手段は、前記第1遊技状態において前記特別情報と前記特別情報群とを用いて前記特定処理を実行し、前記第2遊技状態において前記特別情報と前記特別情報群とを用いて前記特定処理を実行する構成であることを特徴とする特徴B1乃至B9のいずれか1に記載された遊技機。
上記構成によれば、第1特別情報と特定処理の結果が対応付けられており、且つ第2特別情報と特定処理の結果が対応付けられている特別情報群としての所謂抽選テーブルを用いて特定処理を実行する構成となり、いずれの遊技状態であっても、かかる抽選テーブルと特別情報さえ取得できれば共通の処理構成にて特定処理を実行することが可能な構成となる。よって、処理構成の簡素化や不正行為の抑制を実現することができる。
上記特徴B1乃至B10に記載された発明は、「遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機では、所定の抽選条件が成立したことに基づいて内部抽選が行われ、当該内部抽選の結果に応じて遊技者に特典が付与される構成が知られている。スロットマシンについて具体的には、遊技媒体としてのメダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されると、内部抽選が実施されるとともに、リールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップスイッチが操作された場合には、リールの回転が停止する。そして、リールの停止結果が内部抽選の結果に対応したものである場合には、結果に応じた特典が付与される(例えば特開2008-295707号公報参照)。」という背景技術について、「ここで、上記例示等した遊技機においては遊技の興趣向上を図る必要があり、この点について、未だ改良の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
上記特徴B1乃至B10の各構成に対して、特徴A1乃至A21、特徴B1乃至B10、特徴C1乃至C9、特徴D1乃至D10、特徴E1乃至E11、特徴F1乃至F7、特徴G1乃至G10、特徴H1乃至H12のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴C群>
特徴C1.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(各リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が開始される始動操作手段(スタートレバー41)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与するか否かの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が停止される停止操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させ、前記停止操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を停止させる駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記抽選手段における抽選結果が所定結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、当該所定結果に対応する所定の絵柄組合せが停止した場合に、前記所定結果に対応する特典を付与することが可能な特典付与手段(主制御装置101による払出判定処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
前記抽選手段による抽選結果として、前記停止操作手段が第1の操作態様にて操作された場合には第1結果が入賞可能となる一方、前記停止操作手段が前記第1の操作態様とは異なる第2の操作態様にて操作された場合には前記第1結果が入賞した場合とは異なる利益が付与され得る第2結果が入賞可能となる又はいずれの結果も入賞が成立しない態様結果(押し順ベル)が設定されており、
前記抽選手段による抽選結果が前記態様結果である場合、所定の報知手段にて前記第1の操作態様又は前記第2の操作態様を含む態様報知を実行可能な態様報知手段(主制御装置101による押し順報知を行うための処理を実行する機能、表示制御装置81による押し順報知演出を行うための処理を実行する機能)を備え、
前記態様報知手段による前記態様報知が実行可能となる有利状態(有利区間)と、前記態様報知手段による前記態様報知が実行不可となる通常状態(通常区間)と、が設定されており、
予め定められた有利移行条件に基づいて、前記通常状態から前記有利状態に移行させる有利移行手段(主制御装置101による区間表示第1処理において有利区間へ移行させる処理を実行する機能)と、
予め定められた有利終了条件に基づいて、前記有利状態から前記通常状態に移行させる有利終了手段(主制御装置101による区間表示第2処理において有利区間を終了させる処理を実行する機能)と、
前記有利移行手段により前記通常状態から前記有利状態への移行が生じる場合に、前記態様報知に関する特定処理を実行可能な特定処理実行手段(主制御装置101による有利区間移行時処理を実行する機能)と、
を備え、
前記特定処理実行手段は、前記有利移行条件が成立した成立遊技の次の遊技にて、前記特定処理を実行する構成であることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、始動操作手段の操作に基づき開始される遊技の抽選結果が態様結果である場合、停止操作手段が第1の操作態様にて操作されれば第1結果入賞が成立し、第2の操作態様にて操作されれば第2結果入賞が成立したりいずれの結果も入賞しなかったりする場合があり、これら第1の操作態様や第2の操作態様を含む態様報知が実行される場合があるため、態様報知の実行の有無によって、遊技者の利益を大きく異ならせる遊技性を実現することができる。
態様報知は有利状態において実行され、通常状態では実行されないところ、有利状態の方が遊技者にとって有利となり、しかも、有利状態への移行に際して特定処理実行手段により態様報知に関する特定処理が実行されるため、有利状態へ移行することに加えて、有利状態へ移行する際の特定処理の内容や結果へも遊技者の関心を寄せさせることが可能となり、有利状態移行時の注目度が好適に高められている。
ここで、有利状態へは有利移行条件が成立したことに基づいて移行し、当該有利状態は有利終了条件が成立したことに基づいて終了する。この場合、例えば、有利終了条件が成立した遊技にて当該有利状態が終了し、次の遊技にて有利移行条件が成立して、有利状態への移行が生じた場合、当該有利状態が終了した次の遊技が、有利状態であるか、それとも通常状態であるかに疑義が生じ得る。つまり、有利移行条件が成立した遊技にて有利状態への移行を生じさせた場合には当該遊技は有利状態中の遊技となる一方で、有利移行条件は通常状態にて成立するものであることからして、当該有利移行条件が成立した遊技は、有利状態の遊技として解釈可能であるものの、通常状態の遊技としても解釈可能である。
この場合、仮に、当該有利移行条件が成立した遊技にて態様報知に関する特定処理を実行する構成とすると、当該態様報知に関する特定処理を、有利状態中に行っていると解釈できるし、通常状態中に行っているとも解釈できる。そして、態様報知に関する処理を通常状態にて実行しているとすると、態様報知を実行可能な有利状態と、態様報知を実行不可な通常状態と、を区別した意義が消失してしまう可能性がある。
そこで、上記構成のように、有利状態への移行に際して実行する態様報知に関する特定処理を、有利移行条件が成立した遊技の次の遊技にて行う構成とすることで、当該特定処理は、確実に有利状態中の遊技にて行われることとなり、有利状態と通常状態とを区別した意義を消失させないようにしながら、有利状態への移行に際して、当該有利状態の設定等を行うことが可能となる。
特徴C2.前記抽選手段による抽選結果に応じて前記有利移行条件の成立判定を実行する有利判定手段(主制御装置101による有利区間移行抽選処理を実行する機能)を備え、
前記有利判定手段は、前記通常状態において前記成立判定を実行した場合、前記有利移行条件が成立していると判定する場合の方が、前記有利移行条件が成立していないと判定する場合よりも多くなるように設定されていることを特徴とする特徴C1に記載の遊技機。
上記構成では、通常状態において有利移行条件が成立し易くなり、有利状態から通常状態に移行し、次の遊技にて有利移行条件が成立する、といった特徴C1にて記載した懸念事項が生じ易くなる。そこで、このような構成に対して特徴C1の構成を適用することで、有利状態と通常状態とを区別した意義を消失させないようにしながら、有利状態への移行に際しての特定処理を実行することが可能となる。
なお、上記構成は、「前記抽選手段による抽選結果に応じて前記有利移行条件の成立判定を実行する有利判定手段(主制御装置101による有利区間移行抽選処理を実行する機能)を備え、前記有利判定手段は、前記通常状態において前記成立判定を実行した場合、必ず前記有利移行条件が成立していると判定することを特徴とする特徴C1に記載の遊技機。」と表現してもよい。
特徴C3.前記抽選手段による抽選結果に応じて前記有利移行条件の成立判定を実行する有利判定手段(主制御装置101による有利区間移行抽選処理を実行する機能)を備え、
前記有利判定手段は、前記抽選手段による抽選結果が、当該抽選手段による抽選にて最も当選し易い特殊結果(押し順ベル)である場合に、前記成立判定を実行することを特徴とする特徴C1又は特徴C2に記載の遊技機。
上記構成では、通常状態において有利移行条件が成立し易くなり、有利状態から通常状態に移行し、次の遊技にて有利移行条件が成立する、といった特徴C1にて記載した懸念事項が生じ易くなる。そこで、このような構成に対して特徴C1の構成を適用することで、有利状態と通常状態とを区別した意義を消失させないようにしながら、有利状態への移行に際しての特定処理を実行することが可能となる。
特徴C4.前記有利状態として、前記態様報知手段による前記態様報知が行われ易い第1有利状態(ATモード)と、当該第1有利状態よりも前記態様報知手段による前記態様報知が行われにくい第2有利状態(通常モード、CZモード)と、が設定されており、
前記有利状態において、前記第2有利状態から前記第1有利状態へ移行させることの移行判定を実行する移行判定手段(主制御装置101によるAT抽選用処理を実行する機能)と、
前記移行判定手段による移行判定の結果が前記第1有利状態へ移行させることに対応する結果である場合、前記第2有利状態から前記第1有利状態に移行させる第1移行手段(主制御装置101によるATモード移行当選となった場合に、ATモードへ移行させるための処理を実行する機能)と、
前記第2有利状態において実行された遊技数が、予め定められた特定遊技数となった場合に、前記移行判定手段による移行判定の結果に関わらず、又は前記移行判定手段による移行判定を行うことなく、前記第1有利状態へ移行させる第2移行手段(主制御装置101による天井到達に基づいてATモードへ移行させるための処理を実行する機能)と、
を備え、
前記特定処理実行手段は、前記特定処理として、少なくとも前記特定遊技数を設定する処理を実行することが可能な構成であることを特徴とする特徴C1乃至C3のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、有利状態への移行に際して実行される特定処理は、少なくとも天井ゲーム数としての特定遊技数を設定する処理が実行される。このような天井ゲーム数の設定は、有利状態へ移行した場合になるべく早期に実行すべき処理である一方、仮に有利状態移行前の通常状態における遊技にて天井ゲーム数が設定されているとすると、通常状態における有利度がその天井ゲーム数によって大きく異なることとなり、好ましくない。そこで、このような処理を特定処理にて行う構成とし、当該特定処理を有利移行条件が成立した次の遊技にて実行する構成とすることで、有利状態へ確実に移行した後の遊技であって、且つ最短の遊技にて天井ゲーム数の設定を行う構成とすることができる。
特徴C5.前記有利状態として、前記態様報知手段による前記態様報知が行われ易い第1有利状態(ATモード)と、当該第1有利状態よりも前記態様報知手段による前記態様報知が行われにくい第2有利状態(通常モード、CZモード)と、が設定されており、
前記有利状態において、前記第2有利状態から前記第1有利状態へ移行させることの移行判定を実行する移行判定手段(主制御装置101によるAT抽選用処理を実行する機能)と、
前記移行判定手段による移行判定の結果が前記第1有利状態へ移行させることに対応する結果である場合、前記第2有利状態から前記第1有利状態に移行させる第1移行手段(主制御装置101によるATモード移行当選となった場合に、ATモードへ移行させるための処理を実行する機能)と、
を備え、
前記特定処理実行手段は、前記特定処理として、少なくとも前記第1有利状態への移行判定の処理を実行することが可能な構成であることを特徴とする特徴C1乃至C4のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、有利状態への移行に際して実行される特定処理では、少なくとも第1有利状態への移行判定が実行され得る。このような構成とすることで、有利状態を第1有利状態からスタートすることが可能となり、有利状態へ移行する遊技に対する注目度を向上させることができる。このような第1有利状態への移行判定は、有利状態へ移行する場合になるべく早期に実行することで、第1有利状態にて有利状態がスタートした印象を強めることが可能となる一方で、仮に有利状態移行前の通常状態における遊技にて移行判定を実行してしまうと、通常状態における有利度がその移行判定の結果によって大きく異なることとなり、好ましくない。そこで、このような処理を特定処理にて行う構成とし、当該特定処理を有利移行条件が成立した次の遊技にて実行する構成とすることで、有利状態へ確実に移行した後の遊技であって、且つ最短の遊技にて第1有利状態への移行判定を行う構成とすることができる。
特徴C6.前記特定処理実行手段は、前記有利移行条件が成立した遊技の次の遊技において前記始動操作手段が操作された場合に、前記特定処理を実行する構成であることを特徴とする特徴C1乃至C5のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定処理は、有利移行条件が成立した遊技の次の遊技の開始時に実行される構成となり、有利状態への移行が確実に生じて最短のタイミングで特定処理を実行する構成となる。このようにすることで、有利状態への移行に際しての各種設定を好適に行うことが可能となる。
