JP7370850B2 - 電力供給システムおよび受変電設備 - Google Patents

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Description

本発明は、電力供給システムおよび受変電設備に関し、特に交流配電線と直流配電線とに接続された受変電設備、および、該受変電設備と直流/交流配電線を備える電力供給システムに関する。
太陽光発電で発電された直流電力をインバータで交流に変換して電力系統と接続する電力供給システムでは、発電余剰や発電電力量の急激な変動が、電力系統の周波数維持、電圧維持に悪影響を与える。そこでこの変動分を、蓄電池で充放電してピークシフト・変動吸収する事で、電力量の急激な変動を防止することが行われている。
特許文献1に従来技術の一例を示す。複数の建物B1のそれぞれに設けられた太陽光発電装置PVにより発電された直流電力は、建物内に配置されたパワーコンディショナ11により交流電力に変換されて、地域電力網Pdに接続される。地域電力網Pdは、共用電源2を有する別の建物B3に接続され、交流電力と直流電力との変換を行って共用電源2内の蓄電池SCに充放電される。複数の建物B1や別の建物B3は、商用電源の電力系統Pnにも接続されている。すなわち、特許文献1に記載の電力供給システムでは、太陽光発電装置PVにより発電された直流電力は、交流電力に変換された後に再び直流電力に変換されて蓄電池SCに充電される。このため、複数の建物B1のそれぞれにパワーコンディショナ(インバータ)を配置する必要がある。
特許文献2に従来技術の別の例を示す。駐車スペース41に設置された太陽電池シート11により発電された直流電力はパワーコンディショナ15で交流電力に変換され、蓄電装置16で交流から直流に変換されて充電される。また、蓄電装置16から放電・直流交流変換された交流電力を、給電装置17を介して、駐車スペース41に入庫した電気自動車50に供給する。特許文献2に記載の電力供給システムでは、複数の駐車スペース41で発電された直流電力は、共用のパワーコンディショナ15でいったん交流電力に変換された後に、再び直流電力に変換されて蓄電装置16に充電される。このように従来は、太陽光パネルと蓄電池とが、交流電力を介して電力の授受を行うことが一般的であった。
近年、住宅の屋根に設置した太陽光パネルと、住宅屋外あるいは屋内に設置した蓄電池を用いて電力の自給自足を行う事で電力料金を抑え、また災害により停電が発生した場合にも電力供給を継続する事で需要家にもメリットのある宅地開発が進められている。これらの宅地開発のうち大規模宅地開発では、配電線の引き込み系も地中化する事で景観を向上させ、付加価値を向上する事がなされている。図5に従来技術を利用して構成された電力供給システム5の概略的な構成を示す。
複数の建物10(図5の例では5つの家屋)のそれぞれには、太陽光パネル11が設置されている。各太陽光パネル11は、直流引込線23によって路上に配置されたインバータ76と接続されている。インバータ76は、太陽光パネル11で発電された直流電力を交流電力に変換して、100V/200Vの低圧交流電力が流れる交流配電線2に供給する。また、交流配電線2と、交流負荷である各建物10とは、交流引込線22によって接続されている。さらに、交流配電線2は、インバータ77を介して蓄電池67と接続されている。蓄電池67とインバータ77とは、ともに建物10の近傍の路上に設置されている。インバータ77は、変換した直流電力を蓄電池67に蓄電し、また逆に蓄電池67に蓄電された直流電力を放電して、直流交流変換して、交流配電線2に供給することができる双方向インバータである。さらに、交流配電線2は、地中配電用のトランス塔26に配置された配電トランス61の二次側に接続されている。配電トランス61の一次側は6kVの高圧交流電力が流れる電力系統7に接続されている。配電トランス61は、電力系統7を流れる高圧交流電力を、交流配電線2を流れる低圧交流電力に変換し、また逆に、交流配電線2を流れる低圧交流電力を、電力系統7を流れる高圧交流電力に変換することができる。さらに、交流配電線2は、インバータ78を介して電気自動車などの直流負荷73に直流電力を供給することができる。
特開2011-135651号公報 特開2010-192714号公報
上述したように従来は、太陽光パネル11と蓄電池67とが、インバータ76、77と交流配電線2を介して、電力の授受を行っているために変換損失が避けられないという課題があった。また、送電に関連する法規制により、交流送電の上限電圧は600Vに制限されており、直流送電の上限電圧750Vよりも低いため、交流送電は直流送電よりも送電電力損失が大きくなる。
さらに、交流配電線2を介して、太陽光パネル11、蓄電池67、直流負荷73、電力系統7が接続されているため、交流電力の需給調整を高速で制御する必要があった。すなわち、通常のピークカット制御以外に、太陽光パネル11の発電量の変動吸収のための蓄電池67の充放電電流制御を実施する必要があるが、太陽光パネル11の発電量の変動は数秒単位という高速で変動するため、この制御を高速で実施する必要があった。さらに、電気自動車(EV)用急速充電器などの負荷量の大きな直流負荷73を接続する場合、大きな需要が急速に立ち上がる(例えば、EV用急速充電器では1秒程度で50kWの需要が立ち上がる)ため、立ち上がり時に契約電力を大幅に超える過電流が流れて配線ブレーカが動作する可能性があった。そこで、太陽光パネル11の発電量や直流負荷73の負荷量に合わせて蓄電池67からの放電を行い、急激な消費電流の増加を抑える制御を行う必要があった。例えば、EV用急速充電器の電流立ち上がりは1秒以下であるため、高速で同期してこれらの制御を行う必要があった。このため高速の通信設備や高速応答可能な制御装置を使用する必要があり、また系統連系を安全に行うために、すべてのインバータ76、77、78に系統の周波数や位相、電圧の全ての面で齟齬なく並列運転する機能を搭載する必要があった。このため、大規模かつ複雑なシステム構成が必要であった。
