JP7383878B2 - 遊技機 - Google Patents

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Description

本発明は、遊技機に関するものである。
パチンコ遊技機やスロットマシン等の遊技機においては、遊技の興趣向上や、遊技機の処理負荷の低減、処理の最適化、制御の簡易化、構造の簡素化、遊技機の開発の効率化、不具合が発生しにくい遊技機の提供、遊技者に配慮した遊技機の提供等を目的として、構造、制御、演出等の様々な観点から技術的な改良が行われている(例えば、特許文献1)。
また、遊技者による不正な行為や遊技機に対する不正な改造の発見や抑止といった遊技の健全性の向上を目的とした様々な技術的な改良も行われている。
特開2011-172988号公報
上記のような遊技機においては、遊技の興趣向上や、遊技機の処理負荷の低減、処理の最適化、制御の簡易化、構造の簡素化、遊技機の開発の効率化、不具合が発生しにくい遊技機の提供、遊技者に配慮した遊技機の提供、より健全な遊技の提供等を目的として、さらなる技術の向上が望まれている。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態として実現することが可能である。
[形態]
遊技動作に基づく取得契機が発生したことにより特別情報を取得する特別情報取得手段と、
前記特別情報を用いて所定の確率で当否判定を実行する抽せん判定手段と、
前記当否判定に使用される前記所定の確率の設定値を、予め定められた範囲の複数段階の中から選択し決定する設定変更モードに移行させる設定変更モード移行手段と、
所定の設定値が決定されることに基づいて所定設定情報を所定の記憶領域に記憶する手段と、
前記所定設定情報に対応した情報であって、前記抽せん判定手段による前記特別情報の当否判定時に参照される判定時参照情報を、前記設定値の決定に基づいて記憶された前記所定設定情報を用いて決定し判定時参照情報記憶領域に記憶する手段と、
を備え、
前記抽せん判定手段が前記取得契機が発生したことに基づく図柄の変動を開始する前に前記判定時参照情報記憶領域に記憶された前記判定時参照情報を参照して、前記特別情報を判定する遊技機であって、
前記遊技機は、さらに、
実行された遊技において所定事象が発生した場合にそれに対応する遊技の履歴情報を履歴記憶手段に記憶させる手段と、
前記履歴記憶手段に記憶されている前記履歴情報を利用して所定の期間における遊技に対応する情報である所定期間情報を導出し、当該所定期間情報を情報表示手段に表示する手段と、
を備え、
前記情報表示手段は、前記設定変更モードにおいて前記所定期間情報を表示しない特定表示態様となり、その後、前記所定期間情報を表示する表示態様に切り替わる
ことを特徴とする遊技機。

上記形態によれば、遊技機のソースコードの記述を削減することができる。
第1実施形態におけるパチンコ機の斜視図である。 パチンコ機の背面図である。 遊技盤の正面図である。 図柄表示装置において変動表示される図柄及び表示面を示す説明図である。 パチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。 当たり抽選などに用いられる各種カウンタの内容を示す説明図である。 当否テーブルの内容を示す説明図である。 振分テーブルの内容を示す説明図である。 電動役物開放抽選用当否テーブルの内容を示す説明図である。 主制御装置の構成及び検査機の構成を詳細に示すブロック図である。 遊技履歴管理チップ及び検査機における処理の内容を模式的に示す説明図である。 主側MPUが実行するメイン処理を示すフローチャートである。 主側MPUが実行するタイマ割込み処理を示すフローチャートである。 主側MPUに設けられた入力ポートの構成について説明する説明図である。 主側MPUが実行する入球検知処理を説明する説明図である。 主側MPUが実行する入球判定処理を示すフローチャートである。 入球の有無が検知される様子を説明する説明図である。 遊技履歴管理チップのCPUが実行するメイン処理を示すフローチャートである。 第1実施形態の態様6のパチンコ機が備える主制御装置の構成及び検査機の構成を詳細に示すブロック図である。 第1実施形態の態様6の遊技履歴管理チップ及び検査機における処理の内容を模式的に示す説明図である。 第1実施形態の態様7のパチンコ機が備える主制御装置の構成及び検査機の構成を詳細に示すブロック図である。 第1実施形態の態様7の遊技履歴管理チップ及び検査機における処理の概要を模式的に示す説明図である。 第1実施形態の態様11におけるパチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。 第1実施形態の態様11の主側MPUにおける処理の概要を模式的に示す説明図である。 第1実施形態の態様12におけるパチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。 第1実施形態の態様23におけるパチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。 第1実施形態の態様23の主側MPU(主側CPU)が実行するタイマ割込み処理を示すフローチャートである。 第1実施形態の態様23の主側MPU(主側CPU)が実行する入球検知処理を示すフローチャートである。 第1実施形態の態様23の主側MPU(主側CPU)が実行する遊技履歴用処理を示すフローチャートである。 第1実施形態の態様23の主側MPU(主側CPU)が実行する具体的な処理の一例を示す説明図である。 第1実施形態の態様37におけるパチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。 第1実施形態の態様46の主側MPU(主側CPU)が実行するメイン処理の一例を示すフローチャートである。 第1実施形態の態様50におけるパチンコ機の電気的構成の一部を模式的に示す説明図である。 第1実施形態の態様56における主側MPU(主側CPU)が実行するメイン処理の一例を示すフローチャートである。 情報表示部の構成を示す説明図である。 情報表示部に遊技履歴情報が表示されている様子を示す説明図である。 設定変更モード中において情報表示部に設定情報が表示されている様子を示す説明図である。 設定変更モード中において情報表示部に設定情報が表示されている様子を示す説明図である。 設定変更モード中において情報表示部に設定情報が表示されている様子を示す説明図である。 設定変更モード中において情報表示部に設定情報が表示されている様子を示す説明図である。 設定変更モード中において情報表示部に設定情報が表示されている様子を示す説明図である。 第1実施形態の態様74におけるパチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。 主側ROMの構成を示す説明図である。 主側RAMの構成を示す説明図である。 主制御装置のメモリマップの一例を示す模式図である。 第1実施形態の態様74の主側CPUが実行するタイマ割込み処理を示すフローチャートである。 第1実施形態の態様75の主側CPUが実行するタイマ割込み処理を示すフローチャートである。 第1実施形態の態様76の主側CPUが実行するタイマ割込み処理を示すフローチャートである。 管理者がパチンコ機の抽選設定を変更する場合の作業工程を示す工程図である。 管理者がパチンコ機の抽選設定を確認する場合の作業工程を示す工程図である。 第1実施形態の態様87の主側MPU(主側CPU)が電源ON時に実行するメイン処理の一部を示すフローチャートである。 第1実施形態の態様87の主側MPU(主側CPU)が実行する設定変更処理を示すフローチャートである。 第1実施形態の態様87の主側MPU(主側CPU)が実行する設定確認処理を示すフローチャートである。 第1実施形態の態様88の主側MPU(主側CPU)が電源ON時に実行するメイン処理の一部を示すフローチャートである。 第1実施形態の態様89の主側MPU(主側CPU)が電源ON時に実行するメイン処理の一部を示すフローチャートである。 第1実施形態の態様90の主側MPU(主側CPU)が電源ON時に実行するメイン処理の一部を示すフローチャートである。 第1実施形態の態様91の主側MPU(主側CPU)が実行する設定変更処理を示すフローチャートである。 情報表示部の表示態様の変化の一例を示すタイムチャートである。 計測中の排出通路通過個数が60000個に達した場合における情報表示部の表示態様の変化の一例を示すタイムチャートである。 計測中の排出通路通過個数が60000個に達した場合における情報表示部の表示態様の変化の一例を示すタイムチャートである。 第1実施形態の態様97の主側MPU(主側CPU)が電源ON時に実行するメイン処理を示すフローチャートである。 第1実施形態の態様97の主側MPU(主側CPU)が電源ON時に実行するメイン処理を示すフローチャートである。 第1実施形態の態様98の主側MPU(主側CPU)が電源ON時に実行するメイン処理を示すフローチャートである。 第1実施形態の態様98の主側MPU(主側CPU)が電源ON時に実行するメイン処理を示すフローチャートである。 第1実施形態の態様100の主側MPU(主側CPU)が電源ON時に実行するメイン処理を示すフローチャートである。 第1実施形態の態様100の主側MPU(主側CPU)が実行する設定変更処理を示すフローチャートである。 第1実施形態の態様100の主側MPU(主側CPU)が実行する設定確認処理を示すフローチャートである。 第1実施形態の態様100の主側MPU(主側CPU)が実行するタイマ割込み処理を示すフローチャートである。 第1実施形態の態様101の音声発光制御装置90及び表示制御装置100の電気的構成を中心として示すブロック図である。 第1実施形態の態様101の主側MPU(主側CPU)が電源ON時に実行するメイン処理を示すフローチャートである。 第1実施形態の態様101の主側MPU(主側CPU)が実行する設定変更処理を示すフローチャートである。 第1実施形態の態様101の主側MPU(主側CPU)が実行する設定確認処理を示すフローチャートである。 第1実施形態の態様101の主側MPU(主側CPU)が実行するタイマ割込み処理を示すフローチャートである。 第1実施形態の態様101の音光側MPU(音光側CPU)が実行するメイン処理を示すフローチャートである。 第1実施形態の態様101の音光側MPU(音光側CPU)が実行する起動日時情報取得処理を示すフローチャートである。 第1実施形態の態様101の音光側MPU(音光側CPU)が実行する起動種別報知処理を示すフローチャートである。 第1実施形態の態様101の音光側MPU(音光側CPU)が実行するタイマ割込み処理を示すフローチャートである。 第1実施形態の態様101の音光側MPU(音光側CPU)が実行するRTC演出用処理を示すフローチャートである。 RTC演出実行判定テーブルを説明する説明図である。 第1実施形態の態様102の音光側MPU(音光側CPU)が実行する起動日時情報取得処理を示すフローチャートである。 第1実施形態の態様103の主側MPU(主側CPU)が実行するタイマ割込み処理を示すフローチャートである。 第1実施形態の態様103の主側MPU(主側CPU)が実行する始動口用の入球処理を示すフローチャートである。 第1実施形態の態様103の主側MPU(主側CPU)が実行する先判定処理を示すフローチャートである。 第1実施形態の態様103の主側MPU(主側CPU)が実行するスルーゲート用の入球処理を示すフローチャートである。 第1実施形態の態様103の主側MPU(主側CPU)が実行する遊技回制御処理を示すフローチャートである。 第1実施形態の態様103の主側MPU(主側CPU)が実行するデータ設定処理を示すフローチャートである。 第1実施形態の態様103の主側MPU(主側CPU)が実行する変動開始処理を示すフローチャートである。 第1実施形態の態様103の主側MPU(主側CPU)が実行する当たり判定処理を示すフローチャートである。 第1実施形態の態様103の主側MPU(主側CPU)が実行する変動時間の設定処理を示すフローチャートである。 第1実施形態の態様103の主側MPU(主側CPU)が実行する遊技状態移行処理を示すフローチャートである。 第1実施形態の態様103の主側MPU(主側CPU)が実行する大入賞口開閉処理を示すフローチャートである。 第1実施形態の態様103の主側MPU(主側CPU)が実行するエンディング期間終了時の移行処理を示すフローチャートである。 第1実施形態の態様103の主側MPU(主側CPU)が実行する電役サポート用処理を示すフローチャートである。 第1実施形態の態様103の主側MPU(主側CPU)が実行する電役開閉制御処理を示すフローチャートである。 第1実施形態の態様102の音光側MPU(音光側CPU)が実行するタイマ割込み処理を示すフローチャートである。 第1実施形態の態様102の音光側MPU(音光側CPU)が実行する保留演出用処理を示すフローチャートである。 第1実施形態の態様104の主側MPU(主側CPU)が実行する始動口用の入球処理を示すフローチャートである。 第1実施形態の態様104の主側MPU(主側CPU)が実行する変動開始処理を示すフローチャートである。 第1実施形態の態様105の主側MPU(主側CPU)が実行する始動口用の入球処理を示すフローチャートである。 第1実施形態の態様105の主側MPU(主側CPU)が実行する変動開始処理を示すフローチャートである。 第1実施形態の態様106の主側MPU(主側CPU)が実行する始動口用の入球処理を示すフローチャートである。 第1実施形態の態様106の主側MPU(主側CPU)が実行する変動開始処理を示すフローチャートである。 第1実施形態の態様110の主側MPU(主側CPU)が電源ON時に実行するメイン処理を示すフローチャートである。 第1実施形態の態様110の主側MPUが実行するタイマ割込み処理を示すフローチャートである。 第1実施形態の態様110の主側MPUが実行する始動口用の入球処理を示すフローチャートである。 第1実施形態の態様110の主側MPUが実行する先判定処理を示すフローチャートである。 第1実施形態の態様110の主側MPUが実行する遊技回制御処理を示すフローチャートである。 第1実施形態の態様110の主側MPUが実行する変動開始処理を示すフローチャートである。 第1実施形態の態様110の主側MPUが実行する当たり判定処理を示すフローチャートである。 第1実施形態の態様111における情報表示部に設定情報が表示されている様子を示す説明図である。 第1実施形態の態様111の主側MPU(主側CPU)が実行する設定変更処理を示すフローチャートである。 第1実施形態の態様111の主側MPU(主側CPU)が実行する設定確認処理を示すフローチャートである。 第1実施形態の態様112における遊技盤の正面図である。 第1実施形態の態様112におけるパチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。 第1実施形態の態様112の主側MPU(主側CPU)が電源ON時に実行するメイン処理を示すフローチャートである。 第1実施形態の態様118におけるパチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。 第1実施形態の態様119における情報表示部にエラーコードが表示されている様子を示す説明図である。 電源投入後にRAMクリア処理が実行された場合における処理の流れの一例を示すタイミングチャートである。 電源投入後に設定変更モードが実行され当該設定変更モードにおいて設定情報が変更されなかった場合における処理の流れの一例を示すタイミングチャートである。 電源投入後に設定変更モードが実行され当該設定変更モードにおいて設定情報が変更された場合における処理の流れの一例を示すタイミングチャートである。 電源投入後に設定確認モードが実行された場合における処理の流れの一例を示すタイミングチャートである。 第1実施形態の態様121の主側MPU(主側CPU)が電源ON時に実行するメイン処理を示すフローチャートである。 第1実施形態の態様121の主側MPU(主側CPU)が実行する設定変更処理を示すフローチャートである。 第1実施形態の態様121の主側MPU(主側CPU)が実行する設定確認処理を示すフローチャートである。 第1実施形態の態様121の主側MPUが実行するタイマ割込み処理を示すフローチャートである。 扉監視処理を示すフローチャートである。 音光側MPUにおいて実行されるタイマ割込み処理を示すフローチャートである。 各種報知用処理を示すフローチャートである。 設定変更モード報知用処理を示すフローチャートである。 設定確認モード報知用処理を示すフローチャートである。 RAMクリア報知用処理を示すフローチャートである。 RAM異常報知用処理を示すフローチャートである。 扉開放報知用処理を示すフローチャートである。
本発明にかかる遊技機の実施の形態について、図面を参照しながら以下の順序で説明する。
A.第1実施形態:
B.他の構成への適用:
C.上記各実施形態等から抽出される発明群について:
A.第1実施形態:
A1.遊技機の構造:
図1は、第1実施形態におけるパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」ともいう)の斜視図である。パチンコ機10は、略矩形に組み合わされた木製の外枠11を備えている。パチンコ機10を遊技ホールに設置する際には、この外枠11が遊技ホールの島設備に固定される。また、パチンコ機10は、外枠11に回動可能に支持されたパチンコ機本体12を備えている。パチンコ機本体12は、内枠13と、内枠13の前面に配置された前扉枠14とを備えている。内枠13は、外枠11に対して金属製のヒンジ15によって回動可能に支持されている。前扉枠14は、内枠13に対して金属製のヒンジ16によって回動可能に支持されている。内枠13の背面には、主制御装置、音声発光制御装置、表示制御装置など、パチンコ機本体12を制御する制御機器が配置されている。これら制御機器の詳細については後述する。さらに、パチンコ機10には、シリンダ錠17が設けられている。シリンダ錠17は、内枠13を外枠11に対して開放不能に施錠する機能と、前扉枠14を内枠13に対して開放不能に施錠する機能とを有する。各施錠は、シリンダ錠17に対して専用の鍵を用いた所定の操作が行われることによって解錠される。
前扉枠14の略中央部には、開口された窓部18が形成されている。前扉枠14の窓部18の周囲には、パチンコ機10を装飾するための樹脂部品や電飾部品が設けられている。電飾部品は、LEDなどの各種ランプからなる発光手段によって構成されている。発光手段は、パチンコ機10によって行われる各遊技回、大当たり当選時、リーチ発生時などに点灯又は点滅することによって、演出効果を高める役割を果たす。また、前扉枠14の裏側には、2枚の板ガラスからなるガラスユニット19が配置されており、開口された窓部18がガラスユニット19によって封じられている。内枠13には、後述する遊技盤が着脱可能に取り付けられており、パチンコ機10の遊技者は、パチンコ機10の正面からガラスユニット19を介して遊技盤を視認することができる。遊技盤の詳細については後述する。
前扉枠14には、遊技球を貯留するための上皿20と下皿21とが設けられている。上皿20は、上面が開放した箱状に形成されており、図示しない貸出機から貸し出された貸出球やパチンコ機本体12から排出された賞球などの遊技球を貯留する。上皿20に貯留された遊技球は、パチンコ機本体12が備える遊技球発射機構に供給される。遊技球発射機構は、遊技者による操作ハンドル25の操作によって駆動し、上皿20から供給された遊技球を遊技盤の前面に発射する。下皿21は、上皿20の下方に配置されており、上面が開放した箱状に形成されている。下皿21は、上皿20で貯留しきれなかった遊技球を貯留する。下皿21の底面には、下皿21に貯留された遊技球を排出するための排出口22が形成されている。排出口22の下方にはレバー23が設けられており、遊技者がレバー23を操作することによって、排出口22の閉状態と開状態とを切り替えることが可能である。遊技者がレバー23を操作して排出口22を開状態にすると、排出口22から遊技球が落下し、遊技球は下皿21から外部に排出される。
上皿20の周縁部の前方には、操作受入手段としての演出操作ボタン24が設けられている。演出操作ボタン24は、パチンコ機10によって行われる遊技演出に対して、遊技者が入力操作を行うための操作部である。パチンコ機10によって用意された所定のタイミングで遊技者が演出操作ボタン24を操作することによって、当該操作が反映された遊技演出がパチンコ機10によって行われる。
さらに、前扉枠14の正面視右側には、遊技者が操作するための操作ハンドル25が設けられている。遊技者が操作ハンドル25を操作すると、当該操作に連動して、遊技球発射機構から遊技盤の前面に遊技球が発射される。操作ハンドル25の内部には、遊技球発射機構の駆動を許可するためのタッチセンサー25aと、遊技者による押下操作によって遊技球発射機構による遊技球の発射を停止させるウェイトボタン25bと、操作ハンドル25の回動操作量を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器25cとが設けられている。遊技者が操作ハンドル25を握ると、タッチセンサー25aがオンになり、遊技者が操作ハンドル25を右回りに回動操作すると、可変抵抗器25cの抵抗値が回動操作量に対応して変化し、可変抵抗器25cの抵抗値に対応した強さで遊技球発射機構から遊技盤の前面に遊技球が発射される。
次に、パチンコ機10の背面の構成について説明する。パチンコ機10の背面には、パチンコ機10の動作を制御するための制御機器が配置されている。
図2は、パチンコ機10の背面図である。図示するように、パチンコ機10は、第1制御ユニット51と、第2制御ユニット52と、第3制御ユニット53とを備えている。具体的には、これら機構部は内枠13の背面に設けられている。
第1制御ユニット51は、主制御装置60を備えている。主制御装置60は、遊技の主たる制御を司る機能と電源を監視する機能とを有する主制御基板を有している。主制御基板は、透明樹脂材料からなる基板ボックスに収容されている。この基板ボックスは、開閉の痕跡(開放の痕跡、開封の痕跡ともいう)が残るように構成されている。例えば、開閉可能な箇所に封印シールが貼付されており、基板ボックスを開放すると「開封」といった文字が現れるように構成されている。
第2制御ユニット52は、音声発光制御装置90と、表示制御装置100とを備えている。音声発光制御装置90は、主制御装置60から送信されたコマンドに基づいて、パチンコ機10の前面に設けられたスピーカーや各種ランプ等の発光手段の制御を行う。表示制御装置100は、音声発光制御装置90から送信されたコマンドに基づいて、図柄表示装置を制御する。図柄表示装置は、図柄や演出用の映像を表示する液晶ディスプレイを備えている。
第3制御ユニット53は、払出制御装置70と、発射制御装置80とを備えている。払出制御装置70は、賞球の払い出しを行うための払出制御を行う。発射制御装置80は、主制御装置60から遊技球の発射の指示が入力された場合に、遊技者による操作ハンドル25の回動操作量に応じた強さの遊技球の発射を行うように遊技球発射機構を制御する。その他、内枠13の背面には、遊技ホールの島設備から供給される遊技球が逐次補給されるタンク54、タンク54の下方に連結され遊技球が下流側に流れるように緩やかに傾斜した斜面を有するタンクレール55、タンクレール55の下流側に鉛直方向に連結されたケースレール56、ケースレール56から遊技球の供給を受け払出制御装置70からの指示により所定数の遊技球の払い出しを行う払出装置71など、パチンコ機10の動作に必要な複数の機器が設けられている。
次に、遊技盤について説明する。遊技盤は、内枠13の前面に着脱可能に取り付けられている。
図3は、遊技盤30の正面図である。遊技盤30は、合板によって構成されており、その前面には遊技領域PAが形成されている。遊技盤30には、遊技領域PAの外縁の一部を区画するようにして内レール部31aと、外レール部31bとが取り付けられている。内レール部31aと外レール部31bとの間には、遊技球を誘導するための誘導レール31が形成されている。遊技球発射機構から発射された遊技球は、誘導レール31に誘導されて遊技領域PAの上部に放出され、その後、遊技領域PAを流下する。遊技領域PAには、遊技盤30に対して略垂直に複数の釘42が植設されるとともに、風車等の各役物が配設されている。これら釘42や風車は、遊技領域PAを流下する遊技球の落下方向を分散、整理する。
遊技盤30には、一般入賞口32、第1始動口33、第2始動口34、スルーゲート35、および、可変入賞装置36が設けられている。また、遊技盤30には、可変表示ユニット40及びメイン表示部45が設けられている。メイン表示部45は、特図ユニット37と、普図ユニット38と、ラウンド表示部39とを有している。
一般入賞口32は、遊技球が入球可能な入球口であり、遊技盤30上に複数設けられている。本実施形態では、一般入賞口32に遊技球が入球すると、10個の遊技球が賞球として払出装置71から払い出される。本実施形態では、一般入賞口32として、3つの一般入賞口32a、32b、32cが設けられている。以下では、一般入賞口32aを第1入賞口32a、一般入賞口32bを第2入賞口32b、一般入賞口32cを第3入賞口32cとも呼ぶ。
第1始動口33は、遊技球が入球可能な入球口である。第1始動口33は、遊技盤30の中央下方に設けられている。本実施形態では、第1始動口33に遊技球が入球すると、3個の遊技球が賞球として払い出されるとともに、後述する当たり抽選が実行される。
第2始動口34は、遊技球が入球可能な入球口であり、遊技盤30の右側に設けられている。本実施形態では、第2始動口34に遊技球が入球すると、3個の遊技球が賞球として払い出されるとともに、後述する当たり抽選が実行される。また、第2始動口34には、普通電動役物としての電動役物34aが設けられている。
スルーゲート35は、縦方向に貫通した貫通孔を備えている。スルーゲート35は、電動役物34aを開放状態とするための抽選を実行するための契機となるスルーゲートである。具体的には、遊技球がスルーゲート35を通過すると、主制御装置60は、当該通過を契機として内部抽選(電動役物開放抽選)を行なう。内部抽選の結果、電役開放に当選すると、電動役物34aは、所定の態様で開放状態となる電役開放状態へと移行する。スルーゲート35は、遊技球の流下方向に対して第2始動口34よりも上流側に配置されているため、スルーゲート35を通過した遊技球は、通過後に遊技領域PAを流下して第2始動口34へ入球することが可能となっている。なお、本実施形態では、スルーゲート35を遊技球が通過しても、賞球の払い出しは実行されない。
可変入賞装置36は、遊技盤30の背面側へと通じる大入賞口36aと、当該大入賞口36aを開閉する開閉扉36bとを備えている。開閉扉36bは、通常は遊技球が大入賞口36aに入球できない閉鎖状態となっている。第1始動口33又は第2始動口34に遊技球が入球すると、主制御装置60は、当たり抽選(内部抽選)を実行する。当たり抽選の結果、大当たり又は小当たりに当選すると、パチンコ機10は、開閉実行モードに移行する。開閉実行モードとは、可変入賞装置36の開閉扉36bの開閉処理を実行するモードである。具体的には、可変入賞装置36の開閉扉36bは、開閉実行モードに移行すると、遊技球が入球できない閉鎖状態から遊技球が入球可能な開放状態に遷移するとともに、所定の条件が満たされた後に、再び、閉鎖状態に遷移する。本実施形態では、可変入賞装置36の大入賞口36aに遊技球が入球すると、払出装置71によって15個の遊技球が賞球として払い出される。
また、遊技盤30の最下部にはアウト口43が設けられており、各種入球口に入球しなかった遊技球は、アウト口43を通って遊技領域PAから排出される。
なお、本実施形態では、第1始動口33、第2始動口34、第1入賞口32a、第2入賞口32b、第3入賞口32c、大入賞口36a及びアウト口43に入球した遊技球は、遊技盤30の背面に設けられた排出通路に合流するように構成されており、当該排出通路には、遊技球を検知する排出通路検知センサーが設けられている。後述するように、本実施形態では、排出通路検知センサーによって遊技球を検知することによって、遊技盤30に発射された遊技球の個数を把握することが可能となっている。
特図ユニット37は、第1図柄表示部37aと、第2図柄表示部37bとを備えている。第1図柄表示部37a及び第2図柄表示部37bは、それぞれ、複数のセグメント発光部が所定の態様で配列されたセグメント表示器によって構成されている。
第1図柄表示部37aは第1の図柄を表示するための表示部である。第1の図柄とは、第1始動口33への遊技球の入球を契機とした当たり抽選に基づいて変動表示または停止表示される図柄をいう。第1図柄表示部37aは、第1始動口33への遊技球の入球を契機とした当たり抽選が行われると、セグメント表示器に、抽選結果に対応した表示を行なわせるまでの表示態様として、第1の図柄の変動表示又は所定の表示を行なわせる。抽選が終了した際には、第1図柄表示部37aは、セグメント表示器に、抽選結果に対応した第1の図柄の停止表示を行なわせる。以下、第1始動口33への遊技球の入球を契機として当たり抽選が実行される遊技回を第1始動口用遊技回とも呼ぶ。
第2図柄表示部37bは第2の図柄を表示するための表示部である。第2の図柄とは、第2始動口34への遊技球の入球を契機とした当たり抽選に基づいて変動表示または停止表示される図柄をいう。第2図柄表示部37bは、第2始動口34への遊技球の入球を契機とした当たり抽選が行われると、セグメント表示器に、抽選結果に対応した表示を行なわせるまでの表示態様として、第2の図柄の変動表示又は所定の表示を行なわせる。抽選が終了した際には、第2図柄表示部37bは、セグメント表示器に、抽選結果に対応した第2の図柄の停止表示を行なわせる。以下、第2始動口34への遊技球の入球を契機として当たり抽選が実行される遊技回を第2始動口用遊技回とも呼ぶ。
ここで、第1図柄表示部37aに表示される第1の図柄、または、第2図柄表示部37bに表示される第2の図柄の変動表示が開始されてから停止表示されるまでの時間を変動時間とも呼ぶ。具体的には、第1図柄表示部37aに表示される第1の図柄の変動表示が開始されてから停止表示されるまでの時間を第1の変動時間とも呼び、第2図柄表示部37bに表示される第2の図柄の変動表示が開始されてから停止表示されるまでの時間を第2の変動時間とも呼ぶ。
特図ユニット37は、さらに、第1図柄表示部37a及び第2図柄表示部37bに隣接した位置に、LEDランプからなる第1保留表示部37cおよび第2保留表示部37dを備えている。
第1保留表示部37cは、点灯させるLEDランプの色や組み合わせによって、第1始動口33の保留個数を表示する。本実施形態では、第1始動口33に入球した遊技球は、最大4個まで保留される。
第2保留表示部37dは、点灯させるLEDランプの色や組み合わせによって、第2始動口34の保留個数を表示する。本実施形態では、第2始動口34に入球した遊技球は、最大4個まで保留される。
普図ユニット38は、複数のLEDランプが所定の態様で配列された発光表示部によって構成されている。普図ユニット38は、スルーゲート35の通過を契機とした電動役物開放抽選が行われると、発光表示器の表示態様として点灯表示、点滅表示又は所定の態様の表示をさせる。電動役物開放抽選が終了した際には、普図ユニット38は、抽選結果に対応した所定の態様の表示を行う。
ラウンド表示部39は、複数のLEDランプが所定の態様で配列された発光表示部によって構成されており、開閉実行モードにおいて発生するラウンド遊技の回数の表示、又は、それに対応した表示をする。ラウンド遊技とは、予め定められた上限継続時間が経過すること、又は、予め定められた上限個数の遊技球が可変入賞装置36に入球することのいずれか一方の条件が満たされるまで、開閉扉36bの開放状態を継続する遊技のことである。ラウンド遊技の回数は、その移行の契機となった大当たり当選の種類に応じて異なる。ラウンド表示部39は、開閉実行モードが開始される場合にラウンド遊技の回数の表示を開始し、開閉実行モードが終了した場合に終了する。
なお、特図ユニット37、普図ユニット38、及びラウンド表示部39は、セグメント表示器やLEDランプによる発光表示器によって構成されることに限定されず、例えば、液晶表示装置、有機EL表示装置、CRT又はドットマトリックス表示器など、抽選中及び抽選結果を示すことが可能な種々の表示装置によって構成されてもよい。
可変表示ユニット40は、遊技領域PAの略中央に配置されている。可変表示ユニット40は、図柄表示装置41を備える。図柄表示装置41は、液晶ディスプレイを備えている。図柄表示装置41は、表示制御装置100によって表示内容が制御される。なお、可変表示ユニット40が備える表示装置の構成は、図柄表示装置41に限定されず、例えば、プラズマディスプレイ装置、有機EL表示装置又はCRTなど、種々の表示装置によって構成されてもよい。
図柄表示装置41は、第1始動口33への遊技球の入球に基づいて第1図柄表示部37aが変動表示又は所定の表示をする場合に、それに合わせて図柄の変動表示又は所定の表示を行う。また、図柄表示装置41は、第2始動口34への遊技球の入球に基づいて第2図柄表示部37bが変動表示又は所定の表示をする場合に、それに合わせて図柄の変動表示又は所定の表示を行う。図柄表示装置41は、第1始動口33又は第2始動口34への遊技球の入球を契機とした図柄の変動表示又は所定の表示をすることに限らず、大当たり当選となった場合に移行する開閉実行モード中の演出表示なども行なう。以下、図柄表示装置41の詳細について説明する。
図4は、図柄表示装置41において変動表示される図柄及び表示面41aを示す説明図である。図4(a)は、図柄表示装置41において変動表示される図柄を示す説明図である。図4(a)に示すように、図柄表示装置41には、数字の1~8を示す図柄が変動表示される。なお、変動表示される図柄として、数字の1~8を示す各図柄に、キャラクターなどの絵柄が付された図柄を採用してもよい。
図4(b)は、図柄表示装置41の表示面41aを示す説明図である。図示するように、表示面41aには、左、中、右の3つの図柄列Z1、Z2、Z3が表示される。各図柄列Z1~Z3には、図4(a)に示した数字1~8の図柄が、数字の昇順又は降順に配列されるとともに、各図柄列が周期性をもって上から下へ又は下から上へとスクロールする変動表示が行われる。図4(b)に示すように、スクロールによる変動表示の後、各図柄列毎に1個の図柄が、有効ラインL上に停止した状態で表示される。具体的には、第1始動口33又は第2始動口34へ遊技球が入賞すると、各図柄列Z1~Z3の図柄が周期性をもって所定の向きにスクロールする変動表示が開始される。そして、スクロールする各図柄が、図柄列Z1、図柄列Z3、図柄列Z2の順に、変動表示から待機表示に切り替わり、最終的に各図柄列Z1~Z3に所定の図柄が停止表示した状態となる。図柄の変動表示が終了して停止表示した状態となる場合、主制御装置60による当たり抽選の結果が大当たり当選であった場合には、予め定められた所定の図柄の組み合わせが有効ラインL上に形成される。例えば、同一の図柄の組み合わせが有効ラインL上に形成される。なお、図柄表示装置41における図柄の変動表示の態様は、上述の態様に限定されることなく、図柄列の数、有効ラインの数、図柄列における図柄の変動表示の方向、各図柄列の図柄数など、図柄の変動表示の態様は種々の態様を採用可能である。
ここで、遊技回とは、第1始動口33又は第2始動口34のいずれかの入賞に基づいて取得された特別情報についての当たり抽選の抽選結果を、遊技者に告知する処理の1単位である。換言すれば、パチンコ機10は、1遊技回毎に、1つの特別情報についての1つの当たり抽選の抽選結果を遊技者に告知する。本実施形態のパチンコ機10は、第1始動口33又は第2始動口34のいずれかの入賞に基づいて特別情報を取得すると、1遊技回毎に、第1結果表示部37a又は第2結果表示部37bのいずれか一方において、セグメント表示器を変動表示させた後に、当該取得した特別情報の抽選結果に対応した表示となるようにセグメント表示器を停止表示させる。また、本実施形態のパチンコ機10は、第1始動口33又は第2始動口34のいずれかの入賞に基づいて特別情報を取得すると、1遊技回毎に、図柄表示装置41において、所定の図柄列を変動表示させた後に、当該取得した特別情報の抽選結果に対応した表示となるように図柄列を停止表示させる。また、1回の遊技回に要する時間を単位遊技時間とも呼ぶ。単位遊技時間は、変動表示が開始されてから所定の抽選結果が停止表示されるまでの時間である変動時間と、所定の抽選結果が停止表示されている時間である停止時間とによって構成されている。
さらに、図4(b)に示すように、図柄表示装置41の表示面41aには、第1保留表示領域Ds1と、第2保留表示領域Ds2とが表示される。第1保留表示領域Ds1には、第1始動口33への入賞に基づく保留個数が表示される。第2保留表示領域Ds2には、第2始動口34への入賞に基づく保留個数が表示される。なお、本実施形態では、上述したように、第1始動口33及び第2始動口34に入賞した遊技球の保留個数は、それぞれ最大4つまでである。
A2.遊技機の電気的構成:
次に、パチンコ機10の電気的構成について説明する。本説明においては、パチンコ機10の電気的構成をブロック図を用いて説明する。
図5は、第1実施形態のパチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。パチンコ機10は、主に、主制御装置60を中心に構成されるとともに、音声発光制御装置90と、表示制御装置100とを備えている。
主制御装置60は、遊技の主たる制御を司る主制御基板61を備えている。主制御基板61は、複数の機能を有する素子によって構成されるMPU62を備えている。MPU62は、各種制御プログラムを実行するCPU62xと、各種制御プログラムや固定値データを記録したROM63と、ROM63内に記録されているプログラムをCPU62xが実行する際に各種データ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM64と、入出力ポート62aとを備えている。MPU62は、さらに、遊技履歴管理チップ300と、検査用端子65とを備えている。
遊技履歴管理チップ300は、始動口や入賞口、ゲート(以下ではこれらをまとめて「入球口」とも呼ぶ)への遊技球の入球情報に基づいて、後述する各種の遊技履歴情報を算出する。検査用端子65は、遊技履歴管理チップ300に記憶された遊技履歴情報を後述する検査機に送信するための端子である。遊技履歴管理チップ300及び検査用端子65の詳細については後述する。
MPU62は、その他、割込回路、タイマー回路、データ入出力回路、乱数発生器としてのカウンタ回路を備えている。なお、MPU62が有する機能の一部を、別の素子が備えていてもよい。
MPU62の入力側には、払出制御装置70と、電源装置85に設けられた停電監視回路86とが接続されている。主制御基板61は、停電監視回路86を介して、電源装置85から直流安定24Vの電源の供給を受ける。電源装置85は、外部電源としての商用電源に接続されており、商用電源から供給される外部電力を、主制御装置60や払出制御装置70等が必要な動作電力に変換して、各装置に電力を供給する。また、本実施形態では、電源装置85は、コンデンサ87を備えており、停電が発生した場合や電源スイッチがOFFにされた場合には、所定期間、各装置への電力供給を継続する。
また、MPU62の入力側には、各入球口に設けられた入球検知センサーが接続されている。具体的には、大入賞口36aに入球した遊技球を検知する大入賞口検知センサー44aと、第1始動口33に入球した遊技球を検知する第1始動口検知センサー44bと、第2始動口34に入球した遊技球を検知する第2始動口検知センサー44cと、第1入賞口32aに入球した遊技球を検知する第1入賞口検知センサー44dと、第2入賞口32bに入球した遊技球を検知する第2入賞口検知センサー44eと、第3入賞口32cに入球した遊技球を検知する第3入賞口検知センサー44fと、スルーゲート35を通過した遊技球を検知するスルーゲート検知センサー44gと、上述した排出通路を通過した遊技球を検知する排出通路検知センサー44hとが接続されている。MPU62は、これらの検知センサーからの信号に基づいて、遊技領域PAを流下する遊技球が始動口や入賞口に入球したか否かの判定や、遊技球がスルーゲートや排出通路を通過したか否かの判定を行う。さらに、MPU62は、第1始動口33、第2始動口34への遊技球の入球に基づいて当たり抽選を実行する。
MPU62の出力側には、可変入賞装置36の開閉扉36bを開閉動作させる可変入賞駆動部36cと、第2始動口34の電動役物34aを開閉動作させる電動役物駆動部34bと、メイン表示部45とが接続されている。主制御基板61には各種ドライバ回路が設けられており、MPU62は、当該ドライバ回路を通じて各種駆動部の駆動制御を実行する。
具体的には、MPU62は、開閉実行モードにおいては、開閉扉36bが開閉されるように可変入賞駆動部36cの駆動制御を実行する。また、電動役物開放抽選の結果、電役開放に当選した場合には、MPU62は、電動役物34aが開放されるように電動役物駆動部44bの駆動制御を実行する。さらに、各遊技回においては、MPU62は、メイン表示部45における第1図柄表示部37a又は第2図柄表示部37bの表示制御を実行するとともに、開閉実行モードにおいては、メイン表示部45におけるラウンド表示部39の表示制御を実行する。
また、MPU62の送信側には、払出制御装置70と、音声発光制御装置90とが接続されている。払出制御装置70には、例えば、主制御装置60から入球判定結果に基づいて賞球コマンドが送信される。主制御装置60が賞球コマンドを送信する際には、主制御基板61のMPU62は、ROM63のコマンド情報記憶エリアを参照する。具体的には、一般入賞口32への遊技球の入球を特定した場合には10個の遊技球の払い出しに対応した賞球コマンドが主制御装置60から送信され、第1始動口33への遊技球の入球を特定した場合には3個の遊技球の払い出しに対応した賞球コマンドが主制御装置60から送信され、第2始動口34への遊技球の入球を特定した場合には1個の遊技球の払い出しに対応した賞球コマンドが主制御装置60から送信される。払出制御装置70は、主制御装置60から受信した賞球コマンドに基づいて、払出装置71を制御して賞球の払出を行う。
払出制御装置70には、発射制御装置80が接続されている。発射制御装置80は、遊技球発射機構81の発射制御を行う。遊技球発射機構81は、所定の発射条件が整っている場合に駆動される。また、発射制御装置80には、操作ハンドル25が接続されている。上述のように、操作ハンドル25は、タッチセンサー25aと、ウェイトボタン25bと、可変抵抗器25cとを備える。遊技者が操作ハンドル25を握ることによって、タッチセンサー25aがオンになり、遊技者が操作ハンドル25を回動操作すると、可変抵抗器25cの抵抗値が回動操作量に対応して変化し、可変抵抗器25cの抵抗値に対応した強さで遊技球発射機構から遊技盤の前面に遊技球が発射される。
音声発光制御装置90は、主制御装置60から送信された各種コマンドを受信し、受信した各種コマンドに対応した処理を実行する。具体的には、音声発光制御装置90は、主制御装置60から受信した各種コマンドに基づいて、前扉枠14に配置されたLEDなどの発光手段からなる各種ランプ47の駆動制御や、スピーカー46の駆動制御を行うとともに、表示制御装置100の制御を行う。また、音声発光制御装置90には、演出操作ボタン24が接続されており、所定のタイミングで遊技者によって演出操作ボタン24が操作された場合には、当該操作を反映した遊技演出を行うように各種ランプ47、スピーカー46、表示制御装置100等の制御を行う。
表示制御装置100は、音声発光制御装置90から受信した各種コマンドに基づいて、図柄表示装置41の表示制御を実行する。具体的には、表示制御装置100は、音声発光制御装置90から受信した各種コマンドに基づいて、図柄表示装置41における図柄の変動時間及び最終的に停止表示させる図柄の組み合わせの種類を把握するとともに、リーチの発生の有無、リーチ演出の内容、及び、第1液晶用図柄や第2液晶用図柄が変動表示をしている間に実行される演出の内容等を把握する。なお、本実施形態においては、第1液晶用図柄または第2液晶用図柄が停止表示している時間である停止時間は一定ある。従って、変動時間が決定されることによって、1遊技回に要する時間である単位遊技回時間は一意に決定される。以上、パチンコ機10の電気的構成について説明した。
図6は、当たり抽選などに用いられる各種カウンタの内容を示す説明図である。各種カウンタは、RAM64の各種カウンタエリアに設けられており、MPU62が当たり抽選、メイン表示部45の表示の設定、及び、図柄表示装置41の図柄表示の設定などを行う際に用いられる。具体的には、当たり抽選には大当たり乱数カウンタC1が用いられる。大当たり種別を振り分ける際には大当たり種別カウンタC2が用いられる。図柄表示装置41に表示させる図柄列を外れ変動させる際にリーチを発生させるか否かのリーチ判定にはリーチ乱数カウンタC3が用いられる。
大当たり乱数カウンタC1の初期値設定には乱数初期値カウンタCINIが用いられる。また、メイン表示部45の第1図柄表示部37a及び第2図柄表示部37b、並びに図柄表示装置41における変動時間を決定する際には変動種別カウンタCSが用いられる。さらに、第2始動口34の電動役物34aを開放状態とするか否かの電動役物開放抽選には電動役物開放カウンタC4が用いられる。
各カウンタC1~C3、CINI、CS、C4は、その更新の都度、カウンタ値に1が加算され、最大値に達した後に0に戻るループカウンタである。各カウンタは短時間の間隔で更新され、その更新値がRAM64の所定領域に設定された抽選カウンタ用バッファ64aに適宜記憶される。
また、RAM64には保留情報記憶エリア64bと、判定処理実行エリア64cとが設けられている。保留情報記憶エリア64bには、第1保留エリアRaと第2保留エリアRbとが設けられている。本実施形態では、第1始動口33に遊技球が入球すると、入球のタイミングにおける大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3および変動種別カウンタCSの各値が保留情報記憶エリア64bの第1保留エリアRaに時系列的に記憶される。また、第2始動口34に遊技球が入球すると、入球のタイミングにおける大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3および変動種別カウンタCSの各値が保留情報記憶エリア64bの第2保留エリアRbに時系列的に記憶される。
大当たり乱数カウンタC1の詳細について説明する。大当たり乱数カウンタC1は、上述のように当たり抽選に用いられる。大当たり乱数カウンタC1は、例えば、0~1199の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻るように構成されている。また、大当たり乱数カウンタC1が1周すると、その時点の乱数初期値カウンタCINIの値が当該大当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。なお、乱数初期値カウンタCINIは、大当たり乱数カウンタC1と同様のループカウンタである(値=0~1199)。
大当たり乱数カウンタC1は定期的に更新され、その更新値は、第1始動口33に遊技球が入球した場合には、当該入球のタイミングで保留情報記憶エリア64bの第1保留エリアRaに記憶され、第2始動口34に遊技球が入球した場合には、当該入球のタイミングで保留情報記憶エリア64bの第2保留エリアRbに記憶される。
第1保留エリアRaに記憶された大当たり乱数カウンタC1の値は、判定処理実行エリア64cの実行エリアAEに移動し、ROM63の当否テーブル記憶エリアに記憶されている当否テーブルと照合され、大当たりとなるか否かが判定される。また、第2保留エリアRbに記憶された大当たり乱数カウンタC1の値は、判定処理実行エリア64cの実行エリアAEに移動し、ROM63の当否テーブル記憶エリアに記憶されている当否テーブルと照合され、大当たりとなるか否かが判定される。
本実施形態のパチンコ機10においては、第1保留エリアRaまたは第2保留エリアRbに記憶された大当たり乱数カウンタC1の値は、第1始動口33または第2始動口34に遊技球が入球することによって取得された順番に判定処理実行エリア64cの実行エリアAEに移動する。そして、実行エリアAEに移動した大当たり乱数カウンタC1は、ROM63の当否テーブル記憶エリアに記憶されている当否テーブルと照合され、大当たりとなるか否かが判定される。
次に、大当たり種別カウンタC2の詳細について説明する。大当たり種別カウンタC2は、大当たり種別を判定する際に用いられる。大当たり種別カウンタC2は、0~39の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻るように構成されている。
大当たり種別カウンタC2は定期的に更新され、その更新値は、第1始動口33に遊技球が入球した場合には当該入球のタイミングで保留情報記憶エリア64bの第1保留エリアRaに記憶され、第2始動口34に遊技球が入球した場合には当該入球のタイミングで保留情報記憶エリア64bの第2保留エリアRbに記憶される。
上述したように、MPU62は、判定処理実行エリア64cに記憶されている大当たり乱数カウンタC1の値を用いて当たり抽選を行なうとともに、当たり抽選の結果が大当たりである場合には、判定処理実行エリア64cに記憶されている大当たり種別カウンタC2の値を用いて大当たり種別を判定する。さらに、MPU62は、これらの大当たり乱数カウンタC1の値及び大当たり種別カウンタC2の値を用いて、第1図柄表示部37a及び第2図柄表示部37bに停止表示させるセグメント表示器の表示態様を決定する。その決定に際しては、ROM63の停止結果テーブル記憶エリアに記憶されている停止結果テーブルが参照される。
次に、リーチ乱数カウンタC3の詳細について説明する。リーチ乱数カウンタC3は、当たり抽選の結果が大当たりではない場合においてリーチが発生するか否かを判定する際に用いられる。リーチ乱数カウンタC3は、例えば0~238の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻るように構成されている。
リーチ乱数カウンタC3は定期的に更新され、その更新値は、第1始動口33に遊技球が入球したタイミングで保留情報記憶エリア64bの第1保留エリアRaに記憶され、第2始動口34に遊技球が入球したタイミングで保留情報記憶エリア64bの第2保留エリアRbに記憶される。第1保留エリアRaに記憶されたリーチ乱数カウンタC3の値は、判定処理実行エリア64cに移動した後、ROM63のリーチ判定用テーブル記憶エリアに記憶されているリーチ判定用テーブルと照合され、リーチが発生するか否かが判定される。第2保留エリアRbに記憶されたリーチ乱数カウンタC3の値は、判定処理実行エリア64cに移動した後、ROM63のリーチ判定用テーブル記憶エリアに記憶されているリーチ判定用テーブルと照合され、リーチが発生するか否かが判定される。ただし、当たり抽選の結果が大当たりとなり、開閉実行モードに移行する場合には、MPU62は、リーチ乱数カウンタC3の値に関係なくリーチ発生が決定される。
リーチとは、図柄表示装置41の表示画面に表示される複数の図柄列のうち一部の図柄列について、大当たりに対応した図柄の組み合わせが成立する可能性がある図柄の一部の組み合わせが停止表示され、その状態で残りの図柄列において図柄の変動表示を行う表示状態のことを言う。なお、本実施形態のパチンコ機10において大当たりに対応した図柄の組み合わせとは、所定の有効ラインにおける同一の図柄の組み合わせのことをいう。具体例としては、図4(b)の表示面41aのメイン表示領域MAにおいて、最初に図柄列Z1において図柄が停止表示され、次に図柄列Z3においてZ1と同じ図柄が停止表示されることでリーチラインが形成され、当該リーチラインが形成されている状況化において図柄列Z2において図柄の変動表示が行われることでリーチとなる。そして、大当たりが発生する場合には、リーチラインを形成している図柄と同一の図柄が図柄列Z2に停止表示される。
また、リーチには、リーチラインが形成された状態で、残りの図柄列において図柄の変動表示を行うとともに、その背景画面において所定のキャラクターなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものや、リーチラインが形成された図柄の組み合わせを縮小表示させる又は非表示とした上で、表示面41aの略全体において所定のキャラクターなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものが含まれる。また、リーチ演出が行われている場合又はリーチ表示の前に所定のキャラクターといった所定画像を用いた予告表示を行うか否かの決定を、リーチ乱数カウンタC3やその他のカウンタを用いて行うようにしてもよい。
次に、変動種別カウンタCSの詳細について説明する。変動種別カウンタCSは、第1図柄表示部37a及び第2図柄表示部37bにおける変動時間と、図柄表示装置41における図柄の変動時間とを、MPU62において決定する際に用いられる。変動種別カウンタCSは、例えば0~198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻るように構成されている。
変動種別カウンタCSは、後述する通常処理が1回実行される毎に1回更新され、当該通常処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。そして、第1図柄表示部37a又は第2図柄表示部37bにおける変動表示の開始時及び図柄表示装置41による図柄の変動開始時における変動パターンの決定に際して変動種別カウンタCSのバッファ値が取得される。第1図柄表示部37a及び第2図柄表示部37bにおける変動時間の決定に際しては、ROM63の変動時間テーブル記憶エリアに記憶されている変動時間テーブルが用いられる。
次に、電動役物開放カウンタC4の詳細について説明する。電動役物開放カウンタC4は、例えば、0~465の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成である。電動役物開放カウンタC4は定期的に更新され、スルーゲート35に遊技球が入球したタイミングでRAM64の電役保留エリア64dに記憶される。そして、所定のタイミングで、電役保留エリア64dに記憶されている電動役物開放カウンタC4の値が電動役物用実行エリア64eに移動した後、電動役物用実行エリア64eにおいて電動役物開放カウンタC4の値を用いて電動役物34aを開放状態に制御するか否かの抽選が行われる。例えば、C4=0,1であれば、電動役物34aを開放状態に制御し、C4=2~465であれば、電動役物34aを閉鎖状態に維持する。
なお、取得された大当たり乱数カウンタC1の値、大当たり種別カウンタC2の値、リーチ乱数カウンタC3の値、電動役物開放カウンタC4の値および変動種別カウンタCSの値の少なくとも一つが本発明における特別情報に相当する。また、第1保留エリアRaおよび第2保留エリアRbに記憶された大当たり乱数カウンタC1の値、大当たり種別カウンタC2の値、リーチ乱数カウンタC3の値および変動種別カウンタCSの値の少なくとも一つを保留情報とも呼ぶ。
次に、当否テーブルについて説明する。当否テーブルは、大当たり乱数カウンタC1に基づいて当たり抽選を行う際に、当該大当たり乱数カウンタC1と照合するためのテーブルデータである。パチンコ機10には、当たり抽選の抽選モードとして、低確率モードと高確率モードとが設定されており、低確率モード時における当たり抽選の際には低確率モード用の当否テーブルが参照され、高確率モード時における当たり抽選の際には高確率モード用の当否テーブルが参照される。
図7は、当否テーブルの内容を示す説明図である。図7(a)は低確率モード用の当否テーブル(低確率モード用)を示し、図7(b)は高確率モード用の当否テーブルを示している。
図7(a)に示すように、低確率モード用の当否テーブルには、大当たりとなる大当たり乱数カウンタC1の値として、0~4の5個の値が設定されている。そして、0~1199の値のうち、0~4の5個の値以外の値(5~1199)が外れである。一方、図7(b)に示すように、高確率モード用の当否テーブルには、大当たりとなる大当たり乱数カウンタC1の値として、0~15の16個の値が設定されている。そして、0~1199の値のうち、0~15の16個の値以外の値が外れである。このように、高確率モードは、低確率モードに比べて、当たり抽選において大当たりに当選する確率が高くなっている。
また、本実施形態では、低確率モード用の当否テーブルに大当たりとして設定されている大当たり乱数カウンタC1の値群は、高確率モード用の当否テーブルに大当たりとして設定されている大当たり乱数カウンタC1の値群に含まれている。ただし、当たり抽選の結果、低確率モードよりも高確率モードの方が大当たりとなる確率が高くなるのであれば、大当たりとして設定されている乱数の数及び値は任意である。
なお、本実施形態における当否テーブルにおいては採用していないが、当たり抽選の結果として「小当たり」を設けてもよい。
「小当たり」とは、可変入賞装置36の開閉が実行される開閉実行モードへの移行契機とはなるが、抽選モードおよびサポートモードの両方について、移行契機とならない当否結果である。これに対して、「外れ」は、開閉実行モードの移行契機とはならず、さらに、抽選モードおよびサポートモードについても移行契機とならない当否結果である。
次に、大当たり種別について説明する。パチンコ機10には、複数種類の大当たりを設定することができる。具体的には、例えば、以下の3つの態様又はモードに差異を設けることにより、複数種類の大当たりを設定することができる。
(1)開閉実行モードにおける可変入賞装置36の開閉扉36bの開閉回数(ラウンド数)
(2)開閉実行モードにおける可変入賞装置36の開閉制御の態様
(3)開閉実行モード終了後の当たり抽選の抽選モード(低確率モード又は高確率モード)
上記の(2)開閉実行モードにおける可変入賞装置36の開閉制御の態様として、開閉実行モードが開始されてから終了するまでの間における可変入賞装置36への遊技球の入球(入賞)の発生頻度が相対的に高低となるように高頻度入賞モードと低頻度入賞モードとを設定することができる。例えば、高頻度入賞モードでは、開閉実行モードにおける開閉扉36bの1回の開放は30秒が経過するまで又は開閉扉36bへの遊技球の入球個数が10個となるまで継続するように設定することができる。一方、低頻度入賞モードでは、開閉実行モードにおける開閉扉36bの1回の開放が1.6秒が経過するまで又は開閉扉36bへの入球個数が10個となるまで継続するよう設定することができる。
開閉扉36bの1回の開放に対する開放限度時間、及び1回の開放に対する開放限度個数は、開閉実行モードが開始されてから終了するまでの間における可変入賞装置36への入球の発生頻度が、高頻度入賞モードの方が低頻度入賞モードよりも高くなるのであれば、開閉扉36bの開放態様は任意である。具体的には、高頻度入賞モードの方が低頻度入賞モードよりも、1回の開放に対する開放限度時間が長い又は1回の開放に対する開放限度個数が多く設定されていればよい。高頻度入賞モードと低頻度入賞モードとの差異を明確にする上では、低頻度入賞モードの開閉実行モードでは、実質的に可変入賞装置36への入賞が発生しない構成としてもよい。
なお、本実施形態においては、開閉実行モードとして複数種類の入賞モードは設けておらず、開閉実行モード中は、上述した高頻度入賞モードとなる。すなわち、開閉実行モードにおける開閉扉36bの1回の開放は、30秒が経過するまで又は開閉扉36bへの遊技球の入球個数が10個となるまで継続するように設定される。
本実施形態では、当たり抽選の結果、大当たりとなった場合には、大当たり種別カウンタC2を用いて、大当たり種別を振り分ける。大当たり種別カウンタC2の値に対応する大当たり種別の振り分けは、ROM63の振分テーブル記憶エリアに振分テーブルとして記憶されている。
図8は、振分テーブルの内容を示す説明図である。図8(a)は第1始動口用の振分テーブルを示し、図8(b)は第2始動口用の振分テーブルを示している。第1始動口用の振分テーブルは、第1始動口33への遊技球の入球に基づく当たり抽選の際に参照され、第2始動口用の振分テーブルは、第2始動口34への遊技球の入球に基づく当たり抽選の際に参照される。
図8(a)の第1始動口用の振分テーブルに示すように、本実施形態のパチンコ機10では、第1始動口33に基づく大当たり種別として、16R確変大当たり、8R確変大当たり、16R通常大当たり、8R通常大当たりが設定されている。
16R確変大当たり及び8R確変大当たりは、開閉実行モードにおける可変入賞装置36の開閉制御の態様が高頻度入賞モードであり、開閉実行モードの終了後の当否抽選モードが高確率モードであり、開閉実行モードの終了後のサポートモードが高頻度サポートモードとなる大当たりである。
16R通常大当たり及び8R通常大当たりは、開閉実行モードにおける可変入賞装置36の開閉制御の態様が高頻度入賞モードであり、開閉実行モードの終了後の当否抽選モードが低確率モードであり、開閉実行モードの終了後のサポートモードが高頻度サポートモードとなる大当たりである。
第1始動口用の振分テーブルでは、「0~39」の大当たり種別カウンタC2の値のうち、「0~13」が16R確変大当たりに対応しており、「14~27」が8R通常大当たりに対応しており、「28~33」が16R通常大当たりに対応しており、「34~39」が8R通常大当たりに対応している。
上記のように、本実施形態のパチンコ機10では、大当たりの種別として、4種類の大当たりが設定されている。したがって、大当たりの態様が多様化する。この4種類の大当たりを比較した場合、遊技者にとっての有利度合は、16R確変大当たりが最も高く、8R確変大当たりが次に高く、次に16R通常大当たり、最後に8R通常大当たりと続く。このように遊技者にとって有利度の異なる複数種類の大当たりが設定されていることにより、遊技の単調化が抑えられ、遊技への注目度を高めることが可能となる。
図8(b)の第2始動口用の振分テーブルに示すように、本実施形態のパチンコ機10では、第2始動口34に基づく大当たり種別として、16R確変大当たり、8R通常大当たりが設定されている。第2始動口用の振分テーブルでは、「0~39」の大当たり種別カウンタC2の値のうち、「0~27」が16R確変大当たりに対応しており、「28~39」が8R通常大当たりに対応している。
このように、本実施形態のパチンコ機10では、大当たりとなった場合の大当たり種別の振分態様は、第1始動口33への遊技球の入球に基づいて大当たりとなった場合と、第2始動口34への遊技球の入球に基づいて大当たりとなった場合とで異なっているとともに、遊技者にとっての有利性に明確な差異が設けられている。
上述のように、MPU62は、実行エリアAEに記憶されている大当たり乱数カウンタC1の値を用いて当たり抽選を行なうとともに、実行エリアAEに記憶されている大当たり種別カウンタC2の値を用いて大当たり種別を判定するが、さらに、MPU62は、これらの大当たり乱数カウンタC1の値及び大当たり種別カウンタC2の値を用いて、第1結果表示部37a及び第2結果表示部37bに停止表示させるセグメント表示器の表示態様を決定する。その決定に際しては、ROM63の停止結果テーブル記憶エリアに記憶されている停止結果テーブルが参照される。
パチンコ機10には、上記の(3)開閉実行モード終了後の第2始動口34の電動役物34aのサポートモードの態様として、遊技領域PAに対して遊技球の発射が同様の態様で継続されている状況で比較した場合に、第2始動口34の電動役物34aが単位時間当たりに開放状態となる頻度が相対的に高低となるように、高頻度サポートモードと低頻度サポートモードとを設定することができる。
具体的には、本実施形態におけるパチンコ機10は、高頻度サポートモードと低頻度サポートモードとでは、電動役物開放カウンタC4を用いた電動役物開放抽選における電役開放当選となる確率が異なる。高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、電動役物開放抽選における電役開放当選となる確率を高くする。また、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、電役開放当選となった際に電動役物34aの1回の開放時間が長く設定されている。
なお、本実施形態においては採用していないが、高頻度サポートモードで電役開放当選となり電動役物34aの開放状態が複数回発生する場合において、1回の開放状態が終了してから次の開放状態が開始されるまでの閉鎖時間は、1回の開放時間よりも短く設定されてもよい。さらに、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、1回の電動役物開放抽選が行われてから次の電動役物開放抽選が行われるまでに確保される時間が相対的に短く設定されてもよい。
上記のように高頻度サポートモードでは、低頻度サポートモードよりも第2始動口34への遊技球の入球が発生する確率が高くなる。すなわち、高頻度サポートモードは、特別情報の取得条件の成立を補助する補助遊技状態として機能する。
図9は、電動役物開放抽選を実行する際に用いられる当否テーブル(電動役物開放抽選用当否テーブル)の内容を示す説明図である。
図9(a)は、低頻度サポートモード時に用いられる電動役物開放抽選用当否テーブル(低頻度サポートモード用)を示している。図9(a)に示すように、電動役物開放抽選用当否テーブル(低頻度サポートモード用)には、電役開放当選となる電動役物開放カウンタC4の値として0、1の2個の値が設定されている。外れとなる電動役物開放カウンタC4の値として2~465の464個の値が設定されている。すなわち、低頻度サポートモード時に遊技球がスルーゲート35を通過し電動役物開放抽選が実行された場合には、1/233の確率で電役開放当選となる。本実施形態のパチンコ機10においては、低頻度サポートモード時に電役開放当選となった場合には、電動役物34aが1回開放し、その開放時間は1.4秒である。
図9(b)は、高頻度サポートモード時に用いられる電動役物開放抽選用当否テーブル(高頻度サポートモード用)を示している。図9(b)に示すように、電動役物開放抽選用当否テーブル(高頻度サポートモード用)には、電役開放当選となる電動役物開放カウンタC4の値として0~461の462個の値が設定されている。外れとなる電動役物開放カウンタC4の値として462~465の4個の値が設定されている。すなわち、高頻度サポートモード時に遊技球がスルーゲート35を通過し電動役物開放抽選が実行された場合には、231/233の確率で電役開放当選となる。本実施形態のパチンコ機10においては、高頻度サポートモード時に電役開放当選となった場合には、電動役物34aが1回開放し、その開放時間は1.6秒である。
このように、電動役物開放抽選用当否テーブルによって、高頻度サポートモードが低頻度サポートモードよりも第2始動口34への遊技球の入球が発生する確率が高くなるように設定されている。
図10は、第1実施形態のパチンコ機10が備える主制御装置60の構成及び検査機320の構成を詳細に示すブロック図である。以下では、MPU62、CPU62x、ROM63及びRAM64を、それぞれ主側MPU62、主側CPU62x、主側ROM63及び主側RAM64とも呼ぶ。
主側MPU62の主側ROM63には、賞球数データ記憶エリアと、演算実行条件記憶エリアとが設けられている。
賞球数データ記憶エリアには、各入球口に遊技球が入球した場合に賞球として払い出される遊技球の個数(賞球数データ)が記憶されている。本実施形態では、賞球数データ記憶エリアには、以下の賞球数データが記憶されている。
・第1始動口33に遊技球が入球した場合に賞球として払い出される遊技球の個数(第1始動口賞球数P):3
・第2始動口34に遊技球が入球した場合に賞球として払い出される遊技球の個数(第2始動口賞球数P):3
・第1入賞口32aに遊技球が入球した場合に賞球として払い出される遊技球の個数(第1入賞口賞球数PN1):10
・第2入賞口32bに遊技球が入球した場合に賞球として払い出される遊技球の個数(第2入賞口賞球数PN2):10
・第3入賞口32cに遊技球が入球した場合に賞球として払い出される遊技球の個数(第3入賞口賞球数PN3):10
・大入賞口36aに遊技球が入球した場合に賞球として払い出される遊技球の個数(大入賞口賞球数P):15
主側MPU62は、主側ROM63の賞球数データ記憶エリアに記憶されている賞球数データを参照することによって、遊技球が各入球口に入球した場合に賞球として払い出す遊技球の個数を決定する。
さらに、本実施形態では、この主側ROM63に記憶された賞球数データは、パチンコ機10の電源がONにされた後に実行される初期設定処理において遊技履歴管理チップ300に送信される。これにより、遊技履歴管理チップ300は、本パチンコ機10に設定されている賞球数データを把握することが可能となる。
演算実行条件記憶エリアには、遊技履歴管理チップ300が遊技履歴情報を算出するための演算を開始する条件である演算実行条件が記憶されている。本実施形態では、排出通路を通過した遊技球の個数が500個に達することが演算実行条件として記憶されている。この主側ROM63に記憶された演算実行条件は、パチンコ機10の電源がONにされた後に実行される初期設定処理において遊技履歴管理チップ300に送信される。これにより、遊技履歴管理チップ300は、本パチンコ機10に設定されている演算実行条件を把握することが可能となる。
遊技履歴管理チップ300は、各入球口への遊技球の入球情報に基づいて各種の遊技履歴情報を算出するとともに、算出した遊技履歴情報を記憶する半導体チップである。遊技履歴管理チップ300は、CPU62xから各入球口への遊技球の入球情報を取得するバッファ302と、各入球口への遊技球の入球個数を記憶するレジスタ304と、主側ROM63から取得した賞球数データを記憶する賞球数データ記憶用メモリ306と、主側ROM63から取得した演算実行条件を記憶する演算実行条件記憶用メモリ307と、遊技履歴管理チップ300の全体の制御を司るとともに、演算実行条件の成立を契機として各入球口への遊技球の入球個数と各入球口に設定された賞球数とに基づいて遊技履歴情報を算出するCPU308と、算出された遊技履歴情報を記憶する演算結果記憶用メモリ309とを備えている。
検査用端子65は、検査機320とパチンコ機10とを接続するための端子である。本実施形態では、検査用端子65を介して演算結果記憶用メモリ309に記憶された遊技履歴情報が検査機320に送信される。
検査機320は、各種制御プログラムを実行するCPU321と、各種制御プログラムや固定値データ等を記録したROM324と、各種データを一時的に記憶するためのメモリであるRAM326と、遊技履歴管理チップ300から受信した遊技履歴情報を表示する表示部328と、パチンコ機10の検査用端子65に接続するための接続ケーブル329とを備えている。
図11は、遊技履歴管理チップ300及び検査機320における処理の内容を模式的に示す説明図である。
バッファ302は、主側MPU62のCPU62xとレジスタ304との間に設けられており、各入球口における入球情報をCPU62xから取得する。具体的には、バッファ302には、各入球口に対応した複数のビットが設けられており、CPU62xは、遊技球が入球したと判定した入球口に対応したビットをON(「1」)にする。例えば、CPU62xは、第1始動口33に遊技球が入球したと判定すると、バッファ302の第1始動口33に対応したビットをON(「1」)にする。
また、バッファ302には、遊技球が各入球口に入球した際の遊技モードやパチンコ機10の状態(以下では、遊技状態とも呼ぶ)を把握するためのビットも設けられている。本実施形態では、通常モード中(高確率モード中でもなく、高頻度サポートモード中でもなく、開閉実行モード中でもないモード)であるか否かを判定するためのビットと、高確率モード中であるか否かを判定するためのビットと、高頻度サポートモード中であるか否かを判定するためのビットと、開閉実行モード中であるか否かを判定するためのビットと、第1保留個数が上限値である期間中であるか否かを判定するためのビットと、第2保留個数が上限値である期間中であるか否かを判定するためのビットと、前扉枠14が開放中であるか否かを判定するためのビットと、パチンコ機10に故障等のトラブルが発生しているエラー中であるか否かを判定するためのビットとが設けられている。例えば、CPU62xは、第1始動口33に遊技球が入球したタイミングにおいて通常モード中であると判定すると、バッファ302の通常モード中であるか否かを判定するためのビットをON(「1」)にする。
レジスタ304は、各入球口に入球した遊技球の個数を記憶する。具体的には、レジスタ304は、各入球口に対応した複数のカウンタによって構成されており、バッファ302のビットに入球情報があると判定した場合(すなわち、ビットがONになっている場合)には、入球情報があると判定されたビットに対応したカウンタの値に1が加算される。なお、本実施形態では、レジスタ304は、電源の供給が断たれても記憶を保持することが可能な不揮発性のレジスタによって構成されている。
本実施形態では、レジスタ304は、各入球口に対応した各カウンタによって、下記の値を記憶している。
・大入賞口36aに入球した遊技球の個数=大入賞口入球個数N
・第1始動口33に入球した遊技球の個数=第1始動口入球個数N
・第2始動口34に入球した遊技球の個数=第2始動口入球個数N
・第1入賞口32aに入球した遊技球の個数=第1入賞口入球個数NN1
・第2入賞口32bに入球した遊技球の個数=第2入賞口入球個数NN2
・第3入賞口32cに入球した遊技球の個数=第3入賞口入球個数NN3
・スルーゲート35を通過した遊技球の個数=スルーゲート通過個数N
・排出通路を通過した遊技球の個数=排出通路通過個数NOUT
なお、上述したように、排出通路通過個数NOUTは、遊技盤30に発射された遊技球の個数と一致する。
さらに、本実施形態では、レジスタ304は、遊技状態毎に各入球口に入球した遊技球の個数を記憶する。
・通常モード中に各入球口に入球した遊技球の個数
・高確率モード中に各入球口に入球した遊技球の個数
・高頻度サポートモード中に各入球口に入球した遊技球の個数
・開閉実行モード中に各入球口に入球した遊技球の個数
・通常モード中かつ第1保留個数が上限値である期間中に第1始動口33に入球した遊技球の個数
・通常モード中かつ第2保留個数が上限値である期間中に第2始動口34に入球した遊技球の個数
・前扉枠14が開放中に各入球口に入球した遊技球の個数
・エラー中に各入球口に入球した遊技球の個数
例えば、バッファ302の第1始動口33に対応したビットに入球情報がある(ビットがONになっている)と判定し、かつ、通常モード中であるか否かを判定するビットに情報がある(ビットがONになっている)と判定した場合には、第1始動口33に入球した遊技球の入球個数を記憶するカウンタである第1始動口入球個数カウンタの値に1が加算されるとともに、通常モード中に第1始動口33に入球した遊技球の入球個数を記憶するカウンタである通常モード中の第1始動口入球個数カウンタの値に1が加算される。
賞球数データ記憶用メモリ306は、パチンコ機10に設定されている賞球数データを記憶するためのメモリである。本実施形態では、パチンコ機10の電源が投入されると、主側ROM63に記憶されている賞球数データが遊技履歴管理チップ300に送信され、賞球数データ記憶用メモリ306に記憶される。したがって、賞球数データ記憶用メモリ306に記憶される賞球数データの内容は、主側ROM63に記憶されている賞球数データの内容と同一となる。
演算実行条件記憶用メモリ307は、パチンコ機10に設定されている演算実行条件を記憶するためのメモリである。演算実行条件は、上述したように、遊技履歴情報を算出するための演算を開始する条件である。本実施形態のパチンコ機10においては、排出通路を通過した遊技球の個数が500個に達する毎に遊技履歴情報を算出するための演算を開始するように設定されている。パチンコ機10の電源が投入されると、主側ROM63に記憶されている演算実行条件がCPU62xによって遊技履歴管理チップ300に送信され、演算実行条件記憶用メモリ307に記憶される。したがって、演算実行条件記憶用メモリ307に記憶される演算実行条件の内容は、主側ROM63に記憶されている演算実行条件の内容と同一となる。なお、演算実行条件として、排出通路以外を通過または入球した遊技球の個数が基準として記憶されていてもよく、また500個以外の個数が基準として記憶されていてもよい。
CPU308は、演算実行条件記憶用メモリ307に記憶されている演算実行条件が成立したか否かを判定するとともに、演算実行条件が成立したと判定した場合には、賞球数データ記憶用メモリ306に記憶された賞球数データと、レジスタ304に記憶された各入球口への遊技球の入球個数とに基づいて、各種の遊技履歴情報を算出する。本実施形態では、CPU308は、レジスタ304に記憶された排出通路通過個数NOUTの値が500個に達する毎に、遊技履歴情報として下記の値を算出する。
・役物比率
=役物作動によって賞球として払い出された遊技球の個数(役物賞球数)/賞球として払い出された遊技球の合計個数(総賞球数)
=(N×P+N×P)/(NN1×PN1+NN2×PN2+NN3×PN3+N×P+N×P+N×P
・連続役物比率
=連続役物作動によって賞球として払い出された遊技球の個数(連続役物賞球数)/賞球として払い出された遊技球の合計個数(総賞球数)
=(N×P)/(NN1×PN1+NN2×PN2+NN3×PN3+N×P+N×P+N×P
・出玉率(トータル)
=賞球として払い出された遊技球の合計個数(総賞球数)/遊技盤30に発射された遊技球の個数
=(NN1×PN1+NN2×PN2+NN3×PN3+N×P+N×P+N×P)/NOUT
なお、上記の値の算出根拠は以下の通りである。
・役物作動によって賞球として払い出された遊技球の個数(役物賞球数)
=普通電動役物としての電動役物34a及び特別電動役物としての可変入賞装置36が作動することによって賞球として払い出された遊技球の個数
=第2始動口34及び大入賞口36aへの遊技球の入球に基づいて賞球として払い出された遊技球の個数
=N×P+N×P
・連続役物作動によって賞球として払い出された遊技球の個数(連続役物賞球数)
=特別電動役物としての可変入賞装置36が作動することによって賞球として払い出された遊技球の個数
=大入賞口36aへの遊技球の入球に基づいて賞球として払い出された遊技球の個数
=N×P
・第1~第3入賞口32a~32cへの遊技球の入球に基づいて賞球として払い出された遊技球の個数
=NN1×PN1+NN2×PN2+NN3×PN3
・賞球として払い出された遊技球の合計個数(総賞球数)
=第1~第3入賞口32a~32c、第1始動口33、第2始動口34及び大入賞口36aへの遊技球の入球に基づいて賞球として払い出された遊技球の個数
=NN1×PN1+NN2×PN2+NN3×PN3+N×P+N×P+N×P
さらに、本実施形態では、遊技状態毎にカウントされた各入球口への遊技球の入球個数に基づいて、下記の遊技履歴情報を算出する。
・払出比率(通常モード中)
=通常モード中に第1始動口33への遊技球の入球に基づいて賞球として払い出された遊技球の個数/通常モード中に第1始動口33への遊技球の入球に基づいて賞球として払い出された遊技球の個数+通常モード中に第1~第3入賞口32a~32cへの遊技球の入球に基づいて賞球として払い出された遊技球の個数
・出玉率(通常モード中)
=通常モード中に賞球として払い出された遊技球の合計個数/通常モード中に遊技盤30に発射された遊技球の個数
・出玉率(高頻度サポートモード中)
=高頻度サポートモード中に賞球として払い出された遊技球の合計個数/高頻度サポートモード中に遊技盤30に発射された遊技球の個数
・BY(通常モード中)
=通常モード中に第1~第3入賞口32a~32cへの遊技球の入球に基づいて賞球として払い出された遊技球の個数+通常モード中かつ第1保留個数が上限値である期間中に第1始動口33への遊技球の入球に基づいて賞球として払い出された遊技球の個数+通常モード中かつ第2保留個数が上限値である期間中に第2始動口34への遊技球の入球に基づいて賞球として払い出された遊技球の個数/通常モード中に遊技盤30に発射された遊技球の個数
・BYMIN(通常モード中)
=通常モード中に第1~第3入賞口32a~32cへの遊技球の入球に基づいて賞球として払い出された遊技球の個数/通常モード中に遊技盤30に発射された遊技球の個数
・前扉枠開放中入球率
=前扉枠14が開放中に各入球口に入球した遊技球の個数/遊技盤30に発射された遊技球の個数
・エラー中入球率
=エラー中に各入球口に入球した遊技球の個数/遊技盤30に発射された遊技球の個数
なお、上記の遊技履歴情報は一例であり、これら以外の遊技履歴情報を算出する構成としてもよい。
CPU308は、上記の各種の遊技履歴情報を算出すると、算出した各種の遊技履歴情報を演算結果記憶用メモリ309に記憶させるとともに、レジスタ304の各カウンタの値を「0」にリセットする。なお、以下では、500個の遊技球が遊技盤30に発射される毎に算出された各種の遊技履歴情報をまとめて「短期遊技履歴情報群」とも呼ぶ。
演算結果記憶用メモリ309は、CPU308によって算出された遊技履歴情報を記憶するメモリであり、本実施形態では、電源の供給が断たれても記憶を保持することが可能な不揮発性のメモリによって構成されている。演算結果記憶用メモリ309には、短期遊技履歴情報群が書き込まれた順番に関する情報も記憶されており、CPU308は、算出した短期遊技履歴情報群を書き込むための空きエリアがない場合には、算出した短期遊技履歴情報群を、書き込まれた順番が最も古い短期遊技履歴情報群が記憶されているエリアに記憶させる。すなわち、演算結果記憶用メモリ309は、最も古い短期遊技履歴情報群から順番に上書きされるように構成(ファーストイン・ファーストアウト方式)されており、常に直近の短期遊技履歴情報群が記憶されている状態となる。
本実施形態では、演算結果記憶用メモリ309は、500個の遊技球が遊技盤30に発射される毎に算出された短期遊技履歴情報群を、1200個分記憶することが可能な容量を有している。例えば、1日に遊技球が連続して10時間発射される場合には、1日に60000個の遊技球が発射されることになるので、1日に120個の短期遊技履歴情報群が演算結果記憶用メモリ309に記憶されることになる。したがって、演算結果記憶用メモリ309は、直近の10日間分の短期遊技履歴情報群を記憶することが可能となる。
検査機320は、接続ケーブル329が検査用端子65に接続されたことを検出すると、遊技履歴情報の送信を要求する送信要求コマンドを遊技履歴管理チップ300に送信する。遊技履歴管理チップ300のCPU308は、検査機320から送信要求コマンドを受信すると、検査用端子65を介して演算結果記憶用メモリ309に記憶された遊技履歴情報を検査機320に送信する。これにより、検査機320は、演算結果記憶用メモリ309に記憶されている遊技履歴情報を取得するとともに、取得した遊技履歴情報を表示部328に表示させる。
このように、本実施形態では、排出通路を通過した遊技球の個数が500個に達する毎に、すなわち、500個の遊技球が遊技盤30に発射される毎に、役物比率等の遊技履歴情報が算出されて演算結果記憶用メモリ309に記憶される。そして、算出された遊技履歴情報が検査機320の表示部328に表示されることになる。
A3.遊技機において実行される各種処理の詳細:
次に、MPU62(本実施形態では、CPU62x)にて実行される各処理を説明する。かかるMPU62の処理としては大別して、電源投入に伴い起動されるメイン処理と、定期的に(本実施形態では4msec周期で)起動されるタイマ割込み処理とがある。
先ず、図12のフローチャートを参照しながらメイン処理を説明する。
図12は、主側MPU62にて実行されるメイン処理を示すフローチャートである。ステップS10101では、初期設定処理を実行する。具体的には、電源投入に伴う各制御装置の初期設定や、RAM64に記憶保持されたデータの有効性の判定などを実行する。さらに、本実施形態では、初期設定処理において、演算用データを遊技履歴管理チップ300に送信する処理を実行する。具体的には、主側ROM63に記憶されている演算用データ(賞球数データ及び演算実行条件)を遊技履歴管理チップ300に送信する。後述するように、当該演算用データを受信した遊技履歴管理チップ300は、賞球数データ及び演算実行条件を賞球数データ記憶用メモリ306及び演算実行条件記憶用メモリ307にそれぞれ記憶し、記憶が完了したことを示す設定完了コマンドを主側MPU62に送信する。ステップS10101を実行した後、ステップS10102に進む。
ステップS10102では、設定完了コマンドを受信しているか否かを判定する。ステップS10102において、設定完了コマンドを受信していると判定した場合には(S10102:YES)、ステップS10103に進み、タイマ割込み処理の発生を許可するために割込み許可の設定を行う。一方、ステップS10102において、設定完了コマンドを受信していないと判定した場合には(S10102:NO)、再びステップS10102の処理を実行する。すなわち、設定完了コマンドを受信するまでは、ステップS10103に進まず、タイマ割込み処理の発生を許可するための割込み許可の設定を行なわない。
ステップS10103を実行した後、ステップS10104~ステップS10107の残余処理に進む。つまり、主側MPU62は後述するようにタイマ割込み処理を定期的に実行する構成であるが、1のタイマ割込み処理と次のタイマ割込み処理との間に残余時間が生じることとなる。この残余時間は各タイマ割込み処理の処理完了時間に応じて変動することとなるが、かかる不規則な時間を利用してステップS10104~ステップS10107の残余処理を繰り返し実行する。この点、ステップS10104~ステップS10107の残余処理は、非定期的に実行される非定期処理であると言える。
残余処理では、まずステップS10104では、タイマ割込み処理の発生を禁止するために割込み禁止の設定を行う。続くステップS10105では、乱数初期値カウンタCINIの更新を行う乱数初期値更新処理を実行するとともに、ステップS10106では、変動種別カウンタCSの更新を行う変動用カウンタ更新処理を実行する。これらの更新処理では、主側RAM64の対応するカウンタから現状の数値情報を読み出し、その読み出した数値情報を1加算する処理を実行した後に、読み出し元のカウンタに上書きする処理を実行する。この場合、カウンタ値が最大値に達した際それぞれ「0」にクリアする。その後、ステップS10107にて、タイマ割込み処理の発生を禁止している状態から許可する状態へ切り換える割込み許可の設定を行う。ステップS10107の処理を実行した後は、ステップS10104に戻り、ステップS10104~ステップS10107の処理を繰り返す。
次に、主側MPU62(本実施形態では、CPU62x)にて実行されるタイマ割込み処理について説明する。
図13は、主側MPU62において実行されるタイマ割込み処理を示すフローチャートである。当該タイマ割込み処理は、特定の周期(本実施形態では4msec周期)で起動される。
タイマ割込み処理では、まずステップS10201にて抽選用乱数更新処理を実行する。抽選用乱数更新処理では、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び電動役物開放カウンタC4の更新を実行する。具体的には、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び電動役物開放カウンタC4から現状の数値情報を順次読み出し、それら読み出した数値情報をそれぞれ1加算する処理を実行した後に、読み出し元のカウンタに上書きする処理を実行する。この場合、カウンタ値が最大値に達した際それぞれ「0」にクリアする。その後、ステップS10202に進む。
ステップS10202では、乱数初期値更新処理において乱数初期値カウンタCINIの更新を実行するとともに、ステップS10203に進み、変動種別カウンタ更新処理において変動種別カウンタCSの更新を実行する。その後、ステップS10204に進む。
ステップS10204では、ポート出力処理を実行する。ポート出力処理では、前回のタイマ割込み処理において出力情報の設定が行われている場合に、その出力情報に対応した出力を各種駆動部36c,34bに行うための処理を実行する。例えば、大入賞口36aを開放状態に切り換えるべき情報が設定されている場合には可変入賞駆動部36cへの駆動信号の出力を開始させ、閉鎖状態に切り換えるべき情報が設定されている場合には当該駆動信号の出力を停止させる。また、第2始動口34の電動役物34aを開放状態に切り換えるべき情報が設定されている場合には電動役物駆動部34bへの駆動信号の出力を開始させ、閉鎖状態に切り換えるべき情報が設定されている場合には当該駆動信号の出力を停止させる。その後、ステップS10205に進む。
ステップS10205では、読み込み処理を実行する。読み込み処理では、入球信号以外の信号の読み込みを実行し、その読み込んだ情報を今後の処理にて利用するために記憶する。その後、ステップS10206に進む。
ステップS10206では、各入球検知センサー44a~44hから受信している信号を読み込むとともに、その読み込んだ情報に対応した処理を行うための入球検知処理を実行する。当該入球検知処理の処理内容は、後に詳細に説明する。その後、ステップS10207に進む。
ステップS10207では、入球検知情報を遊技履歴管理チップ300のバッファ302のビットに出力する。具体的には、ステップS10206の入球検知処理において遊技球が入球したと判定した入球口に対応したビットをON(「1」)にするとともに、パチンコ機10の遊技状態に対応したビットをON(「1」)にする。その後、ステップS10208に進む。
ステップS10208では、主側RAM64に設けられている所定のタイマカウンタの数値情報をまとめて更新するためのタイマ更新処理を実行する。その後、ステップS10209に進み、賞球コマンドの出力設定処理を実行する。その後、ステップS10210に進む。
ステップS10210では、第1始動口33及び第2始動口34への遊技球の入球に伴う始動口用の入球処理を実行する。始動口用の入球処理では、第1始動口33又は第2始動口34に遊技球が入球したと判定されたことに基づいて大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の値を取得するとともに、取得したカウンタ値をRAM64の保留情報記憶エリア64bに記憶する。ステップS10210を実行した後、ステップS10211に進む。
ステップS10211では、スルーゲート35への遊技球の入球(通過)に伴うスルーゲート用の入球処理を実行する。スルーゲート用の入球処理では、スルーゲート35に遊技球が入球(通過)したと判定されたことに基づいて変動種別カウンタCSの値を取得するとともに、取得したカウンタ値をRAM64の電役保留エリア64dに記憶する。ステップS10211を実行した後、ステップS10212に進む。
ステップS10212では、各遊技回における遊技を制御するための遊技回制御処理を実行する。遊技回制御処理では、当たり抽選や、第1図柄表示部37a,第2図柄表示部37bの表示制御などを行う。ステップS10212を実行した後、ステップS10213に進む。
ステップS10213では、遊技状態を移行させるための遊技状態移行処理を実行する。遊技状態移行処理では、遊技状態を開閉実行モード、高確率モード、高頻度サポートモードなどへ移行させる処理を実行する。ステップS10213を実行した後、ステップS10214に進む。
ステップS10214では、電動役物34aを制御するための電役サポート用処理を実行する。電役サポート用処理では、電動役物34aを開放状態とするか否かの判定(電動役物開放抽選)を行なうとともに、開放状態とすると判定した場合には電動役物34aを駆動制御する。ステップS10214を実行した後、ステップS10215に進む。
ステップS10215では、遊技球発射制御処理を実行する。遊技球発射制御処理では、遊技者によって操作ハンドル25が操作された際に遊技球を遊技領域PAに発射するための処理を実行する。ステップS10215を実行した後、ステップS10216に進む。
ステップS10216では、今回のタイマ割込み処理にて実行された各種処理の処理結果に応じた外部信号の出力の開始及び終了を制御するように外部情報設定処理を実行する。ステップS10216を実行した後、本タイマ割込み処理を終了する。
次に、タイマ割込み処理(図13)のステップS10206にて実行される入球検知処理について説明する。
入球検知処理では、入球検知センサー44a~44hにおける検知結果を確認する処理を実行するが、当該確認に際しては主側MPU62の入出力ポート62aのうちの入力ポート62bが確認される。ここで、入球検知処理の説明に先立ち、図14を参照しながら、主側MPU62に設けられた入力ポート62bの構成について説明する。
図14は、主側MPU62に設けられた入力ポート62bの構成について説明する説明図である。入力ポート62bは、8種類の信号を同時に扱うことができるように8ビットのパラレルインターフェースとして構成されている。そして、各信号の電圧に応じて「0」又は「1」の情報が格納されるエリアが、各端子に1対1で対応させて設けられている。つまり、当該エリアとして、第0ビットD0~第7ビットD7を備えている。
また、入力ポート62bには8種類を超える信号が入力されることとなるが、同時に入力される対象を8種類に制限するために、入力ポート62bへの入力対象となる信号群はドライバICによる切換制御を通じて切り換えられる。入球検知処理では、入力ポート62bへの入力対象となる信号群が各入球検知センサー44a~44hに設定される。
かかる設定がなされた状況では、第0ビットD0は大入賞口検知センサー44aからの入球信号に対応した情報が格納され、第1ビットD1は第1始動口検知センサー44bからの入球信号に対応した情報が格納され、第2ビットD2は第2始動口検知センサー44cからの入球信号に対応した情報が格納され、第3ビットD3は第1入賞口検知センサー44dからの入球信号に対応した情報が格納され、第4ビットD4は第2入賞口検知センサー44eからの入球信号に対応した情報が格納され、第5ビットD5は第3入賞口検知センサー44fからの入球信号に対応した情報が格納され、第6ビットD6はスルーゲート検知センサー44gからの入球信号に対応した情報が格納され、第7ビットD7は排出通路検知センサー44hからの入球信号に対応した情報が格納される。
この場合に、上記各入球検知センサー44a~44hは、遊技球の通過を検知していない場合には入球信号として非検知中であることを示すHIレベル信号を出力し、遊技球の通過を検知している場合には入球信号として検知中であることを示すLOWレベル信号を出力する。但し、主制御基板151には反転回路が設けられており、入力ポート62bに上記各検知信号が入力される前に信号の状態が反転される。そして、入力ポート62bでは当該反転回路を通じてLOWレベル信号を受信している場合に該当するビットに「0」の情報(データ0又は無し情報)を格納し、反転回路を通じてHIレベル信号を受信している場合に該当するビットに「1」の情報(データ1又は有り情報)を格納する。
つまり、入球検知センサー44a~44hにおいて遊技球の通過が検知されていない状況では該当するビットに非検知中を示す情報に対応した「0」の情報が格納され、遊技球の通過が検知されている状況では該当するビットに検知中を示す情報に対応した「1」の情報が格納される。
なお、各入球検知センサー44a~44hは、遊技球の通過を検知していない間は入球信号としてLOWレベル信号を出力するとともに遊技球の通過を検知している間は入球信号としてHIレベル信号を出力する構成としてもよい。この場合、上記反転回路を不具備とすればよい。
図15は、主側MPU62にて実行される入球検知処理を説明する説明図である。図15(a)は、主側MPU62にて実行される入球検知処理を示すフローチャートである。図15(b)は、入球検知処理において利用される入球判定エリアを模式的に示す説明図である。入球検知処理では、図15(a)のフローチャートに示すように、まずステップS10301にて、上記第0~第7ビットD0~D7に現状格納されている情報を、主側MPU62のレジスタにおける第1入球判定エリアWA1に移行させる処理を実行する。当該第1入球判定エリアWA1は、図15(b-1)に示すように8ビットから構成されており、上記第0~第7ビットD0~D7に格納されている情報の全てを格納することが可能なデータ容量となっている。この場合、第0~第7ビットD0~D7における格納元のビットと、第1入球判定エリアWA1における格納先のビットとは1対1で対応させて予め定められており、例えば第0ビットD0の情報は常に第1入球判定エリアWA1における所定のビットに格納される。
続くステップS10302では、入球検知用のウェイト処理を実行する。当該ウェイト処理では、予め定められたウェイト時間が経過するまで主側MPU62において何ら処理を実行することなく待機する。本パチンコ機10では、当該ウェイト時間として10μsecが設定されているが、定期的なタイマ割込み処理の実行を阻害することなく、さらに当該ウェイト処理に設定したことによる後述する作用効果を十分に奏することができるのであれば、具体的なウェイト時間は任意であるが、2μsec~500μsecの範囲であることが好ましく、より好ましくは10μsec~100μsecの範囲である。
ちなみに、一のステップの処理を実行するには少なくとも1.2μsecを要する。したがって、ステップS10302の処理が設定されていなくても、ステップS10301とステップS10303との間には1.2μsecの強制的なウェイト時間が発生することとなる。この点、ステップS10302では、処理を実行する上で最低限要する時間だけでなく、それに対して追加のウェイト時間をステップS10301の処理とステップS10303の処理との間に設定していることとなる。
続くステップS10303では、上記第0~第7ビットD0~D7に現状格納されている情報を、主側MPU62のレジスタにおける第2入球判定エリアWA2に移行させる処理を実行する。ちなみに、入力ポート62bにおける情報の更新はステップS10301が完了してからステップS10303が開始されるまでの時間よりも短い間隔で行われているため、ステップS10303にて第0~第7ビットD0~D7から移行される情報は、ステップS10301の場合と異なるものとなり得る。
第2入球判定エリアWA2は、第1入球判定エリアWA1と同様に、図15(b-2)に示すように8ビットから構成されており、上記第0~第7ビットD0~D7に格納されている情報の全てを格納することが可能なデータ容量となっている。この場合、第0~第7ビットD0~D7における格納元のビットと、第2入球判定エリアWA2における格納先のビットとは1対1で対応させて予め定められており、さらに格納元のビットと格納先のビットとの関係は、第1入球判定エリアWA1の場合と同一となっている。
その後、ステップS10304にて、入球判定処理を実行した後に、本入球検知処理を終了する。当該入球判定処理について、図16のフローチャートを参照しながら説明する。
図16は、主側MPU62にて実行される入球判定処理を示すフローチャートである。入球判定処理では、先ずステップS10401にて、主側RAM64に設けられた入球判定カウンタに8をセットする。なお、入球判定カウンタの数値情報は、8個の各入球口のビットに対応している。具体的には、本実施形態では、入球判定カウンタの数値情報の「8」は大入賞口36aの第0ビットD0、「7」は第1始動口33の第1ビットD1、「6」は第2始動口34の第2ビットD2、「5」は第1入賞口32aの第3ビットD3、「4」は第2入賞口32bの第4ビットD4、「3」は第3入賞口32cの第5ビットD5、「2」はスルーゲート35の第6ビットD6、「1」は排出通路の第7ビットD7に、それぞれ対応している。続くステップS10402では、第1入球判定エリアWA1及び第2入球判定エリアWA2における現状の入球判定カウンタの数値情報に対応したビットの各情報を把握する。この場合に把握される各情報は、入力ポート62bにおける同一のビットから読み出された情報である。
続くステップS10403では、ステップS10402にて把握した各情報のAND処理を実行し、そのAND処理結果をレジスタに記憶するとともに、ステップS10404にて、第1演算後エリアWA3及び第2演算後エリアWA4のうち、前回のタイマ割込み処理の処理回における入球検知処理にてAND処理の結果の情報が格納された側とは異なる側の対応するビットに上記AND処理結果を格納する。第1演算後エリアWA3及び第2演算後エリアWA4は、図15(b-3)及び図15(b-4)に示すように8ビットから構成されており、第1入球判定エリアWA1の各ビットと第2入球判定エリアWA2の各ビットとのAND処理結果の各情報を全て格納することが可能なデータ容量となっている。この場合、AND処理の対象となった第1入球判定エリアWA1及び第2入球判定エリアWA2のビットの順番と、第1演算後エリアWA3及び第2演算後エリアWA4における各ビットの順番とは一義的に定められている。
その後、ステップS10405にて、第1演算後エリアWA3及び第2演算後エリアWA4のうち、前回のタイマ割込み処理の処理回における入球判定処理にてAND処理の結果の情報が格納された側であって、現状の入球判定カウンタの数値情報に対応したビットの情報を読み出す。そして、ステップS10406にて、その読み出した情報を「0」と「1」との間で反転させるための反転処理を実行する。
その後、ステップS10407にて、ステップS10403におけるAND処理結果の情報と、ステップS10406における反転処理結果の情報とのAND処理を実行し、続くステップS10408にて、そのAND処理の結果が入球検知開始情報に対応した「1」であるか否かを判定する。ステップS10408にてAND処理結果が「1」であると判定した場合には、ステップS10409以降の処理に進む。
ステップS10409では、現状の入球判定カウンタの数値情報が第1始動口33及び第2始動口34のいずれかに対応したビットを示す情報であるか否かを判定する。第1始動口33及び第2始動口34のいずれかに対応している場合には、ステップS10410にて、主側RAM64に設けられた始動口入球フラグに「1」をセットし、ステップS10411にて、主側RAM64に設けられた3個賞球カウンタの数値情報を1加算する。
始動口入球フラグは、第1始動口33又は第2始動口34への遊技球の入球を主側MPU62にて特定するとともに、第1始動口33又は第2始動口34への遊技球の入球に対応した処理であって賞球の実行以外の処理を実行すべき状態であることを主側MPU62にて特定するためのフラグである。ちなみに、第1始動口33と第2始動口34とのそれぞれに入球検知センサー44b,44cが設けられているため、第1始動口33への入球と第2始動口34への入球とがタイマ割込み処理の1処理回の範囲内で同時に把握されることがある。したがって、これに対応すべく、始動入球フラグは、始動口33,34の数に対応させて設けられており、具体的には2個設けられている。また、3個賞球カウンタは、3個の賞球の実行を指示する3個賞球コマンドを出力すべき回数を主側MPU62において特定するためのカウンタである。
ステップS10409にて否定判定をした場合には、ステップS10412にて、現状の入球判定カウンタの数値情報が大入賞口36a(可変入賞装置36)に対応したビットを示す情報であるか否かを判定する。可変入賞装置36に対応している場合には、ステップS10413にて、主側RAM64に設けられた大入賞口入球フラグに「1」をセットし、ステップS10414にて、主側RAM64に設けられた15個賞球カウンタの数値情報を1加算する。
大入賞口入球フラグは、可変入賞装置36への遊技球の入球を主側MPU62にて特定するとともに、可変入賞装置36への遊技球の入球に対応した処理であって賞球の実行以外の処理を実行すべき状態であることを主側MPU62にて特定するためのフラグである。また、15個賞球カウンタは、15個の賞球の実行を指示する15個賞球コマンドを出力すべき回数を主側MPU62にて特定するためのカウンタである。
ステップS10412にて否定判定をした場合には、ステップS10415にて、現状の入球判定カウンタの数値情報がスルーゲート35に対応したビットを示す情報であるか否かを判定する。スルーゲート35に対応している場合には、ステップS10416にて、主側RAM64に設けられたスルー通過フラグに「1」をセットする。
スルー通過フラグは、遊技球がスルーゲート35を通過したことを主側MPU62にて特定するとともに、スルーゲート35への遊技球の入球に対応した処理を実行すべき状態であることを主側MPU62にて特定するためのフラグである。
ステップS10415にて否定判定をした場合には、ステップS10417にて、現状の入球判定カウンタの数値情報が第1入賞口32a、第2入賞口32b及び第3入賞口32cのいずれかに対応したビットを示す情報であるか否かを判定する。第1入賞口32a、第2入賞口32b及び第3入賞口32cのいずれかに対応している場合には、ステップS10418にて、主側RAM64に設けられた一般入賞口入球フラグに「1」をセットし、ステップS10419にて、主側RAM64に設けられた3個賞球カウンタの数値情報を1加算する。
一般入賞口入球フラグは、第1入賞口32a、第2入賞口32b又は第3入賞口32cへの遊技球の入球を主側MPU62にて特定するためのフラグである。ちなみに、第1入賞口32a、第2入賞口32b及び第3入賞口32cのそれぞれに入球検知センサー44d,44e,44fが設けられているため、第1入賞口32aへの入球と第2入賞口32bへの入球と第3入賞口への入球とがタイマ割込み処理の1処理回の範囲内で同時に把握されることがある。したがって、これに対応すべく、一般入賞口入球フラグは、一般入賞口32a,32b,32cの数に対応させて設けられており、具体的には3個設けられている。また、10個賞球カウンタは、10個の賞球の実行を指示する3個賞球コマンドを出力すべき回数を主側MPU62において特定するためのカウンタである。
ステップS10417にて否定判定をした場合には、今回の入球が排出通路に対応していることを意味するため、ステップSAD20にて、主側RAM64に設けられた排出通路通過フラグに「1」をセットする。排出通路通過フラグは、遊技球が排出通路を通過したことを主側MPU62にて特定するためのフラグである。
ステップS10408にて否定判定をした場合、又はステップS10411、ステップS10414、ステップS10416、ステップS10419、ステップS10420のいずれかの処理を実行した後は、ステップS10421に進む。ステップS10421では、入球判定カウンタを1減算し、その後、ステップS10422にて入球判定カウンタが「0」であるか否かを判定する。
入球判定カウンタが「0」でない場合には、ステップS10421にて更新した入球判定カウンタの数値情報に応じたビットについて、ステップS10402~ステップS10420の処理を実行する。かかるステップS10402~ステップS10420の処理を、ステップS10401にてセットした数値情報分実行した場合には、ステップS10422にて肯定判定をすることとなり、本入球判定処理を終了する。
次に、上記入球検知処理(図15)が実行されることにより、一般入賞口32、可変入賞装置36、第1始動口33、第2始動口34、スルーゲート35、及び排出通路への入球の有無が検知される様子について図17を参照しながら説明する。
図17は、入球の有無が検知される様子を説明する説明図である。まず、図17(A)を参照しながら、入球検知センサー44a~44hにおける検知結果(以下、入球情報ともいう)を監視するタイミングを説明する。図17(A)は各入球情報を監視するタイミングを説明するためのタイミングチャートである。
図17(A)に示すように、T1(具体的には4msec)周期でタイマ割込み処理(図13)が起動される構成において、入球情報を監視する処理はタイマ割込み処理の各処理回で2回(ステップS10301,ステップS10303)行われる。各1組の入球情報を監視する処理はタイミングが前後するように実行されるが、先側の入球情報を監視する処理(ステップS10301)はタイマ割込み処理が起動されたタイミングに対してT2の時間が経過したタイミングで実行される。
この場合に、タイマ割込み処理において入球検知処理が実行されるタイミングは遊技回制御処理及び電役サポート用処理といった処理時間が変動し易い処理よりも先に実行され、さらにタイマ割込み処理において入球検知処理よりも先に実行される処理は処理時間が比較的変動しにくい処理となっている。したがって、各処理回のタイマ割込み処理において先側の入球情報を監視する処理が開始されるまでの期間はT2で同一、略同一又は同様となる。よって、タイマ割込み処理の各処理回に含まれる1組の入球情報を監視する処理のうち、先側の入球情報を監視する処理は定期的に実行されることとなる。
また、各1組の入球情報を監視する処理のうち、先側の入球情報を監視する処理(ステップS10301)と後側の入球情報を監視する処理(ステップS10303)との間では、入球検知用のウェイト処理(ステップS10302)が実行されるが、かかるウェイト処理では何ら処理を実行することなく一定のウェイト時間T3が経過するまで待機するだけである。したがって、タイマ割込み処理の各処理回に含まれる1組の入球情報を監視する処理のうち、後側の入球情報を監視する処理は定期的に実行されることとなる。
次に、図17(B)を参照しながら、入球判定が行われる場合に実行される演算の内容を説明する。図17(B)は入球判定が行われる場合に実行される演算の内容を説明するための説明図である。なお、実際には1ビット単位で各種演算が行われるが、以下の説明では1バイト単位で演算の内容を説明する。但し、以下に説明するような1バイト単位での演算が実際に行われる構成としてもよい。
図17(B)の場合では、先ずn回目のタイマ割込み処理における先側の入球情報を監視する処理にて、図17(B1)に示すように、第1入球判定エリアWA1に「00100000」がセットされている。この場合、各入球検知センサー44a~44hのうち第3入賞口検知センサー44fの入球情報が遊技球を検知している旨の情報(以下、入球有り情報ともいう)となっており、他のセンサーの入球情報は遊技球を検知していない旨の情報(以下、入球無し情報ともいう)となっている。
また、当該n回目のタイマ割込み処理における後側の入球情報を監視する処理では、図17(B2)に示すように、第2入球判定エリアWA2に「10100000」がセットされている。この場合、各入球検知センサー44a~44hのうち排出通路検知センサー44h及び第3入賞口検知センサー44fのそれぞれが入球有り情報となっており、他のセンサーは入球無し情報となっている。
上記のように第1入球判定エリアWA1及び第2入球判定エリアWA2の情報のセットが行われた場合、そのAND処理結果は、図17(B3)に示すように「00100000」となり、当該情報がn回目の処理回のタイマ割込み処理における入球情報の監視結果として第1演算後エリアWA3にセットされる。なお、n-1回目のタイマ割込み処理にて入球情報の監視結果が第1演算後エリアWA3にセットされている場合にはn回目のタイマ割込み処理における入球情報の監視結果は第2演算後エリアWA4にセットされる。また、n-1回目における入球情報の監視結果とn回目における入球情報の監視結果とを利用して入球判定処理が実行されるが、この処理の演算の内容はここでは省略する。
次にn+1回目のタイマ割込み処理における先側の入球情報を監視する処理にて、図17(B4)に示すように、第1入球判定エリアWA1に「10100110」がセットされている。この場合、各入球検知センサー44a~44hのうち排出通路検知センサー44h、第3入賞口検知センサー44f、第2始動口検知センサー44c及び第1始動口検知センサー44bのそれぞれが入球有り情報となっており他のセンサーは入球無し情報となっている。
また、当該n+1回目のタイマ割込み処理における後側の入球情報を監視する処理にて、図17(B5)に示すように、第2入球判定エリアWA2に「10100010」がセットされている。この場合、各入球検知センサー44a~44hのうち排出通路検知センサー44h、第3入賞口検知センサー44f及び第1始動口検知センサー44bのそれぞれが入球有り情報となっており、他のセンサーは入球無し情報となっている。
上記のように第1入球判定エリアWA1及び第2入球判定エリアWA2の情報のセットが行われた場合、そのAND処理結果は、図17(B6)に示すように「10100010」となり、当該情報がn+1回目の処理回のタイマ割込み処理における入球情報の監視結果として第2演算後エリアWA4にセットされる。
その後、当該n+1回目のタイマ割込み処理における入球判定処理(図16)にて、先ずn回目のタイマ割込み処理における入球情報の監視結果が第1演算後エリアWA3から読み出されるとともにその読み出された監視結果の情報に対して反転処理が実行される。そうすると、図17(B7)に示すように、「11011111」となる。そして、当該反転処理の結果の情報に、n+1回目のタイマ割込み処理における入球情報の監視結果をAND処理する。これにより、図17(B8)に示すように、「10000010」となる。この場合、当該入球判定処理では、排出通路検知センサー44hにて遊技球の入球が検知されたと判定するとともに、第1始動口検知センサー44bにて遊技球の入球が検知されたと判定する。
また、図17(B4)に示すように、n+1回目のタイマ割込み処理における先側の入球情報を監視する処理にて第2始動口検知センサー44cが入球有り情報となっているが、これは電気的なノイズにより発生したものである。この場合に、入球無し情報から入球有り情報への切り換えを確認したとしても即座に入球発生と特定するのではなく、入球有り情報が複数回に亘って確認された場合に入球発生と特定する構成である。したがって、図17(B5)に示すように、n+1回目のタイマ割込み処理における後側の入球情報を監視する処理では第2始動口検知センサー44cが入球無し情報となっており、電気的なノイズの発生を遊技球の入球と取り扱わないようになっている。
また、第3入賞口検知センサー44fではn回目のタイマ割込み処理における1組の入球情報を監視する処理及びn+1回目のタイマ割込み処理における1組の入球情報を監視する処理のそれぞれにて入球有り情報となっているが、これは既に入球の発生が把握された遊技球を継続して検知している状態を示している。この場合に、n回目のタイマ割込み処理における入球情報の監視結果が「0」であることを条件に入球の発生を特定しているため、1個の遊技球の入球を複数個の入球として扱ってしまわない。
上記のように入球検知処理が実行されることにより、各入球検知センサー44a~44hにおける検知結果の監視が実行されることともに、遊技球の付与に対応した入球が発生している場合には、その入球箇所に応じて、3個賞球カウンタ、10個賞球カウンタ及び15個賞球カウンタへの加算処理が実行される。これらカウンタのいずれかが「1」以上となっている場合には、タイマ割込み処理(図13)における賞球コマンドの出力設定処理(ステップS10209)にて賞球コマンドの設定が行われ、その設定された賞球コマンドが払出制御装置70に送信される。この場合、賞球コマンドの出力設定はタイマ割込み処理の1処理回において1回のみ行われる。したがって、例えば15個賞球カウンタが「2」以上となっていたとしても、1処理回では15個賞球コマンドが1回のみ送信される。但し、これに限定されることはなく、1処理回において所定の複数(例えば2個又は3個)の賞球コマンドが送信される構成としてもよい。
また、3個賞球カウンタ、10個賞球カウンタ及び15個賞球カウンタのそれぞれが「1」以上となっている場合も考えられるが、この場合、賞球個数の多い賞球コマンドの出力が優先される。つまり、15個賞球コマンドの出力が10個賞球コマンドの出力や3個賞球コマンドの出力よりも優先され、10個賞球コマンドの出力が3個賞球コマンドの出力よりも優先される。
15個賞球カウンタが「1」以上の場合に15個賞球コマンドが出力対象として設定された場合に、当該15個賞球カウンタは1減算される。また、10個賞球カウンタが「1」以上の場合に10個賞球コマンドが出力対象として設定された場合に、当該10個賞球カウンタは1減算される。また、3個賞球カウンタが「1」以上の場合に3個賞球コマンドが出力対象として設定された場合に、当該3個賞球カウンタは1減算される。
次に、遊技履歴管理チップ300のCPU308が実行する処理について説明する。本実施形態では、遊技履歴管理チップ300のCPU308は、パチンコ機10の電源投入に伴い下記のメイン処理を実行する。
図18は、遊技履歴管理チップ300のCPU308が実行するメイン処理を示すフローチャートである。
ステップS10501では、賞球数データ及び演算実行条件を含む演算用データを受信しているか否かを判定する。ステップS10501において、演算用データを受信していると判定した場合には(S10501:YES)、ステップS10502に進む。一方、ステップS10501において、演算用データを受信していないと判定した場合には(S10501:NO)、再びこのステップS10501の処理を実行する。すなわち、演算用データを受信するまでは、次のステップS10502の処理に進まずに無限ループを継続する。
ステップS10502では、受信した賞球数データを賞球数データ記憶用メモリ306に記憶させる。その後、ステップS10503に進み、受信した演算実行条件を演算実行条件記憶用メモリ307に記憶させる。その後、ステップS10504に進む。
ステップS10504では、賞球数データの賞球数データ記憶用メモリ306への記憶が完了し、かつ、演算実行条件の演算実行条件記憶用メモリ307への記憶が完了したことを意味する設定完了コマンドを主側CPU62xに送信する。その後、ステップS10505に進む。
ステップS10505では、バッファ302のビットに主側CPU62xから受信した入球情報がある(ビットに「1」が格納されている)か否かを判定する。ステップS10505において、バッファ302のビットに主側CPU62xから受信した入球情報があると判定した場合には(S10505:YES)、ステップS10506に進み、バッファ302のビットに対応したレジスタのカウンタに1を加算する。具体的には、例えば、バッファ302の第1始動口入球情報に対応したビットが「1」であり、通常モード中に対応したビットが「1」である場合には、レジスタ304の大入賞口入球個数Nに対応したカウンタに1を加算するとともに、通常モード中の大入賞口入球個数に対応したカウンタに1を加算する。その後、ステップS10507に進む。一方、ステップS10505において、バッファ302のビットに主側CPU62xから受信した入球情報がないと判定した場合には(S10505:NO)、ステップS10506を実行することなく、ステップS10507に進む。
ステップS10507では、演算実行条件記憶用メモリ307に記憶された演算実行条件が成立したか否かを判定する。本実施形態では、レジスタ304に記憶された排出通路通過個数NOUTの値が500であるか否か、すなわち、遊技盤30に発射された遊技球の個数が500個に達したか否かを判定する。ステップS10507において、演算実行条件記憶用メモリ307に記憶された演算実行条件が成立したと判定した場合には(S10507:YES)、ステップS10508に進む。
ステップS10508では、賞球数データ記憶用メモリ306に記憶された賞球数データと、レジスタ304に記憶された各入球口への遊技球の入球個数とに基づいて、各種の遊技履歴情報を算出するための演算処理を実行する。その後、ステップS10509に進み、算出した各種の遊技履歴情報を演算結果記憶用メモリ309に記憶させる。その後、ステップS10510に進み、レジスタ304に記憶された各入球口への遊技球の入球個数を0にクリアする。その後、ステップS10511に進む。
一方、ステップS10507において、演算実行条件記憶用メモリ307に記憶された演算実行条件が成立していないと判定した場合には(S10507:NO)、ステップS10508からステップS10510を実行することなく、ステップS10511に進む。
ステップS10511では、検査機320から遊技履歴情報の送信要求コマンドを受信しているか否かを判定し、送信要求コマンドを受信していると判定した場合には(S10511:YES)、ステップS10512に進み、演算結果記憶用メモリ309に記憶されている遊技履歴情報を検査機320に対して送信する。検査機320は、受信した遊技履歴情報を表示部328に表示させる。ステップS10512を実行した後、ステップS10505に戻り、ステップS10505以下の処理を繰り返す。一方、ステップS10511において、検査機320から遊技履歴情報の送信要求コマンドを受信していないと判定した場合には(S10511:NO)、ステップS10512の処理を実行することなく、ステップS10505に戻り、ステップS10505以下の処理を繰り返す。
以上説明したように、本実施形態によれば、遊技履歴管理チップ300は、実行された遊技における遊技球の挙動と相関を有する情報である遊技履歴情報を算出することができる。仮に、遊技機に不正な改造等が施されていると、算出された遊技履歴情報が、想定された値とは異なる不自然な値になる場合がある。したがって、パチンコ機10の検査者は、遊技履歴情報を確認することによって、パチンコ機10に不正な改造等が施されていないかを判断することが可能となる。この結果、遊技の健全性を向上させることができる。
さらに、本実施形態によれば、遊技履歴管理チップ300は、算出した遊技履歴情報を不揮発的に記憶する演算結果記憶用メモリ309を備える。遊技履歴情報は、実行された遊技における遊技球の挙動と相関を有する情報であるため、当該遊技履歴情報はパチンコ機10毎に異なるとともに、パチンコ機10の固有の情報である。すなわち、遊技履歴情報は、パチンコ機10の特性が反映された情報である。本実施形態によれば、当該パチンコ機10の特性が反映された情報である遊技履歴情報をパチンコ機10本体の筐体内部に格納された遊技履歴管理チップ300の演算結果記憶用メモリ309に記憶する。よって、例えば、当該パチンコ機10の特性を検査する場合には、当該パチンコ機10本体自身から遊技履歴情報を取得することによって、当該パチンコ機10の特性を検査することができる。パチンコ機10は、遊技ホールに設置されている状態においては、遊技ホールに設置されているホールコンピュータによってパチンコ機10の特性に関する情報を取得することができる。しかしながら、パチンコ機10は、転々流通するものであるので、ホールコンピュータに接続されていない状態に置かれる場合があり、この場合、従来のパチンコ機10では、当該パチンコ機10の特性に関する情報を保持することができない。本実施形態のパチンコ機10は、パチンコ機10の特性が反映された情報である遊技履歴情報をパチンコ機10本体の筐体内部に格納された遊技履歴管理チップ300の演算結果記憶用メモリ309に記憶するので、パチンコ機10がホールコンピュータと接続されていない状態であっても、当該パチンコ機10本体から遊技履歴情報を取得することができる。すなわち、本実施形態のパチンコ機10は、当該パチンコ機10がいかなる状態(遊技ホールに設置されている状態や流通状態)に置かれても、パチンコ機10と遊技履歴情報とを常に1対1で紐付けした状態にすることが可能であり、当該パチンコ機10の特性を管理、検査することができる。この結果、遊技の健全性を向上させることができる。
さらに、本実施形態では、遊技履歴管理チップ300及び主側CPU62xは、共に主側MPU62に搭載されており、これらは同一の電源によって動作するように構成されている。したがって、例えば、当該パチンコ機10が遊技ホールに設置されている場合であって、ホールコンピュータによってパチンコ機10の遊技履歴情報を算出していた場合に、当該ホールコンピュータの電源系統に不具合が生じた場合や、当該ホールコンピュータの処理に不具合が生じた場合であっても、パチンコ機10に電源が供給されている状況であれば、遊技履歴情報を算出することができる。仮に、主側CPU62xと遊技履歴管理チップ300とが異なる電源によって動作している場合、遊技履歴管理チップ300の電源供給に不具合があった場合に、パチンコ機10によって遊技が実行されているにも関わらず遊技履歴情報を算出できないといった不具合が生じる。これに対して、本実施形態によれば、主側CPU62xと遊技履歴管理チップ300とが同一の電源によって動作しているので、遊技が実行可能な状況であれば必ず遊技履歴情報を算出することができる。よって、遊技履歴情報の信頼性を向上させることができる。
さらに、本実施形態によれば、開閉の痕跡(開放の痕跡、開封の痕跡ともいう)が残る空間である基板ボックスの内部に、演算結果記憶用メモリ309を格納している。したがって、演算結果記憶用メモリ309に対して物理的な接触をした場合には、基板ボックスを開いた痕跡が残る。よって、仮に、演算結果記憶用メモリ309に記憶されている遊技履歴情報が演算結果記憶用メモリ309への物理的な接触を介して改変された場合、改変されたことを基板ボックスの痕跡から把握することが可能となる。したがって、遊技履歴情報の不正な改変を防止することができる。パチンコ機10は、転々流通するものあるので、流通されている過程においては、様々な外的な接触が行われるが、開閉の痕跡が残る基板ボックスの内部に演算結果記憶用メモリ309を格納するので、パチンコ機10が転々流通する状況であっても、何者かによる遊技履歴情報の不正な改変を抑制することができる。また、遊技履歴情報は、実行された遊技に基づいて取得された情報であるので、遊技履歴情報を用いてパチンコ機10の遊技に関する特性を管理、検査することが可能となる。よって、本実施形態によれば、パチンコ機10の遊技に関する特性を反映した遊技履歴情報の不正な改変を防止することで、適正にパチンコ機10を管理、検査することができる。この結果、遊技の健全性を向上させることができる。
さらに、本実施形態によれば、遊技履歴管理チップ300は、主側ROM63の賞球数データ記憶エリアに記憶されている賞球数データを取得するので、払い出した賞球に関するパチンコ機10の特性を算出することができる。さらに、パチンコ機10の種類(機種)毎に異なる賞球数データが設定されていても、遊技履歴管理チップ300は、パチンコ機10の種類毎に設定された賞球数データを用いて正しい遊技履歴情報を算出することができる。仮に、遊技機に不正な改造等が施されていると、算出された遊技履歴情報が、想定された値とは異なる不自然な値になる場合がある。したがって、パチンコ機10の検査者は、正しい遊技履歴情報を確認することによって、パチンコ機10に不正な改造等が施されていないかを適切に判断することが可能となる。この結果、遊技の健全性を向上させることができる。
さらに、本実施形態によれば、主側CPU62xは、主側ROM63の賞球数データ記憶エリアに記憶されている賞球数データを含む信号を遊技履歴管理チップ300に送信するので、遊技履歴管理チップ300が主側ROM63の賞球数データ記憶エリアにアクセスすることができない構成や、遊技履歴管理チップ300が主側ROM63の賞球数データ記憶エリアに記憶されている賞球数データの記憶位置(メモリアドレス)を把握することができない構成であっても、遊技履歴管理チップ300が主側ROM63の賞球数データ記憶エリアに記憶されている賞球数データを取得することが可能となる。
さらに、本実施形態によれば、主側CPU62xのメイン処理において、設定完了コマンドを受信するまでは、タイマ割込み処理の割り込みが許可されず、タイマ割込み処理に含まれる遊技球発射制御処理が実行されない構成となっている。すなわち、賞球数データの賞球数データ記憶用メモリ306への記憶が完了するまでは遊技球が発射されないので、遊技履歴管理チップ300による遊技履歴情報の算出対象から遊技球が漏れてしまうことを抑制することができる。
さらに、本実施形態によれば、排出通路検知センサー44hによって500個の遊技球が検知されるまでの期間毎の遊技履歴情報を算出して記憶するので、各パチンコ機10によって500個の遊技球が検知されるまでの時間にバラつきがあったとしても、その時間のバラつきに影響しない遊技履歴情報を算出、記憶することができる。すなわち、遊技球が発射される頻度に高低差がある場合であっても、その影響を受けにくい精度の高い遊技履歴情報を算出、記憶することができる。また、各入球口への入球情報をそのまま記憶する構成と比較して、必要な記憶容量を低減することができる。
パチンコ機10の種類(機種)が異なると、遊技の特性も異なるため、遊技履歴情報を算出するための演算を実行する最適な条件も異なることになる。このため、演算実行条件は、パチンコ機10の種類(機種)毎に異なる条件が記憶されている。本実施形態によれば、遊技履歴管理チップ300は、主側ROM63の演算実行条件記憶エリアに記憶されている演算実行条件を取得するので、パチンコ機10の種類(機種)毎に設定された演算実行条件が成立した場合に遊技履歴情報を算出するための演算を実行することができる。
さらに、本実施形態によれば、遊技履歴管理チップ300のCPU308が遊技履歴情報を算出するための演算を実行した後に、レジスタ304に記憶されている各入球口への遊技球の入球個数(カウンタ値)を消去するので、再びレジスタ304に遊技球の入球個数に関する情報を記憶することが可能となる。したがって、レジスタ304に必要な記憶容量を低減することができる。
さらに、本実施形態によれば、パチンコ機10の遊技履歴情報が検査機320に送信されるので、検査機320は、当該パチンコ機10の遊技履歴情報を表示することが可能となる。そして、パチンコ機10の検査者は、検査機320に表示された遊技履歴情報を確認することができる。
A4.第1実施形態の他の態様:
<態様1>
上記第1実施形態では、主側ROM63の演算実行条件記憶エリアに記憶された演算実行条件として、排出通路検知センサー44hに検知された遊技球が500個に達することが設定されていたが、演算実行条件として、演算を実行する時間的間隔が設定されている構成としてもよい。例えば、演算を実行する時間的間隔として1時間が設定されており、遊技履歴管理チップ300のCPU308は、1時間が経過する毎に遊技履歴情報を算出する構成としてもよい。パチンコ機10の検査者は、1時間毎に算出された詳細な遊技履歴情報を確認することができ、パチンコ機10に不正な改造等が施されていないかを適切に判断することが可能となる。この結果、遊技の健全性を向上させることができる。
なお、パチンコ機10の種類(機種)が異なると、遊技の特性も異なるため、遊技履歴情報を算出するための演算を実行する最適な条件(時間的間隔)も異なることになる。このため、演算実行条件は、パチンコ機10の種類(機種)毎に異なる条件が記憶されている。したがって、この態様1においても、遊技履歴管理チップ300は、主側ROM63の演算実行条件記憶エリアに記憶されている演算実行条件を取得するので、パチンコ機10の種類(機種)毎に設定された演算実行条件が成立した場合に演算を実行することができる。
また、遊技履歴管理チップ300のCPU308は、演算が実行されてからの経過時間を計測するとともに、遊技者によって遊技が行なわれているか否かを判定し、遊技が行なわれていないと判定している期間は、経過時間の計測を中断する構成としてもよい。具体的には、例えば、バッファ302のビットに入球情報がない状態が所定時間(例えば3分)経過した場合に、遊技が行なわれていないと判定して経過時間の計測を中断し、バッファ302のビットに入球情報が確認された場合に、遊技が再開されたと判定して経過時間の計測を再開する構成としてもよい。この構成によれば、実際に遊技が行なわれている期間のみを対象として遊技履歴情報を算出することができる。
なお、経過時間の計測は、タイマカウンタを用いる構成としてもよく、RTC(Real‐Time Clock)を設けてRTCの日時情報を用いる構成としてもよい。また、所定の時刻毎に遊技履歴情報を算出する構成としてもよい。
<態様2>
上記第1実施形態では、主側ROM63の演算実行条件記憶エリアに記憶された演算実行条件として、排出通路検知センサー44hに検知された遊技球が500個に達することが設定されていたが、演算実行条件として、電源の遮断の発生が検知されたことが設定されている構成としてもよい。具体的には、停電監視回路86は、電源の遮断の発生を検知すると、電源遮断が発生したことを示す信号を遊技履歴管理チップ300に出力する。当該信号を受信した遊技履歴管理チップ300のCPU308は、電源の遮断が発生したと判定し、遊技履歴情報を算出する。そして、この構成ではレジスタ304は揮発性のメモリによって構成されており、入球個数情報が消去されることになる。このような構成によれば、パチンコ機10への電源の供給が開始されてから電源の遮断が発生するまでの期間中において検知された遊技球の個数に基づいて遊技履歴情報を算出することができる。すなわち、遊技ホールの営業が開始してから終了するまでの期間毎に遊技履歴情報が算出されるので、遊技ホールの営業日毎に遊技履歴情報が算出されることになる。したがって、パチンコ機10の検査者は、遊技ホールの営業日を跨いで遊技履歴情報の特性に変化があったか否かを容易に把握することができるので、パチンコ機10に不正な改造等が施されていないかを適切に判断することが可能となる。この結果、遊技の健全性を向上させることができる。
さらに、電源の遮断が発生した後においても遊技履歴管理チップ300に対して電源を供給するコンデンサ87を備える構成とすれば、CPU308による遊技履歴情報の算出及び遊技履歴情報の演算結果記憶用メモリ309への記憶を確実に完了させることができる。
<態様3>
上記第1実施形態において、主側CPU62xが演算結果記憶用メモリ309にアクセス可能な構成とし、演算結果記憶用メモリ309に記憶されている遊技履歴情報を図柄表示装置41に表示させる構成としてもよい。この構成によれば、遊技履歴情報がパチンコ機10の図柄表示装置41に表示されるので、パチンコ機10の検査者は、遊技履歴情報を確認するための専用の装置(検査機320等)を用いることなく、当該パチンコ機10の遊技履歴情報を確認することができる。なお、主側CPU62xは、演算結果記憶用メモリ309にアクセスは可能であるが、データの変更等は不可能な構成とすることが好ましい。このような構成によれば、遊技履歴情報が、ノイズやプログラムのバグ等によって破壊されたり、内容が書き換えられてしまうことを抑制することができる。
<態様4>
上記第1実施形態において、主側CPU62xが演算結果記憶用メモリ309にアクセス可能な構成とし、演算結果記憶用メモリ309に記憶されている遊技履歴情報が所定の条件を満たしていないことを報知するためのLEDランプをパチンコ機10の前面(例えば、メイン表示部45の所定の箇所)に備える構成としてもよい。例えば、遊技履歴情報に含まれる特定の値(例えば、役物比率、連続役物比率、払出比率(通常モード中))が所定の範囲に含まれなくなった場合にLEDランプを発光させる構成としてもよい。この構成によれば、パチンコ機の検査者は、遊技履歴情報に含まれる特定の値が所定の範囲に含まれなくなったパチンコ機10を容易に発見することができる。そして、当該パチンコ機10の遊技履歴情報を確認することによって、パチンコ機10に不正な改造等が施されていないかを判断することが可能となる。この結果、遊技の健全性を向上させることができる。特に、第1始動口33や一般入賞口(第1~第3入賞口32a~32c)の近傍の釘に不正が施されていると、上述した払出比率(通常モード中)がパチンコ機の設計時に想定された所定の範囲(例えば、0.60~0.70)から外れることになる。したがって、払出比率(通常モード中)が所定の範囲(例えば、0.60~0.70)に含まれなくなった場合にLEDランプを発光させる構成とすることによって、第1始動口33や一般入賞口(第1~第3入賞口32a~32c)の近傍の釘に不正が施されていないかを適切に判断することができる。
さらに、遊技履歴情報に含まれる特定の値(例えば、役物比率、連続役物比率、払出比率(通常モード中))の所定の範囲からの乖離度に応じてLEDランプの発光態様(色)を決定する構成としてもよい。例えば、役物比率が所定の範囲(0.70以下)に含まれている場合には第1LEDランプは青色に発光し、役物比率が0.71~0.80の場合には第1LEDランプは紫色に発光し、役物比率が0.81~1.00の場合には第1LEDランプは赤色に発光する構成としてもよい。連続役物比率が所定の範囲(0.60以下)に含まれている場合には第2LEDランプは青色に発光し、連続役物比率が0.61~0.70の場合には第2LEDランプは紫色に発光し、連続役物比率が0.71~1.00の場合には第2LEDランプは赤色に発光する構成としてもよい。また、払出比率(通常モード中)が所定の範囲(0.60~0.70)に含まれている場合には第3LEDランプは青色に発光し、払出比率(通常モード中)が0.71~0.80の場合には第3LEDランプは紫色に発光し、払出比率(通常モード中)が0.81~1.00の場合には第3LEDランプは赤色に発光する構成としてもよい。この構成によれば、パチンコ機10の検査者は、遊技履歴情報に含まれる特定の値が所定の範囲からどの程度乖離しているのかを容易に把握することができる。なお、主側CPU62xは、演算結果記憶用メモリ309にアクセスは可能であるが、データの変更等は不可能な構成とすることが好ましい。このような構成によれば、遊技履歴情報が、ノイズやプログラムのバグ等によって破壊されたり、内容が書き換えられてしまうことを抑制することができる。
<態様5>
上記第1実施形態では、主側ROM63に記憶されている演算用データ(賞球数データ及び演算実行条件)は主側MPU62(CPU62x)が実行する初期設定処理において遊技履歴管理チップ300に送信される構成としたが、遊技履歴管理チップ300が主側ROM63の賞球数データ記憶エリア及び演算実行条件記憶エリアにアクセス可能な構成とし、パチンコ機10の電源投入直後に遊技履歴管理チップ300が当該主側ROM63にアクセスして演算用データ(賞球数データ及び演算実行条件)を取得し、取得した演算用データを賞球数データ記憶用メモリ306及び演算実行条件記憶用メモリ307に記憶させる構成としてもよい。このような構成によれば、主側MPU62の処理負荷を低減することができる。
<態様6>
上記第1実施形態では、遊技履歴管理チップ300が役物比率等の遊技履歴情報を算出する構成としたが、レジスタに記憶された500個毎の入球個数をそのまま記憶し、検査機320が遊技履歴情報を算出する構成としてもよい。このような構成によれば、遊技履歴管理チップ300の処理負荷を低減することができる。以下、態様6の詳細について、上記第1実施形態との相違点を中心に説明する。
図19は、第1実施形態の態様6のパチンコ機10が備える主制御装置60の構成及び検査機320の構成を詳細に示すブロック図である。
主側MPU62の主側ROM63には、賞球数データ記憶エリアと、記憶実行条件記憶エリアとが設けられている。
賞球数データ記憶エリアには、上記第1実施形態と同様に、各入球口に遊技球が入球した場合に賞球として払い出される遊技球の個数(賞球数データ)が記憶されている。また、上記第1実施形態と同様に、この主側ROM63に記憶された賞球数データは、パチンコ機10の電源がONにされた後に実行される初期設定処理において遊技履歴管理チップ300に送信される。これにより、遊技履歴管理チップ300は、本パチンコ機10に設定されている賞球数データを把握することが可能となる。
記憶実行条件記憶エリアには、遊技履歴管理チップ300が後述する記憶処理を実行する条件である記憶実行条件が記憶されている。この態様6では、排出通路を通過した遊技球の個数が500個に達することが記憶実行条件として記憶されている。この主側ROM63に記憶された記憶実行条件は、パチンコ機10の電源がONにされた後に実行される初期設定処理において遊技履歴管理チップ300に送信される。これにより、遊技履歴管理チップ300は、本パチンコ機10に設定されている記憶実行条件を把握することが可能となる。
遊技履歴管理チップ300は、CPU62xから各入球口への遊技球の入球情報を取得するバッファ302と、各入球口への遊技球の入球個数を記憶するレジスタ304と、主側ROM63から取得した賞球数データを記憶する賞球数データ記憶用メモリ306と、主側ROM63から取得した記憶実行条件を記憶する記憶実行条件記憶用メモリ307aと、遊技履歴管理チップ300の全体の制御を司るCPU308と、レジスタ304に記憶された各入球口への遊技球の入球個数を順次記憶する入球個数記憶用メモリ309aとを備えている。上述した記憶処理は、レジスタ304に記憶された各入球口への遊技球の入球個数を、入球個数記憶用メモリ309aに記憶させる処理である。
検査用端子65は、検査機320とパチンコ機10とを接続するための端子である。この態様6では、検査用端子65を介して入球個数記憶用メモリ309aに記憶された入球個数情報及び賞球数データ記憶用メモリ306に記憶された賞球数データが検査機320に送信される。
検査機320は、各種制御プログラムを実行するCPU321と、各種制御プログラムや固定値データ等を記録したROM324と、各種データを一時的に記憶するためのメモリであるRAM326と、各種情報を表示する表示部328と、パチンコ機10の検査用端子65に接続するための接続ケーブル329とを備えている。
この態様6では、検査機320は、接続ケーブル329が検査用端子65に接続されたことを検出すると、入球個数情報及び賞球数データの送信を要求する送信要求コマンドを遊技履歴管理チップ300に送信する。遊技履歴管理チップ300のCPU308は、検査機320から送信要求コマンドを受信すると、検査用端子65を介して入球個数記憶用メモリ309aに記憶された入球個数情報と、賞球数データ記憶用メモリ306に記憶された賞球数データとを検査機320に送信する。そして、検査機320は、受信した入球個数情報と賞球数データとに基づいて遊技履歴情報を算出し、算出した遊技履歴情報を表示部328に表示させる。
図20は、第1実施形態の態様6の遊技履歴管理チップ300及び検査機320における処理の内容を模式的に示す説明図である。
バッファ302及びレジスタ304における処理の内容は、上述した第1実施形態と同じであるため、説明を省略する。
賞球数データ記憶用メモリ306は、パチンコ機10に設定されている賞球数データを記憶するためのメモリである。この態様6では、パチンコ機10の電源が投入されると、主側ROM63に記憶されている賞球数データが遊技履歴管理チップ300に送信され、賞球数データ記憶用メモリ306に記憶される。したがって、賞球数データ記憶用メモリ306に記憶される賞球数データの内容は、主側ROM63に記憶されている賞球数データの内容と同一となる。
記憶実行条件記憶用メモリ307aは、パチンコ機10に設定されている記憶実行条件を記憶するためのメモリである。パチンコ機10の電源が投入されると、主側ROM63に記憶されている記憶実行条件がCPU62xによって遊技履歴管理チップ300に送信され、記憶実行条件記憶用メモリ307aに記憶される。したがって、記憶実行条件記憶用メモリ307aに記憶される記憶実行条件の内容は、主側ROM63に記憶されている記憶実行条件の内容と同一となる。
CPU308は、記憶実行条件記憶用メモリ307aに記憶されている記憶実行条件が成立したか否かを判定するとともに、記憶実行条件が成立したと判定した場合には、レジスタ304に記憶された各入球口への遊技球の入球個数に関する情報を、入球個数記憶用メモリ309aに記憶させるとともに、レジスタ304の各カウンタの値を「0」にリセットする。この態様6では、CPU308は、レジスタ304に記憶された排出通路通過個数NOUTの値が500個に達する毎に、当該レジスタ304に記憶された各入球口への遊技球の入球個数に関する情報を、入球個数記憶用メモリ309aに記憶させる。なお、以下では、500個の遊技球が遊技盤30に発射される間にカウントされた各入球口への遊技球の入球個数に関する情報を「短期入球個数情報群」とも呼ぶ。
入球個数記憶用メモリ309aは、レジスタ304に記憶された入球個数に関する情報(短期入球個数情報群)を順次記憶するメモリであり、本実施形態では、電源の供給が断たれても記憶を保持することが可能な不揮発性のメモリによって構成されている。入球個数記憶用メモリ309aには、短期入球個数情報群が書き込まれた順番に関する情報も記憶されており、CPU308は、短期入球個数情報群を書き込むための空きエリアがない場合には、短期入球個数情報群を、書き込まれた順番が最も古い短期入球個数情報群が記憶されているエリアに記憶させる。すなわち、入球個数記憶用メモリ309aは、最も古い短期入球個数情報群から順番に上書きされるように構成(ファーストイン・ファーストアウト方式)されており、常に直近の短期入球個数情報群が記憶されている状態となる。
この態様6では、入球個数記憶用メモリ309aは、500個の遊技球が遊技盤30に発射される間にカウントされた各入球口への遊技球の入球個数に関する情報である短期入球個数情報群を、1200個分記憶することが可能な容量を有している。例えば、1日に遊技球が連続して10時間発射される場合には、1日に60000個の遊技球が発射されることになるので、1日に120個の短期入球個数情報群が入球個数記憶用メモリ309aに記憶されることになる。したがって、入球個数記憶用メモリ309aは、直近の10日間分の短期入球個数情報群を記憶することが可能となる。
検査機320は、上述したように、接続ケーブル329が検査用端子65に接続されたことを検出すると、送信要求コマンドを遊技履歴管理チップ300に送信する。遊技履歴管理チップ300のCPU308は、検査機320から送信要求コマンドを受信すると、検査用端子65を介して短期入球個数情報群及び賞球数データを検査機320に送信する。そして、検査機320は、短期入球個数情報群及び賞球数データに基づいて、役物比率等の遊技履歴情報を算出し、算出した遊技履歴情報を表示部328に表示させる。
具体的には、この態様6では、検査機320は、上記の第1実施形態のCPU308と同様に、1つの短期入球個数情報群に対して1つの短期遊技履歴情報群を算出することが可能であるとともに、複数の短期入球個数情報群のそれぞれに記憶された各入球口への遊技球の入球個数を加算し、当該加算した入球個数を用いて長期間における遊技履歴情報(長期遊技履歴情報群)を算出することが可能である。すなわち、この態様6の検査機320は、500個の遊技球が発射された短期間における各入球口への入球個数に基づいた短期遊技履歴情報群だけでなく、例えば、600000個(約10日分)の遊技球が発射された長期間における各入球口への入球個数に基づいた長期遊技履歴情報群を算出することが可能である。
なお、この態様6において、以下の構成を採用してもよい。
検査機320は、受信した短期入球個数情報群を表示部328に表示可能な構成としてもよい。また、検査機320は、レジスタ304に記憶されている各カウンタ値を受信するとともに、受信した各カウンタ値を表示部328に表示可能な構成としてもよい。
また、遊技履歴管理チップ300が賞球数データ記憶用メモリ306に記憶されている賞球数データを検査機320に送信する構成に代えて、主側CPU62xが主側ROM63に記憶されている賞球数データを検査機320に対して送信する構成としてもよい。このような構成によれば、賞球数データ記憶用メモリ306を省略することができ、遊技履歴管理チップ300の製造コストを低減することができる。
また、主側ROM63の記憶実行条件記憶エリアに記憶された記憶実行条件として、記憶処理を実行する時間的間隔が設定されている構成としてもよい。例えば、記憶処理を実行する時間的間隔として1時間が設定されており、遊技履歴管理チップ300のCPU308は、1時間が経過する毎に記憶処理を実行する構成としてもよい。
また、主側ROM63の記憶実行条件記憶エリアに記憶された記憶実行条件として、電源の遮断の発生が検知されたことが設定されている構成としてもよい。具体的には、停電監視回路86は、電源の遮断の発生を検知すると、電源遮断が発生したことを示す信号を遊技履歴管理チップ300に出力する構成とし、当該信号を受信した遊技履歴管理チップ300のCPU308は、電源の遮断が発生したと判定し、記憶処理を実行する構成としてもよい。
また、態様6では、遊技履歴情報を算出するための演算を検査機320のCPU321が実行する構成としたが、当該演算の一部又は全部を遊技履歴管理チップ300のCPU308が実行し、当該演算の結果である遊技履歴情報を検査機320に送信する構成としてもよい。
<態様7>
上記第1実施形態では、遊技履歴管理チップ300が役物比率等の遊技履歴情報を算出する構成としたが、バッファにおける入球情報をそのまま記憶し、当該入球情報に基づいて検査機320が遊技履歴情報を算出する構成としてもよい。このような構成によれば、遊技履歴管理チップ300の処理負荷を低減することができる。以下、態様7の詳細について、上記第1実施形態との相違点を中心に説明する。
図21は、第1実施形態の態様7のパチンコ機10が備える主制御装置60の構成及び検査機320の構成を詳細に示すブロック図である。
この態様7では、主側MPU62には、年月日情報及び時刻情報を遊技履歴管理チップ300に対して出力するRTC96(RTC:Real‐Time Clock)が設けられている。RTC96は、バックアップ電源を備えており、パチンコ機10の電源遮断時においても年月日情報及び時刻情報を更新することができる。
主側MPU62の主側ROM63には、賞球数データ記憶エリアが設けられている。なお、この態様7では、演算開始条件記憶エリアは設けられていない。
賞球数データ記憶エリアには、上記第1実施形態と同様に、各入球口に遊技球が入球した場合に賞球として払い出される遊技球の個数(賞球数データ)が記憶されている。また、上記第1実施形態と同様に、この主側ROM63に記憶された賞球数データは、パチンコ機10の電源がONにされた後に実行される初期設定処理において遊技履歴管理チップ300に送信される。これにより、遊技履歴管理チップ300は、本パチンコ機10に設定されている賞球数データを把握することが可能となる。
遊技履歴管理チップ300は、CPU62xから各入球口への遊技球の入球情報を取得するバッファ302と、主側ROM63から取得した賞球数データを記憶する賞球数データ記憶用メモリ306と、遊技履歴管理チップ300の全体の制御を司るCPU308と、バッファ302に記憶された各入球口への遊技球の入球情報等を順次記憶する入球情報記憶用メモリ309bとを備えている。
検査用端子65は、検査機320とパチンコ機10とを接続するための端子である。この態様7では、検査用端子65に検査機320が接続されると、入球情報記憶用メモリ309bに記憶された入球情報等及び賞球数データ記憶用メモリ306に記憶された賞球数データが検査機320に送信される。
検査機320は、各種制御プログラムを実行するCPU321と、各種制御プログラムや固定値データ等を記録したROM324と、各種データを一時的に記憶するためのメモリであるRAM326と、各種情報を表示する表示部328と、パチンコ機10の検査用端子65に接続するための接続ケーブル329とを備えている。
この態様7では、検査機320は、接続ケーブル329が検査用端子65に接続されたことを検出すると、入球情報等及び賞球数データの送信を要求する送信要求コマンドを遊技履歴管理チップ300に送信する。遊技履歴管理チップ300のCPU308は、検査機320から送信要求コマンドを受信すると、検査用端子65を介して入球情報記憶用メモリ309bに記憶された入球情報等と、賞球数データ記憶用メモリ306に記憶された賞球数データとを検査機320に送信する。そして、検査機320は、受信した入球情報等と賞球数データとに基づいて遊技履歴情報を算出し、算出した遊技履歴情報を表示部328に表示させる。
図22は、第1実施形態の態様7の遊技履歴管理チップ300及び検査機320における処理の概要を模式的に示す説明図である。
バッファ302における処理の内容は、上述した第1実施形態と同じであるため、説明を省略する。
入球情報記憶用メモリ309bは、バッファ302に記憶された入球情報及び遊技球が入球した際の遊技状態に関する情報を順次記憶するメモリであり、本実施形態では、電源の供給が断たれても記憶を保持することが可能な不揮発性のメモリによって構成されている。さらに、本実施形態では、入球情報及び遊技状態に関する情報が記憶される際に、遊技球が各入球口に入球した日時情報が付加されて記憶される。また、入球情報記憶用メモリ309bには、入球情報等が書き込まれた順番に関する情報も記憶されており、CPU308は、入球情報等を書き込むための空きエリアがない場合には、入球情報等を、書き込まれた順番が最も古い入球情報等が記憶されているエリアに記憶させる。すなわち、入球情報記憶用メモリ309bは、最も古い入球情報等から順番に上書きされるように構成(ファーストイン・ファーストアウト方式)されており、常に直近の入球情報等が記憶されている状態となる。
賞球数データ記憶用メモリ306は、パチンコ機10に設定されている賞球数データを記憶するためのメモリである。この態様7では、パチンコ機10の電源が投入されると、主側ROM63に記憶されている賞球数データが遊技履歴管理チップ300に送信され、賞球数データ記憶用メモリ306に記憶される。したがって、賞球数データ記憶用メモリ306に記憶される賞球数データの内容は、主側ROM63に記憶されている賞球数データの内容と同一となる。さらに、この態様7では、検査用端子65に検査機320が接続されると、賞球数データ記憶用メモリ306に記憶される賞球数データが当該検査機320に送信される。
検査機320は、上述したように、接続ケーブル329が検査用端子65に接続されたことを検出すると、入球情報等及び賞球数データの送信を要求する送信要求コマンドを遊技履歴管理チップ300に送信する。遊技履歴管理チップ300のCPU308は、検査機320から送信要求コマンドを受信すると、検査用端子65を介して入球情報記憶用メモリ309bに記憶された入球情報、遊技状態に関する情報及び日時情報と、賞球数データ記憶用メモリ306に記憶された賞球数データとを検査機320に送信する。そして、検査機320は、受信したこれらの情報に基づいて遊技履歴情報を算出し、算出した遊技履歴情報を表示部328に表示させる。
具体的には、この態様7の検査機320は、500個の遊技球が発射された短期間における各入球口への入球個数に基づいた遊技履歴情報(短期遊技履歴情報群)を算出することだけでなく、例えば、600000個(約10日分)の遊技球が発射された長期間における各入球口への入球個数に基づいた遊技履歴情報(長期遊技履歴情報群)を算出することが可能である。すなわち、任意の期間における遊技履歴情報を算出することが可能である。
さらに、この態様7では、入球情報等に日時情報(年月日情報及び時刻情報)が付加されているので、検査機320は、受信した入球情報等に付加されている日時情報の範囲内において、遊技履歴情報の算出対象となる日時の範囲を指定して遊技履歴情報を算出することも可能である。したがって、パチンコ機10の検査者は、日時の範囲を指定した遊技履歴情報に基づいて詳細な検査をすることができる。
なお、この態様7において、以下の構成を採用してもよい。
検査機320は、受信した入球情報等を表示部328に表示可能な構成としてもよい。このような構成によれば、パチンコ機10の検査者は、各入球検知センサーによって遊技球が検知された日時についても把握することが可能となる。
また、遊技履歴管理チップ300が賞球数データ記憶用メモリ306に記憶されている賞球数データを検査機320に送信する構成に代えて、主側CPU62xが主側ROM63に記憶されている賞球数データを検査機320に対して送信する構成としてもよい。このような構成によれば、賞球数データ記憶用メモリ306を省略することができ、遊技履歴管理チップ300の製造コストを低減することができる。
また、態様7では、遊技履歴情報を算出するための演算を検査機320のCPU321が実行する構成としたが、当該演算の一部又は全部を遊技履歴管理チップ300のCPU308が実行し、当該演算の結果である遊技履歴情報を検査機320に送信する構成としてもよい。
<態様8>
上記第1実施形態及び上記の他の態様では、主側ROM63に演算実行条件又は記憶実行条件が記憶されており、遊技履歴管理チップ300がこれらの条件を主側ROM63から取得する構成としたが、遊技履歴管理チップ300がこれらの条件を不揮発性のメモリに当初から記憶している構成としてもよい。この構成によれば、不適切な演算実行条件又は記憶実行条件が主側ROM63に記憶されてしまっており、遊技履歴情報又は入球個数情報を適切に記憶できないといった事態の発生を抑制することができる。例えば、演算実行条件又は記憶実行条件として極端に短い期間(例えば、排出通路通過個数NOUT=5)が記憶されてしまっており、演算結果記憶用メモリ309又は入球個数記憶用メモリ309aには極端に短い期間分(例えば、1時間分程度)の遊技履歴情報又は入球個数情報しか記憶されないといった事態の発生を抑制することができる。
<態様9>
上記第1実施形態及び上記の他の態様では、各入球口への遊技球の入球個数を記憶する機能や、役物比率等の遊技履歴情報を算出する機能、算出した遊技履歴情報を記憶する機能を遊技履歴管理チップ300が備える構成としたが、主側CPU62x(遊技履歴管理チップ300を除いた主側MPU62)がこれらの機能の一部を備える構成としてもよい。また、遊技履歴管理チップ300を設けず、主側CPU62x(遊技履歴管理チップ300を除いた主側MPU62)がこれらの機能の全部を備える構成としてもよい。このような構成によれば、別途に遊技履歴管理チップ300を設ける必要がないため、製造コストの低減を図ることができる。ただし、遊技履歴管理チップ300を設ける構成によれば、主側CPU62xの処理負荷を低減することができる。
<態様10>
上記第1実施形態及び上記の他の態様において、遊技履歴管理チップ300以外の機能部(例えば、検査機320や主側CPU62x)が備える機能の一部又は全部を遊技履歴管理チップ300が備える構成としてもよく、遊技履歴管理チップ300が備える機能の一部又は全部を遊技履歴管理チップ300以外の機能部が備える構成としてもよい。例えば、検査機320が備える機能の一部を遊技履歴管理チップ300が備える構成とすれば、検査機320の処理負荷や製造コストをさらに低減することができ、遊技履歴管理チップ300が備える機能の一部を検査機320が備える構成とすれば、遊技履歴管理チップ300の処理負荷や製造コストをさらに低減することができる。
<態様11>
上記第1実施形態では、遊技履歴管理チップ300が役物比率等の遊技履歴情報を算出する構成としたが、遊技履歴管理チップ300を設けず、主側CPU62xが遊技履歴情報を算出する構成としてもよい。以下、態様11の詳細について、上記第1実施形態との相違点を中心に説明する。
図23は、第1実施形態の態様11におけるパチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。この態様11では、遊技履歴管理チップ300が設けられていない点と、主側RAM64に入球個数記憶エリアと演算結果記憶エリアが設けられている点が、上記第1実施形態(図5)と異なっている。
主側CPU62xは、入出力ポート62aから受信した遊技球の入球情報に基づいて、主側RAM64の入球個数記憶エリアに記憶されている各入球口への遊技球の入球個数を更新する。そして、主側ROM63の演算実行条件記憶エリアに記憶されている演算実行条件が成立した場合には、主側ROM63の賞球数データ記憶エリアに記憶されている賞球数データと、主側RAM64の入球個数記憶エリアに記憶されている各入球口における遊技球の入球個数とに基づいて演算を実行して遊技履歴情報を算出し、当該遊技履歴情報を主側RAM64の演算結果記憶エリアに記憶させる。以下、具体的に説明する。
図24は、第1実施形態の態様11の主側MPU62における処理の概要を模式的に示す説明図である。主側CPU62xは、主側ROM63の演算実行条件記憶エリアに記憶されている演算実行条件が成立したか否かを判定するとともに、演算実行条件が成立したと判定した場合には、主側CPU62xのキャッシュに記憶された各入球口への遊技球の入球個数に関する情報を、主側RAM64の入球個数記憶エリアに記憶させる。この態様11では、主側CPU62xは、主側CPU62xのキャッシュに記憶された排出通路通過個数NOUTの値が500個に達する毎に、各入球口への遊技球の入球個数に関する情報を、主側RAM64の入球個数記憶エリアに記憶させる。なお、上述したように、500個の遊技球が遊技盤30に発射される間にカウントされた各入球口への遊技球の入球個数に関する情報を「短期入球個数情報群」とも呼ぶ。
主側RAM64の入球個数記憶エリアは、入球個数に関する情報(短期入球個数情報群)を順次記憶するエリアである。主側RAM64の入球個数記憶エリアには、短期入球個数情報群が書き込まれた順番に関する情報も記憶されており、主側CPU62xは、短期入球個数情報群を書き込むための空きエリアがない場合には、新たに書き込み対象となった短期入球個数情報群を、書き込まれた順番が最も古い短期入球個数情報群が記憶されているエリアに記憶させる。すなわち、主側RAM64の入球個数記憶エリアは、最も古い短期入球個数情報群から順番に上書きされるように構成(ファーストイン・ファーストアウト方式)されており、常に直近の短期入球個数情報群が記憶されている状態となる。
この態様11では、主側RAM64の入球個数記憶エリアは、500個の遊技球が遊技盤30に発射される間にカウントされた各入球口への遊技球の入球個数に関する情報である短期入球個数情報群を、1200個分記憶することが可能な容量を有している。例えば、1日に遊技球が連続して10時間発射される場合には、1日に60000個の遊技球が発射されることになるので、1日に120個の短期入球個数情報群が主側RAM64の入球個数記憶エリアに記憶されることになる。したがって、主側RAM64の入球個数記憶エリアは、直近の10日間分の短期入球個数情報群を記憶することが可能となる。
そして、主側CPU62xは、演算実行条件が成立する毎に、新たに記憶された1つの短期入球個数情報群に対して1つの短期遊技履歴情報群を新たに算出する。さらに、主側CPU62xは、演算実行条件が成立する毎に、新たに記憶された短期入球個数情報群を含む複数の短期入球個数情報群のそれぞれに記憶された各入球口への遊技球の入球個数を加算し、当該加算した入球個数を用いて長期間における遊技履歴情報(長期遊技履歴情報群)を算出する。すなわち、この態様11の主側CPU62xは、500個の遊技球が発射された短期間における各入球口への入球個数に基づいた短期遊技履歴情報群だけでなく、例えば、600000個(約10日分)の遊技球が発射された長期間における各入球口への入球個数に基づいた長期遊技履歴情報群を算出することが可能である。そして、算出したこれらの遊技履歴情報を主側RAM64の演算結果記憶エリアに記憶させる。
主側RAM64の演算結果記憶エリアは、短期遊技履歴情報群を順次記憶するエリアと、長期遊技履歴情報群を記憶するエリアとによって構成されている。短期遊技履歴情報群を順次記憶するエリアには、短期遊技履歴情報群が書き込まれた順番に関する情報も記憶されており、主側CPU62xは、短期遊技履歴情報群を書き込むための空きエリアがない場合には、新たに算出された短期遊技履歴情報群を、書き込まれた順番が最も古い短期遊技履歴情報群が記憶されているエリアに記憶させる。すなわち、主側RAM64の短期遊技履歴情報群を順次記憶するエリアは、最も古い短期遊技履歴情報群から順番に上書きされるように構成(ファーストイン・ファーストアウト方式)されており、常に直近の短期遊技履歴情報群が記憶されている状態となる。長期遊技履歴情報群を記憶するエリアには、演算実行条件が成立する毎に新たに算出された長期遊技履歴情報群が上書きされる。すなわち、長期遊技履歴情報群を記憶するエリアには、最新の短期入球個数情報群を含む複数の短期入球個数情報群に基づいて算出された最新の長期遊技履歴情報群が記憶されることになる。
検査機320は、接続ケーブル329が検査用端子65に接続されたことを検出すると、送信要求コマンドを主側CPU62xに送信する。主側CPU62xは、検査機320から送信要求コマンドを受信すると、主側RAM64に記憶された遊技履歴情報を検査機320に送信する。そして、検査機320は、受信した遊技履歴情報を表示部328に表示させる。
また、この態様11では、遊技履歴情報を図柄表示装置41に表示させるための所定の操作が実行されると、主側RAM64に記憶された遊技履歴情報が入出力ポート62xを介して音声発光制御装置90に出力され、図柄表示装置41に表示される。
また、この態様11では、パチンコ機10への電源の供給が断たれても、コンデンサ87から供給されるバックアップ電源によって、主側RAM64に記憶された短期入球個数情報群及び遊技履歴情報が数日間保持されるように構成されている。
このような構成によれば、単一の処理部である主側CPU62xが、当たり抽選処理等の遊技を進行するための処理と、遊技履歴情報を算出、記憶する処理とを実行するので、遊技履歴情報を算出、記憶するための専用の遊技履歴管理チップ300を設ける必要がなく、パチンコ機10の製造コストを低減させることができる。
さらに、500個の遊技球が遊技盤30に発射される間にカウントされた各入球口への遊技球の入球個数に関する情報である短期入球個数情報群を主側RAM64に記憶するように構成されているので、遊技球の入球情報をそのままの形式で記憶する構成(例えば、図22の入球情報記憶用メモリ309bに記憶されている入球情報の形式で記憶する構成)と比較して、主側RAM64に必要なメモリ容量を大幅に低減しつつ、直近の短期遊技履歴情報群及び長期遊技履歴情報群を算出することが可能となる。
なお、主側CPU62xは、遊技履歴情報として短期遊技履歴情報群及び長期遊技履歴情報群の両方を算出する構成に限らず、これらの一方のみを算出する構成としてもよい。
<態様12>
図25は、第1実施形態の態様12におけるパチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。上述した態様11(図23)との違いは、主側MPU62に、書き換え可能であるとともに電源の供給が断たれても記憶を保持することが可能な不揮発性のメモリであるフラッシュメモリ64xが設けられている点である。このフラッシュメモリ64xには、上述した態様11における短期入球個数情報群を記憶するための入球個数記憶エリアと、上述した態様11における短期遊技履歴情報群及び長期遊技履歴情報群を記憶するための演算結果記憶エリアとが設けられている。
この態様12の主側CPU62xは、演算実行条件が成立する毎に、短期入球個数情報群及び算出した遊技履歴情報をフラッシュメモリ64xに記憶するように構成されている。
このような構成によれば、遊技履歴管理チップ300を備える構成と比較して、パチンコ機10の製造コストを低減することができる。さらに、パチンコ機10への電源の供給が長期間にわたって断たれても、短期入球個数情報群及び遊技履歴情報が保持されるので、当該パチンコ機10がいかなる状態(例えば、長期間にわたってパチンコ機10に電源が供給されない流通状態等)に置かれても、パチンコ機10と遊技履歴情報とを常に1対1で紐付けした状態にすることが可能であり、当該パチンコ機10の特性を管理、検査することができる。
また、主側RAM64に短期入球個数情報群及び遊技履歴情報を記憶させるためのエリアを設けなくてもよいため、主側RAM64の記憶容量を抑えることができ、パチンコ機10の製造コストを低減することができる。
<態様13>
上記第1実施形態及び上記の他の態様において、主制御装置60は、遊技を進行するための処理である遊技進行処理を実行可能なモードである遊技モードと、遊技履歴情報を検査機320に出力するモードである検査モードとを切り替えて実行可能な構成としてもよい。遊技進行処理は、入球検知センサー44a~44hによって遊技球が検知されたことに基づいて実行される処理であり、当たり抽選処理や、電役開放抽選処理、賞球の払出処理、メイン表示部45における図柄の変動表示処理、開閉扉36bや電動役物34aの開閉処理等が含まれる。
そして、検査モードでは、遊技球が入球検知センサー44a~44hによって検出される領域を通過した場合であっても、遊技進行処理を実行しない構成としてもよい。
具体的には、例えば、検査モードに移行すると、主制御装置60において検査モードであるか否かを判定するための検査モードフラグがONになる。そして、主制御装置60は、検査モードフラグがONであるか否かを判定し、検査モードフラグがONであると判定した場合には、通常の遊技進行処理を実行する処理フローには進まず、検査モード用の処理フローに進む。この結果、主制御装置60は、入球検知センサー44a~44hから遊技球が検知されたことを示す信号を受信した場合であっても、当該信号を受信したことに基づく処理(例えば、大当たり乱数カウンタC1の値を取得する処理や、賞球の払出処理、音声発光制御装置90にコマンドを送信する処理等)を実行しないように構成されている。
このような構成によれば、遊技進行処理と並行して実行することが好ましくない処理や、遊技進行処理と並行して実行した場合に不具合が生じやすい処理等を検査モードにおいて実行することができる。また、このような構成によれば、検査モードにおいては遊技進行処理を実行しないので、検査モードにおいて実行する処理のプログラムを開発する際に、遊技進行処理が並行して実行された場合における対策を考慮しなくてもよいため、検査モードにおいて実行する処理のプログラムの開発効率を大幅に向上させることができる。
また、遊技履歴情報は、遊技球が検知されて遊技進行処理が実行されると内容が変化する情報である。したがって、仮に、遊技進行処理と並行して遊技履歴情報を出力する処理を実行する構成を採用すると、パチンコ機10の検査者が遊技履歴情報によって当該パチンコ機10の特性を検査している間に遊技進行処理が実行されて当該遊技履歴情報の内容が随時変化してしまい、円滑に検査を実施することが困難になってしまう場合がある。これに対して、この態様13の構成によれば、遊技球が所定の領域を通過した場合であっても遊技進行処理を実行しない検査モードにおいて遊技履歴情報を出力するので、遊技履歴情報を出力している間に当該遊技履歴情報の内容が変化してしまうことを抑制することができる。この結果、パチンコ機10の検査者は円滑に検査を実施することができる。
なお、検査モードにおいて遊技履歴情報を出力する態様は、遊技履歴情報を検査機320に出力して表示させる態様に限らず、他の様態であってもよい。例えば、遊技履歴情報を図柄表示装置41に出力して表示させる構成としてもよい。
また、検査モードにおいて出力する情報は、遊技履歴情報に限らず、他の情報であってもよい。例えば、遊技球の入球情報や入球個数情報等のように、入球検知センサー44a~44hによって遊技球が検知されたことに基づく他の情報であってもよい。
<態様14>
上記第1実施形態及び上記の他の態様のうち、主制御装置60が遊技モードと検査モードとを切り替えて実行可能な構成において、遊技モードの遊技進行処理の実行中に、遊技モードから検査モードに移行させるための所定の操作(以下では「モード切替操作」とも呼ぶ)が検査者によって実行された場合には、実行中の遊技進行処理が予め定められた処理段階まで完了したタイミングで、遊技モードから検査モードに移行する構成としてもよい。
具体的には、例えば、遊技モードの遊技進行処理の実行中に、モード切替ボタンを押下しながら電源ボタンを押下するというモード切替操作が実行された場合には、実行中の各遊技進行処理(当たり抽選処理や、電役開放抽選処理、賞球の払出処理、メイン表示部45における図柄の変動表示処理、開閉扉36bや電動役物34aの開閉処理等)毎に予め定められた処理段階まで処理を完了させる。そして、予め定められた処理段階まで遊技進行処理が完了すると、当該処理段階の後の処理は実行されずに待機状態となる。そして、実行中の各遊技進行処理の全てが予め定められた処理段階まで処理が完了したタイミングで、遊技モードから検査モードに移行する。
このような構成によれば、実行中の遊技進行処理が予め定められた処理段階まで処理が完了したか否かに関わらずにモード切替操作が実行された直後のタイミングで遊技モードから検査モードに移行する構成と比較して、検査モードに移行する際の処理上の不具合の発生を抑制することができる。
例えば、仮に、実行中の遊技進行処理が予め定められた処理段階まで処理が完了したか否かに関わらずにモード切替操作が実行された直後のタイミングで遊技モードから検査モードに移行する構成を採用した場合において、遊技モードにおいて遊技進行処理としてのメイン表示部45における図柄の変動表示処理が実行されている期間中に、モード切替操作が実行された場合には、メイン表示部45における図柄の変動表示の途中で検査モードに移行することになり、図柄の停止のタイミングや、図柄の変動時間の制御等が困難となる。これに対して、この態様14の構成によれば、例えば、遊技モードにおいて図柄の変動表示処理が実行されている期間中に、モード切替操作が実行された場合には、図柄の変動表示処理が終了して図柄が停止したという処理段階まで処理が完了したタイミングで検査モードに移行することになる。したがって、図柄の停止のタイミングや、図柄の変動時間の制御等が困難となるといった処理上の不具合の発生を抑制することができる。
なお、検査モードから遊技モードに移行(復帰)した際には、検査モードに移行する前において実行予定であった残りの処理段階の遊技進行処理を実行する構成としてもよい。このような構成によれば、期待していた遊技進行処理が不完全な状態で終了するといった不快感を遊技者に与えてしまうことを抑制することができる。
また、遊技モードにおける遊技進行処理の実行中に、モード切替操作が実行された場合には、実行中の各遊技進行処理の全ての処理が完了したタイミングで、遊技モードから検査モードに移行する構成としてもよい。このような構成によれば、遊技進行処理を再開させる場合における処理上の不具合の発生を抑制することができる。
また、遊技モードにおける遊技進行処理の実行中に、モード切替操作が実行された場合には、遊技実行処理を中断させるとともに、中断させた遊技進行処理の再開を可能とする情報を主側RAM64に記憶し、当該記憶が完了したタイミングで、遊技モードから検査モードに移行する構成としてもよい。このような構成によれば、パチンコ機10は、遊技モードから検査モードに速やかに移行するので、短期間で多くのパチンコ機10を検査することが可能となる。
また、遊技モードから検査モードに移行させるためのモード切替操作は、モード切替ボタンを押下しながら電源ボタンを押下するという操作に限らず、他の態様であってもよい。例えば、モード切替ボタンを押下するという単独の操作であってもよい。また、検査用端子65に検査機320が接続された場合に、モード切替操作が実行された場合と同様の処理を実行する構成としてもよい。
<態様15>
上記第1実施形態及び上記の他の態様のうち、主制御装置60が遊技モードと検査モードとを切り替えて実行可能な構成において、検査モード中に、当該検査モードに移行した時点から10分が経過したという自動復帰条件が成立した場合には、検査モードから遊技モードに移行させるための所定の操作(例えば、モード切替ボタンを押下しながら電源ボタンを押下するという操作)が実行されていない場合であっても、検査モードから遊技モードに移行する構成としてもよい。
このような構成によれば、検査モードに移行した時点から10分が経過した場合には、検査モードから遊技モードに移行させるための所定の操作が実行されていない場合であっても、検査モードから遊技モードに移行するように構成されているので、所定の操作の実行がされずに遊技モードに復帰しないことを確実に抑制することができる。例えば、パチンコ機10の検査者が検査モードにおいて出力される遊技履歴情報によって当該パチンコ機10の特性を検査した後、所定の操作の実行を失念してしまった場合であっても、検査モードに移行した時点から10分が経過すれば遊技モードに復帰するので、パチンコ機10が遊技進行処理を実行可能な遊技モードに復帰せずに遊技者が当該パチンコ機10で遊技をできないといった状況の発生を抑制することができる。
なお、自動復帰条件は、検査モードに移行した時点から10分が経過したという条件に限らず、他の態様であってもよい。例えば、検査モードに移行した時点から5分が経過したという条件であってもよく、検査用端子65から検査機320が取り外された時点から10分が経過したという条件であってもよい。
また、検査モードから遊技モードに移行させるための所定の操作は、モード切替ボタンを押下しながら電源ボタンを押下するという操作に限らず、他の態様であってもよい。例えば、モード切替ボタンを押下するという単独の操作であってもよい。
<態様16>
上記第1実施形態及び上記の他の態様において、主側RAM64を初期化するためのRAMクリアボタンを主制御装置60に設け、RAMクリアボタンを押下しながら電源ボタンを押下するという操作(以下では「消去用操作」とも呼ぶ)が実行された場合に、主側RAM64に記憶されている情報を消去する(初期化する)構成としてもよい。
さらに、主制御装置60が遊技モードと検査モードとを切り替えて実行可能な構成としてもよい。そして、検査モードに移行後であって遊技モードに移行する前の状態、例えば、検査モード中の状態や、検査モードに移行後にそのまま電源がOFFになった状態では、RAMクリアボタンを押下しながら電源ボタンを押下するという消去用操作が実行された場合であっても、主側RAM64に記憶された情報を消去しない構成としてもよい。
このような構成によれば、検査モードに移行後であって遊技モードに移行する前の状態では、主側RAM64に記憶されている情報を消去するための消去用操作が実行された場合であっても、主側RAM64に記憶された情報を消去しないので、検査モードに移行後であって遊技モードに移行する前の状態において、遊技モードに移行させようとして誤って消去用操作が実行されてしまった場合であっても、当該情報が誤って消去されてしまうことを抑制することができる。
例えば、主側RAM64に記憶されている情報を消去するための消去用操作が、RAMクリアボタンを押下しながら電源ボタンを押下する操作であり、遊技モードと検査モードとの間でモードを移行させるための操作が、モード切替ボタンを押下しながら電源ボタンを押下する操作である構成においては、検査モードから遊技モードに移行させようとしてモード切替ボタンを押下しながら電源ボタンを押下するつもりが、誤ってRAMクリアボタンを押下しながら電源ボタンを押下してしまう虞がある。しかしながら、この態様16の構成によれば、検査モードに移行後であって遊技モードに移行する前の状態では、誤ってRAMクリアボタンを押下しながら電源ボタンを押下するという消去用操作が実行されてしまった場合であっても、当該情報が誤って消去されてしまうことを抑制することができる。
より具体的には、例えば、遊技モードから検査モードに移行する際に、遊技モードにおいて実行していた遊技進行処理を一時的に停止させるとともに、当該停止させた遊技進行処理を検査モードへの復帰後に再開させるための情報を主側RAM64に記憶させる構成を採用した場合において、検査モードから遊技モードに復帰させようとしてモード切替ボタンを押下しながら電源ボタンを押下するつもりが、誤ってRAMクリアボタンを押下しながら電源ボタンを押下してしまった場合には、遊技進行処理を再開するための情報が消去されてしまい、検査モードへの復帰後に遊技進行処理を再開させることができなくなり、遊技者に不利益を与えてしまう虞がある。これに対して、この態様16の構成によれば、検査モードに移行後であって遊技モードに移行する前の状態において、遊技モードに移行させようとして誤ってRAMクリアボタンを押下しながら電源ボタンを押下してしまった場合であっても、主側RAM64に記憶された情報が誤って消去されてしまうことを抑制することができるので、遊技者に不利益を与えてしまうことを抑制することができる。
なお、主側RAM64に遊技履歴情報を記憶する構成としてもよい。このような構成によれば、遊技履歴情報を記憶するための専用のメモリを別途設けなくてもよいため、パチンコ機10の製造コストを低減することができる。
また、消去用操作が実行された場合には、パチンコ機10の状態(電源のオン、オフの状態や、遊技モードか検査モードかといった状態)に関わらず、主側RAM64に記憶された遊技履歴情報は消去されず、主側RAM64に記憶された遊技履歴情報以外の情報(遊技進行処理を再開するために記憶されている情報等)のみが消去される(初期化される)構成としてもよい。このような構成によれば、所定の規定範囲から逸脱した遊技履歴情報が意図的に消去されてしまうことを抑制することができる。
なお、消去用操作は、RAMクリアボタンを押下しながら電源ボタンを押下するという操作に限らず、他の態様であってもよい。例えば、RAMクリアボタンを押下するという単独の操作であってもよい。
<態様17>
上記第1実施形態及び上記の他の態様のうち、主制御装置60が遊技モードと検査モードとを切り替えて実行可能な構成において、主制御装置60が遊技モードから検査モードに移行する際には、検査モードに移行して遊技進行処理が一時的に停止することを示すコマンドである遊技停止コマンドを音声発光制御装置90に対して送信するとともに、実行中であった遊技進行処理を検査モードにおいて一時的に停止させる構成としてもよい。具体的には、例えば、メイン表示部45における図柄の変動表示を実行中に検査モードに移行した場合には、メイン表示部45における表示を消灯させ、メイン表示部45における図柄の変動時間のカウントを停止する。また、主制御装置60が検査モードから遊技モードに移行する際には、遊技モードに移行して遊技進行処理が再開することを示すコマンドである遊技再開コマンドを音声発光制御装置90に対して送信する構成としてもよい。
そして、音声発光制御装置90は、遊技停止コマンドを受信した場合には、実行中の演出を一時的に停止させ、その後、遊技再開コマンドを受信した場合には、一時的に停止させていた演出を再開させる構成とする。このような構成によれば、主制御装置60が遊技モードと検査モードとの間で移行する場合であっても、主制御装置60が実行する遊技進行処理(例えば、メイン表示部45における図柄の変動表示処理)と、音声発光制御装置90が制御する演出(例えば、図柄表示装置41における図柄の変動表示処理)とを同期させることが可能となり、遊技モードへの移行後に遊技者が違和感を感じてしまうことを抑制することができる。
なお、音声発光制御装置90は、遊技停止コマンドを受信した場合であっても、実行中の演出を停止させない構成としてもよい。具体的には、例えば、図柄表示装置41における図柄の変動表示中に遊技停止コマンドを受信した場合には、図柄表示装置41における図柄の変動表示の制御を継続したまま、図柄の変動表示のレイヤーの上に別の画像(例えば、黒色の画像)のレイヤーを表示させる構成とする。ただし、図柄表示装置41における図柄の変動表示の制御は継続しているため、黒色の画像のレイヤーの下では、図柄の変動表示が継続している。そして、図柄表示装置41における図柄の変動時間が経過した場合には、黒色の画像のレイヤーの下で図柄の変動表示は終了するが、図柄は停止せずに小さく揺れている態様となる。
そして、遊技再開コマンドを主制御装置60から受信した場合には、図柄の変動表示のレイヤーよりも上に表示されていた黒色の画像のレイヤーを取り除き、再び、図柄のレイヤーを表示させる。このとき、主制御装置60は、検査モードから遊技モードに移行(復帰)し、停止していた遊技進行処理(メイン表示部45における図柄の変動表示)を再開する。
そして、主制御装置60は、変動時間のカウントを停止していたメイン表示部45における図柄の変動表示を再開し、残りの変動時間が経過した場合、すなわち、メイン表示部45における図柄の変動を停止させるタイミングになった場合には、音声発光制御装置90に対して図柄停止コマンドを送信する。当該図柄停止コマンドを受信した音声発光制御装置90は、表示制御装置100に対して図柄停止コマンドを送信し、表示制御装置100は、図柄表示装置41において小さく揺れた態様で表示されていた図柄を完全に停止させる。
このような構成によれば、主制御装置60が検査モード中には、メイン表示部45における表示は消灯し、図柄表示装置41における表示は黒色の画像となる。そして、主制御装置60が検査モードから遊技モードに移行すると、変動時間のカウントを停止していたメイン表示部45における図柄の変動表示が再開され、図柄表示装置41における図柄は変動表示している態様又は小さく揺れている表示態様となる。そして、メイン表示部45における図柄が停止するタイミングで図柄表示装置41における図柄も停止することになる。すなわち、メイン表示部45における図柄の変動表示と図柄表示装置41における図柄の変動表示とを同期させることが可能となる。また、遊技停止コマンドを受信した場合であっても実行中の演出の制御を停止させないので、実行中の演出の制御を一時的に停止させることによる不具合の発生を抑制することができる。不具合としては、例えば、一時的に演出の制御を停止させた状態から演出の制御を再開すると、複数の演出を実行していた場合において当該複数の演出のタイミングにずれが生じたり、図柄表示装置41に表示される動画とスピーカー46から出力される音声とにずれが生じたりすること等が挙げられる。
なお、メイン表示部45における図柄の変動を停止させるタイミングになった場合であっても主制御装置60が音声発光制御装置90に対して図柄停止コマンドを送信しない構成を採用した場合には、図柄表示装置41における図柄の変動表示は、小さく揺れている態様が継続することになり、その後に主制御装置60から送信される変動コマンドや、保留情報が記憶されていない場合に送信される待機コマンドを受信することによって図柄表示装置41における図柄が停止することになる。
<態様18>
上記第1実施形態及び上記の他の態様において、所定時刻になったことを契機として当該パチンコ機10に記憶されている遊技履歴情報を図柄表示装置41に表示する構成としてもよい。具体的には、例えば、午後11時10分になったことを契機として遊技モードから検査モードに移行するとともに、当該パチンコ機10の遊技履歴情報を図柄表示装置41に表示する構成としてもよい。このような構成によれば、遊技ホールの閉店後である午後11時10分頃に、各パチンコ機10の遊技履歴情報が図柄表示装置41に表示された状態となるので、パチンコ機10の検査者は、各パチンコ機10を遊技モードから検査モードに移行させる手間をかけることなく、遊技ホールの閉店後に、速やかに多くのパチンコ機10の遊技履歴情報を検査、確認することが可能となる。
また、ホールコンピュータから所定の信号を受信したことを契機として当該パチンコ機10に記憶されている遊技履歴情報を図柄表示装置41に表示する構成としてもよい。このような構成によれば、例えば、遊技ホールに設置された全てのパチンコ機10を一斉に検査モードに移行させるとともに、各パチンコ機10の遊技履歴情報をそれぞれの図柄表示装置41に表示させることができるので、パチンコ機10の検査者は、各パチンコ機10を遊技モードから検査モードに移行させる手間をかけることなく、速やかに多くのパチンコ機10の遊技履歴情報を検査、確認することが可能となる。
<態様19>
上記第1実施形態及び上記の他の態様において、遊技履歴情報を常に図柄表示装置41に表示する構成としてもよい。このような構成によれば、遊技者や検査者は常に遊技履歴情報を確認することができるので、遊技履歴情報が所定の範囲から逸脱している等の異変が生じた場合に、早急に当該異変に気付くことが可能となる。この結果、遊技の健全性を早急に確保することが可能となる。
<態様20>
上記第1実施形態及び上記の他の態様において、7つの発光ダイオードによって構成された7セグメント表示器をパチンコ機10の背面に設け、当該7セグメント表示器に当該パチンコ機10に記憶されている遊技履歴情報に関連した情報を表示する構成としてもよい。例えば、主制御装置60が上述した遊技モードから検査モードに移行した際に、当該パチンコ機10に記憶されている役物比率や払出比率(通常モード時)等が所定の範囲内であるか否かを7セグメント表示器に表示させる構成としてもよい。
より具体的には、例えば、主制御装置60が遊技モードから検査モードに移行すると、役物比率に関する表示を行なうことを示す「1」が7セグメント表示器に表示された後、当該役物比率が所定の範囲内である場合(具体的には、役物比率が0.700以下の場合)には、OKを意味する「O」が7セグメント表示器に表示され、一方、当該役物比率が所定の範囲内ではない場合には、エラーを示す「E」が7セグメント表示器に表示される構成としてもよい。役物比率に関する表示を行なった後、連続役物比率に関する表示を行なうことを示す「2」が7セグメント表示器に表示され、当該連続役物比率が所定の範囲内である場合(具体的には、連続役物比率が0.600以下の場合)には、OKを意味する「O」が7セグメント表示器に表示され、一方、当該連続役物比率が所定の範囲内ではない場合には、エラーを示す「E」が7セグメント表示器に表示される構成としてもよい。連続役物比率に関する表示を行なった後、払出比率(通常モード時)に関する表示を行なうことを示す「2」が7セグメント表示器に表示され、当該払出比率(通常モード時)が所定の範囲内である場合(具体的には、払出比率(通常モード時)が0.60から0.70の範囲内である場合)には、OKを意味する「O」が7セグメント表示器に表示され、一方、当該払出比率(通常モード時)が所定の範囲内ではない場合には、エラーを示す「E」が7セグメント表示器に表示される構成としてもよい。
このような構成によれば、役物比率等の遊技履歴情報を簡易的に速やかに検査することが可能となる。また、7セグメント表示器は消費電力が少ないため、パチンコ機10の電源がオフの状態であっても、パチンコ機10の内部に設けられたコンデンサやバッテリー等による少ない電力のみで遊技履歴情報を検査することが可能となる。
また、パチンコ機10に記憶されている遊技履歴情報に関連した情報を7セグメント表示器に常に表示させる構成としてもよい。このような構成によれば、遊技モードから検査モードに切り替えることなく、役物比率等の遊技履歴情報を簡易的に速やかに検査することが可能となる。また、検査モードを有さないパチンコ機10においても、役物比率等の遊技履歴情報を簡易的に速やかに検査することが可能となる。さらに、当該7セグメント表示器がパチンコ機10の背面に設けられている構成とすれば、当該7セグメント表示器が遊技者の視界に入らないので、遊技者が当該7セグメント表示器の表示が気になってしまい、遊技に集中できなくなってしまうことを抑制することができる。一方、パチンコ機10の検査者が当該パチンコ機10の遊技履歴情報を検査する場合には、ヒンジ15によって支持されているパチンコ機本体12を手前に回動させ、パチンコ機本体12の背面に設けられた7セグメント表示器の表示を確認すればよいため、役物比率等の遊技履歴情報を簡易的に速やかに検査することが可能となる。なお、7セグメント表示器の代わりに、7つ以外の個数の発光ダイオードによって構成されたセグメント表示器など、遊技履歴情報を認識可能な態様で表示可能な他の表示器を採用してもよい。
<態様21>
上記第1実施形態及び上記の他の態様において、音声発光制御装置90が遊技履歴情報を算出する構成としてもよい。具体的には、例えば、主制御装置60の主側CPU62xが初期設定処理において主側ROM63の賞球数データ記憶エリアに記憶されている賞球数データを含む信号を音声発光制御装置90に送信する構成とし、音声発光制御装置90は、取得した賞球数データと、主制御装置60から送信される遊技球の入球情報とに基づいて遊技履歴情報を算出し、当該算出した遊技履歴情報を図柄表示装置41に表示させる構成としてもよい。
このような構成によれば、音声発光制御装置90が主側ROM63の賞球数データ記憶エリアにアクセスすることができない構成や、音声発光制御装置90が主側ROM63の賞球数データ記憶エリアに記憶されている賞球数データの記憶位置(メモリアドレス)を把握することができない構成であっても、音声発光制御装置90が主側ROM63の賞球数データ記憶エリアに記憶されている賞球数データを取得することが可能となり、遊技履歴情報を算出することが可能となる。また、主制御装置60の代わりに音声発光制御装置90が遊技履歴情報を算出するので、主制御装置60の処理負荷を大幅に低減させることができる。
<態様22>
上記第1実施形態及び上記の他の態様は、遊技モードから検査モードに移行可能なパチンコ機10に限らず、遊技モードから他のモードに移行可能な遊技機に対しても適用することができる。例えば、高確率モードフラグや高頻度サポートモードフラグの状態、記憶されている保留情報の内容等、遊技に関する処理の状態を表示可能な遊技状態表示モードを備える遊技機に対しても適用することができる。
<態様23>
図26は、第1実施形態の態様23におけるパチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。この態様23では、遊技履歴管理チップ300は設けられておらず、上述した遊技履歴情報を主側CPU62xが算出するように構成されている。また、主側RAM64は、2つのエリア(第1エリア及び第2エリア)に区分されており、主側RAM64の第1エリアは、遊技の進行に関する処理を実行するためのプログラム等を展開する領域として用いられ、主側RAM64の第2エリアは、遊技履歴情報を算出・表示するための処理(以下、遊技履歴用処理ともいう。)を実行するためのプログラム等を展開する領域として用いられる。そして、主側CPU62xは、遊技の進行に関する処理(遊技履歴用処理以外の処理)の実行時には、情報の書き込みを主側RAM64の第1エリアに対してのみ実行し、遊技履歴用処理の実行時には、情報の書き込みを主側RAM64の第2エリアに対してのみ実行する。
また、主側RAM64の第1エリアは、後述する8ビットの入球検知情報記憶エリア、スタック領域等としても用いられる。また、主側RAM64の第2エリアは、後述する8ビットのバッファエリア、賞球集計用バッファ、演算用バッファ、演算結果用バッファ、スタック領域等としても用いられる。これらの詳細については後述する。
また、入出力ポート62aには、遊技履歴情報表示部45zが接続されている。遊技履歴情報表示部45zは、4つの7セグメント表示器によって構成されており、パチンコ機10の背面に設けられている。後述するように、主側CPU62xによって算出された遊技履歴情報は、この遊技履歴情報表示部45zに表示される。
図27は、第1実施形態の態様23の主側MPU62(主側CPU62x)が実行するタイマ割込み処理を示すフローチャートである。なお、本態様においても、タイマ割込み処理は、上記第1実施形態と同様に、4msec周期で起動される。上述した第1実施形態のタイマ割込み処理(図13)との違いは、ステップS10606に示した入球検知処理の内容が異なっている点と、遊技履歴情報を算出・表示するための遊技履歴用処理が本タイマ割込み処理の最後の処理(ステップS10616)として追加されている点と、遊技履歴管理チップに入球検知情報を出力する処理である入球検知情報出力処理(図13におけるステップS10207の処理)が省略されている点であり、その他の処理については、上述した第1実施形態のタイマ割込み処理(図13)において説明した処理と同じである。以下では、図27に示したステップS10606の入球検知処理と、ステップS10616に示した遊技履歴用処理について説明する。
図28は、第1実施形態の態様23の主側MPU62(主側CPU62x)が実行する入球検知処理を示すフローチャートである。この態様23の入球検知処理では、前回(1回前)のタイマ割込み処理において入力ポート62bのビットに情報が無し(「0」)と判定され、今回のタイマ割り込み処理において入力ポート62bのビットに情報が有り(「1」)と判定され、かつ、当該タイマ割込み処理においてその後再び当該ビットに情報が有り(「1」)と判定された場合に、当該ビットに対応する入球口に遊技球が入球したと判定する。以下、入球検知処理の一例について説明する。
ステップS10701では、上述した入力ポート62bの上記第0~第7ビットD0~D7(図14)に現状格納されている情報(以下、入球判定用情報とも呼ぶ)を読み込み、ステップS10702として、読み込んだ入球判定用情報を8ビットのバッファである第1バッファに格納する。すなわち、第1バッファは、今回のタイマ割込み処理において入力ポート62bの各ビットから読み込んだ入球判定用情報を格納するためのバッファである。なお、後述する第2バッファは、前回のタイマ割込み処理において入力ポート62bの各ビットから読み込んだ入球判定用情報を格納する8ビットのバッファである。また、本態様では、第1バッファ及び第2バッファは、主側RAM64の第1エリアに設けられている。ステップS10702を実行した後、ステップS10703に進む。
ステップS10703では、主側RAM64に設けられた入球判定カウンタに8をセットする。その後、10704に進む。なお、入球判定カウンタの数値情報は、上述した第1実施形態の入球判定処理(図16)にて用いられた入球判定カウンタ(ステップS10401)と同様に、8個の各入球口のビットに対応している。具体的には、本態様では、入球判定カウンタの数値情報の「8」は大入賞口36aの第0ビットD0、「7」は第1始動口33の第1ビットD1、「6」は第2始動口34の第2ビットD2、「5」は第1入賞口32aの第3ビットD3、「4」は第2入賞口32bの第4ビットD4、「3」は第3入賞口32cの第5ビットD5、「2」はスルーゲート35の第6ビットD6、「1」は排出通路の第7ビットD7に、それぞれ対応している。
ステップS10704では、第2バッファにおける入球判定カウンタの数値情報に対応したビットに入球判定用情報があるか否か、すなわち当該ビットに格納されている入球判定用情報が「1」であるか否かを判定する。ステップS10704において、当該入球判定用情報が「1」ではないと判定した場合には(S10704:NO)、ステップS10705に進む。一方、ステップS10704において、当該入球判定用情報が「1」であると判定した場合には(S10704:YES)、後述するステップS10705からステップS10709までの処理を実行せずに、ステップS10710に進む。
ステップS10705では、第1バッファにおける入球判定カウンタの数値情報に対応したビットに入球判定用情報があるか否か、すなわち当該ビットに格納されている入球判定用情報が「1」であるか否かを判定する。ステップS10705において、当該入球判定用情報が「1」であると判定した場合には(S10705:YES)、ステップS10706に進む。一方、ステップS10705において、当該入球判定用情報が「1」ではないと判定した場合には(S10705:NO)、後述するステップS10706からステップS10709までの処理を実行せずに、ステップS10710に進む。
ステップS10706では、現状の入力ポート62bにおける入球判定カウンタの数値情報に対応したビットに入球判定用情報あるか否か、すなわち当該ビットに格納されている入球判定用情報がが「1」であるか否かを判定する。ステップS10706において、当該入球判定用情報が「1」であると判定した場合には(S10706:YES)、ステップS10707に進む。一方、ステップS10706において、当該入球判定用情報が「1」ではないと判定した場合には(S10706:NO)、後述するステップS10707からステップS10709までの処理を実行せずに、ステップS10710に進む。
ステップS10707では、現状の入球判定カウンタの数値情報がどの種別の入球口に対応したビットを示す情報であるのかを判定し、当該ビットに対応する入球口に遊技球が入球したことを示す入球フラグをONにする。具体的には、例えば、現状の入球判定カウンタの数値情報が大入賞口36aに対応したビットを示す情報であると判定した場合には、大入賞口36aに遊技球が入球したことを示す大入賞口入球フラグをONにする。また、例えば、現状の入球判定カウンタの数値情報が第2始動口34に対応したビットを示す情報であると判定した場合には、第2始動口34に遊技球が入球したことを示す第2始動口入球フラグをONにする。ステップS10707を実行した後、ステップS10708に進む。
ステップS10708では、ステップS10707において入球フラグがONにされた、すなわち、遊技球が入球したと判定された入球口に対応した賞球カウンタの数値情報を1加算する。具体的には、例えば、大入賞口入球フラグがONにされた場合には15個賞球カウンタを1加算し、第2始動口入球フラグがONにされた場合には3個賞球カウンタを1加算する。ステップS10708を実行した後、ステップS10709に進む。
ステップS10709では、入球判定カウンタを1減算し、その後、ステップS10710において、入球判定カウンタが「0」であるか否かを判定する。
ステップS10710において、入球判定カウンタが「0」ではないと判定した場合には(S10710:NO)、ステップS10709において更新した入球判定カウンタの数値情報に応じたビットについて、ステップS10704~ステップS10708の処理を実行する。かかるステップS10704~ステップS10708の処理を、ステップS10703においてセットした数値情報分実行した場合には、入球判定カウンタが「0」となり、ステップS10710において肯定判定(S10710:YES)をすることとなり、ステップS10711に進む。
ステップS10711では、第1バッファに格納されている8ビットの入球判定用情報を第2バッファに格納(コピー)する。これにより、今回のタイマ割込み処理において入力ポート62bから取得された入球判定用情報が次回のタイマ割込み処理における入球検知処理において参照されることになる。ステップS10711を実行した後、ステップS10712に進む。
ステップS10712では、今回のタイマ割込み処理の入球検知処理において遊技球の入球が検知されたことを示す入球検知情報を、8ビットの情報を記憶可能な入球検知情報記憶エリアに記憶する。具体的には、入球検知情報記憶エリアは、上記の8個の入球口のそれぞれに対応する各ビット毎に、入球フラグがONになっている場合には「1」を、入球フラグがOFFになっている場合には「0」を入球検知情報として記憶する。例えば、今回のタイマ割込み処理において入球検知処理を実行した結果、大入賞口入球フラグ及び第2始動口入球フラグがONであり、他の入球口に対応する入球フラグがOFFである場合には、入球検知情報記憶エリアには、「00000101」という8ビットの入球検知情報が記憶される。この入球検知情報記憶エリアに記憶された8ビットの入球検知情報は、後述する遊技履歴処理において参照される。ステップS10712を実行した後、本入球検知処理を終了する。
図29は、第1実施形態の態様23の主側MPU62(主側CPU62x)が実行する遊技履歴用処理を示すフローチャートである。この遊技履歴用処理では、役物比率及び連続役物比率を算出し、これらを遊技履歴情報表示部45zに表示させるための処理を実行する。具体的には、役物比率を算出し、算出した役物比率を遊技履歴情報表示部45zに5秒間表示させる。その後、連続役物比率を算出し、算出した連続役物比率を遊技履歴情報表示部45zに5秒間表示させる。その後、再び役物比率を算出し、算出した役物比率を遊技履歴情報表示部45zに5秒間表示させる。このように、役物比率、連続役物比率を遊技履歴情報表示部45zに交互に表示させる。以下、具体的な処理の一例について説明する。
ステップS10801では、主側CPU62x内のレジスタに格納されている情報(以下、レジスタ情報ともいう)を主側RAM64の第2エリアのスタック領域に退避させる退避処理を実行する。この態様23では、タイマ割込み処理(図27)において、遊技履歴用処理(図27のステップS10616)が実行される前には、遊技履歴用処理以外の処理である遊技の進行に関する処理(図27のステップS10601~10615の処理)が実行されているため、当該退避処理では、遊技の進行に関するレジスタ情報が主側RAM64の第2エリアのスタック領域に退避されることになる。具体的には、主側CPU62xにおけるスタックポインタの値(第1エリアのスタック領域の最上段を示すアドレス値)を主側RAM64の第2エリアのスタック領域の底に退避させる(Pushする)。そして、主側CPU62xのスタックポインタに、主側RAM64の第2エリアのスタック領域の最上段を示すアドレス値を設定する。その後、主側CPU62xに設定されたスタックポインタに示されたスタック領域(主側RAM64の第2エリアのスタック領域の最上段)に、主側CPU62x内のレジスタに格納されているレジスタ情報を順次退避させる(Pushする)。この退避処理を実行することにより、主側CPU62xのスタックポインタには、主側RAM64の第2エリアのスタック領域のアドレス値が設定されるので、主側CPU62xは、以下に説明する遊技履歴情報を算出・表示する処理を、主側RAM64の第2エリアを利用して実行することが可能となる。ステップS10801を実行した後、ステップS10802に進む。
ステップS10802では、主側RAM64の第2エリアに格納されている異常フラグがONであるか否かを判定する。異常フラグは、後述する賞球集計値が異常な値である場合にONにされるフラグである。ステップS10802において、異常フラグがONであると判定した場合には(S10802:YES)、ステップS10803に進み、賞球集計値を0クリアする。その後、ステップS10804に進み、異常フラグをOFFにする。その後、ステップS10805に進む。一方、ステップS10802において、異常フラグがONではないと判定した場合には(S10802:NO)、ステップS10803及びステップS10804の処理を実行することなく、ステップS10805に進む。
ステップS10805では、入球検知情報記憶エリア及びバッファエリアの対応するビット毎にOR処理を実行し、各OR処理の結果(論理和)をバッファエリアの対応するビットに記憶(上書き)する。この処理の詳細については後述する。なお、バッファエリアは、入球検知情報記憶エリアと同じ8ビットの情報を記憶可能な領域であり、主側RAM64の第2エリアに設けられている。ステップS10805を実行した後、ステップS10806に進む。
ステップS10806では、バッファエリアの8個のビットのうちの少なくとも1個のビットに入球検知情報が有るか否か(1個以上のビットに「1」が格納されているか否か)を判定する。ステップS10806において、バッファエリアの少なくとも1個のビットに入球検知情報が有ると判定した場合には(S10806:YES)、ステップS10807に進む。
ステップS10807では、バッファエリアの8個のビットのうち、後述する賞球集計処理の対象とするビットを設定する対象設定処理を実行する。本態様では、1回の対象設定処理では、賞球集計処理の対象として連続する2個のビットを設定する。また、後述するように、次回または次回以降のタイマ割込み処理において対象設定処理が実行された場合には、前回の対象設定処理において設定した2個のビットの隣に位置する2個の連続するビットを賞球集計処理の対象として設定する。このように、賞球集計処理の対象の2個のビットを順次隣にシフトしていく。なお、8個のビットのうち最後の2個のビットが賞球集計処理の対象として設定された後は、次に実行される対象設定処理において、先頭の2個のビットを賞球集計処理の対象として再び設定する。このように、本態様では、バッファエリアの8個のビットの中から賞球集計処理の処理対象として設定する2個のビットの順序が予め定められている。ステップS10807を実行した後、ステップS10808に進み、設定されたビットに対応した賞球集計処理を実行する。ここで、ステップS10805からステップS10808までの処理の具体的な一例について、図30を用いて説明する。
図30は、第1実施形態の態様23の主側MPU62(主側CPU62x)が実行する具体的な処理の一例を示す説明図である。上述したように、入球検知情報記憶エリアは、主側RAM64の第1エリアに設けられた8ビットの記憶領域であり、各ビットは、各入球口に対応している。具体的には、本態様では、入球検知情報記憶エリアの第0ビットD0は大入賞口36a、第1ビットD1は第1始動口33、第2ビットD2は第2始動口34、第3ビットD3は第1入賞口32a、第4ビットD4は第2入賞口32b、第5ビットD5は第3入賞口32c、第6ビットD6はスルーゲート35、第7ビットD7は排出通路にそれぞれ対応している。
バッファエリアは、主側RAM64の第2エリアに設けられた8ビットの記憶領域であり、各ビットは、各入球口に対応している。具体的には、本態様では、バッファエリアの第0ビットD0は大入賞口36a、第1ビットD1は第1始動口33、第2ビットD2は第2始動口34、第3ビットD3は第1入賞口32a、第4ビットD4は第2入賞口32b、第5ビットD5は第3入賞口32c、第6ビットD6はスルーゲート35、第7ビットD7は排出通路にそれぞれ対応している。すなわち、バッファエリアの各ビットは、入球検知情報記憶エリアの各ビットにそれぞれ対応している。
上述した入球検知処理(図28)において、大入賞口36a等の入球口に遊技球が入球したと判定されると、入球検知情報記憶エリアの8個のビットのうち、遊技球が入球したと判定された入球口に対応したビットがON(「1」)にされる。
図30(A1)には、n回目のタイマ割込み処理が実行された場合における処理の一例が示されている。このn回目のタイマ割込み処理では、入球検知処理において、第2始動口34及び第1入賞口32aに遊技球が入球したと判定されており、入球検知情報記憶エリアの8個のビットの値は、「00001100」となっている。また、OR処理を実行する前のバッファエリアの8個のビットの値は、「00000000」となっている。したがって、OR処理を実行した後のバッファエリアの8個のビットの値は、「00001100」となる。これにより、タイマ割込み処理が実行される毎に更新される入球検知情報記憶エリアにおける入球検知情報が、後述する賞球集計処理の処理対象として設定されて当該処理が実行されるまでバッファエリアに保持されることになる。
n回目のタイマ割込み処理では、OR処理が実行された後のバッファエリアの8個のビットD0~D7のうち、第0ビットD0と第1ビットD1の2個の連続するビットを賞球集計処理の処理対象として設定する。
賞球集計処理では、賞球集計処理の処理対象として設定された第0ビットD0(大入賞口36aに対応するビット)が「1」である場合には、賞球集計用バッファに記憶されている総賞球数及び連続役物賞球数に「15」を加算する。一方、第0ビットD0が「0」である場合には、当該加算を行わない。なお、本態様では、賞球集計用バッファはリングバッファとして構成されており、直近の所定期間に払い出された賞球数が記憶されるように構成されている。また、連続役物賞球数は、連続役物作動によって賞球として払い出された遊技球の個数であり、大入賞口36aへの遊技球の入球に基づいて賞球として払い出された遊技球の個数を意味する。
さらに、賞球集計処理では、賞球集計処理の処理対象として設定された第1ビットD1(第1始動口33に対応するビット)が「1」である場合には、賞球集計用バッファに記憶されている総賞球数に「3」を加算する。一方、第1ビットD1が「0」ある場合には、当該加算を行わない。
この図30(A1)に示した例では、第0ビットD0は「0」であり、第1ビットD1も「0」であるため、上述した加算は行わない。
賞球集計処理が実行された後は、バッファエリアの賞球集計処理の対象として設定された2個のビット(第0ビットD0及び第1ビットD1)は0にクリアされる。
図30(A2)には、n+1回目のタイマ割込み処理が実行された場合における処理の一例が示されている。このn+1回目のタイマ割込み処理では、入球検知処理において、第2入賞口32bに遊技球が入球したと判定されており、入球検知情報記憶エリアの8個のビットの値は、「00010000」となっている。また、OR処理を実行する前のバッファエリアの8個のビットの値は、上述したn回目のタイマ割込み処理における賞球集計処理後のバッファエリアと同じ「00001100」となっている。したがって、OR処理を実行した後のバッファエリアの8個のビットの値は、「00011100」となる。
n+1回目のタイマ割込み処理では、OR処理が実行された後のバッファエリアの8個のビットD0~D7のうち、第2ビットD2と第3ビットD3の2個の連続するビットを賞球集計処理の処理対象として設定する。
賞球集計処理では、賞球集計処理の処理対象として設定された第2ビットD2(第2始動口34に対応するビット)が「1」である場合には、賞球集計用バッファに記憶されている総賞球数及び役物賞球数に「3」を加算する。一方、第2ビットD2が「0」である場合には、当該加算を行わない。なお、役物賞球数は、役物作動によって賞球として払い出された遊技球の個数であり、第2始動口34及び大入賞口36aへの遊技球の入球に基づいて賞球として払い出された遊技球の個数を意味する。
さらに、賞球集計処理では、賞球集計処理の処理対象として設定された第3ビットD3(第1入賞口32aに対応するビット)が「1」である場合には、賞球集計用バッファに記憶されている総賞球数に「10」を加算する。一方、第3ビットD3が「0」ある場合には、当該加算を行なわない。
この図30(A2)に示した例では、第2ビットD2は「1」であるため、総賞球数及び役物賞球数に「3」を加算する。また、第3ビットD3は「1」であるため、総賞球数に「10」を加算する。
賞球集計処理が実行された後は、バッファエリアの賞球集計処理の対象として設定された2個のビット(第2ビットD2及び第3ビットD3)は0にクリアされる。
図30(A3)には、n+2回目のタイマ割込み処理が実行された場合における処理の一例が示されている。このn+2回目のタイマ割込み処理では、入球検知処理において、スルーゲート35に遊技球が入球(通過)したと判定されており、入球検知情報記憶エリアの8個のビットの値は、「01000000」となっている。また、OR処理を実行する前のバッファエリアの8個のビットの値は、上述したn+1回目のタイマ割込み処理における賞球集計処理後のバッファエリアと同じ「00010000」となっている。したがって、OR処理を実行した後のバッファエリアの8個のビットの値は、「01010000」となる。
n+2回目のタイマ割込み処理では、OR処理が実行された後のバッファエリアの8個のビットD0~D7のうち、第4ビットD4と第5ビットD5の2個の連続するビットを賞球集計処理の処理対象として設定する。
賞球集計処理では、賞球集計処理の処理対象として設定された第4ビットD4(第2入賞口32bに対応するビット)が「1」である場合には、賞球集計用バッファに記憶されている総賞球数に「10」を加算する。一方、第4ビットD4が「0」である場合には、当該加算を行なわない。
さらに、賞球集計処理では、賞球集計処理の処理対象として設定された第5ビットD5(第3入賞口32cに対応するビット)が「1」である場合には、賞球集計用バッファに記憶されている総賞球数に「10」を加算する。一方、第5ビットD5が「0」ある場合には、当該加算を行なわない。
この図30(A3)に示した例では、第4ビットD4は「1」であるため、総賞球数に「10」を加算する。また、第5ビットD5は「0」であるため、上述した加算を行なわない。
賞球集計処理が実行された後は、バッファエリアの賞球集計処理の対象として設定された2個のビット(第4ビットD4及び第5ビットD5)は0にクリアされる。
図30(A4)には、n+3回目のタイマ割込み処理が実行された場合における処理の一例が示されている。このn+3回目のタイマ割込み処理では、入球検知処理において、大入賞口36aに遊技球が入球したと判定されており、入球検知情報記憶エリアの8個のビットの値は、「00100001」となっている。また、OR処理を実行する前のバッファエリアの8個のビットの値は、上述したn+2回目のタイマ割込み処理における賞球集計処理後のバッファエリアと同じ「01000000」となっている。したがって、OR処理を実行した後のバッファエリアの8個のビットの値は、「01100001」となる。
n+3回目のタイマ割込み処理では、OR処理が実行された後のバッファエリアの8個のビットD0~D7のうち、第6ビットD6と第7ビットD7の2個の連続するビットを賞球集計処理の処理対象として設定する。
ただし、本態様では、第6ビットD6はスルーゲート35に対応しており、第7ビットD7は排出通路に対応している。そして、スルーゲート35及び排出通路には賞球は設定されていない。したがって、本態様では、第6ビットD6及び第7ビットD7が賞球集計処理の対象として設定された場合には、賞球集計処理において総賞球数等への加算を行なわない。その後、バッファエリアの賞球集計処理の対象として設定された2個のビット(第6ビットD6及び第7ビットD7)は0にクリアされる。
その後、n+4回目のタイマ割込み処理では、再び第0ビットD0及び第1ビットD1を賞球集計処理の処理対象として設定する。以降、同様の処理を繰り返し実行する。ただし、後述するように、バッファエリアのビットに入球検知情報が1つも無い(全てのビットが「0」である)場合には、対象設定処理(ステップS10807)及び賞球集計処理(ステップS10808)は実行されない。また、本態様では、バッファエリアのビットに入球検知情報が1つも無い(全てのビットが「0」である)状態から、再び、バッファエリアの少なくとも1個のビットに入球検知情報が有る状態となり、対象設定処理が実行された場合には、前回の対象設定処理において賞球集計処理の処理対象として設定された2個のビットを記憶しており、当該2個のビットの隣に位置する連続する2個のビットを賞球集計処理の処理対象として設定する。なお、前回の対象設定処理において賞球集計処理の処理対象として設定された2個のビットが第6ビットD6及び第7ビットD7である場合には、第0ビットD0及び第1ビットD1の2個の連続するビットを賞球集計処理の処理対象として設定する。
以上説明したように、本態様では、1回のタイマ割込み処理においてバッファエリアの8個のビットのうち2個のビットを賞球集計処理の対象として設定するので、バッファエリアの少なくとも1個のビットに入球検知情報が有る場合には、タイマ割込み処理が4回実行されることによって、バッファエリアの8個のビットの全てに対して賞球集計処理が実行されることになる。
図29の説明に戻る。ステップS10808の賞球集計処理を実行した後、ステップS10809に進む。
ステップS10809では、演算結果表示制御処理を実行する。具体的には、後述する演算結果用バッファに保存されている値(算出した遊技履歴情報である役物比率又は連続役物比率)を遊技履歴情報表示部45zに表示させる制御を実行する。ステップS10809を実行した後、ステップS10810に進む。
ステップS10810では、遊技履歴情報を算出する演算処理の実行タイミングであるか否かを判定する。具体的には、パチンコ機10の電源投入から所定時間(本態様では30分)が経過した場合、または、演算処理の前回の実行から5秒が経過した場合に、演算処理を実行するタイミングであると判定する。ステップS10810において、演算処理を実行するタイミングであると判定した場合には(S10810:YES)、ステップS10811に進む。一方、ステップS10810において、演算処理を実行するタイミングではないと判定した場合には(S10810:NO)、後述するステップS10811及びステップS10812の処理を実行せずに、ステップS10813に進む。
ステップS10811では、演算処理(後述するタスク1及びタスク2)において算出する遊技履歴情報の種別を設定する。本態様では、演算対象の遊技履歴情報の種別として、役物比率及び連続役物比率を交互に設定する。その後、ステップS10812に進み、後述するタスク処理(ステップS10814)において実行する次回のタスクとして、タスク1を指定する。ステップS10812を実行した後、ステップS10813に進む。
ステップS10813では、上述した退避処理において主側RAM64の第2エリアのスタック領域に退避されていたレジスタ情報を、主側CPU62xのレジスタに復帰させる処理を実行する。具体的には、主側CPU62xに設定されたスタックポインタに示されたスタック領域(主側RAM64の第2エリアのスタック領域の最上段)から、順次、退避されていたレジスタ情報を、主側CPU62x内のレジスタに復帰させる(Popする)。その後、第2エリアのスタック領域の底に退避されていたスタックポインタの値(第1エリアのスタック領域の最上段を示すアドレス値)を主側CPU62xのスタックポインタに復帰させる(Popする)。この復帰処理を実行することにより、主側CPU62xのスタックポインタには、主側RAM64の第1エリアのスタック領域のアドレス値が設定されるので、主側CPU62xは、再び、主側RAM64の第1エリアを利用して遊技の進行に関する処理を実行することが可能となる。その後、本遊技履歴用処理を終了する。
ステップS10806の説明に戻る。ステップS10806において、バッファエリアのビットに入球検知情報が1つも無い(全てのビットが「0」である)と判定した場合には(S10806:NO)、ステップS10814に進む。
ステップS10814では、下記の3つのタスクのうち、指定されているいずれか1つのタスクを実行する。タスクが指定されていない場合には、タスク3を実行する。すなわち、1回のタイマ割込み処理において3つのタスクを順次実行するのではなく、1回のタイマ割込み処理では3つのタスクのうちの指定されたいずれか1つのタスクのみを実行する。
[タスク1]
演算対象として設定された遊技履歴情報を算出するために必要となる被除数及び除数を演算用バッファに保存する。具体的には、例えば、役物比率を算出するように設定されている場合には、被除数として役物賞球数を、除数として総賞球数を演算用バッファに保存する。また、例えば、連続役物比率を算出するように設定されている場合には、被除数として連続役物賞球数を、除数として総賞球数を演算用バッファに保存する。その後、次回以降のタイマ割込み処理においてステップS10806の処理に進んだ場合に実行する次回タスクとしてタスク2を指定する。
[タスク2]
演算用バッファに保存されている被除数を除数で割る演算を実行し、当該演算結果(商)を演算結果用バッファに保存する。その後、次回以降のタイマ割込み処理においてステップS10806の処理に進んだ場合に実行する次回タスクとしてタスク3を指定する。
[タスク3]
賞球集計値(役物賞球数、連続役物賞球数、総賞球数)が有効であるか否かを判定し、有効ではないと判定した場合には異常フラグをONにし、その後、次回以降のタイマ割込み処理においてステップS10806の処理に進んだ場合に実行する次回タスクとしてタスク3を指定する。一方、賞球集計値が有効であると判定した場合には、異常フラグはONにせず、次回タスクとしてタスク3を指定する。ここで、賞球集計値が有効ではない場合とは、役物賞球数が総賞球数を超えている場合や、連続役物賞球数が総賞球数を超えている場合、連続役物賞球数が役物賞球数を超えている場合など、賞球集計値に矛盾が生じている場合である。
上述した3つのタスクのうちの指定されたタスクを実行した後、上述したステップS10809に進み、演算結果用バッファに保存されている値(役物比率又は連続役物比率)を遊技履歴情報表示部45zに表示させる処理を実行する。本態様では、遊技履歴情報表示部45zを構成する1つ目の7セグメント表示器に遊技履歴情報の種別を示す情報を表示し、残りの3つの7セグメント表示器に遊技履歴情報の値を表示する。
以上説明した本態様のパチンコ機10では、タイマ割込み処理に含まれる遊技の進行に関する処理(遊技履歴用処理以外の処理)は、次のタイマ割込み処理が開始されるまでの時間(本態様では4msec)よりも短い時間で終了するようにプログラムされているが、当該遊技の進行に関する処理が終了するまでに要する時間は、遊技の進行の状況に応じて変化する。一方、遊技履歴用処理は、遊技の進行には関係のない処理であるため、1回のタイマ割込み処理において、遊技履歴用処理を実行するための時間よりも、遊技の進行に関する処理を実行するための時間を優先して確保することが好ましい。また、遊技履歴用処理に含まれる各種処理(例えば、各ビットに対する賞球集計処理や演算処理等)を1回のタイマ割込み処理において連続的に実行して完結させる構成としなくても、遊技の進行には影響がない。したがって、本態様では、遊技の進行に関する処理の実行時間が遊技の進行の状況に応じて最大となった場合であっても、1回のタイマ割込み処理の実行時間(遊技の進行に関する処理の実行時間+遊技履歴用処理の実行時間)が次のタイマ割込み処理が開始されるまでの時間よりも短い時間となるように、遊技履歴用処理に含まれる各種処理を複数の処理に分割し、1回のタイマ割込み処理では当該分割された処理を実行し、タイマ割込み処理を複数回実行することによって各種処理が完結する構成とした。この結果、本態様によれば、1回のタイマ割込み処理における遊技の進行に関する処理の実行に要する時間を確保しつつ、遊技履歴用処理を実行することが可能となる。
具体的には、本態様によれば、タイマ割込み処理の1回の実行においては、遊技履歴情報を算出する処理である演算処理を構成する2つのタスク(タスク1及びタスク2)のうちの一のタスクを実行可能であり、タイマ割込み処理を2回実行することによって、演算処理を構成する2つのタスクの全てを実行するので、タイマ割込み処理の1回の実行において2つのタスクの両方を実行する構成に比べて、タイマ割込み処理の1回の実行に要する時間を短縮することができる。この結果、タイマ割込み処理の1回の実行に要する時間が、タイマ割込み処理の実行を開始する間隔(以下では、割込み間隔ともいう)である4msecよりも長くなってしまい、タイマ割込み処理を4msecの間隔で実行することができなくなってしまうといったことを抑制することができる。
また、本態様によれば、実行する順序が定められた一連の処理を複数のタスクに分割し、タイマ割込み処理の1回の実行においては、複数のタスクのうちの一のタスクを実行した後、当該一のタスクの次に実行するタスクを指定するので、タイマ割込み処理に組み込んだ場合に当該タイマ割込み処理の実行に要する時間がタイマ割込み処理の割込み間隔よりも長くなってしまうような一連の処理であっても、タイマ割込み処理に組み込んで実行することができる。具体的には、本態様によれば、遊技履歴情報を算出する演算処理をタイマ割込み処理に組み込んだ場合に当該タイマ割込み処理の1回の実行に要する時間が4msecよりも長くなってしまうような構成の遊技機においても、4msecの間隔で実行されるタイマ割込み処理に当該演算処理を組み込んで実行することができる。また、遊技履歴情報を算出するための演算処理は、タイマ割込み処理の1回の実行において全てのタスクを実行しなくても遊技の進行に影響はないため、タイマ割込み処理の1回の実行に要する時間を、当該タイマ割込み処理に含まれる他の処理の実行時間に割り振ることができ、遊技機の設計の自由度を向上させることができる。
また、本態様によれば、タイマ割込み処理の1回の実行においては、バッファエリアの8個のビットD0~D7の中から2個のビットを賞球集計処理の処理対象として設定し、当該設定した処理対象のビットに対して賞球集計処理を実行可能であり、タイマ割込み処理を複数回実行することによって、バッファエリアの8個のビットD0~D7の全てに対して賞球集計処理を実行する。したがって、タイマ割込み処理の1回の実行において8個のビットD0~D7の全てに対して賞球集計処理を実行する構成に比べて、タイマ割込み処理の1回の実行に要する時間を短縮することができる。この結果、タイマ割込み処理の実行に要する時間が、タイマ割込み処理の実行を開始する間隔である4msecよりも長くなってしまい、タイマ割込み処理を4msecの間隔で実行することができなくなってしまうといったことを抑制することができる。
また、本態様によれば、バッファエリアの8個のビットD0~D7の中から2個のビットを賞球集計処理の処理対象として設定する際に、予め定められた順序で設定するので、賞球集計処理の処理対象をいずれのビットに設定するかの判定処理を実行する必要がなく、処理を簡易化することができ、この結果、処理速度を向上させることができる。さらに、判定処理を実行するために必要なプログラムやパラメータなどの情報を記憶するための記憶容量を削減することができる。
また、本態様によれば、主側CPU62xは、1つの入球口に2個の遊技球が連続して入球して検知される最短の間隔(本態様では18msec程度)よりも短い時間でタイマ割込み処理を4回実行することができるので、当該最短の間隔よりも短い時間で8個の処理対象候補(バッファエリアのビットD0~D7)の全てに対して賞球集計処理(図29のステップS10808)を実行することができる。したがって、同一の入球口に2個の遊技球が連続して入球した場合であっても、最初の1個目の遊技球の入球が当該入球口において検知されることに基づいて更新された入球検知情報が処理対象として設定されて賞球集計処理が実行され、さらにその後に残りの他の入球口に対応した入球検知情報が処理対象として設定されて賞球集計処理が実行されたとしても、次の2個目の遊技球の入球が当該入球口において検知されるよりも先にこれら全ての入球検知情報に対して賞球集計処理を終了することができる。すなわち、2個目の遊技球の入球が当該入球口において検知されることに基づいて更新された入球検知情報が処理対象として設定されて賞球集計処理が実行された時点においては、既に、1個目の遊技球の入球が当該入球口において検知されることに基づいて更新された入球検知情報に対する賞球集計処理は終了していることになる。この構成による効果を以下に説明する。
本態様のように、入球検知情報として、遊技球の入球の有無を示す「0」または「1」の2値の情報を採用した構成において、仮に、ある入球口への2個目の遊技球の入球が当該入球口において検知されるまでに、当該入球口への1個目の遊技球の入球に基づいて「0」から「1」に更新された入球検知情報に対して賞球集計処理が実行されない場合には、当該2個目の遊技球の入球が当該入球口において検知された時点ではまだ当該入球口に対応する入球検知情報が「1」のままとなっており、当該2個目の遊技球の入球を記録することができない。すなわち、当該入球口には2個の遊技球が連続して入球した状況であるにも関わらず、当該入球口に対応した入球検知情報は、当該入球口に1個の遊技球しか入球していない状況と区別することができず、賞球集計処理においては1個の遊技球が当該入球口に入球した状況として扱われてしまう。この結果、賞球集計処理において正確な賞球数を記録することができない場合がある。
これに対して、本態様によれば、当該2個目の遊技球の入球が当該入球口において検知された時点において既に当該入球口への1個目の遊技球の入球によって更新された入球検知情報に対して賞球集計処理が実行され、当該入球検知情報が「0」になっているため、当該2個目の遊技球の入球を記録することが可能となる。この結果、賞球集計処理において正確な賞球数を記録することが可能となる。これにより、賞球集計処理における正確性を担保しつつ、入球検知情報として、遊技球の入球の有無を示す「0」または「1」の2値の情報を採用することが可能となり、入球検知情報を記憶するための記憶容量を小さくすることができるとともに、賞球集計処理の処理速度を向上させることができる。
また、本態様によれば、遊技履歴用処理(図29)は、主側CPU62x内のレジスタが保持する情報であって遊技の進行に関する処理の実行のための情報を主側RAM64の第2エリアのスタック領域に書き込む退避処理(図29のステップS10801)を含むので、主側CPU62xが遊技履歴用処理の開始時に、主側CPU62x内のレジスタが遊技履歴用処理の開始直前に実行していた遊技の進行に関する処理の実行のための情報を保持している場合には、当該情報を主側RAM64の第2エリアのスタック領域に書き込むことによって一時的に移動(退避)させることができる。よって、主側CPU62x内のレジスタに保持されていた遊技の進行に関する処理の実行のための情報を消去し、主側CPU62xによる遊技履歴用処理の実行時には、主側CPU62x内のレジスタに遊技履歴用処理の実行のための情報を保持させることができる。
また、本態様によれば、遊技履歴用処理(図29)は、退避処理において主側RAM64の第2エリアのスタック領域に書き込まれた情報を主側CPU62xのレジスタに保持させる復帰処理(図29のステップS10813)を含むので、遊技履歴用処理を終了する際に、遊技の進行に関する処理の実行のための情報を主側CPU62xのレジスタに再び保持させ、遊技履歴用処理の開始以前に実行していた遊技の進行に関する処理を、遊技履歴用処理の開始直前の状態から再び実行することができる。
