JP7369494B1 - 環境価値評価システム、環境価値評価方法、及び環境価値評価プログラム - Google Patents

環境価値評価システム、環境価値評価方法、及び環境価値評価プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】CO2排出係数の異なる発電設備を複数所有又は契約する電力供給者を対象とした場合にも、当該電力供給者が生み出す環境価値の評価を適切に行うことが可能なシステムを提供する。【解決手段】電力供給者の所在地域に電力を供給する電源群PSGにおける電源種別排出係数データと、電源群PSGにおける電源種別発電電力量データと、電力供給者が所有又は契約する一又は複数の発電設備OFP、ONP別の発電設備排出係数データと、発電設備OFP、ONP別の単位時間毎の発電・消費電力量を示す供給者発電・消費電力量データと、を供給するデータ供給手段1と、これらデータに基づいて、電力供給者の単位発電電力量あたり実効的に削減するCO2の量を示す供給者実効CO2削減係数を算出する処理手段2と、電力供給者と、算出された供給者実効CO2削減係数と、を関連付けて記憶する記憶手段4と、を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、電力需要者や電力供給者等が電力の消費や発電によって創出された二酸化炭素排出量削減価値(環境価値)を算出・評価するための技術に関連する。
近年、持続可能な開発目標(SDGs)の提唱等によって、地球温暖化等の環境問題への関心は以前にも増して高まっている。
こうした状況の中、直接的な環境活動を行うことが困難な者は、Jクレジットや、グリーン電力証書、非化石証書等の二酸化炭素(CO)排出量削減価値を化体化したオフセット証書を利用した、環境価値取引等によって地球温暖化対策に貢献することが可能である。
また、環境価値証書を利用したものに限らず、様々な環境価値取引を支援する技術も種々提案されている。
例えば、特許文献1には、商用電力系統を介することなく、工場で発生した未利用エネルギーの有効活用を促進させると共に、得られた環境価値の取引を活発化させることが可能な環境価値取引システム等が提案されている。
また、本発明者は、特許文献2に示すように、再生可能エネルギーを含む電力の取引で再生可能エネルギーが売れ残った場合に、売れ残った再生可能エネルギーに対する環境価値を有効に活用する電力取引システム等を提案している。
しかし、過去に創出された環境価値オフセット証書を用いて、再エネ電気料金メニューとして電力需要者に提供し、実際に再生可能エネルギーで発電される電気のCO排出量削減価値と同等に評価して取り扱う手法では、例えば夜間などの現実に再生可能エネルギー電源の構成比率が低い時間帯での電力消費を抑制し、再生可能エネルギー電源の構成比率が高い時間帯への電力需要のシフトを促すインセンティブが働きにくかった。
また、現在のオフセット証書取引は、電力需要者の構内に再生可能エネルギーを用いた発電設備を設置し、これを自家消費することによる、自家消費されるCO排出量削減価値は主にJクレジットとして、一方、送配電ネットワーク(電力系統)で流通する再生可能エネルギー電源のCO排出量削減価値は非化石証書として、相互互換がなく別々に取り扱われており、一貫性が担保されず、仕組みも複雑で、一般の理解が得にくかった。
一方で、再生可能エネルギー発電者に対しては、どの時間に発電しても環境価値が同等に取り扱われる手法においては、例えば晴天の昼間に発電が集中してしまう傾向にあり、例えば蓄電池や電気自動車を用いる、夜間にも発電可能な手法を採用するなどして供給が不足する時間帯への電力の提供を促すインセンティブが十分に付与されていない状況があった。
こうした状況に対し、本発明者は、一般の電力需要者が電力消費によって創出し得る環境価値を、統一的な指標を用いて数値化できれば、これを対象とした個人‐個人間、個人‐事業者間も含めて環境価値取引が活性化し、電力需要者のピークシフトや需給逼迫時の消費抑制(デマンドレスポンス)や省エネ行動を促すインセンティブになると考えた。
また、再生可能エネルギーを用いた発電者や低炭素型電源を用いた発電者の(時間帯別)の価値の希少性を統一的な指標を用いて数値化できれば、再エネ電力および低炭素型電源供給の平準化を促すインセンティブになると考えた。
このような背景から、本発明者は、特許文献3に示すように、電力需要者が電力消費によって創出する環境価値の数値化が可能なシステムを提案した。
特開2019‐067250号公報 特開2021‐043669号公報 特許7246659号公報
本発明者による前述の提案により、一般の電力需要者が電力消費によって創出し得る環境価値を数値化することが可能になった。
また、特許文献3において、本発明者は、再生可能エネルギーを利用した発電設備や低炭素型電源を所有する電力供給者が、自家発電によって電力システム全体のCO排出抑制/排出削減に貢献した度合いを数値化することが可能なシステムも提案した。
ここで、同一の電力供給者がCO排出係数の異なる発電設備をオンサイト又はオフサイトで複数所有又は契約する場合が考えられる。
本発明者は、上記のような場合にも、同一の電力供給者が所有・契約する各発電設備のCO排出係数を考慮した上で当該電力供給者が生み出す環境価値を正しく算定することが、再エネ電力および低炭素型電源供給の平準化を促すインセンティブにつながると考えた。
本発明は上記のような課題に基づいてなされたものであり、CO排出係数の異なる発電設備を複数所有又は契約する電力供給者を対象とした場合にも、当該電力供給者が生み出す環境価値の評価を適切に行うことが可能なシステムを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、電力供給者の所在地域に電力を供給する電源群における電源種別の単位発電電力量あたりのCO排出量を示す電源種別排出係数データと、前記電源群における電源種別の単位時間毎の発電電力量を示す電源種別発電電力量データと、前記電力供給者が所有又は契約する一又は複数の発電設備の各々について単位発電電力量あたりのCO排出量を示す発電設備排出係数データと、前記電力供給者が所有又は契約する一又は複数の発電設備別の前記単位時間毎の発電・消費電力量を示す供給者発電・消費電力量データと、を供給するデータ供給手段と、前記電源種別排出係数データと、前記電源種別発電電力量データと、前記発電設備排出係数データと、前記供給者発電・消費電力量データと、に基づいて、前記電力供給者の単位発電電力量あたり実効的に削減するCOの量を示す供給者実効CO削減係数を算出する処理手段と、前記電力供給者と、算出された前記供給者実効CO削減係数と、を関連付けて記憶する記憶手段と、を備える。
本発明の好ましい形態では、前記処理手段は、前記電源種別排出係数データと、前記電源種別発電電力量データと、に基づいて、前記電源群の単位発電電力量あたりのCO排出量を示す電源群排出係数を前記単位時間毎に算出する。
本発明の好ましい形態では、前記処理手段は、前記発電設備排出係数データと、前記電源群排出係数と、に基づいて、前記発電設備の各々が単位発電電力量あたり実効的に削減するCOの量を示す補正排出係数を前記単位時間毎に算出する。
本発明の好ましい形態では、前記処理手段は、前記供給者発電・消費電力量データと、前記補正排出係数と、に基づいて、前記発電設備の各々が前記単位時間あたり実効的に削減するCOの量を示す、発電設備別実効CO削減量を前記単位時間毎に算出する。
本発明の好ましい形態では、前記処理手段は、前記供給者発電・消費電力量データと、前記電力供給者が所有又は契約する前記発電設備の各々に関連付けられた前記発電設備別実効CO削減量の総和と、に基づいて、前記供給者実効CO削減係数を前記単位時間毎に算出する。
