JP7400113B2 - ガス絶縁機器 - Google Patents

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Description

本発明の実施形態は、ガス絶縁機器に関する。
現在、高電圧大容量の電力系統では、絶縁およびアーク放電の消孤媒体として、SF(六フッ化硫黄)ガスを用いたガス絶縁機器(ガス絶縁開閉装置:GIS)が広く使用されている。こうしたガス絶縁機器を構成するガス絶縁母線(GIB)は、例えば円筒形の金属容器の内部にSFガス(絶縁ガス)が封入され、この金属容器の中心に通電用の高電圧導体が挿通された同軸円筒構造を成している。金属容器内で高電圧導体を絶縁支持するために、金属容器内と高電圧導体との間に絶縁スペーサ(絶縁支持体)が取付けられ、この絶縁スペーサと高電圧導体との間には、電界緩和シールドが形成されている。
一般的に、ガス絶縁機器を構成する絶縁スペーサは、エポキシ樹脂にアルミナもしくはシリカ等の充填材を配合した樹脂を用いて、金型成形によって製造されている。こうしたガス絶縁母線のサイズを定める上で重要な要因となる絶縁スペーサ付近の電界分布は、高電圧導体、絶縁スペーサ、および電界緩和シールドの幾何学的形状と、絶縁スペーサおよび絶縁ガスの誘電率により決定される。
ガス絶縁母線においては、絶縁スペーサ表面の最大電界値を低減することが、ガス絶縁機器の性能向上およびコンパクト化にとって最も重要である。そのため、従来から、絶縁スペーサの形状の最適化や絶縁スペーサの低誘電率化の試みがなされてきた。絶縁スペーサの誘電率を空間的に変化させることが可能であれば電界を低減できるので、ガス絶縁機器のコンパクト化、およびコンパクト化に伴うガス絶縁機器の製造コストを低減できる。
従来、絶縁スペーサを金型成形で製作する際、エポキシ樹脂および充填材の配合量を段階的に変化させた複数の材料を用意し、これらの材料を順次金型に注入することで、エポキシ樹脂および充填材の配合量の割合を段階的に変化させて絶縁スペーサを加熱成型する方法が知られている。
また、電界が高くなると比誘電率が上昇する非線形誘電率材料を絶縁スペーサの構成材料に用いることにより、絶縁スペーサの誘電率を空間的に変化させることが可能な絶縁スペーサも知られている。
このように、ガス絶縁機器を構成する絶縁スペーサとして、局所的に高誘電率部位を形成する場合、または、絶縁スペーサの構成材料として非線形誘電率材料を用いる場合の何れにおいても、エポキシ樹脂に、チタン酸バリウムやチタン酸ストロンチウム等の高誘電率(比誘電率100~数1000程度)のフィラーを充填することが提案されている。
しかしながら、上述したように、絶縁スペーサとしてエポキシ樹脂にチタン酸バリウムやチタン酸ストロンチウム等の高誘電率のフィラーを充填した構成では、その表面に金属異物が付着した場合に、従来のエポキシ複合材に比べて沿面絶縁性能が大きく低下することが分かった。
一例として、絶縁スペーサに金属異物が付着した場合の模擬実験について説明する。図4に、金属異物を付着させたエポキシ複合材の沿面破壊電界の測定結果を示す。なお、雰囲気ガスはSFガスである。図4において、従来材と表記したものは、その粒径分布が数μm~数十μmの範囲で分布するアルミナをエポキシ樹脂に充填率44体積%で充填したエポキシ複合材である。また、チタン酸バリウムと表記したものは、エポキシ樹脂に粒径0.5μmのチタン酸バリウムを20vol%の割合で充填したエポキシ複合材である。図4の縦軸は、エポキシ複合材の表面に金属異物を付着させた場合の沿面破壊電界である。図4に示す結果によれば、チタン酸バリウムを含むエポキシ複合材の沿面破壊電界は、アルミナを含むエポキシ複合材(従来材)に比べて20%以上低下していることがわかる。
ガス絶縁機器は、製造工程の特性上、微小な金属異物の混入を避けることが困難である。この金属異物は、絶縁スペーサに付着しスペーサの沿面絶縁性能を低下させる。そのため、絶縁スペーサに金属異物が付着した場合の沿面絶縁性能の低下は、可能な限り小さくすることが求められる。
