JP7374928B2 - 一体型多層創傷被覆材における空気経路を管理するためのシステム及び方法 - Google Patents

一体型多層創傷被覆材における空気経路を管理するためのシステム及び方法 Download PDF

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Description

関連出願の相互参照
本出願は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、2018年5月22日に出願された米国特許仮出願第62/674,970号に対する優先権の利益を主張する。
発明の分野
本開示は、一般に創傷療法システムに関し、より具体的には、深腹部切開における筋膜切開に、点滴療法及び陰圧創傷療法を提供するように構成された創傷療法システムに関する。
点滴療法は、治療用流体(例えば、生理食塩水、所定の溶液、抗生物質、洗浄液など)を治療部位に付加して創傷治癒及び造粒を促進すること、創傷が乾燥することを防止し、創傷が細菌に感染するのを防ぎ、及び/又は感染した治療部位を治療することを含む創傷療法の種類である。いくつかの点滴システムは、点滴液容器と、点滴液を治療部位に提供するための点滴ポンプとを含む。点滴療法は、NPWTと併せて使用することができ、又は別々に使用することができる。
陰圧創傷療法(NPWT)は、創傷の治癒を促進するために、治療部位に陰圧(大気圧によりも低圧)を付加することを含む創傷療法の種類である。NPWTは、創傷に陰圧を加えて、創傷が治癒するにつれて創傷から流体を排出する。いくつかのNPWTシステムは、治療部位から創傷滲出液を除去することによって、治療部位を陰圧に維持するように動作するポンプを含む。創傷滲出液は、典型的には、ポンプに流体接続されたキャニスタ又は他の容器に送られ、そこで創傷滲出液は、ユーザによって処理されるまで保管される。
腹式開腹による深腹部創傷を治療するために点滴療法及びNPWTの両方が使用されることが可能であり、これは手術のために腹腔へのアクセスを得るために使用され、かつ/又は腸を膨張させることによる腸内圧力を緩和するために使用される。場合によっては、腹部切開は直ちに閉鎖されず、その結果、「開放腹部」が生じ、点滴及び/又はNPWTが、開放腹部を治療するために使用され得る。例えば、点滴液を使用して開放腹部を灌注することができ、腹部内容物が乾燥することを防止し、また、開放腹部を定期的に洗浄して、敗血症の可能性を潜在的に低減することもできる。ただし、手動で洗い流すと損傷が発生する可能性があり、更に手術が必要になる。
開放腹部を治療するように適合された点滴及び陰圧システムは、流体分離された点滴経路及びNWPT経路を維持する必要があるため、複雑であることが多く、流体分離点滴及びNPWT経路は、患者に配備される創傷治療システムにおいて識別することが困難であり得る。更に、創傷療法システムは、点滴及びNPWTのサイクル中に膨張及び収縮することがあり、点滴経路及びNPWT経路上の液密シールを維持することが困難になる。更に、硬い点滴コネクタ及び/又はNPWTコネクタは、患者に接触する可能性があり、あるいは、点滴コネクタ及び/又はNPWTコネクタの接続中、又はNPWT中に生じる圧縮中に患者に不快感を引き起こす可能性がある。
本開示の一実施態様は、深腹部創傷に点滴液を提供するためのシステムであって、点滴モジュール及び接続構造体を含む。点滴モジュールは、第1の表面及び腹部内容物に面する第2の表面を画定する。点滴モジュールは、点滴液源から点滴液を受けるように構成された分配ハブを含む。接続構造体は、第1の表面と、腹部内容物に面する第2の表面と、第1の表面と第2の表面との間に延在する流路と、を含む。流路は、点滴液源と係合する点滴液導管を受けるように構成された入口と、点滴モジュールと流体連通する出口と、を含む。流路は、入口と出口との間に延在する軸線を画定する。流路は、軸線によって画定される方向に圧縮するように構成される。
本開示の別の実施形態は、深腹部創傷に点滴液を提供するための接続構造体である。接続構造体は、第1の表面と、腹部内容物に面する第2の表面と、第1の表面と第2の表面との間に延在する流路と、を含む。流路は、点滴液源と係合する点滴液導管を受けるように構成された入口と、深腹部創傷内に配置可能な点滴モジュールと流体連通するように構成された出口と、を含む。流路は、入口と出口との間に延在する軸線を画定する。流路は、軸線によって画定される方向に圧縮するように構成される。
本開示の別の実施形態は、深腹部創傷に点滴液を提供するためのシステムである。システムは、封止部材及び創傷被覆材を含む。封止部材は、第1の表面及び腹部内容物に面する第2の表面を画定する。封止部材は、深腹部創傷の周囲の周りに液密シールを形成するように構成される。創傷被覆材は、点滴モジュールと、点滴導管と、封止プレートと、を含む。点滴モジュールは、第1の表面及び腹部内容物に面する第2の表面を画定する。点滴モジュールは、点滴液源から点滴液を受けるように構成された分配ハブ部分を含む。点滴導管は、点滴モジュールと流体連通する第1の端部と、点滴液源と流体連通するように構成された第2の端部とを含む。封止プレートは、点滴液プレートから延在する点滴導管通路を含む。封止プレートは、内部を通る点滴導管を受けるように構成されている。封止プレートは、封止部材の第1の表面に固定可能である。
本開示の別の実施形態は、深腹部創傷に点滴療法及び陰圧療法を提供するための接続システムである。接続システムは、点滴モジュールと、陰圧マニホールドと、接続プレートと、を含む。点滴モジュールは、第1の表面及び腹部内容物に面する第2の表面を画定する。点滴モジュールは、点滴液源の点滴導管と係合するように構成された点滴入口を含む分配ハブ部分を含む。陰圧マニホールドは、第1の表面及び腹部内容物に面する第2の表面を含む。接続プレートは、陰圧マニホールドに固定され、点滴モジュールの点滴入口と流体連通する第1の形状を有する点滴入口コネクタと、第1の形状とは異なる第2の形状を有する陰圧入口コネクタと、を含む。陰圧入口コネクタは、陰圧マニホールドと流体連通している。
当業者には、「発明の概要」は単に例示的なものであり、いかなる場合においても限定を意図するものではないことが理解されよう。本明細書に記載される装置及び/又はプロセスの他の態様、発明的特徴、及び利点は、特許請求の範囲によってのみ定義されるものであり、本明細書に記載され、かつ、添付の図面と併せて解釈される詳細な説明において明らかになるであろう。
いくつかの実施形態による創傷治療システムの断面図である。
いくつかの実施形態による、図1の創傷治療システムと共に使用するための接続システムの斜視図である。
いくつかの実施形態による、図1の創傷治療システムと共に使用するための接続システムの斜視図である。
いくつかの実施形態による、創傷治療システムと共に使用するための点滴液導管の図である。
いくつかの実施形態による、図4の点滴液導管を含む創傷治療システムの断面図である。
いくつかの実施形態による、図4の点滴液導管を含む創傷治療システムの斜視図である。
いくつかの実施形態による、創傷治療システムと共に使用するための点滴液導管の斜視図である。
いくつかの実施形態による、図7の点滴液導管を含む創傷治療システムの断面図である。
いくつかの実施形態による、一体型点滴液接続インターフェースを有する点滴モジュールの斜視図である。
いくつかの実施形態による、図9の点滴モジュールを含む創傷治療システムの斜視図である。
いくつかの実施形態による、一体型点滴液接続インターフェースを有する点滴モジュールの斜視図である。
いくつかの実施形態による、図11の点滴モジュールを含む創傷治療システムの斜視図である。
いくつかの実施形態による、創傷治療システム用の点滴接続封止システムの斜視図である。
点滴接続封止システムを固定して液密シールを生成するプロセスを示す図である。 点滴接続封止システムを固定して液密シールを生成するプロセスを示す図である。 点滴接続封止システムを固定して液密シールを生成するプロセスを示す図である。
点滴接続封止システムを含む創傷治療システムの斜視図である。
概要
全体的に図面を参照すると、様々な例示的な実施形態による、点滴及び陰圧創傷療法(NPWT)システム並びにその構成要素を有する創傷療法システムが示されている。創傷療法システムは、創傷被覆材、点滴システム、及びNPWTシステムを含むことができる。創傷療法システムは、治療部位に点滴液を送達するための点滴モジュールと、治療部位にNPWTを提供するための陰圧マニホールドと、点滴システム及び/又はNPWTシステム構成要素の創傷被覆材への接続を容易にするための接続プレートと、治療部位の周囲に実質的に液密シールを形成するための封止部材と、を備えてよい。創傷療法システムは、NPWT流路から流体分離された点滴流路を含むように構成される。点滴システムは、点滴液源及び点滴ポンプを含むことができる。NPWTシステムは、陰圧源及び流体回収容器を含むことができる。語句「陰圧」は、周囲圧力又は大気圧よりも低い圧力を意味する。