また、建物10の屋根等に設置される太陽光パネル11は、設置される方位がばらばらであるため、同じ日の同じ地点であっても実効的に利用可能な日射エネルギー量が大きく異なる。このため、最大電力を得るための駆動電圧が太陽光パネル11毎に異なるが、これらを一括して一台のインバータ76で駆動すると、駆動電圧が一定であるために、変換効率が低くなり、太陽光エネルギーを効率的に利用する事ができないという課題があった。この点について図6を参照しながら説明する。
図6は、典型的な単結晶太陽光パネルの駆動電圧(横軸)と出力電力(縦軸)との関係を示した図である。図において、線80は、太陽光パネル11の単位面積あたり日射エネルギー量が400W/mのときの駆動電圧と出力電力との関係を、同様に線81、82、83は、それぞれ日射エネルギー量が600W/m、800W/m、1kW/mのときの駆動電圧と出力電力との関係を示す。図から明らかなように最大出力電力を示す駆動電圧はエネルギー量が減少すると低電圧側に移動する。したがって、日射エネルギー量が異なる、例えば設置される方位がばらばらな太陽光パネルを一括して一台のインバータ76で変換する(すなわち、同一の駆動電圧で変換する)と変換効率が低くなり、太陽光エネルギーを効率的に利用する事ができない。
さらに、地中配電で配電トランス61と各建物10とを結ぶ場合、配電トランス61に加えて、インバータ76、77や蓄電池67を配電設備として路上に設置する必要があるため、景観上、通行上の妨げとなっていた。また、配電トランス61、インバータ76、77、蓄電池67などが異なる場所にあるため、保守点検が容易でないという課題もあった。
このため、シンプルなシステム構成で、変換効率が良く、周囲の景観を損なうことなく、さらに保守点検が容易な電力供給システムが求められていた。
上記課題は、複数の建物(10)のそれぞれに接続された交流引込線(22)に接続され、低圧交流電力を送電する交流配電線(2)と、複数の建物(10)のそれぞれに設置された太陽光パネル(11)に接続された直流引込線(23)に接続され、配電線直流電力を送電する直流配電線(3)と、受変電設備(6)とを備え、受変電設備(6)は、低圧交流電力と電力系統(7)の高圧交流電力との変換を行う配電トランス(61)と、直流バス(72)と、配電線直流電力を、直流バス(72)を流れる設備内直流電力に変換する第1の直流コンバータ(62)と、蓄電池(67)と、設備内直流電力と蓄電池(67)の充放電電力との変換を行う第2の直流コンバータ(63)と、低圧交流電力と設備内直流電力との変換を行うインバータ(66)とを備える、電力供給システム(1)により解決することができる。
すなわち、複数の建物(10)と受変電設備(6)との間に交流配電線(2)と直流配電線(3)とを設け、各建物の太陽光パネル(11)で発電された直流電力を交流電力に変換せずに直流電力のままで受変電設備(6)に送電し、受変電設備(6)で交流電力に変換せずに直流コンバータ(62、63)を介して蓄電池(67)に充放電することにより、効率が良く直流電力間の相互融通が可能となる。直流コンバータはインバータに比べると回路構成がシンプルであるため、システム構成を簡素化することができる。また、配電トランス、直流コンバータ、蓄電池、インバータなどを、受変電設備(6)に配置することが可能であることから、周囲の景観を損なうことなく、保守点検が容易な電力供給システムを提供することができる。
ここで、受変電設備(6)は、電力系統(7)から配電トランス(61)に流れる電力量を測定する電力量測定装置(68)と、測定された電力量に基づいて、インバータ(66)が変換を行う電力量を制御する制御装置(69)とをさらに備えることが望ましい。直流配電線(3)から交流配電線(2)へ変換する電力量を、電力需要に応じて制御することにより、電力系統(7)からの買電電力量を適切な量に維持することができ、また電力の効率的な利用が可能となる。
また、受変電設備(6)は、設備内直流電力を、受変電設備(6)の外部に配置された直流負荷(73)に供給する電力に変換する第3の直流コンバータ(64)をさらに備えることが望ましい。直流負荷(73)への電力供給も交流電力線を介さずに、直流バスを流れる設備内直流電力を直流コンバータ(64)で変換して供給することにより、シンプルなシステム構成で、効率が良く直流電力間の相互融通が可能となる。
また、電力供給システム(1)は、複数の第1の直流コンバータ(62、65)と複数の直流配電線(3、4)とを備え、太陽光パネル(11、12)は、最大出力電力を与える電圧にしたがってグループ分けされ、グループ毎に複数の直流配電線(3、4)のいずれかに接続され、複数の第1の直流コンバータ(62、65)のそれぞれは、対応する直流配電線(3、4)により送電される配電線直流電力を設備内直流電力に変換することが望ましい。最大電力を得るための駆動電圧が近似した太陽光パネル群毎に直流コンバータを設けることにより、太陽光パネルをより適切な電圧で駆動することができ、太陽光エネルギーを効率よく直流電力に変換することが可能となる。
