JP7385217B2 - 生体電流推定方法、生体電流推定装置および生体磁気計測システム - Google Patents

生体電流推定方法、生体電流推定装置および生体磁気計測システム Download PDF

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特許法第30条第2項適用 令和1年10月31日に第49回日本臨床神経生理学会学術大会のウェブサイトで公開
本発明は、生体電流推定方法、生体電流推定装置および生体磁気計測システムに関する。
脊髄、末梢神経または筋などの機能を検査する方法として、それらの活動に基づいて生体から発生する磁場を計測する手法が知られている。例えば、頚部または腰部から発生する磁場を計測する生体磁気計測装置では、センサアレイの各センサの先端部が、計測部位の湾曲形状に沿って配置される。そして、被検体の側面からX線像を撮影することで、センサアレイと神経との位置関係が取得される(特許文献1参照)。
また、別の生体磁気計測装置では、生体磁気計測装置が配置されるシールドルーム内に超音波診断装置の超音波プローブが配置される。そして、心臓の超音波断層像を利用して心臓から発生する磁場を計測するセンサアレイが、被検体の適切な計測位置に配置され、生体磁場が計測される(特許文献2参照)。
脊磁計システム等の生体磁気計測システムでは、例えば、センサアレイで得られた磁場データから空間フィルター法などの推定手法によって体内の電流分布を推定することで、神経機能の評価が行われる。磁場データ信号は、磁場源とセンサとの距離によって急激に変化するため、事前に神経の位置情報を取得し、取得した位置情報を空間フィルター法などの推定手法に与える必要がある。
例えば、脊髄の神経活動電流を推定しようとする場合、脊髄は脊椎の中の脊柱管に存在するため、X線像に写る脊柱管から脊髄とセンサアレイの位置関係を取得することが可能である。しかし、末梢神経など骨と神経の位置関係が一意に決定しない神経の活動を推定しようとする場合、X線像から神経とセンサアレイの位置関係を取得することは困難であり、神経活動電流を正確に推定することは困難である。
開示の技術は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、生体磁場を計測するセンサと神経との位置関係を、計測対象領域の画像に含まれる神経画像を利用して取得し、被検体の神経活動に伴って発生する神経活動電流を推定することを目的とする。
上記技術的課題を解決するため、本発明の一形態の生体電流推定方法は、磁気センサによる計測で得られる被検体の磁場データおよび被検体の神経画像に基づいて被検体の神経活動に伴って発生する神経活動電流を推定する生体電流推定方法であって、磁場データを計測する被検体の計測対象領域の形態画像に含まれる末梢神経画像に基づいて、前記計測対象領域における末梢神経の位置情報を取得し、取得した末梢神経の位置情報と、前記計測対象領域に対向させたときの前記磁気センサの位置情報とに基づいて、末梢神経の位置と前記磁気センサの位置との位置関係を取得し、取得した前記位置関係と、前記磁気センサにより計測される前記計測対象領域の磁場データとに基づいて、神経活動電流を推定することを特徴とする。
生体磁場を計測するセンサと神経との位置関係を、計測対象領域の画像中に含まれる神経画像を利用して取得し、被検体の神経活動に伴って発生する神経活動電流を推定することができる。
本発明の一実施形態に係る生体磁気計測システムの一例を示すブロック図である。 図1の生体磁気計測システムの動作の一例を示すフロー図である。 図1の超音波計測部により取得される超音波画像の一例を示す説明図である。 図1の位置関係取得部により神経とセンサ部との位置関係を取得する一例を示す説明図である。 図1の磁場計測部により計測された磁場データに基づいて電流推定部により推定された電流波形(電流強度の時間変化)の一例を示す説明図である。 図5に示した電流波形のピーク強度を波形番号順に示す説明図である。 図1の生体電流推定装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
以下、図面を参照して実施の形態の説明を行う。なお、各図面において、同一構成部分には同一符号を付し、重複した説明を省略する場合がある。