いくつかの実施形態では、接続プレートは、点滴システム構成要素を創傷被覆材システムに接続し、NPWTシステム構成要素を創傷被覆材システムに接続することを容易にするように構成される。例えば、接続プレートは、第1の形状を有する点滴入口と、第1の形状とは異なる第2の形状を有するNPWT入口とを含むことができる。点滴システムは、点滴入口に係合するが、NPWT入口には係合しないように構成された点滴導管パッドを含むことができる。NPWTシステムは、NPWT入口に係合するが、点滴入口には係合しないように構成されたNPWT導管パッドを含むことができる。
いくつかの実施形態では、陰圧マニホールドは、点滴モジュールと流体連通する点滴流路を含むように構成される。点滴流路に沿って流れる点滴液が陰圧マニホールドに流入しないように、点滴流路は、陰圧マニホールドから流体分離する。いくつかの実施形態では、点滴流路は、NPWTのサイクル中に陰圧マニホールドと共に膨張及び圧縮するように構成される。いくつかの実施形態では、点滴流路は、陰圧マニホールド内の貫通孔内に配置された点滴液不透過性材料で作製された蛇腹構造であることができる。蛇腹構造は、陰圧マニホールドの異なる厚さ及び/又は材料を収容するように、伸長し、又は収縮するように構成され得る。いくつかの実施形態では、点滴流路がNPWTのサイクル中に陰圧マニホールドと実質的に同じ圧縮及び膨張を有するように、点滴流路は陰圧マニホールドと同じ材料で作製される。このような実施形態では、第1の表面、腹部内容物に面する第2の表面、及び点滴流路内に形成された流路(例えば、チャネル)は、点滴液不透過性材料でコーティングされる。第1の表面は、液密接続で接続プレート又は封止部材に固定され、第2の表面は、液密接続で点滴モジュールの入口に近接して点滴モジュールに固定されて、NPWT流路から流体分離された点滴流路を生成する。
いくつかの実施形態では、点滴モジュールは、一体型点滴導管を含む。一体型点滴導管は、陰圧マニホールドの側部の周りを包み込んで、封止部材に当接し、及び/又は陰圧マニホールドを通過することができる。一体型点滴導管は、点滴液に対して不透過性であるチューブ材料で作製されるか、又は点滴液に対して不透過性であるエンベロープ内に配置され得る。
いくつかの実施形態では、点滴モジュールは、一体型点滴導管を受ける封止部材内の孔の周りに実質的に液密シールを形成するための封止システムと係合する一体型点滴導管を含むことができる。点滴モジュール及び封止システムを配備するために、点滴モジュールが腹部内容物を実質的に覆うように、点滴モジュールは治療部位に配置され得る。次いで、点滴導管は、陰圧マニホールドの周囲又はそれを通過し、次いで封止部材内の孔を通過する。次いで、点滴導管通路を有する封止プレートが、封止部材に当接するまで点滴導管に沿って摺動される。次いで、接着剤を用いて封止プレートは封止部材に固定される。ロックカラーは、点滴導管通路の外部表面の周りに摩擦嵌合されて、点滴導管通路と点滴導管との間に実質的に液密シールを形成する。
創傷療法システムの更なる特徴及び利点は、以下に詳細に説明される。
創傷療法システム
図1を参照すると、例示的な実施形態による、創傷療法システム10の断面図が示されている。図示の実施形態では、創傷療法システムは、腹腔を治療するように構成され、開放腹部を治療する状況で考察されている。創傷療法システム10は、「開放腹部」状態を治療するために使用することができ、この状態では、深腹部創傷が一定期間開放されたままである。本明細書に記載される構成要素は、点滴療法システム及び/又は陰圧創傷療法(NPWT)システムの様々な構成で使用され得る。語句「陰圧」は、周囲圧力又は大気圧よりも低い圧力を意味する。
様々な実施形態において、創傷療法システム10は、深腹部切開を治療するために使用され得る。創傷療法システム10は、創傷被覆材14、点滴システム22、及びNPWTシステム26を含む。創傷被覆材14は、腹部治療装置28、点滴モジュール30、陰圧マニホールド34、封止部材38、及び任意の接続プレート42(図5)を含む。創傷被覆材14は、患者の腹腔などの患者の治療部位との係合を目的とする。創傷療法システム10は、NPWTシステム26及び/又は点滴システム22と共に使用され得る。NPWTシステム26は、ポンプなどの陰圧源46と、流体回収チャンバ50とを含むことができる。点滴システム22は、点滴液源54を含むことができる。いくつかの実施形態では、点滴システム22は、点滴ポンプ56を含むことができる。
腹部治療装置
図1を参照すると、腹部治療装置28は、第1の層57、第2の層61、及び発泡体スペーサ65を含むように示されている。第2の層61は腹部内容物に面し、第1の層57と概ね反対側である。発泡体スペーサ65は、第1の表面67及び腹部内容物に面する第2の表面69を含む。発泡体スペーサ65は、ハブ71と、ハブ71から概ね半径方向に延在する複数の脚部材73とを含む。ハブ71は、点滴モジュール30の少なくとも一部分を受けるための貫通開口部75を含む。発泡体スペーサ65は、陰圧源46から陰圧を受け取り、治療部位から陰圧源46に向かって流れる流体を受け取る陰圧導管138と概ね流体連通している。複数の細長い脚部73は、治療部位全体に陰圧を分配するように構成されている。図12に示すように、第1の層57及び第2の層61は、脚部材73、ハブ71、及び隣接する脚部材73間の介在空間を封入する。図示した実施形態では、ハブ71及び複数の脚部材73は、実質的に疎水性であり、実質的に大気圧条件下及び陰圧条件下で流体流のために構造化された材料で作製される。いくつかの実施形態では、ハブ71及び複数の脚部材73は、陰圧マニホールド34に関して以下に記載される網状発泡体などの網状発泡体で作製される。いくつかの実施形態では、脚部材73は、比較的小さい創傷を収容するために切断され得る。腹部治療装置28の第1の層57及び第2の層61は、流体不透過性であり、患者の筋膜及び内臓を刺激しないことを意図する材料で作製され得る。腹部治療装置28は、複数の脚部材73による陰圧の分配のために、並びに/あるいは複数の脚部材73内に、及び/又は複数の脚部材73と層57、61との間の空間内に流体が流入することを可能にするために、複数の開窓部77(例えば、陰圧入口)を含むことができる。開窓部77は、貫通孔、スリット、又は線状の切り込みを含むことができる。開窓部77は、円形、矩形、多角形、又は任意の他の形状の断面であってもよい。
点滴モジュール
図1を参照すると、点滴モジュール30は、第1の層58、第2の層62、及び流体分配層66を含むように示されている。第2の層62は腹部内容物に面し、第1の層58と概ね反対側である。流体分配層66は、第1の表面68及び腹部内容物に面する第2の表面70を含む。流体分配層66は、流体分配ハブ72と、流体分配ハブ72から概ね半径方向に延在する複数の流体分配構造体74とを含む。流体分配ハブ72は、概ね点滴導管130と流体連通して点滴液を受け取り、流体分配構造体と流体連通して、点滴液を流体分配構造体74に分配する。例えば、第1の層58は、流体分配ハブ72と点滴接続構造体との間に流体連通を提供するために、流体分配ハブ72に近接する開口部76(例えば、点滴入口)を含むことができる。第1の層58及び第2の層62は、第1の層58及び第2の層62の縁部の少なくとも一部分に沿って一体に溶接されて、流体分配層66を封入する。いくつかの実施形態では、第1の層58及び第2の層62は、流体分配構造体74及び流体分配ハブ72を封入するが、しかし隣接する流体分配構造体74(図5)間の介在空間は封入しない。図示した実施形態では、流体分配ハブ72及び複数の流体分配構造体74は、実質的に疎水性であり、実質的に大気圧条件下及び陰圧条件下で流体流のために構造化された材料で作製される。いくつかの実施形態では、流体分配ハブ72及び複数の流体分配構造体74は、陰圧マニホールド34に関して以下に記載される網状発泡体などの網状発泡体で作製される。いくつかの実施形態では、流体分配構造体74は、比較的小さい創傷を収容するために切断され得る。
他の実施形態では、第1の層58及び第2の層62は、流体不透過性であり、患者の筋膜及び内臓を刺激しないことを意図する材料で作製され得る。以下でより詳細に記載するように、このような実施形態では、第1の層58及び第2の層は、流体分配層であり、複数の流体分配構造体74による点滴液の分配のための複数の開窓部78(例えば、点滴出口)を含むことができる。開窓部78は、貫通孔、スリット、又は線状の切り込みを含むことができる。開窓部78は、円形、矩形、多角形、又は任意の他の形状の断面のであってもよい。
