以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値等は、発明の理解を容易とするための例示にすぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
本発明の実施形態の理解を容易にするため、まず、遊技機の機械的構成および電気的構成を簡単に説明し、その後、各基板における具体的な処理を説明する。
図1は、本実施形態の遊技機100の斜視図であり、扉が開放された状態を示している。図示のように、遊技機100は、略矩形状に組まれた四辺によって囲繞空間が形成される外枠102と、この外枠102にヒンジ機構によって開閉自在に取り付けられた中枠104と、この中枠104に、ヒンジ機構によって開閉自在に取り付けられた前枠106と、を備えている。
中枠104は、外枠102と同様に、略矩形状に組まれた四辺によって囲繞空間が形成されており、この囲繞空間に遊技盤108が保持されている。また、前枠106には、ガラス製または樹脂製の透過板110が保持されている。そして、これら中枠104および前枠106を外枠102に対して閉じると、遊技盤108と透過板110とが所定の間隔を維持して略平行に対面するとともに、遊技機100の正面側から、透過板110を介して遊技盤108が視認可能となる。
図2は、遊技機100の正面図である。この図に示すように、前枠106の下部には、遊技機100の正面側に突出する操作ハンドル112が設けられている。この操作ハンドル112は、遊技者が回転操作可能に設けられており、遊技者が操作ハンドル112を回転させて発射操作を行うと、当該操作ハンドル112の回転角度に応じた強度で、不図示の発射機構によって遊技球が発射される。このようにして発射された遊技球は、遊技盤108に設けられたレール114a、114b間を上昇して遊技領域116に導かれることとなる。
遊技領域116は、遊技盤108と透過板110との間隔に形成される空間であって、遊技球が流下または転動可能な領域である。遊技盤108には、多数の釘や風車(不図示)が設けられており、遊技領域116に導かれた遊技球が釘や風車に衝突して、不規則な方向に流下、転動するようにしている。
遊技領域116は、発射機構の発射強度に応じて遊技球の進入度合いを互いに異にし、遊技球の打ち分けが可能な第1遊技領域116aおよび第2遊技領域116bを備えている。第1遊技領域116aは、遊技機100に正対した遊技者から見て遊技領域116の左側に位置し、第2遊技領域116bは、遊技機100に正対した遊技者から見て遊技領域116の右側に位置している。レール114a、114bが遊技領域116の左側にあることから、発射機構によって所定の強度未満の発射強度で発射された遊技球は第1遊技領域116aに進入し、所定の強度以上の発射強度で発射された遊技球は第2遊技領域116bに進入することとなる。
また、遊技領域116には、遊技球が入球可能な一般入賞口118、第1固定始動口120A、第1可変始動口120B、第2始動口122、普図作動口125が設けられており、これら一般入賞口118、第1固定始動口120A、第1可変始動口120B、第2始動口122、普図作動口125に遊技球が入球すると、それぞれ所定の賞球が遊技者に払い出される。なお、以下では、第1固定始動口120Aおよび第1可変始動口120Bを総称して第1始動口120と呼ぶ。
詳しくは後述するが、第1始動口120内には第1始動領域が設けられ、また、第2始動口122内には第2始動領域が設けられている。そして、第1始動口120または第2始動口122に遊技球が入球して第1始動領域または第2始動領域に遊技球が進入すると、予め設けられた複数の特別図柄の中からいずれか1の特別図柄を決定するための抽選が行われる。各特別図柄には、遊技者にとって有利な大役遊技や小当たり遊技の実行可否が対応付けられている。したがって、遊技者は、第1始動口120または第2始動口122に遊技球が入球すると、所定の賞球を獲得するのと同時に、種々の遊技利益を受ける権利獲得の機会を獲得することとなる。
また、第1固定始動口120A、第2始動口122および普図作動口125は、遊技球が常時入球可能に開口した固定始動口で構成される。一方、第1可変始動口120Bには、可動片120bが開閉可能に設けられており、この可動片120bの状態に応じて、第1可変始動口120Bへの遊技球の進入容易性が変化する可変始動口で構成されている。具体的には、可動片120bは、通常、閉状態に維持されており、この間は、第1可変始動口120Bへの遊技球の入球が困難もしくは不可能となる。
これに対して、遊技領域116(第2遊技領域116b)に設けられたゲート124を遊技球が通過するか、普図作動口125に遊技球が入球すると、後述する普通図柄の抽選が行われ、この抽選によって当たりに当選すると、可動片120bが所定時間、開状態に制御される。可動片120bが開状態になると、第1可変始動口120Bへの遊技球の入球が可能となる。このように、可動片120bは、第1可変始動口120Bへの遊技球の入球を可能とする開状態、および、開状態よりも第1可変始動口120Bへの遊技球の入球が困難もしくは不可能となる閉状態に変移する可動部材(始動可変入賞装置)として機能する。
なお、第1固定始動口120Aは、第1遊技領域116aを流下する遊技球のみが入球可能となり、第1可変始動口120Bおよび第2始動口122は、第2遊技領域116bを流下する遊技球のみが入球可能となる位置に配されている。なお、第1固定始動口120Aは、第2遊技領域116bを流下する遊技球が入球してもよいが、この場合には、第1遊技領域116aを流下する遊技球の方が、第2遊技領域116bを流下する遊技球よりも入球しやすい位置に配することが望ましい。
同様に、第1可変始動口120Bおよび第2始動口122は、第1遊技領域116aを流下する遊技球が入球してもよいが、この場合には、第2遊技領域116bを流下する遊技球の方が、第1遊技領域116aを流下する遊技球よりも入球しやすい位置に配することが望ましい。いずれにしても、第1固定始動口120Aは、少なくとも第1遊技領域116aを流下する遊技球が入球可能な位置に配され、第1可変始動口120Bおよび第2始動口122は、少なくとも第2遊技領域116bを流下する遊技球が入球可能な位置に配されるとよい。
さらに、第2遊技領域116bには、第1大入賞口126および第2大入賞口128が設けられている。第1大入賞口126および第2大入賞口128は、第2遊技領域116bを流下する遊技球のみが入球可能な位置に配される。ただし、第1大入賞口126および第2大入賞口128は、第1遊技領域116aおよび第2遊技領域116bを流下するいずれの遊技球も入球可能に配されてもよい。
第1大入賞口126には、開閉扉126bが開閉可能に設けられており、通常、開閉扉126bが第1大入賞口126を閉鎖して、第1大入賞口126への遊技球の入球が不可能となっている。具体的には、開閉扉126bは、閉鎖状態において、遊技盤108の盤面と面一の状態となり、第1大入賞口126の前を遊技球が流下する。これに対して、前述の大役遊技が実行されると、開閉扉126bが開放されて遊技球を第1大入賞口126に導く受け皿として機能し、第1大入賞口126への遊技球の入球が可能となる。そして、第1大入賞口126に遊技球が入球すると、所定の賞球が遊技者に払い出される。
第2大入賞口128は、第2遊技領域116bにおいて、第1大入賞口126の下方に設けられる。第2大入賞口128は、可動片128bを備えており、通常、可動片128bが閉状態に維持されている。これに対して、後述の小当たり遊技が実行されると、可動片128bが開状態に制御され、第2大入賞口128への遊技球の入球が可能となる。なお、以下では、第1大入賞口126および第2大入賞口128をまとめて単に大入賞口ともよぶ。
図3は、第2大入賞口128を説明する図である。第2遊技領域116bには、遊技盤108の正面側に突出する構造物129が設けられている。この構造物129は、遊技機100の左右方向と前後方向とに位置する四辺、および、底辺が囲繞されており、上部に開口が形成されている。この構造物129の上部に形成される開口が、第2大入賞口128となる。構造物129の上部には、可動片128bが設けられており、通常、図3(a)に示すように、可動片128bは、第2大入賞口128を閉鎖する閉状態に維持されている。
可動片128bは、遊技機100の上方に臨むようにして、遊技球が転動、流下する遊技領域116に突出している。したがって、可動片128bが閉状態に維持されている場合には、遊技領域116(第2遊技領域116b)を流下する遊技球が、可動片128b上に落下することとなる。ここで、構造物129は、底辺が水平方向に略平行であり、遊技機100の右側の側面は、左側の側面よりも高さ方向に僅かに長い寸法関係となっている。したがって、第2大入賞口128は、遊技機100の左側が右側よりも僅かに低く、閉状態に維持された可動片128bは、遊技機100の左側が右側よりも僅かに低い位置になるように傾斜している。そのため、可動片128bが閉状態にあるときには、図3(a)に矢印で示すように、可動片128b上に落下した遊技球が、可動片128b上を右方から左方へとゆっくりと転動することになる。
そして、後述の小当たり遊技が実行されると、可動片128bは、第2大入賞口128を開放する開状態に変移する。ここで、可動片128bは、図3(b)に示すように、遊技盤108の背面側に向けてスライドすることで、閉状態から開状態へと変移する。その結果、閉状態から開状態に変移する際に、可動片128b上を転動している遊技球が、第2大入賞口128内に自重で落下する。
このように、本実施形態では、可動片128bを僅かに傾斜させ、可動片128b上を遊技球が転動する時間を長く確保する。そして、可動片128bが閉状態から開状態に変移することで、可動片128b上を転動している遊技球を第2大入賞口128内に導く。上記の構成により、可動片128bを開状態に維持する時間を僅かに設定したとしても、第2大入賞口128内に所定数の遊技球を導くことができる。換言すれば、第2大入賞口128内に所定数の遊技球を入球させるために必要となる、可動片128bを開状態に維持する時間を短時間とすることができる。なお、構造物129の背面には、遊技盤108の背面側に連通する孔が形成されており、第2大入賞口128に入球した遊技球は、遊技盤108の背面側に排出される。そして、第2大入賞口128に遊技球が入球すると、所定の賞球が遊技者に払い出される。
なお、ここでは、第2大入賞口128の構成について説明したが、第1可変始動口120Bも、第2大入賞口128と同様の構成である。すなわち、第1可変始動口120Bの可動片120bは、閉状態において、遊技盤108の前面側に突出しており、可動片120b上を遊技球が転動する。そして、可動片120bの開状態では、可動片120bが遊技盤108の背面側にスライドし、第1可変始動口120Bへの遊技球の入球が可能となる。ただし、図2に示すように、可動片128bは、遊技機100の正面視で右側が左側よりも高い位置にあるのに対して、可動片120bは、遊技機100の正面視で左側が右側よりも高い位置にある。
ここで、第2遊技領域116bの盤面構成について詳述する。本実施形態では、第2遊技領域116bの最上部に、第2始動口122とゲート124とが並列して配置されている。第2遊技領域116bに導かれた遊技球は、全て、第2始動口122に入球するか、ゲート124を通過して下方に流下する。本実施形態では、第2始動口122は、1個の遊技球の入球に対して1個の遊技球が賞球として払い出される「特定の入賞口」を構成している。
第2始動口122に遊技球が入球すると、賞球として1個の遊技球が払い出されるとともに、大役遊技あるいは小当たり遊技の実行有無等を決定する抽選が行われる。また、ゲート124を遊技球が通過すると、第1可変始動口120B(可動片120b)を開状態とするか否かを決定する抽選が行われる。
第2始動口122およびゲート124の直下には、第1大入賞口126が設けられている。第1大入賞口126が開状態にある場合には、ゲート124を通過して下方に流下した遊技球の全てが第1大入賞口126に入球するように配置されている。本実施形態では、第1大入賞口126は、大役遊技においてのみ開放される。つまり、第1大入賞口126は、大役遊技専用の大入賞口と言える。大役遊技中に第1大入賞口126に遊技球が入球すると、1個の遊技球の入球に対して2個以上の所定数(ここでは15個)の遊技球が賞球として払い出される。
第1大入賞口126の下方には第1可変始動口120Bが設けられている。また、第1大入賞口126と第1可変始動口120Bとの間にはアウト口131が設けられている。アウト口131は、遊技領域116から遊技球を排出するための通路の入口であり、アウト口131に遊技球が入球したとしても、賞球が払い出されることはない。
第2遊技領域116bには、第1大入賞口126よりも下方に流下した遊技球の多く(例えば9割以上)が、可動片120b上に落下するように釘が配されている。また、これらの釘により、第1大入賞口126よりも下方に流下した遊技球の一部(例えば1%~10%)が、アウト口131に導かれる。
第1可変始動口120Bの閉状態では、可動片120b上を遊技球が転動する。可動片120b上を遊技球が転動しているときに可動片120bが開状態になると、可動片120b上の遊技球は全て第1可変始動口120B内に導かれる。第1可変始動口120Bに遊技球が入球すると、1個の遊技球の入球に対して1個の遊技球が賞球として払い出されるとともに、大役遊技あるいは小当たり遊技の実行有無等を決定する抽選が行われる。
第1可変始動口120Bに入球しなかった遊技球は、可動片120b上から遊技機100の正面視で右側に落下する。第1可変始動口120Bの下方には、第2大入賞口128が設けられており、可動片120b上から落下した遊技球の殆どが、第2大入賞口128の可動片128b上を転動する。可動片128b上の遊技球は、可動片128bの傾斜により、遊技機100の正面視で右側から左側に向けてゆっくりと転動する。
詳しくは後述するが、本実施形態では、第2大入賞口128は、小当たり遊技においてのみ開放される。つまり、第2大入賞口128は、小当たり遊技専用の大入賞口と言える。可動片128b上を遊技球が転動しているときに可動片128bが開状態になると、可動片128b上の遊技球は全て第2大入賞口128内に導かれる。小当たり遊技中に第2大入賞口128に遊技球が入球すると、1個の遊技球の入球に対して2個以上の所定数(ここでは15個)の遊技球が賞球として払い出される。
第2大入賞口128の左下方には、普図作動口125が設けられている。ここでは、第2大入賞口128上から下方に落下した遊技球の殆ど全てが普図作動口125に入球するように、第2遊技領域116bに釘が配されている。本実施形態では、普図作動口125は、1個の遊技球の入球に対して1個の遊技球が賞球として払い出される「特定の入賞口」を構成している。また、普図作動口125に遊技球が入球すると、ゲート124を遊技球が通過した場合と同様に、第1可変始動口120B(可動片120b)を開状態とするか否かを決定する抽選が行われる。
なお、遊技領域116の最下部には、一般入賞口118、第1始動口120、第2始動口122、普図作動口125、および、大入賞口のいずれにも入球しなかった遊技球を、遊技領域116から遊技盤108の背面側に排出する排出口130が設けられている。
そして、遊技機100には、遊技の進行中等に演出を行う演出装置として、液晶表示装置からなる演出表示装置200、可動装置からなる演出役物装置202、さまざまな点灯態様や発光色に制御されるランプからなる演出照明装置204、スピーカからなる音声出力装置206、遊技者の操作を受け付ける演出操作装置208が設けられている。
演出表示装置200は、画像を表示する画像表示部からなる演出表示部200aを備えており、この演出表示部200aを、遊技盤108の略中央部分において、遊技機100の正面側から視認可能に配置している。この演出表示部200aには、図示のように、3つの演出図柄210が変動表示される等、種々の演出が実行されることとなる。
演出役物装置202は、演出表示部200aよりも前面に配置され、通常、遊技盤108の背面側の原点位置において、複数の構成部材に分割された状態で退避しており、遊技者が視認できないようになっている。そして、上記の演出図柄210の変動表示中などに、アクチュエータの駆動により、演出表示部200aの前面にある可動位置まで各構成部材が移動すると、演出表示部200aの前面で各構成部材が合体して、遊技者に大当たりの期待感を付与する。
演出照明装置204は、演出役物装置202や遊技盤108等に設けられており、演出表示部200aに表示される画像等に合わせて、さまざまに点灯制御される。
音声出力装置206は、前枠106の上部位置や外枠102の最下部位置に設けられ、演出表示部200aに表示される画像等に合わせて、遊技機100の正面側に向けてさまざまな音声を出力する。
演出操作装置208は、遊技者の押下操作を受け付けるボタンで構成され、遊技機100の幅方向略中央位置であって、かつ、透過板110よりも下方位置に設けられている。この演出操作装置208は、演出表示部200aに表示される画像等に合わせて有効化されるものであり、操作有効時間内に遊技者の操作を受け付けると、当該操作に応じて、さまざまな演出が実行される。
なお、図中符号132は、遊技機100から払い出される賞球や、遊技球貸出装置から貸し出される遊技球が導かれる上皿であり、この上皿132が遊技球で一杯になると、遊技球は下皿134に導かれることとなる。また、この下皿134の底面には、当該下皿134から遊技球を排出するための球抜き孔(不図示)が形成されている。この球抜き孔は、通常、開閉板(不図示)によって閉じられているが、球抜きつまみ134aを押下することにより、当該球抜きつまみ134aと一体となって開閉板がスライドし、球抜き孔から下皿134の下方に遊技球を排出することが可能となっている。
また、遊技盤108には、遊技領域116の外方であって、かつ、遊技者が視認可能な位置に、第1特別図柄表示器160、第2特別図柄表示器162、第1特別図柄保留表示器164、第2特別図柄保留表示器166、普通図柄表示器168、普通図柄保留表示器170、右打ち報知表示器172が設けられている。これら各表示器160~172は、遊技に係る種々の状況を表示するための装置であるが、その詳細については後述する。
(制御手段の内部構成)
図4は、遊技の進行を制御する制御手段の内部構成を示すブロック図である。
主制御基板300は遊技の基本動作を制御する。この主制御基板300は、メインCPU300a、メインROM300b、メインRAM300cを備えている。メインCPU300aは、各検出スイッチやタイマからの入力信号に基づいて、メインROM300bに格納されたプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、各装置や表示器を直接制御したり、あるいは演算処理の結果に応じて他の基板にコマンドを送信したりする。メインRAM300cは、メインCPU300aの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能する。
上記主制御基板300には、一般入賞口118に遊技球が入球したことを検出する一般入賞口検出スイッチ118s、第1固定始動口120Aに遊技球が入球したことを検出する第1固定始動口検出スイッチ120As、第1可変始動口120Bに遊技球が入球したことを検出する第1可変始動口検出スイッチ120Bs、第2始動口122に遊技球が入球したことを検出する第2始動口検出スイッチ122s、ゲート124を遊技球が通過したことを検出するゲート検出スイッチ124s、普図作動口125に遊技球が入球したことを検出する普図作動口検出スイッチ125s、第1大入賞口126に遊技球が入球したことを検出する第1大入賞口検出スイッチ126s、第2大入賞口128に遊技球が入球したことを検出する第2大入賞口検出スイッチ128sが接続されており、これら各検出スイッチから主制御基板300に検出信号が入力されるようになっている。
また、主制御基板300には、第1可変始動口120Bの可動片120bを作動する普通電動役物ソレノイド120cと、第1大入賞口126を開閉する開閉扉126bを作動する第1大入賞口ソレノイド126cと、第2大入賞口128を開閉する可動片128bを作動する第2大入賞口ソレノイド128cと、が接続されており、主制御基板300によって、第1可変始動口120B、第1大入賞口126、第2大入賞口128の開閉制御がなされるようになっている。
さらに、主制御基板300には、第1特別図柄表示器160、第2特別図柄表示器162、第1特別図柄保留表示器164、第2特別図柄保留表示器166、普通図柄表示器168、普通図柄保留表示器170、右打ち報知表示器172が接続されており、主制御基板300によって、これら各表示器の表示制御がなされるようになっている。
さらに、遊技盤108の背面には、設定変更スイッチ180sが設けられている。設定変更スイッチ180sは、専用の鍵によってアクセス可能に構成されている。設定変更スイッチ180sがオンしていることを条件として、設定値を変更、確認する操作が可能となる。詳しくは後述するが、本実施形態の遊技機100は、有利度合いが異なる6段階の設定値のいずれかが設定値バッファに登録設定値として記憶され、記憶されている登録設定値に応じて遊技が進行する。なお、ここでは、設定値が6段階であることとするが、設定値は高設定および低設定の2段階のみが設けられてもよいし、他の複数段階で設けられてもよい。さらには、設定値は必須ではなく、有利度合いが変更されなくてもよい。
また、遊技盤108の背面には、RAMクリアボタンが押下操作可能に設けられており、このRAMクリアボタンの押下操作がRAMクリアスイッチ182sによって検出される。RAMクリアスイッチ182sは主制御基板300に接続されており、RAMクリアスイッチ182sから主制御基板300にRAMクリア操作信号が入力される。電源投入時にRAMクリアスイッチ182sからRAMクリア操作信号が入力されている場合、メインCPU300aは、メインRAM300cをクリアする。
また、遊技盤108の背面には、性能表示モニタ184が設けられている。主制御基板300により、性能表示モニタ184に登録設定値やベース比率が表示される。
また、本実施形態の遊技機100は、主に第1始動口120または第2始動口122への遊技球の入球によって開始される特別遊技と、ゲート124への遊技球の通過、あるいは、普図作動口125への遊技球の入球によって開始される普通遊技とに大別される。そして、主制御基板300のメインROM300bには、特別遊技および普通遊技を進行するための種々のプログラムや、各種の遊技に必要なデータ、テーブルが記憶されている。
また、主制御基板300には、払出制御基板310および副制御基板330が接続されている。払出制御基板310は、遊技球を発射させるための制御、および、賞球を払い出すための制御を行う。この払出制御基板310も、CPU、ROM、RAMを備えており、主制御基板300に対して双方向に通信可能に接続されている。この払出制御基板310には遊技情報出力端子板312が接続されており、主制御基板300から出力される遊技進行上の種々の情報が、払出制御基板310および遊技情報出力端子板312を介して、遊技店のホールコンピュータ等に出力されることとなる。
また、払出制御基板310には、貯留部に貯留された遊技球を賞球として遊技者に払い出すための払出モータ314が接続されている。払出制御基板310は、主制御基板300から送信された払出個数指定コマンドに基づいて払出モータ314を制御して所定の賞球を遊技者に払い出すように制御する。このとき、払い出された遊技球数が払出球計数スイッチ316sによって検出され、払い出すべき賞球が遊技者に払い出されたかが把握されるようになっている。
また、払出制御基板310には、下皿134の満タン状態を検出する皿満タン検出スイッチ318sが接続されている。この皿満タン検出スイッチ318sは、賞球として払い出される遊技球を下皿134に導く通路に設けられており、遊技球検出信号が払出制御基板310に入力されるようになっている。
そして、下皿134に所定量以上の遊技球が貯留されて満タン状態になると、下皿134に向かう通路内に遊技球が滞留し、皿満タン検出スイッチ318sから払出制御基板310に向けて、遊技球検出信号が連続的に入力される。払出制御基板310は、遊技球検出信号が所定時間連続して入力された場合に、下皿134が満タン状態であると判断し、皿満タンコマンドを主制御基板300に送信する。一方、皿満タンコマンドを送信した後、遊技球検出信号の連続入力が途絶えた場合には、満タン状態が解除されたと判断し、皿満タン解除コマンドを主制御基板300に送信する。
また、払出制御基板310には、遊技球の発射制御を行う発射制御回路320が設けられている。払出制御基板310には、操作ハンドル112に設けられ、当該操作ハンドル112に遊技者が触れたことを検出するタッチセンサ112sと、操作ハンドル112の操作角度を検出する操作ボリューム112aと、が接続されている。そして、タッチセンサ112sおよび操作ボリューム112aから信号が入力されると、発射制御回路320において、遊技球発射装置に設けられた発射用ソレノイド112cを通電して遊技球を発射させる制御がなされる。
副制御基板330は、主に遊技中や待機中等の各演出を制御する。この副制御基板330は、サブCPU330a、サブROM330b、サブRAM330cを備えており、主制御基板300に対して、当該主制御基板300から副制御基板330への一方向に通信可能に接続されている。サブCPU330aは、主制御基板300から送信されたコマンドやタイマからの入力信号等に基づいて、サブROM330bに格納されたプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、演出を実行制御する。このとき、サブRAM330cは、サブCPU330aの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能する。
具体的には、副制御基板330では、サブCPU330a、サブROM330b、サブRAM330cが協働して、サブメイン、画像制御部、役物制御部、照明制御部、音声制御部として機能する。サブメインは、各種入力コマンドに応じて、実行する演出の内容を決定したり、演出の実行を管理、統括したりする。画像制御部は、上記演出表示部200aに画像を表示させる画像表示制御を行う。サブROM330bには、演出表示部200aに表示される図柄や背景、字幕等の画像データが多数格納されており、画像制御部が、画像データをサブROM330bから不図示のVRAMに読み出して、演出表示部200aの画像表示を制御する。
また、役物制御部は、サブメインによる演出の管理にしたがってアクチュエータを駆動し、演出役物装置202を可動制御する。照明制御部は演出照明装置204を点灯制御する。また、音声制御部は、上記音声出力装置206から音声を出力させる音声出力制御を行う。サブROM330bには、音声出力装置206から出力される音声や楽曲等の音声データが多数格納されており、音声制御部が、音声データをサブROM330bから読み出して、音声出力装置206の音声出力を制御する。
さらに、副制御基板330では、演出操作装置208が押下操作または回転操作されたことを検出する演出操作装置検出スイッチ208sから操作検出信号が入力された際に、所定の演出を実行する。
なお、各基板には、不図示の電源基板が接続されており、電源基板を介して商用電源から各基板に電力供給がなされている。また、電源基板にはコンデンサからなるバックアップ電源が設けられている。
図5は、メインCPU300aが用いるメモリ領域のアドレスマップである。なお、図5において、アドレスは16進数で示しており、「H」は16進数であることを示している。図5に示すように、メインCPU300aが用いるメモリ領域は、メインROM300bに割り当てられたメモリ領域(0000H~2FFFH)と、メインRAM300cに割り当てられたメモリ領域(F000H~F3FFH)とを含んでいる。
メインROM300bのメモリ領域は、遊技の進行を制御するためのプログラムおよびデータを格納する使用領域(0000H~1A7AH)と、使用領域以外の領域であって、遊技機規則で定める試験を行うための処理や、性能表示モニタ184を表示するための処理(性能表示モニタ184に表示するベース比率を算出するための処理を含む)を実行するためのプログラムおよびデータを格納する使用外領域(2000H~2BFFH)とが設けられている。
メインROM300bの使用領域には、遊技の進行を制御するためのプログラムが格納されるプログラム領域(0000H~0A89H)、未使用領域(0A8AH~0FFFH)、プログラム以外のデータが格納されるデータ領域(1000H~1A7AH)が設けられている。なお、使用領域は、未使用領域(0A8AH~0FFFH)を含めないようにしてもよい。
メインROM300bの使用外領域には、遊技機規則で定める試験を行うための処理や、性能表示モニタ184を表示するための処理を実行するためのプログラムが格納されるプログラム領域(2000H~27FFH)、これらのプログラム以外のデータが格納されるデータ領域(2800H~2BFFH)が設けられている。
また、メインROM300bのメモリ領域には、使用領域および使用外領域以外にも、未使用領域(1A7BH~1DFFH)、プログラムのタイトル、バージョン等の任意のデータが格納されるROMコメント領域(1E00H~1EFFH)、未使用領域(1F00H~1FFFH)、未使用領域(2C00H~2FBFH)、メインCPU300aがプログラムを実行するために必要な情報が格納されるプログラム管理領域(2FC0H~2FFFH)が設けられている。
メインRAM300cのメモリ領域は、遊技の進行を制御するためのプログラムが実行されている際に一時的に用いられる使用領域(F000H~F1FFH)と、使用領域以外の領域であって、遊技機規則で定める試験を行うための処理や、性能表示モニタ184を表示するための処理のプログラムが実行されている際に一時的に用いられる使用外領域(F210H~F228H)とが設けられている。
メインRAM300cの使用領域には、遊技の進行を制御するためのプログラムが実行されている際に一時的に用いられるワーク領域(F000H~F12AH)、未使用領域(F12BH~F1D7H)、遊技の進行を制御するためのプログラムの実行中にデータを一時的に退避させるスタック領域(F1D8H~F1FFH)が設けられている。なお、使用領域は、未使用領域(F12BH~F1D7H)を含めないようにしてもよい。
メインRAM300cの使用外領域には、遊技機規則で定める試験を行うための処理や、性能表示モニタ184を表示するための処理のプログラムが実行されている際に一時的に用いられるワーク領域(F210H~F21FH)、これらのプログラムが実行されている際にデータを一時的に退避させるスタック領域(F220H~F228H)が設けられている。
また、メインRAM300cのメモリ領域には、使用領域および使用外領域以外にも、未使用領域(F200H~F20FH)、未使用領域(F229H~F3FFH)が設けられている。
このように、メインROM300bおよびメインRAM300cでは、遊技の進行を制御するために用いられる使用領域と、遊技機規則で定める試験を行うための処理や、性能表示モニタ184の表示制御をするための処理を実行するために用いられる使用外領域とが分かれて設けられている。
そして、メインRAM300cでは、使用領域と使用外領域との間に、16バイトの未使用領域(F200H~F20FH)が設けられている。この未使用領域(F200H~F20FH)は、使用領域および使用外領域を分ける境界領域として設定されており、使用領域と使用外領域との境界が明確となり、遊技の進行を制御するためのプログラムが実行されている際に使用外領域が用いられること、および、遊技機規則で定める試験を行うための処理や、性能表示モニタ184の表示制御をするための処理のプログラムが実行されている際に使用領域が用いられることを防止している。
なお、使用領域と使用外領域との間に設けられる未使用領域は、少なくとも1バイト以上であればよく、不正防止の観点から、4バイト以上であることが望ましく、16バイト以上に設定されることがより望ましい。また、未使用領域は、データの書き込みおよび読み出しが禁止されているが、不正防止の観点から、所定のタイミングでクリアするようにしてもよい。