図1は、本発明の一実施形態に係る生体磁気計測システムの一例を示すブロック図である。図1に示す生体磁気計測システム100は、磁場計測部10、超音波計測部20および生体電流推定装置30を有する。生体電流推定装置30は、位置情報取得部32、位置関係取得部34および電流推定部36を有する。
例えば、磁場計測部10は、図示しない磁気シールドルーム内に設置される生体磁気計測装置に含まれ、生体電流推定装置30は、磁気シールドルーム外に設置されるPC(Personal Computer)やサーバ等のコンピュータに含まれる。生体電流推定装置30は、コンピュータに搭載されるCPU(Central Processing Unit)が実行する生体電流推定プログラムにより実現されてもよい。
磁場計測部10は、磁気センサ12と、磁気センサ12の先端部を覆うカバー部材16とを有する。磁気センサ12は、被検体Pの磁場を計測するためにアレイ状に配列された複数のセンサ部14を有する。カバー部材16は、センサ部14の先端を覆う位置に配置され、横断面が湾曲形状を有する。ここで、図の面が横断面に相当し、図の奥行き方向が縦方向に相当する。複数のセンサ部14は、被検体Pに対向される先端の位置が、カバー部材16の形状に沿って湾曲形状になるように設置される。
例えば、センサ部14は、超伝導量子干渉素子(SQUID:Superconducting QUantum Interference Device)を有する。すなわち、磁気センサ12は、SQUIDセンサアレイである。以下では、複数のセンサ部14をセンサアレイ14とも称する。そして、磁場計測部10は、図示しない神経刺激装置による電気刺激により被検体Pの計測対象の神経に誘発された磁場を計測する。磁場計測部10は、計測した磁場を磁場データとして生体電流推定装置30に出力する。
例えば、超音波計測部20は、超音波プローブ22を有する超音波検査装置であり、磁気シールドルームの内部または外部のいずれに設置されてもよい。超音波画像検査装置は、超音波を対象物に当ててその反響を映像化する画像検査法であるため、X線撮影では得られない神経を示す神経画像を視覚的に直接確認することができる。超音波計測部20は、計測対象領域の計測により得た皮下組織の形態画像を生体電流推定装置30に出力する。例えば、超音波計測部20により前腕の皮下組織の超音波画像を計測する場合、生体電流推定装置30に出力される形態情報は、前腕の神経画像を含む。
ここで、計測対象領域は、被検体Pにおいてセンサアレイ14と対向する領域であり、図4の左側のXY座標で示される磁場データを取得する領域Aである。以下では、計測対象領域上の任意の位置(二次元位置)は、XY位置とも称する。また、計測対象領域において、被検体Pの体表に直行する方向の位置(例えば、皮膚の表面に対する神経の深さ方向の位置)は、図4の右側のZ座標に対応し、以下ではZ位置とも称する。例えば、計測対象領域における被検体Pの体表は計測対象領域の表面である。
超音波計測部20は、被検体Pの計測対象領域に向けて超音波プローブ22から超音波を出力し、被検体Pからの反響を受信することで、被検体Pの計測対象領域の皮下組織(筋肉、神経、骨など)の画像(形態情報)を取得する。
超音波計測部20が、磁気シールドルーム内に設置される場合、磁気シールドルーム内にいる被検体Pの磁場データが磁場計測部10により計測されるときに、被検体Pの計測対象領域の超音波画像が超音波計測部20により撮影される。一方、超音波計測部20が、磁気シールドルーム外に設置される場合、例えば、磁場計測部10による被検体Pの磁場データの計測とは別のタイミングで、超音波計測部20により被検体Pの計測対象領域の超音波画像が撮影される。
この実施形態では、磁場の計測対象の神経は、末梢神経である。例えば、被検体Pの前腕の末梢神経の磁場データを計測することで神経活動に伴って発生する神経活動電流を取得する場合、前腕の肘窩部をカバー部材16に接触させた状態で、磁場計測部10により磁場データが計測される。また、前腕の肘窩部に超音波プローブ22が当てられ、肘窩部の皮下組織の超音波画像が取得される。
なお、生体磁気計測システム100は、超音波計測部20の代わりに、磁気共鳴断層撮影装置を有してもよい。この場合、位置情報取得部32は、磁気共鳴断層撮影装置から受信するMR(Magnetic Resonance)画像を、超音波画像の代わりに、神経画像を含む計測対象領域の形態画像として受信し、神経の位置情報を取得する。