陰圧マニホールド
図1~2を参照すると、陰圧マニホールド34は、第1の表面82と、第1の表面82の反対側にある、腹部内容物に面する第2の表面86とを含むように示されている。陰圧マニホールド34が治療部位に付加されると、第1の表面82は腹部内容物とは反対側に向き、一方第2の表面86は腹部内容物の方を向く。いくつかの実施形態では、陰圧マニホールド34の第1の表面82は、封止部材38の第2の表面86に接触する。いくつかの実施形態では、陰圧マニホールド34は、異なるサイズの創傷を収容するために陰圧マニホールド34の一部分の除去を容易にするための穿孔90を含むことができる。いくつかの実施形態では、陰圧マニホールド34の第2の表面86は、点滴モジュール30に接触する。陰圧マニホールド34は、創傷から流体(例えば滲出液)を毛管作用で運ぶように適合され、陰圧創傷療法治療中に陰圧マニホールド34全体に陰圧を分配するためのインモールドされたマニホールド構造を含む。陰圧マニホールド34は、陰圧マニホールド34の少なくとも第1の部分と陰圧マニホールド34の第2の部分との間に流体及び/又は陰圧が通過することを可能にする材料から作製される。いくつかの実施形態では、陰圧マニホールド34は、マニホールドに提供され、マニホールドの周囲で除去された流体を分配することができる、インモールドされた流路又は経路を含むことができる。いくつかの実施形態では、インモールドされた流路又は経路は、多孔質発泡体材料中のセルによって形成され得る。
陰圧マニホールド34は、多孔質及び透過性の発泡体様材料、より具体的には、減圧下での創傷流体の良好な透過性を可能にする網状の連続気泡ポリウレタン又はポリエーテル発泡体から作製され得る。使用されている1つのこのような発泡体材料は、San AntonioのTex.Kinetic Concepts,Inc.(KCI)から入手可能なVAC(登録商標)Granufoam(登録商標)材料である。陰圧マニホールド34が減圧を分配し、治療部位に沿って分散した圧縮力を提供するように動作可能であるならば、陰圧マニホールド34用に任意の材料又は材料の組み合わせを使用することができる。
約400~600マイクロメートルの範囲のGranufoam(登録商標)材料の網状細孔が好ましいが、他の材料を使用してもよい。吸収性層材料、例えば、Granufoam(登録商標)材料の密度は、典型的には、約1.3lb/ft-1.6lb/ft(20.8kg/m-25.6kg/m)の範囲である。Granufoam(登録商標)材料よりも高密度(より小さい細孔径)を有する材料が、いくつかの状況で望ましい場合がある。例えば、1.6lb/ft(25.6kg/m)超の密度を有するGranufoam(登録商標)材料又は同様の材料が使用され得る。別の例として、2.0lb/ft(32kg/m)又は5.0lb/ft(80.1kg/m)超の密度を有するGranufoam(登録商標)材料又は同様の材料が使用され得る。材料の密度が高いほど、所与の減圧のために生成され得る圧縮力はより高くなる。組織部位における組織よりも低い密度を有する発泡体が吸収性層材料として使用される場合、つり上げ力が生じる可能性がある。1つの例示的な実施形態では、創傷被覆材の一部分、例えば縁部は、圧縮力を及ぼすことができ、一方で、別の部分、例えば中央部分は、つり上げ力を提供することができる。
吸収性層材料は、発泡体の元の厚さの約1/3(1/2)の厚さに後でフェルト化される網状発泡体であることができる。多くの可能な吸収性層材料の中でも、Granufoam(登録商標)材料又はFoamex(登録商標)技術発泡体(www.foamex.com)を使用することができる。いくつかの場合には、マイクロボンディングプロセスで、発泡体にイオン性銀を加える、又は抗菌剤など、吸収性層材料に他の物質を加えることが望ましい場合がある。吸収性層材料は、減圧の付加中に所望される圧縮力の正確な配向に応じて等方性又は異方性であることができる。吸収性層材料はまた、生体吸収性材料であってもよい。
封止部材
再び図1を参照すると、封止部材38は、第1の表面94と、第1の表面94の反対側にある、創傷に面する第2の面98とを含むように示されている。創傷療法システム10が創傷に付加されると、第1の表面94は創傷の反対側に向き、一方、第2の表面98は創傷の方を向く。図1に示されるように、第2の表面98の少なくとも外周は接着剤を含む。接着剤は、封止部材38を患者の皮膚に固定し、切開部の周囲に液密シールを形成することを意図する。封止部材38はまた、創傷療法システム10を通る微生物の通過に対する障壁を提供する。
いくつかの実施形態では、封止部材38はエラストマー材料であるか、又は流体シールを提供する任意の材料であってもよい。「流体シール」は、特定の減圧サブシステムが関与した場合に所望の部位で圧力を保持するのに適切なシールを意味する。用語「エラストマー」は、エラストマーの特性を有することを意味し、一般に、ゴム様特性を有するポリマー材料を指す。エラストマーの例としては、天然ゴム、ポリイソプレン、スチレンブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ポリブタジエン、ニトリルゴム、ブチルゴム、エチレンプロピレンゴム、エチレンプロピレンジエンモノマー、クロロスルホン化ポリエチレン、ポリスルフィドゴム、ポリウレタン、EVAフィルム、コポリエステル、熱可塑性ポリウレタン(TPU)、及びシリコーンが挙げられ得るが、これらに限定されない。非限定的な例として、封止部材38は、シリコーン、3M Tegaderm(登録商標)ドレープ材料、Averyから入手可能な1つの材料などのアクリルドレープ材料、又は切開ドレープ材料から形成され得る。いくつかの実施形態において、封止部材38は、以下により詳細に記載されるように、封止部材38を通して創傷療法システム10の視認を容易にするために、少なくとも部分的に透明であり得る。
封止部材38は、液体に対して実質的に不透過性であり、水蒸気に対して実質的に透過性であり得る。換言すれば、封止部材38は水蒸気に対して透過性であるが、液体水又は創傷滲出液に対しては透過性がない場合がある。これにより、創傷療法システム10の総流体処理能力(TFHC)が増加し、一方、湿潤創傷環境を促進する。いくつかの実施形態では、封止部材38はまた、細菌及び他の微生物に対して不透過性である。いくつかの実施形態では、封止部材38は、陰圧マニホールド34から水分を毛管作用で運び、第1の表面94全体に水分を分配するように構成される。いくつかの実施形態では、封止部材38の第2の表面98に塗布される接着剤は、水蒸気透過性であり、及び/又は水蒸気が通過できるようにパターン化されている。
接続プレート
ここで図6を参照すると、接続プレート42は、第1の表面102及び腹部内容物に面する第2の表面106を含む。接続プレート42は、点滴入口110及びNPWT入口114を含む。図示した実施形態では、接続プレート42は、点滴導管パッド118及びNPWT導管パッド122用のランドとして機能する比較的密な材料である。接続プレート42はまた、点滴導管パッド118及びNPWT導管パッドを接続する場合に封止部材38を切断又は穿孔する場所の視覚的な指標を提供する。例えば、接続プレート42は、操作者が点滴導管パッド118及びNPWT導管パッド122を位置決めするのを支援するためにマーキング(例えば、色、パターン、単語など)を含むことができる。例えば、図示した実施形態では、接続プレート42の色と陰圧マニホールド34の色との間の視覚的コントラストは、操作者が点滴導管パッド118及びNPWT導管パッド122を正確に位置決めするのを支援することができる。いくつかの実施形態では、接続プレート42は、接続プレート42を陰圧マニホールド34に固定して、接続プレート42が滑るのを防止するために、接続プレート42の第2の表面106上に接着剤層を含むことができる。
点滴及びNPWT導管接続システム-分離した点滴パッド及びNPWTパッド
ここで図1~2を参照すると、創傷療法被覆材を点滴システム22に接続するための接続システム124、及びNPWTシステム26が、いくつかの実施形態に従って示されている。図1は、陰圧マニホールド34上に取り付けられた接続システム124の断面図を示す。図2は、創傷被覆材14と係合した接続システム124の斜視図を示す。
