<第1aの実施形態α>
以下、遊技機の一種である回胴式遊技機、具体的にはスロットマシンに適用した場合の一実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はスロットマシン10の正面図、図2はスロットマシン10の前面扉12を閉じた状態の斜視図、図3はスロットマシン10の前面扉12を開いた状態の斜視図、図4は前面扉12の背面図、図5は筐体11の正面図である。
図1~図5に示すように、スロットマシン10は、その外殻を形成する筐体11を備えている。筐体11は、全体として前面を開放した箱状に形成されており、遊技ホールへの設置の際にいわゆる島設備に対し釘を打ち付ける等して取り付けられる。
筐体11の前面側には、前面扉12が開閉可能に取り付けられている。すなわち、筐体11には、その正面から見て左側部に上下一対の支軸13a,13bが設けられており、前面扉12には、各支軸13a,13bと対応する位置に軸受部14a,14bが設けられている。そして、各軸受部14a,14bに各支軸13a,13bが挿入された状態では、前面扉12が筐体11に対して両支軸13a,13bを結ぶ上下方向へ延びる開閉軸線を中心として回動可能に支持され、前面扉12の回動によって筐体11の前面開放側を開放したり閉鎖したりすることができるようになっている。また、前面扉12は、その裏面に設けられた施錠装置20によって開放不能な施錠状態とされる。前面扉12の右端側上部には、施錠装置20と一体化されたキーシリンダ21が設けられており、キーシリンダ21に対する所定のキー操作によって前記施錠状態が解除されるように構成されている。
前面扉12の中央部上寄りには、遊技者に遊技状態を報知する遊技パネル25が設けられている。遊技パネル25には、縦長の3つの表示窓26L,26M,26Rが横並びに形成されており、各表示窓26L,26M,26Rを通じてスロットマシン10の内部が視認可能な状態となっている。なお、各表示窓26L,26M,26Rを1つにまとめて共通の表示窓としてもよい。
図3に示すように、筐体11は仕切り板30によりその内部が上下2分割されており、仕切り板30の上部には、可変表示手段を構成するリールユニット31が取り付けられている。リールユニット31は、円筒状(円環状)にそれぞれ形成された左リール32L,中リール32M,右リール32Rを備えている。各リール32L,32M,32Rは、その中心軸線が当該リールの回転軸線となるように回転可能に支持されている。各リール32L,32M,32Rの回転軸線は略水平方向に延びる同一軸線上に配設され、それぞれのリール32L,32M,32Rが各表示窓26L,26M,26Rと1対1で対応している。したがって、各リール32L,32M,32Rの表面の一部はそれぞれ対応する表示窓26L,26M,26Rを通じて視認可能な状態となっている。また、リール32L,32M,32Rが正回転すると、各表示窓26L,26M,26Rを通じてリール32L,32M,32Rの表面は上から下へ向かって移動しているかのように映し出される。
ここで、リールユニット31の構成を簡単に説明する。
各リール32L,32M,32Rは、それぞれがステッピングモータに連結されており、各ステッピングモータの駆動により各リール32L,32M,32Rが個別に、すなわちそれぞれ独立して回転駆動し得る構成となっている。ステッピングモータは、例えば500パルスの駆動信号(以下、励磁パルスともいう。)を与えることにより1回転されるように設定されており、この励磁パルスによってステッピングモータの回転位置、すなわちリールの回転位置が制御される。また、リールユニット31には、リールが1回転したことを検出するためのリールインデックスセンサが各リール32L,32M,32Rに設置されている。そして、リールインデックスセンサからは、リールが1回転したことを検出した場合、その検出の都度、後述する主制御装置101に検出信号が出力されるようになっている。このため主制御装置101は、リールインデックスセンサの検出信号と、当該検出信号が入力されるまでに出力した励磁パルス数とに基づいて、各リール32L,32M,32Rの角度位置を1回転毎に確認するとともに補正することができる。
各リール32L,32M,32Rの外周面には、その長辺方向(周回方向)に、識別情報としての図柄が複数個描かれている。より具体的には、20個の図柄が等間隔に描かれている。このため、所定の位置においてある図柄を次の図柄へ切り替えるには、25パルス(=500パルス÷20図柄)の励磁パルスの出力を要する。また、主制御装置101は、リールインデックスセンサの検出信号が入力されてから出力した励磁パルス数により、表示窓26L,26M,26Rから視認可能な状態となっている図柄を把握したり、表示窓26L,26M,26Rから視認可能な位置に所定の図柄を停止させたりする制御を行うことができる。
次に、各リール32L,32M,32Rに描かれている図柄について説明する。
図6には、左リール32L,中リール32M,右リール32Rの図柄配列が示されている。同図に示すように、各リール32L,32M,32Rには、それぞれ20個の図柄が一列に配置されている。また、各リール32L,32M,32Rに対応して番号が0~19まで付されているが、これら番号は主制御装置101が表示窓26L,26M,26Rから視認可能な状態となっている図柄を認識するための番号であり、リール32L,32M,32Rに実際に付されているわけではない。但し、以下の説明では当該番号を使用して説明する。
図柄としては、「ベル」図柄(例えば、左リール32Lの1番目)、「リプレイ」図柄(例えば、左リール32Lの0番目)、「赤7」図柄(例えば、左リール32Lの14番目)、「スイカ」図柄(例えば、左リール32Lの2番目)、「チェリー」図柄(例えば、左リール32Lの8番目)、「BAR」図柄(例えば、左リール32Lの9番目)、「白7」図柄(例えば、左リール32Lの3番目)、「青年」図柄(例えば、左リール32Lの18番目)、「赤貝」図柄(例えば、左リール32Lの4番目)、「白貝」図柄(例えば、左リール32Lの19番目)の10種類がある。そして、図6に示すように、各リール32L,32M,32Rにおいて各種図柄の数や配置順序は全く異なっている。
各表示窓26L,26M,26Rは、対応するリールに付された20個の図柄のうち図柄全体を視認可能となる図柄が3個となるように形成されている。このため、各リール32L,32M,32Rがすべて停止している状態では、3×3=9個の図柄が表示窓26L,26M,26Rを介して視認可能な状態となる。
本スロットマシン10では、上記視認可能となる図柄のうち、各リール32L,32M,32Rそれぞれ1の図柄ずつ、計3つの図柄の組合せを利用して各ゲームの遊技結果が報知される。上記のように3×3=9個の図柄が視認可能となることから、これら3つの図柄の組合せとしては、例えば、図7に示すように、各リール32L,32M,32Rの上段図柄を結んだ上ラインL1に停止する各図柄の組合せや、各リール32L,32M,32Rの中段図柄を結んだ中ラインL2に停止する各図柄の組合せや、各リール32L,32M,32Rの下段図柄を結んだ下ラインL3に停止する各図柄の組合せがある。また、左リール32Lの上段図柄,中リール32Mの中段図柄,右リール32Rの下段図柄を結んだ右下がりラインL4に停止する各図柄の組合せや、左リール32Lの下段図柄,中リール32Mの中段図柄,右リール32Rの上段図柄を結んだ右上がりラインL5に停止する各図柄の組合せがある。その他、左リール32Lの中段図柄,中リール32Mの上段図柄,右リール32Rの上段図柄を結んだ折れ曲がりラインL6に停止する各図柄の組合せもある。上記のラインL1~L5は各図柄を並べると一直線となるラインであり、折れ曲がりラインL6は各図柄を並べると途中で折れ曲がりが生じるラインである。なお、折れ曲がりが生じるラインに停止する各図柄の組合せとしては、折れ曲がりラインL6以外にもあるが、ここでは説明を省略する。
これらラインL1~L6のうち、メダルのベットによって有効化されるラインと有効化されないラインとが設定され、有効化されたライン、すなわち有効ライン上に図柄が所定の組合せで停止した場合には、入賞成立として、遊技媒体たるメダルが所定数払い出される特典が付与されたり、遊技状態が移行される特典が付与されたりするようになっている。その一方で、有効化されないライン上に図柄が所定の組合せで停止した場合には、入賞は成立せず、上記特典は付与されない。
本スロットマシン10では、上記のラインL1~L6のうち、折れ曲がりラインL6が有効ラインとして設定される。より詳しくは、本スロットマシン10では、3枚のメダルがベットされてゲームが開始される場合と2枚のメダルがベットされてゲームが開始される場合とがあり、これら3枚又は2枚のメダルがベットされてゲームが開始される場合には、折れ曲がりラインL6のみが有効ラインとして設定され、他のラインL1~L5は有効ラインとしては設定されない。以下の説明では、折れ曲がりラインL6を有効ラインMLと称する場合がある。また、以下では、3枚のメダルがベットされて開始されるゲームを3ベットゲーム、2枚のメダルがベットされて開始されるゲームを2ベットゲーム、1枚のメダルがベットされて開始されるゲームを1ベットゲーム、ともいう。なお、本実施形態では、1ベットゲームは設定されない。
図8~図10は、入賞となる図柄の組合せと、入賞となった場合に付与される特典と、の対応関係を示す図である。
メダル払出が行われる小役入賞としては、第1小役入賞~第32小役入賞がある。
左リール32Lの「リプレイ」図柄と、中リール32Mの「リプレイ」図柄と、右リール32Rの「リプレイ」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合には、第1小役入賞となる。第1小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは13枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは5枚のメダル払出が行われる。
図11(a)に示すように、有効ラインMLに第1小役入賞に対応する図柄が停止すると、右下がりラインL4には「ベル」図柄が揃って停止する。そのため、遊技者は、ベルに対応する小役入賞が成立したことを容易に理解可能となる。
左リール32Lの「リプレイ」図柄と、中リール32Mの「ベル」図柄と、右リール32Rの「ベル」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合には、第2小役入賞となる。第2小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは13枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは5枚のメダル払出が行われる。
図11(b)に示すように、有効ラインMLに第2小役入賞に対応する図柄が停止すると、上ラインL1には「ベル」図柄が揃って停止する。そのため、遊技者は、ベルに対応する小役入賞が成立したことを容易に理解可能となるとともに、「ベル」図柄が揃うラインの相違から、上記の第1小役入賞とは異なる小役入賞が成立していることも理解可能となる。
左リール32Lの「ベル」図柄と、中リール32Mの「リプレイ」図柄と、右リール32Rの「スイカ」図柄又は「赤貝」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合には、第3小役入賞となる。第3小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは13枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは5枚のメダル払出が行われる。
図11(c)に示すように、有効ラインMLに第3小役入賞に対応する図柄が停止すると、中ラインL2には「ベル」図柄が揃って停止する。そのため、遊技者は、ベルに対応する小役入賞が成立したことを容易に理解可能となるとともに、「ベル」図柄が揃うラインの相違から、上記の第1小役入賞や第2小役入賞とは異なる小役入賞が成立していることも理解可能となる。
左リール32Lの「スイカ」図柄と、中リール32Mの「リプレイ」図柄と、右リール32Rの「ベル」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合には、第4小役入賞となる。第4小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは13枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは5枚のメダル払出が行われる。
図11(d)に示すように、有効ラインMLに第4小役入賞に対応する図柄が停止すると、右上がりラインL5には「ベル」図柄が揃って停止する。そのため、遊技者は、ベルに対応する小役入賞が成立したことを容易に理解可能となるとともに、「ベル」図柄が揃うラインの相違から、上記の第1小役入賞~第3小役入賞とは異なる小役入賞が成立していることも理解可能となる。
左リール32Lの「スイカ」図柄と、中リール32Mの「スイカ」図柄と、右リール32Rの「リプレイ」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合には、第5小役入賞となる。第5小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは13枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは5枚のメダル払出が行われる。
図11(e)に示すように、有効ラインMLに第5小役入賞に対応する図柄が停止すると、下ラインL3には「ベル」図柄が揃って停止する。そのため、遊技者は、ベルに対応する小役入賞が成立したことを容易に理解可能となるとともに、「ベル」図柄が揃うラインの相違から、上記の第1小役入賞~第4小役入賞とは異なる小役入賞が成立していることも理解可能となる。
左リール32Lの「スイカ」図柄と、中リール32Mの「リプレイ」図柄と、右リール32Rの「リプレイ」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合には、第6小役入賞となる。第6小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは13枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは5枚のメダル払出が行われる。
図11(f)に示すように、有効ラインMLに第6小役入賞に対応する図柄が停止すると、左リール32Lの下段、中リール32Mの中段、右リール32Rの下段にそれぞれ「ベル」図柄が停止する(小山型に停止する)。そのため、遊技者は、ベルに対応する小役入賞が成立したことを容易に理解可能となるとともに、「ベル」図柄の停止位置の相違から、上記の第1小役入賞~第5小役入賞とは異なる小役入賞が成立していることも理解可能となる。
左リール32Lの「ベル」図柄と、中リール32Mの「白7」図柄、「チェリー」図柄、「赤貝」図柄又は「青年」図柄と、右リール32Rの「白7」図柄、「白貝」図柄又は「青年」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合には、第7小役入賞となる。第7小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは3枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは3枚のメダル払出が行われる。
図12(a)に示すように、有効ラインMLに第7小役入賞に対応する図柄が停止すると、右下がりラインL4には「スイカ」図柄が揃って停止する。そのため、遊技者は、スイカに対応する小役入賞が成立したことを容易に理解可能となる。
左リール32Lの「ベル」図柄と、中リール32Mの「スイカ」図柄と、右リール32Rの「スイカ」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合には、第8小役入賞となる。第8小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは3枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは3枚のメダル払出が行われる。
図12(b)に示すように、有効ラインMLに第8小役入賞に対応する図柄が停止すると、上ラインL1には「スイカ」図柄が揃って停止する。そのため、遊技者は、スイカに対応する小役入賞が成立したことを容易に理解可能となるとともに、「スイカ」図柄が揃うラインの相違から、上記の第7小役入賞とは異なる小役入賞が成立していることも理解可能となる。
第9小役~第32小役は、主に、第1小役~第6小役の取りこぼし時に入賞が成立する、所謂取りこぼし役である。第9小役入賞~第32小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは1枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは1枚のメダル払出が行われる。第9小役~第32小役は、左リール32Lの「リプレイ」図柄、「赤7」図柄、「BAR」図柄、「赤貝」図柄、「白貝」図柄、「青年」図柄又は「ベル」図柄と、中リール32Mの「白7」図柄、「チェリー」図柄、「赤貝」図柄、「青年」図柄、「赤7」図柄、「スイカ」図柄、「リプレイ」図柄、「BAR」図柄、「ベル」図柄又は「白貝」図柄と、右リール32Rの「赤7」図柄、「白7」図柄、「白貝」図柄、「青年」図柄、「スイカ」図柄、「赤貝」図柄、「BAR」図柄又は「リプレイ」図柄と、による対応する組み合わせが有効ラインML上に停止することで入賞が成立する。図8及び図9に示すように、これら第9小役入賞~第32小役入賞に対応する図柄の組み合わせは、いずれも直線ライン(L1~L5)に「ベル」図柄が揃って停止することがないように設定されており、ベルに対応する小役入賞が成立していないことを容易に理解可能となるように設定されている。
ちなみに、上記の第1小役入賞~第32小役入賞に基づいてメダルが払い出される構成において、払い出される小役は、遊技の結果に応じて付与される特典(遊技価値)の一種である。なお、本明細書においては、払い出されたメダルのことを出玉とも称する場合があり、投入した(ベットした)メダルの数に対する払出メダル(出玉)の数の割合を出玉率とも称する場合がある。
メダルを投入することなく次ゲームの遊技を行うことが可能な再遊技の特典(遊技価値)が付与される入賞としては、第1再遊技入賞~第12再遊技入賞がある。図10に示すように、これら第1再遊技~第12再遊技に対して、入賞となる図柄組み合わせがそれぞれ設定されている。
第1再遊技は、左リール32Lの「リプレイ」図柄と、中リール32Mの「スイカ」図柄と、右リール32Rの「赤7」図柄、「白7」図柄、「白貝」図柄又は「青年」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合に入賞が成立する。図12(c)に示すように、有効ラインMLに第1再遊技入賞に対応する図柄が停止すると、中ラインL2には「リプレイ」図柄が揃って停止する。そのため、遊技者は、リプレイに対応する再遊技入賞が成立したことを容易に理解可能となる。
第2再遊技は、左リール32Lの「白7」図柄と、中リール32Mの「白貝」図柄と、右リール32Rの「チェリー」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合に入賞が成立する。有効ラインMLに第2再遊技入賞に対応する図柄が停止すると、図13(e)に示すように、中ラインL2には「白7」図柄が揃って停止する。
第3再遊技は、左リール32Lの「白7」図柄と、中リール32Mの「白貝」図柄と、右リール32Rの「BAR」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合に入賞が成立する。有効ラインMLに第3再遊技入賞に対応する図柄が停止すると、図13(f)に示すように、左リール32Lの中段及び中リール32Mの中段に「白7」図柄が停止し、右リール32Rの中段に「赤7」図柄が停止する。
第4再遊技及び第5再遊技は、複数の再遊技が重複して当選する場合の調整用の再遊技である。
第6再遊技は、左リール32Lの「ベル」図柄と、中リール32Mの「スイカ」図柄と、右リール32Rの「赤7」図柄、「白7」図柄、「BAR」図柄、「チェリー」図柄、「白貝」図柄又は「青年」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合に入賞が成立する。図12(d)に示すように、有効ラインMLに第6再遊技入賞に対応する図柄が停止すると、左リール32Lの上段と中リール32Mの上段とに「スイカ」図柄が停止する一方、右リール32Rの上段には「スイカ」図柄が停止せず(右リール32Rの下段に「スイカ」図柄が停止し)、所謂上段スイカテンパイ外れの停止態様となる。また、有効ラインMLに第6再遊技入賞に対応する図柄が停止すると、左リール32Lの上段と右リール32Rの下段とに「スイカ」図柄が停止する一方、中リール32Mの中段には「スイカ」図柄が停止せず(中リール32Mの上段に「スイカ」図柄が停止し)、所謂右下がりスイカテンパイ外れの停止態様となる。
第7再遊技は、左リール32Lの「ベル」図柄と、中リール32Mの「白7」図柄、「チェリー」図柄、「赤貝」図柄又は「青年」図柄と、右リール32Rの「スイカ」図柄又は「赤貝」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合に入賞が成立する。図12(e)に示すように、有効ラインMLに第7再遊技入賞に対応する図柄が停止すると、左リール32Lの上段と右リール32Rの上段とに「スイカ」図柄が停止する一方、中リール32Mの上段には「スイカ」図柄が停止せず(中リール32Mの中段に「スイカ」図柄が停止し)、所謂上段スイカテンパイ外れの停止態様となる。また、有効ラインMLに第7再遊技入賞に対応する図柄が停止すると、左リール32Lの上段と中リール32Mの中段とに「スイカ」図柄が停止する一方、右リール32Rの下段には「スイカ」図柄が停止せず(右リール32Rの上段に「スイカ」図柄が停止し)、所謂右下がりスイカテンパイ外れの停止態様となる。
第8再遊技は、左リール32Lの「スイカ」図柄と、中リール32Mの「白7」図柄、「チェリー」図柄、「赤貝」図柄又は「青年」図柄と、右リール32Rの「リプレイ」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合に入賞が成立する。図13(a)に示すように、有効ラインMLに第8再遊技入賞に対応する図柄が停止すると、中ラインL2には「スイカ」図柄が揃って停止する。
第9再遊技は、左リール32Lの「リプレイ」図柄と、中リール32Mの「スイカ」図柄と、右リール32Rの「スイカ」図柄又は「赤貝」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合に入賞が成立する。図13(b)に示すように、有効ラインMLに第9再遊技入賞に対応する図柄が停止すると、左リール32Lの中段と中リール32Mの中段とに「リプレイ」図柄が停止する一方、右リール32Rの中段には「リプレイ」図柄が停止せず(右リール32Rの中段に「ベル」図柄が停止し)、所謂中段リプレイテンパイ外れの停止態様となる。
第10再遊技は、左リール32Lの「BAR」図柄と、中リール32Mの「白7」図柄、「BAR」図柄、「チェリー」図柄、「赤貝」図柄又は「青年」図柄と、右リール32Rの「赤7」図柄、「白7」図柄、「BAR」図柄、「チェリー」図柄、「白貝」図柄又は「青年」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合に入賞が成立する。また、第12再遊技は、左リール32Lの「BAR」図柄と、中リール32Mの「BAR」図柄と、右リール32Rの「ベル」図柄、「スイカ」図柄又は「赤貝」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合に入賞が成立する。図13(c)及び図13(d)に示すように、有効ラインMLに第10再遊技入賞又は第12再遊技入賞に対応する図柄が停止すると、左リール32Lの下段に「チェリー」図柄が停止する。第10再遊技又は第12再遊技に当選している場合、右リール32Rに「チェリー」図柄を狙って停止操作を行うと、第10再遊技入賞の場合には上段に「チェリー」図柄が停止し、第12再遊技入賞の場合には中段又は下段に「チェリー」図柄が停止するため、これら第10再遊技入賞と第12再遊技入賞とを区別することが可能である。第11再遊技は、これら第10再遊技や第12再遊技を入賞させることができない場合、すなわち取りこぼしが生じ得る場合に入賞が成立するものである。
遊技状態の移行のみが行われる状態移行入賞としては、第1BB入賞,第2BB入賞がある。
左リール32Lの「リプレイ」図柄と、中リール32Mの「ベル」図柄と、右リール32Rの「BAR」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合には、第1BB入賞となる。第1BB入賞が成立した場合、遊技状態が第1BB状態に移行する。図14(a)に示すように、有効ラインMLに第1BB入賞に対応する図柄が停止すると、右上がりラインL5に「BAR」図柄が揃って停止したり、図14(b)に示すように、右上がりラインL5に左から順に「赤7」図柄、「赤7」図柄、「BAR」図柄が停止したりする。
左リール32Lの「赤貝」図柄と、中リール32Mの「ベル」図柄と、右リール32Rの「ベル」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合には、第2BB入賞となる。第2BB入賞が成立した場合、遊技状態が第2BB状態に移行する。図14(c)に示すように、有効ラインMLに第2BB入賞に対応する図柄が停止すると、下ラインL3に「白7」図柄が揃って停止したり、図14(d)に示すように、下ラインL3に左から順に「白7」図柄、「白7」図柄、「赤7」図柄が停止したりする。
遊技パネル25の下方左側には、各リール32L,32M,32Rの回転を開始させるために操作されるスタートレバー41が設けられている。スタートレバー41はリール32L,32M,32Rを回転開始、すなわち図柄の可変表示を開始させるべく操作される開始操作手段又は始動操作手段を構成する。所定数のメダルが投入されている状態でスタートレバー41を操作された場合、各リール32L,32M,32Rが回転を開始するようになっている。
スタートレバー41の右側には、回転している各リール32L,32M,32Rを個別に停止させるために操作されるボタン状のストップスイッチ42~44が設けられている。各ストップスイッチ42~44は、停止対象となるリール32L,32M,32Rに対応する表示窓26L,26M,26Rの直下にそれぞれ配置されている。
ストップスイッチ42~44には、それぞれストップ検出センサ42a~44a(図15)が接続されており、ストップ検出センサ42a~44aと後述する主制御装置101とが接続されている。そして主制御装置101では、ストップ検出センサ42a~44aからの検知信号に基づいて、ストップスイッチ42~44の操作が行われたことを把握する。具体的には、ストップスイッチ42~44が操作されていない場合には、ストップ検出センサ42a~44aからはLOW信号の検知信号が出力されており、ストップスイッチ42~44が操作されることにより、当該検知信号がLOW信号からHI信号に切り換わる。主制御装置101では、かかる信号の切り換わりを把握して、ストップスイッチ42~44が操作されたことを把握する。主制御装置101では、ストップスイッチ42~44が操作されたことを把握した場合には、操作されたスイッチに対応するリールの回転を停止するように制御する。
すなわち、左ストップスイッチ42が操作された場合には左リール32Lの回転が停止し、中ストップスイッチ43が操作された場合には中リール32Mの回転が停止し、右ストップスイッチ44が操作された場合には右リール32Rの回転が停止する。ストップスイッチ42~44はリール32L,32M,32Rの回転に基づく図柄の可変表示を停止させるべく操作される停止操作手段を構成する。
ストップスイッチ42~44には、ストップランプ42b~44bがそれぞれ内蔵されている。当該ストップランプ42b~44bからの光はストップスイッチ42~44の操作面を一部透過し、ストップランプ42b~44bの光はストップスイッチ42~44を介して視認可能となる。そして、ストップスイッチ42~44の操作が有効となる場合には、当該ストップランプ42b~44bが点灯制御され、ストップスイッチ42~44の操作が無効となる場合には、対応するストップランプ42b~44bがそれぞれ消灯制御される。
表示窓26L,26M,26Rの下方右側には、メダルを投入するためのメダル投入口45が設けられている。メダル投入口45は遊技媒体を入力する入力手段を構成する。また、メダル投入口45が遊技者によりメダルを直接投入するという動作を伴う点に着目すれば、遊技媒体を直接入力する直接入力手段を構成するものとも言える。
メダル投入口45から投入されたメダルは、前面扉12の背面に設けられた通路切替手段としてのセレクタ46によって貯留用通路47か排出用通路48のいずれかへ導かれる。より詳しくは、セレクタ46にはメダル通路切替ソレノイド46aが設けられており、そのメダル通路切替ソレノイド46aの非励磁時にはメダルが排出用通路48側に導かれ、前記メダル通路切替ソレノイド46aの励磁時にはメダルが貯留用通路47側に導かれるようになっている。貯留用通路47に導かれたメダルは、筐体11の内部に収納されたホッパ装置51へと導かれる。一方、排出用通路48に導かれたメダルは、前面扉12の前面下部に設けられたメダル排出口49からメダル受け皿50へと導かれ、遊技者に返還される。
ホッパ装置51は、メダルを貯留する貯留タンク52と、メダルを遊技者に払い出す払出装置53とより構成されている。払出装置53は、図示しないメダル払出用回転板を回転させることにより、排出用通路48に設けられた開口48aへメダルを排出し、排出用通路48を介してメダル受け皿50へメダルを払い出すようになっている。また、ホッパ装置51の右方には、貯留タンク52内に所定量以上のメダルが貯留されることを回避するための予備タンク54が設けられている。ホッパ装置51の貯留タンク52内部には、この貯留タンク52から予備タンク54へとメダルを排出する誘導プレート52aが設けられている。したがって、誘導プレート52aが設けられた高さ以上にメダルが貯留された場合、かかるメダルが予備タンク54に貯留されることとなる。
メダル投入口45の下方には、ボタン状の返却スイッチ55が設けられている。メダル投入口45に投入されたメダルがセレクタ46内に詰まった状況下で返却スイッチ55を操作された場合、セレクタ46が機械的に連動して動作され、当該セレクタ46内に詰まったメダルがメダル排出口49から返却されるようになっている。
表示窓26L,26M,26Rの下方左側には、遊技媒体としてのクレジットされた仮想メダルを一度に、ゲームの規定枚数のうちの予め定められた特定枚数を投入するための第1クレジット投入スイッチ56が設けられている。特定枚数は、遊技の進行状況によって設定されるものである。例えば、ゲームの規定枚数が3枚として設定されており特定枚数が3枚として設定されている場合に第1クレジット投入スイッチ56が操作されると、クレジットがあることを条件に3枚の仮想メダルの投入が行われ、規定枚数が2枚として設定されており特定枚数が2枚として設定されている場合に第1クレジット投入スイッチ56が操作されると、クレジットがあることを条件に2枚の仮想メダルの投入が行われ、規定枚数が3枚又は2枚として設定されている場合であって、特定枚数が3枚として設定されている場合に第1クレジット投入スイッチ56が操作されると、クレジットがあることを条件に3枚の仮想メダルの投入が行われ、規定枚数が3枚又は2枚として設定されている場合であって、特定枚数が2枚として設定されている場合に第1クレジット投入スイッチ56が操作されると、クレジットがあることを条件に2枚の仮想メダルの投入が行われる。また、第1クレジット投入スイッチ56の左方には第2クレジット投入スイッチ57が設けられている。第2クレジット投入スイッチ57は仮想メダルを2枚投入するためのものである。各クレジット投入スイッチ56,57は前記メダル投入口45とともに遊技媒体を入力する入力手段を構成する。また、メダル投入口45が遊技者によりメダルを直接投入するという動作を伴うのに対し、各クレジット投入スイッチ56,57は貯留記憶に基づく仮想メダルの投入という動作を伴うに過ぎない点に着目すれば、遊技媒体を間接入力する間接入力手段を構成するものとも言える。なお、本スロットマシン10では、仮想メダルを1枚投入するためクレジット投入スイッチは設けられていない。
第1クレジット投入スイッチ56は第2クレジット投入スイッチ57よりも、遊技者により操作される操作面が大きく設定されており、その操作性が第1クレジット投入スイッチ56の方が第2クレジット投入スイッチ57よりも優れている。そのため、通常であれば、遊技者は、第1クレジット投入スイッチ56を操作して遊技を進行することが想定される。つまり、通常であれば、規定枚数のうちの設定されている特定枚数を投入して遊技を行うものと考えられる。
第1クレジット投入スイッチ56と第2クレジット投入スイッチ57との右方には、演出発生時に操作される演出スイッチ66が設けられている。
スタートレバー41の左方には、精算スイッチ59が設けられている。すなわち、本スロットマシン10では、所定の最大値(メダル50枚分)となるまでの余剰の投入メダルや入賞時の払出メダルを仮想メダルとして貯留記憶するクレジット機能を有しており、仮想メダルが貯留記憶されている状況下で精算スイッチ59を操作された場合、仮想メダルが現実のメダルとしてメダル排出口49から払い出されるようになっている。この場合、クレジットされた仮想メダルを現実のメダルとして払い出すという機能に着目すれば、精算スイッチ59は貯留記憶された遊技媒体を実際に払い出すための精算操作手段を構成するものとも言える。
遊技パネル25の表示窓26L,26M,26R下方には、クレジットされている仮想メダル数を表示するクレジット表示部60と、BB状態が終了するまでに払い出される残りのメダル数を表示する残払出枚数表示部61と、入賞時に払い出したメダルの枚数を表示する払出枚数表示部62とがそれぞれ設けられている。これら表示部60~62は7セグメント表示器によって構成されているが、液晶表示器等によって代替することは当然可能である。
遊技パネル25における表示窓26L,26M,26R下方であって、払出枚数表示部62の右方には、ストップスイッチ42~44の操作順序を報知する押し順表示器と、操作順序を報知することによって小役の入賞率を変化させ遊技者にとって有利な状況で遊技を進行可能となる区間である有利区間を示すための区間表示器と、を有する指示モニタ68が設けられている。指示モニタ68については、後に詳細に説明する。
前面扉12の上部には、遊技の進行に伴い点灯したり点滅したりする上部ランプ63と、遊技の進行に伴い種々の効果音を鳴らしたり、遊技者に遊技状態を報知したりする左右一対のスピーカ64と、遊技者に各種情報を与える補助表示部65とが設けられている。補助表示部65は、遊技の進行に伴って各種表示演出を実行するためのものであり、各リール32L,32M,32Rによる遊技を主表示部によるものと考えることができることから、本実施形態では補助表示部65と称している。補助表示部65の背面には、上部ランプ63やスピーカ64、補助表示部65を駆動させるための表示制御装置81が設けられている。
前面扉12において、遊技パネル25の下方であって、ストップスイッチ42~44よりも下方には、遊技機の機種名が記載されたり、所定の表示画面を構成する下表示部69が設けられている。なお、下表示部69を液晶表示部として構成してもよく、下表示部69に演出用の操作ボタンを設けてもよく、下表示部69全体を操作可能に構成してもよい。
筐体11の内部においてホッパ装置51の左方には、電源ボックス70が設けられている。電源ボックス70は、その内部に電源装置91を収容するとともに、電源スイッチ71やリセットスイッチ72、設定キー挿入孔73などを備えている。電源スイッチ71は、主制御装置101を始めとする各部に電源を供給するための起動スイッチである。リセットスイッチ72は、スロットマシン10のエラー状態をリセットするためのスイッチである。また、設定キー挿入孔73は、ホール管理者などがメダルの出玉調整を行うためのものである。すなわち、ホール管理者等が設定キーを設定キー挿入孔73へ挿入してON操作することにより、スロットマシン10の当選確率(設定値)を設定できるようになっている。なお、リセットスイッチ72は、エラー状態をリセットする場合の他に、スロットマシン10の当選確率を変更する場合にも操作される。
リールユニット31の上方には、遊技を統括管理する主制御装置101が筐体11に取り付けられている。
主制御装置101には、遊技者にとって有利な遊技状態と、そうではない状態との比率を明示するための役比モニタ77が設けられている。役比モニタ77は、前面扉12を開放状態とすることで遊技機前方から視認可能となり、且つ、前面扉12を閉鎖状態とすることで遊技機前方から視認不可となるように、主制御装置101において遊技機前方を向く側に設置されており、より詳しくは、主制御装置101が収容される基板ボックスを介して役比モニタ77の表示面が視認可能となるように、基板ボックス内に収容されている。ちなみに、前面扉12が閉鎖状態とされている場合、役比モニタ77は表示窓26L~26Rの隙間等のからも視認不可であり、キーシリンダ21に対する所定のキー操作によって施錠状態が解除されて前面扉12を開放状態としない限り、役比モニタ77を確認することが不可となっている。なお、役比モニタ77については、後に詳細に説明する。
次に、本スロットマシン10の電気的構成について、図15及び図16のブロック図に基づいて説明する。
主制御装置101には、演算処理手段であるCPU102を中心とするマイクロコンピュータが搭載されている。CPU102には、電源装置91の他に、所定周波数の矩形波を出力するクロック回路103や、入出力ポート104などが内部バスを介して接続されている。かかる主制御装置101は、スロットマシン10に内蔵されるメイン基盤としての機能を果たすものである。
主制御装置101の入力側には、リールユニット31(より詳しくは各リール32L,32M,32Rが1回転したことを個別に検出するリールインデックスセンサ)、スタートレバー41の操作を検出するスタート検出センサ41a、各ストップスイッチ42~44の操作を個別に検出するストップ検出センサ42a~44a、メダル投入口45から投入されたメダルを検出する投入メダル検出センサ45a、ホッパ装置51から払い出されるメダルを検出する払出検出センサ51a、第1クレジット投入スイッチ56の操作を個別に検出する第1クレジット投入検出センサ56a、第2クレジット投入スイッチ57の操作を個別に検出する第2クレジット投入検出センサ57a、精算スイッチ59の操作を検出する精算検出センサ59a、リセットスイッチ72の操作を検出するリセット検出センサ72a、設定キー挿入孔73に設定キーが挿入されてON操作されたことを検出する設定キー検出センサ73a等の各種センサが接続されており、これら各種センサからの信号は入出力ポート104を介してCPU102へ出力されるようになっている。
また、主制御装置101の入力側には、入出力ポート104を介して電源装置91が接続されている。電源装置91には、主制御装置101を始めとしてスロットマシン10の各電子機器に駆動電力を供給する電源部91aや、停電監視回路91bなどが搭載されている。
停電監視回路91bは電源の遮断状態を監視し、停電時はもとより、電源スイッチ71による電源遮断時に停電信号を生成するためのものである。そのため停電監視回路91bは、電源部91aから出力されるこの例では直流12ボルトの安定化駆動電圧を監視し、この駆動電圧が例えば10ボルト未満まで低下したとき電源が遮断されたものと判断して停電信号が出力されるように構成されている。停電信号はCPU102と入出力ポート104のそれぞれに供給され、CPU102ではこの停電信号を認識することにより後述する停電処理が実行される。また、この停電信号は表示制御装置81にも供給されるように構成されている。
電源部91aは、出力電圧が10ボルト未満まで低下した場合でも、主制御装置101などの制御系において駆動電圧として使用される5ボルトの安定化電圧が出力されるように構成されている。この安定化電圧が出力される時間としては、主制御装置101による停電処理を実行するに十分な時間が確保されている。
主制御装置101の出力側には、リールユニット31(より詳しくは各リール32L,32M,32Rを回転させるためのステッピングモータ)、セレクタ46に設けられたメダル通路切替ソレノイド46a、ホッパ装置51、クレジット表示部60、残払出枚数表示部61、払出枚数表示部62、指示モニタ68、役比モニタ77、表示制御装置81、図示しないホール管理装置などに情報を送信できる外部集中端子板121等が入出力ポート104を介して接続されている。
上述したCPU102には、このCPU102によって実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM105と、このROM105に記憶されている制御プログラムを実行するにあたって各種のデータを一時的に記憶する作業エリアを確保するためのRAM106の他に、図示はしないが周知のように割込み回路を始めとしてタイマ回路、データ送受信回路などスロットマシン10において必要な各種の処理回路や、クレジット枚数をカウントするクレジットカウンタなどの各種カウンタが内蔵されている。ROM105とRAM106によって記憶手段としてのメインメモリが構成され、各種処理を実行するためのプログラムは、制御プログラムの一部として上述したROM105に記憶されている。
RAM106は、スロットマシン10の電源が遮断された後においても電源装置91からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっている。RAM106には、各種のデータを一時的に記憶するためのメモリや、役の抽選結果を記憶するための当選フラグ格納エリア106a、各リール32L,32M,32Rの停止制御を行う場合に用いる停止情報を記憶するための停止情報格納エリア106b、設定値を記憶するための設定値情報格納エリア106c等の他に、バックアップエリアが設けられている。
バックアップエリアは、停電等の発生により電源が遮断された場合において、電源遮断時(電源スイッチ71の操作による電源遮断をも含む。以下同様)のスタックポインタの値を記憶しておくためのエリアであり、停電解消時(電源スイッチ71の操作による電源投入をも含む。以下同様)には、バックアップエリアの情報に基づいてスロットマシン10の状態が電源遮断前の状態に復帰できるようになっている。バックアップエリアへの書き込みは停電処理(図17参照)によって電源遮断時に実行され、バックアップエリアに書き込まれた各値の復帰は電源投入時のメイン処理において実行される。
また、CPU102のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路91bからの停電信号が入力されるように構成されている。そして、電源遮断時には、停電フラグ生成処理としてのNMI割込み処理が即座に実行されるようになっている。
上記の外部集中端子板121は、遊技ホールのホール管理装置(ホールコンピュータ)やデータ表示器等に接続されており、これら遊技機の外部装置に対して情報を出力するためのものである。外部集中端子板121には、図16に示すように、一のゲームが実行されたことに対応する情報を出力するためのゲーム用出力端子121a、ボーナス状態としての第1BBや第2BBの移行したこと対応する情報を出力するための第1BB用出力端子121b、第2BB用出力端子121c、ストップスイッチ42~44の操作順序が報知されるATモードへ移行したことに対応する情報を出力するためのAT用出力端子121dが設けられている。
図16に示すように、表示制御装置81は、演算処理手段であるCPU181を中心とするマイクロコンピュータが搭載されている。CPU181には、このCPU181によって実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM182と、このROM182内に記憶されている制御プログラムを実行するに当たって各種のデータを一時的に記憶する作業エリアを確保するためのRAM183などが内蔵されている。
表示制御装置81には、図示しない入出力ポートが設けられており、入力側に主制御装置101が接続されており、出力側にストップランプ42b~44b、上部ランプ63、スピーカ64、及び補助表示部65が接続されている。そして、主制御装置101から入力する各種コマンドに基づいてストップランプ42b~44b、上部ランプ63、スピーカ64、及び補助表示部65を駆動制御する。つまり、表示制御装置81は、遊技を統括管理するメイン基盤たる主制御装置101との関係では補助的な制御を実行するサブ基盤となっている。即ち、間接的な遊技に関する音声やランプ、表示についてはサブ基盤を設けることにより、メイン基盤の負担軽減を図っている。
表示制御装置81の入力側には、演出スイッチ66(より詳しくは当該演出スイッチ66の操作を検出する演出スイッチ検出センサ)等が接続されている。なお、各種表示部60~62、68も表示制御装置81が駆動制御する構成としてもよい。
また、表示制御装置81に接続されている各構成42b~44b,63~65の全てまたは一部を主制御装置101に直接する構成としたうえで、主制御装置101がこれら各構成42b~44b,63~65の全て又は一部を直接制御する構成としてもよい。
続いて、主制御装置101のCPU102により実行される各制御処理について説明する。かかるCPU102の処理としては、大別して、電源投入に伴い起動されるメイン処理と、定期的に(本実施の形態では1.49msec周期で)起動されるタイマ割込み処理と、NMI端子への停電信号の入力に伴い起動されるNMI割込み処理とがある。以下では、これら各処理のうち遊技の進行に関わる処理、すなわちタイマ割込み処理と、メイン処理にて行われる通常処理とを説明する。
図17は、主制御装置101で定期的に実行されるタイマ割込み処理のフローチャートであり、主制御装置101のCPU102により例えば1.49msec毎にタイマ割込みが発生する。
先ず、ステップSa101に示すレジスタ退避処理では、後述する通常処理で使用しているCPU102内の全レジスタの値をRAM106のバックアップエリアに退避させる。ステップSa102では停電フラグがセットされているか否かを確認し、停電フラグがセットされているときにはステップSa103に進み、停電処理を実行する。
ここで、停電処理について概略を説明する。
停電の発生等によって電源が遮断されると、電源装置91の停電監視回路91bから停電信号が出力され、当該停電信号がNMI端子を介して主制御装置101に入力される。主制御装置101は、停電信号が入力された場合、即座にNMI割込み処理を実行し、停電フラグをRAM106に設けられた停電フラグ格納エリアにセットする。
停電処理では、先ずコマンドの送信が終了しているか否かを判定し、送信が終了していない場合には本処理を終了してタイマ割込み処理に復帰し、コマンドの送信を終了させる。コマンドの送信が終了している場合には、CPU102のスタックポインタの値をRAM106のバックアップエリアに保存する。その後、入出力ポート104における出力ポートの出力状態をクリアし、図示しない全てのアクチュエータをオフ状態にする。そして、停電解消時にRAM106のデータが正常か否かを判定するためのRAM判定値を算出してバックアップエリアに保存することにより、それ以後のRAMアクセスを禁止する。以上の処理を行った後は、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるのに備え、無限ループに入る。なお、例えばノイズ等に起因して停電フラグが誤ってセットされる場合を考慮し、無限ループに入るまでは停電信号が出力されているか否かを確認する。停電信号が出力されていなければ停電状態から復旧したこととなるため、RAM106への書き込みを許可するとともに停電フラグをリセットし、タイマ割込み処理に復帰する。停電信号の出力が継続してなされていれば、そのまま無限ループに入る。ちなみに、無限ループ下においても停電信号が出力されているか否かを確認しており、停電信号が出力されなくなった場合にはメイン処理に移行する。
タイマ割込み処理の説明に戻り、ステップSa102にて停電フラグがセットされていない場合には、ステップSa104以降の各種処理を行う。
すなわち、ステップSa104では、誤動作の発生を監視するためのウオッチドッグタイマの値を初期化するウオッチドッグタイマのクリア処理を行う。ステップSa105では、CPU102自身に対して次回のタイマ割込みを設定可能とする割込み終了宣言処理を行う。ステップSa106では、各リール32L,32M,32Rを回転させるために、それぞれの回胴駆動モータであるステッピングモータを駆動させるステッピングモータ制御処理を行う。ステップSa107では、入出力ポート104に接続されたストップ検出センサ42a~44a,投入メダル検出センサ45a,払出検出センサ51a等の各種センサ(図15参照)の状態を読み込むとともに、読み込み結果が正常か否かを監視するセンサ監視処理を行う。ステップSa108では、各カウンタやタイマの値を減算・加算するタイマ更新処理を行う。ステップSa109では、メダルのベット数や、払出枚数をカウントした結果を外部集中端子板121へ出力するカウンタ処理を行う。なお、ステップSa108のタイマ更新処理については、後に詳細に説明する。
ステップSa110では、後述する抽選結果コマンド等の各種コマンドを表示制御装置81へ送信するコマンド出力処理を行う。ステップSa111では、クレジット表示部60、残払出枚数表示部61、払出枚数表示部62及び指示モニタ68にそれぞれ表示されるセグメントデータを設定するセグメントデータ設定処理を行う。ステップSa112では、セグメントデータ設定処理で設定されたセグメントデータを各表示部60~62,68に供給して該当する数字、記号などを表示するセグメントデータ表示処理を行う。ステップSa113では、入出力ポート104からI/O装置に対応するデータを出力するポート出力処理を行う。ステップSa114では、先のステップSa101にてバックアップエリアに退避させた各レジスタの値をそれぞれCPU102内の対応するレジスタに復帰させる。その後ステップSa115にて次回のタイマ割込みを許可する割込み許可処理を行い、この一連のタイマ割込み処理を終了する。
次に、遊技に関わる主要な制御を行う通常処理について図18のフローチャートに基づき説明する。
先ずステップSa201では、次回のタイマ割込みを許可する割込み許可処理を行う。ステップSa202では、遊技を可能とするための開始前処理を行う。開始前処理では、表示制御装置81等が初期化を終了するまで待機する。表示制御装置81等の初期化が終了した場合には、ステップSa203~ステップSa212に示す遊技管理処理を行う。
遊技管理処理として、ステップSa203では、RAM106に格納された各種遊技情報等のデータ(例えば前回の遊技で用いた乱数値等)をクリアする。その後、ステップSa204では開始待ち処理を行う。
開始待ち処理では、前回の遊技でいずれかの再遊技入賞が成立したか否かを判定する。いずれかの再遊技入賞が成立していた場合には、前回のベット数と同数の仮想メダルを自動投入する自動投入処理を行い、開始待ち処理を終了する。具体的には、例えば、3ベットゲームにて再遊技入賞が成立した場合には3枚の仮想メダルを自動投入する処理を行い、2ベットゲームにて再遊技入賞が成立した場合には2枚の仮想メダルを自動投入する処理を行う。
なお、自動投入処理では、クレジット表示部60に表示された仮想メダル数を減じることなく仮想メダルの投入を行う。つまり、前回の遊技でいずれかの再遊技入賞が成立した場合には、遊技者は所有するメダルを減らすことなく且つメダルを投入することなく今回の遊技を行うことができる。いずれの再遊技入賞も成立していなかった場合には、タイマ割込み処理のセンサ監視処理ステップSa107にてなされたセンサの読み込み結果に異常が発生していないかを確認するセンサ異常確認処理を行い、異常が発生している場合にはスロットマシン10をエラー状態とするとともにエラーの発生を報知する異常発生時処理を行う。かかるエラー状態は、リセットスイッチ72が操作されるまで維持される。センサの読み込み結果が正常である場合には精算スイッチ59が操作されたか否かを判定し、精算スイッチ59が操作された場合には、クレジットされた仮想メダルと同数のメダルを払い出すメダル返却処理を行う。
メダル返却処理の終了後又は精算スイッチ59が操作されていない場合には、前回の開始待ち処理から今回の開始待ち処理までの間にメダルの投入又はクレジット投入スイッチ56,57の操作がなされたか否かを判定し、いずれかが行われた場合には、ベット数の変更等を行うメダル投入処理を行い、開始待ち処理を終了する。また、前回の開始待ち処理から今回の開始待ち処理までの間にメダルの投入とクレジット投入スイッチ56,57の操作のいずれもなされていない場合には、そのまま開始待ち処理を終了する。
開始待ち処理の終了後、ステップSa205ではメダルのベット数が規定枚数に達しているか否かを判定する。本スロットマシン10では、ボーナス状態(BB状態)における規定枚数として「3」が設定されており、ボーナス状態以外の遊技状態における規定枚数として「2」及び「3」が設定されている。つまり、ボーナス状態においては、ベット数が「3」となっていることを条件にステップSa205にて肯定判定し、ボーナス状態以外ではベット数が「2」又は「3」となっていることを条件にステップSa205にて肯定判定する。言い換えると、ボーナス状態以外の遊技状態において、メダルがベットされていない場合、又は、ベットされていてもベット数が「1」である場合にはステップSa205にて否定判定する。ベット数が規定枚数に達していない場合には、ステップSa204の開始待ち処理に戻り、当該処理のうちセンサ異常確認処理以降の処理を行う。
ベット数が規定枚数に達している場合には、ステップSa205にて肯定判定することとなったベット数の情報を含むベットコマンドを、ステップSa206にてサブ側の制御装置としての表示制御装置81への出力対象としてセットする。ここでセットされたコマンドは、タイマ割込み処理におけるステップSa110にて表示制御装置81へ出力される。ベットコマンドを受信した表示制御装置81では、ベット操作に基づく報知(例えば、遊技開始条件が成立したことの報知や、以前のゲームでの抽選結果の報知)のための処理を実行し、スピーカ64や補助表示部65の制御を行う。
ステップSa206の処理を実行した後は、ステップSa207にてスタートレバー41が操作されたか否かを判定する。スタートレバー41が操作されていない場合には、ステップSa204の開始待ち処理に戻り、当該処理のうちセンサ異常確認処理以降の処理を行う。
一方、スタートレバー41が操作された場合には、規定枚数のメダルがベットされている状況下でスタートレバー41が操作されると遊技を開始できる構成となっているため、遊技を開始させるべく開始指令が発生したことを意味する。かかる場合には、ステップSa208にてベット数と対応する組合せラインを有効ラインと設定する有効ライン設定処理を行う。すなわち、折れ曲がりラインL6のみを有効ラインと設定する。ステップSa209では、メダル通路切替ソレノイド46aを非励磁状態に切り替えてベット受付を禁止する。その後、ステップSa210の抽選処理、ステップSa211のリール制御処理、ステップSa212のメダル払出処理を順に実行し、ステップSa203に戻る。
次に、ステップSa210の抽選処理について、図19のフローチャートに基づき説明する。
ステップSa301では、役の当否判定を行う際に用いる乱数を取得する。本スロットマシン10では、スタートレバー41が操作されると、ハード回路がその時点におけるフリーランカウンタの値をラッチする構成となっている。フリーランカウンタは0~65535の乱数を生成しており、CPU102は、スタートレバー41の操作を確認した後、ハード回路がラッチした値をRAM106に格納する。かかる構成とすることにより、スタートレバー41が操作されたタイミングで速やかに乱数を取得することが可能となり、同期等の問題が発生することを回避することが可能となる。本スロットマシン10のハード回路は、スタートレバー41が操作される毎にその都度のフリーランカウンタの値をラッチする構成となっている。
乱数を取得した後、ステップSa302では、役の当否判定を行うための抽選テーブルを選択する。本スロットマシン10では、遊技状態として、大別して通常遊技状態及びボーナス状態を有しており、抽選テーブルは、各遊技状態用にそれぞれ設定されている。そして、通常遊技状態においては、上記のようにベットの規定枚数が「3」と「2」が設定されていることから、通常遊技状態用の抽選テーブルは、3ベットゲームでの抽選テーブルと、2ベットゲームでの抽選テーブルとが設定されている。
すなわち、ステップSa302では、ベット数と遊技状態と対応した抽選テーブルを選択する。例えば、ベット数が「3」であって、いずれかのボーナス状態フラグがセットされていない場合には、現在の遊技状態が通常遊技状態であると判別し、通常遊技状態用抽選テーブルを選択する。そして、今回のゲームが3ベットゲームである場合には、3ベットゲーム用の通常遊技状態用抽選テーブル(図20)を選択し、今回のゲームが2ベットゲームである場合には、2ベットゲーム用の通常遊技状態用抽選テーブル(図21)を選択する。また、本スロットマシン10では、「設定1」から「設定6」まで6段階の当選確率が予め用意されており、設定キー挿入孔に設定キーを挿入してON操作するとともに所定の操作を行うことにより、いずれの当選確率に基づいて内部処理を実行させるのかを設定することができる。ステップSa302では、設定状態が「設定1」のときにメダル払出の期待値が最も低い抽選テーブルを選択し、「設定6」のときにメダル払出の期待値が最も高い抽選テーブルを選択する。
ここで、当選確率の設定に関する処理について補足説明する。
当選確率の設定処理は、電源投入時に主制御装置101にて起動されるメイン処理にて実行される。より詳しくは、当選確率の設定処理は、設定キー挿入孔に設定キーが挿入されてON操作されていることを設定キー検出センサ73aにて検出している状態で、電源投入された場合に、RAM106の初期化処理の後に起動される。当選確率の設定処理では、所定の操作として、スタートレバー41の操作毎に設定値を1ずつ更新し、例えば、スタートレバー41が1回操作される度に、「設定1」→「設定2」→「設定3」→「設定4」→「設定5」→「設定6」→「設定1」となるように設定値を更新する。なお、各設定値は、例えばクレジット表示部60にて表示され、上記設定値の更新毎にその表示も更新される。そして、設定キー検出センサ73aがOFF操作された状態でスタートレバー41が操作されたことを設定値の確定操作とし、その時点での設定値を今回の設定値として、当選確率の設定処理を終了する。当選確率の設定処理の終了に基づいて、クレジット表示部60の表示も終了する。当選確率の設定処理で設定された設定値は、次の当選確率の設定処理が起動されるまで、RAM106に記憶保持される。ステップSa302では、この記憶されている設定値に基づいて、抽選テーブルを選択する処理を行うこととなる。
抽選テーブルについて、簡単に説明する。図20は、3ベットゲームにおいて通常遊技状態で選択される通常遊技状態用抽選テーブルである。また、図21は、2ベットゲームにおいて通常遊技状態で選択される通常遊技状態用抽選テーブルである。抽選テーブルには、インデックス値IVが設定されており、各インデックス値IVには、当選となる役がそれぞれ一義的に対応付けられるとともにポイント値PVが設定されている。
抽選テーブルを選択した後、ステップSa303ではインデックス値IVを1とし、続くステップSa304では役の当否を判定する際に用いる判定値DVを設定する。かかる判定値設定処理では、現在の判定値DVに、現在のインデックス値IVと対応するポイント値PVを加算して新たな判定値DVを設定する。なお、初回の判定値設定処理では、ステップSa301にて取得した乱数値を現在の判定値DVとし、この乱数値に現在のインデックス値IVである1と対応するポイント値PVを加算して新たな判定値DVとする。
その後、ステップSa305ではインデックス値IVと対応する役の当否判定を行う。役の当否判定では判定値DVが65535を超えたか否かを判定する。65535を超えた場合には、ステップSa306にて、ステップSa305にて肯定判定したインデックス値IVに応じた遊技結果の当選フラグを、当選フラグ格納エリア106aにセットする処理を実行する。例えば、IV=23のときに判定値DVが65535を超えた場合、ステップSa306にて第7小役当選フラグ及び第8小役当選フラグをセットする。また、IV=25のときに判定値DVが65535を超えた場合、ステップSa306にて第1BB当選フラグをセットし、IV=26のときに判定値DVが65535を超えた場合、ステップSa306にて第2BB当選フラグをセットする。
ちなみに、セットされた当選フラグが第1BBに当選したことを示す当選フラグ(第1BB当選フラグ)又は第2BBに当選したことを示す当選フラグ(第2BB当選フラグ)でない場合、当選フラグ格納エリア106aにセットされた当選フラグは該当選フラグがセットされたゲームの終了後にリセットされる(通常処理のSa203参照)。一方、当選フラグが第1BB当選フラグ又は第2BB当選フラグである場合、これら当選フラグは対応する入賞が成立したことを条件の1つとしてリセットされる。すなわち、第1BB当選フラグ及び第2BB当選フラグは、複数回のゲームに亘って有効とされる場合がある。
なお、第1BB当選フラグ又は第2BB当選フラグを持ち越した状態におけるステップSa306では、第1BB,第2BB以外の役に当選していれば対応する当選フラグをセットし、第1BB,第2BB以外の役に当選していなければ対応する当選フラグをセットしない。
すなわち、例えば、第1BB当選フラグが持ち越された状態で、例えば、インデックス値IV=25のときに判定値DVが65535を超えた場合、第1BB当選フラグはセットしない。また、第1BB当選フラグが持ち越された状態で、例えば、インデックス値IV=11のときに判定値DVが65535を超えた場合、第1小役当選フラグ、第9小役当選フラグ、第10小役当選フラグ及び第13小役当選フラグをセットする。
なお、第1BB当選フラグ又は第2BB当選フラグを持ち越した状態における抽選テーブルを別途用意しておき、第1BB当選フラグ又は第2BB当選フラグを持ち越した状態では、当該別途用意した抽選テーブルにて抽選処理を行う構成としてもよい。この場合、当該別途用意した抽選テーブルにおいては、第1BB,第2BBに当選しないように各インデックス値IVやポイント値PV値を設定するとよい。
ステップSa305にて判定値DVが65535を超えなかった場合には、インデックス値IVと対応する役に外れたことを意味する。かかる場合にはステップSa307にてインデックス値IVを1加算し、続くステップSa308ではインデックス値IVと対応する役があるか否か、すなわち当否判定すべき判定対象があるか否かを判定する。具体的には、1加算されたインデックス値IVが抽選テーブルに設定されたインデックス値IVの最大値を超えたか否かを判定する。当否判定すべき判定対象がある場合にはステップSa304に戻り、役の当否判定を継続する。このとき、ステップSa304では、先の役の当否判定に用いた判定値DV(すなわち現在の判定値DV)に現在のインデックス値IVと対応するポイント値PVを加算して新たな判定値DVとし、ステップSa305では、当該判定値DVに基づいて役の当否判定を行う。
ちなみに、図20に示した抽選テーブルを用いて役の当否判定を行う場合、すなわち、通常遊技状態において3ベットゲームで遊技を行った場合、通常リプAに当選となる確率(IV=1の際に当選となる確率)は、設定1では約27.3分の1であり、設定3では約27.5分の1であり、設定6では約28.3分の1であり、設定値が高くなるほど当選しにくくなるように設定されている。通常リプBに当選となる確率(IV=2の際に当選となる確率)及び通常リプCに当選となる確率(IV=3の際に当選となる確率)は、いずれも設定値に関わらず約26.2分の1である。チャンス目Aに当選となる確率(IV=4の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約164分の1であり、チャンス目Bに当選となる確率(IV=5の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約262分の1であり、チャンス目Cに当選となる確率(IV=6の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約16400分の1であり、チャンス目Cよりもチャンス目Bの方が当選し易く、チャンス目Bよりもチャンス目Aの方が当選し易くなるように設定されている。チェリーAに当選となる確率(IV=7の際に当選となる確率)は、設定1では約107分の1であり、設定3では約104分の1であり、設定6では約93.6分の1であり、設定値が高くなるほど当選し易くなるように設定されている。チェリーBに当選となる確率(IV=8の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約215分の1であり、チェリーCに当選となる確率(IV=9の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約13100分の1であり、チェリーCよりもチェリーBの方が当選し易く、チェリーBよりもチェリーAの方が当選し易くなるように設定されている。共通ベルに当選となる確率(IV=10の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約504分の1である。順押しベル1、順押しベル2、挟み押しベル1、挟み押しベル2、中順押しベル1、中順押しベル2、中逆押しベル1、中逆押しベル2、逆挟みベル1、逆挟みベル2、逆押しベル1、逆押しベル2(以下では、これらをまとめて押し順ベルと称する)に当選となる確率(IV=11~22の際に当選となる確率)は、設定値に関わらずそれぞれ約18.4分の1である。スイカに当選となる確率(IV=23の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約107分の1である。第1BBに当選となる確率(IV=25の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約5.03分の1であり、他の役(再遊技や小役、IV=1~24)の当選確率よりも高く設定されている。3ベットゲームにおいては重複1枚役(IV=24)や第2BB(IV=26)には当選しないように設定されている(対応するポイント値PVに0が設定されている)。3ベットゲームにおいて、第1BBを含めていずれの役にも当選しない確率は0となっている。そして、第1BBに当選している状況では、3ベットゲームにおいていずれの役にも当選しない確率は、設定値に関わらず約5.03分の1(第1BBの分)である。ちなみに、3ベットゲームにおいては、第1BB状態での増加分を除いて、1ゲーム当たり約1.77枚のメダル減少が期待できる(純増枚数マイナス約1.77枚)。
これに対して、図21に示した抽選テーブルを用いて役の当否判定を行う場合、すなわち、通常遊技状態において2ベットゲームで遊技を行った場合、通常リプA、通常リプB、通常リプC、チャンス目A、チャンス目B、チャンス目C、チェリーA、チェリーB、チェリーCに当選となる確率(IV=1~9の際に当選となる確率)は、上記3ベットゲームで遊技を行った場合の確率と同じ確率である。共通ベルに当選となる確率(IV=10の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約9.64分の1であり、3ベットゲームで遊技を行った場合よりも当選し易くなるように設定されている。押し順ベル(IV=11~22)は、2ベットゲームでは当選しないように設定されている。スイカに当選となる確率(IV=23の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約257の1であり、3ベットゲームで遊技を行った場合よりも当選しにくくなるように設定されている。2ベットゲームにおいては重複1枚役(IV=24)に当選し得るように設定されており、その確率は設定値に関わらず約1.81分の1である。また、2ベットゲームでは第1BB(IV=25)には当選しないように設定されている一方、第2BB(IV=26)に当選し得るように設定されており、その確率は設定値に関わらず約4.95分の1である。2ベットゲームにおいても、第2BBを含めていずれの役にも当選しない確率は0となっている。そして、第2BBに当選している状況では、2ベットゲームにおいていずれの役にも当選しない確率は、設定値に関わらず約4.95分の1(第2BBの分)である。ちなみに、2ベットゲームにおいては、第2BBの増加分を除いて、1ゲーム当たり約0.64枚のメダル減少が期待できる(純増枚数マイナス約0.64枚)。
ステップSa306にて当選フラグをセットした後、又はステップSa308にて当否判定すべき判定対象がないと判定した場合には、役の当否判定が終了したことを意味する。かかる場合には、ステップSa309に進み、ストップスイッチ42~44の操作を所定期間無効とするフリーズ演出を実行するか否かを決定すべくフリーズ抽選処理を行う。
続くステップSa310では、抽選結果対応処理を行う。抽選結果対応処理では、ステップSa301~ステップSa308の抽選の結果に応じて遊技状態を移行させるか否かの処理や、押し順役の報知用の処理等を行う。当該抽選結果対応処理については、後に詳細に説明する。
ステップSa310の処理を実行した後は、ステップSa311にて抽選結果コマンドをセットする。ここで、抽選結果コマンドとは、役の当否判定の結果を把握させるべく表示制御装置81に対して送信されるコマンドである。但し、通常処理では、上記抽選結果コマンド等の各種コマンドをリングバッファにセットするのみであって、表示制御装置81に対してコマンドを送信しない。表示制御装置81へのコマンド送信は、先述したタイマ割込み処理のコマンド出力処理(ステップSa110)にて行われる。
そして、ステップSa312では、今回のゲームの抽選結果に基づいて各リール32L,32M,32Rに停止可能な図柄を設定する停止情報設定処理を実行する。停止情報設定処理では、ステップSa306にてセットされる当選フラグに基づいて、入賞可能な役に応じた停止図柄情報を設定する。例えば、押し順ベル1に当選(IV=11の際に当選)となり、第1小役当選フラグ、第9小役当選フラグ、第10小役当選フラグ及び第13小役当選フラグがセットされた場合、第1小役、第9小役、第10小役及び第13小役入賞に対応する図柄が各リール32L,32M,32Rに停止可能となるように停止図柄情報を設定する。また、スイカに当選(IV=23の際に当選)となり、第7小役当選フラグ及び第8小役当選フラグがセットされた場合、第7小役入賞及び第8小役入賞に対応する図柄が各リール32L,32M,32Rに停止可能となるように停止図柄情報を設定する。
本スロットマシン10においては、第1BBは3ベットゲームでおいてのみ入賞が成立し得るように設定されており、第2BBは2ベットゲームにおいてのみ入賞が成立し得るように設定されている。そのため、第1BB当選フラグがセットされている場合であっても、2ベットゲームでゲームが開始された場合には、ステップSa312の停止情報設定処理では、第1BB入賞を成立させる停止図柄情報の設定を行わない(第1BB入賞を回避する停止図柄情報の設定が行われる)。また、第2BB当選フラグがセットされている場合であっても、3ベットゲームでゲームが開始された場合には、ステップSa312の停止情報設定処理では、第2BB入賞を成立させる停止図柄情報の設定を行わない(第2BB入賞を回避する停止図柄情報の設定が行われる)。
続くステップSa313では、ステップSa312にて複数の停止可能な図柄情報が設定された場合に、その優先順位を設定する優先設定処理を実行する。例えば、小役,再遊技,ボーナスの各役種のうち複数の役種に当選している場合、以下に示す優先順位を設定する。小役とボーナスに当選している場合には、小役入賞が優先して成立するように、小役入賞を成立させることができない場合にボーナス入賞が成立するようにして、優先順位を設定する。再遊技とボーナスに当選している場合には、再遊技入賞が優先して成立するようにして優先順位を設定する。
例えば、第1BBに当選している状況(第1BB当選フラグがセットされており、第1BB当選が持ち越されている状況)で、更にスイカに当選し、第1BB入賞と、第7小役入賞及び第8小役入賞とに対応する停止図柄情報の設定が行われている場合、第1BB入賞よりも第7小役入賞、第8小役入賞が優先して成立するように優先順位を設定する。また、第2BBに当選している状況(第2BB当選フラグがセットされており、第2BB当選が持ち越されている状況)で、更に通常リプAに当選し、第2BB入賞と、第1再遊技、第2再遊技、第3再遊技及び第4再遊技入賞とに対応する停止図柄情報の設定が行われている場合、第2BB入賞よりも各再遊技入賞が優先して成立するように優先順位を設定する。
ここで、再遊技に当選している場合、当選している再遊技のうちのいずれかの再遊技が必ず入賞するように、入賞となる図柄の組合せが設定されている。つまり、再遊技に当選している場合には再遊技入賞が必ず成立し、取りこぼしは発生しない。そのため、再遊技とボーナスとの停止図柄情報の設定が行われている場合、設定されている再遊技のいずれかの再遊技入賞が必ず成立し、ボーナス入賞が成立することがない。
ステップSa313の処理を実行した後は、ステップSa314にて区間表示第1処理を実行してから、抽選処理を終了する。区間表示第1処理は、指示モニタ68や役比モニタ77の表示制御に関する処理であり、かかる処理については後に詳細に説明する。
次に、ステップSa211のリール制御処理について、図22のフローチャートに基づき説明する。
リール制御処理では、先ずステップSa401において外部出力設定第1処理を行う。外部出力設定第1処理は、遊技状態が移行したことや移行すること等の情報を外部集中端子板121を介してホール管理装置等へ送信するための処理である。外部出力設定第1処理については、後に詳細に説明する。
続くステップSa402では、回転演出処理を行う。回転演出処理は、上記ステップSa309にて行ったフリーズ抽選処理の結果や、ステップSa310にて行った抽選結果対応処理の結果等に基づいて、無効期間中のリール制御を用いた演出を行うための処理である。回転演出処理については、後に詳細に説明する。続くステップSa403では、各リール32L,32M,32Rの回転を開始させる回転開始処理を行う。
回転開始処理では、前回の遊技でリールが回転を開始した時点から予め定めたウエイト時間(例えば4.1秒)が経過したか否かを確認し、経過していない場合にはウエイト時間が経過するまで待機する。ウエイト時間が経過した場合には、次回の遊技のためのウエイト時間を再設定するとともに、RAM106に設けられたモータ制御格納エリアに回転開始情報をセットするモータ制御初期化処理を行う。かかる処理を行うことにより、タイマ割込み処理のステッピングモータ制御処理(ステップSa106)にてステッピングモータの加速処理が開始され、各リール32L,32M,32Rが回転を開始する。このため、遊技者が規定枚数のメダルをベットしてスタートレバー41を操作したとしても、直ちに各リール32L,32M,32Rが回転を開始しない場合がある。その後、各リール32L,32M,32Rが所定の回転速度で定速回転するまで待機し、回転開始処理を終了する。また、CPU102は、各リール32L,32M,32Rの回転速度が定速となると、表示制御装置81にその旨の進行(コマンド)を出力し、表示制御装置81側のCPU181は、各ストップスイッチ42~44に内蔵されているストップランプ42b~44bを点灯表示することにより、停止指令を発生させることが可能となったことを遊技者等に報知する。
回転開始処理に続き、ステップSa404では、ストップスイッチ42~44のいずれかが操作されたか否かを判定する。いずれのストップスイッチ42~44も操作されていない場合には、ストップスイッチ42~44のいずれかが操作されるまで待機する。ストップスイッチ42~44のいずれかが操作されたと判定した場合には、ステップSa405に進み、回転中のリールと対応するストップスイッチが操作されたか否か、すなわち停止指令が発生したか否かを判定する。停止指令が発生していない場合には、ステップSa404に戻り、ストップスイッチ42~44のいずれかが操作されるまで待機する。停止指令が発生した場合には、ステップSa406にて停止指令コマンドをセットする。ここで、停止指令コマンドとは、いずれのストップスイッチが操作されて停止指令が発生したのかを把握させるべく表示制御装置81に対して送信されるコマンドである。停止指令コマンドをセットした場合には、回転中のリールを停止させるべくステップSa407~ステップSa413に示す停止制御処理を行う。停止指令コマンドを受信した表示制御装置81は、対応するリールを停止させることの演出を補助表示部65やスピーカ64にて行うように制御するとともに、今回操作されたストップスイッチ42~44に対応するストップランプ42b~44bを消灯するように制御する。
ステップSa407では、ストップスイッチの操作されたタイミングで基点位置(本実施形態では下段)に到達している到達図柄の図柄番号を確認する。具体的には、リールインデックスセンサの検出信号が入力された時点から出力した励磁パルス数により、基点位置に到達している到達図柄の図柄番号を確認する。続くステップSa408では、停止情報格納エリア106bに格納されている停止情報に基づいて、今回停止させるべきリールのスベリ数を算出する。本スロットマシン10では、各リール32L,32M,32Rを停止させる停止態様として、ストップスイッチ42~44が操作された場合に、基点位置に到達している到達図柄をそのまま停止させる停止態様と、対応するリールを1図柄分滑らせた後に停止させる停止態様と、2図柄分滑らせた後に停止させる停止態様と、3図柄分滑らせた後に停止させる停止態様と、4図柄分滑らせた後に停止させる停止態様との5パターンの停止態様が用意されている。そこでステップSa408では、停止情報格納エリア106bに格納されている停止情報に基づいて、スベリ数として0~4のいずれかの値を算出する。その後、ステップSa409では、算出したスベリ数を到達図柄の図柄番号に加算し、基点位置に実際に停止させる停止図柄の図柄番号を決定する。ステップSa410では今回停止させるべきリールの到達図柄の図柄番号と停止図柄の図柄番号が等しくなったか否かを判定し、等しくなった場合にはステップSa411にてリールの回転を停止させるリール停止処理を行う。その後、ステップSa412では、全リール32L,32M,32Rが停止したか否かを判定する。全リール32L,32M,32Rが停止していない場合には、ステップSa413にて停止情報第2設定処理を行い、ステップSa404に戻る。
ここで、停止情報第2設定処理とは、RAM106の停止情報格納エリア106bに格納された停止情報を、リールの停止後に変更する処理である。停止情報第2設定処理では、セットされている当選フラグと、停止しているリールの停止出目と、に基づいて停止情報を変更する。本スロットマシン10では、例えばIV=11~22の際に当選となった場合、すなわち押し順ベルに当選となった場合(図20、図21参照)に、停止指令を発生させたストップスイッチ42~44の操作順序によって成立する入賞態様を変化させるべく停止情報第2設定処理を行う。
図23は、当選役と、ストップスイッチ42~44の操作順序と成立する入賞態様との対応関係を示す説明図である。例えば、中順押しベル1に当選している場合には、各ストップスイッチ42~44が左→中→右、左→右→中、中→右→左、右→左→中、又は右→中→左の順で操作された場合には第17小役入賞、第18小役入賞又は第21小役入賞が成立するように停止情報を設定し、中→左→右の順で操作された場合には第3小役入賞が成立するように停止情報を設定する。但し、このように停止情報を設定した場合であっても、ストップスイッチ42~44の操作タイミングによっては対応する入賞が成立しない場合がある。
各リール32L,32M,32Rの図柄配列について簡単に説明する。本スロットマシン10では、リール32L,32M,32Rをストップスイッチ42~44の操作されたタイミングから最大4図柄分滑らせた後に停止させることができる。このため、各リール32L,32M,32Rに同種図柄同士の間隔が4図柄以下で配置されている場合には、ストップスイッチ43の操作タイミングに関わらず当選図柄となった際に当該当選図柄を有効ライン上に停止させることができる。一方、5図柄以上離れた区間が形成されるようにして配置されている図柄に関しては、有効ライン上に停止させる場合に遊技者が図柄を狙ってストップスイッチ42~44を操作する必要がある。
中順押しベル1に当選となり、各ストップスイッチ42~44が左→中→右の順で操作された場合を例として説明する。かかる場合には、上記のとおり、第17小役入賞、第18小役入賞又は第21小役入賞を成立させるべく各リール32L,32M,32Rの停止制御を行う。
左リール32Lにおける第17小役図柄は、「赤7」図柄及び「BAR」図柄である。また、左リール32Lにおける第18小役図柄は、「赤貝」図柄及び「白貝」図柄である。そして、左リール32Lにおける第21小役図柄は、「リプレイ」図柄及び「青年」図柄である。左リール32Lには、これら第17小役図柄、第18小役図柄及び第21小役図柄が、図柄同士の間隔が4図柄以下となるように配置されている。そのため、左ストップスイッチ42が最初に操作された場合には、その操作タイミングに関わらず、有効ライン(中段)に第17小役図柄、第18小役図柄及び第21小役図柄のいずれかが停止する。本スロットマシン10では、複数の対象図柄を停止可能なタイミングで操作された場合には、スベリコマ数が少ない図柄を有効ラインに停止させるように停止制御が行われる。すなわち、例えば、左リール32Lの1番目の「ベル」図柄が下段に到達したタイミングで左ストップスイッチ42の操作が行われた場合、第18小役図柄である4番目の「赤貝」図柄(2コマスベリ)、及び、第21小役図柄である5番目の「リプレイ」図柄(3コマスベリ)を中段に停止させることが可能であるところ、最もスベリコマ数の少ない4番目の「赤貝」図柄が中段に停止するように左リール32Lの停止制御が行われる。この場合、第18小役入賞が成立する余地は残るものの、第17小役入賞及び第21小役入賞は成立しないこととなる。
左リール32Lの第18小役図柄が中段に停止した場合、停止情報第2設定処理では、第18小役入賞が成立し得るように停止情報を変更する。
中リール32Mにおける第18小役図柄は、「リプレイ」図柄である。左リール32Lには、「リプレイ」図柄同士の間隔が4図柄以下となるように「リプレイ」図柄が配置されている。そのため、この場合には、中ストップスイッチ43の操作タイミングに関わらず、中リール32Mの上段に「リプレイ」図柄が停止するように停止制御が行われる。
右リール32Rにおける第18小役図柄は、「白貝」図柄及び「青年」図柄である。右リール32Rには、「白貝」図柄及び「青年」図柄同士の間隔が5図柄以上となるようにこれらの図柄が配置されている。つまり、右ストップスイッチ44の操作タイミングによって、第18小役図柄である「白貝」図柄又は「青年」図柄を上段に停止させることができる場合と、上段に停止させることができない場合と、がある。上段に停止させることが可能なタイミングで右ストップスイッチ44の操作が行われると第18小役入賞が成立し、上段に停止させることができないタイミングで右ストップスイッチ44の操作が行われると所謂取りこぼしとなる。
ここで、左リール32Lの中段に「赤貝」図柄が停止し、中リール32Mの上段に「リプレイ」図柄が停止する場合とは、上記のように中順押しベル1に当選して第18小役入賞が成立する可能性がある場合のほか、中順押しベル2に当選して第20小役入賞が成立する可能性がある場合もある。すなわち、中順押しベル2における第20小役図柄は、左リール32Lと中リール32Mとが第18小役図柄と共通している。そして、右リール32Rにおいて、第18小役図柄が「白貝」図柄及び「青年」図柄であるのに対して、第20小役図柄が「赤7」図柄及び「白7」図柄であり異なっている。特に、右リール32Rにおいて、第18小役図柄と第20小役図柄とは、第18小役図柄を有効ラインに停止させることが可能なタイミングで右ストップスイッチ44を操作すると第20小役図柄を有効ラインに停止させることができず、第20小役図柄を有効ラインに停止させることが可能なタイミングで右ストップスイッチ44を操作すると第18小役図柄を有効ラインに停止させることができないようにこれら各図柄が配置されている。そのため、中順押しベル1に当選しているのか中順押しベル2に当選しているのかがわからないことを前提とすると、左リール32Lと中リール32Mとを停止させて、第18小役入賞及び第20小役入賞の可能性がある停止態様となっていても、それを狙って入賞させることができない。
次に、中順押しベル1当選となり、各ストップスイッチ42~44が、中→左→右の順で操作された場合を例として説明する。かかる場合には、第3小役入賞を成立させるべく各リール32L,32M,32Rの停止制御を行う。
中リール32Mには、第3小役図柄である「リプレイ」図柄が、「リプレイ」図柄同士の間隔が4図柄以下となるようにして配置されている。そのため、中ストップスイッチ43が最初に操作された場合には、その操作タイミングに関わらず上段に「リプレイ」図柄が停止する。
左リール32Lには、第3小役図柄である「ベル」図柄が、「ベル」図柄同士の間隔が4図柄以下となるようにして配置されている。そのため、左ストップスイッチ42が2番目に操作された場合には、その操作タイミングに関わらず中段に「ベル」図柄が停止する。
右リール32Rには、第3小役図柄である「スイカ」図柄及び「赤貝」図柄が、これら図柄同士の間隔が4図柄以下となるようにして配置されている。そのため、右ストップスイッチ44が3番目に操作された場合には、その操作タイミングに関わらず上段に「スイカ」図柄又は「赤貝」図柄が停止する。上のとおり、中順押しベル1に当選となり、中ストップスイッチ43→左ストップスイッチ42→右ストップスイッチ44の順で操作された場合には、その操作タイミングに関わらず第3小役入賞が成立する。
上記のように、押し順ベルに当選となった場合には、予め定められた所定の操作順序でストップスイッチ42~44が操作された場合、その操作タイミングに関わらず第1小役入賞、第2小役入賞、第3小役入賞、第4小役入賞、第5小役入賞、又は第6小役入賞が成立し、他の操作順序でストップスイッチ42~44が操作された場合、その操作タイミングにより、他の小役入賞が成立するか、いずれの小役入賞も成立せずに取りこぼしとなる。ちなみに、共通ベルに当選となった場合には、操作順序及び操作タイミングに関わらず第1小役入賞、第2小役入賞、第3小役入賞、第4小役入賞、第5小役入賞、又は第6小役入賞が成立する。
リール制御処理の説明に戻り、ステップSa412にて全リール32L,32M,32Rが停止していると判定した場合には、ステップSa414にて、払出判定処理を行う。払出判定処理とは、当選図柄の組合せが有効ライン上に並んでいることを条件の1つとしてメダルの払出枚数を設定する処理である。払出判定処理では、各リール32L,32M,32Rの下段に停止した停止図柄の図柄番号から有効ライン上に形成された図柄の組合せを導出し、有効ライン上で入賞が成立しているか否かを判定する。入賞が成立している場合には、さらに入賞成立役が当選フラグ格納エリア106aにセットされている当選フラグと対応しているか否かを判定する。入賞成立役が当選フラグと対応している場合には、入賞成立役と、当該入賞成立役と対応する払出数と、をRAM106に設けられた払出情報格納エリアにセットする。一方、入賞成立役が当選フラグと対応していない場合には、スロットマシン10をエラー状態とするとともにエラーの発生を報知する異常発生時処理を行う。かかるエラー状態は、リセットスイッチ72が操作されるまで維持される。
払出判定処理を行った後は、ステップSa415にて、ボーナス状態処理を実行する。ボーナス状態処理については、後に詳細に説明する。ボーナス状態処理を実行した後は、ステップSa416にて、外部出力第2設定処理を行う。外部出力設定第2処理は、遊技状態が移行したことや移行すること等の情報を外部集中端子板121を介してホール管理装置等へ送信するための処理である。外部出力設定第2処理については、後に詳細に説明する。
続くステップSa417では、入賞結果対応処理を行う。入賞結果対応処理では、入賞結果に基づいて遊技状態を移行させる処理等を行う。当該入賞結果対応処理については、後に詳細に説明する。
入賞結果対応処理を行った後は、ステップSa418にて区間表示第2処理を実行する。区間表示第2処理は、指示モニタ68の表示制御に関する処理であり、かかる処理については後に詳細に説明する。その後、ステップSa419にて今回のゲームにおける入賞成立役を表示制御装置81に把握させるべく入賞結果コマンドをセットし、リール制御処理を終了する。
次に、ステップSa212のメダル払出処理について、概略を説明する。
メダル払出処理では、払出情報格納エリアにセットされた払出数が0か否かを判定する。払出数が0の場合、先の払出判定処理にて小役入賞が成立していないと判定したことを意味する。かかる場合には、払出判定処理にてセットした入賞成立役に基づいて、第1再遊技入賞~第12再遊技入賞のいずれかが成立したか否かを判定する。いずれの再遊技入賞も成立していない場合にはそのままメダル払出処理を終了し、いずれかの再遊技入賞が成立している場合には、遊技モードを再遊技モードとする再遊技設定処理を行い、メダル払出処理を終了する。なお、先に説明した開始待ち処理(ステップSa204)では、現在の遊技モードが再遊技モードであると判定した場合に自動投入処理を行っている。
一方、払出情報格納エリアにセットされた払出数が0でない場合には、当該払出数と同数のメダルを払い出し、メダル払出処理を終了する。メダルの払い出しについて具体的には、クレジットカウンタのカウント値が上限(貯留されているメダル数が50枚)に達していない場合、クレジットカウンタのカウント値に払出数を加算するとともに加算後の値をクレジット表示部60に表示させる。また、クレジットカウンタのカウント値が上限に達している場合、又は払出数の加算途中でカウント値が上限に達した場合には、メダル払出用回転板を駆動し、メダルをホッパ装置51からメダル排出口49を介してメダル受け皿50へ払い出す。なお、メダル払出処理では、メダルの払い出しにあわせて払出枚数表示部62に表示される払出数を変更する処理も行っている。また、現在の遊技状態がBB状態である場合には、後述する残払出数カウンタの値から払出数を減算するとともに、残払出枚数表示部61に表示される残払出数を減算する処理を行う。
次に、ステップSa415のボーナス状態処理を、図24のフローチャートに基づいて説明する。
先ずステップSa501では、現在の遊技状態がボーナス状態か否か、すなわち現在の遊技状態が第1BB状態又は第2BB状態であるか否かを判定する。これら第1BB状態や第2BB状態であるか否かは、第1BB状態又は第2BB状態へ移行する際にRAM106の各種フラグ格納エリア106dにセットされる第1BB状態フラグや第2BB状態フラグの有無により判別可能である。すなわち、ステップSa501では、第1BB状態フラグ及び第2BB状態フラグのいずれもがセットされていない場合には、第1BB状態及び第2BB状態ではないと判定してステップSa502に進む。
ステップSa502では、第1BB当選フラグ又は第2BB当選フラグがセットされており、いずれかのBBに当選している状態であるか否かを判定する。いずれのBB当選フラグもセットされていない場合は、そのままボーナス状態処理を終了する。いずれかのBB当選フラグがセットされている場合には、ステップSa503に進む。
ステップSa503では、RAM106の各種カウンタエリア106eに設けられたMAXベットカウンタに3を入力する処理を行う。MAXベットカウンタは、第1クレジット投入スイッチ56が操作された場合に仮想メダルの投入を行う特定枚数を設定するためのものである。すなわち、MAXベットカウンタに3が入力されている状況で第1クレジット投入スイッチ56が操作されると、3枚の仮想メダルの投入が行われる。この場合、MAXベットカウンタはゲームの規定枚数を設定するものではないため、ゲームの規定枚数として2枚又は3枚が設定されている状況においては、第2クレジット投入スイッチ57の操作を行うことで2ベットゲームを行うことは許容されている。なお、ステップSa503にて既にMAXベットカウンタに3が入力されている場合には、その状態を維持する。
なお、MAXベットカウンタの初期値は2であり、リセットスイッチ72が操作されてRAMクリアが行われると、当該MAXベットカウンタには2が入力されてスロットマシン10が起動する。
続くステップSa504では、第1BB入賞又は第2BB入賞が成立したか否かを判定する。いずれかのBB入賞も成立していない場合には、そのままボーナス状態処理を終了する。いずれかのBB入賞が成立している場合には、ステップSa505に進み、第1BB入賞が成立したか否かを判定する。
第1BB入賞が成立している場合には、ステップSa506にて、各種カウンタエリア106eに設けられたBBカウンタに「15」を入力する処理を実行する。BBカウンタは、各BB状態における上限払出数を規定するためのカウンタである。すなわち、ステップSa506にてBBカウンタに「15」が入力されることにより、15枚以上のメダルが払い出されることにより第1BB状態が終了するように設定される。ステップSa507では、第1BB当選フラグをクリアする。そして、ステップSa508では、第1BB状態フラグを各種フラグ格納エリア106dにセットする。これにより、次ゲームからはステップSa501にて肯定判定することになる。続くステップSa509では、第1BB開始コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行する。第1BB開始コマンドは、第1BB状態が開始されることを表示制御装置81へ把握させるためのコマンドであり、かかる第1BB開始コマンドを受信した表示制御装置81では、第1BB状態が開始されることに対応する第1BB開始演出が行われるようにスピーカ64や補助表示部65等を制御する。また、表示制御装置81では、第1BB開始コマンドを受信することにより、次ゲームからが第1BB状態であることが把握可能となり、次ゲームから第1BB状態用の演出が行われるようにスピーカ64や補助表示部65等を制御する。
ステップSa509にて第1BB開始コマンドの出力設定を行った後は、ステップSa510にて規定ベット数を3に設定する処理を実行してから、本ボーナス状態処理を終了する。規定ベット数とは、上記のゲームの規定枚数に相当する。すなわち、第1BB状態に移行することでゲームの規定枚数が3枚に設定され、3ベットゲームにて第1BB状態が行われる。
なお、規定ベット数の初期値は2及び3であり、リセットスイッチ72が操作されてRAMクリアが行われると、当該規定ベット数は2と3が設定されてスロットマシン10が起動する。
ステップSa505にて第1BB入賞が成立していないと判定する場合とは、第2BB入賞が成立している場合である。この場合、ステップSa511に進み、上記のBBカウンタに「15」を入力する処理を実行する。すなわち、15枚以上のメダルが払い出されることにより第2BB状態が終了するように設定される。そして、ステップSa512にて第2BB当選フラグをクリアする処理を実行し、ステップSa513にて第2BB状態フラグをセットする処理を実行する。その後、ステップSa514にて第2BB開始コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行する。第2BB開始コマンドは、第1BB開始コマンドに対応するものであり、第2BB状態が開始されることを表示制御装置81へ把握させるためのコマンドである。第2BB開始コマンドを受信した表示制御装置81では、第2BB状態が開始されることに対応する第2BB開始演出が行われるようにスピーカ64や補助表示部65等を制御し、次ゲームからは第2BB状態用の演出が行われるようにスピーカ64や補助表示部65等を制御する。なお、第1BB開始演出と第2BB開始演出とは、見た目や内容が、遊技者が識別可能な程度に異なっている。また、第1BB状態用の演出と第2BB状態用の演出とも、見た目や内容が、遊技者が識別可能な程度に異なっている。
ステップSa514にて第2BB開始コマンドの出力設定を行った後は、ステップSa510にて規定ベット数を3に設定する処理を実行してから、本ボーナス状態処理を終了する。すなわち、第1BB状態だけでなく、第2BB状態においてもゲームの規定枚数が3枚に設定され、3ベットゲームにて第2BB状態が行われる。
ステップSa501にて肯定判定し、第1BB状態又は第2BB状態である場合、ステップSa515に進み、第1BB状態や第2BB状態中の処理を行う。図25は、BB状態用抽選テーブルの一例を示している。なお、本実施形態では、第1BB状態と第2BB状態とで共通の抽選テーブルを用いる構成としているが、それぞれ別々の抽選テーブルを設け、当選し得る役の種類や各役の当選確率を異ならせてもよい。本実施形態では、図25に示すように、第1BB状態や第2BB状態において、通常リプAと、共通ベルと、重複1枚役とに当選し得るように設定されている。通常リプA当選となる確率(IV=1の際に当選となる確率)は約61.2分の1であり、共通ベル当選となる確率(IV=10の際に当選となる確率)は約5.96分の1であり、重複1枚役当選となる確率(IV=24の際に当選となる確率)は約1.31分の1である。また、第1BB状態や第2BB状態において、いずれの役にも当選しない外れ結果となる確率は、約10.14分の1である。この場合、1ゲーム当たりで約0.00枚のメダル増加が期待でき(純増枚数プラスマイナス約0.00枚)、第1BB状態や第2BB状態ではメダルの増減が生じない。言い換えると、第1BB状態や第2BB状態ではメダル増加を見込めないもののメダルを減らすことなくゲームを進行することが可能となる。
ここで、3ベットゲームにおける通常遊技状態と、3ベットゲームにて移行し得る第1BB状態とにおいて、メダル増加のメインはいずれも13枚払出が発生する第1小役入賞~第6小役入賞により生じるものであり、その役としては、通常遊技状態では押し順ベルであり、第1BB状態においては共通ベルである。これらメイン小役の入賞率を比較すると、通常遊技状態においては、一定の操作順序でストップスイッチ42~44が操作されていることを想定すると、約9.19分の1の確率で入賞するのに対して、第1BB状態においては約5.96分の1の確率で入賞し、3ベットゲームでは、第1BB状態のほうが通常遊技状態よりも入賞が発生し易くなるように設定されている。また、2ベットゲームにおける通常遊技状態と、2ベットゲームにて移行し得る第2BB状態とにおいて、メダル増加のメインはいずれも共通ベルであり、通常遊技状態では約9.64分の1の確率で入賞するのに対して、第2BB状態においては約5.96分の1の確率で入賞し、2ベットゲームにおいても、第2BB状態のほうが通常遊技状態よりも入賞が発生し易くなるように設定されている。
但し、上記のとおり、第1BB状態や第2BB状態を消化しても持ちメダルの増加は期待できない。
ボーナス状態処理において、ステップSa515では、上記のBB状態用抽選テーブルによる抽選処理や各リール制御の結果として、今回のゲームでいずれかの小役入賞が成立したか否かを判定する。入賞が成立していない場合には、そのままボーナス状態処理を終了する。入賞が成立している場合には、ステップSa516にて入賞に対応する払出数を上記各種カウンタエリア106eのBBカウンタから減算する処理を実行する。そして、ステップSa517にて、ステップSa516の減算処理の結果としてBBカウンタが0以下となったか否かを判定する。例えば、共通ベル当選となり、第1小役入賞~第6小役入賞が成立すると13枚の払出が発生することから、ステップSa516ではBBカウンタから13を減算する。
ステップSa517にて0以下ではないと判定した場合は、そのままボーナス状態処理を終了する。一方、0以下であると判定した場合、ステップSa518にて、現状のBB状態に対応するBB状態フラグをクリアする処理を行う。すなわち、第1BB状態であれば第1BB状態フラグをクリアし、第2BB状態であれば第2BB状態フラグをクリアする。そして、ステップSa519にてMAXベットカウンタに2を入力する処理を実行し、ステップSa520にて今回終了するBB状態に対応するBB終了コマンドを表示制御装置81への出力対象として設定する。より詳しくは、第1BB状態を終了する場合には第1BB終了コマンドを出力設定し、第2BB状態を終了する場合には第2BB終了コマンドを出力設定する。第1BB終了コマンド又は第2BB終了コマンドを受信した表示制御装置81は、第1BB終了用の演出や第2BB終了用の演出が行われるようにスピーカ64や補助表示部65を制御する。
その後、ステップSa521にて、規定ベット数を2と3に設定してから、本ボーナス状態処理を終了する。この場合、第1BB状態や第2BB状態の終了後の通常遊技状態においては、2ベットゲームと3ベットゲームとが可能となる。これに対して、上記のとおりステップSa519にてMAXベットカウンタに2が入力されることから、第1クレジット投入スイッチ56の操作を行うと、2枚の仮想メダルの投入が行われ、2ベットゲームにてゲームが行われるようになる。つまり、第1BB当選フラグや第2BB当選フラグのいずれもがセットされていない状況においては、2ベットゲームにてゲームが行われ易くなるように設定されている。ちなみに、第1BB状態や第2BB状態の終了後においては、MAXベットカウンタに2が入力されることから第1クレジット投入スイッチ56や第2クレジット投入スイッチ57の操作では3枚ベットができず、3ベットゲームを行うためにはメダル投入口45からメダルを3枚投入する必要がある。
ここで、本スロットマシン10において、2ベットゲームと3ベットゲームとを利用した遊技性について、図26を参照しながら簡単に説明する。
第1BB当選フラグや第2BB当選フラグがセットされておらず、いずれのBBにも当選してない通常遊技状態は、所謂非内部状態と称される状態である。この場合、上記のとおり、規定ベット数(ゲームの規定枚数)は2枚と3枚が設定されており、2ベットゲームと3ベットゲームとが可能である。但し、MAXベットカウンタは上記のとおり2が入力され、第1クレジット投入スイッチ56を操作して遊技を開始する場合には2ベットゲームとなる。
非内部状態において、3ベットゲームでは第1BBには当選し得る一方、第2BBには当選せず、2ベットゲームでは第2BBには当選し得る一方、第1BBには当選しない。上記のように第1クレジット投入スイッチ56を操作する遊技においては、基本的には2ベットゲームにおいて第2BBの当選が生じ得る。
第1BBや第2BBに当選し、その当選ゲームにおいて入賞が成立しなかった場合には、第1BB当選や第2BB当選を持ち越した内部状態(持ち越し状態)となる。内部状態においても、上記のとおり、規定ベット数(ゲームの規定枚数)は2枚と3枚が設定されており、2ベットゲームと3ベットゲームとが可能である。但し、MAXベットカウンタは上記のとおり3が入力され、第1クレジット投入スイッチ56を操作して遊技を開始する場合には3ベットゲームとなる。
既に説明した通り、本スロットマシン10では、第1BBに当選している内部状態においては、3ベットゲームでは第1BB入賞が成立し得る一方、2ベットゲームでは第1BB入賞が成立しないように各リール32L,32M,32Rの停止制御が行われる。また、第2BBに当選している内部状態においては、3ベットゲームでは第2BB入賞が成立しない一方、2ベットゲームでは第2BB入賞が成立し得るように各リール32L,32M,32Rの停止制御が行われる。つまり、3ベットゲームにおいて第1BBに当選した場合に、そのまま3ベットゲームを継続すれば第1BB入賞を成立させることができるものの、第1BBに当選後、2ベットゲームに切り替えると、当該第1BB入賞を成立させることができない。また、2ベットゲームにおいて第2BBに当選した場合に、そのまま2ベットゲームを継続すれば第2BB入賞を成立させることができるものの、第2BBに当選後、3ベットゲームに切り替えると、当該第2BB入賞を成立させることができない。そして、第1BBや第2BBは重複して当選することはなく、第1BB当選を持ち越している状況で再度第1BBに当選することはないし、第2BBに重複して当選することもない。また、第2BB当選を持ち越している状況で再度第2BBに当選することはないし、第1BBに重複して当選することもない。つまり、第1BBに当選した場合に2ベットゲームで遊技を行うと、第1BB当選を持ち越している内部状態での遊技が延々と継続し、第2BBに当選した場合に3ベットゲームで遊技を行うと、第2BB当選を持ち越している内部状態での遊技が延々と継続することになる。
ここで、上記のように第1BB入賞が3ベットゲームにおいてのみ成立するようにし、第2BB入賞が2ベットゲームにおいてのみ成立するようにしていることから、第2BB当選を持ち越している状況での3ベットゲームでいずれの役にも当選しない外れ結果となった場合であっても第2BB入賞が成立することはないし、第1BB当選を持ち越している状況での2ベットゲームで外れ結果となった場合であっても第1BB入賞が成立することはない。このようにすることで、第1BB当選や第2BB当選を持ち越している内部状態における役構成や各リール32L,32M,32Rの制御を劇的に簡素化することが可能となる。仮に、3ベットゲームにおいて第2BB入賞が成立し得る構成であったり、2ベットゲームにおいて第1BB入賞が成立し得る構成であったりすると、その第1BB当選や第2BB当選を持ち越している内部状態を継続させようとする場合、外れ結果とならないような抽選テーブルとする必要が生じるし、例えば取りこぼしが生じ得る役において、その取りこぼし時に別の役に入賞させる必要が生じるからである。
また、第1BB状態や第2BB状態においては、メダル増加のメインとなる役はいずれも共通ベルである。また、非内部状態や内部状態において、2ベットゲームでのメダル増加のメインとなる役は共通ベルであるのに対して、3ベットゲームでのメダル増加のメインとなる役は押し順ベルである。共通ベルについては、各ストップスイッチ42~44の操作順序や操作タイミングに関わらず第1小役~第6小役のいずれかの入賞が成立するものであるのに対して、押し順ベルについては、各ストップスイッチ42~44の操作順序や操作タイミングによって入賞する小役が異なる。つまり、第1BB状態や第2BB状態よりも、3ベットゲームでの非内部状態や内部状態の方が、押し順ベル当選時の操作順序や操作タイミング(主に操作順序)によるメダル増減の振れ幅は大きい。そして、例えば、押し順ベル当選時に第1小役入賞~第6小役入賞となる操作順序(図23)の報知等を行うことで、入賞をアシストするATモード(アシストタイムモード、ナビモード)と行わない非ATモード(非ナビモード)とを切り替えることで、その報知(アシスト)の有無によってメダルが増加する状態とメダルが減少する状態とを創出することも可能となる。
第1クレジット投入スイッチ56を操作する遊技の基本的な流れとしては、先ず、非内部状態において、2ベットゲームにて遊技が行われ、その2ベットゲームにて第2BBに当選する。第2BBに当選すると、内部状態となり、3ベットゲームに切り替わり、上記当選した第2BB入賞を成立させることができない状態のまま遊技が進行する。この場合、上記のように、第2BB当選を持ち越した3ベットゲームにおいては、第1BBに当選となることもないし第2BB入賞となることもなく、第2BB当選が持ち越される内部状態での遊技が継続されることになる。
以下、第2BB当選を持ち越した状態での遊技を前提とし、その遊技(以下の説明では、通常遊技とも称する)での押し順ベル当選時の報知(押し順報知)等を利用した遊技性を説明する。
<抽選結果対応処理>
先ず、図27のフローチャートを参照しながら、ステップSa310にて実施される抽選結果対応処理について説明する。抽選結果対応処理は、各ゲームの抽選処理が行われた後に実施される処理であり、ゲームの抽選結果に基づいて押し順報知が発生するATモードへの移行抽選等を行う処理である。
先ず、ステップSa601~ステップSa603では、今回開始するゲームのベット数を把握する処理を実行する。すなわち、ステップSa601では、第1BB状態フラグ及び第2BB状態フラグのいずれかのフラグがセットされているか否かを把握して、今回開始するゲームがいずれかのBB状態であるか否かの判定を行う。BB状態ではない場合には、ステップSa602にてベット数が3であるか否かを判定する。また、BB状態である場合には、ステップSa603にてベット数が2であるか否かを判定する。既に説明した通り、第1BBや第2BBの当選前の非内部状態や、第1BBや第2BB当選後の内部状態においては規定ベット数として2と3が設定されており、第1BB状態や第2BB状態においては規定ベット数として3が設定されている。ステップSa602やステップSa603の処理は、今回のゲームのベット数が、遊技状態に対応付けられて規定(設定)されている一の特定規定数(特定設定数)であるか否かを判定する処理であり、当該特定規定数はない場合には、ステップSa604以降の表示モード用の処理(指示機能用の処理)を行うことなく抽選結果対応処理を終了する。
すなわち、非内部状態や内部状態においては、3ベットゲームでは表示モード用の処理は実行される一方、2ベットゲームでは表示モード用の処理は実行されない。また、第1BB状態や第2BB状態においては、規定ベット数として3が設定されていることから、2ベットゲームは実行されず、第1BB状態や第2BB状態では表示モード用の処理は実行されない。
つまり、本実施形態では、仮に内部状態が2ベットゲームにて遊技された場合、ステップSa604以降のATモードへの移行抽選等が行われずに遊技者にとって不利となる構成としている。このようにすることで、内部状態を3ベットゲームにて遊技させ、第2BBを持ち越す通常遊技を行わせ易くすることができる。
ステップSa602又はステップSa603にて肯定判定した場合、ステップSa604にて、各種フラグ格納エリア106dに有利区間フラグがセットされているか否かを判定する。本スロットマシン10では、押し順報知等の発生の有無について、当該押し順報知等が発生し得る有利区間と、発生し得ない通常区間とが設定されている。有利区間フラグは、今回のゲームが有利区間であることをCPU102が把握するためのフラグであり、有利区間へ移行することに基づいてセットされ、通常区間に移行することに基づいてクリアされる。
有利区間フラグがセットされていない場合、今回のゲームが通常区間であることを意味し、この場合、ステップSa605にて有利区間移行抽選処理を実行してから、抽選結果対応処理を終了する。
有利区間移行抽選処理では、図28のフローチャートに示すように、ステップSa701にて今回のゲームの抽選結果を把握する。そしてステップSa702にて、ROM105の各種テーブル記憶エリア105aから有利区間移行抽選テーブルを取得する。有利区間移行抽選テーブルは、図29に示すように、各ゲームの抽選結果に応じて、有利区間への移行率(有利区間移行抽選の当選確率)が設定されている。有利区間への移行抽選の契機役としては、図29にも示すように、通常リプA、通常リプB、通常リプC、チャンス目A、チャンス目B、チャンス目C、チェリーA、チェリーB、チェリーC、共通ベル、押し順ベル、スイカが設定されている。すなわち、第2BBを持ち越している3ベットゲームとしての通常遊技において、当選し得る全ての結果が有利区間への移行抽選の契機役として設定されている。
ステップSa702にて抽選テーブルを取得した後は、ステップSa703にて有利区間移行抽選用の乱数を取得する処理を実行する。有利区間移行抽選用の乱数は、各種カウンタエリア106eの専用のカウンタが用いられ、当該専用のカウンタは所定周期で更新され、ステップSa703ではそのカウンタのうち最新の更新値を取得する。そして、ステップSa704にて有利区間移行抽選を実行し、ステップSa705にて、移行抽選に当選したか否かを判定する。ちなみに、本実施形態では、いずれの契機役であっても100%の確率で有利区間移行抽選に当選するように抽選テーブルが設定されている。この場合、ステップSa701にて把握したゲームの結果が、移行抽選の契機役である(外れ結果ではない)と判定した場合、ステップSa702~ステップSa705の処理を省略することも可能である。
ステップSa705にて移行抽選に当選していると判定した場合、ステップSa706にて、各種フラグ格納エリア106dに有利区間当選ゲームフラグをセットする処理を実行する。有利区間当選ゲームフラグは、今回のゲームで有利区間への移行抽選に当選したゲームであることをCPU102が把握するためのフラグである。ステップSa705にて否定判定した場合、又はステップSa706の処理を実行した後は、有利区間移行抽選処理を終了する。
抽選結果対応処理の説明に戻り、ステップSa604にて有利区間フラグがセットされていると判定した場合、ステップSa606に進む。ステップSa606では、各種フラグ格納エリア106dにATモード当選フラグ、第1ATモードフラグ及び第2ATモードフラグのいずれかがセットされているか否かを判定する。ここで、本実施形態では、ATモードとして上乗せ当選確率が異なる第1ATモードと第2ATモードとが設定されており、第1ATモードフラグや第2ATモードフラグは、ATモードであることと、その種類をCPU102が把握するためのフラグであって、ATモードへの移行が可能となる場合にセットされるフラグである。また、ATモード当選フラグは、ATモード移行抽選にて当選し、ATモードへの移行が確定している状況であって、且つATモード移行前の状況であることをCPU102が把握するためのフラグである。ステップSa606にていずれのフラグもセットされていない場合には、ステップSa607にてAT抽選用処理を実行する。一方、ステップSa606にていずれかのフラグがセットされている場合、ステップSa608にてAT上乗せ用処理を実行する。
<AT抽選用処理>
先ず、ステップSa607のAT抽選用処理について図30のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップSa801では、各種カウンタエリア106eに設けられた天井カウンタを1減算する処理を実行する。天井カウンタは、有利区間移行後のゲーム数が天井ゲーム数に至った場合、ATモード移行抽選の当否に関わらず(当選することなく)ATモードへの移行を生じさせるためのカウンタであり、当該天井ゲーム数までの残りゲーム数をCPU102が把握するためのカウンタである。天井ゲーム数は有利区間移行時に設定される。ちなみに、上記のように、AT抽選用処理はベット数が遊技状態に応じた特定規定数である場合に実行されることからして、天井カウンタはベット数が遊技状態に応じた特定規定数であるゲームにて減算され、例えば、2ベットゲームでは減算されない。
ステップSa801にて天井カウンタの減算処理を実行した後は、ステップSa802にて天井カウンタが0に至ったか否かを判定する。0に至っていない場合には、ステップSa803~ステップSa808てATモード移行抽選用の処理を実行する。
すなわち、ステップSa803にて、今回のゲームの抽選結果を把握する処理を実行する。そして、ステップSa804では、各種フラグ格納エリア106dにCZモードフラグがセットされているか否かを判定する。本実施形態では、ATモード移行抽選の当選確率が異なる表示モードとして、通常モードと、当該通常モードよりもATモード移行抽選に当選し易いCZモードとが設定されており、CZモードフラグはCZモードであることをCPUが把握するためのフラグである。
ステップSa804にてCZモードフラグがセットされていない場合には、ステップSa805にて、各種テーブル記憶エリア105aから通常用ATモード移行抽選テーブルを取得する処理を実行する。一方、ステップSa804にてCZモードフラグがセットされている場合には、ステップSa806にて、CZ用ATモード移行抽選テーブルを取得する処理を実行する。
これら通常用ATモード移行抽選テーブルとCZ用ATモード移行抽選テーブルとは、図29に示すように、ゲームの抽選結果に応じてATモード移行抽選の当選確率がそれぞれ設定されており、例えば、チャンス目Aを契機とするATモード移行抽選であれば、通常用では1%の確率でATモード移行当選となり、CZ用であれば3%の確率でATモード移行当選となる、といったように、通常用ATモード移行抽選テーブルよりもCZ用ATモード移行抽選テーブルの方がATモード移行抽選に当選し易くなるように設定されている。また、通常リプA、通常リプB及び通常リプCについては、通常用ではATモード移行当選とならない一方、CZ用ではATモード移行当選となり得るように設定されている。
ステップSa805又はステップSa806にてATモード移行抽選テーブルを取得した後は、当該取得した移行抽選テーブルと、ステップSa803にて把握したゲームの抽選結果とを用いて、ステップSa807にてATモード移行抽選処理を実行する。そして、ステップSa808にてATモード移行当選であったか否かを判定する。
ステップSa808にてATモード移行当選であると判定した場合と、ステップSa802にて天井カウンタが0であると判定した場合、ステップSa809~ステップSa812のATモード当選用の処理を実行する。また、ステップSa808にてATモード移行当選ではないと判定した場合は、ステップSa813~ステップSa816にてATモード非当選用の処理を実行する。
ATモード当選用の処理において、ステップSa809では、CZモードフラグがセットされているか否かを判定し、CZモード中のATモード移行当選であるか否かを確認する。CZモード中の当選である場合、ステップSa810及びステップSa811にてCZモードを終了させるための処理を行う。すなわち、ステップSa810では、CZモードフラグをクリアする処理を実行する。そして、ステップSa811にて各種カウンタエリア106eに設けられたCZゲームカウンタを0にクリアする処理を実行する。CZゲームカウンタはCZモードの残りゲーム数をCPU102が把握するためのカウンタであり、CZモードへ移行する場合にCZモードの継続ゲーム数(10ゲーム)に相当する値(10)が入力され、ゲームを消化する度に1ずつ減算されるカウンタである。
ステップSa809にてCZモードフラグがセットされていない場合、又はステップSa811の処理を実行した後は、ステップSa812にて各種フラグ格納エリア106dにATモード当選フラグをセットする処理を実行する。かかる処理により、次ゲームからステップSa606にて肯定判定することとなる。
ATモード非当選用の処理では、ステップSa813にてCZモードフラグがセットされているか否かを判定する。CZモードフラグがセットされている場合には、そのままAT抽選用処理を終了する。CZモードフラグがセットされていない場合、ステップSa814にて、CZモード移行抽選処理を実行する。CZモード移行抽選処理では、各種テーブル記憶エリア105aからCZモード移行抽選テーブルを取得して、ステップSa803にて把握したゲームの抽選結果を利用してCZモードへ移行させるか否かを抽選により決定する。CZモード移行抽選テーブルは、図29に示すように、ゲームの抽選結果に応じてCZモード移行抽選の当選確率が異なるように設定されており、より具体的には、ATモード移行抽選に当選し易いゲームの抽選結果ほど、CZモード移行抽選に当選し易くなるように設定されている。すなわち、ATモード移行抽選に当選し易いゲームの抽選結果であったのにもかかわらず、ATモード移行抽選に非当選であった場合、CZモードへは移行し易くなるように設定されている。
ステップSa814にてCZモード移行抽選処理を実行した後は、ステップSa815にてCZモード移行当選であったか否かを判定し、移行当選ではない場合には、そのままAT抽選用処理を終了する。CZモード移行当選である場合、ステップSa816にて、各種フラグ格納エリア106dにCZモード当選フラグをセットする処理を実行する。
ステップSa812又はステップSa816にていずれかの当選フラグをセットした後は、ステップSa817~ステップSa820にて前兆モードの設定処理を行う。前兆モードとは、ATモード移行抽選やCZモード移行抽選に当選していることを示唆する前兆演出を行うモードであり、本実施形態では、これらの移行抽選に当選した場合、0ゲーム~32ゲームの前兆モードを経てから当選している移行抽選の報知が行われる。
ステップSa817では、前兆ゲームの抽選処理を実行する。前兆ゲーム数の抽選処理では、当選している移行抽選の種類、当選契機となったゲームの抽選結果等によって前兆ゲーム数を抽選する。例えば、ATモード移行抽選に当選している場合の方がCZモード移行抽選に当選している場合よりも長い前兆ゲーム数が選択され易くなっていたり、チェリーAにて移行抽選に当選した場合の方がチェリーCにて移行抽選に当選した場合よりも長い前兆ゲーム数が選択され易くなっている。
なお、本実施形態では、CZモード中にATモード移行抽選に当選した場合、ステップSa817では前兆ゲーム数を0となるように設定する。上記のようにCZモード中にATモード移行抽選に当選すると、CZモードの残りゲーム数に関わらずCZモードが終了するようにしているため、当該CZモードの終了を通じてATモード移行抽選に当選したことを遊技者は把握可能である。そこで、CZモード中にATモード移行抽選に当選した場合には前兆モードを0ゲームとすることで、ATモード移行抽選に当選したことを把握しているのにもかかわらず、その移行抽選に当選したことの示唆報知が前兆モードとして行われることによる違和感を低減することができる。
続くステップSa818では、ステップSa817の抽選結果を各種カウンタエリア106eに設けられた前兆カウンタに入力する処理を実行する。前兆カウンタは、前兆ゲームの残りゲーム数をCPU102が把握するためのカウンタであり、前兆モード中のゲームを消化する度に1ずつ減算されるカウンタである。
そして、ステップSa819にて各種フラグ格納エリア106dに前兆フラグをセットする処理を実行し、ステップSa820にて前兆コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本AT抽選用処理を終了する。前兆フラグは前兆モード中であることをCPU102が把握するためのフラグであり、前兆コマンドは前兆モードに設定されたこと、及びその前兆モードのゲーム数やいずれの移行抽選に当選しているかを表示制御装置81へ把握させるためのコマンドである。前兆コマンドを受信した表示制御装置81は、前兆モードのゲーム数や当選している移行抽選の種類を把握し、前兆モード中の演出を補助表示部65やスピーカ64にて実行するための処理を行う。
<AT上乗せ用処理>
次に、ステップSa608にて実行されるAT上乗せ用処理について、図31のフローチャートを参照しながら説明する。既に説明した通り、AT上乗せ用処理は、ATモード当選フラグやいずれかのATモードフラグがセットされている状況で実行される処理であり、ATモードの継続ゲーム数の上乗せを行うための処理である。
AT上乗せ用処理では、先ずステップSa901にて、今回のゲームの抽選結果を把握する。そして、ステップSa902にて、特化ゾーンフラグがセットされているか否かを判定する。特化ゾーンフラグがセットされていない場合には、ステップSa903にて第2ATモードフラグがセットされているか否かを判定する。第2ATモードフラグがセットされておらず、第1ATモードへの移行が確定している状況や第1ATモード中である場合、又はATモード移行抽選に当選した後、未だATモードの種別の決定(AT種別決定処理)が行われていない状況である場合、ステップSa904にて、各種テーブル記憶エリア105aから第1AT用上乗せ抽選テーブルを取得する処理を実行する。一方、ステップSa903にて第2ATモードフラグがセットされており、第2ATモードへの移行が確定している状況又は第2ATモード中である場合には、ステップSa905にて第2AT用上乗せ抽選テーブルを取得する処理を実行する。また、ステップSa901にて特化ゾーンフラグがセットされている場合、ステップSa906にて特化ゾーン用上乗せ抽選テーブルを取得する処理を実行する。
各上乗せ抽選テーブルは、図32に示すように、ゲームの抽選結果に応じて、上乗せ当選率が設定されており、例えば、チャンス目Aよりもチャンス目Cの方が上乗せ当選し易く、チェリーAよりもチェリーCの方が上乗せ当選し易い、といったように、各ゲームの抽選処理にて当選しにくい抽選結果ほど、上乗せ抽選に当選し易くなるように設定されている。また、同じ抽選結果で比較すると、第1AT用上乗せ抽選テーブルを用いた場合よりも第2AT用上乗せ抽選テーブルを用いた場合の方が上乗せ抽選に当選し易く、更に第2AT用上乗せ抽選テーブルを用いた場合よりも特化ゾーン用上乗せ抽選テーブルを用いた場合の方が上乗せ抽選に当選し易くなるように設定されている。
ステップSa904、ステップSa905又はステップSa906にて上乗せ抽選テーブルを取得した後は、ステップSa907にて上乗せ抽選を実行し、ステップSa908にて上乗せ抽選に当選したか否かの判定を行う。上乗せ抽選に非当選であった場合には、そのままAT上乗せ用処理を終了する。上乗せ抽選に当選であった場合には、ステップSa909にて上乗せゲーム数抽選処理を実行する。上乗せゲーム数抽選処理では、各種テーブル記憶エリア105aから上乗せゲーム数テーブルを取得し、今回の上乗せゲーム数を抽選により決定する。上乗せゲーム数テーブルは、図32に示すように、上乗せ契機となったゲームの抽選結果に応じて、上乗せゲーム数が異なるように設定されており、例えば、通常リプAを契機として上乗せが行われる場合には平均150ゲームの上乗せが発生する一方、チェリーAを契機として上乗せが行われる場合は平均15ゲームの上乗せが発生する、といったように、上乗せ抽選に当選しにくい契機にて上乗せが行われる場合の方が上乗せゲーム数が多くなるように設定されている。
ステップSa909にて上乗せゲーム数抽選処理を実行した後は、ステップSa910にて各種カウンタエリア106eに設けられたATゲームカウンタに、今回の上乗せゲーム数を加算する処理を実行する。ATゲームカウンタは、ATモードの残りゲーム数をCPU102が把握するためのカウンタである。ステップSa910の処理を実行した後は、ステップSa911にて上乗せコマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、AT上乗せ用処理を終了する。上乗せコマンドを受信した表示制御装置81は、上乗せが行われたことに対応する上乗せ報知演出を補助表示部65やスピーカ64にて行うための処理を実行する。
抽選結果対応処理(図27)において、ステップSa607又はステップSa608の処理を実行した後は、ステップSa609~ステップSa613にて、ストップスイッチ42~44の押し順報知用の処理を実行する。
<押し順報知の概要>
ステップSa609~ステップSa613にて実行される押し順報知用の処理の説明に先立って、指示モニタ68にて実行される押し順報知や、補助表示部65にて実行される押し順報知演出の概要について説明する。なお、押し順報知や押し順報知演出は、例えば、押し順ナビ、順序報知や態様報知とも称することが可能である。指示モニタ68は主制御装置101に接続されており、主制御装置101により押し順報知が行われる。これに対して、補助表示部65は表示制御装置81に接続されており、表示制御装置81により押し順報知演出が行われる。
先ず、この指示モニタ68の構成について、図33を参照しながら説明する。図33(a)は、指示モニタ68の正面図であり、図33(b)は、指示モニタ68の表示態様と表示内容との関係を説明するための図である。
図33(a)に示すように、指示モニタ68には8個の表示用セグメントN1~N8が設けられている。各表示用セグメントN1~N8は、LEDからなる個別の光源を有しており、それら個別の光源がオンオフ制御されることで、任意の1個の表示用セグメントのみを点灯させることができるとともに、任意の組み合わせの表示用セグメントを点灯させることができる。これにより、指示モニタ68では、それぞれ個別に所定の記号(アルファベットや数字を含む)が表示されるようになっている。なお、上記個別の光源はいずれも同一色の光を照射するものであるため、各表示用セグメントN1~N8においてはいずれも同一の色が表示されることとなる。
各表示用セグメントN1~N8について詳細には、第1表示用セグメントN1~第7表示用セグメントN7は、いずれも直線状の表示用セグメントであり、これら第1表示用セグメントN1~第7表示用セグメントN7は、数字の「1」~「6」を少なくとも表示することができるように配置されている。また、第8表示用セグメントN8は、円形状の表示用セグメントであり、第1表示用セグメントN1~第7表示用セグメントN7が設けられた領域の右下部分の横方に配置されている。したがって、指示モニタ68では、「1」~「6」と、「1.」~「6.」と、「 .」と、を少なくとも表示することができる。
なお、指示モニタ68において、複数パターンの記号をそれぞれ個別に表示することが可能であれば、各表示用セグメントN1~N8の形状や配置態様は任意であり、さらには8個のセグメントではなく7個のセグメント、又は9個のセグメント等を用いる構成としてもよい。また、各表示用セグメントN1~N8において表示される色が同一であることは必須ではなく、各表示用セグメントN1~N8において表示される色が適宜変更可能となる構成としてもよい。また、光源をオンオフ制御することで、各表示用セグメントN1~N8の点灯又は消灯を制御する構成は必須のものではなく、各表示用セグメントN1~N8において個別に表示制御が行えるのであれば、単一のバックライトと液晶ディスプレイとによりセグメント表示器を構成してもよい。さらには、各表示領域に対してセグメント表示を適用するのではなく、液晶表示装置、有機EL表示装置、CRT、ドットマトリックス等その他のタイプの表示装置によって記号を表示する構成としてもよい。
第1表示用セグメントN1~第7表示用セグメントN7は、押し順役の操作順序の報知に用いられる表示用セグメントである。例えば、図33(b)に示すように、各ストップスイッチ42~44の操作順序として「左」→「中」→「右」の順で停止操作を行うことにより遊技者にとって有利な入賞態様となる場合、第6表示用セグメントN6及び第7表示用セグメントN7が点灯表示されて「1」が表示される。また、各ストップスイッチ42~44の操作順序として「右」→「左」→「中」の順で停止操作を行うことにより遊技者にとって有利な入賞態様となる場合、第1表示用セグメントN1、第2表示用セグメントN2、第3表示用セグメントN3、第5表示用セグメントN5及び第6表示用セグメントN6が点灯表示されて「5」が表示される。つまり、各表示用セグメントN1~N7にて表示される数字(記号)は、ストップスイッチ42~44の操作順序と1対1で対応付けられており、表示用セグメントN1~N7にて表示される数字(記号)に基づいて、ストップスイッチ42~44を停止操作することで、遊技者にとって有利な態様にて入賞させることが可能となる。
第8表示用セグメントN8は、有利区間に移行し、押し順報知が発生し得る状況となる報知条件を含む所定の開始条件が成立した場合に、その開始条件が成立したゲームにて点灯される。また、ATモードが終了して有利区間から通常区間へ移行する場合に消灯される。
つまり、押し順ベル等の操作順序が報知され易くなることによって遊技者にとって有利な態様にて入賞させ易くなる区間を有利区間(特定遊技状態、特定モード)とし、第8表示用セグメントN8は、当該有利区間において、実際に押し順報知による恩恵が得られるようになる特定区間中は点灯し、有利区間ではない通常区間や、有利区間であっても特定区間ではない非特定区間中は消灯する区間表示器(特定報知手段)をなすものである。
既に説明したとおり、押し順表示器としての第1表示用セグメントN1~第7表示用セグメントN7、及び区間表示器としての第8表示用セグメントN8を有する指示モニタ68は、遊技パネル25において払出枚数表示部62の側方付近に配置されている。つまり、指示モニタ68は、遊技者が操作するストップスイッチ42~44等よりも上方に配置されており、言い換えると、ストップスイッチ42~44等が設けられている位置よりも下方において遊技機前面部である化粧パネルに配置されていない。そのため、ストップスイッチ42~44等を操作する手等によって、第8表示用セグメントN8が隠されることが抑制され、遊技者が視認し易い位置に配置されているといえる。また、メダルの獲得を目指して遊技を進行させる遊技者が注視し易い払出枚数表示部62の近くに配置されていることからしても、遊技者による見逃しが抑制されているといえる。
さらに、指示モニタ68において特に第8表示用セグメントN8は、周囲の表示部(例えば払出枚数表示部62や、遊技パネル25のバックライト)の明度よりも高い明度となるように(より詳しくは、周囲の表示部の明度の2倍の明度となるように)、対応するLEDの明度が定められている。そのため、第8表示用セグメントN8と周囲の表示部とがいずれも発光制御されている場合(点灯状態となっている場合)であっても、第8表示用セグメントN8が一際目立つようになっている。遊技機前方に向けた照度についても、第8表示用セグメントN8の方が周囲の表示部より、遊技機前方に向けた照度が高くなるように(より詳しくは、周囲の表示部の照度の2倍の照度となるように)、対応するLEDの照度が定められている。このような構成からも、第8表示用セグメントN8の視認性が向上されており、当該第8表示用セグメントN8が点灯状態となった場合の見逃しが抑制されている。
次に、補助表示部65にて行われる押し順報知演出について、図34を参照しながら説明する。ここでは、今回報知する操作順序が、中→右→左である場合の押し順役に当選している場合を例として、補助表示部65での押し順報知演出を説明する。
図34(a)に示すとおり、補助表示部65では、ストップスイッチ42~44に対応して3つ並列したボタン表示のうち、最初に操作すべきストップスイッチに対応するボタン表示(図では中ストップスイッチ43に対応する真ん中のボタン表示)に数字の1が付されて、他のボタン表示よりも大きく表示される。また、各ボタン表示は、当選役に対応する色(ベルなら黄色、再遊技なら青色等)にて表示される。これにより、遊技者は、今回のゲームにて当選している役と、最初に操作すべきストップスイッチが中ストップスイッチ43であることを認識することができる。また、補助表示部65では、次に操作すべきストップスイッチが右ストップスイッチ44であり、最後に操作すべきストップスイッチが左ストップスイッチ42であることを示すように、右のボタン表示に数字の2が付されて表示され、左のボタン表示に数字の3が付されて表示される。
遊技者が中ストップスイッチ43を操作すると、図34(b)に示すように、補助表示部65では、中ストップスイッチ43に対応する真ん中のボタン表示が消え、右ストップスイッチ44に対応する右のボタン表示が大きく表示される。これにより、遊技者は、中ストップスイッチ43の操作が完了したこと、及び、次に操作すべきストップスイッチが右ストップスイッチ44であることを確認することができる。
遊技者が右ストップスイッチ44を操作すると、図34(c)に示すように、補助表示部65では、右ストップスイッチ44に対応する右のボタン表示が消え、左ストップスイッチ42に対応する左のボタン表示が大きく表示される。これにより、遊技者は、右ストップスイッチ44の操作が完了したこと、及び、次に操作すべきストップスイッチが左ストップスイッチ42であることを確認することができる。
押し順報知の実行タイミングについて説明すると、各リール32L,32M,32Rの回転が開始されてから、加速期間を経て定速回転に至るまでのストップスイッチ42~44の無効期間中に、押し順報知が実行されるように設定されている。このようにストップスイッチ42~44の操作が有効となるよりも前のタイミングで押し順報知を実行する構成とすることで、ストップスイッチ42~44の操作順序を認識したうえでストップスイッチ42~44の操作に望ませることが可能となり、テンポ良く遊技を進行させることができる。
ステップSa609~ステップSa613における押し順報知用の処理の説明を行う。
すなわち、ステップSa609では、今回のゲームの抽選結果が押し順ベル当選であったか否かを判定する。押し順ベル当選である場合、ステップSa610にて、第1ATモードフラグ又は第2ATモードフラグがセットされているか否かを判定する。いずれかのATモードフラグがセットされている場合、ステップSa611にて今回の押し順ベルの種類に応じて第1小役入賞~第6小役入賞に対応する押し順報知が行われるように指示モニタ68を制御する。そして、ステップSa612にて、第1小役入賞~第6小役入賞に対応する操作順序の情報を含む押し順報知コマンドを、表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本押し順報知用処理を終了する。この押し順報知コマンドを受信した表示制御装置81では、第1小役入賞~第6小役入賞に対応する押し順報知演出が行われるように補助表示部65やスピーカ64を制御する。ステップSa610にていずれのATモードフラグもセットされていない場合には、そのまま抽選結果対応処理を終了する。
ステップSa609にて押し順ベル当選ではない場合、ステップSa613に進む。ステップSa613では、AT開始報知用処理を実行してから、抽選結果対応処理を終了する。
<AT開始報知用処理>
本実施形態では、ATモードへの移行抽選に当選した場合、上記の通り、前兆モードを経てからその移行抽選に当選したことの報知が行われる。そして、その移行抽選に当選したことの報知が行われた後、ゲームの抽選結果がATモード開始用の結果として予め定められた結果当選となることで、ATモードが開始されるようにしている。AT開始報知用処理は、ATモード移行抽選に当選した後、上記のATモード開始用の結果に当選したことに基づいて当該ATモード開始用の結果に対応する結果入賞を成立させるための報知を行う処理である。
具体的には、図35のフローチャートに示すように、ステップSa1001にて、今回のゲームの抽選結果が通常リプA~Cのいずれかの当選であるか否かを判定する。すなわち、本実施形態では、上記のATモードの開始用の結果として通常リプA~Cが設定されており、ステップSa1001にて通常リプA~C当選ではないと判定した場合、ATモードの開始報知を実行するタイミングではないとして、そのまま本AT開始報知用処理を終了する。
通常リプA~Cのいずれかに当選している場合、ステップSa1002にて各種カウンタエリア106eに設けられたAT準備カウンタが0よりも大きいか否かを判定する。AT準備カウンタは、ATモードへの移行抽選に当選したことの報知が既に実行された後の状況であることをCPU102が把握するためのカウンタであり、当該移行抽選に当選したことの報知が行われるゲームで所定数(40)が入力され、ゲームの消化に際して1ずつ減算されるカウンタである。すなわち、AT準備カウンタが0よりも大きい状況とは、ATモード移行抽選に当選したことの報知が行われたゲームからの消化ゲーム数が40ゲーム未満である状況を示している。なお、本実施形態では、当該ATモード移行抽選に当選したことの報知が行われてからの消化ゲーム数が所定数(40)に達した後は、上記のATモードの開始用の結果の当選を待たずにATモードを開始させる構成としているが、その詳細については後に説明する。
ステップSa1002にてAT準備カウンタが0よりも大きい場合、ステップSa1003にて各種フラグ格納エリア106dに開始ゲームフラグをセットする処理を実行する。開始ゲームフラグは、今回のゲームの抽選結果がATモードの開始用の結果であったことをCPU102が把握するためのフラグである。
続くステップSa1004では、第1ATモードフラグがセットされているか否かを判定することで、今回開始するATモードが第1ATモードであるか否かを判定する。第1ATモードである場合、ステップSa1005にて今回の通常リプの種類に応じて、第2再遊技入賞に対応する押し順報知が行われるように指示モニタ68を制御する。一方、第1ATモードフラグがセットされておらず、今回開始するATモードが第2ATモードである場合、ステップSa1006にて今回の通常リプの種類に応じて、第3再遊技入賞に対応する押し順報知が行われるように指示モニタ68を制御する。
図36に示すように、通常リプAに当選している場合には、各ストップスイッチ42~44が中→左→右、中→右→左の順で操作された場合には第2再遊技入賞が成立し、右→左→中、右→中→左の順で操作された場合には第3再遊技入賞が成立する。通常リプBに当選している場合には、各ストップスイッチ42~44が左→中→右、左→右→中の順で操作された場合には第2再遊技入賞が成立し、中→左→右、中→右→左の順で操作された場合には第3再遊技入賞が成立する。通常リプCに当選している場合には、各ストップスイッチ42~44が右→左→中、右→中→左の順で操作された場合には第2再遊技入賞が成立し、左→中→右、左→右→中の順で操作された場合には第3再遊技入賞が成立する。
ステップSa1005やステップSa1006では、これら各通常リプA~Cに応じて第2再遊技入賞や第3再遊技入賞が成立し得る操作順序の押し順報知を実行する。その後、ステップSa1007にて押し順報知コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本AT開始報知用処理を終了する。
ここで、第2再遊技入賞や第3再遊技入賞に対応する操作順序で各ストップスイッチ42~44を操作したとしても、第2再遊技入賞や第3再遊技入賞が成立しない場合がある。すなわち、上記の通り、第2再遊技入賞は、左リール32Lの「白7」図柄、中リール32Mの「白貝」図柄、右リール32Rの「チェリー」図柄が有効ラインMLに停止することで入賞が成立するところ(図10)、いずれのリールの対応図柄も、図柄同士の間隔が5図柄以上となる区間が存在するように配置されており、ストップスイッチ42~44の操作タイミングによっては、対応図柄を有効ラインML上に停止できない場合がある。また、第3再遊技入賞は、左リール32Lの「白7」図柄、中リール32Mの「白貝」図柄、右リール32Rの「BAR」図柄が有効ラインMLに停止することで入賞が成立するところ(図10)、いずれのリールの対応図柄も、図柄同士の間隔が5図柄以上となる区間が存在するように配置されており、ストップスイッチ42~44の操作タイミングによっては、対応図柄を有効ラインML上に停止できない場合がある。そこで、第2再遊技入賞となる操作順序や、第3再遊技入賞となる操作順序には、第4再遊技入賞や第5再遊技入賞も対応付けられており、いずれの再遊技入賞も成立しない、といった事象が生じないように設定されている。つまり、通常リプA~Cに当選した場合であって、第2再遊技入賞や第3再遊技入賞に対応する操作順序でストップスイッチ42~44の操作が行われ、且つ、第2再遊技入賞や第3再遊技入賞を成立させることができなかった場合であっても、他の再遊技入賞が成立するように設定されている。
なお、ステップSa1002にてAT準備カウンタが0である場合の処理(ステップSa1008、ステップSa1009)については、後に詳細に説明する。
<入賞結果対応処理>
次に、リール制御処理におけるステップSa417にて実施される入賞結果対応処理について、図37のフローチャートを参照しながら説明する。入賞結果対応処理では、ゲームの遊技結果に応じて、ATモードを開始させたり終了させたりするための処理を行う。
先ずステップSa1101にて、第1BB状態フラグ及び第2BB状態フラグのいずれかのフラグがセットされているか否かを把握して、今回開始するゲームがいずれかのBB状態であるか否かの判定を行う。BB状態ではない場合には、ステップSa1102にてベット数が3であるか否かを判定する。また、BB状態である場合には、ステップSa1103にてベット数が2であるか否かを判定する。すなわち、ステップSa1101~ステップSa1103の処理は、上記ステップSa601~ステップSa603の処理に対応する処理であり、遊技状態に対応付けられて規定されている一の特定規定数であるか否かを判定する処理である。特定規定数ではない場合には、ステップSa1104以降の表示モード用の処理(指示機能用の処理)を行うことなく入賞結果対応処理を終了する。
ステップSa1102又はステップSa1103にて肯定判定し、ベット数が特定規定数である場合には、ステップSa1104に進む。ステップSa1104では、前兆フラグがセットされているか否かを判定する。前兆フラグがセットされている場合とは、ATモード移行抽選やCZモード移行抽選に当選した後、未だこれらの移行抽選に当選したことの報知が行われていない状況であることを意味する。この場合、ステップSa1105にて、前兆モード用処理を実行してから、入賞結果対応処理を終了する。
一方、ステップSa1104にて前兆フラグがセットされていない場合、ステップSa1106にてCZモードフラグがセットされているか否かを判定する。CZモードフラグがセットされており、CZモード中である場合には、ステップSa1107にてCZモード用処理を実行してから、入賞結果対応処理を終了する。
ステップSa1106にてCZモードフラグがセットされていない場合、ステップSa1108にてATモード当選フラグがセットされているか否かを判定する。ステップSa1104にて前兆フラグがセットされておらず、且つステップSa1108にてATモード当選フラグがセットされている場合とは、既に前兆モードを経てATモード移行抽選に当選したことの報知が行われた後であって、且つ、ATモードへの移行が生じる前の状況(以下、かかる状況を「準備モード」と称する)であることを意味する。当該準備モードである場合には、ステップSa1109にて準備モード用処理を実行してから、入賞結果対応処理を終了する。
ステップSa1108にて準備モードではないと判定した場合、ステップSa1110にて第1ATモードフラグや第2ATモードフラグがセットされているか否かを判定する。いずれかのATモードフラグがセットされており、ATモード中である場合には、ステップSa1111にてATモード用処理を実行してから、入賞結果対応処理を終了する。ステップSa1110にて否定判定した場合には、そのまま入賞結果対応処理を終了する。
以下、前兆モード用処理、CZモード用処理、準備モード用処理、ATモード用処理について、それぞれ説明する。
<前兆モード用処理>
前兆モード用処理では、図38に示すように、ステップSa1201にて前兆カウンタを1減算する処理を実行する。そして、ステップSa1202にて前兆カウンタが0となったか否かを判定し、0となっていない場合には、そのまま前兆モード用処理を終了する。前兆カウンタが0となっている場合には、ステップSa1203にて前兆フラグをクリアする処理を実行する。
続くステップSa1204では、ATモード当選フラグがセットされているか否かを判定することで、今回の前兆モードがATモード移行抽選に当選したことに基づいて移行したものであったか否かを把握する。ATモード移行抽選に当選したことに基づく前兆モードであった場合、ステップSa1205にて、AT種別決定処理を実行する。上記のように、本実施形態では、ATモードとして上乗せ当選確率が異なる第1ATモードと第2ATモードとが設けられており、AT種別決定処理は、今回のATモードを第1ATモードとするか第2ATモードとするかを決定するための処理である。
<AT種別決定処理>
具体的には、図39のフローチャートに示すように、ステップSa1301では、AT種別抽選処理を実行する。AT種別抽選処理では、例えば、当選確率の設定処理にて設定される設定値や前回のATモードの種別、有利区間移行後のメダル増加数や有利区間移行後の消化ゲーム数等に応じて、又はランダムに今回のATモード種別を抽選により決定する。具体的は、例えば、出玉率が高くなる設定値が設定されているほど、上乗せし易い第2ATモードが選択され易くしてもよく、また、前回のATモードが第1ATモードであれば、今回は第2ATモードが選択され易くしてもよく、普段は第2ATモードは選択されにくいものの、一旦第2ATモードが選択されると次のATモードも第2ATモードが選択され易くなるようにしてもよいし、有利区間の序盤のメダル増加数や消化ゲーム数が少ない場面では第2ATモードが選択され易くしてもよい。
ステップSa1301の処理を実行した後は、ステップSa1302にて、ステップSa1301の処理結果が第1ATモードであったか否かを判定する。第1ATモードである場合、ステップSa1303にて各種フラグ格納エリア106dに第1ATモードフラグをセットする処理を実行し、ステップSa1304にて第1ATコマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本AT種別決定処理を終了する。第1ATコマンドを受信した表示制御装置81では、後続のステップSa1206にて出力設定されるAT当選報知コマンドに基づくAT当選報知演出において、ATモード移行抽選に当選したことの報知とともに、当選したATモードが第1ATモードである旨の報知を補助表示部65やスピーカ64にて行うように制御する。
ステップSa1302にて第2ATモードである場合、ステップSa1305にて各種フラグ格納エリア106dに第2ATモードフラグをセットする処理を実行し、ステップSa1306にて第2ATコマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本AT種別決定処理を終了する。第2ATコマンドを受信した表示制御装置81では、後続のステップSa1206にて出力設定されるAT当選報知コマンドに基づくAT当選報知演出において、ATモード移行抽選に当選したことの報知とともに、当選したATモードが第2ATモードである旨の報知を補助表示部65やスピーカ64にて行うように制御する。
前兆モード用処理において、ステップSa1205のAT種別決定処理を実行した後は、ステップSa1206にて各種カウンタエリア106eに設けられたAT準備カウンタに所定数としての40を入力する処理を実行する。既に説明した通り、AT準備カウンタはATモード移行抽選に当選したことの報知が行われてからのゲーム数をCPU102が把握するためのカウンタである。その後、ステップSa1207にてAT当選報知コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本前兆モード用処理を終了する。AT当選報知コマンドを受信した表示制御装置81は、ATモード移行抽選に当選したことの報知を補助表示部65やスピーカ64にて行うように制御する。その際、当選しているATモードの種別の報知も行われる点については上述の通りである。
ステップSa1204にてATモード当選フラグがセットされておらず、今回の前兆モードがCZモード移行抽選に当選したことに基づくものであった場合、ステップSa1208に進む。ステップSa1208では、CZモード当選フラグをクリアする処理を実行する。そして、ステップSa1209にてCZモードフラグをセットし、ステップSa1210にて各種カウンタエリア106eに設けられたCZゲームカウンタに所定数としての10を入力する処理を実行する。CZゲームカウンタはCZモードの残りゲーム数をCPU102が把握するためのカウンタであり、CZモードにおいて1ゲーム消化する度に1ずつ減算されるカウンタである。その後、ステップSa1211にてCZ開始コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本前兆モード用処理を終了する。CZ開始コマンドを受信した表示制御装置81は、CZモード移行抽選に当選したことの報知とともに、CZモードが開始されることの報知が補助表示部65やスピーカ64にて行われるように制御する。
上記のように、前兆フラグがクリアされ(ステップSa1203)、CZモードフラグがセットされる(ステップSa1209)ことによって、次回の入賞結果対応処理においてCZモード用処理が実行されるようになる。これに対して、前兆フラグがクリアされ、CZモードフラグがセットされなかった場合には(ステップSa1204:YES)、次回の入賞結果対応処理において準備モード用処理が実行されるようになる。
<CZモード用処理>
CZモード用処理では、図40のフローチャートに示すように、ステップSa1401にてCZゲームカウンタを1減算する処理を実行する。続くステップSa1402では、ステップSa1401の処理結果に基づいて、CZゲームカウンタが0となったか否かを判定する。CZゲームカウンタが0となっていない場合には、そのままCZモード用処理を終了する。
CZゲームカウンタが0となっている場合には、ステップSa1403にてCZモードフラグをクリアする処理を実行する。その後、ステップSa1404にてCZ終了コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本CZモード用処理を終了する。CZ終了コマンドを受信した表示制御装置81では、CZモードが終了したことの報知が補助表示部65やスピーカ64にて行われるように制御する。なお、既に説明した通り、CZモード中にATモード移行抽選に当選した場合、CZモードはその時点で終了し、前兆モードに移行する構成としている。そのため、ステップSa1403にてCZモードフラグがクリアされることによってCZモードが終了する場合とは、CZモード中にATモード移行抽選に当選しなかったことを意味する。
<ATモード用処理>
ATモード用処理では、図41のフローチャートに示すように、ステップSa1501にてATゲームカウンタを1減算する処理を実行する。続くステップSa1502では、ステップSa1501の処理結果に基づいて、ATゲームカウンタが0となったか否かを判定する。ATゲームカウンタが0となっていない場合には、そのままATモード用処理を終了する。
ATゲームカウンタが0となっている場合には、ステップSa1503にてセットされているATモードフラグ(第1ATモードフラグ又は第2ATモードフラグ)をクリアする処理を実行する。その後、ステップSa1504にて各種フラグ格納エリア106dにATモード終了フラグをセットする処理を実行する。ATモード終了フラグは、ATモード終了に際して有利区間を終了させるためのフラグである。そして、ステップSa1505にてAT終了コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットしてから、本ATモード用処理を終了する。AT終了コマンドを受信した表示制御装置81では、ATモードが終了したことの報知が補助表示部65やスピーカ64にて行われるように制御する。
<準備モード用処理>
準備モード用処理では、図42のフローチャートに示すように、ステップSa1601にて第1ATモードフラグがセットされているか否かを判定する。第1ATモードフラグがセットされている場合、ステップSa1602にて昇格抽選処理を実行する。昇格抽選処理は、今回移行させるATモードを第1ATモードではなく第2ATモードとする昇格抽選を行う。具体的には、各種テーブル記憶エリア105aから昇格抽選テーブル(図43)を取得し、今回のゲームの抽選結果、及びAT準備カウンタの値に応じて上記の昇格抽選を実行する。昇格抽選テーブルでは、例えば、チャンス目Aよりもチャンス目Cの方が昇格抽選に当選し易い、といったように各ゲームで当選しにくい抽選結果ほど、昇格抽選に当選し易くなるように設定されている。また、同じチャンス目Aに基づく昇格抽選でも、AT準備カウンタの値が21~40である場合よりも11~20の場合の方が昇格抽選に当選し易い、といったように準備モードにて消化したゲーム数が多いほど昇格抽選に当選し易くなるように設定されている。
ステップSa1602にて昇格抽選を実行した後は、ステップSa1603にて昇格抽選に当選したか否かを判定する。昇格抽選に当選している場合には、ステップSa1604にて昇格コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行する。昇格コマンドを受信した表示制御装置81では、移行するATモードが第1ATモードから第2ATモードに昇格したことの報知が補助表示部65やスピーカ64にて行われるように制御する。そして、ステップSa1605にて第1ATモードフラグをクリアし、第2ATモードフラグをセットする処理を実行する。
ステップSa1601若しくはステップSa1603にて否定判定した場合、又はステップSa1605の処理を実行した後は、ステップSa1606に進む。ステップSa1606では、AT準備カウンタを1減算する処理を実行する。そして、ステップSa1607にて、ステップSa1606の処理結果に基づいて、AT準備カウンタが0となったか否かを判定する。
ステップSa1607にてAT準備カウンタが0となっていない場合、ステップSa1608に進む。ステップSa1608では、開始ゲームフラグがセットされているか否かを判定する。既に説明した通り、開始ゲームフラグは、準備モードにおいてATモード開始用の結果(通常リプA~C)に当選した場合にAT開始報知用処理(図35)にてセットされるフラグである。開始ゲームフラグがセットされていない場合、そのまま本準備モード用処理を終了する。
開始モードフラグがセットされている場合、ステップSa1609にて、今回の遊技結果として第2再遊技入賞又は第3再遊技入賞が成立したか否かを判定する。既に説明した通り、準備モードにおいて通常リプA~Cに当選した場合には、第2再遊技入賞や第3再遊技入賞に対応する押し順報知演出が実行される。但し、通常リプA~Cに当選しているゲームにおいて、第2再遊技入賞や第3再遊技入賞に対応する操作順序でストップスイッチ42~44の操作が行われても、その操作タイミングによっては第2再遊技入賞や第3再遊技入賞が成立せず、他の再遊技(第4再遊技、第5再遊技)の入賞が成立する場合がある。ステップSa1609では、開始ゲームフラグがセットされており、第2再遊技入賞や第3再遊技入賞を成立させてATモードを開始させることが可能なゲームにおいて、第2再遊技入賞や第3再遊技入賞を成立させることができたか否かを判定する。
ステップSa1609にて第2再遊技入賞又は第3再遊技入賞を成立させることができたと判定した場合には、ステップSa1610に進み、ATゲームカウンタにATモードの初期ゲーム数に相当する50を加算する処理を実行する。なお、既に説明した通り、ATモード移行抽選に当選した後は、抽選結果対応処理においてAT上乗せ用処理が行われる構成であるところ、ステップSa1610の初期ゲーム数の入力よりも前に、ATモードのゲーム数の上乗せ抽選に当選してATゲームカウンタに当該上乗せゲーム数の入力が行われている場合がある。
その後、ステップSa1612にて開始ゲームフラグをクリアし、ステップSa1613にて停止時AT開始コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本準備モード用処理を終了する。停止時AT開始コマンドを受信した表示制御装置81は、ATモード開始演出が補助表示部65やスピーカ64にて行われるように制御する。
ステップSa1607にてAT準備カウンタが0となったと判定した場合、すなわち、ATモード移行抽選に当選したことの報知が行われ、準備モードとなってから40ゲームが消化された場合、ステップSa1614にて、第1ATモードフラグがセットされているか否かを判定し、セットされている場合には、ステップSa1615にて上記の昇格コマンドをセットする処理を実行する。そして、ステップSa1616にて第1ATモードフラグをクリアして第2ATモードフラグをセットする処理を実行する。つまり、本実施形態では、準備モードに移行してから40ゲーム間に亘ってATモード開始用の結果に当選しなかった場合には、移行するATモードが第2ATモードとなる。
ステップSa1614にて否定判定した場合、又はステップSa1616の処理を実行した後は、ステップSa1617に進む。また、ステップSa1609にて第2再遊技入賞又は第3再遊技入賞が成立していないと判定した場合にも、ステップSa1617に進む。ステップSa1617では、ATモード当選フラグをクリアする処理を実行する。そして、ステップSa1618にてATゲームカウンタに初期ゲーム数としての50を加算する処理を実行する。
ステップSa1618の処理を実行した後は、ステップSa1619にて開始ゲームフラグがセットされているか否かを判定する。開始ゲームフラグがセットされており、準備モード中に通常リプA~C当選となり、且つ第2再遊技入賞や第3再遊技入賞を成立させることができなかった場合には、ステップSa1620に進み、開始ゲームフラグをクリアする処理を実行する。そして、ステップSa1621にて第2ATモードフラグがセットされているか否かを判定し、第2ATモードフラグではなく第1ATモードフラグがセットされている場合には、ステップSa1622にて各種フラグ格納エリア106dに第1開始時フリーズフラグをセットする処理を実行してから、本準備モード用処理を終了する。第1開始時フリーズフラグは、次ゲームの回転開始時の回転演出処理(ステップSa402)において、第2再遊技入賞となる図柄組合せを有効ラインMLに停止させる第1回転演出を行うためのフラグである。回転演出処理については後に詳細に説明するが、この第1回転演出により、第1ATモードの開始用の結果として第2再遊技入賞を成立させることができなくても、当該第1ATモードの開始用の結果入賞を演出として報知することが可能となり、当該第1ATモードの開始用の結果入賞に基づいて第1ATモードが開始されることの印象を与えることが可能となる。
ステップSa1619にて開始ゲームフラグがセットされておらず、準備モードを40ゲーム消化した場合や、ステップSa1621にて第2ATモードフラグがセットされており、第2ATモードの準備モード中に通常リプA~C当選となり、且つ第3再遊技入賞を成立させることができなかった場合には、ステップSa1623にて各種フラグ格納エリア106dに第2開始時フリーズフラグをセットする処理を実行してから、本準備モード用処理を終了する。第2開始時フリーズフラグは、次ゲームの回転開始時の回転演出処理(ステップSa402)において、第3再遊技入賞となる図柄組合せを有効ラインMLに停止させる第2回転演出を行うためのフラグである。回転演出処理については後に詳細に説明するが、この第2回転演出により、第2ATモードの開始用の結果として第3再遊技入賞を成立させることができなくても、当該第2ATモードの開始用の結果入賞を演出として報知することが可能となり、当該第2ATモードの開始用の結果入賞に基づいて第2ATモードが開始されることの印象を与えることが可能となる。
<有利区間の管理>
次に、区間表示器としての第8表示用セグメントN8を制御したり、有利区間へ移行させたり有利区間を終了させるための、区間表示第1処理、及び区間表示第2処理について説明する。
<区間表示第1処理>
先ず、区間表示第1処理について、図44を参照しながら説明する。区間表示第1処理は、抽選処理(図19)におけるステップSa314にて実施される処理であり、スタートレバー41の操作に基づいて当該ゲームの抽選結果が決定されるとともに、当該抽選結果に基づいて表示モードの移行抽選等(抽選結果対応処理)が行われた後に実施される。
ステップSa1701では、区間表示器としての第8表示用セグメントN8が表示中であるか否か、より詳しくは、第8表示用セグメントN8を点灯中か否かを判定する。既に説明した通り、第8表示用セグメントN8を点灯中である場合とは、有利区間のうち、少なくとも押し順報知が発生し得る報知条件が成立している特定区間である場合を示している。ステップSa1701にて否定判定し、第8表示用セグメントN8を消灯中であると判定した場合、ステップSa1702に進む。
ステップSa1702では、各種フラグ格納エリア106dに有利区間当選ゲームフラグがセットされているか否かを判定する。有利区間当選ゲームフラグは、有利区間移行抽選処理において有利区間移行抽選に当選した場合にセットされるフラグであり、その当選ゲームであることをCPU102が特定するためのフラグである。有利区間当選ゲームフラグがセットされている場合、ステップSa1703にて有利区間当選ゲームフラグをクリアする処理を実行する。そして、ステップSa1704にて有利区間フラグをセットする処理を実行する。
ステップSa1705では、有利区間中のゲーム数のカウント、より詳しくは、各種カウンタエリア106eの有利区間ゲーム数AGの計測を開始する処理を行う。有利区間ゲーム数AGは、有利区間の実行ゲーム数を把握する把握手段に相当するものである。そして、ステップSa1706にて、有利区間移行時処理を実行する。有利区間移行時処理は、今回移行させる有利区間の状態や有利度を設定する処理である。具体的には、有利区間移行時処理では、上記の天井カウンタを抽選等により設定し、有利区間移行後、ATモード移行抽選に当選することなくATモードへの移行を許容する天井ゲーム数の設定を行う。天井カウンタの抽選は、例えば、設定値や当該ゲームの抽選結果等を利用して行うとよく、高設定ほど短い天井ゲーム数が選択され易くなるようにしたり、奇数設定よりも偶数設定の方が短い天井ゲーム数が選択され易くなるようにしたり、今回のゲームの抽選結果として当選しにくい結果ほど、短い天井ゲーム数が選択され易くなるようにするとよい。そして、抽選により決定した天井ゲーム数に相当する値を天井カウンタに入力するとよく、例えば、天井カウンタに対応する情報を含む天井コマンドを表示制御装置81へ出力することで、天井ゲーム数を示唆する演出が補助表示部65やスピーカ64にて行われる構成としてもよい。
区間表示第1処理において、ステップSa1706にて有利区間移行時処理を実行した後は、ステップSa1707にて、第8表示用セグメントN8を点灯させることにより区間表示器の表示を開始する。
ステップSa1701にて区間表示器としての第8表示用セグメントN8を表示中であると判定した場合、ステップSa1708にて、有利区間中の表示を継続する処理を実行する。ステップSa1708について具体的には、第8表示用セグメントN8が点灯状態である状況を継続させるための処理を行う。すなわち、区間表示器の表示を終了するための処理は、本区間表示第1処理では実施しない。
ステップSa1702にて有利区間当選ゲームフラグがセットされていないと判定した場合、ステップSa1707にて表示開始処理を実行した後、又はステップSa1708の表示継続処理を実行した後は、ステップSa1709にていずれかのATモードフラグがセットされているか否かを判定する。ステップSa1709にていずれのATモードフラグもセットされていないと判定した場合は、ステップSa1710にて、各種カウンタエリア106eに設けらた役比第1カウンタに1を加算する処理を実行する。役比第1カウンタは、押し順報知が発生しないゲーム数、すなわち、通常区間と非特定区間のゲーム数をカウントするためのカウンタである。
これに対して、ステップSa1709にていずれかのATモードフラグがセットされていると判定した場合、ステップSa1711にて、各種カウンタエリア106eに設けられた役比第2カウンタに1を加算する処理を実行する。役比第2カウンタは、押し順報知が発生可能なゲーム数、すなわち、特定区間のゲーム数をカウントするためのカウンタである。
ステップSa1710又はステップSa1711の処理を実行した後は、ステップSa1712にて役比算出処理を実行する。かかる処理では、役比第2カウンタの値を役比第1カウンタと役比第2カウンタとの加算値(全ゲーム数)で除算する処理を行う。すなわち、役比算出処理は、全ゲーム数のうち、押し順報知が発生し得るゲーム数の割合を算出する処理である。そして、ステップSa1713にて、ステップSa1712の演算処理結果が役比モニタ77にて表示されるようにするための処理を実行する。
図5に示すように、役比モニタ77は、7つの表示用セグメントからなる7セグ表示部を複数有している。具体的には、役比モニタ77は、7セグ表示部としての第1表示部77a、第2表示部77b、第3表示部77c、第4表示部77d、第5表示部77eを有している。第1表示部77a~第5表示部77eにおける表示用セグメントは、指示モニタ68の表示用セグメントN1~N7と同様に、LEDからなる個別の光源を有しており、それら個別の光源がオンオフ制御されることで、任意の1個の表示用セグメントのみを点灯させることができるとともに、任意の組み合わせの表示用セグメントを点灯させることができる。これにより、役比モニタ77は、それぞれ個別に所定の記号(アルファベットや数字を含む)が表示されるようになっており、特に、役比モニタ77では、5桁の数字を表示可能となっている。
ステップSa1713では、ステップSa1712の演算処理の結果を役比モニタ77に出力するとともに、役比モニタ77にて、4桁の数字が表示されるように役比モニタ77における各表示部77a~77eの表示制御を行う。具体的には、全ゲーム数のうち、押し順報知が発生し得るゲーム数の割合として、例えば、「0.5012」といったように、1よりも小さい数であって、小数点以下4桁までの数字が役比モニタ77にて表示される。ステップSa1713の処理を実行した後は、区間表示第1処理を終了する。
なお、ステップSa1712の演算処理において小数点以下第5桁の数字を四捨五入する処理を行ったうえで、役比モニタ77の表示制御を行う構成としてもよい。また、役比モニタ77のうち、第1表示部77aは、基本的には「0」が表示されるため、第1表示部77aを有さないようにしたり、第1表示部77aを印刷等によって「0」との表示が常にされる構成としてもよい。また、第1表示部77aと第2表示部77bとの間に、小数点が印刷等により表示される構成とするとよい。
<区間表示第2処理>
次に、区間表示第2処理について、図45のフローチャートを参照しながら説明する。既に説明したとおり、区間表示第2処理は、リール制御処理のステップSa418にて実施される処理であり、1ゲームの終了に際して、メダルの払出(払出判定処理)及び入賞結果に基づく遊技状態の移行等(入賞結果対応処理)が行われてから実施される。
ステップSa1801では、有利区間フラグがセットされているか否かを判定する。セットされていない場合には、そのまま区間表示第2処理を終了する。有利区間フラグがセットされている場合には、ステップSa1802にて、有利区間中のゲーム数をカウントする処理を実行する。具体的には、上記有利区間ゲーム数AGを1加算する処理を行う。続くステップSa1803では、各種カウンタエリア106eに設けられた有利区間増減枚数MY(MYカウンタ)の更新処理を実行する。
ステップSa1803のMY更新処理では、今回のゲームの遊技結果がいずれかの再遊技入賞ではないことを条件として、払出枚数から投入枚数(ベット数)を減算し、その減算結果を有利区間増減枚数MYに加算することによって、有利区間増減枚数MYの更新を行う。
ステップSa1803のMY更新処理を実行した後は、ステップSa1804にて、残ゲーム数管理処理を実行し、続くステップSa1805にて、残枚数管理処理を実行する。残ゲーム数管理処理は、ATモードの残りゲーム数等に基づき、現状の残りゲーム数で有利区間が上限ゲーム数(1500ゲーム)に達する状況となっているか否かの管理を行うための処理である。残ゲーム数管理処理では、例えば、有利区間ゲーム数AG(有利区間の消化ゲーム数)と、ATゲームカウンタ(ATモードの残りゲーム数)との合計が、有利区間の上限ゲーム数より多い状況か否かを把握する。そして、そのような状況であれば、その状況を特定するためのフラグとして、各種フラグ格納エリア106dに第1超過フラグをセットする。また、残枚数管理処理は、ATモードの残りゲーム数等に基づき、現状の残りゲーム数で有利区間が上限増加数(2400枚)に達する状況となっているか否かの管理を行うための処理である。残払出枚数管理処理では、例えば、ATゲームカウンタとATモード中の1ゲーム当たりの平均増加枚数とから算出される期待増加枚数と、現状の有利区間増減枚数MYとの合計が有利区間の増減枚数より多い状況か否かを把握する。そして、そのような状況であれば、その状況を特定するためのフラグとして、各種フラグ格納エリア106dに第2超過フラグをセットする。
残ゲーム数管理処理、残枚数管理処理を実行した後は、ステップSa1806にて、上記有利区間ゲーム数AGが上限ゲーム数である1500に達したか否か、又は有利区間増減枚数MYが上限増加数である2400以上となったか否かを判定する。これらいずれかの強制終了条件が成立している場合には、ステップSa1807にて、有利区間ゲーム数AG及び有利区間増減枚数MYを0にクリアする。続くステップSa1808では、区間表示器としての第8表示用セグメントN8の表示を終了させる処理を行う。そして、ステップSa1809にて、有利区間中の各種フラグやカウンタ等のパラメータ、情報を初期化する処理を実行する。
ステップSa1809の有利区間用情報の初期化処理について、具体的には、今回の有利区間への移行に際して設定されたフラグやカウンタ、及び、今回の有利区間中に設定されたフラグやカウンタを初期値に戻す処理を実行する。例えば、有利区間フラグや、各種ATモードフラグ等がクリアされておらずセットされていれば、これらのフラグをクリアする。さらに、有利区間ゲーム数AGや有利区間増減枚数MY、ATモードの継続ゲーム数用のカウンタ、AT準備カウンタ等が0より大きければ、これらのカウンタを全て0にリセットする。つまり、本有利区間用情報の初期化処理では、押し順報知を用いた有利な状態としての有利区間に関し、押し順報知に係る性能に及ぼす全ての変数乃至パラメータを初期化するものであり、かかる変数乃至パラメータに関してRAMクリアを行う処理である。
ステップSa1809の処理を実行した後は、ステップSa1810にて外部集中端子板121におけるAT用出力端子121dの出力状態を確認し、当該AT用出力端子121dがON状態であればそれをOFF状態に設定する処理を実行してから、本区間表示第2処理を終了する。AT用出力端子121dは、ATモードが開始される場合にON状態とされ、ATモードが終了する場合にOFF状態とされることで外部集中端子板121を介してスロットマシン10と接続されている遊技ホールのデータ表示器やホールコンピュータへATモードであること(ATモードの移行回数)に対応するAT用情報を出力するためのものである。AT用出力端子121dをON状態とすることでAT用出力端子121dから出力される信号はHI信号(高出力状態)となり、AT用出力端子121dをOFF状態とすることで、AT用出力端子121dから出力される信号はLOW信号(低出力状態)となる。上記の外部集中端子板121を介してスロットマシン10と接続されているデータ表示器やホールコンピュータ等は、かかるAT用出力端子121dから出力される信号がLOW信号からHI信号に切り替わることでAT用出力端子121dがON状態とされたことを把握し、ATモードへの移行が生じたことを把握する。また、AT用出力端子121dから出力される信号がHI信号からLOW信号に切り替わることでAT用出力端子121dがOFF状態とされたことを把握し、ATモードが終了したことを把握する。なお、AT用出力端子121dをON状態とするための処理については、後に詳細に説明する。
ステップSa1806にて有利区間ゲーム数AGが上限値に達しておらず、且つ有利区間増減枚数MYが上限増加数に達していないと判定した場合は、ステップSa1811に進み、ATモード終了フラグがセットされているか否かを判定する。ATモード終了フラグがセットされている場合、ステップSa1807に進み、有利区間終了用の処理を実行する。ATモード終了フラグがセットされていない場合、そのまま有利区間終了用の処理を実行する。
<演出設定処理>
表示制御装置81のCPU181にて実行される演出設定処理について、図46のフローチャートに基づき説明する。演出設定処理は、CPU181により所定周期(例えば、2msec周期)で起動される処理である。
演出設定処理では、先ずステップSa1901にて、主制御装置101から新たなコマンドを受信したか否かを判定する。新たなコマンドを受信している場合には、ステップSa1902にて、受信したコマンドをRAM183に格納する処理を実行する。RAM183にはコマンド格納エリアが設けられており、当該コマンド格納エリアは、複数のコマンドを個別に記憶可能であって先に記憶したコマンドから読み出し可能なリングバッファとして構成されている。
ステップSa1901にて否定判定した場合、又はステップSa1902の処理を実行した後は、ステップSa1903にて、新たに受信したコマンドが、ベット時コマンドであったか否かを判定する。ベット時コマンドとは、ベット操作が行われたことに基づいて主制御装置101から出力されるコマンドであり、通常処理のステップSa206にてセットされるベットコマンド等である。ベット時コマンドである場合には、ステップSa1904にて今回のベット操作に基づく演出設定を行うためのベット時演出設定処理を実行する。
ステップSa1903にて否定判定した場合、又はステップSa1904の処理を実行した後は、ステップSa1905にて、新たに受信したコマンドが、開始時コマンドであったか否かを判定する。開始時コマンドとは、スタートレバー41の操作が行われたことに基づいて主制御装置101から出力されるコマンドであり、抽選処理のステップSa311にてセットされる抽選結果コマンドの他、抽選結果対応処理(図27)や区間表示第1処理(図44)にてセットされる前兆コマンド、上乗せコマンド、押し順報知コマンド及び天井コマンド等がある。これらの開始時コマンドである場合には、ステップSa1906にて開始時演出設定処理を実行する。
ステップSa1905にて否定判定した場合、又はステップSa1906の処理を実行した後は、ステップSa1907にて、新たに受信したコマンドが、各停止操作時コマンドであったか否かを判定する。各停止操作時コマンドとは、各リール32L,32M,32Rのそれぞれの停止操作が行われたことに基づいて主制御装置101から出力されるコマンドであり、リール制御処理(図22)のステップSa406にてセットされる停止指令コマンドである。かかる各停止操作時コマンドとしての停止指令コマンドである場合には、ステップSa1908にて今回の停止操作に基づく演出設定を行うための各停止操作時演出設定処理を実行する。
ステップSa1907にて否定判定した場合、又はステップSa1908の処理を実行した後は、ステップSa1909にて、新たに受信したコマンドが、全停止時コマンドであるか否かを判定する。全停止時コマンドとは、全リール32L,32M,32Rが停止したことに基づいて主制御装置101から出力されるコマンドであり、リール制御処理(図22)のステップSa419にてセットされる入賞結果コマンドの他、ボーナス状態処理(図24)、入賞結果対応処理(図37)や区間表示第2処理(図45)にてセットされる第1BB開始コマンド、第2BB開始コマンド、第1BB終了コマンド、第2BB終了コマンド、AT当選報知コマンド、CZ開始コマンド、第1ATコマンド、第2ATコマンド、CZ終了コマンド、AT終了コマンド、昇格コマンド、停止時AT開始コマンド等がある。これらの全停止時コマンドである場合には、ステップSa1910にて全停止時演出設定処理を実行する。
ステップSa1909にて否定判定した場合、又はステップSa1910の処理を実行した後は、ステップSa1911にて、その他の処理を実行してから、演出設定処理を終了する。ステップSa1911では、上記の各演出設定処理にて設定された各種演出が、対応するタイミングにて実行されるように補助表示部65やスピーカ64等を制御する。また、ステップSa1911では、ベット時、開始時、停止時以外の主制御装置101からの指令に基づく演出(例えば、精算スイッチ59の操作に基づく演出等)の設定や、主制御装置101を介さずに接続されたセンサ(演出スイッチ検出センサ等)からの信号に基づく演出の設定、エラー報知用の設定等を行う。
以下、開始時演出設定処理、全停止時演出設定処理について説明する。
<開始時演出設定処理>
ステップSa1906の開始時演出設定処理について、図47のフローチャートに基づき説明する。
ステップSa2001では、受信している抽選結果コマンドに基づいて、今回開始されるゲームの抽選結果が押し順役当選(押し順ベル当選)であるか否かを判定する。押し順役当選である場合には、ステップSa2002にて、押し順報知コマンドを受信しているか否かを判定する。押し順報知コマンドを受信している場合、ステップSa2003にて第1小役入賞~第6小役入賞に対応する押し順報知演出が補助表示部65やスピーカ64にて行われるようにするための設定を実行する。
ステップSa2001にて、今回のゲームの抽選結果が押し順役当選ではないと判定した場合、ステップSa2004にて今回のゲームの抽選結果が特定役当選であるか否かを判定する。特定役とは、各ゲームの抽選結果として出現しにくい(当選しにくい)所謂レア役と称される抽選結果であり、本実施形態では、チャンス目A~チャンス目C、チェリーA~チェリーC及びスイカを特定役として設定している。図29に示す通り、これらの抽選結果を契機とするATモード移行抽選ではATモード移行当選となる確率が他の抽選結果よりも高くなるように設定されており、また、図32に示す通り、これらの抽選結果を契機とするATモードの上乗せ抽選においては、他の抽選結果を契機とするよりも上乗せ当選となり易いように設定されている。今回のゲームの抽選結果が特定役当選である場合、ステップSa2005にて、特定役報知演出を設定する処理を実行する。特定役報知演出の設定処理では、今回のゲームの抽選結果が上記特定役のいずれかであることの特定役報知が補助表示部65やスピーカ64にて行われるようにするための設定を実行する。特定役報知としては、例えば、3つ設けられているストップスイッチ42~44に対応させて、ビックリマークのキャラクタが補助表示部65に3つ表示されるような演出が設定されている。
ステップSa2002若しくはステップSa2004にて否定判定した場合、又はステップSa2003若しくはステップSa2005の処理を実行した後は、ステップSa2006に進む。ステップSa2006では、上乗せコマンドを受信しているか否かを判定する。上乗せコマンドを受信している場合、ステップSa2007にて上乗せ演出の設定処理を実行する。上乗せ演出の設定処理では、ATモードの残りゲーム数の上乗せが行われたことに対応する報知として、当該上乗せされたゲーム数を補助表示部65にて表示する上乗せ演出を実行する。なお、当該上乗せ演出の態様は、当該上乗せが行われたゲームにて行われる態様に限定されず、例えば、当該上乗せが行われたゲームを契機として所定ゲーム数後に上乗せゲーム数の報知が行われる態様が含まれていてもよいし、例えば、ATモードの残りゲーム数が所定数(例えば残り1ゲーム)となった状況で上乗せ演出を実行する所謂後乗せ演出の態様が含まれる構成としてもよい。
ステップSa2006にて否定判定した場合、又はステップSa2007の処理を実行した後は、ステップSa2008にて今回の開始時コマンドとして、前兆コマンドを受信しているか否かを判定する。前兆コマンドを受信しており、ATモード移行抽選又はCZモード移行抽選に当選し、前兆モードに設定される場合、ステップSa2009にて各種カウンタエリア183bに設けられたサブ側前兆カウンタに前兆ゲーム数に対応する値を入力する処理を実行する。サブ側前兆カウンタは、主制御装置101における前兆カウンタに相当するものであり、前兆モードの残りゲーム数をCPU181が把握するためのカウンタであり、当該サブ側前兆カウンタが0よりも大きい状況が前兆モードとなる。
ステップSa2008にて否定判定した場合、又はステップSa2009の処理を実行した後は、ステップSa2010にて上記のサブ側前兆カウンタが0よりも大きいか否かを判定する。サブ側前兆カウンタが0よりも大きく、前兆モード中である場合、ステップSa2011にてサブ側前兆カウンタを1減算する処理を実行する。そして、ステップSa2012にてサブ側前兆カウンタの値に応じた前兆モード用の演出を設定する処理を実行する。例えば、サブ側前兆カウンタの値が小さいほど、いずれかの移行抽選に当選していることを強く示唆する演出が補助表示部65やスピーカ64にて行われるようにしたりするとよい。
ステップSa2010にて否定判定した場合、又はステップSa2012の処理を実行した後は、ステップSa2013にてAT開始用処理を実行し、ステップSa2014にて回転演出用処理を実行し、ステップSa2015にてその他の開始時演出設定処理を実行してから、本開始時演出設定処理を終了する。ステップSa2015では、例えば、ゲーム開始に対応させて抽選結果を示唆する演出を設定したり、スタートレバー41周辺のランプを消灯させてその操作が受け付けられたことの報知を行うための処理等を実行する。AT開始用処理及び回転演出用処理については、後に詳細に説明する。
<全停止時演出設定処理>
次に、演出設定処理(図46)におけるステップSa1910の全停止時演出設定処理について、図48のフローチャートを参照しながら説明する。既に説明した通り、全停止時演出設定処理は、新たに受信したコマンドが、入賞結果コマンド、AT当選報知コマンド、CZ開始コマンド、第1ATコマンド、第2ATコマンド、CZ終了コマンド、AT終了コマンド、昇格コマンド、停止時AT開始コマンド等の全停止時コマンドである場合に、演出設定を行うための処理である。
ステップSa2101では、CZ開始コマンドを受信しているか否かを判定する。CZ開始コマンドを受信している場合、ステップSa2102にて各種フラグ格納エリア183aにサブ側CZフラグをセットする処理を実行し、ステップSa2103にてCZ開始演出を補助表示部65やスピーカ64にて行うための演出設定処理を実行する。CZ開始演出は、例えば、図52(a)に示すように、CZモードが開始されること、及びCZモードの残りゲーム数(10)を補助表示部65にて表示する。
ステップSa2101にて否定判定した場合、ステップSa2104にて、CZ終了コマンドを受信しているか否かを判定する。CZ終了コマンドを受信している場合、ステップSa2105にて上記のサブ側CZフラグをクリアする処理を実行し、ステップSa2106にてCZ終了演出を補助表示部65やスピーカ64にて行うための演出設定処理を実行する。CZ終了演出は、例えば、図52(b)に示すように、CZモードの残りゲーム数が0となり、CZモードが終了したことを報知する演出が設定されている。なお、CPU181は、上記のサブ側CZフラグがセットされている各ゲームでは、CZモード用の演出を補助表示部65やスピーカ64にて行うように設定する。CZモード用の演出は、CZモード中であることを遊技者が識別可能となるように、例えば、背景色や登場するキャラクタ等が通常モードのそれと異ならせている。また、CZモード用の演出を行うにあたり、CPU181は、CZモードの残りゲーム数の表示もゲームの進行に応じてその表示を更新(減算)するように制御する。
ステップSa2104にて否定判定した場合、ステップSa2107にてAT当選報知コマンドを受信しているか否かを判定する。AT当選報知コマンドを受信している場合、ステップSa2108にて各種フラグ格納エリア183aに準備モードフラグをセットする処理を実行し、続くステップSa2109にて第1ATコマンドを受信しているか否かを判定する。第1ATコマンドを受信している場合、ステップSa2110にて各種フラグ格納エリア183aにサブ側第1ATモードフラグをセットする処理を実行してから、ステップSa2112にてAT当選報知演出を設定する処理を実行する。一方、ステップSa2109にて第1ATコマンドを受信しておらず、第2ATコマンドを受信している場合、ステップSa2111にて各種フラグ格納エリア183aにサブ側第2ATモードフラグをセットする処理を実行してから、ステップSa2112にてAT当選報知演出を設定する処理を実行する。AT当選報知演出は、例えば、図53(a)に示すように、ATモード移行抽選に当選したことの報知とともに、当選しているATモードの種別を報知する演出が設定されている。なお、ATモードの種別を報知する演出として、例えば、補助表示部65の背景色を異ならせる(第1ATモードであれば赤、第2ATモードであれば青)構成としてもよいし、ATモードの種別に応じて対応するキャラクタを表示させる(第1ATモードであれば第1AT用キャラクタ、第2ATモードであれば第2AT用キャラクタ)構成としてもよい。また、CPU181は、上記の準備モードフラグがセットされている各ゲームでは、準備モード用の演出を補助表示部65やスピーカ64にて行うように設定する。準備モード用の演出は、サブ側第1ATモードフラグがセットされている場合と、サブ側第2ATモードフラグがセットされている場合とを、遊技者が識別可能なようにその演出内容が異ならせてあり、サブ側第1ATモードフラグがセットされている場合には、例えば、図53(b)に示すように、「昇格抽選中」といった文字表示が行われ、サブ側第2ATモードフラグがセットされている場合には、例えば、図54(b)に示すように、「AT準備中」といった文字表示が行われる。なお、図53(b)と図54(b)とでは、背景色が異なることを、ハッチ設定を異ならせて示している。
ステップSa2107にて否定判定した場合、ステップSa2113にて昇格コマンドを受信しているか否かを判定する。昇格コマンドを受信している場合、ステップSa2114にて上記にサブ側第1ATモードフラグをクリアするとともにサブ側第2ATモードフラグをセットする処理を実行する。そして、ステップSa2115にて昇格演出を設定する処理を実行する。昇格演出は、例えば、図54(a)に示すように、男性のキャラクタが雄叫びを挙げる演出が設定されている。なお、上記のようにサブ側第1ATモードフラグがクリアされてサブ側第2ATモードフラグがセットされることにより、昇格演出を介して、準備モード中の演出が、図53(b)の演出から図54(b)の演出に切り替わることになる。
ステップSa2113にて否定判定した場合、ステップSa2116にて停止時AT開始コマンドを受信しているか否かを判定する。停止時AT開始コマンドを受信している場合、ステップSa2117にて、準備モードフラグをクリアし、ステップSa2118にて、AT開始演出を補助表示部65やスピーカ64にて行うための演出設定処理を実行する。AT開始演出は、例えば、図55(a)に示すように、ATモードが開始される旨の表示(「AT スタート」といった文字表示)が行われる演出が設定されている。なお、AT開始演出は、開始するATモードの種類に応じて遊技者が識別可能な程度に異なっており、例えば、背景や効果音が異なるように設定されている。
ステップSa2116にて否定判定した場合、ステップSa2119にてAT終了コマンドを受信しているか否かを判定する。AT終了コマンドを受信している場合、ステップSa2120にてサブ側第1ATモードフラグやサブ側第2ATモードフラグをクリアする処理を実行し、ステップSa2121にてAT終了演出を補助表示部65やスピーカ64にて行うための演出設定処理を実行する。AT終了演出は、例えば、図55(b)に示すように、ATモードが終了する旨の表示(「またね」といった文字表示)とともに、今回のATモードの継続ゲーム数や獲得メダル数の報知を行う演出が設定されている。
ステップSa2103、ステップSa2106、ステップSa2112、ステップSa2115、ステップSa2118若しくはステップSa2121の処理を実行した後、又はステップSa2119にて否定判定した後は、ステップSa2122にてその他の全停止時演出設定処理を実行してから、本全停止時演出設定処理を終了する。ステップSa2122では、例えば、入賞役に対応させた色で上部ランプ63が点灯するように制御したり、入賞役の払出数に対応する効果音がスピーカ64から発せられるように制御したり、リプレイ時の自動ベットに対応する効果音がスピーカ64から発せられるように制御したりする。
<AT開始用処理>
次に、開始時演出設定処理(図47)におけるステップSa2013にて実行されるAT開始用処理について、図49のフローチャートを参照しながら説明する。AT開始用処理は、準備モード中にATモード開始用の結果(通常リプA~C)に当選した場合に、第2再遊技入賞や第3再遊技入賞を成立させるように操作指示報知を実施するための処理である。
すなわち、ステップSa2201では、上記の準備モードフラグがセットされているか否かを判定する。準備モードフラグがセットされていない場合には、そのままAT開始用処理を終了する。準備モードフラグがセットされている場合、ステップSa2202にて準備モード演出を設定する。上記のように準備モード演出としては、図53(b)及び図54(b)の演出が設定されており、ステップSa2202では、サブ側第1ATモードフラグがセットされている状況では、図53(b)の準備モード演出を設定し、サブ側第2ATモードフラグがセットされている状況では、図54(b)の準備モード演出を設定する。
続くステップSa2203では、今回のゲームの抽選結果が通常リプA~C当選であるか否かを判定する。通常リプA~C当選ではない場合には、そのままAT開始用処理を終了する。なお、既に説明した通り、準備モード中に通常リプA~C当選となると、主制御装置101からは押し順報知コマンドが出力される。そこで、ステップSa2203にて通常リプA~C当選である場合には、ステップSa2204にてサブ側第1ATモードフラグがセットされているか否かを判定し、サブ側第1ATモードフラグがセットされている場合には、ステップSa2205にて、上記の押し順報知コマンドに基づいて第2再遊技入賞に対応する押し順報知演出が補助表示部65やスピーカ64にて行われるように設定する処理を実行してから、AT開始用処理を終了する。一方、サブ側第1ATモードフラグがセットされておらず、サブ側第2ATモードフラグがセットされている場合には、ステップSa2206にて、上記の押し順報知コマンドに基づいて第3再遊技入賞に対応する押し順報知演出が補助表示部65やスピーカ64にて行われるように設定する処理を実行してから、AT開始用処理を終了する。
ステップSa2205やステップSa2206にて設定する押し順報知演出としては、第2再遊技入賞や第3再遊技入賞に対応する操作順序を報知するとともに、第2再遊技入賞となる図柄や第3再遊技入賞となる図柄を報知する演出が設定されている。例えば、ステップSa2205では、図56(a)に示すように、第2再遊技入賞に対応するストップスイッチ42~44の操作順序を報知するとともに、第2再遊技入賞が成立する場合に中ラインL2に停止する図柄(「白7」図柄-「白7」図柄-「白7」図柄)を報知する演出が補助表示部65にて行われるように設定する。また、例えば、ステップSa2206では、図56(b)に示すように、第3再遊技入賞に対応するストップスイッチ42~44の操作順序を報知するとともに、第3再遊技入賞が成立する場合に中ラインL2に停止する図柄(「白7」図柄-「白7」図柄-「赤7」図柄)を報知する演出が補助表示部65にて行われるように設定する。なお、中ラインL2に停止する図柄ではなく、有効ラインMLに停止する図柄を報知する構成としてもよく、具体的には、第2再遊技入賞であれば、「白7」図柄-「白貝」図柄-「チェリー」図柄を報知し、第3再遊技入賞であれば、「白7」図柄-「白貝」図柄-「BAR」図柄を報知する構成としてもよい。これらの場合、報知している図柄を停止させるべきライン(中ラインL2又は有効ラインML)をあわせて報知する構成としてもよい。
このように、本実施形態では、有利区間においてATモード移行抽選に当選したり天井ゲーム数に到達してATモードへ移行する権利を獲得すると、前兆モードを介してAT当選報知演出(図53(a))が実行され、当該権利を獲得した旨の報知が行われる。準備モード中にATモード開始用の結果として通常リプA~Cに当選すると、第2再遊技入賞や第3再遊技入賞を成立させるように操作指示報知が行われ(図56)、第2再遊技入賞や第3再遊技入賞が成立すると、ATモードが開始される。このようにすることで、ATモードへの移行に遊技者の操作の介入が必要となる構成となり、遊技機側のみで完結する構成と比較して、遊技の興趣向上が好適に図られる。特に、抽選等により獲得したATモードへ移行する権利を、自らの停止操作によって行使してATモードを開始させる構成となり、遊技者の操作に基づき抽選結果に対応する図柄を有効ラインMLに停止させて抽選結果に対応する特典を得る、といったスロットマシンの醍醐味をATモードに存分に活かすことが可能となる。
ここで、準備モードにおいては、押し順ベルに当選した場合には第1小役入賞~第6小役入賞に対応する押し順報知が実行されることや、抽選結果に応じた上乗せ抽選が行われること、及び、第1ATモードから第2ATモードへの昇格抽選も行われること、からして、遊技者としては、上記のように第2再遊技入賞や第3再遊技入賞を自らの操作によって成立させる遊技を行いたい気持ちもあるものの、なるべく準備モードを長く継続することも望むものと考えられる。そこで、本実施形態では、準備モードの継続ゲーム数に上限を設け、上限ゲーム数(40ゲーム)に達した場合には、第2再遊技入賞や第3再遊技入賞が成立しなくてもATモードを開始させる構成としている。そこで、以下、特に準備モードが上限ゲーム数に達した場合にATモードを開始させるための構成について説明する。
<回転演出処理>
先ず、主制御装置101側のリール制御処理(図22)における回転演出処理(ステップSa402)について、図50のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップSa2301では、各種フラグ格納エリア106dに第1開始時フリーズフラグ又は第2開始時フリーズフラグがセットされているか否かを判定する。第1開始時フリーズフラグや第2開始時フリーズフラグは、上記の準備モード用処理(図42)においてAT準備カウンタが0となったゲームや、準備モード中の通常リプA~C当選ゲームにおいて第2再遊技入賞や第3再遊技入賞が成立しなかった場合にセットされるフラグである(ステップSa1622、ステップSa1623)。いずれの開始時フリーズフラグもセットされていない場合には、そのまま回転演出処理を終了する。
いずれかの開始時フリーズフラグがセットされている場合、ステップSa2302にて、今回開始するゲームの抽選結果が通常リプA~C当選であるか否かを判定する。つまり、AT準備カウンタが0となり準備モードを40ゲーム消化した次のゲームや、準備モード中の通常リプA~C当選ゲームにおいて第2再遊技入賞や第3再遊技入賞が成立しなかったゲームの次のゲームの抽選結果が通常リプA~C当選であるか否かを判定する。通常リプA~C当選ではない場合、ステップSa2303に進み、回転演出コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行する。回転演出コマンドは、各リール32L,32M,32Rを用いた回転演出を行うことにより、ATモードの開始を報知することを表示制御装置81に把握させるためのコマンドである。
続くステップSa2304では、停止している各リール32L,32M,32Rの図柄位置関係を把握する処理を実行する。既に説明した通り、各リール32L,32M,32Rには、それぞれリールインデックスセンサが設置されており、当該リールインデックスセンサの検出信号や、リールを回転させるために出力した励磁パルス数等に基づいて、停止している(前回停止させた)図柄位置を把握することが可能である。
そして、ステップSa2305にて第1開始時フリーズがセットされているか否かを判定し、セットされている場合には、ステップSa2306にて、ステップSa2304にて把握した図柄位置に基づいて、2sec後(第1期間後)に第2再遊技入賞となる図柄が揃った状態で各リール32L,32M,32Rが低速(第1回転速度)にて回転しているように、各リール32L,32M,32Rの加速度を設定する。より具体的には、例えば、左リール32Lを基準リールとし、把握している図柄位置に基づいて、回転開始前において、当該基準リールに配置された第2再遊技図柄(「白7」図柄)と、中リール32M及び右リール32Rの第2再遊技図柄(「白貝」図柄、「チェリー」図柄)との離間図柄数を把握する。例えば、各リール32L,32M,32Rを同時に正方向に回転開始させた場合において、2sec後までに基準リールとなる左リール32Lは3周だけ回転しているとすると、左リール32Lは20図柄×3周で60図柄分だけ2secで回転することになる。この場合、中リール32Mの第2再遊技図柄と基準リールの第2再遊技図柄の離間図柄数をa図柄、右リール32Rの第2再遊技図柄と基準リールの第2再遊技図柄の離間図柄数をb図柄とすると、中リール32Mの加速度を、2sec後までに60図柄にa図柄を加えた図柄数だけ回転するように設定し、右リール32Rの加速度を、2sec後までに60図柄にb図柄を加えた図柄数だけ回転するように設定する。なお、2sec後に第2再遊技入賞となる図柄組合せが揃って回転するようになってからは、一定である低速回転にて各リール32L,32M,32Rを回転させるように設定する。
ステップSa2305にて第1開始時フリーズフラグがセットされておらず、第2開始時フリーズフラグがセットされている場合には、ステップSa2307にて、ステップSa2304にて把握した図柄位置に基づいて、2sec後(第1期間後)に第3再遊技入賞となる図柄が揃った状態で各リール32L,32M,32Rが低速(第1回転速度)にて回転しているように、各リール32L,32M,32Rの加速度を設定する。より具体的には、例えば、左リール32Lを基準リールとし、把握している図柄位置に基づいて、回転開始前において、当該基準リールに配置された第3再遊技図柄(「白7」図柄)と、中リール32M及び右リール32Rの第3再遊技図柄(「白貝」図柄、「BAR」図柄)との離間図柄数を把握する。例えば、各リール32L,32M,32Rを同時に正方向に回転開始させた場合において、2sec後までに基準リールとなる左リール32Lは3周だけ回転しているとすると、左リール32Lは20図柄×3周で60図柄分だけ2secで回転することになる。この場合、中リール32Mの第2再遊技図柄と基準リールの第2再遊技図柄の離間図柄数をa図柄、右リール32Rの第2再遊技図柄と基準リールの第2再遊技図柄の離間図柄数をb図柄とすると、中リール32Mの加速度を、2sec後までに60図柄にa図柄を加えた図柄数だけ回転するように設定し、右リール32Rの加速度を、2sec後までに60図柄にb図柄を加えた図柄数だけ回転するように設定する。なお、2sec後に第3再遊技入賞となる図柄組合せが揃って回転するようになってからは、一定である低速回転にて各リール32L,32M,32Rを回転させるように設定する。
ステップSa2306又はステップSa2307にて各リール32L,32M,32Rの加速度を設定する処理を実行した後は、ステップSa2308にて全リールを回転開始させ、設定した加速度に基づいて各リール32L,32M,32Rに対応するステッピングモータを駆動制御する処理を実行する。そして、ステップSa2309にて各種カウンタエリア106eに設けられた回転カウンタに上記の第1期間(2sec)より長い第2期間(2.8sec)に相当する値である1879を入力する処理を実行する。回転カウンタは、タイマ割込み処理(図17)のタイマ更新処理(ステップSa108)が1回起動される度に1ずつ減算されるカウンタである。
この場合、図58(a)に示すように、各リール32L,32M,32Rについてそれぞれ設定された加速度に応じて各リール32L,32M,32Rの回転が開始し、図58(b)に示すように、2sec後には第2再遊技入賞や第3再遊技入賞となる図柄組合せが揃った状態となり、その状態にて各リール32L,32M,32Rは低速にて回転することとなる。
続くステップSa2310では、上記ステップSa2309にて入力した回転カウンタが0となるまで待機する。なお、タイマ割込み処理と、本回転演出処理が含まれる通常処理(図18)とはそれぞれ独立して起動される処理であり、ステップSa2310にて待機している間であっても、タイマ割込み処理は回転カウンタの減算処理を実行可能である。ステップSa2310では、回転カウンタが0となることで肯定判定する。
ステップSa2308にて全リール32L,32M,32Rの回転を開始させてから第1期間(2sec)が経過して第2再遊技入賞又は第3再遊技入賞となる図柄組合せが揃って低速回転するようになり、ステップSa2309の処理を実行してから第2期間(2.8sec)が経過してステップSa2310にて肯定判定すると、ステップSa2311に進む。ステップSa2311では、現時点から0.2sec(第3期間)後に全リール32L,32M,32Rが第2再遊技入賞又は第3再遊技入賞となる図柄組合せが有効ラインMLにて停止するように、全リール32L,32M,32Rの加速度を設定する処理を実行する。そして、ステップSa2312にて、ステップSa2311にて設定した加速度に基づいて各リール32L,32M,32R32Rに対応するステッピングモータを駆動制御して、各リール32L,32M,32Rを停止させる処理を実行する。その後、ステップSa2313にて上記の回転カウンタに第3期間(0.2sec)に相当する値である134を入力する処理を実行し、続くステップSa2314にて、上記ステップSa2313にて入力した回転カウンタが0となるまで待機する。
この場合、図58(c)に示すように、第2再遊技入賞や第3再遊技入賞となる図柄組合せが有効ラインMLに停止する。なお、当該回転演出において各リール32L,32M,32Rが停止することを、リール制御処理のステップSa411にてストップスイッチ42~44の操作に基づいて各リール32L,32M,32Rが停止することと区別すべく、以下の説明では、回転演出における各リール32L,32M,32Rの停止を仮停止とも称する。
ステップSa2313の処理を実行してから0.2sec(第3期間)が経過した場合、すなわち、全リール32L,32M,32Rを回転開始させてから合計3sec(第4期間)が経過して、有効ラインMLに第2再遊技入賞又は第3再遊技入賞となる図柄組合せが仮停止した場合、ステップSa2314にて肯定判定してステップSa2315に進む。ステップSa2315では、始動時AT開始コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行する。始動時AT開始コマンドを受信した表示制御装置81は、AT開始演出が補助表示部65やスピーカ64にて行われるように制御する。
ステップSa2316では、回転カウンタに第5期間(5sec)に相当する値である3355を入力する処理を実行し、続くステップSa2317では、上記ステップSa2316にて入力した回転カウンタが0となるまで待機する。この場合、各リール32L,32M,32Rも上記の仮停止した状態が維持される(図58(d))。
ステップSa2316の処理を実行してから5sec(第5期間)が経過した場合、すなわち、有効ラインMLに第2再遊技入賞又は第3再遊技入賞となる図柄組合せが仮停止してから5secが経過した場合、ステップSa2317にて肯定判定してステップSa2318に進む。ステップSa2318では、第1開始時フリーズフラグや第2開始時フリーズフラグをクリアする処理を実行し、その後、回転演出処理を終了する。この場合、リール制御処理(図22)において回転演出処理に続けて起動される回転開始処理にて、各リール32L,32M,32Rの回転が開始される(図58(e))。
つまり、準備モードにおいて通常リプA~Cに当選することなく40ゲーム消化した場合や、通常リプA~Cに当選した場合であっても第2再遊技入賞や第3再遊技入賞を成立させることができなかった場合には、次ゲームの開始時に第2再遊技入賞や第3再遊技入賞となる図柄組合せが有効ラインML上に停止する回転演出が発生する。なお、以下の説明では、AT準備カウンタが0となり準備モードを40ゲーム消化した次のゲームや、準備モード中の通常リプA~C当選ゲームにおいて第2再遊技入賞や第3再遊技入賞が成立しなかったゲームの次のゲームを、回転演出の対象ゲームと称する。
回転演出処理において、ステップSa2302にて、上記の回転演出の対象ゲームの抽選結果が通常リプA~C当選である場合、ステップSa2319にてAT準備カウンタが0よりも大きいか否かを判定し、セットされている開始時フリーズフラグが、準備モード中の通常リプA~C当選ゲームにおいて第2再遊技入賞や第3再遊技入賞が成立しなかった場合にセットされたものであるか、それとも、AT準備カウンタが0となることでセットされたものかを判定する。準備モード中の通常リプA~C当選ゲームにおいて第2再遊技入賞や第3再遊技入賞が成立しなかった場合にセットされたものである場合、ステップSa2303に進み、回転演出を実行するための処理を行う。これに対して、開始時フリーズフラグがAT準備カウンタが0となることでセットされたものである場合、そのまま、回転演出処理を終了する。つまり、準備モードが上限ゲーム数に達して回転演出を実行するゲームの抽選結果が通常リプA~C当選である場合、今回のゲームの開始時では上記の回転演出は発生しない。
この場合、AT開始報知用処理(図35)において、今回のゲームで第2再遊技入賞や第3再遊技入賞を成立させるための操作指示報知が行われる。つまり、AT開始報知用処理において、今回のゲームの抽選結果が通常リプA~C当選であって(ステップSa1001:YES)、AT準備カウンタが0である場合(ステップSa1002:NO)、ステップSa1008にて、第1開始時フリーズフラグや第2開始時フリーズフラグがセットされているか否かを判定する。いずれかの開始時フリーズフラグがセットされており、準備モードが上限ゲーム数に達することで回転演出の対象となったゲームの抽選結果が通常リプA~C当選である場合、ステップSa1008にて肯定判定し、ステップSa1009にて対応する開始時フリーズフラグをクリアする処理を実行する。そして、ステップSa1003に進み、開始ゲームフラグをセットする処理を実行し、ステップSa1004以降の操作指示報知を行うための処理を実行する。
つまり、AT準備カウンタが0となり準備モードを40ゲーム消化した次のゲームの回転開始時に、第2再遊技入賞や第3再遊技入賞となる図柄組合せを有効ラインML上に仮停止させる回転演出を発生させる構成としたうえで、当該次のゲームの抽選結果が通常リプA~C当選である場合は、回転演出を発生させず、通常通り、第2再遊技入賞や第3再遊技入賞を狙って操作させる構成としている。このようにすることで、自らの操作によってATモードの開始を勝ち取った印象を強く与えることが可能となる。
これに対して、準備モード中に通常リプA~C当選となり第2再遊技入賞や第3再遊技入賞を成立させることができなかった場合には、当該ゲームの次のゲームの抽選結果が通常リプA~C当選であっても回転演出を発生させて、第2再遊技入賞や第3再遊技入賞となる図柄組合せを有効ラインML上に仮停止させる回転演出を発生させてATモードを開始させるようにしている。これは、そもそも先のゲームで第2再遊技入賞や第3再遊技入賞を成立させることができなかったことからして、当該スロットマシン10を遊技している遊技者は、第2再遊技入賞や第3再遊技入賞を狙って操作することが不得意な遊技者であると考えられるからである。すなわち、仮に、当該入賞を成立させることができなかったゲームの次のゲームでも第2再遊技入賞や第3再遊技入賞を狙わせると、そのような遊技者に対して不得意な操作を再度強要する構成となり、遊技意欲の大幅な低下を招きかねない。その点、上記のように、第2再遊技入賞や第3再遊技入賞を成立させることができなかった場合には、当該ゲームの次のゲームで通常リプA~C当選となった場合でも、回転演出を行う構成とすることで、不得意な操作を回転演出にて補う構成となり、様々な熟練度の遊技者にマッチした遊技を提供することが可能となる。
ちなみに、上記のように準備モードを40ゲーム消化した後の次のゲームの抽選結果が通常リプA~C当選であって、回転演出の実行が制限された場合であっても、既に準備モード用処理のステップSa1607~ステップSa1623にてATモード開始用の処理が実行されている構成であることから、当該回転演出の実行が制限されたゲームにおいて第2再遊技入賞や第3再遊技入賞を成立させることができなくても、ATモードは開始される。このようにすることで、上記のように自らの操作によってATモード開始用の結果入賞を成立させる機会を付与しながらも、ATモードがなかなか開始されないことを解消する、といった準備モードの上限を設けた意義を抹殺しないようにすることができる。
<回転演出用処理>
