JP7398634B2 - 劣化検知方法、プログラム及び劣化検知システム - Google Patents

劣化検知方法、プログラム及び劣化検知システム Download PDF

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Description

本開示は、劣化検知方法、プログラム及び劣化検知システムに関する。
従来、電気火災の原因は漏電によるものが多くを占めてきたが、漏電遮断器又はヒューズ等の安全装置並びに絶縁性能の向上により電気火災の発生件数が減少してきた。しかしながら電気機器の普及により、例えば電子部品劣化、トラッキング劣化又は接続部の劣化等による不完全接続のような電気機器又は配線部で起こる様々な劣化による電気火災の件数は増加している。
電気機器又は配線部の劣化は、劣化進行時のエネルギー変化の小ささから漏電遮断器やヒューズでは発火が防げない場合があるため、電気火災を未然に防止すること、すなわち電気火災に繋がるような機器の劣化の兆候を検知することが望まれている。
一例として、トラッキング劣化が発生した場合、機器に流れる電流にトラッキング劣化に応じた特定の周波数成分が含まれるようになることから、当該特定の周波数成分を検知することでトラッキング劣化を検知する技術が開示されている(例えば特許文献1)。
特開昭57-193924号公報
しかしながら、上記特許文献1に開示された技術では、外来環境からのノイズ、又は、モーター若しくはインバータ等の電子部品を搭載した機器の発する特定の高調波成分による誤検知を避けるために検出感度を上げる事に限界があるという課題がある。
そこで、本開示は、機器の劣化の兆候を検知することができる劣化検知方法等を提供することを目的とする。
本開示の一態様に係る劣化検知方法は、機器が動作しているときの前記機器の電気的特徴量を取得する取得ステップと、取得された電気的特徴量と、前記機器が設置された環境において前記機器が劣化していない状態で動作しているときの前記機器の電気的特徴量との差分を算出する算出ステップと、算出された差分に基づいて前記機器の劣化の兆候を検知する検知ステップと、を含む。
本開示の一態様に係るプログラムは、上記の劣化検知方法をコンピュータに実行させるためのプログラムである。
本開示の一態様に係る劣化検知システムは、機器が動作しているときの前記機器の電気的特徴量を取得する取得部と、取得された電気的特徴量と、前記機器が設置された環境において前記機器が劣化していない状態で動作しているときの前記機器の電気的特徴量との差分を算出する算出部と、算出された差分に基づいて前記機器の劣化の兆候を検知する検知部と、を備える。
本開示によれば、機器の劣化の兆候を検知することができる。
図1は、実施の形態に係る劣化検知システムの適用例を説明するための図である。 図2は、実施の形態に係る劣化検知システムの構成例を示すブロック図である。 図3は、実施の形態に係る劣化検知方法の一例を示すフローチャートである。 図4Aは、機器が設置された環境としてリビングで動作している機器の電気的特徴量の一例を示すグラフである。 図4Bは、機器が設置された環境としてキッチンで動作している機器の電気的特徴量の一例を示すグラフである。 図4Cは、機器が設置された環境として洗面所で動作している機器の電気的特徴量の一例を示すグラフである。 図4Dは、機器が設置された環境として和室で動作している機器の電気的特徴量の一例を示すグラフである。 図5Aは、トラッキング劣化未発生時の機器の電気的特徴量の一例を10Aレンジで示すグラフである。 図5Bは、トラッキング劣化発生時の機器の電気的特徴量の一例を10Aレンジで示すグラフである。 図5Cは、トラッキング劣化未発生時の機器の電気的特徴量の一例を10mAレンジで示すグラフである。 図5Dは、トラッキング劣化発生時の機器の電気的特徴量の一例を10mAレンジで示すグラフである。
本開示の一態様に係る劣化検知方法は、機器が動作しているときの前記機器の電気的特徴量を取得する取得ステップと、取得された電気的特徴量と、前記機器が設置された環境において前記機器が劣化していない状態で動作しているときの前記機器の電気的特徴量との差分を算出する算出ステップと、算出された差分に基づいて前記機器の劣化の兆候を検知する検知ステップと、を含む。
例えば、トラッキング劣化のような劣化の兆候を示す信号は、機器が動作しているときの電気的特徴量(例えば機器に流れる電流等)と比べて微少な信号である。また、機器が動作しているときの電気的特徴量は、機器が設置された環境による影響(環境ノイズとも呼ぶ)によって変化する。したがって、機器の劣化の兆候を示す信号に比べて非常に大きく、さらに、環境ノイズによって変化し得る機器の電気的特徴量から、機器の劣化の兆候を示す微少な信号を抽出することは難しい。機器の劣化の兆候を示す微少な信号が存在するか否かを閾値判定によって行う際に、微少な信号に対応した小さな閾値を設定する必要があるが、環境ノイズが閾値を超えて機器の劣化の兆候を誤検知してしまうおそれがあるためである。これに対して、本態様では、取得された劣化の兆候があるか否かわからない機器の電気的特徴量と、当該機器が設置された環境において劣化していない状態の当該機器の電気的特徴量との差分が算出される。言い換えると、取得された当該機器の電気的特徴量から、劣化していない状態の当該機器の電気的特徴量であって当該機器が設置された環境の環境ノイズを含む電気的特徴量が引かれる。これにより、取得された当該機器の電気的特徴量から当該機器が設置された環境に応じて変化し得る環境ノイズの影響を効果的に排除できる。したがって、劣化の兆候がある機器の電気的特徴量が取得された場合に、機器の劣化の兆候を示す信号を精度良く抽出することができ、機器の劣化の兆候を検知することができる。
