JP7405647B2 - カーボンブラック加圧成形体、及びその製造方法 - Google Patents

カーボンブラック加圧成形体、及びその製造方法 Download PDF

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本発明はカーボンブラック加圧成形体、及びカーボンブラック加圧成形体の製造方法に関するものである。
カーボンブラック粒子は直径3~500nm程度の炭素の微粒子であって、タイヤなどゴムの補強材、インキやトナーなどの着色材、磁気テープや半導体部品などの導電性部材、紫外線吸収剤などとして各種分野で利用されている。一方でカーボンブラック粒子は発塵性が高く、また、かさ密度が低いためハンドリング性や輸送性が悪かった。このような問題を解決する手段として例えば特許文献1にはカーボンブラック粒子を加圧成形して輸送する技術が提案されている。
近年、カーボンブラック粒子を用いた新たな材料の研究開発が行われており、例えばカーボンブラック粒子とバインダーとを混合してなる成形体を触媒担体として使用する技術が提案されている(特許文献2)。
特開平10-140036号公報 特表2017-523024号公報
本発明はカーボンブラック粒子を用いた新規な材料を提供することを目的としてなされたものであって、従来とは異なる新規なカーボンブラック加圧成形体を提供することである。
上記課題を解決した本発明は、[1]カーボンブラック粒子の少なくとも一部が被覆されていることに要旨を有するカーボンブラック加圧成形体である。
本発明において、[2]前記被覆は炭素、および/または窒素を含む層であることも好ましい実施態様である。
本発明において、[3]前記カーボンブラック加圧成形体の塩基性表面官能基量が0.01meq/g以上であることも好ましい実施態様である。
本発明において、[4]前記カーボンブラック加圧成形体の細孔径3.6~5000nmの範囲を水銀圧入法で測定し、横軸を細孔径(nm)、縦軸を細孔容積(cm3/g)としたLog微分細孔容積分布において、
細孔容積のピークMは細孔径3.6~500nmの範囲内、
前記ピークMの半値幅は100nm以下、
前記半値幅/面積基準メディアン径は0.7以下、且つ、
細孔径500nmを超える範囲において細孔容積が存在する場合は細孔径1000~5000nmの範囲の前記Log微分細孔容積の最大値と最小値の差が0.18cm/g以下である上記[1]~[3]のいずれかに記載のカーボンブラック加圧成形体も好ましい実施態様である。
本発明において、[5]前記Log微分細孔容積分布における細孔容積のピークは細孔径3.6~500nmの範囲に一つである上記[1]~[4]のいずれかに記載のカーボンブラック加圧成形体も好ましい実施態様である。
本発明において、[6]BET比表面積が10~2000m/gである上記[1]~[5]のいずれかに記載のカーボンブラック加圧成形体も好ましい実施態様である。
本発明には[7]カーボンブラック粉粒体を等方性加圧処理した後、被覆処理することに要旨を有するカーボンブラック加圧成形体の製造方法も含まれる。
本発明には[8]カーボンブラック粉粒体を被覆処理した後、等方性加圧処理をすることに要旨を有するカーボンブラック加圧成形体の製造方法も含まれる。
本発明において、[9]前記被覆処理はポリスチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン、および窒素含有材料、よりなる群から選ばれる少なくとも1種の被覆材料と、前記等方性加圧処理前のカーボンブラック粉粒体または前記等方性加圧処理後のカーボンブラック加圧成形体とを混合し、不活性雰囲気中、前記被覆材料の熱分解温度で熱処理することによって、前記被覆材料の熱分解成分による被覆層をカーボンブラック粒子の少なくとも一部に形成するものである上記[7]または[8]に記載のカーボンブラック加圧成形体の製造方法も好ましい実施態様である。
本発明において、[10]前記カーボンブラック粉粒体は2種類以上のカーボンブラック粒子を混合したものである上記[7]~[9]のいずれかに記載のカーボンブラック加圧成形体の製造方法も好ましい実施態様である。
本発明において、[11]前記混合は2種類以上のカーボンブラック粒子を解砕、混合する複合化処理である上記[10]に記載のカーボンブラック加圧成形体の製造方法も好ましい実施態様である。
本発明によれば、特異な細孔構造を有し、且つ表面改質された新規なカーボンブラック加圧成形体を提供できる。例えば本発明のカーボンブラック加圧成形体は特異な細孔構造や表面改質に起因して従来では吸着できなかった被吸着物に対する吸着性能を付与したり、被吸着物に対する吸着性能を向上できる。
図1は水銀圧入法に基づくLog微分細孔容積分布曲線である。 図2は窒素ガス吸着法に基づくLog微分細孔容積分布曲線である。 図3は水銀圧入法に基づくLog微分細孔容積分布曲線である。 図4は窒素ガス吸着法に基づくLog微分細孔容積分布曲線である。 図5はタンパク質分離試験結果をプロットしたグラフである。 図6(a)はカーボンブラック粉粒体を等方性加圧処理、被覆処理を順次行う場合の概略説明図である。図6(b)はカーボンブラック粉粒体を被覆処理、等方性加圧処理を順次行う場合の概略説明図である。 図7は窒素ガス吸着法で測定して得られたLog微分細孔容積分布曲線である。 図8は水銀圧入法で測定して得られたLog微分細孔容積分布曲線である。 図9(a)は2種類の原料を単純混合したカーボンブラック成形体のLog微分細孔容積分布曲線(水銀圧入法)、図9(b)は2種類の原料を複合化処理したカーボンブラック成形体のLog微分細孔容積分布曲線(水銀圧入法)である。 図10(a)は尿素量と比表面積の関係を示す図であり、図10(b)は尿素量と細孔径分布の関係を示すグラフである。
カーボンブラック粒子は数nm~数百nmの球状微粒子(一次粒子)が不規則な鎖状に枝分かれした複雑な凝集構造(アグリゲート:一次凝集体)を有している。更に該一次凝集体同士がvan dar waals力や付着などによって凝集し、アグロメート(二次凝集体)を構成することがある。そのため一定量のカーボンブラック粒子(以下、カーボンブラック粒子の集合体をカーボンブラック粉粒体ということがある)の細孔径分布を調べると、一次凝集体における一次粒子間の空隙、一次凝集体間の空隙、二次凝集体間の空隙なども細孔として測定される。これら細孔は不規則に形成されるため、従来のカーボンブラック粉粒体の細孔径分布は不均一な分布であった。またカーボンブラック粉粒体が流動すると細孔径分布が変動する。このような従来のカーボンブラック粉粒体は吸着材としては不適切であり、吸着材に用いたとしても被吸着物サイズに応じた細孔を十分に有しておらず、吸着性能が低かった。