生体電流推定装置30において、位置情報取得部32は、超音波計測部20から受信する神経画像を含む計測対象領域の形態画像と、各形態画像を取得したときの超音波プローブ22のXY位置を示すプローブ位置情報とを受信する。プローブ位置情報は、時刻情報を含む。そして、位置情報取得部32は、形態画像とプローブ位置情報とに基づいて、神経の位置情報(例えば、神経の走行経路上の複数の点でのXY位置およびZ位置)を取得する。なお、位置情報取得部32は、プローブ位置情報を受信する代わりに、超音波計測部20により取得された形態画像にプローブ位置情報が付加された形態画像を受信してもよい。
位置関係取得部34は、位置情報取得部32が取得した神経の位置情報と、磁気センサ12の各センサ部14の位置情報とに基づいて、神経の位置と各センサ部14の位置との位置関係を取得する。例えば、位置関係取得部34は、神経上の複数の点の三次元座標上での位置(XY位置およびZ位置)と、各センサ部14の三次元座標上での位置(XY位置およびZ位置)とに基づいて、神経上の複数の点と各センサ部14との位置関係を取得する。
磁気センサ12の各センサ部14の位置情報は、磁場計測部10の設計データ等を使用して予め取得される。神経のZ位置および各センサ部14のZ位置は、カバー部材16の表面の最も突出している基準点のZ位置を"0"とするときのZ座標値を示し、基準点からの符号付きの距離を示す。
電流推定部36は、位置関係取得部34が取得した神経の複数の点と各センサ部14との位置関係に基づいて、例えば、空間フィルター法などの推定アルゴリズムを使用して計測対象領域内の指定された計測点での神経活動の推定電流を特定する演算処理(計算処理)を行う。そして、電流推定部36は、推定した神経活動電流を示す電流情報を出力する。
なお、計測対象領域内で指定される計測点は、神経上の点でもよく、計測対象領域内の所定の範囲に含まれる複数の点でもよい。推定された神経活動電流は、例えば、後述する図5に示すように、時間変化を示す電流波形として生体電流推定装置30を含むデータ処理装置の表示画面に表示される。計測対象領域内の所定の範囲に含まれる複数の点が指定された場合、神経および神経の周囲に流れる電流の向きまたは電流の強度分布と、それらの時間変化を表示画面に表示することが可能である。
図2は、図1の生体磁気計測システム100の動作の一例を示すフロー図である。図2のステップS12、S16、S18は、磁気センサ12による計測で得られる被検体Pの磁場データおよび被検体Pの神経画像に基づいて被検体Pの神経活動に伴って発生する神経活動電流を推定する生体電流推定方法の一例を示す。また、図2のステップS12、S16、S18は、磁気センサ12による計測で得られる被検体Pの磁場データおよび被検体Pの神経画像に基づいて被検体Pの神経活動に伴って発生する神経活動電流を推定する生体電流推定プログラムの一例を示す。
まず、ステップS10において、超音波プローブ22が、被検体Pの計測対象領域の皮膚に当てられ、神経の走行方向に沿って移動されることで、超音波計測部20は、神経を含む計測対象領域の超音波画像(形態画像)を生成する。
このとき、超音波プローブ22が移動した軌跡を示すプローブ位置情報が超音波画像とともに記録される。プローブ位置情報は、例えば、計測対象領域を含む領域を超音波プローブ22の上方からカメラで撮影された画像から抽出され、時刻情報に基づいて超音波画像と同期可能である。
次に、ステップS12において、位置情報取得部32は、超音波画像に基づいて、神経の複数箇所の各々でのZ位置およびXY位置を取得する。神経のZ位置の取得方法は、図3で説明する。位置情報取得部32は、神経のXY位置を、時刻情報で互いに対応付けられた超音波画像とプローブ位置情報とに基づいて取得する。Z位置およびXY位置は、超音波画像の取得時に指定された複数箇所の位置情報であり、あるいは、位置情報取得部32が、神経の走行経路上に等間隔で設定した複数箇所の位置情報である。
次に、ステップS14において、磁場計測部10が、被検体Pの計測対象領域の神経磁場を計測する。次に、ステップS16において、位置関係取得部34は、計測対象領域内において離散的に取得された神経とセンサアレイ14との位置情報に基づいて、例えば、n次関数近似により、連続的な位置情報(距離情報)を取得する。例えば、位置関係取得部34は、位置情報取得部32が取得した神経のZ位置およびXY位置と、予め取得された磁気センサ12の各センサ部14の位置情報とに基づいて、神経の複数箇所の位置と各センサ部14の位置との位置関係を取得する。