本発明の好ましい形態では、前記処理手段は、前記供給者発電・消費電力量データと、所定期間内の前記単位時間毎に算出されて前記電力供給者が所有又は契約する前記発電設備の各々に関連付けられた前記発電設備別実効CO削減量の総和と、に基づいて、前記供給者実効CO削減係数を前記所定期間毎に算出する。
本発明の好ましい形態では、前記供給者発電・消費電力量データに基づいて、前記電力供給者が所定量以上の電力を自家消費する供給需要者であるか否かを判定する判定手段を更に備え、
前記判定手段が、当該電力供給者を前記供給需要者と判定した場合に、
前記処理手段は、当該供給需要者が所有又は契約する一又は複数の前記発電設備の各々で前記単位時間毎に自家消費した電力量を示す発電設備別自家消費電力量と、前記補正排出係数に負数を乗じた値と、に基づいて、当該供給需要者が所有又は契約する前記発電設備の各々が前記単位時間あたり電力の自家消費により排出するCOの量を示す、発電設備別自家CO排出量を前記単位時間毎に算出する。
本発明の好ましい形態では、前記処理手段は、前記供給者発電・消費電力量データに含まれる前記発電設備の各々の発電電力量と、前記発電設備別自家消費電力量と、に基づいて、前記供給需要者の所在地域に電力を供給する電源群の電力を前記発電設備の各々が消費した量を示す発電設備別系統電力消費量を算出し、
前記発電設備別系統電力消費量が正の場合、前記電源群排出係数に基づいて前記補正排出係数を算出し、
前記発電設備別系統電力消費量がゼロ又は負の場合、前記発電設備排出係数データと、前記電源群排出係数に基づいて、前記補正排出係数を算出する。
本発明の好ましい形態では、前記処理手段は、前記発電設備の各々について算出された前記発電設備別自家CO排出量の総和が負の場合に、前記発電設備の各々を所有又は契約する前記供給需要者が電力を自家消費したことによるCO排出の量を示す、供給需要者自家CO排出量として所定の値を算出する。
本発明の好ましい形態では、前記処理手段は、前記発電設備の各々について算出された前記発電設備別自家CO排出量の各値のうち負数を除外した各値に基づいて、前記発電設備の各々を所有又は契約する前記供給需要者が電力を自家消費したことによるCO排出の量を示す、供給需要者自家CO排出量を算出する。
本発明の好ましい形態では、前記処理手段は、前記補正排出係数と、前記発電設備別系統電力消費量と、に基づいて、前記発電設備の各々を所有又は契約する前記供給需要者が系統電力を消費したことによるCO排出の量を示す、供給需要者系統CO排出量を算出する。
本発明の好ましい形態では、前記処理手段は、所定期間内の前記単位時間毎に算出された前記供給需要者系統CO排出量の総和が負の場合、前記供給需要者系統CO排出量として所定の値を算出する。
本発明の好ましい形態では、前記処理手段は、所定期間内の前記単位時間毎に算出された前記供給需要者系統CO排出量の各値のうち負数を除外した各値に基づいて、前記供給需要者系統CO排出量を算出する。
本発明の好ましい形態では、前記処理手段は、前記供給需要者自家CO排出量と、前記供給需要者系統CO排出量と、に基づいて、供給需要者実効CO排出量を算出し、
前記発電設備別系統電力消費量がゼロでない場合に、前記供給需要者実効CO排出量と、前記電源群排出係数と、前記発電設備別系統電力消費量と、に基づいて、レバレッジを更に算出し、
前記レバレッジと、前記供給需要者実効CO排出量とに基づいて、レバレッジ調整後供給需要者実効CO削減量を更に算出する。
また、本発明は、電力供給者の所在地域に電力を供給する電源群における電源種別の単位発電電力量あたりのCO排出量を示す電源種別排出係数データと、前記電源群における電源種別の単位時間毎の発電電力量を示す電源種別発電電力量データと、前記電力供給者が所有又は契約する一又は複数の発電設備の各々について単位発電電力量あたりのCO排出量を示す発電設備排出係数データと、前記電力供給者が所有又は契約する一又は複数の発電設備別の前記単位時間毎の発電・消費電力量を示す供給者発電・消費電力量データと、を供給するデータ供給ステップと、前記電源種別排出係数データと、前記電源種別発電電力量データと、前記発電設備排出係数データと、前記供給者発電・消費電力量データと、に基づいて、前記電力供給者の単位発電電力量あたり実効的に削減するCOの量を示す供給者実効CO削減係数を算出する処理ステップと、前記電力供給者と、算出された前記供給者実効CO削減係数と、を関連付けて記憶する記憶ステップと、をコンピュータに実行させる。
また、本発明は、一又は複数のコンピュータを、電力供給者の所在地域に電力を供給する電源群における電源種別の単位発電電力量あたりのCO排出量を示す電源種別排出係数データと、前記電源群における電源種別の単位時間毎の発電電力量を示す電源種別発電電力量データと、前記電力供給者が所有又は契約する一又は複数の発電設備の各々について単位発電電力量あたりのCO排出量を示す発電設備排出係数データと、前記電力供給者が所有又は契約する一又は複数の発電設備別の前記単位時間毎の発電・消費電力量を示す供給者発電・消費電力量データと、を供給するデータ供給手段と、前記電源種別排出係数データと、前記電源種別発電電力量データと、前記発電設備排出係数データと、前記供給者発電・消費電力量データと、に基づいて、前記電力供給者の単位発電電力量あたり実効的に削減するCOの量を示す供給者実効CO削減係数を算出する処理手段と、前記電力供給者と、算出された前記供給者実効CO削減係数と、を関連付けて記憶する記憶手段と、として機能させる。
本発明によれば、CO排出係数の異なる発電設備を複数所有又は契約する電力供給者を対象とした場合にも、当該電力供給者が生み出す環境価値の評価を適切に行うことが可能なシステムが提供される。
本発明の実施形態に係る環境価値評価システムが接続されるネットワーク構成の例を示す図である。 本発明の実施形態に係る環境価値評価システムの構成を示す図である。 本発明の実施形態に係る電源種別発電電力量データの例を示す図である。 本発明の実施形態に係る供給者発電・消費電力量データの例を示す図である。 本発明の実施形態に係る電源群排出係数算出処理の例を示すフローチャートである。 本発明の実施形態に係る電源群排出係数算出処理の過程で生じるデータの例を示す図である。 本発明の実施形態に係る供給者実効CO削減係数算出処理の例を示すフローチャートである。 本発明の実施形態に係る供給者実効CO削減係数算出処理の過程で生じ得るデータの例を示す図である。 本発明の実施形態に係る供給需要者処理の例を示すフローチャートである。 本発明の実施形態に係る供給需要者処理の過程で生じ得るデータの例を示す図である。
以下、図1~図10を用いて、本発明の実施形態に係る環境価値評価システムについて説明する。なお、以下に示す実施形態は本発明の一例であり、本発明を以下の実施形態に限定するものではなく、他の様々な構成を採用することもできる。
また、以下の説明では、再生可能エネルギーを「再エネ」と記載する。なお、「再エネ」は低炭素型電源を含むこととする。
例えば、本実施形態では環境価値評価システムの構成、動作等について説明するが、同様の構成の方法、装置、コンピュータプログラム等も、同様の作用効果を奏することができる。また、プログラムは、記録媒体に記憶させてもよい。この記録媒体を用いれば、例えばコンピュータにプログラムをインストールすることができる。ここで、プログラムを記憶した記録媒体は、例えばCD-ROM等の非一過性の記録媒体であってもよい。
図1は、環境価値評価システムXが接続されるネットワークの構成の例を示す図である。なお、各構成要素を結ぶ一点鎖線は送配電の流れを、各構成要素を結ぶ点線は信号やデータの流れを、それぞれ示している。
ここで、点線で示される信号やデータの流れは、有線/無線を問わない。
また、いくつかの構成要素について、図示された以外の同種の構成要素が複数存在し得ることを、図中…で示している。
