JP7396143B2 - 脈波解析装置、脈波解析方法及びプログラム - Google Patents

脈波解析装置、脈波解析方法及びプログラム Download PDF

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Description

本発明は、脈波解析装置、脈波解析方法及びプログラムに関するものである。
従来、生体から取得できる脈波等を解析して、生体の様々な状態を示す指標を評価する技術が知られている。例えば、指標は、脈拍数又は脈拍変動指標等である。
また、脈拍変動指標は、脈拍のピーク間隔の揺らぎを評価する指標である。具体的には、脈拍変動指標には、0.04Hz(ヘルツ)乃至0.15Hz程度となる低周波成分を示すLF(Low Frequency)、0.15Hz乃至0.40Hz程度となる高周波成分を示すHF(High Frequency)、及び、LFとHFの比をとったLF/HF等の指標がある。そして、これらの指標は、生体の自律神経の働きと関連するため、脈拍変動指標から、生体の自律神経の状態が評価できる。例えば、生体の自律神経の状態から、生体の疲れ又は病気等が把握できる。
例えば、フォトプレチスモグラフィ(PPG)といった光の反射率又は透過率の時間変化を評価する技術が知られている。そして、取得される指標の精度及び信頼性を高めるため、PPGを取得する手段として、カメラを用いて非接触で計測する。このようにして、取得する信号のスペクトルは、基本周波数、すなわち、平均脈拍数に対応する周波数の強度が最も強く、高調波が弱くなる。このように、PPG信号の品質を評価する技術が知られている(例えば、特許文献1等)。
しかしながら、従来の脈波品質評価技術では、脈波信号の品質が高いと判定された場合でも、脈拍変動指標の算出精度が悪くなることがあり、脈拍変動指標の信頼性を担保することができない場合がある。
本発明の1つの側面は、脈拍変動指標の信頼性を担保することが可能な、脈波品質の評価方法を提供することを目的としている。
上述した課題を解決するために、本発明の一態様である、脈波解析装置は、
脈波信号を取得する脈波信号取得部と、
前記脈波信号の周波数を分析する周波数分析部と、
前記周波数のうち、周波数スペクトルから脈波信号の基本周波数を検出する検出部と、
少なくとも、前記基本周波数より所定値分周波数が低い第2周波数、又は、前記基本周波数より所定値分周波数が高い第3周波数のうち、いずれか一方を基準にした信号強度を計算する計算部と、
前記脈波信号に含まれるノイズのノイズ強度を算出して、前記信号強度及び前記ノイズ強度に基づいて前記脈波信号を評価する評価部とを備える。
脈拍変動指標の信頼性を担保することが可能な、脈波品質の評価方法を提供できる。
生体情報取得装置の例を示す図である。 ハードウェアの構成例を示す図である。 機能構成例を示す図である。 全体処理例を示す図である。 脈波信号を取得する手順の例を示す図である。 脈波信号の例を示す図である。 脈波信号を評価する手順の例を示す図である。 周波数スペクトルの例を示す図である。 ノイズ強度の計算例を示す図である。 評価例を示す図である。 脈拍間隔に含まれるLF及びHFの例を示す図である。
以下、本発明の実施形態について添付の図面を参照しながら説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
<脈波解析装置例>
図1は、脈波解析装置の例を示す図である。例えば、脈波解析装置の例である脈波解析装置1は、カメラ等の撮像装置1H1を有する。そして、脈波解析装置1は、撮像装置1H1によって、生体情報を取得する対象となる生体100を撮像する。次に、撮像装置1H1が撮像した画像に基づいて、脈波解析装置1は、生体100の脈波等を示す脈波信号を取得する。
<ハードウェアの構成例>
図2は、ハードウェアの構成例を示す図である。
CPU10は、脈波解析装置1の制御や脈波の品質を評価するための演算等を実行する中央処理装置である。
記憶装置11は、脈波解析装置1で実行されるプログラムや処理で生成されるデータを記憶する記憶装置である。例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read-Only Memory)、ハードディスクドライブ(HDD)、ソリッドステートドライブ(SSD)又はこれらの組み合わせである。
I/F12は、外部装置と接続するためのインタフェースである。例えば、USB(Universal Serial Bus)、HDMI(登録商標)等のハードウェアインターフェースや、有線LAN、無線LAN等のネットワークインターフェースである。
入力装置13は、外部からの情報を入力する装置である。例えば、マウス、キーボード、マイク、タッチパネルである。入力装置13は、I/F12を介して接続された構成であっても良い。
出力装置14は、外部に情報を出力する装置である。例えばディスプレイ、スピーカーである。出力装置14は、I/F12を介して接続された構成であっても良い。
CPU10、記憶装置11、I/F12、入力装置13、出力装置14は、システムバス15を介して互いに接続されている。