次に、本実施形態の遊技機100における遊技について、メインROM300bに記憶されている各種テーブルと併せて説明する。
前述したように、本実施形態の遊技機100は、特別遊技と普通遊技の2種類の遊技が並行して進行するものである。特別遊技は、低確率遊技状態および高確率遊技状態のいずれかの遊技状態にて遊技が進行し、普通遊技は、非時短遊技状態、中時短遊技状態、時短遊技状態のいずれかの遊技状態にて遊技が進行する。
各遊技状態の詳細については後述するが、低確率遊技状態というのは、大入賞口が開放される大役遊技を実行する権利獲得の確率が低く設定された遊技状態であり、高確率遊技状態というのは、大役遊技を実行する権利獲得の確率が高く設定された遊技状態である。また、非時短遊技状態というのは、可動片120bが開状態になりにくく、第1可変始動口120Bに遊技球が入球し難い遊技状態であり、中時短遊技状態というのは、非時短遊技状態よりも可動片120bが開状態になりやすく、第1可変始動口120Bに遊技球が入球しやすい遊技状態である。また、時短遊技状態というのは、中時短遊技状態よりも、さらに、可動片120bが開状態になりやすく、第1可変始動口120Bに遊技球が最も入球しやすい遊技状態である。なお、時短遊技状態では、遊技中に第2遊技領域116bに向けて遊技球を発射し続けている場合に、僅かに遊技球が減少するか、遊技球が殆ど減少しないように設定されている。
上記のように、特別遊技と普通遊技とは同時並行して進行することから、本実施形態では、低確率遊技状態または高確率遊技状態と、非時短遊技状態、中時短遊技状態、時短遊技状態のいずれかとが組み合わされた遊技状態となる。以下では、理解を容易とするため、特別遊技に係る遊技状態、すなわち、低確率遊技状態および高確率遊技状態を特別遊技状態と呼び、普通遊技に係る遊技状態、すなわち、非時短遊技状態、中時短遊技状態、時短遊技状態を普通遊技状態と呼ぶ場合がある。遊技機100の初期状態は、低確率遊技状態および非時短遊技状態に設定されている。
遊技者が操作ハンドル112を操作して遊技領域116に遊技球を発射させるとともに、遊技領域116を流下する遊技球が第1始動口120または第2始動口122に入球すると、遊技者に遊技利益を付与するか否かの抽選(以下、「大役抽選」という)が行われる。この大役抽選において、大当たりに当選すると、大入賞口が開放されるとともに当該大入賞口への遊技球の入球が可能となる大役遊技が実行され、また、当該大役遊技の終了後の遊技状態が、上記のいずれかの遊技状態に設定される。以下では、大役抽選方法について説明する。
なお、詳しくは後述するが、第1始動口120または第2始動口122に遊技球が入球すると、大役抽選に係る種々の乱数値(大当たり決定乱数、当たり図柄乱数、変動パターン乱数)が取得されるとともに、これら各乱数値がメインRAM300cの特図保留記憶領域に記憶される。以下では、第1始動口120に遊技球が入球して特図保留記憶領域に記憶された種々の乱数を総称して特1保留とよび、第2始動口122に遊技球が入球して特図保留記憶領域に記憶された種々の乱数を総称して特2保留とよぶ。
メインRAM300cの特図保留記憶領域は、第1特図保留記憶領域と第2特図保留記憶領域とを備えている。第1特図保留記憶領域および第2特図保留記憶領域は、それぞれ4つの記憶部(第1~第4記憶部)を有している。そして、第1始動口120に遊技球が入球すると、特1保留を第1特図保留記憶領域の第1記憶部から順に記憶し、第2始動口122に遊技球が入球すると、特2保留を第2特図保留記憶領域の第1記憶部から順に記憶する。
例えば、第1始動口120に遊技球が入球したとき、第1特図保留記憶領域の第1~第4記憶部のいずれにも保留が記憶されていない場合には、第1記憶部に特1保留を記憶する。また、例えば、第1記憶部~第3記憶部に特1保留が記憶されている状態で、第1始動口120に遊技球が入球した場合には、特1保留を第4記憶部に記憶する。また、第2始動口122に遊技球が入球した場合にも、上記と同様に、第2特図保留記憶領域の第1記憶部~第4記憶部の中で、特2保留が記憶されていない、最も番号(序数)の小さい記憶部に特2保留が記憶される。
ただし、第1特図保留記憶領域および第2特図保留記憶領域に記憶可能な特1保留数(X1)および特2保留数(X2)は、それぞれ4つに設定されている。したがって、例えば、第1始動口120に遊技球が入球したときに、第1特図保留記憶領域に既に4つの特1保留が記憶されている場合には、当該第1始動口120への遊技球の入球によって新たに特1保留が記憶されることはない。同様に、第2始動口122に遊技球が入球したときに、第2特図保留記憶領域に既に4つの特2保留が記憶されている場合には、当該第2始動口122への遊技球の入球によって新たに特2保留が記憶されることはない。
図6は、低確時大当たり決定乱数判定テーブルを説明する図である。第1始動口120または第2始動口122に遊技球が入球すると、0~65535の範囲内から1つの大当たり決定乱数が取得される。そして、大役抽選を開始するとき、すなわち、大当たりの判定を行うときの遊技状態に応じて大当たり決定乱数判定テーブルが選択され、当該選択された大当たり決定乱数判定テーブルと取得された大当たり決定乱数とによって大役抽選が行われる。
低確率遊技状態において、特1保留および特2保留について大役抽選を開始する場合には、低確時大当たり決定乱数判定テーブルが参照される。ここで、本実施形態では、有利度合いを異にする6段階の設定値が設けられており、低確時大当たり決定乱数判定テーブルは、設定値ごとに設けられている。遊技中は、設定値が6段階のうちのいずれかに設定されており、現在設定されている設定値(設定値バッファに記憶されている登録設定値)に対応する低確時大当たり決定乱数判定テーブルを参照して大役抽選が行われる。
低確率遊技状態であって、設定値=1に設定されている場合(登録設定値=1)には、図6(a)に示す低確時大当たり決定乱数判定テーブルaを参照して大役抽選が行われる。この低確時大当たり決定乱数判定テーブルaによれば、大当たり決定乱数が10001~10218であった場合に大当たりと判定し、大当たり決定乱数が20001~38996であった場合に小当たりと判定し、その他の大当たり決定乱数であった場合にはハズレと判定する。したがって、この場合の大当たり確率は約1/300.6となり、小当たり確率は約1/3.45となる。
低確率遊技状態であって、設定値=2に設定されている場合(登録設定値=2)には、図6(b)に示す低確時大当たり決定乱数判定テーブルbを参照して大役抽選が行われる。この低確時大当たり決定乱数判定テーブルbによれば、大当たり決定乱数が10001~10225であった場合に大当たりと判定し、大当たり決定乱数が20001~38996であった場合に小当たりと判定し、その他の大当たり決定乱数であった場合にはハズレと判定する。したがって、この場合の大当たり確率は約1/291.2となり、小当たり確率は約1/3.45となる。
低確率遊技状態であって、設定値=3に設定されている場合(登録設定値=3)には、図6(c)に示す低確時大当たり決定乱数判定テーブルcを参照して大役抽選が行われる。この低確時大当たり決定乱数判定テーブルcによれば、大当たり決定乱数が10001~10232であった場合に大当たりと判定し、大当たり決定乱数が20001~38996であった場合に小当たりと判定し、その他の大当たり決定乱数であった場合にはハズレと判定する。したがって、この場合の大当たり確率は約1/282.4となり、小当たり確率は約1/3.45となる。
低確率遊技状態であって、設定値=4に設定されている場合(登録設定値=4)には、図6(d)に示す低確時大当たり決定乱数判定テーブルdを参照して大役抽選が行われる。この低確時大当たり決定乱数判定テーブルdによれば、大当たり決定乱数が10001~10239であった場合に大当たりと判定し、大当たり決定乱数が20001~38996であった場合に小当たりと判定し、その他の大当たり決定乱数であった場合にはハズレと判定する。したがって、この場合の大当たり確率は約1/274.2となり、小当たり確率は約1/3.45となる。
低確率遊技状態であって、設定値=5に設定されている場合(登録設定値=5)には、図6(e)に示す低確時大当たり決定乱数判定テーブルeを参照して大役抽選が行われる。この低確時大当たり決定乱数判定テーブルeによれば、大当たり決定乱数が10001~10246であった場合に大当たりと判定し、大当たり決定乱数が20001~38996であった場合に小当たりと判定し、その他の大当たり決定乱数であった場合にはハズレと判定する。したがって、この場合の大当たり確率は約1/266.4となり、小当たり確率は約1/3.45となる。
低確率遊技状態であって、設定値=6に設定されている場合(登録設定値=6)には、図6(f)に示す低確時大当たり決定乱数判定テーブルfを参照して大役抽選が行われる。この低確時大当たり決定乱数判定テーブルfによれば、大当たり決定乱数が10001~10253であった場合に大当たりと判定し、大当たり決定乱数が20001~38996であった場合に小当たりと判定し、その他の大当たり決定乱数であった場合にはハズレと判定する。したがって、この場合の大当たり確率は約1/259.0となり、小当たり確率は約1/3.45となる。
図7は、高確時大当たり決定乱数判定テーブルを説明する図である。高確率遊技状態において、特1保留および特2保留について大役抽選を開始する場合には、高確時大当たり決定乱数判定テーブルが参照される。高確時大当たり決定乱数判定テーブルも、低確時大当たり決定乱数判定テーブルと同様に設定値ごとに設けられている。
高確率遊技状態であって、設定値=1に設定されている場合(登録設定値=1)には、図7(a)に示す高確時大当たり決定乱数判定テーブルaを参照して大役抽選が行われる。この高確時大当たり決定乱数判定テーブルaによれば、大当たり決定乱数が10001~10620であった場合に大当たりと判定し、大当たり決定乱数が20001~38996であった場合に小当たりと判定し、その他の大当たり決定乱数であった場合にはハズレと判定する。したがって、この場合の大当たり確率は約1/105.7となり、小当たり確率は約1/3.45となる。
同様に、高確率遊技状態であって、設定値=2~6に設定されている場合(登録設定値=2~6)には、図7(b)~(f)に示す高確時大当たり決定乱数判定テーブルb~fを参照して大役抽選が行われる。これら高確時大当たり決定乱数判定テーブルb~fによれば、それぞれ大当たり決定乱数が図示の値であった場合に大当たりと判定する。したがって、設定値=2~6の場合の大当たり確率は、それぞれ約1/102.4~1/91.0となり、小当たり確率は約1/3.45となる。
以上のように、大役抽選は、登録設定値に応じて行われる。このとき、登録設定値に応じて大当たりの当選確率が異なっており、登録設定値が大きい場合の方が、小さい場合に比べて、大当たりに当選しやすくなっている。なお、ここでは、登録設定値が異なっても、小当たりの当選確率は変わらないこととしたが、登録設定値ごとに小当たりの当選確率を異ならせてもよい。また、小当たりは必須ではなく、大役抽選において、大当たりおよびハズレのいずれかのみが決定されてもよい。
また、ここでは、低確率遊技状態および高確率遊技状態の双方における大当たりの当選確率が、登録設定値に応じて異なることとしたが、低確率遊技状態および高確率遊技状態のいずれか一方における大当たりの当選確率のみが、登録設定値に応じて異なることとしてもよい。
図8は、当たり図柄乱数判定テーブルおよび小当たり図柄乱数判定テーブルを説明する図である。第1始動口120または第2始動口122に遊技球が入球すると、0~99の範囲内から1つの当たり図柄乱数が取得される。そして、上記の大役抽選により「大当たり」の判定結果が導出された場合に、取得している当たり図柄乱数と当たり図柄乱数判定テーブルとによって、特別図柄の種別が決定される。このとき、特1保留によって「大当たり」に当選した場合には、図8(a)に示すように、特1用当たり図柄乱数判定テーブルaが選択され、特2保留によって「大当たり」に当選した場合には、図8(b)に示すように、特2用当たり図柄乱数判定テーブルbが選択され、特1保留によって「小当たり」に当選した場合には、図8(c)に示すように、特1用小当たり図柄乱数判定テーブルaが選択され、特2保留によって「小当たり」に当選した場合には、図8(d)に示すように、特2用小当たり図柄乱数判定テーブルbが選択される。以下では、当たり図柄乱数によって決定される特別図柄、すなわち、大当たりの判定結果が得られた場合に決定される特別図柄を大当たり図柄と呼び、小当たりの判定結果が得られた場合に決定される特別図柄を小当たり図柄と呼び、ハズレの判定結果が得られた場合に決定される特別図柄をハズレ図柄と呼ぶ。
図8(a)に示す特1用当たり図柄乱数判定テーブルa、および、図8(b)に示す特2用当たり図柄乱数判定テーブルbによれば、取得した当たり図柄乱数の値に応じて、図示のとおり、特別図柄として大当たり図柄(特別図柄A~J)が決定される。また、図8(c)に示す特1用小当たり図柄乱数判定テーブルa、および、図8(d)に示す特2用小当たり図柄乱数判定テーブルbによれば、取得した当たり図柄乱数の値に応じて、図示のとおり、特別図柄として小当たり図柄(特別図柄Z1~Z6)が決定される。
なお、大役抽選結果が「ハズレ」であった場合に、当該抽選結果が特1保留によって導出されたときは、抽選を行うことなくハズレ図柄として特別図柄Xが決定され、当該抽選結果が特2保留によって導出されたときは、抽選を行うことなくハズレ図柄として特別図柄Yが決定される。つまり、当たり図柄乱数判定テーブルは、大役抽選結果が「大当たり」であった場合にのみ参照され、大役抽選結果が「ハズレ」または「小当たり」であった場合に参照されることはない。また、小当たり図柄乱数判定テーブルは、大役抽選結果が「小当たり」であった場合にのみ参照され、大役抽選結果が「大当たり」または「ハズレ」であった場合に参照されることはない。なお、小当たり図柄である特別図柄Z1~Z6をまとめて単に特別図柄Zともよぶ。
図9(a)は、変動パターン乱数判定テーブルを説明する図であり、図9(b)は変動時間決定テーブルを説明する図である。なお、変動パターン乱数判定テーブルは、保留種別、大役抽選の結果(特別図柄種別)、遊技状態、変動回数、さらには保留数ごとに複数設けられているが、ここでは、任意の変動パターン乱数判定テーブルxについて説明する。上記のようにして特別図柄の種別が決定されると、図9(a)に示すような変動パターン乱数判定テーブルと、第1始動口120または第2始動口122に遊技球が入球したときに取得した0~238の範囲の変動パターン乱数とに基づいて、いずれかの変動パターン番号が決定される。この変動パターン番号には、図9(b)に示すように、それぞれ変動時間が対応付けられている。この変動時間というのは、決定された特別図柄を、第1特別図柄表示器160または第2特別図柄表示器162に停止表示させるまでの時間である。
詳しくは後述するが、特1保留に基づいて特別図柄が決定されるとともに、変動パターン番号すなわち変動時間が決定されると、当該決定された変動時間に亘って第1特別図柄表示器160において図柄の変動表示が行われ、変動時間が経過すると、第1特別図柄表示器160に、決定された特別図柄が停止表示される。また、特2保留に基づいて特別図柄が決定されるとともに、変動パターン番号すなわち変動時間が決定されると、当該決定された変動時間に亘って第2特別図柄表示器162において図柄の変動表示が行われ、変動時間が経過すると、第2特別図柄表示器162に、決定された特別図柄が停止表示される。このとき、ハズレ図柄が第1特別図柄表示器160に停止表示されることで、大役抽選の結果としてハズレが確定し、次の特1保留に基づく大役抽選が実行可能となり、ハズレ図柄が第2特別図柄表示器162に停止表示されることで、大役抽選の結果としてハズレが確定し、次の特2保留に基づく大役抽選が実行可能となる。一方、大当たり図柄が第1特別図柄表示器160または第2特別図柄表示器162に停止表示されると、大役抽選の結果として大当たりが確定し、大役遊技が実行され、小当たり図柄が第2特別図柄表示器162に停止表示されると、大役抽選の結果として小当たりが確定し、小当たり遊技が実行されることとなる。
このように、変動時間は、第1特別図柄表示器160または第2特別図柄表示器162における図柄の変動表示の時間、換言すれば、大役抽選の結果を確定させるまでの時間を規定するものとなるが、この変動時間を決定するための変動パターン乱数判定テーブルは、保留種別、大役抽選の結果(特別図柄種別)、遊技状態等に応じて複数設けられている。これにより、取得した変動パターン乱数の値が同一であったとしても、選択する変動パターン乱数判定テーブルによって、異なる変動パターン番号、すなわち、変動時間が決定されることとなる。
以上のようにして変動パターン番号が決定されると、当該決定された変動パターン番号に対応する変動パターンコマンドが副制御基板330に送信される。副制御基板330においては、受信した変動パターンコマンドに基づいて、変動演出の態様が決定されることとなるが、その詳細については説明を省略する。
図10は、遊技状態および変動時間を説明する図である。上述のように、特別遊技状態と普通遊技状態とが組み合わされて1の遊技状態となり、設定中の遊技状態に応じて遊技の進行制御がなされる。既に説明したように、特別遊技状態は、大当たりの当選確率を異にする低確率遊技状態および高確率遊技状態の2種類が設けられている。また、普通遊技状態は、互いに第1可変始動口120Bへの遊技球の入球容易性(入球頻度)を異にする非時短遊技状態、中時短遊技状態、時短遊技状態の3種類が設けられている。
ここで、普通遊技において、第1可変始動口120Bへの遊技球の入球容易性は、当選確率、変動時間、開放時間の3つの要素によって決定される。詳しくは後述するが、普通遊技では、ゲート124を遊技球が通過するか、あるいは、普図作動口125に遊技球が入球すると普図保留が記憶される。そして、記憶された普図保留に基づいて、可動片120bを開放するか否かを決定する普図抽選が行われる。この普図抽選の結果は、所定の変動時間が経過したところで確定する。普図抽選の結果として当たりが確定すると、可動片120bが開放される。このとき、普図抽選における当選確率、変動時間、および、可動片120bを開放する際の開放時間が、それぞれ普通遊技状態ごとに設定されている。
本実施形態では、図10(a)に示すように、特別遊技状態および普通遊技状態の組み合わせにより5種類の遊技状態が設けられる。遊技機100の初期状態は、低確率遊技状態および非時短遊技状態となっている。なお、非時短遊技状態では、普図抽選における当選確率が低く、変動時間が長く、可動片120bの開放時間が短い。以下では、低確率遊技状態および非時短遊技状態が組み合わされた遊技状態を通常状態と呼ぶ。
また、本実施形態では、高確率遊技状態および非時短遊技状態に設定される場合があり、この両者が組み合わされた遊技状態を最優位状態と呼ぶ。なお、この最優位状態は、5つの遊技状態の中で最も有利度合いが高く、適切に遊技球を発射していると、大当たりに当選せずとも、遊技中に徐々に遊技球が増加していくように設定されている。
また、本実施形態では、低確率遊技状態および時短遊技状態に設定される場合がある。なお、時短遊技状態では、普図抽選における当選確率が高く、変動時間が短く、可動片120bの開放時間が長い。以下では、低確率遊技状態および時短遊技状態が組み合わされた遊技状態を通常時短状態または通常前兆状態と呼ぶ。なお、通常時短状態および通常前兆状態は、特別遊技状態および普通遊技状態が同一であるため、主制御基板300における遊技の進行制御上の差異はない。このように、遊技の進行制御が完全に等しい1の遊技状態を2つの異なる遊技状態に分けたのは、単に演出上の都合によるものである。つまり、実際には、主制御基板300において、通常時短状態と通常前兆状態とを区別することなく、遊技の進行制御がなされており、副制御基板330における演出の制御のみが、通常時短状態および通常前兆状態で異なっている。したがって、主制御基板300における遊技の進行制御上の観点からすれば、通常時短状態および通常前兆状態は1つの遊技状態とみなされる。
また、本実施形態では、高確率遊技状態および時短遊技状態に設定される場合がある。以下では、高確率遊技状態および時短遊技状態が組み合わされた遊技状態を高確前兆状態と呼ぶ。なお、副制御基板330においては、主制御基板300で設定されている遊技状態に対応する演出モードが設定される。演出モードというのは、演出表示部200aに表示される背景画像やBGM等を規定するものであり、演出モードごとに、演出の内容が異なっている。つまり、遊技者は、演出モードによって、現在の遊技状態を識別することができる。
ただし、高確前兆状態および上記の通常前兆状態では、同一の演出モード(以下、高確前兆状態および通常前兆状態に対応する演出モードを「前兆モード」と呼ぶ)に設定される。つまり、前兆モードは、高確前兆状態および通常前兆状態の双方で設定されることから、前兆モード中は、現在の遊技状態を遊技者が識別することができなくなる。このように、通常前兆状態および高確前兆状態は、互いに遊技状態を識別することができないことから、以下では、両遊技状態を総称して前兆状態と呼ぶ。
また、本実施形態では、高確率遊技状態および中時短遊技状態に設定される場合がある。なお、中時短遊技状態では、普図抽選における当選確率が、非時短遊技状態よりも高く時短遊技状態よりも低く、変動時間が短く、可動片120bの開放時間が長い。この遊技状態は、適切に遊技球を発射させなかった場合等、不測の事態が生じた場合に設定され得るものである。以下では、高確率遊技状態および中時短遊技状態が組み合わされた遊技状態をペナルティ状態と呼ぶ。
以上のように、本実施形態では、6つの遊技状態(実質上は5つの遊技状態)が設けられている。そして、図10(b)に示すように、大役抽選が行われたときの遊技状態、保留種別、当該遊技状態における変動回数、図柄の種別に応じて、変動パターン乱数判定テーブルが選択され、選択した変動パターン乱数判定テーブルを参照して変動パターン番号が決定される。
ここで、遊技機100では、遊技状態ごとに、実質変動対象が設定されている。実質変動対象というのは、本来、大役抽選を行うべき保留の種別を示しており、遊技状態ごとに、特1保留および特2保留のいずれかが実質変動対象に設定されている。通常状態では、特1保留が実質変動対象に設定されている。また、通常状態では、普通遊技状態が非時短遊技状態であるため、第1可変始動口120Bが殆ど開放されることがない。したがって、通常状態では、遊技者は、第1固定始動口120Aに遊技球を入球させるべく、第1遊技領域116aに向けて遊技球を発射させる必要がある。
通常状態において、実質変動対象である特1保留によって大役抽選が行われ、ハズレ図柄もしくは小当たり図柄が決定されると、変動パターン乱数判定テーブルとしてテーブルAが選択される。このテーブルAによれば、3~100秒の範囲内で変動時間が決定される。また、通常状態において、特1保留によって大役抽選が行われ、大当たり図柄が決定されると、変動パターン乱数判定テーブルとしてテーブルBが選択される。このテーブルBによれば、40~100秒の範囲内で変動時間が決定される。
一方、通常状態において、実質変動対象ではない特2保留によって大役抽選が行われた場合には、決定された図柄種別に拘わらず、変動パターン乱数判定テーブルとしてテーブルCが選択される。このテーブルCによれば、変動時間が必ず10分に決定される。このように、変動時間を10分といった長時間に設定することで、通常状態では、仮に遊技者が第2始動口122に遊技球を入球させたとしても、特2保留に基づく大役抽選の実行機会が極めて少なくなる。
具体的に説明すると、第2始動口122が第2遊技領域116bに設けられており、また、第2始動口122は、常に遊技球が入球可能となる固定始動口で構成されている。さらに、遊技機100の遊技性により、第2始動口122は、第1始動口120よりも、容易に遊技球が入球する位置に配されている。そのため、仮に、通常状態において、特2保留に係る変動時間を短時間としてしまうと、大役抽選の機会が必要以上に遊技者に与えられてしまう。そこで、通常状態における本来の遊技性に則り、適切に第1遊技領域116aに向けて遊技球を発射させるべく、変動時間を10分といった長時間に設定している。
最優位状態では、特2保留が実質変動対象に設定されている。したがって、最優位状態では、遊技者は、第2始動口122に遊技球を入球させるべく、第2遊技領域116bに向けて遊技球を発射させる必要がある。最優位状態において、実質変動対象ではない特1保留によって大役抽選が行われた場合には、決定された図柄種別に拘わらず、変動パターン乱数判定テーブルとしてテーブルDが選択される。このテーブルDによれば、変動時間が必ず10秒に決定される。なお、最優位状態において実質変動対象ではない特1保留によって大役抽選が行われる場合の方が、通常状態で実質変動対象ではない特2保留によって大役抽選が行われる場合に比べて、遊技性に与える影響が小さい。そのため、最優位状態では、実質変動対象ではない特1保留によって大役抽選が行われた場合の変動時間を、10秒と短く設定している。
最優位状態において、実質変動対象である特2保留によって大役抽選が行われ、ハズレ図柄または小当たり図柄が決定されると、変動パターン乱数判定テーブルとしてテーブルEが選択される。このテーブルEによれば、1秒~30秒の変動時間が決定される。また、最優位状態において、特2保留によって大役抽選が行われ、大当たり図柄が決定されると、変動パターン乱数判定テーブルとしてテーブルFが選択される。このテーブルFによれば、変動時間が2秒~10秒に決定される。
通常時短状態、通常前兆状態、高確前兆状態では、いずれも特1保留が実質変動対象に設定されている。また、通常時短状態、通常前兆状態、高確前兆状態では、普通遊技状態が時短遊技状態に設定されており、第1可変始動口120Bが頻繁に開状態に制御される。したがって、これら3つの遊技状態では、遊技者は、第1可変始動口120Bに遊技球を入球させるべく、第2遊技領域116bに向けて遊技球を発射させる必要がある。これら3つの遊技状態では、いずれも同一の変動パターン乱数判定テーブルが選択されるが、これら3つの遊技状態は、普通遊技状態が時短遊技状態である点で共通している。つまり、普通遊技状態が時短遊技状態である場合において、実質変動対象である特1保留によって大役抽選が行われ、ハズレ図柄もしくは小当たり図柄が決定されると、変動パターン乱数判定テーブルとしてテーブルGが選択される。このテーブルGによれば、1~30秒の範囲内で変動時間が決定される。また、普通遊技状態が時短遊技状態である場合において、特1保留によって大役抽選が行われ、大当たり図柄が決定されると、変動パターン乱数判定テーブルとしてテーブルHが選択される。このテーブルHによれば、変動時間が必ず30秒に決定される。
なお、詳しい説明は省略するが、テーブルGは、例えばテーブルG-1、G-2のように、複数設けられており、第1特別図柄表示器160における図柄の変動表示の回数と、第2特別図柄表示器162における図柄の変動表示の回数とを合計した合計変動回数に応じて、テーブルGのいずれかが選択される。
一方、普通遊技状態が時短遊技状態である場合において、実質変動対象ではない特2保留によって大役抽選が行われた場合には、各遊技状態に設定されてからの特2保留に係る変動回数(第2特別図柄表示器162における図柄の変動表示の回数。以下、「第2変動回数」と呼ぶ)に応じて、異なる変動パターン乱数判定テーブルが選択される。具体的には、時短遊技状態に設定されてからの第2変動回数が4回以下である場合には、決定された図柄種別に拘わらず、変動パターン乱数判定テーブルとして特殊テーブルが選択される。この特殊テーブルによれば、変動時間が必ず1分に決定される。これに対して、時短遊技状態に設定されてからの第2変動回数が5回以上である場合には、決定された図柄種別に拘わらず、変動パターン乱数判定テーブルとしてテーブルIが選択される。このテーブルIによれば、変動時間が必ず10分に決定される。
ペナルティ状態では、特1保留が実質変動対象に設定されている。また、ペナルティ状態では、普通遊技状態が中時短遊技状態に設定されており、第1可変始動口120Bが一定の頻度で開状態に制御される。したがって、ペナルティ状態では、遊技者は、第1可変始動口120Bに遊技球を入球させるべく、第2遊技領域116bに向けて遊技球を発射させる必要がある。ペナルティ状態において、実質変動対象である特1保留によって大役抽選が行われ、ハズレ図柄または小当たり図柄が決定されると、変動パターン乱数判定テーブルとしてテーブルJが選択される。このテーブルJによれば、3~100秒の範囲内で変動時間が決定される。また、ペナルティ状態において、特1保留によって大役抽選が行われ、大当たり図柄が決定されると、変動パターン乱数判定テーブルとしてテーブルKが選択される。このテーブルKによれば、40~100秒の範囲内で変動時間が決定される。
一方、ペナルティ状態において、実質変動対象ではない特2保留によって大役抽選が行われた場合には、決定された図柄種別に拘わらず、変動パターン乱数判定テーブルとしてテーブルLが選択される。このテーブルLによれば、変動時間が必ず10分に決定される。
以上のように、遊技状態ごとに実質変動対象が設定されており、実質変動対象としての保留種別に基づく大役抽選が行われた場合には、最長でも変動時間が100秒となっている。一方、実質変動対象ではない保留種別に基づく大役抽選が行われた場合には、変動時間が概ね10分となり、本来の遊技性に反した遊技が行われないようにしている。
図11は、特別電動役物作動ラムセットテーブルを説明する第1の図であり、図12は、特別電動役物作動ラムセットテーブルを説明する第2の図である。なお、特別電動役物作動ラムセットテーブルは、大役遊技または小当たり遊技を制御するための各種データが記憶されたものであり、大役遊技中および小当たり遊技中は、特別電動役物作動ラムセットテーブルを参照して、第1大入賞口ソレノイド126cまたは第2大入賞口ソレノイド128cが通電制御される。なお、実際は、特別電動役物作動ラムセットテーブルは、特別図柄(大当たり図柄および小当たり図柄)の種別ごとに複数設けられており、決定された特別図柄の種別に応じて、対応するテーブルが大役遊技または小当たり遊技の開始時にセットされるが、ここでは、説明の都合上、図柄の種別ごとに特別図柄の制御データを示す。
図11に示すように、大役遊技は、大入賞口が所定回数開閉される複数回のラウンド遊技で構成され、小当たり遊技は、ラウンド遊技が1回のみ実行される。この特別電動役物作動ラムセットテーブルによれば、オープニング時間(最初のラウンド遊技が開始されるまでの待機時間)、特別電動役物最大作動回数(1回の大役遊技または小当たり遊技中に実行されるラウンド遊技の回数)、特別電動役物開閉切替回数(1ラウンド中の大入賞口の開放回数)、ソレノイド通電時間(大入賞口の開放回数ごとの第1大入賞口ソレノイド126cまたは第2大入賞口ソレノイド128cの通電時間、すなわち、1回の大入賞口の開放時間)、規定数(1回のラウンド遊技における大入賞口への最大入賞可能数)、大入賞口閉鎖有効時間(ラウンド遊技間の大入賞口の閉鎖時間、すなわち、インターバル時間)、エンディング時間(最後のラウンド遊技が終了してから、通常の特別遊技(後述する図柄の変動表示)が再開されるまでの待機時間)が、制御データとして、特別図柄の種別ごとに、図示のように予め記憶されている。
なお、特1保留によって大当たりに当選し、大当たり図柄として特別図柄A~Eが決定された場合には、いずれも6回のラウンド遊技で構成される大役遊技が実行される。各大役遊技においては、1~6回目のラウンド遊技において第1大入賞口126が1回のみ開放される。各ラウンド遊技では、第1大入賞口126が最大で29.0秒開放され、この間に規定数の遊技球が入球するか、もしくは、最大開放時間(29.0秒)が経過すると、第1大入賞口126が閉鎖されて1回のラウンド遊技が終了となる。
また、特1保留によって小当たりに当選し、小当たり図柄として特別図柄Z1~Z3が決定された場合には、1回のラウンド遊技で構成される小当たり遊技が実行される。この小当たり遊技では、1回のラウンド遊技において、第2大入賞口128が0.1秒×1回開放される。