例えば、さらに、前記機器が設置された環境において前記機器が劣化していない状態で動作しているときの前記機器の電気的特徴量を蓄積する蓄積ステップを含み、前記算出ステップでは、取得された電気的特徴量と、蓄積された電気的特徴量との差分を算出してもよい。
機器が設置され得る環境は周辺の機器の種類及び動作状態等によって様々であり、機器が設置された環境ごとに機器が劣化していない状態で動作しているときの機器の電気的特徴量を事前に準備することは難しい。これに対して、本態様では、このような電気的特徴量を事前に準備しなくてもよく、機器が設置されたその場の環境に応じた機器の電気的特徴量が逐次蓄積されていくため、機器が設置された環境において機器が劣化していない状態で動作しているときの機器の電気的特徴量を容易に取得することができる。
例えば、さらに、前記機器が設置された環境において前記機器が劣化していない状態で動作しているときの前記機器の電気的特徴量を受信する電気的特徴量受信ステップを含み、前記算出ステップでは、取得された電気的特徴量と、受信された電気的特徴量との差分を算出してもよい。
機器が設置され得る環境は周辺の機器の種類及び動作状態等によって様々であり、機器が設置された環境ごとに機器が劣化していない状態で動作しているときの機器の電気的特徴量を事前に準備することは難しい。これに対して、本態様では、このような電気的特徴量を事前に準備しなくてもよく、機器が設置されたその場の環境に応じた機器の電気的特徴量を逐次蓄積している装置から電気的特徴量を受信することができる。
例えば、さらに、算出された差分と前記機器の劣化の兆候を示す劣化兆候データとが類似するか否かを判定する判定ステップを備え、前記検知ステップでは、算出された差分と前記劣化兆候データとが類似すると判定された場合に、前記機器の劣化の兆候を検知してもよい。
これによれば、算出された差分と劣化兆候データとが類似するか否かを判定することで、算出された差分が機器の劣化の兆候を示すか否かを精度良く判定できる。
例えば、さらに、前記劣化兆候データを受信する劣化兆候データ受信ステップを含み、前記判定ステップでは、算出された差分と受信された劣化兆候データとが類似するか否かを判定してもよい。
これによれば、外部(例えばサーバ等)から劣化兆候データを受信することができる。
例えば、さらに、前記機器の劣化の兆候が検知された場合に、当該検知の結果を出力する出力ステップを含んでいてもよい。
これによれば、機器の劣化の兆候を報知したり、機器の劣化の兆候に対する制御(例えば電源遮断等)をしたりすることができる。
例えば、前記機器の電気的特徴量は、前記機器に印加される電圧又は前記機器に流れる電流のサンプリングデータ、前記電圧又は前記電流の一定期間又は一定周期のサンプリングデータ、前記電圧又は前記電流の一定期間又は一定周期のサンプリングデータの前周期に対する変動率、前記電圧又は前記電流の一定期間又は一定周期のサンプリングデータの時系列の変動率、及び、前記電圧又は前記電流を周波数領域に変換したデータのうちの1つ又は複数の組み合わせであってもよい。
本開示の一態様に係るプログラムは、上記の劣化検知方法をコンピュータに実行させるためのプログラムである。
これによれば、機器の劣化の兆候を検知することができるプログラムを提供できる。
本開示の一態様に係る劣化検知システムは、機器が動作しているときの前記機器の電気的特徴量を取得する取得部と、取得された電気的特徴量と、前記機器が設置された環境において前記機器が劣化していない状態で動作しているときの前記機器の電気的特徴量との差分を算出する算出部と、算出された差分に基づいて前記機器の劣化の兆候を検知する検知部と、を備える。
これによれば、機器の劣化の兆候を検知することができる劣化検知システムを提供できる。
なお、これらの包括的又は具体的な態様は、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラム又はコンピュータ読み取り可能なCD-ROMなどの記録媒体で実現されてもよく、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラム及び記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
以下、実施の形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。
なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的又は具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本開示を限定する主旨ではない。
(実施の形態)
図1は、実施の形態に係る劣化検知システムの適用例を説明するための図である。図1には、電力系統100に接続された主幹ブレーカ110、主幹ブレーカ110に接続された壁面コンセント120a、120b及び120c、壁面コンセント120aに接続された機器140a(エアコン)、壁面コンセント120bに接続された機器140b(冷蔵庫)、壁面コンセント120cに接続されたコンセント差込機器130(延長ケーブル又はテーブルタップ等)、並びに、コンセント差込機器130に接続された機器140c(レンジ)及び機器140d(炊飯器)が示されている。電力系統100と主幹ブレーカ110、主幹ブレーカ110と壁面コンセント120a~120c、壁面コンセント120aと機器140a、壁面コンセント120bと機器140b、壁面コンセント120cとコンセント差込機器130、コンセント差込機器130と機器140c及び140dは、それぞれL(ライブ)の電力線及びN(ニュートラル)の電力線によって接続される。
主幹ブレーカ110は、宅内等で使用される機器の電流の総和が所定以上となったときに、機器への電流の供給を停止する遮断器である。