回転演出を行う場合の演出設定処理として、開始時演出設定処理(図47)のステップSa2014にて実行される回転演出用処理について、図51のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップSa2401では、回転演出コマンドを受信しているか否かを判定する。回転演出コマンドは、上記のように回転演出処理(図50)において、回転演出の開始時に出力されるコマンドである。回転演出コマンドを受信している場合には、ステップSa2402にて準備モードフラグをクリアする処理を実行する。そして、ステップSa2403にて回転演出を補助表示部65やスピーカ64にて行うように設定する処理を実行する。回転演出では、例えば、図57(a)に示すように、各リール32L,32M,32Rによる回転演出が実行されることを遊技者に把握させるように、補助表示部65にて女性のキャラクタが「いくよー!」と嬉しそうに叫んでいる様子が表示される演出が設定されている。
ステップSa2401にて否定判定した場合、又はステップSa2403の処理を実行した後は、ステップSa2404にて始動時AT開始コマンドを受信しているか否かを判定する。始動時AT開始コマンドは、上記のように回転演出処理(図50)において、回転演出において第2再遊技入賞や第3再遊技入賞に対応する図柄が有効ラインMLに仮停止した場合に出力されるコマンドである。始動時AT開始コマンドを受信している場合には、ステップSa2405にて、始動時AT開始演出を補助表示部65やスピーカ64にて行うように設定する処理を実行する。ステップSa2405では、例えば、図57(b)に示すように、各種フラグ格納エリア183aに設定されているサブ側第1ATモードフラグやサブ側第2ATモードフラグに基づいて、第1回転演出を実行している場合には、第1ATモードが開始されることを報知する演出を設定し、第2回転演出を実行している場合には、第2ATモードが開始されることを報知する演出を設定する。ステップSa2404にて否定判定した場合、又はステップSa2405の処理を実行した後は、回転演出用処理を終了する。
この場合、上記のように回転演出処理では、第2再遊技入賞や第3再遊技入賞に対応する図柄を有効ラインMLに仮停止させた後、5secに亘ってその状態を維持するように設定している。つまり、回転演出において第2再遊技入賞や第3再遊技入賞に対応する図柄を仮停止させた状態で、上記の始動時AT開始演出を行うことが可能となっており、ATモードの開始に停止出目が関連付けられた印象を遊技者に与える効果を高めることが可能となっている。しかも、上記の第2再遊技入賞や第3再遊技入賞に対応する図柄を有効ラインMLに仮停止させた状態を維持する期間を設定することにより、回転演出を開始してから、当該回転演出を終了して通常遊技としての回転開始処理(ステップSa403)が実行されるまでの期間が、各ゲームで設定されるウェイト期間(4.1sec)よりも長い期間となる。つまり、回転演出においてステップSa2309にて各リール32L,32M,32Rの回転を開始させてから全リール32L,32M,32Rを仮停止させるまでに3secが設定されているところ、当該全リール32L,32M,32Rが仮停止した状態で5sec維持することにより、回転演出における回転開始から回転開始処理(ステップSa403)までの期間は8secとなり、ウェイト期間(4.1sec)よりも長くなる。このようにすることで、回転演出を通常の遊技と似せる効果が高められるし、上記の始動時AT開始演出を行ううえでの演出時間を好適に確保することが可能となる。
このように、本実施形態では、ATモード移行抽選に当選すると準備モードを経てATモードが開始される構成において、当該準備モード中にATモード開始用の結果に当選した場合に、遊技者が当該ATモード開始用の結果入賞を成立させることができればATモードが開始されるようにしていることからATモードの開始に際して遊技者の介入が必要な構成とすることが可能となる。しかも、遊技の結果としてATモードが開始されることからして、遊技者の運(ヒキ)によってATモードが開始され、ATモードを遊技機側で一方的に進行する遊技ではないことの印象が強められる。よって、遊技への注目度が好適に高められる。
そのうえで、準備モードにおいては、押し順ベル当選時の押し順報知が行われることや、ATモードの昇格抽選や上乗せ抽選が行われることから、当該準備モードにおいてATモード開始用の結果に当選せずに準備モードが長く継続することは遊技者にとって有利となっている。そうすると、遊技者は準備モードが長く継続することを望むようになり、上記のようにATモード開始用の結果に当選することを、残念なことと捉えてしまい、遊技への注目度を高める支障となり得るものと考えられる。そこで、本実施形態においては、準備モードに継続上限を設け、上限に達した場合にはATモード開始用の結果に当選していなくてもATモードを開始させる構成としたことから、準備モードの継続性による有利度の変化の幅を大きくしすぎないようにし、準備モードの上限前にATモード開始用の結果に当選することを、残念なこと捉えてしまわないように促すことが可能となる。
ここで、準備モード中においてATモード開始用の結果の当選確率は、通常リプA~Cのいずれかに当選する確率であって、約8.86分の1の確率である。つまり、準備モードの継続上限のゲーム数よりもATモード開始用の結果の当選確率の分母の方が小さくなるように設定されており、40ゲームに設定される準備モードを消化すれば、概ね通常リプA~Cに当選するように設定されている。このようなバランスとすることで、準備モードを長く継続させたいとはいえ、基本的には準備モードにおいて継続上限に至ることは稀であって、途中でATモード開始用の結果に当選することを前提とした遊技とすることが可能となる。よって、ATモード開始用の結果に当選したことを、さほど残念なことと捉えさせず、ATモード開始用の結果入賞を狙わせる遊技を快く行わせることが可能となる。
しかも、準備モードの上限に達した場合には、単にATモードが開始されるだけでなく、各リール32L,32M,32Rの回転演出により、上記のATモード開始用の結果入賞に対応する図柄組合せが有効ラインML上に仮停止させる構成としたことから、遊技者の運や参加の要素が疑似的であっても回転演出によって体現される構成となり、ATモードを遊技者自らの操作によって開始させる遊技としたことの効果を準備モードの上限到達時においても享受させることが可能となる。
それだけでなく、準備モードの上限到達時においては、昇格抽選に当選しなくても第1ATモードではなく第2ATモードが開始される構成とし、その第2ATモードが開始される様が第2回転演出によって体現される構成としていることから、上記のような上限に到達したことの残念感が相殺されるとともに、自らの操作により第2ATモードを勝ち取った印象を強め、最高の気分でATモードを開始させることが可能となる。
ここで、ATモード開始用の結果として通常リプA~Cのうち、特に通常リプAについては、当選確率の設定処理にて設定される設定値によって当選確率が異なり、高設定ほど当選しにくくなるように設定されている(例えば、図20参照)。つまり、準備モードにおいてATモード開始用の結果当選となる確率は、高設定ほど低くなるように設定されており、準備モードの上限に到達する確率も高設定ほど低くなり、その結果、第2ATモードに設定される割合が高設定ほど高くなるようになる、という斬新な遊技性を実現することが可能である。この場合、上限到達時に通常リプA~Cに当選した場合には、回転演出の実行が制限される構成である点に鑑みると、回転演出が制限される確率は、高設定ほど低くなる構成ともいうことが可能である。つまり、高設定ほど回転演出が実行され易くなる構成であり、回転演出を指標として設定値の予測を行わせる、といった遊技も実現可能である。更に、高設定ほど通常遊技の遊技進行が制限される回転演出が実行され易くなることから、単位時間当たりのゲームの実行回数は高設定ほど少なくなり易く、出玉率が高くなる高設定において、急激な出玉の上昇を回転演出によってうまく抑制することも可能である。
準備モード中にATモード開始用の結果に当選した場合には、上記のように遊技者の操作によって当該ATモード開始用の結果入賞が成立し得る構成としているところ、遊技者の操作によっては、ATモード開始用の結果入賞が成立しない場合もあり得る。そうすると、例えば、あえて当該ATモード開始用の結果入賞を成立させないようにして、上限到達の恩恵を享受しようとする行為が行われる可能性もある。その点、本実施形態では、ATモード開始用の結果に当選し、且つ当該ATモード開始用の結果入賞が成立しなければ、当該入賞が成立しなかった次のゲームにてATモードを開始させる構成としたことから、上限到達までATモードを開始させないようにする行為が行われることを好適に回避することができるし、このような場合であっても回転演出を伴ってATモードが開始されるようにしていることから、ATモード開始用の結果入賞となる図柄組合せの停止(仮停止)を伴わずATモードが開始される事象がないようになり、遊技者の介入によってATモードが開始される引用を薄めないようにすることができる。
そして、上記の通り、ATモードの開始と、ATモード開始用の結果入賞となる図柄組合せの停止(仮停止)とがセットとなるようにしていることから、ATモードが開始されるためには、ATモードが開始される場合の演出内容が統一化されており、ATモード開始用の結果入賞となる図柄組合せが停止(仮停止)していないのにも関わらずATモードが開始されることがない。このようにすることで、ATモードの開始が見た目状わかりやすくなり、ATモードが開始されていないのにもかかわらず、押し順ベル当選時の第1小役入賞~第6小役入賞率が意図的に高められる等の不正行為が行われたとしても、それを遊技ホールの管理者は容易に特定することが可能となる。
しかも、本実施形態では、上記のATモード開始用の結果入賞となる図柄組合せの停止(仮停止)とセットで、スロットマシン10から外部集中端子板121を介してATモードが開始される旨の情報が出力される構成としている。かかる構成について、以下、説明する。
<外部出力設定第2処理>
先ず、リール制御処理(図22)のステップSa416にて実行される外部出力設定第2処理について、図59のフローチャートを参照しながら説明する。外部出力設定第2処理は、リール制御処理において全リール32L,32M,32Rが停止したと判定された場合(ステップSa412:YES)に実施される処理であり、入賞結果対応処理(ステップSa417)よりも先に実施される処理である。
ステップSa2501では、外部集中端子板121における第1BB用出力端子121b又は第2BB用出力端子121cの出力状態がON状態であるか否かを判定する。第1BB用出力端子121bは第1BB状態に移行する際にON状態とされるものであり、第1BB状態へ移行したことの情報を本遊技機に接続されている外部装置に出力するためのものである。また、第2BB用出力端子121cは第2BB状態に移行する際にON状態とされるものであり、第2BB状態へ移行したことの情報を本遊技機に接続されている外部装置に出力するためのものである。これらBB用出力端子121b,121cからの出力信号は、AT用出力端子121dと同様に、ON状態とすることでLOW信号からHI信号に切り替わり、OFF状態とすることでHI信号からLOW信号に切り替わるように構成されている。そして、本遊技機に外部集中端子板121を介して接続されている遊技ホールの管理装置(ホールコンピュータ)やデータ表示器では、これら第1BB用出力端子121bや第2BB用出力端子121cからの情報を把握することにより、遊技状態が第1BB状態や第2BB状態へ移行したことを把握することが可能となり、それを集計することによりその移行回数を把握することができ、それら状態の移行や移行回数に対応する報知を実行可能となる。
ステップSa2501にていずれかのBB用出力端子121b,121cがON状態である場合、ステップSa2502にて対応するBB状態フラグがセットされているか否かを判定する。すなわち、第1BB用出力端子121bがON状態である場合には第1BB状態フラグがセットされているか否かを判定し、第2BB用出力端子121cがON状態である場合には第2BB状態フラグがセットされているか否かを判定する。既に説明した通り、第1BB状態フラグや第2BB状態フラグは、ボーナス状態処理(図24)において、BB状態に移行する際にセットされ、BB状態が終了する際にクリアされるフラグである。すなわち、ステップSa2501にてBB用出力端子121b,121cがON状態であって、ステップSa2502にて対応するBB状態フラグがセットされている状況とは、直前のボーナス状態処理において対応するBB状態が未だ継続していると判定された場合である。これに対して、ステップSa2501にてBB用出力端子121b,121cがON状態であって、ステップSa2502にて対応するBB状態フラグがセットされていない状況とは、直前のボーナス状態処理において対応するBB状態の終了用の処理が実行された場合である。
ステップSa2502にて対応するBB状態フラグがセットされていないと判定した場合、ステップSa2503にて、対応するBB用出力端子121b,121cをOFF状態とする処理を実行する。これにより、遊技機に接続されている外部装置は、BB状態が終了したことを把握することが可能となる。
ステップSa2501にて否定判定した場合、ステップSa2502にて肯定判定した場合、又はステップSa2503の処理を実行した後は、ステップSa2504に進む。ステップSa2504では、各種フラグ格納エリア106dに開始ゲームフラグがセットされているか否かを判定する。既に説明した通り、開始ゲームフラグは、AT開始報知用処理(図35)において、準備モード中にATモード開始用の結果(通常リプA~C)に当選となった場合にセットされるフラグであり(ステップSa1003)、入賞結果対応処理における準備モード用処理(図42)にてクリアされるフラグである(ステップSa1620)。開始ゲームフラグがセットされている場合、ステップSa2505にて第2再遊技入賞や第3再遊技入賞が成立したか否かを判定する。ステップSa2504又はステップSa2505にて否定判定した場合には、そのまま外部出力設定第2処理を終了する。
準備モードにおいてATモード開始用の結果に当選し、当該開始用の結果入賞が成立している場合、ステップSa2506にて、外部集中端子板121のAT用出力端子121dをON状態に設定してから、本外部出力設定第2処理を終了する。既に説明した通り、AT用出力端子121dをON状態に設定することで、かかるAT用出力端子121dからの出力信号はLOW信号からHI信号に切り替わり、遊技ホールのデータ表示器やホールコンピュータはかかる切り替わりを把握することによって、ATモードが開始されたことを把握可能となる。
<外部出力設定第1処理>
次に、リール制御処理(図22)にて実行される外部出力設定第1処理について、図60のフローチャートを参照しながら説明する。外部出力信号第1処理は、リール制御処理が起動されると各リール32L,32M,32Rの回転開始前であって、更に、上記の回転演出を実行するための回転演出処理(ステップSa402)よりも先に実施される処理である。
ステップSa2601では、いずれかのBB用出力端子121b,121cがON状態であるか否かを判定する。いずれのBB用出力端子121b,121cもOFF状態である場合、ステップSa2602にていずれかのBB状態フラグがセットされているか否かを判定する。すなわち、前回のゲームのボーナス状態処理において対応するBB状態フラグがセットされ、今回開始するゲームがBB状態の1ゲーム目である場合、ステップSa2603にて、セットされたBB状態フラグに対応するBB用出力端子121b,121cをON状態とする処理を実行する。
ステップSa2602にて今回開始するゲームがBB状態ではない場合、ステップSa2603に進み、外部集中端子板121におけるゲーム用出力端子121aをON状態とする処理を実行する。ゲーム用出力端子121aは、スタートレバー41の操作に基づき、1回のゲームが開始される場合にON状態とされ、当該ゲームが終了するよりも前にOFF状態とされるものであり、1回のゲームが実行されたことの情報を本遊技機に接続されている外部装置に出力するためのものである。ゲーム用出力端子121aからの出力信号は、AT用出力端子121dと同様に、ON状態とすることでLOW信号からHI信号に切り替わり、OFF状態とすることでHI信号からLOW信号に切り替わるように構成されている。そして、本遊技機に外部集中端子板121を介して接続されている遊技ホールの管理装置(ホールコンピュータ)やデータ表示器では、ゲーム用出力端子121aからの情報を把握することにより、1回のゲームが実行されたことを把握可能となり、それを集計することによりゲームの実行回数を把握することができ、それらゲームの実行や実行回数に対応報知を行うことが可能となる。
続くステップSa2605では、各種カウンタエリア183bに設けられたゲーム用カウンタに約0.15secに相当する10を入力する処理を実行する。ゲーム用カウンタは、ゲームの開始に際してON状態としたゲーム用出力端子121aをOFF状態とすべきタイミングをCPU102が把握するためのカウンタであり、タイマ割込み処理が1回起動される度に1ずつ減算されるカウンタである。
ステップSa2601にて肯定判定した場合、又はステップSa2603若しくはステップSa2605の処理を実行した後は、ステップSa2606に進む。ステップSa2606では、第1開始時フリーズフラグ又は第2開始時フリーズフラグがセットされているか否かを判定する。いずれの開始時フリーズフラグもセットされていない場合には、そのまま外部出力設定第1処理を終了する。いずれかの開始時フリーズフラグがセットされている場合には、ステップSa2607に進み、各種フラグ格納エリア106dに予約出力フラグをセットする処理を実行し、ステップSa2608にて、各種カウンタエリア106eに設けられた予約出力カウンタに約3.1sec(第6期間)に相当する2100を入力する処理を実行してから、外部出力設定第1処理を終了する。予約出力フラグは、外部集中端子板121のAT用出力端子121dをON状態とする前の予約状態であることをCPU102が把握するためのフラグである。また、予約出力カウンタは、当該予約状態においてAT用出力端子121dをON状態とすべきタイミングをCPU102が把握するためのカウンタであり、タイマ割込み処理が1回起動される度に1ずつ減算されるカウンタである。
すなわち、各リール32L,32M,32Rによる回転演出にてATモード開始用の結果入賞に対応する図柄組合せが仮停止する場合には、当該回転演出が実行されるよりも前に、AT用出力端子121dをON状態とするための事前処理が実行される。
<タイマ更新処理>
上記のようにAT用出力端子121dをON状態とする前の予約状態とされた場合の処理として、タイマ割込み処理(図17)のステップSa108にて実行されるタイマ更新処理について、図61のフローチャートを参照しながら説明する。
タイマ更新処理では、先ず、ステップSa2701~ステップSa2704にて、上記のゲーム用出力端子121aの管理用の処理を行う。すなわち、ステップSa2701では、ゲーム用出力端子121aがON状態であるか否かを判定し、ON状態である場合には、ステップSa2702にて、上記のゲーム用カウンタを1減算する処理を実行する。そして、ステップSa2703にて、ゲーム用カウンタが0となったか否かを判定し、0となった場合には、ステップSa2704にて、ゲーム用出力端子121aをOFF状態に切り替える処理を実行する。このように、一のゲームが実行されたことを示すゲーム用出力端子121aは、ゲームの開始に際してON状態とされ、その後、所定期間(0.15sec)が経過した場合にOFF状態とされ、比較的短期間でそのON状態とOFF状態との切り替えが実行される。
ステップSa2701若しくはステップSa2703にて否定判定した場合、又はステップSa2704の処理を実行した後は、ステップSa2705に進む。ステップSa2705~ステップSa2709の処理は、上記の予約状態においてAT用出力端子121dをON状態とするための処理である。
すなわち、ステップSa2705では、上記の予約出力フラグがセットされており、予約状態であるか否かを判定する。予約状態である場合、ステップSa2706にて予約出力カウンタを1減算する処理を実行し、ステップSa2707にて予約出力カウンタが0となったか否かを判定する。予約出力カウンタが0となった場合には、ステップSa2708にて予約出力フラグをクリアする処理を実行し、ステップSa2709にてAT用出力端子121dをON状態とする処理を実行する。かかる処理により、外部集中端子板121を介して本スロットマシン10と接続されている遊技ホールのデータ表示器やホールコンピュータは、ATモードが開始されたことを把握可能となる。
ステップSa2705若しくはステップSa2707にて否定判定した場合、又はステップSa2709の処理を実行した後は、ステップSa2710にてその他の各種カウンタや各種タイマを更新する処理を実行してから、本タイマ更新処理を終了する。
<外部出力の様子>
図62及び図63のタイミングチャートを用いて、各リール32L,32M,32Rの回転と、AT用出力端子121dがON状態とされるタイミングとの関係について説明する。
先ず、準備モード中にATモード開始用の結果入賞を成立させた場合のAT用出力端子121dがON状態となるタイミングについて説明する。
図62に示すように、スタートレバー41の操作に基づき回転開始処理(ステップSa403)が実行されて、ta0のタイミングで各リール32L,32M,32Rの回転が開始する。ta1のタイミングで定速回転(VN)に至った後、ta2のタイミングでストップスイッチ42~44の操作が有効となる。そして、ta3のタイミングでストップスイッチ42~44が操作され、ta4のタイミングで全てのリール32L,32M,32Rが停止する。なお、ta3及びta4は、3番目に操作されたストップスイッチ42~44とそれに対応するリール32L,32M,32R(第3リール)の動作を示している。そのため、ta3のタイミングで第3リールの停止操作が行われた後は、ストップスイッチ42~44の操作は無効となる。
ta4のタイミングでATモード開始用の結果入賞が成立すると、停止時AT開始コマンドが出力されて(ステップSa1613)、AT開始演出が実行される(ステップSa2118、図55)。そして、ta4のタイミングでAT用出力端子121dがON状態とされて遊技ホールのデータ表示器やホールコンピュータへATモードが開始されることの情報が出力され、例えば、当該データ表示器にてATモードが開始された旨の表示が行われたり、ATモードの移行回数のデータの更新が行われたりする。
その後、ta5のタイミングでATモードの1ゲーム目が開始されて各リール32L,32M,32Rの回転が開始し、ta6のタイミングにて定速回転(VN)に至った後、ta7のタイミングでストップスイッチ42~44の操作が有効となる。
回転演出を伴ってATモードが開始される場合、スタートレバー41の操作に基づき回転演出処理(図50)のステップSa2308が実行されて、tb0のタイミングで各リール32L,32M,32Rの回転が開始する。tb1のタイミングで基準リールとなる左リール32Lが上記の定速回転(VN)よりも遅い低速回転(VL)に至った後、tb2、tb3のタイミングで残りのリール(中リール32M、右リール32R)が低速回転(VL)に至る。この場合、回転開始されてからtb3のタイミングまでが第1期間(2sec)に相当し、tb3のタイミングで第2再遊技入賞又は第3再遊技入賞に対応する図柄組合せが揃った状態で低速回転されているようになる。当該低速回転は、回転開始から第2期間(2.8sec)が経過するtb4のタイミングまで継続される。
tb4のタイミングとなると、各リール32L,32M,32Rを減速する処理(ステップSa2311)が行われて、tb4のタイミングから第3期間(0.2sec)が経過するtb5のタイミングで上記第2再遊技入賞又は第3再遊技入賞に対応する図柄組合せが有効ラインML上に仮停止する。この場合、始動時AT開始コマンドが出力されて(ステップSa2315)、始動時AT開始演出が実行される(ステップSa2405、図57(b))。そして、tb5から若干遅れたtb6のタイミングでAT用出力端子121dがON状態とされ、遊技ホールのデータ表示器やホールコンピュータへATモードが開始されることの情報が出力される。
当該第2再遊技入賞や第3再遊技入賞に対応する図柄組合せが仮停止した状態は、tb6から第5期間(5sec)が経過するtb7のタイミングまで維持される。そして、tb7のタイミングで回転開始処理(ステップSa403)により各リール32L,32M,32Rの回転が開始され、tb8にて定速回転(VN)に至り、tb9にてストップスイッチ42~44の操作が有効となる。そして、tb10にてストップスイッチ42~44の操作が行われると、tb11にて各リール32L,32M,32Rが停止して、tb0にて開始されたゲームの遊技結果が導出される。
このように、本実施形態では、準備モード中にATモード開始用の結果入賞が成立した場合には、外部集中端子板121のAT用出力端子121dがON状態となり、ATモードへ移行したことの情報の外部出力が行われる。更に、準備モード中の回転演出においてATモード開始用の結果入賞に対応する図柄組合せが仮停止する場合にも、外部集中端子板121のAT用出力端子121dがON状態となり、ATモードへ移行したことの情報の外部出力が行われる。つまり、準備モードにおいてATモード開始用の結果入賞に対応する図柄組合せが停止又は仮停止する場合に、AT用出力端子121dがON状態となってATモードへ移行したことの外部出力が行われる構成としている。このようにすることで、ATモードへの移行が生じたことを、各リール32L,32M,32Rの出目だけでなく当該外部出力される情報とセットで、遊技ホールの管理者等が明確に把握することが可能となり、ATモードの恩恵を不正に享受しようとする不正行為等を特定し易くなる。
本実施形態では、準備モードに移行することにより、AT準備カウンタをセットして回転演出を行うゲームを設定したうえで、当該AT準備カウンタが0となった場合、AT用出力端子121dをON状態とするタイミングを回転演出実行前に設定する構成としている。言い換えるならば、AT用出力端子121dをON状態とする処理よりも前のタイミングとして、準備モード移行時及び回転演出の対象ゲーム開始時にて当該ON状態とするための設定を行う構成としている。このようにすることで、AT用出力端子121dをON状態とする処理(ステップSa2709)の実行タイミングと、そのON状態とするための事前処理の実行タイミングとが重複することがないようになり、処理の重複による処理負荷の増大化を好適に解消することが可能となる。
しかも、回転演出においてATモード開始用の結果入賞に対応する図柄組合せを仮停止させる場合には、当該仮停止させるタイミングよりも前のタイミングであって、回転演出を開始するよりも前のタイミングにて、事前にAT用出力端子121dをON状態とする予約状態に設定し、当該図柄組合せが仮停止される場合にAT用出力端子121dがON状態となるようにタイマ設定する。つまり、図柄組合せを仮停止させるための処理と、AT用出力端子121dをON状態とするための処理とを、別々に並行して実行される処理(タイマ割込み処理、通常処理)にそれぞれ分けて設定することで、処理負荷の分散化を通じて、処理エラーの発生を好適に抑制することが可能となる。
更に、AT用出力端子121dをON状態とするタイミングの設定は、回転演出処理よりも前の外部出力設定第1処理において行う構成としたため、回転演出において各リール32L,32M,32Rの回転開始よりも前に、上記のタイミングの設定処理が完了する構成となる。このようにすることで、回転演出といった各リール32L,32M,32Rの駆動制御のために特殊な制御が必要となり得る構成において、当該特殊な制御のいずれとも、出力タイミングの設定用の処理が重複しないようになり、処理負荷の増加を好適に回避することが可能となる。
そのうえで、実際にAT用出力端子121dをON状態とする処理では、予約出力カウンタが0となることを判定してON状態とする、といった極めて簡素な構成としたことから、回転演出中にAT用出力端子121dをON状態とする構成であっても、処理負荷の増大化を好適に抑制することが可能となっている。
ちなみに、ゲームの開始に際してゲーム用出力端子121aがON状態とされ、所定期間に亘ってそのON状態が維持されてから、OFF状態に切り替える構成としているところ、AT用出力端子121dをON状態に切り替えるタイミングは、当該ゲーム用出力端子121aをOFF状態に切り替えるタイミングと重複しないように設定されており、ゲーム用出力端子121aをOFF状態に切り替えるタイミングよりも後のタイミングとして設定されている。このような点からも、AT用出力端子121dをON状態とするための処理が他の処理と重複しないように設定されており、処理負荷の増大化を解消する工夫が施されているといえる。
本実施形態では、上記の予約状態においてAT用出力端子121dをON状態とするタイミングを、ATモード解消の結果入賞に対応する図柄組合せが仮停止するタイミングよりも若干後のタイミングとなるように設定している。つまり、回転演出において、当該図柄組合せが仮停止するタイミングとは、回転演出が開始されてから3sec(第4期間)後のタイミングであるところ、AT用出力端子121dをON状態とするタイミングは、回転演出が開始されてから3.1sec(第6期間)後のタイミングである。このようにすることで、仮に、何らかの事情によってステッピングモータの駆動制御に遅延が生たり、回転開始前の各リール32L,32M,32Rの図柄位置等によって、仮停止させるまでの時間が設定値(3sec後)よりも遅くなるような場合であっても、仮停止するよりも前にAT用出力端子121dがON状態となることを抑制することが可能となる。
上記のように、準備モードへの移行に際して、回転演出中にAT用出力端子121dをON状態とするゲームを40ゲーム後として設定し、40ゲーム消化した際に開始時フリーズフラグをセットすることで、外部出力設定第1処理において、当該ゲーム中のAT用出力端子121dをON状態とするタイミングの設定を行うようにしている。この場合、当該準備モードにおいてATモード開始用の結果当選となった場合には、事前に設定した当該AT用出力端子121dをON状態とするゲームが前倒しになり得る構成といえる。但し、この場合であっても、回転演出中にAT用出力端子121dをON状態とするのであれば(AT開始用の結果非入賞であれば)、開始時フリーズフラグをセットするため、外部出力設定第1処理においては、その前倒しが発生したか否かに関わらず、単に開始時フリーズフラグの有無を確認してAT用出力端子121dをON状態とするタイミングの設定処理を行えばよく、比較的簡素な処理にて、上記のAT用出力端子121dの出力タイミングの設定を行うことが可能となる。
そして、これら回転演出中に第2再遊技入賞や第3再遊技入賞に対応する図柄が有効ラインML上に仮停止することでAT用出力端子121dをON状態とする構成の前提として、準備モードにおいて第2再遊技入賞や第3再遊技入賞が成立した場合にもAT用出力端子121dをON状態とする構成としている。このような前提構成であれば、回転演出中にAT用出力端子121dをON状態とすることが、あたかも通常の遊技にてAT用出力端子121dがON状態とされたかのように思わせる効果が期待でき、回転演出を行うことによる演出効果を好適に期待することができるようになる。
<変形例1>
本変形例では、ATモード開始用の結果に対応する図柄組合せが有効ラインMLに停止又は仮停止した場合の、AT用出力端子121dをON状態とするタイミングを上記第1aの実施形態αと異ならせ、当該停止又は仮停止した次の各リール32L,32M,32Rの回転開始時とする。
図64は、本変形例における準備モード用処理を示すフローチャートである。
本変形例では、準備モード中にATモード開始用の結果当選となった場合や、準備モードの継続上限に達した場合の処理(ステップSa2813、ステップSa2822、ステップSa2823)の後で、ステップSa2824にて各種フラグ格納エリア106dに次ゲーム出力フラグをセットする点で、上記第1aの実施形態αと異なっており、他の処理(ステップSa2801~ステップSa2823)は第1aの実施形態αの対応する処理(ステップSa1601~ステップSa1623)と同様である。次ゲーム出力フラグは、AT用出力端子121dをON状態とすべきゲームであることをCPU102が把握するためのフラグである。
図65は、本変形例における回転演出処理を示すフローチャートである。
本変形例では、第2再遊技入賞や第3再遊技入賞に対応する図柄組合せを仮停止させた状態で第5期間(5sec)が経過して(ステップSa2917:YES)、開始時フリーズフラグをクリアした後(ステップSa2918)に、ステップSa2919にて上記の次ゲーム出力フラグをクリアする点と、準備モードの上限ゲーム数に達することで開始時フリーズフラグがセットされ、そのゲームの抽選結果がATモード開始用の結果当選であった場合(ステップSa2902:YES、ステップSa2920:NO)に、ステップSa2921にて各種フラグ格納エリア106dに待機フラグをセットする点で、上記第1aの実施形態αと異なっている。それ以外の処理(ステップSa2901~ステップSa2918、ステップSa2920)は、上記第1aの実施形態αの対応する処理(ステップSa2301~ステップSa2319)と同様である。待機フラグは、次ゲーム出力フラグがセットされていても、AT用出力端子121dをON状態とすることを待機すべきことをCPU102が把握するためのフラグである。
図66は、本変形例におけるAT開始報知用処理を示すフローチャートである。
本変形例では、準備モードの上限ゲーム数に達した次のゲームの抽選結果がATモード開始用の結果当選であった場合(ステップSa3001:YES,ステップSa3002:NO、ステップSa3008:YES)に、ステップSa3009にて開始時フリーズフラグをクリアした後、ステップSa3010にて上記の待機フラグをクリアしてから、ステップSa3003の開始ゲームフラグをセットする処理に進む点で、上記第1aの実施形態αと異なっている。その他の処理(ステップSa3001~ステップSa3009)は、上記第1aの実施形態αの対応する処理(ステップSa1001~ステップSa1001)と同様である。
図67は、本変形例における外部出力設定第1処理を示すフローチャートである。
本変形例では、上記ステップSa2601~ステップSa2605の処理と同様に、ステップSa3101~ステップSa3105の処理を実行した後、ステップSa3106にていずれかの開始時フリーズフラグがセットされているか否かを判定する。いずれの開始時フリーズフラグもセットされていない場合、ステップSa3107にて上記の次ゲーム出力フラグがセットされているか否かを判定し、セットされている場合には、ステップSa3108にて上記の待機フラグがセットされているか否かを判定する。次ゲーム出力フラグがセットされており、且つ待機フラグがセットされていない場合とは、準備モード中にATモード開始用の結果入賞を成立させたゲームの次のゲームであることを意味する。この場合、ステップSa3109にて、AT用出力端子121dをON状態に設定してから、外部出力設定第1処理を終了する。
また、ステップSa3106にていずれかの開始時フリーズフラグがセットされている場合、ステップSa3110に進み、予約出力フラグをセットする処理を実行する。そして、ステップSa3111にて、予約出力カウンタに上記の第2期間(2.8sec)と第3期間(0.2sec)と第4期間(5sec)を合計した期間(8sec)よりも若干長い期間である第7期間(約8.2sec)に相当する5500を入力する処理を実行してから、外部出力設定第1処理を終了する。予約出力カウンタが0となることでAT用出力端子121dがON状態とされることは、上述の通りである。
<外部出力の様子>
本変形例においてAT用出力端子121dがON状態とされる様子を、図68及び図69のタイミングチャートを参照しながら説明する。
準備モードにおいて、tc0のタイミングでゲームが開始され、当該ゲームの抽選結果がATモード開始用の結果当選であったとする。この場合、tc1のタイミングで定速回転(VN)に至り、tc2のタイミングでストップスイッチ42~44の操作が有効となった後、tc3のタイミングにて3番目のストップスイッチ42~44が操作されて、対応するリールがtc4のタイミングにて停止して、ATモード開始用の結果入賞が成立する。この場合、当該ATモード開始用の結果入賞に基づき、tc4のタイミングでAT開始演出が実行される。
tc4のタイミングで終了したゲームの次のゲームが、tc5のタイミングで開始されると、各リール32L,32M,32Rの回転開始とともに、AT用出力端子121dがON状態とされ、遊技ホールのデータ表示器やホールコンピュータへATモードが開始されることの情報が出力される。
回転演出を伴ってATモードが開始される場合、回転演出処理(図65)のステップSa2908が実行されて、td0のタイミングで各リール32L,32M,32Rの回転が開始する。この場合、td1のタイミングで基準リールとなる左リール32Lが上記の定速回転(VN)よりも遅い低速回転(VL)に至った後、td2、td3のタイミングで残りのリール(中リール32M、右リール32R)が低速回転(VL)に至り、当該低速回転は、回転開始から第2期間(2.8sec)が経過するtd4のタイミングまで継続される。
そして、td5のタイミングで上記第2再遊技入賞又は第3再遊技入賞に対応する図柄組合せが有効ラインML上に仮停止して始動時AT開始演出が実行される。
当該第2再遊技入賞や第3再遊技入賞に対応する図柄組合せが仮停止した状態は、td5から第5期間(5sec)が経過するtd6のタイミングまで維持され、td6のタイミングで回転開始処理(ステップSa403)により各リール32L,32M,32Rの回転が開始される。そして、td6のタイミングから若干遅れたtd7のタイミングで、AT用出力端子121dがON状態とされ、遊技ホールのデータ表示器やホールコンピュータへATモードが開始されることの情報が出力される。
その後、td8のタイミングにて定速回転(VN)に至り、td9のタイミングにてストップスイッチ42~44の操作が有効となり、td10のタイミングにてストップスイッチ42~44の操作が行われると、td11のタイミングにて各リール32L,32M,32Rが停止して、td0のタイミングにて開始されたゲームの遊技結果が導出される。
以上のように、AT用出力端子121dをON状態とするタイミングをATモード開始用の結果入賞に対応する図柄が停止又は仮停止するタイミングではなく、当該図柄が停止又は仮停止した後、各リール32L,32M,32Rの回転が開始されるタイミングとしたことから、ATモード開始用の結果入賞に対応する図柄が停止又は仮停止することを確認する作業と、AT用出力端子121dがON状態となって、データ表示器等の更新が行われることを確認する作業とが重複しないようになる。つまり、AT用出力端子121dがON状態となり、データ表示器等が更新されることを確認しようとするあまり、ATモード開始用の結果入賞に対応する図柄が停止又は仮停止することを確認できないといった事象を解消することができ、これらAT用出力端子121dからの情報出力と、各リール32L,32M,32Rの出目との関連付けを行いながらも、それぞれの演出効果を好適に期待することが可能となる。
<変形例2>
本変形例では、ATモード開始用の結果入賞に対応する図柄組合せが仮停止したことをCPU102が確認したうえで、AT用出力端子121dをON状態とする。図70は、本変形例における回転演出処理を示すフローチャートである。
本変形例では、ステップSa3214にて回転カウンタが0となり、0.2sec後に全リール32L,32M,32Rが仮停止するようにステッピングモータの制御が行われてから(ステップSa3211)、0.2secが経過したと判定した後、ステップSa3215にて、実際に第2再遊技入賞や第3再遊技入賞に対応する図柄組合せが有効ラインMLに停止(仮停止)したか否かを判定する。停止(仮停止)している場合には、ステップSa3216にて始動時AT開始コマンドをセットする処理を実行した後、ステップSa3217にてAT用出力端子121dをON状態する処理を実行する。かかる処理により、遊技ホールのデータ表示器やホールコンピュータへATモードが開始されることの情報が出力される。
その後、ステップSa3218、ステップSa3219にて停止(仮停止)させた状態を維持する処理を行い、ステップSa3220にて開始時フリーズフラグをクリアしてから、回転演出処理を終了する。なお、図70において、ステップSa3201~ステップSa3214の処理は、上記ステップSa2301~ステップSa2314の処理と同様である。
ステップSa3215にて否定判定した場合、すなわち、ステップSa3211の制御から0.2secが経過しても第2再遊技入賞や第3再遊技入賞に対応する図柄組合せが有効ラインMLに停止(仮停止)していない場合、ステップSa3221にて、全リール32L,32M,32Rが停止(仮停止)しているか否かを判定する。全リール32L,32M,32Rが停止している場合、すなわち、全リール32L,32M,32Rが停止(仮停止)しているのにもかかわらず、第2再遊技入賞や第3再遊技入賞に対応する図柄組合せが有効ラインMLに停止(仮停止)していない場合には、ステップSa3222にて第1エラーコマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本回転演出処理を終了する。
ステップSa3221にて全リール32L,32M,32Rが停止(仮停止)していないと判定した場合、ステップSa3223にて回転カウンタに第8期間(1sec)に相当する671を入力する処理を実行する。続くステップSa3224では、上記の回転カウンタが0となって第8期間が経過したか否かを判定し、第8期間が経過した場合には、ステップSa3225にて、再度、実際に第2再遊技入賞や第3再遊技入賞に対応する図柄組合せが有効ラインMLに停止(仮停止)したか否かを判定する。停止(仮停止)している場合には、ステップSa3216側に進み、始動時AT開始コマンドの出力設定、AT用出力端子121dをON状態とする処理(ステップSa3217)等を実行してから、回転演出処理を終了する。
これに対して、ステップSa3225にて否定判定し、第2再遊技入賞や第3再遊技入賞に対応する図柄組合せが有効ラインMLに停止(仮停止)していないと判定した場合、ステップSa3226にて全リール32L,32M,32Rが停止(仮停止)しているか否かを判定し、停止(仮停止)している場合には、ステップSa3227にて第2エラーコマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本回転演出処理を終了する。また、ステップSa3226にて第8期間の経過を待ったのにも関わらず、全リール32L,32M,32Rが停止(仮停止)していないと判定した場合には、ステップSa3228にて第3エラーコマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本回転演出処理を終了する。
図71(a)は、本変形例におけるエラー報知用処理を示すフローチャートである。エラー報知用処理は、表示制御装置81のCPU181において開始時演出設定処理(図47)におけるその他の開始時演出設定処理(ステップSa2015)の一処理として実施される処理である。
ステップSa3301では、上記の第1エラーコマンドを受信しているか否かを判定する。第1エラーコマンドを受信しており、回転演出開始から3secが経過した状況において全リール32L,32M,32Rが停止しているものの、第2再遊技入賞や第3再遊技入賞に対応する図柄組合せが停止していない場合には、ステップSa3302にて第1エラー報知を行うための処理を実行してから本エラー報知用処理を終了する。第1エラー報知は、図71(b1)に示すように、補助表示部65にて、女の子のキャラクタが腕を組んで不思議そうな顔をしている表示とともに、はてなマークのキャラクタを1つ表示する演出が設定されている。
ステップSa3301にて第1エラーコマンドを受信していないと判定した場合、ステップSa3303にて、上記の第2エラーコマンドを受信しているか否かを判定する。第2エラーコマンドを受信しており、回転演出を開始から3secが経過した状況では全リール32L,32M,32Rは停止しておらず、更に1sec経過した状況では全リール32L,32M,32Rは停止したものの、第2再遊技入賞や第3再遊技入賞に対応する図柄組合せが停止していない場合には、ステップSa3304にて第2エラー報知を行うための処理を実行してから本エラー報知用処理を終了する。第2エラー報知は、図71(b2)に示すように、補助表示部65にて、女の子のキャラクタが両手を広げて不思議そうな顔をしている表示とともに、はてなマークのキャラクタを2つ表示する演出が設定されている。
ステップSa3303にて第2エラーコマンドを受信していないと判定した場合、ステップSa3305にて、上記の第3エラーコマンドを受信しているか否かを判定する。第3エラーコマンドを受信しており、回転演出を開始から3secが経過した状況では全リール32L,32M,32Rは停止しておらず、更に1sec経過した状況でも全リール32L,32M,32Rが停止していない場合には、ステップSa3306にて第3エラー報知を行うための処理を実行してから本エラー報知用処理を終了する。第3エラー報知は、図71(b3)に示すように、補助表示部65にて、「エラー発生 店員さんを呼んでください」との文字を表示する演出が設定されている。
つまり、本変形例では、回転演出を行うにあたり、仮停止するように設定した図柄組合せが実際に有効ラインML上に仮停止したことを条件として、ATモードの開始用の演出やAT用出力端子121dを介してATモードが開始されたことの情報出力を行う構成としている。このようにすることで、回転演出上の何らかの不都合(例えば、リールの位置ズレ等)によって、ATモード開始用の図柄組合せが停止していないのにもかかわらずATモードの開始演出やAT用出力端子121dを介する情報出力が行われる、といった矛盾が生じないようにすることができる。
仮停止するように設定した図柄組合せは停止していないものの、全リール32L,32M,32Rは停止している場合、ATモード開始用の演出やAT用出力端子121dを介する情報出力は行わず、且つ、セットされている開始時フリーズフラグをクリアしないようにしている。このようにすることで、例えば、リールの停止位置がズレてしまった場合等によって、たまたまATモード開始用の図柄組合せが停止しなかった場合には、次ゲームで、再度、停止させるチャンスが付与されるようになる。よって、スムーズな遊技進行を妨げないようにしながら、各リール32L,32M,32Rによる演出を用いてATモードの開始用の演出を行うことが可能となる。
しかも、上記のように、たまたまATモード開始用の図柄組合せが停止しなかった場合には、次ゲームで再度回転演出が実行されるようにしながらも、ATモード自体は当該ゲームにて開始されており(準備モード用処理において、ATモード当選フラグのクリア処理や初期ゲーム数の50ゲームを入力する処理が実行されており)、上記のように再度の回転演出が持ち越されてもATモードの開始が持ち越されるわけではない。このようにすることで、各リール32L,32M,32Rを用いたATモードの開始演出がより確実に実行されるようにしながらも、不当に遊技者に有利となり過ぎないようにすることが可能となる。
なお、上記の回転演出処理におけるステップSa3222、ステップSa3227、及びステップSa3228の全て又はいずれかの処理にてエラーコマンドの出力設定を行う際に、外部集中端子板121に設けられたエラー用出力端子をON状態とする処理を実行するようにしてもよい。エラー用出力端子の構成については、AT用出力端子121dと同様であり、ON状態とすることでエラー用出力端子から出力される信号がHI信号となり、遊技ホールのデータ表示器やホールコンピュータへエラー状態となったことの情報が出力される。エラー用出力端子は、遊技ホールの管理者による所定の操作(例えば、前面扉12の開放操作)が行われることでOFF状態となる。このようにすることで、回転演出を行うにあたって、各リール32L,32M,32Rの回転が停止せずに遊技を進行できなくなった状況を、遊技ホールの管理者等が好適に特定することが可能となる。この場合、ステップSa3222やステップSa3227では、エラーコマンドの出力設定を行うものの、エラー用出力端子はON状態とせず、ステップSa3228ではエラーコマンドの出力設定及びエラー用出力端子のON状態とする処理を行う構成としてもよい。
<変形例3>
AT用出力端子121dをON状態とするタイミングは、ATモード開始用の結果入賞に対応する図柄組合せが停止又は仮停止するよりも前のタイミングとしてもよく、当該図柄組合せが停止又は仮停止可能となるゲームの開始タイミングとしてもよい。
図72は、本変形例における外部出力設定第1処理を示すフローチャートである。
ステップSa3401~ステップSa3405の処理は、上記ステップSa2601~ステップSa2605の処理と同様である。ステップSa3406では第1開始時フリーズフラグ又は第2開始時フリーズフラグがセットされているか否かを判定する。いずれかの開始時フリーズフラグがセットされている場合、ステップSa3407にて、開始ゲームフラグがセットされているか否かを判定する。開始ゲームフラグがセットされていない場合には、そのまま外部出力設定第1処理を終了する。ステップSa3407にて開始ゲームフラグがセットされており、準備モード中にATモード開始用の結果当選となった場合、又はステップSa3406にていずれかの開始時フリーズフラグがセットされている場合、ステップSa3408にてAT用出力端子121dをON状態とする処理を実行してから、本外部出力設定第1処理を終了する。
既に説明した通り、ATモード移行抽選に当選したことの報知としてAT当選報知演出が行われることで準備モードに移行する構成としたところ、少なくとも当該AT当選報知演出の実行以後であれば、上記のようにATモード開始用の結果入賞に対応する図柄組合せが停止又は仮停止するよりも前にAT用出力端子121dをON状態としても、実際にATモードに移行した回数とATモードに移行したことの情報が出力された回数とにズレは生じない。よって、上記のようにしたとしても、外部集中端子板121を介してスロットマシン10に接続されているデータ表示器やホールコンピュータにて、ATモードの移行回数を好適に管理することが可能である。
<変形例4>
AT用出力端子121dをON状態とするタイミングを、ATモード開始用の結果入賞に対応する図柄組合せが仮停止したタイミングよりも後のタイミングとしてもよく、当該仮停止したタイミングよりも後のタイミングであって所定条件が成立したタイミングとしてもよい。本変形例では、上記の所定条件として、ATモード開始用の結果入賞に対応する図柄組合せが仮停止してから第1小役入賞~第6小役入賞が所定回数成立したことが設定されている。
図73は、本変形例における外部出力設定第2処理を示すフローチャートである。
ステップSa3501~ステップSa3503の処理は上記ステップSa2501~ステップSa2503の処理と同様である。ステップSa3504では、開始ゲームフラグがセットされているか否かを判定し、セットされており、準備モード中にATモード開始用の結果当選となったゲームである場合には、ステップSa3505にて第2再遊技入賞又は第3再遊技入賞が成立したか否かを判定する。第2再遊技入賞又は第3再遊技入賞が成立している場合、ステップSa3506にて、各種フラグ格納エリア106dに予約出力フラグをセットする処理を実行してから、本外部出力第2処理を終了する。ステップSa3504又はステップSa3505にて否定判定した場合、そのまま本外部出力設定第2処理を終了する。上記のように予約出力フラグは、AT用出力端子121dをON状態とする予約状態であることをCPU102が把握するためのフラグである。
なお、本変形例では、外部出力設定第1処理を実行せず、予約出力カウンタにて管理する予約状態の設定は行わない。そのため、本変形例におけるタイマ更新処理では、予約出力カウンタが0となることでAT用出力端子121dをON状態とする処理は実行しない。
図74は、本変形例における回転演出処理を示すフローチャートである。
本変形例では、上記第1aの実施形態αにおけるステップSa2301~ステップSa2318と同様に、ステップSa3601~ステップSa3618にて第1回転演出や第2回転演出を実行するための処理を行った後、ステップSa3619にて上記の予約出力フラグをセットする処理を実行してから、回転演出処理を終了する。
すなわち、本変形例では、ATモード開始用の結果入賞となる図柄組合せが停止又は仮停止することによりAT用出力端子121dをON状態とする予約状態に設定する。
図75は、本変形例におけるATモード用処理を示すフローチャートである。
ステップSa3701では、予約出力フラグがセットされているか否かを判定する。予約出力フラグがセットされている場合には、ステップSa3702にて押し順ベル入賞、すなわち第1小役入賞~第6小役入賞が成立したか否かを判定する。第1小役入賞~第6小役入賞が成立している場合、ステップSa3703にて各種カウンタエリア106eに設けられた入賞カウンタに1加算する処理を実行する。入賞カウンタは、ATモード開始用の結果入賞に対応する図柄組合せが停止又は仮停止してから第1小役入賞~第6小役入賞が成立した回数をCPU102が把握するためのカウンタである。
ステップSa3703の処理を実行した後は、ステップSa3704にて上記の入賞カウンタが所定数としての5に至ったか否かを判定する。入賞カウンタが5である場合、ステップSa3705にてAT用出力端子121dをON状態とする処理を実行し、ステップSa3706にて予約出力フラグをクリアする処理を実行する。ステップSa3701、ステップSa3702及びステップSa3704のいずれかで否定判定した場合、又はステップSa3707の処理を実行した後は、ステップSa3708に進む。ステップSa3708~ステップSa3712の処理は、上記ステップSa1501~ステップSa1505の処理と同様である。
すなわち、本変形例では、ATモード開始用の結果入賞に対応する図柄組合せが停止又は仮停止することでAT用出力端子121dをON状態とする予約状態に設定され、当該予約状態において第1小役入賞~第6小役入賞が5回成立した場合に所定条件が成立したとしてAT用出力端子121dがON状態に設定される。このようにしても、データ表示器やホールコンピュータでATモードに移行した回数を好適に把握することができる。また、このように、ATモードに開始した後のゲームでATモードに移行したことの情報出力が行われるようにすることで、ATモードが開始されることの報知がスロットマシン10にて行われた後でデータ表示器の更新が行われる構成となり、ATモードへの移行が生じたことの演出が複数の箇所で行われる構成において、それぞれの箇所での演出タイミングが重複しないようになり、それぞれの演出を別々の箇所で行うことによって見逃されてしまう事象を好適に回避することが可能となる。
しかも、遊技の結果としてATモード開始用の結果入賞が成立した場合だけでなく、上記のように回転演出においてATモード開始用の結果入賞に対応する図柄組合せが仮停止した場合にも、予約状態に設定する構成としていることから、回転演出が遊技進行に必要な演出であることを強く印象付けることが可能となり、回転演出による演出効果を好適に高めることができる。
<第1aの実施形態β>
本実施形態は、回転演出においてストップスイッチ42~44に基づいて各リール32L,32M,32Rを仮停止させる構成とする。図76は、本実施形態における回転演出処理を示すフローチャートである。
ステップSa3801では、第1開始時フリーズフラグ又は第2開始時フリーズフラグがセットされているか否かを判定し、セットされている場合には、ステップSa3802にて、今回のゲームの抽選結果がATモード開始用の結果当選であるか否かを判定する。ステップSa3801にていずれの開始時フリーズフラグもセットされていない場合には、そのまま回転演出処理を終了する。ステップSa3802にて今回のゲームの抽選結果がATモード開始用の結果当選ではない場合には、ステップSa3803に進む。また、今回のゲームの抽選結果がATモード開始用の結果当選である場合、ステップSa3829にて準備モード中の回転演出であるか否かを判定し、準備モード中である場合(AT準備カウンタが0よりも大きい場合)にも、ステップSa3803に進む。ステップSa3829にてAT準備カウンタが0である場合には、そのまま回転演出処理を終了する。これらステップSa3801、ステップSa3802及びステップSa3829の処理は、上記第1aの実施形態αにおける対応する処理と同様である。
ステップSa3803では、回転演出コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行する。既に説明した通り、回転演出コマンドを受信した表示制御装置81は、回転演出(図57(a))が行われるように補助表示部65等の制御を行う(ステップSa2403)。続くステップSa3804では、疑似遊技コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行する。疑似遊技コマンドは、回転演出中のストップスイッチ42~44の操作に基づく各リール32L,32M,32Rの仮停止と、通常のストップスイッチ42~44の操作に基づく各リール32L,32M,32Rの停止(ステップSa404~ステップSa413)とを、遊技者が明確に区別可能とするように、当該回転演出中の操作や仮停止であることの報知を補助表示部65やスピーカ64等を通じて行うようにするためのコマンドである。なお、以下の説明では、回転演出中の操作や仮停止を「疑似遊技」とも称し、回転演出中の操作や仮停止であることの報知を「疑似遊技報知」とも称する。また、通常のストップスイッチ42~44の操作に基づく各リール32L,32M,32Rの停止(ステップSa404~ステップSa413)を、疑似遊技と区別すべく、当該通常の操作や停止を「通常遊技」とも称する。
ちなみに、「通常遊技」と「疑似遊技」とは、以下のような違いもある。すなわち、通常遊技においては、ゲームの抽選結果に対応する図柄組合せが有効ラインMLに停止することで、当該抽選結果に対応する特典(遊技価値)が付与される一方、疑似遊技では、ゲームの抽選結果に対応する図柄組合せが有効ラインMLに停止又は仮停止しても、当該抽選結果に対応する特典(遊技価値)が付与されない。つまり、通常遊技は、払出判定処理(ステップSa414)の判定対象となる遊技である一方、疑似遊技は払出判定処理の判定対象とならない遊技といえる。
続くステップSa3805では、回転カウンタに第9期間(3sec)に相当する2013を入力する処理を実行する。そして、ステップSa3805にて全リール32L,32M,32Rの回転が開始されるようにステッピングモータを制御する処理を実行する。この場合、通常の回転開始処理(ステップSa403)と同様の加速度にて定速回転(VN)に至るようにステッピングモータを制御する。そして、ステップSa3807では回転カウンタが0に至ったか否かを判定し、0に至るまでステップSa3807にて待機する。
ステップSa3807にて肯定判定し、全リール32L,32M,32Rの回転が開始されてから第9期間が経過した場合には、ステップSa3808にてストップスイッチ42~44の疑似有効化処理を実行する。かかる疑似有効化処理では、ストップスイッチ42~44の操作を受け付けない状態からストップスイッチ42~44の操作を受け付ける状態とし、より詳しくは、ストップスイッチ42~44の操作をストップ検出センサ42a~44aが検出しない状態から検出する状態としたり、ストップ検出センサ42a~44aがストップスイッチ42~44の操作を検出しても有効な操作としない状態から有効な操作とする状態としたりする処理を行う。
続くステップSa3809では、操作指示コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行する。操作指示コマンドは、上記の疑似有効化処理が行われたこと、及び当該回転演出を用いた疑似遊技においてストップスイッチ42~44を操作すべきタイミングであることを遊技者に対して報知するための演出(操作指示演出)を補助表示部65やスピーカ64等にて行わせるためのコマンドである。そして、ステップSa3810にて、回転カウンタに第10期間(5sec)に相当する3365を入力する処理を実行する。
続くステップSa3811では、ストップ検出センサ42a~44aの検出結果に基づき、回転中のリール32L,32M,32Rに対応するストップスイッチ42~44の操作が行われたか否かを判定する。いずれのストップスイッチ42~44の操作も行われていない場合や、操作されていても既に仮停止しているリール32L,32M,32Rに対応するストップスイッチ42~44の操作である場合には、ステップSa3812にて回転カウンタが0となったか否かを判定し、0となっておらず上記の第10期間が経過していない場合には、ステップSa3811に戻る。
ステップSa3811にていずれかのストップスイッチ42~44の操作が行われた場合には、ステップSa3813に進み、今回操作されたストップスイッチ42~44の疑似無効化処理を実行する。具体的には、今回操作されたストップスイッチ42~44の操作をストップ検出センサ42a~44aが検出する状態から検出しない状態としたり、ストップ検出センサ42a~44aがストップスイッチ42~44の操作を検出した場合に有効な操作とする状態から有効な操作としない状態としたりする処理を行う。そして、ステップSa3814にて、疑似操作コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行する。疑似操作コマンドを受信した表示制御装置81は、ストップスイッチ42~44が操作されたことに対応する演出を補助表示部65やスピーカ64等にて行うための処理を実行する。
ステップSa3814の処理を実行した後は、ステップSa3815にて、第1開始時フリーズフラグがセットされているか否かを判定する。第1開始時フリーズフラグがセットされている場合、ステップSa3816にて、今回操作が行われたストップスイッチ42~44に対応するリールの有効ラインML上に、第2再遊技入賞となる図柄を停止させるようにステッピングモータを駆動制御する処理を行う。一方、ステップSa3815にて第1開始時フリーズフラグがセットされておらず、第2開始時フリーズフラグがセットされている場合、ステップSa3817にて、今回操作が行われたストップスイッチ42~44に対応するリールの有効ラインML上に、第3再遊技入賞に対応する図柄を停止させるようにステッピングモータを駆動制御する処理を行う。
ここで、ステップSa3816やステップSa3817の駆動制御処理では、ストップスイッチ42~44の操作タイミングに関わらず、第2再遊技入賞となる図柄や第3再遊技入賞となる図柄を有効ラインML上に停止させる。すなわち、通常遊技では、ストップスイッチ42~44が操作されたタイミングから最大で4図柄分だけ離れた図柄を有効ラインML上に停止させることが可能としていたが、疑似遊技では、ストップスイッチ42~44の操作タイミングに関わらず、対象とする図柄を有効ラインML上に停止させ、最大で19図柄分離れた図柄を有効ラインML上に停止させることが可能となるように設定している。
ステップSa3816又はステップSa3817の処理を実行した後は、ステップSa3818に進み、全リール32L,32M,32Rが仮停止したか否かを判定する。全リール32L,32M,32Rが仮停止していない場合には、ステップSa3819にて回転カウンタが0となり、疑似遊技においてストップスイッチ42~44の操作が有効化されてから(ステップSa3808)、第10期間としての5secが経過したか否かを判定し、5secが経過していない場合には、ステップSa3820に進む。
ステップSa3820では、第1クレジット投入スイッチ56が操作されたか否かを判定する。操作されていない場合には、ステップSa3811に戻り、ストップスイッチ42~44の操作が行われるまで待機する。一方、ステップSa3820にて第1クレジット投入スイッチ56が操作されたと判定した場合は、ステップSa3821にて回転カウンタを0にクリアする。
ステップSa3812やステップSa3819にて回転カウンタが0となったと判定した場合や、ステップSa3821にて第1クレジット投入スイッチ56の操作に基づき回転カウンタを0とした後は、ステップSa3822に進む。ステップSa3822では、停止していないリール32L,32M,32Rを仮停止させる処理を実行する。すなわち、有効ラインML上に、第2再遊技入賞に対応する図柄や第3再遊技入賞に対応する図柄を仮停止させるようにステッピングモータを駆動制御する処理を実行する。その後、ステップSa3823にて、全リール32L,32M,32Rが仮停止したことの確認処理を繰り返し実行する。
全リール32L,32M,32Rが仮停止することでステップSa3823にて肯定判定し、ステップSa3824に進む。また、ステップSa3818にて全リール32L,32M,32Rが仮停止したと判定した場合にも、ステップSa3824に進む。ステップSa3824では、始動時AT開始コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行する。そして、ステップSa3825にてAT用出力端子121dをON状態とする処理を実行し、ステップSa3826~ステップSa3827にて、当該仮停止された状態を第5期間(5sec)に亘って維持する処理を実行し、ステップSa3828にてセットされている開始時フリーズフラグをクリアする処理を実行してから、本回転演出処理を終了する。ステップSa3824~ステップSa3828の処理は、上記ステップSa3216~ステップSa3220の処理と同様である。
図77は、本変形例における回転演出用処理を示すフローチャートである。
ステップSa3901では回転演出コマンドを受信しているか否かを判定し、受信している場合には、ステップSa3902にて準備モードフラグをクリアし、ステップSa3903にて回転演出を設定する処理を実行する。ステップSa3901~ステップSa3903の処理は、ステップSa2401~ステップSa2403の処理と同様である。
ステップSa3901にて否定判定した場合、又はステップSa3903の処理を実行した後は、ステップSa3904にて、上記の疑似遊技コマンドを受信しているか否かを判定する。疑似遊技コマンドを受信している場合には、ステップSa3905にて疑似遊技演出を補助表示部65やスピーカ64等にて行うように設定する処理を実行する。
疑似遊技演出としては、例えば、図78(a)に示すように、補助表示部65における所定領域(図では右上)にて「疑似遊技中」といった文字のキャラクタによる疑似遊技画像GPを表示する演出が設定されている。疑似遊技画像GPは、遊技者が、当該画像が表示されていること、及び、その文字を把握できる程度の大きさ(例えば、疑似遊技中の文字の大きさが20pt以上の大きさ)に設定されている。
ステップSa3904にて否定判定した場合、又はステップSa3905の処理を実行した後は、ステップSa3906にて、上記の操作指示コマンドを受信しているか否かを判定する。操作指示コマンドを受信している場合には、ステップSa3907にて疑似有効演出を行うように設定する処理を実行する。疑似有効演出は、上記のステップSa3808の疑似有効化処理が行われたことを遊技者に把握させるための演出であり、具体的には、図78(a)に示すように、ストップスイッチ42~44に内蔵されているストップランプ42b~44bを消灯状態から点灯状態に切り替える処理を行う。
続くステップSa3908では、今回の回転演出の種類に応じて、第2再遊技入賞又は第3再遊技入賞に対応する操作指示演出を補助表示部65やスピーカ64等にて行うように設定する処理を実行する。つまり、第1回転演出を行っている場合には、第2再遊技入賞に対応する押し順を報知する操作指示演出を行うようにし、第2回転演出を行っている場合には、第3再遊技入賞に対応する押し順を報知する操作指示演出を行うようにする。
ステップSa3908にて設定する操作指示演出としては、図78(a)に示すように、図56(a)や図56(b)における押し順報知演出と同様に、第2再遊技入賞や第3再遊技入賞に対応する操作順序を報知するとともに、第2再遊技入賞となる図柄や第3再遊技入賞となる図柄を報知する演出が設定されている。この場合、操作指示演出において報知するストップスイッチ42~44の操作順序は、通常リプA~C当選時に第2再遊技入賞や第3再遊技入賞となる操作順序であり、いずれの通常リプA~Cに対応する操作順序を報知するかについては、抽選等によりランダムに決定される。
このように、準備モードにおいてATモード開始用の結果当選となった場合に実行される演出と同様の演出が、回転演出における疑似遊技においても実行される。その一方で、疑似遊技においては上記の疑似遊技画像GPが表示されることから、通常遊技においてATモード開始用の結果入賞に対応する図柄を停止させるべき状況と、疑似遊技においてATモード開始用の結果入賞に対応する図柄を停止させるべき状況とで見た目上識別できない又はしにくい演出を実行しながらも、当該疑似遊技画像GPを確認することで、遊技者は両状況を明確に区別することが可能となる。
ステップSa3906にて否定判定した場合、又はステップSa3908の処理を実行した後は、ステップSa3909に進む。ステップSa3909では、疑似操作コマンドを受信したか否かを判定する。疑似操作コマンドを受信しており、ストップスイッチ42~44の操作が行われ場合、ステップSa3910にて、今回操作されたストップスイッチ42~44に対応するストップランプ42b~44bを点灯状態から消灯状態とすることで上記の疑似有効演出を終了する処理を実行する。この場合、図78(b)に示すように、有効ラインML上に対応する図柄が仮停止する。そこで、ステップSa3910では、例えば、当該仮停止することに対応する効果音をスピーカ64から発せられるようにしたり、補助表示部65の操作指示演出をストップスイッチ42~44の操作に対応させて更新したりする処理を実行してもよい。
ステップSa3909にて否定判定した場合、又はステップSa3910の処理を実行した後は、ステップSa3911に進む。ステップSa3911では、始動時AT開始コマンドを受信したか否かを判定し、受信している場合には、ステップSa3912にて始動時AT開始演出を補助表示部65やスピーカ64等にて行うように設定する処理を実行する。始動時AT開始演出は、上記のように、例えば、図57(b)に示す演出である。
続くステップSa3913では、上記の疑似遊技演出を終了するための処理を実行する。具体的には、上記の疑似遊技画像GPの表示を終了する処理を行う。続くステップSa3914では、疑似有効演出が継続されている場合にはそれを終了するための処理を実行する。具体的には、ストップスイッチ42~44に内蔵されているストップランプ42b~44bのいずれか又は全部が点灯状態のままである状況で始動時AT開始コマンドを受信した場合には、すなわち、第1クレジット投入スイッチ56の操作等により回転カウンタが0とされて仮停止した場合には、点灯状態のストップランプ42b~44bを消灯状態に切り替える処理を行う。ステップSa3911にて否定判定した場合、又はステップSa3914の処理を実行した後は、回転演出用処理を終了する。
本実施形態における回転演出の流れについて、図79のタイミングチャートを参照しながら説明する。
te1のタイミングで回転演出が実行されるゲームが開始されると、各リール32L,32M,32Rの回転が開始されるとともに、疑似遊技演出が開始されて疑似遊技画像GPの表示が行われる。te2のタイミングで各リール32L,32M,32Rの回転速度が定速回転(VN)に至った後、te3のタイミングで回転開始から第9期間としての3secが経過すると、疑似有効化処理が実行され、ストップスイッチ42~44のストップランプ42b~44bが点灯状態とされて当該疑似有効化処理が行われたことの報知が行われる。また、当該te3のタイミングで操作指示演出が実行され、ストップスイッチ42~44を操作して第2再遊技入賞や第3再遊技入賞となる図柄を停止させることが促される。
te4のタイミング、te6のタイミング、te8のタイミングでそれぞれストップスイッチ42~44が操作されると対応するリール32L,32M,32Rがte5のタイミング、te7のタイミング、te9のタイミングでそれぞれ停止して、第2再遊技入賞や第3再遊技入賞に対応する図柄組合せが有効ラインML上に仮停止する。ちなみに、疑似有効演出は、各ストップスイッチ42~44が操作されるとそれぞれ終了し、最終的には、3番目のストップスイッチ42~44の操作タイミングであるte8のタイミングで疑似有効演出が終了することになる。
そして、te9のタイミングにて始動時AT開始演出が実行されるとともに、AT用出力端子121dがON状態とされてATモードへの移行が生じたことの情報の出力が行われる。当該図柄組合せが仮停止した状態は、5secに亘ってその状態が維持され、te10のタイミングでte1のタイミングで開始されたゲームにおける回転開始処理(ステップSa403)が実行されて、各リール32L,32M,32Rの回転が開始する(通常遊技が開始される)。その後、te12のタイミングにてストップスイッチ42~44の操作が有効化されて、te13のタイミングで最終停止操作が行われると、te14のタイミングで最終リールが停止し、te1のタイミングで開始されたゲームが終了する。
このように、本実施形態では、回転演出にてATモード開始用の結果入賞に対応する図柄組合せを仮停止させる場合であっても、ストップスイッチ42~44の操作を契機として仮停止させる構成としたことから、自らの操作でATモードの開始を勝ち取った印象をより強く与えることが可能となる。
そして、このように疑似遊技において自らの操作にて各リール32L,32M,32Rを仮停止させたことに基づいて、AT用出力端子121dからの情報出力が行われる構成であることから、自らの操作にてATモードの開始を勝ち取った印象を与えるとともに、当該疑似遊技が遊技進行(ATモードの開始)に必要不可欠な遊技である印象も強く与えることが可能となる。
<変形例1>
上記第1aの実施形態βでは、疑似遊技をゲームの開始時とし、疑似遊技の後で通常遊技が行われる構成としたが、本変形例では、疑似遊技の実行タイミングの変形例を説明する。図80(a)は、一のゲームにおいて通常遊技と通常遊技との間で疑似遊技が行われる例を示している。
具体的には、tf1からtf7を一のゲームとして、tf1にてスタートレバー41の操作が行われた場合に、各リール32L,32M,32Rの回転を開始させて通常遊技を開始させ、続くtf2にてストップスイッチ42~44の操作を有効化する。そして、例えば、複数あるリール32L,32M,32Rのうち、第1のリール、及び第2のリールの停止操作が行われ、これら第1のリール及び第2のリールが停止したtf3のタイミングで、通常遊技を一旦中断する。この場合、例えば、第1のリール及び第2のリールでは、ATモード開始用の結果入賞に対応する図柄組合せを構成する図柄が停止しているとよい。
そして、続くtf4のタイミングで、疑似遊技中表示及び疑似有効中表示を開始するととも、疑似有効化処理を実行して、疑似遊技を行わせる。この場合、上記のように第1のリール及び第2のリールは既に停止しており、疑似遊技の対象は、未停止の第3のリールとする。
疑似遊技において、第3のリールについての停止操作が行われてtf5のタイミングで当該第3のリールが仮停止し、その仮停止した図柄と、上記第1のリール及び第2のリールの停止図柄とによって、例えば、ATモード開始用の結果入賞に対応する図柄組合せが形成された状態となっていれば、同tf5のタイミングATモードの開始演出を実行するとともに、AT用出力端子121dをON状態に設定する。また、tf5にて疑似無効化処理を実行するとともに、疑似遊技中表示や疑似有効中表示を終了する。その後、一連のATモードの開始演出が終了するtf6にて、再度第3のリールを回転開始させたうえで、ストップスイッチ43の操作を有効化して、tf7にて当該ストップスイッチ43の操作に基づき中リール32Mを停止させて、tf1にて開始したゲームを終了する。
このように、疑似遊技を通常遊技と通常遊技との間に行う構成とすることで、疑似遊技にて仮停止させる図柄と、それよりも前に実行された通常遊技において停止させた図柄とを用いて、ATモード開始用の結果入賞に対応する図柄組合せを表示させる等して、ATモードの開始演出やAT用出力端子121dからの情報出力と、停止出目との関連付けを行う、といった斬新な遊技性を実現することが可能となる。
この場合、以下のように、回転演出を実行する対象ゲームの抽選結果入賞となる図柄を有効ラインML上に停止させながら、有効ラインMLとは異なる位置にATモード開始用の結果入賞となる図柄組合せを仮停止させることも可能である。
すなわち、図81(a)に示すように、回転演出処理にて、ステップSa3951にていずれかの開始時フリーズフラグがセットされていると判定した場合、ステップSa3952にて今回のゲームの抽選結果が通常リプA~Cであるか否かを判定し、通常リプA~Cである場合には、上記のステップSa3829に進む。通常リプA~Cではない場合には、ステップSa3953にて、今回のゲームの抽選結果が押し順ベル当選であるか否かを判定する。押し順ベル当選ではない場合、上記のステップSa3803に進み、ゲームの開始時に疑似遊技としての第1回転演出や第2回転演出を行うための処理を実行する。
これに対して、回転演出の対象ゲームの抽選結果が押し順ベル当選である場合、ステップSa3953にて肯定判定し、ステップSa3954にて各種フラグ格納エリア106dに途中疑似遊技フラグをセットする処理を実行し、続くステップSa3955にて途中疑似遊技コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本回転演出処理を終了する。
この場合、ゲームの開始時に疑似遊技としての回転演出は実行されず、リール制御処理における回転開始処理(ステップSa403)にて各リール32L,32M,32Rの回転が開始される。途中疑似遊技コマンドを受信した表示制御装置81では、今回のゲームの抽選結果である押し順ベル当選に基づく押し順報知コマンドと、当該途中疑似遊技コマンドとに基づいて、例えば、図81(c)に示すように、第2再遊技入賞や第3再遊技入賞を狙わせる操作指示報知を実行するとともに、その操作指示報知における操作順序を、今回の押し順ベルにおいて第1小役入賞~第6小役入賞に対応する操作順序を報知するようにする。つまり、第2再遊技入賞や第3再遊技入賞に対応する図柄のキャラクタ(図における、「白7」図柄、「白7」図柄、「赤7」図柄の第3再遊技入賞に対応する図柄のキャラクタ)を補助表示部65にて表示するとともに、操作順序としては中逆押しベル1,2における第4小役入賞に対応する操作順序を補助表示部65にて表示するように制御する。
この場合、当該操作指示報知に基づいてストップスイッチ42~44を操作し、右リール32Rを第1のリールとして「赤7」図柄を狙って操作し、左リール32Lを第2のリールとして「白7」図柄を狙って操作すると、図81(d)に示すように、右上がりラインL5に「ベル」図柄がテンパイして第4小役入賞が成立し得る状態となるとともに、右下がりラインL4に第3再遊技入賞に対応する図柄組合せが仮停止し得る状態となる。
リール制御処理では、図81(b)に示すように、ステップSa411にてリール停止処理を実行し、ステップSa412にて全てのリールが停止していないと判定し、ステップSa413にて停止情報第2設定処理を実行した後、ステップSa3961にて、第2のリールが停止したか否かを判定する。すなわち、今回のステップSa411のリール停止処理が2番目のリールの停止処理であったか否かを判定する。第2のリールの停止処理であった場合、ステップSa3962にて、上記の途中疑似遊技フラグがセットされているか否かを判定し、セットされている場合には、ステップSa3963にて当該途中疑似遊技フラグをクリアしたうえで、ステップSa3964にて疑似遊技コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行する。その後、ステップSa3808~ステップSa3828の疑似遊技を行うための処理を実行し、ステップSa3965にて第3のリールの回転を開始させる処理を実行してから、ステップSa404に戻る。また、ステップSa3961やステップSa3962にて否定判定した場合には、疑似遊技用の処理を実行することなく、ステップSa404に戻る。
表示制御装置81では、ステップSa3964にてセットされる疑似遊技コマンドに基づいて、図81(e)に示すように、疑似遊技画像GPを表示して疑似遊技中表示を開始する。この場合、上記の通り、既に第1リール及び第2リールは通常遊技にて停止しているため、中リール32Mに「白7」図柄を狙うべき状況であることの報知が上記の疑似遊技画像GPとともに表示される。そして、当該報知に基づき、中ストップスイッチ43を操作すると、回転演出処理では、中リール32Mを仮停止させる停止制御を実行し(ステップSa3816、ステップSa3817)、全リール仮停止したことにより(ステップSa3818:YES)、始動時AT開始コマンドをセットするとともに、AT用出力端子121dをON状態とする処理が行われる。
そして、右下がりラインL4に第3再遊技入賞に対応する図柄組合せが停止又は仮停止した状態が5secに亘って維持された後、ステップSa3965にて第3のリールの回転が開始される(図81(g))。この場合、通常遊技が再開され、第3のリールの停止操作が行われると、図81(h)に示すように、第4小役入賞が成立することになり、当該入賞に基づくメダルの払い出しが行われる。
以上のように、通常遊技にて停止させた図柄と、疑似遊技にて仮停止させた図柄とを用いて、ATモード開始用の結果入賞に対応する図柄組合せを表示させるようにすることで、全ての停止操作を疑似遊技にて行わせる構成よりも、一のゲームにおいて停止操作する回数を減らすことが可能となり、通常遊技でのゲームの抽選結果に対応する特典付与を行いながらも、当該ATモード開始用の図柄組合せを表示させてATモードを開始させたり、ATモードが開始されたことの演出やその情報の外部出力を行ったりする構成において、ゲームのスムーズな進行が実現される。
この場合、疑似遊技を行ったリールについては、当該疑似遊技に基づく演出等を行った後、再度回転させて通常遊技にて停止操作を行わせる構成とし、その通常遊技の停止操作に基づく停止後に、払出判定処理や入賞結果対応処理等が実行される。つまり、疑似遊技にて通常遊技の停止出目を利用するにしても、全てのリールについて通常遊技の実行機会は確保されており、通常遊技の遊技性を侵すことない。よって、通常遊技において特殊な制御や操作等を必要とせず、疑似遊技の演出効果を好適に期待することができる。
<変形例2>
本変形例では、疑似遊技を通常遊技の後で実行する。すなわち、図80(b)に示すように、tg1からtg8を一のゲームとして、tg1にてスタートレバー41の操作が行われた場合に、各リール32L,32M,32Rの回転を開始させて通常遊技を開始させ、続くtg2にてストップスイッチ42~44の操作を有効化する。そして、tg3にて通常遊技における最終停止操作が行われると、全リール32L,32M,32Rを停止させる。例えば、tg1にて開始したゲームの抽選結果が準備モード中のATモード開始用の結果当選であって、当該tg3の最終停止操作により停止した結果が、当該ATモード開始用の結果入賞ではなかった場合、tg3にて全リール32L,32M,32Rを停止させた後、そのまま当該ゲームを終了せず、tg4にて各リール32L,32M,32Rの回転を開始させて疑似遊技及び疑似遊技中表示を開始させる。そして、tg5にて疑似有効化処理を実行するとともに疑似有効中表示を開始させ、tg6にて疑似遊技における最終停止操作に基づいて、疑似無効化処理を実行するとともに、疑似有効中表示を終了する。この場合、上記のATモード開始用の結果入賞に対応する図柄組合せを仮停止させる構成とするとよい。そして、当該仮停止タイミングであるtg7にてAT開始演出を実行するとともに、AT用出力端子121dをON状態とする。その後、tg8にて、疑似遊技中表示を終了することで、tg1にて開始されたゲームが終了する。
なお、疑似遊技の実行後、例えばtg7よりも後であってtg8よりも前に、各リール32L,32M,32Rを回転開始させてから、通常遊技にて停止させた図柄組合せ(tg3の最終停止操作後に停止した図柄)を再度有効ラインML上に停止させてから一のゲームを終了してもよい。この場合、当該再停止させた後で、払出判定処理や入賞結果対応処理を実行する構成とするとよい。
疑似遊技の実行後、上記のように再停止させずに、疑似遊技にて停止させた図柄のまま払出判定処理や入賞結果対応処理を実行する構成としてもよい。この場合、通常遊技にて停止させた図柄等をCPU102が一時記憶しておき、払出判定処理や入賞結果対応処理を実行する構成とするとよい。このようにすることで、最終的に停止している停止出目(疑似遊技にて停止させた停止出目)に対応しない特典が払出判定処理等により付与されることとなり、斬新な遊技性を実現することが可能となる。
<変形例3>
本変形例では、疑似遊技である旨を報知するための構成の変形例を説明する。
図82(a)では、区間表示器としての指示モニタ68にて疑似遊技である旨の報知を行う例を示している。具体的には、指示モニタ68において、第1表示用セグメントN1~第8表示用セグメントN8の他に、第9表示用セグメントN9を設ける。第9表示用セグメントN9は、第1表示用セグメントN1~第8表示用セグメントN8と同様に、主制御装置101により個別に点灯/消灯の制御が可能となっている。また、指示モニタ68の表面には、第9表示用セグメントN9を指し示すように、「疑似遊技中」といった印字が施されており、第9表示用セグメントN9が点灯状態となることで疑似遊技である旨の報知が行われる状態となり、第9表示用セグメントN9が消灯状態となることで疑似遊技ではない旨の報知が行われる(疑似遊技である旨の報知が行われない)状態となる。
このように、疑似遊技である旨の報知が、主制御装置101に直接制御される指示モニタ68にて行われるようにすることで、当該疑似遊技である旨の報知の信頼性が向上する。よって、遊技者は、通常遊技と疑似遊技との違いを明確に把握しながら遊技を進行することが可能となり、一のゲームにおいて通常遊技で得られた特典と疑似遊技にて得られた利益とがわからなくなってしまうことを抑制することができる。
言い換えるならば、表示制御装置81側で実行する疑似遊技である旨の報知については、当該報知ですら演出に用いることが可能である。例えば、通常遊技において疑似遊技である旨の報知を行う構成としてもよく、通常遊技中の所定条件下で疑似遊技である旨の報知を行う構成としてもよく、例えば、疑似遊技が行われる可能性があるゲームの通常遊技中に疑似遊技である旨の報知を行ったうえで、その後、当該ゲームにて疑似遊技を行う場合と行わない場合とがあるようにしてもよい。
図82(b)では、第1位置と当該第1位置とは異なる第2位置とに変位可能な変位手段としての可動役物によって、疑似遊技である旨の報知を行う例を示している。具体的には、可動役物として表面に「疑似」といった印字が施された役物78を設け、当該役物78が第1位置としての上部ランプ63の背面(図82(b1))と、第2位置としての補助表示部65の前方(図82(b2))とに図示しない駆動部を表示制御装置81が制御することで変位可能とする。役物78が第1位置に配置されると、当該役物78は遊技者から視認できなくなり又は視認しにくくなり、役物78が第2位置に配置されると第1位置に配置されるよりも役物78を視認し易くなり、具体的には、視認可能となる。そして、表示制御装置81により役物78が第2位置に変位することで疑似遊技である旨の報知が行われる状態となり、役物78が第1位置に変位することで疑似遊技ではない旨の報知が行われる(疑似遊技である旨の報知が行われない)状態となる。
このように、役物78の動作によって疑似遊技である旨の報知が行われる構成とすることで、遊技者が当該報知を見逃しにくくなり、通常遊技と疑似遊技との差を明確に把握しながら遊技を行わせる効果を高めることが可能となる。
<第1aの実施形態γ>
上記第1aの実施形態α及び第1の実施形態βでは、準備モード中にATモード開始用の結果当選となった場合であって、当該ATモード開始用の結果入賞が成立した場合にはATモードを開始させ、当該ATモード開始用の結果入賞が成立しなかった場合には、回転演出にてATモード開始用の結果入賞に対応する図柄組合せを仮停止させてATモードを開始させる構成とした。これに対して本実施形態では、準備モード中にATモード開始用の結果当選となった場合であって、当該ATモード開始用の結果入賞が成立した場合であっても、所定条件が成立していないと回転演出にてATモード開始用の結果入賞に対応する図柄組合せを仮停止させてATモードを開始させ、ATモード開始用の結果入賞が成立した場合において上記所定条件が成立していれば、回転演出を実行せずにATモードを開始させない構成とする。
図83(a)に示すように、本実施形態では、入賞態様として、上記第1再遊技~第12再遊技の他に、第13再遊技が設定されている。第13再遊技は、左リール32Lの「赤7」図柄、中リール32Mの「ベル」図柄、右リール32Rの「BAR」図柄が有効ラインML上に停止することで入賞が成立する。第13再遊技入賞が成立する場合、図83(c)に示すように、中ラインL2には「赤7」図柄が揃って停止する。
図83(b)に示すように、本実施形態では、インデックス値IV=1~3にて当選となると、上記第1aの実施形態αの当選役に加えて上記の第13再遊技にも当選する。つまり、インデックス値IV=1にて通常リプA当選となると、第1再遊技当選~第4再遊技当選に加えて、第13再遊技当選となる。また、インデックス値IV=2にて通常リプB当選となると、第1再遊技当選~第4再遊技当選、第6再遊技当選に加えて、第13再遊技当選となる。そして、インデックス値IV=3にて通常リプC当選となると、第1再遊技当選~第3再遊技当選、第5再遊技当選、第6再遊技当選に加えて、第13再遊技当選となる。
本実施形態では、ATモード開始用の結果として、インデックス値IV=1~3にて当選となった場合に入賞が可能となる上記の各種再遊技が設定されている。つまり、本実施形態では、準備モードにおいて通常リプAに当選となって、第1再遊技入賞~第4再遊技入賞、又は第13再遊技入賞が成立した場合にATモードが開始され得るものであり、準備モードにおいて通常リプBに当選となって、第1再遊技入賞~第4再遊技入賞、第6再遊技入賞、又は第13再遊技入賞が成立した場合にATモードが開始され得るものであり、準備モードにおいて通常リプCに当選となって、第1再遊技入賞~第3再遊技入賞、第5再遊技入賞、第6再遊技入賞、又は第13再遊技入賞が成立した場合にATモードが開始され得るものとして設定されている。
但し、本実施形態では、準備モードにおいて上記通常リプA~Cに当選となった場合において、各種再遊技入賞が成立した場合であっても、所定条件のうちの第1条件として第13再遊技入賞が成立した場合であって、所定条件のうちの第2条件として第13再遊技入賞時のストップスイッチ42~44の操作態様が特定操作態様であった場合には、回転演出を行わずに、且つATモードも開始させない構成としている。そして、通常リプA~Cに当選となった場合において、第13再遊技以外の再遊技入賞が成立して所定条件のうちの第1条件が成立していない場合や、第13再遊技入賞が成立している場合であっても入賞時にストップスイッチ42~44の操作態様が特定操作態様ではなく、所定条件のうちの第2条件が成立していない場合には、ATモードが開始される。
本実施形態では、上記の第2条件としての特定操作態様を第13再遊技入賞時の各リール32L,32M,32Rのスベリコマ数が所定数(1)以下となるようなストップスイッチ42~44の操作態様として設定している。つまり、準備モードにおいて通常リプA~Cに当選した場合に、各リール32L,32M,32Rのスベリコマ数を1又は0となるように第13再遊技入賞を成立させた場合にはATモードが開始されず、各リール32L,32M,32Rのスベリコマ数が2~4となるように第13再遊技入賞を成立させた場合には回転演出を経てATモードが開始される。
より具体的には、第13再遊技入賞を成立させる場合には、図83(d)に示すように、左リール32Lの12番目の「スイカ」図柄から14番目の「赤7」図柄が中段に到達したタイミングでストップスイッチ42を操作し、中リール32Mの13番目の「赤貝」図柄から15番目の「ベル」図柄が上段に到達したタイミングでストップスイッチ43を操作し、右リール32Rの12番目の「赤貝」図柄から15番目の「BAR」図柄が上段に到達したタイミングでストップスイッチ44を操作する必要がある。これに対して、上記の所定条件を成立させるように第13再遊技入賞を成立させるためには、左リール32Lの13番目の「青年」図柄から14番目の「赤7」図柄が中段に到達したタイミングでストップスイッチ42を操作し、中リール32Mの14番目の「赤7」図柄から15番目の「ベル」図柄が上段に到達したタイミングでストップスイッチ43を操作し、右リール32Rの14番目の「赤7」図柄から15番目の「BAR」図柄が上段に到達したタイミングでストップスイッチ44を操作する必要がある。第2条件に関わらず第13再遊技入賞を成立させることが可能となる図柄の範囲を引き込み範囲とし、第2条件を成立させるように第13再遊技入賞を成立させることが可能となる図柄の範囲を成功判定範囲とすると、引き込み範囲よりも成功判定範囲の方が狭くなるように(少ない図柄数の範囲となるように)設定されている。
このように、本実施形態では、準備モードにおいて通常リプA~Cに当選となった場合に第13再遊技入賞を成立させる場合のストップスイッチ42~44の操作態様によって、ATモードの開始を回避することが可能な構成としている。このようにすることで、準備モードがなるべく長く継続することを望む遊技者としては、準備モードにおいて通常リプA~C当選となった場合に、ストップスイッチ42~44の操作態様を駆使して第13再遊技入賞を成立させるようになり、かかる準備モード中の遊技性を大きく向上させることが可能となる。
但し、本実施形態においても、準備モードの継続ゲーム数には上限が設けられており、上記第1aの実施形態α及び第1aの実施形態βと同様に、準備モードを40ゲーム消化することで回転演出を経てATモードが開始される構成としている。
以下、上記のような遊技性を実現するための処理構成等について説明する。
図84は、本実施形態におけるAT開始報知用処理を示すフローチャートである。既に説明した通り、AT開始報知用処理は、主制御装置101にて実行される抽選結果対応処理における一処理である。
ステップSa4001では、今回のゲームの抽選結果がいずれかの通常リプA~C当選であるか否かを判定する。いずれかの通常リプA~C当選である場合、ステップSa4002にてAT準備カウンタが0よりも大きく、準備モードのゲーム数が上限に達していない状況であるか否かを判定する。準備モードのゲーム数が上限に達していない状況での通常リプA~C当選である場合には、ステップSa4003にて開始ゲームフラグをセットする処理を実行する。そして、ステップSa4004にて、回避指示コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本AT開始報知用処理を終了する。回避指示コマンドを受信した表示制御装置81は、所定条件を成立させるようにしながら第13再遊技入賞を成立させることでATモードの開始を回避させる回避指示演出を補助表示部65やスピーカ64等にて行うように制御する。ステップSa4001又はステップSa4002にて否定判定した場合には、そのままAT開始報知用処理を終了する。
図85は、本実施形態における準備モード用処理を示すフローチャートである。既に説明した通り、準備モード用処理は、主制御装置101にて実行される入賞結果対応処理における一処理である。
ステップSa4101~ステップSa4105は、上記ステップSa1601~ステップSa1605の処理と同様に、第1ATモードから第2ATモードへ昇格させるための処理を実行する。続くステップSa4106では、ゲームの消化に対応させてAT準備カウンタを1減算する処理を実行する。そして、ステップSa4107にてAT準備カウンタが0となったか否かを判定する。
AT準備カウンタが0となっていない場合、ステップSa4108にて開始ゲームフラグがセットされているか否かを判定する。開始ゲームフラグがセットされており、準備モード中に通常リプA~Cに当選したゲームである場合、ステップSa4109にて、通常リプA~C当選となった場合において入賞可能となる各種再遊技のうち、第13再遊技入賞が成立しているか否かを判定する。第13再遊技入賞が成立しており、所定条件のうちの第1条件が成立している場合、ステップSa4110にて開始回避第1コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行する。開始回避第1コマンドを受信した表示制御装置81は、ATモードの開始を回避させる所定条件のうちの第1条件が成立した旨の回避第1演出を補助表示部65やスピーカ64等にて行うように制御する。
続くステップSa4111では、各リール32L,32M,32Rのスベリコマ数を把握する処理を実行する。ここで、本実施形態では、リール制御処理においてステップSa408のスベリコマ数を算出する処理を行った場合、当該算出したスベリコマ数を各リール32L,32M,32Rに対応させて個別に記憶可能としている。より具体的には、各種カウンタエリア106eには、各リール32L,32M,32Rに対応させて左スベリ数カウンタ、中スベリ数カウンタ、右スベリカウンタが設けられており、それぞれのカウンタにスベリコマ数を入力する。ステップSa4111では、これら各スベリ数カウンタの値を把握することで、今回のゲームにおいて停止させた際の各リール32L,32M,32Rのスベリコマ数を把握することが可能である。なお、これら各スベリ数カウンタは、ゲームの終了に際して0にクリアされる。
ステップSa4112では、いずれのリール32L,32M,32Rのスベリコマ数も0又は1であるか否かを判定する。すなわち、いずれかのスベリ数カウンタが2以上である場合にステップSa4112にて否定判定することになる。
ステップSa4112にて肯定判定した場合、ステップSa4113にて開始ゲームフラグをクリアする処理を実行する。そして、ステップSa4114にて開始回避第2コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本準備モード用処理を終了する。開始回避第2コマンドを受信した表示制御装置81は、ATモードの開始を回避させる所定条件のうちの第2条件が成立した旨の回避第2演出を補助表示部65やスピーカ64等にて行うように制御する。この場合、ATモードの開始用の処理は実行せず、ATモードは開始されない。
これに対して、ステップSa4109にて開始ゲームフラグがセットされているのにもか関わらず、第13再遊技入賞が成立しておらず、準備モード中に通常リプA~Cに当選して場合に第13再遊技以外の再遊技入賞が成立した場合、すなわち、ATモードの開始を回避させる所定条件のうちの第1条件が成立していない場合には、ステップSa4115に進む。また、ステップSa4112にていずれかのスベリ数カウンタが2以上であり、第13再遊技入賞を成立させる場合のストップスイッチ42~44の操作態様が特定操作態様ではなかった場合、すなわち、ATモードの開始を回避させる所定条件のうちの第2条件が成立していない場合にも、ステップSa4115に進む。
ステップSa4115では、ATモード当選フラグをクリアする処理を実行する。そして、ステップSa4116にてATゲームカウンタに50を加算する処理を実行し、ステップSa4117にて、開始ゲームフラグをクリアする処理を実行する。続くステップSa4118では、第1ATモードフラグがセットされているか否かを判定し、セットされている場合には、ステップSa4119にて第1開始時フリーズフラグをセットする処理を実行してから、準備モード用処理を終了する。第1ATモードフラグではなく第2ATモードフラグがセットされている場合、ステップSa4120にて第2開始時フリーズフラグをセットする処理をしてから、準備モード用処理を終了する。つまり、準備モードにおいてATモード開始用の結果当選となったゲームにおいて、第1条件又は第2条件のいずれかが成立しておらず、所定条件が成立していない場合には、回転演出を経てATモードが開始される。
ステップSa4107にてAT準備カウンタが0であると判定した場合、ステップSa4121にて第1ATモードフラグがセットされているか否かを判定し、セットされている場合には、ステップSa4122にて昇格コマンドをセットする処理を実行し、ステップSa4123にて第1ATモードフラグをクリアするとともに第2ATモードフラグをセットする処理を実行する。ステップSa4121にて否定判定した場合や、ステップSa4123の処理を実行した後は、ステップSa4124にてATモード当選フラグをクリアする処理を実行し、ステップSa4125にてATゲームカウンタに50を加算する処理を実行してから、ステップSa4120にて第2開始時フリーズフラグをセットする処理を実行する。これら、準備モードにおいて上限ゲーム数に達した場合の処理は、上記第1aの実施形態αと同様である。
次に、本実施形態における準備モード演出設定処理について、図86(a)のフローチャートを参照しながら説明する。準備モード演出設定処理は、AT開始用処理(図49)におけるステップSa2202にて実施される処理である。
ステップSa4201では、残りゲーム数表示を更新する処理を実行する。残りゲーム数表示とは、準備モードが上限ゲーム数に達するまでのゲーム数を報知するための表示であり、具体的には、例えば、図87(a)に示すように、補助表示部65の所定領域に「残り35」といったように表示するものである。当該残りゲーム数表示は、「残り40」から「残り0」まで1ずつ更新可能としており、ステップSa4201では、ゲームの消化に際して当該残りゲーム数表示を1減算された数を示す表示に更新するための処理を行う。
続くステップSa4202では、回避指示コマンドを受信しているか否かを判定する。回避指示コマンドを受信しており、今回のゲームの抽選結果がATモード開始用の結果としての通常リプA~C当選である場合、ステップSa4203にて回避指示演出を補助表示部65やスピーカ64等にて行うように設定する処理を実行する。回避指示演出としては、例えば、図87(a)に示すように、「赤7」図柄を模したキャラクタを3つ横並びで表示するとともに、「中段に狙え!!」といった文字表示を行い、第13再遊技入賞を成立させて第1条件を成立させるべきこと、及び、第13再遊技を特定操作態様(0コマスベリ、又は1コマスベリにて入賞させる操作態様)にて入賞させて第2条件を成立させるべきこと、を報知する。ステップSa4202にて否定判定した場合、又はステップSa4203の処理を実行した後は、ステップSa4204にて回避第2演出フラグがセットされているか否かを判定し、セットされていない場合には、準備モード演出設定処理を終了する。
次に、本実施形態における回避演出設定処理について、図86(b)のフローチャートを参照しながら説明する。回避演出設定処理は、全停止時演出設定処理(図48)におけるステップSa2222の一処理として実施される処理である。
ステップSa4211では、準備モードフラグがセットされているか否かを判定する。準備モードフラグがセットされている場合、ステップSa4212に進み、開始回避第1コマンドを受信しているか否かを判定する。開始回避第1コマンドを受信しており、第13再遊技入賞が成立し、第1条件が成立している場合には、ステップSa4213にて回避第1演出を補助表示部65やスピーカ64等にて行うように設定する処理を実行する。回避第1演出としては、例えば、図87(b)に示すように、第13再遊技入賞が成立した場合に中ラインL2に揃って停止する「赤7」図柄を3つ横並びで表示して、第13再遊技入賞が成立していることを報知するとともに、「JUDGE!!」といった文字表示を実行することで、この後、第2条件が成立しているか否かが演出により報知されることの告知を行う。
ステップSa4213の処理を実行した後は、ステップSa4214にて開始回避第2コマンドを受信しているか否かを判定する。開始回避第2コマンドを受信しており、0コマスベリ又は1コマスベリによる特定操作態様にて第13再遊技が入賞し、第2条件が成立している場合には、ステップSa4215にて回避第2演出フラグをセットする処理を実行してから、本回避演出設定処理を終了する。ステップSa4211、ステップSa4212又はステップSa4114にて否定判定した場合には、そのまま回避演出設定処理を終了する。
上記ステップSa4215にて回避第2演出フラグをセットすることにより、次ゲームの準備モード演出設定処理において、ステップSa4204にて肯定判定することになる。ステップSa4204にて肯定判定した場合、ステップSa4205にて当該回避第2演出フラグをクリアし、ステップSa4206にて回避第2演出を補助表示部65やスピーカ64等にて行うように設定する処理を実行する。回避第2演出としては、例えば、図88(a)に示すように、「セーフ!!」といった文字表示を行い、第2条件が成立しており、ATモードの開始を回避する所定条件を成立させることに成功した旨の報知を行う。ステップSa4206の処理を実行した後は、準備モード演出設定処理を終了する。
これに対して、準備モード中に通常リプA~Cに当選したゲームにおいて、ステップSa4212にて開始回避第1コマンドを受信しておらず、第13再遊技以外の再遊技入賞が成立している場合や、ステップSa4214にて開始回避第2コマンドを受信しておらず、2コマスベリ~4コマスベリによる操作態様にて第13再遊技が入賞した場合には、上記のように主制御装置101側の準備モード用処理にて第1開始時フリーズフラグや第2開始時フリーズフラグがセットされており(ステップSa4119、ステップSa4120)、当該通常リプA~Cに当選したゲームの次ゲームの開始時に、回転演出が実行される(図88(b)、図88(c))。
つまり、本実施形態では、準備モード中にATモード開始用の結果当選となった場合において、第13再遊技を特定操作態様にて入賞させる、といった所定条件を成立させることに成功した場合には、ATモードの開始を回避することが可能となる。そして、当該所定条件を成立させることに成功し続けて準備モードを最大ゲーム数まで継続させることで、第1ATモードから第2ATモードへの昇格が行われたり、その間の上乗せ抽選等の恩恵を享受することが可能となる。その一方で、準備モード中にATモード開始用の結果当選となった場合において、所定条件を成立させることができなければ、ATモード開始用の結果入賞に対応する図柄組合せが仮停止する回転演出を伴ってATモードが開始する。
この場合、ATモード開始用の結果当選となったゲームにて、所定条件を成立させる特定操作態様に成功したか否かが、当該ATモード開始用の結果当選となったゲームの次のゲームの開始時に報知されるものであり、回転演出が実行されないことで特定操作態様に成功したことが報知され、回転演出が実行されることで特定操作態様に成功しなかったことの報知が行われる。よって、なるべくATモードの開始を遅延させたい遊技者としては、回転演出が実行されないことに期待しながらスタートレバー41を操作することになる。その一方で、回転演出が実行された場合であっても、単にATモードが開始されるのではなく、ATモード開始用の結果入賞に対応する図柄組合せが仮停止するようにしていることから、少なくともATモードの開始をゲームの結果として勝ち取った印象を与えることが可能である。
このようにすることで、自らの操作によってATモードの開始を勝ち取る印象を与えながらも、その勝ち取ったATモードの開始を、自らの操作によって遅延させる遊技を追加することができ、回転演出を利用してATモードを開始させる遊技性を好適に向上させることが可能となる。
また、上記のように、ATモードが開始されることの報知が行われる回転演出の開始タイミングと、ATモードの開始を回避できたことの回避第2演出の実行タイミングとが、いずれも通常リプA~C当選ゲームの次ゲームの開始時としていることから、上記のようにATモードの開始を遅延させる遊技性において、当該遅延させることができたか否かの答え合わせが次ゲームの開始時に行うことが可能となり、遅延させることができたことを望みながら当該次ゲームの開始操作を行うといったように操作に力が入る面白みのある遊技性を実現することが可能となる。
しかも、ATモードの開始を回避することの所定条件のうちの第2条件については、その成否が、停止出目からは判断できないことから、上記の次ゲームの開始操作により一層力が入り、遊技の興趣向上が図られる。
第2条件の成否が判断できない状況で、そのままゲームが終了される構成としていることから、例えば、回避できたか否かの答え合わせを、一旦、休憩をはさんでから行う、といったように、遊技者の自由なタイミングで行うことが可能となる。
<第1aの実施形態δ>
上記第1aの実施形態α~第1aの実施形態γでは、ATモード当選報知演出が行われた後であって、ATモードが開始されるよりも前の準備モードにおいて、ATモード開始用の結果当選となった場合にATモードを開始させる構成としたうえで、準備モードの上限ゲーム数に達した場合にATモード開始用の結果に対応する回転演出を発生させてATモードを開始させる構成としたが、本実施形態では、それをCZモードに適用する。すなわち、本実施形態では、CZモードにおいてATモード移行抽選に当選している状況で所定結果に当選した場合には、当該ATモード移行抽選に当選していることの報知を行う構成としたうえで、CZモードにおいてATモード移行抽選に当選していても所定結果に当選しないままCZモードの上限ゲーム数に達した場合には、当該所定結果に対応する回転演出を発生させてATモード移行抽選に当選していることの報知を行う。
図89は、本実施形態におけるAT抽選用処理を示すフローチャートである。
本実施形態では、ステップSa4302にて天井ゲーム数に到達したと判定した場合や、ステップSa4308にてATモード移行抽選に当選したと判定した場合には、ステップSa4309に進み、ATモード当選フラグをセットする処理を実行する。そして、ステップSa4310にてCZモードフラグがセットされているか否かを判定し、セットされていない場合には、ステップSa4314~ステップSa4318にて前兆モード設定用の処理を実行する。ステップSa4314~ステップSa4318の処理は、上記ステップSa817~ステップSa820の処理と同様である。また、ステップSa4308にてATモード移行抽選に当選していないと判定した場合には、ステップSa813~ステップSa816の処理と同様に、ステップSa4311~ステップSa4314にてCZモードへの移行抽選等を行ったうえで、ステップSa4314~ステップSa4318にて前兆モード設定用の処理を実行する。
これに対して、ステップSa4310にてCZモード中にATモード移行抽選に当選したと判定した場合には、前兆モード設定用の処理を行うことなく、また、CZモードを終了するための処理(ステップSa810、ステップSa811)を実行することなく、そのままAT抽選用処理を終了する。
すなわち、本実施形態では、CZモード中にATモード移行抽選に当選した場合であっても、CZモードは終了せず、CZモード移行時に設定された上限ゲーム数を消化するまでCZモードは継続する構成としている。但し、上記のようにATモード移行抽選に当選したことの情報(ATモード当選フラグ)がセットされることにより、CZモードの残りのゲームでは、ATモード移行抽選は実行されず、AT上乗せ用処理が実行されることになる。
図90は、本実施形態における前兆モード用処理を示すフローチャートである。既に説明した通り、前兆モード用処理は、主制御装置101による入賞結果対応処理における一処理として実施される処理である。
ステップSa4401では、前兆カウンタの減算処理を実行する。そして、ステップSa4402では前兆カウンタが0となったか否かを判定し、0となっていない場合には、そのまま前兆モード用処理を終了する。前兆カウンタが0となった場合には、ステップSa4403にて前兆フラグをクリアし、ステップSa4404にてATモード当選フラグがセットされているか否かを判定し、セットされている場合には、ステップSa4405にてATモード当選フラグをクリアする処理を実行する。そして、ステップSa4406にてAT種別決定処理を実行し、ステップSa4407にてAT準備カウンタに40を入力する処理を実行し、ステップSa4408にてAT当選報知コマンドをセットする処理を実行する。ステップSa4405~ステップSa4408の処理は、ステップSa4405にてATモード当選フラグをクリアする点を除き、ステップSa1205~ステップSa1207の処理と同様である。
ステップSa4408の処理を実行した後は、ステップSa4409にて、各種フラグ格納エリア106dに報知用開始時フリーズフラグをセットする処理を実行してから、前兆モード用処理を終了する。報知用開始時フリーズフラグは、ATモード移行抽選に当選していることの報知を回転演出にて実行することをCPU102が把握するためのフラグである。ATモード移行抽選に当選していることの報知を回転演出にて行うための構成については、後に詳細に説明する。
ステップSa4404にてATモード当選フラグがセットされておらず、今回の前兆モードがCZモード移行抽選に当選したことを契機とするものであった場合、ステップSa4410~ステップSa4413にてCZモードを開始するための処理を実行してから、前兆モード用処理を終了する。ステップSa4410~ステップSa4413の処理は、上記ステップSa1208~ステップSa1211の処理と同様である。
図91は、本実施形態におけるAT当選報知用処理を示すフローチャートである。AT当選報知用処理は、CZモード中にATモード移行抽選に当選していることの報知を行うための処理であり、主制御装置101による抽選結果対応処理における一処理として、例えば、ステップSa613の処理の後に実施される。
ステップSa4501では、今回のゲームの報知用リプ当選であるか否かを判定する。
ここで、本実施形態では、CZモード中にATモード移行抽選に当選したことの報知を、上記第1aの実施形態γにおける通常リプA~Cに当選した場合に実行する構成としており、ステップSa4501にて判定する報知用リプとは、通常リプA~Cが相当する。今回のゲームの抽選結果が通常リプA~Cに当選していない場合には、そのままAT当選報知用処理を終了する。
今回のゲームの抽選結果が通常リプA~Cである場合、ステップSa4502にてCZモードフラグがセットされているか否かを判定する。CZモードフラグがセットされている場合には、ステップSa4503にて、ATモード当選フラグがセットされているか否かを判定する。ステップSa4502又はステップSa4503にて否定判定した場合には、そのままAT当選報知用処理を終了する。CZモードフラグ及びATモード当選フラグがセットのいずれもがセットされている場合には、ステップSa4504に進む。
ステップSa4504では、ATモード当選フラグをクリアする処理を実行する。続くステップSa4505では、AT種別決定処理を実行する。当該AT種別決定処理は、上記ステップSa4406の処理と同様である。なお、CZモード中にATモード移行抽選に当選した場合のAT種別決定処理(ステップSa4505)と、それ以外のAT種別決定処理(ステップSa4406)とで、第1ATモードや第2ATモードに設定する割合が異なるようにしてもよく、CZモード中の方が第2ATモードに設定され易くしてもよい。この点は、上記第1aの実施形態α~第1aの実施形態γも同様である。
続くステップSa4506では、各種フラグ格納エリア106dに当選報知ゲームフラグをセットする処理を実行する。当選報知ゲームフラグは、CZモード中にATモード移行抽選に当選した場合であって、当該ATモード移行抽選に当選したことの報知を行うゲームであることをCPU102が把握するためのフラグである。そして、ステップSa4507にて、操作指示コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、AT当選報知用処理を終了する。操作指示コマンドは、上記第1aの実施形態γにおける回避指示コマンドに相当するものであり、かかる操作指示コマンドを受信した表示制御装置81は、上記の回避指示演出(図87(a))のように、「赤7」図柄を模したキャラクタを3つ横並びで表示させ、第13再遊技入賞を狙って操作すべき状況である旨の報知を補助表示部65やスピーカ64等にて行うための処理を実行する。
図92は、本実施形態におけるCZモード用処理を示すフローチャートである。既に説明した通り、CZモード用処理は、主制御装置101による入賞結果対応処理における一処理として実施される処理である。
ステップSa4601では、CZゲームカウンタの減算処理を実行し、続くステップSa4602にてCZゲームカウンタが0となったか否かを判定する。0となった場合には、ステップSa4603にてCZモードフラグをクリアし、ステップSa4604にてCZ終了コマンドをセットする処理を実行する。
続くステップSa4605ではATモード当選フラグがセットされているか否かを判定する。CZゲームカウンタが0となった状況でATモード当選フラグがセットされていない場合、又はステップSa4602にてCZゲームカウンタが0となっていない場合には、ステップSa4606に進む。
ステップSa4606では、上記の当選報知ゲームフラグがセットされているか否かを判定する。当選報知ゲームフラグがセットされており、CZモード中にATモード移行抽選に当選した場合であって、当該ATモード移行抽選に当選したことの報知を行うべき通常リプA~Cに当選したゲームである場合、ステップSa4607に進み、当該当選報知ゲームフラグをクリアする処理を実行する。そして、ステップSa4608にて、第13再遊技入賞が成立しているか否かを判定し、成立している場合には、ステップSa4609にてCZゲームカウンタを0にクリアする処理を実行するとともに、ステップSa4610にて外部集中端子板121に設けられたAT当選用出力端子をON状態とする処理を実行してから、CZモード用処理を終了する。AT当選用出力端子は、外部集中端子板121を介してスロットマシン10と接続されている遊技ホールのデータ表示器やホールコンピュータに対して、ATモード移行抽選に当選したことの情報を出力するための端子である。AT当選用出力端子の構成については、上記AT用出力端子121dと同様であり、ON状態とすることでAT当選用出力端子から出力される信号がHI信号となり、遊技ホールのデータ表示器やホールコンピュータへATモード移行抽選に当選したことの情報が出力される。なお、AT当選用出力端子は、ON状態とされてから所定数(例えば5)のゲームが消化されることで、OFF状態となる。
ステップSa4605にて、CZモードの終了に際してATモード当選フラグがセットされており、CZモード中にATモード移行抽選に当選したのにもかかわらず、ATモード移行抽選に当選したことの報知を行うべき通常リプA~Cに当選しなかった場合には、ステップSa4611に進む。ステップSa4611では、ATモード当選フラグをクリアする処理を実行する。そして、ステップSa4612にてAT種別決定処理を実行する。なお、当該CZモード終了時のAT種別決定処理と、CZモード中のAT種別決定処理(ステップSa4505)や、それ以外のAT種別決定処理(ステップSa4406)とで、第1ATモードや第2ATモードに設定する割合が異なるようにしてもよく、CZモード終了時のAT種別決定処理の方が第2ATモードに設定され易くしてもよい。
ステップSa4612の処理を実行した後は、ステップSa4613にて報知用開始時フリーズフラグをセットする処理を実行してから、CZモード用処理を終了する。また、ステップSa4608にて、第13再遊技入賞が成立しておらず、CZモード中にATモード移行抽選に当選したことの報知を行うべき結果に当選したのにもかかわらず、対応する結果入賞を成立させることができなかった場合にも、ステップSa4613にて報知用開始時フリーズフラグをセットしてから、CZモード用処理を終了する。
上記のように、本実施形態では、通常モード(非CZモード)においてATモード移行抽選に当選した場合であって前兆ゲーム数を消化した場合と、CZモード中にATモード移行抽選に当選した場合であって通常リプA~Cに当選しないままCZモードの上限ゲーム数に達した場合と、当該CZモード中にATモード移行抽選に当選した場合であって通常リプA~Cに当選したのにもかかわらず第13再遊技入賞を成立させることができなかった場合には、報知用開始時フリーズフラグがセットされる。以下、報知用開始時フリーズフラグがセットされた場合の回転演出処理について、図93のフローチャートを参照しながら説明する。
本実施形態における回転演出処理では、ステップSa4701にて第1開始時フリーズフラグや第2開始時フリーズフラグや、上記の報知用開始時フリーズフラグのいずれかがセットされているか否かを判定する。いずれの開始時フリーズフラグもセットされていない場合には、そのまま回転演出処理を終了する。いずれかの開始時フリーズフラグがセットされている場合には、ステップSa4702にて、今回のゲームの抽選結果が通常リプA~C当選であるか否かを判定し、通常リプA~C当選ではない場合にステップSa4703に進む。ステップSa4703では、回転演出コマンドをセットする処理を実行し、ステップSa4704では、対応する図柄の位置関係を把握する処理を実行する。
そして、ステップSa4705にて第1開始時フリーズフラグがセットされているか否かを判定し、セットされている場合には、ステップSa4706にて、2sec後に第2再遊技入賞となる図柄が揃った状態で各リール32L,32M,32Rが低速にて回転しているように、各リール32L,32M,32Rの加速度を設定する。第1開始時フリーズフラグがセットされていない場合には、ステップSa4707にて第2開始時フリーズフラグがセットされているか否かを判定し、セットされている場合には、ステップSa4708にて、2sec後に第3再遊技入賞となる図柄が揃った状態で各リール32L,32M,32Rが低速にて回転しているように、各リール32L,32M,32Rの加速度を設定する。これら、ステップSa4706やステップSa4708の処理は、上記ステップSa2306やステップSa2307の処理と同様である。
ステップSa4707にて否定判定する場合とは、上記の報知用開始時フリーズフラグがセットされている場合である。この場合、ステップSa4709にて、2sec後に第13再遊技入賞となる図柄が揃った状態で各リール32L,32M,32Rが低速にて回転しているように、各リール32L,32M,32Rの加速度を設定する。より具体的には、例えば、左リール32Lを基準リールとし、把握している図柄位置に基づいて、回転開始前において、当該基準リールに配置された第13再遊技図柄(「赤7」図柄)と、中リール32M及び右リール32Rの第2再遊技図柄(「ベル」図柄、「BAR」図柄)との離間図柄数を把握する。例えば、各リール32L,32M,32Rを同時に正方向に回転開始させた場合において、2sec後までに基準リールとなる左リール32Lは3周だけ回転しているとすると、左リール32Lは20図柄×3周で60図柄分だけ2secで回転することになる。この場合、中リール32Mの第2再遊技図柄と基準リールの第13再遊技図柄の離間図柄数をa図柄、右リール32Rの第2再遊技図柄と基準リールの第13再遊技図柄の離間図柄数をb図柄とすると、中リール32Mの加速度を、2sec後までに60図柄にa図柄を加えた図柄数だけ回転するように設定し、右リール32Rの加速度を、2sec後までに60図柄にb図柄を加えた図柄数だけ回転するように設定する。なお、2sec後に第13再遊技入賞となる図柄組合せが揃って回転するようになってからは、一定である低速回転にて各リール32L,32M,32Rを回転させるように設定する。
ステップSa4706、ステップSa4708又はステップSa4709の処理を実行した後は、ステップSa4710~ステップSa4722にて、各種回転演出用の処理を実行してから、回転演出処理を終了する。ステップSa4710~ステップSa4722の処理は、上記ステップSa2308~ステップSa2318の処理と概ね同様であり、各リール32L,32M,32Rの仮停止時に補助表示部65等にて演出を発生させるための処理だけが異なっている。
すなわち、ステップSa4716にて各リール32L,32M,32Rが仮停止したタイミングとなったと判定した場合に、ステップSa4717にて報知用開始時フリーズフラグがセットされているか否かを判定し、セットされていない場合には、始動時AT開始コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行して、始動時AT開始演出を行わせるようにする。これに対して、ステップSa4717にて報知用開始時フリーズフラグがセットされている場合には、ステップSa4719にてAT当選報知コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行して、AT当選報知演出を行わせるようにする。ステップSa4718又はステップSa4719の処理を実行した後は、仮停止した状態を維持するための処理(ステップSa4720~ステップSa4722)等を実行してから、回転演出処理を終了する。
また、ステップSa4702にて今回のゲームの抽選結果が通常リプA~C当選であると判定した場合、ステップSa4723にてAT準備カウンタが0よりも大きいか否かを判定する。AT準備カウンタが0よりも大きく、準備モード中に通常リプA~Cに当選した場合であって第2再遊技入賞や第3再遊技入賞を成立させることができなかった場合の次のゲームである場合には、ステップSa4703に進み、回転演出を実行するための処理を行う。
AT準備カウンタが0である場合、ステップSa4724にてCZゲームカウンタが0よりも大きいか否かを判定する。CZゲームカウンタが0よりも大きい場合とは、CZモード中にATモード移行抽選に当選し、通常リプA~Cに当選したものの第13再遊技入賞を成立させることができなかった場合には、ステップSa4703に進み、回転演出を実行するための処理を行う。
これに対して、準備モードやCZモードの上限ゲーム数に達した次のゲームが通常リプA~C当選であった場合には、当該ゲームでは回転演出を行うことなく、そのまま回転演出処理を終了する。この場合、準備モードの上限ゲームに達したゲームの次のゲームが通常リプA~C当選であった場合には、第2再遊技入賞や第3再遊技入賞に対応する押し順報知演出が行われ(図56)、CZモードの上限ゲームに達したゲームの次のゲームが通常リプA~C当選であった場合には、第13再遊技入賞を成立させるべき操作指示演出が行われる(図87(a))。
すなわち、AT当選報知用処理(図91)において、ステップSa4502にてCZモードフラグがセットされていない場合、ステップSa4508に進み、報知用開始時フリーズフラグがセットされているか否かを判定する。CZモードフラグがクリアされた後のゲームで報知用開始時フリーズフラグがセットされている場合とは、上記のようにCZモードの上限ゲーム数に達したゲームの次のゲームであることを意味し、当該ゲームの抽選結果が通常リプA~Cである(ステップSa4501:YES)ため、この場合、ステップSa4509にて当該報知用開始時フリーズフラグをクリアしたうえで、ステップSa4507に進み、第13再遊技入賞を成立させるための操作指示コマンドをセットする処理を実行してから、AT当選報知用処理を終了する。
本実施形態においても、回転演出中にAT用出力端子121dがON状態となるように予約状態の設定が行われる。また、上記の報知用開始時フリーズフラグがセットされている場合の回転演出が行われる場合には、当該回転演出中にAT当選用出力端子がON状態となるように予約状態の設定が行われる。具体的には、上記の外部出力設定第1処理(図60)において、第1開始時フリーズフラグ、第2開始時フリーズフラグ及び報知用開始時フリーズフラグのいずれかがセットされている場合に(ステップSa2601:YES)、予約出力フラグがセットされ(ステップSa2602)、予約出力カウンタに2100が入力される(ステップSa2603)。
図94は、本実施形態におけるタイマ更新処理を示すフローチャートである。既に説明した通り、タイマ更新処理は、主制御装置101によるタイマ割込み処理における一処理として実施される処理である。
ステップSa4801~ステップSa4804の処理は、上記ステップSa2701~ステップSa2704の処理と同様である。ステップSa4805では、上記の予約出力フラグがセットされているか否かを判定する。予約出力フラグがセットされている場合には、ステップSa4806にて予約出力カウンタを1減算する処理を実行する。そして、ステップSa4807にて予約出力カウンタが0となったか否かを判定し、0となった場合には、ステップSa4808にて予約出力フラグをクリアする処理を実行する。続くステップSa4809では、上記の報知用開始時フリーズフラグがセットされているか否かを判定し、セットされておらず、第1開始時フリーズフラグや第2開始時フリーズフラグに基づく予約状態である場合には、ステップSa4810にてAT用出力端子121dをON状態とする処理を実行する。これに対して、ステップSa4809にて報知用開始時フリーズフラグがセットされており、ATモード移行抽選に当選したことの報知を行う回転演出における予約状態である場合には、ステップSa4811にてAT当選用出力端子をON状態とする処理を実行する。
ステップSa4805若しくはステップSa4807にて否定判定した場合、又は、ステップSa4810若しくはステップSa4811の処理を実行した後は、ステップSa4812にてその他の各種カウンタの更新処理を実行してから、タイマ更新処理を終了する。
以上のように、第1aの実施形態α等の準備モードにおけるATモードを開始することの報知用の構成を、CZモード中のATモード移行抽選に当選したことの報知に適用してもよく、ATモード移行抽選に当選してATモードへ移行させることを目指す本スロットマシン10の遊技性からすると、ATモード移行抽選に当選した後、ATモード開始用の結果報知が回転演出を含めて行われる第1aの実施形態α等の構成よりも、ATモード移行抽選に当選したことの結果報知が回転演出を含めて行われる本実施形態の構成の方が、これらの結果報知を心待ちにさせる効果が高いといえる。つまり、本実施形態の方が、報知対象となっている結果(ATモード移行当選)を自らの操作で勝ち取った印象を強く与えることが可能となり、回転演出を行う効果や、回転演出中に遊技機外部の装置に情報出力すること等の効果をより好適に奏することが可能となる。
<その他の実施形態>
なお、上述した各実施形態や各変形例の記載内容に限定されず例えば次のように実施してもよい。ちなみに、以下の各構成を個別に上記各実施形態や各変形例に対して適用してもよく、一部又は全部を組み合わせて上記各実施形態や各変形例に対して適用してもよい。また、上記各実施形態や各変形例に示した各種構成の全て又は一部を任意に組み合わせることも可能である。この場合、組み合わせの対象となる各構成の技術的意義(発揮される効果)が担保されることが好ましい。実施形態や変形例の組み合わせからなる新たな構成に対して以下の各構成を個別に適用してもよく、一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。
(1)ATモード開始用の結果やATモード移行当選の報知用の結果として、通常リプA~Cを用いる構成を説明したが、通常リプA~Cとは異なる結果を用いる構成としてもよい。また、通常リプA~Cの当選確率は上記のものに限定されず、これよりも当選し易い(当選確率が高い)ものであってもよいし、当選しにくい(当選確率が低い)ものであってもよい。例えば、ATモード開始用の結果として通常リプA~Cを用いる場合、通常リプA~Cの当選確率の分母が、準備モードの上限ゲーム数以上の数となるような当選確率としてもよく、この場合、準備モードにおいて上限ゲーム数(40)に到達し易いことを前提とした遊技性を実現できる。例えば、準備モードの上限到達前にATモード開始用の結果当選となった場合に遊技者に特典が付与される構成とすることで、準備モード中にATモード開始用の結果当選となることを心待ちにさせる効果や、ATモード開始用の結果入賞を表示させることで自らの操作によりATモードの開始を勝ち取った印象を与える効果を好適に高めることが可能である。なお、上限到達前にATモード開始用の結果当選となった場合に付与する特典とは、例えば、ATモードの初期ゲーム数の上乗せ等が考えられる。また、準備モードの上限到達により第2ATモードへの昇格が確定する構成を変更し、上限到達前にATモード開始用の結果当選となることで第2ATモードへの昇格が確定するといった特典とすることも可能である。
(2)ATモード開始用の結果やATモード移行当選の報知用の結果は、当選確率の設定処理にて設定される設定値によって、その結果当選となる確率が異なる(特に通常リプA)構成としたが、設定値に関わらず、これらATモード開始用の結果やATモード移行当選の報知用の結果当選となる確率が同じ確率である構成としてもよい。また、設定値によって当選確率が異なる構成においても、設定値が高いほど当選しにくい構成に限定されず、設定値が高いほど当選し易い構成としてもよいし、偶数設定と奇数設定とで当選確率が異なる構成としてもよい。
(3)AT種別決定処理を、前兆ゲーム数が0となって準備モードに移行する際に実行する構成としたが、ATモード移行抽選に当選した場合に実行する構成としてもよい。この場合、前兆モード中のゲームにおいても昇格抽選を行う構成としてもよい。
(4)ATモード開始用の結果当選時の押し順報知を、主制御装置101側の指示モニタ68と、表示制御装置81側の補助表示部65との両方で実行する構成としたが、いずれか一方にて実行する構成としてもよく、例えば、主制御装置101側では実行せずに、表示制御装置81側では実行する構成としてもよい。
(5)指示モニタ68は6通りの操作順序をそれぞれ報知可能な構成としたが、例えば、通常リプA~Cのように、ストップスイッチ42~44の操作順序のうち最初に操作すべきストップスイッチ42~44だけが対応付けられた押し順役について、最初に操作すべきストップスイッチ42~44だけを報知する押し順報知の態様が含まれる構成としてもよい。
(6)ATモード終了時に有利区間を終了させる構成としたが、ATモード終了時に有利区間が終了しない場合もある構成としてもよい。例えば、ATモード終了時の有利区間の残りゲーム数に応じて有利区間が終了しない構成としてもよく、具体的には、ATモード終了時の有利区間の残りゲーム数が、当該残りゲーム数にATモード1ゲーム当たりの期待増加枚数を乗じた枚数が、有利区間の上限増加数(2400枚)以下である場合や上限増加数よりも少ない場合には、有利区間を終了させないようにしてもよく、現状の有利区間増減枚数MYに上記の乗じた枚数を加えた枚数が、有利区間の上限増加数(2400枚)以下である場合や上限増加数よりも少ない場合には、有利区間を終了させないようにしてもよい。
(7)有利区間移行時に、区間表示器としての第8表示用セグメントN8を点灯制御する構成としたが、有利区間移行時であっても、第8表示用セグメントN8を点灯制御せず、有利区間中に所定の点灯条件が成立した場合に点灯制御する構成としてもよい。所定の点灯条件は、例えば、ATモードへの移行が確定した場合等、押し順報知が発生し得る状況となった場合に成立するものとしてもよい。
(8)CZモード中に押し順報知が少なくとも1回は実行される構成としてもよい。また、ATモードにおいても押し順報知が少なくとも1回は実行される構成としてもよく、これらATモードやCZモードの残りゲーム数が0となっても、押し順報知が1回実行されるまでは、当該ATモードやCZモードが終了しない構成としてもよい。
(9)ATモードの開始に際して、AT準備カウンタの値に応じてATモードの初期ゲーム数を決定する構成としてもよい。例えば、AT準備カウンタの値が大きいほど、ATモードの初期ゲーム数(ステップSa1611やステップSa1618等でATゲームカウンタに加算する値)が大きくなり易い構成又は大きくなる構成とすることで、準備モードの消化ゲーム数が少ない状況でATモードが開始された場合に、準備モードを十分に消化できなかったこと(昇格抽選を多く受けられなかったこと等)の代償とすることが可能である。
(10)回転演出処理において、低速回転にて回転させた後、仮停止させる構成としたが、通常遊技と同様に、定速回転にて回転させた後、仮停止させる構成としてもよい。
(11)回転演出において、ATモード開始用の結果入賞に対応する図柄組合せを仮停止させる構成としたが、ATモード開始用の結果入賞に対応する図柄組合せとは異なる図柄組合せを仮停止する構成としてもよい。
(12)回転演出において、有効ラインMLにATモード開始用の結果入賞に対応する図柄組合せを仮停止させる構成としたが、有効ラインMLとは異なるラインに当該ATモード開始用の結果入賞に対応する図柄組合せを仮停止させる構成としてもよい。
(13)疑似遊技を含め、回転演出において各リール32L,32M,32Rを仮停止させる場合、停止させずに小刻みに振動させたり、揺れ動かせたり、動作させながら一定の位置に留まらせる構成としてもよい。その意味では、これら各リール32L,32M,32Rを動作させながら一定の位置に留まらせる等することを仮停止とし、動作させないことを停止としてもよい。
(14)疑似遊技を含め、回転演出において停止又は仮停止させずに、低速にて回転させる構成としてもよく、少なくとも、ATモード開始用の結果入賞に対応する図柄組合せが遊技者から視認可能となる状況が生じるように制御される構成であればよい。
(15)準備モードにおいて上限ゲーム数に到達した場合に第2ATモードとなる構成としたが、上限ゲーム数に到達した場合に別途昇格抽選を実行する等して、所定の確率で第2ATモードとなる構成としてもよく、上限ゲーム数に到達した場合であっても第1ATモードである場合があるようにしてもよい。
(16)ATモード開始用の結果当選時に当該ATモード開始用の結果入賞を成立させることができなかった場合に、次ゲームで回転演出を実行することでATモードを開始させる構成としたが、回転演出にてATモードを開始させるゲームは次ゲームに限定されず、次回以降のゲームであればよく、例えば、ATモード開始用の結果入賞を成立させることができなかったゲームから、所定数(例えば3)のゲーム後に回転演出を伴ってATモードを開始させる構成としてもよい。この場合、ATモード開始用の結果入賞を成立させることができなかったゲームから、所定数のゲームまでの間のゲームにおいて、再度ATモード開始用の結果当選となった場合には、回転演出を行うことなく当該ATモード開始用の結果入賞を成立させるように操作指示報知を行う構成としてもよく、再度ATモード開始用の結果当選となったゲームで、回転演出を行うとともに当該操作指示報知を行わないように、回転演出の実行を前倒しにする構成としてもよい。
(17)一の準備モードにおいて、ATモード開始用の結果当選時にATモード開始用の結果入賞を成立させることができなければ、その情報を次回以降の準備モードにも引き継ぎ可能な情報として記憶する構成としてもよい。この場合、例えば、当該ATモード開始用の結果入賞を成立させることができなかった情報があれば、当該準備モードにおいて最初のATモード開始用の結果当選であっても、当該ゲームにて回転演出を行うとともに操作指示報知を行わないようにしてもよい。また、ATモード開始用の結果入賞を成立させることができなかった回数が所定回数に達した場合には、上記のように、最初のATモード開始用の結果当選であっても、回転演出を優先する構成としてもよいし、当該入賞を成立させることができなかった回数に応じて抽選等により、ATモード開始用の結果当選時に回転演出を優先することの決定を行う構成としてもよい。なお、ATモード開始用の結果当選時にATモード開始用の結果入賞を成立させることができなかった情報は、有利区間情報の初期化処理の対象とならない情報として記憶する構成とするとよい。
(18)疑似遊技において、第1クレジット投入スイッチ56が操作された場合には、未停止のリール32L,32M,32Rを全て停止させる構成としたが、第1クレジット投入スイッチ56が操作された場合に、未停止のリール32L,32M,32Rのうちの一部のリールを停止させる構成としてもよい。この場合、いずれのリールを停止させるかは、抽選等により決定する構成としてもよいし、押し順報知を伴って操作指示報知を行っている場合には、その操作順序に応じてリールを停止させる構成としてもよい。
(19)疑似遊技において、第1クレジット投入スイッチ56が操作された場合には、未停止のリール32L,32M,32Rを同時に停止させる構成としたが、順次停止させる構成としてもよい。この場合、停止させる順序は、抽選等により決定する構成としてもよいし、押し順報知を伴って操作指示報知を行っている場合には、その操作順序に応じてリールを停止させる構成としてもよい。
(20)疑似遊技に限られず、回転演出を行うタイミングは、通常遊技の前に限定されるものではなく、通常遊技の後であってもよいし、通常遊技と通常遊技との間であってもよい。
(21)疑似遊技において、5図柄以上のスベリ数を許容する構成としたが、通常遊技と同様に4図柄以内のスベリ数となるように停止制御を行う構成としてもよい。この場合、疑似遊技において停止操作を行っても、第2再遊技入賞や第3再遊技入賞等に対応する図柄組合せが停止しない場合もある。停止しなかった場合には、全リール32L,32M,32R停止後に、又は全リール32L,32M,32R停止前に、再変動を伴って第2再遊技入賞や第3再遊技入賞等に対応する図柄組合せを停止させるようにしても良い。再変動は、対応する図柄が停止していなかったリールだけ行う構成とてもよいし、全リール32L,32M,32R行う構成としてもよい。また、再変動を行わず、第2再遊技入賞や第3再遊技入賞等に対応する図柄組合せが停止していない状態で回転演出を終了してもよく、この場合、次のゲームで再度回転演出を行う構成としてもよい。再度の回転演出では、停止操作を伴わずに自動的に第2再遊技入賞や第3再遊技入賞等に対応する図柄組合せを停止させる態様(第1aの実施形態αの態様)にて回転演出を行う構成としてもよい。
(22)回転演出の対象ゲームの抽選結果がATモード開始用の結果当選であった場合、準備モードの上限ゲーム消化を契機とする対象ゲームであれば回転演出の実行を制限する一方、前ゲームでATモード開始用の結果入賞を成立させることができなかったことを契機とする対象ゲームであれば回転演出の実行を許容する構成としたが、いずれも制限する構成としてもよく、また、いずれも許容する構成としてもよい。また、準備モードの上限ゲーム消化を契機とする対象ゲームであれば疑似遊技での回転演出(第1aの実施形態βの態様)を実行する一方、前ゲームでATモード開始用の結果入賞を成立させることができなかったことを契機とする対象ゲームであれば疑似遊技を伴わない回転演出(第1aの実施形態αの態様)を実行する構成としてもよい。
(23)リール制御処理における外部出力設定第1処理においてゲーム用出力端子121aをON状態とする構成としたが、ゲーム用出力端子121aをON状態とするタイミングは、ゲームの消化に応じたタイミングであればよく、ゲームの終了時(例えば、払出判定処理や、入賞結果対応処理の実行時)であってもよいし、リール制御処理における回転開始処理にて、ゲーム用出力端子121aをON状態とする構成としてもよい。回転開始処理にてゲーム用出力端子121aをON状態とする構成においては、例えば、ウェイト期間の経過後に各リール32L,32M,32Rの回転を開始する際にON状態とする構成としてもよい。この場合、回転開始処理を通常動作の開始タイミングとするならば、回転演出に際してAT用出力端子121dをON状態とするタイミングは、一のゲームにおける通常動作よりも前にON状態等する構成といえる。
(24)AT用出力端子121dをON状態とするタイミングは上記のタイミングに限定されない。例えば、回転演出中にON状態とするならば、ATモード開始用の結果入賞に対応する図柄組合せが仮停止するよりも前のタイミングであってもよく、当該ATモード開始用の結果入賞に対応する図柄組合せが揃った状態で低速にて回転するタイミングであってもよく、当該図柄組合せが揃うよりも前のタイミングであってもよい。また、当該図柄組合せが停止するタイミングと同じタイミングであってもよい。
(25)AT用出力端子121dをON状態とするための予約用の処理(準備カウンタをセットする処理や、予約出力カウンタをセットする処理等)の実行タイミングは、上記のものに限定されない。例えば、ATモード移行抽選に当選した場合に前兆ゲーム数と準備モードの上限ゲーム数との合算のゲーム後にAT用出力端子121dをON状態とするための処理(合算のゲーム数を所定のカウンタにセットする等)を行う構成としてもよく、有利区間移行時に天井ゲーム数と前兆ゲーム数(前兆ゲーム数の上限ゲーム数)と準備モードの上限ゲーム数との合算のゲーム数後にAT用出力端子121dをON状態とするための処理を行う構成としてもよい。また、AT用出力端子121dをON状態とするタイミング(予約出力カウンタ)を設定する処理についても、回転演出を実行する対象ゲームよりも前のゲームにて(例えば準備モード移行時、ATモード移行当選時、有利区間移行時)に当該タイミングを設定する処理を実行する構成としてもよい。
(26)準備モード等に移行する場合にAT準備カウンタ等によってAT用出力端子121dをON状態とするゲームを管理する構成としたが、準備モード等に移行する場合に、別途、AT用出力端子121dをON状態とする予約状態であることを示すフラグをセットする構成としてもよい。この場合、準備モード中等においてATモード開始用の結果当選等となった場合には、上記のフラグをクリアする構成としてもよく、当該結果入賞時に当該フラグをクリアする構成としてもよく、当選時にフラグをクリアするのであれば、当該結果当選時に当該結果入賞を成立させることができなければ、再度当該フラグをセットする構成としてもよい。
(27)ATモード開始用の結果入賞が成立した場合にAT用出力端子121dをON状態とすることを前提とし、回転演出中においてもAT用出力端子121dをON状態とする構成としたが、回転演出においては別の出力端子からATモードへの移行が生じる旨の情報を出力する構成としてもよく、また、回転演出においては別の情報を出力する構成としてもよい。
(28)通常遊技にて停止させた図柄と、疑似遊技にて停止させた図柄とを利用してATモード開始用の結果入賞に対応する図柄組合せを停止させる構成としたが、通常遊技にて停止させた図柄数と、疑似遊技にて停止させた図柄数との割合は上記のものに限定されず、通常遊技にて停止させた図柄を1つ用い、疑似遊技にて停止させた図柄を2つ用いてATモード開始用の結果入賞に対応する図柄組合せを停止させる構成としてもよい。また、当該図柄組合せが全リール数よりも少ない2つの図柄により構成されるようにしたうえで、通常遊技にて停止させた図柄を1つ用い、疑似遊技にて停止させた図柄を1つ用いてATモード開始用の結果入賞に対応する図柄組合せを停止させる構成としてもよい。
(29)1のゲームを前提として、通常遊技にて停止させた図柄と、疑似遊技にて停止させた図柄とを利用してATモード開始用の結果入賞に対応する図柄組合せを停止させる構成としたが、ゲームを跨いで当該図柄組合せを停止させる構成としてもよい。具体的には、前ゲームの通常遊技にて停止させた図柄と、次ゲームの疑似遊技にて停止させた図柄とを用いて当該図柄組合せを停止させる構成としてもよい。この場合、回転演出処理において、前ゲームの通常遊技にて停止させた図柄についてのリールは停止させたままで、当該疑似遊技を行わせるリールを回転させ、当該リールを停止させることで、上記図柄組合せが停止するようにするとよい。そして、当該図柄組合せを停止させた後、回転開始処理により全リール32L,32M,32Rの回転を開始させる構成とするとよい。
(30)回転演出の態様は一例である。例えば、ATモード開始用の結果入賞に対応する図柄組合せが揃った状態で低速回転となるまでの期間を上記のものよりも長くしてもよいし短くしてもよいし、当該図柄組合せが揃った状態で回転することなく、停止タイミングを異ならせることで、停止時に当該図柄組合せが停止する構成としてもよい。また、当該図柄組合せが停止した状態を維持する期間等についても、上記のものよりも長くてもよい短くてもよく、当該期間の経過前に所定の操作(例えば第1クレジット投入スイッチ56の操作)に基づき回転開始処理に移行する構成としてもよい。
(31)準備モードにおいて押し順報知を実行しないようにしたり、昇格抽選や上乗せ抽選を実行しないようにして、準備モードにおいて早期にATモード開始用の結果当選となった方が有利な構成としてもよい。また、CZモードにおいても、ATモード移行抽選に当選した後であっても、ATモード移行当選を報知する結果当選となるまでは上乗せ抽選を実行しない等して、ATモード移行抽選に当選した後、早期にATモード移行当選を報知する結果当選となった方が有利な構成としてもよい。
(32)ATモードを開始させること等を報知するために、通常リプA~Cを用いて、第2再遊技入賞、第3再遊技入賞、第13再遊技入賞等の図柄組合せを停止させる構成としたが、ATモードを開始させること等を報知しない場合には、第2再遊技入賞、第3再遊技入賞、第13再遊技入賞等が成立しないようにしてもよい。例えば、第2再遊技入賞、第3再遊技入賞、第13再遊技入賞等とは異なる操作順序を押し順報知や押し順報知演出にて実行する構成としてもよい。
(33)3ベットゲームにて当選し得るBBとして第1BBを設け、2ベットゲームにて当選し得るBBとして第2BBを設けたが、いずれか一方のBBだけであってもよく、例えば、2ベットゲームにて第2BBに当選し、3ベットゲームではいずれのBBにも当選しない構成としてもよい。
(34)2ベットゲームにて、第2BBに当選する構成としたが、2ベットゲームにて複数種類のBBに当選し得る構成としてもよく、例えば、2ベットゲームにて第1BBと第2BBに当選し得る構成としてもよい。この場合、2ベットゲームにて第1BB入賞と第2BB入賞とが成立し得る構成とし、3ベットゲームでは第1BB及び第2BBのいずれにも当選もせず、更に3ベットゲームでは第1BB入賞と第2BB入賞とのいずれも成立しない構成としてもよい。なお、2ベットゲームと3ベットゲームとの関係が上記のものと逆であってもよい。
(35)第1BB状態と第2BB状態とでいずれも同じ抽選テーブルを用いて、同じ遊技ベースとなるようにしたが、異なる抽選テーブルを用いて、異なる純増枚数となるようにしてもよい。
(36)第1BB状態と、第2BB状態とを、いずれも3ベットゲームにて遊技する構成としたが、例えば、第1BB状態は3ベットゲームにて遊技し、第2BB状態は2ベットゲームにて遊技する、といったように、BB状態の種類によってベット数が異なる構成としてもよい。この場合、第1BB状態の各ゲームは特定規定数とは異なるベット数によるゲームとなり、第2BB状態の各ゲームは特定規定数のベット数によるゲームとなる。
(37)第1BB状態と、第2BB状態との遊技は、いずれも押し順報知用の処理や特定処理等の指示機能に関する実行が制限される構成としたが、例えば、第1BB状態の遊技はこれらの指示機能に関する処理の実行が制限される一方、第2BB状態の遊技はこれらの指示機能に関する処理の実行が許容される、といったように、BB状態の種類によって制限の有無が異なる構成としてもよい。また、CB状態やSB状態、MB状態を設け、これらのうちのいずれか又は全部で、各指示機能に関する処理が制限される又は制限されない構成としてもよい。
(38)3ベットゲームでは第2BB入賞を成立させることができず、2ベットゲームでは第1BB入賞を成立させることができない構成としたが、3ベットゲームでは2ベットゲームよりも第2BB入賞しにくい構成としてもよく、2ベットゲームでは3ベットゲームよりも第1BB入賞しにくい構成としてもよい。
(39)3ベットゲームでは第2BB当選とならず、2ベットゲームでは第1BB当選とならない構成としたが、3ベットゲームでは2ベットゲームよりも第2BBに当選しにくい構成としてもよく、2ベットゲームでは3ベットゲームよりも第1BBに当選しにくい構成としてもよい。
(40)1ベットを設定可能な操作部を設けてもよい。この場合、当該操作部を操作した回数に応じてベット数を異ならせることが可能な構成としてもよい。具体的には、当該操作部を1回操作した場合には1ベットとなり、2回操作した場合には2ベットとなり、3回操作した場合には3ベットとなる構成としてもよい。更に、4回操作した場合には1ベットとなり、5回操作した場合には2ベットとなる、といったように、所望のベット数を通り越してしまった場合でも、再操作によって所望のベット数に設定可能な構成とするとよい。
(41)CZモードの上限ゲーム数を、一律で10ゲームとしたが、そのゲーム数を抽選等により決定する構成としてもよい。また、準備モードの上限ゲーム数を、一律で40ゲームととしたが、そのゲーム数を抽選等により決定する構成としてもよい。
(42)第1BB状態や第2BB状態の1ゲーム当たりのメダルの純増枚数を約プラス0.00枚として、第1BB状態や第2BB状態ではメダルが増えもせず、減りもしない構成としたが、メダルが増加し得る構成としてもよいし、メダルが減少し得る構成としてもよい。この場合、第1BB状態や第2BB状態での純増枚数が、少なくとも内部状態や非内部状態を3ベットゲームにて遊技した場合の純増枚数よりも多い純増枚数数であればよい。
(43)遊技者が、内部状態や非内部状態を3ベットゲームではなく2ベットゲームにて遊技したり、第1BB入賞や第2BB入賞を成立させることで、指示機能に関する各処理の実行が許容される状態から制限される状態に移行する構成としたが、遊技機側で、例えば、所定ゲーム数の消化によって指示機能に関する各処理の実行が許容される状態から制限される状態に移行する構成としてもよい。
(44)各設定値によって出玉率が変化する構成とし、設定1が最も出玉率が低く、設定6が最も出玉率が高くなる構成としたが、設定値によって出玉(遊技媒体)の増減率や増減態様が変化する構成であればよい。例えば、設定1と設定2との出玉率が同じであるなど、一部の設定値の出玉率が同じであって、他の設定値の出玉率が異なる構成としてもよい。また、設定1,3,5は出玉の増減率が高く、設定2,4,6は出玉の増減率が低い構成としてもよい。また、設定1,5は短時間で出玉が所定量増加し長時間で出玉が所定量減少し、設定2,3,4は所定量の増加に設定1,5よりも長時間要するとともに所定量の減少に設定1,5よりも短時間で済み、設定6は出玉の増減がほとんど発生しない構成としてもよい。これらの場合、各設定値の出玉率は同じであってもよい。
(45)リール及びそれに対応するストップスイッチを3つ並列して備えるスロットマシンについて説明したが、かかる構成に限定されるものではなく、例えばリール及びそれに対応するストップスイッチを5つ並列して備えたスロットマシンであってもよい。リールの停止操作における誤操作を抑制するという観点からすると、リール及びそれに対応するストップスイッチは少なくとも2つあればよい。また、ベット数が3である状況で有効ラインが1ラインに設定されるスロットマシンについて説明したが、かかる構成に限定されるものではなく、例えば、有効ラインは5ラインであってもよい。
(46)スロットマシン10について具体化した例を示したが、スロットマシンとパチンコ機とを融合した形式の遊技機に適用してもよい。即ち、スロットマシンのうち、メダル投入及びメダル払出機能に代えて、パチンコ機のような球投入及び球払出機能をもたせた遊技機(所謂、球使用回胴式遊技機)としてもよい。かかる遊技機をスロットマシンに代えて使用すれば、遊技ホールでは球のみを遊技価値として取り扱うことができるため、パチンコ機とスロットマシンとが混在している現在の遊技ホールにおいてみられる、遊技価値たるメダルと球との別個の取扱による設備上の負担や遊技機設置個所の制約といった問題を解消し得る。
(47)上記実施形態では遊技媒体としてのメダルを投入することベット数を設定して遊技が開始可能となり、当該遊技の入賞に対応する特典として所定数のメダルが払い出されるタイプの遊技機について例示したが、メダルを使用しないメダルレスタイプの遊技機を否定するものではない。このようなメダルレスタイプの遊技機においては、例えば、仮想遊技媒体(所定の遊技価値)を用いてゲームのベット数を設定して遊技を開始可能とし、当該遊技の入賞に対応する特典として上記所定数のメダルに応じた仮想遊技媒体(所定の遊技価値)を付与する構成とするとよい。この場合、当該仮想遊技媒体数を所定の表示部にて表示する構成としてもよいし、当該仮想遊技媒体数に対応する情報を本遊技機外部に出力する構成としてもよい。
また、上記のパチンコ機においては、遊技球の払い出しが行われるタイプのパチンコ機だけでなく、遊技機外部に遊技球が排出されない封入タイプのパチンコ機であってもよい。このような封入タイプのパチンコ機においては、例えば賞球数を示す情報を報知する構成とするとよい。
<第2bの実施形態α>
次に、第2bの実施形態αにおけるスロットマシン10の電気的構成について、図95及び図96のブロック図に基づいて説明する。なお、以下の説明においては、特に上記各実施形態と異なる構成について説明し、上記各実施形態と共通する構成についてはその説明を省略する。また、以下の説明においては、上記実施形態と同じ機能を備える構成要素については同じ符号を用いて説明し、同じ符号であっても異なる機能を備える構成要素については、本実施形態における特有の符号として取り扱うものとする。
主制御装置101には、演算処理手段であるCPU102を中心とするマイクロコンピュータが搭載されている。CPU102には、電源装置91の他に、所定周波数の矩形波を出力するクロック回路103や、入出力ポート104などが内部バスを介して接続されている。かかる主制御装置101は、スロットマシン10に内蔵されるメイン基盤としての機能を果たすものである。
主制御装置101の入力側には、リールユニット31(より詳しくは各リール32L,32M,32Rが1回転したことを個別に検出するリールインデックスセンサ)、スタートレバー41の操作を検出するスタート検出センサ41a、各ストップスイッチ42~44の操作を個別に検出するストップ検出センサ42a~44a、メダル投入口45から投入されたメダルを検出する投入メダル検出センサ45a、ホッパ装置51から払い出されるメダルを検出する払出検出センサ51a、第1クレジット投入スイッチ56の操作を個別に検出する第1クレジット投入検出センサ56a、第2クレジット投入スイッチ57の操作を個別に検出する第2クレジット投入検出センサ57a、精算スイッチ59の操作を検出する精算検出センサ59a、リセットスイッチ72の操作を検出するリセット検出センサ72a、設定キー挿入孔73に設定キーが挿入されてON操作されたことを検出する設定キー検出センサ73a等の各種センサが接続されており、これら各種センサからの信号は入出力ポート104を介してCPU102へ出力されるようになっている。
また、主制御装置101の入力側には、入出力ポート104を介して電源装置91が接続されている。電源装置91には、主制御装置101を始めとしてスロットマシン10の各電子機器に駆動電力を供給する電源部91aや、停電監視回路91bなどが搭載されている。
停電監視回路91bは電源の遮断状態を監視し、停電時はもとより、電源スイッチ71による電源遮断時に停電信号を生成するためのものである。そのため停電監視回路91bは、電源部91aから出力されるこの例では直流12ボルトの安定化駆動電圧を監視し、この駆動電圧が例えば10ボルト未満まで低下したとき電源が遮断されたものと判断して停電信号が出力されるように構成されている。停電信号はCPU102と入出力ポート104のそれぞれに供給され、CPU102ではこの停電信号を認識することにより後述する停電処理が実行される。また、この停電信号は表示制御装置81にも供給されるように構成されている。
電源部91aは、出力電圧が10ボルト未満まで低下した場合でも、主制御装置101などの制御系において駆動電圧として使用される5ボルトの安定化電圧が出力されるように構成されている。この安定化電圧が出力される時間としては、主制御装置101による停電処理を実行するに十分な時間が確保されている。
主制御装置101の出力側には、リールユニット31(より詳しくは各リール32L,32M,32Rを回転させるためのステッピングモータ)、セレクタ46に設けられたメダル通路切替ソレノイド46a、ホッパ装置51、クレジット表示部60、残払出枚数表示部61、払出枚数表示部62、指示モニタ68、役比モニタ77、表示制御装置81、図示しないホール管理装置などに情報を送信できる外部集中端子板121等が入出力ポート104を介して接続されている。
上述したCPU102には、このCPU102によって実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM105と、このROM105に記憶されている制御プログラムを実行するにあたって各種のデータを一時的に記憶する作業エリアを確保するためのRAM106の他に、図示はしないが周知のように割込み回路を始めとしてタイマ回路、データ送受信回路などスロットマシン10において必要な各種の処理回路や、クレジット枚数をカウントするクレジットカウンタなどの各種カウンタが内蔵されている。ROM105とRAM106によって記憶手段としてのメインメモリが構成され、各種処理を実行するためのプログラムは、制御プログラムの一部として上述したROM105に記憶されている。
RAM106は、スロットマシン10の電源が遮断された後においても電源装置91からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっている。RAM106には、各種のデータを一時的に記憶するためのメモリや、役の抽選結果を記憶するための当選フラグ格納エリア106a、各リール32L,32M,32Rの停止制御を行う場合に用いる停止情報を記憶するための停止情報格納エリア106b、設定値を記憶するための設定値情報格納エリア106c等の他に、バックアップエリアが設けられている。
バックアップエリアは、停電等の発生により電源が遮断された場合において、電源遮断時(電源スイッチ71の操作による電源遮断をも含む。以下同様)のスタックポインタの値を記憶しておくためのエリアであり、停電解消時(電源スイッチ71の操作による電源投入をも含む。以下同様)には、バックアップエリアの情報に基づいてスロットマシン10の状態が電源遮断前の状態に復帰できるようになっている。バックアップエリアへの書き込みは停電処理(図97参照)によって電源遮断時に実行され、バックアップエリアに書き込まれた各値の復帰は電源投入時のメイン処理において実行される。
また、CPU102のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路91bからの停電信号が入力されるように構成されている。そして、電源遮断時には、停電フラグ生成処理としてのNMI割込み処理が即座に実行されるようになっている。
図96に示すように、表示制御装置81は、演算処理手段であるCPU181を中心とするマイクロコンピュータが搭載されている。CPU181には、このCPU181によって実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM182と、このROM182内に記憶されている制御プログラムを実行するに当たって各種のデータを一時的に記憶する作業エリアを確保するためのRAM183などが内蔵されている。
表示制御装置81には、図示しない入出力ポートが設けられており、入力側に主制御装置101が接続されており、出力側にストップランプ42b~44b、上部ランプ63、スピーカ64、及び補助表示部65が接続されている。そして、主制御装置101から入力する各種コマンドに基づいてストップランプ42b~44b、上部ランプ63、スピーカ64、及び補助表示部65を駆動制御する。つまり、表示制御装置81は、遊技を統括管理するメイン基盤たる主制御装置101との関係では補助的な制御を実行するサブ基盤となっている。即ち、間接的な遊技に関する音声やランプ、表示についてはサブ基盤を設けることにより、メイン基盤の負担軽減を図っている。
表示制御装置81の入力側には、演出スイッチ66(より詳しくは当該演出スイッチ66の操作を検出する演出スイッチ検出センサ)等が接続されている。なお、各種表示部60~62、68も表示制御装置81が駆動制御する構成としてもよい。
また、表示制御装置81に接続されている各構成42b~44b,63~65の全てまたは一部を主制御装置101に直接する構成としたうえで、主制御装置101がこれら各構成42b~44b,63~65の全て又は一部を直接制御する構成としてもよい。
続いて、主制御装置101のCPU102により実行される各制御処理について説明する。かかるCPU102の処理としては、大別して、電源投入に伴い起動されるメイン処理と、定期的に(本実施の形態では1.49msec周期で)起動されるタイマ割込み処理と、NMI端子への停電信号の入力に伴い起動されるNMI割込み処理とがある。以下では、これら各処理のうち遊技の進行に関わる処理、すなわちタイマ割込み処理と、メイン処理にて行われる通常処理とを説明する。
図97は、主制御装置101で定期的に実行されるタイマ割込み処理のフローチャートであり、主制御装置101のCPU102により例えば1.49msec毎にタイマ割込みが発生する。
先ず、ステップSb101に示すレジスタ退避処理では、後述する通常処理で使用しているCPU102内の全レジスタの値をRAM106のバックアップエリアに退避させる。ステップSb102では停電フラグがセットされているか否かを確認し、停電フラグがセットされているときにはステップSb103に進み、停電処理を実行する。
ここで、停電処理について概略を説明する。
停電の発生等によって電源が遮断されると、電源装置91の停電監視回路91bから停電信号が出力され、当該停電信号がNMI端子を介して主制御装置101に入力される。主制御装置101は、停電信号が入力された場合、即座にNMI割込み処理を実行し、停電フラグをRAM106に設けられた停電フラグ格納エリアにセットする。
停電処理では、先ずコマンドの送信が終了しているか否かを判定し、送信が終了していない場合には本処理を終了してタイマ割込み処理に復帰し、コマンドの送信を終了させる。コマンドの送信が終了している場合には、CPU102のスタックポインタの値をRAM106のバックアップエリアに保存する。その後、入出力ポート104における出力ポートの出力状態をクリアし、図示しない全てのアクチュエータをオフ状態にする。そして、停電解消時にRAM106のデータが正常か否かを判定するためのRAM判定値を算出してバックアップエリアに保存することにより、それ以後のRAMアクセスを禁止する。以上の処理を行った後は、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるのに備え、無限ループに入る。なお、例えばノイズ等に起因して停電フラグが誤ってセットされる場合を考慮し、無限ループに入るまでは停電信号が出力されているか否かを確認する。停電信号が出力されていなければ停電状態から復旧したこととなるため、RAM106への書き込みを許可するとともに停電フラグをリセットし、タイマ割込み処理に復帰する。停電信号の出力が継続してなされていれば、そのまま無限ループに入る。ちなみに、無限ループ下においても停電信号が出力されているか否かを確認しており、停電信号が出力されなくなった場合にはメイン処理に移行する。
タイマ割込み処理の説明に戻り、ステップSb102にて停電フラグがセットされていない場合には、ステップSb104以降の各種処理を行う。
すなわち、ステップSb104では、誤動作の発生を監視するためのウオッチドッグタイマの値を初期化するウオッチドッグタイマのクリア処理を行う。ステップSb105では、CPU102自身に対して次回のタイマ割込みを設定可能とする割込み終了宣言処理を行う。ステップSb106では、各リール32L,32M,32Rを回転させるために、それぞれの回胴駆動モータであるステッピングモータを駆動させるステッピングモータ制御処理を行う。ステップSb107では、入出力ポート104に接続されたストップ検出センサ42a~44a,投入メダル検出センサ45a,払出検出センサ51a等の各種センサ(図95参照)の状態を読み込むとともに、読み込み結果が正常か否かを監視するセンサ監視処理を行う。ステップSb108では、各カウンタやタイマの値を減算・加算するタイマ更新処理を行う。ステップSb109では、メダルのベット数や、払出枚数をカウントした結果を外部集中端子板121へ出力するカウンタ処理を行う。
ステップSb110では、後述する抽選結果コマンド等の各種コマンドを表示制御装置81へ送信するコマンド出力処理を行う。ステップSb111では、クレジット表示部60、残払出枚数表示部61、払出枚数表示部62及び指示モニタ68にそれぞれ表示されるセグメントデータを設定するセグメントデータ設定処理を行う。ステップSb112では、セグメントデータ設定処理で設定されたセグメントデータを各表示部60~62,68に供給して該当する数字、記号などを表示するセグメントデータ表示処理を行う。ステップSb113では、入出力ポート104からI/O装置に対応するデータを出力するポート出力処理を行う。ステップSb114では、先のステップSb101にてバックアップエリアに退避させた各レジスタの値をそれぞれCPU102内の対応するレジスタに復帰させる。その後ステップSb115にて次回のタイマ割込みを許可する割込み許可処理を行い、この一連のタイマ割込み処理を終了する。
次に、遊技に関わる主要な制御を行う通常処理について図98のフローチャートに基づき説明する。
先ずステップSb201では、次回のタイマ割込みを許可する割込み許可処理を行う。ステップSb202では、遊技を可能とするための開始前処理を行う。開始前処理では、表示制御装置81等が初期化を終了するまで待機する。表示制御装置81等の初期化が終了した場合には、ステップSb203~ステップSb212に示す遊技管理処理を行う。
遊技管理処理として、ステップSb203では、RAM106に格納された各種遊技情報等のデータ(例えば前回の遊技で用いた乱数値等)をクリアする。その後、ステップSb204では開始待ち処理を行う。
開始待ち処理では、前回の遊技でいずれかの再遊技入賞が成立したか否かを判定する。いずれかの再遊技入賞が成立していた場合には、前回のベット数と同数の仮想メダルを自動投入する自動投入処理を行い、開始待ち処理を終了する。具体的には、例えば、3ベットゲームにて再遊技入賞が成立した場合には3枚の仮想メダルを自動投入する処理を行い、2ベットゲームにて再遊技入賞が成立した場合には2枚の仮想メダルを自動投入する処理を行う。
なお、自動投入処理では、クレジット表示部60に表示された仮想メダル数を減じることなく仮想メダルの投入を行う。つまり、前回の遊技でいずれかの再遊技入賞が成立した場合には、遊技者は所有するメダルを減らすことなく且つメダルを投入することなく今回の遊技を行うことができる。いずれの再遊技入賞も成立していなかった場合には、タイマ割込み処理のセンサ監視処理(ステップSb107)にてなされたセンサの読み込み結果に異常が発生していないかを確認するセンサ異常確認処理を行い、異常が発生している場合にはスロットマシン10をエラー状態とするとともにエラーの発生を報知する異常発生時処理を行う。かかるエラー状態は、リセットスイッチ72が操作されるまで維持される。センサの読み込み結果が正常である場合には精算スイッチ59が操作されたか否かを判定し、精算スイッチ59が操作された場合には、クレジットされた仮想メダルと同数のメダルを払い出すメダル返却処理を行う。
メダル返却処理の終了後又は精算スイッチ59が操作されていない場合には、前回の開始待ち処理から今回の開始待ち処理までの間にメダルの投入又はクレジット投入スイッチ56,57の操作がなされたか否かを判定し、いずれかが行われた場合には、ベット数の変更等を行うメダル投入処理を行い、開始待ち処理を終了する。また、前回の開始待ち処理から今回の開始待ち処理までの間にメダルの投入とクレジット投入スイッチ56,57の操作のいずれもなされていない場合には、そのまま開始待ち処理を終了する。
開始待ち処理の終了後、ステップSb205ではメダルのベット数が規定枚数に達しているか否かを判定する。本スロットマシン10では、ボーナス状態(BB状態)における規定枚数として「3」が設定されており、ボーナス状態以外の遊技状態における規定枚数として「2」及び「3」が設定されている。つまり、ボーナス状態においては、ベット数が「3」となっていることを条件にステップSb205にて肯定判定し、ボーナス状態以外ではベット数が「2」又は「3」となっていることを条件にステップSb205にて肯定判定する。言い換えると、ボーナス状態以外の遊技状態において、メダルがベットされていない場合、又は、ベットされていてもベット数が「1」である場合にはステップSb205にて否定判定する。ベット数が規定枚数に達していない場合には、ステップSb204の開始待ち処理に戻り、当該処理のうちセンサ異常確認処理以降の処理を行う。
ベット数が規定枚数に達している場合には、ステップSb205にて肯定判定することとなったベット数の情報を含むベットコマンドを、ステップSb206にてサブ側の制御装置としての表示制御装置81への出力対象としてセットする。ここでセットされたコマンドは、タイマ割込み処理におけるステップSb110にて表示制御装置81へ出力される。ベットコマンドを受信した表示制御装置81では、ベット操作に基づく報知(例えば、遊技開始条件が成立したことの報知や、以前のゲームでの抽選結果の報知)のための処理を実行し、スピーカ64や補助表示部65の制御を行う。
ステップSb206の処理を実行した後は、ステップSb207にてスタートレバー41が操作されたか否かを判定する。スタートレバー41が操作されていない場合には、ステップSb204の開始待ち処理に戻り、当該処理のうちセンサ異常確認処理以降の処理を行う。
一方、スタートレバー41が操作された場合には、規定枚数のメダルがベットされている状況下でスタートレバー41が操作されると遊技を開始できる構成となっているため、遊技を開始させるべく開始指令が発生したことを意味する。かかる場合には、ステップSb208にてベット数と対応する組合せラインを有効ラインと設定する有効ライン設定処理を行う。すなわち、折れ曲がりラインL6のみを有効ラインと設定する。ステップSb209では、メダル通路切替ソレノイド46aを非励磁状態に切り替えてベット受付を禁止する。その後、ステップSb210の抽選処理、ステップSb211のリール制御処理、ステップSb212のメダル払出処理を順に実行し、ステップSb203に戻る。
次に、ステップSb210の抽選処理について、図99のフローチャートに基づき説明する。
ステップSb301では、役の当否判定を行う際に用いる乱数を取得する。本スロットマシン10では、スタートレバー41が操作されると、ハード回路がその時点におけるフリーランカウンタの値をラッチする構成となっている。フリーランカウンタは0~65535の乱数を生成しており、CPU102は、スタートレバー41の操作を確認した後、ハード回路がラッチした値をRAM106に格納する。かかる構成とすることにより、スタートレバー41が操作されたタイミングで速やかに乱数を取得することが可能となり、同期等の問題が発生することを回避することが可能となる。本スロットマシン10のハード回路は、スタートレバー41が操作される毎にその都度のフリーランカウンタの値をラッチする構成となっている。
乱数を取得した後、ステップSb302では、役の当否判定を行うための抽選テーブルを選択する。本スロットマシン10では、遊技状態として、大別して通常遊技状態及びボーナス状態を有しており、抽選テーブルは、各遊技状態用にそれぞれ設定されている。そして、通常遊技状態においては、上記のようにベットの規定枚数が「3」と「2」が設定されていることから、通常遊技状態用の抽選テーブルは、3ベットゲームでの抽選テーブルと、2ベットゲームでの抽選テーブルとが設定されている。
すなわち、ステップSb302では、ベット数と遊技状態と対応した抽選テーブルを選択する。例えば、ベット数が「3」であって、いずれかのボーナス状態フラグがセットされていない場合には、現在の遊技状態が通常遊技状態であると判別し、通常遊技状態用抽選テーブルを選択する。そして、今回のゲームが3ベットゲームである場合には、3ベットゲーム用の通常遊技状態用抽選テーブル(図100)を選択し、今回のゲームが2ベットゲームである場合には、2ベットゲーム用の通常遊技状態用抽選テーブル(図101)を選択する。また、本スロットマシン10では、「設定1」から「設定6」まで6段階の当選確率が予め用意されており、設定キー挿入孔に設定キーを挿入してON操作するとともに所定の操作を行うことにより、いずれの当選確率に基づいて内部処理を実行させるのかを設定することができる。ステップSb302では、設定状態が「設定1」のときにメダル払出の期待値が最も低い抽選テーブルを選択し、「設定6」のときにメダル払出の期待値が最も高い抽選テーブルを選択する。
ここで、当選確率の設定に関する処理について補足説明する。
当選確率の設定処理は、電源投入時に主制御装置101にて起動されるメイン処理にて実行される。より詳しくは、当選確率の設定処理は、設定キー挿入孔に設定キーが挿入されてON操作されていることを設定キー検出センサ73aにて検出している状態で、電源投入された場合に、RAM106の初期化処理の後に起動される。当選確率の設定処理では、所定の操作として、スタートレバー41の操作毎に設定値を1ずつ更新し、例えば、スタートレバー41が1回操作される度に、「設定1」→「設定2」→「設定3」→「設定4」→「設定5」→「設定6」→「設定1」となるように設定値を更新する。なお、各設定値は、例えばクレジット表示部60にて表示され、上記設定値の更新毎にその表示も更新される。そして、設定キー検出センサ73aがOFF操作された状態でスタートレバー41が操作されたことを設定値の確定操作とし、その時点での設定値を今回の設定値として、当選確率の設定処理を終了する。当選確率の設定処理の終了に基づいて、クレジット表示部60の表示も終了する。当選確率の設定処理で設定された設定値は、次の当選確率の設定処理が起動されるまで、RAM106に記憶保持される。ステップSb302では、この記憶されている設定値に基づいて、抽選テーブルを選択する処理を行うこととなる。
抽選テーブルについて、簡単に説明する。図100は、3ベットゲームにおいて通常遊技状態で選択される通常遊技状態用抽選テーブルである。また、図101は、2ベットゲームにおいて通常遊技状態で選択される通常遊技状態用抽選テーブルである。抽選テーブルには、インデックス値IVが設定されており、各インデックス値IVには、当選となる役がそれぞれ一義的に対応付けられるとともにポイント値PVが設定されている。
抽選テーブルを選択した後、ステップSb303ではインデックス値IVを1とし、続くステップSb304では役の当否を判定する際に用いる判定値DVを設定する。かかる判定値設定処理では、現在の判定値DVに、現在のインデックス値IVと対応するポイント値PVを加算して新たな判定値DVを設定する。なお、初回の判定値設定処理では、ステップSb301にて取得した乱数値を現在の判定値DVとし、この乱数値に現在のインデックス値IVである1と対応するポイント値PVを加算して新たな判定値DVとする。
その後、ステップSb305ではインデックス値IVと対応する役の当否判定を行う。役の当否判定では判定値DVが65535を超えたか否かを判定する。65535を超えた場合には、ステップSb306にて、ステップSb305にて肯定判定したインデックス値IVに応じた遊技結果の当選フラグを、当選フラグ格納エリア106aにセットする処理を実行する。例えば、IV=23のときに判定値DVが65535を超えた場合、ステップSb306にて第7小役当選フラグ及び第8小役当選フラグをセットする。また、IV=25のときに判定値DVが65535を超えた場合、ステップSb306にて第1BB当選フラグをセットし、IV=26のときに判定値DVが65535を超えた場合、ステップSb306にて第2BB当選フラグをセットする。
ちなみに、セットされた当選フラグが第1BBに当選したことを示す当選フラグ(第1BB当選フラグ)又は第2BBに当選したことを示す当選フラグ(第2BB当選フラグ)でない場合、当選フラグ格納エリア106aにセットされた当選フラグは該当選フラグがセットされたゲームの終了後にリセットされる(通常処理のSb203参照)。一方、当選フラグが第1BB当選フラグ又は第2BB当選フラグである場合、これら当選フラグは対応する入賞が成立したことを条件の1つとしてリセットされる。すなわち、第1BB当選フラグ及び第2BB当選フラグは、複数回のゲームに亘って有効とされる場合がある。
なお、第1BB当選フラグ又は第2BB当選フラグを持ち越した状態におけるステップSb306では、第1BB,第2BB以外の役に当選していれば対応する当選フラグをセットし、第1BB,第2BB以外の役に当選していなければ対応する当選フラグをセットしない。
すなわち、例えば、第1BB当選フラグが持ち越された状態で、例えば、インデックス値IV=25のときに判定値DVが65535を超えた場合、第1BB当選フラグはセットしない。また、第1BB当選フラグが持ち越された状態で、例えば、インデックス値IV=11のときに判定値DVが65535を超えた場合、第1小役当選フラグ、第9小役当選フラグ、第10小役当選フラグ及び第13小役当選フラグをセットする。
なお、第1BB当選フラグ又は第2BB当選フラグを持ち越した状態における抽選テーブルを別途用意しておき、第1BB当選フラグ又は第2BB当選フラグを持ち越した状態では、当該別途用意した抽選テーブルにて抽選処理を行う構成としてもよい。この場合、当該別途用意した抽選テーブルにおいては、第1BB,第2BBに当選しないように各インデックス値IVやポイント値PV値を設定するとよい。
ステップSb305にて判定値DVが65535を超えなかった場合には、インデックス値IVと対応する役に外れたことを意味する。かかる場合にはステップSb307にてインデックス値IVを1加算し、続くステップSb308ではインデックス値IVと対応する役があるか否か、すなわち当否判定すべき判定対象があるか否かを判定する。具体的には、1加算されたインデックス値IVが抽選テーブルに設定されたインデックス値IVの最大値を超えたか否かを判定する。当否判定すべき判定対象がある場合にはステップSb304に戻り、役の当否判定を継続する。このとき、ステップSb304では、先の役の当否判定に用いた判定値DV(すなわち現在の判定値DV)に現在のインデックス値IVと対応するポイント値PVを加算して新たな判定値DVとし、ステップSb305では、当該判定値DVに基づいて役の当否判定を行う。
ちなみに、図100に示した抽選テーブルを用いて役の当否判定を行う場合、すなわち、通常遊技状態において3ベットゲームで遊技を行った場合、通常リプAに当選となる確率(IV=1の際に当選となる確率)は、設定1では約27.3分の1であり、設定3では約27.5分の1であり、設定6では約28.3分の1であり、設定値が高くなるほど当選しにくくなるように設定されている。通常リプBに当選となる確率(IV=2の際に当選となる確率)及び通常リプCに当選となる確率(IV=3の際に当選となる確率)は、いずれも設定値に関わらず約26.2分の1である。チャンス目Aに当選となる確率(IV=4の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約164分の1であり、チャンス目Bに当選となる確率(IV=5の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約262分の1であり、チャンス目Cに当選となる確率(IV=6の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約16400分の1であり、チャンス目Cよりもチャンス目Bの方が当選し易く、チャンス目Bよりもチャンス目Aの方が当選し易くなるように設定されている。チェリーAに当選となる確率(IV=7の際に当選となる確率)は、設定1では約107分の1であり、設定3では約104分の1であり、設定6では約93.6分の1であり、設定値が高くなるほど当選し易くなるように設定されている。チェリーBに当選となる確率(IV=8の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約215分の1であり、チェリーCに当選となる確率(IV=9の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約13100分の1であり、チェリーCよりもチェリーBの方が当選し易く、チェリーBよりもチェリーAの方が当選し易くなるように設定されている。共通ベルに当選となる確率(IV=10の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約504分の1である。順押しベル1、順押しベル2、挟み押しベル1、挟み押しベル2、中順押しベル1、中順押しベル2、中逆押しベル1、中逆押しベル2、逆挟みベル1、逆挟みベル2、逆押しベル1、逆押しベル2(以下では、これらをまとめて押し順ベルと称する)に当選となる確率(IV=11~22の際に当選となる確率)は、設定値に関わらずそれぞれ約18.4分の1であり、押し順ベルに当選となる確率をまとめると約1.53分の1である。スイカに当選となる確率(IV=23の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約107分の1である。第1BBに当選となる確率(IV=25の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約5.03分の1であり、他の役(再遊技や小役、IV=1~24)の当選確率よりも高く設定されている。3ベットゲームにおいては重複1枚役(IV=24)や第2BB(IV=26)には当選しないように設定されている(対応するポイント値PVに0が設定されている)。3ベットゲームにおいて、第1BBを含めていずれの役にも当選しない確率は0となっている。そして、第1BBに当選している状況では、3ベットゲームにおいていずれの役にも当選しない確率は、設定値に関わらず約5.03分の1(第1BBの分)である。ちなみに、3ベットゲームにおいては、第1BB状態での増加分を除いて、1ゲーム当たり約1.77枚のメダル減少が期待できる(純増枚数マイナス約1.77枚)。
これに対して、図101に示した抽選テーブルを用いて役の当否判定を行う場合、すなわち、通常遊技状態において2ベットゲームで遊技を行った場合、通常リプA、通常リプB、通常リプC、チャンス目A、チャンス目B、チャンス目C、チェリーA、チェリーB、チェリーCに当選となる確率(IV=1~9の際に当選となる確率)は、上記3ベットゲームで遊技を行った場合の確率と同じ確率である。共通ベルに当選となる確率(IV=10の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約9.64分の1であり、3ベットゲームで遊技を行った場合よりも当選し易くなるように設定されている。押し順ベル(IV=11~22)は、2ベットゲームでは当選しないように設定されている。スイカに当選となる確率(IV=23の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約257の1であり、3ベットゲームで遊技を行った場合よりも当選しにくくなるように設定されている。2ベットゲームにおいては重複1枚役(IV=24)に当選し得るように設定されており、その確率は設定値に関わらず約1.81分の1である。また、2ベットゲームでは第1BB(IV=25)には当選しないように設定されている一方、第2BB(IV=26)に当選し得るように設定されており、その確率は設定値に関わらず約4.95分の1である。2ベットゲームにおいても、第2BBを含めていずれの役にも当選しない確率は0となっている。そして、第2BBに当選している状況では、2ベットゲームにおいていずれの役にも当選しない確率は、設定値に関わらず約4.95分の1(第2BBの分)である。ちなみに、2ベットゲームにおいては、第2BBの増加分を除いて、1ゲーム当たり約0.64枚のメダル減少が期待できる(純増枚数マイナス約0.64枚)。
ステップSb306にて当選フラグをセットした後、又はステップSb308にて当否判定すべき判定対象がないと判定した場合には、役の当否判定が終了したことを意味する。かかる場合には、ステップSb309に進み、ストップスイッチ42~44の操作を所定期間無効とするフリーズ演出を実行するか否かを決定すべくフリーズ抽選処理を行う。
続くステップSb310では、抽選結果対応処理を行う。抽選結果対応処理では、ステップSb301~ステップSb308の抽選の結果に応じて遊技状態を移行させるか否かの処理や、押し順役の報知用の処理等を行う。当該抽選結果対応処理については、後に詳細に説明する。
ステップSb310の処理を実行した後は、ステップSb311にて抽選結果コマンドをセットする。ここで、抽選結果コマンドとは、役の当否判定の結果を把握させるべく表示制御装置81に対して送信されるコマンドである。但し、通常処理では、上記抽選結果コマンド等の各種コマンドをリングバッファにセットするのみであって、表示制御装置81に対してコマンドを送信しない。表示制御装置81へのコマンド送信は、先述したタイマ割込み処理のコマンド出力処理(ステップSb110)にて行われる。
そして、ステップSb312では、今回のゲームの抽選結果に基づいて各リール32L,32M,32Rに停止可能な図柄を設定する停止情報設定処理を実行する。停止情報設定処理では、ステップSb306にてセットされる当選フラグに基づいて、入賞可能な役に応じた停止図柄情報を設定する。例えば、押し順ベル1に当選(IV=11の際に当選)となり、第1小役当選フラグ、第9小役当選フラグ、第10小役当選フラグ及び第13小役当選フラグがセットされた場合、第1小役、第9小役、第10小役及び第13小役入賞に対応する図柄が各リール32L,32M,32Rに停止可能となるように停止図柄情報を設定する。また、スイカに当選(IV=23の際に当選)となり、第7小役当選フラグ及び第8小役当選フラグがセットされた場合、第7小役入賞及び第8小役入賞に対応する図柄が各リール32L,32M,32Rに停止可能となるように停止図柄情報を設定する。
本スロットマシン10においては、第1BBは3ベットゲームでおいてのみ入賞が成立し得るように設定されており、第2BBは2ベットゲームにおいてのみ入賞が成立し得るように設定されている。そのため、第1BB当選フラグがセットされている場合であっても、2ベットゲームでゲームが開始された場合には、ステップSb312の停止情報設定処理では、第1BB入賞を成立させる停止図柄情報の設定を行わない(第1BB入賞を回避する停止図柄情報の設定が行われる)。また、第2BB当選フラグがセットされている場合であっても、3ベットゲームでゲームが開始された場合には、ステップSb312の停止情報設定処理では、第2BB入賞を成立させる停止図柄情報の設定を行わない(第2BB入賞を回避する停止図柄情報の設定が行われる)。
続くステップSb313では、ステップSb312にて複数の停止可能な図柄情報が設定された場合に、その優先順位を設定する優先設定処理を実行する。例えば、小役,再遊技,ボーナスの各役種のうち複数の役種に当選している場合、以下に示す優先順位を設定する。小役とボーナスに当選している場合には、小役入賞が優先して成立するように、小役入賞を成立させることができない場合にボーナス入賞が成立するようにして、優先順位を設定する。再遊技とボーナスに当選している場合には、再遊技入賞が優先して成立するようにして優先順位を設定する。
例えば、第1BBに当選している状況(第1BB当選フラグがセットされており、第1BB当選が持ち越されている状況)で、更にスイカに当選し、第1BB入賞と、第7小役入賞及び第8小役入賞とに対応する停止図柄情報の設定が行われている場合、第1BB入賞よりも第7小役入賞、第8小役入賞が優先して成立するように優先順位を設定する。また、第2BBに当選している状況(第2BB当選フラグがセットされており、第2BB当選が持ち越されている状況)で、更に通常リプAに当選し、第2BB入賞と、第1再遊技、第2再遊技、第3再遊技及び第4再遊技入賞とに対応する停止図柄情報の設定が行われている場合、第2BB入賞よりも各再遊技入賞が優先して成立するように優先順位を設定する。
ここで、再遊技に当選している場合、当選している再遊技のうちのいずれかの再遊技が必ず入賞するように、入賞となる図柄の組合せが設定されている。つまり、再遊技に当選している場合には再遊技入賞が必ず成立し、取りこぼしは発生しない。そのため、再遊技とボーナスとの停止図柄情報の設定が行われている場合、設定されている再遊技のいずれかの再遊技入賞が必ず成立し、ボーナス入賞が成立することがない。
ステップSb313の処理を実行した後は、ステップSb314にて区間表示第1処理を実行してから、抽選処理を終了する。区間表示第1処理は、指示モニタ68や役比モニタ77の表示制御に関する処理であり、かかる処理については後に詳細に説明する。
次に、ステップSb211のリール制御処理について、図102のフローチャートに基づき説明する。
リール制御処理では、先ずステップSb401にて、回転演出処理を行う。回転演出処理は、上記ステップSb309にて行ったフリーズ抽選処理の結果や、ステップSb310にて行った抽選結果対応処理の結果等に基づいて、無効期間中のリール制御を用いた演出を行うための処理である。続くステップSb402では、各リール32L,32M,32Rの回転を開始させる回転開始処理を行う。
回転開始処理では、前回の遊技でリールが回転を開始した時点から予め定めたウエイト時間(例えば4.1秒)が経過したか否かを確認し、経過していない場合にはウエイト時間が経過するまで待機する。ウエイト時間が経過した場合には、次回の遊技のためのウエイト時間を再設定するとともに、RAM106に設けられたモータ制御格納エリアに回転開始情報をセットするモータ制御初期化処理を行う。かかる処理を行うことにより、タイマ割込み処理のステッピングモータ制御処理(ステップSb106)にてステッピングモータの加速処理が開始され、各リール32L,32M,32Rが回転を開始する。このため、遊技者が規定枚数のメダルをベットしてスタートレバー41を操作したとしても、直ちに各リール32L,32M,32Rが回転を開始しない場合がある。その後、各リール32L,32M,32Rが所定の回転速度で定速回転するまで待機し、回転開始処理を終了する。また、CPU102は、各リール32L,32M,32Rの回転速度が定速となると、表示制御装置81にその旨の進行(コマンド)を出力し、表示制御装置81側のCPU181は、各ストップスイッチ42~44に内蔵されているストップランプ42b~44bを点灯表示することにより、停止指令を発生させることが可能となったことを遊技者等に報知する。
回転開始処理に続き、ステップSb403では、ストップスイッチ42~44のいずれかが操作されたか否かを判定する。いずれのストップスイッチ42~44も操作されていない場合には、ストップスイッチ42~44のいずれかが操作されるまで待機する。ストップスイッチ42~44のいずれかが操作されたと判定した場合には、ステップSb404に進み、回転中のリールと対応するストップスイッチが操作されたか否か、すなわち停止指令が発生したか否かを判定する。停止指令が発生していない場合には、ステップSb403に戻り、ストップスイッチ42~44のいずれかが操作されるまで待機する。停止指令が発生した場合には、ステップSb405にて停止指令コマンドをセットする。ここで、停止指令コマンドとは、いずれのストップスイッチが操作されて停止指令が発生したのかを把握させるべく表示制御装置81に対して送信されるコマンドである。停止指令コマンドをセットした場合には、回転中のリールを停止させるべくステップSb406~ステップSb412に示す停止制御処理を行う。停止指令コマンドを受信した表示制御装置81は、対応するリールを停止させることの演出を補助表示部65やスピーカ64にて行うように制御するとともに、今回操作されたストップスイッチ42~44に対応するストップランプ42b~44bを消灯するように制御する。
ステップSb406では、ストップスイッチの操作されたタイミングで基点位置(本実施形態では下段)に到達している到達図柄の図柄番号を確認する。具体的には、リールインデックスセンサの検出信号が入力された時点から出力した励磁パルス数により、基点位置に到達している到達図柄の図柄番号を確認する。続くステップSb407では、停止情報格納エリア106bに格納されている停止情報に基づいて、今回停止させるべきリールのスベリ数を算出する。本スロットマシン10では、各リール32L,32M,32Rを停止させる停止態様として、ストップスイッチ42~44が操作された場合に、基点位置に到達している到達図柄をそのまま停止させる停止態様と、対応するリールを1図柄分滑らせた後に停止させる停止態様と、2図柄分滑らせた後に停止させる停止態様と、3図柄分滑らせた後に停止させる停止態様と、4図柄分滑らせた後に停止させる停止態様との5パターンの停止態様が用意されている。そこでステップSb407では、停止情報格納エリア106bに格納されている停止情報に基づいて、スベリ数として0~4のいずれかの値を算出する。その後、ステップSb408では、算出したスベリ数を到達図柄の図柄番号に加算し、基点位置に実際に停止させる停止図柄の図柄番号を決定する。ステップSb409では今回停止させるべきリールの到達図柄の図柄番号と停止図柄の図柄番号が等しくなったか否かを判定し、等しくなった場合にはステップSb410にてリールの回転を停止させるリール停止処理を行う。その後、ステップSb411では、全リール32L,32M,32Rが停止したか否かを判定する。全リール32L,32M,32Rが停止していない場合には、ステップSb412にて停止情報第2設定処理を行い、ステップSb403に戻る。
ここで、停止情報第2設定処理とは、RAM106の停止情報格納エリア106bに格納された停止情報を、リールの停止後に変更する処理である。停止情報第2設定処理では、セットされている当選フラグと、停止しているリールの停止出目と、に基づいて停止情報を変更する。本スロットマシン10では、例えばIV=11~22の際に当選となった場合、すなわち押し順ベルに当選となった場合(図100、図101参照)に、停止指令を発生させたストップスイッチ42~44の操作順序によって成立する入賞態様を変化させるべく停止情報第2設定処理を行う。
図103は、当選役と、ストップスイッチ42~44の操作順序と成立する入賞態様との対応関係を示す説明図である。例えば、中順押しベル1に当選している場合には、各ストップスイッチ42~44が左→中→右、左→右→中、中→右→左、右→左→中、又は右→中→左の順で操作された場合には第17小役入賞、第18小役入賞又は第21小役入賞が成立するように停止情報を設定し、中→左→右の順で操作された場合には第3小役入賞が成立するように停止情報を設定する。但し、このように停止情報を設定した場合であっても、ストップスイッチ42~44の操作タイミングによっては対応する入賞が成立しない場合がある。
各リール32L,32M,32Rの図柄配列について簡単に説明する。本スロットマシン10では、リール32L,32M,32Rをストップスイッチ42~44の操作されたタイミングから最大4図柄分滑らせた後に停止させることができる。このため、各リール32L,32M,32Rに同種図柄同士の間隔が4図柄以下で配置されている場合には、ストップスイッチ43の操作タイミングに関わらず当選図柄となった際に当該当選図柄を有効ライン上に停止させることができる。一方、5図柄以上離れた区間が形成されるようにして配置されている図柄に関しては、有効ライン上に停止させる場合に遊技者が図柄を狙ってストップスイッチ42~44を操作する必要がある。
中順押しベル1に当選となり、各ストップスイッチ42~44が左→中→右の順で操作された場合を例として説明する。かかる場合には、上記のとおり、第17小役入賞、第18小役入賞又は第21小役入賞を成立させるべく各リール32L,32M,32Rの停止制御を行う。
左リール32Lにおける第17小役図柄は、「赤7」図柄及び「BAR」図柄である。また、左リール32Lにおける第18小役図柄は、「赤貝」図柄及び「白貝」図柄である。そして、左リール32Lにおける第21小役図柄は、「リプレイ」図柄及び「青年」図柄である。左リール32Lには、これら第17小役図柄、第18小役図柄及び第21小役図柄が、図柄同士の間隔が4図柄以下となるように配置されている。そのため、左ストップスイッチ42が最初に操作された場合には、その操作タイミングに関わらず、有効ライン(中段)に第17小役図柄、第18小役図柄及び第21小役図柄のいずれかが停止する。本スロットマシン10では、複数の対象図柄を停止可能なタイミングで操作された場合には、スベリコマ数が少ない図柄を有効ラインに停止させるように停止制御が行われる。すなわち、例えば、左リール32Lの1番目の「ベル」図柄が下段に到達したタイミングで左ストップスイッチ42の操作が行われた場合、第18小役図柄である4番目の「赤貝」図柄(2コマスベリ)、及び、第21小役図柄である5番目の「リプレイ」図柄(3コマスベリ)を中段に停止させることが可能であるところ、最もスベリコマ数の少ない4番目の「赤貝」図柄が中段に停止するように左リール32Lの停止制御が行われる。この場合、第18小役入賞が成立する余地は残るものの、第17小役入賞及び第21小役入賞は成立しないこととなる。
左リール32Lの第18小役図柄が中段に停止した場合、停止情報第2設定処理では、第18小役入賞が成立し得るように停止情報を変更する。
中リール32Mにおける第18小役図柄は、「リプレイ」図柄である。左リール32Lには、「リプレイ」図柄同士の間隔が4図柄以下となるように「リプレイ」図柄が配置されている。そのため、この場合には、中ストップスイッチ43の操作タイミングに関わらず、中リール32Mの上段に「リプレイ」図柄が停止するように停止制御が行われる。
右リール32Rにおける第18小役図柄は、「白貝」図柄及び「青年」図柄である。右リール32Rには、「白貝」図柄及び「青年」図柄同士の間隔が5図柄以上となるようにこれらの図柄が配置されている。つまり、右ストップスイッチ44の操作タイミングによって、第18小役図柄である「白貝」図柄又は「青年」図柄を上段に停止させることができる場合と、上段に停止させることができない場合と、がある。上段に停止させることが可能なタイミングで右ストップスイッチ44の操作が行われると第18小役入賞が成立し、上段に停止させることができないタイミングで右ストップスイッチ44の操作が行われると所謂取りこぼしとなる。
ここで、左リール32Lの中段に「赤貝」図柄が停止し、中リール32Mの上段に「リプレイ」図柄が停止する場合とは、上記のように中順押しベル1に当選して第18小役入賞が成立する可能性がある場合のほか、中順押しベル2に当選して第20小役入賞が成立する可能性がある場合もある。すなわち、中順押しベル2における第20小役図柄は、左リール32Lと中リール32Mとが第18小役図柄と共通している。そして、右リール32Rにおいて、第18小役図柄が「白貝」図柄及び「青年」図柄であるのに対して、第20小役図柄が「赤7」図柄及び「白7」図柄であり異なっている。特に、右リール32Rにおいて、第18小役図柄と第20小役図柄とは、第18小役図柄を有効ラインに停止させることが可能なタイミングで右ストップスイッチ44を操作すると第20小役図柄を有効ラインに停止させることができず、第20小役図柄を有効ラインに停止させることが可能なタイミングで右ストップスイッチ44を操作すると第18小役図柄を有効ラインに停止させることができないようにこれら各図柄が配置されている。そのため、中順押しベル1に当選しているのか中順押しベル2に当選しているのかがわからないことを前提とすると、左リール32Lと中リール32Mとを停止させて、第18小役入賞及び第20小役入賞の可能性がある停止態様となっていても、それを狙って入賞させることができない。
次に、中順押しベル1当選となり、各ストップスイッチ42~44が、中→左→右の順で操作された場合を例として説明する。かかる場合には、第3小役入賞を成立させるべく各リール32L,32M,32Rの停止制御を行う。
中リール32Mには、第3小役図柄である「リプレイ」図柄が、「リプレイ」図柄同士の間隔が4図柄以下となるようにして配置されている。そのため、中ストップスイッチ43が最初に操作された場合には、その操作タイミングに関わらず上段に「リプレイ」図柄が停止する。
左リール32Lには、第3小役図柄である「ベル」図柄が、「ベル」図柄同士の間隔が4図柄以下となるようにして配置されている。そのため、左ストップスイッチ42が2番目に操作された場合には、その操作タイミングに関わらず中段に「ベル」図柄が停止する。
右リール32Rには、第3小役図柄である「スイカ」図柄及び「赤貝」図柄が、これら図柄同士の間隔が4図柄以下となるようにして配置されている。そのため、右ストップスイッチ44が3番目に操作された場合には、その操作タイミングに関わらず上段に「スイカ」図柄又は「赤貝」図柄が停止する。上のとおり、中順押しベル1に当選となり、中ストップスイッチ43→左ストップスイッチ42→右ストップスイッチ44の順で操作された場合には、その操作タイミングに関わらず第3小役入賞が成立する。
上記のように、押し順ベルに当選となった場合には、予め定められた所定の操作順序でストップスイッチ42~44が操作された場合、その操作タイミングに関わらず第1小役入賞、第2小役入賞、第3小役入賞、第4小役入賞、第5小役入賞、又は第6小役入賞が成立し、他の操作順序でストップスイッチ42~44が操作された場合、その操作タイミングにより、他の小役入賞が成立するか、いずれの小役入賞も成立せずに取りこぼしとなる。ちなみに、共通ベルに当選となった場合には、操作順序及び操作タイミングに関わらず第1小役入賞、第2小役入賞、第3小役入賞、第4小役入賞、第5小役入賞、又は第6小役入賞が成立する。
リール制御処理の説明に戻り、ステップSb411にて全リール32L,32M,32Rが停止していると判定した場合には、ステップSb413にて、払出判定処理を行う。払出判定処理とは、当選図柄の組合せが有効ライン上に並んでいることを条件の1つとしてメダルの払出枚数を設定する処理である。払出判定処理では、各リール32L,32M,32Rの下段に停止した停止図柄の図柄番号から有効ライン上に形成された図柄の組合せを導出し、有効ライン上で入賞が成立しているか否かを判定する。入賞が成立している場合には、さらに入賞成立役が当選フラグ格納エリア106aにセットされている当選フラグと対応しているか否かを判定する。入賞成立役が当選フラグと対応している場合には、入賞成立役と、当該入賞成立役と対応する払出数と、をRAM106に設けられた払出情報格納エリアにセットする。一方、入賞成立役が当選フラグと対応していない場合には、スロットマシン10をエラー状態とするとともにエラーの発生を報知する異常発生時処理を行う。かかるエラー状態は、リセットスイッチ72が操作されるまで維持される。
払出判定処理を行った後は、ステップSb414にて、ボーナス状態処理を実行する。ボーナス状態処理については、後に詳細に説明する。ボーナス状態処理を実行した後は、ステップSb415にて、入賞結果対応処理を行う。入賞結果対応処理では、入賞結果に基づいて遊技状態を移行させる処理等を行う。当該入賞結果対応処理については、後に詳細に説明する。
入賞結果対応処理を行った後は、ステップSb416にて区間表示第2処理を実行する。区間表示第2処理は、指示モニタ68の表示制御に関する処理であり、かかる処理については後に詳細に説明する。その後、ステップSb417にて今回のゲームにおける入賞成立役を表示制御装置81に把握させるべく入賞結果コマンドをセットし、リール制御処理を終了する。
次に、ステップSb212のメダル払出処理について、概略を説明する。
メダル払出処理では、払出情報格納エリアにセットされた払出数が0か否かを判定する。払出数が0の場合、先の払出判定処理にて小役入賞が成立していないと判定したことを意味する。かかる場合には、払出判定処理にてセットした入賞成立役に基づいて、第1再遊技入賞~第12再遊技入賞のいずれかが成立したか否かを判定する。いずれの再遊技入賞も成立していない場合にはそのままメダル払出処理を終了し、いずれかの再遊技入賞が成立している場合には、遊技モードを再遊技モードとする再遊技設定処理を行い、メダル払出処理を終了する。なお、先に説明した開始待ち処理(ステップSb204)では、現在の遊技モードが再遊技モードであると判定した場合に自動投入処理を行っている。
一方、払出情報格納エリアにセットされた払出数が0でない場合には、当該払出数と同数のメダルを払い出し、メダル払出処理を終了する。メダルの払い出しについて具体的には、クレジットカウンタのカウント値が上限(貯留されているメダル数が50枚)に達していない場合、クレジットカウンタのカウント値に払出数を加算するとともに加算後の値をクレジット表示部60に表示させる。また、クレジットカウンタのカウント値が上限に達している場合、又は払出数の加算途中でカウント値が上限に達した場合には、メダル払出用回転板を駆動し、メダルをホッパ装置51からメダル排出口49を介してメダル受け皿50へ払い出す。なお、メダル払出処理では、メダルの払い出しにあわせて払出枚数表示部62に表示される払出数を変更する処理も行っている。また、現在の遊技状態がBB状態である場合には、後述する残払出数カウンタの値から払出数を減算するとともに、残払出枚数表示部61に表示される残払出数を減算する処理を行う。
次に、ステップSb414のボーナス状態処理を、図104のフローチャートに基づいて説明する。
先ずステップSb501では、現在の遊技状態がボーナス状態か否か、すなわち現在の遊技状態が第1BB状態又は第2BB状態であるか否かを判定する。これら第1BB状態や第2BB状態であるか否かは、第1BB状態又は第2BB状態へ移行する際にRAM106の各種フラグ格納エリア106dにセットされる第1BB状態フラグや第2BB状態フラグの有無により判別可能である。すなわち、ステップSb501では、第1BB状態フラグ及び第2BB状態フラグのいずれもがセットされていない場合には、第1BB状態及び第2BB状態ではないと判定してステップSb502に進む。
ステップSb502では、第1BB当選フラグ又は第2BB当選フラグがセットされており、いずれかのBBに当選している状態であるか否かを判定する。いずれのBB当選フラグもセットされていない場合は、そのままボーナス状態処理を終了する。いずれかのBB当選フラグがセットされている場合には、ステップSb503に進む。
ステップSb503では、RAM106の各種カウンタエリア106eに設けられたMAXベットカウンタに3を入力する処理を行う。MAXベットカウンタは、第1クレジット投入スイッチ56が操作された場合に仮想メダルの投入を行う特定枚数を設定するためのものである。すなわち、MAXベットカウンタに3が入力されている状況で第1クレジット投入スイッチ56が操作されると、3枚の仮想メダルの投入が行われる。この場合、MAXベットカウンタはゲームの規定枚数を設定するものではないため、ゲームの規定枚数として2枚又は3枚が設定されている状況においては、第2クレジット投入スイッチ57の操作を行うことで2ベットゲームを行うことは許容されている。なお、ステップSb503にて既にMAXベットカウンタに3が入力されている場合には、その状態を維持する。
なお、MAXベットカウンタの初期値は2であり、リセットスイッチ72が操作されてRAMクリアが行われると、当該MAXベットカウンタには2が入力されてスロットマシン10が起動する。
続くステップSb504では、第1BB入賞又は第2BB入賞が成立したか否かを判定する。いずれかのBB入賞も成立していない場合には、そのままボーナス状態処理を終了する。いずれかのBB入賞が成立している場合には、ステップSb505に進み、第1BB入賞が成立したか否かを判定する。
