以下、実施形態を図面に基づいて説明する。なお、同一の機能や構成には、同一又は類似の符号を付して、その説明を適宜省略する。
(1)無線通信システムの全体概略構成
図1は、実施形態に係る無線通信システム10の全体概略構成図である。無線通信システム10は、5G(NR)に従った無線通信システムである。
図1に示すように、無線通信システム10は、無線基地局100, 110及び端末200を含む。端末200は、ユーザ装置(UE)又はメディアアクセス制御(MAC)エンティティとも呼称される。なお、無線基地局及び端末の数を含む無線通信システム10の具体的な構成は、図1に示した例に限定されない。
無線基地局100, 110の各々は、gNB又はeg-eNBであり、Next Generation-Radio Access Network(NG-RAN、不図示)に含まれる。NG-RANは、NRに従ったコアネットワーク(5GC、不図示)と接続される。なお、NG-RAN及び5GCは、単に「ネットワーク」と表現されてもよい。
無線基地局100, 110は、無線基地局100, 110と端末200との間においてNRに従った無線通信を実行する。
無線基地局100, 110及び端末200は、複数のアンテナ素子から送信される無線信号を制御することによって、より指向性の高いビームを生成するMassive MIMO、複数のコンポーネントキャリア(CC)を用いるキャリアアグリゲーション(CA)、及び複数のNG-RAN Nodeと端末との間においてCCを同時送信するデュアルコネクティビティ(DC)などに対応することができる。なお、CCはキャリアとも呼称される。
NRにおいて、サービングセルは、次のように分類される。なお、サービングセルは、端末とセルとの間において無線リンクが確立されているセルである。
コアネットワークと接続された制御プレーンを提供する無線基地局(マスターノード、MN)に関連付けられたサービングセルのグループは、マスターセルグループ(MCG)と呼ばれる。MCGは、プライマリセル(以下、PCell)及び1つ以上のセカンダリセル(以下、SCell)から構成される。PCellは、端末がMNとの初期接続を開始するために使用されるセルである。
コアネットワークと接続された制御プレーンを提供せず、端末に対して、付加的なリソースを提供する無線基地局(セカンダリノード、SN)に関連付けられたサービングセルのグループは、セカンダリセルグループ(SCG)と呼ばれる。SCGは、プライマリSCell(以下、PSCell)及び1つ以上のSCellから構成される。PSCellは、端末がSNとの初期接続を開始するために使用されるセルである。
なお、PCellは、MCGにおける特別セル(SpCell)とも呼ばれる。また、PSCellは、SCGにおけるSpCellとも呼ばれる。PCell及び1つのSCellには、物理上りリンク制御チャネル(PUCCH)が設定されている。端末は、セルグループ毎に、各CCの上りリンク制御情報(UCI)を、PUCCHが設定されているPCell又はSCell(PUCCH-SCell)を用いて、無線基地局に送信する。
本実施形態では、無線基地局100はPCellを形成する。無線基地局110はSCellを形成する。無線基地局110によって形成されるSCellは、無線基地局100によって形成されるPCellのカバレッジエリア内ある。なお、PCellは、無線基地局110によって形成されてもよい。また、SCellは、無線基地局100によって形成されてもよい。
端末200は、PCell及びSCellを同時に設定する。
無線基地局110は、多素子アンテナを含んでおり、複数のビームを用いて、ビームフォーミングを形成することができる。端末200は、無線基地局110と端末200との間においてビームペアを確立することにより、無線基地局110と端末200との間において無線信号の送受信を行うことができる。
図2は、SCellにおけるビーム障害の回復(以下、BFR)手順を説明する図である。図2に示すように、BFR手順において、端末200は、SCell内でビーム障害を検出する場合、後述するBFR要求を行う。
図3は、無線基地局110によるビームフォーミングを利用した参照信号の送信を説明する図である。図3に示すように、無線基地局110は、SCell内でビーム障害検出用の参照信号RS1~RS7をビーム毎に送信する。ビーム障害検出用の参照信号RS2は、端末200が、現在ビームペアを確立しているビームを利用して送信された参照信号である。
ビーム障害検出用の参照信号RS1~RS7は、例えば、チャネル品質情報参照信号(CSI-RS)、又は同期信号ブロック(SSB)である。
端末200は、ビーム障害検出用の参照信号RS1~RS7を受信し、ビーム障害検出用の参照信号RS1~RS7の受信品質(例えば、レイヤ1-参照信号受信電力、L1-RSRP)を測定する。端末200は、測定結果に基づいて、ビーム障害を検出する。
具体的には、少なくとも、ビーム障害検出用の参照信号RS2の受信品質が所定期間にわたって閾値以下である場合、端末200は、ビーム障害の発生を検出する。なお、ビーム障害検出用の参照信号RS1~RS7の全ての受信品質が所定期間にわたって閾値以下である場合に、端末200は、ビーム障害の発生を検出してもよい。
図2に戻り、端末200は、無線基地局110から送信される新規ビーム候補決定用の参照信号を、ビーム毎に受信する。端末200は、新規ビーム候補決定用の参照信号の受信品質(例えば、L1-RSRP)を測定する。端末200は、測定結果に基づいて、新規ビームの候補を決定する。
具体的には、端末200は、新規ビーム候補決定用の参照信号の受信品質が最も高いビームを、新規ビームの候補として決定する。なお、端末200は、新規ビーム候補決定用の参照信号の受信品質が最も高いビームから所定数のビームを、新規ビームの候補として決定してもよい。
端末200は、ビーム障害検出用の参照信号RS1~RS7の受信品質を用いて、新規ビームの候補を決定してもよい。
端末200は、新規ビーム候補決定用の閾値を設定して、新規ビーム候補決定用の参照信号の受信品質の全てが、新規ビーム候補決定用の閾値以下である場合、新規ビームの候補は存在しないと見なしてもよい。
端末200は、ビーム障害を検出し、かつ、新規ビームの候補を決定する場合、PCellを用いて、BFR要求を無線基地局100に送信する。
図4は、BFR要求の送信を説明する図である。図4に示すように、端末200は、2ステップで、BFRを要求する。ステップ1では、端末200は、dedicated SR-like PUCCHを用いて、ビーム障害の発生を通知する(S1)。dedicated SR-like PUCCHは、従来のスケジューリング要求と同様な機能を有するメッセージである。ステップ2では、端末200は、MAC制御要素(MAC CE)を用いて、ビーム障害が発生したSCellの情報と、新規ビームの候補とを報告する(S3)。なお、端末200は、新規ビームの候補を報告する代わりに、新規ビームの候補を検出したことを報告してもよい。
なお、端末200は、ビーム障害の発生と、ビーム障害が発生したSCellの情報と、新規ビームの候補とを、1つのメッセージに含めて、無線基地局100に通知してもよい。また、端末200は、ステップ1にて、dedicated SR-like PUCCH以外のメッセージを用いて、ビーム障害の発生を通知してもよい。同様に、端末200は、ステップ2にて、MAC CE以外のメッセージを用いて、ビーム障害が発生したSCellの情報、又は新規ビームの候補を報告してもよい。例えば、端末200は、PUCCH-SR送信により、新規ビームの候補を、無線基地局100に通知してもよい。
