JP7366334B1 - 樹脂充填材および当該樹脂充填材を用いた補修方法 - Google Patents

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Figure 0007366334000001
【課題】靭性に優れた発泡ウレタン樹脂からなり、大荷重が作用しても破砕あるいは破断し難い樹脂充填材および当該樹脂充填材を用いた補修方法を提供する。
【解決手段】本発明の樹脂充填材は、版状体の下の空洞に充填するために用いられる樹脂充填材であって、密度が0.20~0.40g/cmであり、一軸圧縮強さが2500~9100kN/mであり、変形係数が100~320MN/mである発泡ウレタン樹脂からなる。発泡ウレタン樹脂は、密度が0.225~0.30g/cmであり、一軸圧縮強さが3000~5300kN/mであり、変形係数が120~200MN/mであることがより好ましい。
【選択図】図2

Description

特許法第30条第2項適用 令和4年2月9日に、国土交通省国土技術政策総合研究所長が、国土交通省国土技術政策総合研究所横須賀庁舎Webサイト(https://www.ysk.nilim.go.jp/)において、坪川将丈、足立雅樹、蛭川愛志、今真吾、川口太および伊藤茂雄が発明した発泡ウレタンによる空港プレストレストコンクリート版下面の空洞充填に関する発明を公開した。
特許法第30条第2項適用 令和4年2月14日に、国土交通省国土技術政策総合研究所長が、国土交通省国土技術政策総合研究所Webサイト(http://www.nilim.go.jp/)において、坪川将丈、足立雅樹、蛭川愛志、今真吾、川口太および伊藤茂雄が発明した発泡ウレタンによる空港プレストレストコンクリート版下面の空洞充填に関する発明を公開した。
本発明は、版状体の下に発生した空洞に充填するために用いられる樹脂充填材、および当該樹脂充填材を用いた補修方法に関する。
地盤沈下や地下水の影響等により舗装の表層や床版などの版状体の下に空洞が生じる現象が知られている。この空洞による版状体の割れ、へこみ、または傾き等の問題を抑制するためには、空洞を裏込め材等の充填材で埋める必要がある。
充填材の強度が不足すれば版状体に作用する荷重を支えきれない。また、空洞を埋める充填材が繰返し荷重に耐えられずに破断あるいは破砕すると、充填材の粉状化・粒状化が進み雨水等により泥化して地表等に溢れ出すおそれがある。このような問題を解決する裏込め材として、例えば特許文献1には、強度と繰返し荷重に対する耐粉状化性を高めた裏込めグラウトが開示されている。
特開2019-011233号公報
特許文献1の裏込めグラウトは、短繊維等の混合により耐粉状化性を向上させた裏込め材である。しかしながら、いくら添加材を工夫しても、グラウトは靭性に優れた材料ではなく、例えば大型トラック、航空機等の大荷重が繰り返し作用すれば破砕あるいは破断してしまう懸念があった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものである。すなわち本発明は、靭性に優れた発泡ウレタン樹脂からなり、大荷重が繰り返し作用しても破砕あるいは破断し難い樹脂充填材および当該樹脂充填材を用いた補修方法を提供することを課題とする。
上記課題を解決するため、本発明の樹脂充填材は、版状体の下の空洞に充填するために用いられる樹脂充填材であって、密度が0.20~0.40g/cmであり、一軸圧縮強さが2500~9100kN/mであり、変形係数が100~320MN/mである発泡ウレタン樹脂からなる。
上記の樹脂充填材は、大荷重が繰り返し作用しても破砕あるいは破断し難いものであるが、大型航空機のタイヤ接地圧(概ね1500kN/m程度)が作用することを想定する場合、発泡ウレタン樹脂は、密度が0.225~0.30g/cmであり、一軸圧縮強さが3000~5300kN/mであり、変形係数が120~200MN/mであることが好ましい。
本発明によれば、靭性に優れた発泡ウレタン樹脂からなり、大荷重が繰り返し作用しても破砕あるいは破断し難い樹脂充填材および当該樹脂充填材を用いた補修方法を提供することができる。