また、電力供給システム(1)は、複数の直流配電線(3、4)を備え、太陽光パネル(11、12)は、最大出力電力を与える電圧にしたがってグループ分けされ、グループ毎に複数の直流配電線(3、4)のいずれかに接続され、複数の直流配電線(3、4)は、線路損失による電圧降下が互いに異なり、電圧降下の差は、直流配電線(3、4)に接続された太陽光パネル(11、12)の最大出力電力を与える電圧の差と等しく、複数の直流配電線(3、4)は、同一の第1の直流コンバータ(62)に接続されていることが望ましい。最大電力を得るための駆動電圧が近似した太陽光パネル群毎に直流配電線を設け、直流配電線の線路損失による電圧降下と、太陽光パネル群どうしの最大出力電力を与える電圧の差とをほぼ等しくすることにより、複数の直流配電線を同一の第1の直流コンバータに接続しても、全て太陽光パネルを、最大電力を得るための駆動電圧の近傍で動作させることが可能となる。このため、直流コンバータの数を増やす必要がなく、シンプルな構成で太陽光エネルギーを効率よく電力に変換することが可能となる。
また、上記課題は、同様な特徴を有する受変電設備によっても、解決することができる。
本発明の第1の実施態様に係る電力供給システム1の概略構成図である。 電力供給システム1の制御方法を示すフローチャートである。 本発明の第2の実施態様に係る電力供給システム8の概略構成図である。 本発明の第3の実施態様に係る電力供給システム9の概略構成図である。 従来の電力供給システム5の概略構成図である。 太陽光パネルの駆動電圧と出力電力との関係を示す図である。
第1の実施態様
本願発明の第1の実施態様である電力供給システム1の概略構成を図1に示す。道路を挟んで図の上側に4軒、下側に5軒の建物10が並んで造成されている。上側の4軒の建物10のすぐ右側には、50平方メートルの共用緑地があり、共用緑地に受変電設備6が設置されている。
各建物10の南面と東面の屋根にそれぞれ8直列ずつ配置された太陽光(PV)パネル11が設置されている。太陽光パネル11は単結晶タイプ、公称最大出力320W、公称開放電圧40.5V、外形寸法1.7m×1mの製品を、8直列したものを用いた。すなわち、各建物10には、公称最大電力2.56kW(320W×8直列)の発電能力を有する太陽光パネル11が2つずつ設置されている。
上下の建物10の間の道路には複数のハンドホール21が配置されている。ハンドホール21間を貫通して、150sqの5芯CVケーブルで構成された交流配電線2と直流配電線3とが延びている。各ハンドホール21から、各建物10に28sqの交流引込線22と直流引込線23とが敷設されている。各交流引込線22は交流配電線2と各建物10とを接続し、交流配電線2で送電される100V/200Vの低圧交流電力を、交流負荷である各建物10に配電する。各直流引込線23は直流配電線3と各建物10に配置された太陽光パネル11をと接続し、太陽光パネル11で発電された324V(40.5V×8)の配電線直流電力を直流配電線3に供給する。したがって、直流配電線3には、計算上は2.56kW×18=46.1kWの発電能力を有する太陽光パネルが接続された事になるが、実際の発電出力は最大でも40kW程度であった。交流配電線2および直流配電線3は、受変電設備6に接続されている。
なお、上述した構成は、建物10を建設する前の造成の段階でハンドホール21や建物10への引き込み管路、ハンドホール間を接続する管路やその中を通る交流配電線2と直流配電線3を設置し、建物10の建設完了後に太陽光パネル11や分電盤、交流引込線22、直流引込線23などを設置して接続した。本実施態様ではこのようにマルチドロップ型の配線構成としたが、ハンドホールの数量を減らして分岐線の数を増やしたり、あるいはインバータ類の筐体にスター状に引き込んでも良い。
造成した9件の建物10は、1件の高圧需要家として電力会社と高圧受電契約を締結している。このため、共用緑地に配置された受変電設備6には、40kWの配電トランス61が設置されている。配電トランス61は、電力系統7から三相3線式の6kVの高圧交流電力を一次側で受電し、単相3線式100V/200Vの低圧交流電力に変換して、二次側に接続された交流配電線2に供給する。配電トランス61はまた、交流配電線2に流れる低圧交流電力を高圧交流電力に変換して電力系統7に出力することもできる双方向トランスである。
受変電設備6には、配電トランス61とともに、系統連系インバータ66、太陽光パネル用直流コンバータ62、蓄電池用直流コンバータ63、直流負荷用直流コンバータ64、蓄電池67、電力量測定装置68および電力制御装置(EMS)69を備える。インバータ66および各直流コンバータ62、63、64は、380Vの設備内直流電力が流れる直流バス72で接続されている。
系統連系インバータ66は、交流側の出力が系統連系技術規程に従った、定格出力50kWのインバータである。インバータ66の交流側の出力は単相3線式100V/200Vであり、配電トランス61の二次側と交流配電線2に接続されている。また、直流側の出力は380Vの設備内直流電力で、直流バス72に接続されている。系統連系インバータ66は、配電トランス61の二次側の低圧交流電力を、直流バス72の設備内直流電力に変換し、また逆に、直流バス72の設備内直流電力を、配電トランス61の二次側の低圧交流電力に変換することができる双方向インバータである。