端末200が、SCellにおいて、物理ランダムアクセスチャネル(PRACH)を利用することができる場合には、PCell又はPSCellにおけるBFR要求と同様に、SCellにおけるBFR要求を、PRACHを用いて通知してもよい。
無線基地局100は、端末200からBFR要求を受信する場合、ビーム障害が発生したSCellにおいて、現在、端末200と無線基地局110との間において確立されているビームペアに用いられているビームを、MAC CEを用いて報告された新規ビームの候補に含まれる新規ビームに切り替える。これにより、無線基地局100は、切り替え先の新規ビームを用いて、端末200と無線基地局110との間において、新規のビームペアを確立させることができる。
無線基地局100は、無線リソース制御(RRC)メッセージ、MAC CE、又は物理下りリンク制御チャネル(PDCCH)などのレイヤ1(L1)信号内で、送信構成インディケータ状態(TCI state)を変更して、当該RRCメッセージ、MAC CE又はL1信号を用いて、新規ビームへの切り替えを端末200に通知する。本実施形態では、TCI stateは、RRCメッセージ内に設定される。
端末200は、RRCメッセージ内のTCI stateの設定を読み取ることにより、無線基地局110と端末200との間において通信を行うビーム(あるいは、ビームのペア)を再確立して、無線基地局110と端末200との間において無線信号の送受信を行う。
無線通信システム10では、複数の周波数レンジ(FR)が設定される。具体的には、FR1及びFR2が設定される。本実施形態では、FR1及びFR2は、以下のとおりである。
・FR1 (Frequency Range 1) :450~6,000MHz
・FR2 (Frequency Range 2) :24,250~52,600MHz
無線通信システム10において、各セルは、FR1又はFR2に属する。
(2)無線通信システムの機能ブロック構成
次に、無線通信システム10の機能ブロック構成について説明する。具体的には、端末200の機能ブロック構成について説明する。以下、本実施形態における特徴に関連する部分についてのみ説明する。したがって、端末200は、本実施形態における特徴に直接関係しない他の機能ブロックを備えることは勿論である。
図5は、端末200の機能ブロック構成図である。図5に示すように、端末200は、送信部210、受信部220、ビーム設定部230、上りリンク情報保持部240、優先度情報保持部250、グループ情報保持部260及び制御部270を備える。
送信部210は、PCell及びSCellの各々で設定された上りリンクを用いて、上りリンク信号を送信する。例えば、送信部210は、SCellに設定された上りリンク、SCellに設定された上りリンク以外の他の上りリンク、又は送信間隔が短い上りチャネルが設定された上りリンクを介して、BFR要求を送信する。送信部210は、同一のメッセージを用いて、複数のSCellにおけるBFR要求を送信する。
受信部220は、PCell及びSCellの各々で設定された下りリンクを用いて、下りリンク信号を受信する。例えば、受信部220は、SCellにおいて、ビーム障害検出用の参照信号RS1~RS7及び新規ビーム候補決定用の参照信号を受信する。受信部220は、切り替え先の新規ビームへの設定変更を有するTCI stateを含んだRRCメッセージを受信する。
ビーム設定部230は、受信部220が受信するRRCメッセージに含まれるTCI stateを参照して、無線基地局110と端末200との間でビームペアを確立又は再確立する。
上りリンク情報保持部240は、送信部210がBFR要求を送信するのに用いられる上りリンクの情報を保持する。
優先度情報保持部250は、無線通信システム10に存在するSCellの優先度、無線通信システム10で送受信されるMAC CEの優先度、無線通信システム10で行われるBFR手順の優先度、BFR手順の対象となる制御単位内の複数のグループの優先度などを保持する。
グループ情報保持部260は、BFR手順の対象となる各制御単位内のグループの情報を保持する。
制御部270は、後述するビーム障害の検出、BFR要求、BFR完了決定、及びBFR失敗決定を行う。制御部270は、所定の条件が満たされる場合、BFR手順、具体的には、ビーム障害の検出及びBFR要求の送信の少なくとも一方を行う。制御部270は、所定の条件が満たされる場合、ビーム障害の検出のみを行う。制御部270は、所定の条件が満たされない場合、ビーム障害の検出及びBFR要求の送信の少なくとも一方を中止する。制御部270は、所定の条件が満たさない場合、ビーム障害を検出してから、ビーム障害の回復要求を行うまでの時間を長くする。
制御部270は、送信部210がBFR要求を送信するのに用いられる上りリンクを決定する。
制御部270は、送信部210がBFR要求を送信する場合、BFR手順が完了したと決定する。制御部270は、受信部220が切り替え先の新規ビームへの設定変更を受信し、かつ、切り替え先の新規ビームが新規ビームの候補に含まれる場合、BFR手順が完了したと決定する。
制御部270は、BFR手順が完了するまで、SCellの品質情報として、所定値を通知する。制御部270は、送信部210がBFR要求を送信してから、所定期間、受信部220がBFR要求に対する応答を受信しない場合、BFR手順が完了したと決定する。制御部270は、BFR手順が完了したと決定する場合、BFR要求の送信を中止する。
制御部270は、所定グループ内の所定セルで、BFR手順を行う。制御部270は、端末200が在圏するSCellが属するグループに対して、BFR手順を行うことが許可又は設定されている場合、SCellにおいてBFR手順を行う。制御部270は、端末200が在圏するSCellが属する第1のグループ(例えば、セル単位内の1つのグループ)に対して、BFR手順が許可されている場合、ビーム障害の検出を行い、当該SCellが属する第2のグループ(例えば、セルグループ単位内の1つのグループ)に対して、BFR手順が許可されている場合、BFR要求を行う。
(3)無線通信システムの動作
次に、BFR手順における無線通信システム10の動作について説明する。具体的には、(1)ビーム障害を検出する場合における端末200の動作、(2)BFR要求を行う場合における端末200の動作、(3)BFR完了を判定する場合における端末200の動作、(4)BFR手順が失敗した場合における端末200の動作、及び(5)複数のSCellにおいてビーム障害の検出を同時に行う場合における端末200の動作について説明する。
(3.1)ビーム障害を検出する場合における端末200の動作
最初に、ビーム障害を検出する場合における端末200の動作を説明する。
上述したように、端末200は、少なくとも、ビーム障害検出用の参照信号RS2の受信品質が所定期間にわたって閾値以下である場合、端末200は、ビーム障害の発生を検出する。当該閾値は、セル単位で設定可能であるが、これに限定されず、端末単位、セルグループ単位(DC向けのセルグループでもよいし、PUCCH group向けのセルグループでもよいし、一般的にセル(あるいはCC)をグルーピングしたものでもよい)、MACエンティティ単位、FR単位で設定されてもよい。
(3.1.1)動作例1
動作例1では、端末200は、端末200又はMACエンティティの状態に基づいて、BFR手順を行うか否かを決定する。