また、脈波解析装置1は、I/F12を介して脈波計測装置2と接続されている。脈波計測装置2は、生体の脈波信号を計測する装置であり、既存の計測装置を利用することができる。例えば光学式の接触脈波センサや、カメラを用いた非接触の脈波計測装置を利用すれば良い。
<機能構成例>
図3は、機能構成例を示す図である。例えば、脈波解析装置1は、脈波信号取得部1F1、周波数分析部1F2、検出部1F3、計算部1F4、及び、評価部1F5を備える機能構成である。また、脈波解析装置1は、調整部1F6、及び、指標計算部1F7を更に備える機能構成が望ましい。以下、図示する機能構成を例に説明する。
例えば、脈波信号取得部1F1等は、撮像装置1H1又はI/F12等の計測装置、インタフェース又はこれらの組み合わせ等で実現する。その他の構成は、CPU10、及び、記憶装置11等の演算装置、制御装置、及び、記憶装置を協働して動作させて処理を行うことで実現する。
<全体処理例>
図4は、全体処理例を示す図である。
<脈波信号を取得する手順の例>(ステップS1)
脈波信号取得部1F1は、脈波信号を取得する。例えば、脈波信号の例である脈波を示す信号(以下「脈波信号」という。)は、以下のように取得される。
図5は、脈波信号を取得する手順の例を示す図である。
<動画データの取得例>(ステップS20)
脈波信号取得部1F1は、動画データを取得する。例えば、脈波信号取得部1F1は、30fps(フレーム毎秒)程度で撮像を行い、動画データを取得する。
<顔における特徴点座標を算出する手順の例>(ステップS21)
脈波信号取得部1F1は、顔における特徴点座標を算出する。具体的には、まず、脈波信号取得部1F1は、撮像された画像から、目、口及び鼻等の特徴点の座標を検出する。なお、各部位の検出は、例えば、公知の顔認証技術等によって実現できる。
<脈波信号の抽出に用いる画素の領域を設定する手順の例>(ステップS22)
脈波信号取得部1F1は、脈波信号の抽出に用いる画素の領域を設定する。すなわち、脈波信号取得部1F1は、動画データから脈波信号が抽出できるように、設定を行う。具体的には、脈波信号取得部1F1は、ステップS21による算出結果に基づいて、生体の鼻及び頬を含む領域を設定する。
また、この場合において、設定される領域は、目及び口が領域内に入らない程度に設定される。なお、領域の設定は、顔認証等に基づいて行われるに限られない。例えば、ユーザによる操作によって、領域の始点位置、幅及び高さ等が入力され、設定が行われてもよい。また、領域は、複数に分割されて設定されてもよい。例えば、領域は、鼻を含む領域と、左頬を含む領域と、右頬を含む領域とに分割されて設定されてもよい。
<領域内の画素値を平均化する手順の例>(ステップS23)
脈波信号取得部1F1は、領域内の画素値を平均化する。具体的には、脈波信号取得部1F1は、ステップS22で設定される領域から生成される画像が有するR、G及びB等の画素値を平均化して、それぞれの平均値を計算する。
生体の脈拍に起因する画素値の変化は、微小な変化である。そのため、1画素単位では、ノイズの影響が大きい。そこで、複数の画素が示すそれぞれの画素値を平均化すると、脈波信号に対するノイズの影響が低減できる。
<脈波信号を生成する手順の例>(ステップS24)
脈波信号取得部1F1は、脈波信号を生成する。例えば、脈波信号取得部1F1は、ステップS23で計算される平均値に基づいて、下記(1)式を計算して、脈波信号の値(下記(1)式におけるp0(n)である。)を生成する。

p0(n)=a×r(n)+a×g(n)+a×b(n) (1)

上記(1)式では、「n」は、フレーム番号を示す値である。また、「r(n)」は、「n」フレーム目の画像が示すRの画素値である。同様に、「g(n)」は、「n」フレーム目の画像が示すGの画素値である。さらに、「b(n)」は、「n」フレーム目の画像が示すBの画素値である。
また、上記(1)式では、「a」は、Rに対する重みとなる係数である。同様に、「a」は、Gに対する重みとなる係数である。さらに、「a」は、Bに対する重みとなる係数である。
例えば、「a」、「a」及び「a」は、あらかじめ「a=0」、「a=1」、「a=0」と設定されると、脈波信号取得部1F1は、Gの成分だけを抽出した脈波信号を生成できる。生体の脈拍に起因する画素値の変化は、Gの成分から観察できる。したがって、上記のような設定とすると、脈波信号取得部1F1は、生体の脈拍に起因する画素値の変化を観察しやすい脈波信号を生成できる。
ほかにも、「a」、「a」及び「a」は、あらかじめ「a=-k」、「a=1」、「a=0」等と設定されてもよい。このような設定であると、脈波信号は、Gの成分から、「k」で補正されたRの成分を引いた値で生成される。
このようにすると、脈波信号取得部1F1は、Gの成分に含まれる体動等を起因とするノイズを低減させることができる。なお、ノイズは、例えば、周辺の光量の変化又は光源のちらつき等の周辺環境の変化が起因する場合もある。
したがって、設定係数「k」は、ノイズとなる成分が少なくなるように設定される。なお、「k」は、正の値である。また、「k」は、例えば、フレームごとに設定されてもよい。