太陽光パネル用直流コンバータ62は、出力端が380Vの設備内直流電力が流れる直流バス72に接続され、入力端が、太陽光パネル11の出力を集線した配電線直流電力が流れる直流配電線3に接続されている。太陽光パネル用直流コンバータ62は、直流配電線3を流れる配電線直流電力を、直流バス72を流れる設備内直流電力に変換する単方向の直流直流コンバータである。
蓄電池用直流コンバータ63は、定格入出力50kWの直流直流コンバータである。直流コンバータ63の一端が直流バス72に接続され、他端が蓄電池67に接続されている。直流コンバータ63は、直流バス72の設備内直流電力を、蓄電池67の充電電力に、また逆に、蓄電池67の放電電力を、直流バス72の設備内直流電力に変換することが可能な双方向コンバータである。蓄電池67は、定格2V、公称容量1000Ahの鉛蓄電池を108直列接続して構成されている。蓄電池67の充電率は、通信回線を介してリアルタイムでEMS69に送信される。
直流負荷用直流コンバータ64は、直流直流コンバータであり、一端が380Vの直流バス72に接続され、他端がコネクタ74に接続され、コネクタ74を介して受変電設備6の外部に配置された直流負荷73に直流電力を供給することができる。直流コンバータ64は、直流バス72の設備内直流電力を、直流負荷73に供給する電力に変換する単方向コンバータである。
電力量測定装置68は、電力系統7と配電トランス61の一次側との間に接続され、電力系統7から配電トランス61に流入する電力、すなわち買電電力量を測定する装置である。測定された買電電力量は、通信回線を介してEMS69に送信される。
EMS69は、電力量測定装置68で測定された買電電力量に基づいて、系統連系インバータ66を制御する制御装置である。EMS69は、メモリ、タイマ、およびプロセッサを備え、電力量測定装置68から逐次供給される買電電力量のデータをメモリに記録し、また記録された過去の買電電力量から将来の電力需要を推定し、推定された電力需要に基づいて系統連系インバータ66が変換を行う電力量を制御する。
なお、本実施態様の電力供給システム1は、配電トランス61、系統連系インバータ66、直流コンバータ62、63、64、蓄電池67、電力量測定装置68およびEMS69など受変電設備6の構成を単一の筐体に格納しているが、一部の構成要素を別の筐体に配置してもよい。
例えば、直流負荷用直流コンバータ64をEV用急速充電器73内に配置し、直流バス72の設備内直流電力をコネクタを介して、隣接するEV用急速充電器73の筐体内に配置された直流コンバータ64に供給するように構成してもよい。すなわち、直流バス72の電圧と、コネクタから直流負荷に供給する電圧を同じ電圧になるように、直流バス72および直流負荷73のうちの少なくとも一方を設計することによって、受変電設備6の構成を複数の筐体・装置にまたがって配置することができる。
同様のことは、蓄電池用直流コンバータ63にもいえる。すなわち、直流バス72の電圧と蓄電池67の充放電電圧とを同じ電圧になるように、直流バス72および蓄電池67のうちの少なくとも一方を設計することによって、受変電設備6の構成を複数の筐体・装置にまたがって配置することができる。
次に、電力供給システム1の動作について説明する。建物10に設置された太陽光パネル11は、日射エネルギー量に応じて発電を行う。発電された直流電力は、直流引込線23によって送電され、ハンドホール21で直流配電線3に集線される。直流配電線3は配電線直流電力を受変電設備6に送電する。また、受変電設備6から供給される低圧交流電力は、交流配電線2で送電される。低圧交流電力はハンドホール21で交流引込線22に分岐して、各建物10に配電される。
受変電設備6において、直流配電線3によって送電された配電線直流電力は、太陽光パネル用直流コンバータ62が受電して、設備内直流電圧に変換して直流バス72に供給する。太陽光パネル用直流コンバータ62は、太陽光パネル側の電圧を最大電流が得られるまで変化させ、最大電流が得られた後はその周辺で周期的に変化させる、いわゆるMPPT制御を行う。太陽光パネル用直流コンバータ62の直流バス側は受電端の電圧に追従し、かつ、太陽光パネル11からの入力に応じた電力を直流バス72に供給する。すなわち、太陽光パネル用直流コンバータ62はその瞬間の日射エネルギーに応じた電力を直流バス72に注入し、その値は変動する。また上述したMPPT制御は太陽光パネル用直流コンバータ62が自律的に実施するため、EMS69による制御は不要である。
直流負荷用直流コンバータ64は、直流バス72の設備内直流電力を、受変電設備6の外部に配置された直流負荷73に供給する電力に変換して、コネクタ74に流す。コネクタ74に、受変電設備6の外部に配置された直流負荷73を接続することにより、直流負荷73は、変換された電力を受け取ることができる。例えば、直流負荷73として50kWの電気自動車(EV)用急速充電器を利用する場合、EV用急速充電器73を受変電設備6に隣接して配置し、EV用急速充電器73の電源端子とコネクタ74を接続する。直流コンバータ64は、設備内直流電力をEV用急速充電器73の電源電圧に変換する。変換された直流電力は、コネクタ74を介してEV用急速充電器73に供給される。EV用急速充電器73は、供給された直流電力を使って、EV用急速充電器73に接続されているEVを充電することができる。