図6は、ビーム障害を検出する場合における、動作例1に係る端末200の動作フローを示す図である。図6に示すように、端末200は、端末200又はMACエンティティの状態を検出する(S11)。次に、端末200は、検出した端末200又はMACエンティティの状態が所定の条件を満たすか否かを判定する(S13)。
所定の条件としては、端末200が間欠受信状態(DRX状態)におけるアクティブタイムにある場合、端末200がPDCCHの復号を少なくとも一部実施しない状態(PDCCH skipping状態)にない場合などが挙げられる。
所定の条件が満たされない場合、具体的には、端末200がDRX状態における非アクティブタイムにある場合、又は端末200がPDCCH skipping状態にある場合では、無線信号の送受信の一部が行われないため、送受信されるデータ量が多くないと想定される。このため、SCellにおけるBFR手順を早期に行う必要がない。
所定の条件を満たす場合、端末200は、BFR手順を行う(S15)。具体的には、制御部270は、ビーム障害の検出及びBFR要求の送信の少なくとも一方を行う。制御部270は、所定の条件が満たされる場合、ビーム障害の検出のみを行ってもよい。
一方、所定の条件を満たさない場合、BFR手順に対する動作を決定する(S17)。例えば、端末200は、BFR手順を中止する。具体的には、端末200は、SCellにおけるビーム障害の検出を中止する。なお、端末200は、SCellにおけるビーム障害の検出を中止する代わりに、SCellにおけるビーム障害を検出した場合、BFR要求を中止してもよい。
また、端末200は、BFR手順を中止する代わりに、SCellにおけるビーム障害を検出してから、BFR要求を行うまでの時間を、通常の設定時間(例えば、数ms)より長くしてもよい。この場合、端末200は、無線基地局100又は無線基地局110から、当該時間を通常の設定時間より長くするか否かについて指示されてもよい。
当該指示は、セル単位で設定可能であるが、これに限定されず、端末単位、セルグループ単位(DC向けのセルグループでもよいし、PUCCH group向けのセルグループでもよいし、一般的にセル(あるいはCC)をグルーピングしたものでもよい)、MACエンティティ単位、帯域幅部分(BWP)単位(周波数領域のリソース単位として一般化されてもよい)、チャネル単位、状態単位で設定されてもよい。
(3.1.2)動作例2
動作例2では、端末200は、SCellの状態に基づいて、BFR手順を行うか否かを決定する。
図7は、ビーム障害を検出する場合における、動作例2に係る端末200の動作フローを示す図である。図7に示すように、端末200は、SCellの状態を検出する(S21)。次に、端末200は、検出したSCellの状態が所定の条件を満たすか否かを判定する(S23)。
所定の条件としては、SCellがアクティベーション状態(SCell activate状態)にある場合、SCellにおいて、PDCCHの監視、受信処理、及び復号処理が実施される状態にある場合などが挙げられる。
所定の条件が満たされない場合、具体的には、SCellが非アクティベーション状態(SCell deactivate状態)にある場合、SCellにおいて、少なくともPDCCHの監視、受信処理、復号処理が実施されない(実施しないことが許容されている、あるいは、実施時に満たすべきrequirementが緩和される)状態(SCell Dormant state)にある場合では、無線信号の送受信の一部が行われないため、送受信されるデータ量が多くないと想定される。このため、SCellにおけるBFR手順を早期に行う必要がない。これによりバッテリセービング効果をえることが可能となる。
なお、SCell Dormant stateは、上述した状態が新しく規定されてもよいし、PDCCHなど、一部のチャネルが設定されていないBWPに遷移(それをactive化)した状態を指してもよい。
所定の条件を満たす場合、端末200は、図6のS15と同様に、BFR手順を行う。一方、所定の条件を満たさない場合、端末200は、図6のS17と同様に、BFR手順に対する動作を決定する(S27)。
(3.1.3)その他
端末200は、SCellにおけるビーム障害を検出した場合、当該SCellにおいて上りリンク送信を停止してもよい。この場合、端末200は、所定のフレーム構成又はデュプレックスモード(例えば、時分割デュプレックス(TDD))に基づいて、上りリンク送信の停止を変更してもよい。
端末200は、上りリンク送信を停止する場合、当該上りリンク送信に関連付けられているTime Alignment(TA)タイマが満了したとみなしてもよい。端末200は、上りリンク送信を停止する場合、MAC resetを実施してもよい。
端末200は、SCellにおけるビーム障害を検出した場合、当該SCellにおいて上りリンク送信を停止するために、当該SCellに設定されているBWPを、上りリンク送信ができないBWPに変更してもよい。
(3.2)BFR要求を行う場合における端末200の動作
次に、BFR要求を行う場合における端末200の動作を説明する。
上述したように、端末200は、BFR要求において、dedicated SR-like PUCCHを用いて、ビーム障害の発生を通知することにより、スケジューリング要求を行った後、MAC CEを用いて、ビーム障害が発生したSCellの情報と新規ビームの候補とを報告する。
しかしながら、これに限定されずに、端末200は、MAC CEを用いて、ビーム障害が発生したSCellの情報と新規ビームの候補とを報告した後に、当該MAC CEの送信をトリガとして、MACレイヤにて、PRACH又はPUCCH-SRを用いて、無線基地局100に対して、スケジューリング要求を行ってもよい。
また、端末200は、通常のバッファ状態報告(BSR)の送信をトリガとして、無線基地局100に対して、スケジューリング要求を行ってもよい。
次に、BFR要求において、MAC CEの送信に用いられる上りリンクの決定方法を説明する。
図8は、BFR要求を行う場合における、端末200の動作フローを示す図である。図8に示すように、端末200は、SCellにおいてビーム障害を検出する(S31)。端末200は、ビーム障害を検出する場合、新規ビームの候補を決定する(S33)。続いて、端末200は、BFR要求を行うために、MAC CEを送信するのに用いられる上りリンクを決定する(S35)。
具体的には、端末200は、MAC CEを確実に送信するために、MAC CEの送信に用いられる上りリンクとして、次の上りリンクを選択する。
ビーム障害を検出したSCellで設定された上りリンク(例えば、SCellにおいてUL grantで設定された上りリンク)以外の上りリンク。
PCell、無線基地局100又は無線基地局110から指定された上りリンク。
端末200は、MAC CEを早期に送信するために、MAC CEの送信に用いられる上りリンクとして、次の上りリンクを選択してもよい。
セル又はサブキャリア間隔において、送信間隔が短い上りリンクチャネルが設定された上りリンク(例えば、logical channel(LCH)restrictionにおけるPUSCH durationが短い上りリンク)。
新規ビームの候補を決定した後に、端末200が最初に送信機会を取得した上りリンク。
端末200は、MAC CEを送信するのに用いられる上りリンクを決定した場合、決定した上りリンクを用いて、MAC CEを送信することにより、BFR要求を行う(S37)。