送配電ネットワークPNW1、PNW2は、それぞれ所定の地域に存在する発電所、電力需要者、電力供給者間を相互に結ぶネットワークである。
例えば日本では、北海道、東北、東京、中部、北陸、関西、中国、四国、九州、沖縄のように、所管する送配電事業者が異なる地域に存在する送配電ネットワークを、PNW1、PNW2、…のように区分することが可能である。
なお、場合によっては、送配電ネットワークが上記とは異なる区分にて再定義されてもよい。
また、PNW1、PNW2、以外の送配電ネットワークが存在してもよい。
送配電ネットワークPNW1は、火力発電所PS1、揚水発電所PS2、原子力発電所PS3、再エネ発電所PS4等の各種電源を有する電源群PSGと接続され、各電源で発電された電力を送配電する。
なお、電源群PSGは、上記PS1~PS4以外の電源を有していてもよい。
再エネ発電所PS4は、発電に伴うCO排出の無い(又は少ない)発電を行うことが可能な電源を指し、具体的には、太陽光、風力、バイオマス、水力等により創出されるエネルギーを用いて発電を行う発電所のことを指す。なお、再エネ発電を蓄電池や電気自動車等に貯蔵して放出する機能や、再エネ発電所からの電力により揚水した水力エネルギーを用いた揚水発電所も、その全てまたは一部を再エネ発電所に含めてもよい。
送配電ネットワークPNW1は、他の送配電ネットワークPNW2等と連係線でつながっており、互いに電力を融通し合うことも可能である。
電力供給者は、オンサイト電源ONPや、オフサイト電源OFP等、自身が所有又は契約する発電設備で作られた電力を送配電ネットワークPNW1に供給する。例えば、電力供給者S1は、オンサイト電源ONPとしてバイオマス発電や、オフサイト電源OFPとして、小規模火力発電所や太陽光発電設備等を所有又は契約し、主として発電と売電を行う中小規模の電力事業者が想定される。また、電力供給者S2は、オンサイト電源ONPとして家庭用ソーラーパネル等を所有し、オフサイト電源OFPとして地域の水力発電所や地熱発電所と契約する、消費者家庭や、企業体が想定される。なお、電力供給者S2は、日常生活や事業活動等で一定量以上の電力を消費する電力需要者でもあることが想定され、再エネ発電設備を利用した自家発電と自家消費を行う供給需要者であるといえる。
また、電力供給者S2は、オンサイト電源ONPにより自家発電した電力を自家消費してもなお余剰となる分を、送配電ネットワークPNW1に戻してやる(逆潮流により売電する)こともできる。
上記のようにして、送配電ネットワークPNW1を介して電力供給者S1、S2や、その他電力供給者も含む、電力需要者及び電力供給者の間で送配電が行われる。
なお、電力需要者及び電力供給者は、上記S1、S2以外にも多数存在してよい。
上記した発電・電力消費等の状況は、スマートメータSM1、SM2や電力供給者構内に設置されるHEMS(Home Energy Management System)機器Hやパワーコンディショナーを用いた計測機器等により、一定時間毎(例えば、30分毎、60分毎等)に通信ネットワークDNWに送信され、データベースDB1に格納される。
データベースDB1は、例えば、小売電気事業者等が管理するデータベースであり、各電力供給者が所有又は契約する発電設備の各々について単位時間毎の発電電力量・消費電力量を含むデータを各電力供給者のID等に関連付けて格納している。
また、先に述べた電源群PSGにおける各種電源PS1~PS4等においては、一定の時間毎(例えば、30分毎、60分毎等)に、発電実績や放充電実績、電力連係記録が通信ネットワークDNWに送信され、データベースDB2に格納される。
データベースDB2は、例えば、送配電事業者等が管理するデータベースであり、電源種別の単位時間毎の発電電力量を含むデータを格納している。
通信ネットワークDNWは、上記したデータベースDB1、DB2の他にも様々な関係機関のデータベースにアクセス可能にすることができる。
例えば、電力広域的運営推進機関(OCCTO)のデータベースや、日本卸電力取引所(JEPX)のデータベース等に任意でアクセス可能にされ得る。
通信ネットワークDNWには、端末D1~D4等を含む端末群DGが接続されており、これに含まれる端末D1~D4等は、単独で、又は複数で協働して、環境価値評価システムXを構成することができる。
即ち、端末D1~D4等は、単独で、又は複数で協働して、後述するデータ供給手段1、処理手段2、判定手段3、記憶手段4の各要素を構成することができる。
端末群DGに含まれる端末D1~D4等は、パーソナルコンピュータ、サーバコンピュータ、スマートフォン、タブレット等の任意のコンピュータ装置であり得る。また、端末群DGに含まれる端末D1~D4等は、それらの物理的な配置を限定されず、複数箇所に分散的に配置されていても、一箇所に集中的に配置されていてもよい。
図2に示すように、環境価値評価システムXは、データ供給手段1と、処理手段2と、判定手段3と、を備える。また、記憶手段4を更に備えていてもよい。
データ供給手段1と、処理手段2と、判定手段3と、記憶手段4と、のそれぞれについて、CPU(Central Processing Unit)やGPU(Graphics Processing Unit)等の演算装置、RAM(Random Access Memory)等の主記憶装置、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリ等の補助記憶装置、ネットワークへの接続手段を含む種々の入出力装置等を備えた、任意のコンピュータ装置(パーソナルコンピュータ、サーバコンピュータ、スマートフォン、タブレット等)やその構成要素を適宜利用することができる。
データ供給手段1は、通信ネットワークDNWを利用して、電力供給者の所在地域に電力を供給する電源群における電源種別の単位発電電力量あたりのCO排出量を示す電源種別排出係数データと、電源群における電源種別の単位時間毎の発電電力量を示す電源種別発電電力量データと、電力供給者が所有又は契約する一又は複数の発電設備の各々について単位発電電力量あたりのCO排出量を示す発電設備排出係数データと、電力供給者が所有又は契約する一又は複数の発電設備別の前記単位時間毎の発電電力量・消費電力量を含む供給者発電・消費電力量データと、を含む種々のデータを環境価値評価システムXに供給する。
なお、データ供給手段1が行う「データの供給」の処理は、ネットワーク上における所望のデータの収集、所望のデータの予測推定・算出、ユーザによる入力受付、記憶された所定値の参照等、を包含する。
処理手段2は、電源種別排出係数データと、電源種別発電電力量データと、前記発電設備排出係数データと、供給者発電・消費電力量データと、に基づいて、電力供給者の単位発電電力量あたり実効的に削減するCOの量を示す供給者実効CO削減係数を算出する他、種々の演算処理を行う。
判定手段3は、電力供給者が、再エネ発電設備を利用した自家発電及び電力の自家消費を行う供給需要者であるかどうか、を判定する。この判定は、各電力供給者のID等に関連付けられた供給需要者を示すラベルや、各電力供給者の発電・売買電記録、各電力供給者の発電・消費電力量データ(消費電力量が正の時間帯がある、など)等に基づいて行われ得る。
記憶手段4は、データ供給手段1によって供給されたデータや、処理手段2による処理結果等を記憶しておくことができる。
図3は、電源種別発電電力量データの例を示す図である。
図3に示すように、電源種別発電電力量データは、少なくとも、列CL1に示す日付と、列CL2に示す時間帯と、に関連付けて、列CL3~列CL10に示す各日の各時間帯における電源種別発電電力量を、データとして保持している。
例えば、図3の例では、2022年4月1日の11時台において、火力発電が2392万kWh、水力発電が128万kWh、バイオマス発電が36万kWh、太陽光発電が806万kWh、風力発電が18万kWh行われたことがデータから読み取られる。