特徴C7.前記有利移行条件が成立した遊技において、前記有利状態に対応する有利情報を所定の記憶領域に記憶する処理を行う記憶手段(主制御装置101による有利区間フラグをセットする処理を実行する機能)を備え、
前記態様報知手段は、前記有利情報が記憶されている状況で前記始動操作手段が操作された遊技にて前記態様報知を実行可能となり、前記有利情報が記憶されていない状況で前記始動操作手段が操作された遊技では前記態様報知を実行不可となる構成であることを特徴とする特徴C1乃至C6のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、有利移行条件が成立した遊技にて有利情報が記憶され、その次の遊技以降が、態様報知が実行可能な有利状態であることが明確化される。言い換えるならば、有利移行条件が成立した遊技では、その遊技の開始時に有利情報は記憶されていないのであるから、態様報知は実行不可であり通常状態となる。このような構成に、上記特徴C1の構成を適用することで、特定処理が、通常状態ではなく有利状態にて実行されることがより明確化される。
特徴C8.前記有利移行条件は、前記始動操作手段が操作された場合に成立し得るものであり、
前記記憶手段は、前記有利移行条件が成立した場合に前記有利情報を記憶する処理を行うことを特徴とする特徴C7に記載の遊技機。
上記構成によれば、有利移行条件は始動操作手段が操作された場合に成立し得るものであり、当該有利移行条件が成立すると有利情報が記憶される。このような構成であるからこそ、当該有利情報が記憶された遊技が有利状態であるとも解釈され得る構成となり、特徴C1のように、特定処理を次遊技にて実行する意義が高められる。
特徴C9.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(各リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が開始される始動操作手段(スタートレバー41)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与するか否かの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が停止される停止操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させ、前記停止操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を停止させる駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記抽選手段における抽選結果が所定結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、当該所定結果に対応する所定の絵柄組合せが停止した場合に、前記所定結果に対応する特典を付与することが可能な特典付与手段(主制御装置101による払出判定処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
前記抽選手段による抽選結果として、前記停止操作手段が第1の操作態様にて操作された場合には第1結果が入賞可能となる一方、前記停止操作手段が前記第1の操作態様とは異なる第2の操作態様にて操作された場合には前記第1結果が入賞した場合とは異なる利益が付与され得る第2結果が入賞可能となる又はいずれの結果も入賞が成立しない態様結果(押し順ベル)が設定されており、
前記抽選手段による抽選結果が前記態様結果である場合、所定の報知手段にて前記第1の操作態様又は前記第2の操作態様を含む態様報知を実行可能な態様報知手段(主制御装置101による押し順報知を行うための処理を実行する機能、表示制御装置81による押し順報知演出を行うための処理を実行する機能)を備え、
前記態様報知手段による前記態様報知が実行可能となる有利状態(有利区間)と、前記態様報知手段による前記態様報知が実行不可となる通常状態(通常区間)と、が設定されており、
予め定められた有利移行条件に基づいて、前記通常状態から前記有利状態に移行させる有利移行手段(主制御装置101による区間表示第1処理において有利区間へ移行させる処理を実行する機能)と、
予め定められた有利終了条件に基づいて、前記有利状態から前記通常状態に移行させる有利終了手段(主制御装置101による区間表示第2処理において有利区間を終了させる処理を実行する機能)と、
前記有利移行手段により前記通常状態から前記有利状態への移行が生じる場合に、前記態様報知に関する特定処理を実行可能な特定処理実行手段(主制御装置101による有利区間移行時処理を実行する機能)と、
を備え、
前記特定処理実行手段は、前記有利移行条件が成立した成立遊技を終了する場合に、前記特定処理を実行する構成であることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、始動操作手段の操作に基づき開始される遊技の抽選結果が態様結果である場合、停止操作手段が第1の操作態様にて操作されれば第1結果入賞が成立し、第2の操作態様にて操作されれば第2結果入賞が成立したりいずれの結果も入賞しなかったりする場合があり、これら第1の操作態様や第2の操作態様を含む態様報知が実行される場合があるため、態様報知の実行の有無によって、遊技者の利益を大きく異ならせる遊技性を実現することができる。
態様報知は有利状態において実行され、通常状態では実行されないところ、有利状態の方が遊技者にとって有利となり、しかも、有利状態への移行に際して特定処理実行手段により態様報知に関する特定処理が実行されるため、有利状態へ移行することに加えて、有利状態へ移行する際の特定処理の内容や結果へも遊技者の関心を寄せさせることが可能となり、有利状態移行時の注目度が好適に高められている。
ここで、有利状態へは有利移行条件が成立したことに基づいて移行し、当該有利状態は有利終了条件が成立したことに基づいて終了する。この場合、例えば、有利終了条件が成立した遊技にて当該有利状態が終了し、次の遊技にて有利移行条件が成立して、有利状態への移行が生じた場合、当該有利状態が終了した次の遊技が、有利状態であるかそれとも通常状態であるかに疑義が生じ得る。つまり、有利移行条件が成立した遊技にて有利状態への移行を生じさせた場合には当該遊技は有利状態中の遊技となる一方で、有利移行条件は通常状態にて成立するものであることからして、当該有利移行条件が成立した遊技は、有利状態の遊技として解釈可能であるものの、通常状態の遊技としても解釈可能である。
この場合、仮に、当該有利移行条件が成立した遊技の開始時に態様報知に関する特定処理を実行する構成とすると、当該態様報知に関する特定処理が有利状態に移行するよりも前に実行されているとも解釈可能である。そうすると、態様報知を実行可能な有利状態と、態様報知を実行不可な通常状態と、を区別した意義が消失してしまう可能性がある。
そこで、上記構成のように、有利状態への移行に際して実行する態様報知に関する特定処理を、有利移行条件が成立した遊技を終了する場合に行う構成とすることで、当該特定処理を実行する遊技自体は通常状態であっても、次の遊技が有利状態であれば、当該特定処理の結果を有利状態となる遊技に反映させることが可能となり、有利状態と通常状態とを区別した意義を消失させないようにしながら、有利状態への移行に際して、当該有利状態の設定等を行うことが可能となる。
なお、上記特徴C9に対して、特徴C1乃至C8にて限定した構成を個別に適用してもよく、組み合わせて適用してもよく、これら特徴C1乃至C8にて限定した一部の構成を個別に適用してもよく、一部の構成同士を組み合わせて適用してもよい。
上記特徴C1乃至C9に記載された発明は、「遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機では、所定の抽選条件が成立したことに基づいて内部抽選が行われ、当該内部抽選の結果に応じて遊技者に特典が付与される構成が知られている。スロットマシンについて具体的には、遊技媒体としてのメダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されると、内部抽選が実施されるとともに、リールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップスイッチが操作された場合には、リールの回転が停止する。そして、リールの停止結果が内部抽選の結果に対応したものである場合には、結果に応じた特典が付与される(例えば特開2008-295707号公報参照)。」という背景技術について、「ここで、上記例示等した遊技機においては遊技の興趣向上を図る必要があり、この点について、未だ改良の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
上記特徴C1乃至C9の各構成に対して、特徴A1乃至A21、特徴B1乃至B10、特徴C1乃至C9、特徴D1乃至D10、特徴E1乃至E11、特徴F1乃至F7、特徴G1乃至G10、特徴H1乃至H12のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴D群>
特徴D1.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(各リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が開始される始動操作手段(スタートレバー41)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与するか否かの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が停止される停止操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させ、前記停止操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を停止させる駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記抽選手段における抽選結果が所定結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、当該所定結果に対応する所定の絵柄組合せが停止した場合に、前記所定結果に対応する特典を付与することが可能な特典付与手段(主制御装置101による払出判定処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
前記抽選手段による抽選結果として、前記停止操作手段が第1の操作態様にて操作された場合には第1結果が入賞可能となる一方、前記停止操作手段が前記第1の操作態様とは異なる第2の操作態様にて操作された場合には前記第1結果が入賞した場合とは異なる利益が付与され得る第2結果が入賞可能となる又はいずれの結果も入賞が成立しない態様結果(押し順ベル)が設定されており、
前記抽選手段による抽選結果が前記態様結果である場合、所定の報知手段にて前記第1の操作態様又は前記第2の操作態様を含む態様報知を実行可能な態様報知手段(主制御装置101による押し順報知を行うための処理を実行する機能、表示制御装置81による押し順報知演出を行うための処理を実行する機能)を備え、
前記態様報知手段による前記態様報知が実行可能となる有利状態(有利区間)と、前記態様報知手段による前記態様報知が実行不可となる通常状態(通常区間)と、が設定されており、
予め定められた有利移行条件に基づいて、前記通常状態から前記有利状態に移行させる有利移行手段(主制御装置101による区間表示第1処理において有利区間へ移行させる処理を実行する機能)と、
予め定められた有利終了条件に基づいて、前記有利状態から前記通常状態に移行させる有利終了手段(主制御装置101による区間表示第2処理において有利区間を終了させる処理を実行する機能)と、
を備え、
前記抽選手段による抽選結果として、遊技者にとって有利な特別状態への移行を可能とする特別結果(第1BB,第2BB)が設定されており、
前記抽選手段による抽選結果が前記特別結果であって、前記有効位置に前記特別結果に対応する特別の絵柄組合せが停止した場合に、前記特別状態へ移行させる特別移行手段(主制御装置101によるボーナス状態処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が前記特別結果であって、前記有効位置に前記特別の絵柄組合せが停止しなかった場合に、前記特別結果に当選していることに対応する情報を留保可能な留保手段(主制御装置101による第1BB当選フラグや第2BB当選フラグを持ち越し可能とする機能)と、
前記留保手段により前記特別結果に当選していることに対応する情報が留保されて遊技された遊技数を把握する留保数把握手段(主制御装置101によるボーナス状態処理においてRTゲームカウンタの更新処理を実行する機能)と、
前記特別状態において前記有利移行条件が成立した場合、当該特別状態について前記留保数把握手段により把握されている遊技数に応じて、移行させる前記有利状態の有利度を設定する特定設定手段(主制御装置101による有利区間移行時処理においてRTゲームカウンタに応じた移行時ATモード移行抽選処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、始動操作手段の操作に基づき開始される遊技の抽選結果が態様結果である場合、停止操作手段が第1の操作態様にて操作されれば第1結果入賞が成立し、第2の操作態様にて操作されれば第2結果入賞が成立したりいずれの結果も入賞しなかったりする場合があり、これら第1の操作態様や第2の操作態様を含む態様報知が実行される場合があるため、態様報知の実行の有無によって、遊技者の利益を大きく異ならせる遊技性を実現することができる。