また、図12に示すように、特2保留によって大当たりに当選し、大当たり図柄として特別図柄F、H、I、Jが決定された場合には、5回のラウンド遊技で構成される大役遊技が実行される。この大役遊技においては、1~5回目のラウンド遊技において第1大入賞口126が1回のみ開放される。各ラウンド遊技では、126が最大で29.0秒開放され、この間に規定数の遊技球が入球するか、もしくは、最大開放時間(29.0秒)が経過すると、第2大入賞口128が閉鎖されて1回のラウンド遊技が終了となる。
また、特2保留によって大当たりに当選し、大当たり図柄として特別図柄Gが決定された場合には、10回のラウンド遊技で構成される大役遊技が実行される。この大役遊技においては、各ラウンド遊技で第1大入賞口126が0.1秒×12回開放される。各ラウンド遊技は、規定数の遊技球が入球するか、もしくは、最大開放時間が経過すると、第1大入賞口126が閉鎖されて終了する。
また、特2保留によって小当たりに当選し、小当たり図柄として特別図柄Z4~Z6が決定された場合にも、1回のラウンド遊技からなる小当たり遊技が実行される。ここで、小当たり図柄として特別図柄Z4が決定された場合の小当たり遊技では、1回のラウンド遊技において、第2大入賞口128が0.1秒×2回開放される。なお、第2大入賞口128の2回の開放の間の休止時間であるラウンド中インターバル時間は、1.78秒に設定されている。遊技球は最短で0.6秒間隔で発射されるため、第2大入賞口128の開放時間と、遊技球の発射間隔とから考えると、この小当たり遊技中に遊技球が第2大入賞口128に入球する確率は低い。
しかしながら、本実施形態では、第2大入賞口128を閉状態に維持する可動片128b上に遊技球が滞留しやすい構造となっており、可動片128bが開状態に変移することで、可動片128b上に滞留する遊技球が第2大入賞口128内に導かれる。そのため、第2大入賞口128の0.1秒×2回の開放により、平均で2~3個の遊技球が第2大入賞口128に入球することとなる。
また、小当たり図柄として特別図柄Z5が決定された場合の小当たり遊技では、1回のラウンド遊技において、第2大入賞口128が0.1秒×3回開放される。なお、この場合のラウンド中インターバル時間は、0.84秒に設定されている。この小当たり遊技においては、平均で3~4個の遊技球が第2大入賞口128に入球する。
さらに、小当たり図柄として特別図柄Z6が決定された場合の小当たり遊技では、1回のラウンド遊技において、第2大入賞口128が0.1秒×12回開放される。なお、この場合のラウンド中インターバル時間は、0.84秒に設定されている。この小当たり遊技においては、第2遊技領域116bに向けて遊技球を発射し続けることにより、ほぼ確実に規定数(例えば10個)の遊技球を第2大入賞口128に入球させることができる。
ここで、図8(d)に示すように、特別図柄Z4~Z6の選択比率は、49:49:2となっている。したがって、第2大入賞口128の最大開放時間が長く、最も多量の賞球を獲得可能な小当たり遊技が実行される確率は低い。つまり、特別図柄Z6は、遊技者にとって希少なものであり、大当たりに次いで賞球数が多い特典として位置付けられている。
また、遊技機100の設計段階では、遊技球の発射球数と、払い出された賞球数との比率である発射賞球比率を厳密に管理、調整する必要がある。そのため、本実施形態では、小当たり遊技において0.1秒の開放が2回なされる特別図柄Z4と、小当たり遊技において0.1秒の開放が3回なされる特別図柄Z5とを設け、これらの選択比率を変更するだけで、発射賞球比率を容易に調整、変更することができるようにしている。
図13は、大役遊技の終了後の遊技状態を設定するための遊技状態設定テーブルを説明する図である。本実施形態においては、大役遊技が実行された場合、大当たり当選時の遊技状態、保留種別、特別図柄(大当たり図柄)の種別に応じて、遊技状態設定テーブルを参照し、大役遊技の終了後の遊技状態を設定する。
大当たり当選時の遊技状態が通常状態またはペナルティ状態である場合、実質変動対象である特1保留によって大当たりに当選すると、大当たり図柄の種別に応じて大役遊技後の遊技状態が設定される。具体的には、大当たり図柄として特別図柄Aが決定された場合には、通常前兆状態(特別遊技状態が低確率遊技状態、普通遊技状態が時短遊技状態)に設定される。このとき、時短遊技状態の継続回数(以下、「時短回数」という)は50回に設定される。これは、大役抽選が50回行われるまで、時短遊技状態が継続することを意味している。ただし、上記した時短回数は1の時短遊技状態における最大継続回数を示すものであり、上記の継続回数に到達するまでの間に大当たりに当選した場合には、再度、遊技状態の設定が行われることとなる。したがって、大役遊技の終了後に時短遊技状態に設定された場合に、当該時短遊技状態において大当たりの抽選結果が導出されることなく、大当たり以外の抽選結果が50回導出されると、非時短遊技状態に遊技状態が変更されることとなる。
また、大当たり図柄として特別図柄Bが決定された場合には、最優位状態(特別遊技状態が高確率遊技状態、普通遊技状態が非時短遊技状態)に設定される。このとき設定された高確率遊技状態は、次回の大当たりに当選するまで継続する(高確回数は次回)。
また、大当たり図柄として特別図柄C~Eが決定された場合には、高確前兆状態(特別遊技状態が高確率遊技状態、普通遊技状態が時短遊技状態)に設定される。このとき、高確回数として「次回」が設定され、時短回数は、大当たり図柄の種別に応じて次のように設定される。
すなわち、特別図柄Cが決定された場合には、時短回数が50回に設定され、特別図柄Dが決定された場合には、時短回数が100回に設定される。特別図柄Cが決定された場合には、次回の大当たりの当選まで高確率遊技状態が継続する一方で、時短遊技状態は50回で終了となる。したがって、特別図柄Cが決定された場合には、大役遊技後、大役抽選の結果が50回導出されたところで、遊技状態が最優位状態に移行することとなる。同様に、特別図柄Dが決定された場合には、大役遊技後、大役抽選の結果が100回導出されたところで、遊技状態が最優位状態に移行することとなる。
これに対して、特別図柄Eが決定された場合には、時短回数が0回に設定される。ここで、特別図柄Eが決定された場合、普通遊技状態が時短遊技状態に設定されるが、時短回数は0回に設定される。これは、図柄の変動表示の回数に拘わらず、次回の大当たりの当選まで、時短遊技状態が継続することを意味している。
また、大当たり当選時の遊技状態が通常状態またはペナルティ状態である場合、実質変動対象ではない特2保留によって大当たりに当選すると、大役遊技後の遊技状態が次のように設定される。すなわち、大当たり図柄として特別図柄Fが決定された場合には、通常状態(特別遊技状態が低確率遊技状態、普通遊技状態が非時短遊技状態)に設定される。また、大当たり図柄として特別図柄G~Jが決定された場合には、ペナルティ状態(特別遊技状態が高確率遊技状態、普通遊技状態が中時短遊技状態)に設定される。このとき、高確回数および時短回数は、いずれも「次回」と設定される。
また、大当たり当選時の遊技状態が最優位状態である場合、実質変動対象ではない特1保留によって大当たりに当選すると、大役遊技後の遊技状態が次のように設定される。すなわち、大当たり図柄として特別図柄Aが決定された場合には、通常時短状態(特別遊技状態が低確率遊技状態、普通遊技状態が時短遊技状態)に設定される。このとき、時短回数は50回に設定される。また、大当たり図柄として特別図柄B~Eが決定された場合には、通常状態およびペナルティ状態と同様に、大役遊技後の遊技状態が設定される。
一方、大当たり当選時の遊技状態が最優位状態である場合、実質変動対象である特2保留によって大当たりに当選すると、大役遊技後の遊技状態が次のように設定される。すなわち、大当たり図柄として特別図柄Fが決定された場合には、通常時短状態(特別遊技状態が低確率遊技状態、普通遊技状態が時短遊技状態)に設定される。このとき、時短回数は50回に設定される。また、大当たり図柄として特別図柄Gが決定された場合には、最優位状態(特別遊技状態が高確率遊技状態、普通遊技状態が非時短遊技状態)に設定される。このとき、高確回数は「次回」となる。
また、大当たり図柄として特別図柄H~Jが決定された場合には、高確前兆状態(特別遊技状態が高確率遊技状態、普通遊技状態が時短遊技状態)に設定される。このとき、高確回数として「次回」が設定され、時短回数は、大当たり図柄の種別に応じて次のように設定される。すなわち、特別図柄Hが決定された場合には、時短回数が50回に設定され、特別図柄Iが決定された場合には、時短回数が100回に設定され、特別図柄Jが決定された場合には、時短回数が0回に設定される。
また、大当たり当選時の遊技状態が通常時短状態、通常前兆状態、高確前兆状態である場合、つまり、普通遊技状態が時短遊技状態である場合、大役遊技後の遊技状態は、通常状態およびペナルティ状態と同様に設定される。
上記のようにして大役遊技後の遊技状態が設定されると、大役遊技後の変動回数に応じて、変動パターン乱数判定テーブルが選択される。このとき、いずれの変動パターン乱数判定テーブルを選択するかは、変動パターン選択状態フラグ(図13では変動状態フラグと示す)と、特殊変動回数とに基づいて決定される。
具体的には、各大当たり図柄には、大当たり当選時の遊技状態ごとに、変動パターン選択状態フラグと特殊変動回数とが対応付けられている。大役遊技の終了時には、大当たり当選時の遊技状態と、大当たり図柄の種別とに基づいて、特殊変動回数と変動パターン選択状態フラグとが設定される。例えば、通常状態において特別図柄Aが決定された場合には、特殊変動回数(特殊変動回数カウンタのカウンタ値)として「50」がセットされ、変動パターン選択状態フラグとして「1」がセットされる。また、例えば、最優位状態において特別図柄Aが決定された場合には、特殊変動回数(特殊変動回数カウンタのカウンタ値)として「50」がセットされ、変動パターン選択状態フラグとして「7」がセットされる。
図14は、変動パターン選択状態フラグおよび特殊変動回数を説明する図である。図14(a)には、高確前兆状態において、特1保留によって大当たりに当選した場合の特殊変動回数、変動パターン選択状態フラグ等を示している。上記したように、大役抽選が行われると、変動パターン乱数判定テーブルを参照して変動パターン番号が決定される。各変動パターン番号には、変動時間が対応付けられていることから、変動パターン番号の決定は、変動時間を決定するものと言える。
そして、遊技機100においては、遊技中、いずれかの変動パターン選択状態フラグがセットされている。ここでは、図13に示すように、「0」~「7」の8種類の変動パターン選択状態フラグが設けられている。変動パターン番号を決定する際には、セットされている変動パターン選択状態フラグと、変動回数(特殊変動回数)とに基づいて、変動パターン乱数判定テーブルが決定される。
例えば、図14(b)に示すように、大役遊技の終了時に、変動パターン選択状態フラグが「1」にセットされたとする。この場合、大役遊技後の変動回数が1~48回であれば、変動パターン乱数判定テーブルG-1が決定され、大役遊技後の変動回数が49回であれば、変動パターン乱数判定テーブルG-2が決定され、大役遊技後の変動回数が50回であれば、変動パターン乱数判定テーブルG-3が決定され、大役遊技後の変動回数が51回以上であれば、変動パターン乱数判定テーブルAが決定される。
同様に、大役遊技の終了時に、変動パターン選択状態フラグが「2」にセットされたとする。この場合、大役遊技後の変動回数がいずれの回数であっても、変動パターン乱数判定テーブルEが決定される。なお、図14(b)においては、高確前兆状態において、実質変動対象である特1保留に基づく大役抽選が行われ、かつ、大役抽選の結果がハズレの場合に決定される変動パターン乱数判定テーブルを示している。したがって、実質変動対象ではない特2保留に基づく大役抽選が行われた場合や、大役抽選の結果がハズレ以外であった場合には、図14(b)とは異なる変動パターン乱数判定テーブルが決定されることとなる。
また、図14(b)においては、大役遊技後の変動回数ごとの変動パターン乱数判定テーブルを示しているが、実際の処理では、特殊変動回数カウンタのカウンタ値に基づいて、変動パターン乱数判定テーブルが決定される。具体的には、変動パターン番号を決定する処理では、変動パターン選択状態フラグと特殊変動回数カウンタのカウンタ値とがロードされる。なお、特殊変動回数カウンタのカウンタ値は、変動パターン乱数判定テーブルが決定された後にデクリメントされる。
例えば、変動パターン選択状態フラグが「1」にセットされ、特殊変動回数カウンタのカウンタ値が「50」にセットされたとする。その後、大役抽選が行われるたびに、変動パターン番号を決定する処理が行われるが、このとき、特殊変動回数カウンタのカウンタ値が「50」~「3」であれば、変動パターン乱数判定テーブルG-1が決定され、特殊変動回数カウンタのカウンタ値が「2」であれば、変動パターン乱数判定テーブルG-2が決定され、特殊変動回数カウンタのカウンタ値が「1」であれば、変動パターン乱数判定テーブルG-3が決定され、特殊変動回数カウンタのカウンタ値が「0」であれば、変動パターン乱数判定テーブルAが決定される。
また、例えば、変動パターン選択状態フラグが「5」にセットされ、特殊変動回数カウンタのカウンタ値が「100」にセットされたとする。この場合、特殊変動回数カウンタのカウンタ値が「100」~「1」であれば、変動パターン乱数判定テーブルG-4が決定され、特殊変動回数カウンタのカウンタ値が「0」であれば、変動パターン乱数判定テーブルG-7が決定される。
このように、実際の処理では、変動パターン選択状態フラグと、特種変動回数カウンタのカウンタ値とに基づいて、変動パターン乱数判定テーブルが選択されることとなる。なお、遊技機100の初期状態では、変動パターン選択状態フラグが「0」に設定される。また、大役遊技後に設定された変動パターン選択状態フラグは、次回の大当たりの当選まで変更されることはない。
図15は、当たり決定乱数判定テーブルを説明する図である。遊技領域116を流下する遊技球がゲート124を通過するか、もしくは、普図作動口125に入球すると、第1可変始動口120Bの可動片120bを通電制御するか否かが対応付けられた普通図柄の判定処理(以下、「普図抽選」という)が行われる。
なお、詳しくは後述するが、遊技球がゲート124を通過するか、もしくは、普図作動口125に入球すると、0~99の範囲内から1つの当たり決定乱数が取得されるとともに、この乱数値がメインRAM300cの普図保留記憶領域に4つを上限として記憶される。つまり、普図保留記憶領域は、当たり決定乱数をセーブする4つの記憶部を備えている。したがって、普図保留記憶領域の4つの記憶部全てに当たり決定乱数が記憶された状態で、遊技球がゲート124を通過するか、もしくは、普図作動口125に入球した場合には、当該遊技球の通過に基づいて当たり決定乱数が記憶されることはない。以下では、ゲート124を遊技球が通過するか、もしくは、普図作動口125に遊技球が入球して普図保留記憶領域に記憶された当たり決定乱数を普図保留とよぶ。
普通遊技状態が非時短遊技状態であるときに普図抽選を開始する場合には、図15(a)に示すように、非時短遊技状態用当たり決定乱数判定テーブルが参照される。この非時短遊技状態用当たり決定乱数判定テーブルによれば、当たり決定乱数が0であった場合に、普通図柄の種別として当たり図柄が決定され、当たり決定乱数が1~99であった場合に、普通図柄の種別としてハズレ図柄が決定される。したがって、非時短遊技状態において当たり図柄が決定される確率、すなわち、当選確率は1/100となる。詳しくは後述するが、この普図抽選において当たり図柄が決定されると、第1可変始動口120Bの可動片120bが開状態に制御され、ハズレ図柄が決定された場合には、第1可変始動口120Bの可動片120bが閉状態に維持される。
また、中時短遊技状態において普図抽選を開始する場合には、図15(b)に示すように、中時短遊技状態用当たり決定乱数判定テーブルが参照される。この中時短遊技状態用当たり決定乱数判定テーブルによれば、当たり決定乱数が0~49であった場合に、普通図柄の種別として当たり図柄が決定され、当たり決定乱数が50~99であった場合に、普通図柄の種別としてハズレ図柄が決定される。したがって、中時短遊技状態において当たり図柄が決定される確率、すなわち、当選確率は50/100となる。
また、時短遊技状態において普図抽選を開始する場合には、図15(c)に示すように、時短遊技状態用当たり決定乱数判定テーブルが参照される。この時短遊技状態用当たり決定乱数判定テーブルによれば、当たり決定乱数が0~98であった場合に、普通図柄の種別として当たり図柄が決定され、当たり決定乱数が99であった場合に、普通図柄の種別としてハズレ図柄が決定される。したがって、時短遊技状態において当たり図柄が決定される確率、すなわち、当選確率は99/100となる。
図16(a)は、普通図柄変動時間データテーブルを説明する図であり、図16(b)は、開閉制御パターンテーブルを説明する図である。上記のように、普図抽選が行われると、普通図柄の変動時間が決定される。普通図柄変動時間データテーブルは、普図抽選によって当たり図柄もしくはハズレ図柄が決定されたときに、当該普通図柄の変動時間を決定する際に参照されるものである。この普通図柄変動時間データテーブルによれば、遊技状態が非時短遊技状態および中時短遊技状態に設定されている場合には変動時間が10秒に決定され、遊技状態が時短遊技状態に設定されている場合には変動時間が1秒に決定される。このようにして変動時間が決定されると、当該決定された時間にわたって普通図柄表示器168が変動表示(点滅表示)される。そして、当たり図柄が決定された場合には普通図柄表示器168が点灯し、ハズレ図柄が決定された場合には普通図柄表示器168が消灯する。
そして、普図抽選によって当たり図柄が決定されるとともに、普通図柄表示器168が点灯した場合には、第1可変始動口120Bの可動片120bが、図16(b)に示すように、開閉制御パターンテーブルを参照して通電制御される。なお、実際は、開閉制御パターンテーブルは、遊技状態ごとに設けられており、普通図柄が決定されたときの遊技状態に応じて、対応するテーブルが普通電動役物ソレノイド120cの通電開始時にセットされる。
当たり図柄が決定されると、図16(b)に示すように、開閉制御パターンテーブルを参照して第1可変始動口120Bが開閉制御される。この開閉制御パターンテーブルによれば、普電開放前時間(第1可変始動口120Bの開放が開始されるまでの待機時間)、普通電動役物最大開閉切替回数(第1可変始動口120Bの開放回数)、ソレノイド通電時間(第1可変始動口120Bの開放回数ごとの普通電動役物ソレノイド120cの通電時間、すなわち、1回の第1可変始動口120Bの開放時間)、規定数(第1可変始動口120Bの全開放中における第1可変始動口120Bへの最大入賞可能数)、普電閉鎖有効時間(第1可変始動口120Bの各開放間の閉鎖時間、すなわち、休止時間)、普電有効状態時間(第1可変始動口120Bの最後の開放終了からの待機時間)、普電終了ウェイト時間(普電有効状態時間の経過後、後述する普通図柄の変動表示が再開されるまでの待機時間)が、第1可変始動口120Bの制御データとして、遊技状態ごとに、図示のように予め記憶されている。
このように、普通図柄の当選確率、変動時間および開放時間を設定することにより、図16(b)の下部に示すように、発射賞球比率(遊技領域116に発射される遊技球に対して第1可変始動口120B、第2始動口122、普図作動口125および大入賞口に遊技球が入球して遊技者に払い出される賞球数の比率)は、非時短遊技状態では発射数:賞球数=100:20、中時短遊技状態では発射数:賞球数=100:40、時短遊技状態では発射数:賞球数=100:99となる。
なお、第1可変始動口120Bの開閉条件は、普通図柄の当選確率、普通図柄の変動表示の時間、第1可変始動口120Bの開放時間の3つの要素を規定するものである。つまり、普通図柄の当選確率、普通図柄の変動表示の時間、第1可変始動口120Bの開放時間の3つの要素を組み合わせることにより、非時短遊技状態、中時短遊技状態、時短遊技状態それぞれにおける、第1可変始動口120Bへの遊技球の入球頻度や、発射賞球比率を設定可能である。いずれにしても、ここに示した3つの要素の組み合わせは一例にすぎず、非時短遊技状態よりも時短遊技状態の方が、発射賞球比率が高くなるように、3つの要素を組み合わせればよい。
図17は、本来の遊技性に則った遊技状態の遷移を説明する図である。上記の構成により、遊技機100は、次のような遊技性を実現する。なお、ここでは、登録設定値が「1」に設定されている場合について説明する。まず、遊技機100の初期状態では、図17の(a)に示す通常状態に設定されている。通常状態では、実質変動対象が特1保留に設定されているため、遊技者は第1固定始動口120Aに遊技球を入球させるべく、第1遊技領域116aに向けて遊技球を発射させる。第1遊技領域116aは、遊技盤108の左側に位置することから、遊技者は、通常状態において、所謂「左打ち」を行うこととなる。
第1固定始動口120Aに遊技球が入球すると特1保留が第1特図保留記憶領域に記憶される。第1特図保留記憶領域に記憶された特1保留は、始動条件の成立により順次読み出され、読み出した特1保留に基づく大役抽選が行われる。このとき、大当たりの当選確率は約1/300.6に設定されている。通常状態では、この特1保留に基づく大役抽選において、大当たりに当選することを目的として遊技を行うこととなる。なお、第1遊技領域116aに向けて遊技球を発射した場合の発射賞球比率は100:20に設定されており、遊技中に遊技球が減少していくことになる。
そして、通常状態において、特1保留による大役抽選で大当たりに当選すると、大役遊技が実行される。この大役遊技では、第1大入賞口126が開放されるラウンド遊技が6回実行され、遊技者は6ラウンド分の賞球を獲得することができる。そして、特1保留によって大当たりに当選した場合には、大当たり図柄として特別図柄A~Eのいずれかが決定される。
通常状態において、第1特別図柄表示器160に停止表示された大当たり図柄が特別図柄Aであった場合、大役遊技後の遊技状態は、図17の(c)に示す通常前兆状態となる。特1保留で大当たりに当選した場合に、大当たり図柄として特別図柄Aが決定される確率は35%である。したがって、通常状態で大当たりに当選した場合、35%の確率で、遊技状態が通常前兆状態に移行する。通常前兆状態では、実質変動対象が特1保留に設定されているが、普通遊技状態が時短遊技状態であるため、遊技者は第1可変始動口120Bに遊技球を入球させるべく、第2遊技領域116bを狙った右打ちを行うこととなる。
つまり、この通常前兆状態では、通常状態と同様、特1保留に基づく大役抽選において、大当たりに当選することを目的として遊技を行うこととなる。なお、通常前兆状態は、大当たりの当選確率が約1/300.6であるが、普通遊技状態が時短遊技状態であることから、可動片120bが頻繁に開状態となる。そのため、発射賞球比率は100:99となり、遊技者は、遊技球の費消を低減しながら、大当たりの当選を狙うことができる。
なお、適切に遊技が行われていることを前提にすると、この通常前兆状態に移行するのは、通常状態において特別図柄Aが決定された場合に限られる。通常前兆状態に移行すると、時短回数が50回に設定され、50回の大役抽選で大当たりに当選しなかった場合には、遊技状態が再び通常状態に移行することとなる(時短抜け)。
また、通常状態において、第1特別図柄表示器160に停止表示された大当たり図柄が特別図柄C~Eであった場合、大役遊技後の遊技状態は、図17の(b)に示す高確前兆状態となる。特1保留で大当たりに当選した場合に、大当たり図柄として特別図柄C~Eが決定される確率は60%である。したがって、通常状態で大当たりに当選した場合、60%の確率で、遊技状態が高確前兆状態に移行する。高確前兆状態では、実質変動対象が特1保留に設定されているが、普通遊技状態が時短遊技状態であるため、遊技者は第1可変始動口120Bに遊技球を入球させるべく、第2遊技領域116bを狙った右打ちを行うこととなる。
つまり、この高確前兆状態では、通常状態と同様、特1保留に基づく大役抽選において、大当たりに当選することを目的として遊技を行うこととなる。なお、高確前兆状態は、大当たりの当選確率が約1/105.7であり、普通遊技状態が時短遊技状態であることから、可動片120bが頻繁に開状態となる。そのため、発射賞球比率は100:99となり、遊技者は、遊技球の費消を低減しながら、大役抽選を行うことができる。
また、通常状態において、第1特別図柄表示器160に停止表示された大当たり図柄が特別図柄Bであった場合、大役遊技後の遊技状態は、図17の(d)に示す最優位状態となる。特1保留で大当たりに当選した場合に、大当たり図柄として特別図柄Bが決定される確率は5%である。したがって、通常状態から最優位状態へと移行するのは、極めて稀なケースといえる。最優位状態では、実質変動対象が特2保留に設定されているため、遊技者は第2始動口122に遊技球を入球させるべく、第2遊技領域116bに向けて遊技球を発射させる。第2遊技領域116bは、遊技盤108の右側に位置することから、遊技者は、最優位状態において、所謂「右打ち」を行うこととなる。
最優位状態では、第2始動口122に遊技球が入球すると特2保留が第2特図保留記憶領域に記憶される。第2特図保留記憶領域に記憶された特2保留は、始動条件の成立により順次読み出され、読み出した特2保留に基づく大役抽選が行われる。このとき、大当たりの当選確率は約1/105.7に設定されており、また、小当たりの当選確率は約1/3.45に設定されている。最優位状態では、この特2保留に基づく大役抽選において、小当たりに当選することが遊技の最大の目的となる。
具体的には、第2遊技領域116bに遊技球を発射させた場合、発射球数に対する、第2始動口122への遊技球の入球によって払い出される賞球の比率は、100:60~80程度に設定されている。そして、最優位状態では、特2保留による大役抽選において、約1/3.45の確率で小当たりに当選するため、小当たり遊技が頻繁に行われる。ここで、特2保留によって小当たりに当選した場合には、小当たり図柄Z4~Z6が決定される。上記したように、小当たり図柄Z4が第2特別図柄表示器162に停止表示された場合の小当たり遊技では、平均2~3個の遊技球が第2大入賞口128に入球する。小当たり図柄Z5が第2特別図柄表示器162に停止表示された場合の小当たり遊技では、平均3~4個の遊技球が第2大入賞口128に入球する。さらに、小当たり図柄Z6が第2特別図柄表示器162に停止表示された場合の小当たり遊技では、ほぼ規定数の遊技球が第2大入賞口128に入球する。
第2大入賞口128に遊技球が入球すると、例えば、1個の遊技球の入球に対して15個の賞球が払い出される。これにより、最優位状態では、発射球数に対する全ての賞球数の比率である発射賞球比率が100:120となり、第2遊技領域116bに向けて遊技球を発射し続けるだけで、遊技球を増加させることができる。
なお、この最優位状態では、普通遊技状態が非時短遊技状態となっており、可動片120bが開状態となることは殆どない。また、最優位状態では、特別遊技状態が高確率遊技状態となっており、最優位状態への移行時には、高確回数が必ず「次回」に設定される。最優位状態における大当たりの当選確率が約1/105.7であることから、最優位状態では、実質上、次回の大当たりの当選が確約された状態と言える。
この最優位状態における実質変動対象の特2保留によれば、大当たりに当選した場合に、大当たり図柄として特別図柄F~Jが決定される。特2保留によって大当たりに当選した場合に、大当たり図柄として特別図柄Fが決定される確率は35%である。特別図柄Fが決定されると、大役遊技において5回のラウンド遊技が実行されるとともに、大役遊技後の遊技状態が、図17の(e)に示す通常時短状態となる。
一方、特2保留によって大当たりに当選した場合に、大当たり図柄として特別図柄Gが決定される確率は5%である。特別図柄Gが決定されると、大役遊技において10回のラウンド遊技が実行されるとともに、大役遊技後の遊技状態が、再度、最優位状態となる。また、大当たり図柄として特別図柄H~Jが決定される確率は60%であり、特別図柄H~Jが決定されると、大役遊技において5回のラウンド遊技が実行されるとともに、大役遊技後の遊技状態が、高確前兆状態となる。
最優位状態は、他の遊技状態に比べて、有利度合いが極めて高いため、遊技機100における遊技の最大の目的は、遊技状態を最優位状態に移行させることとなる。上記のとおり、遊技はまず、通常状態で開始されるが、この通常状態から一気に最優位状態に移行する確率は、大当たりの当選確率(約1/300)×特別図柄Bの選択比率(5%)≒1/6000と極めて低い。そのため、図17の一点鎖線で囲んだ前兆状態を経由して最優位状態へ移行するという移行ルートが、遊技機100における最優位状態への主な移行ルートとなる。
すなわち、前兆状態(高確前兆状態および通常前兆状態)において、特1保留により大当たりに当選すると、大当たり図柄として、特別図柄Aが35%、特別図柄Bが5%、特別図柄C~Eがそれぞれ20%の確率で決定される。特別図柄Aが決定された場合には、大役遊技後の遊技状態が、図17の(c)に示す通常前兆状態となり、時短回数が50回に設定される。また、特別図柄Bが決定された場合には、大役遊技後の遊技状態が、図17の(d)に示す最優位状態となるが、その確率は大当たり当選時の5%である。
また、特別図柄C~Eが決定された場合には、大役遊技後の遊技状態が、図17の(b)に示す高確前兆状態となる。そして、特別図柄Cが決定された場合には、高確前兆状態に設定されるとともに、時短回数が50回に設定される。このとき、大役遊技後の変動回数が50回に到達すると、時短遊技状態が終了し、普通遊技状態が非時短遊技状態となる。その結果、時短抜けにより、遊技状態が最優位状態に移行することとなる。
同様に、特別図柄Dが決定された場合には、大役遊技後の遊技状態が、図17の(b)に示す高確前兆状態となる。そして、特別図柄Dが決定された場合には、高確前兆状態に設定されるとともに、時短回数が100回に設定される。このとき、大役遊技後の変動回数が100回に到達すると、時短抜けにより、遊技状態が最優位状態に移行する。
高確前兆状態において大当たりに当選した場合の最優位状態への移行確率は5%である。これに対して、変動回数が時短回数に達すれば、必ず、最優位状態へ移行する。したがって、通常前兆状態ではなく、高確前兆状態であることを遊技者が把握している場合には、大当たりの当選が遊技の目的となるのではなく、大当たりに当選せずに、時短抜けすることが遊技の目的となる。従来の一般的な遊技機では、時短回数が多くなるほど、遊技者の期待感が高まるが、本実施形態の遊技機100では、時短回数が少ないことを遊技者が期待することとなり、従来の遊技とは、遊技者心理が大きく異なるものとなる。
さらに、本実施形態では、特別図柄Bの当選、および、時短抜けとは別に、特定の小当たり図柄に当選することが、高確前兆状態から最優位状態への移行条件として設定されている。具体的には、高確前兆状態における実質変動対象である特1保留によって小当たりに当選した場合、小当たり図柄として、特別図柄Z1が1%、特別図柄Z2が69%、特別図柄Z3が30%の確率で決定される(図8(c)参照)。
このとき、小当たり図柄として特別図柄Z1が決定されると、小当たり遊技の終了に伴って時短遊技状態が終了し、その結果、遊技状態が最優位状態へと移行することとなる。ただし、特別図柄Z1の当選によって時短遊技状態が終了するのは、大役遊技後の変動回数が100回以内である場合に限られる。したがって、大当たり当選時に特別図柄E、Jが決定されて高確前兆状態に設定された場合には、変動回数が100回以内であるときに特別図柄Z1に当選すれば最優位状態に移行するが、変動回数が100回を超えた後に特別図柄Z1に当選しても、最優位状態に移行することはなく、以後、大当たりに当選するまで、高確前兆状態が継続することとなる。
このように、特定の小当たりの当選によって最優位状態に移行することから、変動回数が規定回数に達したときにのみ最優位状態に移行する場合に比べて、遊技者に対して、常時、期待感と緊張感とが付与される。