蓄電池用直流コンバータ63は、直流バス72の設備内直流電力を、蓄電池67の充放電電力に変換して蓄電池67を充電し、また逆に、蓄電池67から放電された電力を設備内直流電力に変換して直流バス72に供給する。蓄電池用直流コンバータ63は、変換する方向(すなわち、蓄電池67に充電するか放電するか)および変換する電力量を自律的に制御する。より具体的には、蓄電池用直流コンバータ63の直流バス72側は、直流バス72の電圧が所定の設備内直流電圧(本実施態様では380V)となるようにCV運転制御すなわち電圧一定制御での運転をする。蓄電池用直流コンバータ63は、直流バス72の電圧を逐次監視し、設備内直流電力の需要が増加して直流バス72の電圧が下降すると、蓄電池67に貯蓄された電力を放電して変換し、直流バス72に供給する。設備内直流電力の需要量が増えると、増加量に応じて変換する電力量も増加させる。逆に、設備内直流電力の需要が減少すると、変換する電力量も減少させ、さらに需要が減少すると、変換方向を変えて直流バス72の設備内直流電力を蓄電池67の充電電圧に変換して、蓄電池67を充電する。この自律的な制御は蓄電池用直流コンバータ63の制御回路の内部で閉じた制御であるため、太陽光パネル11の発電電力量の急速な変動や、EV用急速充電器などの直流負荷73の急速な電流立ち上がりにも容易に対応できる。また、蓄電池用直流コンバータ63外部への通信、例えばEMS69への通信が不要であるため、シンプルな構成で高速な制御が可能となる。
系統連系インバータ66は、直流バス72を流れる設備内直流電力を低圧交流電力に変換して交流配電線2に供給し、また逆に、交流配電線2を流れる低圧交流電力を設備内直流電力に変換して直流バス72に供給する。系統連系インバータ66の動作、例えば電力変換の方向(すなわち低圧交流電力から設備内直流電力に変換するか、その逆か)や変換する電力量は、EMS69によって制御される。この制御方法の詳細は後述する。
配電トランス61は、電力系統7を流れる高圧交流電力を低圧交流電力に変換して交流配電線2に供給し、また逆に交流配電線2に流れる低圧交流電力を高圧交流電力に変換して電力系統7に出力する。配電トランス61が高圧交流電力から低圧交流電力に変換する電力量(買電電力量)は、系統連系インバータ66が設備内直流電力を低圧交流電力に変換しているときは、各建物10が消費する交流電力量とインバータ66から供給される交流電力量の差分の買電電力量となり、系統連系インバータ66が低圧交流電力を設備内直流電力に変換しているときは、各建物10が消費する交流電力量とインバータ66に供給される交流電力量の合計の買電電力量となる。系統連系インバータ66の変換電力量はEMS69によって制御されるため、配電トランス61の変換電力量も間接的にEMS69によって制御されることになる。買電電力量は、電力量測定装置68によって測定され、通信回線を介してリアルタイムで制御装置69に送信される。
次に、EMS69による系統連系インバータ66の制御方法について、特に、交流配電ネットワーク内の需給バランスを維持する観点から、図2のフローチャート90を参照しながら説明する。EMS69は、通信回線を介して電力量測定装置68から買電電力量のデータを逐次受信し、EMS69内部のタイマが示す時刻とともにメモリに記録する(ステップ91)。記録された過去の買電電力量に基づいて、プロセッサが将来の電力需要を推定し、所定時間単位の買電電力量を推定する(ステップ92)。
電力会社との契約では、毎時0分から30分および30分から60分までの30分単位の買電電力量で契約内容が規定されることが多い。EMS69は、毎時0分および毎時30分からの買電電力量のデータに基づいて、当該時間帯の総買電電力量をリアルタイムで予測する。例えば、9時00分から9時03分までの3分間の買電電力量のデータに基づいて、9時00分から9時30分までの30分間の買電電力量を推定する。また、9時04分には9時00分から9時04分までの4分間の買電電力量のデータに基づいて、9時00分から9時30分までの30分間の買電電力量を推定する。メモリに記録されている前日の同じ時間帯のデータや前年の同時期のデータをさらに加味して、所定の30分間の買電電力量を推定してもよい。
次に、EMS69は、推定された30分間の買電電力量と、予め定められた第1の電力量とを比較する(ステップ93)。第1の電力量は、買電電力量が電力会社との契約電力量を超えないように制御するための閾値となる電力量であるため、契約電力量または契約電力量から所定のマージンを差し引いた電力量に設定することが望ましい。推定買電電力量が第1の電力量を超える場合には、直流バス72を流れる設備内直流電力を低圧交流電力に変換して交流配電線2に供給するよう、系統連系インバータ66を制御する(ステップ94)。変換する電力量は、推定買電電力量と第1の電力量との差分にしたがって決定し、差分が大きくなるほど変換電力量も大きくなるように制御する。変換される直流電力量が太陽光パネル11による発電電力量を超える場合には、設備内直流電力需要の増加により直流バス72の電圧が低下する。その結果、蓄電池用直流コンバータ63は自律的に、蓄電池67を放電して、放電された電力を設備内直流電力に変換して直流バス72に供給し、直流バス72の電圧を維持する。
ここで、蓄電池67を放電し続けると残量が無くなり、交流配電線2への電力供給や直流バス72の電圧を維持できなくなる。そこで、買電電力量に余裕があり、かつ蓄電池67の充電率が小さい場合には、蓄電池67への充電を行う必要がある。具体的には、ステップ93で推定買電電力量が予め定められた第1の電力量以下の場合(すなわち、買電電力量が電力会社との契約電力量を超えるおそれが小さい場合)には、推定買電電力量と、予め定められた第2の電力量との比較を行う(ステップ95)。第2の電力量は、蓄電池67への充電開始の閾値となる買電電力量であるため、電力会社との契約電力量よりも十分に小さな値とすることが望ましい。