本発明者らはカーボンブラック粉粒体の細孔径分布を従来よりも均一な細孔経分布とすべく、鋭意検討した。その結果、カーボンブラック粉粒体を加圧成形すると圧密化により粒子間空隙の流動を抑制できた。特に等方性加圧処理すると均一に圧密化され、より一層均一な粒子間空隙が再成形され、その結果、細孔径分布が一軸加圧処理よりも均一化されたカーボンブラック加圧成形体が得られることを突き止めた。すなわち、カーボンブラック粉粒体を加圧成形すると、粒子間空隙によって細孔が形成され、未成形のカーボンブラック粉粒体と比べると細孔径や細孔容積が大きいため吸着容量も大きくなる。そしてカーボンブラック加圧成形体は製造条件、例えば加圧条件等を調整することによって細孔径分布の均一化や細孔径分布のピークトップ位置を調整できる。そのためカーボンブラック加圧成形体は被吸着物のサイズに適した細孔を多く有しており、優れた吸着性能を発揮する。
そして本発明者らが研究を進めた結果、カーボンブラック粒子の少なくとも一部を被覆することでカーボンブラック加圧成形体の細孔制御ができると共に、カーボンブラック粒子の表面改質ができることを見出し、本発明に至った。
カーボンブラック粒子の少なくとも一部を被覆することによりカーボンブラック加圧成形体の細孔制御ができる理由は以下のように考えられる。
カーボンブラック粉粒体を加圧成形するとカーボンブラック粒子同士が圧密成形されて形状が保持され、カーボンブラック粒子間の空隙は細孔として機能する。そしてカーボンブラック加圧成形体に被覆処理を施すとカーボンブラック粒子表面が被覆されるため粒子間空隙が狭くなる。例えば図6(a)に示す様に複数のカーボンブラック粒子1で構成されるカーボンブラック粉粒体2を等方性加圧処理3するとカーボンブラック加圧成形体5は粒子間空隙9が均一化してシャープなピークトップを有する細孔径分布となる。そして被覆処理4によって粒子間空隙9が狭くなり、被覆処理4前のカーボンブラック加圧成形体5と比べて被覆されたカーボンブラック加圧成形体8の細孔径分布のピークトップ位置は細孔径が小さい側にシフトする。同様に加圧処理前にカーボンブラック粉粒体に被覆処理した場合も細孔径分布が変動する。例えば図6(b)に示すように、加圧処理前のカーボンブラック粉粒体2に被覆処理4を施すと、カーボンブラック粒子1は被覆(被覆層6)されて粒子径が大きくなる。そのため被覆されたカーボンブラック粉粒体10を等方性加圧処理3すると、被覆されたカーボンブラック加圧成形体8の粒子間空隙は被覆処理がされていないカーボンブラック加圧成形体5よりも広くなる。したがって被覆処理されていないカーボンブラック加圧成形体5と比べて被覆されたカーボンブラック加圧成形体8の細孔径分布のピークトップ位置は細孔径が大きい側にシフトする。
更に被覆されたカーボンブラック加圧成形体は被覆材料に応じた表面改質効果も有するため、被覆処理されていないカーボンブラック加圧成形体とは異なる吸着性能、乃至優れた吸着性能を有する。
本発明のカーボンブラック加圧成形体は、該加圧成形体を構成するカーボンブラック粒子の少なくとも一部が被覆されていればよい(以下、単に被覆ということがある)。好ましくはカーボンブラック加圧成形体を構成するカーボンブラック粒子同士の接触部分以外のカーボンブラック粒子表面が被覆されていてもよい。例えば図6(a)に示す様に加圧処理3後に被覆処理4を施す場合は、加圧処理3によってカーボンブラック粒子同士が接触している。そのため被覆処理4をしても該接触部分のカーボンブラック粒子表面は被覆されないことがある。したがってカーボンブラック粒子の該接触部分が被覆されておらず、他の非接触部分が被覆されていてもよい。また好ましくはカーボンブラック加圧成形体を構成するカーボンブラック粒子の全表面が被覆されていてもよい。例えば図6(b)のように加圧処理3前に被覆処理4を施す場合は、カーボンブラック粒子全表面を被覆物で覆うことができる。そのため該被覆されたカーボンブラック粒子を加圧処理すれば、得られるカーボンブラック加圧成形体はカーボンブラック粒子同士の接触部分も含めてカーボンブラック粒子の全表面が被覆されている。
カーボンブラック粒子を被覆する物質(以下、被覆物質という)は限定されないが好ましくは炭素(例えば非晶質炭素)、および/または窒素である。炭素、および/または窒素を含む構成としては例えば炭化物、炭窒化物、窒化物が例示され、これらのうち1つ以上によってカーボンブラック粒子が被覆されていることも好ましい。また被覆物質としては炭化物等の熱分解物質でもよく、熱分解物質としては例えば炭化物由来物、炭窒化物由来物、窒化物由来物よりなる群から選択される少なくとも1種が好ましい。被覆によって形成された層(以下、被覆層)には当該被覆物質以外の物質が含まれていてもよいが、好ましくは当該被覆物質のみで構成されていることである。なお、通常含まれる程度の不可避不純物を許容する趣旨である。また被覆物質に応じてカーボンブラック粒子の表面改質効果が得られる。例えば窒素や炭窒化物などを使用して窒素を含有する被覆層を形成すると、該窒素によってカーボンブラック加圧成形体の親水性を高めることができる。
カーボンブラック粒子を被覆することによってカーボンブラック粒子径を制御してカーボンブラック加圧成形体の細孔径を調整できる。例えば図10(a)、図10(b)は尿素の熱分解物でカーボンブラック粒子を被覆してからCIP処理して得られたカーボンブラック加圧成形体を測定したグラフである。図10(a)にはカーボンブラック加圧成形体の比表面積と窒素量との関係が示されており、窒素含有量が増える程、比表面積は低下していることがわかる。また図10(b)は窒素含有量が異なるカーボンブラック加圧成形体の細孔径分布が示されており、窒素含有量によってカーボンブラック加圧成形体の細孔径分布がシャープな分布を維持しながら変動していることがわかる。
またカーボンブラック粒子の被覆の有無は塩基性表面官能基量で確認してもよい。通常、カーボンブラック粒子にはその製造過程における熱処理、雰囲気等に影響されて塩基性表面官能基が存在しない。一方、本発明ではカーボンブラック粒子を被覆処理すると被覆材料にもよるが、例えば窒素含有材料を用いて被覆処理するとカーボンブラック粒子表面に塩基性表面官能基が付与される。なお、被覆材料に窒素が含まれていなくても被覆処理時の雰囲気など被覆材料以外に由来して塩基性表面官能基が付与されることもある。塩基性表面官能基量は好ましくは0.01meq/g以上、より好ましくは0.05meq/g以上、更に好ましくは0.08meq/g以上であって、好ましくは2.0meq/g以下、より好ましくは1.5meq/g以下、更に好ましくは1.0meq/g以下である。塩基性表面官能基量の測定条件は実施例記載の条件による。