また、領域が複数設定される場合がある。このような場合には、脈波解析装置1は、まず、領域ごとに、それぞれの脈波信号を生成する。そして、脈波解析装置1は、複数の脈波信号を合成して1つの脈波信号としてもよい。具体的には、脈波解析装置1は、加算平均等によって、複数の脈波信号を合成する。すなわち、脈波解析装置1は、領域ごとの脈波信号を平均して、合成してもよい。他にも、脈波解析装置1は、領域ごとの脈波信号に重み付けをして合成してもよい。
以上のような処理を行うと、脈波信号として、例えば、以下のような脈波信号を取得できる。
<脈波信号の例>
図6は、脈波信号の例を示す図である。例えば、脈波信号は、図示するような脈波信号である。なお、図では、横軸は、計測した時間を示す。一方で、縦軸は、脈波信号の信号強度を示す。
脈波は、脈拍による血管の容積変化を波形として捉えた信号であるそして、脈波信号は、LED(Light Emitting Diode)等の照明装置を皮膚表面に向けて、緑色、赤色、赤外光、又は、これらを組み合わせた光等を当て、反射光又は透過光をフォトトランジスタで計測する光電脈波法等でも取得できる。
ほかにも、脈波信号は、動脈直上の皮膚に、加速度センサ又は圧力センサ等のセンサを貼り付けて脈波を計測する接触法等でも取得できる。又は、脈波信号は、顔等といった生体の一部を撮影した動画における皮膚の色変化から血管を流れる血流の変化を読み取り、心拍を抽出する非接触方法でも取得できる。また、脈波は、心電図と同様に、心臓の拍動に応じて周期的な波形が計測される。
以下、図示するような脈波信号を例に説明する。
<脈波信号の品質を評価する手順の例>(ステップS2)
評価部1F5は、脈波信号の品質を評価する。具体的には、脈波信号は、以下のようにして評価される。
図7は、脈波信号を評価する手順の例を示す図である。
<周波数分析を行う手順の例>(ステップS31)
周波数分析部1F2は、脈波信号の周波数分析を行う。例えば、周波数分析部1F2は、脈波信号に対してFFT(Fast Fourier Transform、高速フーリエ変換)又はMEM(Maximam Entropy Method、最大エントロピー法)等を行う。このような周波数の分析によって、周波数分析部1F2は、脈波信号の周波数スペクトルを取得する。
例えば、FFTで周波数を分析する場合には、以下のような処理が行われる。
第1に、周波数分析部1F2は、脈波信号のデータ点数が2の累乗となるようにデータ点数を調整する。具体的には、ゼロパディング(zero padding)等によって、データ点数が調整される。
第2に、周波数分析部1F2は、FFTによって、パワースペクトル密度関数を算出する。パワースペクトル密度関数は、例えば、以下のような周波数スペクトルを示す関数である。
図8は、周波数スペクトルの例を示す図である。図では、横軸が周波数、かつ、縦軸が単位周波数あたりのパワー値に相当する周波数スペクトルの強度を示す。
以下、図示するような周波数分析結果を例に説明する。
なお、パワースペクトル密度関数を算出する上で、窓関数が用いられてもよい。また、パワースペクトル密度関数の代わりに、振幅スペクトル(縦軸が振幅値)やパワースペクトル(縦軸がパワー値)を用いても構わない。
脈波信号は、ノイズ成分、脈波の基本周波数成分、脈波の位相揺らぎ成分、及び、脈波の高調波成分等を含む信号である。
基本周波数成分は、図における周波数が「fp」である周波数帯域に現れる周波数成分である。このように、基本周波数成分は、周波数分析結果において、周波数スペクトルの強度が最も強くなるように現れる。
以下、周波数分析結果に基づいて、基本周波数の周波数を「第1周波数FR1」という。基本周波数は、ノイズがない場合には、最も周波数スペクトルの強度が最も強い周波数である。ただし、ノイズの乗り方によっては、ノイズの方が基本周波数より強くなる場合もある。
高調波成分は、基本周波数成分の周波数「fp」を整数倍した周波数帯域に現れる。具体的には、高調波成分は、「fp×2」、「fp×3」、・・・といった周波数帯域に現れる。また、高調波成分は、基本周波数成分より弱い周波数スペクトルの強度で現れる。
位相揺らぎ成分は、基本周波数成分の周波数「fp」とは所定値(以下所定値を「df」とする。)分だけ離れた周波数帯域に現れる周波数成分である。したがって、位相揺らぎ成分は、図に示すように、「fp+df」及び「fp-df」の周波数帯域に現れる周波数成分である。
以下、第1周波数より所定値分周波数が低い周波数(すなわち、「fp-df」の周波数帯域に現れる周波数である。)成分の周波数を「第2周波数FR2」という。
また、第1周波数より所定値分周波数が高い周波数(すなわち、「fp+df」の周波数帯域に現れる周波数である。)成分の周波数を「第3周波数FR3」という。
また、「df」は、所定区間を特定できる値である。例えば、第2周波数及び第3周波数の信号強度は、中心となる周波数の付近に出現する周波数成分を平均又は積分して計算される。そこで、以下の説明では、所定値「df」で中心となる周波数を示す。
位相揺らぎ成分のピーク周波数は、位相揺らぎ成分のピークが基本周波数「fp」に対して、対称の位置に現れる。これを利用して、片方のピーク周波数から、もう片方のピーク周波数を求めても良い。例えば、上記手法により「fp-0.40」乃至「fp-0.15」Hzの周波数帯に現れるピーク周波数を検出して「df」を求め、「fp+0.15」乃至「fp+0.40」Hzの周波数帯に現れるピーク周波数は、既に得られている「fp」と「df」から、「fp+df」として求めても良い。