また、抽選手段による抽選結果として、その遊技にて入賞が成立しなければ留保される所謂ボーナスとしての特別状態への移行を可能とする特別結果が設定されており、その特別状態中に有利状態への移行が生じる場合には、特別結果当選となってから特別状態への移行が生じるまでの遊技数に応じて、当該有利状態の有利度が設定される。このような構成とすることで、ボーナス当選となった場合に、有利状態を有利に進行させるために、ボーナス入賞を成立させる遊技を調節する、といった遊技性を実現することが可能となる。したがって、所謂ボーナス状態としての特別状態を利用した遊技と、態様報知を利用した遊技とを、ボーナス当選から入賞までの遊技数によって関連付けを行い、これまでにない斬新な遊技性を実現することが可能となる。
特徴D2.前記特定設定手段は、前記留保数把握手段により把握されている遊技数が少ないほど、移行させる前記有利状態を有利に設定することを特徴とする特徴D1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特別結果に当選してから特別結果入賞を成立させるまでに要した遊技数が少ないほど、当該特別結果入賞に基づく特別状態において有利な有利状態に設定され得るようになる。このようにすることで、特別結果当選となることを見逃さないようにすべく、各遊技の注目度が好適に高められるし、特別結果当選となった場合に特別結果入賞を成立させるべく停止操作手段の慎重な操作が求められるようになる。そして、より早期に特別結果入賞を成立させることができた場合には、当該特別状態において有利移行条件を成立させることへの関心が高められ、特別状態中の遊技の興趣向上が図られる。
特徴D3.前記特定設定手段は、前記留保数把握手段により把握されている遊技数が特定数(1)未満である場合には、当該特定数以上である場合よりも移行させる前記有利状態を有利に設定する構成であり、且つ、前記留保数把握手段により把握されている遊技数が前記特定数以上である場合は、当該把握されている遊技数が多いほど、移行させる前記有利状態を有利に設定することが可能であることを特徴とする特徴D2に記載の遊技機。
上記構成によれば、特別結果に当選してから特定数の遊技を消化するまでに当該特別結果入賞を成立させることに成功した場合には、特定数以上で入賞させた場合よりも有利な有利状態に設定される一方、特定数の遊技を消化するまでに特別結果入賞を成立させることができなければ、特別結果入賞を成立するまでに要した遊技数が多くなるほど有利な有利状態に設定されるようになる。このようにすることで、特別結果当選となってから特定数の遊技が消化されるまでの遊技への注目度を好適に高めることが可能となるし、それ以降の遊技については、有利な有利状態に設定させることとの関係で特別結果入賞のタイミングを見定めさせる遊技性を実現することが可能となる。
特徴D4.前記特定数は1であることを特徴とする特徴D3に記載の遊技機。
上記構成によれば、特別結果に当選した遊技にて特別結果入賞を成立させることに成功した場合には有利な有利状態に設定されるものの、それ以降は、留保される遊技数が多くなるほど有利な有利状態に設定される。このようにすることで、より特別結果に当選することへ見定めることや入賞を成立させることの重要性が増し、遊技性が向上する。
特徴D5.前記特別結果として、少なくとも第1特別結果(第1BB)と第2特別結果(第2BB)とが設定されており、
前記特別移行手段は、前記有効位置に前記第1特別結果に対応する第1特別の絵柄組合せが停止した場合には、前記特別状態として第1特別状態へ移行させ、前記有効位置に前記第2特別結果に対応する第2特別の絵柄組合せが停止した場合には、前記特別状態として第2特別状態へ移行させる構成であり、
前記第1特別の絵柄組合せを停止可能とするタイミングで前記停止操作手段が操作された場合には、前記第2特別の絵柄組合せを停止させることができず、且つ前記第2特別の絵柄組合せを停止可能とするタイミングで前記停止操作手段が操作された場合には、前記第1特別の絵柄組合せを停止させることができないように、前記第1特別の絵柄組合せと前記第2特別の絵柄組合せとの各絵柄が設定されていることを特徴とする特徴D4に記載の遊技機。
上記構成によれば、特徴D4のように、特別結果に当選した遊技にて入賞させた場合に有利となる遊技性において、第1特別結果入賞を狙った場合には第2特別結果入賞を成立させることができず、第2特別結果入賞を狙った場合には第1特別結果入賞を成立させることができないため、仮にいずれかの特別結果に当選したことを把握できても、いずれの特別結果に当選しているかを把握できないと、対応する特別結果入賞を成立させることはできない。よって、いずれの特別結果に当選しているかの判断や停止操作をより慎重に行わせることが可能となるし、仮にいずれの特別結果に当選しているかが判断できなくても、遊技者自身の勘を頼りに入賞させる、といった遊技性を実現することも可能となる。
特徴D6.前記有利状態の遊技数が予め定められた上限数に達した場合に、当該有利状態を終了させる上限終了手段(主制御装置101による上限ゲーム数に達した場合に有利区間終了用の処理を実行する機能)を備え、
前記特定設定手段は、前記留保数把握手段により把握される遊技数が前記上限数以上である場合には、前記上限数より少ない場合よりも、有利な前記有利状態に設定することが可能であることを特徴とする特徴D1乃至D5のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成のように、特別状態を有利状態の上限遊技数以上の留保が可能な構成とすることで、特別状態と有利状態とがパラレルに進行する状態であることが明確化される。しかも、上記構成のようにすれば、有利状態の上限遊技数以上の留保がされた場合には、上限遊技数未満である場合よりも有利な有利状態に設定されるため、例えば有利状態が上限遊技数に達したことに基づき終了した場合に、その終了に伴う残念感を、再移行させる有利状態の有利度によってうまくフォローすることが可能となる。
特徴D7.前記特別状態における予め定められた特定遊技にて所定の前記有利終了条件が成立するように設定されており、前記特定設定手段は、前記特定遊技よりも後の遊技にて所定の前記有利移行条件が成立した場合に移行する前記有利状態の有利度を設定することを特徴とする特徴D1乃至D6のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定設定手段により有利度が設定される有利状態とは、特別状態中に一旦有利状態が終了し、その後に移行する有利状態となる。このような構成とすることで、特別結果当選が留保されている状態での遊技が、特定設定手段による有利状態の有利度の設定に関与するようにしながら、当該留保されている状態での遊技を有利状態にて遊技させることが可能となる。よって、例えば、特徴D3のように当該状態での遊技数が多くなるほど有利な有利状態に設定され得るような遊技性であっても、当該状態での遊技が無駄な遊技となりにくくなる。
特徴D8.前記有利状態として、前記態様報知手段による前記態様報知が行われ易い第1有利状態(ATモード)と、当該第1有利状態よりも前記態様報知手段による前記態様報知が行われにくい第2有利状態(通常モード、CZモード)と、が設定されており、
前記特定設定手段は、前記第1有利状態にて移行した前記特別状態では、前記有利状態を前記第1有利状態に設定し易い一方、前記第2有利状態にて移行した前記特別状態では、前記有利状態を前記第1有利状態に設定しない又は前記第1有利状態にて前記特別状態に移行した場合よりも前記第1有利状態に設定しにくい構成であることを特徴とする特徴D7に記載の遊技機。
上記構成によれば、態様報知が行われ易い第1有利状態において特別状態への移行を生じさせると、一旦、有利状態は終了されるものの、再度移行する有利状態が第1有利状態に設定され易いため、例えば、第1有利状態の遊技数が設定されている場合には、当該第1有利状態中に特別状態に移行させることで第1有利状態を再セットすることが可能となり、実質的に遊技数を増加させることができる。しかも、特別結果当選となってからの遊技数が有利状態の有利度に関与する構成としていることから、単に第1有利状態中に特別状態への移行を生じさせるだけでなく、当選してからの遊技数に応じて特別状態に移行させた場合の方が有利となったり、不利となったりし、第1有利状態と特別状態とを関連付けた面白みのある遊技性を実現することが可能となる。
特徴D9.前記特別状態において所定の終了条件が成立した場合に、当該特別状態を終了させる特別終了手段(主制御装置101によるボーナス状態処理においてBB状態の終了用の処理を実行する機能)を備え、
前記所定の終了条件は、前記第1有利状態においても成立し得ることを特徴とする特徴D8に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1有利状態中に特別状態が終了し得ることが明確化される。このような構成であれば、第1有利状態中に特別状態に移行させ、第1有利状態を再セットさせた場合に、当該第1有利状態中に再度、特別状態への移行を生じさせることが可能となり得る。よって、第1有利状態中に特別状態へ移行させることで第1有利状態を再セットさせる遊技を繰り返し行わせる、といった遊技性を実現することが可能となる。
特徴D10.前記特定設定手段により設定された前記第1有利状態における前記有利終了条件は、当該第1有利状態の設定の契機となった前記特別状態の前記所定の終了条件が成立するよりも後で成立するように設定されていることを特徴とする特徴D9に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1有利状態中に特別状態へ移行させ、その移行に基づき第1有利状態の再セットが行われた場合、当該再セットされた第1有利状態は、当該再セットの契機となった特別状態よりも長く継続することになる。そうすると、当該再セットされた第1有利状態中に特別状態が終了し、その後、特別結果当選となって特別状態へ移行させることができれば、留保数に応じて第1有利状態への再セットが可能となる。このようにすることで、第1有利状態の再セットを繰り返し行わせる遊技性を好適に実現することが可能となる。
上記特徴D1乃至D10に記載された発明は、「遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機では、所定の抽選条件が成立したことに基づいて内部抽選が行われ、当該内部抽選の結果に応じて遊技者に特典が付与される構成が知られている。スロットマシンについて具体的には、遊技媒体としてのメダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されると、内部抽選が実施されるとともに、リールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップスイッチが操作された場合には、リールの回転が停止する。そして、リールの停止結果が内部抽選の結果に対応したものである場合には、結果に応じた特典が付与される(例えば特開2008-295707号公報参照)。」という背景技術について、「ここで、上記例示等した遊技機においては遊技の興趣向上を図る必要があり、この点について、未だ改良の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
上記特徴D1乃至D10の各構成に対して、特徴A1乃至A21、特徴B1乃至B10、特徴C1乃至C9、特徴D1乃至D10、特徴E1乃至E11、特徴F1乃至F7、特徴G1乃至G10、特徴H1乃至H12のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴E群>
特徴E1.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(各リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が開始される始動操作手段(スタートレバー41)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与するか否かの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が停止される停止操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させ、前記停止操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を停止させる駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記抽選手段における抽選結果が所定結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、当該所定結果に対応する所定の絵柄組合せが停止した場合に、前記所定結果に対応する特典を付与することが可能な特典付与手段(主制御装置101による払出判定処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
前記抽選手段による抽選結果として、前記停止操作手段が第1の操作態様にて操作された場合には第1結果が入賞可能となる一方、前記停止操作手段が前記第1の操作態様とは異なる第2の操作態様にて操作された場合には前記第1結果が入賞した場合とは異なる利益が付与され得る第2結果が入賞可能となる又はいずれの結果も入賞が成立しない態様結果(押し順ベル)が設定されており、
前記抽選手段による抽選結果が前記態様結果である場合、所定の報知手段にて前記第1の操作態様又は前記第2の操作態様を含む態様報知を実行可能な態様報知手段(主制御装置101による押し順報知を行うための処理を実行する機能、表示制御装置81による押し順報知演出を行うための処理を実行する機能)を備え、
前記態様報知手段による前記態様報知が実行可能となる有利状態(有利区間)と、前記態様報知手段による前記態様報知が実行不可となる通常状態(通常区間)と、が設定されており、
予め定められた有利移行条件に基づいて、前記通常状態から前記有利状態に移行させる有利移行手段(主制御装置101による区間表示第1処理において有利区間へ移行させる処理を実行する機能)と、
予め定められた有利終了条件に基づいて、前記有利状態から前記通常状態に移行させる有利終了手段(主制御装置101による区間表示第2処理において有利区間を終了させる処理を実行する機能)と、
前記有利終了条件が成立することの判定を行う終了判定手段(主制御装置101による区間表示第2処理において有利区間終了用の処理を行うか否かの判定を実行する機能)と、
を備え、
前記終了判定手段は、
前記有利状態において、遊技者により予め定められた第1特定操作(BB入賞)、及び第2特定操作(例えば、押し順ベル当選時の第1小役入賞に対応する停止操作)が行われた場合には、所定の前記有利終了条件が成立したと判定する一方、