推定買電電力量が第2の電力量を下回る場合(すなわち、買電電力量が電力会社との契約電力量に対して余裕がある場合)には、さらに、EMS69が蓄電池67から受信した充電率と、予め定められた所定の充電率とを比較する(ステップ96)。所定の充電率は、充電開始の閾値となる充電率である。所定の充電率が大きすぎると、蓄電池67が充放電を頻繁に繰り返すことになるため、蓄電池67の寿命が短くなってしまう。逆に、所定の充電率が小さすぎると、電力需要の高い状態が続くと蓄電池67に蓄電されている電力が枯渇して、需給バランス調整が維持できなくなってしまう。このため、両者のバランスをとれた値に設定する必要がある。
蓄電池67の充電率が予め定められた電力量を下回る場合(すなわち、蓄電池67の充電が必要な場合)には、交流配電線2を流れる低圧交流電力を、設備内直流電力に変換して直流バス72に供給するよう、系統連系インバータ66を制御する(ステップ97)。直流バス72により設備内直流電力の供給が増えると、直流バス72の電圧が上昇する。その結果、蓄電池用直流コンバータ63は自律的に、設備内直流電力を蓄電池67の充電電力に変換して蓄電池67を充電し、直流バス72の電圧を維持する。EMS69は、蓄電池67の充電によって増加する買電電力量が、推定買電電力量と第2の電力量との差分となるように、系統連系インバータ66を制御する。この制御により、蓄電池67の充電中に買電電力量が第2の電力量を超えることが防止することができ、充電中に電力需要が急上昇する事象が生じたとしても、買電電力量が電力会社との契約電力量を超えるリスクを小さくすることができる。
以上で説明したように、電力供給システム1は、複数の建物10と受変電設備6との間に交流配電線2と直流配電線3とを備え、各建物の太陽光パネル11で発電された直流電力を交流電力に変換せずに直流電力のままで受変電設備6に送り、受変電設備6で交流電力に変換せずに蓄電池67や直流負荷73と直流電力を相互融通することができるため、電力の効率的な利用が可能となる。また、太陽光パネル11の出力をいったん蓄電池67に貯めて他の時間帯に放電させるピークシフト対策として使用する場合でも、直流のまま電力移動ができたため、従来構成よりも変換損失が小さい。
また、直流コンバータはインバータに比べると回路構成がシンプルであり、直流コンバータの自律制御により、インバータやコンバータ間を高速で通信する通信装置や、系統連系のための複雑な制御システムをインバータ・コンバータ装置毎に設ける必要がないため、システム構成をコンパクト化することができる。
さらに、配電トランス、直流コンバータ、蓄電池、インバータなどを、受変電設備6内に配置可能であることから、周囲の景観を損なうことなく、保守点検も容易である。
第2の実施態様
本願発明の第2の実施態様である電力供給システム8の概略構成を図2に示す。重複した説明を避けるため、第1の実施態様の電力供給システム1の構成要素と同様な働きをする構成要素については、同じ参照符号を付して説明を省略する。電力供給システム8は、太陽光パネル用直流コンバータ62、65と直流配電線3、4を、それぞれ複数個ずつ備える点に特徴がある。
第1の実施態様と同様に、道路を挟んで図の上側に4軒、下側に5軒の建物10が並んで造成され、上側の4軒の建物10のすぐ右側には、50平方メートルの共用緑地があり、共用緑地に受変電設備6が配置されて、上下の建物10の間の道路には複数のハンドホール21が配置されている。交流配電線2および直流配電線3、4は、受変電設備6に接続されている。
太陽光パネル11、12は単結晶タイプ、公称最大出力320W、公称開放電圧40.5V、外形寸法1.7m×1mの製品を、9直列したものと7直列したものを用意した。この9直列の太陽光パネル11を9軒の建物10の南側の屋根面13に設置し、7直列した太陽光パネル12を東側の屋根面14に配置した。南面の方が太陽光パネルの枚数が多いのは、建物10の屋根が南面の方が面積が大きかったからである。
ハンドホール21間を、1本の交流配電線2と2本の直流配電線3、4とが延びている。各ハンドホール21から、各建物10に1本の交流引込線22と2本の直流引込線23、24とが敷設されている。各交流引込線22は交流配電線2と各建物10とを接続し、交流配電線2で送電される100V/200Vの低圧交流電力を、交流負荷である各建物10に分配する。直流引込線23は直流配電線3と各建物10の南側の屋根面13に設置された太陽光パネル11をと接続し、太陽光パネル11で発電された配電線直流電力を直流配電線3に供給する。直流引込線24は直流配電線4と各建物10の東側の屋根面14に設置された太陽光パネル12をと接続し、太陽光パネル12で発電された配電線直流電力を直流配電線4に供給する。
受変電設備6には、2台の太陽光パネル用直流コンバータ62、65が設置されている。太陽光パネル用直流コンバータ62の太陽光パネル側の入力に直流配電線3が接続され、太陽光パネル用直流コンバータ65の太陽光パネル側の入力に直流配電線4が接続されている。太陽光パネル用直流コンバータ62、65の他端は、ともに直流バス72に接続されている。太陽光パネル用直流コンバータ62、65は、直流配電線3、4を流れる配電線直流電力を、直流バス72を流れる設備内直流電力に変換する単方向の直流直流コンバータである。2台の太陽光パネル用直流コンバータ62、65は、第1の実施態様と同様に自律的なMPPT制御を行う。配電トランス61、系統連系インバータ66、蓄電池用直流コンバータ63、直流負荷用直流コンバータ64、蓄電池67、電力量測定装置68およびEMS69の構成と動作は、第1の実施態様の電力供給システム1と同様である。