次に、ステップS18において、電流推定部36は、位置関係取得部34が取得した神経の複数箇所の位置と各センサ部14の位置との位置関係とに基づいて、例えば、空間フィルター法を使用して、指定された計測点での神経活動電流を推定する。推定された神経活動電流は、例えば、電流波形または電流強度マップとして、生体電流推定装置30を含むデータ処理装置の表示画面に表示される。
図3は、図1の超音波計測部20により取得される超音波画像の一例を示す説明図である。上述したように、超音波画像は、超音波プローブ22を被検体Pの計測対象領域の皮膚の表面に当てた状態で、神経の走行方向に沿って移動することで取得される。
図3に示す超音波画像は、計測対象領域である被検体Pの前腕のある位置で取得されたものであり、図3の上側が肘窩部の皮膚の表面を示す。本実施形態では、神経の推定活動電流の時間変化および神経内の電気信号の伝導速度等を算出するために、例えば、5枚前後の超音波画像が取得され、図3はそのうちの1枚である。超音波画像には、神経、血管および筋肉等の皮下組織が写るため、これら組織の位置関係および皮膚の表面からの距離を取得可能である。
各超音波画像において、皮膚の表面から神経までの距離(深さ)は、超音波画像上で位置を2箇所指定することで、距離計測機能により計測可能である。超音波画像上の神経の位置は、計測対象領域(前腕等)毎に血管との位置関係および皮膚との位置関係が明らかである。また、超音波画像における神経の断面形状は、計測対象領域毎に固有である。このため、超音波画像を画像解析し、皮膚の表面の位置と神経の位置とを求めることで、皮膚の表面から神経までの距離(深さ)を求めてもよい。この際、ディープラーニング等の機械学習の手法が使用されてもよい。
また、超音波プローブ22により超音波画像を取得中に、計測対象領域のどこに超音波プローブ22を当てているかは明らかであり、図2で説明したように、カメラの撮影等によりプローブ位置情報(超音波プローブ22のXY位置)を取得可能である。また、超音波画像の上部中央には、超音波プローブ22のセンター位置を示すかぎマークが表示される。このため、プローブ位置情報と超音波画像とに基づいて、計測対象領域上での神経のXY位置を判別可能である。なお、プローブ位置情報は、超音波計測部20により超音波画像を取得しながら、超音波プローブ22の位置を皮膚上にマークした後、マークを含む計測対象領域をカメラにより撮影することで取得してもよい。
なお、図3は、被検体Pの肘部前面(掌側面)の皮膚表面に超音波プローブ22を当てて神経画像を含む超音波画像を取得する例を示すが、肘部後面(背側面)の皮膚表面に超音波プローブ22を当てて神経画像を含む超音波画像を取得してもよい。
図4は、図1の位置関係取得部34により神経とセンサ部14との位置関係を取得する一例を示す説明図である。図4の左側の画像は、被検体Pの前腕の肘窩部を磁場計測部10のカバー部材16上に置いた状態の計測対象領域Aを含む形態画像を示し、前腕の肘側が見えており、画像の上側が上腕側であり、画像の下側が手首側である。図4の左側の画像は、カメラによい情報から撮影された画像に、計測対象領域A、神経のXY位置およびセンサアレイ14のXY位置が重畳された画像である。
千鳥状に分散された小さい丸印は、磁場計測部10のセンサ部14のXY位置を示す。複数の二重丸は、神経のXY位置を示し、位置情報取得部32により取得される。二重丸の位置は、超音波プローブ22により超音波画像を取得した位置でもある。
計測対象領域Aにおいて、センサ部14の配置領域の左右の外側には、複数のマーカーMKが配置される。マーカーMKは、X線画像等の形態画像と磁気センサ12による磁場データの計測位置とを対応付けるために被検体Pとともに撮影されるコイルであり、所定の電流が流される。
マーカーMKの位置と各センサ部14との位置関係は、予め取得されている。このため、磁気センサ12によりマーカーMKの位置を識別することで、各センサ部14が、図中の小さい丸印に位置することを検出することができる。また、図4の左側の画像から右側のグラフにかけて横方向の伸びる一点鎖線は、図1の超音波計測部20により超音波画像を取得した位置を示す。