また、本態様によれば、退避処理と復帰処理は遊技履歴用処理に含まれるので、遊技履歴用処理を実行するためのプログラムのみを削除しても遊技履歴用処理以外の遊技の進行に関する処理が問題なく実行される遊技機を提供することができる。すなわち、遊技履歴用処理以外の遊技の進行に関する処理を実行するためのプログラムを改変せずに、遊技履歴用処理を実行するためのプログラムのみを容易に削除することが可能となる。この結果、例えば、遊技履歴用処理を実行させないように当該遊技機を改良する場合や、当該遊技機に基づいて遊技履歴用処理を実行しない新たな遊技機を開発する場合において、設計変更を最小限にすることが可能となる。
また、本態様によれば、主側CPU62xは、遊技履歴用処理における情報の書き込みを、主側RAM64の第2エリアに対してのみ実行するので、主側RAM64の第1エリアに書き込まれている情報が、遊技履歴用処理の実行によって書き換えられてしまうことを抑制することができる。したがって、遊技の進行に関する処理が主側RAM64の第1エリアを用いて実行される構成において、当該遊技の進行に関する処理に対して遊技履歴用処理が影響を与えてしまうことを抑制することができる。
また、本態様によれば、主側CPU62xは、遊技の進行に関する処理における情報の書き込みを、主側RAM64の第1エリアに対してのみ実行するので、主側RAM64の第2エリアに書き込まれている情報が、遊技の進行に関する処理の実行によって書き換えられてしまうことを抑制することができる。したがって、遊技履歴用処理が主側RAM64の第2エリアを用いて実行される構成において、当該遊技履歴用処理に対して遊技の進行に関する処理が影響を与えてしまうことを抑制することができる。
また、本態様によれば、入球検知情報を記憶可能な8ビットのバッファエリアを備えるので、タイマ割込み処理が実行される毎に更新される入球検知情報記憶エリアにおける入球検知情報を、賞球集計処理の処理対象として設定されて当該処理が実行されるまで保持することができる。
また、本態様によれば、図29に示すように、1回のタイマ割込み処理において賞球集計処理(ステップS10808)を実行する場合には演算処理(ステップS10814のタスク1及びタスク2)を実行しない。すなわち、1回のタイマ割込み処理においては賞球集計処理と演算処理の両方の処理を実行することはないので、タイマ割込み処理の1回の実行に要する時間を短縮することができる。この結果、タイマ割込み処理の1回の実行に要する時間が、タイマ割込み処理の割込み間隔よりも長くなってしまい、タイマ割込み処理を当該割込み間隔で実行することができなくなってしまうといったことを抑制することができる。さらに、本態様によれば、遊技球の入球状況と処理負荷とが相関する賞球集計処理を、遊技球の入球状況と処理負荷とが相関しない演算処理よりも優先して実行するので、賞球集計処理の実行の間隔が大きくなることを抑制し、その結果として当該賞球集計処理の処理結果である賞球集計値が遊技球の入球状況を正確に反映することができなくなってしまうことを抑制することができる。具体的には、例えば、バッファエリアのあるビットに対して賞球集計処理が実行されるよりも前に次の遊技球が当該ビットに対応する入球口に入球してしまい、2個の遊技球の入球を1個の遊技球の入球として扱ってしまうことを抑制することができる。
また、本態様によれば、図29に示すように、賞球集計処理(ステップS10808)を実行しない場合であって、演算処理の実行のタイミングであると判定した場合(ステップS10810:YES)に演算処理(ステップS10814のタスク1及びタスク2)を実行するので、1回のタイマ割込み処理において賞球集計処理も演算処理も実行せずに、当該状況において、賞球集計処理及び演算処理の代わりに、これらの処理とは独立した他の処理(本態様では賞球集計値の有効性を判定する処理(ステップS10814のタスク3))を実行することが可能となる。さらに、本態様では、1回のタイマ割込み処理において賞球集計処理または演算処理のいずれかを実行した場合に当該タイマ割込み処理の1回の実行に要する時間が割込み間隔よりも短くなるように構成されているので、賞球集計処理も演算処理も実行しない状況において、賞球集計処理及び演算処理よりも処理時間の短い処理を実行することによって、当該タイマ割込み処理の1回の実行に要する時間が割込み間隔よりも長くなってしまうことを確実に抑制することができる。
また、本態様によれば、役物比率及び連続役物比率の2個の種別の遊技履歴情報を算出可能であるにも関わらず、1回のタイマ割込み処理における演算処理においては、役物比率または連続役物比率のいずれか一方の算出についての処理を実行するので、1回のタイマ割込み処理における演算処理において2個の種別の遊技履歴情報の算出についての処理を実行する構成と比較して、タイマ割込み処理の1回の実行に要する時間を短縮することができる。この結果、タイマ割込み処理の1回の実行に要する時間が、割込み間隔よりも長くなってしまい、タイマ割込み処理を所定の割込み間隔で実行することができなくなってしまうといったことを抑制することができる。また、算出した遊技履歴情報を一時的に記憶するための主側RAM64の記憶容量を削減することができる。
また、本態様によれば、入球検知処理において、各入球口に対応したビットの入球判定用情報が「0」→「1」→「1」となった場合に、当該ビットに対応した入球口に遊技球が入球したと判定するので、上述した第1実施形態と同様に、電気的なノイズによる誤検知の発生を抑制することができる。
<態様24>
上記態様23では、遊技履歴情報として、役物比率及び連続役物比率を算出する構成としたが、算出する遊技履歴情報はこれらに限られず、第1実施形態に示した種々の遊技履歴情報を算出する構成とすることができる。例えば、第1実施形態に示した出球率や、払出比率等を算出する構成としてもよい。この場合には、上述した賞球集計処理(図29のステップS10808)と同様にして、排出通路を通過した遊技球の個数(遊技盤30に発射された遊技球の個数)も集計する構成とすればよい。
<態様25>
上記態様23の遊技履歴用処理(図29)では、ステップS10802において異常フラグがONであると判定した場合には、賞球集計値をクリアし(ステップS10803)、異常フラグをOFFにする(ステップS10804)構成としたが、所定期間内に異常フラグが所定回数ONになった場合には、異常が発生していることを示す情報を遊技履歴情報表示部45zに表示する構成としてもよい。
<態様26>
上記態様23では、遊技履歴情報を算出する処理である演算処理を複数のタスクに分割して実行する構成としたが、複数のタスクに分割する処理の種別は当該演算処理に限らず、種々の処理を複数のタスクに分割して実行する構成とすることができる。例えば、実行する演出の内容を音声発光制御装置90の音光側MPU92が設定する構成において、当該演出の内容を設定する処理を複数のタスクに分割して実行する構成としてもよい。
<態様27>
上記態様23では、賞球集計処理の処理対象として、バッファエリアの8個のビットのうち、2個ずつのビットを処理対象として設定する構成としたが、処理対象とするビットの個数は2個に限らず、他の個数であってもよい。例えば、1回のタイマ割込み処理において5個のビットを処理対象として設定する構成としてもよい。また、1回のタイマ割込み処理において、8個のビットの全てを処理対象として設定する構成としてもよい。また、8個のビットのうちの所定のビット(例えば、賞球が設定されている第0ビットD0~第5ビットD5の6個のビット)のみを処理対象として設定可能であり、1回のタイマ割込み処理においては2個のビットを処理対象として設定する構成としてもよい。
<態様28>
上記態様23では、遊技の進行に関する処理を実行するための記憶領域として主側RAM64の第1エリアが割り当てられ、遊技履歴用処理を実行するための記憶領域として主側RAM64の第2エリアが割り当てられている構成としたが、主側RAM64の第2エリアが、遊技履歴用処理以外の他の処理を実行するための記憶領域として割り当てられている構成としてもよい。
また、主側RAM64が3つ以上のエリアに区分されている構成としてもよい。そして、例えば、主側RAM64の3つ目のエリアである第3エリアが、遊技履歴情報を外部に出力するための処理を実行するための記憶領域として割り当てられている構成としてもよい。
<態様29>
上記態様23では、遊技履歴用処理に退避処理及び復帰処理が含まれる構成としたが、遊技履歴用処理以外の他の処理が退避処理及び復帰処理を含む構成としてもよい。例えば、遊技機の設計変更時には削除することが予定されている処理が退避処理及び復帰処理を含んでいる構成としてもよい。
<態様30>
上記態様23では、遊技履歴用処理がタイマ割込み処理(図27)に組み込まれている構成としたが、遊技履歴用処理がメイン処理(図12)に組み込まれている構成としてもよい。また、上記態様23では、タイマ割込み処理(図27)に、遊技の進行に関する処理とは異なる処理として遊技履歴用処理が組み込まれている構成としたが、遊技の進行に関する処理とは異なる処理として、遊技履歴用処理以外の他の処理がタイマ割込み処理に組み込まれている構成としてもよい。例えば、遊技ホールに設置されているホールコンピュータに対して遊技の状況に関する情報を所定のタイミングで送信する送信処理が、遊技の進行に関する処理とは異なる処理として、タイマ割込み処理に組み込まれている構成としてもよい。また、遊技の進行に関する処理とは異なる種々の処理が、メイン処理に組み込まれている構成としてもよい。
<態様31>
上記態様23では、遊技履歴管理チップ300を備えない構成とした上で、主側CPU62xが遊技履歴用処理(図29)を実行して遊技履歴情報を算出する構成としたが、遊技履歴管理チップ300を備える構成とした上で、主側CPU62xが遊技履歴用処理(図29)を実行して遊技履歴情報を算出する構成としてもよい。このような構成によれば、遊技履歴情報を2系統で算出することができるので、1系統に不具合が生じても、遊技履歴情報を算出することが可能となる。また、2系統から算出された遊技履歴情報を比較し、これらの値が一致しているか否かを報知(表示)する構成とすれば、算出された遊技履歴情報の信頼性、正確性を確認することが可能となる。
また、遊技履歴管理チップ300が、上記態様23において説明した遊技履歴用処理(図29)を実行して遊技履歴情報を算出する構成としてもよい。
<態様32>
上記態様23の遊技履歴用処理(図29)のステップS10805では、主側RAM64の第1エリアに設けられている入球検知情報記憶エリア(図30)の各ビットに格納されている情報をOR処理において読み出す構成としたが、この構成に代えて、当該入球検知情報記憶エリアに対応した8ビットの記憶エリア(以下、第2入球検知情報記憶エリアとも呼ぶ)を主側RAM64の第2エリアに設ける構成とした上で、主側RAM64の第1エリアに設けられている入球検知情報記憶エリアの各ビットに格納されている情報を、主側RAM64の第2エリアに設けられている第2入球検知情報記憶エリアに複製(コピー)し、当該複製された各ビットの情報を、ステップS10805のOR処理において読み出す構成としてもよい。
また、入球検知情報記憶エリアが主側RAM64の第2エリアに設けられている構成としてもよい。
<態様33>
上記態様23の遊技履歴用処理(図29)のステップS10814では、遊技履歴情報を算出する演算処理(タスク1またはタスク2)を実行しない場合には、タスク3に含まれる賞球集計値の有効性を判定する処理を常に実行する構成としたが、賞球集計値の有効性を判定する処理は、遊技履歴情報が新たに算出される毎に1回のみ実行する構成としてもよい。具体的には、例えば、タスク3において賞球集計値の有効性を判定した後に、判定済みであることを示す判定済みフラグをONにし、次にタスク3を実行する際に、当該判定済みフラグがONである場合には、当該賞球集計値の有効性を判定する処理を実行しない構成とする。そして、再び実行されたタスク1において、当該判定済みフラグをOFFにする構成とすればよい。このような構成によれば、遊技履歴情報の算出の基礎となる賞球集計値の有効性を判定して当該遊技履歴情報の有効性を担保しつつ、1回の遊技履歴用処理が完了するまでに要する処理時間をさらに短縮することが可能となる。
<態様34>
上記態様23の遊技履歴用処理(図29)のステップS10810では、パチンコ機10の電源投入から所定時間(例えば30分)が経過した場合、または、演算処理の前回の実行から5秒が経過した場合に、演算処理を実行するタイミングであると判定し、遊技履歴情報を算出する構成としたが、この構成に代えて、電源投入から所定時間の経過を待たずに、電源投入直後に1回目の演算処理を実行するタイミングであると判定し、その後、演算処理の前回の実行から5秒が経過する毎に、演算処理を実行するタイミングであると判定する構成としてもよい。この構成において、賞球集計値における総賞球数が60000個に達するまでは、算出した遊技履歴情報を遊技履歴情報表示部45zに表示させる際に点滅表示とし、総賞球数が60000個に達した後は、算出した遊技履歴情報を遊技履歴情報表示部45zに表示させる際に点灯表示とする構成としてもよい。このような構成によれば、表示されている遊技履歴情報の算出の基礎となる賞球集計値として十分な量の統計データが蓄積されているか否かを容易に把握することが可能となる。なお、総賞球数に代えて、排出通路を通過した遊技球の個数(遊技盤30に発射された遊技球の個数)の集計値を基準として、点滅表示から点灯表示に切り替える構成としてもよい。
<態様35>
上記態様23の遊技履歴用処理(図29)のステップS10807では、賞球集計処理の複数の処理対象候補は、バッファエリアの8個のビットとして予め固定されている構成としたが、バッファエリアの8個のビットを4個ずつの2つのグループに分け、賞球集計処理の複数の処理対象の候補として、2つのグループのうちの一のグループを選択し、選択したグループに属する4個のビットの中から2個のビットを賞球集計処理の処理対象として設定する構成としてもよい。ただし、上記態様23のように、賞球集計処理の複数の処理対象候補がバッファエリアの8個のビットとして予め固定されている構成とした方が、2つのグループのうちの一のグループを選択する処理を実行する必要がなく、処理を簡易化することができ、この結果、処理速度を向上させることができる。さらに、2つのグループのうちの一のグループを選択するために必要なプログラムやパラメータなどの情報を記憶するための記憶容量を削減することができる。
<態様36>
上記態様23の遊技履歴用処理(図29)において、次のタイマ割込み処理が開始されるまでの残時間に基づいて、今回のタイマ割込み処理における遊技履歴用処理において実行するタスク(各種処理)の数や種別を決定する構成としてもよい。このような構成によれば、次のタイマ割込み処理が開始されるまでの残時間を有効に活用してタスクを実行することが可能となる。
<態様37>
図31は、第1実施形態の態様37におけるパチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。この態様37では、遊技履歴管理チップ300は設けられておらず、上述した遊技履歴情報を算出・表示するための処理(遊技履歴用処理)を主側CPU62xが実行するように構成されている。また、主側RAM64は、上述した態様23(図26)と同様に、2つのエリア(第1エリア及び第2エリア)に区分されており、主側RAM64の第1エリアは、遊技の進行に関する処理を実行するためのプログラムや各種フラグ(高確率モードフラグや高頻度サポートモードフラグ等)等を記憶する領域として用いられ、主側RAM64の第2エリアは、遊技履歴情報を算出・表示するための処理(遊技履歴用処理)を実行するためのプログラムや各種の数値情報(上述した賞球集計値や、入球個数情報、役物比率等の遊技履歴情報)等を記憶する領域として用いられる。そして、主側CPU62xは、上述した態様23(図26)と同様に、遊技の進行に関する処理(遊技履歴用処理以外の処理)の実行時には、情報の書き込みを主側RAM64の第1エリアに対してのみ実行し、遊技履歴用処理の実行時には、情報の書き込みを主側RAM64の第2エリアに対してのみ実行する。
さらに、本態様のパチンコ機10の主側MPU62には、図31に示すように、書き換え可能であるとともに電源の供給が断たれても記憶を保持することが可能な不揮発性のメモリであるフラッシュメモリ64xが設けられている。本態様では、フラッシュメモリ64xとして、NAND型のフラッシュメモリが用いられているが、NOR型のフラッシュメモリを用いてもよい。本態様の主側CPU62xは、遊技履歴用処理において、主側RAM64の第2エリアに記憶されている各種の数値情報を所定のタイミングでフラッシュメモリ64xに書き込む処理を実行する。具体的には、例えば、主側CPU62xは、賞球集計値における総賞球数が500個に達する毎に、各種の賞球集計値等をフラッシュメモリ64xに書き込む処理を実行する。すなわち、フラッシュメモリ64xには、遊技の実行に基づいて取得された各種の数値情報(賞球集計値、入球個数情報、役物比率等の遊技履歴情報)が記憶される。
このように、本態様の構成によれば、遊技の実行に基づいて取得された各種の数値情報(賞球集計値、入球個数情報、役物比率等の遊技履歴情報)がフラッシュメモリ64xに記憶されるので、パチンコ機10への電源の供給が長期間にわたって断たれた場合であっても、これらの各種の数値情報を保持することができる。例えば、流通過程において長期間にわたってパチンコ機10に電源が供給されない場合であっても、フラッシュメモリ64xに記憶されている各種の数値情報に基づいて、当該パチンコ機10において正常な遊技が実行されていたか否かを検査することが可能となる。
<態様38>
上記態様37において、押下可能なフラッシュメモリクリアボタンをパチンコ機10の背面に設け、当該フラッシュメモリクリアボタンが所定時間(例えば10秒)継続して押下された場合に、フラッシュメモリ64xに記憶されている情報(賞球集計値、入球個数情報、役物比率等の遊技履歴情報等)が消去される構成としてもよい。
具体的には、例えば、フラッシュメモリ64xに記憶されている情報を消去する消去処理を実行可能な消去処理用ICチップを設けるとともに、フラッシュメモリクリアボタンが押下されている期間中は当該消去処理用ICチップの入力端子にHiレベル信号が入力される構成とする。そして、消去処理用ICチップは、当該入力端子に入力されているHiレベル信号が10秒間継続したことに基づいて、フラッシュメモリ64xに記憶されている情報を消去する消去処理を実行する構成とする。このような構成によれば、主側CPU62xの処理によってフラッシュメモリ64xに記憶されている情報を消去する構成と比較して、主側CPU62xの遊技の実行に関する処理や主側RAM64の動作に与える影響を抑制しつつ、フラッシュメモリ64xに記憶されている情報を消去することができる。
さらに、フラッシュメモリクリアボタンは、開放の痕跡が残る空間の内部に格納されている構成としてもよい。具体的には、例えば、フラッシュメモリクリアボタンは、開封の痕跡が残る封印シールが貼付された基板ボックスの内部に格納されており、当該封印シールを剥がして基板ボックスを開けなければ押下することができない構成としてもよい。
本態様の構成によれば、パチンコ機10のフラッシュメモリ64xに記憶されている情報を消去するためには、当該パチンコ機10の基板ボックスを開けてフラッシュメモリクリアボタンを操作する必要があり、当該パチンコ機10の基板ボックスに開放の痕跡が残ることになる。すなわち、パチンコ機10の基板ボックスに開放の痕跡が残っているか否かに基づいて、当該パチンコ機10の基板ボックスが開かれてフラッシュメモリ64xに記憶されている情報が消去された可能性があるか否かを把握することが可能となる。
ここで、仮に、パチンコ機10に不正な改造(例えば、釘の不正な改変)が施されている場合には、実行された遊技に当該不正な改造による影響が表れ、さらに、当該パチンコ機10のフラッシュメモリ64xに記憶されている情報(例えば、役物比率等)に当該不正な改造による影響が表れる場合がある。パチンコ機10によって正常な遊技が実行されているか否かを検査する者(以下、「検査者」ともいう)は、フラッシュメモリ64xに記憶されている情報を確認することによって、当該パチンコ機10に施された不正な改造を発見することができる。このため、当該情報を消去することによって当該パチンコ機10に不正な改造が施されていることを検査者に発見されないようにしたいといった要望を抱く者(以下、「不正な者」ともいう)が存在する可能性がある。
しかしながら、本態様の構成によれば、フラッシュメモリ64xに記憶されている情報を消去するためには、当該パチンコ機10の基板ボックスを開けてフラッシュメモリクリアボタンを操作する必要がある。そうすると、当該パチンコ機10の基板ボックスに開放の痕跡が残ることになるので、不正な者がフラッシュメモリ64xに記憶されている情報を消去したとしても、当該情報を不正の隠蔽のために消去した可能性があるといった痕跡が残ることになる。したがって、パチンコ機10に施された不正な改造の隠蔽を困難にすることができ、ひいては、パチンコ機10に不正な改造を施そうといった動機の発生を抑制することが可能となり、遊技の健全性を向上させることができる。
なお、パチンコ機10は取引によって転々流通する場合があり、既に遊技が実行されたことのあるパチンコ機10(いわゆる中古のパチンコ機)を新たに流通させたい者は、当該パチンコ機10のフラッシュメモリ64xに記憶されている情報を消去してから流通させたいといった正当な要望を抱く場合もある。そこで、パチンコ機10のフラッシュメモリ64xに記憶されている情報を正当な理由で消去したいといった要望を抱く者(以下、「正当な者」ともいう)のみが、基板ボックスの開放の痕跡を消すことのできる流通体制を構築すれば、遊技の健全性を確保しつつ、パチンコ機10の円滑な流通を促すことが可能となる。具体的には、例えば、正当な者としての当該パチンコ機10の製造者のみが新たな封印シールを貼ることが可能な流通体制を構築することによって、遊技の健全性を確保しつつ、パチンコ機10の円滑な流通を促すことが可能となる。
なお、フラッシュメモリクリアボタンの操作に基づいてフラッシュメモリ64xに記憶されている情報が消去される構成としては、上記の構成に限らず、他の様々な構成を採用することができる。例えば、フラッシュメモリクリアボタンが所定時間(例えば10秒)以内に所定回数(例えば5回)押下された場合に、フラッシュメモリ64xに記憶されている情報が消去される構成としてもよい。また、例えば、消去処理用ICチップを設けない構成とし、主側CPU62xがフラッシュメモリクリアボタンが押下された状態であるか否かを監視し、フラッシュメモリクリアボタンが所定時間(例えば10秒)継続して押下された場合に、フラッシュメモリ64xに記憶されている情報を消去するための消去プログラムを実行して当該情報を消去する構成としてもよい。
また、フラッシュメモリクリアボタンは、封印シールが貼付された基板ボックスの内部に格納されている構成に限らず、開放の痕跡(開封の痕跡、開閉の痕跡ともいう)が残る空間の内部に格納されている構成とすれば、他の構成であってもよい。例えば、フラッシュメモリクリアボタンは、蓋部材によって覆われた空間の内部に収納されており、当該蓋部材の少なくとも一部を破壊して当該空間を開放しなければ当該フラッシュメモリクリアボタンを操作することができない構成としてもよい。このような構成によれば、フラッシュメモリクリアボタンを操作するには蓋部材を破壊して当該空間を開放しなければならないため、フラッシュメモリクリアボタンが押下された場合には、フラッシュメモリが収納されている空間が開放された痕跡として、破壊された蓋部材が残ることになる。また、例えば、フラッシュメモリクリアボタンを、複数のケース体(例えば箱状のケース体と当該箱状のケース体の開放部分を封じることが可能な蓋状のケース体)が結合部(カシメ部)によって結合されることによって構成された基板ボックスの内部に収納する構成とし、当該基板ボックスを構成する複数のケース体を分離させる際には結合部(カシメ部)の所定部位の破壊を要する構成としてもよい。このような構成によれば、フラッシュメモリクリアボタンを操作するには、結合部(カシメ部)の所定部位を破壊して複数のケース体を分離させて当該基板ボックスを開放しなければならないため、フラッシュメモリクリアボタンが押下された場合には、基盤ボックスが開放された痕跡として、所定部位が破壊された結合部(カシメ部)が残ることになる。さらに、フラッシュメモリクリアボタンを、上述した結合部(カシメ部)によって結合された基板ボックスの内部に収納する構成とした上で、引き剥がしの際に粘着層が接着対象に残ることによって剥がされたことの痕跡を残す封印シールを複数のケース体間の境界を跨ぐようにして貼り付ける構成としてもよい。このような構成によれば、フラッシュメモリクリアボタンが押下された場合には、所定部位が破壊された結合部(カシメ部)という基板ボックスの開放の痕跡に加えて、封印シールが剥がされた又はケース体間の境界において封印シールが切断されたといった基板ボックスの開放の痕跡が残ることになる。
<態様39>
上記態様37において、主側MPU62に設けられた検査用端子65に、各種の遊技履歴情報が正常な範囲内であるか否かを検査するための上述した検査機320(図10)が接続され、当該検査機320から所定の信号(例えば消去命令コマンド)を受信した場合に、フラッシュメモリ64xに記憶されている情報(賞球集計値、入球個数情報、役物比率等の遊技履歴情報等)が消去される構成としてもよい。
具体的には、例えば、上述した態様38と同様に、フラッシュメモリ64xに記憶されている情報を消去する消去処理を実行可能な消去処理用ICチップを設けるとともに、検査用端子65に接続された検査機320から消去命令コマンドが送信された場合には、消去処理用ICチップの入力端子に当該消去命令コマンドが入力される構成とする。そして、消去処理用ICチップは、当該入力端子から消去命令コマンドを受信したことに基づいて、フラッシュメモリ64xに記憶されている情報を消去する消去処理を実行する。
本態様の構成によれば、消去処理用ICチップは、検査用端子65に接続された検査機320から消去命令コマンドを受信したことに基づいてフラッシュメモリ64xに記憶されている情報を消去するので、検査機320を有する者が、フラッシュメモリ64xに記憶されている情報を消去することができる。すなわち、検査機320を有さない者による当該情報の消去を制限することが可能となる。
ここで、仮に、パチンコ機10に不正な改造(例えば、釘の不正な改変)が施されている場合には、実行された遊技に当該不正な改造による影響が表れ、さらに、当該パチンコ機10のフラッシュメモリ64xに記憶されている情報(例えば、役物比率等)に当該不正な改造による影響が表れる場合がある。パチンコ機10によって正常な遊技が実行されているか否かを検査する者(検査者)は、例えば、検査機320を検査用端子65に接続し、フラッシュメモリ64xに記憶されている情報を検査機320によって確認することによって、当該パチンコ機10に施された不正な改造を発見することができる。このため、当該情報を消去することによって当該パチンコ機10に不正な改造が施されていることを検査者に発見されないようにしたいといった要望を抱く者(不正な者)が存在する可能性がある。
しかしながら、本態様の構成によれば、フラッシュメモリ64xに記憶されている情報を消去するためには、当該パチンコ機10の検査用端子65に接続可能な検査機320が必要となる。そして、当該検査機320を有することができる者を制限すれば、フラッシュメモリ64xに記憶されている情報が不正な者によって消去されてしまうことを抑制することができ、ひいては、パチンコ機10に不正な改造を施そうといった動機の発生を抑制することが可能となり、遊技の健全性を向上させることができる。
なお、パチンコ機10は取引によって転々流通する場合があり、既に遊技が実行されたことのあるパチンコ機10(いわゆる中古のパチンコ機10)を新たに流通させたい者は、当該パチンコ機10のフラッシュメモリ64xに記憶されている情報を消去してから流通させたいといった正当な要望を抱く場合もある。そこで、パチンコ機10のフラッシュメモリ64xに記憶されている情報を正当な理由で消去したいといった要望を抱く者(例えば、当該パチンコ機10の製造者)と上述した検査者のみが検査機320を有することが可能な流通体制を構築すれば、遊技の健全性を確保しつつ、パチンコ機10の円滑な流通を促すことが可能となる。
さらに、フラッシュメモリ64xに記憶されている情報が消去される際には、当該消去に先立って、当該フラッシュメモリ64xに記憶されている情報が検査用端子65に接続された検査機320に送信される構成としてもよい。
具体的には、例えば、上述した消去処理用ICチップは、当該入力端子から消去命令コマンドを受信したことに基づいて、フラッシュメモリ64xに記憶されている情報の送信を開始することを示す送信開始コマンドを検査機320に送信する。送信開始コマンドを受信した検査機320は、情報の受信が可能な受信可能モードに移行し、受信可能モードであることを示す受信可能コマンドを消去処理用ICチップに送信する。受信可能コマンドを受信した消去処理用ICチップは、フラッシュメモリ64xに記憶されている情報の送信を開始する。そして、当該情報の送信が完了した場合には、消去処理用ICチップは、送信完了コマンドを検査機320に送信する。送信完了コマンドを受信した検査機320は、受信した情報にデータの欠損等のエラーがないかを確認し、エラーがなければ受信完了コマンドを消去処理用ICチップに送信する。消去処理用ICチップは、受信完了コマンドを受信したことに基づいて、フラッシュメモリ64xに記憶されている情報を消去する消去処理を実行する。
このような構成によれば、フラッシュメモリ64xに記憶されている情報が、検査機320を有する者の意思に反した誤った操作によって消去されてしまった場合であっても、フラッシュメモリ64xから消去されてしまった情報が検査機320に残ることになるので、当該情報を当該検査機320によって確認することができる。
なお、検査機320から所定の信号を受信したことに基づいてフラッシュメモリ64xに記憶されている情報が消去される構成としては、上記の構成に限らず、他の様々な構成を採用することができる。例えば、消去処理用ICチップを設けない構成とし、検査用端子65に接続された検査機320から消去命令コマンドを受信したか否かを主側CPU62xが監視し、当該消去命令コマンドを受信した場合に、フラッシュメモリ64xに記憶されている情報を消去するための消去プログラムを実行して当該情報を消去する構成としてもよい。また、主側CPU62xは、検査機320から消去命令コマンドを受信した場合に、フラッシュメモリ64xに記憶されている情報を検査機320に送信した上で、当該情報を消去するための消去プログラムを実行してフラッシュメモリ64xに記憶されている情報を消去する構成としてもよい。
なお、本態様では、各種の遊技履歴情報が正常な範囲内であるか否かを検査するための検査機320を用いてフラッシュメモリ64xに記憶されている情報を消去する構成としたが、検査機320を用いる構成に限らず、フラッシュメモリ64xに記憶されている情報を消去するための専用の端末を用いて当該情報を消去する構成としてもよい。
<態様40>
上記態様37において、開放の痕跡が残る空間の内部に格納されたフラッシュメモリクリアボタンが所定時間(例えば10秒)継続して押下され、かつ、検査用端子65に接続された検査機320から所定の信号(例えば消去命令コマンド)を受信した場合に、フラッシュメモリ64xに記憶されている情報(賞球集計値、入球個数情報、役物比率等の遊技履歴情報等)が消去される構成としてもよい。
具体的には、例えば、上述した態様38と同様に、フラッシュメモリ64xに記憶されている情報を消去する消去処理を実行可能な消去処理用ICチップを設けるとともに、フラッシュメモリクリアボタンが押下されている期間中は当該消去処理用ICチップの入力端子にHiレベル信号が入力される構成とする。そして、消去処理用ICチップは、当該入力端子に入力されているHiレベル信号が10秒間継続したことに基づいて、フラッシュメモリ64xに記憶されている情報を消去する消去処理を実行可能な消去処理実行待機モードに移行する。消去処理用ICチップは、この消去処理実行待機モードにおいて検査機320から消去命令コマンドを受信すると、フラッシュメモリ64xに記憶されている情報を消去する消去処理を実行する。
本態様の構成によれば、フラッシュメモリクリアボタンは、開放の痕跡が残る基板ボックスの内部に格納されているので、パチンコ機10のフラッシュメモリ64xに記憶されている情報を消去するためには、当該パチンコ機10の基板ボックスを開けてフラッシュメモリクリアボタンを操作することになり、当該パチンコ機10の基板ボックスに開放の痕跡が残ることになる。さらに、消去処理用ICチップは、検査用端子65に接続された検査機320から所定の信号を受信したことに基づいてフラッシュメモリ64xに記憶されている情報を消去するので、検査機320を有する者が、フラッシュメモリ64xに記憶されている情報を消去することができる。したがって、パチンコ機10の基板ボックスに開放の痕跡が残っているか否かに基づいて、当該パチンコ機10の基板ボックスが開かれてフラッシュメモリ64xに記憶されている情報が消去された可能性があるか否かを把握することが可能となるとともに、検査機320を有さない者による当該情報の消去を制限することが可能となる。
ここで、仮に、パチンコ機10に不正な改造(例えば、釘の不正な改変)が施されている場合には、実行された遊技に当該不正な改造による影響が表れ、さらに、当該パチンコ機10のフラッシュメモリ64xに記憶されている情報(例えば、役物比率等)に当該不正な改造による影響が表れる場合がある。パチンコ機10によって正常な遊技が実行されているか否かを検査する者(検査者)は、例えば、検査機320を検査用端子65に接続し、フラッシュメモリ64xに記憶されている情報を検査機320によって確認することによって、当該パチンコ機10に施された不正な改造を発見することができる。このため、当該情報を消去することによって当該パチンコ機10に不正な改造が施されていることを検査者に発見されないようにしたいといった要望を抱く者(不正な者)が存在する可能性がある。
しかしながら、本態様の構成によれば、フラッシュメモリ64xに記憶されている情報を消去するためには、当該パチンコ機10の検査用端子65に接続可能な検査機320が必要となる。そして、当該検査機320を有することができる者を制限すれば、フラッシュメモリ64xに記憶されている情報が不正な者によって消去されてしまうことを抑制することができる。さらに、仮に不正な者が検査機320を有してしまった場合であっても、フラッシュメモリ64xに記憶されている情報を消去するためには、当該パチンコ機10の基板ボックスを開けてフラッシュメモリクリアボタンを操作する必要がある。そうすると、当該パチンコ機10の基板ボックスに開放の痕跡が残ることになるので、フラッシュメモリ64xに記憶されている情報を消去したとしても、当該情報を不正の隠蔽のために消去した可能性があるといった痕跡が残ることになる。したがって、フラッシュメモリ64xに記憶されている情報が不正な者によって消去されてしまうことを抑制することができるとともに、パチンコ機10に施された不正な改造の隠蔽を困難にすることができる。この結果、パチンコ機10に不正な改造を施そうといった動機の発生をさらに抑制することが可能となり、遊技の健全性を向上させることができる。
なお、パチンコ機10は取引によって転々流通する場合があり、既に遊技が実行されたことのあるパチンコ機10(いわゆる中古のパチンコ機10)を新たに流通させたい者は、当該パチンコ機10のフラッシュメモリ64xに記憶されている情報を消去してから流通させたいといった正当な要望を抱く場合もある。そこで、パチンコ機10のフラッシュメモリ64xに記憶されている情報を正当な理由で消去したいといった要望を抱く者(例えば、当該パチンコ機10の製造者)と上述した検査者のみが検査機320を有することが可能であるとともに、正当な者のみが基板ボックスの開放の痕跡を消すことのできる流通体制を構築すれば、遊技の健全性を確保しつつ、パチンコ機10の円滑な流通を促すことが可能となる。
なお、フラッシュメモリクリアボタンが所定の操作を受け付け、かつ、検査機320から所定の信号を受信したことに基づいてフラッシュメモリ64xに記憶されている情報が消去される構成としては、上記の構成に限らず、他の様々な構成を採用することができる。例えば、フラッシュメモリクリアボタンが所定時間(例えば10秒)以内に所定回数(例えば5回)押下された場合に、消去処理用ICチップが上述した消去処理実行待機モードに移行する構成としてもよい。また、例えば、検査機320から消去命令コマンドを受信した場合に、消去処理用ICチップが上述した消去処理実行待機モードに移行し、当該消去処理実行待機モードにおいてフラッシュメモリクリアボタンが所定時間(例えば10秒)継続して押下されると、フラッシュメモリ64xに記憶されている情報を消去する消去処理を実行する構成としてもよい。また、例えば、消去処理用ICチップを設けない構成とし、主側CPU62xが当該消去処理用ICチップと同等の機能を実行してフラッシュメモリ64xに記憶されている情報を消去する構成としてもよい。
また、上記の態様39と同様に、フラッシュメモリ64xに記憶されている情報が消去される際には、当該消去に先立って、当該フラッシュメモリ64xに記憶されている情報が検査用端子65に接続された検査機320に送信される構成としてもよい。このような構成によれば、フラッシュメモリ64xに記憶されている情報が、検査機320を有する者の意思に反した誤った操作によって消去されてしまった場合であっても、フラッシュメモリ64xから消去されてしまった情報が検査機320に残ることになるので、当該情報を当該検査機320によって確認することができる。
<態様41>
上記態様37において、認証情報(例えば暗証番号)の入力操作を受け付ける操作パネルと、入力された認証情報を表示する表示器とをパチンコ機10の背面に設け、操作パネルによって入力された認証情報と当該パチンコ機10に個別に設定されている認証情報とが一致した場合に、フラッシュメモリ64xに記憶されている情報(賞球集計値、入球個数情報、役物比率等の遊技履歴情報等)が消去される構成としてもよい。
具体的には、例えば、上述した態様38と同様に、フラッシュメモリ64xに記憶されている情報を消去する消去処理を実行可能な消去処理用ICチップを設けるとともに、操作パネルを介して入力された認証情報が、消去処理用ICチップの入力端子に入力される構成とする。そして、消去処理用ICチップは、操作パネルから入力された認証情報が、当該消去処理用ICチップのROMに格納されている認証情報と一致しているか否かを判定し、一致していると判定した場合に、フラッシュメモリ64xに記憶されている情報を消去する消去処理を実行する。
本態様の構成によれば、消去処理用ICチップは、受付手段が受け付けた認証情報と当該パチンコ機10に設定されている認証情報とが一致したことに基づいてフラッシュメモリ64xに記憶されている情報を消去するので、当該パチンコ機10に設定されている認証情報を有する者(例えば、当該パチンコ機10に設定されている暗証番号を知っている者)が、フラッシュメモリ64xに記憶されている情報を消去することができる。すなわち、当該パチンコ機10に設定されている認証情報を有しない者による当該情報の消去を制限することが可能となる。
ここで、仮に、パチンコ機10に不正な改造(例えば、釘の不正な改変)が施されている場合には、実行された遊技に当該不正な改造による影響が表れ、さらに、当該パチンコ機10のフラッシュメモリ64xに記憶されている情報(例えば、役物比率等)に当該不正な改造による影響が表れる場合がある。パチンコ機10によって正常な遊技が実行されているか否かを検査する者(検査者)は、フラッシュメモリ64xに記憶されている情報を確認することによって、当該パチンコ機10に施された不正な改造を発見することができる。このため、当該情報を消去することによって当該パチンコ機10に不正な改造が施されていることを検査者に発見されないようにしたいといった要望を抱く者(不正な者)が存在する可能性がある。
しかしながら、本態様の構成によれば、フラッシュメモリ64xに記憶されている情報を消去するためには、当該パチンコ機10に設定されている認証情報を有していることが必要となる。そして、当該パチンコ機10に設定されている認証情報を有することができる者を制限すれば、フラッシュメモリ64xに記憶されている情報が不正な者によって消去されてしまうことを抑制することができ、ひいては、パチンコ機10に不正な改造を施そうといった動機の発生を抑制することが可能となり、遊技の健全性を向上させることができる。
なお、パチンコ機10は取引によって転々流通する場合があり、既に遊技が実行されたことのあるパチンコ機10(いわゆる中古のパチンコ機10)を新たに流通させたい者は、当該パチンコ機10のフラッシュメモリ64xに記憶されている情報を消去してから流通させたいといった正当な要望を抱く場合もある。そこで、パチンコ機10のフラッシュメモリ64xに記憶されている情報を正当な理由で消去したいといった要望を抱く者(例えば、当該パチンコ機10の製造者)のみが、当該パチンコ機10に設定されている認証情報を有することが可能な流通体制を構築すれば、遊技の健全性を確保しつつ、パチンコ機10の円滑な流通を促すことが可能となる。
なお、フラッシュメモリ64xに記憶されている情報を消去するために入力される認証情報は、暗証番号に限らず、種々の認証情報を採用することができる。例えば、認証情報として、複数の文字列の組合せである認証文字(パスワード、パスフレーズ)や、特定のパターンのバーコード、所定の規則に従って生成されたパスワード(例えば、ワンタイムパスワード)、特定の人物の生体認証情報(指紋、虹彩、静脈パターン等)等を採用することができる。
<態様42>
上記態様37において、パチンコ機10の背面側に設けられたRAMクリアボタンを押下しながらパチンコ機10の電源をONにするという操作が実行された場合には、主側RAM64に記憶されている情報のうち、主側RAM64の第1エリアに記憶されている情報(高確率モードフラグや高頻度サポートモードフラグ等を含む遊技の実行の制御に用いられる情報)は消去され、第2エリアに記憶されている情報(賞球集計値や、入球個数情報、役物比率等の遊技履歴情報等の実行された遊技に基づいて取得された情報)は消去されない構成としてもよい。
具体的には、例えば、パチンコ機10の電源がONにされた直後に、主側CPU62xは、RAMクリアボタンが押下された状態であるか否かを判定し、RAMクリアボタンが押下された状態であると判定した場合には、主側RAM64に記憶されている情報のうち、主側RAM64の第1エリアに記憶されている情報を消去し、第2エリアに記憶されている情報は消去しない構成とする。
このような構成によれば、主側RAM64の第2エリアに記憶されている情報(実行された遊技に基づいて取得された情報)を残しつつ、主側RAM64の第1エリアに記憶されている情報(遊技の実行の制御に用いられる情報)を消去することが可能となる。具体的には、例えば、遊技の実行の制御に不具合が生じた場合や、遊技ホールの営業の開始時または終了時において、遊技の実行の制御に用いられる情報を消去して遊技機の制御の初期化を実行したいが、実行された遊技に基づいて取得された情報は消去したくないといった要望がある。本態様の構成によれば、RAMクリアボタンを操作することによって、実行された遊技に基づいて取得された情報を残しつつ、遊技の実行の制御に用いられる情報を消去して当該パチンコ機10の制御の初期化を実行することが可能となる。
さらに、上述したRAMクリアボタンに加えて、主側RAM64の第2エリアに記憶されている情報を消去するための第2RAMクリアボタンをパチンコ機10の背面側に設け、パチンコ機10の電源がONである状態中に第2RAMクリアボタンを所定時間(例えば10秒)押下するという操作が実行された場合には、主側RAM64の第2エリアに記憶されている情報が消去される構成としてもよい。
具体的には、例えば、主側CPU62xは、第2RAMクリアボタンが押下された状態であるか否かを監視しており、第2RAMクリアボタンが押下された状態が所定時間(例えば10秒)継続したと判定した場合には、主側RAM64に記憶されている情報のうち、主側RAM64の第2エリアに記憶されている情報を消去する構成とする。
このような構成によれば、RAMクリアボタンを操作することによっては消去することのできない主側RAM64の第2エリアに記憶されている情報(実行された遊技に基づいて取得された情報)を、第2クリアボタンを操作することによって消去することができる。
さらに、第2RAMクリアボタンは、開放の痕跡が残る空間の内部に格納されている構成としてもよい。具体的には、例えば、第2RAMクリアボタンは、開封の痕跡が残る封印シールが貼付された基板ボックスの内部に格納されており、当該封印シールを剥がして基板ボックスを開けなければ押下することができない構成としてもよい。
本態様の構成によれば、パチンコ機10の主側RAM64の第2エリアに記憶されている情報を消去するためには、当該パチンコ機10の基板ボックスを開けて第2RAMクリアボタンを操作する必要があり、当該パチンコ機10の基板ボックスに開放の痕跡が残ることになる。すなわち、パチンコ機10の基板ボックスに開放の痕跡が残っているか否かに基づいて、当該パチンコ機10の基板ボックスが開かれて主側RAM64の第2エリアに記憶されている情報が消去された可能性があるか否かを把握することが可能となる。
ここで、仮に、パチンコ機10に不正な改造(例えば、釘の不正な改変)が施されている場合には、実行された遊技に当該不正な改造による影響が表れ、さらに、当該パチンコ機10の主側RAM64の第2エリアに記憶されている情報(例えば、役物比率等)に当該不正な改造による影響が表れる場合がある。パチンコ機10によって正常な遊技が実行されているか否かを検査する者(検査者)は、フラッシュメモリ64xに記憶されている情報や主側RAM64の第2エリアに記憶されている情報を確認することによって、当該パチンコ機10に施された不正な改造を発見することができる。このため、当該情報を消去することによって当該パチンコ機10に不正な改造が施されていることを検査者に発見されないようにしたいといった要望を抱く者(不正な者)が存在する可能性がある。
しかしながら、本態様の構成によれば、主側RAM64の第2エリアに記憶されている情報を消去するためには、当該パチンコ機10の基板ボックスを開けて第2RAMクリアボタンを操作する必要がある。そうすると、当該パチンコ機10の基板ボックスに開放の痕跡が残ることになるので、不正な者が主側RAM64の第2エリアに記憶されている情報を消去したとしても、当該情報を不正の隠蔽のために消去した可能性があるといった痕跡が残ることになる。したがって、パチンコ機10に施された不正な改造の隠蔽を困難にすることができ、ひいては、パチンコ機10に不正な改造を施そうといった動機の発生を抑制することが可能となり、遊技の健全性を向上させることができる。
なお、パチンコ機10は取引によって転々流通する場合があり、既に遊技が実行されたことのあるパチンコ機10(いわゆる中古のパチンコ機)を新たに流通させたい者は、当該パチンコ機10の主側RAM64の第2エリアに記憶されている情報を消去してから流通させたいといった正当な要望を抱く場合もある。そこで、パチンコ機10の主側RAM64の第2エリアに記憶されている情報を正当な理由で消去したいといった要望を抱く者(正当な者)のみが、基板ボックスの開放の痕跡を消すことのできる流通体制を構築すれば、遊技の健全性を確保しつつ、パチンコ機10の円滑な流通を促すことが可能となる。具体的には、例えば、正当な者としての当該パチンコ機10の製造者のみが新たな封印シールを貼ることが可能な流通体制を構築することによって、遊技の健全性を確保しつつ、パチンコ機10の円滑な流通を促すことが可能となる。
なお、開放の痕跡(開封の痕跡、開閉の痕跡ともいう)が残る空間の構成としては、上記態様38において説明した種々の構成を採用することができる。
<態様43>
上記態様37において、パチンコ機10の背面側に設けられたRAMクリアボタンを押下しながらパチンコ機10の電源をONにするという操作が実行され、かつ、所定時間(例えば10秒)以内に当該RAMクリアボタンが押下されていない状態になった場合には、主側RAM64の第1エリアに記憶されている情報は消去され、主側RAM64の第2エリアに記憶されている情報は消去されない構成とし、一方、RAMクリアボタンを押下しながらパチンコ機10の電源をONにするという操作が実行され、かつ、当該RAMクリアボタンが押下された状態がそのまま所定時間(例えば10秒)継続した場合には、主側RAM64の第1エリアに記憶されている情報は消去されず、主側RAM64の第2エリアに記憶されている情報が消去される構成としてもよい。
具体的には、例えば、パチンコ機10の電源がONにされた直後に、主側CPU62xは、RAMクリアボタンが押下された状態であるか否かを判定し、RAMクリアボタンが押下された状態であると判定した場合には、当該RAMクリアボタンが押下された状態が所定時間(例えば10秒)継続するか否かを監視する。そして、所定時間(例えば10秒)以内に当該RAMクリアボタンが押下されていない状態になったと判定した場合には、主側CPU62xは、主側RAM64の第1エリアに記憶されている情報は消去し、主側RAM64の第2エリアに記憶されている情報は消去しない。一方、当該RAMクリアボタンが押下されている状態が所定時間(例えば10秒)継続したと判定した場合には、主側CPU62xは、主側RAM64の第1エリアに記憶されている情報は消去せず、主側RAM64の第2エリアに記憶されている情報を消去する。
このような構成によれば、RAMクリアボタンに対して異なる操作を実行することによって、主側RAM64に記憶されている情報のうち、消去すべき対象の情報を選択することが可能となる。すなわち、消去すべき対象の情報を選択するための他の操作部(例えばボタン等)を設けなくても、消去すべき対象の情報を選択することができるので、パチンコ機10の構造の簡易化を図ることができる。
具体的には、例えば、遊技の実行の制御に不具合が生じた場合や遊技ホールの営業の開始時または終了時において、遊技の実行の制御に用いられる情報(主側RAM64の第1エリアに記憶されている情報)を消去して遊技機の制御の初期化を実行したい場合には、RAMクリアボタンを押下しながらパチンコ機10の電源をONにするという操作を実行するとともに所定時間(例えば10秒)以内に当該RAMクリアボタンが押下されていない状態とし、一方、実行された遊技に基づいて取得された情報(主側RAM64の第2エリアに記憶されている情報)を消去して当該遊技機を新たに流通させたい場合には、RAMクリアボタンを押下しながらパチンコ機10の電源をONにするという操作を実行するとともに当該RAMクリアボタンが押下された状態がそのまま所定時間(例えば10秒)継続するようにすればよい。このように、RAMクリアボタンに対して異なる操作を実行することによって、主側RAM64に記憶されている情報のうち、消去すべき対象の情報を選択することが可能となる。
なお、主側RAM64の第2エリアに記憶されている情報の消去処理の実行中は、上述した遊技履歴用処理を実行することができないため、遊技球の各入球口への入球個数や賞球集計値等に誤差が生じる可能性がある。したがって、当該消去処理が終了までは遊技の実行を開始させない構成(例えば、遊技球の発射を抑止する構成)とすれば、当該誤差の発生を抑制することができる。
また、本態様において、RAMクリアボタンを押下しながらパチンコ機10の電源をONにするという操作が実行され、かつ、所定時間(例えば10秒)以内に当該RAMクリアボタンが押下されていない状態になった場合には、主側RAM64の第1エリアに記憶されている情報を消去し、さらに、主側RAM64の第2エリアに記憶されている情報が有効であるか否かを判定し、有効であると判定した場合には当該情報を消去せず、有効ではないと判定した場合には当該情報を消去する構成としてもよい。このような構成によれば、主側RAM64の第2エリアに記憶されている情報が有効ではない状態のまま遊技が開始されてしまうことを抑制することができる。なお、主側RAM64の第2エリアに記憶されている情報が有効ではない場合とは、例えば、役物賞球数が総賞球数を超えている場合や、連続役物賞球数が総賞球数を超えている場合、連続役物賞球数が役物賞球数を超えている場合など、賞球集計値に矛盾が生じている場合等である。
<態様44>
上記態様37において、パチンコ機10の背面側に設けられたRAMクリアボタンを押下しながらパチンコ機10の電源をONにするという操作が実行され、かつ、所定時間(例えば10秒)以内に当該RAMクリアボタンが押下されていない状態になった場合には、主側RAM64の第1エリアに記憶されている情報は消去され、主側RAM64の第2エリアに記憶されている情報は消去されない構成とし、一方、RAMクリアボタンを押下しながらパチンコ機10の電源をONにするという操作が実行され、かつ、当該RAMクリアボタンが押下された状態がそのまま所定時間(例えば10秒)継続した場合には、主側RAM64の第1エリアに記憶されている情報が消去されるだけでなく、主側RAM64の第2エリアに記憶されている情報も消去される構成としてもよい。
具体的には、例えば、パチンコ機10の電源がONにされた直後に、主側CPU62xは、RAMクリアボタンが押下された状態であるか否かを判定し、RAMクリアボタンが押下された状態であると判定した場合には、主側RAM64の第1エリアに記憶されている情報を消去する。さらに、主側CPU62xは、当該RAMクリアボタンが押下された状態が所定時間(例えば10秒)継続するか否かを監視し、所定時間(例えば10秒)以内に当該RAMクリアボタンが押下されていない状態になったと判定した場合には、主側RAM64の第2エリアに記憶されている情報は消去しない。一方、当該RAMクリアボタンが押下されている状態が所定時間(例えば10秒)継続したと判定した場合には、主側CPU62xは、主側RAM64の第2エリアに記憶されている情報も消去する。
このような構成によれば、上述した態様43と同様に、RAMクリアボタンに対して異なる操作を実行することによって、主側RAM64に記憶されている情報のうち、消去すべき対象の情報を選択することが可能となる。さらに、RAMクリアボタンを押下しながらパチンコ機10の電源をONにするという操作を実行するとともに当該RAMクリアボタンが押下された状態がそのまま所定時間(例えば10秒)継続させることによって、主側RAM64の第1エリアに記憶されている情報と第2エリアに記憶されている情報の両方を消去することが可能となる。
なお、主側RAM64の第2エリアに記憶されている情報の消去処理の実行中は、上述した遊技履歴用処理を実行することができないため、遊技球の各入球口への入球個数や賞球集計値等に誤差が生じる可能性がある。したがって、当該消去処理が終了までは遊技の実行を開始させない構成(例えば、遊技球の発射を抑止する構成)とすれば、当該誤差の発生を抑制することができる。
<態様45>
上記態様37において、パチンコ機10の電源がONである状態中に、パチンコ機10の背面側に設けられたRAMクリアボタンを所定時間(例えば10秒)押下するという操作が実行された場合には、主側RAM64の第2エリアに記憶されている情報が消去される構成としてもよい。
具体的には、例えば、主側CPU62xは、RAMクリアボタンが押下された状態であるか否かを監視しており、RAMクリアボタンが押下された状態が所定時間(例えば10秒)継続したと判定した場合には、主側RAM64に記憶されている情報のうち、主側RAM64の第2エリアに記憶されている情報を消去する構成とする。
このような構成によれば、主側RAM64の第2エリアに記憶されている情報を消去するための操作部(例えばボタン等)を別途設けることなく、主側RAM64の第2エリアに記憶されている情報を消去することが可能となる。なお、主側RAM64の第2エリアに記憶されている情報の消去処理の実行中は、上述した遊技履歴用処理を一時的に実行することができなくなるため、遊技球の各入球口への入球個数や賞球集計値等に誤差が生じる可能性がある。したがって、当該消去処理の実行の開始から終了までの期間において遊技の実行を一時的に停止させる構成(例えば、遊技球の発射を一時的に抑止する構成)とすれば、当該誤差の発生を抑制することができる。
<態様46>
上記各態様において、主側RAM64の第2エリアに記憶されている情報(賞球集計値や、入球個数情報、役物比率等の遊技履歴情報等の実行された遊技に基づいて取得された情報)が消去される際には必ず主側RAM64の第1エリアに記憶されている情報(高確率モードフラグや高頻度サポートモードフラグ等の遊技の実行の制御に用いられる情報)が消去される構成としてもよい。すなわち、主側RAM64の第2エリアに記憶されている情報を消去するための所定の操作が実行された場合や、主側RAM64の第2エリアに記憶されている情報を消去するための所定の信号を他の装置(例えば検査機320)から受信した場合には、主側RAM64の第2エリアに記憶されている情報を消去するだけでなく、主側RAM64の第1エリアに記憶されている情報も必ず消去する構成としてもよい。
このような構成によれば、実行された遊技に基づいて取得された情報(主側RAM64の第2エリアに記憶されている情報)が消去されたにも関わらず、遊技の実行の制御に用いられる情報(主側RAM64の第1エリアに記憶されている情報)が消去されずにそのまま維持されるといった状況の発生を抑制することができる。具体的には、例えば、実行された遊技に基づいて取得された情報は、当該パチンコ機10において実行された遊技の公正さを判断するための担保となる情報であるため、当該担保となる情報が消去された場合には、当該パチンコ機10における遊技の実行の制御に用いられる情報(例えば、遊技状態を示す高確率モードフラグや高頻度サポートモードフラグに関する情報)を消去して当該パチンコ機10の遊技状態を初期化することが好ましい。本態様の構成によれば、実行された遊技に基づいて取得された情報(主側RAM64の第2エリアに記憶されている情報)を消去する際には遊技の実行の制御に用いられる情報(主側RAM64の第1エリアに記憶されている情報)を消去するので、遊技の公正さを判断するための担保となる情報が消去されたにも関わらず、遊技の実行の制御に用いられる情報(主側RAM64の第1エリアに記憶されている情報)が消去されないことによって当該パチンコ機10の遊技状態がそのまま維持されるといった状況の発生を抑制することができる。
また、例えば、仮に、実行された遊技に基づいて取得された情報(主側RAM64の第2エリアに記憶されている情報)が消去されたにも関わらず、遊技の実行の制御に用いられる情報(主側RAM64の第1エリアに記憶されている情報)が消去されずにそのまま維持される構成とした場合には、実行された遊技に基づいて取得された情報(主側RAM64の第2エリアに記憶されている情報)が消去されたにも関わらず、当該パチンコ機10において高確率モードや高頻度サポートモードがそのまま維持される場合がある。この場合において当該パチンコ機10において遊技を実行すると、実行された遊技に基づいて取得された情報が統計データとして十分な量ではない状態において高確率モードや高頻度サポートモードで遊技が開始されるため、役物比率等の遊技履歴情報が偏った値として算出されてしまう可能性が高くなる。したがって、本態様のように、主側RAM64の第2エリアに記憶されている情報(賞球集計値や、入球個数情報、役物比率等の遊技履歴情報等の実行された遊技に基づいて取得された情報)が消去される際には必ず主側RAM64の第1エリアに記憶されている情報(高確率モードフラグや高頻度サポートモードフラグ等の遊技の実行の制御に用いられる情報)が消去される構成とすることによって、役物比率等の遊技履歴情報が偏った値として算出されてしまうことを抑制することが可能となる。
なお、主側RAM64の第2エリアに記憶されている情報を消去するための操作としては、種々の操作態様を採用することができる。例えば、パチンコ機10の背面側に設けられたRAMクリアボタンを押下しながら当該パチンコ機10の電源をONにするとともに当該RAMクリアボタンが押下された状態をそのまま所定時間(例えば10秒)継続させる操作や、パチンコ機10の背面側に別途設けられた第2RAMクリアボタンを押下しながら当該パチンコ機10の電源をONにする操作、RAMクリアボタン及び第2RAMクリアボタンの両方を押下しながら当該パチンコ機10の電源をONにする操作等を採用することができる。
さらに、例えば、RAMクリアボタンを押下しながらパチンコ機10の電源をONにするという操作が実行され、かつ、所定時間(例えば10秒)以内に当該RAMクリアボタンが押下されていない状態になった場合には、主側RAM64に記憶されている情報のうち、主側RAM64の第1エリアに記憶されている情報(高確率モードフラグや高頻度サポートモードフラグ等を含む遊技の実行の制御に用いられる情報)は消去され、第2エリアに記憶されている情報(賞球集計値や、入球個数情報、役物比率等の遊技履歴情報等の実行された遊技に基づいて取得された情報)は消去されない構成としてもよい。
このような構成によれば、主側RAM64の第2エリアに記憶されている情報(実行された遊技に基づいて取得された情報)を残しつつ、主側RAM64の第1エリアに記憶されている情報(遊技の実行の制御に用いられる情報)を消去することが可能となる。具体的には、例えば、遊技の実行の制御に不具合が生じた場合や、遊技ホールの営業の開始時または終了時において、遊技の実行の制御に用いられる情報を消去して遊技機の制御の初期化を実行したいが、実行された遊技に基づいて取得された情報は消去したくないといった要望がある。本態様の構成によれば、RAMクリアボタンを操作することによって、実行された遊技に基づいて取得された情報を残しつつ、遊技の実行の制御に用いられる情報を消去して当該パチンコ機10の制御の初期化を実行することが可能となる。
図32は、本態様の主側MPU62(主側CPU62x)が実行するメイン処理の一例を示すフローチャートである。主側CPU62xは、電源の投入に伴ってこのメイン処理を実行する。
ステップS10901では、RAMクリアボタンが押下されている状態であるか否かを判定する。ステップS10901において、RAMクリアボタンが押下されている状態ではないと判定した場合には(ステップS10901:NO)、後述するステップS10902に進む。一方、ステップS10901において、RAMクリアボタンが押下されている状態であると判定した場合には(ステップS10901:YES)、ステップS10903に進み、RAMクリアボタンが押下された状態が継続しているか否かを判定する。
ステップS10903において、RAMクリアボタンが押下された状態が継続していないと判定した場合、すなわち、RAMクリアボタンが押下されていない状態となったと判定した場合には(ステップS10903:NO)、ステップS10904に進み、主側RAM64の第1エリアに記憶されている情報を消去し、当該第1エリアの初期設定処理を実行する。その後、後述するステップS10908に進む。一方、ステップS10903において、RAMクリアボタンが押下された状態が継続していると判定した場合には(ステップS10903:YES)、ステップS10905に進み、RAMクリアボタンの押下状態が所定時間(例えば10秒)継続しているか否かを判定する。
ステップS10905において、RAMクリアボタンの押下状態が所定時間(例えば10秒)継続していないと判定した場合には(ステップS10905:NO)、ステップS10903に戻り、RAMクリアボタンが押下された状態が継続しているか否かを判定する。一方、ステップS10905において、RAMクリアボタンの押下状態が所定時間(例えば10秒)継続していると判定した場合には(ステップS10905:YES)、ステップS10906に進む。すなわち、RAMクリアボタンの押下状態が所定時間(例えば10秒)継続しなかった場合には上述したステップS10904に進み、RAMクリアボタンの押下状態が所定時間(例えば10秒)継続した場合には後述するステップS10906に進むことになる。
ステップS10906では、主側RAM64の第1エリアに記憶されている情報を消去し、当該第1エリアの初期設定処理を実行する。その後、ステップS10907に進み、主側RAM64の第2エリアに記憶されている情報を消去し、当該第2エリアの初期設定処理を実行する。その後、後述するステップS10908に進む。
一方、ステップS10901において、RAMクリアボタンが押下されている状態ではないと判定した場合には(ステップS10901:NO)、ステップS10902に進み、主側RAM64の第2エリアに記憶されている情報が有効であるか否かを判定する。具体的には、例えば、主側RAM64の第2エリアに記憶されている情報である賞球集計値(役物賞球数、連続役物賞球数、総賞球数)が有効であるか否かを判定する。ここで、賞球集計値が有効ではない場合とは、役物賞球数が総賞球数を超えている場合や、連続役物賞球数が総賞球数を超えている場合、連続役物賞球数が役物賞球数を超えている場合など、賞球集計値に矛盾が生じている場合である。ステップS10902において、主側RAM64の第2エリアに記憶されている情報が有効ではないと判定した場合には(ステップS10902:NO)、上述したステップS10906及びステップS10907に進み、主側RAM64の第1エリアに記憶されている情報及び第2エリアに記憶されている情報を消去する。その後、ステップS10908に進む。一方、ステップS10902において、主側RAM64の第2エリアに記憶されている情報が有効であると判定した場合には(ステップS10902:YES)、そのままステップS10908に進む。
ステップS10908では、タイマ割込み処理の発生を許可するために割込み許可の設定を行う。ステップS10908を実行した後、ステップS10909~ステップS10912の残余処理に進む。このステップS10909~ステップS10912の残余処理は、上述した図12におけるステップS10104~ステップS10107の残余処理と同じ処理であるため、説明を省略する。
以上説明した処理フローによれば、主側RAM64の第2エリアに記憶されている情報(賞球集計値や、入球個数情報、役物比率等の遊技履歴情報等の実行された遊技に基づいて取得された情報)を消去する処理(ステップS10906の処理)を実行する際には、必ず主側RAM64の第1エリアに記憶されている情報(高確率モードフラグや高頻度サポートモードフラグ等の遊技の実行の制御に用いられる情報)を消去する処理(ステップS10907の処理)を実行することになる。
<態様47>
上記各態様において、フラッシュメモリ64xに記憶されている情報(賞球集計値や、入球個数情報、役物比率等の遊技履歴情報等の実行された遊技に基づいて取得された情報)が消去される際には必ず主側RAM64の第1エリアに記憶されている情報(高確率モードフラグや高頻度サポートモードフラグ等の遊技の実行の制御に用いられる情報)が消去される構成としてもよい。すなわち、フラッシュメモリ64xに記憶されている情報を消去するための操作が実行された場合や、フラッシュメモリ64xに記憶されている情報を消去するための所定の信号を他の装置(例えば検査機320)から受信した場合には、フラッシュメモリ64xに記憶されている情報を消去するだけでなく、主側RAM64の第1エリアに記憶されている情報も必ず消去する構成としてもよい。
このような構成によれば、実行された遊技に基づいて取得された情報(フラッシュメモリ64xに記憶されている情報)が消去されたにも関わらず、遊技の実行の制御に用いられる情報(主側RAM64の第1エリアに記憶されている情報)が消去されずにそのまま維持されるといった状況の発生を抑制することができる。具体的には、例えば、実行された遊技に基づいて取得された情報は、当該パチンコ機10において実行された遊技の公正さを判断するための担保となる情報であるため、当該担保となる情報が消去された場合には、当該パチンコ機10における遊技の実行の制御に用いられる情報(例えば、遊技状態を示す高確率モードフラグや高頻度サポートモードフラグに関する情報)を消去して当該パチンコ機10の遊技状態を初期化することが好ましい。本構成によれば、実行された遊技に基づいて取得された情報(フラッシュメモリ64xに記憶されている情報)を消去する際には遊技の実行の制御に用いられる情報(主側RAM64の第1エリアに記憶されている情報)を消去するので、遊技の公正さを判断するための担保となる情報が消去されたにも関わらず、遊技の実行の制御に用いられる情報(主側RAM64の第1エリアに記憶されている情報)が消去されないことによって当該パチンコ機10の遊技状態がそのまま維持されるといった状況の発生を抑制することができる。
さらに、フラッシュメモリ64xに記憶されている情報(実行された遊技に基づいて取得された情報)が消去される際には、必ず主側RAM64の第1エリアに記憶されている情報(高確率モードフラグや高頻度サポートモードフラグ等の遊技の実行の制御に用いられる情報)に加えて、主側RAM64の第2エリアに記憶されている情報(実行された遊技に基づいて取得された情報)も消去される構成としてもよい。
<態様48>
上記の一部の態様では、主側RAM64は、2つのエリア(第1エリア及び第2エリア)に区分されており、主側RAM64の第1エリアは、遊技の進行に関する処理を実行するためのプログラムや各種フラグ(高確率モードフラグや高頻度サポートモードフラグ等)等を記憶する領域として用いられ、主側RAM64の第2エリアは、遊技履歴情報を算出・表示するための処理(遊技履歴用処理)を実行するためのプログラムや各種の数値情報(上述した賞球集計値や、入球個数情報、役物比率等の遊技履歴情報)等を記憶する領域として用いられる構成としたが、この構成に代えて、主側RAM64の第1エリアの機能を担うRAM(遊技進行処理に用いられるRAM)と、主側RAM64の第2エリアの機能を担うRAM(遊技履歴用処理に用いられるRAM)とを別々に備える構成としてもよい。
<態様49>
上記の各態様のうち、フラッシュメモリ64xを備える態様において、当該フラッシュメモリ64xは、開放の痕跡が残る空間(例えば、封印シールが貼付された基板ボックス)の内部に格納されている構成としてもよい。このような構成によれば、当該フラッシュメモリ64xに記憶されている情報に不正な改変を施そうとするためには、当該パチンコ機10の基盤ボックスを開けることになり、当該パチンコ機10の基板ボックスに開放の痕跡が残ることになる。すなわち、パチンコ機10の基板ボックスに開放の痕跡が残っているか否かに基づいて、当該パチンコ機10の基板ボックスが開かれてフラッシュメモリ64xに記憶されている情報に不正な改変が施された可能性があるか否かを把握することが可能となる。したがって、フラッシュメモリ64xに記憶されている情報に施された不正な改変の隠蔽を困難にすることができ、ひいては、フラッシュメモリ64xに記憶されている情報に不正な改変を施そうといった動機の発生を抑制することが可能となり、遊技の健全性を向上させることができる。
なお、開放の痕跡(開封の痕跡、開閉の痕跡ともいう)が残る空間の構成としては、上記態様38において説明した種々の構成を採用することができる。
<態様50>
図33は、態様50におけるパチンコ機10の電気的構成の一部を模式的に示す説明図である。本態様の主側MPU62には、入出力ポート62aと主側CPU62xとの間に、入球検知用IC62cが設けられている。
入球検知用IC62cは、入出力ポート62aを介して各入球検知センサー44a~44hと電気的に接続されており、各入球検知センサー44a~44hから受信した信号に基づいて各入球口への遊技球の入球の有無を判定し、当該判定の結果を示す情報(各入球口への遊技球の入球の有無に関する情報である入球情報)を主側CPU62x及び検査用端子65に接続された検査機320に出力する。以下、具体的に説明する。
各入球口への遊技球の入球を検知する各入球検知センサー44a~44hは、入力ポート62bに設けられた8個の入力ビットである第0ビットD0~第7ビットD7に電気的に接続されており、当該8個の入力ビットD0~D7は、入球検知用IC62cに設けられた8個の入力ビットR0~R7にそれぞれ電気的に接続されている。本態様では、入球検知用IC62cに設けられた8個の入力ビットR0~R7のそれぞれには、常時Loレベルの信号が入力されており、入球口への遊技球の入球が入球検知センサーによって検知されると、8個の入力ビットR0~R7のうち当該入球検知センサーに対応した入力ビットに入力されている信号がLoレベルからHiレベルに立ち上がるように構成されている。
入球検知用IC62cは、各入球検知センサー44a~44hから出力された信号に基づいて、各入球口への遊技球の入球の有無を判定する。本態様では、入球検知用IC62cは、8個の入球検知センサー44a~44hにそれぞれ対応する8個の入力ビットR0~R7を監視しており、各入力ビットに入力されている信号におけるLoレベルからHiレベルへの立ち上がりエッジを検出した場合に、当該入力ビットに対応した入球口に遊技球が入球したと判定する。ただし、立ち上がりエッジを検出したがHiレベルの状態が所定期間継続しない場合、及び、立ち上がりエッジを検出したが当該立ち上がりエッジが直近の立ち下がりエッジから所定の間隔以下で発生した立ち上がりエッジであった場合には、当該検出した立ち上がりエッジはノイズである可能性が高いため、当該入力ビットに対応した入球口には遊技球が入球していないと判定する。なお、遊技球が各入球口に入球したか否かの判定方法としては種々の方法を採用することが可能であり、例えば、上述した入球判定処理(図16、図17)と同様の方法を採用してもよい。
入球検知用IC62cは、所定期間毎に各入球口における遊技球の入球の有無を判定し、当該判定の結果を示す情報である入球情報を、シリアル伝送方式の通信によって、主側CPU62xに出力し、また、検査用端子65に接続された検査機320に出力する。本態様では、8個の入球検知センサー44a~44hが設けられているため、入球検知用IC62cは、8個の各入球口における遊技球の入球の有無を示す入球情報(8ビット分の入球情報)を所定期間毎(4ms毎)に出力する。具体的には、入球検知用IC62cは、常時Loレベルの信号を出力しており、入球の有無を判定した所定期間毎(4ms毎)に、スタートビットとして50μsのHiレベル信号を出力し、その後、8個の各入球口における遊技球の入球の有無に対応した50μsのHiレベルの信号(入球有り)又はLoレベルの信号(入球無し)を8ビット分出力し、最後にストップビットとして50μsのLoレベルの信号を出力する。
入球検知用IC62cから入球情報を受信した主側CPU62xは、当該受信した各入球口の入球情報に基づいて、上述した当たり抽選や、賞球の払出し等の遊技の進行に関する処理を実行する。また、主側CPU62xは、上述した遊技履歴用処理(図29)を実行し、出球率(トータル)や、役物比率、連続役物比率等の遊技履歴情報の算出及び表示に関する処理も実行する。そして、主側CPU62xは、遊技履歴情報の算出過程において用いた数値情報や、算出した遊技履歴情報をフラッシュメモリ64xに記憶させる。
次に、入球検知用IC62cから出力される入球情報を受信可能な検査機320を用いた検査について説明する。
本態様では、パチンコ機10の検査者は、当該パチンコ機10において遊技が実行されている最中、すなわち、遊技者又は検査者が当該パチンコ機10の操作ハンドル25を操作して遊技球を遊技盤30に発射させて通常通りに遊技を実行している最中に、検査機320を用いることによって、この検査中の期間において当該パチンコ機10において正当な遊技が実行されているか否かを検査する。以下、具体的に説明する。
検査機320は、各入球口における遊技球の入球情報を入球検知用IC62cから受信するモードである入球情報受信モードと、パチンコ機10に設けられている入球口の種別や賞球数に関する情報である入球口情報を設定する入球口情報設定モードと、受信した入球情報及び設定された入球口情報に基づいて上述した各種の遊技履歴情報を算出する遊技履歴情報算出モードとを実行可能である。
検査者は、パチンコ機10において正当な遊技が実行されているか否かを検査する際には、検査機320の接続ケーブル329を当該パチンコ機10の検査用端子65に接続し、当該検査機320の操作部327を操作して当該検査機320を上述した入球情報受信モードに移行させる。遊技者又は検査者は、検査対象のパチンコ機10の操作ハンドル25を操作して遊技球を遊技盤30に発射させ、遊技の実行を通常通りに継続する。
検査機320は、入球情報受信モードに移行すると、接続ケーブル329内の出力許可信号線329bにHiレベルの信号を出力する。出力許可信号線329bは、検査用端子65を介して入球検知用IC62cの出力許可判定用ビット62dに電気的に接続されている。入球検知用IC62cは、当該出力許可判定用ビット62dにHiレベルの信号が入力されているか否かを判定し、出力許可判定用ビット62dにHiレベルの信号が入力されていると判定している期間中に限り、検査用端子65を介して接続ケーブル329内の情報伝送用信号線329aに上述した入球情報をシリアル伝送方式の通信によって出力する。
検査機320は、入球情報受信モードにおいて、所定期間毎に8個の入球口に対応した入球情報を受信し、各入球口への遊技球の入球個数を計測(カウント)して記憶する。そして、検査機320は、計測(カウント)した各入球口への遊技球の入球個数を示す情報を表示部328に表示させる。すなわち、遊技者又は検査者が遊技を実行して各入球口に遊技球が入球する毎に、表示部328に表示されている各入球口に対応した入球個数を示す情報に1が加算される。この結果、検査機320の表示部328には、入球情報受信モードに移行した後に各入球口に入球した遊技球の個数が表示されることになる。
十分な検査期間(例えば、10時間程度等)が経過した後、検査者が検査機320の操作部327を操作して入球情報受信モードを終了させると、検査機320は、入球口情報設定モードに移行する。
検査機320は、入球口情報設定モードに移行すると、各入球口毎に、入球口の種別及び賞球数を検査者に入力させるための入力画面を表示部328に表示させる。本態様では、検査機320は、入球情報受信モードにおいて所定期間毎に8ビット分の入球情報を受信しているので、表示部328には、8個の入球口のそれぞれに対して入球口の種別及び賞球数を入力させるための入力画面が表示される。なお、入球口の種別とは、第1始動口33や第2始動口34、大入賞口36a、排出通路といった各入球検知センサー44a~44hが設けられている入球口の種別であり、賞球数とは、入球口に1個の遊技球が入球した場合に賞球として払い出される遊技球の個数である。
検査者は、操作部327を操作することによって、各入球口毎に、入球口情報(入球口の種別情報及び賞球数情報)を検査機320に入力する。具体的には、検査者は、入球検知用IC62cから出力される入球情報における何番目のビットがどの種別の入球口に対応しているのかといった情報(種別情報)や、どの種別の入球口に何個の賞球数を設定すればよいのかといった情報(賞球数情報)を、当該パチンコ機10の仕様書や説明書等によって把握し、当該把握した情報を検査機320に入力する。検査者が入球口情報の入力を完了すると、検査機320は、遊技履歴情報算出モードに移行する。
検査機320は、遊技履歴情報算出モードに移行すると、入球情報受信モードにおいて計測(カウント)した各入球口毎の遊技球の入球個数と、入球口情報設定モードにおいて設定された種別情報及び賞球数情報とに基づいて、上述した各種の遊技履歴情報を算出する。例えば、検査機320は、上述した出球率(トータル)、役物比率、連続役物比率を算出する。検査機320は、各種の遊技履歴情報の算出が完了すると、算出した各種の遊技履歴情報を表示部328に表示させる。
検査者は、検査機320の表示部328に表示された各種の遊技履歴情報を確認することによって、当該検査期間において正当な遊技が実行されていたか否かを確認することができる。
以上説明したように、本態様によれば、入球検知用IC62cは、検査用端子65に接続された検査機320に対して主側CPU62xを介さずに入球情報を出力するので、検査機320は、主側CPU62xによる影響を受けていない入球情報を受信することが可能となる。
例えば、仮に、本態様の構成を採用せずに、検査用端子65に接続された検査機320に対して主側CPU62xを介して入球情報を出力する構成を採用した場合において、当該主側CPU62xに不具合が発生していたり不正な改造が施されている場合には、検査機320に出力される入球情報にも当該不具合や不正な改造の影響が及んでしまうおそれがある。また、当該主側CPU62xの不具合や不正な改造の影響で、当該主側CPU62xが算出して表示している遊技履歴情報の信頼性が低いおそれもある。
これに対して、本態様によれば、入球検知用IC62cは、検査用端子65に接続された検査機320に対して主側CPU62xを介さずに入球情報を出力するので、主側CPU62xに不具合が発生していたり不正な改造が施されている場合であっても、検査機320に出力される入球情報には当該不具合や不正な改造の影響が及ばない。この結果、検査用端子65に接続された検査機320は、当該不具合や不正な改造の影響の及んでいない入球情報に基づいた処理を実行することが可能となる。具体的には、検査機320は、主側CPU62xによる影響を受けていない入球情報に基づいて遊技履歴情報を算出することができる。したがって、パチンコ機10の性能を検査する検査者は、主側CPU62xに不具合が発生していたり不正な改造が施されている可能性があり、主側CPU62xが算出して表示している遊技履歴情報の信頼性が低い場合であっても、主側CPU62xによる影響を受けていない遊技履歴情報を検査機320によって確認することが可能となる。この結果、遊技の健全性を確保することができる。
また、本態様によれば、入球検知用IC62cは、検査用端子65に接続された検査機320に対して、複数の入球口のそれぞれに対応した入球情報をシリアル伝送方式によって出力するので、例えば、入球情報をパラレル伝送方式によって出力する構成を採用した場合と比較して、当該入球情報を検査機320に経由させる検査用端子65の構成を簡略化することができるとともに、当該入球情報を受信する検査機320の構成を簡略化することができる。
具体的には、仮に、複数の入球口のそれぞれに対応した入球情報をパラレル伝送方式によって出力する構成を採用した場合には、検査用端子65は、当該複数の入球口の個数に対応した出力部(例えば、出力用のビット)を備える必要がある。同様に、検査機320は、当該複数の入球口の個数に対応した入力部(例えば、入力用のビット)を備える必要がある。また、パチンコ機10が備える入球口の個数は、パチンコ機10の種別毎(機種毎)に異なるため、パチンコ機10の種別毎(機種毎)に異なる個数の入力部を備えた検査機320を用意する必要が生じる。
これに対して、本態様によれば、入球検知用IC62cは、検査用端子65に接続された検査機320に対して、複数の入球口のそれぞれに対応した入球情報をシリアル伝送方式によって出力する手段を備えるので、検査用端子65は、当該パチンコ機10が備える入球口の個数に関わらず、シリアル伝送方式によって入球情報を出力することのできる出力部を少なくとも1つ備える構成とすればよい。したがって、検査用端子65の構成を簡略化することができる。同様に、検査機320は、当該パチンコ機10が備える入球口の個数に関わらず、シリアル伝送方式によって出力された入球情報を入力することのできる入力部を少なくとも1つ備える構成とすればよいので、検査機320の構成を簡略化することができる。さらに、入球口の個数の異なるパチンコ機10に検査機320を接続した場合であっても、当該検査機320は、シリアル伝送方式によって複数の入球口のそれぞれに対応した入球情報を入力することができる。すなわち、検査機320を、入球口の個数の異なる他のパチンコ機10に対しても利用することが可能となる。この結果、検査機320の汎用性を高めることが可能となる。
また、本態様によれば、入球検知用IC62cは、検査用端子65に接続された検査機320からHiレベルの信号を受信している場合に限り当該検査機320に対して入球情報を出力するので、当該Hiレベルの信号を受信している場合以外において当該パチンコ機10の入球情報が外部に出力されてしまうことを抑制することができる。したがって、当該パチンコ機10の入球情報が悪意のある者に解析されて悪用されてしまうことを抑制することができる。
<態様51>
上記態様50では、検査機320の入球口情報設定モードにおいて、入球口情報を検査者が操作部327を操作して検査機320に手入力する構成としたが、この構成に代えて、入球口情報を検査機320がパチンコ機10から受信して設定する構成としてもよい。
具体的には、例えば、検査機320は、入球口情報設定モードに移行すると、接続ケーブル329及び検査用端子65を介して、入球口情報の送信を要求する信号(入球口情報送信要求コマンド)を入球検知用IC62cに送信する。当該信号(入球口情報送信要求コマンド)を受信した入球検知用IC62cは、検査用端子65及び接続ケーブル329を介して当該パチンコ機10の入球口情報を検査機320に送信する。検査機320は、入球検知用IC62cから受信した入球口情報を各入球口毎に設定し、入球口情報設定モードを終了する。
以上説明したように、本態様によれば、入球検知用IC62cは、検査用端子65に接続された検査機320に対して入球口情報(賞球数情報及び種別情報)を出力するので、検査機320に対して入球口情報(賞球数情報及び種別情報)を手入力する手間を省くことができるとともに、検査機320に対して誤った入球口情報(賞球数情報及び種別情報)が入力されてしまうことを抑制することができる。この結果、検査機320は、入球情報と正確な入球口情報(賞球数情報及び種別情報)とに基づいて遊技履歴情報を算出することが可能となる。
なお、本態様では、入球検知用IC62cは、所定の信号(入球口情報送信要求コマンド)を受信したことに基づいて、当該パチンコ機10の入球口情報を検査機320に送信する構成としたが、この構成に代えて、入球検知用IC62cは、検査機320の接続ケーブル329が検査用端子65に接続されたことを契機として(すなわち、検査機320の接続ケーブル329が検査用端子65に接続されたことを検知した場合に)、当該パチンコ機10の入球口情報を検査機320に送信する構成としてもよい。この構成によれば、検査機320は、接続ケーブル329が検査用端子65に接続された後に、当該入球口情報を必要とする処理を速やかに実行することが可能となる。
また、本態様では、入球口情報を入球検知用IC62cが検査機320に送信する構成としたが、この構成に代えて、主側CPU62xが、主側ROM63に記憶されている入球口情報を読み出して検査機320に送信する構成としてもよい。
<態様52>
上記態様50では、入球検知用IC62cは、出力許可判定用ビット62dにHiレベルの信号が入力されていると判定している期間中に限り、検査用端子65を介して入球情報をシリアル伝送方式の通信によって出力する構成としたが、この構成に代えて、他の構成を採用してもよい。例えば、入球検知用IC62cは、出力許可判定用ビット62dに所定のパターンの信号が入力されていると判定している期間中に限り、検査用端子65を介して入球情報をシリアル伝送方式の通信によって出力する構成としてもよい。また、例えば、入球検知用IC62cは、出力許可判定用ビット62dに所定のパターンの信号が入力されたと判定した場合に、検査用端子65を介して入球情報をシリアル伝送方式の通信によって出力する構成としてもよい。また、例えば、検査用端子65に所定のスイッチを設け、所定の形状のケーブル端子が当該検査用端子65に接続されて当該所定のスイッチが押下された状態となっていると判定した場合に、入球検知用IC62cは、検査用端子65を介して入球情報をシリアル伝送方式の通信によって出力する構成としてもよい。
<態様53>
上記態様50から態様52において、検査機320は、入球口情報設定モードにおいて入球口情報の設定が完了した後に入球情報受信モードに移行する構成としてもよい。このような構成によれば、入球情報受信モードへの移行の時点において各入球口の種別が設定されるので、入球情報受信モード中において検査機320の表示部328に各入球口の種別及び入球個数を表示することが可能となる。
この結果、検査者は、どの種別の入球口に遊技球が入球したのかを入球情報受信モード中においても把握することが可能となる。さらに、検査者は、表示部328に表示されている情報(各入球口の種別及び入球個数)と、目視で確認した実際に各入球口に入球した遊技球の個数とが一致しているか否かを確認することによって、入球検知用IC62cから出力されている入球情報が真正なものであるか否かを確認することができる。
<態様54>
上記態様50から態様53において、検査機320は、接続ケーブル329がパチンコ機10の検査用端子65に接続されたことを契機として、当該パチンコ機10のフラッシュメモリ64xに記憶されている遊技履歴情報を受信するモードである遊技履歴情報受信モードに移行し、その後、上述した入球口情報設定モード、入球情報受信モード及び遊技履歴情報算出モードに移行する構成としてもよい。
具体的には、例えば、検査機320は、接続ケーブル329がパチンコ機10の検査用端子65に接続されたことを検出すると、遊技履歴情報受信モードに移行する。検査機320は、遊技履歴情報受信モードに移行すると、接続ケーブル329及び検査用端子65を介して、遊技履歴情報の送信を要求する信号(遊技履歴情報送信要求コマンド)を主側CPU62xに送信する。当該信号(遊技履歴情報送信要求コマンド)を受信した主側CPU62xは、検査用端子65及び接続ケーブル329を介して、当該パチンコ機10のフラッシュメモリ64xに記憶されている遊技履歴情報を検査機320に送信する。検査機320は、主側CPU62xから受信した遊技履歴情報をRAM326に記憶すると、当該遊技履歴情報受信モードを終了し、入球口情報設定モードに移行する。
検査機320は、入球口情報設定モードに移行すると、接続ケーブル329及び検査用端子65を介して、入球口情報の送信を要求する信号(入球口情報送信要求コマンド)を主側CPU62xに送信する。当該信号(入球口情報送信要求コマンド)を受信した主側CPU62xは、検査用端子65及び接続ケーブル329を介して、当該パチンコ機10の入球口情報を検査機320に送信する。検査機320は、主側CPU62xから受信した入球口情報を各入球口毎に設定すると、当該入球口情報設定モードを終了し、入球情報受信モードに移行する。
検査機320は、入球情報受信モードに移行すると、所定期間毎に8個の入球口に対応した入球情報を受信し、各入球口への遊技球の入球個数を計測(カウント)して記憶する。そして、検査機320は、計測(カウント)した各入球口への遊技球の入球個数を示す情報を表示部328に表示させる。すなわち、遊技者又は検査者が遊技を実行して各入球口に遊技球が入球する毎に、表示部328に表示されている各入球口に対応した入球個数を示す情報に1が加算される。この結果、検査機320の表示部328には、入球情報受信モードに移行した後に各入球口に入球した遊技球の個数が表示されることになる。
十分な検査期間(例えば、10時間程度等)が経過した後、検査者が検査機320の操作部327を操作して入球情報受信モードを終了させると、検査機320は、遊技履歴情報算出モードに移行する。
検査機320は、遊技履歴情報算出モードに移行すると、入球情報受信モードにおいて計測(カウント)した各入球口毎の遊技球の入球個数と、入球口情報設定モードにおいて設定された種別情報及び賞球数情報とに基づいて、上述した各種の遊技履歴情報を算出する。例えば、検査機320は、上述した出球率(トータル)、役物比率、連続役物比率を算出する。検査機320は、各種の遊技履歴情報の算出が完了すると、遊技履歴情報算出モードにおいて算出した各種の遊技履歴情報と、遊技履歴情報受信モードにおいて受信した各種の遊技履歴情報(フラッシュメモリ64xに記憶されていた遊技履歴情報)とを表示部328に表示させる。すなわち、検査機320の表示部328には、当該検査機320の接続ケーブル329がパチンコ機10に接続されて入球情報受信モードにおいて入球情報を受信していた検査期間を対象とした遊技履歴情報と、当該パチンコ機10の主側CPU62xによって算出されてフラッシュメモリ64xに記憶されている過去の所定期間を対象とした遊技履歴情報とが表示される。
以上説明したように、本態様によれば、検査用端子65に接続された検査機320は、フラッシュメモリ64xに記憶されている遊技履歴情報(以下、第1遊技履歴情報とも呼ぶ)を受信して表示することが可能となる。また、検査機320は、検査期間において受信した入球情報に基づいた処理を実行することが可能となる。具体的には、検査機320は、当該パチンコ機10の検査用端子65に接続されている所定の検査期間において受信した入球情報に基づいて遊技履歴情報を算出し、当該遊技履歴情報(以下、第2遊技履歴情報とも呼ぶ)を表示することが可能となる。したがって、例えば、パチンコ機10を検査する検査者は、パチンコ機10が備えるフラッシュメモリ64xに記憶されている第1遊技履歴情報と、検査機320が所定の検査期間において受信した入球情報に基づいた第2遊技履歴情報とを比較することが可能となる。
ここで、仮に、パチンコ機10に不具合が発生したり、不正な改造(例えば釘の改変等)が施されたりしたこと等によって当該パチンコ機10における遊技の特性に変化が生じた場合には、パチンコ機10が備えるフラッシュメモリ64xに記憶されている第1遊技履歴情報(過去の所定期間における入球情報に基づいて主側CPU62xによって算出された遊技履歴情報)と、検査機320が所定の検査期間における入球情報に基づいて算出した第2遊技履歴情報とに差が生じることがある。したがって、パチンコ機10を検査する検査者は、2つの遊技履歴情報の差分に注目することによって、当該パチンコ機10において不具合や不正な改造(例えば、釘の改変)が発生していないかを検査することができる。
なお、検査機320は、上述した入球口情報設定モードにおいて入球口情報を受信して設定した後に、遊技履歴情報受信モードに移行して遊技履歴情報を受信する構成としてもよい。また、検査機320は、上述した遊技履歴情報算出モードにおいて当該検査期間における遊技履歴情報を算出した後に、遊技履歴情報受信モードに移行してフラッシュメモリ64xに記憶されている遊技履歴情報を受信する構成としてもよい。
<態様55>
上記態様50から態様54において、パチンコ機10が備える入球口の個数は8個に限られず、9個以上であってもよく、7個以下であってもよい。そして、入球検知用IC62cは、入球口の個数に対応した入球情報を出力する構成とすればよい。例えば、パチンコ機10が備える入球口の個数が7個以下の場合には、入球検知用IC62cは、シリアル伝送方式によって出力する8ビットのうちの前半のビットを用いて入球情報を出力する構成としてもよい。また、例えば、パチンコ機10が備える入球口の個数が9個以上の場合には、入球検知用IC62cは、シリアル伝送方式による8ビットの出力を複数回実行することによって9個以上の入球口に対応した入球情報を出力する構成としてもよい。また、入球検知用IC62cは、シリアル伝送方式によって16ビットや32ビット等の入球情報を一度に出力可能な構成としてもよい。
<態様56>
上記態様23では、主側CPU62xが遊技履歴用処理をタイマ割込み処理に含まれる一処理として実行する構成(図23:ステップS10616)としたが、この構成に代えて、CPU62xが遊技履歴用処理をタイマ割込み処理では実行せず、上述したメイン処理の残余時間において実行する構成としてもよい。以下、具体的に説明する。
図34は、態様56における主側CPU62xが実行するメイン処理の一例を示すフローチャートである。ステップS11001では、初期設定処理を実行する。具体的には、電源投入に伴う各制御装置の初期設定や、RAM64に記憶保持されたデータの有効性の判定などを実行する。ステップS11001を実行した後、ステップS11002に進み、タイマ割込み処理(図13)の発生を許可するために割込み許可の設定を行う。
ステップS11002を実行した後、ステップS11003~ステップS11007の残余処理に進む。すなわち、主側CPU62xは上述したようにタイマ割込み処理を定期的に実行する構成であるが、一のタイマ割込み処理と次のタイマ割込み処理との間に残余時間が生じることとなる。この残余時間は各タイマ割込み処理の処理完了時間に応じて変動することとなるが、この不規則な時間(残余時間)を利用してステップS11003~ステップS11007の処理(残余処理)を繰り返し実行する。
ステップS11003では、タイマ割込み処理の発生を禁止するために割込み禁止の設定を行う。その後、ステップS11004に進み、乱数初期値カウンタCINIの更新を行う乱数初期値更新処理を実行するとともに、ステップS11005に進み、変動種別カウンタCSの更新を行う変動用カウンタ更新処理を実行する。これらの更新処理では、主側RAM64の対応するカウンタから現状の数値情報を読み出し、その読み出した数値情報を1加算する処理を実行した後に、読み出し元のカウンタに上書きする処理を実行する。この場合、カウンタ値が最大値に達した際それぞれ「0」にクリアする。その後、ステップS11006に進む。
ステップS11006では、上述した遊技履歴用処理(図29)を実行する。遊技履歴用処理は、上述したように、順次実行することによって遊技履歴情報の算出が完了する複数のタスク(図29のステップS10814のタスク1及びタスク2)を含んでいる。そして、主側CPU62xは、残余処理に含まれる遊技履歴用処理の1回の実行では、複数のタスクのうちの一部のタスクを実行する。すなわち、主側CPU62xは、遊技履歴用処理を複数回実行することによって、算出対象として設定された遊技履歴情報の算出を完了する。ステップS11006を実行した後、ステップS11007に進み、タイマ割込み処理の発生を禁止している状態から許可する状態へ切り換える割込み許可の設定を行う。ステップS11007の処理を実行した後は、ステップS11003に戻り、ステップS11003~ステップS11007の処理を繰り返す。
以上説明したように、本態様によれば、メイン処理における残余時間(一のタイマ割込み処理の実行の終了後から次のタイマ割込み処理の実行の開始までの期間)において遊技履歴用処理を含む残余処理を繰り返し実行するので、一のタイマ割込み処理の実行が終了していないにも関わらず遊技履歴用処理を含む残余処理の実行が開始されてしまうことを抑制することができる。すなわち、タイマ割込み処理の実行を優先しつつ、タイマ割込み処理が実行されていない期間において遊技履歴用処理を含む残余処理を繰り返し実行することによって速やかに遊技履歴情報を算出することが可能となる。
また、仮に、本態様の構成を採用せずに、遊技履歴用処理をタイマ割込み処理に含めて実行する構成を採用した場合には、当該タイマ割込み処理の1回の実行の開始から終了までに要する時間が長くなってしまい、例えば、一のタイマ割込み処理の実行の開始から所定時間(本態様では4msec)が経過し、次のタイマ割込み処理の実行の開始のタイミングとなったにも関わらず未だ一のタイマ割込み処理の実行が終了しておらず、当該一のタイマ割込み処理の実行が終了するまで次のタイマ割込み処理の実行を開始することができなくなってしまう可能性がある。この場合には、次のタイマ割込み処理の実行の開始が遅れてしまったことによって遊技の進行に不具合が発生するおそれがある。
これに対して、本態様によれば、遊技履歴用処理を残余処理に含めて実行するので、遊技履歴用処理をタイマ割込み処理に含めて実行する構成と比較して、タイマ割込み処理の1回の実行の開始から終了までに要する時間を短くすることができる。この結果、例えば、一のタイマ割込み処理の実行の開始から所定時間(本態様では4msec)が経過し、次のタイマ割込み処理の実行の開始のタイミングとなったにも関わらず未だ一のタイマ割込み処理の実行が終了していないといった事態の発生を抑制することができ、当該一のタイマ割込み処理の実行が終了するまで次のタイマ割込み処理の実行を開始することができないといった事態の発生を抑制することができる。このように、本態様によれば、次のタイマ割込み処理の実行の開始が遅れてしまうことによる遊技の進行における不具合の発生を抑制しつつ、タイマ割込み処理が実行されていない期間において遊技履歴用処理を含む残余処理を繰り返し実行することによって効率的かつ速やかに遊技履歴情報を算出することが可能となる。
さらに、本態様によれば、遊技履歴用処理は、順次実行することによって遊技履歴情報の算出が完了する複数のタスク(図29のステップS10814のタスク1及びタスク2)を含んでおり、主側CPU62xは、遊技履歴用処理の1回の実行では、複数のタスクのうちの一部のタスクを実行するので、例えば、遊技履歴用処理の1回の実行において複数のタスクの全てを実行する構成と比較して、遊技履歴用処理の1回の実行の開始から終了までに要する時間を短くすることができる。具体的には、例えば、遊技履歴用処理の実行中にタイマ割込み処理の実行開始の条件が成立した場合においても、実行中の遊技履歴用処理が短時間で終了するので、当該条件の成立からタイマ割込み処理の実行が開始されるまでの時間を短くすることができる。この結果、タイマ割込み処理の実行の開始が遅れてしまうことによる不具合の発生を抑制しつつ、残余処理を繰り返し実行することによって速やかに遊技履歴情報を算出することが可能となる。
さらに、本態様によれば、残余時間の長さは、タイマ割込み処理の開始から終了までに要した時間的な長さに応じて変化する。具体的には、例えば、一のタイマ割込み処理の長さが長くなると、当該一のタイマ割込み処理の終了後から次のタイマ割込み処理の開始までの残余時間は短くなり、一方、一のタイマ割込み処理の長さが短くなると、当該一のタイマ割込み処理の終了後から次のタイマ割込み処理の開始までの残余時間は長くなる。そして、残余時間が短い場合には、遊技履歴用処理の実行回数を少なくすることができ、一方、残余時間が長い場合には、遊技履歴用処理の実行回数を多くすることができる。すなわち、残余時間の長さに応じて遊技履歴用処理の実行回数を変更することができる。
<態様57>
上記第1実施形態及び上記の各態様において、パチンコ機10の主制御装置60は、当たり抽選において大当たりに当選する確率の異なる複数の設定を有する構成としてもよい。具体的には、例えば、同じ低確率モードであっても、当たり抽選において大当たりに当選する確率の異なる6段階の抽選設定(「抽選設定1」~「抽選設定6」)を有する構成としてもよい。以下、具体的に説明する。
本態様のパチンコ機10の主制御装置60は、「抽選設定1」から「抽選設定6」までの6段階の抽選設定のそれぞれに対応した6種類の低確率モード用の当否テーブルを備えている。そして、主制御装置60は、設定されている抽選設定に対応した当否テーブルを参照して当たり抽選を実行する。例えば、パチンコ機10が抽選設定1に設定されている状態であり、抽選モードが低確率モードである場合には、主制御装置60は、抽選設定1の低確率モード用の当否テーブルを参照して当たり抽選を実行する。
本態様では、抽選設定1の低確率モード用の当否テーブルには、0~1199の大当たり乱数カウンタC1の値のうち、大当たりに当選する値として、0~4の5個の値が設定されている。また、抽選設定2の低確率モード用の当否テーブルには、0~1199の大当たり乱数カウンタC1の値のうち、大当たりに当選する値として、0~5の6個の値が設定されている。また、抽選設定3の低確率モード用の当否テーブルには、0~1199の大当たり乱数カウンタC1の値のうち、大当たりに当選する値として、0~6の7個の値が設定されている。また、抽選設定4の低確率モード用の当否テーブルには、0~1199の大当たり乱数カウンタC1の値のうち、大当たりに当選する値として、0~7の8個の値が設定されている。また、抽選設定5の低確率モード用の当否テーブルには、0~1199の大当たり乱数カウンタC1の値のうち、大当たりに当選する値として、0~8の9個の値が設定されている。また、抽選設定6の低確率モード用の当否テーブルには、0~1199の大当たり乱数カウンタC1の値のうち、大当たりに当選する値として、0~9の10個の値が設定されている。
すなわち、本態様では、「抽選設定」の後に続く数字が大きいほど、低確率モードにおける当たり抽選の当選確率が高くなるように構成されている。
なお、本態様では、6段階の抽選設定のうち、いずれに設定されていても、高確率モードにおいては同一の当否テーブルを参照して当たり抽選を実行するように構成されている。すなわち、高確率モードにおいては、抽選設定に関わらず、当たり抽選において大当たりに当選する確率は同じである。ただし、他の態様として、高確率モードにおいても、「抽選設定」の後に続く数字が大きいほど、当たり抽選において大当たりに当選する確率が高くなるように構成されていてもよい。
本態様では、6段階の抽選設定の変更は、パチンコ機10の電源投入時に実行可能であるように構成されている。以下、具体的に説明する。
本態様では、パチンコ機10の背面側に位置する主制御基板61には、設定変更用の鍵穴と、設定変更用ボタンとが設けられている。パチンコ機10を管理する管理者が当該パチンコ機10の抽選設定を変更する場合には、まず、パチンコ機10の電源がOFFの状態で当該鍵穴に設定変更用の鍵を挿入する。そして、挿入した鍵を設定変更側に回した状態(例えば時計回りに回した状態)で当該パチンコ機10の電源を投入すると、当該パチンコ機10は設定変更モードとして起動する。
パチンコ機10が設定変更モードとして起動すると、上述した遊技履歴情報表示部45zに、現在の抽選設定を示す情報(以下、設定情報ともいう)が表示される。例えば、当該パチンコ機10の現在の抽選設定が「抽選設定1」である場合には、遊技履歴情報表示部45zに「1」が表示される。そして、管理者が設定変更用ボタンを押下する度に、遊技履歴情報表示部45zに表示される設定情報が「1」→「2」→「3」→「4」→「5」→「6」→「1」→「2」...といった順序で切り替わる。
遊技履歴情報表示部45zに表示されている設定情報が管理者の所望の値となった状態で、管理者が設定変更用鍵を設定変更側から元の位置に回すと、遊技履歴情報表示部45zに表示されている設定情報に対応する抽選設定に変更される。具体的には、例えば、管理者が設定変更用ボタンを押下して遊技履歴情報表示部45zに「6」が表示されている状態で、設定変更用鍵を設定変更側から元の位置に回すと、当該パチンコ機10の抽選設定が「抽選設定6」に変更される。
このように、本態様によれば、パチンコ機10における抽選設定を変更することによって、当たり抽選において大当たりに当選する確率を変更することができる。この結果、同一のパチンコ機10であっても、当たり抽選の結果、特別電動役物としての可変入賞装置36が作動することになる確率が変更されるので、遊技履歴情報として算出される上述した役物比率や連続役物比率の値は、変更された新たな抽選設定に対応した値に収束していくことになる。すなわち、パチンコ機10における抽選設定を変更することによって、当該パチンコ機10の役物比率や連続役物比率等の遊技履歴情報が変化することになる。換言すれば、パチンコ機10における抽選設定を変更するといった簡易な方法によって、当該パチンコ機10の特性を変化させることができる。
なお、以下に説明する各態様では、上述した遊技履歴情報の算出の基礎となる情報である各入球口への入球情報や入球個数情報、賞球集計値等を「遊技履歴基礎情報」ともいう。
<態様58>
上記態様57(当たり抽選の抽選設定を変更可能な構成)において、パチンコ機10における抽選設定が変更された場合には、抽選設定の変更の前に各種メモリ(主側RAM64やフラッシュメモリ64x等)に記憶されていた遊技履歴基礎情報を消去し、抽選設定が変更された後に各種メモリに記憶された遊技履歴基礎情報に基づいて遊技履歴情報を算出・表示する構成としてもよい。
このような構成とした理由について説明する。パチンコ機10における抽選設定(当たり抽選において大当たりに当選する確率の設定)が変更されると、特別電動役物としての可変入賞装置36が作動することになる確率が変更されるので、遊技履歴情報として算出される上述した役物比率や連続役物比率の値は、変更された新たな抽選設定に対応した値に収束していくことになる。すなわち、抽選設定の変更の前後で、役物比率や連続役物比率の収束していくべき値が変化することになる。
仮に、抽選設定が変更された後においても、抽選設定の変更の前に記憶されていた遊技履歴基礎情報を消去せずに、抽選設定の変更がされた後に取得された遊技履歴基礎情報を記憶する構成を採用すると、遊技履歴情報を算出する際に、抽選設定の変更の前に記憶された遊技履歴基礎情報の影響が含まれることになり、抽選設定の変更の後のパチンコ機10の本来の特性が遊技履歴情報に反映されるまでに時間を要する場合がある。
そこで、本態様では、抽選設定が変更された場合には、抽選設定の変更の前に記憶されていた遊技履歴基礎情報を消去し、抽選設定の変更の後に取得、記憶された遊技履歴基礎情報に基づいて、遊技履歴情報を算出・表示する構成とする。
本態様によれば、役物比率や連続役物比率等の遊技履歴情報が、変更後の抽選設定に対応した値に早く収束することになり、パチンコ機10の検査者は、当該パチンコ機10に現在設定されている抽選設定に対応した遊技履歴情報を早期に確認することが可能となる。
<態様59>
上記態様57(当たり抽選の抽選設定を変更可能な構成)において、パチンコ機10の抽選設定が変更された後においても、抽選設定の変更の前に各種メモリに記憶されていた遊技履歴基礎情報を消去せずに、抽選設定の変更がされた後に取得された遊技履歴基礎情報を各種メモリに追加して記憶し、抽選設定の変更の前後を問わず各種メモリに記憶された遊技履歴基礎情報に基づいて遊技履歴情報を算出・表示する構成としてもよい。
本態様によれば、パチンコ機10の抽選設定の変更による影響も含めた遊技履歴情報を算出し、表示することが可能となる。したがって、パチンコ機10の検査者は、遊技ホールにおいて当該パチンコ機10の抽選設定の変更が運用された結果として、抽選設定の変更による影響が含まれたトータルとしての遊技履歴情報が適正な範囲内に収まっているか否かを確認することができる。
<態様60>
上記態様57(当たり抽選の抽選設定を変更可能な構成)において、パチンコ機10の抽選設定が変更された場合には、抽選設定の変更の前に記憶されていた遊技履歴基礎情報を消去し、今回の抽選設定の変更の後に取得された遊技履歴基礎情報を記憶し、当該記憶した遊技履歴基礎情報に基づいて遊技履歴情報を算出・表示する構成としてもよい。
このような構成において、パチンコ機10の抽選設定が変更された後に取得されて記憶された遊技履歴基礎情報が所定の量まで蓄積される前に、再度パチンコ機10の抽選設定が変更された場合には、抽選設定の変更が短期間に行なわれたことを示す情報(以下、短期変更情報ともいう)を記録し、当該短期変更情報を表示する構成としてもよい。
具体的には、例えば、パチンコ機10の抽選設定が変更された後に取得されて記憶された遊技履歴基礎情報としての賞球集計値における総賞球数が1000個に達する前に、再度パチンコ機10の抽選設定が変更された場合には、抽選設定の変更が短期間に行なわれたことを示す短期変更情報を記録し、当該短期変更情報を遊技履歴情報表示部45zに表示する構成とする。また、例えば、遊技履歴情報表示部45zに短期変更情報を表示するためのLEDランプを設け、短期変更情報が記録された場合には当該LEDランプを発光させる構成としてもよい。
本態様によれば、パチンコ機10の検査者は、短期変更情報が表示されているか否かを確認することによって、当該パチンコ機10において抽選設定の変更が短期間に行なわれたか否かを確認することができる。この結果、パチンコ機10の管理者による不正な意図に基づいた抽選設定の変更を抑制することができる。
具体的には、例えば、パチンコ機10が検査者によって検査される前に、当該パチンコ機10の管理者が、当選確率の変更後に当該遊技機において遊技があまり実行されていない状況であるにも関わらず、再び抽選設定の変更を行なって、当該パチンコ機10に記憶されている遊技履歴基礎情報及び遊技履歴情報を消去してしまう可能性がある。しかしながら、本態様によれば、抽選設定の変更後に当該パチンコ機10において遊技があまり実行されていない状況であるにも関わらず、再び抽選設定の変更が短期間で行なわれた場合には、上述した短期変更情報が記録され、表示されることになる。したがって、検査者は、短期変更情報を確認することによって、遊技履歴基礎情報及び遊技履歴情報の消去といった不正な意図によって抽選設定の変更が短期間に行なわれた可能性があるのではないかと認識することが可能となる。この結果、パチンコ機10の管理者による不正な意図に基づいた抽選設定の変更を抑制することができる。
なお、パチンコ機10の抽選設定が変更されてから所定時間が経過する前に、再度パチンコ機10の抽選設定が変更された場合に、抽選設定の変更が短期間に行なわれたことを示す情報(短期変更情報)を記録し、当該短期変更情報を表示する構成としてもよい。このような構成によれば、パチンコ機10の抽選設定の変更と変更の間に当該パチンコ機10において遊技が行なわれなかった場合であっても、抽選設定の変更と変更の間に所定時間が経過していれば短期変更情報が表示されない。したがって、パチンコ機10の抽選設定の変更と変更の間が比較的長期間となっているが当該変更と変更の間に当該パチンコ機10において遊技が行なわれなかったに過ぎない状況であるにも関わらず、不正な意図によって抽選設定の変更が短期間に行なわれた可能性があるのではないかといった検査者による誤認を抑制することができる。
<態様61>
上記態様57(当たり抽選の抽選設定を変更可能な構成)において、過去の抽選設定の変更を境界とした直近の複数の期間における遊技履歴基礎情報及び遊技履歴情報を記憶・表示可能な構成としてもよい。そして、パチンコ機10の抽選設定が変更された場合には、既に記憶されている直近の複数の期間のうちの最も古い期間における遊技履歴基礎情報及び遊技履歴情報を消去し、今回の抽選設定の変更の後に取得された遊技履歴基礎情報を記憶する構成としてもよい。
このような構成において、パチンコ機10の抽選設定が変更された後に取得されて記憶された遊技履歴基礎情報が所定の量まで蓄積される前に、再度パチンコ機10の抽選設定が変更された場合には、抽選設定の変更が短期間に行なわれたことを示す情報(以下、短期変更情報ともいう)を記録し、当該短期変更情報を表示する構成としてもよい。
具体的には、例えば、パチンコ機10の抽選設定が変更された後に取得されて記憶された遊技履歴基礎情報としての賞球集計値における総賞球数が1000個に達する前に、再度パチンコ機10の抽選設定が変更された場合には、抽選設定の変更が短期間に行なわれたことを示す短期変更情報を記録し、当該短期変更情報を遊技履歴情報表示部45zに表示する構成とする。また、例えば、遊技履歴情報表示部45zに短期変更情報を表示するためのLEDランプを設け、短期変更情報が記録された場合には当該LEDランプを発光させる構成としてもよい。
以上説明した本態様によれば、パチンコ機10の検査者は、当該パチンコ機10における過去の抽選設定の変更を境界とした直近の複数の期間毎における遊技履歴情報を確認することが可能となる。すなわち、検査者は、当該パチンコ機10において抽選設定が過去に変更されてきた過程において、遊技履歴情報が適正な範囲に収まっていない状況が存在したか否かを確認することが可能となる。
さらに、本態様によれば、パチンコ機10の検査者は、短期変更情報が表示されているか否かを確認することによって、当該パチンコ機10において抽選設定の変更が短期間に行なわれたか否かを確認することができる。この結果、パチンコ機10の管理者による不正な意図に基づいた抽選設定の変更を抑制することができる。
具体的には、例えば、パチンコ機10が検査者によって検査される前に、当該パチンコ機10の管理者が、抽選設定の変更を短期間に繰り返し行なって、当該パチンコ機10の直近の複数の期間における遊技履歴基礎情報及び遊技履歴情報を消去してしまう可能性がある。しかしながら、本態様によれば、抽選設定の変更が短期間で繰り返し行なわれた場合には、上述した短期変更情報が記録され、表示されることになる。したがって、検査者は、短期変更情報を確認することによって、不正な意図によって抽選設定の変更が短期間に行なわれた可能性があるのではないかと認識することが可能となる。この結果、パチンコ機10の管理者による不正な意図に基づいた抽選設定の変更を抑制することができる。
なお、パチンコ機10の抽選設定が変更されてから所定時間が経過する前に、再度パチンコ機10の抽選設定が変更された場合に、抽選設定の変更が短期間に行なわれたことを示す情報(短期変更情報)を記録し、当該短期変更情報を表示する構成としてもよい。このような構成によれば、パチンコ機10の抽選設定の変更と変更の間に当該パチンコ機10において遊技が行なわれなかった場合であっても、抽選設定の変更と変更の間に所定時間が経過していれば短期変更情報が表示されない。したがって、パチンコ機10の抽選設定の変更と変更の間が比較的長期間となっているが当該変更と変更の間に当該パチンコ機10において遊技が行なわれなかったに過ぎない状況であるにも関わらず、不正な意図によって抽選設定の変更が短期間に行なわれた可能性があるのではないかといった検査者による誤認を抑制することができる。
<態様62>
上記態様57(当たり抽選の抽選設定を変更可能な構成)において、パチンコ機10の抽選設定が変更された後、遊技履歴情報の算出の基礎となる遊技履歴基礎情報が統計データとして十分な量まで蓄積されるまでは、抽選設定が変更される前に記憶されていた遊技履歴基礎情報が消去されずに保存(記憶)されている構成としてもよい。
さらに、抽選設定が変更された後に取得されて記憶された遊技履歴基礎情報が統計データとして十分な所定の量まで蓄積されるまでは、抽選設定が変更される前に記憶されていた遊技履歴基礎情報に基づいて算出した遊技履歴情報を遊技履歴情報表示部45zに点滅表示させる構成とし、抽選設定が変更された後に取得されて記憶された遊技履歴基礎情報が統計データとして十分な量まで蓄積された後は、抽選設定が変更された後に取得されて記憶された遊技履歴基礎情報に基づいて遊技履歴情報を算出し、当該算出した遊技履歴情報を遊技履歴情報表示部45zに点灯表示させる構成としてもよい。
具体的には、例えば、抽選設定が変更された後に取得されて記憶された遊技履歴基礎情報としての賞球集計値における総賞球数が60000個に達するまでは、抽選設定が変更される前に記憶されていた遊技履歴基礎情報が消去されずに記憶されている構成とする。そして、抽選設定が変更された後に取得されて記憶された遊技履歴基礎情報としての賞球集計値における総賞球数が60000個に達するまでは、抽選設定が変更される前に記憶されていた遊技履歴基礎情報に基づいて算出した遊技履歴情報を遊技履歴情報表示部45zに点滅表示させる構成とする。抽選設定が変更された後に取得されて記憶された遊技履歴基礎情報としての賞球集計値における総賞球数が60000個に達した後は、抽選設定が変更される前に記憶されていた遊技履歴基礎情報を消去し、抽選設定が変更された後に取得されて記憶された遊技履歴基礎情報に基づいて遊技履歴情報を算出し、当該算出した遊技履歴情報を遊技履歴情報表示部45zに点灯表示させる構成とする。
本態様によれば、抽選設定の変更の前に記憶されていた遊技履歴基礎情報が、パチンコ機10の抽選設定の変更を行なうことによって意図的に消去されてしまうことを抑制することができる。例えば、仮に、抽選設定の変更の前に取得されて記憶されていた遊技履歴基礎情報が、パチンコ機10の抽選設定の変更が行なわれた直後に消去される構成を採用すると、パチンコ機10が検査者によって検査される前に、当該パチンコ機10の管理者が、抽選設定の変更を行なって、当該抽選設定の変更の前に記憶されていた遊技履歴基礎情報及び遊技履歴情報を消去してしまう可能性がある。これに対して、本態様によれば、抽選設定の変更の前に記憶されていた遊技履歴基礎情報は、抽選設定が変更された後に取得されて記憶された遊技履歴基礎情報が統計データとして十分な所定の量まで蓄積されるまでは消去されないので、パチンコ機の管理者による不正な意図による抽選設定の変更を抑制することができる。
さらに、パチンコ機10の検査者は、遊技履歴情報表示部45zに表示されている遊技履歴情報が点滅表示であるか点灯表示であるかを確認することによって、抽選設定が変更された後に取得されて記憶された遊技履歴基礎情報が統計データとして十分な所定の量まで蓄積されているか否かを容易に把握することが可能となる。
なお、抽選設定が変更される前に記憶されていた遊技履歴基礎情報の消去及び点滅表示から点灯表示への切り替えの条件としては、総賞球数の他にも種々の基準を採用することができる。例えば、排出通路を通過した遊技球の個数(遊技盤30に発射された遊技球の個数)の集計値を基準として採用してもよい。
<態様63>
上記態様57(当たり抽選の抽選設定を変更可能な構成)において、過去の抽選設定の変更を境界とした直近の複数の期間における遊技履歴基礎情報及び遊技履歴情報を記憶・表示可能な構成としてもよい。そして、パチンコ機10の抽選設定が変更された場合には、パチンコ機10の抽選設定が変更された後に取得されて記憶された遊技履歴基礎情報が統計データとして十分な所定の量まで蓄積されるまでは、既に記憶されている直近の複数の期間のうちの最も古い期間における遊技履歴基礎情報及び遊技履歴情報を消去せず、パチンコ機10の抽選設定が変更された後に取得されて記憶された遊技履歴基礎情報が統計データとして十分な所定の量まで蓄積された後に、既に記憶されている直近の複数の期間のうちの最も古い期間における遊技履歴基礎情報及び遊技履歴情報を消去する構成としてもよい。
具体的には、例えば、パチンコ機10の抽選設定が変更された場合には、パチンコ機10の抽選設定が変更された後に取得されて記憶された遊技履歴基礎情報としての賞球集計値における総賞球数が60000個に達するまでは、既に記憶されている直近の複数の期間のうちの最も古い期間における遊技履歴基礎情報及び遊技履歴情報を消去せず、パチンコ機10の抽選設定が変更された後に取得されて記憶された遊技履歴基礎情報としての賞球集計値における総賞球数が60000個に達した後に、既に記憶されている直近の複数の期間のうちの最も古い期間における遊技履歴基礎情報及び遊技履歴情報を消去する構成としてもよい。
本態様によれば、パチンコ機10の検査者は、当該パチンコ機10における過去の抽選設定の変更を境界とした直近の複数の期間毎における遊技履歴情報を確認することが可能となる。すなわち、検査者は、当該パチンコ機10において抽選設定が過去に変更されてきた過程において、遊技履歴情報が適正な範囲に収まっていない状況が存在したか否かを確認することが可能となる。
さらに、本態様によれば、過去の抽選設定の変更を境界とした直近の複数の期間における遊技履歴基礎情報及び遊技履歴情報が、パチンコ機10の抽選設定の変更が繰り返し行なわれることによって意図的に消去されてしまうことを抑制することができる。
例えば、仮に、過去の抽選設定の変更を境界とした直近の複数の期間のうちの最も古い期間における遊技履歴基礎情報及び遊技履歴情報が、パチンコ機10の抽選設定の変更が行なわれた直後に消去される構成を採用すると、パチンコ機10が検査者によって検査される前に、当該パチンコ機10の管理者が、抽選設定の変更を繰り返し行なって、当該パチンコ機10の直近の複数の期間における遊技履歴基礎情報及び遊技履歴情報を消去してしまう可能性がある。
これに対して、本態様によれば、過去の抽選設定の変更を境界とした直近の複数の期間のうちの最も古い期間における遊技履歴基礎情報及び遊技履歴情報は、抽選設定が変更された後に取得されて記憶された遊技履歴基礎情報が統計データとして十分な所定の量まで蓄積されるまでは消去されないので、パチンコ機10の管理者による不正な意図による抽選設定の変更を抑制することができる。
<態様64>
上記態様57(当たり抽選の抽選設定を変更可能な構成)において、取得した遊技履歴基礎情報を、取得した時点におけるパチンコ機10の抽選設定毎に区別して記憶し、抽選設定毎に遊技履歴情報を算出・表示する構成としてもよい。
具体的には、例えば、遊技履歴基礎情報を各種メモリに記憶する際に、遊技履歴基礎情報を取得したタイミングにおける抽選設定を特定可能な情報を付加して記憶する。そして、遊技履歴情報を算出・表示する際には、各抽選設定毎に遊技履歴基礎情報を抽出して、各抽選設定毎の遊技履歴情報を算出・表示する構成としてもよい。
また、他の具体的な構成として、各種メモリに抽選設定毎に対応した記憶エリアを設け、取得した遊技履歴基礎情報を記憶する際には、現在設定されている抽選設定に対応した記憶エリアに記憶する構成としてもよい。例えば、パチンコ機10が抽選設定1に設定されている場合には、取得した遊技履歴基礎情報を抽選設定1に対応した記憶エリアに記憶し、パチンコ機10が抽選設定2に設定されている場合には、取得した遊技履歴基礎情報を抽選設定2に対応した記憶エリアに記憶する。そして、遊技履歴情報を算出・表示する際には、各記憶エリアに記憶されている遊技履歴基礎情報に基づいて、各抽選設定毎の遊技履歴情報を算出・表示する構成としてもよい。
このような構成によれば、パチンコ機10の検査者は、例えば、当該パチンコ機10が抽選設定1に設定されている状態において取得された遊技履歴基礎情報に基づいて算出された遊技履歴情報や、当該パチンコ機10が抽選設定2に設定されている状態において取得された遊技履歴基礎情報に基づいて算出された遊技履歴情報など、当該パチンコ機10の各抽選設定毎に算出された各遊技履歴情報を確認することができる。そして、検査者は、当該パチンコ機10の各抽選設定毎に算出された各遊技履歴情報が適正な範囲内に収まっているか否かを確認することによって、当該パチンコ機10において遊技履歴情報が適正な範囲内に収まっていない抽選設定が存在しないか否かを確認することが可能となる。
<態様65>
上記態様57では、パチンコ機10の抽選設定を遊技履歴情報表示部45zに表示させる構成としたが、遊技履歴情報表示部45zとは別に、パチンコ機10の抽選設定を表示する抽選設定表示部を当該パチンコ機10の背面側に設ける構成としてもよい。
<態様66>
上記各態様では、算出した遊技履歴情報そのものの数値を遊技履歴情報表示部45zに表示する構成としたが、遊技履歴情報そのものの数値は表示せずに、遊技履歴情報の数値が所定の範囲に収まっているか否かを示す情報を遊技履歴情報表示部45zやその他の表示部に表示する構成としてもよい。例えば、遊技履歴情報としての役物比率及び連続役物比率がそれぞれ所定の範囲に収まっているか否かを、発光させるLEDランプの色で表示する構成としてもよい。
<態様67>
上記各態様において、パチンコ機10の背面に設けられた遊技履歴情報表示部45zは、4個の7セグメント表示器が横一列に隣接して配置されている構成としてもよい。なお、遊技履歴情報表示部45zは、遊技履歴情報を表示するだけでなく、抽選設定を変更する設定変更モード中においては遊技履歴情報の代わりに設定情報を表示するので、以下では単に「情報表示部45z」とも呼ぶ。
図35は、態様67における情報表示部45zの構成を示す説明図である。情報表示部45zは、4個の7セグメント表示器45z1~45z4が横一列に隣接して配置されて構成されている。各7セグメント表示器45z1~45z4は、それぞれ、7個のセグメント発光部A~Gと、小数点を示すDP発光部とを備えており、これらの発光部の発光の有無の組合せによって、「1」、「2」、「3」、「4」、「5」、「6」、「7」、「8」、「9」、「0」、「b」、「L.」、「6.」などの各種の数値や文字、記号等を表示することが可能である。本態様では、7個のセグメント発光部A~G及びDP発光部は、赤色のLED(発光ダイオード)によって構成されている。
なお、以下では、左端に配置された7セグメント表示器45z1を左端7セグメント表示器45z1とも呼び、左端7セグメント表示器45z1の右側に隣接して配置された7セグメント表示器45z2を左中7セグメント表示器45z2とも呼び、左中7セグメント表示器45z2の右側に隣接して配置された7セグメント表示器45z3を右中7セグメント表示器45z3とも呼び、右中7セグメント表示器45z3の右側に隣接して配置され、かつ右端に配置された7セグメント表示器45z4を右端7セグメント表示器45z4とも呼ぶ。
図35に示すように、左端7セグメント表示器45z1及び左中7セグメント表示器45z2は、遊技履歴情報を表示する際には、表示する遊技履歴情報の種別を識別するための情報である種別情報を表示するエリア(種別情報表示エリア)として利用される。また、右中7セグメント表示器45z3及び右端7セグメント表示器45z4は、種別情報表示エリアに表示されている種別に対応した遊技履歴情報の数値情報を表示するエリア(数値情報表示エリア)として利用される。以下、情報表示部45zに遊技履歴情報が表示されている具体例について説明する。
図36は、情報表示部45zに遊技履歴情報が表示されている様子を示す説明図である。なお、図36では、点灯しているセグメント発光部及びDP発光部は黒で塗り潰された状態で表記されており、消灯しているセグメント発光部及びDP発光部は黒で塗り潰されておらず白抜きの状態で表記されている。図37以降の図面においても同様である。
本態様のパチンコ機10では、主制御装置60は、上述した抽選設定を変更する設定変更モード中以外の状態では、情報表示部45zに遊技履歴情報を常に表示させる。そして、本態様のパチンコ機10では、主制御装置60は、遊技履歴情報として、上述した出玉率(通常モード中)を算出し、算出した出球率(通常モード中)を情報表示部45zに表示させる。出球率(通常モード中)の定義は以下のとおりである。
・出玉率(通常モード中)
=通常モード中に賞球として払い出された遊技球の合計個数/通常モード中に遊技盤30に発射された遊技球の個数(=通常モード中に排出通路を通過した遊技球の個数(通常モード中のアウト数))
なお、通常モード中とは、上述したように、高確率モード中でもなく、高頻度サポートモード中でもなく、大当たり当選に基づいた開閉実行モード中でもないモードをいう。また、以下では、出球率(通常モード中)を「ベース(通常モード中)」とも呼ぶ。
本態様のパチンコ機10では、主制御装置60は、計測した排出通路通過個数NOUTが60000個に達する毎に区間を分け、区間毎にベース(通常モード中)を算出する。そして、情報表示部45zは、算出対象となった区間の異なる2種類のベース(通常モード中)を交互に表示する。具体的には、本態様の情報表示部45zは、以下の2種類のベース(通常モード中)を表示する。
・「bL」:計測中のベース(通常モード中)
現在計測中の排出通路通過個数NOUTが60000個に達するまでの現在の区間において算出された出球率(通常モード中)
・「b6」:計測済みのベース(通常モード中)
計測した排出通路通過個数NOUTが60000個に達した区間であって、現在計測中の区間の1つ前の区間において算出された出球率(通常モード中)
本態様のパチンコ機10では、情報表示部45zは、「計測中のベース(通常モード中)」と「計測済みのベース(通常モード中)」とを5秒毎に切り替えて交互に表示する。
情報表示部45zが「計測中のベース(通常モード中)」を表示する際には、種別情報表示エリアに「bL.」を表示し、数値情報表示エリアに「計測中のベース(通常モード中)」の数値を2桁で表示する。具体的には、種別情報表示エリアに「bL.」を表示する際には、左端7セグメント表示器45z1のセグメント発光部C、D、E、F、Gが発光した状態となり、左中7セグメント表示器45z2のセグメント発光部D、E、F及びDP発光部が発光した状態となる。そして、数値情報表示エリアを構成する右中7セグメント表示器45z3及び右端7セグメント表示器45z4には、「計測中のベース(通常モード中)」の数値情報が表示される。なお、本態様では、算出した「計測中のベース(通常モード中)」の小数第三位の値を四捨五入して100倍した数値の整数部が数値情報表示エリアに表示される。図36に示した例では、情報表示部45zは、「bL.35」といった情報を表示しており、小数第三位の値を四捨五入した「計測中のベース(通常モード中)」の値が「0.35」であることを意味する。また、小数第三位の値を四捨五入した「計測中のベース(通常モード中)」の値が「1.00」以上である場合には、100倍した値が100以上となるので、この場合には、情報表示部45zは、「bL.99.」といった情報を表示する。
情報表示部45zが「計測済みのベース(通常モード中)」を表示する際には、種別情報表示エリアに「b6.」を表示し、数値情報表示エリアに「計測済みのベース(通常モード中)」の数値を2桁で表示する。具体的には、種別情報表示エリアに「b6.」を表示する際には、左端7セグメント表示器45z1のセグメント発光部C、D、E、F、Gが発光した状態となり、左中7セグメント表示器45z2のセグメント発光部A、C、D、E、F、G及びDP発光部が発光した状態となる。そして、数値情報表示エリアを構成する右中7セグメント表示器45z3及び右端7セグメント表示器45z4には、「計測済みのベース(通常モード中)」の数値情報が表示される。なお、本態様では、算出した「計測済みのベース(通常モード中)」の少数第三位の値を四捨五入して100倍した数値の整数部が数値情報表示エリアに表示される。図36に示した例では、情報表示部45zは、「b6.35」といった情報を表示しており、小数第三位の値を四捨五入した「計測済みのベース(通常モード中)」の値が「0.35」であることを意味する。また、小数第三位の値を四捨五入した「計測済みのベース(通常モード中)」の値が「1.00」以上である場合には、100倍した値が100以上となるので、この場合には、情報表示部45zは、「b6.99.」といった情報を表示する。
なお、本態様のパチンコ機10では、情報表示部45zが遊技履歴情報を表示する際には、数値情報表示エリアに表示すべき数値が1桁の値である場合であっても、右中7セグメント表示器45z3に「0」を表示して2桁で数値を表示する。例えば、小数第三位の値を四捨五入した「計測中のベース(通常モード中)」の値が「0.07」である場合には、100倍した値が7となるので、この場合には、情報表示部45zは、「bL.07」といった情報を表示する。
ここで、本態様のパチンコ機10では、遊技履歴情報を表示する際には、情報表示部45zの種別情報表示エリアには、「bL.」と「b6.」とが交互に表示され、これら2つの種別情報以外は表示されない。したがって、本態様のパチンコ機10では、遊技履歴情報を表示する際には、種別情報表示エリアを構成する左端7セグメント表示器45z1及び左中7セグメント表示器45z2のうち、以下の発光部は使用されない(発光しない)。
[遊技履歴情報の表示時に使用されない種別情報表示エリアの発光部]
・左端7セグメント表示器45z1のセグメント発光部A、B及びDP発光部
・左中7セグメント表示器45z2のセグメント発光部B
換言すれば、遊技履歴情報を表示する際には、種別情報表示エリアを構成する左端7セグメント表示器45z1及び左中7セグメント表示器45z2のうち、以下の発光部のみが使用される(発光する)。
[遊技履歴情報の表示時に使用される種別情報表示エリアの発光部]
・左端7セグメント表示器45z1のセグメント発光部C、D、E、F、G
・左中7セグメント表示器45z2のセグメント発光部A、C、D、E、F、G及びDP発光部
なお、参考として、図36に、遊技履歴情報の表示時に使用される種別情報表示エリアの発光部をクロスハッチングが施された態様で示した。
次に、上述した抽選設定を変更する設定変更モード中における情報表示部45zの表示態様について説明する。本態様では、設定変更モード中においては、情報表示部45zは、現在の抽選設定を示す情報又は変更後の抽選設定を示す情報である設定情報を表示する。以下、具体的に説明する。
図37及び図38は、設定変更モード中において情報表示部45zに設定情報が表示されている様子を示す説明図である。この図37及び図38には、情報表示部45zの数値情報表示エリアに抽選設定を示す設定情報(数値情報)として「1」~「6」が表示されている様子が示されている。
上述したように、パチンコ機10が設定変更モードとして起動すると、情報表示部45zは、現在の抽選設定を示す数値情報を数値情報表示エリアに表示する。そして、管理者が設定変更用ボタンを押下すると、情報表示部45zは、変更後の抽選設定を示す数値情報を数値情報表示エリアに表示する。そして、管理者が設定変更用の鍵を設定変更側から元の位置に回すと、設定変更モードが終了し、情報表示部45zは、再び数値情報表示エリアに遊技履歴情報を表示する。
本態様では、設定変更モード中においては、情報表示部45zの種別情報表示エリアには「--(2個のハイフン)」が表示され、数値情報表示エリアには「1」~「6」のいずれかの設定情報が表示される。設定変更モード中において種別情報表示エリアに表示される「--(2個のハイフン)」といった表示パターンは、遊技履歴情報の種別に関する情報を表示する際には表示されない表示パターンである。
具体的には、設定変更モード中においては、情報表示部45zの種別情報表示エリアを構成する左端7セグメント表示器45z1のセグメント発光部Gが発光し、左中7セグメント表示器45z2のセグメント発光部Gが発光する。すなわち、本態様のパチンコ機10では、設定変更モード中においては、遊技履歴情報の表示時に使用される発光部のみが使用される。換言すれば、遊技履歴情報の表示時に使用されない発光部は、設定変更モード中においても使用されない。
また、本態様では、情報表示部45zの数値情報表示エリアを構成する右中7セグメント表示器45z3及び右端7セグメント表示器45z4のうち、右中7セグメント表示器45z3は使用せず、右端7セグメント表示器45z4のみを使用して抽選設定を示す数値情報を表示する。すなわち、情報表示部45zの数値情報表示エリアは、2桁の数値情報を表示することが可能であるが、設定変更モード中においては、1桁目の右中7セグメント表示器45z3に「0」を表示せずに消灯状態とし、2桁目の右端7セグメント表示器45z4のみに抽選設定を示す「1」~「6」のいずれかの数値情報を表示する。
以上説明したように、本態様によれば、情報表示部45zの数値情報表示エリアに遊技履歴情報の数値情報が表示されている場合と、抽選設定に関する数値情報が表示されている場合とで、種別情報表示エリアの表示態様が明確に異なることになる。したがって、例えば、パチンコ機10の管理者に、情報表示部45zの数値情報表示エリアに遊技履歴情報の数値情報が表示されているのか、抽選設定に関する数値情報が表示されているのかを明確に区別して認識させることができる。この結果、パチンコ機10の管理者が、数値情報表示エリアに表示されている数値情報を、遊技履歴情報の数値情報と抽選設定に関する数値情報との間で誤認してしまうことを抑制することができる。
さらに、本特徴によれば、遊技履歴情報を表示する際に使用されない種別情報表示エリアの発光部(左端7セグメント表示器45z1のセグメント発光部A、B、DP発光部、左中7セグメント表示器45z2のセグメント発光部B)は、設定変更モード中においても使用されないので、種別情報表示エリアには、使用されない発光部(以下、不使用発光部)が存在することになる。したがって、例えば、種別情報表示エリアの不使用発光部に不具合が発生したとしても、種別情報表示エリアにおける表示態様には影響がない。この結果、種別情報表示エリアの発光部に不具合が発生した場合に表示態様に影響が生じてしまう可能性を低減することができる。
また、例えば、不使用発光部となる発光素子(LED)は発光する必要がないため、当該発光素子を発光させるために必要な部品を省略することができる。したがって、情報表示部45zのコストを低減することができる。
さらに、本態様によれば、数値情報表示エリアに遊技履歴情報に関する数値情報が表示されている場合と、抽選設定に関する数値情報が表示されている場合とで、表示されている数値の桁数が異なることになるので、仮に種別情報表示エリアの表示に不具合が発生していたとしても、管理者に対して、数値情報表示エリアに表示されている数値情報が遊技履歴情報であるのか、設定情報であるのかを明確に区別して認識させることができる。すなわち、管理者は、情報表示部45zの数値情報表示エリアに2桁の数値が表示されている場合には当該数値情報表示エリアに表示されている数値が遊技履歴情報であると判断し、数値情報表示エリアに1桁の数値が表示されている場合には当該数値情報表示エリアに表示されている数値が設定情報であると判断することができる。
<態様68>
上記態様67では、情報表示部45zは、設定変更モード中においては、種別情報表示エリアに「--(2個のハイフン)」を点灯表示させる構成としたが、この構成に代えて、設定変更モード中においては、種別情報表示エリアに「--(2個のハイフン)」を点滅表示させる構成としてもよい。
このような構成によれば、情報表示部45zの数値情報表示エリアに遊技履歴情報の数値情報が表示されている場合と、抽選設定に関する数値情報が表示されている場合とで、種別情報表示エリアの表示態様がさらに明確に異なることになる。したがって、例えば、パチンコ機10の管理者に、情報表示部45zの数値情報表示エリアに遊技履歴情報の数値情報が表示されているのか、抽選設定に関する数値情報が表示されているのかをさらに明確に区別して認識させることができる。この結果、パチンコ機10の管理者が、数値情報表示エリアに表示されている数値情報を、遊技履歴情報の数値情報と抽選設定に関する数値情報との間で誤認してしまうことを抑制することができる。
さらに、本態様によれば、抽選設定に関する数値情報が数値情報表示エリアに表示されている設定変更モード中においては種別情報表示エリアにおける「--(2個のハイフン)」が点滅するので、パチンコ機10の管理者に対して、抽選設定の変更を慎重に行なうべき重要な状態であるといった注意を喚起することができる。
<態様69>
上記態様67では、情報表示部45zは、設定変更モード中においては、種別情報表示エリアに「--(2個のハイフン)」を点灯表示させる構成としたが、この構成に代えて、設定変更モード中においては、種別情報表示エリアには何も表示されない構成としてもよい。以下、具体的に説明する。
図39及び図40は、設定変更モード中において情報表示部45zに設定情報が表示されている様子を示す説明図である。この図39及び図40には、情報表示部45zの数値情報表示エリアに抽選設定を示す数値情報として「1」~「6」が表示されている様子が示されている。また、この図39に示すように、本態様では、設定変更モード中においては、情報表示部45zの種別情報表示エリアを構成する左端7セグメント表示器45z1及び左中7セグメント表示器45z2の全てのセグメント発光部及びDP発光部を消灯させている。すなわち、上述したように、設定変更モード中においては、情報表示部45zの種別情報表示エリアは、何も表示されていない状態となっている。
このように、本態様によれば、情報表示部45zの数値情報表示エリアに遊技履歴情報の数値情報が表示されている場合と、抽選設定に関する数値情報が表示されている場合とで、種別情報表示エリアの表示態様が明確に異なることになる。したがって、例えば、パチンコ機10の管理者に、情報表示部45zの数値情報表示エリアに遊技履歴情報の数値情報が表示されているのか、抽選設定に関する数値情報が表示されているのかを明確に区別して認識させることができる。この結果、パチンコ機10の管理者が、数値情報表示エリアに表示されている数値情報を、遊技履歴情報の数値情報と抽選設定に関する数値情報との間で誤認してしまうことを抑制することができる。
さらに、本態様によれば、仮に種別情報表示エリアを構成する一部の発光部(セグメント発光部A~G等)が発光しないといった不具合が発生していたとしても、全ての発光部が発光しないといった重大な不具合が発生していない限りは、種別情報表示エリアの表示態様が、遊技履歴情報を表示している場合と抽選設定の設定情報を表示している場合とで異なることになる。したがって、本態様によれば、管理者に対して、仮に種別情報表示エリアを構成する一部の発光部(LED)が発光しない不具合が発生していたとしても、全ての発光部が発光しないといった重大な不具合が発生していない限りは、数値情報表示エリアに表示されている数値情報が遊技履歴情報であるのか、抽選設定の設定情報であるのかを区別して認識させることができる。すなわち、管理者は、種別情報表示エリアにおいて少なくとも一部の発光部が発光している場合には数値情報表示エリアに表示されている数値が遊技履歴情報であると判断し、種別情報表示エリアを構成する全ての発光部が消灯している場合に限り数値情報表示エリアに表示されている数値が抽選設定の設定情報であると判断することができる。
<態様70>
上記態様67では、情報表示部45zは、設定変更モード中においては、種別情報表示エリアに「--(2個のハイフン)」を点灯表示させる構成としたが、この構成に代えて、設定変更モード中においては、種別情報表示エリアに、複数種類の表示パターンを短期間(例えば0.5秒毎)に切り替えて表示する構成としてもよい。以下、具体的に説明する。
図41は、設定変更モード中において情報表示部45zに設定情報が表示されている様子を示す説明図である。なお、この図41に示した例では、情報表示部45zの数値情報表示エリアに抽選設定を示す数値情報として「1」が表示されている様子が示されている。本態様のパチンコ機10では、設定変更モード中においては、情報表示部45zの種別情報表示エリアには、下記の2種類の表示パターンが0.5秒毎に切り替えて交互に表示される。
・種別情報表示エリアの表示パターンA:
左端7セグメント表示器45z1のセグメント発光部C、D、E、Gが点灯(発光)し、左中7セグメント表示器45z2の全ての発光部が消灯した表示パターン
・種別情報表示エリアの表示パターンB:
左端7セグメント表示器45z1の全ての発光部が消灯し、左中7セグメント表示器45z2のセグメント発光部C、D、E、Gが点灯(発光)した表示パターン
上述した表示パターンA及び表示パターンBは、遊技履歴情報を表示する際には種別情報表示エリアに表示されない表示パターンである。また、表示パターンA及び表示パターンBにおいては、遊技履歴情報の表示の際に使用される発光部のみが使用される。換言すれば、表示パターンA及び表示パターンBにおいては、遊技履歴情報の表示の際に使用されない発光部は使用されない。
このように、本態様によれば、情報表示部45zの数値情報表示エリアに遊技履歴情報の数値情報が表示されている場合と、抽選設定に関する数値情報が表示されている場合とで、種別情報表示エリアの表示態様が明確に異なることになる。したがって、例えば、パチンコ機10の管理者に、情報表示部45zの数値情報表示エリアに遊技履歴情報の数値情報が表示されているのか、抽選設定に関する数値情報が表示されているのかを明確に区別して認識させることができる。この結果、パチンコ機10の管理者が、数値情報表示エリアに表示されている数値情報を、遊技履歴情報の数値情報と抽選設定に関する数値情報との間で誤認してしまうことを抑制することができる。
さらに、本態様によれば、抽選設定に関する数値情報が数値情報表示エリアに表示されている設定変更モード中においては種別情報表示エリアにおける表示パターンが動的に変化することになるので、パチンコ機10の管理者に対して、抽選設定の変更を慎重に行なうべき重要な状態であるといった注意を喚起することができる。
さらに、本態様によれば、遊技履歴情報を表示する際に使用されない種別情報表示エリアの発光部(左端7セグメント表示器45z1のセグメント発光部A、B、DP発光部、左中7セグメント表示器45z2のセグメント発光部B)は、設定変更モード中においても使用されないので、種別情報表示エリアには、使用されない発光部(以下、不使用発光部)が存在することになる。したがって、例えば、種別情報表示エリアの不使用発光部に不具合が発生したとしても、種別情報表示エリアにおける表示態様には影響がない。この結果、種別情報表示エリアの発光部に不具合が発生した場合に表示態様に影響が生じてしまう可能性を低減することができる。
また、不使用発光部となる発光素子(LED)は発光する必要がないため、当該発光素子を発光させるために必要な部品を省略することができる。したがって、情報表示部45zのコストを低減することができる。
なお、本態様では、設定変更モード中においては、情報表示部45zの種別情報表示エリアには、2種類の表示パターンが交互に表示される構成としたが、3種類以上の表示パターンが順次切り替えて繰り返し表示される構成としてもよい。
<態様71>
上記各態様において、計測中の「通常モード中に排出通路を通過した遊技球の個数(通常モード中のアウト数)」が例えば6000個未満の場合には、種別情報表示エリアの「bL.」を点滅表示させ、6000個以上の場合には点灯表示させる構成としてもよい。このような構成によれば、種別情報表示エリアにおける「bL.」の点滅表示を確認した者は、計測中の「通常モード中に排出通路を通過した遊技球の個数(通常モード中のアウト数)」が6000個未満であり、数値情報表示エリアに表示されている数値は、十分な量の統計データが蓄積されていない状態において算出された「計測中のベース(通常モード中)」であると認識することができる。
また、種別情報表示エリアの「bL.」を点灯表示とした上で、計測中の「通常モード中に排出通路を通過した遊技球の個数(通常モード中のアウト数)」が例えば6000個未満の場合には、数値情報表示エリアの数値を点滅表示させ、6000個以上の場合には点灯表示させる構成としてもよい。このような構成によれば、数値情報表示エリアにおける数値の点滅表示を確認した者は、計測中の「通常モード中に排出通路を通過した遊技球の個数(通常モード中のアウト数)」が6000個未満であり、数値情報表示エリアに表示されている数値は、十分な量の統計データが蓄積されていない状態において算出された「計測中のベース(通常モード中)」であると認識することができる。
また、計測中の「通常モード中に排出通路を通過した遊技球の個数(通常モード中のアウト数)」が例えば6000個未満の場合には、種別情報表示エリアの「bL.」及び数値情報表示エリアの数値を点滅表示させ、6000個以上の場合には点灯表示させる構成としてもよい。このような構成によれば、種別情報表示エリアにおける「bL.」及び数値情報表示エリアの数値の点滅表示を確認した者は、計測中の「通常モード中に排出通路を通過した遊技球の個数(通常モード中のアウト数)」が6000個未満であり、数値情報表示エリアに表示されている数値は、十分な量の統計データが蓄積されていない状態において算出された「計測中のベース(通常モード中)」であると認識することができる。
なお、点滅表示か点灯表示かを判定する基準としては種々の遊技履歴基礎情報を採用することができる。例えば、計測中の「排出通路を通過した遊技球の個数(総アウト数)」を採用してもよい。
<態様72>
上記各態様では、設定変更モード中においては、数値情報表示エリアに抽選設定を示す数値情報を表示する際には、右中7セグメント表示器45z3を構成する全ての発光部を消灯させて使用せず、右端7セグメント表示器45z4のみを使用して1桁で当該抽選設定を示す数値情報を表示する構成としたが、この構成に代えて、右中7セグメント表示器45z3も使用して2桁で抽選設定を示す数値情報を表示する構成としてもよい。例えば、抽選設定を示す数値情報が1桁の情報しかない場合には、右中7セグメント表示器45z3に「0」を表示させる構成とすればよい。
<態様73>
上記各態様において、抽選設定は1~6の6種類に限らず、抽選設定の種類は、5以下又は7以上の種類であってもよい。また、情報表示部45zを構成する7セグメント表示器の個数は4個に限らず、3個以下でもよく、5個以上であってもよい。また、情報表示部45zの種別情報表示エリアを構成する7セグメント表示器の個数は2個に限らず、1個でもよく、3個以上であってもよい。また、情報表示部45zの数値情報表示エリアを構成する7セグメント表示器の個数は2個に限らず、1個でもよく、3個以上であってもよい。また、情報表示部45zは、有機EL等のLED以外の発光素子によって構成されていてもよく、また、発光しない表示素子(表示要素)によって構成されていてもよい。例えば、情報表示部45zは、液晶や、電子ペーパーに用いられる電気泳動方式を採用した表示要素によって構成されていてもよい。
<態様74>
図42は、第1実施形態の態様74におけるパチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。この態様74では、遊技履歴管理チップ300は設けられておらず、上述した遊技履歴情報を主側CPU62xが算出するように構成されている。以下では、主制御装置60が備える各種の構成の詳細について説明し、その他の構成については、上述した第1実施形態及び各態様と同一の符号を付して、その詳細な説明は省略する。
図42に示すように、主側ROM63は、プログラム記憶手段63aと、プログラム用データ記憶手段63bとを備えている。主側RAM64は、データ記憶手段64aと、スタック手段64bとを備えている。
主側CPU62xは、レジスタセット62x1を含んで構成されており、主側ROM63のプログラム記憶手段63aに格納された複数種類のプログラムを組み合わせて実行することにより各種の処理を実施する。なお、各プログラムは、演算命令、転送命令、ローテイト命令、シフト命令、ジャンプ命令、コール命令、リターン命令など、予め予約されている複数の命令が組み合わされて構成されており、主側CPU62xは、プログラムに定義されている順番で複数の命令を順次実行する。
レジスタセット62x1は、Aレジスタ(アキュムレータレジスタ)、Fレジスタ(フラグレジスタ)、汎用レジスタ、スタックポインタ(SP)を含んでいる。なお、Aレジスタ、汎用レジスタは1バイト(8ビット)のサイズに形成され、スタックポインタ(SP)は2バイト(16ビット)のサイズに形成されている。また、レジスタセット62x1が、他のレジスタを含んでもよく、例えば、インデックスレジスタ、インタラプトレジスタ、リフレッシュレジスタ、プログラムカウンタなどのレジスタをさらに含んでいてもよい。
Aレジスタは、演算命令の被演算対象となるデータ(値)および演算結果を格納する。
Fレジスタは、演算命令の演算結果やロード命令などの特定命令の実行結果に応じて状態が自動的に変化する。
汎用レジスタは、一般的なプログラムの変数と同様に使用されるものであり、具体的には、データ(値)を一時的に記憶したり、カウンタを構成したり、メモリのアドレスを指定したりするために使用される。
スタックポインタ(SP)は、主側RAM64に構成されたスタック手段64bが有する第1スタック領域64b1(後述する図44参照)および第2スタック領域64b2(後述する図44参照)にアクセスするためのスタックポインタ参照用アドレスを格納する。具体的には、スタックポインタ(SP)は、第1スタック領域64b1にアクセスする際に第1スタック領域参照用アドレスSP1を格納し、第2スタック領域64b2にアクセスする際に第2スタック領域参照用アドレスSP2を格納する。
図43は、主側ROM63の構成を示す説明図である。上述したように、主側ROM63は、プログラム記憶手段63aと、プログラム用データ記憶手段63bとを備えている。
プログラム記憶手段63aは、第1プログラム63p1を記憶する第1プログラム制御領域63a1と、第1プログラム制御領域63a1と異なる領域であって、第2プログラム63p2を記憶する第2プログラム制御領域63a2とを有している。
第1プログラム63p1は、遊技進行プログラム、記憶プログラム、変更プログラムを含んでいる。そして、主側CPU62xは、遊技進行プログラムを実行することにより遊技の進行を制御する遊技進行処理を実施し、記憶プログラムを実行することにより記憶処理を実施し、変更プログラムを実行することにより変更処理を実施する。遊技進行処理、記憶処理、変更処理の詳細については後述する。
第2プログラム63p2は、遊技履歴情報算出表示プログラム、退避プログラム、復帰プログラムを含んでいる。そして、主側CPU62xは、遊技履歴情報算出表示プログラムを実行することにより上述した遊技履歴情報を算出して表示する遊技履歴情報算出表示処理を実施し、退避プログラムを実行することにより退避処理を実施し、復帰プログラムを実行することにより復帰処理を実施する。遊技履歴情報算出表示処理、退避処理、復帰処理の詳細については後述する。
プログラム用データ記憶手段63bは、第1プログラム63p1を実行する際に必要な各種のデータを記憶する第1プログラムデータ領域63b1と、第1プログラムデータ領域63b1と異なる領域であって、第2プログラム63p2を実行する際に必要な各種のデータを記憶する第2プログラムデータ領域63b2とを有している。第1プログラムデータ領域63b1には、例えば、上述した当たり抽選処理において使用する当否テーブルや振分テーブルなどのデータが格納され、第2プログラムデータ領域63b2には、例えば、遊技履歴情報算出表示処理において使用する各種の固定値データが格納されている。
以上のように、第1プログラム63p1を記憶する第1プログラム制御領域63a1および第1プログラム63p1を実行する際に必要なデータを格納する第1プログラムデータ領域63b1と、第2プログラム63p2を記憶する第2プログラム制御領域63a2および第2プログラム63p2を実行する際に必要なデータを格納する第2プログラムデータ領域63b2とが、それぞれ、主側ROM63の異なる領域に構成されている。
図44は、主側RAM64の構成を示す説明図である。上述したように、主側RAM64は、データ記憶手段64aと、スタック手段64bとを備えている。
データ記憶手段64aは、データを更新可能な第1プログラム63p1に対応した第1データ記憶領域64a1と、第1データ記憶領域64a1と異なる領域であって、データを更新可能な第2プログラム63p2に対応した第2データ記憶領域64a2とを有している。なお、第1データ記憶領域64a1には、例えば、遊技進行処理において更新される各種のデータ(高確率モードフラグ等の各種フラグ)が記憶され、第2データ記憶領域64a2には、例えば、遊技履歴情報算出表示処理において更新される各種のデータが記憶される。
スタック手段64bは、スタックポインタ(SP)に格納される第1スタック領域参照用アドレスSP1によりアクセス可能な第1スタック領域64b1と、第1スタック領域64b1と異なる領域であって、スタックポインタ(SP)に格納される第2スタック領域参照用アドレスSP2によりアクセス可能な第2スタック領域64b2とを有している。第1スタック領域64b1は、第1プログラム63p1(遊技進行プログラム、記憶プログラム、変更プログラム)に対応し、第2スタック領域と64b2は、第2プログラム63p2(遊技履歴情報算出表示プログラム、退避プログラム、復帰プログラム)に対応している。
以上のように、第1プログラム63p1(遊技進行プログラム、記憶プログラム、変更プログラム)による処理によりデータを更新および参照可能な、第1スタック領域64b1および第1データ記憶領域64a1と、第2プログラム63p2(遊技履歴情報算出表示プログラム、退避プログラム、復帰プログラム)による処理によりデータを更新および参照可能な、第2スタック領域64b2および第2データ記憶領域64a2とが、それぞれ、主側RAM64の異なる領域に構成されている。なお、第1プログラム63p1による処理により、第2スタック領域64b2および第2データ記憶領域64a2のデータを更新することはできないがデータを参照可能に構成され、第2プログラム63p2による処理により、第1スタック領域64b1および第1データ記憶領域64a1のデータを更新することはできないがデータを参照可能に構成されている。
図45は、主制御装置60のメモリマップの一例を示す模式図である。図45に示すように、本態様におけるメモリ空間には、主側ROM63に対応した内蔵ROM領域と、主側RAM64に対応した内蔵RAM領域とがこの順序で割り当てられている。そして、本態様では、内蔵ROM領域においては、第1プログラム制御領域63a1、第1プログラムデータ領域63b1、未使用領域、第2プログラム制御領域63a2、第2プログラムデータ領域63b2がこの順序で割り当てられており、内蔵RAM領域においては、第1データ記憶領域64a1、第1スタック領域64b1、第2データ記憶領域64a2、第2スタック領域64b2、未使用領域がこの順序で割り当てられている。
図46は、第1実施形態の態様74の主側CPU62xが実行するタイマ割込み処理を示すフローチャートである。なお、本態様においても、タイマ割込み処理は、上記第1実施形態と同様に、4msec周期で実行される。
なお、図46の紙面の左側に記載された各処理は、第1プログラム制御領域63a1に格納された第1プログラム63p1が主側CPU62xにより実行されることにより実施される処理であり、同図の紙面の右側に記載された各処理は、第2プログラム制御領域63a2に格納された第2プログラム63p2が主側CPU62xにより実行されることにより実施される処理である。
ステップS11101では、主側CPU62xは、第1プログラム63p1に含まれる遊技進行プログラムを実行することによって、遊技を進行するための処理である遊技進行処理を実施する。具体的には、遊技進行処理では、上述した図27のステップS10601からステップS10615に示した処理群を実施する。ステップS11101の処理を実施した後、ステップS11102に進む。
ステップS11102では、主側CPU62xは、第1プログラム63p1に含まれる記憶プログラムを実行することによって記憶処理を実施する。記憶処理では、プッシュ命令(PUSH)により、複数のレジスタのうちAレジスタおよびFレジスタの値を、スタックポインタ(SP)に格納されている第1スタック領域参照用アドレスSP1によりアクセス可能な第1スタック領域64b1に記憶する。このとき、AレジスタおよびFレジスタを転送対象として指定する特殊コードAFを利用した1回のプッシュ命令(PUSH AF)により、AレジスタおよびFレジスタの値を第1スタック領域64b1に記憶する。
ステップS11102を実行した後、主側CPU62xは、第2プログラム63p2に含まれる退避プログラムを実行することによって、ステップS11103からステップS11105に示す退避処理1、2、3を実施する。以下、具体的に説明する。
ステップS11103に示す退避処理1では、ロード命令(LD (W21),SP)により、スタックポインタ(SP)に格納されている第1スタック領域参照用アドレスSP1を、第2データ記憶領域64a2のアドレスW21で指定される領域に記憶する。このとき、ロード命令によりFレジスタのTZフラグの状態が変化することによって、Fフラグの値が変化することがある。ステップS11103の退避処理1を実施した後、ステップS11104に進む。
ステップS11104に示す退避処理2では、ロード命令(LD SP,固定値)により、固定値である第2スタック領域参照用アドレスSP2をスタックポインタ(SP)に格納する。なお、このときスタックポインタ(SP)に格納される第2スタック領域参照用アドレスSP2は、例えば主側ROM63の第2プログラムデータ領域63b2に予め格納しておいた固定値である。本態様では、退避処理2を実施する時点においては第2スタック領域64b2にデータが記憶されていないため、退避処理2においてスタックポインタ(SP)に格納する固定値は、第2スタック領域64b2の底を示すアドレス値である。ステップS11104の退避処理2を実施した後、ステップS11105に進む。
ステップS11105に示す退避処理3では、複数回のロード命令(LD (W22),レジスタ)により、Aレジスタ、Fレジスタおよび汎用レジスタそれぞれの値を第2データ記憶領域64a2のアドレスW22で指定される領域に記憶する。なお、Aレジスタ、Fレジスタおよび汎用レジスタを転送対象として指定する特別コードを利用した1回のロード命令により、Aレジスタ、Fレジスタおよび汎用レジスタそれぞれの値を第2データ記憶領域64a2に記憶する構成としてもよい。ステップS11105の処理を実施した後、ステップS11106に進む。
ステップS11106では、主側CPU62xは、第2プログラム63p2に含まれる遊技履歴情報算出表示プログラムを実行することによって遊技履歴情報算出表示処理を実施する。遊技履歴情報算出表示処理では、上述した遊技履歴情報を算出し、算出した遊技履歴情報を情報表示部45zに表示させるための処理を実施する。具体的には、遊技履歴情報算出表示処理では、上述した図29のステップS10802からステップS10812に示す処理群を実施する。このとき、遊技履歴情報算出表示処理において、Aレジスタ、Fレジスタ、汎用レジスタの値が変化する。
ステップS11106の遊技履歴情報算出表示処理を実施した後、主側CPU62xは、第2プログラム63p2に含まれる復帰プログラムを実行することによって、ステップS11107及びステップS11108に示す復帰処理1、2を実施する。以下、具体的に説明する。
ステップS11107に示す復帰処理1では、複数回のロード命令(LD レジスタ,(W22))により、Aレジスタ、Fレジスタおよび汎用レジスタそれぞれの値を、退避処理3(ステップS11105)により第2データ記憶領域64a2のアドレスW22で指定される領域に記憶した値に設定する。なお、特別コードを利用した1回のロード命令により、Aレジスタ、Fレジスタおよび汎用レジスタそれぞれの値を退避処理3(ステップS11105)により第2データ記憶領域64a2に記憶した値に設定する構成としてもよい。この復帰処理1では、退避処理1(ステップS11103)においてFレジスタの値が変化している場合には、遊技進行処理を終了した直後と異なる値がFレジスタに格納される。ステップS11107の処理を実施した後、ステップS11108に進む。
ステップS11108に示す復帰処理2では、ロード命令(LD SP,(W21))により、退避処理1(ステップS11103)により第2データ記憶領域64a2のアドレスW21で指定される領域に記憶した第1スタック領域参照用アドレスSP1をスタックポインタ(SP)に格納し、主側CPU62xは第2プログラム63p2の実行を終了する。ステップS11108の処理を実施した後、ステップS11109に進む。
ステップS11109では、主側CPU62xは、第1プログラム63p1に含まれる変更プログラムを実行することによって変更処理を実施する。変更処理では、ポップ命令(POP)により、復帰処理1(ステップS11107)により値が設定されたAレジスタ、Fレジスタおよび汎用レジスタのうち、AレジスタおよびFレジスタの値を、記憶処理(ステップS11102)により第1スタック領域64b1に記憶した値に変更する。このとき、特殊コードを利用した1回のポップ命令(POP AF)により、AレジスタおよびFレジスタの値を記憶処理(ステップS11102)によって第1スタック領域64b1に記憶した値に変更する。このとき、復帰処理1(ステップS11107)において、遊技進行処理を終了した直後と異なる値がFレジスタに格納された場合であっても、Fレジスタの値を遊技進行処理を終了した直後と同じ値に変更することができる。ステップS11109の処理を実施した後、本タイマ割込み処理を終了する。
以上説明したように、本態様によれば、退避処理3(図46のステップS11105)及び復帰処理1(図46のステップS11107)を実施するので、第2プログラム63p2から第1プログラム63p1へ復帰した際に、第1プログラム63p1において利用していたレジスタの値が変化してしまっていることによる不具合の発生を回避することができる。
また、本態様によれば、退避処理3を実施する前(例えば、退避処理1(図46のステップS11103)においてロード命令が実行された場合)にFレジスタの状態が変化するおそれがあるが、退避処理1を実施する前に、第1プログラム63p1に含まれる記憶プログラムによる記憶処理(図46のステップS11102)においてAレジスタおよびFレジスタの値を記憶し、第2プログラム63p2による処理を終了した後に、第1プログラム63p1に含まれる変更プログラムによる変更処理(図46のステップS11109)においてAレジスタおよびFレジスタの値を記憶処理で記憶した値に変更する。したがって、例えば、退避処理1においてFレジスタの状態が変化しても、Fレジスタの状態が第1プログラム63p1による遊技進行処理(図46のステップS11101)の終了直後と同じ状態に復帰するので、第2プログラム63p2による処理から復帰した後に実施する処理に影響を及ぼすおそれがない。この結果、複数のプログラムを独立して構成することが可能となる。
また、本態様によれば、遊技履歴情報算出表示処理(図46のステップS11106)を実施するための遊技履歴情報算出表示プログラムを第2プログラム63p2に追加するだけで、遊技の進行を制御する遊技進行処理(図46のステップS11101)に影響を与えずに、遊技履歴情報算出表示処理を追加することができる。したがって、遊技進行処理を実施するための遊技進行プログラムとは独立して遊技履歴情報算出表示プログラムを容易に作成することができる。
また、本態様によれば、図45に示すように、第1プログラム63p1による処理が使用するメモリ空間と、第2プログラム63p2による処理が使用するメモリ空間とが互いに独立して配置されるので、両メモリ空間が物理的に互いに干渉するのを防止することができると共に、例えば一方の処理(メモリ空間)に対してなされた不正行為が他の処理(メモリ空間)にも影響を与えるのを防止することができる。
また、本態様によれば、退避処理3(図46のステップS11105)において、1回のプッシュ命令(PUSH ALL)によって各レジスタの値の全てを第2スタック領域64b2に記憶する構成とするのではなく、ロード命令によって各レジスタの値を第2データ記憶領域64a2に記憶する構成とするので、利用していたレジスタのみを対象として第2データ記憶領域64a2に記憶することが可能となる。したがって、退避処理3において各レジスタの値を記憶するために必要となる記憶容量を低減することができる。また、本態様によれば、各レジスタの値を第2スタック領域64b2に記憶する構成とするのではなく、各レジスタの値を第2データ記憶領域64a2に記憶する構成とするので、主側RAM64に占める第2スタック領域64b2の記憶容量を低減して、第2データ記憶領域64a2の記憶容量を拡大することが可能となる。
また、例えば、プッシュ命令(PUSH)によってスタック領域に記憶させようとするデータの容量が、主側RAM64のスタック領域の記憶容量の上限値を超える場合には、当該スタック領域に記憶されている全データを消去するリセット処理が実施される構成である場合には、仮に退避処理3においてプッシュ命令(PUSH)によって各レジスタの値を第2スタック領域64b2に記憶させる構成とすると、当該リセット処理が実施されてしまうおそれがある。さらに、退避処理3において、1回のプッシュ命令(PUSH ALL)によって各レジスタの値の全てを第2スタック領域64b2に記憶する構成とすると、当該リセット処理が実施されてしまう可能性がさらに高くなってしまう。これに対して、本態様によれば、退避処理3においてプッシュ命令(PUSH ALL)を使用せず、ロード命令(LD)によって各レジスタの値を第2データ記憶領域64a2に記憶するので、スタック領域のリセット処理が実施されてしまうリスクを回避することができる。
<態様75>
上記態様74に示した構成において、図46に示したタイマ割込み処理の代わりに、以下に説明するタイマ割込み処理を実施してもよい。
図47は、第1実施形態の態様75の主側CPU62xが実行するタイマ割込み処理を示すフローチャートである。図46に示したタイマ割込み処理に含まれる処理と同一の処理については同一のステップ番号を付している。図46に示したタイマ割込み処理との主な相違点は、図46のステップS11103に示す退避処理1が省略されている点と、図46のステップS11108に示す復帰処理2の内容が異なっている点である。以下、具体的に説明する。
ステップS11101では、主側CPU62xは、第1プログラム63p1に含まれる遊技進行プログラムを実行することによって、遊技を進行するための処理である遊技進行処理を実施する。具体的には、遊技進行処理では、上述した図27のステップS10601からステップS10615に示した処理群を実施する。ステップS11101の処理を実施した後、ステップS11102に進む。
ステップS11102では、主側CPU62xは、第1プログラム63p1に含まれる記憶プログラムを実行することによって記憶処理を実施する。記憶処理では、プッシュ命令(PUSH)により、複数のレジスタのうちAレジスタおよびFレジスタの値を、スタックポインタ(SP)に格納されている第1スタック領域参照用アドレスSP1によりアクセス可能な第1スタック領域64b1に記憶する。このとき、AレジスタおよびFレジスタを転送対象として指定する特殊コードAFを利用した1回のプッシュ命令(PUSH AF)により、AレジスタおよびFレジスタの値を第1スタック領域64b1に記憶する。
ステップS11102を実行した後、主側CPU62xは、第2プログラム63p2に含まれる退避プログラムを実行することによって、ステップS11104及びステップS11105に示す退避処理2、3を実施する。すなわち、本態様では、主側CPU62xは、上述したステップS11103の退避処理1は実施しない。以下、具体的に説明する。
ステップS11104に示す退避処理2では、ロード命令(LD SP,固定値)により、固定値である第2スタック領域参照用アドレスSP2をスタックポインタ(SP)に格納する。なお、このときスタックポインタ(SP)に格納される第2スタック領域参照用アドレスSP2は、例えば主側ROM63の第2プログラムデータ領域63b2に予め格納しておいた固定値である。本態様では、退避処理2を実施する時点においては第2スタック領域64b2にデータが記憶されていないため、退避処理2においてスタックポインタ(SP)に格納する固定値は、第2スタック領域64b2の底を示すアドレス値である。ステップS11104の退避処理2を実施した後、ステップS11105に進む。
ステップS11105に示す退避処理3では、複数回のロード命令(LD (W22),レジスタ)により、Aレジスタ、Fレジスタおよび汎用レジスタそれぞれの値を第2データ記憶領域64a2のアドレスW22で指定される領域に記憶する。なお、Aレジスタ、Fレジスタおよび汎用レジスタを転送対象として指定する特別コードを利用した1回のロード命令により、Aレジスタ、Fレジスタおよび汎用レジスタそれぞれの値を第2データ記憶領域64a2に記憶する構成としてもよい。ステップS11105の処理を実施した後、ステップS11106に進む。
ステップS11106では、主側CPU62xは、第2プログラム63p2に含まれる遊技履歴情報算出表示プログラムを実行することによって遊技履歴情報算出表示処理を実施する。遊技履歴情報算出表示処理では、上述した遊技履歴情報を算出し、算出した遊技履歴情報を情報表示部45zに表示させるための処理を実施する。具体的には、遊技履歴情報算出表示処理では、上述した図29のステップS10802からステップS10812に示す処理群を実施する。このとき、遊技履歴情報算出表示処理において、Aレジスタ、Fレジスタ、汎用レジスタの値が変化する。
ステップS11106の遊技履歴情報算出表示処理を実施した後、主側CPU62xは、第2プログラム63p2に含まれる復帰プログラムを実行することによって、ステップS11107及びステップS11108aに示す復帰処理1、復帰処理Aを実施する。すなわち、本態様では、主側CPU62xは、上述したステップS11108の復帰処理2の代わりに、ステップS11108aに示す復帰処理Aを実施する。以下、具体的に説明する。
ステップS11107に示す復帰処理1では、複数回のロード命令(LD レジスタ,(W22))により、Aレジスタ、Fレジスタおよび汎用レジスタそれぞれの値を、退避処理3(ステップS11105)により第2データ記憶領域64a2のアドレスW22で指定される領域に記憶した値に設定する。なお、特別コードを利用した1回のロード命令により、Aレジスタ、Fレジスタおよび汎用レジスタそれぞれの値を退避処理3(ステップS11105)により第2データ記憶領域64a2に記憶した値に設定する構成としてもよい。この復帰処理1では、退避処理1(ステップS11103)においてFレジスタの値が変化している場合には、遊技進行処理を終了した直後と異なる値がFレジスタに格納される。また、特別コードは利用せず、複数回のロード命令により、Aレジスタ、Fレジスタおよび汎用レジスタそれぞれの値を第2データ記憶領域64a2に記憶した値に設定する構成としてもよい。ステップS11107の処理を実施した後、ステップS11108aに進む。
ステップS11108aに示す復帰処理Aでは、ロード命令(LD SP,固定値)により、固定値である第1スタック領域参照用アドレスSP1をスタックポインタ(SP)に格納する。このときスタックポインタ(SP)に格納される第1スタック領域参照用アドレスSP1は、例えば主側ROM63の第2プログラムデータ領域63b2に予め格納しておいた固定値である。以下、この固定値について説明する。
本態様では、遊技進行処理(ステップS11101)を構成する各処理(ステップS10601~ステップS10615の処理)の全てが終了した時点においては、第1スタック領域64b1に記憶されているデータが存在しないように構成されているため、スタックポインタ(SP)に格納されている第1スタック領域参照用アドレスSP1は、第1スタック領域64b1の底を指定するアドレス値となっている。
その後、主側CPU62xが記憶処理(ステップS11102)を実行し、第2プログラム63p2の実行を開始すると、所定量のデータが第1スタック領域64b1に記憶される。この結果、主側CPU62xが記憶処理(ステップS11102)を実行し、第2プログラム63p2の実行を開始した直後の時点(図47に示すタイミングTX1)においては、スタックポインタ(SP)に格納されている第1スタック領域参照用アドレスSP1は、第1スタック領域64b1の底から所定量だけ移動した位置を指定するアドレス値となっている。
そして、記憶処理(ステップS11102)の実行及び第2プログラム63p2の実行の開始によって第1スタック領域64b1に記憶されるデータ量は毎回(毎タイマ割込み処理毎に)同じであるため、第1スタック領域参照用アドレスSP1の移動量も毎回同じとなる。したがって、主側CPU62xが記憶処理(ステップS11102)を実行し、第2プログラム63p2の実行を開始した直後の時点(図47に示すタイミングTX1)においてスタックポインタ(SP)に格納されている第1スタック領域参照用アドレスSP1は、毎回同じアドレス値となる。
そして、本態様の復帰処理A(ステップS11108a)においてスタックポインタ(SP)に格納する固定値は、記憶処理(ステップS11102)を終了し、第2プログラム63p2の実行を開始した直後の時点(図47に示すタイミングTX1)においてスタックポインタに毎回格納されているアドレス値と同じアドレス値に設定されている。この結果、上述した退避処理1(図46のステップS11103)を省略しても、本態様の復帰処理A(ステップS11108a)によって、スタックポインタ(SP)の値を、記憶処理(ステップS11102)を終了し第2プログラム63p2の実行を開始した直後の時点(図47に示すタイミングTX1)の値に復帰させることができる。
主側CPU62xは、上述したステップS11108aの処理を終了して第2プログラム63p2の実行を終了し、第1プログラム63p1の実行を開始してステップS11109に進む。
ステップS11109では、主側CPU62xは、第1プログラムに含まれる変更プログラムを実行することによって変更処理を実施する。変更処理では、ポップ命令(POP)により、復帰処理1(ステップS11107)により値が設定されたAレジスタ、Fレジスタおよび汎用レジスタのうち、AレジスタおよびFレジスタの値を、記憶処理(ステップS11102)により第1スタック領域64b1に記憶した値に変更する。このとき、特殊コードを利用した1回のポップ命令(POP AF)により、AレジスタおよびFレジスタの値を記憶処理(ステップS11102)によって第1スタック領域64b1に記憶した値に変更する。このとき、記憶処理(ステップS11102)が実施された後にFレジスタの値が変化しており、復帰処理1(ステップS11107)において、遊技進行処理を終了した直後と異なる値がFレジスタに格納された場合であっても、Fレジスタの値を遊技進行処理を終了した直後と同じ値に変更することができる。ステップS11109の処理を実施した後、本タイマ割込み処理を終了する。
以上説明したように、本態様によれば、上述した態様74に示した効果に加えて、以下の効果を奏することができる。
本態様では、遊技進行処理(ステップS11101)を構成する各処理(ステップS10601~ステップS10615の処理)の全てが終了した時点においては、第1スタック領域64b1に記憶されているデータが存在しないように構成されているため、スタックポインタ(SP)に格納されている第1スタック領域参照用アドレスSP1は、第1スタック領域64b1の底を指定するアドレス値となっている。このため、主側CPU62xが記憶処理(ステップS11102)を実行し、第2プログラム63p2の実行を開始した直後の時点(図47に示すタイミングTX1)においてスタックポインタ(SP)に格納されている第1スタック領域参照用アドレスSP1は、タイマ割込み処理が実施される毎に毎回同じアドレス値となる。したがって、本態様の復帰処理A(ステップS11108a)によってスタックポインタ(SP)に固定値を格納すればよいため、態様74に示した退避処理1を省略することができる。この結果、主側CPU62xの処理を簡略化することができるとともに、スタックポインタ(SP)に格納されている第1スタック領域参照用アドレスSP1を退避させるために必要となる第2データ記憶領域64a2の記憶容量を低減することができる。
<態様76>
図47に示したタイマ割込み処理の代わりに、以下に説明するタイマ割込み処理を実施してもよい。
図48は、第1実施形態の態様76の主側CPU62xが実行するタイマ割込み処理を示すフローチャートである。図47に示したタイマ割込み処理に含まれる処理と同一の処理については同一のステップ番号を付している。図47に示したタイマ割込み処理との主な相違点は、図47のステップS11105に示す退避処理3が省略されている点と、図47のステップS11107に示す復帰処理1が省略されている点と、図48のステップS11102及びステップS11108aに示す処理の後に、全てのレジスタの値を0に設定する処理が追加されている点である。以下、具体的に説明する。
ステップS11101では、主側CPU62xは、第1プログラム63p1に含まれる遊技進行プログラムを実行することによって、遊技を進行するための処理である遊技進行処理を実施する。具体的には、遊技進行処理では、上述した図27のステップS10601からステップS10615に示した処理群を実施する。ステップS11101の処理を実施した後、ステップS11102に進む。
ステップS11102では、主側CPU62xは、第1プログラム63p1に含まれる記憶プログラムを実行することによって記憶処理を実施する。記憶処理では、プッシュ命令(PUSH)により、複数のレジスタのうちAレジスタおよびFレジスタの値を、スタックポインタ(SP)に格納されている第1スタック領域参照用アドレスSP1によりアクセス可能な第1スタック領域64b1に記憶する。このとき、AレジスタおよびFレジスタを転送対象として指定する特殊コードAFを利用した1回のプッシュ命令(PUSH AF)により、AレジスタおよびFレジスタの値を第1スタック領域64b1に記憶する。ステップS11102の処理を実施した後、ステップS11102-2に進む。
ステップS11102-2では、主側CPU62xは、第1プログラム63p1に含まれる第1クリアプログラムを実行することによって第1クリア処理を実施する。第1クリア処理では、複数回のロード命令(LD レジスタ,0)により、Aレジスタ、Fレジスタおよび汎用レジスタそれぞれの値を0に設定する。なお、特別コードを利用した1回のロード命令により、Aレジスタ、Fレジスタおよび汎用レジスタそれぞれの値を0に設定する構成としてもよい。
ステップS11102-2を実行した後、主側CPU62xは、第2プログラム63p2に含まれる退避プログラムを実行することによって、ステップS11104に示す退避処理2を実施する。すなわち、本態様では、主側CPU62xは、上述したステップS11103の退避処理1及びステップS11105の退避処理3は実施しない。以下、具体的に説明する。
ステップS11104に示す退避処理2では、ロード命令(LD SP,固定値)により、固定値である第2スタック領域参照用アドレスSP2をスタックポインタ(SP)に格納する。なお、このときスタックポインタ(SP)に格納される第2スタック領域参照用アドレスSP2は、例えば主側ROM63の第2プログラムデータ領域63b2に予め格納しておいた固定値である。本態様では、退避処理2を実施する時点においては第2スタック領域64b2にデータが記憶されていないため、退避処理2においてスタックポインタ(SP)に格納する固定値は、第2スタック領域64b2の底を示すアドレス値である。ステップS11104の退避処理2を実施した後、ステップS11106に進む。すなわち、本態様では、主側CPU62xは、上述したステップS11105の退避処理3は実施しない。
ステップS11106では、主側CPU62xは、第2プログラム63p2に含まれる遊技履歴情報算出表示プログラムを実行することによって遊技履歴情報算出表示処理を実施する。遊技履歴情報算出表示処理では、上述した遊技履歴情報を算出し、算出した遊技履歴情報を情報表示部45zに表示させるための処理を実施する。具体的には、遊技履歴情報算出表示処理では、上述した図29のステップS10802からステップS10812に示す処理群を実施する。このとき、遊技履歴情報算出表示処理において、Aレジスタ、Fレジスタ、汎用レジスタの値が変化する。
ステップS11106の遊技履歴情報算出表示処理を実施した後、主側CPU62xは、第2プログラム63p2に含まれる第2クリアプログラムを実行することによって、ステップS11107aに示す第2クリア処理を実施する。すなわち、本態様では、主側CPU62xは、上述したステップS11107の復帰処理1は実施しない。
ステップS11107aに示す第2クリア処理では、複数回のロード命令(LD レジスタ,0)により、Aレジスタ、Fレジスタおよび汎用レジスタそれぞれの値を0に設定する。なお、特別コードを利用した1回のロード命令により、Aレジスタ、Fレジスタおよび汎用レジスタそれぞれの値を0に設定する構成としてもよい。
ステップS11107aの第2クリア処理を実施した後、主側CPU62xは、第2プログラム63p2に含まれる復帰プログラムを実行することによって、ステップS11108aに示す復帰処理Aを実施する。
ステップS11108aに示す復帰処理Aでは、ロード命令(LD SP,固定値)により、固定値である第1スタック領域参照用アドレスSP1をスタックポインタ(SP)に格納する。このときスタックポインタ(SP)に格納される第1スタック領域参照用アドレスSP1は、例えば主側ROM63の第2プログラムデータ領域63b2に予め格納しておいた固定値である。以下、この固定値について説明する。
本態様では、遊技進行処理(ステップS11101)を構成する各処理(ステップS10601~ステップS10615の処理)の全てが終了した時点においては、第1スタック領域64b1に記憶されているデータが存在しないように構成されているため、スタックポインタ(SP)に格納されている第1スタック領域参照用アドレスSP1は、第1スタック領域64b1の底を指定するアドレス値となっている。
その後、主側CPU62xが記憶処理(ステップS11102)及び第1クリア処理(ステップS11102-2)を実行し、第2プログラム63p2の実行を開始すると、所定量のデータが第1スタック領域64b1に記憶される。この結果、主側CPU62xが記憶処理(ステップS11102)及び第1クリア処理(ステップS11102-2)を実行し、第2プログラム63p2の実行を開始した直後の時点(図47に示すタイミングTX1)においては、スタックポインタ(SP)に格納されている第1スタック領域参照用アドレスSP1は、第1スタック領域64b1の底から所定量だけ移動した位置を指定するアドレス値となっている。
そして、記憶処理(ステップS11102)、第1クリア処理(ステップS11102-2)の実行及び第2プログラム63p2の実行の開始によって第1スタック領域64b1に記憶されるデータ量は毎回(毎タイマ割込み処理毎に)同じであるため、第1スタック領域参照用アドレスSP1の移動量も毎回同じとなる。したがって、主側CPU62xが記憶処理(ステップS11102)及び第1クリア処理(ステップS11102-2)を実行し、第2プログラム63p2の実行を開始した直後の時点(図47に示すタイミングTX1)においてスタックポインタ(SP)に格納されている第1スタック領域参照用アドレスSP1は、毎回同じアドレス値となる。
そして、本態様の復帰処理A(ステップS11108a)においてスタックポインタ(SP)に格納する固定値は、記憶処理(ステップS11102)及び第1クリア処理(ステップS11102-2)を終了し、第2プログラム63p2の実行を開始した直後の時点(図47に示すタイミングTX1)においてスタックポインタに毎回格納されているアドレス値と同じアドレス値に設定されている。この結果、上述した退避処理1(図46のステップS11103)を省略しても、本態様の復帰処理A(ステップS11108a)によって、スタックポインタ(SP)の値を、記憶処理(ステップS11102)及び第1クリア処理(ステップS11102-2)を終了し第2プログラム63p2の実行を開始した直後の時点(図47に示すタイミングTX1)の値に復帰させることができる。
主側CPU62xは、上述したステップS11108aの処理を終了して第2プログラム63p2の実行を終了し、第1プログラム63p1の実行を開始してステップS11109に進む。
ステップS11109では、主側CPU62xは、第1プログラムに含まれる変更プログラムを実行することによって変更処理を実施する。変更処理では、ポップ命令(POP)により、AレジスタおよびFレジスタの値を、記憶処理(ステップS11102)により第1スタック領域64b1に記憶した値に変更する。このとき、特殊コードを利用した1回のポップ命令(POP AF)により、AレジスタおよびFレジスタの値を記憶処理(ステップS11102)によって第1スタック領域64b1に記憶した値に変更する。このとき、記憶処理(ステップS11102)が実施された後にFレジスタの値が変化している場合であっても、Fレジスタの値を遊技進行処理を終了した直後と同じ値に変更することができる。ステップS11109の処理を実施した後、本タイマ割込み処理を終了する。
以上説明したように、本態様によれば、上述した態様74及び態様75に示した効果に加えて、以下の効果を奏することができる。
本態様によれば、第1プログラム63p1によって第1クリア処理(図48のステップS11102-2)を実施し、第2プログラム63p2によって第2クリア処理(図48のステップS11107a)を実施するので、上述した退避処理3(図47のステップS11105)及び復帰処理1(図47のステップS11107)を実施することなく、第2プログラム63p2の実行の開始直前の時点におけるレジスタの値と、第2プログラム63p2の実行の終了直後の時点におけるレジスタの値とを一致させることができる。したがって、第2プログラム63p2から第1プログラム63p1へ復帰した際に、第1プログラム63p1において利用していたレジスタの値が変化してしまっていることによる不具合の発生を回避することができる。そして、上述した退避処理3及び復帰処理1を省略することができるので、退避処理3及び復帰処理1において必要となる第2データ記憶領域64a2の記憶容量を低減することができる。
また、本態様では、1回のタイマ割込み処理において、遊技進行処理(図48のステップS11101)に含まれる各種の処理が全て終了した後に第1クリア処理を実施し、当該第1クリア処理の後には遊技進行処理を実施しないので、第1クリア処理によってレジスタの値を0に設定することによって遊技進行処理に不具合が発生してしまうことを回避することができる。
<態様77>
上記態様74、態様75及び態様76のステップS11102の記憶処理において、特定レジスタ(Aレジスタ、Fレジスタ)の値を、ロード命令により第1データ記憶領域64a1に記憶する構成としてもよい。この場合には、ステップS11109の変更処理において、ロード命令により、特定レジスタ(Aレジスタ、Fレジスタ)の値を、記憶処理において第1データ記憶領域64a1に記憶した値に変更するようにするとよい。また、ステップS11102の記憶処理及びステップS11109の変更処理の対象となる特定レジスタをFレジスタのみとする構成としてもよい。
また、上記態様74において、第1プログラム63p1による遊技進行処理(図46のステップS11101)の実施を途中で中断し、ステップS11102の記憶処理からステップS11109の変更処理までを割り込んで実施した後に、中断していた遊技進行処理の実施を再開する構成としてもよい。
また、上記態様76において、遊技進行処理(ステップS11101)を実施した後であって記憶処理(ステップS11102)を実施する前に、第1クリア処理(ステップS11102-2)を実施する構成としてもよい。このような構成としても、上記態様76と同様の効果を奏することができる。
<態様78>
上記各態様のうち、設定変更モードを実行可能な構成において、パチンコ機10を設定変更モードとして起動させる方法や設定変更モードにおける操作方法としては種々の態様を採用することができる。以下、具体的に説明する。
本態様では、パチンコ機10の背面側に位置する主制御基板61には、設定変更用の鍵穴と、上述したRAMクリアボタンとが設けられており、上述した設定変更用ボタンは設けられていない。パチンコ機10を管理する管理者が当該パチンコ機10の抽選設定を変更する場合には、まず、パチンコ機10の電源をOFFの状態とする。そして、パチンコ機10の内枠13及び前扉枠14を開放状態とし、設定変更用の鍵穴に設定変更用の鍵を挿入する。そして、挿入した鍵を設定変更側に回した状態(例えば時計回りに回した状態)とする。この状態において、RAMクリアボタンを押下したまま当該パチンコ機10の電源を投入すると、当該パチンコ機10は設定変更モードとして起動する。
すなわち、本態様のパチンコ機10は、電源の投入時に、以下の条件1~3の全てを満たしている場合に、設定変更モードとして起動する。
条件1:内枠13及び前扉枠14が開放状態であること
条件2:設定変更用の鍵穴が設定変更側に位置していること
条件3:RAMクリアボタンが押下されていること
なお、パチンコ機10の電源投入時に、条件3は満たされているが条件1、2のいずれかが満たされていない場合には、パチンコ機10は、設定変更モードとしては起動せず、主側RAM64を初期化する処理を実行する。
パチンコ機10が設定変更モードとして起動すると、上述した情報表示部45zに、現在の抽選設定を示す情報(設定情報)が表示される。例えば、当該パチンコ機10の現在の抽選設定が「抽選設定1」である場合には、情報表示部45zに「1」が表示される。そして、管理者がRAMクリアボタンを押下する度に、情報表示部45zに表示される設定情報が「1」→「2」→「3」→「4」→「5」→「6」→「1」→「2」...といった順序で切り替わる。
情報表示部45zに表示されている設定情報が管理者の所望の値となった状態で、管理者が所定の入球口(例えばアウト口43)に遊技球を入球させて所定の入球検知センサー(例えば排出通路検知センサー44h)に遊技球を検知させると、情報表示部45zに表示されている設定情報に対応する抽選設定への変更が確定する。具体的には、例えば、情報表示部45zに設定情報として「6」が表示されている状態で、排出通路検知センサー44hに遊技球を検知させると、当該パチンコ機10の抽選設定が「抽選設定6」に変更される。そして、管理者が設定変更用の鍵を設定変更側から元の位置に回すと、パチンコ機10は設定変更モードを終了する。
このように、本態様によれば、設定変更用ボタンを省略することができるので、パチンコ機10の製造コストを低減することができる。
また、本態様によれば、パチンコ機10の抽選設定を変更する際には、内枠13及び前扉枠14を開放状態にする必要があるので、例えば、パチンコ機10の抽選設定を変更する権限を有しない者(以下、不正な者ともいう)が、当該パチンコ機10の抽選設定を不正に変更しようとしたとしても、内枠13及び前扉枠14を開放状態とする手段を有しない限りは、抽選設定を変更することができない。したがって、パチンコ機10のセキュリティを向上させることができる。
また、仮に、不正な者が内枠13及び前扉枠14を開放状態とすることができたとしても、内枠13及び前扉枠14が開放状態となると当該パチンコ機10のスピーカー46から警告音や警告用の音声(例えば、「扉が開いています」)が出力されるので、管理者は、不正な者が抽選設定の変更をしようとしている状況に容易に気付くことができる。したがって、不正な者による抽選設定の変更を抑制することができる。
なお、本態様では、内枠13及び前扉枠14の両方が開放状態であることをパチンコ機10が設定変更モードとして起動する条件の1つとしたが、内枠13又は前扉枠14のいずれか一方が開放状態であることをパチンコ機10が設定変更モードとして起動する条件の1つとしてもよい。
また、本態様では、抽選設定の変更を確定させる条件として、排出通路検知センサー44hによる遊技球の検知を採用したが、この構成に限られず、他の入球検知センサーによる遊技球の検知を抽選設定の変更を確定させる条件として採用してもよい。例えば、抽選設定の変更を確定させる条件として、第1入賞口検知センサー44dによる遊技球の検知を採用してもよい。なお、第1入賞口検知センサー44dは、一般入賞口である第1入賞口32aへの遊技球の入球を検知するセンサーである。
また、本態様では、設定変更モードにおいて管理者がRAMクリアボタンを押下する度に、情報表示部45zに表示される設定情報が「1」→「2」→「3」→「4」→「5」→「6」→「1」→「2」...といった順序で切り替わる構成としたが、この構成に限られず、例えば、RAMクリアボタンとは別に設定変更用ボタンを設ける構成とし、管理者が当該設定変更用ボタンを押下する度に、情報表示部45zに表示される設定情報が「1」→「2」→「3」→「4」→「5」→「6」→「1」→「2」...といった順序で切り替わる構成としてもよい。
また、本態様では、設定変更用の鍵穴が設けられている構成としたが、設定変更用の鍵穴が設けられていない構成としてもよい。例えば、パチンコ機10は、電源の投入時に、上記の条件1及び条件3を満たしている場合に、設定変更モードとして起動させる構成としてもよい。また、例えば、パチンコ機10は、電源の投入時に、上記の条件1及び条件3を満たしている場合に、設定変更モードとして起動するか又は主側RAM64を初期化するRAMクリア処理を実行するかを管理者に選択させる選択モードを実行する構成としてもよい。そして、選択モードでは、RAMクリアボタンの押下によって、設定変更モードとして起動させるかRAMクリア処理を実行させるのかを選択させ、RAMクリアボタンを所定時間押下した状態とすることで選択を確定させる構成としてもよい。また、選択モードでは、所定の入球口(例えばアウト口43)に遊技球を入球させて所定の入球検知センサー(例えば排出通路検知センサー44h)に遊技球を検知させた場合のみ、設定変更モードとして起動させることが選択可能となる構成としてもよい。このような構成としても、管理者以外の者がパチンコ機10の抽選設定を不正に変更してしまうことを抑制することができる。
<態様79>
上記各態様のうち、設定変更モードを実行可能な構成において、設定変更モード中には、当該設定変更モード中であることを報知する構成としてもよい。以下、具体的に説明する。
本態様では、主制御装置60は、設定変更モードを開始すると、設定変更モードを開始したことを示すコマンドである設定変更モード開始コマンドを音声発光制御装置90に送信する。
音声発光制御装置90は、設定変更モード開始コマンドを受信すると、設定変更モード中であることを示す音声をスピーカー46から出力させる。具体的には、例えば、「設定変更モード中です」といった音声をスピーカー46から繰り返し出力させる。また、音声発光制御装置90は、設定変更モード開始コマンドを受信すると、設定変更モード中であることを示す情報を図柄表示装置41に表示させる。具体的には、例えば、音声発光制御装置90は、「設定変更モード中です」といった文字列を図柄表示装置41に表示させるためのコマンドを表示制御装置100に送信し、当該コマンドを受信した表示制御装置100は、「設定変更モード中です」といった文字列を図柄表示装置41に表示させる。また、音声発光制御装置90は、設定変更モード開始コマンドを受信すると、各種ランプ47を最大輝度による点灯と消灯とを交互に繰り返して点滅するように制御する。
そして、主制御装置60は、設定変更モードを終了すると、設定変更モードを終了したことを示すコマンドである設定変更モード終了コマンドを音声発光制御装置90に送信する。音声発光制御装置90は、設定変更モード終了コマンドを受信すると、上述した設定変更モード中であることを報知するための各種の制御を終了する。
このように、本態様によれば、設定変更モード中であることをスピーカー46や図柄表示装置41、各種ランプ47によって報知するので、パチンコ機10の管理者は、パチンコ機10が設定変更モード中であることを容易に認識することができる。また、仮に、不正な者がパチンコ機10を不正に設定変更モードに移行させた場合であっても、当該パチンコ機10は、設定変更モード中であることをスピーカー46や図柄表示装置41によって報知するので、周囲の遊技者や管理者が、当該パチンコ機10が不正な者によって設定変更モード中となっていることに気付くことができる。したがって、不正な者による抽選設定の変更を抑制することが可能となる。
さらに、主制御装置60は、設定変更モードを開始すると、設定変更モードを開始したことを示す情報を外部端子を介して遊技ホールのホールコンピュータに送信する。設定変更モードを開始したことを示す情報を受信したホールコンピュータは、管理画面に設定変更モード中のパチンコ機10の情報を表示する。そして、主制御装置60は、設定変更モードを終了した場合には、設定変更モードを終了したことを示す情報を外部端子を介して遊技ホールのホールコンピュータに送信する。
このような構成によれば、パチンコ機10の管理者が当該パチンコ機10の近辺にいない場合であっても、設定変更モード中のパチンコ機10が存在していることをホールコンピュータによる管理画面によって認識することが可能となる。したがって、例えば、不正な者によってパチンコ機10が設定変更モードとなっている場合であっても、管理者は、設定変更モード中のパチンコ機10が存在していることをホールコンピュータによる管理画面によって認識することができる。したがって、不正な者による抽選設定の変更を抑制することが可能となる。
<態様80>
上記各態様のうち、設定変更モードを実行可能な構成において、設定変更モードにおいて抽選設定が変更された場合には、当該設定変更モードの終了後に、主側RAM64に記憶されている情報のうち、遊技状態に関する情報を除いて初期化する構成としてもよい。以下、具体的に説明する。
本態様では、設定変更モードにおいて抽選設定が変更された場合には、遊技状態に関する情報を除いて主側RAM64を初期化し、設定変更モードにおいて抽選設定が変更されずにそのまま設定変更モードが終了した場合には、主側RAM64の初期化を実行せずに、遊技の進行が可能な遊技進行モードに移行する。なお、本態様において、初期化されない「遊技状態に関する情報」とは、高確率モードフラグの状態や、高頻度サポートモードフラグの状態、開閉実行モード中(大当たり中)であるか否かを示すフラグの状態である。
このように、本態様によれば、設定変更モードにおいて抽選設定が変更された場合には主側RAM64を初期化するので、抽選設定が変更された後に主側RAM64に記憶される情報と、抽選設定が変更される前に主側RAM64に記憶されていた情報との間で不整合が生じ、遊技の進行に不具合が発生してしまうことを抑制することができる。
さらに、本態様によれば、設定変更モードにおいて抽選設定が変更され、主側RAM64が初期化された場合であっても、主側RAM64に記憶されている情報のうち、遊技状態に関する情報は消去されないので、例えば、遊技者にとって有利な遊技状態は維持しつつ、当該パチンコ機10における抽選設定を変更することが可能となる。
なお、本態様では、設定変更モードの終了後に主側RAM64を初期化する構成としたが、パチンコ機10の電源OFF時に設定変更モードとして起動するための操作を受け付けた場合には、設定変更モードとして起動する前に、遊技状態に関する情報を除いて主側RAM64を初期化する構成としてもよい。このような構成としても、抽選設定が変更された後に主側RAM64に記憶される情報と、抽選設定が変更される前に主側RAM64に記憶されていた情報との間で不整合が生じ、遊技の進行に不具合が発生してしまうことを抑制することができる。
また、本態様では、主側RAM64を初期化する際に、遊技状態に関する情報は消去しない構成としたが、主側RAM64に記憶されている全ての情報(遊技状態に関する情報を含む)を初期化する構成としてもよい。
また、初期化されない「遊技状態に関する情報」は、上記に限られず、例えば、保留情報を含む構成としてもよい。
<態様81>
上記各態様のうち、設定変更モードを実行可能な構成において、ノイズ等によって主側RAM64に記憶されている情報に不整合が生じ、主側RAM64の初期化を実行した際には、遊技を進行可能な遊技進行モードに復帰する前に、設定変更モードに移行する構成としてもよい。以下、具体的に説明する。
本態様では、主制御装置60は、タイマ割込み処理において、主側RAM64に記憶されている情報に不整合等の異常が生じていないかを監視する監視処理を実行している。具体的には、例えば、監視処理では、主側RAM64の各領域において記憶されるはずのない範囲の値が記憶されていないか等を監視する。そして、監視処理において主側RAM64に異常が生じていると判定した場合には、遊技の進行に関する処理を中止し、主側RAM64を強制的に初期化する。そして、主側RAM64の初期化が完了した後は、主制御装置60は、遊技の進行が可能な遊技進行モードに移行する前に、上述した設定変更モードに移行する。なお、主側RAM64に記憶されている情報に不整合等の異常が生じる原因としては、例えば、電磁波等のノイズや、不正な意図を持った遊技者がパチンコ機10に磁石等を近づけたこと等を挙げることができる。
そして、上述した態様79と同様に、パチンコ機10が設定変更モード中であることを報知する構成とすれば、パチンコ機10の管理者は、当該パチンコ機10が設定変更モードに移行したことに気付くことができる。そして、管理者は、設定変更モードにおいて当該パチンコ機10の抽選設定を決定し、その後、当該パチンコ機10は、遊技進行モードに移行する。
このような構成とした理由について説明する。ノイズ等に起因して主側RAM64を強制的に初期化する状況となった場合には、抽選設定の設定情報も管理者が本来意図した設定情報とは異なる設定情報に書き換わってしまっている可能性がある。そして、主側RAM64を初期化しても抽選設定の設定情報は初期化されない(変更されない)構成である場合には、依然として管理者が本来意図した設定情報とは異なる設定情報に維持されるおそれがある。そこで、本態様のように、ノイズ等に起因して主側RAM64を強制的に初期化した際には、遊技を進行可能な遊技進行モードに復帰する前に、設定変更モードに移行する構成とすれば、管理者は、パチンコ機10が遊技進行モードに復帰する前に、抽選設定の設定情報を本来意図した設定情報に修正することが可能となる。
さらに、本態様において、ノイズ等に起因して主側RAM64を強制的に初期化する際に、上述した遊技状態に関する情報は初期化しない構成としてもよい。このような構成によれば、ノイズ等に起因して主側RAM64が強制的に初期化された場合であっても、遊技状態に関する情報は初期化されない(消去されない)ので、遊技者は、遊技状態を維持しつつ遊技を再開することが可能となる。したがって、ノイズ等に起因した主側RAM64の強制的な初期化によって遊技者に不利益を与えてしまうことを抑止することが可能となる。
なお、本態様では、主側RAM64の初期化後に設定変更モードに移行する構成としたが、主側RAM64の初期化後に設定変更モードに移行せず、抽選設定を初期値(例えば、「抽選設定1」)に設定した上で、遊技の進行が可能な遊技進行モードに移行する構成としてもよい。
また、本態様では、主側RAM64を初期化する際に、遊技状態に関する情報は消去しない構成としたが、主側RAM64を初期化する際に遊技状態に関する情報も消去する構成としてもよい。
<態様82>
上記各態様のうち、設定変更モードを実行可能な構成において、当該設定変更モードにおいて抽選設定が変更されたのか、変更されていないのかを報知する構成としてもよい。以下、具体的に説明する。
本態様では、パチンコ機10の主制御装置60は、設定変更モードにおいて抽選設定が変更された場合には、抽選設定が変更されたことを示唆する音声をスピーカー46から出力させ、抽選設定が変更されたことを示唆する文字列を図柄表示装置41に表示させることによって、抽選設定が変更されたことを報知する。
具体的には、例えば、主制御装置60は、設定変更モードに移行すると、現在の抽選設定の設定情報を主側RAM64の所定の領域に退避させる。そして、設定変更モードにおいて新たに決定された抽選設定の設定情報と、退避させておいた変更前の抽選設定の設定情報とを比較し、これらの設定情報が異なっている場合には、抽選設定が変更されたことを示すコマンドである設定変更コマンドを音声発光制御装置90に送信する。
音声発光制御装置90は、設定変更コマンドを受信すると、抽選設定が変更されたことを示唆する音声をスピーカー46から出力させる。具体的には、例えば、「抽選設定が変更されました」といった音声をスピーカー46から繰り返し出力させる。また、音声発光制御装置90は、設定変更コマンドを受信すると、抽選設定が変更されたことを示唆する情報を図柄表示装置41に表示させる。具体的には、例えば、音声発光制御装置90は、「抽選設定が変更されました」といった文字列を図柄表示装置41に表示させるためのコマンドを表示制御装置100に送信し、当該コマンドを受信した表示制御装置100は、「抽選設定が変更されました」といった文字列を図柄表示装置41に表示させる。また、音声発光制御装置90は、設定変更コマンドを受信すると、各種ランプ47が最大輝度による点灯と消灯とを交互に繰り返して点滅するように制御する。
一方、抽選設定が変更されずに維持されたまま設定変更モードを終了する場合には、パチンコ機10の主制御装置60は、抽選設定が変更されずに維持されたことを示唆する音声をスピーカー46から出力させ、抽選設定が変更されずに維持されたことを示唆する文字列を図柄表示装置41に表示させることによって、抽選設定が変更されずに維持されたことを報知する。
具体的には、例えば、主制御装置60は、設定変更モードに移行すると、現在の抽選設定の設定情報を主側RAM64の所定の領域に退避させる。そして、設定変更モードにおいて新たに決定された抽選設定の設定情報と、退避させておいた変更前の抽選設定の設定情報とを比較し、これらの設定情報が一致している場合には、抽選設定が変更されずに維持されたことを示すコマンドである設定維持コマンドを音声発光制御装置90に送信する。
音声発光制御装置90は、設定維持コマンドを受信すると、抽選設定が変更されずに維持されたことを示唆する音声をスピーカー46から出力させる。具体的には、例えば、「抽選設定が変更されませんでした」といった音声をスピーカー46から繰り返し出力させる。また、音声発光制御装置90は、設定維持コマンドを受信すると、抽選設定が変更されずに維持されたことを示唆する情報を図柄表示装置41に表示させる。具体的には、例えば、音声発光制御装置90は、「抽選設定が変更されませんでした」といった文字列を図柄表示装置41に表示させるためのコマンドを表示制御装置100に送信し、当該コマンドを受信した表示制御装置100は、「抽選設定が変更されませんでした」といった文字列を図柄表示装置41に表示させる。また、音声発光制御装置90は、設定維持コマンドを受信すると、各種ランプ47が点滅ではなく点灯するように制御する。
このように、本態様によれば、設定変更モードにおいて抽選設定が変更された場合には、抽選設定が変更されたことを報知するので、管理者や遊技者は、抽選設定が変更されたか否かを確認することができる。
特に、上記の態様81において、ノイズ等に起因した主側RAM64の強制的な初期化の後の設定変更モードにおいて、当該パチンコ機10において遊技を行なっていた遊技者は、管理者によって抽選設定が変更されてしまったのか否か、疑心暗鬼になることが想定される。しかしながら、本態様によれば、抽選設定が変更された場合には、抽選設定が変更されたことを報知するので、遊技者は、抽選設定が変更されたか否かを確認することができる。より具体的には、遊技者に、現在の抽選設定がどのような設定情報になっているのかは把握させずに、設定変更モードにおいて抽選設定が変更されたか否かに関してのみ把握させることができる。この結果、遊技者が、管理者によって抽選設定が変更されてしまったのか否か不明なまま不安な気持ちで遊技を再開しなくてはいけないといった事態の発生を抑制することができる。
なお、本態様では、抽選設定が変更されなかった場合には、抽選設定が変更されずに維持されたことを報知する構成としたが、抽選設定が変更されなかった場合には、何も報知をしない構成としてもよく、又は、「設定変更モードを終了します」といったように、抽選設定が変更された場合とは異なる態様の報知をする構成としてもよい。このような構成としても、遊技者は、「抽選設定が変更されました」といった報知がない場合には抽選設定は変更されなかったと判断することができるので、遊技者が不安な気持ちで遊技を再開しなくてはいけないといった事態の発生を抑制することができる。
<態様83>
上記態様82において、主制御装置60は、抽選設定が変更されたことを示すコマンドである設定変更コマンドに、変更後の抽選設定の設定情報を含める構成としてもよい。そして、音声発光制御装置90は、変更後の抽選設定の設定情報を含んだ設定変更コマンドを受信する毎に、自身が備える記憶手段としてのRAMに当該変更後の抽選設定の設定情報を順次記憶する構成としてもよい。そして、音声発光制御装置90は、パチンコ機10の管理者等から所定の操作を受け付けた場合には、抽選設定の変更の履歴を図柄表示装置41に表示させる構成としてもよい。
このような構成によれば、パチンコ機10の主制御装置60の主側RAM64の限られた記憶容量を使用することなく、当該パチンコ機10の抽選設定の変更の履歴を記憶することができるとともに、パチンコ機10の管理者は、当該パチンコ機10の抽選設定がどのように運用されてきたのかを図柄表示装置41に表示される抽選設定の変更の履歴によって容易に確認することが可能となる。
<態様84>
上記各態様のうち、設定変更モードを実行可能な構成において、抽選設定を変更することはできないが管理者等が現在の抽選設定を確認することが可能な設定確認モードを実行可能な構成としてもよい。以下、具体的に説明する。
本態様のパチンコ機10は、特定の条件下において特定の操作が実行された場合に、遊技の進行が不可能な遊技停止状態とした上で、設定確認モードに移行する。
本態様において、特定の条件下とは、以下の条件を全て満たしている状態をいう。
条件1:特図ユニット37において特別図柄の変動中ではないこと
条件2:普図ユニット38において普通図柄の変動中ではないこと
条件3:特別電動役物としての可変入賞装置36が動作していないこと
条件4:普通電動役物としての電動役物34aが動作していないこと
条件5:最後に遊技球が発射されてから所定時間(例えば20秒)が経過していること
すなわち、特定の条件下とは、遊技の進行を停止(中断)しても遊技の結果に影響を与えない状態である。
また、本態様において、特定の操作とは、パチンコ機10の背面に設けられたRAMクリアボタンを押下する操作である。
すなわち、本態様のパチンコ機10の主制御装置60は、遊技の進行が可能な遊技進行モード中においてRAMクリアボタンが押下された状態になったことを検知すると、上記の特定の条件下であるか否かを判定し、上記の特定の条件下であると判定した場合には、設定確認モードに移行する。そして、当該RAMクリアボタンが再び押下されていない状態になったことを検知すると、設定確認モードを終了し、遊技の進行が可能な遊技進行モードに復帰する。
主制御装置60は、設定確認モード中においては、大当たり乱数カウンタ等を更新する乱数更新処理や電源の監視処理は実行するが、遊技の進行に必要な他の処理(タイマ割込み処理における各種の入球処理等)は実行せずに遊技停止状態(遊技の進行が不可能な状態)とした上で、現在の抽選設定を示す設定情報を情報表示部45zに表示させる。例えば、パチンコ機10の現在の抽選設定が「抽選設定1」である場合には、情報表示部45zに「1」を表示させる。
さらに、遊技進行モード中において、当たり抽選の結果や電動役物開放抽選の結果に関わらずに常に一定の動作(予め定められた動作)を継続する役物(以下、常時動作役物とも呼ぶ)を備えるパチンコ機10においては、主制御装置60は、遊技進行モードから設定確認モードに移行した場合であっても、当該常時動作役物の動作をそのまま継続させる。具体的には、主制御装置60は、設定確認モードに移行後は、乱数更新処理や電源の監視処理に加えて、常時動作役物の制御処理の実行を継続する構成とする。そして、主制御装置60は、設定確認モードを終了し、遊技の進行が可能な遊技進行モードに復帰する際には、実行を回避していた遊技の進行に必要な他の処理の実行を再開する。
このような構成によれば、遊技進行モードから設定確認モードに移行したタイミング及び設定確認モードから遊技進行モードに復帰したタイミングにおいても常時動作役物の動作が停止したり変化したりせずに一定の動作を継続するので、例えば、常時動作役物の動作が停止したり変化したりするタイミングを狙って遊技者が遊技球を発射して不正に有利な結果を得てしまうことを抑制することができる。
なお、本態様では、設定確認モード中においても常時動作役物の動作をそのまま継続する構成としたが、遊技進行モードから設定確認モードに移行したタイミングで常時動作役物の動作を一時的に停止させ、設定確認モードから遊技進行モードに復帰したタイミングで停止させていた常時動作役物の動作を再開させる構成としてもよい。このような構成によれば、常時動作役物の動作を継続する構成と比較して処理を簡易化することができる。また、遊技の進行が可能な遊技進行モード中においては常時動作役物の動作が連続的に繋がっていることを担保することができる。また、このような構成によれば、設定確認モードから遊技進行モードに復帰する際に、遊技進行モードから設定確認モードに移行したタイミングにおける状態と同じ状態から常時動作役物の動作が再開されるので、設定確認モードから遊技進行モードに復帰する際に、遊技進行モードから設定確認モードに移行したタイミングにおける状態と異なる状態(例えば、遊技者に不利な状態又は有利な状態)から常時動作役物の動作が再開されてしまい、遊技者が遊技を停止した状態とは異なる状態から遊技を再開しなくてはいけないことを回避することができる。
また、本態様では、設定確認モードに移行させるための特定の操作として、RAMクリアボタンを押下する操作を採用する構成としたが、当該特定の操作としては種々の操作を採用することができる。例えば、当該特定の操作として、設定変更用の鍵を設定変更用の鍵穴に挿入して設定変更側に回す操作を採用してもよい。このような構成によれば、パチンコ機10の抽選設定を確認するためには設定変更用の鍵が必要となるので、設定変更用の鍵を有していない者がパチンコ機10の抽選設定を確認できてしまうことを抑制することができる。
<態様85>
上記態様84では、設定確認モード中においても常時動作役物の動作をそのまま継続する構成としたが、設定確認モードに移行した場合には、常時動作役物を予め定められた初期状態に移行(又は初期位置に移動)させてから動作を停止させる構成としてもよい。以下、具体的に説明する。
本態様のパチンコ機10の主制御装置60は、遊技進行モードから設定確認モードに移行した場合には、常時動作役物が初期状態に移行(又は初期位置に移動)するまで当該常時動作役物の制御処理を継続する。そして、主制御装置60は、常時動作役物が初期状態に移行(又は初期位置に移動)したことを検出すると、常時動作役物の制御処理の実行を中止して常時動作役物の動作を停止させる。その後、主制御装置60は、設定確認モードを終了し、遊技の進行が可能な遊技進行モードに復帰する際には、常時動作役物の制御処理と、回避していた遊技の進行に必要な他の処理の実行を再開する。
なお、主制御装置60は、常時動作役物が初期状態に移行(又は初期位置に移動)したことを検出する前に設定確認モードから遊技進行モードに復帰する際には、当該常時動作役物の制御処理をそのまま継続する。すなわち、本態様では、常時動作役物は、初期状態以外の状態(又は初期位置以外の位置)で動作を停止することがないように構成されている。
このような構成によれば、例えば、初期状態以外の状態(又は初期位置以外の位置)で動作を停止させると不具合が発生する可能性のある常時動作役物において、不具合の発生を抑制することができる。
<態様86>
上記各態様のうち、設定確認モードを実行可能な構成において、設定確認モード中には、当該設定確認モード中であることを報知する構成としてもよい。以下、具体的に説明する。
本態様では、主制御装置60は、設定確認モードを開始すると、設定確認モードを開始したことを示すコマンドである設定確認モード開始コマンドを音声発光制御装置90に送信する。
音声発光制御装置90は、設定確認モード開始コマンドを受信すると、設定確認モード中であることを示す音声をスピーカー46から出力させる。具体的には、例えば、「設定確認モード中です」といった音声をスピーカー46から繰り返し出力させる。また、音声発光制御装置90は、設定確認モード開始コマンドを受信すると、設定確認モード中であることを示す情報を図柄表示装置41に表示させる。具体的には、例えば、音声発光制御装置90は、「設定確認モード中です」といった文字列を図柄表示装置41に表示させるためのコマンドを表示制御装置100に送信し、当該コマンドを受信した表示制御装置100は、「設定確認モード中です」といった文字列を図柄表示装置41に表示させる。また、音声発光制御装置90は、設定確認モード開始コマンドを受信すると、各種ランプ47を最大輝度による点灯と消灯とを交互に繰り返して点滅するように制御する。
そして、主制御装置60は、設定確認モードを終了すると、設定確認モードを終了したことを示すコマンドである設定確認モード終了コマンドを音声発光制御装置90に送信する。音声発光制御装置90は、設定確認モード終了コマンドを受信すると、上述した設定確認モード中であることを報知するための各種の制御を終了する。
このように、本態様によれば、設定確認モード中であることをスピーカー46や図柄表示装置41、各種ランプ47によって報知するので、パチンコ機10の管理者は、パチンコ機10が設定確認モード中であることを容易に認識することができる。また、仮に、不正な者がパチンコ機10を不正に設定確認モードに移行させた場合であっても、当該パチンコ機10は、設定確認モード中であることをスピーカー46や図柄表示装置41、各種ランプ47によって報知するので、周囲の遊技者や管理者が、当該パチンコ機10が不正な者によって設定確認モード中となっていることに気付くことができる。したがって、不正な者による抽選設定の確認を抑制することが可能となる。
さらに、主制御装置60は、設定確認モードを開始すると、設定確認モードを開始したことを示す情報を外部端子を介して遊技ホールのホールコンピュータに送信する。設定確認モードを開始したことを示す情報を受信したホールコンピュータは、管理画面に設定確認モード中のパチンコ機10の情報を表示する。そして、主制御装置60は、設定確認モードを終了した場合には、設定確認モードを終了したことを示す情報を外部端子を介して遊技ホールのホールコンピュータに送信する。
このような構成によれば、パチンコ機10の管理者が当該パチンコ機10の近辺にいない場合であっても、設定確認モード中のパチンコ機10が存在していることをホールコンピュータによる管理画面によって認識することが可能となる。したがって、例えば、不正な者によってパチンコ機10が設定確認モードとなっている場合であっても、管理者は、設定確認モード中のパチンコ機10が存在していることをホールコンピュータによる管理画面によって認識することができる。したがって、不正な者による抽選設定の確認を抑制することが可能となる。
<態様87>
上記各態様のうち、設定変更モード及び設定確認モードを実行可能な構成において、パチンコ機10の電源を一旦OFFにした後でなければ設定変更モード及び設定確認モードを実行することができない構成としてもよい。すなわち、パチンコ機10の電源を一旦OFFにし、当該パチンコ機10の電源をONにする際に所定の操作が為された場合に、当該パチンコ機10が設定変更モード又は設定確認モードを実行する構成としてもよい。以下、具体的に説明する。
なお、上記各態様における「設定変更用の鍵穴」及び「設定変更用の鍵」は、本態様及び以下に説明する態様では、抽選設定を変更する設定変更モードに移行させる場合に限らず、抽選設定を確認する設定確認モードに移行させる場合にも用いられるため、それぞれ単に「設定用の鍵穴」及び「設定用の鍵」とも呼ぶ。
本態様では、パチンコ機10の背面側に位置する主制御基板61には、電源スイッチと、RAMクリアボタンと、設定用の鍵穴と、設定変更用のボタンと、情報表示部45zとが設けられている。本態様のパチンコ機10は、電源スイッチが操作されて電源がONにされ、遊技の進行が可能な遊技進行モードの実行が開始された後は、当該パチンコ機10の電源を一旦OFFにした後でなければ、設定変更モード及び設定確認モードには移行できないように構成されている。そして、当該パチンコ機10の電源がONにされた際に所定の条件が満たされている場合に、設定変更モード又は設定確認モードが実行されるように構成されている。
具体的には、本態様のパチンコ機10は、電源の投入時(ON時)に、以下の条件A1~A3の全てを満たしている場合に、設定変更モードを実行する。
条件A1:内枠13及び前扉枠14が開放状態であること
条件A2:設定用の鍵が設定用の鍵穴に挿入されてON側に位置していること
条件A3:RAMクリアボタンが押下されていること
また、本態様のパチンコ機10は、電源の投入時(ON時)に、以下の条件B1~B3の全てを満たしている場合に、設定確認モードを実行する。
条件B1:内枠13及び前扉枠14が開放状態であること
条件B2:設定用の鍵が設定用の鍵穴に挿入されてON側に位置していること
条件B3:RAMクリアボタンが押下されていないこと
以下では、パチンコ機10の管理者が、遊技進行モードの実行が開始された後のパチンコ機10を設定変更モード又は設定確認モードに移行させるための作業工程の一例について説明した後、当該パチンコ機10において実行される処理の一例について説明する。
図49は、管理者がパチンコ機10の抽選設定を変更する場合の作業工程を示す工程図である。
工程W101では、管理者は、抽選設定を変更する対象のパチンコ機10のシリンダ錠17に鍵を挿入して開放側に回し、内枠13を外枠11に対して回動させて開放状態にするとともに、前扉枠14を内枠13に対して回動させて開放状態にする。内枠13を外枠11に対して回動させることによって、管理者は、パチンコ機10の背面側に設けられた各種の操作部にアクセスすることが可能となる。次に、工程W102に進み、管理者は、当該パチンコ機10の背面側に設けられた電源スイッチを操作して電源をOFFにする。次に工程W103に進む。
工程W103では、管理者は、パチンコ機10の背面側に設けられた設定用の鍵穴に、設定用の鍵を挿入して設定変更側(以下ではON側ともいう)に回す。次に、工程W104に進み、管理者は、パチンコ機10の背面側に設けられたRAMクリアボタンを押下しながら電源スイッチを操作してパチンコ機10の電源をONにする。そうすると、パチンコ機10は、起動後に設定変更モードに移行し(工程W105)、情報表示部45zに現在の抽選設定の設定情報が表示される(工程W106)。具体的には、例えば、パチンコ機10の現在の設定情報が「1」である場合には、情報表示部45zに「1」が点灯表示される。次に工程W107に進む。
工程W107では、管理者は、パチンコ機10の背面側に設けられた設定変更用ボタンを押下して設定情報を変更する。具体的には、例えば、管理者が設定変更用ボタンを押下する度に、情報表示部45zに表示される設定情報が「1」→「2」→「3」→「4」→「5」→「6」→「1」→「2」...といった順序で切り替わるので、管理者は、情報表示部45zに表示される設定情報が所望の設定情報となるまで設定変更用ボタンを押下する。次に工程W108に進む。
工程W108では、管理者は、情報表示部45zに表示されている設定情報が所望の設定情報となっていることを確認した上で、パチンコ機10の背面側に設けられたRAMクリアボタンを押下して変更後の設定情報を確定させる。次に工程W109に進み、管理者は、設定用の鍵をOFF側に戻し、当該鍵を設定用の鍵穴から抜く。そうすると、パチンコ機10は、遊技の進行が可能な遊技進行モードに移行し(工程W110)、情報表示部45zに遊技履歴情報が表示される(工程W111)。次に工程W112に進み、管理者は、内枠13及び前扉枠14を閉鎖状態としてシリンダ錠17から鍵を抜く。このような工程によって、管理者は、パチンコ機10の抽選設定を変更することができる。
図50は、管理者がパチンコ機10の抽選設定を確認する場合の作業工程を示す工程図である。
工程W201では、管理者は、抽選設定を確認する対象のパチンコ機10のシリンダ錠17に鍵を挿入して開放側に回し、内枠13を外枠11に対して回動させて開放状態にするとともに、前扉枠14を内枠13に対して回動させて開放状態にする。内枠13を外枠11に対して回動させることによって、管理者は、パチンコ機10の背面側に設けられた各種の操作部にアクセスすることが可能となる。次に、工程W202に進み、管理者は、当該パチンコ機10の背面側に設けられた電源スイッチを操作して電源をOFFにする。次に工程W203に進む。
工程W203では、管理者は、パチンコ機10の背面側に設けられた設定用の鍵穴に、設定用の鍵を挿入してON側に回す。次に、工程W204に進み、管理者は、パチンコ機10の電源スイッチを操作してパチンコ機10の電源をONにする。そうすると、パチンコ機10は、起動後に設定確認モードに移行し(工程W205)、情報表示部45zに現在の抽選設定の設定情報が表示される(工程W206)。具体的には、例えば、パチンコ機10の現在の設定情報が「1」である場合には、情報表示部45zに「1」が点滅表示される。管理者は、この情報表示部45zに点滅表示される設定情報を確認することによって、当該パチンコ機10の現在の設定情報を確認することができる。次に工程W207に進む。
工程W207では、管理者は、情報表示部45zに表示されている設定情報を確認した上で、設定用の鍵をOFF側に戻し、当該鍵を設定用の鍵穴から抜く。そうすると、パチンコ機10は、遊技の進行が可能な遊技進行モードに移行し(工程W208)、情報表示部45zに遊技履歴情報が表示される(工程W209)。次に工程W210に進み、管理者は、内枠13及び前扉枠14を閉鎖状態としてシリンダ錠17から鍵を抜く。このような工程によって、管理者は、パチンコ機10の現在の抽選設定を確認することができる。
次に、本態様のパチンコ機10の主側MPU62(主側CPU62x)が実行する処理について説明する。
図51は、第1実施形態の態様87の主側MPU62(主側CPU62x)が電源ON時に実行するメイン処理の一部を示すフローチャートである。
ステップS11201では、電源投入に伴う初期設定処理を実行する。具体的には、主側CPU62xのスタックポインタに予め決められた所定値を設定すると共に、サブ側の制御装置(音声発光制御装置90、表示制御装置100、払出制御装置70等)が動作可能な状態になるのを待つために例えば1秒程度、ウェイト処理を実行する。そして、主側RAM64へのアクセスを許可する。その後、ステップS11202に進み、内部機能レジスタの設定処理を実行する。その後、ステップS11203に進み、当該パチンコ機10に電源が投入されて起動したことを報知するための処理を実行する。具体的には、当該パチンコ機10が起動したことを示す起動コマンドを音声発光制御装置90に送信する。音声発光制御装置90は、起動コマンドを受信すると、当該パチンコ機10が起動したことを報知する処理を実行する。具体的には、例えば、「起動中です」といった音声や所定の警報音をスピーカー46から出力させる。ステップS11203を実行した後、ステップS11204に進む。