なお、上記の高確前兆状態、通常前兆状態、通常時短状態においては、約1/3.45の確率で小当たりに当選する。そのため、高確前兆状態、通常前兆状態、通常時短状態においても、最優位状態と同様に、頻繁に小当たり遊技が実行される。しかしながら、高確前兆状態、通常前兆状態、通常時短状態は、いずれも普通遊技状態が時短遊技状態である。また、詳しくは後述するが、小当たり遊技中も、普通遊技状態は時短遊技状態に維持されている。そのため、小当たり遊技中に第2大入賞口128が開放されるものの、この間に、第1可変始動口120Bも開放されてしまう。
上記したように、第1可変始動口120Bは、第2大入賞口128よりも上方に設けられており、しかも、時短遊技状態では、第1可変始動口120Bの開放時間が、第2大入賞口128の開放時間よりも極めて長い。そのため、高確前兆状態、通常前兆状態、通常時短状態においては、第2遊技領域116bを流下する遊技球の殆どが第1可変始動口120Bに入球し、第2大入賞口128には殆ど遊技球が入球することはない。その結果、高確前兆状態、通常前兆状態、通常時短状態においては、最優位状態とは異なり、遊技中に右打ちを行ったとしても、遊技球が徐々に減少することとなる。
図18は、適切に遊技が行われなかった場合の遊技状態の遷移を説明する図である。上記のように、遊技機100では、第1特別図柄表示器160における図柄の変動表示と、第2特別図柄表示器162における図柄の変動表示とが、同時並行して行われる。このとき、実質変動対象以外の保留によって大役抽選が行われた結果、遊技者に不利益が生じる可能性がある場合については、変動時間を10分といった長時間に設定している。しかしながら、実質変動対象以外の保留によって大役抽選が行われた後、例えば、遊技を中断してしまう等した結果、実質変動対象以外の保留による大当たりが確定してしまうこともある。この場合には、図18に示すように遊技状態が遷移することとなる。
以下に、上記の遊技性を実現するための、主制御基板300の主な処理について説明する。
図19は、遊技機状態フラグを説明する図である。主制御基板300においては、遊技を進行可能な状態であるか否かが遊技機状態フラグにより管理される。遊技機状態フラグには、00H~05Hの6種類のフラグ値のいずれかがセットされる。遊技機状態フラグのフラグ値=00Hは遊技可能状態を示しており、遊技機状態フラグが00Hである場合に、遊技が進行制御され、遊技機状態フラグが00H以外である場合には、遊技が停止される。
遊技機状態フラグのフラグ値=01Hは設定変更状態を示しており、遊技機状態フラグが01Hである場合には、登録設定値の変更操作が可能となる。遊技機状態フラグのフラグ値=02Hは設定確認状態を示しており、遊技機状態フラグが02Hである場合には、登録設定値が性能表示モニタ184に表示される等して、登録設定値を確認することが可能となる。遊技機状態フラグのフラグ値=03Hは設定異常状態を示しており、遊技機状態フラグが03Hである場合には、登録設定値が異常であるとして遊技が停止される。遊技機状態フラグのフラグ値=04HはRAM異常状態を示しており、遊技機状態フラグが04Hである場合には、遊技が停止される。遊技機状態フラグのフラグ値=05Hはチェックサム異常状態を示しており、遊技機状態フラグが05Hである場合には、遊技が停止される。電源が投入されると、遊技機状態フラグがいずれかのフラグ値にセットされ、遊技機状態フラグに応じた処理が行われる。
(主制御基板300のCPU初期化処理)
図20は、主制御基板300におけるCPU初期化処理を説明する第1のフローチャートであり、図21は、主制御基板300におけるCPU初期化処理を説明する第2のフローチャートである。
電源基板より電源が供給されると、メインCPU300aにシステムリセットが発生し、メインCPU300aは、以下のCPU初期化処理(S100)を行う。
(ステップS100-1)
メインCPU300aは、電源投入に応じて、初期設定処理として、メインROM300bから起動プログラムを読み込むとともに、各種処理を実行するために必要な設定処理を行う。
(ステップS100-3)
メインCPU300aは、タイマカウンタにウェイト処理時間を設定する。
(ステップS100-5)
メインCPU300aは、電源断予告信号を検出しているかを判定する。なお、主制御基板300には、電源断検知回路が設けられており、電源電圧が所定値以下になると、電源断検知回路から電源断予告信号が出力される。電源断予告信号を検出している場合には、上記ステップS100-3に処理を移し、電源断予告信号を検出していない場合には、ステップS100-7に処理を移す。
(ステップS100-7)
メインCPU300aは、上記ステップS100-3で設定したウェイト時間が経過したか否かを判定する。その結果、ウェイト時間が経過したと判定した場合にはステップS100-9に処理を移し、ウェイト時間は経過していないと判定した場合には上記ステップS100-5に処理を移す。
(ステップS100-9)
メインCPU300aは、メインRAM300cへのアクセスを許可するために必要な処理を実行する。
(ステップS100-11)
メインCPU300aは、Dレジスタに電源断前の遊技機状態フラグのフラグ値をロードする。
(ステップS100-13)
メインCPU300aは、チェックサムを算出するとともに、算出したチェックサムが、電源断時に保存されたチェックサムと一致する(正常である)か、ならびに、バックアップフラグが正常であるかを判定する。その結果、バックアップフラグおよびチェックサムが正常であると判定した場合にはステップS100-15に処理を移し、いずれか一方または双方が正常ではないと判定した場合にはステップS100-25に処理を移す。
(ステップS100-15)
メインCPU300aは、メインRAM300cのクリア対象の先頭アドレスに、設定値および遊技機状態フラグを含まない番地をセットする。
(ステップS100-17)
メインCPU300aは、RAMクリアスイッチ182sからRAMクリア操作信号が入力されているか(RAMクリアボタンが押下操作されているか)を判定する。その結果、RAMクリア操作信号が入力されていると判定した場合にはステップS100-31に処理を移し、RAMクリア操作信号は入力されていないと判定した場合にはステップS100-19に処理を移す。
(ステップS100-19)
メインCPU300aは、上記ステップS100-11でロードした遊技機状態フラグのフラグ値が00H(遊技可能状態)であり、設定変更スイッチ180sがオンしており、かつ、中枠104が開放しているかを判定する。その結果、3つの条件をすべて満たすと判定した場合にはステップS100-21に処理を移し、3つの条件の1つでも満たされないと判定した場合にはステップS100-23に処理を移す。
(ステップS100-21)
メインCPU300aは、遊技機状態フラグに02H(設定確認状態)をセットする。すなわち、中枠104が開放されており、設定変更スイッチ180sがオンしており、RAMクリアボタンが押下されていない状態で正常に電源投入がなされると、設定確認状態となる。
(ステップS100-23)
メインCPU300aは、メインRAM300cのうち、上記ステップS100-15でセットされた先頭アドレス以降の領域である電源復帰時のクリア対象をクリアする初期化処理を実行し、ステップS100-49に処理を移す。
(ステップS100-25)
メインCPU300aは、Dレジスタに05H(チェックサム異常状態)をセットする。
(ステップS100-27)
メインCPU300aは、使用外領域のリードライトメモリのチェックおよびクリアを行う領域外リードライトチェック処理を行う。
(ステップS100-29)
メインCPU300aは、メインRAM300cのクリア対象の先頭アドレスに、設定値および遊技機状態フラグを含む番地をセットする。
(ステップS100-31)
メインCPU300aは、使用領域のリードライトメモリのチェックおよびクリアを行う。
(ステップS100-33)
メインCPU300aは、上記ステップS100-31におけるリードライトメモリのチェック結果が正常であるかを判定する。その結果、正常であると判定した場合にはステップS100-37に処理を移し、正常ではないと判定した場合にはステップS100-35に処理を移す。
(ステップS100-35)
メインCPU300aは、Dレジスタに04H(RAM異常状態)をセットし、ステップS100-45に処理を移す。
(ステップS100-37)
メインCPU300aは、Dレジスタに02H(設定確認状態)がセットされているかを判定する。その結果、02Hがセットされていると判定した場合にはステップS100-39に処理を移し、02Hはセットされていないと判定した場合にはステップS100-41に処理を移す。
(ステップS100-39)
メインCPU300aは、Dレジスタに00H(遊技可能状態)をセットする。
(ステップS100-41)
メインCPU300aは、設定変更条件を満たしているかを判定する。その結果、設定変更条件を満たしていると判定した場合にはステップS100-43に処理を移し、設定変更条件は満たしていないと判定した場合にはステップS100-45に処理を移す。なお、ここでは、設定変更条件に、設定変更スイッチ180sがオンしていること、中枠104が開放していること、および、RAMクリアスイッチ182sからRAMクリア操作信号が入力されていることが少なくとも含まれる。
(ステップS100-43)
メインCPU300aは、Dレジスタに01H(設定変更状態)をセットする。
(ステップS100-45)
メインCPU300aは、Dレジスタにセットされている値を遊技機状態フラグにセーブする。
(ステップS100-47)
メインCPU300aは、メインRAM300cのうち、RAMクリア時のクリア対象をクリアする初期化処理を実行し、ステップS100-49に処理を移す。
(ステップS100-49)
メインCPU300aは、メインRAM300cがクリアされたことを払出制御基板310に伝達するための払出コマンド(RAMクリア指定コマンド)の送信処理(RAMクリア指定コマンドを送信バッファに格納)を行う。
(ステップS100-51)
メインCPU300aは、遊技機状態フラグをロードする。
(ステップS100-53)
メインCPU300aは、上記ステップS100-51でロードした遊技機状態フラグが00H(遊技可能状態)であるかを判定する。その結果、00Hであると判定した場合にはステップS110に処理を移し、00Hではないと判定した場合にはステップS100-55に処理を移す。
(ステップS110)
メインCPU300aは、サブコマンド群セット処理を行う。なお、このサブコマンド群セット処理については後述する。
(ステップS100-55)
メインCPU300aは、所定のコマンドを副制御基板330に送信するためのサブコマンドセット処理を行う。
(ステップS100-57)
メインCPU300aは、タイマ割込みの周期を設定する。
(ステップS100-59)
メインCPU300aは、割込みを禁止するための処理を行う。
(ステップS100-61)
メインCPU300aは、当たり図柄乱数用初期値更新乱数を更新する。なお、当たり図柄乱数用初期値更新乱数は、当たり図柄乱数の初期値および終了値を決定するためのものである。つまり、後述する当たり図柄乱数の更新処理によって当たり図柄乱数が、当たり図柄乱数用初期値更新乱数から、当該当たり図柄乱数用初期値更新乱数-1まで1周すると、当たり図柄乱数は、そのときの当たり図柄乱数用初期値更新乱数に更新されることとなる。
(ステップS100-63)
メインCPU300aは、払出制御基板310から受信した受信データ(主コマンド)を解析し、受信データに応じた種々の処理を実行する。
(ステップS100-65)
メインCPU300aは、送信バッファに格納されているサブコマンドを副制御基板330に送信するための処理を行う。
(ステップS100-67)
メインCPU300aは、割込みを許可するための処理を行う。
(ステップS100-69)
メインCPU300aは、リーチグループ決定乱数、リーチモード決定乱数、変動パターン乱数を更新し、以後、上記ステップS100-59から処理を繰り返す。なお、以下では、変動演出パターンを決定するためのリーチグループ決定乱数、リーチモード決定乱数、変動パターン乱数を総称して変動演出用乱数と呼ぶ。
図22は、主制御基板300におけるサブコマンド群セット処理(S110)を説明するフローチャートである。
(ステップS110-1)
メインCPU300aは、遊技機状態フラグのフラグ値をロードする。
(ステップS110-3)
メインCPU300aは、所定のコマンドを副制御基板330に送信するためのサブコマンドセット処理を行う。
(ステップS110-5)
メインCPU300aは、遊技機100の機種情報を示す機種コマンドを送信バッファにセットする機種コマンド設定処理を行う。
(ステップS110-7)
メインCPU300aは、登録設定値を示す設定値指定コマンドを送信バッファにセットする設定値指定コマンド設定処理を行う。
(ステップS110-9)
メインCPU300aは、特1保留数を示す特図1保留指定コマンドを送信バッファにセットする特図1保留指定コマンド設定処理を行う。
(ステップS110-11)
メインCPU300aは、特2保留数を示す特図2保留指定コマンドを送信バッファにセットする特図2保留指定コマンド設定処理を行う。
(ステップS110-13)
メインCPU300aは、時短遊技状態の残り回数を示す回数コマンドを送信バッファにセットする回数コマンド設定処理を行う。
(ステップS110-15)
メインCPU300aは、変動パターン選択状態を示す変動パターン選択状態指定コマンドを送信バッファにセットする変動パターン選択状態指定コマンド設定処理を行う。
(ステップS110-17)
メインCPU300aは、特別遊技管理フェーズを示す特図フェーズ指定コマンドを送信バッファにセットする特図フェーズ指定コマンド設定処理を行う。なお、特別遊技管理フェーズについては後述する。
(ステップS110-19)
メインCPU300aは、特別遊技管理フェーズが特別図柄変動待ち状態であるかを判定する。その結果、特別図柄変動待ち状態であると判定した場合にはステップS110-21に処理を移し、特別図柄変動待ち状態ではないと判定した場合には当該サブコマンド群セット処理を終了する。
(ステップS110-21)
メインCPU300aは、客待ち指定コマンドを送信バッファにセットし、当該サブコマンド群セット処理を終了する。
次に、主制御基板300における割込み処理について説明する。ここでは、電源断時退避処理(XINT割込み処理)およびタイマ割込み処理について説明する。
(主制御基板300の電源断時退避処理(XINT割込み処理))
図23は、主制御基板300における電源断時退避処理(XINT割込み処理)を説明するフローチャートである。メインCPU300aは、電源断検知回路を監視しており、電源電圧が所定値以下になると、CPU初期化処理に割り込んで電源断時退避処理を実行する。
(ステップS300-1)
電源断予告信号が入力されると、メインCPU300aは、レジスタを退避する。
(ステップS300-3)
メインCPU300aは、電源断予告信号をチェックする。
(ステップS300-5)
メインCPU300aは、電源断予告信号を検出しているかを判定する。その結果、電源断予告信号を検出していると判定した場合にはステップS300-11に処理を移し、電源断予告信号を検出していないと判定した場合にはステップS300-7に処理を移す。
(ステップS300-7)
メインCPU300aは、レジスタを復帰させる。
(ステップS300-9)
メインCPU300aは、割込みを許可するための処理を行い、当該電源断時退避処理を終了する。
(ステップS300-11)
メインCPU300aは、出力ポートの出力を停止する出力ポートクリア処理を実行する。
(ステップS300-13)
メインCPU300aは、チェックサムを算出して保存するチェックサム設定処理を実行する。
(ステップS300-15)
メインCPU300aは、メインRAM300cへのアクセスを禁止するために必要なRAMプロテクト設定処理を実行する。
(ステップS300-17)
メインCPU300aは、電源断発生監視時間を設定すべく、ループカウンタのカウンタ値に所定の電源断検出信号検出回数をセットする。
(ステップS300-19)
メインCPU300aは、電源断予告信号をチェックする。
(ステップS300-21)
メインCPU300aは、電源断予告信号を検出しているかを判定する。その結果、電源断予告信号を検出していると判定した場合にはステップS300-17に処理を移し、電源断予告信号を検出していないと判定した場合にはステップS300-23に処理を移す。
(ステップS300-23)
メインCPU300aは、上記ステップS300-17でセットしたループカウンタの値を1減算する。
(ステップS300-25)
メインCPU300aは、ループカウンタのカウンタ値が0でないかを判定する。その結果、カウンタ値が0ではないと判定した場合にはステップS300-19に処理を移し、カウンタ値が0であると判定した場合には上記したCPU初期化処理(ステップS100)に移行する。
なお、実際に電源断が生じた場合には、ステップS300-17~ステップS300-25をループしている間に遊技機100の稼働が停止する。
(主制御基板300のタイマ割込み処理)
図24は、主制御基板300におけるタイマ割込み処理を説明するフローチャートである。主制御基板300には、所定の周期(本実施形態では4ミリ秒、以下「4ms」という)毎にクロックパルスを発生させるリセット用クロックパルス発生回路が設けられている。そして、リセット用クロックパルス発生回路によって、クロックパルスが発生すると、CPU初期化処理(ステップS100)に割り込んで、以下のタイマ割込み処理が実行される。
(ステップS400-1)
メインCPU300aは、レジスタを退避する。
(ステップS400-3)
メインCPU300aは、割込みを許可するための処理を行う。
(ステップS400-5)
メインCPU300aは、コモン出力バッファにセットされたコモンデータを出力ポートに出力し、第1特別図柄表示器160、第2特別図柄表示器162、第1特別図柄保留表示器164、第2特別図柄保留表示器166、普通図柄表示器168、普通図柄保留表示器170、右打ち報知表示器172、性能表示モニタ184を点灯制御するダイナミックポート出力処理を実行する。
(ステップS400-7)
メインCPU300aは、各種の入力ポート情報を読み込み、最新のスイッチ状態を正確に取得するためのポート入力処理を実行する。
(ステップS400-9)
メインCPU300aは、遊技機状態フラグのフラグ値をロードする。
(ステップS400-11)
メインCPU300aは、上記ステップS400-9でロードしたフラグ値が00H(遊技可能状態)であるかを判定する。その結果、00Hであると判定した場合にはステップS400-15に処理を移し、00Hではないと判定した場合にはステップS400-13に処理を移す。
(ステップS400-13)
メインCPU300aは、上記ステップS400-9でロードしたフラグ値が03H(設定異常状態)以上であるかを判定する。その結果、03H以上であると判定した場合にはステップS400-27に処理を移し、03H以上ではないと判定した場合にはステップS450に処理を移す。
(ステップS450)
メインCPU300aは、設定関連処理を実行し、ステップS400-27に処理を移す。なお、設定関連処理については後述する。
(ステップS400-15)
メインCPU300aは、各種タイマカウンタを更新するタイマ更新処理を行う。ここで、各種タイマカウンタは、特に断る場合を除き、当該主制御基板300のタイマ割込み処理の度に減算され、0になると減算を停止する。
(ステップS400-17)
メインCPU300aは、上記ステップS100-61と同様、当たり図柄乱数用初期値更新乱数の更新処理を実行する。
(ステップS400-19)
メインCPU300aは、当たり図柄乱数を更新する処理を行う。具体的には、乱数カウンタを1加算して更新し、加算した結果が乱数範囲の最大値を超えた場合には、乱数カウンタを0に戻し、乱数カウンタが1周した場合には、その時の当たり図柄乱数用初期値更新乱数の値から乱数を更新する。
なお、詳しい説明は省略するが、本実施形態では、大当たり決定乱数および当たり決定乱数は、主制御基板300に内蔵されたハードウェア乱数生成部によって更新されるハードウェア乱数を用いている。ハードウェア乱数生成部は、大当たり決定乱数および当たり決定乱数を、いずれも一定の規則にしたがって更新し、乱数列が一巡するごとに自動的に乱数列を変更するとともに、システムリセット毎にスタート値を変更している。
(ステップS500)
メインCPU300aは、第1固定始動口検出スイッチ120As、第1可変始動口検出スイッチ120Bs、第2始動口検出スイッチ122s、ゲート検出スイッチ124s、普図作動口検出スイッチ125s、第1大入賞口検出スイッチ126s、第2大入賞口検出スイッチ128sから信号の入力があったか否か判定するスイッチ管理処理を実行する。なお、このスイッチ管理処理の詳細については後述する。
(ステップS600)
メインCPU300aは、上記の特別遊技を進行制御するための特別遊技管理処理を実行する。なお、この特別遊技管理処理の詳細については後述する。
(ステップS700)
メインCPU300aは、上記の普通遊技を進行制御するための普通遊技管理処理を実行する。なお、この普通遊技管理処理の詳細については後述する。
(ステップS400-21)
メインCPU300aは、各種エラーの判定およびエラー判定結果に応じた設定を行うためのエラー管理処理を実行する。
(ステップS400-23)
メインCPU300aは、一般入賞口検出スイッチ118s、第1始動口検出スイッチ120s、第2始動口検出スイッチ122s、第1大入賞口検出スイッチ126s、第2大入賞口検出スイッチ128sのチェックを行い、該当する賞球制御用のカウンタ等を加算するための入賞口スイッチ処理を実行する。
(ステップS400-25)
メインCPU300aは、上記ステップS400-23でセットされた賞球制御用のカウンタのカウンタ値等に基づく払出コマンドの作成および送信を行うための払出制御管理処理を実行する。
(ステップS400-27)
メインCPU300aは、遊技情報出力端子板312から外部へ出力する外部情報用の出力データをセットするための外部情報管理処理を実行する。
(ステップS400-29)
メインCPU300aは、第1特別図柄表示器160、第2特別図柄表示器162、第1特別図柄保留表示器164、第2特別図柄保留表示器166、普通図柄表示器168、普通図柄保留表示器170、右打ち報知表示器172等の各種表示器(LED)を点灯制御するための表示データを、各コモンに対応した出力バッファにセットするLED表示設定処理を実行する。
(ステップS400-31)
メインCPU300aは、普通電動役物ソレノイド120c、第1大入賞口ソレノイド126c、第2大入賞口ソレノイド128cのソレノイド出力イメージを合成し、出力ポートバッファに格納するためのソレノイド出力イメージ合成処理を実行する。
(ステップS400-33)
メインCPU300aは、各出力ポートバッファに格納されたコモン出力バッファの値を出力ポートに出力するためのポート出力処理を実行する。
(ステップS400-35)
メインCPU300aは、割込みを禁止するための処理を行う。
(ステップS400-37)
メインCPU300aは、メインRAM300cの使用外領域を用いて、性能表示モニタ184に表示するベース比率を算出するための処理を行い、算出したベース比率を性能表示モニタ184に表示するためのコモンデータをコモン出力バッファにセットする性能表示モニタ制御処理を実行する。なお、性能表示モニタ制御処理においては、所定期間ごとにベース比率が算出される。ここで、性能表示モニタ184には、現在の期間のベース比率と、それ以前の期間のベース比率とが所定時間ごとに切り替え表示されてもよい。また、所定の操作に応じて、性能表示モニタ184に表示されるベース比率が切り替わってもよい。
(ステップS400-39)
メインCPU300aは、レジスタを復帰してタイマ割込み処理を終了する。
図25は、上記の設定関連処理(S450)を説明するフローチャートである。
(ステップS450-1)
メインCPU300aは、遊技機状態フラグのフラグ値が01H(設定変更状態)であるかを判定する。その結果、01Hであると判定した場合にはステップS450-3に処理を移し、01Hではないと判定した場合にはステップS450-15に処理を移す。
(ステップS450-3)
メインCPU300aは、設定値バッファに記憶されている登録設定値を所定の処理領域にロードする。
(ステップS450-5)
メインCPU300aは、RAMクリアスイッチ182sが押下されたか(RAMクリア操作信号が入力されているか)を判定する。その結果、RAMクリアスイッチ182sが押下されていると判定した場合にはステップS450-7に処理を移し、RAMクリアスイッチ182sが押下されていないと判定した場合にはステップS450-9に処理を移す。
(ステップS450-7)
メインCPU300aは、処理領域の設定値に1を加算する。
(ステップS450-9)
メインCPU300aは、処理領域の設定値が1~6の範囲であるかを判定する。その結果、設定値が1~6の範囲であると判定した場合にはステップS450-13に処理を移し、設定値が1~6の範囲ではないと判定した場合にはステップS450-11に処理を移す。
(ステップS450-11)
メインCPU300aは、処理領域の設定値を1にセットする。
(ステップS450-13)
メインCPU300aは、処理領域の設定値を設定値バッファにセットする。
(ステップS450-15)
メインCPU300aは、設定変更スイッチ180sがオンしているかを判定する。その結果、設定変更スイッチ180sがオンしていると判定した場合には当該設定関連処理を終了し、設定変更スイッチ180sはオンしていないと判定した場合にはステップS450-17に処理を移す。
(ステップS450-17)
メインCPU300aは、設定関連処理の終了を示す設定関連終了指定コマンドを送信バッファにセットする。
(ステップS110)
メインCPU300aは、図22のサブコマンド群セット処理を実行する。すなわち、設定関連処理が実行された場合、その終了時に、機種コマンド、設定値指定コマンド、特図1保留指定コマンド、特図2保留指定コマンド、回数コマンド、変動パターン選択状態指定コマンド、特図フェーズ指定コマンド、客待ち指定コマンドが副制御基板330に送信されることとなる。
(ステップS450-19)
メインCPU300aは、遊技機状態フラグに00H(遊技可能状態)をセットし、当該設定関連処理を終了する。
以上のように、本実施形態によれば、中枠104が開放され、設定変更スイッチ180sがオンされ、RAMクリアボタンが押下操作された状態で、正常に電源投入がなされると、CPU初期化処理(図20)において、遊技機状態フラグに01H(設定変更状態)がセットされる。その後、タイマ割込み処理が実行されるが、遊技機状態フラグに01H(設定変更状態)がセットされているため、遊技の進行に係る全ての処理(図24のステップS400-15~ステップS400-25)が停止され、設定関連処理が実行される。
設定関連処理は、設定変更スイッチ180sがオンしている間、繰り返し実行され、この設定関連処理中は、RAMクリアボタンの押下操作が、登録設定値の設定変更操作として受け付けられる。すなわち、設定変更操作を受け付ける設定変更処理(S450-1~S450-13)中は、設定変更操作に応じて、設定値バッファに記憶する登録設定値が、複数段階設けられた設定値のいずれかに切り替えられる。
そして、遊技機状態フラグに01H(設定変更状態)がセットされている状態で、設定変更スイッチ180sがオフに切り替わると、設定変更処理が終了となり、遊技機状態フラグに00H(遊技可能状態)がセットされる。これにより、次のタイマ割込み処理から、遊技の進行に係る処理が実行可能となる。
ここで、本実施形態の設定関連処理では、RAMクリアボタンの押下操作、すなわち、登録設定値の設定変更操作の受け付け終了後に、サブコマンド群セット処理において、登録設定値に対応する設定値指定コマンドが副制御基板330に送信される。一方で、設定変更操作の受け付け中は、設定値指定コマンドが副制御基板330に送信されることはない。このように、設定変更操作の受け付け中は、設定値指定コマンドを送信せずに、設定変更操作の受け付けが終了し、遊技の進行が可能な状態に移行する場合に、設定値指定コマンドを送信することで、登録設定値が不正に取得されるリスクを低減することができる。
また、本実施形態では、01H(設定変更状態)を少なくとも含む複数のフラグ値が切り替えられる。そして、遊技機状態フラグに01H(設定変更状態)がセットされている場合に設定関連処理が実行可能となり、かつ、遊技の進行が停止される。このように、遊技の進行中に設定関連処理が実行されることがないため、遊技の進行中に設定値指定コマンドが送信されることもなく、登録設定値が不正に取得されるリスクが低減される。
次に、上記したタイマ割込み処理のうち、ステップS500のスイッチ管理処理、ステップS600の特別遊技管理処理、ステップS700の普通遊技管理処理について、詳細に説明する。
図26は、主制御基板300におけるスイッチ管理処理(ステップS500)を説明するフローチャートである。
(ステップS500-1)
メインCPU300aは、ゲート検出スイッチオン検出時であるか、すなわち、ゲート124を遊技球が通過してゲート検出スイッチ124sからの検出信号がオンされたかを判定する。その結果、ゲート検出スイッチオン検出時であると判定した場合にはステップS510に処理を移し、ゲート検出スイッチオン検出時ではないと判定した場合にはステップS500-7に処理を移す。
(ステップS510)
メインCPU300aは、ゲート124への遊技球の通過に基づいてゲート通過処理を実行する。なお、このゲート通過処理の詳細については後述する。
(ステップS500-3)
メインCPU300aは、普図作動口検出スイッチオン検出時であるか、すなわち、普図作動口125に遊技球が入球して普図作動口検出スイッチ125sからの検出信号がオンされたかを判定する。その結果、普図作動口検出スイッチオン検出時であると判定した場合にはステップS510に処理を移し、普図作動口検出スイッチオン検出時ではないと判定した場合にはステップS500-5に処理を移す。
(ステップS510)
メインCPU300aは、普図作動口125への遊技球の入球に基づいてゲート通過処理を実行する。
(ステップS500-5)
メインCPU300aは、第1固定始動口検出スイッチオン検出時であるか、すなわち、第1固定始動口120Aに遊技球が入球して第1固定始動口検出スイッチ120Asから検出信号が入力されたかを判定する。その結果、第1固定始動口検出スイッチオン検出時であると判定した場合にはステップS520に処理を移し、第1固定始動口検出スイッチオン検出時ではないと判定した場合にはステップS500-7に処理を移す。
(ステップS520)
メインCPU300aは、第1固定始動口120Aへの遊技球の入球に基づいて第1始動口通過処理を実行する。なお、この第1始動口通過処理の詳細については後述する。
(ステップS500-7)
メインCPU300aは、第1可変始動口検出スイッチオン検出時であるか、すなわち、第1可変始動口120Bに遊技球が入球して第1可変始動口検出スイッチ120Bsから検出信号が入力されたかを判定する。その結果、第1可変始動口検出スイッチオン検出時であると判定した場合にはステップS520に処理を移し、第1可変始動口検出スイッチオン検出時ではないと判定した場合にはステップS500-9に処理を移す。
(ステップS520)
メインCPU300aは、第1可変始動口120Bへの遊技球の入球に基づいて第1始動口通過処理を実行する。なお、この第1始動口通過処理の詳細については後述する。
(ステップS500-9)
メインCPU300aは、第2始動口検出スイッチオン検出時であるか、すなわち、第2始動口122に遊技球が入球して第2始動口検出スイッチ122sから検出信号が入力されたかを判定する。その結果、第2始動口検出スイッチオン検出時であると判定した場合にはステップS530に処理を移し、第2始動口検出スイッチオン検出時ではないと判定した場合にはステップS500-11に処理を移す。