壁面コンセント120a~120cはそれぞれ、Lの電力線と接続された電極及びNの電力線と接続された電極が設けられた差込口を備える。
壁面コンセント120aは機器140aに電力を供給するコンセントであり、機器140aは、壁面コンセント120aに差し込まれた機器140aのプラグを介して電力系統100から電力の供給を受ける。機器140aが動作すると、主幹ブレーカ110、壁面コンセント120a及び機器140a、並びに、主幹ブレーカ110、壁面コンセント120a及び機器140aに接続された各電力線に電流が流れる。
壁面コンセント120bは機器140bに電力を供給するコンセントであり、機器140bは、壁面コンセント120bに差し込まれた機器140bのプラグを介して電力系統100から電力の供給を受ける。機器140bが動作すると、主幹ブレーカ110、壁面コンセント120b及び機器140b、並びに、主幹ブレーカ110、壁面コンセント120b及び機器140bに接続された各電力線に電流が流れる。
壁面コンセント120cはコンセント差込機器130に電力を供給するコンセントであり、コンセント差込機器130は、壁面コンセント120cに差し込まれたコンセント差込機器130のプラグを介して電力系統100から電力の供給を受ける。コンセント差込機器130は、Lの電力線と接続された電極及びNの電力線と接続された電極が設けられた差込口を備える。コンセント差込機器130は、機器140c及び140dに電力を供給する延長ケーブル又はテーブルタップ等であり、機器140cは、コンセント差込機器130に差し込まれた機器140cのプラグを介して電力系統100から電力の供給を受け、機器140dは、コンセント差込機器130に差し込まれた機器140dのプラグを介して電力系統100から電力の供給を受ける。機器140cが動作すると、主幹ブレーカ110、壁面コンセント120c、コンセント差込機器130及び機器140c、並びに、主幹ブレーカ110、壁面コンセント120c、コンセント差込機器130及び機器140cに接続された各電力線に電流が流れる。機器140dが動作すると、主幹ブレーカ110、壁面コンセント120c、コンセント差込機器130及び機器140d、並びに、主幹ブレーカ110、壁面コンセント120c、コンセント差込機器130及び機器140dに接続された各電力線に電流が流れる。
劣化検知システムは、主幹ブレーカ110内に設けられてもよいし、壁面コンセント120a~120c内のいずれかに設けられてもよいし、コンセント差込機器130内に設けられてもよいし、機器140a~140d内のいずれに設けられてもよい。
劣化検知システムが主幹ブレーカ110内に設けられる場合、劣化検知システムは、主幹ブレーカ110よりも下流に存在する機器(ここでは機器140a~140d)の劣化の兆候を検知する。劣化検知システムが壁面コンセント120a内に設けられる場合、劣化検知システムは、壁面コンセント120aに接続された機器140aの劣化の兆候を検知する。劣化検知システムが壁面コンセント120b内に設けられる場合、劣化検知システムは、壁面コンセント120bに接続された機器140bの劣化の兆候を検知する。劣化検知システムが壁面コンセント120c内に設けられる場合、劣化検知システムは、壁面コンセント120cにコンセント差込機器130を介して接続された機器140c及び140dの劣化の兆候を検知する。劣化検知システムがコンセント差込機器130内に設けられる場合、劣化検知システムは、コンセント差込機器130に接続された機器140c及び140dの劣化の兆候を検知する。劣化検知システムが各機器内に設けられる場合、劣化検知システムは、各機器の劣化の兆候を検知する。
次に、実施の形態に係る劣化検知システムの詳細について図2を用いて説明する。
図2は、実施の形態に係る劣化検知システム10の構成例を示すブロック図である。なお、図2には劣化検知システム10外の構成要素である電流センサ21及び電圧センサ22も図示している。なお、劣化検知システム10は、電流センサ21及び電圧センサ22を備えていてもよい。
劣化検知システム10は、機器の劣化の兆候を検知することができるシステムである。ここでは、機器の劣化の兆候として、トラッキング劣化の兆候を検知することができる劣化検知システム10について説明する。トラッキング劣化とは、機器が有するプリント基板等に蓄積した塵及び埃等が湿気を帯びてプリント基板上の導体間が導通し、導通により炭化した部分がショートして電気火災を発生させる劣化である。したがって、トラッキング劣化の兆候を検知することで、電気火災を未然に防止することが可能となる。なお、劣化検知システム10によって検知される機器の劣化の兆候は、トラッキング劣化の兆候に限らず、電子部品の劣化の兆候又は機械接続の劣化(例えば半田クラック等)の兆候等であってもよい。
電流センサ21は、例えばLの電力線に流れる電流を検知するセンサである。電圧センサ22は、Lの電力線とNの電力線との間の電圧を検知するセンサである。劣化検知システム10が主幹ブレーカ110内に設けられる場合、電流センサ21は機器140a~140dに流れる電流を検知し、電圧センサ22は機器140a~140dに印加される電圧を検知する。劣化検知システム10が壁面コンセント120a内又は機器140a内に設けられる場合、電流センサ21は機器140aに流れる電流を検知し、電圧センサ22は機器140aに印加される電圧を検知する。劣化検知システム10が壁面コンセント120b内又は機器140b内に設けられる場合、電流センサ21は機器140bに流れる電流を検知し、電圧センサ22は機器140bに印加される電圧を検知する。劣化検知システム10が壁面コンセント120c内又はコンセント差込機器130内に設けられる場合、電流センサ21は機器140c及び140dに流れる電流を検知し、電圧センサ22は機器140c及び140dに印加される電圧を検知する。劣化検知システム10が機器140c内に設けられる場合、電流センサ21は機器140cに流れる電流を検知し、電圧センサ22は機器140cに印加される電圧を検知する。劣化検知システム10が機器140d内に設けられる場合、電流センサ21は機器140dに流れる電流を検知し、電圧センサ22は機器140dに印加される電圧を検知する。なお、検知しようとする機器の劣化の種類によっては、電流センサ21及び電圧センサ22の一方は設けられていなくてもよい。