図1の例に戻れば、電源群PSGにおける各種電源PS1~PS4等において、一定時間毎の電源種別の発電実績が通信ネットワークDNWに送信、電源群PSGを所管する送配電事業者データベースDB2に随時格納されるため、データ供給手段1は、通信ネットワークDNWを介したAPI連携やCSVファイル移送等の任意の方法で、このような電源種別発電電力量データを収集することができる。
図4は、供給者発電・消費電力量データの一例を示す図である。
図4に示すように、供給者発電・消費電力量データは、少なくとも、行RW1に示す供給者IDと、行RW2に示す日時と、当該時間帯及び行RW3~RW5に示す発電設備の各々に関連付けて、列CL11に示す電源群排出係数、列CL12に示す発電設備排出係数、列CL13に示す発電電力量、列CL14に示す自家消費電力量を、データとして保持している。
例えば、図4の例では、供給者IDが001の電力供給者が、所有又は契約している発電設備PSaについて、2023年4月1日の8時台に200kWhの電力を発電しつつ、200kWhの電力を自家消費しており、その際の発電設備排出係数が0.8kg‐CO/kWh、電源群排出係数が0.6kg‐CO/kWh、であることが示されている。
また、図4に示すように、同様のデータは一定の時間毎(例えば、一時間毎)に記録、蓄積される。
図1の例に戻れば、電力供給者S1の、一定時間毎の電力供給・消費状況は、スマートメータSM1により、一定の時間毎に通信ネットワークDNWに送信され、データベースDB1に随時格納される。これは、電力供給者S2やその他の電力供給者、電力需要者においても同様である。
そのため、データ供給手段1は、通信ネットワークDNWを介してAPI連携やCSVファイル移送等の任意の方法で、各電力供給者に関連付けられた供給者発電・消費電力量データを収集することができる。
以下、図5~図10を用いて、環境価値評価システムXで行われる具体的な処理を説明する。
なお、以下に示すフローチャートの各処理フローは、その機能や結果を損なわない限り、順序の変更、統合、分割が適宜可能である。
また、処理の過程で算出された値は、適宜記憶手段4に記憶させ、以降の処理に用いることができる。
<<電源群排出係数の算出>>
まず、図5に示す、電源群排出係数算出処理について説明する。
図5に示すように、まず処理手段2は、データ供給手段1に対して必要なデータを要求し、参照する(ステップS11)。ここでは、少なくとも電源種別発電電力量データ(図3に例示)と、電源種別排出係数データが要求、参照される。
電源種別排出係数データは、各電源種の単位発電量あたりのCO排出量を示すものであり、通常大きな変動はないデータである。そこで本実施例では、図6のように火力0.8(kg‐CO/kWh、以下単位省略)、水力0、バイオマス0、太陽光0、風力0とした所定値を利用する。
なお、電源種別排出係数データとしては、上記のような所定値に限らず、推定値や実測値、算出値等も、電力貯蔵機能を活用した放充電量や発電時のみならず製造・廃棄を含めたライフサイクル全体でのデータを含めて当然用いることができる。また、揚水発電の排出係数や、他のネットワークからの融通電力の排出係数についても、推定値や実測値、算出値等も当然用いることができる。
また、同一電源種でも発電方式や燃料等発電所毎に排出係数は異なっており、電源種を細分化してそれぞれに係数を設定してもよい。
次に、処理手段2は、電源種別発電電力量データに基づいて、電源群(時間帯別)合計発電電力量を算出する(ステップS12)。
なお、この時、電力需要者が需要場所構内に設置する太陽光発電等の発電システムからの発電電力量を含めてもよい。
具体的に、図6を例にすると、2022年4月1日の0時台において、火力発電が2065万kWh、水力発電が133万kWh、バイオマス発電が37万kWh、風力発電が17万kWh行われている。
そうすると、2022年4月1日の0時台において、電源群(時間帯別)合計発電電力量は、下式で算出される。
処理手段2は、同様にして、各日、各時間帯における電源群(時間帯別)合計発電電力量を、一定の期間(一日、一月、一年等)分算出する(図6、列CL21)。
なお、本実施例では、算出期間を一日と指定している。
次に、処理手段2は、電源種別排出係数データと、電源種別発電電力量データとに基づいて、電源群(時間帯別)CO排出量を算出する(ステップS13)。
電源群(時間帯別)CO排出量は、電源種別の排出係数と電源種別発電電力量との積を各電源種別に求めた後、それらの総和から算出される。
具体的に、図6を例にすると、2022年4月1日の0時台において、火力発電が2065万kWh、水力発電が133万kWh、バイオマス発電が37万kWh、風力発電が17万kWh行われている。
そうすると、火力0.8(kg‐CO/kWh、以下単位省略)、水力0、バイオマス0、太陽光0、風力0とした電源種別排出係数からは、2022年4月1日の0時台において、電源群(時間帯別)CO排出量は、下式で算出される。
処理手段2は、同様にして、各日、各時間帯における電源群(時間帯別)CO排出量を、一定の期間(一日、一月、一年等)分算出する(図6、列CL22)。
なお、本実施例では、算出期間を一日としている。
次に、処理手段2は、電源群(時間帯別)合計発電電力量と、電源群(時間帯別)CO排出量とに基づいて、電源群(時間帯別)排出係数を算出する(ステップS14)。
電源群(時間帯別)排出係数は、電源群(時間帯別)CO排出量を電源群(時間帯別)合計発電電力量で割ることで算出される。
具体的に、図6を例にすると、2022年4月1日の0時台において、電源群(時間帯別)CO排出量は1652万kg、電源群(時間帯別)合計発電電力量は2252万kWhと算出されている。
そうすると、2022年4月1日の0時台において、電源群(時間帯別)排出係数は、下式で算出される。
処理手段2は、同様にして、各日、各時間帯における電源群(時間帯別)排出係数を、一定の期間(一日、一月、一年等)分算出してよい(図6、列CL23)。
このように算出された電源群排出係数は、記憶手段4により記憶され、以下で説明する供給者実効CO削減係数の算出に用いることもできる。
<<供給者実効CO削減係数の算出>>
同じ再エネ発電所でも、電力システム全体の再エネ電源比率拡大への貢献度は異なる。例えば、九州地域では、電力需要が相対的に少ない春・秋の晴天週末の日中時間帯に、大量に導入された太陽光発電により需要を大幅に超過する発電がなされ、電気は基本的には貯蔵が難しい性格上、また再エネ発電の低い負荷追従能力(柔軟性)等の問題から出力抑制により発電を止めてしまうケースがみられる。
あるいは、極端な場合、火力発電などの化石燃料を用いるなどしてCOを排出する電源が全て停止され、送配電ネットワーク・系統システムに流入する電力は再エネ電源だけとなり、ネットワーク全体のCO排出係数がゼロになるということもありうる。
このようなケースでは、追加的に太陽光発電所を新設したとしても、その電力送配電ネットワーク・系統システムにおける新規発電1kWhあたりのCO排出削減量の追加はゼロ又は極端に小さくなる。すなわち、新規に運転を開始する再エネ発電所での発電量1kWh当たりの電力システム全体の再エネ電源比率向上への寄与度は、ネットワーク全体でのCO排出係数が小さいほど相対的に減少する傾向がある。
一方で、例えば太陽光発電がなされない夜間においては、化石燃料発電の比率が高まり、それに応じて送配電ネットワークの排出係数も高まる傾向がある。こうした時間帯での再エネ電源の希少価値は高まる。
このようなケースでは、送配電ネットワークの排出係数が大きいほど、再エネ発電所での発電量1kWh当たりの電力システム全体の再エネ電源比率向上への寄与度は、その希少性ゆえに増加する傾向がある。