第1BB入賞が成立している場合には、ステップSb506にて、各種カウンタエリア106eに設けられたBBカウンタに「15」を入力する処理を実行する。BBカウンタは、各BB状態における上限払出数を規定するためのカウンタである。すなわち、ステップSb506にてBBカウンタに「15」が入力されることにより、15枚以上のメダルが払い出されることにより第1BB状態が終了するように設定される。ステップSb507では、第1BB当選フラグをクリアする。そして、ステップSb508では、第1BB状態フラグを各種フラグ格納エリア106dにセットする。これにより、次ゲームからはステップSb501にて肯定判定することになる。続くステップSb509では、第1BB開始コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行する。第1BB開始コマンドは、第1BB状態が開始されることを表示制御装置81へ把握させるためのコマンドであり、かかる第1BB開始コマンドを受信した表示制御装置81では、第1BB状態が開始されることに対応する第1BB開始演出が行われるようにスピーカ64や補助表示部65等を制御する。また、表示制御装置81では、第1BB開始コマンドを受信することにより、次ゲームからが第1BB状態であることが把握可能となり、次ゲームから第1BB状態用の演出が行われるようにスピーカ64や補助表示部65等を制御する。
ステップSb509にて第1BB開始コマンドの出力設定を行った後は、ステップSb510にて規定ベット数を3に設定する処理を実行してから、本ボーナス状態処理を終了する。規定ベット数とは、上記のゲームの規定枚数に相当する。すなわち、第1BB状態に移行することでゲームの規定枚数が3枚に設定され、3ベットゲームにて第1BB状態が行われる。
なお、規定ベット数の初期値は2及び3であり、リセットスイッチ72が操作されてRAMクリアが行われると、当該規定ベット数は2と3が設定されてスロットマシン10が起動する。
ステップSb505にて第1BB入賞が成立していないと判定する場合とは、第2BB入賞が成立している場合である。この場合、ステップSb511に進み、上記のBBカウンタに「15」を入力する処理を実行する。すなわち、15枚以上のメダルが払い出されることにより第2BB状態が終了するように設定される。そして、ステップSb512にて第2BB当選フラグをクリアする処理を実行し、ステップSb513にて第2BB状態フラグをセットする処理を実行する。その後、ステップSb514にて第2BB開始コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行する。第2BB開始コマンドは、第1BB開始コマンドに対応するものであり、第2BB状態が開始されることを表示制御装置81へ把握させるためのコマンドである。第2BB開始コマンドを受信した表示制御装置81では、第2BB状態が開始されることに対応する第2BB開始演出が行われるようにスピーカ64や補助表示部65等を制御し、次ゲームからは第2BB状態用の演出が行われるようにスピーカ64や補助表示部65等を制御する。なお、第1BB開始演出と第2BB開始演出とは、見た目や内容が、遊技者が識別可能な程度に異なっている。また、第1BB状態用の演出と第2BB状態用の演出とも、見た目や内容が、遊技者が識別可能な程度に異なっている。
ステップSb514にて第2BB開始コマンドの出力設定を行った後は、ステップSb510にて規定ベット数を3に設定する処理を実行してから、本ボーナス状態処理を終了する。すなわち、第1BB状態だけでなく、第2BB状態においてもゲームの規定枚数が3枚に設定され、3ベットゲームにて第2BB状態が行われる。
ステップSb501にて肯定判定し、第1BB状態又は第2BB状態である場合、ステップSb515に進み、第1BB状態や第2BB状態中の処理を行う。図105は、BB状態用抽選テーブルの一例を示している。なお、本実施形態では、第1BB状態と第2BB状態とで共通の抽選テーブルを用いる構成としているが、それぞれ別々の抽選テーブルを設け、当選し得る役の種類や各役の当選確率を異ならせてもよい。本実施形態では、図105に示すように、第1BB状態や第2BB状態において、通常リプAと、共通ベルと、重複1枚役とに当選し得るように設定されている。通常リプA当選となる確率(IV=1の際に当選となる確率)は約61.2分の1であり、共通ベル当選となる確率(IV=10の際に当選となる確率)は約5.96分の1であり、重複1枚役当選となる確率(IV=24の際に当選となる確率)は約1.31分の1である。また、第1BB状態や第2BB状態において、いずれの役にも当選しない外れ結果となる確率は、約10.14分の1である。この場合、1ゲーム当たりで約0.00枚のメダル増加が期待でき(純増枚数プラスマイナス約0.00枚)、第1BB状態や第2BB状態ではメダルの増減が生じない。言い換えると、第1BB状態や第2BB状態ではメダル増加を見込めないもののメダルを減らすことなくゲームを進行することが可能となる。
ここで、3ベットゲームにおける通常遊技状態と、3ベットゲームにて移行し得る第1BB状態とにおいて、メダル増加のメインはいずれも13枚払出が発生する第1小役入賞~第6小役入賞により生じるものであり、その役としては、通常遊技状態では押し順ベルであり、第1BB状態においては共通ベルである。これらメイン小役の入賞率を比較すると、通常遊技状態においては、一定の操作順序でストップスイッチ42~44が操作されていることを想定すると、約9.19分の1の確率で入賞するのに対して、第1BB状態においては約5.96分の1の確率で入賞し、3ベットゲームでは、第1BB状態のほうが通常遊技状態よりも入賞が発生し易くなるように設定されている。また、2ベットゲームにおける通常遊技状態と、2ベットゲームにて移行し得る第2BB状態とにおいて、メダル増加のメインはいずれも共通ベルであり、通常遊技状態では約9.64分の1の確率で入賞するのに対して、第2BB状態においては約5.96分の1の確率で入賞し、2ベットゲームにおいても、第2BB状態のほうが通常遊技状態よりも入賞が発生し易くなるように設定されている。
但し、上記のとおり、第1BB状態や第2BB状態を消化しても持ちメダルの増加は期待できない。
ボーナス状態処理において、ステップSb515では、上記のBB状態用抽選テーブルによる抽選処理や各リール制御の結果として、今回のゲームでいずれかの小役入賞が成立したか否かを判定する。入賞が成立していない場合には、そのままボーナス状態処理を終了する。入賞が成立している場合には、ステップSb516にて入賞に対応する払出数を上記各種カウンタエリア106eのBBカウンタから減算する処理を実行する。そして、ステップSb517にて、ステップSb516の減算処理の結果としてBBカウンタが0以下となったか否かを判定する。例えば、共通ベル当選となり、第1小役入賞~第6小役入賞が成立すると13枚の払出が発生することから、ステップSb516ではBBカウンタから13を減算する。
ステップSb517にて0以下ではないと判定した場合は、そのままボーナス状態処理を終了する。一方、0以下であると判定した場合、ステップSb518にて、現状のBB状態に対応するBB状態フラグをクリアする処理を行う。すなわち、第1BB状態であれば第1BB状態フラグをクリアし、第2BB状態であれば第2BB状態フラグをクリアする。そして、ステップSb519にてMAXベットカウンタに2を入力する処理を実行し、ステップSb520にて今回終了するBB状態に対応するBB終了コマンドを表示制御装置81への出力対象として設定する。より詳しくは、第1BB状態を終了する場合には第1BB終了コマンドを出力設定し、第2BB状態を終了する場合には第2BB終了コマンドを出力設定する。第1BB終了コマンド又は第2BB終了コマンドを受信した表示制御装置81は、第1BB終了用の演出や第2BB終了用の演出が行われるようにスピーカ64や補助表示部65を制御する。
その後、ステップSb521にて、規定ベット数を2と3に設定してから、本ボーナス状態処理を終了する。この場合、第1BB状態や第2BB状態の終了後の通常遊技状態においては、2ベットゲームと3ベットゲームとが可能となる。これに対して、上記のとおりステップSb519にてMAXベットカウンタに2が入力されることから、第1クレジット投入スイッチ56の操作を行うと、2枚の仮想メダルの投入が行われ、2ベットゲームにてゲームが行われるようになる。つまり、第1BB当選フラグや第2BB当選フラグのいずれもがセットされていない状況においては、2ベットゲームにてゲームが行われ易くなるように設定されている。ちなみに、第1BB状態や第2BB状態の終了後においては、MAXベットカウンタに2が入力されることから第1クレジット投入スイッチ56や第2クレジット投入スイッチ57の操作では3枚ベットができず、3ベットゲームを行うためにはメダル投入口45からメダルを3枚投入する必要がある。
ここで、本スロットマシン10において、2ベットゲームと3ベットゲームとを利用した遊技性について、図106を参照しながら簡単に説明する。
第1BB当選フラグや第2BB当選フラグがセットされておらず、いずれのBBにも当選してない通常遊技状態は、所謂非内部状態と称される状態である。この場合、上記のとおり、規定ベット数(ゲームの規定枚数)は2枚と3枚が設定されており、2ベットゲームと3ベットゲームとが可能である。但し、MAXベットカウンタは上記のとおり2が入力され、第1クレジット投入スイッチ56を操作して遊技を開始する場合には2ベットゲームとなる。
非内部状態において、3ベットゲームでは第1BBには当選し得る一方、第2BBには当選せず、2ベットゲームでは第2BBには当選し得る一方、第1BBには当選しない。上記のように第1クレジット投入スイッチ56を操作する遊技においては、基本的には2ベットゲームにおいて第2BBの当選が生じ得る。
第1BBや第2BBに当選し、その当選ゲームにおいて入賞が成立しなかった場合には、第1BB当選や第2BB当選を持ち越した内部状態(持ち越し状態)となる。内部状態においても、上記のとおり、規定ベット数(ゲームの規定枚数)は2枚と3枚が設定されており、2ベットゲームと3ベットゲームとが可能である。但し、MAXベットカウンタは上記のとおり3が入力され、第1クレジット投入スイッチ56を操作して遊技を開始する場合には3ベットゲームとなる。
既に説明した通り、本スロットマシン10では、第1BBに当選している内部状態においては、3ベットゲームでは第1BB入賞が成立し得る一方、2ベットゲームでは第1BB入賞が成立しないように各リール32L,32M,32Rの停止制御が行われる。また、第2BBに当選している内部状態においては、3ベットゲームでは第2BB入賞が成立しない一方、2ベットゲームでは第2BB入賞が成立し得るように各リール32L,32M,32Rの停止制御が行われる。つまり、3ベットゲームにおいて第1BBに当選した場合に、そのまま3ベットゲームを継続すれば第1BB入賞を成立させることができるものの、第1BBに当選後、2ベットゲームに切り替えると、当該第1BB入賞を成立させることができない。また、2ベットゲームにおいて第2BBに当選した場合に、そのまま2ベットゲームを継続すれば第2BB入賞を成立させることができるものの、第2BBに当選後、3ベットゲームに切り替えると、当該第2BB入賞を成立させることができない。そして、第1BBや第2BBは重複して当選することはなく、第1BB当選を持ち越している状況で再度第1BBに当選することはないし、第2BBに重複して当選することもない。また、第2BB当選を持ち越している状況で再度第2BBに当選することはないし、第1BBに重複して当選することもない。つまり、第1BBに当選した場合に2ベットゲームで遊技を行うと、第1BB当選を持ち越している内部状態での遊技が延々と継続し、第2BBに当選した場合に3ベットゲームで遊技を行うと、第2BB当選を持ち越している内部状態での遊技が延々と継続することになる。
ここで、上記のように第1BB入賞が3ベットゲームにおいてのみ成立するようにし、第2BB入賞が2ベットゲームにおいてのみ成立するようにしていることから、第2BB当選を持ち越している状況での3ベットゲームでいずれの役にも当選しない外れ結果となった場合であっても第2BB入賞が成立することはないし、第1BB当選を持ち越している状況での2ベットゲームで外れ結果となった場合であっても第1BB入賞が成立することはない。このようにすることで、第1BB当選や第2BB当選を持ち越している内部状態における役構成や各リール32L,32M,32Rの制御を劇的に簡素化することが可能となる。仮に、3ベットゲームにおいて第2BB入賞が成立し得る構成であったり、2ベットゲームにおいて第1BB入賞が成立し得る構成であったりすると、その第1BB当選や第2BB当選を持ち越している内部状態を継続させようとする場合、外れ結果とならないような抽選テーブルとする必要が生じるし、例えば取りこぼしが生じ得る役において、その取りこぼし時に別の役に入賞させる必要が生じるからである。
また、第1BB状態や第2BB状態においては、メダル増加のメインとなる役はいずれも共通ベルである。また、非内部状態や内部状態において、2ベットゲームでのメダル増加のメインとなる役は共通ベルであるのに対して、3ベットゲームでのメダル増加のメインとなる役は押し順ベルである。共通ベルについては、各ストップスイッチ42~44の操作順序や操作タイミングに関わらず第1小役~第6小役のいずれかの入賞が成立するものであるのに対して、押し順ベルについては、各ストップスイッチ42~44の操作順序や操作タイミングによって入賞する小役が異なる。つまり、第1BB状態や第2BB状態よりも、3ベットゲームでの非内部状態や内部状態の方が、押し順ベル当選時の操作順序や操作タイミング(主に操作順序)によるメダル増減の振れ幅は大きい。そして、例えば、押し順ベル当選時に第1小役入賞~第6小役入賞となる操作順序(図103)の報知等を行うことで、入賞をアシストするATモード(アシストタイムモード、ナビモード)と行わない非ATモード(非ナビモード)とを切り替えることで、その報知(アシスト)の有無によってメダルが増加する状態とメダルが減少する状態とを創出することも可能となる。
第1クレジット投入スイッチ56を操作する遊技の基本的な流れとしては、先ず、非内部状態において、2ベットゲームにて遊技が行われ、その2ベットゲームにて第2BBに当選する。第2BBに当選すると、内部状態となり、3ベットゲームに切り替わり、上記当選した第2BB入賞を成立させることができない状態のまま遊技が進行する。この場合、上記のように、第2BB当選を持ち越した3ベットゲームにおいては、第1BBに当選となることもないし第2BB入賞となることもなく、第2BB当選が持ち越される内部状態での遊技が継続されることになる。
以下、第2BB当選を持ち越した状態での遊技を前提とし、その遊技(以下の説明では、通常遊技とも称する)での押し順ベル当選時の報知(押し順報知)等を利用した遊技性を説明する。
<抽選結果対応処理>
先ず、図107のフローチャートを参照しながら、ステップSb310にて実施される抽選結果対応処理について説明する。抽選結果対応処理は、各ゲームの抽選処理が行われた後に実施される処理であり、ゲームの抽選結果に基づいて押し順報知が発生するATモードへの移行抽選等を行う処理である。
先ず、ステップSb601~ステップSb603では、今回開始するゲームのベット数を把握する処理を実行する。すなわち、ステップSb601では、第1BB状態フラグ及び第2BB状態フラグのいずれかのフラグがセットされているか否かを把握して、今回開始するゲームがいずれかのBB状態であるか否かの判定を行う。BB状態ではない場合には、ステップSb602にてベット数が3であるか否かを判定する。また、BB状態である場合には、ステップSb603にてベット数が2であるか否かを判定する。既に説明した通り、第1BBや第2BBの当選前の非内部状態や、第1BBや第2BB当選後の内部状態においては規定ベット数として2と3が設定されており、第1BB状態や第2BB状態においては規定ベット数として3が設定されている。ステップSb602やステップSb603の処理は、今回のゲームのベット数が、遊技状態に対応付けられて規定(設定)されている一の特定規定数(特定設定数)であるか否かを判定する処理であり、当該特定規定数はない場合には、ステップSb604以降の表示モード用の処理(指示機能用の処理)を行うことなく抽選結果対応処理を終了する。
すなわち、非内部状態や内部状態においては、3ベットゲームでは表示モード用の処理は実行される一方、2ベットゲームでは表示モード用の処理は実行されない。また、第1BB状態や第2BB状態においては、規定ベット数として3が設定されていることから、2ベットゲームは実行されず、第1BB状態や第2BB状態では表示モード用の処理は実行されない。
つまり、本実施形態では、仮に内部状態が2ベットゲームにて遊技された場合、ステップSb604以降のATモードへの移行抽選等が行われずに遊技者にとって不利となる構成としている。このようにすることで、内部状態を3ベットゲームにて遊技させ、第2BBを持ち越す通常遊技を行わせ易くすることができる。
ステップSb602又はステップSb603にて肯定判定した場合、ステップSb604にて、各種フラグ格納エリア106dに有利区間フラグがセットされているか否かを判定する。本スロットマシン10では、押し順報知等の発生の有無について、当該押し順報知等が発生し得る有利区間と、発生し得ない通常区間とが設定されている。有利区間フラグは、今回のゲームが有利区間であることをCPU102が把握するためのフラグであり、有利区間へ移行することに基づいてセットされ、通常区間に移行することに基づいてクリアされる。
有利区間フラグがセットされていない場合、今回のゲームが通常区間であることを意味し、この場合、ステップSb605にて有利区間移行抽選処理を実行してから、抽選結果対応処理を終了する。
有利区間移行抽選処理では、図108のフローチャートに示すように、ステップSb701にて今回のゲームの抽選結果を把握する。そしてステップSb702にて、ROM105の各種テーブル記憶エリア105aから有利区間移行抽選テーブルを取得する。有利区間移行抽選テーブルは、図109に示すように、各ゲームの抽選結果に応じて、有利区間への移行率(有利区間移行抽選の当選確率)が設定されている。有利区間への移行抽選の契機役としては、図109にも示すように、通常リプA、通常リプB、通常リプC、チャンス目A、チャンス目B、チャンス目C、チェリーA、チェリーB、チェリーC、共通ベル、押し順ベル、スイカが設定されている。すなわち、第2BBを持ち越している3ベットゲームとしての通常遊技において、当選し得る全ての結果が有利区間への移行抽選の契機役として設定されている。
ステップSb702にて抽選テーブルを取得した後は、ステップSb703にて有利区間移行抽選用の乱数を取得する処理を実行する。有利区間移行抽選用の乱数は、各種カウンタエリア106eの専用のカウンタが用いられ、当該専用のカウンタは所定周期で更新され、ステップSb703ではそのカウンタのうち最新の更新値を取得する。そして、ステップSb704にて有利区間移行抽選を実行し、ステップSb705にて、移行抽選に当選したか否かを判定する。ちなみに、本実施形態では、いずれの契機役であっても100%の確率で有利区間移行抽選に当選するように抽選テーブルが設定されている。この場合、ステップSb701にて把握したゲームの結果が、移行抽選の契機役である(外れ結果ではない)と判定した場合、ステップSb702~ステップSb705の処理を省略することも可能である。
ステップSb705にて移行抽選に当選していると判定した場合、ステップSb706にて、各種フラグ格納エリア106dに有利区間当選ゲームフラグをセットする処理を実行する。有利区間当選ゲームフラグは、今回のゲームで有利区間への移行抽選に当選したゲームであることをCPU102が把握するためのフラグである。ステップSb705にて否定判定した場合、又はステップSb706の処理を実行した後は、有利区間移行抽選処理を終了する。
抽選結果対応処理の説明に戻り、ステップSb604にて有利区間フラグがセットされていると判定した場合、ステップSb606に進む。ステップSb606では、各種フラグ格納エリア106dにATモード当選フラグ及びATモードフラグのいずれかがセットされているか否かを判定する。ATモードフラグは、ATモードであることをCPU102が把握するためのフラグであって、ATモードへの移行が可能となる場合にセットされるフラグである。また、ATモード当選フラグは、ATモード移行抽選にて当選し、ATモードへの移行が確定している状況であって、且つATモード移行前の状況であることをCPU102が把握するためのフラグである。ステップSb606にていずれのフラグもセットされていない場合には、ステップSb607にてAT抽選用処理を実行する。一方、ステップSb606にていずれかのフラグがセットされている場合、ステップSb608にて継続判定処理を実行し、ステップSb609にてAT上乗せ用処理を実行する。
<AT抽選用処理>
先ず、ステップSb607のAT抽選用処理について図110のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップSb801では、各種カウンタエリア106eに設けられた天井カウンタを1減算する処理を実行する。天井カウンタは、有利区間移行後のゲーム数が天井ゲーム数に至った場合、ATモード移行抽選の当否に関わらず(当選することなく)ATモードへの移行を生じさせるためのカウンタであり、当該天井ゲーム数までの残りゲーム数をCPU102が把握するためのカウンタである。天井ゲーム数は有利区間移行時に設定される。ちなみに、上記のように、AT抽選用処理はベット数が遊技状態に応じた特定規定数である場合に実行されることからして、天井カウンタはベット数が遊技状態に応じた特定規定数であるゲームにて減算され、例えば、2ベットゲームでは減算されない。
ステップSb801にて天井カウンタの減算処理を実行した後は、ステップSb802にて天井カウンタが0に至ったか否かを判定する。0に至っていない場合には、ステップSb803~ステップSb808にてATモード移行抽選用の処理を実行する。
すなわち、ステップSb803にて、今回のゲームの抽選結果を把握する処理を実行する。そして、ステップSb804では、各種フラグ格納エリア106dにCZモードフラグがセットされているか否かを判定する。本実施形態では、ATモード移行抽選の当選確率が異なる表示モードとして、通常モードと、当該通常モードよりもATモード移行抽選に当選し易いCZモードとが設定されており、CZモードフラグはCZモードであることをCPUが把握するためのフラグである。
ステップSb804にてCZモードフラグがセットされていない場合には、ステップSb805にて、各種テーブル記憶エリア105aから通常用ATモード移行抽選テーブルを取得する処理を実行する。一方、ステップSb804にてCZモードフラグがセットされている場合には、ステップSb806にて、CZ用ATモード移行抽選テーブルを取得する処理を実行する。
これら通常用ATモード移行抽選テーブルとCZ用ATモード移行抽選テーブルとは、図109に示すように、ゲームの抽選結果に応じてATモード移行抽選の当選確率がそれぞれ設定されており、例えば、チャンス目Aを契機とするATモード移行抽選であれば、通常用では1%の確率でATモード移行当選となり、CZ用であれば3%の確率でATモード移行当選となる、といったように、通常用ATモード移行抽選テーブルよりもCZ用ATモード移行抽選テーブルの方がATモード移行抽選に当選し易くなるように設定されている。また、通常リプA、通常リプB及び通常リプCについては、通常用ではATモード移行当選とならない一方、CZ用ではATモード移行当選となり得るように設定されている。
ステップSb805又はステップSb806にてATモード移行抽選テーブルを取得した後は、当該取得した移行抽選テーブルと、ステップSb803にて把握したゲームの抽選結果とを用いて、ステップSb807にてATモード移行抽選処理を実行する。そして、ステップSb808にてATモード移行当選であったか否かを判定する。
ステップSb808にてATモード移行当選であると判定した場合と、ステップSb802にて天井カウンタが0であると判定した場合、ステップSb809~ステップSb812のATモード当選用の処理を実行する。また、ステップSb808にてATモード移行当選ではないと判定した場合は、ステップSb813~ステップSb816にてATモード非当選用の処理を実行する。
ATモード当選用の処理において、ステップSb809では、CZモードフラグがセットされているか否かを判定し、CZモード中のATモード移行当選であるか否かを確認する。CZモード中の当選である場合、ステップSb810及びステップSb811にてCZモードを終了させるための処理を行う。すなわち、ステップSb810では、CZモードフラグをクリアする処理を実行する。そして、ステップSb811にて各種カウンタエリア106eに設けられたCZゲームカウンタを0にクリアする処理を実行する。CZゲームカウンタはCZモードの残りゲーム数をCPU102が把握するためのカウンタであり、CZモードへ移行する場合にCZモードの継続ゲーム数(10ゲーム)に相当する値(10)が入力され、ゲームを消化する度に1ずつ減算されるカウンタである。
ステップSb809にてCZモードフラグがセットされていない場合、又はステップSb811の処理を実行した後は、ステップSb812にて各種フラグ格納エリア106dにATモード当選フラグをセットする処理を実行する。かかる処理により、次ゲームからステップSb606にて肯定判定することとなる。
ATモード非当選用の処理では、ステップSb813にてCZモードフラグがセットされているか否かを判定する。CZモードフラグがセットされている場合には、そのままAT抽選用処理を終了する。CZモードフラグがセットされていない場合、ステップSb814にて、CZモード移行抽選処理を実行する。CZモード移行抽選処理では、各種テーブル記憶エリア105aからCZモード移行抽選テーブルを取得して、ステップSb803にて把握したゲームの抽選結果を利用してCZモードへ移行させるか否かを抽選により決定する。CZモード移行抽選テーブルは、図109に示すように、ゲームの抽選結果に応じてCZモード移行抽選の当選確率が異なるように設定されており、より具体的には、ATモード移行抽選に当選し易いゲームの抽選結果ほど、CZモード移行抽選に当選し易くなるように設定されている。すなわち、ATモード移行抽選に当選し易いゲームの抽選結果であったのにもかかわらず、ATモード移行抽選に非当選であった場合、CZモードへは移行し易くなるように設定されている。
ステップSb814にてCZモード移行抽選処理を実行した後は、ステップSb815にてCZモード移行当選であったか否かを判定し、移行当選ではない場合には、そのままAT抽選用処理を終了する。CZモード移行当選である場合、ステップSb816にて、各種フラグ格納エリア106dにCZモード当選フラグをセットする処理を実行する。
ステップSb812又はステップSb816にていずれかの当選フラグをセットした後は、ステップSb817~ステップSb820にて前兆モードの設定処理を行う。前兆モードとは、ATモード移行抽選やCZモード移行抽選に当選していることを示唆する前兆演出を行うモードであり、本実施形態では、これらの移行抽選に当選した場合、0ゲーム~32ゲームの前兆モードを経てから当選している移行抽選の報知が行われる。
ステップSb817では、前兆ゲームの抽選処理を実行する。前兆ゲーム数の抽選処理では、当選している移行抽選の種類、当選契機となったゲームの抽選結果等によって前兆ゲーム数を抽選する。例えば、ATモード移行抽選に当選している場合の方がCZモード移行抽選に当選している場合よりも長い前兆ゲーム数が選択され易くなっていたり、チェリーAにて移行抽選に当選した場合の方がチェリーCにて移行抽選に当選した場合よりも長い前兆ゲーム数が選択され易くなっている。
なお、本実施形態では、CZモード中にATモード移行抽選に当選した場合、ステップSb817では前兆ゲーム数を0となるように設定する。上記のようにCZモード中にATモード移行抽選に当選すると、CZモードの残りゲーム数に関わらずCZモードが終了するようにしているため、当該CZモードの終了を通じてATモード移行抽選に当選したことを遊技者は把握可能である。そこで、CZモード中にATモード移行抽選に当選した場合には前兆モードを0ゲームとすることで、ATモード移行抽選に当選したことを把握しているのにもかかわらず、その移行抽選に当選したことの示唆報知が前兆モードとして行われることによる違和感を低減することができる。
続くステップSb818では、ステップSb817の抽選結果を各種カウンタエリア106eに設けられた前兆カウンタに入力する処理を実行する。前兆カウンタは、前兆ゲームの残りゲーム数をCPU102が把握するためのカウンタであり、前兆モード中のゲームを消化する度に1ずつ減算されるカウンタである。
そして、ステップSb819にて各種フラグ格納エリア106dに前兆フラグをセットする処理を実行し、ステップSb820にて前兆コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本AT抽選用処理を終了する。前兆フラグは前兆モード中であることをCPU102が把握するためのフラグであり、前兆コマンドは前兆モードに設定されたこと、及びその前兆モードのゲーム数やいずれの移行抽選に当選しているかを表示制御装置81へ把握させるためのコマンドである。前兆コマンドを受信した表示制御装置81は、前兆モードのゲーム数や当選している移行抽選の種類を把握し、前兆モード中の演出を補助表示部65やスピーカ64にて実行するための処理を行う。
<継続判定処理>
次に、ステップSb608にて実行される継続判定処理について、図111のフローチャートを参照しながら説明する。既に説明した通り、継続判定処理は、ATモード当選フラグやATモードフラグがセットされている状況で実行される処理である。
ここで、本実施形態におけるATモードは、予め定められた所定数(例えば18)のゲームを1セット(単位継続数、単位状態)とし、例えば、1セットのATモードを更新する場合(セットを開始する場合又はセットを終了する場合)に次のセットの継続抽選を行い、当該継続抽選に当選している場合には当該セットの終了後、次のセットへ移行し、当該継続抽選に非当選である場合には次のセットへ移行せずにATモードが終了する構成としている。そして、ステップSb608の継続判定処理では、セットの更新に際して上記の継続抽選を行うための処理である。
ステップSb901では、各種カウンタエリア106eに設けられたATゲームカウンタが18であるか否かを判定する。ATゲームカウンタは、1セットの残りゲーム数をCPU102が把握するためのカウンタであり、セットの更新に際して18が入力されるカウンタである。すなわち、ステップSb901では、今回開始するゲームがATモードの1セットの開始ゲームであるか否かを判定する。開始ゲームではない場合には、そのまま本継続判定処理を終了する。開始ゲームである場合には、ステップSb902に進む。
ステップSb902では、各種カウンタエリア106eに設けられたATセットカウンタが0であるか否かを判定する。ATセットカウンタは、上記の継続抽選に非当選であっても又は継続抽選を行うことなく次のセットへ継続させることを可能とするセット数をCPU102が把握するためのカウンタであり、継続条件が成立している状況で上乗せ当選した場合に1が加算され、継続抽選に非当選である場合や継続抽選を行うことなく次のセットへ継続させた場合に1減算されるカウンタである。ATセットカウンタが0である場合、ステップSb903にて今回のATモードにて選択されている継続抽選の当選確率を把握する。
ここで、本実施形態では、上記の継続抽選の当選確率(以下、「継続率」とも称する)として、複数の継続率が設定されており、具体的には、図117に示すように最も継続率の高い90%と、それよりも継続率が低い60%及び10%が設定されている。当該継続率は、ATモードへの移行に際して設定される(後述のステップSb1211における継続率設定処理)。ステップSb903では、当該継続率設定処理にて設定されている情報を読み出し、今回のATモードの継続率を把握する。
ステップSb903にて継続率を把握した後は、ステップSb904にて継続抽選処理を実行する。すなわち、90%の継続率が選択されている場合には、ステップSb904の処理では90%の確率で継続当選し、10%の継続率が選択されている場合には、ステップSb904の処理では10%の確率で継続当選する。
ステップSb905では、ステップSb904の処理結果が継続当選であったか否かを判定し、継続当選であった場合には、ステップSb906にて各種フラグ格納エリア106dに継続フラグをセットする処理を実行する。継続フラグは、今回のセットの継続条件(次のセットへ移行する条件)が成立していることをCPU102が把握するためのフラグである。そして、ステップSb907にて継続コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、継続判定処理を終了する。
また、ステップSb902にてATセットカウンタが0ではないと判定した場合、ステップSb908にてATセットカウンタを1減算する処理を実行してから、ステップSb906に進み、継続フラグのセット、及び継続コマンドのセットを行ってから、継続判定処理を終了する。すなわち、本実施形態では、ATセットカウンタが0ではない場合、継続抽選を経ることなく、セットの継続条件が成立する構成としている。なお、ATセットカウンタの値に関わらず継続抽選を実行し、継続非当選である場合にATセットカウンタが1以上であれば継続条件が成立する構成としてもよい。
上記のように、本実施形態では、ATモードの1セットの開始時(スタートレバー41の操作時)に、今回開始するセットの次のセットまでATモードが継続するか否かの継続条件の成否判定が行われ、継続条件が成立していると判定した場合には、継続フラグがセットされ、その情報が表示制御装置81へ出力される。この場合、表示制御装置81では、継続条件が成立していることを前提とした演出を今回のセットの演出として行うようにするための処理を行う。
これに対して、ステップSb905にて継続当選ではないと判定した場合には、そのまま継続判定処理を終了する。この場合、ATモードの1セットの開始時には継続条件は成立しておらず、セットの開始に際して継続コマンドの出力も行われない。表示制御装置81では、セットの開始に際して継続コマンドを受信しないことを通じて継続条件が成立していないことを把握し、継続条件が成立していないことを前提とした演出を今回のセットの演出として行うようにするための処理を行う。
<AT上乗せ用処理>
次に、ステップSb609にて実行されるAT上乗せ用処理について、図112のフローチャートを参照しながら説明する。AT上乗せ用処理では、上記の継続抽選とは別途、ATモードのセット数を上乗せすることの上乗せ抽選を行い、当該上乗せ抽選にて当選した場合には、次のセットの継続抽選の結果に関わらず次のセットまで継続するようにする。
先ずステップSb1001にて、今回のゲームの抽選結果を把握する。そして、ステップSb1002にて、各種テーブル記憶エリア105aから上乗せ抽選テーブルを取得する処理を実行する。
上乗せ抽選テーブルは、図109に示すように、ゲームの抽選結果に応じて、上乗せ当選率が設定されており、各ゲームの抽選処理にて当選し易い通常リプA~通常リプCや、押し順ベルといった通常役では上乗せ当選しない一方、各ゲームの抽選処理にて当選しにくいチャンス目A~チャンス目C、チェリーA~チェリーC、共通ベル、スイカ、といった特定役では上乗せ当選し得るように設定されている。そして、特定役のうち、例えば、チャンス目Aよりもチャンス目Cの方が上乗せ当選し易く、チェリーAよりもチェリーCの方が上乗せ当選し易い、といったように、各ゲームの抽選処理にて当選しにくい抽選結果ほど、上乗せ抽選に当選し易くなるように設定されている。なお、各ゲームの抽選結果が通常役である場合には上乗せ当選しない構成を、各ゲームの抽選結果が通常役である場合には上乗せ抽選を行わない構成としてもよい。また、各ゲームの抽選結果が通常役である場合にも上乗せ当選し得る構成とし、当該通常役での上乗せ当選の確率を特定役の場合の上乗せ当選の確率よりも低くなるようにしてもよい。
ステップSb1002にて上乗せ抽選テーブルを取得した後は、ステップSb1003にて上乗せ抽選を実行し、ステップSb1004にて上乗せ抽選に当選したか否かの判定を行う。上乗せ抽選に非当選であった場合には、そのままAT上乗せ用処理を終了する。上乗せ抽選に当選であった場合には、ステップSb1005にて、継続フラグがセットされているか否かを判定する。
ステップSb1005にて継続フラグがセットされていない場合、ステップSb1006にて継続フラグをセットする処理を実行する。そして、ステップSb1007にて継続コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本AT上乗せ用処理を終了する。継続コマンドを受信した表示制御装置81は、継続条件が成立したことに対応する演出を補助表示部65やスピーカ64にて行うための処理を実行する。
これに対して、ステップSb1005にて継続フラグがセットされている場合、ステップSb1008にてATセットカウンタに1を加算する処理を実行する。ステップSb1008にATセットカウンタに1が加算されることにより、少なくとも今回のセットの次の次のセットまでATモードが継続することが確定する。なお、本実施形態では、上乗せ抽選に当選した場合に一律でATセットカウンタに1を加算する構成としているが、2以上の数を加算する場合がある構成としてもよく、例えば、上乗せ当選の契機となったゲームの抽選結果に応じてATセットカウンタに加算する数を抽選により決定する構成としてもよい。
続くステップSb1009ではセット上乗せコマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本上乗せ用処理を終了する。セット上乗せコマンドは、上乗せ抽選に当選したことやATセットカウンタの値を表示制御装置81へ把握させるためのコマンドである。なお、複数のセット数を一の上乗せ当選にて上乗せする場合がある構成においては、当該セット上乗せコマンドに当該上乗せするセット数の情報を設定する構成とするとよい。セット上乗せコマンドを受信した表示制御装置81は、セット上乗せが行われたことに対応する演出を補助表示部65やスピーカ64にて行うための処理を実行する。
抽選結果対応処理(図107)において、ステップSb607又はステップSb609の処理を実行した後は、ステップSb610~ステップSb613にて、ストップスイッチ42~44の押し順報知用の処理を実行する。
<押し順報知の概要>
ステップSb610~ステップSb613にて実行される押し順報知用の処理の説明に先立って、指示モニタ68にて実行される押し順報知や、補助表示部65にて実行される押し順報知演出の概要について説明する。なお、押し順報知や押し順報知演出は、例えば、押し順ナビ、順序報知や態様報知とも称することが可能である。指示モニタ68は主制御装置101に接続されており、主制御装置101により押し順報知が行われる。これに対して、補助表示部65は表示制御装置81に接続されており、表示制御装置81により押し順報知演出が行われる。
先ず、この指示モニタ68の構成について、図113を参照しながら説明する。図113(a)は、指示モニタ68の正面図であり、図113(b)は、指示モニタ68の表示態様と表示内容との関係を説明するための図である。
図113(a)に示すように、指示モニタ68には8個の表示用セグメントN1~N8が設けられている。各表示用セグメントN1~N8は、LEDからなる個別の光源を有しており、それら個別の光源がオンオフ制御されることで、任意の1個の表示用セグメントのみを点灯させることができるとともに、任意の組み合わせの表示用セグメントを点灯させることができる。これにより、指示モニタ68では、それぞれ個別に所定の記号(アルファベットや数字を含む)が表示されるようになっている。なお、上記個別の光源はいずれも同一色の光を照射するものであるため、各表示用セグメントN1~N8においてはいずれも同一の色が表示されることとなる。
各表示用セグメントN1~N8について詳細には、第1表示用セグメントN1~第7表示用セグメントN7は、いずれも直線状の表示用セグメントであり、これら第1表示用セグメントN1~第7表示用セグメントN7は、数字の「1」~「6」を少なくとも表示することができるように配置されている。また、第8表示用セグメントN8は、円形状の表示用セグメントであり、第1表示用セグメントN1~第7表示用セグメントN7が設けられた領域の右下部分の横方に配置されている。したがって、指示モニタ68では、「1」~「6」と、「1.」~「6.」と、「 .」と、を少なくとも表示することができる。
なお、指示モニタ68において、複数パターンの記号をそれぞれ個別に表示することが可能であれば、各表示用セグメントN1~N8の形状や配置態様は任意であり、さらには8個のセグメントではなく7個のセグメント、又は9個のセグメント等を用いる構成としてもよい。また、各表示用セグメントN1~N8において表示される色が同一であることは必須ではなく、各表示用セグメントN1~N8において表示される色が適宜変更可能となる構成としてもよい。また、光源をオンオフ制御することで、各表示用セグメントN1~N8の点灯又は消灯を制御する構成は必須のものではなく、各表示用セグメントN1~N8において個別に表示制御が行えるのであれば、単一のバックライトと液晶ディスプレイとによりセグメント表示器を構成してもよい。さらには、各表示領域に対してセグメント表示を適用するのではなく、液晶表示装置、有機EL表示装置、CRT、ドットマトリックス等その他のタイプの表示装置によって記号を表示する構成としてもよい。
第1表示用セグメントN1~第7表示用セグメントN7は、押し順役の操作順序の報知に用いられる表示用セグメントである。例えば、図113(b)に示すように、各ストップスイッチ42~44の操作順序として「左」→「中」→「右」の順で停止操作を行うことにより遊技者にとって有利な入賞態様となる場合、第6表示用セグメントN6及び第7表示用セグメントN7が点灯表示されて「1」が表示される。また、各ストップスイッチ42~44の操作順序として「右」→「左」→「中」の順で停止操作を行うことにより遊技者にとって有利な入賞態様となる場合、第1表示用セグメントN1、第2表示用セグメントN2、第3表示用セグメントN3、第5表示用セグメントN5及び第6表示用セグメントN6が点灯表示されて「5」が表示される。つまり、各表示用セグメントN1~N7にて表示される数字(記号)は、ストップスイッチ42~44の操作順序と1対1で対応付けられており、表示用セグメントN1~N7にて表示される数字(記号)に基づいて、ストップスイッチ42~44を停止操作することで、遊技者にとって有利な態様にて入賞させることが可能となる。
第8表示用セグメントN8は、有利区間に移行し、押し順報知が発生し得る状況となる報知条件を含む所定の開始条件が成立した場合に、その開始条件が成立したゲームにて点灯される。また、ATモードが終了して有利区間から通常区間へ移行する場合に消灯される。
つまり、押し順ベル等の操作順序が報知され易くなることによって遊技者にとって有利な態様にて入賞させ易くなる区間を有利区間(特定遊技状態、特定モード)とし、第8表示用セグメントN8は、当該有利区間において、実際に押し順報知による恩恵が得られるようになる特定区間中は点灯し、有利区間ではない通常区間や、有利区間であっても特定区間ではない非特定区間中は消灯する区間表示器(特定報知手段)をなすものである。
既に説明したとおり、押し順表示器としての第1表示用セグメントN1~第7表示用セグメントN7、及び区間表示器としての第8表示用セグメントN8を有する指示モニタ68は、遊技パネル25において払出枚数表示部62の側方付近に配置されている。つまり、指示モニタ68は、遊技者が操作するストップスイッチ42~44等よりも上方に配置されており、言い換えると、ストップスイッチ42~44等が設けられている位置よりも下方において遊技機前面部である化粧パネルに配置されていない。そのため、ストップスイッチ42~44等を操作する手等によって、第8表示用セグメントN8が隠されることが抑制され、遊技者が視認し易い位置に配置されているといえる。また、メダルの獲得を目指して遊技を進行させる遊技者が注視し易い払出枚数表示部62の近くに配置されていることからしても、遊技者による見逃しが抑制されているといえる。
さらに、指示モニタ68において特に第8表示用セグメントN8は、周囲の表示部(例えば払出枚数表示部62や、遊技パネル25のバックライト)の明度よりも高い明度となるように(より詳しくは、周囲の表示部の明度の2倍の明度となるように)、対応するLEDの明度が定められている。そのため、第8表示用セグメントN8と周囲の表示部とがいずれも発光制御されている場合(点灯状態となっている場合)であっても、第8表示用セグメントN8が一際目立つようになっている。遊技機前方に向けた照度についても、第8表示用セグメントN8の方が周囲の表示部より、遊技機前方に向けた照度が高くなるように(より詳しくは、周囲の表示部の照度の2倍の照度となるように)、対応するLEDの照度が定められている。このような構成からも、第8表示用セグメントN8の視認性が向上されており、当該第8表示用セグメントN8が点灯状態となった場合の見逃しが抑制されている。
次に、補助表示部65にて行われる押し順報知演出について、図114を参照しながら説明する。ここでは、今回報知する操作順序が、中→右→左である場合の押し順役に当選している場合を例として、補助表示部65での押し順報知演出を説明する。
図114(a)に示すとおり、補助表示部65では、ストップスイッチ42~44に対応して3つ並列したボタン表示のうち、最初に操作すべきストップスイッチに対応するボタン表示(図では中ストップスイッチ43に対応する真ん中のボタン表示)に数字の1が付されて、他のボタン表示よりも大きく表示される。また、各ボタン表示は、当選役に対応する色(ベルなら黄色、再遊技なら青色等)にて表示される。これにより、遊技者は、今回のゲームにて当選している役と、最初に操作すべきストップスイッチが中ストップスイッチ43であることを認識することができる。また、補助表示部65では、次に操作すべきストップスイッチが右ストップスイッチ44であり、最後に操作すべきストップスイッチが左ストップスイッチ42であることを示すように、右のボタン表示に数字の2が付されて表示され、左のボタン表示に数字の3が付されて表示される。
遊技者が中ストップスイッチ43を操作すると、図114(b)に示すように、補助表示部65では、中ストップスイッチ43に対応する真ん中のボタン表示が消え、右ストップスイッチ44に対応する右のボタン表示が大きく表示される。これにより、遊技者は、中ストップスイッチ43の操作が完了したこと、及び、次に操作すべきストップスイッチが右ストップスイッチ44であることを確認することができる。
遊技者が右ストップスイッチ44を操作すると、図114(c)に示すように、補助表示部65では、右ストップスイッチ44に対応する右のボタン表示が消え、左ストップスイッチ42に対応する左のボタン表示が大きく表示される。これにより、遊技者は、右ストップスイッチ44の操作が完了したこと、及び、次に操作すべきストップスイッチが左ストップスイッチ42であることを確認することができる。
押し順報知の実行タイミングについて説明すると、各リール32L,32M,32Rの回転が開始されてから、加速期間を経て定速回転に至るまでのストップスイッチ42~44の無効期間中に、押し順報知が実行されるように設定されている。このようにストップスイッチ42~44の操作が有効となるよりも前のタイミングで押し順報知を実行する構成とすることで、ストップスイッチ42~44の操作順序を認識したうえでストップスイッチ42~44の操作に望ませることが可能となり、テンポ良く遊技を進行させることができる。
ステップSb610~ステップSb613における押し順報知用の処理の説明を行う。
すなわち、ステップSb610では、今回のゲームの抽選結果が押し順ベル当選であったか否かを判定する。押し順ベル当選ではない場合には、そのまま抽選結果対応処理を終了する。押し順ベル当選である場合、ステップSb611にて、ATモードフラグがセットされているか否かを判定する。ATモードフラグがセットされている場合、ステップSb612にて今回の押し順ベルの種類に応じて第1小役入賞~第6小役入賞に対応する押し順報知が行われるように指示モニタ68を制御する。そして、ステップSb613にて、第1小役入賞~第6小役入賞に対応する操作順序の情報を含む押し順報知コマンドを、表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本押し順報知用処理を終了する。この押し順報知コマンドを受信した表示制御装置81では、第1小役入賞~第6小役入賞に対応する押し順報知演出が行われるように補助表示部65やスピーカ64を制御する。ステップSb611にてATモードフラグがセットされていない場合には、そのまま抽選結果対応処理を終了する。
<入賞結果対応処理>
次に、リール制御処理におけるステップSb415にて実施される入賞結果対応処理について、図115のフローチャートを参照しながら説明する。入賞結果対応処理では、ゲームの遊技結果に応じて、ATモードを開始させたり終了させたりするための処理を行う。
先ずステップSb1101にて、第1BB状態フラグ及び第2BB状態フラグのいずれかのフラグがセットされているか否かを把握して、今回開始するゲームがいずれかのBB状態であるか否かの判定を行う。BB状態ではない場合には、ステップSb1102にてベット数が3であるか否かを判定する。また、BB状態である場合には、ステップSb1103にてベット数が2であるか否かを判定する。すなわち、ステップSb1101~ステップSb1103の処理は、上記ステップSb601~ステップSb603の処理に対応する処理であり、遊技状態に対応付けられて規定されている一の特定規定数であるか否かを判定する処理である。特定規定数ではない場合には、ステップSb1104以降の表示モード用の処理(指示機能用の処理)を行うことなく入賞結果対応処理を終了する。
ステップSb1102又はステップSb1103にて肯定判定し、ベット数が特定規定数である場合には、ステップSb1104に進む。ステップSb1104では、前兆フラグがセットされているか否かを判定する。前兆フラグがセットされている場合とは、ATモード移行抽選やCZモード移行抽選に当選した後、未だこれらの移行抽選に当選したことの報知が行われていない状況であることを意味する。この場合、ステップSb1105にて、前兆モード用処理を実行してから、入賞結果対応処理を終了する。
一方、ステップSb1104にて前兆フラグがセットされていない場合、ステップSb1106にてCZモードフラグがセットされているか否かを判定する。CZモードフラグがセットされており、CZモード中である場合には、ステップSb1107にてCZモード用処理を実行してから、入賞結果対応処理を終了する。
ステップSb1106にてCZモードフラグがセットされていない場合、ステップSb1108にてATモードフラグがセットされているか否かを判定する。ATモードフラグがセットされており、ATモード中である場合には、ステップSb1109にてATモード用処理を実行してから、入賞結果対応処理を終了する。ステップSb1108にて否定判定した場合には、そのまま入賞結果対応処理を終了する。
以下、前兆モード用処理、CZモード用処理、ATモード用処理について、それぞれ説明する。
<前兆モード用処理>
前兆モード用処理では、図116に示すように、ステップSb1201にて前兆カウンタを1減算する処理を実行する。そして、ステップSb1202にて前兆カウンタが0となったか否かを判定し、0となっていない場合には、そのまま前兆モード用処理を終了する。前兆カウンタが0となっている場合には、ステップSb1203にて前兆フラグをクリアする処理を実行する。
続くステップSb1204では、ATモード当選フラグがセットされているか否かを判定することで、今回の前兆モードがATモード移行抽選に当選したことに基づいて移行したものであったか否かを把握する。ATモード当選フラグがセットされておらず、今回の前兆モードがCZモード移行抽選に当選したことに基づくものであった場合、ステップSb1205に進む。ステップSb1205では、CZモード当選フラグをクリアする処理を実行する。そして、ステップSb1206にてCZモードフラグをセットし、ステップSb1207にて各種カウンタエリア106eに設けられたCZゲームカウンタに所定数としての10を入力する処理を実行する。CZゲームカウンタはCZモードの残りゲーム数をCPU102が把握するためのカウンタであり、CZモードにおいて1ゲーム消化する度に1ずつ減算されるカウンタである。その後、ステップSb1208にてCZ開始コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本前兆モード用処理を終了する。CZ開始コマンドを受信した表示制御装置81は、CZモード移行抽選に当選したことの報知とともに、CZモードが開始されることの報知が補助表示部65やスピーカ64にて行われるように制御する。
ステップSb1204にてATモード当選フラグがセットされており、今回の前兆モードがATモード移行抽選に当選したことに基づく前兆モードであった場合、ステップSb1209にて、ATモード当選フラグをクリアする処理を実行する。そして、ステップSb1210にて、各種フラグ格納エリア106dにATモードフラグをセットする処理を実行する。続くステップSb1211では、継続率設定処理を実行する。上記の通り、本実施形態におけるATモードは所定数のゲーム数を1セットとするセット管理型のATモードであり、残りセット数が存在しない状況(ATセットカウンタが0である状況)でセットの継続抽選に非当選となるまでATモードが継続する構成としており、ステップSb1211の継続率設定処理は継続抽選の当選確率(継続率)を設定する処理である。
本実施形態では、図117に示すように、当選確率の設定処理にて設定される設定値に応じて、複数設けられた継続率(90%、60%、10%)の選択率が異なるように設定されており、ステップSb1211では、当該設定値に基づいて、いずれの継続率を選択するかを抽選により決定する。具体的には、基本的には設定値が高いほど(出玉率が高くなる設定値ほど)高い継続率が選択され易くなるように設定されており、例えば、60%の継続率は設定1では30%の確率で選択されるのに対して、設定6では70%の確率で選択される。但し、90%の継続率は奇数設定の方が偶数設定よりも選択され易くなっており、最も選択され易い設定値は設定5である。そして、90%の継続率を選択した場合には、各種フラグ格納エリア106dに90%フラグをセットし、60%の継続率を選択した場合には、各種フラグ格納エリア106dに60%フラグをセットし、10%の継続率を選択した場合には、各種フラグ格納エリア106dに10%フラグをセットする。これら各継続率を示す情報(90%フラグ、60%フラグ、10%フラグ)は、今回移行するATモードが終了する際にクリアされるフラグである。つまり、一旦、ATモードの継続率が設定された場合には、当該ATモードが終了するまで、その継続率にて各セットの継続抽選が行われる構成としている。
ステップSb1211にて継続率設定処理を実行した後は、ステップSb1212にてATゲームカウンタに18を入力する処理を実行する。上記の通り、ATゲームカウンタは、ATモードの1セットが終了するまでのゲーム数をCPU102が把握するためのカウンタであり、1ゲーム消化する度に1ずつ減算されるカウンタである。そして、ATゲームカウンタが0となった場合に継続条件が成立していれば、再度ATゲームカウンタに所定数である18が入力され、ATゲームカウンタが0となった場合に継続条件が成立していなければ、ATモードが終了することになる。
その後、ステップSb1212にて、AT開始コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行し、前兆モード用処理を終了する。AT開始コマンドを受信した表示制御装置81は、ATモードが開始されることに対応する演出を補助表示部65やスピーカ64にて行うように制御する。
<CZモード用処理>
CZモード用処理では、図118のフローチャートに示すように、ステップSb1301にてCZゲームカウンタを1減算する処理を実行する。続くステップSb1302では、ステップSb1301の処理結果に基づいて、CZゲームカウンタが0となったか否かを判定する。CZゲームカウンタが0となっていない場合には、そのままCZモード用処理を終了する。
CZゲームカウンタが0となっている場合には、ステップSb1303にてCZモードフラグをクリアする処理を実行する。その後、ステップSb1304にてCZ終了コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本CZモード用処理を終了する。CZ終了コマンドを受信した表示制御装置81では、CZモードが終了したことの報知が補助表示部65やスピーカ64にて行われるように制御する。なお、既に説明した通り、CZモード中にATモード移行抽選に当選した場合、CZモードはその時点で終了し、前兆モードに移行する構成としている。そのため、ステップSb1303にてCZモードフラグがクリアされることによってCZモードが終了する場合とは、CZモード中にATモード移行抽選に当選しなかったことを意味する。
<ATモード用処理>
ATモード用処理では、図119のフローチャートに示すように、ステップSb1401にてATゲームカウンタを1減算する処理を実行する。続くステップSb1402では、ステップSb1401の処理結果に基づいて、ATゲームカウンタが0となったか否かを判定する。ATゲームカウンタが0となっていない場合には、そのままATモード用処理を終了する。
ATゲームカウンタが0となっている場合には、ステップSb1403にて継続フラグがセットされているか否かを判定する。継続フラグがセットされており、継続条件が成立している場合、次のセットに移行させるための処理(ステップSb1404~ステップSb1406)を実行する。これに対して、ステップSb1403にて継続フラグがセットされていない場合には、ATモードを終了させるための処理(ステップSb1407~ステップSb1410)を実行する。
ステップSb1403にて継続条件が成立している場合、ステップSb1404にて継続フラグをクリアする処理を実行する。そして、ステップSb1404にてATゲームカウンタに18を入力する処理を実行し、ステップSb1406にてセット更新コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本ATモード用処理を終了する。セット更新コマンドを受信した表示制御装置81は、ATモードのセットの移行が行われたことに対応させて補助表示部65やスピーカ64の演出を更新するための処理を実行する。
一方、ステップSb1403にて継続条件が成立していない場合、ステップSb1407にてATモードフラグをクリアし、ステップSb1408にて継続率の情報(90%フラグ、60%フラグ、10%フラグ)をクリアする処理を実行する。そして、ステップSb1409にて各種フラグ格納エリア106dにATモード終了フラグをセットする処理を実行する。その後、ステップSb1410にてAT終了コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本ATモード用処理を終了する。ATモード終了フラグは、ATモード終了に際して、有利区間を終了させるためのフラグである。ATモード終了コマンドを受信した表示制御装置81は、ATモードが終了したことに対応する演出を行うように補助表示部65やスピーカ64を制御する。
<有利区間の管理>
次に、区間表示器としての第8表示用セグメントN8を制御したり、有利区間へ移行させたり有利区間を終了させるための、区間表示第1処理、及び区間表示第2処理について説明する。
<区間表示第1処理>
先ず、区間表示第1処理について、図120を参照しながら説明する。区間表示第1処理は、抽選処理(図99)におけるステップSb314にて実施される処理であり、スタートレバー41の操作に基づいて当該ゲームの抽選結果が決定されるとともに、当該抽選結果に基づいて表示モードの移行抽選等(抽選結果対応処理)が行われた後に実施される。
ステップSb1501では、区間表示器としての第8表示用セグメントN8が表示中であるか否か、より詳しくは、第8表示用セグメントN8を点灯中か否かを判定する。既に説明した通り、第8表示用セグメントN8を点灯中である場合とは、有利区間のうち、少なくとも押し順報知が発生し得る報知条件が成立している特定区間である場合を示している。ステップSb1501にて否定判定し、第8表示用セグメントN8を消灯中であると判定した場合、ステップSb1502に進む。
ステップSb1502では、各種フラグ格納エリア106dに有利区間当選ゲームフラグがセットされているか否かを判定する。有利区間当選ゲームフラグは、有利区間移行抽選処理において有利区間移行抽選に当選した場合にセットされるフラグであり、その当選ゲームであることをCPU102が特定するためのフラグである。有利区間当選ゲームフラグがセットされている場合、ステップSb1503にて有利区間当選ゲームフラグをクリアする処理を実行する。そして、ステップSb1504にて有利区間フラグをセットする処理を実行する。
ステップSb1505では、有利区間中のゲーム数のカウント、より詳しくは、各種カウンタエリア106eの有利区間ゲーム数AGの計測を開始する処理を行う。有利区間ゲーム数AGは、有利区間の実行ゲーム数を把握する把握手段に相当するものである。そして、ステップSb1506にて、有利区間移行時処理を実行する。有利区間移行時処理は、今回移行させる有利区間の状態や有利度を設定する処理である。具体的には、有利区間移行時処理では、上記の天井カウンタを抽選等により設定し、有利区間移行後、ATモード移行抽選に当選することなくATモードへの移行を許容する天井ゲーム数の設定を行う。天井カウンタの抽選は、例えば、設定値や当該ゲームの抽選結果等を利用して行うとよく、高設定ほど短い天井ゲーム数が選択され易くなるようにしたり、奇数設定よりも偶数設定の方が短い天井ゲーム数が選択され易くなるようにしたり、今回のゲームの抽選結果として当選しにくい結果ほど、短い天井ゲーム数が選択され易くなるようにするとよい。そして、抽選により決定した天井ゲーム数に相当する値を天井カウンタに入力するとよく、例えば、天井カウンタに対応する情報を含む天井コマンドを表示制御装置81へ出力することで、天井ゲーム数を示唆する演出が補助表示部65やスピーカ64にて行われる構成としてもよい。
区間表示第1処理において、ステップSb1506にて有利区間移行時処理を実行した後は、ステップSb1507にて、第8表示用セグメントN8を点灯させることにより区間表示器の表示を開始する。
ステップSb1501にて区間表示器としての第8表示用セグメントN8を表示中であると判定した場合、ステップSb1508にて、有利区間中の表示を継続する処理を実行する。ステップSb1508について具体的には、第8表示用セグメントN8が点灯状態である状況を継続させるための処理を行う。すなわち、区間表示器の表示を終了するための処理は、本区間表示第1処理では実施しない。
ステップSb1502にて有利区間当選ゲームフラグがセットされていないと判定した場合、ステップSb1507にて表示開始処理を実行した後、又はステップSb1508の表示継続処理を実行した後は、ステップSb1509にてATモードフラグがセットされているか否かを判定する。ステップSb1509にていずれのATモードフラグもセットされていないと判定した場合は、ステップSb1510にて、各種カウンタエリア106eに設けられた役比第1カウンタに1を加算する処理を実行する。役比第1カウンタは、押し順報知が発生しないゲーム数、すなわち、通常区間と非特定区間のゲーム数をカウントするためのカウンタである。
これに対して、ステップSb1509にていずれかのATモードフラグがセットされていると判定した場合、ステップSb1511にて、各種カウンタエリア106eに設けられた役比第2カウンタに1を加算する処理を実行する。役比第2カウンタは、押し順報知が発生可能なゲーム数、すなわち、特定区間のゲーム数をカウントするためのカウンタである。
ステップSb1510又はステップSb1511の処理を実行した後は、ステップSb1512にて役比算出処理を実行する。かかる処理では、役比第2カウンタの値を役比第1カウンタと役比第2カウンタとの加算値(全ゲーム数)で除算する処理を行う。すなわち、役比算出処理は、全ゲーム数のうち、押し順報知が発生し得るゲーム数の割合を算出する処理である。そして、ステップSb1513にて、ステップSb1512の演算処理結果が役比モニタ77にて表示されるようにするための処理を実行する。
図5に示すように、役比モニタ77は、7つの表示用セグメントからなる7セグ表示部を複数有している。具体的には、役比モニタ77は、7セグ表示部としての第1表示部77a、第2表示部77b、第3表示部77c、第4表示部77d、第5表示部77eを有している。第1表示部77a~第5表示部77eにおける表示用セグメントは、指示モニタ68の表示用セグメントN1~N7と同様に、LEDからなる個別の光源を有しており、それら個別の光源がオンオフ制御されることで、任意の1個の表示用セグメントのみを点灯させることができるとともに、任意の組み合わせの表示用セグメントを点灯させることができる。これにより、役比モニタ77は、それぞれ個別に所定の記号(アルファベットや数字を含む)が表示されるようになっており、特に、役比モニタ77では、5桁の数字を表示可能となっている。
ステップSb1513では、ステップSb1512の演算処理の結果を役比モニタ77に出力するとともに、役比モニタ77にて、4桁の数字が表示されるように役比モニタ77における各表示部77a~77eの表示制御を行う。具体的には、全ゲーム数のうち、押し順報知が発生し得るゲーム数の割合として、例えば、「0.5012」といったように、1よりも小さい数であって、小数点以下4桁までの数字が役比モニタ77にて表示される。ステップSb1513の処理を実行した後は、区間表示第1処理を終了する。
なお、ステップSb1512の演算処理において小数点以下第5桁の数字を四捨五入する処理を行ったうえで、役比モニタ77の表示制御を行う構成としてもよい。また、役比モニタ77のうち、第1表示部77aは、基本的には「0」が表示されるため、第1表示部77aを有さないようにしたり、第1表示部77aを印刷等によって「0」との表示が常にされる構成としてもよい。また、第1表示部77aと第2表示部77bとの間に、小数点が印刷等により表示される構成とするとよい。
<区間表示第2処理>
次に、区間表示第2処理について、図121のフローチャートを参照しながら説明する。既に説明したとおり、区間表示第2処理は、リール制御処理のステップSb416にて実施される処理であり、1ゲームの終了に際して、メダルの払出(払出判定処理)及び入賞結果に基づく遊技状態の移行等(入賞結果対応処理)が行われてから実施される。
ステップSb1601では、有利区間フラグがセットされているか否かを判定する。セットされていない場合には、そのまま区間表示第2処理を終了する。有利区間フラグがセットされている場合には、ステップSb1602にて、有利区間中のゲーム数をカウントする処理を実行する。具体的には、上記有利区間ゲーム数AGを1加算する処理を行う。続くステップSb1603では、各種カウンタエリア106eに設けられた有利区間増減枚数MY(MYカウンタ)の更新処理を実行する。
ステップSb1603のMY更新処理では、今回のゲームの遊技結果がいずれかの再遊技入賞ではないことを条件として、払出枚数から投入枚数(ベット数)を減算し、その減算結果を有利区間増減枚数MYに加算することによって、有利区間増減枚数MYの更新を行う。
ステップSb1603のMY更新処理を実行した後は、ステップSb1604にて、残ゲーム数管理処理を実行し、続くステップSb1605にて、残枚数管理処理を実行する。残ゲーム数管理処理は、ATモードの残りゲーム数等に基づき、現状の残りゲーム数で有利区間が上限ゲーム数(1500ゲーム)に達する状況となっているか否かの管理を行うための処理である。残ゲーム数管理処理では、例えば、有利区間ゲーム数AG(有利区間の消化ゲーム数)と、ATゲームカウンタ(ATモードの残りゲーム数)との合計が、有利区間の上限ゲーム数より多い状況か否かを把握する。そして、そのような状況であれば、その状況を特定するためのフラグとして、各種フラグ格納エリア106dに第1超過フラグをセットする。また、残枚数管理処理は、ATモードの残りゲーム数等に基づき、現状の残りゲーム数で有利区間が上限増加数(2400枚)に達する状況となっているか否かの管理を行うための処理である。残払出枚数管理処理では、例えば、ATゲームカウンタとATモード中の1ゲーム当たりの平均増加枚数とから算出される期待増加枚数と、現状の有利区間増減枚数MYとの合計が有利区間の増減枚数より多い状況か否かを把握する。そして、そのような状況であれば、その状況を特定するためのフラグとして、各種フラグ格納エリア106dに第2超過フラグをセットする。
残ゲーム数管理処理、残枚数管理処理を実行した後は、ステップSb1606にて、上記有利区間ゲーム数AGが上限ゲーム数である1500に達したか否か、又は有利区間増減枚数MYが上限増加数である2400以上となったか否かを判定する。これらいずれかの強制終了条件が成立している場合には、ステップSb1607にて、有利区間ゲーム数AG及び有利区間増減枚数MYを0にクリアする。続くステップSb1608では、区間表示器としての第8表示用セグメントN8の表示を終了させる処理を行う。そして、ステップSb1609にて、有利区間中の各種フラグやカウンタ等のパラメータ、情報を初期化する処理を実行してから、本区間表示第2処理を終了する。
ステップSb1609の有利区間用情報の初期化処理について、具体的には、今回の有利区間への移行に際して設定されたフラグやカウンタ、及び、今回の有利区間中に設定されたフラグやカウンタを初期値に戻す処理を実行する。例えば、有利区間フラグや、各種ATモードフラグ等がクリアされておらずセットされていれば、これらのフラグをクリアする。さらに、有利区間ゲーム数AGや有利区間増減枚数MY、ATモードの継続ゲーム数用のカウンタ、AT準備カウンタ等が0より大きければ、これらのカウンタを全て0にリセットする。つまり、本有利区間用情報の初期化処理では、押し順報知を用いた有利な状態としての有利区間に関し、押し順報知に係る性能に及ぼす全ての変数乃至パラメータを初期化するものであり、かかる変数乃至パラメータに関してRAMクリアを行う処理である。
ステップSb1606にて有利区間ゲーム数AGが上限値に達しておらず、且つ有利区間増減枚数MYが上限増加数に達していないと判定した場合は、ステップSb1610に進み、ATモード終了フラグがセットされているか否かを判定する。ATモード終了フラグがセットされている場合、ステップSb1607に進み、有利区間終了用の処理を実行する。ATモード終了フラグがセットされていない場合、そのまま有利区間終了用の処理を実行する。
<演出設定処理>
表示制御装置81のCPU181にて実行される演出設定処理について、図122のフローチャートに基づき説明する。演出設定処理は、CPU181により所定周期(例えば、2msec周期)で起動される処理である。
演出設定処理では、先ずステップSb1701にて、主制御装置101から新たなコマンドを受信したか否かを判定する。新たなコマンドを受信している場合には、ステップSb1702にて、受信したコマンドをRAM183に格納する処理を実行する。RAM183にはコマンド格納エリアが設けられており、当該コマンド格納エリアは、複数のコマンドを個別に記憶可能であって先に記憶したコマンドから読み出し可能なリングバッファとして構成されている。
ステップSb1701にて否定判定した場合、又はステップSb1702の処理を実行した後は、ステップSb1703にて、新たに受信したコマンドが、ベット時コマンドであったか否かを判定する。ベット時コマンドとは、ベット操作が行われたことに基づいて主制御装置101から出力されるコマンドであり、通常処理のステップSb206にてセットされるベットコマンド等である。ベット時コマンドである場合には、ステップSb1704にて今回のベット操作に基づく演出設定を行うためのベット時演出設定処理を実行する。
ステップSb1703にて否定判定した場合、又はステップSb1704の処理を実行した後は、ステップSb1705にて、新たに受信したコマンドが、開始時コマンドであったか否かを判定する。開始時コマンドとは、スタートレバー41の操作が行われたことに基づいて主制御装置101から出力されるコマンドであり、抽選処理のステップSb311にてセットされる抽選結果コマンドの他、抽選結果対応処理(図107)等にてセットされる前兆コマンド、継続コマンド、セット上乗せコマンド及び押し順報知コマンド等がある。これらの開始時コマンドである場合には、ステップSb1706にて開始時演出設定処理を実行する。
ステップSb1705にて否定判定した場合、又はステップSb1706の処理を実行した後は、ステップSb1707にて、新たに受信したコマンドが、各停止操作時コマンドであったか否かを判定する。各停止操作時コマンドとは、各リール32L,32M,32Rのそれぞれの停止操作が行われたことに基づいて主制御装置101から出力されるコマンドであり、リール制御処理(図102)のステップSb406にてセットされる停止指令コマンドである。かかる各停止操作時コマンドとしての停止指令コマンドである場合には、ステップSb1708にて今回の停止操作に基づく演出設定を行うための各停止操作時演出設定処理を実行する。
ステップSb1707にて否定判定した場合、又はステップSb1708の処理を実行した後は、ステップSb1709にて、新たに受信したコマンドが、全停止時コマンドであるか否かを判定する。全停止時コマンドとは、全リール32L,32M,32Rが停止したことに基づいて主制御装置101から出力されるコマンドであり、リール制御処理(図102)のステップSb419にてセットされる入賞結果コマンドの他、ボーナス状態処理(図104)や入賞結果対応処理(図115)等にてセットされる第1BB開始コマンド、第2BB開始コマンド、第1BB終了コマンド、第2BB終了コマンド、CZ開始コマンド、AT開始コマンド、CZ終了コマンド、セット更新コマンド、AT終了コマンド等がある。これらの全停止時コマンドである場合には、ステップSb1710にて全停止時演出設定処理を実行する。
ステップSb1709にて否定判定した場合、又はステップSb1710の処理を実行した後は、ステップSb1711にて、その他の処理を実行してから、演出設定処理を終了する。ステップSb1711では、上記の各演出設定処理にて設定された各種演出が、対応するタイミングにて実行されるように補助表示部65やスピーカ64等を制御する。また、ステップSb1711では、ベット時、開始時、停止時以外の主制御装置101からの指令に基づく演出(例えば、精算スイッチ59の操作に基づく演出等)の設定や、主制御装置101を介さずに接続されたセンサ(演出スイッチ検出センサ等)からの信号に基づく演出の設定、エラー報知用の設定等を行う。
以下、開始時演出設定処理、全停止時演出設定処理について説明する。
<開始時演出設定処理>
ステップSb1706の開始時演出設定処理について、図123のフローチャートに基づき説明する。
ステップSb1801では、受信している抽選結果コマンドに基づいて、今回開始されるゲームの抽選結果が押し順役当選(押し順ベル当選)であるか否かを判定する。押し順役当選である場合には、ステップSb1802にて、押し順報知コマンドを受信しているか否かを判定する。押し順報知コマンドを受信している場合、ステップSb1803にて第1小役入賞~第6小役入賞に対応する押し順報知演出が補助表示部65やスピーカ64にて行われるようにするための設定を実行する。
ステップSb1801にて、今回のゲームの抽選結果が押し順役当選ではないと判定した場合、ステップSb1804にて今回のゲームの抽選結果が特定役当選であるか否かを判定する。既に説明した通り、特定役とは、各ゲームの抽選結果として出現しにくい(当選しにくい)所謂レア役と称される抽選結果であり、本実施形態では、チャンス目A~チャンス目C、チェリーA~チェリーC及びスイカを特定役として設定している。図109に示す通り、これらの抽選結果を契機とするATモード移行抽選ではATモード移行当選となる確率が他の抽選結果よりも高くなるように設定されている。また、ATモードの上乗せ抽選ではこれら特定役当選である場合には当該上乗せ抽選に当選し得る一方、通常リプA等の通常役当選である場合には上乗せ抽選に当選し得ない構成としている。今回のゲームの抽選結果が特定役当選である場合、ステップSb1805にて、特定役報知演出を設定する処理を実行する。特定役報知演出の設定処理では、今回のゲームの抽選結果が上記特定役のいずれかであることの特定役報知が補助表示部65やスピーカ64にて行われるようにするための設定を実行する。特定役報知としては、例えば、3つ設けられているストップスイッチ42~44に対応させて、ビックリマークのキャラクタが補助表示部65に3つ表示されるような演出が設定されている。
ステップSb1802若しくはステップSb1804にて否定判定した場合、又はステップSb1803若しくはステップSb1805の処理を実行した後は、ステップSb1806に進む。ステップSb1806では、今回の開始時コマンドとして、前兆コマンドを受信しているか否かを判定する。前兆コマンドを受信しており、ATモード移行抽選又はCZモード移行抽選に当選し、前兆モードに設定される場合、ステップSb1807にて各種カウンタエリア183bに設けられたサブ側前兆カウンタに前兆ゲーム数に対応する値を入力する処理を実行する。サブ側前兆カウンタは、主制御装置101における前兆カウンタに相当するものであり、前兆モードの残りゲーム数をCPU181が把握するためのカウンタであり、当該サブ側前兆カウンタが0よりも大きい状況が前兆モードとなる。
ステップSb1806にて否定判定した場合、又はステップSb1807の処理を実行した後は、ステップSb1808にて上記のサブ側前兆カウンタが0よりも大きいか否かを判定する。サブ側前兆カウンタが0よりも大きく、前兆モード中である場合、ステップSb1809にてサブ側前兆カウンタを1減算する処理を実行する。そして、ステップSb1810にてサブ側前兆カウンタの値に応じた前兆モード用の演出を設定する処理を実行する。例えば、サブ側前兆カウンタの値が小さいほど、いずれかの移行抽選に当選していることを強く示唆する演出が補助表示部65やスピーカ64にて行われるようにしたりするとよい。
ステップSb1808にて否定判定した場合、又はステップSb1810の処理を実行した後は、ステップSb1811にてAT演出設定処理を実行し、ステップSb1812にてその他の開始時演出設定処理を実行してから、本開始時演出設定処理を終了する。ステップSb1812では、例えば、ゲーム開始に対応させて抽選結果を示唆する演出を設定したり、スタートレバー41周辺のランプを消灯させてその操作が受け付けられたことの報知を行うための処理等を実行する。AT演出設定処理については、後に詳細に説明する。
<全停止時演出設定処理>
次に、演出設定処理(図122)におけるステップSb1710の全停止時演出設定処理について、図124のフローチャートを参照しながら説明する。既に説明した通り、全停止時演出設定処理は、新たに受信したコマンドが、入賞結果コマンド、第1BB開始コマンド、第2BB開始コマンド、第1BB終了コマンド、第2BB終了コマンド、CZ開始コマンド、AT開始コマンド、CZ終了コマンド、セット更新コマンド、AT終了コマンド等等の全停止時コマンドである場合に、演出設定を行うための処理である。
ステップSb1901では、CZ開始コマンドを受信しているか否かを判定する。CZ開始コマンドを受信している場合、ステップSb1902にて各種フラグ格納エリア183aにサブ側CZフラグをセットする処理を実行し、ステップSb1903にてCZ開始演出を補助表示部65やスピーカ64にて行うための演出設定処理を実行する。CZ開始演出は、例えば、図125(a)に示すように、CZモードが開始されること、及びCZモードの残りゲーム数(10)を補助表示部65にて表示する。
ステップSb1901にて否定判定した場合、ステップSb1904にて、CZ終了コマンドを受信しているか否かを判定する。CZ終了コマンドを受信している場合、ステップSb1905にて上記のサブ側CZフラグをクリアする処理を実行し、ステップSb1906にてCZ終了演出を補助表示部65やスピーカ64にて行うための演出設定処理を実行する。CZ終了演出は、例えば、図125(b)に示すように、CZモードの残りゲーム数が0となり、CZモードが終了したことを報知する演出が設定されている。なお、CPU181は、上記のサブ側CZフラグがセットされている各ゲームでは、CZモード用の演出を補助表示部65やスピーカ64にて行うように設定する。CZモード用の演出は、CZモード中であることを遊技者が識別可能となるように、例えば、背景色や登場するキャラクタ等が通常モードのそれと異ならせている。また、CZモード用の演出を行うにあたり、CPU181は、CZモードの残りゲーム数の表示もゲームの進行に応じてその表示を更新(減算)するように制御する。
ステップSb1904にて否定判定した場合、ステップSb1907にてAT開始コマンドを受信しているか否かを判定する。AT開始コマンドを受信している場合、ステップSb1908にて各種フラグ格納エリア183aにサブ側ATフラグをセットする処理を実行し、続くステップSb1909にて各種カウンタエリア183bに設けられたサブ側ATカウンタに18を入力する処理を実行する。サブ側ATカウンタは、主制御装置101側のATゲームカウンタに相当するものである。ステップSb1909の処理を実行した後は、ステップSb1910にて各種カウンタエリア183bに設けられたサブ側セットカウンタを1加算する処理を実行する。サブ側セットカウンタは、ATモードのセット数をCPU181が把握するためのカウンタである。
続くステップSb1911では、AT開始演出を補助表示部65やスピーカ64にて行うための演出設定処理を実行する。AT開始演出は、例えば、図126(a)に示すように、ATモードが開始される旨の表示(「AT スタート」といった文字表示)が行われる演出が設定されている。なお、AT開始演出において、開始するATモードの継続率を示唆するように、例えば、背景や効果音が継続率に応じて異なるように設定してもよい。
ステップSb1907にて否定判定した場合、ステップSb1912にてAT終了コマンドを受信しているか否かを判定する。AT終了コマンドを受信している場合、ステップSb1913にてサブ側ATフラグをクリアする処理を実行し、ステップSb1914にてAT終了演出を補助表示部65やスピーカ64にて行うための演出設定処理を実行する。AT終了演出は、例えば、図126(b)に示すように、ATモードが終了する旨の表示(「またね」といった文字表示)とともに、今回のATモードの継続セット数や獲得メダル数の報知を行う演出が設定されている。
ステップSb1912にて否定判定した場合、ステップSb1915にてセット更新コマンドを受信しているか否かを判定する。セット更新コマンドを受信しており、ATモードの1セットが終了し、次のセットに移行する場合、ステップSb1916にて各種フラグ格納エリア183aにセットされているサブ側継続フラグをクリアする処理を実行する。サブ側継続フラグは、主制御装置101側の継続フラグに相当するものである。続くステップSb1917では、各種フラグ格納エリア183aに発生済みフラグがセットされているか否かを確認し、セットされている場合には、当該発生済みフラグをクリアする処理を実行する。発生済みフラグは、今回終了するセットにおいて、予め定められた特定演出が発生したことをCPU181が把握するためのフラグである。特定演出については後に詳細に説明するが、ステップSb1917では、セットの更新に際して、更新前のセットで特定演出が発生したことの情報を消去する処理を行う。
ステップSb1917の処理を実行した後は、ステップSb1918にてサブ側ATカウンタに18を入力する処理を実行し、ステップSb1919にてサブ側セットカウンタを1加算する処理を実行する。
ステップSb1903、ステップSb1906、ステップSb1911、ステップSb1914若しくはステップSb1919の処理を実行した後、又はステップSb1915にて否定判定した後は、ステップSb1920にてその他の全停止時演出設定処理を実行してから、本全停止時演出設定処理を終了する。ステップSb1920では、BBの開始や終了に際して出力される各種コマンド対応する演出を行うための処理を行ったり、入賞役に対応させた色で上部ランプ63が点灯するように制御したり、入賞役の払出数に対応する効果音がスピーカ64から発せられるように制御したり、リプレイ時の自動ベットに対応する効果音がスピーカ64から発せられるように制御したりする。
<AT演出設定処理>
次に、開始時演出設定処理(図123)におけるステップSb1811にて実行されるAT演出設定処理について、図127のフローチャートを参照しながら説明する。AT演出設定処理は、ATモード中の演出を行うための処理である。そこで、AT演出設定処理の説明に先立って、ATモード中の演出の概要を図129~図133を参照しながら説明する。
<AT演出の概要>
既に説明した通り、本実施形態におけるATモードは、所定数としての18ゲームを1セットとするセット管理型のATモードであり、1セットのゲームを消化した際に継続条件が成立していれば次のセットに移行する一方、継続条件が成立していなければ当該セットにてATモードが終了する。本実施形態では、1セット中の演出として、味方キャラクタと敵キャラクタとが対決し、継続条件が成立していれば当該味方キャラクタが勝利し、継続条件が成立していなければ味方キャラクタが敗北して敵キャラクタが勝利する。本実施形態では、1セットのゲームの内、前半の10ゲームと、後半の8ゲームとで行われる演出が異なっており、上記の味方キャラクタと敵キャラクタとが対決するバトル演出は後半8ゲームである後半パートにて行われ、前半10ゲームである前半パートでは当該バトル演出を行う味方キャラクタと敵キャラクタとが対峙する対峙演出が設定されている。
前半パートの対峙演出としては、図129に示すように、1ゲーム目では、対決する味方キャラクタと敵キャラクタとが補助表示部65にて表示されるVS表示演出(図132(a1))が設定されている。対峙演出の2ゲーム目~4ゲーム目では、味方キャラクタが背後にオーラを纏いながら気合を入れている様子が補助表示部65にて表示される味方キャラクタアップ演出(図132(b1))が設定されている。対峙演出の5ゲーム目~7ゲーム目では、月夜に照らされる敵キャラクタが補助表示部65にて表示される敵キャラクタアップ演出(図132(c1))が設定されている。対峙演出の8ゲーム目~10ゲーム目では、味方キャラクタと敵キャラクタとが火花を散らしながらにらみ合っている様子が補助表示部65にて表示されるにらみ合い演出(図132(d1))が設定されている。
後半パートのバトル演出としては、図130に示すように、11ゲーム目~16ゲーム目にて、味方キャラクタが攻撃する味方攻撃演出(図133(a))、及び敵キャラクタが攻撃する敵攻撃演出(図133(b))のいずれかの攻撃演出が合計3回繰り返され、17ゲーム目にて双方が攻撃し合う双方攻撃演出が行われる。そして、継続条件が成立している場合には、セットの最終ゲームである18ゲーム目にて味方キャラクタが勝利する味方勝利演出(図133(c))が行われて次のセットに移行し、継続条件が成立していない場合には、当該18ゲーム目にて味方キャラクタが敗北する味方敗北演出(図133(d))が行われてATモードが終了する。
このように、本実施形態では、対峙演出を経てからバトル演出が行われ、そのバトル演出にて継続条件の成否が報知される、といった1セットの演出が設定されており、当該バトル演出の内容や結果への注目度が好適に高められている。
既に説明した通り、本実施形態におけるセット管理型のATモードでは、1セットの開始に際して継続抽選が行われて継続条件の成否が決定されるほか、仮に当該継続抽選に非当選であってもセットの途中で特定役当選に基づく上乗せ抽選に当選した場合には、継続条件が成立し、次セットへ移行する構成としている。
ここで、上記のように特定役当選に基づいて継続条件が成立し得る構成とすることで、各ゲームの抽選結果への注目度が好適に高められるものの、特定役の当選確率やセットのゲーム数によっては、上記のような上乗せ抽選に当選することで継続条件が成立する事象が発生しにくくなり、遊技者としてはそのような事象へ期待を寄せなくなる可能性がある。そうすると、せっかく上乗せ抽選を用いてゲームの抽選結果に対する注目度を向上させようとしても、その効果を期待できない可能性も生じ得る。
特に、ATモードにおける1ゲーム当たりのメダル増加数(純増枚数)を多くすることで、ATモードの遊技性や遊技進行の好適化を図ろうとする場合、ATモードの1セット当たりのゲーム数は少なくなり易く、上記のように特定役を契機として継続条件が成立する事象は生じにくくなる。しかも、有利区間に上限ゲーム数が定められていることから、ATモード以外の通常モードやCZモードのゲーム数を多くしたり、ATモードにて上限増加数(2400枚)のメダル増加を期待できるようにしたりすると、おのずとATモードのゲーム数を少なくして上記の純増枚数を多くする構成となり易く、特定役を契機として継続条件が成立する事象は生じにくくなる。
そこで、本実施形態では、セットの継続抽選に当選している場合、その継続抽選に当選していることの報知(上記の味方勝利演出)よりも前のゲームにて、当該ゲームの抽選結果が特定役ではなくても、あたかも上乗せ抽選に当選したかのように報知する構成としている。
そして、上記のように継続抽選の結果を各ゲームの抽選結果に基づいて報知する構成とすることで、各セットの更新時の継続抽選にて継続条件の成否が決定しているのではなく、各ゲームの抽選結果に基づいて各セットの継続条件の成否が決定している印象を与えることが可能となる。
以下、上記のようなATモード中の各セットの演出を行うための処理構成について説明する。
図127に示すように、AT演出設定処理では、ステップSb2001にてサブ側ATカウンタを1減算する処理を実行する。そして、ステップSb2002にて、今回の開始時コマンドとして継続コマンドを受信しているか否かを判定する。既に説明した通り、継続コマンドは、1セットの開始に際して(セットの1ゲーム目の開始時に)継続抽選に当選している場合に出力される(図111)他、当該継続抽選に非当選であったセットにおいて上乗せ抽選に当選した場合に出力される(図112)コマンドである。
ステップSb2002にて継続コマンドを受信している場合、ステップSb2003にてサブ側継続フラグをセットする処理を実行する。かかる処理によって、CPU181は今回のセットの継続条件が成立していることを把握可能となる。
ステップSb2002にて否定判定した場合、又はステップSb2003の処理を実行した後は、ステップSb2004に進む。ステップSb2004では、サブ側ATカウンタが7よりも大きいか否かを判定することで、セットの1ゲーム目~10ゲーム目であるか否かを判定する。セットの1ゲーム目~10ゲーム目である場合には、ステップSb2005~ステップSb2008にて前半パートである対峙演出を行うための処理を実行し、11ゲーム目~18ゲーム目である場合には、ステップSb2009~ステップSb2013にて後半パートであるバトル演出を行うための処理を実行する。
対峙演出を行うための処理としては、ステップSb2005にて各種テーブル記憶エリア182aから対峙演出テーブルを取得する処理を実行する。対峙演出テーブルは、図129に示すように、サブ側ATカウンタの値とに応じて、各ゲームにて実行すべき対峙演出の詳細な演出内容(VS表示演出、味方キャラクタアップ演出、敵キャラクタアップ演出、にらみ合い演出)が記憶されている。
ここで、対峙演出としては、通常演出と特定演出とが設定されており、今回のセットの継続条件が成立している場合には、特定演出としての対峙演出が発生し得る構成としている。特定演出は、補助表示部65における一部の演出内容が通常演出と異なる演出として設定されている。
例えば、VS表示演出においては、通常演出では味方キャラクタと敵キャラクタとの間に表示される「VS」との文字が白文字で表示されるのに対して、特定演出では当該「VS」との文字が赤文字で表示されるように設定されている。味方キャラクタアップ演出においては、通常演出では味方キャラクタの纏うオーラが白色であるのに対して、特定演出では当該オーラが虹色にて表示されるように設定されている。敵キャラクタアップ演出においては、通常演出では三日月が表示されるのに対して、特定演出では満月が表示されるように設定されている。にらみ合い演出においては、特定演出では女の子のキャラクタが味方キャラクタを応援する様子が表示されるのに対して、通常演出では当該女の子のキャラクタは登場しないように設定されている。
ステップSb2005にて対峙演出テーブルを取得した後は、ステップSb2006にてサブ側継続フラグがセットされているか否かを判定し、セットされている場合には、ステップSb2007にて特定演出設定処理を実行する。特定演出設定処理は、上記のとおり通常演出と特定演出とが設定されている対峙演出において、特定演出を実行するか否かを設定するための処理である。
<特定演出設定処理>
特定演出設定処理では、図128のフローチャートに示すように、ステップSb2101にて各種フラグ格納エリア183aに発生済みフラグがセットされているか否かを判定する。発生済みフラグは、今回のセットにおいて特定演出を既に発生させたことをCPU181が把握するためのフラグであり、特定演出を発生させた場合にセットされるフラグである。発生済みフラグがセットされている場合には、そのまま特定演出設定処理を終了する。すなわち、本実施形態においては、特定演出は、1セットのうち1回だけ発生し得るものとして設定されている。
発生済みフラグがセットされていない場合、ステップSb2102にて今回のゲームの抽選結果を把握する処理を実行し、ステップSb2103にて、今回のATモードの継続率を把握する処理を実行する。そして、ステップSb2104にて各種テーブル記憶エリア182aから特定演出テーブルを取得する処理を実行し、ステップSb2105にて特定演出抽選処理を実行する。
特定演出テーブルは、図131に示すように、各ゲームの抽選結果とATモードの継続率とに応じて、特定演出の発生率が設定されている。例えば、継続率10%のATモードにおいて、チャンス目Aであるゲームでは3.1%の確率で特定演出が発生するのに対して、チャンス目Bであるゲームでは20.0%の確率で特定演出が発生し、ゲームの抽選結果として当選しにくい結果ほど特定演出が発生し易くなるように設定されている。しかも、本実施形態では、これらチャンス目Aやチャンス目Bのような所謂レア役としての特定役だけではなく、通常役である通常リプAや通常リプB、通常リプC、押し順ベルであっても特定演出が発生し得るように設定されている。また、いずれの結果にも当選しない外れ結果であっても特定演出が発生し得るように設定されている。
この場合、例えば、各ゲームの抽選結果として押し順ベルには約65%の確率で当選し、継続率10%のATモードでは、当該押し順ベルを契機として約3.8%の確率で特定演出が発生することから、各ゲームで押し順ベルを契機として特定演出が発生する確率は約2.5%である。これに対して、例えば、出現すれば必ず特定演出が発生するチェリーCにおいては、各ゲームの抽選結果として約0.008%の確率で当選することから、各ゲームでチェリーCを契機として特定演出が発生する確率も約0.008%であり、押し順ベルを契機とする発生率よりも低い。
このように本実施形態では、通常リプA~通常リプC、押し順ベルに外れ結果を含めた通常役を契機として特定演出が発生する確率の方が、チャンス目A~チャンス目C、チェリーA~チェリーC、共通ベル及びスイカといった特定役を契機として特定演出が発生する確率よりも高くなるように設定されている。そして、継続率10%のATモードにおいては、通常役を契機として約5.5%(約18.2分の1)の確率で特定演出が発生するのに対して、特定役を契機として約0.8%(約122分の1)の確率で特定演出が発生し、継続率90%のATモードにおいては、通常役を契機として約13.3%(約7.52分の1)の確率で特定演出が発生するのに対して、特定役を契機として約1.0%(約105分の1)の確率で特定演出が発生する。
つまり、特定役を契機として実行される特定演出抽選の当選確率の方が、通常役を契機とする特定演出抽選の当選確率よりも高く設定されているものの、通常役は各ゲームで約96.4%の確率(約1.04分の1)の確率で出現(当選)し、特定役は各ゲームで約3.56%の確率(約28.1分の1)の確率で出現(当選)するように設定されていることから、通常役を契機とする特定演出の発生確率の方が、特定役を契機とする特定演出の発生確率よりも高くなり、ゲームの抽選結果が通常役であっても特定演出の発生に期待できるように設定されている。
特定演出が発生し得る対峙演出の継続ゲーム数(10)との関係では、継続率10%のATモードにおいては、通常役を契機とする特定演出の発生確率の分母(約18.2)は対峙演出の継続ゲーム数よりも大きいものの、継続率90%のATモードにおいては、通常役を契機とする特定役の発生確率の分母(約7.52)は対峙演出の継続ゲーム数よりも小さくなるように設定されている。これに対して、継続率10%のATモードにおいて、特定役を契機とする特定演出の発生確率の分母(約122)は対峙演出の継続ゲーム数よりも大きく、継続率90%のATモードにおいても、特定役を契機とする特定演出の発生確率の分母(約105)は対峙演出の継続ゲーム数よりも大きくなるように設定されている。そのため、継続条件が成立している状況下においては、継続率が90%のATモードであれば(60%であっても、10%ではなければ)、通常役を契機とする特定演出が、平均して少なくとも1回は発生し得るような確率となり、これに対して、特定役を契機とする特定演出はATモードの継続率に関わらず、1回も発生しない場合の方が高くなる。
このようにすることで、特定役を契機とした上乗せ当選を願いながらも、通常役であっても上乗せ当選に期待させることが可能となり、少ないゲーム数のATモードであっても、各ゲームで上乗せ当選に期待させる遊技性を実現できる。
しかも、本実施形態では、ATモードの継続率によって特定演出の発生確率が異なっており、基本的には、ゲームの抽選結果が同じであっても、継続率が高いほど特定演出が発生し易くなるように設定されている。例えば、押し順ベルを契機とする特定演出は、継続率10%のATモードでは約3.8%の確率で発生するのに対して、継続率90%のATモードでは約12.5%の確率で発生するように設定されており、また、外れ結果を契機とする特定演出は、継続率10%のATモードでは約13.8%の確率で発生するのに対して、継続率90%のATモードでは約23.5%の確率で発生するように設定されている。そのため、1ゲーム当たりの特定演出の発生率は、継続率10%であれば約6.3%であるのに対して、継続率90%であれば約14.2%であり、高い継続率のATモードほど、早期に特定演出が発生し易くなっている。そして、10ゲーム間の対峙演出において、特定演出が発生する確率は、継続率10%のATモードであれば約48.0%であり、継続率90%のATモードであれば約78.5%であり、特定演出の発生確率を通じて、ATモードの継続率を予測させることが可能である。
ステップSb2105にて特定演出抽選処理を実行した後は、ステップSb2106にて当該抽選処理にて当選となったか否かを判定し、非当選と判定した場合には、そのまま特定演出設定処理を終了する。この場合、今回の対峙演出では通常演出が実行されることになる(後述のステップSb2008)。ステップSb2106にて特定演出抽選に当選したと判定した場合、ステップSb2107にてサブ側ATカウンタの値に応じた特定演出を把握する処理を実行する。具体的には、例えば、サブ側ATカウンタが1であれば、今回の特定演出として「VS」の文字表示を赤文字にて表示する特定演出を把握し、サブ側ATカウンタが2~4であれば、今回の特定演出として味方キャラクタの纏うオーラの色を虹色にて表示する特定演出を把握する。そして、ステップSb2108にて発生済みフラグをセットする処理を実行してから、特定演出設定処理を終了する。
AT演出設定処理において、ステップSb2006にて否定判定した場合、又はステップSb2007にて特定演出設定処理を実行した後は、ステップSb2008にて今回のゲームにて補助表示部65やスピーカ64にて行う対峙演出を設定する処理を実行してから、AT演出設定処理を終了する。この場合、上記ステップSb2107にて特定演出が把握されている場合には、当該特定演出が発生する対峙演出が行われるように設定し、ステップSb2107の処理が行われていなければ(ステップSb2006又はステップSb2106にて否定判定した場合には)、通常演出が発生する対峙演出が行われるように設定する。
このようにすることで、継続条件が成立しており、主制御装置101側に継続フラグがセットされている状況においては、ATモードの各セットの前半パートの対峙演出にて特定演出が発生し得るようになる。そして、その特定演出の発生は、通常役を契機とする割合の方が特定役を契機とする割合よりも大きくなり、更に、継続率の高いATモードほど、早期に特定演出が発生し易いことから、遊技者としては、セットの前半パートにおいて特定演出が発生することを願いながら遊技を進行するようになり、当該前半パートの遊技性を格段に向上させることが可能となる。
AT演出設定処理においてステップSb2004にてサブ側ATカウンタが7以下であり、後半パートである場合、バトル演出を行うための処理を実行する。すなわち、ステップSb2009では、サブ側ATカウンタが7であり、1セットの11ゲーム目であってバトル演出の1ゲーム目であるか否かを判定する。サブ側ATカウンタが7である場合、ステップSb2010にてサブ側継続フラグがセットされているか否かを判定し、セットされている場合には、ステップSb2011にて各種テーブル記憶エリア182aから継続用バトル演出テーブルを取得し、当該取得した演出テーブルから今回のセットにて行うバトル演出を抽選等により選択する処理を実行する。
継続用バトル演出テーブルは、図130に示すように、セットの最終ゲームにて味方勝利演出が発生して継続条件が成立していることの報知が行われるものであって、セットの11ゲーム目~16ゲーム目に味方攻撃演出及び敵攻撃演出の組み合わせが異なる複数の演出テーブル(PA1~PA8)が設定されている。いずれの演出テーブルが選択されるかについては、ATモードの継続率によって異なっており、例えば、味方攻撃演出が3回連続で発生する演出テーブル(PA1)については、10%継続のATモードが最も選択され易く、90%継続のATモードが最も選択されにくくなるように設定されており、また、敵攻撃演出→敵攻撃演出→味方攻撃演出の順で行われる演出テーブル(PA5)は、90%継続のATモードが最も選択され易く、10%継続のATモードが最も選択されにくくなるように設定されている。そして、例えば、味方攻撃演出→敵攻撃演出→敵攻撃演出の順で行われる演出テーブル(PA7)は、10%継続のATモード及び90%継続のATモードでは選択され得る一方、60%継続のATモードでは選択されず、敵攻撃演出が3回連続で発生する演出テーブル(PA8)は、10%継続のATモード及び60%継続のATモードでは選択されない一方、90%継続のATモードでは選択され得る、といったように、選択される演出テーブル(各攻撃演出の組み合わせと順序)によってATモードの継続率を予測又は把握することが可能となっている。ステップSb2011では、これら継続用バトル演出テーブルから一の演出テーブルを選択し、当該選択した演出テーブルのアドレス情報を、アドレス情報記憶エリア183cに記憶する処理を実行する。
ステップSb2010にてサブ側継続フラグがセットされていないと判定した場合、ステップSb2012にて各種テーブル記憶エリア182aから非継続用バトル演出テーブルを取得し、当該取得した演出テーブルから今回のセットにて行うバトル演出を抽選等により選択する処理を実行する。
非継続用バトル演出テーブルは、図130に示すように、セットの最終ゲームにて味方敗北演出が発生して継続条件が成立していないことの報知が行われるものであって、セットの11ゲーム目~16ゲーム目に味方攻撃演出及び敵攻撃演出の組み合わせが異なる複数の演出テーブル(PB1~PB8)が設定されている。いずれの演出テーブルが選択されるかについては、ATモードの継続率によって異なっており、例えば、敵攻撃演出が3回連続で発生する演出テーブル(PB1)については、60%継続のATモードや90%継続のATモードの方が、10%継続のATモードよりも選択され易くなるように設定されており、また、敵攻撃演出→敵攻撃演出→味方攻撃演出の順で行われる演出テーブル(PB4)は、10%継続のATモードの方が、60%継続のATモードや90%継続のATモードよりも選択され易くなるように設定されている。そして、例えば、味方攻撃演出→敵攻撃演出→味方攻撃演出の順で行われる演出テーブル(PB6)は、90%継続のATモードでは選択され得る一方、10%継続のATモードや60%継続のATモードでは選択されず、敵攻撃演出→味方攻撃演出→味方攻撃演出の順で行われる演出テーブル(PB7)は、60%継続のATモードでは選択され得る一方、10%継続のATモードや90%継続のATモードでは選択されず、味方攻撃演出が3回連続で発生する演出テーブル(PB8)は、10%継続のATモードでは選択され得る一方、60%継続のATモードや90%継続のATモードでは選択されない、といったように、選択される演出テーブル(各攻撃演出の組み合わせと順序)によってATモードの継続率を予測又は把握することが可能となっている。ステップSb2012では、これら非継続用バトル演出テーブルから一の演出テーブルを選択し、当該選択した演出テーブルのアドレス情報を、アドレス情報記憶エリア183cに記憶する処理を実行する。
継続用バトル演出テーブルと非継続用バトル演出テーブルとを比較すると、例えば、味方攻撃演出→敵攻撃演出→味方攻撃演出の順で行われる演出テーブル(PA3,PB6)において味方勝利演出でバトル演出が終了した場合には90%継続のATモードであることが示唆される一方、味方敗北演出でバトル演出が終了した場合には90%継続のATモードであったことが確定し、また、味方攻撃演出が3回連続で発生する演出テーブル(PA1,PB8)において味方勝利演出でバトル演出が発生した場合には10%継続のATモードが示唆される一方、味方敗北演出でバトル演出が終了した場合には10%継続のATモードであったことが確定する、といったように各攻撃演出の組み合わせや順番だけでなく、その後の味方勝利演出及び味方敗北演出の組み合わせによっても継続率を予測・把握することが可能となっている。
セット11ゲーム目において、ステップSb2011やステップSb2012の処理にて今回のバトル演出の演出テーブルの選択が行われ、選択した演出テーブルのアドレス情報の記憶処理を行った後は、ステップSb2013にて、今回のゲームのバトル演出が補助表示部65やスピーカ64にて行われるように設定する処理を実行してから、本AT演出設定処理を終了する。
これに対して、ステップSb2009にてサブ側ATカウンタが7ではなく、セットの12ゲーム目以降である場合、ステップSb2014に進む。ステップSb2014では、サブ側継続フラグがセットされており、且つ設定されているバトル演出のアドレス情報が味方敗北演出に対応するアドレス場情報(PB1~PB8)であるか否かを判定する。ステップSb2014にて肯定判定する場合とは、11ゲーム目でバトル演出の設定を行うまでは継続条件が成立していなかったものの、それ以降で継続条件が成立したことを意味する。この場合、ステップSb2015にて継続用バトル演出テーブルから今回のセットにて行うバトル演出を再選択し、その再選択した演出テーブルのアドレス情報をアドレス情報記憶エリア183cに記憶させる(上書きする)処理を実行する。
この場合、これまでのゲームにて実行されていた味方攻撃演出や敵攻撃演出にかかわらず、ATモードの継続率に応じて継続用バトル演出テーブルから上書き用のバトル演出テーブルを選択する。このようにすることで、途中で継続条件が成立した場合には、バトル演出における味方攻撃演出と敵攻撃演出との組み合わせと継続率との関係が、最初から継続条件が成立している場合と異なるようになり、演出の多様化が図られるし、継続率を予測する遊技の困難性を向上させて遊技の興趣向上を図ることが可能となる。なお、本実施形態では、味方攻撃演出や敵攻撃演出は2ゲームをセットとして演出が設定されているため、例えば、味方攻撃演出(敵攻撃演出)の2ゲーム目で上記の継続条件が成立して、上書き用のバトル演出テーブルにおいては今回のゲーム(2ゲーム目)では上書き前の攻撃演出と異なる敵攻撃演出(味方攻撃演出)を行うように設定されている場合、今回のゲームでは上書き前の演出テーブルに従って演出を行うようにしてもよいし、今回のゲームでは上書き後の演出テーブルに従って演出を行うようにしたうえで、味方(敵)が攻撃を仕掛けたのにも関わらず敵攻撃演出(味方攻撃演出)に切り替わるカウンター演出を行うように設定してもよい。
ステップSb2014にて否定判定した場合、又はステップSb2015の処理を実行した後は、ステップSb2013に進み、サブ側ATカウンタの値に応じて今回のゲームのバトル演出が補助表示部65やスピーカ64にて行われるように設定する処理を実行してから、本AT演出設定処理を終了する。
<ATモード中の演出の流れ>
次に、ATモード中の各セットにおける演出の流れについて、図134及び図135のタイミングチャートを参照しながら説明する。
図134に示すように、ATモードがta1のゲームにて開始された場合、ta5まで継続する1セット目において、ta1からta3(正確にはta3にて開始されるゲームの直前のゲーム)までが対峙演出が実行される前半パートであり、ta3からta5(正確にはta5にて開始されるゲームの直前のゲーム)までがバトル演出が実行される後半パートとなる。
また、ta1のゲームの開始時に継続判定処理(図111)における継続抽選処理(ステップSb904)が実施される。例えば、ta1の継続抽選で継続当選であった場合、継続フラグがセットされる。この継続フラグは、今回のセットの次のセット継続判定の直前、すなわち、ta5にて開始されるゲームの直前のゲームにおける入賞結果対応処理のATモード用処理にてクリアされる(図ではta5にてクリアされるように示している)。
継続フラグがセットされている場合、ta1からta3の前半パートでは、対峙演出にて特定演出が発生し得るようになる。例えば、ゲームの抽選結果が通常役であるta2にて特定演出抽選に当選して特定演出が発生したとする。この場合、当該ta2の特定演出の発生に伴い発生済みフラグがセットされ、当該セットにおいては特定演出は発生しないようになる。
ta3からta5の後半パートにおいては、バトル演出が実行され、当該バトル演出の最終ゲームにて味方勝利演出が実行されて継続条件が成立していたことの報知(継続報知)が実行される(ta4)。この場合、当該継続報知によって、次のセットへ移行することを遊技者は把握可能となる。但し、ta3の特定演出によって継続条件が成立していることを把握している遊技者としては、ta3から開始されるバトル演出を、その結果(勝利演出となるか敗北演出となるかの結果)を知りながら優越感に浸りながら楽しむことが可能となる。そのため、その優越感を楽しむためや、継続条件が成立していることを早期に知って安心したいため、当該特定演出が行われることを見逃さないようにするようになり、対峙演出への注目度が好適に高められる。
ta5にて次のセットが開始された場合、当該ta5にて継続抽選処理が実施され、当該ta5では継続非当選であったとする。この場合、継続フラグはセットされない。例えば、前半パート中であるta6のゲームにて特定役を契機として上乗せ当選したとすると、このta6のゲームにて継続フラグがセットされることとなる。
ここで、本実施形態における特定演出抽選では、上乗せ抽選に当選したゲームか否かに関わらずゲームの抽選結果に応じて実行されるように設定されており、上乗せ当選となったゲームにて特定演出が発生しない場合がある。そのため、例えば、上記の上乗せ当選となったta6にて継続フラグ(及びサブ側継続フラグ)がセットされて、継続条件が成立した場合に特定演出が発生しなくても、その後のta7の通常役を契機として特定演出が発生する場合がある。なお、図においては、上乗せ当選となったta6のゲームとは異なるta7のゲームにて特定演出が発生する例を示しているが、当然、上乗せ当選となったta6のゲームにて特定演出が発生する場合もある。
ta8からta10のバトル演出においては、上記のように継続フラグがセットされていることから、ta10の直前のta9にて味方勝利演出としての継続報知が実行される演出パターンにて当該バトル演出が行われる。
ta10にて次のセットが開始された場合、同様に、当該ta10にて継続抽選処理が実施され、当該ta10では継続非当選であったとすると、継続フラグはセットされない。そして、当該ta10にて開始されたセットが終了するta13まで上乗せ当選しなかった場合には、ta10からta11の前半パートでは特定演出は発生しないし、ta11からta13のバトル演出においても、当該ta13の直前のta12にて味方敗北演出が実行される演出パターンにて当該バトル演出が行われる。そして、当該ta13にてATモードが終了する。
ここで、本実施形態では、各セットの後半パートでは、特定演出は発生せず、当該後半パートのバトル演出だけを見ると、最終ゲームにて味方勝利演出又は味方敗北演出が実行されるまで継続条件が成立しているか否かを判別することができないように設定されている。言い換えるならば、継続条件が成立していることを報知する継続報知としての味方勝利演出が行われるよりも前に、当該継続条件が成立していることに対応する特定演出が発生し得る構成において、当該特定演出が発生し得る状況(前半パート)と、継続報知が発生し得る最終ゲームとの間に、特定演出が発生し得ない状況(後半パート)が介在する構成としている。このようにすることで、特定演出が発生し得る状況が限定的なものとなることを通じて特定演出の希少性が高められ、当該特定演出へ強い関心を寄せさせることが可能としながらも、特定演出が発生して欲しいと願うあまり、後半パートのバトル演出自体への注目度が低下してしまうことを回避することが可能となる。
既に説明した通り、特定演出は、ATモードの継続率に応じてその発生確率が異なっており、高い継続率のATモードほど発生し易い。図135(a)は、10%継続のATモードを示しており、図135(b)は、90%継続のATモードを示している。
例えば、tb1にて開始される10%継続のATモードにおいて、tb6までの1セット目では継続条件が成立しており、tb6からtb10の2セット目では継続条件が成立せず、当該2セット目でATモードが終了する場合、tb6の直前のtb5にて継続報知としての味方勝利演出が実行され、tb10の直前のtb9では味方敗北演出が実行される。
また、例えば、tc1にて開始される90%継続のATモードにおいて、tc6までの1セット目、及びtc6からtc10までの2セット目で継続条件が成立しているものとすると、tc6の直前のtc5、及びtc10の直前のtc9にて継続報知としての味方勝利演出が実行される。
既に説明した通り、特定演出は、継続条件が成立しているセットの前半パートにて発生し得る。そのため、10%継続のATモードにおいては、1セット目における前半パートであるtb1からtb4までのゲームにて特定演出は発生し得る一方、2セット目における前半パートであるtb6からtb8までのゲームでは発生しない。これに対して、90%継続のATモードにおいては、1セット目における前半パートであるtc1からtc4までのゲーム、及び2セット目における前半パートであるtc6からtc8までのゲームにて、特定演出が発生し得るようになる。
但し、特定演出が発生した後は、継続条件が成立しているセットの前半パートであっても特定演出は発生しないようになることから、例えば、10%継続のATモードにおいてtb1からtb4までのtb3のゲームにて特定演出が発生した場合、当該tb3からtb4までのゲームでは特定演出は発生しないようになる。また、例えば、90%継続のATモードにおいてtc1からtc4までのtc2のゲームにて特定演出が発生した場合や、tc6からtc8までのtc7のゲームにて特定演出が発生した場合は、当該tc2からtc4やtc7からtc8までのゲームでは特定演出は発生しないようになる。
上記の通り、継続率が高いATモードほど特定演出は発生し易くなることから、10%継続のATモードにて特定演出が発生するtb3のゲームは、90%継続のATモードにて特定演出が発生するtc2のゲームよりも後のゲームとなり易い。このようにすることで、特定演出が発生するまでのゲーム数から、ATモードの継続率を予測する遊技が追加され、ATモードの楽しみ方の多様化を通じて遊技の興趣を向上させることが可能となる。
ここで、上記のように、ATモードの各セットにおいては、遊技者としてはより早期に特定演出が発生することを期待して遊技を進行するものと考えられるところ、このような遊技性においては、特定演出が発生するか否かを楽しむドキドキ感を長く楽しめるほど、当該遊技性の遊技を存分に楽しませることが可能と考えられる。その点、当該特定演出が発生するか否かを楽しむことができる期間は、10%継続のATモードではtb1からtb3の期間であり、90%継続のATモードではtc1からtc2の期間であり、1セット当たりの期間の長さは、10%継続のATモードの方が長くなる。このようにすることで、継続率の低いATモードであっても、上記の特定演出が発生するか否かをより長く楽しませることが可能となり、遊技の興趣を好適に向上させることができる。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
ATモードのセットの継続条件が成立している状況であって、ATモードのセットを継続させるよりも前に、各ゲームの抽選結果に応じて継続条件が成立していることに対応する特定演出を実行することの特定演出抽選を行い、当該特定演出抽選に当選した場合に特定演出が行われるようにした。このようにすることで、ATモードの各セットにおいてセットが継続するか否かへの注目が集められるなか、継続することに対応する特定演出が行われることを期待することを通じて、各ゲームの抽選結果への注目度が高められる。
この場合、ATモードの継続率によって特定演出抽選の当選確率が異なり、継続率が高いほど特定演出抽選に当選し易くなるように設定したため、特定演出が発生することは、セットの継続条件が成立していることを示すだけではなく、その発生タイミングによってはATモードの継続率が高いことを示すものであるようになる。よって、特定演出が行われることにより関心を寄せさせることが可能となり、遊技の注目度を好適に高めることができる。
ゲームの抽選結果が特定役である場合の方が外れを含む通常役である場合よりも、特定演出抽選に当選し易くなるように設定されているものの、ゲームの抽選結果が特定役となる確率や、通常役となる確率とを加味すると、特定役を契機として特定演出が行われる割合(特定役の当選確率と特定役時の特定演出抽選の当選確率との積)よりも通常役を契機として特定演出が行われる割合(通常役の当選確率と通常役時の特定演出の当選確率との積)の方が大きくなるように設定していることから、各ゲームの抽選結果が通常役である場合であっても特定演出の発生に期待を寄せさせることが可能となる。
この場合、ATモードの各セットは18ゲームとしており、その中でも特定演出が発生し得るゲーム数は対峙演出が行われる10ゲームである。そして通常役の当選確率の分母は10よりも小さく、特定役の当選確率の分母は10よりも大きくなり得るように設定されている。このような確率だからこそ、各セットで特定役当選となる機会はなかなかなく、それに対して通常役当選となる機会は頻繁にあり得る構成となり、上記のように通常役を契機として特定演出が発生し得るようにすることの意義が高められるし、特定演出を用いてセット継続前の各ゲームの注目度を高める効果をより好適に奏することが可能となる。
特定演出を実行した後は、発生済みフラグをセットして、特定演出は1セットにつき1回限り発生し得る構成としたため、特定演出の希少性が高められるし、当該特定演出を見逃さないようにしようとする遊技者心理を利用して、特定演出への注目度を高めることができる。
対峙演出を行う各ゲームにおいて、特定演出の演出態様が異なるようにしているため、同様の演出態様にて特定演出を行う構成と比較して、特定演出が見逃される可能性が高くなる。このようにすることで、特定演出への注目度が高められるし、更に、その後にバトル演出によって継続条件の成否を報知する構成において、当該バトル演出への注目度も高めることが可能となる。
継続条件が成立していないセットでは、各ゲームの抽選結果に応じてAT上乗せ用処理にて上乗せ抽選に当選することで継続条件を成立させることが可能である。この場合、上乗せ抽選に当選した場合は、対峙演出中であれば特定演出が発生し得る構成としていることから、各ゲームの抽選結果と特定演出の発生とを密接に関連付けることが可能となり、あたかもセット更新時の継続抽選を介さずに、各ゲームの抽選結果に応じて継続条件の成否判定が行われているかのような印象を与えることも可能となる。
上乗せ抽選においては、特定役では上乗せ当選するものの通常役では上乗せ当選しないように設定されている。このようにすることで、所謂レア役としての特定役に当選したのにも関わらずセットが継続しなかったといった事象を生じにくくすることができ、特定役と継続条件の成否との関係性を担保することができる。
但し、本実施形態では、上乗せ当選によって継続条件が成立した場合であっても、特定演出抽選に当選しなければ特定演出は行われず、上乗せ当選時に特定演出の実行が制限される場合があるようにしていることから、通常役で特定演出が行われる機会を増やすことができ、通常役当選となるゲームへの注目度を好適に高めることが可能となる。
上乗せ抽選の当選確率は、ATモードの継続率に関わらず共通している。このような構成を前提として、特定演出によって各ゲームの抽選結果に応じて継続条件が成立するかのような印象を与える構成とすることで、低い継続率が設定されたATモードであっても、実際に遊技者のヒキによってATモードが継続する場合があるようになり、各ゲームの抽選結果に応じて継続条件が成立している印象を与える効果を高めることができる。
また、バトル演出中においては上乗せ当選によって継続条件が成立しても、特定演出を行わないようにしていることから、複数のゲームに亘って行われるバトル演出の結果が途中で丸わかりになってしまう事象が生じないようになり、バトル演出への注目度を好適に担保することが可能となる。
ATモードのセットにおいて、セットの継続条件が成立していることに対応する特定演出は対峙演出中に実行可能であり、その後、特定演出が実行され得ないバトル演出を経てセットの更新が行われる。このようにすることで、継続条件が成立していることの事前告知としての特定演出と、継続条件の成否を報知するバトル演出とが重複することによる注目度の低下を回避し、それぞれの演出の演出効果を好適に期待することが可能となる。
この場合、AT演出設定処理では、対峙演出中に特定演出を実行したか否かに関わらず、継続条件の成否に基づいて各バトル演出テーブルから今回のバトル演出の演出パターンを決定する構成としている。このようにすることで、例えば、特定演出が行われた場合の演出パターンを予め記憶しておく必要が生じないし、例えば、仮に特定演出が行われたのにもかかわらず特定演出を見逃してしまった場合に、当該特定演出が行われた場合の演出パターンのバトル演出が行われることを通じて、当該見逃してしまったことを後追いで気付かされる、といった不都合を生じさせないようにすることができる。この場合、このような不都合を解消するためには、特定演出が見逃されないようにより派手な態様とする対策が考えられるが、上記構成のように、そもそも特定演出の実行の有無に関わらずバトル演出の演出パターンを決定する構成としていれば、特定演出が見逃され得ることを前提とした態様の演出とすることも可能となり、特定演出への注目度向上を後押しすることができる。
主制御装置101側の継続判定処理では、ATモードのセットの更新に際して継続率のみを参照し、更新時のゲームの抽選結果を参照しない構成としている。このようにすることで、継続抽選がセットの更新時に行われていることを悟られにくくすることができ、その後の各ゲームの抽選結果に応じて継続抽選が行われているかのような印象を与える手助けとすることが可能となる。
<変形例1>
上記第2bの実施形態αでは、上乗せ当選したゲームか否かに関わらず(サブ側継続フラグがセットされたゲームか否かに関わらず)特定演出抽選を経て特定演出を行う構成としていたが、本変形例では、上乗せ当選したゲームにて積極的に特定演出を行う構成について説明する。図136は、本変形例におけるAT演出設定処理を示すフローチャートである。
本変形例では、ステップSb2201にてサブ側ATカウンタを1減算する処理を実行した後、ステップSb2202にて継続コマンドを受信したか否かを判定する。継続コマンドを受信している場合、ステップSb2203にてサブ側継続フラグをセットする処理を実行する。これらステップSb2201~ステップSb2203の処理は、上記ステップSb2001~ステップSb2003の処理と同様である。本変形例では、ステップSb2203にてサブ側継続フラグをセットした後、ステップSb2204にてサブ側ATカウンタが8~16であるか否かを判定することで、ATモードの1セットの2ゲーム目~10ゲーム目であるか否かを判定する。2ゲーム目~10ゲーム目である場合、ステップSb2205にて各種フラグ格納エリア183aに特定演出フラグをセットする処理を実行する。特定演出フラグは、上乗せ当選したゲームにて特定演出を発生させるためのフラグである。
ステップSb2202若しくはステップSb2204にて否定判定した場合、又はステップSb2205の処理を実行した後は、ステップSb2206~ステップSb2215にて、今回のゲームにおける演出を設定するための処理を実行する。ステップSb2206~ステップSb2215の処理は、ステップSb2209の特定演出設定処理を除き、上記ステップSb2004~ステップSb2013の処理と同様である。
本実施形態における特定演出設定処理では、図137のフローチャートに示すように、ステップSb2301にて発生済みフラグがセットされているか否かを判定し、セットされている場合には、そのまま特定演出設定処理を終了する。発生済みフラグがセットされておらず、今回のセットにて特定演出が未発生である場合、ステップSb2302にて、上記の特定演出フラグがセットされているか否かを判定する。セットされていない場合、ステップSb2303~ステップSb2309にて、特定演出を発生させるための処理を実行する。ステップSb2303~ステップSb2309の処理は、上記ステップSb2102~ステップSb2108の処理と同様である。
ステップSb2302にて特定演出フラグがセットされている場合、ステップSb2310にて当該特定演出フラグをクリアする処理を実行する。そして、ステップSb2308に進み、サブ側ATカウンタに応じた特定演出を把握するための処理を実行し、ステップSb2309にて発生済みフラグをセットする処理を実行してから、本特定演出設定処理を終了する。この場合、ステップSb2210の対峙演出の設定処理において、特定演出に対応する対峙演出の設定が行われる。
このようにすることで、継続抽選に非当選となったセットにおいて、特定役を契機として上乗せ当選した場合、当該ゲームが前半パートであれば当該ゲームにて特定演出が発生するようになる。よって、各ゲームの抽選結果と特定演出の発生率とがより密接に関連付けられるようになり、各セットの更新時に行う継続抽選の結果ではなく、各ゲームの抽選結果に基づいて継続抽選が行われている印象を強めることが可能となるし、その継続抽選の結果が特定演出によって報知されていることの印象も強めることが可能となる。
継続抽選が行われたゲームでは、仮に上乗せ抽選に当選した場合であっても、特定演出フラグはセットされず、特定演出抽選を経ることなく特定演出が発生することがないようにした。つまり、継続抽選に当選した場合にも継続コマンドが出力されるところ、継続抽選が行われるゲームでは、継続コマンドを受信してもサブ側継続フラグをセットするだけで、特定演出フラグをセットしないようにした。このように、セットの継続抽選に当選したことと、上乗せ抽選に当選したことと、を表示制御装置81があえて区別可能なようにしない構成とすることで、コマンドの種類数の膨大化を回避し、比較的簡素な構成にて特定演出を矛盾なく行うことが可能となる。
<変形例2>
本変形例では、継続条件が成立している状況で、上乗せ抽選に非当選となった場合に特定演出を発生させる。図138は、本変形例におけるAT上乗せ用処理を示すフローチャートである。
本変形例におけるAT上乗せ用処理では、ステップSb2404にて上乗せ非当選であったと判定した場合の処理が異なっている。すなわち、ステップSb2404にて否定判定した場合、ステップSb2410にて継続フラグがセットされているか否かを判定する。継続フラグがセットされている場合、ステップSb2411にて、今回のゲームの抽選結果がいずれかの特定役であったか否かを判定する。ステップSb2410にて継続フラグがセットされていない場合や、ステップSb2411にて継続フラグがセットされているものの通常役であった場合には、そのままAT上乗せ用処理を終了する。継続フラグがセットされており、且つ特定役を契機とする上乗せ抽選に非当選であった場合、ステップSb2412にて、非当選コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、AT上乗せ用処理を終了する。
なお、ステップSb2401~ステップSb2409の処理は、上記ステップSb1001~ステップSb1009の処理と同様である。
図139は、本変形例における特定演出設定処理を示すフローチャートである。
本変形例では、ステップSb2501にて発生済みフラグがセットされていない場合、ステップSb2502にて、今回のゲームの開始時コマンドとして、上記の非当選コマンドを受信しているか否かを判定する。非当選コマンドを受信していない場合、ステップSb2503~ステップSb2509にて特定演出を発生させるための処理を実行する。これらステップSb2501、ステップSb2503~ステップSb2509の処理は、上記2201~ステップSb2108の処理と同様である。
これに対して、ステップSb2502にて上記の非当選コマンドを受信しており、セットの前半パートにおいて既に継続条件が成立しているものの、今回のゲームにおいて特定役を契機とする上乗せ抽選に非当選であり、且つ未だ特定演出を発生させていない場合、ステップSb2502にて肯定判定し、ステップSb2508に進む。そして、ステップSb2508にてサブ側ATカウンタに応じた特定演出を把握するための処理を実行し、ステップSb2509にて発生済みフラグをセットする処理を実行してから、本特定演出設定処理を終了する。この場合、ステップSb2210の対峙演出の設定処理において、特定演出に対応する対峙演出の設定が行われる。
このようにすることで、上乗せ抽選の当選確率を高めすぎることなく特定役当選となったゲームにて特定演出が行われる機会を増やすことができる。よって、特定役当選となったゲームにて特定演出が行われることを通じて、セットの継続抽選がセットの更新時ではなく、各ゲームにて行われている印象を与える後押しとすることができ、各セットにおける各ゲームの注目度を好適に高めることが可能となる。
<変形例3>
本変形例では、セットの前半パートにて特定演出が発生したか否かによって、後半パートにて選択されるバトル演出の演出テーブルが異なり得るようにする。図140は、本変形例におけるAT演出設定処理を示すフローチャートである。
本変形例では、サブ側ATカウンタが7であり、後半パートの開始ゲーム(セットの11ゲーム目)の処理が異なっている。すなわち、ステップSb2601~ステップSb2608の前半パート用の処理等は、上記ステップSb2001~ステップSb2008の処理と同様である。ステップSb2604にて否定判定した場合、ステップSb2609にてサブ側ATカウンタが7であって、後半パートの開始ゲームであるか否かを判定する。
ステップSb2609にて肯定判定した場合、ステップSb2610にてサブ側継続フラグがセットされているか否かを判定し、セットされている場合、ステップSb2611にて、発生済みフラグがセットされているか否かを判定する。既に説明した通り、発生済みフラグは、セットの前半パートにおいて特定演出が発生したことをCPU181が把握するためのフラグである。
発生済みフラグがセットされておらず、継続条件が成立していても特定演出が発生しなかった場合、ステップSb2612にて継続用バトル演出テーブルから今回のバトル演出の演出テーブルを選択するとともに、選択した演出テーブルのアドレス情報を記憶する処理を実行する。かかる処理は、上記ステップSb2011の処理と同様であり、今回のATモードの継続率に応じて抽選によって演出テーブルを選択する。
これに対して、ステップSb2611にて発生済みフラグがセットされており、継続条件が成立しており、特定演出が発生している場合、ステップSb2613にて継続用バトル演出テーブルから予め定められた特定の演出テーブルを、今回のバトル演出の演出テーブルとして選択し、当該選択した演出テーブルのアドレス情報を記憶する処理を実行する。本変形例においては、上記特定の演出テーブルとして、アドレス情報PA1の演出テーブルが設定されており、特定演出が発生した後のバトル演出においては、味方攻撃演出が3回連続で発生して味方勝利演出が行われる演出パターンのバトル演出が実行されるようになる。
ステップSb2610にてサブ側継続フラグがセットされていない場合、ステップSb2614にて非継続用バトル演出テーブルから、今回のバトル演出の演出テーブルを選択するとともに、選択した演出テーブルのアドレス情報を記憶する処理を実行する。また、ステップSb2609にて、サブ側ATカウンタが7ではない場合、ステップSb2616にてバトル演出に移行してから事後的に継続条件が成立したか否かを判定し、事後的な継続条件成立であれば、ステップSb2617にて演出テーブルの書き換え用の処理を実行する。そして、ステップSb2612~ステップSb2614、ステップSb2617のいずれかの処理を実行した後、又はステップSb2616にて否定判定した場合、ステップSb2615にて今回のゲームのバトル演出の設定処理を実行してから、本AT演出設定処理を終了する。ステップSb2614~ステップSb2617の処理は、上記ステップSb2012~ステップSb2015の処理と同様である。
このようにすることで、特定演出の発生を把握しているのにもかかわらず、味方キャラクタが敗北する可能性が高いバトル演出が行われないようになり、演出の矛盾を生じさせないようにすることができるし、特定演出が発生している場合にまでバトル演出の演出パターンを選択しなくて済むためバトル演出を行ううえでの処理構成を簡素なものとすることが可能となる。
しかも、上記構成のようにすることで、特定演出が発生した場合には、バトル演出の演出パターンからはATモードの継続率の予測を行うことができなくなる。このようにすることで、バトル演出の演出パターンといった他の情報を頼りとすることなく、純粋に、特定演出の発生タイミングや発生率からATモードの継続率を予測させることがか可能となり、特定演出への注目度を好適に高めることができる。
<変形例4>
本変形例では、特定演出が発生した後、ゲームの抽選結果に応じて設定値の示唆演出が発生する。図141は、本変形例における示唆演出設定処理を示すフローチャートである。図による詳細な説明は省略するが、本変形例においては、AT演出設定処理において前半パートの演出設定として、ステップSb2008の対峙演出の設定処理を行った後、図141の示唆演出設定処理を実行する。すなわち、示唆演出設定処理は、表示制御装置81のCPU181により、ATモード中の前半パートの演出設定用の処理における一処理として実行される処理である。
示唆演出設定処理では、ステップSb2701にて発生済みフラグがセットされているか否かを判定する。セットされていない場合には、そのまま示唆演出設定処理を終了する。すなわち、本変形例では、特定演出が発生していない状況においては、示唆演出は発生しない。発生済みフラグがセットされている場合、ステップSb2702に進む。
ステップSb2702では、今回のゲームの抽選結果を把握し、ステップSb2703では、設定値を把握する処理を実行する。そして、ステップSb2704にて今回のATモードの継続率を把握し、ステップSb2705にて各種テーブル記憶エリア182aから示唆演出テーブルを取得する処理を実行し、ステップSb2706にて示唆演出抽選処理を実行する。
本変形例における示唆演出テーブルは、図142に示すように、設定値と、継続率と、ゲームの抽選結果とに応じて、示唆演出の発生確率が異なるように設定されている。具体的には、ゲームの抽選結果が外れ結果である場合に示唆演出が発生し得るように設定されており、他の結果では示唆演出が発生しないように設定されている。また、出玉率が高くなる設定値ほど(高設定ほど)、示唆演出が発生し易くなるように設定されているとともに、継続率が高いATモードほど、示唆演出が発生し易くなるように設定されている。
なお、本変形例における示唆演出は、高設定を示唆する演出であるとともに、高継続率を示唆する演出として設定されているが、設定値の偶奇を示唆する演出を設けたり、所定値以上の設定値であることを示唆する演出を設けたり、発生した場合に設定値が所定値(例えば、設定6)であることが確定する演出を設けたりしてもよい。
ステップSb2706にて示唆演出抽選処理を実行した後は、ステップSb2707にて示唆演出抽選に当選しているか否かを判定し、当選である場合には、ステップSb2708にて示唆演出が補助表示部65やスピーカ64にて行われるように設定する処理を実行してから、示唆演出設定処理を終了する。なお、図による詳細な説明は省略するが、示唆演出としては、例えば、補助表示部65の演出内容を非発生時と異ならせる(例えば、所定のキャラクタを登場させる)態様としてもよいし、スピーカ64からの効果音を非発生時と異ならせる(例えば、特殊な効果音を発生させる)態様としてもよいし、これらの態様を組合せた態様であってもよい。また、ステップSb2707にて非当選であると判定した場合には、そのまま示唆演出設定処理を終了する。
このように、特定演出が行われることによって、その後、設定値の示唆演出が行われ得るようにしたことにより、特定演出が行われることが、継続率の高低や継続条件の成否を把握可能とするだけでなく、設定値の示唆演出の開始契機となり、設定値を把握したい遊技者心理を利用して、特定演出が行われることに対する期待感を向上させることができる。
この場合、特定演出が行われた後、ゲームの抽選結果に応じて示唆演出が発生し得るようにしていることから、各ゲームの抽選結果への注目度向上効果を狙った特定演出が行われた後であっても、当該各ゲームの抽選結果への注目度向上効果を持続させることも可能である。
更に、外れ結果に基づいて示唆演出を行うようにしていることから、持ちメダルが減少することの補填とすることができ、外れ結果となることのマイナスイメージを払しょくすることができるし、外れ結果となる確率を比較的高くしてもよいようになることから、外れ結果となりにくくする等して出玉率が高くなり過ぎることを抑制することも可能となる。
<変形例5>
本変形例では、ATモード中の各セットの演出内容を変更する。本変形例では、所定数としての18ゲームを1セットとするセット管理型のATモードにおいて、次のセットへの継続条件が成立していれば、18ゲーム消化するまでに予め定められた特定演出が発生し、次のセットへの継続条件が成立していなければ、18ゲーム消化するまでに当該特定演出が発生せずに、ATモードが終了する。なお、本変形例における特定演出を、上記第2bの実施形態αにおける特定演出と区別すべく、以下の説明では、本変形例における特定演出を第2特定演出とも称する。そして、以下の説明において、特定演出(特定演出抽選や特定演出抽選処理等)と称する場合には、上記第2bの実施形態αにおける特定演出だけではなく、当該第2特定演出も含めたものであることを意味し、これは他の実施形態における特定演出(第3特定演出、第4特定演出)も同様である。
具体的には、本変形例では、補助表示部65において数字のキャラクタの変動領域を複数設け、当該複数の変動領域にて停止する数字のキャラクタが所定の組み合わせとなることで第2特定演出が発生する。例えば、図143(a)に示すように、補助表示部65において数字のキャラクタの変動領域として、左から順に左変動領域SP1、中変動領域SP2、右変動領域SP3を設定し、これら変動領域SP1~SP3に表示させる数字のキャラクタとして、1~9までの数字のキャラクタを設定する。そして、各ゲームが開始される際に、これら変動領域SP1~SP3における数字のキャラクタを、例えば、縦方向に変動表示させ、ストップスイッチ42~44が操作されるたびに、左から順に数字のキャラクタを停止させる。そして、各変動領域SP1~SP3に全て同じ数字のキャラクタが揃って停止した場合に第2特定演出となり(図144(a))、各変動領域SP1~SP3に停止する数字のキャラクタが揃っていなければ非第2特定演出となる(図143(a)、図143(b))。
ATモードのセットが開始されると、1ゲーム毎に変動領域SP1~SP3の変動→停止といった図柄変動演出が行われる。例えば、図143(a)や図143(b)に示すように、非第2特定演出となって変動領域SP1~SP3に数字のキャラクタが停止した場合には、次のゲームにおいても、再度、図柄変動演出が行われる。そして、図144(a)に示すように、第2特定演出となって変動領域SP1~SP3に数字のキャラクタが停止した場合には、当該セットの残りの各ゲームでは、図144(b)に示すように、大当たり演出が行われる。なお、本変形例では、大当たり演出として、味方キャラクタが雄たけびを挙げる様子が補助表示部65にアップで表示される演出を設定しているが、例えば、複数のゲームに亘って実行されるムービー演出等を設定してもよいし、演出内容は適宜変更してもよい。
本変形例では、第2特定演出が発生していない状況での1セットの残りゲーム数がわずかとなった特定ゲーム(例えば、残り5ゲームから残り2ゲーム)においては、図柄変動演出の代わりに、待機演出が行われる(図145(a))。本変形例では、待機演出として、味方キャラクタが気合を入れてオーラを纏っている演出を設定している。つまり、当該待機演出が行われる期間においては、図柄変動演出を行わず第2特定演出や非第2特定演出は発生しない。そして、最終ゲームにて、再度、図柄変動演出を実行し、継続条件が成立している場合には、当該最終ゲームにて第2特定演出を発生させ、継続条件が成立していない場合には、図145(b)に示すように、当該最終ゲームにて非第2特定演出を発生させてATモードが終了する。
上記の待機演出は、残りゲーム数がわずかとなった特定ゲームだけではなく、セットの途中でも、所定の発生抽選に当選した場合に発生し得る。この場合、当該発生抽選に当選したゲームから所定数のゲーム(例えば、4ゲーム)に亘って待機演出が発生し、その後、図柄変動演出が実行される。この場合、当該所定数のゲーム後の図柄変動演出では、継続条件が成立していても、第2特定演出の発生抽選に当選していなければ第2特定演出は発生しない。
以下、このような第2特定演出を発生させるための処理構成について説明する。
図146は、本変形例におけるAT演出設定処理を示すフローチャートである。
ステップSb2801では、サブ側ATカウンタを1減算する処理を実行する。ステップSb2802では、サブ側ATカウンタの更新に合わせて、補助表示部65にて表示するセットの残りゲーム数表示の更新処理を行う。具体的には、本変形例では、図143~図145に示すように、補助表示部65における所定領域(例えば、右上)にて、各セットの残りゲーム数に対応する残りゲーム数画像GPを表示する構成としており、ステップSb2802では、当該残りゲーム数画像GPを、サブ側ATカウンタの値に応じて更新する処理を行う。
続くステップSb2803では、今回のゲームの開始時コマンドとして、継続コマンドを受信しているか否かを判定し、受信している場合には、ステップSb2804にてサブ側継続フラグをセットする処理を実行する。ステップSb2803にて否定判定した場合、又はステップSb2804の処理を実行した後は、ステップSb2805に進む。
ステップSb2805では、発生済みフラグがセットされているか否かを判定する。発生済みフラグがセットされていない場合、ステップSb2805に進み、サブ側ATカウンタが1~4であるか否かを判定することで、セットの14ゲーム目~17ゲーム目(残り5ゲーム~残り2ゲーム)であって、上記のセットの残りゲーム数がわずかとなった特定期間であって待機演出を実行すべき状況か否かを判定する。サブ側ATカウンタが5以上(13ゲーム目以前)であったり、サブ側ATカウンタが0(最終ゲーム)である場合、ステップSb2806にて各種フラグ格納エリア183aに待機演出フラグがセットされているか否かを判定する。待機演出フラグは、上記の特定期間以外で待機演出を実行すべきゲームであることをCPU181が把握するためのフラグであり、待機演出の発生抽選に当選した場合にセットされるフラグである。待機演出フラグがセットされていない場合には、ステップSb2807にて第2特定演出設定処理を実行してから、本AT演出設定処理を終了する。また、サブ側ATカウンタが1~4である場合や、待機演出フラグがセットされている場合には、ステップSb2808にて待機演出設定処理を実行してから、本AT演出設定処理を終了する。そして、ステップSb2804にて発生済みフラグがセットされていると判定した場合、ステップSb2809にて大当たり演出(図144(b))を補助表示部65やスピーカ64にて行うように設定する処理を実行してから、本AT演出設定処理を終了する。
<第2特定演出設定処理>
第2特定演出設定処理では、図147に示すように、ステップSb2901にて今回のゲームの抽選結果を把握する。続くステップSb2902では、今回のATモードの継続率を把握する処理を実行する。そして、ステップSb2903にて、サブ側継続フラグがセットされているか否かを判定し、セットされている場合には、ステップSb2904にてサブ側ATカウンタが0であって、今回のゲームがセットの最終ゲームであるか否かを判定する。
セットの最終ゲームではない場合、ステップSb2904に進み、各種フラグ格納エリア183aに発生待機フラグがセットされているか否かを判定する。発生待機フラグは、待機演出を実行中に第2特定演出の発生抽選に当選した場合にセットされるフラグである。発生待機フラグがセットされていない場合には、ステップSb2906にて、各種テーブル記憶エリア182aから第2特定演出テーブルを取得する処理を実行し、ステップSb2907にて第2特定演出抽選処理を実行する。第2特定演出テーブルは、図149に示すように、図131の特定演出テーブルと同様に、各ゲームの抽選結果と、ATモードの継続率とによって第2特定演出抽選の当選確率が定められており、特定役だけでなく、外れ結果を含めて通常役であっても第2特定演出抽選に当選し得るように設定されている。
ステップSb2907にて第2特定演出抽選処理を実行した後は、ステップSb2908にて当該第2特定演出抽選に当選したか否かを判定する。ステップSb2904にて、セットの最終ゲームであると判定した場合、ステップSb2908にて第2特定演出抽選に当選していると判定した場合、又は、ステップSb2904にて発生待機フラグがセットされていると判定し、その後、ステップSb2909にて当該発生待機フラグをクリアした後は、ステップSb2910にて第2特定演出が補助表示部65やスピーカ64にて行われるように設定する処理を実行する。この場合、図144(a)のように、今回のゲームの図柄変動演出において、各変動領域SP1~SP3に同じ数字のキャラクタが揃って停止する第2特定演出が発生する。第2特定演出において停止させる数字のキャラクタの種類は抽選等によってランダムに決定される。但し、例えば、ATセットカウンタの値(残り継続セット数)に応じて選択され易い数字のキャラクタが異なるようにし、例えば、ATセットカウンタが所定数(例えば2)以上であれば奇数の数字のキャラクタが揃って停止し、ATセットカウンタが所定数未満であれば偶数の数字のキャラクタが揃って停止する構成としてもよい。また、例えば、ATモードの継続率に応じて選択され易い数字のキャラクタが異なるようにし、例えば、ATモードの継続率が所定率(例えば、60%)以上であれば奇数の数字のキャラクタが揃って停止し、ATセットカウンタが所定率未満であれば偶数の数字のキャラクタが揃って停止する構成としてもよい。更に、当選確率の設定処理にて設定される設定値に応じて選択され易い数字のキャラクタが異なるようにし、例えば、設定値が所定値(例えば設定3)以上であれば奇数の数字のキャラクタが揃って停止し、設定値が所定数未満であれば偶数の数字のキャラクタが揃って停止する構成としてもよい。また、これらを組み合わせてもよい。
その後、ステップSb2911にて発生済みフラグをセットしてから、第2特定演出設定処理を終了する。発生済みフラグをセットすることにより、次ゲームのAT演出設定処理では、ステップSb2804にて肯定判定することとなり、ステップSb2808の大当たり演出の設定用の処理が行われることになる。なお、上記のように設定した第2特定演出がセットの最終ゲームである場合、次のゲームは更新後のセットの1ゲーム目であり、再度図柄変動演出が開始されることとなる。
ステップSb2903にてサブ側継続フラグがセットされていないと判定した場合や、ステップSb2908にて第2特定演出抽選に当選していないと判定した場合は、ステップSb2912に進む。ステップSb2912では、非第2特定演出が補助表示部65やスピーカ64にて行われるように設定する処理を実行する。この場合、図143(a)や図143(b)のように、今回のゲームの図柄変動演出において、各変動領域SP1~SP3に同じ数字のキャラクタが揃わずに停止する非第2特定演出が発生する。なお、各変動領域SP1~SP3に停止する数字のキャラクタは抽選等によりランダムに決定される。但し、第2特定演出が発生することの期待感を遊技の終盤まで持続させるべく、左変動領域SP1と中変動領域SP2とに停止する数字のキャラクタを同一のものとするとともに、右変動領域SP3に停止する数字のキャラクタを異なるものとするリーチ外れの態様(図143(a))の方が、全ての変動領域SP1~SP3に停止する数字のキャラクタが異なるばらけ目の態様(図143(b))よりも選択され易くなるようにするとよい。
続くステップSb2913では、サブ側ATカウンタが10よりも大きく、セットの1~7ゲーム目であるか否かを判定する。7ゲーム目までである場合、ステップSb2914にて待機演出発生抽選処理を実行する。待機演出発生抽選処理では、各種テーブル記憶エリア182aから待機演出テーブルを取得し、今回のゲームの抽選結果に応じて、待機演出を発生させるか否かを抽選により決定する。待機演出テーブルは、図149に示すように、ゲームの抽選結果として当選しにくい抽選結果ほど、待機演出抽選に当選し易いように設定されており、より具体的には、特定役では当選し得るものの、通常役では当選しないように設定されているともいえる。
ステップSb2915にて待機演出抽選に当選したか否かを判定する。当選している場合には、ステップSb2916にて、各種カウンタエリア183bに設けられた待機演出カウンタに4を入力する処理を実行し、ステップSb2917にて待機演出フラグをセットする処理を実行してから、第2特定演出設定処理を終了する。なお、ステップSb2916にて入力する値は、待機演出が行われるゲーム数に相当し、ステップSb2913では、仮に待機演出抽選に当選した場合において、待機演出を実行するだけのゲーム数が残っているか否か判定している。
そして、ステップSb2917にて待機演出フラグがセットされることにより、次のゲームのAT演出設定処理では、ステップSb2806にて肯定判定することとなり、ステップSb2808の待機演出設定処理が行われるようになる。ステップSb2913にて8ゲーム目以降である場合や、ステップSb2915にて待機演出抽選に非当選であった場合、そのまま第2特定演出設定処理を終了する。
<待機演出設定処理>
次に、ステップSb2808の待機演出設定処理について、図148のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップSb3001では、今回のゲームの抽選結果を把握し、ステップSb3002では、今回のATモードの継続率を把握する処理を実行する。そして、ステップSb3003にて、待機演出カウンタが0よりも大きいか否かを判定し、0よりも大きい場合、すなわち、今回のゲームにて設定する待機演出が、待機演出抽選に当選したことを契機とする待機演出である場合、ステップSb3004にて待機演出カウンタを1減算する処理を実行する。そして、ステップSb3005にて待機演出カウンタが0となったか否かを判定し、0となった場合には、ステップSb3006にて待機演出フラグをクリアする処理を実行する。
ステップSb3005にて否定判定した場合、又はステップSb3006の処理を実行した後は、ステップSb3007にて、サブ側継続フラグがセットされているか否かを判定し、セットされている場合には、ステップSb3008にて、上記の発生待機フラグがセットされているか否かを判定する。発生待機フラグがセットされていない場合、ステップSb3009にて、第2特定演出テーブルを取得する処理を実行し、ステップSb3010にて、第2特定演出抽選処理を実行する。ステップSb3009及びステップSb3010の処理は、上記ステップSb2906及びステップSb2907の処理と同様である。
ステップSb3010の処理を実行した後は、ステップSb3011にて、第2特定演出抽選に当選したか否かを判定し、当選している場合には、ステップSb3012にて発生待機フラグをセットする処理を実行する。かかる処理により、上記ステップSb2905にて肯定判定することとなり、ATモードのセット最終ゲームや、待機演出抽選に当選したことに基づく待機演出の実行後1ゲーム目にて第2特定演出が発生するようになる。
ステップSb3003に待機演出カウンタが0であって、今回のゲームにて設定する待機演出がセットの残りゲーム数がわずかとなったことを契機とする待機演出である場合や、ステップSb3007にてサブ側継続フラグがセットされていない場合、ステップSb3008にて発生待機フラグがセットされている場合、ステップSb3011にて第2特定演出抽選に非当選であると判定した場合、及びステップSb3012の処理を実行した場合のいずれかの後は、ステップSb3013にて待機演出が補助表示部65やスピーカ64にて行われるように設定する処理を実行してから、待機演出設定処理を終了する。
すなわち、セットの残り5ゲーム~残り2ゲームまでの4ゲーム間や、待機演出発生抽選に当選した後の4ゲーム間は、第2特定演出抽選処理の結果に関わらず、図柄変動演出ではなく待機演出が行われる。この場合、セットの最終ゲーム(残り1ゲーム)で行われる図柄変動演出は、今回のセットの継続条件が成立していれば第2特定演出となり、継続条件が成立していなければ非第2特定演出となる。これに対して、待機演出発生抽選に当選したことを契機とする待機演出後の1ゲーム目にて行われる図柄変動演出は、待機演出を実行していた4ゲーム分を含む、合計ゲーム分の第2特定演出抽選の結果によって第2特定演出が発生し得るものであり、それ以外のゲームにおける第2特定演出の発生率よりも圧倒的に高い確率となる(図149参照)。
以上のように、各ゲームで図柄変動演出にて特定演出(第2特定演出)を行う構成としたことにより、今回のゲームで第2特定演出が発生したか否かがより明確に報知される態様となり、各ゲームの抽選結果に応じて継続条件の成立判定が行われているかのような印象をより遊技者に与え易くなる。よって、各ゲームの注目度を好適に高めることができる。
この場合、図柄変動演出が行われない待機演出が発生し得るようにし、待機演出が行われたゲームにおいても第2特定演出抽選を行い、当該第2特定演出抽選に当選している場合には、待機演出後の1ゲーム目で第2特定演出を行うようにしていることから、当該待機演出後の1ゲーム目での図柄変動演出への注目度が劇的に高められている。しかも、各セットの残りゲーム数がわずかとなった場合にも当該待機演出を実行し、セットの最終ゲームが待機演出後の1ゲーム目となるようにしていることから、上記の途中で発生し得る待機演出との関係で、当該セットの最終ゲームへの注目度を高めることに成功している。
つまり、待機演出が行われるゲームは、第2特定演出の実行が制限されるゲームであり、このような第2特定演出の実行が制限されるゲームにおいても第2特定演出抽選自体は行うようにすることで、セットの最終ゲームに限られず、第2特定演出が発生することの期待度を図柄変動演出が行われる各ゲームに応じて異ならせることが可能となる。
<第2bの実施形態β>
本実施形態では、所定数としての18ゲームを1セットとするセット管理型のATモードにおいて、当該18ゲームよりも少ない数である10ゲームを演出上の1セットとし、当該演出上の1セット中に特定演出が発生した場合には、その時点で、新たな演出上のセットに移行させる構成とする。なお、本実施形態における特定演出を、上記第2bの実施形態αにおける特定演出(第2特定演出)と区別するために、本実施形態における特定演出を第3特定演出とも称する。また、10ゲームに設定されている演出上のセットを、18ゲームに設定されているATモードのセットと区別すべく、ATモードのセットをATセット、演出上のセットを疑似セットとも称する。
具体的には、図150(a)に示すように、本実施形態では、ATモードが開始されると、最初のATセットにおいて8ゲームに亘ってオープニング演出が行われる。オープニング演出は、例えば、図151(a)に示すように、ATモードが開始されたことを祝福する内容の演出を行うとともに、疑似セットが開始されるまでのゲーム数を補助表示部65にて表示する(OPゲーム数画像OG)。
オープニング演出を行う8ゲームが終了すると、疑似セットが開始される。疑似セットにおいては、図150(a)に示すように、上記第2bの実施形態αにおける図柄変動演出を用いて、各変動領域SP1~SP3に同じ数字のキャラクタが揃って停止する第3特定演出及び各変動領域SP1~SP3に同じ数字のキャラクタが揃わずに停止する非第3特定演出のいずれかが発生する演出を行う。
図150(b1)に示すように、疑似セットによる演出を行う場合、上記第2bの実施形態αにおける残りゲーム数画像GPを、当該疑似セットの残りゲーム数に対応させて表示する。例えば、図150(b1)における残りゲーム数画像GPは、疑似セットにおける1ゲーム目(残り10ゲーム)を示しており、ゲームの開始に際して当該残りゲーム数画像GPの表示が更新される。
疑似セットにおける演出では、図150(b2)に示すように、残りゲーム数画像GPが1となる最終ゲームまでに第3特定演出が発生する場合と、図150(b5)に示すように、残りゲーム数画像GPが1となる最終ゲームまで第3特定演出が発生せず、非第3特定演出が繰り返し実行される場合とがある。
第3特定演出が発生すると、図150(b3)に示すように、次の疑似セットへ移行することを示す更新演出が発生する。この場合、図150(b4)に示すように、更新演出が発生した後は、次の疑似セットにおける残りゲーム数は10が再設定され、残りゲーム数画像GPも10が表示される。また、疑似セットのセット数を示すセット数画像CPも、次の疑似セットのセット数に対応する値に更新されて表示される(図では、2から3に更新されている)。このように、疑似セット中の最終ゲームまでに第3特定演出が発生すると、当該疑似セットの残りゲーム数に関わらず、新たに疑似セットの残りゲーム数が再設定され、それが、第3特定演出が発生する限り繰り返されることになる。
この場合、上記の次の疑似セットへ移行することを示す更新演出は、疑似セットの継続条件が成立していることを報知するための継続報知ともいえる。但し、上記第2bの実施形態αにおける継続報知は、主制御装置101側で管理するセットの継続条件が成立していることを報知するためものである一方、本実施形態における継続報知は、表示制御装置81側で管理する疑似セットの継続条件が成立していることを報知するためのものであり、その点では、本実施形態における継続報知は疑似継続報知とも称することが可能である。
疑似セットの最終ゲームまでに第3特定演出が発生しなかった場合、図150(b6)に示すように、疑似セットの更新が行われないことを示す非更新演出が発生する。当該非更新演出が発生した後は、図150(a)に示すように、7ゲーム間に亘ってエンディング演出が実行され、当該エンディング演出の終了後は、ATモードが終了する。
エンディング演出としては、例えば、図151(b)に示すように、補助表示部65にて目を閉じた味方キャラクタの顔がアップに表示される演出が設定されている。エンディング演出においても、当該エンディング演出の残りゲーム数に対応させてEDゲーム数画像EGが表示され、ゲームの消化とともに、当該EDゲーム数画像EGの表示の更新が行われる。
エンディング演出の残りゲーム数が0となるよりも前に、上乗せ抽選に当選する等して継続条件が成立すると、図151(c)に示すように、補助表示部65にて味方キャラクタが目を見開いた様子が表示される復活演出を経て、疑似セットによる演出が再開される。
以下、本実施形態における各演出を行うための処理構成について説明する。
<前兆モード用処理>
まず、本実施形態における主制御装置101側の処理の変更点を説明する。本実施形態では、入賞結果対応処理における前兆モード用処理の処理構成が、上記第2bの実施形態αと異なっている。
図152に示すように、本実施形態においては、ステップSb3102にて前兆カウンタが0となり、ステップSb3104にて今回の前兆モードがATモード移行抽選に当選したことを契機とする前兆モードであったと判定した場合のATモードを開始するための処理が一部異なっている。すなわち、ステップSb3109にてATモード当選フラグをクリアし、ステップSb3110にてATモードフラグをセットし、ステップSb3111にて今回のATモードの継続率を設定した後、ステップSb3112にてATモードの1セット目のゲーム数を18として設定する。そして、本実施形態では、ステップSb3113にて、ATセットカウンタに1を加算する処理を実行してから、ステップSb3114にてAT開始コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行する。なお、ステップSb3101~ステップSb3112、ステップSb3114の各処理は、上記ステップSb1201~ステップSb1213の処理と同様である。
すなわち、本実施形態では、18ゲームを1セットするセット管理型のATモードにおいて、最初の1セット目は必ず継続条件が成立するように設定する。
その一方で、本実施形態においても、主制御装置101側では18ゲーム毎でATセットの更新用の処理(継続判定処理)を実行し、ATセットの継続条件が成立していれば、当該ATセットの18ゲームを消化してから新たなATセットへ移行させるための処理を行うとともに、ATセットの継続条件が成立していなければ当該ATセットの18ゲームを消化してからATモードを終了させる処理を行う(ATモード用処理)。
<AT演出設定処理>
次に、本実施形態における表示制御装置81側のAT演出設定処理の変更点を、図153のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップSb3201ではサブ側ATカウンタを1減算する処理を実行する。なお、サブ側ATカウンタは、上記第2bの実施形態αと同様に、主制御装置101側のATゲームカウンタに相当するものであり、主制御装置101側の各セットの残りゲーム数に対応している。続くステップSb3202では、今回のゲームの開始時コマンドとして継続コマンドを受信しているか否かを判定し、受信している場合には、ステップSb3203にてサブ側継続フラグをセットする処理を実行する。
ステップSb3202にて否定判定した場合、又はステップSb3203の処理を実行した後は、ステップSb3204に進む。ステップSb3204では、サブ側セットカウンタが1であるか否かを判定する。なお、サブ側セットカウンタは、上記第2bの実施形態αと同様に、主制御装置101側で設定されるATモードのセット数に対応するものであり、ステップSb3204では、ATセットの1セット目であるか否かを判定している。
1セット目である場合、ステップSb3205に進み、サブ側ATカウンタが10~17であって、ATモードの1セット目の1ゲーム目~8ゲーム目であるか否かを判定する。ATモードの1セット目の1ゲーム目~8ゲーム目である場合、ステップSb3206~ステップSb3208にてオープニング演出を行うための処理を実行し、ATモードの1セット目の9ゲーム目以降である場合、ステップSb3209にて第3特定演出を行うための処理を実行してから、AT演出設定処理を終了する。
すなわち、1セット目の1ゲーム目~8ゲーム目である場合、ステップSb3206にてサブ側ATカウンタが10であって、8ゲーム目であるか否かを判定する。8ゲーム目である場合、ステップSb3207にて各種カウンタエリア183bに設けられている疑似ATカウンタに10をセットする処理を実行する。疑似ATカウンタは、上記の疑似セットの残りゲーム数をCPU181が把握するためのカウンタである。ステップSb3206にて、今回開始するゲームがATモードの1セット目の8ゲーム目である場合とは、次のゲームから疑似セットが開始されることを意味し、ステップSb3207の処理は、次のゲームから開始される疑似セットのゲーム数を事前に設定するための処理である。
ステップSb3206にて否定判定した場合、又はステップSb3207の処理を実行した後は、ステップSb3208にてオープニング演出(図151(a))が補助表示部65やスピーカ64にて行われるように設定する処理を行ってから、AT演出設定処理を終了する。なお、オープニング演出を行うための処理に際して、サブ側ATカウンタに基づいて疑似セット開始までのゲーム数の表示(OPゲーム数画像OG)を更新するための処理も行う。
ステップSb3204にてサブ側セットカウンタが1ではなく、ATモードの1セット目ではない場合、ステップSb3210に進む。ステップSb3210では各種フラグ格納エリア183aにエンディングフラグがセットされているか否かを判定する。エンディングフラグは、上記のように第3特定演出が発生しないまま疑似セットのゲーム数が消化され、エンディング演出(図151(b))を行うべき状況となった場合にセットされるフラグである。エンディングフラグがセットされていない場合、ステップSb3209にて第3特定演出設定処理を実行する。
これに対して、エンディングフラグがセットされている場合、ステップSb3211に進み、サブ側継続フラグがセットされているか否かを判定する。エンディングフラグがせっとされており、且つサブ側継続フラグがセットされている場合とは、疑似セットによる演出の終了後に、主制御装置101側の上乗せ抽選に当選する等して継続条件が成立したことを意味する。サブ側継続フラグがセットされていない場合、ステップSb3212にてエンディング演出が補助表示部65やスピーカ64にて行われるように設定する処理を行ってから、AT演出設定処理を終了する。なお、エンディング演出を行うための処理に際して、サブ側ATカウンタに基づいてエンディング演出終了までのゲーム数の表示(EDゲーム数画像EG)を更新するための処理も行う。
また、ステップSb3211にて、疑似セットによる演出の終了後に、主制御装置101側の上乗せ抽選に当選する等して継続条件が成立したと判定した場合、ステップSb3213にてエンディングフラグをクリアする処理を実行し、その後、ステップSb3214にて復活演出(図151(c))が補助表示部65やスピーカ64にて行われるように設定する処理を行ってから、AT演出設定処理を終了する。
<第3特定演出設定処理>
第3特定演出設定処理では、図154のフローチャートに示すように、先ず、ステップSb3301にて上記の疑似演出カウンタを1減算する処理を実行し、ステップSb3302にて、疑似セットの残りゲーム数画像GPを更新する処理を実行する。続くステップSb3303では、サブ側継続フラグがセットされているか否かを判定する。
サブ側継続フラグがセットされている場合、ステップSb3304にて、疑似ATカウンタが0であって、今回開始するゲームが疑似セットの最終ゲーム(疑似セットの10ゲーム目)であるか否かを判定する。最終ゲームではない場合、ステップSb3305にて今回のゲームの抽選結果を把握し、ステップSb3306にてATモードの継続率を把握し、ステップSb3307にて各種テーブル記憶エリア182aから第3特定演出テーブルを取得し、ステップSb3308にて第3特定演出抽選処理を実行する。これらステップSb3305~ステップSb3308の処理は、上記ステップSb2102~ステップSb2105の処理に対応する処理である。
本実施形態における第3特定演出テーブルは、図155に示すように、ゲームの抽選結果とATモードの継続率とによって、第3特定演出の発生率が異なるように設定されており、ゲームの抽選結果として当選しにくい結果ほど第3特定演出が発生し易く、ATモードの継続率が高い継続率ほど第3特定演出が発生し易くなるように設定されている。また、ゲームの抽選結果として、所謂レア役としての特定役だけでなく、外れ結果を含めて通常役であっても第3特定演出が発生し得るように設定されており、そのゲームの抽選結果の当選確率と、第3特定演出抽選の当選確率との積から算出される各抽選結果に応じた第3特定演出の発生率は、特定役よりも通常役の方が高くなるように設定されている。
また、ATモードの継続率との関係では、各抽選結果において継続率が高いほど第3特定演出が発生し易くなるように設定されていることから、高い継続率ほど1ゲーム当たりの第3特定演出の発生率も高くなるし、疑似セットとして最終ゲームよりも前に(9ゲーム目までに)第3特定演出が発生する確率も高い継続率ほど高くなるように設定されている。つまり、高い継続率のATモードほど、疑似セットにおいて少ないゲーム数で第3特定演出が発生して次の疑似セットに移行し易くなることから、同じゲーム数のATモードを消化しても、高い継続率のATモードほど、疑似セットのセット数は多くなり易くなる。このようにすることで、継続率が高い場合の実際のATセットのセット数と継続率が低い場合の実際のATセットのセット数との差よりも、疑似セット数の差が大きくなり易くなる。よって、ATモードの継続率の高低による実際の出玉の差(実際に消化したATモードのゲーム数やセット数の差)よりも、見た目上の疑似セット数の差が大きくなり、高い継続率が選択された場合の演出を好適に行いながらも出玉率が高騰してしまわないようにすることが可能となる。
ステップSb3308にて第3特定演出抽選処理を実行した後は、ステップSb3309にて第3特定演出抽選に当選しているか否かを判定する。第3特定演出抽選に当選している場合は、ステップSb3310にて第3特定演出が補助表示部65やスピーカ64にて行われるように設定する処理を実行する。また、ステップSb3304にてサブ側継続フラグがセットされており、且つ疑似セットの最終ゲームであると判定した場合にも、ステップSb3310にて第3特定演出を行うための処理を実行する。
続くステップSb3311では、上記ステップSb3310にて設定した第3特定演出後に、更新演出(図150(b3))が補助表示部65やスピーカ64にて行われるように設定する処理を実行する。そして、ステップSb3312にて疑似ATカウンタに10を入力する処理を実行してから、本第3特定演出設定処理を終了する。
ステップSb3303にて、サブ側継続フラグがセットされていないと判定した場合、ステップSb3313に進む。ステップSb3313では、サブ側ATカウンタが17であって、今回開始するゲームが、主制御装置101側で新たなセットに更新したゲーム(ATセットの1ゲーム目)であるか否かを判定する。新たなセットの更新ゲームではない場合、ステップSb3314にて非第3特定演出が補助表示部65やスピーカ64にて行われるように設定する処理を実行する。そして、ステップSb3315にて疑似ATカウンタが0であって、今回開始するゲームが、疑似セットの最終ゲーム(疑似セットの10ゲーム目)であるか否かを判定する。最終ゲームである場合、ステップSb3316にて、上記ステップSb3314にて設定した非第3特定演出後に、非更新演出(図150(b6))が補助表示部65やスピーカ64にて行われるように設定する処理を実行する。そして、ステップSb3317にてエンディングフラグをセットする処理を実行してから、本第3特定演出設定処理を終了する。エンディングフラグをセットすることにより、次ゲームから上記ステップSb3210にて肯定判定することになり、エンディング演出が行われるようになる。ステップSb3315にて疑似セットの最終ゲームではない場合には、そのまま第3特定演出設定処理を終了する。
ここで、ステップSb3313にて肯定判定し、サブ側継続フラグがセットされていない状況で、当該ATセットの1ゲーム目であると判定した場合について説明する。この場合、ステップSb3310に進み、第3特定演出を発生させるための設定処理を実行する。つまり、主制御装置101側でATモードのセットの更新に際して行われる継続抽選にて非当選となった場合に、当該ゲームにて第3特定演出を発生させる。そうすると、ATモードの最終セット(継続抽選に非当選となったセット)の1ゲーム目で第3特定演出が発生して、当該最終セットの2ゲーム目から疑似セットが開始されるようになる。そして、疑似セットにおいて非第3特定演出が10ゲームに亘って実行されて、当該疑似セットの最終ゲームであってATセットの11ゲーム目には非第3特定演出後に非更新演出が行われる。その後、ATセットの12ゲーム目から7ゲームに亘ってエンディング演出が実行されてATモードが終了する。このようにすることで、主制御装置101側のATモードの各セットのゲーム数に関わらず、疑似セットの更新等を演出にて行う構成としながらも、ATモードの最終セットにて第3特定演出が発生しない疑似セットを行うことが可能となる。
<ATモードのセットの更新と、疑似セットの更新の様子>
主制御装置101側でATモードのセットの更新が行われる様子と、表示制御装置81側で疑似セットの更新が行われる様子について、図156のタイミングチャートを参照しながら説明する。
td1にてATモードが開始された場合、当該td1からのATモードの1セット目において、7ゲーム目(残り12ゲーム)であるtd2までオープニング演出が行われる。そして、当該1セット目における8ゲーム目(残り11ゲーム)であるtd3から、疑似セット演出が行われる。
既に説明した通り、継続フラグ(サブ側継続フラグ)がセットされている状況下においては、疑似セット演出では、主制御装置101側で管理する1セットの残りゲーム数に関わらず、ゲームの抽選結果やATモードの継続率に応じて第3特定演出が発生し、表示制御装置81側で管理する疑似セットの残りゲーム数が0となるまで第3特定演出が発生しなければ、ゲームの抽選結果やATモードの継続率に関わらず第3特定演出が発生する。
例えば、td1から開始されたATモードの1セット目において、疑似セットの残りゲーム数が0となるよりも前のtd4のゲームにて第3特定演出が発生した場合、更新演出を経て、疑似セットの更新が行われる。そうすると、次のゲームであるtd5から、次の疑似セットが残り10ゲームとして開始される。そして、td1から開始されたATモードの残りゲーム数がtd6にて0となると、継続フラグがセットされていることから、セット更新用の処理(ステップSb1404~ステップSb1406)が実行されて、次のtd7のゲームから2セット目が開始される。そして、当該td7にてセットの更新に際して継続抽選が実行され、例えば、当該td7にて実行された継続抽選に当選すると、継続フラグが再度セットされる。
また、例えば、td7から開始有れたATモードの2セット目において、疑似セットの2セット目の残りゲーム数が0となるまで第3特定演出が発生しなかった場合、当該残りゲーム数が0となるtd8にて第3特定演出が発生する。そして、次のtd9のゲームから疑似セットの3セット目が開始される。
同様に、td7から開始されたATモードの2セット目の残りゲーム数が0となった場合、継続フラグがセットされていることから、上記のようにセット更新用の処理が行われて、td10にて3セット目が開始される。そして、当該td10にて行われる継続抽選にも当選した場合、継続フラグが再度セットされる。
表示制御装置81側の疑似セット演出では、主制御装置101側の継続抽選に非当選となるまで、上記のように随時疑似セットを更新する演出(第3特定演出)を発生させ、疑似セット演出を継続させる。
td10から開始されたATモードの3セット目の残りゲーム数が0となるtd11において、再度セット更新用の処理が行われる。但し、次の4セット目が開始されるtd12において、継続抽選に非当選となった場合、継続フラグはセットされない。
この場合、表示制御装置81では、ATモードの4セット目の開始ゲームであるtd12において、疑似セット演出にて第3特定演出を発生させる。そうすると、当該第3特定演出を発生させたtd12のゲームの次のゲームであるtd13から、新たな疑似セット(7セット目)が開始される。当該7セット目の疑似セットでは、10ゲームに亘って非第3特定演出が発生し、ATモードの4セット目における11ゲーム目のtd14まで当該7セット目の疑似セットが継続する。この場合、td14にて非更新演出が発生し、当該ゲームの次ゲームであるtd15からエンディング演出が行われる。エンディング演出は7ゲームに亘って継続し、ATモードの残りゲーム数が0となるtd16にてATモードとともに終了する。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
セット管理型のATモードにおいて、ATセットのゲーム数である18ゲームよりも短い10ゲームに亘って疑似セット演出を行う構成とし、疑似セット演出中に第3特定演出が発生した場合には当該疑似セットの残りゲーム数に関わらず新たな疑似セットに移行するようにした。このようにすることで、ATセットの繰り返し数よりも多い繰り返し数にて疑似セット演出を行うようにして、長くATモードが継続している印象を与える効果を期待しながらも、ATモードの最終ゲームと疑似セット演出の終了とをうまく合わせることが可能となる。
より詳しくは、ATモードの残りゲーム数が疑似セット演出の継続ゲーム数である10ゲームよりも多い18ゲームとなったゲーム(継続条件が成立していないATセットの1ゲーム目、残りが疑似セットの10ゲームの2倍よりも少ないゲーム数)で、第3特定演出を発生させて疑似セットの更新を行わせるようにした。このようにすることで、当該更新された後の疑似セットにおいて第3特定演出を発生させなければ、ATモードの残りゲーム数が8ゲームとなった時点で疑似セット演出を終了させることが可能となる。この場合、本実施形態では、残りの7ゲーム間はエンディング演出を行うようにしており、ATモードの終了ゲームと疑似セット演出の終了ゲームとを違和感なく調節することが可能となる。
継続条件が成立しているATセットにおいては、どのゲームで疑似セットの更新が行われても、その後、新たな疑似セットを行うだけのゲーム数は確保されている。そこで、当該継続条件が成立しているATセットにおいては、第3特定演出抽選処理を経て第3特定演出を発生させる構成としたため、疑似セット演出中に第3特定演出が発生するタイミング(疑似セットの更新が行われるゲーム)にランダム性を生じさせることが可能となり、疑似セット演出による演出効果を好適に高めることができる。
この場合、ATモードの継続条件の成否は主制御装置101側で行い、疑似セット演出については表示制御装置81側で行う構成としており、表示制御装置81側では、現状実行しているATセットの継続条件の成否を把握して疑似セット演出にて第3特定演出をランダムで発生させるか、それともATセットの更新時に発生させるかを異ならせるだけの構成としている。このようにすることで、ATモードの継続の有無の管理と、そのATモード中の演出とを別々の制御装置にて担う構成として機能の分散化を図りながらも、うまくATモードの終了ゲームと疑似セット演出の終了ゲームとを調節することが可能となる。
特に、表示制御装置81側で、第3特定演出抽選処理を介さずに第3特定演出を発生させるか否かの判定は、ATセットの1ゲーム目であるため、当該判定は18ゲームに1回だけ行えばよい構成となっている。そのため、毎ゲーム当該判定を行うような構成と比較して、処理負荷の圧倒的な軽減効果を期待することも可能である。
本実施形態においても、第3特定演出抽選は各ゲームの抽選結果とATモードの継続率とに応じて行う構成としている。そのため、各ゲームの抽選結果と第3特定演出の発生とがリンクするため、遊技者は自らのヒキによって第3特定演出を発生させた満足感を得ることが可能となるし、また、第3特定演出の発生率からATモードの継続率を予測する遊技も行うことが可能となり、第3特定演出の発生への注目度を好適に高めることが可能となる。
<変形例1>
本変形例では、ATモードのセットの更新ゲーム(ATセットの1ゲーム目)では、その他のゲームよりも第3特定演出が発生し易い構成とする。図157は、本変形例における第3特定演出設定処理を示すフローチャートである。
本変形例における第3特定演出設定処理では、サブ側継続フラグがセットされており(ステップSb3403:YES)、疑似セットの最終ゲームではない場合の第3特定演出抽選の内容が異なっている。具体的には、今回のゲームの抽選結果やATモードの継続率を把握した後(ステップSb3405、ステップSb3406)、ステップSb3407にてサブ側ATカウンタが17であって、今回開始するゲームが、ATモードのセットの1ゲーム目であるか否かを判定する。1ゲーム目ではない場合、ステップSb3408にて第3特定演出テーブルを取得して、ステップSb3410にて第3特定演出抽選処理を実行する。第3特定演出テーブルは、上記第2bの実施形態βのもの(図155)と同様である。これに対して、ATモードのセットの1ゲーム目である場合、ステップSb3409にて各種テーブル記憶エリア182aから更新時第3特定演出テーブルを取得してから、ステップSb3410にて第3特定演出抽選処理を実行する。
更新時第3特定演出テーブルは、図158に示すように、第3特定演出テーブルと同様に、ゲームの抽選結果や、ATモードの継続率に応じて、第3特定演出の発生率が設定されているものの、同じゲームの抽選結果や、同じATモードの継続率で比較すると、第3特定演出テーブルよりも更新時第3特定演出テーブルの方が、第3特定演出が発生し易くなるように設定されている。例えば、10%の継続率のATモードにおいて、通常リプAである場合、第3特定演出テーブルでは2.0%の確率で第3特定演出が発生する一方、更新時第3特定演出テーブルでは6.0%の確率で第3特定演出が発生する。
ステップSb3410にて第3特定演出抽選処理を実行した後は、ステップSb3411にて発生抽選に当選しているか否かを判定し、当選している場合には、ステップSb3412に進んで第3特定演出を発生させる場合の処理を行う。また、当選していない場合には、ステップSb3416に進み、非第3特定演出を発生させる場合の処理を行う。なお、ステップSb3401~ステップSb3406、ステップSb3410~ステップSb3419の処理は、上記ステップSb3301~ステップSb3317の処理と同様である。
以上のように、継続条件が成立していないATセットの1ゲーム目で第3特定演出を発生させて疑似セットの更新を行わせることを前提としながら、継続条件が成立しているATセットの1ゲーム目でも第3特定演出が発生し易い構成とすることで、ATセットの1ゲーム目に第3特定演出が発生することを、継続条件が成立していないことのサインとして捉えにくくすることが可能となり、継続条件が成立していないATセットの1ゲーム目の第3特定演出をうまくカモフラージュすることができる。よって、ATセット側の継続条件の成否を推測する等をしにくくして、疑似セット演出をより純粋に楽しませることが可能となる。
<変形例2>
上記第2bの実施形態βでは、エンディング演出を行うゲーム数を一律で所定数(7)のゲーム数としていたが、本変形例ではそれを変更する。図159は、本変形例における第3特定演出設定処理を示すフローチャートである。
本変形例では、ステップSb3503にてサブ側継続フラグがセットされていないと判定した場合の処理が異なっている。すなわち、ステップSb3503にて否定判定した場合、ステップSb3513にてサブ側ATカウンタが17であって、ATモードのセットにおける1ゲーム目であるか否かを判定する。1ゲーム目である場合、ステップSb3514にて、疑似ATカウンタが7よりも小さく、疑似セットの4ゲーム目以降であるか否かを判定する。4ゲーム目以降である場合には、ステップSb3510に進み、第3特定演出を行うための処理を実行する。今回開始するゲームが疑似セットの3ゲーム目までである場合、ステップSb3515にてATモードの継続率を把握し、ステップSb3516にて当選確率の設定処理にて設定される設定値を把握する。そして、ステップSb3517にて、各種テーブル記憶エリア182aからエンディングゲーム数テーブルを取得する処理を実行し、ステップSb3518にて今回のATモードにおけるエンディング演出のゲーム数を抽選により決定する処理を実行する。
エンディングゲーム数テーブルは、図160に示すように、ATモードの継続率と設定値とに応じて、選択されるエンディングゲーム数が異なるように設定されており、概して、ATモードの継続率が高いほど少ないエンディングゲーム数が選択され易く、また、設定値が高いほど少ないエンディングゲーム数が選択され易くなるように設定されている。例えば、継続率10%のATモードにおいては、設定値が1又は2である場合よりも設定値が3又は4である場合の方がエンディングゲーム数の平均値は小さくなり、短いゲーム数が選択され易い。また、継続率90%のATモードにおいても、設定値が1又は2である場合よりも設定値が3又は4である場合の方がエンディングゲーム数の平均値は小さくなり、短いゲーム数が選択され易い。そして、設定値が1又は2である場合、及び設定値が3又は4である場合のいずれにおいても、継続率10%のATモードよりも継続率90%のATモードの方がエンディングゲーム数の平均値は小さくなり、短いゲーム数が選択され易い。
これに対して、設定値が5又は6である場合には、例えば、継続率10%のATモードでは1ゲームのエンディングゲーム数が最も選択され易い一方、継続率90%のATモードでは7ゲームのエンディングゲーム数が最も選択され易く、継続率が高いほど長いエンディングゲーム数が選択され易くなっている。つまり、エンディングゲーム数が短いからといって設定値が高くなり易いわけではなく、ATモードの継続率との関係で、設定値の絞り込みが行えるように設定されている。このようにすることで、エンディングに至るよりも前に継続率を予測しておく意義が高められ、第3特定演出への注目度を好適に高めることが可能となる。
ここで、エンディング演出が行われる状況とは、上記の通り、基本的にはセットの継続条件が成立せずにATモードが終了する場合であるため、当該エンディング演出にて継続率が把握できても遊技者にとって有益な情報となりにくい。但し、上記の通り、第3特定演出の発生確率が継続率によって異なり、継続率については、エンディング演出が発生するよりも前に当該第3特定演出の発生確率から予測可能な構成としている。そのため、エンディング演出前に予測した継続率と、エンディング演出のゲーム数とから、設定値を予測する、といったように、設定値の予測を行うためには事後的に継続率の情報が必要となる構成となり、継続率の情報を事後的に必要となるようにすることを通じて、第3特定演出への注目度を好適に高めることが可能となる。
ステップSb3518にてエンディングゲーム数の抽選処理を行った後は、ステップSb3719に進み、最大エンディングゲーム数である7から上記ステップSb3518にて決定したエンディングゲーム数を減算する処理を実行し、その演算値を各種カウンタエリア183bに設けられたエンディング待機カウンタに入力する処理を実行する。エンディング待機カウンタはエンディング演出の開始に合わせて第3特定演出を発生させるゲームをCPU181が把握するためのカウンタである。
ステップSb3519の処理を実行した後は、ステップSb3520にてエンディング待機カウンタが0であるか否かを判定する。例えば、エンディングゲーム数が3ゲームとして選択された場合、ステップSb3519にてエンディング待機カウンタに入力する値は4となり、ステップSb3520にて否定判定することになる。ステップSb3520にて否定判定した場合、ステップSb3521に進み、非第3特定演出を発生させるための処理を実行する。ステップSb3521~ステップSb3524の処理は、上記ステップSb3314~ステップSb3317の処理と同様である。
ステップSb3513にて否定判定し、継続条件の成立していないセットの1ゲーム目ではないと判定した場合、ステップSb3525にて、各種フラグ格納エリア183aに発生済みフラグがセットされているか否かを判定する。発生済みフラグは、継続条件の成立していないセットにおいて第3特定演出を既に発生させたことをCPU181が把握するためのフラグである。発生済みフラグがセットされていない場合、ステップSb3526にて、上記のエンディング待機カウンタを1減算する処理を実行する。
ステップSb3526の処理を実行した後は、ステップSb3520に進み、エンディング待機カウンタが0となったか否かを判定する。0となっていなければ、上記の通り、ステップSb3521に進み、非第3特定演出を発生させるための処理を行う。エンディング待機カウンタが0となった場合、ステップSb3527にて発生済みフラグをクリアする処理を実行してから、ステップSb3510に進み、第3特定演出を発生させるための処理を実行する。なお、ステップSb3501~ステップSb3512の処理は、上記ステップSb3301~ステップSb3312の処理と同様である。
また、ステップSb3525にて発生済みフラグがセットされており、第3特定演出が発生済みである場合には、ステップSb3521に進み、非第3特定演出を発生させるための処理を実行する。
以上のように、エンディングゲーム数を7ゲームの固定式ではなく、可変式としたことによって、継続条件が成立していないATセットにおいて第3特定演出を発生させるゲームが当該ATセットの1ゲーム目に限定されるものではなく、ランダムなものとなる。このようにすることで、ATセットの継続の有無を疑似セットの更新タイミングから把握することがより困難となり、疑似セット演出を楽しませる効果を高めることが可能となる。
しかも、上記構成においては、エンディングゲーム数によって設定値の推測が可能な構成としていることから、エンディング演出が行われる場合に、ATモードが終了してしまう残念感だけでなく、設定値の予測を行う面白みも提供することが可能となり、遊技者の遊技意欲の低下を好適に補うことができる。
この場合、設定値の推測は、エンディングゲーム数だけでなく、ATモードの継続率とからその推測や絞り込みが可能となるようにしているため、エンディング演出が行われるよりも前にATモードの継続率を予測・把握しておくことの重要性が高められ、第3特定演出の発生へより関心を寄せさせることが可能となる。
<変形例3>
本変形例では、第3特定演出の発生確率を変更する。図161は、本変形例における第3特定演出テーブルを示す図である。
本変形例における第3特定演出テーブルは、ATモードの継続率が高いほど第3特定演出が発生しにくく、継続率が低いほど第3特定演出が発生し易くなるように設定されている。具体的には、各ゲームの抽選結果を加味すると、継続条件が成立している状況下において、10%の継続率のATモードでは1ゲーム当たり約71.5%の確率で発生し、90%の継続率のATモードでは1ゲーム当たり約1.5%の確率で発生する。継続条件が成立している状況下においては、疑似セットは最大で10ゲーム継続するところ、10%継続のATモードでは約1.4ゲーム継続し、90%継続のATモードでは約9.3ゲーム継続し、ATモードの継続率が低いほど疑似セットの1セット当たりのゲーム数が少なくなる。
また、既に説明した通り、本実施形態では10ゲームを1セットとする疑似セット演出が行われ、当該10ゲーム間にて第3特定演出が発生すると、残りのゲーム数に関わらず新たな疑似セットに更新される。つまり、第3特定演出が発生し易いほど、疑似セットの更新確率が高くなる。
ATモードの継続セット数の平均値としては、10%継続のATモードにおいては約2.1セット継続し、90%継続のATモードにおいては約7.9セット継続するところ、90%継続のATモードは10%継続のATモードの3.7倍のセット数だけ継続する。これに対して、疑似セットにおいては、上記のように10%継続のATモードの方が疑似セットの更新確率が高められており、疑似セット数の平均値としては、10%継続のATモードにおいては約4.4セット継続し、90%継続のATモードにおいては約6.8セット継続する。そのため、90%継続のATモードは10%継続のATモードの1.5倍の疑似セットが継続することになり、実際のATモードのセット数における継続率の差よりも疑似セット数における継続率の差の方が小さくなる。
また、60%継続のATモードにおいては約3.5セット継続するため、60%継続のATモードは90%継続のATモードよりもセットの平均継続数は少ない。しかし、疑似セットの平均値としては、60%継続のATモードにおいては約9.0セット継続し、90%継続のATモードにおいては約6.8セット継続するため、60%継続のATモードは90%継続のATモードよりも疑似セットのセット数が多くなる。つまり、継続率に応じたATセットの平均セット数と疑似セットの平均セット数とが逆転し、継続率が低いほど疑似セットの平均セット数が多くなる場合もあるように設定されている。
図162を参照しながら、ATモードの継続率と、疑似セットの更新確率との関係を説明する。図162(a)は、10%継続のATモードにおける疑似セット演出の様子の一例を示しており、図162(b)は、90%継続のATモードにおける疑似セット演出の様子の一例を示している。
例えば、10%継続のATモードにおいてte1にて1セット目が開始され、オープニング演出が終了するte2から疑似セット演出が開始される。この場合、当該te1にて開始されるATモードの1セット目、及びte5にて開始されるATモードの2セット目では継続条件が成立しているものの、te11にて開始されるATモードの3セット目では継続条件が成立しておらず、te12にて開始されるエンディング演出を経てte13にてATモードが終了するとする。
上記の通り、10%継続のATモードにおいては継続条件が成立している状況下であれば、毎ゲーム約71.5%の確率で第3特定演出が発生するところ、図においては、te2から疑似セット演出の1セット目が開始されたのち、te3~te11にて第3特定演出が発生し、10セットの疑似セットが行われた後、エンディング演出が発生したことを示している。
これに対して、90%継続のATモードにおいてtf1にて1セット目が開始され、オープニング演出が終了するtf2から疑似セット演出が開始される。この場合、当該tf1にて開始されるATモードの1セット目、tf4にて開始されるATモードの2セット目、tf7にて開始されるATモードの3セット目、及びtf11にて開始されるATモードの4セット目では継続条件が成立しているものの、tf14にて開始されるATモードの5セット目では継続条件が成立しておらず、tf15にて開始されるエンディング演出を経てtf16にてATモードが終了するとする。
上記の通り、90%継続のATモードにおいては継続条件が成立している状況下であれば、10%継続のATモードよりも低い確率として、毎ゲーム約1.5%の確率で第3特定演出が発生するところ、図においては、tf2から疑似セット演出の1セット目が開始されたのち、tf3、tf5、tf6、tf8~tf10、tf12~tf14にて第3特定演出が発生し、10セットの疑似セットが行われた後、エンディング演出が発生したことを示している。
つまり、この場合、10%継続のATモードの実際のセット数は3セットであり、90%継続のATモードの実際のセット数は5セットであるのに対して、10%継続のATモードにおける疑似セットのセット数は10セットであり、90%継続のATモードにおける疑似セットのセット数も10セットであり、ATモードの継続率が低くても多くのセット数を消化している印象を遊技者に与えることが可能となる。
<第2bの実施形態γ>
本実施形態では、上記第2bの実施形態βにおける疑似セット演出にて特定演出が発生した場合には、所定数のゲーム(4ゲーム~14ゲーム)に亘って大当たり演出が実行され、その後、再度、疑似セット演出が行われる。そして、疑似セット演出において特定演出が発生しなかった場合には、当該疑似セット演出の規定ゲーム数(10ゲーム)を消化した際に、ATモードが終了する。なお、本実施形態における特定演出を、他の実施形態における特定演出と区別するために、本実施形態における特定演出を第4特定演出とも称する。
具体的には、図163(a)に示すように、実施形態では、ATモードが開始されると、上記第2bの実施形態βのようにオープニング演出を介さずに、当該ATモードの開始から疑似セット演出が開始される。
当該疑似セット演出は、上記第2bの実施形態βと同様に、最大で10ゲーム継続する。図163(b1)に示すように、上記第2bの実施形態βと同様に、図柄変動演出を用いて各変動領域SP1~SP3に同じ数字のキャラクタが揃って停止する第4特定演出及び各変動領域SP1~SP3に同じ数字のキャラクタが揃わずに停止する非第4特定演出のいずれかが発生する演出を行う。
図163(b2)に示すように、残りゲーム数画像GPが1となる最終ゲームまでに第4特定演出が発生する場合と、図163(b3)に示すように、大当たり演出が行われる。当該大当たり演出としては、例えば、味方キャラクタが目を閉じた様子が補助表示部65にて表示される演出が設定されており、最小で4ゲーム、最大で14ゲームに亘って継続する。そして、図163(b4)に示すように、大当たり演出の最終ゲームにて移行演出として味方キャラクタが目を見開く様子が表示される演出が行われると、次ゲームから、再度、疑似セット演出が開始される。
疑似セット演出において、10ゲームに亘って非第4特定演出が行われると、図163(b5)に示すように、当該10ゲーム目である最終ゲームの非第4特定演出の後、図163(b6)に示すように、非更新演出が行われてATモードが終了する。
<AT演出設定処理>
図164は、本実施形態におけるAT演出設定処理を示すフローチャートである。
ステップSb3601にてサブ側ATカウンタを1減算した後、ステップSb3602にて継続コマンドを受信しているか否かを判定する。継続コマンドを受信している場合には、ステップSb3603にてサブ側継続フラグをセットする処理を実行する。ステップSb3602にて否定判定した場合、又はステップSb3603の処理を実行した後は、ステップSb3604に進む。
ステップSb3604では、サブ側ATカウンタが17であって、今回開始するゲームがATモードのセットにおける1ゲーム目であるか否かを判定する。ATセットの1ゲーム目である場合、ステップSb3605にてサブ側継続フラグがセットされているか否かを判定し、セットされていない場合には、ステップSb3606にて調整用処理を実行してから、本AT演出設定処理を終了する。調整用処理は、継続条件が成立していないATセットの開始に際して、実行中の疑似セット演出と大当たり演出とのゲーム数を調整するための処理であり、その詳細は後に説明する。
ステップSb3604にてセットの1ゲーム目ではない場合や、ステップSb3605にてATセットの1ゲーム目であってもサブ側継続フラグがセットされている場合は、ステップSb3607に進む。ステップSb3607では、各種フラグ格納エリア183aに調整済みフラグがセットされているか否かを判定する。調整済みフラグは上記のステップSb3606の調整用処理が行われた場合にセットされるフラグである。
調整済みフラグがセットされていない場合、ステップSb3608に進み、各種フラグ格納エリア183aに大当たり演出フラグがセットされているか否かを判定する。大当たり演出フラグは、大当たり演出を開始する場合にセットされるフラグであり、大当たり演出中であることをCPU181が把握するためのフラグである。大当たり演出フラグがセットされておらず、大当たり演出ではなく疑似セット演出を行っている状況である場合、ステップSb3609にて第4特定演出設定処理を実行してから、AT演出設定処理を終了する。
<第4特定演出設定処理>
第4特定演出設定処理では、図165のフローチャートに示すように、ステップSb3701にて疑似ATカウンタを1減算する処理を実行し、ステップSb3702にて残りゲーム数画像GPを更新する処理を実行する。そして、ステップSb3703にてサブ側継続フラグがセットされているか否かを判定し、セットされている場合には、ステップSb3704にて、疑似ATカウンタが0であって、今回開始するゲームが疑似セットの10ゲーム目であるか否かを判定する。疑似セットの10ゲーム目ではない場合、ステップSb3705~ステップSb3708にて、今回のゲームの抽選結果とATモードの継続率とに応じて第4特定演出を発生させるか否かを決定する処理を実行する。これらステップSb3701~ステップSb3708の処理は、上記ステップSb3301~ステップSb3308の処理と同様であり、第4特定演出テーブルについても、図155の第3特定演出テーブルを流用可能である。
ステップSb3709では、ステップSb3708にて行う第4特定演出抽選に当選しているか否かを判定する。第4特定演出抽選に当選している場合や、ステップSb3604にて疑似セットの最終ゲームであると判定したには、ステップSb3710にて、第4特定演出が補助表示部65やスピーカ64にて行われるように設定する処理を行う(図163(b2))。そして、ステップSb3711にて大当たり演出ゲーム数設定処理を実行してから、本第4特定演出設定処理を終了する。
<大当たり演出ゲーム数設定処理>
大当たり演出ゲーム数設定処理では、図166のフローチャートに示すように、ステップSb3801にて各種テーブル記憶エリア182aから大当たりゲーム数テーブルを取得する処理を実行する。大当たりゲーム数テーブルでは、図168に示すように、当選確率の設定処理にて設定される設定値に応じて、4ゲームから14ゲームのうちのいずれかが選択されるように設定されており、出玉率が高くなる設定値ほど、短いゲーム数大当たり演出が選択され易くなるように設定されている。
ステップSb3801にて大当たりゲーム数テーブルを取得した後は、ステップSb3802にて大当たり演出を行うゲーム数を抽選により決定する。そして、その抽選結果を、ステップSb3803にて、各種カウンタエリア183bに設けられた大当たり演出カウンタ1に入力する処理を実行し、その後、ステップSb3804にて大当たり演出フラグをセットする処理を実行してから、本大当たり演出ゲーム数設定処理を終了する。大当たり演出フラグをセットすることにより、次のゲームからステップSb3608にて肯定判定することになる。
第4特定演出設定処理において、ステップSb3709にて第4特定演出抽選に非当選であると判定した場合、ステップSb3712に進み、非第4特定演出が補助表示部65やスピーカ64にて行われるように設定する処理を行う(図163(b1))。そして、ステップSb3713にて疑似ATカウンタが0であって、今回開始するゲームが疑似セットの10ゲーム目であるか否かを判定し、10ゲーム目である場合には、ステップSb3714にてAT終了演出が補助表示部65やスピーカ64にて行われるように設定する処理を行う(図163(b6))。疑似セットの10ゲーム目ではない場合には、そのまま第4特定演出設定処理を終了する。
AT演出設定処理において、ステップSb3608にて大当たり演出フラグがセットされていると判定した場合、ステップSb3610に進む。ステップSb3610では、上記の大当たり演出カウンタを1減算する処理を実行する。そして、ステップSb3611では、各種カウンタエリア183bに設けられた大当たり演出カウンタ2を1加算する処理を実行する。大当たり演出カウンタ2は、大当たり演出を実行したゲーム数をCPU181が把握するためのカウンタである。続くステップSb3612では、上記の大当たり演出カウンタ1が0となったか否かを判定する。0となっていない場合には、ステップSb3613にて、大当たり演出が補助表示部65やスピーカ64にて行われるように設定する処理を行ってから(図163(b3))、本AT演出設定処理を終了する。
これに対して、ステップSb3612にて大当たり演出カウンタ1が0となり、大当たり演出の最終ゲームである場合、ステップSb3614に進み、大当たり演出フラグをクリアする処理を実行し、ステップSb3615にて大当たり演出カウンタ2を0にクリアする処理を実行する。そして、ステップSb3616にて疑似ATカウンタに10を入力する処理を実行し、ステップSb3617にて移行演出が補助表示部65やスピーカ64にて行われるように設定する処理を行ってから(図163(b4))、本AT演出設定処理を終了する。
<調整用処理>
次に、継続条件が成立していないATセットの1ゲーム目にて実施されるステップSb3606の調整用処理について、図167のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップSb3901では、大当たり演出カウンタ1が0よりも大きく、今回のゲームで大当たり演出を行う予定であるか否かを判定する。大当たり演出カウンタ1が0であって、疑似セット演出を行う予定である場合、ステップSb3902にて、第4特定演出が補助表示部65やスピーカ64にて行われるように設定する処理を行う(図163(b2))。そして、ステップSb3903にて大当たり演出フラグをセットし、ステップSb3904にて大当たり演出カウンタ1に7をセットする処理を実行してから、本調整用処理を終了する。ステップSb3902~ステップSb3904の処理は、上記ステップSb3710、ステップSb3803及びステップSb3804の処理に対応するものである。すなわち、ステップSb3902~ステップSb3904の処理を行うことにより、今回開始するゲームにおいて第4特定演出が発生し、次のゲームから7ゲーム間の大当たり演出が行われることになる。そして、この場合、当該大当たり演出が終了して移行演出が行われるゲームが、ATモードの最終セットにおける8ゲーム目となり、9ゲーム目から18ゲーム目までは非第4特定演出による疑似セット演出が行われることになる(図169(a)参照)。
より詳しくは、次ゲームである最終セットの2ゲーム目から最終セットの8ゲーム目までは、AT演出設定処理においてステップSb3608にて大当たり演出フラグがセットされていると判定することによって、大当たり演出又は移行演出を設定するための処理が行われる。そして、最終セットの9ゲーム目以降では、大当たり演出フラグがクリアされていることから、ステップSb3608にて否定判定し、第4特定演出設定処理が行われる。第4特定演出設定処理では、ステップSb3703にてサブ側継続フラグがセットされていないと判定し、ステップSb3715に進む。そして、ステップSb3715にて調整済みフラグがセットされているか否かを判定し、セットされていないため、ステップSb3712に進み、非第4特定演出を行うための処理が実行される。
ステップSb3901にて大当たり演出カウンタ1が0よりも大きく、大当たり演出を行う予定のゲームである場合、ステップSb3905にて大当たり演出カウンタ2が7以上であるか否かを判定する。大当たり演出カウンタ2が7未満であって、既に実行している大当たり演出のゲーム数が6ゲーム以下である場合、ステップSb3906にて大当たり演出カウンタ2に1を入力し、ステップSb3907にて大当たり演出カウンタ1に8を入力する処理を実行する。そして、ステップSb3908にて、大当たり演出が補助表示部65やスピーカ64にて行われるように設定する処理を行ってから(図163(b3))、本調整用処理を終了する。すなわち、ステップSb3906~ステップSb3908の処理を実行することにより、今回開始するゲームから8ゲームに亘って大当たり演出が実行されることになる。上記の通り、これらステップSb3906~ステップSb3908の処理を実行する場合とは、今回のゲームで大当たり演出を行う予定であった場合であって、大当たり演出を開始してから6ゲーム以下である場合であり、上記ステップSb3906~ステップSb3908の処理を行うことにより、大当たり演出は合計で8ゲームから14ゲームに亘って実行されるようになる。そしてこの場合、当該大当たり演出が終了して移行演出が行われるゲームが、ATモードの最終セットにおける8ゲーム目となり、9ゲーム目から18ゲーム目までは非第4特定演出による疑似セット演出が行われることになる(図169(b)参照)。
より詳しくは、ステップSb3904の処理を行った場合と同様に、次ゲームである最終セットの2ゲーム目から最終セットの8ゲーム目までは、AT演出設定処理においてステップSb3608にて大当たり演出フラグがセットされていると判定することによって、大当たり演出又は移行演出を設定するための処理が行われる。そして、最終セットの9ゲーム目以降では、大当たり演出フラグがクリアされていることから、ステップSb3608にて否定判定し、第4特定演出設定処理が行われる。第4特定演出設定処理では、ステップSb3703にてサブ側継続フラグがセットされていないと判定し、ステップSb3715にて調整済みフラグがセットされていないため、ステップSb3712に進み、非第4特定演出を行うための処理が実行される。
ステップSb3005にて大当たり演出カウンタ2が7以上である場合、ステップSb3909に進み、ATモードの最終セットの9ゲーム目から疑似セット演出の最終セットが行われるように、現状実行している大当たり演出を一旦終了させた後、当該大当たり演出後の疑似セット演出において第4特定演出を発生させるゲーム(疑似セット演出の継続ゲーム数)と、当該疑似セット演出後の大当たり演出の継続ゲーム数と、を決定する処理を実行する。
すなわち、ステップSb3909では、先ず、大当たり演出カウンタ1及び大当たり演出カウンタ2を0にクリアする処理を実行する。そして、ステップSb3910にて、移行演出が補助表示部65やスピーカ64にて行われるように設定する処理を行い(図163(b4))、ステップSb3911にて大当たり演出フラグをクリアする処理を実行する。
続くステップSb3912では、各種テーブル記憶エリア182aから調整用ゲーム数テーブルを取得する処理を実行し、ステップSb3913にて調整用ゲーム数抽選処理を実行する。
調整用ゲーム数テーブルは現状実行している大当たり演出の次の大当たり演出の継続ゲーム数を決定するためのテーブルであり、図168に示すように、4ゲームから7ゲームまでのゲーム数が設定されている。ステップSb3913では、これら4ゲームから7ゲームまでのゲーム数を抽選等によりランダムに決定する。
ステップSb3913の処理を実行した後は、ステップSb3914にて各種カウンタエリア183bに設けられた調整済みカウンタ2に上記ステップSb3913の処理結果を入力する処理を実行する。調整済みカウンタ2は、現状実行している大当たり演出の次の大当たり演出のゲーム数をCPU181が把握するためのカウンタである。
続くステップSb3915では、調整用第4特定演出発生ゲーム数の演算処理を実行する。かかる処理は、現状実行している大当たり演出後の疑似セット演出において第4特定演出を発生させるゲーム(疑似セット演出の継続ゲーム数)を演算する処理である。具体的には、7から上記調整済みカウンタ2を減算する処理を実行する。
そして、ステップSb3916にて、各種カウンタエリア183bに設けられた調整済みカウンタ1に上記ステップSb3915の処理結果を入力する処理を実行する。調整済みカウンタ1は、現状実行している大当たり演出の次の疑似セット演出の継続ゲーム数をCPU181が把握するためのカウンタである。ステップSb3916の処理を実行した後は、ステップSb3917にて調整済みフラグをセットする処理を実行してから、本調整用処理を終了する。
AT演出設定処理において、ステップSb3607にて調整済みフラグがセットされており、前回のゲーム以前にて調整用処理が実行されている場合、ステップSb3618に進む。ステップSb3618では、調整済みカウンタ1が0よりも大きいか否かを判定する。上記の通り、調整済みカウンタ1は調整済みの疑似セット演出の残りゲーム数に対応するものであり、当該調整済みカウンタ1が0よりも大きい場合とは、今回開始するゲームが、上記の調整済みの疑似セット演出を行うべきゲームであることを意味する。この場合、ステップSb3609に進み、第4特定演出設定処理を実行する。