なお、以下で機器としているものは、劣化検知システム10が主幹ブレーカ110内に設けられる場合、機器140a~140dであり、劣化検知システム10が壁面コンセント120a内又は機器140a内に設けられる場合、機器140aであり、劣化検知システム10が壁面コンセント120b内又は機器140b内に設けられる場合、機器140bであり、劣化検知システム10が壁面コンセント120c内又はコンセント差込機器130内に設けられる場合、機器140c及び140dであり、劣化検知システム10が機器140c内に設けられる場合、機器140cであり、劣化検知システム10が機器140d内に設けられる場合、機器140dである。
図2に示されるように、劣化検知システム10は、取得部11、記憶部12、算出部13、判定部14、検知部15、出力部16、受信部17、AD変換部30及び周波数変換部40を備える。劣化検知システム10は、プロセッサ(マイクロプロセッサ)、メモリ、通信インタフェース及びAD(Analog Digital)変換器等を備えるコンピュータである。メモリは、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等であり、プロセッサによって実行可能なプログラムが記憶される。なお、記憶部12は、ROM及びRAM等のメモリによって実現されるが、プログラムを記憶するメモリとは別のメモリであってもよい。AD変換部30の機能は、AD変換器によって実現される。プロセッサは、メモリに記憶されたプログラムを用いて、周波数変換部40、取得部11、算出部13、判定部14、検知部15及び出力部16の機能を実行する。受信部17は、通信回路、通信線等が接続されるコネクタ又はアンテナ等からなる通信インタフェースによって実現される。なお、劣化検知システム10を構成する構成要素は、複数の装置に分散して配置されてもよい。
AD変換部30は、電流センサ21により検知された電流を示すアナログ値をデジタル値に変換し、電圧センサ22により検知された電圧を示すアナログ値をデジタル値に変換する。
周波数変換部40は、デジタル値に変換された電流又は電圧を周波数領域で変換する。例えば、周波数変換部40は、電流又は電圧の時間波形をフーリエ変換することで周波数スペクトルを算出する。
取得部11は、機器が動作しているときの機器の電気的特徴量を取得する。機器の電気的特徴量は、例えば、機器の電気的特徴量は、機器に印加される電圧又は機器に流れる電流のサンプリングデータ、当該電圧又は当該電流の一定期間又は一定周期のサンプリングデータ、当該電圧又は当該電流の一定期間又は一定周期のサンプリングデータの前周期に対する変動率、当該電圧又は当該電流の一定期間又は一定周期のサンプリングデータの時系列の変動率、及び、当該電圧又は当該電流を周波数領域に変換したデータ(例えば周波数スペクトル)のうちの1つ又は複数の組み合わせである。なお、劣化検知システム10は、周波数変換部40を備えていなくてもよく、機器の電気的特徴量は、機器に流れる電流又は機器に印加される電圧(いわゆる生データ)であってもよい。
記憶部12は、機器が設置された環境において当該機器が劣化していない状態で動作しているときの当該機器の電気的特徴量、及び、当該機器の劣化の兆候を示す劣化兆候データを記憶する。劣化兆候データは、例えば、トラッキング劣化の兆候を示すシンチレーション電流若しくはアーク放電電流、又は、これらを周波数領域で変換したデータである。シンチレーション電流及びアーク放電電流の振幅は最大でも数100mAであり、機器に流れる電流(例えば数A以上)等の電気的特徴量と比べて小さい。シンチレーション電流は約2.5kHz~約50kHzの成分の強度が高く、アーク放電電流は約125Hz~約250Hzの成分の強度が高い。このような劣化兆候データは、プリント基板の材質によって変わってくるため、機器が有するプリント基板の材質毎に劣化兆候データが準備されてもよい。他にも、電子部品劣化の場合、劣化の兆候は電子部品の特性変化又は絶縁抵抗低下による電圧及び電流の周波数スペクトルの変化又はリーク電流の増加として現れる。これらの、長期的な電気的特徴量の変化も劣化予兆のデータとしてもよい。なお、電気的特徴量を記憶するメモリと劣化兆候データを記憶するメモリとは別のメモリであってもよい。
算出部13は、取得された電気的特徴量と、機器が設置された環境において機器が劣化していない状態で動作しているときの機器の電気的特徴量との差分を算出する。算出部13の動作の詳細については後述する。
判定部14は、算出された差分と機器の劣化の兆候を示す劣化兆候データとが類似するか否かを判定する。判定部14の動作の詳細については後述する。
検知部15は、算出された差分に基づいて機器の劣化の兆候を検知する。具体的には、検知部15は、算出された差分と劣化兆候データとが類似すると判定された場合に、機器の劣化の兆候を検知する。
出力部16は、機器の劣化の兆候が検知された場合に、当該検知の結果を出力する。出力部16の動作の詳細については後述する。
受信部17は、例えば、外部(例えばサーバ等)から劣化兆候データを受信する。受信された劣化兆候データは、記憶部12に格納される。
次に、実施の形態に係る劣化検知方法について、図3を用いて説明する。