ステップS11204では、復電フラグがONであるか否かを判定する。
ここで復電フラグについて説明する。本態様では、パチンコ機10の電源スイッチがOFFにされた場合や停電が発生した場合には、主側CPU62xのレジスタに格納されている各種情報(遊技状態を示す情報や制御情報等)を主側RAM64の所定の領域に退避させる。そして、これらの情報の主側RAM64への退避が完了した場合に、復電フラグをONにするとともに、RAM判定値(例えばチェックサム値)を算出し、算出したRAM判定値を主側RAM64に記憶する。なお、商用電源からの電源の供給が断たれた後は、コンデンサ等のバックアップ電源からの電源供給に切り替わる。このように、復電フラグは、前回の電源OFF時の状態に復帰させるための情報が主側RAM64に記憶されているか否かを電源投入時に識別するためのフラグである。
ステップS11204において、復電フラグがONであると判定した場合には(ステップS11204:YES)、ステップS11205に進み、主側RAM64のRAM判定値を算出する。本態様では、RAM判定値として、主側RAM64のチェックサム値を算出する。その後、ステップS11206に進み、算出したRAM判定値(チェックサム値)が正常であるか否か、すなわち、算出したRAM判定値(チェックサム値)と主側RAM64に記憶されているRAM判定値(チェックサム値)とが一致するか否かを判定する。ステップS11206において、RAM判定値が正常であると判定した場合には(ステップS11206:YES)、後述するステップS11208に進む。
一方、上述したステップS11204において復電フラグがONではないと判定した場合(ステップS11204:NO)、及び、上述したステップS11206においてRAM判定値が正常ではないと判定した場合には(ステップS11206:NO)、ステップS11207に進み、RAM異常フラグをONにする。すなわち、RAM異常フラグは、復電フラグがOFFである場合又は復電フラグはONであるがRAM判定値が正常ではない場合にONになるフラグであり、主側RAM64に記憶されている情報が正常ではない状態であることを示すフラグである。ステップS11207を実行した後、ステップS11208に進む。
ステップS11208では、RAMクリアボタンがONであるか否かを判定する。ステップS11208において、RAMクリアボタンがONではないと判定した場合には(ステップS11208:NO)、ステップS11209に進み、設定用の鍵、枠開放スイッチ及び扉開放スイッチの全てがONであるか否かを判定する。なお、枠開放スイッチは、内枠13が外枠11に対して開放状態であるときにONとなるスイッチであり、扉開放スイッチは、前扉枠14が内枠13に対して開放状態であるときにONとなるスイッチである。
ステップS11209において、設定用の鍵、枠開放スイッチ及び扉開放スイッチの少なくとも1つがONではないと判定した場合には(ステップS11209:NO)、ステップS11210に進み、RAM異常フラグがONであるか否かを判定する。
ステップS11210において、RAM異常フラグがONではないと判定した場合には(ステップS11210:NO)、ステップS11211に進み、前回の電源OFF時の状態に復帰させる復電処理を実行する。具体的には、復電処理では、主側RAM64に保存されたスタックポインタの値を主側CPU62xのスタックポインタに書き込み、主側RAM64に退避されたデータを主側CPU62xのレジスタに復帰させることによって、主側CPU62xのレジスタの状態を電源が遮断される前の状態に復帰させる。ステップS11211を実行した後、ステップS11212に進み、主側RAM64の復電フラグをOFFにする。その後、通常の遊技処理へ移行する。具体的には、例えば、上述した各態様において説明したタイマ割込み処理の割込み許可設定、割込み禁止設定、乱数更新処理、電源監視処理を実行する。タイマ割込み処理の割り込みを許可し、上述したタイマ割込み処理が実行されることによって、遊技の進行が可能となる(遊技進行モードが開始される)。
一方、ステップS11210において、RAM異常フラグがONであると判定した場合には(ステップS11210:YES)、ステップS11213に進み、RAM異常報知処理を実行する。RAM異常報知処理では、主側RAM64が異常であることを示すコマンドであるRAM異常コマンドを音声発光制御装置90に送信する。音声発光制御装置90は、RAM異常コマンドを受信すると、RAMが異常であることを示す音声をスピーカー46から出力させる。具体的には、例えば、「RAM異常です。設定変更モードで起動して下さい。」といった音声をスピーカー46から繰り返し出力させる。ステップS11213を実行した後、上述した通常の遊技処理へ移行する。ただし、本態様のパチンコ機10では、RAM異常フラグがONである場合には、乱数更新処理、電源監視処理は実行するが、遊技の進行に必要な他の処理(例えば始動口用の入球処理や遊技回制御処理等)は実行しない。具体的には、本態様では、RAM異常フラグがONである場合には、タイマ割り込みの許可設定を行なわない。したがって、見かけ上は通常の遊技進行モードと同等であるが、遊技者が遊技を進行させることはできない状態となる。すなわち、RAM異常フラグがONである場合には、遊技進行モードには移行しない。この状態の場合には、管理者は、当該パチンコ機10の電源を一旦OFFにし、設定用の鍵を設定用の鍵穴に挿入してON側に回し、RAMクリアボタンを押下したまま電源をONにして当該パチンコ機10を設定変更モードで起動させればよい。
一方、上述したステップS11209において、設定用の鍵、枠開放スイッチ及び扉開放スイッチの全てがONであると判定した場合には(ステップS11209:YES)、ステップS11214に進み、RAM異常フラグがONであるか否かを判定する。
ステップS11214において、RAM異常フラグがONではないと判定した場合には(ステップS11214:NO)、ステップS11215に進み、設定確認処理を実行する。設定確認処理(設定確認モード)では、情報表示部45zに現在の抽選設定の設定情報を表示させる処理を実行する。すなわち、設定確認モードは、管理者等が当該パチンコ機10の現在の抽選設定の設定情報を確認することが可能なモードである。設定確認処理(設定確認モード)の詳細については後述する。ステップS11215を実行した後、ステップS11216に進み、上述した復電処理を実行して前回の電源OFF時の状態に復帰させる。その後、ステップS11217に進み、復電フラグをOFFにする。その後、通常の遊技処理へ移行する。具体的には、例えば、上述した各態様において説明したタイマ割込み処理の割込み許可設定、割込み禁止設定、乱数更新処理、電源監視処理を実行する。タイマ割込み処理の割り込みを許可し、上述したタイマ割込み処理が実行されることによって、遊技の進行が可能となる(遊技進行モードが開始される)。
一方、ステップS11214において、RAM異常フラグがONであると判定した場合には(ステップS11214:YES)、ステップS11218に進み、RAM異常報知処理を実行する。RAM異常報知処理では、主側RAM64が異常であることを示すコマンドであるRAM異常コマンドを音声発光制御装置90に送信する。音声発光制御装置90は、RAM異常コマンドを受信すると、RAMが異常であることを示す音声をスピーカー46から出力させる。具体的には、例えば、「RAM異常です。設定変更モードで起動して下さい。」といった音声をスピーカー46から繰り返し出力させる。ステップS11218を実行した後、上述した通常の遊技処理へ移行する。ただし、上述したように、本態様のパチンコ機10では、RAM異常フラグがONである場合には、乱数更新処理、電源監視処理(停電監視処理)は実行するが、遊技の進行に必要な他の処理(例えば始動口用の入球処理や遊技回制御処理等)は実行しない。具体的には、本態様では、RAM異常フラグがONである場合には、タイマ割り込みの許可設定を行なわない。したがって、見かけ上は通常の遊技進行モードと同等であるが、遊技者が遊技を進行させることはできない状態となる。すなわち、RAM異常フラグがONである場合には、遊技進行モードには移行しない。この状態の場合には、管理者は、当該パチンコ機10の電源を一旦OFFにし、設定用の鍵を設定用の鍵穴に挿入してON側に回し、RAMクリアボタンを押下したまま電源をONにして当該パチンコ機10を設定変更モードで起動させればよい。
上述したステップS11208において、RAMクリアボタンがONであると判定した場合には(ステップS11208:YES)、ステップS11219に進み、設定用の鍵、枠開放スイッチ及び扉開放スイッチの全てがONであるか否かを判定する。
ステップS11219において、設定用の鍵、枠開放スイッチ及び扉開放スイッチの少なくとも1つがONではないと判定した場合には(ステップS11219:NO)、ステップS11220に進み、上述したRAM異常フラグがONであるか否かを判定する。ステップS11220において、RAM異常フラグがONではないと判定した場合には(ステップS11220:NO)、ステップS11221に進む。
ステップS11221では、第1RAMクリア処理を実行する。第1RAMクリア処理は、主側RAM64に記憶されている情報のうち、抽選設定の設定情報を除いて消去する(0クリアする)処理である。すなわち、第1RAMクリア処理が実行されると、遊技状態を示す各種フラグ情報や各種の制御情報等は消去されるが、抽選設定の設定情報は消去されず、設定情報はそのまま維持される。また、本態様では、第1RAMクリア処理では、第1RAMクリア処理を実行したことを示すコマンドである第1RAMクリア処理実行コマンドを音声発光制御装置90に送信する。音声発光制御装置90は、第1RAMクリア処理実行コマンドを受信すると、第1RAMクリア処理を実行したことを示す音声をスピーカー46から出力させる。具体的には、例えば、「RAMをクリアしました。」といった音声をスピーカー46から出力させる。ステップS11221を実行した後、上述した通常の遊技処理へ移行する。
一方、ステップS11220において、RAM異常フラグがONであると判定した場合には(ステップS11220:YES)、ステップS11222に進み、RAM異常報知処理を実行する。RAM異常報知処理では、主側RAM64が異常であることを示すコマンドであるRAM異常コマンドを音声発光制御装置90に送信する。音声発光制御装置90は、RAM異常コマンドを受信すると、RAMが異常であることを示す音声をスピーカー46から出力させる。具体的には、例えば、「RAM異常です。設定変更モードで起動して下さい。」といった音声をスピーカー46から繰り返し出力させる。ステップS11222を実行した後、上述した通常の遊技処理へ移行する。ただし、上述したように、本態様のパチンコ機10では、RAM異常フラグがONである場合には、乱数更新処理、電源監視処理(停電監視処理)は実行するが、遊技の進行に必要な他の処理(例えば始動口用の入球処理や遊技回制御処理等)は実行しない。具体的には、本態様では、RAM異常フラグがONである場合には、タイマ割り込みの許可設定を行なわない。したがって、見かけ上は通常の遊技進行モードと同等であるが、遊技者が遊技を進行させることはできない状態となる。すなわち、RAM異常フラグがONである場合には、遊技進行モードには移行しない。この状態の場合には、管理者は、当該パチンコ機10の電源を一旦OFFにし、設定用の鍵を設定用の鍵穴に挿入してON側に回し、RAMクリアボタンを押下したまま電源をONにして当該パチンコ機10を設定変更モードで起動させればよい。
上述したステップS11219において、設定用の鍵、枠開放スイッチ及び扉開放スイッチの全てがONであると判定した場合には(ステップS11219:YES)、ステップS11223に進み、RAM異常フラグがONであるか否かを判定する。
ステップS11223において、RAM異常フラグがONではないと判定した場合には(ステップS11223:NO)、ステップS11224に進み、上述した第1RAMクリア処理を実行する。その後、ステップS11225に進み、設定変更処理を実行する。設定変更処理(設定変更モード)では、情報表示部45zに抽選設定の設定情報を表示させる処理を実行するとともに、抽選設定の設定情報の変更を受け付ける処理を実行する。すなわち、設定変更モードは、管理者等が当該パチンコ機10の抽選設定の設定情報を変更することが可能なモードである。設定変更処理(設定変更モード)の詳細については後述する。ステップS11225を実行した後、上述した通常の遊技処理へ移行する。
一方、ステップS11223において、RAM異常フラグがONであると判定した場合には(ステップS11223:YES)、ステップS11226に進み、RAM異常報知処理を実行する。RAM異常報知処理では、主側RAM64が異常であることを示すコマンドであるRAM異常コマンドを音声発光制御装置90に送信する。音声発光制御装置90は、RAM異常コマンドを受信すると、RAMが異常であることを示す音声をスピーカー46から出力させる。具体的には、例えば、「RAM異常です。」といった音声をスピーカー46から出力させる。ステップS11226を実行した後、ステップS11227に進む。
ステップS11227では、第2RAMクリア処理を実行する。第2RAMクリア処理は、主側RAM64に記憶されている情報のうち、抽選設定の設定情報を含む全ての情報を消去する(0クリアする)処理である。すなわち、第2RAMクリア処理が実行されると、遊技状態を示す各種フラグ情報や各種の制御情報等に加えて、抽選設定の設定情報も消去される。ここで、RAM異常フラグがONである場合には、第1RAMクリア処理ではなく、設定情報も消去する第2RAMクリア処理を実行する理由について説明する。RAM異常フラグがONである場合には、主側RAM64に記憶されている設定情報も正常でない可能性があり、例えば、ノイズ等によって管理者の意図しない設定情報に書き換わっていたり、設定情報としては所定の範囲内の数値(例えば1から6までの数値)しか取り得ないにも関わらず、所定の範囲以外の数値が記憶されていたりする可能性があるためである。なお、本態様の第2RAMクリア処理では、設定情報が消去された後、設定情報の初期値として「1」が格納される。また、第2RAMクリア処理によって、RAM異常フラグもOFFとなる。その後、ステップS11228に進み、設定変更処理を実行する。設定変更処理(設定変更モード)の詳細については後述する。ステップS11228を実行した後、上述した通常の遊技処理へ移行する。
図52は、第1実施形態の態様87の主側MPU62(主側CPU62x)が実行する設定変更処理を示すフローチャートである。この設定変更処理は、図51のステップS11225及びステップS11228のサブルーチンとして実行される。
ステップS11301では、設定変更報知開始処理を実行する。設定変更報知開始処理では、設定変更モードを開始したことを示すコマンドである設定変更モード開始コマンドを音声発光制御装置90に送信する。音声発光制御装置90は、設定変更モード開始コマンドを受信すると、設定変更モード中であることを示す音声をスピーカー46から出力させる。具体的には、例えば、「設定変更モード中です。設定を変更して下さい。」といった音声をスピーカー46から繰り返し出力させる。また、音声発光制御装置90は、設定変更モード開始コマンドを受信すると、設定変更モード中であることを示す情報を図柄表示装置41に表示させる。具体的には、例えば、音声発光制御装置90は、「設定変更モード中です。設定を変更して下さい。」といった文字列を図柄表示装置41に表示させるためのコマンドを表示制御装置100に送信し、当該コマンドを受信した表示制御装置100は、「設定変更モード中です。設定を変更して下さい。」といった文字列を図柄表示装置41に表示させる。また、音声発光制御装置90は、設定変更モード開始コマンドを受信すると、各種ランプ47を最大輝度による点灯と消灯とを交互に繰り返して点滅するように制御する。
さらに、設定変更報知開始処理では、設定変更モードを開始したことを示す情報を外部端子を介して遊技ホールのホールコンピュータに送信する。設定変更モードを開始したことを示す情報を受信したホールコンピュータは、管理画面に設定変更モード中のパチンコ機10の情報を表示する。ステップS11301を実行した後、ステップS11302に進む。
ステップS11302では、抽選設定の設定情報を情報表示部45zに表示させるための制御を開始する。具体的には、抽選設定の設定情報を情報表示部45zに点灯表示させる。その後、ステップS11303に進み、設定情報が所定の範囲内の数値であるか否かを判定する。本態様では、パチンコ機10に設定される設定情報は「1」から「6」までの6段階であるため、設定情報が「1」から「6」までの範囲内の数値であるか否かを判定する。ステップS11303において、設定情報が所定の範囲内の数値であると判定した場合には(ステップS11303:YES)、ステップS11305に進む。一方、ステップS11303において、設定情報が所定の範囲内の数値ではないと判定した場合(ステップS11303:NO)、例えば、設定情報として「0」や「7」が格納されている場合や、ノイズ等によって数値以外の情報が格納されている場合には、ステップS11304に進み、設定情報を初期値に変更する。本態様では、設定情報に初期値として「1」を格納する。その後、ステップS11305に進む。
ステップS11305では、RAMクリアボタンが押下されたか否かを判定する。ステップS11305において、RAMクリアボタンが押下されていないと判定した場合には(ステップS11305:NO)、ステップS11306に進み、設定変更用ボタンが押下されたか否かを判定する。ステップS11306において、設定変更用ボタンが押下されたと判定した場合には(ステップS11306:YES)、ステップS11307に進み、抽選設定の設定情報を更新する。具体的には、設定情報として格納されている数値情報に1を加算する。ただし、設定情報として格納されている数値情報が「6」である状況において設定変更用ボタンが押下された場合には当該数値情報は「1」に更新される。その後、上述したステップS11303に戻り、更新した設定情報が所定の範囲内の数値であるか否かを判定する。一方、ステップS11306において、設定変更用ボタンが押下されていないと判定した場合には(ステップS11306:NO)、ステップS11307の処理を実行することなく、上述したステップS11303に戻り、設定情報が所定の範囲内の数値であるか否かを判定する。
上述したステップS11305において、RAMクリアボタンが押下されたと判定した場合には(ステップS11305:YES)、ステップS11308に進み、設定用の鍵がOFF側になったか否かを判定する。ステップS11308において、設定用の鍵がOFF側になっていないと判定した場合には(ステップS11308:NO)、再びステップS11308を実行する。一方、ステップS11308において、設定用の鍵がOFF側になったと判定した場合には(ステップS11308:YES)、ステップS11309に進む。すなわち、RAMクリアボタンが押下された後は、設定用の鍵がOFF側になるまでは無限ループを繰り返してステップS11309に進まず、設定用の鍵がOFF側になるとステップS11309に進む。
ステップS11309では、抽選設定の設定情報を情報表示部45zに表示させるための制御を終了する。その後、ステップS11310に進む。
ステップS11310では、設定変更報知終了処理を実行する。設定変更報知終了処理では、設定変更モードを終了したことを示すコマンドである設定変更モード終了コマンドを音声発光制御装置90に送信する。音声発光制御装置90は、設定変更モード終了コマンドを受信すると、上述した設定変更モード中であることを報知するための各種の制御を終了する。
さらに、設定変更報知終了処理では、設定変更モードを終了したことを示す情報を外部端子を介して遊技ホールのホールコンピュータに送信する。設定変更モードを終了したことを示す情報を受信したホールコンピュータは、管理画面に当該パチンコ機10の設定変更モードが終了したことを示す情報を表示する。ステップS11310を実行した後、本設定変更処理を終了する。なお、設定変更報知終了処理を実行した後、変更後の抽選設定の設定情報を外部端子を介して遊技ホールのホールコンピュータに送信する構成とし、当該情報を受信したホールコンピュータは、管理画面に当該パチンコ機10の変更後の抽選設定の設定情報を表示する構成としてもよい。
図53は、第1実施形態の態様87の主側MPU62(主側CPU62x)が実行する設定確認処理を示すフローチャートである。この設定確認処理は、図51のステップS11215のサブルーチンとして実行される。
ステップS11401では、設定確認報知開始処理を実行する。設定確認報知開始処理では、設定確認モードを開始したことを示すコマンドである設定確認モード開始コマンドを音声発光制御装置90に送信する。音声発光制御装置90は、設定確認モード開始コマンドを受信すると、設定確認モード中であることを示す音声をスピーカー46から出力させる。具体的には、例えば、「設定確認モード中です」といった音声をスピーカー46から繰り返し出力させる。また、音声発光制御装置90は、設定確認モード開始コマンドを受信すると、設定確認モード中であることを示す情報を図柄表示装置41に表示させる。具体的には、例えば、音声発光制御装置90は、「設定確認モード中です」といった文字列を図柄表示装置41に表示させるためのコマンドを表示制御装置100に送信し、当該コマンドを受信した表示制御装置100は、「設定確認モード中です」といった文字列を図柄表示装置41に表示させる。また、音声発光制御装置90は、設定確認モード開始コマンドを受信すると、各種ランプ47を最大輝度による点灯と消灯とを交互に繰り返して点滅するように制御する。
さらに、設定確認報知開始処理では、設定確認モードを開始したことを示す情報を外部端子を介して遊技ホールのホールコンピュータに送信する。設定確認モードを開始したことを示す情報を受信したホールコンピュータは、管理画面に設定確認モード中のパチンコ機10の情報を表示する。ステップS11401を実行した後、ステップS11402に進む。
ステップS11402では、抽選設定の設定情報を情報表示部45zに表示させるための制御を開始する。具体的には、抽選設定の設定情報を情報表示部45zに点滅表示させる。その後、ステップS11403に進む。
ステップS11403では、設定用の鍵がOFF側になったか否かを判定する。ステップS11403において、設定用の鍵がOFF側になっていないと判定した場合には(ステップS11403:NO)、再びステップS11403を実行する。一方、ステップS11403において、設定用の鍵がOFF側になったと判定した場合には(ステップS11403:YES)、ステップS11404に進む。すなわち、設定用の鍵がOFF側になるまでは無限ループを繰り返してステップS11404に進まず、設定用の鍵がOFF側になるとステップS11404に進む。
ステップS11404では、抽選設定の設定情報を情報表示部45zに表示させるための制御を終了する。その後、ステップS11405に進む。
ステップS11405では、設定確認報知終了処理を実行する。設定確認報知終了処理では、設定確認モードを終了したことを示すコマンドである設定確認モード終了コマンドを音声発光制御装置90に送信する。音声発光制御装置90は、設定確認モード終了コマンドを受信すると、上述した設定確認モード中であることを報知するための各種の制御を終了する。
さらに、設定確認報知終了処理では、設定確認モードを終了したことを示す情報を外部端子を介して遊技ホールのホールコンピュータに送信する。設定確認モードを終了したことを示す情報を受信したホールコンピュータは、管理画面に当該パチンコ機10の設定確認モードが終了したことを示す情報を表示する。ステップS11405を実行した後、本設定確認処理を終了する。
以上説明したように、本態様では、パチンコ機10は、電源が投入された際(電源ON時)に、設定用の鍵、枠開放スイッチ及び扉開放スイッチの全てがONになっており、かつ、RAMクリアスイッチがONになっている場合に設定変更モードを実行し、一方、電源が投入された際(電源ON時)に、設定用の鍵、枠開放スイッチ及び扉開放スイッチの全てがONになっており、かつ、RAMクリアスイッチがOFFになっている場合に設定確認モードを実行する。すなわち、本態様では、起動済み(例えば、遊技進行モードを実行中)のパチンコ機10の電源をONの状態としたまま設定変更モードや設定確認モードに移行させることはできない構成となっており、起動済みのパチンコ機10を設定変更モードや設定確認モードに移行させるためには、当該パチンコ機10の電源を一旦OFFにした後、上記の所定の操作を行ないながら再び電源をONにしなければならないように構成されている。
一般に、遊技ホールでは管理者以外の者がパチンコ機10の背面側に設けられた電源スイッチを操作することができないような設備配置となっているため、仮に、不正な利益を得る目的を持ってパチンコ機10の抽選設定を変更したり確認しようとする者(以下、不正な者ともいう)が存在したとしても、管理者ではない不正な者は、パチンコ機10の背面側に設けられた電源スイッチを操作することは困難である。したがって、不正な者が、パチンコ機10を設定変更モードや設定確認モードに不正に移行させてしまうことを抑制することができる。
さらに、本態様では、パチンコ機10の電源がONになると、スピーカー46から当該パチンコ機10が起動したことを示す音声や警報音が出力されるので、不正な者が周囲に気付かれずに抽選設定を変更したり確認することをさらに困難にすることができる。この結果、不正な者が不正に抽選設定を変更したり確認することを抑制することができる。
さらに、本態様では、パチンコ機10を設定変更モードや設定確認モードに移行させるためには、内枠13及び前扉枠14を開放状態とする必要があるため、不正な者が周囲に気付かれずに抽選設定を変更したり確認することをさらに困難にすることができる。この結果、不正な者が不正に抽選設定を変更したり確認することを抑制することができる。
さらに、本態様では、パチンコ機10の電源がONにされてから遊技進行モードの実行が開始されるまでの立ち上げ処理中(図51のステップS11201からステップS11228までの処理が実行されている期間中)は、情報表示部45zには、遊技履歴情報は表示されず、設定変更モード又は設定確認モードが実行された場合に抽選設定の設定情報が表示される。すなわち、立ち上げ処理中は、情報表示部45zに遊技履歴情報が表示されることがなく、抽選設定の設定情報のみが表示され得ることになる。したがって、管理者が、立ち上げ処理中に、情報表示部45zに表示されている情報が抽選設定の設定情報であるのか、それとも遊技履歴情報であるのか迷ってしまうことを抑制することができるとともに、管理者が、情報表示部45zに表示されている設定情報を、遊技履歴情報であると誤解して認識してしまうことを抑制することができる。
さらに、本態様では、電源のON時に設定確認モードを実行させるための操作が為されていた場合であっても、主側RAM64のRAM判定値が正常であるか否かを判定し、RAM判定値が正常ではないと判定した場合には、当該設定確認モードを実行せず、主側RAM64が異常であることを報知した上で、遊技を進行可能な遊技進行モードに移行させない。したがって、主側RAM64に記憶されている抽選設定の設定情報が管理者の意図しない異常な値になってしまっている可能性を残したまま設定確認モード及び遊技進行モードが実行されてしまうことを抑制することができる。
さらに、本態様では、設定変更モードを実行させるための操作には、RAMクリアボタンを押下するという操作が含まれており、パチンコ機10は、設定変更モードを実行する際にはRAMクリア処理(第1RAMクリア処理又は第2RAMクリア処理)を実行する。すなわち、パチンコ機10に設定変更モードを実行させるためには、管理者は、RAMクリアボタンを操作することになり、パチンコ機10は、設定変更モードを実行する際にRAMクリア処理も実行する。一般に、パチンコ機10を管理する管理者は、RAMクリアボタンを押下した状態でパチンコ機10の電源をONにした場合にはRAMクリア処理が実行されることを認識している。したがって、本態様の構成によれば、管理者に対して、RAMクリアボタンを操作して設定変更モードを実行させた場合には、設定変更モードが実行されるだけでなく、RAMクリア処理も実行されるということを強く認識させることが可能となる。この結果、例えば、管理者は、高確率モード等の遊技状態を維持させたままパチンコ機10を起動させて前回の電源OFF時の状態から遊技進行モードを再開させたい場合、すなわちパチンコ機10の起動時にRAMクリア処理を実行させてはいけない場合には、RAMクリア処理の実行が伴う設定変更モードを実行させてはいけないといった判断を確実にすることができる。
さらに、本態様では、主側RAM64に記憶されている情報のうち、抽選設定の設定情報は消去しない第1RAMクリア処理と、設定情報も含めて消去する第2RAMクリア処理とを実行可能であるので、主側RAM64に記憶されている情報のうち、設定情報を残して他の情報は消去すべき処理工程、及び、設定情報も含めて消去すべき処理工程のいずれの場合にも対応した処理工程を実現することができる。例えば、設定情報は正常であるため維持させたまま、他の情報は消去すべき処理工程である場合には第1RAMクリア処理を実行し、設定情報が管理者の意図しない異常な値になってしまっている可能性のある処理工程である場合には第2RAMクリア処理を実行する構成を実現することができる。
さらに、本態様では、パチンコ機10は、電源がONにされた際に、復電フラグがONではないと判定した場合及びRAM判定値が正常ではないと判定した場合には、主側RAM64が異常であることを報知した上で、遊技の進行が可能な遊技進行モードには移行しない。そして、当該パチンコ機10の電源を一旦OFFにした後、再び電源をONにする際に、設定変更モードを実行させるための操作が為されて設定変更モードを実行した後でなければ、遊技の進行が可能な遊技進行モードを実行しないように構成されている。したがって、主側RAM64に記憶されている抽選設定の設定情報が管理者の意図しない異常な値になってしまっている可能性を残したまま遊技進行モードが実行されてしまうことを抑制することができる。
さらに、本態様では、設定変更モードを実行する際には、RAMクリア処理を実行するので、抽選設定が変更された後に主側RAM64に記憶される情報と、抽選設定が変更される前に主側RAM64に記憶されていた情報との間で不整合が生じ、遊技の進行に不具合が発生してしまうことを抑制することができる。
なお、本態様では、図51のステップS11224において第1RAMクリア処理を実行した後に、ステップS11225において設定変更処理(設定変更モード)を実行する構成としたが、この構成に代えて、設定変更処理(設定変更モード)を実行した後に、第1RAMクリア処理を実行する構成としてもよい。このような構成とすれば、設定変更処理によって設定された抽選設定の設定情報を維持したまま、主側RAM64に記憶されている遊技状態を示す各種フラグ情報や各種の制御情報等を消去することができる。さらに、図51のステップS11223においてRAM異常フラグがONではないと判定した場合に、設定変更処理(設定変更モード)を実行した後に、第1RAMクリア処理を実行する構成とした上で、設定変更処理(設定変更モード)において抽選設定を変更せずに(又は変更した設定情報を確定させずに)設定用の鍵をOFF側に回して設定用の鍵穴から抜いた場合には、第1RAMクリア処理を実行せずに遊技進行モードに移行する構成としてもよい。このような構成によれば、意図せずに誤って設定用の鍵をON側に回した状態でRAMクリアボタンを押下しながら電源をONにして設定変更処理(設定変更モード)が実行された場合であっても、抽選設定の設定情報を変更しない(又は変更した設定情報を確定させない)ようにすることによって、第1RAMクリア処理の実行を回避し、前回の電源OFF時の状態から遊技進行モードを再開させることが可能となる。
また、本態様では、図51のステップS11224において第1RAMクリア処理を実行した後に、ステップS11225において設定変更処理(設定変更モード)を実行する構成としたが、この構成に代えて、第2RAMクリア処理を実行した後に、設定変更処理(設定変更モード)を実行する構成としてもよい。このような構成としても、第2RAMクリア処理によって抽選設定が消去されて設定情報として初期値(例えば「1」)が格納された後、設定変更処理によって抽選設定を所望の設定情報に変更することができるので、抽選設定の設定情報が初期値(例えば「1」)となったまま遊技進行モードが実行されることを回避することができる。
また、本態様では、図51のステップS11227において第2RAMクリア処理を実行した後に、ステップS11228において設定変更処理(設定変更モード)を実行する構成としたが、この構成に代えて、設定変更処理(設定変更モード)を実行した後に、第1RAMクリア処理を実行する構成としてもよい。このような構成とすれば、設定変更処理によって設定された抽選設定の設定情報を維持したまま、異常と判定された主側RAM64に記憶されている各種の情報を消去することができる。
また、本態様では、図51のステップS11227において第2RAMクリア処理を実行した後に、ステップS11228において設定変更処理(設定変更モード)を実行する構成としたが、この構成に代えて、第1RAMクリア処理を実行した後に、設定変更処理(設定変更モード)を実行する構成としてもよい。このような構成によれば、仮に、抽選設定の設定情報が異常な値であり、第1RAMクリア処理の実行後にも抽選設定の設定情報が異常な値となったまま維持された場合であっても、設定変更処理(設定変更モード)によって抽選設定の設定情報を適切な値に再設定することができる。
また、本態様では、図51のステップS11210、ステップS11214及びステップS11220においてRAM異常フラグがONであると判定した場合には、RAM異常報知処理を実行し、遊技進行モードには移行しない構成としたが、この構成に代えて、ステップS11210、ステップS11214及びステップS11220においてRAM異常フラグがONであると判定した場合には、RAM異常報知処理を実行した後、第2RAMクリア処理を実行して抽選設定の設定情報を初期値(例えば「1」)に設定した上で、遊技進行モードに移行する構成としてもよい。
また、本態様では、図51のステップS11215において設定確認処理(設定確認モード)を実行した後、ステップS11216において復電処理を実行し、ステップS11217において復電フラグをOFFにする構成としたが、この構成に代えて、復電処理及び復電フラグをOFFにする処理を実行した後に、設定確認処理(設定確認モード)を実行する構成としてもよい。
また、本態様では、図52のステップS11306において設定変更用ボタンが押下された場合に設定情報を更新し、ステップS11305においてRAMクリアボタンが押下された場合に設定情報を確定させる構成としたが、設定情報を更新、確定させる操作はこれに限らず、例えば、RAMクリアボタンが押下された場合に設定情報を更新し、RAMクリアボタンが所定時間以上継続して押下された場合に設定情報を確定させる構成としてもよい。この構成によれば、設定変更用ボタンを省略することができるので、パチンコ機10の製造コストを低減することができる。また、設定用の鍵がOFFにされた場合に設定情報を確定させる構成としてもよく、所定の入球口に設けられた入球検知センサーによって遊技球が検知された場合に設定情報を確定させる構成としてもよい。
また、本態様では、設定変更モード及び設定確認モードを実行させるための条件に、内枠13及び前扉枠14が開放状態であることが含まれている構成としたが、内枠13及び前扉枠14が開放状態であることは当該条件に必須ではなく、例えば、内枠13が開放状態であることが当該条件に含まれており前扉枠14が開放状態であることは当該条件に含まれていない構成としてもよく、また、前扉枠14が開放状態であることが当該条件に含まれており内枠13が開放状態であることは当該条件に含まれていない構成としてもよく、また、内枠13及び前扉枠14のいずれも当該条件には含まれていない構成としてもよい。
また、本態様では、設定変更モード中において情報表示部45zに表示される設定情報は点灯する表示態様であり、設定確認モード中において情報表示部45zに表示される設定情報は点滅する表示態様である構成としたが、各モード中の設定情報の表示態様はこれらに限られず、例えば、設定変更モード中において情報表示部45zに表示される設定情報は点滅する表示態様であり、設定確認モード中において情報表示部45zに表示される設定情報は点灯する表示態様である構成としてもよい。
また、本態様では、設定変更モード及び設定確認モードが終了した後は、そのまま遊技進行モードを実行する構成としたが、この構成に代えて、設定変更モード及び設定確認モードが終了した後は、遊技進行モードは実行せずに、遊技を進行させることができない待機状態に移行する構成とし、当該パチンコ機10の電源を一旦OFFにし、設定変更モード及び設定確認モードを実行させるための所定の操作をせずに電源をONにした場合に、遊技進行モードを実行する構成としてもよい。
また、本態様では、設定変更処理(図52)のステップS11302において、主側RAM64に格納されている抽選設定の設定情報(例えば前回の電源OFF時における設定情報)を情報表示部45zに点灯表示させる構成としたが、この構成に代えて、当該設定変更処理の開始時に、主側RAM64に格納されている抽選設定の設定情報がどのような値であるかに関わらず、抽選設定の設定情報を初期値(例えば「1」)に設定し、当該初期値に設定された設定情報を情報表示部45zに点灯表示させる構成としてもよい。このような構成とすれば、主側RAM64に記憶されている情報のうち抽選設定の設定情報を含む全ての情報を消去する(0クリアする)RAMクリア処理を、設定変更処理の実行前に実行することが可能となる。
また、本態様において、内枠13が開放状態である期間中は、設定変更処理(設定変更モード)や設定確認処理(設定確認モード)の実行中であるか否かに関わらず、内枠13が開放状態であることを報知し続ける構成としてもよい。具体的には、例えば、「内枠が開いています」といった音声や所定の警報音をスピーカー46から出力させる。同様に、前扉枠14が開放状態である期間中は、設定変更処理(設定変更モード)や設定確認処理(設定確認モード)の実行中であるか否かに関わらず、前扉枠14が開放状態であることを報知し続ける構成としてもよい。具体的には、例えば、「扉が開いています」といった音声や所定の警報音をスピーカー46から出力させる。このような構成によれば、不正な者が周囲に気付かれずにパチンコ機10に設定変更処理(設定変更モード)や設定確認処理(設定確認モード)を実行させることをより一層困難にすることができる。
<態様88>
上記態様87では、パチンコ機10は、電源がONにされた際に、復電フラグがONではないと判定した場合及びRAM判定値が正常ではないと判定した場合には、主側RAM64が異常であることを報知した上で、遊技の進行が可能な遊技進行モードには移行しない構成としたが、この構成に代えて、電源がONにされた際に、復電フラグがONではないと判定した場合及びRAM判定値が正常ではないと判定した場合には、設定変更モードを実行するための操作が為されていない場合であっても、主側RAM64が異常であることを報知した上で、設定変更モードを実行し、その後、遊技進行モードに移行する構成としてもよい。以下、具体的に説明する。
図54は、第1実施形態の態様88の主側MPU62(主側CPU62x)が電源ON時に実行するメイン処理の一部を示すフローチャートである。
ステップS11501では、電源投入に伴う初期設定処理を実行する。具体的には、主側CPU62xのスタックポインタに予め決められた所定値を設定すると共に、サブ側の制御装置(音声発光制御装置90、表示制御装置100、払出制御装置70等)が動作可能な状態になるのを待つために例えば1秒程度、ウェイト処理を実行する。そして、主側RAM64へのアクセスを許可する。その後、ステップS11502に進み、内部機能レジスタの設定処理を実行する。その後、ステップS11503に進み、当該パチンコ機10に電源が投入されて起動したことを報知するための処理を実行する。具体的には、当該パチンコ機10が起動したことを示す起動コマンドを音声発光制御装置90に送信する。音声発光制御装置90は、起動コマンドを受信すると、当該パチンコ機10が起動したことを報知する処理を実行する。具体的には、例えば、「起動中です」といった音声や所定の警報音をスピーカー46から出力させる。ステップS11503を実行した後、ステップS11504に進む。
ステップS11504では、復電フラグがONであるか否かを判定する。
ここで復電フラグについて説明する。本態様では、パチンコ機10の電源スイッチがOFFにされた場合や停電が発生した場合には、主側CPU62xのレジスタに格納されている各種情報(遊技状態を示す情報や制御情報等)を主側RAM64の所定の領域に退避させる。そして、これらの情報の主側RAM64への退避が完了した場合に、復電フラグをONにするとともに、RAM判定値(例えばチェックサム値)を算出し、算出したRAM判定値を主側RAM64に記憶する。なお、商用電源からの電源の供給が断たれた後は、コンデンサ等のバックアップ電源からの電源供給に切り替わる。このように、復電フラグは、前回の電源OFF時の状態に復帰させるための情報が主側RAM64に記憶されているか否かを電源投入時に識別するためのフラグである。
ステップS11504において、復電フラグがONであると判定した場合には(ステップS11504:YES)、ステップS11505に進み、主側RAM64のRAM判定値を算出する。本態様では、RAM判定値として、主側RAM64のチェックサム値を算出する。その後、ステップS11506に進み、算出したRAM判定値(チェックサム値)が正常であるか否か、すなわち、算出したRAM判定値(チェックサム値)と主側RAM64に記憶されているRAM判定値(チェックサム値)とが一致するか否かを判定する。ステップS11506において、RAM判定値が正常であると判定した場合には(ステップS11506:YES)、ステップS11507に進む。
ステップS11507では、RAMクリアボタンがONであるか否かを判定する。ステップS11507において、RAMクリアボタンがONではないと判定した場合には(ステップS11507:NO)、ステップS11508に進み、設定用の鍵、枠開放スイッチ及び扉開放スイッチの全てがONであるか否かを判定する。なお、枠開放スイッチは、内枠13が外枠11に対して開放状態であるときにONとなるスイッチであり、扉開放スイッチは、前扉枠14が内枠13に対して開放状態であるときにONとなるスイッチである。
ステップS11508において、設定用の鍵、枠開放スイッチ及び扉開放スイッチの少なくとも1つがONではないと判定した場合には(ステップS11508:NO)、ステップS11509に進み、前回の電源OFF時の状態に復帰させる復電処理を実行する。具体的には、復電処理では、主側RAM64に保存されたスタックポインタの値を主側CPU62xのスタックポインタに書き込み、主側RAM64に退避されたデータを主側CPU62xのレジスタに復帰させることによって、主側CPU62xのレジスタの状態を電源が遮断される前の状態に復帰させる。ステップS11509を実行した後、ステップS11510に進み、主側RAM64の復電フラグをOFFにする。その後、通常の遊技処理へ移行する。具体的には、例えば、上述した各態様において説明したタイマ割込み処理の割込み許可設定、割込み禁止設定、乱数更新処理、電源監視処理(停電監視処理)を実行する。タイマ割込み処理の割り込みを許可し、上述したタイマ割込み処理が実行されることによって、遊技の進行が可能となる(遊技進行モードが開始される)。
一方、上述したステップS11508において、設定用の鍵、枠開放スイッチ及び扉開放スイッチの全てがONであると判定した場合には(ステップS11508:YES)、ステップS11511に進み、設定確認処理を実行する。設定確認処理(設定確認モード)の詳細は、上述した態様87の図53に示した設定確認処理と同じである。ステップS11511を実行した後、ステップS11512に進み、上述した復電処理を実行して前回の電源OFF時の状態に復帰させる。その後、ステップS11513に進み、復電フラグをOFFにする。その後、通常の遊技処理へ移行する。具体的には、例えば、上述した各態様において説明したタイマ割込み処理の割込み許可設定、割込み禁止設定、乱数更新処理、電源監視処理(停電監視処理)を実行する。タイマ割込み処理の割り込みを許可し、上述したタイマ割込み処理が実行されることによって、遊技の進行が可能となる(遊技進行モードが開始される)。
上述したステップS11507において、RAMクリアボタンがONであると判定した場合には(ステップS11507:YES)、ステップS11514に進み、設定用の鍵、枠開放スイッチ及び扉開放スイッチの全てがONであるか否かを判定する。
ステップS11514において、設定用の鍵、枠開放スイッチ及び扉開放スイッチの少なくとも1つがONではないと判定した場合には(ステップS11514:NO)、ステップS11515に進む。
ステップS11515では、第1RAMクリア処理を実行する。第1RAMクリア処理は、主側RAM64に記憶されている情報のうち、抽選設定の設定情報を除いて消去する(0クリアする)処理である。すなわち、第1RAMクリア処理が実行されると、遊技状態を示す各種フラグ情報や各種の制御情報等は消去されるが、抽選設定の設定情報は消去されず、設定情報はそのまま維持される。また、本態様では、第1RAMクリア処理では、第1RAMクリア処理を実行したことを示すコマンドである第1RAMクリア処理実行コマンドを音声発光制御装置90に送信する。音声発光制御装置90は、第1RAMクリア処理実行コマンドを受信すると、第1RAMクリア処理を実行したことを示す音声をスピーカー46から出力させる。具体的には、例えば、「RAMをクリアしました。」といった音声をスピーカー46から出力させる。ステップS11515を実行した後、上述した通常の遊技処理へ移行する。
上述したステップS11514において、設定用の鍵、枠開放スイッチ及び扉開放スイッチの全てがONであると判定した場合には(ステップS11514:YES)、ステップS11516に進み、上述した第1RAMクリア処理を実行する。その後、ステップS11517に進み、設定変更処理を実行する。設定変更処理(設定変更モード)の詳細は、上述した態様87の図52に示した設定変更処理と同じである。ステップS11517kを実行した後、上述した通常の遊技処理へ移行する。
一方、上述したステップS11504において復電フラグがONではないと判定した場合(ステップS11504:NO)、及び、上述したステップS11506においてRAM判定値が正常ではないと判定した場合には(ステップS11506:NO)、ステップS11518に進み、RAM異常報知処理を実行する。RAM異常報知処理では、主側RAM64が異常であることを示すコマンドであるRAM異常コマンドを音声発光制御装置90に送信する。音声発光制御装置90は、RAM異常コマンドを受信すると、RAMが異常であることを示す音声をスピーカー46から出力させる。具体的には、例えば、「RAM異常です。」といった音声をスピーカー46から出力させる。ステップS11518を実行した後、ステップS11519に進む。
ステップS11519では、第2RAMクリア処理を実行する。第2RAMクリア処理は、主側RAM64に記憶されている情報のうち、抽選設定の設定情報を含む全ての情報を消去する(0クリアする)処理である。すなわち、第2RAMクリア処理が実行されると、遊技状態を示す各種フラグ情報や各種の制御情報等に加えて、抽選設定の設定情報も消去される。なお、本態様の第2RAMクリア処理では、設定情報が消去された後、設定情報の初期値として「1」が格納される。その後、ステップS11520に進み、設定変更処理を実行する。設定変更処理(設定変更モード)の詳細は、上述した態様87の図52に示した設定変更処理と同じである。ステップS11520を実行した後、上述した通常の遊技処理へ移行する。
以上説明したように、本態様によれば、電源のON時に、設定変更モードを実行させるための操作が為されていない場合であっても、復電フラグがONではないと判定した場合、及び、主側RAM64のRAM判定値が正常であるか否かを判定し、RAM判定値が正常ではないと判定した場合には、主側RAM64が異常であることを報知した上で、第2RAMクリア処理及び設定変更モードを実行して設定情報を確定させた後、遊技を進行可能な遊技進行モードに移行する。したがって、主側RAM64に記憶されている抽選設定の設定情報が管理者の意図しない異常な値になってしまっている可能性を残したまま遊技進行モードが実行されてしまうことを抑制することができる。
例えば、電源のON時に、設定確認モードを実行させるための操作が為されていた場合であっても、復電フラグがONではないと判定した場合、及び、主側RAM64のRAM判定値が正常であるか否かを判定し、RAM判定値が正常ではないと判定した場合には、当該設定確認モードを実行せず、主側RAM64が異常であることを報知した上で、第2RAMクリア処理及び設定変更モードを実行して設定情報を確定させた後、遊技を進行可能な遊技進行モードに移行する。したがって、主側RAM64に記憶されている抽選設定の設定情報が管理者の意図しない異常な値になってしまっている可能性を残したまま遊技進行モードが実行されてしまうことを抑制することができる。
<態様89>
上記態様87におけるメイン処理(図51)では、RAMクリアボタンが押下されているか否かを判定した後に(ステップS11208)、設定用の鍵、枠開放スイッチ及び扉開放スイッチの全てがONであるか否かを判定する(ステップS11209及びステップS11219)構成としたが、この構成に代えて、設定用の鍵、枠開放スイッチ及び扉開放スイッチの全てがONであるか否かを判定した後に、RAMクリアボタンが押下されているか否かを判定する構成としてもよい。以下、具体的に説明する。
図55は、第1実施形態の態様89の主側MPU62(主側CPU62x)が電源ON時に実行するメイン処理の一部を示すフローチャートである。
ステップS11601では、電源投入に伴う初期設定処理を実行する。具体的には、主側CPU62xのスタックポインタに予め決められた所定値を設定すると共に、サブ側の制御装置(音声発光制御装置90、表示制御装置100、払出制御装置70等)が動作可能な状態になるのを待つために例えば1秒程度、ウェイト処理を実行する。そして、主側RAM64へのアクセスを許可する。その後、ステップS11602に進み、内部機能レジスタの設定処理を実行する。その後、ステップS11603に進み、当該パチンコ機10に電源が投入されて起動したことを報知するための処理を実行する。具体的には、当該パチンコ機10が起動したことを示す起動コマンドを音声発光制御装置90に送信する。音声発光制御装置90は、起動コマンドを受信すると、当該パチンコ機10が起動したことを報知する処理を実行する。具体的には、例えば、「起動中です」といった音声や所定の警報音をスピーカー46から出力させる。ステップS11603を実行した後、ステップS11604に進む。
ステップS11604では、復電フラグがONであるか否かを判定する。
ここで復電フラグについて説明する。本態様では、パチンコ機10の電源スイッチがOFFにされた場合や停電が発生した場合には、主側CPU62xのレジスタに格納されている各種情報(遊技状態を示す情報や制御情報等)を主側RAM64の所定の領域に退避させる。そして、これらの情報の主側RAM64への退避が完了した場合に、復電フラグをONにするとともに、RAM判定値(例えばチェックサム値)を算出し、算出したRAM判定値を主側RAM64に記憶する。なお、商用電源からの電源の供給が断たれた後は、コンデンサ等のバックアップ電源からの電源供給に切り替わる。このように、復電フラグは、前回の電源OFF時の状態に復帰させるための情報が主側RAM64に記憶されているか否かを電源投入時に識別するためのフラグである。
ステップS11604において、復電フラグがONであると判定した場合には(ステップS11604:YES)、ステップS11605に進み、主側RAM64のRAM判定値を算出する。本態様では、RAM判定値として、主側RAM64のチェックサム値を算出する。その後、ステップS11606に進み、算出したRAM判定値(チェックサム値)が正常であるか否か、すなわち、算出したRAM判定値(チェックサム値)と主側RAM64に記憶されているRAM判定値(チェックサム値)とが一致するか否かを判定する。ステップS11606において、RAM判定値が正常であると判定した場合には(ステップS11606:YES)、後述するステップS11608に進む。
一方、上述したステップS11604において復電フラグがONではないと判定した場合(ステップS11604:NO)、及び、上述したステップS11606においてRAM判定値が正常ではないと判定した場合には(ステップS11606:NO)、ステップS11607に進み、RAM異常フラグをONにする。すなわち、RAM異常フラグは、復電フラグがOFFである場合又は復電フラグはONであるがRAM判定値が正常ではない場合にONになるフラグであり、主側RAM64に記憶されている情報が正常ではない状態であることを示すフラグである。ステップS11607を実行した後、ステップS11608に進む。
ステップS11608では、設定用の鍵、枠開放スイッチ及び扉開放スイッチの全てがONであるか否かを判定する。なお、枠開放スイッチは、内枠13が外枠11に対して開放状態であるときにONとなるスイッチであり、扉開放スイッチは、前扉枠14が内枠13に対して開放状態であるときにONとなるスイッチである。ステップS11608において、設定用の鍵、枠開放スイッチ及び扉開放スイッチの少なくとも1つがONではないと判定した場合には(ステップS11608:NO)、ステップS11609に進み、RAMクリアボタンがONであるか否かを判定する。
ステップS11609において、RAMクリアボタンがONではないと判定した場合には(ステップS11609:NO)、ステップS11610に進み、RAM異常フラグがONであるか否かを判定する。
ステップS11610において、RAM異常フラグがONではないと判定した場合には(ステップS11610:NO)、ステップS11611に進み、前回の電源OFF時の状態に復帰させる復電処理を実行する。具体的には、復電処理では、主側RAM64に保存されたスタックポインタの値を主側CPU62xのスタックポインタに書き込み、主側RAM64に退避されたデータを主側CPU62xのレジスタに復帰させることによって、主側CPU62xのレジスタの状態を電源が遮断される前の状態に復帰させる。ステップS11611を実行した後、ステップS11612に進み、主側RAM64の復電フラグをOFFにする。その後、通常の遊技処理へ移行する。具体的には、例えば、上述した各態様において説明したタイマ割込み処理の割込み許可設定、割込み禁止設定、乱数更新処理、電源監視処理(停電監視処理)を実行する。タイマ割込み処理の割り込みを許可し、上述したタイマ割込み処理が実行されることによって、遊技の進行が可能となる(遊技進行モードが開始される)。
一方、ステップS11610において、RAM異常フラグがONであると判定した場合には(ステップS11610:YES)、ステップS11613に進み、RAM異常報知処理を実行する。RAM異常報知処理では、主側RAM64が異常であることを示すコマンドであるRAM異常コマンドを音声発光制御装置90に送信する。音声発光制御装置90は、RAM異常コマンドを受信すると、RAMが異常であることを示す音声をスピーカー46から出力させる。具体的には、例えば、「RAM異常です。設定変更モードで起動して下さい。」といった音声をスピーカー46から繰り返し出力させる。ステップS11613を実行した後、上述した通常の遊技処理へ移行する。ただし、本態様のパチンコ機10では、RAM異常フラグがONである場合には、乱数更新処理、電源監視処理(停電監視処理)は実行するが、遊技の進行に必要な他の処理(例えば始動口用の入球処理や遊技回制御処理等)は実行しない。具体的には、本態様では、RAM異常フラグがONである場合には、タイマ割り込みの許可設定を行なわない。したがって、見かけ上は通常の遊技進行モードと同等であるが、遊技者が遊技を進行させることはできない状態となる。すなわち、RAM異常フラグがONである場合には、遊技進行モードには移行しない。この状態の場合には、管理者は、当該パチンコ機10の電源を一旦OFFにし、設定用の鍵を設定用の鍵穴に挿入してON側に回し、RAMクリアボタンを押下したまま電源をONにして当該パチンコ機10を設定変更モードで起動させればよい。
一方、上述したステップS11609において、RAMクリアボタンがONであると判定した場合には(ステップS11609:YES)、ステップS11614に進み、RAM異常フラグがONであるか否かを判定する。ステップS11614において、RAM異常フラグがONではないと判定した場合には(ステップS11614:NO)、ステップS11615に進む。
ステップS11615では、第1RAMクリア処理を実行する。第1RAMクリア処理は、主側RAM64に記憶されている情報のうち、抽選設定の設定情報を除いて消去する(0クリアする)処理である。すなわち、第1RAMクリア処理が実行されると、遊技状態を示す各種フラグ情報や各種の制御情報等は消去されるが、抽選設定の設定情報は消去されず、設定情報はそのまま維持される。また、本態様では、第1RAMクリア処理では、第1RAMクリア処理を実行したことを示すコマンドである第1RAMクリア処理実行コマンドを音声発光制御装置90に送信する。音声発光制御装置90は、第1RAMクリア処理実行コマンドを受信すると、第1RAMクリア処理を実行したことを示す音声をスピーカー46から出力させる。具体的には、例えば、「RAMをクリアしました。」といった音声をスピーカー46から出力させる。ステップS11615を実行した後、上述した通常の遊技処理へ移行する。
一方、ステップS11614において、RAM異常フラグがONであると判定した場合には(ステップS11614:YES)、ステップS11616に進み、RAM異常報知処理を実行する。RAM異常報知処理では、主側RAM64が異常であることを示すコマンドであるRAM異常コマンドを音声発光制御装置90に送信する。音声発光制御装置90は、RAM異常コマンドを受信すると、RAMが異常であることを示す音声をスピーカー46から出力させる。具体的には、例えば、「RAM異常です。設定変更モードで起動して下さい。」といった音声をスピーカー46から繰り返し出力させる。ステップS11616を実行した後、上述した通常の遊技処理へ移行する。ただし、上述したように、本態様のパチンコ機10では、RAM異常フラグがONである場合には、乱数更新処理、電源監視処理(停電監視処理)は実行するが、遊技の進行に必要な他の処理(例えば始動口用の入球処理や遊技回制御処理等)は実行しない。具体的には、本態様では、RAM異常フラグがONである場合には、タイマ割り込みの許可設定を行なわない。したがって、見かけ上は通常の遊技進行モードと同等であるが、遊技者が遊技を進行させることはできない状態となる。すなわち、RAM異常フラグがONである場合には、遊技進行モードには移行しない。この状態の場合には、管理者は、当該パチンコ機10の電源を一旦OFFにし、設定用の鍵を設定用の鍵穴に挿入してON側に回し、RAMクリアボタンを押下したまま電源をONにして当該パチンコ機10を設定変更モードで起動させればよい。
上述したステップS11608において、設定用の鍵、枠開放スイッチ及び扉開放スイッチの全てがONであると判定した場合には(ステップS11608:YES)、ステップS11617に進み、RAMクリアボタンがONであるか否かを判定する。
上述したステップS11617において、RAMクリアボタンがONであると判定した場合には(ステップS11617:YES)、ステップS11618に進み、RAM異常フラグがONであるか否かを判定する。
ステップS11618において、RAM異常フラグがONではないと判定した場合には(ステップS11618:NO)、ステップS11619に進み、設定確認処理を実行する。設定確認処理(設定確認モード)では、情報表示部45zに現在の抽選設定の設定情報を表示させる処理を実行する。すなわち、設定確認モードは、管理者等が当該パチンコ機10の現在の抽選設定の設定情報を確認することが可能なモードである。設定確認処理(設定確認モード)の詳細は、上述した態様87の図53に示した設定確認処理と同じである。ステップS11619を実行した後、ステップS11620に進み、上述した復電処理を実行して前回の電源OFF時の状態に復帰させる。その後、ステップS11621に進み、復電フラグをOFFにする。その後、通常の遊技処理へ移行する。具体的には、例えば、上述した各態様において説明したタイマ割込み処理の割込み許可設定、割込み禁止設定、乱数更新処理、電源監視処理(停電監視処理)を実行する。タイマ割込み処理の割り込みを許可し、上述したタイマ割込み処理が実行されることによって、遊技の進行が可能となる(遊技進行モードが開始される)。
一方、ステップS11618において、RAM異常フラグがONであると判定した場合には(ステップS11618:YES)、ステップS11622に進み、RAM異常報知処理を実行する。RAM異常報知処理では、主側RAM64が異常であることを示すコマンドであるRAM異常コマンドを音声発光制御装置90に送信する。音声発光制御装置90は、RAM異常コマンドを受信すると、RAMが異常であることを示す音声をスピーカー46から出力させる。具体的には、例えば、「RAM異常です。設定変更モードで起動して下さい。」といった音声をスピーカー46から繰り返し出力させる。ステップS11622を実行した後、上述した通常の遊技処理へ移行する。ただし、上述したように、本態様のパチンコ機10では、RAM異常フラグがONである場合には、乱数更新処理、電源監視処理(停電監視処理)は実行するが、遊技の進行に必要な他の処理(例えば始動口用の入球処理や遊技回制御処理等)は実行しない。具体的には、本態様では、RAM異常フラグがONである場合には、タイマ割り込みの許可設定を行なわない。したがって、見かけ上は通常の遊技進行モードと同等であるが、遊技者が遊技を進行させることはできない状態となる。すなわち、RAM異常フラグがONである場合には、遊技進行モードには移行しない。この状態の場合には、管理者は、当該パチンコ機10の電源を一旦OFFにし、設定用の鍵を設定用の鍵穴に挿入してON側に回し、RAMクリアボタンを押下したまま電源をONにして当該パチンコ機10を設定変更モードで起動させればよい。
上述したステップS11217において、RAMクリアボタンがONであると判定した場合には(ステップS11217:YES)、ステップS11223に進み、RAM異常フラグがONであるか否かを判定する。
ステップS11623において、RAM異常フラグがONではないと判定した場合には(ステップS11623:NO)、ステップS11624に進み、上述した第1RAMクリア処理を実行する。その後、ステップS11625に進み、設定変更処理を実行する。設定変更処理(設定変更モード)では、情報表示部45zに抽選設定の設定情報を表示させる処理を実行するとともに、抽選設定の設定情報の変更を受け付ける処理を実行する。すなわち、設定変更モードは、管理者等が当該パチンコ機10の抽選設定の設定情報を変更することが可能なモードである。設定変更処理(設定変更モード)の詳細は、上述した態様87の図52に示した設定変更処理と同じである。ステップS11625を実行した後、上述した通常の遊技処理へ移行する。
一方、ステップS11623において、RAM異常フラグがONであると判定した場合には(ステップS11623:YES)、ステップS11626に進み、RAM異常報知処理を実行する。RAM異常報知処理では、主側RAM64が異常であることを示すコマンドであるRAM異常コマンドを音声発光制御装置90に送信する。音声発光制御装置90は、RAM異常コマンドを受信すると、RAMが異常であることを示す音声をスピーカー46から出力させる。具体的には、例えば、「RAM異常です。」といった音声をスピーカー46から出力させる。ステップS11626を実行した後、ステップS11627に進む。
ステップS11627では、第2RAMクリア処理を実行する。第2RAMクリア処理は、主側RAM64に記憶されている情報のうち、抽選設定の設定情報を含む全ての情報を消去する(0クリアする)処理である。すなわち、第2RAMクリア処理が実行されると、遊技状態を示す各種フラグ情報や各種の制御情報等に加えて、抽選設定の設定情報も消去される。ここで、RAM異常フラグがONである場合には、第1クリア処理ではなく、設定情報も消去する第2クリア処理を実行する理由について説明する。RAM異常フラグがONである場合には、主側RAM64に記憶されている設定情報も正常でない可能性があり、例えば、ノイズ等によって管理者の意図しない設定情報に書き換わっていたり、設定情報としては所定の範囲内の数値(例えば1から6までの数値)しか取り得ないにも関わらず、所定の範囲以外の数値が記憶されていたりする可能性があるためである。なお、本態様の第2RAMクリア処理では、設定情報が消去された後、設定情報の初期値として「1」が格納される。また、第2クリア処理によって、RAM異常フラグもOFFとなる。その後、ステップS11628に進み、設定変更処理を実行する。設定変更処理(設定変更モード)の詳細は、上述した態様87の図52に示した設定変更処理と同じである。ステップS11628を実行した後、上述した通常の遊技処理へ移行する。
以上説明した本態様の構成によっても、上記態様87と同様の効果を奏することができる。また、上記態様87において説明した各種の変形的な構成も本態様に適用することができる。
<態様90>
上記態様88におけるメイン処理(図54)では、RAMクリアボタンが押下されているか否かを判定した後に(ステップS11507)、設定用の鍵、枠開放スイッチ及び扉開放スイッチの全てがONであるか否かを判定する(ステップS11508及びステップS11514)構成としたが、この構成に代えて、設定用の鍵、枠開放スイッチ及び扉開放スイッチの全てがONであるか否かを判定した後に、RAMクリアボタンが押下されているか否かを判定する構成としてもよい。以下、具体的に説明する。
図56は、第1実施形態の態様90の主側MPU62(主側CPU62x)が電源ON時に実行するメイン処理の一部を示すフローチャートである。
ステップS11701では、電源投入に伴う初期設定処理を実行する。具体的には、主側CPU62xのスタックポインタに予め決められた所定値を設定すると共に、サブ側の制御装置(音声発光制御装置90、表示制御装置100、払出制御装置70等)が動作可能な状態になるのを待つために例えば1秒程度、ウェイト処理を実行する。そして、主側RAM64へのアクセスを許可する。その後、ステップS11702に進み、内部機能レジスタの設定処理を実行する。その後、ステップS11703に進み、当該パチンコ機10に電源が投入されて起動したことを報知するための処理を実行する。具体的には、当該パチンコ機10が起動したことを示す起動コマンドを音声発光制御装置90に送信する。音声発光制御装置90は、起動コマンドを受信すると、当該パチンコ機10が起動したことを報知する処理を実行する。具体的には、例えば、「起動中です」といった音声や所定の警報音をスピーカー46から出力させる。ステップS11703を実行した後、ステップS11704に進む。
ステップS11704では、復電フラグがONであるか否かを判定する。
ここで復電フラグについて説明する。本態様では、パチンコ機10の電源スイッチがOFFにされた場合や停電が発生した場合には、主側CPU62xのレジスタに格納されている各種情報(遊技状態を示す情報や制御情報等)を主側RAM64の所定の領域に退避させる。そして、これらの情報の主側RAM64への退避が完了した場合に、復電フラグをONにするとともに、RAM判定値(例えばチェックサム値)を算出し、算出したRAM判定値を主側RAM64に記憶する。なお、商用電源からの電源の供給が断たれた後は、コンデンサ等のバックアップ電源からの電源供給に切り替わる。このように、復電フラグは、前回の電源OFF時の状態に復帰させるための情報が主側RAM64に記憶されているか否かを電源投入時に識別するためのフラグである。
ステップS11704において、復電フラグがONであると判定した場合には(ステップS11704:YES)、ステップS11705に進み、主側RAM64のRAM判定値を算出する。本態様では、RAM判定値として、主側RAM64のチェックサム値を算出する。その後、ステップS11706に進み、算出したRAM判定値(チェックサム値)が正常であるか否か、すなわち、算出したRAM判定値(チェックサム値)と主側RAM64に記憶されているRAM判定値(チェックサム値)とが一致するか否かを判定する。ステップS11706において、RAM判定値が正常であると判定した場合には(ステップS11706:YES)、ステップS11707に進む。
ステップS11707では、設定用の鍵、枠開放スイッチ及び扉開放スイッチの全てがONであるか否かを判定する。なお、枠開放スイッチは、内枠13が外枠11に対して開放状態であるときにONとなるスイッチであり、扉開放スイッチは、前扉枠14が内枠13に対して開放状態であるときにONとなるスイッチである。ステップS11707において、設定用の鍵、枠開放スイッチ及び扉開放スイッチの少なくとも1つがONではないと判定した場合には(ステップS11707:NO)、ステップS11708に進み、RAMクリアボタンがONであるか否かを判定する。
ステップS11708において、RAMクリアボタンがONではないと判定した場合には(ステップS11708:NO)、ステップS11709に進み、前回の電源OFF時の状態に復帰させる復電処理を実行する。具体的には、復電処理では、主側RAM64に保存されたスタックポインタの値を主側CPU62xのスタックポインタに書き込み、主側RAM64に退避されたデータを主側CPU62xのレジスタに復帰させることによって、主側CPU62xのレジスタの状態を電源が遮断される前の状態に復帰させる。ステップS11709を実行した後、ステップS11710に進み、主側RAM64の復電フラグをOFFにする。その後、通常の遊技処理へ移行する。具体的には、例えば、上述した各態様において説明したタイマ割込み処理の割込み許可設定、割込み禁止設定、乱数更新処理、電源監視処理(停電監視処理)を実行する。タイマ割込み処理の割り込みを許可し、上述したタイマ割込み処理が実行されることによって、遊技の進行が可能となる(遊技進行モードが開始される)。
一方、上述したステップS11708において、RAMクリアボタンがONであると判定した場合には(ステップS11708:YES)、ステップS11711に進み、第1RAMクリア処理を実行する。第1RAMクリア処理は、主側RAM64に記憶されている情報のうち、抽選設定の設定情報を除いて消去する(0クリアする)処理である。すなわち、第1RAMクリア処理が実行されると、遊技状態を示す各種フラグ情報や各種の制御情報等は消去されるが、抽選設定の設定情報は消去されず、設定情報はそのまま維持される。また、本態様では、第1RAMクリア処理では、第1RAMクリア処理を実行したことを示すコマンドである第1RAMクリア処理実行コマンドを音声発光制御装置90に送信する。音声発光制御装置90は、第1RAMクリア処理実行コマンドを受信すると、第1RAMクリア処理を実行したことを示す音声をスピーカー46から出力させる。具体的には、例えば、「RAMをクリアしました。」といった音声をスピーカー46から出力させる。ステップS11711を実行した後、上述した通常の遊技処理へ移行する。
上述したステップS11707において、設定用の鍵、枠開放スイッチ及び扉開放スイッチの全てがONであると判定した場合には(ステップS11707:YES)、ステップS11712に進み、RAMクリアボタンがONであるか否かを判定する。
ステップS11712において、RAMクリアボタンがONではないと判定した場合には(ステップS11712:NO)、ステップS11713に進み、設定確認処理を実行する。設定確認処理(設定確認モード)の詳細は、上述した態様87の図53に示した設定確認処理と同じである。ステップS11713を実行した後、ステップS11714に進み、上述した復電処理を実行して前回の電源OFF時の状態に復帰させる。その後、ステップS11715に進み、復電フラグをOFFにする。その後、通常の遊技処理へ移行する。具体的には、例えば、上述した各態様において説明したタイマ割込み処理の割込み許可設定、割込み禁止設定、乱数更新処理、電源監視処理(停電監視処理)を実行する。タイマ割込み処理の割り込みを許可し、上述したタイマ割込み処理が実行されることによって、遊技の進行が可能となる(遊技進行モードが開始される)。
上述したステップS11712において、RAMクリアボタンがONであると判定した場合には(ステップS11712:YES)、ステップS11716に進み、上述した第1RAMクリア処理を実行する。その後、ステップS11717に進み、設定変更処理を実行する。設定変更処理(設定変更モード)の詳細は、上述した態様87の図52に示した設定変更処理と同じである。ステップS11717を実行した後、上述した通常の遊技処理へ移行する。
一方、上述したステップS11704において復電フラグがONではないと判定した場合(ステップS11704:NO)、及び、上述したステップS11706においてRAM判定値が正常ではないと判定した場合には(ステップS11706:NO)、ステップS11718に進み、RAM異常報知処理を実行する。RAM異常報知処理では、主側RAM64が異常であることを示すコマンドであるRAM異常コマンドを音声発光制御装置90に送信する。音声発光制御装置90は、RAM異常コマンドを受信すると、RAMが異常であることを示す音声をスピーカー46から出力させる。具体的には、例えば、「RAM異常です。」といった音声をスピーカー46から出力させる。ステップS11718を実行した後、ステップS11719に進む。
ステップS11719では、第2RAMクリア処理を実行する。第2RAMクリア処理は、主側RAM64に記憶されている情報のうち、抽選設定の設定情報を含む全ての情報を消去する(0クリアする)処理である。すなわち、第2RAMクリア処理が実行されると、遊技状態を示す各種フラグ情報や各種の制御情報等に加えて、抽選設定の設定情報も消去される。なお、本態様の第2RAMクリア処理では、設定情報が消去された後、設定情報の初期値として「1」が格納される。その後、ステップS11720に進み、設定変更処理を実行する。設定変更処理(設定変更モード)の詳細は、上述した態様87の図52に示した設定変更処理と同じである。ステップS11720を実行した後、上述した通常の遊技処理へ移行する。
以上説明した本態様の構成によっても、上記態様88と同様の効果を奏することができる。また、上記態様88において説明した各種の変形的な構成も本態様に適用することができる。
<態様91>
上記各態様における設定変更処理(図52)では、RAMクリアボタンが押下された場合に抽選設定の設定情報が確定する(ステップS11305)構成としたが、この構成に代えて、設定用の鍵がOFFになった場合に抽選設定の設定情報が確定する構成としてもよい。以下、具体的に説明する。
図57は、第1実施形態の態様91の主側MPU62(主側CPU62x)が実行する設定変更処理を示すフローチャートである。図52に示した設定変更処理に含まれる処理と同一の処理については同一のステップ番号を付している。図52に示した設定変更処理との主な相違点は、図52では、変更した設定情報を確定させる処理がRAMクリアボタンを押下することであるのに対し(ステップS11305)、本態様では、変更した設定情報を確定させる処理が設定用の鍵をOFF側にすること(ステップS11305a)である点と、これに伴って図52のステップS11308の処理が省略されている点である。以下、具体的に説明する。
ステップS11301では、設定変更報知開始処理を実行する。設定変更報知開始処理では、設定変更モードを開始したことを示すコマンドである設定変更モード開始コマンドを音声発光制御装置90に送信する。音声発光制御装置90は、設定変更モード開始コマンドを受信すると、設定変更モード中であることを示す音声をスピーカー46から出力させる。具体的には、例えば、「設定変更モード中です」といった音声をスピーカー46から繰り返し出力させる。また、音声発光制御装置90は、設定変更モード開始コマンドを受信すると、設定変更モード中であることを示す情報を図柄表示装置41に表示させる。具体的には、例えば、音声発光制御装置90は、「設定変更モード中です」といった文字列を図柄表示装置41に表示させるためのコマンドを表示制御装置100に送信し、当該コマンドを受信した表示制御装置100は、「設定変更モード中です」といった文字列を図柄表示装置41に表示させる。また、音声発光制御装置90は、設定変更モード開始コマンドを受信すると、各種ランプ47を最大輝度による点灯と消灯とを交互に繰り返して点滅するように制御する。
さらに、設定変更報知開始処理では、設定変更モードを開始したことを示す情報を外部端子を介して遊技ホールのホールコンピュータに送信する。設定変更モードを開始したことを示す情報を受信したホールコンピュータは、管理画面に設定変更モード中のパチンコ機10の情報を表示する。ステップS11301を実行した後、ステップS11302に進む。
ステップS11302では、抽選設定の設定情報を情報表示部45zに表示させるための制御を開始する。具体的には、抽選設定の設定情報を情報表示部45zに点灯表示させる。その後、ステップS11303に進み、設定情報が所定の範囲内の数値であるか否かを判定する。本態様では、パチンコ機10に設定される設定情報は「1」から「6」までの6段階であるため、設定情報が「1」から「6」までの範囲内の数値であるか否かを判定する。ステップS11303において、設定情報が所定の範囲内の数値であると判定した場合には(ステップS11303:YES)、ステップS11305aに進む。一方、ステップS11303において、設定情報が所定の範囲内の数値ではないと判定した場合(ステップS11303:NO)、例えば、設定情報として「0」や「7」が格納されている場合や、ノイズ等によって数値以外の情報が格納されている場合には、ステップS11304に進み、設定情報を初期値に変更する。本態様では、設定情報に初期値として「1」を格納する。その後、ステップS11305aに進む。
ステップS11305aでは、設定用の鍵がOFF側になったか否かを判定する。ステップS11305aにおいて、設定用の鍵がOFF側になっていないと判定した場合には(ステップS11305a:NO)、ステップS11306に進み、設定変更用ボタンが押下されたか否かを判定する。ステップS11306において、設定変更用ボタンが押下されたと判定した場合には(ステップS11306:YES)、ステップS11307に進み、抽選設定の設定情報を更新する。具体的には、設定情報として格納されている数値情報に1を加算する。ただし、設定情報として格納されている数値情報が「6」である状況において設定変更用ボタンが押下された場合には当該数値情報は「1」に更新される。その後、上述したステップS11303に戻り、更新した設定情報が所定の範囲内の数値であるか否かを判定する。一方、ステップS11306において、設定変更用ボタンが押下されていないと判定した場合には(ステップS11306:NO)、ステップS11307の処理を実行することなく、上述したステップS11303に戻り、設定情報が所定の範囲内の数値であるか否かを判定する。
上述したステップS11305aにおいて、設定用の鍵がOFF側になったと判定した場合には(ステップS11305a:YES)、ステップS11309に進み、抽選設定の設定情報を情報表示部45zに表示させるための制御を終了する。その後、ステップS11310に進む。
ステップS11310では、設定変更報知終了処理を実行する。設定変更報知終了処理では、設定変更モードを終了したことを示すコマンドである設定変更モード終了コマンドを音声発光制御装置90に送信する。音声発光制御装置90は、設定変更モード終了コマンドを受信すると、上述した設定変更モード中であることを報知するための各種の制御を終了する。
さらに、設定変更報知終了処理では、設定変更モードを終了したことを示す情報を外部端子を介して遊技ホールのホールコンピュータに送信する。設定変更モードを終了したことを示す情報を受信したホールコンピュータは、管理画面に当該パチンコ機10の設定変更モードが終了したことを示す情報を表示する。ステップS11310を実行した後、本設定変更処理を終了する。なお、設定変更報知終了処理を実行した後、変更後の抽選設定の設定情報を外部端子を介して遊技ホールのホールコンピュータに送信する構成とし、当該情報を受信したホールコンピュータは、管理画面に当該パチンコ機10の変更後の抽選設定の設定情報を表示する構成としてもよい。
以上説明した本態様の構成によれば、変更した設定情報を確定させるためにRAMクリアボタンを押下するという操作を省略することができるので、管理者が設定情報を変更させるために必要となる作業工程を簡易化することができる。
<態様92>
上記各態様のうち、設定変更モード及び設定確認モードを実行可能な構成において、設定変更モードの実行中及び設定確認モードの実行中においては、メイン表示部45は、遊技の進行が可能な遊技進行モードの実行中には表示されない表示パターン(表示態様)を表示する構成としてもよい。以下、具体的に説明する。
上述したように、メイン表示部45は、複数の発光部によって構成されている。具体的には、メイン表示部45は、複数のセグメント発光部からなる第1図柄表示部37aと、複数のセグメント発光部からなる第2図柄表示部37bと、複数のLEDランプからなる第1保留表示部37cと、複数のLEDランプからなる第2保留表示部37dと、複数のLEDランプからなる普図ユニット38と、複数のLEDランプからなるラウンド表示部39とによって構成されている。
そして、メイン表示部45は、遊技の進行が可能な遊技進行モードの実行中においては、遊技の進行の状況を反映した表示態様となるように各発光部を制御するが、本態様では、遊技進行モードの実行中においては、メイン表示部45を構成する全ての発光部が同時に点灯した状態となったり、全ての発光部が同期して点滅した状態となることはない。
そこで、本態様では、メイン表示部45は、抽選設定の設定情報を変更可能な設定変更モードの実行中においては、メイン表示部45を構成する全ての発光部を同時に点灯させる制御を実行し、抽選設定の設定情報を確認可能な設定確認モードの実行中においては、メイン表示部45を構成する全ての発光部を同期して点滅させる制御を実行する。
このような構成によれば、現在のパチンコ機10が遊技進行モード中であるのか、設定変更モード中であるのか、設定確認モード中であるのかを管理者等に識別させることが可能となる。さらに、このような構成によれば、例えば、パチンコ機10の現在のモードを識別させるためのモード表示用の発光部をメイン表示部45に新たに追加しなくてもよいため、パチンコ機10のハードウェア構成を変更することなく、パチンコ機10の制御プログラムを変更することのみによって、パチンコ機10の現在のモードを管理者等に識別させることが可能な構成に変更することができる。
なお、メイン表示部45は、抽選設定の設定情報を変更可能な設定変更モードの実行中においては、メイン表示部45を構成する全ての発光部を同期して点滅させる制御を実行し、抽選設定の設定情報を確認可能な設定確認モードの実行中においては、メイン表示部45を構成する全ての発光部を同時に点灯させる制御を実行する構成としてもよい。
また、設定変更モードの実行中及び設定確認モードの実行中においてメイン表示部45が表示する表示態様は、遊技進行モードの実行中には表示されない表示態様(点灯パターン)であれば、メイン表示部45を構成する全ての発光部を点灯、点滅させる構成に限らず、他の表示態様であってもよい。
また、メイン表示部45にモード表示用の発光部(例えばLED)を1つ追加し、遊技進行モードの実行中は当該発光部を消灯させ、設定変更モードの実行中は当該発光部を点灯させ、設定確認モードの実行中は当該発光部を点滅させる構成としてもよい。このような構成によれば、パチンコ機10の現在のモードを管理者等に明確に認識させることが可能となるとともに、音声発光制御装置90や表示制御装置100、図柄表示装置41を用いてパチンコ機10の現在のモードを報知する構成と比較して、構成の簡略化を実現することができる。
また、メイン表示部45にモード表示用の発光部(例えばLED)を2つ(第1発光部及び第2発光部)追加し、遊技進行モードの実行中は第1発光部及び第2発光部の両方を消灯させた状態とし、設定変更モードの実行中は第1発光部を点灯させて第2発光部は消灯させた状態とし、設定確認モードの実行中は第2発光部を点灯させて第1発光部を消灯させた状態とする構成としてもよい。このような構成によれば、パチンコ機10の現在のモードを管理者等に明確に認識させることが可能となるとともに、音声発光制御装置90や表示制御装置100、図柄表示装置41を用いてパチンコ機10の現在のモードを報知する構成と比較して、構成の簡略化を実現することができる。さらに、メイン表示部45に追加した2つの発光部を制御するだけでよいので、制御プログラムや点灯パターンを追加することによるデータ容量の増加を抑制することができる。
<態様93>
上記各態様のうち、情報表示部45zが4個の7セグメント表示器45z1~45z4を備える構成において、当該パチンコ機10の電源投入時に、情報表示部45zを構成する全ての発光部を所定時間(例えば3秒間)点灯させ、その後、所定時間(例えば2秒間)同期して点滅させる構成としてもよい。
このような構成によれば、パチンコ機10の電源投入時に、情報表示部45zを構成する発光部に、断線等の不具合によって点灯しない発光部が存在していないかを確認することができるとともに、不具合によって常時点灯状態となって消灯しない発光部が存在していないかを確認することができる。例えば、仮に、右中7セグメント表示器45z3のセグメント発光部G及びセグメント発光部Dが不具合によって点灯しない場合には、右中7セグメント表示器45z3に「3」を表示させる制御が実行されている場合であっても、セグメント発光部G及びセグメント発光部Dが点灯しないことによって、右中7セグメント表示器45z3には「7」が表示されてしまうことになる。この結果、管理者は、遊技履歴情報の数値情報を誤認してしまう可能性がある。これに対して、本態様の構成によれば、パチンコ機10の電源投入時に、情報表示部45zを構成する発光部に、断線等の不具合によって点灯しない発光部が存在していないかを確認することができるとともに、不具合によって常時点灯状態となって消灯しない発光部が存在していないかを確認することができるので、このような誤認を抑制することができる。
さらに、情報表示部45zを検査するための情報表示部検査ボタンを設け、当該情報表示部検査ボタンが押下された場合には、情報表示部45zを構成する全ての発光部を所定時間(例えば3秒間)点灯させ、その後、所定時間(例えば2秒間)同期して点滅させる構成としてもよい。
このような構成によれば、パチンコ機10の電源投入時ではなくても、情報表示部検査ボタンを押下することによって、情報表示部45zを構成する発光部に、断線等の不具合によって点灯しない発光部が存在していないかを確認することができるとともに、不具合によって常時点灯状態となって消灯しない発光部が存在していないかを確認することができる。すなわち、情報表示部45zに不具合が発生していないかを確認するためにパチンコ機10の電源を一旦OFFにしてからONにしなくてもよいため、管理者の作業効率を向上させることができる。
また、上述したベース(通常モード中)を算出して記憶し、記憶したベース(通常モード中)を情報表示部45zに表示させる構成において、主制御装置60は、計測した排出通路通過個数NOUTが60000個に達する毎に区間を分け、区間毎にベース(通常モード中)を算出して記憶する構成とし、情報表示部45zは、算出対象となった区間の異なる複数種類のベース(通常モード中)を切り替えて表示する構成としてもよい。
具体的には、本態様のパチンコ機10は、最大で7つの区間のベース(通常モード中)を算出して記憶し、情報表示部45zは、最大で7つの区間に対応したベース(通常モード中)を切り替えて表示する。7つの区間は以下のとおりである。
・「bL」:計測中のベース(通常モード中)
現在計測中の排出通路通過個数NOUTが60000個に達するまでの現在の区間において算出された出球率(通常モード中)
・「b1」:1つ前の区間において計測済みのベース(通常モード中)
計測した排出通路通過個数NOUTが60000個に達した区間であって、現在計測中の区間の1つ前の区間において算出された出球率(通常モード中)
・「b2」:2つ前の区間において計測済みのベース(通常モード中)
計測した排出通路通過個数NOUTが60000個に達した区間であって、現在計測中の区間の2つ前の区間において算出された出球率(通常モード中)
・「b3」:3つ前の区間において計測済みのベース(通常モード中)
計測した排出通路通過個数NOUTが60000個に達した区間であって、現在計測中の区間の3つ前の区間において算出された出球率(通常モード中)
・「b4」:4つ前の区間において計測済みのベース(通常モード中)
計測した排出通路通過個数NOUTが60000個に達した区間であって、現在計測中の区間の4つ前の区間において算出された出球率(通常モード中)
・「b5」:5つ前の区間において計測済みのベース(通常モード中)
計測した排出通路通過個数NOUTが60000個に達した区間であって、現在計測中の区間の5つ前の区間において算出された出球率(通常モード中)
・「b6」:6つ前の区間において計測済みのベース(通常モード中)
計測した排出通路通過個数NOUTが60000個に達した区間であって、現在計測中の区間の6つ前の区間において算出された出球率(通常モード中)
各入球部への入球個数情報等の遊技履歴基礎情報が記憶されていない初期状態において「bL」に対応する区間の計測を開始し、所定のタイミングで随時「bL」に対応する区間におけるベース(通常モード中)を算出する。計測中の排出通路通過個数NOUTが60000個に達すると、「bL」に対する区間として記憶した遊技履歴基礎情報を「b1」に対応する区間にシフトさせ、新たに「bL」に対応する区間の計測を開始する。そして、新たに計測を開始した「bL」に対応する区間において排出通路通過個数NOUTが60000個に達すると、「b1」に対する区間として記憶していた遊技履歴基礎情報を「b2」に対応する区間にシフトさせ、「bL」に対する区間として記憶した遊技履歴基礎情報を「b1」に対応する区間にシフトさせ、新たに「bL」に対応する区間の計測を開始する。このようにして、計測中の排出通路通過個数NOUTが60000個に達する毎に、区間毎の遊技履歴基礎情報をシフトさせていき、最大で「b6」に対応する区間まで遊技履歴基礎情報を記憶しておく。そして、「b6」に対応する区間として遊技履歴基礎情報が記憶されている状態で、計測中の排出通路通過個数NOUTが60000個に達すると、「b6」に対応する区間として記憶されていた遊技履歴基礎情報を消去し、「b5」に対応する区間として記憶されていた遊技履歴基礎情報を「b6」に対応する区間にシフトさせる。
すなわち、本態様では、最大で60000個×7区間の排出通路通過個数NOUTが計測されるまでの遊技履歴基礎情報が蓄積されて記憶される。
そして、本態様では、情報表示部45zは、記憶されている複数の区間のベース(通常モード中)を5秒毎に切り替えて表示する。具体的には、例えば、「bL」、「b1」、「b2」、「b3」、「b4」の5つの区間のベース(通常モード中)が記憶されている場合には、情報表示部45zは、「bL.31」→「b1.31」→「b2.30」→「b3.31」→「b4.30」→「bL.31」→「b1.31」...といった順序で5秒毎に切り替えながら各区間のベース(通常モード中)を繰り返し表示する。
このような構成によれば、遊技機の検査者又は管理者は、情報表示部45zの表示を確認することによって、各区間毎のベース(通常モード中)を比較することが可能となる。この結果、例えば、パチンコ機10に不具合が発生したり不正が施されたりすることによってベース(通常モード中)の値が異常値になった場合に、過去のどのタイミングで不具合等が発生したのかを予測することが可能となる。
なお、本態様では、計測した排出通路通過個数NOUTが60000個に達する毎に区間を分け、区間毎にベース(通常モード中)を算出して記憶し、区間毎に記憶したベース(通常モード中)を所定時間毎(例えば5秒毎)に切り替えて情報表示部45zに表示させる構成としたが、この構成に代えて、RTC96を設け、日付が変わる毎に区間を分け、日付毎に区分けされた区間毎にベース(通常モード中)を算出して記憶し、日付毎(区間毎)に記憶したベース(通常モード中)を所定時間毎(例えば5秒毎)に切り替えて情報表示部45zに表示させる構成としてもよい。具体的には、例えば、「bL」は当日の区間、「b1」は1日前の区間、「b2」は2日前の区間、「b3」は3日前の区間、「b4」は4日前の区間、「b5」は5日前の区間、「b6」は6日前の区間として定義する。
このような構成によれば、遊技機の検査者又は管理者は、情報表示部45zの表示を確認することによって、日付毎に区切られた各区間毎のベース(通常モード中)を比較することが可能となる。この結果、例えば、パチンコ機10に不具合が発生したり不正が施されたりすることによってベース(通常モード中)の値が異常値になった場合に、不具合等が発生した日付を予測することが可能となる。
また、各入球部への入球個数情報等の遊技履歴基礎情報及びベース(通常モード中)等の遊技履歴情報が主側RAM64に記憶されており、RAMクリアボタンを押下した状態でパチンコ機10の電源をONにすることによって実行されるRAMクリア処理によって、遊技履歴基礎情報及び遊技履歴情報が消去される(クリアされる)構成において、遊技履歴基礎情報及び遊技履歴情報が消去された後、計測された排出通路通過個数NOUTが所定の個数(例えば300個)に達するまでは、遊技履歴情報を情報表示部45zに表示させる際に、遊技履歴情報の種別情報は表示させるが、遊技履歴情報の数値情報は表示させない構成としてもよい。
具体的には、例えば、遊技履歴情報としてベース(通常モード中)を算出して記憶し、記憶したベース(通常モード中)を情報表示部45zに表示させる構成において、RAMクリア処理によって遊技履歴基礎情報及び遊技履歴情報が消去された後、計測された排出通路通過個数NOUTが300個に達するまでは、情報表示部45zの種別情報表示エリアに「bL.」を表示させ、数値情報表示エリアに「--(2個のハイフン)」を表示させる構成としてもよい。
このような構成によれば、遊技機の検査者又は管理者は、情報表示部45zに「bL.--」が表示されている場合には、遊技履歴基礎情報及び遊技履歴情報が消去された後、又はメーカーの工場から当該パチンコ機10が出荷された後に計測された排出通路通過個数NOUTが300個に達していないと認識することができる。また、例えば、メーカーがパチンコ機10を出荷する際には、数個の遊技球を各入球部に入球させたりして動作をチェックする場合がある。この場合には、正当に遊技を行なった場合ではない状況において各入球部に入球した遊技球の個数が計測されてしまうので、例えば、最初に計測された排出通路通過個数NOUTが300個に達するまでは、遊技履歴基礎情報及び遊技履歴情報に、メーカーによるチェックの影響が大きく出てしまう可能性がある。そこで、本態様の構成によれば、計測された排出通路通過個数NOUTが300個に達するまでは、情報表示部45zに「bL.--」を表示させて、ベース(通常モード中)の数値情報は表示させないので、管理者が、メーカーによるチェックの影響を大きく受けた数値を確認し、パチンコ機10に不具合等が発生してしまったのではないかといった誤解をしてしまうことを抑制することができる。
<態様94>
上記各態様のうち、複数の区間毎に遊技履歴情報を算出する構成において、区間に対応する遊技履歴基礎情報が上限まで記憶されて遊技履歴情報を算出して記憶した後は、当該区間の遊技履歴情報の算出の基礎となった遊技履歴基礎情報は消去する構成としてもよい。具体的には、例えば、計測中の排出通路通過個数NOUTが60000個に達して遊技履歴情報を算出して記憶した後は、当該遊技履歴情報の算出の基礎となった遊技履歴基礎情報は消去する構成としてもよい。このような構成によれば、遊技履歴基礎情報を記憶するために必要となる記憶容量を低減することができる。
<態様95>
上記各態様のうち、複数の区間のそれぞれに対応した複数のベース(通常モード中)を情報表示部45zが切り替えて順次表示する構成において、当該切り替えの際に、所定時間、情報表示部45zを構成する7セグメント表示器の全ての発光部(セグメント発光部A~H及びDP発光部)を所定時間消灯させる構成としてもよい。以下、本態様の構成について具体的に説明する。
図58は、情報表示部45zの表示態様の変化の一例を示すタイムチャートである。この図58には、「bL」、「b1」、「b2」の3つの区間のベース(通常モード中)が算出されて主側RAM64に記憶されており、これら3つの区間のベース(通常モード中)が情報表示部45zによって切り替えて表示される例が示されている。
本態様では、情報表示部45zは、過去の区間に遡る順序でベース(通常モード中)を循環させて繰り返し表示する。より具体的には、直近の区間に対応した計測中のベース(通常モード中)である「bL」を所定の表示継続時間(例えば5000ms)が経過するまで表示した後、1つ前の区間に遡る順序でベース(通常モード中)を順次表示し、主側RAM64に記憶されている区間のうちの最も過去の区間に対応するベース(通常モード中)を表示した後は、再び直近の計測中の区間に対応したベース(通常モード中)である「bL」を表示する。
さらに、本態様では、情報表示部45zは、複数の区間のうちの一の区間に対応したベース(通常モード中)の表示を開始して当該ベース(通常モード中)の表示継続時間(例えば5000ms)が経過した際には、当該情報表示部45zを構成する7セグメント表示器の全ての発光部(セグメント発光部A~H及びDP発光部)を所定時間(例えば300ms)消灯させた後に、1つ前の区間に対応したベース(通常モード中)の表示を開始する。すなわち、本態様では、一の区間に対応したベース(通常モード中)の表示を他の区間に対応したベース(通常モード中)の表示に切り替える際に、情報表示部45zを構成する7セグメント表示器の全ての発光部(セグメント発光部A~H及びDP発光部)を所定時間(例えば300ms)消灯させる。
図58に示した例では、情報表示部45zは、現在計測中の区間に対応する計測中のベース(通常モード中)である「bL」を「bL.31」といった表示態様で5000ms継続して点灯表示し、その後、全ての発光部を300ms消灯する。その後、1つ前の区間に対応する計測済みのベース(通常モード中)である「b1」を「b1.30」といった表示態様で5000ms継続して点灯表示し、その後、全ての発光部を300ms消灯する。その後、さらに1つ前の区間に対応する計測済みのベース(通常モード中)である「b2」を「b2.31」といった表示態様で5000ms継続して点灯表示し、その後、全ての発光部を300ms消灯する。その後、再び、現在計測中の区間に対応する計測中のベース(通常モード中)である「bL」を「bL.31」といった表示態様で5000ms継続して点灯表示する。このように、情報表示部45zは、300msの全消灯状態を挟みながら、主側RAM64に記憶されている各区間のベース(通常モード中)を循環させて繰り返し表示する。
次に、計測中の排出通路通過個数NOUTが60000個に達した場合について説明する。
図59は、計測中の排出通路通過個数NOUTが60000個に達した場合における情報表示部45zの表示態様の変化の一例を示すタイムチャートである。この図59には、「bL」、「b1」、「b2」の3つの区間のベース(通常モード中)が算出されて主側RAM64に記憶されており、情報表示部45zが「b1」を表示中に、計測中の排出通路通過個数NOUTが60000個に達した例が示されている。
本態様では、いずれかの区間に対応するベース(通常モード中)を表示中に、現在計測中の区間における排出通路通過個数NOUTが60000個に達した場合には、情報表示部45zは、表示中のベース(通常モード中)の表示継続時間(5000ms)が経過する前であっても、当該表示中のベース(通常モード中)の表示を終了する。そして、計測中の区間における排出通路通過個数NOUTが60000個に達したことに対応した表示態様による表示を開始し、当該表示態様を所定時間(例えば2000ms)継続する。本態様では、計測中の区間における排出通路通過個数NOUTが60000個に達したことに対応した表示態様として、4個のハイフンが点灯した表示態様を採用している。そして、4個のハイフンを点灯させている所定期間(例えば2000ms)が経過するまでの期間に、主制御装置60の主側CPU62xは、現在計測中の区間に対応するベース(通常モード中)である「bL」としての最終値を算出する処理と、各区間に対応したベース(通常モード中)を1つずつ過去の区間にシフトさせる処理とを実行した上で、新たな「bL」を算出するための現在の区間における各入球口への遊技球の入球個数の計測、及び「bL」の現在の値を算出する処理を開始する。
図59に示した例では、「b1」を表示中であって当該「b1」の表示継続時間である5000msが経過する前のタイミングで、計測中の区間における排出通路通過個数NOUTが60000個に達したため、情報表示部45zは、当該「b1」の表示を終了し、4個のハイフンが点灯した表示態様による表示を開始し、当該表示態様を2000ms継続する。
その後、本態様では、4個のハイフンを点灯させる表示態様を開始してから所定時間(例えば2000ms)が経過したことに基づいて、新たに計測を開始した「bL」から循環表示を開始する。すなわち、4個のハイフンを点灯させる表示態様による表示を終了した後は、表示が中断されたベース(通常モード中)の区間に関わらず、新たに計測を開始した「bL」から表示を再開する。
なお、本態様において、情報表示部45zを構成する全ての発光部を消灯させる表示態様を開始してから300msが経過する前のタイミングで、計測中の区間における排出通路通過個数NOUTが60000個に達した場合には、情報表示部45zは、当該全ての発光部を消灯させる表示態様を終了し、上述した4個のハイフンが点灯した表示態様に移行する。
以上説明したように、本態様では、情報表示部45zは、複数の区間のうちの一の区間に対応したベース(通常モード中)を表示する表示態様(例えば「bL」を表示する表示態様)から、いずれのベース(通常モード中)も表示しない表示態様(例えば全てのセグメント発光部を消灯させた表示態様)に移行した後、他の区間に対応したベース(通常モード中)を表示する表示態様(例えば「b1」を表示する表示態様)に移行する。したがって、本態様によれば、当該パチンコ機10の管理者又は検査者に対して、情報表示部45zに表示されているベース(通常モード中)が他の区間に対応したベース(通常モード中)に切り替わったことを明確に認識させることができる。この結果、管理者等が、表示されているベース(通常モード中)の区間が切り替わったことに気付かずに、表示中のベース(通常モード中)の区間を誤って認識してしまうことを抑制することができる。特に、本態様では、ベース(通常モード中)の区間が異なっていても、ベース(通常モード中)の数値自体は同じになっている状況があり、この状況において表示中のベース(通常モード中)の区間が切り替わった場合には、ベース(通常モード中)の区間を示す2文字目(例えば、L、1、2等)の表示のみが変化することになる。仮に、一の区間に対応したベース(通常モード中)を表示する表示態様から他の区間に対応したベース(通常モード中)を表示する表示態様に直接移行する構成とすると、管理者等は、表示中のベース(通常モード中)の区間が切り替わったことに気付くのが困難となる。これに対して、本態様では、一の区間に対応したベース(通常モード中)を表示する表示態様から他の区間に対応したベース(通常モード中)を表示する表示態様に移行する前に、いずれのベース(通常モード中)も表示しない表示態様(例えば全てのセグメント発光部を消灯させた表示態様)に移行するので、切り替わり前後のベース(通常モード中)の数値自体が同じであっても、管理者等に対して、情報表示部45zに表示されているベース(通常モード中)が他の区間に対応したベース(通常モード中)に切り替わったことを明確に認識させることができる。
また、本態様では、一の区間に対応したベース(通常モード中)を表示する表示態様から、他の区間に対応したベース(通常モード中)を表示する表示態様に移行する場合の移行態様は、全ての発光部を300ms消灯させる移行態様である。一方、計測中の区間における排出通路通過個数NOUTが60000個に達したことに基づいて表示態様を移行する場合の移行態様は、4個のハイフンを2000ms点灯させる移行態様である。すなわち、本態様では、一の区間に対応したベース(通常モード中)を表示する表示態様から他の区間に対応したベース(通常モード中)を表示する表示態様に移行する場合の移行態様と、計測中の区間における排出通路通過個数NOUTが60000個に達したことに基づいて表示態様を移行する場合の移行態様とが異なっている。したがって、本態様によれば、当該パチンコ機10の管理者又は検査者は、移行態様の違いを認識することによって、他の区間に対応したベース(通常モード中)を表示する表示態様に移行するのか、それとも、計測中の区間における排出通路通過個数NOUTが60000個に達したことに基づいて表示態様が移行するのかを明確に区別して認識することができる。この結果、例えば、管理者等が、計測中の区間における排出通路通過個数NOUTが60000個に達したことによって各区間のベース(通常モード中)が1つずつ過去の区間にシフトしたことに気付かずにベース(通常モード中)の確認作業を継続してしまうことを抑制することができる。
また、本態様では、ベース(通常モード中)を表示中に、計測中の区間における排出通路通過個数NOUTが60000個に達した場合には、表示中のベース(通常モード中)の表示継続時間が経過する前であっても、当該計測中の区間における排出通路通過個数NOUTが60000個に達したことに対応した表示態様(4個のハイフンを点灯させる表示態様)に移行する。したがって、本態様によれば、当該パチンコ機10の管理者又は検査者に対して、当該計測中の区間における排出通路通過個数NOUTが60000個に達したことを早期に認識させることができる。また、本態様によれば、当該計測中の区間における排出通路通過個数NOUTが60000個に達したことによるシフト後の各区間のベース(通常モード中)を早期に表示することが可能となるので、管理者等は、当該計測中の区間における排出通路通過個数NOUTが60000個に達したことによるシフト後の各区間毎のベース(通常モード中)を早期に確認することができるので、パチンコ機10に対する検査の効率を向上させることができる。
また、本態様では、計測中の区間における排出通路通過個数NOUTが60000個に達した場合には、当該計測中の区間における排出通路通過個数NOUTが60000個に達したことに対応した表示態様(4個のハイフンを点灯させる表示態様)を所定時間(本態様では2000ms)継続するので、当該所定時間が経過するまでの期間を利用して、主側CPU62xが「bL」としての最終値を算出する処理及び各区間に対応したベース(通常モード中)を1つずつ過去の区間にシフトさせる処理を実行するための時間を確保することができる。また、「bL」としての最終値を算出した後に、当該「bL」の算出の基礎となった遊技履歴基礎情報を消去する構成とすれば、遊技履歴基礎情報を記憶するために必要となる記憶容量を低減することができる。
また、本態様では、複数の区間のそれぞれに対応した複数のベース(通常モード中)を、1つ前の区間に遡るといった所定の順序に従って順次切り替えて表示しており、計測中の区間における排出通路通過個数NOUTが60000個に達した場合には、所定の順序に従って次に表示すべきベース(通常モード中)の区間がどの区間であるのかに関わらず、新たに計測を開始した直近の区間に対応したベース(通常モード中)である「bL」から表示を開始する。したがって、本態様によれば、当該パチンコ機10の管理者又は検査者は、計測中の区間における排出通路通過個数NOUTが60000個に達したことを認識することができるとともに、「bL」から優先的に確認することが可能となる。
なお、本態様では、複数の区間のうちの一の区間に対応したベース(通常モード中)を表示する表示態様と他の区間に対応したベース(通常モード中)を表示する表示態様との間における表示態様として、全てのセグメント発光部を消灯させる表示態様を採用したが、いずれの区間のベース(通常モード中)も表示しない表示態様であれば、他の表示態様を採用してもよい。例えば、4個のハイフンを点灯させる表示態様や、4個のハイフンを点滅させる表示態様を採用してもよい。このような構成によれば、当該パチンコ機10の管理者又は検査者に対して、情報表示部45zに表示されているベース(通常モード中)が他の区間に対応したベース(通常モード中)に切り替わったことをさらに明確に認識させることができる。
また、本態様では、計測中の区間における排出通路通過個数NOUTが60000個に達したことに対応した表示態様として、4個のハイフンを点灯させる表示態様を採用したが、他の表示態様を採用してもよい。例えば、計測中の区間における排出通路通過個数NOUTが60000個に達したことに対応した表示態様として、4個のハイフンを点滅させる表示態様を採用してもよい。また、例えば、計測中の区間における排出通路通過個数NOUTが60000個に達したことに対応した表示態様として、情報表示部45zを構成する7セグメント表示器の全ての発光部(セグメント発光部A~H及びDP発光部)を消灯させる表示態様を採用してもよい。
また、本態様では、計測中の区間における排出通路通過個数NOUTが60000個に達したことに基づいて表示態様を移行する場合の移行態様として、4個のハイフンを2000ms点灯させる移行態様を採用したが、他の移行態様を採用してもよい。例えば、計測中の区間における排出通路通過個数NOUTが60000個に達したことに基づいて表示態様を移行する場合の移行態様として、情報表示部45zを構成する7セグメント表示器の全ての発光部(セグメント発光部A~H及びDP発光部)を300ms消灯させる移行態様を採用してもよい。このような構成によれば、一の区間に対応したベース(通常モード中)を表示する表示態様から他の区間に対応したベース(通常モード中)を表示する表示態様に移行する場合の移行態様と、計測中の区間における排出通路通過個数NOUTが60000個に達したことに基づいて表示態様が移行する場合の移行態様とを同じにすることができるので、管理者等に対して違和感を与えることなく表示態様を移行させることができる。
また、本態様では、遊技履歴情報としてベース(通常モード中)を表示する構成としたが、表示する遊技履歴情報はベース(通常モード中)に限られず、第1実施形態に示した種々の遊技履歴情報(例えば役物比率や連続役物比率等)を表示する構成としてもよい。
また、本態様では、排出通路通過個数NOUTが60000個に達したことに基づいて区間を分ける構成としたが、他の所定の条件が満たされたことに基づいて区間を分ける構成としてもよい。例えば、排出通路通過個数NOUTが10000個に達したことに基づいて区間を分ける構成としてもよく、また、日付が変わったことに基づいて区間を分ける構成としてもよい。
<態様96>
上記態様95では、いずれかの区間に対応するベース(通常モード中)を表示中に、現在計測中の区間における排出通路通過個数NOUTが60000個に達した場合には、情報表示部45zは、表示中のベース(通常モード中)の表示継続時間(5000ms)が経過する前であっても、当該表示中のベース(通常モード中)の表示を終了し、計測中の区間における排出通路通過個数NOUTが60000個に達したことに対応した表示態様による表示を開始する構成としたが、この構成に代えて、いずれかの区間に対応するベース(通常モード中)を表示中に、現在計測中の区間における排出通路通過個数NOUTが60000個に達した場合には、情報表示部45zは、表示中のベース(通常モード中)の表示継続時間(5000ms)が経過した後に、計測中の区間における排出通路通過個数NOUTが60000個に達したことに対応した表示態様による表示を開始する構成としてもよい。以下、本態様の構成について具体的に説明する。
図60は、計測中の排出通路通過個数NOUTが60000個に達した場合における情報表示部45zの表示態様の変化の一例を示すタイムチャートである。この図60には、「bL」、「b1」、「b2」の3つの区間のベース(通常モード中)が算出されて主側RAM64に記憶されており、情報表示部45zが「b1」を表示中に、計測中の排出通路通過個数NOUTが60000個に達した例が示されている。
上述したように、本態様では、いずれかの区間に対応するベース(通常モード中)を表示中に、現在計測中の区間における排出通路通過個数NOUTが60000個に達した場合には、情報表示部45zは、表示中のベース(通常モード中)の表示継続時間(5000ms)が経過した後に、計測中の区間における排出通路通過個数NOUTが60000個に達したことに対応した表示態様による表示を開始する。本態様では、計測中の区間における排出通路通過個数NOUTが60000個に達したことに対応した表示態様として、4個のハイフンが点灯した表示態様を採用している。
図60に示した例では、「b1」を表示中であって当該「b1」の表示継続時間である5000msが経過する前のタイミングで、計測中の区間における排出通路通過個数NOUTが60000個に達しており、情報表示部45zは、当該「b1」の表示継続時間(5000ms)が経過した後に、4個のハイフンが点灯した表示態様による表示を開始し、当該表示態様を2000ms継続する。その後、上述した態様95と同様に、新たに計測を開始した「bL」から循環表示を開始する。
なお、本態様において、情報表示部45zを構成する全ての発光部を消灯させる表示態様を開始してから300msが経過する前のタイミングで、計測中の区間における排出通路通過個数NOUTが60000個に達した場合には、情報表示部45zは、当該全ての発光部を消灯させる表示態様を開始してから300msが経過した後に、上述した4個のハイフンが点灯した表示態様に移行する。
以上説明したように、本態様では、ベース(通常モード中)の表示中に、計測中の区間における排出通路通過個数NOUTが60000個に達した場合であっても、当該表示中のベース(通常モード中)の表示継続時間が経過するまでは当該ベース(通常モード中)の表示が継続されるので、例えば、当該パチンコ機10の管理者又は検査者が、表示中のベース(通常モード中)を確認して検査表に転記しようとしたタイミングで当該ベース(通常モード中)の表示が終了してしまい、当該ベース(通常モード中)を検査表に転記することができなかったといった状況の発生を抑制することができる。
<態様97>
上記態様93において説明した、電源投入時に情報表示部45zを構成する全ての発光部(セグメント発光部A~G及びDP発光部)を所定時間(例えば3秒間)点灯させ、その後、所定時間(例えば2秒間)同期して点滅させる構成を実現するための処理フローとして、以下の処理フローを採用してもよい。以下、具体的に説明する。
図61及び図62は、第1実施形態の態様97の主側MPU62(主側CPU62x)が電源ON時に実行するメイン処理を示すフローチャートである。図51に示したメイン処理との主な相違点は、復電処理の実行後に、情報表示部45zを構成する全ての発光部を点灯、点滅させる処理(点灯点滅処理)を実行する点である。
ステップS11801では、電源投入に伴う初期設定処理を実行する。具体的には、主側CPU62xのスタックポインタに予め決められた所定値を設定すると共に、サブ側の制御装置(音声発光制御装置90、表示制御装置100、払出制御装置70等)が動作可能な状態になるのを待つために例えば1秒程度、ウェイト処理を実行する。そして、主側RAM64へのアクセスを許可する。その後、ステップS11802に進み、内部機能レジスタの設定処理を実行する。その後、ステップS11803に進み、当該パチンコ機10に電源が投入されて起動したことを報知するための処理を実行する。具体的には、当該パチンコ機10が起動したことを示す起動コマンドを音声発光制御装置90に送信する。音声発光制御装置90は、起動コマンドを受信すると、当該パチンコ機10が起動したことを報知する処理を実行する。具体的には、例えば、「起動中です」といった音声や所定の警報音をスピーカー46から出力させる。ステップS11803を実行した後、ステップS11804に進む。
ステップS11804では、復電フラグがONであるか否かを判定する。
ここで復電フラグについて説明する。本態様では、パチンコ機10の電源スイッチがOFFにされた場合や停電が発生した場合には、主側CPU62xのレジスタに格納されている各種情報(遊技状態を示す情報や制御情報等)を主側RAM64の所定の領域に退避させる。そして、これらの情報の主側RAM64への退避が完了した場合に、復電フラグをONにするとともに、RAM判定値(例えばチェックサム値)を算出し、算出したRAM判定値を主側RAM64に記憶する。なお、商用電源からの電源の供給が断たれた後は、コンデンサ等のバックアップ電源からの電源供給に切り替わる。このように、復電フラグは、前回の電源OFF時の状態に復帰させるための情報が主側RAM64に記憶されているか否かを電源投入時に識別するためのフラグである。
ステップS11804において、復電フラグがONであると判定した場合には(ステップS11804:YES)、ステップS11805に進み、主側RAM64のRAM判定値を算出する。本態様では、RAM判定値として、主側RAM64のチェックサム値を算出する。その後、ステップS11806に進み、算出したRAM判定値(チェックサム値)が正常であるか否か、すなわち、算出したRAM判定値(チェックサム値)と主側RAM64に記憶されているRAM判定値(チェックサム値)とが一致するか否かを判定する。ステップS11806において、RAM判定値が正常であると判定した場合には(ステップS11806:YES)、後述するステップS11808に進む。
一方、上述したステップS11804において復電フラグがONではないと判定した場合(ステップS11804:NO)、及び、上述したステップS11806においてRAM判定値が正常ではないと判定した場合には(ステップS11806:NO)、ステップS11807に進み、RAM異常フラグをONにする。すなわち、RAM異常フラグは、復電フラグがOFFである場合又は復電フラグはONであるがRAM判定値が正常ではない場合にONになるフラグであり、主側RAM64に記憶されている情報が正常ではない状態であることを示すフラグである。ステップS11807を実行した後、ステップS11808に進む。
ステップS11808では、RAMクリアボタンがONであるか否かを判定する。ステップS11808において、RAMクリアボタンがONではないと判定した場合には(ステップS11808:NO)、ステップS11809に進み、設定用の鍵、枠開放スイッチ及び扉開放スイッチの全てがONであるか否かを判定する。なお、枠開放スイッチは、内枠13が外枠11に対して開放状態であるときにONとなるスイッチであり、扉開放スイッチは、前扉枠14が内枠13に対して開放状態であるときにONとなるスイッチである。
ステップS11809において、設定用の鍵、枠開放スイッチ及び扉開放スイッチの少なくとも1つがONではないと判定した場合には(ステップS11809:NO)、ステップS11810に進み、RAM異常フラグがONであるか否かを判定する。
ステップS11810において、RAM異常フラグがONではないと判定した場合には(ステップS11810:NO)、ステップS11811に進み、前回の電源OFF時の状態に復帰させる復電処理を実行する。具体的には、復電処理では、主側RAM64に保存されたスタックポインタの値を主側CPU62xのスタックポインタに書き込み、主側RAM64に退避されたデータを主側CPU62xのレジスタに復帰させることによって、主側CPU62xのレジスタの状態を電源が遮断される前の状態に復帰させる。ステップS11811を実行した後、ステップS11812に進み、主側RAM64の復電フラグをOFFにする。その後、ステップS11812-2に進み、情報表示部45zを構成する全ての発光部(セグメント発光部A~G及びDP発光部)を点灯、点滅させる処理である点灯点滅処理を実行する。点灯点滅処理では、情報表示部45zを構成する全ての発光部を所定時間(例えば3秒間)点灯させ、その後、所定時間(例えば2秒間)同期して点滅させる。ステップS11812-2を実行した後、後述するステップS11829(図62)の処理に進む。
一方、ステップS11810において、RAM異常フラグがONであると判定した場合には(ステップS11810:YES)、ステップS11813に進み、RAM異常報知処理を実行する。RAM異常報知処理では、主側RAM64が異常であることを示すコマンドであるRAM異常コマンドを音声発光制御装置90に送信する。音声発光制御装置90は、RAM異常コマンドを受信すると、RAMが異常であることを示す音声をスピーカー46から出力させる。具体的には、例えば、「RAM異常です。設定変更モードで起動して下さい。」といった音声をスピーカー46から繰り返し出力させる。ステップS11813を実行した後、後述するステップS11829(図62)の処理へ移行する。
一方、上述したステップS11809において、設定用の鍵、枠開放スイッチ及び扉開放スイッチの全てがONであると判定した場合には(ステップS11809:YES)、ステップS11814に進み、RAM異常フラグがONであるか否かを判定する。
ステップS11814において、RAM異常フラグがONではないと判定した場合には(ステップS11814:NO)、ステップS11815に進み、設定確認処理を実行する。設定確認処理(設定確認モード)では、情報表示部45zに現在の抽選設定の設定情報を表示させる処理を実行する。すなわち、設定確認モードは、管理者等が当該パチンコ機10の現在の抽選設定の設定情報を確認することが可能なモードである。設定確認処理(設定確認モード)の詳細は、図53に示した設定確認処理と同じであるため、説明を省略する。ステップS11815を実行した後、ステップS11816に進み、上述した復電処理を実行して前回の電源OFF時の状態に復帰させる。その後、ステップS11817に進み、復電フラグをOFFにする。その後、ステップS11817-2に進み、上述した点灯点滅処理を実行する。ステップS11817-2を実行した後、後述するステップS11829(図62)の処理へ移行する。
一方、ステップS11814において、RAM異常フラグがONであると判定した場合には(ステップS11814:YES)、ステップS11818に進み、RAM異常報知処理を実行する。RAM異常報知処理では、主側RAM64が異常であることを示すコマンドであるRAM異常コマンドを音声発光制御装置90に送信する。音声発光制御装置90は、RAM異常コマンドを受信すると、RAMが異常であることを示す音声をスピーカー46から出力させる。具体的には、例えば、「RAM異常です。設定変更モードで起動して下さい。」といった音声をスピーカー46から繰り返し出力させる。ステップS11818を実行した後、後述するステップS11829(図62)の処理に進む。
上述したステップS11808において、RAMクリアボタンがONであると判定した場合には(ステップS11808:YES)、ステップS11819に進み、設定用の鍵、枠開放スイッチ及び扉開放スイッチの全てがONであるか否かを判定する。
ステップS11819において、設定用の鍵、枠開放スイッチ及び扉開放スイッチの少なくとも1つがONではないと判定した場合には(ステップS11819:NO)、ステップS11820に進み、上述したRAM異常フラグがONであるか否かを判定する。ステップS11820において、RAM異常フラグがONではないと判定した場合には(ステップS11820:NO)、ステップS11821に進む。
ステップS11821では、第1RAMクリア処理を実行する。第1RAMクリア処理は、主側RAM64に記憶されている情報のうち、抽選設定の設定情報を除いて消去する(0クリアする)処理である。すなわち、第1RAMクリア処理が実行されると、遊技状態を示す各種フラグ情報や各種の制御情報等は消去されるが、抽選設定の設定情報は消去されず、設定情報はそのまま維持される。また、本態様では、第1RAMクリア処理では、第1RAMクリア処理を実行したことを示すコマンドである第1RAMクリア処理実行コマンドを音声発光制御装置90に送信する。音声発光制御装置90は、第1RAMクリア処理実行コマンドを受信すると、第1RAMクリア処理を実行したことを示す音声をスピーカー46から出力させる。具体的には、例えば、「RAMをクリアしました。」といった音声をスピーカー46から出力させる。ステップS11821を実行した後、後述するステップS11829(図62)の処理に進む。
一方、ステップS11820において、RAM異常フラグがONであると判定した場合には(ステップS11820:YES)、ステップS11822に進み、RAM異常報知処理を実行する。RAM異常報知処理では、主側RAM64が異常であることを示すコマンドであるRAM異常コマンドを音声発光制御装置90に送信する。音声発光制御装置90は、RAM異常コマンドを受信すると、RAMが異常であることを示す音声をスピーカー46から出力させる。具体的には、例えば、「RAM異常です。設定変更モードで起動して下さい。」といった音声をスピーカー46から繰り返し出力させる。ステップS11822を実行した後、後述するステップS11829(図62)の処理に進む。
上述したステップS11819において、設定用の鍵、枠開放スイッチ及び扉開放スイッチの全てがONであると判定した場合には(ステップS11819:YES)、ステップS11823に進み、RAM異常フラグがONであるか否かを判定する。
ステップS11823において、RAM異常フラグがONではないと判定した場合には(ステップS11823:NO)、ステップS11824に進み、上述した第1RAMクリア処理を実行する。その後、ステップS11825に進み、設定変更処理を実行する。設定変更処理(設定変更モード)では、情報表示部45zに抽選設定の設定情報を表示させる処理を実行するとともに、抽選設定の設定情報の変更を受け付ける処理を実行する。すなわち、設定変更モードは、管理者等が当該パチンコ機10の抽選設定の設定情報を変更することが可能なモードである。設定変更処理(設定変更モード)の詳細は、図52に示した設定変更処理と同じであるため、説明を省略する。ステップS11825を実行した後、後述するステップS11829(図62)の処理に進む。
一方、ステップS11823において、RAM異常フラグがONであると判定した場合には(ステップS11823:YES)、ステップS11826に進み、RAM異常報知処理を実行する。RAM異常報知処理では、主側RAM64が異常であることを示すコマンドであるRAM異常コマンドを音声発光制御装置90に送信する。音声発光制御装置90は、RAM異常コマンドを受信すると、RAMが異常であることを示す音声をスピーカー46から出力させる。具体的には、例えば、「RAM異常です。」といった音声をスピーカー46から出力させる。ステップS11826を実行した後、ステップS11827に進む。
ステップS11827では、第2RAMクリア処理を実行する。第2RAMクリア処理は、主側RAM64に記憶されている情報のうち、抽選設定の設定情報を含む全ての情報を消去する(0クリアする)処理である。すなわち、第2RAMクリア処理が実行されると、遊技状態を示す各種フラグ情報や各種の制御情報等に加えて、抽選設定の設定情報も消去される。ここで、RAM異常フラグがONである場合には、第1RAMクリア処理ではなく、設定情報も消去する第2RAMクリア処理を実行する理由について説明する。RAM異常フラグがONである場合には、主側RAM64に記憶されている設定情報も正常でない可能性があり、例えば、ノイズ等によって管理者の意図しない設定情報に書き換わっていたり、設定情報としては所定の範囲内の数値(例えば1から6までの数値)しか取り得ないにも関わらず、所定の範囲以外の数値が記憶されていたりする可能性があるためである。なお、本態様の第2RAMクリア処理では、設定情報が消去された後、設定情報の初期値として「1」が格納される。また、第2RAMクリア処理によって、RAM異常フラグもOFFとなる。その後、ステップS11828に進み、設定変更処理を実行する。設定変更処理(設定変更モード)の詳細は、図52に示した設定変更処理と同じであるため、説明を省略する。ステップS11828を実行した後、後述するステップS11829(図62)の処理に進む。
図62に示すステップS11829以降の処理においては、RAM異常フラグがONではない場合には、タイマ割込み処理の割込み許可設定、割込み禁止設定、各種乱数更新処理、停電監視処理(電源監視処理)が実行され、上述したタイマ割込み処理(図27)も実行される。すなわち、RAM異常フラグがONではない場合には、遊技の進行が可能な遊技進行モードに移行する。一方、RAM異常フラグがONである場合には、各種乱数更新処理、停電監視処理は実行されるが、タイマ割込み処理の割込み許可設定は実行されないので、上述したタイマ割込み処理(図27)は実行されない。すなわち、RAM異常フラグがONである場合には、遊技の進行が可能な遊技進行モードには移行しない。この状態の場合には、管理者は、当該パチンコ機10の電源を一旦OFFにし、設定用の鍵を設定用の鍵穴に挿入してON側に回し、RAMクリアボタンを押下したまま電源をONにして当該パチンコ機10を設定変更モードで起動させればよい。以下、ステップS11829以降の処理を具体的に説明する。
図62に示すステップS11829では、RAM異常フラグがONであるか否かを判定する。ステップS11829において、RAM異常フラグがONではないと判定した場合には(ステップS11829:NO)、ステップS11830に進み、タイマ割込み処理の発生を許可する割込み許可設定を実行する。その後、ステップS11831に進み、タイマ割込み処理の発生を禁止する割込み禁止設定を実行する。その後、後述するステップS11832に進む。一方、ステップS11829において、RAM異常フラグがONであると判定した場合には(ステップS11829:YES)、ステップS11830及びステップS11831の処理を実行せずに、ステップS11832に進む。
ステップS11832では、各種乱数更新処理を実行する。各種乱数更新処理では、主側RAM64における各カウンタから現状の数値情報を読み出し、その読み出した数値情報に1を加算する処理を実行した後に、読み出し元のカウンタに加算後の数値情報を上書きする処理を実行する。なお、読み出した数値情報が当該カウンタの最大値である場合には、読み出し元のカウンタに0を上書きする処理を実行する。ステップS11832を実行した後、ステップS11833に進む。
ステップS11833では、停電監視処理を実行する。停電監視処理では、電源装置85から主制御装置60に供給される駆動電圧を監視しており、当該駆動電圧が所定値(例えば10ボルト)を下回ったと判定した場合には、パチンコ機10の電源スイッチがOFFにされた又は停電が発生したと判断して、主側CPU62xのレジスタに格納されている各種情報(遊技状態を示す情報や制御情報等)を主側RAM64の所定の領域に退避させる。そして、これらの情報の主側RAM64への退避が完了した場合に、復電フラグをONにするとともに、RAM判定値(例えばチェックサム値)を算出し、算出したRAM判定値を主側RAM64に記憶する。その後、後述するステップS11834には進まずに、供給される駆動電圧が低下して動作不能となるまで無限ループ処理を繰り返す。なお、本態様の電源装置85は、主制御装置60に供給される駆動電圧が所定値を下回るまで低下した場合であっても、主制御装置60などの制御系において駆動電圧として使用される5ボルトの安定化電圧が出力されるように構成されている。この安定化電圧が出力される時間としては、上述したRAM判定値を主側RAM64に記憶するまでの処理を実行するに十分な時間が確保されている。
一方、ステップS11833の停電監視処理において、電源装置85から主制御装置60に供給される駆動電圧が所定値を下回っていないと判定した場合には、そのままステップS11834に進む。
ステップS11834では、RAM異常フラグがONであるか否かを判定する。ステップS11834において、RAM異常フラグがONではないと判定した場合には(ステップS11834:NO)、上述したステップS11835に進み、タイマ割込み処理の発生を許可する割込み許可設定を実行する。その後、上述したステップS11831に戻り、タイマ割込み処理の発生を禁止する割込み禁止設定を実行する。一方、ステップS11834において、RAM異常フラグがONであると判定した場合には(ステップS11834:YES)、割込み許可設定を実行するステップS11835には進まず、各種乱数更新処理を実行するステップS11832に戻る。
以上説明したように、本態様によれば、上述した点灯点滅処理が実行されるので、情報表示部45zを構成する複数の発光部の中に、断線等の不具合によって点灯しない発光部が存在していないかを検査することができるとともに、不具合によって常時点灯状態となって消灯しない発光部が存在していないかを検査することができる。例えば、仮に、右中7セグメント表示器45z3のセグメント発光部G及びセグメント発光部Dが不具合によって点灯しない場合には、右中7セグメント表示器45z3に「3」を表示させる制御が実行されている場合であっても、セグメント発光部G及びセグメント発光部Dが点灯しないことによって、右中7セグメント表示器45z3には「7」が表示されてしまうことになる。この結果、管理者は、例えば、情報表示部45zに表示される遊技履歴情報の数値情報を誤認してしまう可能性がある。これに対して、本態様の構成によれば、パチンコ機10の電源投入時に、情報表示部45zを構成する複数の発光部の中に、断線等の不具合によって点灯しない発光部が存在していないかを検査することができるとともに、不具合によって常時点灯状態となって消灯しない発光部が存在していないかを検査することができるので、このような誤認を抑制することができる。
さらに、本態様では、復電処理の実行を契機として点灯点滅処理を実行する。したがって、パチンコ機10の管理者又は検査者が、電源がONとなっているパチンコ機10の電源スイッチを一旦OFFにして再びONにすると、上述した復電処理が実行され、当該復電処理の実行を契機として点灯点滅処理が実行される。すなわち、管理者又は検査者は、電源スイッチをOFF、ONとする簡易な操作によって当該パチンコ機10に点灯点滅処理を実行させることができる。さらに、管理者又は検査者が、パチンコ機10に点灯点滅処理を実行させるために、電源スイッチをOFF、ONとする操作を行なった場合には、当該パチンコ機10において復電処理が実行されるため、当該パチンコ機10の遊技状態(高確率モードフラグの状態等)も維持される。したがって、本態様によれば、仮に当該パチンコ機10において遊技者が遊技を行なっている状況であったとしても、遊技者に不利益を与えずに点灯点滅処理を実行させることができ、管理者又は検査者は、情報表示部45zを構成する複数の発光部の中に不具合によって点灯しない発光部や消灯しない発光部が存在していないかを検査することができる。
<態様98>
上記態様93において説明した、電源投入時に情報表示部45zを構成する全ての発光部(セグメント発光部A~G及びDP発光部)を所定時間(例えば3秒間)点灯させ、その後、所定時間(例えば2秒間)同期して点滅させる構成を実現するための処理フローとして、以下の処理フローを採用してもよい。以下、具体的に説明する。
図63及び図64は、第1実施形態の態様98の主側MPU62(主側CPU62x)が電源ON時に実行するメイン処理を示すフローチャートである。図61及び図62に示したメイン処理との主な相違点は、復電処理の実行を契機として点灯点滅処理を実行するのではなく、複数に分岐した処理フローのうちのいずれの処理フローを実行した場合であっても点灯点滅処理を実行する点である。
ステップS11901では、電源投入に伴う初期設定処理を実行する。具体的には、主側CPU62xのスタックポインタに予め決められた所定値を設定すると共に、サブ側の制御装置(音声発光制御装置90、表示制御装置100、払出制御装置70等)が動作可能な状態になるのを待つために例えば1秒程度、ウェイト処理を実行する。そして、主側RAM64へのアクセスを許可する。その後、ステップS11902に進み、内部機能レジスタの設定処理を実行する。その後、ステップS11903に進み、当該パチンコ機10に電源が投入されて起動したことを報知するための処理を実行する。具体的には、当該パチンコ機10が起動したことを示す起動コマンドを音声発光制御装置90に送信する。音声発光制御装置90は、起動コマンドを受信すると、当該パチンコ機10が起動したことを報知する処理を実行する。具体的には、例えば、「起動中です」といった音声や所定の警報音をスピーカー46から出力させる。ステップS11903を実行した後、ステップS11904に進む。
ステップS11904では、復電フラグがONであるか否かを判定する。
ここで復電フラグについて説明する。本態様では、パチンコ機10の電源スイッチがOFFにされた場合や停電が発生した場合には、主側CPU62xのレジスタに格納されている各種情報(遊技状態を示す情報や制御情報等)を主側RAM64の所定の領域に退避させる。そして、これらの情報の主側RAM64への退避が完了した場合に、復電フラグをONにするとともに、RAM判定値(例えばチェックサム値)を算出し、算出したRAM判定値を主側RAM64に記憶する。なお、商用電源からの電源の供給が断たれた後は、コンデンサ等のバックアップ電源からの電源供給に切り替わる。このように、復電フラグは、前回の電源OFF時の状態に復帰させるための情報が主側RAM64に記憶されているか否かを電源投入時に識別するためのフラグである。
ステップS11904において、復電フラグがONであると判定した場合には(ステップS11904:YES)、ステップS11905に進み、主側RAM64のRAM判定値を算出する。本態様では、RAM判定値として、主側RAM64のチェックサム値を算出する。その後、ステップS11906に進み、算出したRAM判定値(チェックサム値)が正常であるか否か、すなわち、算出したRAM判定値(チェックサム値)と主側RAM64に記憶されているRAM判定値(チェックサム値)とが一致するか否かを判定する。ステップS11906において、RAM判定値が正常であると判定した場合には(ステップS11906:YES)、後述するステップS11908に進む。
一方、上述したステップS11904において復電フラグがONではないと判定した場合(ステップS11904:NO)、及び、上述したステップS11906においてRAM判定値が正常ではないと判定した場合には(ステップS11906:NO)、ステップS11907に進み、RAM異常フラグをONにする。すなわち、RAM異常フラグは、復電フラグがOFFである場合又は復電フラグはONであるがRAM判定値が正常ではない場合にONになるフラグであり、主側RAM64に記憶されている情報が正常ではない状態であることを示すフラグである。ステップS11907を実行した後、ステップS11908に進む。
ステップS11908では、RAMクリアボタンがONであるか否かを判定する。ステップS11908において、RAMクリアボタンがONではないと判定した場合には(ステップS11908:NO)、ステップS11909に進み、設定用の鍵、枠開放スイッチ及び扉開放スイッチの全てがONであるか否かを判定する。なお、枠開放スイッチは、内枠13が外枠11に対して開放状態であるときにONとなるスイッチであり、扉開放スイッチは、前扉枠14が内枠13に対して開放状態であるときにONとなるスイッチである。
ステップS11909において、設定用の鍵、枠開放スイッチ及び扉開放スイッチの少なくとも1つがONではないと判定した場合には(ステップS11909:NO)、ステップS11910に進み、RAM異常フラグがONであるか否かを判定する。
ステップS11910において、RAM異常フラグがONではないと判定した場合には(ステップS11910:NO)、ステップS11911に進み、前回の電源OFF時の状態に復帰させる復電処理を実行する。具体的には、復電処理では、主側RAM64に保存されたスタックポインタの値を主側CPU62xのスタックポインタに書き込み、主側RAM64に退避されたデータを主側CPU62xのレジスタに復帰させることによって、主側CPU62xのレジスタの状態を電源が遮断される前の状態に復帰させる。ステップS11911を実行した後、ステップS11912に進み、主側RAM64の復電フラグをOFFにする。その後、後述するステップS11928-2(図64)の処理に進む。
一方、ステップS11910において、RAM異常フラグがONであると判定した場合には(ステップS11910:YES)、ステップS11913に進み、RAM異常報知処理を実行する。RAM異常報知処理では、主側RAM64が異常であることを示すコマンドであるRAM異常コマンドを音声発光制御装置90に送信する。音声発光制御装置90は、RAM異常コマンドを受信すると、RAMが異常であることを示す音声をスピーカー46から出力させる。具体的には、例えば、「RAM異常です。設定変更モードで起動して下さい。」といった音声をスピーカー46から繰り返し出力させる。ステップS11913を実行した後、後述するステップS11928-2(図64)の処理に進む。
一方、上述したステップS11909において、設定用の鍵、枠開放スイッチ及び扉開放スイッチの全てがONであると判定した場合には(ステップS11909:YES)、ステップS11914に進み、RAM異常フラグがONであるか否かを判定する。
ステップS11914において、RAM異常フラグがONではないと判定した場合には(ステップS11914:NO)、ステップS11915に進み、設定確認処理を実行する。設定確認処理(設定確認モード)では、情報表示部45zに現在の抽選設定の設定情報を表示させる処理を実行する。すなわち、設定確認モードは、管理者等が当該パチンコ機10の現在の抽選設定の設定情報を確認することが可能なモードである。設定確認処理(設定確認モード)の詳細は、図53に示した設定確認処理と同じであるため、説明を省略する。ステップS11915を実行した後、ステップS11916に進み、上述した復電処理を実行して前回の電源OFF時の状態に復帰させる。その後、ステップS11917に進み、復電フラグをOFFにする。その後、後述するステップS11928-2(図64)の処理に進む。
一方、ステップS11914において、RAM異常フラグがONであると判定した場合には(ステップS11914:YES)、ステップS11918に進み、RAM異常報知処理を実行する。RAM異常報知処理では、主側RAM64が異常であることを示すコマンドであるRAM異常コマンドを音声発光制御装置90に送信する。音声発光制御装置90は、RAM異常コマンドを受信すると、RAMが異常であることを示す音声をスピーカー46から出力させる。具体的には、例えば、「RAM異常です。設定変更モードで起動して下さい。」といった音声をスピーカー46から繰り返し出力させる。ステップS11918を実行した後、後述するステップS11928-2(図64)の処理に進む。
上述したステップS11908において、RAMクリアボタンがONであると判定した場合には(ステップS11908:YES)、ステップS11919に進み、設定用の鍵、枠開放スイッチ及び扉開放スイッチの全てがONであるか否かを判定する。
ステップS11919において、設定用の鍵、枠開放スイッチ及び扉開放スイッチの少なくとも1つがONではないと判定した場合には(ステップS11919:NO)、ステップS11920に進み、上述したRAM異常フラグがONであるか否かを判定する。ステップS11920において、RAM異常フラグがONではないと判定した場合には(ステップS11920:NO)、ステップS11921に進む。
ステップS11921では、第1RAMクリア処理を実行する。第1RAMクリア処理は、主側RAM64に記憶されている情報のうち、抽選設定の設定情報を除いて消去する(0クリアする)処理である。すなわち、第1RAMクリア処理が実行されると、遊技状態を示す各種フラグ情報や各種の制御情報等は消去されるが、抽選設定の設定情報は消去されず、設定情報はそのまま維持される。また、本態様では、第1RAMクリア処理では、第1RAMクリア処理を実行したことを示すコマンドである第1RAMクリア処理実行コマンドを音声発光制御装置90に送信する。音声発光制御装置90は、第1RAMクリア処理実行コマンドを受信すると、第1RAMクリア処理を実行したことを示す音声をスピーカー46から出力させる。具体的には、例えば、「RAMをクリアしました。」といった音声をスピーカー46から出力させる。ステップS11921を実行した後、後述するステップS11928-2(図64)の処理に進む。
一方、ステップS11920において、RAM異常フラグがONであると判定した場合には(ステップS11920:YES)、ステップS11922に進み、RAM異常報知処理を実行する。RAM異常報知処理では、主側RAM64が異常であることを示すコマンドであるRAM異常コマンドを音声発光制御装置90に送信する。音声発光制御装置90は、RAM異常コマンドを受信すると、RAMが異常であることを示す音声をスピーカー46から出力させる。具体的には、例えば、「RAM異常です。設定変更モードで起動して下さい。」といった音声をスピーカー46から繰り返し出力させる。ステップS11922を実行した後、後述するステップS11928-2(図64)の処理に進む。
上述したステップS11919において、設定用の鍵、枠開放スイッチ及び扉開放スイッチの全てがONであると判定した場合には(ステップS11919:YES)、ステップS11923に進み、RAM異常フラグがONであるか否かを判定する。
ステップS11923において、RAM異常フラグがONではないと判定した場合には(ステップS11923:NO)、ステップS11924に進み、上述した第1RAMクリア処理を実行する。その後、ステップS11925に進み、設定変更処理を実行する。設定変更処理(設定変更モード)では、情報表示部45zに抽選設定の設定情報を表示させる処理を実行するとともに、抽選設定の設定情報の変更を受け付ける処理を実行する。すなわち、設定変更モードは、管理者等が当該パチンコ機10の抽選設定の設定情報を変更することが可能なモードである。設定変更処理(設定変更モード)の詳細は、図52に示した設定変更処理と同じであるため、説明を省略する。ステップS11925を実行した後、後述するステップS11928-2(図64)の処理に進む。
一方、ステップS11923において、RAM異常フラグがONであると判定した場合には(ステップS11923:YES)、ステップS11926に進み、RAM異常報知処理を実行する。RAM異常報知処理では、主側RAM64が異常であることを示すコマンドであるRAM異常コマンドを音声発光制御装置90に送信する。音声発光制御装置90は、RAM異常コマンドを受信すると、RAMが異常であることを示す音声をスピーカー46から出力させる。具体的には、例えば、「RAM異常です。」といった音声をスピーカー46から出力させる。ステップS11926を実行した後、ステップS11927に進む。
ステップS11927では、第2RAMクリア処理を実行する。第2RAMクリア処理は、主側RAM64に記憶されている情報のうち、抽選設定の設定情報を含む全ての情報を消去する(0クリアする)処理である。すなわち、第2RAMクリア処理が実行されると、遊技状態を示す各種フラグ情報や各種の制御情報等に加えて、抽選設定の設定情報も消去される。ここで、RAM異常フラグがONである場合には、第1RAMクリア処理ではなく、設定情報も消去する第2RAMクリア処理を実行する理由について説明する。RAM異常フラグがONである場合には、主側RAM64に記憶されている設定情報も正常でない可能性があり、例えば、ノイズ等によって管理者の意図しない設定情報に書き換わっていたり、設定情報としては所定の範囲内の数値(例えば1から6までの数値)しか取り得ないにも関わらず、所定の範囲以外の数値が記憶されていたりする可能性があるためである。なお、本態様の第2RAMクリア処理では、設定情報が消去された後、設定情報の初期値として「1」が格納される。また、第2RAMクリア処理によって、RAM異常フラグもOFFとなる。その後、ステップS11928に進み、設定変更処理を実行する。設定変更処理(設定変更モード)の詳細は、図52に示した設定変更処理と同じであるため、説明を省略する。ステップS11928を実行した後、後述するステップS11928-2(図64)の処理に進む。
図64に示すステップS11928-2では、情報表示部45zを構成する全ての発光部(セグメント発光部A~G及びDP発光部)を点灯、点滅させる処理である点灯点滅処理を実行する。点灯点滅処理では、情報表示部45zを構成する全ての発光部を所定時間(例えば3秒間)点灯させ、その後、所定時間(例えば2秒間)同期して点滅させる。ステップS11928-2を実行した後、ステップS11929に進む。
ステップS11929以降の処理においては、RAM異常フラグがONではない場合には、タイマ割込み処理の割込み許可設定、割込み禁止設定、各種乱数更新処理、停電監視処理(電源監視処理)が実行され、上述したタイマ割込み処理(図27)も実行される。すなわち、RAM異常フラグがONではない場合には、遊技の進行が可能な遊技進行モードに移行する。一方、RAM異常フラグがONである場合には、各種乱数更新処理、停電監視処理は実行されるが、タイマ割込み処理の割込み許可設定は実行されないので、上述したタイマ割込み処理(図27)は実行されない。すなわち、RAM異常フラグがONである場合には、遊技の進行が可能な遊技進行モードには移行しない。この状態の場合には、管理者は、当該パチンコ機10の電源を一旦OFFにし、設定用の鍵を設定用の鍵穴に挿入してON側に回し、RAMクリアボタンを押下したまま電源をONにして当該パチンコ機10を設定変更モードで起動させればよい。以下、ステップS11929以降の処理を具体的に説明する。
図64に示すステップS11929では、RAM異常フラグがONであるか否かを判定する。ステップS11929において、RAM異常フラグがONではないと判定した場合には(ステップS11929:NO)、ステップS11930に進み、タイマ割込み処理の発生を許可する割込み許可設定を実行する。その後、ステップS11931に進み、タイマ割込み処理の発生を禁止する割込み禁止設定を実行する。その後、後述するステップS11932に進む。一方、ステップS11929において、RAM異常フラグがONであると判定した場合には(ステップS11929:YES)、ステップS11930及びステップS11931の処理を実行せずに、ステップS11932に進む。
ステップS11932では、各種乱数更新処理を実行する。各種乱数更新処理では、主側RAM64における各カウンタから現状の数値情報を読み出し、その読み出した数値情報に1を加算する処理を実行した後に、読み出し元のカウンタに加算後の数値情報を上書きする処理を実行する。なお、読み出した数値情報が当該カウンタの最大値である場合には、読み出し元のカウンタに0を上書きする処理を実行する。ステップS11932を実行した後、ステップS11933に進む。
ステップS11933では、停電監視処理を実行する。停電監視処理では、電源装置85から主制御装置60に供給される駆動電圧を監視しており、当該駆動電圧が所定値(例えば10ボルト)を下回ったと判定した場合には、パチンコ機10の電源スイッチがOFFにされた又は停電が発生したと判断して、主側CPU62xのレジスタに格納されている各種情報(遊技状態を示す情報や制御情報等)を主側RAM64の所定の領域に退避させる。そして、これらの情報の主側RAM64への退避が完了した場合に、復電フラグをONにするとともに、RAM判定値(例えばチェックサム値)を算出し、算出したRAM判定値を主側RAM64に記憶する。その後、後述するステップS11934には進まずに、供給される駆動電圧が低下して動作不能となるまで無限ループ処理を繰り返す。なお、本態様の電源装置85は、主制御装置60に供給される駆動電圧が所定値を下回るまで低下した場合であっても、主制御装置60などの制御系において駆動電圧として使用される5ボルトの安定化電圧が出力されるように構成されている。この安定化電圧が出力される時間としては、上述したRAM判定値を主側RAM64に記憶するまでの処理を実行するに十分な時間が確保されている。
一方、ステップS11933の停電監視処理において、電源装置85から主制御装置60に供給される駆動電圧が所定値を下回っていないと判定した場合には、そのままステップS11934に進む。
ステップS11934では、RAM異常フラグがONであるか否かを判定する。ステップS11934において、RAM異常フラグがONではないと判定した場合には(ステップS11934:NO)、上述したステップS11935に進み、タイマ割込み処理の発生を許可する割込み許可設定を実行する。その後、上述したステップS11931に戻り、タイマ割込み処理の発生を禁止する割込み禁止設定を実行する。一方、ステップS11934において、RAM異常フラグがONであると判定した場合には(ステップS11934:YES)、割込み許可設定を実行するステップS11935には進まず、各種乱数更新処理を実行するステップS11932に戻る。
以上説明したように、本態様によれば、上述した点灯点滅処理を実行するので、情報表示部45zを構成する複数の発光部の中に、断線等の不具合によって点灯しない発光部が存在していないかを検査することができるとともに、不具合によって常時点灯状態となって消灯しない発光部が存在していないかを検査することができる。例えば、仮に、右中7セグメント表示器45z3のセグメント発光部G及びセグメント発光部Dが不具合によって点灯しない場合には、右中7セグメント表示器45z3に「3」を表示させる制御が実行されている場合であっても、セグメント発光部G及びセグメント発光部Dが点灯しないことによって、右中7セグメント表示器45z3には「7」が表示されてしまうことになる。この結果、管理者は、例えば、情報表示部45zに表示される遊技履歴情報の数値情報を誤認してしまう可能性がある。これに対して、本態様の構成によれば、パチンコ機10の電源投入時に、情報表示部45zを構成する複数の発光部の中に、断線等の不具合によって点灯しない発光部が存在していないかを検査することができるとともに、不具合によって常時点灯状態となって消灯しない発光部が存在していないかを検査することができるので、このような誤認を抑制することができる。
また、本態様では、電源スイッチがONにされて外部からの電力の供給が開始された際における各操作部(RAMクリアスイッチ、設定用の鍵)の操作態様に基づいて、複数に分岐した処理フローのうちのいずれかの処理フローを実行する。例えば、電源がONにされた際にRAMクリアスイッチがON、設定用の鍵がON側となっており、かつ、内枠13及び前扉枠14が開放状態である場合には、設定変更処理が含まれる処理フローを実行する。そして、本態様では、複数に分岐した処理フローのうちのいずれの処理フローを実行する場合であっても点灯点滅処理を実行する。したがって、本態様によれば、電源がONにされた際に各操作部がどのような操作態様を受け付けている場合であっても、当該パチンコ機10に点灯点滅処理を実行させることができる。具体的には、例えば、メーカーがパチンコ機10を出荷する際には、RAMクリアスイッチをON、設定用の鍵をON側とし、かつ、内枠13及び前扉枠14を開放状態とした上で電源をONとすることによって、当該パチンコ機10に設定変更処理(設定変更モード)を実行させて抽選設定を変更することが可能であるか否か等の動作確認をする場合がある。この場合であっても、当該パチンコ機10は、設定変更処理(設定変更モード)を実行した後に、上述した点灯点滅処理を実行するので、メーカーの管理者は、設定変更モードにおける動作確認を行なった後にそのまま当該パチンコ機10の情報表示部45zを構成する複数の発光部の中に不具合によって点灯しない発光部や消灯しない発光部が存在していないかを検査することができる。したがって、パチンコ機10の出荷時における検査効率を飛躍的に向上させることができる。このように、パチンコ機10の管理者または検査者は、電源がONにされた際に各操作部が受け付けている操作態様に関わらず、情報表示部45zを構成する複数の発光部の中に不具合によって点灯しない発光部や消灯しない発光部が存在していないかを検査することができる。すなわち、電源がONにされた際に各操作部が受け付けている操作態様次第では当該検査を実施することができないといったことを抑制することができる。
また、本態様によれば、電源スイッチがONにされて外部からの電力の供給が開始されたことに基づいて、点灯点滅処理を含むメイン処理(図63、図64)のステップS11901からステップS11928-2までの処理群を実行し、当該処理群の実行が終了した後に、割込み許可設定を実行してタイマ割込み処理に含まれる処理群を繰り返し実行するので、外部からの電力の供給が開始された後に点灯点滅処理を1回だけ実行させることができる。仮に、点灯点滅処理がタイマ割込み処理の処理群に含まれる構成とした場合には、点灯点滅処理が繰り返し実行されることとなってしまい、パチンコ機10の処理負荷が大きくなってしまう。また、点灯点滅処理が繰り返し実行されてしまうと、情報表示部45zに各種情報を表示させることが可能な期間が少なくなってしまう虞がある。これに対して、本態様によれば、外部からの電力の供給が開始された後に点灯点滅処理を1回だけ実行させることができるので、パチンコ機10の処理負荷を低減することができるとともに、パチンコ機10の管理者または検査者は、情報表示部45zを構成する複数の発光部の中に不具合によって点灯しない発光部や消灯しない発光部が存在していないかを検査することができる。
また、本態様によれば、電源スイッチがONにされて外部からの電力の供給が開始された後、割込み許可設定を実行してタイマ割込み処理(図27)の実行が開始される前に、点灯点滅処理を実行する。したがって、パチンコ機10の管理者または検査者は、当該パチンコ機10において遊技の進行が可能となる前に、情報表示部45zを構成する複数の発光部の中に不具合によって点灯しない発光部や消灯しない発光部が存在していないかを検査することができる。仮に、タイマ割込み処理の実行が開始された後に点灯点滅処理を実行する構成とした場合には、管理者または検査者が情報表示部45zの検査をすることが可能となる前に、遊技者が当該パチンコ機10において遊技を始めることが可能となる。この場合、遊技者がパチンコ機10において遊技を始めた後に、管理者または検査者が当該パチンコ機10の情報表示部45zの検査を行なって、当該情報表示部45zの発光部に不具合を発見してしまう虞がある。管理者または検査者が当該パチンコ機10の情報表示部45zの発光部に不具合を発見した場合には、当該情報表示部45zを修理又は交換するために、当該遊技者に遊技を中断又は中止してもらう必要が生じる。この結果、遊技者に強い不快感を与えてしまう可能性がある。これに対して、本態様によれば、遊技者がパチンコ機10において遊技を始めることが可能となる前に、管理者または検査者が当該パチンコ機10の情報表示部45zの検査をすることが可能となるので、遊技を中断又は中止させて遊技者に不快感を与えてしまうことを抑制することができる。
また、本態様によれば、点灯点滅処理を実行した後に、割込み許可設定を実行して、タイマ割込み処理に含まれる遊技履歴用処理(図27のステップS10616)を実行する。すなわち、本態様では、ベース(通常モード中)等の遊技履歴情報が情報表示部45zに表示される前に点灯点滅処理を実行するので、パチンコ機10の管理者または検査者は、当該パチンコ機10において遊技履歴情報が情報表示部45zに表示される前に、情報表示部45zを構成する複数の発光部の中に不具合によって点灯しない発光部や消灯しない発光部が存在していないかを検査することができる。この結果、情報表示部45zを構成する複数の発光部の中に不具合によって点灯しない発光部や消灯しない発光部が存在していることに気付かずに、当該情報表示部45zに表示されている遊技履歴情報を確認してしまうことを抑制することができる。
なお、本態様では、設定変更処理(設定変更モード)(図63のステップS11925、ステップS11928)を実行した後に点灯点滅処理(図64のステップS11928-2)を実行する構成としたが、この構成に代えて、設定変更処理(設定変更モード)において抽選設定の設定情報が情報表示部45zに表示されるよりも前に、点灯点滅処理を実行する構成としてもよい。具体的には、例えば、図64のステップS11928-2における点灯点滅処理を省略し、図63のステップS11908の処理(RAMクリアボタンの状態を判定する処理)の実行に先立って点灯点滅処理を実行する構成としてもよい。このような構成によれば、パチンコ機10の管理者または検査者は、当該パチンコ機10において設定情報が情報表示部45zに表示される前に、情報表示部45zを構成する複数の発光部の中に不具合によって点灯しない発光部や消灯しない発光部が存在していないかを検査することができる。この結果、情報表示部45zを構成する複数の発光部の中に不具合によって正常に動作しない発光部が存在していることに気付かずに、当該情報表示部45zに表示されている設定情報を確認してしまうことを抑制することができる。また、同様に、この構成によれば、設定確認処理(設定確認モード)において抽選設定の設定情報が情報表示部45zに表示されるよりも前に、点灯点滅処理を実行することになるので、情報表示部45zを構成する複数の発光部の中に不具合によって正常に動作しない発光部が存在していることに気付かずに、当該情報表示部45zに表示されている設定情報を確認してしまうことを抑制することができる。
また、本態様では、図64のステップS11928-2において点灯点滅処理を実行する構成とすることによって、複数に分岐した処理フローのうちのいずれの処理フローを実行する場合であっても点灯点滅処理を実行する構成としたが、この構成に限らず他の構成を採用することによって、複数に分岐した処理フローのうちのいずれの処理フローを実行する場合であっても点灯点滅処理を実行する構成としてもよい。例えば、図64のステップS11928-2における点灯点滅処理を省略し、図63のステップS11908の処理(RAMクリアボタンの状態を判定する処理)の実行に先立って点灯点滅処理を実行する構成としてもよい。また、例えば、図64のステップS11928-2における点灯点滅処理を省略し、図63のステップS11909とステップS11910との間、図63のステップS11909とステップS11914との間、図63のステップS11919とステップS11920との間、及び、図63のステップS11919とステップS11923との間において、点灯点滅処理を実行する構成としてもよい。
<態様99>
上記態様97及び態様98では、情報表示部45zを構成する複数の発光部の中に不具合によって点灯しない発光部や消灯しない発光部が存在していないかを管理者や検査者が検査するための検査用処理として、上述した点灯点滅処理を採用したが、検査用処理としては点灯点滅処理に限定されず、様々な制御の態様を採用することができる。例えば、検査用処理として、発光部を点滅させる制御は実行せず、情報表示部45zを構成する全ての発光部を消灯した状態から点灯した状態に同時に移行させ、所定時間経過後に点灯した状態から消灯した状態に同時に移行させる制御を実行してもよい。また、例えば、検査用処理として、全ての発光部を同期して点滅させる制御を実行してもよい。また、例えば、検査用処理として、情報表示部45zを構成する全ての発光部に対して順番に点灯させた後に消灯させる制御を実行してもよい。すなわち、検査用処理としては、情報表示部45zを構成する全ての発光部を少なくとも1回ずつ消灯状態から点灯状態に移行させた後に消灯状態に移行させる制御を実行すればよい。このような制御の態様の検査用処理を実行することによっても、パチンコ機10の管理者または検査者は、情報表示部45zを構成する複数の発光部の中に不具合によって点灯しない発光部や消灯しない発光部が存在していないかを検査することができる。
<態様100>
上記各態様のうち、設定変更モード及び設定確認モードを実行可能な構成においては、種々のメイン処理及びタイマ割込み処理を採用することができる。以下、具体的に説明する。
図65は、第1実施形態の態様100の主側MPU62(主側CPU62x)が電源ON時に実行するメイン処理を示すフローチャートである。
ステップS12001では、電源投入に伴う初期設定処理を実行する。具体的には、主側CPU62xのスタックポインタに予め決められた所定値を設定すると共に、サブ側の制御装置(音声発光制御装置90、表示制御装置100、払出制御装置70等)が動作可能な状態になるのを待つために例えば1秒程度、ウェイト処理を実行する。そして、主側RAM64へのアクセスを許可する。その後、ステップS12002に進み、内部機能レジスタの設定処理を実行する。その後、ステップS12003に進み、当該パチンコ機10に電源が投入されて起動したことを報知するための処理を実行する。具体的には、当該パチンコ機10が起動したことを示す起動コマンドを音声発光制御装置90に送信する。音声発光制御装置90は、起動コマンドを受信すると、当該パチンコ機10が起動したことを報知する処理を実行する。具体的には、例えば、「起動中です」といった音声や所定の警報音をスピーカー46から出力させる。ステップS12003を実行した後、ステップS12004に進む。
ステップS12004では、復電フラグがONであるか否かを判定する。
ここで復電フラグについて説明する。本態様では、パチンコ機10の電源スイッチがOFFにされた場合や停電が発生した場合には、主側CPU62xのレジスタに格納されている各種情報(遊技状態を示す情報や制御情報等)を主側RAM64の所定の領域に退避させる。そして、これらの情報の主側RAM64への退避が完了した場合に、復電フラグをONにするとともに、主側RAM64に記憶されている所定の情報群に基づいて所定の演算を実行することによってRAM判定値(例えばチェックサム値)を算出し、算出したRAM判定値を主側RAM64に記憶する。なお、商用電源からの電源の供給が断たれた後は、コンデンサ等のバックアップ電源からの電源供給に切り替わる。このように、復電フラグは、前回の電源OFF時の状態に復帰させるための情報が主側RAM64に記憶されているか否かを電源投入時に識別するためのフラグである。
ステップS12004において、復電フラグがONであると判定した場合には(ステップS12004:YES)、ステップS12005に進み、主側RAM64に記憶されている所定の情報群に基づいて所定の演算を実行することによってRAM判定値を算出する。本態様では、RAM判定値として、主側RAM64のチェックサム値を算出する。その後、ステップS12006に進み、算出したRAM判定値(チェックサム値)が正常であるか否か、すなわち、算出したRAM判定値(チェックサム値)と主側RAM64に記憶されているRAM判定値(チェックサム値)とが一致するか否かを判定する。ステップS12006において、RAM判定値が正常であると判定した場合には(ステップS12006:YES)、ステップS12007に進む。
ステップS12007では、主側RAM64に記憶されている抽選設定の設定情報を読み込み、設定情報が所定の範囲内の数値であるか否かを判定する。本態様では、パチンコ機10に設定される設定情報は「1」から「6」までの6段階であるため、設定情報が「1」から「6」までの範囲内の数値である場合には、設定情報が所定の範囲内の数値であると判定し、一方、設定情報として「0」や「7」が格納されている場合や、ノイズ等によって数値以外の情報が格納されている場合には、設定情報が所定の範囲内の数値ではないと判定する。ステップS12007において、設定情報が所定の範囲内の数値であると判定した場合には(ステップS12007:YES)、ステップS12008に進む。
一方、上述したステップS12004において復電フラグがONではないと判定した場合(ステップS12004:NO)、上述したステップS12006においてRAM判定値が正常ではないと判定した場合(ステップS12006:NO)、及び、上述したステップS12007において設定情報が所定の範囲内の数値ではないと判定した場合(ステップS12007:NO)には、ステップS12015に進み、RAM異常フラグをONにする。すなわち、RAM異常フラグは、復電フラグがOFFである場合、RAM判定値が正常ではない場合、設定情報が所定の範囲内の数値ではない場合のいずれかの場合にONになるフラグであり、主側RAM64に記憶されている情報が正常ではない状態であることを示すフラグである。
以下では、RAM異常フラグがONにならなかった場合に実行する処理の流れについて説明し、その後、RAM異常フラグがONになった場合に実行する処理の流れについて説明する。
ステップS12008では、設定変更中フラグがONであるか否かを判定する。設定変更中フラグは、後述する設定変更処理(設定変更モード)の開始の際にONとなり、設定変更処理(設定変更モード)の終了の際にOFFになるフラグである。ここで、ステップS12008において設定変更中フラグがONとなっている状況とは、本パチンコ機10の前回の電源投入時に、後述する設定変更処理(設定変更モード)が実行され、当該設定変更処理(設定変更モード)の実行中に当該パチンコ機10の電源スイッチがOFFにされたり停電が発生したことにより、当該設定変更中フラグがONとなったまま維持されている状況である。
ステップS12008において設定変更中フラグがONであると判定した場合には(ステップS12008:YES)、ステップS12018に進み、設定変更処理(設定変更モード)を実行する。設定変更処理(設定変更モード)では、情報表示部45zに抽選設定の設定情報を表示させる処理を実行するとともに、抽選設定の設定情報の変更を受け付ける処理を実行する。すなわち、設定変更モードは、管理者等が当該パチンコ機10の抽選設定の設定情報を変更することが可能なモードである。設定変更処理(設定変更モード)の詳細については後述する。一方、ステップS12008において設定変更中フラグがONではないと判定した場合には(ステップS12008:NO)、ステップS12009に進む。
ステップS12009では、RAMクリアボタンがONであるか否かを判定する。ステップS12009において、RAMクリアボタンがONではないと判定した場合には(ステップS12009:NO)、ステップS12010に進み、設定用の鍵、枠開放スイッチ及び扉開放スイッチの全てがONであるか否かを判定する。なお、「設定用の鍵がON」とは、設定用の鍵が設定用の鍵穴に挿入されてON側に位置していることを意味する。また、枠開放スイッチは、内枠13が外枠11に対して開放状態であるときにONとなるスイッチであり、扉開放スイッチは、前扉枠14が内枠13に対して開放状態であるときにONとなるスイッチである。
ステップS12010において、設定用の鍵、枠開放スイッチ及び扉開放スイッチの少なくとも1つがONではないと判定した場合には(ステップS12010:NO)、ステップS12011に進む。
ステップS12011では、設定確認中フラグがONであるか否かを判定する。設定確認中フラグは、後述する設定確認処理(設定確認モード)の開始の際にONとなり、設定確認処理(設定確認モード)の終了の際にOFFになるフラグである。ここで、ステップS12011において設定確認中フラグがONとなっている状況とは、本パチンコ機10の前回の電源投入時に、後述する設定確認処理(設定確認モード)が実行され、当該設定確認処理(設定確認モード)の実行中に当該パチンコ機10の電源スイッチがOFFにされたり停電が発生したことにより、当該設定確認中フラグがONとなったまま維持されている状況である。
ステップS12011において、設定確認中フラグがONではないと判定した場合には(ステップS12011:NO)、後述するステップS12013に進む。
一方、上述したステップS12010において設定用の鍵、枠開放スイッチ及び扉開放スイッチの全てがONであると判定した場合(ステップS12010:YES)、及び、ステップS12011において設定確認中フラグがONであると判定した場合には(ステップS12011:YES)、ステップS12012に進む。すなわち、パチンコ機10の電源投入時にRAMクリアボタンがOFFとなっており、かつ、設定用の鍵、枠開放スイッチ及び扉開放スイッチの全てがONである場合、及び、パチンコ機10の前回の電源投入時に設定確認処理(設定確認モード)が実行され、当該設定確認処理(設定確認モード)の実行中に当該パチンコ機10の電源スイッチがOFFにされたり停電が発生したことにより、当該設定確認中フラグがONとなったまま維持されている場合に、ステップS12012に進む。
ステップS12012では、設定確認処理を実行する。設定確認処理(設定確認モード)では、情報表示部45zに現在の抽選設定の設定情報を表示させる処理を実行する。すなわち、設定確認モードは、管理者等が当該パチンコ機10の現在の抽選設定の設定情報を確認することが可能なモードである。設定確認処理(設定確認モード)の詳細については後述する。ステップS12012を実行した後、ステップS12013に進む。
ステップS12013では、前回の電源OFF時の状態に復帰させる復電処理を実行する。具体的には、復電処理では、主側RAM64に保存されたスタックポインタの値を主側CPU62xのスタックポインタに書き込み、主側RAM64に退避されたデータを主側CPU62xのレジスタに復帰させることによって、主側CPU62xのレジスタの状態を電源が遮断される前の状態に復帰させる。ステップS12013を実行した後、ステップS12014に進み、主側RAM64の復電フラグをOFFにする。その後、後述するステップS12022の処理に進む。
一方、上述したステップS12009において、RAMクリアボタンがONであると判定した場合には(ステップS12009:YES)、ステップS12017に進み、設定用の鍵、枠開放スイッチ及び扉開放スイッチの全てがONであるか否かを判定する。ステップS12017において、設定用の鍵、枠開放スイッチ及び扉開放スイッチの全てがONであると判定した場合には(ステップS12017:YES)、上述したステップS12018に進み、上述した設定変更処理(設定変更モード)を実行する。その後、後述するステップS12022に進む。一方、ステップS12017において、設定用の鍵、枠開放スイッチ及び扉開放スイッチの少なくとも1つがONではないと判定した場合には(ステップS12017:NO)、ステップS12019に進む。
ステップS12019では、上述したRAM異常フラグがONであるか否かを判定する。ステップS12019において、RAM異常フラグがONではないと判定した場合には(ステップS12019:NO)、ステップS12020に進み、第1RAMクリア処理を実行する。第1RAMクリア処理は、主側RAM64に記憶されている情報のうち、抽選設定の設定情報を除いて消去する(0クリアする)処理である。すなわち、第1RAMクリア処理が実行されると、遊技状態を示す各種フラグ情報や各種の制御情報等は消去されるが、抽選設定の設定情報は消去されず、設定情報はそのまま維持される。また、本態様では、第1RAMクリア処理では、第1RAMクリア処理を実行したことを示すコマンドである第1RAMクリア処理実行コマンドを音声発光制御装置90に送信する。音声発光制御装置90は、第1RAMクリア処理実行コマンドを受信すると、第1RAMクリア処理を実行したことを示す音声をスピーカー46から出力させる。具体的には、例えば、「RAMをクリアしました。」といった音声をスピーカー46から出力させる。ステップS12020を実行した後、後述するステップS12022に進む。
一方、ステップS12019において、RAM異常フラグがONであると判定した場合には(ステップS12019:YES)、ステップS12021に進み、RAM異常報知処理を実行する。RAM異常報知処理では、主側RAM64が異常であることを示すコマンドであるRAM異常コマンドを音声発光制御装置90に送信する。音声発光制御装置90は、RAM異常コマンドを受信すると、RAMが異常であることを示す音声をスピーカー46から出力させる。具体的には、例えば、「RAM異常です。設定変更モードで起動して下さい。」といった音声をスピーカー46から繰り返し出力させる。ステップS12021を実行した後、ステップS12022に進む。ただし、本説明の流れでは、RAM異常フラグはONになっていないため、ステップS12021には進まない。
ステップS12022では、情報表示部45zを構成する全ての発光部(セグメント発光部A~G及びDP発光部)を点灯、点滅させる処理である点灯点滅処理を実行する。点灯点滅処理では、情報表示部45zを構成する全ての発光部を所定時間(例えば3秒間)点灯させ、その後、所定時間(例えば2秒間)同期して点滅させる。ステップS12022を実行した後、ステップS12023に進む。
ステップS12023では、タイマ割込み処理の発生を許可する割込み許可設定を実行する。その後、無限ループを繰り返して待機するとともに、後述するタイマ割込み処理が定期的に(本態様では4ms毎に)実行される。
次に、ステップS12015においてRAM異常フラグがONになった場合に実行する処理の流れについて説明する。
上述したように、ステップS12004において復電フラグがONではないと判定した場合(ステップS12004:NO)、ステップS12006においてRAM判定値が正常ではないと判定した場合(ステップS12006:NO)、及び、ステップS12007において設定情報が所定の範囲内の数値ではないと判定した場合(ステップS12007:NO)には、ステップS12015に進み、RAM異常フラグをONにする。その後、ステップS12016に進む。
ステップS12016では、RAMクリアボタンがONであるか否かを判定する。ステップS12016において、RAMクリアボタンがONであると判定した場合には(ステップS12016:YES)、ステップS12017に進み、設定用の鍵、枠開放スイッチ及び扉開放スイッチの全てがONであるか否かを判定する。ステップS12017において、設定用の鍵、枠開放スイッチ及び扉開放スイッチの全てがONであると判定した場合には(ステップS12017:YES)、上述したステップS12018に進み、上述した設定変更処理(設定変更モード)を実行する。その後、ステップS12022に進む。一方、ステップS12016においてRAMクリアボタンがONではないと判定した場合(ステップS12016:NO)、及び、ステップS12017において設定用の鍵、枠開放スイッチ及び扉開放スイッチの少なくとも1つがONではないと判定した場合(ステップS12017:NO)には、ステップS12019に進む。
ステップS12019では、上述したRAM異常フラグがONであるか否かを判定する。ステップS12019において、RAM異常フラグがONではないと判定した場合には(ステップS12019:NO)、ステップS12020に進み、上述した第1RAMクリア処理を実行する。ステップS12020を実行した後、ステップS12022に進む。ただし、本説明の流れでは、RAM異常フラグはONになっているため、ステップS12020には進まない。
一方、ステップS12019において、RAM異常フラグがONであると判定した場合には(ステップS12019:YES)、ステップS12021に進み、上述したRAM異常報知処理を実行する。その後、ステップS12022に進む。
ステップS12022では、上述した点灯点滅処理を実行する。ステップS12022を実行した後、ステップS12023に進み、タイマ割込み処理の発生を許可する割込み許可設定を実行する。その後、無限ループ処理を繰り返して待機するとともに、後述するタイマ割込み処理が定期的に(本態様では4ms毎に)実行される。
以上説明したように、本態様においては、設定変更処理(設定変更モード)を実行させるための操作は、RAMクリアスイッチを押下した状態とし(ON状態とし)、かつ、設定用の鍵(鍵穴)、枠開放スイッチ及び扉開放スイッチの全てをONにした状態で、電源スイッチをONにする操作である。また、設定確認処理(設定確認モード)を実行させるための操作は、RAMクリアスイッチを押下していない状態とし(OFF状態とし)、かつ、設定用の鍵(鍵穴)、枠開放スイッチ及び扉開放スイッチの全てをONにした状態で、電源スイッチをONにする操作である。また、第1RAMクリア処理を実行させるための操作は、RAMクリアスイッチを押下した状態とし(ON状態とし)、かつ、設定用の鍵(鍵穴)、枠開放スイッチ及び扉開放スイッチのいずれかをOFFにした状態で、電源スイッチをONにする操作である。
以下に、上述したメイン処理が実行されることによって実現される処理の流れの一例をまとめて説明する。
・電力の供給が開始された際に、RAM異常フラグをONにすべき条件が成立しているか否かを判定するが(ステップS12004、ステップS12006、ステップS12007)、設定変更処理(設定変更モード)を実行させるための操作が行なわれていた場合には、RAM異常フラグをONにすべき条件が成立しているか否かに関わらず、また、設定確認中フラグの状態に関わらず、設定変更処理(設定変更モード)を実行する(ステップS12018)。
・電力の供給が開始された際に、RAM異常フラグをONにすべき条件が成立しているか否かを判定し(ステップS12004、ステップS12006、ステップS12007)、RAM異常フラグをONにすべき条件が成立していないと判定した場合において、設定変更中フラグがONであると判定した場合には(ステップS12008:YES)、設定変更処理(設定変更モード)を実行させるための操作、設定確認処理(設定確認モード)を実行させるための操作、及び、第1RAMクリア処理を実行させるための操作が行なわれているか否かに関わらず、設定変更処理(設定変更モード)を実行する(ステップS12018)。
・電力の供給が開始された際に、RAM異常フラグをONにすべき条件が成立しているか否かを判定し(ステップS12004、ステップS12006、ステップS12007)、RAM異常フラグをONにすべき条件が成立していないと判定した場合において、設定変更中フラグがONではないと判定し(ステップS12008:NO)、第1RAMクリア処理を実行させるための操作が行なわれていた場合には(ステップS12009:YES、ステップS12017:NO、ステップS12019:NO)、設定確認中フラグの状態に関わらず、第1RAMクリア処理を実行する(ステップS12020)。
・電力の供給が開始された際に、RAM異常フラグをONにすべき条件が成立しているか否かを判定し(ステップS12004、ステップS12006、ステップS12007)、RAM異常フラグをONにすべき条件が成立していないと判定した場合において、設定変更中フラグがONではないと判定し(ステップS12008:NO)、設定確認処理(設定確認モード)を実行させるための操作が行なわれていた場合には(ステップS12009:NO、ステップS12010:YES)、設定確認処理(設定確認モード)を実行する(ステップS12012)。
・電力の供給が開始された際に、RAM異常フラグをONにすべき条件が成立しているか否かを判定し(ステップS12004、ステップS12006、ステップS12007)、RAM異常フラグをONにすべき条件が成立していないと判定した場合において、設定変更中フラグがONではないと判定し(ステップS12008:NO)、設定確認処理(設定確認モード)を実行させるための操作が行なわれていない場合であっても、設定確認中フラグがONであった場合には(ステップS12011:YES)、設定確認処理(設定確認モード)を実行する(ステップS12012)。
・電力の供給が開始された際に、RAM異常フラグをONにすべき条件が成立しているか否かを判定し(ステップS12004、ステップS12006、ステップS12007)、RAM異常フラグをONにすべき条件が成立していると判定してRAM異常フラグをONにした場合には(ステップS12015)、第1RAMクリア処理を実行させるための操作が行なわれていた場合であっても、第1RAMクリア処理を実行せず、RAM異常報知処理を実行する(ステップS12021)。
・電力の供給が開始された際に、RAM異常フラグをONにすべき条件が成立しているか否かを判定し(ステップS12004、ステップS12006、ステップS12007)、RAM異常フラグをONにすべき条件が成立していると判定してRAM異常フラグをONにした場合には(ステップS12015)、設定確認処理(設定確認モード)を実行させるための操作が行なわれていた場合であっても、設定確認処理(設定確認モード)を実行せず、RAM異常報知処理を実行する(ステップS12021)。
次に、図65のステップS12018に示した設定変更処理の詳細について説明する。
図66は、第1実施形態の態様100の主側MPU62(主側CPU62x)が実行する設定変更処理を示すフローチャートである。この設定変更処理は、図65のステップS12018のサブルーチンとして実行される。
ステップS12101では、主側RAM64における設定変更中フラグをONにする。設定変更中フラグは、上述したように、設定変更処理(設定変更モード)が開始されたことを示すフラグであるとともに、当該設定変更処理(設定変更モード)がまだ終了していないことを示すフラグである。ステップS12101を実行した後、ステップS12102に進む。
ステップS12102では、設定変更開始時初期設定処理を実行する。設定変更開始時初期設定処理では、設定変更処理を開始するにあたって必要な初期設定を実行する。また、本態様では、設定変更開始時初期設定処理において、RAM異常フラグがONであるか否かを判定し、当該RAM異常フラグがONであると判定した場合には、当該RAM異常フラグをOFFにする。ステップS12102を実行した後、ステップS12103に進む。
ステップS12103では、設定変更報知開始処理を実行する。設定変更報知開始処理では、設定変更モードを開始したことを示すコマンドである設定変更モード開始コマンドを音声発光制御装置90に送信する。音声発光制御装置90は、設定変更モード開始コマンドを受信すると、設定変更モード中であることを示す音声をスピーカー46から出力させる。具体的には、例えば、「設定変更モード中です」といった音声をスピーカー46から繰り返し出力させる。また、音声発光制御装置90は、設定変更モード開始コマンドを受信すると、設定変更モード中であることを示す情報を図柄表示装置41に表示させる。具体的には、例えば、音声発光制御装置90は、「設定変更モード中です」といった文字列を図柄表示装置41に表示させるためのコマンドを表示制御装置100に送信し、当該コマンドを受信した表示制御装置100は、「設定変更モード中です」といった文字列を図柄表示装置41に表示させる。また、音声発光制御装置90は、設定変更モード開始コマンドを受信すると、各種ランプ47を最大輝度による点灯と消灯とを交互に繰り返して点滅するように制御する。
さらに、設定変更報知開始処理では、設定変更モードを開始したことを示す情報を外部端子を介して遊技ホールのホールコンピュータに送信する。設定変更モードを開始したことを示す情報を受信したホールコンピュータは、管理画面に設定変更モード中のパチンコ機10の情報を表示する。ステップS12103を実行した後、ステップS12104に進む。
ステップS12104では、主側RAM64に記憶されている抽選設定の設定情報を読み込み、更新用設定情報として保存する。具体的には、本態様では、主側RAM64の設定情報記憶領域に記憶されている抽選設定の設定情報を読み込み、当該読み込んだ設定情報を、主側RAM64の設定情報記憶領域以外の他の領域である更新用設定情報記憶領域にコピーする。ステップS12104を実行した後、ステップS12105に進む。
ステップS12105では、主側RAM64の更新用設定情報記憶領域に記憶されている更新用設定情報を読み込み、当該読み込んだ更新用設定情報を情報表示部45zに表示させるための制御を開始する。具体的には、更新用設定情報を情報表示部45zに点灯表示させる。その後、ステップS12106に進み、更新用設定情報が所定の範囲内の数値であるか否かを判定する。本態様では、パチンコ機10に設定される設定情報は「1」から「6」までの6段階であるため、更新用設定情報が「1」から「6」までの範囲内の数値であるか否かを判定する。ステップS12106において、更新用設定情報が所定の範囲内の数値であると判定した場合には(ステップS12106:YES)、ステップS12108に進む。一方、ステップS12106において、更新用設定情報が所定の範囲内の数値ではないと判定した場合(ステップS12106:NO)、例えば、更新用設定情報として「0」や「7」が格納されている場合や、ノイズ等によって数値以外の情報が格納されている場合には、ステップS12107に進み、更新用設定情報を初期値に変更する。本態様では、更新用設定情報に初期値として「1」を格納する。その後、ステップS12108に進む。
ステップS12108では、設定用の鍵(鍵穴)がON側からOFF側に移行したか否かを判定する。具体的には、本態様では、設定用の鍵(鍵穴)がON側になっている期間中はHighレベルを示す信号であって、設定用の鍵(鍵穴)がOFF側になっている期間中はLowレベルを示す信号を監視しており、当該信号がHighレベルからLowレベルに立ち下がる立下がりエッジを検出した場合に、設定用の鍵(鍵穴)がOFF側になったと判定する。ステップS12108において、設定用の鍵(鍵穴)がON側からOFF側に移行していないと判定した場合には(ステップS12108:NO)、ステップS12109に進み、設定変更用ボタンが押下されたか否かを判定する。ステップS12109において、設定変更用ボタンが押下されたと判定した場合には(ステップS12109:YES)、ステップS12110に進み、更新用設定情報を更新する。具体的には、更新用設定情報として格納されている数値情報に1を加算する。ただし、更新用設定情報として格納されている数値情報が「6」である状況において設定変更用ボタンが押下された場合には当該数値情報は「1」に更新される。その後、上述したステップS12106に戻り、更新した更新用設定情報が所定の範囲内の数値であるか否かを判定する。一方、ステップS12109において、設定変更用ボタンが押下されていないと判定した場合には(ステップS12109:NO)、ステップS12110の処理を実行することなく、上述したステップS12106に戻り、更新用設定情報が所定の範囲内の数値であるか否かを判定する。
上述したステップS12108において、設定用の鍵(鍵穴)がON側からOFF側に移行したと判定した場合には(ステップS12108:YES)、ステップS12111に進む。
ステップS12111では、主側RAM64に記憶されている更新用設定情報を読み込み、設定情報として保存する。具体的には、本態様では、主側RAM64の更新用設定情報記憶領域に記憶されている更新用設定情報を読み込み、当該読み込んだ更新用設定情報を、主側RAM64の設定情報記憶領域にコピーする。ステップS12111を実行した後、ステップS12112に進み、更新用設定情報を情報表示部45zに表示させるための制御を終了する。その後、ステップS12113に進む。
ステップS12113では、設定変更報知終了処理を実行する。設定変更報知終了処理では、設定変更モードを終了したことを示すコマンドである設定変更モード終了コマンドを音声発光制御装置90に送信する。音声発光制御装置90は、設定変更モード終了コマンドを受信すると、上述した設定変更モード中であることを報知するための各種の制御を終了する。
さらに、設定変更報知終了処理では、設定変更モードを終了したことを示す情報を外部端子を介して遊技ホールのホールコンピュータに送信する。設定変更モードを終了したことを示す情報を受信したホールコンピュータは、管理画面に当該パチンコ機10の設定変更モードが終了したことを示す情報を表示する。ステップS12113を実行した後、ステップS12114に進む。なお、設定変更報知終了処理を実行した後、変更後の抽選設定の設定情報を外部端子を介して遊技ホールのホールコンピュータに送信する構成とし、当該情報を受信したホールコンピュータは、管理画面に当該パチンコ機10の変更後の抽選設定の設定情報を表示する構成としてもよい。
ステップS12114では、第1RAMクリア処理を実行する。第1RAMクリア処理では、主側RAM64の設定情報記憶領域に記憶されている抽選設定の設定情報以外の情報を消去する。この第1RAMクリア処理が実行されると、上述した設定変更中フラグも消去される(OFFとなる)。ステップS12114を実行した後、本設定変更処理を終了する。
次に、図65のステップS12012に示した設定確認処理の詳細について説明する。
図67は、第1実施形態の態様100の主側MPU62(主側CPU62x)が実行する設定確認処理を示すフローチャートである。この設定確認処理は、図65のステップS12012のサブルーチンとして実行される。
ステップS12201では、主側RAM64における設定確認中フラグをONにする。設定確認中フラグは、上述したように、設定確認処理(設定確認モード)が開始されたことを示すフラグであるとともに、当該設定確認処理(設定確認モード)がまだ終了していないことを示すフラグである。ステップS12201を実行した後、ステップS12202に進む。
ステップS12202では、設定確認報知開始処理を実行する。設定確認報知開始処理では、設定確認モードを開始したことを示すコマンドである設定確認モード開始コマンドを音声発光制御装置90に送信する。音声発光制御装置90は、設定確認モード開始コマンドを受信すると、設定確認モード中であることを示す音声をスピーカー46から出力させる。具体的には、例えば、「設定確認モード中です」といった音声をスピーカー46から繰り返し出力させる。また、音声発光制御装置90は、設定確認モード開始コマンドを受信すると、設定確認モード中であることを示す情報を図柄表示装置41に表示させる。具体的には、例えば、音声発光制御装置90は、「設定確認モード中です」といった文字列を図柄表示装置41に表示させるためのコマンドを表示制御装置100に送信し、当該コマンドを受信した表示制御装置100は、「設定確認モード中です」といった文字列を図柄表示装置41に表示させる。また、音声発光制御装置90は、設定確認モード開始コマンドを受信すると、各種ランプ47を最大輝度による点灯と消灯とを交互に繰り返して点滅するように制御する。
さらに、設定確認報知開始処理では、設定確認モードを開始したことを示す情報を外部端子を介して遊技ホールのホールコンピュータに送信する。設定確認モードを開始したことを示す情報を受信したホールコンピュータは、管理画面に設定確認モード中のパチンコ機10の情報を表示する。ステップS12202を実行した後、ステップS12203に進む。
ステップS12203では、主側RAM64の設定情報記憶領域に記憶されている抽選設定の設定情報を情報表示部45zに表示させるための制御を開始する。具体的には、抽選設定の設定情報を情報表示部45zに点滅表示させる。その後、ステップS12204に進む。
ステップS12204では、設定用の鍵(鍵穴)がON側からOFF側に移行したか否かを判定する。具体的には、本態様では、設定用の鍵(鍵穴)がON側になっている期間中はHighレベルを示す信号であって、設定用の鍵(鍵穴)がOFF側になっている期間中はLowレベルを示す信号を監視しており、当該信号がHighレベルからLowレベルに立ち下がる立下がりエッジを検出した場合に、設定用の鍵(鍵穴)がON側からOFF側に移行したと判定する。ステップS12204において、設定用の鍵(鍵穴)がON側からOFF側に移行していないと判定した場合には(ステップS12204:NO)、再びステップS12204を実行する。一方、ステップS12204において、設定用の鍵(鍵穴)がON側からOFF側に移行したと判定した場合には(ステップS12204:YES)、ステップS12205に進む。すなわち、設定用の鍵(鍵穴)がON側からOFF側に移行するまでは無限ループを繰り返してステップS12205に進まず、設定用の鍵(鍵穴)がON側からOFF側に移行するとステップS12205に進む。
ステップS12205では、抽選設定の設定情報を情報表示部45zに表示させるための制御を終了する。その後、ステップS12206に進む。
ステップS12206では、設定確認報知終了処理を実行する。設定確認報知終了処理では、設定確認モードを終了したことを示すコマンドである設定確認モード終了コマンドを音声発光制御装置90に送信する。音声発光制御装置90は、設定確認モード終了コマンドを受信すると、上述した設定確認モード中であることを報知するための各種の制御を終了する。
さらに、設定確認報知終了処理では、設定確認モードを終了したことを示す情報を外部端子を介して遊技ホールのホールコンピュータに送信する。設定確認モードを終了したことを示す情報を受信したホールコンピュータは、管理画面に当該パチンコ機10の設定確認モードが終了したことを示す情報を表示する。ステップS12206を実行した後、ステップS12207に進み、主側RAM64における設定変更中フラグをOFFにする。その後、本設定確認処理を終了する。
次に、主側MPU62(CPU62x)が実行するタイマ割込み処理について説明する。
図68は、第1実施形態の態様100の主側MPU62(主側CPU62x)が実行するタイマ割込み処理を示すフローチャートである。本態様では、主側MPU62(主側CPU62x)は、4ms周期でタイマ割込み処理を実行する。
ステップS12301では、各種乱数更新処理を実行する。各種乱数更新処理では、主側RAM64における各カウンタ(大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3、電動役物開放カウンタC4等)から現状の数値情報を読み出し、その読み出した数値情報に1を加算する処理を実行した後に、読み出し元のカウンタに加算後の数値情報を上書きする処理を実行する。なお、読み出した数値情報が当該カウンタの最大値である場合には、読み出し元のカウンタに0を上書きする処理を実行する。ステップS12301を実行した後、ステップS12302に進む。
ステップS12302では、停電監視処理を実行する。停電監視処理では、電源装置85から主制御装置60に供給される駆動電圧を監視しており、当該駆動電圧が所定値(例えば10ボルト)を下回ったと判定した場合には、パチンコ機10の電源スイッチがOFFにされた又は停電が発生したと判断して、主側CPU62xのレジスタに格納されている各種情報(遊技状態を示す情報や制御情報等)を主側RAM64の所定の領域に退避させる。そして、これらの情報の主側RAM64への退避が完了した場合に、復電フラグをONにするとともに、主側RAM64に記憶されている所定の情報群に基づいて所定の演算を実行することによってRAM判定値(例えばチェックサム値)を算出し、算出したRAM判定値を主側RAM64に記憶する。その後、後述するステップS12303には進まずに、供給される駆動電圧が低下して動作不能となるまで無限ループ処理を繰り返す。なお、本態様の電源装置85は、主制御装置60に供給される駆動電圧が所定値を下回るまで低下した場合であっても、主制御装置60などの制御系において駆動電圧として使用される5ボルトの安定化電圧が出力されるように構成されている。この安定化電圧が出力される時間としては、上述したRAM判定値を主側RAM64に記憶するまでの処理を実行するに十分な時間が確保されている。
一方、ステップS12302の停電監視処理において、電源装置85から主制御装置60に供給される駆動電圧が所定値を下回っていないと判定した場合には、そのままステップS12303に進む。
ステップS12303では、RAM異常フラグがONであるか否かを判定する。ステップS12303において、RAM異常フラグがONではないと判定した場合には(ステップS12303:NO)、ステップS12304に進む。一方、ステップS12303において、RAM異常フラグがONであると判定した場合には(ステップS12303:YES)、ステップS12304以降の処理を実行せずに、本タイマ割込み処理を終了する。すなわち、RAM異常フラグがONである場合には、ステップS12304以降の遊技の進行を可能とするための処理が実行されないこととなり、遊技の進行が可能な遊技進行モードには移行しない構成となっている。以下、遊技の進行を可能とするための処理であるステップS12304以降の処理について説明する。
ステップS12304では、ポート出力処理を実行する。ポート出力処理では、前回のタイマ割込み処理において出力情報の設定が行われている場合に、その出力情報に対応した出力を各種駆動部36c,34bに行うための処理を実行する。例えば、大入賞口36aを開放状態に切り換えるべき情報が設定されている場合には可変入賞駆動部36cへの駆動信号の出力を開始させ、閉鎖状態に切り換えるべき情報が設定されている場合には当該駆動信号の出力を停止させる。また、第2始動口34の電動役物34aを開放状態に切り換えるべき情報が設定されている場合には電動役物駆動部34bへの駆動信号の出力を開始させ、閉鎖状態に切り換えるべき情報が設定されている場合には当該駆動信号の出力を停止させる。その後、ステップS12305に進む。
ステップS12305では、読み込み処理を実行する。読み込み処理では、入球信号以外の信号の読み込みを実行し、その読み込んだ情報を今後の処理にて利用するために記憶する。その後、ステップS12306に進む。
ステップS12306では、各入球検知センサー44a~44hから受信している信号を読み込むとともに、その読み込んだ情報に対応した処理を行うための入球検知処理を実行する。入球検知処理は、図28に示した入球検知処理と同じであるため、詳細な説明は省略する。ステップS12306を実行した後、ステップS12307に進む。
ステップS12307では、主側RAM64に設けられている所定のタイマカウンタの数値情報をまとめて更新するためのタイマ更新処理を実行する。その後、ステップS12308に進み、賞球コマンドの出力設定処理を実行する。その後、ステップS12309に進む。
ステップS12309では、第1始動口33及び第2始動口34への遊技球の入球に伴う始動口用の入球処理を実行する。始動口用の入球処理では、第1始動口33又は第2始動口34に遊技球が入球したと判定されたことに基づいて大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の値を取得するとともに、取得したカウンタ値をRAM64の保留情報記憶エリア64bに記憶する。ステップS12309を実行した後、ステップS12310に進む。
ステップS12310では、スルーゲート35への遊技球の入球(通過)に伴うスルーゲート用の入球処理を実行する。スルーゲート用の入球処理では、スルーゲート35に遊技球が入球(通過)したと判定されたことに基づいて電動役物開放カウンタC4の値を取得するとともに、取得したカウンタ値をRAM64の電役保留エリア64dに記憶する。ステップS12310を実行した後、ステップS12311に進む。
ステップS12311では、各遊技回における遊技を制御するための遊技回制御処理を実行する。遊技回制御処理では、当たり抽選や、第1図柄表示部37a,第2図柄表示部37bの表示制御などを行う。ステップS12311を実行した後、ステップS12312に進む。
ステップS12312では、遊技状態を移行させるための遊技状態移行処理を実行する。遊技状態移行処理では、遊技状態を開閉実行モード、高確率モード、高頻度サポートモードなどへ移行させる処理を実行する。ステップS12312を実行した後、ステップS12313に進む。
ステップS12313では、電動役物34aを制御するための電役サポート用処理を実行する。電役サポート用処理では、電動役物34aを開放状態とするか否かの判定(電動役物開放抽選)を行なうとともに、開放状態とすると判定した場合には電動役物34aを駆動制御する。ステップS12313を実行した後、ステップS12314に進む。
ステップS12314では、遊技球発射制御処理を実行する。遊技球発射制御処理では、遊技者によって操作ハンドル25が操作された際に遊技球を遊技領域PAに発射するための処理を実行する。ステップS12314を実行した後、ステップS12315に進む。
ステップS12315では、今回のタイマ割込み処理にて実行された各種処理の処理結果に応じた外部信号の出力の開始及び終了を制御するように外部情報設定処理を実行する。ステップS12315を実行した後、ステップS12316に進む。
ステップS12316では、遊技履歴情報を算出・表示するための遊技履歴用処理を実行する。遊技履歴用処理は、図29に示した遊技履歴用処理と同じであるため、詳細な説明は省略する。ステップS12316を実行した後、本タイマ割込み処理を終了する。
以上説明したように、本態様によれば、上記の他の態様において説明した効果に加えて、以下の効果を奏することができる。
本態様によれば、設定変更モードを実行させるための操作を受け付けたことに基づいて設定変更モードを開始させ、設定変更モードの開始の際に設定変更中フラグをONの状態とし、設定変更モードの終了の際に設定変更中フラグをOFFの状態に遷移させる。そして、主側RAM64は、外部から当該パチンコ機10への電力の供給が断たれた状態であっても設定変更中フラグの状態を維持することが可能である。したがって、例えば、パチンコ機10の電源スイッチがOFFにされたり停電が発生したこと等によって、設定変更モードの実行中に当該パチンコ機10への電力の供給が断たれた場合には、主側RAM64に記憶されている設定変更中フラグはONの状態に維持される。
そして、本態様によれば、外部から当該パチンコ機10への電力の供給が開始された際に設定変更中フラグがONの状態であると判定したことに基づいて設定変更モードを開始させる(図65のステップS12008)。すなわち、本態様によれば、設定変更モードの実行中に当該パチンコ機10への電力の供給が断たれた場合において、当該パチンコ機10への電力の供給が再開された場合には、設定変更モードを実行させるための操作を受け付けていない場合であっても、設定変更モードが開始されることになる。
したがって、設定変更モードの実行中に外部から当該パチンコ機10への電力の供給が断たれた場合において、当該パチンコ機10に再び設定変更モードを開始させるためには、当該パチンコ機10への電力の供給が再開された後に管理者が再び設定変更モードを実行させるための操作を行なわなければいけないといった手間を省くことができる。
また、設定変更モードの実行中に外部から当該パチンコ機10への電力の供給が断たれた場合には、当該パチンコ機10の抽選設定の設定情報が管理者の意図しない状態となっている可能性があるが、本態様によれば、外部から当該パチンコ機10への電力の供給が再開された場合には、パチンコ機10の管理者が再び設定変更モードを実行させるための操作を行なわなくても設定変更モードが開始されるので、当該パチンコ機10の抽選設定の設定情報が管理者の意図しない状態となったまま見過ごされてしまうことを抑制することができる。
また、本態様によれば、設定確認モードを実行させるための操作を受け付けたことに基づいて設定確認モードを開始させ、設定確認モードの開始の際に設定確認中フラグをONの状態とし、設定確認モードの終了の際に設定確認中フラグをOFFの状態に遷移させる。そして、主側RAM64は、外部から当該パチンコ機10への電力の供給が断たれた状態であっても設定確認中フラグの状態を維持することが可能である。したがって、例えば、パチンコ機10の電源スイッチがOFFにされたり停電が発生したこと等によって、設定確認モードの実行中に当該パチンコ機10への電力の供給が断たれた場合には、主側RAM64に記憶されている設定確認中フラグはONの状態に維持される。
そして、本態様によれば、外部から当該パチンコ機10への電力の供給が開始された際に設定確認中フラグがONの状態であると判定したことに基づいて設定確認モードを開始させる(図65のステップS12011)。すなわち、本態様によれば、設定確認モードの実行中に当該パチンコ機10への電力の供給が断たれた場合において、当該パチンコ機10への電力の供給が再開された場合には、設定確認モードを実行させるための操作を受け付けていない場合であっても、設定確認モードが開始されることになる。
したがって、設定確認モードの実行中に外部から当該パチンコ機10への電力の供給が断たれた場合において、当該パチンコ機10に再び設定確認モードを開始させるためには、当該パチンコ機10への電力の供給が再開された後に管理者が再び設定確認モードを実行させるための操作を行なわなければいけないといった手間を省くことができる。
また、本態様によれば、設定変更モードの開始の際に、主側RAM64の設定情報記憶領域に記憶されている設定情報を読み込み、当該設定情報と同じ情報を更新用設定情報として主側RAM64の更新用設定情報記憶領域に記憶する。そして、設定変更用ボタンを押下する操作を受け付けることによって、主側RAM64の更新用設定情報に記憶されている更新用設定情報を更新し、設定変更モードの終了の際に、更新用設定情報と同じ情報を設定情報として主側RAM64の設定情報記憶領域に記憶する。したがって、設定変更モードの実行中に外部からの電力の供給が断たれた場合であっても、主側RAM64の設定情報記憶領域に記憶されている設定情報を、設定変更モードが開始される前の値のまま維持させることができる。この結果、設定変更モードの実行中に外部からの電力の供給が断たれることによって当該パチンコ機10の抽選設定の設定情報が管理者の意図した値とは異なる値となってしまうことを抑制することができる。以下、具体的に説明する。
仮に、設定変更モードの実行中に更新用設定情報を用いない構成であって、設定変更用ボタンを押下する操作を受け付けることによって、主側RAM64の設定情報記憶領域に記憶されている設定情報を直接変更する構成を採用した場合において、設定変更モードの実行中に設定情報が当該パチンコ機10の管理者の意図した値とは異なる値になっているタイミングで外部からの電力の供給が断たれた場合には、当該パチンコ機10の抽選設定の設定情報は、管理者の意図した値とは異なる値となってしまう。
これに対して、本態様によれば、設定変更モードが終了するまでは、主側RAM64の設定情報記憶領域に記憶されている設定情報そのものは変更されず、主側RAM64の更新用設定情報記憶領域に記憶されている更新用設定情報が変更されるので、設定変更モードの実行中に更新用設定情報が当該パチンコ機10の管理者の意図した値とは異なる値になっているタイミングで外部からの電力の供給が断たれた場合であっても、主側RAM64の設定情報記憶領域に記憶されている設定情報は、設定変更モードが開始される前の値のまま維持される。したがって、設定変更モードの実行中に外部からの電力の供給が断たれることによって当該パチンコ機10の抽選設定の設定情報が管理者の意図した値とは異なる値となってしまうことを抑制することができる。
また、本態様によれば、設定変更モードの実行中に、主側RAM64の更新用情報記憶領域に記憶されている更新用設定情報が情報表示部45zに表示されるので、管理者は、情報表示部45zに表示されている更新用設定情報を確認しながら、設定変更用ボタンを押下する操作を行なうことができる。
また、本態様によれば、外部からの電力の供給が開始された際に、設定情報が所定の範囲内の数値であるか否かを判定し、設定情報が所定の範囲内の数値ではないと判定した場合には、RAM異常フラグをONにし、遊技を進行させる遊技進行処理(図68のステップS12304からステップS12316の処理)を実行しない。したがって、主側RAM64に記憶されている設定情報が所定の範囲内の数値ではない状態のまま遊技進行処理が実行されてしまい、当該パチンコ機10における遊技の進行に不具合が生じてしまうことを抑制することができる。この結果、例えば、遊技者や管理者に想定外の損失を与えてしまうことを抑制することができる。
また、本態様によれば、外部からの電力の供給が開始された際に、設定情報が所定の範囲内の数値であるか否かを判定し、設定情報が所定の範囲内の数値ではないと判定した場合には、RAM異常フラグをONにし、第1RAMクリア処理を実行させるための操作を受け付けた場合であっても、第1RAMクリア処理を実行しない。したがって、設定情報が所定の範囲内の数値ではない状態のまま第1RAMクリア処理が実行されてしまうことによる不具合の発生を抑制することができる。以下、具体的に説明する。
仮に、設定情報が所定の範囲内の数値ではないと判定した場合であっても第1RAMクリア処理を実行する構成を採用した場合には、主側RAM64に記憶されている各種情報のうち、設定情報が所定の範囲内の数値ではないと判定したことを示す情報であるRAM異常フラグまで消去されてしまい(OFFとなり)、設定情報が所定の範囲内の数値ではない状態であるにもかかわらず、第1RAMクリア処理の実行後に、設定情報が所定の範囲内の数値であることを前提とした遊技進行処理(図68のステップS12304からステップS12316の処理)が実行されてしまい、不具合が発生してしまう可能性がある。
これに対して、本態様によれば、設定情報が所定の範囲内の数値ではないと判定した場合には、第1RAMクリア処理を実行させるための操作を受け付けた場合であっても、第1RAMクリア処理を実行しないので、設定情報が所定の範囲内の数値ではない状態であるにもかかわらず第1RAMクリア処理が実行されてしまい、設定情報が所定の範囲内の数値であることを前提とした遊技進行処理が実行されてしまうことを抑制することができる。この結果、設定情報が所定の範囲内の数値ではない状態のまま第1RAMクリア処理が実行されてしまうことによる不具合の発生を抑制することができる。
また、本態様によれば、外部からの電力の供給が開始された際に、設定情報が所定の範囲内の数値であるか否かを判定し、設定情報が所定の範囲内の数値ではないと判定した場合には、設定確認モードを実行させるための操作を受け付けた場合であっても、設定確認モードを実行しない。したがって、主側RAM64に記憶されている設定情報が所定の範囲内の数値ではない状態であるにもかかわらず、当該設定情報を表示する設定確認モードが実行されてしまうことを抑制することができる。
また、本態様によれば、外部からの電力の供給が断たれる際に、主側RAM64に記憶されている所定の情報群(本態様では設定情報を含む)に基づいて所定の演算を実行し、当該所定の演算の結果であるRAM判定値(以下、第1RAM判定値とも呼ぶ)を主側RAM64に記憶させる。そして、外部からの電力の供給が開始された際に、主側RAM64に記憶されている所定の情報群(本態様では設定情報を含み、第1RAM判定値は含まない)に基づいて所定の演算を実行し、当該所定の演算の結果であるRAM判定値(以下では第2RAM判定値とも呼ぶ)と、主側RAM64に記憶されている第1RAM判定値とが一致するか否かを判定する。さらに、本態様では、第2RAM判定値と第1RAM判定値とが一致すると判定した場合には、設定情報が所定の範囲内の数値であるか否かを判定する。第2RAM判定値と第1RAM判定値とが一致すると判定し(図65のステップS12006:YES)、かつ、設定情報が所定の範囲内の数値であると判定した場合には(図65のステップS12007:YES)、RAM異常フラグはONにならず、遊技進行処理(図68のステップS12304からステップS12316の処理)を実行する。換言すれば、第2RAM判定値と第1RAM判定値とが一致すると判定したが(図65のステップS12006:YES)、設定情報は所定の範囲内の数値ではないと判定した場合には(図65のステップS12007:NO)、RAM異常フラグがONになり(図65のステップS12015)、遊技進行処理(図68のステップS12304からステップS12316の処理)は実行しない。したがって、第2RAM判定値と第1RAM判定値とは一致しているが設定情報は所定の範囲内の数値ではない状態であるにもかかわらず、遊技進行処理が実行されてしまうことを抑制することができる。この結果、設定情報が所定の範囲内の数値ではない状態であるにもかかわらず遊技進行処理が実行されてしまうことによる不具合の発生を抑制することができる。以下、具体的に説明する。
第2RAM判定値と第1RAM判定値とが一致している場合には、外部からの電力供給が開始された際に主側RAM64に記憶されている所定の情報群の内容と、前回の電力供給が断たれる際に主側RAM64に記憶されていた所定の情報群の内容とが同じである可能性が高く、主側RAM64に記憶されている所定の情報群が、外部からの電力の供給が断たれた状態であっても正常に維持されていた可能性が高い。しかしながら、主側RAM64に記憶されている所定の情報群が正常に維持されていない場合であっても、第2RAM判定値と第1RAM判定値とが偶然に一致してしまう場合がある。
このため、仮に、第2RAM判定値と第1RAM判定値とが一致するか否かは判定するが、設定情報が所定の範囲内の数値であるか否かは判定しない構成を採用した場合には、設定情報が所定の範囲内の数値ではない場合であっても、第2RAM判定値と第1RAM判定値とが偶然に一致してしまい、遊技進行処理が実行されてしまう可能性がある。この結果、遊技の進行に致命的な不具合が生じてしまうおそれがある。
これに対して、本態様によれば、第2RAM判定値と第1RAM判定値とが一致すると判定し、かつ、設定情報が所定の範囲内の数値であると判定したことに基づいて、遊技進行処理を実行する。換言すれば、第2RAM判定値と第1RAM判定値とは一致しているが、設定情報が所定の範囲内の数値ではない状態では、遊技進行処理を実行しない。したがって、第2RAM判定値と第1RAM判定値とは一致しているが設定情報は所定の範囲内の数値ではない状態であるにもかかわらず、遊技進行処理が実行されてしまうことを抑制することができる。この結果、設定情報が所定の範囲内の数値ではない状態であるにもかかわらず遊技進行処理が実行されてしまうことによる不具合の発生を抑制することができる。
また、本態様によれば、設定変更モードの実行中に、設定用の鍵(鍵穴)のONの状態からOFFの状態への移行を検出したことに基づいて、設定変更モードを終了させるので(図66のステップS12108:YES)、設定変更モードが開始直後に終了してしまうことを回避することができる。以下、具体的に説明する。
例えば、仮に、本態様とは異なる構成であって、設定用の鍵(鍵穴)がOFFの状態であることを検出した場合に設定変更モードを終了させる構成を採用した場合について説明する。この構成を採用した場合において、設定用の鍵(鍵穴)がONの状態であることを含む設定変更モードを開始させるための操作が行なわれたことに基づいて設定変更モードが開始された場合には、設定用の鍵(鍵穴)がONの状態からOFFの状態に移行するまで、当該設定変更モードは継続する。しかしながら、電力の供給が開始された際に設定変更中フラグがONであったことに基づいて設定変更モードが開始された場合には、設定用の鍵(鍵穴)がOFFの状態のまま設定変更モードが開始される場合もある。この場合には、設定変更モードが開始された直後に、設定用の鍵(鍵穴)がOFFの状態であることが検出され、当該設定変更モードが終了してしまう。すなわち、設定変更モードが開始直後に終了してしまい、設定変更モードにおいて抽選設定の設定情報を変更することが困難となってしまう。
これに対して、本態様によれば、設定用の鍵(鍵穴)のONの状態からOFFの状態への移行を検出したことに基づいて、設定変更モードを終了させるので、設定用の鍵(鍵穴)がOFFの状態のまま設定変更モードが開始された場合であっても、パチンコ機10の管理者等が設定用の鍵(鍵穴)をOFFの状態からONの状態に移行させ、再度、ONの状態からOFFの状態に移行させるまでは、設定変更モードが継続することになる。したがって、設定用の鍵(鍵穴)がOFFの状態のまま設定変更モードが開始された場合であっても、設定変更モードが開始された直後に当該設定変更モードが終了してしまうことを回避することができる。この結果、設定変更モードが開始直後に終了してしまうことによって抽選設定の設定情報を変更することが困難となってしまうことを抑制することができる。
また、本態様によれば、電力の供給が開始された際に設定変更中フラグがONであったことに基づいて設定変更モードが開始された場合であっても、設定用の鍵を有している者のみが設定変更モードを終了させることができる。したがって、パチンコ機10のセキュリティを向上させることができる。
また、本態様によれば、設定用の鍵(鍵穴)がONの状態であることを含む設定変更モードを開始させるための操作が行なわれたことに基づいて設定変更モードを開始させるだけでなく、電力の供給が開始された際に設定変更中フラグがONであったことに基づいて設定変更モードを開始させる。したがって、設定用の鍵(鍵穴)がONの状態である場合に限らず、設定用の鍵(鍵穴)がONの状態ではない場合であっても、設定変更モードを開始させることができる。
なお、本態様では、設定変更モードを実行させるための操作としては、RAMクリアスイッチを押下した状態とし(ON状態とし)、かつ、設定用の鍵(鍵穴)、枠開放スイッチ及び扉開放スイッチの全てをONにした状態で、電源スイッチをONにする操作を採用したが、設定変更モードを実行させるための操作としては種々の操作を採用することができる。例えば、設定変更モードを実行させるための操作としては、RAMクリアスイッチを押下した状態とし(ON状態とし)、かつ、設定用の鍵(鍵穴)をONにした状態で、電源スイッチをONにする操作を採用してもよい。
また、本態様では、設定確認モードを実行させるための操作としては、RAMクリアスイッチを押下していない状態とし(OFF状態とし)、かつ、設定用の鍵(鍵穴)、枠開放スイッチ及び扉開放スイッチの全てをONにした状態で、電源スイッチをONにする操作を採用したが、設定確認モードを実行させるための操作としては種々の操作を採用することができる。例えば、設定確認モードを実行させるための操作としては、RAMクリアスイッチを押下していない状態とし(OFF状態とし)、かつ、設定用の鍵(鍵穴)をONにした状態で、電源スイッチをONにする操作を採用してもよい。
また、本態様では、第1RAMクリア処理を実行させるための操作としては、RAMクリアスイッチを押下した状態とし(ON状態とし)、かつ、設定用の鍵(鍵穴)、枠開放スイッチ及び扉開放スイッチのいずれかをOFFにした状態で、電源スイッチをONにする操作を採用したが、第1RAMクリア処理を実行させるための操作としては種々の操作を採用することができる。例えば、第1RAMクリア処理を実行させるための操作としては、RAMクリアスイッチを押下した状態とし(ON状態とし)、かつ、設定用の鍵(鍵穴)をOFFにした状態で、電源スイッチをONにする操作を採用してもよい。
また、本態様では、RAM判定値(チェックサム値)を算出する対象に設定情報を含める構成としたが、この構成に代えて、RAM判定値(チェックサム値)を算出する対象に設定情報を含めない構成としてもよい。
また、本態様では、電力の供給が断たれる際に算出したRAM判定値(チェックサム値)を主側RAM64に記憶させる構成としたが、この構成に代えて、電力の供給が断たれる際に算出したRAM判定値(チェックサム値)を、主側RAM64とは別の不揮発性の記憶手段に記憶させる構成としてもよい。
また、本態様では、設定変更モードの開始の際に、主側RAM64の設定情報記憶領域に記憶されている設定情報と同じ情報を更新用設定情報として主側RAM64の更新用設定情報記憶領域に記憶する構成としたが、更新用設定情報として記憶する情報は、設定情報と完全に同じでなくてもよく、設定情報に対応した情報であればよい。例えば、設定情報が「1」である場合には設定情報に対応した値として「A」を更新用設定情報として記憶し、設定情報が「2」である場合には設定情報に対応した値として「B」を更新用設定情報として記憶する構成としてもよい。
同様に、本態様では、設定変更モードの終了の際に、主側RAM64の更新用設定情報記憶領域に記憶されている更新用設定情報と同じ情報を設定情報として主側RAM64の設定情報記憶領域に記憶する構成としたが、設定情報として記憶する情報は、更新用設定情報と完全に同じでなくてもよく、更新用設定情報に対応した情報であればよい。例えば、更新用設定情報が「A」である場合には設定情報に対応した値として「1」を設定情報として記憶し、更新用設定情報が「B」である場合には更新用設定情報に対応した値として「2」を設定情報として記憶する構成としてもよい。
<態様101>
上記各態様のうち、設定変更モード及び設定確認モードを実行可能な構成において、音声発光制御装置90が現在の日時を計時可能なRTC97(リアルタイムクロック)を備える構成を採用してもよい。以下、具体的に説明する。
図69は、第1実施形態の態様101の音声発光制御装置90及び表示制御装置100の電気的構成を中心として示すブロック図である。なお、電源装置85等の一部の構成は省略されている。
音声発光制御装置90に設けられた音声発光制御基板91には、音声発光制御装置90の全体の制御を司る演算装置であるMPU92と、現在の日時を特定可能な情報である現在日時情報を出力可能なRTC97(リアルタイムクロック)とが搭載されている。MPU92とRTC97とは、信号線を介して相互通信可能に接続されている。
MPU92は、CPU92x、ROM93、RAM94、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路などが内蔵された素子である。CPU92xは、主側ROM63に記憶されている各種制御プログラムを実行する。ROM93は、CPU92xにより実行される各種の制御プログラムや固定値データ、テーブル等を記憶するメモリである。例えば、ROM93のエリアの一部には、演出パターンテーブル等が記憶された各種テーブル記憶エリアが設けられている。RAM94は、CPU92xが制御プログラムを実行する際に各種データ等を一時的に記憶するためのメモリである。例えば、RAM94のエリアの一部には、各種のフラグが記憶される各種フラグ記憶エリア94aや、後述する起動日時情報が記憶される起動日時情報記憶エリア94b等が設けられている。なお、CPU92x、ROM93及びRAM94が1チップ化されていることは必須の構成ではなく、それぞれが個別にチップ化された構成としてもよい。
RTC97は、現在の日時を計時することができる機能を有しており、RTC制御部97aと、レジスタ97bと、RTC用電源97cとを有している。
RTC制御部97aは、レジスタ97bを利用(制御)して、現在の日時の計時など各種の制御を行う。レジスタ97bは、複数のレジスタからなるレジスタテーブルを有しており、このレジスタテーブルには、計時レジスタ97b1と、起動日時情報記憶エリア97b2とが含まれている。
計時レジスタ97b1は、現在の日時を計時するためのレジスタであり、現在日時情報としてのレジスタ値が1秒毎に更新される。本態様では、計時レジスタ97b1における現在日時情報には、現在の「年」、「月」、「日」、「時」、「分」、「秒」を特定可能な情報が含まれている。
起動日時情報記憶エリア97b2は、パチンコ機10が起動した直後のタイミングで、計時レジスタ97b1にて計時されている現在日時情報が書き込まれる記憶領域である。以下では、計時レジスタ97b1から読み込まれて起動日時情報記憶エリア97b2に書き込まれた現在日時情報を、起動日時情報と呼ぶ。本態様では、起動日時情報記憶エリア97b2に記憶される起動日時情報には、上述したパチンコ機10が起動した後の所定のタイミングにおける「年」、「月」、「日」、「時」、「分」、「秒」を特定可能な情報が含まれている。計時レジスタ97b1にて計時されている現在日時情報が起動日時情報記憶エリア97b2に起動日時情報として書き込まれる処理の詳細については後述する。
RTC用電源97cは、パチンコ機10の電源とは異なるRTC97専用の電源であり、パチンコ機10の電源が断たれた電断状態でもRTC制御部97a及びレジスタ97bに電力を供給することができる。したがって、計時レジスタ97b1は、電断状態であっても現在日時情報を更新可能であり、起動日時情報記憶エリア97b2は、電断状態であっても、記憶している起動日時情報を保持することが可能である。本態様では、RTC用電源97cには、ボタン型電池が用いられている。
音声発光制御基板91には、入出力ポートがそれぞれ設けられている。音声発光制御基板91の入力側には主制御装置60及び演出操作ボタン24が接続されており、MPU92は、主制御装置60から各種コマンドを受信し、演出操作ボタン24から所定の信号を受信する。音声発光制御基板91の出力側には、スピーカー46、各種ランプ47が接続されているとともに、表示制御装置100が接続されている。
表示制御装置100に設けられた表示制御基板101には、プログラムROM103及びワークRAM104が複合的にチップ化された素子であるMPU102と、ビデオディスプレイプロセッサ(VDP)105と、キャラクタROM106と、ビデオRAM107とが搭載されている。なお、MPU102に対してプログラムROM103及びワークRAM104が1チップ化されていることは必須の構成ではなく、それぞれが個別にチップ化された構成としてもよい。
MPU102は、音声発光制御装置90から受信した各種コマンドを解析し又は受信した各種コマンドに基づいて所定の演算処理を行って、VDP105の制御(具体的にはVDP105に対する内部コマンドの生成)を実施する。
プログラムROM103は、MPU102により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶するためのメモリであり、背景画像用のJPEG形式画像データも併せて記憶されている。
ワークRAM104は、MPU102による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグ等を一時的に記憶するためのメモリである。
VDP105は、一種の描画回路であり、図柄表示装置41に組み込まれた液晶表示部ドライバとしての画像処理デバイスを直接操作する。VDP105は、ICチップ化されているため「描画チップ」とも呼ばれ、描画処理専用のファームウェアを内蔵した一種のマイコンチップである。VDP105は、MPU102、ビデオRAM107等のそれぞれのタイミングを調整してデータの読み書きに介在するとともに、ビデオRAM107に記憶させる画像データを、キャラクタROM106から所定のタイミングで読み出して図柄表示装置41に表示させる。
キャラクタROM106は、図柄表示装置41に表示される図柄などのキャラクタデータを記憶するための画像データライブラリとしての役割を担うものである。このキャラクタROM106には、各種の表示図柄のビットマップ形式画像データ、ビットマップ画像の各ドットでの表現色を決定する際に参照される色パレットテーブル等が記憶されている。なお、キャラクタROM106を複数設け、各キャラクタROM106に分担して画像データ等を記憶させておくことも可能である。また、プログラムROM103に記憶した背景画像用のJPEG形式画像データをキャラクタROM106に記憶する構成とすることも可能である。
ビデオRAM107は、図柄表示装置41に表示させる表示データを記憶するためのメモリであり、ビデオRAM107の内容を書き替えることにより図柄表示装置41の表示内容が変更される。
以下では、主制御装置60のMPU62、ROM63、RAM64をそれぞれ主側MPU62、主側ROM63、主側RAM64とも呼び、音声発光制御装置90のMPU92、ROM93、RAM94をそれぞれ音光側MPU92、音光側ROM93、音光側RAM94とも呼び、表示制御装置100のMPU102を表示側MPU102とも呼ぶ。
図70は、第1実施形態の態様101の主側MPU62(主側CPU62x)が電源ON時に実行するメイン処理を示すフローチャートである。