エポキシ樹脂を使用した絶縁スペーサに金属異物が付着しても沿面絶縁性能の低下を防止できる構成として、絶縁スペーサの構成材料であるエポキシ樹脂よりも低誘電率のフッ素樹脂系材料によって、エポキシ樹脂の表面をコーティングする構成が知られている。
しかしながら、エポキシ樹脂とともにフッ素樹脂系材料を絶縁スペーサの構成材料の一部として用いる場合、フッ素樹脂系材料からなるコーティングがエポキシ樹脂との熱膨張係数の違いなどにより剥離して絶縁性が低下する場合がある。
特開2010-176969号公報 特開2013-176275号公報 特開2017-060209号公報 特開平06-153342号公報
本発明が解決しようとする課題は、絶縁支持体の構成材料として高誘電率のフィラーを用いた際のエポキシ複合材の沿面耐電圧性能の低下を抑制して、小型化と絶縁信頼性を向上させることが可能なガス絶縁機器を提供することである。
実施形態のガス絶縁機器は、金属容器と、高電圧導体と、絶縁支持体とを持つ。金属容器は、絶縁ガスが封入された筒状である。高電圧導体は、前記金属容器の内面に対して離間するように前記金属容器の内部に収容されている。絶縁支持体は、前記金属容器と前記高電圧導体との間に配され前記金属容器の内部で前記高電圧導体を支持する。前記絶縁支持体は、エポキシ樹脂にフィラーを充填した基体と、前記基体の表面を被覆する絶縁層と、を有する。前記フィラーは、チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸カルシウムのうち、少なくとも1種からなる高誘電率材を含む。前記絶縁層は、前記高誘電率材を含まない絶縁材料を用いる。前記高誘電率材の前記エポキシ樹脂に対する充填濃度は、前記絶縁支持体における前記金属容器側よりも前記高電圧導体側の方が高くなるように変化させている。
第1実施形態のガス絶縁機器を示す断面模式図。 第2実施形態のガス絶縁機器を示す断面模式図。 第1実施形態の検証結果を示すグラフ。 金属異物を付着させたエポキシ複合材の沿面破壊電界を比較した結果を示すグラフ。 エポキシ被覆厚と最大電界の低下割合の関係を示すグラフ。
以下、図面を参照して、実施形態のガス絶縁機器について説明する。以下の説明で用いる図面は、実施形態の特徴をわかりやすくするために、便宜上、要部となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率などが実際と同じであるとは限らない。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態のガス絶縁機器を示す断面模式図である。
第1実施形態のガス絶縁機器(ガス絶縁開閉装置)10は、中空筒状、例えば円筒形の金属容器11を有する。金属容器11は、電気的に接地されている。金属容器11は、内部が気密構造であり、内部に絶縁ガスGが封入される。絶縁ガスGは、絶縁性が高く、不活性で、かつ熱伝導性の高いガスを用いる。本実施形態では、絶縁ガスGとして六フッ化硫黄(SF)を用いている。六フッ化硫黄は、電気および電子機器の分野で代表的な絶縁ガスとして広く使用されている。
金属容器11の内部には、この金属容器11の内面11aに対して離間するように、高電圧導体12が収容されている。高電圧導体12は、例えば、銅あるいはアルミニウムなどの高伝導率の金属からなり、金属容器11の中心軸方向に沿って延びている。
高電圧導体12は、絶縁支持体13によって金属容器11の内部に支持されている。即ち、絶縁支持体13は、金属容器11と高電圧導体12との間に配されて、金属容器11の内部で高電圧導体12を支持する。本実施形態では、絶縁支持体13は、中心に開孔13aを有する円板状を成す部材である。
絶縁支持体(絶縁スペーサ)13は、中心に開孔13aを有する円板状に成形された基体14と、この基体14の表面である一面側および他面側を被覆する絶縁層15とを有する。基体14は、エポキシ樹脂を主体として、フィラーを充填(分散)させたものからなる。
基体14に用いるエポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂などが挙げられる。代表的なエポキシ樹脂であるビスフェノールA型エポキシ樹脂は、ビスフェノールAとエピクロルヒドリンの共重合体であり、硬化剤としては各種のポリアミンおよび酸無水物が用いられる。