またカーボンブラック粒子の被覆の有無は酸性表面官能基量で確認してもよい。通常、カーボンブラック粒子は酸化させながら製造されるため酸性表面官能基量が高くなっている。一方、本発明ではカーボンブラック粒子を被覆処理すると被覆材料にもよるが、例えば窒素含有材料を用いて被覆処理するとカーボンブラック粒子表面の酸性官能基量が大幅に低下することがある。なお、被覆処理時の雰囲気など被覆材料以外に由来して酸性表面官能基量が低下することがある。酸性表面官能基量は好ましくは0.60meq/g以下、より好ましくは0.50meq/g以下、更に好ましくは0.30meq/g以下、より更に好ましくは0.10meq/g以下である。酸性表面官能基量の測定条件は実施例記載の条件による。
またカーボンブラック粒子の被覆の有無は全官能基量、すなわち、上記塩基性表面官能基量と上記酸性表面官能基量の合計量で確認してもよい。被覆処理すると塩基性表面官能基量の増加量よりも酸性表面官能基量の低下量の方が多くなることがあり、被覆されていないカーボンブラック加圧成形体と比べて全官能基量が減少することがある。全官能基量(但し、塩基性官能基量は0meq/gを除く)は好ましくは1.0meq/g以下、より好ましくは0.60meq/g以下、更に好ましくは0.45meq/g以下である。なお、塩基性表面官能基量と酸性表面官能基量は好ましくは夫々上記範囲である。
カーボンブラック粒子の被覆の有無は元素分析に基づくN/C比(窒素(N)量wt.%/炭素(C)量wt.%)によって確認してもよい。被覆されていない通常のカーボンブラック粒子を元素分析するとN量は1wt.%未満であるが、被覆されたカーボンブラック粒子のN量が増加しており、N/C比が高くなる傾向にある。なお、被覆処理時の雰囲気など被覆材料以外に由来してN/C比が高くなることもある。N/C比は好ましくは0.01以上、より好ましくは0.02以上、更に好ましくは0.03以上、より更に好ましくは0.05以上である。元素分析の分析条件は実施例記載の条件による。なお、N/C比は小数第3位以下を四捨五入した値である。
本発明のカーボンブラック加圧成形体は、カーボンブラック粉粒体が所定の成形形状を保持しているものである。カーボンブラック粉粒体が加圧によって圧密化されることで所定の形状を保持できる。本発明はカーボンブラック加圧成形体を構成するカーボンブラック粒子の少なくとも一部を被覆すれば細孔径分布の変動と表面改質効果が得られるため、加圧成形体は一軸加圧処理、等方性加圧処理のいずれで得られたものであってもよい。好ましくは等方性加圧処理されたものである。より好ましくは下記構成を満足するカーボンブラック加圧成形体である。
本発明のカーボンブラック加圧成形体は、細孔径3.6~5000nmの範囲を水銀圧入法で測定し、横軸を細孔径(直径:nm)、縦軸を細孔容積(cm/g)としたLog微分細孔容積分布(dV/dlog(D))において、以下の条件(I)~(III)を満足するものであることが好ましく、より好ましくは条件(I)~(IV)である。
(I)細孔径3.6~500nmの範囲内に細孔容積分布曲線で示される細孔容積のピークMが存在する。
(II)ピークMの半値幅は100nm以下である。
(III)半値幅/面積基準メディアン径は0.7以下である。
(IV)上記細孔容積分布において細孔径500nmを超える細孔径に細孔容積が存在する場合、細孔径1000~5000nmの範囲の前記Log微分細孔容積の最大値と最小値の差が0.18cm/g以下である。
本発明のカーボンブラック加圧成形体は特異な細孔構造を有することも好ましく、その特徴を示す指標として水銀圧入法で特定される上記物性を規定している。上記(I)~(III)は本発明の好ましいカーボンブラック加圧成形体に特有の物性として細孔径分布曲線から特定される所定の範囲に出現するピークMがシャープであり、且つ均一な細孔径分布を有することを規定したものである。一方、上記(IV)は主に等方性加圧処理されたカーボンブラック加圧成形体をその他のカーボンブラック加圧成形体や未加圧のカーボンブラック粉粒体と差別化するための指標である。例えば等方性加圧処理した場合はカーボンブラック加圧成形体を水銀圧入法で測定しても細孔構造は再構成され難い。一方、未加圧のカーボンブラック粉粒体や一軸プレス成形処理されたカーボンブラック加圧成形体(以下、一軸加圧処理成形体ということがある)は水銀圧入法で測定すると、水銀の圧入によって細孔が加圧されて細孔構造が再構成され、測定前後でカーボンブラック加圧成形体の細孔構造が変化する。つまり、従来のカーボンブラック粉粒体や一軸加圧処理成形体は、そのままの状態では例えば図7の(Ex.1~4:等方性加圧処理成形体、Comp.1:カーボンブラック粉粒体、Comp.2:一軸加圧処理成形体)に示す様に等方性加圧処理されたカーボンブラック加圧成形体(以下、等方性加圧処理成形体)とはピークの位置が重ならず細孔構造が異なっている。しかしながら水銀圧入法で測定すると図8に示す様にピーク位置が変動して上記(I)~(III)を満足し得る。このように測定時の加圧によって細孔構造が変化するカーボンブラック粉粒体や一軸加圧処理圧成形体と、等方性加圧処理成形体とを区別する更なる指標として(IV)を規定した。この点に関する詳細は以下の通りである。
水銀圧入法では測定時にカーボンブラック粒子間の空隙に水銀が圧入される。その際、カーボンブラック粉粒体などのように圧密化されていない材料(図8:Comp.1)では水銀の圧入によって該空隙が再構成されて図8に示すように実質的に等方性加圧処理成形体(Ex.4)と略同一の分布のピークM1を有する細孔容積分布曲線を示すようになる。このようにカーボンブラック粉粒体を水銀圧入法で測定した場合、測定時の水銀の圧入によって空隙には等方性加圧処理した場合と同様の圧力がかかるため、分布のピークだけに着目すると等方性加圧処理成形体とカーボンブラック粉粒体の区別が困難となることがある。しかしながらカーボンブラック粉粒体には細孔径が比較的大きい空隙、例えば分布のピークよりも細孔径が大きい空隙が多数存在している。そのため細孔容積分布曲線は分布のピークよりも細孔径の小さい側と比べて、分布のピークよりも細孔径が大きい側の方が縦軸の値が極めて大きくなる傾向を示す。一方、等方性加圧処理成形体は従来よりも均一化された細孔径を有するため、分布のピークよりも細孔径が大きくなる程、大きな細孔径は減少する傾向を示す。
図8に示すように一軸加圧処理成形体の細孔容積分布曲線(図8中、Comp.2)もカーボンブラック粉粒体と同様の傾向を示す。すなわち、一軸加圧処理は一方向からのみ加圧して成形するため得られたカーボンブラック加圧成形体の細孔は他方からの加圧が十分にされておらず不均一な細孔が形成される。そのため窒素ガス吸着法で測定した図7(Comp.2)に示す細孔容積分布曲線を有する一軸加圧処理成形体を水銀圧入法で測定すると水銀の圧入によって等方性加圧処理と同様に圧密化されて実質的に等方性加圧処理成形体と略同一の分布のピークM1を有する細孔容積分布曲線を示すようになる(図8)。一方、一軸加圧処理成形体は細孔の不均一な形成に起因して図8に示すように細孔容積分布曲線は分布のピークM1よりも細孔径が大きい側に多くの空隙(細孔)が存在していることが確認できる(例えばピークM2近辺)。