第4特定演出設定処理では、ステップSb3703にてサブ側継続フラグがセットされていないと判定し、ステップSb3715に進む。そして、ステップSb3715にて調整済みフラグがセットされているか否かを判定する。この場合、調整済みフラグがセットされていることから、ステップSb3716に進み、調整済みカウンタ1を1減算する処理を実行する。そして、ステップSb3717にて調整済みカウンタ1が0となったか否かを判定し、0となっていなければ、ステップSb3712に進み、非第4特定演出を発生させるための処理を行う。これに対して、ステップSb3717にて調整済みカウンタ1が0となったと判定した場合には、ステップSb3718にて第4特定演出が補助表示部65やスピーカ64にて行われるように設定する処理を行ってから、第4特定演出設定処理を終了する。この場合、次の大当たり演出の継続ゲーム数は既に設定済み(調整済みカウンタ2、ステップSb3914)であるため、当該次の大当たり演出の継続ゲーム数を設定する処理(ステップSb3711)を実行しない。
AT演出設定処理において、ステップSb3607にて調整済みフラグがセットされており、ステップSb3618にて調整済みカウンタ1が0である場合、上記のように、既に調整済みの疑似セット演出を実行済みであることを意味し、この場合、調整済みの大当たり演出を行うべく、ステップSb3619に進み、調整済みカウンタ2を1減算する処理を実行する。そして、ステップSb3620にて、調整済みカウンタ2が0となったか否かを判定し、0となっていない場合には、ステップSb3613に進み、大当たり演出が補助表示部65やスピーカ64にて行われるように設定する処理を行ってから、AT演出設定処理を終了する。
これに対して、ステップSb3620にて調整済みカウンタ2が0となったと判定した場合、ステップSb3621にて調整済みフラグをクリアする処理を実行してから、ステップSb3616に進み、疑似ATカウンタに11を入力する処理、及びステップSb3617の移行演出が補助表示部65やスピーカ64にて行われるように設定する処理を行ってから、AT演出設定処理を終了する。
この場合、ATモードの最終セットにおける1ゲーム目にて大当たり演出が終了して移行演出が発生し、2ゲーム目からは調整済みカウンタ1の値に応じたゲーム数に亘って調整済みの疑似セット演出が行われる。そして、当該調整済みの疑似セット演出にて第4特定演出が発生した後、調整済みカウンタ2の値に応じたゲーム数に亘って調整済みの大当たり演出が行われる。調整済みの大当たり演出は、最終セットの8ゲーム目にて終了するように調整されていることから、9ゲーム目から18ゲーム目では、非第4特定演出が繰り返し発生する疑似セット演出が行われて、ATモードが終了する(図169(c)参照)。
このように、本実施形態では、疑似セット演出にて第4特定演出が発生した場合には、直ぐに次の疑似セットが開始されるのではなく、大当たり演出を介して次の疑似セットが開始されるようにしていることから、仮に疑似セットにて早期に第4特定演出が発生し、対応するゲーム数が少ない場合であっても、大当たり演出が行われるゲームによってそのゲーム数を補うことが可能であり、疑似セットが更新されることへの期待感をより純粋に高めることが可能である。
大当たり演出は4ゲームから14ゲームに亘って行われ得るようにしていることから、疑似セット中に第4特定演出が発生した後、短いゲーム数で大当たり演出が終了して次の疑似セットが開始される場合もあるし、長期に亘って(長いゲーム数で)大当たり演出が行われた後、次の疑似セットが開始される場合もあり、疑似セット演出中の第4特定演出の発生タイミングだけではなく、大当たり演出において移行演出の発生タイミング(大当たり演出の終了タイミング)へも注目させることが可能となり、ドキドキ感ある遊技性を楽しませることができる。
ここで、ATモード中に行う疑似セット演出(最大10ゲーム)とそれに連続する大当たり演出(4ゲーム~14ゲーム)とは、両演出のゲーム数を合わせるとATセットの18ゲーム以上のゲーム数となる場合と、18ゲームよりも少ないゲーム数となる場合とがあるように設定されている。このようにすることで、ATセットのゲーム数を主制御装置101側で長くしたり短くしたりしなくても、両演出の長短によってあたかもATセットのゲーム数が変化しているかのような印象を与えることが可能となる。このようにすることで、比較的簡素な構成でATセットの遊技性を向上させることが可能となる。
この場合、疑似セット演出と大当たり演出とは、いずれも最大限継続してもATセットのゲーム数よりも少ないゲーム数となるように設定されているため、両演出がセットでATセットに対応付けられている印象を強く与えることが可能となり、両演出によってATセットのゲーム数が変化する印象を与える手助けとすることができる。
また、上記構成のように、疑似セット演出にて第4特定演出が発生した場合には大当たり演出に移行する一方、第4特定演出が発生しないまま疑似セット演出が終了した場合にはATモードがそのまま終了する構成とすることで、疑似セット演出にて第4特定演出が発生しないことと、ATモードの終了とが、より密接に関連付けられ、第4特定演出の発生をより心待ちにさせることが可能となる。
<その他の実施形態>
なお、上述した各実施形態や各変形例の記載内容に限定されず例えば次のように実施してもよい。ちなみに、以下の各構成を個別に上記各実施形態や各変形例に対して適用してもよく、一部又は全部を組み合わせて上記各実施形態や各変形例に対して適用してもよい。また、上記各実施形態や各変形例に示した各種構成の全て又は一部を任意に組み合わせることも可能である。この場合、組み合わせの対象となる各構成の技術的意義(発揮される効果)が担保されることが好ましい。実施形態や変形例の組み合わせからなる新たな構成に対して以下の各構成を個別に適用してもよく、一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。
(1)ATモードをセット管理型のATモードとし、継続率に応じてATモードの継続ゲーム数が異なるようにしたが、ATモードの継続し易さ(継続ゲーム数)が異なる複数のATモードを設けれてもよい。この場合、例えば、初期ゲーム数が異なる複数のATモードを設定してもよいし、終了抽選に当選するまでATモードが継続する構成としたうえで当該終了抽選の当選確率が異なる複数のATモードを設定してもよいし、所定の終了結果(例えば、所定のボーナス結果等)に当選した場合にATモードが終了する構成としたうえで当該所定の終了結果の当選確率が異なる複数のATモードを設定してもよいし、ゲーム数上乗せの当選確率が異なる複数のATモードを設定してもよいし、ゲーム数上乗せ当選時の上乗せゲーム数が異なる複数のATモードを設定してもよいし、これらを組み合わせてもよい。そして、いずれのATモードであるかによって、特定演出抽選の当選確率や示唆演出抽選の当選確率、エンディングゲーム数、大当たり演出のゲーム数等を異ならせる構成とするとよい。
(2)18ゲームを1セットとするセット管理型のATモードとしたが、当該1セットのゲーム数はこれに限定されず、18ゲームよりも多くてもよいし、少なくてもよい。また、1セット中にゲーム数の上乗せ等が行われ得る構成とする等して、1セットのゲーム数が変化する(18ゲームよりも多くなるセットが存在する)場合がある構成としてもよい。また、例えば、第2bの実施形態βのように1セット目は必ず継続条件が成立するような構成においては、継続条件を成立させる構成に代えて、1セット目の継続ゲーム数を2倍のゲーム数(36ゲーム)として設定する構成としてもよく、1セット目だけではなく、継続条件が成立しているATセットの更新に際しては、2倍のゲーム数を当該セットのゲーム数として設定する構成としてもよく、ATセットカウンタの値に応じたゲーム数(ATセットカウンタが3であれば3倍のゲーム数等)を当該セットのゲーム数として設定する構成としてもよい。
(3)継続率の異なるATモードにおいて、各ゲームの抽選処理にて用いられる抽選テーブルは共通なものとしたが、それぞれのATモードにて抽選テーブルが異なる構成としてもよく、それぞれのATモードにて所定役や特定役の一部若しくは全部又は他の結果の当選確率が異なる構成としてもよく、当選確率が異なることを通じて特定演出の発生確率がそれぞれのATモードで異なる構成としてもよい。この場合、所定役や特定役の一部若しくは全部又は他の結果の当選確率が各ATモードで遊技者が識別不可能な程度に異なる構成(略同じ確率である構成)としてもよい。
(4)AT上乗せ用処理において、特定役では上乗せ当選し得る一方、通常役では上乗せ当選しない構成としたが、通常役でも上乗せ当選し得る構成としてもよい。この場合、特定役での上乗せ当選の確率よりも通常役での上乗せ当選の確率の方が低くなるようにするとよい。なお、特定役の一部の役(例えばチャンス目A)での上乗せ当選の確率よりも通常役の一部の役(例えば通常リプC)での上乗せ当選の確率の方が高くなることを排除するものではなく、全体として、通常役よりも特定役の方が上乗せ当選し易い構成であればよい。
(5)特定役の方が通常役よりも特定演出抽選の当選確率が高くなるように設定したが、特定役と通常役との特定演出抽選の当選確率を同じ又は略同じ確率となるように設定してもよい。この場合であっても、各ゲームの抽選処理において特定役よりも通常役に当選し易いことを通じて、特定役を契機として特定演出が発生する割合よりも、通常役を契機として特定演出が発生する割合の方が大きくなる。また、通常役の方が特定役よりも特定演出抽選の当選確率が高くなるようにしてもよく、この場合、特定役を契機として特定演出が発生する割合よりも、通常役を契機として特定演出が発生する割合の方が大きくなるように、通常役と特定役との各ゲームの抽選処理での当選確率や特定演出抽選の当選確率を調整するとよい。
(6)遊技者にとって有利な有利事象を生じさせる有利判定としてATモードにおけるATセットが継続することを有利事象とし、継続抽選を有利判定の一例としたうえで、ATセットの継続条件が成立しているいことに対応する演出として特定演出が行われるようにしたが、遊技者にとって有利な有利事象に対応付けられた演出であればよく、例えば、ATモードへの移行抽選に当選していることに対応付けられた演出としてもよいし、設定値を示唆する示唆演出の実行抽選に当選していることに対応付けられた演出としてもよいし、ATモードの上乗せ抽選に当選していることに対応付けられた演出としてもよい。
この場合、ATモードの移行抽選に当選していることに対応付けられた演出として特定演出を行うのであれば、ATモード移行抽選にて当選し、前兆モードを介して当該ATモード移行抽選に当選したことの当選演出が行われる構成において、当該前兆モード中であって、当選演出が行われるよりも前やATモードが開始されるよりも前に、特定演出が発生し得るようにし、ATモード移行抽選の当選確率が異なる複数のモードを設けたうえで、それぞれのモードによって特定演出の発生確率を異ならせる構成としたり、各ゲームの抽選結果を利用して特定演出の実行抽選を行う構成としたりするとよい。
また、設定値を示唆する示唆演出の実行抽選に当選していることに対応付けられた演出として特定演出を行うのであれば、示唆演出の実行抽選に当選してから、示唆演出が行われるまでに複数のゲームを要するような構成としたうえで、当該示唆演出の実行抽選に当選してから示唆演出が行われるまでのゲームにて特定演出が発生し得るようにし、設定値の示唆演出の実行抽選の当選確率が異なる複数のモードを設けたうえで、それぞれのモードによって特定演出の発生確率を異ならせる構成としたり、各ゲームの抽選結果を利用して特定演出の実行抽選を行う構成としたりするとよい。
そして、ATモードの上乗せ抽選に当選していることに対応付けられた演出として特定演出を行うのであれば、上乗せ抽選に当選してから上乗せが行われるまでに複数のゲームを要するような構成としたうえで、当該上乗せ抽選に当選してから上乗せが行われるまでのゲームにて特定演出が発生し得るようにし、上乗せ抽選の当選確率が異なる複数のモードを設けたうえで、それぞれのモードによって特定演出の発生確率を異ならせる構成としたり、各ゲームの抽選結果を利用して特定演出の実行抽選を行う構成としたりするとよい。
これらの場合において、有利事象を生じさせることの有利判定の判定契機は、それぞれの有利事象に応じて設定すればよく、ATモードの移行を有利事象とするのであれば、ATモード移行抽選の実行契機として、例えば特定役当選や所定ゲーム数の消化を所定の判定契機とすればよい。
(7)特定演出を補助表示部65やスピーカ64にて行う構成としたが、別の表示部やランプ等にて行う構成としてもよいし、各リール32L,32M,32Rを用いて行う構成としてもよい。各リール32L,32M,32Rを用いて行う場合、例えば、特定演出を行わないゲームにおいては、各リール32L,32M,32Rを通常通り回転開始させる一方、特定演出を行うゲームにおいては、各リール32L,32M,32Rを通常の回転開始態様とは異なる回転開始態様(例えば、回転開始までの期間を通常よりも長くしたり短くしたり、左リール32Lから順番に回転を開始させたり、定速回転に至るまでに所定の図柄組合せが形成された状態で低速回転したり、仮停止したりする態様等)にて回転開始させる構成としてもよい。なお、回転開始時に限定されず、当該ゲームにおいて、各リール32L,32M,32Rの回転が開始してから回転が終了するまでの回転態様を通常態様とは異なる特定態様とすることで特定演出を行う構成とすればよい。
(8)特定演出抽選に当選した場合、当該当選したゲームにて特定演出を行う構成としたが、当該当選したゲームよりも後のゲームにて当該特定演出抽選に当選したことに対応する特定演出を行う構成としてもよい。この場合、いずれのゲームにて特定演出を行うかを抽選等により決定する構成としてもよいし、予め定められたゲーム数後に特定演出を行う構成としてもよい。但し、特定演出を行うゲームは特定演出を実行可能なゲーム(対峙演出や当該セットの疑似セット中)である必要があるところ、特定演出を実行するゲームを決定するうえでは、当該実行可能なゲームから特定演出を実行するゲームを決定する構成とするとよい。
(9)各ゲームの抽選結果に応じて特定演出を行うことの特定演出抽選を行う構成としたが、例えば対峙演出の開始時や疑似セット演出の開始時に特定演出の実行抽選や実行ゲーム数の抽選を行う構成としてもよく、この場合、当該これらの抽選を行うゲームの抽選結果に関わらずこれらの抽選を行う構成としてもよいし、これらの抽選を行うゲームの抽選結果に応じてこれらの抽選を行う(抽選結果に応じて実行抽選の当選確率や実行ゲーム数が異なる)構成としてもよい。
(10)対峙演出中の特定演出抽選に当選した場合、当該特定演出抽選に当選したゲームだけ特定演出を行う構成としたが、当該当選したゲーム以降も特定演出を行う構成としてもよく、特定演出を複数のゲームに亘って行う構成としてもよい。
(11)セット管理型のATモードにおいて、ATモードに移行する場合に継続率の設定を行い、当該ATモード中は継続率が変化しない構成としたが、ATモード中も継続率が変化し得る構成としてもよい。例えば、各ゲームやセットの更新時等の所定の抽選契機に基づいて継続率の変更抽選を行い、当該変更抽選に当選した場合に以降の継続率が変化する(例えば10%の継続率から60%の継続率となる)構成としてもよい。継続率が変化する場合、継続率が高くなる態様だけではなく、継続率が低くなる態様もある構成としてもよく、継続率が高くなる抽選と、継続率が低くなる抽選とを別々に抽選したり、別々の抽選契機で抽選したりする構成としてもよい。
更に、1セット目は90%で継続し、2セット目は10%で継続し、3セット目以降は60%で継続するパターンや、1セット目は10%で継続し、2セット目は60%で継続し、3セット目以降は90%で継続するパターンといったように、各セットの継続率が予め定められたパターンを複数設け、ATモード移行時にいずれのパターンとするかを決定するシナリオ管理型のATモードとしてもよい。
これらの構成において、今回のセットの継続率が次回以降のセットの継続率に影響を及ぼす構成であることが好ましく、例えば、セットの更新時に次回の継続率を抽選等により決定する構成であれば、今回の継続率を参照して次回の継続率を決定する構成(例えば、今回が10%であれば、次回は10%よりも90%が選択され易く、今回が60%であれば、次回は他の継続率よりも60%が選択され易い等の構成)とするとよく、上記のシナリオ管理型の構成であれば、今回のセットの継続率から次回以降のセットの継続率の絞り込みが可能となる構成とするとよく、このようにすることで、継続条件が成立していることに対応する特定演出に基づいて(今回のセットの)継続率を予測・把握する意義が担保される。
(12)各セットで継続率が変化し得る構成においては、今回のセットの継続条件が成立していることに対応する特定演出を今回のセットの継続率に応じて発生させる構成に代え、又は加えて、今回のセットの継続条件が成立していることに対応する特定演出を次回以降のセットの継続率に応じて発生させる構成としてもよい。
(13)オープニング演出やバトル演出、大当たり演出、エンディング演出中においても、ATセットの継続条件が成立していることを条件として、各種特定演出が発生し得る構成としてもよい。この場合、例えば、バトル演出よりも対峙演出の方が特定演出が発生し易い構成としたり、オープニング演出や大当たり演出やエンディング演出よりも疑似セット演出の方が特定演出が発生し易い構成とするとよい。
(14)ATモードの継続率に応じて、特定演出の発生率を異ならせたが、特定演出の態様(表示するキャラクタの色や形、表示タイミング等)が異なる構成としてもよいし、特定演出を複数のゲームに亘って行い得る構成においては、特定演出の実行ゲーム数がATモードの継続率に応じて異なる構成としてもよい。
(15)ATモードの継続率に応じて、各ゲームの抽選処理に用いる抽選テーブルを異ならせる等して、所定結果の当選確率が異なる構成としてもよい。この場合、所定結果を特定演出の発生契機となる構成とすることで、ATモードの継続率に応じて特定演出の発生率を異ならせる構成とすることができる。また、押し順ベルを所定結果とする等して、ATモードの継続率に応じて、1ゲーム当たりで期待できる期待メダル増加枚数(純増枚数)が異なる構成としてもよく、例えば、継続率が高いほど期待メダル増加枚数が多くなるようにしてもよいし、継続率が高いほど期待メダル増加枚数が少なくなる構成としてもよい。なお、ATモードの継続率に応じて期待メダル増加枚数を異ならせる構成は、抽選テーブルを異ならせる構成によって実現するものに限定されず、例えば、押し順ベル当選時の押し順報知の発生率が異なるようにして実現してもよいし、押し順ベル等の当選時の押し順報知の態様を異ならせる構成(2択の押し順を報知する態様や1択の押し順を報知する態様等を設け、押し順報知の態様によって第1小役入賞~第6小役入賞の入賞確率が異なる構成)にて実現してもよく、その他の構成にて実現してもよい。
(16)継続条件が成立しているATセット中のセット上乗せ抽選に非当選となった場合に特定演出を発生させるようにした構成において、特定役を契機とするセット上乗せ抽選に非当選となった場合に特定演出を発生させる態様に限定されず、通常役を契機とするセット上乗せ抽選に非当選となった場合に特定演出を発生させる構成としてもよいし、これら特定役や通常役を契機とするセット上乗せ抽選に非当選となった場合の一部で特定演出を発生させる構成としてもよい。これらにおいて、通常役を契機とする特定演出よりも特定役を契機とする特定演出のほうが発生し易くするとよい。
(17)継続条件が成立しているATセット中のセット上乗せに当選した場合に特定演出を行う構成としてもよい。この場合、セット上乗せに当選した場合の一部で特定演出を行う構成としてもよく、特定演出を行う確率がセット上乗せの契機となった抽選結果によって異なる構成としてもよく、より具体的には、当選確率の低い抽選結果ほど、セット上乗せ時に特定演出を行い易い構成としてもよいし、当選確率の低い抽選結果ほど、セット上乗せ時に特定演出を行いにくい構成としてもよい。
(18)継続条件が成立していないATセット中に上乗せ抽選に当選して継続条件が成立した場合、当該ゲームでは特定演出抽選を行わないようにしてもよい。また、当該ゲームでは特定演出抽選を行わずに、所定ゲーム後に特定演出抽選を介して又は特定演出抽選を介さずに特定演出を発生させる構成としてもよく、次回以降の所定役となるゲームにて特定演出を発生させる構成としてもよい。
(19)示唆演出テーブルでは、外れ結果である場合に示唆演出が行われ得るように設定したが、他の通常役や特定役であっても示唆演出が発生し得る構成としてもよい。
(20)特定演出が発生した場合に、所定の確率で示唆演出を行うことが可能な状態とする構成としてもよく、示唆演出を行うことが可能な状態とする確率が設定値によって異なる構成としてもよいし、継続率によって異なる構成としてもよい。また、対峙演出中に特定演出が複数回発生し得る構成においては、特定演出の発生回数に応じて示唆演出の発生確率や示唆演出を行うことが可能な状態の移行率が異なる構成としてもよく、特定演出の発生回数が多いほど、示唆演出の発生確率が高くなる構成や、示唆演出を行うことが可能な状態への移行率が高くなる構成としてもよい。
(21)疑似セット演出を行う構成において、当該疑似セット中に対応する特定演出が発生しなかった場合には、当該疑似セット演出を終了させてATモードが終了するまでエンディング演出を行う構成としたが、ATモードが終了するゲームまでの間は演出を行わないようにしてもよいし、ATモードが終了するまで、疑似セット演出の残りゲーム数を延長する構成としてもよい。
(22)疑似セット演出後にエンディング演出を行うことを前提として、例えば、継続条件が成立していないATセットの1ゲーム目で特定演出を発生させて、疑似セット演出の更新を行う構成としたが、エンディング演出を行わない構成とするならば、継続条件が成立していないATセットの残りゲーム数が疑似セット演出の継続ゲーム数(10ゲーム)+1(残り11ゲーム)となったゲームにて特定演出を発生させて、疑似セット演出の更新を行う構成とするとよい。
(23)疑似セット演出の最大継続ゲーム数を10ゲームとしたが、ATセットの継続ゲーム数(18)よりも少ない数であればよく、11ゲーム以上であってもよいし、9ゲーム以下であってもよい。逆に、疑似セット演出の最大継続ゲーム数をATセットの継続ゲーム数(18)以上としてもよく、18ゲームであってもよいし、19ゲーム以上であってもよい。各疑似セットにおいて最大継続ゲーム数が異なる構成としてもよく、各疑似セットにおいて最大継続ゲーム数が異なる構成においては、疑似セットの更新時に最大継続ゲーム数を抽選等により決定する構成とするとよく、この場合、継続条件が成立していないATセットにて疑似セットの更新を行う場合には、当該ATセットの残りゲーム数を更新後の疑似セットの最大継続ゲーム数となるように設定するとよい。
また、ATセットの継続ゲーム数を疑似セット演出の最大継続ゲーム数の整数倍となるように、更に、疑似セット演出の最大継続ゲーム数をATセットの最大継続ゲーム数の整数倍となるように両継続ゲーム数を設定してもよい。例えば、ATセットの継続ゲーム数が18ゲームであれば、疑似セット演出の最大継続ゲーム数を9ゲームや6ゲームとしてもよいし、疑似セット演出の最大継続ゲーム数を36ゲームや54ゲームとしてもよい。
(24)継続条件が成立していないATセットの1ゲーム目であって、ATモードの残りゲーム数が18ゲームとなったゲームで疑似セット演出にて強制的に特定演出を行う構成としたが、強制的に(特定演出抽選を経ずに)特定演出を行うゲームは当該継続条件が成立していないATセットの1ゲーム目に限定されない。例えば、次のATセットの継続条件の成否をATセットの終了時(最終ゲーム)で判定するような構成においては、ATセットの最終ゲームで次のATセットの継続条件が成立していなければ、当該ゲームにて特定演出を発生させて疑似セットの更新を行う構成としてもよい。少なくとも、ATモードの残りゲーム数が、疑似セットの最大継続ゲーム数の2倍(20ゲーム)以下であって、最大継続ゲーム数に1を加えた数(11ゲーム)以上である所定数となったゲームで強制的に特定演出を発生させるようにすることで、当該特定演出により終了された疑似セットの次の疑似セットを最大継続ゲーム数に亘って実行することが可能である一方で、当該次の疑似セットを最大継続ゲーム数に亘って実行した後は、その次の疑似セットを最大継続ゲーム数に亘って実行することができないような構成とすることが可能である。なお、上記のようにATモードの残りゲーム数に応じて強制的に特定演出を行う構成とする場合、当該強制的に特定演出が行われ得るゲーム(例えば上記のように疑似セットの最終ゲーム)では、他のゲームよりも特定演出が発生し易いようにすることで、当該特定演出をうまくカモフラージュすることが可能である。
(25)有利区間の強制終了条件との関係で、疑似セット演出中に強制的に特定演出を発生させる構成としてもよい。例えば、上限ゲーム数である1500ゲームに到達するまでのゲーム数が所定数となった場合に、疑似セット演出中に強制的に特定演出を発生させる構成とすることで、ATモードが有利区間の強制終了条件にて終了する場合であっても、その終了ゲームと疑似セット演出の終了ゲームとをうまく合わせることが可能である。なお、上記の所定数とは、疑似セット演出の最大継続ゲーム数に1を加えたゲーム数以上であるとよく、更に好ましくは、最大継続ゲーム数の2倍以下のゲーム数であるとよい。また、上限ゲーム数である1500ゲーム到達前からエンディング演出を行うような構成においては、当該エンディング演出を行うゲーム数(例えば50ゲーム)を除いたゲーム数(1450ゲーム)までのゲーム数が上記の所定数となった場合に強制的な特定演出を発生させる構成とするとよい。
(26)対峙演出中に特定演出が行われた後、主制御装置101側のATセットカウンタの値(残りATセット数)を示唆する演出が行われるようになる、又は特定演出の実行前よりも当該示唆する演出が行われ易くなる構成としてもよい。
(27)バトル演出中に継続条件が成立した場合には、バトル演出テーブルの書き換えを行う構成としたが、味方敗北演出後に味方キャラクタが復活して勝利することで継続条件が成立していることを報知する復活勝利演出を設け、バトル演出中に継続条件が成立した場合には、味方敗北演出となるバトル演出テーブルのままで演出を行うとともに、当該味方敗北演出後に復活勝利演出を行う構成としてもよい。
(28)対峙演出を10ゲーム、バトル演出を8ゲームとし、対峙演出が行われるゲーム数の方がバトル演出が行われるゲーム数よりも一のATセットに占める割合が多くなるようにしたが、対峙演出を9ゲーム、バトル演出を9ゲームとしてもよいし、対峙演出を8ゲーム以下、バトル演出を10ゲーム以上行う構成としてもよい。
(29)対峙演出中に特定演出が発生してもバトル演出を行う構成としたが、対峙演出中に特定演出が発生した場合にはバトル演出を行わず、大当たり演出(図144(b))がATセットの終了ゲームまで行われる構成としてもよい。
(30)対峙演出とバトル演出とが連続して行われる構成としたが、対峙演出とバトル演出とに上記の大当たり演出等の所定演出を行うゲームが介在する構成としてもよい。
(31)ATモード中の1ゲーム当たりの期待メダル増加枚数は上記のものに限定されず、それよりも多くてもよいし、少なくてもよい。また、ATモードの途中で期待メダル増加枚数が変化し得る構成としてもよく、例えば、所定数のゲームに亘って押し順ベル等の当選確率が高くなるボーナスの一種としてJACを設け、JAC当選時に当該JAC入賞を成立させることができれば、以降は所定数のゲームに亘って1ゲーム当たりの期待メダル増加枚数が多くなるし、JAC当選時にJAC入賞を成立させることができなければ、期待メダル増加枚数は変化しない構成としてもよい。なお、例えば、JAC当選時にストップスイッチ42~44の操作順序が所定順序であればJAC入賞が成立せず、所定順序とは異なる特定順序であればJAC入賞が成立するようにすることで、特定順序の押し順報知を実行するか否かによって、期待メダル増加枚数をATモードの途中で変化させることが可能である。
(32)ATセットの継続率を特定演出の発生率等で示唆する構成としたが、別途、継続率を示唆する演出を行う構成としてもよい。例えば、ATモード中の補助表示部65における背景色を複数設け、10%継続のATモードであれば当該背景色として例えば青色が選択され易い一方、90%継続のATモードであれば当該背景色として例えば赤色が選択され易い、といったような構成としてもよい。
(33)有利区間移行抽選処理では、いずれの抽選結果であっても有利区間移行抽選に当選するように設定したが、当選確率は上記のものに限定されない。
(34)ATモード中の各種演出(対峙演出、通常演出、特定演出、バトル演出、図柄変動演出、第2特定演出、非第2特定演出、待機演出、オープニング演出、疑似セット演出、第3特定演出、非第3特定演出、エンディング演出、更新演出、非更新演出、復活演出、大当たり演出、移行演出等)の演出態様は、一例であり、上記のものに限定されないことは言うまでもない。
(35)押し順報知を、主制御装置101側の指示モニタ68と、表示制御装置81側の補助表示部65との両方で実行する構成としたが、いずれか一方にて実行する構成としてもよく、例えば、抽選結果や状態によって、主制御装置101側では実行せずに、表示制御装置81側では実行する構成としてもよい。
(36)指示モニタ68は6通りの操作順序をそれぞれ報知可能な構成としたが、例えば、通常リプA~Cのように、ストップスイッチ42~44の操作順序のうち最初に操作すべきストップスイッチ42~44だけが対応付けられた押し順役について、最初に操作すべきストップスイッチ42~44だけを報知する押し順報知の態様が含まれる構成としてもよい。
(37)ATモード終了時に有利区間を終了させる構成としたが、ATモード終了時に有利区間が終了しない場合もある構成としてもよい。例えば、ATモード終了時の有利区間の残りゲーム数に応じて有利区間が終了しない構成としてもよく、具体的には、ATモード終了時の有利区間の残りゲーム数が、当該残りゲーム数にATモード1ゲーム当たりの期待増加枚数を乗じた枚数が、有利区間の上限増加数(2400枚)以下である場合や上限増加数よりも少ない場合には、有利区間を終了させないようにしてもよく、現状の有利区間増減枚数MYに上記の乗じた枚数を加えた枚数が、有利区間の上限増加数(2400枚)以下である場合や上限増加数よりも少ない場合には、有利区間を終了させないようにしてもよい。
(38)有利区間移行時に、区間表示器としての第8表示用セグメントN8を点灯制御する構成としたが、有利区間移行時であっても、第8表示用セグメントN8を点灯制御せず、有利区間中に所定の点灯条件が成立した場合に点灯制御する構成としてもよい。所定の点灯条件は、例えば、ATモードへの移行が確定した場合等、押し順報知が発生し得る状況となった場合に成立するものとしてもよい。
(39)CZモード中に押し順報知が少なくとも1回は実行される構成としてもよい。また、ATモードにおいても押し順報知が少なくとも1回は実行される構成としてもよく、これらATモードやCZモードの残りゲーム数が0となっても、押し順報知が1回実行されるまでは、当該ATモードやCZモードが終了しない構成としてもよい。
(40)3ベットゲームにて当選し得るBBとして第1BBを設け、2ベットゲームにて当選し得るBBとして第2BBを設けたが、いずれか一方のBBだけであってもよく、例えば、2ベットゲームにて第2BBに当選し、3ベットゲームではいずれのBBにも当選しない構成としてもよい。
(41)2ベットゲームにて、第2BBに当選する構成としたが、2ベットゲームにて複数種類のBBに当選し得る構成としてもよく、例えば、2ベットゲームにて第1BBと第2BBに当選し得る構成としてもよい。この場合、2ベットゲームにて第1BB入賞と第2BB入賞とが成立し得る構成とし、3ベットゲームでは第1BB及び第2BBのいずれにも当選もせず、更に3ベットゲームでは第1BB入賞と第2BB入賞とのいずれも成立しない構成としてもよい。なお、2ベットゲームと3ベットゲームとの関係が上記のものと逆であってもよい。
(42)第1BB状態と第2BB状態とでいずれも同じ抽選テーブルを用いて、同じ遊技ベースとなるようにしたが、異なる抽選テーブルを用いて、異なる純増枚数となるようにしてもよい。
(43)第1BB状態と、第2BB状態とを、いずれも3ベットゲームにて遊技する構成としたが、例えば、第1BB状態は3ベットゲームにて遊技し、第2BB状態は2ベットゲームにて遊技する、といったように、BB状態の種類によってベット数が異なる構成としてもよい。この場合、第1BB状態の各ゲームは特定規定数とは異なるベット数によるゲームとなり、第2BB状態の各ゲームは特定規定数のベット数によるゲームとなる。
(44)第1BB状態と、第2BB状態との遊技は、いずれも押し順報知用の処理や特定処理等の指示機能に関する実行が制限される構成としたが、例えば、第1BB状態の遊技はこれらの指示機能に関する処理の実行が制限される一方、第2BB状態の遊技はこれらの指示機能に関する処理の実行が許容される、といったように、BB状態の種類によって制限の有無が異なる構成としてもよい。また、CB状態やSB状態、MB状態を設け、これらのうちのいずれか又は全部で、各指示機能に関する処理が制限される又は制限されない構成としてもよい。
(45)3ベットゲームでは第2BB入賞を成立させることができず、2ベットゲームでは第1BB入賞を成立させることができない構成としたが、3ベットゲームでは2ベットゲームよりも第2BB入賞しにくい構成としてもよく、2ベットゲームでは3ベットゲームよりも第1BB入賞しにくい構成としてもよい。
(46)3ベットゲームでは第2BB当選とならず、2ベットゲームでは第1BB当選とならない構成としたが、3ベットゲームでは2ベットゲームよりも第2BBに当選しにくい構成としてもよく、2ベットゲームでは3ベットゲームよりも第1BBに当選しにくい構成としてもよい。
(47)1ベットを設定可能な操作部を設けてもよい。この場合、当該操作部を操作した回数に応じてベット数を異ならせることが可能な構成としてもよい。具体的には、当該操作部を1回操作した場合には1ベットとなり、2回操作した場合には2ベットとなり、3回操作した場合には3ベットとなる構成としてもよい。更に、4回操作した場合には1ベットとなり、5回操作した場合には2ベットとなる、といったように、所望のベット数を通り越してしまった場合でも、再操作によって所望のベット数に設定可能な構成とするとよい。
(48)CZモードの上限ゲーム数を、一律で10ゲームとしたが、そのゲーム数を抽選等により決定する構成としてもよい。また、準備モードの上限ゲーム数を、一律で40ゲームととしたが、そのゲーム数を抽選等により決定する構成としてもよい。
(49)第1BB状態や第2BB状態の1ゲーム当たりのメダルの純増枚数を約プラス0.00枚として、第1BB状態や第2BB状態ではメダルが増えもせず、減りもしない構成としたが、メダルが増加し得る構成としてもよいし、メダルが減少し得る構成としてもよい。この場合、第1BB状態や第2BB状態での純増枚数が、少なくとも内部状態や非内部状態を3ベットゲームにて遊技した場合の純増枚数よりも多い純増枚数数であればよい。
(50)遊技者が、内部状態や非内部状態を3ベットゲームではなく2ベットゲームにて遊技したり、第1BB入賞や第2BB入賞を成立させることで、指示機能に関する各処理の実行が許容される状態から制限される状態に移行する構成としたが、遊技機側で、例えば、所定ゲーム数の消化によって指示機能に関する各処理の実行が許容される状態から制限される状態に移行する構成としてもよい。
(51)各設定値によって出玉率が変化する構成とし、設定1が最も出玉率が低く、設定6が最も出玉率が高くなる構成としたが、設定値によって出玉(遊技媒体)の増減率や増減態様が変化する構成であればよい。例えば、設定1と設定2との出玉率が同じであるなど、一部の設定値の出玉率が同じであって、他の設定値の出玉率が異なる構成としてもよい。また、設定1,3,5は出玉の増減率が高く、設定2,4,6は出玉の増減率が低い構成としてもよい。また、設定1,5は短時間で出玉が所定量増加し長時間で出玉が所定量減少し、設定2,3,4は所定量の増加に設定1,5よりも長時間要するとともに所定量の減少に設定1,5よりも短時間で済み、設定6は出玉の増減がほとんど発生しない構成としてもよい。これらの場合、各設定値の出玉率は同じであってもよい。
(52)リール及びそれに対応するストップスイッチを3つ並列して備えるスロットマシンについて説明したが、かかる構成に限定されるものではなく、例えばリール及びそれに対応するストップスイッチを5つ並列して備えたスロットマシンであってもよい。リールの停止操作における誤操作を抑制するという観点からすると、リール及びそれに対応するストップスイッチは少なくとも2つあればよい。また、ベット数が3である状況で有効ラインが1ラインに設定されるスロットマシンについて説明したが、かかる構成に限定されるものではなく、例えば、有効ラインは5ラインであってもよい。
(53)スロットマシン10について具体化した例を示したが、スロットマシンとパチンコ機とを融合した形式の遊技機に適用してもよい。即ち、スロットマシンのうち、メダル投入及びメダル払出機能に代えて、パチンコ機のような球投入及び球払出機能をもたせた遊技機(所謂、球使用回胴式遊技機)としてもよい。かかる遊技機をスロットマシンに代えて使用すれば、遊技ホールでは球のみを遊技価値として取り扱うことができるため、パチンコ機とスロットマシンとが混在している現在の遊技ホールにおいてみられる、遊技価値たるメダルと球との別個の取扱による設備上の負担や遊技機設置個所の制約といった問題を解消し得る。
(54)上記実施形態では遊技媒体としてのメダルを投入することベット数を設定して遊技が開始可能となり、当該遊技の入賞に対応する特典として所定数のメダルが払い出されるタイプの遊技機について例示したが、メダルを使用しないメダルレスタイプの遊技機を否定するものではない。このようなメダルレスタイプの遊技機においては、例えば、仮想遊技媒体(所定の遊技価値)を用いてゲームのベット数を設定して遊技を開始可能とし、当該遊技の入賞に対応する特典として上記所定数のメダルに応じた仮想遊技媒体(所定の遊技価値)を付与する構成とするとよい。この場合、当該仮想遊技媒体数を所定の表示部にて表示する構成としてもよいし、当該仮想遊技媒体数に対応する情報を本遊技機外部に出力する構成としてもよい。
また、上記のパチンコ機においては、遊技球の払い出しが行われるタイプのパチンコ機だけでなく、遊技機外部に遊技球が排出されない封入タイプのパチンコ機であってもよい。このような封入タイプのパチンコ機においては、例えば賞球数を示す情報を報知する構成とするとよい。
<第3cの実施形態>
以下、第3cの実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図170はスロットマシン10の正面図、図171はスロットマシン10の前面扉12を閉じた状態の斜視図、図172はスロットマシン10の前面扉12を開いた状態の斜視図、図173は前面扉12の背面図、図174は筐体11の正面図である。なお、以下の説明においては、特に上記各実施形態と異なる構成について説明し、上記各実施形態と共通する構成についてはその説明を省略する。また、以下の説明においては、上記実施形態と同じ機能を備える構成要素については同じ符号を用いて説明し、同じ符号であっても異なる機能を備える構成要素については、本実施形態における特有の符号として取り扱うものとする。
図170~図174に示すように、スロットマシン10は、その外殻を形成する筐体11を備えている。筐体11は、全体として前面を開放した箱状に形成されており、遊技ホールへの設置の際にいわゆる島設備に対し釘を打ち付ける等して取り付けられる。
筐体11の前面側には、前面扉12が開閉可能に取り付けられている。すなわち、筐体11には、その正面から見て左側部に上下一対の支軸13a,13bが設けられており、前面扉12には、各支軸13a,13bと対応する位置に軸受部14a,14bが設けられている。そして、各軸受部14a,14bに各支軸13a,13bが挿入された状態では、前面扉12が筐体11に対して両支軸13a,13bを結ぶ上下方向へ延びる開閉軸線を中心として回動可能に支持され、前面扉12の回動によって筐体11の前面開放側を開放したり閉鎖したりすることができるようになっている。また、前面扉12は、その裏面に設けられた施錠装置20によって開放不能な施錠状態とされる。前面扉12の右端側上部には、施錠装置20と一体化されたキーシリンダ21が設けられており、キーシリンダ21に対する所定のキー操作によって前記施錠状態が解除されるように構成されている。
前面扉12の中央部上寄りには、遊技者に遊技状態を報知する遊技パネル25が設けられている。遊技パネル25には、縦長の3つの表示窓26L,26M,26Rが横並びに形成されており、各表示窓26L,26M,26Rを通じてスロットマシン10の内部が視認可能な状態となっている。なお、各表示窓26L,26M,26Rを1つにまとめて共通の表示窓としてもよい。
図172に示すように、筐体11は仕切り板30によりその内部が上下2分割されており、仕切り板30の上部には、可変表示手段を構成するリールユニット31が取り付けられている。リールユニット31は、円筒状(円環状)にそれぞれ形成された左リール32L,中リール32M,右リール32Rを備えている。各リール32L,32M,32Rは、その中心軸線が当該リールの回転軸線となるように回転可能に支持されている。各リール32L,32M,32Rの回転軸線は略水平方向に延びる同一軸線上に配設され、それぞれのリール32L,32M,32Rが各表示窓26L,26M,26Rと1対1で対応している。したがって、各リール32L,32M,32Rの表面の一部はそれぞれ対応する表示窓26L,26M,26Rを通じて視認可能な状態となっている。また、リール32L,32M,32Rが正回転すると、各表示窓26L,26M,26Rを通じてリール32L,32M,32Rの表面は上から下へ向かって移動しているかのように映し出される。
ここで、リールユニット31の構成を簡単に説明する。
各リール32L,32M,32Rは、それぞれがステッピングモータに連結されており、各ステッピングモータの駆動により各リール32L,32M,32Rが個別に、すなわちそれぞれ独立して回転駆動し得る構成となっている。ステッピングモータは、例えば500パルスの駆動信号(以下、励磁パルスともいう。)を与えることにより1回転されるように設定されており、この励磁パルスによってステッピングモータの回転位置、すなわちリールの回転位置が制御される。また、リールユニット31には、リールが1回転したことを検出するためのリールインデックスセンサが各リール32L,32M,32Rに設置されている。そして、リールインデックスセンサからは、リールが1回転したことを検出した場合、その検出の都度、後述する主制御装置101に検出信号が出力されるようになっている。このため主制御装置101は、リールインデックスセンサの検出信号と、当該検出信号が入力されるまでに出力した励磁パルス数とに基づいて、各リール32L,32M,32Rの角度位置を1回転毎に確認するとともに補正することができる。
各リール32L,32M,32Rの外周面には、その長辺方向(周回方向)に、識別情報としての図柄が複数個描かれている。より具体的には、20個の図柄が等間隔に描かれている。このため、所定の位置においてある図柄を次の図柄へ切り替えるには、25パルス(=500パルス÷20図柄)の励磁パルスの出力を要する。また、主制御装置101は、リールインデックスセンサの検出信号が入力されてから出力した励磁パルス数により、表示窓26L,26M,26Rから視認可能な状態となっている図柄を把握したり、表示窓26L,26M,26Rから視認可能な位置に所定の図柄を停止させたりする制御を行うことができる。
次に、各リール32L,32M,32Rに描かれている図柄について説明する。
図175には、左リール32L,中リール32M,右リール32Rの図柄配列が示されている。同図に示すように、各リール32L,32M,32Rには、それぞれ20個の図柄が一列に配置されている。また、各リール32L,32M,32Rに対応して番号が0~19まで付されているが、これら番号は主制御装置101が表示窓26L,26M,26Rから視認可能な状態となっている図柄を認識するための番号であり、リール32L,32M,32Rに実際に付されているわけではない。但し、以下の説明では当該番号を使用して説明する。
図柄としては、「ベル」図柄(例えば、左リール32Lの1番目)、「リプレイ」図柄(例えば、左リール32Lの0番目)、「赤7」図柄(例えば、左リール32Lの14番目)、「スイカ」図柄(例えば、左リール32Lの2番目)、「チェリー」図柄(例えば、左リール32Lの8番目)、「BAR」図柄(例えば、左リール32Lの9番目)、「白7」図柄(例えば、左リール32Lの3番目)、「青年」図柄(例えば、左リール32Lの18番目)、「赤貝」図柄(例えば、左リール32Lの4番目)、「白貝」図柄(例えば、左リール32Lの19番目)の10種類がある。そして、図175に示すように、各リール32L,32M,32Rにおいて各種図柄の数や配置順序は全く異なっている。
各表示窓26L,26M,26Rは、対応するリールに付された20個の図柄のうち図柄全体を視認可能となる図柄が3個となるように形成されている。このため、各リール32L,32M,32Rがすべて停止している状態では、3×3=9個の図柄が表示窓26L,26M,26Rを介して視認可能な状態となる。
本スロットマシン10では、上記視認可能となる図柄のうち、各リール32L,32M,32Rそれぞれ1の図柄ずつ、計3つの図柄の組合せを利用して各ゲームの遊技結果が報知される。上記のように3×3=9個の図柄が視認可能となることから、これら3つの図柄の組合せとしては、例えば、図176に示すように、各リール32L,32M,32Rの上段図柄を結んだ上ラインL1に停止する各図柄の組合せや、各リール32L,32M,32Rの中段図柄を結んだ中ラインL2に停止する各図柄の組合せや、各リール32L,32M,32Rの下段図柄を結んだ下ラインL3に停止する各図柄の組合せがある。また、左リール32Lの上段図柄,中リール32Mの中段図柄,右リール32Rの下段図柄を結んだ右下がりラインL4に停止する各図柄の組合せや、左リール32Lの下段図柄,中リール32Mの中段図柄,右リール32Rの上段図柄を結んだ右上がりラインL5に停止する各図柄の組合せがある。その他、左リール32Lの中段図柄,中リール32Mの上段図柄,右リール32Rの上段図柄を結んだ折れ曲がりラインL6に停止する各図柄の組合せもある。上記のラインL1~L5は各図柄を並べると一直線となるラインであり、折れ曲がりラインL6は各図柄を並べると途中で折れ曲がりが生じるラインである。なお、折れ曲がりが生じるラインに停止する各図柄の組合せとしては、折れ曲がりラインL6以外にもあるが、ここでは説明を省略する。
これらラインL1~L6のうち、メダルのベットによって有効化されるラインと有効化されないラインとが設定され、有効化されたライン、すなわち有効ライン上に図柄が所定の組合せで停止した場合には、入賞成立として、遊技媒体たるメダルが所定数払い出される特典が付与されたり、遊技状態が移行される特典が付与されたりするようになっている。その一方で、有効化されないライン上に図柄が所定の組合せで停止した場合には、入賞は成立せず、上記特典は付与されない。
本スロットマシン10では、上記のラインL1~L6のうち、折れ曲がりラインL6が有効ラインとして設定される。より詳しくは、本スロットマシン10では、3枚のメダルがベットされてゲームが開始される場合と2枚のメダルがベットされてゲームが開始される場合とがあり、これら3枚又は2枚のメダルがベットされてゲームが開始される場合には、折れ曲がりラインL6のみが有効ラインとして設定され、他のラインL1~L5は有効ラインとしては設定されない。以下の説明では、折れ曲がりラインL6を有効ラインMLと称する場合がある。また、以下では、3枚のメダルがベットされて開始されるゲームを3ベットゲーム、2枚のメダルがベットされて開始されるゲームを2ベットゲーム、1枚のメダルがベットされて開始されるゲームを1ベットゲーム、ともいう。なお、本実施形態では、1ベットゲームは設定されない。
図177~図179は、入賞となる図柄の組合せと、入賞となった場合に付与される特典と、の対応関係を示す図である。
メダル払出が行われる小役入賞としては、第1小役入賞~第32小役入賞がある。
左リール32Lの「リプレイ」図柄と、中リール32Mの「リプレイ」図柄と、右リール32Rの「リプレイ」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合には、第1小役入賞となる。第1小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは13枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは5枚のメダル払出が行われる。
図180(a)に示すように、有効ラインMLに第1小役入賞に対応する図柄が停止すると、右下がりラインL4には「ベル」図柄が揃って停止する。そのため、遊技者は、ベルに対応する小役入賞が成立したことを容易に理解可能となる。
左リール32Lの「リプレイ」図柄と、中リール32Mの「ベル」図柄と、右リール32Rの「ベル」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合には、第2小役入賞となる。第2小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは13枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは5枚のメダル払出が行われる。
図180(b)に示すように、有効ラインMLに第2小役入賞に対応する図柄が停止すると、上ラインL1には「ベル」図柄が揃って停止する。そのため、遊技者は、ベルに対応する小役入賞が成立したことを容易に理解可能となるとともに、「ベル」図柄が揃うラインの相違から、上記の第1小役入賞とは異なる小役入賞が成立していることも理解可能となる。
左リール32Lの「ベル」図柄と、中リール32Mの「リプレイ」図柄と、右リール32Rの「スイカ」図柄又は「赤貝」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合には、第3小役入賞となる。第3小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは13枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは5枚のメダル払出が行われる。
図180(c)に示すように、有効ラインMLに第3小役入賞に対応する図柄が停止すると、中ラインL2には「ベル」図柄が揃って停止する。そのため、遊技者は、ベルに対応する小役入賞が成立したことを容易に理解可能となるとともに、「ベル」図柄が揃うラインの相違から、上記の第1小役入賞や第2小役入賞とは異なる小役入賞が成立していることも理解可能となる。
左リール32Lの「スイカ」図柄と、中リール32Mの「リプレイ」図柄と、右リール32Rの「ベル」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合には、第4小役入賞となる。第4小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは13枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは5枚のメダル払出が行われる。
図180(d)に示すように、有効ラインMLに第4小役入賞に対応する図柄が停止すると、右上がりラインL5には「ベル」図柄が揃って停止する。そのため、遊技者は、ベルに対応する小役入賞が成立したことを容易に理解可能となるとともに、「ベル」図柄が揃うラインの相違から、上記の第1小役入賞~第3小役入賞とは異なる小役入賞が成立していることも理解可能となる。
左リール32Lの「スイカ」図柄と、中リール32Mの「スイカ」図柄と、右リール32Rの「リプレイ」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合には、第5小役入賞となる。第5小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは13枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは5枚のメダル払出が行われる。
図180(e)に示すように、有効ラインMLに第5小役入賞に対応する図柄が停止すると、下ラインL3には「ベル」図柄が揃って停止する。そのため、遊技者は、ベルに対応する小役入賞が成立したことを容易に理解可能となるとともに、「ベル」図柄が揃うラインの相違から、上記の第1小役入賞~第4小役入賞とは異なる小役入賞が成立していることも理解可能となる。
左リール32Lの「スイカ」図柄と、中リール32Mの「リプレイ」図柄と、右リール32Rの「リプレイ」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合には、第6小役入賞となる。第6小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは13枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは5枚のメダル払出が行われる。
図180(f)に示すように、有効ラインMLに第6小役入賞に対応する図柄が停止すると、左リール32Lの下段、中リール32Mの中段、右リール32Rの下段にそれぞれ「ベル」図柄が停止する(小山型に停止する)。そのため、遊技者は、ベルに対応する小役入賞が成立したことを容易に理解可能となるとともに、「ベル」図柄の停止位置の相違から、上記の第1小役入賞~第5小役入賞とは異なる小役入賞が成立していることも理解可能となる。
左リール32Lの「ベル」図柄と、中リール32Mの「白7」図柄、「チェリー」図柄、「赤貝」図柄又は「青年」図柄と、右リール32Rの「白7」図柄、「白貝」図柄又は「青年」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合には、第7小役入賞となる。第7小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは3枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは3枚のメダル払出が行われる。
図181(a)に示すように、有効ラインMLに第7小役入賞に対応する図柄が停止すると、右下がりラインL4には「スイカ」図柄が揃って停止する。そのため、遊技者は、スイカに対応する小役入賞が成立したことを容易に理解可能となる。
左リール32Lの「ベル」図柄と、中リール32Mの「スイカ」図柄と、右リール32Rの「スイカ」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合には、第8小役入賞となる。第8小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは3枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは3枚のメダル払出が行われる。
図181(b)に示すように、有効ラインMLに第8小役入賞に対応する図柄が停止すると、上ラインL1には「スイカ」図柄が揃って停止する。そのため、遊技者は、スイカに対応する小役入賞が成立したことを容易に理解可能となるとともに、「スイカ」図柄が揃うラインの相違から、上記の第7小役入賞とは異なる小役入賞が成立していることも理解可能となる。
第9小役~第32小役は、主に、第1小役~第6小役の取りこぼし時に入賞が成立する、所謂取りこぼし役である。第9小役入賞~第32小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは1枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは1枚のメダル払出が行われる。第9小役~第32小役は、左リール32Lの「リプレイ」図柄、「赤7」図柄、「BAR」図柄、「赤貝」図柄、「白貝」図柄、「青年」図柄又は「ベル」図柄と、中リール32Mの「白7」図柄、「チェリー」図柄、「赤貝」図柄、「青年」図柄、「赤7」図柄、「スイカ」図柄、「リプレイ」図柄、「BAR」図柄、「ベル」図柄又は「白貝」図柄と、右リール32Rの「赤7」図柄、「白7」図柄、「白貝」図柄、「青年」図柄、「スイカ」図柄、「赤貝」図柄、「BAR」図柄又は「リプレイ」図柄と、による対応する組み合わせが有効ラインML上に停止することで入賞が成立する。図177及び図178に示すように、これら第9小役入賞~第32小役入賞に対応する図柄の組み合わせは、いずれも直線ライン(L1~L5)に「ベル」図柄が揃って停止することがないように設定されており、ベルに対応する小役入賞が成立していないことを容易に理解可能となるように設定されている。
ちなみに、上記の第1小役入賞~第32小役入賞に基づいてメダルが払い出される構成において、払い出される小役は、遊技の結果に応じて付与される特典の一種である。なお、本明細書においては、払い出されたメダルのことを出玉とも称する場合があり、投入した(ベットした)メダルの数に対する払出メダル(出玉)の数の割合を出玉率とも称する場合がある。
メダルを投入することなく次ゲームの遊技を行うことが可能な再遊技の特典が付与される入賞としては、第1再遊技入賞~第12再遊技入賞がある。図179に示すように、これら第1再遊技~第12再遊技に対して、入賞となる図柄組み合わせがそれぞれ設定されている。
第1再遊技は、左リール32Lの「リプレイ」図柄と、中リール32Mの「スイカ」図柄と、右リール32Rの「赤7」図柄、「白7」図柄、「白貝」図柄又は「青年」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合に入賞が成立する。図181(c)に示すように、有効ラインMLに第1再遊技入賞に対応する図柄が停止すると、中ラインL2には「リプレイ」図柄が揃って停止する。そのため、遊技者は、リプレイに対応する再遊技入賞が成立したことを容易に理解可能となる。
第2再遊技は、左リール32Lの「リプレイ」図柄と、中リール32Mの「ベル」図柄と、右リール32Rの「BAR」図柄又は「チェリー」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合に入賞が成立する。有効ラインMLに第2再遊技入賞に対応する図柄が停止すると、図183(a)に示すように、右上がりラインL5に「BAR」図柄が揃って停止したり、図183(b)に示すように、右上がりラインL5に左から順に「赤7」図柄、「赤7」図柄、「BAR」図柄が停止したりする。第2再遊技入賞が成立すると、遊技状態の移行は生じないものの、遊技者にとって有利な報知モードへの移行が生じ、所謂疑似ボーナスとしての第1AT状態が開始する。
第3再遊技は、左リール32Lの「ベル」図柄、「赤貝」図柄又は「青年」図柄と、中リール32Mの「ベル」図柄と、右リール32Rの「ベル」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合に入賞が成立する。有効ラインMLに第3再遊技入賞に対応する図柄が停止すると、図183(c)に示すように、下ラインL3に「白7」図柄が揃って停止したり、図183(d)に示すように、右下がりラインL4に「赤7」図柄が揃って停止したりする。第3再遊技入賞が成立すると、遊技状態の移行は生じないものの、遊技者にとって有利な報知モードへの移行が生じ、所謂疑似ボーナスとしての第2AT状態が開始する。
第4再遊技及び第5再遊技は、複数の再遊技が重複して当選する場合の調整用の再遊技である。
第6再遊技は、左リール32Lの「ベル」図柄と、中リール32Mの「スイカ」図柄と、右リール32Rの「赤7」図柄、「白7」図柄、「BAR」図柄、「チェリー」図柄、「白貝」図柄又は「青年」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合に入賞が成立する。図181(d)に示すように、有効ラインMLに第6再遊技入賞に対応する図柄が停止すると、左リール32Lの上段と中リール32Mの上段とに「スイカ」図柄が停止する一方、右リール32Rの上段には「スイカ」図柄が停止せず(右リール32Rの下段に「スイカ」図柄が停止し)、所謂上段スイカテンパイ外れの停止態様となる。また、有効ラインMLに第6再遊技入賞に対応する図柄が停止すると、左リール32Lの上段と右リール32Rの下段とに「スイカ」図柄が停止する一方、中リール32Mの中段には「スイカ」図柄が停止せず(中リール32Mの上段に「スイカ」図柄が停止し)、所謂右下がりスイカテンパイ外れの停止態様となる。
第7再遊技は、左リール32Lの「ベル」図柄と、中リール32Mの「白7」図柄、「チェリー」図柄、「赤貝」図柄又は「青年」図柄と、右リール32Rの「スイカ」図柄又は「赤貝」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合に入賞が成立する。図181(e)に示すように、有効ラインMLに第7再遊技入賞に対応する図柄が停止すると、左リール32Lの上段と右リール32Rの上段とに「スイカ」図柄が停止する一方、中リール32Mの上段には「スイカ」図柄が停止せず(中リール32Mの中段に「スイカ」図柄が停止し)、所謂上段スイカテンパイ外れの停止態様となる。また、有効ラインMLに第7再遊技入賞に対応する図柄が停止すると、左リール32Lの上段と中リール32Mの中段とに「スイカ」図柄が停止する一方、右リール32Rの下段には「スイカ」図柄が停止せず(右リール32Rの上段に「スイカ」図柄が停止し)、所謂右下がりスイカテンパイ外れの停止態様となる。
第8再遊技は、左リール32Lの「スイカ」図柄と、中リール32Mの「白7」図柄、「チェリー」図柄、「赤貝」図柄又は「青年」図柄と、右リール32Rの「リプレイ」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合に入賞が成立する。図182(a)に示すように、有効ラインMLに第8再遊技入賞に対応する図柄が停止すると、中ラインL2には「スイカ」図柄が揃って停止する。
第9再遊技は、左リール32Lの「リプレイ」図柄と、中リール32Mの「スイカ」図柄と、右リール32Rの「スイカ」図柄又は「赤貝」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合に入賞が成立する。図182(b)に示すように、有効ラインMLに第9再遊技入賞に対応する図柄が停止すると、左リール32Lの中段と中リール32Mの中段とに「リプレイ」図柄が停止する一方、右リール32Rの中段には「リプレイ」図柄が停止せず(右リール32Rの中段に「ベル」図柄が停止し)、所謂中段リプレイテンパイ外れの停止態様となる。
第10再遊技は、左リール32Lの「BAR」図柄と、中リール32Mの「白7」図柄、「BAR」図柄、「チェリー」図柄、「赤貝」図柄又は「青年」図柄と、右リール32Rの「赤7」図柄、「白7」図柄、「BAR」図柄、「チェリー」図柄、「白貝」図柄又は「青年」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合に入賞が成立する。また、第12再遊技は、左リール32Lの「BAR」図柄と、中リール32Mの「BAR」図柄と、右リール32Rの「ベル」図柄、「スイカ」図柄又は「赤貝」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合に入賞が成立する。図182(c)及び図182(d)に示すように、有効ラインMLに第10再遊技入賞又は第12再遊技入賞に対応する図柄が停止すると、左リール32Lの下段に「チェリー」図柄が停止する。第10再遊技又は第12再遊技に当選している場合、右リール32Rに「チェリー」図柄を狙って停止操作を行うと、第10再遊技入賞の場合には上段に「チェリー」図柄が停止し、第12再遊技入賞の場合には中段又は下段に「チェリー」図柄が停止するため、これら第10再遊技入賞と第12再遊技入賞とを区別することが可能である。第11再遊技は、これら第10再遊技や第12再遊技を入賞させることができない場合、すなわち取りこぼしが生じ得る場合に入賞が成立するものである。
遊技状態の移行のみが行われる状態移行入賞としては、第1BB入賞,第2BB入賞がある。
左リール32Lの「白7」図柄と、中リール32Mの「白貝」図柄と、右リール32Rの「チェリー」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合には、第1BB入賞となる。第1BB入賞が成立した場合、遊技状態が第1BB状態に移行する。図182(e)に示すように、有効ラインMLに第1BB入賞に対応する図柄が停止すると、中ラインL2には「白7」図柄が揃って停止する。
左リール32Lの「白7」図柄と、中リール32Mの「白貝」図柄と、右リール32Rの「BAR」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合には、第2BB入賞となる。第2BB入賞が成立した場合、遊技状態が第2BB状態に移行する。図182(f)に示すように、有効ラインMLに第2BB入賞に対応する図柄が停止すると、左リール32Lの中段及び中リール32Mの中段に「白7」図柄が停止し、右リール32Rの中段に「赤7」図柄が停止する。
遊技パネル25の下方左側には、各リール32L,32M,32Rの回転を開始させるために操作されるスタートレバー41が設けられている。スタートレバー41はリール32L,32M,32Rを回転開始、すなわち図柄の可変表示を開始させるべく操作される開始操作手段又は始動操作手段を構成する。所定数のメダルが投入されている状態でスタートレバー41を操作された場合、各リール32L,32M,32Rが回転を開始するようになっている。
スタートレバー41の右側には、回転している各リール32L,32M,32Rを個別に停止させるために操作されるボタン状のストップスイッチ42~44が設けられている。各ストップスイッチ42~44は、停止対象となるリール32L,32M,32Rに対応する表示窓26L,26M,26Rの直下にそれぞれ配置されている。
ストップスイッチ42~44には、それぞれストップ検出センサ42a~44a(図184)が接続されており、ストップ検出センサ42a~44aと後述する主制御装置101とが接続されている。そして主制御装置101では、ストップ検出センサ42a~44aからの検知信号に基づいて、ストップスイッチ42~44の操作が行われたことを把握する。具体的には、ストップスイッチ42~44が操作されていない場合には、ストップ検出センサ42a~44aからはLOW信号の検知信号が出力されており、ストップスイッチ42~44が操作されることにより、当該検知信号がLOW信号からHI信号に切り換わる。主制御装置101では、かかる信号の切り換わりを把握して、ストップスイッチ42~44が操作されたことを把握する。主制御装置101では、ストップスイッチ42~44が操作されたことを把握した場合には、操作されたスイッチに対応するリールの回転を停止するように制御する。
すなわち、左ストップスイッチ42が操作された場合には左リール32Lの回転が停止し、中ストップスイッチ43が操作された場合には中リール32Mの回転が停止し、右ストップスイッチ44が操作された場合には右リール32Rの回転が停止する。ストップスイッチ42~44はリール32L,32M,32Rの回転に基づく図柄の可変表示を停止させるべく操作される停止操作手段を構成する。
表示窓26L,26M,26Rの下方右側には、メダルを投入するためのメダル投入口45が設けられている。メダル投入口45は遊技媒体を入力する入力手段を構成する。また、メダル投入口45が遊技者によりメダルを直接投入するという動作を伴う点に着目すれば、遊技媒体を直接入力する直接入力手段を構成するものとも言える。
メダル投入口45から投入されたメダルは、前面扉12の背面に設けられた通路切替手段としてのセレクタ46によって貯留用通路47か排出用通路48のいずれかへ導かれる。より詳しくは、セレクタ46にはメダル通路切替ソレノイド46aが設けられており、そのメダル通路切替ソレノイド46aの非励磁時にはメダルが排出用通路48側に導かれ、前記メダル通路切替ソレノイド46aの励磁時にはメダルが貯留用通路47側に導かれるようになっている。貯留用通路47に導かれたメダルは、筐体11の内部に収納されたホッパ装置51へと導かれる。一方、排出用通路48に導かれたメダルは、前面扉12の前面下部に設けられたメダル排出口49からメダル受け皿50へと導かれ、遊技者に返還される。
ホッパ装置51は、メダルを貯留する貯留タンク52と、メダルを遊技者に払い出す払出装置53とより構成されている。払出装置53は、図示しないメダル払出用回転板を回転させることにより、排出用通路48に設けられた開口48aへメダルを排出し、排出用通路48を介してメダル受け皿50へメダルを払い出すようになっている。また、ホッパ装置51の右方には、貯留タンク52内に所定量以上のメダルが貯留されることを回避するための予備タンク54が設けられている。ホッパ装置51の貯留タンク52内部には、この貯留タンク52から予備タンク54へとメダルを排出する誘導プレート52aが設けられている。したがって、誘導プレート52aが設けられた高さ以上にメダルが貯留された場合、かかるメダルが予備タンク54に貯留されることとなる。
メダル投入口45の下方には、ボタン状の返却スイッチ55が設けられている。メダル投入口45に投入されたメダルがセレクタ46内に詰まった状況下で返却スイッチ55を操作された場合、セレクタ46が機械的に連動して動作され、当該セレクタ46内に詰まったメダルがメダル排出口49から返却されるようになっている。
表示窓26L,26M,26Rの下方左側には、遊技媒体としてのクレジットされた仮想メダルを、一度に、ゲームの規定枚数のうちの予め定められた特定枚数を投入するための第1クレジット投入スイッチ56が設けられている。特定枚数は、遊技の進行状況によって設定されるものである。例えば、ゲームの規定枚数が3枚として設定されており特定枚数が3枚として設定されている場合に第1クレジット投入スイッチ56が操作されると、クレジットがあることを条件に3枚の仮想メダルの投入が行われ、規定枚数が2枚として設定されており特定枚数が2枚として設定されている場合に第1クレジット投入スイッチ56が操作されると、クレジットがあることを条件に2枚の仮想メダルの投入が行われ、規定枚数が3枚又は2枚として設定されている場合であって、特定枚数が3枚として設定されている場合に第1クレジット投入スイッチ56が操作されると、クレジットがあることを条件に3枚の仮想メダルの投入が行われ、規定枚数が3枚又は2枚として設定されている場合であって、特定枚数が2枚として設定されている場合に第1クレジット投入スイッチ56が操作されると、クレジットがあることを条件に2枚の仮想メダルの投入が行われる。なお、第1クレジット投入スイッチ56が操作された場合、特定枚数のクレジットが無い場合には、クレジットの分だけ仮想メダルの投入が行われる。例えば、特定枚数が3枚として設定されており、クレジットが2である場合は2枚の仮想メダルの投入が行われる。
また、第1クレジット投入スイッチ56の左方には第2クレジット投入スイッチ57が設けられている。第2クレジット投入スイッチ57は仮想メダルを2枚投入するためのものである。各クレジット投入スイッチ56,57は前記メダル投入口45とともに遊技媒体を入力する入力手段を構成する。また、メダル投入口45が遊技者によりメダルを直接投入するという動作を伴うのに対し、各クレジット投入スイッチ56,57は貯留記憶に基づく仮想メダルの投入という動作を伴うに過ぎない点に着目すれば、遊技媒体を間接入力する間接入力手段を構成するものとも言える。なお、本スロットマシン10では、仮想メダルを1枚投入するためクレジット投入スイッチは設けられていない。
第1クレジット投入スイッチ56は第2クレジット投入スイッチ57よりも、遊技者により操作される操作面が大きく設定されており、その操作性が第1クレジット投入スイッチ56の方が第2クレジット投入スイッチ57よりも優れている。そのため、通常であれば、遊技者は、第1クレジット投入スイッチ56を操作して遊技を進行することが想定される。つまり、通常であれば、規定枚数のうちの設定されている特定枚数を投入して遊技を行うものと考えられる。
なお、第1クレジット投入スイッチ56には、当該第1クレジット投入スイッチ56が操作されたことを検知する第1クレジット投入検出センサ56aが設けられており、第2クレジット投入スイッチ57には、当該第2クレジット投入スイッチ57が操作されたことを検知する第2クレジット投入検出センサ57aが設けられており、これら各クレジット投入検出センサ56a,57aによって、各クレジット投入スイッチ56,57の操作が検知される(図184参照)。また、第1クレジット投入スイッチ56には、第1クレジットランプ56bが内蔵されている。第1クレジットランプ56bは点灯状態と消灯状態とに切り替わり可能に構成されており、第1クレジットランプ56bを点灯状態とすることによって第1クレジット投入スイッチ56の操作が促される。なお、第1クレジット投入スイッチ56の操作が可能な状態で点灯状態となる構成に代えて又は加えて、点滅状態となる構成としてもよい。
第1クレジット投入スイッチ56と第2クレジット投入スイッチ57との右方には、演出発生時に操作される演出スイッチ66が設けられている。
スタートレバー41の左方には、清算スイッチ59が設けられている。すなわち、本スロットマシン10では、所定の最大値(メダル50枚分)となるまでの余剰の投入メダルや入賞時の払出メダルを仮想メダルとして貯留記憶するクレジット機能を有しており、仮想メダルが貯留記憶されている状況下で清算スイッチ59を操作された場合、仮想メダルが現実のメダルとしてメダル排出口49から払い出されるようになっている。この場合、クレジットされた仮想メダルを現実のメダルとして払い出すという機能に着目すれば、清算スイッチ59は貯留記憶された遊技媒体を実際に払い出すための清算用操作手段を構成するものとも言える。
遊技パネル25の表示窓26L,26M,26R下方には、クレジットされている仮想メダル数を表示するクレジット表示部60と、BB状態が終了するまでに払い出される残りのメダル数を表示する残払出枚数表示部61と、入賞時に払い出したメダルの枚数を表示する払出枚数表示部62とがそれぞれ設けられている。これら表示部60~62は7セグメント表示器によって構成されているが、液晶表示器等によって代替することは当然可能である。
遊技パネル25における表示窓26L,26M,26Rの下方であって、払出枚数表示部62の右方には、ストップスイッチ42~44の操作順序を報知する押し順表示器と、操作順序を報知することによって小役の入賞率を変化させ遊技者にとって有利な状況で遊技を進行可能となる区間である有利区間を示すための区間表示器と、を有する指示モニタ68が設けられている。指示モニタ68については、後に詳細に説明する。
遊技パネル25における表示窓26L,26M,26Rの下方であって、クレジット表示部60の左方には、第1クレジット投入スイッチ56や第2クレジット投入スイッチ57の操作やメダル投入口45へのメダル投入によって設定されるゲームのベット数を表示するための第1表示部としてのBET表示部75と、現状の遊技の進行状態を示す遊技状態表示部76とが設けられている。
また、遊技パネル25における表示窓26L,26M,26Rの左方には、上記のゲームのベット数を表示するための第2表示部としてのベット表示部34が設けられている。更に、遊技パネル25における表示窓26L,26M,26Rの右方には、ゲームの開始に際して各リール32L,32M,32Rの回転が開始されるまでの待機すべき状態(ウェイト状態)であることを報知するためのウェイト表示部35が設けられている。
これらBET表示部75、遊技状態表示部76、ベット表示部34、ウェイト表示部35については、後に詳細に説明する。
前面扉12の上部には、遊技の進行に伴い点灯したり点滅したりする上部ランプ63と、遊技の進行に伴い種々の効果音を鳴らしたり、遊技者に遊技状態を報知したりする左右一対のスピーカ64と、遊技者に各種情報を与える補助表示部65とが設けられている。補助表示部65は、遊技の進行に伴って各種表示演出を実行するためのものであり、各リール32L,32M,32Rによる遊技を主表示部によるものと考えることができることから、本実施形態では補助表示部65と称している。補助表示部65の背面には、上部ランプ63やスピーカ64、補助表示部65を駆動させるための表示制御装置81が設けられている。
前面扉12において、遊技パネル25の下方であって、ストップスイッチ42~44よりも下方には、遊技機の機種名が記載されたり、所定の表示画面を構成する下表示部69が設けられている。なお、下表示部69を液晶表示部として構成してもよく、下表示部69に演出用の操作ボタンを設けてもよく、下表示部69全体を操作可能に構成してもよい。
筐体11の内部においてホッパ装置51の左方には、電源ボックス70が設けられている。電源ボックス70は、その内部に電源装置91を収容するとともに、電源スイッチ71やリセットスイッチ72、設定キー挿入孔73などを備えている。電源スイッチ71は、主制御装置101を始めとする各部に電源を供給するための起動スイッチである。リセットスイッチ72は、スロットマシン10のエラー状態をリセットするためのスイッチである。また、設定キー挿入孔73は、ホール管理者などがメダルの出玉調整を行うためのものである。すなわち、ホール管理者等が設定キーを設定キー挿入孔73へ挿入してON操作することにより、スロットマシン10の当選確率(設定値)を設定できるようになっている。なお、リセットスイッチ72は、エラー状態をリセットする場合の他に、スロットマシン10の当選確率を変更する場合にも操作される。
リールユニット31の上方には、遊技を統括管理する主制御装置101が筐体11に取り付けられている。
主制御装置101には、遊技者にとって有利な遊技状態と、そうではない状態との比率を明示するための役比モニタ77が設けられている。役比モニタ77は、前面扉12を開放状態とすることで遊技機前方から視認可能となり、且つ、前面扉12を閉鎖状態とすることで遊技機前方から視認不可となるように、主制御装置101において遊技機前方を向く側に設置されており、より詳しくは、主制御装置101が収容される基板ボックスを介して役比モニタ77の表示面が視認可能となるように、基板ボックス内に収容されている。ちなみに、前面扉12が閉鎖状態とされている場合、役比モニタ77は表示窓26L~26Rの隙間等のからも視認不可であり、キーシリンダ21に対する所定のキー操作によって施錠状態が解除されて前面扉12を開放状態としない限り、役比モニタ77を確認することが不可となっている。なお、役比モニタ77については、後に詳細に説明する。
次に、本スロットマシン10の電気的構成について、図184及び図185のブロック図に基づいて説明する。
主制御装置101には、演算処理手段であるCPU102を中心とするマイクロコンピュータが搭載されている。CPU102には、電源装置91の他に、所定周波数の矩形波を出力するクロック回路103や、入出力ポート104などが内部バスを介して接続されている。かかる主制御装置101は、スロットマシン10に内蔵されるメイン基盤としての機能を果たすものである。
主制御装置101の入力側には、リールユニット31(より詳しくは各リール32L,32M,32Rが1回転したことを個別に検出するリールインデックスセンサ)、スタートレバー41の操作を検出するスタート検出センサ41a、各ストップスイッチ42~44の操作を個別に検出するストップ検出センサ42a~44a、メダル投入口45から投入されたメダルを検出する投入メダル検出センサ45a、ホッパ装置51から払い出されるメダルを検出する払出検出センサ51a、第1クレジット投入スイッチ56の操作を個別に検出する第1クレジット投入検出センサ56a、第2クレジット投入スイッチ57の操作を個別に検出する第2クレジット投入検出センサ57a、清算スイッチ59の操作を検出する清算検出センサ59a、リセットスイッチ72の操作を検出するリセット検出センサ72a、設定キー挿入孔73に設定キーが挿入されてON操作されたことを検出する設定キー検出センサ73a等の各種センサが接続されており、これら各種センサからの信号は入出力ポート104を介してCPU102へ出力されるようになっている。
また、主制御装置101の入力側には、入出力ポート104を介して電源装置91が接続されている。電源装置91には、主制御装置101を始めとしてスロットマシン10の各電子機器に駆動電力を供給する電源部91aや、停電監視回路91bなどが搭載されている。
停電監視回路91bは電源の遮断状態を監視し、停電時はもとより、電源スイッチ71による電源遮断時に停電信号を生成するためのものである。そのため停電監視回路91bは、電源部91aから出力されるこの例では直流12ボルトの安定化駆動電圧を監視し、この駆動電圧が例えば10ボルト未満まで低下したとき電源が遮断されたものと判断して停電信号が出力されるように構成されている。停電信号はCPU102と入出力ポート104のそれぞれに供給され、CPU102ではこの停電信号を認識することにより後述する停電処理が実行される。また、この停電信号は表示制御装置81にも供給されるように構成されている。
電源部91aは、出力電圧が10ボルト未満まで低下した場合でも、主制御装置101などの制御系において駆動電圧として使用される5ボルトの安定化電圧が出力されるように構成されている。この安定化電圧が出力される時間としては、主制御装置101による停電処理を実行するに十分な時間が確保されている。
主制御装置101の出力側には、リールユニット31(より詳しくは各リール32L,32M,32Rを回転させるためのステッピングモータ)、セレクタ46に設けられたメダル通路切替ソレノイド46a、ホッパ装置51、クレジット表示部60、残払出枚数表示部61、払出枚数表示部62、指示モニタ68、BET表示部75、遊技状態表示部76、役比モニタ77、表示制御装置81、図示しないホール管理装置などに情報を送信できる外部集中端子板121等が入出力ポート104を介して接続されている。
上述したCPU102には、このCPU102によって実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM105と、このROM105に記憶されている制御プログラムを実行するにあたって各種のデータを一時的に記憶する作業エリアを確保するためのRAM106の他に、図示はしないが周知のように割込み回路を始めとしてタイマ回路、データ送受信回路などスロットマシン10において必要な各種の処理回路や、クレジット枚数をカウントするクレジットカウンタなどの各種カウンタが内蔵されている。ROM105とRAM106によって記憶手段としてのメインメモリが構成され、各種処理を実行するためのプログラムは、制御プログラムの一部として上述したROM105に記憶されている。
RAM106は、スロットマシン10の電源が遮断された後においても電源装置91からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっている。RAM106には、各種のデータを一時的に記憶するためのメモリや、役の抽選結果を記憶するための当選フラグ格納エリア106a、各リール32L,32M,32Rの停止制御を行う場合に用いる停止情報を記憶するための停止情報格納エリア106b、デモ状態に移行させる前の状態を記憶するための待機用記憶エリア106c等の他に、バックアップエリアが設けられている。
バックアップエリアは、停電等の発生により電源が遮断された場合において、電源遮断時(電源スイッチ71の操作による電源遮断をも含む。以下同様)のスタックポインタの値を記憶しておくためのエリアであり、停電解消時(電源スイッチ71の操作による電源投入をも含む。以下同様)には、バックアップエリアの情報に基づいてスロットマシン10の状態が電源遮断前の状態に復帰できるようになっている。バックアップエリアへの書き込みは停電処理(図186参照)によって電源遮断時に実行され、バックアップエリアに書き込まれた各値の復帰は電源投入時のメイン処理において実行される。
また、CPU102のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路91bからの停電信号が入力されるように構成されている。そして、電源遮断時には、停電フラグ生成処理としてのNMI割込み処理が即座に実行されるようになっている。
図185に示すように、表示制御装置81は、演算処理手段であるCPU181を中心とするマイクロコンピュータが搭載されている。CPU181には、このCPU181によって実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM182と、このROM182内に記憶されている制御プログラムを実行するに当たって各種のデータを一時的に記憶する作業エリアを確保するためのRAM183などが内蔵されている。
表示制御装置81には、図示しない入出力ポートが設けられており、入力側に主制御装置101が接続されており、出力側にベット表示部34、ウェイト表示部35、第1クレジットランプ56b、上部ランプ63、スピーカ64、及び補助表示部65が接続されている。そして、主制御装置101から入力する各種コマンドに基づいてベット表示部34、ウェイト表示部35、第1クレジットランプ56b、上部ランプ63、スピーカ64及び補助表示部65を駆動制御する。つまり、表示制御装置81は、遊技を統括管理するメイン基盤たる主制御装置101との関係では補助的な制御を実行するサブ基盤となっている。即ち、間接的な遊技に関する音声やランプ、表示についてはサブ基盤を設けることにより、メイン基盤の負担軽減を図っている。
表示制御装置81の入力側には、演出スイッチ66(より詳しくは当該演出スイッチ66の操作を検出する演出スイッチ検出センサ)等が接続されている。なお、各種表示部60~62、68も表示制御装置81が駆動制御する構成としてもよい。
続いて、主制御装置101のCPU102により実行される各制御処理について説明する。かかるCPU102の処理としては、大別して、電源投入に伴い起動されるメイン処理と、定期的に(本実施の形態では1.49msec周期で)起動されるタイマ割込み処理と、NMI端子への停電信号の入力に伴い起動されるNMI割込み処理とがある。以下では、これら各処理のうち遊技の進行に関わる処理、すなわちタイマ割込み処理と、メイン処理にて行われる通常処理とを説明する。
図186は、主制御装置101で定期的に実行されるタイマ割込み処理のフローチャートであり、主制御装置101のCPU102により例えば1.49msec毎にタイマ割込みが発生する。
先ず、ステップSc101に示すレジスタ退避処理では、後述する通常処理で使用しているCPU102内の全レジスタの値をRAM106のバックアップエリアに退避させる。ステップSc102では停電フラグがセットされているか否かを確認し、停電フラグがセットされているときにはステップSc103に進み、停電処理を実行する。
ここで、停電処理について概略を説明する。
停電の発生等によって電源が遮断されると、電源装置91の停電監視回路91bから停電信号が出力され、当該停電信号がNMI端子を介して主制御装置101に入力される。主制御装置101は、停電信号が入力された場合、即座にNMI割込み処理を実行し、停電フラグをRAM106に設けられた停電フラグ格納エリアにセットする。
停電処理では、先ずコマンドの送信が終了しているか否かを判定し、送信が終了していない場合には本処理を終了してタイマ割込み処理に復帰し、コマンドの送信を終了させる。コマンドの送信が終了している場合には、CPU102のスタックポインタの値をRAM106のバックアップエリアに保存する。その後、入出力ポート104における出力ポートの出力状態をクリアし、図示しない全てのアクチュエータをオフ状態にする。そして、停電解消時にRAM106のデータが正常か否かを判定するためのRAM判定値を算出してバックアップエリアに保存することにより、それ以後のRAMアクセスを禁止する。以上の処理を行った後は、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるのに備え、無限ループに入る。なお、例えばノイズ等に起因して停電フラグが誤ってセットされる場合を考慮し、無限ループに入るまでは停電信号が出力されているか否かを確認する。停電信号が出力されていなければ停電状態から復旧したこととなるため、RAM106への書き込みを許可するとともに停電フラグをリセットし、タイマ割込み処理に復帰する。停電信号の出力が継続してなされていれば、そのまま無限ループに入る。ちなみに、無限ループ下においても停電信号が出力されているか否かを確認しており、停電信号が出力されなくなった場合にはメイン処理に移行する。
タイマ割込み処理の説明に戻り、ステップSc102にて停電フラグがセットされていない場合には、ステップSc104以降の各種処理を行う。
すなわち、ステップSc104では、誤動作の発生を監視するためのウオッチドッグタイマの値を初期化するウオッチドッグタイマのクリア処理を行う。ステップSc105では、CPU102自身に対して次回のタイマ割込みを設定可能とする割込み終了宣言処理を行う。ステップSc106では、各リール32L,32M,32Rを回転させるために、それぞれの回胴駆動モータであるステッピングモータを駆動させるステッピングモータ制御処理を行う。ステップSc107では、入出力ポート104に接続されたストップ検出センサ42a~44a,投入メダル検出センサ45a,払出検出センサ51a等の各種センサ(図184参照)の状態を読み込むとともに、読み込み結果が正常か否かを監視するセンサ監視処理を行う。ステップSc108では、各カウンタやタイマの値を減算するタイマ演算処理を行う。ステップSc109では、メダルのベット数や、払出枚数をカウントした結果を外部集中端子板121へ出力するカウンタ処理を行う。
ステップSc110では、後述する抽選結果コマンド等の各種コマンドを表示制御装置81へ送信するコマンド出力処理を行う。ステップSc111では、クレジット表示部60、残払出枚数表示部61、払出枚数表示部62及び指示モニタ68にそれぞれ表示されるセグメントデータを設定するセグメントデータ設定処理を行う。ステップSc112では、セグメントデータ設定処理で設定されたセグメントデータを各表示部60~62,68に供給して該当する数字、記号などを表示するセグメントデータ表示処理を行う。ステップSc113では、入出力ポート104からI/O装置に対応するデータを出力するポート出力処理を行う。ステップSc114では、先のステップSc101にてバックアップエリアに退避させた各レジスタの値をそれぞれCPU102内の対応するレジスタに復帰させる。その後ステップSc115にて次回のタイマ割込みを許可する割込み許可処理を行い、この一連のタイマ割込み処理を終了する。
次に、遊技に関わる主要な制御を行う通常処理について図187のフローチャートに基づき説明する。
先ずステップSc201では、次回のタイマ割込みを許可する割込み許可処理を行う。ステップSc202では、遊技を可能とするための開始前処理を行う。開始前処理では、表示制御装置81等が初期化を終了するまで待機する。表示制御装置81等の初期化が終了した場合には、ステップSc203~ステップSc215に示す遊技管理処理を行う。
遊技管理処理として、ステップSc203では、RAM106に格納された各種遊技情報等のデータ(例えば前回の遊技で用いた乱数値等)をクリアする。その後、ステップSc204では、BET用処理を行う。
BET用処理では、前回の遊技でいずれかの再遊技入賞が成立したか否かを判定する。いずれかの再遊技入賞が成立していた場合には、前回のベット数と同数の仮想メダルを自動投入する自動投入処理を行う。具体的には、例えば、3ベットゲームにて再遊技入賞が成立した場合には3枚の仮想メダルを自動投入する処理を行い、2ベットゲームにて再遊技入賞が成立した場合には2枚の仮想メダルを自動投入する処理を行う。
なお、仮想メダルを自動投入する処理では、クレジット表示部60に表示された仮想メダル数を減じることなく仮想メダルの投入を行う。つまり、前回の遊技でいずれかの再遊技入賞が成立した場合には、遊技者は所有するメダルを減らすことなく且つメダルを投入することなく今回の遊技を行うことができる。いずれの再遊技入賞も成立していなかった場合には、各クレジット投入スイッチ56,57の操作やメダル投入口45からのメダル投入といった賭数操作に基づいてベット数を設定する処理を行う。当該BET用処理については、後に詳細に説明する。
続くステップSc205では、タイマ割込み処理のセンサ監視処理ステップSc107にてなされたセンサの読み込み結果に異常が発生していないかを確認し、異常が発生している場合にはスロットマシン10をエラー状態とするとともにエラーの発生を報知する異常用処理を行う。かかるエラー状態は、リセットスイッチ72が操作されるまで維持される。
異常用処理を実行した後は、ステップSc206にて、清算スイッチ59の操作に基づきクレジットされた仮想メダルと同数のメダルを払い出すメダル返却処理を行う。
メダル返却処理を実行した後は、ステップSc207にて、ステップSc204のBET用処理の結果として、メダルのベット数が規定枚数に達しており、ゲームを開始する開始操作を受付可能な開始可能状態であるか否かを判定する。本スロットマシン10では、ボーナス状態(BB状態)における規定枚数として「3」が設定されており、ボーナス状態以外の遊技状態における規定枚数として「2」及び「3」が設定されている。つまり、ボーナス状態においては、ベット数が「3」となっていることを条件にステップSc207にて肯定判定し、ボーナス状態以外ではベット数が「2」又は「3」となっていることを条件にステップSc207にて肯定判定する。言い換えると、ボーナス状態以外の遊技状態において、メダルがベットされていない場合、又は、ベットされていてもベット数が「1」である場合にはステップSc207にて否定判定する。ベット数が規定枚数に達しておらず、開始可能状態ではない場合には、ステップSc204のBET用処理に戻る。
開始可能状態である場合には、ステップSc208にてスタートレバー41が操作されて開始操作が行われたか否かを判定する。スタートレバー41が操作されていない場合には、ステップSc204のBET用処理に戻る。
一方、スタートレバー41が操作された場合には、規定枚数のメダルがベットされている状況下でスタートレバー41が操作されると遊技を開始できる構成となっているため、遊技を開始させるべく開始指令が発生したことを意味する。かかる場合には、ステップSc209にて、遊技状態表示部用処理を実行する。かかる処理は、ゲームの開始操作に基づいて、遊技状態表示部76の表示制御を行うための処理であり、その詳細については、遊技状態表示部76の説明とともに後に説明する。
続くステップSc210では、ベット数と対応する組合せラインを有効ラインと設定する有効ライン設定処理を行う。すなわち、折れ曲がりラインL6のみを有効ラインと設定する。ステップSc211では、メダル通路切替ソレノイド46aを非励磁状態に切り替えてベット受付を禁止する。その後、ステップSc212の抽選処理、ステップSc213のリール制御処理、ステップSc214のメダル払出処理、ステップSc215の待機状態設定処理を順に実行し、ステップSc203に戻る。
次に、ステップSc212の抽選処理について、図188のフローチャートに基づき説明する。
ステップSc301では、役の当否判定を行う際に用いる乱数を取得する。本スロットマシン10では、スタートレバー41が操作されると、ハード回路がその時点におけるフリーランカウンタの値をラッチする構成となっている。フリーランカウンタは0~65535の乱数を生成しており、CPU102は、スタートレバー41の操作を確認した後、ハード回路がラッチした値をRAM106に格納する。かかる構成とすることにより、スタートレバー41が操作されたタイミングで速やかに乱数を取得することが可能となり、同期等の問題が発生することを回避することが可能となる。本スロットマシン10のハード回路は、スタートレバー41が操作される毎にその都度のフリーランカウンタの値をラッチする構成となっている。
乱数を取得した後、ステップSc302では、役の当否判定を行うための抽選テーブルを選択する。本スロットマシン10では、遊技状態として、大別して通常遊技状態及びボーナス状態を有しており、抽選テーブルは、各遊技状態用にそれぞれ設定されている。そして、通常遊技状態においては、上記のようにベットの規定枚数が「3」と「2」が設定されていることから、通常遊技状態用の抽選テーブルは、3ベットゲームでの抽選テーブルと、2ベットゲームでの抽選テーブルとが設定されている。
すなわち、ステップSc302では、ベット数に基づいてスロットマシン10の現在の遊技状態を判別し、ベット数と遊技状態と対応した抽選テーブルを選択する。例えば、ベット数が「3」であって、現在の遊技状態が通常遊技状態である場合には、通常遊技状態用抽選テーブルを選択する。そして、今回のゲームが3ベットゲームである場合には、3ベットゲーム用の通常遊技状態用抽選テーブル(図189)を選択し、今回のゲームが2ベットゲームである場合には、2ベットゲーム用の通常遊技状態用抽選テーブル(図190)を選択する。また、本スロットマシン10では、「設定1」から「設定6」まで6段階の当選確率が予め用意されており、設定キー挿入孔に設定キーを挿入してON操作するとともに所定の操作を行うことにより、いずれの当選確率に基づいて内部処理を実行させるのかを設定することができる。ステップSc302では、設定状態が「設定1」のときにメダル払出の期待値が最も低い抽選テーブルを選択し、「設定6」のときにメダル払出の期待値が最も高い抽選テーブルを選択する。
ここで、当選確率の設定に関する処理について補足説明する。
当選確率の設定処理は、電源投入時に主制御装置101にて起動されるメイン処理にて実行される。より詳しくは、当選確率の設定処理は、設定キー挿入孔に設定キーが挿入されてON操作されていることを設定キー検出センサ73aにて検出している状態で、電源投入された場合に、初期化処理の後に起動される。当選確率の設定処理では、所定の操作として、スタートレバー41の操作毎に設定値を1ずつ更新し、例えば、スタートレバー41が1回操作される度に、「設定1」→「設定2」→「設定3」→「設定4」→「設定5」→「設定6」→「設定1」となるように設定値を更新する。なお、各設定値は、例えばクレジット表示部60にて表示され、上記設定値の更新毎にその表示も更新される。そして、設定キー検出センサ73aがOFF操作された状態でスタートレバー41が操作されたことを設定値の確定操作とし、その時点での設定値を今回の設定値として、当選確率の設定処理を終了する。当選確率の設定処理の終了に基づいて、クレジット表示部60の表示も終了する。当選確率の設定処理で設定された設定値は、次の当選確率の設定処理が起動されるまで、RAM106に記憶保持される。ステップSc302では、この記憶されている設定値に基づいて、抽選テーブルを選択する処理を行うこととなる。
抽選テーブルについて、簡単に説明する。図189は、3ベットゲームにおいて通常遊技状態で選択される通常遊技状態用抽選テーブルである。また、図190は、2ベットゲームにおいて通常遊技状態で選択される通常遊技状態用抽選テーブルである。抽選テーブルには、インデックス値IVが設定されており、各インデックス値IVには、当選となる役がそれぞれ一義的に対応付けられるとともにポイント値PVが設定されている。
抽選テーブルを選択した後、ステップSc303ではインデックス値IVを1とし、続くステップSc304では役の当否を判定する際に用いる判定値DVを設定する。かかる判定値設定処理では、現在の判定値DVに、現在のインデックス値IVと対応するポイント値PVを加算して新たな判定値DVを設定する。なお、初回の判定値設定処理では、ステップSc301にて取得した乱数値を現在の判定値DVとし、この乱数値に現在のインデックス値IVである1と対応するポイント値PVを加算して新たな判定値DVとする。
その後、ステップSc305ではインデックス値IVと対応する役の当否判定を行う。役の当否判定では判定値DVが65535を超えたか否かを判定する。65535を超えた場合には、ステップSc306にて、ステップSc305にて肯定判定したインデックス値IVに応じた遊技結果の当選フラグを、当選フラグ格納エリア106aにセットする処理を実行する。例えば、IV=23のときに判定値DVが65535を超えた場合、ステップSc306にて第7小役当選フラグ及び第8小役当選フラグをセットする。また、IV=25のときに判定値DVが65535を超えた場合、ステップSc306にて第1BB当選フラグをセットし、IV=26のときに判定値DVが65535を超えた場合、ステップSc306にて第2BB当選フラグをセットする。
ちなみに、セットされた当選フラグが第1BBに当選したことを示す当選フラグ(第1BB当選フラグ)又は第2BBに当選したことを示す当選フラグ(第2BB当選フラグ)でない場合、当選フラグ格納エリア106aにセットされた当選フラグは該当選フラグがセットされたゲームの終了後にリセットされる(通常処理のSc203参照)。一方、当選フラグが第1BB当選フラグ又は第2BB当選フラグである場合、これら当選フラグは対応する入賞が成立したことを条件の1つとしてリセットされる。すなわち、第1BB当選フラグ及び第2BB当選フラグは、複数回のゲームに亘って有効とされる場合がある。
なお、第1BB当選フラグ又は第2BB当選フラグを持ち越した状態におけるステップSc306では、第1BB,第2BB以外の役に当選していれば対応する当選フラグをセットし、第1BB,第2BB以外の役に当選していなければ対応する当選フラグをセットしない。
すなわち、例えば、第1BB当選フラグが持ち越された状態で、例えば、インデックス値IV=25のときに判定値DVが65535を超えた場合、第1BB当選フラグはセットしない。また、第1BB当選フラグが持ち越された状態で、例えば、インデックス値IV=11のときに判定値DVが65535を超えた場合、第1小役当選フラグ、第9小役当選フラグ、第10小役当選フラグ及び第13小役当選フラグをセットする。
なお、第1BB当選フラグ又は第2BB当選フラグを持ち越した状態における抽選テーブルを別途用意しておき、第1BB当選フラグ又は第2BB当選フラグを持ち越した状態では、当該別途用意した抽選テーブルにて抽選処理を行う構成としてもよい。この場合、当該別途用意した抽選テーブルにおいては、第1BB,第2BBに当選しないように各インデックス値IVやポイント値PV値を設定するとよい。
ステップSc305にて判定値DVが65535を超えなかった場合には、インデックス値IVと対応する役に外れたことを意味する。かかる場合にはステップSc307にてインデックス値IVを1加算し、続くステップSc308ではインデックス値IVと対応する役があるか否か、すなわち当否判定すべき判定対象があるか否かを判定する。具体的には、1加算されたインデックス値IVが抽選テーブルに設定されたインデックス値IVの最大値を超えたか否かを判定する。当否判定すべき判定対象がある場合にはステップSc304に戻り、役の当否判定を継続する。このとき、ステップSc304では、先の役の当否判定に用いた判定値DV(すなわち現在の判定値DV)に現在のインデックス値IVと対応するポイント値PVを加算して新たな判定値DVとし、ステップSc305では、当該判定値DVに基づいて役の当否判定を行う。
ちなみに、図189に示した抽選テーブルを用いて役の当否判定を行う場合、すなわち、通常遊技状態において3ベットゲームで遊技を行った場合、通常リプAに当選となる確率(IV=1の際に当選となる確率)は、設定1では約27.3分の1であり、設定3では約27.5分の1であり、設定6では約28.3分の1であり、設定値が高くなるほど当選しにくくなるように設定されている。通常リプBに当選となる確率(IV=2の際に当選となる確率)及び通常リプCに当選となる確率(IV=3の際に当選となる確率)は、いずれも設定値に関わらず約26.2分の1である。チャンス目Aに当選となる確率(IV=4の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約164分の1であり、チャンス目Bに当選となる確率(IV=5の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約262分の1であり、チャンス目Cに当選となる確率(IV=6の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約16400分の1であり、チャンス目Cよりもチャンス目Bの方が当選し易く、チャンス目Bよりもチャンス目Aの方が当選し易くなるように設定されている。チェリーAに当選となる確率(IV=7の際に当選となる確率)は、設定1では約107分の1であり、設定3では約104分の1であり、設定6では約93.6分の1であり、設定値が高くなるほど当選し易くなるように設定されている。チェリーBに当選となる確率(IV=8の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約215分の1であり、チェリーCに当選となる確率(IV=9の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約13100分の1であり、チェリーCよりもチェリーBの方が当選し易く、チェリーBよりもチェリーAの方が当選し易くなるように設定されている。共通ベルに当選となる確率(IV=10の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約504分の1である。順押しベル1、順押しベル2、挟み押しベル1、挟み押しベル2、中順押しベル1、中順押しベル2、中逆押しベル1、中逆押しベル2、逆挟みベル1、逆挟みベル2、逆押しベル1、逆押しベル2(以下では、これらをまとめて押し順ベルと称する)に当選となる確率(IV=11~22の際に当選となる確率)は、設定値に関わらずそれぞれ約18.4分の1である。スイカに当選となる確率(IV=23の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約107分の1である。第1BBに当選となる確率(IV=25の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約5.03分の1であり、他の役(再遊技や小役、IV=1~24)の当選確率よりも高く設定されている。3ベットゲームにおいては重複1枚役(IV=24)や第2BB(IV=26)には当選しないように設定されている(対応するポイント値PVに0が設定されている)。3ベットゲームにおいて、第1BBを含めていずれの役にも当選しない確率は0となっている。そして、第1BBに当選している状況では、3ベットゲームにおいていずれの役にも当選しない確率は、設定値に関わらず約5.03分の1(第1BBの分)である。ちなみに、3ベットゲームにおいては、第1BB状態での増加分を除いて、1ゲーム当たり約1.77枚のメダル減少が期待でき(純増枚数マイナス約1.77枚)。
これに対して、図190に示した抽選テーブルを用いて役の当否判定を行う場合、すなわち、通常遊技状態において2ベットゲームで遊技を行った場合、通常リプA、通常リプB、通常リプC、チャンス目A、チャンス目B、チャンス目C、チェリーA、チェリーB、チェリーCに当選となる確率(IV=1~9の際に当選となる確率)は、上記3ベットゲームで遊技を行った場合の確率と同じ確率である。共通ベルに当選となる確率(IV=10の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約9.64分の1であり、3ベットゲームで遊技を行った場合よりも当選し易くなるように設定されている。押し順ベル(IV=11~22)は、2ベットゲームでは当選しないように設定されている。スイカに当選となる確率(IV=23の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約257の1であり、3ベットゲームで遊技を行った場合よりも当選しにくくなるように設定されている。2ベットゲームにおいては重複1枚役(IV=24)に当選し得るように設定されており、その確率は設定値に関わらず約1.81分の1である。また、2ベットゲームでは第1BB(IV=25)には当選しないように設定されている一方、第2BB(IV=26)に当選し得るように設定されており、その確率は設定値に関わらず約4.95分の1である。2ベットゲームにおいても、第2BBを含めていずれの役にも当選しない確率は0となっている。そして、第2BBに当選している状況では、2ベットゲームにおいていずれの役にも当選しない確率は、設定値に関わらず約4.95分の1(第2BBの分)である。ちなみに、2ベットゲームにおいては、第2BBの増加分を除いて、1ゲーム当たり約0.64枚のメダル減少が期待できる(純増枚数マイナス約0.64枚)。
ステップSc306にて当選フラグをセットした後、又はステップSc308にて当否判定すべき判定対象がないと判定した場合には、役の当否判定が終了したことを意味する。かかる場合には、ステップSc309に進み、ストップスイッチ42~44の操作を所定期間無効とするフリーズ演出を実行するか否かを決定すべくフリーズ抽選処理を行う。
続くステップSc310では、抽選結果対応処理を行う。抽選結果対応処理では、ステップSc301~ステップSc308の抽選の結果に応じて遊技状態を移行させるか否かの処理や、押し順役の報知用の処理等を行う。当該抽選結果対応処理については、後に詳細に説明する。
ステップSc310の処理を実行した後は、ステップSc311にて抽選結果コマンドをセットする。ここで、抽選結果コマンドとは、役の当否判定の結果を把握させるべく表示制御装置81に対して送信されるコマンドである。但し、通常処理では、上記抽選結果コマンド等の各種コマンドをリングバッファにセットするのみであって、表示制御装置81に対してコマンドを送信しない。表示制御装置81へのコマンド送信は、先述したタイマ割込み処理のコマンド出力処理(ステップSc110)にて行われる。
そして、ステップSc312では、今回のゲームの抽選結果に基づいて各リール32L,32M,32Rに停止可能な図柄を設定する停止情報設定処理を実行する。停止情報設定処理では、ステップSc306にてセットされる当選フラグに基づいて、入賞可能な役に応じた停止図柄情報を設定する。例えば、押し順ベル1に当選(IV=11の際に当選)となり、第1小役当選フラグ、第9小役当選フラグ、第10小役当選フラグ及び第13小役当選フラグがセットされた場合、第1小役、第9小役、第10小役及び第13小役入賞に対応する図柄が各リール32L,32M,32Rに停止可能となるように停止図柄情報を設定する。また、スイカに当選(IV=23の際に当選)となり、第7小役当選フラグ及び第8小役当選フラグがセットされた場合、第7小役及び第8小役入賞に対応する図柄が各リール32L,32M,32Rに停止可能となるように停止図柄情報を設定する。
本スロットマシン10においては、第1BBは3ベットゲームでおいてのみ入賞が成立し得るように設定されており、第2BBは2ベットゲームにおいてのみ入賞が成立し得るように設定されている。そのため、第1BB当選フラグがセットされている場合であっても、2ベットゲームでゲームが開始された場合には、ステップSc312の停止情報設定処理では、第1BB入賞を成立させる停止図柄情報の設定を行わない(第1BB入賞を回避する停止図柄情報の設定が行われる)。また、第2BB当選フラグがセットされている場合であっても、3ベットゲームでゲームが開始された場合には、ステップSc312の停止情報設定処理では、第2BB入賞を成立させる停止図柄情報の設定を行わない(第2BB入賞を回避する停止図柄情報の設定が行われる)。
続くステップSc313では、ステップSc312にて複数の停止可能な図柄情報が設定された場合に、その優先順位を設定する優先設定処理を実行する。例えば、小役,再遊技,ボーナスの各役種のうち複数の役種に当選している場合、以下に示す優先順位を設定する。小役とボーナスに当選している場合には、小役入賞が優先して成立するように、小役入賞を成立させることができない場合にボーナス入賞が成立するようにして、優先順位を設定する。再遊技とボーナスに当選している場合には、再遊技入賞が優先して成立するようにして優先順位を設定する。
例えば、第1BBに当選している状況(第1BB当選フラグがセットされており、第1BB当選が持ち越されている状況)で、更にスイカに当選し、第1BB入賞と、第7小役及び第8小役入賞とに対応する停止図柄情報の設定が行われている場合、第1BB入賞よりも第7小役、第8小役入賞が優先して成立するように優先順位を設定する。また、第2BBに当選している状況(第2BB当選フラグがセットされており、第2BB当選が持ち越されている状況)で、更に通常リプAに当選し、第2BB入賞と、第1再遊技、第2再遊技、第3再遊技及び第4再遊技入賞とに対応する停止図柄情報の設定が行われている場合、第2BB入賞よりも各再遊技入賞が優先して成立するように優先順位を設定する。
ここで、再遊技に当選している場合、当選している再遊技のうちのいずれかの再遊技が必ず入賞するように、入賞となる図柄の組合せが設定されている。つまり、再遊技に当選している場合には再遊技入賞が必ず成立し、取りこぼしは発生しない。そのため、再遊技とボーナスとの停止図柄情報の設定が行われている場合、設定されている再遊技のいずれかの再遊技入賞が必ず成立し、ボーナス入賞が成立することがない。
ステップSc313の処理を実行した後は、ステップSc314にて区間表示第1処理を実行してから、抽選処理を終了する。区間表示第1処理は、指示モニタ68や役比モニタ77の表示制御に関する処理であり、かかる処理については後に詳細に説明する。
次に、ステップSc213のリール制御処理について、図191のフローチャートに基づき説明する。
リール制御処理では、先ずステップSc401において回転演出処理を行う。回転演出処理は、上記ステップSc309にて行ったフリーズ抽選処理の結果等に基づいて、無効期間中のリール制御を用いた演出を行うための処理である。続くステップSc402では、各リール32L,32M,32Rの回転を開始させる回転開始処理を行う。
回転開始処理では、前回の遊技でリールが回転を開始した時点から予め定めた特定期間としてのウェイト時間(例えば4.1秒)が経過したか否かを確認し、経過していない場合にはウェイト時間が経過するまで待機する。ウェイト時間が経過した場合には、次回の遊技のためのウェイト時間を再設定するとともに、RAM106に設けられたモータ制御格納エリアに回転開始情報をセットするモータ制御初期化処理を行う。かかる処理を行うことにより、タイマ割込み処理のステッピングモータ制御処理(ステップSc106)にてステッピングモータの加速処理が開始され、各リール32L,32M,32Rが回転を開始する。このため、遊技者が規定枚数のメダルをベットしてスタートレバー41を操作したとしても、直ちに各リール32L,32M,32Rが回転を開始しない場合がある。その後、各リール32L,32M,32Rが所定の回転速度で定速回転するまで待機し、回転開始処理を終了する。また、CPU102は、各リール32L,32M,32Rの回転速度が定速となると、各ストップスイッチ42~44の図示しないランプを点灯表示することにより、停止指令を発生させることが可能となったことを遊技者等に報知する。
回転開始処理に続き、ステップSc403では、ストップスイッチ42~44のいずれかが操作されたか否かを判定する。いずれのストップスイッチ42~44も操作されていない場合には、ストップスイッチ42~44のいずれかが操作されるまで待機する。ストップスイッチ42~44のいずれかが操作されたと判定した場合には、ステップSc404に進み、回転中のリールと対応するストップスイッチが操作されたか否か、すなわち停止指令が発生したか否かを判定する。停止指令が発生していない場合には、ステップSc403に戻り、ストップスイッチ42~44のいずれかが操作されるまで待機する。停止指令が発生した場合には、ステップSc405にて停止指令コマンドをセットする。ここで、停止指令コマンドとは、いずれのストップスイッチが操作されて停止指令が発生したのかを把握させるべく表示制御装置81に対して送信されるコマンドである。停止指令コマンドをセットした場合には、回転中のリールを停止させるべくステップSc406~ステップSc412に示す停止制御処理を行う。
ステップSc406では、ストップスイッチの操作されたタイミングで基点位置(本実施形態では下段)に到達している到達図柄の図柄番号を確認する。具体的には、リールインデックスセンサの検出信号が入力された時点から出力した励磁パルス数により、基点位置に到達している到達図柄の図柄番号を確認する。続くステップSc407では、停止情報格納エリア106bに格納されている停止情報に基づいて、今回停止させるべきリールのスベリ数を算出する。本スロットマシン10では、各リール32L,32M,32Rを停止させる停止態様として、ストップスイッチ42~44が操作された場合に、基点位置に到達している到達図柄をそのまま停止させる停止態様と、対応するリールを1図柄分滑らせた後に停止させる停止態様と、2図柄分滑らせた後に停止させる停止態様と、3図柄分滑らせた後に停止させる停止態様と、4図柄分滑らせた後に停止させる停止態様との5パターンの停止態様が用意されている。そこでステップSc407では、停止情報格納エリア106bに格納されている停止情報に基づいて、スベリ数として0~4のいずれかの値を算出する。その後、ステップSc408では、算出したスベリ数を到達図柄の図柄番号に加算し、基点位置に実際に停止させる停止図柄の図柄番号を決定する。ステップSc409では今回停止させるべきリールの到達図柄の図柄番号と停止図柄の図柄番号が等しくなったか否かを判定し、等しくなった場合にはステップSc410にてリールの回転を停止させるリール停止処理を行う。その後、ステップSc411では、全リール32L,32M,32Rが停止したか否かを判定する。全リール32L,32M,32Rが停止していない場合には、ステップSc412にて停止情報第2設定処理を行い、ステップSc403に戻る。
ここで、停止情報第2設定処理とは、RAM106の停止情報格納エリア106bに格納された停止情報を、リールの停止後に変更する処理である。停止情報第2設定処理では、セットされている当選フラグと、停止しているリールの停止出目と、に基づいて停止情報を変更する。本スロットマシン10では、例えばIV=11~22の際に当選となった場合、すなわち押し順ベルに当選となった場合(図189、図190参照)に、停止指令を発生させたストップスイッチ42~44の操作順序によって成立する入賞態様を変化させるべく停止情報第2設定処理を行う。
図192は、当選役と、ストップスイッチ42~44の操作順序と成立する入賞態様との対応関係を示す説明図である。例えば、中順押しベル1に当選している場合には、各ストップスイッチ42~44が左→中→右、左→右→中、中→右→左、右→左→中、又は右→中→左の順で操作された場合には第17小役入賞、第18小役入賞又は第21小役入賞が成立するように停止情報を設定し、中→左→右の順で操作された場合には第3小役入賞が成立するように停止情報を設定する。但し、このように停止情報を設定した場合であっても、ストップスイッチ42~44の操作タイミングによっては対応する入賞が成立しない場合がある。
各リール32L,32M,32Rの図柄配列について簡単に説明する。本スロットマシン10では、リール32L,32M,32Rをストップスイッチ42~44の操作されたタイミングから最大4図柄分滑らせた後に停止させることができる。このため、各リール32L,32M,32Rに同種図柄同士の間隔が4図柄以下で配置されている場合には、ストップスイッチ43の操作タイミングに関わらず当選図柄となった際に当該当選図柄を有効ライン上に停止させることができる。一方、5図柄以上離れた区間が形成されるようにして配置されている図柄に関しては、有効ライン上に停止させる場合に遊技者が図柄を狙ってストップスイッチ42~44を操作する必要がある。
中順押しベル1に当選となり、各ストップスイッチ42~44が左→中→右の順で操作された場合を例として説明する。かかる場合には、上記のとおり、第17小役入賞、第18小役入賞又は第21小役入賞を成立させるべく各リール32L,32M,32Rの停止制御を行う。
左リール32Lにおける第17小役図柄は、「赤7」図柄及び「BAR」図柄である。また、左リール32Lにおける第18小役図柄は、「赤貝」図柄及び「白貝」図柄である。そして、左リール32Lにおける第21小役図柄は、「リプレイ」図柄及び「青年」図柄である。左リール32Lには、これら第17小役図柄、第18小役図柄及び第21小役図柄が、図柄同士の間隔が4図柄以下となるように配置されている。そのため、左ストップスイッチ42が最初に操作された場合には、その操作タイミングに関わらず、有効ライン(中段)に第17小役図柄、第18小役図柄及び第21小役図柄のいずれかが停止する。本スロットマシン10では、複数の対象図柄を停止可能なタイミングで操作された場合には、スベリコマ数が少ない図柄を有効ラインに停止させるように停止制御が行われる。すなわち、例えば、左リール32Lの1番目の「ベル」図柄が下段に到達したタイミングで左ストップスイッチ42の操作が行われた場合、第18小役図柄である4番目の「赤貝」図柄(2コマスベリ)、及び、第21小役図柄である5番目の「リプレイ」図柄(3コマスベリ)を中段に停止させることが可能であるところ、最もスベリコマ数の少ない4番目の「赤貝」図柄が中段に停止するように左リール32Lの停止制御が行われる。この場合、第18小役入賞が成立する余地は残るものの、第17小役入賞及び第21小役入賞は成立しないこととなる。
左リール32Lの第18小役図柄が中段に停止した場合、停止情報第2設定処理では、第18小役入賞が成立し得るように停止情報を変更する。
中リール32Mにおける第18小役図柄は、「リプレイ」図柄である。左リール32Lには、「リプレイ」図柄同士の間隔が4図柄以下となるように「リプレイ」図柄が配置されている。そのため、この場合には、中ストップスイッチ43の操作タイミングに関わらず、中リール32Mの上段に「リプレイ」図柄が停止するように停止制御が行われる。
右リール32Rにおける第18小役図柄は、「白貝」図柄及び「青年」図柄である。右リール32Rには、「白貝」図柄及び「青年」図柄同士の間隔が5図柄以上となるようにこれらの図柄が配置されている。つまり、右ストップスイッチ44の操作タイミングによって、第18小役図柄である「白貝」図柄又は「青年」図柄を上段に停止させることができる場合と、上段に停止させることができない場合と、がある。上段に停止させることが可能なタイミングで右ストップスイッチ44の操作が行われると第18小役入賞が成立し、上段に停止させることができないタイミングで右ストップスイッチ44の操作が行われると所謂取りこぼしとなる。
ここで、左リール32Lの中段に「赤貝」図柄が停止し、中リール32Mの上段に「リプレイ」図柄が停止する場合とは、上記のように中順押しベル1に当選して第18小役入賞が成立する可能性がある場合のほか、中順押しベル2に当選して第20小役入賞が成立する可能性がある場合もある。すなわち、中順押しベル2における第20小役図柄は、左リール32Lと中リール32Mとが第18小役図柄と共通している。そして、右リール32Rにおいて、第18小役図柄が「白貝」図柄及び「青年」図柄であるのに対して、第20小役図柄が「赤7」図柄及び「白7」図柄であり異なっている。特に、右リール32Rにおいて、第18小役図柄と第20小役図柄とは、第18小役図柄を有効ラインに停止させることが可能なタイミングで右ストップスイッチ44を操作すると第20小役図柄を有効ラインに停止させることができず、第20小役図柄を有効ラインに停止させることが可能なタイミングで右ストップスイッチ44を操作すると第18小役図柄を有効ラインに停止させることができないようにこれら各図柄が配置されている。そのため、中順押しベル1に当選しているのか中順押しベル2に当選しているのかがわからないことを前提とすると、左リール32Lと中リール32Mとを停止させて、第18小役入賞及び第20小役入賞の可能性がある停止態様となっていても、それを狙って入賞させることができない。
次に、中順押しベル1当選となり、各ストップスイッチ42~44が、中→左→右の順で操作された場合を例として説明する。かかる場合には、第3小役入賞を成立させるべく各リール32L,32M,32Rの停止制御を行う。
中リール32Mには、第3小役図柄である「リプレイ」図柄が、「リプレイ」図柄同士の間隔が4図柄以下となるようにして配置されている。そのため、中ストップスイッチ43が最初に操作された場合には、その操作タイミングに関わらず上段に「リプレイ」図柄が停止する。
左リール32Lには、第3小役図柄である「ベル」図柄が、「ベル」図柄同士の間隔が4図柄以下となるようにして配置されている。そのため、左ストップスイッチ42が2番目に操作された場合には、その操作タイミングに関わらず中段に「ベル」図柄が停止する。
右リール32Rには、第3小役図柄である「スイカ」図柄及び「赤貝」図柄が、これら図柄同士の間隔が4図柄以下となるようにして配置されている。そのため、右ストップスイッチ44が3番目に操作された場合には、その操作タイミングに関わらず上段に「スイカ」図柄又は「赤貝」図柄が停止する。上のとおり、中順押しベル1に当選となり、中ストップスイッチ43→左ストップスイッチ42→右ストップスイッチ44の順で操作された場合には、その操作タイミングに関わらず第3小役入賞が成立する。
上記のように、押し順ベルに当選となった場合には、予め定められた所定の操作順序でストップスイッチ42~44が操作された場合、その操作タイミングに関わらず第1小役入賞、第2小役入賞、第3小役入賞、第4小役入賞、第5小役入賞、又は第6小役入賞が成立し、他の操作順序でストップスイッチ42~44が操作された場合、その操作タイミングにより、小役入賞が成立するか、いずれの小役入賞も成立せずに取りこぼしとなる。ちなみに、共通ベルに当選となった場合には、操作順序及び操作タイミングに関わらず第1小役入賞、第2小役入賞、第3小役入賞、第4小役入賞、第5小役入賞、又は第6小役入賞が成立する。
リール制御処理の説明に戻り、ステップSc411にて全リール32L,32M,32Rが停止していると判定した場合には、ステップSc413にて払出判定処理を行う。払出判定処理とは、当選図柄の組合せが有効ライン上に並んでいることを条件の1つとしてメダルの払出枚数を設定する処理である。払出判定処理では、各リール32L,32M,32Rの下段に停止した停止図柄の図柄番号から有効ライン上に形成された図柄の組合せを導出し、有効ライン上で入賞が成立しているか否かを判定する。入賞が成立している場合には、さらに入賞成立役が当選フラグ格納エリア106aにセットされている当選フラグと対応しているか否かを判定する。入賞成立役が当選フラグと対応している場合には、入賞成立役と、当該入賞成立役と対応する払出数と、をRAM106に設けられた払出情報格納エリアにセットする。一方、入賞成立役が当選フラグと対応していない場合には、スロットマシン10をエラー状態とするとともにエラーの発生を報知する異常発生時処理を行う。かかるエラー状態は、リセットスイッチ72が操作されるまで維持される。
払出判定処理を行った後は、ステップSc414にて、ボーナス状態処理を実行する。ボーナス状態処理については、後に詳細に説明する。ボーナス状態処理を実行した後は、ステップSc415にて入賞結果対応処理を行う。入賞結果対応処理では、入賞結果に基づいて遊技状態を移行させる処理等を行う。当該入賞結果対応処理については、後に詳細に説明する。
入賞結果対応処理を行った後は、ステップSc416にて区間表示第2処理を実行する。区間表示第2処理は、指示モニタ68の表示制御に関する処理であり、かかる処理については後に詳細に説明する。その後、ステップSc417にて今回のゲームにおける入賞成立役を表示制御装置81に把握させるべく入賞結果コマンドをセットし、リール制御処理を終了する。
次に、ステップSc214のメダル払出処理について、概略を説明する。
メダル払出処理では、払出情報格納エリアにセットされた払出数が0か否かを判定する。払出数が0の場合、先の払出判定処理にて小役入賞が成立していないと判定したことを意味する。かかる場合には、払出判定処理にてセットした入賞成立役に基づいて、第1再遊技入賞~第12再遊技入賞のいずれかが成立したか否かを判定する。いずれの再遊技入賞も成立していない場合にはそのままメダル払出処理を終了し、いずれかの再遊技入賞が成立している場合には、入賞した再遊技結果の情報を記憶する処理を行い、メダル払出処理を終了する。なお、BET用処理(ステップSc204)では、再遊技入賞に基づいてベットを自動投入する処理を行う。
一方、払出情報格納エリアにセットされた払出数が0でない場合には、当該払出数と同数のメダルを払い出し、メダル払出処理を終了する。メダルの払い出しについて具体的には、クレジットカウンタのカウント値が上限(貯留されているメダル数が50枚)に達していない場合、クレジットカウンタのカウント値に払出数を加算するとともに加算後の値をクレジット表示部60に表示させる。また、クレジットカウンタのカウント値が上限に達している場合、又は払出数の加算途中でカウント値が上限に達した場合には、メダル払出用回転板を駆動し、メダルをホッパ装置51からメダル排出口49を介してメダル受け皿50へ払い出す。なお、メダル払出処理では、メダルの払い出しにあわせて払出枚数表示部62に表示される払出数を変更する処理も行っている。また、現在の遊技状態がBB状態である場合には、後述する残払出数カウンタの値から払出数を減算するとともに、残払出枚数表示部61に表示される残払出数を減算する処理を行う。
次に、ステップSc414のボーナス状態処理を、図193のフローチャートに基づいて説明する。
先ずステップSc501では、現在の遊技状態がボーナス状態か否か、すなわち現在の遊技状態が第1BB状態又は第2BB状態であるか否かを判定する。これら第1BB状態や第2BB状態であるか否かは、第1BB状態又は第2BB状態へ移行する際にRAM106の各種フラグ格納エリア106dにセットされる第1BB状態フラグや第2BB状態フラグの有無により判別可能である。すなわち、ステップSc501では、第1BB状態フラグ及び第2BB状態フラグのいずれもがセットされていない場合には、第1BB状態及び第2BB状態ではないと判定してステップSc502に進む。
ステップSc502では、第1BB当選フラグ又は第2BB当選フラグがセットされており、いずれかのBBに当選している状態であるか否かを判定する。いずれのBB当選フラグもセットされていない場合は、そのままボーナス状態処理を終了する。いずれかのBB当選フラグがセットされている場合には、ステップSc503に進む。
ステップSc503では、RAM106の各種カウンタエリア106eに設けられたMAXベットカウンタに3を入力する処理を行う。MAXベットカウンタは、第1クレジット投入スイッチ56が操作された場合に仮想メダルの投入を行う特定枚数を設定するためのものである。すなわち、MAXベットカウンタに3が入力されている状況で第1クレジット投入スイッチ56が操作されると、3枚の仮想メダルの投入が行われる。この場合、MAXベットカウンタはゲームの規定枚数を設定するものではないため、ゲームの規定枚数として2枚又は3枚が設定されている状況においては、第2クレジット投入スイッチ57の操作を行ったり、メダル投入口45からメダルを2枚投入することで2ベットゲームを行うことは許容されている。なお、ステップSc503にて既にMAXベットカウンタに3が入力されている場合には、その状態を維持する。
なお、MAXベットカウンタの初期値は2であり、リセットスイッチ72が操作されてRAMクリアが行われると、当該MAXベットカウンタには2が入力されてスロットマシン10が起動する。
続くステップSc504では、第1BB入賞又は第2BB入賞が成立したか否かを判定する。いずれかのBB入賞も成立していない場合には、そのままボーナス状態処理を終了する。いずれかのBB入賞が成立している場合には、ステップSc505に進み、第1BB入賞が成立したか否かを判定する。
第1BB入賞が成立している場合には、ステップSc506にて、各種カウンタエリア106eに設けられたBBカウンタに「46」を入力する処理を実行する。BBカウンタは、各BB状態における上限払出数を規定するためのカウンタである。すなわち、ステップSc506にてBBカウンタに「46」が入力されることにより、46枚以上のメダルが払い出されることにより第1BB状態が終了するように設定される。ステップSc507では、第1BB当選フラグをクリアする。そして、ステップSc508では、第1BB状態フラグを各種フラグ格納エリア106dにセットする。これにより、次ゲームからはステップSc501にて肯定判定することになる。続くステップSc509では、第1BB開始コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行する。第1BB開始コマンドは、第1BB状態が開始されることを表示制御装置81へ把握させるためのコマンドであり、かかる第1BB開始コマンドを受信した表示制御装置81では、第1BB状態が開始されることに対応する第1BB開始演出が行われるようにスピーカ64や補助表示部65等を制御する。また、表示制御装置81では、第1BB開始コマンドを受信することにより、次ゲームからが第1BB状態であることが把握可能となり、次ゲームから第1BB状態用の演出が行われるようにスピーカ64や補助表示部65等を制御する。
ステップSc509にて第1BB開始コマンドの出力設定を行った後は、ステップSc510にて規定ベット数を3に設定する処理を実行してから、本ボーナス状態処理を終了する。規定ベット数とは、上記のゲームの規定枚数に相当する。すなわち、第1BB状態に移行することでゲームの規定枚数が3枚に設定され、3ベットゲームにて第1BB状態が行われる。
なお、規定ベット数の初期値は2及び3であり、リセットスイッチ72が操作されてRAMクリアが行われると、当該規定ベット数は2と3が設定されてスロットマシン10が起動する。
ステップSc505にて第1BB入賞が成立していないと判定する場合とは、第2BB入賞が成立している場合である。この場合、ステップSc511に進み、上記のBBカウンタに「2」を入力する処理を実行する。すなわち、2枚以上のメダルが払い出されることにより第2BB状態が終了するように設定される。そして、ステップSc512にて第2BB当選フラグをクリアする処理を実行し、ステップSc513にて第2BB状態フラグをセットする処理を実行する。その後、ステップSc514にて第2BB開始コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行する。第2BB開始コマンドは、第1BB開始コマンドに対応するものであり、第2BB状態が開始されることを表示制御装置81へ把握させるためのコマンドである。第2BB開始コマンドを受信した表示制御装置81では、第2BB状態が開始されることに対応する第2BB開始演出が行われるようにスピーカ64や補助表示部65等を制御し、次ゲームからは第2BB状態用の演出が行われるようにスピーカ64や補助表示部65等を制御する。なお、第1BB開始演出と第2BB開始演出とは、見た目や内容が、遊技者が識別可能な程度に異なっている。また、第1BB状態用の演出と第2BB状態用の演出とも、見た目や内容が、遊技者が識別可能な程度に異なっている。
ステップSc514にて第2BB開始コマンドの出力設定を行った後は、ステップSc510にて規定ベット数を3に設定する処理を実行してから、本ボーナス状態処理を終了する。すなわち、第1BB状態だけでなく、第2BB状態においてもゲームの規定枚数が3枚に設定され、3ベットゲームにて第2BB状態が行われる。
ステップSc501にて肯定判定し、第1BB状態又は第2BB状態である場合、ステップSc515に進み、第1BB状態や第2BB状態中の処理を行う。図194は、BB状態用抽選テーブルの一例を示している。なお、本実施形態では、第1BB状態と第2BB状態とで共通の抽選テーブルを用いる構成としているが、それぞれ別々の抽選テーブルを設け、当選し得る役の種類や各役の当選確率を異ならせてもよい。本実施形態では、図194に示すように、第1BB状態や第2BB状態において、通常リプAと、共通ベルと、重複1枚役とに当選し得るように設定されている。通常リプA当選となる確率(IV=1の際に当選となる確率)は約61.2分の1であり、共通ベル当選となる確率(IV=10の際に当選となる確率)は約9.02分の1であり、重複1枚役当選となる確率(IV=24の際に当選となる確率)は約1.78分の1である。また、第1BB状態や第2BB状態において、いずれの役にも当選しない外れ結果となる確率は、約3.13分の1である。この場合、1ゲーム当たりで約0.96枚のメダル減少が期待できる(純増枚数マイナス約0.96枚)。
ここで、3ベットゲームにおける通常遊技状態と、3ベットゲームにて移行し得る第1BB状態とにおいて、メダル増加のメインはいずれも13枚払出が発生する第1小役入賞~第6小役入賞により生じるものであり、その役としては、通常遊技状態では押し順ベルであり、第1BB状態においては共通ベルである。これらメイン小役の入賞率を比較すると、通常遊技状態においては、一定の操作順序でストップスイッチ42~44が操作されていることを想定すると、約9.19分の1の確率で入賞するのに対して、第1BB状態においては約9.03分の1の確率で入賞し、3ベットゲームでは、第1BB状態のほうが通常遊技状態よりも入賞が発生し易くなるように設定されている。また、2ベットゲームにおける通常遊技状態と、2ベットゲームにて移行し得る第2BB状態とにおいて、メダル増加のメインはいずれも共通ベルであり、通常遊技状態では約9.64分の1の確率で入賞するのに対して、第2BB状態においては約9.03分の1の確率で入賞し、2ベットゲームにおいても、第2BB状態のほうが通常遊技状態よりも入賞が発生し易くなるように設定されている。
但し、上記のとおり、第1BB状態や第2BB状態では、各ゲームでメダルが減少し得る抽選テーブルを採用していることから、第1BB状態や第2BB状態を消化しても持ちメダルの増加は期待できず、逆に、第1BB状態や第2BB状態を消化することで持ちメダルが減少することが想定される。
ボーナス状態処理において、ステップSc515では、上記のBB状態用抽選テーブルによる抽選処理や各リール制御の結果として、今回のゲームでいずれかの小役入賞が成立したか否かを判定する。入賞が成立していない場合には、そのままボーナス状態処理を終了する。入賞が成立している場合には、ステップSc516にて入賞に対応する払出数を上記各種カウンタエリア106eのBBカウンタから減算する処理を実行する。そして、ステップSc517にて、ステップSc516の減算処理の結果としてBBカウンタが0以下となったか否かを判定する。例えば、第2BB状態において共通ベル当選となり、第1小役入賞~第6小役入賞が成立すると13枚の払出が発生することから、ステップSc516ではBBカウンタから13を減算し、BBカウンタは0以下となる。
ステップSc517にて0以下ではないと判定した場合は、そのままボーナス状態処理を終了する。一方、0以下であると判定した場合、ステップSc518にて、現状のBB状態に対応するBB状態フラグをクリアする処理を行う。すなわち、第1BB状態であれば第1BB状態フラグをクリアし、第2BB状態であれば第2BB状態フラグをクリアする。そして、ステップSc519にてMAXベットカウンタに2を入力する処理を実行し、ステップSc520にて今回終了するBB状態に対応するBB終了コマンドを表示制御装置81への出力対象として設定する。より詳しくは、第1BB状態を終了する場合には第1BB終了コマンドを出力設定し、第2BB状態を終了する場合には第2BB終了コマンドを出力設定する。第1BB終了コマンド又は第2BB終了コマンドを受信した表示制御装置81は、第1BB終了用の演出や第2BB終了用の演出が行われるようにスピーカ64や補助表示部65を制御する。
その後、ステップSc521にて、規定ベット数を2と3に設定してから、本ボーナス状態処理を終了する。この場合、第1BB状態や第2BB状態の終了後の通常遊技状態においては、2ベットゲームと3ベットゲームとが可能となる。これに対して、上記のとおりステップSc519にてMAXベットカウンタに2が入力されることから、第1クレジット投入スイッチ56の操作を行うと、2枚の仮想メダルの投入が行われ、2ベットゲームにてゲームが行われるようになる。つまり、第1BB当選フラグや第2BB当選フラグのいずれもがセットされていない状況においては、2ベットゲームにてゲームが行われ易くなるように設定されている。ちなみに、第1BB状態や第2BB状態の終了後においては、MAXベットカウンタに2が入力されることから第1クレジット投入スイッチ56の操作では3枚ベットができず、3ベットゲームを行うためにはメダル投入口45からメダルを3枚投入する必要がある。
ここで、本スロットマシン10において、2ベットゲームと3ベットゲームとを利用した遊技性について、図195を参照しながら簡単に説明する。
RAM106の初期化(クリア)が行われた初期状態においては、第1BB当選フラグや第2BB当選フラグがセットされておらず、いずれのBBにも当選してない通常遊技状態(非内部状態)である。この場合、上記のとおり、規定ベット数(ゲームの規定枚数)は2枚と3枚が設定されており、2ベットゲームと3ベットゲームとが可能である。但し、MAXベットカウンタは上記のとおり2が入力され、第1クレジット投入スイッチ56を操作して遊技を開始する場合には2ベットゲームとなる。
非内部状態において、3ベットゲームでは第1BBには当選し得る一方、第2BBには当選せず、2ベットゲームでは第2BBには当選し得る一方、第1BBには当選しない。上記のように第1クレジット投入スイッチ56を操作する遊技においては、基本的には2ベットゲームにおいて第2BBの当選が生じ得る。
第1BBや第2BBに当選し、その当選ゲームにおいて入賞が成立しなかった場合には、第1BB当選や第2BB当選を持ち越した持ち越し状態(内部状態)となる。内部状態においても、上記のとおり、規定ベット数(ゲームの規定枚数)は2枚と3枚が設定されており、2ベットゲームと3ベットゲームとが可能である。但し、MAXベットカウンタは上記のとおり3が入力され、第1クレジット投入スイッチ56を操作して遊技を開始する場合には3ベットゲームとなる。
既に説明した通り、本スロットマシン10では、第1BBに当選している内部状態においては、3ベットゲームでは第1BB入賞が成立し得る一方、2ベットゲームでは第1BB入賞が成立しないように各リール32L,32M,32Rの停止制御が行われる。また、第2BBに当選している内部状態においては、3ベットゲームでは第2BB入賞が成立しない一方、2ベットゲームでは第2BB入賞が成立し得るように各リール32L,32M,32Rの停止制御が行われる。つまり、3ベットゲームにおいて第1BBに当選した場合に、そのまま3ベットゲームを継続すれば第1BB入賞を成立させることができるものの、第1BBに当選後、2ベットゲームに切り替えると、当該第1BB入賞を成立させることができない。また、2ベットゲームにおいて第2BBに当選した場合に、そのまま2ベットゲームを継続すれば第2BB入賞を成立させることができるものの、第2BBに当選後、3ベットゲームに切り替えると、当該第2BB入賞を成立させることができない。そして、第1BBや第2BBは重複して当選することはなく、第1BB当選を持ち越している状況で再度第1BBに当選することはないし、第2BBに重複して当選することもない。また、第2BB当選を持ち越している状況で再度第2BBに当選することはないし、第1BBに重複して当選することもない。つまり、第1BBに当選した場合に2ベットゲームで遊技を行うと、第1BB当選を持ち越している内部状態での遊技が延々と継続し、第2BBに当選した場合に3ベットゲームで遊技を行うと、第2BB当選を持ち越している内部状態での遊技が延々と継続することになる。
ここで、上記のように第1BB入賞が3ベットゲームにおいてのみ成立するようにし、第2BB入賞が2ベットゲームにおいてのみ成立するようにしていることから、第2BB当選を持ち越している状況での3ベットゲームでいずれの役にも当選しない外れ結果となった場合であっても第2BB入賞が成立することはないし、第1BB当選を持ち越している状況での2ベットゲームで外れ結果となった場合であっても第1BB入賞が成立することはない。このようにすることで、第1BB当選や第2BB当選を持ち越している内部状態における役構成や各リール32L,32M,32Rの制御を劇的に簡素化することが可能となる。仮に、3ベットゲームにおいて第2BB入賞が成立し得る構成であったり、2ベットゲームにおいて第1BB入賞が成立し得る構成であったりすると、その第1BB当選や第2BB当選を持ち越している内部状態を継続させようとする場合、外れ結果とならないような抽選テーブルとする必要が生じるし、例えば取りこぼしが生じ得る役において、その取りこぼし時に別の役に入賞させる必要が生じるからである。
また、第1BB状態や第2BB状態においては、メダル増加のメインとなる役はいずれも共通ベルである。また、非内部状態や内部状態において、2ベットゲームでのメダル増加のメインとなる役は共通ベルであるのに対して、3ベットゲームでのメダル増加のメインとなる役は押し順ベルである。共通ベルについては、各ストップスイッチ42~44の操作順序や操作タイミングに関わらず第1小役~第6小役のいずれかの入賞が成立するものであるのに対して、押し順ベルについては、各ストップスイッチ42~44の操作順序や操作タイミングによって入賞する小役が異なる。つまり、第1BB状態や第2BB状態よりも、3ベットゲームでの非内部状態や内部状態の方が、押し順ベル当選時の操作順序や操作タイミング(主に操作順序)によるメダル増減の振れ幅は大きい。そして、例えば、押し順ベル当選時に第1小役入賞~第6小役入賞となる操作順序(図194)の報知等を行うことで、入賞をアシストするATモード(アシストタイムモード、ナビモード)と行わない非ATモード(非ナビモード)とを切り替えることで、その報知(アシスト)の有無によってメダルが増加する状態とメダルが減少する状態とを創出することも可能となる。
そして、第1クレジット投入スイッチ56を操作する遊技において、先ず、非内部状態においては2ベットゲームにて遊技が行われ、その2ベットゲームにて第2BBに当選する。第2BBに当選すると、内部状態となり、第1クレジット投入スイッチ56を操作する遊技では3ベットゲームに切り替わり、上記当選した第2BB入賞を成立させることができない状態のまま遊技が進行する。この場合、上記のように、第2BB当選を持ち越した3ベットゲームにおいては、第1BBに当選となることもないし第2BB入賞となることもなく、一般的には、第2BB当選が持ち越される内部状態での遊技が継続されることになる。
本スロットマシン10においては、第1BB当選フラグについては、各種フラグ格納エリア106dにおける通常用エリアに格納されるのに対して、第2BB当選フラグについては、各種フラグ格納エリア106dにおける保存用エリアに格納される構成としている。通常用エリアは、他の役の当選フラグ等、各種一般的なフラグが格納されるエリアである。通常用エリアに記憶されている各フラグは、スロットマシン10への電力供給が停止しても(電源がOFFされても)バックアップ電力等により記憶保持される。そのため、例えば、遊技ホールの閉店時に電源をOFFとしても、翌日、電源をONとすれば、その通常用エリアに記憶されている各種フラグが記憶されたままスロットマシン10が起動され、第1BB当選フラグがセットされた状態で電源ON/OFFが行われたとしても、第1BB当選フラグがセットされた状態でスロットマシン10が起動される。但し、スロットマシン10の立ち上げ時に当選確率の設定処理が起動される場合(設定変更が行われる場合)、通常用エリアの初期化処理(クリア処理)が行われる。そのため、当選確率の設定処理が行われると、第1BB当選フラグは、これら通常用エリアに格納されている他のフラグとともにクリアされる。
これに対して、保存用エリアは、第2BB当選用フラグのみが格納されるエリアである。上記の通常用エリアと同様に、保存用エリアに記憶されるフラグは、電源ON/OFFではクリアされない。更に、保存用エリアでは、スロットマシン10の立ち上げ時に当選確率の設定処理が起動される場合であっても、保存用エリアの初期化処理は行われない(初期化処理の対象外とされる)。そのため、当選確率の設定処理が行われても、保存用エリアに格納されている第2BB当選フラグはクリアされず保持(保存)される。つまり、第1BB当選フラグが格納された第1BB当選の内部状態で当選確率の設定処理が行われた場合には、その第1BB当選フラグがクリアされて非内部状態として起動されるのに対して、第2BB当選フラグが格納された第2BB当選の内部状態で当選確率の設定処理が行われた場合には、その第2BB当選フラグがクリアされずに第2BB当選の内部状態のままで起動される。このようにすることで、第2BB当選が持ち越される内部状態での遊技を、スロットマシン10の電源ON/OFFだけでなく、設定変更時においても、継続させることが可能となる。
そうすると、第2BB当選を持ち越す内部状態での遊技を行わせるためには、基本的には、スロットマシン10の工場出荷時において2ベットゲームにて第2BB当選となるまで遊技を行えばよく、その後は、リセットスイッチ72の操作が行われてRAMクリア処理が実施されるまで、その第2BB当選が記憶保持されることとなる。このようにすることで、第2BB当選を持ち越した状態での遊技を好適に実施させることが可能となる。
以下、第2BB当選を持ち越した状態での遊技を前提とし、その遊技(以下の説明では、通常遊技とも称する)での押し順ベル当選時の報知(押し順報知)等を利用した遊技性を説明する。
<抽選結果対応処理>
先ず、図196のフローチャートを参照しながら、ステップSc310にて実施される抽選結果対応処理について説明する。抽選結果対応処理は、各ゲームの抽選処理が行われた後に実施される処理であり、ゲームの抽選結果に基づいて押し順報知が発生するATモードへの移行抽選等を行う処理である。
先ず、ステップSc601では、現状の遊技状態を把握する処理を行う。より詳しくは、第1BB状態及び第2BB状態のいずれかであるか、それとも第1BBや第2BB当選前の非内部状態(通常遊技状態)であるか、又は第1BBや第2BB当選後の内部状態(持ち越し状態)であるか、を把握する。第1BB状態や第2BB状態においては規定枚数(規定ベット数)として3が設定されており、第1BBや第2BBの当選前の非内部状態や、第1BBや第2BB当選後の内部状態においては規定枚数(規定ベット数)として2と3が設定されている。そして、ステップSc602では、今回のゲームのベット数が、ステップSc601にて把握した状態において規定されている一の規定枚数(特定規定数)であるか否かの判定を行う。本実施形態では、第1BB状態や第2BB状態の特定規定数を3としており、この場合、第1BB状態や第2BB状態でのベットの規定枚数は3であることから、ステップSc601にて第1BB状態又は第2BB状態であると判定した場合には、ステップSc602では必ず肯定判定する。これに対して、本実施形態では、第1BB状態及び第2BB状態以外の状態では、規定枚数の2及び3のうち3が特定規定数として設定されており、当該第1BB状態及び第2BB状態以外の状態でベット数が3である場合に、ステップSc602にて肯定判定する。この場合、ステップSc603以降の表示モード用の処理(指示機能用の処理)が行われる。これに対して、第1BB状態及び第2BB状態以外の状態でベット数が2である場合には、ステップSc602にて否定判定し、そのまま抽選結果対応処理を終了する。
つまり、本実施形態では、仮に内部状態が2ベットゲームにて遊技された場合、ステップSc603以降のATモードへの移行抽選等が行われずに遊技者にとって不利となる構成としている。このようにすることで、内部状態を3ベットゲームにて遊技させ、第2BBを持ち越す通常遊技を行わせ易くすることができる。なお、第1BB状態や第2BB状態の特定規定数を2として設定し、第1BB状態や第2BB状態では、ステップSc602にて必ず否定判定するようにし、表示モード用の処理が行われないようにしてもよい。
ステップSc602にて肯定判定した場合、ステップSc603にて、各種フラグ格納エリア106dに有利区間フラグがセットされているか否かを判定する。本スロットマシン10では、押し順報知等の発生の有無について、当該押し順報知等が発生し得る有利区間と、発生し得ない通常区間とが設定されている。有利区間フラグは、今回のゲームが有利区間であることをCPU102が把握するためのフラグであり、有利区間へ移行することに基づいてセットされ、通常区間に移行することに基づいてクリアされる。
有利区間フラグがセットされていない場合、今回のゲームが通常区間であることを意味し、この場合、ステップSc604にて有利区間移行抽選処理を実行してから、抽選結果対応処理を終了する。
有利区間移行抽選処理では、図197のフローチャートに示すように、ステップSc701にて今回のゲームの抽選結果を把握する。そしてステップSc702にて、ROM105の各種テーブル記憶エリア105aから有利区間移行抽選テーブルを取得する。有利区間移行抽選テーブルは、図202に示すように、各ゲームの抽選結果に応じて、有利区間への移行率(有利区間移行抽選の当選確率)が設定されている。有利区間への移行抽選の契機役としては、図202にも示すように、通常リプA、通常リプB、通常リプC、チャンス目A、チャンス目B、チャンス目C、チェリーA、チェリーB、チェリーC、共通ベル、押し順ベル、スイカが設定されている。すなわち、第2BBを持ち越している3ベットゲームとしての通常遊技において、当選し得る全ての結果が有利区間への移行抽選の契機役として設定されている。
ステップSc702にて抽選テーブルを取得した後は、ステップSc703にて有利区間移行抽選用の乱数を取得する処理を実行する。有利区間移行抽選用の乱数は、各種カウンタエリア106eの専用のカウンタが用いられ、当該専用のカウンタは所定周期で更新され、ステップSc703ではそのカウンタのうち最新の更新値を取得する。そして、ステップSc704にて有利区間移行抽選を実行し、ステップSc705にて、移行抽選に当選したか否かを判定する。ちなみに、本実施形態では、いずれの契機役であっても100%の確率で有利区間移行抽選に当選するように抽選テーブルが設定されている。この場合、ステップSc701にて把握したゲームの結果が、移行抽選の契機役である(外れ結果ではない)と判定した場合、ステップSc702~ステップSc705の処理を省略することも可能である。
ステップSc705にて移行抽選に当選していると判定した場合、ステップSc706にて、各種フラグ格納エリア106dに有利区間当選ゲームフラグをセットする処理を実行する。有利区間当選ゲームフラグは、今回のゲームで有利区間への移行抽選に当選したゲームであることをCPU102が把握するためのフラグである。ステップSc705にて否定判定した場合、又はステップSc706の処理を実行した後は、有利区間移行抽選処理を終了する。
抽選結果対応処理の説明に戻り、ステップSc603にて有利区間フラグがセットされていると判定した場合、ステップSc605に進む。ステップSc605では、各種フラグ格納エリア106dにATモード当選フラグ又はATモードフラグがセットされているか否かを判定する。ATモード当選フラグは、ATモードへの移行抽選に当選した場合にセットされるフラグであり、ATモードフラグは、ATモードへ移行する際にセットされるフラグである。つまり、ステップSc605では、既にATモードへの移行が確定している状況又は移行済みの状況であるか否かを判定する。ステップSc605にていずれのフラグもセットされておらず、未だATモードへの移行が確定していない状況である場合には、ステップSc606にてAT抽選用処理を実行する。一方、ステップSc605にていずれかのフラグがセットされている場合、ステップSc607にてAT上乗せ用処理を実行する。
<AT抽選用処理>
先ず、ステップSc606のAT抽選用処理について図198のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップSc801では、各種カウンタエリア106eに設けられた天井カウンタの減算処理を実行する。天井カウンタは、有利区間においてATモードへの移行が生じることなく消化され得る最大ゲーム数(天井ゲーム数)をCPU102が把握するためのカウンタである。天井カウンタには、有利区間への移行時に所定の抽選値が入力される。なお、本実施形態では天井カウンタの最大値は、999に設定されている。つまり、有利区間に移行してから最大で999ゲームを消化することで、ATモードの移行抽選に当選しなくてもATモードへの移行が生じることになる。ステップSc801では、上記天井カウンタを1減算する処理を実行する。そして、ステップSc802では、天井カウンタが0となったか否かを判定する。0ではない場合、ステップSc803~ステップSc805にてATモード移行抽選を実行する。
すなわち、ステップSc803では、各種フラグ格納エリア106dに第1CZモードフラグ、第2CZモードフラグ及び第3CZモードフラグのいずれかがセットされているか否かを判定する。本実施形態では、有利区間であってATモードへの移行抽選に当選前の状態として、通常モードとCZモードとが設けられており、CZモードは通常モードよりもATモードへの移行抽選に当選し易いモードとして設定されている。CZモードとしては、移行契機が異なる第1CZモード、第2CZモード及び第3CZモードが設定されており、上記の第1CZモードフラグ~第3CZモードフラグは、それら第1CZモード~第3CZモードをCPU102が区別するためのフラグである。そして、ステップSc803にていずれかのCZモードフラグがセットされていないと判定した場合は、ステップSc804にて通常用ATモード抽選処理を実行し、ステップSc803にていずれかのCZモードフラグがセットされている場合には、ステップSc805にてCZ用ATモード抽選処理を実行する。
ステップSc804の通常用ATモード抽選処理では、図199のフローチャートに示すように、先ず、ステップSc901にて今回のゲームの抽選結果を把握する。そして、ステップSc902にて、ROM105の各種テーブル記憶エリア105aから通常用ATモード移行抽選テーブルを取得する。通常用ATモード移行抽選テーブルは、図202に示すように、各ゲームの抽選結果に応じて、ATモードへの移行率(ATモード移行抽選の当選確率)が設定されている。通常用ATモード移行抽選の契機役としては、図202にも示すように、通常リプA、通常リプB、通常リプC、チャンス目A、チャンス目B、チャンス目C、チェリーA、チェリーB、チェリーC、共通ベル、押し順ベル、スイカが設定されている。すなわち、第2BBを持ち越している3ベットゲームとしての通常遊技において、当選し得る全ての結果が通常用ATモード移行抽選の契機役として設定されている。
ステップSc902にて抽選テーブルを取得した後は、ステップSc903にてATモード移行抽選用の乱数を取得する処理を実行する。そして、ステップSc904にて、ATモード移行抽選を実行してから、本ATモード抽選処理を終了する。すなわち、通常用ATモード抽選処理においては、各ゲームの抽選結果に基づいてATモード移行抽選を行う。
これに対して、CZモード中のATモード移行抽選では、CZモード中の複数のゲームの抽選結果を利用してATモード移行抽選を行う。
すなわち、ステップSc805のCZ用ATモード抽選処理では、図200のフローチャートに示すように、先ず、ステップSc1001にて今回のゲームの抽選結果を把握する。そして、ステップSc1002にて、ROM105の各種テーブル記憶エリア105aからポイントテーブルを取得する処理を実行する。
ポイントテーブルは、図202に示すように、各ゲームの抽選結果に応じて、今回のゲームで取得するポイント値が異なり得るように設定されており、例えば、今回のゲームの抽選結果がチェリーAである場合には20ポイントを取得し、今回のゲームの抽選結果がチェリーAよりも当選しにくいチェリーBである場合には50ポイントを取得する、といったように、各ゲームの抽選処理において当選確率が低い結果ほど、多くのポイントを取得するように設定されている。
そして、ステップSc1003にて各種カウンタエリア106eに設けられた累積カウンタRCに、今回のゲームで取得されるポイント値を加算する処理を実行する。なお、本実施形態では、各ゲームの抽選結果コマンドに当該累積カウンタRCの情報が含まれるように設定されており、各ゲームの抽選結果とともに当該累積カウンタRCの値を表示制御装置81側でも把握可能となっている。
続くステップSc1004では、各種カウンタエリア106eに設けられたCZカウンタを把握する処理を実行する。CZカウンタは、CZモードの残りゲーム数をCPU102が把握するためのカウンタであり、CZモードにおいて1ゲーム消化される度に1ずつ減算されるカウンタである。そして、ステップSc1005にて、各種テーブル記憶エリア105aからCZ用ATモード移行抽選テーブルを取得する処理を実行し、ステップSc1006にて、ATモード移行抽選を実行してから、CZ用ATモード抽選処理を終了する。
CZ用ATモード移行抽選テーブルは、図203に示すように、CZカウンタと累積カウンタRCとによって、ATモード移行抽選の当選確率が異なるように設定されている。より詳しくは、CZカウンタの値と累積カウンタRCの値とに応じて設定される所定数と累積カウンタRCとの積が、ATモード移行抽選の当選確率(%)として設定されており、例えば、CZカウンタが16以上である場合には、累積カウンタRCが0~59であれば所定数が0.1として設定され、累積カウンタRCが80~100であれば所定数が0.6として設定される。この場合、CZカウンタが16以上であり、累積カウンタRCが30であれば、所定数(0.1)と累積カウンタRC(30)との積により、ATモード移行抽選の当選確率は3%となる。また、CZカウンタが16以上であり、累積カウンタRCが90であれば、所定数(0.6)と累積カウンタRC(90)との積により、ATモード移行抽選の当選確率は54%となる。また、CZカウンタが3~1である場合には、累積カウンタRCが0~9であれば所定数が0.5として設定され、累積カウンタRCが50~100であれば所定数が1.0として設定される。この場合、CZカウンタが3~1であり、累積カウンタRCが5であれば、所定数(0.6)と累積カウンタRC(5)との積により、ATモード移行抽選の当選確率は3%となる。また、CZカウンタが3~1であり、累積カウンタRCが90であれば、所定数(1.0)と累積カウンタRC(90)との積により、ATモード移行抽選の当選確率は90%となる。
つまり、本実施形態におけるCZモードにおいては、CZモード中の各ゲームで獲得したポイント値が大きいほどATモード移行抽選に当選し易く、且つ、CZモードの残りゲーム数が少なくなるほどATモード移行抽選に当選し易くなるように設定されている。そして、CZモード中の各ゲームで獲得したポイント値が大きくても、CZモードの残りゲーム数が多い場合にはATモード移行抽選に当選しにくくなるように設定されている。このように、CZモード移行後、早々にATモード移行抽選に当選してしまうことが抑制されており、CZモード中の各ゲームの抽選結果への注目度を高めながらCZモード中の遊技(演出)を最後まで楽しませるための工夫が施されている。
AT抽選用処理の説明に戻り、ステップSc804又はステップSc805にてATモード抽選処理を実行した後は、ステップSc806にて、これらステップSc804やステップSc805のATモード抽選処理におけるATモード移行抽選に当選したか否かを判定する。当選している場合は、ステップSc807~ステップSc810のATモード当選用の処理を実行し、当選していない場合には、ステップSc811~ステップSc819のATモード非当選用の処理を実行する。
すなわち、ATモード移行抽選に当選している場合、先ず、ステップSc807にて前兆モードの設定処理を実行する。なお、ステップSc802にて天井カウンタが0となった場合にも、ステップSc807に進み、かかる前兆モードの設定処理を行う。前兆モードとは、ATモード移行抽選に当選する等してATモードへの移行が生じ得る状況となった場合、補助表示部65やスピーカ64にて当該ATモードへの移行が生じ得る状況となったことを示唆する前兆演出を行うモードである。ステップSc807では、ATモードへの移行が生じ得る状況となった契機に応じて当該前兆モードのゲーム数等を設定する処理を行う。
すなわち、前兆モードの設定処理では、図201のフローチャートに示すように、先ず、ステップSc1101にて、上記の累積カウンタRCを把握する処理を実行し、続くステップSc1102にて、CZカウンタを把握する処理を実行する。そして、ステップSc1103にて各種テーブル記憶エリア105aから即報知抽選テーブルを取得する処理を実行し、ステップSc1104にて即報知抽選処理を実行する。即報知抽選処理では、ATモードへの移行が生じ得る状況となったことの報知を、上記前兆演出を介することなく実行するか否かの抽選を行う。
即報知抽選テーブルは、図204に示すように、CZカウンタと累積カウンタRCとに応じて、即報知抽選の当選確率が異なるように設定されている。より詳しくは、CZカウンタの値が小さくなるほど、すなわちCZモードの残りゲーム数が少なくなるほど即報知抽選に当選し易く、また、累積カウンタRCの値が大きくなるほど、すなわちCZモード中に獲得したポイント値が大きいほど即報知抽選に当選し易くなるように設定されている。なお、CZカウンタが0であり、通常モード中のATモード移行当選である場合、本実施形態では、即報知抽選に100%の確率で当選する構成としている。
ステップSc1105では、ステップSc1104の即報知抽選に当選したか否かの判定を行う。即報知抽選に当選していない場合、ステップSc1106~ステップSc1113にて前兆モード用の処理を行い、即報知抽選に当選している場合、ステップSc1114~ステップSc1119にてATモードの報知用の処理を行う。
即報知抽選に当選していない場合、ステップSc1106では、今回のATモード移行抽選に当選となった状況がCZモードのうちの第1CZモード又は第3CZモードであったか否かを判定する。第1CZモードや第3CZモードではなく、第2CZモードである場合には、ステップSc1107にて前兆演出ゲーム数の抽選処理を実行する。そして、ステップSc1108にて、ステップSc1107の抽選結果と、現状のCZカウンタ(CZモードの残りゲーム数)と、を加算した値を、各種カウンタエリア106eに設けられた前兆カウンタに入力する処理を実行する。前兆カウンタは、ATモードへの移行が生じ得る状況となってから、その状況となったことの報知(AT当選報知演出)が行われるまでのゲーム数をCPU102が把握するためのカウンタである。
ステップSc1107の前兆演出ゲーム数の抽選処理では、各種テーブル記憶エリア105aから前兆演出ゲーム数テーブルを取得して、今回の前兆演出ゲーム数をランダムに設定する。前兆演出ゲーム数テーブルは、図205に示すように、13ゲーム~15ゲームのうちのいずれかが選択されるように設定されており、例えば、15ゲームが選択され易い一方、13ゲームや14ゲームは選択されにくい、といったように、ゲーム数によって選択率が異なっている。例えば、前兆演出ゲーム数抽選処理にて14ゲームが選択され、CZモードの残りゲーム数が3ゲームである場合、前兆カウンタには17が入力され、ATモードへの移行が生じ得る状況となってから(ATモード当選フラグがセットされてから)、17ゲーム後にその旨の報知が行われることになる。
ステップSc1108にて前兆カウンタの入力処理を実行した後は、ステップSc1109にて、各種フラグ格納エリア106dに前兆フラグをセットする処理を実行する。そして、ステップSc1110にて前兆コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本前兆モードの設定処理を終了する。前兆フラグは、前兆モードの設定が行われたことをCPU102が把握するためのフラグであり、前兆コマンドは、当該前兆モードの設定が行われたことを表示制御装置81に把握させるためのコマンドである。また、前兆コマンドには、上記前兆カウンタの値が含まれ、表示制御装置81では、ATモードへの移行が生じ得る状況となったことの報知を行うべきゲームを当該前兆カウンタの値から把握することが可能となる。なお、前兆コマンドを受信した場合の表示制御装置81側の処理については、後に詳細に説明する。
ステップSc1106にて第1CZモードや第3CZモードである場合、ステップSc1111にて第1CZモードであるか否かを判定し、第1CZモードである場合、ステップSc1112にて、CZカウンタに予め定められた所定数(5)を加算した値を、前兆カウンタに入力する処理を実行する。また、ステップSc1111にて第1CZモードではなく第3CZモードであると判定した場合、ステップSc1113にてCZカウンタの値を前兆カウンタに入力する処理を実行する。そして、ステップSc1109の前兆フラグのセット処理、ステップSc1110の前兆コマンドのセット処理を実行した後、前兆モードの設定処理を終了する。この場合、第1CZモードでは当該第1CZモードの残りゲーム数が0となってから予め定められた所定数のゲームが実行されることで、また、第3CZモードでは当該第3CZモードの残りゲーム数が0となることで、ATモード移行抽選に当選した旨の報知が行われる。
つまり、ATモード移行抽選に当選した場合のCZモードの種類によってATモード移行抽選に当選した旨の報知が行われるまでのゲーム数が異なり、第1CZモードは第2CZモードや第3CZモードよりも少ないゲーム数でATモード移行抽選に当選した旨の報知が行われることになる。このような構成としていることの理由は、CZモード中の演出内容の説明に際して詳細に説明する。
ステップSc1105にて即報知抽選に当選していると判定した場合、ステップSc1114に進む。ステップSc1114では、CZカウンタを0にクリアする処理を実行する。その後、ステップSc1105にて、今回のATモードの種別を第1ATモードとするか、第2ATモードとするかのAT種別決定処理を行う。本実施形態では、ATモードとしてATモード中の上乗せ性能(上乗せ抽選の当選確率)が異なる第1ATモードと第2ATモードとが設定されており、第1ATモードよりも第2ATモードの方が上乗せ性能が優れている(上乗せ抽選に当選し易いように設定されている)。ステップSc1115のAT種別決定処理では、例えば、設定値や前回のATモードの種別、有利区間中のメダル増加数や有利区間中のゲーム数等に応じて、又はランダムに今回のATモード種別を抽選により決定する。
ステップSc1116では、ステップSc1115の処理結果に基づいて、第1ATモードとして決定されたか否かを判定する。第1ATモードである場合、ステップSc1117にて各種フラグ格納エリア106dに第1AT用報知フラグをセットする処理を実行し、ステップSc1118にて第1AT当選即報知コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本前兆モードの設定処理を終了する。第1AT用報知フラグは、第1ATモードの開始に際して各リール32L,32M,32Rにて第1AT開始用の出目を出現させることをCPU102が把握するためのフラグであり、第1AT当選即報知コマンドは、第1ATモードへの移行が生じ得る状況となったことを表示制御装置81へ把握させるためのコマンドである。当該第1AT当選即報知コマンドを受信した表示制御装置81側の処理については、後に詳細に説明する。
ステップSc1116にて第1ATではなく第2ATであると判定した場合、ステップSc1119にて各種フラグ格納エリア106dに第2AT用報知フラグをセットする処理を実行し、ステップSc1120にて第2AT当選即報知コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本前兆モードの設定処理を終了する。第2AT用報知フラグは、第2ATモードの開始に際して各リール32L,32M,32Rにて第2AT開始用の出目を出現させることをCPU102が把握するためのフラグであり、第2AT当選即報知コマンドは、第2ATモードへの移行が生じ得る状況となったことを表示制御装置81へ把握させるためのコマンドである。当該第2AT当選即報知コマンドを受信した表示制御装置81側の処理についても、後に詳細に説明する。
AT抽選用処理の説明に戻り、ステップSc807にて前兆モードの設定処理を実行した後は、ステップSc808にていずれかのCZモードフラグがセットされているか否かの判定を行う。いずれかのCZモードフラグがセットされている場合には、ステップSc809にて、セットされているCZモードフラグをクリアする処理を実行する。ステップSc808にて否定判定した場合、又はステップSc809の処理を実行した後は、ステップSc810にて、ATモード当選フラグをセットする処理を実行してから、本AT抽選用処理を終了する。かかる処理を行うことにより、次ゲーム以降の抽選結果対応処理では、ステップSc605にて肯定判定することになる。
ステップSc806にてATモード移行抽選に非当選であると判定した場合、ステップSc811にていずれかのCZモードフラグがセットされているか否かを判定する。いずれのCZモードフラグもセットされておらず、通常モードである場合、ステップSc812~ステップSc819にてCZモードへの移行抽選等を行う。これに対して、いずれかのCZモードフラグがセットされている場合には、ステップSc812~ステップSc819の処理を行うことなく、そのままAT抽選用処理を終了する。
すなわち、ステップSc812では、各種カウンタエリア106eに設けられた有利区間ゲーム数AGが予め定められた第1所定値(31)以上であって、予め定められた第2所定値(700)以下であるか否かを判定する。有利区間ゲーム数AGは、有利区間のゲーム数をCPU102が把握するためのカウンタであり、有利区間へ移行してから1ゲーム毎に1ずつ加算され、有利区間が終了する際にリセットされる。有利区間ゲーム数AGが第1所定数未満である場合や第2所定数よりも大きい場合には、CZモードへの移行抽選等を行うことなくそのまま、AT抽選用処理を終了する。
本実施形態では、有利区間移行時にCZモードに設定される場合があり、第1所定数は、当該有利区間移行時に設定されるCZモードでのATモード移行抽選の当否結果の報知が終了するまでに要するゲーム数よりも多い数として設定されている。また、上記のように、本実施形態では、有利区間移行時に設定される天井カウンタが0となることでATモード移行抽選を介することなくATモードへの移行が許容される構成としており、上記の第2所定値は、有利区間移行時に設定される天井カウンタの上限値(999)に近い値であって、より詳しくは上限値の7割の値として700として設定されている。
つまり、天井カウンタの上限値に近い値まで有利区間を消化すると、CZモードへの移行抽選等が行われなくなる構成としている。なお、天井カウンタの設定処理については後に詳細に説明するが、有利区間移行時に当該第2所定値よりも小さい値が天井カウンタに設定される場合もあり、この場合、CZモード移行抽選等が行われる上限ゲーム数(700)に至る前に、天井に到達してATモードへの移行が許容される。言い換えると、第2所定値よりも小さい値が天井カウンタに入力されていても、天井に至る直前でCZモード移行抽選に当選する場合がある。
ステップSc812にて有利区間ゲーム数AGがCZモード移行抽選等を行う範囲内である場合、ステップSc813にて、各種テーブル記憶エリア105aからCZモード移行抽選テーブルを取得する処理を実行し、ステップSc814にてCZモード移行抽選処理を実行する。CZモード移行抽選テーブルは、図202に示すように、各ゲームの抽選結果に応じて、CZモードへの移行率(CZモード移行抽選の当選確率)が設定されている。例えば、今回のゲームの抽選結果がチャンス目Aであれば、7%の確率でCZモード移行抽選に当選し、今回のゲームの抽選結果がチャンス目Aよりも当選しにくいチャンス目Bであれば、チャンス目Aの場合よりも高い15%の確率でCZモード移行抽選に当選する、といったように、ゲームの抽選結果として出現率の低い結果ほど、CZモード移行抽選に当選し易くなるように設定されている。
ステップSc814にてCZモード移行抽選を実行した後は、ステップSc815にて、CZモード移行抽選に当選したか否かを判定する。非当選である場合には、そのままAT抽選用処理を終了する。CZモード移行抽選に当選している場合には、ステップSc816にて、第2CZモードゲーム数抽選処理を実行し、ステップSc817にて、その抽選結果に応じたゲーム数をCZカウンタに入力し、ステップSc818にて第2CZモードフラグをセットする処理を実行する。すなわち、有利区間において通常モード中のCZモード移行抽選に当選した場合、第2CZモードに設定され、そのゲーム数は、ステップSc816の抽選処理によって決定される。第2CZモードゲーム数の抽選処理では、各種テーブル記憶エリア105aから第2CZモードゲーム数テーブルを取得して、今回の第2CZモードのゲーム数をランダムに設定する。第2CZモードゲーム数テーブルは、図205に示すように、8ゲーム~15ゲームのうちのいずれかが選択されるように設定されており、例えば、10ゲームや11ゲームが選択され易い一方、8ゲームや15ゲームは選択されにくい、といったように、ゲーム数によって選択率が異なっている。例えば、第2CZモードゲーム数抽選処理にて10ゲームが選択された場合、ステップSc817では、CZカウンタに10が入力されることになる。
ステップSc818にて第2CZモードフラグをセットした後は、ステップSc819にて第2CZモード開始コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、AT抽選用処理を終了する。第2CZモード開始コマンドを受信した表示制御装置81側の処理については、後に詳細に説明する。
<AT上乗せ用処理>
次に、ステップSc607にて実行されるAT上乗せ用処理について、図206のフローチャートを参照しながら説明する。既に説明した通り、AT上乗せ用処理は、ATモード当選フラグやATモードフラグがセットされている状況で実行される処理であり、ATモードの継続ゲーム数の上乗せを行うための処理である。
AT上乗せ用処理では、先ずステップSc1201にて、今回のゲームの抽選結果を把握する。そして、ステップSc1202~ステップSc1208にて、現状の状況に応じた上乗せ抽選テーブルを取得する処理を実行する。すなわち、ステップSc1202では、ATモード当選フラグがセットされており、ATモードへの移行が生じ得る状況となってから、未だATモードへの移行が生じていない状況か否かを判定する。ATモード移行前の状況であれば、ステップSc1202にて肯定判定し、ステップSc1203にて各種フラグ格納エリア106dに第1AT用報知フラグ又は第2AT用報知フラグがセットされているか否かを判定する。第1AT用報知フラグや第2AT用報知フラグがセットされている状況とは、既にATモードへの移行が生じ得る状況となったことの報知(AT当選報知演出)が実行された後であって、且つATモードへの移行が生じていない状況であることを意味する。言い換えると、ステップSc1203にて第1AT用報知フラグ及び第2AT用報知フラグのいずれもがセットされていない状況とは、ATモードへの移行が生じ得る状況となったものの、未だその旨の報知が行われていない状況(前兆モード)であることを意味する。
そこで、ステップSc1203にて第1AT用報知フラグ及び第2AT用報知フラグのいずれもがセットされていないと判定した場合、ステップSc1204にて、各種テーブル記憶エリア105aから当選後当選報知前上乗せ抽選テーブルを取得する処理を実行し、ステップSc1203にていずれかのフラグがセットされていると判定した場合、ステップSc12056にて当選報知後移行前上乗せ抽選テーブルを取得する処理を実行する。
図207に示すように、当選後当選報知前上乗せ抽選テーブルと、当選報知後移行前上乗せ抽選テーブルとを比較すると、当選報知後移行前上乗せ抽選テーブルを用いた上乗せ抽選の方が、当選後当選報知前上乗せ抽選テーブルを用いた上乗せ抽選よりも上乗せ抽選に当選し易くなるように設定されている。より詳しくは、例えば、チャンス目Bを契機とする上乗せ抽選において、当選後当選報知前上乗せ抽選テーブルを用いた上乗せ抽選では5%の確率で当選するのに対して、当選報知後移行前上乗せ抽選テーブルを用いた上乗せ抽選では7%の確率で当選し、ATモード移行前の状況において、ATモード当選報知前よりも当選報知後の方が上乗せ抽選に当選し易くなっている。
ステップSc1202にてATモード当選フラグがセットされていない場合とは、ATモードフラグがセットされている場合であり、既にATモードへの移行が生じていることを意味する。この場合、ステップSc1206にて各種フラグ格納エリア106dに第1ATフラグがセットされており、現状のATモードが第1ATモードであるか否かを判定する。第1ATモードである場合、ステップSc1207にて、各種テーブル記憶エリア105aから第1AT用上乗せ抽選テーブルを取得する処理を実行し、第2ATモードである場合、ステップSc1208にて、各種テーブル記憶エリア105aから第2AT用上乗せ抽選テーブルを取得する処理を実行する。
図207に示すように、第1AT用上乗せ抽選テーブルと、第2AT用上乗せ抽選テーブルとを比較すると、第2AT用上乗せ抽選テーブルを用いた上乗せ抽選の方が、第1AT用上乗せ抽選テーブルを用いた上乗せ抽選よりも上乗せ抽選に当選し易くなるように設定されている。より詳しくは、例えば、チェリーBを契機とする上乗せ抽選において、第1AT用上乗せ抽選テーブルを用いた上乗せ抽選では10%の確率で当選するのに対して、第2AT用上乗せ抽選テーブルを用いた上乗せ抽選では20%の確率で当選し、ATモード移行後の状況において、第1ATモード中よりも第2ATモード中の方が上乗せ抽選に当選し易くなっている。
ステップSc1204、ステップSc1205、ステップSc1207及びステップSc1208のいずれかの処理で、上乗せ抽選テーブルを取得した後は、ステップSc1209にて上乗せ抽選を実行する。そして、ステップSc1210にて上乗せ抽選に当選したか否かの判定を行う。上乗せ抽選に非当選であった場合には、そのままAT上乗せ用処理を終了する。上乗せ抽選に当選であった場合には、ステップSc1211にて上乗せゲーム数抽選処理を実行する。上乗せゲーム数抽選処理では、各種テーブル記憶エリア105aから上乗せゲーム数テーブルを取得し、今回の上乗せゲーム数を抽選により決定する。上乗せゲーム数テーブルは、図207に示すように、上乗せ契機となったゲームの抽選結果に応じて、上乗せゲーム数が異なるように設定されており、例えば、通常リプAを契機として上乗せが行われる場合には平均150ゲームの上乗せが発生する一方、チェリーAを契機として上乗せが行われる場合は平均15ゲームの上乗せが発生する、といったように、上乗せ抽選に当選しにくい契機にて上乗せが行われる場合の方が上乗せゲーム数が多くなるように設定されている。
ステップSc1211にて上乗せゲーム数抽選処理を実行した後は、ステップSc1212にて各種カウンタエリア106eに設けられたATカウンタに、今回の上乗せゲーム数を加算する処理を実行する。ATカウンタは、ATモードの残りゲーム数をCPU102が把握するためのカウンタである。ステップSc1212の処理を実行した後は、ステップSc1213にて上乗せコマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、AT上乗せ用処理を終了する。上乗せコマンドを受信した表示制御装置81は、上乗せが行われたことに対応する上乗せ報知演出を補助表示部65やスピーカ64にて行うための処理を実行する。
抽選結果対応処理(図196)の説明に戻る。
ステップSc606又はステップSc607の処理を実行した後は、ステップSc608にて、今回のゲームの抽選結果が押し順役当選であったか否かを判定する。押し順役とは、押し順ベルのほか、通常リプA、通常リプB、通常リプCを含む結果である。通常リプA、通常リプB、通常リプCは、いずれも複数の再遊技に重複して当選となる結果であり、ストップスイッチ42~44の操作順序によって入賞を成立させる再遊技が異なり得るように設定されている。
具体的には、図208に示すように、通常リプAは、各ストップスイッチ42~44の操作順序に関わらず、基本的には第1再遊技入賞が成立するように各リール32L,32M,32Rの停止制御が行われる。これに対して、通常リプB、通常リプCは、右ストップスイッチ44が最初に操作された場合には、第2再遊技入賞や第3再遊技入賞が成立するように各リール32L,32M,32Rの停止制御が行われ、左ストップスイッチ42又は中ストップスイッチ43が最初に操作された場合には、第1再遊技入賞が成立するように各リール32L,32M,32Rの停止制御が行われる。但し、これら通常リプA、通常リプB、通常リプCにおいて、重複当選している再遊技のうちのいずれの再遊技入賞が成立しても、付与される特典は再遊技であり、成立する再遊技の種類だけが異なるものである。言い換えると、通常リプA、通常リプB、通常リプCは、ストップスイッチ42~44の操作順序に関わらず再遊技入賞が成立するものの、操作順序によって停止出目が異なる遊技結果である。そして、特に通常リプBと通常リプCは、ATモードの開始契機となっており、ATモード当選フラグがセットされてから、ATモードへの移行が生じ得る状況である旨の報知が実行された後、第2再遊技入賞が成立し得るゲームにて第1ATモードが開始され、ATモード当選フラグがセットされてから、ATモードへの移行が生じ得る状況である旨の報知が実行された後、第3再遊技入賞が成立し得るゲームにて第2ATモードが開始される。つまり、ATモード当選フラグがセットされても、上記の報知(AT当選報知演出)が実行されるまで、第1ATモードや第2ATモードは開始されないし、上記の報知が実行された後であっても、通第2再遊技入賞や第3再遊技入賞が成立し得るゲームとなるまで、第1ATモードや第2ATモードは開始されない。
ステップSc608にて押し順役当選であると判定した場合、ステップSc609にて、いずれかのCZモードフラグ、ATモード当選フラグ又はATモードフラグがセットされているか否かを判定する。これらのうちのいずれかのフラグがセットされている場合には、ステップSc610にて押し順報知用処理を実行してから、抽選結果対応処理を終了する。ステップSc608又はステップSc609にて否定判定した場合には、そのまま抽選結果対応処理を終了する。
<押し順報知の概要>
ステップSc610にて実行される押し順報知用処理の説明に先立って、指示モニタ68にて実行される押し順報知や、補助表示部65にて実行される押し順報知演出の概要について説明する。なお、押し順報知や押し順報知演出は、例えば、押し順ナビ、順序報知や態様報知とも称することが可能である。指示モニタ68は主制御装置101に接続されており、主制御装置101により押し順報知が行われる。これに対して、補助表示部65は表示制御装置81に接続されており、表示制御装置81により押し順報知演出が行われる。
先ず、この指示モニタ68の構成について、図209を参照しながら説明する。図209(a)は、指示モニタ68の正面図であり、図209(b)は、指示モニタ68の表示態様と表示内容との関係を説明するための図である。
図209(a)に示すように、指示モニタ68には8個の表示用セグメントN1~N8が設けられている。各表示用セグメントN1~N8は、LEDからなる個別の光源を有しており、それら個別の光源がオンオフ制御されることで、任意の1個の表示用セグメントのみを点灯させることができるとともに、任意の組み合わせの表示用セグメントを点灯させることができる。これにより、指示モニタ68では、それぞれ個別に所定の記号(アルファベットや数字を含む)が表示されるようになっている。なお、上記個別の光源はいずれも同一色の光を照射するものであるため、各表示用セグメントN1~N8においてはいずれも同一の色が表示されることとなる。
各表示用セグメントN1~N8について詳細には、第1表示用セグメントN1~第7表示用セグメントN7は、いずれも直線状の表示用セグメントであり、これら第1表示用セグメントN1~第7表示用セグメントN7は、数字の「1」~「6」を少なくとも表示することができるように配置されている。また、第8表示用セグメントN8は、円形状の表示用セグメントであり、第1表示用セグメントN1~第7表示用セグメントN7が設けられた領域の右下部分の横方に配置されている。したがって、指示モニタ68では、「1」~「6」と、「1.」~「6.」と、「 .」と、を少なくとも表示することができる。
なお、指示モニタ68において、複数パターンの記号をそれぞれ個別に表示することが可能であれば、各表示用セグメントN1~N8の形状や配置態様は任意であり、さらには8個のセグメントではなく7個のセグメント、又は9個のセグメント等を用いる構成としてもよい。また、各表示用セグメントN1~N8において表示される色が同一であることは必須ではなく、各表示用セグメントN1~N8において表示される色が適宜変更可能となる構成としてもよい。また、光源をオンオフ制御することで、各表示用セグメントN1~N8の点灯又は消灯を制御する構成は必須のものではなく、各表示用セグメントN1~N8において個別に表示制御が行えるのであれば、単一のバックライトと液晶ディスプレイとによりセグメント表示器を構成してもよい。さらには、各表示領域に対してセグメント表示を適用するのではなく、液晶表示装置、有機EL表示装置、CRT、ドットマトリックス等その他のタイプの表示装置によって記号を表示する構成としてもよい。
第1表示用セグメントN1~第7表示用セグメントN7は、押し順役の操作順序の報知に用いられる表示用セグメントである。例えば、図209(b)に示すように、各ストップスイッチ42~44の操作順序として「左」→「中」→「右」の順で停止操作を行うことにより遊技者にとって有利な入賞態様となる場合、第6表示用セグメントN6及び第7表示用セグメントN7が点灯表示されて「1」が表示される。また、各ストップスイッチ42~44の操作順序として「右」→「左」→「中」の順で停止操作を行うことにより遊技者にとって有利な入賞態様となる場合、第1表示用セグメントN1、第2表示用セグメントN2、第3表示用セグメントN3、第5表示用セグメントN5及び第6表示用セグメントN6が点灯表示されて「5」が表示される。つまり、各表示用セグメントN1~N7にて表示される数字(記号)は、ストップスイッチ42~44の操作順序と1対1で対応付けられており、表示用セグメントN1~N7にて表示される数字(記号)に基づいて、ストップスイッチ42~44を停止操作することで、遊技者にとって有利な態様にて入賞させることが可能となる。
第8表示用セグメントN8は、有利区間に移行し、押し順報知が発生し得る状況となる報知条件を含む所定の開始条件が成立した場合に、その開始条件が成立したゲームにて点灯される。また、ATモードが終了して有利区間から通常区間へ移行する場合に消灯される。
つまり、押し順ベル等の操作順序が報知され易くなることによって遊技者にとって有利な態様にて入賞させ易くなる区間を有利区間(特定遊技状態、特定モード)とし、第8表示用セグメントN8は、当該有利区間において、実際に押し順報知による恩恵が得られるようになる特定区間中は点灯し、有利区間ではない通常区間や、有利区間であっても特定区間ではない非特定区間中は消灯する区間表示器(特定報知手段)をなすものである。
既に説明したとおり、押し順表示器としての第1表示用セグメントN1~第7表示用セグメントN7、及び区間表示器としての第8表示用セグメントN8を有する指示モニタ68は、遊技パネル25において払出枚数表示部62の側方付近に配置されている。つまり、指示モニタ68は、遊技者が操作するストップスイッチ42~44等よりも上方に配置されており、言い換えると、ストップスイッチ42~44等が設けられている位置よりも下方において遊技機前面部である化粧パネルに配置されていない。そのため、ストップスイッチ42~44等を操作する手等によって、第8表示用セグメントN8が隠されることが抑制され、遊技者が視認し易い位置に配置されているといえる。また、メダルの獲得を目指して遊技を進行させる遊技者が注視し易い払出枚数表示部62の近くに配置されていることからしても、遊技者による見逃しが抑制されているといえる。
さらに、指示モニタ68において特に第8表示用セグメントN8は、周囲の表示部(例えば払出枚数表示部62や、遊技パネル25のバックライト)の明度よりも高い明度となるように(より詳しくは、周囲の表示部の明度の2倍の明度となるように)、対応するLEDの明度が定められている。そのため、第8表示用セグメントN8と周囲の表示部とがいずれも発光制御されている場合(点灯状態となっている場合)であっても、第8表示用セグメントN8が一際目立つようになっている。遊技機前方に向けた照度についても、第8表示用セグメントN8の方が周囲の表示部より、遊技機前方に向けた照度が高くなるように(より詳しくは、周囲の表示部の照度の2倍の照度となるように)、対応するLEDの照度が定められている。このような構成からも、第8表示用セグメントN8の視認性が向上されており、当該第8表示用セグメントN8が点灯状態となった場合の見逃しが抑制されている。
次に、補助表示部65にて行われる押し順報知演出について、図210を参照しながら説明する。ここでは、今回報知する操作順序が、中→右→左である場合の押し順役に当選している場合を例として、補助表示部65での押し順報知演出を説明する。
図210(a)に示すとおり、補助表示部65では、ストップスイッチ42~44に対応して3つ並列したボタン表示のうち、最初に操作すべきストップスイッチに対応するボタン表示(図では中ストップスイッチ43に対応する真ん中のボタン表示)に数字の1が付されて、他のボタン表示よりも大きく表示される。また、各ボタン表示は、当選役に対応する色(ベルなら黄色、再遊技なら青色等)にて表示される。これにより、遊技者は、今回のゲームにて当選している役と、最初に操作すべきストップスイッチが中ストップスイッチ43であることを認識することができる。また、補助表示部65では、次に操作すべきストップスイッチが右ストップスイッチ44であり、最後に操作すべきストップスイッチが左ストップスイッチ42であることを示すように、右のボタン表示に数字の2が付されて表示され、左のボタン表示に数字の3が付されて表示される。
遊技者が中ストップスイッチ43を操作すると、図210(b)に示すように、補助表示部65では、中ストップスイッチ43に対応する真ん中のボタン表示が消え、右ストップスイッチ44に対応する右のボタン表示が大きく表示される。これにより、遊技者は、中ストップスイッチ43の操作が完了したこと、及び、次に操作すべきストップスイッチが右ストップスイッチ44であることを確認することができる。
遊技者が右ストップスイッチ44を操作すると、図210(c)に示すように、補助表示部65では、右ストップスイッチ44に対応する右のボタン表示が消え、左ストップスイッチ42に対応する左のボタン表示が大きく表示される。これにより、遊技者は、右ストップスイッチ44の操作が完了したこと、及び、次に操作すべきストップスイッチが左ストップスイッチ42であることを確認することができる。
押し順報知の実行タイミングについて説明すると、各リール32L,32M,32Rの回転が開始されてから、加速期間を経て定速回転に至るまでのストップスイッチ42~44の無効期間中に、押し順報知が実行されるように設定されている。このようにストップスイッチ42~44の操作が有効となるよりも前のタイミングで押し順報知を実行する構成とすることで、ストップスイッチ42~44の操作順序を認識したうえでストップスイッチ42~44の操作に望ませることが可能となり、テンポ良く遊技を進行させることができる。
<押し順報知用処理>
次に、ステップSc610にて実行される押し順報知用処理について、図211のフローチャートを参照しながら説明する。
先ず、ステップSc1301では、第1CZモードフラグ~第3CZモードフラグのいずれかがセットされているか否かを判定する。第1CZモードフラグ~第3CZモードフラグのいずれもがセットされていない場合、ステップSc1302にてATモード当選フラグがセットされているか否かを判定する。第1CZモードフラグ~第3CZモードフラグがセットされておらず、且つATモード当選フラグがセットされている場合とは、ATモード当選後、未だATモードへの移行が生じていない場合である。この場合、ステップSc1303にて、各種フラグ格納エリア106dに第1AT報知用フラグ又は第2AT報知用フラグがセットされているか否かを判定する。ATモード当選フラグがセットされているものの、これらAT報知用フラグがセットされていない場合とは、ATモード移行抽選に当選しているものの、未だ前兆モード中であることを意味する。この場合、今回のゲームでは押し順報知を発生させず、そのまま押し順報知用処理を終了する。第1AT報知用フラグ又は第2AT報知用フラグがセットされている場合には、ステップSc1304に進む。
ステップSc1304では、今回のゲームの抽選結果が通常リプB又は通常リプCであるか否かを判定する。通常リプB及び通常リプCではなく、通常リプAや押し順ベルである場合には、そのまま本押し順報知用処理を終了する。通常リプB及び通常リプCのいずれかである場合、ステップSc1305にて通常リプBであるか否かを判定する。通常リプBである場合、ステップSc1306にて、上記の第1AT報知用フラグがセットされているか否かを判定する。第1AT報知用フラグではなく第2AT報知用フラグがセットされている場合には、そのまま本押し順報知用処理を終了する。通常リプBに当選し、且つ第1AT報知用フラグがセットされている場合、ステップSc1307に進み、第1ATモードを開始させるための処理を実行する。
すなわち、ステップSc1307では、第1AT報知用フラグをクリアする。そして、ステップSc1308では、各種フラグ格納エリア106dに第1AT開始用フラグをセットする。第1AT開始用フラグは、今回のゲームから第1ATモードが開始されることをCPU102が把握するためのフラグである。その後、ステップSc1309にて、第2再遊技入賞に対応する押し順報知が行われるように指示モニタ68を制御する。そして、ステップSc1310にて、第2再遊技入賞に対応する操作順序の情報を含む押し順コマンドを、表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本押し順報知用処理を終了する。この押し順コマンドを受信した表示制御装置81では、第2再遊技入賞に対応する押し順報知演出として、右ストップスイッチ44を最初に操作すべき順序の押し順報知演出や、「右から狙え!!」といった表示や音声ナビ等が行われるとともに、第2再遊技入賞に対応する図柄の報知が行われるように補助表示部65やスピーカ64を制御する。
ステップSc1305にて通常リプBではなく通常リプCであると判定した場合、ステップSc1311に進む。ステップSc1311では、第2AT報知用フラグがセットされているか否かを判定する。第2AT報知用フラグではなく第1AT報知用フラグがセットされている場合には、そのまま本押し順報知用処理を終了する。通常リプCに当選し、且つ第2AT報知用フラグがセットされている場合、ステップSc1312に進み、第2ATモードを開始させるための処理を実行する。
すなわち、ステップSc1312では、第2AT報知用フラグをクリアする。そして、ステップSc1313では、各種フラグ格納エリア106dに第2AT開始用フラグをセットする。第2AT開始用フラグは、今回のゲームから第2ATモードが開始されることをCPU102が把握するためのフラグである。その後、ステップSc1314にて、第3再遊技入賞に対応する押し順報知が行われるように指示モニタ68を制御する。そして、ステップSc1315にて、第3再遊技入賞に対応する操作順序の情報を含む押し順コマンドを、表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本押し順報知用処理を終了する。この押し順コマンドを受信した表示制御装置81では、第3再遊技入賞に対応する押し順報知演出として、右ストップスイッチ44を最初に操作すべき順序の押し順報知演出や、「右から狙え!!」といった表示や音声ナビ等が行われるとともに、第3再遊技入賞に対応する図柄の報知が行われるように補助表示部65やスピーカ64を制御する。
ステップSc1301にていずれかのCZモードフラグがセットされていると判定した場合と、ステップSc1301にてATモード当選フラグがセットされておらず既にATモード中である場合は、ステップSc1316に進む。ステップSc1316では、今回のゲームの抽選結果が押し順ベルであるか否かを判定する。押し順ベルではない場合、そのまま押し順報知用処理を終了する。押し順ベルである場合、ステップSc1317にて、いずれかのCZモードフラグがセットされているか否かを判定する。いずれかのCZモードフラグがセットされている場合には、ステップSc1318にて、各種フラグ格納エリア106dに報知済みフラグがセットされているか否かを判定する。報知済みフラグはCZモードにおいて押し順ベル当選時の押し順報知が既に行われた状態であることをCPU102が把握するためのフラグであり、CZモードの終了時(ATモードへの移行時を含む)にクリアされるフラグである。報知済みフラグがセットされている場合には、そのまま押し順報知用処理を終了する。報知済みフラグがセットされていない場合には、ステップSc1319にて報知済みフラグをセットする処理を実行する。
ステップSc1317にてCZモードフラグではなくATモードフラグがセットされている場合や、ステップSc1319の処理を実行した後は、ステップSc1320にて、今回の押し順ベルの種類に応じて第1小役入賞~第6小役入賞に対応する押し順報知が行われるように指示モニタ68を制御する。そして、ステップSc1321にて、第1小役入賞~第6小役入賞に対応する操作順序の情報を含む押し順コマンドを、表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本押し順報知用処理を終了する。この押し順コマンドを受信した表示制御装置81では、第1小役入賞~第6小役入賞に対応する押し順報知演出が行われるように補助表示部65やスピーカ64を制御する。
<入賞結果対応処理>
次に、リール制御処理におけるステップSc415にて実施される入賞結果対応処理について、図212のフローチャートを参照しながら説明する。入賞結果対応処理では、ゲームの遊技結果に応じて、CZモードやATモード等を開始させたり終了させたりするための処理を行う。
先ずステップSc1401にて、現状の遊技状態を把握する処理を行い、ステップSc1402にて、今回のゲームのベット数が、ステップSc1401にて把握した状態にて規定されている特定規定数であるか否かの判定を行う。かかる処理は、上記ステップSc601及びステップSc602に対応するものであり、ステップSc1402にて特定規定数ではない場合には、ステップSc1403以降の処理を行うことなく、そのまま入賞結果対応処理を終了する。ベット数が状態に対応する特定規定数である場合、ステップSc1403に進む。
ステップSc1403では、第1ゲーム数管理処理を実行し、ステップSc1404では、第2ゲーム数管理処理を実行する。第1ゲーム数管理処理は、CZモードや前兆モード等、主にATモード移行前のゲーム数を管理する処理であり、第2ゲーム数管理処理は、ATモード中のゲーム数を管理する処理である。
第1ゲーム数管理処理では、図213のフローチャートに示すように、先ず、ステップSc1501にて、第1BB状態フラグ又は第2BB状態フラグがセットされているか否かを判定し、いずれかのBB状態である場合にはそのまま第1ゲーム数管理処理を終了する。すなわち、仮に、2ベットゲームにて第2BB状態への移行を生じさせたりした場合には、前兆モードやCZモードのゲーム数の管理は行われない。いずれのBB状態でもない場合には、ステップSc1502に進み、CZカウンタが0よりも大きく、CZモード移行時に設定されたゲーム数を消化していない状況であるか否かを判定する。既に説明した通り、CZモード中のATモード移行抽選に当選した場合、AT抽選用処理においてCZモードフラグがクリアされる。そのため、CZモードフラグがセットされていない状況であっても、ステップSc1502にてCZカウンタが0よりも大きいと判定する場合も生じ得る。
ちなみに、上記の通り、CZモード中にATモード移行当選となった場合、即報知抽選に当選しなければ、CZカウンタ以上の値が前兆カウンタに入力される。つまり、CZカウンタが0よりも大きく、且つCZモードフラグがセットされていない場合とは、ATモード移行当選後の前兆モードであることを意味する。
CZカウンタが0よりも大きい場合、ステップSc1503にてCZカウンタを1減算する処理を実行する。そして、ステップSc1504にてCZカウンタが0となったか否かを判定し、0となった場合には、ステップSc1505にていずれかのCZモードフラグがセットされているか否かを判定する。上記のようにCZモード中にATモード移行抽選に当選した場合は、CZモードフラグがクリアされる構成としていることから、ステップSc1505にていずれかのCZモードフラグがセットされている場合とは、ATモード移行抽選に当選することなくCZモードが終了する場合を意味する。ステップSc1505にていずれかのCZモードフラグがセットされている場合、ステップSc1506にて各種フラグ格納エリア106dにCZ終了ゲームフラグをセットする処理を実行する。CZ終了ゲームフラグはCZモードが終了したゲームをCPU102が把握するためのフラグであり、当該終了したゲームの終了後にクリアされる(ステップSc203参照)。
ステップSc1505にてCZモードフラグがセットされていない場合、又はステップSc1506の処理を実行した後は、ステップSc1507にてCZ終了コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行する。CZ終了コマンドを受信した表示制御装置81側の処理については、後に詳細に説明する。
ステップSc1502にてCZカウンタが0である場合、ステップSc1504にてCZカウンタが0ではない場合、又はステップSc1507の処理を実行した後は、ステップSc1508にて前兆カウンタが0よりも大きく、前兆モードの設定処理において設定した前兆カウンタに対応するゲーム数を未だ消化していない状況であるか否かを判定する。前兆カウンタが0よりも大きい場合、ステップSc1509にて、前兆カウンタを1減算する処理を実行する。そして、ステップSc1510にて前兆カウンタが0となったか否かを判定する。
前兆カウンタが0となった場合、ステップSc1511に進み、前兆フラグをクリアする処理を行う。そして、ステップSc1512にて、今回のATモードの種別を第1ATモードとするか、第2ATモードとするかのAT種別決定処理を行う。かかる処理は、上記ステップSc1115の処理に対応する処理である。すなわち、ステップSc1512のAT種別決定処理では、例えば、設定値や前回のATモードの種別、有利区間中のメダル増加数や有利区間中のゲーム数等に応じて、又はランダムに今回のATモード種別を抽選により決定する。なお、ステップSc1115のAT種別決定処理と、ステップSc1512のAT種別決定処理とで、第1ATモードと第2ATモードとの選択率が異なるようにしてもよく、例えば、ステップSc1115の処理よりもステップSc1512の処理の方が第2ATモードの選択率が高い構成としてもよい。
ステップSc1513では、ステップSc1512の処理結果として第1ATモードとして決定したか否かを判定する。第1ATモードとして決定した場合、ステップSc1514にて、第1AT用報知フラグをセットする処理を実行し、ステップSc1515にて第1AT当選報知コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、ゲーム数管理処理を終了する。第1AT用報知フラグがセットされることにより、上記の押し順報知用処理にて第2再遊技入賞用の押し順報知を発生させるための処理が行われるようになる。第1AT当選報知コマンドを受信した表示制御装置81側の処理については、後に詳細に説明する。
ステップSc1513にて、今回移行させるATモードが第1ATモードではなく第2ATモードであると判定した場合、ステップSc1516にて、第2AT用報知フラグをセットする処理を実行し、ステップSc1517にて第2AT当選報知コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、ゲーム数管理処理を終了する。第2AT用報知フラグがセットされることにより、上記の押し順報知用処理にて第3再遊技入賞用の押し順報知を発生させるための処理が行われるようになる。第2AT当選報知コマンドを受信した表示制御装置81側の処理については、後に詳細に説明する。
第2ゲーム数管理処理では、図214のフローチャートに示すように、先ず、ステップSc1601にて、第1BB状態フラグ又は第2BB状態フラグがセットされているか否かを判定し、いずれかのBB状態である場合にはそのまま第2ゲーム数管理処理を終了する。すなわち、仮に、2ベットゲームにて第2BB状態への移行を生じさせたりした場合には、ATモードのゲーム数の管理は行われない。いずれのBB状態でもない場合には、ステップSc1602に進み、ATカウンタが0よりも大きく、ATモードの残りゲーム数が0よりも大きいか否かを判定する。
ATカウンタが0よりも大きい場合、ステップSc1603にてATカウンタを1減算する処理を実行する。そして、ステップSc1604にてATカウンタが0となったか否かを判定し、0となった場合には、ステップSc1605にてATモードフラグをクリアする処理を実行する。そして、ステップSc1606にてAT終了コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行する。AT終了コマンドを受信した表示制御装置81側の処理については、後に詳細に説明する。ステップSc1602にてATカウンタが0である場合や、ステップSc1604にてATカウンタが0ではない場合には、そのまま第2ゲーム数管理処理を終了する。
ステップSc1606の処理を実行した後は、ステップSc1607にて第3CZモードゲーム数抽選処理を実行し、ステップSc1608にて、その抽選結果に応じたゲーム数をCZカウンタに入力し、ステップSc1609にて第3CZモードフラグをセットする処理を実行する。すなわち、本実施形態においては、ATモードが終了した場合にはCZモードに移行する構成としており、当該ATモード終了を契機として移行するCZモードは第3CZモードに設定され、そのゲーム数はステップSc1607の抽選処理によって決定される。第3CZモードゲーム数の抽選処理では、各種テーブル記憶エリア105aから第3CZモードゲーム数テーブルを取得して、今回の第3CZモードのゲーム数をランダムに設定する。第3CZモードゲーム数テーブルは、図205に示すように、25ゲーム~30ゲームのうちのいずれかが選択されるように設定されており、例えば、30ゲームが選択され易い一方、25ゲームは選択されにくい、といったように、ゲーム数によって選択率が異なっている。例えば、第3CZモードゲーム数抽選処理にて30ゲームが選択された場合、ステップSc1608では、CZカウンタに30が入力されることになる。
ステップSc1609にて第3CZモードフラグをセットした後は、ステップSc1610にて第3CZモード開始コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行する。第3CZモード開始コマンドを受信した表示制御装置81側の処理については、後に詳細に説明する。
入賞結果対応処理の説明に戻り、ステップSc1403やステップSc1404のゲーム数管理処理を実行した後は、ステップSc1405にて、第1AT開始用フラグがセットされているか否かを判定する。上記のとおり、第1AT開始用フラグは、第1ATモードへの移行を生じさせる場合に第2再遊技入賞が可能となるゲームでセットされるフラグであり、より詳しくは、第1AT用報知フラグがセットされている状況で通常リプBに当選したゲームの開始時にセットされるフラグである。すなわち、第1AT開始用フラグは、入賞結果に基づいてセットされるのではない。第1AT開始用フラグがセットされている場合には、ステップSc1406にて、当該第1AT開始用フラグをクリアし、ステップSc1407にて各種フラグ格納エリア106dに第1ATフラグをセットする処理を実行する。既に説明した通り、第1ATフラグがセットされることにより、第1AT用上乗せ抽選テーブルを利用した上乗せ抽選が行われる。