エポキシ樹脂に充填されるフィラーには高誘電率材(非線形誘電率材)が用いられる。高誘電率材(非線形誘電率材)は、比誘電率が100~数1000程度のものであり、電界が高くなると比誘電率が上昇する特性を備えている。フィラーとしては、チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸カルシウムのうち、少なくとも1種または複数種から選択される。
このように、基体14は、エポキシ樹脂に対して、上述したフィラーを全量の例えば20体積%ないし30体積%程度含有させたエポキシ複合材料である。なお、エポキシ樹脂およびフィラーの割合は、適切な非線形誘電特性を得られる範囲で任意の割合にすることができる。
絶縁支持体13を構成する絶縁層15は、エポキシ樹脂に充填されるフィラーである高誘電率材を含まない絶縁材料から構成されている。例えば、絶縁層15は、基体14の表面を被覆するように、厚みが50μm超、5mm以下の範囲で形成されている。絶縁層15の厚みが50μm超とすることにより、絶縁支持体13に金属異物が付着したとしても、絶縁性能が大幅に低下するおそれがない。また、絶縁層15の厚みが5mm超になると、絶縁支持体13が大型化してしまい、ガス絶縁機器10のコンパクト化の要請を満足できなくなるので、絶縁層15の厚みは5mm以下がよい。絶縁層15の厚みは、100μm以上であってもよく、150μm以上であってもよい。
絶縁層15の構成材料の一例としては、エポキシを母材とする樹脂材料が挙げられる。なお、ここでいうエポキシを母材とする樹脂材料とは、高分子内に残存させたエポキシ基で架橋構造を成す熱硬化性樹脂を全て含んでいる。本実施形態では、絶縁層15は、例えばビスフェノールA型エポキシ樹脂だけで構成されている。
また、基体14には、上述したエポキシ樹脂および高誘電率材であるフィラーに加えて、更にアルミナやシリカを充填材として充填させることもできる。アルミナやシリカを充填材として加えることで、基体14を構成するエポキシ複合材料の機械特性、例えば強度を向上させることができる。
高電圧導体12が絶縁支持体13に接する両側部分には、電界緩和シールド(電界緩和リング)16が形成されている。電界緩和シールド16は、例えば、金属からなる基材と、この基材の表面に設けられた絶縁部とを含む。
以上のような構成のガス絶縁機器10によれば、高電圧導体12を支持する絶縁支持体13として、エポキシ樹脂に対して高誘電率材(非線形誘電率材)からなるフィラーを充填させた基体14の表面を、高誘電率材を含まない絶縁材料からなる絶縁層15で被覆した。これによって、ガス絶縁機器10の製造上、発生することが避けられない金属異物が絶縁支持体13に付着したとしても、基体14の表面が高誘電率材を含まない絶縁層15で被覆されていることで、基体14に含まれる高誘電率材に金属異物が接触することがない。
従って、高誘電率材に金属異物が接触することによって生じる沿面耐電圧性能の低下を防止することができ、ガス絶縁機器10をガス絶縁開閉装置に適用した場合にも、十分な耐電圧性能を維持することができる。
また、本実施形態のガス絶縁機器10によれば、絶縁支持体13を構成する絶縁層15を、エポキシを母材とする樹脂材料によって形成すれば、エポキシ樹脂に高誘電率材であるフィラーを充填した基体14との間で、互いにエポキシ系材料による接合性が高まるので、基体14から絶縁層15が剥離することを防止できる。経年変化によって絶縁層15が剥離して基体14のフィラーが露出し、金属異物の付着により沿面絶縁性能が低下することを防止できる。
そして、エポキシ樹脂に対して高誘電率材(非線形誘電率材)からなるフィラーを充填させたエポキシ複合材によって絶縁支持体13の基体14を構成したので、絶縁支持体13の電界が高くなると比誘電率が上昇する。これにより、絶縁支持体13の表面の最大電界値を低減することができ、ガス絶縁機器10のコンパクト化を実現できる。
以上のように、本実施形態のガス絶縁機器10によれば、金属異物による耐電圧性能の低下を防止して絶縁信頼性を高めること、および絶縁支持体13の表面の最大電界値を低減してガス絶縁機器10のコンパクト化を図ることを両立できる。