前記有利状態において、遊技者により前記第1特定操作が行われたものの、前記第2特定操作とは異なる第3特定操作(例えば、押し順ベル当選時の第1小役入賞に対応しない停止操作)が行われた場合には、所定の前記有利終了条件が成立していないと判定する構成であり、
遊技者により前記第1特定操作、及び前記第3特定操作が行われたことに対応する特定情報を記憶可能な記憶手段(主制御装置101による特定フラグをセットする処理を実行する機能)と、
遊技者により前記第1特定操作、及び前記第2特定操作が行われた場合であって、前記特定情報が記憶されている場合には、前記終了判定手段により所定の前記有利終了条件が成立していると判定させないように制限する、又は所定の前記有利終了条件が成立することを制限する制限手段(主制御装置101による特定フラグがセットされている場合に有利区間終了用の処理を行わせないようにする処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、始動操作手段の操作に基づき開始される遊技の抽選結果が態様結果である場合、停止操作手段が第1の操作態様にて操作されれば第1結果入賞が成立し、第2の操作態様にて操作されれば第2結果入賞が成立したりいずれの結果も入賞しなかったりする場合があり、これら第1の操作態様や第2の操作態様を含む態様報知が実行される場合があるため、態様報知の実行の有無によって、遊技者の利益を大きく異ならせる遊技性を実現することができる。
この態様報知は有利状態にて実行可能となる一方、通常状態では実行不可となることから、遊技者は遊技状態が通常状態ではなく有利状態に移行することに期待すると考えられる。しかし、移行した有利状態の継続性が完全に遊技機任せであると、遊技者の開始操作に基づき遊技が開始され、遊技者の停止操作に基づき遊技が終了する、といった所謂スロットマシンのせっかくの醍醐味が抹殺されかねず、遊技の面白みも低減してしまう可能性がある。そこで上記構成では、有利状態中に遊技者により第1特定操作及び第2特定操作が行われた場合には、有利終了条件が成立したとして有利状態が終了するようにしていることから、有利状態の継続性に遊技者が関与することが可能となり、有利状態中の遊技の面白みを向上させることが可能となる。
しかも、上記構成においては、単に有利状態中に第1特定操作が行われた場合に有利状態が終了するのではなく、第2特定操作がセットで行われた場合に終了するようにしたことから、例えば、第1特定操作を行ってしまった場合には、第2特定操作ではなく第3特定操作を行わせることで有利状態の終了を回避可能とし、遊技者の操作に基づき有利状態が終了するか否かを存分に楽しませることが可能としている。
そのうえで、第3特定操作により有利状態の終了を回避した場合には、特定情報が記憶され、その特定情報が記憶されている状況では、その後、第1特定操作と第2特定操作とを行った場合であっても有利状態が終了しないようにした。このようにすることで、一旦、第3特定操作を行うことで有利状態の終了を回避すると、特定情報が記憶されている限り、遊技者の操作に基づく有利状態の終了を回避可能となる。よって、第1特定操作を行った場合に、第2特定操作及び第3特定操作のいずれを行うかについて、より慎重な操作が促され、遊技者の操作に基づき有利状態が終了する場合がある遊技の興趣向上が図られる。
更に、例えば、有利状態に移行した直後は比較的有利な状態となるものの、その後、有利度が低下する等、有利状態を意図的に終了させて、有利状態の再移行を行うことが遊技者にとってメリットがある場合もある。このような遊技機に対して上記構成を用いることで、有利状態の再移行(有利状態の終了)を遊技者自身で行わせることを可能としながら、仮に第1特定操作を行った後、第2特定操作ではなく第3特定操作を行ってしまった場合には、特定情報が記憶されている限り、再移行のチャンスが制限されることになる。よって、このような構成であっても、第1特定操作を行った場合に、第2特定操作及び第3特定操作のいずれを行うかについて、より慎重な操作が促され、遊技者の操作に基づき有利状態が終了する場合がある遊技の興趣向上が図られる。
特徴E2.予め定められた特定条件(有利区間が終了した場合や、特定フラグセット後100ゲーム経過)が成立した場合に、前記特定情報を消去することが可能な手段(主制御装置101による特定フラグをクリアする処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴E1に記載の遊技機。
上記構成によれば、遊技者の操作に基づく有利状態の終了が制限される期間が限定的なものとなる。この場合、有利状態を終了させたくない遊技性であれば、遊技者は、特定条件が成立しないことを望み、有利状態を終了させることでメリットがある遊技性であれば、特定条件が成立することを望むようになり、特定条件成立の有無を通じて、遊技の興趣向上が図られる。
特徴E3.前記終了判定手段により、前記第1特定操作、及び前記第2特定操作がされた場合に成立していると判定されることとなる所定の前記有利終了条件とは異なる特定の前記有利終了条件(ATモード終了や上限到達)が成立していると判定されるまで、前記特定条件が成立しないことを特徴とする特徴E2に記載の遊技機。
上記構成によれば、遊技者の操作に基づく有利状態の終了ではなく、他の有利終了条件が成立したことに基づいて有利状態が終了するまで、特定条件は成立せず、特定情報は消去されない。つまり、一の有利状態において、一旦、第1特定操作及び第3特定操作を行って、特定情報が記憶された場合には、当該有利状態が終了するまでは、第1特定操作及び第2特定操作を行っても有利状態は終了しないことになる。このようにすることで、有利状態を継続させたい遊技性においては遊技者のメリットが大きくなるし、有利状態を再移行させたい遊技者においては、再移行のチャンスが一の有利状態において1回だけとなる。よって、第2特定操作及び第3特定操作を行う場合の遊技への注目度が劇的に高められる。
特徴E4.前記有利移行手段により前記通常状態から前記有利状態への移行が生じる場合に、前記態様報知に関する特定処理を実行可能な特定処理実行手段(主制御装置101による有利区間移行時処理を実行する機能)を備え、
前記特定処理が行われることにより、遊技者にとって有利な特定事象(例えば、ATモード移行当選、天井ゲーム数が0)が発生し得る構成であることを特徴とする特徴E1乃至E3のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、有利状態を一旦終了させ、その後、有利状態へ再移行させた場合には、特定処理が行われて遊技者にとって有利な特定事象が発生し得る構成となり、有利状態を再移行させることにメリットがある構成となる。このような構成を特徴E1に適用することで、再移行させるチャンスを付与しながら、それを限定的なものとし、当該再移行させるチャンスへの注目度を高めることが可能となる。
特徴E5.前記有利状態として、前記態様報知手段による前記態様報知が行われ易い第1有利状態(ATモード)と、当該第1有利状態よりも前記態様報知手段による前記態様報知が行われにくい第2有利状態(通常モード、CZモード)と、が設定されており、
前記特定事象として、前記第1有利状態への移行が生じることを特徴とする特徴E4に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1特定操作及び第2特定操作により有利状態を終了させ、有利状態の再移行を行わせた場合には、第1有利状態への移行が生じ得るようになる。このようにすることで、有利状態において第1有利状態への移行を生じさせるためには、当該有利状態を一旦終了させることで、第1有利状態への移行が生じ易くなる、といった斬新な遊技性を実現することが可能となる。よって、例えば、有利状態の継続数等に上限が設定されているような構成において、第1有利状態への移行に際して、一旦、有利状態の継続数等をリセットすることが可能となり、移行させる第1有利状態にて最大限の利益を享受させることができる。
特徴E6.前記有利状態の遊技数及び当該有利状態において増加した遊技価値の増加数の少なくとも一方を把握する把握手段(有利区間ゲーム数AG、有利区間増減枚数MY)を備え、
前記終了判定手段は、前記把握手段により把握される遊技数及び増加数の少なくとも一方が予め定められた上限数に達した場合に、前記有利終了条件が成立したと判定するものであり、
前記有利終了手段により前記有利状態が終了される場合、前記把握手段により把握されている遊技数及び増加数の少なくとも一方の初期化処理を実行する手段(主制御装置101による有利区間情報の初期化処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴E1乃至E5のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、例えば、第1特定操作及び第2特定操作によって有利状態を終了させることで、遊技数や増加数が初期化される。このようにすることで、上限数に達するよりも前に、自らの操作によって有利状態を終了させることが可能となるし、例えば、特徴E5のように、有利状態を終了させることで第1有利状態への移行が生じる構成において、第1有利状態を上限数まで遊技可能な状態で移行させることが可能となる。
特徴E7.前記抽選手段による抽選結果が予め定められた対応結果であり、前記停止操作手段が前記第2特定操作にて操作された場合には、前記有効位置に当該対応結果に対応する絵柄組合せが停止し、前記抽選手段による抽選結果が前記対応結果であり、前記停止操作手段が前記第3特定操作にて操作された場合には、前記有効位置に当該対応結果に対応する絵柄組合せが停止しない、又は前記有効位置に前記対応結果とは異なる結果に対応する絵柄組合せが停止する構成であることを特徴とする特徴E1乃至E6のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第2特定操作と第3特定操作とは、対応結果当選時に当該対応結果入賞を成立させる操作が第2特定操作であり、当該対応結果入賞を成立させない操作が第3特定操作となる。このような構成とすることで、有利状態を終了させる場合には対応結果入賞を成立させ、終了させない場合には、対応結果入賞を成立させないといったように、自らの停止操作で当選している結果入賞を成立させて特典を得る、というスロットマシンの醍醐味とマッチし、遊技者に受け入れられ易い遊技性となるし、有利状態が終了するか否かを有効位置に停止している絵柄組合せによって判断可能となり、わかりやすい遊技性とすることも可能となる。
特徴E8.前記対応結果は前記態様結果であり、
前記第2特定操作は、前記停止操作手段を前記第1の操作態様にて操作することであり、
前記第3特定操作は、前記停止操作手段を前記第2の操作態様にて操作することであることを特徴とする特徴E7に記載の遊技機。
上記構成によれば、態様結果当選時の態様報知が実行可能となる有利状態を終了させるために、態様結果当選時に第1結果入賞を成立させる操作を行えばよく、態様結果当選時に第2結果入賞を成立させる等の操作を行うと有利状態は終了しないようになる。このようにすることで、有利状態の終了用の操作と、有利状態中の恩恵を受けるための操作とが共通化され、かかる有利状態中の恩恵を受けながらも有利状態が終了する、といった意外性ある遊技性を実現することが可能となる。
特徴E9.前記抽選手段による抽選結果として、遊技者にとって有利な特別状態への移行を可能とする特別結果(第1BB、第2BB)が設定されており、
前記抽選手段による抽選結果が前記特別結果であり、前記有効位置に当該特別結果に対応する特別の絵柄組合せが停止した場合に、遊技状態を前記特別状態へ移行させる特別移行手段(主制御装置101によるボーナス状態処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が前記特別結果であり、前記有効位置に前記特別の絵柄組合せが停止しなかった場合、当該特別結果に当選していることに対応する情報を留保することが可能な留保手段(主制御装置101による第1BB当選フラグや第2BB当選フラグを持ち越す処理を実行する機能)と、
を備え、
前記第1特定操作は、前記抽選手段による抽選結果が前記特別結果である場合、又は前記留保手段により前記特別結果に当選していることに対応する情報が留保されている場合に、前記有効位置に前記特別の絵柄組合せが停止するように前記停止操作手段を操作することであることを特徴とする特徴E1乃至E8のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1特定操作とは、所謂ボーナスとしての特別結果を入賞させるための操作となる。つまり、有利状態において、特別結果入賞を成立させた場合に、第2特定操作を行うと有利状態が終了し、第3特定操作を行うと有利状態が終了しないようになり、更に、第3特定操作を行った場合には、以後、特別結果入賞を成立させて第2特定操作を行っても有利状態が終了しないようになる。このような構成とすることで、ボーナス状態へ移行させることで有利状態が終了する場合と、ボーナス状態へ移行させても有利状態が終了しない場合があるようになり、ボーナス状態と有利状態といったパラレルで進行し得る両遊技を関連付けながら遊技させることが可能となる。よって、遊技の興趣向上を好適に図ることができる。
特徴E10.前記特別状態に移行した後であって、当該特別状態が終了するよりも前の遊技である特定遊技にて、前記第2特定操作及び前記第3特定操作のいずれかが行われる構成であることを特徴とする特徴E9に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1特定操作を行うことで特別状態への移行が生じ、当該特別状態中の特定遊技にて第2特定操作又は第3特定操作が行われる構成となる。このような構成とすることで、所謂ボーナス状態に移行した後、単にボーナス状態中の恩恵を受けるだけでなく、有利状態を終了させるか否かを自らの操作によって決定する、といった遊技を行わせることが可能となる。
更に、上記構成では、特定遊技は少なくとも特別状態が終了するよりも前の遊技となる。このようにすることで、例えば、特別状態中の特定遊技にて有利状態を終了させ、更に当該特別状態中に有利状態に再移行させる、といった遊技性も実現する余地が残される。よって、遊技の興趣向上図るうえで大いに役立てることが可能となる。