接続システム124は、接続プレート126、点滴導管パッド118、及びNPWT導管パッド122を含むように示されている。点滴導管パッド118は、実質的に液密接続を介して点滴システム22の点滴導管130に固定される。点滴導管パッド118は、以下により詳細に記載されるように、接続プレート126と係合するように構成された点滴出口コネクタ134を含む。図示した実施形態では、点滴出口コネクタ134は孔である。NPWT導管パッド122は、実質的に液密接続を介してNPWTシステム26の陰圧導管138に固定される。NPWT導管パッド122は、以下により詳細に記載されるように、接続プレート126と係合するように構成されたNPWT出口コネクタ142を含む。図示した実施形態では、NPWT出口コネクタ142は突出部である。いくつかの実施形態では、NPWT出口コネクタ142は、尖った突出部(例えば、スピア)である。いくつかの実施形態では、NPET出口コネクタは、返し部146を含む。図1に示されるように、いくつかの実施形態では、点滴導管130及び陰圧導管138は、患者の不快感を低減するために、薄型及び/又は可撓性チューブで作製される。
接続プレート126は、陰圧マニホールド34の第1の表面82に固定される。接続プレート126は、点滴接続構造体150(図1)、点滴入口コネクタ154、及びNPWT入口コネクタ158を含む。点滴接続構造体150は、点滴入口コネクタ154と流体分配ハブ72との間の流体連通を容易にするために、陰圧マニホールド34を通って(例えば、第1の表面82と第2表面86との間に)延在する。点滴接続構造体150は、陰圧マニホールド34内への点滴液の側方流動を防止するように構成されている。例えば、点滴接続構造体は、点滴液に対して実質的に不透過性である材料で作製されることができ、又は点滴液に対して実質的に不透過性である材料でコーティングされ得る。より具体的には、点滴入口コネクタ154は、点滴接続構造体150及び開口部76に近接する点滴モジュール30に固定されて、NPWT流路から流体分離された点滴液流路を形成することができる。
点滴入口コネクタ154は、点滴接続構造体150と流体連通している。点滴入口コネクタ154は、点滴導管パッド118と係合するように構成されている。図示した実施形態では、点滴入口コネクタ154は、接続プレート126から延在する突出部である。いくつかの実施形態では、点滴入口コネクタ154の遠位端が尖っている(例えば、スピア)。いくつかの実施形態では、点滴入口コネクタは、点滴出口コネクタ134を摩擦嵌合で係合するための返し部162を含む。図示した実施形態では、点滴入口コネクタ154は突出部として示され、点滴出口コネクタ134は孔として示されているが、異なる実施形態では、点滴入口コネクタ154と点滴出口コネクタ134とは、点滴入口コネクタ154と点滴出口コネクタ134とが係合可能な状態である限り、異なる形状を有することができる。例えば、いくつかの実施形態では、点滴入口コネクタ154は孔であることができ、点滴出口コネクタ134は突出部であることができる。
図1に最も良く示されるように、NPWT入口コネクタ158は陰圧マニホールド34と流体連通している。図示した実施形態では、NPWT入口コネクタ158は、NPWT出口コネクタ142に摩擦嵌合で係合するように構成された接続プレート126の貫通孔である。図示した実施形態では、NPWT入口コネクタ158は貫通孔として示され、NPWT出口コネクタ142は突出部として示されているが、異なる実施形態では、NPWT入口コネクタ158及びNPWT出口コネクタ142は、NPWT入口コネクタ158及びNPWT出口コネクタ142が係合可能な状態である限り、異なる形状を有することができる。例えば、いくつかの実施形態では、NPWT入口コネクタ158は突出部であることができ、NPWT出口コネクタ142は孔であることができる。
図1及び図2から明らかなように、点滴口コネクタ154とNPWT入口コネクタ158とは異なる形状である。これは、点滴出口コネクタ134がNPWT入口コネクタ158と係合することを防止し、NPWT出口コネクタ142が点滴入口コネクタ154と係合することを防止するように意図される。図1に最も良く示されるように、接続プレート126は封止部材38の下に配置され、封止部材38を通して視認可能である。接続プレートは、創傷療法システム10の操作者を案内して、点滴導管パッド118とNPWT導管パッド122とを正確に接続するように構成されている。例えば、点滴入口コネクタ154及び点滴出口コネクタ134は、点滴出口コネクタ134が点滴入口コネクタ154に接続されるべきであることを示す第1の対のマーキング166を含む。NPWT入口コネクタ158及びNPWT出口コネクタ142は、NPWT出口コネクタ142がNPWT入口コネクタ158に接続されるべきであることを示すために、第1の対のマーキング166とは異なる第2の対のマーキング170を含む。いくつかの実施形態では、第1の対のマーキング166及び第2の対のマーキング170は、色、パターン、又は形状であってもよい。
図1に示されるように、接続プレート126は、創傷被覆材14が患者内に配備された場合に封止部材38の下に配置される。点滴入口コネクタ154及び点滴出口コネクタ134は、封止部材38を介して(例えば、封止部材38を貫通することによって)アクセス可能である。点滴入口コネクタ154は、封止部材38が患者に固定される際に封止部材38を貫通する。NPWT導管パッド122上のNPWT出口コネクタ142は、封止部材38を貫通して接続プレート126のNPWT入口コネクタ158に接続する。したがって、接続プレート126の第1の表面174は、封止部材38の第2の表面98に接続プレート126を固定するための接着剤でコーティングされて、腹腔の液密シールを維持することができる。接着剤は、点滴導管パッド118及びNPWT導管パッド122が接続プレート126と係合する際に接続プレート126が移動することを防止することができる。いくつかの実施形態では、点滴導管パッド118及びNPWT導管パッド122は、封止部材38の第1の表面と液密シールを形成するために、点滴出口コネクタ134及びNPWT出口コネクタ142をそれぞれ取り囲む接着剤層を含むことができる。接続プレート126は、NPWT出口コネクタ142の突出部が患者に接触し、患者の不快感を引き起こすことを防止するのに十分に高い密度、及び/又は十分な厚さを有する。いくつかの実施形態では、接続プレートは、高密度の連続気泡発泡体で作製される。他の実施形態では、接続プレートは、プラスチック材料で作製することができる。いくつかの実施形態では、接続プレート126は、変形可能な材料で作製され、及び/又は陰圧マニホールド34は、接続プレート126よりも厚くなるように寸法決めされて、その結果、点滴導管パッド118及びNPWT導管パッド122が接続される際に、接続プレート126に加えられる圧力及びNPWT中の腹腔内の圧縮によって、接続プレート126及び/又はNPWT出口コネクタ142が患者の不快感を引き起こすことはない。
図1に示すように、創傷療法システム10は、陰圧流路(矢印176)から流体分離された点滴流路(矢印172)を含む。矢印172によって示されるように、点滴液は、点滴システム22から創傷療法システム10に入り、点滴導管130に沿って点滴導管パッド118へと移動する。次いで、点滴液は、接続プレート126の点滴入口コネクタ154を介して点滴接続構造体150に流入する。次いで、点滴液は、点滴モジュール30の流体分配ハブ72に入り、流体分配構造体74に沿って移動する。点滴液は、開窓部78を通って流体分配構造体74から出て、治療部位に移動する。
矢印176によって示されるように、NPWTシステム26の陰圧源46によって生成された陰圧によって、流体(例えば、点滴液、創傷滲出液など)は、開窓部77を通って腹部治療装置28の複数の細長い脚部73に入る。矢印176によって示されるように、流体は、細長い脚部73の少なくとも一部分を通って移動し、開窓部77を通って腹部治療装置から出る。次いで、流体は、陰圧マニホールド34を通って接続プレート126のNPWT入口コネクタ158へと移動する。次いで、流体は、NPWT導管パッド122に沿って、陰圧導管138へ、NPWTシステム26の流体回収チャンバ50内に移動する。
点滴及びNPWT導管接続システム-一体型点滴及びNPWTパッド