ステップSc1405にて第1AT開始用フラグがセットされていないと判定した場合、ステップSc1408にて第2AT開始用フラグがセットされているか否かを判定する。上記のとおり、第2AT開始用フラグは、第2ATモードへの移行を生じさせる場合に第3再遊技入賞が可能となるゲームでセットされるフラグであり、より詳しくは、第2AT用報知フラグがセットされている状況で通常リプCに当選したゲームの開始時にセットされるフラグである。すなわち、第2AT開始用フラグについても、入賞結果に基づいてセットされるのではない。第2AT開始用フラグがセットされている場合には、ステップSc1409にて、当該第2AT開始用フラグをクリアし、ステップSc1410にて各種フラグ格納エリア106dに第2ATフラグをセットする処理を実行する。ステップSc1408にて第2AT開始用フラグがセットされていないと判定した場合には、そのまま入賞結果対応処理を終了する。既に説明した通り、第2ATフラグがセットされることにより、第2AT用上乗せ抽選テーブルを利用した上乗せ抽選が行われる。
ステップSc1407又はステップSc1410の処理を実行した後は、ステップSc1411にて上記のATカウンタに50を入力する処理を実行する。既に説明した通り、ATカウンタはATモードの残りゲーム数に対応するカウンタであり、本実施形態では、第1ATモード及び第2ATモードのいずれであっても初期ゲーム数として50ゲームが設定される。なお、第1ATモードと第2ATモードとで初期ゲーム数が異なる構成としてもよく、初期ゲーム数を抽選により決定する構成としてもよい。この場合、第1ATモードよりも第2ATモードの方が多い初期ゲーム数となり易い構成としてもよい。
ステップSc1412では、ATモード当選フラグをクリアする処理を実行し、ステップSc1413ではATモードフラグをセットする処理を実行する。そして、ステップSc1414にてAT開始コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本入賞結果対応処理を終了する。AT開始コマンドを受信した表示制御装置81側の処理については、後に詳細に説明する。
<有利区間の管理>
次に、区間表示器としての第8表示用セグメントN8を制御したり、有利区間へ移行させたり有利区間を終了させるための、区間表示第1処理、及び区間表示第2処理について説明する。
<区間表示第1処理>
先ず、区間表示第1処理について、図215を参照しながら説明する。区間表示第1処理は、抽選処理(図188)におけるステップSc314にて実施される処理であり、スタートレバー41の操作に基づいて当該ゲームの抽選結果が決定されるとともに、当該抽選結果に基づいて表示モードの移行抽選等(抽選結果対応処理)が行われた後に実施される。
ステップSc1701では、区間表示器としての第8表示用セグメントN8が表示中であるか否か、より詳しくは、第8表示用セグメントN8を点灯中か否かを判定する。既に説明した通り、第8表示用セグメントN8を点灯中である場合とは、有利区間のうち、少なくとも押し順報知が発生し得る報知条件が成立している特定区間である場合を示している。ステップSc1701にて否定判定し、第8表示用セグメントN8を消灯中であると判定した場合、ステップSc1702に進む。
ステップSc1702では、各種フラグ格納エリア106dに有利区間フラグがセットされているか否かを判定する。有利区間フラグがセットされていない場合、ステップSc1703にて、各種カウンタエリア106eに設けられた通常カウンタを1加算する処理を実行する。通常カウンタは、有利区間ではなく通常区間として開始されたゲーム数をCPU102が把握するためのカウンタである。
ステップSc1703の処理を実行した後は、ステップSc1704にて有利区間当選ゲームフラグがセットされているか否かを判定する。有利区間当選ゲームフラグは、有利区間移行抽選処理において有利区間移行抽選に当選した場合にセットされるフラグであり、その当選ゲームであることをCPU102が特定するためのフラグである。有利区間当選ゲームフラグがセットされている場合、ステップSc1705にて有利区間当選ゲームフラグをクリアする処理を実行する。そして、ステップSc1706にて有利区間フラグをセットする処理を実行する。
ステップSc1707では、有利区間中のゲーム数のカウント、より詳しくは、各種カウンタエリア106eの有利区間ゲーム数AGの計測を開始する処理を行う。上記の通り、有利区間ゲーム数AGは、有利区間の実行ゲーム数を把握する把握手段に相当するものである。そして、ステップSc1708にて、有利区間移行ゲーム用処理を実行する。
有利区間移行ゲーム用処理では、図216のフローチャートに示すように、ステップSc1801にて第1CZモードゲーム数抽選処理を実行し、ステップSc1802にて、その抽選結果に応じたゲーム数をCZカウンタに入力し、ステップSc1803にて第1CZモードフラグをセットする処理を実行する。すなわち、本実施形態においては、有利区間への移行に際してCZモードに設定される構成としており、当該有利区間移行を契機とする場合は第1CZモードに設定され、そのゲーム数はステップSc1801の抽選処理によって決定される。第1CZモードゲーム数の抽選処理では、各種テーブル記憶エリア105aから第1CZモードゲーム数テーブルを取得して、今回の第1CZモードのゲーム数をランダムに設定する。第1CZモードゲーム数テーブルは、図205に示すように、8ゲーム~10ゲームのうちのいずれかが選択されるように設定されており、8ゲーム及び9ゲームは選択され易い一方、10ゲームは選択されにくい、といったように、ゲーム数によって選択率が異なっている。例えば、第1CZモードゲーム数抽選処理にて10ゲームが選択された場合、ステップSc1802では、CZカウンタに10が入力されることになる。
ステップSc1803にて第1CZモードフラグをセットした後は、ステップSc1804にて第1CZモード開始コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行する。第1CZモード開始コマンドを受信した表示制御装置81側の処理については、後に詳細に説明する。
続くステップSc1805では、天井ゲーム数抽選処理を実行する。天井ゲーム数抽選処理では、各種テーブル記憶エリア105aから天井ゲーム数テーブルを取得し、今回の天井ゲーム数をランダムに決定する。天井ゲーム数テーブルでは、最大天井ゲーム数(本実施形態では999ゲーム)を超えない範囲で、選択され易いゲーム数(例えば、341、682)と選択されにくい又は選択されないゲーム数が設定されている。また、天井ゲーム数テーブルでは、最小ゲーム数を100ゲームとし、有利区間移行時に設定される第1CZモード中に(より詳しくは、第1CZモード中にATモード移行当選となった場合における前兆モード中に)天井ゲームに達しないように設定されている。
ステップSc1806では、ステップSc1805の処理結果に基づいて、天井カウンタに天井ゲーム数を入力する処理を実行する。その後、有利区間移行ゲーム用処理を終了する。
区間表示第1処理の説明に戻り、ステップSc1708の有利区間移行ゲーム用処理を実行した後、又はステップSc1702にて有利区間フラグがセットされていると判定した場合、ステップSc1709にて、いずれかのCZモードフラグ又はATモードフラグがセットされているか否かを判定する。既に説明した通り、本実施形態では、ATモードやCZモード中においては押し順ベル当選時の押し順報知が行われ得る構成としており、これらのいずれかのフラグがセットされている状況とは、区間表示器の表示開始条件が成立している状況といえる。いずれかのフラグがセットされている場合には、ステップSc1710にて、第8表示用セグメントN8を点灯させることにより区間表示器の表示を開始する。
ステップSc1701にて区間表示器としての第8表示用セグメントN8を表示中であると判定した場合、ステップSc1711にて、有利区間中の表示を継続する処理を実行する。ステップSc1711について具体的には、第8表示用セグメントN8が点灯状態である状況を継続させるための処理を行う。すなわち、区間表示器の表示を終了するための処理は、本区間表示第1処理では実施しない。
ステップSc1704にて有利区間フラグ及び有利区間当選ゲームフラグのいずれもがセットされていないと判定した場合と、有利区間フラグや有利区間当選ゲームフラグがセットされている場合であっても、CZモードフラグやATモードフラグがセットされておらず通常モードである場合とは、ステップSc1712に進む。ステップSc1712では、各種カウンタエリア106eに設けられた役比第1カウンタに1を加算する処理を実行する。役比第1カウンタは、押し順報知が発生しないゲーム数、すなわち、通常区間と非特定区間のゲーム数をカウントするためのカウンタである。
また、ステップSc1710にて区間表示器の表示開始処理を実行した後と、ステップSc1711の表示継続処理を実行した後は、ステップSc1713に進む。ステップSc1713では、各種カウンタエリア106eに設けられた役比第2カウンタに1を加算する処理を実行する。役比第2カウンタは、押し順報知が発生可能なゲーム数、すなわち、特定区間のゲーム数をカウントするためのカウンタである。
ステップSc1712又はステップSc1713の処理を実行した後は、ステップSc1714にて役比算出処理を実行する。かかる処理では、役比第2カウンタの値を役比第1カウンタと役比第2カウンタとの加算値(全ゲーム数)で除算する処理を行う。すなわち、役比算出処理は、全ゲーム数のうち、押し順報知が発生し得るゲーム数の割合を算出する処理である。そして、ステップSc1715にて、ステップSc1714の演算処理結果が役比モニタ77にて表示されるようにするための処理を実行する。
図174に示すように、役比モニタ77は、7つの表示用セグメントからなる7セグ表示部を複数有している。具体的には、役比モニタ77は、7セグ表示部としての第1表示部77a、第2表示部77b、第3表示部77c、第4表示部77d、第5表示部77eを有している。第1表示部77a~第5表示部77eにおける表示用セグメントは、指示モニタ68の表示用セグメントN1~N7と同様に、LEDからなる個別の光源を有しており、それら個別の光源がオンオフ制御されることで、任意の1個の表示用セグメントのみを点灯させることができるとともに、任意の組み合わせの表示用セグメントを点灯させることができる。これにより、役比モニタ77は、それぞれ個別に所定の記号(アルファベットや数字を含む)が表示されるようになっており、特に、役比モニタ77では、5桁の数字を表示可能となっている。
ステップSc1715では、ステップSc1714の演算処理の結果を役比モニタ77に出力するとともに、役比モニタ77にて、4桁の数字が表示されるように役比モニタ77における各表示部77a~77eの表示制御を行う。具体的には、全ゲーム数のうち、押し順報知が発生し得るゲーム数の割合として、例えば、「0.5012」といったように、1よりも小さい数であって、小数点以下4桁までの数字が役比モニタ77にて表示される。ステップSc1715の処理を実行した後は、区間表示第1処理を終了する。
なお、ステップSc1714の演算処理において小数点以下第5桁の数字を四捨五入する処理を行ったうえで、役比モニタ77の表示制御を行う構成としてもよい。また、役比モニタ77のうち、第1表示部77aは、基本的には「0」が表示されるため、第1表示部77aを有さないようにしたり、第1表示部77aを印刷等によって「0」との表示が常にされる構成としてもよい。また、第1表示部77aと第2表示部77bとの間に、小数点が印刷等により表示される構成とするとよい。
<区間表示第2処理>
次に、区間表示第2処理について、図217のフローチャートを参照しながら説明する。既に説明したとおり、区間表示第2処理は、リール制御処理のステップSc416にて実施される処理であり、1ゲームの終了に際して、メダルの払出(払出判定処理)及び入賞結果に基づく遊技状態の移行等(入賞結果対応処理)が行われてから実施される。
ステップSc1901では、有利区間フラグがセットされているか否かを判定する。セットされていない場合には、そのまま区間表示第2処理を終了する。有利区間フラグがセットされている場合にはステップSc1902にて、有利区間中のゲーム数をカウントする処理を実行する。具体的には、上記有利区間ゲーム数AGを1加算する処理を行う。ステップSc1902の処理を実行した後は、ステップSc1903にて、各種カウンタエリア106eに設けられた有利区間増減枚数MY(MYカウンタ)の更新処理を実行する。
ステップSc1903のMY更新処理では、今回のゲームの遊技結果がいずれかの再遊技入賞ではないことを条件として、払出枚数から投入枚数(ベット数)を減算し、その減算結果を有利区間増減枚数MYに加算することによって、有利区間増減枚数MYの更新を行う。
ステップSc1903のMY更新処理を実行した後は、ステップSc1904にて、残ゲーム数管理処理を実行し、続くステップSc1905にて、残枚数管理処理を実行する。残ゲーム数管理処理は、ATモードの残りゲーム数等に基づき、現状の残りゲーム数で有利区間が上限ゲーム数(1500ゲーム)に達する状況となっているか否かの管理を行うための処理である。残ゲーム数管理処理では、例えば、有利区間ゲーム数AG(有利区間の消化ゲーム数)と、ATカウンタ(ATモードの残りゲーム数)やCZカウンタ(CZモードの残りゲーム数)及び前兆カウンタ(前兆モードの残りゲーム数)の合計が、有利区間の上限ゲーム数より多い状況か否かを把握する。そして、そのような状況であれば、その状況を特定するためのフラグとして、各種フラグ格納エリア106dに第1超過フラグをセットする。また、残枚数管理処理は、ATモードの残りゲーム数等に基づき、現状の残りゲーム数で有利区間が上限増加数(2400枚)に達する状況となっているか否かの管理を行うための処理である。残払出枚数管理処理では、例えば、ATカウンタとATモード中の1ゲーム当たりの平均増加枚数とから算出される期待増加枚数と、現状の有利区間増減枚数MYとの合計が有利区間の増減枚数より多い状況か否かを把握する。そして、そのような状況であれば、その状況を特定するためのフラグとして、各種フラグ格納エリア106dに第2超過フラグをセットする。
続くステップSc1906では、上記有利区間ゲーム数AGが上限ゲーム数である1500に達したか否か、又は有利区間増減枚数MYが上限増加数である2400以上となったか否かを判定する。これらいずれかの強制終了条件が成立している場合には、ステップSc1907にて、有利区間ゲーム数AG及び有利区間増減枚数MYを0にクリアする。続くステップSc1908では、区間表示器としての第8表示用セグメントN8の表示を終了させる処理を行う。そして、ステップSc1909にて、有利区間中の各種フラグやカウンタ等のパラメータ、情報を初期化する処理を行い、ステップSc1910にて、通常カウンタをクリアする処理を行ってから、本区間表示第2処理を終了する。
ステップSc1909の有利区間用情報の初期化処理について、より詳しくは、より詳しくは、今回の有利区間への移行に際して設定されたフラグやカウンタ、及び、今回の有利区間中に設定されたフラグやカウンタを初期値に戻す処理である。例えば、有利区間フラグや、ATモード当選フラグやATモードフラグ、各種CZモードフラグ等がクリアされておらずセットされていれば、これらのフラグをクリアする。さらに、有利区間ゲーム数AGや有利区間増減枚数MY、前兆モード用の前兆カウンタ、CZモード等の継続ゲーム数用のカウンタ等が0より大きければ、これらのカウンタを全て0にリセットする。つまり、初期化処理では、押し順報知を用いた有利な状態としての有利区間に関し、押し順報知に係る性能に及ぼす全ての変数乃至パラメータを初期化するものであり、かかる変数乃至パラメータに関してRAMクリアを行う処理である。
ステップSc1906にて有利区間ゲーム数AGが上限値に達しておらず、且つ有利区間増減枚数MYが上限増加数に達していないと判定した場合は、ステップSc1911に進み、CZ終了ゲームフラグがセットされているか否かを判定する。
ここで、本実施形態では、各種CZモードにおいて、ATモード移行抽選に当選した場合、ATモード当選フラグをセットする際にCZモードフラグをクリアする構成としている(ステップSc808~ステップSc810)。そして、CZ終了ゲームフラグは、CZモードフラグがセットされたままCZモードの残りゲーム数(CZカウンタ)が0となることでセットされるフラグである。そのため、CZ終了ゲームフラグがセットされている場合とは、ATモード移行抽選に当選することなくCZモードが終了したことを意味する。
ステップSc1911にてCZモード終了ゲームフラグがセットされている場合、ステップSc1912にて第2CZモードフラグ又は第3CZモードフラグがセットされているか否かを判定する。
ステップSc1912にて第2CZモードフラグ又は第3CZモードフラグがセットされており、有利区間中のCZモード移行抽選に当選したことを契機として設定される第2CZモードや、ATモード終了を契機として設定される第3CZモードが、ATモード移行抽選に当選することなく終了した場合、ステップSc1907に進み、有利区間終了用の処理を実行する。これに対して、ステップSc1912にて第2CZモードフラグや第3CZモードフラグではなく第1CZモードフラグがセットされており、有利区間移行を契機として設定される第1CZモードが、ATモード移行抽選に当選することなく終了した場合、ステップSc1913に進み、第1CZモードフラグをクリアしてから、本区間表示第2処理を終了する。
すなわち、第2CZモードや第3CZモードがATモード移行抽選に当選することなく終了する場合には、有利区間が終了する一方、第1CZモードがATモード移行抽選に当選することなく終了する場合には、有利区間は終了せずに継続する。なお、第2CZモードフラグや第3CZモードフラグは、有利区間終了用の処理(ステップSc1909)に際してクリアされる。
<有利区間と表示モード>
有利区間と表示モードの関係を、図218を参照しながら説明する。
既に説明した通り、本スロットマシン10では、押し順報知が発生し得る有利区間と、押し順報知が発生しない通常区間が設定されており、有利区間フラグがセットされている状況が有利区間であり、有利区間フラグがセットされていない状況が通常区間である。有利区間フラグはRAM106の各種フラグ格納エリア106dにセットされるフラグであり、例えば、スロットマシン10の設定値の変更(当選確率の変更処理)が行われることを契機としてRAM106の初期化処理が行われ、当該有利区間フラグもクリアされる。つまり、設定値の変更が行われて電源投入がなされると、通常区間から遊技が開始されることになる。通常区間においては、表示モードとして押し順報知が発生しない通常モードに設定される。
通常区間において、有利区間移行抽選に当選すると、有利区間への移行が生じる。より詳しくは、有利区間移行抽選処理に当選することで有利区間当選ゲームフラグがセットされ、区間表示第1処理において有利区間当選ゲームフラグがセットされていることを条件として、有利区間フラグがセットされる。そして、当該有利区間フラグのセット処理に際して、有利区間移行ゲーム用処理が実行され、当該有利区間移行ゲーム用処理において、表示モードを第1CZモードに設定するための処理が行われる。また、有利区間への移行に際して、天井ゲーム数(最大999ゲーム)の設定が行われる。
第1CZモードは、継続ゲーム数が8ゲーム~10ゲームに設定されており、当該第1CZモード中は、高確率でATモードへの移行抽選に当選し得るように設定されている。第1CZモードにおいてATモードへの移行抽選に当選すると、主に前兆モードを介してATモードへの移行が生じる。一方、ATモードへの移行抽選に当選しないまま第1CZモードが終了した場合には、表示モードは通常モードに移行する。但し、この場合、有利区間は終了しない。
有利区間であって表示モードが通常モードである場合、ATモード移行抽選とともに、CZモード移行抽選が実行される。通常モードにおいてCZモード移行抽選に当選すると、第2CZモードに移行する。
第2CZモードは、継続ゲーム数が8ゲーム~15ゲームに設定されており、当該第2CZモード中も第1CZモードと同様に、高確率でATモードへの移行抽選に当選し得るように設定されている。第2CZモードにおいてATモードへの移行抽選に当選すると、主に前兆モードを介してATモードへの移行が生じる。一方、ATモードへの移行抽選に当選しないまま第2CZモードが終了した場合には、表示モードは通常モードに移行し、更に、有利区間が終了して通常区間に移行する。
ATモードは押し順ベル当選時に第1小役~第6小役に対応する押し順報知が発生するモードであり、多くのメダル増加が期待できるモードである。ATモードに移行して押し順報知が発生するようになると、各押し順ベル当選時に第1小役入賞~第6小役入賞を成立させることが可能となり、そのATモード中の1ゲーム当たりの純増枚数はプラス約8.04枚である。ATモードは、初期ゲーム数を50ゲームとし、上乗せ抽選に当選することでその残りゲーム数の加算処理が行われる。また、第1ATモードよりも第2ATモードの方が上乗せ抽選の当選確率が高く設定されている。ATモードの残りゲーム数が0となるとATモードは終了し、第3CZモードに設定される。
第3CZモードは、継続ゲーム数が25ゲーム~30ゲームに設定されており、当該第3CZモード中も第1CZモードや第2CZモードと同様に、高確率でATモードへの移行抽選に当選し得るように設定されている。第3CZモードにおいてATモードへの移行抽選に当選すると、ATモードへの移行が生じる。一方、ATモードへの移行抽選に当選しないまま第3CZモードが終了した場合には、表示モードは通常モードに移行し、更に、有利区間が終了して通常区間に移行する。
既に説明した通り、CZモードにおいては、各ゲームでCZ用ATモード移行抽選テーブルを利用したATモード移行抽選が実行され、CZ用ATモード移行抽選テーブルは、通常用ATモード移行抽選テーブルよりもATモード移行当選となりやいように設定されている。また、CZ用ATモード移行抽選テーブルは、CZモードの各ゲームにおいて獲得したポイント値を利用して、ATモード移行抽選の当否を決定する構成としている。そうすると、CZモードにおいて毎ゲームATモード移行抽選が実行される点や、CZモードの各ゲームでポイント値が獲得され得る点からして、長いゲーム数のCZモードに設定されるほど、ATモード移行抽選に当選し易いといえる。つまり、第1CZモードよりも第2CZモードの方がATモード移行抽選に当選し易く、第2CZモードよりも第3CZモードの方がATモード移行抽選に当選し易い。
そうすると、第1CZモードは第2CZモードや第3CZモードよりもATモード移行抽選に当選しくいものの、第2CZモードや第3CZモード中にATモード移行抽選に当選しなかった場合には有利区間は終了する一方、第1CZモード中にATモード移行抽選に当選しなかった場合には有利区間は終了しないため、有利区間の継続性といった観点からすると、第1CZモードの方が第2CZモードや第3CZモードよりも遊技者にとって有利となる。
<押し順表示器及び区間表示器の表示とゲームの進行について>
有利区間の開始及び終了と区間表示器としての第8表示用セグメントN8の表示との関係を、図219を参照しながら説明する。
本スロットマシン10では、図219に示すように、有利区間ではない通常区間においては、区間表示器としての第8表示用セグメントN8は消灯している(点灯していない)。この通常区間においては、押し順報知は行われない。つまり、押し順報知等の指示機能に係る性能を有する有利区間に対し、通常区間は当該指示機能に係る有さない区間といえる。
通常区間において、例えば、第7小役(スイカ)当選等によって有利区間への移行抽選に当選すると、当該当選契機となった遊技結果が成立するゲームで有利区間に移行し、当該ゲームを開始ゲームとして有利区間の実行ゲーム数の計測(有利区間ゲーム数AGのカウント)が開始される。上記のように、有利区間移行時に第1CZモードに設定され、当該第1CZモードにおいて押し順報知が発生し得ることから、有利区間移行ゲーム(第1CZモード移行ゲーム)にて、区間表示器の表示の開始条件が成立したものとして、第8表示用セグメントN8が点灯する。より詳しくは、当該有利区間移行ゲーム(第1CZモード移行ゲーム)の開始時(スタートレバー41の操作時)に、第8表示用セグメントN8が点灯する。
その後、第8表示用セグメントN8が点灯している状況で、第1表示用セグメントN1~第7表示用セグメントN7を利用した押し順報知が発生する。この場合、上記のように第1表示用セグメントN1~第7表示用セグメントN7によって押し順情報(「1」~「6」)の表示がなされ、かかる押し順情報に基づいて、遊技者は押し順を把握することができる。押し順報知において、押し順情報は、当該ゲームにおいてスタートレバー41の操作時に表示が開始され、当該ゲームにおいて第3リール停止ON操作時(最終リールに対応するストップスイッチ42~44を押圧操作したタイミング)にその表示が終了する。かかるゲームが有利区間の最終ゲームではない場合には、第3リール停止ON操作時においては、第1表示用セグメントN1~第7表示用セグメントN7による押し順情報の表示のみ終了し、第8表示用セグメントN8による有利区間の表示は継続される。そして、次ゲーム以降において再度押し順役に当選すると、その押し順役に対応する押し順情報が第1表示用セグメントN1~第7表示用セグメントN7にて表示される。
有利区間の終了条件が成立すると、有利区間は終了して通常区間に移行する。有利区間の終了条件としては、継続ゲーム数やメダル増加数が上限に達することのほか、本実施形態では、ATモード移行抽選に当選することなく第2CZモードや第3CZモードが終了することも含まれている。有利区間が終了する場合、メダル払出が終了したタイミングで(払出判定処理の後の処理である区間表示第2処理により)、第8表示用セグメントN8が消灯する。なお、最終ゲームにおいてメダル払出が行われない場合には、第3リール停止OFF操作時(最終リールに対応するストップスイッチ42~44の押圧操作を終了したタイミング)に第8表示用セグメントN8が消灯する。
上記のように、有利区間に移行することで押し順報知が発生し得るようになり、その有利区間への移行(特定区間への移行)や当該有利区間の終了が第8表示用セグメントN8により明確に報知される。つまり、区間表示器としての第8表示用セグメントN8の点灯の有無を確認することで、少なくとも押し順報知による恩恵を享受可能な状況(特定区間、実質増加区間)であることを明確に把握することが可能となっている。このようにすることで、例えば、有利区間において押し順報知による恩恵を享受することでメダル増加が発生しているのか、有利区間ではないのにもかかわらず押し順報知による恩恵を不正に享受することでメダル増加を生じさせる不正行為が行われているのか等を、遊技ホールの管理者等が明確に確認することが可能となる。
その一方で、有利区間において、CZモードのうち、第2CZモードや第3CZモードがATモード移行抽選に当選することなく終了すると、これら第2CZモードや第3CZモードだけではなく有利区間も終了する。そして、有利区間の終了に際して、区間表示器としての第8表示用セグメントN8が消灯することから、当該有利区間が終了したことを遊技者は明確に把握可能となる。言い換えると、当該第8表示用セグメントN8が消灯することにより、第2CZモードや第3CZモードにおいてATモード移行抽選に当選しなかったことを明確に把握可能となる。
そうすると、第8表示用セグメントN8が消灯したことに基づいて、遊技が終了される場面が多くなる可能性が高くなる。また、第8表示用セグメントN8が消灯している遊技台は、直前の第2CZモードや第3CZモードにてATモード移行抽選に当選しなかったことの目印ともなるため、例えば、前任者の移行抽選の当選を拾う行為も行われにくくなり、いずれにしても当該第8表示用セグメントN8が消灯することは、遊技台の稼働率の低下の原因の一つとなり得る。そこで、本スロットマシン10では、かかる第8表示用セグメントN8の消灯に起因する稼働率の低下を解消する特徴ある構成を備えている。以下、その構成について説明する。
<演出設定処理>
次に、表示制御装置81のCPU181にて実行される演出設定処理について、図220のフローチャートに基づき説明する。演出設定処理は、CPU181により所定周期(例えば、2msec周期)で起動される処理である。
演出設定処理では、先ずステップSc2001にて、主制御装置101から新たなコマンドを受信したか否かを判定する。新たなコマンドを受信している場合には、ステップSc2002にて、受信したコマンドをRAM183に格納する処理を実行する。RAM183にはコマンド格納エリアが設けられており、当該コマンド格納エリアは、複数のコマンドを個別に記憶可能であって先に記憶したコマンドから読み出し可能なリングバッファとして構成されている。
ステップSc2001にて否定判定した場合、又はステップSc2002の処理を実行した後は、ステップSc2003にて、ゲーム開始前のタイミングであるか否かを判定する。ゲーム開始前のタイミングとは、第1クレジット投入スイッチ56や第2クレジット投入スイッチ57の操作やメダル投入口45の操作といった賭数操作が行われたり、再遊技状態設定用処理が行われ得る状態であり、かかるゲーム開始前のタイミングでは、主に主制御装置101からのベット時コマンドに対応する演出を設定する処理を行う。ベット時コマンドとは、賭数操作が行われたことに基づいて主制御装置101から出力されるコマンドであり、通常処理のステップSc204のBET用処理にてセットされるコマンドである。ステップSc2004では、ベット時コマンドに基づいて今回のベット操作に基づく演出設定を行うためのベット時演出設定処理を実行する。
ステップSc2003にて否定判定した場合、又はステップSc2004の処理を実行した後は、ステップSc2005にて、ベット後のゲームの開始タイミングであるか否かを判定する。ゲームの開始タイミングとは、スタートレバー41の操作が有効となっている状態であり、かかるゲームの開始タイミングでは、主制御装置101からの開始時コマンドに対応する演出を設定する処理を行う。開始時コマンドとは、スタートレバー41の操作が行われたことに基づいて主制御装置101から出力されるコマンドであり、抽選処理のステップSc311にてセットされる抽選結果コマンドの他、抽選結果対応処理(図199)や区間表示第1処理(図215)にてセットされる前兆コマンド、第1AT当選即報知コマンド、第2AT当選即報知コマンド、第2CZモード開始コマンド、上乗せコマンドや押し順報知コマンド、第1CZモード開始コマンド等がある。ステップSc2006では、これらの開始時コマンドに基づいて開始時演出設定処理を実行する。
ステップSc2005にて否定判定した場合、又はステップSc2006の処理を実行した後は、ステップSc2007にて、各リール32L,32M,32Rが回転中であるか否かを判定する。各リール32L,32M,32Rが回転している場合には、主制御装置101からの各停止操作時コマンドに対応する演出を設定する処理を行う。各停止操作時コマンドとは、各リール32L,32M,32Rのそれぞれの停止操作が行われたことに基づいて主制御装置101から出力されるコマンドであり、リール制御処理(図191)のステップSc405にてセットされる停止指令コマンドである。ステップSc2008では、かかる各停止操作時コマンドに基づいて今回の停止操作に基づく演出設定を行うための各停止操作時演出設定処理を実行する。
ステップSc2007にて否定判定した場合、又はステップSc2008の処理を実行した後は、ステップSc2009にて、全リール32L,32M,32Rが停止したか否かを判定する。全リール32L,32M,32Rが停止した場合には、主制御装置101からの全停止時コマンドに対応する演出を設定する処理を行う。全停止時コマンドとは、全リール32L,32M,32Rが停止したことに基づいて主制御装置101から出力されるコマンドであり、リール制御処理(図191)のステップSc417にてセットされる入賞結果コマンドの他、入賞結果対応処理(図212)にてセットされるAT開始コマンド、CZ終了コマンド、第1AT当選報知コマンド、第2AT当選報知コマンド、AT終了コマンド、第3CZモード開始コマンド等がある。ステップSc2010では、これらの全停止時コマンドに基づいて全停止時演出設定処理を実行する。
ステップSc2009にて否定判定した場合、又はステップSc2010の処理を実行した後は、ステップSc2011にて、その他の処理を実行してから、演出設定処理を終了する。ステップSc2011では、上記の各演出設定処理にて設定された各種演出が、対応するタイミングにて実行されるように補助表示部65やスピーカ64等を制御する。また、ステップSc2011では、ベット時、開始時、停止時以外の主制御装置101からの指令に基づく演出(例えば、清算スイッチ59の操作に基づく演出等)の設定や、主制御装置101を介さずに接続されたセンサ(演出スイッチ検出センサ等)からの信号に基づく演出の設定、エラー報知用の設定等を行う。
以下、開始時演出設定処理、全停止時演出設定処理について説明し、その後、ベット時演出設定処理について説明する。
<開始時演出設定処理>
ステップSc2006の開始時演出設定処理について、図221のフローチャートに基づき説明する。
ステップSc2101では、受信している抽選結果コマンドに基づいて、今回開始されるゲームの抽選結果が押し順役当選であるか否かを判定する。押し順役当選である場合には、ステップSc2102にて、押し順報知コマンドを受信しているか否かを判定する。押し順報知コマンドを受信している場合、ステップSc2103にて、今回のゲームの抽選結果が通常リプBであるか否かを判定する。通常リプBであるゲームにて押し順報知コマンドがセットされる場合とは、第1ATモードの開始ゲームであることを意味し、この場合、ステップSc2104にて第2再遊技入賞に対応する押し順報知演出を行うための設定処理を実行する。
ステップSc2103にて否定判定した場合、ステップSc2105にて今回のゲームの抽選結果が通常リプCであるか否かを判定する。通常リプCであるゲームにて押し順報知コマンドがセットされる場合とは、第2ATモードの開始ゲームであることを意味し、この場合、ステップSc2106にて第3再遊技入賞に対応する押し順報知演出を行うための設定処理を実行する。
ステップSc2105にて否定判定する場合とは、今回のゲームの抽選結果が押し順ベル当選であることを意味し、この場合、ステップSc2107にて第1小役入賞~第6小役入賞に対応する押し順報知演出が補助表示部65やスピーカ64にて行われるようにするための設定を実行する。
ステップSc2101若しくはステップSc2102にて否定判定した場合、又はステップSc2104、ステップSc2106及びステップSc2107のいずれかの処理を実行した後は、ステップSc2108に進む。ステップSc2108では、現状、ウェイト時間の経過前である特定期間としてのウェイト期間中であるか否かを判定する。上記の通り、ゲームの開始に際して各リール32L,32M,32Rの回転を開始させてから、次のゲームの開始に際して各リール32L,32M,32Rの回転を開始させるまでにウェイト時間が経過していなければ、当該各リール32L,32M,32Rの回転開始を待機させる構成としており、本実施形態では、主制御装置101と同様に表示制御装置81側においても、ウェイト時間の経過の有無をタイマカウンタ等にて判断可能としている。ステップSc2108にてウェイト期間を経過していないと判定した場合、ステップSc2109にてウェイト表示部78を点灯状態とする処理を実行してからステップSc2108に戻る。なお、ステップSc2109にて既にウェイト表示部78が点灯状態である場合には、その状態を維持する。
ステップSc2108にてウェイト期間が経過していると判定した場合、ステップSc2110に進み、ウェイト表示部78を消灯状態とする処理を実行する。なお、ウェイト表示部78が既に消灯状態である場合には、その状態を維持する。その後、ステップSc2111~ステップSc2122の各リール32L,32M,32Rの回転開始時の演出を設定する処理を実行する。つまり、ステップSc2101~ステップSc2107により実行される押し順報知演出は、スタートレバー41の操作に基づいてウェイト期間の経過前であっても実行される一方、ステップSc2111~ステップSc2122にて設定される各種開始時演出は、スタートレバー41が操作されてもウェイト期間が経過していなければ当該演出は実行されず、各リール32L,32M,32Rが回転開始する際に実行される。
なお、説明の簡略化のため、ステップSc2108にてウェイト期間が経過していないと判定した場合、ステップSc2109の処理を実行してからウェイト期間が経過するまで待機するループ処理を用いて説明しているが、当該開始時演出設定処理を終了するようにしてもよい。このようにすることで、開始時演出設定処理がウェイト期間経過まで終了しないことの不都合を解消することが可能である。この点は他のループ処理でも同様である。
各リール32L,32M,32Rが回転開始する際に実行する演出設定用の処理としては、先ず、ステップSc2111にて今回のゲームの抽選結果が特定役当選であるか否かを判定する。特定役とは、各ゲームの抽選結果として出現しにくい(当選しにくい)所謂レア役と称される抽選結果であり、本実施形態では、チャンス目A~チャンス目C、チェリーA~チェリーC及びスイカを特定役として設定している。図202や図203に示す通り、これらの抽選結果を契機とするATモード移行抽選においては、特定役以外の抽選結果を契機とするよりもATモード移行当選となり易いように設定されている。今回のゲームの抽選結果が特定役当選である場合、ステップSc2112にて、特定役報知用処理を実行する。特定役報知用処理では、今回のゲームの抽選結果が上記特定役のいずれかであることの特定役報知が補助表示部65やスピーカ64にて行われるようにするための設定を実行する。特定役報知としては、例えば、図224(b)に示すように、3つ設けられているストップスイッチ42~44に対応させて、ビックリマークのキャラクタが補助表示部65に3つ表示されるような演出が設定されている。
ステップSc2111にて否定判定した場合、又はステップSc2112の処理を実行した後は、ステップSc2113に進む。ステップSc2113では、上乗せコマンドを受信しているか否かを判定する。上乗せコマンドを受信している場合、ステップSc2114にて上乗せ演出の設定処理を実行する。上乗せ演出の設定処理では、ATモードの残りゲーム数の上乗せが行われたことに対応する報知として、当該上乗せされたゲーム数を補助表示部65にて表示する上乗せ演出を実行する。なお、当該上乗せ演出の態様は、当該上乗せが行われたゲームにて行われる態様に限定されず、例えば、当該上乗せが行われたゲームを契機として所定ゲーム数後に上乗せゲーム数の報知が行われる態様が含まれていてもよいし、例えば、ATモードの残りゲーム数が所定数(例えば残り1ゲーム)となった状況で上乗せ演出を実行する所謂後乗せ演出に態様が含まれる構成としてもよい。
ステップSc2113にて否定判定した場合、又はステップSc2114の処理を実行した後は、ステップSc2115にて第1AT当選即報知コマンド又は第2AT当選即報知コマンドを受信しているか否かを判定する。第1AT当選即報知コマンドや第2AT当選即報知コマンドは、ATモード移行抽選に当選した場合であって、即報知抽選に当選した場合に主制御装置101から出力されるコマンドである。これらのコマンドを受信している場合には、ステップSc2116にて対応するAT当選即報知演出が補助表示部65やスピーカ64にて行われるようにするための設定を実行する。AT当選即報知演出は、例えば、図223(a)に示すように、補助表示部65に「AT確定!!」といった文字表示を行うとともに、それに対応する効果音をスピーカ64から出力する。なお、AT当選即報知演出では、受信している即報知コマンドに基づいて、第1AT及び第2ATのいずれに当選しているかを明示する。例えば、第1ATモードに当選している場合と第2ATモードに当選している場合とで、AT当選即報知演出における補助表示部65の背景色を異ならせるなどして、遊技者がいずれのATモードに当選しているかを明確に把握可能とするとよい。なお、第1AT及び第2ATのいずれに当選しているかを明示せず、第1ATに当選していること又は第2ATに当選していることを補助表示部65やスピーカ64等を用いて示唆する構成としてもよい。このようにすることで、AT当選即報知演出後、AT開始ゲームまで、いずれのATに当選しているかを楽しみにする遊技性を抹殺しないようにすることができる。
ステップSc2115にて否定判定した場合、又はステップSc2116の処理を実行した後は、ステップSc2117にて、前兆コマンドを受信しているか否かを判定する。既に説明した通り、前兆コマンドは、主制御装置101側のAT抽選用処理(図198)において、ATモード移行抽選に当選した場合であって、即報知抽選に非当選である(ステップSc1105:NO)場合に出力されるコマンドであり、ATモード当選フラグがセットされたことの情報の他、当該ゲーム(ATモード当選フラグがセットされたゲーム)からAT当選報知演出を行うべきゲームまでのゲーム数の情報(前兆カウンタの値)が含まれている。前兆コマンドを受信している場合、ステップSc2118にて前兆演出設定処理を実行する。
前兆演出設定処理では、前兆演出として複数のゲームに亘って継続して実行され得る連続演出を設定する処理を行う。本実施形態における連続演出では、最終ゲームにてATモード移行抽選の当否結果が報知される構成としており、前兆演出設定処理にて設定される連続演出は、当該連続演出の最終ゲームにてATモードの当選報知が実行されるように設定されている。
前兆演出設定処理においては、ATモード移行抽選に当選となった表示モードが第1CZモードではなく、第2CZモードや第3CZモード、通常モード中である場合は、前兆コマンドに含まれる前兆ゲーム数に相当するゲーム数後にATモード移行抽選の当否結果の報知(ATモードの当選報知)が行われるように連続演出の設定を行う。既に説明した通り、第2CZモードは8ゲームから15ゲームに亘って継続し、ATモード移行当選時の前兆ゲーム数として13ゲーム~15ゲームが設定されるため、第2CZモードに移行してからATモード移行抽選の当否結果の報知(ATモードの当選報知)が行われるまでのゲーム数は13ゲームから30ゲームのうちのいずれかとなる。本実施形態では、第2CZモードに移行した場合には連続演出が開始されるように設定されており、第2CZモードにてATモード移行抽選に当選した場合、当該第2CZモードに移行した際に開始された連続演出の13ゲーム目から30ゲーム目でATモード移行抽選の当否結果の報知(ATモードの当選報知)が行われることになる。また、第3CZモードは25ゲームから30ゲームに亘って継続し、ATモード移行当選時の前兆ゲーム数として、当該第3CZモードの残りゲーム数が前兆ゲーム数として設定される。つまり、第3CZモードに移行してからATモード移行抽選の当否結果の報知(ATモードの当選報知)が行われるまでのゲーム数は、25ゲームから30ゲームのうちのいずれかとなる。本実施形態では、第3CZモードに移行した場合にも連続演出が開始されるように設定されており、第3CZモードにてATモード移行抽選に当選した場合、当該第3CZモードに移行した際に開始された連続演出の25ゲーム目から30ゲーム目でATモード移行抽選の当否結果の報知(ATモードの当選報知)が行われることになる。
これに対して、ATモード移行抽選に当選となった表示モードが第1CZモードである場合には、既に連続演出が開始されているか否かを判定し、連続演出が開始されていない場合には、前兆コマンドに含まれる前兆ゲーム数に相当するゲーム数後にATモード移行抽選の当否結果の報知(ATモードの当選報知)が行われるように連続演出の設定を行う。第1CZモードは8ゲームから10ゲームに亘って行われること、及び第1CZモードにおいてATモード移行抽選に当選した場合には5ゲームの前兆ゲーム数が設定されることからして、第1CZモードに移行してからATモード移行抽選の当否結果の報知(ATモードの当選報知)が行われるまでのゲーム数は、5ゲームから15ゲームのうちのいずれかとなる。また、ATモード移行抽選に当選となった表示モードが第1CZモードであって既に連続演出が開始されている場合には、当該連続演出の残りゲーム数を今回の前兆ゲーム数に設定するための処理を行う。上記の通り、第2CZモードに移行した場合には連続演出が開始されるように設定されており、更に、本実施形態では、第2CZモードがATモード移行抽選に当選しなかった場合、当該連続演出が引き継がれるように設定されている。そのため、上記の第1CZモードにおいてATモード移行抽選に当選した際に既に連続演出が開始されている場合とは、当該第2CZモードの開始時に開始された連続演出が引き継がれたことを意味する。上記の通り、第2CZモードは8ゲームから15ゲームに亘って継続するため、第2CZモードを介して第1CZモードにてATモード移行抽選に当選した場合には、第2CZモードに移行に際して連続演出が開始されてからATモード移行抽選の当否結果の報知(ATモードの当選報知)が行われるまでのゲーム数は、通常区間のゲーム数を除くと、13ゲームから30ゲームのうちのいずれかとなる。つまり、第2CZモードを介して第1CZモードにてATモード移行抽選に当選した場合、仮に通常区間を1ゲームとすると、当該第2CZモードの移行に際して開始された連続演出の14ゲーム目から31ゲーム目でATモード移行抽選の当否結果の報知(ATモードの当選報知)が行われることになる。
この場合、特に、第2CZモードの移行に際して開始された連続演出にてATモード移行抽選の当否結果の報知(ATモードの当選報知)が行われる場合において、第1CZモードを介さない場合には当該連続演出の13ゲーム目から30ゲーム目にてATモード移行抽選の当否結果の報知(ATモードの当選報知)が行われ、第1CZモードを介する場合には当該連続演出の14ゲーム目から31ゲーム目にてATモード移行抽選の当否結果の報知(ATモードの当選報知)が行われるようになる。そのため、第2CZモードの移行に際して開始された連続演出において13ゲーム目から30ゲーム目にATモード移行抽選の当否結果の報知(ATモードの当選報知)が行われる場合、第1CZモードを介したか否か、すなわち、有利区間が一旦終了したか否かが、当該連続演出のゲーム数からは判別しにくくなる。そして、詳細な説明は省略するが、本実施形態では、このようなATモードの当選報知が行われるゲーム数に合わせて、ATモード移行抽選の当否結果として非当選であることの連続演出のゲーム数が設定される。そのため、例えば、第2CZモードにおいて連続演出が開始された場合、連続演出の内容やゲーム数からは当該連続演出中に有利区間が終了したか否かの判断が困難となり、有利区間の終了に際して遊技が終了されにくくなっている。
開始時演出設定処理の説明に戻り、ステップSc2117にて否定判定した場合、又はステップSc2118の処理を実行した後は、ステップSc2119に進む。ステップSc2119では、第1CZモード開始コマンド又は第2CZモード開始コマンドを受信しているか否かを判定する。いずれかのCZモード開始コマンドを受信している場合、ステップSc2120にて、CZモード開始用設定処理を実行する。第1CZモード開始コマンドを受信している場合、連続演出が継続していない場合には、新たな第1CZモード用の演出が開始されるようにし、連続演出が継続している場合には、当該連続演出を継続させる。また、上記の通り、本実施形態では、第2CZモードの開始に際しては連続演出が開始されるようにしており、第2CZモード開始コマンドを受信している場合には、当該CZモード開始用設定処理において、当該第2CZモードの継続ゲーム数とその後に実行され得る第1CZモードの継続ゲーム数との合計数よりも長いゲーム数の連続演出が開始されるように設定する。これにより、ATモード移行抽選に当選することなくCZモードが終了した場合であっても、その後の第1CZモードの開始に際して(有利区間の移行に際して)、連続演出が継続している状況を生じさせることが可能となる。
ステップSc2119にて否定判定した場合、又はステップSc2120の処理を実行した後は、ステップSc2121にて連続演出設定処理を実行する。連続演出設定処理は、上記のように、ATモード移行抽選の当否結果を報知するうえで、複数のゲームに亘って継続し得る連続演出の各ゲームの演出を設定したり、ATモード移行抽選に非当選であった場合の連続演出を設定するための処理である。
その後、ステップSc2122にて、その他の開始時演出設定処理を実行してから、本開始時演出設定処理を終了する。ステップSc2122では、例えば、ゲーム開始に対応させて抽選結果を示唆する演出を設定したり、スタートレバー41周辺のランプを消灯させてその操作が受け付けられたことを報知するための処理等を行う。
<全停止時演出設定処理>
次に、ステップSc2010の全停止時演出設定処理について、図222を参照しながら説明する。既に説明した通り、全停止時演出設定処理は、新たに受信したコマンドが、入賞結果コマンド、AT開始コマンド、CZ終了コマンド、第1AT当選報知コマンド、第2AT当選報知コマンド、AT終了コマンド、第3CZモード開始コマンド等の全停止時コマンドである場合に、演出設定を行うための処理である。
ステップSc2201では、第1AT当選報知コマンド又は第2AT当選報知コマンドを受信しているか否かを判定する。第1AT当選コマンドや第2AT当選報知コマンドは、ATモード当選フラグがセットされた後、前兆カウンタが0となることで主制御装置101側から出力されるコマンドである。これらのAT当選報知コマンドを受信している場合、ステップSc2202に進み、対応するAT当選報知演出が、次ゲームのベット時演出として補助表示部65やスピーカ64にて行われるようにするための設定を実行する。AT当選報知演出は、上記のように設定された連続演出の最終ゲームにてATモード移行抽選に当選したことの報知を行った後の演出であり、例えば、連続演出を味方キャラクタと敵キャラクタとがバトルするバトル演出として設定する場合、当該バトル演出にて味方キャラクタが勝利する演出を連続演出の最終ゲームにて実行した後、次ゲームのベット時に味方キャラクタが喜ぶ演出をAT当選報知演出として設定してもよい。ここで設定されたAT当選報知演出は、次のゲームのベット時演出として、第1クレジット投入スイッチ56や第2クレジット投入スイッチ57を操作したり、メダル投入口45からのメダル投入といった賭数操作が行われた場合に実行される。
ステップSc2201にてAT当選報知コマンドを受信していないと判定した場合、ステップSc2203に進む。ステップSc2203では、AT開始コマンドを受信しているか否かを判定する。なお、AT開始コマンドを受信している場合とは、当該ゲームの開始時に第2再遊技や第3再遊技用の押し順報知演出を行っている場合である。この場合、ステップSc2204にて、AT開始演出が補助表示部65やスピーカ64にて行われるようにするための設定を実行する。AT開始演出は、例えば、図223(b)に示すように、補助表示部65に今回開始するATモードの種類に対応する開始用の再遊技図柄(第1ATモードであれば第2再遊技に対応する「BAR」図柄の斜め揃い(図183(a))等、第2ATモードであれば第3再遊技に対応する「白7」図柄の下段揃い(図183(c))等)とともに、「AT開始!!」といった文字表示を行い、また、それに対応する効果音をスピーカ64から出力する。
ステップSc2203にてAT開始コマンドを受信していない場合には、ステップSc2205にてAT終了コマンドを受信しているか否かを判定する。AT終了コマンドを受信している場合、ステップSc2206にてAT終了演出が補助表示部65やスピーカ64にて行われるようにするための設定を実行する。AT終了演出は、例えば、図224(a)に示すように、今回のATモードの継続ゲーム数や今回のATモードで獲得したメダル数を補助表示部65にて表示する。
ステップSc2205にてAT終了コマンドを受信していない場合、ステップSc2207にて第3CZモード開始コマンドを受信しているか否かを判定する。第3CZモード開始コマンドを受信している場合、ステップSc2208にて、第3CZモード用演出開始処理を実行する。第3CZモード用演出開始処理では、今回の第3CZモードの継続ゲーム数(25ゲーム~30ゲーム)に亘って、連続演出が開始されるように設定する。
ステップSc2207にて第3CZモード開始コマンドを受信していないと判定した場合、ステップSc2209にてCZモード終了コマンドを受信しているか否かを判定する。CZ終了コマンドを受信している場合、ステップSc2210にてCZ終了用の演出設定処理を実行する。CZ終了用の演出設定処理では、今回終了するCZモードが第2CZモードである場合は、実行中の連続演出が継続されるように設定する。また、今回終了するCZモードが第1CZモードである場合は、当該第1CZモードが第2CZモードを介した第1CZモードである場合、すなわち、第2CZモードの連続演出を引き継いで第1CZモード中の演出が行われた場合にはそのまま当該連続演出を終了させるようにし、当該第1CZモードが第2CZモードを介していない第1CZモードである場合は、第1CZモードにおいて設定された連続演出を継続させるように設定する。そして、今回終了するCZモードが第3CZモードである場合は、当該第3CZモードにおいて設定された連続演出をそのまま終了させるように設定する。
ステップSc2209にてCZモード終了コマンドを受信していない場合、又は、ステップSc2202、ステップSc2204、ステップSc2206、ステップSc2208及びステップSc2210のいずれかの処理を実行した後は、ステップSc2211にて、今回のゲームの遊技結果の情報(抽選結果及び入賞の有無の情報)と今回のゲームのベット数の情報を一時記憶する処理を実行する。そして、ステップSc2212にて、その他の全停止時演出設定処理を実行してから、本全停止時演出設定処理を終了する。ステップSc2212では、例えば、入賞役に対応させた色で上部ランプ63が点灯するように制御したり、入賞役の払出数に対応する効果音がスピーカ64から発せられるように制御したり、リプレイ時の自動ベットに対応する効果音がスピーカ64から発せられるように制御したりする。
このように、本実施形態では、通常区間から有利区間移行抽選を経て有利区間に移行し、当該有利区間においてATモード移行抽選に当選することでATモードへの移行が生じて多くのメダル獲得を期待できる遊技性において、ATモードへの移行が主にCZモードを介して生じるようにし、当該CZモードにおいて設定される連続演出のその後の内容が、有利区間の終了によって予測されてしまうことを解消するようにしている。この場合、CZモードに限られず、ATモード移行抽選は各ゲームの抽選結果に応じて実行されるようにしているところ、各ゲームの抽選結果が所謂レア役としての特定役であるとATモード移行当選となり易く、それ以外の結果であるとATモード移行当選となりにくくなるように設定されている。
既に説明した通り、本実施形態ける特定役とは、チャンス目A~チャンス目C、チェリーA~チェリーC及びスイカであり、このうち、スイカは、入賞によってメダルの払い出しが生じる所謂小役結果である一方で、チャンス目A~チャンス目C、チェリーA~チェリーCは再遊技結果入賞が成立する結果である。このように再遊技結果を利用して特定役を設定することで、再遊技結果の種類を増やすだけで特定役の多様化を図ることが可能となるし、メダルの増減が生じない再遊技結果であれば出玉率に与える影響を抑えながら特定役の設定を行うことも可能となる。更に、通常リプA~Cのように、基本的には第1再遊技結果入賞を成立させるようにしながらも、所定のタイミング(ATモードの開始時)には第2再遊技結果入賞や第3再遊技結果入賞を成立させる、といったようにストップスイッチ42~44の操作順序によって付与する特典を異ならせることなく入賞する結果や停止出目を異ならせ、それを遊技に利用することも可能である。また、例えば、再遊技結果の当選確率が向上するRT状態等を用いて、特定役の出現率を向上させる、といった工夫も行うことが可能となり、再遊技結果を用いて特定役等を構成することは、遊技の興趣向上を図るうえで大きなメリットがある。
但し、上記のように特定役を小役結果と再遊技結果とにより構成すると、小役結果である場合には次のゲームにて遊技者自らのベットが必要であるのに対して、再遊技結果である場合には仮想メダルを自動投入する処理によってベットは不要であり、遊技の進行態様が大きく異なることとなる。そのため、再遊技結果による特定役入賞が成立した場合、小役結果等との差によって遊技者に強烈な違和感を与えかねず、遊技の円滑な進行の障壁となり得るし、当該違和感によって遊技意欲を低下させてしまう可能性もある。
そこで、本実施形態では、このような特定役のうちの再遊技結果により構成される結果の入賞が成立した場合の報知態様に工夫が施されている。以下、再遊技結果である場合の報知の態様について説明する。なお、以下の説明では、第1再遊技結果を通常再遊技結果とも称し、第1再遊技結果以外の再遊技結果を特定再遊技結果とも称する。
<BET表示部とベット表示部>
図170に示すように、遊技パネル25には、表示窓26L,26M,26Rの左方にベット表示部34が設けられており、表示窓26L,26M,26Rの左下方にはBET表示部75が設けられている。
BET表示部75は、図225に示すように、第1BET表示部75a、第2BET表示部75b、第3BET表示部75cを有している。いずれの表示部75a~75cも点灯状態(又は点滅状態)と消灯状態とに切り替わり可能に構成されており、点灯状態とされるBET表示部75a~75cによって、ベット数が報知される。例えば、BET表示部75のうち、第1BET表示部75aと第2BET表示部75bとが点灯状態であって第3BET表示部75cが消灯状態の場合には2枚のベットが行われていることを意味し、また、全てのBET表示部75a~75cが点灯状態の場合には3枚のベットが行われていることを意味する。
ベット表示部34も、図170に示すように、第1ベット表示部34a、第2ベット表示部34b、第3ベット表示部34cを有しており、いずれのベット表示部34a~34cも点灯状態(又は点滅状態)と消灯状態とに切り替わり可能に構成されている。そして、点灯状態とされるベット表示部34a~34cによって、ベット数が報知される点も上記のBET表示部75と同じである。
但し、図185に示すように、BET表示部75は主制御装置101に接続されており、ベット表示部34は表示制御装置81に接続されており、BET表示部75が主制御装置101側のCPU102にて制御されるのに対して、ベット表示部34は表示制御装置81側のCPU181にて制御される点で相違している。また、図170に示すように、BET表示部75よりもベット表示部34の方が、遊技パネル25において、各表示部34,75が点灯状態となった場合に光を透過する領域の面積が大きく設定されており、BET表示部75よりもベット表示部34の方が遊技者の目を引き易い(把握し易い)ように設定されている。なお、BET表示部75よりもベット表示部34の方が、遊技者の目を引き易い(遊技者が把握し易い)構成であればよく、点灯状態となった場合の輝度や光量が多くなるようにしてもよいし、ベット表示部34を動作可能な役物等により構成されるものとしてもよいし、ベット表示部34によるベット数の表示が補助表示部65にて行われる構成としてもよい。
また、遊技状態表示部76は、図170に示すように、BET表示部75と同様に、ベット表示部34や第1クレジット投入スイッチ56よりも小さい表示部である。図185及び図225に示すように、再遊技状態表示部76aと、開始可能状態表示部76bと、受入可能状態表示部76cとを有しており、いずれの表示部76a~76cも点灯状態と消灯状態とに切り替わり可能に構成されている。再遊技状態表示部76aは、今回のゲームのベット数と同数のベット数にて次のゲームを実行可能となる再遊技状態に設定されていることを報知するためのものであり、再遊技状態に設定された場合に点灯状態とされ、再遊技状態に設定されたゲームが終了すると消灯状態とされる。開始可能状態表示部76bは、ゲームの開始操作を受付可能な開始可能状態となったことを報知するためのものであり、開始状態に設定された場合に点灯状態とされ、開始可能状態にて開始操作を受け付けた場合に消灯状態とされる。受入可能状態表示部76cは、メダル投入口45からのメダルの投入が可能な受入可能状態であることを報知するためのものであり、受入可能状態である場合に点灯状態とされ、メダルの投入を受け付けない場合に消灯状態とされる。受入可能状態表示部76cについてより詳しくは、メダル投入口45から投入したメダルが貯留用通路47側に導かれるメダル通路切替ソレノイド46aの励磁時は点灯状態となり、排出用通路48側に導かれるメダル通路切替ソレノイド46aの非励磁時は消灯状態となる。
<BET用処理>
次に、通常処理におけるステップSc204にて実施されるBET用処理について、図226のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップSc2301では、前回のゲームの遊技結果が再遊技結果入賞であったか否かを判定する。かかる処理は、ステップSc214のメダル払出処理にて記憶された前回のゲームの情報に基づいて判定可能である。いずれかの再遊技結果入賞が成立した次のゲームである場合、ステップSc2302にて、入賞した再遊技結果が通常再遊技結果としての第1再遊技結果であるか否かを判定する。通常再遊技結果入賞は、通常リプA~通常リプCに当選した場合に入賞可能となるものであり、通常リプA~通常リプCに当選した場合には、右リール32Rの停止操作を最初に行わない限り、基本的には通常再遊技結果入賞が成立する(図208)。通常再遊技入賞が成立したゲームの次ゲームである場合、ステップSc2303にて各種フラグ格納エリア106dに通常再遊技フラグをセットする処理を実行する。一方、特定再遊技結果としての第1再遊技結果以外の再遊技結果入賞が成立したゲームの次ゲームである場合、ステップSc2304にて各種フラグ格納エリア106dに特定再遊技フラグをセットする処理を実行する。
なお、上記ステップSc2301~ステップSc2304の処理は、メダル払出処理や払出判定処理にて行うようにしてもよい。
ステップSc2303又はステップSc2304の処理を実行した後は、ステップSc2305に進み、前回のゲームのベット数を、各種カウンタエリア106eに設けられたBETカウンタから把握し、当該BETカウンタの値をレジスタ等に一時記憶する処理を実行する。BETカウンタは、ベットされているベット数をCPU102が把握するためのカウンタである。
ステップSc2301にて否定判定した場合、又はステップSc2305の処理を実行した後は、ステップSc2506にてBETカウンタをクリアする。そして、ステップSc2307にて、今回のゲームの規定枚数を把握する処理を実行する。既に説明した通り、規定枚数とは、ゲームを実行可能とするベット数であって、いずれかのBB状態においては3枚が規定枚数とされ、BB状態以外の通常遊技状態においては、2枚と3枚とが規定枚数として設定されている。
続くステップSc2308では、受入可能状態表示部を点灯状態とする処理を実行する。そして、ステップSc2309にて、通常再遊技フラグ又は特定再遊技フラグがセットされており、いずれかの再遊技結果入賞が成立した次のゲームであるか否かを判定し、再遊技結果入賞が成立した次のゲームである場合、ステップSc2310にて再遊技設定用処理を実行する。
<再遊技設定用処理>
再遊技設定処理では、図227のフローチャートに示すように、先ず、ステップSc2401にて、再遊技状態表示部を点灯状態とする処理を実行する。続くステップSc2402では、全てのBET表示部を消灯状態とする処理を実行する。そして、ステップSc2403にて特定再遊技フラグがセットされているか否かを判定し、セットされておらず、通常再遊技結果入賞が成立した次のゲームである場合、ステップSc2404にて、通常BETコマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行する。通常BETコマンドは、表示制御装置81側のベット表示部34の制御を行うためのコマンドである。
通常BETコマンドをセットした後は、ステップSc2405に進む。ステップSc2405~ステップSc2410は、通常再遊技結果入賞に基づき仮想メダルを自動投入するための処理である。すなわち、ステップSc2405では、BETカウンタを1加算する処理を実行し、ステップSc2406にて今回加算した結果のBETカウンタに対応するBET表示部を点灯状態(又は点滅状態)とする処理を実行する。具体的には、ステップSc2405の処理の結果としてBETカウンタが1であれば第1BET表示部75aを点灯状態とし、BETカウンタが2であれば第2BET表示部75bを点灯状態とし、BETカウンタが3であれば第3BET表示部75cを点灯状態とする。そして、ステップSc2407にて、再遊技BETコマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行する。再遊技BETコマンドは、ステップSc2406のBET表示部75の点灯処理に連動させて、表示制御装置81側のベット表示部34を点灯状態とさせるためのコマンドである。
続くステップSc2408では、各種カウンタエリア106eに設けられたBETタイマに134を入力する処理を実行する。BETタイマは仮想メダルを自動投入する間隔を規定するためのカウンタであり、当該BETタイマはタイマ割込み処理が1回起動される度に1ずつ減算され、ステップSc2408にて入力した値は、約0.2sec後に0となる。
ステップSc2409では、BETタイマが0となり、ステップSc2408の処理を実行してから約0.2secが経過したか否かを判定し、経過していない場合には、経過するまで待機する。約0.2secが経過し、ステップSc2409にて肯定判定した場合、ステップSc2410にて、BETカウンタの値がステップSc2305にて一時記憶した前回のゲームのベット数に等しくなったか否かを判定する。前回のゲームのベット数に達していなければ、ステップSc2405に戻り、再度、仮想メダルを自動投入する処理を実行する。BETカウンタの値が前回のゲームのベット数に達した場合、ステップSc2410にて肯定判定し、ステップSc2411に進む。
ステップSc2411では、ベット終了コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行する。ベット終了コマンドは、一連のベットが終了したことを表示制御装置81へ把握させるためのコマンドであり、現状のベット数の情報が含まれている。続くステップSc2412では、各種フラグ格納エリア106dに開始可能フラグをセットする処理を実行する。開始可能フラグは、スタートレバー41の開始操作を受付可能な状態となったことをCPU102が把握するためのフラグである。言い換えると、開始可能フラグがセットされていない場合には、スタートレバー41の開始操作が行われても、それを受け付けない。また、既に説明した通り、本スロットマシン10にはウェイト期間が設定されており、開始可能フラグはウェイト期間の経過前にセットされ得るものとして設定されている。つまり、開始可能フラグがセットされており、スタートレバー41の開始操作を受付可能な状態となり、スタートレバー41の開始操作が行われたとしても、当該開始操作は受け付ける一方で、各リール32L,32M,32Rの回転開始制御はウェイト期間の経過まで待機され得る。
ステップSc2412の処理を実行した後は、ステップSc2413にて、開始可能状態表示部76bを点灯状態とする処理を実行してから、本再遊技設定用処理を終了する。開始可能状態表示部76bが点灯状態とされることによって、遊技者はスタートレバー41の開始操作が受け付けられる状況となったことを把握することが可能となる。
これに対してステップSc2403にて特定再遊技フラグがセットされており、特定再遊技結果入賞が成立した次のゲームである場合、ステップSc2414に進む。ステップSc2414では、特定BETコマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行する。特定BETコマンドは、表示制御装置81側のベット表示部34の制御を行うためのコマンドである。
続くステップSc2415では、BETカウンタに前回のゲームのベット数を入力する処理を実行する。そして、ステップSc2416にて、BETカウンタに入力した値に対応するBET表示部75a~75cを点灯状態とする処理を実行する。すなわち、ステップSc2415にてBETカウンタに1を入力した場合には、第1BET表示部75aだけを点灯状態とし、BETカウンタに2を入力した場合には、第1BET表示部75aと第2BET表示部75bとを点灯状態とする一方、第3BET表示部75cは消灯状態を維持し、BETカウンタに3を入力した場合には全てのBET表示部75a~75cを点灯状態とする。
ステップSc2416の処理を実行した後は、ステップSc2411に進み、ベット終了コマンドや開始可能フラグをセットする処理を実行し、開始可能状態表示部76bを点灯状態とする処理を実行してから、本再遊技設定用処理を終了する。
すなわち、再遊技結果入賞に基づき仮想メダルを自動投入する処理は、通常再遊技結果入賞に基づき自動投入する場合よりも、特定再遊技結果入賞に基づき自動投入する場合の方が短時間で完了するように設定されている。
BET用処理の説明に戻り、ステップSc2309にていずれの再遊技フラグもセットされていない場合、又はステップSc2310にて再遊技設定用処理を実行した後は、ステップSc2311に進む。ステップSc2311~ステップSc2319の処理は、メダル投入口45からのメダル投入や、各クレジット投入スイッチ56,57の操作によってベットやクレジットの設定を行うための処理である。
すなわち、ステップSc2311では、各種カウンタエリア106eに設けられたクレジットカウンタの値が上限値(50)であるか否かを判定する。クレジットカウンタは、クレジット表示部60に表示されるクレジットに対応するものであり、CPU102が有する仮想遊技媒体記憶手段に相当する。クレジットカウンタが上限値に達していなければ、ステップSc2312にてメダル通路切替ソレノイド46aを励磁状態として、メダル投入口45から投入されたメダルが貯留用通路47側に導かれるようにする。一方、クレジットカウンタが上限値である場合、ステップSc2313にてメダル通路切替ソレノイド46aを非励磁状態として、メダル投入口45から投入されたメダルが排出用通路48側に導かれるようにする。
ステップSc2312又はステップSc2313の処理を実行した後は、ステップSc2314に進む。ステップSc2314~ステップSc2319の処理は、メダル投入口45からのメダル投入、第1クレジット投入スイッチ56の操作、第2クレジット投入スイッチ57の操作、といった賭数操作が行われた場合の処理である。
すなわち、ステップSc2314では、メダル投入口45からメダルが投入されたか否かを判定する。本実施形態では、メダルが投入されたことはメダル投入口45から投入されたメダルが通過する通路において上記のメダル通路切替ソレノイド46aが設けられたセレクタ46よりも上流側(メダル投入口45側)に、投入メダル検出センサ45aが設けられており、CPU102は、当該投入メダル検出センサ45aの検出結果に基づいて、メダルが投入されたことを判定することが可能である。メダルが投入された場合には、ステップSc2315にてメダル投入対応処理を実行する。
メダルが投入されていない場合、ステップSc2316に進み、第1クレジット投入スイッチ56が操作されたか否かを、第1クレジット投入検出センサ56aの検出結果に基づいて判定する。第1クレジット投入スイッチ56が操作された場合には、ステップSc2317にて第1操作対応処理を実行する。
第1クレジット投入スイッチ56が操作されていない場合、ステップSc2318にて第2クレジット投入スイッチ57が操作されたか否かを、第2クレジット投入検出センサ57aの検出結果に基づいて判定する。第2クレジット投入スイッチ57が操作された場合には、ステップSc2319にて第2操作対応処理を実行する。
ステップSc2315、ステップSc2317及びステップSc2319のいずれかの処理を実行した後、又はステップSc2318にて否定判定した後は、ステップSc2320にて開始可能フラグがセットされているか否かを判定し、セットされていない場合には、ステップSc2311に戻り、開始可能フラグがセットされている場合には、BET用処理を終了する。
以下、メダル投入対応処理、第1操作対応処理、第2操作対応処理について説明する。
<メダル投入対応処理>
メダル投入対応処理は、図228のフローチャートに示すように、先ず、特定再遊技フラグがセットされているか否かを判定する。特定再遊技フラグがセットされておらず、前回のゲームにて特定再遊技結果入賞が成立していない場合には、ステップSc2502にて、通常再遊技フラグがセットされているか否かを判定する。通常再遊技フラグがセットされておらず、前回のゲームにて通常再遊技結果も入賞していない場合、すなわち、現状が再遊技状態に設定されていない場合、ステップSc2503に進み、BETカウンタが規定枚数に達しているか否かを判定する。上記の通り、今回のゲームの規定枚数はステップSc2307にて把握されている。また、いずれかのBB状態においては3枚が規定枚数とされ、BB状態以外の状態においては、2枚と3枚とが規定枚数として設定されており、ステップSc2503では、BB状態においてはBETカウンタが3である場合に肯定判定し、BB状態以外の状態においては、2枚と3枚の規定枚数のうち多い方の規定枚数に達しているか否かを判定する。つまり、BB状態以外の状態においてはBETカウンタが3である場合に肯定判定する。
ステップSc2503にて否定判定した場合、ステップSc2504にてBETカウンタを1加算する処理を実行する。つまり、2枚と3枚の規定枚数が設定されている状態において、2枚の規定枚数の遊技(2ベットゲーム)を開始可能な状態から、更に1枚のメダルを投入することで3枚の規定枚数の遊技(3ベットゲーム)を開始可能な状態とすることが可能である。
続くステップSc2505では、今回のメダル投入によってBETカウンタが規定枚数に達したか否かを判定する。規定枚数に達している場合には、ステップSc2506にて開始可能フラグがセットされているか否かを判定する。開始可能フラグがセットされていない場合には、ステップSc2507にて開始可能フラグをセットする処理を実行し、ステップSc2508にて開始可能状態表示部76bを点灯状態とする処理を実行する。
ステップSc2505にてBETカウンタが規定枚数に達していないと判定した場合や、ステップSc2506にて開始可能フラグがセットされている場合や、ステップSc2508にて開始可能状態表示部76bの点灯処理を実行した後は、ステップSc2509にて投入BETコマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本メダル投入対応処理を終了する。投入BETコマンドは、今回のメダル投入によってベットの設定が行われたことを表示制御装置81へ把握させるためのコマンドである。
ステップSc2502にて特定再遊技フラグはセットされていないものの通常再遊技フラグはセットされていると判定した場合や、ステップSc2503にてBETカウンタが規定枚数に達していると判定し、BB状態中にBETカウンタが3である場合や、BB状態以外の状態中にBETカウンタが3である場合、ステップSc2510に進む。ステップSc2510では、クレジットカウンタが50であるか否かを判定する。クレジットカウンタが50ではない場合には、ステップSc2511にてクレジットカウンタを1加算する処理を実行し、ステップSc2512にて投入増加コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行する。そして、ステップSc2513にて、ステップSc2511の処理の結果に基づいてクレジットカウンタが50に達したか否かを判定し、50に達した場合には、ステップSc2514にてメダル通路切替ソレノイド46aを非励磁状態とし、ステップSc2515にて受入可能状態表示部76cを消灯状態とする処理を実行してから、本メダル投入対応処理を終了する。ステップSc2510にて肯定判定した場合、又はステップSc2513にて否定判定した場合は、そのままメダル投入対応処理を終了する。
これに対して、ステップSc2501にて特定再遊技フラグがセットされており、前回のゲームにて特定再遊技結果入賞が成立している場合、ステップSc2516に進み、特定投入コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行する。特定投入コマンドは、特定再遊技結果入賞に基づいて設定された再遊技状態にてメダルの投入が行われたことを表示制御装置81へ把握させるためのコマンドである。ステップSc2516の処理を実行した後は、ステップSc2510に進み、クレジットカウンタが50に達していないことを条件として、クレジット増加用の処理を実行する。
すなわち、本実施形態では、再遊技状態に設定されている状況であってもメダルの投入によってクレジットカウンタを増加させることが可能であり、特に、特定再遊技結果入賞に基づいて設定されている再遊技状態においては、メダルの投入によって特定投入コマンドが出力される。特定投入コマンドを受信した場合の表示制御装置81側の処理については、後に詳細に説明する。
<第1操作対応処理>
第1クレジット投入スイッチ56が操作された場合の処理である第1操作対応処理では、図229のフローチャートに示すように、ステップSc2601にて特定再遊技フラグがセットされているか否かを判定し、ステップSc2602にて通常再遊技フラグがセットされているか否かを判定する。特定再遊技フラグはセットされておらず、通常再遊技フラグがセットされており、前回のゲームにて通常再遊技結果入賞が成立している場合、第1クレジット投入スイッチ56の操作によってベットは行われないため、そのまま本第1操作対応処理を終了する。特定再遊技フラグ及び通常再遊技フラグのいずれもがセットされていない場合、ステップSc2603に進む。
ステップSc2603では、クレジットカウンタが1以上であって、仮想メダルが1枚以上記憶されているか否かを判定する。クレジットカウンタが1未満であり、仮想メダルが記憶されていない場合には、第1クレジット投入スイッチ56を操作してもベットが行われないため、そのまま本第1操作対応処理を終了する。クレジットカウンタが1以上である場合には、ステップSc2604に進み、現状のBETカウンタが特定枚数であるか否かを判定する。既に説明した通り、特定枚数とは、規定枚数のうちの第1クレジット投入スイッチ56が操作された場合にベットされる枚数であり、BB状態においては特定枚数は3枚に設定されており、BB状態以外であってBB当選前の非内部状態においては特定枚数は2枚に設定されており、BB状態以外であってBB当選後の内部状態においては特定枚数は3枚に設定されている(図193参照)。現状のBETカウンタが特定枚数に相当するものである場合には、第1クレジット投入スイッチ56を操作しても新たなベットは行われないため、そのまま本第1操作対応処理を終了する。
BETカウンタが特定枚数ではない場合、ステップSc2605にて、通常第1操作コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行する。通常第1操作コマンドは、再遊技状態以外であって、クレジットカウンタが1以上である状況で第1クレジット投入スイッチ56が操作されたことを表示制御装置81へ把握させるためのコマンドである。
続くステップSc2606では、今回の第1クレジット投入スイッチ56の操作に基づき、クレジットカウンタを1減算する処理を実行する。そして、ステップSc2607にてBETカウンタを1加算する処理を実行し、ステップSc2608にて対応するBET表示部75a~75cを点灯状態とする処理を実行する。
続くステップSc2609では、ステップSc2606の処理によってBETカウンタが特定枚数に達したか否かを判定する。達していない場合には、ステップSc2610に進み、クレジットカウンタが1以上であるか否かを判定する。クレジットカウンタが1以上であって、今回の第1クレジット投入スイッチ56の操作によって更なるベットが可能である場合、ステップSc2611にて、BETタイマに67を入力する処理を実行する。上記の通り、BETタイマは仮想メダルを自動投入する間隔を規定するためのカウンタであり、ステップSc2611にて入力した値は、約0.1sec後に0となる。つまり、第1クレジット投入スイッチ56の操作によって仮想メダルを投入する場合、再遊技設定用処理にて仮想メダルを自動投入する場合の間隔(約0.2sec)よりも短い間隔にて仮想メダルの投入が行われる。
ステップSc2612では、BETタイマが0となり、ステップSc2611の処理を実行してから約0.1secが経過したか否かを判定し、経過していない場合には、経過するまで待機する。約0.1secが経過し、ステップSc2612にて肯定判定した場合、ステップSc2613にて、連ベットコマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、ステップSc2606に戻る。連ベットコマンドは、第1クレジット投入スイッチ56の操作によって複数のベットが行われることと、そのベットのタイミングを表示制御装置81へ把握させるためのコマンドである。この場合、BETカウンタが特定枚数に達するか(ステップSc2609:YES)、クレジットカウンタが0となる(ステップSc2610:NO)まで、ステップSc2606~ステップSc2613の処理が繰り返される。
ステップSc2609にてBETカウンタが特定枚数に達した場合、ステップSc2614に進む。ステップSc2614では、ベット終了コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行する。上記の通り、ベット終了コマンドは一連のベットが終了したことを表示制御装置81へ把握させるためのコマンドである。そして、ステップSc2615にて開始可能フラグをセットする処理を実行し、ステップSc2616にて開始可能状態表示部76bを点灯状態とする処理を実行してから、本第1操作対応処理を終了する。
ステップSc2610にてクレジットカウンタが0となったと判定した場合、ステップSc2617に進み、上記のベット終了コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本第1操作対応処理を終了する。
ステップSc2601にて特定再遊技フラグがセットされていると判定した場合、ステップSc2618にて特定第1操作コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本第1操作対応処理を終了する。すなわち、特定再遊技結果入賞の成立に基づいて設定された再遊技状態においては、第1クレジット投入スイッチ56が操作された場合にベットは行われないものの、特定第1操作コマンドの出力設定が行われる。特定第1操作コマンドを受信した場合の表示制御装置81側の処理については、後に詳細に説明する。
<第2操作対応処理>
第2クレジット投入スイッチ57が操作された場合の処理である第2操作対応処理では、図230のフローチャートに示すように、ステップSc2701にて特定再遊技フラグがセットされているか否かを判定し、ステップSc2702にて通常再遊技フラグがセットされているか否かを判定する。特定再遊技フラグはセットされておらず、通常再遊技フラグがセットされており、前回のゲームにて通常再遊技結果入賞が成立している場合、第2クレジット投入スイッチ57の操作によってベットは行われないため、そのまま本第2操作対応処理を終了する。特定再遊技フラグ及び通常再遊技フラグのいずれもがセットされていない場合、ステップSc2703に進む。
ステップSc2703では、クレジットカウンタが1以上であって、仮想メダルが1枚以上記憶されているか否かを判定する。クレジットカウンタが1未満であり、仮想メダルが記憶されていない場合には、第2クレジット投入スイッチ57を操作してもベットが行われないため、そのまま本第2操作対応処理を終了する。
クレジットカウンタが1以上である場合、ステップSc2704にてBETカウンタが規定枚数であるか否かを判定する。規定枚数ではない場合には、ステップSc2705に進み、通常第2操作コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行する。通常第2操作コマンドは、再遊技状態ではない状況で第2クレジット投入スイッチ57が操作されたことを表示制御装置81に把握させるためのコマンドである。
続くステップSc2706では、BETカウンタを1加算する処理を実行し、ステップSc2707では、クレジットカウンタを1減算する処理を実行する。そして、ステップSc2708にて対応するBET表示部75a~75cを点灯状態とする処理を実行する。
続くステップSc2709では、ステップSc2706の処理によってBETカウンタが規定枚数に達したか否かを判定し、規定枚数に達した場合には、ステップSc2710にて開始可能フラグをセットする処理を実行し、ステップSc2711にて開始可能状態表示部76bを点灯状態とする処理を実行してから、本第2操作対応処理を終了する。一方、ステップSc2709にてBETカウンタが規定枚数に達していないと判定した場合には、そのまま本第2操作対応処理を終了する。
ステップSc2704にてBETカウンタが特定枚数であると判定した場合、すなわち、BETカウンタが規定枚数であるのにもかかわらず、第2クレジット投入スイッチ57の操作が行われた場合、ステップSc2712に進む。ステップSc2712では、BETカウンタが3であるか否かを判定する。すなわち、規定枚数が2枚と3枚に設定されている遊技状態において、BETカウンタが3であってステップSc2704にて肯定判定した場合に、ステップSc2712でも肯定判定し、BETカウンタが2であってステップSc2704にて肯定判定した場合は、ステップSc2712では否定判定する。ステップSc2712にて否定判定し、BETカウンタが2である場合、ステップSc2705に進み、更なるベットを行い、BETカウンタを3とすることに対応する各処理を実行する。なお、この場合、ステップSc2709では否定判定し、開始可能フラグはセットされないが、それ以前(BETカウンタが2となった際)に開始可能フラグはセットされている。
ステップSc2712にてBETカウンタに3が入力されている状況で更なる第2クレジット投入スイッチ57の操作が行われた場合、クレジットカウンタの値によってBETカウンタを1とする(3枚ベットの状態から1枚ベットの状態に切り替える)か否かを異ならせる。つまり、ステップSc2713にてクレジットカウンタが49未満であり、3枚ベットの状態から1枚ベットの状態に切り替える際にクレジットカウンタが2枚の仮想メダルの増加を許容できる状態か否かを判定する。ステップSc2713にてクレジットカウンタが49未満である場合、ステップSc2714に進み、上記の通常第2操作コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行する。その後、ステップSc2715にてBETカウンタに1を入力し、ステップSc2716にてクレジットカウンタを2増加させる処理を実行する。
続くステップSc2717では、第2BET表示部75bと第3BET表示部75cとを消灯状態とする(BET表示部75を1ベットを示す状態とする)処理を実行する。そして、ステップSc2719にて開始可能状態表示部76bを消灯状態とする処理を実行する。
続くステップSc2720では、クレジットカウンタが50となったか否かを判定し、50となった場合には、ステップSc2721にてメダル通路切替ソレノイド46aを非励磁状態とする処理を実行し、ステップSc2722にて受入可能状態表示部76cを消灯状態とする処理を実行してから、本第2操作対応処理を終了する。ステップSc2720にてクレジットカウンタが50ではない場合には、そのまま本第2操作対応処理を終了する。
ステップSc2701にて特定再遊技フラグがセットされていると判定した場合、ステップSc2723にて特定第2操作コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本第2操作対応処理を終了する。すなわち、特定再遊技結果入賞の成立に基づいて設定された再遊技状態においては、第1クレジット投入スイッチ56だけではなく、第2クレジット投入スイッチ57が操作された場合もベットは行われないものの、特定第2操作コマンドの出力設定が行われる。特定第2操作コマンドを受信した場合の表示制御装置81側の処理については、後に詳細に説明する。
<遊技状態表示部用処理>
次に、通常処理(図187)におけるステップSc209の遊技状態表示部用処理について、図231のフローチャートを参照しながら説明する。既に説明した通り、遊技状態表示部用処理は、BET用処理等が行われた後、スタートレバー41の操作が行われた後に実施される処理であり、かかる処理の前において、遊技状態表示部76のうち、開始可能状態表示部76bや受入可能状態表示部76cが点灯状態とされている。また、前回のゲームでいずれかの再遊技結果入賞が成立している場合には、再遊技状態に設定され、再遊技状態表示部76aも点灯状態とされている。
遊技状態表示部用処理では、先ずステップSc2801にて開始可能状態表示部76bを消灯状態とする処理を実行する。そして、ステップSc2802にて、受入可能状態表示部76cを消灯状態とする処理を実行し、本遊技状態表示部用処理を終了する。
すなわち、受入可能状態表示部76cが点灯状態とされた後(ステップSc2308)、規定枚数のベットが行われて開始可能状態表示部76bが点灯状態とされ(ステップSc2413、ステップSc2508、ステップSc2616、ステップSc2711)、その後、スタートレバー41の操作が行われた場合には、受入可能状態表示部76cと開始可能状態表示部76bは消灯状態とされる。但し、既に説明した通り、本スロットマシン10には、ウェイト期間が設定されており、スタートレバー41が操作されても直ちに各リール32L,32M,32Rの回転が開始されない場合がある。この場合、受入可能状態表示部76cと開始可能状態表示部76bが消灯状態とされるタイミングは、各リール32L,32M,32Rの回転開始時ではなく、スタートレバー41の操作時であることから、既に開始操作が受け付けられて各リール32L,32M,32Rの回転開始待ちの状態(ウェイト期間)であって、再度の賭数操作や開始操作が不要であることを遊技者は明確に把握することが可能となる。
<ベット時演出設定処理>
次に、表示制御装置81側の演出設定処理(図220)におけるステップSc2004のベット時演出設定処理について、図232のフローチャートを参照しながら説明する。ベット時演出設定処理は、再遊技状態に設定されたり、賭数操作が行われたりした場合に、各ベット表示部34a~34cを消灯状態から点灯状態に切り替えたり、ベット時の効果音を出力したりすることによって、最終的に、現状のベット数がベット表示部34にて報知された状態となるようにするための処理である。なお、以下の説明では、最終的に、現状のベット数がベット表示部34にて報知された状態の演出をベット対応演出と称し、当該ベット対応演出に至るまでに、各ベット表示部34a~34cの状態切替を行ったり、効果音を出力したりする演出をベット過程演出(特定報知)とも称する。
ステップSc2901では、前ゲームの遊技結果がいずれかの再遊技結果入賞であったか否かを判定する。いずれかの再遊技結果入賞であった場合、ステップSc2902にて、再遊技状態用ベット演出設定処理を実行する。なお、前ゲームの遊技結果の情報は、全停止時演出設定処理(図191)におけるステップSc2211にて記憶されており、当該記憶された遊技結果の情報に基づいて再遊技結果入賞の有無を判定可能である。ちなみに、前回のゲームの遊技結果が再遊技結果入賞ではない場合や、RAMクリア等のリセット後の1ゲーム目のように前ゲームの遊技結果の情報が記憶されていない場合(消去されている場合)には、ステップSc2903に進む。
ステップSc2903では、各種カウンタエリア183bに設けられたクレジットの値が1以上であるか否かを判定する。クレジットは、主制御装置101側のクレジットカウンタに相当するものである。クレジットが1以上である場合は、第1クレジットランプ56bを点灯状態とする処理を実行する。第1クレジットランプ56bが点灯状態とされることにより、遊技者は第1クレジット投入スイッチ56の操作が受け付けられる状態であることを明確に把握することが可能となる。なお、第1クレジットランプ56bを点滅状態とする構成としてもよい。
ステップSc2903にて否定判定した場合、又はステップSc2904の処理を実行した後は、ステップSc2905にて、今回のベット時コマンドとして、投入BETコマンド又は通常第2操作コマンドを受信しているか否かを判定する。投入BETコマンドや通常第2操作コマンドを受信している場合とは、通常再遊技結果に基づく再遊技状態や再遊技状態ではない状態にて、1枚のメダル投入や1枚の仮想メダルの投入が行われる賭数操作が行われたことを意味し、この場合、ステップSc2906にて単ベット演出設定処理を実行する。
投入BETコマンドや通常第2操作コマンドを受信していない場合、ステップSc2907にて通常第1操作コマンドを受信しているか否かを判定する。通常第1操作コマンドを受信している場合とは、通常再遊技結果に基づく再遊技状態や再遊技状態ではない状態にて、第1クレジット投入スイッチ56の操作が行われたことを意味し、この場合、ステップSc2908にて連ベット演出設定処理を実行する。
通常第2操作コマンドを受信していない場合や、ステップSc2902、ステップSc2906及びステップSc2908のいずれかの処理を実行した後は、ステップSc2909にて、投入増加コマンドを受信しているか否かを判定する。投入増加コマンドを受信している場合とは、メダル投入に伴いクレジットカウンタが増加したことを意味し、この場合、ステップSc2910にてクレジット増加用の効果音がスピーカ64から出力されるように制御する。
ステップSc2909にて否定判定した後、又はステップSc2910の処理を実行した後は、ステップSc2911にてその他のベット時演出設定処理を実行してから、本ベット時演出設定処理を終了する。ステップSc2911では、例えば、ステップSc2202にて設定されたAT当選報知演出が今回の賭数操作に基づいて、補助表示部65やスピーカ64にて実行されるようにしたり、連続演出等において賭数操作に基づいて演出が発展する場合に、かかる発展用の演出を実行するための処理等を行う。
以下、単ベット演出設定処理及び連ベット演出設定処理について説明し、その後、再遊技状態用ベット演出設定処理について説明する。
<単ベット演出設定処理>
単ベット演出設定処理は、再遊技状態以外の状態において、メダル投入口45からメダルが投入されたり、第2クレジット投入スイッチ57が操作された場合に実施される処理である。単ベット演出設定処理では、主制御装置101側の第2操作対応処理にてベットが行われることに対応させて、ベット表示部34側でもベットが行われたことの演出を行う処理を実行する。なお、当該主制御装置101側の第2操作対応処理のベットに合わせたベット演出を単ベット演出とも称する。
単ベット演出設定処理では、図233のフローチャートに示すように、先ず、ステップSc3001にて各種フラグ格納エリア183aに消灯済みフラグがセットされているか否かを判定する。消灯済みフラグは、今回のゲームにおいて既に何らかのベット(再遊技状態への設定に際しての自動投入も含む)が行われたことをCPU181が把握するためのフラグである。消灯済みフラグがセットされていない場合には、ステップSc3002にて消灯済みフラグをセットする処理を実行する。
続くステップSc3003では、全てのベット表示部34a~34cを消灯状態とする処理を実行する。そして、ステップSc3004にて第1ベット表示部34aを点灯状態とする処理を実行する。この場合、第1ベット表示部34aは一旦消灯状態となるものの、その直後に点灯状態とされるところ、かかる消灯状態は、遊技者が消灯状態となったことを把握することができない又は把握することが困難な程度に継続するように設定されている。なお、ステップSc3003の全てのベット表示部34a~34cの消灯処理に際して、第1ベット表示部34aは消灯状態としない構成としてもよい。
その後、ステップSc3005にてベット効果音がスピーカ64から出力されるように制御してから、本単ベット演出設定処理を終了する。なお、ベット効果音と、上記のクレジット増加用の効果音とは遊技者が識別可能な程度に異なる効果音であるとよく、このようにすることでベットが行われたのかクレジットが増加したのかを把握させるうえで好ましい。
ステップSc3001にて消灯済みフラグがセットされている場合、ステップSc3006に進む。ステップSc3006では、今回の賭数操作が行われる前から第3ベット表示部34cが点灯状態であったか否かを判定する。第3ベット表示部34cが点灯状態であった場合、ステップSc3007にて第1クレジットランプ56bを点灯状態とする処理を実行する。なお、第1クレジットランプ56bを点滅状態とする構成としてもよい。その後、ステップSc3003に進み、一旦、全てのベット表示部34a~34cを消灯状態としてから、第1ベット表示部34aを点灯状態とする(ステップSc3004)。これにより、3枚のメダルがベットされている状態から、1枚のメダルがベットされている状態に切り替わったこと、及び、第1クレジット投入スイッチ56を操作して更なるベットが必要であることを遊技者は把握可能となる。なお、ステップSc3007にて第1クレジットランプ56bが既に点灯状態である場合にはその状態を維持する。
ステップSc3006にて第3ベット表示部34cが点灯状態ではないと判定した場合、ステップSc3008にて今回のベットに対応するベット表示部34a~34cを点灯状態とする処理を実行する。そのうえで、ステップSc3009にて第3ベット表示部34cが点灯状態となったか否かを判定し、点灯状態となった場合には、ステップSc3010にて今回のゲームの規定枚数が3枚に設定されているか否かを判定する。特定枚数が3枚であって、ベットが3となった場合には、更なるベットは不要であることから、ステップSc3011にて第1クレジットランプ56bを消灯状態とする処理を実行してから、ステップSc3005にてベット効果音の出力処理を実行し、その後、本単ベット演出設定処理を終了する。
一方、ステップSc3008の処理によって第3ベット表示部34cは点灯状態とならなかった場合(ステップSc3009:NO)や、点灯状態となったものの、特定枚数が3枚ではなく2枚である場合には、第1クレジットランプ56bを点灯状態のまま維持し、ステップSc3005にてベット効果音の出力処理を実行してから、本単ベット演出設定処理を終了する。
<連ベット演出設定処理>
次に、ステップSc2908の連ベット演出設定処理について、図234のフローチャートを参照しながら説明する。連ベット演出設定処理は、再遊技状態以外の状態において、第1クレジット投入スイッチ56が操作された場合に実施される処理である。連ベット演出設定処理では、主制御装置101側の第1操作対応処理にてベットが行われることに対応させて、ベット表示部34側でもベットが行われたことの演出を行う処理を実行する。なお、当該主制御装置101側の第1操作対応処理のベットに合わせたベット演出を連ベット演出とも称する。
ステップSc3101では、消灯済みフラグがセットされているか否かを判定する。消灯済みフラグがセットされていない場合、ステップSc3102にて消灯済みフラグをセットする処理を実行する。そして、ステップSc3103にて、全てのベット表示部34a~34cを消灯状態とする処理を実行する。
続くステップSc3104では、第1ベット表示部34aを点灯状態とする処理を実行し、ステップSc3105にてベット時効果音がスピーカ64から出力されるように制御する。
続くステップSc3106では、主制御装置101からベット終了コマンドを受信したか否かを判定する。ベット終了コマンドを受信していない場合には、ステップSc3107に進み、連ベットコマンドを受信するまで待機する。既に説明した通り、連ベットコマンドは第1クレジット投入スイッチ56の操作に基づき複数枚のベットを行う場合に、一のベットを行った後、次のベットを行う際に出力されるコマンドであり、一のベットを行った後、約0.1sec後に出力される。連ベットコマンドを受信することでステップSc3107にて肯定判定し、ステップSc3108に進む。
ステップSc3108では、第2ベット表示部34bを点灯状態とする処理を実行し、続くステップSc3109にてベット時効果音がスピーカ64から出力されるように制御する。
そして、ステップSc3110にて再度ベット終了コマンドを受信しているか否かの確認を行い、受信していない場合には、ステップSc3111にて連ベットコマンドを受信するまで待機する。連ベットコマンドを受信することでステップSc3111にて肯定判定し、ステップSc3112に進む。ステップSc3112では、第3ベット表示部34cを点灯状態とする処理を実行し、ステップSc3113では、ベット時効果音がスピーカ64から出力されるように制御する。
ステップSc3106又はステップSc3110にてベット終了コマンドを受信した場合、又はステップSc3113の処理を実行した後は、ステップSc3114にて第1クレジットランプ56bを消灯状態とする処理を実行してから、本連ベット演出設定処理を終了する。
ステップSc3101にて消灯済みフラグがセットされていると判定し、既に何らかのベットが行われた後で第1クレジット投入スイッチ56による賭数操作が行われた場合、ステップSc3115に進み、各ベット表示部34a~34cのうち、第1ベット表示部34aだけが点灯状態であるか否かを判定する。第1ベット表示部34aが点灯状態であって、第2ベット表示部34b及び第3ベット表示部34cが消灯状態であり、1枚のメダルがベットされた状態で第1クレジット投入スイッチ56による賭数操作が行われた場合、ステップSc3108に進み、第2ベット表示部34bと第3ベット表示部34cとを点灯状態とする処理を行う。
一方、ステップSc3115にて第1ベット表示部34a以外にも点灯状態であると判定した場合、ステップSc3116に進み、第1ベット表示部34aと第2ベット表示部34bが点灯状態であって第3ベット表示部34cが消灯状態であるか否かを判定する。ステップSc3116にて肯定判定し、2枚のメダルがベットされた状態で第1クレジット投入スイッチ56による賭数操作が行われた場合、ステップSc3112に進み、第3ベット表示部34cを点灯状態とする処理を行う。ステップSc3116にて否定判定し、3枚のメダルがベットされた状態で第1クレジット投入スイッチ56による賭数操作が行われた場合とは、特定枚数が2枚であるものの3枚のメダルがベットされている状況が想定され、この場合、ステップSc3103に進み、第1ベット表示部34aと第2ベット表示部34bとを点灯状態とする処理を行う。
<再遊技状態用ベット演出設定処理>
次に、ステップSc2902の再遊技状態用ベット演出設定処理について、図235のフローチャートを参照しながら説明する。再遊技状態用ベット演出設定処理は、前回のゲームの遊技結果がいずれかの再遊技結果入賞であった場合に実行される処理であり、入賞した再遊技結果の種類によってその演出が異なる。
すなわち、ステップSc3201では、特定BETコマンドを受信しているか否かを判定する。特定BETコマンドを受信しておらず、前回のゲームの遊技結果が通常再遊技結果入賞であった場合、ステップSc3202にて通常再遊技ベット演出設定処理を実行してから、再遊技状態用ベット演出設定処理を終了する。一方、特定BETコマンドを受信しており、前回のゲームにて特定再遊技結果入賞が成立している場合、ステップSc3203にて、今回のベット時演出として、AT当選報知演出が設定されているか否かを判定する。既に説明した通り、ベット時演出としてのAT当選報知演出は、前回のゲームの停止時演出設定処理におけるステップSc2202にて設定される演出である。AT当選報知演出が設定されていない場合には、ステップSc3204にて、特定再遊技ベット演出設定処理を実行してから、再遊技状態用ベット演出設定処理を終了する。一方、今回のベット時演出としてAT当選報知演出が設定されている場合、ステップSc3205にて、ベット対応演出の設定処理を実行してから、本再遊技状態用ベット演出設定処理を終了する。
<通常再遊技ベット演出設定処理>
先ず、ステップSc3202の通常再遊技ベット演出設定処理について、図236のフローチャートを参照しながら説明する。通常再遊技ベット演出設定処理では、主制御装置101側の再遊技設定用処理にて全回のゲームのベット数と同数のベットが行われることに対応させて、ベット表示部34側でもベットが行われたことの演出を行うための処理を実行する。なお、当該主制御装置101側の再遊技設定処理のベットに合わせたベット演出を、以下の説明では、再遊技ベット演出とも称する。
ステップSc3301では、全てのベット表示部34a~34cを消灯状態とする処理を実行する。続くステップSc3302では、消灯済みフラグをセットする処理を実行する。そして、ステップSc3303にて、第1ベット表示部34aを点灯状態とする処理を実行し、ステップSc3304にてベット時効果音がスピーカ64から出力されるように制御する。
続くステップSc3305では、ベット終了コマンドを受信しているか否かを判定する。なお、本実施形態では1ベットゲームは設定されておらず、前回のゲームのベット数は2又は3となることから、ステップSc3305では必ず否定判定する。
ステップSc3306では、再遊技ベットコマンドを受信しているか否かを判定する。既に説明した通り、再遊技ベットコマンドは再遊技設定用処理(図227)において、一のベットを行った後、次のベットを行う際に出力されるコマンドであり、一のベットを行った後、約0.2sec後に出力される。再遊技ベットコマンドを受信することでステップSc3306にて肯定判定し、ステップSc3307に進む。ステップSc3307では、第2ベット表示部34bを点灯状態とする処理を実行し、ステップSc3308では、ベット時効果音がスピーカ64から出力されるように制御する。
続くステップSc3309では、ベット終了コマンドを受信しているか否かを判定し、受信していない場合、ステップSc3310にて再遊技ベットコマンドを受信するまで待機する。再遊技ベットコマンドを受信した場合には、ステップSc3311にて第3ベット表示部34cを点灯状態とする処理を実行し、ステップSc3312にてベット時効果音がスピーカ64から出力されるように制御してから、本通常再遊技ベット演出設定処理を終了する。ステップSc3305やステップSc3309にてベット終了コマンドを受信したと判定した場合は、そのまま本通常再遊技ベット演出設定処理を終了する。
<特定再遊技ベット演出設定処理>
次に、ステップSc3203の特定再遊技ベット演出設定処理について、図237のフローチャートを参照しながら説明する。特定再遊技ベット演出設定処理では、実際はベットが行われない状況(再遊技状態)において、第1クレジット投入スイッチ56が操作された場合に、あたかもベットが行われたかのような演出を行う処理を実行する。なお、当該ベットが行われたかのような演出を、以下の説明では、疑似ベット演出とも称する。
先ずステップSc3401にて、ベット終了コマンドを受信しているか否かを判定する。上記の通り、特定再遊技結果入賞に基づく再遊技設定用処理(図227)においては、複数の仮想メダルを自動投入する場合であっても、一度に仮想メダルを自動投入するようにしており、基本的には、特定再遊技結果入賞が成立した直後にベット終了コマンドが出力される。ステップSc3401ではベット終了コマンドを受信するまで待機する。ベット終了コマンドを受信することで、ステップSc3401にて肯定判定してステップSc3402に進む。
ステップSc3402では、消灯済みフラグがセットされているか否かを判定する。消灯済みフラグがセットされており、既に疑似ベット演出が行われた後である場合には、そのまま本特定再遊技ベット演出設定処理を終了する。この場合、ステップSc3403以降の疑似ベット演出は行われない。ステップSc3402にて消灯済みフラグがセットされていないと判定した場合、ステップSc3403にて、第1クレジットランプ56bを点灯状態とする処理を実行する。すなわち、特定再遊技結果入賞に基づく再遊技状態においては、第1クレジットランプ56bが点灯状態とされて第1クレジット投入スイッチ56の操作が促される。なお、第1クレジットランプ56bを点滅状態とする構成としてもよい。
続くステップSc3404では、特定投入コマンド、特定第1操作コマンド、及び特定第2操作コマンドのいずれかのコマンドを受信したか否かを判定する。いずれかのコマンドを受信し、特定再遊技結果入賞に基づく再遊技状態において、メダル投入口45からのメダル投入や、第1クレジット投入スイッチ56や第2クレジット投入スイッチ57の操作といった、賭数操作が行われた場合、ステップSc3405に進み、第1クレジットランプ56bを消灯状態とする処理を実行する。
続くステップSc3406では、全てのベット表示部34a~34cを消灯状態とする処理を実行し、ステップSc3406では消灯済みフラグをセットする処理を実行する。そして、ステップSc3408にて第1ベット表示部34aを点灯状態とする処理を実行し、ステップSc3409にてベット時効果音がスピーカ64から出力されるように制御する。
続くステップSc3410では、前回のゲームのベット数、すなわち、再遊技結果入賞となった際のベット数が1であったか否かを把握する。なお、前回のゲームのベット数は、全停止時演出設定処理(図222)におけるステップSc2211にて記憶されている。なお、上記のようにステップSc3401にて受信したベット終了コマンドに基づいて、再遊技設定用処理にて設定されたベット数を把握するようにしてもよい。ちなみに、本実施形態では1ベットゲームは実行されないため、ステップSc3410では必ず否定判定する。
前回のゲームのベット数が1ではない場合、ステップSc3411に進み、各種カウンタエリア183bに設けられたベットタイマに67を入力する処理を実行する。ベットタイマは、疑似ベット演出を行う場合の、一のベットと次のベットとの間隔を規定するためのものである。ベットタイマは所定周期(1.49msec周期)で1ずつ減算され、ステップSc3411にて入力されたベットタイマは約0.1sec後に0となる。すなわち、疑似ベット演出における一のベットと次のベットとの間隔は、再遊技ベット演出における一のベットと次のベットとの間隔よりも長く、連ベット演出における一のベットと次のベットとの間隔と同じ長さとなるように設定されている。
ステップSc3412では、上記ステップSc3411にて入力されたベットタイマが0となったか否か、すなわち、第1ベット表示部34aを点灯状態とさせてから約0.1secが経過したか否かを判定し、経過した場合にステップSc3413に進む。ステップSc3413では、第2ベット表示部34bを点灯状態とする処理を実行し、ステップSc3414にてベット時効果音がスピーカ64から出力されるように制御する。そして、ステップSc3415にて前回のゲームのベット数が2であったか否かを判定する。
前回のゲームのベット数が2ではなく3であった場合、ステップSc3416にてベットタイマに67(約0.1sec)を入力する処理を実行し、ステップSc3417にて当該ベットタイマが0となるまで待機する。第2ベット表示部34bを点灯状態としてから約0.1secが経過した場合、ステップSc3418に進み、第3ベット表示部34cを点灯状態とする処理を実行し、ステップSc3419にてベット時効果音がスピーカ64から出力されるように制御してから、本特定再遊技ベット演出設定処理を終了する。なお、ステップSc3410やステップSc3415にて肯定判定した場合、以降の処理を行うことなく、そのまま本特定再遊技ベット演出設定処理を終了する。
つまり、特定再遊技結果入賞に基づく疑似ベット演出は、ベット対応演出に至るまでのベット過程演出の演出態様が、連ベット演出においてベット対応演出に至るまでのベット過程演出の演出態様と基本的には同じ演出態様となるように設定されている。具体的には、いずれにおいても第1クレジット投入スイッチ56を操作した場合のベット過程演出は、約0.1sec間隔で各ベット表示部34a~34cが順次点灯状態とされ、その点灯状態とされる場合のベット時効果音も共通している。このようにすることで、特定再遊技結果が他の小役結果や外れ結果と同じような扱いである印象を強く与えることができ、特定役を再遊技結果にて構成することによる違和感を与えにくくすることが可能となる。
付け加えると、通常再遊技結果入賞に基づく再遊技ベット演出は、ベット対応演出に至るまでのベット過程演出の演出態様が、特定再遊技結果入賞に基づく疑似ベット演出におけるベット過程演出や連ベット演出におけるベット過程演出の演出態様とも異なる演出態様となるように設定されている。具体的には、第1クレジット投入スイッチ56を操作した場合のベット過程演出は、通常再遊技ベット演出では、約0.2sec間隔で各ベット表示部34a~34cが順次点灯状態とされるのに対して、疑似ベット演出や連ベット演出では、上記の通り約0.1sec間隔である。この点からも、特定再遊技結果が、通常再遊技結果ではなく他の小役結果や外れ結果と同じ扱いである印象を与え易くなっている。
さらに、既に説明した通り、ATモードが開始される場合には、特定再遊技結果のうち、第2再遊技結果入賞や第3再遊技結果入賞が成立する構成としている。この場合、当該第2再遊技結果入賞や第3再遊技結果入賞を成立させ、いざATモードを開始させようとする場合、賭数操作を経ずに開始操作を行わせるよりも、賭数操作を経て開始操作を行うように促したほうが当該開始させるATモードを新たな気持ちで遊技させることが可能である。つまり、賭数操作を経ずに開始操作を行わせる場合、前回のゲームの結果が引き継がれている印象を強く与えるため、新たな気持ちで遊技させようとする意図とはミスマッチになり易く、その点からも、ATモード開始時に賭数操作を促すことはATモードの興趣向上を図る手助けとすることが可能である。また、例えば、開始するATモードにおける有利度(ゲーム数や上乗せ性能等)をATモードの開始に際して報知する場合、開始操作に伴って報知するよりも、賭数操作に伴って報知したほうが、その有利度を知ったうえで開始操作(抽選処理の契機操作)を行わせることが可能である。そうすると、ATモードの開始に際して特定再遊技結果入賞を成立させたうえで賭数操作を促すような構成としておけば、上記のようにATモードの開始に際して賭数操作に基づき当該ATモードの有利度等を報知する構成を追加し易くすることが可能となり、この点も興趣向上を図る手助けとなる。この場合、例えば、ATモードの種別(第1ATモードや第2ATモード)を開始ゲーム(特定再遊技結果入賞後のゲーム)の賭数操作に基づいて報知する構成としたり、ATモードの初期ゲーム数を抽選により決定する構成としたうえで当該初期ゲーム数を開始ゲームの賭数操作にて報知する構成としてもよい。
ステップSc3404にて、特定投入コマンド、特定第1操作コマンド及び特定第2操作コマンドのいずれもを受信していないと判定した場合、ステップSc3420に進む。ステップSc3420では、開始操作コマンドを受信しており、スタートレバー41の操作が行われたか否かを判定し、操作が行われていない場合には、ステップSc3404に戻る。
すなわち、再遊技結果入賞が成立した後は、第1クレジット投入スイッチ56等の賭数操作を介さずに主制御装置101側の再遊技設定用処理にてベットの設定が行われるため、第1クレジット投入スイッチ56等の賭数操作を行うことなくスタートレバー41を操作してゲームを開始することは可能である。そして、特定再遊技ベット演出設定処理では、賭数操作に基づいて疑似的なベット演出を行うようにしているところ、このような賭数操作を介さない開始操作が行われた場合には疑似的なベット演出を行うことなく、今回開始するゲームのベット数が報知されたベット対応演出が行われるようにしている。
具体的には、ステップSc3420にて開始操作コマンドを受信していると判定した場合、ステップSc3421にて第1クレジットランプ56bを消灯状態とする処理を実行する。そして、ステップSc3422にてウェイト期間中であるか否かを判定し、ウェイト期間ではなく、今回の開始操作コマンドを受信した際に直ちに各リール32L,32M,32Rの回転が開始される場合、ステップSc3423にて全てのベット表示部34a~34cを消灯状態に切り替える処理を実行する。そして、ステップSc3424にて消灯済みフラグをセットする処理を実行し、ステップSc3425にて第1ベット表示部34aを点灯状態とする処理を実行する。続くステップSc3426では、前回のゲームのベット数が1であったか否かを判定し、1ではない場合には、ステップSc3427にて第2ベット表示部34bを点灯状態とする処理を実行する。そして、ステップSc3428にて、前回のゲームのベット数が2であったか否かを判定し、2ではない場合には、ステップSc3429にて第3ベット表示部34cを点灯状態とする処理を実行してから、本特定再遊技ベット演出設定処理を終了する。ステップSc3426又はステップSc2428にて肯定判定した場合には、そのまま本特定再遊技ベット演出設定処理を終了する。
ここで、本実施形態では、上記のように特定再遊技結果入賞に基づいて、再遊技状態に設定された場合、第1クレジットランプ56bを点灯状態として、賭数操作に基づいて疑似ベット演出を行うようにし、他の小役結果や外れ結果と同じ扱いである印象を与える構成としている。但し、特定再遊技結果入賞に基づいて再遊技状態に設定されたことは、停止出目や再遊技状態表示部76a等から把握することも可能であり、当該再遊技状態に設定されていることを把握しているのにもかかわらず、わざわざ賭数操作を行いたくない、といった要望もあるものと考えられる。この場合、賭数操作を強要することは当該要望を持つ遊技者の遊技意欲の大幅な低下を招くと考えられ、その点、上記構成のように賭数操作を介さずに開始操作を可能とすることで、遊技者の多様なニーズに応えることが可能である。
しかも上記のような、賭数操作を介さずに開始操作を行っているのにもかかわらず、疑似ベット演出が行われる構成とすると、遊技者に対して違和感を与えかねず、特に、わざわざ賭数操作を行わないことを選択しているのにもかかわらず不要な疑似ベット演出を行ってしまうことも、遊技者の遊技意欲の低減につながる可能性が高い。その一方で、遊技の透明性を担保すべく、今回のゲームのベット数は報知すべきであると考えられる。
そこで、上記のように、特定再遊技結果入賞に基づいて設定された再遊技状態において、賭数操作を介さずに開始操作が行われた場合には、疑似ベット演出においてベット過程演出を行うことなくベット対応演出が行われるようにしたことから、遊技者に違和感を与えないようにしながら、今回のゲームのベット数を明確に報知することが可能となる。
ここで、本スロットマシン10では、上記のように、開始操作が行われた場合であっても、ウェイト期間が経過していなければ各リール32L,32M,32Rの回転が開始されず、当該ウェイト期間が経過するまで各リール32L,32M,32Rの回転開始が待機される。また、上記のように開始時演出設定処理においても、本実施形態では、開始操作に基づく開始時演出は、ウェイト期間の経過までその実施が待機される。そうすると、ウェイト期間中に開始操作が行われた場合、ウェイト期間が経過するまでの期間は単なる待ち時間となってしまい、かかる待ち時間によって遊技への注目が低下してしまう可能性もある。
そこで、特定再遊技ベット演出設定処理では、ステップSc3422にてウェイト期間中であると判定した場合、ステップSc3430にて各種フラグ格納エリア183aに疑似ベット許可フラグをセットしてから、ステップSc3406に進み、疑似ベット演出におけるベット過程演出を行うための処理を実行する。つまり、ウェイト期間中であれば、賭数操作を介さない開始操作が行われた場合であっても疑似ベット演出におけるベット過程演出を行うようにすることで、上記の待ち時間を演出でうまく埋め合わせることが可能となる。
更に、当該ウェイト期間中に疑似ベット演出におけるベット過程演出を行ううえで、第1ベット表示部34aを点灯状態とした後、ステップSc3412にてベットタイマが0となって肯定判定するまでの間は(ステップSc3412:NO)、ステップSc3431にて上記の疑似ベット許可フラグがセットされているか、新たに開始操作コマンドを受信したかを判定し、そのいずれかであればステップSc3432に進む。ステップSc3432では、ウェイト期間が経過したか否かを判定し、経過していない場合にはステップSc3412に戻る。なお、ステップSc3431にて疑似ベット許可フラグがセットされておらず、且つ新たな開始操作コマンドを受信していない場合にもステップSc3412に戻る。
一方、疑似ベット許可フラグがセットされているか、新たに開始操作コマンドを受信した場合において、ウェイト期間が経過した場合には、ステップSc3427に進み、第2ベット表示部34bや第3ベット表示部34cを点灯状態とする処理を実行する。
また、第2ベット表示部34bを点灯状態とした後、ステップSc3417にてベットタイマが0となって肯定判定するまでの間も(ステップSc3417:NO)、ステップSc3433にて疑似ベット許可フラグがセットされているか、新たに開始操作コマンドを受信したかを判定し、そのいずれかであればステップSc3434に進み、ウェイト期間が経過したか否かを判定する。ステップSc3433にて否定判定した場合や、ステップSc3434にてウェイト期間が経過していない場合にはステップSc3412に戻る。そして、ステップSc3434にて、疑似ベット許可フラグがセットされているか、新たに開始操作コマンドを受信した場合において、ウェイト期間が経過した場合には、ステップSc3429に進み、第3ベット表示部34cを点灯状態とする処理を実行する。
すなわち、賭数操作を介さずに開始操作が行われたり、ベット過程演出中に開始操作が行われた場合には、ウェイト期間の経過に伴い当該ベット過程演出を中断して、そのままベット対応演出が行われるようにした。このようにすることで、疑似ベット演出による演出効果を期待しながらも、賭数操作を伴わない開始操作が行われたり、ベット過程演出中に開始操作が行われた場合にまでベット過程演出を行うことによる違和感を解消することが可能となる。
<ベット対応演出の設定処理>
ステップSc3205のベット対応演出の設定処理では、上記ステップSc3423~ステップSc3429の処理と同様の処理を実行する。すなわち、全てのベット表示部34a~34cを消灯状態としてから、再遊技状態にて設定されているベット数に対応するベット表示部34a~34cを点灯状態とする処理を行う。この場合、特定再遊技結果入賞に基づく再遊技状態であっても、賭数操作に基づいてベット過程演出を経てベット対応演出を行うのではなく、賭数操作を介さずに再遊技状態の設定に際してベット対応演出を実行するようにしている。このようにすることで、賭数操作に基づいて実行されるAT当選報知演出と、ベット過程演出やベット対応演出とが重複してしまう事象を好適に回避することができる。
<BET表示部及びベット表示部の様子>
次に、主制御装置101側のBET表示部75や、表示制御装置81側のベット表示部34と、第1クレジット投入スイッチ56の操作と点灯の有無等の関係を、図238及び図239のタイミングチャートを参照しながら説明する。なお、図238や図239においては、いずれのゲームも3ベットゲームにて進行しており、基本的にはクレジットカウンタが3以上であることを前提として説明する。
図238に示すように、いずれかの小役結果であるゲームにおいて、t1にて各リール32L,32M,32Rの回転が停止すると、当該小役結果に対応するメダルの払い出しが発生する。メダルの払い出しがt2にて終了すると、第1クレジットランプ56bが消灯状態から点灯状態に切り替わり、第1クレジット投入スイッチ56の操作を受付可能な状態であることが報知される。なお、当該タイミングにて受入可能状態表示部76cも消灯状態から点灯状態に切り替わる(図示無し)。t3にて第1クレジット投入スイッチ56の操作が行われると、BET表示部75やベット表示部34が点灯状態から消灯状態に一旦切り替わる。そして、t4、t5、t6にて、順次、第1BET表示部75a及び第1ベット表示部34a、第2BET表示部75b及び第2ベット表示部34b、第3BET表示部75c及び第3ベット表示部34cがそれぞれ消灯状態から点灯状態に切り替わり、各点灯状態に切り替わるタイミングにてベット時効果音が出力される。なお、これらt3~t6の一連の演出が通常ベット演出におけるベット過程演出に相当し、t6にて各BET表示部75a~75c及び各ベット表示部34a~34cが点灯状態とされている状態がベット対応演出に相当する。なお、通常ベット演出におけるベット過程演出の各ベットの間隔は、上記の通り約0.1secである。
t6にてベットが完了すると、開始可能状態表示部76bが消灯状態から点灯状態に切り替わり、開始操作を受付可能な状態となる。そして、t7にてウェイト期間が経過した後において、t8にてスタートレバー41が操作されて開始操作が行わると、各リール32L,32M,32Rの回転が開始される。なお、t8の開始操作に基づいて抽選処理が実行されており、この抽選結果は外れ結果とする。
t9にて各リール32L,32M,32Rが停止すると、上記のように外れ結果でありメダルの払い出しは発生しない。この場合、t9にて第1クレジットランプ56bが消灯状態から点灯状態に切り替わり、第1クレジット投入スイッチ56の操作を受付可能な状態であることが報知される。なお、小役結果当選時に当該小役結果入賞を成立させることができなかった場合も、各リール32L,32M,32Rの停止とともに第1クレジットランプ56bが点灯状態に切り替わる。ちなみに、各リール32L,32M,32Rの停止後に演出用のフリーズ期間が設けられている場合には、当該フリーズ期間の経過後にメダルの払い出しが実行されてから第1クレジットランプ56bが点灯状態に切り替わる。また、メダルの払い出しが行われない場合には、当該フリーズ期間が経過してから第1クレジットランプ56bが点灯状態に切り替わる。
t10にて第1クレジット投入スイッチ56の操作が行われると、BET表示部75a~75cやベット表示部34a~34cの消灯処理を経てから、t11~t13にて各BET表示部75a~75c及び各ベット表示部34a~34cが順次点灯状態に切り替わるベット過程演出が実行される。
t13にてベットが完了すると、開始可能状態表示部76bが点灯状態に切り替わり、t14にてスタートレバー41が操作されると、当該開始操作に基づく抽選処理が実行されるものの、当該t14は未だウェイト期間中であることから、t14では各リール32L,32M,32Rの回転は開始されない。この場合、ウェイト期間が経過するt15にてt14の開始操作に対応する各リール32L,32M,32Rの回転処理が実行される。なお、t14の開始操作に基づく抽選処理の結果は通常再遊技結果とする。
t15にて各リール32L,32M,32Rの回転が開始され、t16にてウェイト期間が経過した後、t17にて各リール32L,32M,32Rの回転が停止したとする。この場合、上記のようにt14にて行われた抽選処理の結果は通常再遊技結果であり、t17にて通常再遊技結果入賞が成立すると、再遊技設定用処理によって再遊技状態表示部76aが消灯状態から点灯状態に切り替えられるとともに、更に仮想メダルの自動投入処理が行われる。すなわち、t17にて再遊技状態表示部76aが点灯状態とされ、更に、t17にてBET表示部75やベット表示部34が点灯状態から消灯状態に一旦切り替わり、その後、t18、t19、t20にて、順次、第1BET表示部75a及び第1ベット表示部34a、第2BET表示部75b及び第2ベット表示部34b、第3BET表示部75c及び第3ベット表示部34cがそれぞれ消灯状態から点灯状態に切り替わり、各点灯状態に切り替わるタイミングにてベット時効果音が出力される。なお、これらt17~t20の一連の演出が再遊技ベット演出におけるベット過程演出に相当し、t20にて各BET表示部75a~75c及び各ベット表示部34a~34cが点灯状態とされている状態がベット対応演出に相当する。なお、再遊技ベット演出におけるベット過程演出の各ベットの間隔は、上記の通り約0.2secであり、通常ベット演出におけるベット過程演出の各ベットの間隔よりも長い期間である。ちなみに、各リール32L,32M,32Rの停止後に演出用のフリーズ期間が設けられている場合には、当該フリーズ期間の経過後に、再遊技状態表示部76aが点灯状態とされ、仮想メダルの自動投入処理が行われる。
t20にて再遊技設定用処理によるベットが完了すると、開始可能状態表示部76bが点灯状態に切り替わる。なお、当該タイミングで受入可能状態表示部76cも消灯状態から点灯状態に切り替わる(図示なし)。そして、t21にて開始操作が行われると、抽選処理が実行されるとともに、各リール32L,32M,32Rの回転が開始される。なお、t21の開始操作に基づく抽選処理の結果は通常再遊技結果とする。
t22にて各リール32L,32M,32Rが停止すると、上記のように今回のゲームの抽選結果は通常再遊技結果であり、t17の場合と同様に、t22~t25にて再遊技状態表示部76aの点灯処理や、各BET表示部75a~75c及び各ベット表示部34a~34cが順次点灯状態に切り替わる再遊技ベット演出におけるベット過程演出が実行される。この場合、t22ではウェイト期間は経過していないものの、通常ベット演出はウェイト期間の経過の有無に関わらず実行され、ウェイト期間の経過前と経過後とで同じ態様にて通常ベット演出が行われる構成であることから、t17~t20のベット過程演出と、t22~t25のベット過程演出とは同じ態様にて実行されることになる。
そして、t25にてベットが完了すると、開始可能状態表示部76bが点灯状態に切り替わり、その後、t26にてウェイト期間が経過する。t27にて開始操作が行われると、抽選処理が実行されるとともに、各リール32L,32M,32Rの回転が開始される。なお、t27の開始操作に基づく抽選処理の結果も通常再遊技結果とする。
t28にて各リール32L,32M,32Rが停止し、t28~t31にて再遊技状態表示部76aの点灯処理や、各BET表示部75a~75c及び各ベット表示部34a~34cによるベット過程演出が実行される。また、t31にて開始可能状態表示部76bが点灯状態に切り替わる。t27の開始操作とは異なり、t32の開始操作は、ウェイト期間が経過する前の開始操作である。この場合、開始操作が行われたt32では各リール32L,32M,32Rの回転は開始されず、ウェイト期間が経過するt33にて各リール32L,32M,32Rの回転が開始される。
次に、特定再遊技結果の場合のBET表示部75、ベット表示部34、第1クレジット投入スイッチ56等の操作と点灯の有無等の関係を説明する。
図239に示すように、特定再遊技結果当選となったゲームにおいて、ウェイト期間が経過するt41よりも後であるt42にて各リール32L,32M,32Rが停止したとする。この場合、t42にて再遊技状態表示部76aの点灯処理が実行されるとともに、各BET表示部75a~75cの消灯処理が実行され、その直後であるt43にて、前回のベット数と同数のベット数となるように各BET表示部75a~75cの点灯処理が行われる。つまり、特定再遊技結果では、主制御装置101側のBET表示部75a~75cによるベット過程演出に相当する演出は実行されず、ベット対応演出が行われることになる。但し、特定再遊技結果の場合、主制御装置101側のBET表示部75a~75cの点灯処理と、表示制御装置81側のベット表示部34a~34cによる疑似ベット演出とは連動せず、t43にてBET表示部75a~75cが今回のゲームのベット数に対応する表示とされても、ベット表示部34a~34cでは前回のベット数に対応するベット対応演出が継続されている。
また、t43では各BET表示部75a~75cが点灯状態とされるとともに、第1クレジットランプ56bも点灯状態とされ、第1クレジット投入スイッチ56の操作が促されるようになる。更に、t43にてベットが完了することから、開始可能状態表示部76bも点灯状態とされる。この場合、t44にて第1クレジット投入スイッチ56が操作されると、t44~t47にてベット表示部34a~34cによる疑似ベット演出が行われる。すなわち、t44にてベット表示部34a~34cが点灯状態から消灯状態に切り替えられ、その後、t45、t46、t47にて、順次、第1ベット表示部34a、第2ベット表示部34b、第3ベット表示部34cがそれぞれ消灯状態から点灯状態に切り替わり、各点灯状態に切り替わるタイミングにてベット時効果音が出力される。なお、これらt44~t47の一連の演出が疑似ベット演出におけるベット過程演出に相当し、t47にてベット表示部34a~34cが点灯状態とされている状態がベット対応演出に相当する。なお、疑似ベット演出におけるベット過程演出の各ベットの間隔は、上記の通り約0.1secであり、通常ベット演出におけるベット過程演出の各ベットの間隔と同じ長さであり、再遊技ベット演出におけるベット過程演出の各ベットの間隔よりも短い長さに設定されている。
その後、t48にて開始操作が行われると、既にウェイト期間が経過していることからして、当該t48にて抽選処理が実行されるとともに、各リール32L,32M,32Rの回転が開始される。なお、t48の開始操作に基づく抽選処理の結果も特定再遊技結果とする。
t49にて各リール32L,32M,32Rが停止すると、上記のように今回のゲームの抽選結果は特定再遊技結果であり、t42の場合と同様に、t49~t50にて再遊技状態表示部76a、開始可能状態表示部76b及び第1クレジットランプ56bを点灯状態とする処理や、各BET表示部75a~75cを一旦消灯状態としてから点灯状態に切り替える処理が行われる。ちなみに、再遊技状態表示部76aについては、前回のゲームの遊技結果も再遊技結果入賞であったため、t50では、再遊技状態表示部76aは点灯状態が継続される。なお、t50にて、一旦消灯状態としてから、直後に再度点灯状態とするようにしてもよい。
t51にてウェイト期間が経過した後であるt52にて第1クレジット投入スイッチ56の操作が行われた場合、t44~t47の場合と同様に、t52~55にてベット表示部34a~34cによる疑似ベット演出が行われる。すなわち、t52にてベット表示部34a~34cが点灯状態から消灯状態に切り替えられ、その後、t53、t54、t55にて、順次、第1ベット表示部34a、第2ベット表示部34b、第3ベット表示部34cがそれぞれ消灯状態から点灯状態に切り替わり、各点灯状態に切り替わるタイミングにてベット時効果音が出力される。
その後、t56にて開始操作が行われると、既にウェイト期間が経過していることからして、当該t56にて抽選処理が実行されるとともに、各リール32L,32M,32Rの回転が開始される。なお、t56の開始操作に基づく抽選処理の結果も特定再遊技結果とする。
上記のように、特定再遊技結果入賞に基づく再遊技状態において、第1クレジット投入スイッチ56の操作に基づく疑似ベット演出は、演出上のベットであって、既に再遊技用設定処理にてベットは完了している。そのため、第1クレジット投入スイッチ56の操作を介することなく開始操作を行って、各リール32L,32M,32Rの回転を開始させることも可能である。
すなわち、t57にて各リール32L,32M,32Rが停止し、t57~t58にて再遊技状態表示部76a、開始可能状態表示部76b及び第1クレジットランプ56bを点灯状態とする処理や、各BET表示部75a~75cを一旦消灯状態としてから点灯状態に切り替える処理が行われる。t59にてウェイト期間が経過した後、第1クレジット投入スイッチ56の操作を行うことなく、t60にて開始操作が行われると、当該t60にて各リール32L,32M,32Rの回転が開始される。この場合、t60にてベット表示部34a~34cが一旦消灯状態とされた後、t61にてベット表示部34a~34cが点灯状態とされる。なお、t61ではベット効果音の出力も行われない。つまり、特定再遊技結果入賞に基づく再遊技状態において、賭数操作を介することなく開始操作が行われた場合、ベット過程演出の実行が制限されて、ベット対応演出が直ぐに実行されることになる。このようにすることで、各リール32L,32M,32Rの回転が開始されているのにもかかわらず、ベット過程演出が完了していないこと(実行されていること)による違和感を遊技者に与えないようにすることができる。
t60の開始操作に基づいて各リール32L,32M,32Rの回転が開始され、当該開始操作に基づく抽選結果も特定再遊技結果であったとする。t62にてウェイト期間が経過した後、t63にて各リール32L,32M,32Rが停止した場合、t63~t64にて再遊技状態表示部76a、開始可能状態表示部76b及び第1クレジットランプ56bを点灯状態とする処理や、各BET表示部75a~75cを一旦消灯状態としてから点灯状態に切り替える処理が行われる。
その後、t65にて第1クレジット投入スイッチ56の操作が行われると、上記のように疑似ベット演出が開始される。すなわち、t65にてベット表示部34a~34cが点灯状態から消灯状態に切り替えられ、その後、t66にて第1ベット表示部34aが点灯状態に切り替えられるとともに、ベット時効果音が出力される。
当該第1ベット表示部34aが点灯状態とされてから次の第2ベット表示部34bが点灯状態とされるまでの期間(約0.1sec)が経過するよりも前であるt67にて、スタートレバー41による開始操作が行われた場合、既にウェイト期間は経過しているし、主制御装置101側のベットも完了していることからして、当該t67にて各リール32L,32M,32Rの回転が開始される。この場合、t66にて開始された疑似ベット演出におけるベット過程演出は、t67の開始操作によって途中で制限され、t67にてベット対応演出に切り替わる。このようにすることで、各リール32L,32M,32Rの回転が開始されているのにもかかわらず、ベット過程演出が完了していないこと(実行されていること)による違和感を遊技者に与えないようにすることができる。
t67の開始操作に基づいて各リール32L,32M,32Rの回転が開始され、当該開始操作に基づく抽選結果も特定再遊技結果であったとする。t68にて各リール32L,32M,32Rが停止した場合、t68~t69にて再遊技状態表示部76a、開始可能状態表示部76b及び第1クレジットランプ56bを点灯状態とする処理や、各BET表示部75a~75cを一旦消灯状態としてから点灯状態に切り替える処理が行われる。
その後、t70にて第1クレジット投入スイッチ56の操作が行われると、未だウェイト期間の経過前であることからして、上記のように疑似ベット演出が開始される。すなわち、t70にてベット表示部34a~34cが点灯状態から消灯状態に切り替えられ、その後、t71、t72、t74にて、順次、第1ベット表示部34a、第2ベット表示部34b、第3ベット表示部34cがそれぞれ消灯状態から点灯状態に切り替わり、各点灯状態に切り替わるタイミングにてベット時効果音が出力される。
更に、当該疑似ベット演出におけるベット過程演出中であるt73にて、スタートレバー41による開始操作が行われた場合であっても、当該t73は未だウェイト期間中であることから、上記のベット過程演出は継続される。そして、ウェイト期間が経過するt75にて、各リール32L,32M,32Rの回転が開始される。このように、疑似ベット演出のベット過程演出中に開始操作が行われた場合であっても、それがウェイト期間中である場合にはベット過程演出を継続するようにしており、このようにすることで、ウェイト期間といった待ち時間があるのにもかかわらず演出が行われない期間を生じさせにくくすることが可能となる。
但し、ウェイト期間の経過前のベット過程演出中に開始操作が行われた際に、当該ベット過程演出を継続させるようにしても、当該ベット過程演出が終了するよりも前にウェイト期間が経過する場合もある。この場合、当該ウェイト期間が経過した時点で、ベット過程演出を終了してベット対応演出に切り替えるようにしている。
すなわち、t75の開始操作に基づいて各リール32L,32M,32Rの回転が開始され、当該開始操作に基づく抽選結果も特定再遊技結果であったとする。t76にて各リール32L,32M,32Rが停止した場合、t76~t77にて再遊技状態表示部76a、開始可能状態表示部76b及び第1クレジットランプ56bを点灯状態とする処理や、各BET表示部75a~75cを一旦消灯状態としてから点灯状態に切り替える処理が行われる。
その後、t78にて第1クレジット投入スイッチ56の操作が行われると、未だウェイト期間の経過前であることからして、上記のように疑似ベット演出が開始される。すなわち、t78にてベット表示部34a~34cが点灯状態から消灯状態に切り替えられ、その後、t79、t81にて、順次、第1ベット表示部34a、第2ベット表示部34bがそれぞれ消灯状態から点灯状態に切り替わり、各点灯状態に切り替わるタイミングにてベット時効果音が出力される。また、当該疑似ベット演出におけるベット過程演出中であるt80にて、スタートレバー41による開始操作が行われた場合であっても、当該t80は未だウェイト期間中であることから、上記のベット過程演出は継続される。
そして、t81にて第2ベット表示部34bが点灯状態に切り替えられた後、次の第3ベット表示部34cが点灯状態とされるまでの期間(約0.1sec)が経過するよりも前であるt82にて、ウェイト期間が経過した場合、当該t82にて各リール32L,32M,32Rの回転が開始される。この場合、t78にて開始された疑似ベット演出におけるベット過程演出は、t81の開始操作とt82のウェイト期間の経過とによって途中で制限され、t82にてベット対応演出に切り替わるようになる。
<待機状態設定処理>
次に、主制御装置101のCPU102にて実行される待機状態設定処理について、図240のフローチャートを参照しながら説明する。待機状態設定処理は、所定期間に亘って遊技が行われていない場合に、スロットマシン10を待機状態(デモ状態)に設定するための処理であり、通常処理(図187)のステップSc215にて実施される処理である。
ステップSc3501では、各種センサの検知結果に基づいて、スロットマシン10に設けられたいずれかの遊技操作が行われたか否かを判定する。具体的には、主制御装置101に接続されている、スタートレバー41、ストップスイッチ42~44、第1クレジット投入スイッチ56、第2クレジット投入スイッチ57、清算スイッチ59等の操作部の操作を対応する検出センサ41a,42a~44a,56a,57a,59a等により検知した場合の他、メダル投入口45からのメダル投入(投入メダル検出センサ45aによるメダルの検出)や、前面扉12の開放等が行われた場合には、ステップSc3501にて肯定判定する。
ステップSc3501にて否定判定し、いずれの遊技操作も行われていない場合、ステップSc3502に進み、いずれかのリール32L,32M,32Rが回転中であるか否かを判定する。いずれのリール32L,32M,32Rも停止している場合、ステップSc3503にてメダルの払い出しが行われている状態であるか否かを判定する。メダルの払い出しが行われていない場合には、ステップSc3503にて、再遊技状態に設定されているか否かを判定する。上記の通り、再遊技状態とはいずれかの再遊技結果入賞に基づいて再遊技設定用処理にて設定される状態である。再遊技状態ではない場合には、ステップSc3504に進み、各種カウンタエリア106eに設けられた待機カウンタのカウントを許可するための許可フラグを、各種フラグ格納エリア106dにセットする処理を実行する。待機カウンタは、待機状態に設定するべきタイミングをCPU102が把握するためのカウンタである。
ステップSc3501にていずれかの遊技操作が行われたと判定した場合、ステップSc3505に進み、上記の待機カウンタを初期値(120800)にクリアする処理を実行する。ステップSc3505の処理を実行した後、又はステップSc3502~ステップSc3503のいずれかで肯定判定した場合は、ステップSc3506にて、上記の許可フラグをクリアする処理を実行する。この場合、タイマ割込み処理(図186)におけるタイマ減算処理(ステップSc108)では、上記の許可フラグがセットされていることを条件に待機カウンタを1ずつ減算する処理を行い、許可フラグがセットされていない場合には当該待機カウンタを減算する処理を行わない。タイマ割込み処理は、1.49msec周期で起動されるため、待機カウンタが初期値から0となるまでには約3min要することになる。
ステップSc3504又はステップSc3506の処理を実行した後は、ステップSc3507にていずれかの遊技操作が行われたか否かを判定する。かかる処理はステップSc3501の処理と同様の処理である。そして、ステップSc3507にて否定判定し、いずれの遊技操作も行われていないと判定した場合、ステップSc3508にて上記の待機カウンタが0となって、待機状態とするまでの所定期間(約3min)が経過したか否かを判定する。所定期間が経過していないと判定した場合、そのまま待機状態設定処理を終了する。
所定期間が経過したと判定した場合、ステップSc3509~ステップSc3514にて、本スロットマシン10を待機状態に設定する処理を実行する。すなわち、ステップSc3509にて待機移行コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行する。待機移行コマンドは、待機状態に設定することを表示制御装置81に把握させるためのコマンドである。
続くステップSc3510では、各リール32L,32M,32Rを外側から照射するフロントライトや、各リール32L,32M,32Rを内側から照射するバックライトや、遊技パネル25の内側に設けられた遊技パネル25用のバックライトの点灯・消灯状態をRAM106の待機用記憶エリア106cに記憶する処理を実行するとともに、これら各ライトを消灯させて待機状態とする処理を実行する。なお、フロントライトやバックライトが既に消灯している場合にはその状態を維持する。
続くステップSc3511では、クレジット表示部60、残払出枚数表示部61、払出枚数表示部62にて表示されている情報を待機用記憶エリア106cに記憶するとともに、これら各表示部60~62の各セグメントをOFFとして待機状態とする処理を実行する。また、ステップSc3512では、指示モニタ68にて表示されている情報をRAM106の待機用記憶エリア106cに記憶するとともに、指示モニタ68の各セグメントをOFFとして待機状態とする処理を実行する。
続くステップSc3513では、BET表示部75にて表示されている情報を待機用記憶エリア106cに記憶する処理を実行するとともに、BET表示部75の各BET表示部75a~75cを消灯状態として待機状態とする処理を実行する。
そして、ステップSc3514にて、遊技状態表示部76のうち、開始可能状態表示部76bが点灯状態である場合には当該点灯情報を待機用記憶エリア106cに記憶する処理を実行したうえで、開始可能状態表示部76bを消灯状態とする処理を実行してから、本待機状態設定処理を終了する。
このように、各リール32L,32M,32Rが全て停止しており、払出も行われておらず、且つ再遊技状態ではない状況において、いずれの遊技操作も行われない期間が所定期間以上となることで、スロットマシン10の待機状態に設定される。待機状態では、各種表示部等が消灯状態となることから、スロットマシン10の消費電力の削減を図ることが可能となる。この場合、上記のように再遊技状態では待機カウンタの計測が行われないことから、遊技操作等が行われなくても待機状態とされない。また、待機状態においても少なくとも賭数操作が可能な状況にて待機状態に設定された場合には、受入可能状態表示部76cは点灯状態のままで維持されることから、待機状態であって電源が投入されていない状態と、遊技者は明確に区別することが可能となる。
一方、ステップSc3507にていずれかの遊技操作が行われたと判定した場合、ステップSc3515に進み、現状が待機状態に設定されているか否かを判定する。待機状態に設定されていない場合には、そのまま本待機状態設定処理を終了する。待機状態に設定されている場合には、ステップSc3516~ステップSc3521にて、待機状態から通常状態に復帰させるための復帰処理を実行する。
すなわち、ステップSc3516では、待機復帰コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行する。待機復帰コマンドは、待機状態から通常状態に復帰することを表示制御装置81に把握させるためのコマンドである。
続くステップSc3517では、各種フロントライトやバックライトの復帰用処理を実行する。当該復帰用処理では、各種フロントライトやバックライトの待機状態移行前の状態を待機用記憶エリア106cから把握し、その状態(点灯状態又は消灯状態)に復帰させる処理を行う。
続くステップSc3518では、クレジット表示部60、残払出枚数表示部61、払出枚数表示部62の待機状態移行前の状態を待機用記憶エリア106cから把握し、その状態(点灯状態又は消灯状態)に復帰させる処理を行う。また、ステップSc3519では、指示モニタ68の待機状態移行前の状態を待機用記憶エリア106cから把握し、その状態(点灯状態又は消灯状態)に復帰させる処理を行う。
続くステップSc3520では、BET表示部75の待機状態移行前の状態を待機用記憶エリア106cから把握し、その状態(点灯状態又は消灯状態)に復帰させる処理を行う。
そして、ステップSc3521にて、遊技状態表示部76のうち、開始可能状態表示部76bの待機状態移行前の状態を待機用記憶エリア106cから把握し、その状態(点灯状態又は消灯状態)に復帰させる処理を行ってから、本待機状態設定処理を終了する。
<待機用処理>
次に表示制御装置81のCPU181にて実行される待機用処理について、図241のフローチャートを参照しながら説明する。待機用処理は、上記の主制御装置101側の待機状態設定処理に対応するものであり、演出設定処理(図220)におけるその他の処理(ステップSc2011)のうちの一処理として実施される処理であって、待機状態に移行させたり通常状態に復帰させたりするための処理や、待機状態移行前の仮待機状態に移行させるための処理を行うものである。
ステップSc3601では、上記の待機移行コマンドを受信したか否かを判定する。待機移行コマンドを受信している場合、ステップSc3602にて補助表示部65を待機モードとするための待機用処理を実行する。具体的には、現状、補助表示部65にて表示している内容をRAM183の待機用記憶エリア183cに記憶し、補助表示部65の表示画面の輝度を通常時の輝度よりも低い待機モード用の輝度に設定するとともに、例えば、「デモ状態」といった文字表示を行う。続くステップSc3603では、スピーカ64からの出力ボリュームを通常時のボリュームよりも小さい(又は出力されない)待機モード用のボリュームに設定する処理を実行する。
続くステップSc3604では、ベット表示部34の待機用処理を実行する。具体的には、現状、ベット表示部34にて表示している内容をRAM183の待機用記憶エリア183cに記憶するとともに、ベット表示部34の各ベット表示部34a~34cを消灯状態とする処理を実行する。続くステップSc3605では、第1クレジットランプ56bの待機用処理を実行する。具体的には、第1クレジットランプ56bの点灯・消灯状態を把握し、かかる内容を待機用記憶エリア183cに記憶するとともに、第1クレジットランプ56bを消灯状態とする処理を実行する。なお、第1クレジットランプ56bが既に消灯状態である場合には、その情報を記憶するだけで、当該消灯状態を維持する。
また、ステップSc3601にて否定判定した場合、ステップSc3606にて、上記の待機復帰コマンドを受信しているか否かを判定する。待機復帰コマンドを受信している場合、ステップSc3607にて待機モードとされている補助表示部65を通常時の状態とするための復帰用処理を実行する。具体的には、待機状態移行前に補助表示部65にて表示されていた内容を待機用記憶エリア183cから把握して、その内容が補助表示部65にて表示されるようにするとともに、表示画面の輝度を通常時の輝度に戻すための処理を実行する。また、ステップSc3608では、スピーカ64からの出力ボリュームを通常時の出力ボリュームに設定する処理を実行する。
続くステップSc3609では、ベット表示部34の復帰用処理を実行する。具体的には、待機状態移行前のベット表示部34の表示内容を待機用記憶エリア183cから把握して、その内容がベット表示部34にて表示されるようにする処理を実行する。また、ステップSc3610では、第1クレジットランプ56bの復帰用処理を実行する。具体的には、待機状態移行前に第1クレジットランプ56bが点灯状態であったか否かを待機用記憶エリア183cを把握し、点灯状態であった場合には第1クレジットランプ56bを点灯状態とし、待機状態移行前から消灯状態であった場合には、その状態を維持する処理を実行する。
ステップSc3605若しくはステップSc3610の処理を実行した後、又はステップSc3606にて否定判定した場合、ステップSc3611に進む。ステップSc3611~ステップSc3622の処理は、待機状態よりも前の仮待機状態用の処理である。
具体的には、ステップSc3611にて一のゲームが終了したか否かを判定する。なお、ゲームの終了に際してメダルの払い出しが行われる場合には、当該払い出しが完了したか否かを判定する。ステップSc3611にて肯定判定してゲームが終了した場合、ステップSc3612に進み、各種カウンタエリア183bに設けられた表示継続カウンタのカウントを許可するための許可フラグを、各種フラグ格納エリア183aにセットする処理を実行する。表示継続カウンタは、仮待機状態に設定するべきタイミングをCPU181が把握するためのカウンタである。なお、表示継続カウンタに初期値(15000)であり、ステップSc3612の処理を行ってから表示継続カウンタが0となるまでには30sec要することになる。
ステップSc3611にてゲームが終了していないと判定した場合、又はステップSc3612の処理を実行した後は、ステップSc3613に進み、いずれかの遊技操作が行われたか否かを判定する。この場合、主制御装置101に接続されているスタートレバー41、ストップスイッチ42~44、第1クレジット投入スイッチ56、第2クレジット投入スイッチ57、清算スイッチ59等の操作部の操作を対応する検出センサ41a,42a~44a,56a,57a,59a等により検知した場合に出力されるコマンドや、メダル投入口45からのメダル投入(投入メダル検出センサ45aによるメダルの検出)や、前面扉12の開放等が行われた場合に出力されるコマンドを受信した場合の他、表示制御装置81に接続されている演出スイッチ66の操作が行われた場合もステップSc3613にて肯定判定する。
ステップSc3613にて否定判定し、いずれの遊技操作も行われていない場合は、ステップSc3614に進み、上記の表示継続カウンタが0となったか否かを判定する。表示継続カウンタが0となっていない場合には、そのまま本待機用処理を終了する。この場合、演出設定処理(図220)におけるその他の処理(ステップSc2011)では、上記の許可フラグがセットされていることを条件に表示継続カウンタを1ずつ減算する処理を行い、許可フラグがセットされていない場合には当該表示継続カウンタを減算する処理を行わない。演出設定処理は、2msec周期で起動されるため、表示継続カウンタが初期値から0となるまでには約30sec要することになる。
ステップSc3614にて表示継続カウンタが0となり、仮待機状態とされるまでの期間が経過した場合、ステップSc3615にて、再遊技状態であるか否かを判定する。再遊技状態であって、いずれかの再遊技結果入賞後、仮待機状態に移行するまでの第1移行期間としての30secに亘って遊技操作が行われなかった場合、ステップSc3616にて、第1クレジットランプ56bの仮待機用処理を実行してから、本待機用処理を終了する。ステップSc3616について、具体的には、第1クレジットランプ56bの点灯・消灯状態を把握し、かかる内容を待機用記憶エリア183cに記憶するとともに、第1クレジットランプ56bを消灯状態とする処理を実行する。なお、第1クレジットランプ56bが既に消灯状態である場合には、その情報を記憶するだけで、当該消灯状態を維持する。
一方、ステップSc3515にて再遊技状態ではないと判定した場合、ステップSc3517にて、ベット表示部34の仮待機用処理を実行してから、本待機用処理を終了する。ステップSc3517について、具体的には、現状、ベット表示部34にて表示している内容をRAM183の待機用記憶エリア183cに記憶するとともに、ベット表示部34の各ベット表示部34a~34cを消灯状態とする処理を実行する。
ステップSc3614にて肯定判定し、いずれかの遊技操作が行われたと判定した場合には、ステップSc3618に進む。ステップSc3618では、表示継続カウンタを初期値(15000)にクリアする処理を実行する。そして、ステップSc3619にて上記の許可フラグをクリアする処理を実行して、表示継続カウンタの計測を終了する。
続くステップSc3620では、現状仮待機状態に設定されているか否かを判定し、仮待機状態ではない場合には、そのまま本待機用処理を終了する。仮待機状態である場合には、ステップSc3621及びステップSc3622にて、ベット表示部34と第1クレジットランプ56bの復帰用処理を実行してから、本待機用処理を終了する。かかる処理は、上記ステップSc3609及びステップSc3610の処理と同様である。
すなわち、表示制御装置81においては、演出用の状態として通常状態と待機状態との他に仮待機状態とが設定されている。待機状態とは、主制御装置101側で管理する待機状態に対応するものであり、遊技操作が行われなくなってから約3minが経過することで移行する。仮待機状態とは、表示制御装置81側で管理する状態であり、ゲームが終了してから遊技操作が行われないまま約30secが経過することで移行する。
この場合、ゲームが終了した後、いずれの遊技操作も行われなければ、約30sec後に仮待機状態に移行し、約3min後に待機状態に移行する。仮待機状態に移行する場合には、再遊技状態であれば第1クレジットランプ56bが消灯状態とされ、再遊技状態以外であればベット表示部34が消灯状態とされる。そして、待機状態に移行する場合には、これらベット表示部34と第1クレジットランプ56bだけでなく、補助表示部65やスピーカ64も待機モードに設定される。ゲームが終了した後、何らかの遊技操作が行われていると、仮待機状態を経ることなく当該遊技操作が行われてから約3min後に待機状態に移行する。つまり、約3min後に、ベット表示部34と第1クレジットランプ56bが消灯状態とされ、補助表示部65やスピーカ64も待機モードに設定される。但し、再遊技状態では待機状態に設定されない。
<仮待機状態と待機状態との様子>
ゲーム後に仮待機状態や待機状態に設定される様子を、図242のタイミングチャートを参照しながら説明する。なお、図242(a)は通常再遊技結果後の様子を示しており、図242(b)は小役結果後の様子を示しており、図242(c)は特定再遊技結果後の様子を示している。
図242(a)に示すように、ta1にて開始されたゲームの抽選結果が通常再遊技結果である場合、ta2にて各リール32L,32M,32Rが停止すると、当該通常再遊技結果入賞に基づく再遊技状態に設定される。この場合、BET表示部75及びベット表示部34は、ta2にて一旦消灯状態となってから、再度、ta1のベット数と同数のベット数に対応する点灯状態となる。なお、本図においてはベット過程演出を省略して示している。また、第1クレジットランプ56bは、ta1での開始(賭数操作)に際して消灯され、再遊技状態では当該消灯状態が維持される。
上記のように、再遊技状態においては、仮待機状態に設定される場合、第1クレジットランプ56bの仮待機用処理が行われる一方、ベット表示部34の仮待機用処理は行われない。また、再遊技状態においては、待機状態には設定されない。
通常再遊技結果に基づく再遊技状態では、ベット表示部34はベット対応演出が行われて点灯状態とされるものの、第1クレジットランプ56bは消灯状態とされる。そのため、ta2から仮待機状態に移行するまでの第1移行期間(TA)が経過するta3となると、ベット表示部34は点灯状態のまま維持され、第1クレジットランプ56bは消灯状態のまま維持される。
ta2から待機状態に移行するまでの第2移行期間(TB)が経過するta4となっても、再遊技状態であることから待機状態に設定されない。そのため、ta4においてベット表示部34は点灯状態が維持され、第1クレジットランプ56bは消灯状態が維持される。また、BET表示部75の点灯状態は維持され、補助表示部65も待機モードに移行しない。
図242(b)に示すように、ta11にて開始されたゲームの抽選結果がいずれかの小役結果である場合、tb2にて各リール32L,32M,32Rが停止すると、当該小役結果入賞が成立し得る。この場合、ta12にて第1クレジットランプ56bが点灯状態となる。
上記のように、再遊技状態以外においては、仮待機状態に設定される場合、第1クレジットランプ56bの仮待機用処理が行われない一方、ベット表示部34の仮待機用処理は行われる。また、再遊技状態以外においては、待機状態には設定される。
ta12から仮待機状態に移行するまでの第1移行期間(TA)が経過するta13に至るまで、いずれの遊技操作も行われなかった場合、当該ta13では、仮待機状態の設定が行われる。この場合、第1クレジットランプ56bは点灯状態が維持されるものの、ベット表示部34は点灯状態から消灯状態に切り替わる。
ta12から待機状態に移行するまでの第2移行期間(TB)が経過するta14に至るまで、いずれの遊技操作も行われなかった場合、ta14にて待機状態に設定される。この場合、第1クレジットランプ56bは消灯状態とされ、更に、BET表示部75も消灯状態とされ、補助表示部65も待機モードに設定される。
ta15にて開始されたゲームの抽選結果もいずれかの小役結果である場合、ta16にて各リール32L,32M,32Rが停止すると、ta16にて第1クレジットランプ56bが点灯状態となる。
ta16から仮待機状態に移行するまでの第1移行期間(TA)が経過するta18に至るまでの間であるta17にて、第1クレジット投入スイッチ56の操作が行われた場合、対応するベットが行われ、第1クレジットランプ56bは消灯状態となる。また、再遊技状態ではあるものの、ta17の賭数操作によって仮待機状態の設定が行われなくなり、ta18となっても、ベット表示部34は、ta17の賭数操作に対応する点灯状態が維持される。ta17の賭数操作から待機状態に移行するまでの第2移行期間(TB)が経過するta19まで、いずれの遊技操作も行われなかった場合、当該ta19にて待機状態に設定される。この場合、既に消灯状態とされている第1クレジットランプ56bだけでなく、ベット表示部34やBET表示部75も消灯状態とされ、補助表示部65も待機モードに設定される。
図242(c)に示すように、ta21にて開始されたゲームの抽選結果が特定再遊技結果である場合、ta22にて各リール32L,32M,32Rが停止すると、当該特定再遊技結果入賞に基づく再遊技状態に設定される。この場合、BET表示部75は、ta22にて一旦消灯状態となってから、再度、ta21のベット数と同数のベット数に対応する点灯状態となる。上記の通り、ta22では、ベット表示部34の疑似ベット演出は行われず、第1クレジットランプ56bが点灯状態とされる。
上記のように、再遊技状態においては、仮待機状態に設定される場合、第1クレジットランプ56bの仮待機用処理が行われる一方、ベット表示部34の仮待機用処理は行われない。また、再遊技状態においては、待機状態には設定されない。
そのため、ta22から仮待機状態に移行するまでの第1移行期間(TA)が経過するta23では、第1クレジットランプ56bは消灯状態に切り替えられる一方で、ベット表示部34は点灯状態のまま維持される。そして、ta22から待機状態に移行するまでの第2移行期間(TB)が経過するta24では、待機状態の設定が行われない。そのため、ベット表示部34の点灯状態は維持される。また、BET表示部75の点灯状態は維持され、補助表示部65も待機モードに移行しない。
ta25にて開始されたゲームの抽選結果も特定再遊技結果である場合、ta22にて各リール32L,32M,32Rが停止すると、ta26にて第1クレジットランプ56bが点灯状態となる。
ta26から仮待機状態に移行するまでの第1移行期間(TA)が経過するta28に至るまでの間であるta27にて、第1クレジット投入スイッチ56の操作が行われた場合、疑似ベット演出が行われ、第1クレジットランプ56bは消灯状態となる。この場合、ta28となっても、ta27の賭数操作によって仮待機状態の設定が行われず、ベット表示部34は、ta27の賭数操作に対応する疑似ベット演出のベット対応演出が維持される。
そして、再遊技状態においては待機状態に移行しないため、ta27の賭数操作から待機状態に移行するまでの第2移行期間(TB)が経過するta29まで、いずれの遊技操作も行われなかった場合であっても、ta29にてベット表示部34の点灯状態が維持されるし、BET表示部75の点灯状態も維持され、補助表示部65も待機モードに移行しない。
すなわち、特定再遊技結果と小役結果や外れ結果とでは、各リール32L,32M,32Rが停止した際に第1クレジットランプ56bが点灯状態とされる点や、第1クレジット投入スイッチ56を操作した場合のベット表示部34によるベット演出(通常ベット演出及び疑似ベット演出)が共通しているものの、仮待機状態や待機状態に設定されるか否かが異なり、小役結果や外れ結果後においては、第1移行期間に亘って遊技操作を行わなければ仮待機状態に設定されて、第1クレジットランプ56bの点灯状態は維持されるもののベット表示部34が消灯状態とされる。そして、特定再遊技結果後においては、第1移行期間に亘って遊技操作を行わなかった場合には仮待機状態に設定されて、第1クレジットランプ56bは消灯状態とされるもののベット表示部34の点灯状態は維持される。つまり、第1移行期間に亘って遊技操作を行わないことで、第1クレジットランプ56bやベット表示部34の消灯の有無によって、特定再遊技結果であったか小役結果等であったかを判別することが可能である。
この場合、第1移行期間が経過するよりも前に遊技操作を行うと、特定再遊技結果及び小役結果等のいずれの後であっても、当該遊技操作後に第1移行期間が経過しても仮待機状態に設定されず、当該遊技操作から第2移行期間が経過した際に待機状態の設定の有無によって、特定再遊技結果であったか小役結果等であったかを判別することが可能である。つまり、いずれの結果であったかを、第1クレジットランプ56bやベット表示部34の消灯の有無から判断しようとするならば、少なくも第1移行期間に亘って遊技を中断する必要があり、このように遊技操作を行わないことで結果を判別させる、といった斬新な遊技性を実現することが可能となる。
以上詳述した実施形態では、以下の優れた効果を奏する。
特定再遊技結果入賞に基づき設定された再遊技状態では、第1クレジット投入スイッチ56や第2クレジット投入スイッチ57の操作や、メダル投入口45からのメダル投入といった賭数操作が行われた場合、ベット過程演出を経てベット対応演出が行われる疑似ベット演出を行うようにした。このようにすることで、再遊技状態であっても、賭数操作を経て開始操作を行い、ストップスイッチ42~44の停止操作を行うといったスロットマシン10の一連の遊技操作の流れを変えることなく、遊技させることができる。また、上記のようにすることで、小役結果や外れ結果と同じ扱いである印象を与えることができるし、賭数操作を経ずにベット過程演出を経てベット対応演出が行われる通常再遊技結果との差から、再遊技結果であっても、何かしらの特典が得られる期待感を付与することも可能である。よって、遊技の興趣向上に役立てることができる。
通常再遊技結果入賞に基づく再遊技ベット演出では、0.2sec間隔でベットが行われるベット過程演出を実行してからベット対応演出に切り替わる構成とし、特定再遊技結果入賞に基づく疑似ベット演出では、0.1sec間隔でベットが行われるベット過程演出を実行してからベット対応演出に切り替わる構成とし、両再遊技結果入賞に基づくベット演出の報知態様が異なる構成とした。このようにすることで、遊技進行のための操作の態様だけではなく、ベット演出の報知態様からも特定再遊技結果と通常再遊技結果とが、明確に異なるものである印象を遊技者に与えることが可能となる。
特定再遊技結果入賞に基づく再遊技状態においては、ベット自体は再遊技設定用処理にて既に完了しており、開始可能状態表示部76bは点灯状態とされている。そのため、賭数操作に基づくベット過程演出中に開始操作が行われると、当該ベット過程演出中であっても各リール32L,32M,32Rの回転は開始され得る。そこで、賭数操作を行った後、疑似ベット演出におけるベット過程演出中に開始操作が行われた場合、当該ベット過程演出の制限処理として当該ベット過程演出を中断するようにし、その時点でベット対応演出に切り替えるようにした。このようにすることで、開始操作に基づいて各リール32L,32M,32Rの回転が開始しているのにもかかわらず、ベット対応演出が行われていないことによる違和感を与えないようにすることができるし、回転開始時の演出や処理と、ベット過程演出やそれ用の処理とが重複することによる処理負荷の増大化や遊技者の混乱を生じさせないようにすることが可能である。
但し、ベット過程演出中の開始操作であっても、当該開始操作がウェイト期間中である場合には、ベット過程演出を中断せず、そのまま実行するようにした。このようにすることで、各リール32L,32M,32Rの回転が開始されない場合にまでベット過程演出が中断される違和感を遊技者に与えないようにすることができる。
ベット過程演出中に開始操作が行われ、且つウェイト期間の経過前であることから当該ベット過程演出を中断せずにそのまま継続された場合において、事後的にウェイト期間が経過した場合、当該ウェイト期間が経過した時点で、ベット過程演出を中断してベット対応演出に切り替えるようにした。このようにすることで、各リール32L,32M,32Rの回転が開始されているのにもかかわらず、ベット過程演出が完了していないことや、演出や処理の重複による不都合を生じさせないようにすることが可能となる。
更に、特定再遊技結果入賞に基づく再遊技状態であっても、賭数操作を介さずに開始操作が可能であることから、このような賭数操作を介しない開始操作が行われた場合には、疑似ベット演出におけるベット過程演出を実行することなく賭数操作に基づいてベット対応演出を行うようにした。これにより、不要な演出を行うことによる処理負荷の増大化を解消することができるし、開始操作に基づき各リール32L,32M,32Rの回転が開始されているのにもかかわらず、ベット対応報知が行われていない、といった不都合を解消することができる。
ここで、特定再遊技結果は、第1再遊技結果以外の再遊技結果として規定しているが、例えば通常リプA~通常リプCのように、通常再遊技結果としての第1再遊技結果と特定再遊技結果としての第2再遊技結果や第3再遊技結果とに重複して当選する遊技結果も設定されている。この場合、上記実施形態においては、これら第1再遊技結果と第2,第3再遊技結果とのいずれの入賞が成立するかをストップスイッチ42~44の操作順序によって規定し(図208)、通常時は、基本的には通常再遊技結果としての第1再遊技結果入賞が成立し易いように設定し、ATモードを開始する場面で特定再遊技結果としての第2再遊技結果入賞や第3再遊技結果入賞が成立し易いように設定している。つまり、通常リプA~Cに当選した場合の状況に応じて、再遊技ベット演出が行われる場合と、疑似ベット演出が行われる場合とがあるように設定している。このように、再遊技状態であっても、賭数操作が不要である場面と賭数操作を行わせたい場面を明確に使い分けることで、再遊技状態においてあえて賭数操作を行わせることによる効果を好適に期待できるようになる。
特に、通常リプA~Cに当選した場合であって、特定再遊技結果としての第2再遊技結果や第3再遊技結果を入賞させて疑似ベット演出を行う場面とは、ATモードが開始される場面であることから、新たなATモードが開始される場合に、賭数操作を経て開始操作を行うといった一連の遊技操作を行わせることで、前のゲームに印象を引きずることなく新たな気持ちに切り替える手助けともすることが可能となり、ATモードの興趣向上を図ることができる。
更に、特定再遊技結果に基づく再遊技状態においては、第1クレジットランプ56が点灯状態とされ、第1移行期間が経過すると消灯状態とされるようにした。これに対して、小役結果後においては、第1クレジットランプ56bは点灯状態とされるものの、第1移行期間が経過しても点灯状態が維持される。このようにすることで、第1クレジットランプ56を点灯状態とさせたり、賭数操作に基づいて疑似ベット演出を行うようにして特定再遊技結果を小役結果と同じような扱いである印象を与えながらも、両結果を判別しようとすれば、第1移行期間が経過するまで待てばよい、といった斬新な遊技性を実現することが可能となる。また、特定再遊技結果入賞が成立しているのにもかかわらず、遊技を終了してしまう遊技者に対して、第1クレジットランプ56bが消灯状態とされることを通じて知らしめることができるし、第1移行期間が経過した後は、後続の遊技者は特定再遊技結果入賞が成立していることを察知しにくくなり、遊技の公平性にも寄与することが可能である。
しかも、特定再遊技結果及び小役結果のいずれの結果であっても、第1クレジット投入スイッチ56を操作すると、第1クレジットランプ56bは消灯状態に切り替わる。そうすると、第1移行期間の経過によって両結果を判別しようとするならば、第1クレジット投入スイッチ56の操作を行わない必要があるようになり、待つことで結果が判別できる遊技性において、特に第1クレジット投入スイッチ56は操作してはいけないといったようなより厳密な待ちが要求される遊技性とすることができ、かかる遊技性の興趣を好適に向上させることができる。つまり、いずれの遊技操作を行っても仮待機状態の設定は行われなくなるところ、第1クレジット投入スイッチ56を操作してしまうと、仮待機状態での判別だけではなく、待機状態での判別も行うことができなくなる。なお、第1クレジット投入スイッチ56を操作するということは、遊技継続の意思表示とも解釈することができ、このような場合には、特定再遊技結果入賞がわからなくなっても遊技者に不利益は生じにくいと考えられる。
ベット表示部34については、第1移行期間が経過した場合、特定再遊技結果であれば点灯状態から消灯状態に切り替わる一方で、小役結果であれば点灯状態が維持されるようにしている。小役結果後は第2移行期間が経過すると待機状態に設定されてベット表示部34は消灯状態とされる一方で、再遊技状態においては第2移行期間が経過しても待機状態に設定されない。そのため、小役結果後であればベット表示部34は消灯状態とされるものの、特定再遊技結果入賞を成立させたまま遊技が終了されると、ベット表示部34は点灯状態のまま維持される。このように、ベット表示部34を確認することで再遊技結果入賞後であることを明確に判別可能とすることで、遊技ホールの管理者等が、その状態のまま閉店したりする等による不都合を好適に回避することができる。
<変形例1>
本変形例では、ベット過程演出中に開始操作が行われた場合の他の態様について、ベット過程演出におけるベット表示部34a~34cを順次点灯状態とする点灯演出と、ベット時効果音との関係での変形例を、図243~図246を参照しながら説明する。
図243(a)は、上記実施形態のベット過程演出を示している。
tb1にて賭数操作が行われると、ベット表示部34a~34cが順次点灯状態となる点灯演出とともにベット時効果音が出力されるベット過程演出が実行される。当該ベット過程演出がtb2にて完了すると、ベット対応演出となる。その後、tb3にて開始操作が行われると、抽選処理が行われるとともに、各リール32L,32M,32Rの回転が開始される。当該抽選処理の結果が特定再遊技結果である場合、tb4にて各リール32L,32M,32Rが停止して当該特定再遊技結果入賞が成立すると、再遊技設定用処理にてベットの設定が行われる。
ウェイト期間が経過するtb5よりも後であるtb6にて、第1クレジット投入スイッチ56等による賭数操作が行われると、tb1の場合と同様に、ベット時効果音を伴いベット表示部34a~34cの点灯演出が行われるベット過程演出が開始される。但し、かかるベット過程演出は、疑似ベット演出におけるベット過程演出である。
tb6にて開始されたベット過程演出が完了するtb8よりも前であるtb7にて、開始操作が行われた場合、各リール32L,32M,32Rの回転が開始され、この場合、当該ベット過程演出は、tb7にてベット対応演出に切り替わる(対応するベット表示部34a~34cが点灯状態とされる)。つまり、上記実施形態では、疑似ベット演出におけるベット過程演出の途中で開始操作が行われた場合、ベット過程演出における点灯演出及び効果音演出のいずれもが途中で中断され、ベット対応演出に切り替わるようにして制限が行われる構成としている。
図244は、特定再遊技ベット演出設定処理の変形例を示しており、この変形例では、疑似ベット演出におけるベット過程演出の途中で開始操作が行われた場合、ベット過程演出における一部の演出の実行が制限される。
本変形例における特定再遊技ベット演出設定処理では、ベット過程演出の途中で開始操作が行われた場合の処理が、上記図237の処理と異なっている。本変形例では、ステップSc3714、ステップSc3720、ステップSc3735及びステップSc3738の処理が追加されており、その他の処理は図237の対応する処理と同様である。
すなわち、第2ベット表示部34bを点灯状態とするまで待機している状況において、ステップSc3733にて、疑似ベット許可フラグ又は開始操作コマンドを受信したと判定し、ステップSc3734にてウェイト期間が経過していると判定した場合、ステップSc3735にて各種フラグ格納エリア183aに制限フラグをセットする処理を実行してからステップSc3712に戻ってベットタイマが0となるまで待機する。ベットタイマが0となった場合、ステップSc3712にて肯定判定し、ステップSc3713にて第2ベット表示部34bを点灯状態とする。そして、ステップSc3714にて上記の制限フラグがセットされているか否かを判定し、セットされていない場合にはステップSc3715にてベット時効果音を出力する処理を実行してから、ステップSc3716の第3ベット表示部34cを点灯状態とする処理に進む。一方、制限フラグがセットされている場合には、ベット時効果音を出力することなく、ステップSc3716に進む。
また、第3ベット表示部34cを点灯状態とするまで待機している状況において、ステップSc3736にて、疑似ベット許可フラグ又は開始操作コマンドを受信したと判定し、ステップSc3737にてウェイト期間が経過していると判定した場合、ステップSc3738にて各種フラグ格納エリア183aに制限フラグをセットする処理を実行してからステップSc3718に戻ってベットタイマが0となるまで待機する。ベットタイマが0となった場合、ステップSc3718にて肯定判定し、ステップSc3719にて第3ベット表示部34cを点灯状態とする。そして、ステップSc3720にて上記の制限フラグがセットされているか否かを判定し、セットされていない場合にはステップSc3721にてベット時効果音を出力する処理を実行してから、特定再遊技ベット演出設定処理を終了する。一方、制限フラグがセットされている場合には、ベット時効果音を出力することなく、特定再遊技ベット演出設定処理を終了する。
図243(b)では、上記の疑似ベット演出におけるベット過程演出の途中で開始操作が行われた場合、ベット過程演出における一部の演出の実行が制限される様子を示している。
tb11~tb16は、上記tb1~tb6と同様であり、特定再遊技結果入賞に伴う再遊技設定用処理にてベットが行われ、ウェイト期間が経過した後、tb16にて賭数操作が行われたとする。この場合、疑似ベット演出としてのベット過程演出がtb16から開始される。当該ベット過程演出が完了するtb18よりも前であるtb17にて開始操作が行われた場合、ベット表示部34a~34cの点灯演出は継続して実施されるものの、それに伴うベット時効果音の出力が制限される。その結果、tb16にて開始されたベット過程演出は、点灯演出はtb16からtb18まで実行されるものの、ベット時効果音はtb16からtb17までは実行され、tb17からtb18までは実行されなくなる。そして、tb18にてベット対応演出に切り替わるようになる。このようにすることで、少なくともベット時効果音の出力用の処理の分は、各リール32L,32M,32Rの回転開始用の処理との重複を回避することが可能となるし、当該ベット時効果音と、各リール32L,32M,32Rの回転開始時のスタート用の効果音等との重複も解消することが可能となる。
例えば、ベット表示部34のように各ベット表示部34a~34cの点灯制御を個別に行う構成に代え、又は加えて、補助表示部65の所定領域にて表示制御装置81側のベット対応演出を行うような構成も考えられる。このような構成においては、賭数操作が行われた場合、ベット過程演出が完了するまでの表示演出パターンをベット過程演出を開始する際に設定することも考えられる。そうすると、ベット過程演出の途中で賭数操作が行われたからといって、当該表示演出パターンを途中でベット対応演出の表示演出パターンに切り替えるよりも、そのまま継続させたほうが処理負荷の低減につながるものと考えられる。そこで、少なくともベット時効果音演出側を途中で制限するようにすることで、処理負荷の増大化を回避しながら、各リール32L,32M,32Rの回転開始時の効果音の重複等による不都合を生じさせないようにすることが可能となる。
図245は、特定再遊技ベット演出設定処理の変形例を示しており、この変形例では、疑似ベット演出におけるベット過程演出の途中で開始操作が行われた場合、ベット過程演出におけるベット時効果音は継続する一方、点灯演出の継続が制限される。
本変形例における特定再遊技ベット演出設定処理では、上記図237の処理と比較して、ステップSc3813、ステップSc3819、ステップSc3832、ステップSc3836及びステップSc3839の処理が追加されており、その他の処理は図237の対応する処理と同様である。
すなわち、第2ベット表示部34bを点灯状態とするまで待機している状況において、ステップSc3834にて、疑似ベット許可フラグ又は開始操作コマンドを受信したと判定し、ステップSc3835にてウェイト期間が経過していると判定した場合、ステップSc3836にて各種フラグ格納エリア183aに制限フラグをセットする処理を実行してから、ステップSc3829側のベット対応演出に切り替える処理に進む。
また、第3ベット表示部34cを点灯状態とするまで待機している状況において、ステップSc3837にて、疑似ベット許可フラグ又は開始操作コマンドを受信したと判定し、ステップSc3838にてウェイト期間が経過していると判定した場合、ステップSc3839にて各種フラグ格納エリア183aに制限フラグをセットする処理を実行してから、ステップSc3831側のベット対応演出に切り替える処理に進む。
ベット対応演出に切り替える処理では、ベット数に対応するベット表示部34a~34cを点灯状態とする処理を実行した後、ステップSc3832にて上記の制限フラグがセットされているか否かを判定し、セットされていない場合には、そのまま特定再遊技ベット演出設定処理を終了する。制限フラグがセットされている場合には、ベット対応演出に切り替えた後、ステップSc3812に戻る。
ステップSc3812にてベットタイマが0となった場合、ステップSc3812にて肯定判定し、ステップSc3813にて上記の制限フラグがセットされているか否かを判定する。セットされていない場合にはステップSc3814にて第2ベット表示部34bを点灯状態とし、ステップSc3815にてベット時効果音を出力する処理を実行してから、ステップSc3816の第3ベット表示部34cを点灯状態とする処理に進む。ステップSc3813にて制限フラグがセットされている場合には、第2ベット表示部34bを点灯状態とする処理を実行することなく、ベット時効果音を出力する処理を実行してから、第3ベット表示部34cを点灯状態とする処理に進む。
そして、ステップSc3818にてベットタイマが0となった場合、ステップSc3818にて肯定判定し、ステップSc3819にて上記の制限フラグがセットされているか否かを判定する。セットされていない場合にはステップSc3820にて第3ベット表示部34cを点灯状態とし、ステップSc3821にてベット時効果音を出力する処理を実行してから、特定再遊技ベット演出設定処理を終了する。ステップSc3819にて制限フラグがセットされている場合には、第3ベット表示部34cを点灯状態とする処理を実行することなく、ベット時効果音を出力する処理を実行してから、特定再遊技ベット演出設定処理を終了する。
図243(c)は、上記のベット過程演出におけるベット時効果音は継続する一方、点灯演出の継続が制限される様子を示している。
tb1~tb6と同様に、tb21~tb25にて、特定再遊技結果入賞に伴う再遊技設定用処理にてベットが行われ、ウェイト期間が経過した後、tb26にて賭数操作が行われたとする。この場合、疑似ベット演出としてのベット過程演出がtb26から開始される。当該ベット過程演出が完了するtb28よりも前であるtb27にて開始操作が行われた場合、ベット時効果音の出力は継続して実行されるものの、ベット表示部34a~34cの点灯演出は中断されて、tb27の時点でベットに対応するベット表示部34a~34cが点灯状態となる。その結果、tb26にて開始されたベット過程演出は、tb28までベット時効果音の出力は行われるものの、tb27にて各リール32L,32M,32Rの回転が開始される状況においてはベット対応演出に切り替わっているようになる。このようにすることで、各リール32L,32M,32Rの回転が開始されたのにもかかわらず、当該回転が開始されたゲームのベット数をベット表示部34から把握できない状況を生じさせないようにすることが可能である。
図246は、特定再遊技ベット演出設定処理の変形例を示しており、この変形例では、疑似ベット演出におけるベット過程演出の途中で開始操作が行われた場合、ベット過程演出の実行は制限されるものの、ベット対応演出はベット過程演出を開始した時点で予定していたタイミングで開始されるようにする。
本変形例における特定再遊技ベット演出設定処理では、上記図237の処理と比較して、ステップSc3913、ステップSc3919、ステップSc3935及びステップSc3938の処理が追加されており、その他の処理は図237の対応する処理と同様である。
すなわち、第2ベット表示部34bを点灯状態とするまで待機している状況において、ステップSc3933にて、疑似ベット許可フラグ又は開始操作コマンドを受信したと判定し、ステップSc3934にてウェイト期間が経過していると判定した場合、ステップSc3935にて各種フラグ格納エリア183aに制限フラグをセットする処理を実行してからステップSc3912に戻ってベットタイマが0となるまで待機する。ベットタイマが0となった場合、ステップSc3712にて肯定判定し、ステップSc3913にて上記の制限フラグがセットされているか否かを判定する。セットされていない場合には、ステップSc3914にて、第2ベット表示部34bを点灯状態とし、ステップSc3915にてベット時効果音を出力する処理を実行してから、ステップSc3916の前回のベット数が2であったか否かを判定する処理に進む。一方、ステップSc3913にて制限フラグがセットされている場合、ステップSc3914及びステップSc3915の処理を行うことなく、ステップSc3916に進む。
ステップSc3916にて前回のベット数が2ではなく3である場合、ステップSc3917にて、第3ベット表示部34cを点灯状態とするまで待機するための処理を行う。
また、第3ベット表示部34cを点灯状態とするまで待機している状況において、ステップSc3936にて、疑似ベット許可フラグ又は開始操作コマンドを受信したと判定し、ステップSc3937にてウェイト期間が経過していると判定した場合、ステップSc3938にて各種フラグ格納エリア183aに制限フラグをセットする処理を実行してからステップSc3918に戻ってベットタイマが0となるまで待機する。ベットタイマが0となった場合、ステップSc3918にて肯定判定し、ステップSc3919にて上記の制限フラグがセットされているか否かを判定する。セットされていない場合には、ステップSc3920にて、第3ベット表示部34cを点灯状態とし、ステップSc3921にてベット時効果音を出力する処理を実行してから、特定再遊技ベット演出設定処理を終了する。
ステップSc3916の前回のベット数が2であったか否かを判定する処理にて肯定判定した場合や、ステップSc3919にて制限フラグがセットされている場合、ステップSc3929に進み、ベット対応演出に切り替える処理を実行する。
図243(d)は、上記のベット過程演出の実行は制限されるものの、ベット対応演出はベット過程演出を開始した時点で予定していたタイミングで開始される様子を示している。
tb1~tb6と同様に、tb31~tb35にて、特定再遊技結果入賞に伴う再遊技設定用処理にてベットが行われ、ウェイト期間が経過した後、tb36にて賭数操作が行われたとする。この場合、疑似ベット演出としてのベット過程演出がtb36から開始される。例えば、ベット過程演出の開始時に、当該ベット過程演出がtb38にて完了するように設定されたとし、ベット対応演出についてはtb38にて開始されるように設定する。そして、tb38よりも前であるtb37にて開始操作が行われた場合、点灯演出及びベット時効果音の出力は中断される。但し、このtb37ではベット対応演出には切り替わらず、点灯演出についてはtb37の状態が維持される。そして、tb38にてベット対応演出に切り替わる。具体的には、例えば、tb37にて第1ベット表示部34aは点灯状態であるものの第2ベット表示部34bや第3ベット表示部34cは消灯状態である場合、tb37からtb38は、第1ベット表示部34aだけが点灯状態である状況が維持され、tb38にてベット表示部34a~34cが点灯状態に切り替わる。このようにすることで、ベット過程演出を途中で制限する場合に、ベット対応演出まで予定していた実行(開始)タイミングから変更する必要が生じず、処理の簡素化を図ることが可能となる。
<変形例2>
本変形例では、ベット過程演出中に開始操作が行われた場合の変形例の、開始時演出設定処理において設定される押し順報知演出と、特定役報知演出と、ベット過程演出との関係について、図247~図250を参照しながら説明する。既に説明したとおり、開始時演出設定処理において、開始操作が行われた場合に、押し順報知演出はウェイト期間の経過前から実行されるのに対して、特定役報知演出はウェイト期間の経過後であって各リール32L,32M,32Rの回転開始時に実行される。
図247(a)は、上記実施形態のベット過程演出を示している。
tc1にて開始操作が行われると、抽選処理が行われるとともに、各リール32L,32M,32Rの回転が開始される。当該抽選処理の結果が特定再遊技結果である場合、tc2にて各リール32L,32M,32Rが停止して当該特定再遊技結果入賞が成立すると、再遊技設定用処理にてベットの設定が行われる。tc1に回転開始されてからのウェイト期間が、tc6にて経過する場合において、当該ウェイト期間の経過前であるtc3にて賭数操作が行われるとベット過程演出が開始される。そして、同じくウェイト期間の経過前であって、ベット過程演出の実行中であるtc4にて開始操作が行われた場合、当該tc4の開始操作に基づく抽選処理の結果が、押し順報知演出が行われる結果ではなく、且つ特定役結果でもないとすると、tc4にてベット過程演出は中断されず、そのまま継続される。そして、tc5にてベット過程演出が終了し、ベット対応演出に切り替わる。その後、ウェイト期間が経過するtc6にて、各リール32L,32M,32Rの回転が開始される。
図248は、特定再遊技ベット演出設定処理の変形例を示しており、この変形例では、押し順報知演出との関係でベット過程演出の制限の有無を異ならせる。
本変形例における特定再遊技ベット演出設定処理では、上記図237の処理と比較して、ステップSc4022の処理が追加されており、その他の処理は図237の対応する処理と同様である。
すなわち、ステップSc4020にて開始操作コマンドを受信した場合、ステップSc4021にて第1クレジットランプ56bを消灯状態とした後、ステップSc4022にて、受信した開始操作コマンドに基づいて、今回の抽選処理の結果が押し順役当選であって且つ押し順報知コマンドを受信しており、いずれかの押し順報知演出を実行する場合に相当するか否かを判定する(ステップSc2101~ステップSc2107参照)。いずれの押し順報知演出も実行しない場合には、ステップSc4023にてウェイト期間中であるか否かを判定し、ウェイト期間中である場合には、ステップSc4031にて疑似ベット許可フラグをセットする処理を実行してから、ステップSc4006側のベット過程演出を実行する処理に進む。ステップSc4023にてウェイト期間中ではない場合には、ステップSc4024側のベット対応演出を実行する処理に進む。
一方、ステップSc4022にていずれかの押し順報知演出を実行すると判定した場合には、ステップSc4023のウェイト期間中であるか否かの判定を行うことなく、ステップSc4024側のベット対応演出を実行する処理に進む。
図247(b)は、上記変形例における押し順報知演出が行われる場合を示している。
tc1~tc3と同様に、tc11~tc13にて特定再遊技結果入賞に伴う再遊技設定用処理にてベットが行われ、ウェイト期間が経過する前であるtc13にて賭数操作が行われると、ベット過程演出が開始される。同じくウェイト期間の経過前であって、ベット過程演出の実行中であるtc14にて開始操作が行われた場合、当該tc14の開始操作に基づく抽選処理の結果が、押し順報知演出が行われる結果である場合、tc14から押し順報知演出が開始される。この場合、本変形例では、ウェイト期間の経過前であっても、tc15まで実行される予定であったベット過程演出を、tc14にて制限する。このようにすることで、ベット過程演出が押し順報知演出と重複しないようになり、演出や処理の重複による不都合を生じさせないようにすることができる。なお、図においては、tc14にてベット過程演出を中断した場合に、tc14にて、ベット対応演出に切り替えるようにしている。tc14の開始操作に基づく各リール32L,32M,32Rの回転開始処理は、ウェイト期間が経過するtc16にて行われる。
図247(c)は、上記変形例における特定役報知演出が行われる場合を示している。
tc1~tc3と同様に、tc21~tc23にて特定再遊技結果入賞に伴う再遊技設定用処理にてベットが行われ、ウェイト期間が経過する前であるtc23にて賭数操作が行われると、ベット過程演出が開始される。同じくウェイト期間の経過前であって、ベット過程演出の実行中であるtc24にて開始操作が行われた場合、当該tc24の開始操作に基づく抽選処理の結果が、特定役報知演出が行われる結果である場合、当該tc24ではなく、ウェイト期間が経過して各リール32L,32M,32Rの回転が開始されるtc26から特定役報知演出が行われる。この場合、本変形例では、tc25まで実行される予定であったベット過程演出を、tc24にて制限せず、tc25まで継続させる。このように、特定役報知演出のように開始操作に伴う演出であっても、ベット過程演出と重複しない場合にはベット過程演出を制限しないようにすることで、不要に演出の無実行期間を生じさせないようにすることが可能となる。
図249は、特定再遊技ベット演出設定処理の変形例を示しており、この変形例では、押し順報知演出とベット過程演出の関係で押し順報知演出側を制限する。
本変形例における特定再遊技ベット演出設定処理では、上記図237の処理と比較して、ステップSc4122及びステップSc4123の処理が追加されており、その他の処理は図237の対応する処理と同様である。
すなわち、ステップSc4120にて開始操作コマンドを受信した場合、ステップSc4121にて第1クレジットランプ56bを消灯状態とした後、ステップSc4122にて、受信した開始操作コマンドに基づいて、今回の開始時演出として第3再遊技用の押し順報知演出を実行する場合に相当するか否かを判定する(ステップSc2101~ステップSc2107参照)。いずれの押し順報知演出も実行しない場合や、押し順報知演出を実行する場合であっても第1小役~第6小役用の押し順報知演出や、第2再遊技用の押し順報知演出である場合には、ステップSc4124にてウェイト期間中であるか否かを判定し、ウェイト期間中である場合には、ステップSc4132にて疑似ベット許可フラグをセットする処理を実行してから、ステップSc4106側のベット過程演出を実行する処理に進む。ステップSc4124にてウェイト期間中ではない場合には、ステップSc4125側のベット対応演出を実行する処理に進む。
一方、ステップSc4122にて、第3再遊技用の押し順報知演出を実行すると判定した場合には、ステップSc4123にて、各種フラグ格納エリア183aに押し順遅延フラグをセットする処理を実行してから、ステップSc4123に進み、ウェイト期間中であるか否かの判定を行う。
開始時演出設定処理(図221)におけるステップSc2104、ステップSc2106及びステップSc2107にて押し順報知演出の設定処理では、図250のフローチャートに示すように、ステップSc4201にて押し順遅延フラグがセットされているか否かを判定する。押し順遅延フラグがセットされていない場合には、ステップSc4202にて、対応する押し順報知演出を実行するようにする。一方、押し順遅延フラグがセットされている場合には、ステップSc4203にてベット過程演出が終了したか否かを判定し、ベット過程演出が終了していない場合には、終了するまで待機し、ベット過程演出が終了した場合には、ステップSc4204にて押し順遅延フラグをクリアしてから、ステップSc4202にて押し順報知演出が実行されるようにする。
図247(d)は、押し順報知演出側が制限される様子を示している。
tc1~tc3と同様に、tc31~tc33にて特定再遊技結果入賞に伴う再遊技設定用処理にてベットが行われ、ウェイト期間が経過する前であるtc33にて賭数操作が行われると、ベット過程演出が開始される。同じくウェイト期間の経過前であって、ベット過程演出の実行中であるtc34にて開始操作が行われた場合、当該tc34の開始操作に基づく抽選処理の結果が、第3再遊技用の押し順報知演出が行われる結果である場合、本変形例では、当該押し順報知演出側の実行を制限する。すなわち、ウェイト期間の経過前において、ベット過程演出と所定の押し順報知演出との実行が重複する場合には、押し順報知演出の実行を制限し、tc34から開始されたベット過程演出が終了するtc35から、押し順報知演出を開始させる。なお、tc35もウェイト期間の経過前である。このようにすることで、ベット過程演出が途中でベット対応演出に切り替わることの違和感を遊技者に与えないようにしながら、ベット過程演出と所定の押し順報知演出との重複を解消することができる。図においては、tc34の開始操作に基づく各リール32L,32M,32Rの回転開始処理は、ウェイト期間が経過するtc36にて行われる。
これに対して、上記のtc34の開始操作に基づく押し順報知演出が、第3再遊技用の押し順報知演出ではない場合には、上記tc13のように当該押し順報知演出はそのまま実行され、ベット過程演出側が制限される。
ここで、押し順報知演出は、ストップスイッチ42~44の操作順序を報知するものである。そして、押し順役はその操作順序によって入賞する結果が異なるように設定されている。そのため、より慎重な操作を促す意味で、ウェイト期間の経過前であっても開始操作に基づいて押し順報知演出を開始するように設定している。特に、押し順ベル当選時においては、ストップスイッチ42~44の操作順序によって入賞する結果が異なり、その結果によって入賞時に払い出されるメダル数が異なる。そこで、押し順報知演出のうち、押し順ベル当選時の押し順報知演出については、ベット過程演出側を制限するようにしたことで、遊技者の利益を好適に確保することが可能となる。
その一方で、通常リプA~Cについては、ストップスイッチ42~44の操作順序によって入賞する再遊技結果は異なるものの、いずれの再遊技結果が入賞しても遊技者の利益は変化しない。そこで、通常リプA~C当選時の押し順報知演出とベット過程演出とが重複する場合には、押し順報知演出側を制限するようにしたことから、遊技者が不利益を被らない範囲で両演出の重複を解消することが可能となる。
しかも、通常リプA~C当選時における押し順報知演出のうち、第2再遊技用の押し順報知演出とベット過程演出とが重複する場合にはベット過程演出側を制限する一方で、第3再遊技用の押し順報知演出とベット過程演出とが重複する場合には押し順報知演出側を制限するようにしている。第2再遊技用の押し順報知演出は第1ATモードの開始時に実行され、第3再遊技用の押し順報知演出は第2ATモードの開始時に実行されるところ、第3再遊技用の押し順報知演出が制限されることを通じて、遊技者は、第2ATモードが開始されることを第3再遊技用の押し順報知よりも前に察知することが可能となる。このようにすることで、ATモードの種類をベット過程演出との重複によって押し順報知演出が制限されることを通じて事前に把握する、といった斬新な遊技性を創出することが可能となる。
図示はしていないが、上記の押し順報知演出側を制限する場合であっても、主制御装置101側の押し順報知は、スタートレバー41の操作タイミングにて開始される。このようにしておけば、操作順序の察知をより早期に行いたい遊技者のニーズにも応じることが可能となる。
なお、第3再遊技用の押し順報知演出とベット過程演出とが重複する場合には、必ず押し順報知演出側を制限する構成としたが、抽選等を経て所定の確率で押し順報知側を制限する構成としてもよい。また、第2再遊技用の押し順報知演出とベット過程演出とが重複する場合には、必ずベット過程演出側を制限する構成としたが、抽選等を経て所定の確率で押し順報知側を制限する構成としてもよい。これらの場合、第2再遊技用の押し順報知演出側が制限される割合と、第3再遊技用の押し順報知演出側が制限される割合とが異なることを通じて、いずれのATモードが開始されるかを予測させることが可能であり、有利なATモードが開始される第3再遊技用の押し順報知演出側が制限される割合の方が高くなるようにすることで、ベット過程演出との関係で押し順報知演出側が制限されることを望ませる、といった新たな遊技性を創出することができる。また、AT種別決定処理により決定される選択率によって、上記の割合を決定してもよく、選択され易いATモードの方が押し順報知演出が制限されるようにすることで、ベット過程演出が制限される場面が少なくなり、ベット過程演出が制限されることによる違和感を与えにくくすることが可能となる。
<変形例3>
本変形例では、ベット過程演出中に開始操作が行われた場合について、各リール32L,32M,32Rの動作態様を用いたリール演出と、ベット過程演出との関係での変形例について、図251~図253を参照しながら説明する。なお、リール演出は抽選処理(図188)におけるフリーズ抽選処理にて実行抽選が行われるものであり、リール制御処理(図191)における回転演出処理(ステップSc401)にて実行される演出である。ここでは、リール演出として、各リール32L,32M,32Rの回転を開始する際に、ストップスイッチ42~44の無効期間中に各リール32L,32M,32Rの回転を伴って「赤7」図柄を中段に揃える等する第1フリーズ演出と、所定期間(例えば10sec)に亘って各リール32L,32M,32Rの回転開始を待機させる第2フリーズ演出とについて説明する。つまり、第1フリーズ演出は各リール32L,32M,32Rを回転させる動作態様を用いたリール演出であり、第2フリーズ演出は各リール32L,32M,32Rを回転させない動作態様を用いたリール演出である。
図251は、特定再遊技ベット演出設定処理の変形例を示しており、本変形例における特定再遊技ベット演出設定処理では、上記図237の処理と比較して、ステップSc4322、ステップSc4333及びステップSc4336の処理が追加されており、その他の処理は図237の対応する処理と同様である。
すなわち、ステップSc4320にて開始操作コマンドを受信したと判定し、ステップSc4321にて第1クレジットランプ56bの消灯処理を実行した後、ステップSc4322にて、受信した開始操作コマンドに基づいて、今回のフリーズ抽選処理の実行抽選の結果が第1フリーズ演出の実行に対応するものであることを示す第1フリーズコマンドを受信しているか否かを判定する。第1フリーズコマンドを受信していない場合には、ステップSc4323にてウェイト期間中であるか否かを判定する処理に進む。一方、第1フリーズコマンドを受信している場合、ステップSc4323のウェイト期間中であるか否かを判定することなく、ステップSc4324側のベット対応演出を行う処理に進む。
また、ベット過程演出において第2ベット表示部34bや第3ベット表示部34cを点灯状態とするまでの待ち状態において、開始操作コマンドを受信した場合(ステップSc4332又はステップSc4335にて肯定判定した場合)、ステップSc4333やステップSc4336では、受信した開始操作コマンドとして第1フリーズコマンドを受信しているか否かを判定する。第1フリーズ演出を実行する場合、ウェイト期間中であるかの判定処理(ステップSc4334やステップSc4337)を行うことなく、そのままベット対応演出に切り替える処理に移行する。これに対して、第1フリーズコマンドを受信していない場合には、ウェイト期間中であるか否かを判定する処理に進む。
図252(a)では、td1にて賭数操作が行われ、ベット過程演出がtd2まで行われ、td3にて行われた開始操作に基づいて各リール32L,32M,32Rの回転が開始され、当該開始操作に基づく抽選処理の結果が特定再遊技結果であった場合を示している。td4にて、特定再遊技結果入賞が成立し、再遊技状態に設定され、td5にてウェイト期間が経過した後、td6にて賭数操作が行われ、疑似ベット演出におけるベット過程演出が開始される。そして、当該ベット過程演出が完了するtd8よりも前であるtd7にて開始操作が行われ、当該開始操作に基づく抽選処理にて上記の第1フリーズ演出が行われることが決定したとする。
この場合、td7から各リール32L,32M,32Rの回転は開始されるものの、リール制御処理(図191)における回転開始処理(ステップSc402)に基づく回転開始は、第1フリーズ演出が終了するtd9から開始される。つまり、通常であれば、開始操作に基づいて、各リール32L,32M,32Rの回転を開始させて定速回転に至らせる開始駆動制御が行われ、その後にストップスイッチ42~44の操作が可能となる構成を前提とすると、リール演出を行う場合には、当該開始駆動制御よりも前に当該リール演出用の特定駆動制御が行われる。td7からtd9は各リール32L,32M,32Rの回転を伴う第1フリーズ演出用の特定駆動制御として第1特定駆動制御が行われ、td9から開始駆動制御が行われることになる。
そうすると、td6から開始されたベット過程演出は、td7の開始操作に基づく上記の開始駆動制御とは重複しないことになる。但し、この場合、td7から、第1フリーズ演出における第1特定駆動制御が行われ、当該第1特定駆動制御とベット過程演出が重複するようになるため、td7にてベット過程演出を中断する構成としている。このようにすることで、各リール32L,32M,32Rの駆動制御とベット過程演出との重複による不都合を生じさせないようにすることができる。なお、図においては、td7にてベット過程演出を中断した場合、td7にてベット対応演出に切り替える構成としている。
図252(b)は、第2フリーズ演出の場合について示している。
td11~td16はtd1~td6と同様であり、td16の賭数操作に基づいて、疑似ベット演出におけるベット過程演出が開始される。当該ベット過程演出が完了するtd18よりも前であるtd17にて開始操作が行われ、当該開始操作に基づく抽選処理にて上記の第2フリーズ演出が行われることが決定したとする。
上記の通り、回転開始時のリール演出を行う場合には、開始駆動制御よりも前に当該リール演出用の特定駆動制御が行われるものの、td17からtd19は第2フリーズ演出用の特定駆動制御として第2特定駆動制御が行われ、td19から開始駆動制御が行われることになる。そこで、本変形例では、td16から開始されたベット過程演出をtd17にて中断せず、td18まで実行してベット対応演出に切り替える。つまり、td17からtd18はベット過程演出と、第2フリーズ演出用の第2特定駆動制御は重複することになる。第2特定駆動制御は、上記の通り各リール32L,32M,32Rの回転を伴わない駆動制御であることから、このように重複させても処理負荷の極端な増大化は生じにくいものと考えられる。しかも、各リール32L,32M,32Rは実際に回転が開始されていないのであるから、各リール32L,32M,32Rの回転が開始されていないのにもかかわらず、ベット過程演出が途中で中断されることの違和感を遊技者に与えないようにすることも可能である。
フリーズ演出抽選の変形例について説明する。図253は、抽選処理(図188)におけるフリーズ抽選処理の変形例を示すフローチャートである。
ステップSc4401では、フリーズ実行抽選を行う。当該フリーズ抽選は、例えば、今回のゲームの抽選結果がATモード移行抽選に当選し易い結果(特定役)である場合の方が、ATモード移行抽選に当選しにくい結果(例えば通常リプA~C)よりも、フリーズ抽選に当選し易くなるように設定されている。また、実行するフリーズ演出の種類によって当選確率が異なるようにしてもよい。そして、ステップSc4402にて当該フリーズ実行抽選の結果が第1フリーズ演出の実行に対応するものであるか否かの判定を行う。第1フリーズ演出を実行する場合、ステップSc4403にて第1フリーズフラグをセットし、ステップSc4404にて第1フリーズコマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、フリーズ抽選処理を終了する。第1フリーズフラグがセットされている場合、リール制御処理の回転演出処理では第1フリーズ演出を行うように制御する。
ステップSc4402にて否定判定した場合、ステップSc4405にてフリーズ実行抽選の結果が第2フリーズ演出の実行に対応するものであるか否かの判定を行う。第2フリーズ演出を実行する場合、ステップSc4406にて第2フリーズフラグをセットし、ステップSc4407にて第2フリーズコマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、フリーズ抽選処理を終了する。第2フリーズフラグがセットされている場合、リール制御処理の回転演出処理では第2フリーズ演出を行うように制御する。
ステップSc4405にて否定判定した場合、ステップSc4408にて、特定再遊技フラグがセットされており、且つ今回の開始操作がいずれかの賭数操作が行われてから所定期間内(0.4sec以内)の操作であったか否かを判定する。ステップSc4408にて肯定判定した場合、ステップSc4406に進み、第2フリーズ演出を実行するための処理を行う。すなわち、特定再遊技フラグがセットされており、且つベット過程演出中に開始操作が行われた場合、フリーズ実行抽選の結果が第2フリーズ演出の実行に対応するものではなくても、第2フリーズ演出が実行される。
図252(c)は、フリーズ抽選の結果が第2フリーズ演出の実行に対応する結果であった場合を示しており、td21~td26は、上記td1~td6と同様であり、td26の賭数操作に基づいて、疑似ベット演出におけるベット過程演出が開始される。ベット過程演出が完了するtd27よりも後のtd28にて開始操作が行われて、第2フリーズ演出に当選した場合、当該td28からtd29まで第2フリーズ演出の第2特定駆動制御が行われ、その後、各リール32L,32M,32Rの回転が開始される(開始駆動制御が行われる)。
図252(d)は、フリーズ抽選の結果が第2フリーズ演出の実行に対応する結果ではなかった場合であって、td36にて開始されたベット過程演出が完了するtd38よりも前であるtd37にて開始操作が行われたことを示している。なお、td31~td36は、上記td1~td6と同様である。この場合、本変形例では、第2フリーズ演出に当選しなかった場合であっても、第2フリーズ演出を実行するようにしたうえで、ベット過程演出を途中で中断せず、td38まで実行するようにする。このように、ベット過程演出中に開始操作が行われた場合には、第2フリーズ演出をあえて実行するようにすることで、ベット過程演出が途中で中断される事象を少なくすることができ、途中で中断されることによる違和感を与えにくくすることが可能となる。なお、td37にて開始された第2フリーズ演出はtd39まで実行され、当該td39から各リール32L,32M,32Rの回転が開始される(開始駆動制御が行われる)。
<変形例4>
本変形性では、特定再遊技結果入賞に基づいて設定された再遊技状態において、実行された賭数操作の種類に応じて、疑似ベット演出の態様を異ならせる。