したがって水銀圧入法で測定した際の上記変動を考慮して等方性加圧処理成形体をカーボンブラック粉粒体や一軸加圧処理成形体と区別し得る指標として(IV)を規定した。
以下、上記(I)~(IV)について説明する。
(I)ピークM:細孔径3.6~500nmの範囲内
本発明において「ピーク」とは、上記Log微分細孔容積分布において得られる細孔容積分布曲線上の細孔容積の最大値をいう。本発明のカーボンブラック加圧成形体は細孔径3.6~500nmの領域内に分布のピークMを有することが望ましい。横軸上の分布のピーク位置は後記する製造方法にしたがって調整することが可能である。したがって分布のピーク位置は用途に応じて調整すればよく、メソ孔領域(2nm~50nm)、マクロ孔領域(50nm超~500nm)のいずれに分布のピークが存在していてもよい。吸着物質の選択性を考慮すると、ピークMは好ましくは400nm以下、より好ましくは300nm以下、更に好ましくは250nm以下、より更に好ましくは100nm以下、80nm以下、60nm以下、40nm以下、20nm以下の順に好ましい。
(II)ピークMの半値幅:100nm以下
上記ピークMの半値幅は、1~100nm以下である。半値幅が狭いほど細孔径が均一となり、所望の細孔径を有する細孔が精度よく形成されていることを意味する。また半値幅が狭いほど、例えば該所望の細孔径に適した被吸着物の吸着性能が向上する。分布のピークの半値幅は100nm以下、50nm以下、40nm以下、30nm以下、20nm以下、10nmの順に好ましい。
(III)半値幅/面積基準メディアン径:0.7以下
本発明のカーボンブラック加圧成形体は好ましくは等方性加圧処理されているため、一軸加圧処理など他の加圧成形されたカーボンブラック加圧成形体と比べて上記ピークがシャープであり、且つ均一な細孔径分布を有している。本発明ではこのようなシャープかつ均一な細孔径分布の指標として上記半値幅と面積基準メディアン径との関係を「半値幅/面積基準メディアン径」で規定した。半値幅/面積基準メディアン径は0.7以下、好ましくは0.6以下、更に好ましくは0.5以下であって、好ましくは0.1以上である。なお、半値幅には上記ピークMの値(nm)を使用する。また面積基準メディアン径は水銀圧入法に基づく値(nm)である。
本発明において面積基準メディアン径とは、カーボンブラック加圧成形体の細孔径を水銀圧入法で測定、算出した値であり、詳細な条件は本発明の実施例に基づくものとする。面積基準メディアン径が小さすぎると吸着速度が遅くなることがある。一方、面積基準メディアン径が大きすぎると嵩高くなる。したがって面積基準メディアン径は好ましくは500nm以下、より好ましくは250nm以下、更に好ましくは100nm以下である。
(IV)細孔径500nmを超える範囲において細孔容積が存在する場合:細孔径1000~5000nmの範囲の前記Log微分細孔容積の最大値と最小値の差が0.18cm/g以下
本発明のカーボンブラック加圧成形体は好ましくは均一化された細孔径を有するため、分布のピークよりも細孔径が大きくなる程、大きな細孔径は減少する傾向を示す。一方、カーボンブラック粉粒体や一軸加圧処理成形体は、図8に示すように細孔径1000~5000nmの範囲でLog微分細孔容積の最大値と最小値の差が大きくなる。
本発明では上記Log微分細孔容積分布において、細孔径500nmを超える範囲において細孔容積が存在する場合は細孔径1000~5000nmの範囲の前記Log微分細孔容積の最大値と最小値の差が0.18cm/g以下、好ましくは0.1cm/g以下、より好ましくは0.05cm/g以下である。下限は特に限定されず、0cm/gであってもよい。
本発明のカーボンブラック加圧成形体は更に下記(V)~(VII)のうち、少なくとも1つ以上を満足することも好ましい実施態様である。
(V)細孔径3.6~500nmの範囲における細孔容積のピーク:1つ
カーボンブラック加圧成形体は分布のピークMの他にも極大値を有するピークを1または2以上有していてもよい。ピークは最大値を示すピークをピークM1とし、値が小さくなるにつれてピークM2、ピークM3と順次記してピークを区別することがある。所定の大きさの被吸着物に対する吸着性能と吸着量を向上させる観点からは分布のピークは細孔径3.6~500nmの領域に一つであることが好ましい。
(VI)BET比表面積
カーボンブラック加圧成形体はBET比表面積が10~2000m/gであることが好ましい。比表面積が大きい程、吸着性能が向上するため、より好ましくは25m2/g以上、更に好ましくは100m2/g以上、より好ましくは200m2/g以上である。一方、比表面積が大きくなりすぎると密度が低下して粒子の強度が低くなることがあるため、より好ましくは1500m2/g以下、更に好ましくは1200m2/g以下、より更に好ましくは1000m2/g以下である。BET比表面積は窒素吸着等温線を測定するBET法により求められる。
(VII)3.6~5000nmの範囲の細孔容積
カーボンブラック加圧成形体の細孔径3.6~5000nmまで範囲の細孔容積を高くする程、初期吸着速度を向上できる。一方、該範囲の細孔容積が大きくなると比表面積が減少する傾向を示す。水銀圧入法で測定した細孔径3.6~5000nmの細孔容積は好ましくは0.05cm/g以上、より好ましくは0.1cm/g以上、更に好ましくは0.2cm/g以上であって、好ましくは2.0cm/g以下、より好ましくは1.5cm/g以下、更に好ましくは1.0cm/g以下である。
カーボンブラック加圧成形体のサイズは特に限定されず、用途に応じて適宜選択できる。また成形する形状も特に限定されない。
以下、本発明のカーボンブラック加圧成形体の好適な製造方法について説明する。
カーボンブラック
原料として使用するカーボンブラック粒子は、ファーネスブラック、アセチレンブラック、ランプブラック、サーマルブラック、チャンネルブラック、ケッチェンブラック、ローラーブラック、ディスクブラック、その他公知のカーボンブラックから適宜選択して使用でき、これらは単独、あるいは任意に組み合わせてもよい。本発明では各種市販のカーボンブラック粒子を用いることができる。またカーボンブラック粒子の製造方法は特に限定されず、各種公知の製造方法で得られたカーボンブラック粒子はいずれも使用可能である。
また本発明では市販されているカーボンブラック粒子をそのまま使用できるためカーボンブラックの一次粒子径、平均粒子径、比表面積なども限定されない。カーボンブラック粒子の一次粒子径が大きいほど、形成される粒子間空隙が大きくなる傾向があるため所望の細孔径となるように一次粒子経を適宜選定すればよい。またカーボンブラック粒子は一次粒子、一次凝集体、二次凝集体のいずれの状態であってもよい。必要に応じてカーボンブラック粒子を解砕、分級等して所望の状態にしてもよい。