図3は、実施の形態に係る劣化検知方法の一例を示すフローチャートである。例えば、実施の形態に係る劣化検知方法は、劣化検知システム10が備えるコンピュータ(具体的にはプロセッサ)により実行される方法である。つまり、図3は、劣化検知システム10が備える取得部11、算出部13、判定部14、検知部15及び出力部16等の動作を示すフローチャートでもある。
トラッキング劣化等の機器の劣化はある程度時間が経過しないと発生しにくく、まずは、機器が、使用を開始して間もない状態、すなわち劣化していない状態にある場合について説明する。
まず、取得部11は、機器が動作しているときの機器の電気的特徴量を取得する(ステップS11)。
次に、算出部13は、取得された電気的特徴量が明確な劣化を示すか否かを判定する(ステップS12)。例えば、電気的特徴量として異常な電流(例えば、機器が正常に動作しているときに流れる電流の数倍以上の電流)が機器に流れている場合には、取得された電気的特徴量が明確な劣化を示すと判定される。上述したように、機器が劣化していない状態にある場合について説明するため、ここでは、算出部13は、取得された電気的特徴量が明確な劣化を示さないと判定する。
取得された電気的特徴量が明確な劣化を示さない場合(ステップS12でNo)、算出部13は、取得された電気的特徴量と正常な電気的特徴量とが類似するか否かを判定する(ステップS13)。正常な電気的特徴量とは、機器が設置された環境において機器が劣化していない状態で動作しているときの機器の電気的特徴量である。当該電気的特徴量は後述するように記憶部12に蓄積されていくが、取得された電気的特徴量と類似する電気的特徴量が記憶部12に記憶されていない場合には、取得された電気的特徴量と正常な電気的特徴量とが類似しないと判定される。機器の使用を開始して間もない場合には、記憶部12に記憶される電気的特徴量が少ないため、取得された電気的特徴量と正常な電気的特徴量とが類似しないと判定されやすい。なお、取得された電気的特徴量と正常な電気的特徴量とが類似しているか否かを判定する方法は特に限定されないが、例えば、周波数スペクトルにおいて強度が同程度の周波数成分の数が一定以上ある場合に類似していると判定されてもよいし、特定の周波数帯域におけるスペクトルの面積が同程度である場合に類似していると判定されてもよい。
取得された電気的特徴量と正常な電気的特徴量とが類似しない場合(ステップS13でNo)、取得部11は、取得した電気的特徴量を正常な電気的特徴量として記憶部12に蓄積する(ステップS14)。機器が動作しているときの電気的特徴量は、機器の周辺で動作する他の機器の種類等による影響を受けるため、機器が設置された環境によって変化する。そのため、劣化していない状態の機器の電気的特徴量は、機器が設置された環境によって変化する。ある一般家庭で取得した対象の機器に流れる電流値を例として、機器が設置された環境によって電気的特徴量が変化することを図4Aから図4Dを用いて説明する。
図4Aは、機器が設置された環境としてリビングで動作している機器の電気的特徴量の一例を示すグラフである。
図4Bは、機器が設置された環境としてキッチンで動作している機器の電気的特徴量の一例を示すグラフである。
図4Cは、機器が設置された環境として洗面所で動作している機器の電気的特徴量の一例を示すグラフである。
図4Dは、機器が設置された環境として和室で動作している機器の電気的特徴量の一例を示すグラフである。
図4Aから図4Dに示されるように、設置される環境によって機器の電気的特徴量(ここでは機器に流れる電流を周波数領域で変換した周波数スペクトルの10mA以下の成分)が異なることが分かる。具体的には、機器が設置される環境によって、特定の周波数の成分の強度が異なっていたり、特定の周波数帯域におけるスペクトルの面積が異なっていたりする。
そこで、本発明の実施の形態による劣化検知システム10等により機器が設置された環境において機器が劣化していない状態で動作しているときの機器の電気的特徴量が蓄積される。これにより、このような電気的特徴量を事前に準備しなくてもよく、機器が設置されたその場の環境に応じた機器の電気的特徴量が蓄積されるため、機器が設置された環境において機器が劣化していない状態で動作しているときの機器の電気的特徴量を容易に取得することができる。
そして、判定部14は、機器が正常であると判定する(ステップS15)。
以降もステップS11からステップS15の処理が繰り返されて、機器が設置された環境において機器が劣化していない状態で動作しているときの機器の電気的特徴量が逐次蓄積されていくことで、その環境に応じた電気的特徴量を数多く取得することができる。機器が設置された場所が変化しなくても、機器の周辺で動作する他の機器の動作状態は変化するため、その変化に応じて変化する機器の電気的特徴量を取得することができる。
次に、機器が、使用を開始してある程度時間が経過した状態、すなわち、劣化の兆候が出始めるおそれのある状態にある場合について説明する。
トラッキング劣化のような機器の劣化の兆候を示す信号は、機器が動作しているときの電気的特徴量(例えば機器に流れる電流等)と比べて微少な信号である。ここで、劣化の兆候を示す信号が微少な信号であることを図5Aから図5Dを用いて説明する。
図5Aは、トラッキング劣化未発生時の機器の電気的特徴量の一例を10Aレンジで示すグラフである。
図5Bは、トラッキング劣化発生時の機器の電気的特徴量の一例を10Aレンジで示すグラフである。
図5Cは、トラッキング劣化未発生時の機器の電気的特徴量の一例を10mAレンジで示すグラフである。
図5Dは、トラッキング劣化発生時の機器の電気的特徴量の一例を10mAレンジで示すグラフである。
図5A及び図5Bでは、機器の電気的特徴量として機器に流れる電流を周波数領域で変換した周波数スペクトルの10A以下の成分が示され、図5C及び図5Dでは、機器の電気的特徴量として機器に流れる電流を周波数領域で変換した周波数スペクトルの10mA以下の成分が示される。図5Aから図5Dに示されるように、機器が動作しているときの電流は10Aレンジに対応しているのに対して、トラッキング劣化の兆候は10mA~100mAのレンジに対応しており非常に微少であることがわかる。