本実施態様の電力供給システム8では、公称最大電力2.88kW(320W×9直列)動作電圧293.4V(32.6V×9)の9並列の太陽光パネル11が太陽光パネル用直流コンバータ62に集線し、残りの公称最大電力2.24kW(320W×7直列)動作電圧228.2V(32.6V×7)の9並列の太陽光パネル12が、太陽光パネル用直流コンバータ65に集線される。
東向きの斜面と南向きの斜面とは、日射エネルギー量が異なる。図6で説明したように、太陽光パネルが最大電力を与える駆動電圧は、日射エネルギー量が減少すると低電圧側に移動する。このため、太陽光パネルを最大出力電力を与える電圧にしたがってグループ分けし、グループ毎に異なる直流配電線3、4に接続して、それぞれ異なる太陽光パネル用直流コンバータ62、65に接続する。太陽光パネル用直流コンバータ62、65は、それぞれのグループに最適な電圧で太陽光パネルを駆動して、対応する直流配電線3、4により送電される配電線直流電力を設備内直流電力に変換する。すなわち、南向きの屋根面13に配置された9つの太陽光パネル11どうしは、日射エネルギー量が近似するため、最大電力を与える駆動電圧も近似する。同様に東向きの屋根面14に配置された9つの太陽光パネル12どうしも、日射エネルギー量が近似するため、最大電力を与える駆動電圧が近似する。よって、南向きの屋根面13に配置された9つの太陽光パネル11のグループと、東向きの屋根面14に配置された9つの太陽光パネル12との2つの群にグループ分けし、前者を直流配電線3に接続して直流コンバータ62で駆動し、後者を直流配電線4に接続して直流コンバータ65で駆動する。このように、太陽光パネルを、最大電力を与える駆動電圧にしたがってグループ分けして駆動することにより、太陽光エネルギーより効率よく直流電力に変換することが可能となる。グループ分けは、本実施態様のように設置された方位による分類に限らず、設置場所、設置角度、太陽光パネルの種類や製品などに基づいて分類してもよい。
第1の実施態様で説明した、1台の太陽光パネル用直流コンバータ62のみで変換を行う電力供給システム1では、直流コンバータ62の出力は定格から求めた値よりも小さく、最大でも40kW程度であったが、本実施態様の電力供給システム8では、太陽光パネルの枚数が同じであるにも関わらず、44kWの出力が観測された。このことから、最大出力電力を与える電圧にしたがって分けられたグループ毎に、太陽光パネル用直流コンバータ62、65を設ける構成の効果が確認された。
第3の実施態様
本願発明の第3の実施態様である電力供給システム9の概略構成を図4に示す。重複した説明を避けるため、第1の実施態様の電力供給システム1や第2の実施態様の電力供給システム8の構成要素と同様な働きをする構成要素については、同じ参照符号を付して説明を省略する。電力供給システム9も、太陽光パネル11,12を最大出力電力を与える電圧にしたがってグループ分けすることや、グループ毎に異なる直流配電線3、4’に接続すること、交流引込線22を介して交流配電線2を流れる低圧交流電流を各建物10に送電すること、交流配電線2および直流配電線3、4’を受変電設備6に接続することなどは、電力供給システム8と共通する。しかしながら、電力供給システム9は、複数の直流配電線3、4’が同一の太陽光パネル用直流コンバータ62に接続されている点が、電力供給システム8と異なる。太陽光パネル用直流コンバータ62は、直流配電線3、4’を流れる配電線直流電力を、直流バス72を流れる設備内直流電力に変換する単方向の直流直流コンバータである。受変電設備6の配電トランス61、系統連系インバータ66、太陽光パネル用直流コンバータ62、蓄電池用直流コンバータ63、直流負荷用直流コンバータ64、蓄電池67、電力量測定装置68およびEMS69の構成と動作は、第1の実施態様と同様である。
太陽光パネル用11、12は、最大出力電力を与える電圧にしたがってグループ分けされる。建物10の南向きの屋根面13に設置された9つの太陽光パネル用11のグループは、直流引込線23を介して直流配電線3に接続され、建物10の東向きの屋根面14に設置された9つの太陽光パネル用12のグループは、直流引込線24を介して直流配電線4’に接続される。2つの直流配電線3、4’は、ともにCVケーブルで構成され、受変電設備6内の同一の太陽光パネル用直流コンバータ62に接続される。
2つの直流配電線3、4’は、太陽光パネルから直流コンバータ62までのケーブル長が異なる。すなわち、直流配電線4’には、電圧降下調整用の冗長なケーブル79が設けられており、直流配電線4’はこのケーブル79の長さの分だけ、直流配電線3よりも電圧降下が大きくなる。すなわち、2つの直流配電線3、4’は、線路損失による電圧降下が互いに異なる。直流配電線4’に接続されている太陽光パネル12は、直流配電線3に接続されている太陽光パネル11よりも最大出力電力を与える電圧が低いが、この最大出力電力を与える駆動電圧の差分と、直流配電線4’の冗長なケーブル79による電圧降下分が等しくなるように、電圧降下調整用ケーブル79のケーブル長を調整する。すると、同一の直流コンバータ62で双方のグループを駆動しても、グループごとに異なる駆動電圧で太陽光パネル11、12を駆動することが可能となる。このため、直流コンバータの数を増やす必要がなく、シンプルな構成で太陽光エネルギーを効率よく電力に変換することが可能となる。