本発明ではカーボンブラック粒子に前処理を施してから被覆処理、或いは加圧処理を行ってもよい。前処理として例えば(I-1)賦活処理、(I-2)混合処理または複合化処理が例示される。これら前処理は単独、あるいは組み合わせて行ってもよい。
(I-1)賦活処理
本発明ではカーボンブラック粒子を賦活処理してもよい。カーボンブラック粒子を賦活処理することでカーボンブラック粒子の細孔構造や比表面積が変化し、カーボンブラック粒子自体を被吸着物質に適した細孔構造にできる。したがって賦活処理されたカーボンブラック粒子を原料とすることで、より一層、特定の被吸着物質に対して優れた吸着性能が得られる。賦活処理は、水蒸気賦活処理やアルカリ賦活処理など各種公知の賦活処理を採用できる。
(I-2)混合処理または複合化処理
本発明では複数種のカーボンブラック粒子を使用できる。複数種のカーボンブラック粒子を使用する場合、カーボンブラック粒子を単純混合するだけでもよいし、後記するように複合化処理してもよい。単純混合とは、カーボンブラック粒子を同一の容器に入れた後、必要に応じて水などを加えながら攪拌、混合することである。したがって単純混合ではカーボンブラック粒子自体が破砕されたり、凝集塊が解砕されることは殆どない。このようにカーボンブラック粒子を単純に混ぜただけでは凝集体の構成は変化しない。そのため得られたカーボンブラック粒子混合物を例えば等方性加圧処理してもカーボンブラック加圧成形体は図9(a)(Ex.10)に示すように原料として使用した各カーボンブラック粒子が有する分布のピークが出現する。
一方、複合化処理とは粒子径の異なるカーボンブラック粒子を混合し、更にその一次凝集体、乃至二次凝集体を一次粒子レベルまで解砕して凝集体を再構成する処理である。複数のカーボンブラック粒子を複合化処理すると、カーボンブラック粒子の凝集体ないし凝集塊が解砕されて一次粒子レベルで混合される。したがって複合化処理されたカーボンブラック粒子(以下、複合化カーボンブラック粒子ということがある)の凝集体は粒径の異なる一次粒子と組み合わされて再構成されるため、単純に混合しただけのカーボンブラック粒子混合物とは凝集体の構成が異なる。例えば複合化処理後、等方性加圧処理すると形成される空隙はより均一化され、カーボンブラック加圧成形体の分布のピークは図9(b)(Ex.11)に示すように上記混合物のカーボンブラック加圧成形体とは異なる新たな分布のピークが得られる。複数種のカーボンブラック粒子を複合化処理する場合、例えば粒子径の分布のピークが異なるカーボンブラック粒子の混合比率を調整することでカーボンブラック加圧成形体の分布のピーク位置をコントロールできる。複合化処理には機械的撹拌混合手段を用いることが望ましく、ボール媒体ミル(振動ボールミル、遊星ボールミル等)、ジェットミル、湿式ジェットミル、湿式高速回転ミル(コロイドミル)、媒体撹拌式ミル(撹拌槽型ビーズミル、流通管型ビーズミル等)等が例示される。また複合化処理する際は湿式、乾式のいずれでもよい。
カーボンブラック粒子、または前処理が施されたカーボンブラック粒子は(A)被覆処理後、加圧処理を行ってもよいし、(B)加圧処理後、被覆処理を行ってもよい。上記したように加圧処理前に被覆する場合(A)と加圧処理後に被覆する場合(B)とでカーボンブラック加圧成形体の細孔の細孔径分布のピークトップ位置が異なる。
被覆処理
本発明では上記カーボンブラック粒子、或いは加圧処理して得られたカーボンブラック加圧成形体(以下、カーボンブラックということがある)を被覆処理してカーボンブラック粒子表面、或いはカーボンブラック加圧成形体を構成するカーボンブラック粒子表面(以下、カーボンブラック表面ということがある)に被覆層を形成する。
上記混合に使用する被覆材料は特に限定されず、被覆によって上記細孔調整効果、及び表面改質効果が得られるものであればいずれも使用可能である。好ましい被覆材料としてはポリスチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン、及び窒素含有材料よりなる群から選ばれる少なくとも1種である。窒素含有材料としてはエーテル系ポリウレタンやエステル系ポリウレタンなどのウレタン樹脂、尿素、尿素樹脂、メラミン、メラミン樹脂、ABS樹脂などが例示される。被覆材料は単独、或いは2種以上組み合わせて用いてもよい。
被覆材料でカーボンブラック表面を被覆する方法は特に限定されず、液相状態の被覆材料とカーボンブラックとを接触させてもよいし、或いは気相状態の被覆材料とカーボンブラックとを接触させてもよい。気相状態の被覆材料を使用する場合、分解成分がカーボンブラックの隅々にまで拡散し、カーボンブラック表面に均一な被覆層の形成が容易であるため好ましい。
液相状態の被覆材料とカーボンブラックとを接触させる方法としては、例えば被覆材料を溶融させた状態で混合する方法、あるいは被覆材料を溶媒に溶解させた後、カーボンブラックと接触させる方法が挙げられる。
気相状態の被覆材料をカーボンブラックと接触させる場合、固相状態の被覆材料とカーボンブラックとを混合した後、不活性雰囲気中で熱処理して被覆材料を熱処理分解し、該熱処理分解成分(気相)でカーボンブラック表面を被覆することが好ましい。混合に使用する被覆材料は粒子であることが好ましく、混合効率を考慮すると被覆材料の平均粒子径は好ましくは0.1μm以上、より好ましくは1μm以上であって、好ましくは20mm以下、より好ましくは10mm以下である。
カーボンブラックと被覆材料との混合比率は上記細孔調整効果、及び表面改質効果を考慮すると、カーボンブラック100質量部に対し、被覆材料を好ましくは1~1000質量部、より好ましくは10~500質量部である。
被覆材料とカーボンブラックは混合容器に添加した後、攪拌混合すればよい。得られた混合物は、被覆材料の熱分解温度以上の温度で熱処理される。温度が低いとカーボンブラック表面への被覆層の形成が不十分になることがある。熱処理温度は例えば好ましくは500℃以上、より好ましくは600℃以上であって、好ましくは2000℃以下、より好ましくは1300℃以下である。
熱処理時の雰囲気は、N、Ar、He、CO等の不活性ガス雰囲気中で行うことが好ましい。また密閉雰囲気中で熱処理を行うことにより、被覆材料の熱分解により生じた熱分解成分が対流してカーボンブラック表面を被覆しやすくなるため好ましい。
加圧処理