本発明の実施形態に係る樹脂充填材を用いた補修方法の概略図であり、(a)は版状体の下に空洞が生じた状態を示す図、(b)は空洞に樹脂充填材を充填した状態を示す図である。 空港のエプロンを模した解析モデルの概略図である。 静的一軸圧縮試験の結果を示すグラフである。 実施例1に係る繰返し一軸圧縮試験の結果を示すグラフである。 実施例2に係る繰返し一軸圧縮試験の結果を示すグラフである。 実施例4に係る繰返し一軸圧縮試験の結果を示すグラフである。
本発明の実施形態の一つについて説明する。なお、本発明の実施形態は本実施形態に限定されるものではない。本実施形態の樹脂充填材は、発泡ウレタン樹脂からなり、版状体の下に生じた空洞を埋めるために用いられる。版状体とは、例えば大型トラックが走行する道路の床版や舗装、飛行場のエプロン、滑走路、格納庫等の床版や舗装など、大きな輪荷重が繰り返し作用する版状(層状)の建造物である。
図1の(a)に示すように、地盤沈下や地下水の影響により、版状体1の下の支持層(路床や路盤など)2に空洞3が生じることがあり、このような空洞3が大きくなると、版状体1にクラックやたわみ変形が生じる虞がある。版状体1に変形が生じると、版状体1の不陸や段差、水溜まりの原因となり、使用に支障をきたす虞がある。特に、飛行機、大型トラック等の大荷重が版状体1に作用する場合、版状体1の自重に加えて、飛行機、大型トラック等の輪荷重によって版状体1に曲げモーメントが発生するので、版状体1に変形等が生じ易い。
地下の空洞3に由来する版状体1の変形等を抑制するためには、図1の(b)に示すように、空洞3になんらかの材料を充填する必要がある。このような空洞3に充填され大荷重を支える充填材4は、大荷重を支える強さだけでなく、大荷重が作用しても破砕あるいは破断し難い靱性を備えることが好ましい。本発明者らは鋭意検討の結果、特定の範囲の密度、一軸圧縮強さ、変形係数を備える発泡ウレタン樹脂によれば、大荷重が繰り返し作用しても破砕あるいは破断し難い充填材を実現できることを見出した。このような発泡ウレタン樹脂は、同体積のグラウト材に比べて非常に軽量であるため、充填材の荷重による沈下の促進を極力抑えることができる材料である。
(発泡ウレタン樹脂)
本実施形態の樹脂充填材の発泡ウレタン樹脂は、主液および反応液の2液を反応させて、反応で生じたガスによって樹脂を発泡させることで得られる。2液の反応から得られる発泡ウレタン樹脂には、次の利点がある。すなわち、主液と反応液は、重力によって空洞内に充填することができる。また、2液を空洞内で反応させ発泡させることで、発泡ウレタン樹脂は空洞を埋めるように膨らむ。これらの特性により、2液の反応から得られる発泡ウレタン樹脂は、特許文献1のグラウト等を自然注入する場合とは異なり、空洞厚さが数mm程度の空洞にも充填することが可能な、高い充填性を実現することができる。
このような発泡ウレタン樹脂からなる本実施形態の樹脂充填材を版状体(コンクリートスラブ等)1の下に形成された空洞3に充填する場合には、まず、空洞3に通じる充填孔を版状体1に形成し、当該充填孔の手前で主液と反応液とを混合して充填孔から空洞に充填する。そうすると、空洞3内で2液が反応して発泡し、樹脂充填材となって空洞3に充填される。
2液の反応から得られる発泡ウレタン樹脂としては、弾性・耐摩耗性、耐候性に優れる等の理由から発泡ポリウレタン樹脂が好ましい。
発泡ポリウレタン樹脂は、イソシアネートを主成分とするイソシアネート混合物(主液)とポリオールを主成分とするポリオール混合物(反応液)との反応によって得られる。
主液と反応液の配合比は、重量比で1:0.7~1.0である。
発泡ウレタン樹脂の密度は0.20~0.40g/cmである。発泡ウレタン樹脂の密度をこのような範囲とすることで、一軸圧縮強さが2500~9100kN/mであり、変形係数が100~320MN/mである発泡ウレタン樹脂を実現できる。発泡ウレタン樹脂の密度は、0.225~0.30g/cmであることが好ましい。発泡ウレタン樹脂の密度をこのような範囲とすることで、一軸圧縮強さが3000~5300kN/mであり、変形係数が120~200MN/mである発泡ウレタン樹脂を実現できる。本実施形態の発泡ウレタン樹脂からなる樹脂充填材は、大荷重を支える強度を備え、かつ、大荷重が作用しても粉状化しない靭性を備えることができる。