図3は、いくつかの実施形態による、創傷療法システム10を点滴システム22及びNPWTシステム26に接続するための接続システム178を示す。接続システム178は、接続プレート126及び一体型導管パッド182を含むように示されている。一体型導管パッド182は、点滴出口部分186及びNPWT出口部分190を含む。点滴出口部分186は、実質的に液密接続を介して点滴システム22の点滴導管130に固定される。点滴出口部分186は、接続プレート126の点滴入口コネクタ154と係合するように構成された点滴出口コネクタ194を含む。図示した実施形態では、点滴出口コネクタ194は孔である。NPWT出口部分190は、実質的に液密接続を介してNPWTシステム26の陰圧導管138に固定される。NPWT出口部分190は、以下により詳細に記載されるように、接続プレート126のNPWT入口コネクタ158と係合するように構成されたNPWT出口コネクタ196を含む。図示した実施形態では、NPWT出口コネクタ196は突出部である。いくつかの実施形態では、NPWT出口コネクタ196は、尖った突出部(例えば、スピア)である。いくつかの実施形態では、NPWT出口コネクタは、返し部198を含む。図3に示されるように、いくつかの実施形態では、点滴導管130及び陰圧導管138は、患者の不快感を低減するために、薄型及び/又は可撓性チューブで作製される。
接続プレート126及び一体型点滴及びNPWT導管パッド182は、点滴出口コネクタ194を点滴入口コネクタ154に位置合わせし、NPWT出口コネクタ196をNPWT入口コネクタ158に位置合わせすることを容易にするために実質的に同じ形状である。例えば、接続プレート126は、点滴入口コネクタ154とNPWT入口コネクタ158とが固定された間隔をその間に有するように構造化されている。点滴出口コネクタ194とNPWT出口コネクタ196とが、点滴入口コネクタ154とNPWT入口コネクタ158との間の間隔と同じ固定された間隔をその間に有するように、一体型NPWT導管パッド182が構造化されている。したがって、一体型点滴及びNPWT導管パッド182は、特定の寸法(例えば、創傷被覆材14の特定のサイズ及び/又はタイプに対応する)を有する接続プレート126に係合するように構成され得る(例えば、サイズ及び間隔を有する)。
図3に示すように、点滴入口コネクタ154とNPWT入口コネクタ158とは異なる形状である。これは、点滴出口コネクタ194がNPWT入口コネクタ158と係合することを防止し、NPWT出口コネクタ196が点滴入口コネクタ154と係合することを防止するように意図される。図3に最も良く示されているように、点滴入口コネクタ154及び点滴出口コネクタ134は、点滴出口コネクタ134が点滴入口コネクタ154に接続されるべきであることを示す第1の対のマーキング202を含む。NPWT入口コネクタ158及びNPWT出口コネクタ142は、NPWT出口コネクタ142がNPWT入口コネクタ158に接続されるべきであることを示すために、第1の対のマーキング202とは異なる第2の対のマーキング206を含む。いくつかの実施形態では、第1の対のマーキング202及び第2の対のマーキング206は、色、パターン、形状、及び/又は単語であってもよい。
圧縮性点滴導管-蛇腹
図4~6は、圧縮性点滴接続構造体210を含む陰圧マニホールド34を示す。圧縮性点滴接続構造体210は、陰圧マニホールド34がNPWT療法のサイクル中に膨張及び収縮するにつれて、陰圧マニホールド34と共に膨張及び収縮することを意図している(例えば、陰圧マニホールド34及び圧縮性点滴接続構造体210は、陰圧下でない場合は膨張し、陰圧下である場合は圧縮される)。圧縮性点滴接続構造体210はまた、異なる厚さの陰圧マニホールド34を収容するために膨張及び収縮することを意図している。図4に最も良く示されるように、圧縮性点滴接続構造体210は、第1の接続プレート214と、第2の接続プレート218と、第1の接続プレート214と第2の接続プレート218との間に延在する流路222とを含む。第1の接続プレート214は、第1の接続面226及び陰圧マニホールドに面する第2の面230を含む。第1の接続プレート214は、流路入口234を含む。第2の接続プレート218は、第2の接続面238及び陰圧マニホールドに面する第1の表面242を含む。第2の接続プレート218は、流路出口246を含む。図5に最も良く示されるように、第1の接続プレート214及び第2の接続プレート218は、その間に陰圧マニホールド34を受けるように離隔配置されている。
流路222は、流路入口234と流路出口246との間に延在して、点滴システム22の点滴導管130から点滴モジュール30の流体分配ハブ72に点滴液を方向付ける。流路222は、長手方向軸線Aを画定する。流路222は可撓性であり、長手方向軸線Aによって実質的に画定される方向に膨張及び収縮するように構成されている。流路222は、複数の角度付き壁250から形成される。複数の角度付き壁250は、蛇腹構造を形成するために、隣接する厚い部分及び薄い部分を形成するように配向される。陰圧下では、角度付き壁250は水平に向かって偏向し、長手方向軸線Aによって画定される方向に収縮する。図示の実施形態では、複数の角度付き壁250は、4つの角度付き壁250を含む。他の実施形態では、複数の角度付き壁250は、より多い、又はより少ない角度付き壁を含むことができる。図示した実施形態では、複数の角度付き壁250は、円錐状のセグメントを形成する。他の実施形態では、複数の角度付き壁は、角錐形状などの他の形状のセグメントを形成することができる。
いくつかの実施形態では、第1の接続プレート214、第2の接続プレート218、及び流路222は、単一部品として一体的に形成される。他の実施形態では、第1の接続プレート214、第2の接続プレート218、及び流路222は、別個に形成され、次いで一体に固定されて、圧縮性点滴接続構造体210を形成することができる。圧縮性点滴接続構造体210は、膨張及び収縮のサイクルに耐えることができる可撓性材料で作製される。圧縮性点滴接続構造体210は、陰圧マニホールド34への点滴液の側方流動を防止するように構成されている。例えば、圧縮性点滴接続構造体は、点滴液に対して実質的に不透過性である材料で作製されることができ、又は点滴液に対して実質的に不透過性である材料でコーティングされ得る。
図5及び6は、創傷療法システム10内に配備された圧縮性点滴接続構造体210を示す。図5に示すように、圧縮性点滴接続構造体210は、陰圧マニホールド34内の孔内に受けられ、そこを通って延在することができる。流路出口246が流体分配ハブ72の開口部76と流体連通して、NPWT流路から流体分離する点滴流路を生成するように、第2の接続プレート218の第2の接続面238は、流体分配ハブ72に近接する点滴モジュール30に固定される。いくつかの実施形態では、第2の接続面238は、点滴モジュール30に溶接されてもよい。他の実施形態では、第2の接続面238は、接着剤によって点滴モジュール30に固定されてもよい。図5に示される実施形態などのいくつかの実施形態では、圧縮性点滴接続構造体210の第1の接続面226は、接着剤によって封止部材38の第2の表面98に固定可能である。このような実施形態では、圧縮性点滴接続構造体210の第1の接続面226は、点滴導管パッド118の配置を容易にするマーキング(図示せず)を含むことができる(例えば、封止部材38の中に孔を開けるか、又は貫通する場所のしるしを提供する)。圧縮性点滴接続構造体210は、点滴導管パッド118を固定する際に操作者が及ぼす力に応じて収縮することができ、点滴導管パッド118の配置中に患者の不快感を防止する。
図6の実施形態などの他の実施形態では、第1の接続面226は、接着剤によって接続プレート42に固定可能である。いくつかの実施形態では、第1の接続面226は、第1の接続面226が接続プレート42に固定されるべきであることを示すマーキング254を含むことができる。いくつかの実施形態では、第1の接続面226は、第1の接続面226を接続プレート42に固定するための接着剤を含むことができる。このような実施形態では、第1の接続面は、取り外し可能な裏材を含むことができ、マーキング254は、取り外し可能な裏材上に配置され得る。
図5に示すように、創傷療法システム10は、陰圧流路(矢印256)から流体分離された点滴流路(矢印252)を含む。矢印252によって示されるように、点滴液は点滴システム22から創傷療法システム10に入り、点滴導管130に沿って点滴導管パッド118に移動する。次いで、点滴液は、接続プレート42の点滴入口110を通って、圧縮性点滴接続構造体210の流路入口234に流入する。点滴液は、流路222に沿って移動し、流路出口246を通って圧縮性点滴接続構造体210を出る。次いで、点滴液は、点滴モジュール30の流体分配ハブ72に入り、流体分配構造体74に沿って移動する。点滴液は、開窓部78を通って流体分配構造体74から出て、治療部位に移動する。