なお、端末200は、BFR要求を行うのに用いられるMAC CEと、他のMAC CEとの間における優先度について、BFR要求を行うのに用いられるMAC CEは、所定のMAC CEより優先的に送信されてもよい。例えば、BFR要求を行うのに用いられるMAC CEは、BSR又はパワーヘッドルーム(PHR)より優先的に送信されてもよい。
端末200は、BFR要求を行うのに用いられるMAC CEに、他のデータを格納できる場合には、例えば、当該MAC CEにBSR又はPHRを含めてもよい。
(3.3)BFR完了を判定する場合における端末200の動作
次に、端末200が、SCellにおけるBFR要求を行った後、BFR手順が完了したか否かを判定する方法を説明する。
図9は、BFR要求を行う場合における、端末200の動作フローを示す図である。図9に示すように、端末200は、SCellにおけるBFR要求を行う(S41)。端末200は、BFR要求を行った場合に、成功条件を満たすか否かを判定する(S43)。
具体的には、端末200は、BFR要求において、上りリンクを用いてMAC CEを送信した場合に、成功条件を満たすと判定する。なお、端末200は、MAC CEを送信してから所定期間が経過する場合に、成功条件を満たすと判定してもよい。
端末200は、BFR要求において、上りリンクを用いてMAC CEを送信した後に、当該MAC CEの送信により起動したHARQ(Hybrid-ARQ)処理/プロセスにおいて、新規の送信がトリガされる場合に、成功条件を満たすと判定してもよい。なお、端末200は、当該MAC CEの送信に対する肯定応答(ACK)を受信した場合に、成功条件を満たすと判定してもよい。
端末200は、無線基地局100から受信したRRCメッセージ内のTCI stateが変更されている場合に、成功報告を満たすと判定してもよい。この場合、端末200は、所定の制御リソースセット(CORSET)で、物理下りリンク制御チャネル(PDCCH)を介してRRCメッセージを受信した場合に、成功条件を満たすと判定してもよい。この場合、当該PDCCHは、SpCell又はSCellに設定されていてもよい。
端末200は、所定のCORSETで、新規ビームの候補を送信するのに用いられるMAC CEを含む物理下りリンク共用チャネル(PDSCH)がスケジューリングされる、当該PDSCHが検出される、当該PDSCHが受信される、復号結果(CRC)がOKとなる、MAC CEが含まれていることなどを検出した場合に、成功条件を満たすと判定してもよい。
端末200は、無線基地局100から受信したRRCメッセージ内のTCI stateに設定されている切り替え先ビームが、MAC CEを用いて無線基地局100に送信した新規ビームの候補に含まれる場合、成功条件を満たすと判定してもよい。
端末200は、成功条件を満たすと判定する場合、BFR手順が成功したと決定して、BFR手順を完了する(S45)。
一方、端末200は、成功条件を満たさないと判定する場合、BFR手順が失敗したと決定して、BFR手順を完了する(S47)。この場合、端末200は、無線基地局100に対して、その旨を報告してもよい。例えば、SCell Failure information、SCG failure information又は測定報告を送信してもよい。端末200は、チャネル品質インディケータ(CQI)として、設定範囲外の値を通知してもよい。端末200は、新規ビームの候補の監視及び新規ビームの候補の報告を停止したことを、無線基地局100に通知してもよい。
なお、端末200は、S43において、失敗条件を満たすか否かを判定してもよい。例えば、端末200は、BFR要求において、MAC CEを用いて、新規ビームの候補が存在しないことを無線基地局100に通知した場合に、失敗条件を満たすと判定する。この場合、端末200は、MAC CEを送信したため、成功条件を満たすと判定してもよい。なお、端末200は、新規ビームの候補を含まないMAC CEを無線基地局100に通知してもよい。
この場合、無線基地局100は、当該SCellを非アクティブ化してもよい。また、無線基地局100は、SCellをSCell Dormant stateにしてもよい。
端末200は、MAC CEを送信してから、所定期間、無線基地局100から応答を受信しない場合、失敗条件を満たすと判定してもよい。この場合、MAC CEは、新規ビームの候補を含んでいてもよいし、含まなくてもよい。
端末200は、失敗条件を満たすと判定すると、BFR手順が失敗したと決定して、BFR手順を完了する。一方、端末200は、失敗条件を満たさないと判定すると、BFR手順が成功したと決定して、BFR手順を完了する。
端末200は、BFR手順が完了するまで、SCellのCSI報告として所定値を通知する。例えば、端末200は、所定値として、設定範囲外の値を通知する。また、端末200は、BFR手順が完了するまで、CQIとして所定値以下の値を通知する。
(3.4)BFR手順が失敗した場合における端末200の動作
次に、BFR手順が失敗した場合における端末200の動作を説明する。
図10は、BFR手順が失敗した場合における、端末200の動作フローを示す図である。図10に示すように、端末200は、BFR手順が失敗したと決定する(S51)。続いて、端末200は、新規ビームの候補の検出を継続するか否かを判定する(S53)。新規ビームの候補の検出を継続する場合、端末200は、新規ビームの候補を検出する(S55)。続いて、端末200は、BFR要求を継続するか否かを判定する(S57)。
一方、新規ビームの候補の検出を継続しない場合、端末200は、BFR要求を継続するか否かを判定する(S57)。BFR要求を継続する場合、端末200は、BFR要求を継続する(S59)。一方、BFR要求を継続しない場合、端末200は、BFR手順を終了する。
端末200は、新規ビームの候補を含まないMAC CEを無線基地局100に通知したことにより、BFR手順が失敗したと決定した場合、S53において、新規ビームの候補の検出を継続すると判定してもよい。この場合、端末200は、新規ビーム候補検出用の参照信号を再度監視する。なお、端末200は、所定期間が経過すると、当該監視を停止してもよい。これにより、端末200のバッテリセービングを行うことができる。
一方、端末200は、新規ビームの候補を含まないMAC CEを無線基地局100に通知したことにより、BFR手順が失敗したと決定した場合、S53において、新規ビームの候補の検出を継続しないと判定してもよい。この場合、端末200のバッテリセービングを行うことができる。
端末200は、所定期間、無線基地局100から応答を受信しないことにより、BFR手順が失敗したと決定した場合、S53において、新規ビームの候補の検出を継続すると判定し、かつ、S57において、BFR要求を継続すると判定してもよい。この場合、端末200は、新規ビーム候補検出用の参照信号を再度監視して、BFR要求を行う。なお、端末200は、所定期間が経過すると、当該監視を停止してもよい。これにより、端末200のバッテリセービングを行うことができる。
一方、端末200は、S53において、新規ビームの候補の検出を継続しないと判定し、かつ、S57において、BFR要求を継続すると判定してもよい。この場合、端末200は、繰り返しBFR要求を行うため、最初に検出した新規ビームの候補を、無線基地局100に適切に送信することができる。
また、端末200は、S53において、新規ビームの候補の検出を継続しないと判定し、かつ、S57において、BFR要求を継続しないと判定してもよい。この場合、端末200のバッテリセービングを行うことができる。