さらに、脈波信号には、ノイズ成分NZが含まれる。図示する例は、白色ノイズのようなすべての周波数帯域で同程度の強度で現れる周波数成分のノイズを含む例を示す。このようなノイズ成分NZが含まれると、ノイズ成分NZによってオフセットされたスペクトルとなる。また、周期性のあるノイズが含まれる場合には、ノイズの周期に対応する周波数帯域にノイズ成分によるピークが現れる。
<第1周波数を検出する手順の例>(ステップS32)
検出部1F3は、第1周波数FR1を検出する。第1周波数FR1、すなわち、基本周波数は、脈拍数に対応する周波数に現れる。
そこで、検出部1F3は、0.8Hz乃至1.7Hz程度の周波数帯域において、周波数スペクトルの強度が最も高くなる周波数を検出する。このようにすると、検出部1F3は、第1周波数FR1を検出できる。
なお、第1周波数FR1を検出するため、検出範囲となる周波数帯域は、0.8Hz乃至1.7Hzに限られない。例えば、人が安静でない状態、例えば、運動中、又は、運動の後では、脈拍数の周波数は、安静な状態より高くなる。したがって、対象とする生体1の状態に合わせて検出範囲となる周波数帯域が設定されてもよい。
<第2周波数及び第3周波数を検出する手順の例>(ステップS33)
計算部1F4は、第2周波数FR2及び第3周波数FR3を検出する。人の脈波に現れる位相揺らぎ成分には、呼吸周期に対応する高周波の位相揺らぎ成分が含まれ、その周波数は一般に0.15乃至0.40Hzである。よって、位相揺らぎ成分のピーク周波数は、基本周波数の「fp」から0.15乃至0.40Hzだけ離れた周波数帯(「fp-0.40」Hz乃至「fp-0.15」Hz、「fp+0.15」Hz乃至「fp+0.40」Hz)において、強度が最大となる周波数を検出することで求めることができる。
そこで、計算部1F4は、所定値「df」を基本周波数成分の周波数「fp」と第2周波数FR2の差分を計算して求める。そして、計算部1F4は、第1周波数FR1より、0.15Hz乃至0.40Hz分低い周波数帯域(すなわち、所定区間が「fp-df」付近の周波数帯域である。)において、最も周波数スペクトルの強度が最も高くなる周波数を検出する。このようにすると、計算部1F4は、第2周波数FR2を検出できる。
さらに、計算部1F4は、第1周波数FR1より、0.15Hz乃至0.40Hz分高い周波数帯域(すなわち、所定区間が「fp+df」付近の周波数帯域である。)において、最も周波数スペクトルの強度が最も高くなる周波数を検出する。このようにすると、計算部1F4は、第3周波数FR3を検出できる。
なお、第2周波数FR2及び第3周波数FR3は、第1周波数FR1を基準に対称(図9においては、第1周波数FR1の周波数を軸として左右対称である。)に現れやすい。そこで、計算部1F4は、第2周波数FR2及び第3周波数FR3のうち、一方を検出した後、第1周波数FR1を基準に対称となる周波数帯域で他方の周波数を検出してもよい。
<ノイズ強度を計算する手順の例>(ステップS34)
計算部1F4は、ノイズ強度を計算する。
図9は、ノイズ強度の計算例を示す図である。例えば、図示するような脈波信号が取得できた場合を例に説明する。
ノイズ強度は、脈波信号に含まれる周波数成分のうち、基本周波数の周波数成分、高調波の周波数成分、及び、位相揺らぎ成分の周波数成分とは異なる周波数帯域の周波数成分の強度である。
具体的には、ノイズ強度は、「0」乃至「fp-0.40」Hzまでの周波数帯域における周波数の平均値又は積分値等に基づいて計算される。同様に、「fp+0.40」Hzより高周波側において、高調波の周波数成分が弱い周波数帯域(例えば、10Hz以上の周波数帯域等である。)で、ノイズ強度は、周波数の平均値又は積分値等に基づいて計算される。なお、ノイズ強度は、ある周波数帯域における周波数の強度で計算されてもよい。
図示する例は、生体100の体動によるノイズが含まれる場合の例である。このようなノイズが含まれる場合には、例えば、低周波数帯域(図では、局所帯域NZFである。)等が大きく変化する。図示するように、体動のノイズによって局所帯域NZFの周波数の強度が高くなる。そして、相対的に、局所帯域NZFより周波数が高い周波数帯域では、強度が低くなる。このような場合には、周波数によって、ノイズ強度が異なる。
そこで、「0」乃至「fp-0.40」Hzの周波数帯域における周波数スペクトルの強度に基づいて、位相揺らぎ成分が現れる「fp+df」又は「fp-df」の周波数帯域に含まれるノイズ強度が計算されるのが望ましい。
また、局所帯域NZFにおけるノイズ成分は、所定の関数をフィッティングさせて推定されるのが望ましい。具体的には、この例では、ノイズは、所定の関数(以下「ノイズ関数FN1」という。)で示す。
例えば、ノイズ関数FN1は、図示するように「1/f」の関数をフィッティングさせて推定される。なお、ノイズ関数FN1における「f」は、ノイズの周波数を示す値である。このようなノイズ関数FN1が推定されると、ノイズを精度良く把握できる。
<信号強度を計算する手順の例>(ステップS35)