特徴E11.前記特定遊技は、複数の遊技として、少なくとも第1特定遊技と第2特定遊技とを含み、
前記第1特定遊技、及び前記第2特定遊技にて行われた操作として前記第2特定操作、及び前記第3特定操作が設定されていることを特徴とする特徴E10に記載の遊技機。
上記構成によれば、特別状態中の複数の遊技に亘って行われる操作が第2特定操作や第3特定操作として設定されている。このようにすることで、一回の操作によって有利状態が終了するか否かが決定してしまう構成よりも、その注目が注がれる遊技を長引かせることができ、遊技への注目度を好適に高めることが可能となる。
なお、複数の遊技に亘って行われる遊技としては、例えば、複数の遊技における所定の結果の入賞回数や、複数の遊技における操作に基づき付与された特典の合計数が考えられる。
上記特徴E1乃至E11に記載された発明は、「遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機では、所定の抽選条件が成立したことに基づいて内部抽選が行われ、当該内部抽選の結果に応じて遊技者に特典が付与される構成が知られている。スロットマシンについて具体的には、遊技媒体としてのメダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されると、内部抽選が実施されるとともに、リールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップスイッチが操作された場合には、リールの回転が停止する。そして、リールの停止結果が内部抽選の結果に対応したものである場合には、結果に応じた特典が付与される(例えば特開2008-295707号公報参照)。」という背景技術について、「ここで、上記例示等した遊技機においては遊技の興趣向上を図る必要があり、この点について、未だ改良の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
上記特徴E1乃至E11の各構成に対して、特徴A1乃至A21、特徴B1乃至B10、特徴C1乃至C9、特徴D1乃至D10、特徴E1乃至E11、特徴F1乃至F7、特徴G1乃至G10、特徴H1乃至H12のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴F群>
特徴F1.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(各リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が開始される始動操作手段(スタートレバー41)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与するか否かの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が停止される停止操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させ、前記停止操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を停止させる駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記抽選手段における抽選結果が所定結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、当該所定結果に対応する所定の絵柄組合せが停止した場合に、前記所定結果に対応する特典を付与することが可能な特典付与手段(主制御装置101による払出判定処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
前記抽選手段による抽選結果として、前記停止操作手段が第1の操作態様にて操作された場合には第1結果が入賞可能となる一方、前記停止操作手段が前記第1の操作態様とは異なる第2の操作態様にて操作された場合には前記第1結果が入賞した場合とは異なる利益が付与され得る第2結果が入賞可能となる又はいずれの結果も入賞が成立しない態様結果(押し順ベル)が設定されており、
前記抽選手段による抽選結果が前記態様結果である場合、所定の報知手段にて前記第1の操作態様又は前記第2の操作態様を含む態様報知を実行可能な態様報知手段(主制御装置101による押し順報知を行うための処理を実行する機能、表示制御装置81による押し順報知演出を行うための処理を実行する機能)を備え、
前記態様報知手段による前記態様報知が実行可能となる有利状態(有利区間)と、前記態様報知手段による前記態様報知が実行不可となる通常状態(通常区間)と、が設定されており、
予め定められた有利移行条件に基づいて、前記通常状態から前記有利状態に移行させる有利移行手段(主制御装置101による区間表示第1処理において有利区間へ移行させる処理を実行する機能)と、
予め定められた有利終了条件に基づいて、前記有利状態から前記通常状態に移行させる有利終了手段(主制御装置101による区間表示第2処理において有利区間を終了させる処理を実行する機能)と、
を備え、
前記抽選手段による抽選結果として、遊技者にとって有利な特別状態への移行を可能とする特別結果(第1BB,第2BB)が設定されており、
前記抽選手段による抽選結果が前記特別結果であって、前記有効位置に前記特別結果に対応する特別の絵柄組合せが停止した場合に、前記特別状態へ移行させる特別移行手段(主制御装置101によるボーナス状態処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が前記特別結果であって、前記有効位置に前記特別の絵柄組合せが停止しなかった場合に、前記特別結果に当選していることに対応する情報を留保可能な留保手段(主制御装置101による第1BB当選フラグや第2BB当選フラグを持ち越し可能とする機能)と、
少なくとも前記抽選手段による抽選結果が前記特別結果となる当選遊技から、前記特別状態が終了する終了遊技までのいずれかの遊技を含む特別遊技の進行に応じて、予め定められた特別情報(BB払出カウンタやRTカウンタ等)の更新を行う特別情報更新手段(主制御装置101によるRTカウンタやBB払出カウンタ等の更新処理を行う機能)と、
予め定められた実行条件が成立した場合に、少なくとも前記特別情報を用いて前記態様報知に関する特定処理を実行可能な特定処理実行手段(主制御装置101による有利区間終了用の処理を実行する機能)と、
一の前記有利状態において前記特別結果当選となった回数、又は前記特別状態へ移行した回数に対応する対応情報を把握する回数把握手段(主制御装置101による特定フラグをセットする処理を実行する機能)と、
前記回数把握手段により把握された前記対応情報に応じて、前記特別情報更新手段により更新される前記特別情報を異ならせる特定手段(主制御装置101による特定フラグに基づいて更新するBB払出カウンタ等を異ならせる処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、始動操作手段の操作に基づき開始される遊技の抽選結果が態様結果である場合、停止操作手段が第1の操作態様にて操作されれば第1結果入賞が成立し、第2の操作態様にて操作されれば第2結果入賞が成立したりいずれの結果も入賞しなかったりする場合があり、これら第1の操作態様や第2の操作態様を含む態様報知が実行される場合があるため、態様報知の実行の有無によって、遊技者の利益を大きく異ならせる遊技性を実現することができる。
そのうえで、抽選手段による抽選結果として、その遊技にて入賞が成立しなければ留保される所謂ボーナスとしての特別状態への移行を可能とする特別結果が設定されており、特別結果当選となってから特別状態が終了するまでのいずれかの遊技を含む特別遊技の進行に応じて変化する特別情報を用いて態様報知に関する特定処理が実行される場合があるため、ボーナスの進行状況を有利状態と関連付けることができる。
しかも、一の有利状態中に特別結果当選となった回数や特別状態へ移行した回数に応じて更新する特別情報が異なるようにしたため、例えば、所定回数目の特別結果当選に基づく特別情報については特定処理に利用する一方、所定回数目とは異なる回数目の特別結果当選に基づく特別情報については特定処理に利用しないようにしたり、特別状態への移行回数に応じて特別情報が特定処理への寄与率(影響度合い)を異ならせたりする構成を、特定処理側の処理構成については特別結果の当選回数や特別状態の移行回数に応じて異ならせる必要がなく、共通の処理構成にて行うことが可能となる。よって、処理の簡素化を図りながら、特別結果の当選回数等に応じて特定処理の結果を異ならせ、これらを通じて、遊技の興趣向上を図ることが可能となる。
特徴F2.前記特定手段は、前記回数把握手段により把握された前記対応情報が、前記特別結果に当選となった回数、又は前記特別状態へ移行した回数が特定回数(1回)であることに対応する特定対応情報である場合、前記特別情報更新手段により更新される前記特別情報を予め定められた第1特別情報(例えば、BB払出カウンタ)とする一方、前記回数把握手段により把握された前記対応情報が、前記特定対応情報とは異なる情報である場合、前記特別情報更新手段により更新される前記特別情報を予め定められた第2特別情報(例えば、特定BB払出カウンタ)とする構成であり、
前記特定処理実行手段は、前記回数把握手段により把握された前記対応情報に関わらず、前記特別情報として前記第1特別情報を用いて前記特定処理を実行する構成であることを特徴とする特徴F1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定処理実行手段は、特別結果当選となった回数や特別状態への移行回数に関わらず、これらの回数が特定回数である場合に更新される第1特別情報を用いて特定処理を実行する構成としていることから、特定回数である場合にだけ、特別情報の更新状況がその特定処理に影響を及ぼし、特定回数以外の場合には特別情報が用いられていても未更新の第1特別情報が用いられるため、その更新状況が特定処理に影響は及ぼさない構成となる。このようにすることで、特定処理の処理を簡素化し、いずれの状況であっても共通の処理としながらも、特別結果の当選回数等に応じてその処理結果を異ならせることが可能となる。
特徴F3.前記特別情報として、予め定められた契機用特別情報(BBゲームカウンタ、特定BBゲームカウンタ)と、当該契機用特別情報とは異なる処理用特別情報(BB払出カウンタ、特定BB払出カウンタ)と、が設定されており、
前記特定処理実行手段は、前記特別情報更新手段により、前記契機用特別情報が予め定められた実行対応情報(BBゲームカウンタ=1)に更新された場合に、前記処理用特別情報を用いて前記特定処理を実行する構成であり、
前記特定手段は、前記回数把握手段により把握された前記対応情報が、前記特別結果に当選となった回数、又は前記特別状態へ移行した回数が特定回数(1回)であることに対応する特定対応情報である場合、前記特別情報更新手段により更新される前記契機用特別情報を予め定められた第1契機用特別情報(BBゲームカウンタ)とする一方、前記回数把握手段により把握された前記対応情報が、前記特定対応情報とは異なる情報である場合、前記特別情報更新手段により更新される前記契機用特別情報を予め定められた第2契機用特別情報(特定BBゲームカウンタ)とする構成であり、
前記特定処理実行手段は、前記回数把握手段により把握された前記対応情報に関わらず、前記契機用特別情報として前記第1契機用特別情報を用いて前記特定処理を実行する構成であることを特徴とする特徴F1又は特徴F2に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定処理を実行すべきタイミングを把握するための契機用特別情報が、特別結果の当選回数等によって異なり、第1契機用特別情報が更新される特別状態等であれば特定処理が実行されるものの、第1契機用特別情報ではなく第2契機用特別情報が更新される特別状態等であれば、そもそも特定処理を実行すべきタイミングではないとして特定処理は実行されないようになる。このようにすることで、特定処理の処理構成を複雑化せずに、且つ無駄な特定処理の実行を回避することが可能となる。
特徴F4.前記特別状態が終了する場合に、前記特別情報を初期情報に更新する初期化手段を備えていることを特徴とする特徴F1乃至F3のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特別状態が終了する度に、特別情報は初期情報に初期化される。このようにしておけば、例えば、所定回数目の特別状態における特別情報を特定処理に用いる処理構成としておいても、当該所定回数目の特別状態が終了した後は、当該所定回数目の特別情報は初期情報に初期化され、以降の特定処理では初期化された特別情報を用いて処理が行われるようになる。よって、所定回数目との特別状態における更新状況だけを特定処理に寄与させることが可能となる。
特徴F5.前記特別状態において予め定められた特別終了条件が成立した場合に、当該特別状態を終了させる特別終了手段(主制御装置101によるボーナス状態処理においてBB終了用の処理を実行する機能)を備え、
前記特別終了条件は、前記特別情報更新手段により所定の前記特別情報が終了用特別情報に更新されることで成立する構成であることを特徴とする特徴F1乃至F4のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定処理用にあえて特別情報を用意する構成ではなく、特別状態の終了判定を行うための情報を特別情報として特定処理に用いる構成としていることから、既存の構成をうまく利用して、有利状態における態様報知に関する特定処理と、特別状態中の遊技進行の情報とを関連付けることが可能となる。
特徴F6.前記特定処理実行手段は、
前記特定処理として前記特別情報に応じて前記有利状態を終了させる処理を実行する構成であり、
前記特別情報更新手段により更新された前記特別情報が、終了対応用の特別情報であれば前記有利状態を終了させる処理を実行し、更新された前記特別情報が、当該終了対応用の特別情報とは異なる特別情報であれば、前記有利状態を終了させる処理を実行しない構成であることを特徴とする特徴F1乃至F5のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特別状態等において更新される特別情報を用いて有利状態を終了させることが可能な構成において、特別結果の当選回数や特別状態への移行回数に応じて有利状態が終了したり終了しなかったりする構成を、更新される特別情報の種類を異ならせるといった簡素な構成にて実現することができる。