図4の右側のグラフは、計測対象領域Aとその周囲における被検体Pの肘部前面(掌側面)の体表面からの神経のZ位置(深さ)を、左側の画像に対応して示す。右側の小さい丸印は、センサ部14の先端部のZ位置(深さ)を示す。右側の小さい丸印をつなげて得られる曲線は、カバー部材16の表面の位置を示す。
磁場計測部10により生体磁場を計測する場合、被検体Pの肘部前面(掌側面)をカバー部材16に接触させる。このため、右側のグラフにおいて、丸印をつなげて得られる曲線のZ位置と神経のZ位置との距離が、皮膚の表面から神経までの距離を示す。また、皮膚の表面から神経までの距離に、カバー部材16の表面とセンサ部14の先端までの距離を加えた値は、センサ部14の先端から神経までの距離を示す。
カバー部材16の表面およびセンサ部14の先端をつなげた面は、横断面が湾曲形状を有するため、神経のZ位置は、Z座標の"0"地点を基準とするのではなく、神経のZ位置とセンサ部14の先端のZ位置との差に応じて補正される。この際、カバー部材16の表面とセンサ部14の先端との間隙、および、カバー部材16の厚さを考慮して、神経のZ位置の補正を行ってもよい。
電流推定部36は、図4の左側に示す神経のXY位置と各センサ部14とのXY位置、および、図4の右側に示す神経のZ位置と各センサ部14のZ位置に基づいて、指定された計測点(図4の例では、二重丸)での神経活動電流を推定する。
図5は、図1の磁場計測部10により計測された磁場データに基づいて電流推定部36により推定された電流波形(電流強度の時間変化)の一例を示す説明図である。図5の左側は、被検体Pの前腕のX線画像に神経の走行方向を重ねた画像を、説明を分かりやすくするために示すもので、電流推定部36による神経活動電流の推定に使用されるものではない。X線画像の下側は手首側である。
図5の右側の実線の電流波形は、位置情報取得部32が取得した神経のZ位置(皮膚からの距離(深さ))を考慮して推定した電流強度の時間変化を示す。図5の右側の破線の電流波形は、神経のZ位置が一定であるとして推定した電流強度の時間変化(比較例)を示す。
図5に示す電流強度の時間変化は、前腕の手首側に神経刺激装置による電気刺激を与えたときに、電気刺激に応答して神経軸索に流れる電流により発生する生体磁場から推定される。電流は、神経軸索を遠位側(図5の下側)から近位側(図5の上側)に伝達される。このため、実線の電流波形および破線の電流波形のいずれも、近位側の神経ほど電流のピーク強度が現れる時間が遅れる。なお、電流波形の波形番号を、遠位側から近位側にかけて1~4で示す。
また、神経生理学的には電流波形のピーク強度はほぼ一定か、電気刺激の印加位置から遠い近位側ほど弱くなる。しかしながら、破線の電流波形のピーク強度は、遠位側ほど小さくなっており、電流強度が正しく推定できていない。これは、神経のZ位置が一定であるとして電流強度を推定する場合、実際の神経の深さに対して誤差が生じ、その誤差が、磁場データから電流強度を推定する演算処理を実行するときの誤差として現れるためである。
一方、神経の実際のZ位置にもとづいて推定した実線の電流波形のピーク強度は、ほとんど変化しておらず、空間フィルター法などの推定アルゴリズムを使用した演算処理による電流強度の推定が正しく行われていると判断できる。
図6は、図5に示した電流波形のピーク強度を波形番号順に示す説明図である。実線は、位置情報取得部32が取得した神経のZ位置を考慮して推定した電流強度の特性を示す。破線は、神経のZ位置が一定であるとして推定した電流強度の特性(比較例)を示す。実線の特性では、神経の位置を示す波形番号による電流強度の変化率が小さい。これに対して、破線の特性では、波形番号による電流強度の変化率が大きい。すなわち、図1に示す生体磁気計測システム100では、皮膚の表面から神経までの距離でありZ位置を考慮することで、電流強度の推定精度を向上することができる。
なお、計測対象領域A上に電流強度を推定する点を複数設け、神経および神経の周囲に流れる電流の向きまたは電流の強度分布を推定する場合にも、図5および図6での説明と同様に、電流強度を正しく推定することができる。