計算部1F4は、信号強度を計算する。例えば、信号強度は、ステップS33で検出される第2周波数又は第3周波数の強度、すなわち、位相揺らぎ成分のピークに基づいて計算される。例えば、図9における「fp+df」又は「fp-df」の周波数帯域に現れる周波数のピークが信号強度として計算される。なお、信号強度は、「fp-0.40」Hz乃至「fp-0.15」Hzにおける周波数の強度の平均値又は積分値でもよい。同様に、信号強度は、「fp+0.15」Hz乃至「fp+0.40」Hzにおける周波数の強度の平均値又は積分値でもよい。
このようにして計算される信号強度が、以降の処理でS/N比の計算等の基準となる。
また、第1周波数、第2周波数、及び、第3周波数の強度は、ノイズ強度を減算して計算されるのが望ましい。それぞれの周波数の強度には、ノイズ成分NZ及び局所帯域NZFのノイズが含まれる。したがって、それぞれの周波数の強度は、ノイズ強度が差し引かれた値である。ゆえに、ノイズ強度を減算して、それぞれの周波数の強度が計算されると、精度よく信号強度が計算できる。
<S/N比を計算する手順の例>(ステップS36)
評価部1F5は、S/N比(Signal-Noise Ratio、以下「SNR」という。)を計算する。例えば、SNRは、下記の(2)式で計算される。

SNR=信号強度/ノイズ強度 (2)

上記(2)式のように、SNRを計算する上で、信号強度が第2周波数、及び、第3周波数の信号強度であるのが望ましい。
第2周波数、及び、第3周波数は、図8及び図9に示すように、第1周波数と比較して信号強度が弱い場合が多い。すなわち、図では、第1周波数FR1が、第2周波数FR2、及び、第3周波数FR3と比較すると、縦軸に示す値が大きい。従来の脈波品質評価技術では、脈波信号の品質が高いと判定された場合でも、脈拍変動指標の算出精度が悪くなることがあり、脈拍変動指標の信頼性を担保することができないという問題がある。理由は、従来の脈波品質評価技術は、SNRの信号強度を表す指標として、脈拍変動指標に寄与する脈波の位相揺らぎ成分の強度ではなく、脈波の基本周波数成分の強度を評価しているためである。
脈波の基本周波数成分とは、図8に示す第1周波数FR1のように、脈波の周波数スペクトルにおいて、強度が最大となる周波数成分である。
また、脈波の位相揺らぎ成分とは、図8に示す脈波の周波数スペクトルにおいて、基本周波数から位相揺らぎの周波数だけ離れた位置に現れる周波数成分である。そして、脈波の位相揺らぎ成分は以下の特徴を持つ。

・生体の脈波に現れる位相揺らぎ成分には、呼吸周期に対応する高周波の位相揺らぎ成分が含まれる。
・高周波の位相揺らぎ成分の周波数は、0.15乃至0.40Hzであり、脈波の基本周波数「fp」から「df=0.15乃至0.40」Hzだけ離れた周波数にピークが現れる。
・高周波の位相揺らぎ成分のピーク強度は、生体の副交感神経の活性度に依存することが知られている。そして、副交感神経の活性度が高い場合には、ピーク強度が高く、活性度が低い場合には、ピーク強度が低くなる。また、副交感神経の活性度が高い場合であっても、位相揺らぎ成分のピーク強度は、脈波の基本周波数のピーク強度と比較して一般的に低くなる。

脈波の基本周波数成分と位相揺らぎ成分のうち、脈拍変動指標に寄与するのは位相揺らぎ成分である。
脈拍変動指標とは、位相揺らぎに起因する脈拍間隔の変動を周波数分析して算出される指標だからである(例えば、副交感神経の活性度を示す脈拍変動指標の例であるHF値は、脈拍間隔のパワースペクトルのうち、0.15乃至0.40Hzの周波数帯の積分値で求められる)。
位相揺らぎ成分のピーク強度がノイズ成分の強度に対して十分に高ければ、ノイズによる影響が小さいため、脈拍変動指標の算出精度が高くなる傾向がある。逆に、位相揺らぎ成分のピーク強度がノイズ成分の強度に対して低ければ、ノイズによる影響が大きいため、脈拍変動指標の算出精度が悪くなる傾向がある。
よって、脈拍変動指標の信頼性を担保するためには、脈波信号のSNRを算出する際の信号成分として、脈波の基本周波数成分の強度ではなく、脈波の位相揺らぎ成分の強度を評価することが望ましい。
従来の脈波品質評価技術では、脈波の基本周波数成分の強度をSNRの信号成分とするため、生体の副交感神経の活性度が低く、位相揺らぎ成分のピーク強度が低い場合でも、SNRが高いと判定される場合がある。そのため、脈拍変動指標の信頼性を担保することが困難という問題がある。一方で、脈波の品質を評価する際、SNRの信号成分として、脈拍変動指標に寄与する位相揺らぎ成分の強度を評価する構成とすると、信号の品質を精度良く評価できる。
<品質が基準値以上に良いか否かを判断する手順の例>(ステップS3)
評価部1F5は、品質が基準値以上に良いか否かを判断する。
図10は、評価例を示す図である。例えば、品質が基準値以上に良いか否かは、図示するように定まる基準値TH2によって判断される。
まず、図における縦軸で示す「指標の算出誤差」と図における横軸で示す「S/N比」(SNR)の関係を示す関係式(以下単に「関係式FN2」という。)が入力される。
具体的には、SNRと指標の算出誤差の関係が図にプロットされる。このようにしてプロットされる点を近似することで、関係式FN2が計算される。このような関係式FN2が入力された後、図示するように、「指標の算出誤差」が許容できる許容値TH1を設定する。