他の例として、端末200は、他のCC向けに別のBFR手順が起動したことをトリガとして、新規ビームの候補の検出を再開してもよい。この場合、別のBFR手順での報告に、検出された新規ビームの候補を含めて、無線基地局100に通知することができる。
(3.5)複数のSCellにおいてビーム障害の検出を同時に行う場合における端末200の動作
次に、複数のSCellにおいて、ビーム障害の検出を同時に行う場合における端末200の動作を説明する。
無線通信システム10において、複数のSCellが存在する場合、複数のSCellは、BFR手順の対象となる制御単位毎にグループ化されている。すなわち、複数のSCellの各々は、BFR手順の対象となる制御単位に対応付けられている。例えば、制御単位として、セル単位、端末単位、セルグループ単位(DC向けのセルグループでもよいし、PUCCH group向けのセルグループでもよいし、一般的にセル(あるいはCC)をグルーピングしたものでもよい)、MACエンティティ単位、FR単位などが挙げられる。
各制御単位内では、同時に、所定数のセルでのみBFR手順を実施することができる。制御単位間では、各制御単位内のセルが並列にBFR手順を実施することができる。
セル単位での動作の場合、BFR手順の実施が設定(又は許可)されている全てのセル(又はSCell)でBFR手順が実施されてもよい。
なお、セルグループ単位での動作の場合、BFR手順の実施が許可されている各セルグループ内では、所定数(例えば1つ)のSCellのみBFR手順が実施されてもよい。例えば、セルグループ単位での動作の場合、1つのセルグループ内では、1つのSCellのみBFR手順を行うことができる。この所定セルは、NWからRRCメッセージやMAC信号、L1信号によって指定されてもよいし、所定の条件(例えば、所定のindex(ServcellIndex, ScellIndex, BWP-idなど)を持つ、あるいは、最大のindex、最小のindexを持つもの)が選択されてもよい。
また、セルグループ単位での動作の場合、無線基地局100から、例えば、Quasi Co Location(QCL)又はTCI stateを利用して、各SCellとセルグループとのマッピングが指定されてもよい。
無線基地局100からマッピングが指定されない場合には、各SCellは所定のセルグループにマッピングされてもよい。この場合、例えば、各SCellは、SpCellと同じセルグループ、所定のセルグループ・インデックス(最大、最小)を有するセルグループ、最初に設定されたセルグループなどにマッピングされる。
各制御単位内では、BFR手順を行う優先度が決定されていてもよい。例えば、セルグループ単位での動作の場合、SpCell、PUCCHが設定されたSCell、時間的に早く起動されたSCell、又は所定のSCellを含むグループには、高優先度が割り当てられる。また、BFR手順を行う優先度は、無線基地局100から指定されてもよい。なお、低優先度のBFR手順は中止又は保留されてもよい。
このように、BFR手順の対象となる制御単位毎に、複数のSCellをグループ化することによって、MAC CEの送信機会の増加、RRCメッセージの増加によるオーバヘッド増加などを低減することができる。
なお、BFR手順の処理毎に、制御単位が異なっていてもよい。BFR手順内の処理には、例えば、上述した、ビーム障害の検出、BFR要求、BFR手順の完了決定、BFR手順の失敗決定などが含まれる。
例えば、ビーム障害の検出はセル単位で実施され、BFR要求はセルグループ単位で実施される場合、複数のSCellでビーム障害の検出が行われるとしても、BFR要求は、複数のSCellのうち、何れかのSCellで実施される。
この場合、何れかのSCellでBFR要求が完了した場合、同一のセルグループ内のBFR要求は完了したとみなしてもよい。なお、セルグループ内の所定のセルでBFR要求が完了した場合に、同一のセルグループ内のBFR要求は完了したとみなしてもよい。
(3.5.1)動作例1
図11は、複数のSCellにおいてビーム障害の検出を同時に行う場合における、動作例1に係る端末200の動作フローを示す図である。図11に示すように、端末200は、端末200が在圏するSCellが属するグループに対して、BFR手順が許可されているか否かを判定する(S61)。
BFR手順が許可されている場合には、端末200はBFR手順を行う。一方、BFR手順が許可されていない場合には、端末200は、当該SCellが属するグループに対して、BFR手順が許可されるまで待機する。
(3.5.2)動作例2
図12は、複数のSCellにおいてビーム障害の検出を同時に行う場合における、動作例2に係る端末200の動作フローを示す図である。図12に示すように、端末200は、端末200が在圏するSCellが属する第1のグループ(例えば、セル単位内の1つのグループ)に対して、BFR手順が許可されているか否かを判定する(S71)。
BFR手順が許可されている場合には、端末200はビーム障害の検出を行う(S73)。一方、BFR手順が許可されていない場合には、端末200は、第1のグループに対して、BFR手順が許可されるまで待機する。
端末200は、当該SCellにおいてビーム障害を検出した場合、端末200が在圏するSCellが属する第2のグループ(例えば、セルグループ単位内の1つのグループ)に対して、BFR手順が許可されているか否かを判定する(S75)。
BFR手順が許可されている場合には、端末200はBFR要求を行う(S77)。一方、BFR手順が許可されていない場合には、端末200は、第2のグループに対して、BFR手順が許可されるまで待機する。
(3.5.3)動作例3
動作例3は、端末200が複数のSCellにおいてビーム障害を検出する場合における、端末200の動作例を説明する。
図13は、複数のSCellにおいてビーム障害の検出を同時に行う場合における、動作例3に係る端末200の動作フローを示す図である。図13に示すように、端末200は、複数のSCellにおいて、ビーム障害を検出する(S81)。続いて、端末200は、複数のSCellの各々において、新規ビームの候補を決定する(S83)。
端末200は、各SCellにおいて、新規ビームの候補を決定する場合、無線基地局100に対して、複数のSCellにおける新規ビームの候補を報告するのに用いられるメッセージを設定する(S85)。
具体的には、端末200は、同一のMAC CE内に、複数のSCellにおける新規ビームの候補の情報を設定する。この場合、端末200は、所定の優先度に従って、同一のMAC CE内に、複数のSCellにおける新規ビームの候補の情報を設定してもよい。
例えば、端末200は、時間的に早く検出された新規ビームの候補から、順に、同一のMAC CE内に格納してもよい。端末200は、所定のSCellにおける新規ビームの候補を優先して、同一のMAC CE内に格納してもよい。端末200は、無線基地局100から指定されたSCellにおける新規ビームの候補を優先して、同一のMAC CE内に格納してもよい。
なお、端末200は、各SCellにおける新規ビームの候補の情報が設定された異なるMAC CEを同一のMAC パケットデータユニット(PDU)に格納してもよい。
端末200は、同一のメッセージを用いて、BFR要求を行う(S87)。具体的には、端末200は、同一のMAC CE又はMAC PDUを用いて、複数のSCellにおける新規ビームの候補を無線基地局100に報告する。