本発明者らは、本実施形態の樹脂充填材の強度が、大荷重の作用する版状体の充填材として十分であることを、以下のように検討した。すなわち、空港のエプロンの舗装を模した解析モデルを作成し、当該解析モデルの上面に航空機の単輪相当の荷重をかけ、解析モデルの表面のたわみ量を解析した。解析には、多層弾性理論に基づく舗装構造解析ソフトを使用した。
図2に解析モデル1Aの概略図を示す。解析モデル1Aは、空洞が生じていないエプロンの舗装構成を再現したものであり、路床11の上面に厚さ60cmの下層路盤12を設け、下層路盤12の上面に厚さ15cmの上層路盤13を設け、さらに上層路盤13の上面に厚さ18cmの表層14(版状体)を設けて構成した。下層路盤12にはクラッシャラン(割ぐり石)を用いた。上層路盤13には、アスファルトを混合した加熱アスファルト安定処理路盤材を用いた。表層14にはコンクリートスラブ(PC床版)を用いた。
路床11、下層路盤12および上層路盤13の変形係数(弾性係数)は、それぞれ100MN/m、200MN/m、6000MN/mとし、ポアソン比は0.35とした。
また、表層14の変形係数(弾性係数)は、34000MN/mとし、ポアソン比は0.15とした。
なお、路床11、下層路盤12、上層路盤13および表層14の変形係数およびポアソン比は、他の解析モデルでも同様とした。
解析モデル1B(図示略)は、地盤の沈下により空洞が生じたエプロンを模した解析モデルである。すなわち、解析モデル1Bは、解析モデル1Aを基に、上層路盤13と表層14(版状体)との間に厚さ1cmの空洞を設けて構成した。なお、解析上、空洞の変形係数(弾性係数)は、10MN/mとし、ポアソン比は0.49とした。
解析モデル1C(図示略)は、地盤の沈下により生じた空洞に発泡ウレタン樹脂(樹脂充填材)を充填したエプロンを模した解析モデルである。すなわち、解析モデル1Cは、解析モデル1Aを基に、上層路盤13と表層14(版状体)との間に、密度0.29g/cmの発泡ウレタン樹脂からなる厚さ1cmの発泡ウレタン樹脂層を設けて構成した。
発泡ウレタン樹脂層の変形係数(弾性係数)は、180MN/mとし、ポアソン比は0.072とした。
解析モデル1D(図示略)は、地盤の沈下により生じた空洞にグラウト材を充填したエプロンを模した解析モデルである。すなわち、解析モデル1Dは、解析モデル1Aを基に、上層路盤13と表層14との間に、セメント系のグラウト材からなる厚さ1cmのグラウト層を設けて構成した。
グラウト層の変形係数(弾性係数)は、14000MN/mとし、ポアソン比は0.25とした。
表1に、航空機の単輪相当の鉛直荷重(266KN)を解析モデル1A~1Dの表面に作用させたときの、解析モデル1A~1Dの表層14の表面のたわみ量と、表層14の下面における最大主応力を示す。
Figure 0007366334000002
表2に、航空機の単輪相当の鉛直荷重(228KN)を解析モデル1A~1Dの表面に作用させたときの、解析モデル1A~1Dの表層14の表面のたわみ量と、表層14の下面における最大主応力を示す。
Figure 0007366334000003
表3に、航空機の単輪相当の鉛直荷重(190KN)を解析モデル1A~1Dの表面に作用させたときの、解析モデル1A~1Dの表層14の表面のたわみ量と、表層14の下面における最大主応力を示す。
Figure 0007366334000004
表4に、航空機4の単輪相当の鉛直荷重(182KN)を解析モデル1A~1Dの表面に作用させたときの、解析モデル1A~1Dの表層14の表面のたわみ量と、表層14の下面における最大主応力を示す。
Figure 0007366334000005
表1~4に示すように発泡ウレタン樹脂層(樹脂充填材の層)を設けた解析モデル1Cのたわみ量は、空洞の存在する解析モデル1Bのたわみ量と同等であったが、解析モデル1Cの最大主応力は、解析モデル1Bの最大主応力よりも小さくなっている。このように、発泡ウレタン樹脂(樹脂充填材)を空洞に充填することにより、充填しない場合に比べて最大主応力を抑制できるので、ひび割れの発生や進展、ひいては表層14の変形を抑制することができる。