図示するように、許容値TH1及び関係式FN2が定まると、基準値TH2が定まる。このようにして、定まる基準値TH2以上のSNRであれば、評価部1F5は、品質が基準値以上に良いと判断する(ステップS3でYES)。
次に、品質が基準値以上に良いと判断すると(ステップS3でYES)、評価部1F5は、ステップS4に進む。一方で、品質が基準値以上に良くないと判断すると(ステップS3でNO)、評価部1F5は、ステップS5に進む。
<指標を計算する手順の例>(ステップS4)
指標計算部1F7は、指標を計算する。例えば、指標計算部1F7は、心拍間隔等の指標を計算する。
心拍間隔(「脈波間隔」という場合もある。)は、心拍の時間における間隔であって、例えば、脈波信号における一定期間ごとに発生する信号のピークとピークの間隔等である。例えば、心拍間隔は、心電図における最も鋭いピークを含むR波と次のR波の間隔であるRRI(R-R Interval)等の指標で示す。
以下、脈波信号において、信号の開始から順に「m」番目に検出されたピークが、ピーク時間「T」に発生したとする。そして、脈拍間隔を脈拍間隔「I(T)」とする。すなわち、脈拍間隔「I(T)」は、「m」番目のピークと、1つ前(「m-1」番目となる。)のピークの時間における間隔を示す。したがって、脈拍間隔「I(T)」は、下記(3)式のように示せる。

I(T)=T-Tm-1 (3)

上記(3)式におけるピーク時間「T」は、例えば、脈波信号の極大値又は脈波信号を2回微分して算出した加速度脈波の極大値となる時間である。なお、脈拍間隔「I(T)」は、脈拍信号の極小値となる時間の間隔で計算されてもよい。また、脈拍間隔は、脈波信号を補正した信号に基づいて計算されてもよい。
脈拍間隔は、自律神経系である心臓の交感神経・副交感神経が行う神経活動のバランスを反映して揺らぐ値である。このような揺らぎが「心拍変動(Heart Rate Variability、HRV)」となる。すなわち、心拍変動は、脈拍間隔「I(T)」の時系列変化である。例えば、このような指標を計算すると、身体的・精神的なストレスを示す指標が生成できる。
また、脈拍間隔には、以下のように、LFとHFの2つの成分が含まれる。
図11は、脈拍間隔に含まれるLF及びHFの例を示す図である。以下、図11(A)に示すような脈拍間隔がステップS2で取得された場合を例に説明する。
図11(A)に示すような脈拍間隔には、図11(B)に示すような低周波成分と図11(C)に示すような高周波成分が含まれる。
図11(B)は、脈拍間隔に含まれる低周波の揺らぎ成分の例を示す。LFは、血圧変動に由来する。また、LFは、心拍間隔のパワースペクトルの低周波帯の積分値である。そして、LFは、交感神経系と副交感神経系の両方の活動を反映する。
図11(C)は、脈拍間隔に含まれる高周波の揺らぎ成分の例を示す。HFは、生体100による呼吸に由来する。また、HFは、心拍間隔のパワースペクトルの高周波帯の積分値である。そして、HFは、副交感神経系の活動が低下すると、小さくなる。
また、LFとHFの比を計算した指標が、生体の疲労度又はストレス等を評価する指標となる。したがって、LF及びHFが抽出できると、生体の疲労度又はストレス等を評価する指標が生成できる。
例えば、自律神経機能を評価する指標には、LF及びHF等が用いられる。心拍変動の時系列データは、緊張時に活発に働く交感神経、及び、リラックス時に活発に働く副交感神経の2つの自律神経系の制御を受けて2つの略周期的な変動を生じる。
交感神経は低周波(0.04乃至0.15Hz)な略周期的な変動を生じさせ、副交感神経の働きは、低周波帯と高周波(0.15乃至0.4Hz)帯の両方に影響する。そのため、LFは、脈拍間隔データのパワースペクトルの低周波成分(0.04乃至0.15Hz)の周波数帯の積分値等で計算される。また、HFは、脈拍間隔データのパワースペクトルの高周波成分(0.15乃至0.40Hz)の周波数帯の積分値で計算される。そして、LF及びHFの比を取った指標であるLF/HFは、生体100の疲労度及びストレスを評価する指標となる。
LF及びHFは、例えば、以下のように抽出される。
第1に、脈拍間隔は、リサンプリングされる。上記の通り、脈拍間隔は、等間隔でない場合が多い。そこで、脈拍間隔を周波数分析するため、脈拍間隔に対してリサンプリングを行い、間隔を等間隔にするのが望ましい。例えば、脈拍間隔は、0.25秒にリサンプリングされる。
リサンプリングは、例えば、信号値を補間する。なお、補間は、例えば、線形補間又はスプライン補間等である。
第2に、リサンプリングされた脈拍間隔の時系列データ、すなわち、等間隔となった脈拍間隔の時系列データに基づいて、パワースペクトルが計算される。パワースペクトルは、周波数分析によって計算される。具体的には、最大エントロピー法によって、指定の周波数におけるパワースペクトルが計算される。
第3に、パワースペクトルに基づいて、LF及びHFが計算される。具体的には、LFは、「0.04Hz」乃至「0.15Hz」のパワースペクトルを積分して計算される。また、HFは、「0.15Hz」乃至「0.4Hz」のパワースペクトルを積分して計算される。なお、「LF/HF」は、計算されるLFとHFの比を計算すると定まる。