特徴F7.前記有利終了手段により前記有利状態を終了させる場合、当該有利状態において更新された情報の初期化処理を実行する有利初期化手段(主制御装置101による有利区間情報の初期化処理を実行する機能)を備え、
前記回数把握手段により把握される前記対応情報は、前記有利初期化手段による前記初期化処理が行われる情報に含まれていることを特徴とする特徴F1乃至F6のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、一の有利状態が終了する度に、回数把握手段により把握される特別結果の当選回数や特別状態への移行回数に対応する対応情報は初期化される。このようにすることで、これら当選回数や移行回数を、一の有利状態における回数として管理することができ、有利状態を跨いで有利度等が引き継がれることを回避することが可能となる。
上記特徴F1乃至F7に記載された発明は、「遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機では、所定の抽選条件が成立したことに基づいて内部抽選が行われ、当該内部抽選の結果に応じて遊技者に特典が付与される構成が知られている。スロットマシンについて具体的には、遊技媒体としてのメダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されると、内部抽選が実施されるとともに、リールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップスイッチが操作された場合には、リールの回転が停止する。そして、リールの停止結果が内部抽選の結果に対応したものである場合には、結果に応じた特典が付与される(例えば特開2008-295707号公報参照)。」という背景技術について、「ここで、上記例示等した遊技機においては遊技の興趣向上を図る必要があり、この点について、未だ改良の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
上記特徴F1乃至F7の各構成に対して、特徴A1乃至A21、特徴B1乃至B10、特徴C1乃至C9、特徴D1乃至D10、特徴E1乃至E11、特徴F1乃至F7、特徴G1乃至G10、特徴H1乃至H12のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴G群>
特徴G1.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(各リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が開始される始動操作手段(スタートレバー41)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与するか否かの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が停止される停止操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させ、前記停止操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を停止させる駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記抽選手段における抽選結果が所定結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、当該所定結果に対応する所定の絵柄組合せが停止した場合に、前記所定結果に対応する特典を付与することが可能な特典付与手段(主制御装置101による払出判定処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
前記抽選手段による抽選結果として、前記停止操作手段が第1の操作態様にて操作された場合には第1結果が入賞可能となる一方、前記停止操作手段が前記第1の操作態様とは異なる第2の操作態様にて操作された場合には前記第1結果が入賞した場合とは異なる利益が付与され得る第2結果が入賞可能となる又はいずれの結果も入賞が成立しない態様結果(押し順ベル)が設定されており、
前記抽選手段による抽選結果が前記態様結果である場合、所定の報知手段にて前記第1の操作態様又は前記第2の操作態様を含む態様報知を実行可能な態様報知手段(主制御装置101による押し順報知を行うための処理を実行する機能、表示制御装置81による押し順報知演出を行うための処理を実行する機能)を備え、
前記態様報知手段による前記態様報知が実行可能となる有利状態(有利区間)と、前記態様報知手段による前記態様報知が実行不可となる通常状態(通常区間)と、が設定されており、
予め定められた有利移行条件に基づいて、前記通常状態から前記有利状態に移行させる有利移行手段(主制御装置101による区間表示第1処理において有利区間へ移行させる処理を実行する機能)と、
予め定められた有利終了条件に基づいて、前記有利状態から前記通常状態に移行させる有利終了手段(主制御装置101による区間表示第2処理において有利区間を終了させる処理を実行する機能)と、
を備え、
前記抽選手段による抽選結果として、遊技者にとって有利な特別状態への移行を可能とする特別結果(第1BB,第2BB)が設定されており、
前記抽選手段による抽選結果が前記特別結果であって、前記有効位置に前記特別結果に対応する特別の絵柄組合せが停止した場合に、前記特別状態へ移行させる特別移行手段(主制御装置101によるボーナス状態処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が前記特別結果であって、前記有効位置に前記特別の絵柄組合せが停止しなかった場合に、前記特別結果に当選していることに対応する情報を留保可能な留保手段(主制御装置101による第1BB当選フラグや第2BB当選フラグを持ち越し可能とする機能)と、
前記特別状態において予め定められた特別終了条件が成立した場合に、当該特別状態を終了する特別終了手段(主制御装置101によるボーナス状態処理においてBB状態の終了用の処理を実行する機能)と、
を備え、
前記特別状態において前記有利終了条件が成立した場合、当該特別状態が終了するよりも前に前記有利移行条件が成立するように設定されていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、始動操作手段の操作に基づき開始される遊技の抽選結果が態様結果である場合、停止操作手段が第1の操作態様にて操作されれば第1結果入賞が成立し、第2の操作態様にて操作されれば第2結果入賞が成立したりいずれの結果も入賞しなかったりする場合があり、これら第1の操作態様や第2の操作態様を含む態様報知が実行される場合があるため、態様報知の実行の有無によって、遊技者の利益を大きく異ならせる遊技性を実現することができる。
しかも、抽選手段による抽選結果として、その遊技にて入賞が成立しなければ留保される所謂ボーナスとしての特別状態への移行を可能とする特別結果が設定されており、その特別状態中に有利状態の終了条件が成立した場合には、当該特別状態中に有利状態の移行条件が成立するように設定されている。つまり、特別状態中に有利状態が終了すると、当該特別状態中に有利状態に再移行する構成となっており、特別状態を介して、一の有利状態と次の有利状態とを連続させることが可能となる。これにより、特別状態を用いて、複数の有利状態間の関連付けを行うことができ、遊技の興趣向上に役立てることができる。
特徴G2.前記特別状態の遊技進行に応じて、予め定められた第1特別情報(BBゲームカウンタ、BB小役カウンタ)を更新する第1特別情報更新手段(主制御装置101によるBBゲームカウンタやBB小役カウンタの更新処理を実行する機能)を備え、
前記有利終了条件は、前記第1特別情報が予め定められた終了情報(BBゲームカウンタ=1、BB小役カウンタ=1)に更新される場合に成立する構成であり、
前記特別終了条件は、前記第1特別情報が前記終了情報に更新された後で成立することを特徴とする特徴G1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特別状態の遊技進行に応じて更新される第1特別情報を用いて、有利状態を終了させる構成となる。これにより、特別状態と有利状態とを関連付けをうまく行うことが可能となる。また、有利状態は、第1特別情報が終了情報に更新されることで終了する一方、特別状態は、第1特別情報が終了情報に更新された後で終了するため、特別状態中に有利状態が終了した後、有利状態への再移行が生じる余地が残される。このような構成とすることで、特別状態と有利状態との関連付けをうまく行いながら、特別状態中に有利状態を終了させ、その後、当該特別状態中に有利状態へ再移行させる構成を実現することができる。
特徴G3.前記特別状態の遊技進行に応じて、前記第1特別情報とは異なる第2特別情報(BB払出カウンタ)を更新する第2特別情報更新手段(主制御装置101によるBB払出カウンタの更新処理を実行する機能)と、
前記有利移行手段により前記通常状態から前記有利状態への移行が生じる場合に、前記第2特別情報を用いて前記態様報知に関する特定処理を実行可能な特定処理実行手段(主制御装置101による有利区間移行時処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴G2に記載の遊技機。
上記構成によれば、特別状態中の遊技進行に応じて更新される第1特別情報を利用して有利状態を終了させた後、再度、有利状態へ移行する場合には、当該特別状態中に更新される情報であって第1特別情報とは異なる第2特別情報を利用して、有利状態移行時の態様報知に関する特定処理が行われる。つまり、特別状態中に有利状態を終了させる場合の情報と、特別状態中に有利状態へ移行させる場合の情報と、はいずれも特別状態中の遊技進行に応じて更新される情報であって、且つ別々の情報となる。このようにすることで、特別状態と有利状態との関連付けをより強固なものとしながら、特定処理に用いられる情報を特別状態中の遊技進行に応じて変化が生じ易いようにすることができる。
より具体的には、例えば、有利状態の終了と移行時の特定処理とでいずれも同じ情報を用いる構成とした場合、有利状態が終了してから再移行するまでの遊技が変化の少ない遊技進行であると、特別状態中の遊技進行に関わらず、有利状態の終了と特定処理で利用される情報は、同じような情報となる可能性が高くなる。その点、上記のように、別々の情報を用いることで、特別状態中の遊技進行に応じて、有利状態の終了タイミングが変化したり、再移行する有利状態に用いられる第2特別情報が変化したりすることが期待できる。よって、遊技の多様化が図られ、特別状態中の遊技進行へ大きな関心を寄せさせることができる。
特徴G4.前記特別状態において前記第1特別情報が前記終了情報に更新されるまでの遊技進行が第1遊技進行である場合、前記第2特別情報が第1情報(BB払出カウンタ=7等)に更新され、
前記特別状態において第1特別情報が前記終了情報に更新されるまでの遊技進行が前記第1遊技進行とは異なる第2遊技進行である場合、前記第2特別情報が前記第1情報とは異なる第2情報(BB払出カウンタ=1等)に更新される構成であり、
前記特定処理実行手段により前記第1情報を用いて前記特定処理が行われた場合の方が、前記第2情報を用いて前記特定処理が行われた場合よりも、当該特定処理の結果が遊技者にとって有利な結果となり易いことを特徴とする特徴G3に記載の遊技機。
上記構成は、特徴G3の具体的構成である。このように、第1特別情報が終了情報に更新されるまでの遊技進行に応じて、第2特別情報が第1情報に更新されたり第2情報に更新されたりする構成としたうえで、第1情報を用いて特定処理が行われた場合の方が、第2情報を用いて特定処理が行われた場合よりも、当該特定処理の結果が遊技者にとって有利な結果となるようにした。これにより、第1特別情報が終了情報に更新されるまでの遊技において、第1情報に更新されるように遊技を進行することを遊技者は望むようになり、特別状態中の興趣向上を図ることが可能となる。
特徴G5.前記特別状態として、前記第1特別情報が前記終了情報となるまでに要する遊技数が第1遊技数となる第1特別状態(第1BB状態)と、前記第1特別情報が前記終了情報となるまでに要する遊技数が前記第1遊技数とは異なる第2遊技数となる第2特別状態(第2BB状態)と、が設定されていることを特徴とする特徴G3又は特徴G4に記載の遊技機。
上記構成によれば、特別状態の種類に応じて、特別状態に移行してから有利状態が終了するまでに要する遊技数が異なるようになる。このようにすることで、有利状態に再移行する際に行われる特定処理では、それぞれ異なる第2特別情報を用いる可能性が高くなる。よって、いずれの特別状態に移行するかによって、特定処理の結果が異なり易くなり、移行する特別状態や当選する特別結果に高い関心を寄せさせることが可能となる。
特徴G6.前記第1特別状態において前記第1特別情報が前記終了情報に更新される場合に、前記第2特別情報は第3情報(例えば、BB払出カウンタ=14)に更新されている場合がある構成であり、且つ、前記第2特別状態において前記第1特別情報が前記終了情報に更新される場合に、前記第2特別情報は前記第3情報に更新されている場合がある構成であることを特徴とする特徴G5に記載の遊技機。
上記構成によれば、いずれの特別状態であっても、特定処理に供与される第2特別情報が同じ第3情報となる場合があるようになる。このようにすることで、例えば、特定処理を、それぞれの特別状態専用の処理構成としなくてもよく、処理構成の簡素化が図られる。
特徴G7.前記第1特別状態において前記第1特別情報が前記終了情報に更新される場合に更新されている前記第2特別情報の種類は、前記第2特別状態において前記第1特別情報が前記終了情報に更新される場合に更新されている前記第2特別情報の種類に含まれる構成である、又は、前記第2特別状態において前記第1特別情報が前記終了情報に更新される場合に更新されている前記第2特別情報の種類は、前記第1特別状態において前記第1特別情報が前記終了情報に更新される場合に更新されている前記第2特別情報の種類に含まれる構成であることを特徴とする特徴G6に記載の遊技機。