矢印256によって示されるように、NPWTシステム26の陰圧源46によって生成された陰圧によって、流体(例えば、点滴液、創傷滲出液など)は、開窓部77を通って腹部治療装置28の複数の細長い脚部73に入る。矢印256によって示されるように、流体は、細長い脚部73の少なくとも一部分を通って移動し、開窓部77を通って腹部治療装置28から出る。次いで、流体は、陰圧マニホールド34を通って接続プレート126のNPWT入口コネクタ158へと移動する。次いで、流体は、NPWT導管パッド122に沿って、陰圧導管138へ、NPWTシステム26の流体回収チャンバ50内に移動する。
点滴導管-圧縮性発泡体
図7~8は、圧縮性点滴接続構造体258を含む陰圧マニホールド34を示す。圧縮性点滴接続構造体258は、陰圧マニホールド34内に配置可能であり、陰圧マニホールド34がNPWT療法のサイクル中に膨張及び収縮するにつれて、陰圧マニホールド34と共に膨張及び収縮することを意図している(例えば、陰圧マニホールド34及び圧縮性点滴接続構造体258は、陰圧下でない場合は膨張し、陰圧下である場合は圧縮されて、NPWT中に患者の不快感を低減する)。圧縮性点滴接続構造体258が、NPWT療法中に陰圧マニホールド34と実質的に同量圧縮及び拡張するように、圧縮性点滴接続構造体258は、陰圧マニホールド34と同じ材料で作製され得る。図4に最も良く示されるように、圧縮性点滴接続構造体258は、第1の表面262と、腹部内容物に面する第2の表面266と、第1の表面262と第2の表面266との間に延在する流路270とを含む。
流路270は、第1の表面262に形成された流路入口274と、点滴システム22の点滴導管130から点滴モジュール30の流体分配ハブ72に点滴液を導くために、第2の表面に形成された流路出口278との間に延在する。流路270は、長手方向軸線Bを画定する。流体不透過性層282は、流路270に沿って第1の表面262の少なくとも一部分上に、及び第2の表面266の少なくとも一部分上に形成されて、陰圧マニホールド34内への点滴液の側方流動を防止する。いくつかの実施形態では、図示した実施形態の流体不透過性層282は、流体不透過性層282はポリウレタン材料で作製される。他の実施形態では、流体不透過性層282は、点滴液に対して実質的に不透過性である別の材料で作製され得る。
圧縮性点滴接続構造体258が、陰圧条件下で長手方向軸線Bに沿って圧縮するように、圧縮性点滴接続構造体258は圧縮性材料で作製され得る。例えば、圧縮性点滴接続構造体は、陰圧マニホールド34に関して上述した圧縮性網状発泡材料で作製され得る。いくつかの実施形態では、圧縮性点滴接続構造体258が、NPWTサイクル中に陰圧マニホールド34と共に圧縮及び拡張するように、圧縮性点滴接続構造体258は、陰圧マニホールド34と同じ材料で作製され得る。
図8は、創傷療法システム10内に配備された圧縮性点滴接続構造体258を示す。圧縮性点滴接続構造体258は、陰圧マニホールド34内に受けられ、かつそれを通って延在することができる。流路出口278が流体分配ハブ72と流体連通して、NPWT流路から流体分離された液密点滴流路を形成するように、第2の表面266は、流体分配ハブ72に近接する点滴モジュール30に液密シールで固定される。いくつかの実施形態では、第2の表面266は、点滴モジュール30に溶接され得る。他の実施形態では、第2の表面266は、接着剤によって点滴モジュール30に固定され得る。いくつかの実施形態では、第1の表面262は、接着剤によって接続プレート42に液密シールで固定される。いくつかの実施形態では、第1の表面262は、封止部材38の第2の表面266に液密シールで固定される。いくつかの実施形態では、第1の表面262は、第1の表面262が接続プレート42に固定されるべきであることを示すマーキング286を含むことができる。いくつかの実施形態では、第1の表面262は、第1の表面262を接続プレート42に固定するための接着剤を含むことができる。このような実施形態では、第1の表面262は、取り外し可能な裏材を含むことができ、マーキング286は、取り外し可能な裏材上に配置され得る。第2の表面266が接着剤によって点滴モジュール30に固定可能である実施形態では、第2の表面266は、第2の表面266が点滴モジュール30に固定されるべきであることを示すマーキング(図示せず)を含むことができる。いくつかの実施形態では、第2の表面266は、第2の表面266を点滴モジュール30に固定するための接着剤を含むことができる。このような実施形態では、第2の表面266は、取り外し可能な裏材を含むことができ、マーキング286は、取り外し可能な裏材上に配置され得る。いくつかの実施形態では、マーキング286は、色、パターン、形状、及び/又は単語であってもよい。
図8に示すように、創傷療法システム10は、陰圧流路(矢印286)から流体分離された点滴流路(矢印284)を含む。矢印284によって示されるように、点滴液は、点滴システム22から創傷療法システム10に入り、点滴導管130に沿って点滴導管パッド118へと移動する。次いで、点滴液は、接続プレート42の点滴入口110を通って、圧縮性点滴接続構造体258の流路入口274に流入する。点滴液は、流路270に沿って移動し、流路出口278を通って圧縮性点滴接続構造体258を出る。次いで、点滴液は、点滴モジュール30の流体分配ハブ72に入り、流体分配構造体74に沿って移動する。点滴液は、開窓部78を通って流体分配構造体74から出て、治療部位に移動する。
矢印286によって示されるように、NPWTシステム26の陰圧源46によって生成された陰圧によって、流体(例えば、点滴液、創傷滲出液など)は、開窓部77を通って腹部治療装置28の複数の細長い脚部73に入る。矢印286によって示されるように、流体は、細長い脚部73の少なくとも一部分を通って移動し、開窓部77を通って腹部治療装置から出る。次いで、流体は、陰圧マニホールド34を通って接続プレート126のNPWT入口コネクタ158へと移動する。次いで、流体は、NPWT導管パッド122に沿って、陰圧導管138へ、NPWTシステム26の流体回収チャンバ50内に移動する。
一体型点滴導管
図9~10は、いくつかの実施形態による一体型点滴導管290を含む点滴モジュール288を示す。点滴モジュール288は、患者の体位(例えば、仰臥位又は横臥位)とは独立して点滴液の実質的に均一な分配を容易にするように構成される。点滴モジュール288は、第1の層292、第2の層294、及び流体分配層298を含む。流体分配層298は、第1の表面300及び腹部内容物に面する第2の表面302を含む。流体分配層298は、流体分配ハブ304と、流体分配ハブ304から半径方向に延在する複数の流体分配構造体308と、流体分配ハブ304から延在する一体型点滴導管290とを含む。第1の層292、第2の層294、流体分配ハブ304、及び複数の流体分配構造体308は、点滴モジュール30に関して上述した第1の層58、第2の層62、流体分配ハブ72及び複数の流体分配構造体74と実質的に同様であり、簡潔にするために本明細書で詳細に説明されない。
点滴導管290は、流体分配ハブ304から延在する全体的に細長い部分312を含む。全体的に細長い部分312の遠位端316が拡大されて、点滴導管ランド部320を形成することができる。点滴導管ランド部320は、接続プレート42に係合するように、及び/又は点滴導管290と係合するための表面を形成するように構成されている。第1の層292及び第2の層294の一部分は、点滴導管(例えば、全体的に細長い部分312及び点滴導管ランド部320)を封入する。その部分は流体不透過性材料で作製されており、開窓部78を含まないので、点滴液が点滴導管ランド部320及び/又は遠位端316において点滴導管290に入り、細長い部分312に沿って流体分配ハブ304へと移動して流体分配構造体308へ分配することができる。
図10は、患者の開放腹部を治療するように配置された点滴モジュール288及び陰圧マニホールド34を示す。図示した実施形態では、細長い部分312の第1の層292及び第1の表面300が陰圧マニホールド34に当接するように、点滴導管290の細長い部分312は、陰圧マニホールド34の周囲に巻き付けられる。いくつかの実施形態では、陰圧マニホールド34に当接する第1の層292の一部分は、第1の層292を陰圧マニホールド34に固定して、点滴導管290が滑るのを防止するための接着剤を含むことができる。一体型点滴導管290の第2の層294(例えば、点滴導管ランド部320の第2の表面302)は、陰圧マニホールド34の第1の表面82から離れて面する。いくつかの実施形態では、第2の層294の少なくとも一部分は、封止部材38の第2の表面98に第2の層294を固定するための接着剤を含む。図示した実施形態では、接続プレート42は、例えば溶接及び/又は接着剤によって、点滴導管ランド部320に固定される。他の実施形態では、点滴導管の細長い部分312は、陰圧マニホールド34内の孔を通って延在することができる。したがって、点滴導管290は、点滴システム22と係合された点滴導管290と、陰圧マニホールド34とNPWTシステム26との間の流路から流体分離された流路内の流体分配ハブ304との間に流路を形成する。