そのため、機器に劣化の兆候があったとしても、ステップS12では取得された電気的特徴量が明確な劣化を示すと判定されず、また、ステップS13においても取得された電気的特徴量と正常な電気的特徴量とが類似していると判定される。また、上述したように、機器が動作しているときの電気的特徴量は、機器が設置された環境によって変化する。したがって、機器の劣化の兆候を示す信号に比べて非常に大きく、さらに、環境によって変化し得る機器の電気的特徴量から、機器の劣化の兆候を示す微少な信号を抽出することは難しい。
そこで、算出部13は、取得された電気的特徴量と正常な電気的特徴量とが類似している場合(ステップS13でYes)、取得された電気的特徴量と、正常な電気的特徴量との差分を算出する(ステップS16)。具体的には、算出部13は、取得された電気的特徴量と、記憶部12に蓄積された正常な電気的特徴量との差分を算出する。上述したように、記憶部12に蓄積された正常な電気的特徴量は、機器が設置された環境において劣化していない状態の機器の電気的特徴量であるため、取得された機器の電気的特徴量から当該機器が設置された環境に応じて変化し得る環境ノイズも差し引くことができる。このため、機器の劣化の兆候を示す信号のように微少な信号を抽出することができる。
次に、判定部14は、算出された差分と機器の劣化の兆候を示す劣化兆候データとが類似するか否かを判定する(ステップS17)。具体的には、判定部14は、算出された差分と受信部17で受信され、記憶部12に記憶された劣化兆候データとが類似するか否かを判定する。なお、算出された差分と劣化兆候データとが類似しているか否かを判定する方法は特に限定されないが、例えば、周波数スペクトルにおいて強度が同程度の周波数成分の数が一定以上ある場合に類似していると判定されてもよいし、特定の周波数帯域におけるスペクトルの面積が同程度である場合に類似していると判定されてもよい。また、劣化兆候データと類似しているか否かを判定するための機械学習モデルが用いられてもよく、例えば、算出された差分を当該機械学習モデルに入力することで、算出された差分が劣化兆候データと類似しているか否かが当該機械学習モデルから出力されてもよい。このように、算出された差分と劣化兆候データとが類似するか否かが判定されることで、算出された差分が機器の劣化の兆候を示すか否かを精度良く判定できる。
算出された差分と劣化兆候データとが類似しない場合(ステップS17でNo)、判定部14は、機器が正常であると判定する(ステップS15)。例えば、算出された差分がほぼ0の場合、算出された差分と劣化兆候データとは類似せず、すなわち、機器に劣化の兆候が表れておらず、機器が正常と判定される。また、算出された差分が0でない場合であっても、算出された差分と劣化兆候データとが類似しない場合がある。例えば、宅外で大型車両等が走行したときに発生したノイズが機器の電気的特徴量に重畳した場合、算出された差分は0とならないが、当該差分は、機器の劣化の兆候によって発生したものではないため劣化兆候データとは類似せず、機器が正常と判定される。
算出された差分と劣化兆候データとが類似する場合(ステップS17でYes)、検知部15は、機器の劣化の兆候を検知する(ステップS18)。劣化検知システム10が主幹ブレーカ110内に設けられる場合、機器140a~140dのいずれかに劣化の兆候があることが検知される。劣化検知システム10が壁面コンセント120a内又は機器140a内に設けられる場合、機器140aに劣化の兆候があることが検知される。劣化検知システム10が壁面コンセント120b内又は機器140b内に設けられる場合、機器140bに劣化の兆候があることが検知される。劣化検知システム10が壁面コンセント120c内又はコンセント差込機器130内に設けられる場合、機器140c及び140dのいずれかに劣化の兆候があることが検知される。劣化検知システム10が機器140c内に設けられる場合、機器140cに劣化の兆候があることが検知される。劣化検知システム10が機器140d内に設けられる場合、機器140dに劣化の兆候があることが検知される。
出力部16は、機器の劣化の兆候の検知の結果を出力する(ステップS19)。例えば、出力部16は、ディスプレイ等の表示部又はスピーカ等に検知の結果を出力して、機器に劣化の兆候があることをユーザに報知させてもよい。また、例えば、出力部16は、メンテナンス業者等に向けて検知の結果を出力して、メンテナンス業者等に劣化の兆候のある機器のメンテナンス等をさせてもよい。また、例えば、出力部16は、機器への電源の供給を制御する制御部等に検知の結果を出力して、劣化の兆候のある機器への電力の供給を遮断させてもよい。
なお、すでに劣化している機器が設置されて明確な劣化を示す電気的特徴量が取得される場合がある。このような場合に、ステップS12での処理がないと、取得された明確な劣化を示す電気的特徴量と正常な電気的特徴量とが類似しないため、ステップS13でNoとなり明確な劣化を示す電気的特徴量が正常な電気的特徴量として記憶部12に記憶される場合がある。そこで、取得された電気的特徴量が明確な劣化を示す場合(ステップS12でYes)、ステップS13での処理が行われず、検知部15は、機器の劣化を検知する(ステップS18)。これにより、明確な劣化を示す電気的特徴量が正常な電気的特徴量として記憶部12に蓄積されることを防ぐことができる。