ステップS12401では、電源投入に伴う初期設定処理を実行する。具体的には、主側CPU62xのスタックポインタに予め決められた所定値を設定すると共に、サブ側の制御装置(音声発光制御装置90、表示制御装置100、払出制御装置70等)が動作可能な状態になるのを待つために例えば1秒程度、ウェイト処理を実行する。そして、主側RAM64へのアクセスを許可する。その後、ステップS12402に進み、内部機能レジスタの設定処理を実行する。その後、ステップS12403に進む。
ステップS12403では、復電フラグがONであるか否かを判定する。
ここで復電フラグについて説明する。本態様では、パチンコ機10の電源スイッチがOFFにされた場合や停電が発生した場合には、主側CPU62xのレジスタに格納されている各種情報(遊技状態を示す情報や制御情報等)を主側RAM64の所定の領域に退避させる。そして、これらの情報の主側RAM64への退避が完了した場合に、復電フラグをONにするとともに、主側RAM64に記憶されている所定の情報群に基づいて所定の演算を実行することによってRAM判定値(例えばチェックサム値)を算出し、算出したRAM判定値を主側RAM64に記憶する。なお、商用電源からの電源の供給が断たれた後は、コンデンサ等のバックアップ電源からの電源供給に切り替わる。このように、復電フラグは、前回の電源OFF時の状態に復帰させるための情報が主側RAM64に記憶されているか否かを電源投入時に識別するためのフラグである。
ステップS12403において、復電フラグがONであると判定した場合には(ステップS12403:YES)、ステップS12404に進み、主側RAM64に記憶されている所定の情報群に基づいて所定の演算を実行することによってRAM判定値を算出する。本態様では、RAM判定値として、主側RAM64のチェックサム値を算出する。その後、ステップS12405に進み、算出したRAM判定値(チェックサム値)が正常であるか否か、すなわち、算出したRAM判定値(チェックサム値)と主側RAM64に記憶されているRAM判定値(チェックサム値)とが一致するか否かを判定する。ステップS12405において、RAM判定値が正常であると判定した場合には(ステップS12405:YES)、ステップS12406に進む。
ステップS12406では、主側RAM64に記憶されている抽選設定の設定情報を読み込み、設定情報が所定の範囲内の数値であるか否かを判定する。本態様では、パチンコ機10に設定される設定情報は「1」から「6」までの6段階であるため、設定情報が「1」から「6」までの範囲内の数値である場合には、設定情報が所定の範囲内の数値であると判定し、一方、設定情報として「0」や「7」が格納されている場合や、ノイズ等によって数値以外の情報が格納されている場合には、設定情報が所定の範囲内の数値ではないと判定する。ステップS12406において、設定情報が所定の範囲内の数値であると判定した場合には(ステップS12406:YES)、ステップS12407に進む。
一方、上述したステップS12403において復電フラグがONではないと判定した場合(ステップS12403:NO)、上述したステップS12405においてRAM判定値が正常ではないと判定した場合(ステップS12405:NO)、及び、上述したステップS12406において設定情報が所定の範囲内の数値ではないと判定した場合(ステップS12406:NO)には、ステップS12415に進み、RAM異常フラグをONにする。すなわち、RAM異常フラグは、復電フラグがOFFである場合、RAM判定値が正常ではない場合、設定情報が所定の範囲内の数値ではない場合のいずれかの場合にONになるフラグであり、主側RAM64に記憶されている情報が正常ではない状態であることを示すフラグである。
以下では、RAM異常フラグがONにならなかった場合に実行する処理の流れについて説明し、その後、RAM異常フラグがONになった場合に実行する処理の流れについて説明する。
ステップS12407では、設定変更中フラグがONであるか否かを判定する。設定変更中フラグは、後述する設定変更処理(設定変更モード)の開始の際にONとなり、設定変更処理(設定変更モード)の終了の際にOFFになるフラグである。ここで、ステップS12407において設定変更中フラグがONとなっている状況とは、本パチンコ機10の前回の電源投入時に、後述する設定変更処理(設定変更モード)が実行され、当該設定変更処理(設定変更モード)の実行中に当該パチンコ機10の電源スイッチがOFFにされたり停電が発生したことにより、当該設定変更中フラグがONとなったまま維持されている状況である。
ステップS12407において設定変更中フラグがONであると判定した場合には(ステップS12407:YES)、ステップS12418に進み、設定変更処理(設定変更モード)を実行する。設定変更処理(設定変更モード)では、情報表示部45zに抽選設定の設定情報を表示させる処理を実行するとともに、抽選設定の設定情報の変更を受け付ける処理を実行する。すなわち、設定変更モードは、管理者等が当該パチンコ機10の抽選設定の設定情報を変更することが可能なモードである。設定変更処理(設定変更モード)の詳細については後述する。一方、ステップS12407において設定変更中フラグがONではないと判定した場合には(ステップS12407:NO)、ステップS12408に進む。
ステップS12408では、RAMクリアボタンがONであるか否かを判定する。ステップS12408において、RAMクリアボタンがONではないと判定した場合には(ステップS12408:NO)、ステップS12409進み、設定用の鍵、枠開放スイッチ及び扉開放スイッチの全てがONであるか否かを判定する。なお、「設定用の鍵がON」とは、設定用の鍵が設定用の鍵穴に挿入されてON側に位置していることを意味する。また、枠開放スイッチは、内枠13が外枠11に対して開放状態であるときにONとなるスイッチであり、扉開放スイッチは、前扉枠14が内枠13に対して開放状態であるときにONとなるスイッチである。
ステップS12409において、設定用の鍵、枠開放スイッチ及び扉開放スイッチの少なくとも1つがONではないと判定した場合には(ステップS12409:NO)、ステップS12410に進む。
ステップS12410では、設定確認中フラグがONであるか否かを判定する。設定確認中フラグは、後述する設定確認処理(設定確認モード)の開始の際にONとなり、設定確認処理(設定確認モード)の終了の際にOFFになるフラグである。ここで、ステップS12410において設定確認中フラグがONとなっている状況とは、本パチンコ機10の前回の電源投入時に、後述する設定確認処理(設定確認モード)が実行され、当該設定確認処理(設定確認モード)の実行中に当該パチンコ機10の電源スイッチがOFFにされたり停電が発生したことにより、当該設定確認中フラグがONとなったまま維持されている状況である。
ステップS12410において、設定確認中フラグがONではないと判定した場合には(ステップS12410:NO)、ステップS12411に進み、通常起動コマンドを音声発光制御装置90に送信する。通常起動コマンドは、RAM異常であると判定されず、かつ、後述する設定変更処理、設定確認処理、第1RAMクリア処理のいずれの処理も実行しない通常の状態でパチンコ機10(主制御装置60)が起動したことを示すコマンドである。後述するように、音声発光制御装置90は、通常起動コマンドを受信すると、当該パチンコ機10が通常の状態で起動したことを報知する処理を実行する。具体的には、本態様では、「通常起動します」といった音声をスピーカー46から出力させる。ステップS12411を実行した後、後述するステップS12413に進む。
一方、上述したステップS12409において設定用の鍵、枠開放スイッチ及び扉開放スイッチの全てがONであると判定した場合(ステップS12409:YES)、及び、ステップS12410において設定確認中フラグがONであると判定した場合には(ステップS12410:YES)、ステップS12412に進む。すなわち、パチンコ機10の電源投入時にRAMクリアボタンがOFFとなっており、かつ、設定用の鍵、枠開放スイッチ及び扉開放スイッチの全てがONである場合、及び、パチンコ機10の前回の電源投入時に設定確認処理(設定確認モード)が実行され、当該設定確認処理(設定確認モード)の実行中に当該パチンコ機10の電源スイッチがOFFにされたり停電が発生したことにより、当該設定確認中フラグがONとなったまま維持されている場合に、ステップS12412に進む。
ステップS12412では、設定確認処理を実行する。設定確認処理(設定確認モード)では、情報表示部45zに現在の抽選設定の設定情報を表示させる処理を実行する。すなわち、設定確認モードは、管理者等が当該パチンコ機10の現在の抽選設定の設定情報を確認することが可能なモードである。設定確認処理(設定確認モード)の詳細については後述する。ステップS12412を実行した後、ステップS12413に進む。
ステップS12413では、前回の電源OFF時の状態に復帰させる復電処理を実行する。具体的には、復電処理では、主側RAM64に保存されたスタックポインタの値を主側CPU62xのスタックポインタに書き込み、主側RAM64に退避されたデータを主側CPU62xのレジスタに復帰させることによって、主側CPU62xのレジスタの状態を電源が遮断される前の状態に復帰させる。ステップS12413を実行した後、ステップS12414に進み、主側RAM64の復電フラグをOFFにする。その後、後述するステップS12423の処理に進む。
一方、上述したステップS12408において、RAMクリアボタンがONであると判定した場合には(ステップS12408:YES)、ステップS12417に進み、設定用の鍵、枠開放スイッチ及び扉開放スイッチの全てがONであるか否かを判定する。ステップS12417において、設定用の鍵、枠開放スイッチ及び扉開放スイッチの全てがONであると判定した場合には(ステップS12417:YES)、上述したステップS12418に進み、上述した設定変更処理(設定変更モード)を実行する。その後、後述するステップS12423に進む。一方、ステップS12417において、設定用の鍵、枠開放スイッチ及び扉開放スイッチの少なくとも1つがONではないと判定した場合には(ステップS12417:NO)、ステップS12419に進む。
ステップS12419では、上述したRAM異常フラグがONであるか否かを判定する。ステップS12419において、RAM異常フラグがONではないと判定した場合には(ステップS12419:NO)、ステップS12420に進み、第1RAMクリア処理を実行する。第1RAMクリア処理は、主側RAM64に記憶されている情報のうち、抽選設定の設定情報を除いて消去する(0クリアする)処理である。すなわち、第1RAMクリア処理が実行されると、遊技状態を示す各種フラグ情報や各種の制御情報等は消去されるが、抽選設定の設定情報は消去されず、設定情報はそのまま維持される。ステップS12420を実行した後、ステップS12421に進み、第1RAMクリア処理を実行したことを示すコマンドであるRAMクリアコマンドを音声発光制御装置90に送信する。後述するように、音声発光制御装置90は、RAMクリアコマンドを受信すると、第1RAMクリア処理が実行されたことを示す音声をスピーカー46から出力させる。具体的には、本態様では、「主制御装置のRAMをクリアしました」といった音声をスピーカー46から出力させる。ステップS12421を実行した後、後述するステップS12423に進む。
一方、ステップS12419において、RAM異常フラグがONであると判定した場合には(ステップS12419:YES)、ステップS12422に進み、主側RAM64が異常であることを示すコマンドであるRAM異常コマンドを音声発光制御装置90に送信する。後述するように、音声発光制御装置90は、RAM異常コマンドを受信すると、主側RAM64が異常であることを示す音声をスピーカー46から出力させる。具体的には、本態様では、「主制御装置のRAMが異常です。設定変更モードで起動して下さい」といった音声をスピーカー46から繰り返し出力させる。ステップS12422を実行した後、ステップS12423に進む。ただし、本説明の流れでは、RAM異常フラグはONになっていないため、上述したステップS12422には進まない。
ステップS12423では、情報表示部45zを構成する全ての発光部(セグメント発光部A~G及びDP発光部)を点灯、点滅させる処理である点灯点滅処理を実行する。点灯点滅処理では、情報表示部45zを構成する全ての発光部を所定時間(例えば3秒間)点灯させ、その後、所定時間(例えば2秒間)同期して点滅させる。ステップS12423を実行した後、ステップS12424に進む。
ステップS12424では、タイマ割込み処理の発生を許可する割込み許可設定を実行する。その後、無限ループを繰り返して待機するとともに、後述するタイマ割込み処理が定期的に(本態様では4ms毎に)実行される。
次に、ステップS12415においてRAM異常フラグがONになった場合に実行する処理の流れについて説明する。
上述したように、ステップS12403において復電フラグがONではないと判定した場合(ステップS12403:NO)、ステップS12405においてRAM判定値が正常ではないと判定した場合(ステップS12405:NO)、及び、ステップS12406において設定情報が所定の範囲内の数値ではないと判定した場合(ステップS12406:NO)には、ステップS12415に進み、RAM異常フラグをONにする。その後、ステップS12416に進む。
ステップS12416では、RAMクリアボタンがONであるか否かを判定する。ステップS12416において、RAMクリアボタンがONであると判定した場合には(ステップS12416:YES)、ステップS12417に進み、設定用の鍵、枠開放スイッチ及び扉開放スイッチの全てがONであるか否かを判定する。ステップS12417において、設定用の鍵、枠開放スイッチ及び扉開放スイッチの全てがONであると判定した場合には(ステップS12417:YES)、上述したステップS12418に進み、上述した設定変更処理(設定変更モード)を実行する。その後、ステップS12422に進む。一方、ステップS12416においてRAMクリアボタンがONではないと判定した場合(ステップS12416:NO)、及び、ステップS12417において設定用の鍵、枠開放スイッチ及び扉開放スイッチの少なくとも1つがONではないと判定した場合(ステップS12417:NO)には、ステップS12419に進む。
ステップS12419では、上述したRAM異常フラグがONであるか否かを判定する。ステップS12419において、RAM異常フラグがONではないと判定した場合には(ステップS12419:NO)、ステップS12420に進み、上述した第1RAMクリア処理を実行する。ステップS12420を実行した後、ステップS12421に進み、第1RAMクリア処理を実行したことを示すコマンドであるRAMクリアコマンドを音声発光制御装置90に送信する。ステップS12421を実行した後、ステップS12422に進む。ただし、本説明の流れでは、RAM異常フラグはONになっているため、上述したステップS12420には進まない。
一方、ステップS12419において、RAM異常フラグがONであると判定した場合には(ステップS12419:YES)、ステップS12422に進み、主側RAM64が異常であることを示すコマンドであるRAM異常コマンドを音声発光制御装置90に送信する。後述するように、音声発光制御装置90は、RAM異常コマンドを受信すると、RAMが異常であることを示す音声をスピーカー46から出力させる。具体的には、本態様では、「主制御装置のRAMが異常です。設定変更モードで起動して下さい」といった音声をスピーカー46から繰り返し出力させる。ステップS12422を実行した後、ステップS12423に進む。
ステップS12423では、上述した点灯点滅処理を実行する。ステップS12423を実行した後、ステップS12424に進み、タイマ割込み処理の発生を許可する割込み許可設定を実行する。その後、無限ループ処理を繰り返して待機するとともに、後述するタイマ割込み処理が定期的に(本態様では4ms毎に)実行される。
以上説明したように、本態様においては、設定変更処理(設定変更モード)を実行させるための操作は、RAMクリアスイッチを押下した状態とし(ON状態とし)、かつ、設定用の鍵(鍵穴)、枠開放スイッチ及び扉開放スイッチの全てをONにした状態で、電源スイッチをONにする操作である。また、設定確認処理(設定確認モード)を実行させるための操作は、RAMクリアスイッチを押下していない状態とし(OFF状態とし)、かつ、設定用の鍵(鍵穴)、枠開放スイッチ及び扉開放スイッチの全てをONにした状態で、電源スイッチをONにする操作である。また、第1RAMクリア処理を実行させるための操作は、RAMクリアスイッチを押下した状態とし(ON状態とし)、かつ、設定用の鍵(鍵穴)、枠開放スイッチ及び扉開放スイッチのいずれかをOFFにした状態で、電源スイッチをONにする操作である。
以下に、上述したメイン処理が実行されることによって実現される処理の流れの一例をまとめて説明する。
・電力の供給が開始された際に、RAM異常フラグをONにすべき条件が成立しているか否かを判定するが(ステップS12403、ステップS12405、ステップS12406)、設定変更処理(設定変更モード)を実行させるための操作が行なわれていた場合には、RAM異常フラグをONにすべき条件が成立しているか否かに関わらず、また、設定確認中フラグの状態に関わらず、設定変更処理(設定変更モード)を実行する(ステップS12418)。
・電力の供給が開始された際に、RAM異常フラグをONにすべき条件が成立しているか否かを判定し(ステップS12403、ステップS12405、ステップS12406)、RAM異常フラグをONにすべき条件が成立していないと判定した場合において、設定変更中フラグがONであると判定した場合には(ステップS12407:YES)、設定変更処理(設定変更モード)を実行させるための操作、設定確認処理(設定確認モード)を実行させるための操作、及び、第1RAMクリア処理を実行させるための操作が行なわれているか否かに関わらず、設定変更処理(設定変更モード)を実行する(ステップS12418)。
・電力の供給が開始された際に、RAM異常フラグをONにすべき条件が成立しているか否かを判定し(ステップS12403、ステップS12405、ステップS12406)、RAM異常フラグをONにすべき条件が成立していないと判定した場合において、設定変更中フラグがONではないと判定し(ステップS12407:NO)、第1RAMクリア処理を実行させるための操作が行なわれていた場合には(ステップS12408:YES、ステップS12417:NO、ステップS12419:NO)、設定確認中フラグの状態に関わらず、第1RAMクリア処理を実行し(ステップS12420)、RAMクリアコマンドを送信する(ステップS12421)。
・電力の供給が開始された際に、RAM異常フラグをONにすべき条件が成立しているか否かを判定し(ステップS12403、ステップS12405、ステップS12406)、RAM異常フラグをONにすべき条件が成立していないと判定した場合において、設定変更中フラグがONではないと判定し(ステップS12407:NO)、設定確認処理(設定確認モード)を実行させるための操作が行なわれていた場合には(ステップS12408:NO、ステップS12409:YES)、設定確認処理(設定確認モード)を実行する(ステップS12412)。
・電力の供給が開始された際に、RAM異常フラグをONにすべき条件が成立しているか否かを判定し(ステップS12403、ステップS12405、ステップS12406)、RAM異常フラグをONにすべき条件が成立していないと判定した場合において、設定変更中フラグがONではないと判定し(ステップS12407:NO)、設定確認処理(設定確認モード)を実行させるための操作が行なわれていない場合であっても、設定確認中フラグがONであった場合には(ステップS12410:YES)、設定確認処理(設定確認モード)を実行する(ステップS12412)。
・電力の供給が開始された際に、RAM異常フラグをONにすべき条件が成立しているか否かを判定し(ステップS12403、ステップS12405、ステップS12406)、RAM異常フラグをONにすべき条件が成立していると判定してRAM異常フラグをONにした場合には(ステップS12415)、第1RAMクリア処理を実行させるための操作が行なわれていた場合であっても、第1RAMクリア処理を実行せず、RAM異常コマンドを送信する(ステップS12422)。
・電力の供給が開始された際に、RAM異常フラグをONにすべき条件が成立しているか否かを判定し(ステップS12403、ステップS12405、ステップS12406)、RAM異常フラグをONにすべき条件が成立していると判定してRAM異常フラグをONにした場合には(ステップS12415)、設定確認処理(設定確認モード)を実行させるための操作が行なわれていた場合であっても、設定確認処理(設定確認モード)を実行せず、RAM異常コマンドを送信する(ステップS12422)。
次に、図70のステップS12418に示した設定変更処理の詳細について説明する。
図71は、第1実施形態の態様101の主側MPU62(主側CPU62x)が実行する設定変更処理を示すフローチャートである。この設定変更処理は、図70のステップS12418のサブルーチンとして実行される。
ステップS12501では、設定変更モードを開始したことを示すコマンドである設定変更モード開始コマンドを音声発光制御装置90に送信する。後述するように、音声発光制御装置90は、設定変更モード開始コマンドを受信すると、設定変更モードが開始されたことを報知する処理を実行する。具体的には、本態様では、「設定変更モードを開始しました」といった音声をスピーカー46から出力させ、その後、「設定変更モード中です」といった音声をスピーカー46から繰り返し出力させる。また、音声発光制御装置90は、設定変更モード開始コマンドを受信すると、設定変更モード中であることを示す情報を図柄表示装置41に表示させる。具体的には、本態様では、音声発光制御装置90は、「設定変更モード中です」といった文字列を図柄表示装置41に表示させるためのコマンドを表示制御装置100に送信し、当該コマンドを受信した表示制御装置100は、「設定変更モード中です」といった文字列を図柄表示装置41に表示させる。また、音声発光制御装置90は、設定変更モード開始コマンドを受信すると、各種ランプ47を最大輝度による点灯と消灯とを交互に繰り返して点滅するように制御する。
なお、設定変更モード開始コマンドを音声発光制御装置90に送信した後に、設定変更モードを開始したことを示す情報を外部端子を介して遊技ホールのホールコンピュータに送信する構成としてもよい。この場合、設定変更モードを開始したことを示す情報を受信したホールコンピュータは、管理画面に設定変更モード中のパチンコ機10の情報を表示する構成としてもよい。ステップS12501を実行した後、ステップS12502に進む。
ステップS12502では、主側RAM64における設定変更中フラグをONにする。設定変更中フラグは、上述したように、設定変更処理(設定変更モード)が開始されたことを示すフラグであるとともに、当該設定変更処理(設定変更モード)がまだ終了していないことを示すフラグである。ステップS12502を実行した後、ステップS12503に進む。
ステップS12503では、設定変更開始時初期設定処理を実行する。設定変更開始時初期設定処理では、設定変更処理を開始するにあたって必要な初期設定を実行する。また、本態様では、設定変更開始時初期設定処理において、RAM異常フラグがONであるか否かを判定し、当該RAM異常フラグがONであると判定した場合には、当該RAM異常フラグをOFFにする。ステップS12503を実行した後、ステップS12504に進む。
ステップS12504では、主側RAM64に記憶されている抽選設定の設定情報を読み込み、更新用設定情報として保存する。具体的には、本態様では、主側RAM64の設定情報記憶領域に記憶されている抽選設定の設定情報を読み込み、当該読み込んだ設定情報を、主側RAM64の設定情報記憶領域以外の他の領域である更新用設定情報記憶領域にコピーする。ステップS12504を実行した後、ステップS12505に進む。
ステップS12505では、主側RAM64の更新用設定情報記憶領域に記憶されている更新用設定情報を読み込み、当該読み込んだ更新用設定情報を情報表示部45zに表示させるための制御を開始する。具体的には、更新用設定情報を情報表示部45zに点灯表示させる。その後、ステップS12506に進み、更新用設定情報が所定の範囲内の数値であるか否かを判定する。本態様では、パチンコ機10に設定される設定情報は「1」から「6」までの6段階であるため、更新用設定情報が「1」から「6」までの範囲内の数値であるか否かを判定する。ステップS12506において、更新用設定情報が所定の範囲内の数値であると判定した場合には(ステップS12506:YES)、ステップS12508に進む。一方、ステップS12506において、更新用設定情報が所定の範囲内の数値ではないと判定した場合(ステップS12506:NO)、例えば、更新用設定情報として「0」や「7」が格納されている場合や、ノイズ等によって数値以外の情報が格納されている場合には、ステップS12507に進み、更新用設定情報を初期値に変更する。本態様では、更新用設定情報に初期値として「1」を格納する。その後、ステップS12508に進む。
ステップS12508では、設定用の鍵(鍵穴)がON側からOFF側に移行したか否かを判定する。具体的には、本態様では、設定用の鍵(鍵穴)がON側になっている期間中はHighレベルを示す信号であって、設定用の鍵(鍵穴)がOFF側になっている期間中はLowレベルを示す信号を監視しており、当該信号がHighレベルからLowレベルに立ち下がる立下がりエッジを検出した場合に、設定用の鍵(鍵穴)がOFF側になったと判定する。ステップS12508において、設定用の鍵(鍵穴)がON側からOFF側に移行していないと判定した場合には(ステップS12508:NO)、ステップS12509に進み、設定変更用ボタンが押下されたか否かを判定する。ステップS12509において、設定変更用ボタンが押下されたと判定した場合には(ステップS12509:YES)、ステップS12510に進み、更新用設定情報を更新する。具体的には、更新用設定情報として格納されている数値情報に1を加算する。ただし、更新用設定情報として格納されている数値情報が「6」である状況において設定変更用ボタンが押下された場合には当該数値情報は「1」に更新される。その後、上述したステップS12506に戻り、更新した更新用設定情報が所定の範囲内の数値であるか否かを判定する。一方、ステップS12509において、設定変更用ボタンが押下されていないと判定した場合には(ステップS12509:NO)、ステップS12510の処理を実行することなく、上述したステップS12506に戻り、更新用設定情報が所定の範囲内の数値であるか否かを判定する。
上述したステップS12508において、設定用の鍵(鍵穴)がON側からOFF側に移行したと判定した場合には(ステップS12508:YES)、ステップS12511に進む。
ステップS12511では、主側RAM64に記憶されている更新用設定情報を読み込み、設定情報として保存する。具体的には、本態様では、主側RAM64の更新用設定情報記憶領域に記憶されている更新用設定情報を読み込み、当該読み込んだ更新用設定情報を、主側RAM64の設定情報記憶領域にコピーする。ステップS12511を実行した後、ステップS12512に進み、更新用設定情報を情報表示部45zに表示させるための制御を終了する。その後、ステップS12513に進む。
ステップS12513では、第1RAMクリア処理を実行する。第1RAMクリア処理では、主側RAM64の設定情報記憶領域に記憶されている抽選設定の設定情報以外の情報を消去する。この第1RAMクリア処理が実行されると、上述した設定変更中フラグも消去される(OFFとなる)。ステップS12513を実行した後、ステップS12514に進む。
ステップS12514では、設定変更モードを終了したことを示すコマンドである設定変更モード終了コマンドを音声発光制御装置90に送信する。後述するように、音声発光制御装置90は、設定変更モード終了コマンドを受信すると、設定変更モードが終了されたことを報知する処理を実行する。具体的には、本態様では、スピーカー46からの「設定変更モード中です」といった音声の出力を終了させ、「設定変更モードを終了しました」といった音声をスピーカー46から出力させる。また、図柄表示装置41や各種ランプ47における設定変更モード中であることを報知する制御を終了させる。
なお、設定変更モード終了コマンドを音声発光制御装置90に送信した後、設定変更モードを終了したことを示す情報を外部端子を介して遊技ホールのホールコンピュータに送信する構成としてもよい。この場合、設定変更モードを終了したことを示す情報を受信したホールコンピュータは、管理画面に当該パチンコ機10の設定変更モードが終了したことを示す情報を表示する構成としてもよい。
ステップS12514を実行した後、本設定変更処理を終了する。なお、設定変更報知終了処理を実行した後、変更後の抽選設定の設定情報を外部端子を介して遊技ホールのホールコンピュータに送信する構成とし、当該情報を受信したホールコンピュータは、管理画面に当該パチンコ機10の変更後の抽選設定の設定情報を表示する構成としてもよい。
次に、図70のステップS12412に示した設定確認処理の詳細について説明する。
図72は、第1実施形態の態様101の主側MPU62(主側CPU62x)が実行する設定確認処理を示すフローチャートである。この設定確認処理は、図70のステップS12412のサブルーチンとして実行される。
ステップS12601では、設定確認モードを開始したことを示すコマンドである設定確認モード開始コマンドを音声発光制御装置90に送信する。後述するように、音声発光制御装置90は、設定確認モード開始コマンドを受信すると、設定確認モードが開始されたことを報知する処理を実行する。具体的には、本態様では、「設定確認モードを開始しました」といった音声をスピーカー46から出力させ、その後、「設定確認モード中です」といった音声をスピーカー46から繰り返し出力させる。また、音声発光制御装置90は、設定確認モード開始コマンドを受信すると、設定確認モード中であることを示す情報を図柄表示装置41に表示させる。具体的には、本態様では、音声発光制御装置90は、「設定確認モード中です」といった文字列を図柄表示装置41に表示させるためのコマンドを表示制御装置100に送信し、当該コマンドを受信した表示制御装置100は、「設定確認モード中です」といった文字列を図柄表示装置41に表示させる。また、音声発光制御装置90は、設定確認モード開始コマンドを受信すると、各種ランプ47を最大輝度による点灯と消灯とを交互に繰り返して点滅するように制御する。
なお、設定確認モード開始コマンドを音声発光制御装置90に送信した後、設定確認モードを開始したことを示す情報を外部端子を介して遊技ホールのホールコンピュータに送信する構成としてもよい。この場合、設定確認モードを開始したことを示す情報を受信したホールコンピュータは、管理画面に設定確認モード中のパチンコ機10の情報を表示する構成としてもよい。ステップS12601を実行した後、ステップS12602に進む。
ステップS12602では、主側RAM64における設定確認中フラグをONにする。設定確認中フラグは、上述したように、設定確認処理(設定確認モード)が開始されたことを示すフラグであるとともに、当該設定確認処理(設定確認モード)がまだ終了していないことを示すフラグである。ステップS12602を実行した後、ステップS12603に進む。
ステップS12603では、主側RAM64の設定情報記憶領域に記憶されている抽選設定の設定情報を情報表示部45zに表示させるための制御を開始する。具体的には、抽選設定の設定情報を情報表示部45zに点滅表示させる。その後、ステップS12604に進む。
ステップS12604では、設定用の鍵(鍵穴)がON側からOFF側に移行したか否かを判定する。具体的には、本態様では、設定用の鍵(鍵穴)がON側になっている期間中はHighレベルを示す信号であって、設定用の鍵(鍵穴)がOFF側になっている期間中はLowレベルを示す信号を監視しており、当該信号がHighレベルからLowレベルに立ち下がる立下がりエッジを検出した場合に、設定用の鍵(鍵穴)がON側からOFF側に移行したと判定する。ステップS12604において、設定用の鍵(鍵穴)がON側からOFF側に移行していないと判定した場合には(ステップS12604:NO)、再びステップS12604を実行する。一方、ステップS12604において、設定用の鍵(鍵穴)がON側からOFF側に移行したと判定した場合には(ステップS12604:YES)、ステップS12605に進む。すなわち、設定用の鍵(鍵穴)がON側からOFF側に移行するまでは無限ループを繰り返してステップS12605に進まず、設定用の鍵(鍵穴)がON側からOFF側に移行するとステップS12605に進む。
ステップS12605では、抽選設定の設定情報を情報表示部45zに表示させるための制御を終了する。その後、ステップS12606に進む。
ステップS12606では、主側RAM64における設定変更中フラグをOFFにする。その後、ステップS12607に進む。
ステップS12607では、設定確認モードを終了したことを示すコマンドである設定確認モード終了コマンドを音声発光制御装置90に送信する。後述するように、音声発光制御装置90は、設定確認モード終了コマンドを受信すると、設定確認モードが終了されたことを報知する処理を実行する。具体的には、本態様では、スピーカー46からの「設定確認モード中です」といった音声の出力を終了させ、「設定確認モードを終了しました」といった音声をスピーカー46から出力させる。また、図柄表示装置41や各種ランプ47における設定確認モード中であることを報知する制御を終了させる。
なお、設定確認モード終了コマンドを音声発光制御装置90に送信した後、設定確認モードを終了したことを示す情報を外部端子を介して遊技ホールのホールコンピュータに送信する構成としてもよい。この場合、設定確認モードを終了したことを示す情報を受信したホールコンピュータは、管理画面に当該パチンコ機10の設定確認モードが終了したことを示す情報を表示する構成としてもよい。ステップS12607を実行した後、本設定確認処理を終了する。
次に、主側MPU62(CPU62x)が実行するタイマ割込み処理について説明する。
図73は、第1実施形態の態様101の主側MPU62(主側CPU62x)が実行するタイマ割込み処理を示すフローチャートである。本態様では、主側MPU62(主側CPU62x)は、4ms周期でタイマ割込み処理を実行する。
ステップS12701では、各種乱数更新処理を実行する。各種乱数更新処理では、主側RAM64における各カウンタ(大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3、電動役物開放カウンタC4等)から現状の数値情報を読み出し、その読み出した数値情報に1を加算する処理を実行した後に、読み出し元のカウンタに加算後の数値情報を上書きする処理を実行する。なお、読み出した数値情報が当該カウンタの最大値である場合には、読み出し元のカウンタに0を上書きする処理を実行する。ステップS12701を実行した後、ステップS12702に進む。
ステップS12702では、停電監視処理を実行する。停電監視処理では、電源装置85から主制御装置60に供給される駆動電圧を監視しており、当該駆動電圧が所定値(例えば10ボルト)を下回ったと判定した場合には、パチンコ機10の電源スイッチがOFFにされた又は停電が発生したと判断して、主側CPU62xのレジスタに格納されている各種情報(遊技状態を示す情報や制御情報等)を主側RAM64の所定の領域に退避させる。そして、これらの情報の主側RAM64への退避が完了した場合に、復電フラグをONにするとともに、主側RAM64に記憶されている所定の情報群に基づいて所定の演算を実行することによってRAM判定値(例えばチェックサム値)を算出し、算出したRAM判定値を主側RAM64に記憶する。その後、後述するステップS12703には進まずに、供給される駆動電圧が低下して動作不能となるまで無限ループ処理を繰り返す。なお、本態様の電源装置85は、主制御装置60に供給される駆動電圧が所定値を下回るまで低下した場合であっても、主制御装置60などの制御系において駆動電圧として使用される5ボルトの安定化電圧が出力されるように構成されている。この安定化電圧が出力される時間としては、上述したRAM判定値を主側RAM64に記憶するまでの処理を実行するに十分な時間が確保されている。
一方、ステップS12702の停電監視処理において、電源装置85から主制御装置60に供給される駆動電圧が所定値を下回っていないと判定した場合には、そのままステップS12703に進む。
ステップS12703では、RAM異常フラグがONであるか否かを判定する。ステップS12703において、RAM異常フラグがONではないと判定した場合には(ステップS12703:NO)、ステップS12704に進む。一方、ステップS12703において、RAM異常フラグがONであると判定した場合には(ステップS12703:YES)、ステップS12704以降の処理を実行せずに、本タイマ割込み処理を終了する。すなわち、RAM異常フラグがONである場合には、ステップS12704以降の遊技の進行を可能とするための処理が実行されないこととなり、遊技の進行が可能な遊技進行モードには移行しない構成となっている。以下、遊技の進行を可能とするための処理であるステップS12704以降の処理について説明する。
ステップS12704では、ポート出力処理を実行する。ポート出力処理では、前回のタイマ割込み処理において出力情報の設定が行われている場合に、その出力情報に対応した出力を各種駆動部36c,34bに行うための処理を実行する。例えば、大入賞口36aを開放状態に切り換えるべき情報が設定されている場合には可変入賞駆動部36cへの駆動信号の出力を開始させ、閉鎖状態に切り換えるべき情報が設定されている場合には当該駆動信号の出力を停止させる。また、第2始動口34の電動役物34aを開放状態に切り換えるべき情報が設定されている場合には電動役物駆動部34bへの駆動信号の出力を開始させ、閉鎖状態に切り換えるべき情報が設定されている場合には当該駆動信号の出力を停止させる。その後、ステップS12705に進む。
ステップS12705では、読み込み処理を実行する。読み込み処理では、入球信号以外の信号の読み込みを実行し、その読み込んだ情報を今後の処理にて利用するために記憶する。その後、ステップS12706に進む。
ステップS12706では、各入球検知センサー44a~44hから受信している信号を読み込むとともに、その読み込んだ情報に対応した処理を行うための入球検知処理を実行する。入球検知処理は、図28に示した入球検知処理と同じであるため、詳細な説明は省略する。ステップS12706を実行した後、ステップS12707に進む。
ステップS12707では、主側RAM64に設けられている所定のタイマカウンタの数値情報をまとめて更新するためのタイマ更新処理を実行する。その後、ステップS12708に進み、賞球コマンドの出力設定処理を実行する。その後、ステップS12709に進む。
ステップS12709では、第1始動口33及び第2始動口34への遊技球の入球に伴う始動口用の入球処理を実行する。始動口用の入球処理では、第1始動口33又は第2始動口34に遊技球が入球したと判定されたことに基づいて大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の値を取得するとともに、取得したカウンタ値をRAM64の保留情報記憶エリア64bに記憶する。ステップS12709を実行した後、ステップS12710に進む。
ステップS12710では、スルーゲート35への遊技球の入球(通過)に伴うスルーゲート用の入球処理を実行する。スルーゲート用の入球処理では、スルーゲート35に遊技球が入球(通過)したと判定されたことに基づいて変動種別カウンタCSの値を取得するとともに、取得したカウンタ値をRAM64の電役保留エリア64dに記憶する。ステップS12710を実行した後、ステップS12711に進む。
ステップS12711では、各遊技回における遊技を制御するための遊技回制御処理を実行する。遊技回制御処理では、当たり抽選や、第1図柄表示部37a,第2図柄表示部37bの表示制御などを行う。ステップS12711を実行した後、ステップS12712に進む。
ステップS12712では、遊技状態を移行させるための遊技状態移行処理を実行する。遊技状態移行処理では、遊技状態を開閉実行モード、高確率モード、高頻度サポートモードなどへ移行させる処理を実行する。ステップS12712を実行した後、ステップS12713に進む。
ステップS12713では、電動役物34aを制御するための電役サポート用処理を実行する。電役サポート用処理では、電動役物34aを開放状態とするか否かの判定(電動役物開放抽選)を行なうとともに、開放状態とすると判定した場合には電動役物34aを駆動制御する。ステップS12713を実行した後、ステップS12714に進む。
ステップS12714では、遊技球発射制御処理を実行する。遊技球発射制御処理では、遊技者によって操作ハンドル25が操作された際に遊技球を遊技領域PAに発射するための処理を実行する。ステップS12714を実行した後、ステップS12715に進む。
ステップS12715では、今回のタイマ割込み処理にて実行された各種処理の処理結果に応じた外部信号の出力の開始及び終了を制御するように外部情報設定処理を実行する。ステップS12715を実行した後、ステップS12716に進む。
ステップS12716では、遊技履歴情報を算出・表示するための遊技履歴用処理を実行する。遊技履歴用処理は、図29に示した遊技履歴用処理と同じであるため、詳細な説明は省略する。ステップS12716を実行した後、本タイマ割込み処理を終了する。
以上説明したように、本態様では、パチンコ機10の電源スイッチがONにされて当該パチンコ機10が起動すると、上述した通常起動コマンド、RAM異常コマンド、RAMクリアコマンド、設定変更モード開始コマンド、設定確認モード開始コマンドの5個のコマンドのうちのいずれかのコマンドが主制御装置60から音声発光制御装置90へ向けて送信される。これらの5個のコマンドのうちのいずれかのコマンドを受信した音声発光制御装置90は、受信したコマンドの種別に基づいて、主制御装置60がどのような態様で起動したのか(どのような種別の起動処理を実行したのか)を把握することができる。すなわち、上述した通常起動コマンド、RAM異常コマンド、RAMクリアコマンド、設定変更モード開始コマンド、設定確認モード開始コマンドの5個のコマンドは、主制御装置60が実行した起動処理の種別を示すコマンドであることから、これらの5個のコマンドをまとめて「起動種別コマンド」とも呼ぶ。
次に、音声発光制御装置90のMPU92が実行する処理について説明する。
図74は、第1実施形態の態様101の音光側MPU92(音光側CPU92x)が実行するメイン処理を示すフローチャートである。ステップS12801では、立ち上げ処理を実行する。具体的には、電源投入に伴う初期設定処理や、音光側RAM94が正常に機能するか否かの判定等を実行する。ステップS12801を実行した後、ステップS12802に進む。
ステップS12802では、起動日時情報取得処理を実行する。起動日時情報取得処理では、RTC97の起動日時情報記憶エリア97b2から起動日時情報を読み出して主側RAM64の起動日時情報記憶エリア94bに記憶させる処理を実行する。起動日時情報取得処理の詳細については後述する。ステップS12802を実行した後、ステップS12803に進む。
ステップS12803では、起動種別報知処理を実行する。起動種別報知処理では、主制御装置60の主側MPU62から受信した起動種別コマンドに基づいて、当該主制御装置60の起動の種別を報知する。起動種別報知処理の詳細については後述する。ステップS12803を実行した後、ステップS12804に進む。
ステップS12804では、タイマ割込みの許可を設定する。これにより、後述するタイマ割込み処理の実行が許可される。その後、無限ループに突入する。
次に、図74のステップS12802に示した起動日時情報取得処理の詳細について説明する。
図75は、第1実施形態の態様101の音光側MPU92(音光側CPU92x)が実行する起動日時情報取得処理を示すフローチャートである。ステップS12901では、主側MPU62から起動種別コマンドを受信したか否かを判定する。具体的には、本態様では、主側MPU62から、上述した通常起動コマンド、RAM異常コマンド、RAMクリアコマンド、設定変更モード開始コマンド、設定確認モード開始コマンドの5個のコマンドのうちのいずれかのコマンドを受信したか否かを判定する。ステップS12901において、上述した5個のコマンドのうちのいずれかのコマンドを受信したと判定した場合には(ステップS12901:YES)、ステップS12902に進む。一方、ステップS12901において、上述した5個のコマンドのうちのいずれのコマンドも受信していないと判定した場合には(ステップS12901:NO)、再びステップS12901に戻る。すなわち、上述した5個のコマンドのうちのいずれかのコマンドを受信したと判定するまで待機し、上述した5個のコマンドのうちのいずれかのコマンドを受信したと判定した場合に、ステップS12902に進む。
ステップS12902では、主側MPU62から起動種別コマンドとして受信したコマンドが通常起動コマンド又はRAM異常コマンドのいずれかであるか否かを判定する。ステップS12902において、主側MPU62から起動種別コマンドとして受信したコマンドが通常起動コマンド又はRAM異常コマンドのいずれかであると判定した場合には(ステップS12902:YES)、ステップS12903に進む。ここで、主側MPU62から起動種別コマンドとして受信したコマンドが通常起動コマンド又はRAM異常コマンドである場合とは、外部からの電力の供給が開始された際に、設定変更処理(設定変更モード)を実行させるための操作、設定確認処理(設定確認モード)を実行させるための操作、及び、第1RAMクリア処理を実行させるための操作のいずれの操作も受け付けていなかった場合である。このような場合に、ステップS12903に進む。
ステップS12903では、RTC97の計時レジスタ97b1から現在日時情報を読み込み、当該読み込んだ現在日時情報をRTC97の起動日時情報記憶エリア97b2に書き込む(記憶する)。その後、後述するステップS12905に進む。
一方、ステップS12902において、主側MPU62から起動種別コマンドとして受信したコマンドが通常起動コマンド又はRAM異常コマンドのいずれでもないと判定した場合(ステップS12902:NO)、すなわち、主側MPU62から起動種別コマンドとして受信したコマンドがRAMクリアコマンド、設定変更モード開始コマンド、設定確認モード開始コマンドのうちのいずれかであった場合には、ステップS12904に進む。ここで、主側MPU62から起動種別コマンドとして受信したコマンドがRAMクリアコマンド、設定変更モード開始コマンド、設定確認モード開始コマンドのうちのいずれかであった場合とは、主に、外部からの電力の供給が開始された際に、設定変更処理(設定変更モード)を実行させるための操作、設定確認処理(設定確認モード)を実行させるための操作、及び、第1RAMクリア処理を実行させるための操作のいずれかの操作を受け付けていた場合である。このような場合に、ステップS12904に進む。
ステップS12904では、RTC97の起動日時情報記憶エリア97b2に起動日時情報が記憶されているか否かを判定する。ここで、RTC97の起動日時情報記憶エリア97b2に起動日時情報が記憶されている場合とは、起動日時情報記憶エリア97b2に記憶されている情報から日時を読み出すことが可能な場合であり、一方、RTC97の起動日時情報記憶エリア97b2に起動日時情報が記憶されていない場合とは、例えば、当該パチンコ機10に初めて電源が投入された場合や、起動日時情報記憶エリア97b2に記憶されている情報がノイズ等によって破壊されていて正常に日時が読み出せない場合である。ステップS12904において、RTC97の起動日時情報記憶エリア97b2に起動日時情報が記憶されていると判定した場合には(ステップS12904:YES)、上述したステップS12903の処理(現在日時情報を起動日時情報として上書きする処理)を実行せずに(回避して)ステップS12905に進む。
ステップS12905では、RTC97の起動日時情報記憶エリア97b2から起動日時情報を読み込み、当該読み込んだ起動日時情報を音光側RAM94の起動日時情報記起動日時情報記憶エリア94bに書き込む(記憶する)。その後、本起動日時情報取得処理を終了する。
なお、上述したステップS12904において、RTC97の起動日時情報記憶エリア97b2に起動日時情報が記憶されていないと判定した場合には(ステップS12904:NO)、上述したステップS12903の処理(現在日時情報を読み込んで起動日時情報に上書きする処理)を実行してから、上述したステップS12905に進む。この理由は、仮に、RTC97の起動日時情報記憶エリア97b2に起動日時情報が記憶されていない状態のまま上述したステップS12905に進む構成とすると、音光側RAM94の起動日時情報記憶エリア94bに書き込むべき対象の起動日時情報が存在しないという不具合が生じてしまうからである。
次に、図74のステップS12803に示した起動種別報知処理の詳細について説明する。
図76は、第1実施形態の態様101の音光側MPU92(音光側CPU92x)が実行する起動種別報知処理を示すフローチャートである。ステップS13001では、主側MPU62から起動種別コマンドとして受信したコマンドが通常起動コマンドであるか否かを判定する。ステップS13001において、主側MPU62から起動種別コマンドとして受信したコマンドが通常起動コマンドであると判定した場合には(ステップS13001:YES)、ステップS13002に進む。
ステップS13002では、通常起動報知処理を実行する。通常起動報知処理では、主側RAM64が異常であると判定されず、かつ、上述した設定変更処理、設定確認処理、第1RAMクリア処理のいずれの処理も実行しない通常の状態でパチンコ機10(主制御装置60)が起動したことを報知する処理を実行する。具体的には、本態様では、「通常起動します」といった音声をスピーカー46から出力させる。ステップS13002を実行した後、本起動種別報知処理を終了する。
一方、ステップS13001において、主側MPU62から起動種別コマンドとして受信したコマンドが通常起動コマンドではないと判定した場合には(ステップS13001:NO)、ステップS13003に進み、主側MPU62から起動種別コマンドとして受信したコマンドがRAM異常コマンドであるか否かを判定する。ステップS13003において、主側MPU62から起動種別コマンドとして受信したコマンドがRAM異常コマンドであると判定した場合には(ステップS13003:YES)、ステップS13004に進む。
ステップS13004では、RAM異常報知処理を実行する。RAM異常報知処理では、主側RAM64が異常であることを報知する処理を実行する。具体的には、本態様では、「主制御装置のRAMが異常です。設定変更モードで起動して下さい」といった音声がスピーカー46から繰り返し出力されるように制御して無限ループに突入する。すなわち、RAM異常報知処理では、当該パチンコ機10において次に起動させるべき種別の報知を、当該パチンコ機10の電源スイッチがOFFにされて電源の供給が断たれるまで継続する。
一方、ステップS13003において、主側MPU62から起動種別コマンドとして受信したコマンドがRAM異常コマンドではないと判定した場合には(ステップS13003:NO)、ステップS13005に進み、主側MPU62から起動種別コマンドとして受信したコマンドがRAMクリアコマンドであるか否かを判定する。ステップS12005において、主側MPU62から起動種別コマンドとして受信したコマンドがRAMクリアコマンドであると判定した場合には(ステップS13005:YES)、ステップS13006に進む。
ステップS13006では、RAMクリア報知処理を実行する。RAMクリア報知処理では、主側RAM64に対してRAMクリア処理を実行したことを報知する処理を実行する。具体的には、本態様では、「主制御装置のRAMをクリアしました」といった音声をスピーカー46から出力させる。その後、本起動種別報知処理を終了する。
一方、ステップS13005において、主側MPU62から起動種別コマンドとして受信したコマンドがRAMクリアコマンドではないと判定した場合には(ステップS13005:NO)、ステップS13007に進み、主側MPU62から起動種別コマンドとして受信したコマンドが設定変更モード開始コマンドであるか否かを判定する。ステップS13007において、主側MPU62から起動種別コマンドとして受信したコマンドが設定変更モード開始コマンドであると判定した場合には(ステップS13007:YES)、ステップS13008に進む。
ステップS13008では、設定変更モード開始報知処理を実行する。設定変更モード開始報知処理では、設定変更モードが開始されたことを報知する処理を実行する。具体的には、本態様では、「設定変更モードを開始しました」といった音声をスピーカー46から出力させ、その後、「設定変更モード中です」といった音声をスピーカー46から繰り返し出力させる。また、設定変更モード開始報知処理では、設定変更モード中であることを示す情報を図柄表示装置41に表示させる。具体的には、本態様では、「設定変更モード中です」といった文字列を図柄表示装置41に表示させるためのコマンドを表示制御装置100に送信し、当該コマンドを受信した表示制御装置100は、「設定変更モード中です」といった文字列を図柄表示装置41に表示させる。また、設定変更モード開始報知処理では、各種ランプ47を最大輝度による点灯と消灯とを交互に繰り返して点滅するように制御する。その後、ステップS13009に進み、設定変更モード終了コマンドを受信したか否かを判定する。ステップS13009において、設定変更モード終了コマンドを受信したと判定した場合には(ステップS13009:YES)、ステップS13010に進む。一方、ステップS13009において、設定変更モード終了コマンドを受信していないと判定した場合には(ステップS13009:NO)、再びステップS13009に戻る。すなわち、設定変更モード終了コマンドを受信したと判定するまで待機し、設定変更モード終了コマンドを受信したと判定した場合に、ステップS13010に進む。
ステップS13010では、設定変更モード終了報知処理を実行する。設定変更モード終了報知処理では、設定変更モードが終了されたことを報知する処理を実行する。具体的には、本態様では、スピーカー46からの「設定変更モード中です」といった音声の出力を終了させ、「設定変更モードを終了しました」といった音声をスピーカー46から出力させる。また、図柄表示装置41や各種ランプ47における設定変更モード中であることを報知する制御を終了させる。その後、本起動種別報知処理を終了する。
一方、ステップS13007において、主側MPU62から起動種別コマンドとして受信したコマンドが設定変更モード開始コマンドではないと判定した場合(ステップS13007:NO)、換言すれば、主側MPU62から起動種別コマンドとして受信したコマンドが設定確認モード開始コマンドである場合には、ステップS13011に進む。
ステップS13011では、設定確認モード開始報知処理を実行する。設定確認モード開始報知処理では、設定確認モードが開始されたことを報知する処理を実行する。具体的には、本態様では、「設定確認モードを開始しました」といった音声をスピーカー46から出力させ、その後、「設定確認モード中です」といった音声をスピーカー46から繰り返し出力させる。また、設定確認モード開始報知処理では、設定確認モード中であることを示す情報を図柄表示装置41に表示させる。具体的には、本態様では、「設定確認モード中です」といった文字列を図柄表示装置41に表示させるためのコマンドを表示制御装置100に送信し、当該コマンドを受信した表示制御装置100は、「設定確認モード中です」といった文字列を図柄表示装置41に表示させる。また、設定確認モード開始報知処理では、各種ランプ47を最大輝度による点灯と消灯とを交互に繰り返して点滅するように制御する。その後、ステップS13012に進み、設定確認モード終了コマンドを受信したか否かを判定する。ステップS13012において、設定確認モード終了コマンドを受信したと判定した場合には(ステップS13012:YES)、ステップS13013に進む。一方、ステップS13012において、設定確認モード終了コマンドを受信していないと判定した場合には(ステップS13012:NO)、再びステップS13012に戻る。すなわち、設定確認モード終了コマンドを受信したと判定するまで待機し、設定確認モード終了コマンドを受信したと判定した場合に、ステップS13013に進む。
ステップS13013では、設定確認モード終了報知処理を実行する。設定確認モード終了報知処理では、設定確認モードが終了されたことを報知する処理を実行する。具体的には、本態様では、スピーカー46からの「設定変更モード中です」といった音声の出力を終了させ、「設定変更モードを終了しました」といった音声をスピーカー46から出力させる。また、図柄表示装置41や各種ランプ47における設定確認モード中であることを報知する制御を終了させる。その後、本起動種別報知処理を終了する。
図77は、第1実施形態の態様101の音光側MPU92(音光側CPU92x)が実行するタイマ割込み処理を示すフローチャートである。タイマ割込み処理は、比較的短い周期(本態様では2msec)で繰り返し実行される。以下、タイマ割込み処理において実行される各ステップの処理について説明する。
ステップS13101では、コマンド記憶処理を実行する。コマンド記憶処理は、主側MPU62からコマンドを受信した場合に、受信したコマンドを音光側RAM94に記憶するための処理である。音光側RAM94には、主側MPU62から受信したコマンドの記憶及び読み出しを可能とするためのリングバッファが設けられており、主側MPU62から受信したコマンドは、当該リングバッファに順次記憶されるとともに、記憶された順序に従って順次読み出される。ステップS13101を実行した後、ステップS13102に進む。
ステップS13102では、RTC演出用処理を実行する。RTC演出用処理では、当該パチンコ機10が起動してから(電力の供給が開始されてから)所定時間毎(本態様では1時間毎)に所定時間(本態様では5分間)のRTC演出を実行するための処理を行なう。RTC演出用処理の詳細については後述する。ステップS13102を実行した後、ステップS13103に進む。
ステップS13103では、遊技回演出用処理を実行する。遊技回演出用処理では、図柄の変動が開始してから停止するまでの遊技回において実行する演出に関する処理を行なう。ステップS13103を実行した後、ステップS13104に進む。
ステップS13104では、開閉実行モード演出用処理を実行する。開閉実行モード演出用処理では、オープニング期間における演出や、開閉処理期間における演出、エンディング期間における演出に関する処理を行なう。ステップS13104を実行した後、ステップS13105に進む。
ステップS13105では、客待ち用処理を実行する。客待ち用処理では、遊技回が所定時間実行されていない場合に図柄表示装置41にデモ動画を表示させるための処理を実行する。ステップS13105を実行した後、ステップS13106に進む。
ステップS13106では、各種ランプ47の発光制御を行うための発光制御処理を実行する。発光制御処理では、上記の各演出用処理において読み出された発光データに基づいて、各種ランプ47の発光制御を行う。ステップS13106を実行した後、ステップS13107に進む。
ステップS13107では、スピーカー46の音声出力制御を行うための音声出力制御処理を実行する。音声出力制御処理では、上記のBGM用処理及び各演出用処理において読み出された音声データに基づいて、スピーカー46の音声出力制御を行う。ステップS13107を実行した後、本タイマ割込み処理を終了する。
次に、図77のステップS13102に示したRTC演出用処理の詳細について説明する。
図78は、第1実施形態の態様101の音光側MPU92(音光側CPU92x)が実行するRTC演出用処理を示すフローチャートである。
ステップS13201では、主側RAM64に記憶されているRTC演出実行中フラグがONであるか否かを判定する。RTC演出実行中フラグは、後述するRTC演出が実行中であるか否かを判定するためのフラグであり、RTC演出の開始の際にONとなり、RTC演出の終了の際にOFFとなる。ステップS13201において、RTC演出実行中フラグがONではないと判定した場合(ステップS13201:NO)、すなわち、RTC演出が実行中ではない場合には、ステップS13202に進む。
ステップS13202では、RTC97の計時レジスタ97b1から現在日時情報を読み込む。その後、ステップS13203に進み、読み込んだ現在日時情報と、音光側RAM94の起動日時情報記憶エリア94bに記憶されている起動日時情報とに基づいて、起動日時から現在の日時までの経過時間である起動経過時間を算出する。具体的には、例えば、RTC97の計時レジスタ97b1から読み込んだ現在日時情報が「2017年12月15日11時53分45秒」を示しており、音光側RAM94に記憶されている起動日時情報が「2017年12月15日08時42分35秒」を示している場合には、起動経過時間は、「3時間11分10秒」となる。なお、算出した起動経過時間が24時間00分00秒を超える値となる場合には、起動経過時間が24時間00分00秒以下の値となるまで、当該起動経過時間から24時間00分00秒に対応する値を減算する。例えば、算出した起動経過時間が「51時間35分24秒」である場合には、24時間00分00秒に対応する値を2回減算して、新たな起動経過時間が「3時間35分24秒」となる。このような処理を採用する理由については後述する。ステップS13203を実行した後、ステップS13204に進む。
ステップS13204では、音光側ROM93に記憶されているRTC演出実行判定テーブルを参照し、ステップS13205においてRTC演出を開始するタイミングであるか否かを判定する。RTC演出実行判定テーブルには、起動経過時間と、RTC演出の種別とが対応付けて記憶されている。
図79は、RTC演出実行判定テーブルを説明する説明図である。上述したように、RTC演出実行判定テーブルには、起動経過時間と、RTC演出の種別とが対応付けて記憶されている。具体的には、本態様では、図79に示すように、起動経過時間の1時間毎に異なる種別のRTC演出が設定されている。例えば、起動経過時間「1時間00分00秒」に対応して「RTC演出A」が設定されており、起動経過時間「2時間00分00秒」に対応して「RTC演出B」が設定されている。上述したように、本態様では、起動経過時間が24時間00分00秒を超える値となる場合には、起動経過時間が24時間00分00秒以下の値となるまで、当該起動経過時間から24時間00分00秒に対応する値を減算する。したがって、RTC演出実行判定テーブルを起動経過時間が24時間00分00秒を超える部分に対応させなくてもよいため、RTC演出実行判定テーブルを記憶するために必要となる音光側ROM93の記憶容量を低減することができる。
図78に説明を戻す。ステップS13205では、RTC演出を開始するタイミングであるか否かを判定する。具体的には、ステップS13203において算出した起動経過時間が、RTC演出実行判定テーブルに設定されている起動経過時間と一致している場合にはRTC演出の開始タイミングであると判定し、一致していない場合にはRTC演出の開始タイミングではないと判定する。例えば、ステップS13203において算出した起動経過時間が「1時間00分00秒」である場合にはRTC演出Aの開始タイミングであると判定する。
ステップS13205において、RTC演出を開始するタイミングではないと判定した場合には(ステップS13205:NO)、本RTC演出用処理を終了する。一方、ステップS13205において、RTC演出を開始するタイミングであると判定した場合には(ステップS13205:YES)、ステップS13206に進む。
ステップS13206では、RTC演出実行判定テーブルにおいて設定されている起動経過時間に対応した種別のRTC演出を開始するように設定する。例えば、起動経過時間が「1時間00分00秒」である場合にはRTC演出Aに対応した演出態様となるようにスピーカー46及び各種ランプ47の制御を開始し、RTC演出Aに対応した動画の表示を開始させるためのコマンドを表示制御装置100に対して送信する。本態様では、RTC演出Aは、5分間、キャラクターAが登場して楽曲Aを歌う演出である。RTC演出実行判定テーブルにおいて設定されている他のRTC演出は、5分間、他のキャラクターが登場して他の楽曲を歌う演出である。すなわち、RTC演出の種別毎に登場するキャラクター及び楽曲が異なっている。その後、ステップS13207に進む。
ステップS13207では、RTC演出実行中フラグをONにする。その後、ステップS13208に進み、RTC演出用タイマカウンタTrに「150000」をセットする。RTC演出用タイマカウンタTrは、RTC演出の残時間を管理するためのカウンタであり、後述するように、本タイマ割込み処理が実行される毎に1減算される。本態様では、タイマ割込み処理は2ms毎に実行されるので、RTC演出用タイマカウンタTrにセットされる「150000」は、5分間に相当する。その後、本RTC演出用処理を終了する。
上述したステップS13201において、RTC演出実行中フラグがONであると判定した場合(ステップS13201:YES)、すなわち、上述したステップS13207においてRTC演出実行中フラグをONにした後のタイマ割込み処理にて本ステップS13201に進んだ場合には、ステップS13209に進む。
ステップS13209では、RTC演出用タイマカウンタTrにセットされている値から1を減算する。その後、ステップS13210に進み、RTC演出用タイマカウンタTrの値が0であるか否かを判定する。ステップS13210において、RTC演出用タイマカウンタTrの値が0ではないと判定した場合(ステップS13210:NO)、すなわち、まだRTC演出の終了タイミングではないと判定した場合には、本RTC演出用処理を終了する。一方、ステップS13210において、RTC演出用タイマカウンタTrの値が0であると判定した場合(ステップS13210:YES)、すなわち、RTC演出の終了タイミングであると判定した場合には、ステップS13211に進み、実行中のRTC演出を終了するように設定する。その後、ステップS13212に進み、RTC演出実行中フラグをOFFにして、本RTC演出用処理を終了する。
以上説明したように、本態様によれば、上記の他の態様において説明した効果に加えて、以下の効果を奏することができる。
なお、本態様の効果の説明に先立って、パチンコ機10が複数台設置されている遊技ホールについて説明する。一般に、遊技ホールでは、複数のパチンコ機10に対して一斉に(同時に)電力の供給を開始する。具体的には、例えば、複数のパチンコ機10がそれぞれの電源スイッチがONになっている状態でいわゆる島設備に設置されており、当該島設備の電源スイッチ(以下、島電源スイッチとも呼ぶ)をONにすると、当該島設備に設置されている複数のパチンコ機10に対して一斉に(同時に)電力の供給が開始される。
本態様によれば、パチンコ機10は、当該パチンコ機10への外部からの電力の供給が開始されたことに基づいて、RTC97の計時レジスタ97b1から現在日時情報を読み込み、当該読み込んだ現在日時情報を起動日時情報としてRTC97の起動日時情報記憶エリア97b2に記憶させる処理(図75のステップS12903に示す処理、以下では、「起動日時情報記憶処理」とも呼ぶ)を実行する。そして、起動日時情報記憶処理が実行された年月日及び時刻を含む起動日時情報と、RTC97の計時レジスタ97b1にて計時されている現在日時情報とに基づいて、起動日時情報記憶処理が実行されてからの経過時間である起動経過時間を算出し(図78のステップS13203)、算出した起動経過時間に基づいてRTC演出の実行を開始する(図78のステップS13204~ステップS13206)。この構成を採用したことによる効果について説明する。
仮に、起動日時情報記憶処理が実行されてからの起動経過時間ではなく、RTC97の計時レジスタ97b1において計時されている現在日時情報に基づいてRTC演出の実行を開始する構成(例えば、現在日時情報に含まれている時刻が11時00分00秒となったタイミングでRTC演出を開始する構成)を採用した場合について説明する。この構成において、島設備に設置されている各パチンコ機10の現在日時情報に含まれている時刻にずれが生じている場合(例えば、ある瞬間においてパチンコ機10Aの現在日時情報に含まれている時刻が11時00分00秒であり、パチンコ機10Bの現在日時情報に含まれている時刻が10時59分52秒である場合)には、RTC演出が開始されるタイミングが各パチンコ機10毎に異なってしまい、島設備に設置されている各パチンコ機10において一斉に(同時に)RTC演出が開始されることを期待していた遊技者に違和感を与えてしまうといった課題がある。
これに対して、本態様によれば、島設備に設置されている各パチンコ機10は、当該パチンコ機10への外部からの電力の供給が開始されたことに基づいて、RTC97の計時レジスタ97b1から現在日時情報を読み込み、当該読み込んだ現在日時情報を起動日時情報として起動日時情報記憶エリア97b2に記憶させる起動日時情報記憶処理を実行する。したがって、例えば、遊技ホールの管理者が島電源スイッチをONにすると、当該島設備に設置されている複数のパチンコ機10に対して一斉に(同時に)電力の供給が開始され、当該島設備に設置されている各パチンコ機10は、一斉に(同時に)起動日時情報記憶処理を実行する。
そして、本態様によれば、島設備に設置されている各パチンコ機10は、起動日時情報記憶処理が実行された年月日及び時刻を含む起動日時情報と、RTC97の計時レジスタ97b1において計時されている現在日時情報とに基づいて、起動日時情報記憶処理が実行されてからの起動経過時間を算出する。上述したように、当該島設備に設置されている各パチンコ機10は、一斉に(同時に)起動日時情報記憶処理を実行するので、各パチンコ機10において算出される起動日時情報記憶処理が実行されてからの起動経過時間は、各パチンコ機10のRTC97の計時レジスタ97b1において計時されている現在日時情報に含まれている時刻にずれが生じていたとしても、同一(又は略同一)となる。
そして、本態様によれば、島設備に設置されている各パチンコ機10は、算出した起動経過時間に基づいてRTC演出を開始するので、島設備に設置されている各パチンコ機10において一斉に(同時に)RTC演出を開始させることが可能となる。
さらに、本態様のパチンコ機10は、RTC97の起動日時情報記憶エリア97b2に記憶した起動日時情報を外部からの電力の供給が断たれた電断状態の間も保持することが可能に構成されており、また、音声発光制御装置90のMPU92は、主制御装置60のMPU62が実行する起動処理の種別が特定の起動処理である場合には上述した起動日時情報記憶処理の実行を回避するように構成されている(図75のステップS12902)。具体的には、本態様では、音声発光制御装置90のMPU92は、主制御装置60のMPU62からRAMクリアコマンド、設定変更モード開始コマンド、設定確認モードのいずれかの起動種別コマンドを受信した場合には、上述した起動日時情報記憶処理の実行を回避する。この構成を採用したことによる効果について説明する。
仮に、上述した起動日時情報記憶処理の実行を回避する機能を備えない構成を採用した場合について説明する。この構成において、島設備に設置されている各パチンコ機10に対して一斉に(同時に)電力の供給が開始されると、当該島設備に設置されている各パチンコ機10は、一斉に(同時に)起動日時情報記憶処理を実行する。その後、遊技ホールの管理者が、当該島設備に設置されている複数のパチンコ機10のうちの一のパチンコ機10に特定の起動処理(例えば、設定変更モードや、設定確認モード、RAMクリア処理)を実行させるために、当該一のパチンコ機10の電源スイッチを一旦OFFにした後、当該一のパチンコ機10を特定の起動処理が実行される状態(例えば、設定変更モードや設定確認モード、RAMクリア処理を実行させるための操作を受け付けている状態)として当該一のパチンコ機10の電源スイッチをONにして特定の起動処理を実行させる場合がある。この場合、当該一のパチンコ機10は、電源スイッチがONにされて電力の供給が開始されたことに基づいて再び起動日時情報記憶処理を実行する。そうすると、当該一のパチンコ機10において算出される起動経過時間が、他のパチンコ機10において算出される起動経過時間と異なってしまい、当該一のパチンコ機10においてRTC演出が開始されるタイミングが、他のパチンコ機10においてRTC演出が開始されるタイミングと異なってしまい、当該一のパチンコ機10において遊技を行なっている遊技者に違和感を与えてしまうといった課題がある。
これに対して、本態様によれば、遊技ホールの管理者が、当該一のパチンコ機10の電源スイッチをOFFにして電断状態としても、当該一のパチンコ機10のRTC97の起動日時情報記憶エリア97b2において記憶されている起動日時情報は保持される。その後、管理者が当該一のパチンコ機10を特定の起動処理が実行される状態として電源スイッチをONにすると、当該一のパチンコ機10において特定の起動処理が実行され、起動日時情報記憶処理の実行が回避されるので、当該一のパチンコ機10のRTC97の起動日時情報記憶エリア97b2に記憶されている起動日時情報が上書きされず、他のパチンコ機10と一斉に(同時に)電力の供給が開始された際に実行された起動日時情報記憶処理において記憶された起動日時情報が維持される。この結果、当該一のパチンコ機10を含む当該島設備に設置されている各パチンコ機10において算出される起動経過時間は同一(又は略同一)となる。
そして、本態様によれば、島設備に設置されている各パチンコ機10は、算出した起動経過時間に基づいてRTC演出を開始するので、一旦電源スイッチをOFFにした後再度電源スイッチをONにしたパチンコ機10を含む当該島設備に設置されている各パチンコ機10において一斉に(同時に)RTC演出を開始させることが可能となる。
また、本態様によれば、特定の起動処理が主制御装置60によって実行される場合に、次回の電力供給の開始の際に実行させるべき起動処理の種別に関する情報を報知する。具体的には、本態様では、RAM異常コマンドを送信する処理(図70のステップS12422)を含む起動処理が主制御装置60によって実行された場合に、音声発光制御装置90は、「RAM異常です。設定変更モードで起動して下さい。」といった音声をスピーカー46から繰り返し出力させる。したがって、管理者は、次回の電力供給の開始の際に実行させるべき起動処理の種別を把握することができ、当該パチンコ機10への電力供給を終了させた後、再度、当該パチンコ機10への電力供給を開始させる際に、報知された種別の起動処理(本態様では設定変更モード)を実行させるようにすることができる。
特に、本態様では、図70のステップS12415においてRAM異常フラグがONとなったパチンコ機10への電力供給を終了させた後、再度、当該パチンコ機10への電力供給を開始させる際に、報知された種別の起動処理(設定変更モード)を実行させなかった場合には、再びRAM異常であると判定されて主制御装置60がRAM異常コマンドを音声発光制御装置90に送信してしまう(図70のステップS12422)。そうすると、音声発光制御装置90のMPU92は、上述した起動日時情報記憶処理(図75のステップS12903)を再び実行してしまい、当該パチンコ機10において実行されるRTC演出の開始のタイミングが他の複数のパチンコ機10において実行されるRTC演出の開始のタイミングとずれてしまう。しかしながら、本態様では、次回の電力供給の開始の際に実行させるべき起動処理の種別に関する情報を報知するので、管理者が当該パチンコ機10に別の種別の起動処理を実行させてしまうことを抑制することができ、この結果、当該パチンコ機10におけるRTC演出の開始のタイミングが他の複数のパチンコ機10とずれてしまうことを抑制することが可能となる。
また、本態様では、次回の電力供給の開始の際に実行させるべき起動処理の種別に関する情報の報知を、当該パチンコ機10への外部からの電力供給が断たれるまで(例えば、電源スイッチがOFFにされるまで)継続するように構成されている。このような構成とすることによる効果について説明する。
仮に、次回の電力供給の開始の際に実行させるべき起動処理の種別に関する情報の報知を所定時間(例えば10秒)で終了する構成とした場合には、例えば、広い遊技ホールにおいて、管理者が島設備の島電源スイッチの電源をONにしてパチンコ機10への外部からの電力供給が開始された後、管理者が当該パチンコ機10に到達する前に当該報知が終了してしまい、次回の電力供給の開始の際に実行させるべき起動処理の種別を管理者が把握することができない場合がある。
これに対して、本態様によれば、次回の電力供給の開始の際に実行させるべき起動処理の種別に関する情報の報知を当該パチンコ機10への外部からの電力供給が断たれるまで継続するので、管理者が当該パチンコ機10に到達する前に当該報知が終了してしまい、次回の電力供給の開始の際に実行させるべき起動処理の種別を管理者が把握することができないといった事態の発生を回避することができる。
なお、本態様では、図75のステップS12905において、RTC97の起動日時情報記憶エリア97b2から起動日時情報を読み込み、当該読み込んだ起動日時情報を音光側RAM94の起動日時情報記憶エリア94bに書き込む(記憶する)処理を実行する構成としたが、このステップS12905の処理を省略する構成としてもよい。この場合には、図78のステップS13203において、RTC97の計時レジスタ97b1から読み込んだ現在日時情報と、RTC97の起動日時情報記憶エリア97b2から読み込んだ起動日時情報とに基づいて、起動日時情報記憶処理が実行された日時から現在の日時までの経過時間である起動経過時間を算出する構成とすればよい。ただし、ステップS12905の処理を実行する構成とした方が、音光側MPU92によるRTC97へのアクセスの頻度を減らすことができるので、音光側MPU92の処理負荷を低減することができる。
また、本態様では、図78のステップS13202において、RTC97の計時レジスタ97b1から現在日時情報を読み込むことによって現在の日時を把握する構成としたが、この構成に代えて、パチンコ機10の起動時にRTC97の計時レジスタ97b1から現在日時情報を読み込み、その後は、当該起動時に読み込んだ現在日時情報からの経過時間を内部クロックに基づいてカウントすることによって現在の日時を把握する構成としてもよい。このような構成によれば、RTC97へのアクセスの頻度を減らすことができるので、音光側MPU92の処理負荷を低減することができる。
また、本態様では、設定変更モードを実行させるための操作を受け付けたことに基づいて設定変更モードが実行された場合に限らず、設定変更中フラグがONであることに基づいて設定変更モードが実行された場合であっても、起動日時情報記憶処理の実行が回避される構成としたが、設定変更モードを実行させるための操作を受け付けたことに基づいて設定変更モードが実行された場合に限り、起動日時情報記憶処理の実行が回避される構成としてもよい。このような構成によれば、遊技ホールの管理者が島電源スイッチをONにして、当該島設備に設置されている複数のパチンコ機10に対して一斉に(同時に)電力の供給が開始された場合において、当該島設備に設置されている各パチンコ機10は一斉に(同時に)起動日時情報記憶処理を実行すべき状況であるにもかかわらず、設定変更中フラグがONとなっているパチンコ機10が起動日時情報記憶処理の実行を回避してしまうといったことを抑制することができる。
同様に、設定確認モードを実行させるための操作を受け付けたことに基づいて設定確認モードが実行された場合に限り、起動日時情報記憶処理の実行が回避される構成としてもよい。このような構成によれば、遊技ホールの管理者が島電源スイッチをONにして、当該島設備に設置されている複数のパチンコ機10に対して一斉に(同時に)電力の供給が開始された場合において、当該島設備に設置されている各パチンコ機10は一斉に(同時に)起動日時情報記憶処理を実行すべき状況であるにもかかわらず、設定確認中フラグがONとなっているパチンコ機10が起動日時情報記憶処理の実行を回避してしまうといったことを抑制することができる。
<態様102>
上記態様101の図75に示した起動日時情報取得処理を、以下の図79に示す起動日時情報取得処理に置き換えた構成としてもよい。以下、具体的に説明する。
図80は、第1実施形態の態様102の音光側MPU92(音光側CPU92x)が実行する起動日時情報取得処理を示すフローチャートである。ステップS13301では、主側MPU62から起動種別コマンドを受信したか否かを判定する。具体的には、本態様では、主側MPU62から、上述した通常起動コマンド、RAM異常コマンド、RAMクリアコマンド、設定変更モード開始コマンド、設定確認モード開始コマンドの5個のコマンドのうちのいずれかのコマンドを受信したか否かを判定する。ステップS13301において、上述した5個のコマンドのうちのいずれかのコマンドを受信したと判定した場合には(ステップS13301:YES)、ステップS13302に進む。一方、ステップS13301において、上述した5個のコマンドのうちのいずれのコマンドも受信していないと判定した場合には(ステップS13301:NO)、再びステップS13301に戻る。すなわち、上述した5個のコマンドのうちのいずれかのコマンドを受信したと判定するまで待機し、上述した5個のコマンドのうちのいずれかのコマンドを受信したと判定した場合に、ステップS13302に進む。
ステップS13302では、RTC97の起動日時情報記憶エリア97b2に起動日時情報が記憶されているか否かを判定する。ここで、RTC97の起動日時情報記憶エリア97b2に起動日時情報が記憶されている場合とは、起動日時情報記憶エリア97b2に記憶されている情報から日時を読み出すことが可能な場合であり、一方、RTC97の起動日時情報記憶エリア97b2に起動日時情報が記憶されていない場合とは、例えば、当該パチンコ機10に初めて電源が投入された場合や、起動日時情報記憶エリア97b2に記憶されている情報がノイズ等によって破壊されていて正常に日時が読み出せない場合である。ステップS13302において、RTC97の起動日時情報記憶エリア97b2に起動日時情報が記憶されていると判定した場合には(ステップS13302:YES)、ステップS13303に進む。
ステップS13303では、RTC97の起動日時情報記憶エリア97b2から起動日時情報を読み込み、RTC97の計時レジスタ97b1から現在日時情報を読み込む。そして、現在日時情報が示す現在の日時が、起動日時情報が示す日時から30分以上経過しているか否かを判定する。具体的には、例えば、現在日時情報が示す現在の日時が「2017年12月8日08時12分32秒」であり、起動日時情報が示す日時が、次の日である「2017年12月9日08時15分11秒」である場合には、現在日時情報が示す現在の日時が、起動日時情報が示す日時から30分以上経過していると判定する。一方、現在日時情報が示す現在の日時が「2017年12月8日08時12分32秒」であり、起動日時情報が示す日時が、同日の「2017年12月8日08時25分21秒」である場合には、現在日時情報が示す現在の日時が、起動日時情報が示す日時から30分以上経過していないと判定する。ステップS13303において、現在日時情報が示す現在の日時が、起動日時情報が示す日時から30分以上経過していると判定した場合には(ステップS13303:YES)、ステップS13304に進む。
ステップS13304では、RTC97の計時レジスタ97b1から現在日時情報を読み込み、当該読み込んだ現在日時情報をRTC97の起動日時情報記憶エリア97b2に書き込む(記憶する)。その後、後述するステップS13305に進む。すなわち、現在日時情報が示す現在の日時が、起動日時情報が示す日時から30分以上経過している場合には、パチンコ機10が起動したタイミングの日時を示す情報(現在日時情報)が、起動日時情報として起動日時情報記憶エリア97b2に記憶される。その後、後述するステップS13305に進む。
一方、ステップS13303において、現在日時情報が示す現在の日時が、起動日時情報が示す日時から30分以上経過していないと判定した場合には(ステップS13303:NO)、上述したステップS13304の処理(現在日時情報を読み込んで起動日時情報として上書きする処理)を実行せずに(回避して)ステップS13305に進む。
ステップS13305では、RTC97の起動日時情報記憶エリア97b2に記憶されている起動日時情報を読み込み、当該読み込んだ起動日時情報を音光側RAMの起動日時情報記憶エリア94bに書き込む(記憶する)。その後、本起動日時情報取得処理を終了する。
なお、上述したステップS13302において、RTC97の起動日時情報記憶エリア97b2に起動日時情報が記憶されていないと判定した場合には(ステップS13302:NO)、上述したステップS13303の処理(現在日時情報が示す現在の日時が、起動日時情報が示す日時から30分以上経過しているか否かを判定する処理)を回避して、ステップS13304の処理に進む。この理由は、仮に、RTC97の起動日時情報記憶エリア97b2に起動日時情報が記憶されていない状態のまま上述したステップS13303に進む構成とすると、現在日時情報と比較すべき対象の起動日時情報が存在しないという不具合が生じてしまうからである。また、ステップS13304の処理を実行する理由は、仮に、RTC97の起動日時情報記憶エリア97b2に起動日時情報が記憶されていない状態のまま上述したステップS13305に進む構成とすると、音光側RAM94の起動日時情報記憶エリア94bに書き込むべき対象の起動日時情報が存在しないという不具合が生じてしまうからである。
以上説明したように、本態様によれば、上記の他の態様において説明した効果に加えて、以下の効果を奏することができる。
本態様によれば、パチンコ機10は、当該パチンコ機10への外部からの電力の供給が開始されたことに基づいて、RTC97の計時レジスタ97b1から現在日時情報を読み込み、当該読み込んだ現在日時情報を起動日時情報としてRTC97の起動日時情報記憶エリア97b2に記憶させる処理(図79のステップS13304に示す処理、以下では、「起動日時情報記憶処理」とも呼ぶ)を実行する。そして、起動日時情報記憶処理が実行された年月日及び時刻を含む起動日時情報と、RTC97の計時レジスタ97b1にて計時されている現在日時情報とに基づいて、起動日時情報記憶処理が実行されてからの経過時間である起動経過時間を算出し(図78のステップS13203)、算出した起動経過時間に基づいてRTC演出の実行を開始する(図78のステップS13204~ステップS13206)。この構成を採用したことによる効果は、上記の態様102において説明した効果と同じであるため、説明を省略する。
さらに、本態様のパチンコ機10は、RTC97の起動日時情報記憶エリア97b2に記憶した起動日時情報を電断状態の間も保持することが可能に構成されており、また、音声発光制御装置90のMPU92は、主制御装置60のMPU62から起動種別コマンドを受信した際に、RTC97の計時レジスタ97b1における現在日時情報に含まれる日時が、起動日時情報記憶エリア97b2に記憶されている起動日時情報に含まれる日時から所定時間(本態様では30分)が経過していない場合には上述した起動日時情報記憶処理の実行を回避するように構成されている(図79のステップS13303)。この構成を採用したことによる効果について説明する。
仮に、上述した起動日時情報記憶処理の実行を回避する機能を備えない構成を採用した場合について説明する。この構成において、島設備に設置されている各パチンコ機10に対して一斉に(同時に)電力の供給が開始されると、当該島設備に設置されている各パチンコ機10は、一斉に(同時に)起動日時情報記憶処理を実行する。その後、遊技ホールの管理者が、種々の理由により、当該島設備に設置されている複数のパチンコ機10のうちの一のパチンコ機10の電源スイッチを一旦OFFにした後、再度、当該一のパチンコ機10の電源スイッチをONにする場合がある。具体的には、例えば、設定変更モードを実行させてパチンコ機10の抽選設定を変更するために、当該島設備に設置されている複数のパチンコ機10のうちの一のパチンコ機10の電源スイッチを一旦OFFにした後、当該一のパチンコ機10を設定変更モードを実行させるための操作を受け付けている状態として当該一のパチンコ機10の電源スイッチをONにして設定変更モードを実行させる場合がある。この場合、当該一のパチンコ機10は、電源スイッチがONにされて電力の供給が開始されたことに基づいて再び起動日時情報記憶処理を実行する。そうすると、当該一のパチンコ機10において算出される起動経過時間が、他のパチンコ機10において算出される起動経過時間と異なってしまい、当該一のパチンコ機10においてRTC演出が開始されるタイミングが、他のパチンコ機10においてRTC演出が開始されるタイミングと異なってしまい、当該一のパチンコ機10において遊技を行なっている遊技者に違和感を与えてしまうといった課題がある。
これに対して、本態様によれば、遊技ホールの管理者が、当該一のパチンコ機10の電源スイッチをOFFにして電断状態としても、当該一のパチンコ機10のRTC97の起動日時情報記憶エリア97b2において記憶されている起動日時情報は保持される。その後、管理者が所定時間(本態様では30分)以内に当該一のパチンコ機10の電源スイッチをONにすると、起動日時情報記憶処理の実行が回避されるので、当該一のパチンコ機10のRTC97の起動日時情報記憶エリア97b2に記憶されている起動日時情報が上書きされず、他のパチンコ機10と一斉に(同時に)電力の供給が開始された際に実行された起動日時情報記憶処理において記憶された起動日時情報が維持される。この結果、当該一のパチンコ機10を含む当該島設備に設置されている各パチンコ機10において算出される起動経過時間は同一(又は略同一)となる。
そして、本態様によれば、島設備に設置されている各パチンコ機10は、算出した起動経過時間に基づいてRTC演出を開始するので、一旦電源スイッチをOFFにした後再度電源スイッチをONにしたパチンコ機10を含む島設備に設置されている各パチンコ機10において一斉に(同時に)RTC演出を開始させることが可能となる。
すなわち、管理者は、島設備の島電源スイッチをONにして、当該島設備に設置されている複数のパチンコ機10に対して一斉に(同時に)電力の供給を開始させた後、所定時間(本態様では30分)以内に、当該島設備に設置されている複数のパチンコ機10のうち、抽選設定を変更しようとする一のパチンコ機10の電源スイッチを一旦OFFにした後、当該一のパチンコ機10を設定変更モードを実行させるための操作を受け付けている状態として当該一のパチンコ機10の電源スイッチをONにして設定変更モードを実行させれば、当該一のパチンコ機10の抽選設定を変更することが可能であるとともに、一旦電源スイッチをOFFにした後再度電源スイッチをONにした当該一のパチンコ機10を含む島設備に設置されている各パチンコ機10において一斉に(同時に)RTC演出を開始させることが可能となる。
なお、本態様では、図80のステップS13303において、起動日時情報記憶処理(ステップS13304)の実行を回避するか否かの判定基準となる時間は30分に設定されていたが、当該判定基準となる時間の長さを変更可能な構成としてもよい。このような構成によれば、遊技ホールに設置されているパチンコ機10の台数や広さ等に応じて、当該判定基準となる時間の長さを適宜変更することができるので、例えば、当該遊技ホールに設置されている複数のパチンコ機10に対する抽選設定の変更作業が完了する前に、当該判定基準となる時間が経過してしまうといった事態の発生を抑制することが可能となる。
<態様103>
上記各態様のうち、当たり抽選の抽選設定を変更可能な構成において、抽選設定を定める設定情報が所定の範囲内の数値であるか否かの判定を、遊技の進行が開始された後の段階においても実行する構成としてもよい。例えば、抽選設定を定める設定情報として「1」~「6」のいずれかの値をとり得るパチンコ機10の場合には、設定情報がノイズ等の影響によって「1」~「6」以外の異常な値(例えば7やB等)になっていないかの判定を、遊技の進行が開始された後の段階においても実行する構成としてもよい。
本態様では、設定情報についての判定を、第1始動口33又は第2始動口34への遊技球の入球時と、図柄の変動開始時(より正確には当たり抽選の実行直前)に実行する。以下では、第1始動口33又は第2始動口34への遊技球の入球時に実行する設定情報についての判定を「入球時設定情報判定」と呼び、図柄の変動開始時(当たり抽選の実行直前)に実行する設定情報についての判定を「変動開始時設定情報判定」と呼ぶ。以下、本態様の構成を具体的に説明する。
最初に、本態様において実行する入球時設定情報判定について説明する。
本態様の主制御装置60の主側MPU62は、第1始動口33又は第2始動口34への遊技球の入球を契機として特別情報(大当たり乱数カウンタC1の値等)を取得すると、当該取得した特別情報に基づいた先判定処理(いわゆる先読み)の実行に先立って、主側RAM64の設定情報記憶領域に記憶されている設定情報が所定の範囲内の数値(本態様では1から6までの数値)であるか否かを判定する。なお、先判定処理は、後述するように、保留されている特別情報(保留情報)が当たり抽選(後述する当たり判定処理)の対象となる前に、当該保留されている特別情報に基づいて、大当たりの有無、大当たりの種別、リーチ発生の有無などの判定を実行する処理である。
そして、主側RAM64の設定情報記憶領域に記憶されている設定情報が所定の範囲内の数値であると判定した場合には、取得した特別情報に基づいて先判定処理を実行し、当該先判定処理の結果を含む保留コマンドを音声発光制御装置90への送信対象のコマンドとして設定する。
一方、主側RAM64の設定情報記憶領域に記憶されている設定情報が所定の範囲内の数値ではないと判定した場合、すなわち、設定情報がノイズ等の影響によって1~6以外の異常な値(例えば7やB等)となっていると判定した場合には、先判定処理の実行を回避し、異常保留コマンドを音声発光制御装置90への送信対象のコマンドとして設定する。異常保留コマンドは、第1始動口33又は第2始動口34に遊技球が入球したタイミングにおいて設定情報が異常な値であると判定したこと、及び、先判定処理の実行を回避したことを示すコマンドである。
次に、本態様において実行する変動開始時設定情報判定について説明する。
本態様の主制御装置60の主側MPU62は、第1始動口33又は第2始動口34への遊技球の入球を契機として取得した特別情報(大当たり乱数カウンタC1の値等)に基づいて当たり抽選(後述する当たり判定処理)を実行する際には、当該当たり抽選の実行に先立って、主側RAM64の設定情報記憶領域に記憶されている設定情報が所定の範囲内の数値であるか否かの判定を実行する。
そして、主側RAM64の設定情報記憶領域に記憶されている設定情報が所定の範囲内の数値であると判定した場合には、通常のパチンコ機10と同様に、特別情報に基づいて当たり抽選を実行する。
一方、主側RAM64の設定情報記憶領域に記憶されている設定情報が所定の範囲内の数値ではないと判定した場合、すなわち、設定情報がノイズ等の影響によって1~6以外の異常な値(例えば7やB等)になっていると判定した場合には、当たり抽選の実行を回避した上で、遊技の進行を停止させることを示す遊技停止コマンドを音声発光制御装置90等のサブ側の制御装置に送信し、遊技の進行を停止させるための処理を実行する。この結果、遊技の進行が停止し、当該パチンコ機10は、遊技者が遊技を続行することができない状態となる。なお、遊技停止コマンドを受信した音声発光制御装置90は、設定情報の異常によって遊技が停止したこと、及び、当該パチンコ機10を設定変更モードで再起動させるべき状態であることを報知するための処理を実行する。
以上説明したように、本態様によれば、入球時設定情報判定において設定情報が所定の範囲内の数値ではないと判定した場合には、先判定処理の実行を回避するので、設定情報が所定の範囲内の数値ではない異常な値であって当否テーブルを参照することができない状態のまま先判定処理が実行されてしまい、先判定処理の結果に不具合が生じてしまうことを抑制することができる。
また、本態様によれば、変動開始時設定情報判定において設定情報が所定の範囲内の数値ではないと判定した場合には、当たり抽選の実行を回避するので、設定情報が所定の範囲内の数値ではない異常な値であって当否テーブルを参照することができない状態のまま当たり抽選が実行されてしまい、当たり抽選の結果に不具合が生じてしまうことを抑制することができる。
また、本態様によれば、変動開始時設定情報判定において設定情報が所定の範囲内の数値ではないと判定した場合には、遊技の進行を停止させるので、設定情報が所定の範囲内の数値ではない異常な値のまま遊技が進行してしまい、遊技者の不利益が拡大してしまうことを抑制することができる。
また、本態様によれば、変動開始時設定情報判定において設定情報が所定の範囲内の数値ではないと判定した場合には遊技の進行を停止させる一方、入球時設定情報判定において設定情報が所定の範囲内の数値ではないと判定した場合には遊技の進行を停止させない。このような構成を採用した理由について説明する。
先に、本態様とは異なり、入球時設定情報判定において設定情報が所定の範囲内の数値ではないと判定した場合にも遊技の進行を停止させる構成を採用した場合について説明する。この構成において、例えば、図柄の変動中や開閉実行モード(ラウンド遊技)の実行中に遊技球が第1始動口33又は第2始動口34に入球し、当該入球を契機とした入球時設定情報判定において設定情報が所定の範囲内の数値ではないと判定すると、当該図柄の変動や実行中の開閉実行モード(ラウンド遊技)が中断されて遊技が停止してしまい、遊技者に大きな不快感と不利益を与えてしまうことになる。
これに対して、本態様によれば、入球時設定情報判定において設定情報が所定の範囲内の数値ではないと判定した場合であっても遊技の進行を停止させないので、当該入球時設定情報判定の契機となった遊技球の入球よりも前から既に実行中の図柄の変動や開閉実行モード(ラウンド遊技)が中断することがない。そして、本態様のように、変動開始時設定情報判定において設定情報が所定の範囲内の数値ではないと判定した場合に遊技の進行を停止させても、図柄が変動中であったり、開閉実行モードが実行中であることはないため、遊技者に与える不快感や不利益は、入球時設定情報判定において設定情報が所定の範囲内の数値ではないと判定して遊技を停止させる場合よりは大きくない。したがって、本態様によれば、遊技者に与える不快感や不利益を低減した上で、遊技の進行を停止させることができる。そして、設定情報が所定の範囲内の数値ではない異常な値のまま遊技が進行してしまい、遊技者の不利益が拡大してしまうことを抑制することができる。
次に、本態様の音声発光制御装置90が保留コマンド又は異常保留コマンドを受信した場合に表示制御装置100と協働して実行する演出について説明する。
本態様のパチンコ機10では、第1始動口33又は第2始動口34への遊技球の入球に基づいて取得された特別情報(大当たり乱数カウンタC1の値等)が当たり抽選の対象となるまで保留されている状況において、当該特別情報が保留されていることを示す保留画像を図柄表示装置41の表示面41aの第1保留表示領域Ds1又は第2保留表示領域Ds2(図4)に表示させる。本態様のパチンコ機10では、保留画像の表示態様として、以下の5種類の表示態様の保留画像を表示可能に構成されている。
第1種保留画像(本態様では青色保留画像)
第2種保留画像(本態様では緑色保留画像)
第3種保留画像(本態様では赤色保留画像)
第4種保留画像(本態様では金色保留画像)
第5種保留画像(本態様では虹色保留画像)
本態様では、期待度の低い順に、第1種保留画像、第2種保留画像、第3種保留画像、第4種保留画像、第5種保留画像となっている。なお、期待度とは、当該表示態様の保留画像が表示された場合における、当該保留画像に対応する特別情報が大当たりに当選する確率の高さを意味する。本態様では、第5種保留画像は、対応する特別情報が大当たりに当選する場合にのみ表示され、外れの場合には表示されないように構成されている。すなわち、本態様のパチンコ機10においては、第5種保留画像は、大当たりに当選することが確定したことを示唆する保留画像であり、第5種保留画像が表示された場合には、大当たりに当選することが確定する。
そして、音声発光制御装置90は、主制御装置60から保留コマンドを受信すると、保留コマンドに含まれている先判定処理の結果に基づいて保留演出パターンを設定する。保留演出パターンには、保留コマンドを受信したタイミングで最初にどの種別の保留画像を表示するのかといった情報や、当たり抽選の対象となるまでの間に保留画像の表示態様(種別)をどのようなパターンで変化させるのかといった情報等が含まれている。
本態様では、様々な保留演出パターンが設定される。以下に、本態様において設定され得る保留演出パターンの一例を示す。
・保留コマンドを受信したタイミングで期待度の最も低い第1種保留画像を表示し、その後も当該第1種保留画像を変化させずに維持する保留演出パターン
・保留コマンドを受信したタイミングで期待度の最も低い第1種保留画像を表示した後に、当該第1種保留画像が他の種別の保留画像に変化する可能性があることを示唆する保留変化示唆演出を実行後、当該第1種保留画像をより期待度の高い保留画像(例えば第2種保留画像)に変化させる保留変化演出を実行する保留演出パターン
・保留コマンドを受信したタイミングで初めから期待度の高い保留画像(例えば第3種保留画像)を表示する保留演出パターン
・保留コマンドを受信したタイミングで初めから期待度の高い保留画像(例えば第3種保留画像)を表示した後、当該保留画像が他の種別の保留画像に変化する可能性があることを示唆する保留変化示唆演出を実行後、当該保留画像をより期待度の高い保留画像(例えば第4種保留画像)に変化させる保留変化演出を実行する保留演出パターン
・保留コマンドを受信したタイミングで初めから期待度の高い保留画像(例えば第3種保留画像)を表示した後、当該保留画像が他の種別の保留画像に変化する可能性があることを示唆する保留変化示唆演出を実行後、当該保留画像をより期待度の低い保留画像(例えば第1種保留画像)に変化させる保留変化演出を実行する保留演出パターン
・上記各保留演出パターンにおいて、表示中の保留画像が他の種別の保留画像に変化する可能性があることを示唆する保留変化示唆演出を実行するが、その後も当該表示中の保留画像を変化させずに維持する保留演出パターン
なお、期待度の低い保留画像を期待度の高い保留画像に変化(昇格)させる保留変化演出を特に保留昇格演出とも呼び、期待度の高い保留画像を期待度の低い保留画像に変化(降格)させる保留変化演出を特に保留降格演出とも呼ぶ。
本態様では、上記のような保留演出パターンが設定されるので、遊技者は、より期待度の高い保留画像が表示されて欲しいと期待しながら遊技を行なう。また、遊技者は、保留変化示唆演出を認識すると、より期待度の高い保留画像に変化して欲しいと期待する一方、より期待度の低い保留画像には変化して欲しくないといった複雑な感情を抱くことになる。
次に、音声発光制御装置90が異常保留コマンドを受信した場合について説明する。
音声発光制御装置90は、異常保留コマンドを受信すると、最も期待度の低い第1種保留画像を図柄表示装置41の表示面41aの第1保留表示領域Ds1又は第2保留表示領域Ds2(図4)に表示するとともに、既に表示されている保留画像の中に第2種以上の保留画像が含まれているか否かを判定する。そして、第2種以上の保留画像が表示されていると判定した場合には、現在実行されている図柄の変動が終了するまでの期間内で保留変化示唆演出及び保留変化演出を実行可能であるか否かを判定する。本態様では、保留変化示唆演出及び保留変化演出の開始から終了までに必要な時間は5秒なので、現在の図柄の変動の残り時間が5秒以上であれば、保留変化示唆演出及び保留変化演出を実行可能であると判定する。そして、当該保留変化示唆演出及び保留変化演出を実行可能であると判定した場合には、保留変化示唆演出を実行し、その後、表示されている第2種以上の保留画像(例えば金色保留)を第1種保留画像(例えば青色保留)に変化(降格)させる保留変化演出(保留降格演出)を実行する。
上述したように、異常保留コマンドが主制御装置60から送信されたということは、当該異常保留コマンドを送信することの契機となった第1始動口33又は第2始動口34への遊技球の入球時点において設定情報が異常である(所定の範囲内の数値ではない)と判定されたことを意味する。したがって、現在変動中の図柄が停止し、次の当たり抽選の対象として保留されている特別情報が当たり抽選の対象となって図柄の変動が開始する直前のタイミングにおいて、設定情報が所定の範囲内の数値ではないと判定され、そのまま遊技の進行が停止することになる。
ここで、本態様において、異常保留コマンドを受信した場合に上述した保留変化示唆演出及び保留変化演出(保留降格演出)を実行する構成を採用した理由について説明する。
先に、本態様とは異なり、異常保留コマンドを受信した場合であっても上述した保留変化示唆演出及び保留変化演出(保留降格演出)を実行しない構成を採用した場合について説明する。この構成において、例えば、図柄が変動中の状況であって、次回以降の当たり抽選の対象として期待度の高い保留画像が表示されている状況において異常保留コマンドを受信した場合には、遊技者が当該期待度の高い保留画像に対応する特別情報の当たり抽選に対して強い期待感を抱いているにもかかわらず、変動中の図柄が停止して当該期待度の高い保留画像に対応する特別情報が当たり抽選の対象となった瞬間、又は当該期待度の高い保留画像より先に当たり抽選の対象となっている保留画像に対応する特別情報が当たり抽選の対象となった瞬間に遊技が停止してしまい、遊技者は、強い期待感を抱いていた当該期待度の高い保留画像に対応する特別情報に基づいて当たり抽選が実行されずに遊技が停止してしまったことに対して強い怒りや失望感、ひいては不信感を抱くことになってしまう。そして、遊技が停止した後に、遊技ホールの管理者が当該パチンコ機10を遊技の進行が可能な状態に復帰させるために上述した設定変更モードとして再起動させると、主側RAM64に記憶されている各種情報が消去されてしまい、遊技者が強い期待感を抱いていた期待度の高い保留画像に対応する特別情報も消去されてしまう。この結果、当該パチンコ機10の再起動後も、遊技者が強い期待感を抱いていた期待度の高い保留画像に対応する特別情報に基づいた当たり抽選は実行されないことになってしまい、遊技者の怒りや失望感はさらに強められてしまう。
これに対して、本態様のように、異常保留コマンドを受信した場合に上述した保留変化示唆演出及び保留変化演出を実行する構成を採用した場合には、期待度の高い保留画像に対応する特別情報が当たり抽選の対象となる前、すなわち、期待度の高い保留画像に対応する特別情報に基づいた図柄の変動が開始する前に、当該期待度の高い保留画像が期待度の最も低い保留画像に変化する。したがって、遊技者は、当初は当該期待度の高い保留画像に対して強い期待感を抱いていたが、当該期待度の高い保留画像が期待度の低い保留画像に変化することによって、当該保留画像に対応する特別情報はそれほど期待度の高いものではなかったのだと認識を改めることになる。その後、当該保留画像に対応する特別情報が当たり抽選の対象となった瞬間、又は当該保留画像より先に当たり抽選の対象となっている保留画像に対応する特別情報が当たり抽選の対象となった瞬間に遊技が停止してしまっても、遊技者は既に当該保留画像に対応する特別情報に対しては強い期待感を抱いていないので、当該保留画像に対応する特別情報が当たり抽選の対象となった瞬間、又は当該保留画像より先に当たり抽選の対象となっている保留画像に対応する特別情報が当たり抽選の対象となった瞬間に遊技が停止してしまっても、それほど大きな怒りや失望感を抱かなくて済むことになる。したがって、本態様によれば、遊技が停止してしまったことに対する遊技者の失望感を低減することができるとともに、保留画像に対応する特別情報が当該パチンコ機10の再起動によって消去されてしまったことに対する遊技者の怒りや失望感を低減することができる。
また、本態様では、保留画像に対応する特別情報が当たり抽選の対象となったタイミングにおいて、当該保留画像が図柄表示装置41の表示面41aの第1保留表示領域Ds1又は第2保留表示領域Ds2とは異なる表示領域(変動中保留表示領域とも呼ぶ)に移動して当該保留画像の表示が継続するように構成されている。そして、本態様では、最も期待度の高い第5種保留画像(本態様では虹色保留画像)は、当たり抽選の対象となって変動中保留表示領域に移動した後の保留画像を表示する場合にのみ表示され、保留画像が第1保留表示領域Ds1又は第2保留表示領域Ds2に表示されている場合には第5種保留画像は表示されない構成となっている。最も期待度の高い第5種保留画像が表示される保留演出パターンとしては、例えば、第1保留表示領域Ds1又は第2保留表示領域Ds2においては第4種保留画像として表示されていたが、当たり抽選の対象となって変動中保留表示領域に移動した後に、保留変化示唆演出及び保留変化演出が実行され、当該第4種保留画像が最も期待度の高い第5種保留画像に変化する例を挙げることができる。このような構成を採用する理由について説明する。
先に、本態様とは異なり、第1保留表示領域Ds1又は第2保留表示領域Ds2においても最も期待度の高い保留画像が表示され得る構成を採用した場合について説明する。この構成において、第1保留表示領域Ds1又は第2保留表示領域Ds2に最も期待度の高い保留画像が表示されている状況において、音声発光制御装置90が異常保留コマンドを受信することによって保留変化示唆演出が実行されると、当該保留変化示唆演出を認識した遊技者は、最も期待度の高い保留画像がこれ以上期待度の高い保留画像に変化する余地がないため、当該保留変化示唆演出の後に実行される保留変化演出は、当該最も期待度の高い保留画像を期待度の低い保留画像に変化させるものであると予測することが可能となってしまい、当該保留変化示唆演出に対する遊技者の期待感を低下させてしまうことになる。また、第1保留表示領域Ds1又は第2保留表示領域Ds2に、最も期待度の高い、大当たりに当選することが確定している保留画像が表示されている状況において、音声発光制御装置90が異常保留コマンドを受信することによって保留変化演出が実行され、大当たりに当選することが確定している保留画像が、最も期待度の低い保留画像に変化してしまうと、遊技者は、大当たりに当選することが確定しているはずの保留画像が最も期待度の低い保留画像に変化するという信じ難い事象が発生してしまったことや、大当たりに当選することが確定しているはずであった保留画像に対応する特別情報に基づいて当たり抽選が実行されずに遊技が停止してしまったことに対して非常に強い怒りや失望感を抱くことになってしまう。
これに対して、上述した本態様の構成を採用した場合には、第1保留表示領域Ds1又は第2保留表示領域Dsに表示されている保留画像は常により期待度の高い保留画像に変化する余地がある状態となっているので、音声発光制御装置90が異常保留コマンドを受信することによって保留変化示唆演出が実行された場合であっても、当該保留変化示唆演出を認識した遊技者は、当該保留変化示唆演出の後に実行される保留変化演出が、期待度の低い保留画像に変化させるものであると判断することができない。したがって、本態様によれば、保留変化示唆演出に対する遊技者の期待感の低下を抑制することができる。また、本態様では、第1保留表示領域Ds1又は第2保留表示領域Ds2には、最も期待度の高い、大当たりに当選することが確定している保留画像は表示されない構成となっているので、音声発光制御装置90が異常保留コマンドを受信することによって保留変化演出が実行されても、第1保留表示領域Ds1又は第2保留表示領域Ds2に表示されている最も期待度の高い保留画像が最も期待度の低い保留画像に変化するという事象が生じ得ない。したがって、本態様によれば、大当たりに当選することが確定しているはずの保留画像が期待度の最も低い保留画像に変化してしまうといった事象や、大当たりに当選することが確定しているはずであった保留画像に対応する特別情報に基づいて当たり抽選が実行されずに遊技が停止してしまうといった事象の発生を回避することができるので、遊技者に大きな怒りや失望感を抱かせてしまうことを抑制することができる。なお、本態様では、特別情報が当たり抽選の対象となって図柄の変動が開始すると、当該図柄の変動開始後に設定情報が異常な値になったとしても、当該当たり抽選の抽選結果が表示されて次の特別情報が当たり抽選の対象となるまで、又は当該当たり抽選の抽選結果が大当たり当選である場合には当該大当たり当選に基づいて実行される開閉実行モードが終了して次の特別情報が当たり抽選の対象となるまでは遊技が停止しない構成となっている。したがって、変動中保留表示領域に移動した後の保留画像としてであれば、大当たりに当選することが確定していることを示唆する保留画像(第5種保留画像)を表示しても、遊技者に上述した大きな怒りや失望感を抱かせてしまうことはない。したがって、本態様によれば、遊技者に大きな怒りや失望感を抱かせてしまうことを抑制しつつ、変動中保留表示領域において大当たりに当選することが確定していることを示唆する保留画像を表示することによって、遊技者に大きな期待感や喜びを付与することができる。
また、本態様では、異常保留コマンドを受信した場合には、異常保留コマンドを受信する前から既に設定されている保留演出パターンが存在するか否かを判定し、存在すると判定した場合には当該保留演出パターンの設定を解除する。具体的には、異常保留コマンドを受信した場合には、実行するように既に設定されているがまだ実行されていない保留変化示唆演出、保留変化演出が存在するか否かを判定し、まだ実行されていない保留変化示唆演出、保留変化演出が存在すると判定した場合には、これらの保留変化示唆演出、保留変化演出の実行予定を取り消す。この構成によれば、保留変化示唆演出、保留変化演出を実行することによって変化した保留画像に対して遊技者の期待感が高まったにもかかわらず、当該保留画像に対応した特別情報に対して当たり抽選が実行されずに遊技が停止してしまい、遊技者が不信感を抱いてしまうことを抑制することができる。
次に、本態様の主側MPU62が実行する処理の一例について説明する。本態様の主側MPU62は、メイン処理とタイマ割込み処理とを実行する。メイン処理は、電源投入時に実行する処理であり、本態様の主側MPU62が実行するメイン処理は、態様101において説明したメイン処理(図70)と同じであるため、説明を省略する。
[タイマ割込み処理]
図81は、態様103の主側MPU62が実行するタイマ割込み処理を示すフローチャートである。上述のように、タイマ割込み処理は、主制御装置60のMPU62によって定期的(例えば4msec周期)に起動される。
ステップS20101では、各種乱数更新処理を実行する。各種乱数更新処理では、主側RAM64における各カウンタ(大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3、電動役物開放カウンタC4等)から現状の数値情報を読み出し、その読み出した数値情報に1を加算する処理を実行した後に、読み出し元のカウンタに加算後の数値情報を上書きする処理を実行する。なお、読み出した数値情報が当該カウンタの最大値である場合には、読み出し元のカウンタに0を上書きする処理を実行する。ステップS20101を実行した後、ステップS20102に進む。
ステップS20102では、停電監視処理を実行する。停電監視処理では、電源装置85から主制御装置60に供給される駆動電圧を監視しており、当該駆動電圧が所定値(例えば10ボルト)を下回ったと判定した場合には、パチンコ機10の電源スイッチがOFFにされた又は停電が発生したと判断して、主側CPU62xのレジスタに格納されている各種情報(遊技状態を示す情報や制御情報等)を主側RAM64の所定の領域に退避させる。そして、これらの情報の主側RAM64への退避が完了した場合に、復電フラグをONにするとともに、主側RAM64に記憶されている所定の情報群に基づいて所定の演算を実行することによってRAM判定値(例えばチェックサム値)を算出し、算出したRAM判定値を主側RAM64に記憶する。その後、後述するステップS20103には進まずに、供給される駆動電圧が低下して動作不能となるまで無限ループ処理を繰り返す。なお、本態様の電源装置85は、主制御装置60に供給される駆動電圧が所定値を下回るまで低下した場合であっても、主制御装置60などの制御系において駆動電圧として使用される5ボルトの安定化電圧が出力されるように構成されている。この安定化電圧が出力される時間としては、上述したRAM判定値を主側RAM64に記憶するまでの処理を実行するに十分な時間が確保されている。
一方、ステップS20102の停電監視処理において、電源装置85から主制御装置60に供給される駆動電圧が所定値を下回っていないと判定した場合には、そのままステップS20103に進む。
ステップS20103では、RAM異常フラグ又は遊技停止フラグの少なくとも一方がONであるか否かを判定する。RAM異常フラグは、上述したように、電源投入時に実行されるメイン処理において主側RAM64に記憶されている情報が正常ではないと判定された場合にONになるフラグである。遊技停止フラグは、後述するように、当たり抽選の実行前に設定情報が正常ではないと判定された場合に遊技の進行を停止させるためにONになるフラグである。ステップS20103において、RAM異常フラグ及び遊技停止フラグの両方がONではないと判定した場合には(ステップS20103:NO)、ステップS20104に進む。一方、ステップS20103において、RAM異常フラグ又は遊技停止フラグの少なくとも一方がONであると判定した場合には(ステップS20103:YES)、ステップS20104以降の処理を実行せずに、本タイマ割込み処理を終了する。すなわち、RAM異常フラグ又は遊技停止フラグの少なくとも一方がONである場合には、ステップS20104以降の遊技の進行を可能とするための処理が実行されないこととなり、遊技の進行が可能な遊技進行モードには移行しない構成となっている。以下、遊技の進行を可能とするための処理であるステップS20104以降の処理について説明する。
ステップS20104では、ポート出力処理を実行する。ポート出力処理では、前回のタイマ割込み処理において出力情報の設定が行われている場合に、その出力情報に対応した出力を各種駆動部36c,34bに行うための処理を実行する。例えば、大入賞口36aを開放状態に切り換えるべき情報が設定されている場合には可変入賞駆動部36cへの駆動信号の出力を開始させ、閉鎖状態に切り換えるべき情報が設定されている場合には当該駆動信号の出力を停止させる。また、第2始動口34の電動役物34aを開放状態に切り換えるべき情報が設定されている場合には電動役物駆動部34bへの駆動信号の出力を開始させ、閉鎖状態に切り換えるべき情報が設定されている場合には当該駆動信号の出力を停止させる。その後、ステップS20105に進む。
ステップS20105では、読み込み処理を実行する。読み込み処理では、入球信号以外の信号の読み込みを実行し、その読み込んだ情報を今後の処理にて利用するために記憶する。その後、ステップS20106に進む。
ステップS20106では、各入球検知センサー44a~44hから受信している信号を読み込むとともに、その読み込んだ情報に対応した処理を行うための入球検知処理を実行する。入球検知処理は、図28に示した入球検知処理と同じであるため、詳細な説明は省略する。ステップS20106を実行した後、ステップS20107に進む。
ステップS20107では、主側RAM64に設けられている所定のタイマカウンタの数値情報をまとめて更新するためのタイマ更新処理を実行する。その後、ステップS20108に進む。
ステップS20108では、第1始動口33及び第2始動口34への遊技球の入球に伴う始動口用の入球処理を実行する。始動口用の入球処理では、第1始動口33又は第2始動口34に遊技球が入球したと判定されたことに基づいて大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の値を取得するとともに、取得したカウンタ値をRAM64の保留情報記憶エリア64bに記憶する。ステップS20108を実行した後、ステップS20109に進む。
ステップS20109では、スルーゲート35への遊技球の入球(通過)に伴うスルーゲート用の入球処理を実行する。スルーゲート用の入球処理では、スルーゲート35に遊技球が入球(通過)したと判定されたことに基づいて電動役物開放カウンタC4の値を取得するとともに、取得したカウンタ値をRAM64の電役保留エリア64dに記憶する。ステップS20109を実行した後、ステップS20110に進む。
ステップS20110では、各遊技回における遊技を制御するための遊技回制御処理を実行する。遊技回制御処理では、当たり抽選や、第1図柄表示部37a,第2図柄表示部37bの表示制御などを行う。ステップS20110を実行した後、ステップS20111に進む。
ステップS20111では、遊技状態を移行させるための遊技状態移行処理を実行する。遊技状態移行処理では、遊技状態を開閉実行モード、高確率モード、高頻度サポートモードなどへ移行させる処理を実行する。ステップS20111を実行した後、ステップS20112に進む。
ステップS20112では、電動役物34aを制御するための電役サポート用処理を実行する。電役サポート用処理では、電動役物34aを開放状態とするか否かの判定(電動役物開放抽選)を行なうとともに、開放状態とすると判定した場合には電動役物34aを駆動制御する。ステップS20112を実行した後、ステップS20113に進む。
ステップS20113では、遊技球発射制御処理を実行する。遊技球発射制御処理では、遊技者によって操作ハンドル25が操作された際に遊技球を遊技領域PAに発射するための処理を実行する。ステップS20113を実行した後、ステップS20114に進む。
ステップS20114では、今回のタイマ割込み処理において送信対象として設定されたコマンドをサブ側の各制御装置に出力する(送信する)コマンド出力処理を実行する。例えば、変動用コマンド、種別コマンド、保留コマンド等の演出に関するコマンドが設定されている場合には、これらを音声発光制御装置90に対して送信する。ステップS20114を実行した後、ステップS20115に進む。
ステップS20115では、遊技履歴情報を算出・表示するための遊技履歴用処理を実行する。遊技履歴用処理は、図29に示した遊技履歴用処理と同じであるため、詳細な説明は省略する。ステップS20115を実行した後、本タイマ割込み処理を終了する。
[始動口用の入球処理]
次に、始動口用の入球処理について説明する。始動口用の入球処理は、タイマ割込み処理のサブルーチン(図81:S20108)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図82は、始動口用の入球処理を示すフローチャートである。ステップS20201では、遊技球が第1始動口33に入球(始動入球)したか否かを、第1始動口33に対応した検知センサーの検知状態により判定する。ステップS20201において、遊技球が第1始動口33に入球したと判定した場合には(S20201:YES)、ステップS20202に進み、払出制御装置70に遊技球を4個払い出させるための賞球コマンドをセットする。その後、ステップS20203に進む。
ステップS20203では、第1始動口33に遊技球が入球したことを遊技ホール側の管理制御装置に対して信号出力するために外部信号設定処理を行う。その後、ステップS20204に進む。
ステップS20204では、第1保留エリアRaの保留個数記憶エリアに記憶された値である始動保留個数RaN(以下、第1始動保留個数RaNともいう)を読み出し、当該第1始動保留個数RaNを後述する処理の対象として設定する。第1始動保留個数RaNは、第1始動口33への遊技球の入球に基づく保留個数を示す。その後、ステップS20209に進む。
ステップS20201において、遊技球が第1始動口33に入球していないと判定した場合には(S20201:NO)、ステップS20205に進み、遊技球が第2始動口34に入球したか否かを第2始動口34に対応した検知センサーの検知状態により判定する。
ステップS20205において、遊技球が第2始動口34に入球したと判定した場合には(S20205:YES)、ステップS20206に進み、払出制御装置70に遊技球を1個払い出させるための賞球コマンドをセットする。その後、ステップS20207に進む。一方、ステップS20205において、遊技球が第2始動口34に入球していないと判定した場合には(S20205:NO)、本始動口用の入球処理を終了する。
ステップS20207では、第2始動口34に遊技球が入球したことを遊技ホール側の管理制御装置に対して信号出力するために、外部信号設定処理を行う。その後、ステップS20208に進む。
ステップS20208では、第2保留エリアRbの保留個数記憶エリアに記憶された値である始動保留個数RbN(以下、第2始動保留個数RbNともいう)を読み出し、当該第2始動保留個数RbNを後述する処理の対象として設定する。第2始動保留個数RbNは、第2始動口34への遊技球の入球に基づく保留個数を示す。その後、ステップS20209に進む。
ステップS20209では、上述したステップS20204又はステップS20208において設定された始動保留個数N(RaN又はRbN)が上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する。ステップS20209において、始動保留個数Nが上限値未満ではない場合(S20209:NO)、すなわち、始動保留個数Nが上限値以上である場合には、本始動口用の入球処理を終了する。
一方、ステップS20209において、始動保留個数Nが上限値未満である場合には(S20209:YES)、ステップS20210に進み、対応する保留エリアの始動保留個数Nに1を加算した後、ステップS20211に進み、合計保留個数記憶エリアに記憶された値(以下、合計保留個数CRNと言う)に1を加算する。合計保留個数CRNは、第1始動保留個数RaNと第2始動保留個数RbNとの合計値を示す。その後、ステップS20212に進む。
ステップS20212では、ステップS20101(図81)において更新した大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2およびリーチ乱数カウンタC3の各値を、対応する保留エリアの空き記憶エリアのうち最初の記憶エリア、すなわち、ステップS20210において1を加算した保留個数と対応する記憶エリアに記憶する。具体的には、第1始動保留個数RaNが処理の対象として設定されている場合には、ステップS20101(図81)にて更新した大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2およびリーチ乱数カウンタC3の各値を、第1保留エリアRaの空き記憶エリアのうち最初の記憶エリア、すなわちステップS20210において1を加算した第1始動保留個数RaNと対応する記憶エリアに記憶する。また、第2始動保留個数RbNが処理の対象として設定されている場合には、ステップS20103(図81)にて更新した大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2およびリーチ乱数カウンタC3の各値を、第2保留エリアRbの空き記憶エリアのうち最初の記憶エリア、すなわちステップS20210において1を加算した第2始動保留個数RbNと対応する記憶エリアに記憶する。ステップS20212を実行した後、ステップS20213に進む。
ステップS20213では、主側RAM64の設定情報記憶領域に記憶されている設定情報が所定の範囲内の数値であるか否かを判定する。本態様では、パチンコ機10に設定され得る設定情報は「1」から「6」までの6段階であるため、設定情報が「1」、「2」、「3」、「4」、「5」、「6」のいずれかの数値であるか否かを判定する。ステップS20213において、設定情報が所定の範囲内の数値であると判定した場合には(ステップS20213:YES)、ステップS20214に進む。
ステップS20214では、先判定処理を実行する。先判定処理は、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2およびリーチ乱数カウンタC3の各値の情報(保留情報)に基づいて、当たり抽選の当否判定結果(抽選結果)、大当たりの種別、リーチの発生の有無などの判定を、当該保留情報が主制御装置60による当たり抽選の対象となるよりも前に実行する処理である。先判定処理の詳細については後述する。ステップS20214を実行した後、ステップS20215に進む。
ステップS20215では、保留コマンドを設定する処理を実行する。具体的には、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3の各値の情報(保留情報)に基づいて実行された先判定処理の判定結果を保留コマンドとして設定する。
保留コマンドは、第1始動口33又は第2始動口34への遊技球の入球が発生したこと及び当該入球に基づいて取得された保留情報に基づく先判定処理による判定結果を、当該保留情報が主制御装置60による当たり抽選の対象となるよりも前に、サブ側の制御装置に確認させるためのコマンドである。保留コマンドは、上述したコマンド出力処理(図81:ステップS20114)において音声発光制御装置90に送信される。
また、音声発光制御装置90は、第1始動口33への遊技球の入球に基づいて送信された保留コマンドを受信した場合には、図柄表示装置41の第1保留表示領域Ds1における表示を保留個数の増加に対応させて変更させるためのコマンドを表示制御装置100に送信する。当該コマンドを受信した表示制御装置100は、図柄表示装置41の第1保留表示領域Ds1における表示を保留個数の増加に対応させて変更する。一方、第2始動口34への入球に基づいて送信された保留コマンドを受信した場合には、音声発光制御装置90は、図柄表示装置41の第2保留表示領域Ds2における表示を保留個数の増加に対応させて変更させるためのコマンドを表示制御装置100に送信する。当該コマンドを受信した表示制御装置100は、図柄表示装置41の第2保留表示領域Ds2における表示を保留個数の増加に対応させて変更する。
主側MPU62は、ステップS20215を実行した後、本始動口用の入球処理を終了する。
一方、ステップS20213において、設定情報が所定の範囲内の数値ではないと判定した場合、例えば、ノイズ等の影響によって主側RAM64の設定情報記憶領域に「7」や「B」といった設定情報としてはとり得ない値が記憶されていると判定した場合には(ステップS20213:NO)、上述したステップS20214の先判定処理を実行せずステップS20216に進み、異常保留コマンドを設定する。異常保留コマンドは、第1始動口33又は第2始動口34への遊技球の入球が発生した時点において、設定情報が所定の範囲内の数値ではなかったことを示すコマンドである。異常保留コマンドは、上述したコマンド出力処理(図81:ステップS20114)において音声発光制御装置90に送信される。ステップS20216を実行した後、本始動口用の入球処理を終了する。
[先判定処理]
次に、先判定処理について説明する。先判定処理は、始動口用の入球処理のサブルーチン(図82:S20214)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図83は、先判定処理を示すフローチャートである。上述のように先判定処理は、保留情報に基づいて、当たり抽選の当否判定、大当たりの種別の判定、リーチの発生の有無の判定などの判定結果を、当該保留情報が主制御装置60による当たり抽選の対象となるよりも前に実行する処理である。
ステップS20301では、始動口用の入球処理(図82)における始動口への遊技球の入球によって記憶エリアに記憶された大当たり乱数カウンタC1の値を読み出す。その後、ステップS20302に進み、今回の入球による当たり抽選が遊技回として実行される時点での抽選モードを判定する。具体的には、今回の入球よりも前の入球によって実行された先判定処理の判定結果を該当する記憶エリアから読み出し、今回の入球による当たり抽選よりも前に発生する確変大当たりの有無を判定することによって、今回の入球による当たり抽選が遊技回として実行される時点での抽選モードを判定する。
ステップS20302において、今回の入球による当たり抽選が遊技回として実行される時点における抽選モードが低確率モードであると判定した場合には、(S20302:YES)、ステップS20303に進み、設定情報に対応した低確率モード用の当否テーブルを参照する。上述したように、本態様のパチンコ機10の主制御装置60は、「抽選設定1」から「抽選設定6」までの6段階の抽選設定のそれぞれに対応した6種類の低確率モード用の当否テーブルを備えており、主側MPU62は、抽選設定を示す設定情報に対応した低確率モード用の当否テーブルを参照する。具体的には、例えば、主側RAM64の設定情報記憶領域に記憶されている設定情報の値が「1」である場合には、抽選設定1に対応した低確率モード用の当否テーブルを参照する。その後、ステップS20305に進み、低確率モード用の当否テーブルを参照した結果、今回読み出した大当たり乱数カウンタC1の値の情報が、大当たりに対応しているか否かを判定する。なお、6種類の低確率モード用の当否テーブルの一例については、既に態様57において説明したため、ここでは説明を省略する。
一方、ステップS20302において、今回の入球による当たり抽選が遊技回として実行される時点における抽選モードが低確率モードでないと判定した場合には(S20302:NO)、ステップS20304に進み、高確率モード用の当否テーブルを参照する。その後、ステップS20305に進み、高確率モード用の当否テーブルを参照した結果、今回読み出した大当たり乱数カウンタC1の値が、大当たりに対応しているか否かを判定する。なお、本態様では、抽選設定にかかわらず1種類の高確率モード用の当否テーブルを参照する構成としたが、低確率モード用の当否テーブルと同様に、抽選設定に対応した数の高確率モード用の当否テーブルを用意し、抽選設定に対応した高確率モード用の当否テーブルを参照する構成としてもよい。
ステップS20305において、今回読み出した大当たり乱数カウンタC1の値が大当たりに対応していると判定した場合には(S20305:YES)、ステップS20306に進み、今回の始動口への入球によって記憶エリアに記憶された大当たり種別カウンタC2の値を読み出す。その後、ステップS20307に進み、振分テーブル記憶エリア63bに記憶されている振分テーブルを参照する。具体的には、今回の振り分け対象となった大当たり種別カウンタC2が第1始動口33への遊技球の入球に基づいて取得されたものである場合には、第1始動口用振分テーブルを参照し、第2始動口34への遊技球の入球に基づいて取得されたものである場合には、第2始動口用振分テーブルを参照する。ステップS20307を実行した後、ステップS20308に進む。
ステップS20308では、振分テーブルを参照した結果、今回読み出した大当たり種別カウンタC2の値が、確変大当たりに対応しているか否かを判定する。ステップS20308において、確変大当たりに対応していると判定した場合には(S20308:YES)、ステップS20309に進み、先判定処理結果記憶エリア64fに確変大当たり情報を記憶する。その後、先判定処理を終了する。一方、ステップS20308において、確変大当たりに対応していないと判定した場合には(S20308:NO)、ステップS20310に進み、先判定処理結果記憶エリア64fに通常大当たり情報を記憶する。その後、先判定処理を終了する。
ステップS20305において、今回読み出した大当たり乱数カウンタC1の値が、大当たりに対応していないと判定した場合には(S20305:NO)、ステップS20311に進み、今回の始動口への入球によって記憶エリアに記憶されたリーチ乱数カウンタC3の値を読み出す。その後、ステップS20312に進み、リーチ判定用テーブル記憶エリア63cに記憶されているリーチ判定用テーブルを参照する。その後、ステップS20313に進み、リーチ判定用テーブルを参照した結果、今回読み出したリーチ乱数カウンタC3の値が、リーチ発生に対応しているか否かを判定する。
ステップS20313において、リーチ発生に対応していると判定した場合には(S20313:YES)、ステップS20314に進み、先判定処理結果記憶エリア64fにリーチ発生情報を記憶させる。その後、先判定処理を終了する。一方、ステップS20313において、リーチ発生に対応していないと判定した場合には(S20313:NO)、そのまま先判定処理を終了する。
[スルーゲート用の入球処理]
次に、スルーゲート用の入球処理について説明する。スルーゲート用の入球処理は、タイマ割込み処理のサブルーチン(図81:S20109)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図84は、スルーゲート用の入球処理を示すフローチャートである。ステップS20401では、遊技球がスルーゲート35に入球(通過)したか否かを判定する。ステップS20401において、遊技球がスルーゲート35に入球したと判定した場合には(S20401:YES)、ステップS20402に進み、役物保留個数SNが上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する。なお、役物保留個数SNは、電動役物開放抽選を行うために保留されているスルーゲート35への入球数を示す値である。本実施形態では、役物保留個数SNの最大値は4である。一方、ステップS20401において、スルーゲート35に遊技球が入球しなかったと判定した場合には(S20401:NO)、本スルー用の入球処理を終了する。
ステップS20402において、役物保留個数SNの上限値未満(4未満)であると判定した場合には(S20402:YES)、ステップS20403に進み、役物保留個数SNに1を加算する。その後、ステップS20404に進む。
ステップS20404では、ステップS20101(図81)において更新した電動役物開放カウンタC4の値をRAM64の電役保留エリア64cの空き記憶エリアのうち最初の記憶エリアに記憶する。その後、スルーゲート用の入球処理を終了する。
一方、ステップS20402において、役物保留個数SNの値が上限値未満でないと判定した場合(S20402:NO)、すなわち、役物保留個数SNの値が上限値以上であると判定した場合には、電動役物開放カウンタC4の値を記憶することなく、スルー用の入球処理を終了する。
[遊技回制御処理]
次に、遊技回制御処理について説明する。遊技回制御処理は、タイマ割込み処理のサブルーチン(図81:ステップS20110)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図85は、遊技回制御処理を示すフローチャートである。ステップS20501では、開閉実行モード中か否かを判定する。具体的には、RAM64の各種フラグ記憶エリア64eの開閉実行モードフラグがONであるか否かを判定する。開閉実行モードフラグは、後述するように、大当たりに当選した遊技回における図柄の変動が終了し、開閉実行モードに移行するタイミングでONにされ、開閉実行モードが終了するタイミングでOFFにされる。
ステップS20501において、開閉実行モードフラグがONであると判定した場合には(S20501:YES)、開閉実行モード中であると判定し、ステップS20502以降の処理のいずれも実行することなく、本遊技回制御処理を終了する。すなわち、開閉実行モード中である場合には、第1始動口33又は第2始動口34への遊技球の入球が発生しているか否かに関係なく、遊技回が開始されることはない。一方、ステップS20501において、開閉実行モード中ではないと判定した場合には(S20501:NO)、ステップS20502に進む。
ステップS20502では、メイン表示部45が変動表示中であるか否かを判定する。具体的には、第1図柄表示部37a又は第2図柄表示部37bのいずれか一方が変動表示中であるか否かを判定する。この判定は、RAM64の各種フラグ記憶エリア64eにおける変動表示中フラグがONであるか否かを判定することにより行われる。変動表示中フラグは、第1図柄表示部37a又は第2図柄表示部37bのいずれか一方について変動表示を開始させる場合にONにされ、その変動表示が終了する場合にOFFにされる。
ステップS20502において、メイン表示部45が変動表示中ではないと判定した場合には(S20502:NO)、ステップS20503~ステップS20505の遊技回開始用処理に進む。ステップS20503では、合計保留個数CRNが「0」であるか否かを判定する。合計保留個数CRNが「0」である場合とは、第1始動口33及び第2始動口34のいずれについても始動保留個数が「0」であることを意味する。したがって、ステップS20503において、合計保留個数CRNが「0」であると判定した場合には(S20503:YES)、本遊技回制御処理を終了する。一方、ステップS20503において、合計保留個数CRNが「0」でないと判定した場合には(S20503:NO)、ステップS20504に進む。
ステップS20504では、第1保留エリアRa又は第2保留エリアRbに記憶されているデータを変動開始後の状態に設定するための保留情報シフト処理を実行し、ステップS20505に進む。保留情報シフト処理の詳細は後述する。
ステップS20505では、メイン表示部45における変動表示及び図柄表示装置41における変動表示を開始させるための変動開始処理を実行する。なお、変動開始処理の詳細は後述する。その後、ステップS20506に進む。
ステップS20506では、遊技回数カウンタPNCの値を1減算する。遊技回数カウンタPNCは、高頻度サポートモードにおいて実行された遊技回の数をカウントするためのカウンタである。ステップS20506を実行した後、本遊技回制御処理を終了する。
一方、ステップS20502において、メイン表示部45が変動表示中であると判定した場合には(S20502:YES)、ステップS20507に進む。
ステップS20507では、今回の遊技回の変動時間が経過したか否かを判定する。変動時間とは、上述したように、図柄列が変動を開始してから全ての図柄列が停止するまでの時間であり、単位遊技時間の一部である。具体的には、ステップS20507では、RAM64の変動時間カウンタエリア(各種カウンタエリア64d)に記憶されている変動時間情報の値が「0」となったか否かを判定する。当該変動時間情報の値は、後述する変動時間の設定処理(図89)において設定される。この設定された変動時間情報の値は、タイマ割込み処理が起動される度に1減算される。
ステップS20507において、変動時間が経過していないと判定した場合には(S20507:NO)、ステップS20508に進み、変動表示用処理を実行する。変動表示用処理は、今回の遊技回に係る結果表示部における表示態様を変更する処理である。ステップS20508を実行した後、本遊技回制御処理を終了する。
ステップS20507において、変動時間が経過していると判定した場合には(S20507:YES)、ステップS20509に進み、変動終了処理を実行する。変動終了処理では、後述する当たり判定処理(図88)において決定された停止図柄を、今回の遊技回の結果としてメイン表示部45に停止表示させる。ステップS20509を実行した後、ステップS20510に進む。
ステップS20510では、RAM64の各種フラグ記憶エリア64eに記憶されているいずれかの大当たりフラグがONであるか否かを判定する。大当たりフラグは、後述する当たり判定処理(図88)において大当たりに当選した場合にONにされるフラグである。ステップS20510において、いずれかの大当たりフラグがONであると判定した場合には(S20510:YES)、ステップS20511に進み、開閉実行モードフラグをONにする。その後、本遊技回制御処理を終了する。一方、ステップS20510において、いずれの大当たりフラグもONではないと判定した場合には(S20510:NO)、ステップS20512に進む。
ステップS20512では、合計保留個数CRNが「0」であるか否かを判定する。ステップS20512において、合計保留個数CRNが「0」であると判定した場合には(S20512:YES)、ステップS20513に進み、客待ちコマンドを設定する。客待ちコマンドは、図柄の変動(遊技回)が終了した時点において保留情報記憶エリア64bに保留情報が1つも記憶されていないことをサブ側の制御装置である音声発光制御装置90に認識させるための情報を含むコマンドである。ステップS20513において設定された客待ちコマンドは、上述したコマンド出力処理(図81:ステップS20114)において音声発光制御装置90に送信される。一方、ステップS20512において、合計保留個数CRNが「0」ではないと判定した場合には(S20512:NO)、本遊技回制御処理を終了する。
[保留情報シフト処理]
次に、保留情報シフト処理について説明する。保留情報シフト処理は、遊技回制御処理のサブルーチン(図85:S20504)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図86は、保留情報シフト処理を示すフローチャートである。ステップS20601では、保留情報シフト処理を実行する処理対象である保留エリアが第1保留エリアRaであるか否かを判定する。具体的には、第1保留エリアRa(図6)に時系列的に記憶された保留情報のうち最も先に記憶された保留情報(第1保留エリアRaの第1エリアに記憶されている保留情報)の方が、第2保留エリアRb(図6)に時系列的に記憶された保留情報のうち最も先に記憶された保留情報(第2保留エリアRbの第1エリアに記憶されている保留情報)よりも先に保留エリアに記憶されている場合には、処理対象である保留エリアを第1保留エリアRaであると判定する。一方、第1保留エリアRa(図6)に時系列的に記憶された保留情報のうち最も先に記憶された保留情報よりも、第2保留エリアRb(図6)に時系列的に記憶された保留情報のうち最も先に記憶された保留情報の方が先に保留エリアに記憶されている場合には、処理対象である保留エリアを第2保留エリアRbであると判定する。すなわち、ステップS20601の処理を実行することにより、第1保留エリアRaまたは第2保留エリアRbに記憶された順に、保留情報を処理対象とすることができる。
ステップS20601において、処理対象の保留エリアが第1保留エリアRaであると判定した場合には(ステップS20601:YES)、ステップS20602~ステップS20607の第1保留エリア用の保留情報シフト処理を実行する。一方、ステップS20601において、処理対象の保留エリアが第1保留エリアRaではないと判定した場合、すなわち、処理対象の保留エリアが第2保留エリアRbであると判定した場合には(ステップS20601:NO)、ステップS20608~ステップS20613の第2保留エリア用の保留情報シフト処理を実行する。
ステップS20602では、第1保留エリアRaの第1始動保留個数RaNを1減算した後、ステップS20603に進み、合計保留個数CRNを1減算する。その後、ステップS20604に進む。ステップS20604では、第1保留エリアRaの第1エリアに記憶されているデータを実行エリアAEに移動させる。その後、ステップS20605に進む。
ステップS20605では、第1保留エリアRaの記憶エリアに記憶されているデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第1~第4エリアに記憶されているデータを下位エリア側に順にシフトさせる処理である。具体的には、第1エリアのデータをクリアすると共に、第2エリア→第1エリア、第3エリア→第2エリア、第4エリア→第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトさせる。ステップS20605を実行した後、ステップS20606に進む。
ステップS20606では、各種フラグ記憶エリア64eの第2図柄表示部フラグがONである場合には当該フラグをOFFにし、ONではない場合にはその状態を維持する。第2図柄表示部フラグは、今回の変動表示の開始の対象が第1図柄表示部37a又は第2図柄表示部37bのいずれであるかを特定するための情報である。その後、ステップS20607へ進む。
ステップS20607では、シフト時コマンドを設定する。シフト時コマンドは、保留エリアのデータのシフトが行われたことをサブ側の制御装置である音声発光制御装置90に認識させるための情報を含むコマンドである。この場合、ROM63のコマンド情報記憶エリア63fから、今回のデータのシフトの対象となった保留エリアが、第1保留エリアRaに対応していることの情報、すなわち第1始動口33に対応していることの情報を含むシフト時コマンドを選定し、その選定したシフト時コマンドを音声発光制御装置90への送信対象のコマンドとして設定する。その後、保留情報シフト処理を終了する。
ステップS20607において設定されたシフト時コマンドは、上述したコマンド出力処理(図81:ステップS20114)において音声発光制御装置90に送信される。音声発光制御装置90は、受信したシフト時コマンドに基づいて、図柄表示装置41の第1保留表示領域Ds1における表示を保留個数の減少に対応させて変更させるためのコマンドを表示制御装置100に送信する。当該コマンドを受信した表示制御装置100は、図柄表示装置41の第1保留表示領域Ds1における表示を保留個数の減少に対応させて変更する。
ステップS20601において、処理対象の保留エリアが第1保留エリアRaではないと判定した場合、すなわち、処理対象の保留エリアが第2保留エリアRbであると判定した場合には(ステップS20601:NO)、ステップS20608に進む。
ステップS20608では、第2保留エリアRbの第2始動保留個数RbNを1減算する。その後、ステップS20609に進む。ステップS20609では、合計保留個数CRNを1減算し、ステップS20610に進み、第2保留エリアRbの第1エリアに記憶されているデータを実行エリアAEに移動させる。その後、ステップS20611に進む。
ステップS20611では、第2保留エリアRbの記憶エリアに記憶されているデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第1~第4エリアに記憶されているデータを下位エリア側に順にシフトさせる処理である。具体的には、第1エリアのデータをクリアすると共に、第2エリア→第1エリア、第3エリア→第2エリア、第4エリア→第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトさせる。ステップS20611を実行した後、ステップS20612に進む。
ステップS20612では、各種フラグ記憶エリア64eの第2図柄表示部フラグがONではない場合には当該フラグをONにし、ONである場合にはその状態を維持する。その後、ステップS20613に進む。
ステップS20613では、シフト時コマンドを設定する。シフト時コマンドは、保留エリアのデータのシフトが行われたことをサブ側の制御装置である音声発光制御装置90に認識させるための情報を含むコマンドである。この場合、ROM63のコマンド情報記憶エリア63fから、今回のデータのシフトの対象となった保留エリアが、第2保留エリアRbに対応していることの情報、すなわち第2始動口34に対応していることの情報を含むシフト時コマンドを選定し、その選定したシフト時コマンドを音声発光制御装置90への送信対象のコマンドとして設定する。その後、本保留情報シフト処理を終了する。
ステップS20613において設定されたシフト時コマンドは、上述したコマンド出力処理(図81:ステップS20114)において音声発光制御装置90に送信される。音声発光制御装置90は、受信したシフト時コマンドに基づいて、図柄表示装置41の第2保留表示領域Ds2における表示を、保留個数の減少に対応させて変更させるためのコマンドを表示制御装置100に送信する。当該コマンドを受信した表示制御装置100は、図柄表示装置41の第2保留表示領域Ds2における表示を保留個数の減少に対応させて変更する。
[変動開始処理]
次に、変動開始処理について説明する。変動開始処理は、遊技回制御処理のサブルーチン(図85:S20505)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図87は、変動開始処理を示すフローチャートである。ステップS20701では、主側RAM64の設定情報記憶領域に記憶されている設定情報が所定の範囲内の数値であるか否かを判定する。設定情報が所定の範囲内の数値であると判定した場合には(ステップS20701:YES)、ステップS20702に進む。
ステップS20702では、当たり判定処理を実行する。当たり判定処理では、保留情報シフト処理において実行エリアAEにシフトされた大当たり乱数カウンタC1の値等に基づいて大当たりに当選したか否か等を判定する処理である。当たり判定処理の詳細については後述する。ステップS20702を実行した後、ステップS20703に進む。
ステップS20703では、変動時間の設定処理を実行する。変動時間の設定処理では、大当たりの有無やリーチの発生の有無に基づいて、第1図柄表示部37a又は第2図柄表示部37bにおける今回の遊技回に要する時間である変動時間を設定する。変動時間の設定処理の詳細については後述する。ステップS20703を実行した後、ステップS20704に進む。
ステップS20704では、RAM64の第2図柄表示部フラグがONであるか否かを判定する。ステップS20704において、RAM64の第2図柄表示部フラグがONではないと判定した場合には(S20704:NO)、ステップS20705に進み、第1変動用コマンドを設定する。第1変動用コマンドには、今回の遊技回が第1始動口33への入賞に基づいて取得された保留情報に係るものであることを示す情報が含まれているとともに、リーチの発生の有無の情報及びステップS20703において設定された変動時間の情報が含まれている。一方、ステップS20704において、第2図柄表示部フラグがONであると判定した場合には(S20704:YES)、ステップS20706に進み、第2変動用コマンドを設定する。第2変動用コマンドには、今回の遊技回が第2始動口34への入賞に基づいて取得された保留情報に係るものであることを示す情報が含まれているとともに、リーチの発生の有無の情報及びステップS20703において設定された変動時間の情報が含まれている。ステップS20705又はステップS20706を実行した後、ステップS20707に進む。
ステップS20707では、種別コマンドを設定する。種別コマンドには、大当たりの有無及び振分け判定の結果の情報が含まれる。つまり、種別コマンドには、大当たりの種別の情報として、16R確変大当たりの情報、8R確変大当たりの情報、16R通常大当たりの情報、8R通常大当たりの情報、又は、外れ結果の情報が含まれている。
ステップS20705~ステップS20707にて設定された変動用コマンド及び種別コマンドは、上述したコマンド出力処理(図81:ステップS20114)において音声発光制御装置90に送信される。音声発光制御装置90は、受信した変動用コマンド及び種別コマンドに基づいて、その遊技回における演出の内容を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。ステップS20707を実行後、ステップS20708に進む。
ステップS20708では、第1図柄表示部37a及び第2図柄表示部37bのうち今回の遊技回に対応した図柄表示部に、図柄の変動表示を開始させる。具体的には、RAM64の第2図柄表示部フラグがONではない場合には、今回の遊技回に対応した図柄表示部が第1図柄表示部37aであると特定して変動表示を開始させ、第2図柄表示部フラグがONである場合には、今回の遊技回に対応した図柄表示部が第2図柄表示部37bであると特定して変動表示を開始させる。ステップS20708を実行した後、本変動開始処理を終了する。
一方、上述したステップS20701において、主側RAM64の設定情報記憶領域に記憶されている設定情報が所定の範囲内の数値ではないと判定した場合には、ステップS20709に進み、遊技停止コマンドをサブ側の制御装置である払出制御装置70及び音声発光制御装置90に対して送信する。遊技停止コマンドは、遊技の進行を停止させることをサブ側の制御装置である払出制御装置70及び音声発光制御装置90に対して認識させるためのコマンドである。ステップS20709を実行した後、ステップS20710に進み、遊技停止フラグをONにする。この結果、次のタイマ割込み処理(図81)が実行された際に、遊技を進行させるための処理群(図81のステップS20104~ステップS20115の処理群)の実行が回避され、遊技の進行が停止される。ステップS20710を実行した後、本変動開始処理を終了する。
[当たり判定処理]
次に、当たり判定処理について説明する。当たり判定処理は、変動開始処理のサブルーチン(図87:S20702)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図88は、当たり判定処理を示すフローチャートである。ステップS20801では、当否抽選モードが高確率モードであるか否かを判定する。具体的には、RAM64の各種フラグ記憶エリアの高確率モードフラグがONであるか否かを判定する。高確率モードフラグは、当否抽選モードが高確率モードであるか否かをMPU62にて特定するためのフラグであり、本実施形態では、確変大当たりの当選に係る開閉実行モードの終了に際してONにされ、その後に大当たりに当選して開閉実行モードが開始される際にOFFにされる。ステップS20801において、高確率モードであると判定した場合には(S20801:YES)、ステップS20802に進む。
ステップS20802では、高確率モード用の当否テーブルを参照して当否判定を行う。具体的には、実行エリアAEに記憶されている大当たり乱数カウンタC1の値が、高確率モード用の当否テーブルにおいて大当たり当選として設定されている値と一致しているか否かを判定する。その後、ステップS20804に進む。一方、ステップS20801において高確率モードではないと判定した場合には(S20801:NO)、ステップS20803に進む。
ステップS20803では、設定情報に対応した低確率モード用の当否テーブルを参照して当否判定を行う。具体的には、例えば、主側RAM64の設定情報記憶領域に記憶されている設定情報の値が「1」である場合には、抽選設定1に対応した低確率モード用の当否テーブルを参照して当否判定を行う。当否判定では、実行エリアAEに記憶されている大当たり乱数カウンタC1の値が、設定情報に対応した低確率モード用の当否テーブルにおいて大当たり当選として設定されている値と一致しているか否かを判定する。その後、ステップS20804に進む。
ステップS20804では、ステップS20802又はステップS20803における当否判定(当たり抽選)の結果が大当たり当選であるか否かを判定する。ステップS20804において、当否判定の結果が大当たり当選である場合には(S20804:YES)、ステップS20805~ステップS20812において、大当たり当選である場合における遊技結果を設定するための処理及び停止結果を設定するための処理を実行する。
ステップS20805では、RAM64の第2図柄表示部フラグがONであるか否かを判定する。ステップS20805において、第2図柄表示部フラグがONではないと判定した場合には(S20805:NO)、ステップS20806に進み、第1始動口用の振分テーブル(図8(a)参照)を参照して振分判定を行う。具体的には、実行エリアAEに記憶されている大当たり種別カウンタC2の値が、16R確変大当たりの数値範囲、8R確変大当たりの数値範囲、16R通常大当たりの数値範囲、8R通常大当たりの数値範囲のいずれに含まれているかを判定する。
一方、ステップS20805において、第2図柄表示部フラグがONであると判定した場合には(S20805:YES)、ステップS20807に進み、第2始動口用の振分テーブル(図8(b)参照)を参照して振分判定を行う。具体的には、実行エリアAEに記憶されている大当たり種別カウンタC2の値が、16R確変大当たりの数値範囲、8R確変大当たりの数値範囲、16R通常大当たりの数値範囲、8R通常大当たりの数値範囲のいずれに含まれているかを判定する。ステップS20806又はステップS20807の処理を実行した後。ステップS20808に進む。
ステップS20808では、ステップS20806又はステップS20807において振り分けた大当たりの種別が確変大当たりであるか否かを判定する。ステップS20808において、遊技結果が確変大当たりであると判定した場合には(S20808:YES)、ステップS20809に進む。
ステップS20809では、確変大当たり用の停止結果設定処理を実行する。確変大当たり用の停止結果設定処理とは、確変大当たりに当選することとなる今回の遊技回において、第1図柄表示部37a又は第2図柄表示部37bに、いずれの停止結果を表示した状態で変動表示を終了させるかを設定するための処理である。具体的には、停止結果テーブル記憶エリア63eに記憶されている確変大当たり用の停止結果テーブルを参照することで、ステップS20806又はステップS20807において振り分けた大当たりの種別に対応した停止結果データのアドレス情報を取得し、そのアドレス情報をRAM64の停止結果アドレス記憶エリアに記憶する。ステップS20809を実行した後、ステップS20810に進む。
ステップS20810では、ステップS20806又はステップS20807において振り分けた大当たりの種別に対応したフラグ(大当たり種別フラグ)をONにする。具体的には、16R確変大当たりである場合には16R確変フラグをONにし、8R確変大当たりである場合には8R確変フラグをONにする。その後、本当たり判定処理を終了する。
一方、ステップS20808において、ステップS20806又はステップS20807において振り分けた大当たりの種別が確変大当たりでないと判定した場合には(S20808:NO)、すなわち、振り分けた大当たりの種別が通常大当たりである場合には、ステップS20811に進む。
ステップS20811では、通常大当たり用の停止結果設定処理を実行する。通常大当たり用の停止結果設定処理とは、通常大当たりに当選することとなる今回の遊技回において、第1図柄表示部37a又は第2図柄表示部37bに、いずれの停止結果を表示した状態で変動表示を終了させるかを設定するための処理である。具体的には、停止結果テーブル記憶エリア63eに記憶されている通常大当たり用の停止結果テーブルを参照することで、ステップS20806又はステップS20807において振り分けた大当たりの種別に対応した停止結果データのアドレス情報を取得し、そのアドレス情報をRAM64の停止結果アドレス記憶エリアに記憶する。ステップS20811を実行した後、ステップS20812に進む。
ステップS20812では、ステップS20806又はステップS20807において振り分けた大当たりの種別に対応したフラグ(大当たり種別フラグ)をONにする。具体的には、16R通常大当たりである場合には16R通常フラグをONにし、8R通常大当たりである場合には8R通常フラグをONにする。その後、本当たり判定処理を終了する。
ステップS20804において、ステップS20802又はステップS20803における当たり抽選の結果が大当たり当選でない場合には(S20804:NO)、ステップS20813に進み、外れ時用の停止結果設定処理を実行する。外れ時用の停止結果設定処理とは、外れ結果となる今回の遊技回において、第1図柄表示部37a又は第2図柄表示部37bに、いずれの停止結果を表示した状態で変動表示を終了させるかを設定するための処理である。具体的には、停止結果テーブル記憶エリア63eにおける外れ時用の停止結果テーブルを参照することで、実行エリアAEに記憶されている大当たり乱数カウンタC1の値に対応した停止結果データのアドレス情報を取得し、そのアドレス情報をRAM64の停止結果アドレス記憶エリアに記憶する。ステップS20813を実行した後、本当たり判定処理を終了する。
[変動時間の設定処理]
次に、変動時間の設定処理について説明する。変動時間の設定処理は、変動開始処理のサブルーチン(図87:S20703)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図89は、変動時間の設定処理を示すフローチャートである。ステップS20901では、RAM64の抽選カウンタ用バッファ64aにおける変動種別カウンタ用バッファに記憶されている変動種別カウンタCSの値を取得する。その後、ステップS20902に進む。
ステップS20902では、今回の遊技回に係る当たり抽選が当選であるか否かを判定する。具体的には、RAM64の、確変大当たりフラグ又は通常大当たりフラグがONであるか否かを判定し、いずれかのフラグがONである場合には(S20902:YES)、ステップS20903に進む。
ステップS20903では、ROM63の変動時間テーブル記憶エリア63dに記憶されている大当たり用変動時間テーブルを参照して、今回の変動種別カウンタCSの値に対応した変動時間情報を取得する。本実施形態のパチンコ機10においては、当たり抽選に当選した遊技回の変動時間は一定である。その後、ステップS20904に進み、取得した変動時間情報をRAM64の各種カウンタエリア64dに設けられた変動時間カウンタエリアにセットする。その後、変動時間の設定処理を終了する。
ステップS20902において、今回の遊技回に係る当たり抽選が当選ではないと判定した場合には(S20902:NO)、ステップS20905に進み、今回の遊技回においてリーチが発生するか否かを判定する。上記ステップS20902において今回の遊技回に係る当たり抽選が当選していない場合に本処理(S20905)を実行することから、ステップS20905においては、当たり抽選に当選していない遊技回のうちリーチが発生する遊技回であるか否の判定を行う。具体的には、実行エリアAEに記憶されているリーチ乱数カウンタC3の値がリーチの発生に対応した値である場合に、リーチが発生すると判定して(S20905:YES)、ステップS20906に進む。なお、リーチ乱数カウンタC3の値を用いたリーチの発生の有無の特定に際しては、ROM63のリーチ判定用テーブル記憶エリアに記憶されているリーチ判定用テーブルを参照する。
ステップS20906では、ROM63の変動時間テーブル記憶エリア63dに記憶されているリーチ発生用変動時間テーブルを参照して、今回の変動種別カウンタCSの値に対応した変動時間情報を取得する。本実施形態のパチンコ機10においては、リーチ発生用の変動時間は一定である。その後、ステップS20904に進み、取得した変動時間情報をRAM64の各種カウンタエリア64dに設けられた変動時間カウンタエリアにセットする。その後、変動時間の設定処理を終了する。
ステップS20905において、今回の遊技回においてリーチが発生しないと判定した場合には(S20905:NO)、ステップS20907に進み、変動時間テーブル記憶エリア63dに記憶されているリーチ非発生用変動時間テーブルを参照して、今回の変動種別カウンタCSの値に対応した変動時間を取得する。その後、ステップS20904に進み、取得した変動時間情報をRAM64の各種カウンタエリアに設けられた変動時間カウンタエリアにセットする。その後、変動時間の設定処理を終了する。
なお、本実施形態のパチンコ機10では、リーチ非発生用変動時間テーブルに記憶されている変動時間情報は、合計保留個数CRNの数が多いほど変動時間が短くなるように設定されている。但し、これに限定されることはなく、例えば、合計保留個数CRNの数に依存しない構成としてもよく、合計保留個数CRNの数が少ないほど変動時間が短くなるように設定されていてもよい。また、第2始動保留個数RbNが「0」である場合には、第1始動保留個数RaNの数が多いほど変動時間が短くなり、第2始動保留個数RbNが「1」以上である場合には、第2始動保留個数RbNの数が多いほど変動時間が短くなるように設定されていてもよい。また、第2始動保留個数RbNが「0」である場合には、第1始動保留個数RaNの数が多いほど変動時間が長くなり、第2始動保留個数RbNが「1」以上である場合には、第2始動保留個数RbNの数が多いほど変動時間が長くなる又は各保留個数RaN,RbNに依存することなく一定となるように設定されていてもよい。
また、サポートモードが高頻度サポートモードである状況においては低頻度サポートモードである状況よりも、保留情報の数が同一である場合で比較して、短い変動時間が選択されるようにリーチ非発生用変動時間テーブルが設定されていてもよい。ただし、これに限定されることはなく、選択される変動時間が同一であってもよく、上記の関係とは逆であってもよい。
さらには、リーチ発生時における変動時間に対して、上記構成を適用してもよく、大当たり当選時と外れリーチ時とで選択され易い変動時間と選択され難い変動時間とが異なっている構成としてもよい。また、確変大当たり用の変動時間テーブル、通常大当たり用の変動時間テーブル、外れリーチ用の変動時間テーブル及び完全外れ用の変動時間テーブルがそれぞれ個別に設定されている構成としてもよい。
[遊技状態移行処理]
次に、遊技状態移行処理について説明する。遊技状態移行処理は、タイマ割込み処理のサブルーチン(図81:S20111)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図90は、遊技状態移行処理を示すフローチャートである。ステップS21001では、エンディング期間フラグがONであるか否かを判定する。エンディング期間フラグは、エンディング期間の開始時にONにされ、エンディング期間の終了時にOFFにされる。エンディング期間は、開閉実行モードにおいてエンディング演出を実行するための期間である。
ステップS21001において、エンディング期間フラグがONではないと判定した場合には(S21001:NO)、ステップS21002に進み、開閉処理期間フラグがONであるか否かを判定する。開閉処理期間フラグは、開閉処理期間の開始時にONにされ、開閉処理期間の終了時にOFFにされる。
ステップS21002において、開閉処理期間フラグがONではないと判定した場合には(S21002:NO)、ステップS21003に進み、オープニング期間フラグがONであるか否かを判定する。オープニング期間フラグは、オープニング期間の開始時にONにされ、オープニング期間の終了時にOFFにされる。オープニング期間は、開閉実行モードにおいてオープニング演出を実行するための期間である。
ステップS21003において、オープニング期間フラグがONではないと判定した場合には(S21003:NO)、ステップS21004に進み、第1図柄表示部37a又は第2図柄表示部37bにおける図柄の変動表示が終了したタイミングであるか否かを判定する。ステップS21004において、変動表示が終了したタイミングではないと判定した場合には(S21004:NO)、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。
ステップS21004において、変動表示が終了したタイミングであると判定した場合には(S21004:YES)、ステップS21005に進み、今回の遊技回の当たり抽選の結果が開閉実行モードへの移行に対応したものであるか否かを判定する。具体的には、RAM64の開閉実行モードフラグがONであるか否かを判定する。開閉実行モードフラグがONではないと判定した場合には(S21005:NO)、本遊技状態移行処理を終了する。
ステップS21005において、今回の遊技回の当たり抽選の結果が開閉実行モードへの移行に対応したものであると判定した場合には(S21005:YES)、ステップS21006に進み、高確率モードフラグ及び高頻度サポートモードフラグのうち、ONとなっているフラグをOFFにする。その後、ステップS21007に進む。なお、ステップS21006において、高確率モードフラグ及び高頻度サポートモードフラグの両方のフラグがOFFであった場合には、そのままステップS21007に進む。
ステップS21007では、オープニング時間設定処理を実行する。オープニング時間設定処理は、オープニング期間の時間的長さ(以下、オープニング時間とも呼ぶ)を設定する処理である。具体的には、オープニング時間を決定する第3タイマカウンタエリアT3に所定の値を設定する。本実施形態では、第3タイマカウンタエリアT3に「1500」(すなわち、6sec)を設定する。なお、第3タイマカウンタエリアT3は、RAM64の各種タイマカウンタエリア64dに設けられている。ステップS21007を実行した後、ステップS21008に進む。
ステップS21008では、オープニングコマンドを設定する。設定されたオープニングコマンドは、上述したコマンド出力処理(図81:ステップS20114)において音声発光制御装置90に送信される。音声発光制御装置90は、オープニングコマンドを受信したことに基づいて、オープニング演出及右打ち報知演出を実行するように設定し、これらの演出が順次実行されるように各種機器の制御を開始する。ステップS21008を実行した後、ステップS21009に進み、オープニング期間フラグをONにする。その後、本遊技状態移行処理を終了する。
ステップS21003において、オープニング期間フラグがONであると判定した場合には(S21003:YES)、ステップS21010に進む。
ステップS21010では、オープニング期間が終了したか否かを判定する。具体的には、第3タイマカウンタエリアT3の値が「0」であるか否かを判定する。ステップS21010において、オープニング期間が終了したと判定した場合には(S21010:YES)、ステップS21011に進み、オープニング期間フラグをOFFにする。その後、ステップS21012に進む。
ステップS21012では、今回の開閉実行モードの種別を報知するためのラウンド表示の開始処理を実行する。具体的には、RAM64の停止結果アドレス記憶エリアに記憶されているアドレス情報を確認する。そして、確認したアドレス情報に基づいて、ROM63に記憶されている停止結果データ群の中から、上記アドレス情報に対応した停止結果データを特定するとともに、その特定した停止結果データからラウンド回数の内容を確認する。その後、その確認したラウンド回数の内容を、メイン表示部45におけるラウンド表示部39に出力する。これにより、ラウンド表示部39では上記出力に係るラウンドの情報が表示される。ステップS21012を実行した後、ステップS21013に進む。
ステップS21013では、今回の開閉実行モードのラウンド数を設定する。具体的には、RAM64に記憶されている大当たり種別フラグ(16R確変フラグ、8R確変フラグ、16R通常フラグ、8R通常フラグ)を確認するとともに、フラグに対応するラウンド数を、RAM64の各種カウンタエリア64fに設けられた第1ラウンドカウンタエリアRC1にセットする。第1ラウンドカウンタエリアRC1は、開閉扉36bが開放された回数をカウントするためのカウンタエリアである。ステップ13913を実行した後、ステップS21014に進む。
ステップS21014では、開閉処理期間フラグをONにする。その後、ステップS21015に進み、開放開始コマンドを設定する。設定された開放開始コマンドは、上述したコマンド出力処理(図81:ステップS20114)において音声発光制御装置90に送信される。この開放開始コマンドには、今回の開閉実行モードのラウンド数の情報が含まれる。音声発光制御装置90は、受信した開放開始コマンドに基づいて、ラウンド数に対応した内容のラウンド演出を実行するように設定し、設定した内容のラウンド演出が実行されるように各種機器の制御を開始する。ステップS21015を実行した後、本遊技状態移行処理を終了する。
ステップS21002において、開閉処理期間フラグがONであると判定した場合には(S21002:YES)、ステップS21016に進み、大入賞口開閉処理を実行する。具体的には、大入賞口36aが閉鎖中である場合には、第1ラウンドカウンタエリアRC1が「1」以上であることを条件として、可変入賞駆動部36cを駆動状態とすることで大入賞口36aを開放させる。また、大入賞口36aが開放中である場合には、当該大入賞口36aの開放から開放限度時間が経過していること又は開放限度個数の遊技球が入球していることを条件として、可変入賞駆動部36cの駆動状態を停止し、大入賞口36aを閉鎖させる。大入賞口開閉処理の詳細は後述する。ステップS21016を実行した後、ステップS21017に進む。
ステップS21017では、第1ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」であるか否かを判定する。第1ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」でないと判定した場合には(S21017:NO)、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。一方、第1ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」であると判定した場合には(S21017:YES)、ステップS21018に進み、開閉処理期間フラグをOFFにする。ステップS21018を実行した後、ステップS21019に進む。
ステップS21019では、ラウンド表示の終了処理を実行する。当該処理では、メイン表示部45におけるラウンド表示部39が消灯されるように当該ラウンド表示部39の表示制御を終了する。ステップS21019を実行した後、ステップS21020に進む。
ステップS21020では、エンディング時間設定処理を実行する。エンディング時間設定処理は、エンディング期間の時間的長さ(以下、エンディング時間とも呼ぶ)を設定する処理である。具体的には、エンディング時間を決定する第4タイマカウンタエリアT4に所定の値を設定する。本実施形態では、第4タイマカウンタエリアT4に「1500」(すなわち、6sec)を設定する。なお、第4タイマカウンタエリアT4は、RAM64の各種タイマカウンタエリア64dに設けられている。ステップS21020を実行した後、ステップS21021に進む。
ステップS21021では、エンディングコマンドを設定する。設定されたエンディングコマンドは、上述したコマンド出力処理(図81:ステップS20114)において音声発光制御装置90に送信される。音声発光制御装置90は、エンディングコマンドを受信したことに基づいて、エンディング演出を実行するように設定し、エンディング演出が実行されるように各種機器の制御を開始する。ステップS21021を実行した後、ステップS21022に進む。
ステップS21022では、エンディング期間フラグをONにする。その後、本遊技状態移行処理を終了する。
ステップS21001において、エンディング期間フラグがONであると判定した場合には(S21001:YES)、ステップS21023に進む。
ステップS21023では、エンディング期間が終了したか否かの判定を行う。具体的には、エンディング時間設定処理(S21020)において、エンディング時間として設定した第4タイマカウンタエリアT4の値が「0」であるか否かを判定する。ステップS21023において、エンディング時間として設定した第4タイマカウンタエリアT4の値が「0」ではないと判定した場合には(S21023:NO)、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。一方、ステップS21023において、エンディング時間として設定した第4タイマカウンタエリアT4の値が「0」であると判定した場合には(S21023:YES)、ステップS21024に進む。
ステップS21024では、エンディング期間フラグをOFFにする。その後、ステップS21025に進み、エンディング期間終了時の移行処理を実行する。エンディング期間終了時の移行処理は、今回のエンディング期間が終了した後の遊技回の各種モードを設定するための処理である。エンディング期間終了時の移行処理の詳細は後述する。ステップS21025を実行した後、ステップS21026に進み、開閉実行モードフラグをOFFにする。その後、ステップS21027に進む。
ステップS21027では、合計保留個数CRNが「0」であるか否かを判定する。ステップS21027において、合計保留個数CRNが「0」であると判定した場合には(S21027:YES)、ステップS21028に進み、客待ちコマンドを設定する。客待ちコマンドは、開閉実行モードが終了した時点において保留情報記憶エリア64bに保留情報が1つも記憶されていないことをサブ側の制御装置である音声発光制御装置90に認識させるための情報を含むコマンドである。ステップS21028において設定された客待ちコマンドは、上述したコマンド出力処理(図81:ステップS20114)において音声発光制御装置90に送信される。一方、ステップS21027において、合計保留個数CRNが「0」ではないと判定した場合には(S21027:NO)、本遊技状態移行処理を終了する。
[大入賞口開閉処理]
次に、大入賞口開閉処理について説明する。大入賞口開閉処理は、遊技状態移行処理のサブルーチン(図89:S21016)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図91は、大入賞口開閉処理を示すフローチャートである。ステップS21101では、大入賞口36aを開放中であるか否かを判定する。具体的には、可変入賞駆動部36cの駆動状態に基づいて判定を行う。ステップS21101において、大入賞口36aが開放中でないと判定した場合には(S21101:NO)、ステップS21102に進み、第1ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」であるか否かを判定する。ステップS21102において、第1ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」であると判定した場合には(S21102:YES)、そのまま本大入賞口開閉処理を終了する。一方、ステップS21102において、第1ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」でないと判定した場合には(S21102:NO)、ステップS21103に進む。
ステップS21103では、RAM64の各種カウンタエリア64dに設けられた第1タイマカウンタエリアT1の値が「0」であるか否かを判定する。この場合、第1タイマカウンタエリアT1は、大入賞口36aの閉鎖継続時間を計測するためのパラメーターとして用いられる。ステップS21103において、第1タイマカウンタエリアT1の値が「0」でないと判定した場合には(S21103:NO)、そのまま本大入賞口開閉処理を終了する。一方、ステップS21103において、第1タイマカウンタエリアT1の値が「0」であると判定した場合には(S21103:YES)、ステップS21104に進み、大入賞口36aを開放するために可変入賞駆動部36cを駆動状態とする。その後、ステップS21105に進む。
ステップS21105では、各ラウンド用の設定処理を実行する。本実施形態におけるパチンコ機10の場合、設定されている入賞モードは全て高頻度入賞モードであるので、第1タイマカウンタエリアT1に「7500」(すなわち30sec)をセットする。さらに、大入賞口36aへの遊技球の入賞数をカウントするために、RAM64の各種カウンタエリア64dに設けられた入賞カウンタエリアPCに「10」をセットする。第1タイマカウンタエリアT1にセットされたカウント値は、タイマ割込み処理のタイマ更新処理(ステップS20107)が実行される都度、すなわち4msec周期で1減算される。ステップS21105を実行した後、ステップS21106に進む。
ステップS21106では、開放コマンドを設定する。その後、本大入賞口開閉処理を終了する。なお、開放コマンドは、大入賞口36aの開放が開始されたことをサブ側の制御装置である音声発光制御装置90及び表示制御装置100に認識させるための情報を含むコマンドであり、上述したコマンド出力処理(図81:ステップS20114)において音声発光制御装置90に送信される。音声発光制御装置90は、受信した開放コマンドに基づいて、1ラウンド分の大入賞口36aの開放が開始されたことを特定するとともに、各種ランプ47やスピーカー46における演出内容を、大入賞口36aの開放が開始されたことに対応する内容に更新する。また、音声発光制御装置90は、上記開放コマンドをその情報形態を維持したまま表示制御装置100に送信する。表示制御装置100は、受信した開放コマンドに基づいて、1ラウンド分の大入賞口36aの開放が開始されたことを特定するとともに、図柄表示装置41における演出内容を、大入賞口36aの開放が開始されたことに対応する内容に更新する。
ステップS21101において、大入賞口36aが開放中であると判定した場合には(ステップS21101:YES)、ステップS21107に進み、第1タイマカウンタエリアT1の値が「0」であるか否かを判定する。この場合、第1タイマカウンタエリアT1は、大入賞口36aの開放継続時間を計測するためのパラメータとして用いられる。ステップS21107において、第1タイマカウンタエリアT1の値が「0」でないと判定した場合には(S21107:NO)、ステップS21108に進む。
ステップS21108では、大入賞口36aに遊技球が入球したか否かを、可変入賞装置36に対応した検知センサーの検知状態により判定する。ステップS21108において、入球が発生していないと判定した場合には(S21108:NO)、そのまま本大入賞口開閉処理を終了する。一方、ステップS21108において、入球が発生していると判定した場合には(S21108:YES)、ステップS21109に進み、入賞カウンタエリアPCの値を1減算する。その後、ステップS21110に進む。
ステップS21110では、入賞カウンタエリアPCの値が「0」であるか否かを判定する。ステップS21110において、入賞カウンタエリアPCの値が「0」でないと判定した場合には(S21110:NO)、そのまま本大入賞口開閉処理を終了する。
ステップS21107において第1タイマカウンタエリアT1の値が「0」であると判定した場合には(S21107:YES)、又は、ステップS21110において入賞カウンタエリアPCの値が「0」であると判定した場合には(S21110:YES)、ステップS21111に進み、大入賞口閉鎖処理を実行する。具体的には、大入賞口36aを閉鎖するために可変入賞駆動部36cを非駆動状態とする。その後、ステップS21112に進む。
ステップS21112では、第1ラウンドカウンタエリアRC1の値を1減算する。その後、ステップS21113に進み、第1ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」であるか否かを判定する。ステップS21113において、第1ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」であると判定した場合には(S21113:YES)、そのまま本大入賞口開閉処理を終了する。一方、ステップS21113において、第1ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」でないと判定した場合には(S21113:NO)、ステップS21114に進み、第1タイマカウンタエリアT1に「500」(すなわち2sec)をセットする。この場合、第1タイマカウンタエリアT1は、大入賞口36aの閉鎖継続時間を計測するためのパラメータとして用いられる。ステップS21114を実行した後、ステップS21115に進み、閉鎖コマンドを設定する。その後、大入賞口開閉処理を終了する。
この設定された閉鎖コマンドは、大入賞口36aの開放が終了したことをサブ側の制御装置である音声発光制御装置90及び表示制御装置100に認識させるための情報を含むコマンドであり、上述したコマンド出力処理(図81:ステップS20114)において音声発光制御装置90に送信される。音声発光制御装置90は、受信した閉鎖コマンドに基づいて、1ラウンド分の大入賞口36aの開放が終了したことを特定するとともに、各種ランプ47やスピーカー46における演出内容を、大入賞口36aの開放が終了したことに対応する内容に更新する。また、音声発光制御装置90は、上記閉鎖コマンドをその情報形態を維持したまま表示制御装置100に送信する。表示制御装置100は、受信した閉鎖コマンドに基づいて、1ラウンド分の大入賞口36aの開放が終了したことを特定するとともに、図柄表示装置41における演出内容を、大入賞口36aの開放が終了したことに対応する内容に更新する。
[エンディング期間終了時の移行処理]
次に、エンディング期間終了時の移行処理について説明する。エンディング期間終了時の移行処理は、遊技状態移行処理のサブルーチン(図90:S21025)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図92は、エンディング期間終了時の移行処理を示すフローチャートである。ステップS21201では、大当たり種別フラグとしての確変大当たりに対応するフラグがONであるか否かを判定する。すなわち、RAM64の16R確変フラグ又は8R確変フラグがONであるか否かを判定する。
ステップS21201において、RAM64の16R確変フラグ又は8R確変フラグがONであると判定した場合には(S21201:YES)、ステップS21202に進み、フラグ消去処理を実行する。具体的には、16R確変フラグ、8R確変フラグ、16通常フラグ、8R通常フラグ、高頻度サポートモードフラグがONである場合にはOFFにするとともに、ONではない場合には、その状態を維持する。ステップS21202を実行した後、ステップS21203に進む。
ステップS21203では、高確率モードフラグをONにし、その後、ステップS21204に進み、高頻度サポートモードフラグをONにする。これにより、開閉実行モードを終了した後に、当否抽選モードが高確率モードであり、且つ、サポートモードが高頻度サポートモードである遊技状態に移行する。なお、これら高確率モード及び高頻度サポートモードは少なくとも大当たり当選が次回発生するまで維持される。その後、ステップS21205に進む。
ステップS21205では、当否抽選モードが高確率モードであることをサブ側の制御装置に認識させるための情報を含むコマンドである高確率モードコマンドを、音声発光制御装置90への送信対象のコマンドとして設定する。その後、後述するステップS21210に進む。
一方、ステップS21201において、RAM64の16R通常フラグ又は8R通常フラグがONであると判定した場合には(S21201:NO)、ステップS21206に進み、フラグ消去処理を実行する。具体的には、16R確変フラグ、8R確変フラグ、16通常フラグ、8R通常フラグ、高頻度サポートモードフラグがONである場合にはOFFにするとともに、ONではない場合には、その状態を維持する。その後、ステップS21207に進む。
ステップS21207では、高頻度サポートモードフラグをONにした後、ステップS21208に進み、RAM64の各種カウンタエリア64dに設けられた遊技回数カウンタPNCに100をセットする。遊技回数カウンタPNCにセットされる値は、遊技回数を限定して高頻度サポートモードを実行する際の、当該遊技回数を示す値である。その後、ステップS21209に進む。
ステップS21209では、当否抽選モードが低確率モードであることをサブ側の制御装置に認識させるための情報を含むコマンドである低確率モードコマンドを、音声発光制御装置90への送信対象のコマンドとして設定する。その後、ステップS21210に進む。
ステップS21210では、サポートモードが高頻度サポートモードであることをサブ側の制御装置に認識させるための情報を含むコマンドである高頻度サポートモードコマンドを、音声発光制御装置90への送信対象のコマンドとして設定する。その後、エンディング期間終了時の移行処理を終了する。
[電役サポート用処理]
次に、電役サポート用処理について説明する。電役サポート用処理は、タイマ割込み処理のサブルーチン(図81:S20112)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図93は、電役サポート用処理を示すフローチャートである。ステップS21301では、サポート中であるか否かを判定する。具体的には、RAM64の各種フラグ記憶エリア64eのサポート中フラグがONであるか否かを判定する。サポート中フラグは、第2始動口34の電動役物34aを開放状態にさせる場合にONにされ、閉鎖状態に復帰させる場合にOFFにされるフラグである。ステップS21301において、サポート中フラグがONではないと判定した場合には(S21301:NO)、ステップS21302に進む。
ステップS21302では、RAM64の各種フラグ記憶エリア64eのサポート当選フラグがONであるか否かを判定する。サポート当選フラグは、電動役物34aを開放状態とするか否かの電動役物開放抽選において開放状態当選となった場合にONにされ、サポート中フラグがONである場合にOFFにされるフラグである。ステップS21302において、サポート当選フラグがONではないと判定した場合には(S21302:NO)、ステップS21303に進む。
ステップS21303では、RAM64の各種カウンタエリア64dに設けられた第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」であるか否かを判定する。この場合、第2タイマカウンタエリアT2は、普図ユニット38の変動時間を計測するためのパラメーターとして用いられる。第2タイマカウンタエリアT2にセットされたカウント値は、タイマ割込み処理のタイマ更新処理(ステップS20107)が実行される都度、すなわち4msec周期で1減算される。
ステップS21303において、第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」でないと判定した場合には(S21303:NO)、そのまま本電役サポート用処理を終了する。一方、第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」であると判定した場合には(S21303:YES)、ステップS21304に進む。
ステップS21304では、普図ユニット38における図柄の変動表示の終了タイミングであるか否かを判定する。ステップS21304において、変動表示の終了タイミングであると判定した場合には(S21304:YES)、ステップS21305に進み、外れ表示を設定した後、本電役サポート用処理を終了する。外れ表示が設定されることにより、外れ表示を停止表示した状態で普図ユニット38における図柄の変動表示が終了される。一方、ステップS21304において、変動表示の終了タイミングでないと判定した場合には(S21304:NO)、ステップS21306に進む。
ステップS21306では、役物保留個数SNの値が「0」より大きいか否かを判定する。ステップS21306において、役物保留個数SNの値が「0」であると判定した場合には(S21306:NO)、そのまま本電役サポート用処理を終了する。一方、ステップS21306において、役物保留個数SNの値が「0」より大きいと判定した場合には(S21306:YES)、ステップS21307に進む。
ステップS21307では、開閉実行モード中であるか否かを判定し、その後、ステップS21308に進み、高頻度サポートモードであるか否かを判定する。ステップS21307において開閉実行モードではなく(S21307:NO)、且つ、ステップS21308において高頻度サポートモードである場合には(S21308:YES)、ステップS21309に進み、電動役物開放抽選を行う。具体的には、電役保留エリア64cに記憶されている値をシフトし、実行エリアにシフトされた電動役物開放カウンタC4の値が0~461であった場合に、電動役物開放抽選に当選となる。また、電動役物開放抽選と同時に第2タイマカウンタエリアT2に「375」(すなわち1.5sec)をセットする。第2タイマカウンタエリアT2は、タイマ割込み処理が起動される度に1減算される。その後、ステップS21310に進む。
ステップS21310では、ステップS21309の電動役物開放抽選の結果がサポート当選であるか否かを判定する。ステップS21310において、電動役物開放抽選の結果がサポート当選であると判定した場合には(S21310:YES)、ステップS21311に進み、サポート当選フラグをONにするとともに、RAM64の各種カウンタエリア64dに設けられた第2ラウンドカウンタエリアRC2に「3」をセットする。第2ラウンドカウンタエリアRC2は、電動役物34aが開放された回数をカウントするためのカウンタエリアである。その後、ステップS21312に進む。一方、ステップS21310において、電動役物開放抽選の結果がサポート当選でないと判定した場合には(S21310:NO)、ステップS21311の処理を実行することなく、ステップS21312に進む。
ステップS21312では、当否抽選モードが低確率モードであるか否かを判定する。ステップS21312において、当否抽選モードが低確率モードであると判定した場合には(S21312:YES)、ステップS21313に進む。一方、ステップS21312において、当否抽選モードが低確率モードでないと判定した場合には(S21312:NO)、そのまま本電役サポート用処理を終了する。
ステップS21313では、遊技回数カウンタエリアが「0」となっているか否かを判定する。遊技回数カウンタは、低確率モードであって高頻度サポートモードである場合に1の遊技回が終了する度に1減算される。ステップS21313において、遊技回数カウンタエリアが「0」でないと判定した場合には(S21313:NO)、そのまま本電役サポート用処理を終了する。一方、ステップS21313において、遊技回数カウンタエリアが「0」であると判定した場合には(S21313:YES)、ステップS21314に進み、高頻度サポートモードフラグをOFFにする。その後、ステップS21315に進む。
ステップS21315では、サポートモードが低頻度サポートモードであることをサブ側の制御装置に認識させるための情報を含むコマンドである低頻度サポートモードコマンドを、音声発光制御装置90への送信対象のコマンドとして設定する。その後、電役サポート用処理を終了する。
ステップS21315にて設定された低頻度サポートモードコマンドは、上述したコマンド出力処理(図81:ステップS20114)において音声発光制御装置90に送信される。音声発光制御装置90では、低頻度サポートモードコマンドを受信することに基づいて、サポートモードが低頻度サポートモードであることを特定し、それに対応した処理を実行する。
ステップS21307において開閉実行モードであると判定した場合(S21307:YES)、又は、ステップS21318において高頻度サポートモードでないと判定した場合には(S21308:NO)、ステップS21316に進み、電動役物開放抽選を行う。具体的には、電役保留エリア64cに記憶されている値をシフトし、実行エリアにシフトされた電動役物開放カウンタC4の値が0、1であった場合に、電動役物開放抽選に当選となる。また、電動役物開放抽選と同時に第2タイマカウンタエリアT2に「7375」(すなわち29.5sec)をセットする。その後、ステップS21317に進む。
ステップS21317では、ステップS21316の電動役物開放抽選の結果がサポート当選であるか否かを判定する。ステップS21317において、サポート当選でないと判定した場合には(S21317:NO)、そのまま本電役サポート用処理を終了する。一方、ステップS21317において、サポート当選であると判定した場合には(S21317:YES)、ステップS21318に進み、サポート当選フラグをONにするとともに、第2ラウンドカウンタエリアRC2に「1」をセットした後に、本電役サポート用処理を終了する。
ステップS21302において、サポート当選フラグがONであると判定した場合には(S21302:YES)、ステップS21319に進み、第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」であるか否かを判定する。この場合、第2タイマカウンタエリアT2は、普図ユニット38の変動時間を計測するためのパラメーターとして用いられる。ステップS21319において、第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」でないと判定した場合には(S21319:NO)、普図ユニット38における絵柄の変動表示中であるため、そのまま本電役サポート用処理を終了する。一方、ステップS21319において、第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」であると判定した場合には(S21319:YES)、ステップS21320に進む。
ステップS21320では、当たり表示を設定する。これにより、当たり表示を停止表示した状態で普図ユニット38における絵柄の変動表示が終了される。その後、ステップS21321に進み、サポート中フラグをONにするとともに、サポート当選フラグをOFFにする。その後、本電役サポート用処理を終了する。
ステップS21301において、サポート中フラグがONであると判定した場合には(S21301:YES)、ステップS21322に進み、電動役物34aを開閉制御するための電役開閉制御処理を実行する。その後、本電役サポート用処理を終了する。
[電役開閉制御処理]
次に、電役開閉制御処理について説明する。電役開閉制御処理は、電役サポート用処理のサブルーチン(図93:S21322)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図94は、電役開閉制御処理を示すフローチャートである。ステップS21401では、電動役物34aが開放中であるか否かを判定する。電動役物34aが開放中であるか否かは、電動役物駆動部34bが駆動状態であるか否かによって判定する。電動役物34aが開放されていると判定した場合には(S21401:YES)、ステップS21402に進む。
ステップS21402では、第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」であるか否かを判定する。この場合、第2タイマカウンタエリアT2は、電動役物34aの開放継続時間を計測するためのパラメーターとして用いられる。ステップS21402において、第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」でないと判定した場合には(S21402:NO)、そのまま本電役開閉制御処理を終了する。すなわち、電動役物34aの開放継続時間が終了していない場合は、本電役開閉制御処理を終了する。
ステップS21402において、第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」であると判定した場合には(S21402:YES)、ステップS21403に進み、電動役物34aを閉鎖状態に制御する閉鎖処理を行い、第2タイマカウンタエリアT2に「250」(すなわち0.5sec)をセットする。すなわち、電動役物34aの開放継続時間の計測手段としての第2タイマカウンタエリアT2が「0」である場合には、電動役物34aを閉鎖するとともに、今度は第2タイマカウンタエリアT2を電動役物34aの閉鎖継続時間を計測するためのパラメーターとして用い、第2タイマカウンタエリアT2に「250」をセットする。ステップS21403を実行した後、ステップS21404に進む。
ステップS21404では、第2ラウンドカウンタエリアRC2の値を1減算した後に、ステップS21405に進み、第2ラウンドカウンタエリアRC2の値が「0」であるか否かを判定する。ステップS21405において、第2ラウンドカウンタエリアRC2の値が「0」でないと判定した場合には(S21405:NO)、そのまま本電役開閉制御処理を終了する。一方、ステップS21405において、第2ラウンドカウンタエリアRC2の値が「0」であると判定した場合には(S21405:YES)、ステップS21406に進み、サポート中フラグをOFFにする。その後、本電役開閉制御処理を終了する。
ステップS21401において、電動役物34aが開放中でないと判定した場合には(S21401:NO)、ステップS21407に進み、第2タイマカウンタエリアT2が「0」であるか否かを判定する。この場合、第2タイマカウンタエリアT2は、電動役物34aの閉鎖継続時間を計測するためのパラメーターとして用いられる。ステップS21407において、第2タイマカウンタエリアT2が「0」でないと判定した場合には(S21407:NO)、そのまま本電役開閉制御処理を終了する。一方、ステップS1507において、第2タイマカウンタエリアT2が「0」であると判定した場合には(S21407:YES)、ステップS21408に進み、電動役物34aを開放状態に制御する開放処理を実行する。その後、ステップS21409に進む。
ステップS21409では、開閉実行モード中であるか否かを判定し、開閉実行モード中でないと判定した場合には(S21409:NO)、ステップS21410に進み、高頻度サポートモードであるか否かを判定する。
ステップS21410において、高頻度サポートモード中であると判定した場合には(S21410:YES)、ステップS21411に進み、第2タイマカウンタエリアT2に「400」(すなわち1.6sec)をセットする。その後、本電役開閉制御処理を終了する。
一方、ステップS21409において開閉実行モードであると判定した場合(S21409:YES)、又は、ステップS21410において高頻度サポートモードではないと判定した場合には(S21410:NO)、ステップS21412に進み、第2タイマカウンタエリアT2に「50」(すなわち0.2sec)をセットする。その後、本電役開閉制御処理を終了する。
次に、本態様の音声発光制御装置90の音光側MPU92が実行する処理の一例について説明する。
[タイマ割込み処理]
最初に、音光側MPU92によって実行されるタイマ割込み処理について説明する。
図95は、音光側MPU92において実行されるタイマ割込み処理を示すフローチャートである。タイマ割込み処理は、比較的短い周期(例えば2msec)で繰り返し実行される。以下、タイマ割込み処理において実行される各ステップの処理について説明する。
ステップS23101では、コマンド記憶処理を実行する。コマンド記憶処理は、主側MPU62からコマンドを受信した場合に、受信したコマンドを音光側RAM94に記憶するための処理である。音光側RAM94には、主側MPU62から受信したコマンドの記憶及び読み出しを可能とするためのリングバッファが設けられており、主側MPU62から受信したコマンドは、当該リングバッファに順次記憶されるとともに、記憶された順序に従って順次読み出される。ステップS23101を実行した後、ステップS23102に進む。
ステップS23102では、保留演出用処理を実行する。保留演出用処理では、保留コマンドや異常保留コマンドを受信した場合に実行する演出に関する処理を行なう。保留演出用処理の詳細については後述する。ステップS23102を実行した後、ステップS23103に進む。
ステップS23103では、遊技回演出用処理を実行する。遊技回演出用処理では、図柄の変動が開始してから停止するまでの遊技回において実行する演出に関する処理を行なう。ステップS23103を実行した後、ステップS23104に進む。
ステップS23104では、開閉実行モード演出用処理を実行する。開閉実行モード演出用処理では、オープニング期間における演出や、開閉処理期間における演出、エンディング期間における演出に関する処理を行なう。ステップS23104を実行した後、ステップS23105に進む。
ステップS23105では、客待ち用処理を実行する。客待ち用処理では、遊技回が所定時間実行されていない場合に図柄表示装置41にデモ動画を表示させるための処理を実行する。ステップS23105を実行した後、ステップS23106に進む。
ステップS23106では、各種ランプ47の発光制御を行うための発光制御処理を実行する。発光制御処理では、上記の各演出用処理において読み出された発光データに基づいて、各種ランプ47の発光制御を行う。ステップS23106を実行した後、ステップS23107に進む。
ステップS23107では、スピーカー46の音声出力制御を行うための音声出力制御処理を実行する。音声出力制御処理では、上記のBGM用処理及び各演出用処理において読み出された音声データに基づいて、スピーカー46の音声出力制御を行う。ステップS23107を実行した後、本タイマ割込み処理を終了する。
[保留演出用処理]
次に、保留演出用処理について説明する。保留演出用処理は、タイマ割込み処理のサブルーチン(図95:S23102)として音声発光制御装置90のMPU92によって実行される。
図96は、保留演出用処理を示すフローチャートである。ステップS23201では、保留コマンドを受信したか否かを判定する。ステップS23201において、保留コマンドを受信していないと判定した場合には(ステップS23201:NO)、後述するステップS23203に進む。一方、ステップS23201において、保留コマンドを受信していると判定した場合には(ステップS23201:YES)、ステップS23202に進む。
ステップS23202では、保留演出パターン設定処理を実行する。保留演出パターン設定処理では、まず、音光側RAM94のカウンタから保留演出パターン決定用乱数を取得する。そして、音光側ROM93に記憶されている保留演出パターンテーブルを参照し、今回受信した保留コマンドに含まれる先判定処理の判定結果(大当たりの有無、大当たりの種別、リーチ発生の有無等)と、取得した保留演出パターン決定用乱数とに対応した保留演出パターンを選択する。そして、選択した保留演出パターンを実行対象の保留演出パターンとして設定する。より具体的には、実行対象として設定された保留演出パターンに含まれている保留画像が表示されるように、また、実行対象として設定された保留演出パターンに含まれている保留変化示唆演出、保留変化演出等が実行されるように設定する。ステップS23202を実行した後、ステップS23203に進む。
ステップS23203では、異常保留コマンドを受信したか否かを判定する。ステップS23203において、異常保留コマンドを受信していないと判定した場合には(S23203:NO)、本保留演出用処理を終了する。一方、ステップS23203において、異常保留コマンドを受信していると判定した場合には(S23203:YES)、ステップS23204に進む。
ステップS23204では、第1種保留画像が第1保留表示領域Ds1又は第2保留表示領域Ds2に表示されるように設定する。その後、ステップS23204に進む。
ステップS23205では、実行するように既に設定されているがまだ実行されていない保留変化示唆演出及び保留変化演出が存在しているか否かを判定する。ステップS23205において、実行するように既に設定されているがまだ実行されていない保留変化示唆演出及び保留変化演出が存在していると判定した場合には(ステップS23205:YES)、ステップS23206に進み、当該保留変化示唆演出及び保留変化演出の実行の設定を解除する。この結果、実行するように設定されていた保留変化示唆演出及び保留変化演出は、実行されなくなる。その後、後述するステップS23207に進む。一方、ステップS23205において、実行するように既に設定されているがまだ実行されていない保留変化示唆演出及び保留変化演出が存在していないと判定した場合には(ステップS23205:NO)、上記ステップS23206を実行することなく、ステップS23207に進む。
ステップS23207では、第2種以上の期待度の保留画像が表示されているか否かを判定する。ステップS23207において、第2種以上の期待度の保留画像が表示されていると判定した場合には(ステップS23207:YES)、ステップS23208に進み、上述した保留変化示唆演出及び保留変化演出(保留降格演出)を実行可能であるか否かを判定する。具体的には、現在変動中の図柄の残りの変動時間において上述した保留変化示唆演出及び保留変化演出(保留降格演出)を実行可能であるか否かを判定する。ステップS23208において、上述した保留変化示唆演出及び保留変化演出(保留降格演出)を実行可能であると判定した場合には(ステップS23208:YES)、ステップS23209に進み、上述した保留変化示唆演出及び保留変化演出(保留降格演出)を実行するように設定する。この結果、保留変化示唆演出が実行され、その後、保留変化演出(保留変化演出)が実行され、第2種以上の期待度の保留画像が第1種保留画像に変化する。
一方、ステップS23207において第2種以上の期待度の保留画像が表示されていないと判定した場合(ステップS23207:NO)、及び、ステップS23208において上述した保留変化示唆演出及び保留変化演出(保留降格演出)を実行可能ではないと判定した場合には(ステップS23208:NO)、上述したステップS23209を実行することなく、本保留演出用処理を終了する。
以上、本態様の主側MPU62及び音光側MPU92が実行する処理の一例について説明した。
なお、本態様では、音声発光制御装置90が異常保留コマンドを受信した場合には、通常の第1種保留画像を表示する構成としたが、この構成に代えて、通常の保留コマンドを受信した場合には表示しない保留画像(例えば黒色の×印の保留画像等)を表示する構成としてもよい。この構成によれば、遊技に何らかの異常が発生したのではないかと遊技者に早期に認識させることができる。また、この構成において、音声発光制御装置90が異常保留コマンドを受信した場合には、既に表示されている保留画像を、上述した通常の保留コマンドを受信した場合には表示しない保留画像(例えば黒色の×印の保留画像等)に変化させる構成としてもよい。
また、本態様では、音声発光制御装置90が異常保留コマンドを受信した場合には、異常保留コマンドを受信する前から既に実行するように設定されているがまだ実行されていない保留変化示唆演出、保留変化演出が存在するか否かを判定し、まだ実行されていない保留変化示唆演出、保留変化演出が存在すると判定した場合には、これらの保留変化示唆演出、保留変化演出の実行予定を取り消す構成としたが、実行予定を取り消す対象の保留変化演出を保留昇格演出のみとしてもよい。このような構成としても、遊技の停止前に実行すると遊技者に不快感を与えることになってしまう保留昇格演出が実行されなくなるので、遊技者の不快感を軽減することができる。
また、本態様では、図柄表示装置41に保留画像を表示させる構成としたが、この構成に代えて、特別情報が保留されていることを示すランプを設け、当該ランプの発光態様(例えば、点灯時の色、点滅の間隔等)によって当該ランプに対応する特別情報の期待度を示す構成としてもよい。この構成によっても、当該ランプの発光態様を変化させることによって上述した保留変化演出を実行することができる。
また、本態様では、変動開始時設定情報判定において設定情報が所定の範囲内の数値ではないと判定した場合には当たり抽選(当たり判定処理)の実行を回避した上で遊技停止フラグをONにする構成としたが、この構成に代えて、当該当たり抽選(当たり判定処理)を実行した上で遊技停止フラグをONにして遊技を停止させる構成としてもよい。このような構成としても、本態様と同様に、設定情報が所定の範囲内の数値ではない異常な値のまま遊技が進行してしまい、遊技者の不利益が拡大してしまうことを抑制することができる。ただし、本態様のように、設定情報が所定の範囲内の数値ではないと判定した場合には当たり抽選(当たり判定処理)の実行を回避する構成とした方が、当たり抽選の実行によって予期せぬ状態(フリーズ状態や暴走状態)になってしまうことを抑制することができる。
また、本態様では、第1保留表示領域Ds1又は第2保留表示領域Ds2には、最も期待度の高い、大当たりに当選することが確定している保留画像(第5種保留画像)は表示されない構成としたが、最も期待度の高い保留画像が表示された場合であっても外れの可能性のあるパチンコ機10である場合、すなわち、最も期待度の高い保留画像が表示されたとしても大当たりに当選することは確定しないパチンコ機10である場合には、第1保留表示領域Ds1又は第2保留表示領域Ds2に最も期待度の高い保留画像が表示される構成としてもよい。このような構成によれば、当初は当該最も期待度の高い保留画像に対して強い期待感を抱いていた遊技者に対して、当該最も期待度の高い保留画像が期待度の低い保留画像に変化してしまっても、当該保留画像に対応する特別情報はそれほど期待度の高いものではなかったのだと認識を改めさせることが可能となる。
<態様104>
上記態様103において実行される変動開始時設定情報判定においては、主側RAM64の設定情報記憶領域に記憶されている設定情報がノイズ等の影響によって所定の範囲内の数値(例えば1から6までの数値)から所定の範囲以外の異常な値(例えば7やB等)に書き換わっていることを検出することはできるが、設定情報が所定の範囲内の正常な数値から他の正常な数値に書き換わっていた場合、例えば、設定情報が「1」から「6」に書き換わっていた場合には、当該設定情報の書き換わりを検出することができず、当該書き換わってしまった設定情報に基づいて当たり抽選(当たり判定処理)が実行されてしまうといった課題がある。
そこで、本態様では、この課題を解決するために以下に説明する構成を採用する。
最初に、本態様において実行する入球時設定情報判定について説明する。本態様において実行する入球時設定情報判定は、上述した態様103において実行する入球時設定情報判定と同じである。
すなわち、本態様の主制御装置60の主側MPU62は、上述した態様103と同様に、第1始動口33又は第2始動口34への遊技球の入球を契機として特別情報(大当たり乱数カウンタC1の値等)を取得すると、当該取得した特別情報に基づいた先判定処理(いわゆる先読み)の実行に先立って、主側RAM64の設定情報記憶領域に記憶されている設定情報が所定の範囲内の数値(本態様では1から6までの数値)であるか否かを判定する。
そして、主側RAM64の設定情報記憶領域に記憶されている設定情報が所定の範囲内の数値であると判定した場合には、取得した特別情報に基づいて先判定処理を実行し、当該先判定処理の結果を含む保留コマンドを音声発光制御装置90への送信対象のコマンドとして設定する。
一方、主側RAM64の設定情報記憶領域に記憶されている設定情報が所定の範囲内の数値ではないと判定した場合、すなわち、設定情報がノイズ等の影響によって1~6以外の異常な値(例えば7やB等)となっていると判定した場合には、先判定処理の実行を回避し、異常保留コマンドを音声発光制御装置90への送信対象のコマンドとして設定する。異常保留コマンドを受信した音声発光制御装置90が実行する処理(演出)については、上述した態様103と同じであるため、説明を省略する。
次に、本態様において実行する変動開始時設定情報判定について説明する。
本態様の主制御装置60の主側MPU62は、第1始動口33又は第2始動口34への遊技球の入球を契機として特別情報(大当たり乱数カウンタC1の値等)を取得して保留情報記憶エリア64bに記憶する際に、主側RAM64の設定情報記憶領域に記憶されている設定情報を読み出し、当該読み出した設定情報を特別情報と共に保留情報記憶エリア64bに記憶する。以下では、第1始動口33又は第2始動口34への遊技球の入球を契機として特別情報と共に記憶された設定値を「入球時設定情報」とも呼ぶ。
そして、取得した特別情報(大当たり乱数カウンタC1の値等)に基づいて当たり抽選を実行する際には、当該当たり抽選の実行に先立って、主側RAM64の設定情報記憶領域に記憶されている設定情報と、当該当たり抽選の対象となる特別情報と共に実行エリアAE(図6)に記憶されている入球時設定情報とが一致するか否かを判定する。
設定情報と入球時設定情報とが一致していると判定した場合には、通常のパチンコ機10と同様に、特別情報に基づいて当たり抽選を実行する。
一方、設定情報と入球時設定情報とが一致していないと判定した場合には、当たり抽選の実行を回避した上で、遊技の進行を停止させることを示す遊技停止コマンドを音声発光制御装置90等のサブ側の制御装置に送信し、遊技の進行を停止させるための処理を実行する。この結果、遊技の進行が停止し、当該パチンコ機10は、遊技者が遊技を続行することができない状態となる。なお、遊技停止コマンドを受信した音声発光制御装置90は、設定情報の異常によって遊技が停止したこと、及び、当該パチンコ機10を設定変更モードで再起動させるべき状態であることを報知するための処理を実行する。
以上説明したように、本態様によれば、変動開始時設定情報判定において設定情報と入球時設定情報とが一致するか否かを判定するので、ノイズ等の影響によって設定情報が所定の範囲内の正常な数値から他の正常な数値に書き換わっていた場合であっても、当該設定情報の書き換わりを検出することができる。具体的には、遊技球が第1始動口33又は第2始動口34に入球したタイミングと、当該入球に基づいて取得された特別情報が当たり抽選の対象となるタイミングとの間において設定情報が所定の範囲内の正常な数値から他の正常な数値に書き換わっていた場合に、変動開始時設定情報判定において設定情報と入球時設定情報とが一致しなくなるので、当該設定情報の書き換わりを検出することができる。
また、本態様によれば、変動開始時設定情報判定において当該設定情報の書き換わりを検出した場合には、当たり抽選の実行を回避するので、設定情報が管理者の意図しない正常な他の数値に書き換わった状態のまま当たり抽選が実行されてしまうことを抑制することができる。
また、本態様によれば、変動開始時設定情報判定において当該設定情報の書き換わりを検出した場合には、遊技の進行を停止させるので、設定情報が管理者の意図しない正常な他の数値に書き換わった状態のまま遊技が継続してしまうことを抑制することができる。
また、本態様によれば、入球時設定情報判定において設定情報が所定の範囲内の数値ではないと判定した場合には、先判定処理の実行を回避するので、設定情報が所定の範囲内の数値ではない異常な値のまま先判定処理が実行されてしまい、先判定処理の結果に不具合が生じてしまうことを抑制することができる。
また、本態様によれば、変動開始時設定情報判定において設定情報の書き換わりを検出した場合には遊技の進行を停止させる一方、入球時設定情報判定において設定情報が所定の範囲内の数値ではないと判定した場合には遊技の進行を停止させない。このような構成を採用した理由及び効果については、上述の態様103において説明した理由及び効果と同じであるため、説明を省略する。
次に、本態様の主側MPU62が実行する処理の一例について説明する。以下では、上記態様103において説明した処理と異なる処理について説明し、上記態様103と同一の処理については説明を省略する。以下に説明するように、本態様では、始動口用の入球処理と、変動開始処理の内容が上記態様103と異なっている。
[始動口用の入球処理]
態様104の主側MPU62が実行する始動口用の入球処理について説明する。
図97は、態様104の主側MPU62が実行する始動口用の入球処理を示すフローチャートである。ステップS20201からステップS20211までの処理は、図82に示した態様103における始動口用の入球処理と同じであるため、説明を省略する。
ステップS20212aでは、大当たり乱数カウンタC1の値等の特別情報及び設定情報記憶領域に記憶されている設定情報を、対応する保留エリアの空き記憶エリアのうち最初の記憶エリア、すなわち、ステップS20210において1を加算した保留個数と対応する記憶エリアに記憶する。具体的には、第1始動保留個数RaNが処理の対象として設定されている場合には、大当たり乱数カウンタC1の値等の特別情報及び設定情報記憶領域に記憶されている設定情報を、第1保留エリアRaの空き記憶エリアのうち最初の記憶エリア、すなわちステップS20210において1を加算した第1始動保留個数RaNと対応する記憶エリアに記憶する。また、第2始動保留個数RbNが処理の対象として設定されている場合には、大当たり乱数カウンタC1の値等の特別情報及び設定情報記憶領域に記憶されている設定情報を、第2保留エリアRbの空き記憶エリアのうち最初の記憶エリア、すなわちステップS20210において1を加算した第2始動保留個数RbNと対応する記憶エリアに記憶する。ステップS20212aを実行した後、ステップS20213に進む。ステップS20213以降の処理は、図82に示した態様103における始動口用の入球処理と同じであるため、説明を省略する。
[変動開始処理]
次に、態様104の主側MPU62が実行する変動開始処理について説明する。
図98は、態様104の主側MPU62が実行する変動開始処理を示すフローチャートである。ステップS20701aでは、主側RAM64の設定情報記憶領域に記憶されている設定情報と、保留情報シフト処理において大当たり乱数カウンタC1の値等の特別情報と共に実行エリアAEにシフトされた入球時設定情報とが一致するか否かを判定する。設定情報と入球時設定情報とが一致すると判定した場合には(ステップS20701a:YES)、ステップS20702に進む。ステップS20702からステップS20708までの処理は、図87に示した態様103における変動開始処理と同じであるため、説明を省略する。
一方、ステップS20701aにおいて、主側RAM64の設定情報記憶領域に記憶されている設定情報と、保留情報シフト処理において大当たり乱数カウンタC1の値等の特別情報と共に実行エリアAEにシフトされた入球時設定情報とが一致しないと判定した場合には(ステップS20701a:NO)、ステップS20709に進み、遊技停止コマンドをサブ側の制御装置である払出制御装置70及び音声発光制御装置90に対して送信する。ステップS20709を実行した後、ステップS20710に進み、遊技停止フラグをONにする。この結果、次のタイマ割込み処理(図81)が実行された際に、遊技を進行させるための処理群(図81のステップS20104~ステップS20116の処理群)の実行が回避され、遊技の進行が停止される。ステップS20710を実行した後、本変動開始処理を終了する。
<態様105>
上記態様104において実行する変動開始時設定情報判定では、設定情報が所定の範囲内の正常な数値から他の正常な数値に書き換わったタイミングによっては、設定情報が書き換わったことを検出することができない場合がある。例えば、図柄が変動していない期間に設定情報が書き換わった場合には、当該設定情報の書き換わりを検出することができないといった課題がある。
そこで、本態様では、上記課題を解決するために以下に説明する構成を採用する。
最初に、本態様において実行する入球時設定情報判定について説明する。本態様において実行する入球時設定情報判定は、上述した態様103において実行する入球時設定情報判定と同じである。
すなわち、本態様の主制御装置60の主側MPU62は、上述した態様103と同様に、第1始動口33又は第2始動口34への遊技球の入球を契機として特別情報(大当たり乱数カウンタC1の値等)を取得すると、当該取得した特別情報に基づいた先判定処理(いわゆる先読み)の実行に先立って、主側RAM64の設定情報記憶領域に記憶されている設定情報が所定の範囲内の数値(本態様では1から6までの数値)であるか否かを判定する。
そして、主側RAM64の設定情報記憶領域に記憶されている設定情報が所定の範囲内の数値であると判定した場合には、取得した特別情報に基づいて先判定処理を実行し、当該先判定処理の結果を含む保留コマンドを音声発光制御装置90への送信対象のコマンドとして設定する。
一方、主側RAM64の設定情報記憶領域に記憶されている設定情報が所定の範囲内の数値ではないと判定した場合、すなわち、設定情報がノイズ等の影響によって1~6以外の異常な値(例えば7やB等)となっていると判定した場合には、先判定処理の実行を回避し、異常保留コマンドを音声発光制御装置90への送信対象のコマンドとして設定する。異常保留コマンドを受信した音声発光制御装置90が実行する処理(演出)については、上述した態様103と同じであるため、説明を省略する。
次に、本態様において実行する変動開始時設定情報判定について説明する。
本態様の主制御装置60の主側MPU62は、第1始動口33又は第2始動口34への遊技球の入球を契機として特別情報(大当たり乱数カウンタC1の値等)を取得して保留情報記憶エリア64bに記憶する際に、主側RAM64の設定情報記憶領域に記憶されている設定情報を読み出し、当該読み出した設定情報を特別情報と共に保留情報記憶エリア64bに記憶する。以下では、第1始動口33又は第2始動口34への遊技球の入球を契機として特別情報と共に記憶された設定値を「入球時設定情報」とも呼ぶ。
そして、取得した特別情報に基づいて当たり抽選を実行する際には、当該当たり抽選の実行に先立って、当該当たり抽選の対象となる特別情報と共に実行エリアAE(図6)に記憶されている入球時設定情報と、前回の当たり抽選(当たり判定処理)が実行された時点における設定情報として主側RAM64に記憶されている前回当たり判定処理時設定情報とが一致するか否かを判定する。
そして、入球時設定情報と前回当たり判定処理時設定情報とが一致していないと判定した場合には、当たり抽選の実行を回避した上で、遊技の進行を停止させることを示す遊技停止コマンドを音声発光制御装置90等のサブ側の制御装置に送信し、遊技の進行を停止させるための処理を実行する。この結果、遊技の進行が停止し、当該パチンコ機10は、遊技者が遊技を続行することができない状態となる。なお、遊技停止コマンドを受信した音声発光制御装置90は、設定情報の異常によって遊技が停止したこと、及び、当該パチンコ機10を設定変更モードで再起動させるべき状態であることを報知するための処理を実行する。
一方、入球時設定情報と前回当たり判定処理時設定情報とが一致していると判定した場合には、当たり抽選(当たり判定処理)を実行した上で、設定情報記憶領域から設定情報を読み出し、当該読み出した設定情報を前回当たり判定処理時設定情報記憶領域に書き込む。前回当たり判定処理時設定情報記憶領域に書き込まれた設定情報(前回当たり判定処理時設定情報)は、次回の当たり抽選に先立って実行される判定(設定情報と前回当たり判定処理時設定情報とが一致するか否かの判定)に用いられる。
以上説明したように、本態様によれば、変動開始時設定情報判定において入球時設定情報と前回当たり判定処理時設定情報とが一致するか否かを判定するので、ノイズ等の影響によって設定情報が所定の範囲内の正常な数値から他の正常な数値に書き換わっていた場合であっても、当該設定情報の書き換わりを検出することができる。具体的には、本態様によれば、前回の当たり抽選の実行のタイミング(図柄の変動開始のタイミング)と、第1始動口33又は第2始動口34に遊技球が入球したタイミングとの間において設定情報が所定の範囲内の正常な数値から他の正常な数値に書き換わっていた場合に、変動開始時設定情報判定において入球時設定情報と前回当たり判定処理時設定情報とが一致しなくなるので、当該設定情報の書き換わりを検出することができる。すなわち、本態様によれば、図柄が変動していない期間に設定情報が所定の範囲内の正常な数値から他の正常な数値に書き換わっていた場合であっても、当該設定情報の書き換わりを検出することができる。
また、本態様によれば、変動開始時設定情報判定において当該設定情報の書き換わりを検出した場合には、当たり抽選の実行を回避するので、設定情報が管理者の意図しない正常な他の数値に書き換わった状態のまま当たり抽選が実行されてしまうことを抑制することができる。
また、本態様によれば、変動開始時設定情報判定において当該設定情報の書き換わりを検出した場合には、遊技の進行を停止させるので、設定情報が管理者の意図しない正常な他の数値に書き換わった状態のまま遊技が継続してしまうことを抑制することができる。
また、本態様によれば、入球時設定情報判定において設定情報が所定の範囲内の数値ではないと判定した場合には、先判定処理の実行を回避するので、設定情報が所定の範囲内の数値ではない異常な値のまま先判定処理が実行されてしまい、先判定処理の結果に不具合が生じてしまうことを抑制することができる。