図254(a)は、上記実施形態における賭数操作の種類に応じた疑似ベット演出の態様を示している。
特定枚数が3枚に設定されているゲームにおいて、te1にて第1クレジット投入スイッチ56が操作されると、第1ベット表示部34a、第2ベット表示部34b、第3ベット表示部34cが順次点灯される通常ベット演出におけるベット過程演出が実行され、te2にベット対応演出に切り替わる。この場合、te1にて第1クレジットランプ56bは点灯状態から消灯状態に切り替わる。te3にて開始操作が行われて各リール32L,32M,32Rの回転が開始された場合において、当該開始操作に基づく抽選処理の結果が特定再遊技結果であった場合、te4にて各リール32L,32M,32Rが停止して特定再遊技結果入賞が成立すると再遊技設定用処理にて特定枚数3枚に対応するベットが行われる。
この再遊技状態におけるte5にて、第1クレジット投入スイッチ56ではなくメダル投入口45からのメダルが投入される賭数操作が行われると、上記のように主制御装置101から特定投入コマンドが出力され、かかる特定投入コマンドに基づく疑似ベット演出が実行される。すなわち、第1ベット表示部34a、第2ベット表示部34b、第3ベット表示部34cが順次点灯されるベット過程演出が実行され、te6にベット対応演出に切り替わる。また、te5にて第1クレジットランプ56bは消灯状態とされる。つまり、上記実施形態では、特定再遊技結果入賞に基づく再遊技状態において、第1クレジット投入スイッチ56による賭数操作が行われた場合だけでなく、メダル投入口45からの1枚のメダル投入といった賭数操作が行われた場合であっても、特定再遊技結果となった抽選でベットされていた枚数と同数のベットである3枚に対応するベット過程演出が実行される。
なお、te5ではメダル投入口45からのメダル投入としての賭数操作が行われた場合を示していたが、同様に1枚のベットに対応する賭数操作としての第2クレジット投入スイッチ57の操作であっても、特定第2操作コマンドの出力に基づく疑似ベット演出では、特定再遊技結果となった抽選でベットされていた枚数と同数のベットである3枚のベット対応演出となるようにベット過程演出が行われる。
ちなみに、ベット過程演出が行われた後、更にメダル投入口45からメダルの投入が行われても、ベット過程演出は実行されず、更にベット時効果音が出力されずにクレジットカウンタの加算だけが行われ、クレジット増加効果音の出力は行われる。これに対して、ベット過程演出が行われた後、第2クレジット投入スイッチ57を操作してもベット時効果音は出力されないし、クレジットカウンタの加算は行われない。
図255は、特定再遊技ベット演出設定処理の変形例を示しており、本変形例における特定再遊技ベット演出設定処理では、上記図237の処理と比較して、ステップSc4505及びステップSc4506の処理が追加されている。
すなわち、ステップSc4504にて、特定投入コマンドや特定第1操作コマンド、特定第2操作コマンドのいずれかを受信したと判定した場合、ステップSc4505に進む。ステップSc4505では、受信したコマンドが、特定投入コマンド又は特定第2操作コマンドであるか否かを判定する。特定第1コマンドである場合には、ステップSc4507に進み、ベット過程演出を行うための処理を実行する。一方、特定投入コマンド又は特定第2操作コマンドである場合、ステップSc4506にて、単ベット演出設定処理を実行してから、本特定再遊技ベット演出設定処理を終了する。なお、ステップSc4506の単ベット演出設定処理は、図233に示すとおりである。但し、この場合の単ベット演出設定処理では、ステップSc3002における消灯済みフラグをセットする処理を行わないようにする。
図254(b)は、特定再遊技結果入賞に基づく再遊技状態において、第2クレジット投入スイッチ57や、メダル投入口45からのメダル投入といった1枚のベット操作に対応する賭数操作が行われた場合を示している。
te1~te4と同様に、te11~te14にて特定再遊技結果入賞に基づく再遊技状態に設定された状況において、te15にてメダル投入口45から1枚のメダルが投入された場合、ベット時効果音とともに第1ベット表示部34aが点灯状態とされるベット過程演出を経て、te16にて1枚のベットが行われた状態を示すベット対応演出となる。また、te17にて第2クレジット投入スイッチ57が操作された場合、ベット時効果音とともに第2ベット表示部34bが点灯状態とされるベット過程演出を経て、te18にて2枚のベットが行われた状態を示すベット対応演出となる。そして、te19にてメダル投入口45から1枚のメダルが投入された場合、ベット時効果音とともに第3ベット表示部34cが点灯状態とされるベット過程演出を経て、te20にて3枚のベットが行われた状態を示すベット対応演出となる。この場合、第1クレジットランプ56bはte19まで点灯状態が継続されるようにする。つまり、疑似ベット演出において、単ベット演出に相当する演出が行われる構成であり、このようにすることで、疑似ベット演出を実際のベット時の演出(単ベット演出)と同様の態様とすることが可能となり、特定再遊技結果を他の小役結果や外れ結果と同じ扱いである印象を与える手助けとすることができる。
図254(c)は、上記図254(b)のように疑似ベット演出にて単ベット演出を行う構成において、途中で開始操作が行われた場合を示している。
te21~te28では、te11~te18と同様に、特定再遊技結果入賞に基づく再遊技状態において、1枚のベットに対応する疑似ベット演出がte25~te28にて実行され、第1ベット表示部34a及び第2ベット表示部34bが点灯状態とされて2枚のベットが行われていることに対応するベット対応状態とされている。かかる状況において、te29にて開始操作が行われて各リール32L,32M,32Rの回転が開始された場合、当該te29ではベット過程演出の実行が制限され、第3ベット表示部34cが点灯状態となるだけで、ベット時効果音の出力は行われない。つまり、3枚のベットが行われていることに対応するベット対応演出が行われた状態で、各リール32L,32M,32Rの回転が開始されるようになる。また、この場合、第1クレジットランプ56bは、開始操作が行われるte29にて消灯状態に切り替えられる。
図254(d)は、第2クレジット投入スイッチ57や、メダル投入口45からのメダル投入といった1枚のベット操作に対応するベット対応演出を、疑似ベット演出においても実行するものの、その実行態様を制限する例を示している。なお、この場合の特定再遊技ベット演出設定処理について、図による詳細な説明は省略するが、上記図255において、ステップSc4505にて特定投入コマンド又は特定第2操作コマンドを受信したと判定した場合、第1クレジットランプ56bの消灯処理を行ったうえで、単ベット演出設定処理(図238)におけるステップSc3005のベット時効果音の出力処理を実行してから、本特定再遊技ベット演出設定処理を終了するようにする。
te31~te34は、te1~te4と同様であり、特定再遊技結果入賞に基づく再遊技状態に設定されている。te35にてメダル投入口45から1枚のメダルが投入された場合、ベット過程演出の実行が制限されてベット対応演出に切り替えられる。そして、te35にて第1クレジットランプ56bは消灯状態に切り替えられる。この場合、te36にて第2クレジット投入スイッチ57の操作が行われたり、te37にてメダル投入口45からメダルが投入されても、ベット過程演出は実行されない。但し、te35、te36、te37のそれぞれの1枚のベット操作に対応させて、ベット時効果音は出力されるようにする。つまり、te35、te36、te37のそれぞれの1枚のベット操作ではベット過程演出のうちのベット時効果音だけが実行されるようにその実行態様が制限される。このように、ベット時効果音は出力するようにすることで、処理構成の簡素化を図ることが可能となるとともに、各ベット操作が受け付けられたことを遊技者は明確に把握することができる。この場合も、3枚分のベット時効果音が出力された後であるte38にてメダル投入口45からメダルが投入されても、ベット過程演出は実行されず、更にベット時効果音が出力されずにクレジットカウンタの加算だけが行われるようにするとよい。また、この場合も、クレジットカウンタの加算時にクレジット増加効果音の出力は行われるようにしてもよい。
<変形例5>
本変形例では、再遊技状態においても仮待機状態や待機状態の設定が行われるようにする。図256は、本変形例における待機状態設定処理を示すフローチャートである。
本変形例における待機状態設定処理では、図240の処理と比較して、再遊技状態においても待機カウンタのカウントが許可される点で相違しており、他の処理は図240における対応する処理と同様である。
すなわち、ステップSc4601にていずれの遊技操作も行われていないと判定した場合、ステップSc4602にてリール回転中であるか否かを判定し、ステップSc4603にてメダル払出中であるか否かを判定する。リール回転中ではなくメダル払出中でもない場合、ステップSc4603にて待機カウンタのカウントを許可する処理を実行する。リール回転中又はメダル払出中である場合には、ステップSc4605にて待機カウンタのカウントを不許可とする処理を実行する。
図257は、本変形例における待機用処理を示すフローチャートである。本変形例における待機用処理では、図241の処理と比較して、ステップSc4702、ステップSc4704、ステップSc4714、ステップSc4716及びステップSc4719~ステップSc4722の処理が追加されており、他の処理は上記図241における対応する処理と同様である。
すなわち、ステップSc4713にてゲームが終了した場合、ステップSc4714にて特定再遊技結果入賞が成立したか否かを判定する。特定再遊技結果入賞以外の遊技結果である場合、ステップSc4715にて表示継続カウンタの計測を開始する処理を実行する。特定再遊技結果入賞である場合、ステップSc4716にて各種フラグ格納エリア183aに特定再遊技状態フラグをセットする処理を実行してから、ステップSc4715の表示継続カウンタの計測開始処理に進む。
また、ステップSc4717にていずれの遊技操作もおこなわれないまま、表示継続カウンタが第1移行期間に対応する30secに達した場合(ステップSc4718:YES)、ステップSc4719にて、特定再遊技状態フラグがセットされているか否かを判定する。セットされていない場合には、ステップSc4720及びステップSc4721の仮待機状態用の処理を実行する。ステップSc4720及びステップSc4721の処理は上記ステップSc3616及びステップSc3617の処理と同様であり、ベット表示部34や第1クレジットランプ56bを消灯状態とする処理である。
一方、特定再遊技結果入賞後に第1移行期間が経過した場合(ステップSc4719:YES)、ステップSc4722にてベット表示部34を消灯状態とする処理を実行し、ステップSc4723にて第1クレジットランプ56bを点滅状態とする処理を実行してから、待機用処理を終了する。すなわち、特定再遊技結果入賞後の仮待機状態は、その他の結果後の仮待機状態と第1クレジットランプ56bの報知態様が異なっている。
更に、ステップSc4701にて待機状態までの第2移行期間が経過したと判定した場合、ステップSc4702にて、上記の特定再遊技状態フラグがセットされているか否かを判定する。セットされていない場合には、ステップSc4703~ステップSc4707にて補助表示部65、スピーカ64、ベット表示部34及び第1クレジットランプ56bを待機モードとする処理を実行する。これらステップSc4703~ステップSc4707の処理は、ステップSc3602~ステップSc3605の処理と同様である。
一方、特定再遊技結果入賞後に第2移行期間が経過した場合(ステップSc4702:YES)、ステップSc4704にて補助表示部65を特定再遊技結果入賞が成立していることを報知するべく、例えば、「大チャンス発生中!!」といった文字表示を行うように制御する。その後、ステップSc4705~ステップSc4707にて、スピーカ64、ベット表示部34及び第1クレジットランプ56bを待機モードとする処理を実行する。
図258は、本変形例における仮待機状態と待機状態の様子を示すタイミングチャートである。
図258(a1)に示すように、tf1にて開始されたゲームが通常再遊技結果当選であり、tf2にて通常再遊技結果入賞が成立した場合、tf2から第1移行期間(TA)が経過するtf3になると、仮待機状態に設定される。この場合、ベット表示部34が消灯状態とされる。ちなみに、通常再遊技結果入賞後であるため、第1クレジットランプ56bは、消灯状態のままである。その後、tf2から第2移行期間(TB)が経過するtf4になると、待機状態に設定される。この場合、BET表示部75は消灯状態となり、補助表示部65も待機モードに設定される(図258(a2))。
図258(b1)に示すように、tf11にて開始されたゲームが小役結果当選であり、tf12にて当該ゲームが終了した場合、tf12から第1移行期間(TA)が経過するtf13になると、仮待機状態に設定される。この場合、ベット表示部34及び第1クレジットランプ56bが消灯状態とされる。その後、tf12から第2移行期間(TB)が経過するtf14になると、待機状態に設定される。この場合、BET表示部75は消灯状態となり、補助表示部65も待機モードに設定される(図258(b2))。
図258(c1)に示すように、tf21にて開始されたゲームが特定再遊技結果当選であり、tf22にて特定再遊技結果入賞が成立した場合、tf22から第1移行期間(TA)が経過するtf23になると、仮待機状態に設定される。この場合、ベット表示部34は消灯状態とされ、第1クレジットランプ56bが点滅状態とされる。その後、tf22から第2移行期間(TB)が経過するtf24になると、待機状態に設定される。この場合、第1クレジットランプ56bやBET表示部75は消灯状態となり、補助表示部65も待機モードに設定される。但し、補助表示部65の表示態様は、図258(a2)や図258(b2)の場合と異なっている(図258(c2))。
上記のように、特定再遊技結果入賞や、小役結果等であったゲームが終了した後は、第1クレジットランプ56bはいずれも点灯状態となる。但し、本変形例では、第1移行期間が経過して仮待機状態となった場合には、小役結果等の後は消灯状態となるものの、特定再遊技結果入賞後は点滅状態となる。そのため、仮待機状態に移行する前は、第1クレジットランプ56bの報知態様から特定再遊技結果と小役結果等とを判別することができないものの、仮待機状態に移行した後は判別することが可能となる。
これに対して、いずれの結果であっても、ベット表示部34は仮待機状態となると消灯状態となる。ここで、ベット表示部34は、スロットマシン10の前方を向く遊技パネル25に設けられている。これに対して、第1クレジットランプ56bは、遊技パネル25の下方であって、遊技パネル25に交差する操作面から上方に向けて突出した第1クレジット投入スイッチ56に内蔵されている(図170、図171参照)。この場合、遊技台が複数並設された島の端から本スロットマシン10を視認するなど、本スロットマシン10から離れた場所から視認した場合には、ベット表示部34の点灯の有無は確認できるものの、第1クレジットランプ56bの点灯の有無は確認できない又はベット表示部34よりも確認しにくい。そのため、上記のように第1クレジットランプ56bが点灯状態(点滅状態)であるか否かを確認しようとするならば、本スロットマシン10の近くまで来て確認する必要が生じ得る。このように、一見してスロットマシン10の状態を確認しにくくすることで、仮に所望の状態ではなかったとしても、近くまで来たのだから遊技してみよう、と思わせる動機づけとすることができ、本スロットマシン10の稼働率を向上させることが可能となる。
更に、待機状態に移行すると、第1クレジットランプ56bやベット表示部34はいずれの結果後も消灯状態となるものの、補助表示部65の表示態様が特定再遊技結果入賞後だけ異なっている。このようにすることで、特定再遊技結果入賞が成立しており、ATモード移行抽選等にて当選している可能性が十分にある状況でスロットマシン10が放置されてしまうことを抑制することが可能となる。
<変形例6>
本変形例では、清算スイッチ59を操作することでクレジットの清算が行われた場合の報知について説明する。図259は、本変形例におけるメダル返却処理を示すフローチャートである。メダル返却処理は、通常処理(図187)におけるステップSc206にて実行される処理である。
ステップSc4801では、清算スイッチ59が操作されたか否かを判定し、操作されていなければそのまま本メダル返却処理を終了する。清算スイッチ59が操作された場合、ステップSc4802に進む。ステップSc4802では、直前のBET用処理において特定再遊技フラグがセットされており、特定再遊技結果入賞に基づく再遊技状態であるか否かを判定する。特定再遊技フラグがセットされていない場合には、ステップSc4803にて清算コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行する。
続くステップSc4804では、いずれかの再遊技フラグがセットされているか否かを判定し、いずれの再遊技フラグもセットされておらず、再遊技状態ではない場合、ステップSc4805にてBETカウンタとクレジットカウンタとの合計数に相当する枚数のメダルが払い出されるようにホッパ装置51を制御する。その後、ステップSc4806にてBETカウンタ及びクレジットカウンタを0にクリアする処理を実行してから、本メダル返却処理を終了する。
ステップSc4804にていずれかの再遊技フラグがセットされており、再遊技状態である場合、ステップSc4807にてクレジットカウンタの値に相当する枚数のメダルが払い出されるようにホッパ装置51を制御する。その後、ステップSc4808にてクレジットカウンタを0にクリアする処理を実行してから、本メダル返却処理を終了する。
つまり、本変形例では、再遊技状態においてもクレジットの清算が可能となっており、再遊技状態以外ではベットされている仮想メダルの分も含めてメダルの払出が行われ、再遊技状態においてはベットされている仮想メダルの分を除いてメダルの払出が行われる。そのため、再遊技状態においては、清算スイッチ59を操作することでクレジットの清算は可能であるものの、清算後においても、少なくとも1ゲームは新たなメダルを要することなく遊技することが可能な状態は維持される。かかる構成は、例えば、遊技ホールの閉店時等、遊技の終了が迫られている状況下において、再遊技結果入賞が連続して遊技を終了することができないことを解消しながらも、再遊技結果と小役結果とを明確に区別するための構成であり、このようにすることで、1ゲーム分の遊技可能な権利を放棄してでも遊技を終了することが可能となり、遊技者の多様なニーズに応じることができるようになっている。
但し、再遊技状態のうち、特定再遊技結果入賞に基づく再遊技状態においては、1ゲーム分の遊技可能な権利だけではなく、上記の通り特定役当選に基づくATモード当選等の可能性が高く、そのまま遊技を終了してしまうことは遊技者にとって大きな損失につながる可能性が高い。そこで、ステップSc4802にて特定再遊技フラグがセットされていると判定した場合、ステップSc4809にて、当該特定再遊技フラグがセットされてから、第3移行期間が経過したか否かを、例えば特定再遊技フラグをセットしてから計測を開始するタイマカウンタ等を用いて判定する。本変形例では、第3移行期間として、20secを設定しており、当該20secは上記待機状態に設定する第2移行期間よりも短く、仮待機状態に設定する第1移行期間よりも短い期間として設定している。第3移行期間が経過していない場合には、そのままメダル返却処理を終了する。
すなわち、本変形例では、特定再遊技結果入賞に基づく再遊技状態となってから第3移行期間が経過するまでは、清算スイッチ59を操作してもクレジットの清算が行えないようにしている。
ステップSc4809にて第3移行期間が経過した場合、ステップSc4810にて各種カウンタエリア106eに設けられた清算操作カウンタを1加算する処理を実行し、ステップSc4811にて当該清算操作カウンタが特定数としての2に至ったか否かを判定する。2に至っていない場合、すなわち、第3移行期間が経過した後であっても、1回目の清算操作である場合には、そのままメダル返却処理を終了する。
つまり、特定再遊技結果入賞に基づく再遊技状態においては、清算スイッチ59を操作しても、クレジットの清算が制限される場合があるようにしている。このようにすることで、特定再遊技結果当選に基づくATモード当選等を放棄してしまうことを好適に抑制することが可能となる。
ステップSc4811にて清算操作カウンタが特定数となった場合、ステップSc4812にて清算操作カウンタをクリアした後、ステップSc4813にて特定清算コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行する。その後、ステップSc4804~ステップSc4808にてクレジットの清算用の処理を行う。つまり、特定再遊技結果入賞に基づく再遊技状態においては、特定数の清算操作を行うことでクレジットの清算が可能となるように設定されている。
表示制御装置81側の返却時演出処理について、図260のフローチャートを参照しながら説明する。返却時演出処理は、演出設定処理(図220)におけるその他の処理(ステップSc2011)の一処理として実施される処理である。
ステップSc4901では、上記の清算コマンド及び特定清算コマンドのいずれかのコマンドを受信しているか否かを判定し、受信していない場合には、そのまま返却時演出処理を終了する。いずれかのコマンドを受信している場合、ステップSc4902に進む。
ステップSc4902では、各種カウンタエリア183bに設けられた返却期間カウンタの減算を開始する。返却期間カウンタは、清算時の効果音(返却時効果音)の継続期間をCPU181が把握するためのカウンタであり、初期値は5000に設定されている。返却期間カウンタは2sec周期で1ずつ減算され、10secで0となる。
続くステップSc4903では、特定清算コマンドを受信しているか否かを判定し、特定清算コマンドではなく清算コマンドである場合、ステップSc4904にて返却時効果音が出力されるようにスピーカ64を制御する。そしてステップSc4905にて、上記の返却期間カウンタが0となったか否かを判定し、0となるまで待機する。0となった場合には、ステップSc4906にて、上記の返却時効果音の出力を停止したうえで、本返却時演出処理を終了する。返却時効果音としては、例えば、「ピンポーン 清算しました」といったアナウンスが所定期間に亘って繰り返し行われるように設定されている。なお、当該返却時効果音は、大きな音量(最大音量)にて行われることが好ましく、このようにすることで、不正にホッパ装置51を操作しようとする不正行為と、正規の清算操作とを遊技ホールの管理者が区別し易くなる。
ステップSc4903にて特定清算コマンドを受信した場合、ステップSc4907に進む。ステップSc49047ステップSc4921の処理は、上記特定再遊技ベット演出設定処理(図237)におけるステップSc3405~ステップSc3419の処理と同様の処理である。すなわち、ステップSc4907~ステップSc4921の処理により、疑似ベット演出におけるベット過程演出が実行されるようになる。
そして、ステップSc4921にてベット過程演出が完了し、特定再遊技結果入賞に基づく再遊技状態におけるベット対応演出に切り替わった後、ステップSc4904にて、上記の返却時効果音が出力されるようにする処理を実行してから、本返却時演出処理を終了する。
クレジットの清算が行われる様子について、図261のタイミングチャートを参照しながら説明する。
図261(a)は、小役結果等の後で、清算が行われる様子を示している。
すなわち、tg1にて賭数操作が行われ、ベット過程演出がtg2にて完了した後、tg3にて各リール32L,32M,32Rの回転が開始され、tg4にて停止したとし、tg2の抽選処理の結果が小役結果であった場合である。この場合、tg5にて清算スイッチ59の操作が行われると、tg6までメダルの払出が行われる。ここで、上記のように清算によりクレジットカウンタが0となることから、tg5にて第1クレジットランプ56も消灯状態とされる。また、上記の返却時効果音が実行される所定期間は、クレジットカウンタの最大数と、ベットカウンタの最大数との合計数(53)のメダルが払い出されるよりも長い期間として設定されており、メダルの返却が完了するtg6よりも後であるtg7まで返却時効果音は継続する。ちなみに、本変形例では、返却時効果音の長さは、メダルの返却数に関わらず一律の所定期間(TC、10sec)として設定されており、このようにすることで、記憶容量の削減を図ることが可能としている。
図261(b)は、特定再遊技結果入賞後に清算が行われる様子を示している。
すなわち、tg1~tg4と同様にtg11~tg14にてゲームが完了し、tg14にて特定再遊技結果入賞に基づく再遊技設定用処理が行われた場合である。第3移行期間が経過した後であるt15において清算スイッチ59の操作が行われても、清算操作カウンタが1であることから清算は行われない。続くtg16にて、再度の清算スイッチ59の操作が行われることで、清算操作カウンタが2となり、清算が開始される。但し、tg16では返却時効果音の出力は開始されない。その代わりに、tg16からtg17にて、ベット過程演出が行われ、tg17にてベット対応演出に切り替わる。tg17にてベット過程演出が完了すると、当該tg17から清算時効果音の出力が開始され、当該清算時効果音の出力はtg19まで継続する。なお、メダルの返却はtg18にて完了する。
ここで、本変形例では、特定清算コマンドを受信した場合の清算時効果音の長さは、上記の所定期間から、ベット過程演出が行われる長さを減じた長さとしている。このようにすることで、特定清算コマンドに基づく清算時効果音が、メダル返却の完了後も不必要に長く継続してしまう不都合や違和感を生じさせないようにすることが可能となる。
清算時効果音の出力が終了したtg19の後、tg20にて賭数操作を介さずに開始操作が行われると、上記のように再遊技状態にてベットされていることからして、当該ベットに対応するゲームを開始することが可能である。
このように、特定再遊技結果入賞に基づく再遊技状態においては、清算スイッチ59を操作しても清算が制限される場合があるようにしたことから、遊技者が特定再遊技結果入賞に気付かずに遊技を終了してしまうことを好適に抑制することが可能となる。
そのうえで、特定再遊技結果入賞に基づく再遊技状態においても、清算スイッチ59を特定数に亘って操作することで清算を可能とし、それを知りながらも遊技を終了しようとする遊技者のニーズにも応じることが可能となる。
ところが、遊技終了を急ぐあまり、特定再遊技結果入賞に気付かずに清算スイッチ59を連打して清算しようとする遊技者もいると考えられる。そこで、上記のように、清算スイッチ59の操作によって清算を可能としながらも、このような場合には、疑似ベット演出が行われるようにしたことから、上記のように特定再遊技結果入賞に気付かずに清算を行った遊技者ですら気付くことが期待でき、遊技者が不利益を被る場面を生じさせにくくすることが可能となる。
しかも、清算スイッチ59の操作に基づく疑似ベット演出は、清算時効果音と重複しないように設定されている。これにより、疑似ベット演出が行われていることにより気付き易くなり、特定再遊技結果当選による恩恵を放棄してしまう場面を生じさせにくくする効果を高めることが可能となる。
上記のような清算時効果音と、疑似ベット演出とを重複させないようにする構成は、以下のように変更してもよい。
図261(c)では、特定再遊技結果入賞に基づく再遊技状態において、清算を行う場合、清算時効果音の出力が先に行われ、疑似ベット演出が後で実行される様子を示している。
すなわち、tg11~tg14と同様に、tg21~tg24にて特定再遊技結果入賞に基づく再遊技状態に設定され、tg25及びtg26にて清算スイッチ59の操作が行われることで、クレジットの清算が行われる。この場合、tg26からメダルの返却が実行されるとともに、tg26から返却時効果音の出力が開始される。そして、メダルの返却がtg27にて完了すると、当該tg27から疑似ベット演出が開始される。当該疑似ベット演出はtg29まで実行される。つまり、tg26からtg28までが返却時効果音の出力期間とされており、tg27からtg28では、ベット過程演出側が優先され、返却時効果音の出力は制限される。
この場合、清算が開始された際に、返却時効果音の出力が開始されるものの、第1クレジットランプ56bの消灯は、疑似ベット演出が開始されるtg27としていることから、清算が開始されたのにもかかわらず、第1クレジットランプ56bが点灯状態であることを通じて、特定再遊技結果入賞に気付かせ易くすることが可能となる。
上記のように、特定再遊技結果入賞に基づく再遊技状態において清算が行われたとしても、再遊技状態であることから新たなベットを要することなくゲームが可能である。図261(d)では、上記図261(b)において、清算が行われた後、ゲームが開始されるタイミングが異なっている。
すなわち、tg31~tg38は、上記tg11~tg18と同様であり、tg38にてtg36から開始されたメダル返却が完了することを示している。また、tg36から疑似ベット演出が行われ、tg37からは返却時効果音が出力されている。かかる状況下において、返却時効果音が終了する予定であったtg40よりも前であるtg39にて開始操作が行われた場合、当該tg39にて各リール32L,32M,32Rの回転が開始される。そこで、このような場面においては、返却時効果音をtg39にて終了するようにするとよい。このようにすることで、回転開始時の演出や処理と、返却時効果音やそれ用の処理等が重複することを回避することが可能である。
<変形例7>
本変形例では、疑似ベット演出の態様を変更する。図262は、本変形例における特定再遊技ベット演出設定処理を示すフローチャートである。
本変形例における特定再遊技ベット演出設定処理では、図237の処理と比較して、賭数操作に基づくベット過程演出のベットの間隔と、開始操作に基づいてベット対応演出を行う場合もベット過程演出を行う点が相違しており、他の処理は図237における対応する処理と同様である。
すなわち、本変形例では、賭数操作に基づくベット過程演出のベットの間隔を設定する処理(ステップSc5011及びステップSc5016)にて、上記実施形態の間隔(約0.1sec)よりも長い約0.2secを設定する。すなわち、本変形例における疑似ベット演出のベット過程演出でのベット同士の間隔は、通常再遊技結果入賞に基づいて実行される再遊技ベット演出のベット過程演出でのベット同士の間隔と同じ間隔であり、疑似ベット演出のベット過程演出は、再遊技ベット演出のベット過程演出と報知態様が共通している。
また、本変形例では、ステップSc5020にて開始操作コマンドを受信していると判定した場合、第1クレジットランプ56bや、全ベット表示部34a~34cの消灯処理(ステップSc5021、ステップSc5023)を経て、ステップSc5025にて第1ベット表示部34aを点灯状態とする処理を実行した後、本変形例ではステップSc5026にてベット時効果音を出力する処理を実行する。
そして、ステップSc5027にて前回のベット数が1であったか否かを判定し、1ではない場合には、ステップSc5028に進み、ベットタイマに約0.1secに相当する67を入力する処理を実行し、ステップSc5029にて当該ベットタイマが0となるまで待機する。ベットタイマが0となった場合に、ステップSc5029にて肯定判定し、ステップSc5030にて第2ベット表示部34bを点灯状態とする処理を実行するとともに、ステップSc5031にてベット時効果音を出力する処理を実行する。
続くステップSc5032では、前回のベット数が2であったか否かを判定し、2ではない場合には、ステップSc5033に進み、ベットタイマに約0.1secに相当する67を入力する処理を実行し、ステップSc5034にて当該ベットタイマが0となるまで待機する。ベットタイマが0となった場合に、ステップSc5034にて肯定判定し、ステップSc5035にて第3ベット表示部34cを点灯状態とする処理を実行するとともに、ステップSc5036にてベット時効果音を出力する処理を実行してから、特定再遊技ベット演出設定処理を終了する。なお、ステップSc5027又はステップSc5032にて否定判定した場合、そのまま特定再遊技ベット演出設定処理を終了する。
すなわち、本変形例では、特定再遊技結果入賞に基づく再遊技状態において、いずれかの賭数操作が行われた場合には、再遊技ベット演出におけるベット過程演出と報知態様が共通するベット過程演出を実行した後、ベット対応演出に切り替える。一方、当該再遊技状態において、賭数操作を介することなく開始操作が行われた場合は、連ベット演出におけるベット過程演出と報知態様が共通するベット過程演出を実行した後、ベット対応演出に切り替える。上記のとおり、再遊技ベット演出におけるベット過程演出よりも連ベット演出におけるベット過程演出の方が、演出に要する期間が短くなるように設定されている。よって、上記のようにすることで、特定再遊技結果入賞に基づく再遊技状態において、賭数操作を介することなく開始操作が行われた場合には、賭数操作に基づく疑似ベット演出よりは、早期にベット過程演出を終了させてベット対応演出に切り替えることが可能となり、各リール32L,32M,32Rの回転等とベット過程演出との重複を少なくすることができる。
また、既に説明した通り、特定再遊技ベット演出設定処理では、賭数操作を介することなく開始操作が行われた場合であっても、ウェイト期間の経過前であれば(ステップSc5022:YES)、賭数操作に基づく疑似ベット演出と同様の演出が行われる。つまり、本変形例では、賭数操作を介することなく開始操作が行われた場合において、ウェイト期間の経過前と経過後とで、ベット過程演出の報知態様が異なる構成といえる。このようにすることで、ベット演出を各リール32L,32M,32Rの回転開始の有無といった遊技の進行状況に応じてうまく合わせることが可能となる。
この場合、上記変形例のように、いずれの報知態様もベット過程演出を経てベット対応演出に切り替わるようにすることで、両報知態様の相違点を極力少なくすることが可能となり、遊技の進行状況にベット演出を合わせながらも遊技者に違和感を与えないようにすることが可能となる。
しかも、いずれの報知態様も、他のベット演出に用いられる報知態様であり、ウェイト期間の経過前の報知態様は、再遊技ベット演出における報知態様と共通しており、ウェイト期間の経過後の報知態様は、連ベット演出における報知態様と共通している。このようにすることで、ベット演出の報知態様を遊技進行に応じて変更するうえで、専用の報知態様を設ける必要が生じず、記憶データの少量化を図ることが可能となる。
特に、両報知態様は、ベット表示部34a~34cを点灯状態とする間隔が異なるだけであるため、当該間隔の調整だけで、ベット演出の報知態様を変更することが可能である。よって、極めて簡素な構成にて、ベット演出を遊技進行にマッチさせることが可能となる。
また、ベットの間隔の調整だけであることから、ベット過程演出中にウェイト期間が経過した場合に、ウェイト期間が経過した側のベット演出に切り替えても、当該間隔のズレが生じるだけで済み、早期にベット過程演出を完了させながらも、遊技者に与える違和感を低減する効果も期待できる。
<その他の実施形態>
なお、上述した各実施形態や各変形例の記載内容に限定されず例えば次のように実施してもよい。ちなみに、以下の各構成を個別に上記各実施形態や各変形例に対して適用してもよく、一部又は全部を組み合わせて上記各実施形態や各変形例に対して適用してもよい。また、上記各実施形態や各変形例に示した各種構成の全て又は一部を任意に組み合わせることも可能である。この場合、組み合わせの対象となる各構成の技術的意義(発揮される効果)が担保されることが好ましい。実施形態や変形例の組み合わせからなる新たな構成に対して以下の各構成を個別に適用してもよく、一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。
(1)再遊技設定用処理を、ゲームの開始に際してBET用処理の一処理として実行することを前提として説明したが、ゲームの終了に際して再遊技結果入賞が成立している場合に再遊技設定用処理を行う構成であってもよい。より詳しくは、リール制御処理(図191)における払出判定処理(ステップSc413)にて、再遊技結果入賞が成立している場合に当該再遊技設定用処理を実行する構成としてもよい。また、通常処理(図187)におけるメダル払出処理(ステップSc214)にて、再遊技設定用処理を実行する構成としてもよい。
(2)通常再遊技結果入賞が成立した場合には、BET表示部75を順次点灯状態とするようにしたうえで、特定再遊技結果入賞が成立した場合には、BET表示部75を同時に点灯状態とする構成としたが、かかる構成を変更してもよい。すなわち、特定再遊技結果入賞が成立した場合であっても、BET表示部75を順次点灯状態とする構成としてもよい。この場合、各BET表示部75a~75cを点灯状態とする間隔は、通常再遊技結果と特定再遊技結果とで同じ又は略同じ間隔としてもよいし、異なる間隔としてもよい。但し、特定再遊技結果入賞に基づく疑似ベット演出におけるベット過程演出中に開始操作が行われた場合、各リール32L,32M,32Rの回転が開始されない場面を生じさせないようにするためには、特定再遊技結果入賞に基づいて各BET表示部75a~75cを点灯状態とする間隔は通常再遊技結果の場合よりも短いことが好ましく、例えば、第1操作対応処理において各BET表示部75a~75cを点灯状態とする間隔と同じ又は略同じ長さとしてもよいし、第1操作対応処理において各BET表示部75a~75cを点灯状態とする間隔よりも短い間隔としてもよい。
(3)第1再遊技以外の再遊技を特定再遊技結果とし、当該特定再遊技結果入賞時に第1クレジットランプ56bを点灯させるとともに、第1クレジット投入スイッチ56等の操作に基づき疑似ベット演出を行う構成としたが、他の結果の後でも、同様に第1クレジットランプ56bを点灯等させたり、疑似ベット演出を行う構成としてもよい。例えば、第1再遊技としての通常再遊技結果入賞が成立した後であっても、所定条件が成立していれば第1クレジットランプ56bを点灯(点滅)させるとともに、第1クレジット投入スイッチ56等の操作に基づき疑似ベット演出を行う構成としてもよい。また、所定の小役結果や外れ結果であっても、所定条件が成立していれば第1クレジットランプ56bを点灯させるとともに、第1クレジット投入スイッチ56等の操作に基づき疑似ベット演出を行う構成としてもよい。所定条件としては、例えば、何らかの遊技状態移行が生じる場合や、ベット時演出や開始時演出として所定の演出が設定されている場合としてもよい。なお、通常再遊技結果で第1クレジットランプ56bを点灯させたり疑似ベット演出を行う場合、上記の特定再遊技結果時と同様に、仮想メダルの自動投入処理が早期に完了するようにすると好ましく、具体的には、通常再遊技結果であってもステップSc2414~ステップSc2416の処理にて自動投入処理を行う構成とするとよい。
(4)疑似ベット演出において、ウェイト期間が経過していなければ、ベット過程演出中に開始操作が行われてもベット対応演出に切り替えない構成としたが、ウェイト期間の経過の有無に関わらず、すなわち当該開始操作に基づく各リール32L,32M,32Rの回転の開始の有無に関わらず、ベット過程演出中の開始操作に基づいてベット対応演出に切り替える構成としてもよい。
(5)疑似ベット演出において、ベット過程演出中に開始操作が行われた場合、当該ベット過程演出を制限する態様は上記のものに限定されない。例えば、開始操作に基づきベット過程演出を中断し、開始操作に基づく開始演出等が終了した後で、ベット過程演出を再開するようにしてもよい。この場合、中断したポイントからベット過程演出を再開するようにしてもよいし、ベット過程演出の最初から再開するようにしてもよい。更に、ベット過程演出中に開始操作が行われた場合、ベット時効果音の出力ボリュームを下げるようにしてもよいし、点灯演出の輝度を下げるようにしてもよい。
(6)疑似ベット演出において、ベット過程演出中に開始操作が行われた場合、当該ベット過程演出を制限するか否かを、実行済みのベット過程演出や、残りのベット過程演出に基づいて決定する構成としてもよい。例えば、残りのベット過程演出のデータ量や実行時間が所定未満であれば、ベット過程演出中に開始操作が行われてもベット過程演出を中断せずにそのまま継続するようにし、残りのベット過程演出のデータ量や実行時間が所定以上であれば、ベット過程演出を中断する構成としてもよい。より詳しくは、例えば、3ベットに対応するベット過程演出を行ううえで、2ベットまでのベット過程演出が完了しているタイミングで開始操作が行われた場合には、ベット過程演出を中断せずに3ベットまで継続させ、1ベットまでのベット過程演出が完了しているタイミングで開始操作が行われた場合には、ベット過程演出を中断して3ベットのベット対応演出に切り替える構成としてもよい。更に、ベット同士の待ち時間の最中に開始操作が行われた場合において、その待ち時間の経過状況に応じて、ベット過程演出を中断するか継続するかを決定する構成としてもよく、待ち時間が所定時間未満であれば継続させるものの、待ち時間が所定時間以上であれば中断するようにしてもよい。
(7)疑似ベット演出において、ベット過程演出中に開始操作が行われ、当該ベット過程演出を中断して、ベット対応演出に切り替える構成において、ベット同士の待ち時間の最中に開始操作が行われた場合には、待ち時間の経過を待たずにベット対応演出に切り替える構成としたが、待ち時間の経過を待ってベット対応演出に切り替える構成としてもよい。具体的には、例えば、3ベットのベット過程演出を行う場合において、第1ベット表示部34aを点灯状態とした後、第2ベット表示部34bを点灯状態とするまでの待ち時間の最中で開始操作が行われた場合、第2ベット表示部34bを点灯状態とするまでの待ち時間が経過した際に、第2ベット表示部34b及び第3ベット表示部34cを点灯状態とするようにしてもよい。
(8)疑似ベット演出において、ベット過程演出中に開始操作が行われた場合、当該ベット過程演出を制限する処理や、開始演出を制限する処理だけではなく、別の処理を実行する構成としてもよい。例えば、ベット過程演出中に開始操作が行われた回数を計測する処理を実行する構成としてもよく、この場合、当該ベット過程演出中の開始操作の回数に応じて、補助表示部65等にて所定の演出を実行する構成としてもよい。所定の演出としては、例えば、遊技者の操作スピードの速さを祝福するような内容の演出であってもよいし、逆に、誤操作が発生し易い状況である旨の注意喚起を示す内容であってもよい。
(9)疑似ベット演出において、ベット過程演出中に開始操作が行われた場合、ベット過程演出の進行度合いに応じて、ベット過程演出を制限する場合の態様を異ならせる構成としてもよい。具体的には、ベット過程演出が開始されてから完了前である第1のタイミングにて開始操作が行われた場合には、第1制限態様として、例えば、その第1のタイミングにてベット対応演出に切り替え、ベット過程演出が開始されてから完了前であって第1のタイミングよりも遅い第2のタイミングにて開始操作が行われた場合には、第2制限態様として、例えば、点灯演出は継続させるもののベット効果音の出力を制限するようにしてもよい。
(10)主制御装置101側の再遊技設定処理において、BET表示部75を一旦すべて消灯状態とする構成としたが、消灯状態を介さない構成としてもよい。この場合、特に特定再遊技結果入賞に基づく再遊技設定処理では、BET表示部75は点灯状態のまま維持されることになる。
(11)特定再遊技結果入賞に基づく再遊技設定処理においても、通常再遊技結果入賞と同様に、ベット同士の待ち時間を設けて、第1BET表示部75a、第2BET表示部75b、第3BET表示部75cを順次点灯状態とさせる構成としてもよい。この場合、通常再遊技結果入賞の場合のベット同士の待ち時間と、特定再遊技結果入賞の場合のベット同士の待ち時間とが同じ時間であってもよいし、異なる時間であってもよく、通常再遊技結果の場合の方が特定再遊技結果の場合よりも待ち時間が長い構成としてもよいし、短い構成としてもよい。但し、特定再遊技結果入賞に基づいて、第1クレジット投入スイッチ56を疑似的に操作させる際に、ベットが完了していることが好ましく、この場合、通常再遊技結果の場合よりも特定再遊技結果の方がベット同士の待ち時間が短い構成が好ましい。また、通常再遊技ベット演出設定処理において、ベット同士の待ち時間を設けない等して、当該ベット同士の待ち時間が特定再遊技入賞の場合のベット同士の待ち時間と同じ時間となるようにしてもよい。
(12)特定再遊技ベット演出設定処理では、主制御装置101側のベットが完了してから処理が進行する構成としたが、主制御装置101側のベットの完了を待たずに、処理を進行する構成としてもよい。この場合、特定再遊技結果入賞後に直ちに第1クレジット投入スイッチ56が操作された場合であっても、主制御装置101側のベットの方が、表示制御装置81側の疑似ベット演出よりも早期に完了するようにするとよい。
(13)表示制御装置81側のベット表示部34やスピーカ64によって疑似ベット演出を行う構成としたが、主制御装置101側のBET表示部75にて疑似ベット演出を行う構成としてもよい。
(14)第1クレジットランプ56bは表示制御装置81が制御する構成としたが、主制御装置101が制御する構成としてもよい。また、ベット表示部34やスピーカ64についても主制御装置101が制御する構成とし、疑似ベット演出等を行うための処理を主制御装置101が実行する構成としてもよい。
(15)再遊技状態の契機が特定再遊技結果であれば第1クレジットランプ56bを点灯状態としたり疑似ベット演出等を行う構成としたが、再遊技状態において疑似ベット演出等を行う条件を異ならせてもよい。
例えば、ATモード開始ゲームとして、第2再遊技結果入賞や第3再遊技結果入賞が成立した場合には疑似ベット演出等を行うものの、ATモード開始ゲームであっても、第1再遊技結果入賞が成立した場合には疑似ベット演出等を行わない構成を変更し、ATモード開始ゲームであればいずれの再遊技結果入賞であっても疑似ベット演出等を行う構成としてもよい。
また、ATモードの終了ゲームがいずれかの再遊技結果入賞であれば疑似ベット演出を行う構成としてもよいし、再遊技結果の当選確率が向上する所謂RT状態を設け、当該RT状態への移行ゲームや終了ゲームにて入賞した再遊技結果後に疑似ベット演出等を行う構成としてもよい。
更に、特定再遊技結果入賞後であっても、ATモードの残りゲーム数や有利区間の上限ゲーム数までの残りゲーム数、有利区間の上限増加枚数までの残り増加枚数に応じて、疑似ベット演出等の実行の有無を異ならせてもよく、ATモードの残りゲーム数が所定ゲーム数以上ある場合や有利区間の上限ゲーム数までの残りゲーム数が所定ゲーム数以下である場合や、有利区間の上限増加枚数までの残り増加枚数が所定枚数以下である場合等には、特定再遊技結果入賞後であっても疑似ベット演出等を行わない構成としてもよい。
(16)疑似ベット演出におけるベット過程演出中に開始操作が行われた場合に、当該ベット過程演出を制限するか否かを、疑似ベット演出の契機や状況に応じて異ならせる構成としてもよい。
例えば、ATモード開始ゲームとして、第2再遊技結果入賞や第3再遊技結果入賞が成立した場合には疑似ベット演出におけるベット過程演出中に開始操作が行われた際に当該ベット過程演出を制限するものの、ATモード開始ゲームであっても、第1再遊技結果入賞に基づいて疑似ベット演出等を行っている場合にはベット過程演出中に開始操作が行われた場合であっても当該ベット過程演出を制限しない構成としてもよい。
また、ATモードの終了ゲームの疑似ベット演出におけるベット過程演出中に開始操作が行われた際に当該ベット過程演出を制限するものの、ATモードの途中であれば、疑似ベット演出におけるベット過程演出中に開始操作が行われた際に当該ベット過程演出を制限しない構成としてもよい。
更に、特定再遊技結果入賞後であっても、ATモードの残りゲーム数や有利区間の上限ゲーム数までの残りゲーム数、有利区間の上限増加枚数までの残り増加枚数に応じて、疑似ベット演出におけるベット過程演出中に開始操作が行われた際に当該ベット過程演出を制限するか否かを異ならせてもよく、ATモードの残りゲーム数が所定ゲーム数以上ある場合や有利区間の上限ゲーム数までの残りゲーム数が所定ゲーム数以下である場合や、有利区間の上限増加枚数までの残り増加枚数が所定枚数以下である場合等には、疑似ベット演出におけるベット過程演出中に開始操作が行われた際に当該ベット過程演出を制限せず、その逆であれば制限する構成としてもよい。
(17)第1クレジット投入スイッチ56に第1クレジットランプ56を内蔵させて第1クレジット投入スイッチ56自体が点灯する構成としたが、第1クレジット投入スイッチ56の周囲に第1クレジットランプ56を設け、第1クレジット投入スイッチ56の周囲が点灯状態となることで、当該第1クレジット投入スイッチ56の操作が促される構成としてもよいし、補助表示部65にて第1クレジット投入スイッチ56の操作を促す第1状態(例えば、「PUSH」との表示)を行い、第1クレジット投入スイッチ56を操作することで、当該第1状態の表示を終了して第2状態(上記の「PUSU」を表示しない状態)に切り替わる構成としてもよい。そして、これらを点灯状態としたり第1状態としたりすることにより、疑似ベット演出等の開始が促される構成としてもよい。
(18)第1クレジット投入スイッチ56の操作を促すように第1クレジットランプ56bを設けたが、第2クレジット投入スイッチ57やメダル投入口45にも対応する報知手段を設けてもよく、当該報知手段が第1状態となることで第2クレジット投入スイッチ57やメダル投入口45による賭数操作が可能であり、第2状態となることで第2クレジット投入スイッチ57やメダル投入口45の操作が不可であることが報知される構成としてもよい。そして、これらの報知手段を第1状態とすることにより、疑似ベット演出等の開始が促される構成としてもよい。
(19)再遊技ベット演出と連ベット演出において、ベット同士の待ち時間(間隔)を異ならせたが、再遊技ベット演出と連ベット演出におけるベット同士の待ち時間を同じ長さとしてもよく、連ベット演出における待ち時間の方が再遊技ベット演出における待ち時間よりも長い構成としてもよい。疑似ベット演出におけるベット同士の待ち時間についても、連ベット演出における待ち時間と同じ時間としたり、ウェイト期間の経過前であれば再遊技ベット演出における待ち時間と同じ時間としたりしたが、これら連ベット演出における待ち時間よりも短くても長くてもよいし、再遊技ベット演出における待ち時間よりも短くても長くてもよい。
(20)通常再遊技結果に基づく再遊技ベット演出や、小役結果や外れ結果後の連ベット演出におけるベット過程演出でも、当該ベット過程演出中に開始操作が行われた場合、当該ベット過程演出を制限する構成としてもよい。特に、開始操作に基づいて所定の開始演出(例えば、押し順報知演出)が行われる場合に、当該ベット過程演出を制限する(例えば、ベット対応演出に切り替える)ことの意義は高いと考えられる。
(21)開始操作に基づく開始時演出として押し順報知演出とベット過程演出が重複する場合には、押し順報知演出側を制限したり、ベット過程演出側を制限する構成としたが、主制御装置101側の指示モニタ68における押し順報知も制限する構成としてもよい。
(22)疑似ベット演出におけるベット過程演出中に開始操作が行われ、当該開始操作に基づき押し順報知演出が行われる場合、当該押し順報知演出の開始を遅延させる構成としたが、当該ゲームでは押し順報知演出を実行しないようにしてもよい。例えば、ATモードをゲーム数ではなく押し順報知演出の実行回数にて規定するナビ回数管理型のATモードとする場合、当該ゲームで押し順報知演出が実行されないようにした場合には、当該ゲームにて実行する予定であった押し順報知演出を実行回数に計上しないようにし、押し順報知演出の残りの実行回数を減算しないようにする構成とするとよい。
(23)疑似ベット演出におけるベット過程演出中に開始操作が行われ、当該開始操作に基づき押し順報知演出が行われる場合、当該押し順報知演出の開始を遅延させる構成としたが、押し順報知演出の実行態様を異ならせる構成としてもよい。例えば、通常時は第1実行態様として黄色の数字でストップスイッチ42~44の操作順序を報知するところ、疑似ベット演出におけるベット過程演出中に開始操作が行われた場合には、第2実行態様として紫の数字でストップスイッチ42~44の操作順序を報知するようにしてもよい。この場合、当該第2実行態様による押し順報知演出は、疑似ベット演出におけるベット過程演出中に開始操作が行われた場合だけで実行される構成としてもよいし、疑似ベット演出におけるベット過程演出中に開始操作が行われた場合だけではなく他の場合にも実行される構成としてもよい。他の場合としては、例えば、ATモードの残りセット数が所定数以上である場合に第2実行態様による押し順報知演出が実行され得るようにしてもよい。
(24)ウェイト期間の経過前と経過後とで、疑似ベット演出におけるベット過程演出の態様を異ならせる構成としたが、再遊技ベット演出や連ベット演出におけるベット過程演出の態様を、ウェイト期間の経過前と経過後とで異ならせる構成としてもよい。
(25)ウェイト期間の経過前と経過後とでベット過程演出の態様を異ならせる構成において、ベット同士の待ち時間を異ならせるだけではなく、他の演出態様も異ならせる構成としてもよい。例えば、ウェイト期間の経過前と経過後とでベット過程演出のベット時効果音の種類を異ならせる構成としてもよいし、ベット表示部34の機能を補助表示部65にて担わせ、当該補助表示部65にて表示するベット数の表示態様をウェイト期間の経過前と経過後とで異ならせる構成としてもよい。
(26)再遊技状態においては待機状態に設定されない構成において、再遊技状態であっても待機状態に設定され得る第2移行期間が経過した場合には第1クレジットランプ56を点灯状態から消灯状態に切り替える構成としてもよい。この場合、特定再遊技結果に基づく再遊技状態であれば、第2移行期間が経過することで第1クレジットランプ56bが消灯状態となる。
(27)待機状態に設定する場合、主制御装置101側で管理するBET表示部75や遊技状態表示部76は待機状態としない一方、表示制御装置81側で管理するベット表示部34や第1クレジットランプ56bや補助表示部65、スピーカ64は待機状態とする構成としてもよく、その逆であってもよい。
(28)再遊技結果の当選確率が向上する所謂RT状態中の各ゲームの抽選結果を再遊技結果として規定してもよい。なお、この場合、当該RT状態中の各ゲームの抽選結果を特定結果と表現してもよく、特定結果に第1再遊技や第2再遊技等が含まれる構成としてもよい。更に、RT状態を再遊技状態として規定してもよい。
(29)BET表示部75や遊技状態表示部75を、遊技パネル25とは異なる位置に設けてもよい。例えば、遊技パネル25の下方であって当該遊技パネル25と交差する第1クレジット投入スイッチ56や演出スイッチ66が設けられた面にBET表示部75や遊技状態表示部75を設けてもよい。また、補助表示部65にて表示される構成としてもよい。この場合、BET表示部75や遊技状態表示部75の制御を表示制御装置81が担ってもよいし、補助表示部65の制御を主制御装置101が担ってもよい。
(30)仮待機状態に移行させるまでの第1移行期間を、待機状態に移行させるまでの第2移行期間よりも短い期間に設定したが、第1移行期間の方が第2移行期間よりも長い期間となるように設定してもよく、第1移行期間と第2移行期間とが同じ期間となるように設定してもよい。
(31)再遊技状態表示部76aは待機状態となっても点灯状態が継続される構成としたが、待機状態や仮待機状態となる際に消灯状態に切り替わる構成としてもよい。開始可能状態表示部76bや受入可能状態表示部76cは待機状態となる際に消灯状態に切り替わる構成としたが、仮待機状態となる際に消灯状態に切り替わる構成としてもよいし、待機状態となる際に消灯状態に切り替わらない構成としてもよい。
(32)特定再遊技結果に基づく再遊技状態において、清算スイッチ59が操作された場合には、クレジットの清算を行うとともに、第1クレジットランプ56bの点灯状態を維持する構成としてもよい。つまり、クレジットの清算と、疑似ベット演出の実行とが異なる清算操作に基づく構成としてもよい。
(33)特定再遊技結果に基づく再遊技状態において、清算スイッチ59が操作された場合には、クレジットの清算を行うとともに、疑似ベット演出を行ったうえで、更に第1クレジットランプ56bを点灯状態とする構成としてもよい。この場合、疑似ベット演出の開始時に第1クレジットランプ56bを消灯状態とせずに点灯状態を維持する構成としてもよいし、疑似ベット演出の開始時に第1クレジットランプ56bを消灯状態としたうえで、その後(例えば、疑似ベット演出においてベット対応演出に切り替わった後)で第1クレジットランプ56bを点灯状態に切り替える構成としてもよい。
(34)連ベット演出において、ベット時効果音が出力されない構成としてもよい。この場合、再遊技ベット演出においては、ベット時効果音が出力される構成としてもよく、再遊技ベット演出もベット時効果音が出力されない構成としてもよい。ウェイト期間の経過前は再遊技ベット演出に相当する演出を行う一方、ウェイト期間の経過後は連ベット演出に相当する演出を行う構成においては、ウェイト期間の経過前はベット時効果音を伴う再遊技ベット演出に相当する演出を行う一方、ウェイト期間の経過後はベット時効果音を伴わない連ベット演出に相当する演出を行う構成としてもよい。
(35)第2クレジット投入スイッチ57の操作に基づく疑似ベット演出と、メダル投入口45からメダルを投入した場合の疑似ベット演出との態様を異ならせてもよい。
(36)ベット過程演出と開始時演出やフリーズ演出が重複する場合にいずれかを制限する構成としたが、開始時演出やフリーズ演出との重複はベット過程演出に限定されず、いずれかの賭数操作に基づいて行われるベット時演出であればよい。
(37)通常再遊技ベット演出設定処理では、主制御装置101からの再遊技ベットコマンドを受信する度にベット過程演出を進行させる構成としたが、再遊技ベットコマンドを用いずに、表示制御装置81側でタイマカウンタ等を用いることでベットとベットとの間隔を特定したうえで、ベット過程演出を進行させる構成としてもよい。また、再遊技ベット演出では、ベット過程演出を行わずにベット対応演出のみ行う構成としてもよい。この場合、主制御装置101側の再遊技設定用処理におけるベットが完了してから、表示制御装置81側のベット対応演出が行われる構成とすることで、ベットが完了していないのにもかかわらず、開始操作が行われる不都合を解消することが可能である。
(38)ベット過程演出中に開始操作が行われた場合、フリーズ演出を発生させて各リール32L,32M,32Rの回転開始を遅延させる構成としたが、ウェイト期間を延長して各リール32L,32M,32Rの回転開始を遅延させる構成としてもよい。また、フリーズ演出において、補助表示部65にて表示演出を行う前提で説明していたが、補助表示部65での表示演出を行わず、単に各リール32L,32M,32Rの回転開始が遅延される構成としてもよい。更に、ベット過程演出の残り期間に応じて、各リール32L,32M,32Rの回転開始を遅延させる期間を異ならせてもよく、具体的には、ベット過程演出の残り期間が第1期間であれば、回転開始を第1期間又は当該第1期間に所定期間を加えた期間に亘って遅延させ、ベット過程演出の残り期間が第1期間よりも長い第2期間であれば、回転開始を第2期間又は当該第2期間に所定期間を加えた期間に亘って遅延させる構成としてもよい。なお、ベット過程演出の残り期間ではなく、残りの演出量(残りのベット数、残りの点灯数)で遅延期間を異ならせる構成としてもよい。
(38)各設定値によって出玉率が変化する構成とし、設定1が最も出玉率が低く、設定6が最も出玉率が高くなる構成としたが、設定値によって出玉(遊技媒体)の増減率や増減態様が変化する構成であればよい。例えば、設定1と設定2との出玉率が同じであるなど、一部の設定値の出玉率が同じであって、他の設定値の出玉率が異なる構成としてもよい。また、設定1,3,5は出玉の増減率が高く、設定2,4,6は出玉の増減率が低い構成としてもよい。また、設定1,5は短時間で出玉が所定量増加し長時間で出玉が所定量減少し、設定2,3,4は所定量の増加に設定1,5よりも長時間要するとともに所定量の減少に設定1,5よりも短時間で済み、設定6は出玉の増減がほとんど発生しない構成としてもよい。これらの場合、各設定値の出玉率は同じであってもよい。
(39)リール及びそれに対応するストップスイッチを3つ並列して備えるスロットマシンについて説明したが、かかる構成に限定されるものではなく、例えばリール及びそれに対応するストップスイッチを5つ並列して備えたスロットマシンであってもよい。リールの停止操作における誤操作を抑制するという観点からすると、リール及びそれに対応するストップスイッチは少なくとも2つあればよい。また、ベット数が3である状況で有効ラインが1ラインに設定されるスロットマシンについて説明したが、かかる構成に限定されるものではなく、例えば、有効ラインは5ラインであってもよい。
(40)スロットマシン10について具体化した例を示したが、スロットマシンとパチンコ機とを融合した形式の遊技機に適用してもよい。即ち、スロットマシンのうち、メダル投入及びメダル払出機能に代えて、パチンコ機のような球投入及び球払出機能をもたせた遊技機(所謂、球使用回胴式遊技機)としてもよい。かかる遊技機をスロットマシンに代えて使用すれば、遊技ホールでは球のみを遊技価値として取り扱うことができるため、パチンコ機とスロットマシンとが混在している現在の遊技ホールにおいてみられる、遊技価値たるメダルと球との別個の取扱による設備上の負担や遊技機設置個所の制約といった問題を解消し得る。
パチンコ機においては、例えば、遊技球が入球可能な開状態と当該開状態よりも入球しにくい又は入球不可となる閉状態とに切り替え可能な可変入球手段を有し、所定の当否抽選に当選した場合に当該可変入球手段が開状態となるラウンド遊技が複数回実行され得る当たり状態に移行する構成おいて、当該可変入球手段に入球した遊技球が特定通過部を通過する(V入賞の発生)と、当該当たり状態後の遊技状態が上記所定の当否判定の当選確率が高くなる等の有利状態に移行し、当該可変入球手段に入球した遊技球が特定通過部を通過しないと(V入賞の非発生)、当該当たり状態後の遊技状態が上記所定の当否判定の当選確率が上記有利状態の場合よりも低くなる等の非有利状態に移行する、といった遊技性に上記各発明を適用することも可能である。この場合、特定通過部を通過したか否かの通過判定の結果報知を、当該通過判定が行われたラウンド遊技中に実行する場合と、当該通過判定が行われたラウンド遊技よりも後のラウンド遊技にて実行する場合とを設けることで、通過判定の結果を知りたい遊技者心理を利用して、通過判定が行われるラウンド遊技だけではなくそれ以降のラウンド遊技への注目度を高めることが可能となる。更に、当該通過判定の結果報知を、当該通過判定が行われたラウンド遊技中に実行する場合と、当該通過判定が行われたラウンド遊技よりも後のラウンド遊技にて実行する場合とで、演出態様を共通化したり、通過判定が行われてから結果報知が実行されるまでの期間を共通化したりすることで、演出態様や結果報知までの期間によって、ラウンド遊技を跨いで報知が行われるか否かが特定されにくくなり、その通過判定の結果予測をより困難とすることが可能となる。
(41)上記実施形態では遊技媒体としてのメダルを投入することベット数を設定して遊技が開始可能となり、当該遊技の入賞に対応する特典として所定数のメダルが払い出されるタイプの遊技機について例示したが、メダルを使用しないメダルレスタイプの遊技機を否定するものではない。このようなメダルレスタイプの遊技機においては、例えば、仮想遊技媒体(所定の遊技価値)を用いてゲームのベット数を設定して遊技を開始可能とし、当該遊技の入賞に対応する特典として上記所定数のメダルに応じた仮想遊技媒体(所定の遊技価値)を付与する構成とするとよい。この場合、当該仮想遊技媒体数を所定の表示部にて表示する構成としてもよいし、当該仮想遊技媒体数に対応する情報を本遊技機外部に出力する構成としてもよい。
また、上記のパチンコ機においては、遊技球の払い出しが行われるタイプのパチンコ機だけでなく、遊技機外部に遊技球が排出されない封入タイプのパチンコ機であってもよい。このような封入タイプのパチンコ機においては、例えば賞球数を示す情報を報知する構成とするとよい。
<第4dの実施形態>
以下、第4dの実施形態について説明する。図263~図265は、入賞となる図柄の組合せと、入賞となった場合に付与される特典と、の対応関係を示す図である。なお、以下の説明においては、特に上記各実施形態と異なる構成について説明し、上記各実施形態と共通する構成についてはその説明を省略する。また、以下の説明においては、上記実施形態と同じ機能を備える構成要素については同じ符号を用いて説明し、同じ符号であっても異なる機能を備える構成要素については、本実施形態における特有の符号として取り扱うものとする。
メダル払出が行われる小役入賞としては、第1小役入賞~第32小役入賞がある。
左リール32Lの「リプレイ」図柄と、中リール32Mの「リプレイ」図柄と、右リール32Rの「リプレイ」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合には、第1小役入賞となる。第1小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは8枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは5枚のメダル払出が行われる。
図266(a)に示すように、有効ラインMLに第1小役入賞に対応する図柄が停止すると、右下がりラインL4には「ベル」図柄が揃って停止する。そのため、遊技者は、ベルに対応する小役入賞が成立したことを容易に理解可能となる。
左リール32Lの「リプレイ」図柄と、中リール32Mの「ベル」図柄と、右リール32Rの「ベル」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合には、第2小役入賞となる。第2小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは8枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは5枚のメダル払出が行われる。
図266(b)に示すように、有効ラインMLに第2小役入賞に対応する図柄が停止すると、上ラインL1には「ベル」図柄が揃って停止する。そのため、遊技者は、ベルに対応する小役入賞が成立したことを容易に理解可能となるとともに、「ベル」図柄が揃うラインの相違から、上記の第1小役入賞とは異なる小役入賞が成立していることも理解可能となる。
左リール32Lの「ベル」図柄と、中リール32Mの「リプレイ」図柄と、右リール32Rの「スイカ」図柄又は「赤貝」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合には、第3小役入賞となる。第3小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは8枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは5枚のメダル払出が行われる。
図266(c)に示すように、有効ラインMLに第3小役入賞に対応する図柄が停止すると、中ラインL2には「ベル」図柄が揃って停止する。そのため、遊技者は、ベルに対応する小役入賞が成立したことを容易に理解可能となるとともに、「ベル」図柄が揃うラインの相違から、上記の第1小役入賞や第2小役入賞とは異なる小役入賞が成立していることも理解可能となる。
左リール32Lの「スイカ」図柄と、中リール32Mの「リプレイ」図柄と、右リール32Rの「ベル」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合には、第4小役入賞となる。第4小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは8枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは5枚のメダル払出が行われる。
図266(d)に示すように、有効ラインMLに第4小役入賞に対応する図柄が停止すると、右上がりラインL5には「ベル」図柄が揃って停止する。そのため、遊技者は、ベルに対応する小役入賞が成立したことを容易に理解可能となるとともに、「ベル」図柄が揃うラインの相違から、上記の第1小役入賞~第3小役入賞とは異なる小役入賞が成立していることも理解可能となる。
左リール32Lの「スイカ」図柄と、中リール32Mの「スイカ」図柄と、右リール32Rの「リプレイ」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合には、第5小役入賞となる。第5小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは8枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは5枚のメダル払出が行われる。
図266(e)に示すように、有効ラインMLに第5小役入賞に対応する図柄が停止すると、下ラインL3には「ベル」図柄が揃って停止する。そのため、遊技者は、ベルに対応する小役入賞が成立したことを容易に理解可能となるとともに、「ベル」図柄が揃うラインの相違から、上記の第1小役入賞~第4小役入賞とは異なる小役入賞が成立していることも理解可能となる。
左リール32Lの「スイカ」図柄と、中リール32Mの「リプレイ」図柄と、右リール32Rの「リプレイ」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合には、第6小役入賞となる。第6小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは8枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは5枚のメダル払出が行われる。
図266(f)に示すように、有効ラインMLに第6小役入賞に対応する図柄が停止すると、左リール32Lの下段、中リール32Mの中段、右リール32Rの下段にそれぞれ「ベル」図柄が停止する(小山型に停止する)。そのため、遊技者は、ベルに対応する小役入賞が成立したことを容易に理解可能となるとともに、「ベル」図柄の停止位置の相違から、上記の第1小役入賞~第5小役入賞とは異なる小役入賞が成立していることも理解可能となる。
左リール32Lの「ベル」図柄と、中リール32Mの「白7」図柄、「チェリー」図柄、「赤貝」図柄又は「青年」図柄と、右リール32Rの「白7」図柄、「白貝」図柄又は「青年」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合には、第7小役入賞となる。第7小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは3枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは3枚のメダル払出が行われる。
図267(a)に示すように、有効ラインMLに第7小役入賞に対応する図柄が停止すると、右下がりラインL4には「スイカ」図柄が揃って停止する。そのため、遊技者は、スイカに対応する小役入賞が成立したことを容易に理解可能となる。
左リール32Lの「ベル」図柄と、中リール32Mの「スイカ」図柄と、右リール32Rの「スイカ」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合には、第8小役入賞となる。第8小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは3枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは3枚のメダル払出が行われる。
図267(b)に示すように、有効ラインMLに第8小役入賞に対応する図柄が停止すると、上ラインL1には「スイカ」図柄が揃って停止する。そのため、遊技者は、スイカに対応する小役入賞が成立したことを容易に理解可能となるとともに、「スイカ」図柄が揃うラインの相違から、上記の第7小役入賞とは異なる小役入賞が成立していることも理解可能となる。
第9小役~第32小役は、主に、第1小役~第6小役の取りこぼし時に入賞が成立する、所謂取りこぼし役である。第9小役入賞~第32小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは1枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは1枚のメダル払出が行われる。第9小役~第32小役は、左リール32Lの「リプレイ」図柄、「赤7」図柄、「BAR」図柄、「赤貝」図柄、「白貝」図柄、「青年」図柄又は「ベル」図柄と、中リール32Mの「白7」図柄、「チェリー」図柄、「赤貝」図柄、「青年」図柄、「赤7」図柄、「スイカ」図柄、「リプレイ」図柄、「BAR」図柄、「ベル」図柄又は「白貝」図柄と、右リール32Rの「赤7」図柄、「白7」図柄、「白貝」図柄、「青年」図柄、「スイカ」図柄、「赤貝」図柄、「BAR」図柄又は「リプレイ」図柄と、による対応する組み合わせが有効ラインML上に停止することで入賞が成立する。図263及び図264に示すように、これら第9小役入賞~第32小役入賞に対応する図柄の組み合わせは、いずれも直線ライン(L1~L5)に「ベル」図柄が揃って停止することがないように設定されており、ベルに対応する小役入賞が成立していないことを容易に理解可能となるように設定されている。
左リール32Lの「BAR」図柄と、中リール32Mの「ベル」図柄と、右リール32Rの「ベル」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合には、第33小役入賞となる。第33小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは1枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは1枚のメダル払出が行われる。
図267(f)に示すように、有効ラインMLに第33小役入賞に対応する図柄が停止すると、中ラインL2には「BAR」図柄が揃って停止する場合があるように設定されている。
ちなみに、上記の第1小役入賞~第33小役入賞に基づいてメダルが払い出される構成において、払い出される小役は、遊技の結果に応じて付与される特典(遊技価値)の一種である。なお、本明細書においては、払い出されたメダルのことを出玉とも称する場合があり、投入した(ベットした)メダルの数に対する払出メダル(出玉)の数の割合を出玉率とも称する場合がある。
メダルを投入することなく次ゲームの遊技を行うことが可能な再遊技の特典(遊技価値)が付与される入賞としては、第1再遊技入賞~第12再遊技入賞がある。図265に示すように、これら第1再遊技~第12再遊技に対して、入賞となる図柄組み合わせがそれぞれ設定されている。
第1再遊技は、左リール32Lの「リプレイ」図柄と、中リール32Mの「スイカ」図柄と、右リール32Rの「赤7」図柄、「白7」図柄、「白貝」図柄又は「青年」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合に入賞が成立する。図267(c)に示すように、有効ラインMLに第1再遊技入賞に対応する図柄が停止すると、中ラインL2には「リプレイ」図柄が揃って停止する。そのため、遊技者は、リプレイに対応する再遊技入賞が成立したことを容易に理解可能となる。
第2再遊技は、左リール32Lの「白7」図柄と、中リール32Mの「白貝」図柄と、右リール32Rの「チェリー」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合に入賞が成立する。有効ラインMLに第2再遊技入賞に対応する図柄が停止すると、図268(e)に示すように、中ラインL2には「白7」図柄が揃って停止する。
第3再遊技は、左リール32Lの「白7」図柄と、中リール32Mの「白貝」図柄と、右リール32Rの「BAR」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合に入賞が成立する。有効ラインMLに第3再遊技入賞に対応する図柄が停止すると、図268(f)に示すように、左リール32Lの中段及び中リール32Mの中段に「白7」図柄が停止し、右リール32Rの中段に「赤7」図柄が停止する。
第4再遊技及び第5再遊技は、複数の再遊技が重複して当選する場合の調整用の再遊技である。
第6再遊技は、左リール32Lの「ベル」図柄と、中リール32Mの「スイカ」図柄と、右リール32Rの「赤7」図柄、「白7」図柄、「BAR」図柄、「チェリー」図柄、「白貝」図柄又は「青年」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合に入賞が成立する。図267(d)に示すように、有効ラインMLに第6再遊技入賞に対応する図柄が停止すると、左リール32Lの上段と中リール32Mの上段とに「スイカ」図柄が停止する一方、右リール32Rの上段には「スイカ」図柄が停止せず(右リール32Rの下段に「スイカ」図柄が停止し)、所謂上段スイカテンパイ外れの停止態様となる。また、有効ラインMLに第6再遊技入賞に対応する図柄が停止すると、左リール32Lの上段と右リール32Rの下段とに「スイカ」図柄が停止する一方、中リール32Mの中段には「スイカ」図柄が停止せず(中リール32Mの上段に「スイカ」図柄が停止し)、所謂右下がりスイカテンパイ外れの停止態様となる。
第7再遊技は、左リール32Lの「ベル」図柄と、中リール32Mの「白7」図柄、「チェリー」図柄、「赤貝」図柄又は「青年」図柄と、右リール32Rの「スイカ」図柄又は「赤貝」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合に入賞が成立する。図267(e)に示すように、有効ラインMLに第7再遊技入賞に対応する図柄が停止すると、左リール32Lの上段と右リール32Rの上段とに「スイカ」図柄が停止する一方、中リール32Mの上段には「スイカ」図柄が停止せず(中リール32Mの中段に「スイカ」図柄が停止し)、所謂上段スイカテンパイ外れの停止態様となる。また、有効ラインMLに第7再遊技入賞に対応する図柄が停止すると、左リール32Lの上段と中リール32Mの中段とに「スイカ」図柄が停止する一方、右リール32Rの下段には「スイカ」図柄が停止せず(右リール32Rの上段に「スイカ」図柄が停止し)、所謂右下がりスイカテンパイ外れの停止態様となる。
第8再遊技は、左リール32Lの「スイカ」図柄と、中リール32Mの「白7」図柄、「チェリー」図柄、「赤貝」図柄又は「青年」図柄と、右リール32Rの「リプレイ」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合に入賞が成立する。図268(a)に示すように、有効ラインMLに第8再遊技入賞に対応する図柄が停止すると、中ラインL2には「スイカ」図柄が揃って停止する。
第9再遊技は、左リール32Lの「リプレイ」図柄と、中リール32Mの「スイカ」図柄と、右リール32Rの「スイカ」図柄又は「赤貝」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合に入賞が成立する。図268(b)に示すように、有効ラインMLに第9再遊技入賞に対応する図柄が停止すると、左リール32Lの中段と中リール32Mの中段とに「リプレイ」図柄が停止する一方、右リール32Rの中段には「リプレイ」図柄が停止せず(右リール32Rの中段に「ベル」図柄が停止し)、所謂中段リプレイテンパイ外れの停止態様となる。
第10再遊技は、左リール32Lの「BAR」図柄と、中リール32Mの「白7」図柄、「BAR」図柄、「チェリー」図柄、「赤貝」図柄又は「青年」図柄と、右リール32Rの「赤7」図柄、「白7」図柄、「BAR」図柄、「チェリー」図柄、「白貝」図柄又は「青年」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合に入賞が成立する。また、第12再遊技は、左リール32Lの「BAR」図柄と、中リール32Mの「BAR」図柄と、右リール32Rの「ベル」図柄、「スイカ」図柄又は「赤貝」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合に入賞が成立する。図268(c)及び図268(d)に示すように、有効ラインMLに第10再遊技入賞又は第12再遊技入賞に対応する図柄が停止すると、左リール32Lの下段に「チェリー」図柄が停止する。第10再遊技又は第12再遊技に当選している場合、右リール32Rに「チェリー」図柄を狙って停止操作を行うと、第10再遊技入賞の場合には上段に「チェリー」図柄が停止し、第12再遊技入賞の場合には中段又は下段に「チェリー」図柄が停止するため、これら第10再遊技入賞と第12再遊技入賞とを区別することが可能である。第11再遊技は、これら第10再遊技や第12再遊技を入賞させることができない場合、すなわち取りこぼしが生じ得る場合に入賞が成立するものである。
遊技状態の移行のみが行われる状態移行入賞としては、第1BB入賞,第2BB入賞がある。
左リール32Lの「リプレイ」図柄と、中リール32Mの「ベル」図柄と、右リール32Rの「BAR」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合には、第1BB入賞となる。第1BB入賞が成立した場合、遊技状態が第1BB状態に移行する。有効ラインMLに第1BB入賞に対応する図柄が停止すると、図269(a)に示すように、右上がりラインL5に「BAR」図柄が揃って停止したり、図269(b)に示すように、右上がりラインL5に左から順に「赤7」図柄、「赤7」図柄、「BAR」図柄が停止したりする。
左リール32Lの「赤貝」図柄と、中リール32Mの「ベル」図柄と、右リール32Rの「ベル」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合には、第2BB入賞となる。第2BB入賞が成立した場合、遊技状態が第2BB状態に移行する。有効ラインMLに第2BB入賞に対応する図柄が停止すると、図269(c)に示すように、下ラインL3に「白7」図柄が揃って停止したり、図269(d)に示すように、下ラインL3に左から順に「白7」図柄、「白7」図柄、「赤7」図柄が停止したりする。
遊技パネル25の下方左側には、各リール32L,32M,32Rの回転を開始させるために操作されるスタートレバー41が設けられている。スタートレバー41はリール32L,32M,32Rを回転開始、すなわち図柄の可変表示を開始させるべく操作される開始操作手段又は始動操作手段を構成する。所定数のメダルが投入されている状態でスタートレバー41を操作された場合、各リール32L,32M,32Rが回転を開始するようになっている。
スタートレバー41の右側には、回転している各リール32L,32M,32Rを個別に停止させるために操作されるボタン状のストップスイッチ42~44が設けられている。各ストップスイッチ42~44は、停止対象となるリール32L,32M,32Rに対応する表示窓26L,26M,26Rの直下にそれぞれ配置されている。
ストップスイッチ42~44には、それぞれストップ検出センサ42a~44a(図270)が接続されており、ストップ検出センサ42a~44aと後述する主制御装置101とが接続されている。そして主制御装置101では、ストップ検出センサ42a~44aからの検知信号に基づいて、ストップスイッチ42~44の操作が行われたことを把握する。具体的には、ストップスイッチ42~44が操作されていない場合には、ストップ検出センサ42a~44aからはLOW信号の検知信号が出力されており、ストップスイッチ42~44が操作されることにより、当該検知信号がLOW信号からHI信号に切り換わる。主制御装置101では、かかる信号の切り換わりを把握して、ストップスイッチ42~44が操作されたことを把握する。主制御装置101では、ストップスイッチ42~44が操作されたことを把握した場合には、操作されたスイッチに対応するリールの回転を停止するように制御する。
すなわち、左ストップスイッチ42が操作された場合には左リール32Lの回転が停止し、中ストップスイッチ43が操作された場合には中リール32Mの回転が停止し、右ストップスイッチ44が操作された場合には右リール32Rの回転が停止する。ストップスイッチ42~44はリール32L,32M,32Rの回転に基づく図柄の可変表示を停止させるべく操作される停止操作手段を構成する。
ストップスイッチ42~44には、ストップランプ42b~44bがそれぞれ内蔵されている。当該ストップランプ42b~44bからの光はストップスイッチ42~44の操作面を一部透過し、ストップランプ42b~44bの光はストップスイッチ42~44を介して視認可能となる。そして、ストップスイッチ42~44の操作が有効となる場合には、当該ストップランプ42b~44bが点灯制御され、ストップスイッチ42~44の操作が無効となる場合には、対応するストップランプ42b~44bがそれぞれ消灯制御される。
表示窓26L,26M,26Rの下方右側には、メダルを投入するためのメダル投入口45が設けられている。メダル投入口45は遊技媒体を入力する入力手段を構成する。また、メダル投入口45が遊技者によりメダルを直接投入するという動作を伴う点に着目すれば、遊技媒体を直接入力する直接入力手段を構成するものとも言える。
メダル投入口45から投入されたメダルは、前面扉12の背面に設けられた通路切替手段としてのセレクタ46によって貯留用通路47か排出用通路48のいずれかへ導かれる。より詳しくは、セレクタ46にはメダル通路切替ソレノイド46aが設けられており、そのメダル通路切替ソレノイド46aの非励磁時にはメダルが排出用通路48側に導かれ、前記メダル通路切替ソレノイド46aの励磁時にはメダルが貯留用通路47側に導かれるようになっている。貯留用通路47に導かれたメダルは、筐体11の内部に収納されたホッパ装置51へと導かれる。一方、排出用通路48に導かれたメダルは、前面扉12の前面下部に設けられたメダル排出口49からメダル受け皿50へと導かれ、遊技者に返還される。
ホッパ装置51は、メダルを貯留する貯留タンク52と、メダルを遊技者に払い出す払出装置53とより構成されている。払出装置53は、図示しないメダル払出用回転板を回転させることにより、排出用通路48に設けられた開口48aへメダルを排出し、排出用通路48を介してメダル受け皿50へメダルを払い出すようになっている。また、ホッパ装置51の右方には、貯留タンク52内に所定量以上のメダルが貯留されることを回避するための予備タンク54が設けられている。ホッパ装置51の貯留タンク52内部には、この貯留タンク52から予備タンク54へとメダルを排出する誘導プレート52aが設けられている。したがって、誘導プレート52aが設けられた高さ以上にメダルが貯留された場合、かかるメダルが予備タンク54に貯留されることとなる。
メダル投入口45の下方には、ボタン状の返却スイッチ55が設けられている。メダル投入口45に投入されたメダルがセレクタ46内に詰まった状況下で返却スイッチ55を操作された場合、セレクタ46が機械的に連動して動作され、当該セレクタ46内に詰まったメダルがメダル排出口49から返却されるようになっている。
表示窓26L,26M,26Rの下方左側には、遊技媒体としてのクレジットされた仮想メダルを一度に、ゲームの規定枚数のうちの予め定められた特定枚数を投入するための第1クレジット投入スイッチ56が設けられている。特定枚数は、遊技の進行状況によって設定されるものである。例えば、ゲームの規定枚数が3枚として設定されており特定枚数が3枚として設定されている場合に第1クレジット投入スイッチ56が操作されると、クレジットがあることを条件に3枚の仮想メダルの投入が行われ、規定枚数が2枚として設定されており特定枚数が2枚として設定されている場合に第1クレジット投入スイッチ56が操作されると、クレジットがあることを条件に2枚の仮想メダルの投入が行われ、規定枚数が3枚又は2枚として設定されている場合であって、特定枚数が3枚として設定されている場合に第1クレジット投入スイッチ56が操作されると、クレジットがあることを条件に3枚の仮想メダルの投入が行われ、規定枚数が3枚又は2枚として設定されている場合であって、特定枚数が2枚として設定されている場合に第1クレジット投入スイッチ56が操作されると、クレジットがあることを条件に2枚の仮想メダルの投入が行われる。また、第1クレジット投入スイッチ56の左方には第2クレジット投入スイッチ57が設けられている。第2クレジット投入スイッチ57は仮想メダルを2枚投入するためのものである。各クレジット投入スイッチ56,57は前記メダル投入口45とともに遊技媒体を入力する入力手段を構成する。また、メダル投入口45が遊技者によりメダルを直接投入するという動作を伴うのに対し、各クレジット投入スイッチ56,57は貯留記憶に基づく仮想メダルの投入という動作を伴うに過ぎない点に着目すれば、遊技媒体を間接入力する間接入力手段を構成するものとも言える。なお、本スロットマシン10では、仮想メダルを1枚投入するためクレジット投入スイッチは設けられていない。
第1クレジット投入スイッチ56は第2クレジット投入スイッチ57よりも、遊技者により操作される操作面が大きく設定されており、その操作性が第1クレジット投入スイッチ56の方が第2クレジット投入スイッチ57よりも優れている。そのため、通常であれば、遊技者は、第1クレジット投入スイッチ56を操作して遊技を進行することが想定される。つまり、通常であれば、規定枚数のうちの設定されている特定枚数を投入して遊技を行うものと考えられる。
第1クレジット投入スイッチ56と第2クレジット投入スイッチ57との右方には、演出発生時に操作される演出スイッチ66が設けられている。
スタートレバー41の左方には、精算スイッチ59が設けられている。すなわち、本スロットマシン10では、所定の最大値(メダル50枚分)となるまでの余剰の投入メダルや入賞時の払出メダルを仮想メダルとして貯留記憶するクレジット機能を有しており、仮想メダルが貯留記憶されている状況下で精算スイッチ59を操作された場合、仮想メダルが現実のメダルとしてメダル排出口49から払い出されるようになっている。この場合、クレジットされた仮想メダルを現実のメダルとして払い出すという機能に着目すれば、精算スイッチ59は貯留記憶された遊技媒体を実際に払い出すための精算操作手段を構成するものとも言える。
遊技パネル25の表示窓26L,26M,26R下方には、クレジットされている仮想メダル数を表示するクレジット表示部60と、BB状態が終了するまでに払い出される残りのメダル数を表示する残払出枚数表示部61と、入賞時に払い出したメダルの枚数を表示する払出枚数表示部62とがそれぞれ設けられている。これら表示部60~62は7セグメント表示器によって構成されているが、液晶表示器等によって代替することは当然可能である。
遊技パネル25における表示窓26L,26M,26R下方であって、払出枚数表示部62の右方には、ストップスイッチ42~44の操作順序を報知する押し順表示器と、操作順序を報知することによって小役の入賞率を変化させ遊技者にとって有利な状況で遊技を進行可能となる区間である有利区間を示すための区間表示器と、を有する指示モニタ68が設けられている。指示モニタ68については、後に詳細に説明する。
前面扉12の上部には、遊技の進行に伴い点灯したり点滅したりする上部ランプ63と、遊技の進行に伴い種々の効果音を鳴らしたり、遊技者に遊技状態を報知したりする左右一対のスピーカ64と、遊技者に各種情報を与える補助表示部65とが設けられている。補助表示部65は、遊技の進行に伴って各種表示演出を実行するためのものであり、各リール32L,32M,32Rによる遊技を主表示部によるものと考えることができることから、本実施形態では補助表示部65と称している。補助表示部65の背面には、上部ランプ63やスピーカ64、補助表示部65を駆動させるための表示制御装置81が設けられている。
前面扉12において、遊技パネル25の下方であって、ストップスイッチ42~44よりも下方には、遊技機の機種名が記載されたり、所定の表示画面を構成する下表示部69が設けられている。なお、下表示部69を液晶表示部として構成してもよく、下表示部69に演出用の操作ボタンを設けてもよく、下表示部69全体を操作可能に構成してもよい。
筐体11の内部においてホッパ装置51の左方には、電源ボックス70が設けられている。電源ボックス70は、その内部に電源装置91を収容するとともに、電源スイッチ71やリセットスイッチ72、設定キー挿入孔73などを備えている。電源スイッチ71は、主制御装置101を始めとする各部に電源を供給するための起動スイッチである。リセットスイッチ72は、スロットマシン10のエラー状態をリセットするためのスイッチである。また、設定キー挿入孔73は、ホール管理者などがメダルの出玉調整を行うためのものである。すなわち、ホール管理者等が設定キーを設定キー挿入孔73へ挿入してON操作することにより、スロットマシン10の当選確率(設定値)を設定できるようになっている。なお、リセットスイッチ72は、エラー状態をリセットする場合の他に、スロットマシン10の当選確率を変更する場合にも操作される。
リールユニット31の上方には、遊技を統括管理する主制御装置101が筐体11に取り付けられている。
主制御装置101には、遊技者にとって有利な遊技状態と、そうではない状態との比率を明示するための役比モニタ77が設けられている。役比モニタ77は、前面扉12を開放状態とすることで遊技機前方から視認可能となり、且つ、前面扉12を閉鎖状態とすることで遊技機前方から視認不可となるように、主制御装置101において遊技機前方を向く側に設置されており、より詳しくは、主制御装置101が収容される基板ボックスを介して役比モニタ77の表示面が視認可能となるように、基板ボックス内に収容されている。ちなみに、前面扉12が閉鎖状態とされている場合、役比モニタ77は表示窓26L~26Rの隙間等のからも視認不可であり、キーシリンダ21に対する所定のキー操作によって施錠状態が解除されて前面扉12を開放状態としない限り、役比モニタ77を確認することが不可となっている。なお、役比モニタ77については、後に詳細に説明する。
次に、本スロットマシン10の電気的構成について、図270及び図271のブロック図に基づいて説明する。
主制御装置101には、演算処理手段であるCPU102を中心とするマイクロコンピュータが搭載されている。CPU102には、電源装置91の他に、所定周波数の矩形波を出力するクロック回路103や、入出力ポート104などが内部バスを介して接続されている。かかる主制御装置101は、スロットマシン10に内蔵されるメイン基盤としての機能を果たすものである。
主制御装置101の入力側には、リールユニット31(より詳しくは各リール32L,32M,32Rが1回転したことを個別に検出するリールインデックスセンサ)、スタートレバー41の操作を検出するスタート検出センサ41a、各ストップスイッチ42~44の操作を個別に検出するストップ検出センサ42a~44a、メダル投入口45から投入されたメダルを検出する投入メダル検出センサ45a、ホッパ装置51から払い出されるメダルを検出する払出検出センサ51a、第1クレジット投入スイッチ56の操作を個別に検出する第1クレジット投入検出センサ56a、第2クレジット投入スイッチ57の操作を個別に検出する第2クレジット投入検出センサ57a、精算スイッチ59の操作を検出する精算検出センサ59a、リセットスイッチ72の操作を検出するリセット検出センサ72a、設定キー挿入孔73に設定キーが挿入されてON操作されたことを検出する設定キー検出センサ73a等の各種センサが接続されており、これら各種センサからの信号は入出力ポート104を介してCPU102へ出力されるようになっている。
また、主制御装置101の入力側には、入出力ポート104を介して電源装置91が接続されている。電源装置91には、主制御装置101を始めとしてスロットマシン10の各電子機器に駆動電力を供給する電源部91aや、停電監視回路91bなどが搭載されている。
停電監視回路91bは電源の遮断状態を監視し、停電時はもとより、電源スイッチ71による電源遮断時に停電信号を生成するためのものである。そのため停電監視回路91bは、電源部91aから出力されるこの例では直流12ボルトの安定化駆動電圧を監視し、この駆動電圧が例えば10ボルト未満まで低下したとき電源が遮断されたものと判断して停電信号が出力されるように構成されている。停電信号はCPU102と入出力ポート104のそれぞれに供給され、CPU102ではこの停電信号を認識することにより後述する停電処理が実行される。また、この停電信号は表示制御装置81にも供給されるように構成されている。
電源部91aは、出力電圧が10ボルト未満まで低下した場合でも、主制御装置101などの制御系において駆動電圧として使用される5ボルトの安定化電圧が出力されるように構成されている。この安定化電圧が出力される時間としては、主制御装置101による停電処理を実行するに十分な時間が確保されている。
主制御装置101の出力側には、リールユニット31(より詳しくは各リール32L,32M,32Rを回転させるためのステッピングモータ)、セレクタ46に設けられたメダル通路切替ソレノイド46a、ホッパ装置51、クレジット表示部60、残払出枚数表示部61、払出枚数表示部62、指示モニタ68、役比モニタ77、表示制御装置81、図示しないホール管理装置などに情報を送信できる外部集中端子板121等が入出力ポート104を介して接続されている。
上述したCPU102には、このCPU102によって実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM105と、このROM105に記憶されている制御プログラムを実行するにあたって各種のデータを一時的に記憶する作業エリアを確保するためのRAM106の他に、図示はしないが周知のように割込み回路を始めとしてタイマ回路、データ送受信回路などスロットマシン10において必要な各種の処理回路や、クレジット枚数をカウントするクレジットカウンタなどの各種カウンタが内蔵されている。ROM105とRAM106によって記憶手段としてのメインメモリが構成され、各種処理を実行するためのプログラムは、制御プログラムの一部として上述したROM105に記憶されている。
RAM106は、スロットマシン10の電源が遮断された後においても電源装置91からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっている。RAM106には、各種のデータを一時的に記憶するためのメモリや、役の抽選結果を記憶するための当選フラグ格納エリア106a、各リール32L,32M,32Rの停止制御を行う場合に用いる停止情報を記憶するための停止情報格納エリア106b、設定値を記憶するための設定値情報格納エリア106c等の他に、バックアップエリアが設けられている。
バックアップエリアは、停電等の発生により電源が遮断された場合において、電源遮断時(電源スイッチ71の操作による電源遮断をも含む。以下同様)のスタックポインタの値を記憶しておくためのエリアであり、停電解消時(電源スイッチ71の操作による電源投入をも含む。以下同様)には、バックアップエリアの情報に基づいてスロットマシン10の状態が電源遮断前の状態に復帰できるようになっている。バックアップエリアへの書き込みは停電処理(図272参照)によって電源遮断時に実行され、バックアップエリアに書き込まれた各値の復帰は電源投入時のメイン処理において実行される。
また、CPU102のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路91bからの停電信号が入力されるように構成されている。そして、電源遮断時には、停電フラグ生成処理としてのNMI割込み処理が即座に実行されるようになっている。
図271に示すように、表示制御装置81は、演算処理手段であるCPU181を中心とするマイクロコンピュータが搭載されている。CPU181には、このCPU181によって実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM182と、このROM182内に記憶されている制御プログラムを実行するに当たって各種のデータを一時的に記憶する作業エリアを確保するためのRAM183などが内蔵されている。
表示制御装置81には、図示しない入出力ポートが設けられており、入力側に主制御装置101が接続されており、出力側にストップランプ42b~44b、上部ランプ63、スピーカ64、及び補助表示部65が接続されている。そして、主制御装置101から入力する各種コマンドに基づいてストップランプ42b~44b、上部ランプ63、スピーカ64、及び補助表示部65を駆動制御する。つまり、表示制御装置81は、遊技を統括管理するメイン基盤たる主制御装置101との関係では補助的な制御を実行するサブ基盤となっている。即ち、間接的な遊技に関する音声やランプ、表示についてはサブ基盤を設けることにより、メイン基盤の負担軽減を図っている。
表示制御装置81の入力側には、演出スイッチ66(より詳しくは当該演出スイッチ66の操作を検出する演出スイッチ検出センサ)等が接続されている。なお、各種表示部60~62、68も表示制御装置81が駆動制御する構成としてもよい。
また、表示制御装置81に接続されている各構成42b~44b,63~65の全てまたは一部を主制御装置101に直接する構成としたうえで、主制御装置101がこれら各構成42b~44b,63~65の全て又は一部を直接制御する構成としてもよい。
続いて、主制御装置101のCPU102により実行される各制御処理について説明する。かかるCPU102の処理としては、大別して、電源投入に伴い起動されるメイン処理と、定期的に(本実施の形態では1.49msec周期で)起動されるタイマ割込み処理と、NMI端子への停電信号の入力に伴い起動されるNMI割込み処理とがある。以下では、これら各処理のうち遊技の進行に関わる処理、すなわちタイマ割込み処理と、メイン処理にて行われる通常処理とを説明する。
図272は、主制御装置101で定期的に実行されるタイマ割込み処理のフローチャートであり、主制御装置101のCPU102により例えば1.49msec毎にタイマ割込みが発生する。
先ず、ステップSd101に示すレジスタ退避処理では、後述する通常処理で使用しているCPU102内の全レジスタの値をRAM106のバックアップエリアに退避させる。ステップSd102では停電フラグがセットされているか否かを確認し、停電フラグがセットされているときにはステップSd103に進み、停電処理を実行する。
ここで、停電処理について概略を説明する。
停電の発生等によって電源が遮断されると、電源装置91の停電監視回路91bから停電信号が出力され、当該停電信号がNMI端子を介して主制御装置101に入力される。主制御装置101は、停電信号が入力された場合、即座にNMI割込み処理を実行し、停電フラグをRAM106に設けられた停電フラグ格納エリアにセットする。
停電処理では、先ずコマンドの送信が終了しているか否かを判定し、送信が終了していない場合には本処理を終了してタイマ割込み処理に復帰し、コマンドの送信を終了させる。コマンドの送信が終了している場合には、CPU102のスタックポインタの値をRAM106のバックアップエリアに保存する。その後、入出力ポート104における出力ポートの出力状態をクリアし、図示しない全てのアクチュエータをオフ状態にする。そして、停電解消時にRAM106のデータが正常か否かを判定するためのRAM判定値を算出してバックアップエリアに保存することにより、それ以後のRAMアクセスを禁止する。以上の処理を行った後は、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるのに備え、無限ループに入る。なお、例えばノイズ等に起因して停電フラグが誤ってセットされる場合を考慮し、無限ループに入るまでは停電信号が出力されているか否かを確認する。停電信号が出力されていなければ停電状態から復旧したこととなるため、RAM106への書き込みを許可するとともに停電フラグをリセットし、タイマ割込み処理に復帰する。停電信号の出力が継続してなされていれば、そのまま無限ループに入る。ちなみに、無限ループ下においても停電信号が出力されているか否かを確認しており、停電信号が出力されなくなった場合にはメイン処理に移行する。
タイマ割込み処理の説明に戻り、ステップSd102にて停電フラグがセットされていない場合には、ステップSd104以降の各種処理を行う。
すなわち、ステップSd104では、誤動作の発生を監視するためのウオッチドッグタイマの値を初期化するウオッチドッグタイマのクリア処理を行う。ステップSd105では、CPU102自身に対して次回のタイマ割込みを設定可能とする割込み終了宣言処理を行う。ステップSd106では、各リール32L,32M,32Rを回転させるために、それぞれの回胴駆動モータであるステッピングモータを駆動させるステッピングモータ制御処理を行う。ステップSd107では、入出力ポート104に接続されたストップ検出センサ42a~44a,投入メダル検出センサ45a,払出検出センサ51a等の各種センサ(図270参照)の状態を読み込むとともに、読み込み結果が正常か否かを監視するセンサ監視処理を行う。ステップSd108では、各カウンタやタイマの値を減算・加算するタイマ更新処理を行う。ステップSd109では、メダルのベット数や、払出枚数をカウントした結果を外部集中端子板121へ出力するカウンタ処理を行う。
ステップSd110では、後述する抽選結果コマンド等の各種コマンドを表示制御装置81へ送信するコマンド出力処理を行う。ステップSd111では、クレジット表示部60、残払出枚数表示部61、払出枚数表示部62及び指示モニタ68にそれぞれ表示されるセグメントデータを設定するセグメントデータ設定処理を行う。ステップSd112では、セグメントデータ設定処理で設定されたセグメントデータを各表示部60~62,68に供給して該当する数字、記号などを表示するセグメントデータ表示処理を行う。ステップSd113では、入出力ポート104からI/O装置に対応するデータを出力するポート出力処理を行う。ステップSd114では、先のステップSd101にてバックアップエリアに退避させた各レジスタの値をそれぞれCPU102内の対応するレジスタに復帰させる。その後ステップSd115にて次回のタイマ割込みを許可する割込み許可処理を行い、この一連のタイマ割込み処理を終了する。
次に、遊技に関わる主要な制御を行う通常処理について図273のフローチャートに基づき説明する。
先ずステップSd201では、次回のタイマ割込みを許可する割込み許可処理を行う。ステップSd202では、遊技を可能とするための開始前処理を行う。開始前処理では、表示制御装置81等が初期化を終了するまで待機する。表示制御装置81等の初期化が終了した場合には、ステップSd203~ステップSd212に示す遊技管理処理を行う。
遊技管理処理として、ステップSd203では、RAM106に格納された各種遊技情報等のデータ(例えば前回の遊技で用いた乱数値等)をクリアする。その後、ステップSd204では開始待ち処理を行う。
開始待ち処理では、前回の遊技でいずれかの再遊技入賞が成立したか否かを判定する。いずれかの再遊技入賞が成立していた場合には、前回のベット数と同数の仮想メダルを自動投入する自動投入処理を行い、開始待ち処理を終了する。具体的には、例えば、3ベットゲームにて再遊技入賞が成立した場合には3枚の仮想メダルを自動投入する処理を行い、2ベットゲームにて再遊技入賞が成立した場合には2枚の仮想メダルを自動投入する処理を行う。
なお、自動投入処理では、クレジット表示部60に表示された仮想メダル数を減じることなく仮想メダルの投入を行う。つまり、前回の遊技でいずれかの再遊技入賞が成立した場合には、遊技者は所有するメダルを減らすことなく且つメダルを投入することなく今回の遊技を行うことができる。いずれの再遊技入賞も成立していなかった場合には、タイマ割込み処理のセンサ監視処理(ステップSd107)にてなされたセンサの読み込み結果に異常が発生していないかを確認するセンサ異常確認処理を行い、異常が発生している場合にはスロットマシン10をエラー状態とするとともにエラーの発生を報知する異常発生時処理を行う。かかるエラー状態は、リセットスイッチ72が操作されるまで維持される。センサの読み込み結果が正常である場合には精算スイッチ59が操作されたか否かを判定し、精算スイッチ59が操作された場合には、クレジットされた仮想メダルと同数のメダルを払い出すメダル返却処理を行う。
メダル返却処理の終了後又は精算スイッチ59が操作されていない場合には、前回の開始待ち処理から今回の開始待ち処理までの間にメダルの投入又はクレジット投入スイッチ56,57の操作がなされたか否かを判定し、いずれかが行われた場合には、ベット数の変更等を行うメダル投入処理を行い、開始待ち処理を終了する。また、前回の開始待ち処理から今回の開始待ち処理までの間にメダルの投入とクレジット投入スイッチ56,57の操作のいずれもなされていない場合には、そのまま開始待ち処理を終了する。
開始待ち処理の終了後、ステップSd205ではメダルのベット数が規定枚数に達しているか否かを判定する。本スロットマシン10では、ボーナス状態(BB状態)における規定枚数として「3」が設定されており、ボーナス状態以外の遊技状態における規定枚数として「2」及び「3」が設定されている。つまり、ボーナス状態においては、ベット数が「3」となっていることを条件にステップSd205にて肯定判定し、ボーナス状態以外ではベット数が「2」又は「3」となっていることを条件にステップSd205にて肯定判定する。言い換えると、ボーナス状態以外の遊技状態において、メダルがベットされていない場合、又は、ベットされていてもベット数が「1」である場合にはステップSd205にて否定判定する。ベット数が規定枚数に達していない場合には、ステップSd204の開始待ち処理に戻り、当該処理のうちセンサ異常確認処理以降の処理を行う。
ベット数が規定枚数に達している場合には、ステップSd205にて肯定判定することとなったベット数の情報を含むベットコマンドを、ステップSd206にてサブ側の制御装置としての表示制御装置81への出力対象としてセットする。ここでセットされたコマンドは、タイマ割込み処理におけるステップSd110にて表示制御装置81へ出力される。ベットコマンドを受信した表示制御装置81では、ベット操作に基づく報知(例えば、遊技開始条件が成立したことの報知や、以前のゲームでの抽選結果の報知)のための処理を実行し、スピーカ64や補助表示部65の制御を行う。
ステップSd206の処理を実行した後は、ステップSd207にてスタートレバー41が操作されたか否かを判定する。スタートレバー41が操作されていない場合には、ステップSd204の開始待ち処理に戻り、当該処理のうちセンサ異常確認処理以降の処理を行う。
一方、スタートレバー41が操作された場合には、規定枚数のメダルがベットされている状況下でスタートレバー41が操作されると遊技を開始できる構成となっているため、遊技を開始させるべく開始指令が発生したことを意味する。かかる場合には、ステップSd208にてベット数と対応する組合せラインを有効ラインと設定する有効ライン設定処理を行う。すなわち、折れ曲がりラインL6のみを有効ラインと設定する。ステップSd209では、メダル通路切替ソレノイド46aを非励磁状態に切り替えてベット受付を禁止する。その後、ステップSd210の抽選処理、ステップSd211のリール制御処理、ステップSd212のメダル払出処理を順に実行し、ステップSd203に戻る。
次に、ステップSd210の抽選処理について、図274のフローチャートに基づき説明する。
ステップSd301では、役の当否判定を行う際に用いる乱数を取得する。本スロットマシン10では、スタートレバー41が操作されると、ハード回路がその時点におけるフリーランカウンタの値をラッチする構成となっている。フリーランカウンタは0~65535の乱数を生成しており、CPU102は、スタートレバー41の操作を確認した後、ハード回路がラッチした値をRAM106に格納する。かかる構成とすることにより、スタートレバー41が操作されたタイミングで速やかに乱数を取得することが可能となり、同期等の問題が発生することを回避することが可能となる。本スロットマシン10のハード回路は、スタートレバー41が操作される毎にその都度のフリーランカウンタの値をラッチする構成となっている。
乱数を取得した後、ステップSd302では、役の当否判定を行うための抽選テーブルを選択する。本スロットマシン10では、遊技状態として、大別して通常遊技状態及びボーナス状態を有しており、抽選テーブルは、各遊技状態用にそれぞれ設定されている。そして、通常遊技状態においては、上記のようにベットの規定枚数が「3」と「2」が設定されていることから、通常遊技状態用の抽選テーブルは、3ベットゲームでの抽選テーブルと、2ベットゲームでの抽選テーブルとが設定されている。
すなわち、ステップSd302では、ベット数と遊技状態と対応した抽選テーブルを選択する。例えば、ベット数が「3」であって、いずれかのボーナス状態フラグがセットされていない場合には、現在の遊技状態が通常遊技状態であると判別し、通常遊技状態用抽選テーブルを選択する。そして、今回のゲームが3ベットゲームである場合には、3ベットゲーム用の通常遊技状態用抽選テーブル(図275)を選択し、今回のゲームが2ベットゲームである場合には、2ベットゲーム用の通常遊技状態用抽選テーブル(図276)を選択する。また、本スロットマシン10では、「設定1」から「設定6」まで6段階の当選確率が予め用意されており、設定キー挿入孔に設定キーを挿入してON操作するとともに所定の操作を行うことにより、いずれの当選確率に基づいて内部処理を実行させるのかを設定することができる。ステップSd302では、設定状態が「設定1」のときにメダル払出の期待値が最も低い抽選テーブルを選択し、「設定6」のときにメダル払出の期待値が最も高い抽選テーブルを選択する。
ここで、当選確率の設定に関する処理について補足説明する。
当選確率の設定処理は、電源投入時に主制御装置101にて起動されるメイン処理にて実行される。より詳しくは、当選確率の設定処理は、設定キー挿入孔に設定キーが挿入されてON操作されていることを設定キー検出センサ73aにて検出している状態で、電源投入された場合に、RAM106の初期化処理の後に起動される。当選確率の設定処理では、所定の操作として、スタートレバー41の操作毎に設定値を1ずつ更新し、例えば、スタートレバー41が1回操作される度に、「設定1」→「設定2」→「設定3」→「設定4」→「設定5」→「設定6」→「設定1」となるように設定値を更新する。なお、各設定値は、例えばクレジット表示部60にて表示され、上記設定値の更新毎にその表示も更新される。そして、設定キー検出センサ73aがOFF操作された状態でスタートレバー41が操作されたことを設定値の確定操作とし、その時点での設定値を今回の設定値として、当選確率の設定処理を終了する。当選確率の設定処理の終了に基づいて、クレジット表示部60の表示も終了する。当選確率の設定処理で設定された設定値は、次の当選確率の設定処理が起動されるまで、RAM106に記憶保持される。ステップSd302では、この記憶されている設定値に基づいて、抽選テーブルを選択する処理を行うこととなる。
抽選テーブルについて、簡単に説明する。図275は、3ベットゲームにおいて通常遊技状態で選択される通常遊技状態用抽選テーブルである。また、図276は、2ベットゲームにおいて通常遊技状態で選択される通常遊技状態用抽選テーブルである。抽選テーブルには、インデックス値IVが設定されており、各インデックス値IVには、当選となる役がそれぞれ一義的に対応付けられるとともにポイント値PVが設定されている。
抽選テーブルを選択した後、ステップSd303ではインデックス値IVを1とし、続くステップSd304では役の当否を判定する際に用いる判定値DVを設定する。かかる判定値設定処理では、現在の判定値DVに、現在のインデックス値IVと対応するポイント値PVを加算して新たな判定値DVを設定する。なお、初回の判定値設定処理では、ステップSd301にて取得した乱数値を現在の判定値DVとし、この乱数値に現在のインデックス値IVである1と対応するポイント値PVを加算して新たな判定値DVとする。
その後、ステップSd305ではインデックス値IVと対応する役の当否判定を行う。役の当否判定では判定値DVが65535を超えたか否かを判定する。65535を超えた場合には、ステップSd306にて、ステップSd305にて肯定判定したインデックス値IVに応じた遊技結果の当選フラグを、当選フラグ格納エリア106aにセットする処理を実行する。例えば、IV=23のときに判定値DVが65535を超えた場合、ステップSd306にて第7小役当選フラグ及び第8小役当選フラグをセットする。また、IV=25のときに判定値DVが65535を超えた場合、ステップSd306にて第1BB当選フラグをセットし、IV=26のときに判定値DVが65535を超えた場合、ステップSd306にて第2BB当選フラグをセットする。
ちなみに、セットされた当選フラグが第1BBに当選したことを示す当選フラグ(第1BB当選フラグ)又は第2BBに当選したことを示す当選フラグ(第2BB当選フラグ)でない場合、当選フラグ格納エリア106aにセットされた当選フラグは該当選フラグがセットされたゲームの終了後にリセットされる(通常処理のSd203参照)。一方、当選フラグが第1BB当選フラグ又は第2BB当選フラグである場合、これら当選フラグは対応する入賞が成立したことを条件の1つとしてリセットされる。すなわち、第1BB当選フラグ及び第2BB当選フラグは、複数回のゲームに亘って有効とされる場合がある。
なお、第1BB当選フラグ又は第2BB当選フラグを持ち越した状態におけるステップSd306では、第1BB,第2BB以外の役に当選していれば対応する当選フラグをセットし、第1BB,第2BB以外の役に当選していなければ対応する当選フラグをセットしない。
すなわち、例えば、第1BB当選フラグが持ち越された状態で、例えば、インデックス値IV=25のときに判定値DVが65535を超えた場合、第1BB当選フラグはセットしない。また、第1BB当選フラグが持ち越された状態で、例えば、インデックス値IV=11のときに判定値DVが65535を超えた場合、第1小役当選フラグ、第9小役当選フラグ、第10小役当選フラグ及び第13小役当選フラグをセットする。
なお、第1BB当選フラグ又は第2BB当選フラグを持ち越した状態における抽選テーブルを別途用意しておき、第1BB当選フラグ又は第2BB当選フラグを持ち越した状態では、当該別途用意した抽選テーブルにて抽選処理を行う構成としてもよい。この場合、当該別途用意した抽選テーブルにおいては、第1BB,第2BBに当選しないように各インデックス値IVやポイント値PV値を設定するとよい。
ステップSd305にて判定値DVが65535を超えなかった場合には、インデックス値IVと対応する役に外れたことを意味する。かかる場合にはステップSd307にてインデックス値IVを1加算し、続くステップSd308ではインデックス値IVと対応する役があるか否か、すなわち当否判定すべき判定対象があるか否かを判定する。具体的には、1加算されたインデックス値IVが抽選テーブルに設定されたインデックス値IVの最大値を超えたか否かを判定する。当否判定すべき判定対象がある場合にはステップSd304に戻り、役の当否判定を継続する。このとき、ステップSd304では、先の役の当否判定に用いた判定値DV(すなわち現在の判定値DV)に現在のインデックス値IVと対応するポイント値PVを加算して新たな判定値DVとし、ステップSd305では、当該判定値DVに基づいて役の当否判定を行う。
ちなみに、図275に示した抽選テーブルを用いて役の当否判定を行う場合、すなわち、通常遊技状態において3ベットゲームで遊技を行った場合、通常リプAに当選となる確率(IV=1の際に当選となる確率)は、設定1では約27.3分の1であり、設定3では約27.5分の1であり、設定6では約28.3分の1であり、設定値が高くなるほど当選しにくくなるように設定されている。通常リプBに当選となる確率(IV=2の際に当選となる確率)及び通常リプCに当選となる確率(IV=3の際に当選となる確率)は、いずれも設定値に関わらず約26.2分の1である。チャンス目Aに当選となる確率(IV=4の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約164分の1であり、チャンス目Bに当選となる確率(IV=5の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約262分の1であり、チャンス目Cに当選となる確率(IV=6の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約16400分の1であり、チャンス目Cよりもチャンス目Bの方が当選し易く、チャンス目Bよりもチャンス目Aの方が当選し易くなるように設定されている。チェリーAに当選となる確率(IV=7の際に当選となる確率)は、設定1では約107分の1であり、設定3では約104分の1であり、設定6では約93.6分の1であり、設定値が高くなるほど当選し易くなるように設定されている。チェリーBに当選となる確率(IV=8の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約215分の1であり、チェリーCに当選となる確率(IV=9の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約13100分の1であり、チェリーCよりもチェリーBの方が当選し易く、チェリーBよりもチェリーAの方が当選し易くなるように設定されている。共通ベルに当選となる確率(IV=10の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約504分の1である。順押しベル1、順押しベル2、挟み押しベル1、挟み押しベル2、中順押しベル1、中順押しベル2、中逆押しベル1、中逆押しベル2、逆挟みベル1、逆挟みベル2、逆押しベル1、逆押しベル2(以下では、これらをまとめて押し順ベルと称する)に当選となる確率(IV=11~22の際に当選となる確率)は、設定値に関わらずそれぞれ約18.4分の1であり、押し順ベルに当選となる確率をまとめると約1.56分の1である。スイカに当選となる確率(IV=23の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約107分の1である。第1BBに当選となる確率(IV=25の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約6.22分の1であり、他の役(再遊技や小役、IV=1~24)の当選確率よりも高く設定されている。3ベットゲームにおいては重複1枚役(IV=24)や第2BB(IV=26)には当選しないように設定されている(対応するポイント値PVに0が設定されている)。
その他、通常遊技状態において3ベットゲームで遊技を行った場合、第1小役~第6小役及び第33小役のいずれかの入賞が可能となる特殊役(IV=27)が設定されている。特殊役に当選となる確率(IV=27の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約20分の1である。特殊役については、後に詳細に説明する。
3ベットゲームにおいて、第1BBを含めていずれの役にも当選しない確率は0となっている。そして、第1BBに当選している状況では、3ベットゲームにおいていずれの役にも当選しない確率は、設定値に関わらず約6.22分の1(第1BBの分)である。
これに対して、図276に示した抽選テーブルを用いて役の当否判定を行う場合、すなわち、通常遊技状態において2ベットゲームで遊技を行った場合、通常リプA、通常リプB、通常リプC、チャンス目A、チャンス目B、チャンス目C、チェリーA、チェリーB、チェリーCに当選となる確率(IV=1~9の際に当選となる確率)は、上記3ベットゲームで遊技を行った場合の確率と同じ確率である。共通ベルに当選となる確率(IV=10の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約9.64分の1であり、3ベットゲームで遊技を行った場合よりも当選し易くなるように設定されている。押し順ベル(IV=11~22)は、2ベットゲームでは当選しないように設定されている。スイカに当選となる確率(IV=23の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約257の1であり、3ベットゲームで遊技を行った場合よりも当選しにくくなるように設定されている。2ベットゲームにおいては重複1枚役(IV=24)に当選し得るように設定されており、その確率は設定値に関わらず約1.81分の1である。また、2ベットゲームでは第1BB(IV=25)には当選しないように設定されている一方、第2BB(IV=26)に当選し得るように設定されており、その確率は設定値に関わらず約4.95分の1である。2ベットゲームにおいても、第2BBを含めていずれの役にも当選しない確率は0となっている。そして、第2BBに当選している状況では、2ベットゲームにおいていずれの役にも当選しない確率は、設定値に関わらず約4.95分の1(第2BBの分)である。
ステップSd306にて当選フラグをセットした後、又はステップSd308にて当否判定すべき判定対象がないと判定した場合には、役の当否判定が終了したことを意味する。かかる場合には、ステップSd309に進み、ストップスイッチ42~44の操作を所定期間無効とするフリーズ演出を実行するか否かを決定すべくフリーズ抽選処理を行う。
続くステップSd310では、抽選結果対応処理を行う。抽選結果対応処理では、ステップSd301~ステップSd308の抽選の結果に応じて遊技状態を移行させるか否かの処理や、押し順役の報知用の処理等を行う。当該抽選結果対応処理については、後に詳細に説明する。
ステップSd310の処理を実行した後は、ステップSd311にて抽選結果コマンドをセットするための抽選結果コマンド設定処理を実行する。抽選結果コマンド設定処理の詳細については、後に詳細に説明するが、抽選結果コマンドとは、役の当否判定の結果を把握させるべく表示制御装置81に対して送信されるコマンドである。但し、通常処理では、上記抽選結果コマンド等の各種コマンドをリングバッファにセットするのみであって、表示制御装置81に対してコマンドを送信しない。表示制御装置81へのコマンド送信は、先述したタイマ割込み処理のコマンド出力処理(ステップSd110)にて行われる。
そして、ステップSd312では、今回のゲームの抽選結果に基づいて各リール32L,32M,32Rに停止可能な図柄を設定する停止情報設定処理を実行する。停止情報設定処理では、ステップSd306にてセットされる当選フラグに基づいて、入賞可能な役に応じた停止図柄情報を設定する。例えば、押し順ベル1に当選(IV=11の際に当選)となり、第1小役当選フラグ、第9小役当選フラグ、第10小役当選フラグ及び第13小役当選フラグがセットされた場合、第1小役、第9小役、第10小役及び第13小役入賞に対応する図柄が各リール32L,32M,32Rに停止可能となるように停止図柄情報を設定する。また、スイカに当選(IV=23の際に当選)となり、第7小役当選フラグ及び第8小役当選フラグがセットされた場合、第7小役入賞及び第8小役入賞に対応する図柄が各リール32L,32M,32Rに停止可能となるように停止図柄情報を設定する。更に、停止情報設定処理では、特殊役に当選(IV=27の際に当選)となり、第1小役当選フラグ~第6小役当選フラグ及び第33小役当選フラグがセットされた場合、第1小役~第6小役及び第33小役入賞に対応する図柄が各リール32L,32M,32Rに停止可能となるように停止図柄情報を設定する。
本スロットマシン10においては、第1BBは3ベットゲームでおいてのみ入賞が成立し得るように設定されており、第2BBは2ベットゲームにおいてのみ入賞が成立し得るように設定されている。そのため、第1BB当選フラグがセットされている場合であっても、2ベットゲームでゲームが開始された場合には、ステップSd312の停止情報設定処理では、第1BB入賞を成立させる停止図柄情報の設定を行わない(第1BB入賞を回避する停止図柄情報の設定が行われる)。また、第2BB当選フラグがセットされている場合であっても、3ベットゲームでゲームが開始された場合には、ステップSd312の停止情報設定処理では、第2BB入賞を成立させる停止図柄情報の設定を行わない(第2BB入賞を回避する停止図柄情報の設定が行われる)。
続くステップSd313では、ステップSd312にて複数の停止可能な図柄情報が設定された場合に、その優先順位を設定する優先設定処理を実行する。例えば、小役,再遊技,ボーナスの各役種のうち複数の役種に当選している場合、以下に示す優先順位を設定する。小役とボーナスに当選している場合には、小役入賞が優先して成立するように、小役入賞を成立させることができない場合にボーナス入賞が成立するようにして、優先順位を設定する。再遊技とボーナスに当選している場合には、再遊技入賞が優先して成立するようにして優先順位を設定する。
例えば、第1BBに当選している状況(第1BB当選フラグがセットされており、第1BB当選が持ち越されている状況)で、更にスイカに当選し、第1BB入賞と、第7小役入賞及び第8小役入賞とに対応する停止図柄情報の設定が行われている場合、第1BB入賞よりも第7小役入賞、第8小役入賞が優先して成立するように優先順位を設定する。また、第2BBに当選している状況(第2BB当選フラグがセットされており、第2BB当選が持ち越されている状況)で、更に通常リプAに当選し、第2BB入賞と、第1再遊技、第2再遊技、第3再遊技及び第4再遊技入賞とに対応する停止図柄情報の設定が行われている場合、第2BB入賞よりも各再遊技入賞が優先して成立するように優先順位を設定する。
ここで、再遊技に当選している場合、当選している再遊技のうちのいずれかの再遊技が必ず入賞するように、入賞となる図柄の組合せが設定されている。つまり、再遊技に当選している場合には再遊技入賞が必ず成立し、取りこぼしは発生しない。そのため、再遊技とボーナスとの停止図柄情報の設定が行われている場合、設定されている再遊技のいずれかの再遊技入賞が必ず成立し、ボーナス入賞が成立することがない。
更に、ステップSd313の優先設定処理では、特殊役に当選しており、第1小役入賞~第6小役入賞及び第33小役入賞に対応する停止図柄情報の設定が行われている場合、ストップスイッチ42~44が第1操作態様にて操作された場合には第33小役入賞が優先して成立し、第2操作態様にて操作された場合には第1小役入賞~第6小役入賞が優先して成立するように優先順位を設定する。
ステップSd313の処理を実行した後は、ステップSd314にて区間表示第1処理を実行してから、抽選処理を終了する。区間表示第1処理は、指示モニタ68や役比モニタ77の表示制御に関する処理であり、かかる処理については後に詳細に説明する。
次に、ステップSd211のリール制御処理について、図277のフローチャートに基づき説明する。
リール制御処理では、先ずステップSd401にて、回転演出処理を行う。回転演出処理は、上記ステップSd309にて行ったフリーズ抽選処理の結果や、ステップSd310にて行った抽選結果対応処理の結果等に基づいて、無効期間中のリール制御を用いた演出を行うための処理である。続くステップSd402では、各リール32L,32M,32Rの回転を開始させる回転開始処理を行う。
回転開始処理では、前回の遊技でリールが回転を開始した時点から予め定めたウエイト時間(例えば4.1秒)が経過したか否かを確認し、経過していない場合にはウエイト時間が経過するまで待機する。ウエイト時間が経過した場合には、次回の遊技のためのウエイト時間を再設定するとともに、RAM106に設けられたモータ制御格納エリアに回転開始情報をセットするモータ制御初期化処理を行う。かかる処理を行うことにより、タイマ割込み処理のステッピングモータ制御処理(ステップSd106)にてステッピングモータの加速処理が開始され、各リール32L,32M,32Rが回転を開始する。このため、遊技者が規定枚数のメダルをベットしてスタートレバー41を操作したとしても、直ちに各リール32L,32M,32Rが回転を開始しない場合がある。その後、各リール32L,32M,32Rが所定の回転速度で定速回転するまで待機し、回転開始処理を終了する。また、CPU102は、各リール32L,32M,32Rの回転速度が定速となると、表示制御装置81にその旨の進行(コマンド)を出力し、表示制御装置81側のCPU181は、各ストップスイッチ42~44に内蔵されているストップランプ42b~44bを点灯表示することにより、停止指令を発生させることが可能となったことを遊技者等に報知する。
回転開始処理に続き、ステップSd403では、ストップスイッチ42~44のいずれかが操作されたか否かを判定する。いずれのストップスイッチ42~44も操作されていない場合には、ストップスイッチ42~44のいずれかが操作されるまで待機する。ストップスイッチ42~44のいずれかが操作されたと判定した場合には、ステップSd404に進み、回転中のリールと対応するストップスイッチが操作されたか否か、すなわち停止指令が発生したか否かを判定する。停止指令が発生していない場合には、ステップSd403に戻り、ストップスイッチ42~44のいずれかが操作されるまで待機する。停止指令が発生した場合には、ステップSd405にて停止指令コマンドをセットする。ここで、停止指令コマンドとは、いずれのストップスイッチが操作されて停止指令が発生したのかを把握させるべく表示制御装置81に対して送信されるコマンドである。停止指令コマンドをセットした場合には、回転中のリールを停止させるべくステップSd406~ステップSd412に示す停止制御処理を行う。停止指令コマンドを受信した表示制御装置81は、対応するリールを停止させることの演出を補助表示部65やスピーカ64にて行うように制御するとともに、今回操作されたストップスイッチ42~44に対応するストップランプ42b~44bを消灯するように制御する。
ステップSd406では、ストップスイッチの操作されたタイミングで基点位置(本実施形態では下段)に到達している到達図柄の図柄番号を確認する。具体的には、リールインデックスセンサの検出信号が入力された時点から出力した励磁パルス数により、基点位置に到達している到達図柄の図柄番号を確認する。続くステップSd407では、停止情報格納エリア106bに格納されている停止情報に基づいて、今回停止させるべきリールのスベリ数を算出する。本スロットマシン10では、各リール32L,32M,32Rを停止させる停止態様として、ストップスイッチ42~44が操作された場合に、基点位置に到達している到達図柄をそのまま停止させる停止態様と、対応するリールを1図柄分滑らせた後に停止させる停止態様と、2図柄分滑らせた後に停止させる停止態様と、3図柄分滑らせた後に停止させる停止態様と、4図柄分滑らせた後に停止させる停止態様との5パターンの停止態様が用意されている。そこでステップSd407では、停止情報格納エリア106bに格納されている停止情報に基づいて、スベリ数として0~4のいずれかの値を算出する。その後、ステップSd408では、算出したスベリ数を到達図柄の図柄番号に加算し、基点位置に実際に停止させる停止図柄の図柄番号を決定する。ステップSd409では今回停止させるべきリールの到達図柄の図柄番号と停止図柄の図柄番号が等しくなったか否かを判定し、等しくなった場合にはステップSd410にてリールの回転を停止させるリール停止処理を行う。その後、ステップSd411では、全リール32L,32M,32Rが停止したか否かを判定する。全リール32L,32M,32Rが停止していない場合には、ステップSd412にて停止情報第2設定処理を行い、ステップSd403に戻る。
ここで、停止情報第2設定処理とは、RAM106の停止情報格納エリア106bに格納された停止情報を、リールの停止後に変更する処理である。停止情報第2設定処理では、セットされている当選フラグと、停止しているリールの停止出目と、に基づいて停止情報を変更する。本スロットマシン10では、例えばIV=11~22の際に当選となった場合、すなわち押し順ベルに当選となった場合(図275、図276参照)に、停止指令を発生させたストップスイッチ42~44の操作順序によって成立する入賞態様を変化させるべく停止情報第2設定処理を行う。
図278は、当選役と、ストップスイッチ42~44の操作順序と成立する入賞態様との対応関係を示す説明図である。例えば、中順押しベル1に当選している場合には、各ストップスイッチ42~44が左→中→右、左→右→中、中→右→左、右→左→中、又は右→中→左の順で操作された場合には第17小役入賞、第18小役入賞又は第21小役入賞が成立するように停止情報を設定し、中→左→右の順で操作された場合には第3小役入賞が成立するように停止情報を設定する。但し、このように停止情報を設定した場合であっても、ストップスイッチ42~44の操作タイミングによっては対応する入賞が成立しない場合がある。
各リール32L,32M,32Rの図柄配列について簡単に説明する。本スロットマシン10では、リール32L,32M,32Rをストップスイッチ42~44の操作されたタイミングから最大4図柄分滑らせた後に停止させることができる。このため、各リール32L,32M,32Rに同種図柄同士の間隔が4図柄以下で配置されている場合には、ストップスイッチ42~44の操作タイミングに関わらず当選図柄となった際に当該当選図柄を有効ライン上に停止させることができる。一方、5図柄以上離れた区間が形成されるようにして配置されている図柄に関しては、有効ライン上に停止させる場合に遊技者が図柄を狙ってストップスイッチ42~44を操作する必要がある。
中順押しベル1に当選となり、各ストップスイッチ42~44が左→中→右の順で操作された場合を例として説明する。かかる場合には、上記のとおり、第17小役入賞、第18小役入賞又は第21小役入賞を成立させるべく各リール32L,32M,32Rの停止制御を行う。
左リール32Lにおける第17小役図柄は、「赤7」図柄及び「BAR」図柄である。また、左リール32Lにおける第18小役図柄は、「赤貝」図柄及び「白貝」図柄である。そして、左リール32Lにおける第21小役図柄は、「リプレイ」図柄及び「青年」図柄である。左リール32Lには、これら第17小役図柄、第18小役図柄及び第21小役図柄が、図柄同士の間隔が4図柄以下となるように配置されている。そのため、左ストップスイッチ42が最初に操作された場合には、その操作タイミングに関わらず、有効ライン(中段)に第17小役図柄、第18小役図柄及び第21小役図柄のいずれかが停止する。本スロットマシン10では、複数の対象図柄を停止可能なタイミングで操作された場合には、スベリコマ数が少ない図柄を有効ラインに停止させるように停止制御が行われる。すなわち、例えば、左リール32Lの1番目の「ベル」図柄が下段に到達したタイミングで左ストップスイッチ42の操作が行われた場合、第18小役図柄である4番目の「赤貝」図柄(2コマスベリ)、及び、第21小役図柄である5番目の「リプレイ」図柄(3コマスベリ)を中段に停止させることが可能であるところ、最もスベリコマ数の少ない4番目の「赤貝」図柄が中段に停止するように左リール32Lの停止制御が行われる。この場合、第18小役入賞が成立する余地は残るものの、第17小役入賞及び第21小役入賞は成立しないこととなる。
左リール32Lの第18小役図柄が中段に停止した場合、停止情報第2設定処理では、第18小役入賞が成立し得るように停止情報を変更する。
中リール32Mにおける第18小役図柄は、「リプレイ」図柄である。左リール32Lには、「リプレイ」図柄同士の間隔が4図柄以下となるように「リプレイ」図柄が配置されている。そのため、この場合には、中ストップスイッチ43の操作タイミングに関わらず、中リール32Mの上段に「リプレイ」図柄が停止するように停止制御が行われる。
右リール32Rにおける第18小役図柄は、「白貝」図柄及び「青年」図柄である。右リール32Rには、「白貝」図柄及び「青年」図柄同士の間隔が5図柄以上となるようにこれらの図柄が配置されている。つまり、右ストップスイッチ44の操作タイミングによって、第18小役図柄である「白貝」図柄又は「青年」図柄を上段に停止させることができる場合と、上段に停止させることができない場合と、がある。上段に停止させることが可能なタイミングで右ストップスイッチ44の操作が行われると第18小役入賞が成立し、上段に停止させることができないタイミングで右ストップスイッチ44の操作が行われると所謂取りこぼしとなる。
ここで、左リール32Lの中段に「赤貝」図柄が停止し、中リール32Mの上段に「リプレイ」図柄が停止する場合とは、上記のように中順押しベル1に当選して第18小役入賞が成立する可能性がある場合のほか、中順押しベル2に当選して第20小役入賞が成立する可能性がある場合もある。すなわち、中順押しベル2における第20小役図柄は、左リール32Lと中リール32Mとが第18小役図柄と共通している。そして、右リール32Rにおいて、第18小役図柄が「白貝」図柄及び「青年」図柄であるのに対して、第20小役図柄が「赤7」図柄及び「白7」図柄であり異なっている。特に、右リール32Rにおいて、第18小役図柄と第20小役図柄とは、第18小役図柄を有効ラインに停止させることが可能なタイミングで右ストップスイッチ44を操作すると第20小役図柄を有効ラインに停止させることができず、第20小役図柄を有効ラインに停止させることが可能なタイミングで右ストップスイッチ44を操作すると第18小役図柄を有効ラインに停止させることができないようにこれら各図柄が配置されている。そのため、中順押しベル1に当選しているのか中順押しベル2に当選しているのかがわからないことを前提とすると、左リール32Lと中リール32Mとを停止させて、第18小役入賞及び第20小役入賞の可能性がある停止態様となっていても、それを狙って入賞させることができない。
次に、中順押しベル1当選となり、各ストップスイッチ42~44が、中→左→右の順で操作された場合を例として説明する。かかる場合には、第3小役入賞を成立させるべく各リール32L,32M,32Rの停止制御を行う。
中リール32Mには、第3小役図柄である「リプレイ」図柄が、「リプレイ」図柄同士の間隔が4図柄以下となるようにして配置されている。そのため、中ストップスイッチ43が最初に操作された場合には、その操作タイミングに関わらず上段に「リプレイ」図柄が停止する。
左リール32Lには、第3小役図柄である「ベル」図柄が、「ベル」図柄同士の間隔が4図柄以下となるようにして配置されている。そのため、左ストップスイッチ42が2番目に操作された場合には、その操作タイミングに関わらず中段に「ベル」図柄が停止する。
右リール32Rには、第3小役図柄である「スイカ」図柄及び「赤貝」図柄が、これら図柄同士の間隔が4図柄以下となるようにして配置されている。そのため、右ストップスイッチ44が3番目に操作された場合には、その操作タイミングに関わらず上段に「スイカ」図柄又は「赤貝」図柄が停止する。上のとおり、中順押しベル1に当選となり、中ストップスイッチ43→左ストップスイッチ42→右ストップスイッチ44の順で操作された場合には、その操作タイミングに関わらず第3小役入賞が成立する。
上記のように、押し順ベルに当選となった場合には、予め定められた所定の操作順序でストップスイッチ42~44が操作された場合、その操作タイミングに関わらず第1小役入賞、第2小役入賞、第3小役入賞、第4小役入賞、第5小役入賞、又は第6小役入賞が成立し、他の操作順序でストップスイッチ42~44が操作された場合、その操作タイミングにより、他の小役入賞が成立するか、いずれの小役入賞も成立せずに取りこぼしとなる。ちなみに、共通ベルに当選となった場合には、操作順序及び操作タイミングに関わらず第1小役入賞、第2小役入賞、第3小役入賞、第4小役入賞、第5小役入賞、又は第6小役入賞が成立する。
次に、特殊役に当選となり、各ストップスイッチ42~44のうち左ストップスイッチ42が最初に操作された場合を例として説明する。かかる場合には、図279に示すように第1小役入賞、第2小役入賞又は第33小役入賞を成立させるべく各リール32L,32M,32Rの停止制御を行う。
左リール32Lにおける第1小役図柄や第2小役図柄は、「リプレイ」図柄である。また、左リール32Lにおける第33小役図柄は、「BAR」図柄である。この場合、5番の「リプレイ」図柄~9番の「BAR」図柄が中段に到達したタイミングで左ストップスイッチ42が操作された場合には、第1小役図柄や第2小役図柄である「リプレイ」図柄ではなく第33小役図柄である「BAR」図柄を中段に停止するように駆動制御する。そして、中リール32Mの第33小役図柄や右リール32Rの第33小役図柄である「ベル」図柄は、ストップスイッチ43~44の操作タイミングに関わらず有効ラインMLの位置に停止し、第33小役入賞が成立する。
これに対して、特殊役に当選となり、各ストップスイッチ42~44のうち左ストップスイッチ42が最初に操作された場合であっても、0番の「リプレイ」図柄~4番の「赤貝」図柄や、10番の「リプレイ」図柄~19番の「白貝」図柄が中段に到達したタイミングで左ストップスイッチ42が操作された場合には、第1小役図柄や第2小役図柄である「リプレイ」図柄を中段に停止するように駆動制御する。そして、中リール32Mの第1小役図柄や右リール32Rの第1小役図柄である「リプレイ」図柄は、ストップスイッチ43~44の操作タイミングに関わらず有効ラインMLの位置に停止し、中リール32Mの第2小役図柄や右リール32Rの第2小役図柄である「ベル」図柄は、ストップスイッチ43~44の操作タイミングに関わらず有効ラインMLの位置に停止するため、第1小役入賞又は第2小役入賞が成立する。
また、特殊役に当選となり、各ストップスイッチ42~44のうちの左ストップスイッチ42以外が最初に操作された場合、ストップスイッチ42~44の操作タイミングに関わらず、第3小役入賞~第6小役入賞が成立する。
つまり、特殊役に当選となった場合、第1操作態様として左リール32Lの5番の「リプレイ」図柄~9番の「BAR」図柄が中段に到達したタイミングで左ストップスイッチ42が操作された場合には第33小役入賞が成立して1枚のメダル払出が行われ、当該第1操作態様とは異なる第2操作態様にて各ストップスイッチ42~44が操作された場合には第1小役入賞~第6小役入賞が成立して8枚のメダル払出が行われる。
上記の通り、第1小役~第6小役は、いずれかの押し順ベルに当選した場合であって、ストップスイッチ42~44の操作順序が対応する操作順序であった場合にも入賞が成立する。そうすると、特殊役に当選となった場合において、第1操作態様にてストップスイッチ42~44を操作すると、当該特殊役に当選したゲームであったことを明確に把握することが可能である一方で、当該特殊役に当選となった場合において、第2操作態様にてストップスイッチ42~44を操作すると、当該特殊役を契機として第1小役入賞~第6小役入賞が成立したのか、それとも押し順ベル当選時の操作順序が第1小役~第6小役に対応するものであったから入賞が成立したのかを、遊技者はその停止出目や払出枚数から判断することができない。
リール制御処理の説明に戻り、ステップSd411にて全リール32L,32M,32Rが停止していると判定した場合には、ステップSd413にて、払出判定処理を行う。払出判定処理とは、当選図柄の組合せが有効ライン上に並んでいることを条件の1つとしてメダルの払出枚数を設定する処理である。払出判定処理では、各リール32L,32M,32Rの下段に停止した停止図柄の図柄番号から有効ライン上に形成された図柄の組合せを導出し、有効ライン上で入賞が成立しているか否かを判定する。入賞が成立している場合には、さらに入賞成立役が当選フラグ格納エリア106aにセットされている当選フラグと対応しているか否かを判定する。入賞成立役が当選フラグと対応している場合には、入賞成立役と、当該入賞成立役と対応する払出数と、をRAM106に設けられた払出情報格納エリアにセットする。一方、入賞成立役が当選フラグと対応していない場合には、スロットマシン10をエラー状態とするとともにエラーの発生を報知する異常発生時処理を行う。かかるエラー状態は、リセットスイッチ72が操作されるまで維持される。
払出判定処理を行った後は、ステップSd414にて、ボーナス状態処理を実行する。ボーナス状態処理については、後に詳細に説明する。ボーナス状態処理を実行した後は、ステップSd415にて、入賞結果対応処理を行う。入賞結果対応処理では、入賞結果に基づいて遊技状態を移行させる処理等を行う。当該入賞結果対応処理については、後に詳細に説明する。
入賞結果対応処理を行った後は、ステップSd416にて区間表示第2処理を実行する。区間表示第2処理は、指示モニタ68の表示制御に関する処理であり、かかる処理については後に詳細に説明する。その後、ステップSd417にて今回のゲームにおける入賞成立役を表示制御装置81に把握させるべく入賞結果コマンドをセットし、リール制御処理を終了する。
次に、ステップSd212のメダル払出処理について、概略を説明する。
メダル払出処理では、払出情報格納エリアにセットされた払出数が0か否かを判定する。払出数が0の場合、先の払出判定処理にて小役入賞が成立していないと判定したことを意味する。かかる場合には、払出判定処理にてセットした入賞成立役に基づいて、第1再遊技入賞~第12再遊技入賞のいずれかが成立したか否かを判定する。いずれの再遊技入賞も成立していない場合にはそのままメダル払出処理を終了し、いずれかの再遊技入賞が成立している場合には、遊技モードを再遊技モードとする再遊技設定処理を行い、メダル払出処理を終了する。なお、先に説明した開始待ち処理(ステップSd204)では、現在の遊技モードが再遊技モードであると判定した場合に自動投入処理を行っている。
一方、払出情報格納エリアにセットされた払出数が0でない場合には、当該払出数と同数のメダルを払い出し、メダル払出処理を終了する。メダルの払い出しについて具体的には、クレジットカウンタのカウント値が上限(貯留されているメダル数が50枚)に達していない場合、クレジットカウンタのカウント値に払出数を加算するとともに加算後の値をクレジット表示部60に表示させる。また、クレジットカウンタのカウント値が上限に達している場合、又は払出数の加算途中でカウント値が上限に達した場合には、メダル払出用回転板を駆動し、メダルをホッパ装置51からメダル排出口49を介してメダル受け皿50へ払い出す。なお、メダル払出処理では、メダルの払い出しにあわせて払出枚数表示部62に表示される払出数を変更する処理も行っている。また、現在の遊技状態がBB状態である場合には、後述する残払出数カウンタの値から払出数を減算するとともに、残払出枚数表示部61に表示される残払出数を減算する処理を行う。
次に、ステップSd414のボーナス状態処理を、図280のフローチャートに基づいて説明する。
先ずステップSd501では、現在の遊技状態がボーナス状態か否か、すなわち現在の遊技状態が第1BB状態又は第2BB状態であるか否かを判定する。これら第1BB状態や第2BB状態であるか否かは、第1BB状態又は第2BB状態へ移行する際にRAM106の各種フラグ格納エリア106dにセットされる第1BB状態フラグや第2BB状態フラグの有無により判別可能である。すなわち、ステップSd501では、第1BB状態フラグ及び第2BB状態フラグのいずれもがセットされていない場合には、第1BB状態及び第2BB状態ではないと判定してステップSd502に進む。
ステップSd502では、第1BB当選フラグ又は第2BB当選フラグがセットされており、いずれかのBBに当選している状態であるか否かを判定する。いずれのBB当選フラグもセットされていない場合は、そのままボーナス状態処理を終了する。いずれかのBB当選フラグがセットされている場合には、ステップSd503に進む。
ステップSd503では、RAM106の各種カウンタエリア106eに設けられたMAXベットカウンタに3を入力する処理を行う。MAXベットカウンタは、第1クレジット投入スイッチ56が操作された場合に仮想メダルの投入を行う特定枚数を設定するためのものである。すなわち、MAXベットカウンタに3が入力されている状況で第1クレジット投入スイッチ56が操作されると、3枚の仮想メダルの投入が行われる。この場合、MAXベットカウンタはゲームの規定枚数を設定するものではないため、ゲームの規定枚数として2枚又は3枚が設定されている状況においては、第2クレジット投入スイッチ57の操作を行うことで2ベットゲームを行うことは許容されている。なお、ステップSd503にて既にMAXベットカウンタに3が入力されている場合には、その状態を維持する。
なお、MAXベットカウンタの初期値は2であり、リセットスイッチ72が操作されてRAMクリアが行われると、当該MAXベットカウンタには2が入力されてスロットマシン10が起動する。
続くステップSd504では、第1BB入賞又は第2BB入賞が成立したか否かを判定する。いずれかのBB入賞も成立していない場合には、そのままボーナス状態処理を終了する。いずれかのBB入賞が成立している場合には、ステップSd505に進み、第1BB入賞が成立したか否かを判定する。
第1BB入賞が成立している場合には、ステップSd506にて、各種カウンタエリア106eに設けられたBBカウンタに「15」を入力する処理を実行する。BBカウンタは、各BB状態における上限払出数を規定するためのカウンタである。すなわち、ステップSd506にてBBカウンタに「15」が入力されることにより、15枚以上のメダルが払い出されることにより第1BB状態が終了するように設定される。ステップSd507では、第1BB当選フラグをクリアする。そして、ステップSd508では、第1BB状態フラグを各種フラグ格納エリア106dにセットする。これにより、次ゲームからはステップSd501にて肯定判定することになる。続くステップSd509では、第1BB開始コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行する。第1BB開始コマンドは、第1BB状態が開始されることを表示制御装置81へ把握させるためのコマンドであり、かかる第1BB開始コマンドを受信した表示制御装置81では、第1BB状態が開始されることに対応する第1BB開始演出が行われるようにスピーカ64や補助表示部65等を制御する。また、表示制御装置81では、第1BB開始コマンドを受信することにより、次ゲームからが第1BB状態であることが把握可能となり、次ゲームから第1BB状態用の演出が行われるようにスピーカ64や補助表示部65等を制御する。
ステップSd509にて第1BB開始コマンドの出力設定を行った後は、ステップSd510にて規定ベット数を3に設定する処理を実行してから、本ボーナス状態処理を終了する。規定ベット数とは、上記のゲームの規定枚数に相当する。すなわち、第1BB状態に移行することでゲームの規定枚数が3枚に設定され、3ベットゲームにて第1BB状態が行われる。
なお、規定ベット数の初期値は2及び3であり、リセットスイッチ72が操作されてRAMクリアが行われると、当該規定ベット数は2と3が設定されてスロットマシン10が起動する。
ステップSd505にて第1BB入賞が成立していないと判定する場合とは、第2BB入賞が成立している場合である。この場合、ステップSd511に進み、上記のBBカウンタに「15」を入力する処理を実行する。すなわち、15枚以上のメダルが払い出されることにより第2BB状態が終了するように設定される。そして、ステップSd512にて第2BB当選フラグをクリアする処理を実行し、ステップSd513にて第2BB状態フラグをセットする処理を実行する。その後、ステップSd514にて第2BB開始コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行する。第2BB開始コマンドは、第1BB開始コマンドに対応するものであり、第2BB状態が開始されることを表示制御装置81へ把握させるためのコマンドである。第2BB開始コマンドを受信した表示制御装置81では、第2BB状態が開始されることに対応する第2BB開始演出が行われるようにスピーカ64や補助表示部65等を制御し、次ゲームからは第2BB状態用の演出が行われるようにスピーカ64や補助表示部65等を制御する。なお、第1BB開始演出と第2BB開始演出とは、見た目や内容が、遊技者が識別可能な程度に異なっている。また、第1BB状態用の演出と第2BB状態用の演出とも、見た目や内容が、遊技者が識別可能な程度に異なっている。
ステップSd514にて第2BB開始コマンドの出力設定を行った後は、ステップSd510にて規定ベット数を3に設定する処理を実行してから、本ボーナス状態処理を終了する。すなわち、第1BB状態だけでなく、第2BB状態においてもゲームの規定枚数が3枚に設定され、3ベットゲームにて第2BB状態が行われる。
ステップSd501にて肯定判定し、第1BB状態又は第2BB状態である場合、ステップSd515に進み、第1BB状態や第2BB状態中の処理を行う。図280は、BB状態用抽選テーブルの一例を示している。なお、本実施形態では、第1BB状態と第2BB状態とで共通の抽選テーブルを用いる構成としているが、それぞれ別々の抽選テーブルを設け、当選し得る役の種類や各役の当選確率を異ならせてもよい。本実施形態では、図281に示すように、第1BB状態や第2BB状態において、通常リプAと、共通ベルと、重複1枚役とに当選し得るように設定されている。通常リプA当選となる確率(IV=1の際に当選となる確率)は約61.2分の1であり、共通ベル当選となる確率(IV=10の際に当選となる確率)は約5.96分の1であり、重複1枚役当選となる確率(IV=24の際に当選となる確率)は約1.31分の1である。また、第1BB状態や第2BB状態において、いずれの役にも当選しない外れ結果となる確率は、約10.14分の1である。この場合、1ゲーム当たりで約0.00枚のメダル増加が期待でき(純増枚数プラスマイナス約0.00枚)、第1BB状態や第2BB状態ではメダルの増減が生じない。言い換えると、第1BB状態や第2BB状態ではメダル増加を見込めないもののメダルを減らすことなくゲームを進行することが可能となる。
ここで、3ベットゲームにおける通常遊技状態と、3ベットゲームにて移行し得る第1BB状態とにおいて、メダル増加のメインはいずれも13枚払出が発生する第1小役入賞~第6小役入賞により生じるものであり、その役としては、通常遊技状態では押し順ベルであり、第1BB状態においては共通ベルである。これらメイン小役の入賞率を比較すると、通常遊技状態においては、一定の操作順序でストップスイッチ42~44が操作されていることを想定すると、約9.36分の1の確率で入賞するのに対して、第1BB状態においては約5.96分の1の確率で入賞し、3ベットゲームでは、第1BB状態のほうが通常遊技状態よりも入賞が発生し易くなるように設定されている。また、2ベットゲームにおける通常遊技状態と、2ベットゲームにて移行し得る第2BB状態とにおいて、メダル増加のメインはいずれも共通ベルであり、通常遊技状態では約9.64分の1の確率で入賞するのに対して、第2BB状態においては約5.96分の1の確率で入賞し、2ベットゲームにおいても、第2BB状態のほうが通常遊技状態よりも入賞が発生し易くなるように設定されている。
但し、上記のとおり、第1BB状態や第2BB状態を消化しても持ちメダルの増加は期待できない。
ボーナス状態処理において、ステップSd515では、上記のBB状態用抽選テーブルによる抽選処理や各リール制御の結果として、今回のゲームでいずれかの小役入賞が成立したか否かを判定する。入賞が成立していない場合には、そのままボーナス状態処理を終了する。入賞が成立している場合には、ステップSd516にて入賞に対応する払出数を上記各種カウンタエリア106eのBBカウンタから減算する処理を実行する。そして、ステップSd517にて、ステップSd516の減算処理の結果としてBBカウンタが0以下となったか否かを判定する。例えば、共通ベル当選となり、第1小役入賞~第6小役入賞が成立すると13枚の払出が発生することから、ステップSd516ではBBカウンタから13を減算する。
ステップSd517にて0以下ではないと判定した場合は、そのままボーナス状態処理を終了する。一方、0以下であると判定した場合、ステップSd518にて、現状のBB状態に対応するBB状態フラグをクリアする処理を行う。すなわち、第1BB状態であれば第1BB状態フラグをクリアし、第2BB状態であれば第2BB状態フラグをクリアする。そして、ステップSd519にてMAXベットカウンタに2を入力する処理を実行し、ステップSd520にて今回終了するBB状態に対応するBB終了コマンドを表示制御装置81への出力対象として設定する。より詳しくは、第1BB状態を終了する場合には第1BB終了コマンドを出力設定し、第2BB状態を終了する場合には第2BB終了コマンドを出力設定する。第1BB終了コマンド又は第2BB終了コマンドを受信した表示制御装置81は、第1BB終了用の演出や第2BB終了用の演出が行われるようにスピーカ64や補助表示部65を制御する。
その後、ステップSd521にて、規定ベット数を2と3に設定してから、本ボーナス状態処理を終了する。この場合、第1BB状態や第2BB状態の終了後の通常遊技状態においては、2ベットゲームと3ベットゲームとが可能となる。これに対して、上記のとおりステップSd519にてMAXベットカウンタに2が入力されることから、第1クレジット投入スイッチ56の操作を行うと、2枚の仮想メダルの投入が行われ、2ベットゲームにてゲームが行われるようになる。つまり、第1BB当選フラグや第2BB当選フラグのいずれもがセットされていない状況においては、2ベットゲームにてゲームが行われ易くなるように設定されている。ちなみに、第1BB状態や第2BB状態の終了後においては、MAXベットカウンタに2が入力されることから第1クレジット投入スイッチ56や第2クレジット投入スイッチ57の操作では3枚ベットができず、3ベットゲームを行うためにはメダル投入口45からメダルを3枚投入する必要がある。
ここで、本スロットマシン10において、2ベットゲームと3ベットゲームとを利用した遊技性について、図282を参照しながら簡単に説明する。
第1BB当選フラグや第2BB当選フラグがセットされておらず、いずれのBBにも当選してない通常遊技状態は、所謂非内部状態と称される状態である。この場合、上記のとおり、規定ベット数(ゲームの規定枚数)は2枚と3枚が設定されており、2ベットゲームと3ベットゲームとが可能である。但し、MAXベットカウンタは上記のとおり2が入力され、第1クレジット投入スイッチ56を操作して遊技を開始する場合には2ベットゲームとなる。
非内部状態において、3ベットゲームでは第1BBには当選し得る一方、第2BBには当選せず、2ベットゲームでは第2BBには当選し得る一方、第1BBには当選しない。上記のように第1クレジット投入スイッチ56を操作する遊技においては、基本的には2ベットゲームにおいて第2BBの当選が生じ得る。
第1BBや第2BBに当選し、その当選ゲームにおいて入賞が成立しなかった場合には、第1BB当選や第2BB当選を持ち越した内部状態(持ち越し状態)となる。内部状態においても、上記のとおり、規定ベット数(ゲームの規定枚数)は2枚と3枚が設定されており、2ベットゲームと3ベットゲームとが可能である。但し、MAXベットカウンタは上記のとおり3が入力され、第1クレジット投入スイッチ56を操作して遊技を開始する場合には3ベットゲームとなる。
既に説明した通り、本スロットマシン10では、第1BBに当選している内部状態においては、3ベットゲームでは第1BB入賞が成立し得る一方、2ベットゲームでは第1BB入賞が成立しないように各リール32L,32M,32Rの停止制御が行われる。また、第2BBに当選している内部状態においては、3ベットゲームでは第2BB入賞が成立しない一方、2ベットゲームでは第2BB入賞が成立し得るように各リール32L,32M,32Rの停止制御が行われる。つまり、3ベットゲームにおいて第1BBに当選した場合に、そのまま3ベットゲームを継続すれば第1BB入賞を成立させることができるものの、第1BBに当選後、2ベットゲームに切り替えると、当該第1BB入賞を成立させることができない。また、2ベットゲームにおいて第2BBに当選した場合に、そのまま2ベットゲームを継続すれば第2BB入賞を成立させることができるものの、第2BBに当選後、3ベットゲームに切り替えると、当該第2BB入賞を成立させることができない。そして、第1BBや第2BBは重複して当選することはなく、第1BB当選を持ち越している状況で再度第1BBに当選することはないし、第2BBに重複して当選することもない。また、第2BB当選を持ち越している状況で再度第2BBに当選することはないし、第1BBに重複して当選することもない。つまり、第1BBに当選した場合に2ベットゲームで遊技を行うと、第1BB当選を持ち越している内部状態での遊技が延々と継続し、第2BBに当選した場合に3ベットゲームで遊技を行うと、第2BB当選を持ち越している内部状態での遊技が延々と継続することになる。
ここで、上記のように第1BB入賞が3ベットゲームにおいてのみ成立するようにし、第2BB入賞が2ベットゲームにおいてのみ成立するようにしていることから、第2BB当選を持ち越している状況での3ベットゲームでいずれの役にも当選しない外れ結果となった場合であっても第2BB入賞が成立することはないし、第1BB当選を持ち越している状況での2ベットゲームで外れ結果となった場合であっても第1BB入賞が成立することはない。このようにすることで、第1BB当選や第2BB当選を持ち越している内部状態における役構成や各リール32L,32M,32Rの制御を劇的に簡素化することが可能となる。仮に、3ベットゲームにおいて第2BB入賞が成立し得る構成であったり、2ベットゲームにおいて第1BB入賞が成立し得る構成であったりすると、その第1BB当選や第2BB当選を持ち越している内部状態を継続させようとする場合、外れ結果とならないような抽選テーブルとする必要が生じるし、例えば取りこぼしが生じ得る役において、その取りこぼし時に別の役に入賞させる必要が生じるからである。
また、第1BB状態や第2BB状態においては、メダル増加のメインとなる役はいずれも共通ベルである。また、非内部状態や内部状態において、2ベットゲームでのメダル増加のメインとなる役は共通ベルであるのに対して、3ベットゲームでのメダル増加のメインとなる役は押し順ベルである。共通ベルについては、各ストップスイッチ42~44の操作順序や操作タイミングに関わらず第1小役~第6小役のいずれかの入賞が成立するものであるのに対して、押し順ベルについては、各ストップスイッチ42~44の操作順序や操作タイミングによって入賞する小役が異なる。つまり、第1BB状態や第2BB状態よりも、3ベットゲームでの非内部状態や内部状態の方が、押し順ベル当選時の操作順序や操作タイミング(主に操作順序)によるメダル増減の振れ幅は大きい。そして、例えば、押し順ベル当選時に第1小役入賞~第6小役入賞となる操作順序(図278)の報知等を行うことで、入賞をアシストするATモード(アシストタイムモード、ナビモード)と行わない非ATモード(非ナビモード)とを切り替えることで、その報知(アシスト)の有無によってメダルが増加する状態とメダルが減少する状態とを創出することも可能となる。
第1クレジット投入スイッチ56を操作する遊技の基本的な流れとしては、先ず、非内部状態において、2ベットゲームにて遊技が行われ、その2ベットゲームにて第2BBに当選する。第2BBに当選すると、内部状態となり、3ベットゲームに切り替わり、上記当選した第2BB入賞を成立させることができない状態のまま遊技が進行する。この場合、上記のように、第2BB当選を持ち越した3ベットゲームにおいては、第1BBに当選となることもないし第2BB入賞となることもなく、第2BB当選が持ち越される内部状態での遊技が継続されることになる。
以下、第2BB当選を持ち越した状態での遊技を前提とし、その遊技(以下の説明では、通常遊技とも称する)での押し順ベル当選時の報知(押し順報知)等を利用した遊技性を説明する。
<抽選結果対応処理>
先ず、図283のフローチャートを参照しながら、ステップSd310にて実施される抽選結果対応処理について説明する。抽選結果対応処理は、各ゲームの抽選処理が行われた後に実施される処理であり、ゲームの抽選結果に基づいて押し順報知が発生するATモードへの移行抽選等を行う処理である。
先ず、ステップSd601~ステップSd603では、今回開始するゲームのベット数を把握する処理を実行する。すなわち、ステップSd601では、第1BB状態フラグ及び第2BB状態フラグのいずれかのフラグがセットされているか否かを把握して、今回開始するゲームがいずれかのBB状態であるか否かの判定を行う。BB状態ではない場合には、ステップSd602にてベット数が3であるか否かを判定する。また、BB状態である場合には、ステップSd603にてベット数が2であるか否かを判定する。既に説明した通り、第1BBや第2BBの当選前の非内部状態や、第1BBや第2BB当選後の内部状態においては規定ベット数として2と3が設定されており、第1BB状態や第2BB状態においては規定ベット数として3が設定されている。ステップSd602やステップSd603の処理は、今回のゲームのベット数が、遊技状態に対応付けられて規定(設定)されている一の特定規定数(特定設定数)であるか否かを判定する処理であり、当該特定規定数はない場合には、ステップSd604以降の表示モード用の処理(指示機能用の処理)を行うことなく抽選結果対応処理を終了する。
すなわち、非内部状態や内部状態においては、3ベットゲームでは表示モード用の処理は実行される一方、2ベットゲームでは表示モード用の処理は実行されない。また、第1BB状態や第2BB状態においては、規定ベット数として3が設定されていることから、2ベットゲームは実行されず、第1BB状態や第2BB状態では表示モード用の処理は実行されない。
つまり、本実施形態では、仮に内部状態が2ベットゲームにて遊技された場合、ステップSd604以降のATモードへの移行抽選等が行われずに遊技者にとって不利となる構成としている。このようにすることで、内部状態を3ベットゲームにて遊技させ、第2BBを持ち越す通常遊技を行わせ易くすることができる。
ステップSd602又はステップSd603にて肯定判定した場合、ステップSd604にて、各種フラグ格納エリア106dに有利区間フラグがセットされているか否かを判定する。本スロットマシン10では、押し順報知等の発生の有無について、当該押し順報知等が発生し得る有利区間と、発生し得ない通常区間とが設定されている。有利区間フラグは、今回のゲームが有利区間であることをCPU102が把握するためのフラグであり、有利区間へ移行することに基づいてセットされ、通常区間に移行することに基づいてクリアされる。
有利区間フラグがセットされていない場合、今回のゲームが通常区間であることを意味し、この場合、ステップSd605にて有利区間移行抽選処理を実行してから、抽選結果対応処理を終了する。
有利区間移行抽選処理では、図284のフローチャートに示すように、ステップSd701にて今回のゲームの抽選結果を把握する。そしてステップSd702にて、ROM105の各種テーブル記憶エリア105aから有利区間移行抽選テーブルを取得する。有利区間移行抽選テーブルは、図285に示すように、各ゲームの抽選結果に応じて、有利区間への移行率(有利区間移行抽選の当選確率)が設定されている。有利区間への移行抽選の契機役としては、図285にも示すように、通常リプA、通常リプB、通常リプC、チャンス目A、チャンス目B、チャンス目C、チェリーA、チェリーB、チェリーC、共通ベル、押し順ベル、スイカ、特殊役が設定されている。すなわち、第2BBを持ち越している3ベットゲームとしての通常遊技において、当選し得る全ての結果が有利区間への移行抽選の契機役として設定されている。
ステップSd702にて抽選テーブルを取得した後は、ステップSd703にて有利区間移行抽選用の乱数を取得する処理を実行する。有利区間移行抽選用の乱数は、各種カウンタエリア106eの専用のカウンタが用いられ、当該専用のカウンタは所定周期で更新され、ステップSd703ではそのカウンタのうち最新の更新値を取得する。そして、ステップSd704にて有利区間移行抽選を実行し、ステップSd705にて、移行抽選に当選したか否かを判定する。ちなみに、本実施形態では、いずれの契機役であっても100%の確率で有利区間移行抽選に当選するように抽選テーブルが設定されている。この場合、ステップSd701にて把握したゲームの結果が、移行抽選の契機役である(外れ結果ではない)と判定した場合、ステップSd702~ステップSd705の処理を省略することも可能である。
ステップSd705にて移行抽選に当選していると判定した場合、ステップSd706にて、各種フラグ格納エリア106dに有利区間当選ゲームフラグをセットする処理を実行する。有利区間当選ゲームフラグは、今回のゲームで有利区間への移行抽選に当選したゲームであることをCPU102が把握するためのフラグである。ステップSd705にて否定判定した場合、又はステップSd706の処理を実行した後は、有利区間移行抽選処理を終了する。
抽選結果対応処理の説明に戻り、ステップSd604にて有利区間フラグがセットされていると判定した場合、ステップSd606に進む。ステップSd606では、各種フラグ格納エリア106dにATモード当選フラグ及びATモードフラグのいずれかがセットされているか否かを判定する。ATモードフラグは、ATモードであることをCPU102が把握するためのフラグであって、ATモードへの移行が可能となる場合にセットされるフラグである。また、ATモード当選フラグは、ATモード移行抽選にて当選し、ATモードへの移行が確定している状況であって、且つATモード移行前の状況であることをCPU102が把握するためのフラグである。ステップSd606にていずれのフラグもセットされていない場合には、ステップSd607にて開始時AT抽選用処理を実行する。一方、ステップSd606にていずれかのフラグがセットされている場合、ステップSd608にて継続判定処理を実行し、ステップSd609にてAT上乗せ用処理を実行する。
<開始時AT抽選用処理>
先ず、ステップSd607の開始時AT抽選用処理について図286のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップSd801では、各種カウンタエリア106eに設けられた天井カウンタが0であるかを判定する。天井カウンタは、有利区間移行後のゲーム数が天井ゲーム数に至った場合、ATモード移行抽選の当否に関わらず(当選することなく)ATモードへの移行を生じさせるためのカウンタであり、当該天井ゲーム数までの残りゲーム数をCPU102が把握するためのカウンタである。天井ゲーム数は有利区間移行時に設定される。ちなみに、天井カウンタの減算は、ゲームの終了に際して実行される。つまり、ステップSd801にて天井カウンタが0であると判定する場合とは、今回の前のゲームで天井ゲーム数が0となったことを意味する。
天井カウンタが0ではない場合、ステップSd802~ステップSd807にてATモード移行抽選用の処理を実行する。
すなわち、ステップSd802にて、ATモード移行抽選用の乱数を取得する処理を実行する。ATモード移行抽選用の乱数は、各種カウンタエリア106eの専用のカウンタが用いられ、当該専用のカウンタは所定周期で更新され、ステップSd802ではそのカウンタのうち最新の更新値を取得する。続くステップSd803では、今回のゲームの抽選結果を把握する処理を実行する。そして、ステップSd804では、各種フラグ格納エリア106dにCZモードフラグがセットされているか否かを判定する。本実施形態では、ATモード移行抽選の当選確率が異なる表示モードとして、通常モードと、当該通常モードよりもATモード移行抽選に当選し易いCZモードとが設定されており、CZモードフラグはCZモードであることをCPUが把握するためのフラグである。
ステップSd804にてCZモードフラグがセットされていない場合には、ステップSd805にて、各種テーブル記憶エリア105aから開始時通常用ATモード移行抽選テーブルを取得する処理を実行する。一方、ステップSd804にてCZモードフラグがセットされている場合には、ステップSd806にて、開始時CZ用ATモード移行抽選テーブルを取得する処理を実行する。
これら開始時通常用ATモード移行抽選テーブルと開始時CZ用ATモード移行抽選テーブルとは、図285に示すように、ゲームの抽選結果に応じてATモード移行抽選の当選確率がそれぞれ設定されており、例えば、チャンス目Aを契機とするATモード移行抽選であれば、通常用では1%の確率でATモード移行当選となり、CZ用であれば3%の確率でATモード移行当選となる、といったように、開始時通常用ATモード移行抽選テーブルよりも開始時CZ用ATモード移行抽選テーブルの方がATモード移行抽選に当選し易くなるように設定されている。また、通常リプA、通常リプB及び通常リプCについては、通常用ではATモード移行当選とならない一方、CZ用ではATモード移行当選となり得るように設定されている。
ちなみに、本開始時AT抽選用処理にて用いられる開始時通常用ATモード移行抽選テーブルと開始時CZ用ATモード移行抽選テーブルでは、ゲームの抽選結果が特殊役である場合、ATモード移行当選とならないように設定されている。なお、開始時AT抽選用処理では、特殊役を契機としてATモード移行抽選を行わないようにしてもよい。
ステップSd805又はステップSd806にてATモード移行抽選テーブルを取得した後は、当該取得した移行抽選テーブルと、ステップSd803にて把握したゲームの抽選結果と、ステップSd802にて取得したAT抽選用の乱数と、を用いて、ステップSd807にてATモード移行抽選処理を実行する。具体的には、ステップSd802にて取得したAT抽選用の乱数が、ステップSd805又はステップSd806にて取得したテーブルにおいて各ゲームの抽選結果に応じて設定された当選用の数値範囲内であるか否かを判定し、AT抽選用の乱数が当選用の数値範囲内である場合にはATモード移行当選と判定し、AT抽選用の乱数が当選用の数値範囲外である場合にはATモード移行非当選と判定する。そして、ステップSd808にてATモード移行当選であったか否かを判定する。
ステップSd808にてATモード移行当選であると判定した場合と、ステップSd802にて天井カウンタが0であると判定した場合は、ステップSd809~ステップSd812のATモード当選用の処理を実行する。また、ステップSd808てATモード移行当選ではないと判定した場合は、ステップSd813~ステップSd816にてATモード非当選用の処理を実行する。
ATモード当選用の処理において、ステップSd809では、CZモードフラグがセットされているか否かを判定し、CZモード中のATモード移行当選であるか否かを確認する。CZモード中の当選である場合、ステップSd810及びステップSd811にてCZモードを終了させるための処理を行う。すなわち、ステップSd810では、CZモードフラグをクリアする処理を実行する。そして、ステップSd811にて各種カウンタエリア106eに設けられたCZゲームカウンタを0にクリアする処理を実行する。CZゲームカウンタはCZモードの残りゲーム数をCPU102が把握するためのカウンタであり、CZモードへ移行する場合にCZモードの継続ゲーム数(10ゲーム)に相当する値(10)が入力され、ゲームを消化する度に1ずつ減算されるカウンタである。
ステップSd809にてCZモードフラグがセットされていない場合、又はステップSd811の処理を実行した後は、ステップSd812にて各種フラグ格納エリア106dにATモード当選フラグをセットする処理を実行する。かかる処理により、次ゲームからステップSd606にて肯定判定することとなる。
ATモード非当選用の処理では、ステップSd813にてCZモードフラグがセットされているか否かを判定する。CZモードフラグがセットされている場合には、そのままAT抽選用処理を終了する。CZモードフラグがセットされていない場合、ステップSd814にて、CZモード移行抽選処理を実行する。CZモード移行抽選処理では、各種テーブル記憶エリア105aからCZモード移行抽選テーブルを取得して、ステップSd803にて把握したゲームの抽選結果を利用してCZモードへ移行させるか否かを抽選により決定する。CZモード移行抽選テーブルは、図285に示すように、ゲームの抽選結果に応じてCZモード移行抽選の当選確率が異なるように設定されており、より具体的には、ATモード移行抽選に当選し易いゲームの抽選結果ほど、CZモード移行抽選に当選し易くなるように設定されている。すなわち、ATモード移行抽選に当選し易いゲームの抽選結果であったのにもかかわらず、ATモード移行抽選に非当選であった場合、CZモードへは移行し易くなるように設定されている。
ステップSd814にてCZモード移行抽選処理を実行した後は、ステップSd815にてCZモード移行当選であったか否かを判定し、移行当選ではない場合には、そのままAT抽選用処理を終了する。CZモード移行当選である場合、ステップSd816にて、各種フラグ格納エリア106dにCZモード当選フラグをセットする処理を実行する。
ステップSd812又はステップSd816にていずれかの当選フラグをセットした後は、ステップSd817~ステップSd820にて前兆モードの設定処理を行う。前兆モードとは、ATモード移行抽選やCZモード移行抽選に当選していることを示唆する前兆演出を行うモードであり、本実施形態では、これらの移行抽選に当選した場合、0ゲーム~40ゲームの前兆モードを経てから当選している移行抽選の報知が行われる。
ステップSd817では、前兆ゲームの抽選処理を実行する。前兆ゲーム数の抽選処理では、当選している移行抽選の種類、当選契機となったゲームの抽選結果等によって前兆ゲーム数を抽選する。例えば、ATモード移行抽選に当選している場合の方がCZモード移行抽選に当選している場合よりも長い前兆ゲーム数が選択され易くなっていたり、チェリーAにて移行抽選に当選した場合の方がチェリーCにて移行抽選に当選した場合よりも長い前兆ゲーム数が選択され易くなっている。
なお、本実施形態では、CZモード中にATモード移行抽選に当選した場合、ステップSd817では前兆ゲーム数を0となるように設定する。上記のようにCZモード中にATモード移行抽選に当選すると、CZモードの残りゲーム数に関わらずCZモードが終了するようにしているため、当該CZモードの終了を通じてATモード移行抽選に当選したことを遊技者は把握可能である。そこで、CZモード中にATモード移行抽選に当選した場合には前兆モードを0ゲームとすることで、ATモード移行抽選に当選したことを把握しているのにもかかわらず、その移行抽選に当選したことの示唆報知が前兆モードとして行われることによる違和感を低減することができる。
続くステップSd818では、ステップSd817の抽選結果を各種カウンタエリア106eに設けられた前兆カウンタに入力する処理を実行する。前兆カウンタは、前兆ゲームの残りゲーム数をCPU102が把握するためのカウンタであり、前兆モード中のゲームを消化する度に1ずつ減算されるカウンタである。
そして、ステップSd819にて各種フラグ格納エリア106dに前兆フラグをセットする処理を実行し、ステップSd820にて前兆コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本AT抽選用処理を終了する。前兆フラグは前兆モード中であることをCPU102が把握するためのフラグであり、前兆コマンドは前兆モードに設定されたこと、及びその前兆モードのゲーム数やいずれの移行抽選に当選しているかを表示制御装置81へ把握させるためのコマンドである。前兆コマンドを受信した表示制御装置81は、前兆モードのゲーム数や当選している移行抽選の種類を把握し、前兆モード中の演出を補助表示部65やスピーカ64にて実行するための処理を行う。
<継続判定処理>
次に、ステップSd608にて実行される継続判定処理について、図287のフローチャートを参照しながら説明する。既に説明した通り、継続判定処理は、ATモード当選フラグやATモードフラグがセットされている状況で実行される処理である。
ここで、本実施形態におけるATモードは、予め定められた所定数(例えば18)のゲームを1セット(単位継続数、単位状態)とし、例えば、1セットのATモードを更新する場合(セットを開始する場合又はセットを終了する場合)に次のセットの継続抽選を行い、当該継続抽選に当選している場合には当該セットの終了後、次のセットへ移行し、当該継続抽選に非当選である場合には次のセットへ移行せずにATモードが終了する構成としている。そして、ステップSd608の継続判定処理では、セットの更新に際して上記の継続抽選を行うための処理である。
ステップSd901では、各種カウンタエリア106eに設けられたATゲームカウンタが18であるか否かを判定する。ATゲームカウンタは、1セットの残りゲーム数をCPU102が把握するためのカウンタであり、セットの更新に際して18が入力されるカウンタである。すなわち、ステップSd901では、今回開始するゲームがATモードの1セットの開始ゲームであるか否かを判定する。開始ゲームではない場合には、そのまま本継続判定処理を終了する。開始ゲームである場合には、ステップSd902に進む。
ステップSd902では、各種カウンタエリア106eに設けられたATセットカウンタが0であるか否かを判定する。ATセットカウンタは、上記の継続抽選に非当選であっても又は継続抽選を行うことなく次のセットへ継続させることを可能とするセット数をCPU102が把握するためのカウンタであり、継続条件が成立している状況で上乗せ当選した場合に1が加算され、継続抽選に非当選である場合や継続抽選を行うことなく次のセットへ継続させた場合に1減算されるカウンタである。ATセットカウンタが0である場合、ステップSd903にて今回のATモードにて選択されている継続抽選の当選確率を把握する。
ここで、本実施形態では、上記の継続抽選の当選確率(以下、「継続率」とも称する)として、複数の継続率が設定されており、具体的には、図297に示すように最も継続率の高い90%と、それよりも継続率が低い60%及び10%が設定されている。当該継続率は、ATモードへの移行に際して設定される(後述のステップSd1211における継続率設定処理)。ステップSd903では、当該継続率設定処理にて設定されている情報を読み出し、今回のATモードの継続率を把握する。
ステップSd903にて継続率を把握した後は、ステップSd904にて継続抽選処理を実行する。すなわち、90%の継続率が選択されている場合には、ステップSd904の処理では90%の確率で継続当選し、10%の継続率が選択されている場合には、ステップSd904の処理では10%の確率で継続当選する。
ステップSd905では、ステップSd904の処理結果が継続当選であったか否かを判定し、継続当選であった場合には、ステップSd906にて各種フラグ格納エリア106dに継続フラグをセットする処理を実行する。継続フラグは、今回のセットの継続条件(次のセットへ移行する条件)が成立していることをCPU102が把握するためのフラグである。そして、ステップSd907にて継続コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、継続判定処理を終了する。
また、ステップSd902にてATセットカウンタが0ではないと判定した場合、ステップSd908にてATセットカウンタを1減算する処理を実行してから、ステップSd906に進み、継続フラグのセット、及び継続コマンドのセットを行ってから、継続判定処理を終了する。すなわち、本実施形態では、ATセットカウンタが0ではない場合、継続抽選を経ることなく、セットの継続条件が成立する構成としている。なお、ATセットカウンタの値に関わらず継続抽選を実行し、継続非当選である場合にATセットカウンタが1以上であれば継続条件が成立する構成としてもよい。
上記のように、本実施形態では、ATモードの1セットの開始時(スタートレバー41の操作時)に、今回開始するセットの次のセットまでATモードが継続するか否かの継続条件の成否判定が行われ、継続条件が成立していると判定した場合には、継続フラグがセットされ、その情報が表示制御装置81へ出力される。この場合、表示制御装置81では、継続条件が成立していることを前提とした演出を今回のセットの演出として行うようにするための処理を行う。
これに対して、ステップSd905にて継続当選ではないと判定した場合には、そのまま継続判定処理を終了する。この場合、ATモードの1セットの開始時には継続条件は成立しておらず、セットの開始に際して継続コマンドの出力も行われない。表示制御装置81では、セットの開始に際して継続コマンドを受信しないことを通じて継続条件が成立していないことを把握し、継続条件が成立していないことを前提とした演出を今回のセットの演出として行うようにするための処理を行う。
<AT上乗せ用処理>
次に、ステップSd609にて実行されるAT上乗せ用処理について、図288のフローチャートを参照しながら説明する。AT上乗せ用処理では、上記の継続抽選とは別途、ATモードのセット数を上乗せすることの上乗せ抽選を行い、当該上乗せ抽選にて当選した場合には、次のセットの継続抽選の結果に関わらず次のセットまで継続するようにする。
先ずステップSd1001にて、上乗せ抽選用の乱数を取得する処理を実行する。上乗せ抽選用の乱数は、各種カウンタエリア106eの専用のカウンタが用いられ、当該専用のカウンタは所定周期で更新され、ステップSd1001ではそのカウンタのうち最新の更新値を取得する。続くステップSd1002では、今回のゲームの抽選結果を把握する。そして、ステップSd1003にて、各種テーブル記憶エリア105aから上乗せ抽選テーブルを取得する処理を実行する。
上乗せ抽選テーブルは、図285に示すように、ゲームの抽選結果に応じて、上乗せ当選率が設定されており、各ゲームの抽選処理にて当選し易い通常リプA~通常リプCや、押し順ベルといった通常役では上乗せ当選しない一方、各ゲームの抽選処理にて当選しにくいチャンス目A~チャンス目C、チェリーA~チェリーC、共通ベル、スイカ、といった特定役では上乗せ当選し得るように設定されている。そして、特定役のうち、例えば、チャンス目Aよりもチャンス目Cの方が上乗せ当選し易く、チェリーAよりもチェリーCの方が上乗せ当選し易い、といったように、各ゲームの抽選処理にて当選しにくい抽選結果ほど、上乗せ抽選に当選し易くなるように設定されている。なお、各ゲームの抽選結果が通常役である場合には上乗せ当選しない構成を、各ゲームの抽選結果が通常役である場合には上乗せ抽選を行わない構成としてもよい。また、各ゲームの抽選結果が通常役である場合にも上乗せ当選し得る構成とし、当該通常役での上乗せ当選の確率を特定役の場合の上乗せ当選の確率よりも低くなるようにしてもよい。
また、本実施形態では、ゲームの抽選結果が特殊役である場合、上記の通り開始時AT抽選用処理ではATモード移行当選とならないように設定されていたものの、本AT上乗せ用処理における上乗せ抽選では特殊役であっても上乗せ当選となり得るように設定されている。
ステップSd1003にて上乗せ抽選テーブルを取得した後は、ステップSd1004にて上乗せ抽選を実行する。具体的には、ステップSd1001にて取得した上乗せ抽選用の乱数が、ステップSd1003にて取得したテーブルにおいて各ゲームの抽選結果に応じて設定された当選用の数値範囲内であるか否かを判定し、上乗せ抽選用の乱数が当選用の数値範囲内である場合には上乗せ当選と判定し、上乗せ抽選用の乱数が当選用の数値範囲外である場合には上乗せ非当選と判定する。ステップSd1004にて上乗せ抽選を行った後は、ステップSd1005にて上乗せ抽選に当選したか否かの判定を行う。上乗せ抽選に非当選であった場合には、そのままAT上乗せ用処理を終了する。上乗せ抽選に当選であった場合には、ステップSd1006にて、継続フラグがセットされているか否かを判定する。
ステップSd1006にて継続フラグがセットされていない場合、ステップSd1007にて継続フラグをセットする処理を実行する。そして、ステップSd1008にて継続コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本AT上乗せ用処理を終了する。継続コマンドを受信した表示制御装置81は、継続条件が成立したことに対応する演出を補助表示部65やスピーカ64にて行うための処理を実行する。
これに対して、ステップSd1006にて継続フラグがセットされている場合、ステップSd1009にてATセットカウンタに1を加算する処理を実行する。ステップSd1009にATセットカウンタに1が加算されることにより、少なくとも今回のセットの次の次のセットまでATモードが継続することが確定する。なお、本実施形態では、上乗せ抽選に当選した場合に一律でATセットカウンタに1を加算する構成としているが、2以上の数を加算する場合がある構成としてもよく、例えば、上乗せ当選の契機となったゲームの抽選結果に応じてATセットカウンタに加算する数を抽選により決定する構成としてもよい。
続くステップSd1010ではセット上乗せコマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本上乗せ用処理を終了する。セット上乗せコマンドは、上乗せ抽選に当選したことやATセットカウンタの値を表示制御装置81へ把握させるためのコマンドである。なお、複数のセット数を一の上乗せ当選にて上乗せする場合がある構成においては、当該セット上乗せコマンドに当該上乗せするセット数の情報を設定する構成とするとよい。セット上乗せコマンドを受信した表示制御装置81は、セット上乗せが行われたことに対応する演出を補助表示部65やスピーカ64にて行うための処理を実行する。
抽選結果対応処理(図283)において、ステップSd607又はステップSd609の処理を実行した後は、ステップSd610~ステップSd619にて、ストップスイッチ42~44の押し順報知用の処理を実行する。
<押し順報知の概要>
ステップSd610~ステップSd619にて実行される押し順報知用の処理の説明に先立って、指示モニタ68にて実行される押し順報知や、補助表示部65にて実行される押し順報知演出の概要について説明する。なお、押し順報知や押し順報知演出は、例えば、押し順ナビ、順序報知や態様報知とも称することが可能である。指示モニタ68は主制御装置101に接続されており、主制御装置101により押し順報知が行われる。これに対して、補助表示部65は表示制御装置81に接続されており、表示制御装置81により押し順報知演出が行われる。
先ず、この指示モニタ68の構成について、図289を参照しながら説明する。図289(a)は、指示モニタ68の正面図であり、図289(b)は、指示モニタ68の表示態様と表示内容との関係を説明するための図である。
図289(a)に示すように、指示モニタ68には8個の表示用セグメントN1~N8が設けられている。各表示用セグメントN1~N8は、LEDからなる個別の光源を有しており、それら個別の光源がオンオフ制御されることで、任意の1個の表示用セグメントのみを点灯させることができるとともに、任意の組み合わせの表示用セグメントを点灯させることができる。これにより、指示モニタ68では、それぞれ個別に所定の記号(アルファベットや数字を含む)が表示されるようになっている。なお、上記個別の光源はいずれも同一色の光を照射するものであるため、各表示用セグメントN1~N8においてはいずれも同一の色が表示されることとなる。
各表示用セグメントN1~N8について詳細には、第1表示用セグメントN1~第7表示用セグメントN7は、いずれも直線状の表示用セグメントであり、これら第1表示用セグメントN1~第7表示用セグメントN7は、数字の「0」~「6」及び「9」を少なくとも表示することができるように配置されている。また、第8表示用セグメントN8は、円形状の表示用セグメントであり、第1表示用セグメントN1~第7表示用セグメントN7が設けられた領域の右下部分の横方に配置されている。したがって、指示モニタ68では、「0」~「6」及び「9」と、「0.」~「6.」及び「9.」と、「 .」と、を少なくとも表示することができる。
なお、指示モニタ68において、複数パターンの記号をそれぞれ個別に表示することが可能であれば、各表示用セグメントN1~N8の形状や配置態様は任意であり、さらには8個のセグメントではなく7個のセグメント、又は9個のセグメント等を用いる構成としてもよい。また、各表示用セグメントN1~N8において表示される色が同一であることは必須ではなく、各表示用セグメントN1~N8において表示される色が適宜変更可能となる構成としてもよい。また、光源をオンオフ制御することで、各表示用セグメントN1~N8の点灯又は消灯を制御する構成は必須のものではなく、各表示用セグメントN1~N8において個別に表示制御が行えるのであれば、単一のバックライトと液晶ディスプレイとによりセグメント表示器を構成してもよい。さらには、各表示領域に対してセグメント表示を適用するのではなく、液晶表示装置、有機EL表示装置、CRT、ドットマトリックス等その他のタイプの表示装置によって記号を表示する構成としてもよい。
第1表示用セグメントN1~第7表示用セグメントN7は、ストップスイッチ42~44の操作態様によって入賞する結果が異なる操作態様役のうち、ストップスイッチ42~44の操作順序によって入賞する結果が異なる押し順役の操作順序を報知する場合と、操作態様役の種別を報知する場合とに用いられる表示用セグメントである。
この場合、図289(b)に示すように、「1」~「6」の表示は押し順役の操作順序の報知に対応しており、例えば、各ストップスイッチ42~44の操作順序として「左」→「中」→「右」の順で停止操作を行うことにより遊技者にとって有利な入賞態様となる場合、第6表示用セグメントN6及び第7表示用セグメントN7が点灯表示されて「1」が表示される。また、各ストップスイッチ42~44の操作順序として「右」→「左」→「中」の順で停止操作を行うことにより遊技者にとって有利な入賞態様となる場合、第1表示用セグメントN1、第2表示用セグメントN2、第3表示用セグメントN3、第5表示用セグメントN5及び第6表示用セグメントN6が点灯表示されて「5」が表示される。つまり、各表示用セグメントN1~N7にて表示される数字(記号)は、ストップスイッチ42~44の操作順序と1対1で対応付けられており、表示用セグメントN1~N7にて表示される数字(記号)に基づいて、ストップスイッチ42~44を停止操作することで、遊技者にとって有利な態様にて入賞させることが可能となる。
また、図289(c)に示すように、「0」及び「9」は操作態様役の種別の報知に対応しており、操作態様役における押し順役のうち押し順ベルである場合には、第1表示用セグメントN1、第2表示用セグメントN2及び第4表示用セグメントN4~第7表示用セグメントN7が点灯表示されて「0」が表示される。この場合、指示モニタ68の表示態様から、押し順ベルに当選していることを遊技者は把握可能となるものの、当該押し順ベルであっても、上記図289(b)の場合のように有利な操作態様が明示されないことから、指示モニタ68の表示態様からは有利な操作態様を把握することはできない。
また、操作態様役における特殊役である場合には、第1表示用セグメントN1~第3表示用セグメントN3及び第5表示用セグメントN5~第7表示用セグメントN7が点灯表示されて「9」が表示される。既に説明した通り、特殊役である場合には、ストップスイッチ42~44を第1操作態様にて操作した場合には第33小役入賞が成立し、ストップスイッチ42~44を第2操作態様にて操作した場合には第1小役入賞~第6小役入賞が成立し、これら第1操作態様や第2操作態様は、予め定められた操作態様である。つまり、指示モニタ68にて上記のように特殊役である旨の報知が行われた場合には、第2操作態様にて操作することで、払出枚数が多い第1小役入賞~第6小役入賞を成立させることが可能である。
第8表示用セグメントN8は、有利区間に移行し、押し順報知が発生し得る状況となる報知条件を含む所定の開始条件が成立した場合に、その開始条件が成立したゲームにて点灯される。また、ATモードが終了して有利区間から通常区間へ移行する場合に消灯される。
つまり、押し順ベル等の操作順序が報知され易くなることによって遊技者にとって有利な態様にて入賞させ易くなる区間を有利区間(特定遊技状態、特定モード)とし、第8表示用セグメントN8は、当該有利区間において、実際に押し順報知による恩恵が得られるようになる特定区間中は点灯し、有利区間ではない通常区間や、有利区間であっても特定区間ではない非特定区間中は消灯する区間表示器(特定報知手段)をなすものである。
既に説明したとおり、押し順表示器としての第1表示用セグメントN1~第7表示用セグメントN7、及び区間表示器としての第8表示用セグメントN8を有する指示モニタ68は、遊技パネル25において払出枚数表示部62の側方付近に配置されている。つまり、指示モニタ68は、遊技者が操作するストップスイッチ42~44等よりも上方に配置されており、言い換えると、ストップスイッチ42~44等が設けられている位置よりも下方において遊技機前面部である化粧パネルに配置されていない。そのため、ストップスイッチ42~44等を操作する手等によって、第8表示用セグメントN8が隠されることが抑制され、遊技者が視認し易い位置に配置されているといえる。また、メダルの獲得を目指して遊技を進行させる遊技者が注視し易い払出枚数表示部62の近くに配置されていることからしても、遊技者による見逃しが抑制されているといえる。
さらに、指示モニタ68において特に第8表示用セグメントN8は、周囲の表示部(例えば払出枚数表示部62や、遊技パネル25のバックライト)の明度よりも高い明度となるように(より詳しくは、周囲の表示部の明度の2倍の明度となるように)、対応するLEDの明度が定められている。そのため、第8表示用セグメントN8と周囲の表示部とがいずれも発光制御されている場合(点灯状態となっている場合)であっても、第8表示用セグメントN8が一際目立つようになっている。遊技機前方に向けた照度についても、第8表示用セグメントN8の方が周囲の表示部より、遊技機前方に向けた照度が高くなるように(より詳しくは、周囲の表示部の照度の2倍の照度となるように)、対応するLEDの照度が定められている。このような構成からも、第8表示用セグメントN8の視認性が向上されており、当該第8表示用セグメントN8が点灯状態となった場合の見逃しが抑制されている。
次に、補助表示部65にて行われる押し順報知演出について、図290を参照しながら説明する。ここでは、今回報知する操作順序が、中→右→左である場合の押し順役に当選している場合を例として、補助表示部65での押し順報知演出を説明する。
図290(a)に示すとおり、補助表示部65では、ストップスイッチ42~44に対応して3つ並列したボタン表示のうち、最初に操作すべきストップスイッチに対応するボタン表示(図では中ストップスイッチ43に対応する真ん中のボタン表示)に数字の1が付されて、他のボタン表示よりも大きく表示される。また、各ボタン表示は、当選役に対応する色(ベルなら黄色、再遊技なら青色等)にて表示される。これにより、遊技者は、今回のゲームにて当選している役と、最初に操作すべきストップスイッチが中ストップスイッチ43であることを認識することができる。また、補助表示部65では、次に操作すべきストップスイッチが右ストップスイッチ44であり、最後に操作すべきストップスイッチが左ストップスイッチ42であることを示すように、右のボタン表示に数字の2が付されて表示され、左のボタン表示に数字の3が付されて表示される。
遊技者が中ストップスイッチ43を操作すると、図290(b)に示すように、補助表示部65では、中ストップスイッチ43に対応する真ん中のボタン表示が消え、右ストップスイッチ44に対応する右のボタン表示が大きく表示される。これにより、遊技者は、中ストップスイッチ43の操作が完了したこと、及び、次に操作すべきストップスイッチが右ストップスイッチ44であることを確認することができる。
遊技者が右ストップスイッチ44を操作すると、図290(c)に示すように、補助表示部65では、右ストップスイッチ44に対応する右のボタン表示が消え、左ストップスイッチ42に対応する左のボタン表示が大きく表示される。これにより、遊技者は、右ストップスイッチ44の操作が完了したこと、及び、次に操作すべきストップスイッチが左ストップスイッチ42であることを確認することができる。
押し順報知の実行タイミングについて説明すると、各リール32L,32M,32Rの回転が開始されてから、加速期間を経て定速回転に至るまでのストップスイッチ42~44の無効期間中に、押し順報知が実行されるように設定されている。このようにストップスイッチ42~44の操作が有効となるよりも前のタイミングで押し順報知を実行する構成とすることで、ストップスイッチ42~44の操作順序を認識したうえでストップスイッチ42~44の操作に望ませることが可能となり、テンポ良く遊技を進行させることができる。
ステップSd610~ステップSd619における押し順報知用の処理の説明を行う。
すなわち、ステップSd610では、今回のゲームの抽選結果が押し順ベル当選であったか否かを判定する。押し順ベル当選である場合、ステップSd611にて、ATモードフラグがセットされているか否かを判定する。ATモードフラグがセットされている場合、ステップSd612にて今回の押し順ベルの種類に応じて第1小役入賞~第6小役入賞に対応する押し順報知が行われるように指示モニタ68を制御する。そして、ステップSd613にて、第1小役入賞~第6小役入賞に対応する操作順序の情報を含むようにそれぞれ設定された押し順報知コマンドを、表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本押し順報知用処理を終了する。つまり、ステップSd613では、第1小役用押し順報知コマンド~第6小役用押し順報知コマンドのいずれかをセットする処理を実行する。これらの押し順報知コマンドを受信した表示制御装置81では、第1小役入賞~第6小役入賞に対応する押し順報知演出が行われるように補助表示部65やスピーカ64を制御する。
ステップSd611にてATモードフラグがセットされていない場合には、ステップSd614にて、押し順ベルのグループ報知(図289(c))が行われるように指示モニタ68を制御する。つまり、ステップSd614では、操作態様役のうち押し順ベルである旨の報知が行われるように指示モニタ68を制御する。その後、抽選結果対応処理を終了する。
ステップSd610にて押し順ベル当選ではないと判定した場合、ステップSd615にて特殊役当選であるか否かを判定する。特殊役当選ではない場合、そのまま本抽選結果対応処理を終了する。特殊役当選である場合、ステップSd616にてATモードフラグがセットされているか否かを判定する。
ステップSd616にてATモードフラグがセットされていない場合には、ステップSd617にて、特殊役報知(図289(c))が行われるように指示モニタ68を制御する。つまり、ステップSd617では、操作態様役のうちの特殊役である旨の報知が行われるように指示モニタ68を制御する。その後、抽選結果対応処理を終了する。
ステップSd616にてATモードフラグがセットされている場合、ステップSd618に進む。ステップSd618では、第1小役入賞~第6小役入賞に対応する操作順序のうち、予め定められた操作順序として、第6小役入賞に対応する押し順報知が行われるように指示モニタ68を制御する。そして、ステップSd619にて、第6小役入賞に対応する操作順序の情報を含むように設定された第6小役用の押し順報知コマンドを、表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本押し順報知用処理を終了する。この押し順報知コマンドを受信した表示制御装置81では、第1小役入賞~第6小役入賞に対応する押し順報知演出が行われるように補助表示部65やスピーカ64を制御する。
このように、本実施形態では、操作態様役のうちの押し順ベルに当選したゲームがATモード中であれば、指示モニタ68にて第1小役入賞~第6小役入賞を成立させることを可能とするストップスイッチ42~44の操作順序の報知が行われるとともに、当該操作順序の情報を含む押し順報知コマンドが表示制御装置81へ出力されて、補助表示部65による押し順報知演出が行われる。その一方で、押し順ベルに当選したゲームがATモード中ではなければ、指示モニタ68では押し順ベルである旨の報知は行われるものの、第1小役入賞~第6小役入賞を成立させることを可能とするストップスイッチ42~44の操作順序の報知は行われないし、当該操作順序の情報を含む押し順報知コマンドも表示制御装置81に出力されないため、補助表示部65による押し順報知演出が行われない。
更に、本実施形態においては、抽選処理(図274)におけるステップSd311の抽選結果コマンド設定処理では、押し順ベルに当選しているゲームでは押し順ベルのうちのいずれの結果(IV11~22)に当選しているかの情報が表示制御装置81へ出力されないようにしている。
具体的には、図291(a)のフローチャートに示すように、ステップSd1101にて、今回のゲームがインデックス値IV=11~22にて当選となり、いずれかの押し順ベルに当選しているか否かを判定する。押し順ベル当選ではない場合、ステップSd1102にて、各当選結果に対応する抽選結果コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本抽選結果コマンド設定処理を終了する。すなわち、ステップSd1102では、例えば、インデックス値IV=1にて当選となった場合、通常リプAを示す抽選結果コマンドをセットし、インデックス値I=8にて当選となった場合、チェリーAを示す抽選結果コマンドをセットし、インデックス値IV=27にて当選となった場合、特殊役を示す抽選結果コマンドをセットする。
これに対して、ステップSd1101にていずれかの押し順ベルに当選していると判定した場合、ステップSd1103にて押し順ベルグループを示す抽選結果コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本抽選結果コマンド設定処理を終了する。当該押し順ベルグループを示す抽選結果コマンドは、押し順ベルのいずれかに当選していることの情報を含むものの、いずれの押し順ベルに当選しているかの情報、すなわち、例えば、順押しベル1に当選していることの情報(IV=11にて当選となったことの情報)や、中逆押しベル2に当選していることの情報(IV=18にて当選となったことの情報)等の情報を含まないように設定されている。
つまり、図291(b)にも示すように、本実施形態では、押し順ベルに当選していることの情報は、ATモード中か否かに関わらず、押し順ベルグループを示す抽選結果コマンドとして表示制御装置81へ出力される。そして、ATモード中においては、第1小役入賞~第6小役入賞用の押し順報知コマンドが合わせて出力されることにより、表示制御装置81にて押し順報知演出が実行可能となる。これに対して、ATモード中ではない場合、第1小役入賞~第6小役入賞用の押し順報知コマンドは表示制御装置81出力されないし、上記の通り、押し順ベルグループを示す抽選結果コマンドしか出力されないため、表示制御装置81側では、ATモードではないのにもかかわらず、押し順ベル当選時に第1小役入賞~第6小役入賞を成立させることが可能なストップスイッチ42~44の操作順序を把握することができない。このようにすることで、主制御装置101から表示制御装置81へ出力されるコマンドや表示制御装置81を不正に解析するなどして、ATモードではないのにもかかわらずATモードの恩恵(押し順ベル当選時に第1小役入賞~第6小役入賞を成立させることが可能となる恩恵)を享受しようとする不正行為等を行わせないようにすることができる。
しかも、本実施形態では、ATモード中において特殊役当選となった場合、第1小役入賞~第6小役入賞及び第33小役入賞のうち、第6小役入賞用の押し順報知を指示モニタ68にて実行するとともに、第6小役入賞用の押し順報知コマンドを出力するようにしている。このようにすることで、ATモード中においては、払出枚数の少ない側である第33小役入賞ではなく、払出枚数の多い側である第1小役入賞~第6小役入賞のうちの第6小役入賞を成立させるようにすることができ、ATモードの有利度を向上させることができる。
それだけではなく、払出枚数の多い側の第1小役入賞~第6小役入賞のうち、予め定められた一の小役(押し順)である第6小役入賞用の押し順報知を指示モニタ68にて実行するようにし、第6小役入賞用の押し順報知コマンドを出力するようにしている。このようにすることで、特殊役当選時に第1小役入賞~第6小役入賞のうちのいずれの小役入賞を成立させるかを選択する処理等が必要なくなり、処理の大幅な簡素化を図ることが可能となる。