以上説明したように、取得された劣化の兆候があるか否かわからない機器の電気的特徴量と、当該機器が設置された環境において劣化していない状態の当該機器の電気的特徴量との差分が算出される。言い換えると、取得された当該機器の電気的特徴量から、劣化していない状態の当該機器の電気的特徴量であって当該機器が設置された環境の環境ノイズを含む電気的特徴量が引かれる。これにより、取得された当該機器の電気的特徴量から当該機器が設置された環境に応じて変化し得る環境ノイズの影響を効果的に排除できる。したがって、劣化の兆候がある機器の電気的特徴量が取得された場合に、機器の劣化の兆候を示す信号を精度良く抽出することができ、機器の劣化の兆候を検知することができる。
(その他の実施の形態)
以上、本開示の一つ又は複数の態様に係る劣化検知方法及び劣化検知システム10について、実施の形態に基づいて説明したが、本開示は、これらの実施の形態に限定されるものではない。本開示の趣旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を各実施の形態に施したものや、異なる実施の形態における構成要素を組み合わせて構築される形態も、本開示の一つ又は複数の態様の範囲内に含まれてもよい。
例えば、上記実施の形態では、機器が設置された環境において機器が劣化していない状態で動作しているときの機器の電気的特徴量が記憶部12に蓄積される例について説明したが、これに限らない。例えば、機器が設置された環境において機器が劣化していない状態で動作しているときの機器の電気的特徴量が受信部17等によって受信されて、記憶部12に格納されてもよい。この場合、算出部13は、取得された電気的特徴量と、受信された電気的特徴量との差分を算出する。これにより、このような電気的特徴量を事前に準備しなくてもよく、機器が設置されたその場の環境に応じた機器の電気的特徴量を逐次蓄積している装置から電気的特徴量を受信することができる。また、機器が設置された環境において機器が劣化していない状態で動作しているときの機器の電気的特徴量が蓄積されたり、受信されたりしなくてもよく、予め記憶部12に記憶されていてもよい。
例えば、上記実施の形態では、劣化検知システム10が判定部14を備える例について説明したが、劣化検知システム10は判定部14を備えていなくてもよい。すなわち、機器の劣化の兆候を検知するために劣化兆候データが用いられなくてもよい。この場合であっても、算出部13で算出された差分に対して、機器の劣化の兆候を示す微少な信号が存在するか否かを閾値判定することで、機器の劣化の兆候を検知することができる。
例えば、上記実施の形態では、劣化検知システム10が劣化兆候データを受信する受信部17を備える例について説明したが、劣化検知システム10は受信部17を備えていなくてもよい。例えば、劣化兆候データは、予め記憶部12に記憶されていてもよい。
例えば、上記実施の形態では、劣化検知システム10が出力部16を備える例について説明したが、劣化検知システム10は出力部16を備えていなくてもよい。
なお、劣化検知システム10は、取得部11が取得した電気的特徴量から瞬間的な電力供給の遮断を検知することにより、コードが劣化した部分又は断線した部分で発生するスパークを検知してもよい。また、劣化検知システム10は、取得部11が取得する電気的特徴量の長期的な経時変化を監視することにより、電子部品の劣化、不完全接続又は材料の劣化等を検知してもよい。
本開示は、劣化検知方法に含まれるステップを、プロセッサに実行させるためのプログラムとして実現できる。さらに、本開示は、そのプログラムを記録したCD-ROM等である非一時的なコンピュータ読み取り可能な記録媒体として実現できる。
例えば、本開示が、プログラム(ソフトウェア)で実現される場合には、コンピュータのCPU、メモリ及び入出力回路等のハードウェア資源を利用してプログラムが実行されることによって、各ステップが実行される。つまり、CPUがデータをメモリ又は入出力回路等から取得して演算したり、演算結果をメモリ又は入出力回路等に出力したりすることによって、各ステップが実行される。
なお、上記実施の形態において、劣化検知システム10に含まれる各構成要素は、専用のハードウェアで構成されるか、各構成要素に適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。各構成要素は、CPU又はプロセッサなどのプログラム実行部が、ハードディスク又は半導体メモリなどの記録媒体に記録されたソフトウェアプログラムを読み出して実行することによって実現されてもよい。
上記実施の形態に係る劣化検知システム10の機能の一部又は全ては典型的には集積回路であるLSIとして実現される。これらは個別に1チップ化されてもよいし、一部又は全てを含むように1チップ化されてもよい。また、集積回路化はLSIに限るものではなく、専用回路又は汎用プロセッサで実現してもよい。LSI製造後にプログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)、又はLSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサを利用してもよい。
さらに、本開示の主旨を逸脱しない限り、本開示の各実施の形態に対して当業者が思いつく範囲内の変更を施した各種変形例も本開示に含まれる。
本開示の劣化検知方法等は、例えば、機器の劣化を検知する装置に適用できる。
10 劣化検知システム
11 取得部
12 記憶部
13 算出部
14 判定部
15 検知部
16 出力部
17 受信部
21 電流センサ
22 電圧センサ
30 AD変換部
40 周波数変換部
100 電力系統
110 主幹ブレーカ
120a、120b、120c 壁面コンセント
130 コンセント差込機器
140a、140b、140c、140d 機器

Claims (11)

  1. 機器が動作しているときの前記機器の電気的特徴量を取得する取得ステップと、
    取得された電気的特徴が明確な劣化を示すか否かを判定する劣化判定ステップと、