(ステップS530)
メインCPU300aは、第2始動口122への遊技球の入球に基づいて第2始動口通過処理を実行する。なお、この第2始動口通過処理の詳細については後述する。
(ステップS500-11)
メインCPU300aは、大入賞口検出スイッチオン検出時であるか、すなわち、第1大入賞口126または第2大入賞口128に遊技球が入球して第1大入賞口検出スイッチ126sまたは第2大入賞口検出スイッチ128sから検出信号が入力されたかを判定する。その結果、大入賞口検出スイッチオン検出時であると判定した場合にはステップS540に処理を移し、大入賞口検出スイッチオン検出時ではないと判定した場合には当該スイッチ管理処理を終了する。
(ステップS540)
メインCPU300aは、第1大入賞口126または第2大入賞口128への遊技球の入球が適正になされたものであるかを判定し、遊技球の入球が適正になされたと判定した場合には、第1大入賞口126または第2大入賞口128への遊技球の入球を示す大入賞口入球コマンドを副制御基板330に送信するための大入賞口通過処理を実行する。なお、この大入賞口通過処理の詳細については後述する。
図27は、主制御基板300におけるゲート通過処理(ステップS510)を説明するフローチャートである。
(ステップS510-1)
メインCPU300aは、ハードウェア乱数生成部によって更新された当たり決定乱数をロードする。
(ステップS510-3)
メインCPU300aは、普通図柄保留球数カウンタのカウンタ値が最大値以上であるか、つまり、普通図柄保留球数カウンタのカウンタ値が4以上であるかを判定する。その結果、普通図柄保留球数カウンタのカウンタ値が最大値以上であると判定した場合には当該ゲート通過処理を終了し、普通図柄保留球数カウンタは最大値以上ではないと判定した場合にはステップS510-5に処理を移す。
(ステップS510-5)
メインCPU300aは、普通図柄保留球数カウンタのカウンタ値を、現在のカウンタ値に「1」加算した値に更新する。
(ステップS510-7)
メインCPU300aは、普図保留記憶領域の4つの記憶部のうち、取得した当たり決定乱数をセーブする対象となる対象記憶部を算定する。
(ステップS510-9)
メインCPU300aは、上記ステップS510-1で取得した当たり決定乱数を、上記ステップS510-7で算定した対象記憶部にセーブする。
(ステップS510-11)
メインCPU300aは、普図保留記憶領域に記憶されている普図保留数を示す普図保留指定コマンドを送信バッファにセットし、当該ゲート通過処理を終了する。
図28は、主制御基板300における第1始動口通過処理(ステップS520)を説明するフローチャートである。
(ステップS520-1)
メインCPU300aは、特別図柄識別値として「00H」をセットする。なお、特別図柄識別値は、保留種別として特1保留および特2保留のいずれであるかを識別するためのもので、特別図柄識別値(00H)は特1保留を示し、特別図柄識別値(01H)は特2保留を示す。
(ステップS520-3)
メインCPU300aは、特別図柄1保留球数カウンタのアドレスをセットする。
(ステップS535)
メインCPU300aは、特別図柄乱数取得処理を実行し、当該第1始動口通過処理を終了する。なお、この特別図柄乱数取得処理は、第2始動口通過処理(ステップS530)と共通のモジュールを利用して実行される。したがって、特別図柄乱数取得処理の詳細は、第2始動口通過処理の説明後に説明する。
図29は、主制御基板300における第2始動口通過処理(ステップS530)を説明するフローチャートである。
(ステップS530-1)
メインCPU300aは、特別図柄識別値として「01H」をセットする。
(ステップS530-3)
メインCPU300aは、特別図柄2保留球数カウンタのアドレスをセットする。
(ステップS535)
メインCPU300aは、後述する特別図柄乱数取得処理を実行し、当該第2始動口通過処理を終了する。
図30は、主制御基板300における特別図柄乱数取得処理(ステップS535)を説明するフローチャートである。この特別図柄乱数取得処理は、上記した第1始動口通過処理(ステップS520)および第2始動口通過処理(ステップS530)において、共通のモジュールを用いて実行される。
(ステップS535-1)
メインCPU300aは、上記ステップS520-1またはステップS530-1でセットした特別図柄識別値をロードする。
(ステップS535-3)
メインCPU300aは、対象特別図柄保留球数をロードする。ここでは、上記ステップS535-1でロードした特別図柄識別値が「00H」であれば、特別図柄1保留球数カウンタのカウンタ値、すなわち、特1保留数をロードする。また、上記ステップS535-1でロードした特別図柄識別値が「01H」であれば、特別図柄2保留球数カウンタのカウンタ値、すなわち、特2保留数をロードする。
(ステップS535-5)
メインCPU300aは、ハードウェア乱数生成部によって更新された大当たり決定乱数をロードする。
(ステップS535-7)
メインCPU300aは、上記ステップS535-3でロードした対象特別図柄保留球数が上限値以上であるかを判定する。その結果、上限値以上であると判定した場合には、当該特別図柄乱数取得処理を終了し、上限値以上ではないと判定した場合には、ステップS535-9に処理を移す。
(ステップS535-9)
メインCPU300aは、対象特別図柄保留球数カウンタのカウンタ値を、現在のカウンタ値に「1」加算した値に更新する。
(ステップS535-11)
メインCPU300aは、特図保留記憶領域の記憶部のうち、取得した大当たり決定乱数をセーブする対象となる対象記憶部を算定する。
(ステップS535-13)
メインCPU300aは、上記ステップS535-5でロードした大当たり決定乱数、上記ステップS400-13で更新された当たり図柄乱数、上記ステップS100-69で更新された変動パターン乱数を取得し、上記ステップS535-11で算定した対象記憶部に格納する。
(ステップS535-15)
メインCPU300aは、特別図柄1保留球数カウンタおよび特別図柄2保留球数カウンタのカウンタ値をロードする。
(ステップS535-17)
メインCPU300aは、上記ステップS535-15でロードしたカウンタ値に基づいて、特図保留指定コマンドを送信バッファにセットする。ここでは、特別図柄1保留球数カウンタのカウンタ値(特1保留数)に基づいて特図1保留指定コマンドをセットし、特別図柄2保留球数カウンタのカウンタ値(特2保留数)に基づいて特図2保留指定コマンドをセットする。これにより、特1保留または特2保留が記憶されるたびに、特1保留数および特2保留数が副制御基板330に伝達されることとなる。
(ステップS536)
メインCPU300aは、取得時演出判定処理を行い、当該特別図柄乱数取得処理を終了する。この取得時演出判定処理では、大役抽選の結果や、変動パターン番号等が仮判定され、仮判定の結果に応じた先読み指定コマンドを副制御基板330に送信する。
図31は、主制御基板300における大入賞口通過処理(ステップS540)を説明するフローチャートである。
(ステップS540-1)
メインCPU300aは、上記ステップS500-11で大入賞口検出スイッチオン検出時であると判定した場合には、特別遊技管理フェーズをロードする。なお、詳しくは後述するが、特別遊技管理フェーズは、特別遊技の実行処理の段階、すなわち、特別遊技の進行状況を示すものであり、特別遊技の実行処理の段階に応じて更新される。
(ステップS540-3)
メインCPU300aは、上記ステップS540-1でロードした特別遊技管理フェーズが、大入賞口開放前処理以上の実行処理の段階を示すものであるかを判定する。なお、特別遊技管理フェーズは、00H~08Hの9段階が設けられており、このうち、01H~08Hが、大入賞口開放前処理以上の実行処理の段階に相当する。大役遊技または小当たり遊技は、特別遊技管理フェーズが01H~08Hである場合に実行されることから、ここでは、現在、大役遊技中または小当たり遊技中であるかを判定することとなる。特別遊技管理フェーズが、大入賞口開放前処理以上の実行処理の段階を示すものであると判定した場合にはステップS540-5に処理を移し、特別遊技管理フェーズは、大入賞口開放前処理以上の実行処理の段階を示すものではないと判定した場合にはステップS540-7に処理を移す。
(ステップS540-5)
メインCPU300aは、第1大入賞口126または第2大入賞口128に適正に遊技球が入球したことを示す大入賞口入球コマンドを送信バッファにセットし、大入賞口通過処理を終了する。
(ステップS540-7)
メインCPU300aは、第1大入賞口126または第2大入賞口128への遊技球の入球が不適切なものであるとして、所定のエラー処理を実行し、大入賞口通過処理を終了する。
図32は、特別遊技管理フェーズを説明する図である。既に説明したとおり、本実施形態では、第1始動口120または第2始動口122への遊技球の入球を契機とする特別遊技と、ゲート124への遊技球の通過もしくは普図作動口125への遊技球の入球を契機とする普通遊技とが、同時並行して進行する。特別遊技に係る処理は、段階的に、かつ、繰り返し実行されるが、主制御基板300では、こうした特別遊技に係る各処理を特別遊技管理フェーズによって管理している。
図32に示すように、メインROM300bには、特別遊技を実行制御するための複数の特別遊技制御モジュールが格納されており、これら特別遊技制御モジュールごとに、特別遊技管理フェーズが対応付けられている。具体的には、特別遊技管理フェーズが「00H」である場合には、「特別図柄変動処理」を実行するためのモジュールがコールされ、特別遊技管理フェーズが「01H」または「05H」である場合には、「大入賞口開放前処理」を実行するためのモジュールがコールされ、特別遊技管理フェーズが「02H」または「06H」である場合には、「大入賞口開放制御処理」を実行するためのモジュールがコールされ、特別遊技管理フェーズが「03H」または「07H」である場合には、「大入賞口閉鎖有効処理」を実行するためのモジュールがコールされ、特別遊技管理フェーズが「04H」または「08H」である場合には、「大入賞口終了ウェイト処理」を実行するためのモジュールがコールされる。
図33は、主制御基板300における特別遊技管理処理(ステップS600)を説明するフローチャートである。
(ステップS600-1)
メインCPU300aは、特別遊技管理フェーズをロードする。
(ステップS600-3)
メインCPU300aは、上記ステップS600-1でロードした特別遊技管理フェーズに対応する特別遊技制御モジュールを選択する。
(ステップS600-5)
メインCPU300aは、上記ステップS600-3で選択した特別遊技制御モジュールをコールして処理を開始する。
(ステップS600-7)
メインCPU300aは、特別遊技の制御時間を管理する特別遊技タイマをロードし、当該特別遊技管理処理を終了する。
図34は、主制御基板300における特別図柄変動処理を説明するフローチャートである。この特別図柄変動処理は、特別遊技管理フェーズが「00H」であった場合に実行される。
(ステップS610)
メインCPU300aは、特別図柄変動待ち処理を実行する。この特別図柄変動待ち処理については、図35~図38を用いて後述する。
(ステップS620)
メインCPU300aは、特別図柄変動中処理を実行する。この特別図柄変動中処理については、図40を用いて後述する。
(ステップS630)
メインCPU300aは、特別図柄停止図柄表示処理を実行する。この特別図柄停止図柄表示処理については、図41を用いて後述する。
図35は、主制御基板300における特別図柄変動待ち処理(ステップS610)を説明する第1のフローチャートであり、図36は、主制御基板300における特別図柄変動待ち処理(ステップS610)を説明する第2のフローチャートである。
(ステップS610-1)
メインCPU300aは、中断中フラグがオンしているかを判定する。なお、詳しくは後述するが、本実施形態では、第1特別図柄表示器160における図柄の変動表示中に、第2特別図柄表示器162に小当たり図柄が停止表示される場合がある。この場合、第2特別図柄表示器162に小当たり図柄が停止表示されると、小当たり遊技が実行されるが、この間、第1特別図柄表示器160における特別図柄の変動時間の減算が中断され、小当たり遊技の終了後に、第1特別図柄表示器160における図柄の変動表示が再開される。中断中フラグは、第2特別図柄表示器162に小当たり図柄が停止表示されたときに、第1特別図柄表示器160において図柄の変動表示中であった場合にオンされる。ここでは、中断中フラグがオンしていると判定した場合にはステップS610-3に処理を移し、中断中フラグはオンしていないと判定した場合にはステップS610-5に処理を移す。
(ステップS610-3)
メインCPU300aは、第1特別図柄表示器160における図柄の変動表示を再開するための処理を実行し、図36のステップS610-51に処理を移す。
(ステップS610-5)
メインCPU300aは、特1保留数が1以上であるかを判定する。その結果、特1保留数が1以上であると判定した場合にはステップS610-7に処理を移し、特1保留数は1以上ではないと判定した場合にはステップS610-51に処理を移す。
(ステップS610-7)
メインCPU300aは、第1特別図柄表示器160において、特1保留に基づく図柄の変動表示中であるか、または、特1保留に基づく図柄が停止表示中(停止表示時間の計時中)であるかを判定する。その結果、変動表示中である、または、停止表示中であると判定した場合にはステップS610-51に処理を移し、変動表示中ではなく、かつ、停止表示中ではないと判定した場合にはステップS610-9に処理を移す。
(ステップS610-9)
メインCPU300aは、第1特図保留記憶領域の第1記憶部~第4記憶部に記憶されている特1保留を、1つ序数の小さい記憶部にブロック転送する。具体的には、第2記憶部~第4記憶部に記憶されている特1保留を、第1記憶部~第3記憶部に転送する。また、メインRAM300cには、処理対象となる第0記憶部が設けられており、第1記憶部に記憶されている特1保留を、第0記憶部にブロック転送する。なお、この特別図柄記憶エリアシフト処理においては、特1保留に対応する対象特別図柄保留球数カウンタのカウンタ値を「1」減算するとともに、特1保留が「1」減算されたことを示す、保留減指定コマンドを送信バッファにセットする。
(ステップS610-11)
メインCPU300aは、第2特別図柄表示器162において図柄の変動表示中であるかを判定する。その結果、図柄の変動表示中であると判定した場合にはステップS610-17に処理を移し、図柄の変動表示中ではないと判定した場合にはステップS611に処理を移す。
(ステップS611)
メインCPU300aは、大役抽選を行う特別図柄当たり判定処理を実行する。この特別図柄当たり判定処理については後述する。
(ステップS610-15)
メインCPU300aは、特別図柄を決定するための特別図柄図柄判定処理を実行する。ここでは、上記ステップS611における大役抽選の結果が大当たりまたは小当たりであった場合、第0記憶部に転送された当たり図柄乱数、保留種別をロードし、対応する当たり図柄乱数判定テーブルまたは小当たり図柄乱数判定テーブルを選択して特別図柄判定データを抽出し、抽出した特別図柄判定データ(大当たり図柄の種別)をセーブする。また、上記ステップS611における大役抽選の結果がハズレであった場合には、ハズレ用の特別図柄判定データをセーブする。そして、特別図柄判定データをセーブしたら、当該特別図柄判定データに対応する図柄種別指定コマンドを送信バッファにセットする。
(ステップS610-17)
メインCPU300aは、第2特別図柄表示器162に最終的に停止表示される特別図柄が大当たり図柄であるかを判定する。その結果、大当たり図柄であると判定した場合にはステップS610-19に処理を移し、大当たり図柄ではないと判定した場合にはステップS611に処理を移す。
(ステップS610-19)
メインCPU300aは、第0記憶部に転送された大当たり決定乱数が、小当たりの範囲内であるかを判定する。その結果、小当たりの範囲内であると判定した場合にはステップS610-21に処理を移し、小当たりの範囲外であると判定した場合にはステップS610-23に処理を移す。
(ステップS610-21)
メインCPU300aは、第0記憶部に転送された当たり図柄乱数、保留種別をロードし、対応する小当たり図柄乱数判定テーブルを選択して特別図柄判定データを抽出し、抽出した特別図柄判定データ(小当たり図柄の種別)をセーブする。
(ステップS610-23)
メインCPU300aは、ハズレ図柄にかかる特別図柄判定データをセーブし、当該特別図柄判定データに対応する図柄種別指定コマンドを送信バッファにセットする。つまり、第2特別図柄表示器162において最終的に大当たり図柄が停止表示される図柄の変動表示が行われている場合、第1特別図柄表示器160においては、必ず、小当たり図柄またはハズレ図柄が最終的に停止表示される図柄の変動表示のみが行われることとなる。
(ステップS610-25)
メインCPU300aは、上記ステップS610-15、ステップS610-21、ステップS610-23で抽出した特別図柄判定データに対応する特別図柄停止図柄番号をセーブする。なお、第1特別図柄表示器160および第2特別図柄表示器162は、それぞれ7セグで構成されており、7セグを構成する各セグメントには番号(カウンタ値)が対応付けられている。ここで決定する特別図柄停止図柄番号は、最終的に点灯するセグメントの番号(カウンタ値)を示すものである。
(ステップS612)
メインCPU300aは、変動パターン番号を決定する特別図柄変動番号決定処理を実行する。この特別図柄変動番号決定処理の詳細は後述する。
(ステップS610-27)
メインCPU300aは、上記ステップS612で決定された変動パターン番号をロードするとともに、変動時間決定テーブルを参照して変動時間を決定する。そして、決定した変動時間を、特別図柄変動タイマにセットする。
(ステップS610-29)
メインCPU300aは、大役抽選の結果が大当たりであるか否かを判定し、大当たりであった場合には、上記ステップS610-15でセーブした特別図柄判定データをロードして、大当たり図柄の種別を確認する。そして、遊技状態設定テーブルおよび現在の遊技状態を参照して、大役遊技終了後に設定される遊技状態および高確回数、時短回数を判定し、その判定結果を特別図柄確率状態予備フラグ、時短状態予備フラグ、および、高確回数切り予備カウンタ、時短回数切り予備カウンタにセーブする。なお、ハズレ図柄がセーブされている場合には、当該処理を実行することなく、次の処理に移行する。
(ステップS610-31)
メインCPU300aは、第1特別図柄表示器160において図柄の変動表示を開始するために、特別図柄表示図柄カウンタを設定する処理を実行する。第1特別図柄表示器160を構成する7セグの各セグメントにはカウンタ値が対応付けられており、特別図柄表示図柄カウンタに設定されたカウンタ値に対応するセグメントが点灯制御される。ここでは、図柄の変動表示の開始時に点灯させるセグメントに対応するカウンタ値が特別図柄表示図柄カウンタに設定されることとなる。なお、特別図柄表示図柄カウンタは、第1特別図柄表示器160に対応する特別図柄1表示図柄カウンタと、第2特別図柄表示器162に対応する特別図柄2表示図柄カウンタとが別個に設けられており、ここでは、特別図柄1表示図柄カウンタにカウンタ値が設定される。
(ステップS613)
メインCPU300aは、回数切り管理処理を実行する。ここでは、変動回数に応じて時短遊技状態を終了させるための処理が行われる。この回数切り管理処理については後述する。
(ステップS610-35)
メインCPU300aは、高確回数および時短回数が0になるまでの残り回数(実残り回数)を示す回数コマンドを送信バッファにセットする。
(ステップS610-37)
メインCPU300aは、特別図柄の変動表示の開始時の遊技状態を示す遊技状態変化指定コマンドを送信バッファにセットする。
(ステップS610-51)
図36に示すように、メインCPU300aは、特2保留数が1以上であるかを判定する。その結果、特2保留数が1以上であると判定した場合にはステップS610-53に処理を移し、特2保留数は1以上ではないと判定した場合にはステップS610-85に処理を移す。
(ステップS610-53)
メインCPU300aは、第2特別図柄表示器162において、特2保留に基づく図柄の変動表示中であるか、または、特2保留に基づく図柄が停止表示中(停止表示時間の計時中)であるかを判定する。その結果、変動表示中、または、停止表示中であると判定した場合にはステップS610-85に処理を移し、変動表示中ではなく、かつ、停止表示中ではないと判定した場合にはステップS610-55に処理を移す。
(ステップS610-55)
メインCPU300aは、第2特図保留記憶領域の第1記憶部~第4記憶部に記憶されている特2保留を、1つ序数の小さい記憶部にブロック転送する。具体的には、第2記憶部~第4記憶部に記憶されている特2保留を、第1記憶部~第3記憶部に転送する。また、メインRAM300cには、処理対象となる第0記憶部が設けられており、第1記憶部に記憶されている特2保留を、第0記憶部にブロック転送する。なお、この特別図柄記憶エリアシフト処理においては、特2保留に対応する対象特別図柄保留球数カウンタのカウンタ値を「1」減算するとともに、特2保留が「1」減算されたことを示す、保留減指定コマンドを送信バッファにセットする。
(ステップS610-57)
メインCPU300aは、第1特別図柄表示器160において図柄の変動表示中であるかを判定する。その結果、図柄の変動表示中であると判定した場合にはステップS610-63に処理を移し、図柄の変動表示中ではないと判定した場合にはステップS611に処理を移す。
(ステップS611)
メインCPU300aは、第0記憶部に転送された大当たり決定乱数、高確率遊技状態であるか低確率遊技状態であるかを識別する特別図柄確率状態フラグをロードし、対応する大当たり決定乱数判定テーブルを選択して大役抽選を行い、その抽選結果を記憶する特別図柄当たり判定処理を実行する。
(ステップS610-61)
メインCPU300aは、特別図柄を決定するための特別図柄図柄判定処理を実行する。ここでは、上記ステップS611における大役抽選の結果が大当たりまたは小当たりであった場合、第0記憶部に転送された当たり図柄乱数、保留種別をロードし、対応する当たり図柄乱数判定テーブルまたは小当たり図柄乱数判定テーブルを選択して特別図柄判定データを抽出し、抽出した特別図柄判定データ(大当たり図柄の種別)をセーブする。また、上記ステップS611における大役抽選の結果がハズレであった場合には、ハズレ用の特別図柄判定データをセーブする。そして、特別図柄判定データをセーブしたら、当該特別図柄判定データに対応する図柄種別指定コマンドを送信バッファにセットする。
(ステップS610-63)
メインCPU300aは、第1特別図柄表示器160に最終的に停止表示される特別図柄が大当たり図柄であるかを判定する。その結果、大当たり図柄であると判定した場合にはステップS610-65に処理を移し、大当たり図柄ではないと判定した場合にはステップS611に処理を移す。
(ステップS610-65)
メインCPU300aは、第0記憶部に転送された大当たり決定乱数が、小当たりの範囲内であるかを判定する。その結果、小当たりの範囲内であると判定した場合にはステップS610-67に処理を移し、小当たりの範囲外であると判定した場合にはステップS610-69に処理を移す。
(ステップS610-67)
メインCPU300aは、第0記憶部に転送された当たり図柄乱数、保留種別をロードし、対応する小当たり図柄乱数判定テーブルを選択して特別図柄判定データを抽出し、抽出した特別図柄判定データ(小当たり図柄の種別)をセーブする。
(ステップS610-69)
メインCPU300aは、ハズレ図柄にかかる特別図柄判定データをセーブし、当該特別図柄判定データに対応する図柄種別指定コマンドを送信バッファにセットする。つまり、第1特別図柄表示器160において最終的に大当たり図柄が停止表示される図柄の変動表示が行われている場合、第2特別図柄表示器162においては、必ず、小当たり図柄またはハズレ図柄が最終的に停止表示される図柄の変動表示のみが行われることとなる。
(ステップS610-71)
メインCPU300aは、上記ステップS610-61、ステップS610-67、ステップS610-69で抽出した特別図柄判定データに対応する特別図柄停止図柄番号をセーブする。
(ステップS612)
メインCPU300aは、変動パターン番号を決定する特別図柄変動番号決定処理を実行する。この特別図柄変動番号決定処理の詳細は後述する。
(ステップS610-73)
メインCPU300aは、上記ステップS612で決定された変動パターン番号をロードするとともに、変動時間決定テーブルを参照して変動時間を決定する。そして、決定した変動時間を、特別図柄変動タイマにセットする。
(ステップS610-75)
メインCPU300aは、上記ステップS611における大役抽選の結果が大当たりであるか否かを判定し、大当たりであった場合には、上記ステップS610-61でセーブした特別図柄判定データをロードして、大当たり図柄の種別を確認する。そして、遊技状態設定テーブルおよび現在の遊技状態を参照して、大役遊技終了後に設定される遊技状態および高確回数、時短回数を判定し、その判定結果を特別図柄確率状態予備フラグ、時短状態予備フラグ、および、高確回数切り予備カウンタ、時短回数切り予備カウンタにセーブする。なお、ハズレ図柄がセーブされている場合には、当該処理を実行することなく、次の処理に移行する。
(ステップS610-77)
メインCPU300aは、第2特別図柄表示器162において、図柄の変動表示を開始するために、特別図柄表示図柄カウンタを設定する処理を実行する。第2特別図柄表示器162を構成する7セグの各セグメントにはカウンタ値が対応付けられており、特別図柄表示図柄カウンタに設定されたカウンタ値に対応するセグメントが点灯制御される。ここでは、図柄の変動表示の開始時に点灯させるセグメントに対応するカウンタ値が特別図柄2表示図柄カウンタに設定されることとなる。
(ステップS613)
メインCPU300aは、後述する回数切り管理処理を実行する。
(ステップS610-81)
メインCPU300aは、上記ステップS610-79で更新されたカウンタ値(高確回数が0になるまでの残り回数)を示す回数コマンドを送信バッファにセットする。
(ステップS610-83)
メインCPU300aは、特別図柄の変動表示の開始時の遊技状態を示す遊技状態変化指定コマンドを送信バッファにセットする。
(ステップS610-85)
メインCPU300aは、第1特別図柄表示器160および第2特別図柄表示器162のいずれにおいても、図柄の変動表示および停止表示中でない場合に、所定の客待ち処理を実行し、当該特別図柄変動待ち処理を終了する。
図37は、上記の特別図柄当たり判定処理(S611)を説明するフローチャートである。
(ステップS611-1)
メインCPU300aは、特別図柄確率状態フラグをロードする。
(ステップS611-3)
メインCPU300aは、設定値バッファの登録設定値をロードする。
(ステップS611-5)
メインCPU300aは、上記ステップS611-3でロードした登録設定値が正常範囲内の値であるかを判定する。その結果、正常範囲内の値であると判定した場合にはステップS611-11に処理を移し、正常範囲内の値ではないと判定した場合にはステップS611-7に処理を移す。
(ステップS611-7)
メインCPU300aは、遊技機状態フラグに03H(設定異常状態)をセットする。
(ステップS611-9)
メインCPU300aは、設定異常状態コマンド(サブコマンド)を送信バッファにセットし、当該特別図柄当たり判定処理を終了する。この設定異常状態コマンドが副制御基板330に送信されると、設定異常である旨の報知がなされる。
(ステップS611-11)
メインCPU300aは、上記ステップS611-1およびステップS611-3でロードした情報に対応する大当たり決定乱数判定テーブルを参照し、大当たりまたは小当たりと判定する際の下限値および上限値をそれぞれセットする。
(ステップS611-13)
メインCPU300aは、第0記憶部に転送された大当たり決定乱数と、上記の下限値および上限値とを比較し、大当たりまたは小当たりの当選有無を判定する判定処理(大役抽選)を行う。
(ステップS611-15)
メインCPU300aは、上記ステップS611-13の判定処理の結果を判定情報としてセットし、当該特別図柄当たり判定処理を終了する。
図38は、主制御基板300における特別図柄変動番号決定処理(ステップS612)を説明するフローチャートである。
(ステップS612-1)
メインCPU300aは、上記ステップS610でセーブされた特別図柄判定データ(特別図柄の種別)をロードする。
(ステップS612-3)
メインCPU300aは、現在設定されている遊技状態を確認し、普通遊技状態が時短遊技状態であるかを判定する。その結果、普通遊技状態が時短遊技状態であると判定した場合にはステップS612-7に処理を移し、時短遊技状態ではないと判定した場合にはステップS612-5に処理を移す。
(ステップS612-5)
メインCPU300aは、変動パターン選択状態フラグ、特殊変動回数カウンタのカウンタ値(特殊変動回数)、現在の遊技状態、保留種別、決定された特別図柄の種別に基づいて、対応する変動パターン乱数判定テーブルを選択、セットする変動パターン乱数判定テーブル選択処理を実行する。
(ステップS612-7)
メインCPU300aは、合計変動回数カウンタをインクリメントする。なお、合計変動回数カウンタは、時短遊技状態に設定された後の、第1特別図柄表示器160における図柄の変動表示の回数(第1変動回数)と、第2特別図柄表示器162における図柄の変動表示の回数(第2変動回数)と、を合計した合計変動回数を計数するものである。この合計変動回数は、時短遊技状態において図柄の変動表示が開始されるたびに、1ずつ更新されていく。
(ステップS612-9)
メインCPU300aは、第2特別図柄表示器162における図柄の変動表示の開始時であるかを判定する。その結果、第2特別図柄表示器162における図柄の変動表示の開始時であると判定した場合にはステップS612-11に処理を移し、第2特別図柄表示器162における図柄の変動表示の開始時ではないと判定した場合にはステップS612-5に処理を移す。
なお、時短遊技状態において、第1特別図柄表示器160で図柄の変動表示が開始される場合には、上記ステップS612-7で更新した合計変動回数に基づいて、変動パターン乱数判定テーブルが選択されることとなる。
(ステップS612-11)
メインCPU300aは、第2変動回数カウンタをインクリメントする。なお、第2変動回数カウンタは、時短遊技状態に設定された後の、第2特別図柄表示器162における図柄の変動表示の回数(第2変動回数)を計数するものである。この第2変動回数は、時短遊技状態に設定されている場合に、第2特別図柄表示器162において図柄の変動表示が開始されるたびに、1ずつ更新されていく。
(ステップS612-13)
メインCPU300aは、上記ステップS612-11で更新した第2変動回数が4以下であるかを判定する。その結果、4以下であると判定した場合にはステップS612-15に処理を移し、4以下ではないと判定した場合にはステップS612-5に処理を移す。
なお、時短遊技状態において、第2特別図柄表示器162で図柄の変動表示が開始され、かつ、第2変動回数が5回以上である場合には、上記ステップS612-7で更新した合計変動回数に基づいて、変動パターン乱数判定テーブルが選択される。このとき選択されるテーブルIによれば、必ず、変動時間が10分に決定されることとなる。
(ステップS612-15)
メインCPU300aは、変動パターン乱数判定テーブルとして特殊テーブルを選択、セットする。
(ステップS612-17)
メインCPU300aは、上記ステップS612-5またはステップS612-15でセットした変動パターン乱数判定テーブルと、上記ステップS610-9またはステップS610-55で第0記憶部に転送した変動パターン乱数とに基づいて、変動パターン番号を決定する。