以上のように、HFを用いる「LF/HF」等の指標を計算する上では、HFが精度よく計算されるのが望ましい。そのためには、信号の品質が良い脈波信号が指標の計算に用いられるのが望ましい。また、信号の品質を評価して、品質が悪い脈波信号が加工されて、指標が計算されてもよい。
このようにして、評価結果に基づいて、品質が良い脈波信号を選別して、品質が良い脈波信号が取得できた場合に指標を計算する。このようにすると、精度が良く指標が計算される。
<調整を行う手順の例>(ステップS5)
調整部1F6は、評価結果に基づいて調整を行う。例えば、調整部1F6は、撮像装置、照明装置又はこれらの両方を調整して、脈波信号の品質が向上するように調整する。
まず、調整部1F6は、指標を計算するか否かの制御を行う。ステップS5となる場合は、脈波信号の品質が基準値未満と判定された場合であるため、指標を計算する処理を実行せず、解析を終了する。これにより、信頼性の低い脈拍変動指標の算出結果が出力されるのを防ぐことができる。
調整部1F6は、ユーザに再測定の必要性を知らせる情報を出力するか否かを制御してもよい。ステップS5となる場合は、脈波信号の品質が基準値未満と判定された場合であるため、指標を計算する処理を実行せず、ユーザに再測定の必要性を知らせる情報を出力する。これにより、信頼性の低い脈拍変動指標の算出結果が出力されるのを防ぐとともに、照明光量等の測定条件等を改善して再測定することで脈波信号のSNRが改善され、信頼性の高い脈拍変動指標を算出することが可能になる。
調整部1F6は、指標を計算する前に脈波信号を改善するための処理を実行するか否かを制御してもよい。ステップS5となる場合は、脈波信号の品質が基準値未満と判定された場合であるため、指標を計算する前に、脈波信号のSNRを改善するための処理を実行し、その後、ステップS4の指標の計算する処理に進む。
脈波信号のSNRを改善するための処理は、既知の手法を用いれば良い。例えば、脈波信号の周波数スペクトルからノイズ成分の周波数スペクトルを推定し、脈波信号の周波数スペクトルから減算することでノイズ成分を低減するスペクトルサブトラクション法等を用いることで、脈波信号のSNRを改善することができる。これにより、信頼性の高い脈拍変動指標を算出することが可能になる。
なお、ステップS3で脈波信号の品質が基準値以上と判定された場合でも、上述した脈波信号のSNRを改善するための処理を実行しても良い。この場合でも、脈波信号のSNRが改善されることで、より信頼性の高い脈拍変動指標を算出することが可能になる。
脈波信号を生成するのに用いられる画像が暗い条件下で撮像されている場合には、脈波信号の品質が悪い場合が多い。そこで、調整部1F6は、照明装置又は撮像装置が有する光学系(絞り又は露光条件等である。)等の設定を変更して、明るい画像が撮像できるように変更する。
また、調整部1F6は、生体との距離を調整してもよい。脈波信号の品質は、撮像装置と生体の距離も影響する。したがって、調整部1F6は、生体との距離を調整して脈波信号の品質を向上させてもよい。例えば、調整部1F6は、アクチュエータで撮像装置を移動させてもよいし、生体に近づくようにメッセージを出力してもよい。
なお、照明装置及び撮像装置は、脈波解析装置1が直接設定して調整されなくともよい。例えば、調整部1F6は、照明装置及び撮像装置の設定を変更するようなメッセージを出力して、ユーザ等に変更させる操作を行わせて調整してもよい。
また、調整部1F6は、ノイズの要因が減るように調整してもよい。例えば、調整部1F6は、フィルタの設定を行う、又は、生体100に体動等の動作を減らすように、「計測中はなるべく動かないで下さい。」等の指示をするメッセージを出力してもよい。
このように脈波信号の品質を向上させる条件にして、再度脈波信号の取得から全体処理を行う。このような調整が行われると、品質が高い脈波信号で指標の計算等を行うことができる。
以上のように、脈波信号の品質を評価することで、品質の悪い脈波信号を把握することができる。特に、品質が基準値以上の脈波信号を用いると、HF等の指標の算出精度を良くできる。
HFは、他の周波数成分と比較して、信号強度が弱い成分である場合が多い。したがって、HFは、ノイズ等に埋もれやすい。例えば、図9に示すような体動等のノイズが入ると、HFの信号強度は相対的に弱くなりやすい。そこで、HFが抽出されやすい高い品質の脈波信号を評価して分別すると、HFを精度良く算出できる。
なお、脈波解析装置は、上記の例のように、非接触で脈波信号を取得するのが望ましい。脈波信号は、非接触で取得する方が生体に接触して取得する場合よりもノイズが入りやすい。したがって、上記のような構成が適用されると、非接触で脈波信号が取得されても、品質が高い脈波信号で指標の計算等を行うことができる。
<その他の実施形態>
なお、上記に示す処理とは別に、脈波解析装置は、信号に含まれるノイズを低減させるフィルタリング処理、又は、信号を増幅させる処理等を行ってもよい。また、これらの処理を行う上で、脈波解析装置は、信号を周波数分析するFFT(高速フーリエ変換)又はSNRの計算等を行ってもよい。