(第2実施形態)
図2は、第2実施形態のガス絶縁機器を示す断面模式図である。
なお、第1実施形態と同様の構成には同一の番号を付し、重複する構成の説明を省略する。
第2実施形態のガス絶縁機器(ガス絶縁開閉装置)20は、高電圧導体12を支持する絶縁支持体23を有する。絶縁支持体23は、エポキシ樹脂に対して高誘電率材からなるフィラーを充填させた基体24の表面を、高誘電率材を含まない絶縁材料からなる絶縁層25で被覆している。フィラーとしては、チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸カルシウムのうち、少なくとも1種または複数種から選択される。絶縁層25の構成材料の一例としては、第1実施形態の絶縁層15と同様に、エポキシを母材とする樹脂材料が挙げられる。
本実施形態の基体24は、高誘電率材のエポキシ樹脂に対する充填濃度を、絶縁支持体23における金属容器11側(外周側)よりも高電圧導体12側(中心側)の方が高くなるように傾斜分布させている。こうした高誘電率材の充填濃度の変化は、段階的であっても無段階であってもよい。金属容器11側(外周側)での高誘電率材の最小の充填濃度は0~10体積%の範囲とすることが好ましい。一方、高電圧導体12側(中心側)での高誘電率材の最大の充填濃度は25~30体積%の範囲とすることが好ましい。そして、高誘電率材の充填濃度は外周側から内周側に向けて、段階的であっても無段階的に高まるようにするとよい。
このような高誘電率材のエポキシ樹脂に対する充填濃度を変化させた基体24は、例えば、予め複数濃度の高誘電率材を充填させたエポキシ樹脂を用意して、高電圧導体12側(中心側)から金属容器11側(外周側)に向かって高誘電率材の充填濃度が低くなるように、金型にエポキシ樹脂を注入してから硬化させることによって得られる。
本実施形態のガス絶縁機器20によれば、高電圧導体12を支持する絶縁支持体23として、エポキシ樹脂に対して高誘電率材(非線形誘電率材)からなるフィラーを充填させた基体24の表面を、高誘電率材を含まない絶縁材料からなる絶縁層25で被覆した。これによって、ガス絶縁機器20の製造上、発生することが避けられない金属異物が絶縁支持体23に付着したとしても、基体24の表面が高誘電率材を含まない絶縁層25で被覆されていることで、基体24に含まれる高誘電率材に金属異物が接触することがない。
従って、高誘電率材に金属異物が接触することによって生じる沿面耐電圧性能の低下を防止することができ、ガス絶縁機器20をガス絶縁開閉装置に適用した場合にも、十分な耐電圧性能を維持することができる。
また、本実施形態のガス絶縁機器20によれば、絶縁支持体23を構成する絶縁層25を、エポキシを母材とする樹脂材料によって形成すれば、エポキシ樹脂に高誘電率材であるフィラーを充填した基体24との間で、互いにエポキシ系材料による接合性が高まるので、基体24から絶縁層25が剥離することを防止できる。経年変化によって絶縁層25が剥離して基体24のフィラーが露出し、金属異物の付着により沿面絶縁性能が低下することを防止できる。
一方、絶縁支持体23の基体24は、エポキシ樹脂に対して、高電圧導体12側から金属容器11側に向かうほど充填濃度が低くなるように高誘電率材を充填させたエポキシ複合材を用いたので、絶縁支持体23の電界強度の強弱に対応した充填濃度で高誘電率材が充填され、絶縁支持体23の表面の最大電界値を効率よく低減することができ、ガス絶縁機器20のコンパクト化を実現できる。
以上のように、本実施形態のガス絶縁機器20によれば、金属異物による耐電圧性能の低下を防止して絶縁信頼性を高めること、および絶縁支持体23の表面の最大電界値を低減してガス絶縁機器20のコンパクト化を図ることを両立できる。
以上説明した少なくともひとつの実施形態によれば、絶縁支持体が、エポキシ樹脂にフィラーが充填された基体と、基体の表面を被覆する絶縁層とを有しており、フィラーには高誘電率材を含み、絶縁層は高誘電率材を含まない絶縁材料を用いることにより、ガス絶縁機器の製造上、発生することが避けられない金属異物が絶縁支持体に付着したとしても、絶縁支持体の構成材料として高誘電率のフィラーを用いた際のエポキシ複合材の沿面耐電圧性能の低下を抑制して、小型化と絶縁信頼性を向上させることが可能なガス絶縁機器を提供できる。