さらに、上記の通り、特殊役当選がATモード中であれば、抽選結果対応処理におけるAT上乗せ用処理にて上乗せ抽選の対象となるところ、当該特殊役当選時の上乗せ抽選の当選確率は、押し順ベル当選時の上乗せ抽選の当選確率よりも高く、特殊役当選時は10%の確率で上乗せ当選する一方、押し順ベル当選時は上乗せ当選しないように設定されている。この場合、ATモード中の特殊役当選時においては、押し順ベル当選時に報知される第1小役入賞~第6小役入賞用の押し順報知のうちの第6小役入賞用の押し順報知を行うとともに、押し順ベル当選時に出力される第1小役入賞~第6小役入賞用の押し順報知コマンドのうちの第6小役入賞用の押し順報知コマンドを出力するようにしていることから、ATモード中の特殊役当選を押し順ベル当選にうまくまぎれさせることが可能となり、あたかも押し順ベル当選に基づいて上乗せ抽選が行われているかのような印象を与えることが可能となる。これにより、押し順ベル当選時の恩恵(上乗せ抽選の当選確率等)を高め過ぎないようにしながら、押し順ベル当選時の注目度を高めることが可能となる。
<入賞結果対応処理>
次に、リール制御処理におけるステップSd415にて実施される入賞結果対応処理について、図292のフローチャートを参照しながら説明する。入賞結果対応処理では、ゲームの遊技結果に応じて、ATモードを開始させたり終了させたりするための処理を行う。
先ずステップSd1201にて、第1BB状態フラグ及び第2BB状態フラグのいずれかのフラグがセットされているか否かを把握して、今回開始するゲームがいずれかのBB状態であるか否かの判定を行う。BB状態ではない場合には、ステップSd1202にてベット数が3であるか否かを判定する。また、BB状態である場合には、ステップSd1203にてベット数が2であるか否かを判定する。すなわち、ステップSd1201~ステップSd1203の処理は、上記ステップSd601~ステップSd603の処理に対応する処理であり、遊技状態に対応付けられて規定されている一の特定規定数であるか否かを判定する処理である。特定規定数ではない場合には、ステップSd1204以降の表示モード用の処理(指示機能用の処理)を行うことなく入賞結果対応処理を終了する。
ステップSd1202又はステップSd1203にて肯定判定し、ベット数が特定規定数である場合には、ステップSd1204に進む。ステップSd1204では、ATモードフラグがセットされているか否かを判定する。ATモードフラグがセットされていない場合、ステップSd1205にて、ATモード当選フラグがセットされているか否かを判定する。ATモードフラグもATモード当選フラグもセットされておらず、ATモード移行抽選に当選していない状況である場合、ステップSd1206に進み、停止時AT抽選用処理を実行する。
<停止時AT抽選用処理>
ステップSd1206の停止時AT抽選用処理について、図293のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップSd1301では、今回のゲームの抽選結果を把握する処理を実行する。続くステップSd1302では、今回のゲームの抽選結果が特殊役であったか否かを判定する。特殊役であった場合、ステップSd1303にて、今回のゲームのストップスイッチ42~44の操作態様が第1操作態様であったか否かを判定する。
既に説明した通り、特殊役に当選したゲームにおいて、ストップスイッチ42~44を第1操作態様にて操作すると第33小役入賞が成立し、第2操作態様にて操作すると第1小役入賞~第6小役入賞が成立する。この場合、各ストップスイッチ42~44の操作タイミングや操作順序をレジスタ等に一時記憶しておき、ステップSd1303にて第1操作態様か否かを判定する構成としてもよいし、入賞結果を把握することで、第33小役入賞が成立していること(第1小役入賞~第6小役入賞のいずれもが成立していないこと)から第1操作態様にて操作されたと判定する構成としてもよい。
なお、特に、特殊役において、第1操作態様であっても第33小役入賞を成立させることができず、取りこぼしが生じるような構成や、第2操作態様であっても第1小役入賞~第6小役入賞を成立させることができず、取りこぼしが生じるような構成とする場合においては、前者のように各ストップスイッチ42~44の操作タイミングや操作順序を記憶しておいて、その情報からいずれの操作態様かを判断する構成とするとよい。逆に、本実施形態のように、少なくとも第1操作態様であれば第33小役入賞の取りこぼしが生じないような構成であれば、第33小役入賞が成立していることから第1操作態様にて操作されたと判断するとよく、また、第1小役入賞~第6小役入賞が成立しており、且つ特殊役当選である場合には、第1操作態様ではなく第2操作態様であったと判断する構成としてもよい。
ステップSd1303にて、特殊役当選時に第1操作態様にて操作されたと判定した場合と、ステップSd1302にて特殊役以外の抽選結果であったと判定した場合とは、ステップSd1304~ステップSd1306にて天井カウンタを減算する処理を実行し、その後、ステップSd1307~ステップSd1323にてATモード移行抽選等の処理を実行する。これに対して、ステップSd1303にて、特殊役当選時に第1操作態様ではなく第2操作態様にて操作されたと判定した場合、天井カウンタの減算処理やATモード移行抽選等を行うことなく、そのまま停止時AT抽選用処理を終了する。
すなわち、上記の通り、特殊役当選時において、第1操作態様にてストップスイッチ42~44を操作することで第33小役入賞が成立し、第2操作態様にてストップスイッチ42~44を操作することで第33小役入賞時よりもメダル払出枚数が多い第1小役入賞~第6小役入賞が成立する構成において、第1操作態様であれば天井カウンタの減算処理やATモード移行抽選等が実行されるのに対して、第2操作態様の場合には天井カウンタの減算処理やATモード移行抽選等は実行されない。また、開始時AT抽選用処理では、特殊役当選に基づくATモード移行抽選やCZモード移行抽選等は行われない。そのため、特殊役当選時に第1操作態様よりも第2操作態様にて操作した場合の方が、メダル払出数は多くなるものの、第2操作態様にて操作すると指示機能に関する処理が第1操作態様の場合よりも制限された態様にて実行される。このようにして、いずれの恩恵を享受するかを遊技者が選択可能な遊技性として遊技の多様化が図られている。
天井カウンタの減算用処理では、ステップSd1304にて減算値抽選処理を実行する。減算値抽選処理では、各種テーブル記憶エリア105aから天井減算値テーブルを取得し、ステップSd1301にて把握した抽選結果に基づいて、今回のゲームにて天井カウンタから減算する値を抽選により決定する。図294に示すように、本実施形態では、減算値として1~100が設定されており、特殊役以外の抽選結果では外れ結果を含めて基本的には1が選択され易く、所謂レア役としての特定役当選時は1よりも大きい減算値が天井カウンタから減算される場合があるように設定されている。その一方で、特殊役当選時は、特定役当選時よりも1より大きい減算値が選択される確率が高くなるように設定されている。
ステップSd1304にて減算値抽選処理を実行した後は、ステップSd1305にて減算値コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行する。減算値コマンドは、今回のゲームの減算値の情報が含まれている。その後、ステップSd1306にて、ステップSd1304にて抽選した減算値を天井カウンタから減算する処理を実行する。ちなみに、天井カウンタが0となった場合には、上記の通り、次のゲームの開始時AT抽選用処理にて、ATモード当選フラグがセットされることになる。なお、ステップSd1306では、天井カウンタの残り数よりも今回の減算値の方が大きい場合には、天井カウンタを0として、マイナス値にならないように設定されている。このようにすることで、マイナス値を起因とするエラーの発生を抑制することが可能である。但し、天井カウンタの残り数よりも今回の減算値の方が大きい場合には、遊技者にとって有利な事象を生じさせる構成としてもよく、残り数と減算値との差分に応じて有利な事象を生じさせたり、有利な事象の種類を異ならせたりしてもよい。有利な事象とは、例えば、ATモードのセット上乗せや、ATモードの種別として有利な第2ATモードが選択され易くなったり、設定値の示唆演出を発生させたり、レア画像を表示させたりすることが考えられる。
ステップSd1306にて天井カウンタの減算を行った後は、ステップSd1307~ステップSd1311にてATモード抽選用の処理を実行する。すなわち、ステップSd1307では、CZモードフラグやCZモード当選フラグがセットされているか否かを判定する。いずれのフラグもセットされていない場合には、ステップSd1308にて停止時通常用ATモード移行抽選テーブルを各種テーブル記憶エリア105aから取得する処理を実行する。一方、CZモードフラグやCZモード当選フラグがセットされており、CZモード中やCZモードへの移行が確定している状況であれば、ステップSd1309にて各種テーブル記憶エリア105aから停止時CZ用ATモード移行抽選テーブルを取得する処理を実行する。
これら停止時通常用ATモード移行抽選テーブルや停止時CZ用ATモード移行抽選テーブルは、図294に示すように、特殊役である場合にはATモード移行当選となり得るように設定されている一方で、他の抽選結果ではATモード移行当選とならないように設定されている。これは、特殊役以外の抽選結果においては、開始時AT抽選用処理においてATモード移行抽選が行われており、このようにすることで、開始時と停止時とで重複して移行抽選が行われることによって出玉率が高騰してしまわないようにしている。また、停止時通常用ATモード移行抽選テーブルと停止時CZ用ATモード移行抽選テーブルとを比較すると、開始時のものと同様に通常用よりもCZ用の方がATモード移行当選となり易くなるように設定されている。
3ベットゲームにおける各抽選結果の出現率(当選確率)と、当該抽選結果に基づくATモード移行抽選の当選確率との関係を、図295を参照しながら説明する。
既に説明した通り、開始時AT抽選用処理においては、各ゲームでの出現率が低い抽選結果ほどATモード移行当選となり易いように設定されており、例えば、約164分の1の確率で出現するチャンス目AはCZモードにおいて3%の確率でATモード移行当選となり、約262分の1の確率で出現するチャンス目BはCZモードにおいて5%の確率でATモード移行当選となる。この場合、CZモードにおいて、チャンス目Aを契機としてATモード移行当選となる確率は約5460分の1であり、チャンス目Bを契機としてATモード移行当選となる確率は約5240分の1である。これに対して、停止時AT抽選用処理においては、約20分の1の確率で出現する特殊役当選時には、第1操作態様にて操作することで約40分の1の確率でATモード移行当選となり、CZモードにおいて、特殊役を契機としてATモード移行当選となる確率は約200分の1である。
つまり、ATモード移行当選となる契機が特殊役となる割合は、他の結果よりも圧倒的に高くなるように設定されており、具体的には、CZモードにおいて、特殊役を契機として約200分の1の確率でATモード移行当選となり、特殊役以外を契機として約178分の1の確率でATモード移行当選となり、CZモードにおいて約半数が特殊役を契機としてATモード移行当選となることになる。
但し、上記の通り、特殊役当選となったゲームにおいて第1操作態様ではなく第2操作態様にてストップスイッチ42~44を操作すると、ATモード移行抽選自体が行われないことから、ATモード移行当選を目指す遊技性においては、メダル払出数が少なくても特殊役当選時において第1操作態様にてストップスイッチ42~44を操作したほうが遊技者にとって有利となる。
各移行抽選テーブルを取得した後は、ステップSd1310にてATモード移行抽選を実行する。そして、ステップSd1311にてATモード移行当選となったか否かを判定する。
ATモード移行当選となった場合、ステップSd1312~ステップSd1315にてATモード当選用の処理を実行し、ATモード移行当選とはならなかった場合には、ステップSd1316~ステップSd1319にてCZモード用の処理を実行する。その後、ステップSd1320~ステップSd1323にて前兆モード用の処理を実行してから、停止時AT抽選用処理を終了する。ステップSd1312~ステップSd1323の処理は、開始時AT抽選用処理におけるステップSd809~ステップSd820の処理と同様である。
なお、停止時AT抽選用処理においても、ATモード移行当選となった場合やCZモード移行当選となった場合には前兆ゲーム数が設定されて前兆コマンドが出力される。そして、CZモード中にATモード移行当選となった場合には、前兆ゲーム数が0として設定される。この場合、本停止時AT抽選用処理に続けて実行される前兆ゲーム数用処理(ステップSd1208)において、次ゲームからATモードを開始するための処理が行われる。つまり、CZモード中の開始時AT抽選用処理にてATモード移行当選となった場合も、停止時AT抽選用処理にてATモード移行当選となった場合も、同様に今回のゲームにてATモード移行当選となったことの報知が行われ、次ゲームからATモードが開始されることになる。
入賞結果対応処理(図292)の説明に戻る。
ステップSd1205にて既にATモード移行抽選に当選していると判定した場合と、ステップSd1206にて停止時AT抽選用処理を実行した後は、ステップSd1207に進む。ステップSd1207では、前兆フラグがセットされているか否かを判定する。前兆フラグがセットされている場合、ステップSd1208にて、前兆ゲーム数用処理を実行してから、入賞結果対応処理を終了する。
一方、ステップSd1207にて前兆フラグがセットされていない場合、ステップSd1209にてCZモードフラグがセットされているか否かを判定する。CZモードフラグがセットされており、CZモード中である場合には、ステップSd1210にてCZゲーム数用処理を実行してから、入賞結果対応処理を終了する。ステップSd1209にて否定判定した場合には、そのまま入賞結果対応処理を終了する。
ステップSd1204にてATモードフラグがセットされており、ATモード中である場合には、ステップSd1211にてATゲーム数用処理を実行してから、入賞結果対応処理を終了する。
以下、前兆ゲーム数用処理、CZゲーム数用処理、ATゲーム数用処理について、それぞれ説明する。
<前兆ゲーム数用処理>
前兆ゲーム数用処理では、図296に示すように、ステップSd1401にて前兆カウンタを1減算する処理を実行する。なお、開始時AT抽選用処理や停止時AT抽選用処理における前兆ゲーム数を設定する処理で、前兆ゲーム数を0として設定している場合は(前兆カウンタに0を入力している場合は)、ステップSd1401では前兆カウンタを減算しない。そして、ステップSd1402にて前兆カウンタが0であるか否かを判定し、0ではない場合には、そのまま前兆モード用処理を終了する。前兆カウンタが0である場合には、ステップSd1403にて前兆フラグをクリアする処理を実行する。
続くステップSd1404では、ATモード当選フラグがセットされているか否かを判定することで、今回の前兆モードがATモード移行抽選に当選したことに基づいて移行したものであったか否かを把握する。ATモード当選フラグがセットされておらず、今回の前兆モードがCZモード移行抽選に当選したことに基づくものであった場合、ステップSd1405に進む。ステップSd1405では、CZモード当選フラグをクリアする処理を実行する。そして、ステップSd1406にてCZモードフラグをセットし、ステップSd1407にて各種カウンタエリア106eに設けられたCZゲームカウンタに所定数としての10を入力する処理を実行する。CZゲームカウンタはCZモードの残りゲーム数をCPU102が把握するためのカウンタであり、CZモードにおいて1ゲーム消化する度に1ずつ減算されるカウンタである。その後、ステップSd1408にてCZ開始コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本前兆モード用処理を終了する。CZ開始コマンドを受信した表示制御装置81は、CZモード移行抽選に当選したことの報知とともに、CZモードが開始されることの報知が補助表示部65やスピーカ64にて行われるように制御する。
ステップSd1404にてATモード当選フラグがセットされており、今回の前兆モードがATモード移行抽選に当選したことに基づく前兆モードであった場合、ステップSd1409にて、ATモード当選フラグをクリアする処理を実行する。そして、ステップSd1410にて、各種フラグ格納エリア106dにATモードフラグをセットする処理を実行する。続くステップSd1411では、継続率設定処理を実行する。上記の通り、本実施形態におけるATモードは所定数のゲーム数を1セットとするセット管理型のATモードであり、残りセット数が存在しない状況(ATセットカウンタが0である状況)でセットの継続抽選に非当選となるまでATモードが継続する構成としており、ステップSd1411の継続率設定処理は継続抽選の当選確率(継続率)を設定する処理である。
本実施形態では、図297に示すように、当選確率の設定処理にて設定される設定値に応じて、複数設けられた継続率(90%、60%、10%)の選択率が異なるように設定されており、ステップSd1411では、当該設定値に基づいて、いずれの継続率を選択するかを抽選により決定する。具体的には、基本的には設定値が高いほど(出玉率が高くなる設定値ほど)高い継続率が選択され易くなるように設定されており、例えば、60%の継続率は設定1では30%の確率で選択されるのに対して、設定6では70%の確率で選択される。但し、90%の継続率は奇数設定の方が偶数設定よりも選択され易くなっており、最も選択され易い設定値は設定5である。そして、90%の継続率を選択した場合には、各種フラグ格納エリア106dに90%フラグをセットし、60%の継続率を選択した場合には、各種フラグ格納エリア106dに60%フラグをセットし、10%の継続率を選択した場合には、各種フラグ格納エリア106dに10%フラグをセットする。これら各継続率を示す情報(90%フラグ、60%フラグ、10%フラグ)は、今回移行するATモードが終了する際にクリアされるフラグである。つまり、一旦、ATモードの継続率が設定された場合には、当該ATモードが終了するまで、その継続率にて各セットの継続抽選が行われる構成としている。
ステップSd1411にて継続率設定処理を実行した後は、ステップSd1412にてATゲームカウンタに18を入力する処理を実行する。上記の通り、ATゲームカウンタは、ATモードの1セットが終了するまでのゲーム数をCPU102が把握するためのカウンタであり、1ゲーム消化する度に1ずつ減算されるカウンタである。そして、ATゲームカウンタが0となった場合に継続条件が成立していれば、再度ATゲームカウンタに所定数である18が入力され、ATゲームカウンタが0となった場合に継続条件が成立していなければ、ATモードが終了することになる。
その後、ステップSd1412にて、AT開始コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行し、前兆モード用処理を終了する。AT開始コマンドを受信した表示制御装置81は、ATモードが開始されることに対応する演出を補助表示部65やスピーカ64にて行うように制御する。この場合、今回終了するゲームの次のゲームからATモードが開始されることになる。
<CZゲーム数用処理>
CZゲーム数用処理では、図298のフローチャートに示すように、ステップSd1501にてCZゲームカウンタを1減算する処理を実行する。続くステップSd1502では、ステップSd1501の処理結果に基づいて、CZゲームカウンタが0となったか否かを判定する。CZゲームカウンタが0となっていない場合には、そのままCZモード用処理を終了する。
CZゲームカウンタが0となっている場合には、ステップSd1503にてCZモードフラグをクリアする処理を実行する。その後、ステップSd1504にてCZ終了コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本CZモード用処理を終了する。CZ終了コマンドを受信した表示制御装置81では、CZモードが終了したことの報知が補助表示部65やスピーカ64にて行われるように制御する。
なお、既に説明した通り、CZモード中にATモード移行抽選に当選した場合、CZモードはその時点で終了し、前兆モードに移行する構成としている。そのため、ステップSd1503にてCZモードフラグがクリアされることによってCZモードが終了する場合とは、CZモード中にATモード移行抽選に当選しなかったことを意味する。
<ATゲーム数用処理>
ATゲーム数用処理では、図299のフローチャートに示すように、ステップSd1601にてATゲームカウンタを1減算する処理を実行する。続くステップSd1602では、ステップSd1601の処理結果に基づいて、ATゲームカウンタが0となったか否かを判定する。ATゲームカウンタが0となっていない場合には、そのままATモード用処理を終了する。
ATゲームカウンタが0となっている場合には、ステップSd1603にて継続フラグがセットされているか否かを判定する。継続フラグがセットされており、継続条件が成立している場合、次のセットに移行させるための処理(ステップSd1604~ステップSd1606)を実行する。これに対して、ステップSd1603にて継続フラグがセットされていない場合には、ATモードを終了させるための処理(ステップSd1607~ステップSd1610)を実行する。
ステップSd1603にて継続条件が成立している場合、ステップSd1604にて継続フラグをクリアする処理を実行する。そして、ステップSd1604にてATゲームカウンタに18を入力する処理を実行し、ステップSd1606にてセット更新コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本ATモード用処理を終了する。セット更新コマンドを受信した表示制御装置81は、ATモードのセットの移行が行われたことに対応させて補助表示部65やスピーカ64の演出を更新するための処理を実行する。
一方、ステップSd1603にて継続条件が成立していない場合、ステップSd1607にてATモードフラグをクリアし、ステップSd1608にて継続率の情報(90%フラグ、60%フラグ、10%フラグ)をクリアする処理を実行する。そして、ステップSd1609にて各種フラグ格納エリア106dにATモード終了フラグをセットする処理を実行する。その後、ステップSd1610にてAT終了コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本ATモード用処理を終了する。ATモード終了フラグは、ATモード終了に際して、有利区間を終了させるためのフラグである。ATモード終了コマンドを受信した表示制御装置81は、ATモードが終了したことに対応する演出を行うように補助表示部65やスピーカ64を制御する。
<有利区間の管理>
次に、区間表示器としての第8表示用セグメントN8を制御したり、有利区間へ移行させたり有利区間を終了させるための、区間表示第1処理、及び区間表示第2処理について説明する。
<区間表示第1処理>
先ず、区間表示第1処理について、図300を参照しながら説明する。区間表示第1処理は、抽選処理(図274)におけるステップSd314にて実施される処理であり、スタートレバー41の操作に基づいて当該ゲームの抽選結果が決定されるとともに、当該抽選結果に基づいて表示モードの移行抽選等(抽選結果対応処理)が行われた後に実施される。
ステップSd1701では、区間表示器としての第8表示用セグメントN8が表示中であるか否か、より詳しくは、第8表示用セグメントN8を点灯中か否かを判定する。既に説明した通り、第8表示用セグメントN8を点灯中である場合とは、有利区間のうち、少なくとも押し順報知が発生し得る報知条件が成立している特定区間である場合を示している。ステップSd1701にて否定判定し、第8表示用セグメントN8を消灯中であると判定した場合、ステップSd1702に進む。
ステップSd1702では、各種フラグ格納エリア106dに有利区間当選ゲームフラグがセットされているか否かを判定する。有利区間当選ゲームフラグは、有利区間移行抽選処理において有利区間移行抽選に当選した場合にセットされるフラグであり、その当選ゲームであることをCPU102が特定するためのフラグである。有利区間当選ゲームフラグがセットされている場合、ステップSd1703にて有利区間当選ゲームフラグをクリアする処理を実行する。そして、ステップSd1704にて有利区間フラグをセットする処理を実行する。
ステップSd1705では、有利区間中のゲーム数のカウント、より詳しくは、各種カウンタエリア106eの有利区間ゲーム数AGの計測を開始する処理を行う。有利区間ゲーム数AGは、有利区間の実行ゲーム数を把握する把握手段に相当するものである。そして、ステップSd1706にて、有利区間移行時処理を実行する。有利区間移行時処理は、今回移行させる有利区間の状態や有利度を設定する処理である。具体的には、有利区間移行時処理では、上記の天井カウンタを抽選等により設定し、有利区間移行後、ATモード移行抽選に当選することなくATモードへの移行を許容する天井ゲーム数の設定を行う。天井カウンタの抽選は、例えば、設定値や当該ゲームの抽選結果等を利用して行うとよく、高設定ほど短い天井ゲーム数が選択され易くなるようにしたり、奇数設定よりも偶数設定の方が短い天井ゲーム数が選択され易くなるようにしたり、今回のゲームの抽選結果として当選しにくい結果ほど、短い天井ゲーム数が選択され易くなるようにするとよい。そして、抽選により決定した天井ゲーム数に相当する値を天井カウンタに入力するとよく、例えば、天井カウンタに対応する情報を含む天井コマンドを表示制御装置81へ出力することで、天井ゲーム数を示唆する演出が補助表示部65やスピーカ64にて行われる構成としてもよい。
ちなみに、本実施形態では、天井ゲーム数の最大数が700となるように設定されている。つまり、有利区間に移行した後、通常であれば、少なくとも700ゲームを消化することで天井カウンタが0となり、ATモード当選フラグがセットされるように設定されている。
但し、上記のように、各ゲームを特定規定数のベット数で遊技しなかった場合は天井カウンタの減算が行われない他、特殊役当選時に第1操作態様ではなく第2操作態様にてストップスイッチ42~44を操作した場合にも天井カウンタの減算が行われない。そのため、実際に遊技したゲーム数が700ゲーム以上となった場合であっても、天井カウンタが0とならずにATモード当選フラグがセットされない場合も生じ得る。また、天井カウンタの減算値は、各ゲームで1よりも多い値が選択される場合もあり、有利区間移行時に設定された天井カウンタの値に相当するゲーム数を消化するよりも前に天井カウンタが0となる場合もある。
区間表示第1処理において、ステップSd1706にて有利区間移行時処理を実行した後は、ステップSd1707にて、第8表示用セグメントN8を点灯させることにより区間表示器の表示を開始する。
ステップSd1701にて区間表示器としての第8表示用セグメントN8を表示中であると判定した場合、ステップSd1708にて、有利区間中の表示を継続する処理を実行する。ステップSd1708について具体的には、第8表示用セグメントN8が点灯状態である状況を継続させるための処理を行う。すなわち、区間表示器の表示を終了するための処理は、本区間表示第1処理では実施しない。
ステップSd1702にて有利区間当選ゲームフラグがセットされていないと判定した場合、ステップSd1707にて表示開始処理を実行した後、又はステップSd1708の表示継続処理を実行した後は、ステップSd1709にてATモードフラグがセットされているか否かを判定する。ステップSd1709にていずれのATモードフラグもセットされていないと判定した場合は、ステップSd1710にて、各種カウンタエリア106eに設けられた役比第1カウンタに1を加算する処理を実行する。役比第1カウンタは、押し順報知が発生しないゲーム数、すなわち、通常区間と非特定区間のゲーム数をカウントするためのカウンタである。
これに対して、ステップSd1709にていずれかのATモードフラグがセットされていると判定した場合、ステップSd1711にて、各種カウンタエリア106eに設けられた役比第2カウンタに1を加算する処理を実行する。役比第2カウンタは、押し順報知が発生可能なゲーム数、すなわち、特定区間のゲーム数をカウントするためのカウンタである。
ステップSd1710又はステップSd1711の処理を実行した後は、ステップSd1712にて役比算出処理を実行する。かかる処理では、役比第2カウンタの値を役比第1カウンタと役比第2カウンタとの加算値(全ゲーム数)で除算する処理を行う。すなわち、役比算出処理は、全ゲーム数のうち、押し順報知が発生し得るゲーム数の割合を算出する処理である。そして、ステップSd1713にて、ステップSd1712の演算処理結果が役比モニタ77にて表示されるようにするための処理を実行する。
図5に示すように、役比モニタ77は、7つの表示用セグメントからなる7セグ表示部を複数有している。具体的には、役比モニタ77は、7セグ表示部としての第1表示部77a、第2表示部77b、第3表示部77c、第4表示部77d、第5表示部77eを有している。第1表示部77a~第5表示部77eにおける表示用セグメントは、指示モニタ68の表示用セグメントN1~N7と同様に、LEDからなる個別の光源を有しており、それら個別の光源がオンオフ制御されることで、任意の1個の表示用セグメントのみを点灯させることができるとともに、任意の組み合わせの表示用セグメントを点灯させることができる。これにより、役比モニタ77は、それぞれ個別に所定の記号(アルファベットや数字を含む)が表示されるようになっており、特に、役比モニタ77では、5桁の数字を表示可能となっている。
ステップSd1713では、ステップSd1712の演算処理の結果を役比モニタ77に出力するとともに、役比モニタ77にて、4桁の数字が表示されるように役比モニタ77における各表示部77a~77eの表示制御を行う。具体的には、全ゲーム数のうち、押し順報知が発生し得るゲーム数の割合として、例えば、「0.5012」といったように、1よりも小さい数であって、小数点以下4桁までの数字が役比モニタ77にて表示される。ステップSd1713の処理を実行した後は、区間表示第1処理を終了する。
なお、ステップSd1712の演算処理において小数点以下第5桁の数字を四捨五入する処理を行ったうえで、役比モニタ77の表示制御を行う構成としてもよい。また、役比モニタ77のうち、第1表示部77aは、基本的には「0」が表示されるため、第1表示部77aを有さないようにしたり、第1表示部77aを印刷等によって「0」との表示が常にされる構成としてもよい。また、第1表示部77aと第2表示部77bとの間に、小数点が印刷等により表示される構成とするとよい。
<区間表示第2処理>
次に、区間表示第2処理について、図301のフローチャートを参照しながら説明する。既に説明したとおり、区間表示第2処理は、リール制御処理のステップSd416にて実施される処理であり、1ゲームの終了に際して、メダルの払出(払出判定処理)及び入賞結果に基づく遊技状態の移行等(入賞結果対応処理)が行われてから実施される。
ステップSd1801では、有利区間フラグがセットされているか否かを判定する。セットされていない場合には、そのまま区間表示第2処理を終了する。有利区間フラグがセットされている場合には、ステップSd1802にて、有利区間中のゲーム数をカウントする処理を実行する。具体的には、上記有利区間ゲーム数AGを1加算する処理を行う。続くステップSd1803では、各種カウンタエリア106eに設けられた有利区間増減枚数MY(MYカウンタ)の更新処理を実行する。
ステップSd1803のMY更新処理では、今回のゲームの遊技結果がいずれかの再遊技入賞ではないことを条件として、払出枚数から投入枚数(ベット数)を減算し、その減算結果を有利区間増減枚数MYに加算することによって、有利区間増減枚数MYの更新を行う。
ステップSd1803のMY更新処理を実行した後は、ステップSd1804にて、残ゲーム数管理処理を実行し、続くステップSd1805にて、残枚数管理処理を実行する。残ゲーム数管理処理は、ATモードの残りゲーム数等に基づき、現状の残りゲーム数で有利区間が上限ゲーム数(1500ゲーム)に達する状況となっているか否かの管理を行うための処理である。残ゲーム数管理処理では、例えば、有利区間ゲーム数AG(有利区間の消化ゲーム数)と、ATゲームカウンタ(ATモードの残りゲーム数)との合計が、有利区間の上限ゲーム数より多い状況か否かを把握する。そして、そのような状況であれば、その状況を特定するためのフラグとして、各種フラグ格納エリア106dに第1超過フラグをセットするとともに、当該第1超過フラグをセットしたことの情報を含む第1超過コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする。また、残枚数管理処理は、ATモードの残りゲーム数等に基づき、現状の残りゲーム数で有利区間が上限増加数(2400枚)に達する状況となっているか否かの管理を行うための処理である。残払出枚数管理処理では、例えば、ATゲームカウンタとATモード中の1ゲーム当たりの平均増加枚数とから算出される期待増加枚数と、現状の有利区間増減枚数MYとの合計が有利区間の増減枚数より多い状況か否かを把握する。そして、そのような状況であれば、その状況を特定するためのフラグとして、各種フラグ格納エリア106dに第2超過フラグをセットするとともに、当該第2超過フラグをセットしたことの情報を含む第2超過コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする。
残ゲーム数管理処理、残枚数管理処理を実行した後は、ステップSd1806にて、上記有利区間ゲーム数AGが上限ゲーム数である1500に達したか否か、又は有利区間増減枚数MYが上限増加数である2400以上となったか否かを判定する。これらいずれかの強制終了条件が成立している場合には、ステップSd1807にて、有利区間ゲーム数AG及び有利区間増減枚数MYを0にクリアする。続くステップSd1808では、区間表示器としての第8表示用セグメントN8の表示を終了させる処理を行う。そして、ステップSd1809にて、有利区間中の各種フラグやカウンタ等のパラメータ、情報を初期化する処理を実行してから、本区間表示第2処理を終了する。
ステップSd1809の有利区間用情報の初期化処理について、具体的には、今回の有利区間への移行に際して設定されたフラグやカウンタ、及び、今回の有利区間中に設定されたフラグやカウンタを初期値に戻す処理を実行する。例えば、有利区間フラグや、各種ATモードフラグ等がクリアされておらずセットされていれば、これらのフラグをクリアする。さらに、有利区間ゲーム数AGや有利区間増減枚数MY、ATモードの継続ゲーム数用のカウンタ、AT準備カウンタ等が0より大きければ、これらのカウンタを全て0にリセットする。つまり、本有利区間用情報の初期化処理では、押し順報知を用いた有利な状態としての有利区間に関し、押し順報知に係る性能に及ぼす全ての変数乃至パラメータを初期化するものであり、かかる変数乃至パラメータに関してRAMクリアを行う処理である。
ステップSd1806にて有利区間ゲーム数AGが上限値に達しておらず、且つ有利区間増減枚数MYが上限増加数に達していないと判定した場合は、ステップSd1810に進み、ATモード終了フラグがセットされているか否かを判定する。ATモード終了フラグがセットされている場合、ステップSd1807に進み、有利区間終了用の処理を実行する。ATモード終了フラグがセットされていない場合、そのまま有利区間終了用の処理を実行する。
<演出設定処理>
表示制御装置81のCPU181にて実行される演出設定処理について、図302のフローチャートに基づき説明する。演出設定処理は、CPU181により所定周期(例えば、2msec周期)で起動される処理である。
演出設定処理では、先ずステップSd1901にて、主制御装置101から新たなコマンドを受信したか否かを判定する。新たなコマンドを受信している場合には、ステップSd1902にて、受信したコマンドをRAM183に格納する処理を実行する。RAM183にはコマンド格納エリアが設けられており、当該コマンド格納エリアは、複数のコマンドを個別に記憶可能であって先に記憶したコマンドから読み出し可能なリングバッファとして構成されている。
ステップSd1901にて否定判定した場合、又はステップSd1902の処理を実行した後は、ステップSd1903にて、新たに受信したコマンドが、ベット時コマンドであったか否かを判定する。ベット時コマンドとは、ベット操作が行われたことに基づいて主制御装置101から出力されるコマンドであり、通常処理のステップSd206にてセットされるベットコマンド等である。ベット時コマンドである場合には、ステップSd1904にて今回のベット操作に基づく演出設定を行うためのベット時演出設定処理を実行する。
ステップSd1903にて否定判定した場合、又はステップSd1904の処理を実行した後は、ステップSd1905にて、新たに受信したコマンドが、開始時コマンドであったか否かを判定する。開始時コマンドとは、スタートレバー41の操作が行われたことに基づいて主制御装置101から出力されるコマンドであり、抽選処理のステップSd311にてセットされる抽選結果コマンドの他、抽選結果対応処理(図282)等にてセットされる前兆コマンド、継続コマンド、セット上乗せコマンド及び押し順報知コマンド等がある。これらの開始時コマンドである場合には、ステップSd1906にて開始時演出設定処理を実行する。
ステップSd1905にて否定判定した場合、又はステップSd1906の処理を実行した後は、ステップSd1907にて、新たに受信したコマンドが、各停止操作時コマンドであったか否かを判定する。各停止操作時コマンドとは、各リール32L,32M,32Rのそれぞれの停止操作が行われたことに基づいて主制御装置101から出力されるコマンドであり、リール制御処理(図277)のステップSd406にてセットされる停止指令コマンドである。かかる各停止操作時コマンドとしての停止指令コマンドである場合には、ステップSd1908にて今回の停止操作に基づく演出設定を行うための各停止操作時演出設定処理を実行する。
ステップSd1907にて否定判定した場合、又はステップSd1908の処理を実行した後は、ステップSd1909にて、新たに受信したコマンドが、全停止時コマンドであるか否かを判定する。全停止時コマンドとは、全リール32L,32M,32Rが停止したことに基づいて主制御装置101から出力されるコマンドであり、リール制御処理(図277)のステップSd419にてセットされる入賞結果コマンドの他、ボーナス状態処理(図279)や入賞結果対応処理(図291)等にてセットされる第1BB開始コマンド、第2BB開始コマンド、第1BB終了コマンド、第2BB終了コマンド、前兆コマンド、CZ開始コマンド、AT開始コマンド、CZ終了コマンド、セット更新コマンド、AT終了コマンド等がある。これらの全停止時コマンドである場合には、ステップSd1910にて全停止時演出設定処理を実行する。
ステップSd1909にて否定判定した場合、又はステップSd1910の処理を実行した後は、ステップSd1911にて、その他の処理を実行してから、演出設定処理を終了する。ステップSd1911では、上記の各演出設定処理にて設定された各種演出が、対応するタイミングにて実行されるように補助表示部65やスピーカ64等を制御する。また、ステップSd1911では、ベット時、開始時、停止時以外の主制御装置101からの指令に基づく演出(例えば、精算スイッチ59の操作に基づく演出等)の設定や、主制御装置101を介さずに接続されたセンサ(演出スイッチ検出センサ等)からの信号に基づく演出の設定、エラー報知用の設定等を行う。
以下、開始時演出設定処理、全停止時演出設定処理について説明する。
<開始時演出設定処理>
ステップSd1906の開始時演出設定処理について、図303のフローチャートに基づき説明する。
ステップSd2001では、受信している抽選結果コマンドが、押し順ベルグループを示す抽選結果コマンドであるか否かを判定する。既に説明した通り、本実施形態における抽選結果コマンド設定処理(図291(a))では、いずれかの押し順ベルである場合には個別の結果を示す抽選結果コマンドではなく、押し順ベルグループを示す抽選結果コマンドを出力する構成としている。ステップSd2001にて押し順ベルグループを示す抽選結果コマンドを受信しており、いずれかの押し順ベルに当選しているゲームである場合、ステップSd2002に進む。
ステップSd2002では、いずれかの押し順報知コマンドを受信しているか否かを判定する。既に説明した通り、ATモード中にいずれかの押し順ベルに当選した場合には、当選している押し順ベルの種類に応じて、第1小役入賞~第6小役入賞を成立させる操作順序に対応する押し順報知コマンドが出力される構成としている(図291(b)参照)。いずれかの押し順報知コマンドを受信している場合、ステップSd2003にて対応する押し順報知演出が補助表示部65やスピーカ64にて行われるようにするための設定を実行する。
ステップSd2001にて押し順ベルグループを示す抽選結果コマンドを受信していないと判定した場合、ステップSd2004にて特殊役を示す抽選結果コマンドを受信しているか否かを判定する。ステップSd2004にて肯定判定し、今回のゲームの抽選結果が特殊役である場合、ステップSd2005にて押し順報知コマンドを受信しているか否かを判定する。既に説明した通り、ATモード中に特殊役当選となったゲームでは、第1小役入賞~第6小役入賞のうち、第6小役入賞を成立させる操作順序に対応する押し順報知コマンドが出力される構成としている(図291(b)参照)。押し順報知コマンドを受信している場合、ステップSd2003に進み、第6小役入賞用の押し順報知演出が補助表示部65やスピーカ64にて行われるようにするための設定を実行する。
ステップSd2004にて特殊役を示す抽選結果コマンドを受信していないと判定した場合、ステップSd2006にていずれかの特定役を示す抽選結果コマンドを受信しているか否かを判定する。既に説明した通り、特定役とは、各ゲームの抽選結果として出現しにくい(当選しにくい)所謂レア役と称される抽選結果であり、本実施形態では、チャンス目A~チャンス目C、チェリーA~チェリーC及びスイカを特定役として設定している。図285に示す通り、これらの抽選結果を契機とする開始時AT抽選用処理におけるATモード移行抽選ではATモード移行当選となる確率が他の抽選結果よりも高くなるように設定されている。また、ATモードの上乗せ抽選ではこれら特定役当選である場合には当該上乗せ抽選に当選し得る一方、通常リプA等の通常役当選である場合には上乗せ抽選に当選し得ない構成としている。今回のゲームの抽選結果が特定役当選である場合、ステップSd2007にて、特定役報知演出を設定する処理を実行する。特定役報知演出の設定処理では、今回のゲームの抽選結果が上記特定役のいずれかであることの特定役報知が補助表示部65やスピーカ64にて行われるようにするための設定を実行する。特定役報知としては、例えば、3つ設けられているストップスイッチ42~44に対応させて、ビックリマークのキャラクタが補助表示部65に3つ表示されるような演出が設定されている。
ステップSd2002、ステップSd2005若しくはステップSd2006にて否定判定した場合、又はステップSd2003若しくはステップSd2007の処理を実行した後は、ステップSd2008に進む。ステップSd2008では、開始時前兆演出設定処理を実行する。開始時前兆演出設定処理では、主制御装置101における開始時AT抽選用処理にて出力設定される前兆コマンドに基づいて、前兆モードに設定する処理を実行するとともに、前兆モード中の各ゲームの前兆演出を設定する処理を実行する。かかる開始時前兆演出設定処理については、後に詳細に説明する。
続くステップSd2009では、各種フラグ格納エリア183aにサブ側CZフラグがセットされているか否かを判定する。サブ側CZフラグは、CZモード中であることをCPU181が把握するためのフラグである。サブ側CZフラグがセットされている場合、ステップSd2010にて開始時CZ演出設定処理を実行する。開始時CZ演出設定処理では、CZモード中の各ゲームの抽選結果に応じて、今回開始するゲームの演出を設定する処理を実行する。かかる開始時CZ演出設定処理についても、後に詳細に説明する。
ステップSd2009にて否定判定した場合、又はステップSd2010の処理を実行した後は、ステップSd2010にてAT演出設定処理を実行する。AT演出設定処理では、所定数としての18ゲームを1セットとするセット管理型のATモードにおいて、例えば、味方キャラクタと敵キャラクタとが対決し、セットの継続条件が成立していれば当該味方キャラクタが勝利し、継続条件が成立していなければ味方キャラクタが敗北して敵キャラクタが勝利するといったバトル演出を1セット中の演出として設定する処理を実行する。この場合、例えば、1セットのゲームの内、前半の10ゲームの各ゲームでは、味方キャラクタと敵キャラクタとが対峙する対峙演出が行われるように設定し、後半の8ゲームの各ゲームでは、味方キャラクタと敵キャラクタとが対決するバトル演出が行われるように設定する処理を実行する。
ステップSd2011にてAT演出設定処理を実行した後は、ステップSd2012にてその他の開始時演出設定処理を実行してから、本開始時演出設定処理を終了する。ステップSd2012では、例えば、ゲーム開始に対応させて抽選結果を示唆する演出を設定したり、スタートレバー41周辺のランプを消灯させてその操作が受け付けられたことの報知を行うための処理等を実行する。
<全停止時演出設定処理>
次に、演出設定処理(図302)におけるステップSd1910の全停止時演出設定処理について、図304のフローチャートを参照しながら説明する。既に説明した通り、全停止時演出設定処理は、新たに受信したコマンドが、入賞結果コマンド、第1BB開始コマンド、第2BB開始コマンド、第1BB終了コマンド、第2BB終了コマンド、前兆コマンド、CZ開始コマンド、AT開始コマンド、CZ終了コマンド、セット更新コマンド、AT終了コマンド等の全停止時コマンドである場合に、演出設定を行うための処理である。
ステップSd2101では、CZ開始コマンドを受信しているか否かを判定する。CZ開始コマンドを受信している場合、ステップSd2102にて各種フラグ格納エリア183aにサブ側CZフラグをセットする処理を実行し、ステップSd2103にてCZ開始演出を次ゲームのベット時演出として、補助表示部65やスピーカ64にて行うための演出設定処理を実行する。CZ開始演出は、例えば、図305(a)に示すように、今回のゲームからCZモードが開始されること、及びCZモードの残りゲーム数(10)を補助表示部65にて表示する。つまり、停止時コマンドとしてCZ開始コマンドを受信している場合、当該ゲームが終了した後、次のゲームのベット操作に基づいて、CZ開始演出が実行されるようになる。ステップSd2102にてサブ側CZフラグをセットすることにより、次ゲームの開始時演出設定処理におけるステップSd2009にて肯定判定し、開始時CZ演出設定処理が行われるようになる。
ステップSd2101にて否定判定した場合、ステップSd2104にて、上記のサブ側CZフラグが既にセットされているか否かを判定する。既にセットされており、今回終了するゲームがCZモード中のゲームである場合、ステップSd2105にて停止時CZ演出設定処理を実行する。停止時CZ演出設定処理は、ゲームの開始に際して上記の開始時CZ演出設定処理にて設定されたCZモード中の演出を、ゲームの終了に際して修正したりするための処理である。かかる停止時CZ演出設定処理については、後に詳細に説明する。
ステップSd2104にて否定判定した場合、ステップSd2106にてAT開始コマンドを受信しているか否かを判定する。AT開始コマンドを受信している場合、ステップSd2107にて各種フラグ格納エリア183aにサブ側ATフラグをセットする処理を実行し、続くステップSd2108にてAT開始用処理を実行する。AT開始用処理では、例えば、ATモードの各セットの消化ゲーム数を把握するためのゲーム数カウンタに、開始するセットのゲーム数を入力する処理を実行したり、セットの継続数を把握するためのセットカウンタに1を入力する処理を実行したり、次ゲームのベット時演出として、AT開始演出を補助表示部65やスピーカ64にて行うための処理を実行する。AT開始演出は、例えば、図306(a)に示すように、ATモードが開始される旨の表示(「AT スタート」といった文字表示)が行われる演出が設定されている。つまり、停止時コマンドとしてAT開始コマンドを受信している場合、当該ゲームが終了した後、次のゲームのベット操作に基づいて、AT開始演出が実行されるようになる。なお、AT開始演出において、開始するATモードの継続率を示唆するように、例えば、背景や効果音が継続率に応じて異なるように設定してもよい。
ステップSd2106にて否定判定した場合、ステップSd2109にてAT終了コマンドを受信しているか否かを判定する。AT終了コマンドを受信している場合、ステップSd2110にてサブ側ATフラグをクリアする処理を実行し、ステップSd2111にてAT終了演出を補助表示部65やスピーカ64にて行うための演出設定処理を実行する。AT終了演出は、例えば、図306(b)に示すように、ATモードが終了する旨の表示(「またね」といった文字表示)とともに、今回のATモードの継続セット数や獲得メダル数の報知を行う演出が設定されている。
ステップSd2109にて否定判定した場合、ステップSd2112にてセット更新コマンドを受信しているか否かを判定する。セット更新コマンドを受信しており、ATモードの1セットが終了し、次のセットに移行する場合、ステップSd2113にてセット更新用処理を実行する。セット更新用処理では、前回のセットの継続条件の有無に関する情報等を今回のセットの開始に際してクリアする処理を実行したり、今回のセットのゲーム数を上記のゲーム数カウンタに入力する処理を実行したりする。
ステップSd2112にて否定判定した場合、ステップSd2114にて停止時前兆演出設定処理を実行する。既に説明した通り、本実施形態では、ATモード移行抽選やCZモード移行抽選がゲームの開始だけではなく終了時にも実行され、その結果に基づいて前兆コマンドが出力され得る。停止時前兆演出設定処理は、ゲームの終了に際して出力される前兆コマンドに基づいて前兆モードの各種演出を設定する処理を実行する。かかる停止時前兆モード設定処理については、後に詳細に説明する。
ステップSd2103、ステップSd2105、ステップSd2108、ステップSd2111、ステップSd2113若しくはステップSd2114の処理を実行した後は、ステップSd2115にて、ゲーム数管理処理を実行する。ゲーム数管理処理は、有利区間に移行してからATモード移行当選となるまでの天井までのゲーム数を管理するとともに、天井に到達した場合の演出を設定する処理である。かかるゲーム数関処理については、後に詳細に説明する。
ステップSd2115の処理を実行した後は、ステップSd2116にてその他の全停止時演出設定処理を実行してから、本全停止時演出設定処理を終了する。ステップSd2116では、BBの開始や終了に際して出力される各種コマンド対応する演出を行うための処理を行ったり、入賞役に対応させた色で上部ランプ63が点灯するように制御したり、入賞役の払出数に対応する効果音がスピーカ64から発せられるように制御したり、リプレイ時の自動ベットに対応する効果音がスピーカ64から発せられるように制御したりする。
<CZ演出の概要>
開始時CZ演出設定処理や停止時CZ演出設定処理の説明に先立ち、本実施形態におけるCZモード中の各ゲームの演出の概要について、図309等を参照しながら説明する。
既に説明したとおり、本実施形態におけるCZモードでは、通常モードよりもATモード移行抽選に当選し易くなるように設定されている。そして、CZモード中にATモード移行抽選に当選した場合、前兆ゲーム数が0ゲームに設定され、当該ゲームにてATモード移行当選となったことの報知が行われ、次ゲームからATモードが開始されるようにしている。つまり、本実施形態では、CZモード中の各ゲームにおいてATモード移行抽選の結果がそのゲームのうちに報知される、といったように完全告知型の報知態様が採用されている。このようにすることで、CZモードからATモードへの遊技の流れをよりスムーズなものとすることができるし、CZモード中の各ゲームの注目度を好適に高めることが可能となる。
CZモード中の各ゲームの具体的な演出としては、本実施形態では、補助表示部65において数字のキャラクタの変動領域を複数設け、当該複数の変動領域にて停止する数字のキャラクタが所定の組み合わせとなることでATモード移行抽選に当選していることの報知が行われるようにする。なお、本実施形態では、同一の数字のキャラクタが停止してゾロ目が形成された場合を所定の組み合わせとして設定している。例えば、図309(a1)~図309(c1)に示すように、補助表示部65において数字のキャラクタの変動領域として、左から順に左変動領域SP1、中変動領域SP2、右変動領域SP3を設定し、これら変動領域SP1~SP3に表示させる数字のキャラクタとして、1~9までの数字のキャラクタを設定する。そして、各ゲームが開始される際に、これら変動領域SP1~SP3における数字のキャラクタを、例えば、縦方向に変動表示させ、ストップスイッチ42~44が操作されるたびに、左から順に数字のキャラクタを停止させる。図309(a1)は、左ストップスイッチ42が操作されて左変動領域SP1に数字のキャラクタが停止した様子を示しており、図309(b1)は、中ストップスイッチ43が操作されて中変動領域SP2に数字のキャラクタが停止した様子を示しており、図309(c1)は、右ストップスイッチ44が操作されて右変動領域SP3に数字のキャラクタが停止した様子を示している。この場合、図309では、左変動領域SP1と中変動領域SP2に同一の数字である「1」のキャラクタが停止しているものの、右変動領域SP3には左中の数字とは異なる「4」のキャラクタが停止しており、所定の組み合わせが形成されていないことを示している。つまり、ATモード移行抽選に当選していないことの報知が行われている。
ここで、ストップスイッチ42~44は、スロットマシン10の手前側に配置される初期位置から奥側に配置される操作位置に変位可能に設けられている。そして、ストップスイッチ42~44は、操作位置から初期位置に向けて付勢手段としてのバネ等によって付勢されており、操作前は初期位置に配置されている。初期位置に配置されたストップスイッチ42~44を操作位置に向けて押圧操作して、付勢手段の付勢力を上回る力を奥側に付与することで、ストップスイッチ42~44は操作位置に向けて変位する。そして、ストップスイッチ42~44から手等を離すと、上記の付勢手段による付勢力によって初期位置に復帰する。
ストップ検出センサ42a~44aから主制御装置101への検知信号は、ストップスイッチ42~44が初期位置から操作位置に変位した場合にOFF状態からON状態に変化し、ストップスイッチ42~44が操作位置から初期位置に変位する場合にON状態からOFF状態に変化する。主制御装置101は、ストップスイッチ42~44からの検知信号がOFF状態からON状態に立ち上がることを把握することで、ストップスイッチ42~44が初期位置から操作位置に向けて変位したことを把握することが可能となり、ストップスイッチ42~44からの検知信号がON状態からOFF状態に立ち下がることを把握することで、ストップスイッチ42~44が操作位置から初期位置に向けて変位することを把握することが可能となる。
なお、以下の説明において、ストップスイッチ42~44を初期位置から操作位置に向けて操作することを停止ON操作とも称し、ストップスイッチ42~44を操作位置から初期位置に向けて操作すること(手等を離すこと)を停止OFF操作とも称する。また、各ストップスイッチ42~44のうち最初の停止ON操作を第1停止ON操作、最初の停止OFF操作を第1停止OFF操作、2番目の停止ON操作を第2停止ON操作、2番目の停止OFF操作を第2停止OFF操作、3番目の停止ON操作を第3停止ON操作、3番目の停止OFF操作を第3停止OFF操作とそれぞれ称する。
CZモード中の演出において、上記の各変動領域SP1~SP3の数字のキャラクタの停止は、ストップスイッチ42~44の操作のうち、停止ON操作に基づいて実行される。すなわち、図309(a2)に示すように、左ストップスイッチ42を停止ON操作することで、左変動領域SP1に数字のキャラクタが停止し、図309(b2)に示すように、中ストップスイッチ43を停止ON操作することで、中変動領域SP2に数字のキャラクタが停止し、図309(c2)に示すように、右ストップスイッチ44を停止ON操作することで、右変動領域SP3に数字のキャラクタが停止する。
なお、第1停止ON操作時に左変動領域SP1に数字のキャラクタが停止し、第2停止ON操作時に中変動領域SP2に数字のキャラクタが停止し、第3停止ON操作時に右変動領域SP3に数字のキャラクタが停止する構成とし、数字のキャラクタが停止する各変動領域SP1~SP3をストップスイッチ42~44の停止順序とを一対一で対応付ける構成としているが、数字のキャラクタが停止する各変動領域SP1~SP3を各ストップスイッチ42~44とが一対一で対応付けられた構成としてもよい。具体的には、例えば、第1停止ON操作として中ストップスイッチ43を操作すると、中変動領域SP2に数字のキャラクタが停止し、第2停止ON操作として右ストップスイッチ44を操作すると、右変動領域SP3に数字のキャラクタが停止し、第3停止ON操作として左ストップスイッチ42を操作すると、左変動領域SP1に数字のキャラクタが停止する構成としてもよい。
<開始時CZ演出設定処理>
開始時演出設定処理(図303)におけるステップSd2010の開始時CZ演出設定処理について、図307のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップSd2201では、サブ側CZフラグがセットされているか否かを判定する。サブ側CZフラグがセットされていない場合には、そのまま本開始時CZ演出設定処理を終了する。サブ側CZフラグがセットされている場合、ステップSd2202にて、CZゲーム数表示の更新処理を実行する。なお、CZモード中のゲーム数は、停止時CZ演出設定処理にて管理する構成としているが、補助表示部65におけるCZモードの残りゲーム数の表示(残りゲーム数画像GP、図309参照)は、ゲームの開始時に更新する構成としている。ステップSd2202では、CZモードの残りゲーム数に応じて、対応する残りゲーム数画像GPをROM182の記憶エリアから読み出し、更新後の残りゲーム数画像GPが表示されるように補助表示部65を制御する。
CZゲーム数表示の更新処理を実行した後は、ステップSd2203にて今回のゲームの開始時コマンドとして、特定役を示す抽選結果コマンドを受信しているか否かを判定する。特定役を示す抽選結果コマンドを受信している場合、ステップSd2204にて、今回のゲームのCZモード中演出として、第1停止ON操作時に停止させる数字のキャラクタと、第2停止ON操作時に停止させる数字のキャラクタとを同じ数字のキャラクタとなるテンパイ演出(図310(a))が行われるように設定する。テンパイ演出を行うことで、上記のようにATモード移行当選に対応する所定の組み合わせが形成されることへの期待感を高めることが可能となる。
これに対して、ステップSd2203にて特定役を示す抽選結果コマンドを受信していないと判定した場合、ステップSd2205に進み、特殊役を示す抽選結果コマンドを受信しているか否かを判定する。特殊役を示す抽選結果コマンドを受信しておらず、今回のゲームの抽選結果が特定役でもなく特殊役でもない場合、ステップSd2206にて今回のゲームの開始時コマンドとして、前兆コマンドを受信しているか否かを判定する。既に説明した通り、開始時AT抽選用処理において、ATモード移行抽選やCZモード移行抽選に当選した場合には前兆コマンドが出力されるように設定されているところ、CZモード中に前兆コマンドを受信する場合とは、今回のゲームのATモード移行抽選にて当選したことを意味する。また、CZモード中にATモード移行抽選に当選した場合、前兆ゲーム数は0ゲームに設定されるため、今回のゲームの次のゲームからATモードが開始される。
ステップSd2206にて前兆コマンドを受信している場合、ステップSd2204に進み、第1停止ON操作及び第2停止ON操作によって上記のテンパイ演出が行われるように演出を設定する。これに対して、前兆コマンドを受信していない場合、ステップSd2207に進み、通常用テンパイ演出抽選処理を実行する。通常用テンパイ演出抽選処理では、例えば、今回のゲームの抽選結果に関わらず、約5%の確率でテンパイ演出が発生するように抽選を行う。そして、ステップSd2208にて、上記のテンパイ演出の抽選処理にて当選したか否かを判定し、当選している場合には、ステップSd2204に進んでテンパイ演出が行われるようにする。
これに対して、ステップSd2208にてテンパイ演出の抽選処理にて非当選であったと判定した場合、ステップSd2209にて第1停止ON操作時に停止させる数字のキャラクタと、第2停止ON操作時に停止させる数字のキャラクタとを異ならせるバラケ目演出(図310(b))が行われるように設定する。バラケ目演出を行うことで、上記のようにATモード移行当選に対応する所定の組み合わせが形成されることへの期待感を低くすることが可能となる。
ステップSd2204にて、第1停止ON操作及び第2停止ON操作においてテンパイ演出が行われるように設定した後は、ステップSd2210にて前兆コマンドを受信しているか否かを判定する。前兆コマンドを受信しており、今回のゲームのATモード移行抽選の結果が当選結果であった場合、ステップSd2211にて、今回のゲームの第3停止ON操作に基づいて、爆弾演出を発生させるか否かを抽選により決定する。
爆弾演出は、図312(a)に示すように、第3停止ON時演出として右変動領域SP3に数字のキャラクタを停止させるとともに、爆弾のキャラクタ(爆弾画像BP)を表示する演出である。爆弾演出では、その後、第3停止OFF操作が行われた後、図312(b)に示すように、当該爆弾画像BPが爆発する爆発画像EPが表示される爆発演出が実行されたり、図314(a)に示すように、爆弾画像BPが爆発せずに不発画像NPが表示される不発演出が実行されたりする。爆弾演出が爆発演出に切り替わると、図313(a)に示すように、各変動領域SP1~SP3にて所定の組み合わせが形成されていなかった状態から、所定の組み合わせが形成された状態に切り替わり、ATモード移行抽選に当選したことの報知が行われるとともに、図313(b)に示すように、AT当選演出が行われる。これに対して、爆弾演出が不発演出が実行されると、図314(b)に示すように、各変動領域SP1~SP3にて所定の組み合わせが形成されていなかった状態が維持されて、ATモード移行抽選に当選しなかったことの報知として外れ再表示演出が行われる。
ここで、爆弾画像BPは、右変動領域SP3の数字のキャラクタとは重ならない領域に表示されるように設定されており、具体的には、中変動領域SP2の数字のキャラクタの前面に表示されて当該数字のキャラクタと重なる一方、右変動領域SP3の数字のキャラクタとは重ならず、更に左変動領域SP1の数字のキャラクタとも重ならない位置に表示されるようにしている。このようにすることで、爆弾画像BPが表示されることによって、第3停止ON操作時に停止される右変動領域SP3の数字のキャラクタを把握することが困難となったり把握することができなくなったりすることを好適に回避することができる。
これに対して、爆発画像EP(図312(b))は、各変動領域SP1~SP3に停止している数字のキャラクタの前面に表示されてこれら数字のキャラクタと重なるように表示される。より詳しくは、本実施形態では、数字のキャラクタが視認できなくなる程度に爆発画像EPが表示されるように設定されている。このようにすることで、爆発後に数字のキャラクタを所定の組み合わせが形成されている状態とする場合に違和感を与えにくくすることが可能となる。
ステップSd2211の当選時爆弾演出抽選処理では、ゲームの抽選結果に応じて爆弾演出を発生させるか否かを決定する。本実施形態では、例えば、特定役のうちチャンス目Aを契機とする抽選の方がチャンス目Cを契機とする抽選よりも爆弾演出が発生し易いといったように、ATモード移行抽選に当選しにくい結果ほど爆発演出が発生し易くなるようにしている。爆弾演出抽選処理を実行した後は、ステップSd2212にて爆弾演出抽選に当選したか否かを判定し、当選していなければ、ステップSd2213にて、第3停止ON操作によって、上記のテンパイ演出にて停止させている数字のキャラクタと同じ数字のキャラクタが停止して所定の組み合わせが形成されたゾロ目演出(図311(a))が行われるように設定する。そして、ステップSd2214にて、今回のゲームの第3停止OFF操作に基づいてAT当選演出(図311(b))が行われるように設定してから、本開始時CZ演出設定処理を終了する。AT当選演出は、ATモード移行当選となったことを祝福するように、例えば、軍人のキャラクタが雄たけびを上げる様子が補助表示部65にて表示されるように設定されている。
ステップSd2212にてATモード移行当選時の爆発演出抽選に当選しなかった場合、ステップSd2215にて、第3停止ON操作時に上記のテンパイ演出にて停止させている数字のキャラクタとは異なる数字のキャラクタを停止させるテンパイ外れ演出(図310(a))が行われるように設定する。また、ステップSd2210にて前兆コマンドを受信していないと判定した場合も、ステップSd2216にて第3停止ON操作時に上記のテンパイ演出にて停止させている数字のキャラクタとは異なる数字のキャラクタを停止させるテンパイ外れ演出(図310(a))が行われるように設定する。更に、テンパイ演出ではなくバラケ目演出が行われる場合において、ステップSd2209の処理を実行した後は、ステップSd2217にて第3停止ON操作時にランダムな数字のキャラクタを停止差させるバラケ目演出(図310(b))が行われるように設定する。
ステップSd2216又はステップSd2217の処理を実行した後は、ステップSd2218に進む。ステップSd2218では、各種フラグ格納エリア183aに特殊役フラグがセットされているか否かを判定する。特殊役フラグは、特殊役当選時にステップSd2222にてセットされるフラグである。今回はステップSd2205にて否定判定しているので、特殊役フラグがセットされていない場合であり、ステップSd2218では否定判定し、ステップSd2219に進む。
ステップSd2219では、今回のゲームの第3停止ON操作に基づいて、爆弾演出を発生させるか否かを抽選により決定する。
ステップSd2219のATモード移行非当選時の爆弾演出抽選処理では、ゲームの抽選結果に応じて爆弾演出を発生させるか否かを決定する。例えば、特定役を契機とする抽選の方が特定役以外を契機とする抽選よりも爆弾演出が発生し易くするようにする。爆弾演出抽選処理を実行した後は、ステップSd2220にて爆弾演出抽選に当選したか否かを判定し、当選していなければ、そのまま開始時CZ演出設定処理を終了する。爆弾演出抽選に当選している場合、ステップSd2221にて第3停止ON操作に基づいて爆弾画像BPが表示されるように設定してから、本開始時CZ演出設定処理を終了する。
このように、各ゲームの抽選結果と、開始時に実行されるATモード移行抽選の結果とに応じて、変動領域SP1~SP3においてゾロ目演出が行われてATモード移行抽選に当選したことの報知が行われたり、テンパイ外れ目演出やバラケ目演出が行われることによってATモード移行抽選に当選していないことの報知が行われる。
これに対して、ゲームの抽選結果が特殊役である場合には、当該ゲームにおけるストップスイッチ42~44の操作態様が第1操作態様であればATモード移行抽選が行われるものの、第2操作態様であるとATモード移行抽選は行われない。そうすると、上記の通り、特殊役当選時においては、開始時AT抽選用処理ではATモード移行抽選が行われず、停止時AT抽選用処理にてATモード移行抽選が行われるようにしている。そのため、CZモードの開始時では特殊役に当選していることは判別可能であるものの、ATモード移行抽選の当否は把握することができない。そこで、本実施形態では、特殊役に基づいて停止時に実行されるATモード移行抽選の結果に対応する演出を、各変動領域SP1~SO3の変動表示として事前に開始するようにしながら、停止時のATモード移行抽選が実行されてから、当該事前に開始した演出をATモード移行抽選の結果に対応させて修正するように設定している。
具体的には、ステップSd2205にて特殊役を示す抽選結果コマンドを受信していると判定した場合、ステップSd2222にて各種フラグ格納エリア183aに特殊役フラグをセットする処理を実行する。そして、ステップSd2223にて特殊役用のテンパイ演出抽選処理を実行する。本テンパイ演出抽選処理は、上記のステップSd2207におけるテンパイ演出抽選処理とは当選確率が異なるように設定されており、具体的には特殊役当選時の方が特殊役ではなく且つ特定役でもない場合よりもテンパイ演出が発生し易くなるように設定されており、より詳しくは、ステップSd2223では30%の確率でテンパイ演出が発生するように設定されている。
ステップSd2223にてテンパイ演出抽選処理を実行した後は、ステップSd2208にてテンパイ演出抽選に当選したか否かを判定し、当選している場合には、ステップSd2204にてテンパイ演出の設定用の処理を行う。ちなみに、特殊役当選時においては、開始時AT抽選用処理にて前兆コマンドが出力されることはないため、テンパイ演出を行った場合であっても、ステップSd2210にて否定判定し、ステップSd2216にてテンパイ外れ演出が行われるように設定される。
一方、ステップSd2208にてテンパイ演出抽選に非当選であると判定した場合には、ステップSd2209及びステップSd2217にてバラケ目演出が行われるように設定される。
ステップSd2216又はステップSd2217の処理を実行した後は、上記のように、ステップSd2218に進み、上記の特殊役フラグがセットされているか否かを判定する。今回は特殊役フラグがセットされているため、ステップSd2218にて肯定判定し、ステップSd2221に進む。ステップSd2221では、上記の通り、第3停止ON操作に基づいて爆弾画像BPが表示されるように設定する。
つまり、特殊役当選ゲームでは、特殊役非当選時よりもテンパイ演出が発生し易くなるように設定されているとともに、第3停止ON操作時に爆弾画像BPが表示される爆弾演出が必ず発生する。
<停止時CZ演出設定処理>
次に、停止時演出設定処理(図304)におけるステップSd2105の停止時CZ演出設定処理について、図308のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップSd2301では、上記の爆弾演出を実行中であるか否かを判定する。爆弾演出を実行中である場合には、ステップSd2302にて今回の開始時コマンド又は停止時コマンドとして前兆コマンドを受信しているか否かを判定する。上記の通り、CZモード中に前兆コマンドを受信する場合とは、ATモード移行抽選に当選した場合であり、開始時コマンドとして前兆コマンドを受信する場合とは、開始時AT抽選用処理にてATモード移行抽選に当選した場合であり、停止時コマンドとして前兆コマンドを受信する場合とは、特殊役当選時に第1操作態様にて操作されてATモード移行抽選が行われ、そのATモード移行抽選にて当選した場合である。そして、この場合においても、前兆ゲーム数が0ゲームに設定されるため、今回終了するゲームの次のゲームからATモードが開始される。
前兆コマンドを受信している場合、ステップSd2303にて、今回の爆弾演出において爆弾画像BPが爆発画像EPに切り替わる爆発演出(図312(b))が行われるように設定する。そして、ステップSd2304にて、爆発演出が終了する際にゾロ目演出(図313(a))が行われるように設定し、その後、ステップSd2305にてゾロ目演出後にAT当選演出(図313(b))が行われるように設定してから、本停止時CZ演出設定処理を終了する。
これに対して、ステップSd2302にて前兆コマンドを受信していない場合、ステップSd2306に進み、今回の爆弾演出において爆弾画像BPが不発画像NPに切り替わる不発演出(図314(a))が行われるように設定する。そして、ステップSd2307にて、当該不発演出が終了する際に、もともと表示していたテンパイ外れ目やバラケ目が表示される外れ再表示演出(図314(b))が行われるように設定する。
ステップSd2308にて爆弾演出を実行していないと判定した場合、又はステップSd2307の処理を実行した後は、ステップSd2308にて各種カウンタエリア183bに設けられたCZゲーム数カウンタが0であるか否かを判定する。CZゲーム数カウンタは、CZモードの開始に際してCZモードのゲーム数(10)が入力される。CZゲーム数カウンタが0ではない場合には、ステップSd2309にて当該CZゲーム数カウンタを1減算する処理を実行してから、本停止時CZ演出設定処理を終了する。この場合、上記の開始時CZ演出設定処理におけるステップSd2202にて、ステップSd2309にて減算されたCZゲーム数カウンタの値に対応する残りゲーム数画像GPが表示されるようにCZゲーム数表示の更新処理を行う。
ステップSd2308にてCZゲーム数カウンタが0である場合、ステップSd2310にてCZモード終了演出が行われるように設定する処理を実行してから、停止時CZ演出設定処理を終了する。CZモード終了演出は、図305(b)に示すように、CZモードの残りゲーム数が0となり、CZモードが終了したことを報知する演出が設定されている。なお、ステップSd2306の不発演出やステップSd2307の外れ再表示演出を設定した場合、これら不発演出や外れ再表示演出が行われた後でCZモード終了演出が行われるように設定する。
<特殊役当選ゲームの演出>
次に、CZモード中の特殊役当選ゲームの演出の様子を、図315のタイミングチャートを参照しながら説明する。図315(a1)は、特殊役当選ゲームで第1操作態様にてストップスイッチ42~44が操作されてATモード移行抽選に当選した場合を示しており、図315(b1)は、特殊役当選ゲームで第2操作態様にてストップスイッチ42~44が操作されてATモード移行抽選に非当選となった場合を示している。既に説明した通り、特殊役当選ゲームで第1操作態様にて操作すると第33小役入賞が成立して1枚のメダル払出が行われる一方、特殊役当選ゲームで第2操作態様にて操作すると第1小役入賞~第6小役入賞が成立して8枚のメダル払出が行われる。
ta1にてスタートレバー41の操作に基づき各リール32L,32M,32Rの回転が開始される。そして、当該ta1の開始操作に基づき抽選処理が行われ、特殊役に当選した場合、当該ta1にて実行される開始時AT抽選用処理ではATモード移行抽選にて非当選となる。また、CZモード中においては、ta1の開始操作に基づき各変動領域SP1~SP3における数字のキャラクタの変動表示が開始される。
ta2にて第1停止ON操作が行われると、図315(a2)に示すように、左変動領域SP1に数字のキャラクタが停止する。また、ta3にて第2停止ON操作が行われると、図315(a3)に示すように、中変動領域SP2に数字のキャラクタが停止する。図においては、特殊役用のテンパイ演出抽選処理(ステップSd2220)にて当選した場合を示しており、図315(a3)では、テンパイ演出が行われている。そして、ta4にて第3停止ON操作が行われると、図315(a4)に示すように、テンパイ外れ演出となるように右変動領域SP3に数字のキャラクタが停止するとともに、爆弾演出が開始される。これら、図315(a2)~図315(a4)の演出は、開始時CZ演出設定処理にて設定され、特殊役に基づく停止時のATモード移行抽選が行われるよりも前に設定される事前演出に相当する。
上記の通り、主制御装置101側の入賞結果対応処理(図292)は、リール制御処理(図277)におけるステップSd415にて実行され、払出判定処理(ステップSd413)よりも後に実行される。つまり、入賞結果対応処理は、各リール32L,32M,32Rが停止した後、当該停止に基づくメダル払出が完了してから実行される。
この場合、ta4の第3停止ON操作に基づき爆弾演出が開始された後、ta5にて第3停止OFF操作が行われると、第33小役入賞に基づくメダル払出が開始される。そして、ta6にてメダル払出が完了した後、停止時AT抽選用処理が実行され、その結果として、前兆コマンドを受信してta6にて爆弾演出が爆発演出に切り替わる(図315(a5))。その後、ta7にて、爆発演出からゾロ目演出に切り替わり(図315(a6))、ta8にて、AT当選演出が実行される(図315(a7))。このようにして、ta1にて開始されたゲーム内でATモード移行抽選に当選したことの報知(図315(a7))が行われる。この場合、当該ゲームの次のゲームからATモードが開始される。
特殊役当選ゲームで第2操作態様にて操作した場合、図315(b1)に示すように、tb1にて行われた開始操作に基づき各リール32L,32M,32Rの回転が開始される。そして、tb2の第1停止ON操作に基づき左変動領域SP1に数字のキャラクタが停止し(図315(b2))、tb3の第2停止ON操作に基づき中変動領域SP2に数字のキャラクタが停止し(図315(b3))、tb4の第3停止ON操作に基づき右変動領域SP3に数字のキャラクタが停止するとともに、爆弾演出が開始される(図315(b4))。これら、図315(b2)~図315(b4)の演出も、開始時CZ演出設定処理にて設定され、特殊役に基づく停止時のATモード移行抽選が行われるよりも前に設定される事前演出に相当する。
上記の通り、特殊役当選ゲームで第2操作態様にて操作すると、第33小役入賞時よりもメダル払出数の多い第1小役入賞~第6小役入賞が成立して8枚のメダル払出が行われる。
そうすると、tb5にて第3停止OFF操作を行ってから、第33小役入賞時の1枚のメダル払出が完了するtb6よりも後であるtb7にて第1小役入賞~第6小役入賞に基づく8枚のメダル払出が完了する。つまり、入賞結果対応処理における停止時AT抽選用処理は、tb6よりも後であるtb7にて実行され、当該停止時のATモード移行抽選の結果もtb7に把握可能となる。
この場合、tb4から開始された爆弾演出は、tb7にて不発演出に切り替わり、その後、tb8にて外れ再表示演出が行われて、今回のゲームのATモード移行抽選の結果が外れ結果であったことが報知される。
図による詳細な説明は省略するが、特殊役当選ゲームで第1操作態様にて操作した場合において、停止時AT抽選用処理にてATモード移行当選とならなかった場合、ta6の停止時CZ演出設定処理にて前兆コマンドを受信していないと判定することとなり、この場合、ta6にて爆弾演出が不発演出に切り替わり、その後、ta7にて外れ再表示演出が表示される。
このように、本実施形態では、ゲームの抽選結果が特殊役である場合、当該ゲームにおけるストップスイッチ42~44の操作態様が第1操作態様であれば、1枚のメダル払出が生じ得るとともに、指示機能に関する処理の一処理であるATモード移行抽選が実行される一方、当該ゲームにおけるストップスイッチ42~44の操作態様が第2操作態様であれば、第1操作態様の場合よりも多い8枚のメダル払出が生じ得るとともに、指示機能に関する処理の一処理であるATモード移行抽選が実行されない構成としている。そのため、持ちメダルの減りを少なくする遊技性では第2操作態様にて操作したほうが遊技者にとって有利となり、ATモード移行を目指す遊技性では第1操作態様にて操作したほうが遊技者にとって有利となる。このように、いずれの遊技を行うかを遊技者が選択可能となるため、遊技者の多様なニーズに応じた遊技機を提供することが可能となる。
そのうえで、特殊役当選ゲームにおいては、ゲームの開始時から特殊役に対応させた爆弾演出を行うように設定したうえで、当該特殊役当選ゲームの終了時に行われるATモード移行抽選の結果に応じて、爆弾演出を爆発演出とするか不発演出とするかを切り替えるようにしたことから、操作態様によって指示機能に関する処理の実行の有無や実行態様が異なる特殊役であっても、当該特殊役当選となったゲーム内で指示機能に関する処理の結果の報知を行うことが可能となる。これにより、指示機能に関する処理の結果報知を次のゲーム以降に持ち越さないようにすることができ、所謂完全告知タイプの報知態様として、各ゲームにおける結果報知への注目度を劇的に高めることが可能となる。
特に、本実施形態では、CZモード中にATモード移行抽選に当選した場合、当該移行抽選に当選したゲームの次のゲームからATモードが開始されるようにしていることから、特殊役を契機としてATモード移行抽選に当選した場合であっても、当該ATモード移行当選を報知したうえで、次ゲームからATモードを開始させることが可能となる。よって、遊技結果や報知側の都合によってATモードの開始タイミングを遅らせる必要が生じず、処理の簡素化を図りながらスムーズな遊技性を実現することができる。
停止時AT抽選用処理はメダルの払い出しが完了した後で実行されるため、第3停止OFF操作が行われてから停止時AT抽選用処理が行われるまでの期間は、特殊役当選ゲームにおいて第1操作態様にて操作した場合と、特殊役当選ゲームにおいて第2操作態様にて操作した場合とで、異なるようになる。つまり、図312(a1)及び図312(a2)のように第3停止ON操作にて爆弾演出が開始された場合において、図312(b2)のように第3停止OFF操作が行われてから、図312(b1)のように爆発演出が発生するまでの期間は、第33小役入賞に基づく1枚のメダル払出が完了するまでのA期間(図315におけるta5からta6)であるのに対し、第3停止ON操作にて爆発演出が開始された場合において、図314(b2)のように第3停止OFF操作が行われてから、図314(b1)のように不発演出が発生するまでの期間は、第1小役入賞~第6小役入賞に基づく8枚のメダル払出が完了するまでのB期間(図315におけるtb5からtb6)であり、A期間よりもB期間の方が長くなるように設定されている。この場合、爆弾演出がATモード移行当選側の爆発演出に切り替わるタイミングの方が、ATモード移行非当選側の不発演出に切り替わるタイミングよりも早いタイミングで到来する。このようにすることで、ATモード移行当選側の演出を行う場合に、各変動領域SP1~SP3を利用したゾロ目演出だけではなく、AT当選演出を行う時間を担保することが可能となる。
上記のように、本実施形態では、爆弾演出は特殊役当選ゲームだけではなく、ATモード移行当選時の爆弾演出抽選処理(ステップSd2211)やATモード移行非当選時の爆弾演出抽選処理(ステップSd2219)にて当選した場合も発生し得る構成としているところ、爆弾演出が行われている状況において、第3停止OFF操作が行われてから停止時CZ演出設定処理が行われるまでの待機期間は、ゲームの抽選結果に応じて長さが異なっている。
具体的には、図316に示すように、特殊役当選ゲームにおける第3停止OFF操作が行われてから停止時CZ演出設定処理が行われるまでの待機期間は、第1操作態様であれば1枚のメダル払出が行われる期間に相当するA期間であって、より具体的には約0.5secである。これに対して、特殊役当選ゲームにおける上記の待機期間は、第2操作態様であれば8枚のメダル払出が行われる期間に相当する期間でありA期間よりも長いB期間であって、より具体的には約4.0secである。
スイカ当選ゲームにおける待機期間は、3枚のメダル払出が行われる期間に相当する期間でありA期間よりも長くB期間よりも短いC期間であって、より具体的には約1.5secである。
また、本実施形態では、再遊技結果のうち、通常リプA~C入賞に基づく再遊技処理にて当該通常リプA~C当選となったゲームのベット数と同数のベットが設定される期間と、チャンス目A~CやチェリーA~C入賞に基づく再遊技処理にて当該チャンス目A~CやチェリーA~C当選となったゲームのベット数と同数のベットが設定される期間とが異なるように設定されており、通常リプA~Cにおけるベットの期間の方がチャンス目A~CやチェリーA~Cにおけるベットの期間よりも長くなるように設定されている。また、チャンス目A~CやチェリーA~Cによるベットの期間は、同じ枚数のメダル払出が行われる期間と同じ長さの期間となるように設定されている。このようにして、再遊技結果により構成されるチャンス目A~CやチェリーA~Cといった特定役が、スイカのようなメダル払出が行われる小役結果と同じ扱いである印象を与えるとともに、通常リプA~Cのような再遊技結果とは異なる結果である印象を与えることが可能となっている。
そうすると、通常リプA~C当選ゲームにおける上記の待機期間は、3枚のベットが行われる期間に相当する期間であり、スイカ当選ゲームにおける上記のC期間よりも長くB期間よりも短いD期間であって、より具体的には約3.0secである。
また、チャンス目A~CやチェリーA~C当選ゲームにおける上記の待機期間は、3枚のベットが行われる期間であっても3枚のメダル払出が行われる期間と同じ長さの期間であり、スイカ当選ゲームにおける上記のC期間と同じ長さであって、具体的には約1.5secである。
これらA期間~C期間は、いずれも爆弾演出が爆発演出に移行する可能性がある期間であり、このように遊技結果に応じてメダルの払い出しに要する期間や再遊技処理におけるベット設定に要する期間が異なることを利用して、爆発演出が発生するまでの期間を多様化していることから、爆発演出が発生することへの期待感を好適に高めることが可能となる。
そして、特殊役当選ゲームにおける第1操作態様のA期間が最も爆発演出が発生し易く、次いでスイカ当選ゲームやチャンス目A~CやチェリーA~C当選ゲームのC期間が爆発演出が発生し易く、その次に、通常リプA~C当選ゲームのD期間が爆発演出が発生し易く、特殊役当選ゲームにおける第2操作態様のB期間では爆発演出は発生しないように設定されている。そのうえで、A期間が最も短く、C期間、D期間、B期間の順で長くなるようにしていることから、より早期に爆発演出が発生することに期待させるながらも、少なくともD期間までは爆発演出の発生に期待を寄せさせることが可能となっており、爆発演出の注目度を好適に高めることが可能となる。
更に、押し順ベル当選ゲームとの関係では、第1小役入賞~第6小役入賞に対応する操作順序でストップスイッチ42~44が操作されると、8枚のメダル払出が行われることから、上記の待機期間はB期間となる。この場合、押し順ベル当選時にはATモード移行抽選に当選しないように設定されていることから(図285)、B期間が経過してからAT当選報知側の演出に切り替える必要がなく、短い期間で演出を無理やり行おうとした場合の違和感や処理負荷の増大化を生じさせないようにすることができる。
また、押し順ベル当選時において、第1小役入賞~第6小役入賞に対応しない非正解操作順序でストップスイッチ42~44が操作されると、1枚のメダル払出が行われたりメダル払出が行われないことから、上記の待機期間は0又はA期間となる。つまり、1枚のメダル払出が行われるA期間であっても、いずれの小役入賞も成立していなかったり、第33小役入賞ではなく第9小役入賞~第32小役入賞が成立していると、爆発演出が発生することはないため、停止出目への注目度を高めることができ、第33小役入賞が成立するように、第1操作態様にてストップスイッチ42~44を操作させるように促すことが可能となる。
<前兆ゲーム数について>
次に、前兆コマンドに基づいて設定される前兆モード中の演出について説明する。前兆モードとは、ATモード移行抽選やCZモード移行抽選に当選した場合において、当該移行抽選に当選していることを示唆する前兆演出が各ゲームで実行され得るようになるモードであり、設定された前兆ゲーム数が0となるゲームにて、ATモード移行当選となったことの報知やCZモード移行当選となったことの報知が行われるように設定されている。
既に説明した通り、前兆ゲーム数は、主制御装置101側の開始時AT抽選用処理や停止時AT抽選用処理において、ATモード移行抽選やCZモード移行抽選に当選した場合に前兆ゲーム数抽選処理(ステップSd817、ステップSd1320)にて決定される。そして、CZモード中にATモード移行抽選に当選した場合には、前兆ゲーム数は0ゲームに設定されることは上述の通りである。
ここでは、通常モード中の前兆ゲーム数について図317を参照しながら詳細に説明する。
上記の通り、前兆ゲーム数としては、0ゲーム~40ゲームのいずれかが選択されるように設定されている。本実施形態では、開始時AT抽選用処理にてATモード移行抽選に当選した場合と、停止時AT抽選用処理にてATモード移行抽選に当選した場合とで、選択され易い前兆ゲーム数が異なるように設定されている。また、開始時AT抽選用処理にてCZモード移行抽選に当選した場合と、停止時AT抽選用処理にてCZモード移行抽選に当選した場合とで、選択され易い前兆ゲーム数が異なるように設定されている。更に、開始時AT抽選用処理にてATモード移行抽選に当選した場合と、開始時AT抽選用処理にてCZモード移行抽選に当選した場合とで、選択され易い前兆ゲーム数が異なるし、停止時AT抽選用処理にてATモード移行抽選に当選した場合と、停止時AT抽選用処理にてCZモード移行抽選に当選した場合とで、選択され易い前兆ゲーム数が異なるように設定されている。
具体的には、開始時AT抽選用処理にてATモード移行抽選に当選した場合、1ゲーム~5ゲーム、15ゲーム~40ゲームのいずれかが前兆ゲーム数として設定されるのに対して、停止時AT抽選用処理にてATモード移行抽選に当選した場合、1ゲームから12ゲームのいずれかが前兆ゲーム数として設定される。また、開始時AT抽選用処理にてCZモード移行抽選に当選した場合、1ゲーム~32ゲームのいずれかが前兆ゲーム数として設定されるのに対して、停止時AT抽選用処理にてCZモード移行抽選に当選した場合、1ゲーム~7ゲームのいずれかが前兆ゲーム数として設定される。
停止時AT抽選用処理にてATモード移行抽選やCZモード移行抽選に当選する場合とは、特殊役当選時に第1操作態様にて操作した場合のみであり、遊技者はその移行当選の契機となった特殊役当選ゲームを明確に把握している可能性が高い。これに対して、開始時AT抽選用処理にてATモード移行抽選やCZモード移行抽選に当選する場合とは特定役当選が契機となることが多いものの、チャンス目A~CやチェリーA~Cは再遊技結果により構成されているため取りこぼしは生じないし、取りこぼしの有無は移行抽選の当否結果は影響しないことから、遊技者はその移行当選の契機となった特定役当選ゲームを見逃してしまう可能性もある。更に、CZモード移行抽選に関しては、特定役ではなく通常リプA~Cでも移行当選となり得るようにしていることから、どのゲームでCZモード移行当選となったかを判別することは困難である。そこで、移行当選となったことに気付かない可能性がある開始時AT抽選用処理における前兆ゲーム数を比較的長いゲーム数が選択され易くすることで、どのような状況からもATモードやCZモードの移行当選となり得る印象を与えることが可能となり、移行当選となったことの報知が行われた場合の驚きを提供することができるし、そのようにすることで、通常モードの各ゲームの注目度低下を抑制することが可能となる。また、逆に、特殊役が契機となる停止時AT抽選用処理において決定される前兆ゲーム数を、開始時AT抽選用処理において決定される前兆ゲーム数よりも短いゲーム数が選択され易くすることで、その当選し易い移行抽選が実行されたことを把握してからその当否結果が報知されるまでの期間を短くし、遊技の中だるみを生じさせないようにすることができる。
また、ATモード移行抽選に当選した場合と、CZモード移行抽選に当選した場合とを比較すると、開始時AT抽選用処理及び停止時AT抽選用処理のいずれであっても、設定される前兆ゲーム数がATモード移行抽選に当選している場合のほうが長い前兆ゲーム数となり易いように設定されている。このようにすることで、各ゲームの前兆演出等から、前兆モードであることを把握した遊技者としては、なるべく長く当該前兆モードが継続することを望むようになり、遊技者のATモードへの期待感を利用して注目度が高められるゲームの割合を増やすことが可能となる。
特に、開始時AT抽選用処理にてATモード移行当選時に設定される前兆ゲーム数と、開始時AT抽選用処理にてCZモード移行当選時に設定される前兆ゲーム数とでは、CZモード移行当選時には32ゲームまでの前兆ゲーム数が選択されるのに対して、ATモード移行当選時には33ゲーム以上の前兆ゲーム数が選択され得るように設定されている。このようにすることで、前兆モードであることを把握した遊技者は、それが33ゲーム以上継続することに期待感を寄せながら前兆モード中の各演出を注目するようになり、各演出への注目度を好適に高めることが可能となる。
また、本実施形態では、ATモード移行抽選やCZモード移行抽選に当選していなくても、前兆モード中の演出と同じ又は似た前兆演出が実行されるとともに、最終的にATモード移行当選となったことの報知やCZモード移行当選となったことの報知が行われない疑似前兆モードが設定されている。
疑似前兆モードのゲーム数としては、1ゲーム~6ゲーム及び10ゲーム~18ゲームのいずれかが選択されるように設定されている。この場合、前兆演出が行われている状況が19ゲーム以上継続することで、ATモード移行当選又はCZモード移行当選に基づく前兆モードであることが確定する。そのため、前兆演出から前兆モード又は疑似前兆モードであることを把握した遊技者は、そのモードが19ゲーム以上継続することを望むようになり、各ゲームへの注目度を好適に高めることが可能である。
そして、主制御装置101における開始時AT抽選用処理や停止時AT抽選用処理では、上記のように設定された前兆ゲーム数テーブルに基づいて、前兆ゲーム数を決定し、その前兆ゲーム数の情報を含む前兆コマンドを表示制御装置81へ出力する。
以下、表示制御装置81側の処理である、開始時前兆演出設定処理、停止時前兆演出設定処理、及びゲーム数管理処理を説明する。
<開始時前兆演出設定処理>
先ず、開始時前兆演出設定処理について、図318のフローチャートを参照しながら説明する。開始時前兆演出設定処理は、開始時演出設定処理(図303)におけるステップSd2008にて実行される処理である。
ステップSd2401では、現状の表示モードが通常モードであるか否かを判定する。CZモードやATモードである場合や、通常区間である場合は、そのまま本開始時前兆演出設定処理を終了する。通常モードである場合は、ステップSd2402に進む。
ステップSd2402では、各種カウンタエリア183bに設けられたサブ側前兆カウンタが0よりも大きい値となっているか否かを判定する。サブ側前兆カウンタは、前兆モードや疑似前兆モードに設定される場合に前兆ゲーム数に相当する値が入力され、ゲームの消化に際して1ずつ減算されるカウンタである。つまりステップSd2402の処理は、前兆モードや疑似前兆モード中であるか否かを判定する処理である。
サブ側前兆カウンタが0であり、前兆モードや疑似前兆モード中ではないと判定した場合、ステップSd2403にて、今回の開始時コマンドとして前兆コマンドを受信しているか否かを判定する。前兆コマンドを受信していない場合、ステップSd2404にて、疑似前兆抽選処理を実行する。疑似前兆抽選処理は、上記の疑似前兆モードに設定するか否かを抽選により決定する処理である。当該疑似前兆抽選処理では、各種テーブル記憶エリア182aから疑似前兆抽選用のテーブルを取得し、今回のゲームの抽選結果に応じて疑似前兆モードに設定するか否かの抽選を行う。本実施形態における疑似前兆抽選用のテーブルでは、各ゲームの抽選結果として出現しにくい結果ほど疑似前兆抽選に当選し易くなるように設定されており、例えば、チャンス目Cよりもチャンス目Aの方が疑似前兆抽選に当選し易くなるように設定されている。つまり、ATモード移行抽選やCZモード移行抽選に当選し易い結果にてこれらの移行抽選に非当選となった場合には、疑似前兆モードとなり易くなるように設定されている。
疑似前兆抽選処理を実行した後は、ステップSd2405にて疑似前兆抽選に当選したか否かを判定し、非当選であった場合には、そのまま開始時前兆演出設定処理を終了する。疑似前兆抽選に当選している場合、ステップSd2406にて、各種フラグ格納エリア183aに疑似前兆フラグをセットする処理を実行し、ステップSd2407にて疑似前兆ゲーム数抽選処理を実行する。疑似前兆ゲーム数抽選処理では、各種テーブル記憶エリア182aから上記の疑似前兆モード用のゲーム数テーブル(図317)を取得して、今回の疑似前兆モードにおける前兆ゲーム数を抽選により決定する。
これに対して、ステップSd2403にて、前兆モードや疑似前兆モードではない状況にて前兆コマンドを受信している場合、ステップSd2408に進む。ステップSd2408では、受信している前兆コマンドがATモード移行抽選に当選となったことを契機とするものか否かを判定する。ATモード移行抽選に当選となったことを契機として出力された前兆コマンドではなく、CZモード移行抽選に当選となったことを契機とするものである場合、ステップSd2409にて各種フラグ格納エリア183aにサブ側CZモード当選フラグをセットする処理を実行する。一方、ATモード移行抽選に当選となったことを契機とするものである場合は、ステップSd2410にて各種フラグ格納エリア183aにサブ側ATモード当選フラグをセットする処理を実行する。ステップSd2409又はステップSd2410の処理を実行した後は、ステップSd2411にて、受信している前兆コマンドに設定されている前兆ゲーム数の情報を把握する処理を実行する。
ステップSd2407にて疑似前兆ゲーム数抽選処理を実行した後、又はステップSd2411にて前兆モード用の前兆ゲーム数を把握する処理を実行した後は、ステップSd2412にて上記のサブ側前兆カウンタに疑似前兆モード又は前兆モードの前兆ゲーム数に相当する値を入力する処理を実行する。かかる処理によって、次のゲームのステップSd2402では肯定判定することになる。
ステップSd2412の処理を実行した後は、ステップSd2413にて、ステップSd2412にて入力したゲーム数が所定ゲーム数(8ゲーム)以下であるか否かを判定する。8ゲーム以下である場合、ステップSd2414にて、今回の前兆モードや疑似前兆モードにおける前兆演出として第1前兆モード演出を設定する処理を実行してから、本開始時前兆演出設定処理を終了する。本実施形態における第1前兆モード演出では、最大所定ゲーム(8ゲーム)に亘って連続する連続演出が設定されており、例えば、メインキャラクタが敵キャラクタを探して旅に出る演出が設定されている。そして、前兆ゲーム数の残りゲーム数に応じてメインキャラクタの行く先が決定され、各ゲームで敵キャラクタに遭遇するか否かの報知が行われる。前兆ゲーム数が0となるゲームでは、前兆モードであれば敵キャラクタに遭遇してこれらかバトルが開始される様子が表示され、疑似前兆モードであれば敵キャラクタに遭遇せずに捜索を諦める様子が表示される。
ステップSd2413にて前兆ゲーム数が所定ゲーム数よりも多いと判定した場合、ステップSd2415にて、サブ側ATモード当選フラグがセットされているか否かを判定する。サブ側ATモード当選フラグがセットされておらず、CZモード移行当選を契機とする前兆モードであったり、疑似前兆モードである場合、ステップSd2416にて、今回の前兆モードや疑似前兆モードにおける前兆演出として第2前兆モード演出を設定する処理を実行してから、本開始時前兆演出設定処理を終了する。本実施形態における第2前兆モード演出では、少なくとも所定ゲーム(8ゲーム)よりも多いゲーム数に亘って連続する連続演出が設定されており、例えば、メインキャラクタが敵キャラクタとのバトルに向けて、トレーニングをする演出が設定されている。そして、前兆ゲーム数の残りゲーム数に応じてメインキャラクタのトレーニング内容が決定され、当該決定されたトレーニングを行う様子が表示されるとともに、各ゲームで敵キャラクタとのバトルが開始されるか否かの報知が行われる。前兆ゲーム数が0となるゲームでは、前兆モードであれば敵キャラクタとのバトルが開始される様子が表示され、疑似前兆モードであればトレーニングにてメインキャラクタがけがをして敵キャラクタとのバトルを諦める様子が表示される。
ステップSd2415にてサブ側ATモード当選フラグがセットされていると判定し、今回の前兆モードがATモード移行当選を契機とする前兆モードであって、前兆ゲーム数が所定ゲーム数よりも多い場合、ステップSd2417に進む。ステップSd2417では、第3前兆抽選処理を実行する。
ここで、本実施形態では、前兆モード中の演出として、上記の第1前兆モード演出と第2前兆モード演出の他に、選択された場合にはATモード移行当選であることが確定する第3前兆モード演出が設定されている。第本実施形態における3前兆モード演出では、少なくとも所定ゲーム(8ゲーム)よりも多いゲーム数に亘って連続する連続演出が設定されており、例えば、メインキャラクタが敵キャラクタとのバトルに向けて、狭い部屋で作戦を練る様子が表示される演出が設定されている。そして、前兆ゲーム数の残りゲーム数に応じてメインキャラクタが作戦を閃いたり悩んだりする様子が表示され、各ゲームで敵キャラクタとのバトルが開始されるか否かの報知が行われる。前兆ゲーム数が0となるゲームでは、敵キャラクタとのバトルが開始される様子が表示される。
ステップSd2417では、上記の第3前兆モード演出を設定するか否かを抽選により決定する。本実施形態では、第3前兆抽選処理の当選確率が、主制御装置101のメイン処理における当選確率の設定処理にて設定される設定値に応じて異なるように設定されており、設定6が最も当選確率が高く、設定1が最も当選確率が低くなる、といったように、高設定ほど第3前兆モード演出が発生し易くなるように設定されている。
ステップSd2417にて第3前兆抽選処理を実行した後は、ステップSd2418にて第3前兆抽選処理にて当選したか否かを判定し、当選していない場合には、ステップSd2416にて第2前兆モード演出を設定する処理を実行してから、本開始時前兆演出設定処理を終了する。一方、第3前兆抽選処理にて当選している場合、ステップSd2719にて第3前兆モード演出を設定する処理を実行してから、本開始時前兆演出設定処理を終了する。
以上のように、前兆コマンドを受信することに基づいて前兆モードの各演出が設定され、また、前兆モードではない状況で疑似前兆抽選に当選することで疑似前兆モードの各演出が設定される。そして、ステップSd2402にてサブ側前兆カウンタが0よりも大きいと判定し、既に前兆モードや疑似前兆モードの設定が行われている状況で開始されるゲームでは、ステップSd2420に進み、疑似前兆フラグがセットされているか否かを判定することで、前兆モードと疑似前兆モードとのいずれであるかを把握する。
疑似前兆モードである場合、ステップSd2421に進み、今回のゲームの開始時コマンドとして前兆コマンドを受信したか否かを判定する。前兆コマンドを受信しており、疑似前兆モード中にATモード移行抽選やCZモード移行抽選に当選した場合、ステップSd2422にて疑似前兆フラグをクリアしてから、ステップSd2408に進む。この場合、疑似前兆モードの演出内容を、前兆モードの演出内容に変更する処理(ステップSd2408~ステップSd2419)が実行される。
ステップSd2420にて疑似前兆モードではなく前兆モードであると判定した場合や、ステップSd2421にて疑似前兆モードであっても今回のゲームの開始時コマンドとして前兆コマンドを受信していない場合は、ステップSd2423に進み、サブ側前兆カウンタを1減算する処理を実行する。そして、ステップSd2424にてサブ側前兆カウンタの値に応じた前兆演出が、補助表示部65やスピーカ64にて行われるように設定する処理を実行してから、本開始時前兆演出設定処理を終了する。
<停止時前兆演出設定処理>
次に、停止時前兆演出設定処理について、図319のフローチャートを参照しながら説明する。停止時前兆演出設定処理は、全停止時演出設定処理(図304)におけるステップSd2114にて実行される処理である。
ステップSd2501では、ステップSd2401と同様に、通常モードであるか否かを判定し、CZモードやATモードである場合や通常区間中である場合は、そのまま停止時前兆演出設定処理を終了する。通常モードである場合、ステップSd2502にて、サブ側前兆カウンタが0よりも大きいか否かを判定して、既に前兆モードや疑似前兆モードであるか否かを把握する。サブ側前兆カウンタが0である場合、ステップSd2503にて今回のゲームの停止時コマンドとして前兆コマンドを受信しているか否かを判定する。受信していない場合には、そのまま本停止時前兆演出設定処理を終了する。すなわち、停止時前兆演出設定処理では、疑似前兆モードの設定用の処理が設けられていない。このように、疑似前兆モードの設定に関しては開始時前兆演出設定処理に委ねることで、処理の重複を解消し、処理構成の簡素化を図ることが可能となる。
前兆コマンドを受信している場合、ステップSd2504に進む。既に説明した通り、停止時コマンドとして前兆コマンドが出力される場合とは、特殊役当選ゲームにて第1操作態様にて操作されたうえで、ATモード移行抽選やCZモード移行抽選に当選した場合である。この場合、ステップSd2504では、ATモード移行当選に基づく前兆コマンドであるか否か、すなわち、特殊役当選時に第1操作態様にて操作して指示機能に関する処理のうちのATモード移行抽選に当選した場合であるか否かを判定する。第1操作態様にて操作したもののATモード移行抽選には当選せず、指示機能に関する処理のうちのCZモード移行抽選に当選した場合、ステップSd2505にてサブ側CZモード当選フラグをセットする処理を実行する。一方、ATモード移行抽選に当選している場合、ステップSd2506にてサブ側ATモード当選フラグをセットする処理を実行する。ステップSd2505又はステップSd2506の処理を実行した後は、ステップSd2507にて前兆ゲーム数を把握する処理を実行する。
前兆ゲーム数を把握した後は、ステップSd2508~ステップSd2515にて、上記のステップSd2512~ステップSd2519の処理と同様に、サブ側前兆カウンタに前兆ゲーム数を入力する処理を実行した後、前兆ゲーム数が所定ゲーム数以下であれば、第1前兆モード演出が行われるようにし、所定ゲーム数よりも多ければ、第2前兆モード演出又は第3前兆モード演出が行われるようにしてから、本停止時前兆演出設定処理を終了する。なお、本実施形態における、ステップSd2513の第3前兆抽選処理の当選確率と、ステップSd2417の第3前兆抽選処理の当選確率とは異なり得るように設定されており、具体的には、ステップSd2513では、低設定ほど第3前兆抽選に当選し易く、ステップSd2417では高設定ほど第3前兆抽選に当選し易くなるように設定されている。このようにすることで、設定値の予測を行ううえでは、開始時AT抽選用処理におけるATモード移行抽選に当選したのか、停止時AT抽選用処理におけるATモード移行抽選に当選したのかを把握する必要が生じるようになり、各ゲームの抽選結果への注目度を好適に高めることが可能となる。また、このようにすることで、開始時と停止時とを合わせると、設定値による第3前兆モード演出の発生率を平均化することが可能となる。
ステップSd2502にてサブ側前兆カウンタが0よりも大きいと判定した場合、ステップSd2516にて疑似前兆フラグがセットされているか否かを判定する。セットされている場合、ステップSd2517にて今回のゲームの停止時コマンドとして、前兆コマンドを受信しているか否かを判定し、受信している場合には、ステップSd2518にて疑似前兆フラグをクリアしてから、ステップSd2504~ステップSd2515にて、疑似前兆モードから前兆モードに書き換える処理を実行する。ステップSd2516にて疑似前兆モードではない場合や、ステップSd2517にて前兆コマンドを受信していない場合には、そのまま本停止時前兆演出設定処理を終了する。
<ゲーム数管理処理>
次に、ゲーム数管理処理について、図320のフローチャートを参照しながら説明する。ゲーム数管理処理は、全停止時演出設定処理(図304)におけるステップSd2115にて実行される処理であり、補助表示部65における有利区間移行後のゲーム数の表示を更新したり、天井ゲーム数に到達した場合の演出を設定する処理を実行する。
ステップSd2601では、通常モード又はCZモードであるか否かを判定し、ATモードである場合や通常区間中である場合は、そのまま停止時前兆演出設定処理を終了する。通常モード又はCZモードである場合、ステップSd2602にて、各種カウンタエリア183bに設けられたサブ側ゲーム数カウンタを1加算する処理を実行する。サブ側ゲーム数カウンタは、有利区間に移行してからATモードが開始されるまでのゲーム数をCPU181が把握するためのカウンタであり、ATモードへの移行が生じたり、有利区間が終了する場合に0にクリアされるカウンタである。続くステップSd2603では、ゲーム数表示の更新処理を実行する。具体的には、補助表示部65の所定領域にて表示する有利区間移行後のゲーム数の表示(有利区間ゲーム数画像AP、図321参照)を、ステップSd2602のサブ側ゲーム数カウンタの値に応じて表示を更新する処理を実行する。
上記の通り、本実施形態では、有利区間に移行した場合に、天井ゲーム数が設定され、特定規定数によるゲームの回数が当該天井ゲーム数に到達した場合には、ATモード移行抽選を介することなくATモード当選フラグがセットされる(図286、開始時AT抽選用処理参照)。そして、本実施形態では、天井ゲーム数は最大700ゲームとして設定されており、少なくとも700ゲームを消化することで、ATモードへの移行が確定する(図321(a))。
また、本実施形態では、各ゲームの消化に応じて天井カウンタを減算する処理を行う場合、減算値抽選処理(ステップSd1304)を実行したうえで、1よりも大きい数が減算される場合があるようにしている。この減算値抽選処理では、特に、特殊役を契機として大きな減算値が選択され易くなっている(図294)。但し、特殊役当選ゲームであっても、第1操作態様にて操作が行われれば減算値抽選処理は実行されるものの、第2操作態様にて操作が行われると減算値抽選処理は実行されないし、当該ゲームでの天井カウンタの減算も行われない。
つまり、特殊役当選ゲームで第1操作態様にて操作した場合には、図321(b)に示すように、t0にて有利区間に移行した後、t1やt2にて1よりも大きい減算値が選択されて天井カウンタから減算された結果、t4の700ゲームよりも少ないゲームにて天井カウンタが0になる場合がある(t3)。これに対して、特殊役当選ゲームで第2操作態様にて操作した場合には、図321(c)に示すように、t0にて有利区間に移行した後、t1やt2等の特殊役当選ゲームでは天井カウンタの減算が行われず、そうすると、実際の消化ゲーム数が700ゲームに達するt4であっても、天井カウンタは0にはならず、それよりも後であるt5にて天井カウンタが0になる。
つまり、第2操作態様にて操作した場合、有利区間移行後のゲーム数の表示(有利区間ゲーム数画像AP)が最大天井ゲーム数である700に到達しても、ATモード当選フラグがセットされない場合があることになる。
ゲーム数管理処理において、ステップSd2603の処理を実行した後は、ステップSd2604にて、今回のゲームの停止時コマンドとして、減算値コマンドを受信したか否かを判定する。減算値コマンドを受信している場合には、ステップSd2605にて今回の減算値を減算値コマンドから把握し、当該減算値の絶対値を各種カウンタエリア183bのサブ側天井カウンタに加算する処理を実行する。ちなみに、上記の通り、特殊役当選ゲームで主制御装置101から減算値コマンドが出力される場合とは、ストップスイッチ42~44が第1操作態様にて操作された場合であり、第2操作態様にて操作された場合には減算値コマンドの出力は行われない。
ステップSd2604にて減算値コマンドを受信していないと判定した場合、又はステップSd2605の処理を実行した後pは、ステップSd2606にて、サブ側ゲーム数カウンタが天井ゲーム数に相当する値となっているか否かを判定する。具体的には、天井ゲーム数が700と設定されている場合には、ステップSd2602にて更新したサブ側ゲーム数カウンタが700に至った場合に、ステップSd2606にて肯定判定する。サブ側ゲーム数カウンタが天井ゲーム数とは異なる場合、そのままゲーム数管理処理を終了する。
上記の通り、サブ側ゲーム数カウンタはATモードへの移行が生じたり有利区間が終了する場合に0にクリアされるところ、ステップSd2606にて肯定判定し、サブ側ゲーム数カウンタが天井ゲーム数に至る場合とは、天井ゲーム数に亘ってゲームを実行したものの、未だにATモードへの移行が生じていないことを意味する。この場合、ステップSd2607にて、サブ側ATモード当選フラグ又はサブ側CZモード当選フラグがセットされているか否かを判定する。いずれかの当選フラグがセットされている場合とは、主制御装置101側の天井カウンタが0となって前兆モードに設定された後であったり、CZモード移行抽選に当選した後であることを意味する。この場合、ステップSd2607にて肯定判定して、そのままゲーム数管理処理を終了する。
これに対して、ステップSd2607にて否定判定し、天井ゲーム数が消化されたのにもかかわらず、サブ側ATモード当選フラグやサブ側CZモード当選フラグがセットされていないと判定した場合、ステップSd2608に進み、天井ゲーム数(700)と、サブ側天井カウンタとの差分を算出する処理を実行する。つまり、例えば、特殊役当選時に第2操作態様にて操作する等して、天井ゲーム数の減算が行われなかった分のゲーム数を把握する(図321(c)参照)。これにより、実質的に後何ゲームで天井に到達するかを把握することが可能である。
ステップSd2608の処理を実行した後は、ステップSd2609にて、上記の疑似前兆フラグをセットする処理を実行する。そして、ステップSd2610にて、上記のサブ側前兆カウンタにステップSd2608にて把握した天井到達までの実際の残りゲーム数を入力する処理を実行する。つまりこの場合、天井到達までの実際の残りゲーム数に亘る疑似前兆モードの設定が行われる。
そして、ステップSd2611にて、天井到達までの実際の残りゲーム数が所定ゲーム数(8ゲーム)以下であるか否かを判定する。所定ゲーム数以下である場合には、ステップSd2612にて疑似前兆モードにおける前兆演出を第1前兆モード演出として設定する処理を実行してから、本ゲーム数管理処理を終了する。これに対して、天井到達までの実際の残りゲーム数が所定ゲーム数よりも多い場合、今回の疑似前兆モードにおける前兆演出を第3前兆モード演出として設定する処理を実行してから、本ゲーム数管理処理を終了する。
この場合、主制御装置101側で天井カウンタが0となることでATモード当選フラグがセットされるとともに、前兆コマンドが出力される。そうすると、上記の開始時前兆演出設定処理において疑似前兆モードから前兆モードの書き換え用の処理(ステップSd2420~ステップSd2422、ステップSd2408~ステップSd2419)が実行されて、天井到達に基づく前兆ゲーム数を消化すると、ATモードへの移行が生じるようになる。
ここで、本実施形態における天井ゲーム数は700ゲームに設定されており、特殊役の当選確率は約20分の1であり、天井ゲーム数に至るまでに平均すると概ね35回の特殊役当選ゲームが到来することになる。そうすると、特殊役当選ゲームにおいて常に第2操作態様にて操作した場合、700ゲーム消化するまでに35回分の減算が平均して行われないこととなり、700ゲーム消化した際の天井ゲーム到達までの実際の残りゲーム数は平均35ゲームとなる。
天井到達時の前兆ゲーム数としては、図317に示すように、1ゲーム~5ゲームの比較的短いゲーム数が選択され易いように設定されている。これに対して、開始時AT抽選用処理にて設定されるATモード移行当選時の前兆ゲーム数は最大40ゲームまで選択され得るように設定されている。
つまり、仮に天井ゲーム数に至るまで特殊役当選ゲームで毎回第2操作態様にて操作した場合であっても、700ゲームに到達し、疑似前兆モードが開始されてから、実際の天井に到達し、天井到達に基づく前兆ゲーム数が設定される場合、当該前兆ゲーム数は40ゲーム以内に収まり易くなる。このようにすることで、通常のATモード移行当選に基づく前兆演出の範囲内で、実際の天井到達までの疑似前兆モードを含めた前兆演出を行うことが可能となり易く、遊技者に違和感を与えにくくすることが可能となるし、専用の演出データを記憶しておく必要性がさほど高くなくなるため、記憶データの削減も図ることが可能となる。
また、天井ゲーム数に到達した際の疑似前兆モードでは、通常であればATモード移行抽選に当選している前兆モードであることが確定する第3前兆モード演出が設定されるようにしたことから、天井ゲーム数に到達したのにもかかわらず、ATモードが開始されないことによる遊技者の残念感を、通常であればATモードが確定する演出によってうまく和らげることも可能である。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
第1操作態様にて操作された場合には、第1特典が付与されるとともに指示機能に関する処理を第1処理として実行し、第2操作態様にて操作された場合には第1特典よりも有利な第2特典が付与されるとともに、当該指示機能に関する処理を第1処理よりも不利な第2処理として実行する特殊役を設け、当該特殊役に当選したゲームで実行される指示機能に関する処理の結果に対応する報知を当該ゲーム中に実行するようにした。より具体的には、CZモード中に特殊役に当選した場合、当該特殊役を契機とするATモード移行抽選の結果に対応する報知を、当該特殊役に当選したゲームの終了時に実行するようにした。このようにすることで、CZモード中にATモード移行当選となった場合、前兆ゲーム数が0として設定され、当該移行当選となったゲームの次のゲームからATモードが開始される、といった完全告知型の遊技であっても当該特殊役を適用することが可能となり、特殊役を契機とするATモード移行抽選に当選した場合であっても、次ゲームからATモードを開始する際に、当該ATモード移行当選がATモード開始前に報知されていないといった不都合を生じさせないようにすることが可能となる。
また、このようにすることで、特殊役を契機としてATモード移行当選となる場合であっても、他の結果と同様にスピーディに(前兆ゲームを最短の0ゲームとして)ATモードを開始させることが可能となり、指示機能に関する処理がゲームの終了時にしか行われ得ない特殊役を既存の遊技に好適に適用することが可能となる。
特殊役当選時に第1操作態様にて操作された場合には停止時AT抽選用処理にて高確率でATモード移行当選となるようにしている一方、第2操作態様にて操作された場合にはATモード移行当選とならないように設定している。このように、特殊役当選時の操作態様に応じて実行される指示機能に関する処理を両極端なものとすることで、当該特殊役当選ゲームでのストップスイッチ42~44の操作をより慎重に行わせることが可能となる。
CZモード中に特殊役当選となった場合、当該ゲームで第1操作態様にて操作された場合のATモード移行抽選では、50%の確率でATモード移行当選となるように設定されており、CZモード中のATモード移行当選の契機の約半数が特殊役となるように設定されている。つまり、仮に特殊役を契機とするATモード移行当選の場合には、CZモードであっても数ゲーム後にATモード移行当選を報知したりATモードを開始したりするような構成としてしまうと、ATモードへ移行する約半数がそのような間延びした演出を経た構成となってしまい得る。その点、上記構成のようにすることで、比較的発生し易い特殊役を契機とするATモード移行に関し、ATモード移行抽選からATモード移行までをよりスピーディに行うことが可能となり、遊技をより好適に進行させることが可能となる。
ATモードにおいては、押し順ベル当選時に押し順報知演出が発生することで第1小役~第6小役入賞を成立させることが可能となるところ、当該押し順報知演出は開始時演出としてスタートレバー41の操作に基づき実行される。つまり、ATモードの1ゲーム目で押し順ベルに当選した場合、当該1ゲーム目の開始時演出として押し順報知演出が発生する。このような構成であるからこそ、特殊役当選ゲームであっても当該ゲーム内でATモード移行当選を報知するようにすることで、次ゲームからATモードが開始される構成において、押し順報知演出が実行されるよりも前にATモード移行当選を事前に報知する構成とすることができる。
CZモード中においては、各ゲームで数字のキャラクタがゾロ目となるか否かといった演出によってATモード移行抽選の当否が報知される構成としているところ、かかる演出においてゾロ目となってATモード移行当選となる期待度の高い演出としてテンパイ演出が設定されており、当該テンパイ演出は、ゲームの終了タイミングよりも前であって、特殊役当選時の第1操作態様と第2操作態様との分岐タイミングとなる第1停止操作よりも後で発生する。このようにすることで、CZモード中の各ゲームの終了時にATモード移行抽選の当否を報知するうえで、それを事前に盛り上げる効果を奏しながらも、当該テンパイ演出の発生の有無によって第1操作態様にて操作するか第2操作態様にて操作するかを決定する行為を行いにくくすることができる。
特殊役当選時のATモード移行抽選は、停止時AT抽選用処理において実行されるところ、当該停止時AT抽選用処理は、全てのストップスイッチ42~44の操作が完了した後に実行する構成としている。つまり、特殊役に基づくATモード移行抽選の結果を当該ゲームで報知しようとするならば、全てのストップスイッチ42~44の操作が完了した後、次のゲームのベット操作が行われるよりも前に当該報知を行う必要があり、当該報知の実行タイミングは極めて限られている。そこで、上記のようにテンパイ演出等によって事前にゾロ目演出となることを煽るようにすることで各ゲームの演出への注目度を高めることが可能となる。
上記のテンパイ演出は、ATモード移行当選となる場合には発生し易いものの、ATモード移行非当選となる場合にも発生し得るようにしている。このようにすることで、特殊役当選ゲームにおいて未だATモード移行抽選が実行されていない状況でテンパイ演出を実行する構成としても、その後のATモード移行抽選に非当選となった場合に矛盾とならないようにしながらも、当該テンパイ演出の発生時にATモード移行当選となることへ期待感を煽ることが可能となる。
本実施形態では、上記のテンパイ演出を特殊役当選ゲームだけではなく、開始時AT抽選用処理においてATモード移行当選となった場合には発生し易いように設定している。このようにすることで、テンパイ演出がATモード移行当選につながる割合を高めることができ、特殊役当選ゲームにおいて未だATモード移行抽選が実行されていない場合であっても、テンパイ演出が発生した場合の期待感を煽ることが可能となる。
<変形例1>
上記のように、第1操作態様にて操作された場合には、指示機能に関する処理を第1処理として実行し、第2操作態様にて操作された場合には当該指示機能に関する処理を第2処理として実行する特殊役において、本実施形態においては、第1処理は、ATモード移行抽選を実行するように設定され、第2処理はATモード移行抽選を実行しないように設定されている。このような処理の差から、第1処理及び第2処理の内の第1処理が行われることに対応する演出を第1処理の結果を待たずに開始させることが可能である。そこで、本変形例では、特殊役当選ゲームにおいて第1操作態様にて操作されたことが判別可能となるタイミングで、当該第1操作態様にて操作された場合の指示機能に関する処理に対応する演出を開始させる。
具体的には、上記のように特殊役当選ゲームにおいて、左リール32Lを最初に停止させるとともに、左リール32Lにおける5番の「リプレイ」図柄が中段に到達するタイミングから9番の「BAR」図柄が中段に到達するタイミングで停止操作が行われた場合を第1操作態様としており、中リール32Mや右リール32Rを最初に停止させたり、左リール32Lを最初に停止させたと場合であっても上記の範囲外のタイミングで停止し操作が行われた場合には第2操作態様としている(図279)。この場合、特殊役当選ゲームにおいて第1停止ON操作が行われた時点で、第1操作態様が行われたか否かの判別が可能といえる。そこで、変形例では、第1停止ON操作が行われた場合に、第1操作態様に基づき実行されるATモード移行抽選用の報知を開始させる。
図322(a)は、本変形例における第1停止ON時演出設定処理を示すフローチャートである。第1停止ON時演出設定処理は、表示制御装置81の演出設定処理(図302)における各停止操作時演出設定処理(ステップSd1708)の一処理として実行される処理であり、第1停止ON操作が行われたことに対応するコマンドを主制御装置101から受信した場合に実行される処理である。
ステップSd2701では、実行しているゲームが特殊役当選ゲームであるか否かを判定する。特殊役当選ゲームである場合、ステップSd2702にて第1操作態様であるか否かを判定する。すなわち、今回実行されたの第1停止ON操作が、左リール32Lを最初に停止させるとともに、左リール32Lにおける5番の「リプレイ」図柄が中段に到達するタイミングから9番の「BAR」図柄が中段に到達するタイミングでの停止操作であったか否かを判定する。
第1操作態様である場合には、ステップSd2703にて、サブ側CZフラグがセットされているか否かを判定することで、今回のゲームがCZモード中のゲームであるか否かを確認する。CZモード中のゲームである場合、ステップSd2704にて、今回のゲームに設定されている演出がバラケ目演出であるか否かを判定する。特殊役当選ゲームの開始時に実行されるテンパイ演出抽選処理(ステップSd2223)にて非当選となってテンパイ演出ではなくバラケ目演出が設定されている場合、ステップSd2705に進み、設定されているバラケ目演出をテンパイ外れ目演出に変更する処理を実行してから、本第1停止ON時演出設定処理を終了する。
この場合、中変動領域SP2に停止させる数字のキャラクタを、今回停止させた左変動領域SP1の数字のキャラクタと同じものとなるようにして、バラケ目演出をテンパイ外れ目演出に修正するようにするとよい。そして、設定済みのバラケ目演出において、左変動領域SP1と右変動領域SP3とが同じ数字のキャラクタとなるように設定されている場合には、中変動領域SP2に停止させる数字のキャラクタを左変動領域SP1に停止している数字のキャラクタと同じものに修正するとともに、右変動領域SP3に停止させる予定であった数字のキャラクタを左変動領域SP1に停止している数字のキャラクタと異なるものに修正するようにするとよい。ステップSd2701~ステップSd2704にて否定判定した場合は、そのまま、本第1停止ON時演出設定処理を終了する。
図322(b)に示すように、CZモード中の特殊役当選ゲームにおいてバラケ目演出が設定されている場合であっても、第1停止ON操作が第1操作態様に対応するものであれば、図322(c1)に示すように、次の第2停止ON操作に基づいて中変動領域SP2に停止する数字のキャラクタが、既に停止済みの左変動領域SPにおける数字のキャラクタと同じものとなって第2停止ON操作時にはテンパイ演出が行われるようになる。これにより、今回のゲームにおいてゾロ目演出が実行されて、ATモード移行当選である旨の報知が行われる期待感を煽ることが可能となり、遊技者の注目度を好適に高めることができる。但し、この場合においても、第3停止ON操作時にはゾロ目演出ではなくテンパイ外れ目演出が実行され、その後、爆弾演出を介してATモード移行抽選の結果が報知される。
これに対して、第1停止ON操作が第1操作態様に対応するものではなく第2操作態様に対応するものである場合、図322(c2)に示すように、中変動領域SP2に停止させる数字のキャラクタの修正を行わないため、バラケ目がそのまま実行されることになる。
このようにすることで、操作態様によって指示機能に関する処理の内容が異なる特殊役であっても、停止操作が完了するよりも前から、当該指示機能に関する処理に対応させた演出を開始させることが可能となる。
特に、上記のようにしても、バラケ目演出をテンパイ外れ目演出に修正するだけであるため、仮に、その後の停止時AT抽選用処理におけるATモード移行抽選にて非当選結果となった場合であっても、ATモード移行抽選に非当選であるのにもかかわらずゾロ目演出が発生していしまうことはない。よって、演出上の矛盾が生じない範囲で、停止時AT抽選用処理におけるATモード移行抽選に対応する演出を、その移行抽選の実行前から開始させることが可能となる。
<変形例2>
本変形例では、CZモードにおいてATモード移行抽選に当選した場合に、当該ゲームでATモード移行抽選に当選した旨の報知が行われない場合があるような構成とする。図323は、本変形例における開始時AT抽選用処理を示すフローチャートである。
本変形例においては、ステップSd2809にて、CZモード中にATモード移行抽選に当選したと判定した場合の処理が、上記実施形態における処理と異なっており、その他の処理(ステップSd2801~ステップSd2820)は対応する処理(ステップSd801~ステップSd820)と同様である。
つまり、ステップSd2809にて、CZモード中にATモード移行抽選に当選したと判定した場合(ステップSd2808:YES,ステップSd2809:YES)、ステップSd2821にてCZゲームカウンタが所定数(3)よりも大きく、CZモードの残りゲーム数が所定数よりも多く残存している否かを判定する。所定数よりも多く残存している場合、ステップSd2822にて、遅延抽選処理を実行する。遅延抽選処理は、ATモード移行抽選に当選した場合に、当該ゲームでATモード移行抽選に当選した旨の報知が行わないようにするか否かを抽選により決定する処理である。例えば、ATモード移行当選となった契機としての抽選結果に応じて遅延抽選の当選確率が異なるようにしてもよく、チャンス目Cよりもチャンス目Aの方が遅延抽選に当選し易い、といったように各ゲームの出現率が高い抽選結果を契機としてATモード移行当選となった場合のほうが出現率が低い抽選結果を契機とする場合よりも遅延抽選に当選し易い構成としてもよい。また、CZモードの残りゲーム数が多いほど遅延抽選に当選し易い構成としてもよい。
ステップSd2822にて遅延抽選処理を実行した後は、ステップSd2823にて遅延抽選に当選したか否かを判定する。当選している場合、ステップSd2824にてATモード当選フラグをセットする処理を実行したうえで、ステップSd2825にて各種フラグ格納エリア106dに遅延フラグをセットする処理を実行してから、本開始時AT抽選用処理を終了する。一方、ステップSd2821にて、CZモードの残りゲーム数が所定数以下である場合や、ステップSd2823にて遅延抽選に非当選であったと判定した場合は、ステップSd2810に進み、CZモードを終了させて、0ゲームの前兆モードに設定する処理等を実行してから開始時AT抽選用処理を終了する。
つまり、上記の遅延抽選に当選することで、ATモード当選フラグはセットされるもののCZモードは終了せず、0ゲームの前兆モードにも設定されず、それに対応する前兆コマンドも出力されないことから、表示制御装置81側では、今回のゲームではAT当選報知は実行せず、引き続きCZモード中の演出を継続して実行するようになる。
但し、上記の通り、CZモードを終了させない場合であっても、ATモード当選フラグをセットしていることから、次のゲームの抽選結果対応処理(図283)では、ステップSd606にて肯定判定し、開始時AT抽選用処理ではなく、継続判定処理やAT上乗せ用処理が実行されることになる。但し、ATモードは開始されていないことから、継続判定処理(図287)では、ステップSd901にて否定判定するだけである。
図324は、本変形例におけるAT上乗せ用処理を示すフローチャートである。
ステップSd2901~ステップSd2910は、上記ステップSd1001~ステップSd1010の処理と同様である。つまり、ATモード開始前であっても、既にATモード移行抽選に当選しているのであるからATモードのセットの上乗せ抽選が行われる。このようにすれば、遅延抽選に当選することが遊技者にとって不利益となってしまわないようにすることが可能となる。
ステップSd2905にて否定判定した場合、又はステップSd2908若しくはステップSd2910の処理を実行した後は、ステップSd2911にて、上記の遅延フラグがセットされているか否かを判定する。遅延フラグがセットされていなければ、そのままAT上乗せ用処理を終了する。
遅延フラグがセットされており、CZモードにおいてATモード移行抽選に当選したものの、前兆コマンドを未だ出力していない状況である場合、ステップSd2912にて、今回のゲームの抽選結果が特殊役当選であるか否かを判定する。特殊役当選である場合、ステップSd2913~ステップSd2916にて前兆モードに設定するための処理を実行する。すなわち、ステップSd2913では、前兆カウンタに0を入力し、ステップSd2913では前兆フラグをセットする。そして、ステップSd2915にてATモード移行抽選に当選し、前兆ゲーム数が0である旨の情報を含む前兆コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする。その後、ステップSd2916にて遅延フラグをクリアする処理を実行してから、本AT上乗せ用処理を終了する。
これに対して、ステップSd2912にて特殊役当選ではないと判定した場合、ステップSd2917にてCZゲームカウンタが1であるか否かを判定する。CZゲームカウンタが1である場合とは、今回開始するゲームが終了する際にCZゲーム数用処理にてCZゲームカウンタが0とされて、CZモードが終了する場合である。この場合、ステップSd2913に進み、前兆ゲーム数が0ゲームである前兆モードに設定する処理を実行する。ステップSd2917にてCZゲームカウンタが0ではない場合には、そのまま本AT上乗せ用処理を終了する。
つまり、CZモード中の開始時AT抽選用処理にてATモード移行当選となった場合、遅延抽選に当選することで、今回のゲームではATモード移行当選となった旨の報知が行われないようになる。この場合、図325(a1)に示すように、例えばスイカ当選を契機として、ATモード移行抽選に当選した場合において、遅延抽選に当選すると、今回のゲームでは前兆コマンドが出力されないことから、図325(a2)に示すように、今回のゲームのCZモード中の演出としては、ゾロ目演出ではなくテンパイ外れ目演出が実行される。
その後、今回のCZモードが終了するよりも前に特殊役に当選すると(図325(b1))、当該ゲームにおいてゾロ目演出が実行されてATモード移行抽選に当選した旨の報知が行われる(図325(b2))。この場合、当該ゾロ目演出は、今回のゲームの開始時に出力される前兆コマンドに基づいて、開始時CZ演出設定処理にて設定される。そのため、爆弾演出を介さないでそのままゾロ目演出が実行される場合もあれば(ステップSd2213及びステップSd2214)、爆弾演出を介してゾロ目演出が実行される場合もある(ステップSd2215、ステップSd2221、ステップSd2303~ステップSd2305)。このようにすることで、特殊役当選ゲームにおいて、最終停止後にATモード移行抽選に当選した旨の報知が行われる場合だけではなく、それよりも以前に当該当選した旨の報知が行われる場合があるようになり、特殊役当選ゲームにおいて、最終停止前から演出に注目させることが可能となる。
しかも、遅延抽選に当選したことを介して、特殊役当選ゲームにてATモード移行抽選に当選した旨の報知が行われる場合、当該特殊役当選ゲームでは、図325(b1)に示すように、第1操作態様及び第2操作態様のいずれの操作態様にて操作しても、当該当選した旨の報知が行われることになる。このようにすることで、第1操作態様ではATモード移行抽選が実行されるものの、第2操作態様ではATモード移行抽選が実行されないような構成としても、あたかも第2操作態様であってもATモード移行抽選が行われているかのような印象を与えることも可能となり、例えば、誤って第2操作態様にて操作してしまった遊技者であっても、希望をもって報知を見守らせることが可能となるし、第2操作態様だとATモード移行抽選が行われないことを理解していない遊技者であっても、特殊役当選ゲームを存分に楽しませることが可能である。
更に、上記構成のように、特殊役当選ゲームにおいて、第2操作態様でもATモード移行抽選に当選した旨の報知が行われ得るようにしたことから、第2操作態様にて第1小役入賞~第6小役入賞が成立した場合、あたかも押し順ベルを契機とするATモード移行抽選にて当選した、といった印象をも与えることが可能となり、押し順ベル当選時の注目度を高めることも可能である。この場合、特殊役当選ゲームでは第1小役入賞~第6小役入賞は生じるものの、第9小役入賞~第32小役入賞は生じないことを通じて、押し順ベル当選時にストップスイッチ42~44の操作順序が第1小役入賞~第6小役入賞に合致していればATモード移行抽選に当選する、といった印象をも与えることが可能である。このようにすることで、ATモード移行前であっても、押し順ベル当選時のストップスイッチ42~44の操作順序に高い関心を持たせることが可能となり、遊技の興趣向上を好適に図ることが可能である。
なお、かかる効果を高めるべく、特殊役当選時に遅延フラグがセットされている場合には、今回のCZモード演出とともに、図325(c)に示すように、ストップスイッチ42~44の操作順序を遊技者に予想させる演出を補助表示部65等にて行う構成としてもよい。具体的には、補助表示部65にて3つのストップスイッチ42~44に対応させて、はてなマークのキャラクタを3つ表示させる。そして、ストップスイッチ42~44が操作される度に、操作順序が合致していたことを報知すべく、操作されたストップスイッチ42~44に対応するはてなマークを、正解を示すマーク(例えば丸のキャラクタ)に切り替える演出を行う。この場合、特殊役当選時に第1小役入賞~第6小役入賞を成立させるようにするために、3つのはてなマークのうちの、中ストップスイッチ43又は右ストップスイッチ44を最初に操作すべき旨の報知を合わせて行うようにするとよい。このようにすることで、第1小役入賞~第6小役入賞を成立させることに成功したからこそ、ATモード移行抽選に当選して、ゾロ目演出(図325(b2))が実行された印象をより強く与えることが可能である。
更に、押し順ベル当選ゲームにおいても、上記の操作順序を遊技者に予想させる押し順予想演出を実行する構成としてもよい。但し、押し順ベル当選ゲームでは、本実施形態では、CZモードであってもATモード移行抽選に当選しない(図285)ことから、操作順序が第1小役入賞~第6小役入賞に合致していても、ゾロ目演出は発生しないことになる。
この場合、例えば、図325(d)に示すように、押し順ベル当選ゲームにおいて上記の押し順予想演出を発生させ、ストップスイッチ42~44の操作順序が第1小役入賞~第6小役入賞に対応する操作順序であった場合、当該押し順予想演出において押し順が正解であった旨の正解演出を行い、第1小役入賞~第6小役入賞に対応しない操作順序であった場合、当該押し順予想演出において押し順が不正解であった旨の不正解演出を行う構成とする。そうすると、押し順ベル当選ゲームにおいて正解演出が発生しても、ATモード当選とならないことから、特殊役時の第1小役入賞~第6小役入賞と合わせて、遊技者には、押し順ベル当選時の第1小役入賞~第6小役入賞の操作順序に正解した一部で、ATモード移行抽選に当選するといった印象を与えることが可能である。
特殊役当選ゲームにおいては、押し順予想演出にて中ストップスイッチ43や右ストップスイッチ44に対応する中と右のはてなのキャラクタを、「1」等と表示してもよい。このようにすることで、第1操作態様にて操作されないようにし、第2操作態様にて操作することを促すことができる。
なお、押し順ベル当選ゲームにおいてもCZモード移行抽選に当選し得る構成としてもよい。このようにすることで、特殊役時の第1小役入賞~第6小役入賞と合わせて、押し順ベル当選時に、ATモード移行抽選に当選し得るものの、第1小役入賞~第6小役入賞の操作順序に正解したほうが正解しないよりもATモード移行抽選に当選し易い印象を与えることが可能となり、押し順ベルですら、操作態様によって指示機能に関する処理の内容等が異なる特殊役の一種である印象を与えることも可能となる。よって、遊技の興趣向上を図るうえで、大いに役立てることが可能である。
さらに、遅延フラグがセットされている状況で押し順ベルに当選した場合に、押し順予想演出を行うとともに、第1小役入賞~第6小役入賞の操作順序に正解した場合、正解演出を行うとともに、ゾロ目演出を発生させてATモード移行当選を報知する構成としてもよい。この場合、遅延フラグがセットされている状況で押し順ベルに当選した場合の一部で(所定抽選に当選した場合に)、上記のように正解演出とゾロ目演出を発生させる構成とするとよい。
<変形例3>
本変形例では、特殊役当選ゲームで第1操作態様にて操作した場合の停止出目が、他の抽選結果における停止出目と一部共通することを利用して、ATモード移行抽選に当選した旨の報知を操作完了前に実行するようにする。
図326(a)は、本変形例における第1停止ON時演出設定処理を示すフローチャートである。
ステップSd3001では、今回のゲームの抽選結果がチェリーA~Cであるか否かを判定する。続くステップSd3002では、今回の第1停止ON操作に基づいて停止させた停止出目を把握して、左リール32Lの中段に「BAR」図柄が停止しているか否かを判定する。上記の通り、チェリーA~Cに当選すると、第10再遊技当選フラグや第12再遊技当選フラグがセットされるところ(図275等参照)、左リール32Lの第10再遊技図柄や第12再遊技図柄は、「BAR」図柄である(図265参照)。これに対して、チェリーA~Cに当選したゲームにおいて、左リール32Lに「BAR」図柄を停止させることができないタイミングで左ストップスイッチ42の操作が行われた場合、左リール32Lの中段に第11再遊技図柄たる「赤7」図柄、「赤貝」図柄及び「白貝」図柄のいずれかが停止する。
ステップSd3002では、第1停止ON操作が左リール32Lに対応するものであって、且つその停止出目が、第10再遊技入賞や第12再遊技入賞に対応するものであり、第11再遊技入賞に対応するものではないことを判定する。ステップSd3002にて肯定判定した場合、ステップSd3003にてサブ側CZフラグがセットされており、今回開始しているゲームがCZモード中であるか否かを判定する。CZモード中である場合、ステップSd3004にて、今回のゲームの開始時コマンドとして前兆コマンドを受信しているか否かを判定する。前兆コマンドを受信している場合とは、今回のチェリーA~Cを契機としてATモード移行抽選に当選したことを意味する。
前兆コマンドを受信している場合、ステップSd3005にて、当該第1停止ON操作に基づいて確定演出が補助表示部65やスピーカ64にて行われるように制御してから、本第1停止ON時演出設定処理を終了する。確定演出は、ATモード移行抽選に当選した旨を報知する演出であり、本変形例では、図326(b)に示すように、第1リールの停止に対応させて左変動領域SP1に数字のキャラクタが停止し、更に変動中である中変動領域SP2や右変動領域SP3に確定演出に対応させた画像が表示されるようにしている。なお、当該確定演出に対応させた画像の背景(中変動領域SP2及び右変動領域SP3)には、左変動領域SP1に停止させた数字のキャラクタと同じ数字のキャラクタがこれら中変動領域SP2や右変動領域SP3に停止することを予告する停止予告画像(数字のキャラクタをうっすらと表示する画像)が表示している。このようにすることで、第1リールを停止した時点で、第2リールや第3リールを停止するよりも前に、ATモード移行抽選に当選したこと(今回のゲームでAT当選演出が行われること)を遊技者は把握することが可能となる。
ステップSd3001~ステップSd3004のいずれかで否定判定した場合、そのまま本第1停止ON時演出設定処理を終了する。
図326(c1)に示すように、左リール32Lの中段に「BAR」図柄が停止する場合とは、中リール32Mや右リール32Rを停止させて第10再遊技入賞が成立する場合(図326(c2))や第12再遊技入賞が成立する場合(図326(c3))の他、第33小役入賞が成立する場合もある停止出目である(図326(c4))。
つまり、左リール32Lの中段に「BAR」図柄が停止した場合とは、特殊役当選時に第1操作態様にて操作した場合の停止出目も含む。そのため、チェリーA~Cに基づくATモード移行抽選に当選した場合において、「BAR」図柄が中段に停止した時点で確定演出を発生させることで、特殊役当選に基づいて実行される停止後のATモード移行抽選の結果が事前に報知されている印象を遊技者に与えることも可能となる。このようにすることで、各リール32L,32M,32Rの停止操作や停止操作時の演出への注目度を好適に高めることが可能となる。
なお、上記変形例3を変形例2に適用し、遅延フラグがセットされている状況下で特殊役に当選し、第1停止ON操作に基づいて左リール32Lの中段に「BAR」図柄が停止した時点で上記の確定演出を発生させるようにしてもよい。このようにすることで、左リール32Lの中段に「BAR」が停止した時点で確定演出が発生することの頻度を高めることができる。そして、その後の停止操作によって、特殊役であるかチェリーA~Cであるかの判別が可能となったとしても、確定演出がチェリーA~Cを契機とするものだけではなく特殊役を契機としても発生する印象を与えることができることから、当該確定演出が発生した時点で特殊役当選を連想させ易くさせることができる。よって、特殊役当選時の注目度を好適に高めることが可能となる。
<変形例4>
本変形例では、停止時AT抽選用処理におけるATモード移行抽選の結果を、停止時AT抽選用処理の実行タイミングよりも先に特定し、当該特定結果に基づいて当該ゲームの演出を決定する。
図327は、本変形例における開始時AT抽選用処理の一部を示すフローチャートである。既に説明した通り、開始時AT抽選用処理は、スタートレバー41の操作に基づいて実行される処理であり、特殊役当選か否かは判定可能であるものの、当該ゲームで第1操作態様にて操作されるか第2操作態様にて操作されるかは判別することはできない。
開始時AT抽選用処理にてステップSd801にて天井カウンタが0ではないと判定した後、ステップSd3101にてAT抽選乱数を取得する処理を実行する。そして、ステップSd3102にてゲームの抽選結果を把握する処理を実行する。これらステップSd3101及びステップSd3102の処理は、上記ステップSd802及びステップSd803の処理と同様である。
続くステップSd3103では、ステップSd3102の処理結果に基づいて、今回のゲームの抽選結果が特殊役当選であるか否かを判定する。特殊役当選である場合には、ステップSd3104にて事前判定処理を実行する。ステップSd3103にて特殊役当選ではないと判定した場合や、ステップSd3104にて事前判定処理を実行した後は、ステップSd804に進み、開始時のATモード移行抽選等を実行する。
図328は、上記ステップSd3104の事前判定処理を示すフローチャートである。事前判定処理は、停止時AT抽選用処理におけるATモード移行抽選の結果を、停止時AT抽選用処理の実行タイミングよりも先に特定するための処理である。
すなわち、ステップSd3201では、CZモードフラグがセットされているか否かを判定する。CZモードフラグがセットされていない場合、ステップSd3202にて停止時通常用ATモード移行抽選テーブルを取得する処理を実行し、CZモードフラグがセットされている場合には、ステップSd3203にて停止時CZ用ATモード移行抽選テーブルを取得する処理を実行する。これらの抽選テーブルは、図294に示すとおりである。
いずれかの抽選テーブルを取得した後は、ステップSd3204にて、今回の特殊役当選ゲームにおいて第1操作態様にてストップスイッチ42~44が操作された場合のATモード移行抽選を、上記抽選テーブルと、ステップSd3101にて取得したAT抽選乱数とから実行する。つまり、停止時AT抽選用処理(図293)においても、同様の抽選テーブルと、開始操作に基づいて取得したAT抽選乱数と、を用いてATモード移行抽選を実行する構成であることから、ステップSd3204にて実行するATモード移行抽選と、停止時AT抽選用処理にて実行するATモード移行抽選(ステップSd1310)とは同じ結果となり、通常モードであれば10%の確率でATモード移行当選となり、CZモードであれば50%の確率でATモード移行当選となる。
更に、本実施形態では、ステップSd3205にて、今回の特殊役当選ゲームにおいて第2操作態様にてストップスイッチ42~44が操作された場合のATモード移行抽選を、上記抽選テーブルと、ステップSd3101にて取得したAT抽選乱数とから実行する。本実施形態における停止時AT抽選用処理(図293)では、第2操作態様にて操作された場合にはATモード移行抽選を実行しない構成としているが、仮に第2操作態様にて操作された場合にもATモード移行抽選を実行する構成とした場合には、当該停止時AT抽選用処理では、同様の抽選テーブルと、開始操作に基づいて取得したAT抽選乱数と、を用いてATモード移行抽選を実行するのであるから、ステップSd3205にて実行するATモード移行抽選と、停止時AT抽選用処理にて実行するATモード移行抽選(ステップSd1310)とは同じ結果となる。そして、本実施形態であれば、通常モードであれば0%の確率でATモード移行当選となり、CZモードであれば0%の確率でATモード移行当選となり、いずれのモードであってもATモード移行抽選に当選しない。
ステップSd3204及びステップSd3205の処理を実行した後は、ステップSd3206にて、ステップSd3204の処理結果がATモード移行当選であったか否かを判定し、ATモード移行当選であった場合には、ステップSd3207にて第1操作当選予告コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行する。第1操作当選予告コマンドは、今回の特殊役当選ゲームにおいて第1操作態様にて操作すればATモード移行抽選に当選することを表示制御装置81へ把握させるためのコマンドである。
ステップSd3206にて否定判定した場合やステップSd3207の処理を実行した後は、ステップSd3208にて、ステップSd3205の処理結果がATモード移行当選であったか否かを判定し、ATモード移行当選であった場合には、ステップSd3209にて第2操作当選予告コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行する。第2操作当選予告コマンドは、今回の特殊役当選ゲームにおいて第2操作態様にて操作すればATモード移行抽選に当選することを表示制御装置81へ把握させるためのコマンドである。ステップSd3208にて否定判定した場合、又はステップSd3209の処理を実行した後は、本事前判定処理を終了する。
図329は、本変形例における開始時CZ演出設定処理を示すフローチャートである。
本変形例における開始時CZ演出設定処理では、特殊役当選時の処理(ステップSd3305:YES)が異なっており、その他の処理(ステップSd3301~ステップSd3321)は上記ステップSd2201~ステップSd2221の処理と同様である。
具体的には、CZモード中に特殊役当選となったゲームでは、ステップSd3305にて肯定判定して、ステップSd3322に進む。ステップSd3322では、特殊役フラグをセットする処理を実行する。そして、ステップSd3323にて、上記の第1操作当選予告コマンド又は第2操作当選予告コマンドを受信しているか否かを判定する。これらいずれかの当選予告コマンドを受信している場合、ステップSd3304に進み、テンパイ演出が実行されるように演出を設定する。
つまり、事前判定処理によって、いずれかの操作態様にて操作すればATモード移行抽選に当選すると事前に特定された場合、開始時CZ演出設定処理では、ATモード移行当選である旨の報知が行われることの期待度が高いテンパイ演出が実行されるようになる。このようにすることで、停止時AT抽選用処理の結果を待たずに、当該停止時AT抽選用処理の結果に対応する演出を開始させることが可能となる。
但し、上記の通り、特殊役当選時においては、開始時AT抽選用にて前兆コマンドが出力されることはないため、ステップSd3310にて否定判定し、テンパイ外れ目演出が行われるように設定される。また、第1操作当選予告コマンドや第2操作当選予告コマンドを受信していない場合、ステップSd3324の特殊役用のテンパイ演出抽選処理を経て、当該抽選に当選した場合にも、ステップSd3304にてテンパイ演出が行われるように設定され、その後、テンパイ外れ目演出が行われるように設定される。
つまり、第1操作当選予告コマンドや第2操作当選予告コマンドを受信している場合には、テンパイ演出抽選処理を経ることなくテンパイ演出が実行されるようになり、その結果、これらの当選予告コマンドを受信しない場合も含めて、テンパイ演出が実行された場合にATモード移行当選である旨の報知につながる割合が大きくなり、当該テンパイ演出への期待感を好適に高めることが可能となる。
特に、本変形例では、第1操作当選予告コマンドや第2操作当選予告コマンドを受信したか否かが、テンパイ演出の発生の有無から予測可能な構成であり、当該テンパイ演出の発生の有無は第2停止ON操作により判別される。つまり、テンパイ演出が発生する場合とは、既に第1操作態様及び第2操作態様のいずれの操作となるかが決定された後のタイミングである。このような構成とすることで、第1操作当選予告コマンドや第2操作当選予告コマンドを受信した場合に発生する演出によって操作態様を変更する行為を抑制し、当該発生する演出を知っている遊技者だけが有利となるような事象を生じさせないようにすることができる。よって、遊技の公平性が担保される。
つまり、例えば、第1操作当選予告コマンドを受信した場合には、第1停止ON操作が行われるよりも前のタイミングで、特殊な演出(例えば、レバー操作時の効果音を通常時とは異なる特殊な効果音とする演出)が発生するようにした場合、第1操作態様にて操作することで、ATモード移行当選となることを事前に把握することが可能となるため、遊技の興趣向上を高めるうえでは好ましい。しかし、このような構成とすると、上記の特殊な演出が発生しないゲームでは、仮に第1操作態様にて操作してもATモード移行当選とならないのであるから、第2操作態様にて操作してより多くのメダル払出を受ける方が遊技者にとって好ましくなる。そのため、操作前に事前判定処理の結果に対応する特殊な演出が発生することは、遊技の興趣向上を図るうえでは好ましいものの、遊技の公平性を担保するうえでは好ましくないといえる。本変形例では、上記の通り第1操作態様と第2操作態様との分岐後に事前判定処理の結果に対応する報知が行われるようにしていることから、公平性を担保しながらも、当該報知による上記の効果を期待することが可能となる。
ちなみに、上記のような操作前に事前判定処理の結果に対応する特殊な演出を実行する構成とする場合、第1操作当選予告コマンドを受信した場合に必ず当該特殊な演出が発生する構成ではなく、第1操作当選予告コマンドを受信した場合に特殊な演出が発生しない場合もある構成とすることでも、当該特殊な演出が発生しないからといって第2操作態様にて操作したほうがよいことが確定するわけではなくなる。つまり、事前判定処理の結果に対応する演出を行ううえで、当該演出から、第1操作態様にて操作してもATモード移行抽選に非当選であることが確定しないようにすることで、事前判定処理の結果に関わらず第1操作態様にて操作させる動機付けとすることができ、遊技の公平性を好適に担保することが可能である。
なお、第1操作当選予告コマンドや第2操作当選予告コマンドを受信した場合、テンパイ演出とは異なる特別演出を実行するようにしてもよい。特別演出としては、例えば、図326(b)の確定演出を適用してもよい。また、テンパイ演出時の効果音を通常時には発生しない又は発生しにくい特殊な効果音としたり、通常時は登場しない又は登場しにくいキャラクタを登場させたりするとよい。このようにすることで、特殊役当選時の操作態様への注目度をより高めることが可能となるし、特に、上記実施形態のように第2操作態様ではATモード移行当選にならないように設定されている構成においては、第1操作態様にて操作されていることが想定され、上記特別演出が実行されることで、ATモード移行当選となることを事前に把握することが可能となる、といった斬新な遊技性を実現することが可能となる。
<変形例5>
本変形例では、上記の事前判定処理を利用した遊技性を説明する。具体的には、本変形例では、事前判定処理にて特殊役当選時に第1操作態様にて操作することでATモード移行抽選に当選することを特定した場合、上記のように第1操作当選予告コマンドを出力する構成としたうえで、特殊役当選時に当該第1操作当選予告コマンドを受信していない場合には、第2操作態様にて操作させて、第1小役入賞~第6小役入賞を成立させるようにする特定報知演出を実行する。なお、当該特定報知演出を実行するモードを、以下の説明ではナビモードと称する。
図330は、本変形例におけるナビモード用処理を示すフローチャートである。ナビモード用処理は、表示制御装置81側の開始時演出設定処理(図303)におけるその他の処理(ステップSd2012)の一処理として実行される処理である。
ステップSd3401では、今回開始するゲームで有利区間への移行が生じたか否かを判定する。有利区間への移行が生じた場合、ステップSd3402にて、上記のナビモードに移行させるか否かのナビモード抽選を実行する。本変形例では、当選確率の設定処理にて設定される設定値に応じてナビモード抽選の当選確率が異なるように設定されており、具体的には、出玉率が高くなる高設定ほどナビモード抽選に当選し易くなるように設定されている。
ステップSd3402にてナビモード抽選を実行した後は、ステップSd3403にて、ナビモード抽選に当選したか否かを判定する。ナビモード抽選に当選している場合、ステップSd3404にて各種フラグ格納エリア183aにナビモードフラグをセットする処理を実行する。
ステップSd3401若しくはステップSd3403にて否定判定した場合、又はステップSd3404の処理を実行した後は、ステップSd3405にて、今回開始するゲームでATモードへの移行が生じるか否かを判定する。今回開始するゲームがATモード移行ゲームである場合、ステップSd3406にてナビモードフラグをクリアする処理を実行してから、本ナビモード用処理を終了する。ステップSd3405にてATモード移行ゲームではない場合には、そのまま本ナビモード用処理を終了する。
つまり、本変形例では、有利区間の移行に際して実行されるナビモード抽選に当選するとナビモードに設定され、ATモードへの移行が生じることで、ナビモードが終了する。また、本変形例では、有利区間の終了に際してはナビモードが終了しないようにしていることから、仮にATモードへ移行することなく有利区間が終了してしまった場合であっても、ナビモードは継続し、ATモードへの移行が生じるまで当該ナビモードによる恩恵を享受することが可能となる。
図331は、本変形例における特定報知用処理を示すフローチャートである。特定報知用処理も、表示制御装置81側の開始時演出設定処理(図303)におけるその他の処理(ステップSd2012)の一処理として実行される処理である。
ステップSd3501では、今回の開始時コマンドとして特殊役を示す抽選結果コマンドを受信しているか否かを判定する。ステップSd3501にて肯定判定し、今回のゲームの抽選結果が特殊役である場合、ステップSd3502に進む。ステップSd3502では、上記の第1操作当選予告コマンドを受信しているか否かを判定する。
第1操作当選予告コマンドを受信している場合とは、上記の通り、特殊役当選ゲームであって、第1操作態様にてストップスイッチ42~44を操作することで、ATモード移行抽選に当選することが事前に特定されている場合である。第1操作当選予告コマンドを受信していない場合、すなわち、特殊役当選時に第1操作態様にてストップスイッチ42~44の操作を行ってもATモード移行抽選に当選しない場合、ステップSd3503にて上記のナビモードフラグがセットされているか否かを判定する。ナビモードフラグがセットされている場合、ステップSd3504にて、今回のゲームの開始時演出として特定報知演出が補助表示部65やスピーカ64にて実行されるように設定する処理を実行してから、本特定報知用処理を終了する。すなわち、上記の特定報知演出は、開始時演出として実行され、ストップスイッチ42~44の操作前に実行される演出である。
ステップSd3502にて第1操作当選予告コマンドを受信している場合や、ステップSd3503にてナビモードフラグがセットされていない場合には、特定報知演出を設定することなく、そのまま特定報知用処理を終了する。
ステップSd3501にて特殊役当選ゲームではないと判定した場合、ステップSd3505に進み、特別役を示す抽選結果コマンドを受信しており、今回のゲームの抽選結果が特別役当選であるか否かを判定する。
ここで、本変形例では、図332(c)に示すように、入賞態様として第13再遊技が追加されており、左リール32Lの「リプレイ」図柄、中リール32Mの「リプレイ」図柄、右リール32Rの「ベル」図柄が有効ラインに停止すると、第13再遊技入賞が成立するように設定されている。上記の特別役は、第13再遊技入賞が可能となる役であり、3ベットゲームにおいて特殊役等の他のAT当選契機となる結果よりも低確率(具体的には約5000分の1の確率)で当選する。また、本変形例における開始時AT抽選用処理における開始時通常用ATモード移行抽選テーブルや開始時CZ用ATモード移行抽選テーブルでは、上記の特別役では100%の確率でATモード移行当選となるように設定されている。
ステップSd3505にて、今回のゲームの抽選結果が特別役当選であると判定した場合、ステップSd3506にて、今回の開始時コマンドとして前兆コマンドを受信しているか否かを判定する。前兆コマンドを受信している場合とは、特別役に基づくATモード移行抽選に当選したことを意味し、ATモードではなく通常モードやCZモード中に特別役当選となったことを意味する。前兆コマンドを受信している場合、ステップSd3504に進み、上記の特定報知演出を行うための処理を実行してから、本特定報知用処理を終了する。ステップSd3505又はステップSd3506にて否定判定した場合、そのまま特定報知用処理を終了する。
本実施形態における特定報知演出では、図332(a)に示すように、補助表示部65にて「赤7」図柄のキャラクタを3つ揃えて表示させるとともに、「狙え」という文字表示を行ったり、スピーカ64から「狙え」といった音声を出力し、各リール32L,32M,32Rに「赤7」図柄を狙うべき状況であることを報知する演出が設定されている。
ここで、第13再遊技入賞が成立する場合、「赤7」図柄を狙って各ストップスイッチ42~44を操作すると、図332(b1)に示すように、下ラインL3に「赤7」図柄が揃って停止し得る。これに対して、特殊役当選ゲームにおいて「赤7」図柄を狙う操作態様は、第1操作態様の範囲内には含まれておらず(図279)、左リール32Lから停止操作した場合であっても、第33小役入賞は成立せず、第1小役入賞が成立する。
この場合、図332(b2)に示すように、「赤7」図柄を狙って第1小役入賞を成立させる場合の左リール32L及び中リール32Mの停止出目は、第13再遊技入賞時の停止出目と共通しており、これら左リール32L及び中リール32Mを停止させた時点では、第1小役入賞が成立するか、それとも第13再遊技入賞が成立するかを判別することができない。
つまり、「赤7」図柄を狙うべき状況であることの報知が行われる特定報知演出が実行された場合において、遊技者は、特殊役当選ゲームにおいてATモード移行抽選に当選しないから第2操作態様での操作が促されているのか、それとも、ATモード移行抽選に当選となる第13再遊技当選となっているのかを判別することができない。このようにすることで、ATモード移行当選を目指す遊技性において、特定報知演出が実行された場合に特殊役当選時のATモード移行非当選が確定しないようになり、特定報知演出が行われることやそれに基づいてストップスイッチ42~44を操作することの楽しみを向上させることができる。
ナビモードの恩恵を、図332(d)を用いて説明する。
ナビモードに設定されていない状況においては、特殊役当選ゲームでは特定報知演出が発生しないことから、ATモード移行抽選を受けるためにはストップスイッチ42~44を第1操作態様にて操作すべきであり、この場合、上記の通り、第33小役入賞が成立するようになる。このように常に第1操作態様にて遊技した場合、1ゲーム当たり約1.37枚のメダル減少が見込め、メダル50枚当たり約36.40ゲーム消化することが可能である。これに対して、特殊役当選ゲームで常に第2操作態様にて操作すると、1ゲーム当たり約1.02枚の減少が見込め、メダル50枚当たり約48.84ゲーム消化することが可能となり、第1操作態様にて操作する場合よりも第2操作態様にて操作した場合の方が、同じ枚数で消化できるゲーム数は多くなる。但し、上記のように、第2操作態様とすることで、ATモード移行抽選を受けることができなくなるし、天井カウンタの減算も行われないようになるため、ATモード移行を目指す遊技性においては、第1操作態様にて操作したほうが第2操作態様にて操作するよりも遊技者にとって有利となる。
特殊役当選ゲームで第1操作態様にて操作した場合には約半数がATモード移行当選となるとして、ナビモードでは、当該ATモード移行当選となる場合に必ず特定報知演出が発生するとすると、当該半数を第1操作態様にて操作し、半数は第2操作態様にて操作することとなる。この場合、1ゲーム当たり約1.20枚のメダル減少が見込め、メダル50枚当たり約41.71ゲーム消化することが可能となる。よって、常に第2操作態様にて操作する場合よりも同じ枚数で消化できるゲーム数は少なくなるものの、常に第1操作態様にて操作する場合よりも同じ枚数で消化できるゲーム数は多くなり、且つ、ATモード移行抽選を効率的に受けることが可能となる。つまり、ATモード移行抽選を目指す遊技性においては、当該ナビモードでの遊技が、常に第1操作態様にて操作する場合よりも有利となる。このようにすることで、特殊役を利用した構成において遊技の多様化を図ることが可能となる。
ここで、上記のように停止時ATモード移行抽選では、少なくとも特殊役当選時において、設定値に関わらず共通の確率でATモード移行抽選を行うように設定されている。これに対して、ナビモード抽選の当選確率は高設定ほど当選し易くしている。このようにすることで、ATモードの移行率に設定差を設けなくても、単位メダル数当たりのゲーム数(ベース)を設定値に応じて異ならせることが可能となる。
<変形例6>
本変形例では、ATモード中の特殊役当選ゲームについて説明する。
上記実施形態では、特殊役を契機とする指示機能に関する処理のうち、ATモードの上乗せ抽選については、第1操作態様にて操作された場合と第2操作態様にて操作された場合とで同じ処理を行う構成としており、具体的には、特殊役当選ゲームであっても他の抽選結果と同様に、開始時に実行されるAT上乗せ用処理にて上乗せ抽選を実行する構成としていた。本変形例では、これを変更し、ATモード中の上乗せ抽選についても、第1操作態様にて操作した場合と第2操作態様にて操作した場合とで、処理の内容を異ならせる。
図333(a)は、本変形例におけるATゲーム数用処理の一部を示すフローチャートである。上記の通り、ATゲーム数用処理は、リール制御処理(図277)における払出判定処理よりも後で実行される入賞結果対応処理(ステップSd415)のステップSd1211にて実行される処理である。
本変形例では、先ずステップSd3601にて停止時AT上乗せ用処理を実行する。その後、ステップSd1601にてATゲーム数カウンタの減算処理を実行し、ATモード中のゲーム数の管理を行う。
図333(b)は、ステップSd3601における停止時AT上乗せ用処理を示すフローチャートである。
停止時AT上乗せ用処理は、基本的には、上記の開始時に実行されるAT上乗せ用処理(図288)と同様の処理であり、停止時AT上乗せ用処理では、上乗せ抽選に用いる上乗せ抽選乱数を取得する処理が行われない他、今回のゲームの操作態様を把握する処理を行う点と、上乗せ抽選にて利用する上乗せ抽選テーブルと、が異なっている。すなわち、本変形例では、ステップSd3611にて今回のゲームの操作態様を把握し、その後のステップSd3612~ステップSd3620の処理は、上記ステップSd1002~ステップSd1010の処理と同様であり、ステップSd3613にて取得する上乗せ抽選テーブルが、ステップSd1003にて取得する上乗せ抽選テーブルと異なっている。
上乗せ抽選テーブルについて、具体的には、本変形例における開始時に実行されるAT上乗せ抽選用処理(以下、停止時のものと区別すべく、開始時AT上乗せ抽選用処理と称する)では、図334に示すように、特殊役に基づく上乗せ抽選が非当選となるように設定されている。一方、上記の停止時AT上乗せ用処理におけるステップSd3613にて取得する上乗せ抽選テーブルでは、今回の特殊役当選ゲームにおいて第1操作態様にて操作された場合には30%の確率で上乗せ抽選に当選するものの、第2操作態様にて操作された場合には上乗せ抽選に当選しないように設定されている。
図335は、本変形例における開始時AT上乗せ用処理の一部を示すフローチャートである。本処理は、抽選結果対応処理(図283)におけるステップSd609のAT上乗せ用書士の変形例である。
ステップSd3701及びステップSd3702の処理は、上記ステップSd1001及びステップSd1002の処理と同様であり、上乗せ抽選乱数を取得して、今回のゲームの抽選結果を把握する。続くステップSd3703では、今回のゲームの抽選結果が特殊役当選であるか否かを判定し、特殊役当選である場合には、ステップSd3704にて上乗せ事前判定処理を実行する。ステップSd3703にて特殊役当選ではないと判定した場合や、ステップSd3704の処理を実行した後は、ステップSd1004に進み、開始時の上乗せ抽選処理を実行する。上記の通り、特殊役当選ゲームでは開始時の上乗せ抽選処理では当選しないように設定されている。なお、特殊役当選ゲームでは、開始時の上乗せ抽選が行われない構成としてもよい。
図336は、ステップSd3704の上乗せ事前判定処理を示すフローチャートである。
ステップSd3801では、停止時AT上乗せ抽選テーブルを取得する処理を実行する。ステップSd3801にて取得する抽選テーブルは、ステップSd3613にて取得する抽選テーブルと同じ抽選テーブルである。続くステップSd3802では、今回の特殊役当選ゲームにおいて第1操作態様にてストップスイッチ42~44が操作された場合のAT上乗せ抽選を、上記抽選テーブルと、ステップSd3701にて取得した上乗せ抽選乱数とから実行する。つまり、停止時AT上乗せ抽選用処理(図333(b))においても、同様の抽選テーブルと、開始操作に基づいて取得した上乗せ抽選乱数と、を用いてAT上乗せ抽選を実行する構成であることから、ステップSd3802にて実行するAT上乗せ抽選と、停止時AT上乗せ抽選用処理にて実行するAT上乗せ抽選(ステップSd3614)とは同じ結果となり、30%の確率で上乗せ当選となる。
ステップSd3802の処理を実行した後は、ステップSd3803にて、今回の特殊役当選ゲームにおいて第2操作態様にてストップスイッチ42~44が操作された場合のAT上乗せ抽選を、上記抽選テーブルと、ステップSd3701にて取得した上乗せ抽選乱数とから実行する。この場合も、停止時AT上乗せ抽選用処理(図333(b))におけるAT上乗せ抽選の結果と同じ結果となり、ステップSd3803にて実行するAT上乗せ抽選では上乗せ当選とならない。なお、第2操作態様にて操作された場合には、上乗せ抽選を行わない構成とする場合には、上乗せ事前判定処理においても第2操作態様にて操作された場合の上乗せ抽選を行わない構成としてもよい。
ステップSd3802やステップSd3803にて停止時の上乗せ抽選の結果を、開始時に事前に特定する処理を実行した後は、ステップSd3804にて、第1操作態様にてストップスイッチ42~44を操作した場合に上乗せ抽選に当選するか否かを判定し、上乗せ抽選に当選する場合には、ステップSd3805にて第1操作当選予告コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行する。また、ステップSd3804にて否定判定した場合や、ステップSd3805の処理を実行した後は、ステップSd3806にて、第2操作態様にてストップスイッチ42~44を操作した場合に上乗せ抽選に当選するか否かを判定し、上乗せ抽選に当選する場合には、ステップSd3807にて第2操作当選予告コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行する。ステップSd3806にて否定判定した場合、又はステップSd3807の処理を実行した後は、上乗せ事前判定処理を終了する。
図337(a)は、本変形例における開始時演出設定処理の一部を示すフローチャートである。上記の通り、開始時演出設定処理は、表示制御装置81においてゲームの開始に際して開始時コマンドを受信している場合に実行される処理である。
ステップSd3901~ステップSd3903は、上記ステップSd2001~ステップSd2003の処理と同様であり、押し順ベルグループ用の抽選結果コマンドを受信している場合であって、第1小役入賞~第6小役入賞用のいずれかの押し順報知コマンドを受信している場合には、対応する操作順序の押し順報知演出が行われるように設定する。
ステップSd3901にて押し順ベルグループ用の抽選結果コマンドを受信していないと判定した場合、ステップSd3904にて特殊役用の抽選結果コマンドを受信しているか否かを判定する。特殊役用の抽選結果コマンドを受信している場合、ステップSd3905にて押し順報知コマンドを受信しているか否かを判定する。上記の通り、特殊役当選ゲームで押し順報知コマンドが出力される場合とは、ATモード中であることを意味する。なお、上記の通り、特殊役当選時の押し順報知コマンドは、第6小役入賞用の操作順序を示す押し順報知コマンドである。
ATモード中の特殊役当選である場合、ステップSd3906に進み、上記の第1操作当選予告コマンドを受信しているか否かを判定する。第1操作当選予告コマンドを受信していない場合、すなわち、今回の特殊役当選ゲームで第1操作態様にて操作しても上乗せ抽選に当選しない場合には、ステップSd3903に進み、第6小役入賞に対応する操作順序の押し順報知演出が行われるように設定する。この場合、特殊役当選に基づいて、1枚のメダル払出が生じる第33小役入賞ではなく、8枚のメダル払出が生じる第6小役入賞を成立させることが可能となる。つまり、今回の特殊役に基づく上乗せ抽選では、仮に第1操作態様にて操作させも非当選となるのであれば、メダル払出枚数の多い第2操作態様にて操作させることで、ATモード中のメダル増加速度(純増枚数)を向上させることが可能となる。
これに対して、ATモード中の特殊役当選であっても、ステップSd3906にて、第1操作当選予告コマンドを受信していると判定しており、今回の特殊役当選ゲームで第1操作態様にて操作させれば上乗せ当選となる場合、ステップSd3907にて、ATモードのゲーム数やメダル増加枚数が有利区間の上限に達することが確定しているか否かの判定を実行する。既に説明した通り、主制御装置101側の区間表示第2処理(図301)における残ゲーム数管理処理(ステップSd1804)では、有利区間の消化ゲーム数と、ATモードの残りゲーム数との合計が、有利区間の上限ゲーム数より多い状況となり、既に、このまま残りのATモードを消化することで有利区間の上限ゲーム数に到達することが確定するような状況であれば、第1超過コマンドを出力する。また、区間表示第2処理における残枚数管理処理(ステップSd1805)では、ATモードの残りゲーム数等に基づき、現状の残りゲーム数で有利区間が上限増加数(2400枚)に達する状況となり、このまま残りのATモードを消化することで有利区間の上限増加数に到達するであろう状況であれば、第2超過コマンドを出力する。上記のステップSd3907では、これらの第1超過コマンドや第2超過コマンドを受信しているか否かを把握することで、有利区間の上限に到達するであろう状況であるか否かを判定可能である。
ステップSd3907にて、上限に到達しないような状況であると判定した場合、ステップSd3908にて、AT中特定報知演出が補助表示部65やスピーカ64にて実行されるように設定する。これに対して、ステップSd3907にて、上限に到達する状況であると判定した場合、すなわち、今回の特殊役当選ゲームにおいて第1操作態様にて操作させれば上乗せ当選するような状況であっても、当該上乗せ当選に基づいてATモードの上乗せ処理が行われてもゲーム数やメダル増加数的には無意味となり得るような状況であれば、ステップSd3903に進み、第6小役入賞に対応する操作順序の押し順報知演出が行われるように設定する。この場合、当該特殊役当選ゲームでは、メダル払出枚数の多い第6小役入賞を成立させることが可能となる。
つまり、本変形例では、ATモード中の特殊役当選ゲームにおいて、第1操作態様にて操作されれば上乗せ当選となる場合であっても、有利区間の上限ゲーム数や上限増加枚数との関係で指示する操作態様を異ならせており、既に確定している残りのATモードのゲーム数だけで有利区間の上限ゲーム数や上限増加枚数に到達するような状況であれば、これ以上、ATモードの上乗せ処理を行う必要がないとして、第1操作態様ではなく第2操作態様にて操作させてメダル払出枚数の多い第6小役入賞を成立させるようにしている。このようにすることで、上限に到達することが確定しているような状況で、更に上乗せ当選することの虚無感を遊技者に与えないようにすることができるし、当該上限に到達することが確定しているのであれば早期に上限増加枚数に到達するようにすることができるし、又は、上限ゲーム数に到達した際の総メダル払出数が多くなるようにすることができる。
上記ステップSd3908のAT中特定報知演出としては、本変形例では、図337(b)に示すように、3つ設けられているストップスイッチ42~44に対応させて、ビックリマークのキャラクタが補助表示部65に3つ表示されるような演出が設定されており、上記の特定役報知演出と同様の演出が設定されている。
本実施形態では、特定役のうちチェリーA~Cに当選している場合、第10再遊技入賞~第12再遊技入賞が成立し得るようになり、このうち、第12再遊技入賞を成立させることが可能なタイミングでストップスイッチ42~44を操作した際に、当該第12再遊技入賞が成立した場合には、チェリーB又はチェリーC当選であったことが確定し、第12再遊技入賞を成立させることが可能なタイミングでストップスイッチ42~44を操作したのにもかかわらず第10再遊技入賞が成立した場合には、チェリーAであったことが確定する。これに対して、第11再遊技入賞を成立させると、チェリーA~Cのいずれに当選していたかを判別することができない。
そうすると、特定役報知演出が発生した場合に、チェリーA~Cの種別を判別しようとするのであれば、少なくとも、第11再遊技入賞ではなく第10再遊技入賞や第12再遊技入賞が成立するタイミングでストップスイッチ42~44を操作する必要があるといえる。左リール32Lにおける第10再遊技図柄や第12再遊技図柄は「BAR」図柄であり、第11再遊技図柄は「赤7」図柄、「赤貝」図柄及び「白貝」図柄であるため、左リール32Lにおいて第10再遊技入賞や第12再遊技入賞を成立させることが可能なタイミングとは、特殊役当選時の第1操作態様に相当するタイミングである。
つまり、特定役報知演出が行われた場合、それが特殊役を契機とするものではなくても、当選役の種別を判別しようとする遊技者であればストップスイッチ42~44は第1操作態様にて操作するものと考えられる。そのため、AT中特定報知演出の報知態様を特定役報知演出の報知態様と同様の報知態様とすることで、特殊役当選時であっても同様の操作が行われることが期待できるし、AT中特定報知演出専用の演出データを記憶しておく必要がなく、記憶容量の削減を図ることも可能である。逆に、遊技者からすると、特定役報知演出又はAT中特定報知演出が行われた場合には、特殊役に当選している可能性があると把握できるため、第1操作態様として、左リール32Lの「BAR」図柄を最初に狙って操作するものと考えられる。その結果、チェリーA~Cの判別も可能となり、当選結果に応じて上乗せ当選確率が相違するといった遊技性を十分に理解できるようになり、当該理解度の向上を通じて、遊技の面白味をこれまで以上に感じさせることが可能となる。
なお、ステップSd3904にて特殊役当選ではないと判定した場合には、ステップSd3909にて特定役当選であるか否かを判定し、特定役当選である場合には、ステップSd3910にて特定役報知演出を行うための処理を実行する。ステップSd3909及びステップSd3910は、ステップSd2006及びステップSd2007の処理と同様である。ステップSd3902、ステップSd3905若しくステップSd3909にて否定判定した場合、又はステップSd3903、ステップSd3908若しくはステップSd3910の処理を実行した後は、ステップSd2008に進み、開始時前兆演出設定処理を実行する。
上記のようにすることで、図337(c)に示すように、特殊役当選時の操作態様を、上乗せ当選と上限到達との関係で異ならせたうえで、ATモード中の純増枚数を状況に応じて異ならせることが可能となる。つまり、ATモード中において、第1操作当選予告コマンドを受信した場合に第1操作態様にて操作すれば上乗せ抽選に当選し、且つ当該上乗せ当選による上乗せを行っても意味がある状況であれば、第1操作態様にて操作させることで、ATモード中の純増枚数は1ゲーム当たり約2.74枚の増加が見込めるようになる。これに対して、ATモード中において、第1操作当選予告コマンドを受信した場合に第1操作態様にて操作すれば上乗せ抽選に当選する場合であっても、当該上乗せ当選による上乗せを行っても意味がない状況であれば、第2操作態様にて操作させることで、ATモード中の純増枚数は1ゲーム当たり約2.98枚の増加が見込めるようになり、上乗せ当選する際に第1操作態様にて操作させる場合よりも純増枚数は多くなる。このように、上乗せ当選しても無意味な状況であれば、あえて上乗せ抽選を行わせない操作態様にて操作させて、メダル増加速度を向上させるようにすることで、より早期に上限増加枚数に到達させることができるようになったり、上限ゲーム数到達時の増加枚数を増やすことができるようになる。
更に、第1超過コマンドや第2超過コマンドの受信前であり、上限に到達することが確定していないような状況において、第1操作当選予告コマンドの受信の有無に関わらずAT中特定報知演出(特定役報知演出)を実行する場合があるようにしてもよい。このようにすると、上乗せ抽選に当選しているか否かが判別できないようになる又は判別しにくくなるため、特殊役当選時には、常に第1操作態様にて操作する必要が生じ得る。そうすると、このような態様で進行する遊技の純増枚数は1ゲーム当たり約2.63枚の増加が見込めるようになり、第1操作当選予告コマンドを受信した場合にだけAT中特定報知演出(特定役報知演出)を実行する態様での純増枚数よりも少なくなる。
この場合、例えば、ATモードに移行して序盤は、特殊役当選時には第1操作当選予告コマンドの受信の有無に関わらずAT中特定報知演出(特定役報知演出)を実行する態様にて遊技を進行させ、所定契機が生じた場合(例えば移行抽選に当選したり所定数のセットを消化する等の移行条件が成立した場合)に、第1操作当選予告コマンドを受信した場合にだけAT中特定報知演出(特定役報知演出)を実行する態様での遊技に切り替えさせ、更に、第1超過コマンドや第2超過コマンドを受信した場合には、第1操作態様にて操作すれば上乗せ抽選に当選する場合であっても第2操作態様にて操作させる態様での遊技に切り替える、といったように報知の態様を状況に応じて切り替える構成としてもよい。なお、特殊役当選時に第1操作当選予告コマンドの受信の有無に関わらずAT中特定報知演出(特定役報知演出)を実行する態様での遊技から、第1操作当選予告コマンドを受信した場合にだけAT中特定報知演出(特定役報知演出)を実行する態様での遊技に切り替えた後、更に、特殊役当選時に第1操作当選予告コマンドの受信の有無に関わらずAT中特定報知演出(特定役報知演出)を実行する態様での遊技に切り替える場合があるようにしてもよい。また、ATモード移行時に特殊役当選時に第1操作当選予告コマンドの受信の有無に関わらずAT中特定報知演出(特定役報知演出)を実行する態様での遊技と、第1操作当選予告コマンドを受信した場合にだけAT中特定報知演出(特定役報知演出)を実行する態様での遊技とのいずれにて遊技させるかを抽選等により決定する構成としてもよい。
<変形例7>
本変形例では、ATモード中に特殊役に当選した場合の押し順報知の態様を上記実施形態と異ならせる。具体的には、上記実施形態では、ATモード中に特殊役に当選した場合、第1小役入賞~第6小役入賞のうちの予め定められた第6小役入賞に対応する操作順序の押し順報知や押し順報知演出を行う構成としていた。これに対して、本変形例では、第1小役入賞~第6小役入賞のうちのいずれの操作順序を報知するかを抽選により決定する。
図338(a)は、本変形例における抽選結果対応処理の一部を示すフローチャートである。
ステップSd607にて開始時AT抽選用処理を実行した後や、ステップSd609にてAT上乗せ用処理を実行した後は、ステップSd4001にて押し順ベル当選であるか否かを判定する。押し順ベル当選である場合には、ステップSd4002~ステップSd4005にて、上記のステップSd611~ステップSd614の処理と同様に、ATモード中であれば第1小役入賞~第6小役入賞に対応する操作順序の押し順報知や押し順報知演出用の処理を実行し、ATモード中ではなければ、押し順報知を実行せず、押し順ベルグループ報知を行うようにする。
ステップSd4001にて押し順ベル当選ではない場合、ステップSd4006にて特殊役当選であるか否かを判定する。特殊役当選である場合、ステップSd4007にてATモードフラグがセットされているか否かを判定し、セットされていない場合には、ステップSd4008にて特殊役報知を行うようにする。ステップSd4008の処理は、ステップSd617の処理と同様である。
ステップSd4007にてATモードフラグがセットされており、ATモード中の特殊役当選である場合、ステップSd4009に進む。ステップSd4009では、報知小役抽選処理を実行する。報知小役抽選処理では、今回の特殊役当選時に第1小役入賞~第6小役入賞のいずれに対応する操作順序の押し順報知を実行するかを抽選により決定する。この場合、各種テーブル記憶エリア105aに記憶されている報知小役抽選テーブルを取得して、いずれの小役に対応する押し順報知を行うかを選択する。
ステップSd4009にて報知小役抽選処理を実行した後は、ステップSd4010にてステップSd4009の処理結果に対応する操作順序の押し順報知が指示モニタ68にて行われるように制御する。そして、ステップSd4010にて、ステップSd4009の処理結果に対応する押し順報知コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本抽選結果対応処理を終了する。また、ステップSd4006にて否定判定した場合は、そのまま抽選結果対応処理を終了する。
ステップSd4009の報知小役抽選処理にて利用される報知小役抽選テーブルは、図338(b)に示すように、当選確率の設定処理にて設定される設定値によって、選択する小役の割合が異なるように設定されている。このうち、第2小役~第6小役は、特に設定1,3,5では、第3小役及び第5小役が選択される割合の方が第2小役、第4小役及び第6小役が選択される割合よりも高くなるように設定されており、また、設定2、4では、第2小役、第4小役及び第6小役が選択される割合の方が第3小役及び第5小役が選択される割合よりも高くなるように設定されている、といったように、報知される小役の選択率から、設定値を予測することが可能となっている。
また、第1小役が選択される割合が特に設定値によって異なり、出玉率が高くなる設定値ほど(高設定ほど)、第1小役が選択される割合が高くなるように設定されている。そのため、第1小役の選択率からも設定値を予測することが可能である。ここで、第1小役に対応する操作順序の押し順報知とは、左→中→右の操作順序であるところ、特殊役当選ゲームで左リール32Lを最初に停止させた場合、上記の通り、その停止操作のタイミングによっては第1小役入賞ではなく第33小役入賞が成立する。
つまり、ATモード中に、第1小役に対応する操作順序の押し順報知が行われた場合であって、且つ、第33小役入賞を成立させることが可能なタイミングでストップスイッチ42~44が操作された場合に、第1小役入賞ではなく第33小役入賞が成立した場合には、当該第1小役に対応する操作順序の押し順報知が特殊役を契機とする押し順報知であったと把握でき、第33小役入賞ではなく第1小役入賞が成立した場合には、当該第1小役に対応する操作順序の押し順報知が押し順ベルを契機とする押し順報知であったと把握できる。このようにすることで、第1小役に対応する操作順序の押し順報知の割合から設定値の予測を行ううえでは、ストップスイッチ42~44の操作タイミングを工夫することで押し順ベルを契機とする押し順報知を排除してその予測を行うことが可能となり、予測精度を向上させることができる。
但し、このような設定値の予測精度を向上させようとすると、8枚のメダル払出ではなく1枚のメダル払出を受けることとなる。そのため、設定値の予測精度を向上させるべきか、それともメダルの払出枚数を多くするか、を遊技者に選択させる、といった斬新な遊技性を実現することが可能となる。
しかも、上記のようにATモード中に特殊役に当選した場合、第1小役入賞~第6小役入賞のいずれにも対応する押し順報知が行われるようにしていることから、各操作順序の押し順報知の発生率を平均化することができる。このようにすることで、押し順報知が行われた場合に所定の操作順序に対応する押し順報知が発生し易いといった違和感を遊技者に与えないようすることができるし、かかる偏りに起因する不都合を生じさせないようにすることができる。例えば、ATモード中に、押し順ベル当選時や特殊役当選時以外でもチェリーA~Cやチャンス目A~Cでも押し順報知や押し順報知演出を発生させる構成としたうえで、押し順ベルや特殊役の押し順報知や押し順報知演出とチェリーA~Cやチャンス目A~Cの押し順報知や押し順報知演出とが見た目上識別しにくい又は識別できない態様とすると、当該押し順報知演出等が発生した場合には、遊技者は、当該押し順報知演出等がAT上乗せ抽選にて当選し易いチェリーA~Cやチャンス目A~Cであることや特殊役を契機とするものであることを期待するものと考えられる。しかし、上記のように押し順報知演出等の発生率が操作順序によって偏りがあると、せっかく押し順報知演出等の態様からは抽選結果を予測できない又は予測しにくいようにしたのにもかかわらず、その操作順序によって契機となった抽選結果が予測されてしまう、といった不都合が生じ得る。その点、上記のように、操作順序に偏りが生じにくい態様とすることで、かかる不都合を好適に回避することが可能となる。
本変形例では、第1小役~第6小役に対応する押し順報知の発生率のばらつき(標準偏差)は設定1では7%、設定2では5%、設定3では6%、設定4では7%、設定5では7%、設定6では15%であり、各設定値の平均ばらつきは8%である。これに対して、第1小役に対応する押し順報知の発生率における設定値ごとのばらつきは13%であり、第1小役~第6小役の押し順報知のばらつきの平均値よりも高い。つまり、各小役の押し順報知の発生率から設定値の予測を行うよりも、第1小役の押し順報知の発生率だけから設定値の予測を行ったほうが効率的に設定値の予測を行うことが可能である。
但し、仮に、特殊役当選時に第1小役に対応する押し順報知が行われたとしても、第1操作態様にて操作せずに第2操作態様にて操作すると、第1小役入賞は成立するものの、それが順押しベル1,2当選を契機とするものなのか否かの判別ができなくなる。つまり、特殊役当選時に第1小役入賞を成立させてしまうと、それが押し順ベルを契機とする第1小役入賞に紛れてしまい、設定値の予測を効率的に行うことができなくなる。このようにすることで、設定値の予測を行いたいのであれば、払出枚数の少ない側の第33小役入賞を狙う遊技性が実現され、単にメダル増加を目指す遊技から脱却し、ATモード中の遊技の興趣向上が図られる。
<変形例8>
本変形例では、所定契機で特殊役当選時の報知小役を抽選し、その後の特殊役当選時には当該抽選結果を流用して報知小役を決定する。図339(a)は、本変形例における有利区間移行時処理を示すフローチャートである。有利区間移行時処理は、区間表示第1処理(図300)におけるステップSd1706にて実行される処理である。
ステップSd4021では、今回のゲームの抽選結果を把握し、続くステップSd4022にて天井ゲーム数テーブルを取得する処理を実行し、ステップSd4023にて天井ゲーム数抽選処理を実行する。そして、ステップSd4024にて、天井カウンタにステップSd4023の処理結果を入力し、ステップSd4025にて天井ゲーム数の情報を含む天井コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行する。上記の通り、天井カウンタは、各ゲームの抽選結果に応じて減算値抽選が行われ、当該天井カウンタが0となることでATモード移行抽選を介することなくATモードへの移行が生じるようになる。
ステップSd4026では、報知小役抽選処理を実行する。本変形例における報知小役抽選処理にて利用される報知小役抽選テーブルは、図339(b)に示すように、当選確率の設定処理にて設定される設定値によって、選択する小役の割合が異なるように設定されている。このうち、6通りある操作順序のうち、5通りの操作順序についてはいずれも同じ選択率となるように設定されており、残りの1通りの操作順序だけが他の操作順序の選択率とは異なるように設定されている。そして、当該他の操作順序の選択率と異なる操作順序が、設定値によって異なるように設定されている。
この場合、第1小役~第6小役の押し順報知の選択率のばらつきと、それぞれの押し順報知における設定値ごとのばらつきとは、同じ値となり、設定値の予測を行うのであれば、第1小役~第6小役の発生率をそれぞれカウントする必要が生じるようになる。つまり、設定値の予測を行いにくくすることができ、遊技の公平性を高めることが可能となる。
ステップSd4026にて報知小役抽選処理を実行した後は、ステップSd4027にて抽選結果の小役を各種カウンタエリア106eの報知小役カウンタに記憶する処理を実行してから、本有利区間移行時処理を終了する。この場合、ステップSd4026の処理結果として第1小役が選択された場合には、報知小役カウンタに1を入力し、第2小役が選択された場合には、報知小役カウンタに2を入力する、といったように、報知小役カウンタには1~6のいずれかの値が入力されることになる。そして、本変形例における抽選結果対応処理におけるステップSd618では、上記の報知小役カウンタの値を参照して実行する押し順報知を決定する。すなわち、報知小役カウンタに1が入力されていれば第1小役の押し順報知を実行するとともに、第1小役に対応する押し順報知コマンドをセットし(ステップSd619)、報知小役カウンタに2が入力されていれば第2小役の押し順報知を実行するとともに、第2小役に対応する押し順報知コマンドをセットする。
このようにすることで、押し順報知にランダム性を生じさせながらも、特殊役当選時に報知小役抽選処理を実行する必要が生じなくなるため、各ゲームの処理負荷を軽減することが可能となる。
上記の通り、報知小役抽選処理は有利区間移行時処理にて実行するようにしていることから、有利区間に移行する度に(有利区間が終了する度に)、特殊役当選時の報知小役が変更されるようになる。このようにすることで、より押し順報知がランダムなものとなり、当該押し順報知が偏ることによって特殊役当選であることが見抜かれてしなう等の不都合を生じさせないようにすることができるし、設定値の予測遊技の難易度を向上させることも可能となり、遊技の興趣向上も図ることが可能である。
<変形例9>
本変形例では、報知小役抽選テーブルの変形例を説明する。
図340(a)では、第1小役や第2小役に対応する押し順報知が選択されない例を示している。つまり、特殊役当選時において第1操作態様の可能性が生じる第1小役や第2小役に対応する操作順序については選択されないようにしている。このようにすることで、ATモード中にメダル払出枚数の少ない第33小役入賞が成立する可能性を極力少なくし、よりスムーズなメダル増加を実現することが可能である。
図340(b)は、上記のように特殊役当選時に第1小役や第2小役の押し順報知が発生しない構成において、押し順ベル側の当選確率を調整して、各押し順報知の均等化を図る例を示している。
すなわち、図340(b1)に示すように、特殊役は各ゲームで約5%(約20分の1)の確率で当選するため、ATモード中に各ゲームで特殊役を契機とする第3小役~第6小役に対応する押し順報知は約1.25%の確率で発生する。これに対して、特殊役を契機とする第1小役~第2小役に対応する押し順報知は発生しない。そこで、各ゲームで約64%(約1.56分の1)の確率で当選する押し順ベルを、図340(b2)に示すように、第1小役に対応する順押しベル1,2や第2小役に対応する挟み押しベル1,2を他の第3小役~第6小役に対応する役よりも当選し易くなるように設定する。本変形例では、第1小役に対応する順押しベル1,2や第2小役に対応する挟み押しベル1,2に対して、全押し順ベルのうちの18%ずつを割り振り、他の役に対して16%を割り振っている。その結果、各ゲームで押し順ベルを契機として第1小役、第2小役に対応する押し順報知はそれぞれ約11.54%の確率で発生し、第3小役~第6小役に対応する押し順報知はそれぞれ約10.25%の確率で発生する。
そして、これら特殊役を契機とする押し順報知と、押し順ベルを契機とする押し順報知とを合計すると、図340(b3)に示すように、第1小役、第2小役に対応する押し順報知はそれぞれ約11.54%の確率で発生し、第3小役~第6小役に対応する押し順報知はそれぞれ約11.50%の確率で発生する。その結果、特殊役における各報知の発生率の差(約1.25%)よりも当該差を小さくすることが可能となる(約0,04%)。このように、特殊役を契機とする押し順報知の偏りを、他の結果の押し順報知によって補うようにすることで、押し順報知の均等化を好適に図ることが可能となり、押し順報知から遊技結果が予測されてしまう不都合を回避することができる。
<変形例10>
本変形例では、特殊役を契機とする有利区間移行抽選処理においても、ストップスイッチ42~44の操作態様によってその抽選処理の内容を異ならせる。上記実施形態では、ゲームの開始時に有利区間移行抽選処理を実行する構成としていたが、本変形例では、ゲームの終了時に実行する構成に変更する。かかる点について、図による詳細な説明は省略するが、本変形例における抽選結果対応処理では、ステップSd604にて有利区間フラグがセットされていないと判定した場合には、ステップSd605の有利区間移行抽選処理を実行することなく、そのまま抽選結果対応処理を終了する。そして、本変形例における有利区間移行抽選処理は、リール制御処理(図277)におけるステップSd416の区間表示第2処理にて実行する構成とする。
図341は、本変形例における区間表示第2処理を示すフローチャートである。
本変形例では、ステップSd4101にて有利区間フラグがセットされていないと判定した場合、ステップSd4111にて有利区間移行抽選処理を実行してから、区間表示第2処理を終了する。その他、ステップSd4101~ステップSd4110の処理は、上記ステップSd1801~ステップSd1810の処理と同様である。
図342は、本変形例における有利区間移行抽選処理を示すフローチャートである。
本変形例では、ステップSd4201にてゲーム抽選結果を把握した後、ステップSd4202にて今回のゲームのストップスイッチ42~44の操作態様を把握する処理を実行する。そして、ステップSd4203にて有利区間移行抽選テーブルを取得する処理を実行して、ステップSd4204にて有利区間移行抽選用の乱数を取得し、ステップSd4205にて有利区間移行抽選を実行する。
本変形例における有利区間移行抽選テーブルは、図344(a)に示すように、上記実施形態のものと比較して、特殊役を契機とする移行抽選の当選確率が異なっており、その他の結果を契機とする移行抽選の当選確率は同じである。具体的には、本変形例では、特殊役当選ゲームにおけるストップスイッチ42~44の操作態様が第1操作態様である場合の方が第2操作態様である場合よりも有利区間移行抽選の当選確率が高くなるように設定されており、第1操作態様であれば100%の確率で有利区間移行抽選に当選し、第2操作態様であれば0%の確率で有利区間移行抽選に当選する。すなわち、第2操作態様であれば有利区間に移行しないように設定されている。
ステップSd4205にて有利区間移行抽選を実行した後は、ステップSd4206にて当該移行抽選に当選したか否かを判定し、当選している場合には、ステップSd4207にて有利区間当選ゲームフラグをセットする処理を実行する。かかる処理により、次のゲームの区間表示第1処理にて有利区間フラグがセットされることとなる。
ステップSd4207の処理を実行した後は、ステップSd4208にて有利区間移行時処理を実行する。すなわち、本変形例では、有利区間移行時処理を区間表示第1処理(図300)におけるステップSd1706では実行せず、ステップSd4208にて実行する構成とする。ステップSd4206にて否定判定した場合、又はステップSd4208の処理を実行した後は、有利区間移行抽選処理を終了する。
つまり、本変形例では、通常区間において特殊役当選時に第1操作態様にて操作すると当該ゲームで有利区間に移行する一方、特殊役当選時に第2操作態様にて操作すると当該ゲームでは有利区間に移行しないようになる。上記の通り、第1操作態様にて操作すると第33小役入賞が成立して1枚のメダル払出が行われ、第2操作態様にて操作すると第1小役入賞~第6小役入賞が成立して8枚のメダル払出が行われる。内部状態においては、3ベットゲームにて有利区間移行抽選が行われ、外れ結果及び特殊役を除く全ての抽選結果で有利区間移行抽選に当選することから、特殊役当選時に第1小役入賞~第6小役入賞を成立させて今回のゲームで有利区間に移行させなくても、次のゲームで有利区間に移行させれば、2枚のメダルが増加することとなり、遊技者にとっては有利となる。つまり、通常区間においては、第2操作態様にて操作していた方が、遊技者にとって有利である。
ステップSd4208の有利区間移行時処理では、各ゲームの抽選結果に応じて天井ゲーム数の設定が行われる。具体的には、図343のフローチャートに示すように、ステップSd4301にて今回のゲームの抽選結果を把握する処理を実行する。そして、ステップSd4302にて天井ゲーム数テーブルを取得する処理を実行し、ステップSd4303にて天井ゲーム数抽選処理を実行する。そして、ステップSd4304にて、天井カウンタにステップSd4303の処理結果を入力し、ステップSd4305にて天井ゲーム数の情報を含む天井コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本有利区間移行時処理を終了する。
本変形例における天井ゲーム数テーブルは、図344(a)に示すように、特殊役を契機とする天井ゲーム数抽選以外では、700ゲームを最大天井とし、抽選結果に応じて最大天井ゲーム数よりも少ない天井ゲーム数が選択され得るように設定されている。具体的には、ゲームの抽選結果として出現率が低い結果ほど、少ない天井ゲーム数が選択され易くなるように設定されており、例えば、チャンス目Cの方がチャンス目Aよりも少ない天井ゲーム数が選択され易くなるように設定されている。
特殊役当選を契機として選択される天井ゲーム数としては、特殊役当選ゲームの操作態様によって選択される天井ゲーム数が異なるように設定されており、第1操作態様であれば700ゲームが選択され、第2操作態様であれば当該700ゲームよりも多い1000ゲームが天井ゲーム数として選択される。但し、本変形例では、上記の通り特殊役当選ゲームでは第2操作態様にて操作されると、有利区間移行抽選に当選しないように設定しているため、特殊役を契機として有利区間に移行する場合の天井ゲーム数は実質的には700ゲームである。
つまり、通常区間において、特殊役当選ゲームで有利区間に移行させると、選択される天井ゲーム数の面からしても、他の抽選結果で有利区間に移行する場合よりも遊技者にとって不利な場面が生じ得るようになっており、特殊役当選ゲームで有利区間に移行させると天井ゲーム数は700ゲームであるが、他の抽選結果で有利区間に移行させれば、当該700ゲームよりも少ないゲーム数が天井ゲーム数として選択され得る。この場合、通常区間においては、特殊役当選時に第2操作態様にて操作して、当該ゲームでの有利区間への移行を避け、次回以降のゲームで他の抽選結果にて有利区間へ移行させたほうが遊技者にとって有利となる。
そうすると、図344(b)に示すように、ストップスイッチ42~44の操作態様によって、メダル払出数が異なり、且つ、指示機能に関する処理の内容が異なる特殊役において、通常区間と有利区間とでいずれの操作態様にて操作したほうが有利となるかが異なるようになる。つまり、有利区間中では、第1操作態様であれば、指示機能に関する処理におけるATモード移行抽選や上乗せ抽選が実行されるものの、第2操作態様であれば、これらのATモード移行抽選や上乗せ抽選が実行されないため、ATモードに移行させてメダル増加を目指す遊技性において、有利区間中であれば、特殊役当選ゲームは、第1操作態様にて操作した方が第2操作態様にて操作するよりも遊技者にとって有利である。これに対して、通常区間中では、第1操作態様であれば、指示機能に関する処理における有利区間移行抽選は実行されるものの、第2操作態様であれば、当該有利区間移行抽選は実行されないため、有利区間に移行させてATモードへの移行を目指す遊技性において、一見すると第1操作態様にて操作するほうが第2操作態様にて操作するよりも有利に思える。しかし、上記のように、特殊役を契機として有利区間に移行した場合よりも、他の結果を契機として有利区間に移行した場合の方が天井ゲーム数が少なくなり得るように設定されていることから、実質的には、通常区間中の特殊役当選時には、第1操作態様にて操作するよりも第2操作態様にて操作する方が、遊技者にとって有利となる。よって、通常区間と有利区間とで、特殊役当選時において有利な操作態様が異なるようになり、かかる構成を利用することで、遊技の興趣向上を好適に図ることが可能となる。
<変形例11>
本変形例では、複数種類の特殊役を設ける例について説明する。
図345(a)に示すように、本変形例では、3ベットゲームにおける通常遊技状態用の抽選テーブルに、ストップスイッチ42~44を第1操作態様にて操作することで第1特典が付与されるとともに指示機能に関する処理として第1処理が実行され、第2操作態様にて操作することで第1特典よりも有利な第2特典が付与されるとともに指示機能に関する処理として第1処理よりも遊技者にとって不利な第2処理が実行される特殊役として、特殊役A、特殊役B、特殊役Cが設定されている。各特殊役A~Cにはいずれも約60分の1の確率で当選するように設定されており、いずれかの特殊役A~Cに当選する確率は約20分の1であり、上記実施形態と同様である。
図345(b)に示すように、本変形例では、各特殊役A~Cに設定されている第1操作態様及び第2操作態様が異なっているとともに、入賞する結果が上記実施形態と異なっている。
具体的には、特殊役Aは、左ストップスイッチ42を特定番目として最初に操作することが第1操作態様として設定されており、中ストップスイッチ43又は右ストップスイッチ44を特定番目として最初に操作することが第2操作態様として設定されており、第1操作態様にて操作された場合には第33小役ではなく第9小役~第33小役のいずれかの入賞が成立して1枚のメダル払出が生じ、第2操作態様にて操作した場合には第3小役~第6小役のいずれかの入賞が成立して8枚のメダル払出が生じる。
また、特殊役Bは、中ストップスイッチ43を特定番目として最初に操作することが第1操作態様として設定されており、左ストップスイッチ42又は右ストップスイッチ44を特定番目として最初に操作することが第2操作態様として設定されており、第1操作態様にて操作された場合には第33小役ではなく第9小役~第33小役のいずれかの入賞が成立して1枚のメダル払出が生じ、第2操作態様にて操作した場合には第1小役、第2小役、第5小役及び第6小役のいずれかの入賞が成立して8枚のメダル払出が生じる。
特殊役Cは、右ストップスイッチ44を特定番目として最初に操作することが第1操作態様として設定されており、左ストップスイッチ42又は中ストップスイッチ43を特定番目として最初に操作することが第2操作態様として設定されており、第1操作態様にて操作された場合には第33小役ではなく第9小役~第33小役のいずれかの入賞が成立して1枚のメダル払出が生じ、第2操作態様にて操作した場合には第1小役~第4小役のいずれかの入賞が成立して8枚のメダル払出が生じる。
各特殊役A~Cの指示機能に関する処理としての第1処理や第2処理は、上記実施形態と同様であり、第1操作態様にて操作した場合には、通常モードでは10%の確率でATモード移行当選となり、CZモードでは50%の確率でATモード移行当選となるものの、第2操作態様にて操作した場合にはいずれもATモード移行当選とならない。また、ATモード中においては、操作態様に関わらず10%の確率で上乗せ当選する。
つまり、本変形例では、各特殊役A~Cにおいて、第1操作態様が別の特殊役における第2操作態様として設定されているとともに、第2操作態様が別の特殊役における第1操作態様として設定されている。具体的には、特殊役Aの第1操作態様は特殊役B及び特殊役Cの第2操作態様であり、特殊役Aの第2操作態様は特殊役Bの第1操作態様である。また、特殊役Bの第1操作態様は特殊役A及び特殊役Cの第2操作態様であり、特殊役Bの第2操作態様は特殊役Cの第1操作態様である。そして、特殊役Cの第1操作態様は特殊役A及び特殊役Bの第2操作態様であり、特殊役Cの第2操作態様は特殊役Aの第1操作態様である。
また、本変形例における特殊役A~Cでは、いずれも第1操作態様や第2操作態様がストップスイッチ42~44の操作順序が対応付けられているものの、ストップスイッチ42~44の操作タイミングについては対応付けられていない。つまり、第1操作態様や第2操作態様に対応付けられた操作順序でストップスイッチ42~44を操作することで、その操作タイミングに関わらず第1操作態様や第2操作態様にて操作されたとして、対応する結果の入賞が成立するとともに、指示機能に関する処理が実行される。
このようにすることで、例えば、毎ゲーム、同じストップスイッチを最初に操作する操作態様にて遊技された場合であっても、特殊役当選時の操作態様が第1操作態様だけではなく第2操作態様ともなり得るようになる。つまり、上記実施形態においては、左ストップスイッチ42を最初に操作する操作態様にて遊技された場合、第1操作態様となる場合と第2操作態様となる場合とがあり、中ストップスイッチ43や右ストップスイッチ44を最初に操作する遊技態様にて遊技された場合、第1操作態様とはならず必ず第2操作態様となる。これに対して本変形例では、いずれのストップスイッチ42~44を最初に操作する操作態様にて遊技された場合であっても第1操作態様だけではなく第2操作態様ともなり得るようになる。よって、遊技の公平性を担保し易くなる。
但し、特殊役当選時に第1操作態様にて操作して指示機能に関する処理を有利に進めさせるか、第2操作態様にて操作して多くのメダルを獲得できるようにするか、といったようにいずれ遊技を選択するかは遊技者の自由であり、その点は、本変形例でも遊技者が選択可能とされている。以下、そのための構成について説明する。
図347は、本変形例における抽選結果対応処理の一部を示すフローチャートである。
ステップSd610にて今回のゲームの抽選結果が押し順ベル当選ではないと判定した場合、ステップSd4401に進む。ステップSd4401では、今回のゲームの抽選結果がいずれかの特殊役当選であるか否かを判定し、特殊役当選ではない場合にはそのまま本抽選結果対応処理を終了する。いずれかの特殊役当選である場合には、ステップSd4402に進む。
ステップSd4402では、ATモードフラグがセットされており、ATモード中であるか否かを判定する。ATモード中ではない場合には、ステップSd4403にて、今回当選している特殊役が特殊役Aであるか否かを判定する。特殊役Aである場合には、ステップSd4404にて、操作態様役のうちの特殊役Aである旨の報知が行われるように指示モニタ68を制御する。
ここで、本変形例では、図345(d)に示すように、指示モニタ68の表示態様として、「7」、「8」、「9」が設定されており、これら「7」、「8」、「9」は操作態様役の種別の報知として、「7」が特殊役Aに対応し、「8」が特殊役Bに対応し、「9」が特殊役Cに対応するように設定されている。すなわち、操作態様役における特殊役Aである場合には、第1表示用セグメントN1、第6表示用セグメントN6及び第7表示用セグメントN7~が点灯表示されて「7」が表示される。また、操作態様役における特殊役Bである場合には、第1表示用セグメントN1~第7表示用セグメントN7~が点灯表示されて「8」が表示される。そして、操作態様役における特殊役Cである場合には、第1表示用セグメントN1~第3表示用セグメントN3及び第5表示用セグメントN5~第7表示用セグメントN7が点灯表示されて「9」が表示される。これら「7」~「9」の表示はいずれも遊技者が識別可能であり、遊技者は、特殊役のうちのいずれの特殊役A~Cに当選しているかを操作態様役の種別の報知から把握することが可能である。