なお、大荷重の作用する版状体は、解析モデル1A~1Dの層構造以外にも様々な層構造をとり得るものである。層構造の例としては、路盤を上層と下層とに分けない層構造、経年劣化した表層を舗装で修正したことで表層が何層も重なった層構造等が挙げられる。本実施形態の樹脂充填材は、このような様々な層構造に適用可能であり、解析モデル1A~1Dの例のように上層路盤13と表層14との間の空洞を充填するだけでなく、表層の下に生じた空洞全般を充填することができる。つまり、本実施形態の樹脂充填材を用いた補修方法においては、PC床版等のコンクリートスラブ(表層)を備えた版状体において、コンクリートスラブの下に生じた空洞に樹脂充填材を充填する。
発泡ウレタン樹脂の発泡倍率は2.5~5倍であることが好ましい。このような発泡倍率であれば、充填する発泡ウレタン樹脂の量の調整によって、版状体を隆起させずに空洞を充填することも、沈下した版状体を持ち上げることも可能である。
本実施形態の樹脂充填材は、版状体の下に生じた空洞に充填され、版状体のクラック、たわみ変形等を抑制することができる。
本発明者らは、本発明の樹脂充填材について、静的一軸圧縮試験および繰返し一軸圧縮試験を行い、応力-ひずみ関係を検討した。以下の実施例では、発泡ウレタン樹脂として、イソシアネートを主成分とするイソシアネート混合物(主液)とポリオールを主成分とするポリオール混合物(反応液)とを混合して得た硬質発泡ポリウレタン樹脂を使用した。供試体は、直径50mm、高さ120mmのモールド内に樹脂を吐出して作成した。高さ120mmの供試体の上下10mm部分を切断し、中央部100mm部分を試験に供した。供試体の密度は以下の4種類とした(実施例1~4)。
(実施例1)
密度0.20g/cm(発泡倍率5倍)の発泡ウレタン樹脂を実施例1の供試体とした。
(実施例2)
密度0.29g/cm(発泡倍率3.4倍)の発泡ウレタン樹脂を実施例2の供試体とした。
(実施例3)
密度0.31g/cm(発泡倍率3.2倍)の発泡ウレタン樹脂を実施例3の供試体とした。
(実施例4)
密度0.40g/cm(発泡倍率2.5倍)の発泡ウレタン樹脂を実施例4の供試体とした。
(静的一軸圧縮試験)
実施例1~4の供試体についてそれぞれ12個ずつ静的一軸圧縮試験を行った。本実施例では、ひずみ速度1.0%/minで載荷した。表5および図3に静的一軸圧縮試験の結果を示す。
Figure 0007366334000006
空港のコンクリート舗装においてコンクリートスラブ下の空洞に樹脂充填材を充填することを想定した場合、大型航空機のタイヤ接地圧が概ね1500kN/m程度であることを考慮して樹脂充填材を選定する必要があるが、実施例1~4は、圧縮強さが1500kN/mを大きく上回っていることから、航空機のタイヤがコンクリートスラブを介さずに樹脂充填材に直接載荷される状態であったとしても、充分な圧縮強さを有しており、したがって、大型航空機のタイヤ接地圧に相当する大荷重が作用しても破砕あるいは破断し難いと言える。
実施例1,2は、破壊ひずみに達した後、圧縮ひずみが15%であっても塑性変形が増加し、全ての供試体について破断(亀裂や割れ)が発生しなかったことから、高い靱性を有した粘り強い材質であると言える。一方、実施例3,4は、大型航空機のタイヤ接地圧に耐えうる圧縮強さを有しているものの、想定以上の荷重が作用して圧縮ひずみが大きくなると破断する可能性があることから、高い靱性が要求される場合には、発泡ウレタン樹脂の密度を0.30g/cm以下とすることが望ましい。なお、表5から分かるように、発泡ウレタン樹脂の一軸圧縮強さおよび変形係数は、密度と概ね比例関係にあるから、発泡ウレタン樹脂の密度が0.30g/cmであるときの一軸圧縮強さは、5300kN/m程度となり、変形係数は200MN/mとなる。
(繰返し一軸圧縮試験)
空港のコンクリート舗装においてコンクリートスラブ下の空洞に樹脂充填材を充填することを想定した場合、上記のような大きな荷重が繰り返し作用する可能性がある。そこで、実施例1(密度0.20g/cm)、実施例2(密度0.29g/cm)および実施例4(密度0.40g/cm)の樹脂充填材に対して繰返し一軸圧縮試験(疲労試験)を実施し、樹脂充填材の疲労抵抗性を確認した。供試体は、供試体は、直径50mm、高さ120mmのモールド内に発泡ウレタン樹脂を吐出して作成した。高さ120mmの供試体の上下35mm部分を切断し、中央部50mm部分を試験に供した。