また、本態様によれば、変動開始時設定情報判定において設定情報の書き換わりを検出した場合には遊技の進行を停止させる一方、入球時設定情報判定において所定の範囲内の数値ではないと判定した場合には遊技の進行を停止させない。このような構成を採用した理由及び効果については、上述の態様103において説明した理由及び効果と同じであるため、説明を省略する。
次に、本態様の主側MPU62が実行する処理の一例について説明する。以下では、上記態様103において説明した処理と異なる処理について説明し、上記態様103と同一の処理については説明を省略する。以下に説明するように、本態様では、始動口用の入球処理と、変動開始処理の内容が上記態様103と異なっている。
[始動口用の入球処理]
態様105の主側MPU62が実行する始動口用の入球処理について説明する。
図99は、態様105の主側MPU62が実行する始動口用の入球処理を示すフローチャートである。ステップS20201からステップS20211までの処理は、図82に示した態様103における始動口用の入球処理と同じであるため、説明を省略する。
ステップS20212bでは、大当たり乱数カウンタC1の値等の特別情報及び設定情報記憶領域に記憶されている設定情報を、対応する保留エリアの空き記憶エリアのうち最初の記憶エリア、すなわち、ステップS20210において1を加算した保留個数と対応する記憶エリアに記憶する。具体的には、第1始動保留個数RaNが処理の対象として設定されている場合には、大当たり乱数カウンタC1の値等の特別情報及び設定情報記憶領域に記憶されている設定情報を、第1保留エリアRaの空き記憶エリアのうち最初の記憶エリア、すなわちステップS20210において1を加算した第1始動保留個数RaNと対応する記憶エリアに記憶する。また、第2始動保留個数RbNが処理の対象として設定されている場合には、大当たり乱数カウンタC1の値等の特別情報及び設定情報記憶領域に記憶されている設定情報を、第2保留エリアRbの空き記憶エリアのうち最初の記憶エリア、すなわちステップS20210において1を加算した第2始動保留個数RbNと対応する記憶エリアに記憶する。ステップS20212bを実行した後、ステップS20213に進む。ステップS20213以降の処理は、図82に示した態様103における始動口用の入球処理と同じであるため、説明を省略する。
[変動開始処理]
次に、態様105の主側MPU62が実行する変動開始処理について説明する。
図100は、態様105の主側MPU62が実行する変動開始処理を示すフローチャートである。ステップS20701bでは、保留情報シフト処理において大当たり乱数カウンタC1の値等の特別情報と共に実行エリアAEにシフトされた入球時設定情報と、主側RAM64の前回当たり判定処理時設定情報記憶領域に記憶されている前回当たり判定処理時設定情報とが一致するか否かを判定する。入球時設定情報と前回当たり判定処理時設定情報とが一致すると判定した場合には(ステップS20701b:YES)、ステップS20702に進み、当たり判定処理を実行する。その後、ステップS20702‐2bに進み、主側RAM64の設定情報記憶領域から設定情報を読み出し、当該読み出した設定情報を前回当たり判定処理時設定情報記憶領域に書き込む。その後、ステップS20703に進む。ステップS20703からステップS20708までの処理は、図87に示した態様103における変動開始処理と同じであるため、説明を省略する。
一方、ステップS20701bにおいて、入球時設定情報と、前回当たり判定処理時設定情報とが一致しないと判定した場合には(ステップS20701b:NO)、ステップS20709に進み、遊技停止コマンドをサブ側の制御装置である払出制御装置70及び音声発光制御装置90に対して送信する。ステップS20709を実行した後、ステップS20710に進み、遊技停止フラグをONにする。この結果、次のタイマ割込み処理(図81)が実行された際に、遊技を進行させるための処理群(図81のステップS20104~ステップS20116の処理群)の実行が回避され、遊技の進行が停止される。ステップS20710を実行した後、本変動開始処理を終了する。
<態様106>
上記態様105において実行する変動開始時設定情報判定では、設定情報が所定の範囲内の正常な数値から他の正常な数値に書き換わったタイミングによっては、設定情報が書き換わったことを検出することができない場合がある。例えば、設定情報が「1」に設定されているパチンコ機10において、当たり抽選が実行され、前回当たり判定処理時設定情報が「1」となり、当該当たり抽選の実行に基づいた図柄の変動中に遊技球が第1始動口33又は第2始動口34に入球して特別情報が1個保留され、入球時設定情報が「1」となる。その後にノイズ等の影響によって設定情報が「1」から「6」に書き換わり、その後に変動が終了し、当該保留されていた特別情報に対する当たり抽選が実行される際には、入球時設定情報と前回当たり判定処理時設定情報のいずれもが「1」となっているので、入球時設定情報と前回当たり判定処理時設定情報とが一致していると判定してしまった上で、当該当たり抽選は設定情報が「6」の状態で実行されてしまうといった課題がある。
また、上記態様103~態様105において実行する入球時設定情報判定では、設定情報がノイズ等の影響によって所定の範囲内の数値から所定の範囲以外の異常な値(例えば7やB等)に書き換わっていることを検出することはできるが、設定情報が所定の範囲内の正常な数値から他の正常な数値に書き換わっていた場合には、当該設定情報の書き換わりを検出することができず、当該書き換わってしまった設定情報に基づいて先判定処理が実行されてしまうといった課題がある。
そこで、本態様では、上記課題を解決するために以下に説明する構成を採用する。
最初に、本態様において実行する入球時設定情報判定について説明する。
本態様の主制御装置60の主側MPU62は、第1始動口33又は第2始動口34への遊技球の入球を契機として特別情報(大当たり乱数カウンタC1の値等)を取得すると、当該取得した特別情報に基づいた先判定処理(いわゆる先読み)を実行する前に、主側RAM64の設定情報記憶領域に記憶されている設定情報と、前回の当たり抽選(当たり判定処理)が実行された時点における設定情報として主側RAM64に記憶されている前回当たり判定処理時設定情報とが一致するか否かを判定する。
そして、主側RAM64の設定情報記憶領域に記憶されている設定情報と、前回当たり判定処理時設定情報とが一致していると判定した場合には、取得した特別情報に基づいて先判定処理(いわゆる先読み)を実行し、当該先判定処理の結果を含む保留コマンドをサブ側の制御装置への送信対象のコマンドとして設定する。
一方、主側RAM64の設定情報記憶領域に記憶されている設定情報と、前回当たり判定処理時設定情報とが一致していないと判定した場合には、先判定処理の実行を回避し、異常保留コマンドを音声発光制御装置90等のサブ側の制御装置に送信する。異常保留コマンドは、第1始動口33又は第2始動口34に遊技球が入球したタイミングにおいて設定情報が他の値に書き換わっていると判定されたこと、及び、先判定処理の実行が回避されたことを示すコマンドである。異常保留コマンドを受信した音声発光制御装置90が実行する処理(演出)については、上述した態様103と同じであるため、説明を省略する。
次に、本態様において実行する変動開始時設定情報判定について説明する。
本態様の主制御装置60の主側MPU62は、第1始動口33又は第2始動口34への遊技球の入球を契機として取得した特別情報(大当たり乱数カウンタC1の値等)に基づいて当たり抽選を実行する際には、当該当たり抽選の実行に先立って、設定情報記憶領域に記憶されている設定情報と、前回の当たり抽選(当たり判定処理)が実行された時点における設定情報として記憶されている前回当たり判定処理時設定情報とが一致するか否かを判定する。
そして、設定情報と前回当たり判定処理時設定情報とが一致していないと判定した場合には、当たり抽選の実行を回避した上で、遊技の進行を停止させることを示す遊技停止コマンドを音声発光制御装置90等のサブ側の制御装置に送信し、遊技の進行を停止させるための処理を実行する。この結果、遊技の進行が停止し、当該パチンコ機10は、遊技者が遊技を続行することができない状態となる。なお、遊技停止コマンドを受信した音声発光制御装置90は、設定情報の異常によって遊技が停止したこと、及び、当該パチンコ機10を設定変更モードで再起動させるべき状態であることを報知するための処理を実行する。
一方、設定情報と前回当たり判定処理時設定情報とが一致していると判定した場合には、当たり抽選(当たり判定処理)を実行した後、設定情報記憶領域から設定情報を読み出し、当該読み出した設定情報を前回当たり判定処理時設定情報記憶領域に書き込む。前回当たり判定処理時設定情報記憶領域に書き込まれた設定情報(前回当たり判定処理時設定情報)は、次回の当たり抽選に先立って実行される判定(設定情報と前回当たり判定処理時設定情報とが一致するか否かの判定)に用いられる。
以上説明したように、本態様によれば、変動開始時設定情報判定において設定情報と前回当たり判定処理時設定情報とが一致するか否かを判定するので、ノイズ等の影響によって設定情報が所定の範囲内の正常な数値から他の正常な数値に書き換わっていた場合であっても、当該設定情報の書き換わりを検出することができる。具体的には、本態様によれば、前回の当たり抽選(当たり判定処理)の実行時(すなわち、前回の図柄の変動開始時)から今回の当たり抽選(当たり判定処理)の実行直前(すなわち、今回の図柄の変動開始直前)までの期間に設定情報が所定の範囲内の正常な数値から他の正常な数値に書き換わった場合に、変動開始時設定情報判定において設定情報と前回当たり判定処理時設定情報とが一致しなくなるので、当該設定情報の書き換わりを検出することができる。すなわち、本態様によれば、遊技が行なわれている全ての期間における当該設定情報の書き換わりを検出することができる。
また、本態様によれば、変動開始時設定情報判定において当該設定情報の書き換わりを検出した場合には、当たり抽選の実行を回避するので、設定情報が管理者の意図しない正常な他の数値に書き換わった状態のまま当たり抽選が実行されてしまうことを抑制することができる。
また、本態様によれば、変動開始時設定情報判定において当該設定情報の書き換わりを検出した場合には、遊技の進行を停止させるので、設定情報が管理者の意図しない正常な他の数値に書き換わった状態のまま遊技が継続してしまうことを抑制することができる。
また、本態様によれば、入球時設定情報判定において設定情報と、前回当たり判定処理時設定情報とが一致するか否かを判定するので、ノイズ等の影響によって設定情報が所定の範囲内の正常な数値から他の正常な数値に書き換わっていた場合であっても、当該設定情報の書き換わりを検出することができる。
また、本態様によれば、入球時設定情報判定において当該設定情報の書き換わりを検出した場合には、先判定処理の実行を回避するので、設定情報が管理者の意図しない正常な他の数値に書き換わった状態のまま先判定処理が実行されてしまうことを抑制することができる。
また、本態様によれば、変動開始時設定情報判定において設定情報の書き換わりを検出した場合には遊技の進行を停止させる一方、入球時設定情報判定において設定情報の書き換わりを検出した場合には遊技の進行を停止させない。このような構成を採用した理由及び効果については、上述の態様103において説明した理由及び効果と同じであるため、説明を省略する。
次に、本態様の主側MPU62が実行する処理の一例について説明する。以下では、上記態様103において説明した処理と異なる処理について説明し、上記態様103と同一の処理については説明を省略する。以下に説明するように、本態様では、始動口用の入球処理と、変動開始処理の内容が上記態様103と異なっている。
[始動口用の入球処理]
態様106の主側MPU62が実行する始動口用の入球処理について説明する。
図101は、態様106の主側MPU62が実行する始動口用の入球処理を示すフローチャートである。ステップS20201からステップS20211までの処理は、図82に示した態様103における始動口用の入球処理と同じであるため、説明を省略する。
ステップS20212cでは、大当たり乱数カウンタC1の値等の特別情報及び設定情報記憶領域に記憶されている設定情報を、対応する保留エリアの空き記憶エリアのうち最初の記憶エリア、すなわち、ステップS20210において1を加算した保留個数と対応する記憶エリアに記憶する。具体的には、第1始動保留個数RaNが処理の対象として設定されている場合には、大当たり乱数カウンタC1の値等の特別情報及び設定情報記憶領域に記憶されている設定情報を、第1保留エリアRaの空き記憶エリアのうち最初の記憶エリア、すなわちステップS20210において1を加算した第1始動保留個数RaNと対応する記憶エリアに記憶する。また、第2始動保留個数RbNが処理の対象として設定されている場合には、大当たり乱数カウンタC1の値等の特別情報及び設定情報記憶領域に記憶されている設定情報を、第2保留エリアRbの空き記憶エリアのうち最初の記憶エリア、すなわちステップS20210において1を加算した第2始動保留個数RbNと対応する記憶エリアに記憶する。ステップS20212cを実行した後、ステップS20213cに進む。
ステップS20213cでは、主側RAM64の設定情報記憶領域に記憶されている設定情報と、前回当たり判定処理時設定情報記憶領域に記憶されている前回当たり判定処理時設定情報とが一致するか否かを判定する。ステップS20213cにおいて、設定情報と前回当たり判定処理時設定情報とが一致すると判定した場合には(ステップS20213c:YES)、ステップS20214に進み、先判定処理を実行する。その後、ステップS20215に進み、保留コマンドを設定し、本始動口用の入球処理を終了する。
一方、ステップS20213cにおいて、設定情報と前回当たり判定処理時設定情報とが一致しないと判定した場合には(ステップS20213c:NO)、ステップS20216に進み、異常保留コマンドを設定する。その後、本始動口用の入球処理を終了する。
[変動開始処理]
次に、態様106の主側MPU62が実行する変動開始処理について説明する。
図102は、態様106の主側MPU62が実行する変動開始処理を示すフローチャートである。ステップS20701cでは、主側RAM64の設定情報記憶領域に記憶されている設定情報と、主側RAM64の前回当たり判定処理時設定情報記憶領域に記憶されている前回当たり判定処理時設定情報とが一致するか否かを判定する。設定情報と前回当たり判定処理時設定情報とが一致すると判定した場合には(ステップS20701c:YES)、ステップS20702に進み、当たり判定処理を実行する。その後、ステップS20702‐2cに進み、主側RAM64の設定情報記憶領域から設定情報を読み出し、当該読み出した設定情報を前回当たり判定処理時設定情報記憶領域に書き込む。その後、ステップS20703に進む。ステップS20703からステップS20708までの処理は、図87に示した態様103における変動開始処理と同じであるため、説明を省略する。
一方、ステップS20701cにおいて、主側RAM64の設定情報記憶領域に記憶されている設定情報と、主側RAM64の前回当たり判定処理時設定情報記憶領域に記憶されている前回当たり判定処理時設定情報とが一致しないと判定した場合には(ステップS20701c:NO)、ステップS20709に進み、遊技停止コマンドをサブ側の制御装置である払出制御装置70及び音声発光制御装置90に対して送信する。ステップS20709を実行した後、ステップS20710に進み、遊技停止フラグをONにする。この結果、次のタイマ割込み処理(図81)が実行された際に、遊技を進行させるための処理群(図81のステップS20104~ステップS20116の処理群)の実行が回避され、遊技の進行が停止される。ステップS20710を実行した後、本変動開始処理を終了する。
<態様107>
上記態様103から上記態様106では、変動開始時設定情報判定(図87のステップS20701、図98のステップS20701a、図100のステップS20701b、図102のステップS20701c)を、当たり抽選(当たり判定処理、図87、図98、図100、図102のステップS20702))の直前に実行する構成を採用したが、変動開始時設定情報判定の実行タイミングは、当たり抽選(当たり判定処理)の直前でなくてもよい。例えば、変動開始時設定情報判定を実行した後に、他の処理を実行し、その後、当たり抽選(当たり判定処理)を実行する構成としてもよい。すなわち、変動開始時設定情報判定と当たり抽選(当たり判定処理)との間に複数の他の処理が介在していてもよい。また、変動開始時設定情報判定の実行タイミングは、当たり抽選(当たり判定処理)の実行後であってもよく、また、当たり抽選(当たり判定処理)と変動開始時設定情報判定との間に複数の他の処理が介在していてもよい。このような構成としても、上記態様103から上記態様106と同様に、設定情報が管理者の意図しない異常な状態のまま遊技が継続してしまうことを抑制することができる。
<態様108>
上記態様103から上記態様106では、入球時設定情報判定(図82、図97、図99のステップS20213、図101のステップS20213c)を、先判定処理(図82、図97、図99、図101のステップS20214))の直前に実行する構成を採用したが、入球時設定情報判定の実行タイミングは、先判定処理の直前でなくてもよい。例えば、入球時設定情報判定を実行した後に、他の処理を実行し、その後、先判定処理を実行する構成としてもよい。すなわち、入球時設定情報判定と先判定処理との間に複数の他の処理が介在していてもよい。また、入球時設定情報判定の実行タイミングは、先判定処理の実行後であってもよく、また、先判定処理と入球時設定情報判定との間に複数の他の処理が介在していてもよい。このような構成としても、上記態様103から上記態様106と同様に、設定情報が管理者の意図しない異常な状態であるか否かを遊技球の第1始動口33又は第2始動口34への入球を契機として検出することができる。
<態様109>
上記態様103から上記態様106では、変動開始時設定情報判定(図87のステップS20701、図98のステップS20701a、図100のステップS20701b、図102のステップS20701c)において、設定情報が異常な状態である(所定の範囲内ではない、一致しない)と判定した場合には、遊技の進行を停止させる処理(遊技停止フラグをONにする処理)を実行する構成を採用したが、設定情報が異常な状態であると判定した場合には、所定の遊技の進行を停止させる処理を実行せずに又は所定の遊技の進行を停止させる処理を実行した上で、他の処理を実行する構成としてもよい。
また、上記態様103から上記態様106では、入球時設定情報判定(図82、図97、図99のステップS20213、図101のステップS20213c)において、設定情報が異常な状態である(所定の範囲内ではない、一致しない)と判定した場合には、異常保留コマンドを設定する構成を採用したが、設定情報が異常な状態であると判定した場合には、異常保留コマンドを設定する処理を実行せずに又は異常保留コマンドを設定する処理を実行した上で、他の処理を実行する構成としてもよい。
例えば、変動開始時設定情報判定又は入球時設定情報判定において、設定情報が異常な状態であると判定した場合には、所定の遊技の進行を停止させる処理を実行せずに又は所定の遊技の進行を停止させる処理を実行した上で、設定情報の異常を検出したことを報知する構成としてもよい。具体的には、当該パチンコ機10のスピーカー46から「設定情報が異常です。設定変更モードで再起動して下さい。」といった音声や警報音を出力させ、各種ランプ47を最大輝度で点滅させ、図柄表示装置41の表示面41aに「設定情報が異常です。設定変更モードで再起動して下さい。」といった文字列を表示させる構成としてもよい。このような構成によれば、遊技者や管理者は、当該パチンコ機10において設定情報の異常が検出されたことを容易に把握することができるとともに、管理者は、当該パチンコ機10において遊技を行なっている遊技者に対して状況を説明した上で、当該パチンコ機10を設定変更モードで再起動させることができる。
また、例えば、変動開始時設定情報判定又は入球時設定情報判定において、設定情報が異常な状態であると判定した場合には、所定の遊技の進行を停止させる処理を実行せずに又は所定の遊技の進行を停止させる処理を実行した上で、設定情報の異常を検出したことを示す情報を遊技ホールに設置されたホールコンピュータに送信する構成としてもよい。そして、当該情報を受信したホールコンピュータのモニターの画面上には、設定情報の異常が検出されたパチンコ機10の情報(例えばパチンコ機10の台番号)が表示される構成としてもよい。このような構成によれば、ホールコンピュータを管理する管理者は、遊技ホールに設置された多数のパチンコ機のうちのどのパチンコ機において設定情報の異常が検出されたのかを容易に把握することが可能となる。
また、例えば、変動開始時設定情報判定又は入球時設定情報判定において、設定情報が異常な状態であると判定した場合には、所定の遊技の進行を停止させる処理を実行せずに又は所定の遊技の進行を停止させる処理を実行した上で、設定情報の異常を検出したことを示す情報及び当該異常を検出した日時を示す情報をメモリに記憶する構成としてもよい。具体的には、設定情報の異常を検出したことを示す情報及び当該異常を検出した日時を示す情報を、主側RAM64の記憶領域のうち上述したRAMクリア処理が実行されても情報が消去されない記憶領域や、フラッシュROM等の不揮発性のメモリに記憶し、記憶された情報を所定の操作を受け付けた場合に図柄表示装置41の表示面41aに表示可能な構成とすれば、これらの情報が容易には消去されず、例えば遊技ホールの閉店後に確認することが可能となるので、設定情報が異常な状態となった状況や原因を探る手がかりとなる。
<態様110>
上記各態様のうち、設定変更モードを実行可能な構成においては、主側RAM64の設定情報記憶領域に記憶されている設定情報を当たり判定処理(当たり抽選)又は先判定処理を実行する毎に参照し、当該参照した設定情報に対応した当否テーブルに基づいて当たり判定処理又は先判定処理を実行する構成としたが、この構成に代えて、当該パチンコ機10に電力の供給が開始された後(設定変更モードが実行された場合には当該設定変更モードが終了した後)、遊技の進行が可能となる前に、主側RAM64の設定情報記憶領域に記憶されている設定情報を参照し、当該参照した設定情報に対応した当否テーブルをその後の当たり判定処理又は先判定処理にて用いるように設定する構成とすることによって、主側RAM64の設定情報記憶領域に記憶されている設定情報を当たり判定処理又は先判定処理を実行する毎には参照しない構成としてもよい。以下、本態様の主側MPU62が実行する処理の一例について具体的に説明する。
本態様の主側MPU62は、メイン処理とタイマ割込み処理とを実行する。メイン処理は、電源投入時に実行する処理である。
[メイン処理]
図103は、第1実施形態の態様110の主側MPU62(主側CPU62x)が電源ON時に実行するメイン処理を示すフローチャートである。
ステップS30101では、電源投入に伴う初期設定処理を実行する。具体的には、主側CPU62xのスタックポインタに予め決められた所定値を設定すると共に、サブ側の制御装置(音声発光制御装置90、表示制御装置100、払出制御装置70等)が動作可能な状態になるのを待つために例えば1秒程度、ウェイト処理を実行する。そして、主側RAM64へのアクセスを許可する。その後、ステップS30102に進み、内部機能レジスタの設定処理を実行する。その後、ステップS30103に進む。
ステップS30103では、復電フラグがONであるか否かを判定する。
ここで復電フラグについて説明する。本態様では、パチンコ機10の電源スイッチがOFFにされた場合や停電が発生した場合には、主側CPU62xのレジスタに格納されている各種情報(遊技状態を示す情報や制御情報等)を主側RAM64の所定の領域に退避させる。そして、これらの情報の主側RAM64への退避が完了した場合に、復電フラグをONにするとともに、主側RAM64に記憶されている所定の情報群に基づいて所定の演算を実行することによってRAM判定値(例えばチェックサム値)を算出し、算出したRAM判定値を主側RAM64に記憶する。なお、商用電源からの電源の供給が断たれた後は、コンデンサ等のバックアップ電源からの電源供給に切り替わる。このように、復電フラグは、前回の電源OFF時の状態に復帰させるための情報が主側RAM64に記憶されているか否かを電源投入時に識別するためのフラグである。
ステップS30103において、復電フラグがONであると判定した場合には(ステップS30103:YES)、ステップS30104に進み、主側RAM64に記憶されている所定の情報群に基づいて所定の演算を実行することによってRAM判定値を算出する。本態様では、RAM判定値として、主側RAM64のチェックサム値を算出する。その後、ステップS30105に進み、算出したRAM判定値(チェックサム値)が正常であるか否か、すなわち、算出したRAM判定値(チェックサム値)と主側RAM64に記憶されているRAM判定値(チェックサム値)とが一致するか否かを判定する。ステップS30105において、RAM判定値が正常であると判定した場合には(ステップS30105:YES)、ステップS30106に進む。
ステップS30106では、主側RAM64に記憶されている抽選設定の設定情報を読み込み、設定情報が所定の範囲内の数値であるか否かを判定する。本態様では、パチンコ機10に設定される設定情報は「1」から「6」までの6段階であるため、設定情報が「1」から「6」までの範囲内の数値である場合には、設定情報が所定の範囲内の数値であると判定し、一方、設定情報として「0」や「7」が格納されている場合や、ノイズ等によって数値以外の情報が格納されている場合には、設定情報が所定の範囲内の数値ではないと判定する。ステップS30106において、設定情報が所定の範囲内の数値であると判定した場合には(ステップS30106:YES)、ステップS30107に進む。
一方、上述したステップS30103において復電フラグがONではないと判定した場合(ステップS30103:NO)、上述したステップS30105においてRAM判定値が正常ではないと判定した場合(ステップS30105:NO)、及び、上述したステップS30106において設定情報が所定の範囲内の数値ではないと判定した場合(ステップS30106:NO)には、ステップS30115に進み、RAM異常フラグをONにする。すなわち、RAM異常フラグは、復電フラグがOFFである場合、RAM判定値が正常ではない場合、設定情報が所定の範囲内の数値ではない場合のいずれかの場合にONになるフラグであり、主側RAM64に記憶されている情報が正常ではない状態であることを示すフラグである。
以下では、RAM異常フラグがONにならなかった場合に実行する処理の流れについて説明し、その後、RAM異常フラグがONになった場合に実行する処理の流れについて説明する。
ステップS30107では、設定変更中フラグがONであるか否かを判定する。設定変更中フラグは、後述する設定変更処理(設定変更モード)の開始の際にONとなり、設定変更処理(設定変更モード)の終了の際にOFFになるフラグである。ここで、ステップS30107において設定変更中フラグがONとなっている状況とは、本パチンコ機10の前回の電源投入時に、後述する設定変更処理(設定変更モード)が実行され、当該設定変更処理(設定変更モード)の実行中に当該パチンコ機10の電源スイッチがOFFにされたり停電が発生したことにより、当該設定変更中フラグがONとなったまま維持されている状況である。
ステップS30107において設定変更中フラグがONであると判定した場合には(ステップS30107:YES)、ステップS30118に進み、設定変更処理(設定変更モード)を実行する。設定変更処理(設定変更モード)では、情報表示部45zに抽選設定の設定情報を表示させる処理を実行するとともに、抽選設定の設定情報の変更を受け付ける処理を実行する。すなわち、設定変更モードは、管理者等が当該パチンコ機10の抽選設定の設定情報を変更することが可能なモードである。設定変更処理(設定変更モード)の詳細は、図71に示した設定変更処理と同じであるため、詳細な説明は省略する。一方、ステップS30107において設定変更中フラグがONではないと判定した場合には(ステップS30107:NO)、ステップS30108に進む。
ステップS30108では、RAMクリアボタンがONであるか否かを判定する。ステップS30108において、RAMクリアボタンがONではないと判定した場合には(ステップS30108:NO)、ステップS30109進み、設定用の鍵、枠開放スイッチ及び扉開放スイッチの全てがONであるか否かを判定する。なお、「設定用の鍵がON」とは、設定用の鍵が設定用の鍵穴に挿入されてON側に位置していることを意味する。また、枠開放スイッチは、内枠13が外枠11に対して開放状態であるときにONとなるスイッチであり、扉開放スイッチは、前扉枠14が内枠13に対して開放状態であるときにONとなるスイッチである。
ステップS30109において、設定用の鍵、枠開放スイッチ及び扉開放スイッチの少なくとも1つがONではないと判定した場合には(ステップS30109:NO)、ステップS30110に進む。
ステップS30110では、設定確認中フラグがONであるか否かを判定する。設定確認中フラグは、後述する設定確認処理(設定確認モード)の開始の際にONとなり、設定確認処理(設定確認モード)の終了の際にOFFになるフラグである。ここで、ステップS30110において設定確認中フラグがONとなっている状況とは、本パチンコ機10の前回の電源投入時に、後述する設定確認処理(設定確認モード)が実行され、当該設定確認処理(設定確認モード)の実行中に当該パチンコ機10の電源スイッチがOFFにされたり停電が発生したことにより、当該設定確認中フラグがONとなったまま維持されている状況である。
ステップS30110において、設定確認中フラグがONではないと判定した場合には(ステップS30110:NO)、ステップS30111に進み、通常起動コマンドを音声発光制御装置90に送信する。通常起動コマンドは、RAM異常であると判定されず、かつ、後述する設定変更処理、設定確認処理、第1RAMクリア処理のいずれの処理も実行しない通常の状態でパチンコ機10(主制御装置60)が起動したことを示すコマンドである。後述するように、音声発光制御装置90は、通常起動コマンドを受信すると、当該パチンコ機10が通常の状態で起動したことを報知する処理を実行する。具体的には、本態様では、「通常起動します」といった音声をスピーカー46から出力させる。ステップS30111を実行した後、後述するステップS30113に進む。
一方、上述したステップS30109において設定用の鍵、枠開放スイッチ及び扉開放スイッチの全てがONであると判定した場合(ステップS30109:YES)、及び、ステップS30110において設定確認中フラグがONであると判定した場合には(ステップS30110:YES)、ステップS30112に進む。すなわち、パチンコ機10の電源投入時にRAMクリアボタンがOFFとなっており、かつ、設定用の鍵、枠開放スイッチ及び扉開放スイッチの全てがONである場合、及び、パチンコ機10の前回の電源投入時に設定確認処理(設定確認モード)が実行され、当該設定確認処理(設定確認モード)の実行中に当該パチンコ機10の電源スイッチがOFFにされたり停電が発生したことにより、当該設定確認中フラグがONとなったまま維持されている場合に、ステップS30112に進む。
ステップS30112では、設定確認処理を実行する。設定確認処理(設定確認モード)では、情報表示部45zに現在の抽選設定の設定情報を表示させる処理を実行する。すなわち、設定確認モードは、管理者等が当該パチンコ機10の現在の抽選設定の設定情報を確認することが可能なモードである。設定確認処理(設定確認モード)の詳細は、図72に示した設定確認処理と同じであるため、詳細な説明は省略する。ステップS30112を実行した後、ステップS30113に進む。
ステップS30113では、前回の電源OFF時の状態に復帰させる復電処理を実行する。具体的には、復電処理では、主側RAM64に保存されたスタックポインタの値を主側CPU62xのスタックポインタに書き込み、主側RAM64に退避されたデータを主側CPU62xのレジスタに復帰させることによって、主側CPU62xのレジスタの状態を電源が遮断される前の状態に復帰させる。ステップS30113を実行した後、ステップS30114に進み、主側RAM64の復電フラグをOFFにする。その後、後述するステップS30123の処理に進む。
一方、上述したステップS30108において、RAMクリアボタンがONであると判定した場合には(ステップS30108:YES)、ステップS30117に進み、設定用の鍵、枠開放スイッチ及び扉開放スイッチの全てがONであるか否かを判定する。ステップS30117において、設定用の鍵、枠開放スイッチ及び扉開放スイッチの全てがONであると判定した場合には(ステップS30117:YES)、上述したステップS30118に進み、上述した設定変更処理(設定変更モード)を実行する。その後、後述するステップS30123に進む。一方、ステップS30117において、設定用の鍵、枠開放スイッチ及び扉開放スイッチの少なくとも1つがONではないと判定した場合には(ステップS30117:NO)、ステップS30119に進む。
ステップS30119では、上述したRAM異常フラグがONであるか否かを判定する。ステップS30119において、RAM異常フラグがONではないと判定した場合には(ステップS30119:NO)、ステップS30120に進み、第1RAMクリア処理を実行する。第1RAMクリア処理は、主側RAM64に記憶されている情報のうち、抽選設定の設定情報を除いて消去する(0クリアする)処理である。すなわち、第1RAMクリア処理が実行されると、遊技状態を示す各種フラグ情報や各種の制御情報等は消去されるが、抽選設定の設定情報は消去されず、設定情報はそのまま維持される。ステップS30120を実行した後、ステップS30121に進み、第1RAMクリア処理を実行したことを示すコマンドであるRAMクリアコマンドを音声発光制御装置90に送信する。後述するように、音声発光制御装置90は、RAMクリアコマンドを受信すると、第1RAMクリア処理が実行されたことを示す音声をスピーカー46から出力させる。具体的には、本態様では、「主制御装置のRAMをクリアしました」といった音声をスピーカー46から出力させる。ステップS30121を実行した後、後述するステップS30123に進む。
一方、ステップS30119において、RAM異常フラグがONであると判定した場合には(ステップS30119:YES)、ステップS30122に進み、主側RAM64が異常であることを示すコマンドであるRAM異常コマンドを音声発光制御装置90に送信する。後述するように、音声発光制御装置90は、RAM異常コマンドを受信すると、主側RAM64が異常であることを示す音声をスピーカー46から出力させる。具体的には、本態様では、「主制御装置のRAMが異常です。設定変更モードで起動して下さい」といった音声をスピーカー46から繰り返し出力させる。ステップS30122を実行した後、ステップS30123に進む。ただし、本説明の流れでは、RAM異常フラグはONになっていないため、上述したステップS30122には進まない。
ステップS30123では、当否テーブル設定処理を実行する。本態様では、主側ROM63には、当否テーブル記憶領域が設けられており、当該当否テーブル記憶領域には、1種類の高確率モード用の当否テーブルと、「抽選設定1」から「抽選設定6」までの6段階の抽選設定のそれぞれに対応した6種類の低確率モード用の当否テーブルが記憶されている。そして、当否テーブル設定処理では、主側RAM64の設定情報記憶領域に記憶されている設定情報を参照し、当該設定情報に対応した低確率モード用の当否テーブルを主側ROM63の当否テーブル記憶領域から読み出し、読み出した低確率モード用の当否テーブルを主側RAM64の当否テーブル記憶領域に書き込む。具体的には、例えば、主側RAM64の設定情報記憶領域に記憶されている設定情報の値が「1」である場合には、抽選設定1に対応した低確率モード用の当否テーブルを主側ROM63の当否テーブル記憶領域から読み出し、読み出した抽選設定1に対応した低確率モード用の当否テーブルを主側RAM64の当否テーブル記憶領域に書き込む。ステップS30123を実行した後、ステップS30124に進む。
ステップS30124では、情報表示部45zを構成する全ての発光部(セグメント発光部A~G及びDP発光部)を点灯、点滅させる処理である点灯点滅処理を実行する。点灯点滅処理では、情報表示部45zを構成する全ての発光部を所定時間(例えば3秒間)点灯させ、その後、所定時間(例えば2秒間)同期して点滅させる。ステップS30124を実行した後、ステップS30125に進む。
ステップS30125では、タイマ割込み処理の発生を許可する割込み許可設定を実行する。その後、無限ループを繰り返して待機するとともに、後述するタイマ割込み処理が定期的に(本態様では4ms毎に)実行される。
次に、ステップS30115においてRAM異常フラグがONになった場合に実行する処理の流れについて説明する。
上述したように、ステップS30103において復電フラグがONではないと判定した場合(ステップS30103:NO)、ステップS30105においてRAM判定値が正常ではないと判定した場合(ステップS30105:NO)、及び、ステップS30106において設定情報が所定の範囲内の数値ではないと判定した場合(ステップS30106:NO)には、ステップS30115に進み、RAM異常フラグをONにする。その後、ステップS30116に進む。
ステップS30116では、RAMクリアボタンがONであるか否かを判定する。ステップS30116において、RAMクリアボタンがONであると判定した場合には(ステップS30116:YES)、ステップS30117に進み、設定用の鍵、枠開放スイッチ及び扉開放スイッチの全てがONであるか否かを判定する。ステップS30117において、設定用の鍵、枠開放スイッチ及び扉開放スイッチの全てがONであると判定した場合には(ステップS30117:YES)、上述したステップS30118に進み、上述した設定変更処理(設定変更モード)を実行する。その後、ステップS30122に進む。一方、ステップS30116においてRAMクリアボタンがONではないと判定した場合(ステップS30116:NO)、及び、ステップS30117において設定用の鍵、枠開放スイッチ及び扉開放スイッチの少なくとも1つがONではないと判定した場合(ステップS30117:NO)には、ステップS30119に進む。
ステップS30119では、上述したRAM異常フラグがONであるか否かを判定する。ステップS30119において、RAM異常フラグがONではないと判定した場合には(ステップS30119:NO)、ステップS30120に進み、上述した第1RAMクリア処理を実行する。ステップS30120を実行した後、ステップS30121に進み、第1RAMクリア処理を実行したことを示すコマンドであるRAMクリアコマンドを音声発光制御装置90に送信する。ステップS30121を実行した後、ステップS30122に進む。ただし、本説明の流れでは、RAM異常フラグはONになっているため、上述したステップS30120には進まない。
一方、ステップS30119において、RAM異常フラグがONであると判定した場合には(ステップS30119:YES)、ステップS30122に進み、主側RAM64が異常であることを示すコマンドであるRAM異常コマンドを音声発光制御装置90に送信する。後述するように、音声発光制御装置90は、RAM異常コマンドを受信すると、RAMが異常であることを示す音声をスピーカー46から出力させる。具体的には、本態様では、「主制御装置のRAMが異常です。設定変更モードで起動して下さい」といった音声をスピーカー46から繰り返し出力させる。ステップS30122を実行した後、ステップS30123に進む。
ステップS30123では、上述した当否テーブル設定処理を実行し、その後、ステップS30124に進み、上述した点灯点滅処理を実行する。ステップS30124を実行した後、ステップS30125に進み、タイマ割込み処理の発生を許可する割込み許可設定を実行する。その後、無限ループ処理を繰り返して待機するとともに、後述するタイマ割込み処理が定期的に(本態様では4ms毎に)実行される。
以上説明したように、本態様においては、設定変更処理(設定変更モード)を実行させるための操作は、RAMクリアスイッチを押下した状態とし(ON状態とし)、かつ、設定用の鍵(鍵穴)、枠開放スイッチ及び扉開放スイッチの全てをONにした状態で、電源スイッチをONにする操作である。また、設定確認処理(設定確認モード)を実行させるための操作は、RAMクリアスイッチを押下していない状態とし(OFF状態とし)、かつ、設定用の鍵(鍵穴)、枠開放スイッチ及び扉開放スイッチの全てをONにした状態で、電源スイッチをONにする操作である。また、第1RAMクリア処理を実行させるための操作は、RAMクリアスイッチを押下した状態とし(ON状態とし)、かつ、設定用の鍵(鍵穴)、枠開放スイッチ及び扉開放スイッチのいずれかをOFFにした状態で、電源スイッチをONにする操作である。
以下に、上述したメイン処理が実行されることによって実現される処理の流れの一例をまとめて説明する。
・電力の供給が開始された際に、RAM異常フラグをONにすべき条件が成立しているか否かを判定するが(ステップS30103、ステップS30105、ステップS30106)、設定変更処理(設定変更モード)を実行させるための操作が行なわれていた場合には、RAM異常フラグをONにすべき条件が成立しているか否かに関わらず、また、設定確認中フラグの状態に関わらず、設定変更処理(設定変更モード)を実行する(ステップS30118)。
・電力の供給が開始された際に、RAM異常フラグをONにすべき条件が成立しているか否かを判定し(ステップS30103、ステップS30105、ステップS30106)、RAM異常フラグをONにすべき条件が成立していないと判定した場合において、設定変更中フラグがONであると判定した場合には(ステップS30107:YES)、設定変更処理(設定変更モード)を実行させるための操作、設定確認処理(設定確認モード)を実行させるための操作、及び、第1RAMクリア処理を実行させるための操作が行なわれているか否かに関わらず、設定変更処理(設定変更モード)を実行する(ステップS30118)。
・電力の供給が開始された際に、RAM異常フラグをONにすべき条件が成立しているか否かを判定し(ステップS30103、ステップS30105、ステップS30106)、RAM異常フラグをONにすべき条件が成立していないと判定した場合において、設定変更中フラグがONではないと判定し(ステップS30107:NO)、第1RAMクリア処理を実行させるための操作が行なわれていた場合には(ステップS30108:YES、ステップS30117:NO、ステップS30119:NO)、設定確認中フラグの状態に関わらず、第1RAMクリア処理を実行し(ステップS30120)、RAMクリアコマンドを送信する(ステップS30121)。
・電力の供給が開始された際に、RAM異常フラグをONにすべき条件が成立しているか否かを判定し(ステップS30103、ステップS30105、ステップS30106)、RAM異常フラグをONにすべき条件が成立していないと判定した場合において、設定変更中フラグがONではないと判定し(ステップS30107:NO)、設定確認処理(設定確認モード)を実行させるための操作が行なわれていた場合には(ステップS30108:NO、ステップS30109:YES)、設定確認処理(設定確認モード)を実行する(ステップS30112)。
・電力の供給が開始された際に、RAM異常フラグをONにすべき条件が成立しているか否かを判定し(ステップS30103、ステップS30105、ステップS30106)、RAM異常フラグをONにすべき条件が成立していないと判定した場合において、設定変更中フラグがONではないと判定し(ステップS30107:NO)、設定確認処理(設定確認モード)を実行させるための操作が行なわれていない場合であっても、設定確認中フラグがONであった場合には(ステップS30110:YES)、設定確認処理(設定確認モード)を実行する(ステップS30112)。
・電力の供給が開始された際に、RAM異常フラグをONにすべき条件が成立しているか否かを判定し(ステップS30103、ステップS30105、ステップS30106)、RAM異常フラグをONにすべき条件が成立していると判定してRAM異常フラグをONにした場合には(ステップS30115)、第1RAMクリア処理を実行させるための操作が行なわれていた場合であっても、第1RAMクリア処理を実行せず、RAM異常コマンドを送信する(ステップS30122)。
・電力の供給が開始された際に、RAM異常フラグをONにすべき条件が成立しているか否かを判定し(ステップS30103、ステップS30105、ステップS30106)、RAM異常フラグをONにすべき条件が成立していると判定してRAM異常フラグをONにした場合には(ステップS30115)、設定確認処理(設定確認モード)を実行させるための操作が行なわれていた場合であっても、設定確認処理(設定確認モード)を実行せず、RAM異常コマンドを送信する(ステップS30122)。
[タイマ割込み処理]
次に、タイマ割込み処理について説明する。タイマ割込み処理は、主制御装置60のMPU62によって定期的(例えば4msec周期)に起動される。
図104は、第1実施形態の態様110の主側MPU62が実行するタイマ割込み処理を示すフローチャートである。ステップS30201では、各種乱数更新処理を実行する。各種乱数更新処理では、主側RAM64における各カウンタ(大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3、電動役物開放カウンタC4等)から現状の数値情報を読み出し、その読み出した数値情報に1を加算する処理を実行した後に、読み出し元のカウンタに加算後の数値情報を上書きする処理を実行する。なお、読み出した数値情報が当該カウンタの最大値である場合には、読み出し元のカウンタに0を上書きする処理を実行する。ステップS30201を実行した後、ステップS30202に進む。
ステップS30202では、停電監視処理を実行する。停電監視処理では、電源装置85から主制御装置60に供給される駆動電圧を監視しており、当該駆動電圧が所定値(例えば10ボルト)を下回ったと判定した場合には、パチンコ機10の電源スイッチがOFFにされた又は停電が発生したと判断して、主側CPU62xのレジスタに格納されている各種情報(遊技状態を示す情報や制御情報等)を主側RAM64の所定の領域に退避させる。そして、これらの情報の主側RAM64への退避が完了した場合に、復電フラグをONにするとともに、主側RAM64に記憶されている所定の情報群に基づいて所定の演算を実行することによってRAM判定値(例えばチェックサム値)を算出し、算出したRAM判定値を主側RAM64に記憶する。その後、後述するステップS30203には進まずに、供給される駆動電圧が低下して動作不能となるまで無限ループ処理を繰り返す。なお、本態様の電源装置85は、主制御装置60に供給される駆動電圧が所定値を下回るまで低下した場合であっても、主制御装置60などの制御系において駆動電圧として使用される5ボルトの安定化電圧が出力されるように構成されている。この安定化電圧が出力される時間としては、上述したRAM判定値を主側RAM64に記憶するまでの処理を実行するに十分な時間が確保されている。
一方、ステップS30202の停電監視処理において、電源装置85から主制御装置60に供給される駆動電圧が所定値を下回っていないと判定した場合には、そのままステップS30203に進む。
ステップS30203では、RAM異常フラグ又は遊技停止フラグの少なくとも一方がONであるか否かを判定する。RAM異常フラグは、上述したように、電源投入時に実行されるメイン処理において主側RAM64に記憶されている情報が正常ではないと判定された場合にONになるフラグである。遊技停止フラグは、後述するように、不正検知処理において揺れや磁気を検出した場合に遊技の進行を停止させるためにONになるフラグである。ステップS30203において、RAM異常フラグ及び遊技停止フラグの両方がONではないと判定した場合には(ステップS30203:NO)、ステップS30204に進む。一方、ステップS30203において、RAM異常フラグ又は遊技停止フラグの少なくとも一方がONであると判定した場合には(ステップS30203:YES)、ステップS30204以降の処理を実行せずに、本タイマ割込み処理を終了する。すなわち、RAM異常フラグ又は遊技停止フラグの少なくとも一方がONである場合には、ステップS30204以降の遊技の進行を可能とするための処理が実行されないこととなり、遊技の進行が可能な遊技進行モードには移行しない構成となっている。以下、遊技の進行を可能とするための処理であるステップS30204以降の処理について説明する。
ステップS30204では、ポート出力処理を実行する。ポート出力処理では、前回のタイマ割込み処理において出力情報の設定が行われている場合に、その出力情報に対応した出力を各種駆動部36c,34bに行うための処理を実行する。例えば、大入賞口36aを開放状態に切り換えるべき情報が設定されている場合には可変入賞駆動部36cへの駆動信号の出力を開始させ、閉鎖状態に切り換えるべき情報が設定されている場合には当該駆動信号の出力を停止させる。また、第2始動口34の電動役物34aを開放状態に切り換えるべき情報が設定されている場合には電動役物駆動部34bへの駆動信号の出力を開始させ、閉鎖状態に切り換えるべき情報が設定されている場合には当該駆動信号の出力を停止させる。その後、ステップS30205に進む。
ステップS30205では、読み込み処理を実行する。読み込み処理では、入球信号以外の信号の読み込みを実行し、その読み込んだ情報を今後の処理にて利用するために記憶する。その後、ステップS30206に進む。
ステップS30206では、各入球検知センサー44a~44hから受信している信号を読み込むとともに、その読み込んだ情報に対応した処理を行うための入球検知処理を実行する。入球検知処理は、図28に示した入球検知処理と同じであるため、詳細な説明は省略する。ステップS30206を実行した後、ステップS30207に進む。
ステップS30207では、主側RAM64に設けられている所定のタイマカウンタの数値情報をまとめて更新するためのタイマ更新処理を実行する。その後、ステップS30208に進む。
ステップS30208では、第1始動口33及び第2始動口34への遊技球の入球に伴う始動口用の入球処理を実行する。始動口用の入球処理では、第1始動口33又は第2始動口34に遊技球が入球したと判定されたことに基づいて大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の値を取得するとともに、取得したカウンタ値をRAM64の保留情報記憶エリア64bに記憶する。ステップS30208を実行した後、ステップS30209に進む。
ステップS30209では、スルーゲート35への遊技球の入球(通過)に伴うスルーゲート用の入球処理を実行する。スルーゲート用の入球処理では、スルーゲート35に遊技球が入球(通過)したと判定されたことに基づいて電動役物開放カウンタC4の値を取得するとともに、取得したカウンタ値をRAM64の電役保留エリア64dに記憶する。ステップS30209を実行した後、ステップS30210に進む。
ステップS30210では、各遊技回における遊技を制御するための遊技回制御処理を実行する。遊技回制御処理では、当たり抽選や、第1図柄表示部37a,第2図柄表示部37bの表示制御などを行う。ステップS30210を実行した後、ステップS30211に進む。
ステップS30211では、遊技状態を移行させるための遊技状態移行処理を実行する。遊技状態移行処理では、遊技状態を開閉実行モード、高確率モード、高頻度サポートモードなどへ移行させる処理を実行する。ステップS30211を実行した後、ステップS30212に進む。
ステップS30212では、電動役物34aを制御するための電役サポート用処理を実行する。電役サポート用処理では、電動役物34aを開放状態とするか否かの判定(電動役物開放抽選)を行なうとともに、開放状態とすると判定した場合には電動役物34aを駆動制御する。ステップS30212を実行した後、ステップS30213に進む。
ステップS30213では、遊技球発射制御処理を実行する。遊技球発射制御処理では、遊技者によって操作ハンドル25が操作された際に遊技球を遊技領域PAに発射するための処理を実行する。ステップS30213を実行した後、ステップS30214に進む。
ステップS30214では、今回のタイマ割込み処理において送信対象として設定されたコマンドをサブ側の各制御装置に出力する(送信する)コマンド出力処理を実行する。例えば、変動用コマンド、種別コマンド、保留コマンド等の演出に関するコマンドが設定されている場合には、これらを音声発光制御装置90に対して送信する。ステップS30214を実行した後、ステップS30215に進む。
ステップS30215では、不正検知処理を実行する。不正検知処理では、揺れや磁気を監視しており、揺れや磁気を検知した場合には、警報音や「揺れを検知しました!」「磁気を検知しました!」といった音声をスピーカー46から出力させるとともに、各種ランプ47を最大輝度で点滅させる。また、不正検知処理では、揺れや磁気を検知した場合には、上述した遊技停止フラグをONにする。この結果、遊技停止フラグがONになった以後は、ステップS30204~ステップS30216までの処理の実行が回避されることになる。
ステップS30216では、遊技履歴情報を算出・表示するための遊技履歴用処理を実行する。遊技履歴用処理は、図29に示した遊技履歴用処理と同じであるため、詳細な説明は省略する。ステップS30216を実行した後、本タイマ割込み処理を終了する。
[始動口用の入球処理]
次に、始動口用の入球処理について説明する。始動口用の入球処理は、タイマ割込み処理のサブルーチン(図104:S30208)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図105は、第1実施形態の態様110の主側MPU62が実行する始動口用の入球処理を示すフローチャートである。ステップS30301では、遊技球が第1始動口33に入球(始動入球)したか否かを、第1始動口33に対応した検知センサーの検知状態により判定する。ステップS30301において、遊技球が第1始動口33に入球したと判定した場合には(S30301:YES)、ステップS30302に進み、払出制御装置70に遊技球を4個払い出させるための賞球コマンドをセットする。その後、ステップS30303に進む。
ステップS30303では、第1始動口33に遊技球が入球したことを遊技ホール側の管理制御装置に対して信号出力するために外部信号設定処理を行う。その後、ステップS30304に進む。
ステップS30304では、第1保留エリアRaの保留個数記憶エリアに記憶された値である始動保留個数RaN(以下、第1始動保留個数RaNともいう)を読み出し、当該第1始動保留個数RaNを後述する処理の対象として設定する。第1始動保留個数RaNは、第1始動口33への遊技球の入球に基づく保留個数を示す。その後、ステップS30309に進む。
ステップS30301において、遊技球が第1始動口33に入球していないと判定した場合には(S30301:NO)、ステップS30305に進み、遊技球が第2始動口34に入球したか否かを第2始動口34に対応した検知センサーの検知状態により判定する。
ステップS30305において、遊技球が第2始動口34に入球したと判定した場合には(S30305:YES)、ステップS30306に進み、払出制御装置70に遊技球を1個払い出させるための賞球コマンドをセットする。その後、ステップS30307に進む。一方、ステップS30305において、遊技球が第2始動口34に入球していないと判定した場合には(S30305:NO)、本始動口用の入球処理を終了する。
ステップS30307では、第2始動口34に遊技球が入球したことを遊技ホール側の管理制御装置に対して信号出力するために、外部信号設定処理を行う。その後、ステップS30308に進む。
ステップS30308では、第2保留エリアRbの保留個数記憶エリアに記憶された値である始動保留個数RbN(以下、第2始動保留個数RbNともいう)を読み出し、当該第2始動保留個数RbNを後述する処理の対象として設定する。第2始動保留個数RbNは、第2始動口34への遊技球の入球に基づく保留個数を示す。その後、ステップS30309に進む。
ステップS30309では、上述したステップS30304又はステップS30308において設定された始動保留個数N(RaN又はRbN)が上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する。ステップS30309において、始動保留個数Nが上限値未満ではない場合(S30309:NO)、すなわち、始動保留個数Nが上限値以上である場合には、本始動口用の入球処理を終了する。
一方、ステップS30309において、始動保留個数Nが上限値未満である場合には(S30309:YES)、ステップS30310に進み、対応する保留エリアの始動保留個数Nに1を加算した後、ステップS30311に進み、合計保留個数記憶エリアに記憶された値(以下、合計保留個数CRNと言う)に1を加算する。合計保留個数CRNは、第1始動保留個数RaNと第2始動保留個数RbNとの合計値を示す。その後、ステップS30312に進む。
ステップS30312では、ステップS30201(図104)において更新した大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2およびリーチ乱数カウンタC3の各値を、対応する保留エリアの空き記憶エリアのうち最初の記憶エリア、すなわち、ステップS30310において1を加算した保留個数と対応する記憶エリアに記憶する。具体的には、第1始動保留個数RaNが処理の対象として設定されている場合には、ステップS30201(図104)にて更新した大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2およびリーチ乱数カウンタC3の各値を、第1保留エリアRaの空き記憶エリアのうち最初の記憶エリア、すなわちステップS30310において1を加算した第1始動保留個数RaNと対応する記憶エリアに記憶する。また、第2始動保留個数RbNが処理の対象として設定されている場合には、ステップS30203(図104)にて更新した大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2およびリーチ乱数カウンタC3の各値を、第2保留エリアRbの空き記憶エリアのうち最初の記憶エリア、すなわちステップS30310において1を加算した第2始動保留個数RbNと対応する記憶エリアに記憶する。ステップS30312を実行した後、ステップS30313に進む。
ステップS30313では、先判定処理を実行する。先判定処理は、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2およびリーチ乱数カウンタC3の各値の情報(保留情報)に基づいて、当たり抽選の当否判定結果(抽選結果)、大当たりの種別、リーチの発生の有無などの判定を、当該保留情報が主制御装置60による当たり抽選の対象となるよりも前に実行する処理である。先判定処理の詳細については後述する。ステップS30313を実行した後、ステップS30314に進む。
ステップS30314では、保留コマンドを設定する処理を実行する。具体的には、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3の各値の情報(保留情報)に基づいて実行された先判定処理の判定結果を保留コマンドとして設定する。
保留コマンドは、第1始動口33又は第2始動口34への遊技球の入球が発生したこと及び当該入球に基づいて取得された保留情報に基づく先判定処理による判定結果を、当該保留情報が主制御装置60による当たり抽選の対象となるよりも前に、サブ側の制御装置に確認させるためのコマンドである。保留コマンドは、上述したコマンド出力処理(図104:ステップS30214)において音声発光制御装置90に送信される。
また、音声発光制御装置90は、第1始動口33への遊技球の入球に基づいて送信された保留コマンドを受信した場合には、図柄表示装置41の第1保留表示領域Ds1における表示を保留個数の増加に対応させて変更させるためのコマンドを表示制御装置100に送信する。当該コマンドを受信した表示制御装置100は、図柄表示装置41の第1保留表示領域Ds1における表示を保留個数の増加に対応させて変更する。一方、第2始動口34への入球に基づいて送信された保留コマンドを受信した場合には、音声発光制御装置90は、図柄表示装置41の第2保留表示領域Ds2における表示を保留個数の増加に対応させて変更させるためのコマンドを表示制御装置100に送信する。当該コマンドを受信した表示制御装置100は、図柄表示装置41の第2保留表示領域Ds2における表示を保留個数の増加に対応させて変更する。
主側MPU62は、ステップS30314を実行した後、本始動口用の入球処理を終了する。
[先判定処理]
次に、先判定処理について説明する。先判定処理は、始動口用の入球処理のサブルーチン(図104:S30314)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図106は、第1実施形態の態様110の主側MPU62が実行する先判定処理を示すフローチャートである。上述のように先判定処理は、保留情報に基づいて、当たり抽選の当否判定、大当たりの種別の判定、リーチの発生の有無の判定などの判定結果を、当該保留情報が主制御装置60による当たり抽選の対象となるよりも前に実行する処理である。
ステップS30401では、始動口用の入球処理(図105)における始動口への遊技球の入球によって記憶エリアに記憶された大当たり乱数カウンタC1の値を読み出す。その後、ステップS30402に進み、今回の入球による当たり抽選が遊技回として実行される時点での抽選モードを判定する。具体的には、今回の入球よりも前の入球によって実行された先判定処理の判定結果を該当する記憶エリアから読み出し、今回の入球による当たり抽選よりも前に発生する確変大当たりの有無を判定することによって、今回の入球による当たり抽選が遊技回として実行される時点での抽選モードを判定する。
ステップS30402において、今回の入球による当たり抽選が遊技回として実行される時点における抽選モードが低確率モードであると判定した場合には、(S30402:YES)、ステップS30403に進み、主側RAM64の当否テーブル記憶領域に記憶されている低確率モード用の当否テーブルを参照する。上述したように、本態様では、メイン処理(図103)の当否テーブル設定処理(ステップS30123)において、「抽選設定1」から「抽選設定6」までの6段階の抽選設定のそれぞれに対応した6種類の低確率モード用の当否テーブルのうち、抽選設定を示す設定情報に対応した低確率モード用の当否テーブルが主側RAM64の当否テーブル記憶領域に記憶される。この結果、本ステップS30403において、主側MPU62は、抽選設定を示す設定情報に対応した低確率モード用の当否テーブルを参照することになる。具体的には、例えば、主側RAM64の設定情報記憶領域に記憶されている設定情報の値が「1」である場合には、抽選設定1に対応した低確率モード用の当否テーブルが主側RAM64の当否テーブル記憶領域に記憶されており、抽選設定1に対応した低確率モード用の当否テーブルを参照することになる。その後、ステップS30405に進み、低確率モード用の当否テーブルを参照した結果、今回読み出した大当たり乱数カウンタC1の値の情報が、大当たりに対応しているか否かを判定する。なお、6種類の低確率モード用の当否テーブルの一例については、既に態様57において説明したため、ここでは説明を省略する。
一方、ステップS30402において、今回の入球による当たり抽選が遊技回として実行される時点における抽選モードが低確率モードでないと判定した場合には(S30402:NO)、ステップS30404に進み、高確率モード用の当否テーブルを参照する。その後、ステップS30405に進み、高確率モード用の当否テーブルを参照した結果、今回読み出した大当たり乱数カウンタC1の値が、大当たりに対応しているか否かを判定する。なお、本態様では、抽選設定にかかわらず1種類の高確率モード用の当否テーブルを参照する構成としたが、低確率モード用の当否テーブルと同様に、抽選設定に対応した数の高確率モード用の当否テーブルを用意し、抽選設定に対応した高確率モード用の当否テーブルを参照する構成としてもよい。
ステップS30405において、今回読み出した大当たり乱数カウンタC1の値が大当たりに対応していると判定した場合には(S30405:YES)、ステップS30406に進み、今回の始動口への入球によって記憶エリアに記憶された大当たり種別カウンタC2の値を読み出す。その後、ステップS30407に進み、振分テーブル記憶エリア63bに記憶されている振分テーブルを参照する。具体的には、今回の振り分け対象となった大当たり種別カウンタC2が第1始動口33への遊技球の入球に基づいて取得されたものである場合には、第1始動口用振分テーブルを参照し、第2始動口34への遊技球の入球に基づいて取得されたものである場合には、第2始動口用振分テーブルを参照する。ステップS30407を実行した後、ステップS30408に進む。
ステップS30408では、振分テーブルを参照した結果、今回読み出した大当たり種別カウンタC2の値が、確変大当たりに対応しているか否かを判定する。ステップS30408において、確変大当たりに対応していると判定した場合には(S30408:YES)、ステップS30409に進み、先判定処理結果記憶エリア64fに確変大当たり情報を記憶する。その後、先判定処理を終了する。一方、ステップS30408において、確変大当たりに対応していないと判定した場合には(S30408:NO)、ステップS30410に進み、先判定処理結果記憶エリア64fに通常大当たり情報を記憶する。その後、先判定処理を終了する。
ステップS30405において、今回読み出した大当たり乱数カウンタC1の値が、大当たりに対応していないと判定した場合には(S30405:NO)、ステップS30411に進み、今回の始動口への入球によって記憶エリアに記憶されたリーチ乱数カウンタC3の値を読み出す。その後、ステップS30412に進み、リーチ判定用テーブル記憶エリア63cに記憶されているリーチ判定用テーブルを参照する。その後、ステップS30413に進み、リーチ判定用テーブルを参照した結果、今回読み出したリーチ乱数カウンタC3の値が、リーチ発生に対応しているか否かを判定する。
ステップS30413において、リーチ発生に対応していると判定した場合には(S30413:YES)、ステップS30414に進み、先判定処理結果記憶エリア64fにリーチ発生情報を記憶させる。その後、先判定処理を終了する。一方、ステップS30413において、リーチ発生に対応していないと判定した場合には(S30413:NO)、そのまま先判定処理を終了する。
[遊技回制御処理]
次に、遊技回制御処理について説明する。遊技回制御処理は、タイマ割込み処理のサブルーチン(図104:ステップS30210)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図107は、第1実施形態の態様110の主側MPU62が実行する遊技回制御処理を示すフローチャートである。ステップS30501では、開閉実行モード中か否かを判定する。具体的には、RAM64の各種フラグ記憶エリア64eの開閉実行モードフラグがONであるか否かを判定する。開閉実行モードフラグは、後述するように、大当たりに当選した遊技回における図柄の変動が終了し、開閉実行モードに移行するタイミングでONにされ、開閉実行モードが終了するタイミングでOFFにされる。
ステップS30501において、開閉実行モードフラグがONであると判定した場合には(S30501:YES)、開閉実行モード中であると判定し、ステップS30502以降の処理のいずれも実行することなく、本遊技回制御処理を終了する。すなわち、開閉実行モード中である場合には、第1始動口33又は第2始動口34への遊技球の入球が発生しているか否かに関係なく、遊技回が開始されることはない。一方、ステップS30501において、開閉実行モード中ではないと判定した場合には(S30501:NO)、ステップS30502に進む。
ステップS30502では、メイン表示部45が変動表示中であるか否かを判定する。具体的には、第1図柄表示部37a又は第2図柄表示部37bのいずれか一方が変動表示中であるか否かを判定する。この判定は、RAM64の各種フラグ記憶エリア64eにおける変動表示中フラグがONであるか否かを判定することにより行われる。変動表示中フラグは、第1図柄表示部37a又は第2図柄表示部37bのいずれか一方について変動表示を開始させる場合にONにされ、その変動表示が終了する場合にOFFにされる。
ステップS30502において、メイン表示部45が変動表示中ではないと判定した場合には(S30502:NO)、ステップS30503~ステップS30505の遊技回開始用処理に進む。ステップS30503では、合計保留個数CRNが「0」であるか否かを判定する。合計保留個数CRNが「0」である場合とは、第1始動口33及び第2始動口34のいずれについても始動保留個数が「0」であることを意味する。したがって、ステップS30503において、合計保留個数CRNが「0」であると判定した場合には(S30503:YES)、本遊技回制御処理を終了する。一方、ステップS30503において、合計保留個数CRNが「0」でないと判定した場合には(S30503:NO)、ステップS30504に進む。
ステップS30504では、第1保留エリアRa又は第2保留エリアRbに記憶されているデータを変動開始後の状態に設定するための保留情報シフト処理を実行し、ステップS30505に進む。保留情報シフト処理の詳細は後述する。
ステップS30505では、メイン表示部45における変動表示及び図柄表示装置41における変動表示を開始させるための変動開始処理を実行する。なお、変動開始処理の詳細は後述する。その後、ステップS30506に進む。
ステップS30506では、遊技回数カウンタPNCの値を1減算する。遊技回数カウンタPNCは、高頻度サポートモードにおいて実行された遊技回の数をカウントするためのカウンタである。ステップS30506を実行した後、本遊技回制御処理を終了する。
一方、ステップS30502において、メイン表示部45が変動表示中であると判定した場合には(S30502:YES)、ステップS30507に進む。
ステップS30507では、今回の遊技回の変動時間が経過したか否かを判定する。変動時間とは、上述したように、図柄列が変動を開始してから全ての図柄列が停止するまでの時間であり、単位遊技時間の一部である。具体的には、ステップS30507では、RAM64の変動時間カウンタエリア(各種カウンタエリア64d)に記憶されている変動時間情報の値が「0」となったか否かを判定する。当該変動時間情報の値は、後述する変動時間の設定処理(図108のステップS30603)において設定される。この設定された変動時間情報の値は、タイマ割込み処理が起動される度に1減算される。
ステップS30507において、変動時間が経過していないと判定した場合には(S30507:NO)、ステップS30508に進み、変動表示用処理を実行する。変動表示用処理は、今回の遊技回に係る結果表示部における表示態様を変更する処理である。ステップS30508を実行した後、本遊技回制御処理を終了する。
ステップS30507において、変動時間が経過していると判定した場合には(S30507:YES)、ステップS30509に進み、変動終了処理を実行する。変動終了処理では、後述する当たり判定処理(図109)において決定された停止図柄を、今回の遊技回の結果としてメイン表示部45に停止表示させる。ステップS30509を実行した後、ステップS30510に進む。
ステップS30510では、RAM64の各種フラグ記憶エリア64eに記憶されているいずれかの大当たりフラグがONであるか否かを判定する。大当たりフラグは、後述する当たり判定処理(図109)において大当たりに当選した場合にONにされるフラグである。ステップS30510において、いずれかの大当たりフラグがONであると判定した場合には(S30510:YES)、ステップS30511に進み、開閉実行モードフラグをONにする。その後、本遊技回制御処理を終了する。一方、ステップS30510において、いずれの大当たりフラグもONではないと判定した場合には(S30510:NO)、ステップS30512に進む。
ステップS30512では、合計保留個数CRNが「0」であるか否かを判定する。ステップS30512において、合計保留個数CRNが「0」であると判定した場合には(S30512:YES)、ステップS30513に進み、客待ちコマンドを設定する。客待ちコマンドは、図柄の変動(遊技回)が終了した時点において保留情報記憶エリア64bに保留情報が1つも記憶されていないことをサブ側の制御装置である音声発光制御装置90に認識させるための情報を含むコマンドである。ステップS30513において設定された客待ちコマンドは、上述したコマンド出力処理(図104:ステップS30214)において音声発光制御装置90に送信される。一方、ステップS30512において、合計保留個数CRNが「0」ではないと判定した場合には(S30512:NO)、本遊技回制御処理を終了する。
[変動開始処理]
次に、変動開始処理について説明する。変動開始処理は、遊技回制御処理のサブルーチン(図107:S30505)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図108は、第1実施形態の態様110の主側MPU62が実行する変動開始処理を示すフローチャートである。ステップS30601では、当たり判定処理を実行する。当たり判定処理では、保留情報シフト処理において実行エリアAEにシフトされた大当たり乱数カウンタC1の値等に基づいて大当たりに当選したか否か等を判定する処理である。当たり判定処理の詳細については後述する。ステップS30601を実行した後、ステップS30602に進む。
ステップS30602では、変動時間の設定処理を実行する。変動時間の設定処理では、大当たりの有無やリーチの発生の有無に基づいて、第1図柄表示部37a又は第2図柄表示部37bにおける今回の遊技回に要する時間である変動時間を設定する。変動時間の設定処理の詳細は、図89に示した変動時間の設定処理と同じであるため、詳細な説明は省略する。ステップS30602を実行した後、ステップS30603に進む。
ステップS30603では、RAM64の第2図柄表示部フラグがONであるか否かを判定する。ステップS30603において、RAM64の第2図柄表示部フラグがONではないと判定した場合には(S30603:NO)、ステップS30604に進み、第1変動用コマンドを設定する。第1変動用コマンドには、今回の遊技回が第1始動口33への入賞に基づいて取得された保留情報に係るものであることを示す情報が含まれているとともに、リーチの発生の有無の情報及びステップS30602において設定された変動時間の情報が含まれている。一方、ステップS30603において、第2図柄表示部フラグがONであると判定した場合には(S30603:YES)、ステップS30605に進み、第2変動用コマンドを設定する。第2変動用コマンドには、今回の遊技回が第2始動口34への入賞に基づいて取得された保留情報に係るものであることを示す情報が含まれているとともに、リーチの発生の有無の情報及びステップS30602において設定された変動時間の情報が含まれている。ステップS30604又はステップS30605を実行した後、ステップS30606に進む。
ステップS30606では、種別コマンドを設定する。種別コマンドには、大当たりの有無及び振分け判定の結果の情報が含まれる。つまり、種別コマンドには、大当たりの種別の情報として、16R確変大当たりの情報、8R確変大当たりの情報、16R通常大当たりの情報、8R通常大当たりの情報、又は、外れ結果の情報が含まれている。
ステップS30604~ステップS30606にて設定された変動用コマンド及び種別コマンドは、上述したコマンド出力処理(図104:ステップS30214)において音声発光制御装置90に送信される。音声発光制御装置90は、受信した変動用コマンド及び種別コマンドに基づいて、その遊技回における演出の内容を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。ステップS30606を実行後、ステップS30607に進む。
ステップS30607では、第1図柄表示部37a及び第2図柄表示部37bのうち今回の遊技回に対応した図柄表示部に、図柄の変動表示を開始させる。具体的には、RAM64の第2図柄表示部フラグがONではない場合には、今回の遊技回に対応した図柄表示部が第1図柄表示部37aであると特定して変動表示を開始させ、第2図柄表示部フラグがONである場合には、今回の遊技回に対応した図柄表示部が第2図柄表示部37bであると特定して変動表示を開始させる。ステップS30607を実行した後、本変動開始処理を終了する。
[当たり判定処理]
次に、当たり判定処理について説明する。当たり判定処理は、変動開始処理のサブルーチン(図108:S30601)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図109は、第1実施形態の態様110の主側MPU62が実行する当たり判定処理を示すフローチャートである。ステップS30701では、当否抽選モードが高確率モードであるか否かを判定する。具体的には、RAM64の各種フラグ記憶エリアの高確率モードフラグがONであるか否かを判定する。高確率モードフラグは、当否抽選モードが高確率モードであるか否かをMPU62にて特定するためのフラグであり、本実施形態では、確変大当たりの当選に係る開閉実行モードの終了に際してONにされ、その後に大当たりに当選して開閉実行モードが開始される際にOFFにされる。ステップS30701において、高確率モードであると判定した場合には(S30701:YES)、ステップS30702に進む。
ステップS30702では、高確率モード用の当否テーブルを参照して当否判定を行う。具体的には、実行エリアAEに記憶されている大当たり乱数カウンタC1の値が、高確率モード用の当否テーブルにおいて大当たり当選として設定されている値と一致しているか否かを判定する。その後、ステップS30704に進む。一方、ステップS30701において高確率モードではないと判定した場合には(S30701:NO)、ステップS30703に進む。
ステップS30703では、主側RAM64の当否テーブル記憶領域に記憶されている低確率モード用の当否テーブルを参照して当否判定を行う。上述したように、本態様では、メイン処理(図103)の当否テーブル設定処理(ステップS30123)において、「抽選設定1」から「抽選設定6」までの6段階の抽選設定のそれぞれに対応した6種類の低確率モード用の当否テーブルのうち、抽選設定を示す設定情報に対応した低確率モード用の当否テーブルが主側RAM64の当否テーブル記憶領域に記憶される。この結果、本ステップS30703において、主側MPU62は、抽選設定を示す設定情報に対応した低確率モード用の当否テーブルを参照することになる。具体的には、例えば、主側RAM64の設定情報記憶領域に記憶されている設定情報の値が「1」である場合には、抽選設定1に対応した低確率モード用の当否テーブルが主側RAM64の当否テーブル記憶領域に記憶されており、抽選設定1に対応した低確率モード用の当否テーブルを参照して当否判定を行うことになる。当否判定では、実行エリアAEに記憶されている大当たり乱数カウンタC1の値が、設定情報に対応した低確率モード用の当否テーブルにおいて大当たり当選として設定されている値と一致しているか否かを判定する。その後、ステップS30704に進む。
ステップS30704では、ステップS30702又はステップS30703における当否判定(当たり抽選)の結果が大当たり当選であるか否かを判定する。ステップS30704において、当否判定の結果が大当たり当選である場合には(S30704:YES)、ステップS30705~ステップS30712において、大当たり当選である場合における遊技結果を設定するための処理及び停止結果を設定するための処理を実行する。
ステップS30705では、RAM64の第2図柄表示部フラグがONであるか否かを判定する。ステップS30705において、第2図柄表示部フラグがONではないと判定した場合には(S30705:NO)、ステップS30706に進み、第1始動口用の振分テーブル(図8(a)参照)を参照して振分判定を行う。具体的には、実行エリアAEに記憶されている大当たり種別カウンタC2の値が、16R確変大当たりの数値範囲、8R確変大当たりの数値範囲、16R通常大当たりの数値範囲、8R通常大当たりの数値範囲のいずれに含まれているかを判定する。
一方、ステップS30705において、第2図柄表示部フラグがONであると判定した場合には(S30705:YES)、ステップS30707に進み、第2始動口用の振分テーブル(図8(b)参照)を参照して振分判定を行う。具体的には、実行エリアAEに記憶されている大当たり種別カウンタC2の値が、16R確変大当たりの数値範囲、8R確変大当たりの数値範囲、16R通常大当たりの数値範囲、8R通常大当たりの数値範囲のいずれに含まれているかを判定する。ステップS30706又はステップS30707の処理を実行した後。ステップS30708に進む。
ステップS30708では、ステップS30706又はステップS30707において振り分けた大当たりの種別が確変大当たりであるか否かを判定する。ステップS30708において、遊技結果が確変大当たりであると判定した場合には(S30708:YES)、ステップS30709に進む。
ステップS30709では、確変大当たり用の停止結果設定処理を実行する。確変大当たり用の停止結果設定処理とは、確変大当たりに当選することとなる今回の遊技回において、第1図柄表示部37a又は第2図柄表示部37bに、いずれの停止結果を表示した状態で変動表示を終了させるかを設定するための処理である。具体的には、停止結果テーブル記憶エリア63eに記憶されている確変大当たり用の停止結果テーブルを参照することで、ステップS30706又はステップS30707において振り分けた大当たりの種別に対応した停止結果データのアドレス情報を取得し、そのアドレス情報をRAM64の停止結果アドレス記憶エリアに記憶する。ステップS30709を実行した後、ステップS30710に進む。
ステップS30710では、ステップS30706又はステップS30707において振り分けた大当たりの種別に対応したフラグ(大当たり種別フラグ)をONにする。具体的には、16R確変大当たりである場合には16R確変フラグをONにし、8R確変大当たりである場合には8R確変フラグをONにする。その後、本当たり判定処理を終了する。
一方、ステップS30708において、ステップS30706又はステップS30707において振り分けた大当たりの種別が確変大当たりでないと判定した場合には(S30708:NO)、すなわち、振り分けた大当たりの種別が通常大当たりである場合には、ステップS30711に進む。
ステップS30711では、通常大当たり用の停止結果設定処理を実行する。通常大当たり用の停止結果設定処理とは、通常大当たりに当選することとなる今回の遊技回において、第1図柄表示部37a又は第2図柄表示部37bに、いずれの停止結果を表示した状態で変動表示を終了させるかを設定するための処理である。具体的には、停止結果テーブル記憶エリア63eに記憶されている通常大当たり用の停止結果テーブルを参照することで、ステップS30706又はステップS30707において振り分けた大当たりの種別に対応した停止結果データのアドレス情報を取得し、そのアドレス情報をRAM64の停止結果アドレス記憶エリアに記憶する。ステップS30711を実行した後、ステップS30712に進む。
ステップS30712では、ステップS30706又はステップS30707において振り分けた大当たりの種別に対応したフラグ(大当たり種別フラグ)をONにする。具体的には、16R通常大当たりである場合には16R通常フラグをONにし、8R通常大当たりである場合には8R通常フラグをONにする。その後、本当たり判定処理を終了する。
ステップS30704において、ステップS30702又はステップS30703における当たり抽選の結果が大当たり当選でない場合には(S30704:NO)、ステップS30713に進み、外れ時用の停止結果設定処理を実行する。外れ時用の停止結果設定処理とは、外れ結果となる今回の遊技回において、第1図柄表示部37a又は第2図柄表示部37bに、いずれの停止結果を表示した状態で変動表示を終了させるかを設定するための処理である。具体的には、停止結果テーブル記憶エリア63eにおける外れ時用の停止結果テーブルを参照することで、実行エリアAEに記憶されている大当たり乱数カウンタC1の値に対応した停止結果データのアドレス情報を取得し、そのアドレス情報をRAM64の停止結果アドレス記憶エリアに記憶する。ステップS30713を実行した後、本当たり判定処理を終了する。
以上説明したように、本態様によれば、電力の供給の開始に伴って実行されるメイン処理(図103)において、主側RAM64の設定情報記憶領域に記憶されている設定情報に対応した低確率モード用の当否テーブルを主側ROM63の当否テーブル記憶領域から読み出し、読み出した低確率モード用の当否テーブルを主側RAM64の当否テーブル記憶領域に書き込む当否テーブル設定処理(図103:ステップS30123)を実行し、当たり判定処理(図109)において、主側RAM64の当否テーブル記憶領域に記憶されている低確率モード用の当否テーブルを参照するので、当たり判定処理を実行する際に設定情報を参照しなくてもよい。したがって、例えば、設定情報がノイズ等の影響によって管理者の意図しない他の値に書き換わってしまった場合であっても、書き換わる前の設定情報に対応した低確率モード用の当否テーブルに基づいて、当たり判定処理を実行することができる。したがって、ノイズ等の影響を受けにくいパチンコ機10を提供することができる。
なお、本態様では、高確率モード用の当否テーブルについては、設定情報に関わらず1種類の高確率モード用の当否テーブルを用いる構成としたが、この構成に代えて、高確率モード用の当否テーブルについても、6段階の設定情報のそれぞれに対応した6種類の高確率モード用の当否テーブルを用いる構成としてもよい。この構成を採用する場合には、メイン処理において、主側RAM64の設定情報記憶領域に記憶されている設定情報に対応した高確率モード用の当否テーブルを主側ROM63の当否テーブル記憶領域から読み出し、読み出した高確率モード用の当否テーブルを主側RAM64の当否テーブル記憶領域に書き込み、当たり判定処理において、高確率モード中である場合には、主側RAM64の当否テーブル記憶領域に記憶されている高確率モード用の当否テーブルを参照する構成とすればよい。このような構成によれば、高確率モード中の場合にも、同様に、当たり判定処理を実行する際に設定情報を参照しなくてもよい。したがって、例えば、設定情報がノイズ等の影響によって管理者の意図しない他の値に書き換わってしまった場合であっても、書き換わる前の設定情報に対応した高確率モード用の当否テーブルに基づいて、当たり判定処理を実行することができる。したがって、ノイズ等の影響を受けにくいパチンコ機10を提供することができる。
また、本態様では、電力の供給の開始に伴って実行されるメイン処理(図103)において、当否テーブル設定処理(ステップS30123)を必ず実行する構成を採用したが、この構成に代えて、当否テーブル設定処理を、設定変更処理(設定変更モード)(ステップS30118)において設定情報が変更されたことを契機として実行し、設定変更処理(設定変更モード)が実行されない場合や設定変更処理(設定変更モード)が実行されても設定情報が変更されなかった場合には当否テーブル設定処理を実行しない構成としてもよい。すなわち、当否テーブル設定処理は、主側RAM64の当否テーブル記憶領域に記憶されている当否テーブルが設定情報に対応している場合には実行する必要はなく、少なくとも設定情報が変更されたことを契機として実行する構成とすればよい。
<態様111>
上記各態様のうち、設定変更モード及び設定確認モードを実行可能な構成において、設定変更モードの実行中の期間のうち、当該設定変更モードが開始してから、変更中の設定情報を確定させるまでの期間は、情報表示部45zの右端7セグメント表示器45z4のDP発光部が点滅した状態となっており、設定情報の確定後から当該設定変更モードが終了するまでの2秒間の期間は、当該DP発光部が点灯した状態となる構成としてもよい。また、設定確認モードの実行中の期間は、情報表示部45zの右端7セグメント表示器45z4のDP発光部が点灯した状態となっている構成としてもよい。以下、具体的に説明する。
図110は、第1実施形態の態様111における情報表示部45zに設定情報が表示されている様子を示す説明図である。図110(A)及び図110(B)は、設定変更モードの実行中における情報表示部45zの表示態様を示す説明図である。図110(A)及び図110(B)に示すように、本態様における設定変更モードの実行中においては、情報表示部45zの左3つの7セグメント表示器(左端7セグメント表示器45z1、左中7セグメント表示器45z2及び右中7セグメント表示器45z3)は、実行中のモードの種別情報を表示する種別情報表示エリアとして機能し、設定変更モードの実行中であることを示す「set.」という文字列を表示する。そして、情報表示部45zの右端7セグメント表示器45z4は、設定情報の数値情報を表示する数値情報表示エリアとして機能し、抽選設定の設定情報の数値情報を表示する。
ここで、設定変更モードは2つの期間によって構成されており、具体的には、設定情報を変更可能な期間であって設定変更モードが開始してから設定情報が確定するまでの期間である変更期間と、設定情報を変更不可能な期間であって設定情報が確定してから設定変更モードが終了するまでの確定期間とによって構成されている。
そして、本態様では、図110(A)に示すように、設定変更モードの変更期間においては、右端7セグメント表示器45z4は、現在選択されている設定情報の数値情報を表示し、当該右端7セグメント表示器45z4のDP発光部は、点滅した状態となっている。図110(A)に示した例では、右端7セグメント表示器45z4は、現在選択されている設定情報の数値情報として「1」という数値を表示しており、当該右端7セグメント表示器45z4のDP発光部は、点滅した状態となっている。
その後、管理者等が設定用の鍵(鍵穴)をON側からOFF側に回して設定情報を確定させると、設定変更モードは変更期間から確定期間に移行し、図110(B)に示すように、右端7セグメント表示器45z4のDP発光部は、点滅した状態から点灯した状態に移行し、当該点灯した状態を2秒間継続した後、情報表示部45zの4つの7セグメント表示器45z1~45z4は消灯状態となり、設定変更モードを終了する。図110(B)に示した例では、右端7セグメント表示器45z4は、確定された設定情報の数値情報として「2」という数値を表示しており、当該右端7セグメント表示器45z4のDP発光部は、点滅した状態となっている。
すなわち、右端7セグメント表示器45z4のDP発光部は、設定変更モードの実行中の期間のうち、設定変更モードが開始されてから、設定用の鍵(鍵穴)がOFF側にされて設定情報が確定されるまでの変更期間においては点滅した状態となっており、設定変更モードの実行中の期間のうち、管理者等によって設定用の鍵(鍵穴)がON側からOFF側に回されて設定情報が確定してから、当該設定変更モードが終了するまでの2秒間の確定期間においては点灯した状態となっている。
次に、設定確認モードにおける情報表示部45zの表示態様について説明する。
図110(C)は、設定確認モードの実行中における情報表示部45zの表示態様を示す説明図である。図110(C)に示すように、本態様における設定確認モードの実行中においては、情報表示部45zの左3つの7セグメント表示器(左端7セグメント表示器45z1、左中7セグメント表示器45z2及び右中7セグメント表示器45z3)は、実行中のモードの種別情報を表示する種別情報表示エリアとして機能し、設定確認モードの実行中であることを示す「sec.」という文字列を表示する。そして、情報表示部45zの右端7セグメント表示器45z4は、設定情報の数値情報を表示する数値情報表示エリアとして機能し、現在設定されている設定情報の数値情報を表示する。図110(C)に示した例では、右端7セグメント表示器45z4は、現在設定されている設定情報の数値情報として「2」という数値を表示しており、当該右端7セグメント表示器45z4のDP発光部は、点灯した状態となっている。
次に、本態様の主側MPU62が実行する処理の一例について具体的に説明する。
本態様の主側MPU62は、メイン処理とタイマ割込み処理とを実行する。本態様の主側MPU62が実行するメイン処理及びタイマ割込み処理の内容は、態様110において説明したメイン処理(図103)及びタイマ割込み処理(図104)と同じであるが、メイン処理(図103)における設定変更処理(ステップS30118)及び設定確認処理(ステップS30112)の詳細(サブルーチン)が異なっている。したがって、以下では、本態様の主側MPU62が実行する設定変更処理及び設定確認処理の詳細(サブルーチン)について説明する。
図111は、第1実施形態の態様111の主側MPU62(主側CPU62x)が実行する設定変更処理を示すフローチャートである。この設定変更処理は、図103のステップS30118のサブルーチンとして実行される。
ステップS30801では、設定変更モードを開始したことを示すコマンドである設定変更モード開始コマンドを音声発光制御装置90に送信する。音声発光制御装置90は、設定変更モード開始コマンドを受信すると、設定変更モードが開始されたことを報知する処理を実行する。具体的には、本態様では、「設定変更モードを開始しました」といった音声をスピーカー46から出力させ、その後、「設定変更モード中です」といった音声をスピーカー46から繰り返し出力させる。また、音声発光制御装置90は、設定変更モード開始コマンドを受信すると、設定変更モード中であることを示す情報を図柄表示装置41に表示させる。具体的には、本態様では、音声発光制御装置90は、「設定変更モード中です」といった文字列を図柄表示装置41に表示させるためのコマンドを表示制御装置100に送信し、当該コマンドを受信した表示制御装置100は、「設定変更モード中です」といった文字列を図柄表示装置41に表示させる。また、音声発光制御装置90は、設定変更モード開始コマンドを受信すると、各種ランプ47を最大輝度による点灯と消灯とを交互に繰り返して点滅するように制御する。
なお、設定変更モード開始コマンドを音声発光制御装置90に送信した後に、設定変更モードを開始したことを示す情報を外部端子を介して遊技ホールのホールコンピュータに送信する構成としてもよい。この場合、設定変更モードを開始したことを示す情報を受信したホールコンピュータは、管理画面に設定変更モード中のパチンコ機10の情報を表示する構成としてもよい。ステップS30801を実行した後、ステップS30802に進む。
ステップS30802では、主側RAM64における設定変更中フラグをONにする。設定変更中フラグは、上述したように、設定変更処理(設定変更モード)が開始されたことを示すフラグであるとともに、当該設定変更処理(設定変更モード)がまだ終了していないことを示すフラグである。ステップS30802を実行した後、ステップS30803に進む。
ステップS30803では、設定変更開始時初期設定処理を実行する。設定変更開始時初期設定処理では、設定変更処理を開始するにあたって必要な初期設定を実行する。また、本態様では、設定変更開始時初期設定処理において、RAM異常フラグがONであるか否かを判定し、当該RAM異常フラグがONであると判定した場合には、当該RAM異常フラグをOFFにする。ステップS30803を実行した後、ステップS30804に進む。
ステップS30804では、主側RAM64に記憶されている抽選設定の設定情報を読み込み、更新用設定情報として保存する。具体的には、本態様では、主側RAM64の設定情報記憶領域に記憶されている抽選設定の設定情報を読み込み、当該読み込んだ設定情報を、主側RAM64の設定情報記憶領域以外の他の領域である更新用設定情報記憶領域にコピーする。ステップS30804を実行した後、ステップS30805に進む。
ステップS30805では、主側RAM64の更新用設定情報記憶領域に記憶されている更新用設定情報を読み込み、当該読み込んだ更新用設定情報を情報表示部45zに表示させるための制御を開始する。具体的には、上述したように、情報表示部45zの左端7セグメント表示器45z1、左中7セグメント表示器45z2及び右中7セグメント表示器45z3の左3つの7セグメント表示器に、設定変更モードの実行中であることを示す「set.」という文字列の点灯表示を開始させ、右端7セグメント表示器45z4に、更新用設定情報の点灯表示を開始させるとともに当該右端7セグメント表示器45z4のDP発光部の点滅表示を開始させる。このようにして、上述した変更期間が開始される。ステップS30805を実行した後、ステップS30806に進む。
ステップS30806では、更新用設定情報が所定の範囲内の数値であるか否かを判定する。本態様では、パチンコ機10に設定される設定情報は「1」から「6」までの6段階であるため、更新用設定情報が「1」から「6」までの範囲内の数値であるか否かを判定する。ステップS30806において、更新用設定情報が所定の範囲内の数値であると判定した場合には(ステップS30806:YES)、ステップS30808に進む。一方、ステップS30806において、更新用設定情報が所定の範囲内の数値ではないと判定した場合(ステップS30806:NO)、例えば、更新用設定情報として「0」や「7」が格納されている場合や、ノイズ等によって数値以外の情報が格納されている場合には、ステップS30807に進み、更新用設定情報を初期値に変更する。本態様では、更新用設定情報に初期値として「1」を格納する。その後、ステップS30808に進む。
ステップS30808では、設定用の鍵(鍵穴)がON側からOFF側に移行したか否かを判定する。具体的には、本態様では、設定用の鍵(鍵穴)がON側になっている期間中はHighレベルを示す信号であって、設定用の鍵(鍵穴)がOFF側になっている期間中はLowレベルを示す信号を監視しており、当該信号がHighレベルからLowレベルに立ち下がる立下がりエッジを検出した場合に、設定用の鍵(鍵穴)がOFF側になったと判定する。ステップS30808において、設定用の鍵(鍵穴)がON側からOFF側に移行していないと判定した場合には(ステップS30808:NO)、ステップS30809に進み、設定変更用ボタンが押下されたか否かを判定する。ステップS30809において、設定変更用ボタンが押下されたと判定した場合には(ステップS30809:YES)、ステップS30810に進み、更新用設定情報を更新する。具体的には、更新用設定情報として格納されている数値情報に1を加算する。ただし、更新用設定情報として格納されている数値情報が「6」である状況において設定変更用ボタンが押下された場合には当該数値情報は「1」に更新される。その後、上述したステップS30806に戻り、更新した更新用設定情報が所定の範囲内の数値であるか否かを判定する。一方、ステップS30809において、設定変更用ボタンが押下されていないと判定した場合には(ステップS30809:NO)、ステップS30810の処理を実行することなく、上述したステップS30806に戻り、更新用設定情報が所定の範囲内の数値であるか否かを判定する。
上述したステップS30808において、設定用の鍵(鍵穴)がON側からOFF側に移行したと判定した場合には(ステップS30808:YES)、ステップS30811に進む。
ステップS30811では、主側RAM64に記憶されている更新用設定情報を読み込み、設定情報として保存する。具体的には、本態様では、主側RAM64の更新用設定情報記憶領域に記憶されている更新用設定情報を読み込み、当該読み込んだ更新用設定情報を、主側RAM64の設定情報記憶領域にコピーする。ステップS30811を実行した後、ステップS30812に進み、右端7セグメント表示器45z4に、設定情報の点灯表示を開始させるとともに当該右端7セグメント表示器45z4のDP発光部の表示態様を点滅表示から点灯表示に切り替える。その後、ステップS30813に進み、ウェイト処理を実行する。ウェイト処理では、2秒間、次の処理に進まずに待機する。この結果、情報表示部45zの左端7セグメント表示器45z1、左中7セグメント表示器45z2及び右中7セグメント表示器45z3の左3つの7セグメント表示器に「set.」という文字列が点灯表示された状態、及び、右端7セグメント表示器45z4に、確定した設定情報が点灯表示されるとともに当該右端7セグメント表示器45z4のDP発光部が点灯表示された状態が2秒間継続する。この2秒間が上述した確定期間である。その後、ステップS30814に進み、設定情報を情報表示部45zに表示させるための制御を終了する。具体的には、情報表示部45zを構成する4つの7セグメント表示器45z1~45z4を消灯状態に移行させる。その後、ステップS30815に進む。
ステップS30815では、第1RAMクリア処理を実行する。第1RAMクリア処理では、主側RAM64の設定情報記憶領域に記憶されている抽選設定の設定情報以外の情報を消去する。この第1RAMクリア処理が実行されると、上述した設定変更中フラグも消去される(OFFとなる)。ステップS30815を実行した後、ステップS30816に進む。
ステップS30816では、設定変更モードを終了したことを示すコマンドである設定変更モード終了コマンドを音声発光制御装置90に送信する。後述するように、音声発光制御装置90は、設定変更モード終了コマンドを受信すると、設定変更モードが終了されたことを報知する処理を実行する。具体的には、本態様では、スピーカー46からの「設定変更モード中です」といった音声の出力を終了させ、「設定変更モードを終了しました」といった音声をスピーカー46から出力させる。また、図柄表示装置41や各種ランプ47における設定変更モード中であることを報知する制御を終了させる。
なお、設定変更モード終了コマンドを音声発光制御装置90に送信した後、設定変更モードを終了したことを示す情報を外部端子を介して遊技ホールのホールコンピュータに送信する構成としてもよい。この場合、設定変更モードを終了したことを示す情報を受信したホールコンピュータは、管理画面に当該パチンコ機10の設定変更モードが終了したことを示す情報を表示する構成としてもよい。
ステップS30816を実行した後、本設定変更処理を終了する。なお、設定変更報知終了処理を実行した後、変更後の抽選設定の設定情報を外部端子を介して遊技ホールのホールコンピュータに送信する構成とし、当該情報を受信したホールコンピュータは、管理画面に当該パチンコ機10の変更後の抽選設定の設定情報を表示する構成としてもよい。
次に、本態様の設定確認処理の詳細について説明する。
図112は、第1実施形態の態様111の主側MPU62(主側CPU62x)が実行する設定確認処理を示すフローチャートである。この設定確認処理は、図103のステップS30112のサブルーチンとして実行される。
ステップS30901では、設定確認モードを開始したことを示すコマンドである設定確認モード開始コマンドを音声発光制御装置90に送信する。音声発光制御装置90は、設定確認モード開始コマンドを受信すると、設定確認モードが開始されたことを報知する処理を実行する。具体的には、本態様では、「設定確認モードを開始しました」といった音声をスピーカー46から出力させ、その後、「設定確認モード中です」といった音声をスピーカー46から繰り返し出力させる。また、音声発光制御装置90は、設定確認モード開始コマンドを受信すると、設定確認モード中であることを示す情報を図柄表示装置41に表示させる。具体的には、本態様では、音声発光制御装置90は、「設定確認モード中です」といった文字列を図柄表示装置41に表示させるためのコマンドを表示制御装置100に送信し、当該コマンドを受信した表示制御装置100は、「設定確認モード中です」といった文字列を図柄表示装置41に表示させる。また、音声発光制御装置90は、設定確認モード開始コマンドを受信すると、各種ランプ47を最大輝度による点灯と消灯とを交互に繰り返して点滅するように制御する。
なお、設定確認モード開始コマンドを音声発光制御装置90に送信した後、設定確認モードを開始したことを示す情報を外部端子を介して遊技ホールのホールコンピュータに送信する構成としてもよい。この場合、設定確認モードを開始したことを示す情報を受信したホールコンピュータは、管理画面に設定確認モード中のパチンコ機10の情報を表示する構成としてもよい。ステップS30901を実行した後、ステップS30902に進む。
ステップS30902では、主側RAM64における設定確認中フラグをONにする。設定確認中フラグは、上述したように、設定確認処理(設定確認モード)が開始されたことを示すフラグであるとともに、当該設定確認処理(設定確認モード)がまだ終了していないことを示すフラグである。ステップS30902を実行した後、ステップS30903に進む。
ステップS30903では、主側RAM64の設定情報記憶領域に記憶されている抽選設定の設定情報を情報表示部45zに表示させるための制御を開始する。具体的には、上述したように、情報表示部45zの左端7セグメント表示器45z1、左中7セグメント表示器45z2及び右中7セグメント表示器45z3の左3つの7セグメント表示器に、設定確認モードの実行中であることを示す「sec.」という文字列の点灯表示を開始させ、右端7セグメント表示器45z4に、設定情報の点灯表示を開始させるとともに当該右端7セグメント表示器45z4のDP発光部の点灯表示を開始させる。ステップS30903を実行した後、ステップS30904に進む。
ステップS30904では、設定用の鍵(鍵穴)がON側からOFF側に移行したか否かを判定する。具体的には、本態様では、設定用の鍵(鍵穴)がON側になっている期間中はHighレベルを示す信号であって、設定用の鍵(鍵穴)がOFF側になっている期間中はLowレベルを示す信号を監視しており、当該信号がHighレベルからLowレベルに立ち下がる立下がりエッジを検出した場合に、設定用の鍵(鍵穴)がON側からOFF側に移行したと判定する。ステップS30904において、設定用の鍵(鍵穴)がON側からOFF側に移行していないと判定した場合には(ステップS30904:NO)、再びステップS30904を実行する。一方、ステップS30904において、設定用の鍵(鍵穴)がON側からOFF側に移行したと判定した場合には(ステップS30904:YES)、ステップS30905に進む。すなわち、設定用の鍵(鍵穴)がON側からOFF側に移行するまでは無限ループを繰り返してステップS30905に進まず、設定用の鍵(鍵穴)がON側からOFF側に移行するとステップS30905に進む。
ステップS30905では、抽選設定の設定情報を情報表示部45zに表示させるための制御を終了する。具体的には、情報表示部45zを構成する4つの7セグメント表示器45z1~45z4を消灯状態に移行させる。この結果、情報表示部45zの左端7セグメント表示器45z1、左中7セグメント表示器45z2及び右中7セグメント表示器45z3の左3つの7セグメント表示器に「sec.」という文字列が点灯表示された状態、及び、右端7セグメント表示器45z4に設定情報が点灯表示されるとともに当該右端7セグメント表示器45z4のDP発光部が点灯表示された状態が、設定確認モードが開始されてから、設定用の鍵(鍵穴)がOFF側に移行するまで継続する。ステップS30905を実行した後、ステップS30906に進む。
ステップS30906では、主側RAM64における設定変更中フラグをOFFにする。その後、ステップS30907に進む。
ステップS30907では、設定確認モードを終了したことを示すコマンドである設定確認モード終了コマンドを音声発光制御装置90に送信する。後述するように、音声発光制御装置90は、設定確認モード終了コマンドを受信すると、設定確認モードが終了されたことを報知する処理を実行する。具体的には、本態様では、スピーカー46からの「設定確認モード中です」といった音声の出力を終了させ、「設定確認モードを終了しました」といった音声をスピーカー46から出力させる。また、図柄表示装置41や各種ランプ47における設定確認モード中であることを報知する制御を終了させる。
なお、設定確認モード終了コマンドを音声発光制御装置90に送信した後、設定確認モードを終了したことを示す情報を外部端子を介して遊技ホールのホールコンピュータに送信する構成としてもよい。この場合、設定確認モードを終了したことを示す情報を受信したホールコンピュータは、管理画面に当該パチンコ機10の設定確認モードが終了したことを示す情報を表示する構成としてもよい。ステップS30907を実行した後、本設定確認処理を終了する。
以上説明したように、本態様によれば、右端7セグメント表示器45z4のDP発光部の表示態様は、設定変更モードの変更期間においては点滅表示になっており、確定期間に移行後は点灯表示に移行する。また、右端7セグメント表示器45z4のDP発光部の表示態様は、設定確認モードにおいては点灯表示になっている。したがって、本態様によれば、少なくとも2つの表示態様になり得る右端7セグメント表示器45z4のDP発光部を用いるだけで、現在実行中のモードが設定変更モードであるのか又は設定確認モードであるのかを管理者に明確に認識させることができるとともに、設定変更モードにおいて変更中の設定情報が確定して変更期間から確定期間に移行したことを管理者に明確に認識させることができることができる。また、本態様によれば、設定変更モードの確定期間及び設定確認モードは、いずれも設定情報の変更が不可能な状態であり、かつ、右端7セグメント表示器45z4のDP発光部の表示態様が点灯表示になっている。したがって、管理者は、右端7セグメント表示器45z4のDP発光部の表示態様が点灯表示になっているということは、設定情報の変更が不可能な状態であるという認識を持つことができる。
<態様112>
上記各態様のうち、設定変更モードを実行可能な構成において、電源投入時にパチンコ機10を設定変更モードで起動させると、当該パチンコ機10の正面から視認可能な位置に設けられている所定のLEDランプが点灯し、当該パチンコ機10への電力の供給が断たれるまで当該LEDランプの点灯状態が継続する構成としてもよい。この構成によれば、パチンコ機10の管理者が、遊技ホールの営業時間中に、設定変更モードで起動させていないはずのパチンコ機10において当該LEDランプが点灯状態となっていることを確認した場合に、管理者以外の他の者(例えば不正な者、ゴト師)によって当該パチンコ機10が不正に設定変更モードで起動させられたのではないかと認識することが可能となる。以下、具体的に説明する。
図113は、態様112における遊技盤30の正面図である。図3に示した遊技盤30との相違点は、メイン表示部45の近傍に、LEDによって構成された設定変更モード実行ランプ45xが設けられている点である。この設定変更モード実行ランプ45xは、当該パチンコ機10が設定変更モードで起動した場合(設定変更処理が実行された場合)に点灯状態となり、当該設定変更モードが終了して遊技の進行が可能な状態に移行した後であっても、当該点灯状態を維持するように構成されている。
図114は、態様112におけるパチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。図42に示したパチンコ機10との主な相違点は、主側MPU62の入出力ポートに45xに、上述した設定変更モード実行ランプ45xが接続されている点である。すなわち、本態様では、設定変更モード実行ランプ45xは、音声発光制御装置90等のサブ側の制御装置ではなく、遊技を司る主制御装置60によって制御されるように構成されている。
図115は、態様112の主側MPU62(主側CPU62x)が電源ON時に実行するメイン処理を示すフローチャートである。図103に示した態様110のメイン処理との相違点は、ステップS12417における処理と、ステップS12418の設定変更処理(設定変更モード)との間において、設定変更モード実行ランプ点灯処理(ステップS12417b)を実行する点である。すなわち、本態様では、設定変更処理(設定変更モード)が実行される場合には、当該設定変更処理(設定変更モード)の実行に先立って、設定変更モード実行ランプ点灯処理(ステップS12417b)が実行されるように構成されている。
ステップS12417bの設定変更モード実行ランプ点灯処理では、上述した設定変更モード実行ランプ45xを点灯させる処理を実行する。そして、設定変更モード実行ランプ点灯処理が実行された後、設定変更モード実行ランプ45xは点灯状態を維持する。ステップS12417bを実行した後、上述したステップS12418の設定変更処理(設定変更モード)に進む。
したがって、本態様では、メイン処理において設定変更処理(設定変更モード)が実行される場合には、設定変更処理(設定変更モード)の実行開始直前から設定変更モード実行ランプ45xが点灯状態となり、当該設定変更処理(設定変更モード)の終了後も、設定変更モード実行ランプ45xは点灯状態を維持することになる。この結果、当該パチンコ機10への電力の供給が断たれるまで設定変更モード実行ランプ45xの点灯状態が継続する。一方、メイン処理において設定変更処理(設定変更モード)が実行されない場合には、設定変更モード実行ランプ45xは点灯せず、消灯状態が継続する。
以上説明したように、本態様によれば、設定変更モード実行ランプ45xは、設定変更モードが実行される場合に点灯状態になるので、管理者は、設定変更モード実行ランプ45xが点灯状態になっているか否かを確認することによって、当該パチンコ機10において設定変更モードが実行されているのか否かを確認することが可能となる。そして、管理者は、例えば、電力の供給が開始された際に設定変更モードが実行されないはずのパチンコ機10において設定変更モード実行ランプ45xが点灯状態になっていることを確認した場合には、管理者以外の者(例えばゴト師)によって設定変更モードが実行されるように当該パチンコ機10に対して何かしらの不正がなされたのではないかと認識することができる。
また、本態様によれば、設定変更モード実行ランプ45xは、設定変更モードが終了した後も点灯状態を維持するので、管理者は、電力の供給が開始された際に当該パチンコ機10において設定変更モードが実行されたのか否かを当該設定変更モードが終了した後においても確認することが可能となる。そして、管理者は、例えば、電力の供給が開始された際に設定変更モードが実行されていないはずのパチンコ機10において設定変更モード実行ランプ45xが点灯状態になっていることを確認した場合には、管理者以外の者(例えばゴト師)によって設定変更モードが実行されるように当該パチンコ機10に対して何かしらの不正がなされたのではないかと認識することができる。
また、本態様によれば、設定変更モード実行ランプ45xは、当該パチンコ機10の正面から視認可能な位置に設けられているので、管理者は、例えば、営業中の遊技ホールにおいて、パチンコ機10の背面側に移動しなくても、遊技者が往来する通路を巡回するだけで、設定変更モード実行ランプ45xの表示態様を確認することができる。
なお、本態様では、設定変更モード実行ランプ45xは、当該設定変更モードの開始に先立って点灯状態となる構成としたが、この構成に代えて、当該設定変更モードの終了後に点灯状態となって当該点灯状態を維持する構成としてもよい。このような構成としても、管理者は、電力の供給が開始された際に当該パチンコ機10において設定変更モードが実行されたのか否かを確認することが可能となる。そして、管理者は、例えば、電力の供給が開始された際に設定変更モードが実行されていないはずのパチンコ機10において設定変更モード実行ランプ45xが点灯状態になっていることを確認した場合には、管理者以外の者(例えばゴト師)によって設定変更モードが実行されるように当該パチンコ機10に対して何かしらの不正がなされたのではないかと認識することができる。
また、本態様では、設定変更モード実行ランプ45xは、当該設定変更モードの終了後も点灯状態を維持する構成としたが、この構成に代えて、当該設定変更モードの終了後は消灯状態に移行する構成としてもよい。このような構成としても、当該パチンコ機10において設定変更モードが実行中であるか否かを当該パチンコ機10の正面から確認することができる。
また、本態様では、設定変更モードが実行される場合に点灯状態となる設定変更モード実行ランプ45xが設けられている構成としたが、設定変更モード以外の他の特定の処理が実行される場合に点灯状態となる発光ランプが設けられている構成としてもよい。このような構成としても、管理者は、例えば、特定の処理が実行されていないはずのパチンコ機10において当該発光ランプが点灯状態になっていることを確認した場合には、管理者以外の者(例えばゴト師)によって当該特定の処理が実行されるように当該パチンコ機10に対して何かしらの不正がなされたのではないかと認識することができる。
<態様113>
上記各態様のうち、設定変更モードを実行可能な構成であって、遊技履歴情報としてベース(通常モード中)、役物比率、連続役物比率を算出・表示する構成において、設定変更モードが実行されて設定情報が変更された場合には、当該設定情報が変更されたことを契機として、遊技履歴情報を算出するための基礎となる遊技履歴基礎情報のうち、役物比率及び連続役物比率を算出するために必要となる遊技履歴基礎情報は消去し、ベース(通常モード中)を算出するために必要となる遊技履歴基礎情報は消去しない構成としてもよい。
以下、本態様の具体的な構成の説明に先立って、各遊技履歴情報の特性について説明する。
設定変更モードにおいて抽選設定の設定情報が変更されると、当たり抽選において大当たりに当選する確率が変わるため、特別電動役物としての可変入賞装置36が動作する頻度が変わり、この結果、設定情報が変更される前と後で役物比率及び連続役物比率の収束する値が変わることになる。すなわち、役物比率及び連続役物比率は、設定情報の変更の影響を受ける遊技履歴情報であるといえる。そして、設定情報が変更された後に役物比率及び連続役物比率を算出する場合には、設定情報が変更される前の遊技履歴基礎情報は算出の基礎としないことが好ましいといえる。
一方、設定変更モードにおいて抽選設定の設定情報が変更されても、ベース(通常モード中)の収束する値は変わらない。すなわち、ベース(通常モード中)は、設定情報の変更の影響を受けない遊技履歴情報であるといえる。また、ベース(通常モード中)は、通常モード中における各入球口(一般入賞口や始動口)への遊技球の入球のし易さ、すなわち、当該パチンコ機10の遊技盤30の性能を表しているといえるため、遊技盤30における釘や一般入賞口等の構成に変化が無ければ、設定変更モードにおいて抽選設定の設定情報が変更されたとしても、同じ値に収束することになる。したがって、ベース(通常モード中)は、設定情報の変更の有無に関わらず長期間にわたって蓄積された多くのデータに基づいて算出することによって、より精度の高い収束値を算出することが好ましいといえる。
以下では、遊技履歴情報のうち、設定情報の変更の影響を受けないベース(通常モード中)等の遊技履歴情報を特に「第1種遊技履歴情報」とも呼び、設定情報の変更の影響を受ける役物比率、連続役物比率等の遊技履歴情報を特に「第2種遊技履歴情報」とも呼ぶ。また、ベース(通常モード中)を単に「ベース」とも呼ぶ。
ここで、本態様では、設定変更モードにおいて設定情報が変更された場合には、遊技履歴基礎情報のうち、第2種遊技履歴情報の算出の基礎となる遊技履歴基礎情報は消去し、第1種遊技履歴情報の算出の基礎となる遊技履歴基礎情報は消去しない構成とする。なお、第1種遊技履歴情報(ベース)の算出の基礎となる遊技履歴基礎情報は、例えば、通常モード時における各入球口への遊技球の入球個数であり、第2種遊技履歴情報(役物比率・連続役物比率)の算出の基礎となる遊技履歴基礎情報は、例えば、遊技状態を区別せずに記憶した各入球口への遊技球の入球個数である。
以上説明したように、本態様によれば、設定情報の変更を契機として、遊技履歴基礎情報のうち、第2種遊技履歴情報の算出の基礎となる遊技履歴基礎情報は消去するので、設定情報の変更前の遊技履歴基礎情報と設定情報の変更後の遊技履歴基礎情報とが並存してしまい、設定情報の変更前と変更後の両方の遊技履歴基礎情報に基づいて第2種遊技履歴情報が算出されてしまうことを抑制することができるとともに、新たに記憶すべき設定情報の変更後の遊技履歴基礎情報の記憶容量を確保することができる。一方、設定情報の変更を契機として、遊技履歴基礎情報のうち、第1種遊技履歴情報の算出の基礎となる遊技履歴基礎情報は消去しないので、設定情報の変更の有無に関わらず消去されずに長期間にわたって蓄積された遊技履歴基礎情報に基づいて精度の高い第1種遊技履歴情報を算出することができる。したがって、管理者や検査者は、設定情報の変更後の遊技履歴基礎情報に基づいた第2種遊技履歴情報を確認することができるとともに、長期間にわたって蓄積された遊技履歴基礎情報に基づいた精度の高い第1種遊技履歴情報を確認することが可能となる。
<態様114>
上記各態様のうち、設定変更モードを実行可能な構成であって、遊技履歴情報としてベース、役物比率、連続役物比率を算出・表示する構成において、設定情報の変更の影響を受けないベース(第1種遊技履歴情報)は設定情報の変更を境界とした区間(期間)毎に分けずに算出し、設定情報の変更の影響を受ける役物比率及び連続役物比率(第2種遊技履歴情報)は設定情報の変更を境界とした区間(期間)毎に分けて算出する構成としてもよい。このような構成によれば、管理者や検査者は、区間を分けない広い範囲(期間)から算出された精度の高いベース(第1種遊技履歴情報)を確認することができるとともに、設定情報の変更の影響を受ける役物比率、連続役物比率(第2種遊技履歴情報)については、設定情報の変更を境界とした区間毎に分けて確認することが可能となる。
<態様115>
上記各態様のうち、設定変更モードを実行可能な構成であって、遊技履歴情報としてベース、役物比率、連続役物比率を算出・表示する構成において、設定情報が変更された場合に、遊技履歴基礎情報は消去するにもかかわらず、当該遊技履歴基礎情報に基づいて算出された遊技履歴情報は消去しない構成としてもよい。このような構成によれば、新たに記憶すべき遊技履歴基礎情報のための記憶容量を確保することができるとともに、管理者や検査者は、設定情報が変更される前の遊技履歴基礎情報であって消去済みの遊技履歴基礎情報に基づいて算出された遊技履歴情報(すなわち、設定情報が変更される前の遊技履歴情報)を、当該遊技履歴情報の算出の基礎となった遊技履歴基礎情報が消去された後(すなわち、設定情報が変更された後)にも確認することが可能となる。
なお、遊技履歴基礎情報を消去する契機としては、設定情報が変更されたこと以外にも、他の条件を採用することができる。例えば、計測した排出通路通過個数NOUTが60000個に達したことを契機として、遊技履歴基礎情報を消去する構成としてもよい。このような構成によれば、新たに記憶すべき遊技履歴基礎情報のための記憶容量を確保することができるとともに、管理者や検査者は、計測した排出通路通過個数NOUTが60000個に達した毎に算出された遊技履歴情報を、当該遊技履歴情報の算出の基礎となった遊技履歴基礎情報が消去された後にも確認することが可能となる。
<態様116>
上記各態様のうち、設定変更モードを実行可能な構成であって、遊技履歴情報としてベース、役物比率、連続役物比率を算出・表示する構成において、以下に説明する構成を採用してもよい。以下、本態様の構成について具体的に説明する。
本態様では、主側RAM64の第2エリアには、所定の連続したアドレスによって指定される特定の記憶領域が設けられており、主側CPU62xは、設定変更モードにおいて設定情報が変更された場合には、主側RAM64の第2エリアの特定の記憶領域に記憶されている情報は消去し、主側RAM64の第2エリアの特定の記憶領域以外の記憶領域に記憶されている情報は消去しないように構成されている。なお、主側RAM64の第2エリアは、上述したように、遊技履歴情報を算出・表示するための処理(遊技履歴用処理)を実行するためのプログラムや各種の数値情報(賞球集計値や入球個数情報等の遊技履歴基礎情報、ベースや役物比率、連続役物比率等の遊技履歴情報)を記憶する領域として用いられる記憶領域である。
そして、本態様では、主側CPU62xは、遊技の進行に伴って取得する遊技履歴基礎情報のうち、第2種遊技履歴情報(役物比率、連続役物比率)の算出の基礎となる第2種遊技履歴基礎情報を主側RAM64の第2エリアの特定の記憶領域に記憶させ、第1種遊技履歴情報(ベース)の算出の基礎となる第1種遊技履歴基礎情報を主側RAM64の第2エリアの特定の記憶領域以外の記憶領域に記憶させる。
したがって、本態様によれば、設定情報が変更された際に、主側RAM64の第2エリアに記憶されている遊技履歴基礎情報に対して、消去する遊技履歴基礎情報であるのか消去しない遊技履歴基礎情報であるのかといった判別をしなくても、一括で、設定情報の変更の影響を受ける第2種遊技履歴情報の算出の基礎となる第2種遊技履歴基礎情報を消去し、設定情報の変更の影響を受けない第1種遊技履歴情報の算出の基礎となる第2種遊技履歴基礎情報を消去せずに残すことができる。すなわち、設定情報の変更を契機として遊技履歴基礎情報を消去する際における、消去する遊技履歴基礎情報と消去しない遊技履歴基礎情報とを判別する処理を省略することができ、処理の簡易化を図ることができる。
また、本態様によれば、設定情報が変更された場合に情報が消去される主側RAM64の第2エリアの特定の記憶領域は、所定の連続したアドレスによって指定される記憶領域であるので、主側RAM64の第2エリアの特定の記憶領域に記憶されている第2種遊技履歴基礎情報を一括で消去する処理をさらに簡易化することができる。
なお、本態様では、設定情報が変更された場合に情報が消去される主側RAM64の第2エリアの特定の記憶領域は、所定の連続したアドレスによって指定される記憶領域であったが、所定の連続したアドレスによって指定される記憶領域であることは必須ではなく、離散したアドレスによって指定される記憶領域であってもよい。
<態様117>
上記の各態様のうち、遊技履歴情報を算出・表示する構成において、所定の期間における各入球部への遊技球の入球個数を遊技履歴情報の算出の基礎としない(算出に用いない)構成としてもよい。以下、この所定の期間を「非計測期間」とも呼ぶ。この構成において、例えば、遊技盤30を開放状態として入賞口や始動口等に遊技球を直接入球させて当該パチンコ機10が正常に動作するか否かの動作検査を非計測期間内に行なうようにすれば、当該動作検査の影響が遊技履歴情報に及ばないようにすることができる。この結果、管理者や検査者は、当該動作検査の影響が及ばない正確な遊技履歴情報を確認することが可能となる。
具体的には、例えば、非計測期間として、パチンコ機10への電力の供給が開始されてから当該電力の供給が開始された後に計測された排出通路通過個数NOUTが所定の個数(例えば300個)に達するまでの期間を採用した場合には、上述したパチンコ機10の動作検査を、当該パチンコ機10への電力の供給が開始された直後に行なうことによって、当該動作検査の影響が遊技履歴情報に及ばないようにすることができる。この結果、管理者が、動作検査の影響を受けた遊技履歴情報を確認し、パチンコ機10に不具合等が発生してしまったのではないかといった誤解をしてしまうことを抑制することができる。
また、例えば、非計測期間として、パチンコ機10が設定変更モードで起動してから、当該設定変更モードの終了後に計測された排出通路通過個数NOUTが所定の個数(例えば300個)に達するまでの期間を採用した場合には、上述したパチンコ機10の動作検査を、当該パチンコ機10の設定変更モードが終了した直後に行なうことによって、当該動作検査の影響が遊技履歴情報に及ばないようにすることができる。この結果、管理者が、動作検査の影響を受けた遊技履歴情報を確認し、パチンコ機10に不具合等が発生してしまったのではないかといった誤解をしてしまうことを抑制することができる。
また、例えば、非計測期間として、所定のスイッチが押下されている期間を採用した場合には、管理者は、当該スイッチを押下することによって非計測期間を任意のタイミングで開始させることができるので、上述したパチンコ機10の動作検査の影響が遊技履歴情報に及ばないようにしつつ、任意のタイミングで当該動作検査を行なうことが可能となる。
なお、非計測期間としては、他の様々な期間を採用することができる。例えば、RAMクリア処理が実行されてから当該RAMクリア処理が実行された後に計測された排出通路通過個数NOUTが所定の個数(例えば300個)に達するまでの期間や、パチンコ機10に電力の供給が開始されてから所定時間(例えば10分)が経過するまでの期間等を採用することができる。
<態様118>
上記の各態様のうち、算出した遊技履歴情報を情報表示部45zに表示させる構成において、情報表示部45zと主制御基板61との間に、情報表示部45zの表示制御を実行する情報表示部駆動用IC45yが設けられている構成としてもよい。以下、具体的な構成の一例について説明する。
図116は、第1実施形態の態様118におけるパチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。上述したように、本態様では、情報表示部45zと主制御基板61との間に、情報表示部45zを構成する4個の7セグメント表示器45z1、45z2、45z3、45z4の表示制御を実行する情報表示部駆動用IC45yが設けられている。その他の構成は、図114に示したパチンコ機10の電気的構成と同じである。
主制御基板61に設けられた主側MPU62は、電源投入時のメイン処理(図103)を実行した後、タイマ割込み処理(図104)を4ms毎に実行する。タイマ割込み処理には遊技履歴用処理(ステップS30216)が含まれており、遊技履歴用処理では、情報表示部45zに表示すべき遊技履歴情報を算出し、算出した遊技履歴情報の種別及び数値に関する情報を表示制御用IC45yに送信する。すなわち、主側MPU62は、4ms毎に、情報表示部45zに表示すべき遊技履歴情報を算出し、算出した遊技履歴情報の種別及び数値に関する情報を表示制御用IC45yに送信する。
情報表示部駆動用IC45yは、主側MPU62から遊技履歴情報の種別及び数値に関する情報を受信すると、当該受信した遊技履歴情報の種別及び数値に関する情報が情報表示部45zに表示されるように4個の7セグメント表示器45z1、45z2、45z3、45z4を制御するとともに、情報表示部45zが表示している態様を、主側MPU62から新たに遊技履歴情報の種別及び数値に関する情報を受信するまで保持するように4個の7セグメント表示器45z1、45z2、45z3、45z4を制御する。
具体的には、例えば、情報表示部駆動用IC45yは、主側MPU62から遊技履歴情報の種別及び数値に関する情報として「b6.35」といった情報を受信すると、情報表示部45zに「b6.35」といった文字列が表示されるように4個の7セグメント表示器45z1、45z2、45z3、45z4を制御するとともに、主側MPU62から新たに遊技履歴情報の種別及び数値に関する情報を受信するまでは、情報表示部45zが現在表示している「b6.35」といった文字列を保持するように、4個の7セグメント表示器45z1、45z2、45z3、45z4を制御する。
すなわち、本態様では、仮に、主側MPU62が新たに遊技履歴情報の種別及び数値に関する情報を送信することができない状態となった場合であっても、情報表示部駆動用IC45yが設けられているため、情報表示部45zは、情報表示部駆動用IC45yが主側MPU62から最後に受信した遊技履歴情報の種別及び数値に関する情報に基づいた表示態様を維持することが可能となる。
なお、主側MPU62が新たに遊技履歴情報の種別及び数値に関する情報を送信することができない状態とは、例えば、態様110において説明したように、不正検知処理(図104:ステップS30215)において異常な磁気や揺れを検知して遊技停止フラグがONとなり、タイマ割込み処理において遊技履歴用処理(ステップS30216)の実行が回避されている状態である。
以上説明したように、本態様によれば、情報表示部45zの表示態様を主側MPU62から次の遊技履歴情報が送信されるまで維持する情報表示部駆動用IC45yを備えるので、主側MPU62から次の遊技履歴情報が送信されるまで、当該次の遊技履歴情報の前に送信された遊技履歴情報を情報表示部45zに表示させ続けることができる。例えば、主側MPU62から一の遊技履歴情報が出力された後に、当該一の遊技履歴情報の次の遊技履歴情報が送信されるまでは、情報表示部45zに当該一の遊技履歴情報が表示され続けることになる。したがって、例えば、遊技機の管理者や検査者は、主側MPU62から一の遊技履歴情報が出力された後に遊技停止フラグがONになって次の遊技履歴情報が送信されない状況であっても、当該一の遊技履歴情報が情報表示部45zに表示され続けるので、情報表示部45zに表示され続けている当該一の遊技履歴情報を確認することができる。
また、本態様によれば、遊技履歴情報を検査者に検査されたくない管理者が、異常な磁気や揺れを故意に発生させて遊技停止フラグをONにさせて遊技履歴用処理の実行を回避させ、主側MPU62から次の遊技履歴情報が送信されないようにし、情報表示部45zに遊技履歴情報が表示されないようにしようとしたとしても、情報表示部駆動用IC45yが情報表示部45zの表示態様を維持するので、遊技停止フラグがONになる前に送信された遊技履歴情報が情報表示部45zに表示され続けることになる。したがって、本態様によれば、検査者は、情報表示部45zに表示され続けている遊技履歴情報であって遊技停止フラグがONになる前に主側MPU62から送信された遊技履歴情報を確認することができる。
<態様119>
上記の各態様のうち、算出した遊技履歴情報及び抽選設定の設定情報を情報表示部45zに表示させる構成において、当該パチンコ機10において生じた不具合に関する情報(例えばエラーコード)を情報表示部45zに表示させる構成としてもよい。以下、具体的な構成の一例について説明する。
本態様では、パチンコ機10において生じた不具合の内容に対応したエラーコードが予め設定されており、当該パチンコ機10において不具合の発生が検知されると、主側RAM64に設けられた不具合情報記憶領域に当該不具合に対応したエラーコードが記憶される。そして、主側RAM64にエラーコードが記憶されると、情報表示部45zに当該エラーコードを表示させるための信号が送信され、情報表示部45zは、遊技履歴情報の代わりに当該エラーコードを表示し、当該エラーコードに対応した不具合が解消されたことを示す信号を受信するまで当該エラーコードの表示を継続する。
また、本態様では、主制御装置60と払出制御装置70は相互通信可能に構成されており、主側RAM64の不具合情報記憶領域には、当該パチンコ機10の主制御装置60において生じた不具合に対応するエラーコードだけでなく、払出制御装置70又は払出装置71において生じた不具合に対応するエラーコードも記憶される。具体的には、本態様では、払出制御装置70は、当該払出制御装置70又は払出装置71において不具合が生じた場合には、当該生じた不具合の内容に対応したエラーコードを主制御装置60に送信する。そして、払出制御装置70からエラーコードを受信した主制御装置60は、当該受信したエラーコードを主側RAM64の不具合情報記憶領域に書き込む。これにより、払出装置71又は当該払出制御装置70において生じた不具合に対応したエラーコードが遊技履歴情報の代わりに情報表示部45zに表示されることになる。
なお、払出制御装置70又は払出装置71において生じる不具合としては、例えば、遊技球が払出装置71の内部通路で詰まって正常に遊技球を払い出すことができないといった不具合や、払い出し中の遊技球の個数を計測器(センサー)が計測することができないといった不具合、払い出される遊技球が通過する内部通路の開放と閉鎖を制御する弁が正常に動作しないといった不具合等を挙げることができる。そして、例えば、本態様では、内部通路の開放と閉鎖を制御する弁が正常に動作しないといった不具合については、「E.341」といったエラーコードが対応しており、当該不具合が発生した場合には、図117に示すように、当該エラーコードが情報表示部45zに表示される。
また、本態様では、パチンコ機10の背面側の情報表示部45zの近傍にエラー表示ボタン(図示は省略)が設けられており、主側RAM64の不具合情報記憶領域には、直近に発生した所定回数分(例えば10回分)の不具合に対応したエラーコードが記憶されている。そして、情報表示部45zに遊技履歴情報が表示されている状況において上述したエラー表示ボタンが押下されると、所定時間(例えば10秒間)、遊技履歴情報の代わりに、直近に発生した不具合に対応したエラーコードが情報表示部45zに表示される。そして、エラーコードが表示されている期間中に再度エラー表示ボタンが押下される毎に、過去に発生した不具合に対応したエラーコードが1つずつ過去に遡って情報表示部45zに順次表示される。なお、エラーコードが表示されている期間中にエラー表示ボタンが押下されずに所定時間が経過した場合には、再び遊技履歴情報が情報表示部45zに表示される。
以上説明したように、本態様によれば、情報表示部45zは、遊技履歴情報を表示するための信号を受信可能に構成されているとともに、エラーコードを表示するための信号を受信可能に構成されているので、情報表示部45zは、遊技履歴情報だけでなくエラーコードも表示することが可能となる。したがって、遊技履歴情報を表示可能な情報表示部45zを備えるパチンコ機10においては、エラーコードを表示するための別の表示手段を設けなくてもよいため、パチンコ機10の製造コストを低減することができる。
また、本態様によれば、情報表示部45zは、払出制御装置70又は払出装置71において生じた不具合に対応するエラーコードを表示するための信号を受信可能に構成されているので、情報表示部45zは、払出制御装置70又は払出装置71において生じた不具合に対応するエラーコードも表示することが可能となる。したがって、遊技履歴情報を表示可能な情報表示部45zを備えるパチンコ機10においては、払出制御装置70又は払出装置71において生じた不具合に対応するエラーコードを表示するための別の表示手段を設けなくてもよいため、パチンコ機10の製造コストを低減することができる。
なお、情報表示部45zにエラーコードを表示させる構成としては種々の構成を採用することができ、例えば、以下の構成を採用することができる。
・不具合が発生した時点から所定時間(例えば5分間)が経過するまで当該不具合に対応したエラーコードを遊技履歴情報の代わりに情報表示部45zに表示させ、当該所定時間の経過後は当該不具合が解消していなくても当該エラーコードの表示を終了して遊技履歴情報の表示を再開する構成
この構成によれば、不具合が解消するまで遊技履歴情報を確認することができないといった事態の発生を回避することができる。
・エラー表示ボタンが押下されている期間においてのみ直近に発生した不具合に対応したエラーコードを遊技履歴情報の代わりに情報表示部45zに表示させる構成
この構成によれば、管理者は、エラー表示ボタンを押下することによって、直近に発生した不具合に対応したエラーコードを任意のタイミングで確認することができるとともに、確認が終了した後はエラー表示ボタンの押下を止めることによって遊技履歴情報を速やかに情報表示部45zに表示させることができる。
・パチンコ機10への電力の供給が開始されてから遊技の進行が可能となるまでの期間において、直近に発生した所定回数分(例えば10回分)の不具合に対応したエラーコードを情報表示部45zに順次表示させる構成
この構成によれば、管理者は、遊技の進行が可能となるまでの期間を利用して当該パチンコ機10において発生した不具合を把握することが可能となる。
<態様120>
上記各態様のうち、設定変更モードを実行可能な構成において、電源投入時やデモ画面を表示中に、図柄表示装置41の表示画面やスピーカー46を用いて、当該パチンコ機10を設定変更モードとして起動させる方法や手順を報知する構成としてもよい。また、設定変更モードの実行中に、当該設定変更モードにおいて設定情報を変更させる方法や、設定情報を確定させる方法、設定変更モードを終了させる方法を、図柄表示装置41の表示画面やスピーカー46を用いて報知する構成としてもよい。このような構成によれば、当該パチンコ機10を設定変更モードとして起動させる方法や設定変更モードにおける操作方法を熟知していない管理者であっても、当該パチンコ機10を適切に管理することが可能となる。
また、上記各態様のうち、設定確認モードを実行可能な構成において、電源投入時やデモ画面を表示中に、図柄表示装置41の表示画面やスピーカー46を用いて、当該パチンコ機10を設定確認モードとして起動させる方法や手順を報知する構成としてもよい。また、設定確認モードの実行中に、設定変更モードを終了させる方法を、図柄表示装置41の表示画面やスピーカー46を用いて報知する構成としてもよい。このような構成によれば、当該パチンコ機10を設定確認モードとして起動させる方法や設定確認モードを終了させる方法を熟知していない管理者であっても、当該パチンコ機10を適切に管理することが可能となる。
<態様121>
上記各態様において、電源投入後に各種の報知処理を実行する構成としてもよい。以下、具体的に説明する。
はじめに、電源投入後にRAMクリア処理が実行された場合における各種の報知処理について説明する。
本態様では、上述したように、設定用の鍵がOFFの状態(又は設定用の鍵が挿入されていない状態)であり、かつ、RAMクリアボタンがONの状態において、パチンコ機10の電源スイッチがONにされると(電力の供給が開始されると)、当該パチンコ機10の主制御装置60は、主側RAM64に記憶されている情報を消去する(クリアする)処理であるRAMクリア処理を実行する。そして、主制御装置60においてRAMクリア処理が終了すると、パチンコ機10のサブ側の制御装置である音声発光制御装置90は、RAMクリア処理が実行されたことを報知するための処理であるRAMクリア報知処理Aを開始し、開始から30秒経過後に当該RAMクリア報知処理Aを終了する。
本態様では、RAMクリア報知処理Aは、「RAMがクリアされました」といった音声をスピーカー46から繰り返し出力させ、各種ランプ47のうち、フルカラー(RGB)LEDランプについては最大輝度で赤色に点灯させ、単色LEDランプについては最大輝度で点灯させ、図柄表示装置41の表示面41aに「RAMがクリアされました」といった文字列を最上位のレイヤーに赤文字で表示させる処理である。
なお、本態様では、音声発光制御装置90は、報知態様の異なる3種類のRAMクリア報知処理(RAMクリア報知処理A、B1、B2)を実行可能に構成されている。上述したRAMクリア報知処理Aは、設定変更モードが実行されたことを契機とせずにRAMクリア処理が単独で実行された場合に実行される報知処理である。RAMクリア報知処理B1は、後述するように、設定変更モードが実行されたことを契機としてRAMクリア処理が実行され、かつ、当該RAMクリア処理の前に実行された設定変更モードにおいて設定情報が変更されていなかった場合に実行される報知処理である。RAMクリア報知処理B2は、後述するように、設定変更モードが実行されたことを契機としてRAMクリア処理が実行され、かつ、当該RAMクリア設定変更モードにおいて設定情報が変更されていた場合に実行される報知処理である。
また、本態様では、主制御装置60は、RAMクリア処理が終了した後、割込みを許可し、タイマ割込み処理を定期的に繰り返し実行する。そして、タイマ割込み処理に含まれる一処理として、扉監視処理を実行する。扉監視処理は、枠開放スイッチ及び扉開放スイッチの状態を監視することによって、内枠13及び前扉枠14が閉鎖状態であるのか開放状態であるのかを監視する処理である。そして、音声発光制御装置90は、枠開放スイッチ及び扉開放スイッチの少なくとも一方がONの状態(内枠13及び前扉枠14の少なくとも一方が開放した状態)であると扉監視処理において判定されている期間中に、内枠13及び前扉枠14の少なくとも一方が開放した状態であることを報知するための処理である扉開放報知処理を実行する。
本態様では、扉開放報知処理は、「扉が開いています」といった音声及び枠開放音をスピーカー46から交互に繰り返し出力させ、各種ランプ47のうち、フルカラー(RGB)LEDランプについては最大輝度による赤色の点灯と消灯とを繰り返させ、単色LEDランプについては最大輝度による点灯と消灯とを繰り返させ、図柄表示装置41の表示面41aに「扉が開いています」といった文字列を最上位のレイヤーに赤文字で表示させる処理である。
また、本態様では、内枠13及び前扉枠14の少なくとも一方が開放した状態であったとしても、主制御装置60が扉監視処理を含むタイマ割込み処理の実行を開始する前の段階(例えばRAMクリア処理が終了するまでの段階)では、音声発光制御装置90は扉開放報知処理を実行しない。さらに、本態様では、音声発光制御装置90は、他の優先すべき報知処理が実行されている場合には、当該他の優先すべき報知処理の実行を優先し、内枠13及び前扉枠14の少なくとも一方が開放した状態であったとしても、扉開放報知処理を実行しないように構成されている。他の優先すべき報知処理には、例えば、上述したRAMクリア報知処理や、後述する設定確認モード終了後報知処理、RAM異常報知処理等が含まれる。
次に、電源投入後にRAMクリア処理が実行された場合における処理の流れの一例について説明する。
図118は、電源投入後にRAMクリア処理が実行された場合における処理の流れの一例を示すタイミングチャートである。この図118には、RAMクリア処理の実行の有無と、設定変更モードの実行の有無と、設定確認モードの実行の有無と、枠開放スイッチの状態と、扉開放スイッチの状態と、報知処理の種別とが示されている。なお、上述したように、枠開放スイッチは、内枠13が開放状態である場合にONとなっているスイッチであり、扉開放スイッチは、前扉枠14が開放状態である場合にONとなっているスイッチである。
図118に示すように、パチンコ機10にRAMクリア処理を実行させようとする管理者は、内枠13を開放してパチンコ機10の背面側に設けられたRAMクリアボタン及び電源スイッチにアクセス可能な状態とし、設定用の鍵をOFFの状態(又は設定用の鍵が挿入されていない状態)とし、かつ、RAMクリアボタンをONの状態として、当該パチンコ機10の電源スイッチをONにする(時刻t1)。
電源スイッチがONにされると、パチンコ機10に電力の供給が開始され、パチンコ機10の主制御装置60は、RAMクリア処理を開始する(時刻t2)。
RAMクリア処理が終了すると、パチンコ機10の音声発光制御装置90は、上述したRAMクリア報知処理Aを開始する(時刻t3)。
RAMクリア報知処理Aの開始から30秒が経過すると、音声発光制御装置90は、RAMクリア報知処理Aを終了する(時刻t4)。このとき、枠開放スイッチがONとなっている(内枠13が開放状態となっている)ので、音声発光制御装置90は、上述した扉開放報知処理を開始する(時刻t4)。
その後、管理者によって内枠13が閉鎖状態とされて枠開放スイッチがOFFになると、音声発光制御装置90は、扉開放報知処理を終了する(時刻t5)。
なお、上述したように、RAMクリア処理が終了するまでは、主制御装置60において扉監視処理が開始されていないので、音声発光制御装置90は、内枠13及び前扉枠14の少なくとも一方が開放した状態であったとしても、扉開放報知処理を実行しない。また、優先すべき報知処理であるRAMクリア報知処理Aが終了するまでは、音声発光制御装置90は、内枠13及び前扉枠14の少なくとも一方が開放した状態であったとしても、扉開放報知処理を実行しない。
次に、電源投入後に設定変更モードが実行された場合における各種の報知処理について説明する。
本態様では、上述したように、設定用の鍵がONの状態であり、かつ、RAMクリアボタンがONの状態であり、かつ、枠開放スイッチ及び扉開放スイッチの両方がONの状態(内枠13及び前扉枠14の両方が開放した状態)において、パチンコ機10の電源スイッチがONにされると(電力の供給が開始されると)、当該パチンコ機10の主制御装置60は、設定変更モード(設定変更処理)を開始する。設定変更モードは、管理者等が設定変更ボタンを押下することによって当該パチンコ機10の設定情報を変更することが可能なモードである。
そして、主制御装置60において設定変更モードが開始されると、パチンコ機10のサブ側の制御装置である音声発光制御装置90は、設定変更モードが実行中であることを報知するための処理である設定変更モード実行中報知処理を開始する。この設定変更モード実行中報知処理は、主制御装置60において設定変更モードが終了するまで継続される。
本態様では、設定変更モード実行中報知処理は、「設定変更中です」といった音声をスピーカー46から繰り返し出力させ、各種ランプ47のうち、フルカラー(RGB)LEDランプについては最大輝度で赤色に点灯させ、単色LEDランプについては最大輝度で点灯させ、図柄表示装置41の表示面41aに「設定変更中」といった文字列を黒背景に白文字といった表示態様で表示させる処理である。
その後、管理者等によって設定用の鍵がOFFの状態にされると、主制御装置60は、設定変更モードを終了し、音声発光制御装置90は、設定変更モード実行中報知処理を終了する。
その後、主制御装置60は、設定変更モードが終了したことを契機としてRAMクリア処理を実行する。音声発光制御装置90は、主制御装置60においてRAMクリア処理が終了すると、RAMクリア処理の前に実行されていた設定変更モードにおいて設定情報が変更されていなかった場合にはRAMクリア報知処理B1を、設定変更モードにおいて設定情報が変更されていた場合にはRAMクリア報知処理B2を開始し、開始から30秒経過後にRAMクリア報知処理B1又はB2を終了する。
本態様では、RAMクリア報知処理B1は、「設定は変更されませんでした。RAMがクリアされました」といった音声をスピーカー46から繰り返し出力させ、各種ランプ47のうち、フルカラー(RGB)LEDランプについては最大輝度で赤色に点灯させ、単色LEDランプについては最大輝度で点灯させ、図柄表示装置41の表示面41aに「設定は変更されませんでした。RAMがクリアされました」といった文字列を最上位のレイヤーに赤文字で表示させる処理である。
また、本態様では、RAMクリア報知処理B2は、「設定が変更されました。RAMがクリアされました」といった音声をスピーカー46から繰り返し出力させ、各種ランプ47のうち、フルカラー(RGB)LEDランプについては最大輝度で赤色に点灯させ、単色LEDランプについては最大輝度で点灯させ、図柄表示装置41の表示面41aに「設定が変更されました。RAMがクリアされました」といった文字列を最上位のレイヤーに赤文字で表示させる処理である。
次に、電源投入後に設定変更モードが実行された場合における処理の流れの一例について説明する。
図119は、電源投入後に設定変更モードが実行され、当該設定変更モードにおいて設定情報が変更されなかった場合における処理の流れの一例を示すタイミングチャートである。
図119に示すように、パチンコ機10に設定変更モードを実行させようとする管理者は、内枠13を開放してパチンコ機10の背面側に設けられたRAMクリアボタン、設定用の鍵穴、設定変更ボタン及び電源スイッチにアクセス可能な状態とし、設定用の鍵をONの状態とし、かつ、RAMクリアボタンをONの状態とし、かつ、内枠13及び前扉枠14が開放した状態(枠開放スイッチ及び扉開放スイッチの両方がONの状態)として、当該パチンコ機10の電源スイッチをONにする(時刻t1)。
電源スイッチがONにされると、パチンコ機10に電力の供給が開始され、パチンコ機10の主制御装置60は、設定変更モードを開始する(時刻t2)。音声発光制御装置90は、主制御装置60において設定変更モードが開始されると、上述した設定変更モード実行中報知処理を開始する(時刻t2)。管理者は、設定変更モードにおいて、設定変更ボタンを押下することによって設定情報を変更することが可能である。この図119では、管理者が設定変更モードにおいて設定情報を変更しなかった場合が示されている。
管理者が設定用の鍵をOFF側に回すと、主制御装置60は、設定変更モードを終了し、RAMクリア処理を実行する(時刻t3)。音声発光制御装置90は、主制御装置60において設定変更モードが終了すると、設定変更モード実行中報知処理を終了し(時刻t3)、主制御装置60においてRAMクリア処理が終了すると、上述したRAMクリア報知処理B1を開始する(時刻t4)。
RAMクリア報知処理B1の開始から30秒が経過すると、音声発光制御装置90は、RAMクリア報知処理B1を終了する(時刻t5)。このとき、枠開放スイッチ及び扉開放スイッチの両方がONとなっている(内枠13及び前扉枠14の両方が開放状態となっている)ので、音声発光制御装置90は、上述した扉開放報知処理を開始する(時刻t5)。
その後、管理者によって内枠13が閉鎖状態とされて枠開放スイッチがOFFになり(時刻t6)、さらに、前扉枠14が閉鎖状態とされて扉開放スイッチがOFFになる(時刻t7)と、音声発光制御装置90は、扉開放報知処理を終了する(時刻t7)。
なお、上述したように、RAMクリア処理が終了するまでは、主制御装置60において扉監視処理が開始されていないので、音声発光制御装置90は、内枠13及び前扉枠14の少なくとも一方が開放した状態であったとしても、扉開放報知処理を実行しない。また、優先すべき報知処理であるRAMクリア報知処理B1が終了するまでは、音声発光制御装置90は、内枠13及び前扉枠14の少なくとも一方が開放した状態であったとしても、扉開放報知処理を実行しない。
図120は、電源投入後に設定変更モードが実行され、当該設定変更モードにおいて設定情報が変更された場合における処理の流れの一例を示すタイミングチャートである。
図119に示した例との違いは、管理者が設定変更モードにおいて設定情報を変更して当該設定変更モードを終了させた点と、音声発光制御装置90がRAMクリア処理の終了を契機として、上述したRAMクリア報知処理B2を実行している点であり、他の点は同じである。すなわち、本態様では、設定変更モードにおいて設定情報が変更された場合には、RAMクリア処理の終了を契機として、上述したRAMクリア報知処理B2が実行されることになる。
次に、電源投入後に設定確認モードが実行された場合における各種の報知処理について説明する。
本態様では、上述したように、設定用の鍵がONの状態であり、かつ、RAMクリアボタンがOFFの状態であり、かつ、枠開放スイッチ及び扉開放スイッチの両方がONの状態(内枠13及び前扉枠14の両方が開放した状態)において、パチンコ機10の電源スイッチがONにされると(電力の供給が開始されると)、当該パチンコ機10の主制御装置60は、設定確認モード(設定確認処理)を開始する。設定確認モードは、管理者等が当該パチンコ機10の設定情報を変更することはできないが設定情報を確認することが可能なモードであり、具体的には、設定確認モードの実行中には、パチンコ機10の背面側に設けられた情報表示部45zに設定情報が表示される。
そして、主制御装置60において設定確認モードが開始されると、パチンコ機10のサブ側の制御装置である音声発光制御装置90は、設定確認モードが実行中であることを報知するための処理である設定確認モード実行中報知処理を開始する。この設定確認モード実行中報知処理は、主制御装置60において設定確認モードが終了するまで継続される。
本態様では、設定確認モード実行中報知処理は、「設定確認中です」といった音声をスピーカー46から繰り返し出力させ、各種ランプ47のうち、フルカラー(RGB)LEDランプについては最大輝度で赤色に点灯させ、単色LEDランプについては最大輝度で点灯させ、図柄表示装置41の表示面41aに「設定確認中」といった文字列を黒背景に白文字といった表示態様で表示させる処理である。
その後、管理者等によって設定用の鍵がOFFの状態にされると、主制御装置60は、設定確認モードを終了し、音声発光制御装置90は、設定確認モード実行中報知処理を終了し、設定確認モードが終了したことを報知する設定確認モード終了後報知処理を開始する。そして、音声発光制御装置90は、設定確認モード終了後報知処理の開始から30秒経過後に当該設定確認モード終了後報知処理を終了する。
本態様では、設定確認モード終了後報知処理は、「設定確認モードが終了しました」といった音声をスピーカー46から繰り返し出力させ、各種ランプ47のうち、フルカラー(RGB)LEDランプについては最大輝度で赤色に点灯させ、単色LEDランプについては最大輝度で点灯させ、図柄表示装置41の表示面41aに「設定確認モードが終了しました」といった文字列を最上位のレイヤーに赤文字で表示させる処理である。
なお、本態様では、主制御装置60は、設定確認モードが終了した後、割込みを許可し、タイマ割込み処理を定期的に繰り返し実行する。すなわち、上述した扉監視処理は、設定確認モードが終了するまでは開始されない。
次に、電源投入後に設定確認モードが実行された場合における処理の流れの一例について説明する。
図121は、電源投入後に設定確認モードが実行された場合における処理の流れの一例を示すタイミングチャートである。
図121に示すように、パチンコ機10に設定確認モードを実行させようとする管理者は、内枠13を開放してパチンコ機10の背面側に設けられた設定用の鍵穴及び電源スイッチにアクセス可能な状態とし、設定用の鍵をONの状態とし、かつ、RAMクリアボタンをOFFの状態とし、かつ、内枠13及び前扉枠14が開放した状態(枠開放スイッチ及び扉開放スイッチの両方がONの状態)として、当該パチンコ機10の電源スイッチをONにする(時刻t1)。
電源スイッチがONにされると、パチンコ機10に電力の供給が開始され、パチンコ機10の主制御装置60は、設定確認モードを開始する(時刻t2)。音声発光制御装置90は、主制御装置60において設定確認モードが開始されると、上述した設定確認モード実行中報知処理を開始する(時刻t2)。管理者は、設定確認モードにおいて、情報表示部45zに表示された設定情報を確認することが可能である。
管理者が設定用の鍵をOFF側に回すと、主制御装置60は、設定確認モードを終了する(時刻t3)。音声発光制御装置90は、主制御装置60において設定確認モードが終了すると、設定確認モード実行中報知処理を終了し(時刻t3)、上述した設定確認モード終了後報知処理を開始する(時刻t3)。
設定確認モード終了後報知処理の開始から30秒が経過すると、音声発光制御装置90は、設定確認モード終了後報知処理を終了する(時刻t4)。このとき、枠開放スイッチ及び扉開放スイッチの両方がONとなっている(内枠13及び前扉枠14の両方が開放状態となっている)ので、音声発光制御装置90は、上述した扉開放報知処理を開始する(時刻t4)。
その後、管理者によって内枠13が閉鎖状態とされて枠開放スイッチがOFFになり(時刻t5)、さらに、前扉枠14が閉鎖状態とされて扉開放スイッチがOFFになる(時刻t6)と、音声発光制御装置90は、扉開放報知処理を終了する(時刻t6)。
なお、上述したように、設定確認モードが終了するまでは、主制御装置60において扉監視処理が開始されていないので、音声発光制御装置90は、内枠13及び前扉枠14の少なくとも一方が開放した状態であったとしても、扉開放報知処理を実行しない。また、優先すべき報知処理である設定確認モード終了後報知処理が終了するまでは、音声発光制御装置90は、内枠13及び前扉枠14の少なくとも一方が開放した状態であったとしても、扉開放報知処理を実行しない。
次に、本態様の主制御装置60の主側MPU62が実行する処理の一例について具体的に説明する。
本態様の主側MPU62は、メイン処理とタイマ割込み処理とを実行する。メイン処理は、電源投入後に実行する処理である。
[メイン処理]
図122は、第1実施形態の態様121の主側MPU62(主側CPU62x)が電源ON時に実行するメイン処理を示すフローチャートである。
ステップS40101では、電源投入に伴う初期設定処理を実行する。具体的には、主側CPU62xのスタックポインタに予め決められた所定値を設定すると共に、サブ側の制御装置(音声発光制御装置90、表示制御装置100、払出制御装置70等)が動作可能な状態になるのを待つために例えば1秒程度、ウェイト処理を実行する。そして、主側RAM64へのアクセスを許可する。その後、ステップS40102に進み、内部機能レジスタの設定処理を実行する。その後、ステップS40103に進む。
ステップS40103では、復電フラグがONであるか否かを判定する。
ここで復電フラグについて説明する。本態様では、パチンコ機10の電源スイッチがOFFにされた場合や停電が発生した場合には、主側CPU62xのレジスタに格納されている各種情報(遊技状態を示す情報や制御情報等)を主側RAM64の所定の領域に退避させる。そして、これらの情報の主側RAM64への退避が完了した場合に、復電フラグをONにするとともに、主側RAM64に記憶されている所定の情報群に基づいて所定の演算を実行することによってRAM判定値(例えばチェックサム値)を算出し、算出したRAM判定値を主側RAM64に記憶する。なお、商用電源からの電源の供給が断たれた後は、コンデンサ等のバックアップ電源からの電源供給に切り替わる。このように、復電フラグは、前回の電源OFF時の状態に復帰させるための情報が主側RAM64に記憶されているか否かを電源投入時に識別するためのフラグである。
ステップS40103において、復電フラグがONであると判定した場合には(ステップS40103:YES)、ステップS40104に進み、主側RAM64に記憶されている所定の情報群に基づいて所定の演算を実行することによってRAM判定値を算出する。本態様では、RAM判定値として、主側RAM64のチェックサム値を算出する。その後、ステップS40105に進み、算出したRAM判定値(チェックサム値)が正常であるか否か、すなわち、算出したRAM判定値(チェックサム値)と主側RAM64に記憶されているRAM判定値(チェックサム値)とが一致するか否かを判定する。ステップS40105において、RAM判定値が正常であると判定した場合には(ステップS40105:YES)、ステップS40106に進む。
ステップS40106では、主側RAM64に記憶されている抽選設定の設定情報を読み込み、設定情報が所定の範囲内の数値であるか否かを判定する。本態様では、パチンコ機10に設定される設定情報は「1」から「6」までの6段階であるため、設定情報が「1」から「6」までの範囲内の数値である場合には、設定情報が所定の範囲内の数値であると判定し、一方、設定情報として「0」や「7」が格納されている場合や、ノイズ等によって数値以外の情報が格納されている場合には、設定情報が所定の範囲内の数値ではないと判定する。ステップS40106において、設定情報が所定の範囲内の数値であると判定した場合には(ステップS40106:YES)、ステップS40107に進む。
一方、上述したステップS40103において復電フラグがONではないと判定した場合(ステップS40103:NO)、上述したステップS40105においてRAM判定値が正常ではないと判定した場合(ステップS40105:NO)、及び、上述したステップS40106において設定情報が所定の範囲内の数値ではないと判定した場合(ステップS40106:NO)には、ステップS40115に進み、RAM異常フラグをONにする。すなわち、RAM異常フラグは、復電フラグがOFFである場合、RAM判定値が正常ではない場合、設定情報が所定の範囲内の数値ではない場合のいずれかの場合にONになるフラグであり、主側RAM64に記憶されている情報が正常ではない状態であることを示すフラグである。
以下では、RAM異常フラグがONにならなかった場合に実行する処理の流れについて説明し、その後、RAM異常フラグがONになった場合に実行する処理の流れについて説明する。
ステップS40107では、設定変更中フラグがONであるか否かを判定する。設定変更中フラグは、後述する設定変更処理(設定変更モード)の開始の際にONとなり、設定変更処理(設定変更モード)の終了の際にOFFになるフラグである。ここで、ステップS40107において設定変更中フラグがONとなっている状況とは、本パチンコ機10の前回の電源投入時に、後述する設定変更処理(設定変更モード)が実行され、当該設定変更処理(設定変更モード)の実行中に当該パチンコ機10の電源スイッチがOFFにされたり停電が発生したことにより、当該設定変更中フラグがONとなったまま維持されている状況である。
ステップS40107において設定変更中フラグがONであると判定した場合には(ステップS40107:YES)、ステップS40118に進み、設定変更処理(設定変更モード)を実行する。設定変更処理(設定変更モード)では、情報表示部45zに抽選設定の設定情報を表示させる処理を実行するとともに、抽選設定の設定情報の変更を受け付ける処理を実行する。すなわち、設定変更モードは、管理者等が当該パチンコ機10の抽選設定の設定情報を変更することが可能なモードである。設定変更処理(設定変更モード)の詳細については後述する。一方、ステップS40107において設定変更中フラグがONではないと判定した場合には(ステップS40107:NO)、ステップS40108に進む。
ステップS40108では、RAMクリアボタンがONであるか否かを判定する。ステップS40108において、RAMクリアボタンがONではないと判定した場合には(ステップS40108:NO)、ステップS40109進み、設定用の鍵、枠開放スイッチ及び扉開放スイッチの全てがONであるか否かを判定する。なお、「設定用の鍵がON」とは、設定用の鍵が設定用の鍵穴に挿入されてON側に位置していることを意味する。また、枠開放スイッチは、内枠13が外枠11に対して開放状態であるときにONとなるスイッチであり、扉開放スイッチは、前扉枠14が内枠13に対して開放状態であるときにONとなるスイッチである。
ステップS40109において、設定用の鍵、枠開放スイッチ及び扉開放スイッチの少なくとも1つがONではないと判定した場合には(ステップS40109:NO)、ステップS40110に進む。
ステップS40110では、設定確認中フラグがONであるか否かを判定する。設定確認中フラグは、後述する設定確認処理(設定確認モード)の開始の際にONとなり、設定確認処理(設定確認モード)の終了の際にOFFになるフラグである。ここで、ステップS40110において設定確認中フラグがONとなっている状況とは、本パチンコ機10の前回の電源投入時に、後述する設定確認処理(設定確認モード)が実行され、当該設定確認処理(設定確認モード)の実行中に当該パチンコ機10の電源スイッチがOFFにされたり停電が発生したことにより、当該設定確認中フラグがONとなったまま維持されている状況である。
ステップS40110において、設定確認中フラグがONではないと判定した場合には(ステップS40110:NO)、ステップS40111に進み、通常起動コマンドを音声発光制御装置90に送信する。通常起動コマンドは、RAM異常であると判定されず、かつ、後述する設定変更処理、設定確認処理、RAMクリア処理のいずれの処理も実行しない通常の状態でパチンコ機10(主制御装置60)が起動したことを示すコマンドである。音声発光制御装置90は、通常起動コマンドを受信すると、当該パチンコ機10が通常の状態で起動したことを報知する処理を実行する。具体的には、本態様では、「通常起動します」といった音声をスピーカー46から出力させる。ステップS40111を実行した後、後述するステップS40113に進む。
一方、上述したステップS40109において設定用の鍵、枠開放スイッチ及び扉開放スイッチの全てがONであると判定した場合(ステップS40109:YES)、及び、ステップS40110において設定確認中フラグがONであると判定した場合には(ステップS40110:YES)、ステップS40112に進む。すなわち、パチンコ機10の電源投入時にRAMクリアボタンがOFFとなっており、かつ、設定用の鍵、枠開放スイッチ及び扉開放スイッチの全てがONである場合、及び、パチンコ機10の前回の電源投入時に設定確認処理(設定確認モード)が実行され、当該設定確認処理(設定確認モード)の実行中に当該パチンコ機10の電源スイッチがOFFにされたり停電が発生したことにより、当該設定確認中フラグがONとなったまま維持されている場合に、ステップS40112に進む。
ステップS40112では、設定確認処理を実行する。設定確認処理(設定確認モード)では、情報表示部45zに現在の抽選設定の設定情報を表示させる処理を実行する。すなわち、設定確認モードは、管理者等が当該パチンコ機10の現在の抽選設定の設定情報を確認することが可能なモードである。設定確認処理(設定確認モード)の詳細については後述する。ステップS40112を実行した後、ステップS40113に進む。
ステップS40113では、前回の電源OFF時の状態に復帰させる復電処理を実行する。具体的には、復電処理では、主側RAM64に保存されたスタックポインタの値を主側CPU62xのスタックポインタに書き込み、主側RAM64に退避されたデータを主側CPU62xのレジスタに復帰させることによって、主側CPU62xのレジスタの状態を電源が遮断される前の状態に復帰させる。ステップS40113を実行した後、ステップS40114に進み、主側RAM64の復電フラグをOFFにする。その後、後述するステップS40123の処理に進む。
一方、上述したステップS40108において、RAMクリアボタンがONであると判定した場合には(ステップS40108:YES)、ステップS40117に進み、設定用の鍵、枠開放スイッチ及び扉開放スイッチの全てがONであるか否かを判定する。ステップS40117において、設定用の鍵、枠開放スイッチ及び扉開放スイッチの全てがONであると判定した場合には(ステップS40117:YES)、上述したステップS40118に進み、上述した設定変更処理(設定変更モード)を実行する。その後、後述するステップS40123に進む。一方、ステップS40117において、設定用の鍵、枠開放スイッチ及び扉開放スイッチの少なくとも1つがONではないと判定した場合には(ステップS40117:NO)、ステップS40119に進む。
ステップS40119では、上述したRAM異常フラグがONであるか否かを判定する。ステップS40119において、RAM異常フラグがONではないと判定した場合には(ステップS40119:NO)、ステップS40120に進み、RAMクリア処理を実行する。RAMクリア処理は、主側RAM64に記憶されている情報のうち、抽選設定の設定情報を除いて消去する(0クリアする)処理である。すなわち、RAMクリア処理が実行されると、遊技状態を示す各種フラグ情報や各種の制御情報等は消去されるが、抽選設定の設定情報は消去されず、設定情報はそのまま維持される。ステップS40120を実行した後、ステップS40121に進み、RAMクリア処理を実行したことを示すコマンドであるRAMクリアコマンドを音声発光制御装置90に送信する。後述するように、音声発光制御装置90は、RAMクリアコマンドを受信すると、上述したRAMクリア報知処理A、B1、B2のいずれかを開始する。ステップS40121を実行した後、後述するステップS40123に進む。
一方、ステップS40119において、RAM異常フラグがONであると判定した場合には(ステップS40119:YES)、ステップS40122に進み、主側RAM64が異常であることを示すコマンドであるRAM異常コマンドを音声発光制御装置90に送信する。後述するように、音声発光制御装置90は、RAM異常コマンドを受信すると、RAM異常報知処理を開始する。ステップS40122を実行した後、ステップS40123に進む。ただし、本説明の流れでは、RAM異常フラグはONになっていないため、上述したステップS40122には進まない。
ステップS40123では、情報表示部45zを構成する全ての発光部(セグメント発光部A~G及びDP発光部)を点灯、点滅させる処理である点灯点滅処理を実行する。点灯点滅処理では、情報表示部45zを構成する全ての発光部を所定時間(例えば3秒間)点灯させ、その後、所定時間(例えば2秒間)同期して点滅させる。ステップS40123を実行した後、ステップS40124に進む。
ステップS40124では、タイマ割込み処理の発生を許可する割込み許可設定を実行する。その後、無限ループを繰り返して待機するとともに、後述するタイマ割込み処理が定期的に(本態様では4ms毎に)実行される。
次に、ステップS40115においてRAM異常フラグがONになった場合に実行する処理の流れについて説明する。
上述したように、ステップS40103において復電フラグがONではないと判定した場合(ステップS40103:NO)、ステップS40105においてRAM判定値が正常ではないと判定した場合(ステップS40105:NO)、及び、ステップS40106において設定情報が所定の範囲内の数値ではないと判定した場合(ステップS40106:NO)には、ステップS40115に進み、RAM異常フラグをONにする。その後、ステップS40116に進む。
ステップS40116では、RAMクリアボタンがONであるか否かを判定する。ステップS40116において、RAMクリアボタンがONであると判定した場合には(ステップS40116:YES)、ステップS40117に進み、設定用の鍵、枠開放スイッチ及び扉開放スイッチの全てがONであるか否かを判定する。ステップS40117において、設定用の鍵、枠開放スイッチ及び扉開放スイッチの全てがONであると判定した場合には(ステップS40117:YES)、上述したステップS40118に進み、上述した設定変更処理(設定変更モード)を実行する。その後、ステップS40122に進む。一方、ステップS40116においてRAMクリアボタンがONではないと判定した場合(ステップS40116:NO)、及び、ステップS40117において設定用の鍵、枠開放スイッチ及び扉開放スイッチの少なくとも1つがONではないと判定した場合(ステップS40117:NO)には、ステップS40119に進む。
ステップS40119では、上述したRAM異常フラグがONであるか否かを判定する。ステップS40119において、RAM異常フラグがONではないと判定した場合には(ステップS40119:NO)、ステップS40120に進み、上述したRAMクリア処理を実行する。ステップS40120を実行した後、ステップS40121に進み、RAMクリア処理を実行したことを示すコマンドであるRAMクリアコマンドを音声発光制御装置90に送信する。ステップS40121を実行した後、ステップS40122に進む。ただし、本説明の流れでは、RAM異常フラグはONになっているため、上述したステップS40120には進まない。
一方、ステップS40119において、RAM異常フラグがONであると判定した場合には(ステップS40119:YES)、ステップS40122に進み、主側RAM64が異常であることを示すコマンドであるRAM異常コマンドを音声発光制御装置90に送信する。ステップS40122を実行した後、ステップS40123に進む。
ステップS40123では、上述した点灯点滅処理を実行する。ステップS40123を実行した後、ステップS40124に進み、タイマ割込み処理の発生を許可する割込み許可設定を実行する。その後、無限ループ処理を繰り返して待機するとともに、後述するタイマ割込み処理が定期的に(本態様では4ms毎に)実行される。
以上説明したように、本態様においては、設定変更処理(設定変更モード)を実行させるための操作は、RAMクリアスイッチを押下した状態とし(ON状態とし)、かつ、設定用の鍵(鍵穴)、枠開放スイッチ及び扉開放スイッチの全てをONにした状態で、電源スイッチをONにする操作である。また、設定確認処理(設定確認モード)を実行させるための操作は、RAMクリアスイッチを押下していない状態とし(OFF状態とし)、かつ、設定用の鍵(鍵穴)、枠開放スイッチ及び扉開放スイッチの全てをONにした状態で、電源スイッチをONにする操作である。また、RAMクリア処理を実行させるための操作は、RAMクリアスイッチを押下した状態とし(ON状態とし)、かつ、設定用の鍵(鍵穴)、枠開放スイッチ及び扉開放スイッチのいずれかをOFFにした状態で、電源スイッチをONにする操作である。
以下に、上述したメイン処理が実行されることによって実現される処理の流れの一例をまとめて説明する。
・電力の供給が開始された際に、RAM異常フラグをONにすべき条件が成立しているか否かを判定するが(ステップS40103、ステップS40105、ステップS40106)、設定変更処理(設定変更モード)を実行させるための操作が行なわれていた場合には、RAM異常フラグをONにすべき条件が成立しているか否かに関わらず、また、設定確認中フラグの状態に関わらず、設定変更処理(設定変更モード)を実行する(ステップS40118)。
・電力の供給が開始された際に、RAM異常フラグをONにすべき条件が成立しているか否かを判定し(ステップS40103、ステップS40105、ステップS40106)、RAM異常フラグをONにすべき条件が成立していないと判定した場合において、設定変更中フラグがONであると判定した場合には(ステップS40107:YES)、設定変更処理(設定変更モード)を実行させるための操作、設定確認処理(設定確認モード)を実行させるための操作、及び、RAMクリア処理を実行させるための操作が行なわれているか否かに関わらず、設定変更処理(設定変更モード)を実行する(ステップS40118)。
・電力の供給が開始された際に、RAM異常フラグをONにすべき条件が成立しているか否かを判定し(ステップS40103、ステップS40105、ステップS40106)、RAM異常フラグをONにすべき条件が成立していないと判定した場合において、設定変更中フラグがONではないと判定し(ステップS40107:NO)、RAMクリア処理を実行させるための操作が行なわれていた場合には(ステップS40108:YES、ステップS40117:NO、ステップS40119:NO)、設定確認中フラグの状態に関わらず、RAMクリア処理を実行し(ステップS40120)、RAMクリアコマンドを送信する(ステップS40121)。
・電力の供給が開始された際に、RAM異常フラグをONにすべき条件が成立しているか否かを判定し(ステップS40103、ステップS40105、ステップS40106)、RAM異常フラグをONにすべき条件が成立していないと判定した場合において、設定変更中フラグがONではないと判定し(ステップS40107:NO)、設定確認処理(設定確認モード)を実行させるための操作が行なわれていた場合には(ステップS40108:NO、ステップS40109:YES)、設定確認処理(設定確認モード)を実行する(ステップS40112)。
・電力の供給が開始された際に、RAM異常フラグをONにすべき条件が成立しているか否かを判定し(ステップS40103、ステップS40105、ステップS40106)、RAM異常フラグをONにすべき条件が成立していないと判定した場合において、設定変更中フラグがONではないと判定し(ステップS40107:NO)、設定確認処理(設定確認モード)を実行させるための操作が行なわれていない場合であっても、設定確認中フラグがONであった場合には(ステップS40110:YES)、設定確認処理(設定確認モード)を実行する(ステップS40112)。
・電力の供給が開始された際に、RAM異常フラグをONにすべき条件が成立しているか否かを判定し(ステップS40103、ステップS40105、ステップS40106)、RAM異常フラグをONにすべき条件が成立していると判定してRAM異常フラグをONにした場合には(ステップS40115)、RAMクリア処理を実行させるための操作が行なわれていた場合であっても、RAMクリア処理を実行せず、RAM異常コマンドを送信する(ステップS40122)。
・電力の供給が開始された際に、RAM異常フラグをONにすべき条件が成立しているか否かを判定し(ステップS40103、ステップS40105、ステップS40106)、RAM異常フラグをONにすべき条件が成立していると判定してRAM異常フラグをONにした場合には(ステップS40115)、設定確認処理(設定確認モード)を実行させるための操作が行なわれていた場合であっても、設定確認処理(設定確認モード)を実行せず、RAM異常コマンドを送信する(ステップS40122)。
[設定変更処理]
次に、本態様の設定変更処理の詳細について説明する。
図123は、第1実施形態の態様121の主側MPU62(主側CPU62x)が実行する設定変更処理を示すフローチャートである。この設定変更処理は、図122のステップS40118のサブルーチンとして実行される。
ステップS40201では、設定変更モードを開始したことを示すコマンドである設定変更モード開始コマンドを音声発光制御装置90に送信する。音声発光制御装置90は、設定変更モード開始コマンドを受信すると、上述した設定変更モード実行中報知処理を開始する。
なお、設定変更モード開始コマンドを音声発光制御装置90に送信した後に、設定変更モードを開始したことを示す情報を外部端子を介して遊技ホールのホールコンピュータに送信する構成としてもよい。この場合、設定変更モードを開始したことを示す情報を受信したホールコンピュータは、管理画面に設定変更モード中のパチンコ機10の情報を表示する構成としてもよい。ステップS40201を実行した後、ステップS40202に進む。
ステップS40202では、主側RAM64における設定変更中フラグをONにする。設定変更中フラグは、上述したように、設定変更処理(設定変更モード)が開始されたことを示すフラグであるとともに、当該設定変更処理(設定変更モード)がまだ終了していないことを示すフラグである。ステップS40202を実行した後、ステップS40203に進む。
ステップS40203では、設定変更開始時初期設定処理を実行する。設定変更開始時初期設定処理では、設定変更処理を開始するにあたって必要な初期設定を実行する。また、本態様では、設定変更開始時初期設定処理において、RAM異常フラグがONであるか否かを判定し、当該RAM異常フラグがONであると判定した場合には、当該RAM異常フラグをOFFにする。ステップS40203を実行した後、ステップS40204に進む。
ステップS40204では、主側RAM64に記憶されている抽選設定の設定情報を読み込み、更新用設定情報として保存する。具体的には、本態様では、主側RAM64の設定情報記憶領域に記憶されている抽選設定の設定情報を読み込み、当該読み込んだ設定情報を、主側RAM64の設定情報記憶領域以外の他の領域である更新用設定情報記憶領域に記憶する(コピーする)。ステップS40204を実行した後、ステップS40205に進む。
ステップS40205では、主側RAM64の更新用設定情報記憶領域に記憶されている更新用設定情報を読み込み、当該読み込んだ更新用設定情報を情報表示部45zに表示させるための制御を開始する。具体的には、上述したように、情報表示部45zの左端7セグメント表示器45z1、左中7セグメント表示器45z2及び右中7セグメント表示器45z3の左3つの7セグメント表示器に、設定変更モードの実行中であることを示す「set.」という文字列の点灯表示を開始させ、右端7セグメント表示器45z4に、更新用設定情報の点灯表示を開始させるとともに当該右端7セグメント表示器45z4のDP発光部の点滅表示を開始させる。このようにして、上述した変更期間が開始される。ステップS40205を実行した後、ステップS40206に進む。
ステップS40206では、更新用設定情報が所定の範囲内の数値であるか否かを判定する。本態様では、パチンコ機10に設定される設定情報は「1」から「6」までの6段階であるため、更新用設定情報が「1」から「6」までの範囲内の数値であるか否かを判定する。ステップS40206において、更新用設定情報が所定の範囲内の数値であると判定した場合には(ステップS40206:YES)、ステップS40208に進む。一方、ステップS40206において、更新用設定情報が所定の範囲内の数値ではないと判定した場合(ステップS40206:NO)、例えば、更新用設定情報として「0」や「7」が格納されている場合や、ノイズ等によって数値以外の情報が格納されている場合には、ステップS40207に進み、更新用設定情報を初期値に変更する。本態様では、更新用設定情報に初期値として「1」を格納する。その後、ステップS40208に進む。
ステップS40208では、設定用の鍵(鍵穴)がON側からOFF側に移行したか否かを判定する。具体的には、本態様では、設定用の鍵(鍵穴)がON側になっている期間中はHighレベルを示す信号であって、設定用の鍵(鍵穴)がOFF側になっている期間中はLowレベルを示す信号を監視しており、当該信号がHighレベルからLowレベルに立ち下がる立下がりエッジを検出した場合に、設定用の鍵(鍵穴)がOFF側になったと判定する。ステップS40208において、設定用の鍵(鍵穴)がON側からOFF側に移行していないと判定した場合には(ステップS40208:NO)、ステップS40209に進み、設定変更用ボタンが押下されたか否かを判定する。ステップS40209において、設定変更用ボタンが押下されたと判定した場合には(ステップS40209:YES)、ステップS40210に進み、更新用設定情報を更新する。具体的には、更新用設定情報として格納されている数値情報に1を加算する。ただし、更新用設定情報として格納されている数値情報が「6」である状況において設定変更用ボタンが押下された場合には当該数値情報は「1」に更新される。その後、上述したステップS40206に戻り、更新した更新用設定情報が所定の範囲内の数値であるか否かを判定する。一方、ステップS40209において、設定変更用ボタンが押下されていないと判定した場合には(ステップS40209:NO)、ステップS40210の処理を実行することなく、上述したステップS40206に戻り、更新用設定情報が所定の範囲内の数値であるか否かを判定する。
上述したステップS40208において、設定用の鍵(鍵穴)がON側からOFF側に移行したと判定した場合には(ステップS40208:YES)、ステップS40211に進む。
ステップS40211では、主側RAM64の更新用設定情報記憶領域に記憶されている更新用設定情報が、設定情報記憶領域に記憶されている設定情報と同じであるか否かを判定する。ステップS40211において、更新用設定情報が設定情報と同じではないと判定した場合(ステップS40211:NO)、すなわち、設定情報が管理者等によって変更された場合には、ステップS40212に進み、設定変更済みフラグをONにする。設定変更済みフラグは、設定情報が変更されたか否かを、後述する設定変更モード終了コマンドを送信する際に判定するためのフラグである。ステップS40212を実行した後、ステップS40213に進む。一方、ステップS40211において、更新用設定情報が設定情報と同じであると判定した場合(ステップS40211:YES)、すなわち、設定情報が管理者等によって変更されなかった場合には、ステップS40212を実行することなく、ステップS40213に進む。
ステップS40213では、主側RAM64に記憶されている更新用設定情報を読み込み、設定情報として保存する。具体的には、本態様では、主側RAM64の更新用設定情報記憶領域に記憶されている更新用設定情報を読み込み、当該読み込んだ更新用設定情報を、主側RAM64の設定情報記憶領域に記憶する(コピーする)。ステップS40213を実行した後、ステップS40214に進み、右端7セグメント表示器45z4に、設定情報の点灯表示を開始させるとともに当該右端7セグメント表示器45z4のDP発光部の表示態様を点滅表示から点灯表示に切り替える。その後、ステップS40215に進み、ウェイト処理を実行する。ウェイト処理では、2秒間、次の処理に進まずに待機する。この結果、情報表示部45zの左端7セグメント表示器45z1、左中7セグメント表示器45z2及び右中7セグメント表示器45z3の左3つの7セグメント表示器に「set.」という文字列が点灯表示された状態、及び、右端7セグメント表示器45z4に、確定した設定情報が点灯表示されるとともに当該右端7セグメント表示器45z4のDP発光部が点灯表示された状態が2秒間継続する。この2秒間が確定期間である。その後、ステップS40216に進み、設定情報を情報表示部45zに表示させるための制御を終了する。具体的には、情報表示部45zを構成する4つの7セグメント表示器45z1~45z4を消灯状態に移行させる。その後、ステップS40217に進む。
ステップS40217では、上述した設定変更済みフラグがONであるか否かを判定する。ステップS40217において、設定変更済みフラグがONではないと判定した場合(ステップS40217:NO)、すなわち、設定情報が管理者等によって変更されなかった場合には、ステップS40218に進み、設定情報が変更されずに設定変更モードが終了したことを示すコマンドである設定変更モード終了コマンドAを音声発光制御装置90に送信する。その後、ステップS40220に進む。一方、ステップS40217において、設定変更済みフラグがONであると判定した場合(ステップS40217:YES)、すなわち、設定情報が管理者等によって変更された場合には、ステップS40219に進み、設定情報が変更されて設定変更モードが終了したことを示すコマンドである設定変更モード終了コマンドBを音声発光制御装置90に送信する。その後、ステップS40220に進む。なお、音声発光制御装置90は、設定変更モード終了コマンドA又はBを受信すると、設定変更モード実行中報知処理を終了する。その後に音声発光制御装置90が設定変更モード終了コマンドAを受信した場合に実行する処理の内容と、設定変更モード終了コマンドBを受信した場合に実行する処理の内容との違いについては後述する。
なお、設定変更モード終了コマンドA又はBを音声発光制御装置90に送信した後、設定変更モードを終了したことを示す情報を外部端子を介して遊技ホールのホールコンピュータに送信する構成としてもよい。この場合、設定変更モードを終了したことを示す情報を受信したホールコンピュータは、管理画面に当該パチンコ機10の設定変更モードが終了したことを示す情報を表示する構成としてもよい。
ステップS40220では、RAMクリア処理を実行する。RAMクリア処理では、主側RAM64の設定情報記憶領域に記憶されている抽選設定の設定情報以外の情報を消去する。すなわち、このRAMクリア処理が実行されると、上述した設定変更中フラグや設定変更済みフラグも消去される(OFFとなる)。ステップS40220を実行した後、ステップS40221に進む。
ステップS40221では、RAMクリア処理が実行されたことを示すコマンドであるRAMクリアコマンドを音声発光制御装置90に送信する。音声発光制御装置90は、RAMクリアコマンドを受信すると、上述したRAMクリア報知処理A、B1、B2のいずれかを開始する。RAMクリアコマンドを受信した音声発光制御装置90が実行するRAMクリア報知処理の詳細については後述する。
ステップS40221を実行した後、本設定変更処理を終了する。なお、設定変更処理を実行した後、変更後の抽選設定の設定情報を外部端子を介して遊技ホールのホールコンピュータに送信する構成とし、当該情報を受信したホールコンピュータは、管理画面に当該パチンコ機10の変更後の抽選設定の設定情報を表示する構成としてもよい。
[設定確認処理]
次に、本態様の設定確認処理の詳細について説明する。
図124は、第1実施形態の態様121の主側MPU62(主側CPU62x)が実行する設定確認処理を示すフローチャートである。この設定確認処理は、図122のステップS40112のサブルーチンとして実行される。
ステップS40301では、設定確認モードを開始したことを示すコマンドである設定確認モード開始コマンドを音声発光制御装置90に送信する。音声発光制御装置90は、設定確認モード開始コマンドを受信すると、上述した設定確認モード実行中報知処理を開始する。
なお、設定確認モード開始コマンドを音声発光制御装置90に送信した後、設定確認モードを開始したことを示す情報を外部端子を介して遊技ホールのホールコンピュータに送信する構成としてもよい。この場合、設定確認モードを開始したことを示す情報を受信したホールコンピュータは、管理画面に設定確認モード中のパチンコ機10の情報を表示する構成としてもよい。ステップS40301を実行した後、ステップS40302に進む。
ステップS40302では、主側RAM64における設定確認中フラグをONにする。設定確認中フラグは、上述したように、設定確認処理(設定確認モード)が開始されたことを示すフラグであるとともに、当該設定確認処理(設定確認モード)がまだ終了していないことを示すフラグである。ステップS40302を実行した後、ステップS40303に進む。
ステップS40303では、主側RAM64の設定情報記憶領域に記憶されている抽選設定の設定情報を情報表示部45zに表示させるための制御を開始する。具体的には、上述したように、情報表示部45zの左端7セグメント表示器45z1、左中7セグメント表示器45z2及び右中7セグメント表示器45z3の左3つの7セグメント表示器に、設定確認モードの実行中であることを示す「sec.」という文字列の点灯表示を開始させ、右端7セグメント表示器45z4に、設定情報の点灯表示を開始させるとともに当該右端7セグメント表示器45z4のDP発光部の点灯表示を開始させる。ステップS40303を実行した後、ステップS40304に進む。
ステップS40304では、設定用の鍵(鍵穴)がON側からOFF側に移行したか否かを判定する。具体的には、本態様では、設定用の鍵(鍵穴)がON側になっている期間中はHighレベルを示す信号であって、設定用の鍵(鍵穴)がOFF側になっている期間中はLowレベルを示す信号を監視しており、当該信号がHighレベルからLowレベルに立ち下がる立下がりエッジを検出した場合に、設定用の鍵(鍵穴)がON側からOFF側に移行したと判定する。ステップS40304において、設定用の鍵(鍵穴)がON側からOFF側に移行していないと判定した場合には(ステップS40304:NO)、再びステップS40304を実行する。一方、ステップS40304において、設定用の鍵(鍵穴)がON側からOFF側に移行したと判定した場合には(ステップS40304:YES)、ステップS40305に進む。すなわち、設定用の鍵(鍵穴)がON側からOFF側に移行するまでは無限ループを繰り返してステップS40305に進まず、設定用の鍵(鍵穴)がON側からOFF側に移行するとステップS40305に進む。
ステップS40305では、抽選設定の設定情報を情報表示部45zに表示させるための制御を終了する。具体的には、情報表示部45zを構成する4つの7セグメント表示器45z1~45z4を消灯状態に移行させる。この結果、情報表示部45zの左端7セグメント表示器45z1、左中7セグメント表示器45z2及び右中7セグメント表示器45z3の左3つの7セグメント表示器に「sec.」という文字列が点灯表示された状態、及び、右端7セグメント表示器45z4に設定情報が点灯表示されるとともに当該右端7セグメント表示器45z4のDP発光部が点灯表示された状態が、設定確認モードが開始されてから、設定用の鍵(鍵穴)がOFF側に移行するまで継続する。ステップS40305を実行した後、ステップS40306に進む。
ステップS40306では、主側RAM64における設定変更中フラグをOFFにする。その後、ステップS40307に進む。
ステップS40307では、設定確認モードを終了したことを示すコマンドである設定確認モード終了コマンドを音声発光制御装置90に送信する。後述するように、音声発光制御装置90は、設定確認モード終了コマンドを受信すると、設定確認モード実行中報知処理を終了させ、その後、上述した設定確認モード終了後報知処理を30秒間実行する。
ステップS40307を実行した後、本設定確認処理を終了する。なお、設定確認モード終了コマンドを音声発光制御装置90に送信した後、設定確認モードを終了したことを示す情報を外部端子を介して遊技ホールのホールコンピュータに送信する構成としてもよい。この場合、設定確認モードを終了したことを示す情報を受信したホールコンピュータは、管理画面に当該パチンコ機10の設定確認モードが終了したことを示す情報を表示する構成としてもよい。
[タイマ割込み処理]
次に、タイマ割込み処理について説明する。タイマ割込み処理は、主制御装置60のMPU62によって定期的(例えば4msec周期)に起動される。
図125は、第1実施形態の態様121の主側MPU62が実行するタイマ割込み処理を示すフローチャートである。ステップS40401では、各種乱数更新処理を実行する。各種乱数更新処理では、主側RAM64における各カウンタ(大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3、電動役物開放カウンタC4等)から現状の数値情報を読み出し、その読み出した数値情報に1を加算する処理を実行した後に、読み出し元のカウンタに加算後の数値情報を上書きする処理を実行する。なお、読み出した数値情報が当該カウンタの最大値である場合には、読み出し元のカウンタに0を上書きする処理を実行する。ステップS40401を実行した後、ステップS40402に進む。
ステップS40402では、停電監視処理を実行する。停電監視処理では、電源装置85から主制御装置60に供給される駆動電圧を監視しており、当該駆動電圧が所定値(例えば10ボルト)を下回ったと判定した場合には、パチンコ機10の電源スイッチがOFFにされた又は停電が発生したと判断して、主側CPU62xのレジスタに格納されている各種情報(遊技状態を示す情報や制御情報等)を主側RAM64の所定の領域に退避させる。そして、これらの情報の主側RAM64への退避が完了した場合に、復電フラグをONにするとともに、主側RAM64に記憶されている所定の情報群に基づいて所定の演算を実行することによってRAM判定値(例えばチェックサム値)を算出し、算出したRAM判定値を主側RAM64に記憶する。その後、後述するステップS40403には進まずに、供給される駆動電圧が低下して動作不能となるまで無限ループ処理を繰り返す。なお、本態様の電源装置85は、主制御装置60に供給される駆動電圧が所定値を下回るまで低下した場合であっても、主制御装置60などの制御系において駆動電圧として使用される5ボルトの安定化電圧が出力されるように構成されている。この安定化電圧が出力される時間としては、上述したRAM判定値を主側RAM64に記憶するまでの処理を実行するに十分な時間が確保されている。
一方、ステップS40402の停電監視処理において、電源装置85から主制御装置60に供給される駆動電圧が所定値を下回っていないと判定した場合には、そのままステップS40403に進む。
ステップS40403では、RAM異常フラグ又は遊技停止フラグの少なくとも一方がONであるか否かを判定する。RAM異常フラグは、上述したように、電源投入時に実行されるメイン処理において主側RAM64に記憶されている情報が正常ではないと判定された場合にONになるフラグである。遊技停止フラグは、不正検知処理において揺れや磁気を検出した場合に遊技の進行を停止させるためにONになるフラグである。ステップS40403において、RAM異常フラグ及び遊技停止フラグの両方がONではないと判定した場合には(ステップS40403:NO)、ステップS40404に進む。一方、ステップS40403において、RAM異常フラグ又は遊技停止フラグの少なくとも一方がONであると判定した場合には(ステップS40403:YES)、ステップS40404以降の処理を実行せずに、本タイマ割込み処理を終了する。すなわち、RAM異常フラグ又は遊技停止フラグの少なくとも一方がONである場合には、ステップS40404以降の遊技の進行を可能とするための処理が実行されないこととなり、遊技の進行が可能な遊技進行モードには移行しない構成となっている。以下、遊技の進行を可能とするための処理であるステップS40404以降の処理について説明する。
ステップS40404では、ポート出力処理を実行する。ポート出力処理では、前回のタイマ割込み処理において出力情報の設定が行われている場合に、その出力情報に対応した出力を各種駆動部36c,34bに行うための処理を実行する。例えば、大入賞口36aを開放状態に切り換えるべき情報が設定されている場合には可変入賞駆動部36cへの駆動信号の出力を開始させ、閉鎖状態に切り換えるべき情報が設定されている場合には当該駆動信号の出力を停止させる。また、第2始動口34の電動役物34aを開放状態に切り換えるべき情報が設定されている場合には電動役物駆動部34bへの駆動信号の出力を開始させ、閉鎖状態に切り換えるべき情報が設定されている場合には当該駆動信号の出力を停止させる。その後、ステップS40405に進む。
ステップS40405では、読み込み処理を実行する。読み込み処理では、入球信号以外の信号の読み込みを実行し、その読み込んだ情報を今後の処理にて利用するために記憶する。その後、ステップS40406に進む。
ステップS40406では、各入球検知センサー44a~44hから受信している信号を読み込むとともに、その読み込んだ情報に対応した処理を行うための入球検知処理を実行する。入球検知処理は、図28に示した入球検知処理と同じであるため、詳細な説明は省略する。ステップS40406を実行した後、ステップS40407に進む。
ステップS40407では、主側RAM64に設けられている所定のタイマカウンタの数値情報をまとめて更新するためのタイマ更新処理を実行する。その後、ステップS40408に進む。
ステップS40408では、第1始動口33及び第2始動口34への遊技球の入球に伴う始動口用の入球処理を実行する。始動口用の入球処理では、第1始動口33又は第2始動口34に遊技球が入球したと判定されたことに基づいて大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の値を取得するとともに、取得したカウンタ値をRAM64の保留情報記憶エリア64bに記憶する。ステップS40408を実行した後、ステップS40409に進む。
ステップS40409では、スルーゲート35への遊技球の入球(通過)に伴うスルーゲート用の入球処理を実行する。スルーゲート用の入球処理では、スルーゲート35に遊技球が入球(通過)したと判定されたことに基づいて電動役物開放カウンタC4の値を取得するとともに、取得したカウンタ値をRAM64の電役保留エリア64dに記憶する。ステップS40409を実行した後、ステップS40410に進む。
ステップS40410では、各遊技回における遊技を制御するための遊技回制御処理を実行する。遊技回制御処理では、当たり抽選や、第1図柄表示部37a,第2図柄表示部37bの表示制御などを行う。ステップS40410を実行した後、ステップS40411に進む。
ステップS40411では、遊技状態を移行させるための遊技状態移行処理を実行する。遊技状態移行処理では、遊技状態を開閉実行モード、高確率モード、高頻度サポートモードなどへ移行させる処理を実行する。ステップS40411を実行した後、ステップS40412に進む。
ステップS40412では、電動役物34aを制御するための電役サポート用処理を実行する。電役サポート用処理では、電動役物34aを開放状態とするか否かの判定(電動役物開放抽選)を行なうとともに、開放状態とすると判定した場合には電動役物34aを駆動制御する。ステップS40412を実行した後、ステップS40413に進む。
ステップS40413では、遊技球発射制御処理を実行する。遊技球発射制御処理では、遊技者によって操作ハンドル25が操作された際に遊技球を遊技領域PAに発射するための処理を実行する。ステップS40413を実行した後、ステップS40414に進む。
ステップS40414では、扉監視処理を実行する。扉監視処理では、内枠13及び前扉枠14が開放した状態であるか否かを監視する。扉監視処理の詳細については後述する。ステップS40414を実行した後、ステップS40415に進む。
ステップS40415では、不正検知処理を実行する。不正検知処理では、揺れや磁気を監視しており、揺れや磁気を検知した場合には、警報音や「揺れを検知しました!」「磁気を検知しました!」といった音声をスピーカー46から出力させるとともに、各種ランプ47を最大輝度で点滅させる。また、不正検知処理では、揺れや磁気を検知した場合には、上述した遊技停止フラグをONにする。この結果、遊技停止フラグがONになった以後は、ステップS40404~ステップS40417までの処理の実行が回避されることになる。ステップS40415を実行した後、ステップS40416に進む。
ステップS40416では、今回のタイマ割込み処理において送信対象として設定されたコマンドをサブ側の各制御装置に出力する(送信する)コマンド出力処理を実行する。例えば、変動用コマンド、種別コマンド、保留コマンド等の演出に関するコマンドが設定されている場合には、これらを音声発光制御装置90に対して送信する。ステップS40416を実行した後、ステップS40417に進む。
ステップS40417では、遊技履歴情報を算出・表示するための遊技履歴用処理を実行する。遊技履歴用処理は、図29に示した遊技履歴用処理と同じであるため、詳細な説明は省略する。ステップS40417を実行した後、本タイマ割込み処理を終了する。
[扉監視処理]
次に、扉監視処理の詳細について説明する。
図126は、扉監視処理を示すフローチャートである。この扉監視処理は、図125のステップS40414のサブルーチンとして実行される。
ステップS40501では、扉開放フラグがONであるか否かを判定する。扉開放フラグは、後述するように、枠開放スイッチ及び扉開放スイッチの少なくとも一方がONであると判定された場合にONとなるフラグである。ステップS40501において、扉開放フラグがONではないと判定した場合には(ステップS40501:NO)、ステップS40502に進み、枠開放スイッチ及び扉開放スイッチの少なくとも一方がONであるか否かを判定する。
ステップS40502において、枠開放スイッチ及び扉開放スイッチの少なくとも一方がONであると判定した場合(ステップS40502:YES)、すなわち、内枠13及び前扉枠14の少なくとも一方が開放状態である場合には、ステップS40503に進み、扉開放フラグをONにする。その後、ステップS40504に進み、扉開放コマンドを設定し、本扉監視処理を終了する。一方、ステップS40502において、枠開放スイッチ及び扉開放スイッチの両方がOFFであると判定した場合(ステップS40502:NO)、すなわち、内枠13及び前扉枠14の両方が閉鎖状態である場合には、ステップS40503及びステップS40504を実行することなく、本扉監視処理を終了する。
ステップS40501において、扉開放フラグがONであると判定した場合には(ステップS40501:YES)、ステップS40505に進み、枠開放スイッチ及び扉開放スイッチの両方がOFFであるか否かを判定する。ステップS40505において、枠開放スイッチ及び扉開放スイッチの両方がOFFであると判定した場合(ステップS40505:YES)、すなわち、内枠13及び前扉枠14の両方が閉鎖状態である場合には、ステップS40506に進み、扉開放フラグをOFFにする。その後、ステップS40507に進み、扉閉鎖コマンドを設定し、本扉監視処理を終了する。一方、ステップS40505において、枠開放スイッチ及び扉開放スイッチの少なくとも一方がONであると判定した場合(ステップS40505:NO)、すなわち、内枠13及び前扉枠14の少なくとも一方が開放状態である場合には、ステップS40506及びステップS40507を実行することなく、本扉監視処理を終了する。
以上説明したように、扉監視処理では、枠開放スイッチ及び扉開放スイッチの少なくとも一方がONであると判定した場合には、扉開放フラグをONにし、扉開放コマンドを設定する。そして、扉開放フラグがONの状態において、枠開放スイッチ及び扉開放スイッチの両方がOFFであると判定した場合には、扉開放フラグをOFFにし、扉閉鎖コマンドを設定する。
次に、本態様の音声発光制御装置90の音光側MPU92が実行する処理の一例について説明する。
[タイマ割込み処理]
最初に、音光側MPU92によって実行されるタイマ割込み処理について説明する。
図127は、音光側MPU92において実行されるタイマ割込み処理を示すフローチャートである。タイマ割込み処理は、比較的短い周期(例えば2msec)で繰り返し実行される。以下、タイマ割込み処理において実行される各ステップの処理について説明する。
ステップS43101では、コマンド記憶処理を実行する。コマンド記憶処理は、主側MPU62からコマンドを受信した場合に、受信したコマンドを音光側RAM94に記憶するための処理である。音光側RAM94には、主側MPU62から受信したコマンドの記憶及び読み出しを可能とするためのリングバッファが設けられており、主側MPU62から受信したコマンドは、当該リングバッファに順次記憶されるとともに、記憶された順序に従って順次読み出される。ステップS43101を実行した後、ステップS43102に進む。
ステップS43102では、各種報知用処理を実行する。各種報知用処理では、主側MPU62から受信したコマンドに対応した報知処理を実行する。各種報知用処理の詳細については後述する。ステップS43102を実行した後、ステップS43103に進む。
ステップS43103では、遊技回演出用処理を実行する。遊技回演出用処理では、図柄の変動が開始してから停止するまでの遊技回において実行する演出に関する処理を行なう。ステップS43103を実行した後、ステップS43104に進む。
ステップS43104では、開閉実行モード演出用処理を実行する。開閉実行モード演出用処理では、オープニング期間における演出や、開閉処理期間における演出、エンディング期間における演出に関する処理を行なう。ステップS43104を実行した後、ステップS43105に進む。
ステップS43105では、客待ち用処理を実行する。客待ち用処理では、遊技回が所定時間実行されていない場合に図柄表示装置41にデモ動画を表示させるための処理を実行する。ステップS43105を実行した後、ステップS43106に進む。
ステップS43106では、各種ランプ47の発光制御を行うための発光制御処理を実行する。発光制御処理では、上記の各演出用処理において読み出された発光データに基づいて、各種ランプ47の発光制御を行う。ステップS43106を実行した後、ステップS43107に進む。
ステップS43107では、スピーカー46の音声出力制御を行うための音声出力制御処理を実行する。音声出力制御処理では、上記のBGM用処理及び各演出用処理において読み出された音声データに基づいて、スピーカー46の音声出力制御を行う。ステップS43107を実行した後、本タイマ割込み処理を終了する。
[各種報知用処理]
次に、各種報知用処理について説明する。
図128は、各種報知用処理を示すフローチャートである。各種報知用処理は、タイマ割込み処理のサブルーチン(図127:S43102)として音声発光制御装置90のMPU92によって実行される。
ステップS43201では、設定変更モード報知用処理を実行する。設定変更モード報知用処理では、主側MPU62から設定変更モード開始コマンドを受信したことに基づいて設定変更モード実行中報知処理を開始させたり、設定変更モード終了コマンドA又はBを受信したことに基づいて設定変更モード実行中報知処理を終了させる。設定変更モード報知用処理の詳細については後述する。ステップS43201を実行した後、ステップS43202に進む。
ステップS43202では、設定確認モード報知用処理を実行する。設定確認モード報知用処理では、主側MPU62から設定確認モード開始コマンドを受信したことに基づいて設定確認モード実行中報知処理を開始させ、設定確認モード終了コマンドを受信したことに基づいて設定確認モード実行中報知処理を終了させる。また、設定確認モード報知用処理では、設定確認モード終了コマンドを受信したことに基づいて設定確認モード終了後報知処理を開始させ、30秒経過後に、設定確認モード終了後報知処理を終了させる。設定確認モード報知用処理の詳細については後述する。ステップS43202を実行した後、ステップS43203に進む。
ステップS43203では、RAMクリア報知用処理を実行する。RAMクリア報知用処理では、主側MPU62からRAMクリアコマンドを受信したことに基づいてRAMクリア報知処理A、B1、B2のいずれかの報知処理を開始させ、30秒経過後に、RAMクリア報知処理を終了させる。RAMクリア報知用処理の詳細については後述する。ステップS43203を実行した後、ステップS43204に進む。
ステップS43204では、RAM異常報知用処理を実行する。RAM異常報知用処理では、主側MPU62からRAM異常コマンドを受信したことに基づいてRAM異常報知処理を開始させる。RAM異常報知用処理の詳細については後述する。ステップS43204を実行した後、ステップS43205に進む。
ステップS43205では、扉開放報知用処理を実行する。扉開放報知用処理では、主側MPU62から扉開放コマンドを受信したことに基づいて扉開放報知処理を開始させ、扉閉鎖コマンドを受信したことに基づいて扉開放報知処理を終了させる。扉開放報知用処理の詳細については後述する。ステップS43205を実行した後、ステップS43206に進む。
ステップS43206では、その他の報知用処理を実行する。その他の報知用処理では、例えば、主側MPU62から磁気を検知したことを示すコマンドを受信した場合に、磁気を検知したことを報知する処理を実行する。ステップS43206を実行した後、本各種報知用処理を終了する。
[設定変更モード報知用処理]
次に、設定変更モード報知用処理について説明する。
図129は、設定変更モード報知用処理を示すフローチャートである。設定変更モード報知用処理は、各種報知用処理のサブルーチン(図128:S43201)として音声発光制御装置90のMPU92によって実行される。
ステップS43301では、設定変更モード開始コマンドを受信したか否かを判定する。ステップS43301において、設定変更モード開始コマンドを受信していると判定した場合には(ステップS43301:YES)、ステップS43302に進み、上述した設定変更モード実行中報知処理を開始する。ステップS43302を実行した後、ステップS43303に進む。一方、ステップS43301において、設定変更モード開始コマンドを受信していないと判定した場合には(ステップS43301:NO)、ステップS43302を実行せずに、ステップS43303に進む。
ステップS43303では、設定変更モード終了コマンドA又は設定変更モード終了コマンドBを受信したか否かを判定する。ステップS43303において、設定変更モード終了コマンドA又は設定変更モード終了コマンドBのいずれかを受信していると判定した場合には(ステップS43303:YES)、ステップS43304に進み、設定変更モード実行中報知処理を終了させる。その後、ステップS43305に進み、音光側RAM94における設定変更モード実行済みフラグをONにする。この設定変更モード実行済みフラグは、後述するRAMクリア報知処理の種別(A又はB)を決定する際に参照されるフラグであり、RAMクリア処理が設定変更モードの実行を契機として実行されたのか、それとも、RAMクリア処理が単独で実行されたのかを識別するためのフラグである。ステップS43305を実行した後、ステップS43306に進み、受信したコマンドが設定変更モード終了コマンドBであるか否かを判定する。ステップS43306において、受信したコマンドが設定変更モード終了コマンドBであると判定した場合には(ステップS43306:YES)、ステップS43307に進み、音光側RAM94における音光側設定変更済みフラグをONにする。この音光側設定変更済みフラグは、後述するRAMクリア報知処理の種別(B1又はB2)を決定する際に参照されるフラグであり、設定変更モードにおいて設定情報が変更されたのか否かを識別するためのフラグである。ステップS43307を実行した後、本設定変更モード報知用処理を終了する。一方、ステップS43306において、受信したコマンドが設定変更モード終了コマンドBではないと判定した場合(ステップS43306:NO)、すなわち、受信したコマンドが設定変更モード終了コマンドAである場合には、ステップS43307を実行せずに、本設定変更モード報知用処理を終了する。
ステップS43303において、設定変更モード終了コマンドA又は設定変更モード終了コマンドBのいずれも受信していないと判定した場合には(ステップS43303:NO)、上述したステップS43304~ステップS43307を実行せずに、本設定変更モード報知用処理を終了する。
[設定確認モード報知用処理]
次に、設定確認モード報知用処理について説明する。
図130は、設定確認モード報知用処理を示すフローチャートである。設定確認モード報知用処理は、各種報知用処理のサブルーチン(図128:S43202)として音声発光制御装置90のMPU92によって実行される。
ステップS43401では、設定確認モード開始コマンドを受信したか否かを判定する。ステップS43401において、設定確認モード開始コマンドを受信していると判定した場合には(ステップS43401:YES)、ステップS43402に進み、上述した設定確認モード実行中報知処理を開始する。ステップS43402を実行した後、ステップS43403に進む。一方、ステップS43401において、設定確認モード開始コマンドを受信していないと判定した場合には(ステップS43401:NO)、ステップS43402を実行せずに、ステップS43403に進む。
ステップS43403では、設定確認モード終了コマンドを受信したか否かを判定する。ステップS43403において、設定確認モード終了コマンドを受信していると判定した場合には(ステップS43403:YES)、ステップS43404に進み、設定確認モード実行中報知処理を終了させる。その後、ステップS43405に進み、設定確認モード終了後報知処理を開始する。ステップS43405を実行した後、ステップS43406に進み、設定確認モード終了後報知中フラグをONにする。その後、ステップS43407に進み、優先報知中フラグをONにする。この優先報知中フラグは、後述する扉開放報知処理の開始条件が成立した場合であっても、設定確認モード終了後報知処理の実行中である場合には、設定確認モード終了後報知処理を優先させ、扉開放報知処理を開始させないためのフラグである。ステップS43407を実行した後、ステップS43408に進む。一方、ステップS43403において、設定確認モード終了コマンドを受信していないと判定した場合には(ステップS43403:NO)、ステップS43404~ステップS43407を実行せずに、ステップS43408に進む。
ステップS43408では、設定確認モード終了後報知中フラグがONであるか否かを判定する。ステップS43408において、設定確認モード終了後報知中フラグがONであると判定した場合には(ステップS43408:YES)、ステップS43409に進み、設定確認モード終了後報知処理の終了タイミングであるか否かを判定する。具体的には、本態様では、設定確認モード終了後報知処理が開始されてから30秒が経過した場合に、設定確認モード終了後報知処理の終了タイミングであると判定する。ステップS43409において、設定確認モード終了後報知処理の終了タイミングであると判定した場合には(ステップS43409:YES)、ステップS43410に進み、設定確認モード終了後報知処理を終了する。その後、ステップS43411及びステップS43412に進み、設定確認モード終了後報知中フラグ及び優先報知中フラグをOFFにする。その後、本設定確認モード報知用処理を終了する。一方、ステップS43408において設定確認モード終了後報知中フラグがONではないと判定した場合(ステップS43408:NO)、及び、ステップS43409において設定確認モード終了後報知処理の終了タイミングではないと判定した場合には(ステップS43409:NO)、ステップS43410~ステップS43412を実行せずに、本設定確認モード報知用処理を終了する。
[RAMクリア報知用処理]
次に、RAMクリア報知用処理について説明する。
図131は、RAMクリア報知用処理を示すフローチャートである。RAMクリア報知用処理は、各種報知用処理のサブルーチン(図128:S43203)として音声発光制御装置90のMPU92によって実行される。
ステップS43501では、RAMクリアコマンドを受信したか否かを判定する。ステップS43501において、RAMクリアコマンドを受信していると判定した場合には(ステップS43501:YES)、ステップS43502に進み、設定変更モード実行済みフラグがONであるか否かを判定する。すなわち、今回実行されたRAMクリア処理の前に設定変更モードが実行されていたか否かを判定する。ステップS43502において、設定変更モード実行済みフラグがONではないと判定した場合(ステップS43502:NO)、すなわち、今回実行されたRAMクリア処理の前に設定変更モードが実行されていなかった場合には、ステップS43503に進み、RAMクリア報知処理Aを開始する。その後、後述するステップS43509に進む。
一方、ステップS43502において、設定変更モード実行済みフラグがONであると判定した場合(ステップS43502:YES)、すなわち、今回実行されたRAMクリア処理の前に設定変更モードが実行されていた場合には、ステップS43504に進み、設定変更モード実行済みフラグをOFFにし、その後、ステップS43505に進む。
ステップS43505では、音光側設定変更済みフラグがONであるか否かを判定する。すなわち、RAMクリア処理の前に実行された設定変更モードにおいて設定情報が変更されたか否かを判定する。ステップS43505において、音光側設定変更済みフラグがONではないと判定した場合(ステップS43505:NO)、すなわち、RAMクリア処理の前に実行された設定変更モードにおいて設定情報が変更されていなかった場合には、ステップS43506に進み、RAMクリア報知処理B1を開始する。その後、後述するステップS43509に進む。一方、ステップS43505において、音光側設定変更済みフラグがONであると判定した場合(ステップS43505:YES)、すなわち、RAMクリア処理の前に実行された設定変更モードにおいて設定情報が変更されていた場合には、ステップS43507に進み、RAMクリア報知処理B2を開始する。その後、ステップS43508に進み、音光側設定変更済みフラグをOFFにし、ステップS43509に進む。
ステップS43509では、RAMクリア報知中フラグをONにする。その後、ステップS43510に進み、優先報知中フラグをONにする。その後、ステップS43511に進む。一方、ステップS43501において、RAMクリアコマンドを受信していないと判定した場合には(ステップS43501:NO)、ステップS43502~ステップS43510を実行せずに、ステップS43511に進む。
ステップS43511では、RAMクリア報知中フラグがONであるか否かを判定する。ステップS43511において、RAMクリア報知中フラグがONであると判定した場合には(ステップS43511:YES)、ステップS43512に進み、RAMクリア報知処理の終了タイミングであるか否かを判定する。具体的には、本態様では、RAMクリア報知処理A、B1、B2のいずれかが開始されてから30秒が経過した場合に、RAMクリア報知処理の終了タイミングであると判定する。ステップS43512において、RAMクリア報知処理の終了タイミングであると判定した場合には(ステップS43512:YES)、ステップS43513に進み、RAMクリア報知処理A、B1、B2のうち実行中の報知処理を終了する。その後、ステップS43514及びステップS43515に進み、RAMクリア報知中フラグ及び優先報知中フラグをOFFにする。その後、本RAMクリア報知用処理を終了する。一方、ステップS43511においてRAMクリア報知中フラグがONではないと判定した場合(ステップS43511:NO)、及び、ステップS43512においてRAMクリア報知処理の終了タイミングではないと判定した場合には(ステップS43512:NO)、ステップS43513~ステップS43515を実行せずに、本RAMクリア報知用処理を終了する。
このように、本態様では、RAMクリアコマンドを受信した場合には、RAMクリア報知処理A、B1、B2のいずれかの報知処理を開始し、優先報知中フラグがONになるので、内枠13又は前扉枠14が開放状態となっていたとしても、扉開放報知処理は開始されない。
[RAM異常報知用処理]
次に、RAM異常報知用処理について説明する。
図132は、RAM異常報知用処理を示すフローチャートである。RAM異常報知用処理は、各種報知用処理のサブルーチン(図128:S43204)として音声発光制御装置90のMPU92によって実行される。
ステップS43601では、RAM異常コマンドを受信したか否かを判定する。ステップS43601において、RAM異常コマンドを受信していると判定した場合には(ステップS43601:YES)、ステップS43602に進み、RAM異常報知処理を開始する。具体的には、RAM異常報知処理は、「RAM異常です」といった音声をスピーカー46から繰り返し出力させ、各種ランプ47のうち、フルカラー(RGB)LEDランプについては最大輝度で赤色に点灯させ、単色LEDランプについては最大輝度で点灯させ、図柄表示装置41の表示面41aに「RAM異常」といった文字列を黒背景に白文字といった表示態様で表示させる処理である。ステップS43602を実行した後、ステップS43603に進み、優先報知中フラグをONにする。その後、本RAM異常報知用処理を終了する。一方、ステップS43601において、RAM異常コマンドを受信していないと判定した場合には(ステップS43601:NO)、ステップS43602及びステップS43603を実行せずに、本RAM異常報知用処理を終了する。
このように、本態様では、RAM異常コマンドを受信した場合には、RAM異常報知処理を開始し、優先報知中フラグがONになるので、内枠13又は前扉枠14が開放状態となっていたとしても、扉開放報知処理は開始されない。なお、本態様では、RAM異常報知処理を終了させるためには当該パチンコ機10の電源スイッチをOFFにすればよい。
[扉開放報知用処理]
次に、扉開放報知用処理について説明する。
図133は、扉開放報知用処理を示すフローチャートである。扉開放報知用処理は、各種報知用処理のサブルーチン(図128:S43205)として音声発光制御装置90のMPU92によって実行される。
ステップS43701では、扉開放コマンドを受信したか否かを判定する。ステップS43701において、扉開放コマンドを受信していると判定した場合には(ステップS43701:YES)、ステップS43702に進み、音光側扉開放フラグをONにする。その後、ステップS43703に進む。一方、ステップS43701において、扉開放コマンドを受信していないと判定した場合には(ステップS43701:NO)、ステップS43702を実行せずに、ステップS43703に進む。
ステップS43703では、扉閉鎖コマンドを受信したか否かを判定する。ステップS43703において、扉閉鎖コマンドを受信していると判定した場合には(ステップS43703:YES)、ステップS43704に進み、音光側扉開放フラグをOFFにする。その後、ステップS43705に進む。一方、ステップS43703において、扉閉鎖コマンドを受信していないと判定した場合には(ステップS43703:NO)、ステップS43704を実行せずに、ステップS43705に進む。
ステップS43705では、扉開放報知中フラグがONであるか否かを判定する。この扉開放報知中フラグは、扉開放報知処理が実行中であるか否かを判定するためのフラグである。ステップS43705において、扉開放報知中フラグがONではないと判定した場合には(ステップS43705:NO)、ステップS43706に進み、音光側扉開放フラグがONであるか否かを判定する。ステップS43706において、音光側扉開放フラグがONであると判定した場合には(ステップS43706:YES)、ステップS43707に進み、優先報知中フラグがONであるか否かを判定する。ステップS43707において、優先報知中フラグがONではないと判定した場合には(ステップS43707:NO)、ステップS43708に進み、扉開放報知処理を開始する。その後、ステップS43709に進み、扉開放報知中フラグをONにする。その後、本扉開放報知用処理を終了する。一方、ステップS43706において、音光側扉開放フラグがONではないと判定した場合(ステップS43706:NO)、及び、ステップS43707において、優先報知中フラグがONであると判定した場合には(ステップS43707:YES)、ステップS43708及びステップS43709を実行せずに、本扉開放報知用処理を終了する。
ステップS43705において、扉開放報知中フラグがONであると判定した場合には(ステップS43705:YES)、ステップS43710に進み、音光側扉開放フラグがONであるか否かを判定する。ステップS43710において、音光側扉開放フラグがONではないと判定した場合には(ステップS43710:NO)、ステップS43711に進み、扉開放報知処理を終了する。その後、ステップS43712に進み、扉開放報知中フラグをOFFにする。その後、本扉開放報知用処理を終了する。一方、ステップS43710において、音光側扉開放フラグがONであると判定した場合には(ステップS43710:NO)、ステップS43711及びステップS43712を実行せずに、本扉開放報知用処理を終了する。
以上説明した本態様によれば、以下に説明する優れた効果を奏することができる。
本態様によれば、設定変更モードが実行された場合に、RAMクリア報知処理B1又はB2を所定期間(本態様では30秒間)に亘って実行するので、管理者が当該パチンコ機10において設定変更モードが実行されたことに気付けなかったといった事態の発生を抑制することができる。
仮に、本態様とは異なり、設定変更モードが実行されている期間中にのみ報知を実行する構成を採用した場合について説明する。この構成において、例えば、管理者ではない不正な意図を有する者(以下、「不正な者」ともいう)が、管理者や周囲の遊技者に気付かれずに不正に設定情報を変更しようとした場合に、設定変更モードを開始させて素早く設定情報を変更し、その後、素早く設定変更モードを終了させれば、当該報知の期間を短くすることができ、管理者等に気付かれることなく設定情報を不正に変更することが可能となってしまうといった課題がある。
これに対して、本態様によれば、不正な者が設定変更モードを素早く終了させたとしても、RAMクリア報知処理B1又はB2が所定期間(本態様では30秒間)は継続することになるので、管理者等は、当該所定期間に亘る当該RAMクリア報知処理B1又はB2によって、当該パチンコ機10において設定変更モードが実行されたことに気付くことができる。したがって、本態様によれば、不正な者による設定情報の不正な変更を抑制することができる。なお、RAMクリア報知処理B1又はB2を実行する所定期間の長さは30秒に限定されず、他の長さに設定されていてもよい。例えば、RAMクリア報知処理B1又はB2を実行する所定期間の長さは40秒に設定されていてもよい。
また、本態様によれば、設定変更モードが実行された場合に、所定の報知処理(本態様ではRAMクリア報知処理B1又はB2)を、設定変更モードが終了した後の所定期間(本態様では30秒間)に亘って実行する。このような構成を採用した理由について説明する。
先に、本態様とは異なり、所定の報知処理を、設定変更モードの開始後の所定期間に亘って実行する構成を採用した場合について説明する。この構成において、例えば、設定変更モードが当該所定期間よりも長い期間に亘って実行されている場合には当該所定の報知処理が設定変更モードの実行中に終了してしまうことになり、一方、設定変更モードが当該所定期間よりも短い期間で終了した場合には当該所定の報知処理が設定変更モードの終了後にも継続することになる。すなわち、当該所定の報知処理が、設定変更モードの終了タイミングとは連動せずに終了したり継続したりすることになってしまい、管理者を混乱させてしまう要因となるおそれがある。