(ステップS612-19)
メインCPU300aは、上記ステップS612-17で決定した変動パターン番号に対応する変動パターンコマンドを送信バッファにセットする。
(ステップS612-21)
メインCPU300aは、特殊変動回数カウンタのカウンタ値をデクリメントし、当該特別図柄変動番号決定処理を終了する。
図39は、主制御基板300における回数切り管理処理(ステップS613)を説明するフローチャートである。
(ステップS613-1)
メインCPU300aは、時短回数、すなわち、時短回数切りカウンタのカウンタ値が0よりも大きいかを判定する。その結果、時短回数が0よりも大きいと判定した場合にはステップS613-3に処理を移し、時短回数が0であると判定した場合には、当該回数切り管理処理を終了する。
(ステップS613-3)
メインCPU300aは、時短回数切りカウンタをデクリメントする。
(ステップS613-5)
メインCPU300aは、上記ステップS613-3において、カウンタ値(時短回数)が0に更新されたかを判定する。その結果、時短回数が0であると判定した場合にはステップS613-7に処理を移し、時短回数は0ではないと判定した場合には当該回数切り管理処理を終了する。
(ステップS613-7)
メインCPU300aは、普通遊技状態を非時短遊技状態に設定するべく、時短状態フラグの設定を行う。これにより、普通遊技状態が時短遊技状態に設定された後、変動回数が時短回数(ここでは50回または100回)に到達したときの変動開始時に、普通遊技状態が非時短遊技状態に変更されることとなる。
(ステップS613-9)
メインCPU300aは、時短終了フラグをオンして、当該回数切り管理処理を終了する。
図40は、主制御基板300における特別図柄変動中処理を説明するフローチャートである。
(ステップS620-1)
メインCPU300aは、処理対象識別値として「00H」をセットする。なお、処理対象識別値というのは、以下の各処理を実行する際に、特1保留にかかる処理を実行するのか、特2保留にかかる処理を実行するのかを識別するためのものであり、処理対象識別値として「00H」がセットされている場合には、特1保留にかかる処理が実行され、処理対象識別値として「01H」がセットされている場合には、特2保留にかかる処理が実行される。なお、特別図柄変動中処理および特別図柄停止図柄表示処理の説明で登場する各種のカウンタやタイマには、特1保留用と特2保留用とが設けられており、以下のステップS620-5~ステップS620-23の処理では、メインRAM300cに記憶された処理対象識別値に対応する処理対象(カウンタやタイマ等)についてなされるものである。
(ステップS620-3)
メインCPU300aは、処理対象の保留が第1特別図柄表示器160または第2特別図柄表示器162において変動表示中であるかを判定する。その結果、変動表示中であれば、ステップS620-5に処理を移し、変動表示中でなければ、ステップS620-25に処理を移す。
(ステップS620-5)
メインCPU300aは、特別図柄変動ベースカウンタを更新する処理を実行する。なお、特別図柄変動ベースカウンタは、所定周期(例えば100ms)で1周するようにカウンタ値が設定される。具体的には、特別図柄変動ベースカウンタのカウンタ値が「0」であった場合には、所定のカウンタ値(例えば25)がセットされ、カウンタ値が「1」以上であった場合には、現在のカウンタ値から「1」減算した値にカウンタ値を更新する。
(ステップS620-7)
メインCPU300aは、上記ステップS620-5で更新した特別図柄変動ベースカウンタのカウンタ値が「0」であるかを判定する。その結果、カウンタ値が「0」であった場合にはステップS620-9に処理を移し、カウンタ値が「0」ではなかった場合にはステップS620-13に処理を移す。
(ステップS620-9)
メインCPU300aは、上記ステップS610-27またはステップS610-73で設定された特別図柄変動タイマのタイマ値を所定値減算する特別図柄変動タイマ更新処理を行う。
(ステップS620-11)
メインCPU300aは、上記ステップS620-9で更新した特別図柄変動タイマのタイマ値が「0」であるかを判定する。その結果、タイマ値が「0」であった場合にはステップS620-19に処理を移し、タイマ値が「0」ではなかった場合にはステップS620-13に処理を移す。
(ステップS620-13)
メインCPU300aは、第1特別図柄表示器160および第2特別図柄表示器162を構成する7セグの各セグメントの点灯時間を計時する特別図柄表示タイマを更新する。具体的には、特別図柄表示タイマのタイマ値が「0」であった場合には、所定のタイマ値がセットされ、タイマ値が「1」以上であった場合には、現在のタイマ値から「1」減算した値にタイマ値を更新する。
(ステップS620-15)
メインCPU300aは、特別図柄表示タイマのタイマ値が「0」であるかを判定する。その結果、特別図柄表示タイマのタイマ値が「0」であると判定した場合にはステップS620-17に処理を移し、特別図柄表示タイマのタイマ値が「0」でないと判定した場合にはステップS620-25に処理を移す。
(ステップS620-17)
メインCPU300aは、更新対象の特別図柄表示図柄カウンタのカウンタ値を更新し、ステップS620-25に処理を移す。これにより、7セグを構成する各セグメントが、所定時間おきに順次点灯することとなる。
(ステップS620-19)
メインCPU300aは、対象の特別図柄表示図柄カウンタに、上記ステップS610-25またはS610-71で決定した特別図柄停止図柄番号(カウンタ値)をセーブする。これにより、第1特別図柄表示器160または第2特別図柄表示器162に、決定された特別図柄が停止表示されることとなる。
(ステップS620-21)
メインCPU300aは、第1特別図柄表示器160または第2特別図柄表示器162に特別図柄が停止表示されたことを示す特図停止指定コマンドを送信バッファにセットする。
(ステップS620-23)
メインCPU300aは、特別図柄を停止表示する時間である特別図柄変動停止時間を特別遊技タイマにセットする。
(ステップS620-25)
メインCPU300aは、メインRAM300cに記憶された処理対象識別値が最大(01H)であるかを判定する。その結果、処理対象識別値が最大であると判定した場合には当該特別図柄変動中処理を終了し、処理対象識別値は最大ではないと判定した場合にはステップS620-27に処理を移す。
(ステップS620-27)
メインCPU300aは、処理対象識別値として「01H」をセットし、ステップS620-3に処理を移す。
図41は、主制御基板300における特別図柄停止図柄表示処理を説明するフローチャートである。
(ステップS630-1)
メインCPU300aは、処理対象識別値として「00H」をセットする。
(ステップS630-3)
メインCPU300aは、メインRAM300cにセットされた処理対象識別値に対応する保留種別にかかる特別図柄が、第1特別図柄表示器160または第2特別図柄表示器162に停止表示中であるかを判定する。その結果、停止表示中であると判定した場合にはステップS630-5に処理を移し、停止表示中ではないと判定した場合にはステップS630-37に処理を移す。
(ステップS630-5)
メインCPU300aは、上記ステップS620-23でセットした特別遊技タイマのタイマ値が「0」でないかを判定する。その結果、特別遊技タイマのタイマ値が「0」ではないと判定した場合にはステップS630-37に処理を移し、特別遊技タイマのタイマ値が「0」であると判定した場合にはステップS630-7に処理を移す。
(ステップS630-7)
メインCPU300aは、大役抽選の結果を確認する。
(ステップS630-9)
メインCPU300aは、大役抽選の結果がハズレであるかを判定する。その結果、ハズレであると判定した場合にはステップS630-29に処理を移し、ハズレではないと判定した場合にはステップS630-11に処理を移す。
(ステップS630-11)
メインCPU300aは、変動表示中の特別図柄があるかを判定する。その結果、変動表示中の特別図柄があると判定した場合にはステップS631に処理を移し、変動表示中の特別図柄はないと判定した場合にはステップS630-13に処理を移す。
(ステップS631)
メインCPU300aは、図柄強制停止処理を実行する。この図柄強制停止処理については、図42を用いて後述する。
(ステップS630-13)
メインCPU300aは、遊技状態を更新する遊技状態更新処理を行う。ここでは、停止表示中の特別図柄が大当たり図柄である場合に遊技状態を初期状態に設定し、停止表示中の特別図柄が小当たり図柄である場合には、そのまま次の処理に移る。
(ステップS630-15)
メインCPU300aは、確定した特別図柄の種別に応じて、特別電動役物作動ラムセットテーブルのデータをセットする。
(ステップS630-17)
メインCPU300aは、特別電動役物最大作動回数設定処理を行う。具体的には、上記ステップS630-15でセットしたデータを参照し、特別電動役物最大作動回数カウンタに、カウンタ値として所定数(特別図柄の種別に対応するカウンタ値=ラウンド数)をセットする。なお、この特別電動役物最大作動回数カウンタは、これから開始する大役遊技において実行可能なラウンド数を示すものである。一方、メインRAM300cには、特別電動役物連続作動回数カウンタが設けられており、各ラウンド遊技の開始時に、特別電動役物連続作動回数カウンタのカウンタ値を「1」加算することで、現在のラウンド遊技数が管理される。ここでは、大役遊技の開始に伴って、この特別電動役物連続作動回数カウンタのカウンタ値をリセット(「0」に更新)する処理が併せて実行される。
(ステップS630-19)
メインCPU300aは、上記ステップS630-15でセットしたデータを参照し、特別遊技タイマに、タイマ値として所定のオープニング時間をセーブする。
(ステップS630-21)
メインCPU300aは、大役遊技の開始を副制御基板330に伝達するためのオープニング指定コマンドを送信バッファにセットする。
(ステップS630-23)
メインCPU300aは、大役遊技を開始する場合には特別遊技管理フェーズを「01H」に更新し、小当たり遊技を開始する場合には特別遊技管理フェーズを「05H」に更新する。
(ステップS630-25)
メインCPU300aは、上記ステップS630-23で更新した特別遊技管理フェーズが「01H」であるか、すなわち、大当たりかを判定する。その結果、特別遊技管理フェーズが「01H」であると判定した場合にはステップS630-27に処理を移し、特別遊技管理フェーズは「01H」ではないと判定した場合には、ステップS630-29に処理を移す。
(ステップS630-27)
メインCPU300aは、遊技情報出力端子板312から大当たり信号を出力するための大当たり信号出力開始処理を行い、当該特別図柄停止図柄表示処理を終了する。この処理により、大役遊技(オープニング)の開始に伴って大当たり信号が出力されることとなる。なお、遊技情報出力端子板312から出力される信号は複数設けられているが、ここでは、所定の大当たり信号についてのみ説明する。
(ステップS630-29)
メインCPU300aは、特別図柄が確定したときの遊技状態を示す特図確定時遊技状態確認指定コマンドを送信バッファにセットする。
(ステップS630-31)
メインCPU300aは、時短終了フラグがオンしているかを判定する。上記したように、時短終了フラグは、時短遊技状態から非時短遊技状態に変更される際の変動開始時に、図39のステップS613-9においてオンされる。すなわち、ここで時短終了フラグがオンしている場合というのは、高確前兆状態における50回目もしくは100回目の変動開始時に、時短抜けによって、普通遊技状態が時短遊技状態から非時短遊技状態に変更された場合である。つまり、ここでは、時短抜け時の変動が終了するときに限り、時短終了フラグがオンしていると判定されることとなる。時短終了フラグがオンしていると判定した場合には、ステップS630-33に処理を移し、時短終了フラグはオンしていないと判定した場合にはステップS630-37に処理を移す。
(ステップS630-33)
メインCPU300aは、遊技情報出力端子板312から出力されている大当たり信号を停止するための大当たり信号出力停止処理を行う。すなわち、大当たり信号は、大役遊技中もしくは時短遊技状態中に出力されることとなる。
(ステップS630-35)
メインCPU300aは、時短終了フラグをオフする。
(ステップS630-37)
メインCPU300aは、メインRAM300cに記憶された処理対象識別値が最大(01H)であるかを判定する。その結果、処理対象識別値が最大であると判定した場合には当該特別図柄停止図柄表示処理を終了し、処理対象識別値は最大ではないと判定した場合にはステップS630-39に処理を移す。
(ステップS630-39)
メインCPU300aは、処理対象識別値に01Hを加算し、ステップS630-3に処理を移す。
図42は、主制御基板300における図柄強制停止処理(ステップS631)を説明するフローチャートである。
(ステップS631-1)
メインCPU300aは、停止表示中(当該)の特別図柄が小当たり図柄であるかを判定する。その結果、小当たり図柄であると判定した場合にはステップS631-3に処理を移し、小当たり図柄ではないと判定した場合にはステップS631-11に処理を移す。
(ステップS631-3)
メインCPU300aは、処理対象識別値が00Hであるか、つまり、小当たり図柄が停止表示されたのが、第1特別図柄表示器160であるかを判定する。その結果、処理対象識別値が00Hであると判定した場合にはステップS631-11に処理を移し、処理対象識別値は00Hではないと判定した場合にはステップS631-5に処理を移す。
(ステップS631-5)
メインCPU300aは、変動表示中(他方)の特別図柄が大当たり図柄であるかを判定する。その結果、大当たり図柄であると判定した場合にはステップS631-11に処理を移し、大当たり図柄ではないと判定した場合にはステップS631-7に処理を移す。
(ステップS631-7)
メインCPU300aは、中断中フラグをオンする。
(ステップS631-9)
メインCPU300aは、第1特別図柄表示器160における図柄の変動表示を中断する変動中断処理を実行し、当該図柄強制停止処理を終了する。ここでは、変動時間の残り時間や、特別図柄にかかる情報を一時的に所定の記憶領域に退避させる処理を行う。
(ステップS631-11)
メインCPU300aは、図柄が変動表示されている第1特別図柄表示器160または第2特別図柄表示器162にハズレ図柄を強制停止させる処理を行い、当該図柄強制停止処理を終了する。
上記の処理により、第1特別図柄表示器160に小当たり図柄が停止表示された場合には、第2特別図柄表示器162にハズレ図柄が強制停止表示される。また、第2特別図柄表示器162に小当たり図柄が停止表示された場合、大当たり図柄が第1特別図柄表示器160に最終的に停止表示される変動表示中であれば、第1特別図柄表示器160にハズレ図柄が強制停止表示される。一方、第2特別図柄表示器162に小当たり図柄が停止表示された場合、小当たり図柄またはハズレ図柄が第1特別図柄表示器160に最終的に停止表示される変動表示中であれば、第1特別図柄表示器160における変動表示が一時的に中断されることとなる。
図43は、主制御基板300における大入賞口開放前処理を説明するフローチャートである。この大入賞口開放前処理は、特別遊技管理フェーズが「01H」、「05H」であった場合に実行される。
(ステップS640-1)
メインCPU300aは、上記ステップS630-19等でセットした特別遊技タイマのタイマ値が「0」でないかを判定する。その結果、特別遊技タイマのタイマ値が「0」ではないと判定した場合には当該大入賞口開放前処理を終了し、特別遊技タイマのタイマ値が「0」であると判定した場合にはステップS640-3に処理を移す。
(ステップS640-3)
メインCPU300aは、特別電動役物連続作動回数カウンタのカウンタ値を、現在のカウンタ値に「1」加算した値に更新する。
(ステップS640-5)
メインCPU300aは、大入賞口の開放開始(ラウンド遊技の開始)を副制御基板330に伝達するための大入賞口開放指定コマンドを送信バッファにセットする。
(ステップS641)
メインCPU300aは、大入賞口開閉切替処理を実行する。この大入賞口開閉切替処理については後述する。
(ステップS640-7)
メインCPU300aは、特別遊技管理フェーズを、現在の値に01Hを加算した値(「02H」または「06H」)に更新し、当該大入賞口開放前処理を終了する。
図44は、主制御基板300における大入賞口開閉切替処理を説明するフローチャートである。
(ステップS641-1)
メインCPU300aは、特別電動役物開閉切替回数カウンタのカウンタ値が、特別電動役物開閉切替回数(1回のラウンド遊技中における大入賞口の開閉回数)の上限値であるかを判定する。その結果、カウンタ値が上限値であると判定した場合には当該大入賞口開閉切替処理を終了し、カウンタ値は上限値ではないと判定した場合にはステップS641-3に処理を移す。
(ステップS641-3)
メインCPU300aは、特別電動役物作動ラムセットテーブルのデータを参照し、特別電動役物開閉切替回数カウンタのカウンタ値に基づいて、第1大入賞口ソレノイド126c、第2大入賞口ソレノイド128cを通電制御するためのソレノイド制御データ、および、通電時間もしくは通電停止時間であるタイマデータを抽出する。
(ステップS641-5)
メインCPU300aは、上記ステップS641-3で抽出したソレノイド制御データに基づいて、第1大入賞口ソレノイド126cまたは第2大入賞口ソレノイド128cの通電を開始するか、もしくは、通電を停止するための大入賞口ソレノイド通電制御処理を実行する。この大入賞口ソレノイド通電制御処理の実行により、上記ステップS400-23およびステップS400-25において、第1大入賞口ソレノイド126cまたは第2大入賞口ソレノイド128cの通電開始もしくは通電停止の制御がなされることとなる。
(ステップS641-7)
メインCPU300aは、上記ステップS641-3で抽出したタイマデータに基づくタイマ値を、特別遊技タイマにセーブする。なお、ここで特別遊技タイマにセーブされるタイマ値は、大入賞口の1回の最大開放時間となる。
(ステップS641-9)
メインCPU300aは、第1大入賞口ソレノイド126cまたは第2大入賞口ソレノイド128cの通電開始状態か、すなわち、上記ステップS641-5において、第1大入賞口ソレノイド126cまたは第2大入賞口ソレノイド128cの通電を開始する制御処理がなされたかを判定する。その結果、通電開始状態であると判定した場合にはステップS641-11に処理を移し、通電開始状態ではないと判定した場合には当該大入賞口開閉切替処理を終了する。
(ステップS641-11)
メインCPU300aは、特別電動役物開閉切替回数カウンタのカウンタ値を、現在のカウンタ値に「1」加算した値に更新し、当該大入賞口開閉切替処理を終了する。
図45は、主制御基板300における大入賞口開放制御処理を説明するフローチャートである。この大入賞口開放制御処理は、特別遊技管理フェーズが「02H」、「06H」であった場合に実行される。
(ステップS650-1)
メインCPU300aは、上記ステップS641-7でセーブした特別遊技タイマのタイマ値が「0」でないかを判定する。その結果、特別遊技タイマのタイマ値が「0」ではないと判定した場合にはステップS650-5に処理を移し、特別遊技タイマのタイマ値が「0」であると判定した場合にはステップS650-3に処理を移す。
(ステップS650-3)
メインCPU300aは、特別電動役物開閉切替回数カウンタのカウンタ値が、特別電動役物開閉切替回数の上限値であるかを判定する。その結果、カウンタ値が上限値であると判定した場合にはステップS650-7に処理を移し、カウンタ値は上限値ではないと判定した場合にはステップS641に処理を移す。
(ステップS641)
上記ステップS650-3において、特別電動役物開閉切替回数カウンタのカウンタ値が、特別電動役物開閉切替回数の上限値ではないと判定した場合には、メインCPU300aは、上記ステップS641の処理を実行する。
(ステップS650-5)
メインCPU300aは、上記ステップS500-9で更新された大入賞口入賞球数カウンタのカウンタ値が規定数に到達していないか、すなわち、大入賞口に、1ラウンド中の最大入賞可能数と同数の遊技球が入球していないかを判定する。その結果、規定数に到達していないと判定した場合には当該大入賞口開放制御処理を終了し、規定数に到達したと判定した場合にはステップS650-7に処理を移す。
(ステップS650-7)
メインCPU300aは、第1大入賞口ソレノイド126cまたは第2大入賞口ソレノイド128cの通電を停止して大入賞口を閉鎖するために必要な大入賞口閉鎖処理を実行する。これにより、大入賞口は閉鎖状態となる。
(ステップS650-9)
メインCPU300aは、大入賞口閉鎖有効時間(インターバル時間)を特別遊技タイマにセーブする。
(ステップS650-11)
メインCPU300aは、特別遊技管理フェーズを、現在の値に01Hを加算した値(「03H」または「07H」)に更新する。
(ステップS650-13)
メインCPU300aは、大入賞口が閉鎖されたことを示す大入賞口閉鎖指定コマンドを送信バッファにセットし、当該大入賞口開放制御処理を終了する。
図46は、主制御基板300における大入賞口閉鎖有効処理を説明するフローチャートである。この大入賞口閉鎖有効処理は、特別遊技管理フェーズが「03H」、「07H」であった場合に実行される。
(ステップS660-1)
メインCPU300aは、上記ステップS650-9でセーブした特別遊技タイマのタイマ値が「0」でないかを判定する。その結果、特別遊技タイマのタイマ値が「0」でないと判定した場合には当該大入賞口閉鎖有効処理を終了し、特別遊技タイマのタイマ値が「0」であると判定した場合にはステップS660-3に処理を移す。
(ステップS660-3)
メインCPU300aは、特別電動役物連続作動回数カウンタのカウンタ値が、特別電動役物最大作動回数カウンタのカウンタ値と一致するか、すなわち、予め設定された回数のラウンド遊技が終了したかを判定する。その結果、特別電動役物連続作動回数カウンタのカウンタ値が、特別電動役物最大作動回数カウンタのカウンタ値と一致すると判定した場合にはステップS660-9に処理を移し、一致しないと判定した場合にはステップS660-5に処理を移す。
(ステップS660-5)
メインCPU300aは、特別遊技管理フェーズを「01H」に更新する。なお、特別遊技管理フェーズが07Hである場合、すなわち、小当たり遊技の制御中は、小当たり遊技のラウンド遊技回数が「1」であることから、上記ステップS660-3で必ずYESと判定され、当該ステップに処理が移行することはない。
(ステップS660-7)
メインCPU300aは、所定の大入賞口閉鎖時間を特別遊技タイマにセーブし、当該大入賞口閉鎖有効処理を終了する。これにより、次のラウンド遊技が開始されることとなる。
(ステップS660-9)
メインCPU300aは、エンディング時間を特別遊技タイマにセーブするエンディング時間設定処理を実行する。
(ステップS660-11)
メインCPU300aは、特別遊技管理フェーズを、現在の値に01Hを加算した値(「04H」または「08H」)に更新する。
(ステップS660-13)
メインCPU300aは、エンディングの開始を示すエンディング指定コマンドを送信バッファにセットし、当該大入賞口閉鎖有効処理を終了する。
図47は、主制御基板300における大入賞口終了ウェイト処理を説明するフローチャートである。この大入賞口終了ウェイト処理は、特別遊技管理フェーズが「04H」、「08H」であった場合に実行される。
(ステップS670-1)
メインCPU300aは、上記ステップS660-9でセーブした特別遊技タイマのタイマ値が「0」でないかを判定する。その結果、特別遊技タイマのタイマ値が「0」ではないと判定した場合には当該大入賞口終了ウェイト処理を終了し、特別遊技タイマのタイマ値が「0」であると判定した場合にはステップS670-3に処理を移す。
(ステップS670-3)
メインCPU300aは、特別遊技管理フェーズが「08H」であるか、すなわち、小当たり遊技の終了であるかを判定する。その結果、特別遊技管理フェーズが「08H」であると判定した場合にはステップS670-11に処理を移し、特別遊技管理フェーズは「08H」ではないと判定した場合にはステップS670-5に処理を移す。
(ステップS670-5)
メインCPU300aは、大役遊技終了後の遊技状態を設定するための状態設定処理を実行する。ここでは、上記ステップS610-29またはステップS610-75で予備領域に設定した遊技状態や高確回数、時短回数をロードし、大役遊技後の遊技状態として各フラグの設定やカウンタ値をセットする。また、ここでは、大当たり当選時の遊技状態、大当たり図柄の種別に基づき、変動パターン選択状態フラグおよび特殊変動回数の設定が行われる。
(ステップS670-7)
メインCPU300aは、上記ステップS670-5において、普通遊技状態が非時短遊技状態に設定されたかを判定する。その結果、非時短遊技状態に設定されたと判定した場合にはステップS670-9に処理を移し、非時短遊技状態に設定されていないと判定した場合にはステップS670-23に処理を移す。
(ステップS670-9)
メインCPU300aは、遊技情報出力端子板312から出力されている大当たり信号を停止するための大当たり信号出力停止処理を行う。すなわち、大役遊技後に最優位状態に設定される場合には、大役遊技の終了とともに、大当たり信号の出力が停止されることとなる。
(ステップS670-11)
メインCPU300aは、現在の遊技状態が高確前兆状態(高確率遊技状態かつ時短遊技状態)であるかを判定する。その結果、高確前兆状態であると判定した場合にはステップS670-13に処理を移し、高確前兆状態ではないと判定した場合にはステップS670-23に処理を移す。
(ステップS670-13)
メインCPU300aは、特殊変動回数が0であるかを判定する。その結果、特殊変動回数が0であると判定した場合にはステップS670-23に処理を移し、特殊変動回数は0ではないと判定した場合にはステップS670-15に処理を移す。なお、ここでは、特別図柄Z1の当選によって時短遊技状態を終了させてよい状態であるかを、特種変動回数によって判定しているが、特種変動回数ではなく、例えば、変動パターン選択状態フラグによって判定してもよいし、変動パターン選択状態フラグと特殊変動回数との組み合わせ、あるいは、時短回数等、他の情報に基づいて判定してもよい。
(ステップS670-15)
メインCPU300aは、停止表示された小当たり図柄が特別図柄Z1であるかを判定する。その結果、特別図柄Z1であると判定した場合にはステップS670-17に処理を移し、特別図柄Z1ではないと判定した場合にはステップS670-23に処理を移す。
(ステップS670-17)
メインCPU300aは、普通遊技状態を非時短遊技状態に変更するべく、時短状態フラグをセットする。これにより、高確前兆状態において、特殊変動回数の範囲内で特別図柄Z1が決定された場合には、その小当たり遊技の終了時に、遊技状態が最優位状態に変更されることとなる。
(ステップS670-19)
メインCPU300aは、時短回数カウンタおよび特殊変動回数カウンタをリセットするカウンタリセット処理を行う。
(ステップS670-21)
メインCPU300aは、遊技情報出力端子板312から出力されている大当たり信号を停止するための大当たり信号出力停止処理を行う。すなわち、特別図柄Z1に当選して小当たり遊技後に最優位状態に設定される場合には、小当たり遊技の終了とともに、大当たり信号の出力が停止されることとなる。
(ステップS670-23)
メインCPU300aは、大役遊技の終了後に設定される遊技状態を伝達するための遊技状態変化指定コマンドを送信バッファにセットする。
(ステップS670-25)
メインCPU300aは、高確回数、時短回数、特殊変動回数に対応する回数コマンドを送信バッファにセットする。
(ステップS670-27)
メインCPU300aは、特別遊技管理フェーズを「00H」に更新し、当該大入賞口終了ウェイト処理を終了する。これにより、特1保留または特2保留が記憶されている場合には、図柄の変動表示が再開されることとなる。
図48は、普通遊技管理フェーズを説明する図である。既に説明したとおり、本実施形態では、ゲート124への遊技球の通過もしくは普図作動口125への遊技球の入球を契機とする普通遊技に係る処理が、段階的に、かつ、繰り返し実行されるが、主制御基板300では、こうした普通遊技に係る各処理を普通遊技管理フェーズによって管理している。
図48に示すように、メインROM300bには、普通遊技を実行制御するための複数の普通遊技制御モジュールが格納されており、これら普通遊技制御モジュールごとに、普通遊技管理フェーズが対応付けられている。具体的には、普通遊技管理フェーズが「00H」である場合には、「普通図柄変動待ち処理」を実行するためのモジュールがコールされ、普通遊技管理フェーズが「01H」である場合には、「普通図柄変動中処理」を実行するためのモジュールがコールされ、普通遊技管理フェーズが「02H」である場合には、「普通図柄停止図柄表示処理」を実行するためのモジュールがコールされ、普通遊技管理フェーズが「03H」である場合には、「普通電動役物入賞口開放前処理」を実行するためのモジュールがコールされ、普通遊技管理フェーズが「04H」である場合には、「普通電動役物入賞口開放制御処理」を実行するためのモジュールがコールされ、普通遊技管理フェーズが「05H」である場合には、「普通電動役物入賞口閉鎖有効処理」を実行するためのモジュールがコールされ、普通遊技管理フェーズが「06H」である場合には、「普通電動役物入賞口終了ウェイト処理」を実行するためのモジュールがコールされる。
図49は、主制御基板300における普通遊技管理処理(ステップS700)を説明するフローチャートである。
(ステップS700-1)
メインCPU300aは、普通遊技管理フェーズをロードする。
(ステップS700-3)
メインCPU300aは、上記ステップS700-1でロードした普通遊技管理フェーズに対応する普通遊技制御モジュールを選択する。
(ステップS700-5)
メインCPU300aは、上記ステップS700-3で選択した普通遊技制御モジュールをコールして処理を開始する。
(ステップS700-7)
メインCPU300aは、普通遊技の制御時間を管理する普通遊技タイマをロードする。
図50は、主制御基板300における普通図柄変動待ち処理を説明するフローチャートである。この普通図柄変動待ち処理は、普通遊技管理フェーズが「00H」であった場合に実行される。
(ステップS710-1)
メインCPU300aは、普通図柄保留球数カウンタのカウンタ値をロードし、カウンタ値が「0」であるか、すなわち、普図保留が「0」であるかを判定する。その結果、カウンタ値が「0」であると判定した場合には当該普通図柄変動待ち処理を終了し、カウンタ値は「0」ではないと判定した場合にはステップS710-3に処理を移す。
(ステップS710-3)
メインCPU300aは、普図保留記憶領域の第1記憶部~第4記憶部に記憶されている普図保留(当たり決定乱数)を、1つ序数の小さい記憶部にブロック転送する。具体的には、第2記憶部~第4記憶部に記憶されている普図保留を、第1記憶部~第3記憶部に転送する。また、メインRAM300cには、処理対象となる第0記憶部が設けられており、第1記憶部に記憶されている普図保留を、第0記憶部に転送する。なお、この普通図柄記憶エリアシフト処理においては、普通図柄保留球数カウンタのカウンタ値を「1」減算するとともに、普図保留が「1」減算したことを示す、普図保留減指定コマンドを送信バッファにセットする。
(ステップS710-5)
メインCPU300aは、第0記憶部に転送された当たり決定乱数をロードし、現在の遊技状態に対応する当たり決定乱数判定テーブルを選択して普図抽選を行い、その抽選結果を記憶する普通図柄当たり判定処理を実行する。
(ステップS710-7)