上記構成は、特徴G6の具体的構成である。このようにすることで、第2特別情報のパターン(種類)が多い側の特別状態用に特定処理の処理構成を設定することで、パターンが少ない側の特別状態においては、パターンが多い側の特別状態用の特定処理をそのまま流用することが可能となる。
特徴G8.前記第1特別状態において前記第1特別情報が前記終了情報に更新される場合に、前記第2特別情報が前記第3情報に更新されている確率と、前記第2特別状態において前記第1特別情報が前記終了情報に更新される場合に、前記第2特別情報が前記第3情報に更新されている確率とが、異なっていることを特徴とする特徴G6又は特徴G7に記載の遊技機。
上記構成によれば、いずれの特別状態であっても特定処理に第3情報に更新された第2特別情報が利用される構成において、各特別状態に応じて第3情報に更新された第2特別情報が利用される確率が異なっているため、例えば、第3情報を用いた特定処理の結果を特別状態に応じて異ならせなくても、トータル的に見て、特別状態に応じて特定処理の結果が異なり易くすることも可能となる。また、第3情報を用いた特定処理の結果が特別状態に応じて異なるとしても、それぞれの特別状態において第3情報となる確率も異なるため、それぞれの特別状態の差がより顕著なものとなる。このように、特別状態に応じて第3情報となる確率を異ならせることで、特別状態毎の特徴付けをうまく行うことが可能となり、いずれの特別状態へ移行するかへの関心を引くことできる。
特徴G9.前記特定処理実行手段による前記特定処理は、前記第1特別状態にて前記第3情報を用いた場合と、前記第2特別状態にて前記第3情報を用いた場合とで、同じ処理結果となるように設定されていることを特徴とする特徴G6乃至G8のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第3情報を用いた特定処理の結果を特別状態に応じて異ならせなくても、トータル的に見て、特別状態に応じて特定処理の結果が異なり易くすることも可能となる。よって、特別状態に応じて第3情報となる確率を異ならせることで、特別状態毎の特徴付けをうまく行うことが可能となり、いずれの特別状態へ移行するかへの関心を引くことできる。
特徴G10.前記特定処理実行手段による前記特定処理は、前記第1特別状態にて前記第3情報を用いた場合と、前記第2特別状態にて前記第3情報を用いた場合とで、異なる処理結果となり得るように設定されていることを特徴とする特徴G6乃至G8のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、それぞれの特別状態において第3情報となる確率も異なるため、それぞれの特別状態の差がより顕著なものとなる。よって、特別状態に応じて第3情報となる確率を異ならせることで、特別状態毎の特徴付けをうまく行うことが可能となり、いずれの特別状態へ移行するかへの関心を引くことできる。
上記特徴G1乃至G10に記載された発明は、「遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機では、所定の抽選条件が成立したことに基づいて内部抽選が行われ、当該内部抽選の結果に応じて遊技者に特典が付与される構成が知られている。スロットマシンについて具体的には、遊技媒体としてのメダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されると、内部抽選が実施されるとともに、リールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップスイッチが操作された場合には、リールの回転が停止する。そして、リールの停止結果が内部抽選の結果に対応したものである場合には、結果に応じた特典が付与される(例えば特開2008-295707号公報参照)。」という背景技術について、「ここで、上記例示等した遊技機においては遊技の興趣向上を図る必要があり、この点について、未だ改良の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
上記特徴G1乃至G10の各構成に対して、特徴A1乃至A21、特徴B1乃至B10、特徴C1乃至C9、特徴D1乃至D10、特徴E1乃至E11、特徴F1乃至F7、特徴G1乃至G10、特徴H1乃至H12のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴H群>
特徴H1.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(各リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が開始される始動操作手段(スタートレバー41)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与するか否かの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が停止される停止操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させ、前記停止操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を停止させる駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記抽選手段における抽選結果が所定結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、当該所定結果に対応する所定の絵柄組合せが停止した場合に、前記所定結果に対応する特典を付与することが可能な特典付与手段(主制御装置101による払出判定処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
前記抽選手段による抽選結果として、前記停止操作手段が第1の操作態様にて操作された場合には第1結果が入賞可能となる一方、前記停止操作手段が前記第1の操作態様とは異なる第2の操作態様にて操作された場合には前記第1結果が入賞した場合とは異なる利益が付与され得る第2結果が入賞可能となる又はいずれの結果も入賞が成立しない態様結果(押し順ベル)が設定されており、
前記抽選手段による抽選結果が前記態様結果である場合、所定の報知手段にて前記第1の操作態様又は前記第2の操作態様を含む態様報知を実行可能な態様報知手段(主制御装置101による押し順報知を行うための処理を実行する機能、表示制御装置81による押し順報知演出を行うための処理を実行する機能)を備え、
前記態様報知手段による前記態様報知が実行可能となる有利状態(有利区間)と、前記態様報知手段による前記態様報知が実行不可となる通常状態(通常区間)と、が設定されており、
予め定められた有利移行条件に基づいて、前記通常状態から前記有利状態に移行させる有利移行手段(主制御装置101による区間表示第1処理において有利区間に移行させる処理を実行する機能)と、
予め定められた有利終了条件に基づいて、前記有利状態から前記通常状態に移行させる有利終了手段(主制御装置101による区間表示第2処理において有利区間を終了させる処理を実行する機能)と、
を備え、
前記有利状態として、前記態様報知手段による前記態様報知が実行され易い第1有利状態(ATモード)と、当該第1有利状態よりも前記態様報知手段による前記態様報知が実行されにくい第2有利状態(通常モード、CZモード)と、が設定されており、
前記第2有利状態において、前記第1有利状態へ移行させることの第1有利移行判定を実行する第1有利移行判定手段(主制御装置101によるAT抽選用処理を実行する機能)と、
前記第1有利移行判定手段による第1有利移行判定の結果が前記第1有利状態へ移行させることに対応する結果である場合、前記第2有利状態から前記第1有利状態へ移行させる第1有利移行手段(主制御装置101による区間表示第1処理において有利区間へ移行させる処理を実行する機能)と、
前記第2有利状態における遊技数が、予め定められた特定数に至った場合に前記第1有利移行判定手段による前記第1有利移行判定の結果に関わらず、又は前記第1有利移行判定手段による前記第1有利移行判定を行うことなく前記第1有利状態に移行させる特定第1有利移行手段(主制御装置101による天井ゲーム数到達に基づくATモードへの移行を生じさせる処理を実行する機能)と、
前記有利移行手段により前記通常状態から前記有利状態への移行が生じる場合に、前記特定数を設定する特定数設定手段(主制御装置101による天井ゲーム数を設定する処理を実行する機能)と、
を備え、
前抽選手段による抽選結果として、通常遊技状態(通常遊技状態、持ち越し状態)から遊技者にとって有利な特別状態への移行を可能とする特別結果(第1BB,第2BB)が設定されており、
前記抽選手段による抽選結果が前記特別結果であって、前記有効位置に前記特別結果に対応する特別の絵柄組合せが停止した場合に、前記通常遊技状態から前記特別状態へ移行させる特別移行手段(主制御装置101によるボーナス状態処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が前記特別結果であって、前記有効位置に前記特別の絵柄組合せが停止しなかった場合に、前記特別結果に当選していることに対応する情報を留保可能な留保手段(主制御装置101による第1BB当選フラグや第2BB当選フラグを持ち越し可能とする機能)と、
を備え、
前記特定数設定手段は、前記特別状態において前記特定数を設定する場合の方が、前記通常遊技状態において前記特定数を設定する場合よりも、少ない遊技数を前記特定数として設定し易いことを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、始動操作手段の操作に基づき開始される遊技の抽選結果が態様結果である場合、停止操作手段が第1の操作態様にて操作されれば第1結果入賞が成立し、第2の操作態様にて操作されれば第2結果入賞が成立したりいずれの結果も入賞しなかったりする場合があり、これら第1の操作態様や第2の操作態様を含む態様報知が実行される場合があるため、態様報知の実行の有無によって、遊技者の利益を大きく異ならせる遊技性を実現することができる。
態様報知は有利状態において実行されるところ、当該有利状態においては第1有利状態の方が第2有利状態よりも態様報知が行われ易くなるように設定されている。そして、第2有利状態においては、第1有利状態への第1有利移行判定が行われるともに、第1有利状態への天井ゲーム数としての特定数も設定されている。そのため、第1有利移行判定に当選しなくても、少なくとも特定数の遊技を第2有利状態にて消化すれば第1有利状態への移行が生じるようになり、第2有利状態における遊技意欲を掻き立てる工夫が施されている。
しかも、抽選手段による抽選結果として、その遊技にて入賞が成立しなければ留保される所謂ボーナスとしての特別状態への移行を可能とする特別結果が設定されており、その特別状態中に有利状態への移行が生じる場合には、通常遊技状態中に有利状態への移行が生じる場合よりも、天井ゲーム数としての特定数が少なくなるように設定されることから、なるべく特別状態中に有利状態への移行が生じたほうが遊技者にとっては有利となる。このようにすることで、ボーナス状態へ移行させることに対して、新たなメリットを付加することが可能となり、ボーナス状態としての特別状態に移行させることや特別結果当選となることへの期待感を好適に高めることができる。
特徴H2.前記特別状態への移行が生じた場合に、前記有利終了条件が成立することを特徴とする特徴H1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特別結果当選となって、有効位置に特別の絵柄組合せを停止させることで特別状態への移行が生じ、有利状態が終了する。このようにすることで、特別状態中を通常状態として遊技させ易くなり、特別状態中に有利状態への移行が生じた場合には天井ゲーム数が短くなるといった特徴H1の遊技性を好適に実現することができる。
特徴H3.前記有利終了条件が成立することを制限することが可能な制限手段(主制御装置101による特定フラグをセットする処理を実行する機能、BB1ゲーム目で7枚払出が生じなかった場合に有利区間を終了させないようにする処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴H2に記載の遊技機。
上記構成によれば、特徴H2において、有利状態が終了することが制限される場合があるようにしたことから、例えば、天井ゲーム数を短くすることのチャレンジを何度も繰り返すことができないようにもすることができる。このようにすることで、特別状態中の有利状態移行で短い天井ゲーム数が設定される遊技の遊技バランスを担保することが可能となる。
特徴H4.前記制限手段は、前記特別状態への移行が生じた場合に前記有利終了条件が成立することを制限することを特徴とする特徴H3に記載の遊技機。
上記構成は、特徴H3の具体的構成である。
特徴H5.前記特別状態における予め定められた特定遊技において、第1遊技結果(7枚払出)となった場合に前記有利終了条件が成立する、又は成立し易い一方、当該特定遊技において前記第1遊技結果とは異なる第2遊技結果(1枚払出等)となった場合には前記有利終了条件が成立しない、又は前記第1遊技結果の場合よりも成立しにくいことを特徴とする特徴H3又は特徴H4に記載の遊技機。
上記構成によれば、特別状態に移行しても必ず有利状態が終了するわけではなく、特別状態中の特定遊技の遊技結果が第1遊技結果となることで有利状態が終了し、第2遊技結果となった場合には有利状態は終了しない。このようにすることで、特別状態中に有利状態に移行させて短い天井ゲーム数に設定されるチャンスを得ることの困難性が高まり、遊技者にとって有利となり過ぎないようにすることができるし、当該特別状態中の特定遊技への注目度を好適に高めることが可能となる。
特徴H6.前記制限手段は、前記特定遊技において前記第1遊技結果となった場合であっても前記有利終了条件が成立しないように制限することを特徴とする特徴H5に記載の遊技機。
上記構成によれば、特別状態中の特定遊技にて第1遊技結果となったとしても、制限手段によって有利状態が終了しないようになり得ることが明確化される。このようにすることで、特定遊技への注目度を高めながらも、天井ゲーム数の再設定を行わせるチャンスを制限することができ、遊技の健全化が図られる。
特徴H7.前記特別状態において前記有利状態への移行が生じた場合に、予め定められた特別情報(特定フラグ)を記憶する記憶手段(主制御装置101による特定フラグをセットする処理を実行する機能)を備え、