これに対して、本態様によれば、所定の報知処理を、設定変更モードが終了した後の所定期間に亘って実行するので、当該所定の報知処理が設定変更モードの終了タイミングと連動せずに終了したり継続したりすることがない。したがって、管理者を混乱させてしまうことを回避しつつ、管理者が当該パチンコ機10において設定変更モードが実行されたことに気付けなかったといった事態の発生を抑制することができる。
また、本態様によれば、設定変更モードの実行中に設定変更モード実行中報知処理を実行するので、管理者は、不正な者によって設定変更モードが実行されていることを当該設定変更モードの実行中にも気付くことが可能となる。
また、本態様によれば、設定確認モードが実行された場合に、設定確認モード終了後報知処理を所定期間(本態様では30秒間)に亘って実行するので、管理者が当該パチンコ機10において設定確認モードが実行されたことに気付けなかったといった事態の発生を抑制することができる。
仮に、本態様とは異なり、設定確認モードが実行されている期間中にのみ報知を実行する構成を採用した場合について説明する。この構成において、例えば、不正な者が、管理者や周囲の遊技者に気付かれずに不正に設定情報を確認しようとした場合に、設定確認モードを開始させて素早く設定情報を確認し、その後、素早く設定確認モードを終了させれば、当該報知の期間を短くすることができ、管理者等に気付かれることなく設定情報を不正に確認することが可能となってしまうといった課題がある。
これに対して、本態様によれば、不正な者が設定確認モードを素早く終了させたとしても、設定確認モード終了後報知処理が所定期間(本態様では30秒間)は継続することになるので、管理者等は、当該所定期間に亘る当該設定確認モード終了後報知処理によって、当該パチンコ機10において設定確認モードが実行されたことに気付くことができる。したがって、本態様によれば、不正な者による設定情報の不正な確認を抑制することができる。なお、設定確認モード終了後報知処理を実行する所定期間の長さは30秒に限定されず、他の長さに設定されていてもよい。例えば、設定確認モード終了後報知処理を実行する所定期間の長さは40秒に設定されていてもよい。
また、本態様によれば、設定確認モードが実行された場合に、所定の報知処理(本態様では設定確認モード終了後報知処理)を、設定確認モードが終了した後の所定期間(本態様では30秒間)に亘って実行する。このような構成を採用した理由について説明する。
先に、本態様とは異なり、所定の報知処理を、設定確認モードの開始後の所定期間に亘って実行する構成を採用した場合について説明する。この構成において、例えば、設定確認モードが当該所定期間よりも長い期間に亘って実行されている場合には当該所定の報知処理が設定確認モードの実行中に終了してしまうことになり、一方、設定確認モードが当該所定期間よりも短い期間で終了した場合には当該所定の報知処理が設定確認モードの終了後にも継続することになる。すなわち、当該所定の報知処理が、設定確認モードの終了タイミングとは連動せずに終了したり継続したりすることになってしまい、管理者を混乱させてしまう要因となるおそれがある。
これに対して、本態様によれば、所定の報知処理を、設定確認モードが終了した後の所定期間に亘って実行するので、当該所定の報知処理が設定確認モードの終了タイミングと連動せずに終了したり継続したりすることがない。したがって、管理者を混乱させてしまうことを回避しつつ、管理者が当該パチンコ機10において設定確認モードが実行されたことに気付けなかったといった事態の発生を抑制することができる。
また、本態様によれば、設定確認モードの実行中に設定確認モード実行中報知処理を実行するので、管理者は、不正な者によって設定確認モードが実行されていることを当該設定確認モードの実行中にも気付くことが可能となる。
また、本態様によれば、設定変更モードが実行された場合に実行される報知処理である設定変更モード実行中報知処理及びRAMクリア報知処理B1又はB2を、内枠13及び前扉枠14の少なくとも一方が開放状態となっている場合に実行される扉開放報知処理よりも優先させる。この構成を採用した理由について説明する。
先に、本態様とは異なり、扉開放報知処理が設定変更モード実行中報知処理及びRAMクリア報知処理B1又はB2よりも優先される構成を採用した場合について説明する。この構成において、例えば、不正な者が、管理者や周囲の遊技者に気付かれずに不正に設定情報を変更しようとした場合に、内枠13及び前扉枠14の少なくとも一方を開放状態として扉開放報知処理を実行させれば、設定変更モードを実行させたとしても、設定変更モード実行中報知処理及びRAMクリア報知処理B1又はB2よりも扉開放報知処理が優先されてしまい、管理者等に気付かれることなく設定情報を不正に変更することが可能となってしまうといった課題がある。
これに対して、本態様によれば、不正な者が内枠13及び前扉枠14の少なくとも一方を開放状態としても、設定変更モード実行中報知処理及びRAMクリア報知処理B1又はB2が扉開放報知処理よりも優先されるので、管理者等が当該パチンコ機10において設定変更モードが実行されたことに気付くことのできる可能性を高めることができる。したがって、本態様によれば、不正な者による設定情報の不正な変更を抑制することができる。
具体的には、本態様では、設定変更モード実行中報知処理又はRAMクリア報知処理B1又はB2が実行されている場合には、内枠13及び前扉枠14の少なくとも一方が開放状態となっている場合であっても扉開放報知処理を実行させない構成とする。したがって、管理者等が当該パチンコ機10において設定変更モードが実行されたことに気付くことのできる可能性を高めることができる。
なお、設定変更モード実行中報知処理及びRAMクリア報知処理B1又はB2を扉開放報知処理よりも優先させる構成としては、他の構成を採用することもできる。例えば、設定変更モード実行中報知処理又はRAMクリア報知処理B1又はB2が実行されている場合であって、内枠13及び前扉枠14の少なくとも一方が開放状態となっている場合には、扉開放報知処理の音量を、設定変更モード実行中報知処理又はRAMクリア報知処理B1又はB2が実行されていない場合よりも小さくする構成としてもよい。このような構成によれば、管理者等に、内枠13及び前扉枠14の少なくとも一方が開放状態になっていることに気付かせつつ、当該パチンコ機10において設定変更モードが実行されたことに気付かせることができる。
また、本態様によれば、設定確認モードが実行された場合に実行される報知処理である設定確認モード実行中報知処理及び設定確認モード終了後報知処理を、内枠13及び前扉枠14の少なくとも一方が開放状態となっている場合に実行される扉開放報知処理よりも優先させる。この構成を採用した理由について説明する。
先に、本態様とは異なり、扉開放報知処理が設定確認モード実行中報知処理及び設定確認モード終了後報知処理よりも優先される構成を採用した場合について説明する。この構成において、例えば、不正な者が、管理者や周囲の遊技者に気付かれずに不正に設定情報を確認しようとした場合に、内枠13及び前扉枠14の少なくとも一方を開放状態として扉開放報知処理を実行させれば、設定確認モードを実行させたとしても、設定確認モード実行中報知処理及び設定確認モード終了後報知処理よりも扉開放報知処理が優先されてしまい、管理者等に気付かれることなく設定情報を不正に確認することが可能となってしまうといった課題がある。
これに対して、本態様によれば、不正な者が内枠13及び前扉枠14の少なくとも一方を開放状態としても、設定確認モード実行中報知処理及び設定確認モード終了後報知処理が扉開放報知処理よりも優先されるので、管理者等が当該パチンコ機10において設定確認モードが実行されたことに気付くことのできる可能性を高めることができる。したがって、本態様によれば、不正な者による設定情報の不正な確認を抑制することができる。
具体的には、本態様では、設定確認モード実行中報知処理又は設定確認モード終了後報知処理が実行されている場合には、内枠13及び前扉枠14の少なくとも一方が開放状態となっている場合であっても扉開放報知処理を実行させない構成とする。したがって、管理者等が当該パチンコ機10において設定確認モードが実行されたことに気付くことのできる可能性を高めることができる。
なお、設定確認モード実行中報知処理及び設定確認モード終了後報知処理を扉開放報知処理よりも優先させる構成としては、他の構成を採用することもできる。例えば、設定確認モード実行中報知処理又は設定確認モード終了後報知処理が実行されている場合であって、内枠13及び前扉枠14の少なくとも一方が開放状態となっている場合には、扉開放報知処理の音量を、設定確認モード実行中報知処理又は設定確認モード終了後報知処理が実行されていない場合よりも小さくする構成としてもよい。このような構成によれば、管理者等に、内枠13及び前扉枠14の少なくとも一方が開放状態になっていることに気付かせつつ、当該パチンコ機10において設定確認モードが実行されたことに気付かせることができる。
また、本態様によれば、設定変更モードの実行中の期間において設定変更モード実行中報知処理を実行し、設定変更モードの終了後に設定変更モード実行中報知処理の報知態様とは異なる報知態様であるRAMクリア報知処理B1又はB2を実行する。この構成を採用した理由について説明する。
先に、本態様とは異なり、設定変更モードの実行中の期間において実行される設定変更モード実行中報知処理の報知態様と、設定変更モードの終了後に実行されるRAMクリア報知処理B1又はB2の報知態様とが同一である構成を採用した場合について説明する。この構成を採用した場合において、例えば、遊技ホールの管理者が、当該遊技ホールの営業開始前に、作業者に対して、パチンコ機10の設定情報の変更を指示した場合に、当該作業者が作業しているパチンコ機10において、設定変更モードが実行中であるのか、又は、既に設定変更モードが終了したのかを、当該管理者は設定変更モード実行中報知処理及びRAMクリア報知処理B1又はB2の報知態様からは把握することができない。したがって、管理者が作業者に対して速やかに次の指示をすることができないといった課題がある。
これに対して、本態様によれば、設定変更モードの実行中の期間において設定変更モード実行中報知処理を実行し、設定変更モードの終了後に設定変更モード実行中報知処理の報知態様とは異なる報知態様であるRAMクリア報知処理B1又はB2を実行するので、管理者は、パチンコ機10に対する作業者の作業工程を間近で確認していなくても、当該パチンコ機10が実行する報知の報知態様を把握することによって、設定変更モードが実行中であるのか、又は、既に設定変更モードが終了したのかを把握することが可能となる。したがって、管理者は、作業者に対して速やかに次の指示をすることが可能となる。
また、本態様によれば、設定確認モードの実行中の期間において設定確認モード実行中報知処理を実行し、設定確認モードの終了後に設定確認モード実行中報知処理の報知態様とは異なる報知態様である設定確認モード終了後報知処理を実行する。この構成を採用した理由について説明する。
先に、本態様とは異なり、設定確認モードの実行中の期間において実行される設定確認モード実行中報知処理の報知態様と、設定確認モードの終了後に実行される設定確認モード終了後報知処理の報知態様とが同一である構成を採用した場合について説明する。この構成を採用した場合において、例えば、遊技ホールの管理者が、当該遊技ホールの営業開始前に、作業者に対して、パチンコ機10の設定情報の確認を指示した場合に、当該作業者が作業しているパチンコ機10において、設定確認モードが実行中であるのか、又は、既に設定確認モードが終了したのかを、当該管理者は設定確認モード実行中報知処理及び設定確認モード終了後報知処理の報知態様からは把握することができない。したがって、管理者が作業者に対して速やかに次の指示をすることができないといった課題がある。
これに対して、本態様によれば、設定確認モードの実行中の期間において設定確認モード実行中報知処理を実行し、設定確認モードの終了後に設定確認モード実行中報知処理の報知態様とは異なる報知態様である設定確認モード終了後報知処理を実行するので、管理者は、パチンコ機10に対する作業者の作業工程を間近で確認していなくても、当該パチンコ機10が実行する報知の報知態様を把握することによって、設定確認モードが実行中であるのか、又は、既に設定確認モードが終了したのかを把握することが可能となる。したがって、管理者は、作業者に対して速やかに次の指示をすることが可能となる。
また、本態様によれば、RAMクリア処理が、設定変更モードの終了を契機とせずに、RAMクリア処理を実行させるための所定の操作を契機として実行された場合には、RAMクリア報知処理Aを実行する。一方、RAMクリア処理が、設定変更モードの終了を契機として実行された場合には、RAMクリア報知処理Aとは異なる報知態様であるRAMクリア報知処理B1又はB2を実行する。したがって、管理者は、当該パチンコ機10に対してどのような操作が為されたかを把握しなくても、当該パチンコ機10におけるRAMクリア報知処理の報知態様を把握することによって、RAMクリア処理が所定の操作を契機として実行されたのか、それとも、設定変更モードの終了を契機として実行されたのかを把握することが可能となる。
具体的には、例えば、遊技ホールの営業開始前に、管理者が作業者に対して、パチンコ機10にRAMクリア処理を実行させる指示はしたが設定情報を変更することは指示していなかった場合に、当該作業者が管理者の指示とは異なる作業を行なっていないかを、当該作業者の作業を目の前で監視していなくても、当該RAMクリア報知処理の報知態様によって確認することができる。
また、本態様によれば、設定変更モードにおいて設定情報が変更されなかった場合には、RAMクリア報知処理B1を実行する。一方、設定変更モードにおいて設定情報が変更された場合には、RAMクリア報知処理B1とは報知態様の異なるRAMクリア報知処理B2を実行する。したがって、管理者は、設定変更モードにおいてどのような操作が為されたかを把握しなくても、当該パチンコ機10におけるRAMクリア報知処理の報知態様を把握することによって、当該パチンコ機10において設定情報が変更されたか否かを把握することが可能となる。
具体的には、例えば、遊技ホールの営業開始前に、遊技ホールの管理者が作業者に対してパチンコ機10の設定情報の変更を指示した場合に、当該作業者が管理者の指示とは異なる作業を行なっていないかを当該RAMクリア報知処理の報知態様によって確認することができる。また、管理者自身が設定変更モードにおいて設定情報を変更した場合においても、当該RAMクリア報知処理の報知態様を確認することによって、自身の作業が正しく行なわれたのか否かを確認することができる。
また、本態様によれば、音声発光制御装置90は、RAMクリアコマンドを受信した場合において、当該RAMクリアコマンドを受信する前に設定変更モード終了コマンドA又はBを受信していなかった場合に、RAMクリア報知処理Aを実行する。一方、RAMクリアコマンドを受信した場合において、当該RAMクリアコマンドを受信する前に設定変更モード終了コマンドA又はBを受信していた場合に、RAMクリア報知処理Aとは異なる報知態様であるRAMクリア報知処理B1又はB2を実行する。したがって、RAMクリアコマンドに異なる指令内容を含ませて送信することができない構成においても、当該RAMクリアコマンドを契機としたRAMクリア報知処理を異なる報知態様で実行させることが可能となる。
具体的には、本態様で示したように、主側RAM64に記憶されている情報を消去するRAMクリア処理を実行した後にRAMクリアコマンドを送信する構成においては、RAMクリア処理の実行前に設定変更モードが実行されたのか否かの内容を含ませてRAMクリアコマンドを送信することができない。したがって、RAMクリアコマンドを受信した音声発光制御装置90に、RAMクリア処理の実行前に設定変更モードが実行されたのか否かに対応した報知態様でRAMクリア報知処理を実行させることができないといった課題があった。
これに対して、本態様によれば、RAMクリア処理の実行前に設定変更モードが実行された場合に設定変更モード終了コマンドA又はBを送信し(図123のステップS40218又はステップS40219)、RAMクリア処理の実行後に、RAMクリアコマンドを送信する(図123のステップS40221)。一方、RAMクリア処理の実行前に設定変更モードが実行されなかった場合には、設定変更モード終了コマンドA又はBを送信せずに、RAMクリア処理の実行後に、RAMクリアコマンドを送信する(図122のステップS40121)。したがって、RAMクリア処理の実行前に設定変更モードが実行されたか否かに対応した報知態様でRAMクリア報知処理を実行することが可能となる。
また、本態様によれば、音声発光制御装置90は、RAMクリアコマンドを受信した場合において、当該RAMクリアコマンドを受信する前に設定変更モード終了コマンドAを受信していた場合に、RAMクリア報知処理B1を実行する。一方、RAMクリアコマンドを受信した場合において、当該RAMクリアコマンドを受信する前に設定変更モード終了コマンドBを受信していた場合に、RAMクリア報知処理B1の報知態様とは異なる報知態様であるRAMクリア報知処理B2を実行する。したがって、RAMクリアコマンドに異なる指令内容を含ませて送信することができない構成においても、当該RAMクリアコマンドを契機としたRAMクリア報知処理を異なる報知態様で実行させることが可能となる。
具体的には、本態様で示したように、主側RAM64に記憶されている情報を消去するRAMクリア処理を実行した後にRAMクリアコマンドを送信する構成においては、RAMクリア処理の実行前の時点において主側RAM64に記憶されていた情報(本態様では設定情報が変更されたか否かを示す設定変更済みフラグの状態)に対応した指令内容を含ませてRAMクリアコマンドを送信することができない。したがって、RAMクリアコマンドを受信した音声発光制御装置90に、RAMクリア処理の実行前の時点において主側RAM64に記憶されていた情報に対応した報知態様でRAMクリア報知処理を実行させることができないといった課題があった。
これに対して、本態様によれば、主側RAM64に記憶されている情報である設定変更済みフラグの状態に基づいて、設定変更モード終了コマンドA又は設定変更モード終了コマンドBのいずれかを送信する構成とし、RAMクリア処理を実行した後に、RAMクリアコマンドを送信する構成とするので、RAMクリア処理の実行前の時点においてRAMに記憶されていた情報である設定変更済みフラグの状態に対応した報知態様でRAMクリア報知処理を実行することが可能となる。
また、本態様によれば、音声発光制御装置90は、RAMクリアコマンドを受信したことを契機として報知を実行するが、設定変更モード終了コマンドA又はBを受信したことを契機としては報知を実行しない。このような構成を採用した理由について説明する。
先に、本態様とは異なり、音声発光制御装置90が設定変更モード終了コマンドA又はBを受信したことを契機としても報知を実行する構成を採用した場合について説明する。この構成を採用した場合には、音声発光制御装置90は、設定変更モード終了コマンドA又はBを受信したことを契機とした報知の実行中にRAMクリアコマンドを受信することになる。そうすると、音声発光制御装置90は、設定変更モード終了コマンドA又はBを受信したことを契機とした報知と、RAMクリアコマンドを受信したことを契機とした報知とを重複して実行する構成を採用するか、あるいは、設定変更モード終了コマンドA又はBを受信したことを契機とした報知を、RAMクリアコマンドを受信したことを契機とした報知の開始に伴って終了させる構成を採用することになる。
しかしながら、設定変更モード終了コマンドA又はBを受信したことを契機とした報知とRAMクリアコマンドを受信したことを契機とした報知とを重複して実行する構成を採用した場合には、管理者がいずれの報知の内容も認識することができないといった課題がある。また、設定変更モード終了コマンドA又はBを受信したことを契機とした報知を、RAMクリアコマンドを受信したことを契機とした報知の開始に伴って終了させる構成を採用した場合には、設定変更モード終了コマンドA又はBを受信したことを契機とした報知(例えば、設定変更モードが終了したことの報知)が短期間で終了してしまい、管理者が設定変更モード終了コマンドA又はBを受信したことを契機とした報知に気付くことができず、設定変更モードが終了したことを認識することができないといった課題がある。
これに対して、本態様によれば、音声発光制御装置90は、RAMクリアコマンドを受信したことを契機として報知を実行するが、設定変更モード終了コマンドA又はBを受信したことを契機としては報知を実行しないので、設定変更モード終了コマンドA又はBを受信したことを契機とした報知とRAMクリアコマンドを受信したことを契機とした報知とが重複して実行されてしまい、管理者がいずれの報知の内容も認識することができないといった事態を回避することができる。
そして、本態様の構成によれば、RAMクリアコマンドを受信したことを契機とした報知であるRAMクリア報知処理B1又はB2を実行することによって、RAMクリア処理が終了したことに加えて、設定変更モードが終了したことを報知するので、管理者は、RAMクリア処理が終了したことに加えて、設定変更モードが終了したことを確実に認識することが可能となる。したがって、設定変更モード終了コマンドA又はBを受信したことを契機とした報知が実行されなくても問題は無く、また、上述した設定変更モード終了コマンドA又はBを受信したことを契機とした報知(例えば、設定変更モードが終了したことの報知)が短期間で終了してしまい、管理者が設定変更モード終了コマンドA又はBを受信したことを契機とした報知に気付くことができず、設定変更モードが終了したことを認識することができないといった課題も解決することができる。
また、本態様によれば、音声発光制御装置90は、RAMクリアコマンドを受信した場合において、当該RAMクリアコマンドを受信する前に設定変更モード終了コマンドA又はBを受信していなかった場合に、RAMクリア報知処理Aを実行する。一方、RAMクリアコマンドを受信した場合において、当該RAMクリアコマンドを受信する前に設定変更モード終了コマンドA又はBを受信していた場合に、RAMクリア報知処理Aの報知態様とは異なる報知態様であるRAMクリア報知処理B1又はB2を実行するので、RAMクリア報知処理を認識した管理者に対して、音声発光制御装置90がRAMクリアコマンドを受信する前に設定変更モード終了コマンドA又はBを受信していたのか否かを把握させることができる。具体的には、RAMクリア報知処理を認識した管理者に対して、RAMクリア処理の前に設定変更モードが実行されたのか否かを把握させることが可能となる。
なお、本態様では、主制御装置60においてタイマ割込み処理(図125)が開始されるまでは扉監視処理(ステップS40414)が実行されないため、設定変更モードの実行中や設定確認モードの実行中は扉監視処理が実行されず、結果として、設定変更モード実行中報知処理や設定確認モード実行中報知処理が、扉開放報知処理よりも優先される構成としたが、設定変更モードの実行中や設定確認モードの実行中においても扉監視処理を実行可能な構成とした上で、設定変更モード実行中報知処理や設定確認モード実行中報知処理を、扉開放報知処理よりも優先させる構成としてもよい。具体的には、例えば、枠開放スイッチ及び扉開放スイッチの信号を音声発光制御装置90も受信可能な構成とし、当該パチンコ機10への電力の供給が開始された後、主制御装置60において設定変更モードや設定確認モードが実行されている期間においても、音声発光制御装置90が内枠13及び前扉枠14の状態を監視する構成とした上で、設定変更モード実行中報知処理や設定確認モード実行中報知処理を、扉開放報知処理よりも優先させる構成としてもよい。
<態様122>
上記各態様のうち、設定変更モードが終了した後に所定の報知処理(上記態様121ではRAMクリア報知処理B1又はB2)を実行する構成において、所定の報知処理の実行中に当該パチンコ機10への電力の供給が断たれた場合には、当該パチンコ機10への電力の供給が再び開始された場合に、所定の報知処理を実行する構成を採用してもよい。この構成を採用した理由について説明する。
先に、本態様とは異なり、所定の報知処理の実行中に当該パチンコ機10への電力の供給が断たれた場合であっても、当該パチンコ機10への電力の供給が再び開始された場合に所定の報知処理を実行しない構成を採用した場合について説明する。この構成において、例えば、管理者ではない不正な意図を有する者(以下、「不正な者」ともいう)が、管理者や周囲の遊技者に気付かれずに不正に設定情報を変更しようとした場合に、設定変更モードを実行させて設定情報を変更し、設定変更モードを終了させた後、当該パチンコ機10の電源スイッチをOFFにして当該パチンコ機10への電力の供給を断ってしまえば、当該所定の報知処理を終了させることができ、管理者等に気付かれることなく設定情報を不正に変更することが可能となってしまう。そして、その後、再び当該パチンコ機10の電源スイッチをONにして当該パチンコ機10への電力の供給を開始させれば、管理者等に気付かれることなく、設定情報が不正に変更された当該パチンコ機10において不正な者が遊技を行なうことが可能となってしまうといった課題がある。
これに対して、本態様によれば、不正な者が設定変更モードを終了させた後に当該パチンコ機10の電源スイッチをOFFにして当該パチンコ機10への電力の供給を断って所定の報知処理を終了させたとしても、当該パチンコ機10において遊技を行なおうとして当該パチンコ機10の電源スイッチをONにして当該パチンコ機10への電力の供給を再び開始させれば、所定の報知処理が実行されることになる。したがって、管理者等は、当該所定の報知処理によって、当該パチンコ機10において設定変更モードが実行されたことに気付くことができる。この結果、本態様によれば、不正な者による設定情報の不正な変更及び設定情報が不正に変更されたパチンコ機10において遊技が行なわれてしまうことを抑制することができる。
なお、本態様を実現する具体的な構成としては、例えば、音光側RAM94の所定の記憶領域に所定のフラグを記憶させ、音光側RAM94は、当該パチンコ機10への電力の供給が断たれた状態であっても当該所定のフラグの状態を維持することが可能である構成とする。そして、所定の報知処理の開始の際に当該所定のフラグをONにし、所定の報知処理の終了の際に当該所定のフラグをOFFにする構成とする。そうすると、所定の報知処理の実行中にパチンコ機10の電源スイッチがOFFにされ、当該パチンコ機10への電力の供給が断たれた場合には、音光側RAM94に記憶されている当該所定のフラグはONの状態に維持される。そして、音声発光制御装置90は、当該パチンコ機10への電力の供給が再び開始された際に、設定変更モードが実行されなかった場合であっても、すなわち、主制御装置60から通常起動コマンド(図122のステップS40111)を受信した場合であっても、当該パチンコ機10への電力の供給が開始された際に当該所定のフラグがONであると判定した場合には、所定の報知処理を実行する構成とする。このような構成とすれば、主制御装置60における処理を複雑化することなく本態様を実現することができる。
<態様123>
上記各態様のうち、設定確認モードが終了した後に所定の報知処理(上記態様121では設定確認モード終了後報知処理)を実行する構成において、所定の報知処理の実行中に当該パチンコ機10への電力の供給が断たれた場合には、当該パチンコ機10への電力の供給が再び開始された場合に、所定の報知処理を実行する構成を採用してもよい。この構成を採用した理由について説明する。
先に、本態様とは異なり、所定の報知処理の実行中に当該パチンコ機10への電力の供給が断たれた場合であっても、当該パチンコ機10への電力の供給が再び開始された場合に所定の報知処理を実行しない構成を採用した場合について説明する。この構成において、例えば、管理者ではない不正な意図を有する者(以下、「不正な者」ともいう)が、管理者や周囲の遊技者に気付かれずに不正に設定情報を確認しようとした場合に、設定確認モードを実行させて設定情報を確認し、設定確認モードを終了させた後、当該パチンコ機10の電源スイッチをOFFにして当該パチンコ機10への電力の供給を断ってしまえば、当該所定の報知処理を終了させることができ、管理者等に気付かれることなく設定情報を不正に確認することが可能となってしまう。そして、その後、再び当該パチンコ機10の電源スイッチをONにして当該パチンコ機10への電力の供給を開始させれば、管理者等に気付かれることなく、設定情報が不正に確認された当該パチンコ機10において不正な者が遊技を行なうことが可能となってしまうといった課題がある。
これに対して、本態様によれば、不正な者が設定確認モードを終了させた後に当該パチンコ機10の電源スイッチをOFFにして当該パチンコ機10への電力の供給を断って所定の報知処理を終了させたとしても、当該パチンコ機10において遊技を行なおうとして当該パチンコ機10の電源スイッチをONにして当該パチンコ機10への電力の供給を再び開始させれば、所定の報知処理が実行されることになる。したがって、管理者等は、当該所定の報知処理によって、当該パチンコ機10において設定確認モードが実行されたことに気付くことができる。この結果、本態様によれば、不正な者による設定情報の不正な確認及び設定情報が不正に確認されたパチンコ機10において遊技が行なわれてしまうことを抑制することができる。
なお、本態様を実現する具体的な構成としては、例えば、音光側RAM94の所定の記憶領域に所定のフラグを記憶させ、音光側RAM94は、当該パチンコ機10への電力の供給が断たれた状態であっても当該所定のフラグの状態を維持することが可能である構成とする。そして、所定の報知処理の開始の際に当該所定のフラグをONにし、所定の報知処理の終了の際に当該所定のフラグをOFFにする構成とする。そうすると、所定の報知処理の実行中にパチンコ機10の電源スイッチがOFFにされ、当該パチンコ機10への電力の供給が断たれた場合には、音光側RAM94に記憶されている当該所定のフラグはONの状態に維持される。そして、音声発光制御装置90は、当該パチンコ機10への電力の供給が再び開始された際に、設定確認モードが実行されなかった場合であっても、すなわち、主制御装置60から通常起動コマンド(図122のステップS40111)を受信した場合であっても、当該パチンコ機10への電力の供給が開始された際に当該所定のフラグがONであると判定した場合には、所定の報知処理を実行する構成とする。このような構成とすれば、主制御装置60における処理を複雑化することなく本態様を実現することができる。
<態様124>
上記各態様のうち、設定変更モードが実行された場合に所定の報知処理(上記態様121では設定変更モード実行中報知処理、RAMクリア報知処理B1又はB2)を実行する構成において、所定の報知処理を、特図ユニット37における図柄の変動を契機として実行される演出よりも優先させる構成としてもよい。この構成を採用した理由について説明する。
先に、本態様とは異なり、音声発光制御装置90及び表示制御装置100によって実行される演出が所定の報知処理よりも優先される構成を採用した場合について説明する。この構成において、例えば、管理者ではない不正な意図を有する者(以下、「不正な者」ともいう)が、管理者や周囲の遊技者に気付かれずに不正に設定情報を変更しようとした場合に、例えば遊技球を第1始動口33に入球させて図柄の変動を開始させて演出を実行させれば、設定変更モードを実行させたとしても、所定の報知処理よりも演出が優先されてしまい、管理者等に気付かれることなく設定情報を不正に変更することが可能となってしまうといった課題がある。
これに対して、本態様によれば、不正な者が遊技球を第1始動口33に入球させて図柄の変動を開始させたとしても、所定の報知処理が演出よりも優先されるので、管理者等が当該パチンコ機10において設定変更モードが実行されたことに気付くことのできる可能性を高めることができる。したがって、本態様によれば、不正な者による設定情報の不正な変更を抑制することができる。
具体的には、本態様では、所定の報知処理が実行されている場合には、特図ユニット37において図柄が変動している場合であっても演出を実行させないので、管理者等が当該パチンコ機10において設定変更モードが実行されたことに気付くことのできる可能性を高めることができる。
なお、所定の報知処理(設定変更モード実行中報知処理やRAMクリア報知処理B1又はB2)を演出よりも優先させる構成としては、他の構成を採用することもできる。例えば、所定の報知処理が実行されている場合には、特図ユニット37において図柄が変動している場合であっても、演出の一部としての特定音を出力させない構成(演出の一部としての画像は表示させる構成)としてもよい。このような構成としても、管理者等が当該パチンコ機10において設定変更モードが実行されたことに気付くことのできる可能性を高めることができる。また、他の構成として、例えば、所定の報知処理が実行されている場合であって、特図ユニット37において図柄が変動している場合には、演出の一部としての特定音の音量を、所定の報知処理が実行されていない場合よりも小さくする構成としてもよい。この構成によれば、管理者等に、特図ユニット37において図柄が変動していることに気付かせつつ、当該パチンコ機10において設定変更モードが実行されたことに気付かせることができる。
また、設定変更モードの実行中は特図ユニット37における図柄の変動が実行されない(当たり抽選が実行されない)構成においては、設定変更モードが終了した後に実行されるRAMクリア報知処理B1又はB2を、演出よりも優先させる構成とすればよい。
<態様125>
上記各態様のうち、設定確認モードが実行された場合に所定の報知処理(上記態様121では設定確認モード実行中報知処理、設定確認モード終了後報知処理)を実行する構成において、所定の報知処理を、特図ユニット37における図柄の変動を契機として実行される演出よりも優先させる構成としてもよい。この構成を採用した理由について説明する。
先に、本態様とは異なり、音声発光制御装置90及び表示制御装置100によって実行される演出が所定の報知処理よりも優先される構成を採用した場合について説明する。この構成において、例えば、管理者ではない不正な意図を有する者(以下、「不正な者」ともいう)が、管理者や周囲の遊技者に気付かれずに不正に設定情報を確認しようとした場合に、例えば遊技球を第1始動口33に入球させて図柄の変動を開始させて演出を実行させれば、設定確認モードを実行させたとしても、所定の報知処理よりも演出が優先されてしまい、管理者等に気付かれることなく設定情報を不正に確認することが可能となってしまうといった課題がある。
これに対して、本態様によれば、不正な者が遊技球を入球手段に入球させて図柄の変動を開始させたとしても、所定の報知処理が演出よりも優先されるので、管理者等が当該パチンコ機10において設定確認モードが実行されたことに気付くことのできる可能性を高めることができる。したがって、本態様によれば、不正な者による設定情報の不正な確認を抑制することができる。
具体的には、本態様では、所定の報知処理が実行されている場合には、特図ユニット37において図柄が変動している場合であっても演出を実行させないので、管理者等が当該パチンコ機10において設定確認モードが実行されたことに気付くことのできる可能性を高めることができる。
なお、所定の報知処理(設定確認モード実行中報知処理や設定確認モード終了後報知処理)を演出よりも優先させる構成としては、他の構成を採用することもできる。例えば、所定の報知処理が実行されている場合には、特図ユニット37において図柄が変動している場合であっても、演出の一部としての特定音を出力させない構成(演出の一部としての画像は表示させる構成)としてもよい。このような構成としても、管理者等が当該パチンコ機10において設定確認モードが実行されたことに気付くことのできる可能性を高めることができる。また、他の構成として、例えば、所定の報知処理が実行されている場合であって、特図ユニット37において図柄が変動している場合には、演出の一部としての特定音の音量を、所定の報知処理が実行されていない場合よりも小さくする構成としてもよい。この構成によれば、管理者等に、特図ユニット37において図柄が変動していることに気付かせつつ、当該パチンコ機10において設定確認モードが実行されたことに気付かせることができる。
また、設定確認モードの実行中は特図ユニット37における図柄の変動が実行されない(当たり抽選が実行されない)構成においては、設定確認モードが終了した後に実行される設定確認モード終了後報知処理を、演出よりも優先させる構成とすればよい。
<態様126>
上記各態様のうち、設定変更モードが実行された場合に所定の報知処理(上記態様121では設定変更モード実行中報知処理、RAMクリア報知処理B1又はB2)を実行する構成において、下皿21に貯留された遊技球が所定量以上となった場合に下皿満杯報知処理を実行する構成とし、所定の報知処理を当該下皿満杯報知処理よりも優先させる構成としてもよい。下皿満杯報知処理は、例えば、「下皿が一杯です。玉を抜いて下さい」といった音声をスピーカー46から繰り返し出力させ、図柄表示装置41の表示面41aに「下皿が一杯です。玉を抜いて下さい」といった文字列を最上位のレイヤーに赤文字で表示させる処理である。
所定の報知処理を下皿満杯報知処理よりも優先させる構成を採用した理由について説明する。
先に、本態様とは異なり、下皿満杯報知処理が所定の報知処理よりも優先される構成を採用した場合について説明する。この構成において、例えば、管理者ではない不正な意図を有する者(以下、「不正な者」ともいう)が、管理者や周囲の遊技者に気付かれずに不正に設定情報を変更しようとした場合に、例えば遊技球を下皿21に所定量以上となるように貯留させて下皿満杯報知処理を実行させれば、設定変更モードを実行させたとしても、所定の報知処理よりも下皿満杯報知処理が優先されてしまい、管理者等に気付かれることなく設定情報を不正に変更することが可能となってしまうといった課題がある。
これに対して、本態様によれば、不正な者が遊技球を下皿21に所定量以上となるように貯留させたとしても、所定の報知処理が下皿満杯報知処理よりも優先されるので、管理者等が当該パチンコ機10において設定変更モードが実行されたことに気付くことのできる可能性を高めることができる。したがって、本態様によれば、不正な者による設定情報の不正な変更を抑制することができる。
具体的には、本態様では、所定の報知処理が実行されている場合には、下皿21に貯留された遊技球が所定量以上となった場合であっても下皿満杯報知処理を実行させないので、管理者等が当該パチンコ機10において設定変更モードが実行されたことに気付くことのできる可能性を高めることができる。
なお、所定の報知処理(設定変更モード実行中報知処理やRAMクリア報知処理B1又はB2)を下皿満杯報知処理よりも優先させる構成としては、他の構成を採用することもできる。例えば、所定の報知処理が実行されている場合には、下皿21に貯留された遊技球が所定量以上となった場合であっても、下皿満杯報知処理の一部としての特定の報知音(例えば「下皿が一杯です。玉を抜いて下さい」といった音声)を出力させない構成(下皿満杯報知処理の一部としての文字列(例えば「下皿が一杯です。玉を抜いて下さい」といった文字列)は図柄表示装置41に表示させる構成)としてもよい。このような構成としても、管理者等が当該パチンコ機10において設定変更モードが実行されたことに気付くことのできる可能性を高めることができる。また、他の構成として、例えば、所定の報知処理が実行されている場合であって、下皿21に貯留された遊技球が所定量以上となった場合には、下皿満杯報知処理の一部としての特定の報知音の音量を、所定の報知処理が実行されていない場合よりも小さくする構成としてもよい。この構成によれば、管理者等に、下皿21に貯留された遊技球が所定量以上となっていることに気付かせつつ、当該パチンコ機10において設定変更モードが実行されたことに気付かせることができる。
また、設定変更モードの実行中は下皿21に貯留されている遊技球が所定量以上となっているか否かを監視しない構成においては、設定変更モードが終了した後に実行されるRAMクリア報知処理B1又はB2を、下皿満杯報知処理よりも優先させる構成とすればよい。
<態様127>
上記各態様のうち、設定確認モードが実行された場合に所定の報知処理(上記態様121では設定確認モード実行中報知処理、設定確認モード終了後報知処理)を実行する構成において、下皿21に貯留された遊技球が所定量以上となった場合に下皿満杯報知処理を実行する構成とし、所定の報知処理を当該下皿満杯報知処理よりも優先させる構成としてもよい。下皿満杯報知処理は、例えば、「下皿が一杯です。玉を抜いて下さい」といった音声をスピーカー46から繰り返し出力させ、図柄表示装置41の表示面41aに「下皿が一杯です。玉を抜いて下さい」といった文字列を最上位のレイヤーに赤文字で表示させる処理である。
所定の報知処理を下皿満杯報知処理よりも優先させる構成を採用した理由について説明する。
先に、本態様とは異なり、下皿満杯報知処理が所定の報知処理よりも優先される構成を採用した場合について説明する。この構成において、例えば、管理者ではない不正な意図を有する者(以下、「不正な者」ともいう)が、管理者や周囲の遊技者に気付かれずに不正に設定情報を確認しようとした場合に、例えば遊技球を下皿21に所定量以上となるように貯留させて下皿満杯報知処理を実行させれば、設定確認モードを実行させたとしても、所定の報知処理よりも下皿満杯報知処理が優先されてしまい、管理者等に気付かれることなく設定情報を不正に確認することが可能となってしまうといった課題がある。
これに対して、本態様によれば、不正な者が遊技球を下皿21に所定量以上となるように貯留させたとしても、所定の報知処理が下皿満杯報知処理よりも優先されるので、管理者等が当該パチンコ機10において設定確認モードが実行されたことに気付くことのできる可能性を高めることができる。したがって、本態様によれば、不正な者による設定情報の不正な確認を抑制することができる。
具体的には、本態様では、所定の報知処理が実行されている場合には、下皿21に貯留された遊技球が所定量以上となった場合であっても下皿満杯報知処理を実行させないので、管理者等が当該パチンコ機10において設定確認モードが実行されたことに気付くことのできる可能性を高めることができる。
なお、所定の報知処理(設定確認モード実行中報知処理や設定確認モード終了後)を下皿満杯報知処理よりも優先させる構成としては、他の構成を採用することもできる。例えば、所定の報知処理が実行されている場合には、下皿21に貯留された遊技球が所定量以上となった場合であっても、下皿満杯報知処理の一部としての特定の報知音(例えば「下皿が一杯です。玉を抜いて下さい」といった音声)を出力させない構成(下皿満杯報知処理の一部としての文字列(例えば「下皿が一杯です。玉を抜いて下さい」といった文字列)は図柄表示装置41に表示させる構成)としてもよい。このような構成としても、管理者等が当該パチンコ機10において設定確認モードが実行されたことに気付くことのできる可能性を高めることができる。また、他の構成として、例えば、所定の報知処理が実行されている場合であって、下皿21に貯留された遊技球が所定量以上となった場合には、下皿満杯報知処理の一部としての特定の報知音の音量を、所定の報知処理が実行されていない場合よりも小さくする構成としてもよい。この構成によれば、管理者等に、下皿21に貯留された遊技球が所定量以上となっていることに気付かせつつ、当該パチンコ機10において設定確認モードが実行されたことに気付かせることができる。
また、設定確認モードの実行中は下皿21に貯留されている遊技球が所定量以上となっているか否かを監視しない構成においては、設定確認モードが終了した後に実行される設定確認モード終了後報知処理を、下皿満杯報知処理よりも優先させる構成とすればよい。
<態様128>
上記各態様のうち、設定変更モードが実行された場合に所定の報知処理(上記態様121では設定変更モード実行中報知処理、RAMクリア報知処理B1又はB2)を実行する構成において、遊技球の発射態様が所定の発射態様ではない場合に発射態様示唆報知処理を実行する構成とし、所定の報知処理を当該発射態様示唆報知処理よりも優先させる構成としてもよい。発射態様示唆報知処理は、遊技球を所定の発射態様で発射すべきことを示唆するための報知処理であり、例えば、左打ち示唆報知処理や右打ち示唆報知処理を挙げることができる。
左打ち示唆報知処理は、いわゆる「左打ち」をすべき遊技状態においていわゆる「右打ち」を遊技者が行なっている場合に、「左打ち」をすべきであることを示唆するために実行される報知処理であり、例えば、「左打ちをして下さい」といった音声及び警報音をスピーカー46から交互に繰り返し出力させ、図柄表示装置41の表示面41aに「左打ちをして下さい」といった文字列を最上位のレイヤーに赤文字で表示させる処理である。なお、「左打ち」とは、遊技盤30の遊技領域のうちの左側の遊技領域に遊技球を流通させる発射態様であり、「右打ち」とは、遊技盤30の遊技領域のうちの右側の遊技領域に遊技球を流通させる発射態様である。
右打ち示唆報知処理は、「右打ち」をすべき遊技状態において「左打ち」を遊技者が行なっている場合に、「右打ち」をすべきであることを示唆するために実行される報知処理であり、例えば、「右打ちをして下さい」といった音声及び警報音をスピーカー46から交互に繰り返し出力させ、図柄表示装置41の表示面41aに「右打ちをして下さい」といった文字列を最上位のレイヤーに赤文字で表示させる処理である。
所定の報知処理(設定変更モード実行中報知処理、RAMクリア報知処理B1又はB2)を発射態様示唆報知処理よりも優先させる構成を採用した理由について説明する。
先に、本態様とは異なり、発射態様示唆報知処理が所定の報知処理よりも優先される構成を採用した場合について説明する。この構成において、例えば、管理者ではない不正な意図を有する者(以下、「不正な者」ともいう)が、管理者や周囲の遊技者に気付かれずに不正に設定情報を変更しようとした場合に、所定の発射態様ではない発射態様で遊技球を発射させて発射態様示唆報知処理を実行させれば、設定変更モードを実行させたとしても、所定の報知処理よりも発射態様示唆報知処理が優先されてしまい、管理者等に気付かれることなく設定情報を不正に変更することが可能となってしまうといった課題がある。
これに対して、本態様によれば、不正な者が所定の発射態様ではない発射態様で遊技球を発射させたとしても、所定の報知処理が発射態様示唆報知処理よりも優先されるので、管理者等が当該パチンコ機10において設定変更モードが実行されたことに気付くことのできる可能性を高めることができる。したがって、本態様によれば、不正な者による設定情報の不正な変更を抑制することができる。
具体的には、本態様では、所定の報知処理が実行されている場合には、所定の発射態様ではない発射態様で遊技球が発射された場合であっても発射態様示唆報知処理を実行させないので、管理者等が当該パチンコ機10において設定変更モードが実行されたことに気付くことのできる可能性を高めることができる。
なお、所定の報知処理(設定変更モード実行中報知処理やRAMクリア報知処理B1又はB2)を発射態様示唆報知処理よりも優先させる構成としては、他の構成を採用することもできる。例えば、所定の報知処理が実行されている場合には、所定の発射態様ではない発射態様で遊技球が発射された場合であっても、発射態様示唆報知処理の一部としての特定の報知音(例えば「左打ちをして下さい」といった音声や警報音)を出力させない構成(発射態様示唆報知処理の一部としての文字列(例えば「左打ちをして下さい」といった文字列)は図柄表示装置41に表示させる構成)としてもよい。このような構成としても、管理者等が当該パチンコ機10において設定変更モードが実行されたことに気付くことのできる可能性を高めることができる。また、他の構成として、例えば、所定の報知処理が実行されている場合であって、所定の発射態様ではない発射態様で遊技球が発射された場合には、発射態様示唆報知処理の一部としての特定の報知音の音量を、所定の報知処理が実行されていない場合よりも小さくする構成としてもよい。この構成によれば、管理者等に、所定の発射態様ではない発射態様で遊技球が発射されていることに気付かせつつ、当該パチンコ機10において設定変更モードが実行されたことに気付かせることができる。
また、設定変更モードの実行中は遊技球の発射態様が所定の発射態様であるか否かを監視しない構成においては、設定変更モードが終了した後に実行されるRAMクリア報知処理B1又はB2を、発射態様示唆報知処理よりも優先させる構成とすればよい。
また、遊技球の発射態様が所定の発射態様であるか否かを判定する方法としては、種々の方法を採用することができる。例えば、「左打ち」をすべき遊技状態において遊技者が「左打ち」を行なっているか否かを判定する方法としては、右側の遊技領域に設けられた所定の入球部に当該遊技状態において遊技球が入球したか否かによって判定することができ、当該所定の入球部に遊技球が入球した場合に、遊技球の発射態様が所定の発射態様ではないと判定することができる。
<態様129>
上記各態様のうち、設定確認モードが実行された場合に所定の報知処理(上記態様121では設定確認モード実行中報知処理、設定確認モード終了後報知処理)を実行する構成において、遊技球の発射態様が所定の発射態様ではない場合に発射態様示唆報知処理を実行する構成とし、所定の報知処理を当該発射態様示唆報知処理よりも優先させる構成としてもよい。発射態様示唆報知処理は、遊技球を所定の発射態様で発射すべきことを示唆するための報知処理であり、例えば、左打ち示唆報知処理や右打ち示唆報知処理を挙げることができる。
左打ち示唆報知処理は、いわゆる「左打ち」をすべき遊技状態においていわゆる「右打ち」を遊技者が行なっている場合に、「左打ち」をすべきであることを示唆するために実行される報知処理であり、例えば、「左打ちをして下さい」といった音声及び警報音をスピーカー46から交互に繰り返し出力させ、図柄表示装置41の表示面41aに「左打ちをして下さい」といった文字列を最上位のレイヤーに赤文字で表示させる処理である。なお、「左打ち」とは、遊技盤30の遊技領域のうちの左側の遊技領域に遊技球を流通させる発射態様であり、「右打ち」とは、遊技盤30の遊技領域のうちの右側の遊技領域に遊技球を流通させる発射態様である。
右打ち示唆報知処理は、「右打ち」をすべき遊技状態において「左打ち」を遊技者が行なっている場合に、「右打ち」をすべきであることを示唆するために実行される報知処理であり、例えば、「右打ちをして下さい」といった音声及び警報音をスピーカー46から交互に繰り返し出力させ、図柄表示装置41の表示面41aに「右打ちをして下さい」といった文字列を最上位のレイヤーに赤文字で表示させる処理である。
所定の報知処理(設定確認モード実行中報知処理、設定確認モード終了後報知処理)を発射態様示唆報知処理よりも優先させる構成を採用した理由について説明する。
先に、本態様とは異なり、発射態様示唆報知処理が所定の報知処理よりも優先される構成を採用した場合について説明する。この構成において、例えば、管理者ではない不正な意図を有する者(以下、「不正な者」ともいう)が、管理者や周囲の遊技者に気付かれずに不正に設定情報を確認しようとした場合に、所定の発射態様ではない発射態様で遊技球を発射させて発射態様示唆報知処理を実行させれば、設定確認モードを実行させたとしても、所定の報知処理よりも発射態様示唆報知処理が優先されてしまい、管理者等に気付かれることなく設定情報を不正に確認することが可能となってしまうといった課題がある。
これに対して、本態様によれば、不正な者が所定の発射態様ではない発射態様で遊技球を発射させたとしても、所定の報知処理が発射態様示唆報知処理よりも優先されるので、管理者等が当該パチンコ機10において設定確認モードが実行されたことに気付くことのできる可能性を高めることができる。したがって、本態様によれば、不正な者による設定情報の不正な確認を抑制することができる。
具体的には、本態様では、所定の報知処理が実行されている場合には、所定の発射態様ではない発射態様で遊技球が発射された場合であっても発射態様示唆報知処理を実行させないので、管理者等が当該パチンコ機10において設定確認モードが実行されたことに気付くことのできる可能性を高めることができる。
なお、所定の報知処理(設定確認モード実行中報知処理やRAMクリア報知処理B1又はB2)を発射態様示唆報知処理よりも優先させる構成としては、他の構成を採用することもできる。例えば、所定の報知処理が実行されている場合には、所定の発射態様ではない発射態様で遊技球が発射された場合であっても、発射態様示唆報知処理の一部としての特定の報知音(例えば「左打ちをして下さい」といった音声や警報音)を出力させない構成(発射態様示唆報知処理の一部としての文字列(例えば「左打ちをして下さい」といった文字列)は図柄表示装置41に表示させる構成)としてもよい。このような構成としても、管理者等が当該パチンコ機10において設定確認モードが実行されたことに気付くことのできる可能性を高めることができる。また、他の構成として、例えば、所定の報知処理が実行されている場合であって、所定の発射態様ではない発射態様で遊技球が発射された場合には、発射態様示唆報知処理の一部としての特定の報知音の音量を、所定の報知処理が実行されていない場合よりも小さくする構成としてもよい。この構成によれば、管理者等に、所定の発射態様ではない発射態様で遊技球が発射されていることに気付かせつつ、当該パチンコ機10において設定確認モードが実行されたことに気付かせることができる。
また、設定確認モードの実行中は遊技球の発射態様が所定の発射態様であるか否かを監視しない構成においては、設定確認モードが終了した後に実行される設定確認モード終了後報知処理を、発射態様示唆報知処理よりも優先させる構成とすればよい。
また、遊技球の発射態様が所定の発射態様であるか否かを判定する方法としては、種々の方法を採用することができる。例えば、「左打ち」をすべき遊技状態において遊技者が「左打ち」を行なっているか否かを判定する方法としては、右側の遊技領域に設けられた所定の入球部に当該遊技状態において遊技球が入球したか否かによって判定することができ、当該所定の入球部に遊技球が入球した場合に、遊技球の発射態様が所定の発射態様ではないと判定することができる。
<態様130>
上記各態様のうち、設定変更モードが実行された場合に、当該設定変更モードの終了後に所定の報知処理(上記態様121ではRAMクリア報知処理B1又はB2)を実行する構成において、磁気センサーによって検出された磁気が所定の条件を満たした場合に磁気検出報知処理を実行する構成とし、当該磁気検出報知処理を所定の報知処理よりも優先させる構成としてもよい。
磁気検出報知処理は、例えば、「磁気を検出しました」といった音声及び警報音をスピーカー46から交互に繰り返し出力させ、各種ランプ47のうち、フルカラー(RGB)LEDランプについては最大輝度による赤色の点灯と消灯とを繰り返させ、単色LEDランプについては最大輝度による点灯と消灯とを繰り返させ、図柄表示装置41の表示面41aに「磁気を検出しました」といった文字列を最上位のレイヤーに赤文字で表示させる処理である。
磁気検出報知処理を所定の報知処理(RAMクリア報知処理B1又はB2)よりも優先させる構成を採用した理由について説明する。
先に、本態様とは異なり、所定の報知処理が磁気検出報知処理よりも優先される構成を採用した場合について説明する。この構成において、例えば、管理者によって設定変更モードが実行された後、当該設定変更モードを終了させて管理者が当該パチンコ機10から去り、当該パチンコ機10において所定の報知処理が実行されている状況において、不正な者が、例えば磁石を用いて遊技球を第1始動口33等に不正に入球させようとしたとしても、磁気検出報知処理よりも所定の報知処理が優先されてしまい、管理者等に気付かれることなく磁石を用いて不正に遊技球を第1始動口33等に入球させることが可能となってしまうといった課題がある。
これに対して、本態様によれば、所定の報知が実行されている状況において磁石を用いて遊技球を第1始動口33等に不正に入球させようとしたとしても、磁気検出報知処理が所定の報知処理よりも優先されるので、管理者等が当該パチンコ機10において不正に磁石が用いられたことに気付くことのできる可能性を高めることができる。したがって、本態様によれば、不正な者による不正な磁石の利用を抑制することができる。
具体的には、本態様では、磁気センサーによって検出された磁気が所定の条件を満たし、磁気検出報知処理が実行される場合、例えば、検出された磁気の強度が所定以上であると判定され、磁気検出報知処理が実行される場合には、設定変更モードが実行された場合であっても所定の報知処理を実行させない(所定の報知処理の実行中に磁気センサーによって検出された磁気が所定の条件を満たした場合には当該所定の報知処理を終了させる)ので、管理者等が当該遊技機において不正に磁石が用いられたことに気付くことのできる可能性を高めることができる。
なお、磁気検出報知処理を所定の報知処理(RAMクリア報知処理B1又はB2)よりも優先させる構成としては、他の構成を採用することもできる。例えば、磁気センサーによって検出された磁気が所定の条件を満たし、磁気検出報知処理が実行される場合には、設定変更モードが実行された場合であっても特定の報知音(例えば「設定が変更されました。RAMがクリアされました」といった音声)を出力させない構成(所定の報知処理の一部としての文字列(例えば「設定が変更されました。RAMがクリアされました」といった文字列)は図柄表示装置41に表示させる構成)としてもよい。このような構成としても、管理者等が当該パチンコ機10において不正に磁石が用いられたことに気付くことのできる可能性を高めることができる。また、他の構成として、例えば、磁気センサーによって検出された磁気が所定の条件を満たし、磁気検出報知処理が実行される場合であって、設定変更モードが実行された場合には、所定の報知処理の一部としての特定の報知音の音量を、磁気検出報知処理が実行されていない場合よりも小さくする構成としてもよい。この構成によれば、管理者等に、当該パチンコ機10において設定変更モードが実行されたことに気付かせつつ、当該パチンコ機10において不正に磁石が用いられたことに気付かせることができる。
また、本態様の構成は、磁気センサーによって検出された磁気が所定の条件を満たした場合であっても遊技の進行を停止させないパチンコ機10において特に有効である。
また、本態様では、設定変更モードの実行中は遊技を進行させるための処理(タイマ割込み処理に含まれる始動口用の入球処理等)が実行されないので、不正な者が、例えば磁石を用いて遊技球を第1始動口33等に不正に入球させたとしても、遊技が進行しない。したがって、設定変更モードの実行中に実行される設定変更モード実行中報知処理については、磁気検出報知処理よりも優先させる構成とする。このような構成によれば、不正な者による磁石を用いた遊技の進行を抑制しつつ、管理者等に、当該パチンコ機10において設定変更モードが実行されていることに気付かせることができる。
<態様131>
上記各態様のうち、設定確認モードが実行された場合に、当該設定確認モードの終了後に所定の報知処理(上記態様121では設定確認モード終了後報知処理)を実行する構成において、磁気センサーによって検出された磁気が所定の条件を満たした場合に磁気検出報知処理を実行する構成とし、当該磁気検出報知処理を所定の報知処理よりも優先させる構成としてもよい。
磁気検出報知処理は、例えば、「磁気を検出しました」といった音声及び警報音をスピーカー46から交互に繰り返し出力させ、各種ランプ47のうち、フルカラー(RGB)LEDランプについては最大輝度による赤色の点灯と消灯とを繰り返させ、単色LEDランプについては最大輝度による点灯と消灯とを繰り返させ、図柄表示装置41の表示面41aに「磁気を検出しました」といった文字列を最上位のレイヤーに赤文字で表示させる処理である。
磁気検出報知処理を所定の報知処理(設定確認モード終了後報知処理)よりも優先させる構成を採用した理由について説明する。
先に、本態様とは異なり、所定の報知処理が磁気検出報知処理よりも優先される構成を採用した場合について説明する。この構成において、例えば、管理者によって設定確認モードが実行された後、当該設定確認モードを終了させて管理者が当該パチンコ機10から去り、当該パチンコ機10において所定の報知処理が実行されている状況において、不正な者が、例えば磁石を用いて遊技球を第1始動口33等に不正に入球させようとしたとしても、磁気検出報知処理よりも所定の報知処理が優先されてしまい、管理者等に気付かれることなく磁石を用いて不正に遊技球を第1始動口33等に入球させることが可能となってしまうといった課題がある。
これに対して、本態様によれば、所定の報知が実行されている状況において磁石を用いて遊技球を第1始動口33等に不正に入球させようとしたとしても、磁気検出報知処理が所定の報知処理よりも優先されるので、管理者等が当該パチンコ機10において不正に磁石が用いられたことに気付くことのできる可能性を高めることができる。したがって、本態様によれば、不正な者による不正な磁石の利用を抑制することができる。
具体的には、本態様では、磁気センサーによって検出された磁気が所定の条件を満たし、磁気検出報知処理が実行される場合、例えば、検出された磁気の強度が所定以上であると判定され、磁気検出報知処理が実行される場合には、設定確認モードが実行された場合であっても所定の報知処理を実行させない(所定の報知処理の実行中に磁気センサーによって検出された磁気が所定の条件を満たした場合には当該所定の報知処理を終了させる)ので、管理者等が当該遊技機において不正に磁石が用いられたことに気付くことのできる可能性を高めることができる。
なお、磁気検出報知処理を所定の報知処理(設定確認モード終了後報知処理)よりも優先させる構成としては、他の構成を採用することもできる。例えば、磁気センサーによって検出された磁気が所定の条件を満たし、磁気検出報知処理が実行される場合には、設定確認モードが実行された場合であっても特定の報知音(例えば「設定確認モードが終了しました」といった音声)を出力させない構成(所定の報知処理の一部としての文字列(例えば「設定確認モードが終了しました」といった文字列)は図柄表示装置41に表示させる構成)としてもよい。このような構成としても、管理者等が当該パチンコ機10において不正に磁石が用いられたことに気付くことのできる可能性を高めることができる。また、他の構成として、例えば、磁気センサーによって検出された磁気が所定の条件を満たし、磁気検出報知処理が実行される場合であって、設定確認モードが実行された場合には、所定の報知処理の一部としての特定の報知音の音量を、磁気検出報知処理が実行されていない場合よりも小さくする構成としてもよい。この構成によれば、管理者等に、当該パチンコ機10において設定確認モードが実行されたことに気付かせつつ、当該パチンコ機10において不正に磁石が用いられたことに気付かせることができる。
また、本態様の構成は、磁気センサーによって検出された磁気が所定の条件を満たした場合であっても遊技の進行を停止させないパチンコ機10において特に有効である。
また、本態様では、設定確認モードの実行中は遊技を進行させるための処理(タイマ割込み処理に含まれる始動口用の入球処理等)が実行されないので、不正な者が、例えば磁石を用いて遊技球を第1始動口33等に不正に入球させたとしても、遊技が進行しない。したがって、設定確認モードの実行中に実行される設定確認モード実行中報知処理については、磁気検出報知処理よりも優先させる構成とする。このような構成によれば、不正な者による磁石を用いた遊技の進行を抑制しつつ、管理者等に、当該パチンコ機10において設定確認モードが実行されていることに気付かせることができる。
<態様132>
上記実施形態及び上記各態様のうち、設定変更モードを実行可能な構成において、パチンコ機10の起動時に設定変更モードが実行された場合には、設定変更モードが実行されなかった場合とは異なる方法で、実行する演出を決定する構成としてもよい。以下、具体的に説明する。
本態様では、上記態様101において説明したように、パチンコ機10の電源スイッチがONにされて当該パチンコ機10が起動すると、上述した通常起動コマンド、RAM異常コマンド、RAMクリアコマンド、設定変更モード開始コマンド、設定確認モード開始コマンドの5個の起動種別コマンドのうちのいずれかの起動種別コマンドが主制御装置60から音声発光制御装置90へ向けて送信される。これらの5個の起動種別コマンドのうちのいずれかの起動種別コマンドを受信した音声発光制御装置90は、受信した起動種別コマンドの種別に基づいて、主制御装置60がどのような態様で起動したのか(どのような種別の起動処理を実行したのか)を把握することができる。
そして、音声発光制御装置90は、起動種別コマンドとして設定変更モード開始コマンドを受信した場合には、起動種別コマンドとして設定変更モード開始コマンド以外のコマンドを受信した場合とは異なる方法で、遊技回や開閉実行モード中に実行する演出を決定する。具体的には、例えば、音声発光制御装置90は、起動種別コマンドとして設定変更モード開始コマンドを受信した場合には、音光側RAM94に設けられている音光側設定変更モード実行フラグをONにし、一方、起動種別コマンドとして設定変更モード開始コマンド以外のコマンドを受信した場合には、音光側設定変更モード実行フラグをOFFのまま維持する。この音光側設定変更モード実行フラグは、音声発光制御装置90において主制御装置60が設定変更モードを実行したか否かを特定するためのフラグである。
そして、本態様の音声発光制御装置90は、遊技回の開始時に当該遊技回において実行する演出を決定する際に、音光側設定変更モード実行フラグがONであるか否かを判定し、当該フラグがONである場合とOFFである場合とで異なる演出パターンテーブルを参照して演出を決定する。具体的には、音光側設定変更モード実行フラグがONである場合には、設定変更モード実行時用演出パターンテーブルを参照して演出を決定し、一方、音光側設定変更モード実行フラグがOFFである場合には、通常演出パターンテーブルを参照して演出を決定する。
この結果、本態様では、パチンコ機10の起動時に設定変更モードが実行された場合と実行されなかった場合とで、実行される演出の割合や頻度が異なることになる。具体的には、例えば、本態様のパチンコ機10では、変動時間が60秒の場合には大当たりの場合も外れの場合もスーパーリーチ演出が実行されることになるが、当該パチンコ機10の起動時に設定変更モードが実行されなかった場合には、2種類のスーパーリーチ演出A、Bが50%ずつの確率で選択されることになる。これに対して、当該パチンコ機10の起動時に設定変更モードが実行された場合には、2種類のスーパーリーチ演出A、Bのうち、スーパーリーチ演出Aが90%の確率で選択され、他方のスーパーリーチ演出Bが10%の確率で選択されることになる。
したがって、遊技者は、スーパーリーチ演出が実行された際に、スーパーリーチ演出の種類に着目し、2種類のスーパーリーチ演出A、Bの出現率に差異があるか否かを考察することによって、当該パチンコ機10において設定変更モードが実行されたか否かを推測することができる。すなわち、本態様によれば、設定変更モードが実行された場合に、設定変更モードが実行されなかった場合とは異なる方法で、実行する演出を決定するので、遊技者は、実行される演出の割合や頻度等から、当該パチンコ機10において設定変更モードが実行されたのか否かを推測することができる。そして、例えば、設定変更モードが実行されていないのであれば、本日の遊技の結果が、当該パチンコ機10における前日の遊技の結果と似たものになってくるのではないかといった期待感を遊技者に提供することができる。
また、本態様によれば、設定変更モードは実行されたが設定情報は変更されなかった場合であっても、設定変更モードが実行されて設定情報が変更された場合と同じ方法で、実行する演出を決定するので、実際には設定情報が変更されていないにもかかわらず、遊技者に、当該パチンコ機10において設定情報が変更されたと認識させることができる。
なお、本態様において、設定変更モードが実行された場合であっても、所定の演出が所定回数実行された場合には、設定変更モードが実行されなかった場合と同じ方法で、実行する演出を決定する構成としてもよい。具体的には、例えば、パチンコ機10の起動時に設定変更モードが実行された場合であっても、スーパーリーチ演出Aが5回実行された場合には、上述した音光側設定変更モード実行フラグをOFFにし、その後は、設定変更モードが実行されなかった場合と同じ方法で、実行する演出を決定する構成としてもよい。このような構成によれば、スーパーリーチ演出Aが5回実行された後は、遊技者は、実行される演出の割合や頻度等から、当該パチンコ機10において設定変更モードが実行されたのか否かを推測することができなくなる。したがって、遊技者に、スーパーリーチ演出Aが5回実行される前に(例えば朝一から)当該パチンコ機10において遊技を行ないたいといった感情を抱かせることが可能となる。
また、本態様において、設定変更モードが実行された場合であっても、図柄の変動及び停止が所定回数実行された場合には、設定変更モードが実行されなかった場合と同じ方法で、実行する演出を決定する構成としてもよい。具体的には、例えば、パチンコ機10の起動時に設定変更モードが実行された場合であっても、図柄の変動及び停止(遊技回)が50回実行された場合には、上述した音光側設定変更モード実行フラグをOFFにし、その後は、設定変更モードが実行されなかった場合と同じ方法で、実行する演出を決定する構成としてもよい。このような構成によれば、図柄の変動及び停止(遊技回)が50回実行された後は、遊技者は、実行される演出の割合や頻度等から、当該パチンコ機10において設定変更モードが実行されたのか否かを推測することができなくなる。したがって、遊技者に、図柄の変動及び停止(遊技回)が50回実行実行される前に(例えば朝一から)当該パチンコ機10において遊技を行ないたいといった感情を抱かせることが可能となる。
<態様133>
上記態様132では、パチンコ機10の起動時に設定変更モードが実行されて設定情報が変更された場合も設定情報が変更されなかった場合も区別することなく、設定変更モードが実行されなかった場合とは異なる方法で、実行する演出を決定する構成としたが、この構成に代えて、パチンコ機10の起動時に設定変更モードが実行され、かつ、当該設定変更モードにおいて設定情報が変更された場合にのみ、設定変更モードが実行されたが設定情報が変更されなかった場合や設定変更モードが実行されなかった場合とは異なる方法で、実行する演出を決定する構成としてもよい。以下、具体的に説明する。
本態様では、上記態様121の図122から図124に示したように、パチンコ機10の電源スイッチがONにされて当該パチンコ機10が起動すると、上述した通常起動コマンド、RAM異常コマンド、RAMクリアコマンド、設定変更モード終了コマンドA、設定変更モード終了コマンドB、設定確認モード開始コマンドの6個の起動種別コマンドのうちのいずれかの起動種別コマンドが主制御装置60から音声発光制御装置90へ向けて送信される。特に、図123に示したように、設定変更モード終了コマンドAは、設定変更モードが実行され、当該設定変更モードにおいて設定情報が変更されなかった場合に送信され、一方、設定変更モード終了コマンドBは、設定変更モードが実行され、当該設定変更モードにおいて設定情報が変更された場合に送信される。これらの6個の起動種別コマンドのうちのいずれかの起動種別コマンドを受信した音声発光制御装置90は、受信した起動種別コマンドの種別に基づいて、主制御装置60がどのような態様で起動したのか(どのような種別の起動処理を実行したのか)を把握することができる。
そして、音声発光制御装置90は、起動種別コマンドとして設定変更モード終了コマンドBを受信した場合には、起動種別コマンドとして設定変更モード終了コマンドB以外のコマンドを受信した場合とは異なる方法で、遊技回や開閉実行モード中に実行する演出を決定する。具体的には、例えば、音声発光制御装置90は、起動種別コマンドとして設定変更モード終了コマンドBを受信した場合には、音光側RAM94に設けられている音光側設定変更済みフラグをONにし、一方、起動種別コマンドとして設定変更モード終了コマンドB以外のコマンドを受信した場合には、音光側設定変更済みフラグをOFFのまま維持する。この音光側設定変更済みフラグは、音声発光制御装置90において主制御装置60の設定情報が変更されたか否かを特定するためのフラグである。
そして、本態様の音声発光制御装置90は、遊技回の開始時に当該遊技回において実行する演出を決定する際に、音光側設定変更済みフラグがONであるか否かを判定し、当該フラグがONである場合とOFFである場合とで異なる演出パターンテーブルを参照して演出を決定する。具体的には、音光側設定変更済みフラグがONである場合には、設定変更済み用演出パターンテーブルを参照して演出を決定し、一方、音光側設定変更済みフラグがOFFである場合には、通常演出パターンテーブルを参照して演出を決定する。
この結果、本態様では、パチンコ機10の起動時に設定情報が変更された場合と変更されなかった場合とで、実行される演出の割合や頻度が異なることになる。具体的には、例えば、本態様のパチンコ機10では、変動時間が60秒の場合には大当たりの場合も外れの場合もスーパーリーチ演出が実行されることになるが、当該パチンコ機10の起動時に設定情報が変更されなかった場合には、2種類のスーパーリーチ演出A、Bが50%ずつの確率で選択されることになる。これに対して、当該パチンコ機10の起動時に設定情報が変更された場合には、2種類のスーパーリーチ演出A、Bのうち、スーパーリーチ演出Aが90%の確率で選択され、他方のスーパーリーチ演出Bが10%の確率で選択されることになる。
したがって、遊技者は、スーパーリーチ演出が実行された際に、スーパーリーチ演出の種類に着目し、2種類のスーパーリーチ演出A、Bの出現率に差異があるか否かを考察することによって、当該パチンコ機10において設定情報が変更されたか否かを推測することができる。すなわち、本態様によれば、設定情報が変更された場合に、設定情報が変更されなかった場合とは異なる方法で、実行する演出を決定するので、遊技者は、実行される演出の割合や頻度等から、当該パチンコ機10において設定情報が変更されたのか否かを推測することができる。そして、例えば、設定情報が変更されていないのであれば、本日の遊技の結果が、当該パチンコ機10における前日の遊技の結果と似たものになってくるのではないかといった期待感を遊技者に提供することができる。
なお、本態様において、設定情報が変更された場合であっても、所定の演出が所定回数実行された場合には、設定情報が変更されなかった場合と同じ方法で、実行する演出を決定する構成としてもよい。具体的には、例えば、パチンコ機10の起動時に設定情報が変更された場合であっても、スーパーリーチ演出Aが5回実行された場合には、上述した音光側設定変更済みフラグをOFFにし、その後は、設定情報が変更されなかった場合と同じ方法で、実行する演出を決定する構成としてもよい。このような構成によれば、スーパーリーチ演出Aが5回実行された後は、遊技者は、実行される演出の割合や頻度等から、当該パチンコ機10において設定情報が変更されたのか否かを推測することができなくなる。したがって、遊技者に、スーパーリーチ演出Aが5回実行される前に(例えば朝一から)当該パチンコ機10において遊技を行ないたいといった感情を抱かせることが可能となる。
また、本態様において、設定情報が変更された場合であっても、図柄の変動及び停止が所定回数実行された場合には、設定情報が変更されなかった場合と同じ方法で、実行する演出を決定する構成としてもよい。具体的には、例えば、パチンコ機10の起動時に設定情報が変更された場合であっても、図柄の変動及び停止(遊技回)が50回実行された場合には、上述した音光側設定変更済みフラグをOFFにし、その後は、設定情報が変更されなかった場合と同じ方法で、実行する演出を決定する構成としてもよい。このような構成によれば、図柄の変動及び停止(遊技回)が50回実行された後は、遊技者は、実行される演出の割合や頻度等から、当該パチンコ機10において設定情報が変更されたのか否かを推測することができなくなる。したがって、遊技者に、図柄の変動及び停止(遊技回)が50回実行される前に(例えば朝一から)当該パチンコ機10において遊技を行ないたいといった感情を抱かせることが可能となる。
<態様134>
上記実施形態及び上記各態様のうち、設定変更モードを実行可能な構成において、パチンコ機10の起動時に設定変更モードが実行された場合であって、前回の設定変更モードの実行からの経過時間が所定条件を満たしていない場合には、所定の報知を実行する構成としてもよい。なお、前回の設定変更モードの実行から今回の設定変更モードの実行までの経過時間を判断する方法としては、種々の方法を採用することができ、例えば、パチンコ機10の電断時においても現在の日時を計時可能なRTC(リアルタイムクロック)を備え、設定変更モードの実行時に日時情報をRTCから取得し、当該取得した日時情報を、前回の設定変更モードの実行時に取得されて記憶された日時情報と比較して経過時間を判断し、今回取得した日時情報を前回記憶した日時情報に上書きする方法や、パチンコ機10の電断時においても経過時間を計測可能なタイマーを備え、設定変更モードの実行時に、前回の設定変更モードの実行時に開始されたタイマーの計測結果によって経過時間を判断し、再び当該タイマーの計測を開始する方法を採用することができる。
本態様によれば、パチンコ機10の起動時に設定変更モードが実行された場合に、前回の設定変更モードの実行からの経過時間が所定条件を満たしていない場合には、所定の報知を実行するので、遊技ホールの管理者は、当該遊技ホールにおいて所定の報知が実行されているパチンコ機10の存在に気付くことによって、前回の設定変更モードの実行から今回の設定変更モードの実行までの経過時間が所定条件を満たしていないパチンコ機10の存在に気付くことが可能となる。また、管理者は、パチンコ機10において所定の報知が実行されたか否かによって、当該パチンコ機10における前回の設定変更モードの実行から今回の設定変更モードの実行までの経過時間が所定条件を満たしているか否かを把握することができる。
そして、本態様において、所定条件は、前回の設定変更モードの実行から今回の設定変更モードの実行までの経過時間が第1所定時間以上であることを含む構成としてもよい。すなわち、パチンコ機10における前回の設定変更モードの実行から今回の設定変更モードの実行までの経過時間が第1所定時間未満である場合に、所定の報知を実行する構成としてもよい。このような構成を採用した理由について説明する。
以下では、第1所定時間が14時間に設定されたパチンコ機10を、午前10時から午後11時まで営業する遊技ホール(営業時間:13時間)において運用した場合について説明する。
当該遊技ホールでは、例えば、営業開始前の午前9時に、管理者がパチンコ機10に設定変更モードを実行させて設定情報を所望の値に変更する。一般に、設定変更モードは、遊技ホールの営業開始前に実行され、営業時間中には設定変更モードが実行されることはない。
その後、午前10時に営業が開始され、遊技者が当該パチンコ機10において遊技を行なうことになる。その後、午後11時に遊技ホールの営業が終了する。そして、次の日の午前9時に、管理者がパチンコ機10に設定変更モードを実行させて設定情報を所望の値に変更する。このような場合には、前回の設定変更モードの実行から今回の設定変更モードの実行までの経過時間が既に14時間以上となっているため、当該パチンコ機10において所定の報知は実行されない。
次に、営業時間中に、管理者ではない不正な意図を有する者(以下、「不正な者」ともいう)によって設定変更モードが実行された場合について説明する。
まず、営業開始前の午前9時に、管理者がパチンコ機10に設定変更モードを実行させて設定情報を所望の値に変更する。その後、午前10時に営業が開始され、遊技者が当該パチンコ機10において遊技を行なうことになる。そして、例えば、営業時間中である午後3時に、不正な者が不正な手段によってパチンコ機10に設定変更モードを実行させて設定情報を変更しようとした場合には、前回の設定変更モードの実行から今回の設定変更モードの実行までの経過時間が第1所定時間である14時間未満となっているため、当該パチンコ機10において所定の報知が実行されることになる。管理者は、遊技ホールにおいて所定の報知が実行されているパチンコ機10の存在に気付くことによって、前回の設定変更モードの実行から今回の設定変更モードの実行までの経過時間が所定条件を満たしていないパチンコ機10の存在に気付くことが可能となる。したがって、本態様によれば、不正な者によって設定情報が変更されてしまうことや、設定情報が不正に変更されたパチンコ機10において遊技が行なわれてしまうことを抑制することができる。
また、本態様において、所定条件は、前回の設定変更モードの実行から今回の設定変更モードの実行までの経過時間が、第1所定時間よりも短い第2所定時間以内であることを含む構成としてもよい。すなわち、パチンコ機10における前回の設定変更モードの実行から今回の設定変更モードの実行までの経過時間が第2所定時間を超え、かつ、第1所定時間未満である場合に、所定の報知を実行する構成としてもよい。換言すれば、当該パチンコ機10における前回の設定変更モードの実行から今回の設定変更モードの実行までの経過時間が第2所定時間以内である場合には、所定の報知が実行されない構成としてもよい。このような構成を採用した理由について説明する。
以下では、第2所定時間が30分に設定されたパチンコ機10を、午前10時から午後11時まで営業する遊技ホール(営業時間:13時間)において運用した場合について説明する。
当該遊技ホールにおいて、例えば、営業開始前の午前9時に、管理者がパチンコ機10に設定変更モードを実行させて設定情報を変更したが、変更した設定情報が所望の値と異なっていたり、当該パチンコ機10の当日の運用方針が変わった場合などに、管理者が再び設定変更モードを実行させた場合であっても、前回の設定変更モードの実行から今回の設定変更モードの実行までの経過時間が第2所定時間である30分以内であれば、所定の報知が実行されない。したがって、本態様によれば、所定の報知を実行させることなく、営業開始前の管理者による設定情報の再変更が可能となる。また、第2所定時間を、管理者が設定変更モードを実行させる時刻から遊技ホールの開店時刻までの時間よりも短い時間に設定すれば、遊技ホールの開店時刻以降に設定変更モードが実行された場合には所定の報知が実行されることになる。したがって、不正な者による設定情報の不正な変更を抑制しつつ、営業開始前の管理者による設定情報の再変更を可能にすることができる。
また、本態様において、前回の設定変更モードの実行から今回の設定変更モードの実行までの経過時間が所定条件を満たしていない場合には、操作ハンドル25が操作された状態であっても遊技球の発射を抑制する(禁止する)構成としてもよい。この構成によれば、仮に当該パチンコ機10のスピーカー46が不正な者に破壊されてしまい、報知が実行されない状況であっても、不正に設定変更モードが実行されたパチンコ機10において不正な者に遊技が行なわれてしまうことを抑制することができる。
また、本態様において、第1所定時間を変更可能な構成としてもよい。この構成によれば、管理者は、遊技ホールの営業時間や設定変更モードを実行させる時間帯を考慮して第1所定時間を適宜変更することができる。
また、本態様において、第2所定時間を変更可能な構成としてもよい。この構成によれば、管理者は、遊技ホールの営業時間や設定変更モードを実行させる時間帯を考慮して第2所定時間を適宜変更することができる。
<態様135>
上記態様134では、パチンコ機10の起動時に設定変更モードが実行された場合であって、前回の設定変更モードの実行からの経過時間が所定条件を満たしていない場合に、所定の報知を実行する構成としたが、この構成に代えて、パチンコ機10の起動時に設定変更モードが実行されて設定情報が変更された場合であって、前回の設定情報の変更からの経過時間が所定条件を満たしていない場合に、所定の報知を実行する構成としてもよい。なお、前回の設定情報の変更から今回の設定情報の変更までの経過時間を判断する方法としては、種々の方法を採用することができ、例えば、パチンコ機10の電断時においても現在の日時を計時可能なRTC(リアルタイムクロック)を備え、設定情報が変更された時(具体的には、設定情報が変更された状態で設定情報変更モードが終了した時)に日時情報をRTCから取得し、当該取得した日時情報を、前回設定情報が変更された時に取得されて記憶された日時情報と比較して経過時間を判断し、今回取得した日時情報を前回記憶した日時情報に上書きする方法や、パチンコ機10の電断時においても経過時間を計測可能なタイマーを備え、設定情報が変更された時に、前回設定情報が変更された時に開始されたタイマーの計測結果によって経過時間を判断し、再び当該タイマーの計測を開始する方法を採用することができる。
本態様によれば、パチンコ機10の起動時に設定変更モードが実行されて設定情報が変更された場合に、前回の設定情報の変更からの経過時間が所定条件を満たしていない場合には、所定の報知を実行するので、遊技ホールの管理者は、当該遊技ホールにおいて所定の報知が実行されているパチンコ機10の存在に気付くことによって、前回の設定情報の変更から今回の設定情報の変更までの経過時間が所定条件を満たしていないパチンコ機10の存在に気付くことが可能となる。また、管理者は、パチンコ機10において所定の報知が実行されたか否かによって、当該パチンコ機10における前回の設定情報の変更から今回の設定情報の変更までの経過時間が所定条件を満たしているか否かを把握することができる。
そして、本態様において、所定条件は、前回の設定情報の変更から今回の設定情報の変更までの経過時間が第1所定時間以上であることを含む構成としてもよい。すなわち、パチンコ機10における前回の設定情報の変更から今回の設定情報の変更までの経過時間が第1所定時間未満である場合に、所定の報知を実行する構成としてもよい。このような構成を採用した理由について説明する。
以下では、第1所定時間が14時間に設定されたパチンコ機10を、午前10時から午後11時まで営業する遊技ホール(営業時間:13時間)において運用した場合について説明する。
当該遊技ホールでは、例えば、営業開始前の午前9時に、管理者がパチンコ機10に設定変更モードを実行させて設定情報を所望の値に変更する。一般に、設定情報は、遊技ホールの営業開始前に変更され、営業時間中には設定情報が変更されることはない。
その後、午前10時に営業が開始され、遊技者が当該パチンコ機10において遊技を行なうことになる。その後、午後11時に遊技ホールの営業が終了する。そして、次の日の午前9時に、管理者がパチンコ機10に設定変更モードを実行させて設定情報を所望の値に変更する。このような場合には、前回の設定情報の変更から今回の設定情報の変更までの経過時間が既に14時間以上となっているため、当該パチンコ機10において所定の報知は実行されない。
次に、営業時間中に、管理者ではない不正な意図を有する者(以下、「不正な者」ともいう)によって設定変更モードが実行されて設定情報が変更された場合について説明する。
まず、営業開始前の午前9時に、管理者がパチンコ機10に設定変更モードを実行させて設定情報を所望の値に変更する。その後、午前10時に営業が開始され、遊技者が当該パチンコ機10において遊技を行なうことになる。そして、例えば、営業時間中である午後3時に、不正な者が不正な手段によってパチンコ機10に設定変更モードを実行させて設定情報を変更した場合には、前回の設定情報の変更から今回の設定情報の変更までの経過時間が第1所定時間である14時間未満となっているため、当該パチンコ機10において所定の報知が実行されることになる。管理者は、遊技ホールにおいて所定の報知が実行されているパチンコ機10の存在に気付くことによって、前回の設定情報の変更から今回の設定情報の変更までの経過時間が所定条件を満たしていないパチンコ機10の存在に気付くことが可能となる。したがって、本態様によれば、不正な者によって設定情報が変更されてしまうことや、設定情報が不正に変更されたパチンコ機10において遊技が行なわれてしまうことを抑制することができる。
また、本態様において、所定条件は、前回の設定情報の変更から今回の設定情報の変更までの経過時間が、第1所定時間よりも短い第2所定時間以内であることを含む構成としてもよい。すなわち、パチンコ機10における前回の設定情報の変更から今回の設定情報の変更までの経過時間が第2所定時間を超え、かつ、第1所定時間未満である場合に、所定の報知を実行する構成としてもよい。換言すれば、当該パチンコ機10における前回の設定情報の変更から今回の設定情報の変更までの経過時間が第2所定時間以内である場合には、所定の報知が実行されない構成としてもよい。このような構成を採用した理由について説明する。
以下では、第2所定時間が30分に設定されたパチンコ機10を、午前10時から午後11時まで営業する遊技ホール(営業時間:13時間)において運用した場合について説明する。
当該遊技ホールにおいて、例えば、営業開始前の午前9時に、管理者がパチンコ機10に設定変更モードを実行させて設定情報を変更したが、変更した設定情報が所望の値と異なっていたり、当該パチンコ機10の当日の運用方針が変わった場合などに、管理者が再び設定変更モードを実行させて設定情報を変更した場合であっても、前回の設定情報の変更から今回の設定情報の変更までの経過時間が第2所定時間である30分以内であれば、所定の報知が実行されない。したがって、本態様によれば、所定の報知を実行させることなく、営業開始前の管理者による設定情報の再変更が可能となる。また、第2所定時間を、管理者が設定変更モードを実行させる時刻から遊技ホールの開店時刻までの時間よりも短い時間に設定すれば、遊技ホールの開店時刻以降に設定情報が変更された場合には所定の報知が実行されることになる。したがって、不正な者による設定情報の不正な変更を抑制しつつ、営業開始前の管理者による設定情報の再変更を可能にすることができる。
また、本態様において、前回の設定情報の変更から今回の設定情報の変更までの経過時間が所定条件を満たしていない場合には、操作ハンドル25が操作された状態であっても遊技球の発射を抑制する(禁止する)構成としてもよい。この構成によれば、仮に当該パチンコ機10のスピーカー46が不正な者に破壊されてしまい、報知が実行されない状況であっても、不正に設定情報が変更されたパチンコ機10において不正な者に遊技が行なわれてしまうことを抑制することができる。
また、本態様において、第1所定時間を変更可能な構成としてもよい。この構成によれば、管理者は、遊技ホールの営業時間や設定情報を変更する時間帯を考慮して第1所定時間を適宜変更することができる。
また、本態様において、第2所定時間を変更可能な構成としてもよい。この構成によれば、管理者は、遊技ホールの営業時間や設定情報を変更する時間帯を考慮して第2所定時間を適宜変更することができる。
<態様136>
上記態様74におけるパチンコ機10のCPU62xが実行するプログラムのソースコードの一例について説明する。上記態様74の図46のステップS11102からステップS11109までの処理は、例えば、以下のソースコードで記述することができる。
...
PUSH AF #S11102(記憶処理)
DI
CALL _DAI2PROGRAM #S11103~S11108
POP AF #S11109(変更処理)
RET
...
_DAI2PROGRAM:
LD (W21),SP #S11103(退避処理1)
LD SP,固定値 #S11104(退避処理2)
LD (W22),レジスタ #S11105(退避処理3)
CALL _YUGIRIREKI #S11106(遊技履歴情報算出表示処理)
LD レジスタ,(W22) #S11107(復帰処理1)
LD SP,(W21) #S11108(復帰処理2)
EI
RET
上記ソースコードにおける「PUSH」、「POP」、「LD]は、上記態様74において説明したとおりである。
その他、上記ソースコードにおける「DI」は割込みを禁止する命令であり、「EI」は割り込みを許可する命令である。「CALL」はサブルーチンを呼び出す命令であり、「RET」は呼び出し元に戻る命令である。
上記ソースコードにおける「_DAI2PROGRAM」は、上記態様74の図46のステップS11103からステップS11108までの処理を実行させるプログラム(サブルーチン)であり、主側ROM63の第2プログラム制御領域63a2に格納されている第2プログラム63p2に含まれる。
上記ソースコードによれば、主側ROM63の第2プログラム制御領域63a2に格納されている第2プログラム63p2(サブルーチン)を呼び出す前に記憶処理(ステップS11102:PUSH AF)を実行し、第2プログラム63p2からの復帰後に変更処理(ステップS11109:POP AF)を実行する上記態様74の構成を実現することができる。
<態様137>
上記態様136において示したソースコードのうち、「PUSH AF」を「PUSH PSW」に置き換え、「POP AF」を「POP PSW」に置き換えて以下のように記述することもできる。なお、PSW(プログラムステータスワード)は、上位8ビットのAレジスタ(アキュムレータレジスタ)と、下位8ビットのFレジスタ(フラグレジスタ)とを併せた16ビットのレジスタを意味する。したがって、「PUSH PSW」は、「PUSH AF」と同義の命令であり、「POP PSW」は、「POP AF」と同義の命令である。
...
PUSH PSW
DI
CALL _DAI2PROGRAM
POP PSW
RET
...
_DAI2PROGRAM:
LD (W21),SP
LD SP,固定値
LD (W22),レジスタ
CALL _YUGIRIREKI
LD レジスタ,(W22)
LD SP,(W21)
EI
RET
このようなソースコードを採用しても、上記態様74の構成を実現することができる。
<態様138>
上記態様137において示したソースコードを、以下のCALLI命令及びRETI命令を用いることによって以下のように記述してもよい。
...
CALLI _DAI2PROGRAM
RET
...
_DAI2PROGRAM:
LD (W21),SP
LD SP,固定値
LD (W22),レジスタ
CALL _YUGIRIREKI
LD レジスタ,(W22)
LD SP,(W21)
RETI
上記ソースコードにおける「CALLI」は、PSWに格納されている値をスタック領域に退避させる処理を実行し、割り込みを禁止し、サブルーチンを呼び出すという一連の処理を実行させる命令であり、本態様の主側CPU62xは、本命令を実行可能に構成されている。
上記ソースコードにおける「RETI」は、割り込みを許可し、呼び出し元に復帰し、スタック領域に退避させている値をPSWに復元するという一連の処理を実行させる命令であり、本態様の主側CPU62xは、本命令を実行可能に構成されている。
このように、本態様では、CALLI命令を用いて第2プログラム63p2(遊技履歴算出表示処理を含む)が呼び出された場合には、PSWに格納されている値をスタック領域に退避させる処理(記憶処理)と、割り込みを禁止する処理と、呼び出された第2プログラム63p2(遊技履歴算出表示処理を含む)とが実行される。そして、呼び出された第2プログラム63p2の最後にRETI命令が実行された場合には、呼び出し元に復帰させる処理と、スタック領域に退避させている値をPSWに復元させる処理(変更処理)とが実行されることになる。
したがって、本態様によれば、PSWに格納されている値をスタック領域に退避させる処理を実行させるPUSH命令(図46のステップS11102)と、スタック領域に退避させている値をPSWに復元させる処理を実行させるPOP命令(図46のステップS11109)とを省略することができる。したがって、ソースコードの記述量を削減することができ、プログラムを記憶するために必要な記憶容量を低減することができる。
なお、本態様では、上記態様74の図46に示した処理を上述したCALLI命令及びRETI命令を用いて記述したが、同様に、上記態様75の図47に示した処理及び上記態様76の図48に示した処理を上述したCALLI命令及びRETI命令を用いて記述することもできる。このようにしても、同様に、PUSH命令及びPOP命令を省略することができる。したがって、ソースコードの記述量を削減することができ、プログラムを記憶するために必要な記憶容量を低減することができる。
また、本態様では、上述したCALLI命令及びRETI命令の両方を用いてソースコードを記述したが、CALLI命令及びRETI命令のいずれか一方のみを用いてソースコードを記述してもよい。このような構成としても、ソースコードの記述量を削減することができ、プログラムを記憶するために必要な記憶容量を低減することができる。
また、本態様では、CALLI命令は、主側CPU62xによって実行されると、割り込みを禁止する処理も実行される構成としたが、他の態様として、割り込みを禁止する処理は実行されない構成としてもよい。すなわち、CALLI命令は、PSWに格納されている値をスタック領域に退避させる処理を実行し、サブルーチンを呼び出すという一連の処理を実行させる命令として構成されていてもよい。このような構成としても、ソースコードの記述量を削減することができ、プログラムを記憶するために必要な記憶容量を低減することができる。
また、本態様では、RETI命令は、主側CPU62xによって実行されると、割り込みを許可する処理も実行される構成としたが、他の態様として、割り込みを許可する処理は実行されない構成としてもよい。すなわち、RETI命令は、呼び出し元に復帰し、スタック領域に退避させている値をPSWに復元するという一連の処理を実行させる命令として構成されていてもよい。このような構成としても、ソースコードの記述量を削減することができ、プログラムを記憶するために必要な記憶容量を低減することができる。
<態様139>
上記態様74では、第2プログラム用の記憶領域(図43、図44)を用いた処理として、遊技履歴情報算出表示処理(図46:ステップS11106)を実行する構成としたが、当該遊技履歴情報算出表示処理に加えて他の処理を実行する構成としてもよい。例えば、遊技履歴情報算出表示処理に加えて、試射試験のための試射試験処理を、第2プログラム用の記憶領域を用いて実行する構成としてもよい。この場合におけるソースコードは、例えば、以下のように記述することができる。
...
PUSH PSW
DI
CALL _DAI2PROGRAM2 #第2プログラム(試射試験)
POP PSW
...
CALL _DAI1PROGRAM #第1プログラム
...
PUSH PSW
DI
CALL _DAI2PROGRAM #第2プログラム(遊技履歴情報算出表示)
POP PSW
RET
上記ソースコードにおける「CALL _DAI2PROGRAM2」は、第2プログラム制御領域63a2に格納されているサブルーチン(試射試験処理を含むサブルーチン)を呼び出す命令である。
上記ソースコードにおける「CALL _DAI1PROGRAM」は、第1プログラム制御領域63a1に格納されているサブルーチンを呼び出す命令である。
上記ソースコードにおける「CALL _DAI2PROGRAM」は、第2プログラム制御領域63a2に格納されているサブルーチン(遊技履歴情報算出表示処理を含むサブルーチン)を呼び出す命令である。なお、「_DAI2PROGRAM」の中身は、上記態様137と同じである。
上記ソースコードに示すように、本態様では、第2プログラム制御領域63a2に格納されているそれぞれのサブルーチンを呼び出す前後においてPUSH命令とPOP命令を実行する。したがって、PSWの値をそれぞれのサブルーチンを呼び出す前の値に復帰させることができる。
<態様140>
上記態様139において示したソースコードでは、第2プログラム制御領域63a2に格納されている2つのサブルーチン(試射試験処理を含むサブルーチン、遊技履歴情報算出表示処理を含むサブルーチン)の間に、第1プログラム用の記憶領域(図43、図44)を用いた他の処理を実行する構成とした。しかしながら、この構成では、PSWの値をそれぞれのサブルーチンを呼び出す前の値に復帰させるためには、第2プログラム制御領域63a2に格納されているそれぞれのサブルーチンの前後においてPUSH命令とPOP命令を実行する必要がある。この結果、第2プログラム制御領域63a2に格納されているサブルーチンが新たに追加される毎にPUSH命令とPOP命令の実行回数が増大し、ソースコードの記述量が増加してしまう。そこで、本態様では、以下に示すソースコードを採用する。
...
CALL _DAI1PROGRAM #第1プログラム
...
PUSH AF
DI
CALL _DAI2PROGRAM2 #第2プログラム(試射試験)
CALL _DAI2PROGRAM #第2プログラム(遊技履歴情報算出表示)
POP AF
RET
すなわち、本態様では、PUSH命令と、POP命令との間で、第2プログラム制御領域63a2に格納されている複数のサブルーチンを実行する構成とする。
このようなソースコードによれば、第2プログラム制御領域63a2に格納されているサブルーチンを呼び出す複数の呼出命令のそれぞれの前後でPUSH命令及びPOP命令を実行する構成と比較して、PUSH命令及びPOP命令の実行回数を低減することができる。したがって、ソースコードの記述量を削減することができ、プログラムを記憶するために必要な記憶容量を低減することができる。
なお、第2プログラム用の記憶領域を用いた他の処理(試射試験処理)を、上述した図46のステップS11105の退避処理3と、ステップS11106の遊技履歴情報算出表示処理との間において実行する構成としてもよい。同様に、第2プログラム用の記憶領域を用いた他の処理(試射試験処理)を、上述した図47のステップS11105の退避処理3と、ステップS11106の遊技履歴情報算出表示処理との間において実行する構成としてもよい。また、同様に、第2プログラム用の記憶領域を用いた他の処理(試射試験処理)を、上述した図48のステップS11104の退避処理2と、ステップS11106の遊技履歴情報算出表示処理との間において実行する構成としてもよい。
このような構成によれば、第2プログラム用の記憶領域を用いた処理を複数種類実行する構成において、第2プログラム用の記憶領域を用いた処理の前後に必要な命令を省略することができる。したがって、ソースコードの記述量を削減することができ、プログラムを記憶するために必要な記憶容量を低減することができる。
<態様141>
上記の各態様において説明した各種の機能(例えば、各入球口への遊技球の入球個数を記憶する機能や、各入球口への遊技球の入球に基づいて賞球として払い出された遊技球の個数を算出する機能、賞球として払い出された遊技球の個数を記憶する機能、役物比率等の遊技履歴情報を算出する機能、算出した遊技履歴情報を記憶する機能、記憶した遊技履歴情報を表示する機能、RAMやフラッシュメモリ等の各種の記憶手段に記憶された各種の情報を消去する機能等)の少なくとも一部の機能を、遊技履歴管理チップ300が実現する構成としてもよく、主側CPU62x(遊技履歴管理チップ300を除いた主側MPU62)が実現する構成としてもよく、検査機320が実現する構成としてもよい。また、遊技履歴管理チップ300、主側CPU62x(遊技履歴管理チップ300を除いた主側MPU62)及び検査機320がこれらの各種の機能の少なくとも一部の機能を分担又は協働して実現する構成としてもよい。
<態様142>
上記第1実施形態及び上記の他の態様は、パチンコ機10に限らず、他の種別の遊技機に対しても適用することができる。例えば、パチンコ型スロットマシン等の回胴式遊技機に対しても適用することができる。具体的には、例えば、ボーナス時に当選して得た遊技メダルの枚数と、通常区間中に引いた子役で得られる遊技メダルの枚数と、ボーナスとは別の有利区間(AT、ART)中に得られる遊技メダルの枚数との比率を算出し、当該比率を液晶表示装置に表示する構成や、当該比率を検査機に出力し、当該検査機の表示部に当該比率を表示させる構成に対して適用することができる。
<態様143>
上記第1実施形態及び上記の他の態様において、ソフトウェアによって実現(CPUがプログラムを実行することによって実現)されている機能の一部又は全部をハードウェアによって実現する構成としてもよい。例えば、遊技履歴管理チップ300は、遊技履歴情報を算出するための演算処理を実行するために設計された専用のハードウェアを備える構成としてもよい。このような構成によれば、遊技履歴情報を算出するための演算処理を高速化することができるとともに、演算用のプログラムが不正に改竄されて正しい遊技履歴情報が算出されない等といった不正の発生を抑制することができる。なお、当該ハードウェアは、デジタル回路で構成されていてもよく、アナログ回路で構成されていてもよい。アナログ回路で構成されていれば、デジタル回路よりもさらに演算処理を高速化することができる。
<態様144>
上記第1実施形態及び上記の態様1から態様143に含まれる1又は複数の構成を適宜差し替えたり組み合わせた構成を採用してもよい。また、上記第1実施形態及び上記の態様1から態様143に含まれる1又は複数の構成と第1実施形態以外の実施形態に含まれる1又は複数の構成とを組み合わせてもよい。また、上記第1実施形態及び上記の態様1から態様143に含まれる構成のうち、必須でない構成は、その趣旨を逸脱しない範囲において適宜省略することが可能である。
B.他の構成への適用:
上記各実施形態とは異なる他のタイプのパチンコ機等、例えば特別装置の特定領域に遊技球が入ると電動役物が所定回数開放するパチンコ機や、特別装置の特定領域に遊技球が入ると権利が発生して大当たりとなるパチンコ機、他の役物を備えたパチンコ機、アレンジボール機、雀球等の遊技機にも、本発明を適用できる。
また、弾球式でない遊技機、例えば、複数種類の図柄が周方向に付された複数のリールを備え、メダルの投入及びスタートレバーの操作によりリールの回転を開始し、ストップスイッチが操作されるか所定時間が経過することでリールが停止した後に、表示窓から視認できる有効ライン上に特定図柄又は特定図柄の組合せが成立していた場合にはメダルの払い出し等といった特典を遊技者に付与するスロットマシンにも本発明を適用できる。
また、外枠に開閉可能に支持された遊技機本体に貯留部及び取込装置を備え、貯留部に貯留されている所定数の遊技球が取込装置により取り込まれた後にスタートレバーが操作されることによりリールの回転を開始する、パチンコ機とスロットマシンとが融合された遊技機にも、本発明を適用できる。
また、上記実施形態においてソフトウェアで実現されている機能の一部をハードウェアで実現してもよく、あるいは、ハードウェアで実現されている機能の一部をソフトウェアで実現してもよい。
C.上記各実施形態等から抽出される発明群について:
以下、上述した各実施形態から抽出される発明群の特徴について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお、以下においては、理解の容易のため、上記各実施形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
<特徴A群>
特徴A群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第1実施形態から抽出される。
[特徴A1]
遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段(遊技球発射機構81)と、
所定の領域を通過した遊技球を検知する複数の検知手段(入球検知センサー44a~44h)と、
所定の処理を実行する処理実行手段(遊技履歴管理チップ300)と、
を備える遊技機であって、
前記処理実行手段は、
当該遊技機本体の筐体の内部に格納されるともに、前記検知手段による検知に基づいて取得された情報である検知情報を不揮発的に記憶する情報記憶手段(レジスタ304、演算結果記憶用メモリ309)と、
前記情報記憶手段に記憶された情報を当該遊技機と接続された所定の装置に対して送信する送信手段(CPU308)と、
を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴A1によれば、処理実行手段は、検知手段による検知に基づいて取得された情報である検知情報を不揮発的に記憶する情報記憶手段を備える。検知情報は、実行された遊技における遊技球の挙動と相関を有する情報であるため、当該検知情報は遊技機毎に異なるとともに、遊技機固有の情報である。すなわち、検知情報は、遊技機の特性が反映された情報である。特徴A1によれば、当該遊技機の特性が反映された情報である検知情報を遊技機本体の筐体内部に格納された処理実行手段の情報記憶手段に記憶する。よって、例えば、当該遊技機の特性を検査する場合には、当該遊技機本体自身から検知情報を取得することによって、当該遊技機の特性を検査することができる。遊技機は、遊技ホールに設置されている状態においては、遊技ホールに設置されているホールコンピュータによって遊技機の特性に関する情報を取得することができる。しかしながら、遊技機は、転々流通するものであるので、ホールコンピュータに接続されていない状態に置かれる場合があり、この場合、従来の遊技機では、当該遊技機の特性に関する情報を保持することができない。特徴A1の遊技機は、遊技機の特性が反映された情報である検知情報を遊技機本体の筐体内部に格納された処理実行手段の情報記憶手段に記憶するので、遊技機がホールコンピュータと接続されていない状態であっても、当該遊技機本体から検知情報を取得することができる。すなわち、特徴A1の遊技機は、当該遊技機がいかなる状態(遊技ホールに設置されている状態や流通状態)に置かれても、遊技機と検知情報とを常に1対1で紐付けした状態にすることが可能であり、当該遊技機の特性を管理、検査することができる。この結果、遊技の健全性を向上させることができる。
[特徴A2]
特徴A1に記載の遊技機であって、
遊技の実行を制御する制御手段(主側CPU62x)を備え、
前記処理実行手段は、前記制御手段と同一の電源によって動作する
ことを特徴とする遊技機。
特徴A2によれば、処理実行手段は、制御手段と同一の電源によって動作するので、例えば、当該遊技機が遊技ホールに設置されている場合であって、ホールコンピュータによって遊技機の特性に関する情報を取得していた場合に、当該ホールコンピュータの電源系統に不具合が生じた場合や、当該ホールコンピュータの処理に不具合が生じた場合であっても、遊技機に電源が供給されている状況であれば、検知情報を取得することができる。仮に、制御手段と処理実行手段とが異なる電源によって動作している場合、処理実行手段の電源供給に不具合があった場合に、遊技機によって遊技が実行されているにも関わらず検知情報が取得できないといった不具合が生じる。これに対して、特徴A2によれば、制御手段と処理実行手段とが同一の電源によって動作しているので、遊技が実行可能な状況であれば必ず検知情報を取得することができる。よって、検知情報の信頼性を向上させることができる。
[特徴A3]
特徴A1または特徴A2に記載の遊技機であって、
前記情報記憶手段は、所定の検知手段(排出通路検知センサー44h)によって規定個数(500個)の遊技球が検知されるまでの期間毎の前記検知情報を記憶する
ことを特徴とする遊技機。
特徴A3によれば、所定の検知手段によって規定個数の遊技球が検知されるまでの期間毎の検知情報を記憶するので、各遊技機によって規定個数の遊技球が検知されるまでの時間にバラつきがあったとしても、その時間のバラつきに影響しない検知情報を取得することができる。すなわち、遊技球が発射される頻度に高低差がある場合であっても、その影響を受けにくい精度の高い検知情報を取得することができる。
[特徴A4]
特徴A1または特徴A2に記載の遊技機であって、
前記情報記憶手段は、予め設定された規定期間毎(1時間毎)の前記検知情報を記憶する
ことを特徴とする遊技機。
特徴A4によれば、情報記憶手段は、予め設定された規定期間毎の検知情報を記憶するので、当該検知情報を用いて時間の概念を用いた統計処理を行うことができる。
[特徴A5]
特徴A1または特徴A2に記載の遊技機であって、
前記情報記憶手段は、当該遊技機への電源の供給が開始されてから前記電源が遮断されるまでの期間毎の前記検知情報を記憶する
ことを特徴とする遊技機。
特徴A5によれば、情報記憶手段は、当該遊技機への電源の供給が開始されてから電源の遮断が発生するまでの期間毎の検知情報を記憶するので、例えば、遊技機が遊技ホールに設置されている場合には、遊技ホールの営業日ごとの検知情報を取得することができる。
[特徴A6]
特徴A1から特徴A5のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記検知手段によって遊技球が検知されたことに基づいて賞球として遊技球を払い出す払出手段(払出装置71)と、
を備え、
前記処理実行手段は、
前記複数の検知手段のそれぞれに設定された賞球として前記払出手段から払い出される遊技球の個数(賞球数)に関する情報である賞球数情報(賞球数データ)を取得する賞球数情報取得手段と、
前記検知情報と前記賞球数情報とに基づいて所定の演算を実行する演算実行手段(CPU308)と、
を備え、
前記情報記憶手段は、前記演算実行手段による演算結果(役物比率等)に関する情報である演算結果情報を記憶する
ことを特徴とする遊技機。
特徴A6によれば、処理実行手段は、演算結果情報を記憶する。演算結果情報は、検知情報と賞球数情報とに基づいて演算された情報であるので、遊技機が払い出した賞球数に関する情報が反映されている。よって、特徴A6によれば、払い出した賞球に関する遊技機の特性を取得することができる。この結果、払い出した賞球に関する遊技機の特性を管理することができる。
<特徴B群>
特徴B群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第1実施形態から抽出される。
[特徴B1]
遊技の実行を制御する制御手段(主側CPU62x)と、
実行された遊技に基づいて取得された第1の情報と予め設定されている第2の情報とに基づいて演算処理を実行し第3の情報を取得する演算実行手段(CPU308)と、
前記第3の情報を不揮発的に記憶する情報記憶手段(演算結果記憶用メモリ309)と、
を備える遊技機であって、
前記演算実行手段と前記情報記憶手段とは、前記制御手段と同一の電源によって動作する
ことを特徴とする遊技機。
特徴B1によれば、第1の情報は実行された遊技に基づいて取得された情報であり、第3の情報は第1の情報に基づいて取得された情報である。よって、第3の情報は、実行された遊技に関する情報を含んでいる。したがって、情報記憶手段は、実行された遊技に関する情報を含んだ第3の情報を記憶しているので、情報記憶手段に記憶された第3の情報を用いて、過去に実行された遊技に関する情報を取得することが可能である。よって、第3の情報を用いることによって、遊技機の遊技に関する特性を管理することが可能となる。そして、演算実行手段と情報記憶手段とは、制御手段と同一の電源によって動作するので、遊技機に電源が供給されている状況であれば、第3の情報を取得することができる。仮に、演算実行手段および情報記憶手段と制御手段とが異なる電源によって動作している場合、演算実行手段および情報記憶手段の電源供給に不具合があった場合に、遊技機によって遊技が実行されているにも関わらず第3の情報が取得できないといった不具合が生じる。これに対して、特徴B2によれば、演算実行手段および情報記憶手段と制御手段とが同一の電源によって動作しているので、遊技が実行可能な状況であれば必ず第3の情報を取得することができる。よって、第3の情報の信頼性を向上させることができる。この結果、遊技機の検査の信頼性を向上させることができ、遊技の健全性を向上させることができる。
[特徴B2]
特徴B1に記載の遊技機であって、
前記情報記憶手段に記憶された前記第3の情報を、前記遊技機に接続された所定の装置(検査機320)に送信する送信手段(CPU308)を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴B2によれば、情報記憶手段に記憶された第3の情報を、遊技機に接続された所定の装置に送信する送信手段を備えるので、所定の装置を利用して、第3の情報を用いた遊技機の遊技に関する特性を管理することが可能となる。
[特徴B3]
特徴B1または特徴B2に記載の遊技機であって、
遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段(遊技球発射機構81)と、
所定の領域を通過した遊技球を検知する複数の検知手段(入球検知センサー44a~44h)と、
前記検知手段によって遊技球が検知されたことに基づいて賞球として遊技球を払い出す払出手段(払出装置71)と、
を備え、
前記第1の情報は、前記検知手段による検知に基づいて取得された情報であり、
前記第2の情報は、前記複数の検知手段のそれぞれに設定された賞球として前記払出手段から払い出される遊技球の個数(賞球数)に関する情報であり、
前記第3の情報は、実行された遊技において遊技機が払い出した賞球数に関する情報である
ことを特徴とする遊技機。
特徴B3によれば、第3の情報は、実行された遊技において遊技機が払い出した賞球数に関する情報である。したがって、情報記憶手段に記憶されている第3の情報を用いて、実際に払い出した賞球に関する遊技機の特性を管理することができる。
<特徴C群>
特徴C群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第1実施形態から抽出される。
[特徴C1]
遊技の実行を制御する制御手段(主側CPU62x)と、
実行された遊技に基づいて取得された第1の情報を不揮発的に記憶する情報記憶手段(レジスタ304、演算結果記憶用メモリ309)と、
を備える遊技機であって、
前記情報記憶手段は、開閉の痕跡が残る筐体(封印シールが貼付された基板ボックス)の内部に格納されている
ことを特徴とする遊技機。
特徴C1によれば、開閉の痕跡が残る筐体の内部に、情報記憶手段を格納している。したがって、情報記憶手段に対して物理的な接触をした場合には、筐体を開いた痕跡が残る。よって、仮に、情報記憶手段に記憶されている第1の情報が情報記憶手段への物理的な接触を介して改変された場合、改変されたことを筐体の痕跡から把握することが可能になる。したがって、第1の情報の不正な改変を防止することができる。遊技機は、転々流通するものあるので、流通されている過程においては、様々な外的な接触が行われるが、開閉の痕跡が残る筐体の内部に情報記憶手段を格納するので、遊技機が転々流通する状況であっても、何者かによる第1の情報の不正な改変を抑制することができる。また、第1の情報は、実行された遊技に基づいて取得された情報であるので、第1の情報を用いて遊技機の遊技に関する特性を管理、検査することが可能となる。よって、特徴C1によれば、遊技機の遊技に関する特性を反映した第1の情報の不正な改変を防止することで、適正に遊技機を管理、検査することができる。この結果、遊技の健全性を向上させることができる。
[特徴C2]
特徴C1に記載の遊技機であって、
前記情報記憶手段は、前記制御手段と同一の電源によって動作する
ことを特徴とする遊技機。
特徴C2によれば、情報記憶手段は、制御手段と同一の電源によって動作するので、遊技機に電源が供給されている状況であれば、第1の情報を取得することができる。仮に、情報記憶手段と制御手段とが異なる電源によって動作している場合、情報記憶手段の電源供給に不具合があった場合に、遊技機によって遊技が実行されているにも関わらず第1の情報が取得できないといった不具合が生じる。これに対して、特徴C2によれば、情報記憶手段と制御手段とが同一の電源によって動作しているので、遊技が実行可能な状況であれば必ず第1の情報を取得することができる。よって、第1の情報の信頼性を向上させることができる。この結果、遊技機の検査の信頼性を向上させることができ、遊技の健全性を向上させることができる。
[特徴C3]
特徴C1または特徴C2に記載の遊技機であって、
前記第1の情報を、前記遊技機に接続された所定の装置(検査機320)に送信する送信手段(CPU308)を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴C3によれば、情報記憶手段に記憶された第1の情報を、遊技機に接続された所定の装置に送信する送信手段を備えるので、所定の装置を利用して、第1の情報を用いた遊技機の遊技に関する特性を管理、検査することが可能となる。
<特徴D群>
特徴D群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第1実施形態から抽出される。
[特徴D1]
遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段(遊技球発射機構81)と、
所定の領域を通過した遊技球を検知する複数の検知手段(入球検知センサー44a~44h)と、
前記検知手段によって遊技球が検知されたことに基づいて賞球として遊技球を払い出す払出手段(払出装置71)と、
前記複数の検知手段のそれぞれに設定された賞球として払い出される遊技球の個数(賞球数)に関する情報である賞球数情報(賞球数データ)を記憶する第1の賞球数情報記憶手段(主側ROM63)と、
所定の処理を実行する処理実行手段(遊技履歴管理チップ300)と、
を備える遊技機であって、
前記処理実行手段は、
前記第1の賞球数記憶手段に記憶されている前記賞球数情報を取得する賞球数情報取得手段と、
前記賞球数情報取得手段によって取得された前記賞球数情報を記憶する第2の賞球数情報記憶手段(賞球数データ記憶用メモリ306)と、
前記検知手段によって検知された遊技球の個数に関する情報を記憶する個数情報記憶手段(レジスタ304)と、
前記個数情報記憶手段に記憶されている前記遊技球の個数に関する情報と前記第2の賞球数情報記憶手段に記憶されている前記賞球数情報とに基づいて演算を実行することによって、遊技の履歴に関する情報である遊技履歴情報(役物比率等)を算出する演算実行手段(CPU308)と、
前記演算実行手段によって算出された前記遊技履歴情報を記憶する遊技履歴情報記憶手段(演算結果記憶用メモリ309)と、
を備える
ことを特徴とする遊技機。
遊技機に設定されている賞球数情報は、遊技機の種類(機種)毎に異なる値が設定されていることが一般的である。
特徴D1によれば、処理実行手段は、第1の賞球数記憶手段に記憶されている賞球数情報を取得するので、遊技機の種類(機種)毎に異なる賞球数情報が設定されていても、処理実行手段は、遊技機の種類毎に設定された賞球数情報を用いて正しい遊技履歴情報を算出することができる。
遊技機に不正な改造等が施されていると、算出された遊技履歴情報が、想定された値とは異なる不自然な値になる場合がある。したがって、遊技機の検査者は、遊技履歴情報を確認することによって、遊技機に不正な改造等が施されていないかを適切に判断することが可能となる。この結果、遊技の健全性を向上させることができる。
[特徴D2]
特徴D1に記載の遊技機であって、
前記第1の賞球数情報記憶手段に記憶されている前記賞球数情報を含む信号を前記処理実行手段に送信する賞球数情報送信手段(CPU62x)を備え、
前記取得手段は、前記賞球数情報送信手段から送信された前記信号を受信することによって前記賞球数情報を取得する
ことを特徴とする遊技機。
特徴D2によれば、第1の賞球数情報記憶手段に記憶されている賞球数情報を含む信号を処理実行手段に送信するので、処理実行手段が第1の賞球数記憶手段にアクセスすることができない構成や、処理実行手段が第1の賞球数記憶手段に記憶されている賞球数情報の記憶位置(メモリアドレス)を把握することができない構成であっても、処理実行手段が第1の賞球数記憶手段に記憶されている賞球数情報を取得することが可能となる。
[特徴D3]
特徴D1または特徴D2に記載の遊技機であって、
前記遊技機に接続された所定の装置(検査機320)に対して前記遊技履歴情報記憶手段に記憶されている前記遊技履歴情報を送信する遊技履歴情報送信手段(CPU308)を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴D3によれば、遊技機の遊技履歴情報が所定の装置に送信されるので、所定の装置は、当該遊技機の遊技履歴情報を表示することが可能となる。そして、遊技機の検査者は、所定の装置に表示された遊技履歴情報を確認することができる。
[特徴D4]
特徴D1から特徴D3のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記遊技履歴情報記憶手段に記憶されている前記遊技履歴情報を表示する表示手段(図柄表示装置41)を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴D4によれば、遊技履歴情報が遊技機の表示手段に表示されるので、遊技機の検査者は、遊技履歴情報を確認するための専用の装置を用いることなく、当該遊技機の遊技履歴情報を確認することができる。
[特徴D5]
特徴D1から特徴D4のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記発射手段は、前記処理実行手段において前記賞球数情報の前記第2の賞球数情報記憶手段への記憶が完了するまでは遊技球の発射を実行することができないように構成されている
ことを特徴とする遊技機。
特徴D5によれば、賞球数情報の第2の賞球数情報記憶手段への記憶が完了するまでは遊技球が発射されないので、演算実行手段による遊技履歴情報の算出対象から遊技球が漏れてしまうことを抑制することができる。
<特徴E群>
特徴E群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第1実施形態から抽出される。
[特徴E1]
遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段(遊技球発射機構81)と、
所定の領域を通過した遊技球を検知する複数の検知手段(入球検知センサー44a~44h)と、
前記検知手段によって遊技球が検知されたことに基づいて賞球として遊技球を払い出す払出手段(払出装置71)と、
所定の処理を実行する処理実行手段(遊技履歴管理チップ300)と、
を備える遊技機であって、
前記処理実行手段は、
前記複数の検知手段のそれぞれに設定された賞球として払い出される遊技球の個数(賞球数)に関する情報である賞球数情報(賞球数データ)を記憶する賞球数情報記憶手段(賞球数データ記憶用メモリ306)と、
前記検知手段によって検知された遊技球の個数に関する情報を記憶する個数情報記憶手段(レジスタ304)と、
前記個数情報記憶手段に記憶されている所定の検知手段(排出通路検知センサー44h)によって検知された遊技球の個数(排出通路通過個数NOUT)が規定値(500個)に達する毎に、前記個数情報記憶手段に記憶されている前記遊技球の個数に関する情報と前記賞球数情報記憶手段に記憶されている前記賞球数情報とに基づいて演算を実行することによって、遊技の履歴に関する情報である遊技履歴情報(役物比率等)を算出する演算実行手段(CPU308)と、
前記演算実行手段によって算出された前記遊技履歴情報を記憶する遊技履歴情報記憶手段(演算結果記憶用メモリ309)と、
を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴E1によれば、所定の検知手段によって検知された遊技球の個数が規定値に達する毎に遊技履歴情報を算出するので、各遊技機によって検知された遊技球の個数が規定値に達するまでの時間にバラつきがあったとしても、その時間のバラつきに影響しない遊技履歴情報を算出することができる。すなわち、遊技球が検知される頻度に高低差がある場合であっても、その影響を受けにくい精度の高い遊技履歴情報を算出することができる。この結果、遊技機の検査者は、精度の高い遊技履歴情報を確認することができ、遊技機に不正な改造等が施されていないかを適切に判断することが可能となる。この結果、遊技の健全性を向上させることができる。
[特徴E2]
特徴E1に記載の遊技機であって、
前記演算を実行する条件である演算実行条件として、前記所定の検知手段(排出通路検知センサー44h)及び前記規定値(500個)に関する情報を記憶する第1の演算実行条件記憶手段(主側ROM63)を備え、
前記処理実行手段は、
前記第1の演算実行条件記憶手段に記憶されている前記演算実行条件を取得する演算実行条件取得手段と、
前記取得された前記演算実行条件を記憶する第2の演算実行条件記憶手段(演算実行条件記憶用メモリ307)と、
を備え、
前記演算実行手段は、前記第2の演算実行条件記憶手段に記憶されている前記演算実行条件が成立した場合に、前記演算を実行する
ことを特徴とする遊技機。
遊技機の種類(機種)が異なると、遊技の特性も異なるため、遊技履歴情報を算出するための演算を実行する最適な条件も異なることになる。このため、演算実行条件は、遊技機の種類(機種)毎に異なる条件が記憶されている。
特徴E2によれば、処理実行手段は、第1の演算実行条件記憶手段に記憶されている演算実行条件を取得するので、遊技機の種類(機種)毎に設定された演算実行条件が成立した場合に演算を実行することができる。
[特徴E3]
特徴E1または特徴E2に記載の遊技機であって、
前記処理実行手段は、
前記演算実行手段が前記演算を実行した後に、前記個数情報記憶手段に記憶されている遊技球の個数に関する情報を消去する消去手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴E3によれば、演算実行手段が演算を実行した後に、個数情報記憶手段に記憶されている遊技球の個数に関する情報を消去するので、再び個数情報記憶手段に遊技球の個数に関する情報を記憶することが可能となる。したがって、個数情報記憶手段に必要な記憶容量を低減することができる。
[特徴E4]
特徴E1から特徴E3のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記遊技機に接続された所定の装置(検査機320)に対して前記遊技履歴情報記憶手段に記憶されている前記遊技履歴情報を送信する遊技履歴情報送信手段(CPU308)を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴E4によれば、遊技機の遊技履歴情報が所定の装置に送信されるので、所定の装置は、当該遊技機の遊技履歴情報を表示することが可能となる。そして、遊技機の検査者は、所定の装置に表示された遊技履歴情報を確認することができる。
[特徴E5]
特徴E1から特徴E4のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記遊技履歴情報記憶手段に記憶されている前記遊技履歴情報を表示する表示手段(図柄表示装置41)を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴E5によれば、遊技履歴情報が遊技機の表示手段に表示されるので、遊技機の検査者は、遊技履歴情報を確認するための専用の装置を用いることなく、当該遊技機の遊技履歴情報を確認することができる。
<特徴F群>
特徴F群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第1実施形態から抽出される。
[特徴F1]
遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段(遊技球発射機構81)と、
所定の領域を通過した遊技球を検知する複数の検知手段(入球検知センサー44a~44h)と、
前記検知手段によって遊技球が検知されたことに基づいて賞球として遊技球を払い出す払出手段(払出装置71)と、
所定の処理を実行する処理実行手段(遊技履歴管理チップ300)と、
を備える遊技機であって、
前記処理実行手段は、
前記複数の検知手段のそれぞれに設定された賞球として払い出される遊技球の個数(賞球数)に関する情報である賞球数情報(賞球数データ)を記憶する賞球数情報記憶手段(賞球数データ記憶用メモリ306)と、
前記検知手段によって検知された遊技球の個数に関する情報を記憶する個数情報記憶手段(レジスタ304)と、
所定時間(1時間)が経過する毎に、前記個数情報記憶手段に記憶されている前記遊技球の個数に関する情報と前記賞球数情報記憶手段に記憶されている前記賞球数情報とに基づいて演算を実行することによって、遊技の履歴に関する情報である遊技履歴情報(役物比率等)を算出する演算実行手段(CPU308)と、
前記演算実行手段によって算出された前記遊技履歴情報を記憶する遊技履歴情報記憶手段(演算結果記憶用メモリ309)と、
を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴F1によれば、所定時間が経過する毎に遊技履歴情報を算出するので、遊技機の検査者は、時間の概念を用いた統計処理によって算出された遊技履歴情報を確認することができ、遊技機に不正な改造等が施されていないかを適切に判断することが可能となる。この結果、遊技の健全性を向上させることができる。
[特徴F2]
特徴F1に記載の遊技機であって、
前記演算を実行する条件である演算実行条件として、前記演算を実行する時間的間隔に関する情報を記憶する第1の演算実行条件記憶手段(主側ROM63)を備え、
前記処理実行手段は、
前記演算実行条件記憶手段に記憶されている前記演算実行条件を取得する演算実行条件取得手段と、
前記取得された前記演算実行条件を記憶する第2の演算実行条件記憶手段(演算実行条件記憶用メモリ307)と、
を備え、
前記演算実行手段は、前記第2の演算実行条件記憶手段に記憶されている前記演算実行条件が成立した場合に、前記演算を実行する
ことを特徴とする遊技機。
遊技機の種類(機種)が異なると、遊技の特性も異なるため、遊技履歴情報を算出するための演算を実行する最適な条件も異なることになる。このため、演算実行条件は、遊技機の種類(機種)毎に異なる条件が記憶されている。
特徴F2によれば、処理実行手段は、第1の演算実行条件記憶手段に記憶されている演算実行条件を取得するので、遊技機の種類(機種)毎に設定された演算実行条件が成立した場合に演算を実行することができる。
[特徴F3]
特徴F1または特徴F2に記載の遊技機であって、
前記演算が実行されてからの経過時間を計測する計測手段と、
遊技者によって遊技が行なわれているか否かを判定する判定手段と、
を備え、
前記計測手段は、前記判定手段によって遊技が行なわれていないと判定されている期間は、前記経過時間の計測を中断する
ことを特徴とする遊技機。
特徴F3によれば、遊技が行なわれていないと判定されている期間は、演算が実行されてからの経過時間の計測を中断するので、実際に遊技が行なわれている期間のみを対象として遊技履歴情報を算出することができる。
[特徴F4]
特徴F1から特徴F3のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記遊技機に接続された所定の装置(検査機320)に対して前記遊技履歴情報記憶手段に記憶されている前記遊技履歴情報を送信する遊技履歴情報送信手段(CPU308)を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴F4によれば、遊技機の遊技履歴情報が所定の装置に送信されるので、所定の装置は、当該遊技機の遊技履歴情報を表示することが可能となる。そして、遊技機の検査者は、所定の装置に表示された遊技履歴情報を確認することができる。
[特徴F5]
特徴F1から特徴F4のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記遊技履歴情報記憶手段に記憶されている前記遊技履歴情報を表示する表示手段(図柄表示装置41)を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴F5によれば、遊技履歴情報が遊技機の表示手段に表示されるので、遊技機の検査者は、遊技履歴情報を確認するための専用の装置を用いることなく、当該遊技機の遊技履歴情報を確認することができる。
<特徴G群>
特徴G群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第1実施形態から抽出される。
[特徴G1]
遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段(遊技球発射機構81)と、
所定の領域を通過した遊技球を検知する複数の検知手段(入球検知センサー44a~44h)と、
前記検知手段によって遊技球が検知されたことに基づいて賞球として遊技球を払い出す払出手段(払出装置71)と、
所定の処理を実行する処理実行手段(遊技履歴管理チップ300)と、
電源の遮断の発生を監視する監視手段(停電監視回路86)と、
を備える遊技機であって、
前記処理実行手段は、
前記複数の検知手段のそれぞれに設定された賞球として払い出される遊技球の個数(賞球数)に関する情報である賞球数情報(賞球数データ)を記憶する賞球数情報記憶手段(賞球数データ記憶用メモリ306)と、
前記検知手段によって検知された遊技球の個数に関する情報を記憶する個数情報記憶手段(レジスタ304)と、
前記監視手段が電源の遮断の発生を検知した場合に、前記個数情報記憶手段に記憶されている前記遊技球の個数に関する情報と前記賞球数情報記憶手段に記憶されている前記賞球数情報とに基づいて演算を実行することによって、遊技の履歴に関する情報である遊技履歴情報(役物比率等)を算出する演算実行手段(CPU308)と、
前記演算実行手段によって算出された前記遊技履歴情報を記憶する遊技履歴情報記憶手段(演算結果記憶用メモリ309)と、
を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴G1によれば、電源の遮断の発生を検知した場合に遊技履歴情報を算出するので、遊技機への電源の供給が開始されてから電源の遮断が発生するまでの期間中において検知された遊技球の個数に基づいて遊技履歴情報を算出することができる。すなわち、遊技ホールの営業が開始してから終了するまでの期間毎に遊技履歴情報が算出されるので、遊技ホールの営業日毎に遊技履歴情報が算出されることになる。したがって、遊技機の検査者は、遊技ホールの営業日を跨いで遊技履歴情報の特性に変化があったか否かを容易に把握することができるので、遊技機に不正な改造等が施されていないかを適切に判断することが可能となる。この結果、遊技の健全性を向上させることができる。
[特徴G2]
特徴G1に記載の遊技機であって、
前記電源の遮断が発生した後においても前記演算実行手段に対して電源を供給する供給手段(コンデンサ)を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴G2によれば、電源の遮断が発生した後においても演算実行手段に対して電源を供給する供給手段を備えるので、演算実行手段による遊技履歴情報の算出及び遊技履歴情報の遊技履歴情報記憶手段への記憶を確実に完了させることができる。
[特徴G3]
特徴G1または特徴G2に記載の遊技機であって、
前記遊技機に接続された所定の装置(検査機320)に対して前記遊技履歴情報記憶手段に記憶されている前記遊技履歴情報を送信する遊技履歴情報送信手段(CPU308)を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴G3によれば、遊技機の遊技履歴情報が所定の装置に送信されるので、所定の装置は、当該遊技機の遊技履歴情報を表示することが可能となる。そして、遊技機の検査者は、所定の装置に表示された遊技履歴情報を確認することができる。
[特徴G4]
特徴G1から特徴G3のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記遊技履歴情報記憶手段に記憶されている前記遊技履歴情報を表示する表示手段(図柄表示装置41)を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴G4によれば、遊技履歴情報が遊技機の表示手段に表示されるので、遊技機の検査者は、遊技履歴情報を確認するための専用の装置を用いることなく、当該遊技機の遊技履歴情報を確認することができる。
<特徴H群>
特徴H群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第1実施形態から抽出される。
[特徴H1]
遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段(遊技球発射機構81)と、
所定の領域を通過した遊技球を検知する複数の検知手段(入球検知センサー44a~44h)と、
前記検知手段によって遊技球が検知されたことに基づいて賞球として遊技球を払い出す払出手段(払出装置71)と、
所定の場合に報知をする報知手段と、
所定の処理を実行する処理実行手段(遊技履歴管理チップ300)と、
を備える遊技機であって、
前記処理実行手段は、
前記複数の検知手段のそれぞれに設定された賞球として払い出される遊技球の個数(賞球数)に関する情報である賞球数情報(賞球数データ)を記憶する賞球数情報記憶手段(賞球数データ記憶用メモリ306)と、
前記検知手段によって検知された遊技球の個数に関する情報を記憶する個数情報記憶手段(レジスタ304)と、
前記個数情報記憶手段に記憶されている前記遊技球の個数に関する情報と前記賞球数情報記憶手段に記憶されている前記賞球数情報とに基づいて、遊技の履歴に関する情報である遊技履歴情報(役物比率等)を算出する算出手段(CPU308)と、
前記算出手段によって算出された前記遊技履歴情報を記憶する遊技履歴情報記憶手段(演算結果記憶用メモリ309)と、
を備え、
前記報知手段は、前記遊技履歴情報記憶手段に記憶された前記遊技履歴情報が所定の条件を満たしていない場合に報知をする
ことを特徴とする遊技機。
特徴H1によれば、遊技履歴情報が所定の条件を満たしていない場合に報知するので、遊技機の検査者は、遊技履歴情報が所定の条件を満たしていない遊技機を容易に発見することができる。そして、当該遊技機の遊技履歴情報を確認することによって、遊技機に不正な改造等が施されていないかを判断することが可能となる。この結果、遊技の健全性を向上させることができる。
[特徴H2]
特徴H1に記載の遊技機であって、
前記報知手段は、前記遊技履歴情報記憶手段に記憶された前記遊技履歴情報に含まれる特定の値(払出比率等)が所定の範囲に含まれなくなった場合に報知をする
ことを特徴とする遊技機。
特徴H2によれば、遊技履歴情報に含まれる特定の値が所定の範囲に含まれなくなった場合に報知するので、遊技機の検査者は、遊技履歴情報に含まれる特定の値が所定の範囲に含まれなくなった遊技機を容易に発見することができる。そして、当該遊技機の遊技履歴情報を確認することによって、遊技機に不正な改造等が施されていないかを判断することが可能となる。この結果、遊技の健全性を向上させることができる。
[特徴H3]
特徴H2に記載の遊技機であって、
前記報知手段は、前記特定の値の前記所定の範囲からの乖離度に応じて報知の態様(LEDランプの色)を決定する
ことを特徴とする遊技機。
特徴H3によれば、特定の値の所定の範囲からの乖離度に応じて報知の態様を決定するので、遊技機の検査者は、遊技履歴情報に含まれる特定の値が所定の範囲からどの程度乖離しているのかを容易に把握することができる。
[特徴H4]
特徴H1から特徴H3のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記報知手段は、前記報知として所定の表示をする表示手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴H4によれば、報知として所定の表示をする表示手段を備えるので、遊技機の検査者は、遊技機の遊技履歴情報が所定の条件を満たしていないことを容易に知ることができる。
[特徴H5]
特徴H1から特徴H4のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記遊技機に接続された所定の装置(検査機320)に対して前記遊技履歴情報記憶手段に記憶されている前記遊技履歴情報を送信する遊技履歴情報送信手段(CPU308)を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴H5によれば、遊技機の遊技履歴情報が所定の装置に送信されるので、所定の装置は、当該遊技機の遊技履歴情報を表示することが可能となる。そして、遊技機の検査者は、所定の装置に表示された遊技履歴情報を確認することができる。
[特徴H6]
特徴H1から特徴H5のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記遊技履歴情報記憶手段に記憶されている前記遊技履歴情報を表示する表示手段(図柄表示装置41)を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴H6によれば、遊技履歴情報が遊技機の表示手段に表示されるので、遊技機の検査者は、遊技履歴情報を確認するための専用の装置を用いることなく、当該遊技機の遊技履歴情報を確認することができる。
<特徴I群>
特徴I群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第1実施形態から抽出される。
[特徴I1]
遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段(遊技球発射機構81)と、
所定の領域を通過した遊技球を検知する複数の検知手段(入球検知センサー44a~44h)と、
前記検知手段によって遊技球が検知されたことに基づいて賞球として遊技球を払い出す払出手段(払出装置71)と、
所定の処理を実行する処理実行手段(遊技履歴管理チップ300)と、
を備える遊技機であって、
前記処理実行手段は、
前記複数の検知手段のそれぞれに設定された賞球として払い出される遊技球の個数(賞球数)に関する情報である賞球数情報(賞球数データ)を記憶する賞球数情報記憶手段(賞球数データ記憶用メモリ306)と、
前記検知手段によって遊技球が検知される毎に、当該検知手段によって遊技球が検知されたことを示す情報である入球情報を順次記憶する入球情報記憶手段(入球情報記憶用メモリ309b)と、
前記遊技機に接続された所定の装置(検査機320)に対して、前記入球情報記憶手段に記憶されている前記入球情報と前記賞球数情報記憶手段に記憶されている前記賞球数情報とを送信する送信手段(CPU308)と、
を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴I1によれば、所定の装置に対して入球情報と賞球数情報とを送信するので、所定の装置は、入球情報と賞球数情報とに基づいて遊技の履歴に関する情報である遊技履歴情報を任意の範囲で算出することができる。したがって、遊技機の検査者は、所定の装置によって、任意の範囲で算出された当該遊技機の遊技履歴情報を確認することができ、遊技機に不正な改造等が施されていないかを適切に判断することが可能となる。この結果、遊技の健全性を向上させることができる。
[特徴I2]
特徴I1に記載の遊技機であって、
日時に関する情報である日時情報を取得する日時情報取得手段(RTC96)を備え、
前記入球情報記憶手段は、前記入球情報を記憶する際に、前記遊技球が前記検知手段によって検知された日時に対応した前記日時情報を付加して記憶する
ことを特徴とする遊技機。
特徴I2によれば、日時情報が付加された入球情報を受信した所定の装置は、日時の範囲を指定して遊技履歴情報を算出することが可能となる。したがって、遊技機の検査者は、日時の範囲を指定した遊技履歴情報に基づいて詳細な検査をすることができる。また、日時情報が付加された入球情報を所定の装置が表示する構成とすれば、遊技機の検査者は、各検知手段によって遊技球が検知された日時についても把握することが可能となる。
[特徴I3]
特徴I1または特徴I2に記載の遊技機であって、
前記入球情報記憶手段に記憶されている前記入球情報を表示する表示手段(図柄表示装置41)を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴I3によれば、入球情報が遊技機の表示手段に表示されるので、遊技機の検査者は、入球情報を確認するための専用の装置を用いることなく、当該遊技機の入球情報を確認することができる。
<特徴J群>
特徴J群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第1実施形態から抽出される。
[特徴J1]
遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段(遊技球発射機構81)と、
所定の領域を通過した遊技球を検知する複数の検知手段(入球検知センサー44a~44h)と、
前記複数の検知手段のそれぞれに設定された賞球として払い出される遊技球の個数(賞球数)に関する情報である賞球数情報(賞球数データ)を記憶する賞球数情報記憶手段(主側ROM63)と、
前記検知手段によって遊技球が検知されたことに基づいて遊技を進行するための処理である遊技進行処理(当たり抽選処理、電役開放抽選処理、賞球の払出処理、メイン表示部45における図柄の変動表示処理、開閉扉36bや電動役物34aの開閉処理等)を実行するとともに、前記検知手段によって検知された遊技球の検知情報と前記賞球数情報記憶手段に記憶されている前記賞球数情報とに基づいて演算を実行することによって遊技の履歴に関する情報である遊技履歴情報(役物比率等)を算出する処理を実行する処理実行手段(主側CPU62x)と、
当該遊技機本体の筐体に格納されるともに、前記処理実行手段によって算出された前記遊技履歴情報を記憶する遊技履歴情報記憶手段(主側RAM64、フラッシュメモリ64x)と、
を備えることを特徴とする遊技機。
特徴J1によれば、遊技履歴情報を記憶する遊技履歴情報記憶手段を備える。遊技履歴情報は、遊技における遊技球の挙動と相関を有する情報であるため、当該遊技履歴情報は遊技機毎に異なるとともに、遊技機固有の情報である。すなわち、遊技履歴情報は、遊技機の特性が反映された情報である。特徴J1によれば、当該遊技機の特性が反映された情報である遊技履歴情報を遊技機本体の筐体に格納された遊技履歴情報記憶手段に記憶する。よって、例えば、当該遊技機の特性を検査する場合には、当該遊技機本体自身から遊技履歴情報を取得することによって、当該遊技機の特性を検査することができる。遊技機は、遊技ホールに設置されている状態においては、遊技ホールに設置されているホールコンピュータによって遊技機の特性に関する情報を取得することができる。しかしながら、遊技機は、転々流通するものであるので、ホールコンピュータに接続されていない状態に置かれる場合があり、この場合、従来の遊技機では、当該遊技機の特性に関する情報を取得することができない。特徴J1の遊技機は、遊技機の特性が反映された情報である遊技履歴情報を遊技機本体の筐体に格納された遊技履歴情報記憶手段に記憶するので、遊技機がホールコンピュータと接続されていない状態であっても、当該遊技機本体から遊技履歴情報を取得することができる。すなわち、特徴J1によれば、遊技機と遊技履歴情報とを1対1で紐付けした状態にすることが可能であり、当該遊技機の特性を管理、検査することができる。この結果、遊技の健全性を向上させることができる。
さらに、特徴J1によれば、単一の処理実行手段が遊技進行処理と遊技履歴情報を算出する処理とを実行するので、当該算出処理を実行するための別の演算用チップ等を設ける必要がなく、遊技機の製造コストを低減させることができる。
[特徴J2]
特徴J1に記載の遊技機であって、
前記処理実行手段は、
前記遊技進行処理を実行可能なモードである第1のモード(遊技モード)と、
第1の条件が成立した場合(モード切替ボタンを押下するという操作が実行された場合、モード切替ボタンを押下しながら電源ボタンを押下するという操作が実行された場合、検査用端子65に検査機320が接続された場合、所定の時刻になった場合、ホールコンピュータから所定の信号を受信した場合)に実行されるモードである第2のモード(検査モード)と、
を実行可能であり、
前記第2のモードでは、遊技球が前記所定の領域を通過した場合であっても、前記遊技進行処理を実行しないように構成されている
ことを特徴とする遊技機。
特徴J2によれば、遊技球が所定の領域を通過した場合であっても遊技進行処理を実行しない第2のモードを実行可能であるので、遊技進行処理と並行して実行することが好ましくない処理や、遊技進行処理と並行して実行した場合に不具合が生じやすい処理等を第2のモードにおいて実行することができる。また、特徴J2によれば、第2のモードにおいては遊技進行処理を実行しないので、第2のモードにおいて実行する処理のプログラムを開発する際に、遊技進行処理が並行して実行された場合における対策を考慮しなくてもよいため、第2のモードにおいて実行する処理のプログラムの開発効率を大幅に向上させることができる。
[特徴J3]
特徴J2に記載の遊技機であって、
前記第2のモードは、前記遊技履歴情報を出力するモードである
ことを特徴とする遊技機。
遊技履歴情報は、遊技球が検知されて遊技進行処理が実行されると内容が変化する情報である。したがって、仮に、遊技進行処理と並行して遊技履歴情報を出力する処理を実行する構成を採用すると、遊技機の検査者が遊技履歴情報によって当該遊技機の特性を検査している間に遊技進行処理が実行されて当該遊技履歴情報の内容が随時変化してしまい、円滑に検査を実施することが困難になってしまう場合がある。これに対して、特徴J3によれば、遊技球が所定の領域を通過した場合であっても遊技進行処理を実行しない第2のモードにおいて遊技履歴情報を出力するので、遊技履歴情報を出力している間に当該遊技履歴情報の内容が変化してしまうことを抑制することができる。この結果、遊技機の検査者は円滑に検査を実施することができる。
[特徴J4]
特徴J1から特徴J3のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記処理実行手段は、
前記遊技進行処理を実行可能なモードである第1のモード(遊技モード)と、
第1の条件が成立した場合(モード切替ボタンを押下するという操作が実行された場合、モード切替ボタンを押下しながら電源ボタンを押下するという操作が実行された場合、検査用端子65に検査機320が接続された場合、所定の時刻になった場合、ホールコンピュータから所定の信号を受信した場合)に実行されるモードである第2のモード(検査モード)と、
を実行可能であり、
前記第1のモードにおいて前記遊技進行処理の実行中に、前記第1の条件が成立した場合(モード切替ボタンを押下するという操作が実行された場合、モード切替ボタンを押下しながら電源ボタンを押下するという操作が実行された場合、検査用端子65に検査機320が接続された場合、所定の時刻になった場合)には、第2の条件が成立したタイミング(図柄の変動表示処理が終了したタイミング等の遊技進行処理が予め定められた処理段階まで完了したタイミング、実行中の各遊技進行処理の全ての処理が完了したタイミング)で、前記第1のモードから前記第2のモードに移行するように構成されている
ことを特徴とする遊技機。
特徴J4によれば、第1のモードにおいて第1の条件が成立した場合には、第2の条件が成立したタイミングで、第1のモードから第2のモードに移行するように構成されているので、第2の条件が成立したか否かに関わらずに第1の条件が満たされた直後のタイミングで第1のモードから第2のモードに移行する構成と比較して、第2のモードに移行する際の処理上の不具合の発生を抑制することができる。
例えば、仮に、第2の条件が成立したか否かに関わらずに第1の条件が成立した直後のタイミングで第1のモードから第2のモードに移行する構成を採用した場合において、第1のモードにおいて遊技進行処理としての図柄の変動表示処理が実行されている期間中に、所定の操作が実行されたという第1の条件が成立した場合には、図柄の変動表示の途中で第2のモードに移行することになり、図柄の停止のタイミングや、図柄の変動時間の制御等が困難となる。これに対して、特徴J4によれば、例えば、第1のモードにおいて遊技進行処理としての図柄の変動表示処理が実行されている期間中に、所定の操作が実行されたという第1の条件が成立した場合には、図柄の変動表示処理が実行されていないという第2の条件が成立したタイミング、すなわち、変動表示中の図柄が停止した後のタイミングで第2のモードに移行することになる。したがって、図柄の停止のタイミングや、図柄の変動時間の制御等が困難となるといった処理上の不具合の発生を抑制することができる。
[特徴J5]
特徴J1から特徴J4のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記処理実行手段は、
前記遊技進行処理を実行可能なモードである第1のモード(遊技モード)と、
第1の条件が成立した場合(モード切替ボタンを押下するという操作が実行された場合、モード切替ボタンを押下しながら電源ボタンを押下するという操作が実行された場合、検査用端子65に検査機320が接続された場合、所定の時刻になった場合、ホールコンピュータから所定の信号を受信した場合)に実行されるモードである第2のモード(検査モード)と、
を実行可能であり、
前記第2のモード中に第3の条件が成立した場合(検査モードに移行してから10分が経過した場合)には、前記第2のモードから前記第1のモードに移行させるための操作である移行操作(モード切替ボタンを押下するという操作、モード切替ボタンを押下しながら電源ボタンを押下するという操作)が実行されていない場合であっても、前記第2のモードから前記第1のモードに移行するように構成されている
ことを特徴とする遊技機。
特徴J5によれば、第2のモード中に第3の条件が成立した場合には、第2のモードから第1のモードに移行させるための移行操作が実行されていない場合であっても、第2のモードから第1のモードに移行するように構成されているので、移行操作の実行がされずに第1のモードに復帰しないことを抑制することができる。例えば、第2のモードへの移行後に遊技機の管理者や検査者等が移行操作の実行を失念してしまい、遊技機が遊技進行処理を実行可能な第1のモードに復帰せず、遊技者が当該遊技機で遊技をできないといった状況の発生を抑制することができる。
[特徴J6]
特徴J5に記載の遊技機であって、
前記第3の条件は、所定の時点から所定の時間が経過すること(検査モードに移行した時点から10分が経過すること)である
ことを特徴とする遊技機。
特徴J6によれば、第2のモード中に所定の時点から所定の時間が経過した場合には、第2のモードから第1のモードに移行させるための移行操作が実行されていない場合であっても、第2のモードから第1のモードに移行するように構成されているので、移行操作の実行がされずに第1のモードに復帰しないことを確実に抑制することができる。例えば、第2のモードへの移行後に遊技機の管理者や検査者等が移行操作の実行を失念してしまった場合であっても、所定の時点から所定の時間が経過すれば第1のモードに復帰するので、遊技機が遊技進行処理を実行可能な第1のモードに復帰せず、遊技者が当該遊技機で遊技をできないといった状況の発生を抑制することができる。
[特徴J7]
特徴J1から特徴J6のいずれか一つに記載の遊技機であって、
当該遊技機本体の筐体に格納されるともに、前記遊技進行処理に関する情報を記憶する遊技進行処理情報記憶手段(主側RAM64)と、
前記遊技進行処理情報記憶手段に記憶されている情報を消去するための操作である消去操作(RAMクリアボタンを押下しながら電源ボタンを押下するという操作)が実行されたことに基づいて、前記遊技進行処理情報記憶手段に記憶されている情報を消去する消去手段と、
を備え、
前記処理実行手段は、
前記遊技進行処理を実行可能なモードである第1のモード(遊技モード)と、
第1の条件が成立した場合(モード切替ボタンを押下するという操作が実行された場合、モード切替ボタンを押下しながら電源ボタンを押下するという操作が実行された場合、検査用端子65に検査機320が接続された場合、所定の時刻になった場合、ホールコンピュータから所定の信号を受信した場合)に実行されるモードである第2のモード(検査モード)と、
を実行可能であり、
前記消去手段は、前記第2のモードに移行後であって前記第1のモードに移行する前の状態(検査モード中の状態、検査モードに移行後にそのまま電源がOFFになった状態)では、前記消去操作が実行された場合であっても、前記遊技進行処理情報記憶手段に記憶された情報を消去しないように構成されている
ことを特徴とする遊技機。
特徴J7によれば、第2のモードに移行後であって第1のモードに移行する前の状態では、遊技進行処理情報記憶手段に記憶されている情報を消去するための消去操作が実行された場合であっても、遊技進行処理情報記憶手段に記憶された情報を消去しないので、第2のモードに移行後であって第1のモードに移行する前の状態において、第1のモードに移行させようとして誤って消去操作が実行されてしまった場合であっても、当該情報が誤って消去されてしまうことを抑制することができる。
例えば、遊技進行処理情報記憶手段に記憶されている情報を消去するための消去操作が、消去用のボタンを押下しながら電源ボタンを押下する操作であり、第1のモードと第2のモードとの間でモードを移行させるための操作が、移行用のボタンを押下しながら電源ボタンを押下する操作である構成においては、第2のモードから第1のモードに移行させようとして移行用のボタンを押下しながら電源ボタンを押下するつもりが、誤って消去用のボタンを押下しながら電源ボタンを押下してしまう虞がある。しかしながら、特徴J7によれば、第2のモードに移行後であって第1のモードに移行する前の状態では、誤って消去用のボタンを押下しながら電源ボタンを押下するという操作が実行されてしまった場合であっても、当該情報が誤って消去されてしまうことを抑制することができる。
より具体的には、例えば、第1のモードから第2のモードに移行する際に、第1のモードにおいて実行していた遊技進行処理を一時的に停止させるとともに、当該停止させた遊技進行処理を第2のモードへの復帰後に再開させるための情報を遊技進行処理情報記憶手段に記憶させる構成を採用した場合において、第2のモードから第1のモードに復帰させようとして移行用のボタンを押下しながら電源ボタンを押下するつもりが、誤って消去用のボタンを押下しながら電源ボタンを押下してしまった場合には、遊技進行処理を再開するための情報が消去されてしまい、第2のモードへの復帰後に遊技進行処理を再開させることができなくなり、遊技者に不利益を与えてしまう虞がある。これに対して、特徴J7によれば、第2のモードに移行後であって第1のモードに移行する前の状態において、第1のモードに移行させようとして誤って消去用のボタンを押下しながら電源ボタンを押下してしまった場合であっても、遊技進行処理情報記憶手段に記憶された情報が誤って消去されてしまうことを抑制することができるので、遊技者に不利益を与えてしまうことを抑制することができる。
[特徴J8]
特徴J1から特徴J7のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記遊技履歴情報を表示する表示手段(図柄表示装置41)を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴J8によれば、遊技履歴情報が遊技機の表示手段に表示されるので、遊技機の検査者は、遊技履歴情報を確認するための専用の装置を用いることなく、当該遊技機の遊技履歴情報を確認することができる。
[特徴J9]
特徴J1から特徴J8のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記遊技履歴情報記憶手段は、電源の供給が断たれても記憶を保持することが可能な不揮発性のメモリ(フラッシュメモリ64x)によって構成されている
ことを特徴とする遊技機。
特徴J9によれば、遊技機への電源の供給が断たれても遊技履歴情報が保持されるので、当該遊技機がいかなる状態(例えば、遊技機に電源が供給されない流通状態等)に置かれても、遊技機と遊技履歴情報とを常に1対1で紐付けした状態にすることが可能であり、当該遊技機の特性を管理、検査することができる。
[特徴J10]
特徴J1から特徴J9のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記遊技履歴情報記憶手段は、開閉の痕跡が残る筐体(封印シールが貼付された基板ボックス)の内部に格納されている
ことを特徴とする遊技機。
特徴J10によれば、開閉の痕跡が残る筐体の内部に、遊技履歴情報記憶手段が格納されている。したがって、遊技履歴情報記憶手段に対して物理的な接触をした場合には、筐体を開いた痕跡が残る。よって、仮に、遊技履歴情報記憶手段に記憶されている遊技履歴情報が遊技履歴情報記憶手段への物理的な接触を介して改変された場合、改変されたことを筐体の痕跡から把握することが可能になる。したがって、遊技履歴情報の不正な改変を防止することができる。遊技機は、転々流通するものあるので、流通されている過程においては、様々な外的な接触が行われるが、開閉の痕跡が残る筐体の内部に遊技履歴情報記憶手段を格納するので、遊技機が転々流通する状況であっても、何者かによる遊技履歴情報の不正な改変を抑制することができる。また、遊技履歴情報は、実行された遊技に基づいて取得された情報であるので、遊技履歴情報を用いて遊技機の遊技に関する特性を管理、検査することが可能となる。よって、特徴J10によれば、遊技機の遊技に関する特性を反映した遊技履歴情報の不正な改変を防止することで、適正に遊技機を管理、検査することができる。この結果、遊技の健全性を向上させることができる。
[特徴J11]
特徴J1から特徴J10のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記遊技履歴情報記憶手段に記憶された前記遊技履歴情報が所定の条件を満たしていない場合に報知をする報知手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴J11によれば、遊技履歴情報が所定の条件を満たしていない場合に報知するので、遊技機の検査者は、遊技履歴情報が所定の条件を満たしていない遊技機を容易に発見することができる。そして、当該遊技機の遊技履歴情報を確認することによって、遊技機に不正な改造等が施されていないかを判断することが可能となる。この結果、遊技の健全性を向上させることができる。
[特徴J12]
特徴J11に記載の遊技機であって、
前記報知手段は、前記遊技履歴情報記憶手段に記憶された前記遊技履歴情報に含まれる特定の値(払出比率等)が所定の範囲に含まれなくなった場合に報知をする
ことを特徴とする遊技機。
特徴J12によれば、遊技履歴情報に含まれる特定の値が所定の範囲に含まれなくなった場合に報知するので、遊技機の検査者は、遊技履歴情報に含まれる特定の値が所定の範囲に含まれなくなった遊技機を容易に発見することができる。そして、当該遊技機の遊技履歴情報を確認することによって、遊技機に不正な改造等が施されていないかを判断することが可能となる。この結果、遊技の健全性を向上させることができる。
[特徴J13]
特徴J12に記載の遊技機であって、
前記報知手段は、前記特定の値の前記所定の範囲からの乖離度に応じて報知の態様(LEDランプの色)を決定する
ことを特徴とする遊技機。
特徴J13によれば、特定の値の所定の範囲からの乖離度に応じて報知の態様を決定するので、遊技機の検査者は、遊技履歴情報に含まれる特定の値が所定の範囲からどの程度乖離しているのかを容易に把握することができる。
[特徴J14]
特徴J11から特徴J13のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記報知手段は、前記報知として所定の表示をする表示手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴J14によれば、報知として所定の表示をする表示手段を備えるので、遊技機の検査者は、遊技機の遊技履歴情報が所定の条件を満たしていないことを容易に知ることができる。
<特徴K群>
特徴K群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第1実施形態から抽出される。
[特徴K1]
遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段(遊技球発射機構81)と、
所定の領域を通過した遊技球を検知する複数の検知手段(入球検知センサー44a~44h)と、
前記検知手段によって遊技球が検知されたことに基づいて遊技を進行するための処理である遊技進行処理(当たり抽選処理、電役開放抽選処理、賞球の払出処理、メイン表示部45における図柄の変動表示処理、開閉扉36bや電動役物34aの開閉処理等)を実行する遊技進行処理実行手段(主側CPU62x)と、
を備え、
前記遊技進行処理実行手段は、
前記遊技進行処理を実行可能なモードである第1のモード(遊技モード)と、
所定の条件が成立した場合(モード切替ボタンを押下するという操作が実行された場合、モード切替ボタンを押下しながら電源ボタンを押下するという操作が実行された場合、検査用端子65に検査機320が接続された場合、所定の時刻になった場合、ホールコンピュータから所定の信号を受信した場合)に実行されるモードである第2のモード(検査モード)と、
を実行可能であり、
前記第2のモードでは、遊技球が前記所定の領域を通過した場合であっても、前記遊技進行処理を実行しないように構成されている
ことを特徴とする遊技機。
特徴K1によれば、遊技球が所定の領域を通過した場合であっても遊技進行処理を実行しない第2のモードを実行可能であるので、遊技進行処理と並行して実行することが好ましくない処理や、遊技進行処理と並行して実行した場合に不具合が生じやすい処理等を第2のモードにおいて実行することができる。また、特徴K1によれば、第2のモードにおいては遊技進行処理を実行しないので、第2のモードにおいて実行する処理のプログラムを開発する際に、遊技進行処理が並行して実行された場合における対策を考慮しなくてもよいため、第2のモードにおいて実行する処理のプログラムの開発効率を大幅に向上させることができる。
[特徴K2]
特徴K1に記載の遊技機であって、
当該遊技機本体の筐体に格納されるともに、前記検知手段によって遊技球が検知されたことに基づく情報である検知情報(入球情報、入球個数情報、役物比率等を含む遊技履歴情報)を記憶する記憶手段(演算結果記憶用メモリ309、入球個数記憶用メモリ309a、入球情報記憶用メモリ309b、主側RAM64、フラッシュメモリ64x)を備え、
前記第2のモードは、前記検知情報を出力するモードである
ことを特徴とする遊技機。
特徴K2によれば、検知情報を記憶するとともに、第2のモードにおいて検知情報を出力することができる。検知情報は、遊技における遊技球の挙動と相関を有する情報であるため、当該検知情報は遊技機毎に異なるとともに、遊技機固有の情報である。すなわち、検知情報は、遊技機の特性が反映された情報である。特徴K2によれば、当該遊技機の特性が反映された情報である検知情報を遊技機本体の筐体に格納された記憶手段に記憶する。よって、例えば、当該遊技機の特性を検査する場合には、当該遊技機本体自身から検知情報を取得することによって、当該遊技機の特性を検査することができる。遊技機は、遊技ホールに設置されている状態においては、遊技ホールに設置されているホールコンピュータによって遊技機の特性に関する情報を取得することができる。しかしながら、遊技機は、転々流通するものであるので、ホールコンピュータに接続されていない状態に置かれる場合があり、この場合、従来の遊技機では、当該遊技機の特性に関する情報を取得することができない。特徴K2の遊技機は、遊技機の特性が反映された情報である検知情報を遊技機本体の筐体に格納された記憶手段に記憶するので、遊技機がホールコンピュータと接続されていない状態であっても、当該遊技機本体から検知情報を取得することができる。すなわち、特徴K2によれば、遊技機と検知情報とを1対1で紐付けした状態にすることが可能であり、当該遊技機の特性を管理、検査することができる。この結果、遊技の健全性を向上させることができる。
また、検知情報は、遊技球が検知されて遊技進行処理が実行されると内容が変化する情報である。したがって、仮に、遊技進行処理と並行して検知情報を出力する処理を実行する構成を採用すると、遊技機の検査者が検知情報によって当該遊技機の特性を検査している間に遊技進行処理が実行されて当該検知情報の内容が随時変化してしまい、円滑に検査を実施することが困難になってしまう場合がある。これに対して、特徴K2によれば、遊技球が所定の領域を通過した場合であっても遊技進行処理を実行しない第2のモードにおいて検知情報を出力するので、検知情報を出力している間に当該検知情報の内容が変化してしまうことを抑制することができる。この結果、遊技機の検査者は円滑に検査を実施することができる。
[特徴K3]
特徴K2に記載の遊技機であって、
前記第2のモードにおいて出力される前記検知情報を表示する表示手段(図柄表示装置41)を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴K3によれば、検知情報が遊技機の表示手段に表示されるので、遊技機の検査者は、検知情報を確認するための専用の装置を用いることなく、当該遊技機の検知情報を確認することができる。
[特徴K4]
特徴K2または特徴K3に記載の遊技機であって、
前記記憶手段は、電源の供給が断たれても記憶を保持することが可能な不揮発性のメモリ(演算結果記憶用メモリ309、入球個数記憶用メモリ309a、入球情報記憶用メモリ309b、フラッシュメモリ64x)によって構成されている
ことを特徴とする遊技機。
特徴K4によれば、遊技機への電源の供給が断たれても検知情報が保持されるので、当該遊技機がいかなる状態(例えば、遊技機に電源が供給されない流通状態等)に置かれても、遊技機と検知情報とを常に1対1で紐付けした状態にすることが可能であり、当該遊技機の特性を管理、検査することができる。
[特徴K5]
特徴K2から特徴K4のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記記憶手段は、開閉の痕跡が残る筐体(封印シールが貼付された基板ボックス)の内部に格納されている
ことを特徴とする遊技機。
特徴K5によれば、開閉の痕跡が残る筐体の内部に、記憶手段が格納されている。したがって、記憶手段に対して物理的な接触をした場合には、筐体を開いた痕跡が残る。よって、仮に、記憶手段に記憶されている検知情報が記憶手段への物理的な接触を介して改変された場合、改変されたことを筐体の痕跡から把握することが可能になる。したがって、検知情報の不正な改変を防止することができる。遊技機は、転々流通するものあるので、流通されている過程においては、様々な外的な接触が行われるが、開閉の痕跡が残る筐体の内部に記憶手段を格納するので、遊技機が転々流通する状況であっても、何者かによる検知情報の不正な改変を抑制することができる。また、検知情報は、実行された遊技に基づいて取得された情報であるので、検知情報を用いて遊技機の遊技に関する特性を管理、検査することが可能となる。よって、特徴K5によれば、遊技機の遊技に関する特性を反映した検知情報の不正な改変を防止することで、適正に遊技機を管理、検査することができる。この結果、遊技の健全性を向上させることができる。
[特徴K6]
特徴K2から特徴K5のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記記憶手段に記憶された前記検知情報が所定の条件を満たしていない場合に報知をする報知手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴K6によれば、検知情報が所定の条件を満たしていない場合に報知するので、遊技機の検査者は、検知情報が所定の条件を満たしていない遊技機を容易に発見することができる。そして、当該遊技機の検知情報を確認することによって、遊技機に不正な改造等が施されていないかを判断することが可能となる。この結果、遊技の健全性を向上させることができる。
[特徴K7]
特徴K6に記載の遊技機であって、
前記報知手段は、前記記憶手段に記憶された前記検知情報に含まれる特定の値(払出比率等)が所定の範囲に含まれなくなった場合に報知をする
ことを特徴とする遊技機。
特徴K7によれば、検知情報に含まれる特定の値が所定の範囲に含まれなくなった場合に報知するので、遊技機の検査者は、検知情報に含まれる特定の値が所定の範囲に含まれなくなった遊技機を容易に発見することができる。そして、当該遊技機の検知情報を確認することによって、遊技機に不正な改造等が施されていないかを判断することが可能となる。この結果、遊技の健全性を向上させることができる。
[特徴K8]
特徴K7に記載の遊技機であって、
前記報知手段は、前記特定の値の前記所定の範囲からの乖離度に応じて報知の態様(LEDランプの色)を決定する
ことを特徴とする遊技機。
特徴K8によれば、特定の値の所定の範囲からの乖離度に応じて報知の態様を決定するので、遊技機の検査者は、検知情報に含まれる特定の値が所定の範囲からどの程度乖離しているのかを容易に把握することができる。
[特徴K9]
特徴K6から特徴K8のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記報知手段は、前記報知として所定の表示をする表示手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴K9によれば、報知として所定の表示をする表示手段を備えるので、遊技機の検査者は、遊技機の検知情報が所定の条件を満たしていないことを容易に知ることができる。
<特徴L群>
特徴L群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第1実施形態から抽出される。
[特徴L1]
遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段(遊技球発射機構81)と、
所定の領域を通過した遊技球を検知する複数の検知手段(入球検知センサー44a~44h)と、
前記検知手段によって遊技球が検知されたことに基づいて遊技を進行するための処理である遊技進行処理(当たり抽選処理、電役開放抽選処理、賞球の払出処理、メイン表示部45における図柄の変動表示処理、開閉扉36bや電動役物34aの開閉処理等)を実行する遊技進行処理実行手段(主側CPU62x)と、
を備え、
前記遊技進行処理実行手段は、
前記遊技進行処理を実行可能なモードである第1のモード(遊技モード)と、
第1の条件が成立した場合(モード切替ボタンを押下するという操作が実行された場合、モード切替ボタンを押下しながら電源ボタンを押下するという操作が実行された場合、検査用端子65に検査機320が接続された場合、所定の時刻になった場合、ホールコンピュータから所定の信号を受信した場合)に実行されるモードである第2のモード(検査モード)と、
を実行可能であり、
前記第1のモードにおいて前記遊技進行処理の実行中に、前記第1の条件が成立した場合(モード切替ボタンを押下するという操作が実行された場合、モード切替ボタンを押下しながら電源ボタンを押下するという操作が実行された場合、検査用端子65に検査機320が接続された場合、所定の時刻になった場合)には、第2の条件が成立したタイミング(図柄の変動表示処理が終了したタイミング等の遊技進行処理が予め定められた処理段階まで完了したタイミング、実行中の各遊技進行処理の全ての処理が完了したタイミング)で、前記第1のモードから前記第2のモードに移行するように構成されている
ことを特徴とする遊技機。
特徴L1によれば、第1のモードにおいて第1の条件が成立した場合には、第2の条件が成立したタイミングで、第1のモードから第2のモードに移行するように構成されているので、第2の条件が成立したか否かに関わらずに第1の条件が満たされた直後のタイミングで第1のモードから第2のモードに移行する構成と比較して、第2のモードに移行する際の処理上の不具合の発生を抑制することができる。
例えば、仮に、第2の条件が成立したか否かに関わらずに第1の条件が成立した直後のタイミングで第1のモードから第2のモードに移行する構成を採用した場合において、第1のモードにおいて遊技進行処理としての図柄の変動表示処理が実行されている期間中に、所定の操作が実行されたという第1の条件が成立した場合には、図柄の変動表示の途中で第2のモードに移行することになり、図柄の停止のタイミングや、図柄の変動時間の制御等が困難となる。これに対して、特徴L1によれば、例えば、第1のモードにおいて遊技進行処理としての図柄の変動表示処理が実行されている期間中に、所定の操作が実行されたという第1の条件が成立した場合には、図柄の変動表示処理が実行されていないという第2の条件が成立したタイミング、すなわち、変動表示中の図柄が停止した後のタイミングで第2のモードに移行することになる。したがって、図柄の停止のタイミングや、図柄の変動時間の制御等が困難となるといった処理上の不具合の発生を抑制することができる。
[特徴L2]
特徴L1に記載の遊技機であって、
当該遊技機本体の筐体に格納されるともに、前記検知手段によって遊技球が検知されたことに基づく情報である検知情報(入球情報、入球個数情報、役物比率等を含む遊技履歴情報)を記憶する記憶手段(演算結果記憶用メモリ309、入球個数記憶用メモリ309a、入球情報記憶用メモリ309b、主側RAM64、フラッシュメモリ64x)を備え、
前記第2のモードは、前記検知情報を出力するモードである
ことを特徴とする遊技機。
特徴L2によれば、検知情報を記憶するとともに、第2のモードにおいて検知情報を出力することができる。検知情報は、遊技における遊技球の挙動と相関を有する情報であるため、当該検知情報は遊技機毎に異なるとともに、遊技機固有の情報である。すなわち、検知情報は、遊技機の特性が反映された情報である。特徴L2によれば、当該遊技機の特性が反映された情報である検知情報を遊技機本体の筐体に格納された記憶手段に記憶する。よって、例えば、当該遊技機の特性を検査する場合には、当該遊技機本体自身から検知情報を取得することによって、当該遊技機の特性を検査することができる。遊技機は、遊技ホールに設置されている状態においては、遊技ホールに設置されているホールコンピュータによって遊技機の特性に関する情報を取得することができる。しかしながら、遊技機は、転々流通するものであるので、ホールコンピュータに接続されていない状態に置かれる場合があり、この場合、従来の遊技機では、当該遊技機の特性に関する情報を取得することができない。特徴L2の遊技機は、遊技機の特性が反映された情報である検知情報を遊技機本体の筐体に格納された記憶手段に記憶するので、遊技機がホールコンピュータと接続されていない状態であっても、当該遊技機本体から検知情報を取得することができる。すなわち、特徴L2によれば、遊技機と検知情報とを1対1で紐付けした状態にすることが可能であり、当該遊技機の特性を管理、検査することができる。この結果、遊技の健全性を向上させることができる。
[特徴L3]
特徴L2に記載の遊技機であって、
前記第2のモードにおいて出力される前記検知情報を表示する表示手段(図柄表示装置41)を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴L3によれば、検知情報が遊技機の表示手段に表示されるので、遊技機の検査者は、検知情報を確認するための専用の装置を用いることなく、当該遊技機の検知情報を確認することができる。
[特徴L4]
特徴L2または特徴L3に記載の遊技機であって、
前記記憶手段は、電源の供給が断たれても記憶を保持することが可能な不揮発性のメモリ(演算結果記憶用メモリ309、入球個数記憶用メモリ309a、入球情報記憶用メモリ309b、フラッシュメモリ64x)によって構成されている
ことを特徴とする遊技機。
特徴L4によれば、遊技機への電源の供給が断たれても検知情報が保持されるので、当該遊技機がいかなる状態(例えば、遊技機に電源が供給されない流通状態等)に置かれても、遊技機と検知情報とを常に1対1で紐付けした状態にすることが可能であり、当該遊技機の特性を管理、検査することができる。
[特徴L5]
特徴L2から特徴L4のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記記憶手段は、開閉の痕跡が残る筐体(封印シールが貼付された基板ボックス)の内部に格納されている
ことを特徴とする遊技機。
特徴L5によれば、開閉の痕跡が残る筐体の内部に、記憶手段が格納されている。したがって、記憶手段に対して物理的な接触をした場合には、筐体を開いた痕跡が残る。よって、仮に、記憶手段に記憶されている検知情報が記憶手段への物理的な接触を介して改変された場合、改変されたことを筐体の痕跡から把握することが可能になる。したがって、検知情報の不正な改変を防止することができる。遊技機は、転々流通するものあるので、流通されている過程においては、様々な外的な接触が行われるが、開閉の痕跡が残る筐体の内部に記憶手段を格納するので、遊技機が転々流通する状況であっても、何者かによる検知情報の不正な改変を抑制することができる。また、検知情報は、実行された遊技に基づいて取得された情報であるので、検知情報を用いて遊技機の遊技に関する特性を管理、検査することが可能となる。よって、特徴L5によれば、遊技機の遊技に関する特性を反映した検知情報の不正な改変を防止することで、適正に遊技機を管理、検査することができる。この結果、遊技の健全性を向上させることができる。
[特徴L6]
特徴L2から特徴L5のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記記憶手段に記憶された前記検知情報が所定の条件を満たしていない場合に報知をする報知手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴L6によれば、検知情報が所定の条件を満たしていない場合に報知するので、遊技機の検査者は、検知情報が所定の条件を満たしていない遊技機を容易に発見することができる。そして、当該遊技機の検知情報を確認することによって、遊技機に不正な改造等が施されていないかを判断することが可能となる。この結果、遊技の健全性を向上させることができる。
[特徴L7]
特徴L6に記載の遊技機であって、
前記報知手段は、前記記憶手段に記憶された前記検知情報に含まれる特定の値(払出比率等)が所定の範囲に含まれなくなった場合に報知をする
ことを特徴とする遊技機。
特徴L7によれば、検知情報に含まれる特定の値が所定の範囲に含まれなくなった場合に報知するので、遊技機の検査者は、検知情報に含まれる特定の値が所定の範囲に含まれなくなった遊技機を容易に発見することができる。そして、当該遊技機の検知情報を確認することによって、遊技機に不正な改造等が施されていないかを判断することが可能となる。この結果、遊技の健全性を向上させることができる。
[特徴L8]
特徴L7に記載の遊技機であって、
前記報知手段は、前記特定の値の前記所定の範囲からの乖離度に応じて報知の態様(LEDランプの色)を決定する
ことを特徴とする遊技機。
特徴L8によれば、特定の値の所定の範囲からの乖離度に応じて報知の態様を決定するので、遊技機の検査者は、検知情報に含まれる特定の値が所定の範囲からどの程度乖離しているのかを容易に把握することができる。
[特徴L9]
特徴L6から特徴L8のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記報知手段は、前記報知として所定の表示をする表示手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴L9によれば、報知として所定の表示をする表示手段を備えるので、遊技機の検査者は、遊技機の検知情報が所定の条件を満たしていないことを容易に知ることができる。
<特徴M群>
特徴M群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第1実施形態から抽出される。
[特徴M1]
遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段(遊技球発射機構81)と、
所定の領域を通過した遊技球を検知する複数の検知手段(入球検知センサー44a~44h)と、
前記検知手段によって遊技球が検知されたことに基づいて遊技を進行するための処理である遊技進行処理(当たり抽選処理、電役開放抽選処理、賞球の払出処理、メイン表示部45における図柄の変動表示処理、開閉扉36bや電動役物34aの開閉処理等)を実行する遊技進行処理実行手段(主側CPU62x)と、
を備え、
前記遊技進行処理実行手段は、
前記遊技進行処理を実行可能なモードである第1のモード(遊技モード)と、
第1の条件が成立した場合(モード切替ボタンを押下するという操作が実行された場合、モード切替ボタンを押下しながら電源ボタンを押下するという操作が実行された場合、検査用端子65に検査機320が接続された場合、所定の時刻になった場合、ホールコンピュータから所定の信号を受信した場合)に実行されるモードである第2のモード(検査モード)と、
を実行可能であり、
前記第2のモード中に第2の条件が成立した場合(検査モードに移行してから10分が経過した場合)には、前記第2のモードから前記第1のモードに移行させるための所定の操作(モード切替ボタンを押下するという操作、モード切替ボタンを押下しながら電源ボタンを押下するという操作)が実行されていない場合であっても、前記第2のモードから前記第1のモードに移行するように構成されている
ことを特徴とする遊技機。
特徴M1によれば、第2のモード中に第2の条件が成立した場合には、第2のモードから第1のモードに移行させるための所定の操作が実行されていない場合であっても、第2のモードから第1のモードに移行するように構成されているので、所定の操作の実行がされずに第1のモードに復帰しないことを抑制することができる。例えば、第2のモードへの移行後に遊技機の管理者や検査者等が所定の操作の実行を失念してしまい、遊技機が遊技進行処理を実行可能な第1のモードに復帰せず、遊技者が当該遊技機で遊技をできないといった状況の発生を抑制することができる。
[特徴M2]
特徴M1に記載の遊技機であって、
前記第2の条件は、所定の時点から所定の時間が経過すること(検査モードに移行した時点から10分が経過すること)である
ことを特徴とする遊技機。
特徴M2によれば、第2のモード中に所定の時点から所定の時間が経過した場合には、第2のモードから第1のモードに移行させるための所定の操作が実行されていない場合であっても、第2のモードから第1のモードに移行するように構成されているので、所定の操作の実行がされずに第1のモードに復帰しないことを確実に抑制することができる。例えば、第2のモードへの移行後に遊技機の管理者や検査者等が所定の操作の実行を失念してしまった場合であっても、所定の時点から所定の時間が経過すれば第1のモードに復帰するので、遊技機が遊技進行処理を実行可能な第1のモードに復帰せず、遊技者が当該遊技機で遊技をできないといった状況の発生を抑制することができる。
[特徴M3]
特徴M1または特徴M2に記載の遊技機であって、
当該遊技機本体の筐体に格納されるともに、前記検知手段によって遊技球が検知されたことに基づく情報である検知情報(入球情報、入球個数情報、役物比率等を含む遊技履歴情報)を記憶する記憶手段(演算結果記憶用メモリ309、入球個数記憶用メモリ309a、入球情報記憶用メモリ309b、主側RAM64、フラッシュメモリ64x)を備え、
前記第2のモードは、前記検知情報を出力するモードである
ことを特徴とする遊技機。
特徴M3によれば、検知情報を記憶するとともに、第2のモードにおいて検知情報を出力することができる。検知情報は、遊技における遊技球の挙動と相関を有する情報であるため、当該検知情報は遊技機毎に異なるとともに、遊技機固有の情報である。すなわち、検知情報は、遊技機の特性が反映された情報である。特徴M3によれば、当該遊技機の特性が反映された情報である検知情報を遊技機本体の筐体に格納された記憶手段に記憶する。よって、例えば、当該遊技機の特性を検査する場合には、当該遊技機本体自身から検知情報を取得することによって、当該遊技機の特性を検査することができる。遊技機は、遊技ホールに設置されている状態においては、遊技ホールに設置されているホールコンピュータによって遊技機の特性に関する情報を取得することができる。しかしながら、遊技機は、転々流通するものであるので、ホールコンピュータに接続されていない状態に置かれる場合があり、この場合、従来の遊技機では、当該遊技機の特性に関する情報を取得することができない。特徴M3の遊技機は、遊技機の特性が反映された情報である検知情報を遊技機本体の筐体に格納された記憶手段に記憶するので、遊技機がホールコンピュータと接続されていない状態であっても、当該遊技機本体から検知情報を取得することができる。すなわち、特徴M3によれば、遊技機と検知情報とを1対1で紐付けした状態にすることが可能であり、当該遊技機の特性を管理、検査することができる。この結果、遊技の健全性を向上させることができる。
また、特徴M3によれば、遊技機の検査者が第2のモードにおいて出力される検知情報によって当該遊技機の特性を検査した後、所定の操作の実行を失念してしまい、遊技機が遊技進行処理を実行可能な第1のモードに復帰せず、遊技者が当該遊技機で遊技をできないといった状況の発生を抑制することができる。
[特徴M4]
特徴M3に記載の遊技機であって、
前記第2のモードにおいて出力される前記検知情報を表示する表示手段(図柄表示装置41)を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴M4によれば、検知情報が遊技機の表示手段に表示されるので、遊技機の検査者は、検知情報を確認するための専用の装置を用いることなく、当該遊技機の検知情報を確認することができる。
[特徴M5]
特徴M3または特徴M4に記載の遊技機であって、
前記記憶手段は、電源の供給が断たれても記憶を保持することが可能な不揮発性のメモリ(演算結果記憶用メモリ309、入球個数記憶用メモリ309a、入球情報記憶用メモリ309b、フラッシュメモリ64x)によって構成されている
ことを特徴とする遊技機。
特徴M5によれば、遊技機への電源の供給が断たれても検知情報が保持されるので、当該遊技機がいかなる状態(例えば、遊技機に電源が供給されない流通状態等)に置かれても、遊技機と検知情報とを常に1対1で紐付けした状態にすることが可能であり、当該遊技機の特性を管理、検査することができる。
[特徴M6]
特徴M3から特徴M5のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記記憶手段は、開閉の痕跡が残る筐体(封印シールが貼付された基板ボックス)の内部に格納されている
ことを特徴とする遊技機。
特徴M6によれば、開閉の痕跡が残る筐体の内部に、記憶手段が格納されている。したがって、記憶手段に対して物理的な接触をした場合には、筐体を開いた痕跡が残る。よって、仮に、記憶手段に記憶されている検知情報が記憶手段への物理的な接触を介して改変された場合、改変されたことを筐体の痕跡から把握することが可能になる。したがって、検知情報の不正な改変を防止することができる。遊技機は、転々流通するものあるので、流通されている過程においては、様々な外的な接触が行われるが、開閉の痕跡が残る筐体の内部に記憶手段を格納するので、遊技機が転々流通する状況であっても、何者かによる検知情報の不正な改変を抑制することができる。また、検知情報は、実行された遊技に基づいて取得された情報であるので、検知情報を用いて遊技機の遊技に関する特性を管理、検査することが可能となる。よって、特徴M6によれば、遊技機の遊技に関する特性を反映した検知情報の不正な改変を防止することで、適正に遊技機を管理、検査することができる。この結果、遊技の健全性を向上させることができる。
[特徴M7]
特徴M3から特徴M6のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記記憶手段に記憶された前記検知情報が所定の条件を満たしていない場合に報知をする報知手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴M7によれば、検知情報が所定の条件を満たしていない場合に報知するので、遊技機の検査者は、検知情報が所定の条件を満たしていない遊技機を容易に発見することができる。そして、当該遊技機の検知情報を確認することによって、遊技機に不正な改造等が施されていないかを判断することが可能となる。この結果、遊技の健全性を向上させることができる。
[特徴M8]
特徴M7に記載の遊技機であって、
前記報知手段は、前記記憶手段に記憶された前記検知情報に含まれる特定の値(払出比率等)が所定の範囲に含まれなくなった場合に報知をする
ことを特徴とする遊技機。
特徴M8によれば、検知情報に含まれる特定の値が所定の範囲に含まれなくなった場合に報知するので、遊技機の検査者は、検知情報に含まれる特定の値が所定の範囲に含まれなくなった遊技機を容易に発見することができる。そして、当該遊技機の検知情報を確認することによって、遊技機に不正な改造等が施されていないかを判断することが可能となる。この結果、遊技の健全性を向上させることができる。
[特徴M9]
特徴M8に記載の遊技機であって、
前記報知手段は、前記特定の値の前記所定の範囲からの乖離度に応じて報知の態様(LEDランプの色)を決定する
ことを特徴とする遊技機。
特徴M9によれば、特定の値の所定の範囲からの乖離度に応じて報知の態様を決定するので、遊技機の検査者は、検知情報に含まれる特定の値が所定の範囲からどの程度乖離しているのかを容易に把握することができる。
[特徴M10]
特徴M7から特徴M9のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記報知手段は、前記報知として所定の表示をする表示手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴M10によれば、報知として所定の表示をする表示手段を備えるので、遊技機の検査者は、遊技機の検知情報が所定の条件を満たしていないことを容易に知ることができる。
<特徴N群>
特徴N群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第1実施形態から抽出される。
[特徴N1]
遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段(遊技球発射機構81)と、
所定の領域を通過した遊技球を検知する複数の検知手段(入球検知センサー44a~44h)と、
前記検知手段によって遊技球が検知されたことに基づいて遊技を進行するための処理である遊技進行処理(当たり抽選処理、電役開放抽選処理、賞球の払出処理、メイン表示部45における図柄の変動表示処理、開閉扉36bや電動役物34aの開閉処理等)を実行する遊技進行処理実行手段(主側CPU62x)と、
当該遊技機本体の筐体に格納されるともに、前記遊技進行処理に関する情報を記憶する記憶手段(主側RAM64)と、
所定の操作(RAMクリアボタンを押下しながら電源ボタンを押下するという操作)が実行されたことに基づいて、前記記憶手段に記憶されている情報を消去する消去手段と、
を備え、
前記遊技進行処理実行手段は、
前記遊技進行処理を実行可能なモードである第1のモード(遊技モード)と、
所定の条件が成立した場合(モード切替ボタンを押下するという操作が実行された場合、モード切替ボタンを押下しながら電源ボタンを押下するという操作が実行された場合、検査用端子65に検査機320が接続された場合、所定の時刻になった場合、ホールコンピュータから所定の信号を受信した場合)に実行されるモードである第2のモード(検査モード)と、
を実行可能であり、
前記消去手段は、前記第2のモードに移行後であって前記第1のモードに移行する前の状態(検査モード中の状態、検査モードに移行後にそのまま電源がOFFになった状態)では、前記所定の操作が実行された場合であっても、前記記憶手段に記憶された情報を消去しないように構成されている
ことを特徴とする遊技機。
特徴N1によれば、第2のモードに移行後であって第1のモードに移行する前の状態では、記憶手段に記憶されている情報を消去するための所定の操作が実行された場合であっても、記憶手段に記憶された情報を消去しないので、第2のモードに移行後であって第1のモードに移行する前の状態において、第1のモードに移行させようとして誤って所定の操作が実行されてしまった場合であっても、当該情報が誤って消去されてしまうことを抑制することができる。
例えば、記憶手段に記憶されている情報を消去するための所定の操作が、消去用のボタンを押下しながら電源ボタンを押下する操作であり、第1のモードと第2のモードとの間でモードを移行させるための操作が、移行用のボタンを押下しながら電源ボタンを押下する操作である構成においては、第2のモードから第1のモードに移行させようとして移行用のボタンを押下しながら電源ボタンを押下するつもりが、誤って消去用のボタンを押下しながら電源ボタンを押下してしまう虞がある。しかしながら、特徴N1によれば、第2のモードに移行後であって第1のモードに移行する前の状態では、誤って消去用のボタンを押下しながら電源ボタンを押下するという操作が実行されてしまった場合であっても、当該情報が誤って消去されてしまうことを抑制することができる。
より具体的には、例えば、第1のモードから第2のモードに移行する際に、第1のモードにおいて実行していた遊技進行処理を一時的に停止させるとともに、当該停止させた遊技進行処理を第2のモードへの復帰後に再開させるための情報を記憶手段に記憶させる構成を採用した場合において、第2のモードから第1のモードに復帰させようとして移行用のボタンを押下しながら電源ボタンを押下するつもりが、誤って消去用のボタンを押下しながら電源ボタンを押下してしまった場合には、遊技進行処理を再開するための情報が消去されてしまい、第2のモードへの復帰後に遊技進行処理を再開させることができなくなり、遊技者に不利益を与えてしまう虞がある。これに対して、特徴N1によれば、第2のモードに移行後であって第1のモードに移行する前の状態において、第1のモードに移行させようとして誤って消去用のボタンを押下しながら電源ボタンを押下してしまった場合であっても、記憶手段に記憶された情報が誤って消去されてしまうことを抑制することができるので、遊技者に不利益を与えてしまうことを抑制することができる。
[特徴N2]
特徴N1に記載の遊技機であって、
当該遊技機本体の筐体に格納されるともに、前記検知手段によって遊技球が検知されたことに基づく情報である検知情報(入球情報、入球個数情報、役物比率等を含む遊技履歴情報)を記憶する検知情報記憶手段を備え、
前記第2のモードは、前記検知情報(入球情報、入球個数情報、役物比率等を含む遊技履歴情報)を出力するモードである
ことを特徴とする遊技機。
特徴N2によれば、検知情報を記憶するとともに、第2のモードにおいて検知情報を出力することができる。検知情報は、遊技における遊技球の挙動と相関を有する情報であるため、当該検知情報は遊技機毎に異なるとともに、遊技機固有の情報である。すなわち、検知情報は、遊技機の特性が反映された情報である。特徴N2によれば、当該遊技機の特性が反映された情報である検知情報を遊技機本体の筐体に格納された検知情報記憶手段に記憶する。よって、例えば、当該遊技機の特性を検査する場合には、当該遊技機本体自身から検知情報を取得することによって、当該遊技機の特性を検査することができる。遊技機は、遊技ホールに設置されている状態においては、遊技ホールに設置されているホールコンピュータによって遊技機の特性に関する情報を取得することができる。しかしながら、遊技機は、転々流通するものであるので、ホールコンピュータに接続されていない状態に置かれる場合があり、この場合、従来の遊技機では、当該遊技機の特性に関する情報を取得することができない。特徴N2の遊技機は、遊技機の特性が反映された情報である検知情報を遊技機本体の筐体に格納された検知情報検知情報記憶手段に記憶するので、遊技機がホールコンピュータと接続されていない状態であっても、当該遊技機本体から検知情報を取得することができる。すなわち、特徴N2によれば、遊技機と検知情報とを1対1で紐付けした状態にすることが可能であり、当該遊技機の特性を管理、検査することができる。この結果、遊技の健全性を向上させることができる。
[特徴N3]
特徴N2に記載の遊技機であって、
前記第2のモードにおいて出力される前記検知情報を表示する表示手段(図柄表示装置41)を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴N3によれば、検知情報が遊技機の表示手段に表示されるので、遊技機の検査者は、検知情報を確認するための専用の装置を用いることなく、当該遊技機の検知情報を確認することができる。
[特徴N4]
特徴N2または特徴N3に記載の遊技機であって、
前記検知情報記憶手段は、開閉の痕跡が残る筐体(封印シールが貼付された基板ボックス)の内部に格納されている
ことを特徴とする遊技機。
特徴N4によれば、開閉の痕跡が残る筐体の内部に、検知情報記憶手段が格納されている。したがって、検知情報記憶手段に対して物理的な接触をした場合には、筐体を開いた痕跡が残る。よって、仮に、検知情報記憶手段に記憶されている検知情報が検知情報記憶手段への物理的な接触を介して改変された場合、改変されたことを筐体の痕跡から把握することが可能になる。したがって、検知情報の不正な改変を防止することができる。遊技機は、転々流通するものあるので、流通されている過程においては、様々な外的な接触が行われるが、開閉の痕跡が残る筐体の内部に検知情報記憶手段を格納するので、遊技機が転々流通する状況であっても、何者かによる検知情報の不正な改変を抑制することができる。また、検知情報は、実行された遊技に基づいて取得された情報であるので、検知情報を用いて遊技機の遊技に関する特性を管理、検査することが可能となる。よって、特徴N4によれば、遊技機の遊技に関する特性を反映した検知情報の不正な改変を防止することで、適正に遊技機を管理、検査することができる。この結果、遊技の健全性を向上させることができる。
[特徴N5]
特徴N2から特徴N4のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記検知情報記憶手段に記憶された前記検知情報が所定の条件を満たしていない場合に報知をする報知手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴N5によれば、検知情報が所定の条件を満たしていない場合に報知するので、遊技機の検査者は、検知情報が所定の条件を満たしていない遊技機を容易に発見することができる。そして、当該遊技機の検知情報を確認することによって、遊技機に不正な改造等が施されていないかを判断することが可能となる。この結果、遊技の健全性を向上させることができる。
[特徴N6]
特徴N5に記載の遊技機であって、
前記報知手段は、前記検知情報記憶手段に記憶された前記検知情報に含まれる特定の値(払出比率等)が所定の範囲に含まれなくなった場合に報知をする
ことを特徴とする遊技機。
特徴N6によれば、検知情報に含まれる特定の値が所定の範囲に含まれなくなった場合に報知するので、遊技機の検査者は、検知情報に含まれる特定の値が所定の範囲に含まれなくなった遊技機を容易に発見することができる。そして、当該遊技機の検知情報を確認することによって、遊技機に不正な改造等が施されていないかを判断することが可能となる。この結果、遊技の健全性を向上させることができる。
[特徴N7]
特徴N6に記載の遊技機であって、
前記報知手段は、前記特定の値の前記所定の範囲からの乖離度に応じて報知の態様(LEDランプの色)を決定する
ことを特徴とする遊技機。
特徴N7によれば、特定の値の所定の範囲からの乖離度に応じて報知の態様を決定するので、遊技機の検査者は、検知情報に含まれる特定の値が所定の範囲からどの程度乖離しているのかを容易に把握することができる。
[特徴N8]
特徴N5から特徴N7のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記報知手段は、前記報知として所定の表示をする表示手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴N8によれば、報知として所定の表示をする表示手段を備えるので、遊技機の検査者は、遊技機の検知情報が所定の条件を満たしていないことを容易に知ることができる。
なお、上記特徴A群~特徴N群の発明は、以下の課題を解決する。
パチンコ遊技機やスロットマシン等の遊技機においては、遊技の興趣向上を目的として、構造、制御、演出等の様々な観点から技術的な改良が行われている。
また、遊技の興趣向上に加え、遊技者による不正な行為や遊技機に対する不正な改造の発見や抑止といった遊技の健全性の向上を目的とした様々な技術的な改良も行われている。
例えば、遊技者によって不正な行為(いわゆるゴト行為)が行われたり、パチンコ遊技機の遊技盤に設けられた釘が不正に曲げられて改造されたりすると、一般入賞口や始動口等の各入球口への遊技球の入球割合等が当初に想定されたものとは異なるようになってしまい、パチンコ遊技機に想定された性能や遊技性が損なわれてしまう場合があった。しかしながら、このような不正の発見は非常に困難であった。
このような不正は、遊技ホールの営業時間中に遊技者によって行われる場合がある。また、遊技ホールの営業時間後に、何者かによって不正な改造が行われる場合もある。さらには、遊技ホールに設置される前の輸送中の遊技機に対して不正な改造が行われる場合もある。さらには、遊技ホールに出荷される前の遊技機に対して不正な改造が行われる場合もある。また、それよりも前に不正な改造が行われる可能性もある。
このような状況を踏まえ、遊技機に対する不正な行為や不正な改造を発見し、遊技の健全性を向上させることを目的とする。
<特徴O群>
特徴O群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第1実施形態の態様23から抽出される。
[特徴O1]
所定の間隔(4msecの間隔)で所定の処理(タイマ割込み処理)の実行を開始する処理実行手段(主側CPU62x)を備える遊技機であって、
前記処理実行手段は、前記所定の処理に含まれる一の処理として、特定の処理(遊技履歴情報を算出する処理である演算処理)を実行可能であり、
前記特定の処理は、複数の処理段階(図29のタスク1及びタスク2)によって構成されており、
前記処理実行手段は、
前記所定の処理の1回の実行においては前記特定の処理を構成する前記複数の処理段階のうちの一の処理段階を実行可能であり、
前記所定の処理を複数回実行することによって、前記特定の処理を構成する前記複数の処理段階の全てを実行する
ことを特徴とする遊技機。
特徴O1によれば、所定の処理の1回の実行においては特定の処理を構成する複数の処理段階のうちの一の処理段階を実行可能であり、所定の処理を複数回実行することによって、特定の処理を構成する複数の処理段階の全てを実行するので、所定の処理の1回の実行において特定の処理を構成する複数の処理段階の全てを実行する構成に比べて、所定の処理の1回の実行に要する時間を短縮することができる。この結果、所定の処理の1回の実行に要する時間が、所定の処理の実行を開始する所定の間隔よりも長くなってしまい、所定の処理を所定の間隔で実行することができなくなってしまうといったことを抑制することができる。
[特徴O2]
特徴O1に記載の遊技機であって、
前記特定の処理は、実行する順序が定められた一連の処理によって構成されており、
前記複数の処理段階は、前記特定の処理を構成する前記一連の処理を分割したものであり、
前記処理実行手段は、前記複数の処理段階のうちの一の処理段階(図29のタスク1)を実行した後、当該一の処理段階の次に実行する前記処理段階(図29のタスク2)を指定する
ことを特徴とする遊技機。
特徴O2によれば、実行する順序が定められた一連の処理を分割し、所定の処理の1回の実行においては、複数の処理段階のうちの一の処理段階を実行した後、当該一の処理段階の次に実行する処理段階を指定するので、所定の処理に組み込んだ場合に当該所定の処理の実行に要する時間が所定の間隔よりも長くなってしまうような一連の処理であっても、所定の間隔で実行される所定の処理に組み込んで実行することができる。
[特徴O3]
特徴O2に記載の遊技機であって、
前記処理実行手段は、前記所定の処理に含まれる処理として、遊技の進行に関する処理である遊技進行処理を実行可能であり、
前記特定の処理は、前記遊技進行処理とは異なる処理(演算処理)である
ことを特徴とする遊技機。
特徴O3によれば、遊技進行処理とは異なる処理(遊技進行処理以外の処理)を所定の処理に組み込んだ場合に当該所定の処理の1回の実行に要する時間が所定の間隔よりも長くなってしまうような構成の遊技機においても、所定の間隔で実行される所定の処理に当該遊技進行処理とは異なる処理を組み込んで実行することができる。また、遊技進行処理とは異なる処理は、所定の処理の1回の実行において全ての処理段階を実行しなくても遊技の進行に影響はないため、所定の処理の1回の実行に要する時間を、当該所定の処理に含まれる遊技進行処理の実行時間に割り振ることができ、遊技機の設計の自由度を向上させることができる。なお、遊技進行処理とは異なる処理としては、種々の任意の処理を採用することが可能であり、例えば、遊技の履歴に関する情報である遊技履歴情報を算出する処理や、遊技ホールに設置されているホールコンピュータに対して遊技の状況に関する情報を所定のタイミングで送信する送信処理等を採用することができる。
[特徴O4]
特徴O3に記載の遊技機であって、
前記特定の処理は、遊技の履歴に関する情報である遊技履歴情報を算出する処理である算出処理(演算処理)である
ことを特徴とする遊技機。
特徴O4によれば、遊技履歴情報を算出する算出処理を所定の処理に組み込んだ場合に当該所定の処理の1回の実行に要する時間が所定の間隔よりも長くなってしまうような構成の遊技機においても、所定の間隔で実行される所定の処理に当該算出処理を組み込んで実行することができる。また、遊技履歴情報を算出する算出処理は、所定の処理の1回の実行において全ての処理段階を実行しなくても遊技の進行に影響はないため、所定の処理の1回の実行に要する時間を、当該所定の処理に含まれる遊技進行処理の実行時間に割り振ることができ、遊技機の設計の自由度を向上させることができる。
<特徴P群>
特徴P群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第1実施形態の態様23から抽出される。
[特徴P1]
所定の間隔(4msecの間隔)で所定の処理(タイマ割込み処理)の実行を開始する処理実行手段(主側CPU62x)を備える遊技機であって、
前記処理実行手段は、
前記所定の処理に含まれる一の処理として、特定の処理(賞球集計処理)を実行可能であり、
前記所定の処理の1回の実行においては、複数の処理対象候補(バッファエリアの8個のビット)の中から一部の処理対象候補(2個のビット)を、前記特定の処理(賞球集計処理)の処理対象として設定し、当該設定した処理対象に対して前記特定の処理を実行可能であり、
前記所定の処理を複数回実行することによって、前記複数の処理対象候補の全てに対して前記特定の処理を実行する
ことを特徴とする遊技機。
特徴P1によれば、所定の処理の1回の実行においては、複数の処理対象候補の中から一部の処理対象候補を、特定の処理の処理対象として設定し、当該設定した処理対象に対して特定の処理を実行可能であり、所定の処理を複数回実行することによって、複数の処理対象候補の全てに対して特定の処理を実行する。したがって、所定の処理の1回の実行において複数の処理対象候補の全てに対して特定の処理を実行する構成に比べて、所定の処理の1回の実行に要する時間を短縮することができる。この結果、所定の処理の1回の実行に要する時間が、所定の処理の実行を開始する所定の間隔よりも長くなってしまい、所定の処理を所定の間隔で実行することができなくなってしまうといったことを抑制することができる。
[特徴P2]
特徴P1に記載の遊技機であって、
前記複数の処理対象候補は、予め固定されている
ことを特徴とする遊技機。
特徴P2によれば、複数の処理対象候補は予め固定されているので、複数の処理対象候補を選択する処理を実行する必要がなく、処理を簡易化することができ、この結果、処理速度を向上させることができる。さらに、複数の処理対象候補を選択するために必要なプログラムやパラメータなどの情報を記憶するための記憶容量を削減することができる。
[特徴P3]
特徴P1または特徴P2に記載の遊技機であって、
前記処理対象設定手段は、前記複数の処理対象候補の中から前記一部の処理対象候補を前記特定の処理の処理対象として設定する際に、予め定められた順序で設定する
ことを特徴とする遊技機。
特徴P3によれば、複数の処理対象候補の中から一部の処理対象候補を特定の処理の処理対象として設定する際に、予め定められた順序で設定するので、特定の処理の処理対象をいずれの処理対象候補に設定するかの判定処理を実行する必要がなく、処理を簡易化することができ、この結果、処理速度を向上させることができる。さらに、判定処理を実行するために必要なプログラムやパラメータなどの情報を記憶するための記憶容量を削減することができる。
[特徴P4]
特徴P1から特徴P3のいずれか一つに記載の遊技機であって、
遊技球が入球可能な入球部を複数備え、
前記複数の処理対象候補のそれぞれは、前記複数の入球部のそれぞれに対応しており、
前記各処理対象候補は、前記各入球部への遊技球の入球が検知されることに基づいて更新される情報(バッファエリアの各ビットに格納された入球検知情報)であり、
前記処理実行手段は、1つの前記入球部に2個の遊技球が連続して入球して検知される最短の間隔(18msec程度)よりも短い時間で、前記所定の処理を複数回(4回)実行することによって前記処理対象候補の全てに対して前記特定の処理を実行することが可能である
ことを特徴とする遊技機。
特徴P4によれば、処理対象候補の全てに対して特定の処理が実行されるまでに要する時間を、1つの入球部に2個の遊技球が連続して入球して検知される最短の間隔よりも短くすることができるので、各入球部への遊技球の入球が検知されることに基づいて更新される情報を、1個の遊技球の入球が検知されることに基づいて更新される情報として記憶することができる。具体的に説明すると、入球部に2個の遊技球が連続して入球した場合に、最初の1個目の遊技球の入球が入球部において検知されることに基づいて更新された情報が処理対象として設定されて特定の処理が実行され、さらにその後に残りの他の処理対象候補が処理対象として設定されて特定の処理が実行されたとしても、次の2個目の遊技球の入球が当該入球部において検知されるよりも先にこれら全ての特定の処理を終了することができる。すなわち、2個目の遊技球の入球が当該入球部において検知されることに基づいて更新された情報が処理対象として設定されて特定の処理が実行された時点においては、既に、1個目の遊技球の入球が当該入球部において検知されることに基づいて更新された情報に対する特定の処理は終了しており、2個目の遊技球の入球が当該入球部において検知されることに基づいて更新された情報は、新たな1個目の遊技球の入球が当該入球部において検知されることに基づいて更新された情報として扱うことができる。よって、各入球部への遊技球の入球が検知されることに基づいて更新される情報は、1個の遊技球の入球が検知されることに基づいて更新される情報として記憶することができる。その結果、例えば、各入球部への遊技球の入球が検知されることに基づいて更新される情報を、入球の有無を示す2値の情報として記憶することが可能となる。この場合、各入球部への遊技球の入球が検知されることに基づいて更新される情報を記憶するための記憶容量を小さくすることができるとともに、特定の処理の処理速度を向上させることができる。
<特徴Q群>
特徴Q群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第1実施形態の態様23から抽出される。
[特徴Q1]
特定の処理(遊技履歴用処理)と前記特定の処理以外の他の処理(遊技の進行に関する処理)とを実行可能な処理実行手段(主側CPU62x)と、
情報の書き込みが可能な記憶領域(主側RAM64)と、
を備える遊技機であって、
前記処理実行手段は、処理の実行のための情報(レジスタ情報)を保持する保持手段(レジスタ)を備え、
前記特定の処理は、
前記保持手段が保持する情報であって前記他の処理の実行のための情報(レジスタ情報)を前記記憶領域に書き込む第1の処理(退避処理)と、
前記第1の処理において前記記憶領域に書き込まれた情報を前記保持手段に保持させる第2の処理(復帰処理)と、
を含む
ことを特徴とする遊技機。
特徴Q1によれば、特定の処理は、保持手段が保持する情報であって他の処理の実行のための情報を記憶領域に書き込む第1の処理を含むので、処理実行手段が特定の処理の開始時に、保持手段が特定の処理の開始直前に実行していた他の処理の実行のための情報を保持している場合には、保持手段が保持していた他の処理の実行のための情報を記憶領域に書き込むことによって一時的に移動(退避)させることができる。よって、保持手段に保持されていた他の処理の実行のための情報を消去し、処理実行手段が特定の処理の実行時には、保持手段に特定の処理の実行のための情報を保持させることができる。また、特定の処理は、第1の処理において記憶領域に書き込まれた情報を保持手段に保持させる第2の処理を含むので、特定の処理を終了する際に、他の処理の実行のための情報を保持手段に再び保持させ、特定の処理の開始以前に実行していた他の処理を、特定の処理の開始直前の状態から再び実行することができる。さらに、第1の処理と第2の処理は特定の処理に含まれるので、特定の処理を実行するためのプログラムのみを削除しても特定の処理以外の他の処理が問題なく実行される遊技機を提供することができる。すなわち、特定の処理以外の他の処理を実行するためのプログラムを改変せずに、特定の処理を実行するためのプログラムのみを容易に削除することが可能となる。この結果、例えば、特定の処理を実行させないように当該遊技機を改良する場合や、当該遊技機に基づいて特定の処理を実行しない新たな遊技機を開発する場合において、設計変更を最小限にすることが可能となる。
[特徴Q2]
特徴Q1に記載の遊技機であって、
前記処理実行手段は、
前記特定の処理に含まれる前記第1の処理において、前記他の処理の実行のための情報を、前記記憶領域のうちの予め定められた特定の領域(第2エリア)に書き込み、かつ、前記特定の処理における情報の書き込みを、前記記憶領域のうちの前記特定の領域(第2エリア)に対してのみ実行する
ことを特徴とする遊技機。
特徴Q2によれば、処理実行手段は、特定の処理に含まれる第1の処理において、他の処理の実行のための情報を、記憶領域のうちの予め定められた特定の領域に書き込み、かつ、特定の処理における情報の書き込みを、記憶領域のうちの特定の領域に対してのみ実行するので、記憶領域のうちの特定の領域以外の他の領域に書き込まれている情報が、特定の処理の実行によって書き換えられてしまうことを抑制することができる。したがって、当該他の領域を用いた処理が処理実行手段によって実行される場合に、当該処理に対して特定の処理が影響を与えてしまうことを抑制することができる。
[特徴Q3]
特徴Q1または特徴Q2に記載の遊技機であって、
前記処理実行手段は、
前記他の処理における情報の書き込みを、前記記憶領域のうちの前記特定の領域以外の他の領域(第1エリア)に対してのみ実行する
ことを特徴とする遊技機。
特徴Q3によれば、他の処理における情報の書き込みを、記憶領域のうちの特定の領域以外の他の領域に対してのみ実行するので、記憶領域のうちの特定の領域に書き込まれている情報が、他の処理の実行によって書き換えられてしまうことを抑制することができる。したがって、特定の領域を用いて特定の処理が処理実行手段によって実行される場合に、当該特定の処理に対して当該他の処理が影響を与えてしまうことを抑制することができる。
[特徴Q4]
特徴Q1から特徴Q3のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記特定の処理は、遊技の進行に関する処理である遊技進行処理とは異なる処理であり、
前記他の処理は、前記遊技進行処理である
ことを特徴とする遊技機。
特徴Q4によれば、遊技進行処理とは異なる処理を実行するためのプログラムのみを削除しても遊技進行処理が問題なく実行される遊技機を提供することができる。すなわち、遊技進行処理とは異なる処理を実行するためのプログラムのみを容易に削除することが可能となる。この結果、例えば、遊技進行処理とは異なる処理を実行させないように当該遊技機を改良する場合や、遊技進行処理とは異なる処理を実行しない新たな遊技機を開発する場合において、設計変更を最小限にすることが可能となる。なお、遊技進行処理とは異なる処理としては、種々の任意の処理を採用することが可能であり、例えば、遊技の履歴に関する情報である遊技履歴情報の算出及び表示を行なう処理や、遊技ホールに設置されているホールコンピュータに対して遊技の状況に関する情報を所定のタイミングで送信する送信処理等を採用することができる。
[特徴Q5]
特徴Q4に記載の遊技機であって、
前記特定の処理は、遊技の履歴に関する情報である遊技履歴情報(役物比率、連続役物比率)の算出及び表示を行なう処理である遊技履歴情報関連処理(遊技履歴用処理)である
ことを特徴とする遊技機。
特徴Q5によれば、遊技履歴情報関連処理を実行するためのプログラムのみを削除しても遊技進行処理が問題なく実行される遊技機を提供することができる。すなわち、遊技履歴情報関連処理を実行するためのプログラムのみを容易に削除することが可能となる。この結果、例えば、遊技履歴情報関連処理を実行させないように当該遊技機を改良する場合や、遊技履歴情報関連処理を実行しない新たな遊技機を開発する場合において、設計変更を最小限にすることが可能となる。
<特徴R群>
特徴R群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第1実施形態の態様23から抽出される。
[特徴R1]
特定の処理(遊技履歴用処理)を含む複数の処理を実行可能な処理実行手段(主側CPU62x)と、
情報の書き込みが可能な記憶領域(主側RAM64)と、
を備える遊技機であって、
前記処理実行手段は、
前記特定の処理における情報の書き込みを、前記記憶領域のうちの予め定められた特定の領域(第2エリア)に対してのみ実行する
ことを特徴とする遊技機。
特徴R1によれば、処理実行手段は特定の処理における情報の書き込みを、記憶領域のうちの予め定められた特定の領域に対してのみ実行するので、記憶領域のうちの特定の領域以外の他の領域に書き込まれている情報が、特定の処理の実行によって書き換えられてしまうことを抑制することができる。したがって、記憶領域のうちの特定の領域以外の他の領域を用いた処理が処理実行手段によって実行される場合に、当該処理に対して特定の処理が影響を与えてしまうことを抑制することができる。
[特徴R2]
特徴R1に記載の遊技機であって、
前記処理実行手段は、
前記特定の処理以外の他の処理(遊技の進行に関する処理)における情報の書き込みを、前記記憶領域のうちの前記特定の領域以外の他の領域(第1エリア)に対してのみ実行する
ことを特徴とする遊技機。
特徴R2によれば、処理実行手段は、特定の処理以外の他の処理における情報の書き込みを、記憶領域のうちの特定の領域以外の他の領域に対してのみ実行するので、記憶領域のうちの特定の領域に書き込まれている情報が、当該他の処理の実行によって書き換えられてしまうことを抑制することができる。したがって、特定の領域を用いて特定の処理が処理実行手段によって実行される場合に、当該特定の処理に対して当該他の処理が影響を与えてしまうことを抑制することができる。
[特徴R3]
特徴R1または特徴R2に記載の遊技機であって、
前記処理実行手段は、
処理の実行のための情報(レジスタ情報)を保持する保持手段(レジスタ)を備え、かつ、前記特定の処理と前記他の処理とを排他的に実行し、
前記特定の処理は、
前記保持手段が保持する情報であって前記他の処理の実行のための情報(レジスタ情報)を前記特定の領域に書き込む第1の処理(退避処理)と、
前記第1の処理において前記特定の領域に書き込まれた情報を前記保持手段に保持させる第2の処理(復帰処理)と、
を含む
ことを特徴とする遊技機。
特徴R3によれば、特定の処理は第1の処理を含むので、処理実行手段が特定の処理の開始時に、保持手段が特定の処理の開始直前に実行していた他の処理の実行のための情報を保持している場合には、保持手段が保持していた他の処理の実行のための情報を特定の領域に書き込むことによって一時的に移動(退避)させることができる。よって、保持手段に保持されていた他の処理の実行のための情報を消去し、処理実行手段が特定の処理の実行時には、保持手段に特定の処理の実行のための情報を保持させることができる。また、特定の処理は第2の処理を含むので、特定の処理を終了する際に、他の処理の実行のための情報を保持手段に再び保持させ、特定の処理の開始以前に実行していた他の処理を、特定の処理の開始直前の状態から再び実行することができる。さらに、第1の処理と第2の処理は特定の処理に含まれるので、特定の処理を実行するためのプログラムのみを削除しても特定の処理以外の他の処理が問題なく実行される遊技機を提供することができる。すなわち、特定の処理以外の他の処理を実行するためのプログラムを改変せずに、特定の処理を実行するためのプログラムのみを容易に削除することが可能となる。この結果、例えば、特定の処理を実行させないように当該遊技機を改良する場合や、当該遊技機に基づいて特定の処理を実行しない新たな遊技機を開発する場合において、設計変更を最小限にすることが可能となる。
[特徴R4]
特徴R1から特徴R3のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記特定の処理は、遊技の進行に関する処理である遊技進行処理とは異なる処理であり、
前記特定の処理以外の他の処理は、前記遊技進行処理である
ことを特徴とする遊技機。
特徴R4によれば、処理実行手段は、遊技進行処理とは異なる処理における情報の書き込みを、記憶領域のうちの予め定められた特定の領域に対してのみ実行するので、遊技進行処理が処理実行手段によって実行される場合に、当該遊技進行処理に対して、当該遊技進行処理とは異なる処理が影響を与えてしまうことを抑制することができる。
[特徴R5]
特徴R4に記載の遊技機であって、
前記特定の処理は、遊技の履歴に関する情報である遊技履歴情報(役物比率、連続役物比率)の算出及び表示を行なう処理である遊技履歴情報関連処理(遊技履歴用処理)である
ことを特徴とする遊技機。
特徴R5によれば、処理実行手段は、遊技履歴情報関連処理における情報の書き込みを、記憶領域のうちの予め定められた特定の領域に対してのみ実行するので、遊技進行処理が処理実行手段によって実行される場合に、当該遊技進行処理に対して遊技履歴情報関連処理が影響を与えてしまうことを抑制することができる。
<特徴S群>
特徴S群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第1実施形態の態様23から抽出される。
[特徴S1]
遊技球が入球可能な入球部と、
前記入球部への遊技球の入球を検知する入球検知手段(入球検知センサー)と、
所定のパラメータ(賞球集計値)を記憶するパラメータ記憶手段(賞球集計用バッファ)と、
所定の間隔(4msecの間隔)で所定の処理(タイマ割込み処理)の実行を開始する処理実行手段(主側CPU62x)と
を備える遊技機であって、
前記処理実行手段は、
前記所定の処理として、
前記パラメータ記憶手段に記憶されている前記所定のパラメータを前記入球部への遊技球の入球を契機として更新するパラメータ更新処理(賞球集計処理)と、
前記パラメータ記憶手段に記憶されている前記所定のパラメータに基づいて遊技の履歴に関する情報である遊技履歴情報を算出する算出処理(図29のタスク1及びタスク2)と、
を実行可能であり、
1回の前記所定の処理において、前記パラメータ更新処理を実行する場合には前記算出処理を実行しない
ことを特徴とする遊技機。
特徴S1によれば、1回の所定の処理においてパラメータ更新処理を実行する場合には算出処理を実行しない。すなわち、1回の所定の処理においてはパラメータ更新処理と算出処理の両方の処理を実行することはないので、所定の処理の1回の実行に要する時間を短縮することができる。この結果、所定の処理の1回の実行に要する時間が、所定の処理の実行を開始する所定の間隔よりも長くなってしまい、所定の処理を所定の間隔で実行することができなくなってしまうといったことを抑制することができる。さらに、特徴S1によれば、遊技球の入球状況と処理負荷とが相関するパラメータ更新処理を、遊技球の入球状況と処理負荷とが相関しない算出処理よりも優先して実行するので、パラメータ更新処理の実行の間隔が大きくなることを抑制し、その結果として当該パラメータ更新処理の処理結果(賞球集計値)が遊技球の入球状況を正確に反映することができなくなってしまうことを抑制することができる。