メインCPU300aは、上記ステップS710-5の普図抽選の結果に対応する普通図柄停止図柄番号をセーブする。なお、本実施形態では、普通図柄表示器168は1つのLEDランプで構成されており、当たりの場合には普通図柄表示器168を点灯させ、ハズレの場合には普通図柄表示器168を消灯させる。ここで決定する普通図柄停止図柄番号は、最終的に普通図柄表示器168を点灯するか否かを示すものであり、例えば、当たりに当選した場合には、普通図柄停止図柄番号として「0」が決定され、ハズレの場合には、普通図柄停止図柄番号として「1」が決定される。
(ステップS710-9)
メインCPU300aは、現在の遊技状態を確認し、対応する普通図柄変動時間データテーブルを選択してセットする。
(ステップS710-11)
メインCPU300aは、上記ステップS710-3で第0記憶部に転送した当たり決定乱数と、上記ステップS710-9でセットした普通図柄変動時間データテーブルとに基づいて、普通図柄変動時間を決定する。
(ステップS710-13)
メインCPU300aは、上記ステップS710-11で決定した普通図柄変動時間を普通遊技タイマにセーブする。
(ステップS710-15)
メインCPU300aは、普通図柄表示器168において、普通図柄の変動表示を開始するために、普通図柄表示図柄カウンタを設定する処理を実行する。この普通図柄表示図柄カウンタに、カウンタ値として例えば「0」が設定されている場合には普通図柄表示器168が点灯制御され、カウンタ値として「1」が設定されている場合には普通図柄表示器168が消灯制御される。ここでは、普通図柄の変動表示の開始時に所定のカウンタ値が普通図柄表示図柄カウンタに設定されることとなる。
(ステップS710-17)
メインCPU300aは、普図保留記憶領域に記憶されている普図保留数を示す普図保留指定コマンドを送信バッファにセットする。
(ステップS710-19)
メインCPU300aは、上記ステップS710-7で決定された普通図柄停止図柄番号、すなわち、普通図柄当たり判定処理によって決定された図柄種別(当たり図柄またはハズレ図柄)に基づいて、普通図柄指定コマンドを送信バッファにセットする。
(ステップS710-21)
メインCPU300aは、普通遊技管理フェーズを「01H」に更新し、当該普通図柄変動待ち処理を終了する。
図51は、主制御基板300における普通図柄変動中処理を説明するフローチャートである。この普通図柄変動中処理は、普通遊技管理フェーズが「01H」であった場合に実行される。
(ステップS720-1)
メインCPU300aは、上記ステップS710-13でセーブした普通遊技タイマのタイマ値が「0」であるかを判定する。その結果、タイマ値が「0」であった場合にはステップS720-9に処理を移し、タイマ値が「0」ではなかった場合にはステップS720-3に処理を移す。
(ステップS720-3)
メインCPU300aは、普通図柄表示器168の点灯時間および消灯時間を計時する普通図柄表示タイマを更新する。具体的には、普通図柄表示タイマのタイマ値が「0」であった場合には、所定のタイマ値がセットされ、タイマ値が「1」以上であった場合には、現在のタイマ値から「1」減算した値にタイマ値を更新する。
(ステップS720-5)
メインCPU300aは、普通図柄表示タイマのタイマ値が「0」であるかを判定する。その結果、普通図柄表示タイマのタイマ値が「0」であると判定した場合にはステップS720-7に処理を移し、普通図柄表示タイマのタイマ値が「0」でないと判定した場合には当該普通図柄変動中処理を終了する。
(ステップS720-7)
メインCPU300aは、普通図柄表示図柄カウンタのカウンタ値を更新する。ここでは、普通図柄表示図柄カウンタのカウンタ値が、普通図柄表示器168の消灯を示すカウンタ値であった場合には点灯を示すカウンタ値に更新し、普通図柄表示器168の点灯を示すカウンタ値であった場合には消灯を示すカウンタ値に更新し、当該普通図柄変動中処理を終了する。これにより、普通図柄表示器168は、普通図柄変動時間に亘って、所定時間おきに点灯、消灯を繰り返す(点滅する)こととなる。
(ステップS720-9)
メインCPU300aは、普通図柄表示図柄カウンタに、上記ステップS710-7で決定した普通図柄停止図柄番号(カウンタ値)をセーブする。これにより、普通図柄表示器168が最終的に点灯もしくは消灯制御され、普図抽選の結果が報知されることとなる。
(ステップS720-11)
メインCPU300aは、普通図柄を停止表示する時間である普通図柄変動停止時間を普通遊技タイマにセットする。
(ステップS720-13)
メインCPU300aは、普通図柄の停止表示が開始されたことを示す普図停止指定コマンドを送信バッファにセットする。
(ステップS720-15)
メインCPU300aは、普通遊技管理フェーズを「02H」に更新し、当該普通図柄変動中処理を終了する。
図52は、主制御基板300における普通図柄停止図柄表示処理を説明するフローチャートである。この普通図柄停止図柄表示処理は、普通遊技管理フェーズが「02H」であった場合に実行される。
(ステップS730-1)
メインCPU300aは、上記ステップS720-11でセットした普通遊技タイマのタイマ値が「0」でないかを判定する。その結果、普通遊技タイマのタイマ値が「0」ではないと判定した場合には当該普通図柄停止図柄表示処理を終了し、普通遊技タイマのタイマ値が「0」であると判定した場合にはステップS730-3に処理を移す。
(ステップS730-3)
メインCPU300aは、普図抽選の結果を確認する。
(ステップS730-5)
メインCPU300aは、普図抽選の結果が当たりであるかを判定する。その結果、当たりであると判定した場合にはステップS730-9に処理を移し、当たりではない(ハズレである)と判定した場合にはステップS730-7に処理を移す。
(ステップS730-7)
メインCPU300aは、普通遊技管理フェーズを「00H」に更新し、当該普通図柄停止図柄表示処理を終了する。これにより、1の普図保留に基づく普通遊技管理処理が終了し、普図保留が記憶されている場合には、次の保留に基づく普通図柄の変動表示を開始するための処理が行われることとなる。
(ステップS730-9)
メインCPU300aは、開閉制御パターンテーブルのデータを参照し、普通遊技タイマに、タイマ値として普電開放前時間をセーブする。
(ステップS730-11)
メインCPU300aは、普通遊技管理フェーズを「03H」に更新し、当該普通図柄停止図柄表示処理を終了する。これにより、第1可変始動口120Bの開閉制御が開始されることとなる。
図53は、主制御基板300における普通電動役物入賞口開放前処理を説明するフローチャートである。この普通電動役物入賞口開放前処理は、普通遊技管理フェーズが「03H」であった場合に実行される。
(ステップS740-1)
メインCPU300aは、上記ステップS730-9でセットした普通遊技タイマのタイマ値が「0」でないかを判定する。その結果、普通遊技タイマのタイマ値が「0」ではないと判定した場合には当該普通電動役物入賞口開放前処理を終了し、普通遊技タイマのタイマ値が「0」であると判定した場合にはステップS741に処理を移す。
(ステップS741)
メインCPU300aは、普通電動役物入賞口開閉切替処理を実行する。この普通電動役物入賞口開閉切替処理については後述する。
(ステップS740-3)
メインCPU300aは、普通遊技管理フェーズを「04H」に更新し、当該普通電動役物入賞口開放前処理を終了する。
図54は、主制御基板300における普通電動役物入賞口開閉切替処理を説明するフローチャートである。
(ステップS741-1)
メインCPU300aは、普通電動役物開閉切替回数カウンタのカウンタ値が、普通電動役物開閉切替回数(1回の開閉制御中における第1可変始動口120Bの可動片120bの開閉回数)の上限値であるかを判定する。その結果、カウンタ値が上限値であると判定した場合には当該普通電動役物入賞口開閉切替処理を終了し、カウンタ値は上限値ではないと判定した場合にはステップS741-3に処理を移す。
(ステップS741-3)
メインCPU300aは、開閉制御パターンテーブルのデータを参照し、普通電動役物開閉切替回数カウンタのカウンタ値に基づいて、普通電動役物ソレノイド120cを通電制御するためのソレノイド制御データ(通電制御データまたは通電停止制御データ)、および、普通電動役物ソレノイド120cの通電時間(ソレノイド通電時間)もしくは通電停止時間(普電閉鎖有効時間=休止時間)であるタイマデータを抽出する。
(ステップS741-5)
メインCPU300aは、上記ステップS741-3で抽出したソレノイド制御データに基づいて、普通電動役物ソレノイド120cの通電を開始するか、もしくは、普通電動役物ソレノイド120cの通電を停止するための普通電動役物ソレノイド通電制御処理を実行する。この普通電動役物ソレノイド通電制御処理の実行により、上記ステップS400-23およびステップS400-25において、普通電動役物ソレノイド120cの通電開始もしくは通電停止の制御がなされることとなる。
(ステップS741-7)
メインCPU300aは、上記ステップS741-3で抽出したタイマデータに基づくタイマ値を、普通遊技タイマにセーブする。なお、ここで普通遊技タイマにセーブされるタイマ値は、第1可変始動口120Bの1回の最大開放時間となる。
(ステップS741-9)
メインCPU300aは、普通電動役物ソレノイド120cの通電開始状態か、すなわち、上記ステップS741-5において、普通電動役物ソレノイド120cの通電を開始する制御処理がなされたかを判定する。その結果、通電開始状態であると判定した場合にはステップS741-11に処理を移し、通電開始状態ではないと判定した場合には当該普通電動役物入賞口開閉切替処理を終了する。
(ステップS741-11)
メインCPU300aは、普通電動役物開閉切替回数カウンタのカウンタ値を、現在のカウンタ値に「1」加算した値に更新する。
図55は、主制御基板300における普通電動役物入賞口開放制御処理を説明するフローチャートである。この普通電動役物入賞口開放制御処理は、普通遊技管理フェーズが「04H」であった場合に実行される。
(ステップS750-1)
メインCPU300aは、上記ステップS741-7でセーブした普通遊技タイマのタイマ値が「0」でないかを判定する。その結果、普通遊技タイマのタイマ値が「0」ではないと判定した場合にはステップS750-5に処理を移し、普通遊技タイマのタイマ値が「0」であると判定した場合にはステップS750-3に処理を移す。
(ステップS750-3)
メインCPU300aは、普通電動役物開閉切替回数カウンタのカウンタ値が、普通電動役物開閉切替回数の上限値であるかを判定する。その結果、カウンタ値が上限値であると判定した場合にはステップS750-7に処理を移し、カウンタ値は上限値ではないと判定した場合にはステップS741に処理を移す。
(ステップS741)
上記ステップS750-3において、普通電動役物開閉切替回数カウンタのカウンタ値が、普通電動役物開閉切替回数の上限値ではないと判定した場合には、メインCPU300aは、上記ステップS741の処理を実行する。
(ステップS750-5)
メインCPU300aは、上記ステップS530-9で更新された普通電動役物入賞球数カウンタのカウンタ値が規定数に到達していないか、すなわち、第1可変始動口120Bに、1回の開閉制御中の最大入賞可能数と同数の遊技球が入球していないかを判定する。その結果、規定数に到達していないと判定した場合には当該普通電動役物入賞口開放制御処理を終了し、規定数に到達したと判定した場合にはステップS750-7に処理を移す。
(ステップS750-7)
メインCPU300aは、普通電動役物ソレノイド120cの通電を停止して第1可変始動口120Bを閉鎖するために必要な普通電動役物閉鎖処理を実行する。これにより、第1可変始動口120Bが閉鎖状態となる。
(ステップS750-9)
メインCPU300aは、普電有効状態時間を普通遊技タイマにセーブする。
(ステップS750-11)
メインCPU300aは、普通遊技管理フェーズを「05H」に更新し、当該普通電動役物入賞口開放制御処理を終了する。
図56は、主制御基板300における普通電動役物入賞口閉鎖有効処理を説明するフローチャートである。この普通電動役物入賞口閉鎖有効処理は、普通遊技管理フェーズが「05H」であった場合に実行される。
(ステップS760-1)
メインCPU300aは、上記ステップS750-9でセーブした普通遊技タイマのタイマ値が「0」でないかを判定する。その結果、普通遊技タイマのタイマ値が「0」ではないと判定した場合には当該普通電動役物入賞口閉鎖有効処理を終了し、普通遊技タイマのタイマ値が「0」であると判定した場合にはステップS760-3に処理を移す。
(ステップS760-3)
メインCPU300aは、普電終了ウェイト時間を普通遊技タイマにセーブする。
(ステップS760-5)
メインCPU300aは、普通遊技管理フェーズを「06H」に更新し、当該普通電動役物入賞口閉鎖有効処理を終了する。
図57は、主制御基板300における普通電動役物入賞口終了ウェイト処理を説明するフローチャートである。この普通電動役物入賞口終了ウェイト処理は、普通遊技管理フェーズが「06H」であった場合に実行される。
(ステップS770-1)
メインCPU300aは、上記ステップS760-3でセーブした普通遊技タイマのタイマ値が「0」でないかを判定する。その結果、普通遊技タイマのタイマ値が「0」ではないと判定した場合には当該普通電動役物入賞口終了ウェイト処理を終了し、普通遊技タイマのタイマ値が「0」であると判定した場合にはステップS770-3に処理を移す。
(ステップS770-3)
メインCPU300aは、普通遊技管理フェーズを「00H」に更新し、当該普通電動役物入賞口終了ウェイト処理を終了する。これにより、普図保留が記憶されている場合には、普通図柄の変動表示が再開されることとなる。
次に、副制御基板330において実行、制御される演出について説明する。上記の遊技中は、遊技状態に応じてさまざまな演出が実行される。ここでは、一例として、高確前兆状態において、適切に遊技が行われている場合、すなわち、特1保留によって大役抽選が行われた場合に実行される演出、および、最優位状態において、適切に遊技が行われている場合、すなわち、特2保留によって大役抽選が行われた場合に実行される演出を説明する。
上記したように、高確前兆状態では、特1保留が実質変動対象に設定されており、また、第1可変始動口120Bが頻繁に開放される。高確前兆状態における小当たりの当選確率は約1/3.45であるが、第2大入賞口128の上方に配された第1可変始動口120Bが頻繁に開放されるため、小当たり遊技が実行されても、第2遊技領域116bに発射された遊技球の殆どが第1可変始動口120Bに入球してしまう。その結果、遊技者は、小当たり遊技における遊技利益(賞球)を獲得することはほぼない。したがって、高確前兆状態においては、発射球数が賞球数を上回り、遊技球は徐々に減少することとなる。
そして、高確前兆状態において大当たりに当選した場合、決定された大当たり図柄の種別に応じて、大役遊技後の遊技状態が次のように遷移する。すなわち、大当たり図柄が特別図柄Aであった場合には、通常前兆状態に移行し、大当たり図柄が特別図柄Bであった場合には、最優位状態に移行する。また、大当たり図柄が特別図柄C、D、Eであった場合には、大役遊技後の遊技状態が、再度、高確前兆状態に設定される。
図58は、高確前兆状態における通常大当たりパターンの変動演出および大役演出の一例を説明する図である。通常大当たりパターンの変動演出は、大当たり当選時であって、大当たり図柄として特別図柄C~Eが決定された場合に実行される。すなわち、通常大当たりパターンの変動演出は、大役遊技の終了後の遊技状態が、高確前兆状態に再設定される場合に実行される。
変動演出が開始されると、図58(a)に示すように、演出表示部200aの中央(第1領域)において、3つの演出図柄210が変動表示を開始するとともに、演出表示部200aの右下(第2領域)において、3つの演出図柄210よりも小さな3つのミニ図柄220が変動表示を開始する。なお、本実施形態では、3つの演出図柄210の表示態様は、遊技者に有利な状態(大役遊技(ボーナス)、または、最優位状態(擬似ボーナス))となるか否かを報知するものであり、大役抽選の抽選結果を直接的に報知する場合と、大役抽選の抽選結果を直接的には報知しない場合とがある。一方、3つのミニ図柄220の表示態様は、大役抽選の抽選結果を報知するものである。
なお、以下では、3つの演出図柄210のうち、演出表示部200aの左側に表示される演出図柄210を左図柄と呼び、右側に表示される演出図柄210を右図柄と呼び、真ん中に表示される演出図柄210を中図柄と呼ぶ。
演出図柄210が変動表示を開始してから所定時間が経過すると、図58(b)に示すように、左図柄および右図柄が同一の演出図柄210で停止表示されるリーチ状態となる。演出図柄210がリーチ状態となると、ミッション演出が実行される。ミッション演出では、図58(c)に示すように、所定のミッション内容が表示されるとともに、ミッションの達成に向けた画像が表示される。その後、通常大当たりパターンの変動演出では、図58(d)に示すように、ミッションの達成を報知する画像が表示された後、図58(e)に示すように、左図柄、中図柄、右図柄が同一の演出図柄210で停止表示される。このように、左図柄、中図柄、右図柄が同一の演出図柄210で停止表示されることで、有利な状態(大役遊技)が開始されることが報知される。
また、左図柄、中図柄、右図柄が同一の演出図柄210で停止表示されるとともに、3つのミニ図柄220も同一図柄で停止表示される。これにより、大当たりに当選したことが遊技者に報知される。なお、大役抽選の抽選結果がハズレまたは小当たりであった場合、下記で説明する場合を除いて、左図柄、中図柄、右図柄が同一の演出図柄210で停止表示されることはなく、また、ミニ図柄220も同一図柄で停止表示されることもない。
そして、通常大当たりパターンの変動演出が実行された後の大役遊技中は大役演出が実行される。大役遊技の開始時には、オープニング時間が設定され、この間、大役演出の一部としてオープニング演出が実行される。大当たりパターンの変動演出が実行された場合には、オープニング演出として、図58(f)に示すように、演出表示部200aに「第1BONUS」と表示されるオープニング演出が実行される。
その後、オープニングが終了してラウンド遊技が開始されると、図58(g)に示すように、大役遊技で実行されるラウンド数に応じて、ラウンド遊技数を示すアイコン(図中、白丸で示す)が表示される(ここでは6個)。そして、ラウンド遊技が経過するごとに、図中ハッチングで示すように、アイコンの色が変化して表示される。その後、全てのラウンド遊技が終了してエンディングが開始されると、図58(h)に示すように、大役遊技中に獲得した賞球数が演出表示部200aに表示される。
なお、詳しい説明は省略するが、大当たり当選時であって、大当たり図柄として特別図柄Aが決定された場合の変動演出では、ミッションに失敗する画像が表示された後、左図柄、中図柄、右図柄が異なる演出図柄210で停止表示されるとともに、3つのミニ図柄220が同一図柄で停止表示されることになる。
図59は、最優位移行パターンの変動演出の一例を説明する図である。最優位移行パターンの変動演出は、高確前兆状態に設定された後の変動回数が100回以内である場合に小当たりに当選し、かつ、小当たり図柄として特別図柄Z1が決定された場合、および、高確前兆状態において時短抜けして最優位状態に移行される直前の特別図柄の変動表示中(最優位状態の最初の変動表示の1つ前の変動表示中)に実行される。すなわち、最優位移行パターンの変動演出は、高確前兆状態から最優位状態に移行する直前の変動表示で実行される。
最優位移行パターンの変動演出は、大当たりパターンの変動演出と同様に、図59(a)に示すように、3つの演出図柄210、および、3つのミニ図柄220が変動表示を開始する。その後、図59(b)に示すように、左図柄および右図柄が同一の演出図柄210で停止表示されるリーチ状態となり、図59(c)に示すように、ミッション演出が実行される。そして、最優位移行パターンの変動演出では、図59(d)に示すように、ミッションの達成を報知する画像が表示された後、図59(e)に示すように、左図柄、中図柄、右図柄が同一の演出図柄210で停止表示される。このように、左図柄、中図柄、右図柄が同一の演出図柄210で停止表示されることで、有利な状態(最優位状態)が開始されることが報知される。
その後、図59(f)に示すように、演出表示部200aに「第2BONUS」と表示される(擬似ボーナスが開始される)とともに、3つのミニ図柄220が異なる図柄で停止表示される。これにより、大当たりに当選していないことが遊技者に報知される。
そして、次の変動演出が開始されると、図59(g)に示すように、擬似ボーナス中であり、恰もラウンド遊技が行われているかのように、ラウンド遊技数を模したアイコン(図中、白丸で示す)が演出表示部200aに表示される(ここでは1個)。そして、最優位状態において小当たりに当選して第1大入賞口126に所定数の遊技球が入球する度に、ラウンド遊技数を模したアイコンが1個ずつ追加表示される。この所定数は、大役遊技おける1ラウンドの規定数と同数に設定されている。したがって、最優位状態では、大役遊技における1ラウンドで獲得可能な賞球数が得られる度に、ラウンド遊技数を模したアイコンが追加表示されることになる。
このように、最優位移行パターンの変動演出では、左図柄、中図柄、右図柄が同一の演出図柄210で停止表示されるとともに、演出表示部200aに「第2BONUS」と表示されることで、通常大当たりパターンの変動演出(または大役演出)と一部が共通した要素を含んだ表示が行われることになる。これにより、最優位状態では、恰も大当たりに当選したかのように擬似ボーナスとして演出を見せることができ、演出効果を向上させることができる。
一方で、ミニ図柄220の停止表示は、通常大当たりパターンと最優位移行パターンとで異ならせている。演出図柄210の方がミニ図柄220よりも広い領域で大きく表示されているため、演出図柄210の方がミニ図柄220よりも遊技者の視線が集中する。したがって、遊技者は、主に演出図柄210を目視することで、有利な状態へ移行したことが把握可能となる。一方で、ミニ図柄220によって大役抽選の抽選結果を報知することで(異なる表示を行うことで)、抽選結果の誤認を防止することができる。
図60は、最優位状態における特殊パターンの変動演出の一例を説明する図である。特殊パターンの変動演出は、大当たり当選時、および、小当たり時またはハズレ時の一部(特殊抽選の当選時)で実行される。ここでは、小当たり時に実行される特殊パターンの変動演出を例に挙げて説明する。
最優位状態においては、上記したように、大役遊技のラウンド遊技中に実行される大役演出を模した演出(擬似ボーナス)が実行される。そして、特殊パターンの変動演出が開始されると、図60(a)に示すように、1回の擬似ボーナスで獲得した賞球数が演出表示部200aに表示された後、図60(b)に示すように、3つの演出図柄210および3つのミニ図柄220が変動表示を開始する。そして、通常大当たりパターンおよび最優位移行パターンの変動演出と同様に、図60(c)に示すように、左図柄および右図柄が同一の演出図柄210で停止表示されるリーチ状態となり、図60(d)に示すように、ミッション演出が実行される。そして、図60(e)に示すように、ミッションの達成を報知する画像が表示された後、図60(f)に示すように、左図柄、中図柄、右図柄が同一の演出図柄210で停止表示される。
その後、図60(g)に示すように、演出表示部200aに「第2BONUS」と表示されるとともに、3つのミニ図柄220が異なる図柄で停止表示される。したがって、最優位状態においては、擬似ボーナスが一度終了した後に再度実行されることがある。
なお、詳しい説明は省略するが、大当たり時であって、特別図柄B~Eが決定された場合の特殊パターンの変動演出では、ミッションに成功して左図柄、中図柄、右図柄が同一の演出図柄210で停止表示され、3つのミニ図柄220が同一図柄で停止表示される。また、大役演出において演出表示部200aに「第1BONUS」と表示される。
一方、大当たり時であって、特別図柄Aが決定された場合の特殊パターンの変動演出では、ミッションに失敗して左図柄、中図柄、右図柄が異なる演出図柄210で停止表示され、3つのミニ図柄220が同一図柄で停止表示される。また、大役演出において演出表示部200aに「第1BONUS」と表示されることもない。
図61は、高確前兆状態または最優位状態における特殊大役演出の一例を説明する図である。特殊大役演出は、大当たり当選時であって、大当たり図柄として特別図柄Bが決定された場合に実行される。すなわち、特殊大役演出は、大役遊技の終了後の遊技状態が、最優位状態に設定される場合に実行される。
高確前兆状態または最優位状態において、大当たりに当選して大当たり図柄として特別図柄Bが決定された場合、図61(a)~(e)に示すように、通常大当たりパターンまたは特殊パターンの変動演出が実行される。そして、特殊大役演出が開始されると、オープニング演出として、図61(f)に示すように、演出表示部200aに「第1BONUS」と表示されるオープニング演出が実行される。
その後、オープニングが終了してラウンド遊技が開始されると、図61(g)に示すように、ラウンド遊技数を示すアイコンが表示される。そして、全てのラウンド遊技が終了してエンディングが開始されると、図61(h)に示すように、大役遊技中に獲得した賞球数が演出表示部200aに表示された後、図61(i)に示すように、演出表示部200aに「第2BONUS」と表示される。
高確前兆状態または最優位状態において、大当たりに当選して大当たり図柄として特別図柄Bが決定された場合、大役遊技の終了後に最優位状態に移行されるため、特殊大役演出では、エンディングにおいて演出表示部200aに「第2BONUS」と表示して、直ぐに擬似ボーナスが開始されることを遊技者に報知する。これにより、ボーナスが2回連続して実行されるかのような印象を遊技者に与えることができ、さらに演出効果を向上させることができる。
以下に、上記の変動演出を実行するための副制御基板330の処理について説明する。なお、以下では、変動演出に係る処理について説明し、変動演出とは関係のない処理については説明を省略する。
(副制御基板330のサブCPU初期化処理)
図62は、副制御基板330のサブCPU初期化処理(S1000)を説明するフローチャートである。
(ステップS1000-1)
サブCPU330aは、電源投入に応じて、サブROM330bからCPU初期化処理プログラムを読み込むとともに、サブRAM330cに記憶されるフラグ等の初期化、設定処理を行う。
(ステップS1000-3)
次に、サブCPU330aは、各演出乱数を更新する処理を行うとともに、以後は、割込み処理が行われるまで当該ステップS1000-3の処理を繰り返し行う。なお、演出乱数は複数種類設けられており、ここでは、それぞれの演出乱数が非同期的に更新されている。
(副制御基板330のサブタイマ割込み処理)
図63は、副制御基板330のサブタイマ割込み処理(S1100)を説明するフローチャートである。副制御基板330には、所定の周期(1秒間に30回)でクロックパルスを発生するリセット用クロックパルス発生回路(不図示)が設けられている。そして、このリセット用クロックパルス発生回路によるクロックパルスの発生により、サブCPU330aはタイマ割込み処理プログラムを読み込んで当該サブタイマ割込み処理を開始する。
(ステップS1100-1)
サブCPU330aは、レジスタを退避する。
(ステップS1100-3)
サブCPU330aは、割込みを許可するための処理を行う。
(ステップS1100-5)
サブCPU330aは、副制御基板330で用いられる各種タイマカウンタの更新処理を行う。ここで、各種タイマカウンタは、特に断る場合を除き、当該副制御基板330のサブタイマ割込み処理の度に1ずつ減算され、0になると減算を停止する。
(ステップS1200)
サブCPU330aは、サブRAM330cの受信バッファに格納されているコマンドを解析するとともに、受信したコマンドに応じた種々の処理を行う。副制御基板330においては、主制御基板300からコマンドが送信されると、コマンド受信割込み処理が行われ、主制御基板300から送信されたコマンドが受信バッファに格納される。ここでは、コマンド受信割込み処理によって受信バッファに格納されたコマンドを解析することとなる。
(ステップS1300)
サブCPU330aは、変動演出の経過時間を計時するとともに、変動演出ごとにセットされるタイムテーブルを参照して、当該タイムテーブルに記憶された該当時間に対応する処理を実行するタイムスケジュール管理処理を行う。ここでは、タイムテーブルにセットされたタイムデータに基づいて、各種のフラグをオン、オフしたり、あるいは、各演出デバイスにコマンドを送信したりすることで、変動演出をはじめとする各演出の実行を制御することとなる。
(ステップS1100-7)
サブCPU330aは、レジスタを復帰して当該サブタイマ割込み処理を終了する。
図64は、上記コマンド解析処理のうち、変動パターンコマンドを受信した際に実行される変動パターンコマンド受信処理を説明するフローチャートである。上記したとおり、変動パターンコマンドは、主制御基板300において、図38のステップS612-19でセットされた後、ステップS100-65のサブコマンド送信処理(図21参照)によって副制御基板330に送信される。
(ステップS1210-1)
変動パターンコマンドを受信すると、サブCPU330aは、遊技状態が高確前兆状態であるかを判定する。その結果、高確前兆状態であると判定した場合にはステップS1210-3に処理を移し、高確前兆状態ではないと判定した場合にはステップS1210-13に処理を移す。
(ステップS1210-3)
サブCPU330aは、停止表示される特別図柄が特別図柄B~Eのいずれかであるかを判定する。その結果、特別図柄B~Eのいずれかであると判定した場合にはステップS1210-5に処理を移し、特別図柄B~Eのいずれでもないと判定した場合にはステップS1210-7に処理を移す。
(ステップS1210-5)
サブCPU330aは、変動演出の実行パターンとして通常大当たりパターンを決定する。
(ステップS1210-7)
サブCPU330aは、停止表示される特別図柄が特別図柄Z1(特定の小当たり図柄)であるかを判定する。その結果、特別図柄Z1であると判定した場合にはステップS1210-11に処理を移し、特別図柄Z1ではないと判定した場合にはステップS1210-9に処理を移す。
(ステップS1210-9)
サブCPU330aは、特殊変動回数が1であるかを判定する。その結果、特殊変動回数が1であると判定した場合にはステップS1210-11に処理を移し、特殊変動回数は1ではないと判定した場合にはステップS1210-15に処理を移す。
(ステップS1210-11)
サブCPU330aは、変動演出の実行パターンとして最優位移行パターンを決定する。
(ステップS1210-13)
サブCPU330aは、遊技状態が最優位状態であるかを判定する。その結果、最優位状態であると判定した場合にはステップS1210-17に処理を移し、最優位状態ではないと判定した場合にはステップS1210-15に処理を移す。
(ステップS1210-15)
サブCPU330aは、受信した変動パターンコマンドに基づいて、実行する変動演出の実行パターンを決定する変動演出決定処理を行う。
(ステップS1210-17)
サブCPU330aは、大役抽選の抽選結果が大当たりであるかを判定する。その結果、大当たりであると判定した場合にはステップS1210-23に処理を移し、大当たりでないと判定した場合にはステップS1210-19に処理を移す。
(ステップS1210-19)
サブCPU330aは、特殊パターンの変動演出を実行するか否か(擬似ボーナスを終了させるか否か)を決定する特殊抽選を行う。
(ステップS1210-21)
サブCPU330aは、上記ステップS1210-19において特殊抽選に当選したかを判定する。その結果、特殊抽選に当選していると判定した場合にはステップS1210-23に処理を移し、特殊抽選に当選していないと判定した場合にはステップS1210-15に処理を移す。