なお、同様のことは、排出係数がゼロとなり得る再エネに限らず、例えばコンバインドサイクルLNG火力発電などの、排出係数が標準に比して低い、低炭素型発電者にも当てはまる。ある電力供給者の排出係数が、ある時間帯電源群排出係数を下回るならば、その電力供給者は電力システム全体のCO排出削減に貢献しているとの解釈も可能である。
しかしながら、一般に再エネ電力(低炭素型電源電力を含む。以下同じ。)の価値は時間帯に関わらず同一と評価されており、それゆえに再エネ電源構成比率の低い時間帯に再エネ発電を行う、再エネで発電された電力を蓄電池等に充電して需給逼迫時に放電する、などの時間シフトの希少性価値が埋没し、時間帯に関わらず再エネ電力比率を向上・平準化・底上げさせるインセンティブが十分に付与されていない。
こうした状況に鑑み、時間帯別の排出係数が大きいときは再エネ需要が相対的に高い時と判断して、発電した再エネの価値を高く評価する一方で、時間帯別の排出係数が小さいときは再エネ需要が相対的に低い時と判断して、その時間帯別の希少性を加味した再エネの評価を行う方法を以下に提案する。
<排出係数の異なる発電設備を複数所有又は契約する電力供給者>
同一の電力供給者が排出係数の異なる発電設備をオンサイト又はオフサイトで複数所有又は契約する場合が想定される。
この場合の、当該電力供給者の供給者(時間帯別)実効CO削減量、供給者(期間)実効CO削減量、供給者(時間帯別)実効CO削減係数、供給者(期間)実効CO削減係数(再エネ希少性係数)の算出方法を、以下で説明する。
図7、図8は、発電設備PSa~PScを所有又は契約する電力供給者について、各発電設備の発電設備排出係数に基づいて、供給者(時間帯別)実効CO削減量を算出する一例である。
図7に示すように、まず処理手段2は、データ供給手段1に対して必要なデータを要求し、参照する(ステップS21)。ここでは、少なくとも電源種別発電電力量データ(図3に例示)と、電源種別排出係数データと、供給者発電・消費電力量データ(図4に例示)と、発電設備排出係数データと、が要求、参照される。
発電設備排出係数データは、各発電設備の単位発電量あたりのCO排出量を示すものであり、通常大きな変動はないデータである。そこで本実施例では、図8に示すように発電設備PSaについて0.8(kg‐CO/kWh、以下単位省略)、発電設備PSbについて0.2、発電設備PScについて0とした所定値を、発電設備排出係数データとする。
なお、発電設備排出係数データとしては、上記のような所定値に限らず、推定値や実測値、算出値等も当然用いることができる。例えば、図5に示した電源群(時間帯別)排出係数の算出と同様に、各発電設備の発電電力量及びCO排出量に基づいて、時間帯別、期間別の発電設備排出係数を各発電設備について算出することもできる。
次に、判定手段3は、供給者発電・消費電力量データに基づいて、電力供給者が、所定量以上の電力を自家消費する供給需要者であるか否かを判定する(ステップS22)。
ここで当該電力供給者が供給需要者であると判定された場合(S22でY)、供給需要者処理(ステップS30)へと進む。供給需要者処理の詳細は後述する。
ここで当該電力供給者が供給需要者でないと判定された場合(S22でN)、ステップS23へと進む。
次に、処理手段2は、電源群(時間帯別)排出係数及び発電設備排出係数に基づいて、補正排出係数を算出する(ステップS23)。
具体的に、発電がなされる各時間帯における、電源群(時間帯別)排出係数から単位時間毎の各発電設備の発電設備排出係数を差し引くことで、単位時間毎の各発電設備における補正排出係数を算出する。なお、この値はゼロまたはマイナスになることがあり得る。
図8を例にすると、2023年4月1日8時台において、供給者ID001の電力供給者が所有又は契約している、発電設備PSaの補正排出係数は-0.2(kg‐CO/kWh、以下単位省略)、発電設備PSbの補正排出係数は0.4、発電設備PScの補正排出係数は0.6と算出される。
各発電設備に対応する補正排出係数を算出することで、各発電設備の単位発電電力量あたりのCO排出削減効果を明確化し、各発電設備が生み出す環境価値を示すことができる。
次に、処理手段2は、供給者発電・消費電力量データに含まれる発電設備別発電電力量と、補正排出係数と、に基づいて、発電設備の各々が単位時間あたり実効的に削減するCOの量を示す、発電設備別(時間帯別)実効CO削減量を算出する(ステップS24)。
具体的に、発電がなされる各時間帯における、発電設備別発電電力量と、補正排出係数と、を乗じて、当該時間における発電設備別実効CO削減量を算出する。
図8を例にすると、2023年4月1日8時台において、供給者ID001の電力供給者が所有又は契約している、発電設備PSaの発電設備別(時間帯別)実効CO削減量は-40(kg‐CO、以下単位省略)、発電設備PSbの発電設備別(時間帯別)実効CO削減量は120、発電設備PScの発電設備別(時間帯別)実効CO削減量は360と算出される。
各発電設備に対応する実効CO削減量を算出することで、各発電設備がその発電により実効的に削減した、電力系統の電源群における発電によって排出され得たCOの量を明確化し、各発電設備が生み出す環境価値を示すことができる。
次に、処理手段2は、供給者発電・消費電力量データに含まれる発電設備別(時間帯別)発電電力量の総和と、電力供給者が所有又は契約する発電設備の各々に関連付けられた発電設備別(時間帯別)実効CO削減量(供給者(時間帯別)実効CO削減量)の総和と、に基づいて、供給者(時間帯別)実効CO削減係数を算出する(ステップS25、S26)。
即ち、電力供給者が所有又は契約する全ての発電設備の当該時間帯の発電設備別実効CO削減量を足し合わせて、当該供給者の供給者(時間帯別)実効CO削減量が算出される。供給者(時間帯別)実効CO削減量を当該供給者の全ての発電設備による発電電力量の和で除すことにより、供給者(時間帯別)実効CO削減係数を算出する。
図8を例にすると、2023年4月1日8時台において、供給者ID001の電力供給者の供給者(時間帯別)実効CO削減係数は下式のように算出される。
同様にして、処理手段2は、各時間帯において供給者(時間帯別)実効CO削減係数を算出することが可能である(図8参照)。
例えば、2023年4月1日14時台において、供給者ID001の電力供給者の供給者(時間帯別)実効CO削減係数は-0.035(kg‐CO/kWh)と算出される。
また、一定期間内の各時間帯における供給者(時間帯別)実効CO削減量の総和を、供給者(期間)実効CO削減量とし、供給者(期間)実効CO削減量を全ての時間帯における全ての発電設備による発電電力量の和で除すことにより、供給者(期間)実効CO削減係数を算出してもよい。
図8を例に、供給者ID001の電力供給者について、2023年4月1日8時台と14時台以外の各時間帯における供給者(時間帯別)実効CO削減量の総和や全ての発電設備による発電電力量の総和が仮に0であるとした場合に、2023年4月1日の供給者(期間)実効CO削減係数は、下式のように算出される。
上記のようにすることで、CO排出係数の異なる発電設備を複数所有又は契約する電力供給者を対象とした場合にも、任意の時間帯や期間に当該電力供給者が生み出す環境価値を供給者実効CO削減量や供給者実効CO削減係数の形式で算出し、適切に評価することができる。
<供給需要者処理>
次に、図9、図10を用いて、図7のステップS30に示した供給需要者処理について説明する。
排出係数の異なる発電設備をオンサイト又はオフサイトで複数所有又は契約する同一の電力供給者が、所定量以上の電力を自家消費する供給需要者である場合が想定される。この場合にも、(レバレッジ調整後)供給需要者実効CO削減量、(レバレッジ調整後)供給需要者実効CO削減係数の形式で算出され得る。