前記制限手段は、前記特別情報が記憶されている状況で移行した前記特別状態において、前記有利終了条件が成立することを制限することを特徴とする特徴H3乃至H6のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特別状態中に有利状態へ移行させて、短い天井ゲーム数となるチャンスを生じさせると、特別情報が記憶される。その結果、それ以降は特別状態中に有利区間が終了しないようになり、結果的に、短い天井ゲーム数となるチャンスを受けられなくなる。このようにすることで、短い天井ゲーム数となるチャンスを好適に制限することが可能となる。
特徴H8.前記特別状態において前記有利状態への移行が生じた場合に、前記特別情報を記憶させることの記憶抽選を実行する記憶抽選手段(主制御装置101による特定フラグセット抽選を実行する機能)を備え、
前記記憶手段は、前記記憶抽選手段による記憶抽選の結果が前記特別情報を記憶させることに対応する結果である場合に前記特別情報を記憶する構成であることを特徴とする特徴H7に記載の遊技機。
上記構成によれば、特別状態中に有利状態への移行を生じさせても、必ず特別情報が記憶されるわけではなく、記憶抽選の結果に応じて特別情報が記憶されて、以降の、天井ゲーム数の再設定のチャンスが制限される。このようにすることで、天井ゲーム数を再設定する遊技の遊技性を向上させることが可能となる。
特徴H9.前記記憶抽選手段は、前記特定数設定手段により設定された前記特定数が第1特定数である場合よりも、当該第1特定数よりも多い第2特定数である場合の方が、前記記憶抽選の結果が前記特別情報を記憶させることに対応する結果となり易いように設定されていることを特徴とする特徴H8に記載の遊技機。
上記構成によれば、長い天井ゲーム数が設定された場合には、短い天井ゲーム数が設定された場合よりも特別情報が記憶されにくくなる。ここで、天井ゲーム数間近で特別状態への移行を生じさせて、天井ゲーム数の再設定が行われると、それまでの遊技が無駄になる可能性が高く、天井ゲーム数にまだまだ到達しないような場面で、特別状態への移行を生じさせた方が遊技者にとってのメリットが大きくなる。その点、上記構成のようにすることで、短い天井ゲーム数が設定されており、天井ゲーム数間近であるのにもかかわらず天井ゲーム数の再設定が行われるリスクを考慮したうえで、長い天井ゲーム数が設定されたと予測した場合に、再度特別状態への移行を生じさせてみる、といった遊技を行わせることができ、遊技の興趣向上が図られる。
特徴H10.前記特別状態において予め定められた特別終了条件が成立した場合に、当該特別状態から前記通常遊技状態に移行させる特別終了手段(主制御装置101によるボーナス状態処理においてBB状態終了用の処理を実行する機能)を備え、
前記特別状態として、予め定められた第1特別終了条件が前記特別終了条件として設定された第1特別状態(第1BB状態)と、当該第1特別終了条件とは異なる第2特別終了条件が前記特別終了条件として設定された第2特別状態(第2BB状態)と、が設定されており、
前記特別状態において前記有利状態への移行が生じた場合、当該特別状態が終了するまで当該有利状態は終了しにくいことを特徴とする特徴H1乃至H9のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、一旦、特別状態中に有利状態に移行させて天井ゲーム数の設定が行われた場合には、少なくともその特別状態を終了させるまでは当該有利状態は継続するため、天井ゲーム数の再設定を行わせるためには、その特別状態を終了させてから、再度特別状態への移行を生じさせる必要が生じることになる。この場合、上記構成では、終了条件が異なる複数の特別状態が設定されていることから、いずれの特別状態へ移行するかによって、次に天井ゲーム数の再設定を行うチャンスが来るまでの遊技数が異なり易くなる。このようにすることで、ボーナス状態としての特別状態の種類を増やすだけで、天井ゲーム数の再設定率を調節することができ、比較的簡素な構成にて特徴H1の遊技の多様化を図ることが可能となる。
特徴H11.前記特定数設定手段は、前記特別状態において前記有利状態への移行が生じるよりも前の特別遊技の遊技結果が第1遊技結果(7枚払出)である場合の方が、当該特別遊技の遊技結果が前記第1遊技結果とは異なる第2遊技結果(1枚払出等)である場合よりも、少ない遊技数を前記特定数として設定し易いことを特徴とする特徴H1乃至H10のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、単に特別状態中に有利状態へ移行させればよいだけでなく、有利状態へ移行するよりも前の特別遊技の遊技結果が第1遊技結果となることで、第2遊技結果となるよりも、少ない天井ゲーム数が設定され易くなる。このようにすることで、特別状態中の遊技性を大幅に向上させることが可能となる。
特徴H12.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(各リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が開始される始動操作手段(スタートレバー41)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与するか否かの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が停止される停止操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させ、前記停止操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を停止させる駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記抽選手段における抽選結果が所定結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、当該所定結果に対応する所定の絵柄組合せが停止した場合に、前記所定結果に対応する特典を付与することが可能な特典付与手段(主制御装置101による払出判定処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
前記抽選手段による抽選結果として、前記停止操作手段が第1の操作態様にて操作された場合には第1結果が入賞可能となる一方、前記停止操作手段が前記第1の操作態様とは異なる第2の操作態様にて操作された場合には前記第1結果が入賞した場合とは異なる利益が付与され得る第2結果が入賞可能となる又はいずれの結果も入賞が成立しない態様結果(押し順ベル)が設定されており、
前記抽選手段による抽選結果が前記態様結果である場合、所定の報知手段にて前記第1の操作態様又は前記第2の操作態様を含む態様報知を実行可能な態様報知手段(主制御装置101による押し順報知を行うための処理を実行する機能、表示制御装置81による押し順報知演出を行うための処理を実行する機能)を備え、
前記態様報知手段による前記態様報知が実行可能となる有利状態(有利区間)と、前記態様報知手段による前記態様報知が実行不可となる通常状態(通常区間)と、が設定されており、
予め定められた有利移行条件に基づいて、前記通常状態から前記有利状態に移行させる有利移行手段(主制御装置101による区間表示第1処理において有利区間に移行させる処理を実行する機能)と、
予め定められた有利終了条件に基づいて、前記有利状態から前記通常状態に移行させる有利終了手段(主制御装置101による区間表示第2処理において有利区間を終了させる処理を実行する機能)と、
を備え、
前記有利移行手段により前記通常状態から前記有利状態への移行が生じる場合に、前記態様報知に関する特定処理を実行する特定処理実行手段(主制御装置101による天井ゲーム数を設定する処理を実行する機能)と、
を備え、
前抽選手段による抽選結果として、通常遊技状態(通常遊技状態、持ち越し状態)から遊技者にとって有利な特別状態への移行を可能とする特別結果(第1BB,第2BB)が設定されており、
前記抽選手段による抽選結果が前記特別結果であって、前記有効位置に前記特別結果に対応する特別の絵柄組合せが停止した場合に、前記通常遊技状態から前記特別状態へ移行させる特別移行手段(主制御装置101によるボーナス状態処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が前記特別結果であって、前記有効位置に前記特別の絵柄組合せが停止しなかった場合に、前記特別結果に当選していることに対応する情報を留保可能な留保手段(主制御装置101による第1BB当選フラグや第2BB当選フラグを持ち越し可能とする機能)と、
を備え、
前記特定処理実行手段は、前記特別状態において前記特定処理を実行する場合の方が、前記通常遊技状態において前記特定処理を実行する場合よりも、遊技者にとって有利な結果となるように当該特定処理を実行し易いことを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、始動操作手段の操作に基づき開始される遊技の抽選結果が態様結果である場合、停止操作手段が第1の操作態様にて操作されれば第1結果入賞が成立し、第2の操作態様にて操作されれば第2結果入賞が成立したりいずれの結果も入賞しなかったりする場合があり、これら第1の操作態様や第2の操作態様を含む態様報知が実行される場合があるため、態様報知の実行の有無によって、遊技者の利益を大きく異ならせる遊技性を実現することができる。
態様報知は有利状態中に実行可能となり、通常状態では実行不可となるところ、抽選手段による抽選結果として、その遊技にて入賞が成立しなければ留保される所謂ボーナスとしての特別状態への移行を可能とする特別結果が設定されており、その特別状態中に有利状態への移行が生じる場合には、通常遊技状態中に有利状態への移行が生じる場合よりも、有利状態移行時に実行される態様報知に関する特定処理の結果が遊技者にとって有利となり易いように設定される。これにより、なるべく特別状態中に有利状態への移行が生じたほうが遊技者にとっては有利となり、ボーナス状態へ移行させることに対して、新たなメリットを付加することが可能となる。よって、ボーナス状態としての特別状態に移行させることや特別結果当選となることへの期待感を好適に高めることができる。
なお、上記特徴H12に対して、特徴H1乃至H11にて限定した構成を個別に適用してもよく、組み合わせて適用してもよく、これら特徴H1乃至H11にて限定した一部の構成を個別に適用してもよく、一部の構成同士を組み合わせて適用してもよい。
上記特徴H1乃至H12に記載された発明は、「遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機では、所定の抽選条件が成立したことに基づいて内部抽選が行われ、当該内部抽選の結果に応じて遊技者に特典が付与される構成が知られている。スロットマシンについて具体的には、遊技媒体としてのメダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されると、内部抽選が実施されるとともに、リールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップスイッチが操作された場合には、リールの回転が停止する。そして、リールの停止結果が内部抽選の結果に対応したものである場合には、結果に応じた特典が付与される(例えば特開2008-295707号公報参照)。」という背景技術について、「ここで、上記例示等した遊技機においては遊技の興趣向上を図る必要があり、この点について、未だ改良の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
上記特徴H1乃至H12の各構成に対して、特徴A1乃至A21、特徴B1乃至B10、特徴C1乃至C9、特徴D1乃至D10、特徴E1乃至E11、特徴F1乃至F7、特徴G1乃至G10、特徴H1乃至H12のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
なお、以上詳述した特徴A群乃至特徴H群の各構成に対して、他の特徴A群乃至特徴H群の各構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想を組合せて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
以下に上述した各特徴を適用し得る遊技機の基本構成を示す。
パチンコ遊技機:遊技者が操作する操作手段と、その操作手段の操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段と、その発射された遊技球を所定の遊技領域に導く球通路と、遊技領域内に配置された各遊技部品とを備え、それら各遊技部品のうち所定の通過部を遊技球が通過した場合に遊技者に特典を付与する遊技機。
スロットマシン等の回胴式遊技機:複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄列を最終停止表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段の操作に起因して図柄の変動が開始され、停止用操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより図柄の変動が停止され、その停止時の最終停止図柄が特定図柄であることを必要条件として遊技者に有利な特別遊技状態(ボーナスゲーム等)を発生させるようにした遊技機。
球使用ベルト式遊技機:複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄列を最終停止表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段の操作に起因して図柄の変動が開始され、停止用操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより図柄の変動が停止され、その停止時の最終停止図柄が特定図柄であることを必要条件として遊技者に有利な特別遊技状態(ボーナスゲーム等)を発生させるようにし、さらに、球受皿を設けてその球受皿から遊技球を取り込む投入処理を行う投入装置と、前記球受皿に遊技球の払出を行う払出装置とを備え、投入装置により遊技球が投入されることにより前記始動用操作手段の操作が有効となるように構成した遊技機。