なお、上述した各実施形態では、絶縁支持体(絶縁スペーサ)を円板状に形成しているが、これ以外にも、例えば、絶縁支持体をコーン状やポスト(柱)状に形成することもできる。絶縁支持体の形状は、上述した各実施形態の形状に限定されるものではない。
実施形態のガス絶縁機器における絶縁層の厚みの最適範囲を検証した。基体のエポキシ樹脂に充填するフィラーの高誘電率材(非線形誘電率材)としては、チタン酸バリウム(粒径0.5μm、充填濃度20vol%)を用いた。金属容器に密封する絶縁ガスは六フッ化硫黄(SF)を用いた。こうしたエポキシ樹脂にチタン酸バリウムを充填したエポキシ複合材からなる基体の表面に、エポキシ樹脂からなる絶縁層を被覆して絶縁支持体(絶縁スペーサ)を形成した。絶縁層の被膜厚みは50μmおよび150μmとした。また、比較例として基体の表面を絶縁層で覆わない絶縁支持体を形成した。これら3つのサンプルに金属異物を付着させた時の沿面破壊電界を測定した結果を図3に示す。
図3に示す検証結果によれば、絶縁層の被覆厚みが150μmでは、従来のエポキシ複合材である充填材としてアルミナを用いたもの(図4の点線参照)と同等レベルまで沿面破壊電界が向上する結果が得られた。一方、絶縁層の被覆厚みが50μmでは、沿面破壊電界の向上は認められなかった。少なくとも、沿面破壊電界を向上させるには、50μm超、好ましくは100μm以上の被覆厚が必要であると考えられる。
絶縁層の被覆厚みの上限について述べる。エポキシ被覆厚が大きすぎると非線形誘電材が固体/ガス境界部分から離れてしまう。この場合、同境界部分での電界緩和効果が弱くなるため、被覆厚の上限を設定する必要がある。図5に、非線形誘電材表面のエポキシ被覆厚(絶縁層の厚み)と、エポキシ/ガス境界部分の最大電界の低下割合(電界緩和効果)の関係を解析した例を示す。図5より、エポキシ被覆厚が20mm以上となると最大電界の低下率が10%以下となり電界緩和効果が弱まることが分かる。非線形誘電材を使用して最大電界の緩和効果を期待するのであれば、エポキシ被覆厚の上限は数mm以下とするのが妥当であり、5mm以下が推奨される。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
10,20…ガス絶縁機器(ガス絶縁開閉装置)、11…金属容器、12…高電圧導体、13,23…絶縁支持体、14,24…基体、15,25…絶縁層、16…電界緩和シールド。

Claims (4)

  1. 絶縁ガスが封入された筒状の金属容器と、前記金属容器の内面に対して離間するように前記金属容器の内部に収容された高電圧導体と、および前記金属容器と前記高電圧導体との間に配され前記金属容器の内部で前記高電圧導体を支持する絶縁支持体とを備え、
    前記絶縁支持体は、エポキシ樹脂にフィラーが充填された基体と、前記基体の表面を被覆する絶縁層と、を有し、
    前記フィラーは、チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸カルシウムのうち、少なくとも1種からなる高誘電率材を含み、
    前記絶縁層は、前記高誘電率材を含まない絶縁材料を用い
    前記高誘電率材の前記エポキシ樹脂に対する充填濃度を、前記絶縁支持体における前記金属容器側よりも前記高電圧導体側の方が高くなるように変化させた、ガス絶縁機器。
  2. 前記絶縁層の厚みは、50μm超、5mm以下の範囲である、請求項1に記載のガス絶縁機器。
  3. 前記絶縁層は、エポキシ樹脂を母材とする樹脂材料で構成されている、請求項1または請求項2に記載のガス絶縁機器。
  4. 前記フィラーは、アルミナまたはシリカを更に含む、請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載のガス絶縁機器。
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