図9、図10は、発電設備PSd~PSfを所有又は契約し、所定量以上の電力を自家消費する供給需要者について、各発電設備の発電設備排出係数に基づいて、レバレッジ、レバレッジ調整後供給需要者実効CO削減量、レバレッジ調整後供給需要者実効CO削減係数を算出する供給需要者処理の一例である。
なお、処理手段2は、供給需要者処理S30よりも前のステップS21において、データ供給手段1に対して必要なデータを要求し、参照している。ここでは、少なくとも電源種別発電電力量データ(図3に例示)と、電源種別排出係数データと、供給者発電・消費電力量データ(図4に例示)と、発電設備排出係数データと、が要求、参照されている。
図9に示すように、供給需要者処理S30において、まず処理手段2は、供給者発電・消費電力量データに含まれる発電設備別発電電力量及び発電設備別自家消費電力量に基づいて、各発電設備における系統電力消費量を算出する(ステップS31)。
具体的に、発電がなされる各時間帯における、発電設備別発電電力量から自家消費電力量を減算した差に負数(-1)を乗じることで、単位時間毎の発電設備別系統電力消費量を算出する。なお、この値はゼロ以下になることがあり得、その場合はその絶対値分の電力を電力系統に供給したことを示す。
図10を例にすると、2023年4月1日8時台において、供給者ID002の供給需要者が所有又は契約している、発電設備PSdの系統電力消費量は-200(kWh、以下単位省略)、発電設備PSeの系統電力消費量は-100、発電設備PSfの系統電力消費量は-200と算出される。
次に、処理手段2は、電源群(時間帯別)排出係数及び発電設備排出係数に基づいて、補正排出係数を算出する(ステップS32)。ここで、補正排出係数は、その時間帯の各発電設備における系統電力消費量の正負に応じてその算出方法が異なる。
具体的に、系統電力消費量がゼロ以下の場合には、発電がなされる各時間帯における、電源群(時間帯別)排出係数から単位時間毎の各発電設備の発電設備排出係数を差し引くことで、単位時間毎の各発電設備における補正排出係数を算出する。なお、この値はゼロまたはマイナスになることがあり得る。
図10を例にすると、2023年4月1日8時台において、供給者ID002の供給需要者が所有又は契約している、発電設備PSdの補正排出係数は-0.2(kg‐CO/kWh、以下単位省略)、発電設備PSeの補正排出係数は0.4、発電設備PSfの補正排出係数は0.6と算出される。
また、系統電力消費量が正の場合には、発電がなされる各時間帯における、系統電力消費量については電源群(時間帯別)排出係数を補正排出係数とみなす。系統電力消費量以外については、各発電設備における補正排出係数を算出する。
このように、各発電設備の系統電力消費量の正負に応じて、異なる方法で補正排出係数を算出することで、各発電設備の系統電力消費量(又は系統電力への電力供給量)に基づいて、各発電設備が生み出す環境価値を明確にすることができる。
次に、処理手段2は、補正排出係数と、供給者発電・消費電力量データに含まれる自家消費電力量に基づいて、供給需要者自家CO排出量を算出する(ステップS33)。
具体的に、補正排出係数に、各時間帯における、各発電設備の自家消費電力量及び負数(-1)を乗じて、当該時間における各発電設備による電力の自家消費による発電設備別自家CO排出量を算出し、その全発電設備の値を足し合わせて、当該供給需要者の電力の自家消費による供給需要者(時間帯別)自家CO排出量を算出する。
図10を例にすると、2023年4月1日8時台において、供給者ID002の供給需要者が所有又は契約している、発電設備PSdの自家CO排出量は40(kg‐CO、以下単位省略)、発電設備PSeの自家CO排出量は-80、発電設備PSfの自家CO排出量は-240と算出され、これらの総和から、当該供給需要者の電力の自家消費による供給需要者(時間帯別)自家CO排出量は-280と算出される。
なお、供給需要者(時間帯別)自家CO排出量の値が負であれば、これを所定値(ゼロ)とみなしてもよい。これは、再エネ電源や低炭素電源を供給需要者が自家消費することにより創出されるCO排出量削減価値は、自らの電力消費によって相殺するという考え方によるものである。当然のことながら、自家CO排出量の値を所定値(ゼロ)とみなさなくてもよい。この場合は、再エネ電源や低炭素電源を供給需要者が自家消費することにより創出されるCO排出量削減価値は、自らの電力消費によって相殺されないという考え方によるものである。
図10を例にすると、2023年4月1日8時台において、供給者ID002の供給需要者の電力の自家消費による供給需要者(時間帯別)自家CO排出量は-280と算出されるため、この値を所定値(ゼロ)とみなしてもよい。
また、各発電設備における電力の自家消費による(時間帯別)自家CO排出量の値のうち負のものをゼロとみなし、正の値のみを足し合わせて、当該供給需要者の電力の自家消費による供給需要者(時間帯別)CO排出量としてもよい。
図10を例にすると、2023年4月1日8時台において、供給者ID002の供給需要者が所有又は契約している、発電設備PSdの自家CO排出量は40(kg‐CO、以下単位省略)、発電設備PSeの自家CO排出量は-80、発電設備PSfの自家CO排出量は-240と算出される。
そうすると、当該供給需要者の電力の自家消費による供給需要者(時間帯別)自家CO排出量は、正の値である発電設備PSdの自家CO排出量のみを算入し40と算出してもよい。
次に、処理手段2は、補正排出係数と、各発電設備における系統電力消費量とに基づいて、当該供給需要者の系統電力の消費による供給需要者系統CO排出量を算出する(ステップS34)。
具体的に、補正排出係数に、各時間帯における、各発電設備の系統電力消費量を乗じて、当該時間における各発電設備の系統電力消費による発電設備別(時間帯別)系統CO排出量を算出し、その全発電設備の値を足し合わせて、当該供給需要者の系統電力消費による供給需要者(時間帯別)系統CO排出量を算出する。
図10を例にすると、2023年4月1日8時台において、供給者ID002の供給需要者が所有又は契約している、発電設備PSdの系統CO排出量は40(kg‐CO、以下単位省略)、発電設備PSeの系統CO排出量は-40、発電設備PSfの系統CO排出量は-120と算出され、これらの総和から、当該供給需要者の電力の自家消費による供給需要者(時間帯別)系統CO排出量は-120と算出される。
なお、供給需要者(時間帯別)系統CO排出量の値が負であれば、これを所定値とみなしてもよい。
図10を例にすると、2023年4月1日8時台において、供給者ID002の供給需要者の系統電力の消費による供給需要者(時間帯別)系統CO排出量は-120と算出されるため、この値を所定値(ゼロ)とみなしてもよい。
また、各発電設備における系統電力の消費による発電設備別(時間帯別)系統CO排出量の値のうち負のものをゼロとみなし、正の値のみを足し合わせて、当該供給需要者の系統電力消費による供給需要者(時間帯別)系統CO排出量としてもよい。
図10を例にすると、2023年4月1日8時台において、供給者ID002の供給需要者が所有又は契約している、発電設備PSdの系統CO排出量は40(kg‐CO、以下単位省略)、発電設備PSeの系統CO排出量は-40、発電設備PSfの系統CO排出量は-120と算出される。
そうすると、当該供給需要者の電力の自家消費による供給需要者(時間帯別)自家CO排出量は、正の値である発電設備PSdの系統CO排出量のみを算入し40と算出してもよい。
次に、処理手段2は、供給需要者の電力の自家消費に基づく供給需要者自家CO排出量と系統電力消費に供給需要者系統CO排出量を足し合わせた値を、供給需要者実効CO排出量とする(ステップS35)。
図10を例にすると、2023年4月1日8時台において、供給者ID002の供給需要者の供給者(時間帯別)実効CO排出量は下式のように算出される。