    取得された電気的特徴が明確な劣化を示さないと前記劣化判定ステップで判定された場合、取得された電気的特徴と、前記機器が設置された環境において前記機器が劣化していない状態で動作しているときの前記機器の電気的特徴量とが類似するか否かを判定する類似判定ステップと、
    取得された電気的特徴と、前記機器が設置された環境において前記機器が劣化していない状態で動作しているときの前記機器の電気的特徴量とが類似しないと前記類似判定ステップで判定された場合、取得された電気的特徴を、前記機器が設置された環境において前記機器が劣化していない状態で動作しているときの前記機器の電気的特徴量として蓄積し、取得された電気的特徴が明確な劣化を示すと前記劣化判定ステップで判定された場合、前記機器の電気的特徴量を蓄積しない蓄積ステップと、
    取得された電気的特徴と、前記機器が設置された環境において前記機器が劣化していない状態で動作しているときの前記機器の電気的特徴量とが類似していると前記類似判定ステップで判定された場合、取得された電気的特徴量と、蓄積された電気的特徴量との差分を算出する算出ステップと、
    算出された差分に基づいて前記機器の劣化の兆候を検知する検知ステップと、
    を含
    前記劣化判定ステップでは、前記機器の電気的特徴量として異常な電流が前記機器に流れている場合には、取得された電気的特徴量が明確な劣化を示すと判定する、
    劣化検知方法。
  2. さらに、算出された差分と前記機器の劣化の兆候を示す劣化兆候データとが類似するか否かを判定する判定ステップを備え、
    前記検知ステップでは、算出された差分と前記劣化兆候データとが類似すると判定された場合に、前記機器の劣化の兆候を検知する、
    請求項1に記載の劣化検知方法。
  3. 前記判定ステップでは、算出された差分と前記劣化兆候データとの、周波数スペクトルにおける強度が同程度の周波数成分の数が一定以上ある場合に、算出された差分と前記劣化兆候データとが類似すると判定する、
    請求項に記載の劣化検知方法。
  4. 前記判定ステップでは、算出された差分と前記劣化兆候データとの、特定の周波数帯域におけるスペクトルの面積が同程度である場合に、算出された差分と前記劣化兆候データとが類似すると判定する、
    請求項に記載の劣化検知方法。
  5. 前記判定ステップでは、算出された差分を、前記劣化兆候データと類似しているか否かを判定するための機械学習モデルに入力することで、算出された差分と前記劣化兆候データとが類似するか否かを判定する、
    請求項に記載の劣化検知方法。
  6. さらに、前記劣化兆候データを受信する劣化兆候データ受信ステップを含み、
    前記判定ステップでは、算出された差分と受信された劣化兆候データとが類似するか否かを判定する、
    請求項のいずれか1項に記載の劣化検知方法。
  7. さらに、前記機器の劣化の兆候が検知された場合に、当該検知の結果を出力する出力ステップを含む、
    請求項1~のいずれか1項に記載の劣化検知方法。
  8. 前記機器の電気的特徴量は、前記機器に印加される電圧又は前記機器に流れる電流のサンプリングデータ、前記電圧又は前記電流の一定期間又は一定周期のサンプリングデータ、前記電圧又は前記電流の一定期間又は一定周期のサンプリングデータの前周期に対する変動率、前記電圧又は前記電流の一定期間又は一定周期のサンプリングデータの時系列の変動率、及び、前記電圧又は前記電流を周波数領域に変換したデータのうちの1つ又は複数の組み合わせである、
    請求項1~のいずれか1項に記載の劣化検知方法。
  9. 前記類似判定ステップでは、取得された電気的特徴が明確な劣化を示さない場合、取得された電気的特徴と、前記機器が設置された環境において前記機器が劣化していない状態で動作しているときの前記機器の電気的特徴量とが類似するか否かを判定する、
    請求項1~のいずれか1項に記載の劣化検知方法。
  10. 請求項1~のいずれか1項に記載の劣化検知方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
  11. 機器が動作しているときの前記機器の電気的特徴量を取得する取得部と、
    取得された電気的特徴が明確な劣化を示すか否かを判定し、取得された電気的特徴が明確な劣化を示さないと判定した場合、取得された電気的特徴と、前記機器が設置された環境において前記機器が劣化していない状態で動作しているときの前記機器の電気的特徴量とが類似するか否かを判定し、取得された電気的特徴と、前記機器が設置された環境において前記機器が劣化していない状態で動作しているときの前記機器の電気的特徴量とが類似していると判定した場合、取得された電気的特徴量と、前記機器が設置された環境において前記機器が劣化していない状態で動作しているときの前記機器の電気的特徴量との差分を算出する算出部と、
    算出された差分に基づいて前記機器の劣化の兆候を検知する検知部と、を備え、
    前記取得部は、取得した電気的特徴と、前記機器が設置された環境において前記機器が劣化していない状態で動作しているときの前記機器の電気的特徴量とが類似しないと前記算出部で判定された場合、取得した電気的特徴を、前記機器が設置された環境において前記機器が劣化していない状態で動作しているときの前記機器の電気的特徴量として蓄積し、取得した電気的特徴が明確な劣化を示すと前記算出部で判定された場合、前記機器の電気的特徴量を蓄積せず、
    前記算出部は、
    前記機器の電気的特徴量として異常な電流が前記機器に流れている場合には、取得された電気的特徴量が明確な劣化を示すと判定し、
    取得された電気的特徴量と、蓄積された電気的特徴量との差分を算出する、
    劣化検知システム。
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