[特徴S2]
特徴S1に記載の遊技機であって、
前記算出処理を実行するか否かを判定する判定手段(図29のステップS10810の処理)を備え、
前記処理実行手段は、
前記パラメータ更新処理を実行しない場合であって、前記判定手段によって前記算出処理を実行すると判定された場合に、前記算出処理を実行する
ことを特徴とする遊技機。
特徴S2によれば、パラメータ更新処理を実行しない場合であって判定手段によって算出処理を実行すると判定された場合に算出処理を実行するので、所定の処理においてパラメータ更新処理も算出処理も実行せずに、当該状況において、パラメータ更新処理及び算出処理の代わりに、これらの処理とは独立した他の処理(例えば、更新されたパラメータや、算出処理の算出結果の有効性を判定する処理等)を実行することが可能となる。さらに、1回の所定の処理においてパラメータ更新処理または算出処理のいずれかを実行した場合に当該所定の処理の1回の実行に要する時間が所定の間隔よりも短くなる構成であれば、当該状況において、パラメータ更新処理及び算出処理よりも処理時間の短い処理を実行することによって、当該所定の処理の1回の実行に要する時間が所定の間隔よりも長くなってしまうことを確実に抑制することができる。
[特徴S3]
特徴S1または特徴S2に記載の遊技機であって、
前記処理実行手段は、前記算出処理において複数の種別の前記遊技履歴情報(役物比率、連続役物比率)を算出可能であるにも関わらず、1回の前記所定の処理における前記算出処理においては、一の種別の前記遊技履歴情報の算出についての処理(図29のタスク1またはタスク2)を実行する
ことを特徴とする遊技機。
特徴S3によれば、算出処理において複数の種別の遊技履歴情報を算出可能であるにも関わらず、1回の所定の処理における算出処理においては、一の種別の遊技履歴情報の算出についての処理を実行するので、1回の所定の処理における算出処理において複数の種別の遊技履歴情報の算出についての処理を実行する構成と比較して、所定の処理の1回の実行に要する時間を短縮することができる。この結果、所定の処理の実行に要する時間が、所定の処理の実行を開始する所定の間隔よりも長くなってしまい、所定の処理を所定の間隔で実行することができなくなってしまうといったことを抑制することができる。また、算出した遊技履歴情報を一時的に記憶するための記憶容量を削減することができる。
[特徴S4]
特徴S3に記載の遊技機であって、
前記処理実行手段は、
前記一の種別の遊技履歴情報の算出についての処理(図29のタスク1またはタスク2)を、複数回の前記所定の処理に亘って実行することによって、当該一の種別の遊技履歴情報を算出する
ことを特徴とする遊技機。
特徴S4によれば、一の種別の遊技履歴情報の算出についての処理を、複数回の所定の処理に亘って実行することによって、当該一の種別の遊技履歴情報を算出するので、1回の所定の処理における算出処理において一の種別の遊技履歴情報の算出が完了する構成と比較して、1回の所定の処理の実行に要する時間を短縮することができる。この結果、所定の処理の実行に要する時間が、所定の処理の実行の間隔を超えてしまうことを抑制することができる。
なお、上記特徴O群~特徴S群の発明は、以下の課題を解決する。
パチンコ遊技機やスロットマシン等の遊技機においては、遊技の興趣向上や、遊技機の処理負荷の低減、処理の最適化、制御の簡易化等を目的として、構造、制御、演出等の様々な観点から技術的な改良が行われている。
また、遊技者による不正な行為や遊技機に対する不正な改造の発見や抑止といった遊技の健全性の向上を目的とした様々な技術的な改良も行われている。
上記のような遊技機においては、遊技の興趣向上や、遊技機の処理負荷の低減、処理の最適化、制御の簡易化、より健全な遊技の提供等を目的として、さらなる技術の向上が望まれている。
<特徴T群>
特徴T群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第1実施形態から抽出される。
[特徴T1]
遊技の実行を制御する制御手段(第1実施形態の態様38の主側CPU62x)と、
実行された遊技に基づいて取得された情報(賞球集計値、役物比率等の遊技履歴情報、入球個数情報等)を記憶する情報記憶手段(フラッシュメモリ64x)と、
所定の操作を受け付ける操作手段(フラッシュメモリクリアボタン)と、
前記操作手段が前記所定の操作を受け付けたことに基づいて、前記情報記憶手段に記憶されている前記情報を消去する消去手段(消去処理用ICチップ)と、
を備える遊技機であって、
前記操作手段は、開放の痕跡が残る空間の内部(封印シールが貼付された基板ボックスの内部)に格納されている
ことを特徴とする遊技機。
特徴T1によれば、操作手段は、開放の痕跡が残る空間の内部に格納されているので、遊技機の情報記憶手段に記憶されている情報を消去するためには、当該遊技機の当該空間を開放状態にして操作手段を操作することになり、当該遊技機の当該空間に開放の痕跡が残ることになる。すなわち、遊技機の当該空間に開放の痕跡が残っているか否かに基づいて、当該遊技機の当該空間が開放状態にされて情報記憶手段に記憶されている情報が消去された可能性があるか否かを把握することが可能となる。
ここで、仮に、遊技機に不正な改造が施されている場合には、実行された遊技に当該不正な改造による影響が表れ、さらに、当該遊技機の情報記憶手段に記憶されている情報に当該不正な改造による影響が表れる場合がある。遊技機によって正常な遊技が実行されているか否かを検査する者(以下、「検査者」ともいう)は、情報記憶手段に記憶されている情報を確認することによって、当該遊技機に施された不正な改造を発見することができる。このため、当該情報を消去することによって当該遊技機に不正な改造が施されていることを検査者に発見されないようにしたいといった要望を抱く者(以下、「不正な者」ともいう)が存在する可能性がある。
しかしながら、本特徴によれば、情報記憶手段に記憶されている情報を消去するためには、当該遊技機の当該空間を開放状態にして操作手段を操作する必要がある。そうすると、当該遊技機の当該空間に開放の痕跡が残ることになるので、情報記憶手段に記憶されている情報を消去したとしても、当該情報を不正の隠蔽のために消去した可能性があるといった痕跡が残ることになる。したがって、遊技機に施された不正な改造の隠蔽を困難にすることができ、ひいては、遊技機に不正な改造を施そうといった動機の発生を抑制することが可能となり、遊技の健全性を向上させることができる。
なお、遊技機は取引によって転々流通する場合があり、既に遊技が実行されたことのある遊技機(いわゆる中古の遊技機)を新たに流通させたい者は、当該遊技機の情報記憶手段に記憶されている情報を消去してから流通させたいといった正当な要望を抱く場合もある。そこで、遊技機の情報記憶手段に記憶されている情報を正当な理由で消去したいといった要望を抱く者のみが、当該空間の開放の痕跡を消すことのできる流通体制を構築すれば、遊技の健全性を確保しつつ、遊技機の円滑な流通を促すことが可能となる。
[特徴T2]
特徴T1に記載の遊技機であって、
前記情報記憶手段は、電源の供給が断たれても記憶を保持することが可能である
ことを特徴とする遊技機。
特徴T2によれば、遊技機への電源の供給が断たれた場合であっても、実行された遊技に基づいて取得された情報を保持することができるので、例えば、流通過程において遊技機に電源が供給されない場合であっても、当該遊技機において正常な遊技が実行されていたか否かを検査することが可能となる。
[特徴T3]
特徴T1または特徴T2に記載の遊技機であって、
前記実行された遊技に基づいて取得された情報は、既に賞球として払い出された遊技球の個数に関する情報(賞球集計値)を含む
ことを特徴とする遊技機。
特徴T3によれば、既に賞球として払い出された遊技球の個数に関する情報を利用することによって、当該遊技機において正常な遊技が実行されていたか否かを検査することが可能となる。
[特徴T4]
特徴T1から特徴T3のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記情報記憶手段は、開放の痕跡が残る空間の内部(封印シールが貼付された基板ボックスの内部)に格納されている
ことを特徴とする遊技機。
特徴T4によれば、情報記憶手段は、開放の痕跡が残る空間の内部に格納されているので、当該情報記憶手段に記憶されている情報に不正な改変を施そうとするためには、当該遊技機の当該空間を開放状態にすることになり、当該遊技機の当該空間に開放の痕跡が残ることになる。すなわち、遊技機の当該空間に開放の痕跡が残っているか否かに基づいて、当該遊技機の当該空間が開放状態にされて情報記憶手段に記憶されている情報に不正な改変が施された可能性があるか否かを把握することが可能となる。したがって、情報記憶手段に記憶されている情報に施された不正な改変の隠蔽を困難にすることができ、ひいては、情報記憶手段に記憶されている情報に不正な改変を施そうといった動機の発生を抑制することが可能となり、遊技の健全性を向上させることができる。
<特徴U群>
特徴U群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第1実施形態から抽出される。
[特徴U1]
遊技の実行を制御する制御手段(第1実施形態の態様39の主側CPU62x)と、
実行された遊技に基づいて取得された情報(賞球集計値、役物比率等の遊技履歴情報、入球個数情報等)を記憶する情報記憶手段(フラッシュメモリ64x)と、
所定の装置(検査機320)を接続可能な接続手段(検査用端子65)と、
前記情報記憶手段に記憶されている前記情報を消去する消去手段(消去処理用ICチップ)と、
を備える遊技機であって、
前記消去手段は、前記接続手段に接続された前記所定の装置から所定の信号(消去命令信号)を受信したことに基づいて、前記情報記憶手段に記憶されている前記情報を消去する手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴U1によれば、消去手段は、接続手段に接続された所定の装置から所定の信号を受信したことに基づいて情報記憶手段に記憶されている情報を消去する手段を備えるので、所定の装置を有する者が、情報記憶手段に記憶されている情報を消去することができる。すなわち、所定の装置を有さない者による当該情報の消去を制限することが可能となる。
ここで、仮に、遊技機に不正な改造が施されている場合には、実行された遊技に当該不正な改造による影響が表れ、さらに、当該遊技機の情報記憶手段に記憶されている情報に当該不正な改造による影響が表れる場合がある。遊技機によって正常な遊技が実行されているか否かを検査する者(以下、「検査者」ともいう)は、情報記憶手段に記憶されている情報を確認することによって、当該遊技機に施された不正な改造を発見することができる。このため、当該情報を消去することによって当該遊技機に不正な改造が施されていることを検査者に発見されないようにしたいといった要望を抱く者(以下、「不正な者」ともいう)が存在する可能性がある。
しかしながら、本特徴によれば、情報記憶手段に記憶されている情報を消去するためには、当該遊技機の接続手段に接続可能な所定の装置が必要となる。そして、当該所定の装置を有することができる者を制限すれば、情報記憶手段に記憶されている情報が不正な者によって消去されてしまうことを抑制することができ、ひいては、遊技機に不正な改造を施そうといった動機の発生を抑制することが可能となり、遊技の健全性を向上させることができる。
なお、遊技機は取引によって転々流通する場合があり、既に遊技が実行されたことのある遊技機(いわゆる中古の遊技機)を新たに流通させたい者は、当該遊技機の情報記憶手段に記憶されている情報を消去してから流通させたいといった正当な要望を抱く場合もある。そこで、遊技機の情報記憶手段に記憶されている情報を正当な理由で消去したいといった要望を抱く者のみが、所定の装置を有することが可能な流通体制を構築すれば、遊技の健全性を確保しつつ、遊技機の円滑な流通を促すことが可能となる。
[特徴U2]
特徴U1に記載の遊技機であって、
前記消去手段が前記情報記憶手段に記憶されている前記情報を消去することに先立って、前記情報記憶手段に記憶されている前記情報を前記接続手段に接続された前記所定の装置に送信する送信手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴U2によれば、情報記憶手段に記憶されている情報を消去手段が消去することに先立って、情報記憶手段に記憶されている情報を接続手段に接続された所定の装置に送信する送信手段を備えるので、情報記憶手段に記憶されている情報が、所定の装置を有する者の意思に反した操作によって誤って消去されてしまった場合であっても、情報記憶手段から消去されてしまった当該情報を当該所定の装置によって確認することができる。
[特徴U3]
特徴U1または特徴U2に記載の遊技機であって、
前記情報記憶手段は、電源の供給が断たれても記憶を保持することが可能である
ことを特徴とする遊技機。
特徴U3によれば、遊技機への電源の供給が断たれた場合であっても、実行された遊技に基づいて取得された情報を保持することができるので、例えば、流通過程において遊技機に電源が供給されない場合であっても、当該遊技機において正常な遊技が実行されていたか否かを検査することが可能となる。
[特徴U4]
特徴U1から特徴U3のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記実行された遊技に基づいて取得された情報は、既に賞球として払い出された遊技球の個数に関する情報(賞球集計値)を含む
ことを特徴とする遊技機。
特徴U4によれば、既に賞球として払い出された遊技球の個数に関する情報を利用することによって、当該遊技機において正常な遊技が実行されていたか否かを検査することが可能となる。
[特徴U5]
特徴U1から特徴U4のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記情報記憶手段は、開放の痕跡が残る空間の内部(封印シールが貼付された基板ボックスの内部)に格納されている
ことを特徴とする遊技機。
特徴U5によれば、情報記憶手段は、開放の痕跡が残る空間の内部に格納されているので、当該情報記憶手段に記憶されている情報に不正な改変を施そうとするためには、当該遊技機の当該空間を開放状態にすることになり、当該遊技機の当該空間に開放の痕跡が残ることになる。すなわち、遊技機の当該空間に開放の痕跡が残っているか否かに基づいて、当該遊技機の当該空間が開放状態にされて情報記憶手段に記憶されている情報に不正な改変が施された可能性があるか否かを把握することが可能となる。したがって、情報記憶手段に記憶されている情報に施された不正な改変の隠蔽を困難にすることができ、ひいては、情報記憶手段に記憶されている情報に不正な改変を施そうといった動機の発生を抑制することが可能となり、遊技の健全性を向上させることができる。
<特徴V群>
特徴V群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第1実施形態から抽出される。
[特徴V1]
遊技の実行を制御する制御手段(第1実施形態の態様40の主側CPU62x)と、
実行された遊技に基づいて取得された情報(賞球集計値、役物比率等の遊技履歴情報、入球個数情報等)を記憶する情報記憶手段(フラッシュメモリ64x)と、
所定の装置(検査機320)を接続可能な接続手段(検査用端子65)と、
所定の操作を受け付ける操作手段(フラッシュメモリクリアボタン)と、
前記情報記憶手段に記憶されている前記情報を消去する消去手段(消去処理用ICチップ)と、
を備える遊技機であって、
前記操作手段は、開放の痕跡が残る空間の内部(封印シールが貼付された基板ボックスの内部)に格納されており、
前記消去手段は、前記操作手段が前記所定の操作を受け付け、かつ、前記接続手段に接続された前記所定の装置から所定の信号(消去命令信号)を受信したことに基づいて、前記情報記憶手段に記憶されている前記情報を消去する手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴V1によれば、操作手段は、開放の痕跡が残る空間の内部に格納されているので、遊技機の情報記憶手段に記憶されている情報を消去するためには、当該遊技機の当該空間を開放状態にして操作手段を操作することになり、当該遊技機の当該空間に開放の痕跡が残ることになる。さらに、消去手段は、接続手段に接続された所定の装置から所定の信号を受信したことに基づいて情報記憶手段に記憶されている情報を消去する手段を備えるので、所定の装置を有する者が、情報記憶手段に記憶されている情報を消去することができる。したがって、遊技機の当該空間に開放の痕跡が残っているか否かに基づいて、当該遊技機の当該空間が開放状態にされて情報記憶手段に記憶されている情報が消去された可能性があるか否かを把握することが可能となるとともに、所定の装置を有さない者による当該情報の消去を制限することが可能となる。
ここで、仮に、遊技機に不正な改造が施されている場合には、実行された遊技に当該不正な改造による影響が表れ、さらに、当該遊技機の情報記憶手段に記憶されている情報に当該不正な改造による影響が表れる場合がある。遊技機によって正常な遊技が実行されているか否かを検査する者(以下、「検査者」ともいう)は、情報記憶手段に記憶されている情報を確認することによって、当該遊技機に施された不正な改造を発見することができる。このため、当該情報を消去することによって当該遊技機に不正な改造が施されていることを検査者に発見されないようにしたいといった要望を抱く者(以下、「不正な者」ともいう)が存在する可能性がある。
しかしながら、本特徴によれば、情報記憶手段に記憶されている情報を消去するためには、当該遊技機の接続手段に接続可能な所定の装置が必要となる。そして、当該所定の装置を有することができる者を制限すれば、情報記憶手段に記憶されている情報が不正な者によって消去されてしまうことを抑制することができる。さらに、仮に不正な者が所定の装置を有してしまった場合であっても、情報記憶手段に記憶されている情報を消去するためには、当該遊技機の当該空間を開放状態にして操作手段を操作する必要がある。そうすると、当該遊技機の当該空間に開放の痕跡が残ることになるので、情報記憶手段に記憶されている情報を消去したとしても、当該情報を不正の隠蔽のために消去した可能性があるといった痕跡が残ることになる。したがって、情報記憶手段に記憶されている情報が不正な者によって消去されてしまうことを抑制することができるとともに、遊技機に施された不正な改造の隠蔽を困難にすることができる。この結果、遊技機に不正な改造を施そうといった動機の発生をさらに抑制することが可能となり、遊技の健全性を向上させることができる。
なお、遊技機は取引によって転々流通する場合があり、既に遊技が実行されたことのある遊技機(いわゆる中古の遊技機)を新たに流通させたい者は、当該遊技機の情報記憶手段に記憶されている情報を消去してから流通させたいといった正当な要望を抱く場合もある。そこで、遊技機の情報記憶手段に記憶されている情報を正当な理由で消去したいといった要望を抱く者のみが、所定の装置を有することが可能であるとともに当該空間の開放の痕跡を消すことのできる流通体制を構築すれば、遊技の健全性を確保しつつ、遊技機の円滑な流通を促すことが可能となる。
[特徴V2]
特徴V1に記載の遊技機であって、
前記消去手段が前記情報記憶手段に記憶されている前記情報を消去することに先立って、前記情報記憶手段に記憶されている前記情報を前記接続手段に接続された前記所定の装置に送信する送信手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴V2によれば、情報記憶手段に記憶されている情報を消去手段が消去することに先立って、情報記憶手段に記憶されている情報を接続手段に接続された所定の装置に送信する送信手段を備えるので、情報記憶手段に記憶されている情報が、所定の装置を有する者の意思に反した操作によって誤って消去されてしまった場合であっても、情報記憶手段から消去されてしまった当該情報を当該所定の装置によって確認することができる。
[特徴V3]
特徴V1または特徴V2に記載の遊技機であって、
前記情報記憶手段は、電源の供給が断たれても記憶を保持することが可能である
ことを特徴とする遊技機。
特徴V3によれば、遊技機への電源の供給が断たれた場合であっても、実行された遊技に基づいて取得された情報を保持することができるので、例えば、流通過程において遊技機に電源が供給されない場合であっても、当該遊技機において正常な遊技が実行されていたか否かを検査することが可能となる。
[特徴V4]
特徴V1から特徴V3のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記実行された遊技に基づいて取得された情報は、既に賞球として払い出された遊技球の個数に関する情報(賞球集計値)を含む
ことを特徴とする遊技機。
特徴V4によれば、既に賞球として払い出された遊技球の個数に関する情報を利用することによって、当該遊技機において正常な遊技が実行されていたか否かを検査することが可能となる。
[特徴V5]
特徴V1から特徴V4のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記情報記憶手段は、開放の痕跡が残る空間の内部(封印シールが貼付された基板ボックスの内部)に格納されている
ことを特徴とする遊技機。
特徴V5によれば、情報記憶手段は、開放の痕跡が残る空間の内部に格納されているので、当該情報記憶手段に記憶されている情報に不正な改変を施そうとするためには、当該遊技機の当該空間を開放状態にすることになり、当該遊技機の当該空間に開放の痕跡が残ることになる。すなわち、遊技機の当該空間に開放の痕跡が残っているか否かに基づいて、当該遊技機の当該空間が開放状態にされて情報記憶手段に記憶されている情報に不正な改変が施された可能性があるか否かを把握することが可能となる。したがって、情報記憶手段に記憶されている情報に施された不正な改変の隠蔽を困難にすることができ、ひいては、情報記憶手段に記憶されている情報に不正な改変を施そうといった動機の発生を抑制することが可能となり、遊技の健全性を向上させることができる。
<特徴W群>
特徴W群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第1実施形態から抽出される。
[特徴W1]
遊技の実行を制御する制御手段(第1実施形態の態様46の主側CPU62x)と、
前記制御手段による前記遊技の実行の制御に用いられる情報である第1の情報(主側RAM64の第1エリアに記憶されている遊技進行処理に用いられる情報)と、実行された遊技に基づいて取得された情報である第2の情報(主側RAM64の第2エリアに記憶されている賞球集計値、役物比率等の遊技履歴情報、入球個数情報等)とを記憶する情報記憶手段(主側RAM64)と、
前記情報記憶手段に記憶されている前記情報を消去する消去手段と、
を備える遊技機であって、
前記消去手段は、前記情報記憶手段に記憶されている前記第2の情報を消去する際には前記情報記憶手段に記憶されている前記第1の情報を消去する手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴W1によれば、消去手段は、第2の情報を消去する際には第1の情報を消去する手段を備えるので、実行された遊技に基づいて取得された情報である第2の情報が消去されたにも関わらず、遊技の実行の制御に用いられる情報である第1の情報が消去されずにそのまま維持されるといった状況の発生を抑制することができる。
具体的には、例えば、実行された遊技に基づいて取得された情報である第2の情報は、当該遊技機において実行された遊技の公正さを判断するための担保となる情報であるため、当該第2の情報が消去された場合には、当該遊技機における遊技の実行の制御に用いられる第1の情報(例えば、遊技状態を示す高確率モードフラグや高頻度サポートモードフラグに関する情報)を消去して当該遊技機の遊技状態を初期化することが好ましい。本特徴によれば、消去手段は、第2の情報を消去する際には第1の情報を消去する手段を備えるので、遊技の公正さを判断するための担保となる第2の情報が消去されたにも関わらず、第1の情報が消去されないことによって当該遊技機の遊技状態がそのまま維持されるといった状況の発生を抑制することができる。
[特徴W2]
特徴W1に記載の遊技機であって、
前記消去手段は、前記情報記憶手段に記憶されている情報のうち、前記第1の情報を消去し、前記第2の情報は消去しない手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴W2によれば、消去手段は、情報記憶手段に記憶されている情報のうち、第1の情報を消去し、第2の情報は消去しない手段を備えるので、実行された遊技に基づいて取得された情報である第2の情報を残しつつ、遊技の実行の制御に用いられる情報である第1の情報を消去することが可能となる。
具体的には、例えば、遊技の実行の制御に不具合が生じた場合や、遊技ホールの営業の開始時または終了時において、遊技の実行の制御に用いられる情報である第1の情報を消去して遊技機の制御の初期化を実行したいが、実行された遊技に基づいて取得された情報である第2の情報は消去したくないといった要望がある。本特徴によれば、実行された遊技に基づいて取得された情報である第2の情報を残しつつ、遊技の実行の制御に用いられる情報である第1の情報を消去して当該遊技機の制御の初期化を実行することが可能となる。
<特徴X群>
特徴X群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第1実施形態から抽出される。
[特徴X1]
遊技の実行を制御する制御手段(第1実施形態の態様42の主側CPU62x)と、
前記制御手段による前記遊技の実行の制御に用いられる情報である第1の情報(主側RAM64の第1エリアに記憶されている遊技進行処理に用いられる情報)と、実行された遊技に基づいて取得された情報である第2の情報(主側RAM64の第2エリアに記憶されている賞球集計値、役物比率等の遊技履歴情報、入球個数情報等)とを記憶する情報記憶手段(主側RAM64)と、
第1の操作(RAMクリアボタンが押下された状態でパチンコ機10の電源をONにする操作)を受け付ける第1の操作手段(RAMクリアボタン及び電源スイッチ)と、
前記情報記憶手段に記憶されている前記情報を消去する消去手段と、
を備える遊技機であって、
前記消去手段は、前記第1の操作手段が前記第1の操作を受け付けたことに基づいて、前記情報記憶手段に記憶されている情報のうち、前記第1の情報を消去し、前記第2の情報は消去しない手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴X1によれば、消去手段は、第1の操作手段が第1の操作を受け付けたことに基づいて、情報記憶手段に記憶されている情報のうち、第1の情報を消去し、第2の情報は消去しない手段を備えるので、実行された遊技に基づいて取得された情報である第2の情報を残しつつ、遊技の実行の制御に用いられる情報である第1の情報を消去することが可能となる。
具体的には、例えば、遊技の実行の制御に不具合が生じた場合や、遊技ホールの営業の開始時または終了時において、遊技の実行の制御に用いられる情報である第1の情報を消去して遊技機の制御の初期化を実行したいが、実行された遊技に基づいて取得された情報である第2の情報は消去したくないといった要望がある。本特徴によれば、第1の操作手段を操作することによって、実行された遊技に基づいて取得された情報である第2の情報を残しつつ、遊技の実行の制御に用いられる情報である第1の情報を消去して当該遊技機の制御の初期化を実行することが可能となる。
[特徴X2]
特徴X1に記載の遊技機であって、
第2の操作(パチンコ機10の電源のON中に第2RAMクリアボタンを所定時間押下するという操作)を受け付ける第2の操作手段(第2RAMクリアボタン)を備え、
前記消去手段は、前記第2の操作手段が前記第2の操作を受け付けたことに基づいて、前記情報記憶手段に記憶されている前記第2の情報を消去する手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴X2によれば、消去手段は、第2の操作手段が第2の操作を受け付けたことに基づいて情報記憶手段に記憶されている第2の情報を消去する手段を備えるので、第1の操作手段を操作することによっては消去することのできない第2の情報を、第2の操作手段を操作することによって消去することができる。
[特徴X3]
特徴X2に記載の遊技機であって、
前記第2の操作手段(第2RAMクリアボタン)は、開放の痕跡が残る空間の内部(封印シールが貼付された基板ボックスの内部)に格納されている
ことを特徴とする遊技機。
特徴X3によれば、第2の操作手段は、開放の痕跡が残る空間の内部に格納されているので、遊技機の情報記憶手段に記憶されている第2の情報を消去するためには、当該遊技機の当該空間を開放状態にして第2の操作手段を操作することになり、当該遊技機の当該空間に開放の痕跡が残ることになる。すなわち、遊技機の当該空間に開放の痕跡が残っているか否かに基づいて、当該遊技機の当該空間が開放状態にされて情報記憶手段に記憶されている第2の情報が消去された可能性があるか否かを把握することが可能となる。
ここで、仮に、遊技機に不正な改造が施されている場合には、実行された遊技に当該不正な改造による影響が表れ、さらに、当該遊技機の情報記憶手段に記憶されている第2の情報に当該不正な改造による影響が表れる場合がある。遊技機によって正常な遊技が実行されているか否かを検査する者(以下、「検査者」ともいう)は、情報記憶手段に記憶されている情報を確認することによって、当該遊技機に施された不正な改造を発見することができる。このため、当該情報を消去することによって当該遊技機に不正な改造が施されていることを検査者に発見されないようにしたいといった要望を抱く者(以下、「不正な者」ともいう)が存在する可能性がある。
しかしながら、本特徴によれば、情報記憶手段に記憶されている第2の情報を消去するためには、当該遊技機の当該空間を開放状態にして第2の操作手段を操作する必要がある。そうすると、当該遊技機の当該空間に開放の痕跡が残ることになるので、情報記憶手段に記憶されている第2の情報を消去したとしても、当該情報を不正の隠蔽のために消去した可能性があるといった痕跡が残ることになる。したがって、遊技機に施された不正な改造の隠蔽を困難にすることができ、ひいては、遊技機に不正な改造を施そうといった動機の発生を抑制することが可能となり、遊技の健全性を向上させることができる。
なお、遊技機は取引によって転々流通する場合があり、既に遊技が実行されたことのある遊技機(いわゆる中古の遊技機)を新たに流通させたい者は、当該遊技機の情報記憶手段に記憶されている第2の情報を消去してから流通させたいといった正当な要望を抱く場合もある。そこで、遊技機の情報記憶手段に記憶されている第2の情報を正当な理由で消去したいといった要望を抱く者のみが、当該空間の開放の痕跡を消すことのできる流通体制を構築すれば、遊技の健全性を確保しつつ、遊技機の円滑な流通を促すことが可能となる。
<特徴Y群>
特徴Y群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第1実施形態から抽出される。
[特徴Y1]
遊技の実行を制御する制御手段(第1実施形態の態様43、44の主側CPU62x)と、
前記制御手段による前記遊技の実行の制御に用いられる情報である第1の情報(主側RAM64の第1エリアに記憶されている遊技進行処理に用いられる情報)と、実行された遊技に基づいて取得された情報である第2の情報(主側RAM64の第2エリアに記憶されている賞球集計値、役物比率等の遊技履歴情報、入球個数情報等)とを記憶する情報記憶手段(主側RAM64)と、
所定の操作を受け付ける操作手段(RAMクリアボタン及び電源スイッチ)と、
前記情報記憶手段に記憶されている前記情報を消去する消去手段と、
を備える遊技機であって、
前記消去手段は、
前記操作手段が第1の操作(RAMクリアボタンを押下しながらパチンコ機10の電源をONにし、パチンコ機10の電源がONにされてから所定時間以内にRAMクリアボタンが押下されていない状態にするという操作)を受け付けたことに基づいて、前記情報記憶手段に記憶されている前記第1の情報を消去し、
前記操作手段が前記第1の操作とは異なる第2の操作(RAMクリアボタンを押下しながらパチンコ機10の電源をONにし、RAMクリアボタンが押下された状態をそのまま所定時間継続させるという操作)を受け付けたことに基づいて、前記情報記憶手段に記憶されている前記第2の情報を消去する手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴Y1によれば、消去手段は、操作手段が第1の操作を受け付けたことに基づいて、情報記憶手段に記憶されている前記第1の情報を消去し、操作手段が第1の操作とは異なる第2の操作を受け付けたことに基づいて、情報記憶手段に記憶されている第2の情報を消去する手段を備えるので、操作手段に対して異なる操作を実行することによって、情報記憶手段に記憶されている情報のうち、消去すべき対象の情報を選択することが可能となる。すなわち、消去すべき対象の情報を選択するための他の操作手段を設けなくても、消去すべき対象の情報を選択することができるので、遊技機の構造の簡素化を図ることができる。
具体的には、例えば、遊技の実行の制御に不具合が生じた場合や遊技ホールの営業の開始時または終了時において、遊技の実行の制御に用いられる情報である第1の情報を消去して遊技機の制御の初期化を実行したい場合には、第1の操作を実行し、一方、実行された遊技に基づいて取得された情報である第2の情報を消去して当該遊技機を新たに流通させたい場合には、第2の操作を実行すればよい。このように、操作手段に対して異なる操作を実行することによって、情報記憶手段に記憶されている情報のうち、消去すべき対象の情報を選択することが可能となる。
[特徴Y2]
特徴Y1に記載の遊技機であって、
前記消去手段は、前記操作手段が前記第2の操作(RAMクリアボタンを押下しながらパチンコ機10の電源をONにし、RAMクリアボタンが押下された状態をそのまま所定時間継続させるという操作)を受け付けたことに基づいて、前記情報記憶手段に記憶されている前記第2の情報を消去することに加えて前記第1の情報を消去する手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴Y2によれば、消去手段は、操作手段が第2の操作を受け付けたことに基づいて、前記情報記憶手段に記憶されている前記第2の情報を消去することに加えて前記第1の情報を消去する手段を備えるので、操作手段に対して第2の操作を実行することによって、第1の情報と第2の情報の両方を消去することができる。
<特徴Z群>
特徴Z群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第1実施形態から抽出される。
[特徴Z1]
遊技の実行を制御する制御手段(第1実施形態の態様41の主側CPU62x)と、
実行された遊技に基づいて取得された情報(賞球集計値、役物比率等の遊技履歴情報、入球個数情報等)を記憶する情報記憶手段(フラッシュメモリ64x)と、
前記情報記憶手段に記憶されている前記情報を消去する消去手段(消去処理用ICチップ)と、
認証情報(暗証番号)を受け付ける受付手段と、
を備える遊技機であって、
前記消去手段は、前記受付手段が受け付けた認証情報が所定の条件を満たしたことに基づいて、前記情報記憶手段に記憶されている前記情報を消去する手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴Z1によれば、消去手段は、受付手段が受け付けた認証情報が所定の条件を満たしたことに基づいて情報記憶手段に記憶されている情報を消去する手段を備えるので、当該所定の条件を満たす認証情報を有する者が、情報記憶手段に記憶されている情報を消去することができる。すなわち、当該所定の条件を満たす認証情報を有しない者による当該情報の消去を制限することが可能となる。
ここで、仮に、遊技機に不正な改造が施されている場合には、実行された遊技に当該不正な改造による影響が表れ、さらに、当該遊技機の情報記憶手段に記憶されている情報に当該不正な改造による影響が表れる場合がある。遊技機によって正常な遊技が実行されているか否かを検査する者(以下、「検査者」ともいう)は、情報記憶手段に記憶されている情報を確認することによって、当該遊技機に施された不正な改造を発見することができる。このため、当該情報を消去することによって当該遊技機に不正な改造が施されていることを検査者に発見されないようにしたいといった要望を抱く者(以下、「不正な者」ともいう)が存在する可能性がある。
しかしながら、本特徴によれば、情報記憶手段に記憶されている情報を消去するためには、当該所定の条件を満たす認証情報を有していることが必要となる。そして、当該所定の条件を満たす認証情報を有することができる者を制限すれば、情報記憶手段に記憶されている情報が不正な者によって消去されてしまうことを抑制することができ、ひいては、遊技機に不正な改造を施そうといった動機の発生を抑制することが可能となり、遊技の健全性を向上させることができる。
なお、遊技機は取引によって転々流通する場合があり、既に遊技が実行されたことのある遊技機(いわゆる中古の遊技機)を新たに流通させたい者は、当該遊技機の情報記憶手段に記憶されている情報を消去してから流通させたいといった正当な要望を抱く場合もある。そこで、遊技機の情報記憶手段に記憶されている情報を正当な理由で消去したいといった要望を抱く者のみが、当該所定の条件を満たす認証情報を有することが可能な流通体制を構築すれば、遊技の健全性を確保しつつ、遊技機の円滑な流通を促すことが可能となる。
[特徴Z2]
特徴Z1に記載の遊技機であって、
前記情報記憶手段は、電源の供給が断たれても記憶を保持することが可能である
ことを特徴とする遊技機。
特徴Z2によれば、遊技機への電源の供給が断たれた場合であっても、実行された遊技に基づいて取得された情報を保持することができるので、例えば、流通過程において遊技機に電源が供給されない場合であっても、当該遊技機において正常な遊技が実行されていたか否かを検査することが可能となる。
[特徴Z3]
特徴Z1または特徴Z2に記載の遊技機であって、
前記実行された遊技に基づいて取得された情報は、既に賞球として払い出された遊技球の個数に関する情報(賞球集計値)を含む
ことを特徴とする遊技機。
特徴Z3によれば、既に賞球として払い出された遊技球の個数に関する情報を利用することによって、当該遊技機において正常な遊技が実行されていたか否かを検査することが可能となる。
[特徴Z4]
特徴Z1から特徴Z3のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記情報記憶手段は、開放の痕跡が残る空間の内部(封印シールが貼付された基板ボックスの内部)に格納されている
ことを特徴とする遊技機。
特徴Z4によれば、情報記憶手段は、開放の痕跡が残る空間の内部に格納されているので、当該情報記憶手段に記憶されている情報に不正な改変を施そうとするためには、当該遊技機の当該空間を開放状態にすることになり、当該遊技機の当該空間に開放の痕跡が残ることになる。すなわち、遊技機の当該空間に開放の痕跡が残っているか否かに基づいて、当該遊技機の当該空間が開放状態にされて情報記憶手段に記憶されている情報に不正な改変が施された可能性があるか否かを把握することが可能となる。したがって、情報記憶手段に記憶されている情報に施された不正な改変の隠蔽を困難にすることができ、ひいては、情報記憶手段に記憶されている情報に不正な改変を施そうといった動機の発生を抑制することが可能となり、遊技の健全性を向上させることができる。
なお、上記特徴T群~特徴Z群の発明は、以下の課題を解決する。
パチンコ遊技機やスロットマシン等の遊技機においては、遊技の興趣向上や、遊技機の処理負荷の低減、処理の最適化、制御の簡易化、構造の簡素化等を目的として、構造、制御、演出等の様々な観点から技術的な改良が行われている。
また、遊技者による不正な行為や遊技機に対する不正な改造の発見や抑止といった遊技の健全性の向上を目的とした様々な技術的な改良も行われている。
上記のような遊技機においては、遊技の興趣向上や、遊技機の処理負荷の低減、処理の最適化、制御の簡易化、構造の簡素化、より健全な遊技の提供等を目的として、さらなる技術の向上が望まれている。
<特徴αA群>
特徴αA群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第1実施形態から抽出される。
[特徴αA1]
遊技球が入球可能な入球部と、
前記入球部への遊技球の入球に基づいた信号を出力する信号出力手段(各入球検知センサー44a~44h)と、
前記信号に基づいて前記入球部に遊技球が入球したか否かを判定し、当該判定に基づいた情報である判定情報(入球情報)を出力する判定情報出力手段(入球検知用IC62c)と、
前記判定情報に基づいて遊技の進行を制御する制御手段(主側CPU62x)と、
所定の装置を接続可能な接続手段(検査用端子65)と、
を備える遊技機であって、
前記判定情報出力手段は、前記接続手段に接続された前記所定の装置に対して前記制御手段を介さずに前記判定情報を出力する手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴αA1によれば、判定情報出力手段は、接続手段に接続された所定の装置に対して制御手段を介さずに判定情報を出力する手段を備えるので、所定の装置は、制御手段による影響を受けていない判定情報を受信することが可能となる。
例えば、仮に、本特徴の構成を採用せずに、接続手段に接続された所定の装置に対して制御手段を介して判定情報を出力する構成を採用した場合において、当該制御手段に不具合が発生していたり不正な改造が施されている場合には、所定の装置に出力される判定情報にも当該不具合や不正な改造の影響が及んでしまうおそれがある。
これに対して、本特徴によれば、判定情報出力手段は、接続手段に接続された所定の装置に対して制御手段を介さずに判定情報を出力する手段を備えるので、制御手段に不具合が発生していたり不正な改造が施されている場合であっても、所定の装置に出力される判定情報には当該不具合や不正な改造の影響が及ばない。この結果、接続手段に接続された所定の装置は、当該不具合や不正な改造の影響の及んでいない判定情報に基づいた処理を実行することが可能となる。
[特徴αA2]
特徴αA1に記載の遊技機であって、
遊技球が入球可能な前記入球部と、前記入球部への遊技球の入球に基づいた信号を出力する前記信号出力手段とをそれぞれ複数備え、
前記判定情報出力手段は、前記複数の信号出力手段のそれぞれから出力された前記信号に基づいて前記複数の入球部のぞれぞれに遊技球が入球したか否かを判定し、当該判定に基づいた情報であって前記複数の入球部のそれぞれに対応した情報である前記判定情報(入球情報)を、前記接続手段に接続された前記所定の装置に対して、シリアル伝送方式によって出力する手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴αA2によれば、判定情報出力手段は、接続手段に接続された所定の装置に対して、複数の入球部のそれぞれに対応した判定情報をシリアル伝送方式によって出力する手段を備えるので、例えば、判定情報をパラレル伝送方式によって出力する構成を採用した場合と比較して、当該判定情報を所定の装置に経由させる接続手段の構成を簡略化することができるとともに、当該判定情報を受信する所定の装置の構成を簡略化することができる。
具体的には、仮に、複数の入球部のそれぞれに対応した判定情報をパラレル伝送方式によって出力する構成を採用した場合には、接続手段は、当該複数の入球部の個数に対応した出力部を備える必要がある。同様に、所定の装置は、当該複数の入球部の個数に対応した入力部を備える必要がある。また、遊技機が備える入球部の個数は、遊技機の種別毎(機種毎)に異なるため、遊技機の種別毎(機種毎)に異なる個数の端子を備えた所定の装置を用意する必要が生じる。
これに対して、本特徴によれば、判定情報出力手段は、接続手段に接続された所定の装置に対して、複数の入球部のそれぞれに対応した判定情報をシリアル伝送方式によって出力する手段を備えるので、接続手段は、当該遊技機が備える入球部の個数に関わらず、シリアル伝送方式によって判定情報を出力することのできる出力部を少なくとも1つ備える構成とすればよい。したがって、接続手段の構成を簡略化することができる。同様に、所定の装置は、当該遊技機が備える入球部の個数に関わらず、シリアル伝送方式によって出力された判定情報を入力することのできる入力部を少なくとも1つ備える構成とすればよいので、所定の装置の構成を簡略化することができる。さらに、入球部の個数の異なる遊技機に所定の装置を接続した場合であっても、当該所定の装置は、シリアル伝送方式によって複数の入球部のそれぞれに対応した判定情報を入力することができる。すなわち、所定の装置を、入球部の個数の異なる他の遊技機に対しても利用することが可能となる。この結果、所定の装置の汎用性を高めることが可能となる。
[特徴αA3]
特徴αA1または特徴αA2に記載の遊技機であって、
前記接続手段は、前記判定情報に基づいて遊技の履歴に関する情報である遊技履歴情報(役物比率等の遊技履歴情報)を算出可能な前記所定の装置を接続可能に構成されている
ことを特徴とする遊技機。
特徴αA3によれば、接続手段に接続された所定の装置は、制御手段による影響を受けていない判定情報に基づいて遊技履歴情報を算出することができる。したがって、遊技機の性能を検査する検査者は、制御手段による影響を受けていない遊技履歴情報を所定の装置によって確認することが可能となる。この結果、遊技の健全性を確保することができる。
<特徴αB群>
特徴αB群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第1実施形態から抽出される。
[特徴αB1]
遊技球が入球可能な複数の入球部と、
前記複数の入球部のそれぞれへの遊技球の入球に基づいた信号をそれぞれ出力する複数の信号出力手段(各入球検知センサー44a~44h)と、
前記複数の信号出力手段のそれぞれから出力された前記信号に基づいて前記複数の入球部のぞれぞれに遊技球が入球したか否かを判定し、当該判定に基づいた情報であって前記複数の入球部のそれぞれに対応した情報である判定情報(入球情報)を出力する判定情報出力手段(入球検知用IC62c)と、
前記判定情報に基づいて遊技の進行を制御する制御手段(主側CPU62x)と、
所定の装置を接続可能な接続手段(検査用端子65)と、
を備える遊技機であって、
前記判定情報出力手段は、前記接続手段に接続された前記所定の装置に対して、前記複数の入球部のそれぞれに対応した前記判定情報をシリアル伝送方式によって出力する手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴αB1によれば、判定情報出力手段は、接続手段に接続された所定の装置に対して、複数の入球部のそれぞれに対応した判定情報をシリアル伝送方式によって出力する手段を備えるので、例えば、判定情報をパラレル伝送方式によって出力する構成を採用した場合と比較して、当該判定情報を所定の装置に経由させる接続手段の構成を簡略化することができるとともに、当該判定情報を受信する所定の装置の構成を簡略化することができる。
具体的には、仮に、複数の入球部のそれぞれに対応した判定情報をパラレル伝送方式によって出力する構成を採用した場合には、接続手段は、当該複数の入球部の個数に対応した出力部を備える必要がある。同様に、所定の装置は、当該複数の入球部の個数に対応した入力部を備える必要がある。また、遊技機が備える入球部の個数は、遊技機の種別毎(機種毎)に異なるため、遊技機の種別毎(機種毎)に異なる個数の端子を備えた所定の装置を用意する必要が生じる。
これに対して、本特徴によれば、判定情報出力手段は、接続手段に接続された所定の装置に対して、複数の入球部のそれぞれに対応した判定情報をシリアル伝送方式によって出力する手段を備えるので、接続手段は、当該遊技機が備える入球部の個数に関わらず、シリアル伝送方式によって判定情報を出力することのできる出力部を少なくとも1つ備える構成とすればよい。したがって、接続手段の構成を簡略化することができる。同様に、所定の装置は、当該遊技機が備える入球部の個数に関わらず、シリアル伝送方式によって出力された判定情報を入力することのできる入力部を少なくとも1つ備える構成とすればよいので、所定の装置の構成を簡略化することができる。さらに、入球部の個数の異なる遊技機に所定の装置を接続した場合であっても、当該所定の装置は、シリアル伝送方式によって複数の入球部のそれぞれに対応した判定情報を入力することができる。すなわち、所定の装置を、入球部の個数の異なる他の遊技機に対しても利用することが可能となる。この結果、所定の装置の汎用性を高めることが可能となる。
[特徴αB2]
特徴αB1に記載の遊技機であって、
前記接続手段は、前記判定情報に基づいて遊技の履歴に関する情報である遊技履歴情報(役物比率等の遊技履歴情報)を算出可能な前記所定の装置を接続可能に構成されている
ことを特徴とする遊技機。
特徴αB2によれば、接続手段に接続された所定の装置は、制御手段による影響を受けていない判定情報に基づいて遊技履歴情報を算出することができる。したがって、遊技機の性能を検査する検査者は、制御手段による影響を受けていない遊技履歴情報を所定の装置によって確認することが可能となる。この結果、遊技の健全性を確保することができる。
[特徴αB3]
特徴αB1または特徴αB2に記載の遊技機であって、
前記判定情報出力手段は、前記接続手段に接続された前記所定の装置に対して前記制御手段を介さずに前記判定情報を出力する手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴αB3によれば、判定情報出力手段は、接続手段に接続された所定の装置に対して制御手段を介さずに判定情報を出力する手段を備えるので、所定の装置は、制御手段による影響を受けていない判定情報を受信することが可能となる。
例えば、仮に、本特徴の構成を採用せずに、接続手段に接続された所定の装置に対して制御手段を介して判定情報を出力する構成を採用した場合において、当該制御手段に不具合が発生していたり不正な改造が施されている場合には、所定の装置に出力される判定情報にも当該不具合や不正な改造の影響が及んでしまうおそれがある。
これに対して、本特徴によれば、判定情報出力手段は、接続手段に接続された所定の装置に対して制御手段を介さずに判定情報を出力する手段を備えるので、制御手段に不具合が発生していたり不正な改造が施されている場合であっても、所定の装置に出力される判定情報には当該不具合や不正な改造の影響が及ばない。この結果、接続手段に接続された所定の装置は、当該不具合や不正な改造の影響の及んでいない判定情報に基づいた処理を実行することが可能となる。
<特徴αC群>
特徴αC群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第1実施形態から抽出される。
[特徴αC1]
遊技球が入球可能な入球部と、
前記入球部への遊技球の入球に基づいた信号を出力する信号出力手段(各入球検知センサー44a~44h)と、
前記信号に基づいて前記入球部に遊技球が入球したか否かを判定し、当該判定に基づいた情報である判定情報(入球情報)を出力する判定情報出力手段(入球検知用IC62c)と、
前記判定情報に基づいて遊技の進行を制御する制御手段(主側CPU62x)と、
所定の装置を接続可能な接続手段(検査用端子65)と、
を備える遊技機であって、
前記判定情報出力手段は、前記接続手段に接続された前記所定の装置との関係が所定の条件を満たしている場合(検査機320からHiレベルの信号が入力されている場合)に限り当該所定の装置に対して前記判定情報を出力する出力制御手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴αC1によれば、判定情報出力手段は、接続手段に接続された所定の装置との関係が所定の条件を満たしている場合に限り当該所定の装置に対して判定情報を出力する手段を備えるので、当該所定の条件を満たしている場合以外において当該遊技機の判定情報が外部に出力されてしまうことを抑制することができる。したがって、当該遊技機の判定情報が悪意のある者に解析されて悪用されてしまうことを抑制することができる。
[特徴αC2]
特徴αC1に記載の遊技機であって、
前記所定の条件は、前記接続手段に接続された前記所定の装置から所定の信号を受信することを含む
ことを特徴とする遊技機。
特徴αC2によれば、接続手段に接続された所定の装置から所定の信号を受信することを含む所定の条件が満たされていない場合において当該遊技機の判定情報が外部に出力されてしまうことを抑制することができる。したがって、当該遊技機の判定情報が悪意のある者に解析されて悪用されてしまうことを抑制することができる。
[特徴αC3]
特徴αC1または特徴αC2に記載の遊技機であって、
遊技球が入球可能な前記入球部と、前記入球部への遊技球の入球に基づいた信号を出力する前記信号出力手段とをそれぞれ複数備え、
前記判定情報出力手段は、前記複数の信号出力手段のそれぞれから出力された前記信号に基づいて前記複数の入球部のぞれぞれに遊技球が入球したか否かを判定し、当該判定に基づいた情報であって前記複数の入球部のそれぞれに対応した情報である前記判定情報(入球情報)を、前記接続手段に接続された前記所定の装置に対して、シリアル伝送方式によって出力する手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴αC3によれば、判定情報出力手段は、接続手段に接続された所定の装置に対して、複数の入球部のそれぞれに対応した判定情報をシリアル伝送方式によって出力する手段を備えるので、例えば、判定情報をパラレル伝送方式によって出力する構成を採用した場合と比較して、当該判定情報を所定の装置に経由させる接続手段の構成を簡略化することができるとともに、当該判定情報を受信する所定の装置の構成を簡略化することができる。
具体的には、仮に、複数の入球部のそれぞれに対応した判定情報をパラレル伝送方式によって出力する構成を採用した場合には、接続手段は、当該複数の入球部の個数に対応した出力部を備える必要がある。同様に、所定の装置は、当該複数の入球部の個数に対応した入力部を備える必要がある。また、遊技機が備える入球部の個数は、遊技機の種別毎(機種毎)に異なるため、遊技機の種別毎(機種毎)に異なる個数の入力部を備えた所定の装置を用意する必要が生じる。
これに対して、本特徴によれば、判定情報出力手段は、接続手段に接続された所定の装置に対して、複数の入球部のそれぞれに対応した判定情報をシリアル伝送方式によって出力する手段を備えるので、接続手段は、当該遊技機が備える入球部の個数に関わらず、シリアル伝送方式によって判定情報を出力することのできる出力部を少なくとも1つ備える構成とすればよい。したがって、接続手段の構成を簡略化することができる。同様に、所定の装置は、当該遊技機が備える入球部の個数に関わらず、シリアル伝送方式によって出力された判定情報を入力することのできる入力部を少なくとも1つ備える構成とすればよいので、所定の装置の構成を簡略化することができる。さらに、入球部の個数の異なる遊技機に所定の装置を接続した場合であっても、当該所定の装置は、シリアル伝送方式によって複数の入球部のそれぞれに対応した判定情報を入力することができる。すなわち、所定の装置を、入球部の個数の異なる他の遊技機に対しても利用することが可能となる。この結果、所定の装置の汎用性を高めることが可能となる。
[特徴αC4]
特徴αC1から特徴αC3のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記接続手段は、前記判定情報に基づいて遊技の履歴に関する情報である遊技履歴情報(役物比率等の遊技履歴情報)を算出可能な前記所定の装置を接続可能に構成されている
ことを特徴とする遊技機。
特徴αC4によれば、接続手段に接続された所定の装置は、制御手段による影響を受けていない判定情報に基づいて遊技履歴情報を算出することができる。したがって、遊技機の性能を検査する検査者は、制御手段による影響を受けていない遊技履歴情報を所定の装置によって確認することが可能となる。この結果、遊技の健全性を確保することができる。
[特徴αC5]
特徴αC1から特徴αC4のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記判定情報出力手段は、前記接続手段に接続された前記所定の装置に対して前記制御手段を介さずに前記判定情報を出力する手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴αC5によれば、判定情報出力手段は、接続手段に接続された所定の装置に対して制御手段を介さずに判定情報を出力する手段を備えるので、所定の装置は、制御手段による影響を受けていない判定情報を受信することが可能となる。
例えば、仮に、本特徴の構成を採用せずに、接続手段に接続された所定の装置に対して制御手段を介して判定情報を出力する構成を採用した場合において、当該制御手段に不具合が発生していたり不正な改造が施されている場合には、所定の装置に出力される判定情報にも当該不具合や不正な改造の影響が及んでしまうおそれがある。
これに対して、本特徴によれば、判定情報出力手段は、接続手段に接続された所定の装置に対して制御手段を介さずに判定情報を出力する手段を備えるので、制御手段に不具合が発生していたり不正な改造が施されている場合であっても、所定の装置に出力される判定情報には当該不具合や不正な改造の影響が及ばない。この結果、接続手段に接続された所定の装置は、当該不具合や不正な改造の影響の及んでいない判定情報に基づいた処理を実行することが可能となる。
<特徴αD群>
特徴αD群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第1実施形態から抽出される。
[特徴αD1]
遊技球が入球可能な入球部と、
前記入球部への遊技球の入球に基づいた信号を出力する信号出力手段(各入球検知センサー44a~44h)と、
前記信号に基づいて前記入球部に遊技球が入球したか否かを判定し、当該判定に基づいた情報である判定情報(入球情報)を出力する判定情報出力手段(入球検知用IC62c)と、
前記判定情報に基づいて遊技の進行を制御する制御手段(主側CPU62x)と、
所定の装置を接続可能な接続手段(検査用端子65)と、
を備える遊技機であって、
前記判定情報出力手段は、前記接続手段に接続された前記所定の装置に対して前記判定情報を出力する手段を備え、
前記遊技機は、さらに、
前記接続手段に接続された前記所定の装置に対して、前記入球部に1個の遊技球が入球した場合に賞球として払い出される遊技球の個数を特定可能な情報である賞球数情報を出力する賞球数情報出力手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴αD1によれば、接続手段に接続された所定の装置に対して賞球数情報を出力する賞球数情報出力手段を備えるので、所定の装置に対して賞球数情報を手入力する手間を省くことができるとともに、所定の装置に対して誤った賞球数情報が入力されてしまうことを抑制することができる。この結果、所定の装置は、判定情報と賞球数情報出力手段から出力された正確な賞球数情報とに基づいた処理を実行することが可能となる。
[特徴αD2]
特徴αD1に記載の遊技機であって、
前記接続手段に接続された前記所定の装置に対して、前記入球部の種別を特定可能な情報である種別情報を出力する種別情報出力手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴αD2によれば、接続手段に接続された所定の装置に対して種別情報を出力する種別情報出力手段を備えるので、所定の装置に対して種別情報を手入力する手間を省くことができるとともに、所定の装置に対して誤った種別情報が入力されてしまうことを抑制することができる。この結果、所定の装置は、判定情報出力手段から出力された判定情報と種別情報出力手段から出力された正確な種別情報とに基づいた処理を実行することが可能となる。なお、入球部の種別とは、例えば、第1始動口や第2始動口、大入賞口、排出通路といった信号出力手段(入球検知センサー44a~44h)が設けられている入球部の種別である。
[特徴αD3]
特徴αD1または特徴αD2に記載の遊技機であって、
遊技球が入球可能な前記入球部と、前記入球部への遊技球の入球に基づいた信号を出力する前記信号出力手段とをそれぞれ複数備え、
前記判定情報出力手段は、前記複数の信号出力手段のそれぞれから出力された前記信号に基づいて前記複数の入球部のぞれぞれに遊技球が入球したか否かを判定し、当該判定に基づいた情報であって前記複数の入球部のそれぞれに対応した情報である前記判定情報(入球情報)を、前記接続手段に接続された前記所定の装置に対して、シリアル伝送方式によって出力する手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴αD3によれば、判定情報出力手段は、接続手段に接続された所定の装置に対して、複数の入球部のそれぞれに対応した判定情報をシリアル伝送方式によって出力する手段を備えるので、例えば、判定情報をパラレル伝送方式によって出力する構成を採用した場合と比較して、当該判定情報を所定の装置に経由させる接続手段の構成を簡略化することができるとともに、当該判定情報を受信する所定の装置の構成を簡略化することができる。
具体的には、仮に、複数の入球部のそれぞれに対応した判定情報をパラレル伝送方式によって出力する構成を採用した場合には、接続手段は、当該複数の入球部の個数に対応した出力部を備える必要がある。同様に、所定の装置は、当該複数の入球部の個数に対応した入力部を備える必要がある。また、遊技機が備える入球部の個数は、遊技機の種別毎(機種毎)に異なるため、遊技機の種別毎(機種毎)に異なる個数の端子を備えた所定の装置を用意する必要が生じる。
これに対して、本特徴によれば、判定情報出力手段は、接続手段に接続された所定の装置に対して、複数の入球部のそれぞれに対応した判定情報をシリアル伝送方式によって出力する手段を備えるので、接続手段は、当該遊技機が備える入球部の個数に関わらず、シリアル伝送方式によって判定情報を出力することのできる出力部を少なくとも1つ備える構成とすればよい。したがって、接続手段の構成を簡略化することができる。同様に、所定の装置は、当該遊技機が備える入球部の個数に関わらず、シリアル伝送方式によって出力された判定情報を入力することのできる入力部を少なくとも1つ備える構成とすればよいので、所定の装置の構成を簡略化することができる。さらに、入球部の個数の異なる遊技機に所定の装置を接続した場合であっても、当該所定の装置は、シリアル伝送方式によって複数の入球部のそれぞれに対応した判定情報を入力することができる。すなわち、所定の装置を、入球部の個数の異なる他の遊技機に対しても利用することが可能となる。この結果、所定の装置の汎用性を高めることが可能となる。
[特徴αD4]
特徴αD1から特徴αD3のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記賞球数情報出力手段は、前記接続手段に接続された前記所定の装置から所定の信号(入球口情報送信要求コマンド)を受信したことに基づいて前記賞球数情報を出力する手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴αD4によれば、賞球数情報出力手段は、接続手段に接続された所定の装置から所定の信号を受信したことに基づいて賞球数情報を出力する手段を備えるので、不適切な状況やタイミングにおいて賞球数情報が外部に出力されてしまうことを抑制することができる。
[特徴αD5]
特徴αD1から特徴αD4のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記賞球数情報出力手段は、前記接続手段に前記所定の装置が接続されたことを契機として前記賞球数情報を出力する手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴αD5によれば、賞球数情報出力手段は、接続手段に所定の装置が接続されたことを契機として賞球数情報を出力する手段を備えるので、所定の装置は、接続手段に接続された後に速やかに賞球数情報を取得することができる。したがって、例えば、所定の装置は、接続手段に接続された後に、当該賞球数情報を必要とする処理を速やかに実行することが可能となる。
[特徴αD6]
特徴αD1から特徴αD5のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記接続手段は、前記判定情報に基づいて遊技の履歴に関する情報である遊技履歴情報(役物比率等の遊技履歴情報)を算出可能な前記所定の装置を接続可能に構成されている
ことを特徴とする遊技機。
特徴αD6によれば、接続手段に接続された所定の装置は、制御手段による影響を受けていない判定情報に基づいて遊技履歴情報を算出することができる。したがって、遊技機の性能を検査する検査者は、制御手段による影響を受けていない遊技履歴情報を所定の装置によって確認することが可能となる。この結果、遊技の健全性を確保することができる。
[特徴αD7]
特徴αD1から特徴αD6のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記判定情報出力手段は、前記接続手段に接続された前記所定の装置に対して前記制御手段を介さずに前記判定情報を出力する手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴αD7によれば、判定情報出力手段は、接続手段に接続された所定の装置に対して制御手段を介さずに判定情報を出力する手段を備えるので、所定の装置は、制御手段による影響を受けていない判定情報を受信することが可能となる。
例えば、仮に、本特徴の構成を採用せずに、接続手段に接続された所定の装置に対して制御手段を介して判定情報を出力する構成を採用した場合において、当該制御手段に不具合が発生していたり不正な改造が施されている場合には、所定の装置に出力される判定情報にも当該不具合や不正な改造の影響が及んでしまうおそれがある。
これに対して、本特徴によれば、判定情報出力手段は、接続手段に接続された所定の装置に対して制御手段を介さずに判定情報を出力する手段を備えるので、制御手段に不具合が発生していたり不正な改造が施されている場合であっても、所定の装置に出力される判定情報には当該不具合や不正な改造の影響が及ばない。この結果、接続手段に接続された所定の装置は、当該不具合や不正な改造の影響の及んでいない判定情報に基づいた処理を実行することが可能となる。
[特徴αD8]
特徴αD2に記載の遊技機であって、
前記種別情報出力手段は、前記接続手段に接続された前記所定の装置から所定の信号(入球口情報送信要求コマンド)を受信したことに基づいて前記種別情報を出力する手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴αD8によれば、種別情報出力手段は、接続手段に接続された所定の装置から所定の信号を受信したことに基づいて種別情報を出力する手段を備えるので、不適切な状況やタイミングにおいて種別情報が外部に出力されてしまうことを抑制することができる。
[特徴αD9]
特徴αD2または特徴D8に記載の遊技機であって、
前記種別情報出力手段は、前記接続手段に前記所定の装置が接続されたことを契機として前記種別情報を出力する手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴αD9によれば、種別情報出力手段は、接続手段に所定の装置が接続されたことを契機として種別情報を出力する手段を備えるので、所定の装置は、接続手段に接続された後に速やかに種別情報を取得することができる。したがって、例えば、所定の装置は、接続手段に接続された後に、当該種別情報を必要とする処理を速やかに実行することが可能となる。
<特徴αE群>
特徴αE群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第1実施形態から抽出される。
[特徴αE1]
遊技球が入球可能な入球部と、
前記入球部への遊技球の入球に基づいた信号を出力する信号出力手段(各入球検知センサー44a~44h)と、
前記信号に基づいて前記入球部に遊技球が入球したか否かを判定し、当該判定に基づいた情報である判定情報(入球情報)を出力する判定情報出力手段(入球検知用IC62c)と、
前記判定情報に基づいて遊技の進行を制御する制御手段(主側CPU62x)と、
前記判定情報に基づいて遊技の履歴に関する情報である遊技履歴情報(役物比率等の遊技履歴情報)を算出する算出手段(主側CPU62x、遊技履歴管理チップ300)と、
前記算出手段によって算出された前記遊技履歴情報を記憶する記憶手段(フラッシュメモリ64x、遊技履歴管理チップ300)と、
所定の装置を接続可能な接続手段(検査用端子65)と、
を備える遊技機であって、
前記判定情報出力手段は、前記接続手段に接続された前記所定の装置に対して前記判定情報を出力する手段を備え、
前記遊技機は、さらに、
前記接続手段に接続された前記所定の装置に対して、前記記憶手段に記憶されている前記遊技履歴情報を出力する遊技履歴情報出力手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴αE1によれば、接続手段に接続された所定の装置に対して、記憶手段に記憶されている遊技履歴情報を出力する手段と、判定情報を出力する手段とを備えるので、接続手段に接続された所定の装置は、記憶手段に記憶されている遊技履歴情報を受信することができ、また、判定情報に基づいた処理を実行することが可能となる。
具体的には、例えば、所定の装置は、当該遊技機の記憶手段に記憶されている遊技履歴情報(以下、第1遊技履歴情報とも呼ぶ)を表示することができる。また、所定の装置は、当該遊技機の接続手段に接続されている所定の検査期間において受信した判定情報に基づいて遊技履歴情報を算出し、当該遊技履歴情報(以下、第2遊技履歴情報とも呼ぶ)を表示することが可能となる。したがって、例えば、遊技機を検査する検査者は、遊技機が備える記憶手段に記憶されている第1遊技履歴情報と、所定の装置が所定の検査期間において受信した判定情報に基づいた第2遊技履歴情報とを比較することが可能となる。
ここで、仮に、遊技機に不具合が発生したり、不正な改造(例えば釘の改変等)が施されたりしたこと等によって当該遊技機における遊技の特性に変化が生じた場合には、遊技機が備える記憶手段に記憶されている第1遊技履歴情報(過去の所定期間における判定情報に基づいて算出手段によって算出された遊技履歴情報)と、所定の装置が所定の検査期間における判定情報に基づいて算出した第2遊技履歴情報とに差が生じることがある。したがって、遊技機を検査する検査者は、2つの遊技履歴情報の差分に注目することによって、当該遊技機において不具合や不正な改造(例えば、釘の改変)が発生していないかを検査することができる。
[特徴αE2]
特徴αE1に記載の遊技機であって、
前記接続手段に接続された前記所定の装置に対して、前記入球部に1個の遊技球が入球した場合に賞球として払い出される遊技球の個数を特定可能な情報である賞球数情報を出力する賞球数情報出力手段を備えることを特徴とする遊技機。
特徴αE2によれば、接続手段に接続された所定の装置に対して賞球数情報を出力する賞球数情報出力手段を備えるので、所定の装置に対して賞球数情報を手入力する手間を省くことができるとともに、所定の装置に対して誤った賞球数情報が入力されてしまうことを抑制することができる。この結果、所定の装置は、判定情報出力手段から出力された判定情報と賞球数情報出力手段から出力された正確な賞球数情報とに基づいた処理を実行することが可能となる。
[特徴αE3]
特徴αE1または特徴αE2に記載の遊技機であって、
前記接続手段は、前記判定情報に基づいて遊技の履歴に関する情報である遊技履歴情報(役物比率等の遊技履歴情報)を算出可能な前記所定の装置を接続可能に構成されている
ことを特徴とする遊技機。
特徴αE3によれば、接続手段に接続された所定の装置は、制御手段による影響を受けていない判定情報に基づいて遊技履歴情報を算出することができる。したがって、遊技機の性能を検査する検査者は、制御手段による影響を受けていない遊技履歴情報を所定の装置によって確認することが可能となる。この結果、遊技の健全性を確保することができる。
[特徴αE4]
特徴αE1から特徴αE3のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記判定情報出力手段は、前記接続手段に接続された前記所定の装置に対して前記制御手段を介さずに前記判定情報を出力する手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴αE4によれば、判定情報出力手段は、接続手段に接続された所定の装置に対して制御手段を介さずに判定情報を出力する手段を備えるので、所定の装置は、制御手段による影響を受けていない判定情報を受信することが可能となる。
例えば、仮に、本特徴の構成を採用せずに、接続手段に接続された所定の装置に対して制御手段を介して判定情報を出力する構成を採用した場合において、当該制御手段に不具合が発生していたり不正な改造が施されている場合には、所定の装置に出力される判定情報にも当該不具合や不正な改造の影響が及んでしまうおそれがある。
これに対して、本特徴によれば、判定情報出力手段は、接続手段に接続された所定の装置に対して制御手段を介さずに判定情報を出力する手段を備えるので、制御手段に不具合が発生していたり不正な改造が施されている場合であっても、所定の装置に出力される判定情報には当該不具合や不正な改造の影響が及ばない。この結果、接続手段に接続された所定の装置は、当該不具合や不正な改造の影響の及んでいない判定情報に基づいた処理を実行することが可能となる。
<特徴αF群>
特徴αF群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第1実施形態から抽出される。
[特徴αF1]
第1の処理群(メイン処理の残余処理)を繰り返し実行する第1処理群実行手段と、
所定の条件が成立したこと(第2の処理群の前回の実行の開始から所定時間が経過したこと)に基づいて、第2の処理群(遊技回制御処理等を含む遊技進行処理)を前記第1の処理群に割り込んで実行する第2処理群実行手段と、
を備える遊技機であって、
前記第1処理群実行手段は、一の前記第2の処理群の実行の終了後から次の前記第2の処理群の実行の開始までの期間(残余時間)において前記第1の処理群を繰り返し実行する手段を備え、
前記第1の処理群は、遊技の履歴に関する情報である遊技履歴情報(役物比率、連続役物比率等)の算出に関連した処理である遊技履歴情報関連処理(遊技履歴用処理)を含む
ことを特徴とする遊技機。
特徴αF1によれば、一の第2の処理群の実行の終了後から次の第2の処理群の実行の開始までの期間において遊技履歴情報関連処理を含む第1の処理群を繰り返し実行するので、一の第2の処理群の実行が終了していないにも関わらず遊技履歴情報関連処理を含む第1の処理群の実行が開始されてしまうことを抑制することができる。すなわち、第2の処理群の実行を優先しつつ、第2の処理群が実行されていない期間において遊技履歴情報関連処理を含む第1の処理群を繰り返し実行することによって速やかに遊技履歴情報を算出することが可能となる。
また、仮に、本特徴の構成を採用せずに、遊技履歴情報関連処理を第2の処理群に含めて実行する構成を採用した場合には、当該第2の処理群の1回の実行の開始から終了までに要する時間が長くなってしまい、例えば、次の第2の処理群の実行の開始の契機となる所定の条件が成立したタイミングにおいて未だ一の第2の処理群の実行が終了しておらず、当該一の第2の処理群の実行が終了するまで次の第2の処理群の実行を開始することができなくなってしまう場合がある。この場合には、次の第2の処理群の実行の開始が遅れてしまったことによって不具合が発生するおそれがある。
これに対して、本特徴によれば、遊技履歴情報関連処理を第1の処理群に含めて実行するので、遊技履歴情報関連処理を第2の処理群に含めて実行する構成と比較して、第2の処理群の1回の実行の開始から終了までに要する時間を短くすることができる。したがって、例えば、次の第2の処理群の実行の開始の契機となる所定の条件が成立したタイミングにおいて未だ一の第2の処理群の実行が終了していないといった事態の発生を抑制することができ、当該一の第2の処理群の実行が終了するまで次の第2の処理群の実行を開始することができないといった事態の発生を抑制することができる。この結果、次の第2の処理群の実行の開始の遅れによる不具合の発生を抑制することができる。
以上より、本特徴によれば、次の第2の処理群の実行の開始が遅れてしまうことによる不具合の発生を抑制しつつ、第2の処理群が実行されていない期間において遊技履歴情報関連処理を含む第1の処理群を繰り返し実行することによって効率的かつ速やかに遊技履歴情報を算出することが可能となる。
[特徴αF2]
特徴αF1に記載の遊技機であって、
前記第2の処理群は、遊技の進行に関する処理である遊技進行処理を含む
ことを特徴とする遊技機。
特徴αF2によれば、遊技の進行に関する処理である遊技進行処理を含む第2の処理群の実行の開始が遅れてしまうことを抑制することができるので、遊技の進行に不具合が発生してしまうことを抑制しつつ、第2の処理群が実行されていない期間において遊技履歴情報関連処理を含む第1の処理群を繰り返し実行することによって速やかに遊技履歴情報を算出することが可能となる。
[特徴αF3]
特徴αF1または特徴αF2に記載の遊技機であって、
前記遊技履歴情報関連処理は、順次実行することによって前記遊技履歴情報の算出が完了する複数の処理段階(複数種類のタスク)を含んでおり、
前記第1処理群実行手段は、前記遊技履歴情報関連処理の1回の実行では、前記複数の処理段階のうちの一部の処理段階を実行する
ことを特徴とする遊技機。
特徴αF3によれば、第1処理群実行手段は、遊技履歴情報関連処理の1回の実行では、複数の処理段階のうちの一部の処理段階を実行するので、例えば、遊技履歴情報関連処理の1回の実行において複数の処理段階の全てを実行する構成と比較して、遊技履歴情報関連処理の1回の実行の開始から終了までに要する時間を短くすることができる。具体的には、例えば、遊技履歴情報関連処理の実行中に所定の条件が成立した場合においても、実行中の遊技履歴情報関連処理が短時間で終了するので、当該所定の条件の成立から第2の処理群の実行が開始されるまでの時間を短くすることができる。この結果、第2の処理群の実行の開始が遅れてしまうことによる不具合の発生を抑制しつつ、第1の処理群を繰り返し実行することによって速やかに遊技履歴情報を算出することが可能となる。
[特徴αF4]
特徴αF1から特徴αF3のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記所定の条件は、前記第2の処理群の前回の実行の開始から所定時間が経過したことを含む
ことを特徴とする遊技機。
特徴αF4によれば、所定の条件は、第2の処理群の前回の実行の開始から所定時間が経過したことを含むので、第2の処理群を定期的に実行することができる。そして、第2の処理群の実行が終了した後であって当該第2の処理群の実行の開始から所定時間が経過するまでの期間において、遊技履歴情報関連処理を含む第1の処理群を繰り返し実行することによって速やかに遊技履歴情報を算出することが可能となる。
なお、上記特徴αA群~特徴αF群の発明は、以下の課題を解決する。
パチンコ遊技機やスロットマシン等の遊技機においては、遊技の興趣向上や、遊技機の処理負荷の低減、制御の簡易化等を目的として、構造、制御、演出等の様々な観点から技術的な改良が行われている(例えば、特許文献1)。
また、遊技者による不正な行為や遊技機に対する不正な改造の発見や抑止といった遊技の健全性の向上を目的とした様々な技術的な改良も行われている。
上記のような遊技機においては、遊技の興趣向上や、遊技機の処理負荷の低減、制御の簡易化、より健全な遊技の提供等を目的として、さらなる技術の向上が望まれている。
<特徴αG群>
特徴αG群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第1実施形態から抽出される。
[特徴αG1]
遊技球が入球可能な入球部と、
前記入球部への遊技球の入球に基づいて所定の抽選処理を実行する抽選処理実行手段と、
外部から所定の操作を受け付けることによって、前記所定の抽選処理において所定の結果に当選する当選確率を異なる当選確率に変更可能な変更手段と、
所定の領域を通過した遊技球を検知する複数の検知手段(入球検知センサー44a~44h)と、
前記検知手段によって遊技球が検知されたことに基づく情報である検知情報(入球情報、入球個数情報、賞球集計値等の遊技履歴基礎情報)を記憶する記憶手段と、
前記検知情報に基づいて遊技の履歴に関する情報である遊技履歴情報(役物比率、連続役物比率等の遊技履歴情報)を算出する算出手段と、
前記算出手段によって算出された前記遊技履歴情報に基づく表示をする表示手段と、
を備える遊技機であって、
前記記憶手段は、前記当選確率の変更を境界とした複数の期間における前記検知情報を記憶する手段を備え、
前記算出手段は、前記複数の期間毎における前記検知情報に基づいて前記複数の期間毎における遊技履歴情報を算出する手段を備え、
前記表示手段は、前記複数の期間毎における前記遊技履歴情報に基づく表示をする手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴αG1によれば、遊技機の検査者は、当該遊技機における当選確率の変更を境界とした複数の期間毎における遊技履歴情報に基づく表示を確認することが可能となる。例えば、遊技履歴情報に基づく表示が遊技履歴情報そのものの数値である場合には、検査者は、当該遊技機において当選確率が過去に変更されてきた過程において、遊技履歴情報が適正な範囲に収まっていない状況が存在したか否かを確認することが可能となる。
<特徴αH群>
特徴αH群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第1実施形態から抽出される。
[特徴αH1]
遊技球が入球可能な入球部と、
前記入球部への遊技球の入球に基づいて所定の抽選処理を実行する抽選処理実行手段と、
外部から所定の操作を受け付けることによって、前記所定の抽選処理において所定の結果に当選する当選確率を異なる当選確率に変更可能な変更手段と、
所定の領域を通過した遊技球を検知する複数の検知手段(入球検知センサー44a~44h)と、
前記検知手段によって遊技球が検知されたことに基づく情報である検知情報(入球情報、入球個数情報、賞球集計値等の遊技履歴基礎情報)を記憶する記憶手段と、
前記検知情報に基づいて遊技の履歴に関する情報である遊技履歴情報(役物比率、連続役物比率等の遊技履歴情報)を算出する算出手段と、
前記算出手段によって算出された前記遊技履歴情報に基づく表示をする表示手段と、
前記当選確率が変更された後に前記記憶手段に記憶された前記検知情報が所定の量まで蓄積される前に前記当選確率が再び変更された場合に、所定の情報(短期変更情報)を表示する所定情報表示手段と、
を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴αH1によれば、遊技機の検査者は、所定の情報を確認することによって、検知情報が所定の量まで蓄積される前に当選確率が再び変更されたか否かを確認することができる。この結果、遊技機の管理者による不正な意図に基づいた当選確率の変更を抑制することができる。
例えば、仮に、当選確率が変更されたことに基づいて当該当選確率の変更の前に記憶されていた検知情報が消去される構成を採用した場合には、遊技機が検査者によって検査される前に、当該遊技機の管理者が、当選確率の変更後に当該遊技機において遊技があまり実行されていない状況であるにも関わらず、再び当選確率の変更を行なって、当該遊技機に記憶されている検知情報を消去してしまう可能性がある。しかしながら、本態様によれば、当選確率の変更後に当該遊技機において遊技があまり実行されていない状況であるにも関わらず、再び当選確率の変更が短期間で行なわれた場合には、上述した短期変更情報が記録され、表示されることになる。したがって、検査者は、短期変更情報を確認することによって、検知情報の消去といった不正な意図によって当選確率の変更が短期間に行なわれた可能性があるのではないかと認識することが可能となる。この結果、遊技機の管理者による不正な意図に基づいた当選確率の変更を抑制することができる。
[特徴αH2]
特徴αH1に記載の遊技機であって、
前記記憶手段に記憶されている前記検知情報を消去する消去手段を備え、
前記記憶手段は、前記当選確率の変更を境界とした複数の期間における前記検知情報を記憶する手段を備え、
前記算出手段は、前記複数の期間毎における前記検知情報に基づいて前記複数の期間毎における前記遊技履歴情報を算出する手段を備え、
前記表示手段は、前記複数の期間毎における前記遊技履歴情報に基づく表示をする手段を備え、
前記消去手段は、前記当選確率が変更された場合には、前記複数の期間のうちの最も古い期間における前記検知情報を消去する手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴αH2によれば、遊技機の検査者は、当該遊技機における当選確率の変更を境界とした複数の期間毎における遊技履歴情報に基づく表示を確認することが可能となる。例えば、遊技履歴情報に基づく表示が遊技履歴情報そのものの数値である場合には、検査者は、当該遊技機において当選確率が過去に変更されてきた過程において、遊技履歴情報が適正な範囲に収まっていない状況が存在したか否かを確認することが可能となる。
さらに、本特徴によれば、遊技機の検査者は、所定の情報を確認することによって、検知情報が所定の量まで蓄積される前に当選確率が再び変更されたか否かを確認することができる。この結果、遊技機の管理者による不正な意図に基づいた当選確率の変更を抑制することができる。
具体的には、例えば、遊技機が検査者によって検査される前に、当該遊技機の管理者が、当選確率の変更を短期間に繰り返し行なって、当該遊技機の当選確率の変更を境界とした複数の期間における検知情報を消去してしまう可能性がある。しかしながら、本特徴によれば、当選確率の変更が短期間で繰り返し行なわれた場合には、上述した短期変更情報が記録され、表示されることになる。したがって、検査者は、短期変更情報を確認することによって、不正な意図によって当選確率の変更が短期間に行なわれた可能性があるのではないかと認識することが可能となる。この結果、遊技機の管理者による不正な意図に基づいた当選確率の変更を抑制することができる。
<特徴αI群>
特徴αI群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第1実施形態から抽出される。
[特徴αI1]
遊技球が入球可能な入球部と、
前記入球部への遊技球の入球に基づいて所定の抽選処理を実行する抽選処理実行手段と、
外部から所定の操作を受け付けることによって、前記所定の抽選処理において所定の結果に当選する当選確率を異なる当選確率に変更可能な変更手段と、
所定の領域を通過した遊技球を検知する複数の検知手段(入球検知センサー44a~44h)と、
前記検知手段によって遊技球が検知されたことに基づく情報である検知情報(入球情報、入球個数情報、賞球集計値等の遊技履歴基礎情報)を記憶する記憶手段と、
前記検知情報に基づいて遊技の履歴に関する情報である遊技履歴情報(役物比率、連続役物比率等の遊技履歴情報)を算出する算出手段と、
前記算出手段によって算出された前記遊技履歴情報に基づく表示をする表示手段と、
前記記憶手段に記憶されている前記検知情報を消去する消去手段と、
を備える遊技機であって、
前記消去手段は、前記当選確率が変更された場合には、前記当選確率が変更された後に前記記憶手段に記憶された前記検知情報が所定の量まで蓄積された後に、前記当選確率が変更される前に前記記憶手段に記憶されていた前記検知情報を消去する手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴αI1によれば、当選確率が変更された後に記憶手段に記憶された検知情報が所定の量まで蓄積されるまでは、当選確率が変更される前に記憶手段に記憶されていた検知情報は消去されないので、当選確率の変更の前に記憶されていた検知情報が、遊技機の当選確率の変更を行なうことによって意図的に消去されてしまうことを抑制することができる。例えば、仮に、当選確率の変更の前に取得されて記憶されていた検知情報が、遊技機の当選確率の変更が行なわれた直後に消去される構成を採用すると、遊技機が検査者によって検査される前に、当該遊技機の管理者が、当選確率の変更を行なって、当該当選確率の変更の前に記憶されていた検知情報を消去してしまう可能性がある。これに対して、本特徴によれば、当選確率の変更の前に記憶されていた検知情報は、当選確率が変更された後に取得されて記憶された検知情報が所定の量まで蓄積されるまでは消去されないので、遊技機機の管理者による不正な意図による当選確率の変更を抑制することができる。
[特徴αI2]
特徴αI1に記載の遊技機であって、
前記記憶手段に記憶されている前記検知情報を消去する消去手段を備え、
前記記憶手段は、前記当選確率の変更を境界とした複数の期間における前記検知情報を記憶する手段を備え、
前記算出手段は、前記複数の期間毎における前記検知情報に基づいて前記複数の期間毎における前記遊技履歴情報を算出する手段を備え、
前記表示手段は、前記複数の期間毎における前記遊技履歴情報に基づく表示をする手段を備え、
前記消去手段は、前記当選確率が変更された場合には、前記当選確率が変更された後に前記記憶手段に記憶された前記検知情報が所定の量まで蓄積された後に、前記複数の期間のうちの最も古い期間における前記検知情報を消去する手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴αI2によれば、遊技機の検査者は、当該遊技機における当選確率の変更を境界とした複数の期間毎における遊技履歴情報に基づく表示を確認することが可能となる。例えば、遊技履歴情報に基づく表示が遊技履歴情報そのものの数値である場合には、検査者は、当該遊技機において当選確率が過去に変更されてきた過程において、遊技履歴情報が適正な範囲に収まっていない状況が存在したか否かを確認することが可能となる。
さらに、本特徴によれば、当選確率の変更を境界とした複数の期間における検知情報が、遊技機の当選確率の変更が繰り返し行なわれることによって意図的に消去されてしまうことを抑制することができる。例えば、仮に、当選確率の変更を境界とした複数の期間のうちの最も古い期間における検知情報が、遊技機の当選確率の変更が行なわれた直後に消去される構成を採用すると、遊技機が検査者によって検査される前に、当該遊技機の管理者が、当選確率の変更を繰り返し行なって、当該遊技機の複数の期間における検知情報を消去してしまう可能性がある。これに対して、本特徴によれば、当選確率の変更を境界とした複数の期間のうちの最も古い期間における検知情報は、当選確率が変更された後に取得されて記憶された検知情報が所定の量まで蓄積されるまでは消去されないので、遊技機の管理者による不正な意図による当選確率の変更を抑制することができる。
<特徴αJ群>
特徴αJ群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第1実施形態から抽出される。
[特徴αJ1]
遊技球が入球可能な入球部と、
前記入球部への遊技球の入球に基づいて所定の抽選処理を実行する抽選処理実行手段と、
外部から所定の操作を受け付けることによって、前記所定の抽選処理において所定の結果に当選する当選確率を異なる当選確率に変更可能な変更手段と、
所定の領域を通過した遊技球を検知する複数の検知手段(入球検知センサー44a~44h)と、
前記検知手段によって遊技球が検知されたことに基づく情報である検知情報(入球情報、入球個数情報、賞球集計値等の遊技履歴基礎情報)を記憶する記憶手段と、
前記検知情報に基づいて遊技の履歴に関する情報である遊技履歴情報(役物比率、連続役物比率等の遊技履歴情報)を算出する算出手段と、
前記算出手段によって算出された前記遊技履歴情報に基づく表示をする表示手段と、
を備える遊技機であって、
前記記憶手段は、前記検知情報を、前記検知手段が遊技球を検知した時点における前記当選確率毎に区別して記憶する手段を備え、
前記算出手段は、前記当選確率毎に前記遊技履歴情報を算出する手段を備え、
前記表示手段は、前記当選確率毎に前記遊技履歴情報に基づく表示をする手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴αJ1によれば、例えば、遊技履歴情報に基づく表示が遊技履歴情報そのものの数値である場合には、遊技機の検査者は、当選確率毎に算出されて表示された各遊技履歴情報が適正な範囲内に収まっているか否かを確認することができる。すなわち、検査者は、当該遊技機において遊技履歴情報が適正な範囲内に収まっていない当選確率の設定が存在しないか否かを確認することが可能となる。
なお、上記特徴αG群~特徴αJ群の発明は、以下の課題を解決する。
パチンコ遊技機やスロットマシン等の遊技機においては、遊技の興趣向上や、遊技機の処理負荷の低減、制御の簡易化等を目的として、構造、制御、演出等の様々な観点から技術的な改良が行われている(例えば、特許文献1)。
また、遊技者による不正な行為や遊技機に対する不正な改造の発見や抑止といった遊技の健全性の向上を目的とした様々な技術的な改良も行われている。
上記のような遊技機においては、遊技の興趣向上や、遊技機の処理負荷の低減、制御の簡易化、より健全な遊技の提供等を目的として、さらなる技術の向上が望まれている。
<特徴αK群>
特徴αK群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第1実施形態から抽出される。
[特徴αK1]
遊技球が入球可能な入球部と、
前記入球部への遊技球の入球に基づいて所定の抽選処理を実行する抽選処理実行手段と、
外部から所定の操作を受け付けることによって、前記所定の抽選処理において所定の結果に当選する当選確率を異なる当選確率に変更可能な変更手段と、
所定の領域を通過した遊技球を検知する複数の検知手段(入球検知センサー44a~44h)と、
前記検知手段によって遊技球が検知されたことに基づく情報である検知情報(入球情報、入球個数情報、賞球集計値等の遊技履歴基礎情報)を記憶する記憶手段と、
前記検知情報に基づいて遊技の履歴に関する情報である遊技履歴情報(役物比率、連続役物比率、出球率等の遊技履歴情報)を算出する算出手段と、
複数の表示要素(セグメント発光部、CP発光部)によって構成された第1の表示領域及び第2の表示領域を有し、当該第1の表示領域及び当該第2の表示領域に所定の情報を表示可能な表示手段と、
を備える遊技機であって、
前記表示手段は、
前記遊技履歴情報を表示する際に、前記第1の表示領域に、前記遊技履歴情報の種別に関する情報を前記表示要素を使用して表示し、前記第2の表示領域に、前記遊技履歴情報の数値情報を前記表示要素を使用して表示する手段と、
前記当選確率の変更の際に、前記第1の表示領域に、前記遊技履歴情報の種別に関する情報を表示する際には表示されない表示態様であって、前記遊技履歴情報の種別に関する情報を表示する際に使用される表示要素のみを使用した表示態様を表示し、前記第2の表示領域に、前記当選確率の設定に関する数値情報を前記表示要素を使用して表示する手段と、
を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴αK1によれば、表示手段の第2の表示領域に遊技履歴情報の数値情報が表示されている場合と、当選確率の設定に関する数値情報が表示されている場合とで、第1の表示領域の表示態様が明確に異なることになる。したがって、例えば、遊技機の管理者に、表示手段の第2の表示領域に遊技履歴情報の数値情報が表示されているのか、当選確率の設定に関する数値情報が表示されているのかを明確に区別して認識させることができる。この結果、遊技機の管理者が、第2の表示領域に表示されている数値情報を、遊技履歴情報の数値情報と当選確率の設定に関する数値情報との間で誤認してしまうことを抑制することができる。
さらに、本特徴によれば、遊技履歴情報を表示する際に使用されない第1の表示領域の表示要素(例えば、左端7セグメント表示器45z1のセグメント発光部A、B、DP発光部、左中7セグメント表示器45z2のセグメント発光部B)は、当選確率の変更の際にも使用されないので、第1の表示領域には、使用されない表示要素(以下、不使用表示要素)が存在することになる。したがって、例えば、第1の表示領域の不使用表示要素に不具合が発生したとしても、第1の表示領域における表示態様には影響がない。この結果、第1の表示領域の表示要素に不具合が発生した場合に表示態様に影響が生じてしまう可能性を低減することができる。
また、例えば、表示要素としてLED等の発光素子を採用した場合には、不使用表示要素となる発光素子は発光する必要がないため、当該発光素子を発光させるために必要な部品を省略することができる。したがって、表示手段のコストを低減することができる。
<特徴αL群>
特徴αL群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第1実施形態から抽出される。
[特徴αL1]
遊技球が入球可能な入球部と、
前記入球部への遊技球の入球に基づいて所定の抽選処理を実行する抽選処理実行手段と、
外部から所定の操作を受け付けることによって、前記所定の抽選処理において所定の結果に当選する当選確率を異なる当選確率に変更可能な変更手段と、
所定の領域を通過した遊技球を検知する複数の検知手段(入球検知センサー44a~44h)と、
前記検知手段によって遊技球が検知されたことに基づく情報である検知情報(入球情報、入球個数情報、賞球集計値等の遊技履歴基礎情報)を記憶する記憶手段と、
前記検知情報に基づいて遊技の履歴に関する情報である遊技履歴情報(役物比率、連続役物比率、出球率等の遊技履歴情報)を算出する算出手段と、
第1の表示領域及び第2の表示領域を有し、当該第1の表示領域及び当該第2の表示領域に所定の情報を表示可能な表示手段と、
を備える遊技機であって、
前記表示手段は、
前記遊技履歴情報を表示する際に、前記第1の表示領域に、前記遊技履歴情報の種別に関する情報を表示し、前記第2の表示領域に、前記遊技履歴情報の数値情報を表示する手段と、
前記当選確率の変更の際に、前記第1の表示領域には何も表示せず、前記第2の表示領域に、前記当選確率の設定に関する数値情報を表示する手段と、
を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴αL1によれば、表示手段の第2の表示領域に遊技履歴情報の数値情報が表示されている場合と、当選確率の設定に関する数値情報が表示されている場合とで、第1の表示領域の表示態様が明確に異なることになる。したがって、例えば、遊技機の管理者に、表示手段の第2の表示領域に遊技履歴情報の数値情報が表示されているのか、当選確率の設定に関する数値情報が表示されているのかを明確に区別して認識させることができる。この結果、遊技機の管理者が、第2の表示領域に表示されている数値情報を、遊技履歴情報の数値情報と当選確率の設定に関する数値情報との間で誤認してしまうことを抑制することができる。
さらに、本特徴によれば、例えば、第1の表示領域を複数の発光素子(LED)によって構成し、所定の発光素子が発光することによって所定の情報を表示し、全ての発光素子が消灯することで何も表示しない構成とした場合において、仮に第1の表示領域を構成する一部の発光素子が発光しないといった不具合が発生していたとしても、全ての発光素子が発光しないといった重大な不具合が発生していない限りは、第1の表示領域の表示態様が、遊技履歴情報を表示している場合と当選確率の設定に関する数値情報を表示している場合とで異なることになる。したがって、本特徴によれば、管理者に対して、仮に第1の表示領域を構成する一部の発光素子が発光しない不具合が発生していたとしても、全ての発光素子が発光しないといった重大な不具合が発生していない限りは、第2の表示領域に表示されている数値情報が遊技履歴情報であるのか、当選確率の設定に関する数値情報であるのかを区別して認識させることができる。すなわち、管理者は、第1の表示領域において少なくとも一部の発光素子が発光している場合には第2の表示領域に表示されている数値が遊技履歴情報であると判断し、第1の表示領域を構成する全ての発光素子が消灯している場合に限り第2の表示領域に表示されている数値が当選確率の設定に関する数値情報であると判断することができる。
<特徴αM群>
特徴αM群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第1実施形態から抽出される。
[特徴αM1]
遊技球が入球可能な入球部と、
前記入球部への遊技球の入球に基づいて所定の抽選処理を実行する抽選処理実行手段と、
外部から所定の操作を受け付けることによって、前記所定の抽選処理において所定の結果に当選する当選確率を異なる当選確率に変更可能な変更手段と、
所定の領域を通過した遊技球を検知する複数の検知手段(入球検知センサー44a~44h)と、
前記検知手段によって遊技球が検知されたことに基づく情報である検知情報(入球情報、入球個数情報、賞球集計値等の遊技履歴基礎情報)を記憶する記憶手段と、
前記検知情報に基づいて遊技の履歴に関する情報である遊技履歴情報(役物比率、連続役物比率、出球率等の遊技履歴情報)を算出する算出手段と、
所定の表示領域を有し、当該所定の表示領域に所定の情報を表示可能な表示手段と、
を備える遊技機であって、
前記表示手段は、
前記遊技履歴情報を表示する際に、前記所定の表示領域に前記遊技履歴情報の数値情報を所定の桁数(2桁)で表示する手段と、
前記当選確率の変更の際に、前記所定の表示領域に前記当選確率の設定に関する数値情報を前記所定の桁数とは異なる桁数(1桁)で表示する手段と、
を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴αM1によれば、所定の表示領域に遊技履歴情報に関する数値情報が表示されている場合と、当選確率の設定に関する数値情報が表示されている場合とで、表示されている数値の桁数が異なることになる。したがって、例えば、遊技機の管理者に、表示手段の所定の表示領域に遊技履歴情報に関する数値情報が表示されているのか、当選確率の設定に関する数値情報が表示されているのかを明確に区別して認識させることができる。この結果、遊技機の管理者が、表示手段の所定の表示領域に表示されている数値情報を、遊技履歴情報の数値情報と当選確率の設定に関する数値情報との間で誤認してしまうことを抑制することができる。
<特徴αN群>
特徴αN群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第1実施形態から抽出される。
[特徴αN1]
遊技球が入球可能な入球部と、
前記入球部への遊技球の入球に基づいて所定の抽選処理を実行する抽選処理実行手段と、
外部から所定の操作を受け付けることによって、前記所定の抽選処理において所定の結果に当選する当選確率を異なる当選確率に変更可能な変更手段と、
所定の領域を通過した遊技球を検知する複数の検知手段(入球検知センサー44a~44h)と、
前記検知手段によって遊技球が検知されたことに基づく情報である検知情報(入球情報、入球個数情報、賞球集計値等の遊技履歴基礎情報)を記憶する記憶手段と、
前記検知情報に基づいて遊技の履歴に関する情報である遊技履歴情報(役物比率、連続役物比率、出球率等の遊技履歴情報)を算出する算出手段と、
第1の表示領域及び第2の表示領域を有し、当該第1の表示領域及び当該第2の表示領域に所定の情報を表示可能な表示手段と、
を備える遊技機であって、
前記表示手段は、
前記遊技履歴情報を表示する際に、前記第1の表示領域に、前記遊技履歴情報の種別に関する情報を表示し、前記第2の表示領域に、前記遊技履歴情報の数値情報を表示する手段と、
前記当選確率の変更の際に、前記第1の表示領域に、前記遊技履歴情報の種別に関する情報を表示する際には表示されない複数種類の表示態様(表示パターンA及び表示パターンB)を切り替えて繰り返し表示し、前記第2の表示領域に、前記当選確率の設定に関する数値情報を表示する手段と、
を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴αN1によれば、表示手段の第2の表示領域に遊技履歴情報の数値情報が表示されている場合と、当選確率の設定に関する数値情報が表示されている場合とで、第1の表示領域の表示態様が明確に異なることになる。したがって、例えば、遊技機の管理者に、表示手段の第2の表示領域に遊技履歴情報の数値情報が表示されているのか、当選確率の設定に関する数値情報が表示されているのかを明確に区別して認識させることができる。この結果、遊技機の管理者が、第2の表示領域に表示されている数値情報を、遊技履歴情報の数値情報と当選確率の設定に関する数値情報との間で誤認してしまうことを抑制することができる。
さらに、本特徴によれば、当選確率の設定に関する数値情報が第2の表示領域に表示されている期間においては第1の表示領域における表示態様が動的に変化することになるので、遊技機の管理者に対して、当選確率の変更を慎重に行なうべき重要な状態であるといった注意を喚起することができる。
<特徴αO群>
特徴αO群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第1実施形態から抽出される。
[特徴αO1]
所定の領域を通過した遊技球を検知する複数の検知手段(入球検知センサー44a~44h)と、
前記検知手段によって遊技球が検知されたことに基づく情報である検知情報(入球情報、入球個数情報、賞球集計値等の遊技履歴基礎情報)を記憶する記憶手段と、
前記検知情報に基づいて遊技の履歴に関する情報である遊技履歴情報(役物比率、連続役物比率、出球率等の遊技履歴情報)を算出する算出手段と、
前記算出手段によって算出された前記遊技履歴情報に基づく表示(種別情報及び数値情報の表示)をする表示手段と、
前記遊技履歴情報の算出の基礎となる前記検知情報の情報量(通常モード中に排出通路を通過した遊技球の個数(通常モード中のアウト数))に基づいて、前記表示手段における前記遊技履歴情報に基づく表示の表示態様(点灯表示か点滅表示か)を決定する決定手段と、
を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴αO1によれば、遊技機の管理者は、表示手段における表示態様を確認することによって、遊技履歴情報の算出の基礎となる検知情報がどの程度蓄積されているのかを把握することができ、例えば、表示されている遊技履歴情報の数値が、十分な量の統計データが蓄積された状態で算出されたものであるのか否かを判断することが可能となる。
なお、上記特徴αK群~特徴αO群の発明は、以下の課題を解決する。
パチンコ遊技機やスロットマシン等の遊技機においては、遊技の興趣向上や、遊技機の処理負荷の低減、制御の簡易化等を目的として、構造、制御、演出等の様々な観点から技術的な改良が行われている(例えば、特許文献1)。
また、遊技者による不正な行為や遊技機に対する不正な改造の発見や抑止といった遊技の健全性の向上を目的とした様々な技術的な改良も行われている。
上記のような遊技機においては、遊技の興趣向上や、遊技機の処理負荷の低減、制御の簡易化、より健全な遊技の提供等を目的として、さらなる技術の向上が望まれている。
<特徴αP群>
特徴αP群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第1実施形態から抽出される。
[特徴αP1]
遊技を制御する制御手段を備える遊技機であって、
前記制御手段は、
フラグレジスタを含む複数のレジスタと、スタックポインタとを備え、第1プログラムおよび第2プログラムを含む複数種類のプログラムを実行するCPU(主側CPU62x)と、
前記第1プログラムを記憶する第1プログラム記憶領域と、前記第1プログラム記憶領域と異なる領域であって、前記第2プログラムを記憶する第2プログラム記憶領域とを有するプログラム記憶手段(主側ROM63のプログラム記憶手段63a)と、
前記スタックポインタに格納される第1スタック領域参照用アドレスによりアクセス可能な前記第1プログラムに対応した第1スタック領域と、前記第1スタック領域と異なる領域であって、前記スタックポインタに格納される第2スタック領域参照用アドレスによりアクセス可能な前記第2プログラムに対応した第2スタック領域とを有するスタック手段(主側RAM64のスタック手段64b)と、
データを更新可能な前記第1プログラムに対応した第1データ記憶領域と、前記第1データ記憶領域と異なる領域であって、データを更新可能な前記第2プログラムに対応した第2データ記憶領域とを有するデータ記憶手段(主側RAM64のデータ記憶手段64a)とを備え、
前記フラグレジスタは、所定の場合に値が変化するレジスタであり、
前記第1プログラムによる処理では前記第1スタック領域および前記第1データ記憶領域のデータを更新および参照可能であり、前記第2スタック領域および前記第2データ記憶領域のデータを更新できないが参照可能になっており、
前記第2プログラムによる処理では前記第2スタック領域および前記第2データ記憶領域のデータを更新および参照可能であり、前記第1スタック領域および前記第1データ記憶領域のデータを更新できないが参照可能になっており、
前記CPUは、
前記第1プログラムに含まれるプログラムを実行することによって、第1処理(遊技進行処理)を実施し、
前記第1処理を実施した後に、前記第1プログラムに含まれるプログラムを実行することによって、前記フラグレジスタの値を前記第1スタック領域または前記第1データ記憶領域に記憶する記憶処理を実施し、
前記記憶処理を実施した後に、前記第2プログラムに含まれるプログラムを実行することによって、前記スタックポインタに格納されている前記第1スタック領域参照用アドレスを前記第2データ記憶領域に記憶し、前記スタックポインタに前記第2スタック領域参照用アドレスを格納し、前記複数のレジスタそれぞれの値を前記第2データ記憶領域に記憶する退避処理を実施し、
前記退避処理を実施した後に、前記第2プログラムに含まれるプログラムを実行することによって、第2処理(遊技履歴情報算出表示処理)を実施し、
前記第2処理を実施した後に、前記第2プログラムに含まれるプログラムを実行することによって、前記複数のレジスタそれぞれの値を前記退避処理により前記第2データ記憶領域に記憶した値に設定し、前記退避処理により前記第2データ記憶領域に記憶した前記第1スタック領域参照用アドレスを前記スタックポインタに格納する復帰処理を実施し、
前記復帰処理を実施した後に、前記第1プログラムに含まれるプログラムを実行することによって、前記復帰処理により値が設定された前記複数のレジスタのうち前記フラグレジスタの値を、前記記憶処理により前記第1スタック領域または前記第1データ記憶領域に記憶した値に変更する変更処理を実施する
ことを特徴とする遊技機。
特徴αP1によれば、退避処理及び復帰処理を実施するので、第2プログラムから第1プログラムへ復帰した際に、第1プログラムにおいて利用していたレジスタの値が変化してしまっていることによる不具合の発生を回避することができる。
また、本特徴によれば、記憶処理を実施した後であって退避処理を実施する前のタイミングにおいてフラグレジスタの値が変化した場合であっても、変更処理を実施することによって、フラグレジスタの値が第1プログラムによる第1処理の終了直後と同じ値に復帰するので、第2プログラムによる処理から復帰した後に実施する第1プログラムによる処理に影響を及ぼすおそれがない。この結果、複数のプログラムを独立して構成することが可能となる。
また、本特徴によれば、第2処理を実施するためのプログラムを第2プログラムに追加するだけで、第1プログラムによる処理に影響を与えずに、第2処理を追加することができる。したがって、第1プログラムとは独立して第2処理を実施するためのプログラムを容易に作成することができる。
また、例えば、スタック領域に記憶させようとするデータの容量が、スタック領域の記憶容量の上限値を超える場合には、当該スタック領域に記憶されている全データを消去するリセット処理が実施される構成である場合において、仮に、退避処理において複数のレジスタそれぞれの値を第2スタック領域に記憶させる構成とすると、当該リセット処理が実施されてしまうおそれがある。これに対して、本特徴によれば、退避処理において複数のレジスタそれぞれの値を第2データ記憶領域に記憶するので、スタック領域のリセット処理が実施されてしまうリスクを回避することができる。
<特徴αQ群>
特徴αQ群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第1実施形態から抽出される。
[特徴αQ1]
遊技を制御する制御手段を備える遊技機であって、
前記制御手段は、
フラグレジスタを含む複数のレジスタと、スタックポインタとを備え、第1プログラムおよび第2プログラムを含む複数種類のプログラムを実行するCPU(主側CPU62x)と、
前記第1プログラムを記憶する第1プログラム記憶領域と、前記第1プログラム記憶領域と異なる領域であって、前記第2プログラムを記憶する第2プログラム記憶領域とを有するプログラム記憶手段(主側ROM63のプログラム記憶手段63a)と、
前記スタックポインタに格納される第1スタック領域参照用アドレスによりアクセス可能な前記第1プログラムに対応した第1スタック領域と、前記第1スタック領域と異なる領域であって、前記スタックポインタに格納される第2スタック領域参照用アドレスによりアクセス可能な前記第2プログラムに対応した第2スタック領域とを有するスタック手段(主側RAM64のスタック手段64b)と、
データを更新可能な前記第1プログラムに対応した第1データ記憶領域と、前記第1データ記憶領域と異なる領域であって、データを更新可能な前記第2プログラムに対応した第2データ記憶領域とを有するデータ記憶手段(主側RAM64のデータ記憶手段64a)とを備え、
前記フラグレジスタは、所定の場合に値が変化するレジスタであり、
前記第1プログラムによる処理では前記第1スタック領域および前記第1データ記憶領域のデータを更新および参照可能であり、前記第2スタック領域および前記第2データ記憶領域のデータを更新できないが参照可能になっており、
前記第2プログラムによる処理では前記第2スタック領域および前記第2データ記憶領域のデータを更新および参照可能であり、前記第1スタック領域および前記第1データ記憶領域のデータを更新できないが参照可能になっており、
前記CPUは、
前記第1プログラムに含まれるプログラムを実行することによって、第1処理(遊技進行処理)を実施し、
前記第1処理を実施した後に、前記第1プログラムに含まれるプログラムを実行することによって、前記フラグレジスタの値を前記第1スタック領域または前記第1データ記憶領域に記憶する記憶処理を実施し、
前記記憶処理を実施した後に、前記第2プログラムに含まれるプログラムを実行することによって、前記スタックポインタに前記第2スタック領域参照用アドレスを格納し、前記複数のレジスタそれぞれの値を前記第2データ記憶領域に記憶する退避処理を実施し、
前記退避処理を実施した後に、前記第2プログラムに含まれるプログラムを実行することによって、第2処理(遊技履歴情報算出表示処理)を実施し、
前記第2処理を実施した後に、前記第2プログラムに含まれるプログラムを実行することによって、前記複数のレジスタそれぞれの値を前記退避処理により前記第2データ記憶領域に記憶した値に設定し、固定値である前記第1スタック領域参照用アドレスを前記スタックポインタに格納する復帰処理を実施し、
前記復帰処理を実施した後に、前記第1プログラムに含まれるプログラムを実行することによって、前記復帰処理により値が設定された前記複数のレジスタのうち前記フラグレジスタの値を、前記記憶処理により前記第1スタック領域または前記第1データ記憶領域に記憶した値に変更する変更処理を実施する
ことを特徴とする遊技機。
特徴αQ1によれば、退避処理及び復帰処理を実施するので、第2プログラムから第1プログラムへ復帰した際に、第1プログラムにおいて利用していたレジスタの値が変化してしまっていることによる不具合の発生を回避することができる。
また、本特徴によれば、記憶処理を実施した後であって退避処理を実施する前のタイミングにおいてフラグレジスタの値が変化した場合であっても、変更処理を実施することによって、フラグレジスタの値が第1プログラムによる第1処理の終了直後と同じ値に復帰するので、第2プログラムによる処理から復帰した後に実施する第1プログラムによる処理に影響を及ぼすおそれがない。この結果、複数のプログラムを独立して構成することが可能となる。
また、本特徴によれば、第2処理を実施するためのプログラムを第2プログラムに追加するだけで、第1プログラムによる処理に影響を与えずに、第2処理を追加することができる。したがって、第1プログラムとは独立して第2処理を実施するためのプログラムを容易に作成することができる。
また、例えば、スタック領域に記憶させようとするデータの容量が、スタック領域の記憶容量の上限値を超える場合には、当該スタック領域に記憶されている全データを消去するリセット処理が実施される構成である場合において、仮に、退避処理において複数のレジスタそれぞれの値を第2スタック領域に記憶させる構成とすると、当該リセット処理が実施されてしまうおそれがある。これに対して、本特徴によれば、退避処理において複数のレジスタそれぞれの値を第2データ記憶領域に記憶するので、スタック領域のリセット処理が実施されてしまうリスクを回避することができる。
また、本特徴によれば、復帰処理において固定値である第1スタック領域参照用アドレスをスタックポインタに格納するので、退避処理においてスタックポインタに格納されている第1スタック領域参照用アドレスを第2データ記憶領域に退避させる必要がない。したがって、CPUの処理を簡略化することができるとともに、スタックポインタに格納されている第1スタック領域参照用アドレスを退避させるために必要となる第2データ記憶領域の記憶容量を低減することができる。
<特徴αR群>
特徴αR群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第1実施形態から抽出される。
[特徴αR1]
遊技を制御する制御手段を備える遊技機であって、
前記制御手段は、
フラグレジスタを含む複数のレジスタと、スタックポインタとを備え、第1プログラムおよび第2プログラムを含む複数種類のプログラムを実行するCPU(主側CPU62x)と、
前記第1プログラムを記憶する第1プログラム記憶領域と、前記第1プログラム記憶領域と異なる領域であって、前記第2プログラムを記憶する第2プログラム記憶領域とを有するプログラム記憶手段(主側ROM63のプログラム記憶手段63a)と、
前記スタックポインタに格納される第1スタック領域参照用アドレスによりアクセス可能な前記第1プログラムに対応した第1スタック領域と、前記第1スタック領域と異なる領域であって、前記スタックポインタに格納される第2スタック領域参照用アドレスによりアクセス可能な前記第2プログラムに対応した第2スタック領域とを有するスタック手段(主側RAM64のスタック手段64b)と、
データを更新可能な前記第1プログラムに対応した第1データ記憶領域と、前記第1データ記憶領域と異なる領域であって、データを更新可能な前記第2プログラムに対応した第2データ記憶領域とを有するデータ記憶手段(主側RAM64のデータ記憶手段64a)とを備え、
前記フラグレジスタは、所定の場合に値が変化するレジスタであり、
前記第1プログラムによる処理では前記第1スタック領域および前記第1データ記憶領域のデータを更新および参照可能であり、前記第2スタック領域および前記第2データ記憶領域のデータを更新できないが参照可能になっており、
前記第2プログラムによる処理では前記第2スタック領域および前記第2データ記憶領域のデータを更新および参照可能であり、前記第1スタック領域および前記第1データ記憶領域のデータを更新できないが参照可能になっており、
前記CPUは、
前記第1プログラムに含まれるプログラムを実行することによって、第1処理(遊技進行処理)を実施し、
前記第1処理を実施した後に、前記第1プログラムに含まれるプログラムを実行することによって、前記フラグレジスタの値を前記第1スタック領域または前記第1データ記憶領域に記憶する記憶処理を実施し、
前記記憶処理を実施した後に、前記第1プログラムに含まれるプログラムを実行することによって、前記複数のレジスタそれぞれの値を0に設定する第1クリア処理を実施し、
前記第1クリア処理を実施した後に、前記第2プログラムに含まれるプログラムを実行することによって、前記スタックポインタに前記第2スタック領域参照用アドレスを格納する第1格納処理を実施し、
前記第1格納処理を実施した後に、前記第2プログラムに含まれるプログラムを実行することによって、第2処理(遊技履歴情報算出表示処理)を実施し、
前記第2処理を実施した後に、前記第2プログラムに含まれるプログラムを実行することによって、固定値である前記第1スタック領域参照用アドレスを前記スタックポインタに格納する第2格納処理を実施し、
前記第2格納処理を実施した後に、前記第2プログラムに含まれるプログラムを実行することによって、前記複数のレジスタそれぞれの値を0に設定する第2クリア処理を実施し、
前記第2クリア処理を実施した後に、前記第1プログラムに含まれるプログラムを実行することによって、前記フラグレジスタの値を、前記記憶処理により前記第1スタック領域または前記第1データ記憶領域に記憶した値に変更する変更処理を実施する
ことを特徴とする遊技機。
特徴αR1によれば、第1プログラムに含まれるプログラムによって第1クリア処理を実施し、第2プログラムに含まれるプログラムによって第2クリア処理を実施するので、第2プログラムの実行の開始直前の時点における複数のレジスタそれぞれの値と、第2プログラムの実行の終了直後の時点における複数のレジスタそれぞれの値とを一致させることができる。したがって、第2プログラムから第1プログラムへ復帰した際に、第1プログラムにおいて利用していた複数のレジスタそれぞれの値が変化してしまっていることによる不具合の発生を回避することができる。
また、本特徴によれば、記憶処理及び変更処理を実施するので、フラグレジスタの値が第1プログラムによる第1処理の終了直後と同じ値に復帰する。したがって、第2プログラムによる処理から復帰した後に実施する第1プログラムによる処理に影響を及ぼすおそれがない。この結果、複数のプログラムを独立して構成することが可能となる。
また、本特徴によれば、第2処理を実施するためのプログラムを第2プログラムに追加するだけで、第1プログラムによる処理に影響を与えずに、第2処理を追加することができる。したがって、第1プログラムとは独立して第2処理を実施するためのプログラムを容易に作成することができる。
また、本特徴によれば、復帰処理において、固定値である第1スタック領域参照用アドレスをスタックポインタに格納するので、退避処理において、スタックポインタに格納されている第1スタック領域参照用アドレスを第2データ記憶領域に退避させる必要がない。したがって、CPUの処理を簡略化することができるとともに、スタックポインタに格納されている第1スタック領域参照用アドレスを退避させるために必要となる第2データ記憶領域の記憶容量を低減することができる。
<特徴αS群>
特徴αS群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第1実施形態から抽出される。
[特徴αS1]
遊技球が入球可能な入球部と、
前記入球部への遊技球の入球に基づいて所定の抽選処理を実行する抽選処理実行手段と、
外部から所定の操作を受け付けることによって、前記所定の抽選処理において所定の結果に当選する当選確率を異なる当選確率に変更可能な変更モードを実行する変更モード実行手段と、
遊技の進行に関する情報を記憶する記憶手段(主側RAM64)と、
前記記憶手段の異常を検知する検知手段と、
前記検知手段が前記異常を検知した場合に前記記憶手段を初期化する初期化手段と、
を備える遊技機であって、
前記変更モード実行手段は、前記初期化が実行された場合には、前記所定の操作を受け付けていない場合であっても前記変更モードを実行する手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
記憶手段の異常によって当該記憶手段を初期化する状況となった場合には、当選確率の設定情報も管理者が本来意図した設定情報とは異なる設定情報に書き換わってしまっている可能性がある。そして、記憶手段を初期化しても当選確率の設定情報は初期化されない(変更されない)構成である場合には、依然として管理者が本来意図した設定情報とは異なる設定情報に維持されるおそれがある。
特徴αS1によれば、記憶手段の異常によって当該記憶手段を初期化した際には、変更モードを実行するので、遊技機の管理者は、当該遊技機において遊技が再開される前に、変更モードにおいて、当選確率の設定情報を本来意図した設定情報に変更することが可能となる。
[特徴αS2]
特徴αS1に記載の遊技機であって、
前記初期化手段は、前記記憶手段を初期化する際に、前記記憶手段に記憶されている情報のうち、遊技状態に関する情報は初期化しない手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴αS2によれば、記憶手段が初期化された場合であっても、遊技状態に関する情報は初期化されないので、遊技者は、遊技状態を維持しつつ遊技を再開することが可能となる。したがって、記憶手段の初期化によって遊技者に不利益を与えてしまうことを抑止することが可能となる。
[特徴αS3]
特徴αS1または特徴αS2に記載の遊技機であって、
前記変更モードにおいて前記当選確率が変更された場合に、前記当選確率が変更されたことを報知する報知手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
記憶手段の異常によって当該記憶手段が初期化され、変更モードが実行された場合には、当該遊技機において遊技を行なっていた遊技者は、記憶手段の初期化の後の変更モードにおいて、管理者によって当選確率が変更されてしまったのか否か、疑心暗鬼になることが想定される。しかしながら、本特徴によれば、当選確率が変更された場合には、当選確率が変更されたことを報知するので、遊技者は、当選確率が変更されたか否かを確認することができる。より具体的には、遊技者に、現在の当選確率の設定情報がどのような設定情報になっているのかは把握させずに、変更モードにおいて当選確率が変更されたか否かに関してのみ把握させることができる。この結果、遊技者が、管理者によって当選確率が変更されてしまったのか否か不明なまま不安な気持ちで遊技を再開しなくてはいけないといった事態の発生を抑制することができる。
<特徴αT群>
特徴αT群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第1実施形態から抽出される。
[特徴αT1]
遊技球が入球可能な入球部と、
前記入球部への遊技球の入球に基づいて所定の抽選処理を実行する抽選処理実行手段と、
外部から所定の操作を受け付けることによって、前記所定の抽選処理において所定の結果に当選する当選確率を異なる当選確率に変更可能な変更モードを実行する変更モード実行手段と、
前記変更モードにおいて前記当選確率が変更された場合に、前記当選確率が変更されたことを報知する報知手段と、
を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴αT1によれば、遊技者は、変更モードにおいて当選確率が変更されたことを認識することができる。具体的には、例えば、遊技者に、現在の当選確率の設定がどのような設定になっているのかは把握させずに、変更モードにおいて当選確率が変更されたか否かに関してのみ把握させることができる。
[特徴αT2]
特徴αT1に記載の遊技機であって、
前記変更モートにおいて前記当選確率が変更されなかった場合に、前記報知手段による報知とは異なる態様の報知をする第2報知手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴αT2によれば、遊技者は、変更モードにおいて当選確率が変更されなかったことを認識することができる。
[特徴αT3]
特徴αT1または特徴αT2に記載の遊技機であって、
前記第2報知手段は、前記変更モードにおいて前記当選確率が変更されなかった場合に、前記当選確率が変更されなかったことを報知する手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴αT3によれば、遊技者は、変更モードにおいて当選確率が変更されなかったことを明確に認識することができる。
<特徴αU群>
特徴αU群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第1実施形態から抽出される。
[特徴αU1]
遊技球が入球可能な入球部と、
前記入球部への遊技球の入球に基づいて所定の抽選処理を実行する抽選処理実行手段と、
外部から第1の操作を受け付けることによって、前記所定の抽選処理において所定の結果に当選する当選確率を異なる当選確率に変更可能な変更モードを実行する変更モード実行手段と、
前記第1の操作とは異なる第2の操作を外部から受け付けることによって、遊技の進行を停止したモードであって前記当選確率に関する情報を表示する情報表示モードを実行する情報表示モード実行手段と、
前記所定の抽選処理の結果に関わらず一定の動作を継続する役物と、
を備える遊技機であって、
前記役物は、前記情報表示モード中であっても、前記一定の動作を継続する
ことを特徴とする遊技機。
特徴αU1によれば、遊技の進行を停止した情報表示モードの開始及び終了のタイミングにおいても役物の動作が停止したり変化したりせずに一定の動作を継続するので、例えば、役物の動作が停止したり変化したりするタイミングを狙って遊技者が遊技球を発射して不正に有利な結果を得てしまうことを抑制することができる。
<特徴αV群>
特徴αV群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第1実施形態から抽出される。
[特徴αV1]
遊技球が入球可能な入球部と、
前記入球部への遊技球の入球に基づいて所定の抽選処理を実行する抽選処理実行手段と、
外部から第1の操作を受け付けることによって、前記所定の抽選処理において所定の結果に当選する当選確率を異なる当選確率に変更可能な変更モードを実行する変更モード実行手段と、
前記第1の操作とは異なる第2の操作を外部から受け付けることによって、遊技の進行を停止したモードであって前記当選確率に関する情報を表示する情報表示モードを実行する情報表示モード実行手段と、
前記所定の抽選処理の結果に関わらず一定の動作を継続する役物と、
を備える遊技機であって、
前記役物は、前記情報表示モード中は、予め定められた状態となって前記一定の動作を停止する
ことを特徴とする遊技機。
特徴αV1によれば、例えば、予め定められた状態以外の状態で動作を停止させると不具合が発生する可能性のある役物において、不具合の発生を抑制することができる。
なお、上記特徴αP群~特徴αV群の発明は、以下の課題を解決する。
パチンコ遊技機やスロットマシン等の遊技機においては、遊技の興趣向上や、遊技機の処理負荷の低減、処理の最適化、制御の簡易化、構造の簡素化、遊技機の開発の効率化、不具合が発生しにくい遊技機の提供、遊技者に配慮した遊技機の提供等を目的として、構造、制御、演出等の様々な観点から技術的な改良が行われている。
また、遊技者による不正な行為や遊技機に対する不正な改造の発見や抑止といった遊技の健全性の向上を目的とした様々な技術的な改良も行われている。
上記のような遊技機においては、遊技の興趣向上や、遊技機の処理負荷の低減、処理の最適化、制御の簡易化、構造の簡素化、遊技機の開発の効率化、不具合が発生しにくい遊技機の提供、遊技者に配慮した遊技機の提供、より健全な遊技の提供等を目的として、さらなる技術の向上が望まれている。
<特徴αW群>
特徴αW群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第1実施形態から抽出される。
[特徴αW1]
遊技球が入球可能な入球部と、
前記入球部への遊技球の入球に基づいて所定の抽選処理を実行する抽選処理実行手段と、
前記所定の抽選処理における当選確率の設定を外部からの操作を受け付けることによって変更可能な設定変更モードを実行する設定変更モード実行手段と、
を備える遊技機であって、
前記設定変更モード実行手段は、当該遊技機に電源が投入された時点において第1の条件(設定用の鍵、枠開放スイッチ及び扉開放スイッチの全てがONであり、かつ、RAMクリアボタンがONであること)が成立している場合に前記設定変更モードを実行するが、電源が投入された後に前記第1の条件が成立した場合であっても前記設定変更モードを実行しない手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴αW1によれば、電源が投入済みの遊技機に設定変更モードを実行させるためには、当該遊技機の電源を一旦OFFにして再度電源をONにする必要がある。一般に、遊技ホールにおいて、遊技機の管理者以外の者は、遊技機の背面に設けられた電源スイッチを操作して電源を一旦OFFにして再度電源をONにすることは困難である。したがって、遊技機の管理者でない不正な意図を持つ者によって遊技機の当選確率の設定が不正に変更されてしまうことを抑制することができる。
[特徴αW2]
特徴αW1に記載の遊技機であって、
前記当選確率の設定に関する情報である設定情報は表示するが、前記当選確率の設定は変更することができない設定情報表示モード(設定確認モード)を実行する設定情報表示モード実行手段を備え、
前記設定情報表示モード実行手段は、当該遊技機に電源が投入された時点において第2の条件(設定用の鍵、枠開放スイッチ及び扉開放スイッチの全てがONであり、かつ、RAMクリアボタンがOFFであること)が成立している場合に前記設定情報表示モードを実行するが、電源が投入された後に前記第2の条件が成立した場合であっても前記設定情報表示モードを実行しない手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴αW2によれば、電源が投入済みの遊技機に設定情報表示モードを実行させるためには、当該遊技機の電源を一旦OFFにして再度電源をONにする必要がある。一般に、遊技ホールにおいて、遊技機の管理者以外の者は、遊技機の背面に設けられた電源スイッチを操作して電源を一旦OFFにして再度電源をONにすることは困難である。したがって、遊技機の管理者でない不正な意図を持つ者によって遊技機の当選確率の設定が不正に知られてしまうことを抑制することができる。
[特徴αW3]
特徴αW1または特徴αW2に記載の遊技機であって、
当該遊技機に電源が投入された場合に報知する報知手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴αW3によれば、遊技機の管理者でない不正な意図を持つ者が、周囲に気付かれずに当該遊技機の電源を一旦OFFにして再度電源をONにすることを困難にすることができる。したがって、遊技機の管理者でない不正な意図を持つ者が遊技機の当選確率の設定を変更したり確認したりすることをさらに抑制することができる。
<特徴αX群>
特徴αX群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第1実施形態から抽出される。
[特徴αX1]
遊技球が入球可能な入球部と、
前記入球部への遊技球の入球に基づいて所定の抽選処理を実行する抽選処理実行手段と、
前記所定の抽選処理における当選確率の設定を外部からの操作を受け付けることによって変更可能な設定変更モードを実行する設定変更モード実行手段と、
前記当選確率の設定に関する情報である設定情報は表示するが、前記当選確率の設定は変更することができない設定情報表示モード(設定確認モード)を実行する設定情報表示モード実行手段と、
前記設定情報を含む情報を記憶する記憶手段(主側RAM64)と、
前記記憶手段に記憶されている情報に基づいて所定の判定処理(RAM判定値を算出して正常か否かを判定する処理)を実行する判定処理実行手段と、
を備える遊技機であって、
前記設定情報表示モード実行手段は、前記設定情報表示モードを実行する条件が成立している場合であっても、前記所定の判定処理の結果が所定の結果(RAM判定値が正常ではないという結果)である場合には、前記設定情報表示モードを実行しない手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
記憶手段に記憶されている情報に基づいた所定の判定処理の結果が所定の結果である場合には、記憶手段に記憶されている設定情報が、当該遊技機の管理者の意図しない異常な値になっている可能性がある。特徴αX1によれば、記憶手段に記憶されている当選確率の設定情報が管理者の意図しない異常な値になってしまっている可能性を残したまま設定情報表示モードが実行されてしまうことを抑制することができる。
<特徴αY群>
特徴αY群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第1実施形態から抽出される。
[特徴αY1]
遊技球が入球可能な入球部と、
前記入球部への遊技球の入球に基づいて所定の抽選処理を実行する抽選処理実行手段と、
前記所定の抽選処理における当選確率の設定を外部からの操作を受け付けることによって変更可能な設定変更モードを実行する設定変更モード実行手段と、
所定の操作(押下する操作)を受け付ける操作手段(RAMクリアボタン)と、
遊技の進行に関する情報を記憶する記憶手段(主側RAM64)と、
前記操作手段が前記所定の操作を受け付けた状態(RAMクリアボタンが押下された状態)で電源が投入された場合に前記記憶手段に記憶されている前記情報を消去する消去処理(RAMクリア処理)を実行する消去処理実行手段と、
を備える遊技機であって、
前記設定変更モード実行手段は、前記操作手段が前記所定の操作を受け付けた状態であることを含む所定の条件(電源の投入時に、設定用の鍵、枠開放スイッチ及び扉開放スイッチの全てがONであり、かつ、RAMクリアボタンが押下された状態であること)が成立した場合に、前記設定変更モードを実行する手段を備え、
前記消去処理実行手段は、前記所定の条件が成立した場合には、前記設定変更モードの実行前または実行後に前記消去処理を実行する手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
一般に、遊技機を管理する管理者は、操作手段が所定の操作を受け付けた状態で当該遊技機の電源を投入した場合には記憶手段に記憶されている情報を消去する消去処理が実行されることを認識している。したがって、特徴αY1によれば、管理者に対して、操作手段が所定の操作を受け付けた状態であることを含む所定の条件を成立させて設定変更モードを実行させた場合には、設定変更モードが実行されるだけでなく、消去処理も実行されるということを強く認識させることが可能となる。この結果、例えば、管理者は、高確率モード等の遊技状態を維持させたまま遊技機を起動させて前回の電源OFF時の状態から遊技を再開させたい場合、すなわち遊技機の起動時に消去処理を実行させてはいけない場合には、設定変更モードを実行させてはいけないといった判断を確実にすることができる。すなわち、本特徴によれば、管理者が操作を理解しやすい遊技機を提供することができる。
<特徴αZ群>
特徴αZ群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第1実施形態から抽出される。
[特徴αZ1]
遊技球が入球可能な入球部と、
前記入球部への遊技球の入球に基づいて所定の抽選処理を実行する抽選処理実行手段と、
前記所定の抽選処理における当選確率の設定を外部からの操作を受け付けることによって変更可能な設定変更モードを実行する設定変更モード実行手段と、
前記当選確率の設定に関する情報である設定情報を含む情報を記憶する記憶手段(主側RAM64)と、
前記記憶手段に記憶されている情報を消去する消去手段と、
を備える遊技機であって、
前記消去手段は、
前記記憶手段に記憶されている情報のうち、前記設定情報は消去せず、前記設定情報以外の情報を消去する第1消去処理(第1RAMクリア処理)と、
前記記憶手段に記憶されている情報のうち、前記設定情報を含む情報を消去する第2消去処理(第2RAMクリア処理)と、
を実行可能である
ことを特徴とする遊技機。
特徴αZ1によれば、記憶手段に記憶されている情報のうち、設定情報を残して他の情報は消去すべき処理工程、及び、設定情報も含めて消去すべき処理工程のいずれの場合にも対応した処理工程を実現することができる。例えば、設定情報は正常であるため維持させたまま、他の情報は消去すべき処理工程である場合には設定情報は消去せず、設定情報が管理者の意図しない異常な値になってしまっている可能性のある処理工程である場合には設定情報を含む情報を消去する構成を実現することができる。
[特徴αZ2]
特徴αZ1に記載の遊技機であって、
前記記憶手段に記憶されている情報に基づいて所定の判定処理(RAM判定値を算出して正常か否かを判定する処理)を実行する判定処理実行手段を備え、
前記消去手段は、前記所定の判定処理の結果が所定の結果(RAM判定値が正常ではないという結果)である場合には、前記第2消去処理を実行する手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
記憶手段に記憶されている情報に基づいた所定の判定処理の結果が所定の結果である場合には、記憶手段に記憶されている設定情報が、当該遊技機の管理者の意図しない異常な値になっている可能性がある。特徴αZ2によれば、記憶手段に記憶されている当選確率の設定情報が管理者の意図しない異常な値になってしまっている可能性を残したまま遊技が実行されてしまうことを抑制することができる。
<特徴βA群>
特徴βA群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第1実施形態から抽出される。
[特徴βA1]
遊技球が入球可能な入球部と、
前記入球部への遊技球の入球に基づいて所定の抽選処理を実行する抽選処理実行手段と、
前記所定の抽選処理における当選確率の設定を外部からの操作を受け付けることによって変更可能な設定変更モードを実行する設定変更モード実行手段と、
前記抽選確率の設定に関する情報である設定情報を含む情報を記憶する記憶手段(主側RAM64)と、
前記記憶手段に記憶されている情報に基づいて所定の判定処理(RAM判定値を算出して正常か否かを判定する処理)を実行する判定処理実行手段と、
を備える遊技機であって、
前記設定変更モード実行手段は、前記設定変更モードを実行するための所定の操作(設定用の鍵、枠開放スイッチ及び扉開放スイッチの全てがONであり、かつ、RAMクリアボタンが押下された状態で、パチンコ機10の電源をONにする操作)を受け付けていない場合であっても、前記所定の判定処理の結果が所定の結果(RAM判定値が正常ではないという結果)である場合には、前記設定変更モードを実行する手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
記憶手段に記憶されている情報に基づいた所定の判定処理の結果が所定の結果である場合には、記憶手段に記憶されている設定情報が、当該遊技機の管理者の意図しない異常な値になっている可能性がある。特徴βA1によれば、所定の判定処理の結果が所定の結果である場合には、設定変更モードが実行されるので、管理者は、当選確率の設定を変更することができる。したがって、記憶手段に記憶されている当選確率の設定情報が管理者の意図しない異常な値になってしまっている可能性を残したまま遊技が実行されてしまうことを抑制することができる。
<特徴βB群>
特徴βB群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第1実施形態から抽出される。
[特徴βB1]
遊技球が入球可能な入球部と、
前記入球部への遊技球の入球に基づいて所定の抽選処理を実行する抽選処理実行手段と、
前記所定の抽選処理における当選確率の設定を外部からの操作を受け付けることによって変更可能な設定変更モードを実行する設定変更モード実行手段と、
前記所定の抽選処理の結果を含む遊技に関する情報を表示する表示手段(メイン表示部45)と、
を備える遊技機であって、
前記表示手段は、
前記設定変更モードの実行中は、前記遊技に関する情報を表示する際には表示されない第1の表示態様(全LEDが点灯する表示パターン)を表示する手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴βB1によれば、設定変更モードが実行されていることを、遊技に関する情報を表示する表示手段を用いて管理者や遊技者に報知することができる。また、例えば、遊技に関する情報を表示する表示手段を備える遊技機である場合には、遊技機のハードウェア構成を変更することなく、遊技機の制御プログラムを変更することのみによって、設定変更モードが実行されていることを管理者や遊技者に報知することが可能な構成に変更することができる。したがって、例えば、設定変更モードが実行されていることを報知するための専用の表示手段を追加で設ける構成と比較して、遊技機の製造コストを低減することができる。
[特徴βB2]
特徴βB1に記載の遊技機であって、
前記当選確率の設定に関する情報である設定情報は表示するが、前記当選確率の設定は変更することができない設定情報表示モード(設定確認モード)を実行する設定情報表示モード実行手段を備え、
前記表示手段は、
前記設定情報表示モードの実行中は、前記遊技に関する情報を表示する際には表示されない表示態様であって前記第1の表示態様とは異なる第2の表示態様(全LEDが同時に点滅する表示態様)を表示する手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴βB2によれば、設定変更モードではなく設定情報表示モードが実行されていることを、遊技に関する情報を表示する表示手段を用いて管理者や遊技者に報知することができる。また、例えば、遊技に関する情報を表示する表示手段を備える遊技機である場合には、遊技機のハードウェア構成を変更することなく、遊技機の制御プログラムを変更することのみによって、設定情報表示モードが実行されていることを管理者や遊技者に報知することが可能な構成に変更することができる。したがって、例えば、設定情報表示モードが実行されていることを報知するための専用の表示手段を追加で設ける構成と比較して、遊技機の製造コストを低減することができる。
<特徴βC群>
特徴βC群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第1実施形態から抽出される。
[特徴βC1]
所定の領域を通過した遊技球を検知する複数の検知手段(入球検知センサー44a~44h)と、
前記検知手段によって遊技球が検知されたことに基づく情報である検知情報(入球情報、入球個数情報、賞球集計値等の遊技履歴基礎情報)を記憶する記憶手段(主側RAM64)と、
前記検知情報に基づいて遊技の履歴に関する情報である遊技履歴情報(役物比率、連続役物比率、出球率等の遊技履歴情報)を算出する算出手段と、
前記算出手段によって算出された前記遊技履歴情報に基づく表示(種別情報及び数値情報の表示)をする表示手段(情報表示部45z)と、
前記表示手段を制御する制御手段と、
を備える遊技機であって、
前記表示手段は、複数の発光部によって構成されており、
前記制御手段は、当該遊技機に電源が投入されたことに基づいて、前記表示手段を構成する前記複数の発光部の全てが点灯した状態となるように制御する手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴βC1によれば、遊技機の管理者は、遊技機の電源を投入した際に、表示手段を構成する発光部に、断線等の不具合によって点灯しない発光部が存在していないかを確認することができる。
[特徴βC2]
特徴βC1に記載の遊技機であって、
前記制御手段は、当該遊技機に電源が投入されたことに基づいて、前記表示手段を構成する前記複数の発光部の全てが点滅した状態となるように制御する手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴βC2によれば、遊技機の管理者は、遊技機の電源を投入した際に、表示手段を構成する発光部に、不具合によって常時点灯状態となって消灯しない発光部が存在していないかを確認することができる。
<特徴βD群>
特徴βD群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第1実施形態から抽出される。
[特徴βD1]
所定の領域を通過した遊技球を検知する複数の検知手段(入球検知センサー44a~44h)と、
前記検知手段によって遊技球が検知されたことに基づく情報である検知情報(入球情報、入球個数情報、賞球集計値等の遊技履歴基礎情報)を記憶する記憶手段(主側RAM64)と、
前記検知情報に基づいて遊技の履歴に関する情報である遊技履歴情報(役物比率、連続役物比率、出球率等の遊技履歴情報)を算出する算出手段と、
前記算出手段によって算出された前記遊技履歴情報に基づく表示(種別情報及び数値情報の表示)をする表示手段(情報表示部45z)と、
前記表示手段を制御する制御手段と、
外部からの所定の操作を受け付ける操作手段(情報表示部検査ボタン)と、
を備える遊技機であって、
前記表示手段は、複数の発光部によって構成されており、
前記制御手段は、前記操作手段が前記所定の操作を受け付けたことに基づいて、前記表示手段を構成する前記複数の発光部の全てが点灯した状態となるように制御する手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴βD1によれば、遊技機の管理者は、操作手段を操作することによって、表示手段を構成する発光部に、断線等の不具合によって点灯しない発光部が存在していないかをいつでも確認することができる。
[特徴βD2]
特徴βD1に記載の遊技機であって、
前記制御手段は、前記操作手段が前記所定の操作を受け付けたことに基づいて、前記表示手段を構成する前記複数の発光部の全てが点滅した状態となるように制御する手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴βD2によれば、遊技機の管理者は、操作手段を操作することによって、表示手段を構成する発光部に、不具合によって常時点灯状態となって消灯しない発光部が存在していないかをいつでも確認することができる。
<特徴βE群>
特徴βE群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第1実施形態から抽出される。
[特徴βE1]
所定の領域を通過した遊技球を検知する複数の検知手段(入球検知センサー44a~44h)と、
前記検知手段によって遊技球が検知されたことに基づく情報である検知情報(入球情報、入球個数情報、賞球集計値等の遊技履歴基礎情報)を記憶する記憶手段(主側RAM64)と、
前記検知情報に基づいて遊技の履歴に関する情報である遊技履歴情報(役物比率、連続役物比率、出球率等の遊技履歴情報)を算出する算出手段と、
前記算出手段によって算出された前記遊技履歴情報を表示する表示手段(情報表示部45z)と、
を備える遊技機であって、
前記記憶手段は、所定のタイミングを境界とした複数の期間における前記検知情報を記憶する手段を備え、
前記算出手段は、前記複数の期間毎における前記検知情報に基づいて前記複数の期間毎における前記遊技履歴情報を算出する手段を備え、
前記表示手段は、前記複数の期間毎における複数の前記遊技履歴情報を切り替えて表示する手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴βE1によれば、遊技機の検査者は、当該遊技機における所定のタイミングを境界とした複数の期間毎における複数の遊技履歴情報を確認することが可能となる。例えば、検査者は、当該遊技機において所定のタイミングを境界とした複数の期間において、遊技履歴情報が適正な範囲に収まっていない状況が存在したか否かを確認することが可能となる。
[特徴βE2]
特徴βE1に記載の遊技機であって、
前記所定のタイミングは、日付が変わったタイミングである
ことを特徴とする遊技機。
特徴βE2によれば、遊技機の検査者は、当該遊技機における日付毎における複数の遊技履歴情報を確認することが可能となる。例えば、検査者は、遊技履歴情報が適正な範囲に収まっていない状況が存在したか否かを日付毎に確認することが可能となる。
<特徴βF群>
特徴βF群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第1実施形態から抽出される。
[特徴βF1]
所定の領域を通過した遊技球を検知する複数の検知手段(入球検知センサー44a~44h)と、
前記検知手段によって遊技球が検知されたことに基づく情報である検知情報(入球情報、入球個数情報、賞球集計値等の遊技履歴基礎情報)を記憶する記憶手段(主側RAM64)と、
前記検知情報に基づいて遊技の履歴に関する情報である遊技履歴情報(役物比率、連続役物比率、出球率等の遊技履歴情報)を算出する算出手段と、
前記算出手段によって算出された前記遊技履歴情報を表示する表示手段(情報表示部45z)と、
所定の操作を受け付けた場合に前記記憶手段に記憶された前記検知情報を消去する消去手段と、
を備える遊技機であって、
前記表示手段は、前記消去手段によって前記検知情報が消去された後、所定の条件が成立するまでは(計測された排出通路通過個数NOUTが所定の個数に達するまでは)、前記遊技履歴情報の数値情報は表示しない手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴βF1によれば、遊技機の検査者は、表示手段に遊技履歴情報の数値情報が表示されていない場合には、消去手段によって検知情報が消去された後、所定の条件が成立していないと認識することができる。
なお、上記特徴αW群~特徴βF群の発明は、以下の課題を解決する。
パチンコ遊技機やスロットマシン等の遊技機においては、遊技の興趣向上や、遊技機の処理負荷の低減、処理の最適化、制御の簡易化、構造の簡素化、遊技機の開発の効率化、不具合が発生しにくい遊技機の提供、遊技者に配慮した遊技機の提供等を目的として、構造、制御、演出等の様々な観点から技術的な改良が行われている。
また、遊技者による不正な行為や遊技機に対する不正な改造の発見や抑止といった遊技の健全性の向上を目的とした様々な技術的な改良も行われている。
上記のような遊技機においては、遊技の興趣向上や、遊技機の処理負荷の低減、処理の最適化、制御の簡易化、構造の簡素化、遊技機の開発の効率化、不具合が発生しにくい遊技機の提供、遊技者に配慮した遊技機の提供、より健全な遊技の提供等を目的として、さらなる技術の向上が望まれている。
<特徴βG群>
特徴βG群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第1実施形態から抽出される。
[特徴βG1]
所定の領域を通過した遊技球を検知する複数の検知手段(入球検知センサー44a~44h)と、
前記検知手段によって遊技球が検知されたことに基づく情報である検知情報(入球情報、入球個数情報、賞球集計値等の遊技履歴基礎情報)を記憶する記憶手段(主側RAM64)と、
前記検知情報に基づいて遊技の履歴に関する情報である遊技履歴情報(役物比率、連続役物比率、出球率等の遊技履歴情報)を算出する算出手段と、
前記算出手段によって算出された前記遊技履歴情報を表示する表示手段(情報表示部45z)と、
を備える遊技機であって、
前記算出手段は、所定の条件が満たされたこと(計測された排出通路通過個数NOUTが所定の個数に達したこと)を境界とした複数の期間毎における前記検知情報に基づいて、当該複数の期間のそれぞれに対応した複数の前記遊技履歴情報を算出する手段を備え、
前記表示手段は、
前記複数の期間のそれぞれに対応した前記複数の遊技履歴情報を切り替えて表示する手段であって、前記遊技履歴情報の表示を切り替える際に、前記複数の期間のうちの一の期間に対応した前記遊技履歴情報を表示する表示態様(bLの区間に対応するベースを表示する表示態様)から、前記複数の遊技履歴情報のいずれも表示しない表示態様(全消灯)に移行した後、前記複数の期間のうちの他の期間に対応した前記遊技履歴情報を表示する表示態様(b1の区間に対応するベースを表示する表示態様)に移行する手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴βG1によれば、表示手段は、遊技履歴情報の表示を切り替える際に、複数の期間のうちの一の期間に対応した遊技履歴情報を表示する表示態様から、複数の遊技履歴情報のいずれも表示しない表示態様に移行した後、複数の期間のうちの他の期間に対応した遊技履歴情報を表示する表示態様に移行するので、当該遊技機の管理者又は検査者に対して、表示手段に表示されている遊技履歴情報が他の期間に対応した遊技履歴情報に切り替わったことを明確に認識させることができる。この結果、例えば、管理者等が、表示されている遊技履歴情報の期間が他の期間に切り替わったことに気付かずに、期間を誤認識して遊技履歴情報を確認してしまうことを抑制することができる。
<特徴βH群>
特徴βH群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第1実施形態から抽出される。
[特徴βH1]
所定の領域を通過した遊技球を検知する複数の検知手段(入球検知センサー44a~44h)と、
前記検知手段によって遊技球が検知されたことに基づく情報である検知情報(入球情報、入球個数情報、賞球集計値等の遊技履歴基礎情報)を記憶する記憶手段(主側RAM64)と、
前記検知情報に基づいて遊技の履歴に関する情報である遊技履歴情報(役物比率、連続役物比率、出球率等の遊技履歴情報)を算出する算出手段と、
前記算出手段によって算出された前記遊技履歴情報を表示する表示手段(情報表示部45z)と、
を備える遊技機であって、
前記算出手段は、所定の条件が満たされたこと(計測された排出通路通過個数NOUTが所定の個数に達したこと)を境界とした複数の期間毎における前記検知情報に基づいて、当該複数の期間のそれぞれに対応した複数の前記遊技履歴情報を算出する手段を備え、
前記表示手段は、
前記複数の期間のうちの一の期間に対応した前記遊技履歴情報を表示する表示態様(bLを表示する表示態様)から、前記複数の期間のうちの他の期間に対応した前記遊技履歴情報を表示する表示態様(b1を表示する表示態様)に移行する場合には、第1の移行態様(300msの全消灯を挟んで移行させる移行態様)で表示態様を移行する手段と、
前記所定の条件が満たされたことに基づいて表示態様を移行する場合には、前記第1の移行態様とは異なる第2の移行態様(3000msのハイフン点灯表示を挟んで移行させる移行態様)で表示態様を移行する手段とを備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴βH1によれば、一の期間に対応した遊技履歴情報を表示する表示態様から他の期間に対応した遊技履歴情報を表示する表示態様に移行する場合の移行態様と、所定の条件が満たされたことに基づいて表示態様を移行する場合の移行態様とが異なるので、当該遊技機の管理者又は検査者は、移行態様の違いを認識することによって、他の期間に対応した遊技履歴情報を表示する表示態様に移行するのか、それとも、所定の条件が満たされたことに基づいて表示態様が移行するのかを明確に区別して認識することができる。したがって、例えば、管理者等が、所定の条件が満たされたことに気付かずに、遊技履歴情報の確認作業を継続してしまうことを抑制することができる。
<特徴βI群>
特徴βI群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第1実施形態から抽出される。
[特徴βI1]
所定の領域を通過した遊技球を検知する複数の検知手段(入球検知センサー44a~44h)と、
前記検知手段によって遊技球が検知されたことに基づく情報である検知情報(入球情報、入球個数情報、賞球集計値等の遊技履歴基礎情報)を記憶する記憶手段(主側RAM64)と、
前記検知情報に基づいて遊技の履歴に関する情報である遊技履歴情報(役物比率、連続役物比率、出球率等の遊技履歴情報)を算出する算出手段と、
前記算出手段によって算出された前記遊技履歴情報を表示する表示手段(情報表示部45z)と、
を備える遊技機であって、
前記算出手段は、所定の条件が満たされたこと(計測された排出通路通過個数NOUTが所定の個数に達したこと)を境界とした複数の期間毎における前記検知情報に基づいて、当該複数の期間のそれぞれに対応した複数の前記遊技履歴情報を算出する手段を備え、
前記表示手段は、
前記複数の期間のそれぞれに対応した前記複数の遊技履歴情報を所定の表示継続時間(5000ms)が経過したことに基づいて切り替えて表示する手段であって、前記遊技履歴情報を表示中に前記所定の条件が満たされた場合には、表示中の前記遊技履歴情報の前記所定の表示継続時間が経過する前であっても、当該所定の条件が満たされたことに対応した表示態様(ハイフン点灯、全消灯)に移行する手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴βI1によれば、遊技履歴情報を表示中に所定の条件が満たされた場合には、表示中の遊技履歴情報の所定の表示継続時間が経過する前であっても、当該所定の条件が満たされたことに対応した表示態様に移行するので、当該遊技機の管理者又は検査者に対して、所定の条件が満たされたことを早期に認識させることができる。また、例えば、所定の条件が満たされたことに対応した表示態様に移行した後、早期に、当該所定の条件が満たされた後における各期間毎の遊技履歴情報を表示することが可能となる。この結果、管理者等は、当該所定の条件が満たされた後における各期間毎の遊技履歴情報を早期に確認することができるので、遊技機の検査効率を向上させることができる。
<特徴βJ群>
特徴βJ群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第1実施形態から抽出される。
[特徴βJ1]
所定の領域を通過した遊技球を検知する複数の検知手段(入球検知センサー44a~44h)と、
前記検知手段によって遊技球が検知されたことに基づく情報である検知情報(入球情報、入球個数情報、賞球集計値等の遊技履歴基礎情報)を記憶する記憶手段(主側RAM64)と、
前記検知情報に基づいて遊技の履歴に関する情報である遊技履歴情報(役物比率、連続役物比率、出球率等の遊技履歴情報)を算出する算出手段と、
前記算出手段によって算出された前記遊技履歴情報を表示する表示手段(情報表示部45z)と、
を備える遊技機であって、
前記算出手段は、所定の条件が満たされたこと(計測された排出通路通過個数NOUTが所定の個数に達したこと)を境界とした複数の期間毎における前記検知情報に基づいて、当該複数の期間のそれぞれに対応した複数の前記遊技履歴情報を算出する手段を備え、
前記表示手段は、
前記複数の期間のそれぞれに対応した前記複数の遊技履歴情報を所定の表示継続時間(5000ms)が経過したことに基づいて切り替えて表示する手段であって、前記遊技履歴情報を表示中に前記所定の条件が満たされた場合には、表示中の前記遊技履歴情報の前記所定の表示継続時間が経過した後に、当該所定の条件が満たされたことに対応した表示態様(ハイフン点灯、全消灯)に移行する手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴βJ1によれば、遊技履歴情報の表示中に所定の条件が満たされた場合であっても、当該表示中の遊技履歴情報の表示継続時間が経過するまでは当該遊技履歴情報の表示が継続されるので、例えば、当該遊技機の管理者又は検査者が、表示中の遊技履歴情報を確認して検査表に転記しようとしたタイミングで当該遊技履歴情報の表示が終了してしまい、当該遊技履歴情報を検査表に転記することができなかったといった状況の発生を抑制することができる。
<特徴βK群>
特徴βK群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第1実施形態から抽出される。
[特徴βK1]
所定の領域を通過した遊技球を検知する複数の検知手段(入球検知センサー44a~44h)と、
前記検知手段によって遊技球が検知されたことに基づく情報である検知情報(入球情報、入球個数情報、賞球集計値等の遊技履歴基礎情報)を記憶する記憶手段(主側RAM64)と、
前記検知情報に基づいて遊技の履歴に関する情報である遊技履歴情報(役物比率、連続役物比率、出球率等の遊技履歴情報)を算出する算出手段と、
前記算出手段によって算出された前記遊技履歴情報を表示する表示手段(情報表示部45z)と、
を備える遊技機であって、
前記算出手段は、所定の条件が満たされたこと(計測された排出通路通過個数NOUTが所定の個数に達したこと)を境界とした複数の期間毎における前記検知情報に基づいて、当該複数の期間のそれぞれに対応した複数の前記遊技履歴情報を算出する手段を備え、
前記表示手段は、
前記複数の期間のそれぞれに対応した前記複数の遊技履歴情報を所定の順序に従って切り替えて表示する手段であって、前記所定の条件が満たされた場合には、前記所定の順序に関わらず、前記複数の期間のうちの特定の期間に対応した遊技履歴情報(bL)から表示を開始する手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴βK1によれば、所定の条件が満たされた場合には、所定の順序に関わらず、複数の期間のうちの特定の期間に対応した遊技履歴情報から表示を開始するので、当該遊技機の管理者又は検査者は、所定の条件が満たされたことを認識することができるとともに、特定の期間に対応した遊技履歴情報から優先して確認することが可能となる。
なお、上記特徴βG群~特徴βK群の発明は、以下の課題を解決する。
パチンコ遊技機やスロットマシン等の遊技機においては、遊技の興趣向上や、遊技機の処理負荷の低減、処理の最適化、制御の簡易化、構造の簡素化、遊技機の開発の効率化、不具合が発生しにくい遊技機の提供、遊技者に配慮した遊技機の提供等を目的として、構造、制御、演出等の様々な観点から技術的な改良が行われている。
また、遊技者による不正な行為や遊技機に対する不正な改造の発見や抑止といった遊技の健全性の向上を目的とした様々な技術的な改良も行われている。
上記のような遊技機においては、遊技の興趣向上や、遊技機の処理負荷の低減、処理の最適化、制御の簡易化、構造の簡素化、遊技機の開発の効率化、不具合が発生しにくい遊技機の提供、遊技者に配慮した遊技機の提供、より健全な遊技の提供等を目的として、さらなる技術の向上が望まれている。
<特徴βL群>
特徴βL群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第1実施形態から抽出される。
[特徴βL1]
遊技機であって、
外部からの電力の供給が断たれる際に、所定の情報(各種フラグ情報等)を記憶する記憶手段(主側RAM64)と、
外部からの電力の供給が開始された際に、前記所定の情報に基づいて、当該遊技機を電力の供給が断たれる前の状態に復帰させる復帰処理(復電処理)を実行する復帰手段と、
複数の表示要素(セグメント発光部、CP発光部)によって構成され、各種情報を表示可能な表示手段(情報表示部45z)と、
前記表示手段を構成する前記複数の表示要素を所定の態様で動作させる処理である検査用処理(点灯点滅処理)を実行する検査用処理実行手段と、
を備え、
前記検査用処理実行手段は、前記復帰処理の実行を契機として、前記検査用処理を実行する手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴βL1によれば、復帰処理の実行を契機として検査用処理を実行するので、遊技機の管理者または検査者は、当該遊技機に対して復帰処理を実行させる操作(例えば、電源スイッチを一旦OFFにした後に再びONにする操作)を行なうことによって、当該遊技機に検査用処理を実行させることができる。そして、管理者または検査者は、表示手段を構成する複数の表示要素の中に不具合によって所定の態様で動作しない表示要素が存在していないかを検査することができる。
[特徴βL2]
特徴βL1に記載の遊技機であって、
前記複数の表示要素のそれぞれは、第1の表示態様(消灯状態)と、前記第1の表示態様とは異なる第2の表示態様(点灯状態)とになることが可能であり、
前記検査用処理は、前記表示手段を構成する前記複数の表示要素の全てが前記第2の表示態様となるように制御する処理を含む
ことを特徴とする遊技機。
特徴βL2によれば、検査用処理は、表示手段を構成する複数の表示要素の全てが第2の表示態様となるように制御する処理を含むので、遊技機の管理者または検査者は、表示手段を構成する複数の表示要素の中に不具合によって第2の表示態様になることができない表示要素(例えば、断線によって点灯しない発光部)が存在していないかを検査することができる。
[特徴βL3]
特徴βL1または特徴βL2に記載の遊技機であって、
前記複数の表示要素のそれぞれは、第1の表示態様(消灯状態)と、前記第1の表示態様とは異なる第2の表示態様(点灯状態)とになることが可能であり、
前記検査用処理は、前記表示手段を構成する前記複数の表示要素の全てが前記第1の表示態様と前記第2の表示態様とを交互に繰り返すように制御する処理を含む
ことを特徴とする遊技機。
特徴βL3によれば、検査用処理は、表示手段を構成する複数の表示要素の全てが第1の表示態様と第2の表示態様とを交互に繰り返すように制御する処理を含むので、遊技機の管理者または検査者は、表示手段を構成する複数の表示要素の中に不具合によって第2の表示態様から第1の表示態様に移行することができない表示要素(例えば、常時点灯状態となって消灯しない発光部)が存在していないかを検査することができる。
<特徴βM群>
特徴βM群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第1実施形態から抽出される。
[特徴βM1]
外部からの操作を受け付ける操作受付手段(RAMクリアボタン、設定用の鍵穴、設定変更用ボタン)と、
外部からの電力の供給が開始された際に、前記操作受付手段が受け付けている操作態様に基づいて、複数に分岐した処理フローのうちのいずれかの処理フローを実行する処理実行手段と、
複数の表示要素(セグメント発光部、CP発光部)によって構成され、各種情報を表示可能な表示手段(情報表示部45z)と、
を備える遊技機であって、
前記処理実行手段は、前記複数に分岐した処理フローのうちのいずれの処理フローを実行する場合であっても、前記表示手段を構成する前記複数の表示要素を所定の態様で動作させる処理である検査用処理(点灯点滅処理)を実行する手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴βM1によれば、複数に分岐した処理フローのうちのいずれの処理フローを実行する場合であっても検査用処理を実行するので、電力の供給が開始された際に操作受付手段がどのような操作態様を受け付けている場合であっても、当該遊技機に検査用処理を実行させることができる。したがって、遊技機の管理者または検査者は、電力の供給が開始された際に操作受付手段が受け付けている操作態様に関わらず、表示手段を構成する複数の表示要素の中に不具合によって所定の態様で動作しない表示要素が存在していないかを検査することができる。すなわち、電力の供給が開始された際に操作受付手段が受け付けている操作態様次第では当該検査を実施することができないといったことを抑制することができる。
[特徴βM2]
特徴βM1に記載の遊技機であって、
前記複数の表示要素のそれぞれは、第1の表示態様(消灯状態)と、前記第1の表示態様とは異なる第2の表示態様(点灯状態)とになることが可能であり、
前記検査用処理は、前記表示手段を構成する前記複数の表示要素の全てが前記第2の表示態様となるように制御する処理を含む
ことを特徴とする遊技機。
特徴βM2によれば、検査用処理は、表示手段を構成する複数の表示要素の全てが第2の表示態様となるように制御する処理を含むので、遊技機の管理者または検査者は、表示手段を構成する複数の表示要素の中に不具合によって第2の表示態様になることができない表示要素(例えば、断線によって点灯しない発光部)が存在していないかを検査することができる。
[特徴βM3]
特徴βM1または特徴βM2に記載の遊技機であって、
前記複数の表示要素のそれぞれは、第1の表示態様(消灯状態)と、前記第1の表示態様とは異なる第2の表示態様(点灯状態)とになることが可能であり、
前記検査用処理は、前記表示手段を構成する前記複数の表示要素の全てが前記第1の表示態様と前記第2の表示態様とを交互に繰り返すように制御する処理を含む
ことを特徴とする遊技機。
特徴βM3によれば、検査用処理は、表示手段を構成する複数の表示要素の全てが第1の表示態様と第2の表示態様とを交互に繰り返すように制御する処理を含むので、遊技機の管理者または検査者は、表示手段を構成する複数の表示要素の中に不具合によって第2の表示態様から第1の表示態様に移行することができない表示要素(例えば、常時点灯状態となって消灯しない発光部)が存在していないかを検査することができる。
<特徴βN群>
特徴βN群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第1実施形態から抽出される。
[特徴βN1]
外部からの電力の供給が開始されたことに基づいて、第1の処理群(図63及び図64のステップS12001~ステップS12028までの処理)を実行する第1処理群実行手段と、
前記第1の処理群の実行が終了した後、第2の処理群(タイマ割込み処理に含まれる各種処理、各種乱数更新処理、停電監視処理)を繰り返し実行する第2処理群実行手段と、
複数の表示要素(セグメント発光部、CP発光部)によって構成され、各種情報を表示可能な表示手段(情報表示部45z)と、
を備える遊技機であって、
前記第1処理群実行手段は、前記第1の処理群に含まれる一の処理として、前記表示手段を構成する前記複数の表示要素を所定の態様で動作させる処理である検査用処理(点灯点滅処理)を実行する手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴βN1によれば、外部からの電力の供給が開始されたことに基づいて、検査用処理を含む第1の処理群を実行し、当該第1の処理群の実行が終了した後に、第2の処理群を繰り返し実行するので、外部からの電力の供給が開始された後に検査用処理を1回だけ実行させることができる。仮に、検査用処理が第2の処理群に含まれる構成とした場合には、検査用処理が繰り返し実行されることとなってしまい、遊技機の処理負荷が大きくなってしまう。また、検査用処理が繰り返し実行されてしまうと、表示手段に各種情報を表示させることが可能な期間が少なくなってしまう虞がある。これに対して、本特徴によれば、外部からの電力の供給が開始された後に検査用処理を1回だけ実行させることができるので、遊技機の処理負荷を低減することができるとともに、遊技機の管理者または検査者は、表示手段を構成する複数の表示要素の中に不具合によって所定の態様で動作しない表示要素が存在していないかを検査することができる。
[特徴βN2]
特徴βN1に記載の遊技機であって、
前記複数の表示要素のそれぞれは、第1の表示態様(消灯状態)と、前記第1の表示態様とは異なる第2の表示態様(点灯状態)とになることが可能であり、
前記検査用処理は、前記表示手段を構成する前記複数の表示要素の全てが前記第2の表示態様となるように制御する処理を含む
ことを特徴とする遊技機。
特徴βN2によれば、検査用処理は、表示手段を構成する複数の表示要素の全てが第2の表示態様となるように制御する処理を含むので、遊技機の管理者または検査者は、表示手段を構成する複数の表示要素の中に不具合によって第2の表示態様になることができない表示要素(例えば、断線によって点灯しない発光部)が存在していないかを検査することができる。
[特徴βN3]
特徴βN1または特徴βN2に記載の遊技機であって、
前記複数の表示要素のそれぞれは、第1の表示態様(消灯状態)と、前記第1の表示態様とは異なる第2の表示態様(点灯状態)とになることが可能であり、
前記検査用処理は、前記表示手段を構成する前記複数の表示要素の全てが前記第1の表示態様と前記第2の表示態様とを交互に繰り返すように制御する処理を含む
ことを特徴とする遊技機。
特徴βN3によれば、検査用処理は、表示手段を構成する複数の表示要素の全てが第1の表示態様と第2の表示態様とを交互に繰り返すように制御する処理を含むので、遊技機の管理者または検査者は、表示手段を構成する複数の表示要素の中に不具合によって第2の表示態様から第1の表示態様に移行することができない表示要素(例えば、常時点灯状態となって消灯しない発光部)が存在していないかを検査することができる。
<特徴βO群>
特徴βO群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第1実施形態から抽出される。
[特徴βO1]
遊技の進行を可能とするための処理である遊技進行処理(タイマ割込み処理に含まれる入球検知処理、始動口用の入球処理、遊技回制御処理等)を実行する遊技進行処理実行手段と、
複数の表示要素(セグメント発光部、CP発光部)によって構成され、各種情報を表示可能な表示手段(情報表示部45z)と、
前記表示手段を構成する前記複数の表示要素を所定の態様で動作させる処理である検査用処理(点灯点滅処理)を実行する検査用処理実行手段と、
を備える遊技機であって、
前記検査用処理実行手段は、外部からの電力の供給が開始された後、前記遊技進行処理の実行が開始される前に、前記検査用処理を実行する手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴βO1によれば、外部からの電力の供給が開始された後、遊技進行処理の実行が開始される前に、検査用処理を実行するので、遊技機の管理者または検査者は、当該遊技機において遊技の進行が可能となる前に、表示手段を構成する複数の表示要素の中に不具合によって所定の態様で動作しない表示要素が存在していないかを検査することができる。
仮に、遊技進行処理の実行が開始された後に検査用処理を実行する構成とした場合には、管理者または検査者が表示手段の検査をすることが可能となる前に、遊技者が遊技を始めることが可能となる。この場合、遊技者が遊技機において遊技を始めた後に、管理者または検査者が当該遊技機の表示手段の検査を行なって、当該表示手段の表示要素に不具合を発見してしまう虞がある。管理者または検査者が当該遊技機の表示手段の表示要素に不具合を発見した場合には、当該表示手段を修理又は交換するために、当該遊技者に遊技を中断又は中止してもらう必要が生じる。この結果、遊技者に強い不快感を与えてしまう可能性がある。
これに対して、本特徴によれば、遊技者が遊技機において遊技を始めることが可能となる前に、管理者または検査者が当該遊技機の表示手段の検査をすることが可能となるので、遊技を中断又は中止させて遊技者に不快感を与えてしまうことを抑制することができる。
[特徴βO2]
特徴βO1に記載の遊技機であって、
前記複数の表示要素のそれぞれは、第1の表示態様(消灯状態)と、前記第1の表示態様とは異なる第2の表示態様(点灯状態)とになることが可能であり、
前記検査用処理は、前記表示手段を構成する前記複数の表示要素の全てが前記第2の表示態様となるように制御する処理を含む
ことを特徴とする遊技機。
特徴βO2によれば、検査用処理は、表示手段を構成する複数の表示要素の全てが第2の表示態様となるように制御する処理を含むので、遊技機の管理者または検査者は、表示手段を構成する複数の表示要素の中に不具合によって第2の表示態様になることができない表示要素(例えば、断線によって点灯しない発光部)が存在していないかを検査することができる。
[特徴βO3]
特徴βO1または特徴βO2に記載の遊技機であって、
前記複数の表示要素のそれぞれは、第1の表示態様(消灯状態)と、前記第1の表示態様とは異なる第2の表示態様(点灯状態)とになることが可能であり、
前記検査用処理は、前記表示手段を構成する前記複数の表示要素の全てが前記第1の表示態様と前記第2の表示態様とを交互に繰り返すように制御する処理を含む
ことを特徴とする遊技機。
特徴βO3によれば、検査用処理は、表示手段を構成する複数の表示要素の全てが第1の表示態様と第2の表示態様とを交互に繰り返すように制御する処理を含むので、遊技機の管理者または検査者は、表示手段を構成する複数の表示要素の中に不具合によって第2の表示態様から第1の表示態様に移行することができない表示要素(例えば、常時点灯状態となって消灯しない発光部)が存在していないかを検査することができる。
<特徴βP群>
特徴βP群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第1実施形態から抽出される。
[特徴βP1]
所定の領域を通過した遊技球を検知する複数の検知手段(入球検知センサー44a~44h)と、
前記検知手段によって遊技球が検知されたことに基づく情報である検知情報(入球情報、入球個数情報、賞球集計値等の遊技履歴基礎情報)を記憶する記憶手段(主側RAM64)と、
前記検知情報に基づいて遊技の履歴に関する情報である遊技履歴情報(役物比率、連続役物比率、出球率等の遊技履歴情報)を算出する算出手段と、
複数の表示要素(セグメント発光部、CP発光部)によって構成され、各種情報を表示可能な表示手段(情報表示部45z)と、
前記遊技履歴情報に対応した情報を前記表示手段に表示させる処理である遊技履歴情報表示処理(タイマ割込み処理に含まれる遊技履歴用処理)を実行する遊技履歴情報表示処理実行手段と、
前記表示手段を構成する前記複数の表示要素を所定の態様で動作させる処理である検査用処理(点灯点滅処理)を実行する検査用処理実行手段と、
を備える遊技機であって、
前記検査用処理実行手段は、前記遊技履歴情報表示処理が実行されることによって前記遊技履歴情報に対応した情報が前記表示手段に表示される前に、前記検査用処理を実行する手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴βP1によれば、遊技履歴情報に対応した情報が表示手段に表示される前に検査用処理を実行するので、遊技機の管理者または検査者は、当該遊技機において遊技履歴情報に対応した情報が表示手段に表示される前に、表示手段を構成する複数の表示要素の中に不具合によって所定の態様で動作しない表示要素が存在していないかを検査することができる。この結果、表示手段を構成する複数の表示要素の中に不具合によって正常に動作しない表示要素が存在していることに気付かずに、当該表示手段に表示されている遊技履歴情報に対応した情報を確認してしまうことを抑制することができる。
[特徴βP2]
特徴βP1に記載の遊技機であって、
前記複数の表示要素のそれぞれは、第1の表示態様(消灯状態)と、前記第1の表示態様とは異なる第2の表示態様(点灯状態)とになることが可能であり、
前記検査用処理は、前記表示手段を構成する前記複数の表示要素の全てが前記第2の表示態様となるように制御する処理を含む
ことを特徴とする遊技機。
特徴βP2によれば、検査用処理は、表示手段を構成する複数の表示要素の全てが第2の表示態様となるように制御する処理を含むので、遊技機の管理者または検査者は、表示手段を構成する複数の表示要素の中に不具合によって第2の表示態様になることができない表示要素(例えば、断線によって点灯しない発光部)が存在していないかを検査することができる。
[特徴βP3]
特徴βP1または特徴βP2に記載の遊技機であって、
前記複数の表示要素のそれぞれは、第1の表示態様(消灯状態)と、前記第1の表示態様とは異なる第2の表示態様(点灯状態)とになることが可能であり、
前記検査用処理は、前記表示手段を構成する前記複数の表示要素の全てが前記第1の表示態様と前記第2の表示態様とを交互に繰り返すように制御する処理を含む
ことを特徴とする遊技機。
特徴βP3によれば、検査用処理は、表示手段を構成する複数の表示要素の全てが第1の表示態様と第2の表示態様とを交互に繰り返すように制御する処理を含むので、遊技機の管理者または検査者は、表示手段を構成する複数の表示要素の中に不具合によって第2の表示態様から第1の表示態様に移行することができない表示要素(例えば、常時点灯状態となって消灯しない発光部)が存在していないかを検査することができる。
<特徴βQ群>
特徴βQ群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第1実施形態から抽出される。
[特徴βQ1]
遊技球が入球可能な入球部と、
前記入球部への遊技球の入球に基づいて所定の抽選処理を実行する抽選処理実行手段と、
前記所定の抽選処理における当選確率の設定を外部からの操作を受け付けることによって変更可能な設定変更モードを実行する設定変更モード実行手段と、
複数の表示要素(セグメント発光部、CP発光部)によって構成され、前記設定変更モードの実行中に前記当選確率の設定に関する情報である設定情報を表示可能な表示手段(情報表示部45z)と、
前記表示手段を構成する前記複数の表示要素を所定の態様で動作させる処理である検査用処理(点灯点滅処理)を実行する検査用処理実行手段と、
を備える遊技機であって、
前記検査用処理実行手段は、前記設定変更モードが実行されることによって前記設定情報が前記表示手段に表示される前に、前記検査用処理を実行する手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴βQ1によれば、設定情報が表示手段に表示される前に検査用処理を実行するので、遊技機の管理者または検査者は、当該遊技機において設定情報が表示手段に表示される前に、表示手段を構成する複数の表示要素の中に不具合によって所定の態様で動作しない表示要素が存在していないかを検査することができる。この結果、表示手段を構成する複数の表示要素の中に不具合によって正常に動作しない表示要素が存在していることに気付かずに、当該表示手段に表示されている設定情報を確認してしまうことを抑制することができる。
[特徴βQ2]
特徴βQ1に記載の遊技機であって、
前記複数の表示要素のそれぞれは、第1の表示態様(消灯状態)と、前記第1の表示態様とは異なる第2の表示態様(点灯状態)とになることが可能であり、
前記検査用処理は、前記表示手段を構成する前記複数の表示要素の全てが前記第2の表示態様となるように制御する処理を含む
ことを特徴とする遊技機。
特徴βQ2によれば、検査用処理は、表示手段を構成する複数の表示要素の全てが第2の表示態様となるように制御する処理を含むので、遊技機の管理者または検査者は、表示手段を構成する複数の表示要素の中に不具合によって第2の表示態様になることができない表示要素(例えば、断線によって点灯しない発光部)が存在していないかを検査することができる。
[特徴βQ3]
特徴βQ1または特徴βQ2に記載の遊技機であって、
前記複数の表示要素のそれぞれは、第1の表示態様(消灯状態)と、前記第1の表示態様とは異なる第2の表示態様(点灯状態)とになることが可能であり、
前記検査用処理は、前記表示手段を構成する前記複数の表示要素の全てが前記第1の表示態様と前記第2の表示態様とを交互に繰り返すように制御する処理を含む
ことを特徴とする遊技機。
特徴βQ3によれば、検査用処理は、表示手段を構成する複数の表示要素の全てが第1の表示態様と第2の表示態様とを交互に繰り返すように制御する処理を含むので、遊技機の管理者または検査者は、表示手段を構成する複数の表示要素の中に不具合によって第2の表示態様から第1の表示態様に移行することができない表示要素(例えば、常時点灯状態となって消灯しない発光部)が存在していないかを検査することができる。
なお、上記特徴βL群~特徴βQ群の発明は、以下の課題を解決する。
パチンコ遊技機やスロットマシン等の遊技機においては、遊技の興趣向上や、遊技機の処理負荷の低減、処理の最適化、制御の簡易化、構造の簡素化、遊技機の開発の効率化、不具合が発生しにくい遊技機の提供、遊技者に配慮した遊技機の提供等を目的として、構造、制御、演出等の様々な観点から技術的な改良が行われている。
また、遊技者による不正な行為や遊技機に対する不正な改造の発見や抑止といった遊技の健全性の向上を目的とした様々な技術的な改良も行われている。
上記のような遊技機においては、遊技の興趣向上や、遊技機の処理負荷の低減、処理の最適化、制御の簡易化、構造の簡素化、遊技機の開発の効率化、不具合が発生しにくい遊技機の提供、遊技者に配慮した遊技機の提供、より健全な遊技の提供等を目的として、さらなる技術の向上が望まれている。
<特徴βR群>
特徴βR群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第1実施形態(例えば態様100)から抽出される。
[特徴βR1]
遊技球が入球可能な入球部と、
前記入球部への遊技球の入球に基づいて所定の抽選処理を実行する抽選処理実行手段と、
前記所定の抽選処理における当選確率の設定を外部から所定の変更操作(設定変更用ボタンを押下する操作)を受け付けることによって変更可能な設定変更モードを実行する設定変更モード実行手段と、
所定の識別情報(設定変更中フラグ)を記憶する記憶手段(主側RAM64)と、
前記設定変更モードの開始の際に前記識別情報を第1の状態(ON)とし、前記設定変更モードの終了の際に前記識別情報を前記第1の状態とは異なる第2の状態(OFF)に遷移させる識別情報遷移手段と、
を備える遊技機であって、
前記記憶手段は、外部から当該遊技機への電力の供給が断たれた状態であっても前記識別情報の状態を維持することが可能であり、
前記設定変更モード実行手段は、
所定の開始操作(設定用の鍵、枠開放スイッチ及び扉開放スイッチの全てがONであり、かつ、RAMクリアボタンが押下されている状態で、パチンコ機10の電源スイッチをONにする操作)を受け付けたことに基づいて、前記設定変更モードを開始させる第1開始手段と、
外部から当該遊技機への電力の供給が開始された際に前記識別情報が前記第1の状態であると判定したことに基づいて、前記設定変更モードを開始させる第2開始手段と、
を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴βR1によれば、第1開始手段は、所定の開始操作を受け付けたことに基づいて設定変更モードを開始させ、識別情報遷移手段は、設定変更モードの開始の際に識別情報を第1の状態とし、設定変更モードの終了の際に識別情報を第2の状態に遷移させる。そして、記憶手段は、外部から当該遊技機への電力の供給が断たれた状態であっても識別情報の状態を維持することが可能である。したがって、例えば、遊技機の電源スイッチがOFFにされたり停電が発生したこと等によって、設定変更モードの実行中に当該遊技機への電力の供給が断たれた場合には、記憶手段に記憶されている識別情報は第1の状態に維持される。
そして、本特徴によれば、第2開始手段は、外部から当該遊技機への電力の供給が開始された際に識別情報が第1の状態であると判定したことに基づいて設定変更モードを開始させる。すなわち、本特徴によれば、設定変更モードの実行中に当該遊技機への電力の供給が断たれた場合において、当該遊技機への電力の供給が再開された場合には、所定の開始操作を受け付けていない場合であっても、設定変更モードが開始されることになる。
したがって、設定変更モードの実行中に外部から当該遊技機への電力の供給が断たれた場合において、当該遊技機に再び設定変更モードを開始させるためには、当該遊技機への電力の供給が再開された後に管理者が再び所定の開始操作を行なわなければいけないといった手間を省くことができる。
また、設定変更モードの実行中に外部から当該遊技機への電力の供給が断たれた場合には、当該遊技機の当選確率の設定が管理者の意図しない状態となっている可能性があるが、本特徴によれば、外部から当該遊技機への電力の供給が再開された場合には、遊技機の管理者が再び所定の開始操作を行なわなくても設定変更モードが開始されるので、当該遊技機の当選確率の設定が管理者の意図しない状態となったまま見過ごされてしまうことを抑制することができる。
<特徴βS群>
特徴βS群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第1実施形態(例えば態様100)から抽出される。
[特徴βS1]
遊技球が入球可能な入球部と、
前記入球部への遊技球の入球に基づいて所定の抽選処理を実行する抽選処理実行手段と、
前記所定の抽選処理における当選確率の設定を外部から所定の変更操作(設定変更用ボタンを押下する操作)を受け付けることによって変更可能な設定変更モードを実行する設定変更モード実行手段と、
前記当選確率の設定に関する情報である設定情報は表示するが、前記当選確率の設定は変更することができない設定情報表示モード(設定確認モード)を実行する設定情報表示モード実行手段と、
所定の識別情報(設定確認中フラグ)を記憶する記憶手段(主側RAM64)と、
前記設定情報表示モードの開始の際に前記識別情報を第1の状態(ON)とし、前記設定情報表示モードの終了の際に前記識別情報を前記第1の状態とは異なる第2の状態(OFF)に遷移させる識別情報遷移手段と、
を備える遊技機であって、
前記記憶手段は、外部から当該遊技機への電力の供給が断たれた状態であっても前記識別情報の状態を維持することが可能であり、
前記設定情報表示モード実行手段は、
所定の開始操作(設定用の鍵、枠開放スイッチ及び扉開放スイッチの全てがONであり、かつ、RAMクリアボタンが押下されていない状態で、パチンコ機10の電源スイッチをONにする操作)を受け付けたことに基づいて、前記設定情報表示モードを開始させる第1開始手段と、
外部から当該遊技機への電力の供給が開始された際に前記識別情報が前記第1の状態であると判定したことに基づいて、前記設定情報表示モードを開始させる第2開始手段と、
を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴βS1によれば、第1開始手段は、所定の開始操作を受け付けたことに基づいて設定情報表示モードを開始させ、識別情報遷移手段は、設定情報表示モードの開始の際に識別情報を第1の状態とし、設定情報表示モードの終了の際に識別情報を第2の状態に遷移させる。そして、記憶手段は、外部から当該遊技機への電力の供給が断たれた状態であっても識別情報の状態を維持することが可能である。したがって、例えば、遊技機の電源スイッチがOFFにされたり停電が発生したこと等によって、設定情報表示モードの実行中に当該遊技機への電力の供給が断たれた場合には、記憶手段に記憶されている識別情報は第1の状態に維持される。
そして、本特徴によれば、第2開始手段は、外部から当該遊技機への電力の供給が開始された際に識別情報が第1の状態であると判定したことに基づいて設定情報表示モードを開始させる。すなわち、本特徴によれば、設定情報表示モードの実行中に当該遊技機への電力の供給が断たれた場合において、当該遊技機への電力の供給が再開された場合には、所定の開始操作を受け付けていない場合であっても、設定情報表示モードが開始されることになる。
したがって、設定情報表示モードの実行中に外部から当該遊技機への電力の供給が断たれた場合において、当該遊技機に再び設定情報表示モードを開始させるためには、当該遊技機への電力の供給が再開された後に管理者が再び所定の開始操作を行なわなければいけないといった手間を省くことができる。
<特徴βT群>
特徴βT群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第1実施形態(例えば態様100)から抽出される。
[特徴βT1]
遊技球が入球可能な入球部と、
前記入球部への遊技球の入球に基づいて所定の抽選処理を実行する抽選処理実行手段と、
前記所定の抽選処理における当選確率の設定を外部から所定の変更操作(設定変更用ボタンを押下する操作)を受け付けることによって変更可能な設定変更モードを実行する設定変更モード実行手段と、
前記当選確率の設定に関する情報である設定情報を記憶する記憶手段であって、外部からの電力の供給が断たれた状態であっても前記設定情報の状態を維持することが可能な第1記憶手段(主側RAM64の設定情報記憶領域)と、
前記設定変更モードの実行中に用いられる情報である変更用設定情報(更新用設定情報)を記憶する第2記憶手段(主側RAM64の更新用設定情報記憶領域)と、
前記設定変更モードの実行中に前記変更用設定情報を変更可能な変更手段と、
を備える遊技機であって、
前記第2記憶手段は、前記設定変更モードの開始の際に、前記設定情報に対応する情報を前記変更用設定情報として記憶する手段を備え、
前記変更手段は、前記所定の変更操作を受け付けることによって、前記第2記憶手段に記憶されている前記変更用設定情報を変更する手段を備え、
前記第1記憶手段は、前記設定変更モードの終了の際に、前記変更用設定情報に対応する情報を前記設定情報として記憶する手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴βT1によれば、第2記憶手段は、設定変更モードの開始の際に、設定情報に対応する情報を変更用設定情報として記憶し、変更手段は、所定の変更操作を受け付けることによって、第2記憶手段に記憶されている変更用設定情報を変更し、第1記憶手段は、設定変更モードの終了の際に、変更用設定情報に対応する情報を設定情報として記憶する。したがって、設定変更モードの実行中に外部からの電力の供給が断たれた場合であっても、第1記憶手段に記憶されている設定情報を、設定変更モードが開始される前の値のまま維持させることができる。この結果、設定変更モードの実行中に外部からの電力の供給が断たれることによって当該遊技機の当選確率の設定情報が管理者の意図した値とは異なる値となってしまうことを抑制することができる。以下、具体的に説明する。
仮に、設定変更モードの実行中に変更用設定情報を用いない構成であって、所定の変更操作を受け付けることによって、第1記憶手段に記憶されている設定情報を直接変更する構成を採用した場合において、設定変更モードの実行中に設定情報が当該遊技機の管理者の意図した値とは異なる値になっているタイミングで外部からの電力の供給が断たれた場合には、当該遊技機の当選確率の設定情報は、管理者の意図した値とは異なる値となってしまう。
これに対して、本特徴によれば、設定変更モードが終了するまでは、第1記憶手段に記憶されている設定情報そのものは変更されず、第2記憶手段に記憶されている変更用設定情報が変更されるので、設定変更モードの実行中に変更用設定情報が当該遊技機の管理者の意図した値とは異なる値になっているタイミングで外部からの電力の供給が断たれた場合であっても、第1記憶手段に記憶されている設定情報は、設定変更モードが開始される前の値のまま維持される。したがって、設定変更モードの実行中に外部からの電力の供給が断たれることによって当該遊技機の当選確率の設定情報が管理者の意図した値とは異なる値となってしまうことを抑制することができる。
[特徴βT2]
特徴βT1に記載の遊技機であって、
前記設定変更モードの実行中に、前記第2記憶手段に記憶されている前記変更用設定情報を表示する表示手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴βT2によれば、表示手段は、設定変更モードの実行中に、第2記憶手段に記憶されている変更用設定情報を表示するので、管理者は、表示手段に表示されている変更用設定情報を確認しながら、所定の変更操作を行なうことができる。
<特徴βU群>
特徴βU群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第1実施形態(例えば態様100)から抽出される。
[特徴βU1]
遊技球が入球可能な入球部と、
前記入球部への遊技球の入球に基づいて所定の抽選処理を実行する抽選処理実行手段と、
前記所定の抽選処理における当選確率の設定を外部から所定の変更操作(設定変更用ボタンを押下する操作)を受け付けることによって変更可能な設定変更モードを実行する設定変更モード実行手段と、
前記当選確率の設定に関する情報である設定情報を記憶する記憶手段であって、外部からの電力の供給が断たれた状態であっても前記設定情報の状態を維持することが可能な記憶手段(主側RAM64の設定情報記憶領域)と、
外部からの電力の供給が開始された際に、前記設定情報が所定の条件を満たすか否かを判定する(図65のステップS12007の処理を実行する)設定情報判定手段と、
遊技を進行させる処理である遊技進行処理(図68のステップS12304~ステップS12316の処理)を実行する遊技進行処理実行手段と、
を備える遊技機であって、
前記遊技進行処理実行手段は、前記設定情報判定手段によって前記設定情報が前記所定の条件を満たさないと判定された場合(図65のステップS12007において設定情報が所定の範囲内ではないと判定され、ステップS12015においてRAM異常フラグがONとなった場合)には、前記遊技進行処理を実行しない
ことを特徴とする遊技機。
特徴βU1によれば、記憶手段は、外部からの電力の供給が断たれた状態であっても設定情報の状態を維持しており、遊技進行処理実行手段は、外部からの電力の供給が開始された際に設定情報が所定の条件を満たすか否かを判定し、設定情報が所定の条件を満たさないと判定した場合には、遊技を進行させる遊技進行処理を実行しない。したがって、記憶手段に記憶されている設定情報が所定の条件を満たさない状態のまま遊技進行処理が実行されてしまい、当該遊技機における遊技の進行に不具合が生じてしまうことを抑制することができる。この結果、例えば、遊技者や管理者に想定外の損失を与えてしまうことを抑制することができる。
<特徴βV群>
特徴βV群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第1実施形態(例えば態様100)から抽出される。
[特徴βV1]
遊技球が入球可能な入球部と、
前記入球部への遊技球の入球に基づいて所定の抽選処理を実行する抽選処理実行手段と、
前記所定の抽選処理における当選確率の設定を外部から所定の変更操作(設定変更用ボタンを押下する操作)を受け付けることによって変更可能な設定変更モードを実行する設定変更モード実行手段と、
前記当選確率の設定に関する情報である設定情報を含む各種情報を記憶可能な記憶手段であって、外部からの電力の供給が断たれた状態であっても前記各種情報を維持することが可能な記憶手段(主側RAM64)と、
外部からの電力の供給が開始された際に、前記設定情報が所定の条件を満たすか否かを判定する(図65のステップS12007の処理を実行する)設定情報判定手段と、
前記記憶手段に記憶されている前記各種情報のうち前記設定情報を除いて消去する消去処理(第1RAMクリア処理)を実行する消去処理実行手段と、
を備える遊技機であって、
前記消去処理実行手段は、
所定の消去操作(設定用の鍵がOFFであり、かつ、RAMクリアボタンが押下されている状態で、パチンコ機10の電源スイッチをONにする操作)を受け付けたことに基づいて、前記消去処理を実行する手段と、
前記設定情報判定手段によって前記設定情報が前記所定の条件を満たさないと判定された場合(図65のステップS12007において設定情報が所定の範囲内ではないと判定され、ステップS12015においてRAM異常フラグがONとなった場合)には、前記所定の消去操作を受け付けた場合であっても、前記消去処理を実行しない手段と、
を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴βV1によれば、記憶手段は、外部からの電力の供給が断たれた状態であっても設定情報の状態を維持しており、消去処理実行手段は、外部からの電力の供給が開始された際に設定情報が所定の条件を満たすか否かを判定し、設定情報が所定の条件を満たさないと判定した場合には、所定の消去操作を受け付けた場合であっても、消去処理を実行しない。したがって、設定情報が所定の条件を満たさない状態のまま消去処理が実行されてしまうことによる不具合の発生を抑制することができる。以下、具体的に説明する。
仮に、設定情報が所定の条件を満たさないと判定した場合であっても消去処理を実行する構成を採用した場合には、記憶手段に記憶されている各種情報のうち、例えば、設定情報が所定の条件を満たさないと判定したことを示す情報(例えばRAM異常フラグ)まで消去されてしまい、設定情報が所定の条件を満たさない状態であるにもかかわらず、消去処理の実行後に、設定情報が所定の条件を満たしていることを前提とした処理(例えば遊技を進行させる遊技進行処理)が実行されてしまい、不具合が発生してしまう可能性がある。
これに対して、本特徴によれば、設定情報が所定の条件を満たさないと判定した場合には、所定の消去操作を受け付けた場合であっても、消去処理を実行しないので、設定情報が所定の条件を満たさない状態であるにもかかわらず消去処理が実行されてしまい、設定情報が所定の条件を満たしていることを前提とした処理が実行されてしまうことを抑制することができる。この結果、設定情報が所定の条件を満たさない状態のまま消去処理が実行されてしまうことによる不具合の発生を抑制することができる。
<特徴βW群>
特徴βW群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第1実施形態(例えば態様100)から抽出される。
[特徴βW1]
遊技球が入球可能な入球部と、
前記入球部への遊技球の入球に基づいて所定の抽選処理を実行する抽選処理実行手段と、
前記所定の抽選処理における当選確率の設定を外部から所定の変更操作(設定変更用ボタンを押下する操作)を受け付けることによって変更可能な設定変更モードを実行する設定変更モード実行手段と、
前記当選確率の設定に関する情報である設定情報は表示するが、前記当選確率の設定は変更することができない設定情報表示モード(設定確認モード)を実行する設定情報表示モード実行手段と、
前記設定情報を含む各種情報を記憶可能な記憶手段であって、外部からの電力の供給が断たれた状態であっても前記各種情報を維持することが可能な記憶手段(主側RAM64の設定情報記憶領域)と、
外部からの電力の供給が開始された際に、前記設定情報が所定の条件を満たすか否かを判定する(図65のステップS12007の処理を実行する)設定情報判定手段と、
を備える遊技機であって、
前記設定情報表示モード実行手段は、
所定の開始操作(設定用の鍵、枠開放スイッチ及び扉開放スイッチの全てがONであり、かつ、RAMクリアボタンが押下されていない状態で、パチンコ機10の電源スイッチをONにする操作)を受け付けたことに基づいて、前記設定情報表示モードを実行する手段と、
前記設定情報判定手段によって前記設定情報が前記所定の条件を満たさないと判定された場合(図65のステップS12007において設定情報が所定の範囲内ではないと判定され、ステップS12015においてRAM異常フラグがONとなった場合)には、前記所定の開始操作を受け付けた場合であっても、前記設定情報表示モードを実行しない手段と、
を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴βW1によれば、記憶手段は、外部からの電力の供給が断たれた状態であっても設定情報を含む各種情報の状態を維持しており、設定情報表示モード実行手段は、設定情報が所定の条件を満たさないと判定された場合には、所定の開始操作を受け付けた場合であっても、設定情報表示モードを実行しない。したがって、記憶手段に記憶されている設定情報が所定の条件を満たさない状態であるにもかかわらず、当該設定情報を表示する設定情報表示モードが実行されてしまうことを抑制することができる。
<特徴βX群>
特徴βX群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第1実施形態(例えば態様100)から抽出される。
[特徴βX1]
遊技球が入球可能な入球部と、
前記入球部への遊技球の入球に基づいて所定の抽選処理を実行する抽選処理実行手段と、
前記所定の抽選処理における当選確率の設定を外部から所定の変更操作(設定変更用ボタンを押下する操作)を受け付けることによって変更可能な設定変更モードを実行する設定変更モード実行手段と、
前記当選確率の設定に関する情報である設定情報を含む各種情報を記憶可能な記憶手段であって、外部からの電力の供給が断たれた状態であっても前記各種情報を維持することが可能な記憶手段(主側RAM64)と、
外部からの電力の供給が断たれる際に、前記記憶手段に記憶されている所定の情報群に基づいて所定の演算を実行し、当該所定の演算の結果である第1演算結果を前記記憶手段に記憶させる(停電監視処理においてRAM判定値を算出して主側RAM64に記憶させる)演算実行手段と、
外部からの電力の供給が開始された際に、前記記憶手段に記憶されている前記所定の情報群に基づいて前記所定の演算を実行し、当該所定の演算の結果である第2演算結果と、前記第1演算結果とが一致するか否かを判定する(図65のステップS12005からステップS12006の処理を実行する)演算結果判定手段と、
外部からの電力の供給が開始された際に、前記設定情報が所定の条件を満たすか否かを判定する(図65のステップS12007の処理を実行する)設定情報判定手段と、
前記演算結果判定手段によって前記第2演算結果と前記第1演算結果とが一致すると判定され、かつ、前記設定情報判定手段によって前記設定情報が前記所定の条件を満たすと判定されたことに基づいて、所定の処理(遊技を進行させる処理である図68のステップS12304~ステップS12316の処理)を実行する所定処理実行手段と、
を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴βX1によれば、所定処理実行手段は、第2演算結果と第1演算結果とが一致すると判定され、かつ、設定情報が所定の条件を満たすと判定されたことに基づいて、所定の処理を実行する。したがって、第2演算結果と第1演算結果とは一致しているが設定情報は所定の条件を満たさない状態であるにもかかわらず、所定の処理が実行されてしまうことを抑制することができる。この結果、設定情報が所定の条件を満たさない状態であるにもかかわらず所定の処理が実行されてしまうことによる不具合の発生を抑制することができる。以下、具体的に説明する。
第2演算結果と第1演算結果とが一致している場合には、外部からの電力供給が開始された際に記憶手段に記憶されている所定の情報群の内容と、前回の電力供給が断たれる際に記憶手段に記憶されていた所定の情報群の内容とが同じである可能性が高く、記憶手段に記憶されている所定の情報群が、外部からの電力の供給が断たれた状態であっても正常に維持されていた可能性が高い。しかしながら、記憶手段に記憶されている所定の情報群が正常に維持されていない場合であっても、第2演算結果と第1演算結果とが偶然に一致してしまう場合がある。
このため、仮に、第2演算結果と第1演算結果とが一致するか否かは判定するが、設定情報が所定の条件を満たすか否かは判定しない構成を採用した場合には、設定情報が所定の条件を満たさない場合であっても、第2演算結果と第1演算結果とが偶然に一致してしまい、所定の処理が実行されてしまう可能性がある。所定の処理が、例えば、遊技の進行を可能とする処理を含む場合には、遊技の進行に致命的な不具合が生じてしまうおそれがある。
これに対して、本特徴によれば、第2演算結果と第1演算結果とが一致すると判定され、かつ、設定情報が所定の条件を満たすと判定されたことに基づいて、所定の処理を実行する、換言すれば、第2演算結果と第1演算結果とは一致しているが、設定情報が所定の条件を満たさない状態では、所定の処理を実行しない。したがって、第2演算結果と第1演算結果とは一致しているが設定情報は所定の条件を満たさない状態であるにもかかわらず、所定の処理が実行されてしまうことを抑制することができる。この結果、設定情報が所定の条件を満たさない状態であるにもかかわらず所定の処理が実行されてしまうことによる不具合の発生を抑制することができる。
<特徴βY群>
特徴βY群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第1実施形態(例えば態様100)から抽出される。
[特徴βY1]
遊技球が入球可能な入球部と、
前記入球部への遊技球の入球に基づいて所定の抽選処理を実行する抽選処理実行手段と、
前記所定の抽選処理における当選確率の設定を外部から所定の変更操作(設定変更用ボタンを押下する操作)を受け付けることによって変更可能な設定変更モードを実行する設定変更モード実行手段と、
所定の操作(設定用の鍵穴に設定用の鍵を挿入して回す操作)を受け付けることによって、第1の状態(OFF側の状態)から、前記第1の状態とは異なる第2の状態(ON側の状態)に移行可能な操作受付手段(設定用の鍵穴)と、
を備える遊技機であって、
前記設定変更モード実行手段は、
前記設定変更モードの実行中に、前記操作受付手段の前記第2の状態から前記第1の状態への移行(ON側の状態からOFF側の状態に立ち下がるOFFエッジ)を検出したことに基づいて、前記設定変更モードを終了させる終了手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴βY1によれば、設定変更モード実行手段は、設定変更モードの実行中に、操作受付手段の第2の状態から第1の状態への移行を検出したことに基づいて、設定変更モードを終了させるので、設定変更モードが開始直後に終了してしまうことを回避することができる。以下、具体的に説明する。
例えば、操作受付手段が第2の状態であることを含む第1の開始条件(例えば、設定用の鍵(鍵穴)、枠開放スイッチ及び扉開放スイッチの全てがONであり、かつ、RAMクリアボタンが押下されている状態で、パチンコ機10の電源スイッチをONにする操作が行なわれたこと)が成立した場合、及び、操作受付手段が第2の状態であるか否かに関わらない第2の開始条件(例えば、電源ON時に設定変更中フラグがONであること)が成立した場合に、設定変更モードが開始される構成において、仮に、本特徴とは異なる構成であって、操作受付手段が第1の状態であることを検出した場合に設定変更モードを終了させる構成を採用した場合について説明する。この構成を採用した場合において、操作受付手段が第2の状態であることを含む第1の開始条件の成立に基づいて設定変更モードが開始された場合には、操作受付手段が第2の状態から第1の状態に移行するまで、当該設定変更モードは継続する。しかしながら、操作受付手段が第2の状態であるか否かに関わらない第2の開始条件の成立に基づいて設定変更モードが開始された場合には、操作受付手段が第1の状態のまま設定変更モードが開始される場合もある。この場合には、設定変更モードが開始された直後に、操作受付手段が第1の状態であることが検出され、当該設定変更モードが終了してしまう。すなわち、設定変更モードが開始直後に終了してしまい、設定変更モードにおいて当選確率の設定を変更することが困難となってしまう。
これに対して、本特徴によれば、操作受付手段の第2の状態から第1の状態への移行を検出したことに基づいて、設定変更モードを終了させるので、例えば、第2の開始条件の成立によって設定変更モードが開始された場合であって、操作受付手段が第1の状態のまま設定変更モードが開始された場合であっても、遊技機の管理者等が操作受付手段を第1の状態から第2の状態に移行させ、再度、第2の状態から第1の状態に移行させるまでは、設定変更モードが継続することになる。したがって、操作受付手段が第1の状態のまま設定変更モードが開始された場合であっても、設定変更モードが開始された直後に当該設定変更モードが終了してしまうことを回避することができる。この結果、設定変更モードが開始直後に終了してしまうことによって当選確率の設定を変更することが困難となってしまうことを抑制することができる。
また、本特徴によれば、第2の開始条件の成立によって設定変更モードが開始された場合であっても、操作受付手段の状態を移行させることのできる者のみが設定変更モードを終了させることができる。したがって、遊技機のセキュリティを向上させることができる。
[特徴βY2]
特徴βY1に記載の遊技機であって、
前記設定変更モード実行手段は、
前記操作受付手段が前記第2の状態であること(設定用の鍵穴がON側の状態であること)を含む第1の開始条件が成立したことに基づいて、前記設定変更モードを開始させる第1開始手段と、
前記操作受付手段が前記第2の状態であるか否かに関わらない第2の開始条件(電源ON時に設定変更中フラグがONであること)が成立したことに基づいて、前記設定変更モードを開始させる第2開始手段と、
を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴βY2によれば、第1開始手段は、操作受付手段が第2の状態であることを含む第1の開始条件が成立したことに基づいて設定変更モードを開始させ、第2開始手段は、操作受付手段が第2の状態であるか否かに関わらない第2の開始条件が成立したことに基づいて設定変更モードを開始させる。したがって、操作受付手段が第2の状態である場合に限らず、操作受付手段が第2の状態ではない場合であっても、設定変更モードを開始させることができる。
なお、上記特徴βR群~特徴βY群の発明は、以下の課題を解決する。
パチンコ遊技機やスロットマシン等の遊技機においては、遊技の興趣向上や、遊技機の処理負荷の低減、処理の最適化、制御の簡易化、構造の簡素化、遊技機の開発の効率化、不具合が発生しにくい遊技機の提供、遊技者に配慮した遊技機の提供等を目的として、構造、制御、演出等の様々な観点から技術的な改良が行われている。
また、遊技者による不正な行為や遊技機に対する不正な改造の発見や抑止といった遊技の健全性の向上を目的とした様々な技術的な改良も行われている。
上記のような遊技機においては、遊技の興趣向上や、遊技機の処理負荷の低減、処理の最適化、制御の簡易化、構造の簡素化、遊技機の開発の効率化、不具合が発生しにくい遊技機の提供、遊技者に配慮した遊技機の提供、より健全な遊技の提供等を目的として、さらなる技術の向上が望まれている。
<特徴βZ群>
特徴βZ群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第1実施形態の態様101から抽出される。
[特徴βZ1]
遊技機であって、
時刻を特定可能な情報を含む計時情報(現在日時情報)を当該遊技機への外部からの電力の供給が断たれた電断状態であっても更新可能な計時情報更新手段(RTC97の計時レジスタ97b1)と、
前記計時情報を起動時刻情報(起動日時情報)として記憶可能な手段であって、前記記憶した前記起動時刻情報を前記電断状態の間も保持することが可能な起動時刻情報記憶手段(RTC97の起動時刻情報記憶エリア97b2)と、
当該遊技機への外部からの電力の供給が開始されたことに基づいて、前記計時情報更新手段から前記計時情報を取得し、取得した前記計時情報を前記起動時刻情報として前記起動時刻情報記憶手段に記憶させる処理である記憶処理を実行する記憶処理実行手段と、
前記起動時刻情報に基づいて、前記記憶処理が実行されてからの経過時間を算出する経過時間算出手段と、
前記経過時間に基づいて所定の処理(RTC演出)を実行する所定処理実行手段と、
当該遊技機への外部からの電力の供給が開始されたことに基づいて、処理の内容が異なる複数の種別の起動処理(図70の通常起動コマンドを送信する処理を含む起動処理、設定変更モードの実行を含む起動処理、設定確認モードの実行を含む起動処理等)のうちのいずれかの起動処理を実行する起動処理実行手段と、
を備え、
前記記憶処理実行手段は、前記起動処理実行手段が実行する前記起動処理の種別が前記複数の起動処理のうちの特定の起動処理(設定変更モードの実行を含む起動処理、設定確認モードの実行を含む起動処理等)である場合には前記記憶処理の実行を回避する回避手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴βZ1の効果の説明に先立って、遊技機が複数台設置されている遊技ホールについて説明する。一般に、遊技ホールでは、複数の遊技機に対して一斉に(同時に)電力の供給を開始する。具体的には、例えば、複数の遊技機がそれぞれの電源スイッチがONになっている状態でいわゆる島設備に設置されており、当該島設備の電源スイッチ(以下、島電源スイッチとも呼ぶ)をONにすると、当該島設備に設置されている複数の遊技機に対して一斉に(同時に)電力の供給が開始される。
以上説明した遊技ホールにおける遊技機の運用を踏まえて、特徴βZ1の遊技機は、当該遊技機への外部からの電力の供給が開始されたことに基づいて、計時情報更新手段から計時情報を取得し、取得した計時情報を起動時刻情報として起動時刻情報記憶手段に記憶させる処理である記憶処理を実行する。そして、起動時刻情報記憶手段に記憶されている起動時刻情報に基づいて、記憶処理が実行されてからの経過時間を算出し、算出した経過時間に基づいて所定の処理を実行する。この構成を採用したことによる効果について説明する。
仮に、記憶処理が実行されてからの経過時間ではなく、計時情報更新手段(RTC97の計時レジスタ97b1)において更新されている計時情報(現在日時情報)に基づいて所定の処理を実行する構成(例えば、計時情報に含まれている時刻が11時00分00秒となったタイミングで所定の演出を開始する構成)を採用した場合について説明する。この構成において、島設備に設置されている各遊技機の計時情報に含まれている時刻にずれが生じている場合(例えば、ある瞬間において遊技機Aの計時情報に含まれている時刻が11時00分00秒であり、遊技機Bの計時情報に含まれている時刻が10時59分52秒である場合)には、所定の処理(所定の演出)が開始されるタイミングが各遊技機毎に異なってしまい、島設備に設置されている各遊技機において一斉に(同時に)所定の処理(所定の演出)が開始されることを期待していた遊技者に違和感を与えてしまうといった課題がある。
これに対して、本特徴によれば、島設備に設置されている各遊技機は、当該遊技機への外部からの電力の供給が開始されたことに基づいて、計時情報更新手段から計時情報を取得し、取得した計時情報を起動時刻情報として起動時刻情報記憶手段に記憶させる処理である記憶処理を実行する。
したがって、例えば、遊技ホールの管理者が島電源スイッチをONにすると、当該島設備に設置されている複数の遊技機に対して一斉に(同時に)電力の供給が開始され、当該島設備に設置されている各遊技機は、一斉に(同時に)記憶処理を実行する。
そして、本特徴によれば、島設備に設置されている各遊技機は、起動時刻情報記憶手段に記憶されている起動時刻情報に基づいて、記憶処理が実行されてからの経過時間を算出する。上述したように、当該島設備に設置されている各遊技機は、一斉に(同時に)記憶処理を実行するので、各遊技機において算出される記憶処理が実行されてからの経過時間は、各遊技機の計時情報に含まれている時刻にずれが生じていたとしても、同一(又は略同一)となる。
そして、本特徴によれば、島設備に設置されている各遊技機は、算出した経過時間に基づいて所定の処理を実行するので、各遊技機において実行される所定の処理の実行の態様を同じにすることができる。具体的には、例えば、経過時間が所定時間となった場合に特定の演出を開始する構成を採用した場合には、島設備に設置されている各遊技機において一斉に(同時に)特定の演出を開始させることが可能となる。
さらに、本特徴の遊技機は、記憶した起動時刻情報を電断状態の間も保持することが可能な起動時刻情報記憶手段と、起動処理実行手段が実行する起動処理の種別が複数の起動処理のうちの特定の起動処理である場合には記憶処理の実行を回避する回避手段とを備える。この構成を採用したことによる効果について説明する。
仮に、上述した回避手段を備えない構成を採用した場合について説明する。この構成において、島設備に設置されている各遊技機に対して一斉に(同時に)電力の供給が開始されると、当該島設備に設置されている各遊技機は、一斉に(同時に)記憶処理を実行する。その後、遊技ホールの管理者が、当該島設備に設置されている複数の遊技機のうちの一の遊技機に特定の起動処理(例えば、設定変更モードの実行を含む起動処理)を実行させるために、当該一の遊技機の電源スイッチを一旦OFFにした後、当該一の遊技機を特定の起動処理が実行される状態として当該一の遊技機の電源スイッチをONにして特定の起動処理を実行させる場合がある。この場合、当該一の遊技機は、電源スイッチがONにされて電力の供給が開始されたことに基づいて再び記憶処理を実行する。そうすると、当該一の遊技機において算出される経過時間が、他の遊技機において算出される経過時間と異なってしまい、当該一の遊技機において所定の処理(所定の演出)が開始されるタイミングが、他の遊技機において所定の処理(所定の演出)が開始されるタイミングと異なってしまい、当該一の遊技機において遊技を行なっている遊技者に違和感を与えてしまうといった課題がある。
これに対して、本特徴によれば、遊技ホールの管理者が、当該一の遊技機の電源スイッチをOFFにして電断状態としても、当該一の遊技機の起動時刻情報記憶手段において記憶されている起動時刻情報は保持される。その後、管理者が当該一の遊技機を特定の起動処理が実行される状態として電源スイッチをONにすると、当該一の遊技機において特定の起動処理が実行され、記憶処理の実行が回避されるので、当該一の遊技機の起動時刻情報記憶手段に記憶されている起動時刻情報が上書きされず、他の遊技機と一斉に(同時に)電力の供給が開始された際に実行された記憶処理において記憶された起動時刻情報が維持される。この結果、当該一の遊技機を含む当該島設備に設置されている各遊技機において算出される経過時間は同一(又は略同一)となる。
そして、本特徴によれば、島設備に設置されている各遊技機は、算出した経過時間に基づいて所定の処理を実行するので、一旦電源スイッチをOFFにした後再度電源スイッチをONにした遊技機を含む当該島設備に設置されている各遊技機において実行される所定の処理の実行の態様を同じにすることができる。具体的には、例えば、経過時間が所定時間となった場合に特定の演出を開始する構成を採用した場合には、一旦電源スイッチをOFFにした後再度電源スイッチをONにした遊技機を含む島設備に設置されている各遊技機において一斉に(同時に)特定の演出を開始させることが可能となる。この結果、遊技の興趣向上を図ることができる。
<特徴γA群>
特徴γA群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第1実施形態の態様101から抽出される。
[特徴γA1]
遊技機であって、
時刻を特定可能な情報を含む計時情報(現在日時情報)を当該遊技機への外部からの電力の供給が断たれた電断状態であっても更新可能な計時情報更新手段(RTC97の計時レジスタ97b1)と、
前記計時情報を起動時刻情報(起動日時情報)として記憶可能な手段であって、前記記憶した前記起動時刻情報を前記電断状態の間も保持することが可能な起動時刻情報記憶手段(RTC97の起動時刻情報記憶エリア97b2)と、
当該遊技機への外部からの電力の供給が開始されたことに基づいて、前記計時情報更新手段から前記計時情報を取得し、取得した前記計時情報を前記起動時刻情報として前記起動時刻情報記憶手段に記憶させる処理である記憶処理を実行する記憶処理実行手段と、
前記起動時刻情報に基づいて、前記記憶処理が実行されてからの経過時間を算出する経過時間算出手段と、
前記経過時間に基づいて所定の処理(RTC演出)を実行する所定処理実行手段と、
所定の操作を受け付ける操作受付手段(設定用の鍵穴)と、
を備え、
前記記憶処理実行手段は、当該遊技機への外部からの電力の供給が開始された際に前記操作受付手段が前記所定の操作を受け付けていた場合には前記記憶処理の実行を回避する回避手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴γA1の効果の説明に先立って、遊技機が複数台設置されている遊技ホールについて説明する。一般に、遊技ホールでは、複数の遊技機に対して一斉に(同時に)電力の供給を開始する。具体的には、例えば、複数の遊技機がそれぞれの電源スイッチがONになっている状態でいわゆる島設備に設置されており、当該島設備の電源スイッチ(以下、島電源スイッチとも呼ぶ)をONにすると、当該島設備に設置されている複数の遊技機に対して一斉に(同時に)電力の供給が開始される。
以上説明した遊技ホールにおける遊技機の運用を踏まえて、特徴γA1の遊技機は、当該遊技機への外部からの電力の供給が開始されたことに基づいて、計時情報更新手段から計時情報を取得し、取得した計時情報を起動時刻情報として起動時刻情報記憶手段に記憶させる処理である記憶処理を実行する。そして、起動時刻情報に基づいて、記憶処理が実行されてからの経過時間を算出し、算出した経過時間に基づいて所定の処理を実行する。この構成を採用したことによる効果について説明する。
仮に、記憶処理が実行されてからの経過時間ではなく、計時情報更新手段(RTC97の計時レジスタ97b1)において更新されている計時情報(現在日時情報)に基づいて所定の処理を実行する構成(例えば、計時情報に含まれている時刻が11時00分00秒となったタイミングで所定の演出を開始する構成)を採用した場合について説明する。この構成において、島設備に設置されている各遊技機の計時情報に含まれている時刻にずれが生じている場合(例えば、ある瞬間において遊技機Aの計時情報に含まれている時刻が11時00分00秒であり、遊技機Bの計時情報に含まれている時刻が10時59分52秒である場合)には、所定の処理(所定の演出)が開始されるタイミングが各遊技機毎に異なってしまい、島設備に設置されている各遊技機において一斉に(同時に)所定の処理(所定の演出)が開始されることを期待していた遊技者に違和感を与えてしまうといった課題がある。
これに対して、本特徴によれば、島設備に設置されている各遊技機は、当該遊技機への外部からの電力の供給が開始されたことに基づいて、計時情報更新手段から計時情報を取得し、取得した計時情報を起動時刻情報として起動時刻情報記憶手段に記憶させる処理である記憶処理を実行する。したがって、例えば、遊技ホールの管理者が島電源スイッチをONにすると、当該島設備に設置されている複数の遊技機に対して一斉に(同時に)電力の供給が開始され、当該島設備に設置されている各遊技機は、一斉に(同時に)記憶処理を実行する。
そして、本特徴によれば、島設備に設置されている各遊技機は、起動時刻情報記憶手段に記憶されている起動時刻情報に基づいて、記憶処理が実行されてからの経過時間を算出する。上述したように、当該島設備に設置されている各遊技機は、一斉に(同時に)記憶処理を実行するので、各遊技機において算出される記憶処理が実行されてからの経過時間は、各遊技機の計時情報に含まれている時刻にずれが生じていたとしても、同一(又は略同一)となる。
そして、本特徴によれば、島設備に設置されている各遊技機は、算出した経過時間に基づいて所定の処理を実行するので、各遊技機において実行される所定の処理の実行の態様を同じにすることができる。具体的には、例えば、経過時間が所定時間となった場合に特定の演出を開始する構成を採用した場合には、島設備に設置されている各遊技機において一斉に(同時に)特定の演出を開始させることが可能となる。
さらに、本特徴の遊技機は、記憶した起動時刻情報を電断状態の間も保持することが可能な起動時刻情報記憶手段と、当該遊技機への外部からの電力の供給が開始された際に操作受付手段が所定の操作を受け付けていた場合には記憶処理の実行を回避する回避手段とを備える。この構成を採用したことによる効果について説明する。
仮に、上述した回避手段を備えない構成を採用した場合について説明する。この構成において、島設備に設置されている各遊技機に対して一斉に(同時に)電力の供給が開始されると、当該島設備に設置されている各遊技機は、一斉に(同時に)記憶処理を実行する。その後、遊技ホールの管理者が、種々の理由により、当該島設備に設置されている複数の遊技機のうちの一の遊技機の電源スイッチを一旦OFFにした後、当該一の遊技機を所定の操作を受け付けた状態としたまま当該一の遊技機の電源スイッチをONにする場合がある。この場合、当該一の遊技機は、電源スイッチがONにされて電力の供給が開始されたことに基づいて再び記憶処理を実行する。そうすると、当該一の遊技機において算出される経過時間が、他の遊技機において算出される経過時間と異なってしまい、当該一の遊技機において所定の処理(所定の演出)が開始されるタイミングが、他の遊技機において所定の処理(所定の演出)が開始されるタイミングと異なってしまい、当該一の遊技機において遊技を行なっている遊技者に違和感を与えてしまうといった課題がある。