次に、処理手段2は、一定期間内の全ての時間帯における供給需要者(時間帯別)実効CO排出量の総和を供給需要者(期間)実効CO排出量と算出してもよい。
図10を例に、供給者ID002の電力供給者について、2023年4月1日8時台と14時台以外の各時間帯における供給者(時間帯別)実効CO排出量の総和が仮に0であるとした場合に、2023年4月1日の供給者(期間)実効CO排出量は、下式のように算出される。
次に、処理手段2は、供給需要者(時間帯別)系統CO排出量及び供給需要者(時間帯別)系統電力消費量に基づいて、供給需要者(時間帯別)実効CO排出係数を算出する(ステップS36)。
具体的に、供給需要者(時間帯別)系統CO排出量は、当該供給需要者の各発電設備における系統CO排出量の総和で求められ、供給需要者(時間帯別)系統電力消費量は、当該供給需要者の各発電設備における系統電力消費量の総和で求められ、供給需要者(時間帯別)実効CO排出係数は、供給需要者(時間帯別)系統CO排出量を供給需要者(時間帯別)系統電力消費量で除した値として算出される。
図10を例にすると、2023年4月1日8時台において、供給者ID002の供給需要者の供給需要者(時間帯別)実効CO排出係数は下式のように算出される。
次に、処理手段2は、当該時間帯の供給需要者の系統電力消費量がゼロか否かを判定する(ステップS37)。
当該時間帯の供給需要者の系統電力消費量がゼロ(S37でY)の場合、処理手段2は、レバレッジを算定せず、供給需要者(時間帯別)実効CO排出量の絶対値を、レバレッジ調整後(時間帯別)CO削減量とみなしてよい(ステップS371)。
当該時間帯の供給需要者の系統電力消費量(ネット)がゼロでない(S37でN)場合、処理手段2は、当該時間帯の供給需要者の系統電力消費量、供給需要者(時間帯別)実効CO排出量及び電源群排出係数に基づいて、レバレッジを算出する(ステップS372)。
具体的に、ステップS372において、レバレッジは、供給需要者(時間帯別)系統CO排出量を、電源群(時間帯別)排出係数と系統電力消費量の積で除して算出される。
図10を例にすると、2023年4月1日8時台において、供給者ID002の供給需要者のレバレッジは下式のように算出される。
次に、処理手段2は、レバレッジと、供給需要者(時間帯別)実効CO排出量とに基づいて、当該時間帯のレバレッジ調整後供給需要者実効CO削減量を算出する(ステップS38)。
具体的に、レバレッジ調整後供給需要者実効CO削減量は、レバレッジと、供給需要者(時間帯別)実効CO排出量とを乗じた値の絶対値として算出される。
図10を例にすると、2023年4月1日8時台において、供給者ID002の供給需要者のレバレッジ調整後供給需要者実効CO削減量は下式のように算出される。
次に、処理手段2は、発電設備別発電電力量と、レバレッジ調整後供給需要者実効CO削減量と、に基づいて、当該時間帯のレバレッジ調整後供給需要者実効CO削減係数を算出する(ステップS39)。
具体的に、レバレッジ調整後供給需要者実効CO削減係数は、レバレッジ調整後供給需要者実効CO削減量を当該時間帯の発電設備別発電電力量の総和で除した値として算出される。
図10を例にすると、2023年4月1日8時台において、供給者ID002の供給需要者のレバレッジ調整後供給需要者実効CO削減係数は下式のように算出される。
なお、供給需要者が所有又は契約する発電設備が1つしかない場合でも、上記の算出方法を適用し、レバレッジ調整後供給需要者実効CO削減量、レバレッジ調整後供給需要者実効CO削減係数を算出することができる。
レバレッジ調整後供給需要者実効CO削減量、レバレッジ調整後供給需要者実効CO削減係数は、当該供給需要者の供給者実効CO削減量又は供給者実効CO削減係数とみなすことができる。
上記のようにすることで、CO排出係数の異なる発電設備を複数所有又は契約し、かつ、電力の自家消費を行う供給需要者を対象とした場合にも、当該供給需要者が生み出す環境価値を供給者実効CO削減量又は供給者実効CO削減係数の形式で算出し、適切に評価することができる。
以上のように、電力供給者(供給需要者含む)が所有又は契約する発電設備の排出係数を考慮して算出された供給者実効CO削減係数は、電力供給者が発電した電力1kWhあたりその電力を生み出すために発電所等の電源群で排出され得たCOの削減量を表し、電力供給者に関連付けて記憶手段4に記憶させることができる。
また、同様にして、各電力供給者について供給者実効CO削減係数を算出し、各供給者に関連付けて記憶手段4に記憶させることができる。
電力供給者が所有又は契約する各発電設備の排出係数を考慮して算出された供給者実効CO削減係数が大きいほど、その電力供給者による再エネ発電は、所在地域の電源群において再エネ電源による発電割合がより小さい時間帯(発電によるCO排出が比較的多い時間帯)に行われた、と言えるため、その供給者の環境貢献度は相対的に高いと言える。
このように、各供給者の再エネ発電による環境への貢献度、即ち供給者が生み出した環境価値を、希少性を加味して数値化し比較することができる。
なお、上述の実施形態において示した各構成や機能は、あくまでも一例であって、設計要求等に基づき種々変更可能である。
X 環境価値評価システム
1 データ供給手段
2 処理手段
3 判定手段
4 記憶手段
PNW1、PNW2 送配電ネットワーク
PSG 電源群
PS1、PS2、PS3、PS4 電源
OFP オフサイト電源
ONP オンサイト電源
S1、S2 電力需要者
SM1、SM2 スマートメータ
DNW 通信ネットワーク
DB1、DB2 データベース
DG 端末群
D1、D2、D3、D4 端末

Claims (13)

  1. 電力供給者の所在地域に電力を供給する電源群における電源種別の単位発電電力量あたりのCO排出量を示す電源種別排出係数データと、前記電源群における電源種別の単位時間毎の発電電力量を示す電源種別発電電力量データと、前記電力供給者が所有又は契約する一又は複数の発電設備の各々について単位発電電力量あたりのCO排出量を示す発電設備排出係数データと、前記電力供給者が所有又は契約する一又は複数の発電設備別の前記単位時間毎の発電・消費電力量を示す供給者発電・消費電力量データと、を供給するデータ供給手段と、
    前記供給者発電・消費電力量データに基づいて、前記電力供給者が所定量以上の電力を自家消費する供給需要者であるか否かを判定する判定手段と、
    前記電源種別排出係数データと、前記電源種別発電電力量データと、に基づいて、前記電源群の単位発電電力量あたりのCO 排出量を示す電源群排出係数を前記単位時間毎に算出し、
    前記発電設備排出係数データと、前記電源群排出係数と、に基づいて、前記発電設備の各々が単位発電電力量あたり実効的に削減するCO の量を示す補正排出係数を前記単位時間毎に算出し、
    前記判定手段が、当該電力供給者を前記供給需要者と判定した場合に、当該供給需要者が所有又は契約する一又は複数の前記発電設備の各々で前記単位時間毎に自家消費した電力量を示す発電設備別自家消費電力量と、前記補正排出係数に負数を乗じた値と、に基づいて、当該供給需要者が所有又は契約する前記発電設備の各々が前記単位時間あたり電力の自家消費により排出するCO の量を示す、発電設備別自家CO 排出量を前記単位時間毎に算出し、
    前記電源種別排出係数データと、前記電源種別発電電力量データと、前記発電設備排出係数データと、前記供給者発電・消費電力量データと、に基づいて、前記電力供給者の単位発電電力量あたり実効的に削減するCOの量を示す供給者実効CO削減係数を算出する処理手段と、
    前記電力供給者と、算出された前記供給者実効CO削減係数と、を関連付けて記憶する記憶手段と、を備える環境価値評価システム。
  2. 前記処理手段は、前記供給者発電・消費電力量データと、前記補正排出係数と、に基づいて、前記発電設備の各々が前記単位時間あたり実効的に削減するCOの量を示す、発電設備別実効CO削減量を前記単位時間毎に算出する、請求項1に記載の環境価値評価システム。