創傷療法システム10は、陰圧流路から流体分離された点滴流路を含む。点滴液は、点滴システム22から創傷療法システム10に入り、点滴導管130に沿って点滴導管パッド118へと移動する。次いで、点滴液は、接続プレート42の点滴入口110を通って、点滴モジュール30の点滴導管290の点滴導管ランド部320へ流れる。点滴液は、点滴導管290の全体的に細長い部分312に沿って移動し、次いで流体分配ハブ72に入る。次いで、点滴液は、流体分配構造体74に入り、それに沿って移動する。点滴液は、開窓部78を通って流体分配構造体74から出て、治療部位に移動する。
NPWTシステム26の陰圧源46によって生成された陰圧によって、流体(例えば、点滴液、創傷滲出液など)は、開窓部77を通って腹部治療装置28の複数の細長い脚部73に入る。流体は、細長い脚部73の少なくとも一部分を通って移動し、開窓部77を通って腹部治療装置から出る。次いで、流体は、陰圧マニホールド34を通って接続プレート126のNPWT入口コネクタ158へと移動する。次いで、流体は、NPWT導管パッド122に沿って、陰圧導管138へ、NPWTシステム26の流体回収チャンバ50内に移動する。
一体型点滴導管
図11~12は、いくつかの実施形態による一体型点滴導管332を含む点滴モジュール328を示す。点滴モジュール328は、第1の層336、第2の層340、及び流体分配層344を含む。流体分配層344は、第1の表面345及び腹部内容物に面する第2の表面346を含む。流体分配層344は、流体分配ハブ348と、流体分配ハブ348から半径方向に延在する複数の流体分配構造体352と、流体分配ハブ348から延在する点滴導管332とを含む。第1の層336、第2の層340、及び複数の流体分配構造体352は、点滴モジュール30に関して上述した第1の層58、第2の層62、及び複数の流体分配構造体74と実質的に同様であり、簡潔にするために本明細書で詳細に説明されない。
点滴導管332は、流体分配ハブ係合部分356及び流路部分360を含む。流路部分360は、流体分配ハブ係合部分356及び接続プレート42と係合される。図示した実施形態では、流路部分360は可撓性チューブである。流路部分360は、NPWTのサイクル中の点滴モジュール328及び陰圧マニホールド34の動きを可能にするように構成されている。より具体的には、流路部分360の端部は、流体分配ハブ係合部分356及び接続プレート42内にインモールドされる。流体分配ハブ係合部分356は、流路部分360に係合する点滴液入口部分364と、複数の流体分配構造体352の流体分配構造体のそれぞれと流体連通する複数のチャネル368とを含む。図示した実施形態では、複数のチャネル368は、流体分配ハブ係合部分356内に成形される。
流体分配ハブ348は、流体分配ハブ係合部分356を受けるようにサイズ決めされた孔372を含む。流体分配ハブ係合部分356は、孔372内に固定される。いくつかの実施形態では、第1の層336及び第2の層340は、流体分配ハブ係合部分356の上方に延在することができる(例えば、封入する)。他の実施形態では、第1の層336及び第2の層340は、孔372の壁を含む流体分配層344を封入する。このような実施形態では、流体分配ハブ係合部分356は、第1の層336及び第2の層340に溶接されることができ、第1の層336及び第2の層340は、点滴液が流体分配ハブ348に流入することを可能にするために、複数のチャネル368と位置合わせされた開窓部を含むことができる。
図12は、患者の開放腹部を治療するように配置された点滴モジュール328及び陰圧マニホールド34を示す。流路部分360及び接続プレート42が陰圧マニホールド34の第1の表面82の上に重なるように、点滴導管332の流路部分360は、陰圧マニホールド32の周囲に巻かれる。接続プレート42は、例えば溶接及び/又は接着剤によって、陰圧マニホールド34の第1の表面に固定され得る。したがって、点滴導管332は、点滴システム22と係合された点滴導管332と、流路から流体分離された流体分配ハブ348との間に流路を形成する。図12に示すように、いくつかの実施形態では、第2の点滴モジュールを使用することができる。
創傷療法システム10は、陰圧流路から流体分離された点滴流路を含む。点滴液は、点滴システム22から創傷療法システム10に入り、点滴導管130に沿って点滴導管パッド118へと移動する。次いで、点滴液は、接続プレート42の点滴入口110を通って点滴導管332の流路部分360に流入する。点滴液は、点滴導管332の流路部分360に沿って移動し、次いで流体分配ハブ72に入る。次いで、点滴液は、複数のチャネル368に沿って複数の流体分配構造体352に流入し、それに沿って流れる。点滴液は、開窓部78を通って流体分配構造体352から出て、治療部位に移動する。
NPWTシステム26の陰圧源46によって生成された陰圧によって、流体(例えば、点滴液、創傷滲出液など)は、開窓部77を通って腹部治療装置28の複数の細長い脚部73に入る。流体は、細長い脚部73の少なくとも一部分を通って移動し、開窓部77を通って腹部治療装置から出る。次いで、流体は、陰圧マニホールド34を通って接続プレート126のNPWT入口コネクタ158へと移動する。次いで、流体は、NPWT導管パッド122に沿って、陰圧導管138へ、NPWTシステム26の流体回収チャンバ50内に移動する。
摩擦係止シールを備えた一体型点滴導管
図13~17は、点滴モジュール376及び点滴接続封止システム380を示す。点滴モジュール376及び点滴接続封止システム380は、腹部治療装置28と共に使用することができる。図13は、保管位置にある点滴モジュール376及び点滴接続封止システム380の上面斜視図を示す。図14~16は、点滴モジュール376及び点滴接続封止システム380を配備するためのプロセスにおける工程を示す。
図14~17に最も良く示されるように、点滴モジュール376は一体型点滴導管436と、第1の層388と、第2の層392と、流体分配層396と、を含む。流体分配層396は、流体分配ハブ400と、流体分配ハブ400から概ね半径方向に延在する複数の流体分配構造体404とを含む。第1の層388、第2の層392、流体分配ハブ400、及び複数の流体分配構造体404は、点滴モジュール30に関して上述した第1の層58、第2の層62、流体分配ハブ72及び複数の流体分配構造体74と実質的に同様であり、簡潔にするために本明細書で詳細に説明されない。一体型点滴導管436は、流体分配ハブ400と流体連通し、液密接続を使用して点滴モジュール376に固定される。いくつかの実施形態では、一体型点滴導管436は、図11~12に関連して上述した流体分配ハブ係合部分356を使用して、点滴モジュール376に固定され得る。図示した実施形態では、一体型点滴導管436は可撓性チューブである。いくつかの実施形態では、一体型点滴導管436は、点滴モジュール376に当接するコイル内に一体型点滴導管436が設けられている保管位置に提供され得る。一旦腹腔内に配置されると、一体型点滴導管436は、以下により詳細に記載されるように、解かれ、患者内に配備され得る。
点滴接続封止システム380は、封止プレート408と、封止パッド410と、ロックカラー412とを含む。封止プレート408は、第1の表面416及び創傷に面する第2の表面420を含む。封止プレート408は、第1の表面416と第2の表面420との間に延在する点滴導管通路424を更に含む。点滴導管通路424の一部分は、第1の表面416の上方に延在する。点滴導管通路424が、外部表面438と、点滴導管436を受けるための通路を画定する内部表面440とを含む。第2の表面420の少なくとも一部分は、封止部材38の第1の表面416に封止プレート408の第2の表面420を液密シールで固定するための接着剤を含む。
封止パッド410は、第1の表面437及び第2の創傷に面する表面439を含む。第2の表面439は、接着剤コーティングを含む。封止パッド410は、封止部材38内に形成された孔の周りに封止部を形成して、以下により詳細に記載されるように点滴導管436を回収するように寸法決めされる。いくつかの実施形態では、封止パッド410は、封止部材38と同じ材料から作製され得る。