本発明では上記カーボンブラック、或いは被覆処理されたカーボンブラックを加圧処理して成形することが好ましい。加圧処理としては一軸加圧処理、等方性加圧処理が好ましく、より好ましくは等方性加圧処理である。等方性加圧処理とは、カーボンブラック表面に等しい加圧力を加えて方向性なく加圧成形する処理である。等方性加圧処理は、冷間等方圧加圧処理(CIP:Cold Isostatic Pressing)、静水圧加圧処理、ラバープレス処理、及び熱間等方圧加圧処理(HIP:HOT Isostatic Pressing)が例示される。これらの中でも常温下で3次元的に均一な圧力を加えることができる冷間等方圧加圧処理(CIP)が好ましい。また冷間等方圧加圧処理(CIP)は湿式法、乾式法のいずれでもよい。加圧媒体としてガス、液体など公知の媒体でよい。以下では加圧処理として等方性加圧処理を代表例として説明するが、一軸加圧処理にも適宜条件を修正して適用可能である。
本発明ではバインダーを使用しなくても等方性加圧処理によって圧密化されたカーボンブラック加圧成形体は所望の形状を維持できる強度を有する。一方、バインダーを添加して等方性加圧処理するとカーボンブラック加圧成形体の細孔容積や比表面積が大幅に低下する。またバインダーによって粒子間空隙が閉塞することがあるため本発明では等方性加圧処理する際、カーボンブラックにはバインダー(結着剤)は添加しないことが好ましい。したがってカーボンブラック加圧成形体に含まれるバインダー量は成形体中、好ましくは20質量%以下、より好ましくは10質量%以下、更に好ましくは5質量%以下、より更に好ましくは0質量%である。バインダーとしては例えばタールピッチ、コークス灰分、ポリビニールアルコール(PVA)、ポリエチレン(PE)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリビニリデンフルオライド(PVDF)、アクリルポリマーなどの樹脂;スチレン・ブタジエンゴム(SBR)などのゴム;カルボキシメチルセルロール(CMC)などのセルロースが例示される。なお、バインダーを使用するとカーボンブラック粒子表面が被覆されるが、粒子間空隙が閉塞するなど細孔容積が大幅に添加するため本発明のカーボンブラック加圧成形体とは粒子間空隙や細孔容積が大きく異なる。またカーボンブラック粒子同士はバインダーを含有する場合は結着しているのに対し、バインダーを含有しない場合は結着しておらず、圧密化による接触である点で異なる。したがってバインダーを含有しない場合、カーボンブラック加圧成形体は解砕が容易である。
本発明のカーボンブラック加圧成形体(100質量%)中、カーボンブラック粒子は好ましくは50%以上、より好ましくは70%以上、更に好ましくは90%以上である。またカーボンブラック加圧成形体(100質量%)中、カーボンブラック粒子とカーボンブラック粒子表面の被覆物質との合計は好ましくは50%以上、より好ましくは70%以上、更に好ましくは90%以上である。
等方性加圧処理は処理圧力を高くする程、粒子間空隙が減少し成形される細孔径が小さくなる傾向がある。また処理圧力を高めると細孔容積分布曲線の形状も分布のピークを中心としたシャープな形状、すなわち細孔径が均一化しやすくなる。したがって処理圧力は好ましくは20MPa以上、より好ましくは50MPa以上、さらに好ましくは100MPa以上、よりさらに好ましくは200MPa以上である。処理圧力が高すぎると空隙が減少する傾向があるため、好ましくは500MPa以下、より好ましくは400MPa以下、更に好ましくは300MPa以下、よりさらに好ましくは250MPa以下である。加圧保持時間は好ましくは1分以上、より好ましくは5分以上である。一方、上記効果が飽和するため、加圧保持時間は好ましくは60分以下、より好ましくは30分以下である。
等方性加圧処理して得られたカーボンブラック加圧成形体は強度が向上し、取り扱い時や使用時の摩擦などによって損壊することがない。したがってより高い充填密度を達成でき、吸着効率を高めることができる。また一軸加圧処理して得られたカーボンブラック加圧成形体は、カーボンブラック粉粒体と比べて強度等が向上しており、カーボンブラック粉粒体と比べても、高吸着率を高めることができる。
カーボンブラック加圧成形体に後処理を施してもよい。後処理として(II-1)2次成形処理、(II-2)熱処理が例示される。これら後処理は単独、あるいは複数組み合わせて行ってもよい。また複数の後処理を組み合わせて行う場合の処理順序は特に限定されない。更に前処理と後処理は任意に組み合わせて実施してもよい。
(II-1)2次成形処理
カーボンブラック加圧成形体をそのまま吸着フィルターなどの吸着材としてもよいが、所望のサイズ、形状に解砕して吸着材または電極材としてもよい。このような2次成形体もカーボンブラック加圧成形体と同じ分布のピークを有していればよい。カーボンブラック加圧成形体は用途に応じて形状を変更でき、例えばカーボンブラック加圧成形体を各種用途に応じたペレット状、板状、ブリケット状、球状など所望の形状に2次成形してもよい。
(II-2)熱処理
カーボンブラック加圧成形体に熱処理を施してもよい。カーボンブラック加圧成形体を熱処理すると被覆層による被覆状態を維持したまま結晶性、耐酸化性、表面官能基量、疎水性などの諸特性を変化させることができる。熱処理温度を高くするにしたがってカーボンブラックの結晶化が進行して耐酸化性が向上する。また熱処理温度を高くすることによって酸性官能基量が減少し、塩基性官能基量が増大する。カーボンブラック加圧成形体の表面官能基量、例えば酸性官能基量と塩基性官能基量の割合を適宜調整することによって例えば疎水性や被吸着物を変化させることができる。
カーボンブラック加圧成形体を熱処理すると、カーボンブラック粒子の熱収縮に伴って粒子間空隙が広がって細孔径が大きくなると共に、比表面積は低下する傾向を示す。したがって熱処理温度を高くする程、分布のピークは細孔経が大きい方向にシフトする傾向を示す。一方、熱処理温度を高くしても分布のピークの半値幅は大きく変化せず、例えば半値幅は熱処理前と比べて+2nm以内の変化に抑えられる。したがって均一でシャープな細孔径分布を有するという本発明のカーボンブラック加圧成形体の特徴的な細孔構造は維持される。
熱処理温度は所望する上記諸特性に応じて適宜設定すればよい。例えば熱処理温度を高くするほど、酸性官能基量を低減でき、例えば1200℃以上にすると酸性官能基量をほぼ除去(Non-Detected)できる。また熱処理温度を高くするほどカーボンブラックの結晶化度が上昇するため好ましくは黒鉛化温度未満である。