(4)作用・効果
上述した実施形態によれば、端末200は、所定条件を満たす場合、BFR手順が完了したと決定する。例えば、BFR要求を送信する場合、切り替え先ビームが新規ビームの候補に含まれる場合、端末200がBFR要求を送信してから、所定期間、BFR要求に対する応答を受信しない場合に、端末200はBFR手順が完了したと決定する。
このような構成により、端末200は、無線基地局100から通知を受信せずに、早期かつ簡易に、BFR手順が完了したと決定することができる。
従って、このような特徴により、端末200は、ネットワークの負荷増加を抑えつつ、BFR手順が完了したことを決定し得る。
更に、切り替え先ビームが新規ビームの候補に含まれる場合に、端末200はBFR手順が完了したと決定することにより、無線基地局100が把握していない、より良いビームへの切り替えができないといった状態を回避し得る。
本実施形態によれば、端末200は、BFR手順が完了するまで、SCellにおける品質情報として、所定値を通知する。
このような構成により、無線基地局100は、BFR手順を行っているSCellを識別できる。従って、無線基地局100が、BFR手順を行っているSCellに対して、スケジューリングを行ってしまうことを回避し得る。
本実施形態によれば、端末200は、BFR手順が完了したと決定する場合、BFR要求の送信を中止する。
このような構成により、端末200は、ネットワークの負荷増加を抑えつつ、BFR手順が完了したことを決定し得る。
(5)その他の実施形態
以上、実施形態に沿って本発明の内容を説明したが、本発明はこれらの記載に限定されるものではなく、種々の変形及び改良が可能であることは、当業者には自明である。
上述した実施形態の説明に用いたブロック構成図(図5)は、機能単位のブロックを示している。これらの機能ブロック(構成部)は、ハードウェア及びソフトウェアの少なくとも一方の任意の組み合わせによって実現される。また、各機能ブロックの実現方法は特に限定されない。すなわち、各機能ブロックは、物理的または論理的に結合した1つの装置を用いて実現されてもよいし、物理的または論理的に分離した2つ以上の装置を直接的または間接的に(例えば、有線、無線などを用いて)接続し、これら複数の装置を用いて実現されてもよい。機能ブロックは、上記1つの装置または上記複数の装置にソフトウェアを組み合わせて実現されてもよい。
機能には、判断、決定、判定、計算、算出、処理、導出、調査、探索、確認、受信、送信、出力、アクセス、解決、選択、選定、確立、比較、想定、期待、みなし、報知(broadcasting)、通知(notifying)、通信(communicating)、転送(forwarding)、構成(configuring)、再構成(reconfiguring)、割り当て(allocating、mapping)、割り振り(assigning)などがあるが、これらに限られない。例えば、送信を機能させる機能ブロック(構成部)は、送信部(transmitting unit)や送信機(transmitter)と呼称される。何れも、上述したとおり、実現方法は特に限定されない。
さらに、上述した端末200は、本開示の無線通信方法の処理を行うコンピュータとして機能してもよい。図14は、当該端末のハードウェア構成の一例を示す図である。図14に示すように、当該端末は、プロセッサ1001、メモリ1002、ストレージ1003、通信装置1004、入力装置1005、出力装置1006及びバス1007などを含むコンピュータ装置として構成されてもよい。
なお、以下の説明では、「装置」という文言は、回路、デバイス、ユニットなどに読み替えることができる。当該装置のハードウェア構成は、図に示した各装置を1つまたは複数含むように構成されてもよいし、一部の装置を含まずに構成されてもよい。
当該装置の各機能ブロックは、当該コンピュータ装置の何れかのハードウェア要素、または当該ハードウェア要素の組み合わせによって実現される。
また、当該装置における各機能は、プロセッサ1001、メモリ1002などのハードウェア上に所定のソフトウェア(プログラム)を読み込ませることによって、プロセッサ1001が演算を行い、通信装置1004による通信を制御したり、メモリ1002及びストレージ1003におけるデータの読み出し及び書き込みの少なくとも一方を制御したりすることによって実現される。
プロセッサ1001は、例えば、オペレーティングシステムを動作させてコンピュータ全体を制御する。プロセッサ1001は、周辺装置とのインターフェース、制御装置、演算装置、レジスタなどを含む中央処理装置(CPU)によって構成されてもよい。
また、プロセッサ1001は、プログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュール、データなどを、ストレージ1003及び通信装置1004の少なくとも一方からメモリ1002に読み出し、これらに従って各種の処理を実行する。プログラムとしては、上述の実施の形態において説明した動作の少なくとも一部をコンピュータに実行させるプログラムが用いられる。さらに、上述の各種処理は、1つのプロセッサ1001によって実行されてもよいし、2つ以上のプロセッサ1001により同時または逐次に実行されてもよい。プロセッサ1001は、1以上のチップによって実装されてもよい。なお、プログラムは、電気通信回線を介してネットワークから送信されてもよい。
メモリ1002は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、Read Only Memory(ROM)、Erasable Programmable ROM(EPROM)、Electrically Erasable Programmable ROM(EEPROM)、Random Access Memory(RAM)などの少なくとも1つによって構成されてもよい。メモリ1002は、レジスタ、キャッシュ、メインメモリ(主記憶装置)などと呼ばれてもよい。メモリ1002は、本開示の一実施形態に係る方法を実行可能なプログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュールなどを保存することができる。
ストレージ1003は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、Compact Disc ROM(CD-ROM)などの光ディスク、ハードディスクドライブ、フレキシブルディスク、光磁気ディスク(例えば、コンパクトディスク、デジタル多用途ディスク、Blu-ray(登録商標)ディスク)、スマートカード、フラッシュメモリ(例えば、カード、スティック、キードライブ)、フロッピー(登録商標)ディスク、磁気ストリップなどの少なくとも1つによって構成されてもよい。ストレージ1003は、補助記憶装置と呼ばれてもよい。上述の記録媒体は、例えば、メモリ1002及びストレージ1003の少なくとも一方を含むデータベース、サーバその他の適切な媒体であってもよい。
通信装置1004は、有線ネットワーク及び無線ネットワークの少なくとも一方を介してコンピュータ間の通信を行うためのハードウェア(送受信デバイス)であり、例えばネットワークデバイス、ネットワークコントローラ、ネットワークカード、通信モジュールなどともいう。