繰返し一軸圧縮試験では、供試体を試験機に設置し、10Nの荷重を作用させた後、所定の応力比(発生圧縮応力÷圧縮強さ)が得られる載荷荷重のサイン波形により10万回の繰返し載荷を実施した。載荷周波数は10Hzとした。なお、1日10便がエプロンに出入りすると仮定すれば、1日の走行回数は20回、1年間の走行回数は7300回であるため、10万回以内で破断しない樹脂充填材であれば、10年以上の耐用年数を確保できる。表6および図4~6に繰返し一軸圧縮試験の結果を示す。表6中の一軸圧縮強さは、直径50mm、高さ50mmの供試体に静的一軸圧縮試験を行って求めたものである。
Figure 0007366334000007
実施例2の応力比90%のケースおよび実施例4の応力比75%のケースでは、繰返し回数が10万回に達する前に破断が生じているものの、繰返し圧縮応力の大きさが大型航空機のタイヤ接地圧(概ね1500kN/m程度)程度となる応力比のケースでは、破断は発生しなかった。したがって、実施例に係る樹脂充填材は、いずれも、大荷重が繰り返し作用しても破砕あるいは破断し難い(粒状化や粉状化が発生し難い)と言える。
また、例えば、実施例2の応力比33%(繰返し圧縮応力1472kN/m)のケースでは、大型航空機のタイヤ接地圧に相当する荷重が繰り返し作用しているにもかかわらず、繰返し回数が100回のときの累積ひずみと10万回のときの累積ひずみが同程度となっていることから、長期間に亘って破砕あるいは破断し難い性能を有していると言える。
なお、実施例2において、繰返し圧縮応力を圧縮強さの90%(応力比90%)とした場合、12869回で破断した。また、実施例2において、繰返し圧縮応力を圧縮強さの75%(応力比75%)とした場合、10万回では破断しなかったものの、図5に示すように、累積ひずみは、破断が発生した応力比90%の場合と同程度であった。なお、実施例2の応力比75%のケースにおいて、10万回を超えて繰り返し荷重を作用させたところ、105557回で破断した。実施例4において、繰返し圧縮応力を圧縮強さの75%(応力比75%)とした場合、20918回で破断した。
しかし、破断が発生したケースにおいて作用させた繰返し圧縮応力は、大型航空機のタイヤ接地圧の2倍以上の大きさであるから、空港のコンクリート舗装においてコンクリートスラブ下の空洞に充填する場合においては、実施例2,4でも十分な疲労抵抗性を有していると言える。
図4~6から明らかなように、繰返し応力の大きさが一軸圧縮強さの50%以下(応力比50%以下)あると、繰返し回数が10万回に近づいても累積ひずみは急増しないことから、発泡ウレタン樹脂の一軸圧縮強さは、設計圧縮応力の2倍以上であることが好ましい。例えば、大型航空機のタイヤ接地圧(概ね1500kN/m程度)を設計圧縮応力として想定する場合は、発泡ウレタン樹脂の一軸圧縮強さが3000kN/m以上となるように発泡ウレタン樹脂の密度を調整することが好ましい。なお、表5から分かるように、発泡ウレタン樹脂の一軸圧縮強さおよび変形係数は概ね比例関係にあるから、発泡ウレタン樹脂の密度を0.225g/cm以上とすれば、一軸圧縮強さが3000kN/m以上となり、空港エプロンに適した樹脂充填材が得られる。発泡ウレタン樹脂の密度を0.225g/cmとしたときの変形係数は120MN/mが見込まれる。
1 版状体
2 支持層
3 空洞
4 樹脂充填材
11 路床
12 下層路盤
13 上層路盤
14 表層

Claims (3)

  1. 版状体の下の空洞に充填するために用いられる樹脂充填材であって、
    密度が0.2250.30g/cmであり、一軸圧縮強さが30005300kN/mであり、変形係数が120200MN/mである発泡ウレタン樹脂からなる樹脂充填材。
  2. 前記版状体は、コンクリートスラブを備えており、
    前記コンクリートスラブの下に生じた空洞に請求項1に記載の樹脂充填材を充填することを特徴とする補修方法。
  3. 前記版状体が空港のコンクリート舗装であることを特徴とする請求項に記載の補修方法。
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