なお、本実施態様では太陽光パネルを2つのグループに分けているが、3つ以上のグループに分けてもよい。この場合には、最大出力電力を与える電圧が最も高い太陽パネルのグループを基準として、その他のグループの最大出力電力を与える電圧との差分に相当する電圧降下が得られるように、各グループに接続された直線配電線の電圧降下調整用ケーブル79の長さを調整する。
以上、本願発明にかかる電力供給システムおよび受変電設備に関する説明を行ったが、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の概念及び特許請求の範囲に含まれるあらゆる態様を含む。例えば、上述した実施態様では、直流負荷としてEV用急速充電器を挙げているが、それ以外の直流負荷でもよい。また、配電線直流電力の電圧を直流送電の上限電圧である750Vまたは750Vに近い電圧とすることによって、送電電力損失を抑えることができ、電力のさらなる効率的な利用が可能となる。この場合、設備内直流電力の電圧は、750V以上であっても、750Vよりも小さくてもよい。このように、配電線直流電力の電圧と設備内直流電力の電圧は、いずれが大きくてもよい。
1、5、8、9 電力供給システム
2 交流配電線
3、4、4’ 直流配電線
6 受変電設備
7 電力系統
10 建物
11、12 太陽光(PV)パネル
13、14 屋根面
21 ハンドホール
22 交流引込線
23、24 直流引込線
26 トランス塔
61 配電トランス
62、63、64、65 直流コンバータ
66、76、77、78 インバータ
67 蓄電池
68 電力量測定装置
69 電力制御装置(EMS)
71 高圧交流電力線
72 直流バス
73 直流負荷(EV用急速充電器)
74 コネクタ
79 電圧降下調整用ケーブル

Claims (6)

  1. 複数の建物のそれぞれに接続された交流引込線に接続され、低圧交流電力を送電する交流配電線と、
    前記複数の建物のそれぞれに設置された太陽光パネルに接続された直流引込線に接続され、配電線直流電力を送電する直流配電線と、
    前記複数の建物の共用緑地に配置された受変電設備と、
    を備え、
    前記交流配電線および前記直流配電線は、地中配電線路であり、
    前記受変電設備は、
    前記低圧交流電力と電力系統の高圧交流電力との変換を行う配電トランスと、
    直流バスと、
    前記配電線直流電力を、前記直流バスを流れる設備内直流電力に変換する第1の直流コンバータと、
    蓄電池と、
    前記設備内直流電力と前記蓄電池の充放電電力との変換を行う第2の直流コンバータと、
    前記低圧交流電力と前記設備内直流電力との変換を行うインバータと、
    を備える、
    電力供給システム。
  2. 前記受変電設備は、
    前記電力系統から前記配電トランスに流れる電力量を測定する電力量測定装置と、
    測定された前記電力量に基づいて、前記インバータが変換を行う電力量を制御する制御装置と、
    をさらに備える、請求項1に記載の電力供給システム。
  3. 前記受変電設備は、前記設備内直流電力を、前記受変電設備の外部に配置された直流負荷に供給する電力に変換する第3の直流コンバータをさらに備える、請求項1または2に記載の電力供給システム。
  4. 複数の第1の直流コンバータと複数の前記直流配電線とを備え、
    前記太陽光パネルは、最大出力電力を与える電圧にしたがってグループ分けされ、グループ毎に複数の前記直流配電線のいずれかに接続され、
    前記複数の第1の直流コンバータのそれぞれは、対応する前記直流配電線により送電される前記配電線直流電力を前記設備内直流電力に変換する、
    請求項1から3までのいずれかに記載の電力供給システム。
  5. 複数の前記直流配電線を備え、
    前記太陽光パネルは、最大出力電力を与える電圧にしたがってグループ分けされ、グループ毎に複数の前記直流配電線のいずれかに接続され、
    前記複数の直流配電線は、線路損失による電圧降下が互いに異なり、
    前記電圧降下の差は、前記直流配電線に接続された前記太陽光パネルの前記最大出力電力を与える電圧の差と等しく、
    複数の前記直流配電線は、同一の前記第1の直流コンバータに接続されている、
    請求項1から3までのいずれかに記載の電力供給システム。
  6. 複数の建物のそれぞれに配電するために地中に配設された交流配電線および直流配電線に接続され、前記複数の建物の共用緑地に配置された受変電設備であって、
    前記交流配電線を流れる低圧交流電力と電力系統の高圧交流電力との変換を行う配電トランスと、
    直流バスと、
    前記直流配電線を流れる配電線直流電力を、前記直流バスを流れる設備内直流電力に変換する第1の直流コンバータと、
    蓄電池と、
    前記設備内直流電力と前記蓄電池の充放電電力との変換を行う第2の直流コンバータと、
    前記低圧交流電力と前記設備内直流電力との変換を行うインバータと、
    を備える、受変電設備。
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