通信装置1004は、例えば周波数分割複信(Frequency Division Duplex:FDD)及び時分割複信(Time Division Duplex:TDD)の少なくとも一方を実現するために、高周波スイッチ、デュプレクサ、フィルタ、周波数シンセサイザなどを含んで構成されてもよい。
入力装置1005は、外部からの入力を受け付ける入力デバイス(例えば、キーボード、マウス、マイクロフォン、スイッチ、ボタン、センサなど)である。出力装置1006は、外部への出力を実施する出力デバイス(例えば、ディスプレイ、スピーカー、LEDランプなど)である。なお、入力装置1005及び出力装置1006は、一体となった構成(例えば、タッチパネル)であってもよい。
また、プロセッサ1001及びメモリ1002などの各装置は、情報を通信するためのバス1007で接続される。バス1007は、単一のバスを用いて構成されてもよいし、装置間毎に異なるバスを用いて構成されてもよい。
さらに、当該装置は、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(Digital Signal Processor: DSP)、Application Specific Integrated Circuit(ASIC)、Programmable Logic Device(PLD)、Field Programmable Gate Array(FPGA)などのハードウェアを含んで構成されてもよく、当該ハードウェアにより、各機能ブロックの一部または全てが実現されてもよい。例えば、プロセッサ1001は、これらのハードウェアの少なくとも1つを用いて実装されてもよい。
また、情報の通知は、本開示において説明した態様/実施形態に限られず、他の方法を用いて行われてもよい。例えば、情報の通知は、物理レイヤシグナリング(例えば、Downlink Control Information(DCI)、Uplink Control Information(UCI)、上位レイヤシグナリング(例えば、RRCシグナリング、Medium Access Control(MAC)シグナリング、報知情報(Master Information Block(MIB)、System Information Block(SIB))、その他の信号またはこれらの組み合わせによって実施されてもよい。また、RRCシグナリングは、RRCメッセージと呼ばれてもよく、例えば、RRC接続セットアップ(RRC Connection Setup)メッセージ、RRC接続再構成(RRC Connection Reconfiguration)メッセージなどであってもよい。
本開示において説明した各態様/実施形態は、Long Term Evolution(LTE)、LTE-Advanced(LTE-A)、SUPER 3G、IMT-Advanced、4th generation mobile communication system(4G)、5th generation mobile communication system(5G)、Future Radio Access(FRA)、New Radio(NR)、W-CDMA(登録商標)、GSM(登録商標)、CDMA2000、Ultra Mobile Broadband(UMB)、IEEE 802.11(Wi-Fi(登録商標))、IEEE 802.16(WiMAX(登録商標))、IEEE 802.20、Ultra-WideBand(UWB)、Bluetooth(登録商標)、その他の適切なシステムを利用するシステム及びこれらに基づいて拡張された次世代システムの少なくとも一つに適用されてもよい。また、複数のシステムが組み合わされて(例えば、LTE及びLTE-Aの少なくとも一方と5Gとの組み合わせなど)適用されてもよい。
本開示において説明した各態様/実施形態の処理手順、シーケンス、フローチャートなどは、矛盾の無い限り、順序を入れ替えてもよい。例えば、本開示において説明した方法については、例示的な順序を用いて様々なステップの要素を提示しており、提示した特定の順序に限定されない。
本開示において基地局によって行われるとした特定動作は、場合によってはその上位ノード(upper node)によって行われることもある。基地局を有する1つまたは複数のネットワークノード(network nodes)からなるネットワークにおいて、端末との通信のために行われる様々な動作は、基地局及び基地局以外の他のネットワークノード(例えば、MMEまたはS-GWなどが考えられるが、これらに限られない)の少なくとも1つによって行われ得ることは明らかである。上記において基地局以外の他のネットワークノードが1つである場合を例示したが、複数の他のネットワークノードの組み合わせ(例えば、MME及びS-GW)であってもよい。
情報、信号(情報等)は、上位レイヤ(または下位レイヤ)から下位レイヤ(または上位レイヤ)へ出力され得る。複数のネットワークノードを介して入出力されてもよい。
入出力された情報は、特定の場所(例えば、メモリ)に保存されてもよいし、管理テーブルを用いて管理してもよい。入出力される情報は、上書き、更新、または追記され得る。出力された情報は削除されてもよい。入力された情報は他の装置へ送信されてもよい。
判定は、1ビットで表される値(0か1か)によって行われてもよいし、真偽値(Boolean:trueまたはfalse)によって行われてもよいし、数値の比較(例えば、所定の値との比較)によって行われてもよい。
本開示において説明した各態様/実施形態は単独で用いてもよいし、組み合わせて用いてもよいし、実行に伴って切り替えて用いてもよい。また、所定の情報の通知(例えば、「Xであること」の通知)は、明示的に行うものに限られず、暗黙的(例えば、当該所定の情報の通知を行わない)ことによって行われてもよい。
ソフトウェアは、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語と呼ばれるか、他の名称で呼ばれるかを問わず、命令、命令セット、コード、コードセグメント、プログラムコード、プログラム、サブプログラム、ソフトウェアモジュール、アプリケーション、ソフトウェアアプリケーション、ソフトウェアパッケージ、ルーチン、サブルーチン、オブジェクト、実行可能ファイル、実行スレッド、手順、機能などを意味するよう広く解釈されるべきである。
また、ソフトウェア、命令、情報などは、伝送媒体を介して送受信されてもよい。例えば、ソフトウェアが、有線技術(同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、デジタル加入者回線(Digital Subscriber Line:DSL)など)及び無線技術(赤外線、マイクロ波など)の少なくとも一方を使用してウェブサイト、サーバ、または他のリモートソースから送信される場合、これらの有線技術及び無線技術の少なくとも一方は、伝送媒体の定義内に含まれる。
本開示において説明した情報、信号などは、様々な異なる技術の何れかを使用して表されてもよい。例えば、上記の説明全体に渡って言及され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、チップなどは、電圧、電流、電磁波、磁界若しくは磁性粒子、光場若しくは光子、またはこれらの任意の組み合わせによって表されてもよい。
なお、本開示において説明した用語及び本開示の理解に必要な用語については、同一のまたは類似する意味を有する用語と置き換えてもよい。例えば、チャネル及びシンボルの少なくとも一方は信号(シグナリング)であってもよい。また、信号はメッセージであってもよい。また、コンポーネントキャリア(Component Carrier:CC)は、キャリア周波数、セル、周波数キャリアなどと呼ばれてもよい。