図7は、図1の生体電流推定装置30のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。例えば、生体電流推定装置30は、データ処理装置(情報処理装置)であり、CPU301、RAM302、ROM303、補助記憶装置304、入出力インタフェース305、及び表示装置306を有し、これらがバス307で相互に接続されている。
CPU301は、生体電流推定装置30の全体の動作を制御する。CPU301は、ROM303又は補助記憶装置304に格納された生体電流推定プログラムを実行することで、位置情報取得部32、位置関係取得部34および電流推定部36の機能を実現する。なお、CPU301は、磁場計測部10および超音波計測部20等の生体磁気計測システム100の動作を制御してもよい。
RAM302は、CPU301のワークエリアとして用いられ、生体電流推定プログラムおよびZ位置、XY位置等の各種パラメータを記憶する。ROM303は、生体電流推定プログラムを記憶する。
補助記憶装置304は、SSD(Solid State Drive)またはHDD(Hard Disk Drive)などの記憶装置である。例えば、補助記憶装置304は、生体電流推定装置30の動作を制御するOS(Operating System)等の制御プログラム、超音波画像、形態画像データおよび各種パラメータ等が格納される。
入出力インタフェース305は、マウスおよびキーボード等に接続される。入出力インタフェース305は、他の装置と通信するための通信インタフェースを含んでもよい。表示装置306には、図5に示した電流波形を表示するウィンドウおよび操作ウィンドウが表示される。表示装置306には、図3に示した超音波画像または図4に示した神経とセンサ部14との位置関係を示す図が表示されてもよい。
以上、この実施形態では、神経が直接写った神経画像を含む画像(超音波画像またはMR画像)を利用することで、X線画像から神経の位置を間接的に取得する場合に比べて、センサアレイ14に対する神経の位置を正確に取得することができる。例えば、超音波画像またはMR画像に使用して取得される神経の実際のXY位置およびZ位置を利用することで、各センサ部14のXY位置およびZ位置との位置関係を正確に取得することができる。神経の位置を正確に取得できるため、例えば、空間フィルター法を使用した演算処理により、神経に流れる電流の強度を正しく推定することができ、電流強度の推定精度を向上することができる。
神経のZ位置を取得する場合、カバー部材16の表面およびセンサ部14の先端をつなげた面の形状に応じて神経のZ位置を補正することで、神経のXY位置およびZ位置と、各センサ部14のXY位置およびZ位置との位置関係を正確に取得することができる。したがって、神経に流れる電流の強度をさらに正しく推定することができ、電流強度の推定精度をさらに向上することができる。
以上、各実施形態に基づき本発明の説明を行ってきたが、上記実施形態に示した要件に本発明が限定されるものではない。これらの点に関しては、本発明の主旨をそこなわない範囲で変更することができ、その応用形態に応じて適切に定めることができる。
10 磁場計測部
12 磁気センサ
14 センサ部、センサアレイ
16 カバー部材
20 超音波計測部
22 超音波プローブ
30 生体電流推定装置
32 位置情報取得部
34 位置関係取得部
36 電流推定部
100 生体磁気計測システム
301 CPU
302 RAM
303 ROM
304 補助記憶装置
305 入出力インタフェース
306 表示装置
307 バス
A 計測対象領域
MK マーカー
P 被検体
特許第4834076号公報 特許第3094988号公報

Claims (10)

  1. 磁気センサによる計測で得られる被検体の磁場データおよび被検体の神経画像に基づいて被検体の神経活動に伴って発生する神経活動電流を推定する生体電流推定方法であって、
    磁場データを計測する被検体の計測対象領域の形態画像に含まれる末梢神経画像に基づいて、前記計測対象領域における末梢神経の位置情報を取得し、
    取得した末梢神経の位置情報と、前記計測対象領域に対向させたときの前記磁気センサの位置情報とに基づいて、末梢神経の位置と前記磁気センサの位置との位置関係を取得し、
    取得した前記位置関係と、前記磁気センサにより計測される前記計測対象領域の磁場データとに基づいて、神経活動電流を推定すること
    を特徴とする生体電流推定方法。