(ステップS1210-23)
サブCPU330aは、変動演出の実行パターンとして特殊パターンを決定する。
(ステップS1210-25)
サブCPU330aは、受信した変動パターンコマンドに基づいて、ミニ図柄220が停止表示された際の図柄を決定する。
(ステップS1210-27)
サブCPU330aは、上記各ステップの決定に基づいてタイムテーブルのタイムデータをセットし、当該変動パターンコマンド受信処理を終了する。なお、ここでセットされたタイムテーブルに基づいて、上記ステップS1300において、変動演出画像を演出表示部200aに表示する処理や、変動演出画像に対応する音声出力処理、演出照明装置204の点灯制御処理等の演出実行制御がなされることとなる。
図65は、上記コマンド解析処理のうち、オープニング指定コマンドを受信した際に実行されるオープニング指定コマンド受信処理を説明するフローチャートである。上記したとおり、オープニング指定コマンドは、主制御基板300において、図41のステップS630-21でセットされた後、ステップS100-65のサブコマンド送信処理(図21参照)によって副制御基板330に送信される。
(ステップS1220-1)
オープニング指定コマンドを受信すると、サブCPU330aは、まず、小当たりまたは大当たり当選時の遊技状態が高確前兆状態または最優位状態であるかを判定する。その結果、高確前兆状態または最優位状態であると判定した場合にはステップS1220-3に処理を移し、高確前兆状態および最優位状態ではないと判定した場合には当該オープニング指定コマンド受信処理を終了する。
(ステップS1220-3)
サブCPU330aは、最後に停止表示された特別図柄が特別図柄B~Eのいずれかであるかを判定する。その結果、特別図柄B~Eのいずれかであると判定した場合にはステップS1220-5に処理を移し、特別図柄B~Eのいずれでもないと判定した場合には当該オープニング指定コマンド受信処理を終了する。
(ステップS1220-5)
サブCPU330aは、オープニング中に「第1BONUS」を演出表示部200aに表示するオープニング演出実行処理を行い、当該オープニング指定コマンド受信処理を終了する。
図66は、上記コマンド解析処理のうち、エンディング指定コマンドを受信した際に実行されるオープニング指定コマンド受信処理を説明するフローチャートである。上記したとおり、エンディング指定コマンドは、主制御基板300において、図46のステップS660-13でセットされた後、ステップS100-65のサブコマンド送信処理(図21参照)によって副制御基板330に送信される。
(ステップS1230-1)
エンディング指定コマンドを受信すると、サブCPU330aは、まず、小当たりまたは大当たり当選時の遊技状態が高確前兆状態または最優位状態であるかを判定する。その結果、高確前兆状態または最優位状態であると判定した場合にはステップS1230-3に処理を移し、高確前兆状態および最優位状態ではないと判定した場合には当該エンディング指定コマンド受信処理を終了する。
(ステップS1230-3)
サブCPU330aは、最後に停止表示された特別図柄が特別図柄Bであるかを判定する。その結果、特別図柄Bであると判定した場合にはステップS1230-5に処理を移し、特別図柄Bでないと判定した場合にはステップS1230-7に処理を移す。
(ステップS1230-5)
サブCPU330aは、エンディング中に、合計賞球数および「第2BONUS」を演出表示部200aに表示するエンディング演出実行処理を行い、当該エンディング指定コマンド受信処理を終了する。
(ステップS1230-7)
サブCPU330aは、最後に停止表示された特別図柄が特別図柄C~Eのいずれかであるかを判定する。その結果、特別図柄C~Eのいずれかであると判定した場合にはステップS1230-9に処理を移し、特別図柄C~Eのいずれでもないと判定した場合には当該エンディング指定コマンド受信処理を終了する。
(ステップS1230-9)
サブCPU330aは、エンディング中に、合計賞球数を演出表示部200aに表示するエンディング演出実行処理を行い、当該エンディング指定コマンド受信処理を終了する。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、上記実施形態の遊技性は一例に過ぎない。上記実施形態では、第1特別図柄表示器160における図柄の変動表示と、第2特別図柄表示器162における図柄の変動表示とを同時並行して実行可能とした。しかしながら、例えば、第2特別図柄表示器162における図柄の変動表示を第1特別図柄表示器160における図柄の変動表示よりも優先的に実行したり、保留が記憶された順に図柄の変動表示を実行したりしてもよい。
また、上記実施形態における特別図柄の種別や決定確率、遊技状態の遷移、演出の内容、さらには、遊技盤108の盤面構成等は一例に過ぎない。
また、上記実施形態では、大役遊技および最優位状態が有利な状態である場合について説明した。しかしながら、特定状態は、遊技球の発射数よりも払出数が多くなる状態であればどのような状態であってもよい。
また、上記実施形態の遊技性に代えて、図67~図69を用いて説明する変形例の遊技性であってもよい。具体的には、図10に代えて図67、図13に代えて図68、図17に代えて図69に示すような遊技性にしてもよい。
図67は、変形例の遊技状態および変動時間を説明する図である。変形例では、図67(a)に示すように、特別遊技状態および普通遊技状態の組み合わせにより6種類の遊技状態が設けられる。遊技機100の初期状態は、低確率遊技状態および非時短遊技状態となっている。
また、変形例では、高確率遊技状態および非時短遊技状態に設定される場合があり、この両者が組み合わされた遊技状態を最優位状態と呼ぶ。なお、この最優位状態は、6つの遊技状態の中で最も有利度合いが高く、適切に遊技球を発射していると、大当たりに当選せずとも、遊技中に徐々に遊技球が増加していくように設定されている。
また、変形例では、低確率遊技状態および時短遊技状態に設定される場合がある。以下では、低確率遊技状態および時短遊技状態が組み合わされた遊技状態を低確時短状態と呼ぶ。
また、変形例では、高確率遊技状態および時短遊技状態に設定される場合がある。以下では、高確率遊技状態および時短遊技状態が組み合わされた遊技状態を高確時短状態または高確前兆状態と呼ぶ。なお、高確時短状態および高確前兆状態について、詳しくは後述する。
また、変形例では、高確率遊技状態および中時短遊技状態に設定される場合がある。以下では、高確率遊技状態および中時短遊技状態が組み合わされた遊技状態をペナルティ状態と呼ぶ。
以上のように、本実施形態では、6つの遊技状態が設けられている。そして、図67(b)に示すように、大役抽選が行われたときの遊技状態、保留種別、当該遊技状態における変動回数、図柄の種別に応じて、変動パターン乱数判定テーブルが選択され、選択した変動パターン乱数判定テーブルを参照して変動パターン番号が決定される。
通常状態において、実質変動対象である特1保留によって大役抽選が行われ、ハズレ図柄もしくは小当たり図柄が決定されると、変動パターン乱数判定テーブルとしてテーブルAが選択される。このテーブルAによれば、3~100秒の範囲内で変動時間が決定される。また、通常状態において、特1保留によって大役抽選が行われ、大当たり図柄が決定されると、変動パターン乱数判定テーブルとしてテーブルBが選択される。このテーブルBによれば、40~100秒の範囲内で変動時間が決定される。
一方、通常状態において、実質変動対象ではない特2保留によって大役抽選が行われた場合には、決定された図柄種別に拘わらず、変動パターン乱数判定テーブルとしてテーブルCが選択される。このテーブルCによれば、変動時間が必ず10分に決定される。このように、変動時間を10分といった長時間に設定することで、通常状態では、仮に遊技者が第2始動口122に遊技球を入球させたとしても、特2保留に基づく大役抽選の実行機会が極めて少なくなる。
具体的に説明すると、第2始動口122が第2遊技領域116bに設けられており、また、第2始動口122は、常に遊技球が入球可能となる固定始動口で構成されている。さらに、遊技機100の遊技性により、第2始動口122は、第1始動口120よりも、容易に遊技球が入球する位置に配されている。そのため、仮に、通常状態において、特2保留に係る変動時間を短時間としてしまうと、大役抽選の機会が必要以上に遊技者に与えられてしまう。そこで、通常状態における本来の遊技性に則り、適切に第1遊技領域116aに向けて遊技球を発射させるべく、変動時間を10分といった長時間に設定している。
最優位状態では、特2保留が実質変動対象に設定されている。したがって、最優位状態では、遊技者は、第2始動口122に遊技球を入球させるべく、第2遊技領域116bに向けて遊技球を発射させる必要がある。最優位状態において、実質変動対象ではない特1保留によって大役抽選が行われた場合には、決定された図柄種別に拘わらず、変動パターン乱数判定テーブルとしてテーブルDが選択される。このテーブルDによれば、変動時間が必ず10秒に決定される。なお、最優位状態において実質変動対象ではない特1保留によって大役抽選が行われる場合の方が、通常状態で実質変動対象ではない特2保留によって大役抽選が行われる場合に比べて、遊技性に与える影響が小さい。そのため、最優位状態では、実質変動対象ではない特1保留によって大役抽選が行われた場合の変動時間を、10秒と短く設定している。
最優位状態において、実質変動対象である特2保留によって大役抽選が行われ、ハズレ図柄または小当たり図柄が決定されると、変動パターン乱数判定テーブルとしてテーブルEが選択される。このテーブルEによれば、1秒~3秒の範囲内で変動時間が決定される。また、最優位状態において、特2保留によって大役抽選が行われ、大当たり図柄が決定されると、変動パターン乱数判定テーブルとしてテーブルFが選択される。このテーブルFによれば、変動時間が3秒~10秒の範囲内で決定される。
低確時短状態、高確時短状態では、いずれも特1保留が実質変動対象に設定されている。また、低確時短状態、高確時短状態では、普通遊技状態が時短遊技状態に設定されており、第1可変始動口120Bが頻繁に開状態に制御される。したがって、これら2つの遊技状態では、遊技者は、第1可変始動口120Bに遊技球を入球させるべく、第2遊技領域116bに向けて遊技球を発射させる必要がある。これら2つの遊技状態では、いずれも同一の変動パターン乱数判定テーブルが選択されるが、これら2つの遊技状態は、普通遊技状態が時短遊技状態である点で共通している。つまり、普通遊技状態が時短遊技状態である場合において、実質変動対象である特1保留によって大役抽選が行われ、ハズレ図柄もしくは小当たり図柄が決定されると、変動パターン乱数判定テーブルとしてテーブルGが選択される。このテーブルGによれば、必ず1秒の変動時間が決定される。また、低確時短状態、高確時短状態である場合において、特1保留によって大役抽選が行われ、大当たり図柄が決定されると、変動パターン乱数判定テーブルとしてテーブルHが選択される。このテーブルHによれば、変動時間が必ず30秒に決定される。
高確前兆状態では、特1保留が実質変動対象に設定されている。また、高確前兆状態では、普通遊技状態が時短遊技状態に設定されており、第1可変始動口120Bが頻繁に開状態に制御される。したがって、高確前兆状態では、遊技者は、第1可変始動口120Bに遊技球を入球させるべく、第2遊技領域116bに向けて遊技球を発射させる必要がある。高確前兆状態において、実質変動対象である特1保留によって大役抽選が行われ、ハズレ図柄もしくは小当たり図柄が決定されると、変動パターン乱数判定テーブルとしてテーブルJが選択される。このテーブルJによれば、3秒~10秒の範囲内で変動時間が決定される。また、高確前兆状態において、特1保留によって大役抽選が行われ、大当たり図柄が決定されると、変動パターン乱数判定テーブルとしてテーブルKが選択される。このテーブルKによれば、変動時間が必ず30秒に決定される。
一方、低確時短状態、高確時短状態および高確前兆状態、すなわち、普通遊技状態が時短遊技状態である場合において、実質変動対象ではない特2保留によって大役抽選が行われた場合には、各遊技状態に設定されてからの特2保留に係る変動回数(第2特別図柄表示器162における図柄の変動表示の回数。以下、「第2変動回数」と呼ぶ)に応じて、異なる変動パターン乱数判定テーブルが選択される。具体的には、時短遊技状態に設定されてからの第2変動回数が4回以下である場合には、決定された図柄種別に拘わらず、変動パターン乱数判定テーブルとして特殊テーブルが選択される。この特殊テーブルによれば、変動時間が必ず1分に決定される。これに対して、時短遊技状態に設定されてからの第2変動回数が5回以上である場合には、決定された図柄種別に拘わらず、変動パターン乱数判定テーブルとしてテーブルIが選択される。このテーブルIによれば、変動時間が必ず10分に決定される。
ペナルティ状態では、特1保留が実質変動対象に設定されている。また、ペナルティ状態では、普通遊技状態が中時短遊技状態に設定されており、第1可変始動口120Bが一定の頻度で開状態に制御される。したがって、ペナルティ状態では、遊技者は、第1可変始動口120Bに遊技球を入球させるべく、第2遊技領域116bに向けて遊技球を発射させる必要がある。ペナルティ状態において、実質変動対象である特1保留によって大役抽選が行われ、ハズレ図柄または小当たり図柄が決定されると、変動パターン乱数判定テーブルとしてテーブルLが選択される。このテーブルLによれば、3~100秒の範囲内で変動時間が決定される。また、ペナルティ状態において、特1保留によって大役抽選が行われ、大当たり図柄が決定されると、変動パターン乱数判定テーブルとしてテーブルMが選択される。このテーブルMによれば、40~100秒の範囲内で変動時間が決定される。
一方、ペナルティ状態において、実質変動対象ではない特2保留によって大役抽選が行われた場合には、決定された図柄種別に拘わらず、変動パターン乱数判定テーブルとしてテーブルNが選択される。このテーブルNによれば、変動時間が必ず10分に決定される。
以上のように、遊技状態ごとに実質変動対象が設定されており、実質変動対象としての保留種別に基づく大役抽選が行われた場合には、最長でも変動時間が100秒となっている。一方、実質変動対象ではない保留種別に基づく大役抽選が行われた場合には、変動時間が概ね10分となり、本来の遊技性に反した遊技が行われないようにしている。
図68は、変形例の大役遊技の終了後の遊技状態を設定するための遊技状態設定テーブルを説明する図である。
図68に示すように、大当たり当選時の遊技状態が通常状態またはペナルティ状態である場合、実質変動対象である特1保留によって大当たりに当選すると、大当たり図柄の種別に応じて大役遊技後の遊技状態が設定される。具体的には、大当たり図柄として特別図柄Aが決定された場合には、低確時短状態(特別遊技状態が低確率遊技状態、普通遊技状態が時短遊技状態)に設定される。このとき、時短回数は100回に設定される。
また、大当たり図柄として特別図柄B、Dが決定された場合には、高確時短状態(特別遊技状態が高確率遊技状態、普通遊技状態が時短遊技状態)に設定される。このとき、高確回数として「次回」が設定され、高確率遊技状態は、次回の大当たりに当選するまで継続する。また、時短回数として「次回」が設定され、時短遊技状態は、次回の大当たりに当選するまで継続する。したがって、特別図柄B、Dが決定された場合には、大役遊技後、次回の大当たりに当選するまで、高確時短状態が継続することとなる。
また、大当たり図柄として特別図柄C、Eが決定された場合には、高確前兆状態(特別遊技状態が高確率遊技状態、普通遊技状態が時短遊技状態)に設定される。このとき、高確回数として「次回」が設定され、時短回数が100回に設定される。特別図柄C、Eが決定された場合には、次回の大当たりの当選まで高確率遊技状態が継続する一方で、時短遊技状態は100回で終了となる。したがって、特別図柄C、Eが決定された場合には、大役遊技後、大役抽選の結果が100回導出されたところで、遊技状態が最優位状態に移行することとなる。
また、大当たり当選時の遊技状態が通常状態またはペナルティ状態である場合、実質変動対象ではない特2保留によって大当たりに当選すると、大役遊技後の遊技状態が次のように設定される。すなわち、大当たり図柄として特別図柄Fが決定された場合には、通常状態(特別遊技状態が低確率遊技状態、普通遊技状態が非時短遊技状態)に設定される。また、大当たり図柄として特別図柄G~Jが決定された場合には、ペナルティ状態(特別遊技状態が高確率遊技状態、普通遊技状態が中時短遊技状態)に設定される。このとき、高確回数および時短回数は、いずれも「次回」に設定される。
また、大当たり当選時の遊技状態が最優位状態である場合、実質変動対象ではない特1保留によって大当たりに当選すると、大役遊技後の遊技状態が次のように設定される。すなわち、大当たり図柄として特別図柄Aが決定された場合には、低確時短状態(特別遊技状態が低確率遊技状態、普通遊技状態が時短遊技状態)に設定される。このとき、時短回数は100回に設定される。また、大当たり図柄として特別図柄B~Eが決定された場合には、通常状態およびペナルティ状態と同様に、大役遊技後の遊技状態が設定される。
一方、大当たり当選時の遊技状態が最優位状態である場合、実質変動対象である特2保留によって大当たりに当選すると、大役遊技後の遊技状態が次のように設定される。すなわち、大当たり図柄として特別図柄Fが決定された場合には、低確時短状態(特別遊技状態が低確率遊技状態、普通遊技状態が時短遊技状態)に設定される。このとき、時短回数は100回に設定される。また、大当たり図柄として特別図柄G、Iが決定された場合には、高確時短状態(特別遊技状態が高確率遊技状態、普通遊技状態が時短遊技状態)に設定される。このとき、高確回数および時短回数が「次回」に設定される。
また、大当たり図柄として特別図柄H、Jが決定された場合には、高確前兆状態(特別遊技状態が高確率遊技状態、普通遊技状態が時短遊技状態)に設定される。このとき、高確回数が「次回」に設定され、時短回数が100回に設定される。
また、大当たり当選時の遊技状態が低確時短状態、高確時短状態、高確前兆状態である場合、つまり、普通遊技状態が時短遊技状態である場合、大役遊技後の遊技状態は、通常状態およびペナルティ状態と同様に設定される。
図69は、変形例における本来の遊技性に則った遊技状態の遷移を説明する図である。変形例の遊技機100は、次のような遊技性を実現する。なお、ここでは、登録設定値が「1」に設定されている場合について説明する。まず、遊技機100の初期状態では、図69の(a)に示す通常状態に設定されている。通常状態では、実質変動対象が特1保留に設定されているため、遊技者は第1固定始動口120Aに遊技球を入球させるべく、第1遊技領域116aに向けて遊技球を発射させる。第1遊技領域116aは、遊技盤108の左側に位置することから、遊技者は、通常状態において、所謂「左打ち」を行うこととなる。
第1固定始動口120Aに遊技球が入球すると特1保留が第1特図保留記憶領域に記憶される。第1特図保留記憶領域に記憶された特1保留は、始動条件の成立により順次読み出され、読み出した特1保留に基づく大役抽選が行われる。このとき、大当たりの当選確率は約1/300.6に設定されている。通常状態では、この特1保留に基づく大役抽選において、大当たりに当選することを目的として遊技を行うこととなる。なお、第1遊技領域116aに向けて遊技球を発射した場合の発射賞球比率は100:20に設定されており、遊技中に遊技球が減少していくことになる。
そして、通常状態において、特1保留による大役抽選で大当たりに当選すると、大役遊技が実行される。そして、特1保留によって大当たりに当選した場合には、大当たり図柄として特別図柄A~Eのいずれかが決定される。
通常状態において、第1特別図柄表示器160に停止表示された大当たり図柄が特別図柄Aであった場合、大役遊技後の遊技状態は、図69の(b)に示す低確時短状態となる。特1保留で大当たりに当選し、大当たり図柄として特別図柄Aが決定されると、遊技状態が低確時短状態に移行する。低確時短状態では、実質変動対象が特1保留に設定されているが、普通遊技状態が時短遊技状態であるため、遊技者は第1可変始動口120Bに遊技球を入球させるべく、第2遊技領域116bを狙った右打ちを行うこととなる。
つまり、この低確時短状態では、通常状態と同様、特1保留に基づく大役抽選において、大当たりに当選することを目的として遊技を行うこととなる。なお、低確時短状態は、大当たりの当選確率が約1/300.6であるが、普通遊技状態が時短遊技状態であることから、可動片120bが頻繁に開状態となる。そのため、発射賞球比率は100:99となり、遊技者は、遊技球の費消を低減しながら、大当たりの当選を狙うことができる。
なお、低確時短状態に移行すると、時短回数が100回に設定され、100回の大役抽選で大当たりに当選しなかった場合には、遊技状態が再び通常状態に移行することとなる(時短抜け)。
また、通常状態において、第1特別図柄表示器160に停止表示された大当たり図柄が特別図柄B、Dであった場合、大役遊技後の遊技状態は、図69の(c)に示す高確時短状態となる。特1保留で大当たりに当選し、大当たり図柄として特別図柄B、Dが決定されると、遊技状態が高確時短状態に移行する。高確時短状態では、実質変動対象が特1保留に設定されているが、普通遊技状態が時短遊技状態であるため、遊技者は第1可変始動口120Bに遊技球を入球させるべく、第2遊技領域116bを狙った右打ちを行うこととなる。
つまり、この高確時短状態では、通常状態と同様、特1保留に基づく大役抽選において、大当たりに当選することを目的として遊技を行うこととなる。なお、高確時短状態は、大当たりの当選確率が約1/105.7であり、普通遊技状態が時短遊技状態であることから、可動片120bが頻繁に開状態となる。そのため、発射賞球比率は100:99となり、遊技者は、遊技球の費消を低減しながら、大役抽選を行うことができる。したがって、高確時短状態では、実質上、次回の大当たりの当選が確約された状態と言える。
また、通常状態において、第1特別図柄表示器160に停止表示された大当たり図柄が特別図柄C、Eであった場合、大役遊技後の遊技状態は、図69の(d)に示す高確前兆状態となる。特1保留で大当たりに当選し、大当たり図柄として特別図柄C、Eが決定されると、遊技状態が高確前兆状態に移行する。高確前兆状態では、実質変動対象が特1保留に設定されているが、普通遊技状態が時短遊技状態であるため、遊技者は第1可変始動口120Bに遊技球を入球させるべく、第2遊技領域116bを狙った右打ちを行うこととなる。
そして、特別図柄C、Eが決定された場合には、高確前兆状態に設定されるとともに、時短回数が100回に設定される。このとき、大役遊技後の変動回数が100回に到達すると、時短遊技状態が終了し、普通遊技状態が非時短遊技状態となる。その結果、時短抜けにより、遊技状態が図69の(e)に示す最優位状態に移行することとなる。詳しくは後述するように、最優位状態では、第2遊技領域116bに向けて遊技球を発射し続けるだけで、遊技球を増加させることができる。したがって、高確前兆状態では、大当たりの当選が遊技の目的となるのではなく、大当たりに当選せずに、時短抜けすることが遊技の目的となる。
上記の高確前兆状態、高確時短状態、低確時短状態における実質変動対象の特1保留によれば、大当たりに当選した場合に、大当たり図柄として特別図柄A~Eが決定される。特別図柄Aが決定されると、大役遊技後の遊技状態が、図69の(b)に示す低確時短状態となる。また、特別図柄B、Dが決定された場合、大役遊技後の遊技状態が高確時短状態となる。また、特別図柄C、Eが決定された場合、大役遊技後の遊技状態が、高確前兆状態となる。
最優位状態では、第2始動口122に遊技球が入球すると特2保留が第2特図保留記憶領域に記憶される。第2特図保留記憶領域に記憶された特2保留は、始動条件の成立により順次読み出され、読み出した特2保留に基づく大役抽選が行われる。このとき、大当たりの当選確率は約1/105.7に設定されており、また、小当たりの当選確率は約1/3.45に設定されている。最優位状態では、この特2保留に基づく大役抽選において、小当たりに当選することが遊技の最大の目的となる。
具体的には、第2遊技領域116bに遊技球を発射させた場合、発射球数に対する、第2始動口122への遊技球の入球によって払い出される賞球の比率は、100:60~80程度に設定されている。そして、最優位状態では、特2保留による大役抽選において、約1/3.45の確率で小当たりに当選するため、小当たり遊技が頻繁に行われる。ここで、特2保留によって小当たりに当選した場合には、小当たり図柄Z4~Z6が決定される。上記したように、小当たり図柄Z4が第2特別図柄表示器162に停止表示された場合の小当たり遊技では、平均2~3個の遊技球が第2大入賞口128に入球する。小当たり図柄Z5が第2特別図柄表示器162に停止表示された場合の小当たり遊技では、平均3~4個の遊技球が第2大入賞口128に入球する。さらに、小当たり図柄Z6が第2特別図柄表示器162に停止表示された場合の小当たり遊技では、ほぼ規定数の遊技球が第2大入賞口128に入球する。
第2大入賞口128に遊技球が入球すると、例えば、1個の遊技球の入球に対して15個の賞球が払い出される。これにより、最優位状態では、発射球数に対する全ての賞球数の比率である発射賞球比率が100:120となり、第2遊技領域116bに向けて遊技球を発射し続けるだけで、遊技球を増加させることができる。
なお、この最優位状態では、普通遊技状態が非時短遊技状態となっており、可動片120bが開状態となることは殆どない。また、最優位状態では、特別遊技状態が高確率遊技状態となっており、最優位状態における大当たりの当選確率が約1/105.7であることから、最優位状態では、実質上、次回の大当たりの当選が確約された状態と言える。
この最優位状態における実質変動対象の特2保留によれば、大当たりに当選した場合に、大当たり図柄として特別図柄F~Jが決定される。特別図柄Fが決定された場合、大役遊技後の遊技状態が、図69の(b)に示す低確時短状態となる。また、特別図柄G、Iが決定された場合、大役遊技後の遊技状態が高確時短状態となる。また、特別図柄H、Jが決定された場合、大役遊技後の遊技状態が高確前兆状態となる。
最優位状態は、他の遊技状態に比べて、有利度合いが極めて高いため、遊技機100における遊技の最大の目的は、遊技状態を最優位状態に移行させることとなる。上記のとおり、遊技はまず、通常状態で開始されるが、この通常状態から一気に最優位状態に移行することはない。そのため、高確前兆状態を経由して最優位状態へ移行するという移行ルートが、遊技機100における最優位状態への移行ルートとなる。
さらに、変形例では、高確前兆状態における時短抜けとは別に、特定の小当たり図柄に当選することが、高確前兆状態から最優位状態への移行条件として設定されている。具体的には、高確前兆状態における実質変動対象である特1保留によって小当たりに当選した場合、小当たり図柄として、特別図柄Z1が1%、特別図柄Z2が69%、特別図柄Z3が30%の確率で決定される(図8(c)参照)。
このとき、小当たり図柄として特別図柄Z1が決定されると、小当たり遊技の終了に伴って時短遊技状態が終了し、その結果、遊技状態が最優位状態へと移行することとなる。
このように、特定の小当たりの当選によって最優位状態に移行することから、変動回数が規定回数(100回)に達したときにのみ最優位状態に移行する場合に比べて、遊技者に対して、常時、期待感と緊張感とが付与される。
なお、上記の高確前兆状態、高確時短状態、低確時短状態においては、約1/3.45の確率で小当たりに当選する。そのため、高確前兆状態、高確時短状態、低確時短状態においても、最優位状態と同様に、頻繁に小当たり遊技が実行される。しかしながら、高確前兆状態、高確時短状態、低確時短状態は、いずれも普通遊技状態が時短遊技状態である。また、小当たり遊技中も、普通遊技状態は時短遊技状態に維持されている。そのため、小当たり遊技中に第2大入賞口128が開放されるものの、この間に、第1可変始動口120Bも開放されてしまう。
上記したように、第1可変始動口120Bは、第2大入賞口128よりも上方に設けられており、しかも、時短遊技状態では、第1可変始動口120Bの開放時間が、第2大入賞口128の開放時間よりも極めて長い。そのため、高確前兆状態、高確時短状態、低確時短状態においては、第2遊技領域116bを流下する遊技球の殆どが第1可変始動口120Bに入球し、第2大入賞口128には殆ど遊技球が入球することはない。その結果、高確前兆状態、高確時短状態、低確時短状態においては、最優位状態とは異なり、遊技中に右打ちを行ったとしても、遊技球が徐々に減少することとなる。
以上のように、本来の遊技性に則って実質変動対象によって遊技が進行すると、大当たりに当選した場合、大役遊技後の遊技状態が、低確時短状態、高確時短状態、高確前兆状態のいずれかに設定される。そして、高確時短状態および高確前兆状態は、特別遊技状態が高確率遊技状態であり、普通遊技状態が時短遊技状態であることが共通している。一方で、高確時短状態は、次回の大当たりに当選するまで継続するのに対して、高確前兆状態は、特定の小当たり(特別図柄Z1)に当選するか、時短抜けすることで、遊技状態が最優位状態に移行される点で相違する。
また、高確時短状態では、小当たり時およびハズレ時の変動時間が1秒に設定されるのに対して、高確前兆状態では、小当たり時およびハズレ時の変動時間が3~10秒の範囲内で設定される点で相違する(図67(b)参照)。つまり、高確時短状態における変動時間の平均は、高確前兆状態における変動時間の平均よりも短く設定される。
したがって、高確時短状態では、小当たり時およびハズレ時の変動時間が相対的に短いため、大当たりに当選するまで、実質変動対象を高速で消化することができる。詳しい説明は省略するが、特別図柄の変動時間では、副制御基板330において演出図柄210の変動表示が行われる。高確時短状態では、演出図柄210の変動表示も相対的に短くなる。そのため、高確時短状態では、特1保留が記憶され続ける限り、特1保留(演出図柄210の変動表示)が高速で消化され続けることになり、大当たりに当選するまでの時間を短くすることができ、遊技者にストレスを感じさせることなく(低減して)、次回の大当たりまで遊技を行わせることができる。
一方、高確前兆状態では、小当たり時およびハズレ時の変動時間が相対的に長いが、副制御基板330においては、最優位状態に移行するか否かの演出が行われる。そのため、遊技者は最優位状態に移行するのではないかと期待しながら遊技を行うことができる。
このように、高確時短状態では、特定の小当たり(特別図柄Z1)に当選しても最優位状態に移行することはないが、変動時間の平均が短く設定されることで、次回の大当たりの当選までの時間を短くでき、遊技者へのストレスを低減することができる。また、高確前兆状態では、高確時短状態と比べて変動時間の平均が長く設定されているが、その変動時間で、最優位状態に移行するか否かの演出を行うことができ、遊技者に期待感と緊張感とを付与することができる。
以上のように、特別遊技状態が高確率遊技状態であり、普通遊技状態が時短遊技状態であることが共通している高確時短状態および高確前兆状態が設けられ、高確時短状態の変動時間の平均を高確前兆状態の変動時間の平均よりも短くすることで、新たな遊技性を提供することができる。
なお、高確時短状態の変動時間の平均が、高確前兆状態の変動時間の平均よりも短い場合について説明したが、高確時短状態の変動時間の平均が、高確前兆状態の変動時間の平均よりも長くてもよい。つまり、高確時短状態の変動時間の平均と、高確前兆状態の変動時間の平均とが異なっていればよい。
また、上記実施形態において、図36のステップS610-61の処理を実行するメインCPU300aが、本発明の判定手段に相当する。
また、上記実施形態において、図39、図47の処理を実行するメインCPU300aが、本発明の状態制御手段に相当する。
また、上記実施形態において、図64~図66の処理を実行するサブCPU330aが、本発明の表示制御手段に相当する。
また、上記実施形態における高確前兆状態で特別図柄Z1に当選したこと、および、高確前兆状態で時短抜けしたことが、本発明の大当たりが決定された場合とは異なる条件が成立した場合に相当する。