本発明のカーボンブラック加圧成形体は従来にはない新規な細孔構造を有している。また細孔構造を適宜調整できるため各種用途に応用できる。特に本発明のカーボンブラック加圧成形体は、粒子間空隙が吸着性能を有する細孔として機能するため例えば吸着材として使用できる。吸着材としては、浄水処理、排水処理、貴金属回収処理などの液相用途、空気浄化処理、脱臭処理、ガス分離処理、溶剤回収処理、排ガス処理などの各種用途が例示される。また本発明のカーボンブラック加圧成形体は従来のカーボンブラックでは不可能であったサイズの被吸着物の吸着も可能であり、例えば各種タンパク質、リボタンパク質、ウイルス、マクロパーティクル、リゾチームなどの吸着剤として医療用途でも利用可能である。また、電極材および触媒担体としても使用可能であり、例えばリチウムイオン電池用負極材、電気二重層キャパシタ用電極材、燃料電池用触媒担体などにも利用可能である。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はもとより下記実施例によって制限を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
原料
下記原料No.1~2を使用して下記条件で試料を製造した。なお、原料No.1はカーボンブラック粒子、原料No.2は活性炭である。
Figure 0007405647000001
実施例1-1
原料No.1に非晶質炭素被覆処理を行ってから冷間等方性加圧処理を行って加圧成形体を得た。
実施例1-2
原料No.1に冷間等方性加圧処理を行って得られた加圧成形体に非晶質炭素被覆処理を行った。
参考例1
原料No.1に冷間等方性加圧処理を行って加圧成形体を得た。
比較例1-1
原料No.1を試料とした。尚、未加圧であるため粉粒体である。
実施例2-1、実施例2-2
原料No.1に窒素被覆処理を行ってから冷間等方性加圧処理を行って加圧成形体を得た。
比較例2-1
原料No.2を試料とした。
比較例2-2
原料No.2に窒素被覆処理を行った。
冷間等方性加圧処理(CIP)
CIP処理条件は以下の通りである。
原料3g、あるいは被覆処理した原料3gをポリエチレン製袋に充填して密封した後、静水圧粉体形成装置(日本研究開発工業製)に装填した。該装置を操作して表2、5に示す所定圧力まで昇圧させた後、該圧力で表2に示す所定時間保持してCIP処理を行って加圧成形体を得た。
非晶質炭素被覆処理(PS処理)
PS処理条件は以下の通りである。
原料10g、あるいはCIP処理後の加圧成形体10gに対してポリスチレン(キシダ化学社製)を3g添加、混合した後、磁製坩堝に入れ、マッフル炉にて2L/minで窒素を流通させながら昇温速度10℃/minで610℃まで昇温し、該温度で2時間保持して原料表面、あるいは加圧成形体を構成する原料表面にポリスチレン熱分解物の被覆層を形成した。
窒素被覆処理
原料10gに対して尿素(キシダ化学社製)を10gまたは30g添加、混合した後、磁製坩堝に入れ、マッフル炉にて2L/minで窒素を流通させながら昇温速度10℃/minで610℃まで昇温し、該温度で2時間保持して原料表面、あるいは加圧成形体を構成する原料表面に尿素熱分解物の被覆層を形成した。
以下の基準に基づいて各試料を評価した。
比表面積、全細孔容積、平均細孔径
試料0.2gを250℃にて真空加熱した後、窒素吸着装置(マイクロメリティック社製、「ASAP-2420」)を用いて、液体窒素雰囲気下(77K)で窒素吸着等温線を求め、BET法により比表面積(m2/g)、全細孔容積、平均細孔径(BJH法)を求めた。
水銀圧入法による解析
水銀ポロシメーター(マイクロメリティクス製ポアサイザ9320、および、ユアサアイソニクス製ポアマスターGT)を用いて、水銀の物性は、接触角140度、密度13.5335g/cm、表面張力480dyn/cmとし、水銀圧入圧力1.37×10-3~414MPaの範囲で試料を測定し、その結果に基づいて細孔径3.6~5000nm(水銀圧入圧力0.30~413.4MPa)までの細孔容積、面積基準メディアン径、ピーク位置、ピーク半値幅、細孔径1000~5000nm(水銀圧入圧力0.30~1.46MPa)のLog微分細孔容積分布における細孔容積の最大値と最小値を求めた。
面積基準メディアン径
上記水銀ポロシメーターの測定結果から面積基準で積算値50%をメディアン径とした。
ピーク位置、ピーク半値幅
水銀ポロシメーターの測定結果に基づく横軸を細孔径(nm)、縦軸を細孔容積(cm3/g)としたLog微分細孔容積分布において、細孔経分布曲線の最大値を分布のピークM1とし、該ピークM1のピークトップ位置の細孔径を特定した。また該ピークM1のピークトップからベースラインまでの半分の高さにおけるピーク幅を半値幅とした(ピークM1)。ピークが複数ある場合は各ピークについて同様にピーク位置、ピーク半値幅を求めた(ピークM2)。
酸性表面官能基量
酸性表面官能基の量は、Boehm法(文献「H.P.Boehm, Adzan.Catal, 16,179(1966)」にその詳細が記載されている)にしたがって求めた。具体的には、まず試料1.0gにナトリウムエトキシド水溶液(0.1mol/L)を50mL加え、2時間、500rpmで撹拌した後、24時間放置した。その後、さらに30分間撹拌を行いろ過分離した。得られたろ液25mLに対して0.1mol/Lの塩酸を滴下し、pH4.0になるときの塩酸滴定量を測定した。また、ブランクテストとして、前記ナトリウムエトキシド水溶液(0.1mol/L)25mLに対して0.1mol/Lの塩酸を滴下し、pH4.0になるときの塩酸滴定量を測定した。そして、下記の式(1)により酸性官能基量(meq/g)を算出した。
[式]
酸性表面官能基量(meq/g)
=(a-b)×0.1/(S×25/50)・・・(1)
a:ブランクテストにおける塩酸滴定量(mL)
b:試料を反応させたときの塩酸滴定量(mL)
S:試料質量(g)
塩基性表面官能基量
塩基性表面官能基の量は、酸性表面官能基量測定時の逆滴定により求めた。具体的には試料1.0gに塩酸(0.1mol/L)を50mL加え、2時間、500rpmで撹拌した後、24時間放置した。その後、さらに30分間撹拌を行いろ過分離した。得られたろ液25mlに対して0.1mol/Lの水酸化ナトリウムを滴下し、pH8.0になるときの水酸化ナトリウム滴定量を測定した。また、ブランクテストとして、前記塩酸(0.1mol/L)25mlに対して0.1mol/Lの水酸化ナトリウムを滴下し、pH8.0になるときの水酸化ナトリウム滴定量を測定した。そして、下記の式(2)により塩基性表面官能基量(meq/g)を算出した。
[式]
塩基性表面官能基量(meq/g)
=(c-d)×0.1/(S×25/50)・・・(2)
c:ブランクテストにおける水酸化ナトリウム滴定量(mL)
d:試料を反応させたときの水酸化ナトリウム滴定量(mL)
S:試料質量(g)
全官能基量
全官能基量は上記酸性表面官能基量と塩基性表面官能基量の合計である。
元素分析
試料に含有される炭素(C)、水素(H)、窒素(N)の重量割合を、元素分析装置(ジェイサイエンス社製、JM-1000HCN)により測定した。測定結果から、窒素含有量(重量%)を算出した。
タンパク質(リゾチーム)流通吸着試験方法