  2. 前記末梢神経の位置情報は、前記磁気センサを対向させたときの前記計測対象領域の表面からの末梢神経までの深さ方向の距離を含むこと
    を特徴とする請求項1に記載の生体電流推定方法。
  3. 前記末梢神経の位置情報は、前記計測対象領域の表面上での末梢神経の二次元位置を含むこと
    を特徴とする請求項2に記載の生体電流推定方法。
  4. 前記磁気センサの位置情報は、前記磁気センサに含まれるアレイ状の複数のセンサ部の位置を含むこと
    を特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の生体電流推定方法。
  5. 前記磁気センサを対向させたときの前記計測対象領域の表面からの末梢神経までの深さ方向の距離を、前記複数のセンサ部の先端を覆う湾曲形状のカバー部材に対応する形状の前記計測対象領域に合わせて補正すること
    を特徴とする請求項4に記載の生体電流推定方法。
  6. 前記末梢神経画像を含む形態画像は、超音波画像であること
    を特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の生体電流推定方法。
  7. 前記末梢神経画像を含む形態画像は、MR画像であること
    を特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の生体電流推定方法。
  8. 磁気センサによる計測で得られる被検体の磁場データおよび被検体の神経画像に基づいて被検体の神経活動に伴って発生する神経活動電流を推定する生体電流推定方法であって、
    磁場データを計測する被検体の計測対象領域の形態画像に含まれる神経画像に基づいて、前記計測対象領域における神経の位置情報を取得し、
    取得した神経の位置情報と、前記計測対象領域に対向させたときの前記磁気センサの位置情報とに基づいて、神経の位置と前記磁気センサの位置との位置関係を取得し、
    取得した前記位置関係と、前記磁気センサにより計測される前記計測対象領域の磁場データとに基づいて、神経活動電流を推定し、
    前記磁気センサの位置情報は、前記磁気センサに含まれるアレイ状の複数のセンサ部の位置を含み、
    前記磁気センサを対向させたときの前記計測対象領域の表面からの神経までの深さ方向の距離を、前記複数のセンサ部の先端を覆う湾曲形状のカバー部材に対応する形状の前記計測対象領域に合わせて補正すること
    を特徴とする生体電流推定方法。
  9. 磁気センサによる計測で得られる被検体の磁場データおよび被検体の神経画像に基づいて被検体の神経活動に伴って発生する神経活動電流を推定する生体電流推定装置であって、
    磁場データを計測する被検体の計測対象領域の形態画像に含まれる末梢神経画像に基づいて、前記計測対象領域における末梢神経の位置情報を取得する位置情報取得部と、
    取得した末梢神経の位置情報と、前記計測対象領域に対向させたときの前記磁気センサの位置情報とに基づいて、末梢神経の位置と前記磁気センサの位置との位置関係を取得する位置関係取得部と、
    取得した位置関係と、前記磁気センサにより計測される前記計測対象領域の磁場データとに基づいて、神経活動電流を推定する電流推定部と
    を有することを特徴とする生体電流推定装置。
  10. 被検体の磁場データを計測可能な磁気センサを有する生体磁気計測装置と、前記磁気センサによる計測で得られる被検体の磁場データおよび被検体の末梢神経画像に基づいて被検体の神経活動に伴って発生する神経活動電流を推定する生体電流推定装置と、を有する生体磁気計測システムであって、
    前記生体電流推定装置は、
    磁場データを計測する被検体の計測対象領域の形態画像に含まれる末梢神経画像に基づいて、前記計測対象領域における末梢神経の位置情報を取得する位置情報取得部と、
    取得した末梢神経の位置情報と、前記計測対象領域に対向させたときの前記磁気センサの位置情報とに基づいて、末梢神経の位置と前記磁気センサの位置との位置関係を取得する位置関係取得部と、
    取得した位置関係と、前記磁気センサにより計測される前記計測対象領域の磁場データとに基づいて、神経活動電流を推定する電流推定部と
    を有することを特徴とする生体磁気計測システム。
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