本開示において使用する「システム」及び「ネットワーク」という用語は、互換的に使用される。
また、本開示において説明した情報、パラメータなどは、絶対値を用いて表されてもよいし、所定の値からの相対値を用いて表されてもよいし、対応する別の情報を用いて表されてもよい。例えば、無線リソースはインデックスによって指示されるものであってもよい。
上述したパラメータに使用する名称はいかなる点においても限定的な名称ではない。さらに、これらのパラメータを使用する数式等は、本開示で明示的に開示したものと異なる場合もある。様々なチャネル(例えば、PUCCH、PDCCHなど)及び情報要素は、あらゆる好適な名称によって識別できるため、これらの様々なチャネル及び情報要素に割り当てている様々な名称は、いかなる点においても限定的な名称ではない。
本開示においては、「基地局(Base Station:BS)」、「無線基地局」、「固定局(fixed station)」、「NodeB」、「eNodeB(eNB)」、「gNodeB(gNB)」、「アクセスポイント(access point)」、「送信ポイント(transmission point)」、「受信ポイント(reception point)、「送受信ポイント(transmission/reception point)」、「セル」、「セクタ」、「セルグループ」、「キャリア」、「コンポーネントキャリア」などの用語は、互換的に使用され得る。基地局は、マクロセル、スモールセル、フェムトセル、ピコセルなどの用語で呼ばれる場合もある。
基地局は、1つまたは複数(例えば、3つ)のセル(セクタとも呼ばれる)を収容することができる。基地局が複数のセルを収容する場合、基地局のカバレッジエリア全体は複数のより小さいエリアに区分でき、各々のより小さいエリアは、基地局サブシステム(例えば、屋内用の小型基地局(Remote Radio Head:RRH)によって通信サービスを提供することもできる。
「セル」または「セクタ」という用語は、このカバレッジにおいて通信サービスを行う基地局、及び基地局サブシステムの少なくとも一方のカバレッジエリアの一部または全体を指す。
本開示においては、「移動局(Mobile Station:MS)」、「ユーザ端末(user terminal)」、「ユーザ装置(User Equipment:UE)」、「端末」などの用語は、互換的に使用され得る。
移動局は、当業者によって、加入者局、モバイルユニット、加入者ユニット、ワイヤレスユニット、リモートユニット、モバイルデバイス、ワイヤレスデバイス、ワイヤレス通信デバイス、リモートデバイス、モバイル加入者局、アクセス端末、モバイル端末、ワイヤレス端末、リモート端末、ハンドセット、ユーザエージェント、モバイルクライアント、クライアント、またはいくつかの他の適切な用語で呼ばれる場合もある。
基地局及び移動局の少なくとも一方は、送信装置、受信装置、通信装置などと呼ばれてもよい。なお、基地局及び移動局の少なくとも一方は、移動体に搭載されたデバイス、移動体自体などであってもよい。当該移動体は、乗り物(例えば、車、飛行機など)であってもよいし、無人で動く移動体(例えば、ドローン、自動運転車など)であってもよいし、ロボット(有人型または無人型)であってもよい。なお、基地局及び移動局の少なくとも一方は、必ずしも通信動作時に移動しない装置も含む。例えば、基地局及び移動局の少なくとも一方は、センサなどのInternet of Things(IoT)機器であってもよい。
また、本開示における基地局は、移動局(ユーザ端末、以下同)として読み替えてもよい。例えば、基地局及び移動局間の通信を、複数の移動局間の通信(例えば、Device-to-Device(D2D)、Vehicle-to-Everything(V2X)などと呼ばれてもよい)に置き換えた構成について、本開示の各態様/実施形態を適用してもよい。この場合、基地局が有する機能を移動局が有する構成としてもよい。また、「上り」及び「下り」などの文言は、端末間通信に対応する文言(例えば、「サイド(side)」)で読み替えられてもよい。例えば、上りチャネル、下りチャネルなどは、サイドチャネルで読み替えられてもよい。
同様に、本開示における移動局は、基地局として読み替えてもよい。この場合、移動局が有する機能を基地局が有する構成としてもよい。
「接続された(connected)」、「結合された(coupled)」という用語、またはこれらのあらゆる変形は、2またはそれ以上の要素間の直接的または間接的なあらゆる接続または結合を意味し、互いに「接続」または「結合」された2つの要素間に1またはそれ以上の中間要素が存在することを含むことができる。要素間の結合または接続は、物理的なものであっても、論理的なものであっても、或いはこれらの組み合わせであってもよい。例えば、「接続」は「アクセス」で読み替えられてもよい。本開示で使用する場合、2つの要素は、1またはそれ以上の電線、ケーブル及びプリント電気接続の少なくとも一つを用いて、並びにいくつかの非限定的かつ非包括的な例として、無線周波数領域、マイクロ波領域及び光(可視及び不可視の両方)領域の波長を有する電磁エネルギーなどを用いて、互いに「接続」または「結合」されると考えることができる。
参照信号は、Reference Signal(RS)と略称することもでき、適用される標準によってパイロット(Pilot)と呼ばれてもよい。
本開示において使用する「に基づいて」という記載は、別段に明記されていない限り、「のみに基づいて」を意味しない。言い換えれば、「に基づいて」という記載は、「のみに基づいて」と「に少なくとも基づいて」の両方を意味する。
本開示において使用する「第1」、「第2」などの呼称を使用した要素へのいかなる参照も、それらの要素の量または順序を全般的に限定しない。これらの呼称は、2つ以上の要素間を区別する便利な方法として本開示において使用され得る。したがって、第1及び第2の要素への参照は、2つの要素のみがそこで採用され得ること、または何らかの形で第1の要素が第2の要素に先行しなければならないことを意味しない。
本開示において、「含む(include)」、「含んでいる(including)」及びそれらの変形が使用されている場合、これらの用語は、用語「備える(comprising)」と同様に、包括的であることが意図される。さらに、本開示において使用されている用語「または(or)」は、排他的論理和ではないことが意図される。
本開示において、例えば、英語でのa, an及びtheのように、翻訳により冠詞が追加された場合、本開示は、これらの冠詞の後に続く名詞が複数形であることを含んでもよい。
本開示において、「AとBが異なる」という用語は、「AとBが互いに異なる」ことを意味してもよい。なお、当該用語は、「AとBがそれぞれCと異なる」ことを意味してもよい。「離れる」、「結合される」などの用語も、「異なる」と同様に解釈されてもよい。
以上、本開示について詳細に説明したが、当業者にとっては、本開示が本開示中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本開示は、請求の範囲の記載により定まる本開示の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。したがって、本開示の記載は、例示説明を目的とするものであり、本開示に対して何ら制限的な意味を有するものではない。