試料を乳鉢で粉砕後、JIS規格円形篩(篩目:53μm、300μm)を用いてロータップ型ふるい振とう機(飯田製作所社製)により10分間振とうさせ、53~300μmに分級し、115℃で2時間乾燥処理を行った。乾燥後の試料をカラム充填高さが30mmになるように内径10mmφのカラムに充填した。試料溶媒を十分に流し、カラム入口とカラム出口のpH、及び吸光度が等しいことを確認後、タンパク溶液(ナカライテスク社製ニワトリ卵白リゾチーム)をカラムに流し、カラム出口からの溶出液を一定量ずつ採取した。タンパク溶液を空間速度SVが13~14h-1となるように約60ml流通させた。カラムから採取した溶液は分光光度計(日立ハイテクノロジ社製U-2910)を用いて、280nmの吸光度を測定して破過曲線を求め、該破過曲線からタンパク質の吸着量(10%破過)を算出した。
Figure 0007405647000002
Figure 0007405647000003
Figure 0007405647000004
Figure 0007405647000005
Figure 0007405647000006
Figure 0007405647000007
表2、3、図1、2に示す様に未加圧のカーボンブラック粉粒体(比較例1-1)と比べてCIP処理を行った実施例1-1、1-2、参考例1は3.6~500nmの範囲内に所定の半値幅、及び半値幅/面積基準メディアン径を満足するピークM1を有してり、特異な細孔構造、すなわち、均一化された細孔径分布を示した。
またCIP処理前に被覆処理を施した実施例1-1は、被覆処理を行わなかった参考例1と比べてピークトップ位置が細孔径の大きい側にシフトしていた。同様にCIP処理後に被覆処理を施した実施例1-2は、参考例1と比べてピークトップ位置が細孔径の小さい側にシフトしていた。この結果から被覆処理によって細孔径分布を調整できることがわかる。更に被覆処理を施すと塩基性表面官能基量が増大することがわかる。一方で酸性表面官能基量、全官能基量は減少していることがわかる。この結果から実施例1-1、1-2はカーボンブラック粒子表面が被覆されていることがわかる。
表5~7、図3、4に示す様に未加圧のカーボンブラック粉粒体(表2:比較例1-1)と比べてCIP処理を行った実施例2-1、2-2は3.6~500nmの範囲内に所定の半値幅、及び半値幅/面積基準メディアン径を満足するピークM1を有しており、特異な細孔構造、すなわち、均一化された細孔径分布を示した。活性炭を使用した比較例2-1、2-2はいずれも2.0nm以下のミクロ孔領域にピークを有していた。
またCIP処理前に被覆処理を施した実施例2-1、2-2は、被覆処理を行わなかった参考例1(表2)と比べてピークトップ位置が細孔径の大きい側にシフトしていた。この結果から被覆処理によって細孔径分布を調整できることがわかる。更に被覆処理を施すと塩基性表面官能基量が増大することがわかる。一方で酸性表面官能基量、全官能基量は減少していることがわかる。この結果から実施例1-1、1-2はカーボンブラック粒子表面が被覆されていることがわかる。
被覆処理を行った実施例2-1、2-2では窒素(N)量が増加しているように被覆によってN/C比が高くなっており、カーボンブラック粒子表面が被覆されていることがわかる。
タンパク質(リゾチーム)流通吸着試験について、CIP処理した参考例1、及び実施例2-1は比較例1-1等と比べて5.0mg/cm以上の優れた吸着性能を示した。この結果からCIP処理によってカーボンブラック加圧成形体はリゾチーム吸着に適した細孔構造を有していることがわかる。更に被覆処理を行った実施例2-1は10mg/cm以上のより優れた吸着性を示した。この結果から、細孔構造だけでなく、被覆処理によってカーボンブラック加圧成形体はリゾチーム吸着により適した表面改質がなされたことがわかる。
1 カーボンブラック粒子
2 カーボンブラック粉粒体
3 等方性加圧処理
4 被覆処理
5 カーボンブラック加圧成形体
6 被覆層
7 被覆されたカーボンブラック粒子
8 被覆されたカーボンブラック加圧成形体
9 粒子間空隙(細孔)
10 被覆されたカーボンブラック粉粒体

Claims (10)

  1. カーボンブラック粒子の少なくとも一部が炭化物、炭窒化物、および窒化物よりなる群から選ばれる少なくとも1種である熱分解物質で被覆されていると共に、前記カーボンブラック粒子同士はバインダーによって結着していないことを特徴とするカーボンブラック加圧成形体。
  2. 前記カーボンブラック加圧成形体の塩基性表面官能基量が0.01meq/g以上である請求項1に記載のカーボンブラック加圧成形体。
  3. 前記カーボンブラック加圧成形体の細孔径3.6~5000nmの範囲を水銀圧入法で測定し、横軸を細孔径(nm)、縦軸を細孔容積(cm3/g)としたLog微分細孔容積分布において、
    細孔容積のピークMは細孔径3.6~500nmの範囲内、
    前記ピークMの半値幅は100nm以下、
    前記半値幅/面積基準メディアン径は0.7以下、且つ、
    細孔径500nmを超える範囲において細孔容積が存在する場合は細孔径1000~5000nmの範囲の前記Log微分細孔容積の最大値と最小値の差が0.18cm/g以下である請求項1または2に記載のカーボンブラック加圧成形体。
  4. 前記Log微分細孔容積分布における細孔容積のピークは細孔径3.6~500nmの範囲に一つである請求項に記載のカーボンブラック加圧成形体。
  5. BET比表面積が10~2000m/gである請求項1~のいずれかに記載のカーボンブラック加圧成形体。
  6. カーボンブラック粉粒体を等方性加圧処理した後、ポリスチレン、ポリプロプレン、ポリエチレン、および窒素含有材料よりなる群から選ばれる少なくとも1種の被覆材料と混合し、不活性雰囲気中、前記被覆材料の熱分解温度で熱処理を行う被覆処理をすることを特徴とするカーボンブラック加圧成形体の製造方法。
  7. カーボンブラック粉粒体をポリスチレン、ポリプロプレン、ポリエチレン、および窒素含有材料よりなる群から選ばれる少なくとも1種の被覆材料と混合し、不活性雰囲気中、前記被覆材料の熱分解温度で熱処理を行う被覆処理をした後、等方性加圧処理をすることを特徴とするカーボンブラック加圧成形体の製造方法。
  8. 記被覆材料の熱分解温度で熱処理することによって、前記被覆材料の熱分解成分による被覆層をカーボンブラック粒子の少なくとも一部に形成するものである請求項またはに記載のカーボンブラック加圧成形体の製造方法。
  9. 前記カーボンブラック粉粒体は2種類以上のカーボンブラック粒子を混合したものである請求項のいずれかに記載のカーボンブラック加圧成形体の製造方法。
  10. 前記混合は2種類以上のカーボンブラック粒子を解砕、混合する複合化処理である請求項に記載のカーボンブラック加圧成形体の製造方法。
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