  3. 前記処理手段は、前記供給者発電・消費電力量データと、前記電力供給者が所有又は契約する前記発電設備の各々に関連付けられた前記発電設備別実効CO削減量の総和と、に基づいて、前記供給者実効CO削減係数を前記単位時間毎に算出する、請求項2に記載の環境価値評価システム。
  4. 前記処理手段は、前記供給者発電・消費電力量データと、所定期間内の前記単位時間毎に算出されて前記電力供給者が所有又は契約する前記発電設備の各々に関連付けられた前記発電設備別実効CO削減量の総和と、に基づいて、前記供給者実効CO削減係数を前記所定期間毎に算出する、請求項2に記載の環境価値評価システム。
  5. 前記処理手段は、前記供給者発電・消費電力量データに含まれる前記発電設備の各々の発電電力量と、前記発電設備別自家消費電力量と、に基づいて、前記供給需要者の所在地域に電力を供給する電源群の電力を前記発電設備の各々が消費した量を示す発電設備別系統電力消費量を算出し、
    前記発電設備別系統電力消費量が正の場合、前記電源群排出係数に基づいて前記補正排出係数を算出し、
    前記発電設備別系統電力消費量がゼロ又は負の場合、前記発電設備排出係数データと、前記電源群排出係数に基づいて、前記補正排出係数を算出する、請求項1に記載の環境価値評価システム。
  6. 前記処理手段は、前記発電設備の各々について算出された前記発電設備別自家CO排出量の総和が負の場合に、前記発電設備の各々を所有又は契約する前記供給需要者が電力を自家消費したことによるCO排出の量を示す、供給需要者自家CO排出量として所定の値を算出する、請求項5に記載の環境価値評価システム。
  7. 前記処理手段は、前記発電設備の各々について算出された前記発電設備別自家CO排出量の各値のうち負数を除外した各値に基づいて、前記発電設備の各々を所有又は契約する前記供給需要者が電力を自家消費したことによるCO排出の量を示す、供給需要者自家CO排出量を算出する、請求項5に記載の環境価値評価システム。
  8. 前記処理手段は、前記補正排出係数と、前記発電設備別系統電力消費量と、に基づいて、前記発電設備の各々を所有又は契約する前記供給需要者が系統電力を消費したことによるCO排出の量を示す、供給需要者系統CO排出量を算出する、請求項6又は7に記載の環境価値評価システム。
  9. 前記処理手段は、所定期間内の前記単位時間毎に算出された前記供給需要者系統CO排出量の総和が負の場合、前記供給需要者系統CO排出量として所定の値を算出する、請求項8に記載の環境価値評価システム。
  10. 前記処理手段は、所定期間内の前記単位時間毎に算出された前記供給需要者系統CO排出量の各値のうち負数を除外した各値に基づいて、前記供給需要者系統CO排出量を算出する、請求項8に記載の環境価値評価システム。
  11. 前記処理手段は、前記供給需要者自家CO排出量と、前記供給需要者系統CO排出量と、に基づいて、供給需要者実効CO排出量を算出し、
    前記発電設備別系統電力消費量がゼロでない場合に、前記供給需要者実効CO排出量と、前記電源群排出係数と、前記発電設備別系統電力消費量と、に基づいて、レバレッジを更に算出し、
    前記レバレッジと、前記供給需要者実効CO排出量とに基づいて、レバレッジ調整後供給需要者実効CO削減量を更に算出する、請求項8に記載の環境価値評価システム。
  12. 電力供給者の所在地域に電力を供給する電源群における電源種別の単位発電電力量あたりのCO排出量を示す電源種別排出係数データと、前記電源群における電源種別の単位時間毎の発電電力量を示す電源種別発電電力量データと、前記電力供給者が所有又は契約する一又は複数の発電設備の各々について単位発電電力量あたりのCO排出量を示す発電設備排出係数データと、前記電力供給者が所有又は契約する一又は複数の発電設備別の前記単位時間毎の発電・消費電力量を示す供給者発電・消費電力量データと、を供給するデータ供給ステップと、
    前記供給者発電・消費電力量データに基づいて、前記電力供給者が所定量以上の電力を自家消費する供給需要者であるか否かを判定する判定ステップと、
    前記電源種別排出係数データと、前記電源種別発電電力量データと、に基づいて、前記電源群の単位発電電力量あたりのCO 排出量を示す電源群排出係数を前記単位時間毎に算出し、
    前記発電設備排出係数データと、前記電源群排出係数と、に基づいて、前記発電設備の各々が単位発電電力量あたり実効的に削減するCO の量を示す補正排出係数を前記単位時間毎に算出し、
    前記判定ステップにおいて、当該電力供給者が前記供給需要者と判定された場合に、当該供給需要者が所有又は契約する一又は複数の前記発電設備の各々で前記単位時間毎に自家消費した電力量を示す発電設備別自家消費電力量と、前記補正排出係数に負数を乗じた値と、に基づいて、当該供給需要者が所有又は契約する前記発電設備の各々が前記単位時間あたり電力の自家消費により排出するCO の量を示す、発電設備別自家CO 排出量を前記単位時間毎に算出し、
    前記電源種別排出係数データと、前記電源種別発電電力量データと、前記発電設備排出係数データと、前記供給者発電・消費電力量データと、に基づいて、前記電力供給者の単位発電電力量あたり実効的に削減するCOの量を示す供給者実効CO削減係数を算出する処理ステップと、
    前記電力供給者と、算出された前記供給者実効CO削減係数と、を関連付けて記憶する記憶ステップと、をコンピュータに実行させる、環境価値評価方法。
  13. 一又は複数のコンピュータを、
    電力供給者の所在地域に電力を供給する電源群における電源種別の単位発電電力量あたりのCO排出量を示す電源種別排出係数データと、前記電源群における電源種別の単位時間毎の発電電力量を示す電源種別発電電力量データと、前記電力供給者が所有又は契約する一又は複数の発電設備の各々について単位発電電力量あたりのCO排出量を示す発電設備排出係数データと、前記電力供給者が所有又は契約する一又は複数の発電設備別の前記単位時間毎の発電・消費電力量を示す供給者発電・消費電力量データと、を供給するデータ供給手段と、
    前記供給者発電・消費電力量データに基づいて、前記電力供給者が所定量以上の電力を自家消費する供給需要者であるか否かを判定する判定手段と、
    前記電源種別排出係数データと、前記電源種別発電電力量データと、に基づいて、前記電源群の単位発電電力量あたりのCO 排出量を示す電源群排出係数を前記単位時間毎に算出し、
    前記発電設備排出係数データと、前記電源群排出係数と、に基づいて、前記発電設備の各々が単位発電電力量あたり実効的に削減するCO の量を示す補正排出係数を前記単位時間毎に算出し、
    前記判定手段が、当該電力供給者を前記供給需要者と判定した場合に、当該供給需要者が所有又は契約する一又は複数の前記発電設備の各々で前記単位時間毎に自家消費した電力量を示す発電設備別自家消費電力量と、前記補正排出係数に負数を乗じた値と、に基づいて、当該供給需要者が所有又は契約する前記発電設備の各々が前記単位時間あたり電力の自家消費により排出するCO の量を示す、発電設備別自家CO 排出量を前記単位時間毎に算出し、
    前記電源種別排出係数データと、前記電源種別発電電力量データと、前記発電設備排出係数データと、前記供給者発電・消費電力量データと、に基づいて、前記電力供給者の単位発電電力量あたり実効的に削減するCOの量を示す供給者実効CO削減係数を算出する処理手段と、
    前記電力供給者と、算出された前記供給者実効CO削減係数と、を関連付けて記憶する記憶手段と、として機能させる、環境価値評価プログラム。
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