これに対して、本特徴によれば、遊技ホールの管理者が、当該一の遊技機の電源スイッチをOFFにして電断状態としても、当該一の遊技機の起動時刻情報記憶手段において記憶されている起動時刻情報は保持される。その後、管理者が当該一の遊技機を所定の操作を受け付けた状態としたまま電源スイッチをONにすると、記憶処理の実行が回避されるので、当該一の遊技機の起動時刻情報記憶手段に記憶されている起動時刻情報が上書きされず、他の遊技機と一斉に(同時に)電力の供給が開始された際に実行された記憶処理において記憶された起動時刻情報が維持される。この結果、当該一の遊技機を含む当該島設備に設置されている各遊技機において算出される経過時間は同一(又は略同一)となる。
そして、本特徴によれば、島設備に設置されている各遊技機は、算出した経過時間に基づいて所定の処理を実行するので、一旦電源スイッチをOFFにした後再度電源スイッチをONにした遊技機を含む当該島設備に設置されている各遊技機において実行される所定の処理の実行の態様を同じにすることができる。具体的には、例えば、経過時間が所定時間となった場合に特定の演出を開始する構成を採用した場合には、一旦電源スイッチをOFFにした後再度電源スイッチをONにした遊技機を含む島設備に設置されている各遊技機において一斉に(同時に)特定の演出を開始させることが可能となる。この結果、遊技の興趣向上を図ることができる。
<特徴γB群>
特徴γB群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第1実施形態の態様101から抽出される。
[特徴γB1]
遊技機であって、
遊技球が入球可能な入球手段と、
前記入球手段への遊技球の入球に基づいて所定の抽選処理を実行する抽選処理実行手段と、
前記所定の抽選処理における当選確率の設定を外部から所定の変更操作(設定変更用ボタンを押下する操作)を受け付けることによって変更可能な設定変更モードを実行する設定変更モード実行手段と、
時刻を特定可能な情報を含む計時情報(現在日時情報)を当該遊技機への外部からの電力の供給が断たれた電断状態であっても更新可能な計時情報更新手段(RTC97の計時レジスタ97b1)と、
前記計時情報を起動時刻情報(起動日時情報)として記憶可能な手段であって、前記記憶した前記起動時刻情報を前記電断状態の間も保持することが可能な起動時刻情報記憶手段(RTC97の起動時刻情報記憶エリア97b2)と、
当該遊技機への外部からの電力の供給が開始されたことに基づいて、前記計時情報更新手段から前記計時情報を取得し、取得した前記計時情報を前記起動時刻情報として前記起動時刻情報記憶手段に記憶させる処理である記憶処理を実行する記憶処理実行手段と、
前記起動時刻情報に基づいて、前記記憶処理が実行されてからの経過時間を算出する経過時間算出手段と、
前記経過時間に基づいて所定の処理(RTC演出)を実行する所定処理実行手段と、
を備え、
前記設定変更モード実行手段は、
当該遊技機への外部からの電力の供給が開始された際に所定の開始条件が成立するか否かを判定する判定手段と、
前記所定の開始条件の成立に基づいて前記設定変更モードを開始させる設定変更モード開始手段と、
を備え、
前記記憶処理実行手段は、前記設定変更モードが開始される場合には前記記憶処理の実行を回避する回避手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴γB1の効果の説明に先立って、遊技機が複数台設置されている遊技ホールについて説明する。一般に、遊技ホールでは、複数の遊技機に対して一斉に(同時に)電力の供給を開始する。具体的には、例えば、複数の遊技機がそれぞれの電源スイッチがONになっている状態でいわゆる島設備に設置されており、当該島設備の電源スイッチ(以下、島電源スイッチとも呼ぶ)をONにすると、当該島設備に設置されている複数の遊技機に対して一斉に(同時に)電力の供給が開始される。
以上説明した遊技ホールにおける遊技機の運用を踏まえて、特徴γB1の遊技機は、当該遊技機への外部からの電力の供給が開始されたことに基づいて、計時情報更新手段から計時情報を取得し、取得した計時情報を起動時刻情報として起動時刻情報記憶手段に記憶させる処理である記憶処理を実行する。そして、起動時刻情報に基づいて、記憶処理が実行されてからの経過時間を算出し、算出した経過時間に基づいて所定の処理を実行する。この構成を採用したことによる効果について説明する。
仮に、記憶処理が実行されてからの経過時間ではなく、計時情報更新手段(RTC97の計時レジスタ97b1)において更新されている計時情報(現在日時情報)に基づいて所定の処理を実行する構成(例えば、計時情報に含まれている時刻が11時00分00秒となったタイミングで所定の演出を開始する構成)を採用した場合について説明する。この構成において、島設備に設置されている各遊技機の計時情報に含まれている時刻にずれが生じている場合(例えば、ある瞬間において遊技機Aの計時情報に含まれている時刻が11時00分00秒であり、遊技機Bの計時情報に含まれている時刻が10時59分52秒である場合)には、所定の処理(所定の演出)が開始されるタイミングが各遊技機毎に異なってしまい、島設備に設置されている各遊技機において一斉に(同時に)所定の処理(所定の演出)が開始されることを期待していた遊技者に違和感を与えてしまうといった課題がある。
これに対して、本特徴によれば、島設備に設置されている各遊技機は、当該遊技機への外部からの電力の供給が開始されたことに基づいて、計時情報更新手段から計時情報を取得し、取得した計時情報を起動時刻情報として起動時刻情報記憶手段に記憶させる処理である記憶処理を実行する。
したがって、例えば、遊技ホールの管理者が島電源スイッチをONにすると、当該島設備に設置されている複数の遊技機に対して一斉に(同時に)電力の供給が開始され、当該島設備に設置されている各遊技機は、一斉に(同時に)記憶処理を実行する。
そして、本特徴によれば、島設備に設置されている各遊技機は、起動時刻情報記憶手段に記憶されている起動時刻情報に基づいて、記憶処理が実行されてからの経過時間を算出する。上述したように、当該島設備に設置されている各遊技機は、一斉に(同時に)記憶処理を実行するので、各遊技機において算出される記憶処理が実行されてからの経過時間は、各遊技機の計時情報に含まれている時刻にずれが生じていたとしても、同一(又は略同一)となる。
そして、本特徴によれば、島設備に設置されている各遊技機は、算出した経過時間に基づいて所定の処理を実行するので、各遊技機において実行される所定の処理の実行の態様を同じにすることができる。具体的には、例えば、経過時間が所定時間となった場合に特定の演出を開始する構成を採用した場合には、島設備に設置されている各遊技機において一斉に(同時に)特定の演出を開始させることが可能となる。
さらに、本特徴の遊技機は、記憶した起動時刻情報を電断状態の間も保持することが可能な起動時刻情報記憶手段と、設定変更モードが開始される場合には記憶処理の実行を回避する回避手段とを備える。この構成を採用したことによる効果について説明する。
仮に、上述した回避手段を備えない構成を採用した場合について説明する。この構成において、島設備に設置されている各遊技機に対して一斉に(同時に)電力の供給が開始されると、当該島設備に設置されている各遊技機は、一斉に(同時に)記憶処理を実行する。その後、遊技ホールの管理者が、設定変更モードを実行させて遊技機の当選確率の設定を変更するために、当該島設備に設置されている複数の遊技機のうちの一の遊技機の電源スイッチを一旦OFFにした後、当該一の遊技機を設定変更モードを開始させる開始条件を成立させた状態として当該一の遊技機の電源スイッチをONにして設定変更モードを開始させる場合がある。この場合、当該一の遊技機は、電源スイッチがONにされて電力の供給が開始されたことに基づいて再び記憶処理を実行する。そうすると、当該一の遊技機において算出される経過時間が、他の遊技機において算出される経過時間と異なってしまい、当該一の遊技機において所定の処理(所定の演出)が開始されるタイミングが、他の遊技機において所定の処理(所定の演出)が開始されるタイミングと異なってしまい、当該一の遊技機において遊技を行なっている遊技者に違和感を与えてしまうといった課題がある。
これに対して、本特徴によれば、遊技ホールの管理者が、当該一の遊技機の電源スイッチをOFFにして電断状態としても、当該一の遊技機の起動時刻情報記憶手段において記憶されている起動時刻情報は保持される。その後、管理者が当該一の遊技機を設定変更モードを開始させる開始条件を成立させた状態として電源スイッチをONにすると、当該一の遊技機において設定変更モードが開始され、記憶処理の実行が回避されるので、当該一の遊技機の起動時刻情報記憶手段に記憶されている起動時刻情報が上書きされず、他の遊技機と一斉に(同時に)電力の供給が開始された際に実行された記憶処理において記憶された起動時刻情報が維持される。この結果、当該一の遊技機を含む当該島設備に設置されている各遊技機において算出される経過時間は同一(又は略同一)となる。
そして、本特徴によれば、島設備に設置されている各遊技機は、算出した経過時間に基づいて所定の処理を実行するので、一旦電源スイッチをOFFにした後再度電源スイッチをONにした遊技機を含む当該島設備に設置されている各遊技機において実行される所定の処理の実行の態様を同じにすることができる。具体的には、例えば、経過時間が所定時間となった場合に特定の演出を開始する構成を採用した場合には、一旦電源スイッチをOFFにした後再度電源スイッチをONにした遊技機を含む島設備に設置されている各遊技機において一斉に(同時に)特定の演出を開始させることが可能となる。この結果、遊技の興趣向上を図ることができる。
<特徴γC群>
特徴γC群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第1実施形態の態様101から抽出される。
[特徴γC1]
遊技機であって、
遊技球が入球可能な入球手段と、
前記入球手段への遊技球の入球に基づいて所定の抽選処理を実行する抽選処理実行手段と、
前記所定の抽選処理における当選確率の設定を外部から所定の変更操作(設定変更用ボタンを押下する操作)を受け付けることによって変更可能な設定変更モードを実行する設定変更モード実行手段と、
前記当選確率の設定に関する情報である設定情報は表示するが、前記当選確率の設定は変更することができない設定情報表示モード(設定確認モード)を実行する設定情報表示モード実行手段と、
時刻を特定可能な情報を含む計時情報(現在日時情報)を当該遊技機への外部からの電力の供給が断たれた電断状態であっても更新可能な計時情報更新手段(RTC97の計時レジスタ97b1)と、
前記計時情報を起動時刻情報(起動日時情報)として記憶可能な手段であって、前記記憶した前記起動時刻情報を前記電断状態の間も保持することが可能な起動時刻情報記憶手段(RTC97の起動時刻情報記憶エリア97b2)と、
当該遊技機への外部からの電力の供給が開始されたことに基づいて、前記計時情報更新手段から前記計時情報を取得し、取得した前記計時情報を前記起動時刻情報として前記起動時刻情報記憶手段に記憶させる処理である記憶処理を実行する記憶処理実行手段と、
前記起動時刻情報に基づいて、前記記憶処理が実行されてからの経過時間を算出する経過時間算出手段と、
前記経過時間に基づいて所定の処理(RTC演出)を実行する所定処理実行手段と、
を備え、
前記設定情報表示モード実行手段は、
当該遊技機への外部からの電力の供給が開始された際に所定の開始条件が成立するか否かを判定する判定手段と、
前記所定の開始条件の成立に基づいて前記設定情報表示モードを開始させる設定情報表示モード開始手段と、
を備え、
前記記憶処理実行手段は、前記設定情報表示モードが開始される場合には前記記憶処理の実行を回避する回避手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴γC1の効果の説明に先立って、遊技機が複数台設置されている遊技ホールについて説明する。一般に、遊技ホールでは、複数の遊技機に対して一斉に(同時に)電力の供給を開始する。具体的には、例えば、複数の遊技機がそれぞれの電源スイッチがONになっている状態でいわゆる島設備に設置されており、当該島設備の電源スイッチ(以下、島電源スイッチとも呼ぶ)をONにすると、当該島設備に設置されている複数の遊技機に対して一斉に(同時に)電力の供給が開始される。
以上説明した遊技ホールにおける遊技機の運用を踏まえて、特徴γC1の遊技機は、当該遊技機への外部からの電力の供給が開始されたことに基づいて、計時情報更新手段から計時情報を取得し、取得した計時情報を起動時刻情報として起動時刻情報記憶手段に記憶させる処理である記憶処理を実行する。そして、起動時刻情報に基づいて、記憶処理が実行されてからの経過時間を算出し、算出した経過時間に基づいて所定の処理を実行する。この構成を採用したことによる効果について説明する。
仮に、記憶処理が実行されてからの経過時間ではなく、計時情報更新手段(RTC97の計時レジスタ97b1)において更新されている計時情報(現在日時情報)に基づいて所定の処理を実行する構成(例えば、計時情報に含まれている時刻が11時00分00秒となったタイミングで所定の演出を開始する構成)を採用した場合について説明する。この構成において、島設備に設置されている各遊技機の計時情報に含まれている時刻にずれが生じている場合(例えば、ある瞬間において遊技機Aの計時情報に含まれている時刻が11時00分00秒であり、遊技機Bの計時情報に含まれている時刻が10時59分52秒である場合)には、所定の処理(所定の演出)が開始されるタイミングが各遊技機毎に異なってしまい、島設備に設置されている各遊技機において一斉に(同時に)所定の処理(所定の演出)が開始されることを期待していた遊技者に違和感を与えてしまうといった課題がある。
これに対して、本特徴によれば、島設備に設置されている各遊技機は、当該遊技機への外部からの電力の供給が開始されたことに基づいて、計時情報更新手段から計時情報を取得し、取得した計時情報を起動時刻情報として起動時刻情報記憶手段に記憶させる処理である記憶処理を実行する。
したがって、例えば、遊技ホールの管理者が島電源スイッチをONにすると、当該島設備に設置されている複数の遊技機に対して一斉に(同時に)電力の供給が開始され、当該島設備に設置されている各遊技機は、一斉に(同時に)記憶処理を実行する。
そして、本特徴によれば、島設備に設置されている各遊技機は、起動時刻情報記憶手段に記憶されている起動時刻情報に基づいて、記憶処理が実行されてからの経過時間を算出する。上述したように、当該島設備に設置されている各遊技機は、一斉に(同時に)記憶処理を実行するので、各遊技機において算出される記憶処理が実行されてからの経過時間は、各遊技機の計時情報に含まれている時刻にずれが生じていたとしても、同一(又は略同一)となる。
そして、本特徴によれば、島設備に設置されている各遊技機は、算出した経過時間に基づいて所定の処理を実行するので、各遊技機において実行される所定の処理の実行の態様を同じにすることができる。具体的には、例えば、経過時間が所定時間となった場合に特定の演出を開始する構成を採用した場合には、島設備に設置されている各遊技機において一斉に(同時に)特定の演出を開始させることが可能となる。
さらに、本特徴の遊技機は、記憶した起動時刻情報を電断状態の間も保持することが可能な起動時刻情報記憶手段と、設定情報表示モードが開始される場合には記憶処理の実行を回避する回避手段とを備える。この構成を採用したことによる効果について説明する。
仮に、上述した回避手段を備えない構成を採用した場合について説明する。この構成において、島設備に設置されている各遊技機に対して一斉に(同時に)電力の供給が開始されると、当該島設備に設置されている各遊技機は、一斉に(同時に)記憶処理を実行する。その後、遊技ホールの管理者が、設定情報表示モードを実行させて遊技機の当選確率の設定を確認するために、当該島設備に設置されている複数の遊技機のうちの一の遊技機の電源スイッチを一旦OFFにした後、当該一の遊技機を設定情報表示モードを開始させる開始条件を成立させた状態として当該一の遊技機の電源スイッチをONにして設定情報表示モードを開始させる場合がある。この場合、当該一の遊技機は、電源スイッチがONにされて電力の供給が開始されたことに基づいて再び記憶処理を実行する。そうすると、当該一の遊技機において算出される経過時間が、他の遊技機において算出される経過時間と異なってしまい、当該一の遊技機において所定の処理(所定の演出)が開始されるタイミングが、他の遊技機において所定の処理(所定の演出)が開始されるタイミングと異なってしまい、当該一の遊技機において遊技を行なっている遊技者に違和感を与えてしまうといった課題がある。
これに対して、本特徴によれば、遊技ホールの管理者が、当該一の遊技機の電源スイッチをOFFにして電断状態としても、当該一の遊技機の起動時刻情報記憶手段において記憶されている起動時刻情報は保持される。その後、管理者が当該一の遊技機を設定情報表示モードを開始させる開始条件を成立させた状態として電源スイッチをONにすると、当該一の遊技機において設定情報表示モードが開始され、記憶処理の実行が回避されるので、当該一の遊技機の起動時刻情報記憶手段に記憶されている起動時刻情報が上書きされず、他の遊技機と一斉に(同時に)電力の供給が開始された際に実行された記憶処理において記憶された起動時刻情報が維持される。この結果、当該一の遊技機を含む当該島設備に設置されている各遊技機において算出される経過時間は同一(又は略同一)となる。
そして、本特徴によれば、島設備に設置されている各遊技機は、算出した経過時間に基づいて所定の処理を実行するので、一旦電源スイッチをOFFにした後再度電源スイッチをONにした遊技機を含む当該島設備に設置されている各遊技機において実行される所定の処理の実行の態様を同じにすることができる。具体的には、例えば、経過時間が所定時間となった場合に特定の演出を開始する構成を採用した場合には、一旦電源スイッチをOFFにした後再度電源スイッチをONにした遊技機を含む島設備に設置されている各遊技機において一斉に(同時に)特定の演出を開始させることが可能となる。この結果、遊技の興趣向上を図ることができる。
<特徴γD群>
特徴γD群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第1実施形態の態様102から抽出される。
[特徴γD1]
遊技機であって、
時刻を特定可能な情報を含む計時情報(現在日時情報)を当該遊技機への外部からの電力の供給が断たれた電断状態であっても更新可能な計時情報更新手段(RTC97の計時レジスタ97b1)と、
前記計時情報を起動時刻情報(起動日時情報)として記憶可能な手段であって、前記記憶した前記起動時刻情報を前記電断状態の間も保持することが可能な起動時刻情報記憶手段(RTC97の起動時刻情報記憶エリア97b2)と、
当該遊技機への外部からの電力の供給が開始されたことに基づいて、前記計時情報更新手段から前記計時情報を取得し、取得した前記計時情報を前記起動時刻情報として前記起動時刻情報記憶手段に記憶させる処理である記憶処理を実行する記憶処理実行手段と、
前記起動時刻情報に基づいて、前記記憶処理が実行されてからの経過時間を算出する経過時間算出手段と、
前記経過時間に基づいて所定の処理(RTC演出)を実行する所定処理実行手段と、
を備え、
前記記憶処理実行手段は、当該遊技機への外部からの電力の供給が開始された際に、前記計時情報更新手段における前記計時情報に含まれる時刻が、前記起動時刻情報記憶手段に記憶されている前記起動時刻情報に含まれる時刻から所定時間(30分)が経過していない場合には前記記憶処理の実行を回避する回避手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴γD1の効果の説明に先立って、遊技機が複数台設置されている遊技ホールについて説明する。一般に、遊技ホールでは、複数の遊技機に対して一斉に(同時に)電力の供給を開始する。具体的には、例えば、複数の遊技機がそれぞれの電源スイッチがONになっている状態でいわゆる島設備に設置されており、当該島設備の電源スイッチ(以下、島電源スイッチとも呼ぶ)をONにすると、当該島設備に設置されている複数の遊技機に対して一斉に(同時に)電力の供給が開始される。
以上説明した遊技ホールにおける遊技機の運用を踏まえて、特徴γD1の遊技機は、当該遊技機への外部からの電力の供給が開始されたことに基づいて、計時情報更新手段から計時情報を取得し、取得した計時情報を起動時刻情報として起動時刻情報記憶手段に記憶させる処理である記憶処理を実行する。そして、起動時刻情報に基づいて、記憶処理が実行されてからの経過時間を算出し、算出した経過時間に基づいて所定の処理を実行する。この構成を採用したことによる効果について説明する。
仮に、記憶処理が実行されてからの経過時間ではなく、計時情報更新手段(RTC97の計時レジスタ97b1)において更新されている計時情報(現在日時情報)に基づいて所定の処理を実行する構成(例えば、計時情報に含まれている時刻が11時00分00秒となったタイミングで所定の演出を開始する構成)を採用した場合について説明する。この構成において、島設備に設置されている各遊技機の計時情報に含まれている時刻にずれが生じている場合(例えば、ある瞬間において遊技機Aの計時情報に含まれている時刻が11時00分00秒であり、遊技機Bの計時情報に含まれている時刻が10時59分52秒である場合)には、所定の処理(所定の演出)が開始されるタイミングが各遊技機毎に異なってしまい、島設備に設置されている各遊技機において一斉に(同時に)所定の処理(所定の演出)が開始されることを期待していた遊技者に違和感を与えてしまうといった課題がある。
これに対して、本特徴によれば、島設備に設置されている各遊技機は、当該遊技機への外部からの電力の供給が開始されたことに基づいて、計時情報更新手段から計時情報を取得し、取得した計時情報を起動時刻情報として起動時刻情報記憶手段に記憶させる処理である記憶処理を実行する。
したがって、例えば、遊技ホールの管理者が島電源スイッチをONにすると、当該島設備に設置されている複数の遊技機に対して一斉に(同時に)電力の供給が開始され、当該島設備に設置されている各遊技機は、一斉に(同時に)記憶処理を実行する。
そして、本特徴によれば、島設備に設置されている各遊技機は、起動時刻情報記憶手段に記憶されている起動時刻情報に基づいて、記憶処理が実行されてからの経過時間を算出する。上述したように、当該島設備に設置されている各遊技機は、一斉に(同時に)記憶処理を実行するので、各遊技機において算出される記憶処理が実行されてからの経過時間は、各遊技機の計時情報に含まれている時刻にずれが生じていたとしても、同一(又は略同一)となる。
そして、本特徴によれば、島設備に設置されている各遊技機は、算出した経過時間に基づいて所定の処理を実行するので、各遊技機において実行される所定の処理の実行の態様を同じにすることができる。具体的には、例えば、経過時間が所定時間となった場合に特定の演出を開始する構成を採用した場合には、島設備に設置されている各遊技機において一斉に(同時に)特定の演出を開始させることが可能となる。
さらに、本特徴の遊技機は、記憶した起動時刻情報を電断状態の間も保持することが可能な起動時刻情報記憶手段と、当該遊技機への外部からの電力の供給が開始された際に、計時情報更新手段における計時情報に含まれる時刻が、起動時刻情報記憶手段に記憶されている起動時刻情報に含まれる時刻から所定時間(例えば30分)が経過していない場合には記憶処理の実行を回避する回避手段とを備える。この構成を採用したことによる効果について説明する。
仮に、上述した回避手段を備えない構成を採用した場合について説明する。この構成において、島設備に設置されている各遊技機に対して一斉に(同時に)電力の供給が開始されると、当該島設備に設置されている各遊技機は、一斉に(同時に)記憶処理を実行する。その後、遊技ホールの管理者が、種々の理由により、当該島設備に設置されている複数の遊技機のうちの一の遊技機の電源スイッチを一旦OFFにした後、再度、当該一の遊技機の電源スイッチをONにする場合がある。具体的には、例えば、設定変更モードを実行させて遊技機の当選確率の設定を変更するために、当該島設備に設置されている複数の遊技機のうちの一の遊技機の電源スイッチを一旦OFFにした後、当該一の遊技機を設定変更モードを開始させる開始条件を成立させた状態として当該一の遊技機の電源スイッチをONにして設定変更モードを開始させる場合がある。この場合、当該一の遊技機は、電源スイッチがONにされて電力の供給が開始されたことに基づいて再び記憶処理を実行する。そうすると、当該一の遊技機において算出される経過時間が、他の遊技機において算出される経過時間と異なってしまい、当該一の遊技機において所定の処理(所定の演出)が開始されるタイミングが、他の遊技機において所定の処理(所定の演出)が開始されるタイミングと異なってしまい、当該一の遊技機において遊技を行なっている遊技者に違和感を与えてしまうといった課題がある。
これに対して、本特徴によれば、遊技ホールの管理者が、当該一の遊技機の電源スイッチをOFFにして電断状態としても、当該一の遊技機の起動時刻情報記憶手段において記憶されている起動時刻情報は保持される。その後、管理者が所定時間(例えば30分)以内に当該一の遊技機の電源スイッチをONにすると、記憶処理の実行が回避されるので、当該一の遊技機の起動時刻情報記憶手段に記憶されている起動時刻情報が上書きされず、他の遊技機と一斉に(同時に)電力の供給が開始された際に実行された記憶処理において記憶された起動時刻情報が維持される。この結果、当該一の遊技機を含む当該島設備に設置されている各遊技機において算出される経過時間は同一(又は略同一)となる。
そして、本特徴によれば、島設備に設置されている各遊技機は、算出した経過時間に基づいて所定の処理を実行するので、一旦電源スイッチをOFFにした後再度電源スイッチをONにした遊技機を含む当該島設備に設置されている各遊技機において実行される所定の処理の実行の態様を同じにすることができる。具体的には、例えば、経過時間が所定時間となった場合に特定の演出を開始する構成を採用した場合には、一旦電源スイッチをOFFにした後再度電源スイッチをONにした遊技機を含む島設備に設置されている各遊技機において一斉に(同時に)特定の演出を開始させることが可能となる。
すなわち、管理者は、島設備の島電源スイッチをONにして、当該島設備に設置されている複数の遊技機に対して一斉に(同時に)電力の供給を開始させた後、所定時間(例えば30分)以内に、当該島設備に設置されている複数の遊技機のうち、当選確率の設定を変更しようとする一の遊技機の電源スイッチを一旦OFFにした後、当該一の遊技機を設定変更モードを開始させる開始条件を成立させた状態として当該一の遊技機の電源スイッチをONにして設定変更モードを開始させれば、当該一の遊技機の当選確率の設定を変更することが可能であるとともに、一旦電源スイッチをOFFにした後再度電源スイッチをONにした当該一の遊技機を含む島設備に設置されている各遊技機において一斉に(同時に)特定の演出を開始させることが可能となる。この結果、遊技の興趣向上を図ることができる。
[特徴γD2]
特徴γD1に記載の遊技機であって、
前記所定時間の長さを変更する変更手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴γD2によれば、遊技ホールに設置されている遊技機の台数や広さ等に応じて所定時間の長さを適宜変更することができるので、例えば、当該遊技ホールに設置されている複数の遊技機に対する当選確率の設定の変更作業が完了する前に所定時間が経過してしまうといった事態の発生を抑制することが可能となる。
<特徴γE群>
特徴γE群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第1実施形態の態様101から抽出される。
[特徴γE1]
遊技機であって、
当該遊技機への外部からの電力供給が開始されたことに基づいて、処理の内容が異なる複数の種別の起動処理のうちのいずれかの起動処理を実行する起動処理実行手段と、
前記複数の種別の起動処理のうちの特定の起動処理が前記起動処理実行手段によって実行される場合(RAM異常コマンドを送信する処理を含む起動処理が主制御装置によって実行される場合)に、次回の電力供給の開始の際に前記起動処理実行手段に実行させるべき前記起動処理の種別に関する情報を報知する(「設定変更モードで起動して下さい」と報知する)報知手段と、
を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴γE1によれば、次回の電力供給の開始の際に実行させるべき起動処理の種別に関する情報を報知するので、遊技機の管理者は、当該遊技機への電力供給を終了させた後、再度、当該遊技機への電力供給を開始させる際に、報知された種別の起動処理を実行させるようにすることができる。したがって、遊技機の管理性を向上させることができる。
具体的には、例えば、島設備に設置されている複数の遊技機のうちの一の遊技機への電力供給を終了させた後、再度、当該一の遊技機への電力供給を開始させる際に、報知された種別の起動処理を実行させなければ当該一の遊技機において実行される特定の演出の開始のタイミングが他の複数の遊技機において実行される特定の演出の開始のタイミングとずれてしまう構成において、管理者が当該一の遊技機に別の種別の起動処理を実行させてしまうことを抑制することができ、この結果、当該一の遊技機において実行される特定の演出の開始のタイミングが他の複数の遊技機において実行される特定の演出の開始のタイミングとずれてしまうことを抑制することが可能となる。
[特徴γE2]
特徴γE1に記載の遊技機であって、
前記報知手段は、前記起動処理の種別に関する情報の報知を当該遊技機への外部からの電力供給が断たれるまで(電源スイッチがOFFにされるまで)継続する手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴γE2によれば、起動処理の種別に関する情報の報知を当該遊技機への外部からの電力供給が断たれるまで継続する。この効果について説明する。仮に、起動処理の種別に関する情報の報知を所定時間(例えば10秒)で終了する構成とした場合には、例えば、広い遊技ホールにおいて、管理者が島設備の島電源スイッチの電源をONにして遊技機への外部からの電力供給が開始された後、管理者が当該遊技機に到達する前に当該報知が終了してしまい、次回の電力供給の開始の際に起動処理実行手段に実行させるべき起動処理の種別を管理者が把握することができない場合がある。これに対して、特徴γE2によれば、起動処理の種別に関する情報の報知を当該遊技機への外部からの電力供給が断たれるまで継続するので、管理者が当該遊技機に到達する前に当該報知が終了してしまい、次回の電力供給の開始の際に起動処理実行手段に実行させるべき起動処理の種別を管理者が把握することができないといった事態の発生を回避することができる。
なお、上記特徴βZ群~特徴γE群の発明は、以下の課題を解決する。
パチンコ遊技機やスロットマシン等の遊技機においては、遊技の興趣向上や、遊技機の処理負荷の低減、処理の最適化、制御の簡易化、構造の簡素化、遊技機の開発の効率化、不具合が発生しにくい遊技機の提供、遊技者に配慮した遊技機の提供等を目的として、構造、制御、演出等の様々な観点から技術的な改良が行われている。
また、遊技者による不正な行為や遊技機に対する不正な改造の発見や抑止といった遊技の健全性の向上を目的とした様々な技術的な改良も行われている。
上記のような遊技機においては、遊技の興趣向上や、遊技機の処理負荷の低減、処理の最適化、制御の簡易化、構造の簡素化、遊技機の開発の効率化、不具合が発生しにくい遊技機の提供、遊技者に配慮した遊技機の提供、より健全な遊技の提供等を目的として、さらなる技術の向上が望まれている。
<特徴γF群>
特徴γF群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第1実施形態の態様103~態様106から抽出される。
[特徴γF1]
遊技球が入球可能な入球手段と、
前記入球手段への遊技球の入球を契機として特別情報を取得する特別情報取得手段と、
前記特別情報が特典付与条件を満たすか否かを判定する特別情報判定処理を実行する特別情報判定処理実行手段と、
前記特別情報判定処理において前記特別情報が前記特典付与条件を満たすと判定された場合に遊技者に特典を付与する特典付与手段と、
前記特別情報判定処理において前記特別情報が前記特典付与条件を満たすと判定される確率である当選確率の設定を変更可能な当選確率変更手段(設定変更モード)と、
前記当選確率の設定を定める情報である設定情報を記憶する設定情報記憶手段と、
前記設定情報が所定の条件を満たすか否かを判定する設定情報判定処理を実行する設定情報判定手段と、
所定の遊技の進行を停止させる処理である遊技停止処理(遊技停止フラグをONにする処理)を実行する遊技停止手段と、
を備え、
前記設定情報判定手段は、
前記入球手段への遊技球の入球を契機として前記設定情報判定処理を実行する(入球時設定情報判定を行なう)第1設定情報判定手段と、
前記特別情報判定処理の実行に伴って前記設定情報判定処理を実行する(変動開始時設定情報判定を行なう)第2設定情報判定手段と、
を備え、
前記遊技停止手段は、
前記第2判定処理実行手段によって前記設定情報が前記所定の条件を満たさないと判定された場合には前記遊技停止処理を実行するが、前記第1判定処理実行手段によって前記設定情報が前記所定の条件を満たさないと判定された場合には前記遊技停止処理を実行しない手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴γF1によれば、特別情報判定処理の実行に伴って実行された設定情報判定処理において設定情報が所定の条件を満たさないと判定された場合には所定の遊技の進行を停止させる処理を実行する一方、入球手段への遊技球の入球を契機として実行された設定情報判定処理において設定情報が所定の条件を満たさないと判定された場合には所定の遊技の進行を停止させる処理を実行しない。このような構成を採用した理由について説明する。
先に、本特徴とは異なり、入球手段への遊技球の入球を契機として実行された設定情報判定処理において設定情報が所定の条件を満たさないと判定された場合にも所定の遊技の進行を停止させる処理を実行する構成を採用した場合について説明する。この構成において、例えば、特典付与期間中(開閉実行モードの実行中)に遊技球が入球手段に入球し、当該入球を契機として実行された設定情報判定処理において設定情報が所定の条件を満たさないと判定されると、当該特典付与期間が中断されて遊技の進行が停止してしまい、遊技者に大きな不快感と不利益を与えてしまうことになる。
これに対して、本特徴によれば、入球手段への遊技球の入球を契機として実行された設定情報判定処理において設定情報が所定の条件を満たさないと判定された場合であっても所定の遊技の進行を停止させる処理を実行しないので、当該設定情報判定処理の契機となった遊技球の入球よりも前から既に開始されている特典付与期間(開閉実行モード)が中断することがない。そして、本特徴のように、特別情報判定処理の実行に伴って実行された設定情報判定処理において設定情報が所定の条件を満たさないと判定された場合に遊技の進行を停止させても、特典付与期間中であることはないため、遊技者に与える不快感や不利益は、入球手段への遊技球の入球を契機として実行された設定情報判定処理において設定情報が所定の条件を満たさないと判定されて所定の遊技を停止させる処理を実行する場合よりは大きくない。したがって、本特徴によれば、遊技者に与える不快感や不利益を低減した上で、遊技の進行を停止させることができる。そして、設定情報が所定の条件を満たさない状態のまま遊技が継続してしまうことを抑制することができる。
[特徴γF2]
特徴γF1に記載の遊技機であって、
前記第2設定情報判定手段は、前記設定情報判定処理を、前記特別情報判定処理の実行に先立って実行する手段を備え、
当該遊技機は、
前記第2判定処理実行手段によって前記設定情報が前記所定の条件を満たさないと判定された場合に、前記特別情報判定処理の実行を回避する回避手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴γF2によれば、前記第2判定処理実行手段によって前記設定情報が前記所定の条件を満たさないと判定された場合に特別情報判定処理の実行を回避する回避手段を備えるので、設定情報が所定の条件を満たさない状態のまま特別情報判定処理が実行されてしまうことを抑制することができる。
[特徴γF3]
特徴γF1または特徴γF2に記載の遊技機であって、
前記特別情報が前記特別情報判定処理の対象となる前に当該特別情報が前記特典付与条件を満たすか否かを判定する先判定処理を実行する先判定処理実行手段を備え、
前記第1設定情報判定手段は、前記設定情報判定処理を、前記入球手段への遊技球の入球を契機として、前記先判定処理の実行に先立って実行する手段を備え、
当該遊技機は、
前記第1設定情報判定手段によって前記設定情報が前記所定の条件を満たさないと判定された場合に、前記先判定処理の実行を回避する回避手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴γF3によれば、第1設定情報判定手段によって設定情報が所定の条件を満たさないと判定された場合に先判定処理の実行を回避する回避手段を備えるので、設定情報が所定の条件を満たさない状態のまま先判定処理が実行されてしまうことを抑制することができる。
[特徴γF4]
特徴γF1から特徴γF3のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記第1設定情報判定手段によって前記設定情報が前記所定の条件を満たさないと判定された場合に、特定の演出を実行する特定演出実行手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴γF4によれば、第1設定情報判定手段によって設定情報が所定の条件を満たさないと判定された場合に特定の演出を実行する特定演出実行手段を備えるので、例えば、設定情報がノイズ等の影響によって所定の条件を満たさない状態となっていることに起因して遊技者に与えてしまう不快感を当該特定の演出によって低減することができる。
<特徴γG群>
特徴γG群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第1実施形態の態様104から抽出される。
[特徴γG1]
遊技球が入球可能な入球手段と、
前記入球手段への遊技球の入球を契機として特別情報を取得する特別情報取得手段と、
前記特別情報が特典付与条件を満たすか否かを判定する特別情報判定処理を実行する特別情報判定処理実行手段と、
前記特別情報判定処理において前記特別情報が前記特典付与条件を満たすと判定された場合に遊技者に特典を付与する特典付与手段と、
前記特別情報判定処理において前記特別情報が前記特典付与条件を満たすと判定される確率である当選確率の設定を変更可能な当選確率変更手段(設定変更モード)と、
前記当選確率の設定を定める情報である設定情報を記憶する設定情報記憶手段と、
前記特別情報判定処理の実行に伴って、前記設定情報記憶手段に記憶されている前記設定情報と、当該特別情報判定処理の対象となる前記特別情報が取得された時点における前記設定情報として記憶されている特別情報取得時設定情報(入球時設定情報)とが一致するか否かを判定する設定情報判定手段と、
を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴γG1によれば、特別情報判定処理の実行に伴って、設定情報記憶手段に記憶されている設定情報と、当該特別情報判定処理の対象となる特別情報が取得された時点における設定情報として記憶されている特別情報取得時設定情報とが一致するか否かを判定する設定情報判定手段を備えている。そして、設定情報がノイズ等の影響によって管理者の意図しない他の値に書き換わってしまった場合には、設定情報と特別情報取得時設定情報とが一致しないことになる。したがって、本特徴によれば、当該設定情報の書き換わりを特別情報判定処理の実行に伴って検出することができる。
[特徴γG2]
特徴γG1に記載の遊技機であって、
前記設定情報判定手段は、前記設定情報と前記特別情報取得時設定情報とが一致するか否かの判定を、前記特別情報判定処理の実行に先立って実行する手段を備え、
当該遊技機は、
前記設定情報判定手段によって前記設定情報と前記特別情報取得時設定情報とが一致しないと判定された場合に、前記特別情報判定処理の実行を回避する回避手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴γG2によれば、設定情報と特別情報取得時設定情報とが一致しないと判定された場合に特別情報判定処理の実行を回避する回避手段を備えるので、設定情報がノイズ等の影響によって管理者の意図しない他の値に書き換わっている状態のまま特別情報判定処理が実行されてしまうことを抑制することができる。
[特徴γG3]
特徴γG1または特徴γG2に記載の遊技機であって、
前記設定情報判定手段によって前記設定情報と前記特別情報取得時設定情報とが一致しないと判定された場合に、所定の遊技の進行を停止させる処理(遊技停止フラグをONにする処理)を実行する手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴γG3によれば、設定情報と特別情報取得時設定情報とが一致しないと判定された場合に所定の遊技の進行を停止させる処理を実行する手段を備えるので、設定情報がノイズ等の影響によって管理者の意図しない他の値に書き換わっている状態のまま遊技が進行してしまうことを抑制することができる。
<特徴γH群>
特徴γH群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第1実施形態の態様105から抽出される。
[特徴γH1]
遊技球が入球可能な入球手段と、
前記入球手段への遊技球の入球を契機として特別情報を取得する特別情報取得手段と、
前記特別情報が特典付与条件を満たすか否かを判定する特別情報判定処理を実行する特別情報判定処理実行手段と、
前記特別情報判定処理において前記特別情報が前記特典付与条件を満たすと判定された場合に遊技者に特典を付与する特典付与手段と、
前記特別情報判定処理において前記特別情報が前記特典付与条件を満たすと判定される確率である当選確率の設定を変更可能な当選確率変更手段(設定変更モード)と、
前記当選確率の設定を定める情報である設定情報を記憶する設定情報記憶手段と、
前記特別情報判定処理の実行に伴って、当該特別情報判定処理の対象となる前記特別情報が取得された時点における前記設定情報として記憶されている特別情報取得時設定情報(入球時設定情報)と、前回実行された前記特別情報判定処理の実行時における前記設定情報として記憶されている前回実行時設定情報(前回当たり判定処理時設定情報)とが一致するか否かを判定する設定情報判定手段と、
を備えることを特徴とする遊技機。
特徴γH1によれば、特別情報判定処理の実行に伴って、当該特別情報判定処理の対象となる前記特別情報が取得された時点における前記設定情報として記憶されている特別情報取得時設定情報と、前回実行された前記特別情報判定処理の実行時における前記設定情報として記憶されている前回実行時設定情報とが一致するか否かを判定する設定情報判定手段を備えている。そして、設定情報がノイズ等の影響によって管理者の意図しない他の値に書き換わってしまった場合には、特別情報取得時設定情報と前回実行時設定情報とが一致しないことになる。したがって、本特徴によれば、当該設定情報の書き換わりを特別情報判定処理の実行に伴って検出することができる。
[特徴γH2]
特徴γH1に記載の遊技機であって、
前記設定情報判定手段は、前記特別情報取得時設定情報と前記前回実行時設定情報とが一致するか否かの判定を、前記特別情報判定処理の実行に先立って実行する手段を備え、
当該遊技機は、
前記設定情報判定手段によって前記特別情報取得時設定情報と前記前回実行時設定情報とが一致しないと判定された場合に、前記特別情報判定処理の実行を回避する回避手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴γH2によれば、特別情報取得時設定情報と前回実行時設定情報とが一致しないと判定された場合に特別情報判定処理の実行を回避する回避手段を備えるので、設定情報がノイズ等の影響によって管理者の意図しない他の値に書き換わっている状態のまま特別情報判定処理が実行されてしまうことを抑制することができる。
[特徴γH3]
特徴γH1または特徴γH2に記載の遊技機であって、
前記設定情報判定手段によって前記特別情報取得時設定情報と前記前回実行時設定情報とが一致しないと判定された場合に、所定の遊技の進行を停止させる処理(遊技停止フラグをONにする処理)を実行する手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴γH3によれば、特別情報取得時設定情報と前回実行時設定情報とが一致しないと判定された場合に所定の遊技の進行を停止させる処理を実行する手段を備えるので、設定情報がノイズ等の影響によって管理者の意図しない他の値に書き換わっている状態のまま遊技が進行してしまうことを抑制することができる。
<特徴γI群>
特徴γI群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第1実施形態の態様106から抽出される。
[特徴γI1]
遊技球が入球可能な入球手段と、
前記入球手段への遊技球の入球を契機として特別情報を取得する特別情報取得手段と、
前記特別情報が特典付与条件を満たすか否かを判定する特別情報判定処理を実行する特別情報判定処理実行手段と、
前記特別情報判定処理において前記特別情報が前記特典付与条件を満たすと判定された場合に遊技者に特典を付与する特典付与手段と、
前記特別情報判定処理において前記特別情報が前記特典付与条件を満たすと判定される確率である当選確率の設定を変更可能な当選確率変更手段(設定変更モード)と、
前記当選確率の設定を定める情報である設定情報を記憶する設定情報記憶手段と、
前記特別情報判定処理の実行に伴って、前記設定情報記憶手段に記憶されている前記設定情報と、前回実行された前記特別情報判定処理の実行時における前記設定情報として記憶されている前回実行時設定情報(前回当たり判定処理時設定情報)とが一致するか否かを判定する設定情報判定手段と、
を備えることを特徴とする遊技機。
特徴γI1によれば、特別情報判定処理の実行に伴って、設定情報記憶手段に記憶されている設定情報と、前回実行された特別情報判定処理の実行時における設定情報として記憶されている前回実行時設定情報とが一致するか否かを判定する設定情報判定手段を備えている。そして、設定情報がノイズ等の影響によって管理者の意図しない他の値に書き換わってしまった場合には、設定情報と前回実行時設定情報とが一致しないことになる。したがって、本特徴によれば、当該設定情報の書き換わりを特別情報判定処理の実行に伴って検出することができる。
[特徴γI2]
特徴γI1に記載の遊技機であって、
前記設定情報判定手段は、前記設定情報と前記前回実行時設定情報とが一致するか否かの判定を、前記特別情報判定処理の実行に先立って実行する手段を備え、
当該遊技機は、
前記設定情報判定手段によって前記設定情報と前記前回実行時設定情報とが一致しないと判定された場合に、前記特別情報判定処理の実行を回避する回避手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴γI2によれば、設定情報と前回実行時設定情報とが一致しないと判定された場合に特別情報判定処理の実行を回避する回避手段を備えるので、設定情報がノイズ等の影響によって管理者の意図しない他の値に書き換わっている状態のまま特別情報判定処理が実行されてしまうことを抑制することができる。
[特徴γI3]
特徴γI1または特徴γI2に記載の遊技機であって、
前記設定情報判定手段によって前記設定情報と前記前回実行時設定情報とが一致しないと判定された場合に、所定の遊技の進行を停止させる処理(遊技停止フラグをONにする処理)を実行する手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴γI3によれば、設定情報と前回実行時設定情報とが一致しないと判定された場合に所定の遊技の進行を停止させる処理を実行する手段を備えるので、設定情報がノイズ等の影響によって管理者の意図しない他の値に書き換わっている状態のまま遊技が進行してしまうことを抑制することができる。
<特徴γJ群>
特徴γJ群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第1実施形態の態様106から抽出される。
[特徴γJ1]
遊技球が入球可能な入球手段と、
前記入球手段への遊技球の入球を契機として特別情報を取得する特別情報取得手段と、
前記特別情報が特典付与条件を満たすか否かを判定する特別情報判定処理を実行する特別情報判定処理実行手段と、
前記特別情報判定処理において前記特別情報が前記特典付与条件を満たすと判定された場合に遊技者に特典を付与する特典付与手段と、
前記特別情報判定処理において前記特別情報が前記特典付与条件を満たすと判定される確率である当選確率の設定を変更可能な当選確率変更手段(設定変更モード)と、
前記当選確率の設定を定める情報である設定情報を記憶する設定情報記憶手段と、
前記入球手段への遊技球の入球を契機として、当該遊技球の前記入球手段への入球時における前記設定情報と、前回実行された前記特別情報判定処理の実行時における前記設定情報として記憶されている前回実行時設定情報(前回当たり判定処理時設定情報)とが一致するか否かを判定する設定情報判定手段と、
を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴γJ1によれば、入球手段への遊技球の入球を契機として、当該遊技球の前記入球手段への入球時における設定情報と、前回実行された特別情報判定処理の実行時における設定情報として記憶されている前回実行時設定情報とが一致するか否かを判定する設定情報判定手段を備えている。そして、設定情報がノイズ等の影響によって管理者の意図しない他の値に書き換わってしまった場合には、遊技球の入球時における設定情報と前回実行時設定情報とが一致しないことになる。したがって、本特徴によれば、当該設定情報の書き換わりを入球手段への遊技球の入球を契機として検出することができる。この結果、設定情報がノイズ等の影響によって管理者の意図しない他の値に書き換わってしまったことを前提とした様々な処理を、入球手段への遊技球の入球を契機として実行することが可能となる。
[特徴γJ2]
特徴γJ1に記載の遊技機であって、
前記特別情報が前記特別情報判定処理の対象となる前に当該特別情報が前記特典付与条件を満たすか否かを判定する先判定処理を実行する先判定処理実行手段を備え、
前記設定情報判定手段は、前記遊技球の前記入球時における前記設定情報と前記前回実行時設定情報とが一致するか否かの判定を、前記先判定処理の実行に先立って実行する手段を備え、
当該遊技機は、
前記設定情報判定手段によって前記遊技球の前記入球時における前記設定情報と前記前回実行時設定情報とが一致しないと判定された場合に、前記先判定処理の実行を回避する回避手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴γJ2によれば、遊技球の入球時における設定情報と前回実行時設定情報とが一致しないと判定された場合に先判定処理の実行を回避する回避手段を備えるので、設定情報がノイズ等の影響によって管理者の意図しない他の値に書き換わっている状態のまま先判定処理が実行されてしまうことを抑制することができる。
[特徴γJ3]
特徴γJ1または特徴γJ2に記載の遊技機であって、
前記設定情報判定手段によって前記遊技球の前記入球時における前記設定情報と前記特別情報取得時設定情報とが一致しないと判定された場合に、特定の演出を実行する特定演出実行手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴γJ3によれば、遊技球の入球時における設定情報と前回実行時設定情報とが一致しないと判定された場合に特定の演出を実行する特定演出実行手段を備えるので、例えば、遊技球の入球時における設定情報と前回実行時設定情報とが一致しないと判定されたことに起因して遊技者に与えてしまう不快感を当該特定の演出によって低減することができる。
<特徴γK群>
特徴γK群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第1実施形態の態様103~態様106から抽出される。
[特徴γK1]
遊技機であって、
遊技球が入球可能な入球手段と、
前記入球手段への遊技球の入球を契機として特別情報を取得する特別情報取得手段と、
前記特別情報が特典付与条件を満たすか否かを判定する特別情報判定処理を実行する特別情報判定処理実行手段と、
前記特別情報判定処理において前記特別情報が前記特典付与条件を満たすと判定された場合に遊技者に特典を付与する特典付与手段と、
前記特別情報判定処理において前記特別情報が前記特典付与条件を満たすと判定される確率である当選確率の設定を変更可能な当選確率変更手段(設定変更モード)と、
前記当選確率の設定を定める情報である設定情報を記憶する設定情報記憶手段と、
前記設定情報が所定の条件を満たすか否かを判定する設定情報判定処理を実行する設定情報判定手段と、
前記特別情報取得手段によって取得された前記特別情報であって前記特別情報判定処理の対象となるまで保留されている前記特別情報が存在することを示す保留表示を表示する保留表示手段と、
前記設定情報が前記所定の条件を満たさないと判定されたことを契機として、前記保留表示の表示態様を変化させる演出である保留変化演出を実行する演出実行手段と、
を備える
ことを特徴とする遊技機。
設定情報が所定の条件を満たさない場合には、遊技の進行に不具合が生じたり遊技の進行が停止する場合がある。特徴γK1によれば、設定情報が所定の条件を満たさないと判定されたことを契機として、保留表示の表示態様を変化させる演出である保留変化演出を実行するので、遊技者を当該保留変化演出に注目させることができるとともに、設定情報が所定の条件を満たさないと判定されたことに起因して遊技者が受ける不快感を当該保留変化演出によって低減することができる。
[特徴γK2]
特徴γK1に記載の遊技機であって、
前記保留表示手段は、前記保留表示を複数種類の表示態様(青色、緑色、赤色、金色、虹色)で表示可能であり、
前記保留表示の各表示態様の期待度を、各表示態様の前記保留表示が表示された場合における、遊技者に有利な結果となる確率の高さと定義した場合に、
前記演出実行手段は、前記保留変化演出として、既に表示されている前記保留表示の表示態様を、期待度のより低い表示態様に変化させる保留降格演出を実行する手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
設定情報が所定の条件を満たさない場合には、遊技の進行に不具合が生じたり遊技の進行が停止する場合がある。特徴γK2によれば、設定情報が所定の条件を満たさないと判定されたことを契機として、既に表示されている保留表示の表示態様を、期待度のより低い表示態様に変化させる保留降格演出を実行するので、期待度の高い表示態様の保留表示が表示された状態のまま遊技の進行が停止してしまうことを抑制することができる。したがって、遊技の進行が停止してしまったことに対する遊技者の失望感を低減することができる。以下、より具体的に説明する。
先に、本特徴とは異なり、設定情報が所定の条件を満たさないと判定された場合であっても保留降格演出を実行しない構成を採用した場合について説明する。この構成において、例えば、期待度の高い表示態様の保留表示が表示されている状況において設定情報が所定の条件を満たさないと判定された場合には、遊技者が当該期待度の高い表示態様の保留表示に対応する特別情報に対して強い期待感を抱いているにもかかわらず、当該特別情報に対して特別情報判定処理が実行される前に遊技の進行が停止してしまう場合があり、遊技者は、当該期待度の高い表示態様の保留表示に対応する特別情報に基づいて特別情報判定処理が実行されずに遊技が停止してしまったことに対して強い怒りや失望感、ひいては不信感を抱くことになってしまう。
これに対して、本特徴では、設定情報が所定の条件を満たさないと判定された場合に保留降格演出するので、期待度の高い表示態様の保留表示が期待度の低い表示態様の保留表示に変化する。したがって、遊技者は、当初は当該期待度の高い表示態様の保留表示に対して強い期待感を抱いていたが、当該期待度の高い表示態様の保留表示が期待度の低い表示態様の保留表示に変化することによって、当該保留表示に対応する特別情報はそれほど期待度の高いものではなかったのだと認識を改めることになる。その後、当該保留表示に対応する特別情報が特別情報判定処理の対象となる前に遊技が停止してしまっても、遊技者は既に当該保留表示に対応する特別情報に対しては強い期待感を抱いていないので、当該保留表示に対応する特別情報が特別情報判定処理の対象となる前に遊技が停止してしまっても、それほど大きな怒りや失望感を抱かなくて済むことになる。したがって、本特徴によれば、遊技が停止してしまったことに対する遊技者の怒りや失望感を低減することができる。
[特徴γK3]
特徴γK2に記載の遊技機であって、
前記演出実行手段は、前記保留降格演出として、既に表示されている前記保留表示の表示態様を、前記複数種類の表示態様のうち最も期待度の低い表示態様(青色)に変化させる手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴γK3によれば、演出実行手段は、保留降格演出として、既に表示されている保留表示の表示態様を、複数種類の表示態様のうち最も期待度の低い表示態様(青色)に変化させる手段を備えるので、遊技者は、当初は当該期待度の高い表示態様の保留表示に対して強い期待感を抱いていたが、当該期待度の高い表示態様の保留表示が期待度の最も低い表示態様の保留表示に変化することによって、当該保留表示に対応する特別情報は最も期待度の低いものであったのだと認識を改めることになる。その後、当該保留表示に対応する特別情報が特別情報判定処理の対象となる前に遊技が停止してしまっても、それほど大きな怒りや失望感を抱かなくて済むことになる。したがって、本特徴によれば、遊技が停止してしまったことに対する遊技者の怒りや失望感をさらに低減することができる。
[特徴γK4]
特徴γK2から特徴γK3のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記保留表示手段は、前記特別情報が前記特別情報判定処理の対象となった後も、当該特別情報に対応する前記保留表示を継続して表示する手段を備え、
前記演出実行手段は、前記保留表示の表示態様が変化する可能性があることを示唆する演出である保留変化示唆演出を、前記保留変化演出に先立って実行する保留変化示唆演出実行手段を備え、
前記保留表示手段は、前記複数種類の表示態様のうち最も期待度の高い表示態様(虹色)の保留表示を、前記特別情報が前記特別情報判定処理の対象となった後に当該特別情報に対応する前記保留表示を継続して表示する場合にのみ表示する手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴γK4によれば、保留表示手段は、複数種類の表示態様のうち最も期待度の高い表示態様(虹色)の保留表示を、特別情報が特別情報判定処理の対象となった後に当該特別情報に対応する保留表示を継続して表示する場合にのみ表示する手段を備える。このような構成を採用する理由について以下に説明する。
先に、本特徴とは異なり、最も期待度の高い表示態様の保留表示が、保留されている特別情報が特別情報判定処理の対象となる前の段階においても表示され得る構成を採用した場合について説明する。この構成において、最も期待度の高い表示態様の保留表示が特別情報判定処理の対象となる前の特別情報に対して表示されている状況において、保留変化示唆演出が実行されると、当該保留変化示唆演出を認識した遊技者は、最も期待度の高い表示態様の保留表示はこれ以上期待度の高い表示態様の保留表示に変化する余地がないため、当該保留変化示唆演出の後に実行される保留変化演出は、当該最も期待度の高い表示態様の保留表示をより期待度の低い表示態様の保留表示に変化させるものであると予測することが可能となってしまい、当該保留変化示唆演出に対する遊技者の期待感を低下させてしまうことになる。
これに対して、本特徴によれば、保留されている特別情報が特別情報判定処理の対象となる前の段階においては、保留表示は常により期待度の高い表示態様の保留表示に変化する余地がある状態となっているので、保留変化示唆演出が実行された場合であっても、当該保留変化示唆演出を認識した遊技者は、当該保留変化示唆演出の後に実行される保留変化演出が、期待度の高い表示態様の保留表示に変化させるものであるのか、それとも、期待度の低い表示態様の保留表示に変化させるものであるのかを判断することができない。したがって、本特徴によれば、保留変化示唆演出に対する遊技者の期待感の低下を抑制することができる。
[特徴γK5]
特徴γK1から特徴γK4のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記設定情報が前記所定の条件を満たさないと判定されたことに基づいて所定の遊技の進行を停止させる処理を実行する遊技停止手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴γK5によれば、設定情報が所定の条件を満たさないと判定されたことを契機として所定の遊技の進行を停止させる処理を実行するので、設定情報が所定の条件を満たさない状態のまま遊技の進行が継続してしまうことによって遊技者の不利益が拡大してしまうことを抑制することができる。
<特徴γL群>
特徴γL群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第1実施形態の態様103~態様106から抽出される。
[特徴γL1]
遊技機であって、
遊技球が入球可能な入球手段と、
前記入球手段への遊技球の入球を契機として特別情報を取得する特別情報取得手段と、
前記特別情報が特典付与条件を満たすか否かを判定する特別情報判定処理を実行する特別情報判定処理実行手段と、
前記特別情報判定処理において前記特別情報が前記特典付与条件を満たすと判定された場合に遊技者に特典を付与する特典付与手段と、
前記特別情報判定処理において前記特別情報が前記特典付与条件を満たすと判定される確率である当選確率の設定を変更可能な当選確率変更手段(設定変更モード)と、
前記当選確率の設定を定める情報である設定情報を記憶する設定情報記憶手段と、
前記設定情報が所定の条件を満たすか否かを判定する設定情報判定処理を実行する設定情報判定手段と、
前記特別情報取得手段によって取得された前記特別情報であって前記特別情報判定処理の対象となるまで保留されている前記特別情報が存在することを示す保留表示を表示する保留表示手段と、
前記保留表示の表示態様を変化させる演出である保留変化演出を実行する演出実行手段と、
前記設定情報が前記所定の条件を満たさないと判定された場合に、当該設定情報が前記所定の条件を満たさないと判定される前の時点において既に実行予定となっているが未だ実行されていない前記保留変化演出の実行予定を取り消す取消手段と、
を備える
ことを特徴とする遊技機。
設定情報が所定の条件を満たさない場合には、遊技の進行に不具合が生じて遊技の進行が停止する場合がある。特徴γL1によれば、設定情報が所定の条件を満たさないと判定された場合に、当該設定情報が所定の条件を満たさないと判定される前の時点において既に実行予定となっているが未だ実行されていない保留変化演出の実行予定を取り消すので、保留変化演出によって表示態様が変化した保留表示に対して遊技者の期待感が高まったにもかかわらず、当該保留表示に対応した特別情報に対して特別情報判定処理が実行されずに遊技が停止してしまい、遊技者が不信感を抱いてしまうことを抑制することができる。
[特徴γL2]
特徴γL1に記載の遊技機であって、
前記保留表示手段は、前記保留表示を複数種類の表示態様(青色、緑色、赤色、金色、虹色)で表示可能であり、
前記保留表示の各表示態様の期待度を、各表示態様の前記保留表示が表示された場合における、遊技者に有利な結果となる確率の高さと定義した場合に、
前記演出実行手段は、前記保留変化演出として、既に表示されている前記保留表示の表示態様を、期待度のより高い表示態様に変化させる保留昇格演出を実行可能であり、
前記取消手段は、前記設定情報が前記所定の条件を満たさないと判定された場合に、当該設定情報が前記所定の条件を満たさないと判定される前の時点において既に実行予定となっているが未だ実行されていない前記保留昇格演出の実行予定を取り消す手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
設定情報が所定の条件を満たさない場合には、遊技の進行に不具合が生じて遊技の進行が停止する場合がある。特徴γL2によれば、設定情報が所定の条件を満たさないと判定された場合に、当該設定情報が所定の条件を満たさないと判定される前の時点において既に実行予定となっているが未だ実行されていない保留昇格演出の実行予定を取り消すので、保留昇格演出によって期待度のより高い表示態様に変化した保留表示に対して遊技者の期待感が高まったにもかかわらず、当該保留表示に対応した特別情報に対して特別情報判定処理が実行されずに遊技が停止してしまい、遊技者が強い不信感を抱いてしまうことを抑制することができる。
なお、上記特徴γF群~特徴γL群の発明は、以下の課題を解決する。
パチンコ遊技機やスロットマシン等の遊技機においては、遊技の興趣向上や、遊技機の処理負荷の低減、処理の最適化、制御の簡易化、構造の簡素化、遊技機の開発の効率化、不具合が発生しにくい遊技機の提供、遊技者に配慮した遊技機の提供等を目的として、構造、制御、演出等の様々な観点から技術的な改良が行われている。
また、遊技者による不正な行為や遊技機に対する不正な改造の発見や抑止といった遊技の健全性の向上を目的とした様々な技術的な改良も行われている。
上記のような遊技機においては、遊技の興趣向上や、遊技機の処理負荷の低減、処理の最適化、制御の簡易化、構造の簡素化、遊技機の開発の効率化、不具合が発生しにくい遊技機の提供、遊技者に配慮した遊技機の提供、より健全な遊技の提供等を目的として、さらなる技術の向上が望まれている。
<特徴γM群>
特徴γM群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第1実施形態の態様110から抽出される。
[特徴γM1]
複数の特典付与条件(当否テーブルに設定されている大当たり乱数カウンタ値群)の中から一の特典付与条件を定める情報である設定情報を変更可能な設定情報変更手段(設定変更モード)と、
少なくとも前記設定情報が変更されたことを契機として、前記設定情報に対応した前記一の特典付与条件を記憶する特典付与条件記憶手段(主側RAM64)と、
遊技球が入球可能な入球手段と、
前記入球手段への遊技球の入球を契機として特別情報を取得する特別情報取得手段と、
前記特別情報が前記特典付与条件記憶手段に記憶されている前記一の特典付与条件を満たすか否かを判定する特別情報判定手段と、
前記特別情報が前記一の特典付与条件を満たすと判定された場合に遊技者に特典を付与する特典付与手段と、
を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴γM1によれば、少なくとも設定情報が変更されたことを契機として設定情報に対応した一の特典付与条件を記憶する特典付与条件記憶手段と、特別情報が特典付与条件記憶手段に記憶されている一の特典付与条件を満たすか否かを判定する特別情報判定手段とを備えるので、特別情報判定手段は、特別情報が特典付与条件を満たすか否かを判定する際に設定情報を参照しなくてもよい。したがって、例えば、設定情報がノイズ等の影響によって管理者の意図しない他の値に書き換わってしまった場合であっても、特典付与条件記憶手段に記憶されている一の特典付与条件であって書き換わる前の設定情報に対応した一の特典付与条件に基づいて、特別情報に対する判定を行なうことができる。したがって、ノイズ等の影響を受けにくい遊技機を提供することができる。
<特徴γN群>
特徴γN群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第1実施形態の態様110から抽出される。
[特徴γN1]
複数の特典付与条件の中から一の特典付与条件を定める情報である設定情報を変更可能な設定情報変更モード(設定変更モード)を実行する設定情報変更モード実行手段と、
前記設定情報変更モードにおいて前記設定情報を変更させる変更操作を受け付ける変更操作受付手段(設定変更用ボタン)と、
前記設定情報変更モードにおいて前記設定情報を確定させる確定操作(設定変更用鍵穴をOFF側に回す操作)を受け付ける確定操作受付手段(設定用鍵穴)と、
前記設定情報は表示するが前記設定情報を変更することは不可能な設定情報表示モード(設定確認モード)を実行する設定情報表示モード実行手段と、
遊技球が入球可能な入球手段と、
前記入球手段への遊技球の入球を契機として特別情報を取得する特別情報取得手段と、
前記特別情報が前記設定情報に対応した前記特典付与条件を満たすか否かを判定する特別情報判定手段と、
前記特別情報が前記特典付与条件を満たすと判定された場合に遊技者に特典を付与する特典付与手段と、
少なくとも第1の表示態様(点滅状態)と第2の表示態様(点灯状態)とになり得る表示手段(情報表示部45zの右端7セグメント表示器45z4のDP発光部)と、
を備える遊技機であって、
前記設定情報変更モードは、
前記変更操作を受け付け可能な期間であって前記確定操作を受け付けるまでの期間である第1期間と、
前記確定操作を受け付けた後の期間であって前記変更操作を受け付け不可能な前記設定情報変更モードが終了するまでの期間である第2期間と、
によって構成されており、
前記表示手段(情報表示部45zの右端7セグメント表示器45z4のDP発光部)は、
前記設定情報変更モードの前記第1期間において前記第1の表示態様(点滅状態)になる手段と、
前記設定情報変更モードの前記第2期間において前記第2の表示態様(点灯状態)になる手段と、
前記設定情報表示モードにおいて前記第2の表示態様(点灯状態)になる手段と、
を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴γN1によれば、表示手段は、設定情報変更モードの第1期間において第1の表示態様になる手段と、設定情報変更モードの第2期間において第2の表示態様になる手段と、設定情報表示モードにおいて第2の表示態様になる手段を備える。したがって、本特徴によれば、少なくとも2つの表示態様になり得る表示手段を用いるだけで、現在実行中のモードが設定情報変更モードであるのか又は設定情報表示モードであるのかを管理者に明確に認識させることができるとともに、設定情報変更モードにおいて変更中の設定情報が確定して第1期間から第2期間に移行したことを管理者に明確に認識させることができることができる。また、本特徴によれば、設定情報変更モードの第2期間及び設定情報表示モードは、いずれも設定情報の変更が不可能な状態であり、かつ、表示手段が第2の表示態様になっている。したがって、管理者は、表示手段が第2の表示態様になっているということは、設定情報の変更が不可能な状態であるという認識を持つことができる。
<特徴γO群>
特徴γO群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第1実施形態の態様111から抽出される。
[特徴γO1]
遊技機であって、
当該遊技機への電力の供給が開始されたことを契機として、複数の処理を実行する処理実行手段と、
所定の表示態様(点灯状態)になり得る表示手段と、
を備え、
前記処理実行手段は、前記複数の処理の中の一の処理として特定の処理(設定変更モード)を実行する場合と、前記特定の処理を実行しない場合とがあり、
前記表示手段は、前記特定の処理が実行される場合に前記所定の表示態様になる手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴γO1によれば、表示手段は特定の処理が実行される場合に所定の表示態様になる手段を備えるので、当該遊技機の管理者は、表示手段が所定の表示態様になっているか否かを確認することによって、当該遊技機において特定の処理が実行されているのか否かを確認することが可能となる。そして、管理者は、例えば、電力の供給が開始された際に特定の処理が実行されないはずの遊技機において表示手段が所定の表示態様になっていることを確認した場合には、管理者以外の者(例えばゴト師)によって特定の処理が実行されるように当該遊技機に対して何かしらの不正がなされたのではないかと認識することができる。
[特徴γO2]
特徴γO1に記載の遊技機であって、
前記表示手段は、当該遊技機の正面から視認可能な位置に設けられている
ことを特徴とする遊技機。
特徴γO2によれば、表示手段は、当該遊技機の正面から視認可能な位置に設けられているので、管理者は、例えば、営業中の遊技ホールにおいて、遊技機の背面側に移動しなくても、遊技者が往来する通路を巡回するだけで、表示手段の表示態様を確認することができる。
[特徴γO3]
特徴γO1または特徴γO2に記載の遊技機であって、
前記表示手段は、前記特定の処理が終了した後も前記所定の表示態様を維持する手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴γO3によれば、表示手段は、特定の処理が終了した後も所定の表示態様を維持する手段を備えるので、管理者は、電力の供給が開始された際に当該遊技機において特定の処理が実行されたのか否かを当該特定の処理が終了した後においても確認することが可能となる。
[特徴γO4]
特徴γO1から特徴γO3のいずれか一つに記載の遊技機であって、
複数の特典付与条件の中から一の特典付与条件を定める情報である設定情報を変更可能な設定情報変更モード(設定変更モード)を実行する設定情報変更モード実行手段と、
遊技球が入球可能な入球手段と、
前記入球手段への遊技球の入球を契機として特別情報を取得する特別情報取得手段と、
前記特別情報が前記設定情報に対応した前記特典付与条件を満たすか否かを判定する特別情報判定手段と、
前記特別情報が前記特典付与条件を満たすと判定された場合に遊技者に特典を付与する特典付与手段と、
を備え、
前記表示手段は、前記特定の処理として前記設定情報変更モードが実行される場合に前記所定の表示態様になる手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴γO4によれば、表示手段は、特定の処理として設定情報変更モードが実行される場合に所定の表示態様になる手段を備えるので、管理者は、表示手段が所定の表示態様になっているか否かを確認することによって、当該遊技機において設定情報変更モードが実行されたのか否かを確認することが可能となる。そして、管理者は、例えば、電力の供給が開始された際に設定情報変更モードが実行されていないはずの遊技機において表示手段が所定の表示態様になっていることを確認した場合には、管理者以外の者(例えばゴト師)によって設定情報変更モードが実行されるように当該遊技機に対して何かしらの不正がなされたのではないかと認識することができる。
<特徴γP群>
特徴γP群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第1実施形態の態様113から抽出される。
[特徴γP1]
複数の特典付与条件の中から一の特典付与条件を定める情報である設定情報を変更可能な設定情報変更手段(設定変更モード)と、
遊技球が入球可能な入球手段と、
前記入球手段への遊技球の入球を契機として特別情報を取得する特別情報取得手段と、
前記特別情報が前記設定情報に対応した前記特典付与条件を満たすか否かを判定する特別情報判定手段と、
前記特別情報が前記特典付与条件を満たすと判定された場合に遊技者に特典を付与する特典付与手段と、
所定の領域を通過した遊技球を検知する複数の検知手段(入球検知センサー44a~44h)と、
前記検知手段によって遊技球が検知されたことに基づく情報である検知情報(入球情報、入球個数情報、賞球集計値等の遊技履歴基礎情報)を記憶する記憶手段(主側RAM64)と、
前記検知情報に基づいて遊技の履歴に関する情報である遊技履歴情報(役物比率、連続役物比率、ベース等の遊技履歴情報)を算出する算出手段(主側CPU62x)と、
前記検知情報を消去する消去手段と、
を備える遊技機であって、
前記算出手段は、
前記設定情報の変更の影響を受けない前記遊技履歴情報である第1種遊技履歴情報(ベース)を算出する第1算出手段と、
前記設定情報の変更の影響を受ける前記遊技履歴情報である第2種遊技履歴情報(役物比率、連続役物比率)を算出する第2算出手段と、
を備え、
前記消去手段は、
前記設定情報の変更を契機として、前記検知情報のうち、前記第2種遊技履歴情報の算出の基礎となる前記検知情報は消去し、前記第1種遊技履歴情報の算出の基礎となる前記検知情報は消去しない手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴γP1によれば、設定情報の変更を契機として、検知情報のうち、第2種遊技履歴情報の算出の基礎となる検知情報は消去するので、設定情報の変更前の検知情報と設定情報の変更後の検知情報とが並存してしまい、設定情報の変更前と変更後の両方の検知情報に基づいて第2種遊技履歴情報が算出されてしまうことを抑制することができるとともに、新たに記憶すべき設定情報の変更後の検知情報の記憶容量を確保することができる。一方、設定情報の変更を契機として、検知情報のうち、第1種遊技履歴情報の算出の基礎となる検知情報は消去しないので、設定情報の変更の有無に関わらず消去されずに長期間にわたって蓄積された検知情報に基づいて精度の高い第1種遊技履歴情報を算出することができる。したがって、管理者や検査者は、設定情報の変更後の検知情報に基づいた第2種遊技履歴情報を確認することができるとともに、長期間にわたって蓄積された検知情報に基づいた精度の高い第1種遊技履歴情報を確認することが可能となる。
<特徴γQ群>
特徴γQ群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第1実施形態の態様114から抽出される。
[特徴γQ1]
複数の特典付与条件の中から一の特典付与条件を定める情報である設定情報を変更可能な設定情報変更手段(設定変更モード)と、
遊技球が入球可能な入球手段と、
前記入球手段への遊技球の入球を契機として特別情報を取得する特別情報取得手段と、
前記特別情報が前記設定情報に対応した前記特典付与条件を満たすか否かを判定する特別情報判定手段と、
前記特別情報が前記特典付与条件を満たすと判定された場合に遊技者に特典を付与する特典付与手段と、
所定の領域を通過した遊技球を検知する複数の検知手段(入球検知センサー44a~44h)と、
前記検知手段によって遊技球が検知されたことに基づく情報である検知情報(入球情報、入球個数情報、賞球集計値等の遊技履歴基礎情報)を記憶する記憶手段(主側RAM64)と、
前記検知情報に基づいて遊技の履歴に関する情報である遊技履歴情報(役物比率、連続役物比率、ベース等の遊技履歴情報)を算出する算出手段(主側CPU62x)と、
を備える遊技機であって、
前記算出手段は、
前記設定情報の変更の影響を受けない前記遊技履歴情報である第1種遊技履歴情報(ベース)を算出する第1算出手段と、
前記設定情報の変更の影響を受ける前記遊技履歴情報である第2種遊技履歴情報(役物比率、連続役物比率)を算出する第2算出手段と、
を備え、
前記第1算出手段は、前記第1種遊技履歴情報(ベース)を、前記設定情報の変更を境界とした区間毎に分けずに算出する手段を備え、
前記第2算出手段は、前記第2種遊技履歴情報(役物比率、連続役物比率)を、前記設定情報の変更を境界とした区間毎に分けて算出する手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴γQ1によれば、第1算出手段は、第1種遊技履歴情報(ベース)を、設定情報の変更を境界とした区間毎に分けずに算出する手段を備え、第2算出手段は、第2種遊技履歴情報(役物比率、連続役物比率)を、設定情報の変更を境界とした区間毎に分けて算出する手段を備えるので、管理者や検査者は、区間を分けない広い範囲(期間)から算出された精度の高い第1種遊技履歴情報(ベース)を確認することができるとともに、設定情報の変更の影響を受ける第2種遊技履歴情報(役物比率、連続役物比率)については、設定情報の変更を境界とした区間毎に分けて確認することが可能となる。
<特徴γR群>
特徴γR群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第1実施形態の態様115から抽出される。
[特徴γR1]
所定の領域を通過した遊技球を検知する複数の検知手段(入球検知センサー44a~44h)と、
前記検知手段によって遊技球が検知されたことに基づく情報である検知情報(入球情報、入球個数情報、賞球集計値等の遊技履歴基礎情報)を記憶する検知情報記憶手段(主側RAM64)と、
前記検知情報に基づいて遊技の履歴に関する情報である遊技履歴情報(役物比率、連続役物比率、ベース等の遊技履歴情報)を算出する算出手段(主側CPU62x)と、
前記算出された前記遊技履歴情報を記憶する遊技履歴情報記憶手段(主側RAM64)と、
所定の条件が成立したこと(設定情報が変更されたこと)を契機として、前記検知情報は消去するにもかかわらず、当該検知情報に基づいて算出された前記遊技履歴情報は消去しない消去手段と、
を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴γR1によれば、所定の条件が成立したことを契機として、検知情報は消去するにもかかわらず、当該検知情報に基づいて算出された前記遊技履歴情報は消去しないので、新たに記憶すべき検知情報のための記憶容量を確保することができるとともに、管理者や検査者は、所定の条件が成立する前の検知情報であって消去済みの検知情報に基づいて算出された遊技履歴情報を、当該遊技履歴情報の算出の基礎となった検知情報が消去された後にも確認することが可能となる。
[特徴γR2]
特徴γR1に記載の遊技機であって、
複数の特典付与条件の中から一の特典付与条件を定める情報である設定情報を変更可能な設定情報変更手段(設定変更モード)と、
遊技球が入球可能な入球手段と、
前記入球手段への遊技球の入球を契機として特別情報を取得する特別情報取得手段と、
前記特別情報が前記設定情報に対応した前記特典付与条件を満たすか否かを判定する特別情報判定手段と、
前記特別情報が前記特典付与条件を満たすと判定された場合に遊技者に特典を付与する特典付与手段と、
を備え、
前記所定の条件は、前記設定情報が変更されたことを含み、
前記消去手段は、前記設定情報が変更されたことを契機として、前記検知情報を消去するにもかかわらず、当該検知情報に基づいて算出された前記遊技履歴情報は消去しない手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴γR2によれば、設定情報が変更されたことを契機として、検知情報を消去するにもかかわらず、当該検知情報に基づいて算出された前記遊技履歴情報は消去しないので、新たに記憶すべき検知情報のための記憶容量を確保することができるとともに、管理者や検査者は、設定情報が変更される前の検知情報であって消去済みの検知情報に基づいて算出された遊技履歴情報を、当該遊技履歴情報の算出の基礎となった検知情報が消去された後(すなわち、設定情報が変更された後)にも確認することが可能となる。
<特徴γS群>
特徴γS群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第1実施形態の態様116から抽出される。
[特徴γS1]
複数の特典付与条件の中から一の特典付与条件を定める情報である設定情報を変更可能な設定情報変更手段(設定変更モード)と、
遊技球が入球可能な入球手段と、
前記入球手段への遊技球の入球を契機として特別情報を取得する特別情報取得手段と、
前記特別情報が前記設定情報に対応した前記特典付与条件を満たすか否かを判定する特別情報判定手段と、
前記特別情報が前記特典付与条件を満たすと判定された場合に遊技者に特典を付与する特典付与手段と、
各種の情報を記憶可能な記憶手段(主側RAM64)と、
所定の領域を通過した遊技球を検知する複数の検知手段(入球検知センサー44a~44h)と、
前記検知手段によって遊技球が検知されたことに基づく情報である検知情報(入球情報、入球個数情報、賞球集計値等の遊技履歴基礎情報)を前記記憶手段に記憶させる制御手段(主側CPU62x)と、
前記検知情報に基づいて遊技の履歴に関する情報である遊技履歴情報(役物比率、連続役物比率、ベース等の遊技履歴情報)を算出する算出手段と、
前記記憶手段に記憶されている情報を消去する消去手段と、
を備える遊技機であって、
前記算出手段は、
前記設定情報の変更の影響を受けない遊技履歴情報である第1種遊技履歴情報(ベース)を算出する第1算出手段と、
前記設定情報の変更の影響を受ける遊技履歴情報である第2種遊技履歴情報(役物比率、連続役物比率)を算出する第2算出手段と、
を備え、
前記記憶手段は、
第1記憶手段(主側RAM64のエリア2における所定の連続したアドレスによって指定される特定の領域)と、
第2記憶手段(主側RAM64のエリア2の特定の領域以外の領域)と、
を備え、
前記消去手段は、
前記設定情報の変更を契機として、前記第1記憶手段に記憶されている情報は消去し、前記第2記憶手段に記憶されている情報は消去しない手段を備え、
前記制御手段は、
前記検知情報のうち、前記第2種遊技履歴情報(役物比率、連続役物比率)の算出の基礎となる第2種検知情報を前記第1記憶手段に記憶させる手段と、
前記検知情報のうち、前記第1種遊技履歴情報(ベース)の算出の基礎となる第1種検知情報を前記第2記憶手段に記憶させる手段と、
を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴γS1によれば、消去手段は、設定情報の変更を契機として、第1記憶手段に記憶されている情報は消去し、第2記憶手段に記憶されている情報は消去しない手段を備え、制御手段は、検知情報のうち、第2種遊技履歴情報(役物比率、連続役物比率)の算出の基礎となる第2種検知情報を第1記憶手段に記憶させる手段と、検知情報のうち、第1種遊技履歴情報(ベース)の算出の基礎となる第1種検知情報を第2記憶手段に記憶させる手段とを備えるので、設定情報が変更された際に、記憶手段に記憶されている検知情報に対して、消去する検知情報であるのか消去しない検知情報であるのかといった判別をしなくても、一括で、設定情報の変更の影響を受ける第2種遊技履歴情報の算出の基礎となる第2種検知情報を消去し、設定情報の変更の影響を受けない第1種遊技履歴情報の算出の基礎となる第2種検知情報を消去せずに残すことができる。すなわち、設定情報の変更を契機として検知情報を消去する際における、消去する検知情報と消去しない検知情報とを判別する処理を省略することができ、処理の簡易化を図ることができる。
[特徴γS2]
特徴γS1に記載の遊技機であって、
前記第1記憶手段は、所定のメモリ領域の所定の連続したアドレスによって指定される特定の記憶領域である
ことを特徴とする遊技機。
特徴γS2によれば、第1記憶手段は、所定のメモリ領域の所定の連続したアドレスによって指定される特定の記憶領域であるので、第1記憶手段に記憶されている第2種検知情報を一括で消去する処理を簡易化することができる。
<特徴γT群>
特徴γT群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第1実施形態の態様117から抽出される。
[特徴γT1]
所定の領域を通過した遊技球を検知する複数の検知手段(入球検知センサー44a~44h)と、
前記検知手段によって遊技球が検知されたことに基づく情報である検知情報(入球情報、入球個数情報、賞球集計値等の遊技履歴基礎情報)を記憶する記憶手段(主側RAM64)と、
前記検知情報に基づいて遊技の履歴に関する情報である遊技履歴情報(役物比率、連続役物比率、ベース等の遊技履歴情報)を算出する算出手段と、
前記遊技履歴情報を表示する表示手段(情報表示部45z)と、
を備える遊技機であって、
前記算出手段は、所定の期間(遊技機への電力の供給の開始後に計測された排出通路通過個数NOUTが所定の個数に達するまでの期間、所定のボタンが押下されている期間等)を除いた期間における前記検知情報に基づいて、前記遊技履歴情報を算出する手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴γT1によれば、算出手段は、所定の期間を除いた期間における検知情報に基づいて遊技履歴情報を算出する手段を備えるので、所定の期間において遊技球が検出されたことに基づく検知情報は遊技履歴情報の算出の基礎とはならない。したがって、例えば、遊技盤を開放状態として入賞口や始動口等に遊技球を直接入球させて当該遊技機が正常に動作するか否かを検査する動作検査を、当該所定の期間において行なうようにすれば、当該動作検査の影響が遊技履歴情報に及ばないようにすることができる。この結果、管理者や検査者は、当該動作検査の影響が及ばない正確な遊技履歴情報を確認することが可能となる。
[特徴γT2]
特徴γT1に記載の遊技機であって、
前記所定の期間は、所定の検知手段(排出通路に設けられた排出通路検知センサー)によって検知された遊技球の個数が所定の個数に達するまでの期間を含む
ことを特徴とする遊技機。
特徴γT2によれば、所定の期間は、所定の検知手段によって検知された遊技球の個数が所定の個数に達するまでの期間を含むので、当該所定の検知手段によって検知された遊技球の個数が所定の個数に達するまでの期間における検知情報は遊技履歴情報の算出の基礎とはならない。したがって、例えば、遊技盤を開放状態として入賞口や始動口等に遊技球を直接入球させて当該遊技機が正常に動作するか否かを検査する動作検査を、当該所定の検知手段によって検知された遊技球の個数が所定の個数に達するまでの期間において行なうようにすれば、当該動作検査の影響が遊技履歴情報に及ばないようにすることができる。
[特徴γT3]
特徴γT1または特徴γT2に記載の遊技機であって、
所定の操作を受け付ける操作受付手段を備え、
前記所定の期間は、前記操作受付手段が前記所定の操作を受け付けている期間を含む
ことを特徴とする遊技機。
特徴γT3によれば、所定の期間は、操作受付手段が所定の操作を受け付けている期間を含むので、操作受付手段が所定の操作を受け付けている期間における検知情報は遊技履歴情報の算出の基礎とはならない。したがって、例えば、遊技盤を開放状態として入賞口や始動口等に遊技球を直接入球させて当該遊技機が正常に動作するか否かを検査する動作検査を、当該操作受付手段が当該所定の操作を受け付けている期間において行なうようにすれば、当該動作検査の影響が遊技履歴情報に及ばないようにすることができる。さらに、管理者は、遊技履歴情報に影響を与えないで遊技機の動作検査を行なおうとする際には、操作受付手段に対して所定の操作を行なえばよいので、管理者は、任意のタイミングで当該動作検査を行なうことが可能となる。
<特徴γU群>
特徴γU群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第1実施形態の態様118から抽出される。
[特徴γU1]
情報を出力する情報出力手段(主側MPU62)と、
前記情報出力手段から出力された情報を表示する表示手段(情報表示部45z)と、
前記表示手段の表示態様を、前記情報出力手段から次の情報が出力されるまで維持する維持手段(情報表示部駆動用IC45y)と、
を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴γU1によれば、表示手段の表示態様を情報出力手段から次の情報が出力されるまで維持する維持手段を備えるので、情報出力手段から次の情報が出力されるまで、当該次の情報の前に出力された情報を表示手段に表示させ続けることができる。例えば、情報出力手段から一の情報が出力された後に、当該一の情報の次の情報が出力されるまでは、表示手段に当該一の情報が表示され続けることになる。したがって、例えば、遊技機の管理者や検査者は、不具合等によって情報出力手段から一の情報が出力された後に次の情報が出力されない状況であっても、当該一の情報が表示手段に表示され続けるので、表示手段に表示され続けている当該一の情報を確認することができる。
[特徴γU2]
特徴γU1に記載の遊技機であって、
所定の領域を通過した遊技球を検知する複数の検知手段(入球検知センサー44a~44h)と、
前記検知手段によって遊技球が検知されたことに基づく情報である検知情報(入球情報、入球個数情報、賞球集計値等の遊技履歴基礎情報)を記憶する記憶手段と、
前記検知情報に基づいて遊技の履歴に関する情報である遊技履歴情報(役物比率、連続役物比率、ベース等の遊技履歴情報)を算出する算出手段と、
を備え、
前記情報出力手段は、算出された前記遊技履歴情報を順次出力する手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴γU2によれば、情報出力手段は、算出された遊技履歴情報を順次出力する手段を備えるので、遊技履歴情報を表示手段に表示させることができるとともに、情報出力手段から次の遊技履歴情報が出力されるまで、当該次の遊技履歴情報の前に出力された遊技履歴情報を表示手段に表示させ続けることができる。例えば、情報出力手段から一の遊技履歴情報が出力された後に、当該一の遊技履歴情報の次の遊技履歴情報が出力されるまでは、表示手段に当該一の遊技履歴情報が表示され続けることになる。したがって、例えば、遊技機の管理者や検査者は、不具合等によって情報出力手段から一の遊技履歴情報が出力された後に次の遊技履歴情報が出力されない状況であっても、当該一の遊技履歴情報が表示手段に表示され続けるので、表示手段に表示され続けている当該一の遊技履歴情報を確認することができる。
<特徴γV群>
特徴γV群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第1実施形態の態様119から抽出される。
[特徴γV1]
遊技機であって、
所定の領域を通過した遊技球を検知する複数の検知手段(入球検知センサー44a~44h)と、
前記検知手段によって遊技球が検知されたことに基づく情報である検知情報(入球情報、入球個数情報、賞球集計値等の遊技履歴基礎情報)を記憶する記憶手段(主側RAM64)と、
前記検知情報に基づいて遊技の履歴に関する情報である遊技履歴情報(役物比率、連続役物比率、出球率等の遊技履歴情報)を算出する算出手段と、
当該遊技機において生じた不具合に関する情報である不具合情報(エラーコード)を記憶する不具合情報記憶手段(主側RAM64)と、
情報を表示する表示手段(情報表示部45z)と、
を備え、
前記表示手段は、
前記遊技履歴情報を表示するための信号を受信する手段と、
前記不具合情報を表示するための信号を受信する手段と、
を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴γV1によれば、表示手段は、前記遊技履歴情報を表示するための信号を受信する手段と、不具合情報を表示するための信号を受信する手段とを備えるので、表示手段は、遊技履歴情報だけでなく不具合情報も表示することが可能となる。したがって、遊技履歴情報を表示可能な表示手段を備える遊技機においては、不具合情報を表示するための別の表示手段を設けなくてもよいため、遊技機の製造コストを低減することができる。
[特徴γV2]
特徴γV1に記載の遊技機であって、
遊技球を払い出す払出手段(払出制御装置70、払出装置71)と、
前記払出手段において生じた不具合を検知する不具合検知手段と、
を備え、
前記不具合情報記憶手段は、前記払出手段において生じた前記不具合情報を記憶する手段を備え、
前記表示手段は、前記払出手段において生じた前記不具合情報を表示するための信号を受信する手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴γV2によれば、表示手段は、払出手段において生じた不具合情報を表示するための信号を受信する手段を備えるので、遊技履歴情報を表示可能な表示手段を備える遊技機においては、払出手段において生じた不具合情報を表示するための別の表示手段を設けなくてもよいため、遊技機の製造コストを低減することができる。
なお、上記特徴γM群~特徴γV群の発明は、以下の課題を解決する。
パチンコ遊技機やスロットマシン等の遊技機においては、遊技の興趣向上や、遊技機の処理負荷の低減、処理の最適化、制御の簡易化、構造の簡素化、遊技機の開発の効率化、不具合が発生しにくい遊技機の提供、遊技者に配慮した遊技機の提供等を目的として、構造、制御、演出等の様々な観点から技術的な改良が行われている。
また、遊技者による不正な行為や遊技機に対する不正な改造の発見や抑止といった遊技の健全性の向上を目的とした様々な技術的な改良も行われている。
上記のような遊技機においては、遊技の興趣向上や、遊技機の処理負荷の低減、処理の最適化、制御の簡易化、構造の簡素化、遊技機の開発の効率化、不具合が発生しにくい遊技機の提供、遊技者に配慮した遊技機の提供、より健全な遊技の提供等を目的として、さらなる技術の向上が望まれている。
<特徴γW群>
特徴γW群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第1実施形態の態様121から抽出される。
[特徴γW1]
複数の特典付与条件の中から一の特典付与条件を定める情報である設定情報を変更可能な設定情報変更モード(設定変更モード)を実行する設定情報変更モード実行手段と、
遊技球が入球可能な入球手段と、
前記入球手段への遊技球の入球を契機として特別情報を取得する特別情報取得手段と、
前記特別情報が前記設定情報に対応した前記特典付与条件を満たすか否かを判定する特別情報判定手段と、
前記特別情報が前記特典付与条件を満たすと判定された場合に遊技者に特典を付与する特典付与手段と、
前記設定情報変更モードが実行された場合に所定の報知(RAMクリア報知処理)を実行する報知実行手段と、
を備える遊技機であって、
前記報知実行手段は、前記所定の報知を所定期間(30秒間)に亘って実行する手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴γW1によれば、所定の報知を所定期間に亘って実行するので、管理者が当該遊技機において設定情報変更モードが実行されたことに気付けなかったといった事態の発生を抑制することができる。
仮に、本特徴とは異なり、設定情報変更モードが実行されている期間中にのみ報知を実行する構成を採用した場合について説明する。この構成において、例えば、管理者ではない不正な意図を有する者(以下、「不正な者」ともいう)が、管理者や周囲の遊技者に気付かれずに不正に設定情報を変更しようとした場合に、設定情報変更モードを開始させて素早く設定情報を変更し、その後、素早く設定情報変更モードを終了させれば、当該報知の期間を短くすることができ、管理者等に気付かれることなく設定情報を不正に変更することが可能となってしまうといった課題がある。
これに対して、本特徴によれば、不正な者が設定情報変更モードを素早く終了させたとしても、所定の報知が所定期間は継続することになるので、管理者等は、当該所定期間に亘る当該所定の報知によって、当該遊技機において設定情報変更モードが実行されたことに気付くことができる。したがって、本特徴によれば、不正な者による設定情報の不正な変更を抑制することができる。
[特徴γW2]
特徴γW1に記載の遊技機であって、
前記報知実行手段は、前記所定の報知を、前記設定情報変更モードが終了した後の所定期間(30秒間)に亘って実行する手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴γW2によれば、所定の報知を、設定情報変更モードが終了した後の所定期間に亘って実行する。このような構成を採用した理由について説明する。
先に、本特徴とは異なり、所定の報知を、設定情報変更モードの開始後の所定期間に亘って実行する構成を採用した場合について説明する。この構成において、例えば、設定情報変更モードが当該所定期間よりも長い期間に亘って実行されている場合には当該所定の報知が設定情報変更モードの実行中に終了してしまうことになり、一方、設定情報変更モードが当該所定期間よりも短い期間で終了した場合には当該所定の報知が設定情報変更モードの終了後にも継続することになる。すなわち、当該所定の報知が、設定情報変更モードの終了タイミングとは連動せずに終了したり継続したりすることになってしまい、管理者を混乱させてしまう要因となるおそれがある。
これに対して、本特徴によれば、所定の報知を、設定情報変更モードが終了した後の所定期間に亘って実行するので、当該所定の報知が設定情報変更モードの終了タイミングと連動せずに終了したり継続したりすることがない。したがって、管理者を混乱させてしまうことを回避しつつ、管理者が当該遊技機において設定情報変更モードが実行されたことに気付けなかったといった事態の発生を抑制することができる。
[特徴γW3]
特徴γW2に記載の遊技機であって、
前記報知実行手段は、前記設定情報変更モードの実行中に、第2の報知(設定変更モード実行中報知処理)を実行する手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴γW3によれば、設定情報変更モードの実行中に第2の報知を実行するので、管理者は、不正な者によって設定情報変更モードが実行されていることを当該設定情報変更モードの実行中にも気付くことが可能となる。
<特徴γX群>
特徴γX群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第1実施形態の態様121から抽出される。
[特徴γX1]
複数の特典付与条件の中から一の特典付与条件を定める情報である設定情報を表示はするが前記設定情報を変更することは不可能な設定情報表示モード(設定確認モード)を実行する設定情報表示モード実行手段と、
遊技球が入球可能な入球手段と、
前記入球手段への遊技球の入球を契機として特別情報を取得する特別情報取得手段と、
前記特別情報が前記設定情報に対応した前記特典付与条件を満たすか否かを判定する特別情報判定手段と、
前記特別情報が前記特典付与条件を満たすと判定された場合に遊技者に特典を付与する特典付与手段と、
前記設定情報表示モードが実行された場合に所定の報知(設定確認モード終了後報知処理)を実行する報知実行手段と、
を備える遊技機であって、
前記報知実行手段は、前記所定の報知を所定期間(30秒間)に亘って実行する手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴γX1によれば、所定の報知を所定期間に亘って実行するので、管理者が当該遊技機において設定情報表示モードが実行されたことに気付けなかったといった事態の発生を抑制することができる。
仮に、本特徴とは異なり、設定情報表示モードが実行されている期間中にのみ報知を実行する構成を採用した場合について説明する。この構成において、例えば、管理者ではない不正な意図を有する者(以下、「不正な者」ともいう)が、管理者や周囲の遊技者に気付かれずに不正に設定情報を確認しようとした場合に、設定情報表示モードを開始させて素早く設定情報を確認し、その後、素早く設定情報表示モードを終了させれば、当該報知の期間を短くすることができ、管理者等に気付かれることなく設定情報を不正に確認することが可能となってしまうといった課題がある。
これに対して、本特徴によれば、不正な者が設定情報表示モードを素早く終了させたとしても、所定の報知が所定期間は継続することになるので、管理者等は、当該所定期間に亘る当該所定の報知によって、当該遊技機において設定情報表示モードが実行されたことに気付くことができる。したがって、本特徴によれば、不正な者による設定情報の不正な確認を抑制することができる。
[特徴γX2]
特徴γX1に記載の遊技機であって、
前記報知実行手段は、前記所定の報知を、前記設定情報表示モードが終了した後の所定期間(30秒間)に亘って実行する手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴γX2によれば、所定の報知を、設定情報表示モードが終了した後の所定期間に亘って実行する。このような構成を採用した理由について説明する。
先に、本特徴とは異なり、所定の報知を、設定情報表示モードの開始後の所定期間に亘って実行する構成を採用した場合について説明する。この構成において、例えば、設定情報表示モードが当該所定期間よりも長い期間に亘って実行されている場合には当該所定の報知が設定情報表示モードの実行中に終了してしまうことになり、一方、設定情報表示モードが当該所定期間よりも短い期間で終了した場合には当該所定の報知が設定情報表示モードの終了後にも継続することになる。すなわち、当該所定の報知が、設定情報表示モードの終了タイミングとは連動せずに終了したり継続したりすることになってしまい、管理者を混乱させてしまう要因となるおそれがある。
これに対して、本特徴によれば、所定の報知を、設定情報表示モードが終了した後の所定期間に亘って実行するので、当該所定の報知が設定情報表示モードの終了タイミングと連動せずに終了したり継続したりすることがない。したがって、管理者を混乱させてしまうことを回避しつつ、管理者が当該遊技機において設定情報表示モードが実行されたことに気付けなかったといった事態の発生を抑制することができる。
[特徴γX3]
特徴γX2に記載の遊技機であって、
前記報知実行手段は、前記設定情報表示モードの実行中に、第2の報知(設定確認モード実行中報知処理)を実行する手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴γX3によれば、設定情報表示モードの実行中に第2の報知を実行するので、管理者は、不正な者によって設定情報表示モードが実行されていることを当該設定情報表示モードの実行中にも気付くことが可能となる。
<特徴γY群>
特徴γY群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第1実施形態の態様121から抽出される。
[特徴γY1]
複数の特典付与条件の中から一の特典付与条件を定める情報である設定情報を変更可能な設定情報変更モード(設定変更モード)を実行する設定情報変更モード実行手段と、
遊技球が入球可能な入球手段と、
前記入球手段への遊技球の入球を契機として特別情報を取得する特別情報取得手段と、
前記特別情報が前記設定情報に対応した前記特典付与条件を満たすか否かを判定する特別情報判定手段と、
前記特別情報が前記特典付与条件を満たすと判定された場合に遊技者に特典を付与する特典付与手段と、
前記設定情報変更モードが実行された場合に第1の報知(設定変更モード実行中報知処理、RAMクリア報知処理B1、B2)を実行する第1報知実行手段と、
第1の状態(閉鎖状態)から第2の状態(開放状態)に可動する可動手段(内枠13、前扉枠14)と、
前記可動手段が前記第2の状態(開放状態)となっている場合に第2の報知(扉開放報知処理)を実行する第2報知実行手段と、
前記第1の報知を前記第2の報知よりも優先させる優先手段と、
を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴γY1によれば、設定情報変更モードが実行された場合に実行される第1の報知を、可動手段が第2の状態となっている場合に実行される第2の報知よりも優先させる。この構成を採用した理由について説明する。
先に、本特徴とは異なり、第2の報知が第1の報知よりも優先される構成を採用した場合について説明する。この構成において、例えば、管理者ではない不正な意図を有する者(以下、「不正な者」ともいう)が、管理者や周囲の遊技者に気付かれずに不正に設定情報を変更しようとした場合に、可動手段を第2の状態として第2の報知を実行させれば、設定情報変更モードを実行させたとしても、第1の報知よりも第2の報知が優先されてしまい、管理者等に気付かれることなく設定情報を不正に変更することが可能となってしまうといった課題がある。
これに対して、本特徴によれば、不正な者が可動手段を第2の状態としても、第1の報知が第2の報知よりも優先されるので、管理者等が当該遊技機において設定情報変更モードが実行されたことに気付くことのできる可能性を高めることができる。したがって、本特徴によれば、不正な者による設定情報の不正な変更を抑制することができる。
[特徴γY2]
特徴γY1に記載の遊技機であって、
前記優先手段は、前記第1の報知が実行されている場合には、前記可動手段が前記第2の状態となっている場合であっても前記第2の報知を実行させない手段(優先報知フラグをONにする機能)を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴γY2によれば、第1の報知が実行されている場合には、可動手段が第2の状態となっている場合であっても第2の報知を実行させないので、管理者等が当該遊技機において設定情報変更モードが実行されたことに気付くことのできる可能性を高めることができる。
[特徴γY3]
特徴γY1に記載の遊技機であって、
前記優先手段は、前記第1の報知が実行されている場合であって、前記可動手段が前記第2の状態となっている場合には、前記第2の報知の音量を、前記第1の報知が実行されていない場合よりも小さくする手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴γY3によれば、第1の報知が実行されている場合であって、可動手段が第2の状態となっている場合には、第2の報知の音量を、第1の報知が実行されていない場合よりも小さくするので、管理者等に、可動手段が第2の状態になっていることに気付かせつつ、当該遊技機において設定情報変更モードが実行されたことに気付かせることができる。
<特徴γZ群>
特徴γZ群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第1実施形態の態様121から抽出される。
[特徴γZ1]
複数の特典付与条件の中から一の特典付与条件を定める情報である設定情報を表示はするが前記設定情報を変更することは不可能な設定情報表示モード(設定確認モード)を実行する設定情報表示モード実行手段と、
遊技球が入球可能な入球手段と、
前記入球手段への遊技球の入球を契機として特別情報を取得する特別情報取得手段と、
前記特別情報が前記設定情報に対応した前記特典付与条件を満たすか否かを判定する特別情報判定手段と、
前記特別情報が前記特典付与条件を満たすと判定された場合に遊技者に特典を付与する特典付与手段と、
前記設定情報表示モードが実行された場合に第1の報知(設定確認モード実行中報知処理、設定確認モード終了後報知処理)を実行する第1報知実行手段と、
第1の状態(閉鎖状態)から第2の状態(開放状態)に可動する可動手段(内枠13、前扉枠14)と、
前記可動手段が前記第2の状態(開放状態)となっている場合に第2の報知(扉開放報知処理)を実行する第2報知実行手段と、
前記第1の報知を前記第2の報知よりも優先させる優先手段と、
を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴γZ1によれば、設定情報表示モードが実行された場合に実行される第1の報知を、可動手段が第2の状態となっている場合に実行される第2の報知よりも優先させる。この構成を採用した理由について説明する。
先に、本特徴とは異なり、第2の報知が第1の報知よりも優先される構成を採用した場合について説明する。この構成において、例えば、管理者ではない不正な意図を有する者(以下、「不正な者」ともいう)が、管理者や周囲の遊技者に気付かれずに不正に設定情報を確認しようとした場合に、可動手段を第2の状態として第2の報知を実行させれば、設定情報表示モードを実行させたとしても、第1の報知よりも第2の報知が優先されてしまい、管理者等に気付かれることなく設定情報を不正に確認することが可能となってしまうといった課題がある。
これに対して、本特徴によれば、不正な者が可動手段を第2の状態としても、第1の報知が第2の報知よりも優先されるので、管理者等が当該遊技機において設定情報表示モードが実行されたことに気付くことのできる可能性を高めることができる。したがって、本特徴によれば、不正な者による設定情報の不正な確認を抑制することができる。
[特徴γZ2]
特徴γZ1に記載の遊技機であって、
前記優先手段は、前記第1の報知が実行されている場合には、前記可動手段が前記第2の状態となっている場合であっても前記第2の報知を実行させない手段(優先報知フラグをONにする機能)を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴γZ2によれば、第1の報知が実行されている場合には、可動手段が第2の状態となっている場合であっても第2の報知を実行させないので、管理者等が当該遊技機において設定情報表示モードが実行されたことに気付くことのできる可能性を高めることができる。
[特徴γZ3]
特徴γZ1に記載の遊技機であって、
前記優先手段は、前記第1の報知が実行されている場合であって、前記可動手段が前記第2の状態となっている場合には、前記第2の報知の音量を、前記第1の報知が実行されていない場合よりも小さくする手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴γZ3によれば、第1の報知が実行されている場合であって、可動手段が第2の状態となっている場合には、第2の報知の音量を、第1の報知が実行されていない場合よりも小さくするので、管理者等に、可動手段が第2の状態になっていることに気付かせつつ、当該遊技機において設定情報表示モードが実行されたことに気付かせることができる。
<特徴δA群>
特徴δA群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第1実施形態の態様121から抽出される。
[特徴δA1]
複数の特典付与条件の中から一の特典付与条件を定める情報である設定情報を変更可能な設定情報変更モード(設定変更モード)を実行する設定情報変更モード実行手段と、
遊技球が入球可能な入球手段と、
前記入球手段への遊技球の入球を契機として特別情報を取得する特別情報取得手段と、
前記特別情報が前記設定情報に対応した前記特典付与条件を満たすか否かを判定する特別情報判定手段と、
前記特別情報が前記特典付与条件を満たすと判定された場合に遊技者に特典を付与する特典付与手段と、
前記設定情報変更モードの実行中の期間において第1の報知(設定変更モード実行中報知処理)を実行する第1報知実行手段と、
前記設定情報変更モードの終了後に前記第1の報知の報知態様とは異なる報知態様である第2の報知(RAMクリア報知処理A、B1、B2)を実行する第2報知実行手段と、
を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴δA1によれば、設定情報変更モードの実行中の期間において第1の報知を実行し、設定情報変更モードの終了後に第1の報知の報知態様とは異なる報知態様である第2の報知を実行する。この構成を採用した理由について説明する。
先に、本特徴とは異なり、設定情報変更モードの実行中の期間において実行される第1の報知の報知態様と、設定情報変更モードの終了後に実行される第2の報知の報知態様とが同一である構成を採用した場合について説明する。この構成を採用した場合において、例えば、遊技ホールの管理者が、当該遊技ホールの営業開始前に、作業者に対して、遊技機の設定情報の変更を指示した場合に、当該作業者が作業している遊技機において、設定情報変更モードが実行中であるのか、又は、既に設定情報変更モードが終了したのかを、当該管理者は第1の報知及び第2の報知の報知態様からは把握することができない。したがって、管理者が作業者に対して速やかに次の指示をすることができないといった課題がある。
これに対して、本特徴によれば、設定情報変更モードの実行中の期間において第1の報知を実行し、設定情報変更モードの終了後に第1の報知の報知態様とは異なる報知態様である第2の報知を実行するので、管理者は、遊技機に対する作業者の作業工程を間近で確認していなくても、当該遊技機が実行する報知の報知態様を把握することによって、設定情報変更モードが実行中であるのか、又は、既に設定情報変更モードが終了したのかを把握することが可能となる。したがって、管理者は、作業者に対して速やかに次の指示をすることが可能となる。
[特徴δA2]
特徴δA1に記載の遊技機であって、
前記報知実行手段は、前記第2の報知を所定期間(30秒間)に亘って実行する手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴δA1によれば、第2の報知を所定期間に亘って実行するので、管理者が当該遊技機において設定情報変更モードが実行されたことに気付けなかったといった事態の発生を抑制することができる。
仮に、本特徴とは異なり、設定情報変更モードが実行されている期間中にのみ報知を実行する構成を採用した場合について説明する。この構成において、例えば、管理者ではない不正な意図を有する者(以下、「不正な者」ともいう)が、管理者や周囲の遊技者に気付かれずに不正に設定情報を変更しようとした場合に、設定情報変更モードを開始させて素早く設定情報を変更し、その後、素早く設定情報変更モードを終了させれば、当該報知の期間を短くすることができ、管理者等に気付かれることなく設定情報を不正に変更することが可能となってしまうといった課題がある。
これに対して、本特徴によれば、不正な者が設定情報変更モードを素早く終了させたとしても、第2の報知が所定期間は継続することになるので、管理者等は、当該所定期間に亘る当該第2の報知によって、当該遊技機において設定情報変更モードが実行されたことに気付くことができる。したがって、本特徴によれば、不正な者による設定情報の不正な変更を抑制することができる。
<特徴δB群>
特徴δB群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第1実施形態の態様121から抽出される。
[特徴δB1]
複数の特典付与条件の中から一の特典付与条件を定める情報である設定情報を表示はするが前記設定情報を変更することは不可能な設定情報表示モード(設定確認モード)を実行する設定情報表示モード実行手段と、
遊技球が入球可能な入球手段と、
前記入球手段への遊技球の入球を契機として特別情報を取得する特別情報取得手段と、
前記特別情報が前記設定情報に対応した前記特典付与条件を満たすか否かを判定する特別情報判定手段と、
前記特別情報が前記特典付与条件を満たすと判定された場合に遊技者に特典を付与する特典付与手段と、
前記設定情報表示モードの実行中の期間において第1の報知(設定確認モード実行中報知処理)を実行する第1報知実行手段と、
前記設定情報表示モードの終了後に前記第1の報知の報知態様とは異なる報知態様である第2の報知(設定確認モード終了後報知処理)を実行する第2報知実行手段と、
を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴δB1によれば、設定情報表示モードの実行中の期間において第1の報知を実行し、設定情報表示モードの終了後に第1の報知の報知態様とは異なる報知態様である第2の報知を実行する。この構成を採用した理由について説明する。
先に、本特徴とは異なり、設定情報表示モードの実行中の期間において実行される第1の報知の報知態様と、設定情報表示モードの終了後に実行される第2の報知の報知態様とが同一である構成を採用した場合について説明する。この構成を採用した場合において、例えば、遊技ホールの管理者が、当該遊技ホールの営業開始前に、作業者に対して、遊技機の設定情報の確認を指示した場合に、当該作業者が作業している遊技機において、設定情報表示モードが実行中であるのか、又は、既に設定情報表示モードが終了したのかを、当該管理者は第1の報知及び第2の報知の報知態様からは把握することができない。したがって、管理者が作業者に対して速やかに次の指示をすることができないといった課題がある。
これに対して、本特徴によれば、設定情報表示モードの実行中の期間において第1の報知を実行し、設定情報表示モードの終了後に第1の報知の報知態様とは異なる報知態様である第2の報知を実行するので、管理者は、遊技機に対する作業者の作業工程を間近で確認していなくても、当該遊技機が実行する報知の報知態様を把握することによって、設定情報表示モードが実行中であるのか、又は、既に設定情報表示モードが終了したのかを把握することが可能となる。したがって、管理者は、作業者に対して速やかに次の指示をすることが可能となる。
[特徴δB2]
特徴δB1に記載の遊技機であって、
前記報知実行手段は、前記第2の報知を所定期間(30秒間)に亘って実行する手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴δB1によれば、第2の報知を所定期間に亘って実行するので、管理者が当該遊技機において設定情報表示モードが実行されたことに気付けなかったといった事態の発生を抑制することができる。
仮に、本特徴とは異なり、設定情報表示モードが実行されている期間中にのみ報知を実行する構成を採用した場合について説明する。この構成において、例えば、管理者ではない不正な意図を有する者(以下、「不正な者」ともいう)が、管理者や周囲の遊技者に気付かれずに不正に設定情報を確認しようとした場合に、設定情報表示モードを開始させて素早く設定情報を確認し、その後、素早く設定情報表示モードを終了させれば、当該報知の期間を短くすることができ、管理者等に気付かれることなく設定情報を不正に確認することが可能となってしまうといった課題がある。
これに対して、本特徴によれば、不正な者が設定情報表示モードを素早く終了させたとしても、第2の報知が所定期間は継続することになるので、管理者等は、当該所定期間に亘る当該第2の報知によって、当該遊技機において設定情報表示モードが実行されたことに気付くことができる。したがって、本特徴によれば、不正な者による設定情報の不正な確認を抑制することができる。
<特徴δC群>
特徴δC群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第1実施形態の態様121から抽出される。
[特徴δC1]
複数の特典付与条件の中から一の特典付与条件を定める情報である設定情報を変更可能な設定情報変更モード(設定変更モード)を実行する設定情報変更モード実行手段と、
遊技球が入球可能な入球手段と、
前記入球手段への遊技球の入球を契機として特別情報を取得する特別情報取得手段と、
前記特別情報が前記設定情報に対応した前記特典付与条件を満たすか否かを判定する特別情報判定手段と、
前記特別情報が前記特典付与条件を満たすと判定された場合に遊技者に特典を付与する特典付与手段と、
所定の処理(RAMクリア処理)を実行する所定処理実行手段と、
前記所定の処理の実行を契機として所定の報知(RAMクリア報知処理)を実行する報知実行手段と、
を備える遊技機であって、
前記所定処理実行手段は、
前記設定情報変更モードの終了を契機とせずに所定の操作を契機として前記所定の処理を実行する手段と、
前記設定情報変更モードの終了を契機として前記所定の処理を実行する手段と、
を備え、
前記報知実行手段は、
前記所定の処理が前記設定情報変更モードの終了を契機とせずに前記所定の操作を契機として実行された場合に第1の報知態様で前記所定の報知(RAMクリア報知処理A)を実行する手段と、
前記所定の処理が前記設定情報変更モードの終了を契機として実行された場合に前記第1の報知態様とは異なる報知態様(RAMクリア報知処理B1、B2)で前記所定の報知を実行する手段と、
を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴δC1によれば、所定の処理が設定情報変更モードの終了を契機とせずに所定の操作を契機として実行された場合に第1の報知態様で所定の報知を実行し、所定の処理が設定情報変更モードの終了を契機として実行された場合に第1の報知態様とは異なる報知態様で所定の報知を実行する。したがって、管理者は、当該遊技機に対してどのような操作が為されたかを把握しなくても、当該遊技機における所定の報知の報知態様を把握することによって、所定の処理が所定の操作を契機として実行されたのか、それとも、設定情報変更モードの終了を契機として実行されたのかを把握することが可能となる。
具体的には、例えば、遊技ホールの営業開始前に、管理者が作業者に対して、遊技機に所定の処理を実行させる指示はしたが設定情報を変更することは指示していなかった場合に、当該作業者が管理者の指示とは異なる作業を行なっていないかを、当該作業者の作業を目の前で監視していなくても、当該所定の報知の報知態様によって確認することができる。
[特徴δC2]
特徴δC1に記載の遊技機であって、
前記報知実行手段は、
前記所定の処理の実行の契機となった前記設定情報変更モードにおいて前記設定情報が変更されなかった場合に前記第1の報知態様とは異なる第2の報知態様で前記所定の報知(RAMクリア報知処理B1)を実行する手段と、
前記所定の処理の実行の契機となった前記設定情報変更モードにおいて前記設定情報が変更された場合に前記第1の報知態様及び前記第2の報知態様とは異なる第3の報知態様で前記所定の報知(RAMクリア報知処理B2)を実行する手段と、
を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴δC2によれば、所定の処理の実行の契機となった設定情報変更モードにおいて設定情報が変更されなかった場合に第1の報知態様とは異なる第2の報知態様で所定の報知を実行し、所定の処理の実行の契機となった設定情報変更モードにおいて設定情報が変更された場合に第1の報知態様及び前記第2の報知態様とは異なる第3の報知態様で所定の報知を実行する。したがって、管理者は、当該遊技機に対してどのような操作が為されたかを把握しなくても、当該遊技機における所定の報知の報知態様を把握することによって、所定の処理の実行の契機となった設定情報変更モードにおいて設定情報が変更されたのか否かを把握することが可能となる。
具体的には、例えば、遊技ホールの営業開始前に、遊技ホールの管理者が作業者に対して遊技機の設定情報の変更を指示した場合に、当該作業者が管理者の指示とは異なる作業を行なっていないかを当該所定の報知の報知態様によって確認することができる。また、管理者自身が設定情報変更モードにおいて設定情報を変更した場合においても、当該所定の報知の報知態様を確認することによって、自身の作業が正しく行なわれたのか否かを確認することができる。
<特徴δD群>
特徴δD群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第1実施形態の態様121から抽出される。
[特徴δD1]
複数の特典付与条件の中から一の特典付与条件を定める情報である設定情報を変更可能な設定情報変更モード(設定変更モード)を実行する設定情報変更モード実行手段と、
遊技球が入球可能な入球手段と、
前記入球手段への遊技球の入球を契機として特別情報を取得する特別情報取得手段と、
前記特別情報が前記設定情報に対応した前記特典付与条件を満たすか否かを判定する特別情報判定手段と、
前記特別情報が前記特典付与条件を満たすと判定された場合に遊技者に特典を付与する特典付与手段と、
前記設定情報変更モードが実行された場合に所定の報知を実行する報知実行手段と、
を備える遊技機であって、
前記報知実行手段は、
前記設定情報変更モードにおいて前記設定情報が変更されなかった場合に第1の報知態様で前記所定の報知(RAMクリア報知処理B1)を実行する手段と、
前記設定情報変更モードにおいて前記設定情報が変更された場合に前記第1の報知態様とは異なる第2の報知態様で前記所定の報知(RAMクリア報知処理B2)を実行する手段と、
を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴δD1によれば、設定情報変更モードにおいて設定情報が変更されなかった場合に第1の報知態様で所定の報知を実行し、設定情報変更モードにおいて設定情報が変更された場合に第1の報知態様とは異なる第2の報知態様で所定の報知を実行するので、管理者は、設定情報変更モードにおいてどのような操作が為されたかを把握しなくても、当該遊技機における所定の報知の報知態様を把握することによって、当該遊技機において設定情報が変更されたか否かを把握することが可能となる。
具体的には、例えば、遊技ホールの営業開始前に、遊技ホールの管理者が作業者に対して遊技機の設定情報の変更を指示した場合に、当該作業者が管理者の指示とは異なる作業を行なっていないかを当該所定の報知の報知態様によって確認することができる。また、管理者自身が設定情報変更モードにおいて設定情報を変更した場合においても、当該所定の報知の報知態様を確認することによって、自身の作業が正しく行なわれたのか否かを確認することができる。
[特徴δD2]
特徴δD1に記載の遊技機であって、
前記報知実行手段は、前記所定の報知を所定期間(30秒間)に亘って実行する手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴δD2によれば、所定の報知を所定期間に亘って実行するので、管理者が当該遊技機において設定情報変更モードが実行されたことに気付けなかったといった事態の発生を抑制することができる。
仮に、本特徴とは異なり、設定情報変更モードが実行されている期間中にのみ報知を実行する構成を採用した場合について説明する。この構成において、例えば、管理者ではない不正な意図を有する者(以下、「不正な者」ともいう)が、管理者や周囲の遊技者に気付かれずに不正に設定情報を変更しようとした場合に、設定情報変更モードを開始させて素早く設定情報を変更し、その後、素早く設定情報変更モードを終了させれば、当該報知の期間を短くすることができ、管理者等に気付かれることなく設定情報を不正に変更することが可能となってしまうといった課題がある。
これに対して、本特徴によれば、不正な者が設定情報変更モードを素早く終了させたとしても、所定の報知が所定期間は継続することになるので、管理者等は、当該所定期間に亘る当該所定の報知によって、当該遊技機において設定情報変更モードが実行されたことに気付くことができる。したがって、本特徴によれば、不正な者による設定情報の不正な変更を抑制することができる。
[特徴δD3]
特徴δD2に記載の遊技機であって、
前記報知実行手段は、前記所定の報知を、前記設定情報変更モードが終了した後の所定期間(30秒間)に亘って実行する手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴δD3によれば、所定の報知を、設定情報変更モードが終了した後の所定期間に亘って実行する。このような構成を採用した理由について説明する。
先に、本特徴とは異なり、所定の報知を、設定情報変更モードの開始後の所定期間に亘って実行する構成を採用した場合について説明する。この構成において、例えば、設定情報変更モードが当該所定期間よりも長い期間に亘って実行されている場合には当該所定の報知が設定情報変更モードの実行中に終了してしまうことになり、一方、設定情報変更モードが当該所定期間よりも短い期間で終了した場合には当該所定の報知が設定情報変更モードの終了後にも継続することになる。すなわち、当該所定の報知が、設定情報変更モードの終了タイミングとは連動せずに終了したり継続したりすることになってしまい、管理者を混乱させてしまう要因となるおそれがある。
これに対して、本特徴によれば、所定の報知を、設定情報変更モードが終了した後の所定期間に亘って実行するので、当該所定の報知が設定情報変更モードの終了タイミングと連動せずに終了したり継続したりすることがない。したがって、管理者を混乱させてしまうことを回避しつつ、管理者が当該遊技機において設定情報変更モードが実行されたことに気付けなかったといった事態の発生を抑制することができる。
[特徴δD4]
特徴δD3に記載の遊技機であって、
前記報知実行手段は、前記設定情報変更モードの実行中に、第2の報知を実行する手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴δD4によれば、設定情報変更モードの実行中に第2の報知を実行するので、管理者は、不正な者によって設定情報変更モードが実行されていることを当該設定情報変更モードの実行中にも気付くことが可能となる。
<特徴δE群>
特徴δE群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第1実施形態の態様121から抽出される。
[特徴δE1]
所定の報知の実行の契機となるコマンドである報知契機コマンド(RAMクリアコマンド)を送信する送信手段と、
前記報知契機コマンドを受信した場合に前記所定の報知を実行する報知実行手段と、
を備える遊技機であって、
前記報知実行手段は、
前記報知契機コマンドを受信した場合において、当該報知契機コマンドを受信する前に所定のコマンド(設定変更モード終了コマンドA又はB)を受信していなかった場合に、第1の報知態様で前記所定の報知(RAMクリア報知処理A)を実行する手段と、
前記報知契機コマンドを受信した場合において、当該報知契機コマンドを受信する前に前記所定のコマンド(設定変更モード終了コマンドA又はB)を受信していた場合に、前記第1の報知態様とは異なる報知態様で前記所定の報知(RAMクリア報知処理B1、B2)を実行する手段と、
を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴δE1によれば、報知契機コマンドを受信した場合において、当該報知契機コマンドを受信する前に所定のコマンドを受信していなかった場合に、第1の報知態様で所定の報知を実行し、報知契機コマンドを受信した場合において、当該報知契機コマンドを受信する前に所定のコマンドを受信していた場合に、第1の報知態様とは異なる報知態様で所定の報知を実行する。したがって、報知契機コマンドに異なる指令内容を含ませて送信することができない構成においても、当該報知契機コマンドを契機とした所定の報知を異なる報知態様で実行させることが可能となる。
具体的には、例えば、RAMに記憶されている情報を消去するRAMクリア処理を実行した後に報知契機コマンドを送信する構成においては、RAMクリア処理の実行前に所定の条件が成立したか否かの内容を含ませて報知契機コマンドを送信することができない。したがって、報知契機コマンドを受信した報知実行手段に、RAMクリア処理の実行前に所定の条件が成立したか否かに対応した報知態様で所定の報知を実行させることができないといった課題があった。
これに対して、本特徴において、例えば、RAMクリア処理の実行前に所定の条件が成立したか否かに対応して所定のコマンドを送信しない又は送信する構成とし、RAMクリア処理を実行した後に、報知契機コマンドを送信する構成とすれば、RAMクリア処理の実行前に所定の条件が成立したか否かに対応した報知態様で所定の報知を実行することが可能となる。
[特徴δE2]
特徴δE1に記載の遊技機であって、
各種情報を記憶可能な情報記憶手段(主側RAM64)と、
前記情報記憶手段に記憶されている前記各種情報を消去する消去処理(RAMクリア処理)を実行する消去手段と、
前記消去処理の実行前に、所定の条件が成立した場合に(設定変更モードが実行された場合に)前記所定のコマンドを送信する第2送信手段と、
を備え、
前記送信手段は、前記消去処理の実行後に、前記報知契機コマンドを送信する手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴δE2によれば、消去処理の実行前に、所定の条件が成立した場合に所定のコマンドを送信し、消去処理の実行後に、報知契機コマンドを送信する。したがって、消去処理の実行前に所定の条件が成立したか否かに対応した報知態様で所定の報知を実行することが可能となる。
<特徴δF群>
特徴δF群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第1実施形態の態様121から抽出される。
[特徴δF1]
所定の報知の実行の契機となるコマンドである報知契機コマンド(RAMクリアコマンド)を送信する送信手段と、
前記報知契機コマンドを受信した場合に前記所定の報知を実行する報知実行手段と、
を備える遊技機であって、
前記報知実行手段は、
前記報知契機コマンドを受信した場合において、当該報知契機コマンドを受信する前に第1のコマンド(設定変更モード終了コマンドA)を受信していた場合に、第1の報知態様で前記所定の報知(RAMクリア報知処理B1)を実行する手段と、
前記報知契機コマンドを受信した場合において、当該報知契機コマンドを受信する前に前記第1のコマンドとは異なる第2のコマンド(設定変更モード終了コマンドB)を受信していた場合に、前記第1の報知態様とは異なる第2の報知態様で前記所定の報知(RAMクリア報知処理B2)を実行する手段と、
を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴δF1によれば、報知契機コマンドを受信した場合において、当該報知契機コマンドを受信する前に第1のコマンドを受信していた場合に、第1の報知態様で所定の報知を実行し、報知契機コマンドを受信した場合において、当該報知契機コマンドを受信する前に第1のコマンドとは異なる第2のコマンドを受信していた場合に、第1の報知態様とは異なる第2の報知態様で所定の報知を実行する。したがって、報知契機コマンドに異なる指令内容を含ませて送信することができない構成においても、当該報知契機コマンドを契機とした所定の報知を異なる報知態様で実行させることが可能となる。
具体的には、例えば、RAMに記憶されている情報を消去するRAMクリア処理を実行した後に報知契機コマンドを送信する構成においては、RAMクリア処理の実行前の時点においてRAMに記憶されていた情報(例えば設定情報が変更されたか否かを示す情報)に対応した指令内容を含ませて報知契機コマンドを送信することができない。したがって、報知契機コマンドを受信した報知実行手段に、RAMクリア処理の実行前の時点においてRAMに記憶されていた情報に対応した報知態様で所定の報知を実行させることができないといった課題があった。
本特徴によれば、例えば、RAMに記憶されている情報に対応して、第1のコマンド又は第2のコマンドを送信する構成とし、RAMクリア処理を実行した後に、報知契機コマンドを送信する構成とすれば、RAMクリア処理の実行前の時点においてRAMに記憶されていた情報に対応した報知態様で所定の報知を実行することが可能となる。
[特徴δF2]
特徴δF1に記載の遊技機であって、
所定の情報(設定変更済みフラグの状態)を含む各種情報を記憶可能な情報記憶手段(主側RAM64)と、
前記情報記憶手段に記憶されている前記各種情報を消去する消去処理(RAMクリア処理)を実行する消去手段と、
前記消去処理の実行前に、前記情報記憶手段に記憶されている前記所定の情報に基づいて、前記第1のコマンド及び前記第2のコマンドを含む複数のコマンドの中からいずれのコマンドを送信するかを決定し、当該決定したコマンドを送信する第2送信手段と、
を備え、
前記送信手段は、前記消去処理の実行後に、前記報知契機コマンドを送信する手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴δF2によれば、消去処理の実行前に、情報記憶手段に記憶されている所定の情報に基づいて第1のコマンド及び第2のコマンドを含む複数のコマンドの中からいずれのコマンドを送信するかを決定し、当該決定したコマンドを送信し、消去処理の実行後に、報知契機コマンドを送信する。したがって、消去処理の実行前の時点において情報記憶手段に記憶されていた所定の情報に対応した報知態様で所定の報知を実行することが可能となる。
<特徴δG群>
特徴δG群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第1実施形態の態様121から抽出される。
[特徴δG1]
複数の特典付与条件の中から一の特典付与条件を定める情報である設定情報を変更可能な設定情報変更モード(設定変更モード)を実行する設定情報変更モード実行手段と、
遊技球が入球可能な入球手段と、
前記入球手段への遊技球の入球を契機として特別情報を取得する特別情報取得手段と、
前記特別情報が前記設定情報に対応した前記特典付与条件を満たすか否かを判定する特別情報判定手段と、
前記特別情報が前記特典付与条件を満たすと判定された場合に遊技者に特典を付与する特典付与手段と、
前記設定情報変更モードの終了の際に第1のコマンド(設定変更モード終了コマンド)を送信する第1送信手段と、
前記設定情報変更モードの終了を契機として所定の処理(RAMクリア処理)を実行する所定処理実行手段と、
前記所定の処理の終了の際に第2のコマンド(RAMクリアコマンド)を送信する第2送信手段と、
所定のコマンドを受信したことを契機として所定の報知を実行する報知実行手段と、
を備える遊技機であって、
前記報知実行手段は、前記第2のコマンドを受信したことを契機として前記所定の報知を実行するが、前記第1のコマンドを受信したことを契機としては前記所定の報知を実行しない手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴δG1によれば、報知実行手段は、第2のコマンドを受信したことを契機として所定の報知を実行するが、第1のコマンドを受信したことを契機としては所定の報知を実行しない。このような構成を採用した理由について説明する。
先に、本特徴とは異なり、報知実行手段が第1のコマンドを受信したことを契機としても所定の報知を実行する構成を採用した場合について説明する。この構成を採用した場合には、報知実行手段は、第1のコマンドを受信したことを契機とした所定の報知の実行中に第2のコマンドを受信することになる。そうすると、報知実行手段は、第1のコマンドを受信したことを契機とした所定の報知と、第2のコマンドを受信したことを契機とした所定の報知とを重複して実行する構成を採用するか、あるいは、第1のコマンドを受信したことを契機とした所定の報知を、第2のコマンドを受信したことを契機とした所定の報知の開始に伴って終了させる構成を採用することになる。
しかしながら、第1のコマンドを受信したことを契機とした所定の報知と第2のコマンドを受信したことを契機とした所定の報知とを重複して実行する構成を採用した場合には、管理者がいずれの報知の内容も認識することができないといった課題がある。また、第1のコマンドを受信したことを契機とした所定の報知を、第2のコマンドを受信したことを契機とした所定の報知の開始に伴って終了させる構成を採用した場合には、第1のコマンドを受信したことを契機とした所定の報知(例えば、設定情報変更モードが終了したことの報知)が短期間で終了してしまい、管理者が第1のコマンドを受信したことを契機とした所定の報知に気付くことができず、例えば、設定情報変更モードが終了したことを認識することができないといった課題がある。
これに対して、本特徴によれば、報知実行手段は、第2のコマンドを受信したことを契機として所定の報知を実行するが、第1のコマンドを受信したことを契機としては所定の報知を実行しないので、第1のコマンドを受信したことを契機とした所定の報知と第2のコマンドを受信したことを契機とした所定の報知とが重複して実行されてしまい、管理者がいずれの報知の内容も認識することができないといった事態を回避することができる。
そして、本特徴の構成において、例えば、第2のコマンドを受信したことを契機とした所定の報知を実行することによって、所定の処理が終了したことに加えて、設定情報変更モードが終了したことを報知すれば、管理者は、所定の処理が終了したことに加えて、設定情報変更モードが終了したことを確実に認識することが可能となる。したがって、第1のコマンドを受信したことを契機とした所定の報知が実行されなくても問題は無く、また、上述した第1のコマンドを受信したことを契機とした所定の報知(例えば、設定情報変更モードが終了したことの報知)が短期間で終了してしまい、管理者が第1のコマンドを受信したことを契機とした所定の報知に気付くことができず、設定情報変更モードが終了したことを認識することができないといった課題も解決することができる。
[特徴δG2]
特徴δG1に記載の遊技機であって、
前記報知実行手段は、
前記第2のコマンドを受信した場合において、当該第2のコマンドを受信する前に前記第1のコマンド(設定変更モード終了コマンドA又はB)を受信していなかった場合に、第1の報知態様で前記所定の報知(RAMクリア報知処理A)を実行する手段と、
前記第2のコマンドを受信した場合において、当該第2のコマンドを受信する前に前記第1のコマンド(設定変更モード終了コマンドA又はB)を受信していた場合に、前記第1の報知態様とは異なる報知態様で前記所定の報知(RAMクリア報知処理B1、B2)を実行する手段と、
を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴δG2によれば、報知実行手段は、第2のコマンドを受信した場合において、当該第2のコマンドを受信する前に第1のコマンドを受信していなかった場合に、第1の報知態様で所定の報知を実行し、第2のコマンドを受信した場合において、当該第2のコマンドを受信する前に第1のコマンドを受信していた場合に、第1の報知態様とは異なる報知態様で所定の報知を実行するので、所定の報知を認識した管理者に対して、報知実行手段が第2のコマンドを受信する前に第1のコマンドを受信していたのか否かを把握させることができる。具体的には、例えば、所定の報知を認識した管理者に対して、所定の処理の前に設定情報変更モードが実行されたのか否かを把握させることが可能となる。
<特徴δH群>
特徴δH群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第1実施形態の態様122から抽出される。
[特徴δH1]
複数の特典付与条件の中から一の特典付与条件を定める情報である設定情報を変更可能な設定情報変更モード(設定変更モード)を実行する設定情報変更モード実行手段と、
遊技球が入球可能な入球手段と、
前記入球手段への遊技球の入球を契機として特別情報を取得する特別情報取得手段と、
前記特別情報が前記設定情報に対応した前記特典付与条件を満たすか否かを判定する特別情報判定手段と、
前記特別情報が前記特典付与条件を満たすと判定された場合に遊技者に特典を付与する特典付与手段と、
所定の報知(RAMクリア報知処理)を実行する報知実行手段と、
を備える遊技機であって、
前記報知実行手段は、
前記設定情報変更モードが実行された場合に、当該設定情報変更モードが終了した後に前記所定の報知(RAMクリア報知処理)を実行する第1実行手段と、
前記所定の報知の実行中に当該遊技機への電力の供給が断たれた場合において、当該遊技機への電力の供給が再び開始された場合に、前記所定の報知を実行する第2実行手段と、
を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴δH1によれば、設定情報変更モードが実行された場合に、当該設定情報変更モードが終了した後に所定の報知を実行する。そして、所定の報知の実行中に当該遊技機への電力の供給が断たれた場合において、当該遊技機への電力の供給が再び開始された場合に、所定の報知を実行する。この構成を採用した理由について説明する。
先に、本特徴とは異なり、所定の報知の実行中に当該遊技機への電力の供給が断たれた場合であっても、当該遊技機への電力の供給が再び開始された場合に所定の報知を実行しない構成を採用した場合について説明する。この構成において、例えば、管理者ではない不正な意図を有する者(以下、「不正な者」ともいう)が、管理者や周囲の遊技者に気付かれずに不正に設定情報を変更しようとした場合に、設定情報変更モードを実行させて設定情報を変更し、設定情報変更モードを終了させた後、当該遊技機の電源スイッチをOFFにして当該遊技機への電力の供給を断ってしまえば、当該所定の報知を終了させることができ、管理者等に気付かれることなく設定情報を不正に変更することが可能となってしまう。そして、その後、再び当該遊技機の電源スイッチをONにして当該遊技機への電力の供給を開始させれば、管理者等に気付かれることなく、設定情報が不正に変更された当該遊技機において不正な者が遊技を行なうことが可能となってしまうといった課題がある。
これに対して、本特徴によれば、不正な者が設定情報変更モードを終了させた後に当該遊技機の電源スイッチをOFFにして当該遊技機への電力の供給を断って所定の報知を終了させたとしても、当該遊技機において遊技を行なおうとして当該遊技機の電源スイッチをONにして当該遊技機への電力の供給を再び開始させれば、所定の報知が実行されることになる。したがって、管理者等は、当該所定の報知によって、当該遊技機において設定情報変更モードが実行されたことに気付くことができる。この結果、本特徴によれば、不正な者による設定情報の不正な変更及び設定情報が不正に変更された遊技機において遊技が行なわれてしまうことを抑制することができる。
[特徴δH2]
特徴δH1に記載の遊技機であって、
所定の識別情報(RAMクリア報知中フラグ)を記憶する記憶手段(主側RAM64)と、
前記所定の報知の開始の際に前記識別情報を第1の状態(ON)とし、前記所定の報知の終了の際に前記識別情報を前記第1の状態とは異なる第2の状態(OFF)に遷移させる識別情報遷移手段と、
を備え、
前記記憶手段は、当該遊技機への電力の供給が断たれた状態であっても前記識別情報の状態を維持することが可能であり、
前記第2実行手段は、当該遊技機への電力の供給が開始された際に前記識別情報が前記第1の状態であると判定した場合に、前記所定の報知を実行する手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴δH1によれば、識別情報遷移手段は、所定の報知の開始の際に識別情報を第1の状態とし、所定の報知の終了の際に識別情報を第2の状態に遷移させる。そして、記憶手段は、当該遊技機への電力の供給が断たれた状態であっても識別情報の状態を維持することが可能である。したがって、例えば、所定の報知の実行中に遊技機の電源スイッチがOFFにされ、当該遊技機への電力の供給が断たれた場合には、記憶手段に記憶されている識別情報は第1の状態に維持される。
そして、本特徴によれば、第2実行手段は、当該遊技機への電力の供給が開始された際に識別情報が第1の状態であると判定した場合に、所定の報知を実行する。すなわち、本特徴によれば、所定の報知の実行中に当該遊技機への電力の供給が断たれた場合において、当該遊技機への電力の供給が再び開始された場合には、設定情報変更モードが実行されていなくても、所定の報知が実行されることになる。したがって、管理者等が当該遊技機において設定情報変更モードが実行されたことに気付くことのできる可能性を高めることができる。この結果、本特徴によれば、不正な者による設定情報の不正な変更及び設定情報が不正に変更された遊技機において遊技が行なわれてしまうことを抑制することができる。
<特徴δI群>
特徴δI群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第1実施形態の態様123から抽出される。
[特徴δI1]
複数の特典付与条件の中から一の特典付与条件を定める情報である設定情報を表示はするが前記設定情報を変更することは不可能な設定情報表示モード(設定確認モード)を実行する設定情報表示モード実行手段と、
遊技球が入球可能な入球手段と、
前記入球手段への遊技球の入球を契機として特別情報を取得する特別情報取得手段と、
前記特別情報が前記設定情報に対応した前記特典付与条件を満たすか否かを判定する特別情報判定手段と、
前記特別情報が前記特典付与条件を満たすと判定された場合に遊技者に特典を付与する特典付与手段と、
所定の報知(設定確認モード終了後報知処理)を実行する報知実行手段と、
を備える遊技機であって、
前記報知実行手段は、
前記設定情報表示モードが実行された場合に、当該設定情報表示モードが終了した後に前記所定の報知(設定確認モード終了後報知処理)を実行する第1実行手段と、
前記所定の報知の実行中に当該遊技機への電力の供給が断たれた場合において、当該遊技機への電力の供給が再び開始された場合に、前記所定の報知を実行する第2実行手段と、
を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴δI1によれば、設定情報表示モードが実行された場合に、当該設定情報表示モードが終了した後に所定の報知を実行する。そして、所定の報知の実行中に当該遊技機への電力の供給が断たれた場合において、当該遊技機への電力の供給が再び開始された場合に、所定の報知を実行する。この構成を採用した理由について説明する。
先に、本特徴とは異なり、所定の報知の実行中に当該遊技機への電力の供給が断たれた場合であっても、当該遊技機への電力の供給が再び開始された場合に所定の報知を実行しない構成を採用した場合について説明する。この構成において、例えば、管理者ではない不正な意図を有する者(以下、「不正な者」ともいう)が、管理者や周囲の遊技者に気付かれずに不正に設定情報を確認しようとした場合に、設定情報表示モードを実行させて設定情報を確認し、設定情報表示モードを終了させた後、当該遊技機の電源スイッチをOFFにして当該遊技機への電力の供給を断ってしまえば、当該所定の報知を終了させることができ、管理者等に気付かれることなく設定情報を不正に確認することが可能となってしまう。そして、その後、再び当該遊技機の電源スイッチをONにして当該遊技機への電力の供給を開始させれば、管理者等に気付かれることなく、設定情報が不正に確認された当該遊技機において不正な者が遊技を行なうことが可能となってしまうといった課題がある。
これに対して、本特徴によれば、不正な者が設定情報表示モードを終了させた後に当該遊技機の電源スイッチをOFFにして当該遊技機への電力の供給を断って所定の報知を終了させたとしても、当該遊技機において遊技を行なおうとして当該遊技機の電源スイッチをONにして当該遊技機への電力の供給を再び開始させれば、所定の報知が実行されることになる。したがって、管理者等は、当該所定の報知によって、当該遊技機において設定情報表示モードが実行されたことに気付くことができる。この結果、本特徴によれば、不正な者による設定情報の不正な確認及び設定情報が不正に確認された遊技機において遊技が行なわれてしまうことを抑制することができる。
[特徴δI2]
特徴δI1に記載の遊技機であって、
所定の識別情報(RAMクリア報知中フラグ)を記憶する記憶手段(主側RAM64)と、
前記所定の報知の開始の際に前記識別情報を第1の状態(ON)とし、前記所定の報知の終了の際に前記識別情報を前記第1の状態とは異なる第2の状態(OFF)に遷移させる識別情報遷移手段と、
を備え、
前記記憶手段は、当該遊技機への電力の供給が断たれた状態であっても前記識別情報の状態を維持することが可能であり、
前記第2実行手段は、当該遊技機への電力の供給が開始された際に前記識別情報が前記第1の状態であると判定した場合に、前記所定の報知を実行する手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴δI1によれば、識別情報遷移手段は、所定の報知の開始の際に識別情報を第1の状態とし、所定の報知の終了の際に識別情報を第2の状態に遷移させる。そして、記憶手段は、当該遊技機への電力の供給が断たれた状態であっても識別情報の状態を維持することが可能である。したがって、例えば、所定の報知の実行中に遊技機の電源スイッチがOFFにされ、当該遊技機への電力の供給が断たれた場合には、記憶手段に記憶されている識別情報は第1の状態に維持される。
そして、本特徴によれば、第2実行手段は、当該遊技機への電力の供給が開始された際に識別情報が第1の状態であると判定した場合に、所定の報知を実行する。すなわち、本特徴によれば、所定の報知の実行中に当該遊技機への電力の供給が断たれた場合において、当該遊技機への電力の供給が再び開始された場合には、設定情報表示モードが実行されていなくても、所定の報知が実行されることになる。したがって、管理者等が当該遊技機において設定情報表示モードが実行されたことに気付くことのできる可能性を高めることができる。この結果、本特徴によれば、不正な者による設定情報の不正な確認及び設定情報が不正に確認された遊技機において遊技が行なわれてしまうことを抑制することができる。
<特徴δJ群>
特徴δJ群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第1実施形態の態様124から抽出される。
[特徴δJ1]
複数の特典付与条件の中から一の特典付与条件を定める情報である設定情報を変更可能な設定情報変更モード(設定変更モード)を実行する設定情報変更モード実行手段と、
遊技球が入球可能な入球手段と、
前記入球手段への遊技球の入球を契機として特別情報を取得する特別情報取得手段と、
前記特別情報が前記設定情報に対応した前記特典付与条件を満たすか否かを判定する特別情報判定手段と、
前記特別情報が前記特典付与条件を満たすと判定された場合に遊技者に特典を付与する特典付与手段と、
前記設定情報変更モードが実行された場合に所定の報知(設定変更モード実行中報知処理、RAMクリア報知処理B1、B2)を実行する報知実行手段と、
前記特別情報が前記特別情報判定手段による判定の対象となったことを契機として図柄の変動を開始させる変動開始手段(特図ユニット37)と、
前記図柄の変動を契機として演出を実行する演出実行手段(音声発光制御装置90、表示制御装置100等)と、
前記所定の報知を前記演出よりも優先させる優先手段と、
を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴δJ1によれば、設定情報変更モードが実行された場合に実行される所定の報知を、図柄の変動を契機として実行される演出よりも優先させる。この構成を採用した理由について説明する。
先に、本特徴とは異なり、演出が所定の報知よりも優先される構成を採用した場合について説明する。この構成において、例えば、管理者ではない不正な意図を有する者(以下、「不正な者」ともいう)が、管理者や周囲の遊技者に気付かれずに不正に設定情報を変更しようとした場合に、遊技球を入球手段に入球させて図柄の変動を開始させて演出を実行させれば、設定情報変更モードを実行させたとしても、所定の報知よりも演出が優先されてしまい、管理者等に気付かれることなく設定情報を不正に変更することが可能となってしまうといった課題がある。
これに対して、本特徴によれば、不正な者が遊技球を入球手段に入球させて図柄の変動を開始させたとしても、所定の報知が演出よりも優先されるので、管理者等が当該遊技機において設定情報変更モードが実行されたことに気付くことのできる可能性を高めることができる。したがって、本特徴によれば、不正な者による設定情報の不正な変更を抑制することができる。
[特徴δJ2]
特徴δJ1に記載の遊技機であって、
前記優先手段は、前記所定の報知が実行されている場合には、前記図柄が変動している場合であっても前記演出を実行させない手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴δJ2によれば、所定の報知が実行されている場合には、図柄が変動している場合であっても演出を実行させないので、管理者等が当該遊技機において設定情報変更モードが実行されたことに気付くことのできる可能性を高めることができる。
[特徴δJ3]
特徴δJ1に記載の遊技機であって、
前記演出実行手段は、前記演出の少なくとも一部として特定音を出力する手段を備え、
前記優先手段は、前記所定の報知が実行されている場合には、前記図柄が変動している場合であっても前記特定音を出力させない手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴δJ3によれば、所定の報知が実行されている場合には、図柄が変動している場合であっても特定音を出力させないので、管理者等が当該遊技機において設定情報変更モードが実行されたことに気付くことのできる可能性を高めることができる。
[特徴δJ4]
特徴δJ1に記載の遊技機であって、
前記演出実行手段は、前記演出の少なくとも一部として特定音を出力する手段を備え、
前記優先手段は、前記所定の報知が実行されている場合であって、前記図柄が変動している場合には、前記特定音の音量を、前記所定の報知が実行されていない場合よりも小さくする手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴δJ4によれば、所定の報知が実行されている場合であって、図柄が変動している場合には、特定音の音量を、所定の報知が実行されていない場合よりも小さくするので、管理者等に、図柄が変動していることに気付かせつつ、当該遊技機において設定情報変更モードが実行されたことに気付かせることができる。
<特徴δK群>
特徴δK群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第1実施形態の態様125から抽出される。
[特徴δK1]
複数の特典付与条件の中から一の特典付与条件を定める情報である設定情報を表示はするが前記設定情報を変更することは不可能な設定情報表示モード(設定確認モード)を実行する設定情報表示モード実行手段と、
遊技球が入球可能な入球手段と、
前記入球手段への遊技球の入球を契機として特別情報を取得する特別情報取得手段と、
前記特別情報が前記設定情報に対応した前記特典付与条件を満たすか否かを判定する特別情報判定手段と、
前記特別情報が前記特典付与条件を満たすと判定された場合に遊技者に特典を付与する特典付与手段と、
前記設定情報表示モードが実行された場合に所定の報知(設定確認モード実行中報知処理、設定確認モード終了後報知処理)を実行する報知実行手段と、
前記特別情報が前記特別情報判定手段による判定の対象となったことを契機として図柄の変動を開始させる変動開始手段(特図ユニット37)と、
前記図柄の変動を契機として演出を実行する演出実行手段(音声発光制御装置90、表示制御装置100等)と、
前記所定の報知を前記演出よりも優先させる優先手段と、
を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴δK1によれば、設定情報表示モードが実行された場合に実行される所定の報知を、図柄の変動を契機として実行される演出よりも優先させる。この構成を採用した理由について説明する。
先に、本特徴とは異なり、演出が所定の報知よりも優先される構成を採用した場合について説明する。この構成において、例えば、管理者ではない不正な意図を有する者(以下、「不正な者」ともいう)が、管理者や周囲の遊技者に気付かれずに不正に設定情報を確認しようとした場合に、遊技球を入球手段に入球させて図柄の変動を開始させて演出を実行させれば、設定情報表示モードを実行させたとしても、所定の報知よりも演出が優先されてしまい、管理者等に気付かれることなく設定情報を不正に確認することが可能となってしまうといった課題がある。
これに対して、本特徴によれば、不正な者が遊技球を入球手段に入球させて図柄の変動を開始させたとしても、所定の報知が演出よりも優先されるので、管理者等が当該遊技機において設定情報表示モードが実行されたことに気付くことのできる可能性を高めることができる。したがって、本特徴によれば、不正な者による設定情報の不正な確認を抑制することができる。
[特徴δK2]
特徴δK1に記載の遊技機であって、
前記優先手段は、前記所定の報知が実行されている場合には、前記図柄が変動している場合であっても前記演出を実行させない手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴δK2によれば、所定の報知が実行されている場合には、図柄が変動している場合であっても演出を実行させないので、管理者等が当該遊技機において設定情報表示モードが実行されたことに気付くことのできる可能性を高めることができる。
[特徴δK3]
特徴δK1に記載の遊技機であって、
前記演出実行手段は、前記演出の少なくとも一部として特定音を出力する手段を備え、
前記優先手段は、前記所定の報知が実行されている場合には、前記図柄が変動している場合であっても前記特定音を出力させない手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴δK3によれば、所定の報知が実行されている場合には、図柄が変動している場合であっても特定音を出力させないので、管理者等が当該遊技機において設定情報表示モードが実行されたことに気付くことのできる可能性を高めることができる。
[特徴δK4]
特徴δK1に記載の遊技機であって、
前記演出実行手段は、前記演出の少なくとも一部として特定音を出力する手段を備え、
前記優先手段は、前記所定の報知が実行されている場合であって、前記図柄が変動している場合には、前記特定音の音量を、前記所定の報知が実行されていない場合よりも小さくする手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴δK4によれば、所定の報知が実行されている場合であって、図柄が変動している場合には、特定音の音量を、所定の報知が実行されていない場合よりも小さくするので、管理者等に、図柄が変動していることに気付かせつつ、当該遊技機において設定情報表示モードが実行されたことに気付かせることができる。
<特徴δL群>
特徴δL群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第1実施形態の態様126から抽出される。
[特徴δL1]
複数の特典付与条件の中から一の特典付与条件を定める情報である設定情報を変更可能な設定情報変更モード(設定変更モード)を実行する設定情報変更モード実行手段と、
遊技球が入球可能な入球手段と、
前記入球手段への遊技球の入球を契機として特別情報を取得する特別情報取得手段と、
前記特別情報が前記設定情報に対応した前記特典付与条件を満たすか否かを判定する特別情報判定手段と、
前記特別情報が前記特典付与条件を満たすと判定された場合に遊技者に特典を付与する特典付与手段と、
前記設定情報変更モードが実行された場合に第1の報知(設定変更モード実行中報知処理、RAMクリア報知処理B1、B2)を実行する第1報知実行手段と、
遊技球を貯留可能な貯留手段(下皿21)と、
前記貯留手段に貯留された遊技球が所定量以上となった場合に第2の報知を実行する第2報知実行手段(音声発光制御装置90、表示制御装置100等)と、
前記第1の報知を前記第2の報知よりも優先させる優先手段と、
を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴δL1によれば、設定情報変更モードが実行された場合に実行される第1の報知を、貯留手段に貯留された遊技球が所定量以上となった場合に実行される第2の報知よりも優先させる。この構成を採用した理由について説明する。
先に、本特徴とは異なり、第2の報知が第1の報知よりも優先される構成を採用した場合について説明する。この構成において、例えば、管理者ではない不正な意図を有する者(以下、「不正な者」ともいう)が、管理者や周囲の遊技者に気付かれずに不正に設定情報を変更しようとした場合に、貯留手段に所定量以上の遊技球を貯留させて第2の報知を実行させれば、設定情報変更モードを実行させたとしても、第1の報知よりも第2の報知が優先されてしまい、管理者等に気付かれることなく設定情報を不正に変更することが可能となってしまうといった課題がある。
これに対して、本特徴によれば、不正な者が貯留手段に所定量以上の遊技球を貯留させたとしても、第1の報知が第2の報知よりも優先されるので、管理者等が当該遊技機において設定情報変更モードが実行されたことに気付くことのできる可能性を高めることができる。したがって、本特徴によれば、不正な者による設定情報の不正な変更を抑制することができる。
[特徴δL2]
特徴δL1に記載の遊技機であって、
前記優先手段は、前記第1の報知が実行されている場合には、前記貯留手段に貯留された遊技球が所定量以上となっている場合であっても前記第2の報知を実行させない手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴δL2によれば、第1の報知が実行されている場合には、貯留手段に貯留された遊技球が所定量以上となっている場合であっても第2の報知を実行させないので、管理者等が当該遊技機において設定情報変更モードが実行されたことに気付くことのできる可能性を高めることができる。
[特徴δL3]
特徴δL1に記載の遊技機であって、
前記第2報知実行手段は、前記第2の報知の少なくとも一部として特定の報知音を出力する手段を備え、
前記優先手段は、前記第1の報知が実行されている場合には、前記貯留手段に貯留された遊技球が所定量以上となっている場合であっても前記特定の報知音を出力させない手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴δL3によれば、第1の報知が実行されている場合には、貯留手段に貯留された遊技球が所定量以上となっている場合であっても特定の報知音を出力させないので、管理者等が当該遊技機において設定情報変更モードが実行されたことに気付くことのできる可能性を高めることができる。
[特徴δL4]
特徴δL1に記載の遊技機であって、
前記第2報知実行手段は、前記第2の報知の少なくとも一部として特定の報知音を出力する手段を備え、
前記優先手段は、前記第1の報知が実行されている場合であって、前記貯留手段に貯留された遊技球が所定量以上となっている場合には、前記特定の報知音の音量を、前記第1の報知が実行されていない場合よりも小さくする手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴δL4によれば、第1の報知が実行されている場合であって、貯留手段に貯留された遊技球が所定量以上となっている場合には、特定の報知音の音量を、第1の報知が実行されていない場合よりも小さくするので、管理者等に、貯留手段に貯留された遊技球が所定量以上となっていることに気付かせつつ、当該遊技機において設定情報変更モードが実行されたことに気付かせることができる。
<特徴δM群>
特徴δM群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第1実施形態の態様127から抽出される。
[特徴δM1]
複数の特典付与条件の中から一の特典付与条件を定める情報である設定情報を表示はするが前記設定情報を変更することは不可能な設定情報表示モード(設定確認モード)を実行する設定情報表示モード実行手段と、
遊技球が入球可能な入球手段と、
前記入球手段への遊技球の入球を契機として特別情報を取得する特別情報取得手段と、
前記特別情報が前記設定情報に対応した前記特典付与条件を満たすか否かを判定する特別情報判定手段と、
前記特別情報が前記特典付与条件を満たすと判定された場合に遊技者に特典を付与する特典付与手段と、
前記設定情報表示モードが実行された場合に第1の報知(設定確認モード実行中報知処理、設定確認モード終了後報知処理)を実行する第1報知実行手段と、
遊技球を貯留可能な貯留手段(下皿21)と、
前記貯留手段に貯留された遊技球が所定量以上となった場合に第2の報知を実行する第2報知実行手段(音声発光制御装置90、表示制御装置100等)と、
前記第1の報知を前記第2の報知よりも優先させる優先手段と、
を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴δM1によれば、設定情報表示モードが実行された場合に実行される第1の報知を、貯留手段に貯留された遊技球が所定量以上となった場合に実行される第2の報知よりも優先させる。この構成を採用した理由について説明する。
先に、本特徴とは異なり、第2の報知が第1の報知よりも優先される構成を採用した場合について説明する。この構成において、例えば、管理者ではない不正な意図を有する者(以下、「不正な者」ともいう)が、管理者や周囲の遊技者に気付かれずに不正に設定情報を確認しようとした場合に、貯留手段に所定量以上の遊技球を貯留させて第2の報知を実行させれば、設定情報表示モードを実行させたとしても、第1の報知よりも第2の報知が優先されてしまい、管理者等に気付かれることなく設定情報を不正に確認することが可能となってしまうといった課題がある。
これに対して、本特徴によれば、不正な者が貯留手段に所定量以上の遊技球を貯留させたとしても、第1の報知が第2の報知よりも優先されるので、管理者等が当該遊技機において設定情報表示モードが実行されたことに気付くことのできる可能性を高めることができる。したがって、本特徴によれば、不正な者による設定情報の不正な確認を抑制することができる。
[特徴δM2]
特徴δM1に記載の遊技機であって、
前記優先手段は、前記第1の報知が実行されている場合には、前記貯留手段に貯留された遊技球が所定量以上となっている場合であっても前記第2の報知を実行させない手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴δM2によれば、第1の報知が実行されている場合には、貯留手段に貯留された遊技球が所定量以上となっている場合であっても第2の報知を実行させないので、管理者等が当該遊技機において設定情報表示モードが実行されたことに気付くことのできる可能性を高めることができる。
[特徴δM3]
特徴δM1に記載の遊技機であって、
前記第2報知実行手段は、前記第2の報知の少なくとも一部として特定の報知音を出力する手段を備え、
前記優先手段は、前記第1の報知が実行されている場合には、前記貯留手段に貯留された遊技球が所定量以上となっている場合であっても前記特定の報知音を出力させない手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴δM3によれば、第1の報知が実行されている場合には、貯留手段に貯留された遊技球が所定量以上となっている場合であっても特定の報知音を出力させないので、管理者等が当該遊技機において設定情報表示モードが実行されたことに気付くことのできる可能性を高めることができる。
[特徴δM4]
特徴δM1に記載の遊技機であって、
前記第2報知実行手段は、前記第2の報知の少なくとも一部として特定の報知音を出力する手段を備え、
前記優先手段は、前記第1の報知が実行されている場合であって、前記貯留手段に貯留された遊技球が所定量以上となっている場合には、前記特定の報知音の音量を、前記第1の報知が実行されていない場合よりも小さくする手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴δM4によれば、第1の報知が実行されている場合であって、貯留手段に貯留された遊技球が所定量以上となっている場合には、特定の報知音の音量を、第1の報知が実行されていない場合よりも小さくするので、管理者等に、貯留手段に貯留された遊技球が所定量以上となっていることに気付かせつつ、当該遊技機において設定情報表示モードが実行されたことに気付かせることができる。
<特徴δN群>
特徴δN群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第1実施形態の態様128から抽出される。
[特徴δN1]
複数の特典付与条件の中から一の特典付与条件を定める情報である設定情報を変更可能な設定情報変更モード(設定変更モード)を実行する設定情報変更モード実行手段と、
遊技球が入球可能な入球手段と、
前記入球手段への遊技球の入球を契機として特別情報を取得する特別情報取得手段と、
前記特別情報が前記設定情報に対応した前記特典付与条件を満たすか否かを判定する特別情報判定手段と、
前記特別情報が前記特典付与条件を満たすと判定された場合に遊技者に特典を付与する特典付与手段と、
前記設定情報変更モードが実行された場合に第1の報知(設定変更モード実行中報知処理、RAMクリア報知処理B1、B2)を実行する第1報知実行手段と、
遊技球の発射態様が所定の発射態様ではない場合(「左打ち」をすべき遊技状態において「右打ち」が行なわれている場合、「右打ち」をすべき遊技状態において「左打ち」が行なわれている場合)に第2の報知(左打ち示唆報知処理、右打ち示唆報知処理)を実行する第2報知実行手段(音声発光制御装置90、表示制御装置100等)と、
前記第1の報知を前記第2の報知よりも優先させる優先手段と、
を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴δN1によれば、設定情報変更モードが実行された場合に実行される第1の報知を、遊技球の発射態様が所定の発射態様ではない場合に実行される第2の報知よりも優先させる。この構成を採用した理由について説明する。
先に、本特徴とは異なり、第2の報知が第1の報知よりも優先される構成を採用した場合について説明する。この構成において、例えば、管理者ではない不正な意図を有する者(以下、「不正な者」ともいう)が、管理者や周囲の遊技者に気付かれずに不正に設定情報を変更しようとした場合に、所定の発射態様ではない発射態様で遊技球を発射させて第2の報知を実行させれば、設定情報変更モードを実行させたとしても、第1の報知よりも第2の報知が優先されてしまい、管理者等に気付かれることなく設定情報を不正に変更することが可能となってしまうといった課題がある。
これに対して、本特徴によれば、所定の発射態様ではない発射態様で遊技球を発射させたとしても、第1の報知が第2の報知よりも優先されるので、管理者等が当該遊技機において設定情報変更モードが実行されたことに気付くことのできる可能性を高めることができる。したがって、本特徴によれば、不正な者による設定情報の不正な変更を抑制することができる。
[特徴δN2]
特徴δN1に記載の遊技機であって、
前記優先手段は、前記第1の報知が実行されている場合には、遊技球の発射態様が前記所定の発射態様ではない場合であっても前記第2の報知を実行させない手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴δN2によれば、第1の報知が実行されている場合には、遊技球の発射態様が所定の発射態様ではない場合であっても第2の報知を実行させないので、管理者等が当該遊技機において設定情報変更モードが実行されたことに気付くことのできる可能性を高めることができる。
[特徴δN3]
特徴δN1に記載の遊技機であって、
前記第2報知実行手段は、前記第2の報知の少なくとも一部として特定の報知音を出力する手段を備え、
前記優先手段は、前記第1の報知が実行されている場合には、遊技球の発射態様が前記所定の発射態様ではない場合であっても前記特定の報知音を出力させない手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴δN3によれば、第1の報知が実行されている場合には、遊技球の発射態様が所定の発射態様ではない場合であっても特定の報知音を出力させないので、管理者等が当該遊技機において設定情報変更モードが実行されたことに気付くことのできる可能性を高めることができる。
[特徴δN4]
特徴δN1に記載の遊技機であって、
前記第2報知実行手段は、前記第2の報知の少なくとも一部として特定の報知音を出力する手段を備え、
前記優先手段は、前記第1の報知が実行されている場合であって、遊技球の発射態様が前記所定の発射態様ではない場合には、前記特定の報知音の音量を、前記第1の報知が実行されていない場合よりも小さくする手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴δN4によれば、第1の報知が実行されている場合であって、遊技球の発射態様が所定の発射態様ではない場合には、特定の報知音の音量を、第1の報知が実行されていない場合よりも小さくするので、管理者等に、遊技球の発射態様が所定の発射態様ではないことに気付かせつつ、当該遊技機において設定情報変更モードが実行されたことに気付かせることができる。
<特徴δO群>
特徴δO群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第1実施形態の態様129から抽出される。
[特徴δO1]
複数の特典付与条件の中から一の特典付与条件を定める情報である設定情報を表示はするが前記設定情報を変更することは不可能な設定情報表示モード(設定確認モード)を実行する設定情報表示モード実行手段と、
遊技球が入球可能な入球手段と、
前記入球手段への遊技球の入球を契機として特別情報を取得する特別情報取得手段と、
前記特別情報が前記設定情報に対応した前記特典付与条件を満たすか否かを判定する特別情報判定手段と、
前記特別情報が前記特典付与条件を満たすと判定された場合に遊技者に特典を付与する特典付与手段と、
前記設定情報表示モードが実行された場合に第1の報知(設定確認モード実行中報知処理、設定確認モード終了後報知処理)を実行する第1報知実行手段と、
遊技球の発射態様が所定の発射態様ではない場合(「左打ち」をすべき遊技状態において「右打ち」が行なわれている場合、「右打ち」をすべき遊技状態において「左打ち」が行なわれている場合)に第2の報知(左打ち示唆報知処理、右打ち示唆報知処理)を実行する第2報知実行手段(音声発光制御装置90、表示制御装置100等)と、
前記第1の報知を前記第2の報知よりも優先させる優先手段と、
を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴δO1によれば、設定情報表示モードが実行された場合に実行される第1の報知を、遊技球の発射態様が所定の発射態様ではない場合に実行される第2の報知よりも優先させる。この構成を採用した理由について説明する。
先に、本特徴とは異なり、第2の報知が第1の報知よりも優先される構成を採用した場合について説明する。この構成において、例えば、管理者ではない不正な意図を有する者(以下、「不正な者」ともいう)が、管理者や周囲の遊技者に気付かれずに不正に設定情報を確認しようとした場合に、所定の発射態様ではない発射態様で遊技球を発射させて第2の報知を実行させれば、設定情報表示モードを実行させたとしても、第1の報知よりも第2の報知が優先されてしまい、管理者等に気付かれることなく設定情報を不正に確認することが可能となってしまうといった課題がある。
これに対して、本特徴によれば、所定の発射態様ではない発射態様で遊技球を発射させたとしても、第1の報知が第2の報知よりも優先されるので、管理者等が当該遊技機において設定情報表示モードが実行されたことに気付くことのできる可能性を高めることができる。したがって、本特徴によれば、不正な者による設定情報の不正な確認を抑制することができる。
[特徴δO2]
特徴δO1に記載の遊技機であって、
前記優先手段は、前記第1の報知が実行されている場合には、遊技球の発射態様が前記所定の発射態様ではない場合であっても前記第2の報知を実行させない手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴δO2によれば、第1の報知が実行されている場合には、遊技球の発射態様が所定の発射態様ではない場合であっても第2の報知を実行させないので、管理者等が当該遊技機において設定情報表示モードが実行されたことに気付くことのできる可能性を高めることができる。
[特徴δO3]
特徴δO1に記載の遊技機であって、
前記第2報知実行手段は、前記第2の報知の少なくとも一部として特定の報知音を出力する手段を備え、
前記優先手段は、前記第1の報知が実行されている場合には、遊技球の発射態様が前記所定の発射態様ではない場合であっても前記特定の報知音を出力させない手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴δO3によれば、第1の報知が実行されている場合には、遊技球の発射態様が所定の発射態様ではない場合であっても特定の報知音を出力させないので、管理者等が当該遊技機において設定情報表示モードが実行されたことに気付くことのできる可能性を高めることができる。
[特徴δO4]
特徴δO1に記載の遊技機であって、
前記第2報知実行手段は、前記第2の報知の少なくとも一部として特定の報知音を出力する手段を備え、
前記優先手段は、前記第1の報知が実行されている場合であって、遊技球の発射態様が前記所定の発射態様ではない場合には、前記特定の報知音の音量を、前記第1の報知が実行されていない場合よりも小さくする手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴δO4によれば、第1の報知が実行されている場合であって、遊技球の発射態様が所定の発射態様ではない場合には、特定の報知音の音量を、第1の報知が実行されていない場合よりも小さくするので、管理者等に、遊技球の発射態様が所定の発射態様ではないことに気付かせつつ、当該遊技機において設定情報表示モードが実行されたことに気付かせることができる。
<特徴δP群>
特徴δP群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第1実施形態の態様130から抽出される。
[特徴δP1]
複数の特典付与条件の中から一の特典付与条件を定める情報である設定情報を変更可能な設定情報変更モード(設定変更モード)を実行する設定情報変更モード実行手段と、
遊技球が入球可能な入球手段と、
前記入球手段への遊技球の入球を契機として特別情報を取得する特別情報取得手段と、
前記特別情報が前記設定情報に対応した前記特典付与条件を満たすか否かを判定する特別情報判定手段と、
前記特別情報が前記特典付与条件を満たすと判定された場合に遊技者に特典を付与する特典付与手段と、
前記設定情報変更モードが実行された場合に、当該設定情報変更モードの終了後に第1の報知(RAMクリア報知処理B1、B2)を実行する第1報知実行手段と、
磁気を検出する磁気検出手段と、
前記磁気検出手段によって検出された磁気が所定の条件を満たした場合に第2の報知を実行する第2報知実行手段(音声発光制御装置90、表示制御装置100等)と、
前記第2の報知を前記第1の報知よりも優先させる優先手段と、
を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴δP1によれば、検出された磁気が所定の条件を満たした場合に実行される第2の報知を、設定情報変更モードの終了後に実行される第1の報知よりも優先させる。この構成を採用した理由について説明する。
先に、本特徴とは異なり、第1の報知が第2の報知よりも優先される構成を採用した場合について説明する。この構成において、例えば、管理者によって設定情報変更モードが実行された後、当該設定情報変更モードを終了させて管理者が当該遊技機から去り、当該遊技機において第1の報知が実行されている状況において、管理者ではない不正な意図を有する者(以下、「不正な者」ともいう)が、例えば磁石を用いて遊技球を入球手段に不正に入球させようとしたとしても、第2の報知よりも第1の報知が優先されてしまい、管理者等に気付かれることなく磁石を用いて不正に遊技球を入球手段に入球させることが可能となってしまうといった課題がある。
これに対して、本特徴によれば、第1の報知が実行されている状況において磁石を用いて遊技球を入球手段に不正に入球させようとしたとしても、第2の報知が第1の報知よりも優先されるので、管理者等が当該遊技機において不正に磁石が用いられたことに気付くことのできる可能性を高めることができる。したがって、本特徴によれば、不正な者による不正な磁石の利用を抑制することができる。
[特徴δP2]
特徴δP1に記載の遊技機であって、
前記優先手段は、前記第2の報知が実行される場合には、前記設定情報変更モードが実行された場合であっても前記第1の報知を実行させない手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴δP2によれば、第2の報知が実行される場合には、設定情報変更モードが実行された場合であっても第1の報知を実行させないので、管理者等が当該遊技機において不正に磁石が用いられたことに気付くことのできる可能性を高めることができる。
[特徴δP3]
特徴δP1に記載の遊技機であって、
前記第1報知実行手段は、前記第1の報知の少なくとも一部として特定の報知音を出力する手段を備え、
前記優先手段は、前記第2の報知が実行される場合には、前記設定情報変更モードが実行された場合であっても前記特定の報知音を出力させない手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴δP3によれば、第2の報知が実行される場合には、設定情報変更モードが実行された場合であっても特定の報知音を出力させないので、管理者等が当該遊技機において不正に磁石が用いられたことに気付くことのできる可能性を高めることができる。
[特徴δP4]
特徴δP1に記載の遊技機であって、
前記第1報知実行手段は、前記第1の報知の少なくとも一部として特定の報知音を出力する手段を備え、
前記優先手段は、前記第2の報知が実行される場合であって、設定情報変更モードが実行された場合には、前記特定の報知音の音量を、前記第2の報知が実行されていない場合よりも小さくする手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴δP4によれば、第2の報知が実行される場合であって、設定情報変更モードが実行された場合には、特定の報知音の音量を、第2の報知が実行されていない場合よりも小さくするので、管理者等に、設定情報変更モードが実行されたことに気付かせつつ、当該遊技機において不正に磁石が用いられたことに気付かせることができる。
<特徴δQ群>
特徴δQ群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第1実施形態の態様131から抽出される。
[特徴δQ1]
複数の特典付与条件の中から一の特典付与条件を定める情報である設定情報を表示はするが前記設定情報を変更することは不可能な設定情報表示モード(設定確認モード)を実行する設定情報表示モード実行手段と、
遊技球が入球可能な入球手段と、
前記入球手段への遊技球の入球を契機として特別情報を取得する特別情報取得手段と、
前記特別情報が前記設定情報に対応した前記特典付与条件を満たすか否かを判定する特別情報判定手段と、
前記特別情報が前記特典付与条件を満たすと判定された場合に遊技者に特典を付与する特典付与手段と、
前記設定情報表示モードが実行された場合に、当該設定情報表示モードの終了後に第1の報知(設定確認モード終了後報知処理)を実行する第1報知実行手段と、
磁気を検出する磁気検出手段と、
前記磁気検出手段によって検出された磁気が所定の条件を満たした場合に第2の報知を実行する第2報知実行手段(音声発光制御装置90、表示制御装置100等)と、
前記第2の報知を前記第1の報知よりも優先させる優先手段と、
を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴δQ1によれば、検出された磁気が所定の条件を満たした場合に実行される第2の報知を、設定情報表示モードの終了後に実行される第1の報知よりも優先させる。この構成を採用した理由について説明する。
先に、本特徴とは異なり、第1の報知が第2の報知よりも優先される構成を採用した場合について説明する。この構成において、例えば、管理者によって設定情報表示モードが実行された後、当該設定情報表示モードを終了させて管理者が当該遊技機から去り、当該遊技機において第1の報知が実行されている状況において、管理者ではない不正な意図を有する者(以下、「不正な者」ともいう)が、例えば磁石を用いて遊技球を入球手段に不正に入球させようとしたとしても、第2の報知よりも第1の報知が優先されてしまい、管理者等に気付かれることなく磁石を用いて不正に遊技球を入球手段に入球させることが可能となってしまうといった課題がある。
これに対して、本特徴によれば、第1の報知が実行されている状況において磁石を用いて遊技球を入球手段に不正に入球させようとしたとしても、第2の報知が第1の報知よりも優先されるので、管理者等が当該遊技機において不正に磁石が用いられたことに気付くことのできる可能性を高めることができる。したがって、本特徴によれば、不正な者による不正な磁石の利用を抑制することができる。
[特徴δQ2]
特徴δQ1に記載の遊技機であって、
前記優先手段は、前記第2の報知が実行される場合には、前記設定情報表示モードが実行された場合であっても前記第1の報知を実行させない手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴δQ2によれば、第2の報知が実行される場合には、設定情報表示モードが実行された場合であっても第1の報知を実行させないので、管理者等が当該遊技機において不正に磁石が用いられたことに気付くことのできる可能性を高めることができる。
[特徴δQ3]
特徴δQ1に記載の遊技機であって、
前記第1報知実行手段は、前記第1の報知の少なくとも一部として特定の報知音を出力する手段を備え、
前記優先手段は、前記第2の報知が実行される場合には、前記設定情報表示モードが実行された場合であっても前記特定の報知音を出力させない手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴δQ3によれば、第2の報知が実行される場合には、設定情報表示モードが実行された場合であっても特定の報知音を出力させないので、管理者等が当該遊技機において不正に磁石が用いられたことに気付くことのできる可能性を高めることができる。
[特徴δQ4]
特徴δQ1に記載の遊技機であって、
前記第1報知実行手段は、前記第1の報知の少なくとも一部として特定の報知音を出力する手段を備え、
前記優先手段は、前記第2の報知が実行される場合であって、設定情報表示モードが実行された場合には、前記特定の報知音の音量を、前記第2の報知が実行されていない場合よりも小さくする手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴δQ4によれば、第2の報知が実行される場合であって、設定情報表示モードが実行された場合には、特定の報知音の音量を、第2の報知が実行されていない場合よりも小さくするので、管理者等に、設定情報表示モードが実行されたことに気付かせつつ、当該遊技機において不正に磁石が用いられたことに気付かせることができる。
なお、上記特徴γ群~特徴δQ群の発明は、以下の課題を解決する。
パチンコ遊技機やスロットマシン等の遊技機においては、遊技の興趣向上や、遊技機の処理負荷の低減、処理の最適化、制御の簡易化、構造の簡素化、遊技機の開発の効率化、不具合が発生しにくい遊技機の提供、遊技者に配慮した遊技機の提供等を目的として、構造、制御、演出等の様々な観点から技術的な改良が行われている。
また、遊技者による不正な行為や遊技機に対する不正な改造の発見や抑止といった遊技の健全性の向上を目的とした様々な技術的な改良も行われている。
上記のような遊技機においては、遊技の興趣向上や、遊技機の処理負荷の低減、処理の最適化、制御の簡易化、構造の簡素化、遊技機の開発の効率化、不具合が発生しにくい遊技機の提供、遊技者に配慮した遊技機の提供、より健全な遊技の提供等を目的として、さらなる技術の向上が望まれている。
<特徴δR群>
特徴δR群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第1実施形態の態様132から抽出される。
[特徴δR1]
複数の特典付与条件の中から一の特典付与条件を定める情報である所定情報を変更可能な所定情報変更モード(設定変更モード)を実行する所定情報変更モード実行手段と、
遊技球が入球可能な入球手段と、
前記入球手段への遊技球の入球を契機として特別情報を取得する特別情報取得手段と、
前記特別情報が前記所定情報に対応した前記特典付与条件を満たすか否かを判定する特別情報判定手段と、
前記特別情報が前記特典付与条件を満たすと判定された場合に遊技者に特典を付与する特典付与手段と、
演出を実行する演出実行手段と、
を備え、
前記演出実行手段は、前記所定情報変更モードが実行された場合に、前記所定情報変更モードが実行されなかった場合とは異なる方法で、実行する演出を決定する演出決定手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴δR1によれば、所定情報変更モードが実行された場合に、所定情報変更モードが実行されなかった場合とは異なる方法で、実行する演出を決定するので、遊技者は、実行される演出の割合や頻度等から、当該遊技機において所定情報変更モードが実行されたのか否かを推測することができる。
また、本特徴によれば、所定情報変更モードは実行されたが所定情報は変更されなかった場合であっても、所定情報変更モードが実行されて所定情報が変更された場合と同じ方法で、実行する演出を決定するので、実際には所定情報が変更されていないにもかかわらず、遊技者に、当該遊技機において設定情報が変更されたと認識させることができる。
[特徴δR2]
特徴δR1に記載の遊技機であって、
前記演出決定手段は、前記所定情報変更モードが実行された場合であっても、所定条件が満たされた場合には、前記所定情報変更モードが実行されなかった場合と同じ方法で、実行する演出を決定する手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴δR2によれば、所定情報変更モードが実行された場合であっても、所定条件が満たされた場合には、所定情報変更モードが実行されなかった場合と同じ方法で、実行する演出を決定するので、所定条件が満たされた後は、遊技者は、実行される演出の割合や頻度等から、当該遊技機において所定情報変更モードが実行されたのか否かを推測することができなくなる。したがって、遊技者に、所定条件が満たされる前に当該遊技機において遊技を行ないたいといった感情を抱かせることが可能となる。
[特徴δR3]
特徴特徴δR2に記載の遊技機であって、
前記所定条件は、所定の演出が所定回数実行されたことを含む
ことを特徴とする遊技機。
特徴δR3によれば、所定情報変更モードが実行された場合であっても、所定の演出が所定回数実行された場合には、所定情報変更モードが実行されなかった場合と同じ方法で、実行する演出を決定するので、所定の演出が所定回数実行された後は、遊技者は、実行される演出の割合や頻度等から、当該遊技機において所定情報変更モードが実行されたのか否かを推測することができなくなる。したがって、遊技者に、所定の演出が所定回数実行される前に当該遊技機において遊技を行ないたいといった感情を抱かせることが可能となる。
ことができる。
[特徴δR4]
特徴δR1から特徴δR3のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記特別情報が前記特典付与条件を満たすか否かの判定の結果を報知するための所定識別情報の変動及び停止を実行する手段を備え、
前記所定条件は、前記所定識別情報の変動及び停止が所定回数実行されたことを含む
ことを特徴とする遊技機。
特徴δR4によれば、所定情報変更モードが実行された場合であっても、所定識別情報の変動及び停止が所定回数実行された場合には、所定情報変更モードが実行されなかった場合と同じ方法で、実行する演出を決定するので、所定識別情報の変動及び停止が所定回数実行された後は、遊技者は、実行される演出の割合や頻度等から、当該遊技機において所定情報変更モードが実行されたのか否かを推測することができなくなる。したがって、遊技者に、所定識別情報の変動及び停止が所定回数実行される前に当該遊技機において遊技を行ないたいといった感情を抱かせることが可能となる。
<特徴δS群>
特徴δS群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第1実施形態の態様133から抽出される。
[特徴δS1]
複数の特典付与条件の中から一の特典付与条件を定める情報である所定情報を変更可能な所定情報変更手段と、
遊技球が入球可能な入球手段と、
前記入球手段への遊技球の入球を契機として特別情報を取得する特別情報取得手段と、
前記特別情報が前記所定情報に対応した前記特典付与条件を満たすか否かを判定する特別情報判定手段と、
前記特別情報が前記特典付与条件を満たすと判定された場合に遊技者に特典を付与する特典付与手段と、
演出を実行する演出実行手段と、
を備え、
前記演出実行手段は、前記所定情報が変更された場合に、前記所定情報が変更されなかった場合とは異なる方法で、実行する演出を決定する演出決定手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴δS1によれば、所定情報が変更された場合に、所定情報が変更されなかった場合とは異なる方法で、実行する演出を決定するので、遊技者は、実行される演出の割合や頻度等から、当該遊技機において所定情報が変更されたのか否かを推測することができる。
[特徴δS2]
特徴δS1に記載の遊技機であって、
前記演出決定手段は、前記所定情報が変更された場合であっても、所定条件が満たされた場合には、前記所定情報が変更されなかった場合と同じ方法で、実行する演出を決定する手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴δS2によれば、所定情報が変更された場合であっても、所定条件が満たされた場合には、設定情が変更されなかった場合と同じ方法で、実行する演出を決定するので、所定条件が満たされた後は、遊技者は、実行される演出の種類の割合や頻度等から、当該遊技機において所定情報が変更されたのか否かを推測することができなくなる。したがって、遊技者に、所定条件が満たされる前に当該遊技機において遊技を行ないたいといった感情を抱かせることが可能となる。
[特徴δS3]
特徴特徴δS2に記載の遊技機であって、
前記所定条件は、所定の演出が所定回数実行されたことを含む
ことを特徴とする遊技機。
特徴δS3によれば、所定情報が変更された場合であっても、所定の演出が所定回数実行された場合には、所定情報が変更されなかった場合と同じ方法で、実行する演出を決定するので、所定の演出が所定回数実行された後は、遊技者は、実行される演出の割合や頻度等から、当該遊技機において所定情報が変更されたのか否かを推測することができなくなる。したがって、遊技者に、所定の演出が所定回数実行される前に当該遊技機において遊技を行ないたいといった感情を抱かせることが可能となる。
ことができる。
[特徴δS4]
特徴δS1から特徴δS3のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記特別情報が前記特典付与条件を満たすか否かの判定の結果を報知するための所定識別情報の変動及び停止を実行する手段を備え、
前記所定条件は、前記所定識別情報の変動及び停止が所定回数実行されたことを含む
ことを特徴とする遊技機。
特徴δS4によれば、所定情報が変更された場合であっても、所定識別情報の変動及び停止が所定回数実行された場合には、所定情報が変更されなかった場合と同じ方法で、実行する演出を決定するので、所定識別情報の変動及び停止が所定回数実行された後は、遊技者は、実行される演出の割合や頻度等から、当該遊技機において所定情報が変更されたのか否かを推測することができなくなる。したがって、遊技者に、所定識別情報の変動及び停止が所定回数実行される前に当該遊技機において遊技を行ないたいといった感情を抱かせることが可能となる。
ことができる。
<特徴δT群>
特徴δT群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第1実施形態の態様134から抽出される。
[特徴δT1]
複数の特典付与条件の中から一の特典付与条件を定める情報である所定情報を変更可能な所定情報変更モード(設定変更モード)を実行する所定情報変更モード実行手段と、
遊技球が入球可能な入球手段と、
前記入球手段への遊技球の入球を契機として特別情報を取得する特別情報取得手段と、
前記特別情報が前記所定情報に対応した前記特典付与条件を満たすか否かを判定する特別情報判定手段と、
前記特別情報が前記特典付与条件を満たすと判定された場合に遊技者に特典を付与する特典付与手段と、
前記所定情報変更モードが実行された場合であって、前回の前記所定情報変更モードの実行からの経過時間が所定条件を満たしていない場合に、所定の処理を実行する所定処理実行手段と、
を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴δT1によれば、所定情報変更モードが実行された場合であって、前回の所定情報変更モードの実行からの経過時間が所定条件を満たしていない場合に、所定の処理を実行する所定処理実行手段を備えるので、遊技ホールの管理者は、当該遊技ホールにおいて所定の処理が実行されている遊技機の存在に気付くことによって、前回の所定情報変更モードの実行から今回の所定情報変更モードの実行までの経過時間が所定条件を満たしていない遊技機の存在に気付くことが可能となる。また、管理者は、遊技機において所定の処理が実行されたか否かによって、当該遊技機における前回の所定情報変更モードの実行から今回の所定情報変更モードの実行までの経過時間が所定条件を満たしているか否かを把握することができる。
[特徴δT2]
特徴δT1に記載の遊技機であって、
前記所定条件は、前記経過時間が第1所定時間(14時間)以上であることを含む
ことを特徴とする遊技機。
特徴δT2によれば、所定条件は、前回の所定情報変更モードの実行から今回の所定情報変更モードの実行までの経過時間が第1所定時間以上であることを含むので、当該遊技機における前回の所定情報変更モードの実行から今回の所定情報変更モードの実行までの経過時間が第1所定時間未満である場合に、所定の処理が実行されることになる。このような構成を採用した理由について説明する。
以下では、第1所定時間が14時間に設定された遊技機を、午前10時から午後11時まで営業する遊技ホール(営業時間:13時間)において運用した場合について説明する。
当該遊技ホールでは、例えば、営業開始前の午前9時に、管理者が遊技機に所定情報変更モードを実行させて所定情報を所望の値に変更する。一般に、所定情報変更モードは、遊技ホールの営業開始前に実行され、営業時間中には所定情報変更モードが実行されることはない。
その後、午前10時に営業が開始され、遊技者が当該遊技機において遊技を行なうことになる。その後、午後11時に遊技ホールの営業が終了する。そして、次の日の午前9時に、管理者が遊技機に所定情報変更モードを実行させて所定情報を所望の値に変更する。このような場合には、前回の所定情報変更モードの実行から今回の所定情報変更モードの実行までの経過時間が既に14時間以上となっているため、当該遊技機において所定の処理は実行されない。
次に、営業時間中に、管理者ではない不正な意図を有する者(以下、「不正な者」ともいう)によって所定情報変更モードが実行された場合について説明する。
まず、営業開始前の午前9時に、管理者が遊技機に所定情報変更モードを実行させて所定情報を所望の値に変更する。その後、午前10時に営業が開始され、遊技者が当該遊技機において遊技を行なうことになる。そして、例えば、営業時間中である午後3時に、不正な者が不正な手段によって遊技機に所定情報変更モードを実行させて所定情報を変更しようとした場合には、前回の所定情報変更モードの実行から今回の所定情報変更モードの実行までの経過時間が第1所定時間である14時間未満となっているため、当該遊技機において所定の処理が実行されることになる。管理者は、遊技ホールにおいて所定の処理が実行されている遊技機の存在に気付くことによって、前回の所定情報変更モードの実行から今回の所定情報変更モードの実行までの経過時間が所定条件を満たしていない遊技機の存在に気付くことが可能となる。したがって、本特徴によれば、不正な者によって所定情報が変更されてしまうことや、所定情報が不正に変更された遊技機において遊技が行なわれてしまうことを抑制することができる。
[特徴δT3]
特徴δT2に記載の遊技機であって、
前記第1所定時間を変更可能な第1所定時間変更手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴δT3によれば、第1所定時間を変更可能な第1所定時間変更手段を備えるので、管理者は、遊技ホールの営業時間や所定情報変更モードを実行させる時間帯を考慮して第1所定時間を適宜変更することができる。
[特徴δT4]
特徴δT2または特徴δT3に記載の遊技機であって、
前記所定条件は、前記経過時間が、前記第1所定時間よりも短い第2所定時間(30分)以内であることを含む
ことを特徴とする遊技機。
特徴δT4によれば、所定条件は、前回の所定情報変更モードの実行から今回の所定情報変更モードの実行までの経過時間が、第1所定時間よりも短い第2所定時間以内であることを含むので、当該遊技機における前回の所定情報変更モードの実行から今回の所定情報変更モードの実行までの経過時間が第2所定時間以内である場合には、所定の処理が実行されないことになる。このような構成を採用した理由について説明する。
以下では、第2所定時間が30分に設定された遊技機を、午前10時から午後11時まで営業する遊技ホール(営業時間:13時間)において運用した場合について説明する。
当該遊技ホールにおいて、例えば、営業開始前の午前9時に、管理者が遊技機に所定情報変更モードを実行させて所定情報を変更したが、変更した所定情報が所望の値と異なっていたり、当該遊技機の当日の運用方針が変わった場合などに、管理者が再び所定情報変更モードを実行させた場合であっても、前回の所定情報変更モードの実行から今回の所定情報変更モードの実行までの経過時間が第2所定時間である30分以内であれば、所定の処理が実行されない。したがって、本特徴によれば、所定の処理を実行させることなく、営業開始前の管理者による所定情報の再変更が可能となる。
また、第2所定時間を、管理者が所定情報変更モードを実行させる時刻から遊技ホールの開店時刻までの時間よりも短い時間に設定すれば、遊技ホールの開店時刻以降に所定情報変更モードが実行された場合には所定の処理が実行されることになる。したがって、不正な者による所定情報の不正な変更を抑制しつつ、営業開始前の管理者による所定情報の再変更を可能にすることができる。
[特徴δT5]
特徴δT4に記載の遊技機であって、
前記第2所定時間を変更可能な第2所定時間変更手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴δT5によれば、第2所定時間を変更可能な第2所定時間変更手段を備えるので、管理者は、遊技ホールの営業時間や所定情報変更モードを実行させる時間帯を考慮して第2所定時間を適宜変更することができる。
[特徴δT6]
特徴δT1から特徴δT5のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記所定処理実行手段は、前記所定の処理として、所定の報知を実行する報知手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴δT6によれば、所定処理実行手段は、所定の処理として、所定の報知を実行する報知手段を備えるので、管理者は、所定条件を満たさずに所定情報変更モードが実行された遊技機の存在に気付くことができるので、不正に所定情報変更モードが実行された遊技機において遊技が行なわれてしまうことを抑制することができる。
[特徴δT7]
特徴δT1から特徴δT6のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記所定処理実行手段は、前記所定の処理として、遊技球の発射を抑制する発射抑制手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴δT7によれば、所定処理実行手段は、所定の処理として、遊技球の発射を抑制する発射抑制手段を備えるので、不正に所定情報変更モードが実行された遊技機において遊技が行なわれてしまうことを抑制することができる。
<特徴δU群>
特徴δU群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第1実施形態の態様135から抽出される。
[特徴δU1]
複数の特典付与条件の中から一の特典付与条件を定める情報である所定情報を変更可能な所定情報変更手段と、
遊技球が入球可能な入球手段と、
前記入球手段への遊技球の入球を契機として特別情報を取得する特別情報取得手段と、
前記特別情報が前記所定情報に対応した前記特典付与条件を満たすか否かを判定する特別情報判定手段と、
前記特別情報が前記特典付与条件を満たすと判定された場合に遊技者に特典を付与する特典付与手段と、
前記所定情報が変更された場合であって、前回の前記所定情報の変更からの経過時間が所定条件を満たしていない場合に、所定の処理を実行する所定処理実行手段と、
を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴δU1によれば、所定情報が変更された場合であって、前回の所定情報の変更からの経過時間が所定条件を満たしていない場合に、所定の処理を実行する所定処理実行手段を備えるので、遊技ホールの管理者は、当該遊技ホールにおいて所定の処理が実行されている遊技機の存在に気付くことによって、前回の所定情報の変更から今回の所定情報の変更までの経過時間が所定条件を満たしていない遊技機の存在に気付くことが可能となる。また、管理者は、遊技機において所定の処理が実行されたか否かによって、当該遊技機における前回の所定情報の変更から今回の所定情報の変更までの経過時間が所定条件を満たしているか否かを把握することができる。
[特徴δU2]
特徴δU1に記載の遊技機であって、
前記所定条件は、前記経過時間が第1所定時間(14時間)以上であることを含む
ことを特徴とする遊技機。
特徴δU2によれば、所定条件は、前回の所定情報の変更から今回の所定情報の変更までの経過時間が第1所定時間以上であることを含むので、当該遊技機における前回の所定情報の変更から今回の所定情報の変更までの経過時間が第1所定時間未満である場合に、所定の処理が実行されることになる。このような構成を採用した理由について説明する。
以下では、第1所定時間が14時間に設定された遊技機を、午前10時から午後11時まで営業する遊技ホール(営業時間:13時間)において運用した場合について説明する。
当該遊技ホールでは、例えば、営業開始前の午前9時に、管理者が遊技機の所定情報を所望の値に変更する。一般に、所定情報は、遊技ホールの営業開始前に変更され、営業時間中には所定情報が変更されることはない。
その後、午前10時に営業が開始され、遊技者が当該遊技機において遊技を行なうことになる。その後、午後11時に遊技ホールの営業が終了する。そして、次の日の午前9時に、管理者が遊技機の所定情報を所望の値に変更する。このような場合には、前回の所定情報の変更から今回の所定情報の変更までの経過時間が既に14時間以上となっているため、当該遊技機において所定の処理は実行されない。
次に、営業時間中に、管理者ではない不正な意図を有する者(以下、「不正な者」ともいう)によって所定情報が変更された場合について説明する。
まず、営業開始前の午前9時に、管理者が遊技機の所定情報を所望の値に変更する。その後、午前10時に営業が開始され、遊技者が当該遊技機において遊技を行なうことになる。そして、例えば、営業時間中である午後3時に、不正な者が不正な手段によって遊技機の所定情報を変更しようとした場合には、前回の所定情報の変更から今回の所定情報の変更までの経過時間が第1所定時間である14時間未満となっているため、当該遊技機において所定の処理が実行されることになる。管理者は、遊技ホールにおいて所定の処理が実行されている遊技機の存在に気付くことによって、前回の所定情報の変更から今回の所定情報の変更までの経過時間が所定条件を満たしていない遊技機の存在に気付くことが可能となる。したがって、本特徴によれば、不正な者によって所定情報が変更されてしまうことや、所定情報が不正に変更された遊技機において遊技が行なわれてしまうことを抑制することができる。
[特徴δU3]
特徴δU2に記載の遊技機であって、
前記第1所定時間を変更可能な第1所定時間変更手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴δU3によれば、第1所定時間を変更可能な第1所定時間変更手段を備えるので、管理者は、遊技ホールの営業時間や所定情報を変更する時間帯を考慮して第1所定時間を適宜変更することができる。
[特徴δU4]
特徴δU2または特徴δU3に記載の遊技機であって、
前記所定条件は、前記経過時間が、前記第1所定時間よりも短い第2所定時間(30分)以内であることを含む
ことを特徴とする遊技機。
特徴δU4によれば、所定条件は、前回の所定情報の変更から今回の所定情報の変更までの経過時間が、第1所定時間よりも短い第2所定時間以内であることを含むので、当該遊技機における前回の所定情報の変更から今回の所定情報の変更までの経過時間が第2所定時間以内である場合には、所定の処理が実行されないことになる。このような構成を採用した理由について説明する。
以下では、第2所定時間が30分に設定された遊技機を、午前10時から午後11時まで営業する遊技ホール(営業時間:13時間)において運用した場合について説明する。
当該遊技ホールにおいて、例えば、営業開始前の午前9時に、管理者が遊技機の所定情報を変更したが、変更した所定情報が所望の値と異なっていたり、当該遊技機の当日の運用方針が変わった場合などに、管理者が再び所定情報を変更した場合であっても、前回の所定情報の変更から今回の所定情報の変更までの経過時間が第2所定時間である30分以内であれば、所定の処理が実行されない。したがって、本特徴によれば、所定の処理を実行させることなく、営業開始前の管理者による所定情報の再変更が可能となる。また、第2所定時間を、管理者が所定情報を変更する時刻から遊技ホールの開店時刻までの時間よりも短い時間に設定すれば、遊技ホールの開店時刻以降に所定情報が変更された場合には所定の処理が実行されることになる。したがって、不正な者による所定情報の不正な変更を抑制しつつ、営業開始前の管理者による所定情報の再変更を可能にすることができる。
[特徴δU5]
特徴δU4に記載の遊技機であって、
前記第2所定時間を変更可能な第2所定時間変更手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴δU5によれば、第2所定時間を変更可能な第2所定時間変更手段を備えるので、管理者は、遊技ホールの営業時間や所定情報を変更する時間帯を考慮して第2所定時間を適宜変更することができる。
[特徴δU6]
特徴δU1から特徴δU5のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記所定処理実行手段は、前記所定の処理として、所定の報知を実行する報知手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴δU6によれば、所定処理実行手段は、所定の処理として、所定の報知を実行する報知手段を備えるので、管理者は、所定条件を満たさずに所定情報が変更行された遊技機の存在に気付くことができるので、不正に所定情報が変更された遊技機において遊技が行なわれてしまうことを抑制することができる。
[特徴δU7]
特徴δU1から特徴δU6のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記所定処理実行手段は、前記所定の処理として、遊技球の発射を抑制する発射抑制手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴δU7によれば、所定処理実行手段は、所定の処理として、遊技球の発射を抑制する発射抑制手段を備えるので、不正に所定情報が変更された遊技機において遊技が行なわれてしまうことを抑制することができる。
<特徴δV群>
特徴δV群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第1実施形態の態様138から抽出される。
[特徴δV1]
複数種類の命令を実行可能な命令実行手段(主側CPU62x)を備える遊技機であって、
前記命令実行手段は、
所定の処理を呼び出す第1命令(CALLI命令)を実行可能であり、
前記第1命令を用いて所定の処理を呼び出した場合には、
所定のレジスタ(PSW)に記憶されている所定情報をスタック領域に退避させる処理(PUSH PSW、記憶処理)と、
前記呼び出された前記所定の処理と、
を実行する
ことを特徴とする遊技機。
特徴δV1によれば、ソースコードの記述から、所定のレジスタに記憶されている所定情報をスタック領域に退避させる処理を実行させるための命令(PUSH PSW)を省略することができる。したがって、ソースコードの記述量を削減することができ、プログラムを記憶するために必要な記憶容量を低減することができる。
[特徴δV2]
特徴δV1に記載の遊技機であって、
前記命令実行手段は、
呼び出し元に復帰させる第2命令(RETI命令)を実行可能であり、
前記呼び出された前記所定の処理の最後に前記第2命令を実行した場合には、
呼び出し元に復帰させる処理と、
前記スタック領域に退避させた前記所定情報を前記所定のレジスタに復元させる処理(POP PSW、変更処理)と、
を実行する
ことを特徴とする遊技機。
特徴δV2によれば、ソースコードの記述から、スタック領域に退避させた所定情報を所定のレジスタに復元させる処理を実行させるための命令(POP PSW)を省略することができる。したがって、ソースコードの記述量を削減することができ、プログラムを記憶するために必要な記憶容量を低減することができる。
[特徴δV3]
特徴δV1または特徴δV2に記載の遊技機であって、
前記第1命令は、前記所定の処理として、遊技の履歴に関する処理を呼び出す命令を含む
ことを特徴とする遊技機。
特徴δV3によれば、遊技の履歴に関する処理を実行する遊技機において、ソースコードの記述量を削減することができ、プログラムを記憶するために必要な記憶容量を低減することができる。
<特徴δW群>
特徴δW群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第1実施形態の態様140から抽出される。
[特徴δW1]
複数種類の命令を実行可能な命令実行手段(CPU62x)を備える遊技機であって、
前記命令実行手段は、
所定のレジスタ(PSW)に記憶されている所定情報をスタック領域に退避させる退避命令(PUSH PSW)と、
前記スタック領域に退避させた前記所定情報を前記所定のレジスタに復元させる復元命令(POP PSW)と、
の間に、
所定の処理(試射試験処理を含む処理)を呼び出す呼出命令(CALL命令)を複数実行する手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴δW1によれば、複数の呼出命令のそれぞれの前後で退避命令及び復元命令を実行する構成と比較して、退避命令及び復元命令の実行回数を低減することができる。したがって、ソースコードの記述量を削減することができ、プログラムを記憶するために必要な記憶容量を低減することができる。
[特徴δW2]
特徴δW1に記載の遊技機であって、
前記複数実行される呼出命令には、前記所定の処理として遊技の履歴に関する処理を呼び出す命令が含まれる
ことを特徴とする遊技機。
特徴δW2によれば、遊技の履歴に関する処理を実行する遊技機において、ソースコードの記述量を削減することができ、プログラムを記憶するために必要な記憶容量を低減することができる。
<特徴δX群>
特徴δX群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第1実施形態の態様138から抽出される。
[特徴δX1]
複数種類の命令を実行可能な命令実行手段(主側CPU62x)を備える遊技機であって、
前記命令実行手段は、
呼び出し元に復帰させる所定命令(RETI命令)を実行可能であり、
前記所定命令を実行した場合には、
呼び出し元に復帰させる処理と、
スタック領域に退避させた所定情報を所定のレジスタに復元させる処理(POP PSW、変更処理)と、
を実行する
ことを特徴とする遊技機。
特徴δX1によれば、ソースコードの記述から、スタック領域に退避させた所定情報を所定のレジスタに復元させる処理を実行させるための命令(POP PSW)を省略することができる。したがって、ソースコードの記述量を削減することができ、プログラムを記憶するために必要な記憶容量を低減することができる。
<特徴δY群>
特徴δY群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第1実施形態の態様138から抽出される。
[特徴δY1]
複数種類の命令を実行可能な命令実行手段(主側CPU62x)を備える遊技機であって、
前記命令実行手段は、
遊技の履歴に関する特定処理を呼び出す第1命令(CALLI命令)を実行可能であり、
前記第1命令を用いて前記特定処理を呼び出した場合には、
所定のレジスタ(PSW)に記憶されている所定情報をスタック領域に退避させる処理(PUSH PSW、記憶処理)と、
前記呼び出された前記特定処理と、
を実行する
ことを特徴とする遊技機。
特徴δY1によれば、遊技の履歴に関する特定処理を実行する遊技機において、ソースコードの記述から、所定のレジスタに記憶されている所定情報をスタック領域に退避させる処理を実行させるための命令(PUSH PSW)を省略することができる。したがって、ソースコードの記述量を削減することができ、プログラムを記憶するために必要な記憶容量を低減することができる。
なお、上記特徴δR群~特徴δY群の発明は、以下の課題を解決する。
パチンコ遊技機やスロットマシン等の遊技機においては、遊技の興趣向上や、遊技機の処理負荷の低減、処理の最適化、制御の簡易化、構造の簡素化、遊技機の開発の効率化、不具合が発生しにくい遊技機の提供、遊技者に配慮した遊技機の提供等を目的として、構造、制御、演出等の様々な観点から技術的な改良が行われている。
また、遊技者による不正な行為や遊技機に対する不正な改造の発見や抑止といった遊技の健全性の向上を目的とした様々な技術的な改良も行われている。
上記のような遊技機においては、遊技の興趣向上や、遊技機の処理負荷の低減、処理の最適化、制御の簡易化、構造の簡素化、遊技機の開発の効率化、不具合が発生しにくい遊技機の提供、遊技者に配慮した遊技機の提供、より健全な遊技の提供等を目的として、さらなる技術の向上が望まれている。
なお、上記特徴A群~特徴δY群に含まれる1又は複数の構成を適宜組み合わせた構成を採用してもよい。これにより、その組み合わせた構成による相乗的な効果を奏することが可能となる。
以下に、上記の各特徴を適用し得る又は各特徴に適用される遊技機の基本構成を示す。
パチンコ遊技機:遊技者による発射操作に基づいて、遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段と、前記遊技領域に設けられ、当該遊技領域を流下する遊技球が入球可能な始動入球部と、前記始動入球部に遊技球が入球したことに基づいて、特別情報を取得する情報取得手段と、前記情報取得手段が取得した特別情報を記憶する取得情報記憶手段とを備える遊技機。
スロットマシン等の回胴式遊技機:複数の絵柄を可変表示させる絵柄表示手段と、始動操作手段の操作に起因して前記複数の絵柄の可変表示を始動させる始動手段と、停止操作手段の操作に起因して又は所定時間の経過に起因して前記複数の絵柄の可変表示を停止させる停止手段と、停止後の絵柄に応じて遊技者に特典を付与する特典付与手段とを備える遊技機。
本発明は、上述の実施形態や変形例に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施形態、変形例中の技術的特徴は、上述の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
10...パチンコ機
11...外枠
12...パチンコ機本体
13...内枠
14...前扉枠
15...ヒンジ
16...ヒンジ
17...シリンダ錠
18...窓部
19...ガラスユニット
20...上皿
21...下皿
22...排出口
23...レバー
24...演出操作ボタン
25...操作ハンドル
25a...タッチセンサー
25b...ウェイトボタン
25c...可変抵抗器
26...遊技球発射ボタン
30...遊技盤
31...誘導レール
31a...内レール部
31b...外レール部
32...一般入賞口
32a...第1入賞口
32b...第2入賞口
32c...第3入賞口
33...第1始動口
34...第2始動口
34a...電動役物
34b...電動役物駆動部
35...スルーゲート
36...可変入賞装置
36a...大入賞口
36b...開閉扉
36c...可変入賞駆動部
37...特図ユニット
37a...第1図柄表示部
37b...第2図柄表示部
37c...第1保留表示部
37d...第2保留表示部
38...普図ユニット
39...ラウンド表示部
40...可変表示ユニット
41...図柄表示装置
42...釘
43...アウト口
45...メイン表示部
45z...遊技履歴情報表示部(情報表示部)
46...スピーカー
47...各種ランプ
51...第1制御ユニット
52...第2制御ユニット
53...第3制御ユニット
54...タンク
55...タンクレール
56...ケースレール
60...主制御装置
61...主制御基板
62...主側MPU
62x...主側CPU
63...主側ROM
64...主側RAM
64x...フラッシュメモリ
70...払出制御装置
71...払出装置
80...発射制御装置
81...遊技球発射機構
85...電源装置
86...停電監視回路
90...音声発光制御装置
91...音声発光制御基板
96...RTC
100...表示制御装置
300...遊技履歴管理チップ
302...バッファ
304...レジスタ
306...賞球数データ記憶用メモリ
307...演算実行条件記憶用メモリ
307a...記憶実行条件記憶用メモリ
308...CPU
309...演算結果記憶用メモリ
309a...入球個数記憶用メモリ
309b...入球情報記憶用メモリ
320...検査機
321...CPU
328...表示部
329...接続ケーブル

Claims (1)

  1. 遊技動作に基づく取得契機が発生したことにより特別情報を取得する特別情報取得手段と、
    前記特別情報を用いて所定の確率で当否判定を実行する抽せん判定手段と、
    前記当否判定に使用される前記所定の確率の設定値を、予め定められた範囲の複数段階の中から選択し決定する設定変更モードに移行させる設定変更モード移行手段と、
    所定の設定値が決定されることに基づいて所定設定情報を所定の記憶領域に記憶する手段と、
    前記所定設定情報に対応した情報であって、前記抽せん判定手段による前記特別情報の当否判定時に参照される判定時参照情報を、前記設定値の決定に基づいて記憶された前記所定設定情報を用いて決定し判定時参照情報記憶領域に記憶する手段と、
    を備え、
    前記抽せん判定手段が前記取得契機が発生したことに基づく図柄の変動を開始する前に前記判定時参照情報記憶領域に記憶された前記判定時参照情報を参照して、前記特別情報を判定する遊技機であって、
    前記遊技機は、さらに、
    実行された遊技において所定事象が発生した場合にそれに対応する遊技の履歴情報を履歴記憶手段に記憶させる手段と、
    前記履歴記憶手段に記憶されている前記履歴情報を利用して所定の期間における遊技に対応する情報である所定期間情報を導出し、当該所定期間情報を情報表示手段に表示する手段と、
    を備え、
    前記情報表示手段は、前記設定変更モードにおいて前記所定期間情報を表示しない特定表示態様となり、その後、前記所定期間情報を表示する表示態様に切り替わる
    ことを特徴とする遊技機。
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