また、本発明に係る実施形態は、本発明の一実施形態に係る処理が、プログラムに基づいて情報処理装置又は情報処理システムによって実行されることで実現されてもよい。すなわち、本発明に係る実施形態は、脈波解析方法をコンピュータに実行させるためのプログラム等によって実現されてもよい。なお、プログラムは、コンピュータが読み取り可能な記録媒体等に記憶されてコンピュータにインストールされる。
さらに、本発明に係る実施形態は、1以上の情報処理装置を有する脈波解析システムによって実現されてもよい。そして、脈波解析システムは、処理を冗長、分散又は並列して行ってもよい。
以上、本発明の好ましい実施例について詳述したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されない。すなわち、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形又は変更が可能である。
100 生体
1 脈波解析装置
1F1 脈波信号取得部
1F2 周波数分析部
1F3 検出部
1F4 計算部
1F5 評価部
1F6 調整部
1F7 指標計算部
FR1 第1周波数
FR2 第2周波数
FR3 第3周波数
NZ ノイズ成分
TH1 許容値
TH2 基準値
特表2019-511941号公報

Claims (13)

  1. 脈波信号を取得する脈波信号取得部と、
    前記脈波信号の周波数を分析する周波数分析部と、
    前記周波数のうち、周波数スペクトルから脈波信号の基本周波数を検出する検出部と、
    少なくとも、前記基本周波数より所定値分周波数が低い第2周波数、又は、前記基本周波数より所定値分周波数が高い第3周波数のうち、いずれか一方を基準にした信号強度を計算する計算部と、
    前記脈波信号に含まれるノイズのノイズ強度を算出して、前記信号強度及び前記ノイズ強度に基づいて前記脈波信号を評価する評価部と
    を備える脈波解析装置。
  2. 前記計算部は、前記第2周波数、及び、前記第3周波数を基準にして前記信号強度を計算する
    請求項1に記載の脈波解析装置。
  3. 前記信号強度は、少なくとも、前記第2周波数、又は、前記第3周波数のピークの強度のいずれか一方に基づいて計算される
    請求項1又は2に記載の脈波解析装置。
  4. 前記信号強度は、前記第2周波数、又は、前記第3周波数を中心に所定区間に含まれる信号強度の平均値又は積分値に基づいて計算される
    請求項1乃至3のいずれか1項に記載の脈波解析装置。
  5. 少なくとも、前記第2周波数、又は、前記第3周波数の信号強度のいずれか一方を、前記ノイズ強度を減算して計算する
    請求項1乃至4のいずれか1項に記載の脈波解析装置。
  6. 前記脈波信号に含まれるノイズを、所定の関数をフィッティングさせて推定する
    請求項1乃至5のいずれか1項に記載の脈波解析装置。
  7. 前記ノイズ強度は、前記基本周波数、又は、前記第2周波数における周波数スペクトルの強度に基づいて算出される
    請求項1乃至6のいずれか1項に記載の脈波解析装置。
  8. 前記ノイズ強度は、前記基本周波数-0.4Hz以下の周波数帯、又は、前記基本周波数+0.4Hz以上の周波数帯の前記周波数スペクトルの強度に基づいて算出される
    請求項1乃至7のいずれか1項に記載の脈波解析装置。
  9. 前記基本周波数-0.4Hz以下の周波数帯の前記周波数スペクトルの強度に基づいて、前記基本周波数、又は、前記第2周波数に含まれるノイズ成分の強度を予測し、
    前記ノイズ強度は、予測される前記ノイズ成分の強度の値である
    請求項8に記載の脈波解析装置。
  10. 前記評価部による評価結果に基づいて、指標を計算するか否かの制御、ユーザに再測定の必要性を知らせる情報を出力するか否かを制御、指標を計算する前に前記脈波信号を改善するための処理を実行するか否かを制御、照明を調整、生体との距離を調整、前記生体の動作を指示する、又は、これらの組み合わせを行う調整部をさらに備える
    請求項1乃至9のいずれか1項に記載の脈波解析装置。
  11. 前記評価部による評価結果に基づいて、前記脈波信号を選別して指標を計算する指標計算部をさらに備える
    請求項1乃至10のいずれか1項に記載の脈波解析装置。
  12. 脈波解析装置が行う脈波解析方法であって、
    脈波解析装置が、脈波信号を取得する脈波信号取得手順と、
    脈波解析装置が、前記脈波信号の周波数を分析する周波数分析手順と、
    脈波解析装置が、前記周波数のうち、周波数スペクトルから脈波信号の基本周波数を検出する検出手順と、
    脈波解析装置が、少なくとも、前記基本周波数より所定値分周波数が低い第2周波数、又は、前記基本周波数より所定値分周波数が高い第3周波数のうち、いずれか一方を基準にした信号強度を計算する計算手順と、
    脈波解析装置が、前記脈波信号に含まれるノイズのノイズ強度を算出して、前記信号強度及び前記ノイズ強度に基づいて前記脈波信号を評価する評価手順と
    を含む脈波解析方法。
  13. 請求項12に記載の脈波解析方法をコンピュータに実行させるプログラム。
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