ロックカラー412は、外部表面441と、通路444を画定する内部表面442とを含む。通路444は、ロックカラー412が点滴導管436に沿って自由に動くことができるように寸法決めされる。通路444は、封止プレート408の点滴導管通路444の外部表面440に対して緊密な摩擦嵌合を形成して、点滴導管436の周囲の周りに液密シールを形成するように寸法決めされる。いくつかの実施形態では、ロックカラー412は、点滴導管通路424よりも剛性であり、点滴導管通路424のロックカラー412との係合により、点滴導管通路424を点滴導管436に対して内側に変形させ、点滴導管436の周囲の周りに緊密な封止を形成するように寸法決めされる。いくつかの実施形態では、ロックカラー412は、操作者がロックカラー412を把持するのを支援するために、ロックカラー412の外部表面441の一部分の周りに形成されたフランジ448を更に含む。
図14~16は、点滴モジュール376及び点滴接続封止システム380を配備するためのプロセスを示す。図14に示すように、操作者は、点滴モジュール376を患者の腹部内容物に対して位置決めする。次いで、操作者は、保管位置(図13)から点滴導管436を解き、陰圧マニホールド34の孔を通って点滴導管436を延在させるか、又は点滴導管436を陰圧マニホールド34の側部の周囲に巻き付ける。次いで、操作者は、腹部切開を取り囲む患者の皮膚に封止部材38を固定する。次いで、操作者は、封止部材38内に孔を形成し、点滴導管436を封止部材38の孔に通す。次いで、ユーザは、封止部材38の第2の表面98が封止部材38の第1の表面416に向けて配向されるように、点滴導管436に沿って封止パッド405、封止プレート408、及びロックカラー412を配置する。次いで、ユーザは封止パッド410を封止部材38に向かって摺動させ、封止部材38内の孔の周りに封止パッド410の第2の表面407を固定する。次いで、ユーザは、矢印452によって示されるように封止プレート408及びロックカラーを封止部材38に向かって摺動させる。ユーザは、封止プレート408の第2の表面420を封止パッド410の第1の表面437に液密シールで固定する。図15に示されるように、ユーザは次に、矢印456によって示されるように、ロックカラー412を封止プレートの第1の表面416に向かって摺動させて、ロックカラー412を摩擦嵌合で係合し、図16に示されるように、点滴導管通路424と点滴導管436との間に液密シールを確立する。次いで、操作者は、点滴導管436を点滴システム22に接続し、点滴療法を開始することができる。
図17は、点滴療法を提供するための点滴システム22と係合された点滴モジュール376及び点滴接続封止システム380、並びにNPWTを提供するためにNPWTシステム26と係合された陰圧マニホールド34を含む創傷療法システム10の斜視図である。図17に示されるように、創傷療法システム10が患者に配備される場合、創傷療法システムは、陰圧流路(矢印464)から流体分離された点滴流路(矢印460)を含む。矢印460によって示されるように、点滴液は、点滴システム22から創傷療法システム10に入り、点滴モジュール376の流体分配ハブ400へと点滴導管130に沿って移動する。次いで、点滴液は、流体分配構造体404に沿って流れる。点滴液は、開窓部78を通って流体分配構造体404から出て、治療部位に移動する。
矢印464によって示されるように、NPWTシステム26の陰圧源46によって生成された陰圧によって、流体(例えば、点滴液、創傷滲出液など)は、開窓部77を通って腹部治療装置28の複数の細長い脚部73に入る。矢印176によって示されるように、流体は、細長い脚部73の少なくとも一部分を通って移動し、開窓部77を通って腹部治療装置から出る。次いで、流体は、陰圧マニホールド34を通って接続プレート126のNPWT入口コネクタ158へと移動する。次いで、流体は、NPWT導管パッド122に沿って、陰圧導管138へ、NPWTシステム26の流体回収チャンバ50内に移動する。
構成要素の組み合わせ
本明細書に開示されるシステム及び方法は、本明細書に示される様々な実施形態の文脈で説明されるが、本明細書に開示されるシステム及び方法のいずれも、異なる方法で組み合わせることができることが企図される。
例示的な実施形態の構成
様々な例示的な実施形態に示されるシステム及び方法の構造及び構成は、単なる例示である。本開示では、いくつかの実施形態のみを詳細に記載してきたが、多くの修正形態(例えば、様々な要素におけるサイズ、寸法、構造、形状及び比率、パラメータの値、実装構成、材料の使用、色、配向などの変動)が可能である。例えば、要素の位置を反転させること、又は他の場合には変動させることができ、別個の要素の性質又は数あるいは位置を変更又は変動させることができる。したがって、全てのそのような修正形態は、本開示の範囲内に含まれることが意図される。任意のプロセス又は方法ステップの順序又はシーケンスは、代替実施形態に従って変動させる又は並び変えることができる。例示的な実施形態の設計、動作条件及び構成において、本開示の範囲から逸脱することなく、他の置換、修正、変更及び省略を行うことができる。

Claims (10)

  1. 深腹部創傷に点滴液を提供するためのシステムであって、
    第1の表面及び腹部内容物に面する第2の表面を画定する点滴モジュールであって、点滴液源から点滴液を受けるように構成された分配ハブを含む、点滴モジュールと、
    接続構造体であって、
    第1の表面と、
    腹部内容物に面する第2の表面と、
    前記接続構造体の前記第1の表面と前記接続構造体の前記第2の表面との間に延在する流路であって、前記点滴液源と係合する点滴液導管を受けるように構成された入口と、前記点滴モジュールと流体連通する出口とを含む流路であって、前記入口と前記出口との間に延在する軸線を画定し、前記軸線によって画定される方向に圧縮するように構成されている、流路と、
    を備える接続構造体と、
    前記接続構造体の前記第1の表面に隣接して配置された接続プレートであって、前記点滴液導管を正確に位置決めするためのしるしを含む、接続プレートと、
    を備えるシステム。
  2. 前記流路の少なくとも一部分が、圧縮を容易にするように関節式である、請求項1に記載のシステム。
  3. 少なくとも前記流路が、陰圧源によって提供される陰圧下で圧縮するように構成されている、請求項1に記載のシステム。
  4. 前記接続構造体の前記第2の表面が、前記点滴モジュールの前記第1の表面に固定されて、前記流路と前記点滴モジュールとの間に液密接続を提供する、請求項1に記載のシステム。
  5. 第1の表面及び腹部内容物に面する第2の表面を画定する陰圧マニホールドを更に備え、前記流路が前記陰圧マニホールド内に配置されるように、前記流路が前記陰圧マニホールドを通って延在する、請求項1に記載のシステム。
  6. 前記陰圧マニホールド及び前記接続構造体が陰圧下で実質的に同じ量で潰れるように、前記陰圧マニホールドが圧縮性材料で形成され、前記接続構造体が、前記圧縮性材料から形成される、請求項5に記載のシステム。
  7. 前記接続構造体の前記第1の表面を含む第1の蛇腹プレートと、前記接続構造体の前記第2の表面を含む第2の蛇腹プレートと、を更に備え、前記第1の蛇腹プレート、前記第2の蛇腹プレート及び前記流路が一体的に形成されている、請求項1に記載のシステム。
  8. 前記接続構造体の前記第1の表面が第1の流体不透過性コーティングを含み、前記接続構造体の前記第2の表面が第2の流体不透過性コーティングを含み、前記流路が流路流体不透過性コーティングを含む、請求項1に記載のシステム。
  9. 前記点滴モジュール及び前記接続構造体が、前記深腹部創傷の切開部内に配置可能である、請求項1に記載のシステム。
  10. 深腹部創傷に点滴液を提供するための接続構造体であって、
    第1の表面と、
    腹部内容物に面する第2の表面と、
    前記第1の表面と前記第2の表面との間に延在する流路であって、前記点滴液源と係合する点滴液導管を受けるように構成された入口と、前記深腹部創傷内に配置可能な点滴モジュールと流体連通する出口とを含む流路であって、前記入口と前記出口との間に延在する軸線を画定し、前記軸線によって画定される方向に圧縮するように構成されている流路と、
    を備え
    前記第1の表面が第1の流体不透過性コーティングを含み、前記第2の表面が第2の流体不透過性コーティングを含み、前記流路が流路流体不透過性コーティングを含む接続構造体。
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