ステップSd4404では、上記の操作態様役のうちの特殊役Aである旨の報知として、「7」が表示されるように指示モニタ68を制御する。これにより、今回のゲームの抽選結果が特殊役A当選であり、左ストップスイッチ42を最初に操作することで第1操作態様となり、中ストップスイッチ43や右ストップスイッチ44を最初に操作することで第2操作態様となることを遊技者は把握可能となる。
更に、本変形例では、ATモード中以外であっても、表示制御装置81側の押し順報知演出が発生し得るようにしている。
すなわち、ステップSd4404の処理を実行した後は、ステップSd4405にて各種フラグ格納エリア183aにA用切替フラグがセットされているか否かを判定する。A用切替フラグは、特殊役A当選時の押し順報知演出を行ううえで、各押し順報知演出の発生頻度を調節するためのフラグである。すなわち、当該A用切替フラグがセットされていないと判定した場合、ステップSd4406にて、A用切替フラグをセットする処理を実行し、続くステップSd4407にて、押し順ベルであれば第1小役に対応する操作順序(左→中→右)の押し順報知コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本抽選結果対応処理を終了する。一方、ステップSd4405にてA用切替フラグがセットされていると判定した場合、ステップSd4408にてA用切替フラグをクリアする処理を実行し、ステップSd4409にて、押し順ベルであれば第2小役に対応する操作順序(左→右→中)の押し順報知コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本抽選結果対応処理を終了する。
ステップSd4403にて特殊役Aではないと判定した場合、ステップSd4410に進み、今回当選している特殊役が特殊役Bであるか否かを判定する。特殊役Bである場合には、ステップSd4411にて、操作態様役のうちの特殊役Bである旨の報知として、「8」が表示されるように指示モニタ68を制御する。そして、ステップSd4412にて各種フラグ格納エリア183aにB用切替フラグがセットされているか否かを判定する。B用切替フラグがセットされていない場合、ステップSd4413にてB用切替フラグをセットする処理を実行し、ステップSd4414にて押し順ベルであれば第3小役に対応する操作順序(中→左→右)の押し順報知コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本抽選結果対応処理を終了する。一方、ステップSd4412にてB用切替フラグがセットされていると判定した場合、ステップSd4415にてB用切替フラグをクリアする処理を実行し、ステップSd4416にて、押し順ベルであれば第4小役に対応する操作順序(中→右→左)の押し順報知コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本抽選結果対応処理を終了する。
また、ステップSd4410にて特殊役Bではないと判定した場合とは、今回の特殊役が特殊役Cであることを意味し、この場合、ステップSd4417にて、操作態様役のうちの特殊役Cである旨の報知として、「9」が表示されるように指示モニタ68を制御する。そして、ステップSd4418にて各種フラグ格納エリア183aにC用切替フラグがセットされているか否かを判定する。C用切替フラグがセットされていない場合、ステップSd4419にてC用切替フラグをセットする処理を実行し、ステップSd4420にて押し順ベルであれば第5小役に対応する操作順序(右→左→中)の押し順報知コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本抽選結果対応処理を終了する。一方、ステップSd4418にてC用切替フラグがセットされていると判定した場合、ステップSd4421にてC用切替フラグをクリアする処理を実行し、ステップSd4422にて、押し順ベルであれば第6小役に対応する操作順序(右→中→左)の押し順報知コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本抽選結果対応処理を終了する。
つまり、図345(c)に示すように、通常モードやCZモードにおいて特殊役A~Cに当選した場合、指示モニタ68における操作態様役の種別の報知として特殊役A~Cである旨の報知がそれぞれ行われる。これにより、例えば、今回のゲームの抽選結果が特殊役A当選であり、左ストップスイッチ42を最初に操作することで第1操作態様となり、中ストップスイッチ43や右ストップスイッチ44を最初に操作することで第2操作態様となることを遊技者は把握可能となるし、今回のゲームの抽選結果が特殊役B当選であり、中ストップスイッチ43を最初に操作することで第1操作態様となり、左ストップスイッチ42や右ストップスイッチ44を最初に操作することで第2操作態様となることを遊技者は把握可能となるし、今回のゲームの抽選結果が特殊役C当選であり、右ストップスイッチ44を最初に操作することで第1操作態様となり、左ストップスイッチ42や中ストップスイッチ43を最初に操作することで第2操作態様となることを遊技者は把握可能となる。
ここで、本変形例では図346に示すように、ATモード中の特殊役や押し順ベル当選時の押し順報知演出の報知態様と、通常モードやCZモードにおける特殊役当選時の押し順報知演出の報知態様とが異なっている。具体的には、図346(a)に示すように、ATモード中の特殊役や押し順ベル当選時の押し順報知演出では、例えば「ベル」図柄に対応させて黄色のキャラクタに数字を付してストップスイッチ42~44の操作順序を報知するように設定されている一方で、図346(b)に示すように、通常モードやCZモードにおける特殊役当選時の押し順報知演出では、数字の付されたキャラクタの色がATモード中のものと異なり、例えば紫色のキャラクタに数字を付してストップスイッチ42~44の操作順序を報知する(図ではハッチの向きを異ならせて表示している)。このようにすることで、ATモード移行前において押し順報知演出が発生した場合に、その押し順報知演出が押し順ベルに対応するものではなく、特殊役に対応するものであることを遊技者に明確に知らしめることが可能となり、押し順報知演出に従って操作したのにもかかわらず第1小役~第6小役入賞のいずれもが成立しないことへの違和感を与えないようにすることができる。なお、本変形例でも、上記のようにATモード中においては、特殊役当選時の押し順報知演出と押し順ベル当選時の押し順報知演出とは報知態様が共通しており、このようにすることで特殊役当選を押し順ベル当選に紛れさせる効果等を期待することが可能である。
更に、表示制御装置81側の押し順報知演出として、特殊役Aの場合には、第1小役に対応する操作順序に対応する押し順報知演出と、第2小役に対応する操作順序に対応する押し順報知演出と、が交互で実行され、特殊役Bの場合には、第3小役に対応する操作順序に対応する押し順報知演出と、第4小役に対応する操作順序に対応する押し順報知演出と、が交互で実行され、特殊役Cの場合には、第5小役に対応する操作順序に対応する押し順報知演出と、第6小役に対応する操作順序に対応する押し順報知演出と、が交互で実行される。このようにすることで、通常モードやCZモードにおいて、押し順報知演出によって特殊役A~C当選時に有利な側のATモード移行抽選をより確実に受けさせることが可能となり、且つ、その発生させる押し順報知演出が偏ってしまうことを抑制することができる。
ステップSd4402にてATモード中の特殊役当選であると判定した場合、ステップSd4423に進む。ステップSd4423では、今回当選している特殊役が特殊役Aであるか否かを判定する。特殊役Aである場合には、ステップSd4424にて、A用切替フラグがセットされているか否かを判定する。A用切替フラグがセットされていない場合、ステップSd4425にてA用切替フラグをセットする処理を実行し、ステップSd4426にて押し順ベルであれば第3小役に対応する操作順序(中→左→右)の押し順報知が指示モニタ68にて行われるように制御する。そして、ステップSd4427にて、当該第3小役に対応する操作順序の押し順報知コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本抽選結果対応処理を終了する。一方、ステップSd4424にてA用切替フラグがセットされていると判定した場合、ステップSd4428にてA用切替フラグをクリアする処理を実行し、ステップSd4429にて、押し順ベルであれば第4小役に対応する操作順序(中→右→左)の押し順報知が指示モニタ68にて行われるように制御する。そして、ステップSd4430にて、当該第4小役に対応する操作順序の押し順報知コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本抽選結果対応処理を終了する。
ステップSd4423にて特殊役Aではないと判定した場合、ステップSd4431にて今回当選している特殊役が特殊役Bであるか否かを判定する。特殊役Bである場合には、ステップSd4432にて、B用切替フラグがセットされているか否かを判定する。B用切替フラグがセットされていない場合、ステップSd4433にてB用切替フラグをセットする処理を実行し、ステップSd4434にて押し順ベルであれば第5小役に対応する操作順序(右→左→中)の押し順報知が指示モニタ68にて行われるように制御する。そして、ステップSd4435にて、当該第5小役に対応する操作順序の押し順報知コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本抽選結果対応処理を終了する。一方、ステップSd4432にてB用切替フラグがセットされていると判定した場合、ステップSd4436にてB用切替フラグをクリアする処理を実行し、ステップSd4437にて、押し順ベルであれば第6小役に対応する操作順序(右→中→左)の押し順報知が指示モニタ68にて行われるように制御する。そして、ステップSd4438にて、当該第6小役に対応する操作順序の押し順報知コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本抽選結果対応処理を終了する。
ステップSd4431にて特殊役Bではないと判定した場合とは、今回当選している特殊役が特殊役Cであることを意味する。この場合、ステップSd4439にて、C用切替フラグがセットされているか否かを判定する。C用切替フラグがセットされていない場合、ステップSd4440にてC用切替フラグをセットする処理を実行し、ステップSd4441にて押し順ベルであれば第1小役に対応する操作順序(左→中→右)の押し順報知が指示モニタ68にて行われるように制御する。そして、ステップSd4442にて、当該第1小役に対応する操作順序の押し順報知コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本抽選結果対応処理を終了する。一方、ステップSd4439にてC用切替フラグがセットされていると判定した場合、ステップSd4443にてC用切替フラグをクリアする処理を実行し、ステップSd4443にて、押し順ベルであれば第2小役に対応する操作順序(左→右→中)の押し順報知が指示モニタ68にて行われるように制御する。そして、ステップSd4444にて、当該第2小役に対応する操作順序の押し順報知コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本抽選結果対応処理を終了する。
すなわち、図345(c)に示すように、ATモード中の表示制御装置81側の押し順報知演出として、特殊役Aの場合には、第3小役に対応する操作順序に対応する押し順報知演出と、第4小役に対応する操作順序に対応する押し順報知演出と、が交互で実行され、特殊役Bの場合には、第5小役に対応する操作順序に対応する押し順報知演出と、第6小役に対応する操作順序に対応する押し順報知演出と、が交互で実行され、特殊役Cの場合には、第1小役に対応する操作順序に対応する押し順報知演出と、第2小役に対応する操作順序に対応する押し順報知演出と、が交互で実行される。このようにすることで、ATモードにおいて、押し順報知演出によって特殊役A~C当選時にメダル払出数の多い小役入賞を成立させることが可能となり、且つ、その発生させる押し順報知演出が偏ってしまうことを抑制することができる。
このように、本変形例では、特殊役を複数種類設け、それぞれの特殊役で第1操作態様と第2操作態様とが互い違いとなるように設定したことにより、一の特殊役に対応する第1操作態様にて操作し続けた場合には、他の特殊役を第2操作態様にて操作することとなり、各特殊役で第1操作態様による遊技と第2操作態様による遊技とを平等に遊技させることが可能となり、遊技の公平性が担保され易くなる。
そのうえで、各特殊役当選時に、通常モードやCZモードにおいては第1操作態様に対応する押し順報知演出を発生させ、ATモードにおいては第2操作態様に対応する押し順報知を発生させるようにしたため、いずれの特殊役であってもATモード移行までは第1操作態様にて操作させ、ATモード移行後は第2操作態様にて操作させることができ、特殊役を複数設けた本変形例においても上記実施形態における遊技を行わせることが可能となる。
更に、第1操作態様や第2操作態様が、押し順ベルであれば複数の小役入賞となる操作順序に対応している構成において、特殊役当選枚に報知する操作順序を切り替える構成とした。つまり、例えば、特殊役Aにおいて、ATモード移行前は、押し順ベルであれば第1小役と第2小役との操作順序に対応する押し順報知演出を交互に切り替え、ATモード移行後は、押し順ベルであれば第3小役と第4小役に対応する操作順序を交互に切り替えるようにしている。このようにすることで、比較的簡素な構成にて押し順報知演出の偏りを解消することが可能となる。
<変形例12>
本変形例では、上記変形例11のように特殊役を複数設ける構成において、各特殊役によって指示機能に関する処理の態様を異ならせる例について説明する。具体的には、本変形例では、AT中の指示機能に関する処理を、特殊役A及び特殊役Bと特殊役Cとで異ならせる。
図348(a)に示すように、特殊役A~Cにおける第1操作態様と第2操作態様とは、上記変形例11と同様であり、特殊役Aの第1操作態様が特殊役B,Cの第2操作態様であり、特殊役Bの第1操作態様が特殊役C,Aの第2操作態様であり、特殊役Cの第1操作態様が特殊役A,Bの第2操作態様として設定されている。また、ATモード移行前において、特殊役A~Cのいずれもが第1操作態様にて操作することでATモード移行抽選を受けることが可能となり、第2操作態様にて操作することでATモード移行抽選を受けることができないように設定されている。
本変形では、図349に示すように、ATモード中において、特殊役A,Bであれば上記変形例11と同様に、操作態様に関わらず同じAT上乗せ抽選を実行する。つまり、第1操作態様にて操作した場合であっても第2操作態様にて操作した場合であっても上乗せ抽選に当選する確率は同じ確率である。これに対して、特殊役Cでは、ATモード中であっても、第1操作態様にて操作した場合と第2操作態様にて操作した場合とで上乗せ抽選の有利度が異なっており、第1操作態様にて操作した場合には上乗せ当選し得るものの、第2操作態様にて操作した場合には上乗せ当選しないように設定されている。なお、この場合の具体的な処理については、図による説明は省略するが、例えば、特殊役A,Bでは、図288等におけるAT上乗せ用処理にて上乗せ当選し得るように上乗せ抽選を行い、特殊役Cであれば、図333等における停止時AT上乗せ用処理にて操作態様に応じて上乗せ当選し得るように上乗せ抽選を行うようにするとよい。
そして、ATモード中の押し順報知演出として、特殊役A,Bについては、第2操作態様に相当する押し順報知演出を行うようにする。これに対して、特殊役Cについては、図336等の上乗せ事前判定処理に基づいて、第1操作態様にて操作されれば上乗せ当選する場合には、第1操作態様に相当する押し順報知演出を行うようにする一方、第1操作態様にて操作しても上乗せ当選しない場合には、第2操作態様に相当する押し順報知演出を行うようにする。
このように、特殊役によって指示機能に関する処理の内容を異ならせることで、いずれの特殊役に当選するかへの注目度を高めることができるし、押し順報知演出が発生した場合の期待感を押し順報知演出が示す操作順序に応じて異ならせることができる。
すなわち、例えば、図349に示すように、特殊役A,Bは開始時AT上乗せ用処理にて30%の確率で上乗せ当選し、特殊役Cは停止時AT上乗せ用処理にて第1操作態様時の30%の確率で上乗せ当選するとした場合、図348(b)に示すように、特殊役Aや特殊役Bでは、第2操作態様に相当する各操作順序の押し順報知演出においてそれぞれの上乗せ当選期待度は同等であり、特殊役A,Bを契機として発生し得る押し順報知演出のうち約30%が上乗せ当選となることに期待できる。これに対して、特殊役Cについては、第1操作態様に相当する操作順序の押し順報知演出が発生した場合には100%の確率で上乗せ当選するものの、それ以外の操作順序に対応する押し順報知演出が発生した場合には0%の確率で上乗せ当選する。このようにすることで、押し順報知演出の示す内容によって上乗せ当選期待度が大きく異なることとなり、押し順報知演出への注目度を好適に高めることができる。
<その他の実施形態>
なお、上述した各実施形態や各変形例の記載内容に限定されず例えば次のように実施してもよい。ちなみに、以下の各構成を個別に上記各実施形態や各変形例に対して適用してもよく、一部又は全部を組み合わせて上記各実施形態や各変形例に対して適用してもよい。また、上記各実施形態や各変形例に示した各種構成の全て又は一部を任意に組み合わせることも可能である。この場合、組み合わせの対象となる各構成の技術的意義(発揮される効果)が担保されることが好ましい。実施形態や変形例の組み合わせからなる新たな構成に対して以下の各構成を個別に適用してもよく、一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。
(1)特殊役当選ゲームにおいて第1操作態様にて操作された場合の特典と、第2操作態様にて操作された場合の特典は、上記のものに限定されない。つまり、第1操作態様にて操作された場合に第33小役入賞や第9小役~第32小役入賞が成立して1枚のメダル払出が行われ、第2操作態様にて操作された場合に第1小役~第6小役入賞が成立して8枚のメダル払出が行われる構成としたが、第1操作態様にて操作された場合に1枚よりも多いメダルが払い出される構成としてもよいし、1枚のメダルが払い出される場合と1枚よりも多いメダルが払い出される場合とがある構成としてもよいし、いずれの結果入賞も成立せずに取りこぼしが生じる構成としてもよく、少なくとも、第2操作態様にて操作された場合よりも少ない特典(メダル枚数)となるように設定されていればよい。そして、第2操作態様にて操作された場合には8枚よりも多いメダル払出が行われる構成や、8枚よりも少ないメダル払出が行われる構成としてもよい。
更に、第1操作態様にて操作された場合には遊技状態が移行せず又は第1状態に移行し、第2操作態様にて操作された場合にはそれまでの状態や第1状態よりも遊技者にとって有利な第2状態に移行する構成としてもよい。例えば、第1状態や第2状態をいずれかの再遊技当選となる確率が向上するRT状態とし、第1状態よりも第2状態のほうが再遊技当選となる確率を高くしたり、当該RT状態の継続ゲーム数を多くしたり継続率を高くしたりする構成としてもよい。また、小役当選確率が異なるボーナス状態を第2状態としてもよく、第2状態としてのボーナス状態よりも当該ボーナス状態の有利度が低いボーナス状態を第1状態としてもよい。
いずれにしても、第1操作態様にて操作された場合に付与される特典よりも、第2操作態様にて操作された場合に付与される特典の方が遊技者にとって有利となる構成であればよい。
(2)特殊役当選ゲームにおいて第1操作態様にて操作された場合の指示機能に関する処理と、第2操作態様にて操作された場合の指示機能に関する処理は、上記のものに限定されない。例えば、第1操作態様及び第2操作態様のいずれで操作された場合であってもATモード移行抽選を行うものの、ATモード移行当選となる確率が第1操作態様のほうが高く、第2操作態様の方が低い構成としてもよく、ATモード移行当選となった場合には第1操作態様の方が第2操作態様よりも有利なATモード(ゲーム数が多い、セット数が多い、セット継続率が高い、上乗せ当選し易い等)へ移行し易い構成としてもよい。また、第1操作態様の方が第2操作態様よりも上乗せ当選し易い構成としてもよく、第1操作態様にて上乗せ当選した場合の方が、第2操作態様にて上乗せ当選した場合よりも上乗せ当選時の上乗せゲーム数や上乗せセット数が多い構成としてもよい。更に、第1操作態様にて操作された場合にはATモード移行抽選とCZモード移行抽選を行う一方、第2操作態様にて操作された場合にはCZモード移行抽選だけを行う構成としたり、第1操作態様にて操作された場合にはATモード移行抽選を行う一方、第2操作態様にて操作された場合にはCZモード移行抽選を行うといったように、指示機能に関する処理の有利度だけではなく、処理の種類も異なる構成としてもよい。
第1操作態様にて操作された場合の方が第2操作態様にて操作された場合よりもATモード移行抽選に当選し易い構成としたうえで、第1操作態様を契機として移行するATモードよりも第2操作態様を契機として移行するATモードの方が遊技者にとって有利となる構成としてもよい。また、第1操作態様にて操作された場合の方が第2操作態様にて操作された場合のよりも上乗せ当選し易い構成としたうえで、第1操作態様を契機とするATモード上乗せよりも第2操作態様を契機とするATモード上乗せの方が上乗せゲーム数が多かったりセット数が多い等遊技者にとって有利となり易い構成としてもよい。これらの場合、ATモード移行抽選の当選確率と移行するATモードの有利度や、上乗せ抽選の当選確率と当選時の上乗せの有利度を加味すると、第1操作態様の方が第2操作態様よりも遊技者にとって有利となる構成とするとよい。
(3)特殊役当選ゲームにて第1操作態様にて操作された場合には第1特典が付与されるとともに指示機能に関する処理は第1処理が実行される一方、第2操作態様にて操作された場合には第2特典が付与されるとともに指示機能に関する処理は第2処理が実行される構成において、第1特典と第2特典との有利度の差と、第1処理と第2処理との有利度の差との関係は上記のものに限定されない。つまり、上記では、第1特典として1枚のメダル払出が行われ、第2特典として8枚のメダル払出が行われ、第1処理としては高確率でATモード移行当選となり、第2処理としてはATモード移行当選とならない、といった構成等を用い、ATモード移行を目指すうえでは第1操作態様にて操作した場合の方が遊技者にとって有利となるように設定していた。これを変更し、例えば、第1特典と第2特典との有利度の差を上記のものよりも大きくし、第1処理と第2処理との有利度の差を上記のものよりも小さくする等して、ATモード移行を目指すうえで、第1操作態様よりも第2操作態様にて操作して天井を目指したほうが有利となる構成としてもよい。
(4)特殊役当選ゲームにおいて第1操作態様にて操作された場合には天井までのゲーム数(天井カウンタ)の減算を行う一方、第2操作態様にて操作された場合には天井までのゲーム数の減算を行わない構成としたが、第2操作態様にて操作された場合には天井までのゲーム数を加算する構成としてもよく、この場合、加算するゲーム数は一律のゲーム数であってもよいし、加算するゲーム数を抽選等により決定する構成としてもよい。また、第2操作態様にて操作された場合には天井までのゲーム数の減算を当該ゲームだけではなくそれ以後の特定数(例えば5)のゲームに亘って行わない構成としてもよく、当該減算を行わない特定数を抽選により決定する構成としてもよい。加算するゲーム数や減算を行わないゲーム数を抽選にて決定する構成の場合、設定値に応じて選択され易い加算ゲーム数や減算停止ゲーム数が異なり得る構成としてもよく、例えば、高設定ほど少ない加算ゲーム数や減算停止ゲーム数が選択され易い構成としてもよい。
(5)第1停止操作を行うストップスイッチ42~44の種類とその操作タイミングによって第1操作態様と第2操作態様とが区別される例や、第1操作態様を行うストップスイッチ42~44の種類によって第1操作態様と第2操作態様とが区別される例を示し、第1停止操作が両操作態様の分岐タイミングとなるように設定したが、第2停止操作や第3停止操作を行うストップスイッチ42~44の種類とその操作タイミングによって両操作態様が区別される構成としてもよいし、第2停止操作や第3停止操作を行うストップスイッチ42~44の種類によって両操作態様が区別される構成としてもよく、これらの場合、当該区別される第2停止操作や第3停止操作を両操作態様の分岐タイミングとして、上記各発明に適用するとよい。
(6)特殊役を契機としてATモード移行当選となる割合を、他の結果を契機としてATモード移行当選となる割合の約半数としたが、これは一例であり、特殊役を契機としてATモード移行当選となる割合はこれよりも低くてもよいし高くてもよい。また、通常モードでは特殊役を契機としてATモード移行当選となる割合を他よりも低くし、CZモードでは特殊役を契機としてATモード移行当選となる割合を他よりも高くする構成としたり、その逆としたりしてもよい。
(7)特殊役を契機としてATモード移行当選となった場合と、他の結果を契機としてATモード移行当選となった場合とで、移行するATモードの有利度を異ならせてもよく、特殊役を契機としてATモード移行当選となった場合には他の結果を契機としてATモード移行当選となった場合よりも遊技者にとって有利なATモードに移行する構成としたり、その逆としたりしても良い。
(8)天井到達時のATモードと、天井到達前のATモード移行抽選に当選することで移行するATモードとの有利度を異ならせてもよく、天井到達時のATモードを到達前の移行抽選に基づくATモードよりも有利な構成とすることで、天井近くで特殊役当選となったゲームでは第1操作態様にてATモード移行抽選を受けるよりも、第2操作態様にてATモード移行抽選を受けない方が遊技者にとって有利となる、といったように、天井ゲーム数との関係で特殊役当選時の両操作態様を選択させる遊技性を実現することが可能である。
(9)CZモード中の各ゲームの演出態様は上記のものに限定されない。少なくとも、各ゲームでATモード移行抽選の結果が報知される完全告知タイプの演出態様とすることで、特殊役を契機とするATモード移行抽選の結果を当該特殊役当選となったゲーム内で報知する意義が高められる。例えば、爆弾演出において爆弾画像BPから爆発画像EPや不発画像NPへの切り替えを遊技者による所定操作部の操作に基づいて行う構成としてもよい。所定操作部としては演出用の演出スイッチ66であってもよい。なお、上記のように爆弾画像BPから爆発画像EPや不発画像NPへの切り替えを遊技者による操作に基づいて行う構成の場合、少なくとも当該爆弾演出が開始されたゲームの次のゲームにおいてスタートレバー41の操作が行われるよりも前に、上記の切り替えが行われる構成とすることが好ましく、第1クレジット投入スイッチ56やメダル投入口45からのメダル投入といった次ゲームのベット操作に基づいて上記の切り替えを行う構成としてもよい。ちなみに、上記実施形態においても、爆弾演出が開始されてから爆発画像EPや不発画像NPへの切り替え前に第1クレジット投入スイッチ56やメダル投入口45からのメダル投入といった次ゲームのベット操作が行われた場合には、予定していた画像への切り替えや、AT当選報知等を上記のベット操作に基づいて行う構成とするとよい。
(10)CZモード中に特殊役当選となったゲームにおいて、ATモード非当選となった場合、当該ゲームのATモード移行抽選の結果報知を次ゲーム以降まで持ち越す構成としてもよい。この場合、ATモード非当選であることから当該特殊役当選となったゲームの次ゲームからATモードは開始されないからである。
(11)CZモード中のATモード当選報知を第3停止操作後のゾロ目演出よりも前に実行する構成としてもよい。この場合、特殊役以外の結果に基づくATモード移行抽選の結果報知としては、スタートレバー41の操作後であれば実行可能であり、特殊役の場合、事前判定処理を用いる等することで、当該第3停止操作よりも前にATモード移行抽選の結果報知を行うことが可能である。そして、特殊役に基づくATモード移行抽選の結果報知のタイミングが特殊役以外の結果に基づくATモード移行抽選の結果報知のタイミングと同じタイミングとなる場合があるとよい。
(12)CZモード中にATモード移行当選となった場合に実行するゾロ目演出において、表示させる数字のキャラクタの種類と今回のゲームの抽選結果やATモード移行当選の契機となった抽選結果とを対応付けてもよい。例えば、特定役を契機としてATモード移行当選となった場合には奇数の数字のキャラクタがゾロ目演出として表示され易く、通常リプA~C等の通常役を契機としてATモード移行当選となった場合には偶数の数字のキャラクタがゾロ目演出として表示され易く、特殊役を契機としてATモード移行当選となった場合には所定の数字(例えば0)のキャラクタがゾロ目演出として表示され易い構成としてもよい。この場合、第1停止時に左変動領域SP1に停止するキャラクタから今回のゲームの抽選結果を把握することも可能であり、その数字のキャラクタとの関係で、ATモード移行抽選の期待度や、今回行った操作態様との関係でのATモード移行抽選の期待度を把握することが可能となり、遊技の大幅な興趣向上が期待できる。
また、特殊役当選時の事前判定処理によって、第1操作態様であればATモード移行当選となる場合と、第1操作態様であってもATモード移行当選とならない場合とで、第1停止時に停止させる数字のキャラクタを異ならせる構成としてもよい。すなわち、上記のように、特定役を契機としてATモード移行当選となった場合には奇数の数字のキャラクタがゾロ目演出として表示され易く、特殊役を契機としてATモード移行当選となった場合には所定の数字のキャラクタがゾロ目演出として表示され易い構成としたうえで、第1操作態様であればATモード移行当選となる場合には、左変動領域SP1に上記所定の数字のキャラクタを停止させる一方、第1操作態様であってもATモード移行当選とならない場合には、左変動領域SP1に奇数の数字のキャラクタを停止させる構成としてもよい。上記の通り、左ストップスイッチ42を最初に操作した場合、特殊役当選時の停止出目と、特定役のうちのチェリーA~Cの停止出目は共通していることから、仮に、特殊役当選時に第1操作態様にて操作してもATモード移行当選とならない場合であって、左変動領域SP1に奇数の数字のキャラクタが停止した場合であっても、チェリーA~Cを契機とするATモード移行抽選に当選していることに期待させることもでき、ATモード移行当選への期待感を持続させることが可能である。
(13)停止出目が共通となり得る特殊役と押し順ベルとについて、特殊役の方が押し順ベルよりもATモード移行抽選に当選し易い構成としたが、特殊役よりも押し順ベルの方がATモード移行抽選に当選し易い構成としてもよく、特殊役当選時の第2操作態様であっても押し順ベルの方がATモード移行抽選に当選し易い構成としてもよい。
(14)事前判定処理を通常モードでは実行せず、CZモード中だけ行うようにしてもよい。また、CZモードにおいて事前判定処理を行う場合と行わない場合とがあるように設定してもよく、CZモード移行時に事前判定処理を行うCZモードと行わないCZモードとを抽選等により決定する構成としてもよい。例えば、チェリーAに基づいてCZモードに移行した場合には当該CZモードにて事前判定処理を行うものの、チェリーBに基づいてCZモードに移行した場合には当該CZモードにて事前判定処理を行わないといったように、CZモードへの移行契機となった抽選結果(CZモード移行当選となったゲームでの抽選結果)に応じて、当該CZモード中に事前判定処理を行うか否かを決定する構成としてもよい。更に、事前判定処理を行うか否かを遊技者が事前に選択可能な構成としてもよい。
(15)事前判定処理にて特殊役当選時に第1操作態様にて操作することでATモード移行当選となると特定された場合、第1操作態様と第2操作態様との分岐タイミングよりも前であって、例えば、開始時演出としてATモード移行当選となる旨の報知やその可能性が高い旨の報知を行うようにしてもよい。このようにすることで、当該報知が発生した場合には、より慎重に第1操作態様にて操作するものと考えられ、自らのストップスイッチ42~44の操作によってATモード移行当選を確定させる喜びを感じさせることが可能である。この場合、当該ATモード移行当選となる旨の報知やその可能性が高い旨の報知と同様の報知態様又は似た報知態様にて、開始時AT抽選用処理にてATモード移行当選となった場合の報知が行われ得る構成とするとよい。
(16)事前判定処理にて特殊役当選時にATモード移行当選となることが特定された場合、第1操作態様と第2操作態様とを選択させる報知(例えば、図325(c))を実行する構成としてもよい。このようにすることで、自らの第1操作態様の操作によって、ATモード移行当選を勝ち取る印象を強く与えることができ、遊技の興趣向上に役立てることができる。この場合、特殊役当選時に第1操作態様にて操作された場合と第2操作態様にて操作された場合とのいずれもでATモード移行当選となり得るようにすることで、第1操作態様を選択した場合だけではなく第2操作態様を選択した場合にもATモード移行当選となる可能性があるようになり、自らの操作だけではなく選択によってもATモード移行当選を勝ち取った印象を与えることができる。なお、上記構成において、第1操作態様にて操作された場合の方が第2操作態様にて操作された場合よりもATモード移行当選となり易くするとよい。更にこの場合、第1操作態様にて操作された場合に移行するATモードよりも第2操作態様にて操作された場合に移行するATモードの方が遊技者にとって有利となり易い構成とすることで、第2操作態様を選択する意義も生じさせることができ、当該選択させる遊技の興趣向上が図られる。
(17)ナビモードを表示制御装置81側で管理する構成としたが、主制御装置101側で管理する構成としてもよい。すなわち、特殊役当選時に第1操作態様にて操作してもATモード移行抽選に当選しない場合には、第2操作態様にて操作させる遊技性を主制御装置101にて管理する構成とし、図330のナビモード用処理や図331の特定報知用処理を主制御装置101にて実行する構成としてもよい。この場合、特定報知演出として、例えば、押し順ベルであれば第1小役~第6小役入賞に対応する操作順序の押し順報知を実行する構成としてもよく、指示モニタ68による押し順報知も実行するようにしてもよい。
(18)ナビモードの開始契機や終了契機は上記のものに限定されない。開始契機としては、有利区間移行時に代えて又は加えて、所定契機で行われる(例えば特殊役を契機とする)ATモード移行抽選やCZモード移行抽選に非当選であった場合を開始契機としてもよいし、ATモード移行抽選やCZモード移行抽選の非当選となった回数が所定数に至った場合や、ゲーム数が所定数(天井前のゲーム数であるとよい)に至った場合を開始契機としてもよく、これらの開始契機の一部で(抽選等を経て)ナビモードに移行する構成としてもよい。また、終了契機は、ATモード移行時に代えて又は加えて、有利区間終了時を終了契機としてもよいし、ナビモードに移行してからのゲーム数や特定報知演出の発生回数(特殊役を契機とするATモード移行抽選の非当選回数)が所定数に至った場合を終了契機としてもよく、これらの終了契機の一部で(抽選等を経て)ナビモードが終了する構成としてもよい。
(19)ナビモードへ移行することで特定報知演出が発生し得るようになる構成としたが、特殊役当選ゲームで第1操作態様にて操作してもATモード非当選となった場合に、特定報知演出を実行するか否かを決定する構成としてもよい。この場合、例えば、前回の特殊役当選ゲームにて第1操作態様にて操作してもATモード非当選であり、今回の特殊役当選ゲームにて第1操作態様にて操作してもATモード非当選である場合に、すなわち、特殊役を契機として2回連続でATモード非当選となった場合に特定報知演出を発生させる、といったように、以前の特殊役当選時のATモード移行抽選の結果を参照して、今回の特殊役当選時の特定報知演出の発生の有無を決定する構成としてもよい。更に、以前の特殊役当選時の操作態様によって今回の特殊役当選時の特定報知演出の発生の有無を決定する構成としてもよく、例えば、前回の特殊役当選ゲームにて第1操作態様にて操作したうえでATモード非当選となり、今回の特殊役当選ゲームにて第1操作態様にて操作してもATモード非当選である場合には特定報知演出を発生させる一方、前回の特殊役当選ゲームにて第2操作態様にて操作したうえでATモード非当選となり、今回の特殊役当選ゲームにて第1操作態様にて操作してもATモード非当選である場合には特定報知演出を発生させない構成としてもよい。
(20)ナビモードへの移行抽選の当選確率に設定差を設けたが、設定値に関わらず一律の確率でナビモードへ移行する構成としてもよい。また、ナビモード移行抽選が行われるゲームの抽選結果に応じて移行当選となる確率が異なるようにしてもよく、例えば特定役や特殊役を契機とするナビモード移行抽選よりも押し順ベルを契機とするナビモード移行抽選の方がナビモード移行当選となり易い構成としてもよく、その逆の構成としてもよい。
(21)ナビモード中においては、特殊役当選であって且つ第1操作態様にて操作してもATモード移行抽選に当選とならない場合には、特定報知演出を行う構成としたが、特定報知演出に代えて又は加えて、第2操作態様で操作する旨の演出(例えば、押し順ベルであれば第1小役~第6小役入賞に対応する操作順序の押し順報知演出)を行う構成としてもよい。この場合、特定報知演出が行われる場合と、第2操作態様で操作する旨の演出が行われる場合とが混在する構成としてもよく、例えば、これらの演出を交互に実行する構成としてもよいし、いずれの演出を実行するかを抽選により決定する構成としてもよい。
(22)停止時AT抽選用処理や、停止時上乗せ抽選用処理といったように、特殊役当選ゲームでの操作態様に応じた指示機能に関する処理を、当該ゲームのメダル払出が完了した後で実行することを前提として説明したが、ストップスイッチ42~44の操作が完了した後であればよく、メダル払出の開始前であってもよいし、メダル払出の開始後であって完了前であってもよい。
(23)特殊役当選ゲームにおいて、ストップスイッチ42~44の操作が完了した後、フリーズ演出を発生させる構成としてもよい。この場合、当該フリーズ演出の開始前やフリーズ演出中に、停止時AT抽選用処理や、停止時上乗せ抽選用処理といったように、特殊役当選ゲームでの操作態様に応じた指示機能に関する処理を実行する構成としてもよい。そして、当該フリーズ演出中に又は当該フリーズ演出にてこれら停止時AT抽選用処理や、停止時上乗せ抽選用処理の結果を報知する構成としてもよい。
(24)ATモード中以外で押し順ベルに当選した場合、指示モニタ68にて押し順ベルグループ報知を実行する構成としたが、かかる構成は必須ではなく押し順ベル当選時に押し順ベルグループ報知を実行しない構成としてもよい。また、押し順ベルに当選した場合、押し順ベルグループ用の抽選結果コマンドを出力する構成としたが、ATモード中以外においては、押し順ベルに当選した場合であっても抽選結果コマンドを出力しない構成としてもよい。少なくとも、ATモード以外において、表示制御装置81にて押し順ベル当選時の有利な操作順序(第1小役~第6小役入賞に対応する操作順序)が特定できない構成であればよい。
(25)押し順ベルに当選した場合、押し順ベルグループ用の抽選結果コマンドを出力する構成としたが、当該押し順ベルグループ用の抽選結果コマンドは他の抽選結果時にも出力される構成としてもよい。すなわち、抽選結果を特定役と特殊役とそれ以外の通常役(通常ベルA~C、押し順ベル)とにグループ分けし、これら特定役用の抽選結果コマンドと特殊役用の抽選結果コマンドと通常役用の抽選結果コマンドを表示制御装置81へ出力する構成としてもよい。
(26)ATモード移行前の特殊役当選ゲームでは、指示モニタ68にて特殊役用の報知を行う構成としたが、第1操作態様にて操作すべき旨の報知を指示モニタ68にて実行する構成としてもよい。具体的には、例えば、上記実施形態のように特殊役用の報知として「9」を実行する構成に代えて又は加えて、左ストップスイッチ42を最初に操作する操作順序として、押し順ベルであれば第1小役入賞や第2小役入賞に対応する操作順序を示す「1」や「2」を表示する構成としてもよい。また、特殊役A報知や特殊役B報知、特殊役C報知も同様であり、特殊役A報知を行う場合には第1小役入賞や第2小役入賞に対応する操作順序を示す「1」や「2」を表示する構成としてもよく、特殊役B報知を行う場合には第3小役入賞や第4小役入賞に対応する操作順序を示す「3」や「4」を表示する構成としてもよく、特殊役C報知を行う場合には第5小役入賞や第6小役入賞に対応する操作順序を示す「5」や「6」を表示する構成としてもよい。但し、これら特殊役A~Cの場合、補助表示部65にて表示する押し順報知演出と同じ操作順序に対応する押し順報知が行われるように指示モニタ68を制御するようにするとよい。
(27)ATモード移行前の特殊役当選時に、表示制御装置81側で第1操作態様に対応する押し順報知演出を実行する場合、押し順ベルの場合と区別可能な押し順報知演出としたが、押し順ベルと同じ報知態様での押し順報知演出としてもよいし、押し順ベルと同じ報知態様での押し順報知演出が行われる場合と押し順ベルと異なる報知態様での押し順報知演出が行われる場合とがあるようにしてもよい。
(28)ATモード中の押し順ベル当選時に、押し順報知コマンドとして、第1小役~第6小役入賞に対応する操作順序を示す押し順報知コマンドを主制御装置101から表示制御装置81へ出力する構成としたが、第1小役~第6小役に対応するコマンドを主制御装置101から表示制御装置81へ出力する構成としてもよい。また、押し順ベルのうちのいずれの抽選結果であるかを示すコマンドを主制御装置101から表示制御装置81へ出力する構成としてもよい。これらの場合、特殊役当選時に第2操作態様にて操作させて第1小役~第6小役入賞を成立させるようにするために、対応するコマンド(第1小役~第6小役に対応するコマンドや、入賞させるべき第1小役~第6小役に対応する押し順ベルの結果を示すコマンド)を主制御装置101から表示制御装置81へ出力する構成とするとよい。そして、表示制御装置81において図278のテーブルを記憶させておくなどして、受信したコマンドに基づいて報知すべき操作順序を特定可能としておくとよい。
(29)表示上の天井ゲーム数に到達した場合に、天井カウンタが0となるまでのズレに応じて前兆演出を決定する構成としたが、天井カウンタが0となってから前兆演出を決定する構成としてもよい。
(30)表示上の天井ゲーム数に到達した場合に、天井カウンタが0となるまでのズレに応じて前兆演出を決定する構成において、当該ズレが予め設けられた前兆演出のゲーム数に至った場合に前兆演出を設定する構成としてもよい。すなわち、上記実施形態においては通常時の前兆モードは最大で40ゲームとしているところ、表示上の天井ゲーム数に到達した場合に、天井カウンタが0となるまでのズレが40ゲーム以内であれば、当該表示上の天井ゲーム数に到達した時点で前兆演出を設定し、当該ズレが40ゲームよりも多ければ、ズレが40ゲーム以内となるまでゲームが消化された際に前兆演出を設定する構成としてもよい。このようにすることで、記憶しておく前兆演出のパターンを少なくすることが可能である。
(31)表示上の天井ゲーム数は、特殊役当選時の操作態様に関わらず更新させる構成としたが、操作態様によって更新する場合と更新しない場合がある構成としてもよく、第2操作態様にて操作されて天井カウンタの減算が行われない場合の一部で更新が行われ、第2操作態様にて操作されて天井カウンタの減算が行われない場合であっても更新が行われる場合があるようにしてもよい。これらの場合であっても、減算値抽選処理により1よりも大きい値が天井カウンタから減算される場合を考慮すると、表示上の天井ゲーム数が天井に到達するゲームと、天井カウンタが0となるゲームとにはズレが生じ得る。
(32)特殊役以外のゲームでも、例えば操作態様によって、又は抽選によって天井カウンタの減算が行われない場合があるようにしてもよい。
(33)天井ゲーム数を有利区間移行時に抽選により決定する構成としたが、天井ゲーム数は一律のゲーム数(例えば700ゲーム)として設定する構成としてもよい。
(34)有利区間移行抽選をストップスイッチ42~44の操作完了後に行う構成としたうえで、特殊役当選ゲームでの操作態様に応じて当該有利区間移行抽選の当選確率を異ならせる構成としたが、有利区間移行抽選をストップスイッチ42~44の操作完了後に行う構成とするだけで、特殊役当選ゲームでの操作態様に関わらず有利区間移行抽選の当選確率を同じ確率(同じ処理)とする構成としてもよい。この場合、通常区間において特殊役に当選した場合、当該特殊役当選であることが把握可能なように補助表示部65等にてその旨の報知を行う構成としてもよい。このようにすることで、実際には特殊役当選の操作態様にかかわらず、共通の処理が行われる場面ですら、操作態様を気にしながら遊技を行わせることが可能となり、処理構成の複雑化を生じないようにしながら興趣向上を図ることができる。なお、かかる構成であっても、特殊役当選時に操作態様に関わらず有利区間移行抽選が行われるのであれば、通常区間における特殊役当選時には第2操作態様にて操作したほうが有利であり、有利区間と有利な操作態様が逆になる。ちなみに、上記のように、特殊役当選の操作態様にかかわらず共通の処理が行われる場面で特殊役である旨の報知を行うことによる効果は、ATモード中においても期待でき、ATモード中の特殊役当選ゲームで特殊役当選である旨の報知を行う場合がある構成としてもよい。
(35)特殊役を複数設ける場合、特殊役の種類は3種類に限定されず、2種類であってもよいし、4種類以上であってもよい。この場合、一の特殊役における第1操作態様が他の特殊役における第2操作態様となり、他の特殊役における第1操作態様が一の特殊役における第2操作態様となる関係であると、一の特殊役における第1操作態様にて操作し続ける遊技を行った場合に、他の特殊役については第2操作態様にて操作されるようになり、第1操作態様と第2操作態様とまんべんなく操作させる効果を期待できる。
(36)特殊役を複数設ける構成においては、一の特殊役について第1操作態様にて操作された場合に付与される第1特典と、第2操作態様にて操作された場合に付与される第2特典とが、他の特殊役について第1操作態様にて操作された場合に付与される第1特典と、第2操作態様にて操作された場合に付与される第2特典と異なっていてもよい。この場合、第1特典同士が異なる一方、第2特典同士は同じである構成や、第1特典同士は同じである一方、第2特典同士が異なる構成や、第1特典同士及び第2特典同士のいずれもが異なる構成であってもよい。また、特殊役を3種類以上設ける構成においては、それぞれの第1特典や第2特典が全て異なる構成だけではなく、第1の特殊役と第2の特殊役についての第1特典は同じである一方、第3の特殊役についての第1特典は第1の特殊役や第2の特殊役のそれとは異なる、といったように、一部の特殊役同士の特典は同じである一方、他の特殊役の特典とは異なる関係であってもよい。これらの場合、第1特典や第2特典は他の特殊役と異なる一方、第1特典と第2特典との有利度(例えばメダル払出枚数)との差分は共通している構成としてもよい。
(37)特殊役を複数設ける構成においては、一の特殊役について第1操作態様にて操作された場合に実行される指示機能に関する第1処理と、第2操作態様にて操作された場合に実行される指示機能に関する第2処理とが、他の特殊役について第1操作態様にて操作された場合に実行される指示機能に関する第1処理と、第2操作態様にて操作された場合に実行される指示機能に関する第2処理と異なっていてもよい。この場合、第1処理同士が異なる一方、第2処理同士は同じである構成や、第1処理同士は同じである一方、第2処理同士が異なる構成や、第1処理同士及び第2処理同士のいずれもが異なる構成であってもよい。また、特殊役を3種類以上設ける構成においては、それぞれの第1処理や第2処理が全て異なる構成だけではなく、第1の特殊役と第2の特殊役についての第1処理は同じである一方、第3の特殊役についての第1処理は第1の特殊役や第2の特殊役のそれとは異なる、といったように、一部の特殊役同士の処理は同じである一方、他の特殊役の処理とは異なる関係であってもよい。これらの場合、第1処理や第2処理は他の特殊役と異なる一方、第1処理と第2処理との有利度(例えばATモードの当選確率)との差分は共通している構成としてもよい。
(38)特殊役として、第1操作態様にて操作された場合には第1特典が付与されるとともに指示機能に関する第1処理が実行され、第1操作態様とは異なる第2操作態様にて操作された場合には第1特典よりも有利な第2特典が付与されるとともに指示機能に関する処理であって第1処理よりも不利な第2処理が実行される構成としたが、第1操作態様や第2操作態様だけではなく、第1操作態様や第2操作態様とは異なる第3操作態様にて操作された場合には、第3特典が付与されるとともに指示機能に関する第3処理が行われる特殊役を設けてもよい。この場合、第3特典は第1特典及び第2特典のいずれとも異なる構成としてもよいし、第1特典とは異なる一方、第2特典とは同じである構成や、第1特典とは同じである一方、第2特典とは異なる構成としてもよく、第3処理についても第1処理及び第2処理のいずれとも異なる構成としてもよいし、第1処理とは異なる一方、第2処理とは同じである構成や、第1処理とは同じである一方、第2処理とは異なる構成としてもよい。いずれにしても、第3特典と第3処理とのセットが、第1特典と第1処理とのセット及び第2特典と第2処理とのセットとは同じ内容ではない構成であればよく、一部の内容が同じであってもよい。そして、第3特典の内容が第1特典や第2特典の内容と異なることや、第3処理の内容が第1処理や第2処理の内容と異なることによって遊技者にとっての有利度が異なる構成とすることが好ましく、第3特典と第3処理とのセットで得られる利益が、第1特典と第1処理とのセットで得られる利益とも異なるし、第2特典と第2処理とのセットで得られる利益と異なる構成とするとよい。
より具体的には、例えば、第1操作態様にて操作された場合には第33小役入賞が成立して1枚のメダル払出が生じ、第1処理として50%の確率でATモード移行当選となるATモード移行抽選が実行され、第2操作態様にて操作された場合には第1小役~第6小役入賞が成立して8枚のメダル払出が生じ、第2処理として0%の確率でATモード移行当選となるATモード移行抽選に実行される構成において、第3操作態様にて操作された場合には第7小役又は第8小役入賞が成立して3枚のメダル払出が生じ、第3処理として25%の確率でATモード移行当選となるATモード移行抽選が実行される構成としてもよい。
(39)特殊役当選時に第1操作態様にて操作された場合と、第2操作態様にて操作された場合とで、異なる小役入賞が成立可能となる構成としたが、第1操作態様にて操作された場合には所定の再遊技入賞が成立する一方、第2操作態様にて操作された場合には所定の小役入賞が成立する構成や、第1操作態様にて操作された場合には所定の小役入賞が成立する一方、第2操作態様にて操作された場合には所定の再遊技入賞が成立する構成や、第1操作態様にて操作された場合には所定の小役入賞が成立する一方、第2操作態様にて操作された場合には所定のボーナス入賞が成立する構成や、第1操作態様にて操作された場合にはいずれの結果入賞も成立しない一方、第2操作態様にて操作された場合には所定の小役や再遊技、ボーナス入賞が成立する構成としてもよい。
(40)特殊役当選時にストップスイッチ42~44の操作が完了した後で指示機能に関する処理を実行する構成としたが、特殊役当選時にスタートレバー41の操作時とストップスイッチ42~44の操作が完了した後とで指示機能に関する処理を実行する構成としてもよい。
例えば、特殊役当選時の開始時AT抽選用処理において、ATモード移行抽選の第1抽選を行い、当該第1抽選に当選した場合であって、第1操作態様にて操作された場合には停止時AT抽選用処理にてATモード当選フラグをセットする等のATモードへの移行を確定させる一方、開始時の第1抽選に非当選であった場合には、第1操作態様にて操作された場合であっても停止時AT抽選用処理にてATモード当選フラグをセットしないようにし、また、開始時の第1抽選に当選であった場合には、第2操作態様にて操作された場合であっても停止時AT抽選用処理にてATモード当選フラグをセットしないようにし、開始時の第1抽選に非当選であった場合には、第2操作態様にて操作された場合であっても停止時AT抽選用処理にてATモード当選フラグをセットしないようにする構成としてもよい。
更に、特殊役当選時の開始時AT抽選用処理において、ATモード移行抽選の第1抽選を行い、当該第1抽選の結果が第1結果であった場合であって、第1操作態様にて操作された場合には停止時AT抽選用処理にてATモード当選フラグをセットする等のATモードへの移行を確定させる一方、開始時の第1抽選の結果が第1結果とは異なる第2結果であった場合には、第1操作態様にて操作された場合であっても停止時AT抽選用処理にてATモード当選フラグをセットしないようにし、開始時の第1抽選の結果が第2結果であった場合には、第2操作態様にて操作された場合には停止時AT抽選用処理にてATモード当選フラグをセットする等のATモードへの移行を確定させる一方、開始時の第1抽選の結果が第2結果であった場合には、第1操作態様にて操作された場合であっても停止時AT抽選用処理にてATモード当選フラグをセットしないようにする構成としてもよい。
(41)特殊役を複数設ける構成において、各ゲームでの各特殊役の当選確率を同じ確率として説明したが、当選確率が異なる構成としてもよい。この場合、例えば特殊役A~Cを設ける構成において、特殊役A及び特殊役Bの当選確率は同じであるものの、特殊役Cの当選確率は異なる、といったように一部の特殊役の当選確率が異なる構成としてもよいし、特殊役A~Cのいずれの当選確率も互いに異なる構成としてもよい。
(42)特殊役の当選確率が遊技状態に応じて異なる構成としてもよい。例えば、再遊技当選となる確率が向上するRT状態へ移行すると、移行前の通常状態と比較して特殊役当選となる確率が変化する(高くなる、低くなる)構成としてもよい。また、特殊役を複数設ける構成においては、第1状態では特殊役Aの当選確率が特殊役Bよりも高い一方、特殊役Bの当選確率が特殊役Aよりも低く、第2状態では特殊役Bの当選確率が特殊役Aよりも高い一方、特殊役Aの当選確率が特殊役Bよりも低い、といったように、状態に応じて当選し易い特殊役が異なる構成としてもよい。
(43)特殊役を複数設ける構成においても、ストップスイッチ42~44の操作順序だけではなく操作タイミングによって第1操作態様と第2操作態様とを区別する構成としてもよい。
(44)特殊役に基づくAT抽選等をストップスイッチ42~44の操作後(停止時AT抽選用処理等)にて実行し、それ以外の結果に基づくAT抽選等をストップスイッチ42~44の操作前(スタートレバー41の操作時、開始時AT抽選用処理等)にて実行する構成としたが、特殊役以外の結果であってもストップスイッチ42~44の操作後(停止時AT抽選用処理)にてAT抽選等を実行する構成としてもよいし、特殊役であってもストップスイッチ42~44の操作前(開始時AT抽選用処理)にてAT抽選等を実行する構成としてもよい。これらの場合であっても、例えば、CZモード中のAT抽選の結果報知としての演出制御がストップスイッチ42~44の操作後のAT抽選に基づくもの(停止時CZ演出設定処理)と操作前のAT抽選に基づくもの(開始時CZ演出設定処理)とで異なる構成とするとよい。
(45)第1BB状態や第2BB状態の1ゲーム当たりのメダルの純増枚数を約プラス0.00枚として、第1BB状態や第2BB状態ではメダルが増えもせず、減りもしない構成としたが、メダルが増加し得る構成としてもよいし、メダルが減少し得る構成としてもよい。この場合、第1BB状態や第2BB状態での純増枚数が、少なくとも内部状態や非内部状態を3ベットゲームにて遊技した場合の純増枚数よりも多い純増枚数数であればよい。
(46)遊技者が、内部状態や非内部状態を3ベットゲームではなく2ベットゲームにて遊技したり、第1BB入賞や第2BB入賞を成立させることで、指示機能に関する各処理の実行が許容される状態から制限される状態に移行する構成としたが、遊技機側で、例えば、所定ゲーム数の消化によって指示機能に関する各処理の実行が許容される状態から制限される状態に移行する構成としてもよい。
(47)各設定値によって出玉率が変化する構成とし、設定1が最も出玉率が低く、設定6が最も出玉率が高くなる構成としたが、設定値によって出玉(遊技媒体)の増減率や増減態様が変化する構成であればよい。例えば、設定1と設定2との出玉率が同じであるなど、一部の設定値の出玉率が同じであって、他の設定値の出玉率が異なる構成としてもよい。また、設定1,3,5は出玉の増減率が高く、設定2,4,6は出玉の増減率が低い構成としてもよい。また、設定1,5は短時間で出玉が所定量増加し長時間で出玉が所定量減少し、設定2,3,4は所定量の増加に設定1,5よりも長時間要するとともに所定量の減少に設定1,5よりも短時間で済み、設定6は出玉の増減がほとんど発生しない構成としてもよい。これらの場合、各設定値の出玉率は同じであってもよい。
(48)リール及びそれに対応するストップスイッチを3つ並列して備えるスロットマシンについて説明したが、かかる構成に限定されるものではなく、例えばリール及びそれに対応するストップスイッチを5つ並列して備えたスロットマシンであってもよい。リールの停止操作における誤操作を抑制するという観点からすると、リール及びそれに対応するストップスイッチは少なくとも2つあればよい。また、ベット数が3である状況で有効ラインが1ラインに設定されるスロットマシンについて説明したが、かかる構成に限定されるものではなく、例えば、有効ラインは5ラインであってもよい。
(49)スロットマシン10について具体化した例を示したが、スロットマシンとパチンコ機とを融合した形式の遊技機に適用してもよい。即ち、スロットマシンのうち、メダル投入及びメダル払出機能に代えて、パチンコ機のような球投入及び球払出機能をもたせた遊技機(所謂、球使用回胴式遊技機)としてもよい。かかる遊技機をスロットマシンに代えて使用すれば、遊技ホールでは球のみを遊技価値として取り扱うことができるため、パチンコ機とスロットマシンとが混在している現在の遊技ホールにおいてみられる、遊技価値たるメダルと球との別個の取扱による設備上の負担や遊技機設置個所の制約といった問題を解消し得る。
(50)上記実施形態では遊技媒体としてのメダルを投入することベット数を設定して遊技が開始可能となり、当該遊技の入賞に対応する特典として所定数のメダルが払い出されるタイプの遊技機について例示したが、メダルを使用しないメダルレスタイプの遊技機を否定するものではない。このようなメダルレスタイプの遊技機においては、例えば、仮想遊技媒体(所定の遊技価値)を用いてゲームのベット数を設定して遊技を開始可能とし、当該遊技の入賞に対応する特典として上記所定数のメダルに応じた仮想遊技媒体(所定の遊技価値)を付与する構成とするとよい。この場合、当該仮想遊技媒体数を所定の表示部にて表示する構成としてもよいし、当該仮想遊技媒体数に対応する情報を本遊技機外部に出力する構成としてもよい。
また、上記のパチンコ機においては、遊技球の払い出しが行われるタイプのパチンコ機だけでなく、遊技機外部に遊技球が排出されない封入タイプのパチンコ機であってもよい。このような封入タイプのパチンコ機においては、例えば賞球数を示す情報を報知する構成とするとよい。
<第5eの実施形態>
次に、第5eの実施形態におけるスロットマシン10の電気的構成について、図350及び図351のブロック図に基づいて説明する。なお、以下の説明においては、特に上記各実施形態と異なる構成について説明し、上記各実施形態と共通する構成についてはその説明を省略する。また、以下の説明においては、上記実施形態と同じ機能を備える構成要素については同じ符号を用いて説明し、同じ符号であっても異なる機能を備える構成要素については、本実施形態における特有の符号として取り扱うものとする。
主制御装置101には、演算処理手段であるCPU102を中心とするマイクロコンピュータが搭載されている。CPU102には、電源装置91の他に、所定周波数の矩形波を出力するクロック回路103や、入出力ポート104などが内部バスを介して接続されている。かかる主制御装置101は、スロットマシン10に内蔵されるメイン基盤としての機能を果たすものである。
主制御装置101の入力側には、リールユニット31(より詳しくは各リール32L,32M,32Rが1回転したことを個別に検出するリールインデックスセンサ)、スタートレバー41の操作を検出するスタート検出センサ41a、各ストップスイッチ42~44の操作を個別に検出するストップ検出センサ42a~44a、メダル投入口45から投入されたメダルを検出する投入メダル検出センサ45a、ホッパ装置51から払い出されるメダルを検出する払出検出センサ51a、第1クレジット投入スイッチ56の操作を個別に検出する第1クレジット投入検出センサ56a、第2クレジット投入スイッチ57の操作を個別に検出する第2クレジット投入検出センサ57a、精算スイッチ59の操作を検出する精算検出センサ59a、リセットスイッチ72の操作を検出するリセット検出センサ72a、設定キー挿入孔73に設定キーが挿入されてON操作されたことを検出する設定キー検出センサ73a等の各種センサが接続されており、これら各種センサからの信号は入出力ポート104を介してCPU102へ出力されるようになっている。
また、主制御装置101の入力側には、入出力ポート104を介して電源装置91が接続されている。電源装置91には、主制御装置101を始めとしてスロットマシン10の各電子機器に駆動電力を供給する電源部91aや、停電監視回路91bなどが搭載されている。
停電監視回路91bは電源の遮断状態を監視し、停電時はもとより、電源スイッチ71による電源遮断時に停電信号を生成するためのものである。そのため停電監視回路91bは、電源部91aから出力されるこの例では直流12ボルトの安定化駆動電圧を監視し、この駆動電圧が例えば10ボルト未満まで低下したとき電源が遮断されたものと判断して停電信号が出力されるように構成されている。停電信号はCPU102と入出力ポート104のそれぞれに供給され、CPU102ではこの停電信号を認識することにより後述する停電処理が実行される。また、この停電信号は表示制御装置81にも供給されるように構成されている。
電源部91aは、出力電圧が10ボルト未満まで低下した場合でも、主制御装置101などの制御系において駆動電圧として使用される5ボルトの安定化電圧が出力されるように構成されている。この安定化電圧が出力される時間としては、主制御装置101による停電処理を実行するに十分な時間が確保されている。
主制御装置101の出力側には、リールユニット31(より詳しくは各リール32L,32M,32Rを回転させるためのステッピングモータ)、セレクタ46に設けられたメダル通路切替ソレノイド46a、ホッパ装置51、クレジット表示部60、残払出枚数表示部61、払出枚数表示部62、指示モニタ68、役比モニタ77、表示制御装置81、図示しないホール管理装置などに情報を送信できる外部集中端子板121等が入出力ポート104を介して接続されている。
上述したCPU102には、このCPU102によって実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM105と、このROM105に記憶されている制御プログラムを実行するにあたって各種のデータを一時的に記憶する作業エリアを確保するためのRAM106の他に、図示はしないが周知のように割込み回路を始めとしてタイマ回路、データ送受信回路などスロットマシン10において必要な各種の処理回路や、クレジット枚数をカウントするクレジットカウンタなどの各種カウンタが内蔵されている。ROM105とRAM106によって記憶手段としてのメインメモリが構成され、各種処理を実行するためのプログラムは、制御プログラムの一部として上述したROM105に記憶されている。
RAM106は、スロットマシン10の電源が遮断された後においても電源装置91からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっている。RAM106には、各種のデータを一時的に記憶するためのメモリや、役の抽選結果を記憶するための当選フラグ格納エリア106a、各リール32L,32M,32Rの停止制御を行う場合に用いる停止情報を記憶するための停止情報格納エリア106b、設定値を記憶するための設定値情報格納エリア106c等の他に、バックアップエリアが設けられている。
バックアップエリアは、停電等の発生により電源が遮断された場合において、電源遮断時(電源スイッチ71の操作による電源遮断をも含む。以下同様)のスタックポインタの値を記憶しておくためのエリアであり、停電解消時(電源スイッチ71の操作による電源投入をも含む。以下同様)には、バックアップエリアの情報に基づいてスロットマシン10の状態が電源遮断前の状態に復帰できるようになっている。バックアップエリアへの書き込みは停電処理(図352参照)によって電源遮断時に実行され、バックアップエリアに書き込まれた各値の復帰は電源投入時のメイン処理において実行される。
また、CPU102のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路91bからの停電信号が入力されるように構成されている。そして、電源遮断時には、停電フラグ生成処理としてのNMI割込み処理が即座に実行されるようになっている。
図351に示すように、表示制御装置81は、演算処理手段であるCPU181を中心とするマイクロコンピュータが搭載されている。CPU181には、このCPU181によって実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM182と、このROM182内に記憶されている制御プログラムを実行するに当たって各種のデータを一時的に記憶する作業エリアを確保するためのRAM183などが内蔵されている。
表示制御装置81には、図示しない入出力ポートが設けられており、入力側に主制御装置101が接続されており、出力側にストップランプ42b~44b、上部ランプ63、スピーカ64、及び補助表示部65が接続されている。そして、主制御装置101から入力する各種コマンドに基づいてストップランプ42b~44b、上部ランプ63、スピーカ64、及び補助表示部65を駆動制御する。つまり、表示制御装置81は、遊技を統括管理するメイン基盤たる主制御装置101との関係では補助的な制御を実行するサブ基盤となっている。即ち、間接的な遊技に関する音声やランプ、表示についてはサブ基盤を設けることにより、メイン基盤の負担軽減を図っている。
表示制御装置81の入力側には、演出スイッチ66(より詳しくは当該演出スイッチ66の操作を検出する演出スイッチ検出センサ)等が接続されている。なお、各種表示部60~62、68も表示制御装置81が駆動制御する構成としてもよい。
また、表示制御装置81に接続されている各構成42b~44b,63~65の全てまたは一部を主制御装置101に直接する構成としたうえで、主制御装置101がこれら各構成42b~44b,63~65の全て又は一部を直接制御する構成としてもよい。
続いて、主制御装置101のCPU102により実行される各制御処理について説明する。かかるCPU102の処理としては、大別して、電源投入に伴い起動されるメイン処理と、定期的に(本実施の形態では1.49msec周期で)起動されるタイマ割込み処理と、NMI端子への停電信号の入力に伴い起動されるNMI割込み処理とがある。以下では、これら各処理のうち遊技の進行に関わる処理、すなわちタイマ割込み処理と、メイン処理にて行われる通常処理とを説明する。
図352は、主制御装置101で定期的に実行されるタイマ割込み処理のフローチャートであり、主制御装置101のCPU102により例えば1.49msec毎にタイマ割込みが発生する。
先ず、ステップSe101に示すレジスタ退避処理では、後述する通常処理で使用しているCPU102内の全レジスタの値をRAM106のバックアップエリアに退避させる。ステップSe102では停電フラグがセットされているか否かを確認し、停電フラグがセットされているときにはステップSe103に進み、停電処理を実行する。
ここで、停電処理について概略を説明する。
停電の発生等によって電源が遮断されると、電源装置91の停電監視回路91bから停電信号が出力され、当該停電信号がNMI端子を介して主制御装置101に入力される。主制御装置101は、停電信号が入力された場合、即座にNMI割込み処理を実行し、停電フラグをRAM106に設けられた停電フラグ格納エリアにセットする。
停電処理では、先ずコマンドの送信が終了しているか否かを判定し、送信が終了していない場合には本処理を終了してタイマ割込み処理に復帰し、コマンドの送信を終了させる。コマンドの送信が終了している場合には、CPU102のスタックポインタの値をRAM106のバックアップエリアに保存する。その後、入出力ポート104における出力ポートの出力状態をクリアし、図示しない全てのアクチュエータをオフ状態にする。そして、停電解消時にRAM106のデータが正常か否かを判定するためのRAM判定値を算出してバックアップエリアに保存することにより、それ以後のRAMアクセスを禁止する。以上の処理を行った後は、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるのに備え、無限ループに入る。なお、例えばノイズ等に起因して停電フラグが誤ってセットされる場合を考慮し、無限ループに入るまでは停電信号が出力されているか否かを確認する。停電信号が出力されていなければ停電状態から復旧したこととなるため、RAM106への書き込みを許可するとともに停電フラグをリセットし、タイマ割込み処理に復帰する。停電信号の出力が継続してなされていれば、そのまま無限ループに入る。ちなみに、無限ループ下においても停電信号が出力されているか否かを確認しており、停電信号が出力されなくなった場合にはメイン処理に移行する。
タイマ割込み処理の説明に戻り、ステップSe102にて停電フラグがセットされていない場合には、ステップSe104以降の各種処理を行う。
すなわち、ステップSe104では、誤動作の発生を監視するためのウオッチドッグタイマの値を初期化するウオッチドッグタイマのクリア処理を行う。ステップSe105では、CPU102自身に対して次回のタイマ割込みを設定可能とする割込み終了宣言処理を行う。ステップSe106では、各リール32L,32M,32Rを回転させるために、それぞれの回胴駆動モータであるステッピングモータを駆動させるステッピングモータ制御処理を行う。ステップSe107では、入出力ポート104に接続されたストップ検出センサ42a~44a,投入メダル検出センサ45a,払出検出センサ51a等の各種センサ(図350参照)の状態を読み込むとともに、読み込み結果が正常か否かを監視するセンサ監視処理を行う。ステップSe108では、各カウンタやタイマの値を減算・加算するタイマ更新処理を行う。ステップSe109では、メダルのベット数や、払出枚数をカウントした結果を外部集中端子板121へ出力するカウンタ処理を行う。
ステップSe110では、後述する抽選結果コマンド等の各種コマンドを表示制御装置81へ送信するコマンド出力処理を行う。ステップSe111では、クレジット表示部60、残払出枚数表示部61、払出枚数表示部62及び指示モニタ68にそれぞれ表示されるセグメントデータを設定するセグメントデータ設定処理を行う。ステップSe112では、セグメントデータ設定処理で設定されたセグメントデータを各表示部60~62,68に供給して該当する数字、記号などを表示するセグメントデータ表示処理を行う。ステップSe113では、入出力ポート104からI/O装置に対応するデータを出力するポート出力処理を行う。ステップSe114では、先のステップSe101にてバックアップエリアに退避させた各レジスタの値をそれぞれCPU102内の対応するレジスタに復帰させる。その後ステップSe115にて次回のタイマ割込みを許可する割込み許可処理を行い、この一連のタイマ割込み処理を終了する。
次に、遊技に関わる主要な制御を行う通常処理について図353のフローチャートに基づき説明する。
先ずステップSe201では、次回のタイマ割込みを許可する割込み許可処理を行う。ステップSe202では、遊技を可能とするための開始前処理を行う。開始前処理では、表示制御装置81等が初期化を終了するまで待機する。表示制御装置81等の初期化が終了した場合には、ステップSe203~ステップSe212に示す遊技管理処理を行う。
遊技管理処理として、ステップSe203では、RAM106に格納された各種遊技情報等のデータ(例えば前回の遊技で用いた乱数値等)をクリアする。その後、ステップSe204では開始待ち処理を行う。
開始待ち処理では、前回の遊技でいずれかの再遊技入賞が成立したか否かを判定する。いずれかの再遊技入賞が成立していた場合には、前回のベット数と同数の仮想メダルを自動投入する自動投入処理を行い、開始待ち処理を終了する。具体的には、例えば、3ベットゲームにて再遊技入賞が成立した場合には3枚の仮想メダルを自動投入する処理を行い、2ベットゲームにて再遊技入賞が成立した場合には2枚の仮想メダルを自動投入する処理を行う。
なお、自動投入処理では、クレジット表示部60に表示された仮想メダル数を減じることなく仮想メダルの投入を行う。つまり、前回の遊技でいずれかの再遊技入賞が成立した場合には、遊技者は所有するメダルを減らすことなく且つメダルを投入することなく今回の遊技を行うことができる。いずれの再遊技入賞も成立していなかった場合には、タイマ割込み処理のセンサ監視処理(ステップSe107)にてなされたセンサの読み込み結果に異常が発生していないかを確認するセンサ異常確認処理を行い、異常が発生している場合にはスロットマシン10をエラー状態とするとともにエラーの発生を報知する異常発生時処理を行う。かかるエラー状態は、リセットスイッチ72が操作されるまで維持される。センサの読み込み結果が正常である場合には精算スイッチ59が操作されたか否かを判定し、精算スイッチ59が操作された場合には、クレジットされた仮想メダルと同数のメダルを払い出すメダル返却処理を行う。
メダル返却処理の終了後又は精算スイッチ59が操作されていない場合には、前回の開始待ち処理から今回の開始待ち処理までの間にメダルの投入又はクレジット投入スイッチ56,57の操作がなされたか否かを判定し、いずれかが行われた場合には、ベット数の変更等を行うメダル投入処理を行い、開始待ち処理を終了する。また、前回の開始待ち処理から今回の開始待ち処理までの間にメダルの投入とクレジット投入スイッチ56,57の操作のいずれもなされていない場合には、そのまま開始待ち処理を終了する。
開始待ち処理の終了後、ステップSe205ではメダルのベット数が規定枚数に達しているか否かを判定する。本スロットマシン10では、ボーナス状態(BB状態)における規定枚数として「3」が設定されており、ボーナス状態以外の遊技状態における規定枚数として「2」及び「3」が設定されている。つまり、ボーナス状態においては、ベット数が「3」となっていることを条件にステップSe205にて肯定判定し、ボーナス状態以外ではベット数が「2」又は「3」となっていることを条件にステップSe205にて肯定判定する。言い換えると、ボーナス状態以外の遊技状態において、メダルがベットされていない場合、又は、ベットされていてもベット数が「1」である場合にはステップSe205にて否定判定する。ベット数が規定枚数に達していない場合には、ステップSe204の開始待ち処理に戻り、当該処理のうちセンサ異常確認処理以降の処理を行う。
ベット数が規定枚数に達している場合には、ステップSe205にて肯定判定することとなったベット数の情報を含むベットコマンドを、ステップSe206にてサブ側の制御装置としての表示制御装置81への出力対象としてセットする。ここでセットされたコマンドは、タイマ割込み処理におけるステップSe110にて表示制御装置81へ出力される。ベットコマンドを受信した表示制御装置81では、ベット操作に基づく報知(例えば、遊技開始条件が成立したことの報知や、以前のゲームでの抽選結果の報知)のための処理を実行し、スピーカ64や補助表示部65の制御を行う。
ステップSe206の処理を実行した後は、ステップSe207にてスタートレバー41が操作されたか否かを判定する。スタートレバー41が操作されていない場合には、ステップSe204の開始待ち処理に戻り、当該処理のうちセンサ異常確認処理以降の処理を行う。
一方、スタートレバー41が操作された場合には、規定枚数のメダルがベットされている状況下でスタートレバー41が操作されると遊技を開始できる構成となっているため、遊技を開始させるべく開始指令が発生したことを意味する。かかる場合には、ステップSe208にてベット数と対応する組合せラインを有効ラインと設定する有効ライン設定処理を行う。すなわち、折れ曲がりラインL6のみを有効ラインと設定する。ステップSe209では、メダル通路切替ソレノイド46aを非励磁状態に切り替えてベット受付を禁止する。その後、ステップSe210の抽選処理、ステップSe211のリール制御処理、ステップSe212のメダル払出処理を順に実行し、ステップSe203に戻る。
次に、ステップSe210の抽選処理について、図354のフローチャートに基づき説明する。
ステップSe301では、役の当否判定を行う際に用いる乱数を取得する。本スロットマシン10では、スタートレバー41が操作されると、ハード回路がその時点におけるフリーランカウンタの値をラッチする構成となっている。フリーランカウンタは0~65535の乱数を生成しており、CPU102は、スタートレバー41の操作を確認した後、ハード回路がラッチした値をRAM106に格納する。かかる構成とすることにより、スタートレバー41が操作されたタイミングで速やかに乱数を取得することが可能となり、同期等の問題が発生することを回避することが可能となる。本スロットマシン10のハード回路は、スタートレバー41が操作される毎にその都度のフリーランカウンタの値をラッチする構成となっている。
乱数を取得した後、ステップSe302では、役の当否判定を行うための抽選テーブルを選択する。本スロットマシン10では、遊技状態として、大別して通常遊技状態及びボーナス状態を有しており、抽選テーブルは、各遊技状態用にそれぞれ設定されている。そして、通常遊技状態においては、上記のようにベットの規定枚数が「3」と「2」が設定されていることから、通常遊技状態用の抽選テーブルは、3ベットゲームでの抽選テーブルと、2ベットゲームでの抽選テーブルとが設定されている。
すなわち、ステップSe302では、ベット数と遊技状態と対応した抽選テーブルを選択する。例えば、ベット数が「3」であって、いずれかのボーナス状態フラグがセットされていない場合には、現在の遊技状態が通常遊技状態であると判別し、通常遊技状態用抽選テーブルを選択する。そして、今回のゲームが3ベットゲームである場合には、3ベットゲーム用の通常遊技状態用抽選テーブル(図355)を選択し、今回のゲームが2ベットゲームである場合には、2ベットゲーム用の通常遊技状態用抽選テーブル(図356)を選択する。また、本スロットマシン10では、「設定1」から「設定6」まで6段階の当選確率が予め用意されており、設定キー挿入孔に設定キーを挿入してON操作するとともに所定の操作を行うことにより、いずれの当選確率に基づいて内部処理を実行させるのかを設定することができる。ステップSe302では、設定状態が「設定1」のときにメダル払出の期待値が最も低い抽選テーブルを選択し、「設定6」のときにメダル払出の期待値が最も高い抽選テーブルを選択する。
ここで、当選確率の設定に関する処理について補足説明する。
当選確率の設定処理は、電源投入時に主制御装置101にて起動されるメイン処理にて実行される。より詳しくは、当選確率の設定処理は、設定キー挿入孔に設定キーが挿入されてON操作されていることを設定キー検出センサ73aにて検出している状態で、電源投入された場合に、RAM106の初期化処理の後に起動される。当選確率の設定処理では、所定の操作として、スタートレバー41の操作毎に設定値を1ずつ更新し、例えば、スタートレバー41が1回操作される度に、「設定1」→「設定2」→「設定3」→「設定4」→「設定5」→「設定6」→「設定1」となるように設定値を更新する。なお、各設定値は、例えばクレジット表示部60にて表示され、上記設定値の更新毎にその表示も更新される。そして、設定キー検出センサ73aがOFF操作された状態でスタートレバー41が操作されたことを設定値の確定操作とし、その時点での設定値を今回の設定値として、当選確率の設定処理を終了する。当選確率の設定処理の終了に基づいて、クレジット表示部60の表示も終了する。当選確率の設定処理で設定された設定値は、次の当選確率の設定処理が起動されるまで、RAM106に記憶保持される。ステップSe302では、この記憶されている設定値に基づいて、抽選テーブルを選択する処理を行うこととなる。
抽選テーブルについて、簡単に説明する。図355は、3ベットゲームにおいて通常遊技状態で選択される通常遊技状態用抽選テーブルである。また、図356は、2ベットゲームにおいて通常遊技状態で選択される通常遊技状態用抽選テーブルである。抽選テーブルには、インデックス値IVが設定されており、各インデックス値IVには、当選となる役がそれぞれ一義的に対応付けられるとともにポイント値PVが設定されている。
抽選テーブルを選択した後、ステップSe303ではインデックス値IVを1とし、続くステップSe304では役の当否を判定する際に用いる判定値DVを設定する。かかる判定値設定処理では、現在の判定値DVに、現在のインデックス値IVと対応するポイント値PVを加算して新たな判定値DVを設定する。なお、初回の判定値設定処理では、ステップSe301にて取得した乱数値を現在の判定値DVとし、この乱数値に現在のインデックス値IVである1と対応するポイント値PVを加算して新たな判定値DVとする。
その後、ステップSe305ではインデックス値IVと対応する役の当否判定を行う。役の当否判定では判定値DVが65535を超えたか否かを判定する。65535を超えた場合には、ステップSe306にて、ステップSe305にて肯定判定したインデックス値IVに応じた遊技結果の当選フラグを、当選フラグ格納エリア106aにセットする処理を実行する。例えば、IV=23のときに判定値DVが65535を超えた場合、ステップSe306にて第7小役当選フラグ及び第8小役当選フラグをセットする。また、IV=25のときに判定値DVが65535を超えた場合、ステップSe306にて第1BB当選フラグをセットし、IV=26のときに判定値DVが65535を超えた場合、ステップSe306にて第2BB当選フラグをセットする。
ちなみに、セットされた当選フラグが第1BBに当選したことを示す当選フラグ(第1BB当選フラグ)又は第2BBに当選したことを示す当選フラグ(第2BB当選フラグ)でない場合、当選フラグ格納エリア106aにセットされた当選フラグは該当選フラグがセットされたゲームの終了後にリセットされる(通常処理のSe203参照)。一方、当選フラグが第1BB当選フラグ又は第2BB当選フラグである場合、これら当選フラグは対応する入賞が成立したことを条件の1つとしてリセットされる。すなわち、第1BB当選フラグ及び第2BB当選フラグは、複数回のゲームに亘って有効とされる場合がある。
なお、第1BB当選フラグ又は第2BB当選フラグを持ち越した状態におけるステップSe306では、第1BB,第2BB以外の役に当選していれば対応する当選フラグをセットし、第1BB,第2BB以外の役に当選していなければ対応する当選フラグをセットしない。
すなわち、例えば、第1BB当選フラグが持ち越された状態で、例えば、インデックス値IV=25のときに判定値DVが65535を超えた場合、第1BB当選フラグはセットしない。また、第1BB当選フラグが持ち越された状態で、例えば、インデックス値IV=11のときに判定値DVが65535を超えた場合、第1小役当選フラグ、第9小役当選フラグ、第10小役当選フラグ及び第13小役当選フラグをセットする。
なお、第1BB当選フラグ又は第2BB当選フラグを持ち越した状態における抽選テーブルを別途用意しておき、第1BB当選フラグ又は第2BB当選フラグを持ち越した状態では、当該別途用意した抽選テーブルにて抽選処理を行う構成としてもよい。この場合、当該別途用意した抽選テーブルにおいては、第1BB,第2BBに当選しないように各インデックス値IVやポイント値PV値を設定するとよい。
ステップSe305にて判定値DVが65535を超えなかった場合には、インデックス値IVと対応する役に外れたことを意味する。かかる場合にはステップSe307にてインデックス値IVを1加算し、続くステップSe308ではインデックス値IVと対応する役があるか否か、すなわち当否判定すべき判定対象があるか否かを判定する。具体的には、1加算されたインデックス値IVが抽選テーブルに設定されたインデックス値IVの最大値を超えたか否かを判定する。当否判定すべき判定対象がある場合にはステップSe304に戻り、役の当否判定を継続する。このとき、ステップSe304では、先の役の当否判定に用いた判定値DV(すなわち現在の判定値DV)に現在のインデックス値IVと対応するポイント値PVを加算して新たな判定値DVとし、ステップSe305では、当該判定値DVに基づいて役の当否判定を行う。
ちなみに、図355に示した抽選テーブルを用いて役の当否判定を行う場合、すなわち、通常遊技状態において3ベットゲームで遊技を行った場合、通常リプAに当選となる確率(IV=1の際に当選となる確率)は、設定1では約27.3分の1であり、設定3では約27.5分の1であり、設定6では約28.3分の1であり、設定値が高くなるほど当選しにくくなるように設定されている。通常リプBに当選となる確率(IV=2の際に当選となる確率)及び通常リプCに当選となる確率(IV=3の際に当選となる確率)は、いずれも設定値に関わらず約26.2分の1である。チャンス目Aに当選となる確率(IV=4の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約164分の1であり、チャンス目Bに当選となる確率(IV=5の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約262分の1であり、チャンス目Cに当選となる確率(IV=6の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約16400分の1であり、チャンス目Cよりもチャンス目Bの方が当選し易く、チャンス目Bよりもチャンス目Aの方が当選し易くなるように設定されている。チェリーAに当選となる確率(IV=7の際に当選となる確率)は、設定1では約107分の1であり、設定3では約104分の1であり、設定6では約93.6分の1であり、設定値が高くなるほど当選し易くなるように設定されている。チェリーBに当選となる確率(IV=8の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約215分の1であり、チェリーCに当選となる確率(IV=9の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約13100分の1であり、チェリーCよりもチェリーBの方が当選し易く、チェリーBよりもチェリーAの方が当選し易くなるように設定されている。共通ベルに当選となる確率(IV=10の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約504分の1である。順押しベル1、順押しベル2、挟み押しベル1、挟み押しベル2、中順押しベル1、中順押しベル2、中逆押しベル1、中逆押しベル2、逆挟みベル1、逆挟みベル2、逆押しベル1、逆押しベル2(以下では、これらをまとめて押し順ベルと称する)に当選となる確率(IV=11~22の際に当選となる確率)は、設定値に関わらずそれぞれ約18.4分の1であり、押し順ベルに当選となる確率をまとめると約1.53分の1である。スイカに当選となる確率(IV=23の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約107分の1である。第1BBに当選となる確率(IV=25の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約5.03分の1であり、他の役(再遊技や小役、IV=1~24)の当選確率よりも高く設定されている。3ベットゲームにおいては重複1枚役(IV=24)や第2BB(IV=26)には当選しないように設定されている(対応するポイント値PVに0が設定されている)。3ベットゲームにおいて、第1BBを含めていずれの役にも当選しない確率は0となっている。そして、第1BBに当選している状況では、3ベットゲームにおいていずれの役にも当選しない確率は、設定値に関わらず約5.03分の1(第1BBの分)である。ちなみに、3ベットゲームにおいては、第1BB状態での増加分を除いて、1ゲーム当たり約1.77枚のメダル減少が期待できる(純増枚数マイナス約1.77枚)。
これに対して、図356に示した抽選テーブルを用いて役の当否判定を行う場合、すなわち、通常遊技状態において2ベットゲームで遊技を行った場合、通常リプA、通常リプB、通常リプC、チャンス目A、チャンス目B、チャンス目C、チェリーA、チェリーB、チェリーCに当選となる確率(IV=1~9の際に当選となる確率)は、上記3ベットゲームで遊技を行った場合の確率と同じ確率である。共通ベルに当選となる確率(IV=10の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約9.64分の1であり、3ベットゲームで遊技を行った場合よりも当選し易くなるように設定されている。押し順ベル(IV=11~22)は、2ベットゲームでは当選しないように設定されている。スイカに当選となる確率(IV=23の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約257の1であり、3ベットゲームで遊技を行った場合よりも当選しにくくなるように設定されている。2ベットゲームにおいては重複1枚役(IV=24)に当選し得るように設定されており、その確率は設定値に関わらず約1.81分の1である。また、2ベットゲームでは第1BB(IV=25)には当選しないように設定されている一方、第2BB(IV=26)に当選し得るように設定されており、その確率は設定値に関わらず約4.95分の1である。2ベットゲームにおいても、第2BBを含めていずれの役にも当選しない確率は0となっている。そして、第2BBに当選している状況では、2ベットゲームにおいていずれの役にも当選しない確率は、設定値に関わらず約4.95分の1(第2BBの分)である。ちなみに、2ベットゲームにおいては、第2BBの増加分を除いて、1ゲーム当たり約0.64枚のメダル減少が期待できる(純増枚数マイナス約0.64枚)。
ステップSe306にて当選フラグをセットした後、又はステップSe308にて当否判定すべき判定対象がないと判定した場合には、役の当否判定が終了したことを意味する。かかる場合には、ステップSe309に進み、ストップスイッチ42~44の操作を所定期間無効とするフリーズ演出を実行するか否かを決定すべくフリーズ抽選処理を行う。
続くステップSe310では、抽選結果対応処理を行う。抽選結果対応処理では、ステップSe301~ステップSe308の抽選の結果に応じて遊技状態を移行させるか否かの処理や、押し順役の報知用の処理等を行う。当該抽選結果対応処理については、後に詳細に説明する。
ステップSe310の処理を実行した後は、ステップSe311にて抽選結果コマンドをセットする。ここで、抽選結果コマンドとは、役の当否判定の結果を把握させるべく表示制御装置81に対して送信されるコマンドである。但し、通常処理では、上記抽選結果コマンド等の各種コマンドをリングバッファにセットするのみであって、表示制御装置81に対してコマンドを送信しない。表示制御装置81へのコマンド送信は、先述したタイマ割込み処理のコマンド出力処理(ステップSe110)にて行われる。
そして、ステップSe312では、今回のゲームの抽選結果に基づいて各リール32L,32M,32Rに停止可能な図柄を設定する停止情報設定処理を実行する。停止情報設定処理では、ステップSe306にてセットされる当選フラグに基づいて、入賞可能な役に応じた停止図柄情報を設定する。例えば、押し順ベル1に当選(IV=11の際に当選)となり、第1小役当選フラグ、第9小役当選フラグ、第10小役当選フラグ及び第13小役当選フラグがセットされた場合、第1小役、第9小役、第10小役及び第13小役入賞に対応する図柄が各リール32L,32M,32Rに停止可能となるように停止図柄情報を設定する。また、スイカに当選(IV=23の際に当選)となり、第7小役当選フラグ及び第8小役当選フラグがセットされた場合、第7小役入賞及び第8小役入賞に対応する図柄が各リール32L,32M,32Rに停止可能となるように停止図柄情報を設定する。
本スロットマシン10においては、第1BBは3ベットゲームでおいてのみ入賞が成立し得るように設定されており、第2BBは2ベットゲームにおいてのみ入賞が成立し得るように設定されている。そのため、第1BB当選フラグがセットされている場合であっても、2ベットゲームでゲームが開始された場合には、ステップSe312の停止情報設定処理では、第1BB入賞を成立させる停止図柄情報の設定を行わない(第1BB入賞を回避する停止図柄情報の設定が行われる)。また、第2BB当選フラグがセットされている場合であっても、3ベットゲームでゲームが開始された場合には、ステップSe312の停止情報設定処理では、第2BB入賞を成立させる停止図柄情報の設定を行わない(第2BB入賞を回避する停止図柄情報の設定が行われる)。
続くステップSe313では、ステップSe312にて複数の停止可能な図柄情報が設定された場合に、その優先順位を設定する優先設定処理を実行する。例えば、小役,再遊技,ボーナスの各役種のうち複数の役種に当選している場合、以下に示す優先順位を設定する。小役とボーナスに当選している場合には、小役入賞が優先して成立するように、小役入賞を成立させることができない場合にボーナス入賞が成立するようにして、優先順位を設定する。再遊技とボーナスに当選している場合には、再遊技入賞が優先して成立するようにして優先順位を設定する。
例えば、第1BBに当選している状況(第1BB当選フラグがセットされており、第1BB当選が持ち越されている状況)で、更にスイカに当選し、第1BB入賞と、第7小役入賞及び第8小役入賞とに対応する停止図柄情報の設定が行われている場合、第1BB入賞よりも第7小役入賞、第8小役入賞が優先して成立するように優先順位を設定する。また、第2BBに当選している状況(第2BB当選フラグがセットされており、第2BB当選が持ち越されている状況)で、更に通常リプAに当選し、第2BB入賞と、第1再遊技、第2再遊技、第3再遊技及び第4再遊技入賞とに対応する停止図柄情報の設定が行われている場合、第2BB入賞よりも各再遊技入賞が優先して成立するように優先順位を設定する。
ここで、再遊技に当選している場合、当選している再遊技のうちのいずれかの再遊技が必ず入賞するように、入賞となる図柄の組合せが設定されている。つまり、再遊技に当選している場合には再遊技入賞が必ず成立し、取りこぼしは発生しない。そのため、再遊技とボーナスとの停止図柄情報の設定が行われている場合、設定されている再遊技のいずれかの再遊技入賞が必ず成立し、ボーナス入賞が成立することがない。
ステップSe313の処理を実行した後は、ステップSe314にて区間表示第1処理を実行してから、抽選処理を終了する。区間表示第1処理は、指示モニタ68や役比モニタ77の表示制御に関する処理であり、かかる処理については後に詳細に説明する。
次に、ステップSe211のリール制御処理について、図357のフローチャートに基づき説明する。
リール制御処理では、先ずステップSe401にて、回転演出処理を行う。回転演出処理は、上記ステップSe309にて行ったフリーズ抽選処理の結果や、ステップSe310にて行った抽選結果対応処理の結果等に基づいて、無効期間中のリール制御を用いた演出を行うための処理である。続くステップSe402では、各リール32L,32M,32Rの回転を開始させる回転開始処理を行う。
回転開始処理では、前回の遊技でリールが回転を開始した時点から予め定めたウエイト時間(例えば4.1秒)が経過したか否かを確認し、経過していない場合にはウエイト時間が経過するまで待機する。ウエイト時間が経過した場合には、次回の遊技のためのウエイト時間を再設定するとともに、RAM106に設けられたモータ制御格納エリアに回転開始情報をセットするモータ制御初期化処理を行う。かかる処理を行うことにより、タイマ割込み処理のステッピングモータ制御処理(ステップSe106)にてステッピングモータの加速処理が開始され、各リール32L,32M,32Rが回転を開始する。このため、遊技者が規定枚数のメダルをベットしてスタートレバー41を操作したとしても、直ちに各リール32L,32M,32Rが回転を開始しない場合がある。その後、各リール32L,32M,32Rが所定の回転速度で定速回転するまで待機し、回転開始処理を終了する。また、CPU102は、各リール32L,32M,32Rの回転速度が定速となると、表示制御装置81にその旨の進行(コマンド)を出力し、表示制御装置81側のCPU181は、各ストップスイッチ42~44に内蔵されているストップランプ42b~44bを点灯表示することにより、停止指令を発生させることが可能となったことを遊技者等に報知する。
回転開始処理に続き、ステップSe403では、ストップスイッチ42~44のいずれかが操作されたか否かを判定する。いずれのストップスイッチ42~44も操作されていない場合には、ストップスイッチ42~44のいずれかが操作されるまで待機する。ストップスイッチ42~44のいずれかが操作されたと判定した場合には、ステップSe404に進み、回転中のリールと対応するストップスイッチが操作されたか否か、すなわち停止指令が発生したか否かを判定する。停止指令が発生していない場合には、ステップSe403に戻り、ストップスイッチ42~44のいずれかが操作されるまで待機する。停止指令が発生した場合には、ステップSe405にて停止指令コマンドをセットする。ここで、停止指令コマンドとは、いずれのストップスイッチが操作されて停止指令が発生したのかを把握させるべく表示制御装置81に対して送信されるコマンドである。停止指令コマンドをセットした場合には、回転中のリールを停止させるべくステップSe406~ステップSe412に示す停止制御処理を行う。停止指令コマンドを受信した表示制御装置81は、対応するリールを停止させることの演出を補助表示部65やスピーカ64にて行うように制御するとともに、今回操作されたストップスイッチ42~44に対応するストップランプ42b~44bを消灯するように制御する。
ステップSe406では、ストップスイッチの操作されたタイミングで基点位置(本実施形態では下段)に到達している到達図柄の図柄番号を確認する。具体的には、リールインデックスセンサの検出信号が入力された時点から出力した励磁パルス数により、基点位置に到達している到達図柄の図柄番号を確認する。続くステップSe407では、停止情報格納エリア106bに格納されている停止情報に基づいて、今回停止させるべきリールのスベリ数を算出する。本スロットマシン10では、各リール32L,32M,32Rを停止させる停止態様として、ストップスイッチ42~44が操作された場合に、基点位置に到達している到達図柄をそのまま停止させる停止態様と、対応するリールを1図柄分滑らせた後に停止させる停止態様と、2図柄分滑らせた後に停止させる停止態様と、3図柄分滑らせた後に停止させる停止態様と、4図柄分滑らせた後に停止させる停止態様との5パターンの停止態様が用意されている。そこでステップSe407では、停止情報格納エリア106bに格納されている停止情報に基づいて、スベリ数として0~4のいずれかの値を算出する。その後、ステップSe408では、算出したスベリ数を到達図柄の図柄番号に加算し、基点位置に実際に停止させる停止図柄の図柄番号を決定する。ステップSe409では今回停止させるべきリールの到達図柄の図柄番号と停止図柄の図柄番号が等しくなったか否かを判定し、等しくなった場合にはステップSe410にてリールの回転を停止させるリール停止処理を行う。その後、ステップSe411では、全リール32L,32M,32Rが停止したか否かを判定する。全リール32L,32M,32Rが停止していない場合には、ステップSe412にて停止情報第2設定処理を行い、ステップSe403に戻る。
ここで、停止情報第2設定処理とは、RAM106の停止情報格納エリア106bに格納された停止情報を、リールの停止後に変更する処理である。停止情報第2設定処理では、セットされている当選フラグと、停止しているリールの停止出目と、に基づいて停止情報を変更する。本スロットマシン10では、例えばIV=11~22の際に当選となった場合、すなわち押し順ベルに当選となった場合(図355、図356参照)に、停止指令を発生させたストップスイッチ42~44の操作順序によって成立する入賞態様を変化させるべく停止情報第2設定処理を行う。
図358は、当選役と、ストップスイッチ42~44の操作順序と成立する入賞態様との対応関係を示す説明図である。例えば、中順押しベル1に当選している場合には、各ストップスイッチ42~44が左→中→右、左→右→中、中→右→左、右→左→中、又は右→中→左の順で操作された場合には第17小役入賞、第18小役入賞又は第21小役入賞が成立するように停止情報を設定し、中→左→右の順で操作された場合には第3小役入賞が成立するように停止情報を設定する。但し、このように停止情報を設定した場合であっても、ストップスイッチ42~44の操作タイミングによっては対応する入賞が成立しない場合がある。
各リール32L,32M,32Rの図柄配列について簡単に説明する。本スロットマシン10では、リール32L,32M,32Rをストップスイッチ42~44の操作されたタイミングから最大4図柄分滑らせた後に停止させることができる。このため、各リール32L,32M,32Rに同種図柄同士の間隔が4図柄以下で配置されている場合には、ストップスイッチ43の操作タイミングに関わらず当選図柄となった際に当該当選図柄を有効ライン上に停止させることができる。一方、5図柄以上離れた区間が形成されるようにして配置されている図柄に関しては、有効ライン上に停止させる場合に遊技者が図柄を狙ってストップスイッチ42~44を操作する必要がある。
中順押しベル1に当選となり、各ストップスイッチ42~44が左→中→右の順で操作された場合を例として説明する。かかる場合には、上記のとおり、第17小役入賞、第18小役入賞又は第21小役入賞を成立させるべく各リール32L,32M,32Rの停止制御を行う。
左リール32Lにおける第17小役図柄は、「赤7」図柄及び「BAR」図柄である。また、左リール32Lにおける第18小役図柄は、「赤貝」図柄及び「白貝」図柄である。そして、左リール32Lにおける第21小役図柄は、「リプレイ」図柄及び「青年」図柄である。左リール32Lには、これら第17小役図柄、第18小役図柄及び第21小役図柄が、図柄同士の間隔が4図柄以下となるように配置されている。そのため、左ストップスイッチ42が最初に操作された場合には、その操作タイミングに関わらず、有効ライン(中段)に第17小役図柄、第18小役図柄及び第21小役図柄のいずれかが停止する。本スロットマシン10では、複数の対象図柄を停止可能なタイミングで操作された場合には、スベリコマ数が少ない図柄を有効ラインに停止させるように停止制御が行われる。すなわち、例えば、左リール32Lの1番目の「ベル」図柄が下段に到達したタイミングで左ストップスイッチ42の操作が行われた場合、第18小役図柄である4番目の「赤貝」図柄(2コマスベリ)、及び、第21小役図柄である5番目の「リプレイ」図柄(3コマスベリ)を中段に停止させることが可能であるところ、最もスベリコマ数の少ない4番目の「赤貝」図柄が中段に停止するように左リール32Lの停止制御が行われる。この場合、第18小役入賞が成立する余地は残るものの、第17小役入賞及び第21小役入賞は成立しないこととなる。
左リール32Lの第18小役図柄が中段に停止した場合、停止情報第2設定処理では、第18小役入賞が成立し得るように停止情報を変更する。
中リール32Mにおける第18小役図柄は、「リプレイ」図柄である。左リール32Lには、「リプレイ」図柄同士の間隔が4図柄以下となるように「リプレイ」図柄が配置されている。そのため、この場合には、中ストップスイッチ43の操作タイミングに関わらず、中リール32Mの上段に「リプレイ」図柄が停止するように停止制御が行われる。
右リール32Rにおける第18小役図柄は、「白貝」図柄及び「青年」図柄である。右リール32Rには、「白貝」図柄及び「青年」図柄同士の間隔が5図柄以上となるようにこれらの図柄が配置されている。つまり、右ストップスイッチ44の操作タイミングによって、第18小役図柄である「白貝」図柄又は「青年」図柄を上段に停止させることができる場合と、上段に停止させることができない場合と、がある。上段に停止させることが可能なタイミングで右ストップスイッチ44の操作が行われると第18小役入賞が成立し、上段に停止させることができないタイミングで右ストップスイッチ44の操作が行われると所謂取りこぼしとなる。
ここで、左リール32Lの中段に「赤貝」図柄が停止し、中リール32Mの上段に「リプレイ」図柄が停止する場合とは、上記のように中順押しベル1に当選して第18小役入賞が成立する可能性がある場合のほか、中順押しベル2に当選して第20小役入賞が成立する可能性がある場合もある。すなわち、中順押しベル2における第20小役図柄は、左リール32Lと中リール32Mとが第18小役図柄と共通している。そして、右リール32Rにおいて、第18小役図柄が「白貝」図柄及び「青年」図柄であるのに対して、第20小役図柄が「赤7」図柄及び「白7」図柄であり異なっている。特に、右リール32Rにおいて、第18小役図柄と第20小役図柄とは、第18小役図柄を有効ラインに停止させることが可能なタイミングで右ストップスイッチ44を操作すると第20小役図柄を有効ラインに停止させることができず、第20小役図柄を有効ラインに停止させることが可能なタイミングで右ストップスイッチ44を操作すると第18小役図柄を有効ラインに停止させることができないようにこれら各図柄が配置されている。そのため、中順押しベル1に当選しているのか中順押しベル2に当選しているのかがわからないことを前提とすると、左リール32Lと中リール32Mとを停止させて、第18小役入賞及び第20小役入賞の可能性がある停止態様となっていても、それを狙って入賞させることができない。
次に、中順押しベル1当選となり、各ストップスイッチ42~44が、中→左→右の順で操作された場合を例として説明する。かかる場合には、第3小役入賞を成立させるべく各リール32L,32M,32Rの停止制御を行う。
中リール32Mには、第3小役図柄である「リプレイ」図柄が、「リプレイ」図柄同士の間隔が4図柄以下となるようにして配置されている。そのため、中ストップスイッチ43が最初に操作された場合には、その操作タイミングに関わらず上段に「リプレイ」図柄が停止する。
左リール32Lには、第3小役図柄である「ベル」図柄が、「ベル」図柄同士の間隔が4図柄以下となるようにして配置されている。そのため、左ストップスイッチ42が2番目に操作された場合には、その操作タイミングに関わらず中段に「ベル」図柄が停止する。
右リール32Rには、第3小役図柄である「スイカ」図柄及び「赤貝」図柄が、これら図柄同士の間隔が4図柄以下となるようにして配置されている。そのため、右ストップスイッチ44が3番目に操作された場合には、その操作タイミングに関わらず上段に「スイカ」図柄又は「赤貝」図柄が停止する。上のとおり、中順押しベル1に当選となり、中ストップスイッチ43→左ストップスイッチ42→右ストップスイッチ44の順で操作された場合には、その操作タイミングに関わらず第3小役入賞が成立する。
上記のように、押し順ベルに当選となった場合には、予め定められた所定の操作順序でストップスイッチ42~44が操作された場合、その操作タイミングに関わらず第1小役入賞、第2小役入賞、第3小役入賞、第4小役入賞、第5小役入賞、又は第6小役入賞が成立し、他の操作順序でストップスイッチ42~44が操作された場合、その操作タイミングにより、他の小役入賞が成立するか、いずれの小役入賞も成立せずに取りこぼしとなる。ちなみに、共通ベルに当選となった場合には、操作順序及び操作タイミングに関わらず第1小役入賞、第2小役入賞、第3小役入賞、第4小役入賞、第5小役入賞、又は第6小役入賞が成立する。
リール制御処理の説明に戻り、ステップSe411にて全リール32L,32M,32Rが停止していると判定した場合には、ステップSe413にて、払出判定処理を行う。払出判定処理とは、当選図柄の組合せが有効ライン上に並んでいることを条件の1つとしてメダルの払出枚数を設定する処理である。払出判定処理では、各リール32L,32M,32Rの下段に停止した停止図柄の図柄番号から有効ライン上に形成された図柄の組合せを導出し、有効ライン上で入賞が成立しているか否かを判定する。入賞が成立している場合には、さらに入賞成立役が当選フラグ格納エリア106aにセットされている当選フラグと対応しているか否かを判定する。入賞成立役が当選フラグと対応している場合には、入賞成立役と、当該入賞成立役と対応する払出数と、をRAM106に設けられた払出情報格納エリアにセットする。一方、入賞成立役が当選フラグと対応していない場合には、スロットマシン10をエラー状態とするとともにエラーの発生を報知する異常発生時処理を行う。かかるエラー状態は、リセットスイッチ72が操作されるまで維持される。
払出判定処理を行った後は、ステップSe414にて、ボーナス状態処理を実行する。ボーナス状態処理については、後に詳細に説明する。ボーナス状態処理を実行した後は、ステップSe415にて、入賞結果対応処理を行う。入賞結果対応処理では、入賞結果に基づいて遊技状態を移行させる処理等を行う。当該入賞結果対応処理については、後に詳細に説明する。
入賞結果対応処理を行った後は、ステップSe416にて区間表示第2処理を実行する。区間表示第2処理は、指示モニタ68の表示制御に関する処理であり、かかる処理については後に詳細に説明する。その後、ステップSe417にて今回のゲームにおける入賞成立役を表示制御装置81に把握させるべく入賞結果コマンドをセットし、リール制御処理を終了する。
次に、ステップSe212のメダル払出処理について、概略を説明する。
メダル払出処理では、払出情報格納エリアにセットされた払出数が0か否かを判定する。払出数が0の場合、先の払出判定処理にて小役入賞が成立していないと判定したことを意味する。かかる場合には、払出判定処理にてセットした入賞成立役に基づいて、第1再遊技入賞~第12再遊技入賞のいずれかが成立したか否かを判定する。いずれの再遊技入賞も成立していない場合にはそのままメダル払出処理を終了し、いずれかの再遊技入賞が成立している場合には、遊技モードを再遊技モードとする再遊技設定処理を行い、メダル払出処理を終了する。なお、先に説明した開始待ち処理(ステップSe204)では、現在の遊技モードが再遊技モードであると判定した場合に自動投入処理を行っている。
一方、払出情報格納エリアにセットされた払出数が0でない場合には、当該払出数と同数のメダルを払い出し、メダル払出処理を終了する。メダルの払い出しについて具体的には、クレジットカウンタのカウント値が上限(貯留されているメダル数が50枚)に達していない場合、クレジットカウンタのカウント値に払出数を加算するとともに加算後の値をクレジット表示部60に表示させる。また、クレジットカウンタのカウント値が上限に達している場合、又は払出数の加算途中でカウント値が上限に達した場合には、メダル払出用回転板を駆動し、メダルをホッパ装置51からメダル排出口49を介してメダル受け皿50へ払い出す。なお、メダル払出処理では、メダルの払い出しにあわせて払出枚数表示部62に表示される払出数を変更する処理も行っている。また、現在の遊技状態がBB状態である場合には、後述する残払出数カウンタの値から払出数を減算するとともに、残払出枚数表示部61に表示される残払出数を減算する処理を行う。
次に、ステップSe414のボーナス状態処理を、図359のフローチャートに基づいて説明する。
先ずステップSe501では、現在の遊技状態がボーナス状態か否か、すなわち現在の遊技状態が第1BB状態又は第2BB状態であるか否かを判定する。これら第1BB状態や第2BB状態であるか否かは、第1BB状態又は第2BB状態へ移行する際にRAM106の各種フラグ格納エリア106dにセットされる第1BB状態フラグや第2BB状態フラグの有無により判別可能である。すなわち、ステップSe501では、第1BB状態フラグ及び第2BB状態フラグのいずれもがセットされていない場合には、第1BB状態及び第2BB状態ではないと判定してステップSe502に進む。
ステップSe502では、第1BB当選フラグ又は第2BB当選フラグがセットされており、いずれかのBBに当選している状態であるか否かを判定する。いずれのBB当選フラグもセットされていない場合は、そのままボーナス状態処理を終了する。いずれかのBB当選フラグがセットされている場合には、ステップSe503に進む。
ステップSe503では、RAM106の各種カウンタエリア106eに設けられたMAXベットカウンタに3を入力する処理を行う。MAXベットカウンタは、第1クレジット投入スイッチ56が操作された場合に仮想メダルの投入を行う特定枚数を設定するためのものである。すなわち、MAXベットカウンタに3が入力されている状況で第1クレジット投入スイッチ56が操作されると、3枚の仮想メダルの投入が行われる。この場合、MAXベットカウンタはゲームの規定枚数を設定するものではないため、ゲームの規定枚数として2枚又は3枚が設定されている状況においては、第2クレジット投入スイッチ57の操作を行うことで2ベットゲームを行うことは許容されている。なお、ステップSe503にて既にMAXベットカウンタに3が入力されている場合には、その状態を維持する。
なお、MAXベットカウンタの初期値は2であり、リセットスイッチ72が操作されてRAMクリアが行われると、当該MAXベットカウンタには2が入力されてスロットマシン10が起動する。
続くステップSe504では、第1BB入賞又は第2BB入賞が成立したか否かを判定する。いずれかのBB入賞も成立していない場合には、そのままボーナス状態処理を終了する。いずれかのBB入賞が成立している場合には、ステップSe505に進み、第1BB入賞が成立したか否かを判定する。
第1BB入賞が成立している場合には、ステップSe506にて、各種カウンタエリア106eに設けられたBBカウンタに「15」を入力する処理を実行する。BBカウンタは、各BB状態における上限払出数を規定するためのカウンタである。すなわち、ステップSe506にてBBカウンタに「15」が入力されることにより、15枚以上のメダルが払い出されることにより第1BB状態が終了するように設定される。ステップSe507では、第1BB当選フラグをクリアする。そして、ステップSe508では、第1BB状態フラグを各種フラグ格納エリア106dにセットする。これにより、次ゲームからはステップSe501にて肯定判定することになる。続くステップSe509では、第1BB開始コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行する。第1BB開始コマンドは、第1BB状態が開始されることを表示制御装置81へ把握させるためのコマンドであり、かかる第1BB開始コマンドを受信した表示制御装置81では、第1BB状態が開始されることに対応する第1BB開始演出が行われるようにスピーカ64や補助表示部65等を制御する。また、表示制御装置81では、第1BB開始コマンドを受信することにより、次ゲームからが第1BB状態であることが把握可能となり、次ゲームから第1BB状態用の演出が行われるようにスピーカ64や補助表示部65等を制御する。
ステップSe509にて第1BB開始コマンドの出力設定を行った後は、ステップSe510にて規定ベット数を3に設定する処理を実行してから、本ボーナス状態処理を終了する。規定ベット数とは、上記のゲームの規定枚数に相当する。すなわち、第1BB状態に移行することでゲームの規定枚数が3枚に設定され、3ベットゲームにて第1BB状態が行われる。
なお、規定ベット数の初期値は2及び3であり、リセットスイッチ72が操作されてRAMクリアが行われると、当該規定ベット数は2と3が設定されてスロットマシン10が起動する。
ステップSe505にて第1BB入賞が成立していないと判定する場合とは、第2BB入賞が成立している場合である。この場合、ステップSe511に進み、上記のBBカウンタに「15」を入力する処理を実行する。すなわち、15枚以上のメダルが払い出されることにより第2BB状態が終了するように設定される。そして、ステップSe512にて第2BB当選フラグをクリアする処理を実行し、ステップSe513にて第2BB状態フラグをセットする処理を実行する。その後、ステップSe514にて第2BB開始コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行する。第2BB開始コマンドは、第1BB開始コマンドに対応するものであり、第2BB状態が開始されることを表示制御装置81へ把握させるためのコマンドである。第2BB開始コマンドを受信した表示制御装置81では、第2BB状態が開始されることに対応する第2BB開始演出が行われるようにスピーカ64や補助表示部65等を制御し、次ゲームからは第2BB状態用の演出が行われるようにスピーカ64や補助表示部65等を制御する。なお、第1BB開始演出と第2BB開始演出とは、見た目や内容が、遊技者が識別可能な程度に異なっている。また、第1BB状態用の演出と第2BB状態用の演出とも、見た目や内容が、遊技者が識別可能な程度に異なっている。
ステップSe514にて第2BB開始コマンドの出力設定を行った後は、ステップSe510にて規定ベット数を3に設定する処理を実行してから、本ボーナス状態処理を終了する。すなわち、第1BB状態だけでなく、第2BB状態においてもゲームの規定枚数が3枚に設定され、3ベットゲームにて第2BB状態が行われる。
ステップSe501にて肯定判定し、第1BB状態又は第2BB状態である場合、ステップSe515に進み、第1BB状態や第2BB状態中の処理を行う。図360は、BB状態用抽選テーブルの一例を示している。なお、本実施形態では、第1BB状態と第2BB状態とで共通の抽選テーブルを用いる構成としているが、それぞれ別々の抽選テーブルを設け、当選し得る役の種類や各役の当選確率を異ならせてもよい。本実施形態では、図360に示すように、第1BB状態や第2BB状態において、通常リプAと、共通ベルと、重複1枚役とに当選し得るように設定されている。通常リプA当選となる確率(IV=1の際に当選となる確率)は約61.2分の1であり、共通ベル当選となる確率(IV=10の際に当選となる確率)は約5.96分の1であり、重複1枚役当選となる確率(IV=24の際に当選となる確率)は約1.31分の1である。また、第1BB状態や第2BB状態において、いずれの役にも当選しない外れ結果となる確率は、約10.14分の1である。この場合、1ゲーム当たりで約0.00枚のメダル増加が期待でき(純増枚数プラスマイナス約0.00枚)、第1BB状態や第2BB状態ではメダルの増減が生じない。言い換えると、第1BB状態や第2BB状態ではメダル増加を見込めないもののメダルを減らすことなくゲームを進行することが可能となる。
ここで、3ベットゲームにおける通常遊技状態と、3ベットゲームにて移行し得る第1BB状態とにおいて、メダル増加のメインはいずれも13枚払出が発生する第1小役入賞~第6小役入賞により生じるものであり、その役としては、通常遊技状態では押し順ベルであり、第1BB状態においては共通ベルである。これらメイン小役の入賞率を比較すると、通常遊技状態においては、一定の操作順序でストップスイッチ42~44が操作されていることを想定すると、約9.19分の1の確率で入賞するのに対して、第1BB状態においては約5.96分の1の確率で入賞し、3ベットゲームでは、第1BB状態のほうが通常遊技状態よりも入賞が発生し易くなるように設定されている。また、2ベットゲームにおける通常遊技状態と、2ベットゲームにて移行し得る第2BB状態とにおいて、メダル増加のメインはいずれも共通ベルであり、通常遊技状態では約9.64分の1の確率で入賞するのに対して、第2BB状態においては約5.96分の1の確率で入賞し、2ベットゲームにおいても、第2BB状態のほうが通常遊技状態よりも入賞が発生し易くなるように設定されている。
但し、上記のとおり、第1BB状態や第2BB状態を消化しても持ちメダルの増加は期待できない。
ボーナス状態処理において、ステップSe515では、上記のBB状態用抽選テーブルによる抽選処理や各リール制御の結果として、今回のゲームでいずれかの小役入賞が成立したか否かを判定する。入賞が成立していない場合には、そのままボーナス状態処理を終了する。入賞が成立している場合には、ステップSe516にて入賞に対応する払出数を上記各種カウンタエリア106eのBBカウンタから減算する処理を実行する。そして、ステップSe517にて、ステップSe516の減算処理の結果としてBBカウンタが0以下となったか否かを判定する。例えば、共通ベル当選となり、第1小役入賞~第6小役入賞が成立すると13枚の払出が発生することから、ステップSe516ではBBカウンタから13を減算する。
ステップSe517にて0以下ではないと判定した場合は、そのままボーナス状態処理を終了する。一方、0以下であると判定した場合、ステップSe518にて、現状のBB状態に対応するBB状態フラグをクリアする処理を行う。すなわち、第1BB状態であれば第1BB状態フラグをクリアし、第2BB状態であれば第2BB状態フラグをクリアする。そして、ステップSe519にてMAXベットカウンタに2を入力する処理を実行し、ステップSe520にて今回終了するBB状態に対応するBB終了コマンドを表示制御装置81への出力対象として設定する。より詳しくは、第1BB状態を終了する場合には第1BB終了コマンドを出力設定し、第2BB状態を終了する場合には第2BB終了コマンドを出力設定する。第1BB終了コマンド又は第2BB終了コマンドを受信した表示制御装置81は、第1BB終了用の演出や第2BB終了用の演出が行われるようにスピーカ64や補助表示部65を制御する。
その後、ステップSe521にて、規定ベット数を2と3に設定してから、本ボーナス状態処理を終了する。この場合、第1BB状態や第2BB状態の終了後の通常遊技状態においては、2ベットゲームと3ベットゲームとが可能となる。これに対して、上記のとおりステップSe519にてMAXベットカウンタに2が入力されることから、第1クレジット投入スイッチ56の操作を行うと、2枚の仮想メダルの投入が行われ、2ベットゲームにてゲームが行われるようになる。つまり、第1BB当選フラグや第2BB当選フラグのいずれもがセットされていない状況においては、2ベットゲームにてゲームが行われ易くなるように設定されている。ちなみに、第1BB状態や第2BB状態の終了後においては、MAXベットカウンタに2が入力されることから第1クレジット投入スイッチ56や第2クレジット投入スイッチ57の操作では3枚ベットができず、3ベットゲームを行うためにはメダル投入口45からメダルを3枚投入する必要がある。
ここで、本スロットマシン10において、2ベットゲームと3ベットゲームとを利用した遊技性について、図361を参照しながら簡単に説明する。
第1BB当選フラグや第2BB当選フラグがセットされておらず、いずれのBBにも当選してない通常遊技状態は、所謂非内部状態と称される状態である。この場合、上記のとおり、規定ベット数(ゲームの規定枚数)は2枚と3枚が設定されており、2ベットゲームと3ベットゲームとが可能である。但し、MAXベットカウンタは上記のとおり2が入力され、第1クレジット投入スイッチ56を操作して遊技を開始する場合には2ベットゲームとなる。
非内部状態において、3ベットゲームでは第1BBには当選し得る一方、第2BBには当選せず、2ベットゲームでは第2BBには当選し得る一方、第1BBには当選しない。上記のように第1クレジット投入スイッチ56を操作する遊技においては、基本的には2ベットゲームにおいて第2BBの当選が生じ得る。
第1BBや第2BBに当選し、その当選ゲームにおいて入賞が成立しなかった場合には、第1BB当選や第2BB当選を持ち越した内部状態(持ち越し状態)となる。内部状態においても、上記のとおり、規定ベット数(ゲームの規定枚数)は2枚と3枚が設定されており、2ベットゲームと3ベットゲームとが可能である。但し、MAXベットカウンタは上記のとおり3が入力され、第1クレジット投入スイッチ56を操作して遊技を開始する場合には3ベットゲームとなる。
既に説明した通り、本スロットマシン10では、第1BBに当選している内部状態においては、3ベットゲームでは第1BB入賞が成立し得る一方、2ベットゲームでは第1BB入賞が成立しないように各リール32L,32M,32Rの停止制御が行われる。また、第2BBに当選している内部状態においては、3ベットゲームでは第2BB入賞が成立しない一方、2ベットゲームでは第2BB入賞が成立し得るように各リール32L,32M,32Rの停止制御が行われる。つまり、3ベットゲームにおいて第1BBに当選した場合に、そのまま3ベットゲームを継続すれば第1BB入賞を成立させることができるものの、第1BBに当選後、2ベットゲームに切り替えると、当該第1BB入賞を成立させることができない。また、2ベットゲームにおいて第2BBに当選した場合に、そのまま2ベットゲームを継続すれば第2BB入賞を成立させることができるものの、第2BBに当選後、3ベットゲームに切り替えると、当該第2BB入賞を成立させることができない。そして、第1BBや第2BBは重複して当選することはなく、第1BB当選を持ち越している状況で再度第1BBに当選することはないし、第2BBに重複して当選することもない。また、第2BB当選を持ち越している状況で再度第2BBに当選することはないし、第1BBに重複して当選することもない。つまり、第1BBに当選した場合に2ベットゲームで遊技を行うと、第1BB当選を持ち越している内部状態での遊技が延々と継続し、第2BBに当選した場合に3ベットゲームで遊技を行うと、第2BB当選を持ち越している内部状態での遊技が延々と継続することになる。
ここで、上記のように第1BB入賞が3ベットゲームにおいてのみ成立するようにし、第2BB入賞が2ベットゲームにおいてのみ成立するようにしていることから、第2BB当選を持ち越している状況での3ベットゲームでいずれの役にも当選しない外れ結果となった場合であっても第2BB入賞が成立することはないし、第1BB当選を持ち越している状況での2ベットゲームで外れ結果となった場合であっても第1BB入賞が成立することはない。このようにすることで、第1BB当選や第2BB当選を持ち越している内部状態における役構成や各リール32L,32M,32Rの制御を劇的に簡素化することが可能となる。仮に、3ベットゲームにおいて第2BB入賞が成立し得る構成であったり、2ベットゲームにおいて第1BB入賞が成立し得る構成であったりすると、その第1BB当選や第2BB当選を持ち越している内部状態を継続させようとする場合、外れ結果とならないような抽選テーブルとする必要が生じるし、例えば取りこぼしが生じ得る役において、その取りこぼし時に別の役に入賞させる必要が生じるからである。
また、第1BB状態や第2BB状態においては、メダル増加のメインとなる役はいずれも共通ベルである。また、非内部状態や内部状態において、2ベットゲームでのメダル増加のメインとなる役は共通ベルであるのに対して、3ベットゲームでのメダル増加のメインとなる役は押し順ベルである。共通ベルについては、各ストップスイッチ42~44の操作順序や操作タイミングに関わらず第1小役~第6小役のいずれかの入賞が成立するものであるのに対して、押し順ベルについては、各ストップスイッチ42~44の操作順序や操作タイミングによって入賞する小役が異なる。つまり、第1BB状態や第2BB状態よりも、3ベットゲームでの非内部状態や内部状態の方が、押し順ベル当選時の操作順序や操作タイミング(主に操作順序)によるメダル増減の振れ幅は大きい。そして、例えば、押し順ベル当選時に第1小役入賞~第6小役入賞となる操作順序(図358)の報知等を行うことで、入賞をアシストするATモード(アシストタイムモード、ナビモード)と行わない非ATモード(非ナビモード)とを切り替えることで、その報知(アシスト)の有無によってメダルが増加する状態とメダルが減少する状態とを創出することも可能となる。
第1クレジット投入スイッチ56を操作する遊技の基本的な流れとしては、先ず、非内部状態において、2ベットゲームにて遊技が行われ、その2ベットゲームにて第2BBに当選する。第2BBに当選すると、内部状態となり、3ベットゲームに切り替わり、上記当選した第2BB入賞を成立させることができない状態のまま遊技が進行する。この場合、上記のように、第2BB当選を持ち越した3ベットゲームにおいては、第1BBに当選となることもないし第2BB入賞となることもなく、第2BB当選が持ち越される内部状態での遊技が継続されることになる。
以下、第2BB当選を持ち越した状態での遊技を前提とし、その遊技(以下の説明では、通常遊技とも称する)での押し順ベル当選時の報知(押し順報知)等を利用した遊技性を説明する。
<抽選結果対応処理>
先ず、図362のフローチャートを参照しながら、ステップSe310にて実施される抽選結果対応処理について説明する。抽選結果対応処理は、各ゲームの抽選処理が行われた後に実施される処理であり、ゲームの抽選結果に基づいて押し順報知が発生するATモードへの移行抽選等を行う処理である。
先ず、ステップSe601~ステップSe603では、今回開始するゲームのベット数を把握する処理を実行する。すなわち、ステップSe601では、第1BB状態フラグ及び第2BB状態フラグのいずれかのフラグがセットされているか否かを把握して、今回開始するゲームがいずれかのBB状態であるか否かの判定を行う。BB状態ではない場合には、ステップSe602にてベット数が3であるか否かを判定する。また、BB状態である場合には、ステップSe603にてベット数が2であるか否かを判定する。既に説明した通り、第1BBや第2BBの当選前の非内部状態や、第1BBや第2BB当選後の内部状態においては規定ベット数として2と3が設定されており、第1BB状態や第2BB状態においては規定ベット数として3が設定されている。ステップSe602やステップSe603の処理は、今回のゲームのベット数が、遊技状態に対応付けられて規定(設定)されている一の特定規定数(特定設定数)であるか否かを判定する処理であり、当該特定規定数はない場合には、ステップSe604以降の表示モード用の処理(指示機能用の処理)を行うことなく抽選結果対応処理を終了する。
すなわち、非内部状態や内部状態においては、3ベットゲームでは表示モード用の処理は実行される一方、2ベットゲームでは表示モード用の処理は実行されない。また、第1BB状態や第2BB状態においては、規定ベット数として3が設定されていることから、2ベットゲームは実行されず、第1BB状態や第2BB状態では表示モード用の処理は実行されない。
つまり、本実施形態では、仮に内部状態が2ベットゲームにて遊技された場合、ステップSe604以降のATモードへの移行抽選等が行われずに遊技者にとって不利となる構成としている。このようにすることで、内部状態を3ベットゲームにて遊技させ、第2BBを持ち越す通常遊技を行わせ易くすることができる。
ステップSe602又はステップSe603にて肯定判定した場合、ステップSe604にて、各種フラグ格納エリア106dに有利区間フラグがセットされているか否かを判定する。本スロットマシン10では、押し順報知等の発生の有無について、当該押し順報知等が発生し得る有利区間と、発生し得ない通常区間とが設定されている。有利区間フラグは、今回のゲームが有利区間であることをCPU102が把握するためのフラグであり、有利区間へ移行することに基づいてセットされ、通常区間に移行することに基づいてクリアされる。
有利区間フラグがセットされていない場合、今回のゲームが通常区間であることを意味し、この場合、ステップSe605にて有利区間移行抽選処理を実行してから、抽選結果対応処理を終了する。
有利区間移行抽選処理では、図363のフローチャートに示すように、ステップSe701にて今回のゲームの抽選結果を把握する。そしてステップSe702にて、ROM105の各種テーブル記憶エリア105aから有利区間移行抽選テーブルを取得する。有利区間移行抽選テーブルは、図364(a)に示すように、各ゲームの抽選結果に応じて、有利区間への移行率(有利区間移行抽選の当選確率)が設定されている。有利区間への移行抽選の契機役としては、図364(a)にも示すように、通常リプA、通常リプB、通常リプC、チャンス目A、チャンス目B、チャンス目C、チェリーA、チェリーB、チェリーC、共通ベル、押し順ベル、スイカが設定されている。すなわち、第2BBを持ち越している3ベットゲームとしての通常遊技において、当選し得る全ての結果が有利区間への移行抽選の契機役として設定されている。
ステップSe702にて抽選テーブルを取得した後は、ステップSe703にて有利区間移行抽選用の乱数を取得する処理を実行する。有利区間移行抽選用の乱数は、各種カウンタエリア106eの専用のカウンタが用いられ、当該専用のカウンタは所定周期で更新され、ステップSe703ではそのカウンタのうち最新の更新値を取得する。そして、ステップSe704にて有利区間移行抽選を実行し、ステップSe705にて、移行抽選に当選したか否かを判定する。ちなみに、本実施形態では、いずれの契機役であっても100%の確率で有利区間移行抽選に当選するように抽選テーブルが設定されている。この場合、ステップSe701にて把握したゲームの結果が、移行抽選の契機役である(外れ結果ではない)と判定した場合、ステップSe702~ステップSe705の処理を省略することも可能である。
ステップSe705にて移行抽選に当選していると判定した場合、ステップSe706にて、各種フラグ格納エリア106dに有利区間当選ゲームフラグをセットする処理を実行する。有利区間当選ゲームフラグは、今回のゲームで有利区間への移行抽選に当選したゲームであることをCPU102が把握するためのフラグである。ステップSe705にて否定判定した場合、又はステップSe706の処理を実行した後は、有利区間移行抽選処理を終了する。
抽選結果対応処理の説明に戻り、ステップSe604にて有利区間フラグがセットされていると判定した場合、ステップSe606に進む。ステップSe606では、各種フラグ格納エリア106dにATモード当選フラグ及びATモードフラグのいずれかがセットされているか否かを判定する。ATモードフラグは、ATモードであることをCPU102が把握するためのフラグであって、ATモードへの移行が可能となる場合にセットされるフラグである。また、ATモード当選フラグは、ATモード移行抽選にて当選し、ATモードへの移行が確定している状況であって、且つATモード移行前の状況であることをCPU102が把握するためのフラグである。ステップSe606にていずれのフラグもセットされていない場合には、ステップSe607にてAT抽選用処理を実行する。一方、ステップSe606にていずれかのフラグがセットされている場合、ステップSe608にて継続判定処理を実行し、ステップSe609にてAT上乗せ用処理を実行する。
<AT抽選用処理>
先ず、ステップSe607のAT抽選用処理について図365のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップSe801では、各種カウンタエリア106eに設けられた天井カウンタを1減算する処理を実行する。天井カウンタは、有利区間移行後のゲーム数が天井ゲーム数に至った場合、ATモード移行抽選の当否に関わらず(当選することなく)ATモードへの移行を生じさせるためのカウンタであり、当該天井ゲーム数までの残りゲーム数をCPU102が把握するためのカウンタである。天井ゲーム数は有利区間移行時に設定される。ちなみに、上記のように、AT抽選用処理はベット数が遊技状態に応じた特定規定数である場合に実行されることからして、天井カウンタはベット数が遊技状態に応じた特定規定数であるゲームにて減算され、例えば、2ベットゲームでは減算されない。
ステップSe801にて天井カウンタの減算処理を実行した後は、ステップSe802にて天井カウンタが0に至ったか否かを判定する。0に至っていない場合には、ステップSe803~ステップSe808にてATモード移行抽選用の処理を実行する。
すなわち、ステップSe803にて、今回のゲームの抽選結果を把握する処理を実行する。そして、ステップSe804では、各種フラグ格納エリア106dにCZモードフラグがセットされているか否かを判定する。本実施形態では、ATモード移行抽選の当選確率が異なる表示モードとして、通常モードと、当該通常モードよりもATモード移行抽選に当選し易いCZモードとが設定されており、CZモードフラグはCZモードであることをCPUが把握するためのフラグである。
ステップSe804にてCZモードフラグがセットされていない場合には、ステップSe805にて、各種テーブル記憶エリア105aから通常用ATモード移行抽選テーブルを取得する処理を実行する。一方、ステップSe804にてCZモードフラグがセットされている場合には、ステップSe806にて、CZ用ATモード移行抽選テーブルを取得する処理を実行する。
これら通常用ATモード移行抽選テーブルとCZ用ATモード移行抽選テーブルとは、図364(a)に示すように、ゲームの抽選結果に応じてATモード移行抽選の当選確率がそれぞれ設定されており、例えば、チャンス目Aを契機とするATモード移行抽選であれば、通常用では1%の確率でATモード移行当選となり、CZ用であれば3%の確率でATモード移行当選となる、といったように、通常用ATモード移行抽選テーブルよりもCZ用ATモード移行抽選テーブルの方がATモード移行抽選に当選し易くなるように設定されている。また、通常リプA、通常リプB及び通常リプCについては、通常用ではATモード移行当選とならない一方、CZ用ではATモード移行当選となり得るように設定されている。
ステップSe805又はステップSe806にてATモード移行抽選テーブルを取得した後は、当該取得した移行抽選テーブルと、ステップSe803にて把握したゲームの抽選結果とを用いて、ステップSe807にてATモード移行抽選処理を実行する。そして、ステップSe808にてATモード移行当選であったか否かを判定する。
ステップSe808にてATモード移行当選であると判定した場合と、ステップSe802にて天井カウンタが0であると判定した場合、ステップSe809~ステップSe812のATモード当選用の処理を実行する。また、ステップSe808にてATモード移行当選ではないと判定した場合は、ステップSe813~ステップSe816にてATモード非当選用の処理を実行する。
ATモード当選用の処理において、ステップSe809では、CZモードフラグがセットされているか否かを判定し、CZモード中のATモード移行当選であるか否かを確認する。CZモード中の当選である場合、ステップSe810及びステップSe811にてCZモードを終了させるための処理を行う。すなわち、ステップSe810では、CZモードフラグをクリアする処理を実行する。そして、ステップSe811にて各種カウンタエリア106eに設けられたCZゲームカウンタを0にクリアする処理を実行する。CZゲームカウンタはCZモードの残りゲーム数をCPU102が把握するためのカウンタであり、CZモードへ移行する場合にCZモードの継続ゲーム数(10ゲーム)に相当する値(10)が入力され、ゲームを消化する度に1ずつ減算されるカウンタである。
ステップSe809にてCZモードフラグがセットされていない場合、又はステップSe811の処理を実行した後は、ステップSe812にて各種フラグ格納エリア106dにATモード当選フラグをセットする処理を実行する。かかる処理により、次ゲームからステップSe606にて肯定判定することとなる。
ATモード非当選用の処理では、ステップSe813にてCZモードフラグがセットされているか否かを判定する。CZモードフラグがセットされている場合には、そのままAT抽選用処理を終了する。CZモードフラグがセットされていない場合、ステップSe814にて、CZモード移行抽選処理を実行する。CZモード移行抽選処理では、各種テーブル記憶エリア105aからCZモード移行抽選テーブルを取得して、ステップSe803にて把握したゲームの抽選結果を利用してCZモードへ移行させるか否かを抽選により決定する。CZモード移行抽選テーブルは、図364(a)に示すように、ゲームの抽選結果に応じてCZモード移行抽選の当選確率が異なるように設定されており、より具体的には、ATモード移行抽選に当選し易いゲームの抽選結果ほど、CZモード移行抽選に当選し易くなるように設定されている。すなわち、ATモード移行抽選に当選し易いゲームの抽選結果であったのにもかかわらず、ATモード移行抽選に非当選であった場合、CZモードへは移行し易くなるように設定されている。
ステップSe814にてCZモード移行抽選処理を実行した後は、ステップSe815にてCZモード移行当選であったか否かを判定し、移行当選ではない場合には、そのままAT抽選用処理を終了する。CZモード移行当選である場合、ステップSe816にて、各種フラグ格納エリア106dにCZモード当選フラグをセットする処理を実行する。
ステップSe812又はステップSe816にていずれかの当選フラグをセットした後は、ステップSe817~ステップSe820にて前兆モードの設定処理を行う。前兆モードとは、ATモード移行抽選やCZモード移行抽選に当選していることを示唆する前兆演出を行うモードであり、本実施形態では、これらの移行抽選に当選した場合、0ゲーム~32ゲームの前兆モードを経てから当選している移行抽選の報知が行われる。
ステップSe817では、前兆ゲームの抽選処理を実行する。前兆ゲーム数の抽選処理では、当選している移行抽選の種類、当選契機となったゲームの抽選結果等によって前兆ゲーム数を抽選する。例えば、ATモード移行抽選に当選している場合の方がCZモード移行抽選に当選している場合よりも長い前兆ゲーム数が選択され易くなっていたり、チェリーAにて移行抽選に当選した場合の方がチェリーCにて移行抽選に当選した場合よりも長い前兆ゲーム数が選択され易くなっている。
なお、本実施形態では、CZモード中にATモード移行抽選に当選した場合、ステップSe817では前兆ゲーム数を0となるように設定する。上記のようにCZモード中にATモード移行抽選に当選すると、CZモードの残りゲーム数に関わらずCZモードが終了するようにしているため、当該CZモードの終了を通じてATモード移行抽選に当選したことを遊技者は把握可能である。そこで、CZモード中にATモード移行抽選に当選した場合には前兆モードを0ゲームとすることで、ATモード移行抽選に当選したことを把握しているのにもかかわらず、その移行抽選に当選したことの示唆報知が前兆モードとして行われることによる違和感を低減することができる。
続くステップSe818では、ステップSe817の抽選結果を各種カウンタエリア106eに設けられた前兆カウンタに入力する処理を実行する。前兆カウンタは、前兆ゲームの残りゲーム数をCPU102が把握するためのカウンタであり、前兆モード中のゲームを消化する度に1ずつ減算されるカウンタである。
そして、ステップSe819にて各種フラグ格納エリア106dに前兆フラグをセットする処理を実行し、ステップSe820にて前兆コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本AT抽選用処理を終了する。前兆フラグは前兆モード中であることをCPU102が把握するためのフラグであり、前兆コマンドは前兆モードに設定されたこと、及びその前兆モードのゲーム数やいずれの移行抽選に当選しているかを表示制御装置81へ把握させるためのコマンドである。前兆コマンドを受信した表示制御装置81は、前兆モードのゲーム数や当選している移行抽選の種類を把握し、前兆モード中の演出を補助表示部65やスピーカ64にて実行するための処理を行う。
<継続判定処理>
次に、ステップSe608にて実行される継続判定処理について、図366のフローチャートを参照しながら説明する。既に説明した通り、継続判定処理は、ATモード当選フラグやATモードフラグがセットされている状況で実行される処理である。
ここで、本実施形態におけるATモードは、予め定められた所定数(例えば18)のゲームを1セット(単位継続数、単位状態)とし、例えば、1セットのATモードを更新する場合(セットを開始する場合又はセットを終了する場合)に次のセットの継続抽選を行い、当該継続抽選に当選している場合には当該セットの終了後、次のセットへ移行し、当該継続抽選に非当選である場合には次のセットへ移行せずにATモードが終了する構成としている。そして、ステップSe608の継続判定処理では、セットの更新に際して上記の継続抽選を行うための処理である。
ステップSe901では、各種カウンタエリア106eに設けられたATゲームカウンタが18であるか否かを判定する。ATゲームカウンタは、1セットの残りゲーム数をCPU102が把握するためのカウンタであり、セットの更新に際して18が入力されるカウンタである。すなわち、ステップSe901では、今回開始するゲームがATモードの1セットの開始ゲームであるか否かを判定する。開始ゲームではない場合には、そのまま本継続判定処理を終了する。開始ゲームである場合には、ステップSe902に進む。
ステップSe902では、各種カウンタエリア106eに設けられたATセットカウンタが0であるか否かを判定する。ATセットカウンタは、上記の継続抽選に非当選であっても又は継続抽選を行うことなく次のセットへ継続させることを可能とするセット数をCPU102が把握するためのカウンタであり、継続条件が成立している状況で上乗せ当選した場合に1が加算され、継続抽選に非当選である場合や継続抽選を行うことなく次のセットへ継続させた場合に1減算されるカウンタである。ATセットカウンタが0である場合、ステップSe903にて今回のATモードにて選択されている継続抽選の当選確率を把握する。
ここで、本実施形態では、上記の継続抽選の当選確率(以下、「継続率」とも称する)として、複数の継続率が設定されており、具体的には、図376に示すように最も継続率の高い90%と、それよりも継続率が低い60%及び10%が設定されている。当該継続率は、ATモードへの移行に際して設定される(後述のステップSe1211における継続率設定処理)。ステップSe903では、当該継続率設定処理にて設定されている情報を読み出し、今回のATモードの継続率を把握する。
ステップSe903にて継続率を把握した後は、ステップSe904にて継続抽選処理を実行する。すなわち、90%の継続率が選択されている場合には、ステップSe904の処理では90%の確率で継続当選し、10%の継続率が選択されている場合には、ステップSe904の処理では10%の確率で継続当選する。
ステップSe905では、ステップSe904の処理結果が継続当選であったか否かを判定し、継続当選であった場合には、ステップSe906にて各種フラグ格納エリア106dに継続フラグをセットする処理を実行する。継続フラグは、今回のセットの継続条件(次のセットへ移行する条件)が成立していることをCPU102が把握するためのフラグである。そして、ステップSe907にて継続コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、継続判定処理を終了する。
また、ステップSe902にてATセットカウンタが0ではないと判定した場合、ステップSe908にてATセットカウンタを1減算する処理を実行してから、ステップSe906に進み、継続フラグのセット、及び継続コマンドのセットを行ってから、継続判定処理を終了する。すなわち、本実施形態では、ATセットカウンタが0ではない場合、継続抽選を経ることなく、セットの継続条件が成立する構成としている。なお、ATセットカウンタの値に関わらず継続抽選を実行し、継続非当選である場合にATセットカウンタが1以上であれば継続条件が成立する構成としてもよい。
上記のように、本実施形態では、ATモードの1セットの開始時(スタートレバー41の操作時)に、今回開始するセットの次のセットまでATモードが継続するか否かの継続条件の成否判定が行われ、継続条件が成立していると判定した場合には、継続フラグがセットされ、その情報が表示制御装置81へ出力される。この場合、表示制御装置81では、継続条件が成立していることを前提とした演出を今回のセットの演出として行うようにするための処理を行う。
これに対して、ステップSe905にて継続当選ではないと判定した場合には、そのまま継続判定処理を終了する。この場合、ATモードの1セットの開始時には継続条件は成立しておらず、セットの開始に際して継続コマンドの出力も行われない。表示制御装置81では、セットの開始に際して継続コマンドを受信しないことを通じて継続条件が成立していないことを把握し、継続条件が成立していないことを前提とした演出を今回のセットの演出として行うようにするための処理を行う。
<AT上乗せ用処理>
次に、ステップSe609にて実行されるAT上乗せ用処理について、図367のフローチャートを参照しながら説明する。AT上乗せ用処理では、上記の継続抽選とは別途、ATモードのセット数を上乗せすることの上乗せ抽選を行い、当該上乗せ抽選にて当選した場合には、次のセットの継続抽選の結果に関わらず次のセットまで継続するようにする。
先ずステップSe1001にて、今回のゲームの抽選結果を把握する。そして、ステップSe1002にて、各種テーブル記憶エリア105aから上乗せ抽選テーブルを取得する処理を実行する。
上乗せ抽選テーブルは、図364(a)に示すように、ゲームの抽選結果に応じて、上乗せ当選率が設定されており、各ゲームの抽選処理にて当選し易い通常リプA~通常リプCや、押し順ベルといった通常役のうち押し順ベルでは上乗せ当選しない一方、各ゲームの抽選処理にて当選しにくいチャンス目A~チャンス目C、チェリーA~チェリーC、共通ベル、スイカ、といった特定役では上乗せ当選し得るように設定されている。そして、特定役のうち、例えば、チャンス目Aよりもチャンス目Cの方が上乗せ当選し易く、チェリーAよりもチェリーCの方が上乗せ当選し易い、といったように、各ゲームの抽選処理にて当選しにくい抽選結果ほど、上乗せ抽選に当選し易くなるように設定されている。また、通常役のうち通常リプA~通常リプCの上乗せ当選率は、特定役の上乗せ当選率よりも低く設定されている。なお、各ゲームの抽選結果が通常役のうちの押し順ベルである場合には上乗せ当選しない構成を、各ゲームの抽選結果が通常役のうちの押し順ベルである場合には上乗せ抽選を行わない構成としてもよい。また、各ゲームの抽選結果が通常役のうちの押し順ベルである場合にも上乗せ当選し得る構成とし、当該通常役のうちの押し順ベルでの上乗せ当選の確率を特定役の場合の上乗せ当選の確率よりも低くなるようにしてもよい。この場合、通常役のうちの通常リプA~通常リプCの上乗せ当選率よりも押し順ベルの上乗せ当選率のほうが高くなるように設定してもよいし、通常役のうちの通常リプA~通常リプCの上乗せ当選率よりも押し順ベルの上乗せ当選率のほうが低くなるように設定してもよい。また、通常リプA~通常リプCの上乗せ当選率をそれぞれ異ならせてもよく、例えば、通常リプAよりも通常リプBのほうが上乗せ当選率が高く、通常リプBよりも通常リプCのほうが上乗せ当選率が高くなるようにしてもよく、その逆の関係であってもよい。さらに、通常リプA~通常リプCの上乗せ当選率を設定値によって異なるようにしてもよく、例えば、設定値が高くなるほど通常リプA~通常リプC当選時の上乗せ当選となる確率が高くなるように設定してもよいし、偶数設定(設定2,4,6)と奇数設定(設定1,3,5)とで通常リプA~通常リプC当選時の上乗せ当選となる確率を異ならせ、偶数設定よりも奇数設定のほうが通常リプA~通常リプC当選時の上乗せ当選となる確率が高くなるように設定してもよい。
ステップSe1002にて上乗せ抽選テーブルを取得した後は、ステップSe1003にて上乗せ抽選を実行し、ステップSe1004にて上乗せ抽選に当選したか否かの判定を行う。上乗せ抽選に当選であった場合には、ステップSe1005にて、今回の上乗せ当選となった抽選結果がループ対象結果(ループ対象役)であるか否かを判定する。
ループ対象結果とは、上乗せ抽選にて当選した場合に加算するセット数をループ抽選に非当選となるまで所定数(1)ずつ加算させるループ処理を実行する対象となる結果である。本実施形態では、上記の上乗せ抽選に当選となる結果のうち通常リプA~通常リプCをループ対象結果として設定している。
ステップSe1005にて、今回の上乗せ当選の契機となった抽選結果がループ対象結果としての通常リプA~通常リプCではないと判定した場合、ステップSe1006にて、継続フラグがセットされているか否かを判定する。
ステップSe1006にて継続フラグがセットされていない場合、ステップSe1007にて継続フラグをセットする処理を実行する。そして、ステップSe1008にて継続コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本AT上乗せ用処理を終了する。継続コマンドを受信した表示制御装置81は、継続条件が成立したことに対応する演出を補助表示部65やスピーカ64にて行うための処理を実行する。
これに対して、ステップSe1006にて継続フラグがセットされている場合、ステップSe1009にてATセットカウンタに1を加算する処理を実行する。ステップSe1009にATセットカウンタに1が加算されることにより、少なくとも今回のセットの次の次のセットまでATモードが継続することが確定する。なお、本実施形態では、上乗せ抽選に当選した場合に一律でATセットカウンタに1を加算する構成としているが、2以上の数を加算する場合がある構成としてもよく、例えば、上乗せ当選の契機となったゲームの抽選結果に応じてATセットカウンタに加算する数を抽選により決定する構成としてもよい。
続くステップSe1010ではセット上乗せコマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本上乗せ用処理を終了する。セット上乗せコマンドは、上乗せ抽選に当選したことやATセットカウンタの値を表示制御装置81へ把握させるためのコマンドである。なお、ループ抽選以外にも複数のセット数を一の上乗せ当選にて上乗せする場合がある構成においては、当該セット上乗せコマンドに当該上乗せするセット数の情報を設定する構成とするとよい。この場合、継続フラグがセットされていない状況で複数のセット数を上乗せする場合には、継続コマンドと、当該継続コマンドの分のセット数を除いたセット数の情報を含むセット上乗せコマンドを出力設定するとよい。セット上乗せコマンドを受信した表示制御装置81は、セット上乗せが行われたことに対応する演出を補助表示部65やスピーカ64にて行うための処理を実行する。
ステップSe1005にて今回の上乗せ当選の契機となった抽選結果がループ対象結果としての通常リプA~通常リプCであると判定した場合、ステップSe1011にて、上乗せループ抽選処理を実行する。本実施形態では、上乗せ当選の契機となった抽選結果がループ対象結果である場合、所定の割合で上記のようなループ抽選を実行する構成としており、ステップSe1011の上乗せループ抽選処理は、今回のループ対象結果である場合にループ抽選を実行するか否かを決定するための処理である。具体的には、図364(b)に示すように、各ループ対象結果に応じてループ当選率が設定されており、ステップSe1011の上乗せループ抽選処理では、当該ループ当選率に応じてループ抽選を実行するか否かを決定する。本実施形態では、通常リプA~通常リプCのそれぞれでループ当選率が異なっており、通常リプAよりも通常リプBのほうがループ当選率が高く、通常リプBよりも通常リプCのほうがループ当選率が高くなるように設定されている。
ステップSe1012ではステップSe1011の上乗せループ抽選処理の処理結果に基づいて、ループ抽選を実行するか否かを判定する。ループ抽選を実行しないと判定した場合、ステップSe1006に進み、今回の上乗せ抽選にて上乗せするセット数を1とする各処理を実行する。なお、上記のようにループ抽選以外にも複数のセット数を一の上乗せ当選にて上乗せする場合がある構成とする場合、当該セット上乗せコマンドに当該上乗せするセット数の情報を設定する構成とするとよい。
ステップSe1012にてループ抽選を実行すると判定した場合、ステップSe1013にて上乗せループ用処理を実行する。
上乗せループ用処理について、図368のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップSe1101ではループ率抽選処理を実行する。図364(b)に示すように、本実施形態では、ループ抽選を行う場合の当該ループ抽選の当選確率として複数のループ率が設定されており、10%ループ、50%ループ、70%ループ、80%ループが設定されている。上乗せ当選となった契機によって、選択されるループ率が異なるように設定されており、通常リプAであれば、いずれのループ率も選択され得る一方、通常リプBや通常リプCであれば、80%ループ以外のループ率が選択される。つまり、80%ループは通常リプAを契機として上乗せ当選となった場合にだけ選択され得るものとなっている。
ステップSe1101にてループ率抽選処理を実行した後は、ステップSe1102にて各種フラグ格納エリア106dにステップSe1101の結果を記憶する処理を実行する。具体的には、10%ループであれば10%フラグを格納し、50%ループであれば50%フラグを格納し、70%ループであれば70%フラグを格納し、80%ループであれば80%フラグを格納する。続くステップSe1103では、ステップSe1101の結果に対応するループ率の情報を含むループ率コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行する。当該ループ率コマンドを受信した表示制御装置81では、ループ率に応じた演出が補助表示部65等にて行われるように制御する。
その後、ステップSe1104にて各種フラグ格納エリア106dに回転演出フラグをセットする処理を実行してから、本上乗せループ用処理を終了する。本実施形態では、上記のように設定したループ率に基づいて、ATモードのセット上乗せのループ抽選を各リール32L,32M,32Rの回転演出中に実行する構成としている。そのため、上記のようにループ抽選を行うこと自体は決定しているものの、ループ回数、すなわち上乗せするセット数は未だ決定していない。回転演出やループ抽選については後に詳細に説明するが、上記ステップSe1104にてセットする回転演出フラグは、上記のように上乗せ当選に基づいて回転演出を実行すること、及びループ抽選を実行すべきことをCPU102が把握するためのフラグである。
AT上乗せ用処理において、ステップSe1013にて上乗せループ用処理を実行した後は、ステップSe1014にて操作指示演出設定処理を実行してから、ステップSe1006に進み、継続コマンドやセット上乗せコマンドを出力設定する処理を実行してから、本AT上乗せ用処理を終了する。また、ステップSe1004にて上乗せ非当選であったと判定した場合、ステップSe1015に進み、上記のループ対象結果(通常リプA~通常リプC)であったか否かを判定する。ループ対象結果ではない場合は、そのまま本AT上乗せ用処理を終了する。
ループ対象結果である場合、ステップSe1016にて、疑似演出抽選処理を実行する。疑似演出抽選処理は、今回のAT上乗せ用処理の契機となった抽選結果がループ対象結果であって、上乗せ非当選であっても上乗せ当選であることに期待させる疑似演出を、補助表示部65等にて行うことを抽選等により決定する処理である。本実施形態では、例えば、通常リプA~通常リプCを契機とする上乗せ抽選に非当選であった場合の約1%程度で、当該疑似演出抽選に当選するように設定されている。そして、ステップSe1017にて、疑似演出抽選に当選したか否かを判定する。疑似演出抽選に非当選であった場合には、そのまま本AT上乗せ用処理を終了する。
疑似演出抽選に当選であった場合、ステップSe1018にて、疑似操作指示演出設定処理を実行してから、本AT上乗せ用処理を終了する。
<押し順報知の概要>
ステップSe1014の操作指示演出設定処理やステップSe1018の疑似操作演出設定処理の説明に先立って、指示モニタ68にて実行される押し順報知や、補助表示部65にて実行される押し順報知演出の概要について説明する。なお、押し順報知や押し順報知演出は、例えば、押し順ナビ、順序報知や態様報知とも称することが可能である。指示モニタ68は主制御装置101に接続されており、主制御装置101により押し順報知が行われる。これに対して、補助表示部65は表示制御装置81に接続されており、表示制御装置81により押し順報知演出が行われる。
先ず、この指示モニタ68の構成について、図372を参照しながら説明する。図372(a)は、指示モニタ68の正面図であり、図372(b)は、指示モニタ68の表示態様と表示内容との関係を説明するための図である。
図372(a)に示すように、指示モニタ68には8個の表示用セグメントN1~N8が設けられている。各表示用セグメントN1~N8は、LEDからなる個別の光源を有しており、それら個別の光源がオンオフ制御されることで、任意の1個の表示用セグメントのみを点灯させることができるとともに、任意の組み合わせの表示用セグメントを点灯させることができる。これにより、指示モニタ68では、それぞれ個別に所定の記号(アルファベットや数字を含む)が表示されるようになっている。なお、上記個別の光源はいずれも同一色の光を照射するものであるため、各表示用セグメントN1~N8においてはいずれも同一の色が表示されることとなる。
各表示用セグメントN1~N8について詳細には、第1表示用セグメントN1~第7表示用セグメントN7は、いずれも直線状の表示用セグメントであり、これら第1表示用セグメントN1~第7表示用セグメントN7は、数字の「1」~「6」を少なくとも表示することができるように配置されている。また、第8表示用セグメントN8は、円形状の表示用セグメントであり、第1表示用セグメントN1~第7表示用セグメントN7が設けられた領域の右下部分の横方に配置されている。したがって、指示モニタ68では、「1」~「6」と、「1.」~「6.」と、「 .」と、を少なくとも表示することができる。
なお、指示モニタ68において、複数パターンの記号をそれぞれ個別に表示することが可能であれば、各表示用セグメントN1~N8の形状や配置態様は任意であり、さらには8個のセグメントではなく7個のセグメント、又は9個のセグメント等を用いる構成としてもよい。また、各表示用セグメントN1~N8において表示される色が同一であることは必須ではなく、各表示用セグメントN1~N8において表示される色が適宜変更可能となる構成としてもよい。また、光源をオンオフ制御することで、各表示用セグメントN1~N8の点灯又は消灯を制御する構成は必須のものではなく、各表示用セグメントN1~N8において個別に表示制御が行えるのであれば、単一のバックライトと液晶ディスプレイとによりセグメント表示器を構成してもよい。さらには、各表示領域に対してセグメント表示を適用するのではなく、液晶表示装置、有機EL表示装置、CRT、ドットマトリックス等その他のタイプの表示装置によって記号を表示する構成としてもよい。
第1表示用セグメントN1~第7表示用セグメントN7は、押し順役の操作順序の報知に用いられる表示用セグメントである。例えば、図372(b)に示すように、各ストップスイッチ42~44の操作順序として「左」→「中」→「右」の順で停止操作を行うことにより遊技者にとって有利な入賞態様となる場合、第6表示用セグメントN6及び第7表示用セグメントN7が点灯表示されて「1」が表示される。また、各ストップスイッチ42~44の操作順序として「右」→「左」→「中」の順で停止操作を行うことにより遊技者にとって有利な入賞態様となる場合、第1表示用セグメントN1、第2表示用セグメントN2、第3表示用セグメントN3、第5表示用セグメントN5及び第6表示用セグメントN6が点灯表示されて「5」が表示される。つまり、各表示用セグメントN1~N7にて表示される数字(記号)は、ストップスイッチ42~44の操作順序と1対1で対応付けられており、表示用セグメントN1~N7にて表示される数字(記号)に基づいて、ストップスイッチ42~44を停止操作することで、遊技者にとって有利な態様にて入賞させることが可能となる。
第8表示用セグメントN8は、有利区間に移行し、押し順報知が発生し得る状況となる報知条件を含む所定の開始条件が成立した場合に、その開始条件が成立したゲームにて点灯される。また、ATモードが終了して有利区間から通常区間へ移行する場合に消灯される。
つまり、押し順ベル等の操作順序が報知され易くなることによって遊技者にとって有利な態様にて入賞させ易くなる区間を有利区間(特定遊技状態、特定モード)とし、第8表示用セグメントN8は、当該有利区間において、実際に押し順報知による恩恵が得られるようになる特定区間中は点灯し、有利区間ではない通常区間や、有利区間であっても特定区間ではない非特定区間中は消灯する区間表示器(特定報知手段)をなすものである。
既に説明したとおり、押し順表示器としての第1表示用セグメントN1~第7表示用セグメントN7、及び区間表示器としての第8表示用セグメントN8を有する指示モニタ68は、遊技パネル25において払出枚数表示部62の側方付近に配置されている。つまり、指示モニタ68は、遊技者が操作するストップスイッチ42~44等よりも上方に配置されており、言い換えると、ストップスイッチ42~44等が設けられている位置よりも下方において遊技機前面部である化粧パネルに配置されていない。そのため、ストップスイッチ42~44等を操作する手等によって、第8表示用セグメントN8が隠されることが抑制され、遊技者が視認し易い位置に配置されているといえる。また、メダルの獲得を目指して遊技を進行させる遊技者が注視し易い払出枚数表示部62の近くに配置されていることからしても、遊技者による見逃しが抑制されているといえる。
さらに、指示モニタ68において特に第8表示用セグメントN8は、周囲の表示部(例えば払出枚数表示部62や、遊技パネル25のバックライト)の明度よりも高い明度となるように(より詳しくは、周囲の表示部の明度の2倍の明度となるように)、対応するLEDの明度が定められている。そのため、第8表示用セグメントN8と周囲の表示部とがいずれも発光制御されている場合(点灯状態となっている場合)であっても、第8表示用セグメントN8が一際目立つようになっている。遊技機前方に向けた照度についても、第8表示用セグメントN8の方が周囲の表示部より、遊技機前方に向けた照度が高くなるように(より詳しくは、周囲の表示部の照度の2倍の照度となるように)、対応するLEDの照度が定められている。このような構成からも、第8表示用セグメントN8の視認性が向上されており、当該第8表示用セグメントN8が点灯状態となった場合の見逃しが抑制されている。
次に、補助表示部65にて行われる押し順報知演出について、図373を参照しながら説明する。ここでは、今回報知する操作順序が、中→右→左である場合の押し順役に当選している場合を例として、補助表示部65での押し順報知演出を説明する。
図373(a)に示すとおり、補助表示部65では、ストップスイッチ42~44に対応して3つ並列したボタン表示のうち、最初に操作すべきストップスイッチに対応するボタン表示(図では中ストップスイッチ43に対応する真ん中のボタン表示)に数字の1が付されて、他のボタン表示よりも大きく表示される。また、各ボタン表示は、当選役に対応する色(ベルなら黄色、再遊技なら青色等)にて表示される。これにより、遊技者は、今回のゲームにて当選している役と、最初に操作すべきストップスイッチが中ストップスイッチ43であることを認識することができる。また、補助表示部65では、次に操作すべきストップスイッチが右ストップスイッチ44であり、最後に操作すべきストップスイッチが左ストップスイッチ42であることを示すように、右のボタン表示に数字の2が付されて表示され、左のボタン表示に数字の3が付されて表示される。
遊技者が中ストップスイッチ43を操作すると、図373(b)に示すように、補助表示部65では、中ストップスイッチ43に対応する真ん中のボタン表示が消え、右ストップスイッチ44に対応する右のボタン表示が大きく表示される。これにより、遊技者は、中ストップスイッチ43の操作が完了したこと、及び、次に操作すべきストップスイッチが右ストップスイッチ44であることを確認することができる。
遊技者が右ストップスイッチ44を操作すると、図373(c)に示すように、補助表示部65では、右ストップスイッチ44に対応する右のボタン表示が消え、左ストップスイッチ42に対応する左のボタン表示が大きく表示される。これにより、遊技者は、右ストップスイッチ44の操作が完了したこと、及び、次に操作すべきストップスイッチが左ストップスイッチ42であることを確認することができる。
押し順報知の実行タイミングについて説明すると、各リール32L,32M,32Rの回転が開始されてから、加速期間を経て定速回転に至るまでのストップスイッチ42~44の無効期間中に、押し順報知が実行されるように設定されている。このようにストップスイッチ42~44の操作が有効となるよりも前のタイミングで押し順報知を実行する構成とすることで、ストップスイッチ42~44の操作順序を認識したうえでストップスイッチ42~44の操作に望ませることが可能となり、テンポ良く遊技を進行させることができる。
図369は、AT上乗せ用処理におけるステップSe1014の操作指示演出設定処理を示すフローチャートである。
上記のように、操作指示演出設定処理は、AT上乗せ用処理において上乗せ抽選に当選し、且つループ抽選を行うことが決定された場合に実行される処理であり、当該ループ抽選はループ対象結果である通常リプA~通常リプCである場合に実行される。通常リプA~通常リプCは、いずれも複数の再遊技に重複して当選となる結果であり、ストップスイッチ42~44の操作順序によって入賞が成立する再遊技が異なり得るように設定されている。
具体的には、図371に示すように、通常リプA~通常リプCでは、第1再遊技入賞が成立する操作順序(左ストップスイッチ42が最初に操作される操作順序)と、第2再遊技入賞又は第4再遊技入賞若しくは第5再遊技入賞が成立する操作順序(通常リプAの中→左→右、通常リプBの中→右→左、通常リプCの右→左→中)と、第4再遊技入賞若しくは第5再遊技入賞が成立する操作順序(通常リプAの中→右→左及び右→中→左、通常リプBの中→左→右及び右→左→中、通常リプCの中→右→左及び右→中→左)と、第3再遊技入賞又は第4再遊技入賞若しくは第5再遊技入賞が成立する操作順序(通常リプAの右→左→中、通常リプBの右→中→左、通常リプCの中→左→右)と、が設定されている。
これらにおいて、例えば第2再遊技入賞又は第4再遊技入賞若しくは第5再遊技入賞が成立する操作順序のように、同じ操作順序に対して複数の再遊技入賞が対応付けられている場合、ストップスイッチ42~44の操作タイミングによって入賞する再遊技が異なっている。具体的には、第2再遊技入賞は、左リール32Lの「白7」図柄、中リール32Mの「白貝」図柄、右リール32Rの「チェリー」図柄が有効ラインML上に停止した場合に成立するところ、これら第2再遊技入賞に対応する対応図柄は、各リール32L,32M,32Rで対応図柄同士の間隔が5図柄以上となるように配置されており、ストップスイッチ42~44の操作タイミングによっては第2再遊技入賞に対応する対応図柄を有効ラインMLに停止させることができない。この場合、第4再遊技入賞や第5再遊技入賞に対応する図柄が有効ラインMLに停止して、第4再遊技入賞や第5再遊技入賞が成立するようになる。
また、通常リプA~通常リプC当選時において、第4再遊技入賞や第5再遊技入賞のみが対応付けられている操作順序にてストップスイッチ42~44を操作した場合、第2再遊技入賞や第3再遊技入賞に対応する対応図柄を有効ラインML上に停止させることが可能なタイミングでストップスイッチ42~44を操作しても、第2再遊技入賞や第3再遊技入賞に対応する対応図柄ではなく、第4再遊技入賞や第5再遊技入賞に対応する対応図柄が有効ラインML上に停止することにより、第4再遊技入賞や第5再遊技入賞が成立するようになる。
但し、これら通常リプA、通常リプB、通常リプCにおいて、重複当選している再遊技のうちのいずれの再遊技入賞が成立しても、付与される特典は再遊技であり、成立する再遊技の種類だけが異なるものである。言い換えると、通常リプA、通常リプB、通常リプCは、ストップスイッチ42~44の操作順序に関わらず再遊技入賞が成立するものの、操作順序によって停止出目が異なる遊技結果である。
操作指示演出設定処理において、ステップSe1201では、今回の抽選結果が通常リプA~通常リプCのいずれであるかを把握したうえで、第2再遊技入賞が成立可能となる操作順序を把握する。具体的には、通常リプAであれば中→左→右の操作順序を把握し、通常リプBであれば中→右→左の操作順序を把握し、通常リプCであれば右→左→中の操作順序を把握する。
そして、ステップSe1202にて第2再遊技入賞が成立可能となる操作順序の情報を含む押し順報知コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本操作指示演出設定処理を終了する。当該押し順報知コマンドを受信した表示制御装置81では、補助表示部65にて上記の第2再遊技入賞を成立可能とする押し順報知演出を実行するとともに、第2再遊技入賞のうち、左リール32Lの「白7」図柄、中リール32Mの「白貝」図柄、右リール32Rの「チェリー」図柄による入賞態様、すなわち、「白7」図柄が中ラインL2に揃って停止して入賞する入賞態様となるように、「白7」図柄を模したキャラクタを表示するとともに「狙え!!」といった操作指示演出を実行するように制御する(図406(a))。なお、以下の説明では、「白7」図柄が中ラインL2に揃って停止する停止出目を特定態様とも称する。
図370は、AT上乗せ用処理におけるステップSe1018の疑似操作指示演出設定処理を示すフローチャートである。
上記のように、疑似操作指示演出設定処理は、AT上乗せ用処理において上乗せ抽選に非当選となった場合であって、且つ疑似演出抽選に当選した場合に実行される処理であり、当該疑似演出抽選はループ対象結果である通常リプA~通常リプCである場合に実行される。
ステップSe1301では、今回の抽選結果が通常リプA~通常リプCのいずれであるかを把握したうえで、第4再遊技入賞や第5再遊技入賞のみが成立可能となり、第2再遊技入賞を成立させることができない操作順序を把握する。具体的には、通常リプAであれば中→右→左や右→中→左の操作順序を把握し、通常リプBであれば中→左→右や右→左→中の操作順序を把握し、通常リプCであれば中→右→左や右→中→左の操作順序を把握する。
そして、ステップSe1302にて、上記ステップSe1301にて把握した第4再遊技入賞や第5再遊技入賞のみが成立可能となる操作順序の情報を含む押し順報知コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行する。当該押し順報知コマンドを受信した表示制御装置81では、補助表示部65にて上記の第4再遊技入賞や第5再遊技入賞を成立可能とする一方、第2再遊技入賞を成立させることができない押し順報知演出を実行するとともに、上記ステップSe1202の押し順報知コマンドに基づく操作指示演出と同様に、第2再遊技入賞のうち、上記の特定態様にて入賞が成立するように、「白7」図柄を模したキャラクタを表示するとともに「狙え!!」といった操作指示演出を実行するように制御する。但し、上記のように押し順報知演出としては第2再遊技入賞ではなく第4再遊技入賞や第5再遊技入賞に対応する操作順序であることから、第2再遊技入賞は成立せず第4再遊技入賞や第5再遊技入賞が成立することになる。なお、以下の説明では、かかる演出を疑似操作指示演出とも称する。
その後、ステップSe1303にて各種フラグ格納エリア106dに疑似操作指示演出フラグをセットしてから、本疑似操作指示演出設定処理を終了する。疑似操作指示演出フラグは、今回のゲームにて疑似演出を実行したことをCPU102が把握するためのフラグである。
抽選結果対応処理(図362)において、ステップSe607又はステップSe609の処理を実行した後は、ステップSe610~ステップSe613にて、ストップスイッチ42~44の押し順報知用の処理を実行する。
すなわち、ステップSe610では、今回のゲームの抽選結果が押し順ベル当選であったか否かを判定する。押し順ベル当選ではない場合には、そのまま抽選結果対応処理を終了する。押し順ベル当選である場合、ステップSe611にて、ATモードフラグがセットされているか否かを判定する。ATモードフラグがセットされている場合、ステップSe612にて今回の押し順ベルの種類に応じて第1小役入賞~第6小役入賞に対応する押し順報知が行われるように指示モニタ68を制御する。そして、ステップSe613にて、第1小役入賞~第6小役入賞に対応する操作順序の情報を含む押し順報知コマンドを、表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本押し順報知用処理を終了する。この押し順報知コマンドを受信した表示制御装置81では、第1小役入賞~第6小役入賞に対応する押し順報知演出が行われるように補助表示部65やスピーカ64を制御する。ステップSe611にてATモードフラグがセットされていない場合には、そのまま抽選結果対応処理を終了する。
<入賞結果対応処理>
次に、リール制御処理におけるステップSe415にて実施される入賞結果対応処理について、図374のフローチャートを参照しながら説明する。入賞結果対応処理では、ゲームの遊技結果に応じて、ATモードを開始させたり終了させたりするための処理を行う。
先ずステップSe1401にて、第1BB状態フラグ及び第2BB状態フラグのいずれかのフラグがセットされているか否かを把握して、今回開始するゲームがいずれかのBB状態であるか否かの判定を行う。BB状態ではない場合には、ステップSe1402にてベット数が3であるか否かを判定する。また、BB状態である場合には、ステップSe1403にてベット数が2であるか否かを判定する。すなわち、ステップSe1401~ステップSe1403の処理は、上記ステップSe601~ステップSe603の処理に対応する処理であり、遊技状態に対応付けられて規定されている一の特定規定数であるか否かを判定する処理である。特定規定数ではない場合には、ステップSe1404以降の表示モード用の処理(指示機能用の処理)を行うことなく入賞結果対応処理を終了する。
ステップSe1402又はステップSe1403にて肯定判定し、ベット数が特定規定数である場合には、ステップSe1404に進む。ステップSe1404では、前兆フラグがセットされているか否かを判定する。前兆フラグがセットされている場合とは、ATモード移行抽選やCZモード移行抽選に当選した後、未だこれらの移行抽選に当選したことの報知が行われていない状況であることを意味する。この場合、ステップSe1405にて、前兆モード用処理を実行してから、入賞結果対応処理を終了する。
一方、ステップSe1404にて前兆フラグがセットされていない場合、ステップSe1406にてCZモードフラグがセットされているか否かを判定する。CZモードフラグがセットされており、CZモード中である場合には、ステップSe1407にてCZモード用処理を実行してから、入賞結果対応処理を終了する。
ステップSe1406にてCZモードフラグがセットされていない場合、ステップSe1408にてATモードフラグがセットされているか否かを判定する。ATモードフラグがセットされており、ATモード中である場合には、ステップSe1409にてATモード用処理を実行してから、入賞結果対応処理を終了する。ステップSe1408にて否定判定した場合には、そのまま入賞結果対応処理を終了する。
以下、前兆モード用処理、CZモード用処理、ATモード用処理について、それぞれ説明する。
<前兆モード用処理>
前兆モード用処理では、図375に示すように、ステップSe1501にて前兆カウンタを1減算する処理を実行する。そして、ステップSe1502にて前兆カウンタが0となったか否かを判定し、0となっていない場合には、そのまま前兆モード用処理を終了する。前兆カウンタが0となっている場合には、ステップSe1503にて前兆フラグをクリアする処理を実行する。
続くステップSe1504では、ATモード当選フラグがセットされているか否かを判定することで、今回の前兆モードがATモード移行抽選に当選したことに基づいて移行したものであったか否かを把握する。ATモード当選フラグがセットされておらず、今回の前兆モードがCZモード移行抽選に当選したことに基づくものであった場合、ステップSe1505に進む。ステップSe1505では、CZモード当選フラグをクリアする処理を実行する。そして、ステップSe1506にてCZモードフラグをセットし、ステップSe1507にて各種カウンタエリア106eに設けられたCZゲームカウンタに所定数としての10を入力する処理を実行する。CZゲームカウンタはCZモードの残りゲーム数をCPU102が把握するためのカウンタであり、CZモードにおいて1ゲーム消化する度に1ずつ減算されるカウンタである。その後、ステップSe1508にてCZ開始コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本前兆モード用処理を終了する。CZ開始コマンドを受信した表示制御装置81は、CZモード移行抽選に当選したことの報知とともに、CZモードが開始されることの報知が補助表示部65やスピーカ64にて行われるように制御する。
ステップSe1504にてATモード当選フラグがセットされており、今回の前兆モードがATモード移行抽選に当選したことに基づく前兆モードであった場合、ステップSe1509にて、ATモード当選フラグをクリアする処理を実行する。そして、ステップSe1510にて、各種フラグ格納エリア106dにATモードフラグをセットする処理を実行する。続くステップSe1511では、継続率設定処理を実行する。上記の通り、本実施形態におけるATモードは所定数のゲーム数を1セットとするセット管理型のATモードであり、残りセット数が存在しない状況(ATセットカウンタが0である状況)でセットの継続抽選に非当選となるまでATモードが継続する構成としており、ステップSe1511の継続率設定処理は継続抽選の当選確率(継続率)を設定する処理である。
本実施形態では、図376に示すように、当選確率の設定処理にて設定される設定値に応じて、複数設けられた継続率(90%、60%、10%)の選択率が異なるように設定されており、ステップSe1511では、当該設定値に基づいて、いずれの継続率を選択するかを抽選により決定する。具体的には、基本的には設定値が高いほど(出玉率が高くなる設定値ほど)高い継続率が選択され易くなるように設定されており、例えば、60%の継続率は設定1では30%の確率で選択されるのに対して、設定6では70%の確率で選択される。但し、90%の継続率は奇数設定の方が偶数設定よりも選択され易くなっており、最も選択され易い設定値は設定5である。そして、90%の継続率を選択した場合には、各種フラグ格納エリア106dに90%フラグをセットし、60%の継続率を選択した場合には、各種フラグ格納エリア106dに60%フラグをセットし、10%の継続率を選択した場合には、各種フラグ格納エリア106dに10%フラグをセットする。これら各継続率を示す情報(90%フラグ、60%フラグ、10%フラグ)は、今回移行するATモードが終了する際にクリアされるフラグである。つまり、一旦、ATモードの継続率が設定された場合には、当該ATモードが終了するまで、その継続率にて各セットの継続抽選が行われる構成としている。
ステップSe1511にて継続率設定処理を実行した後は、ステップSe1512にてATゲームカウンタに18を入力する処理を実行する。上記の通り、ATゲームカウンタは、ATモードの1セットが終了するまでのゲーム数をCPU102が把握するためのカウンタであり、1ゲーム消化する度に1ずつ減算されるカウンタである。そして、ATゲームカウンタが0となった場合に継続条件が成立していれば、再度ATゲームカウンタに所定数である18が入力され、ATゲームカウンタが0となった場合に継続条件が成立していなければ、ATモードが終了することになる。
その後、ステップSe1512にて、AT開始コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行し、前兆モード用処理を終了する。AT開始コマンドを受信した表示制御装置81は、ATモードが開始されることに対応する演出を補助表示部65やスピーカ64にて行うように制御する。
<CZモード用処理>
CZモード用処理では、図377のフローチャートに示すように、ステップSe1601にてCZゲームカウンタを1減算する処理を実行する。続くステップSe1602では、ステップSe1601の処理結果に基づいて、CZゲームカウンタが0となったか否かを判定する。CZゲームカウンタが0となっていない場合には、そのままCZモード用処理を終了する。
CZゲームカウンタが0となっている場合には、ステップSe1603にてCZモードフラグをクリアする処理を実行する。その後、ステップSe1604にてCZ終了コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本CZモード用処理を終了する。CZ終了コマンドを受信した表示制御装置81では、CZモードが終了したことの報知が補助表示部65やスピーカ64にて行われるように制御する。なお、既に説明した通り、CZモード中にATモード移行抽選に当選した場合、CZモードはその時点で終了し、前兆モードに移行する構成としている。そのため、ステップSe1603にてCZモードフラグがクリアされることによってCZモードが終了する場合とは、CZモード中にATモード移行抽選に当選しなかったことを意味する。
<ATモード用処理>
ATモード用処理では、図378のフローチャートに示すように、ステップSe1701~ステップSe1705にてAT上乗せ用処理の処理結果に基づく回転演出用の処理を実行した後、ステップSe1706~ステップSe1715にてATモード中のゲーム数のカウント等を行う処理を実行する。回転演出用の処理については後に詳細に説明するとして、ここでは、ステップSe1706~ステップSe1715の処理について説明する。
すなわち、ステップSe1706ではATゲームカウンタを1減算する処理を実行する。続くステップSe1707では、ステップSe1706の処理結果に基づいて、ATゲームカウンタが0となったか否かを判定する。ATゲームカウンタが0となっていない場合には、そのままATモード用処理を終了する。
ATゲームカウンタが0となっている場合には、ステップSe1708にて継続フラグがセットされているか否かを判定する。継続フラグがセットされており、継続条件が成立している場合、次のセットに移行させるための処理(ステップSe1709~ステップSe1711)を実行する。これに対して、ステップSe1708にて継続フラグがセットされていない場合には、ATモードを終了させるための処理(ステップSe1712~ステップSe1715)を実行する。
ステップSe1708にて継続条件が成立している場合、ステップSe1709にて継続フラグをクリアする処理を実行する。そして、ステップSe1710にてATゲームカウンタに18を入力する処理を実行し、ステップSe1711にてセット更新コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本ATモード用処理を終了する。セット更新コマンドを受信した表示制御装置81は、ATモードのセットの移行が行われたことに対応させて補助表示部65やスピーカ64の演出を更新するための処理を実行する。
一方、ステップSe1708にて継続条件が成立していない場合、ステップSe1712にてATモードフラグをクリアし、ステップSe1713にて継続率の情報(90%フラグ、60%フラグ、10%フラグ)をクリアする処理を実行する。そして、ステップSe1714にて各種フラグ格納エリア106dにATモード終了フラグをセットする処理を実行する。その後、ステップSe1715にてAT終了コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本ATモード用処理を終了する。ATモード終了フラグは、ATモード終了に際して、有利区間を終了させるためのフラグである。ATモード終了コマンドを受信した表示制御装置81は、ATモードが終了したことに対応する演出を行うように補助表示部65やスピーカ64を制御する。
<有利区間の管理>
次に、区間表示器としての第8表示用セグメントN8を制御したり、有利区間へ移行させたり有利区間を終了させるための、区間表示第1処理、及び区間表示第2処理について説明する。
<区間表示第1処理>
先ず、区間表示第1処理について、図379を参照しながら説明する。区間表示第1処理は、抽選処理(図354)におけるステップSe314にて実施される処理であり、スタートレバー41の操作に基づいて当該ゲームの抽選結果が決定されるとともに、当該抽選結果に基づいて表示モードの移行抽選等(抽選結果対応処理)が行われた後に実施される。
ステップSe1801では、区間表示器としての第8表示用セグメントN8が表示中であるか否か、より詳しくは、第8表示用セグメントN8を点灯中か否かを判定する。既に説明した通り、第8表示用セグメントN8を点灯中である場合とは、有利区間のうち、少なくとも押し順報知が発生し得る報知条件が成立している特定区間である場合を示している。ステップSe1801にて否定判定し、第8表示用セグメントN8を消灯中であると判定した場合、ステップSe1802に進む。
ステップSe1802では、各種フラグ格納エリア106dに有利区間当選ゲームフラグがセットされているか否かを判定する。有利区間当選ゲームフラグは、有利区間移行抽選処理において有利区間移行抽選に当選した場合にセットされるフラグであり、その当選ゲームであることをCPU102が特定するためのフラグである。有利区間当選ゲームフラグがセットされている場合、ステップSe1803にて有利区間当選ゲームフラグをクリアする処理を実行する。そして、ステップSe1804にて有利区間フラグをセットする処理を実行する。
ステップSe1805では、有利区間中のゲーム数のカウント、より詳しくは、各種カウンタエリア106eの有利区間ゲーム数AGの計測を開始する処理を行う。有利区間ゲーム数AGは、有利区間の実行ゲーム数を把握する把握手段に相当するものである。そして、ステップSe1806にて、有利区間移行時処理を実行する。有利区間移行時処理は、今回移行させる有利区間の状態や有利度を設定する処理である。具体的には、有利区間移行時処理では、上記の天井カウンタを抽選等により設定し、有利区間移行後、ATモード移行抽選に当選することなくATモードへの移行を許容する天井ゲーム数の設定を行う。天井カウンタの抽選は、例えば、設定値や当該ゲームの抽選結果等を利用して行うとよく、高設定ほど短い天井ゲーム数が選択され易くなるようにしたり、奇数設定よりも偶数設定の方が短い天井ゲーム数が選択され易くなるようにしたり、今回のゲームの抽選結果として当選しにくい結果ほど、短い天井ゲーム数が選択され易くなるようにするとよい。そして、抽選により決定した天井ゲーム数に相当する値を天井カウンタに入力するとよく、例えば、天井カウンタに対応する情報を含む天井コマンドを表示制御装置81へ出力することで、天井ゲーム数を示唆する演出が補助表示部65やスピーカ64にて行われる構成としてもよい。
区間表示第1処理において、ステップSe1806にて有利区間移行時処理を実行した後は、ステップSe1807にて、第8表示用セグメントN8を点灯させることにより区間表示器の表示を開始する。
ステップSe1801にて区間表示器としての第8表示用セグメントN8を表示中であると判定した場合、ステップSe1808にて、有利区間中の表示を継続する処理を実行する。ステップSe1808について具体的には、第8表示用セグメントN8が点灯状態である状況を継続させるための処理を行う。すなわち、区間表示器の表示を終了するための処理は、本区間表示第1処理では実施しない。
ステップSe1802にて有利区間当選ゲームフラグがセットされていないと判定した場合、ステップSe1807にて表示開始処理を実行した後、又はステップSe1808の表示継続処理を実行した後は、ステップSe1809にてATモードフラグがセットされているか否かを判定する。ステップSe1809にていずれのATモードフラグもセットされていないと判定した場合は、ステップSe1810にて、各種カウンタエリア106eに設けられた役比第1カウンタに1を加算する処理を実行する。役比第1カウンタは、押し順報知が発生しないゲーム数、すなわち、通常区間と非特定区間のゲーム数をカウントするためのカウンタである。
これに対して、ステップSe1809にていずれかのATモードフラグがセットされていると判定した場合、ステップSe1811にて、各種カウンタエリア106eに設けられた役比第2カウンタに1を加算する処理を実行する。役比第2カウンタは、押し順報知が発生可能なゲーム数、すなわち、特定区間のゲーム数をカウントするためのカウンタである。
ステップSe1810又はステップSe1811の処理を実行した後は、ステップSe1812にて役比算出処理を実行する。かかる処理では、役比第2カウンタの値を役比第1カウンタと役比第2カウンタとの加算値(全ゲーム数)で除算する処理を行う。すなわち、役比算出処理は、全ゲーム数のうち、押し順報知が発生し得るゲーム数の割合を算出する処理である。そして、ステップSe1813にて、ステップSe1812の演算処理結果が役比モニタ77にて表示されるようにするための処理を実行する。
図5に示すように、役比モニタ77は、7つの表示用セグメントからなる7セグ表示部を複数有している。具体的には、役比モニタ77は、7セグ表示部としての第1表示部77a、第2表示部77b、第3表示部77c、第4表示部77d、第5表示部77eを有している。第1表示部77a~第5表示部77eにおける表示用セグメントは、指示モニタ68の表示用セグメントN1~N7と同様に、LEDからなる個別の光源を有しており、それら個別の光源がオンオフ制御されることで、任意の1個の表示用セグメントのみを点灯させることができるとともに、任意の組み合わせの表示用セグメントを点灯させることができる。これにより、役比モニタ77は、それぞれ個別に所定の記号(アルファベットや数字を含む)が表示されるようになっており、特に、役比モニタ77では、5桁の数字を表示可能となっている。
ステップSe1813では、ステップSe1812の演算処理の結果を役比モニタ77に出力するとともに、役比モニタ77にて、4桁の数字が表示されるように役比モニタ77における各表示部77a~77eの表示制御を行う。具体的には、全ゲーム数のうち、押し順報知が発生し得るゲーム数の割合として、例えば、「0.5012」といったように、1よりも小さい数であって、小数点以下4桁までの数字が役比モニタ77にて表示される。ステップSe1813の処理を実行した後は、区間表示第1処理を終了する。
なお、ステップSe1812の演算処理において小数点以下第5桁の数字を四捨五入する処理を行ったうえで、役比モニタ77の表示制御を行う構成としてもよい。また、役比モニタ77のうち、第1表示部77aは、基本的には「0」が表示されるため、第1表示部77aを有さないようにしたり、第1表示部77aを印刷等によって「0」との表示が常にされる構成としてもよい。また、第1表示部77aと第2表示部77bとの間に、小数点が印刷等により表示される構成とするとよい。
<区間表示第2処理>
次に、区間表示第2処理について、図380のフローチャートを参照しながら説明する。既に説明したとおり、区間表示第2処理は、リール制御処理のステップSe416にて実施される処理であり、1ゲームの終了に際して、メダルの払出(払出判定処理)及び入賞結果に基づく遊技状態の移行等(入賞結果対応処理)が行われてから実施される。
ステップSe1901では、有利区間フラグがセットされているか否かを判定する。セットされていない場合には、そのまま区間表示第2処理を終了する。有利区間フラグがセットされている場合には、ステップSe1902にて、有利区間中のゲーム数をカウントする処理を実行する。具体的には、上記有利区間ゲーム数AGを1加算する処理を行う。続くステップSe1903では、各種カウンタエリア106eに設けられた有利区間増減枚数MY(MYカウンタ)の更新処理を実行する。
ステップSe1903のMY更新処理では、今回のゲームの遊技結果がいずれかの再遊技入賞ではないことを条件として、払出枚数から投入枚数(ベット数)を減算し、その減算結果を有利区間増減枚数MYに加算することによって、有利区間増減枚数MYの更新を行う。
ステップSe1903のMY更新処理を実行した後は、ステップSe1904にて、残ゲーム数管理処理を実行し、続くステップSe1905にて、残枚数管理処理を実行する。残ゲーム数管理処理は、ATモードの残りゲーム数等に基づき、現状の残りゲーム数で有利区間が上限ゲーム数(1500ゲーム)に達する状況となっているか否かの管理を行うための処理である。残ゲーム数管理処理では、例えば、有利区間ゲーム数AG(有利区間の消化ゲーム数)と、ATゲームカウンタ(ATモードの残りゲーム数)との合計が、有利区間の上限ゲーム数より多い状況か否かを把握する。そして、そのような状況であれば、その状況を特定するためのフラグとして、各種フラグ格納エリア106dに第1超過フラグをセットする。また、残枚数管理処理は、ATモードの残りゲーム数等に基づき、現状の残りゲーム数で有利区間が上限増加数(2400枚)に達する状況となっているか否かの管理を行うための処理である。残払出枚数管理処理では、例えば、ATゲームカウンタとATモード中の1ゲーム当たりの平均増加枚数とから算出される期待増加枚数と、現状の有利区間増減枚数MYとの合計が有利区間の増減枚数より多い状況か否かを把握する。そして、そのような状況であれば、その状況を特定するためのフラグとして、各種フラグ格納エリア106dに第2超過フラグをセットする。
残ゲーム数管理処理、残枚数管理処理を実行した後は、ステップSe1906にて、上記有利区間ゲーム数AGが上限ゲーム数である1500に達したか否か、又は有利区間増減枚数MYが上限増加数である2400以上となったか否かを判定する。これらいずれかの強制終了条件が成立している場合には、ステップSe1907にて、有利区間ゲーム数AG及び有利区間増減枚数MYを0にクリアする。続くステップSe1908では、区間表示器としての第8表示用セグメントN8の表示を終了させる処理を行う。そして、ステップSe1909にて、有利区間中の各種フラグやカウンタ等のパラメータ、情報を初期化する処理を実行してから、本区間表示第2処理を終了する。
ステップSe1909の有利区間用情報の初期化処理について、具体的には、今回の有利区間への移行に際して設定されたフラグやカウンタ、及び、今回の有利区間中に設定されたフラグやカウンタを初期値に戻す処理を実行する。例えば、有利区間フラグや、各種ATモードフラグ等がクリアされておらずセットされていれば、これらのフラグをクリアする。さらに、有利区間ゲーム数AGや有利区間増減枚数MY、ATモードの継続ゲーム数用のカウンタ、AT準備カウンタ等が0より大きければ、これらのカウンタを全て0にリセットする。つまり、本有利区間用情報の初期化処理では、押し順報知を用いた有利な状態としての有利区間に関し、押し順報知に係る性能に及ぼす全ての変数乃至パラメータを初期化するものであり、かかる変数乃至パラメータに関してRAMクリアを行う処理である。
ステップSe1906にて有利区間ゲーム数AGが上限値に達しておらず、且つ有利区間増減枚数MYが上限増加数に達していないと判定した場合は、ステップSe1910に進み、ATモード終了フラグがセットされているか否かを判定する。ATモード終了フラグがセットされている場合、ステップSe1907に進み、有利区間終了用の処理を実行する。ATモード終了フラグがセットされていない場合、そのまま有利区間終了用の処理を実行する。
<演出設定処理>
表示制御装置81のCPU181にて実行される演出設定処理について、図381のフローチャートに基づき説明する。演出設定処理は、CPU181により所定周期(例えば、2msec周期)で起動される処理である。
演出設定処理では、先ずステップSe2001にて、主制御装置101から新たなコマンドを受信したか否かを判定する。新たなコマンドを受信している場合には、ステップSe2002にて、受信したコマンドをRAM183に格納する処理を実行する。RAM183にはコマンド格納エリアが設けられており、当該コマンド格納エリアは、複数のコマンドを個別に記憶可能であって先に記憶したコマンドから読み出し可能なリングバッファとして構成されている。
ステップSe2001にて否定判定した場合、又はステップSe2002の処理を実行した後は、ステップSe2003にて、新たに受信したコマンドが、ベット時コマンドであったか否かを判定する。ベット時コマンドとは、ベット操作が行われたことに基づいて主制御装置101から出力されるコマンドであり、通常処理のステップSe206にてセットされるベットコマンド等である。ベット時コマンドである場合には、ステップSe2004にて今回のベット操作に基づく演出設定を行うためのベット時演出設定処理を実行する。
ステップSe2003にて否定判定した場合、又はステップSe2004の処理を実行した後は、ステップSe2005にて、新たに受信したコマンドが、開始時コマンドであったか否かを判定する。開始時コマンドとは、スタートレバー41の操作が行われたことに基づいて主制御装置101から出力されるコマンドであり、抽選処理のステップSe311にてセットされる抽選結果コマンドの他、抽選結果対応処理(図362)等にてセットされる前兆コマンド、継続コマンド、セット上乗せコマンド、ループ率コマンド及び押し順報知コマンド等がある。これらの開始時コマンドである場合には、ステップSe2006にて開始時演出設定処理を実行する。
ステップSe2005にて否定判定した場合、又はステップSe2006の処理を実行した後は、ステップSe2007にて、新たに受信したコマンドが、各停止操作時コマンドであったか否かを判定する。各停止操作時コマンドとは、各リール32L,32M,32Rのそれぞれの停止操作が行われたことに基づいて主制御装置101から出力されるコマンドであり、リール制御処理(図357)のステップSe406にてセットされる停止指令コマンドである。かかる各停止操作時コマンドとしての停止指令コマンドである場合には、ステップSe2008にて今回の停止操作に基づく演出設定を行うための各停止操作時演出設定処理を実行する。
ステップSe2007にて否定判定した場合、又はステップSe2008の処理を実行した後は、ステップSe2009にて、新たに受信したコマンドが、全停止時コマンドであるか否かを判定する。全停止時コマンドとは、全リール32L,32M,32Rが停止したことに基づいて主制御装置101から出力されるコマンドであり、リール制御処理(図357)のステップSe419にてセットされる入賞結果コマンドの他、ボーナス状態処理(図359)や入賞結果対応処理(図374)等にてセットされる第1BB開始コマンド、第2BB開始コマンド、第1BB終了コマンド、第2BB終了コマンド、CZ開始コマンド、AT開始コマンド、CZ終了コマンド、セット更新コマンド、AT終了コマンド等がある。これらの全停止時コマンドである場合には、ステップSe2010にて全停止時演出設定処理を実行する。
ステップSe2009にて否定判定した場合、又はステップSe2010の処理を実行した後は、ステップSe2011にて、その他の処理を実行してから、演出設定処理を終了する。ステップSe2011では、上記の各演出設定処理にて設定された各種演出が、対応するタイミングにて実行されるように補助表示部65やスピーカ64等を制御する。また、ステップSe2011では、ベット時、開始時、停止時以外の主制御装置101からの指令に基づく演出(例えば、精算スイッチ59の操作に基づく演出等)の設定や、主制御装置101を介さずに接続されたセンサ(演出スイッチ検出センサ等)からの信号に基づく演出の設定、エラー報知用の設定等を行う。
以下、開始時演出設定処理、全停止時演出設定処理について説明する。
<開始時演出設定処理>
ステップSe2006の開始時演出設定処理について、図382のフローチャートに基づき説明する。
ステップSe2101では、回転演出用処理を実行する。回転演出用処理は、各リール32L,32M,32Rを用いた回転演出用の処理であり、かかる回転演出用処理については後に詳細に説明する。
続くステップSe2102では、受信している抽選結果コマンドに基づいて、今回開始されるゲームの抽選結果が押し順役当選(押し順ベル当選)であるか否かを判定する。押し順役当選である場合には、ステップSe2103にて、押し順報知コマンドを受信しているか否かを判定する。押し順報知コマンドを受信している場合、ステップSe2104にて第1小役入賞~第6小役入賞に対応する押し順報知演出が補助表示部65やスピーカ64にて行われるようにするための設定を実行する。
ステップSe2102にて、今回のゲームの抽選結果が押し順役当選ではないと判定した場合、ステップSe2105にて今回のゲームの抽選結果が特定役当選であるか否かを判定する。既に説明した通り、特定役とは、各ゲームの抽選結果として出現しにくい(当選しにくい)所謂レア役と称される抽選結果であり、本実施形態では、チャンス目A~チャンス目C、チェリーA~チェリーC及びスイカを特定役として設定している。図364(a)に示す通り、これらの抽選結果を契機とするATモード移行抽選ではATモード移行当選となる確率が他の抽選結果よりも高くなるように設定されている。また、ATモードの上乗せ抽選ではこれら特定役当選である場合には当該上乗せ抽選に当選し得る一方、通常リプA等の通常役当選である場合には上乗せ抽選に当選し得ない構成としている。今回のゲームの抽選結果が特定役当選である場合、ステップSe2106にて、特定役報知演出を設定する処理を実行する。特定役報知演出の設定処理では、今回のゲームの抽選結果が上記特定役のいずれかであることの特定役報知が補助表示部65やスピーカ64にて行われるようにするための設定を実行する。特定役報知としては、例えば、3つ設けられているストップスイッチ42~44に対応させて、ビックリマークのキャラクタが補助表示部65に3つ表示されるような演出が設定されている。
ステップSe2105にて否定判定した場合、ステップSe2107にて今回のゲームの抽選結果が通常リプA~通常リプCのいずれかの当選であるか否かを判定する。通常リプA~通常リプC当選である場合、ステップSe2108にて押し順報知コマンドを受信しているか否かを判定する。押し順報知コマンドを受信している場合、ステップSe2109にて受信している押し順報知コマンドが、第2再遊技入賞用の押し順報知コマンドであるか否かを判定する。通常リプA~通常リプCに当選しており、且つ第2再遊技入賞用の押し順報知コマンドを受信している場合とは、ループ対象結果を契機として上乗せ当選となり、更にループ抽選を実行することの決定がなされた場合であり、この場合、ステップSe2110にて、第2再遊技入賞を可能とする押し順報知演出とともに、中ラインL2に「白7」図柄が揃って停止する特定態様にて第2再遊技入賞が成立するように指示する操作指示演出を設定する処理を実行する。一方、ステップSe2109にて第2再遊技入賞用の押し順報知コマンドではなく第4再遊技入賞や第5再遊技入賞用の押し順報知コマンドであると判定した場合には、ステップSe2111にて、第4再遊技入賞や第5再遊技入賞を可能とする押し順報知演出とともに、中ラインL2に「白7」図柄が揃って停止する特定態様にて第2再遊技入賞が成立するように指示する疑似操作指示演出を設定する処理を実行する。
ステップSe2103、ステップSe2107若しくはステップSe2108にて否定判定した場合、又はステップSe2104、ステップSe2106、ステップSe2110若しくはステップSe2111の処理を実行した後は、ステップSe2112に進む。ステップSe2112では、今回の開始時コマンドとして、前兆コマンドを受信しているか否かを判定する。前兆コマンドを受信しており、ATモード移行抽選又はCZモード移行抽選に当選し、前兆モードに設定される場合、ステップSe2113にて各種カウンタエリア183bに設けられたサブ側前兆カウンタに前兆ゲーム数に対応する値を入力する処理を実行する。サブ側前兆カウンタは、主制御装置101における前兆カウンタに相当するものであり、前兆モードの残りゲーム数をCPU181が把握するためのカウンタであり、当該サブ側前兆カウンタが0よりも大きい状況が前兆モードとなる。
ステップSe2112にて否定判定した場合、又はステップSe2113の処理を実行した後は、ステップSe2114にて上記のサブ側前兆カウンタが0よりも大きいか否かを判定する。サブ側前兆カウンタが0よりも大きく、前兆モード中である場合、ステップSe2115にてサブ側前兆カウンタを1減算する処理を実行する。そして、ステップSe2116にてサブ側前兆カウンタの値に応じた前兆モード用の演出を設定する処理を実行する。例えば、サブ側前兆カウンタの値が小さいほど、いずれかの移行抽選に当選していることを強く示唆する演出が補助表示部65やスピーカ64にて行われるようにしたりするとよい。
ステップSe2114にて否定判定した場合、又はステップSe2116の処理を実行した後は、ステップSe2117にてAT演出設定処理を実行し、ステップSe2118にてその他の開始時演出設定処理を実行してから、本開始時演出設定処理を終了する。ステップSe2118では、例えば、ゲーム開始に対応させて抽選結果を示唆する演出を設定したり、スタートレバー41周辺のランプを消灯させてその操作が受け付けられたことの報知を行うための処理等を実行する。AT演出設定処理については、後に詳細に説明する。
<全停止時演出設定処理>
次に、演出設定処理(図381)におけるステップSe2010の全停止時演出設定処理について、図383のフローチャートを参照しながら説明する。既に説明した通り、全停止時演出設定処理は、新たに受信したコマンドが、入賞結果コマンド、第1BB開始コマンド、第2BB開始コマンド、第1BB終了コマンド、第2BB終了コマンド、CZ開始コマンド、AT開始コマンド、CZ終了コマンド、セット更新コマンド、AT終了コマンド等の全停止時コマンドである場合に、演出設定を行うための処理である。
ステップSe2201では、CZ開始コマンドを受信しているか否かを判定する。CZ開始コマンドを受信している場合、ステップSe2202にて各種フラグ格納エリア183aにサブ側CZフラグをセットする処理を実行し、ステップSe2203にてCZ開始演出を補助表示部65やスピーカ64にて行うための演出設定処理を実行する。CZ開始演出は、例えば、図384(a)に示すように、CZモードが開始されること、及びCZモードの残りゲーム数(10)を補助表示部65にて表示する。
ステップSe2201にて否定判定した場合、ステップSe2204にて、CZ終了コマンドを受信しているか否かを判定する。CZ終了コマンドを受信している場合、ステップSe2205にて上記のサブ側CZフラグをクリアする処理を実行し、ステップSe2206にてCZ終了演出を補助表示部65やスピーカ64にて行うための演出設定処理を実行する。CZ終了演出は、例えば、図384(b)に示すように、CZモードの残りゲーム数が0となり、CZモードが終了したことを報知する演出が設定されている。なお、CPU181は、上記のサブ側CZフラグがセットされている各ゲームでは、CZモード用の演出を補助表示部65やスピーカ64にて行うように設定する。CZモード用の演出は、CZモード中であることを遊技者が識別可能となるように、例えば、背景色や登場するキャラクタ等が通常モードのそれと異ならせている。また、CZモード用の演出を行うにあたり、CPU181は、CZモードの残りゲーム数の表示もゲームの進行に応じてその表示を更新(減算)するように制御する。
ステップSe2204にて否定判定した場合、ステップSe2207にてAT開始コマンドを受信しているか否かを判定する。AT開始コマンドを受信している場合、ステップSe2208にて各種フラグ格納エリア183aにサブ側ATフラグをセットする処理を実行し、続くステップSe2209にて各種カウンタエリア183bに設けられたサブ側ATカウンタに18を入力する処理を実行する。サブ側ATカウンタは、主制御装置101側のATゲームカウンタに相当するものである。ステップSe2209の処理を実行した後は、ステップSe2210にて各種カウンタエリア183bに設けられたサブ側セットカウンタを1加算する処理を実行する。サブ側セットカウンタは、ATモードのセット数をCPU181が把握するためのカウンタである。
続くステップSe2211では、AT開始演出を補助表示部65やスピーカ64にて行うための演出設定処理を実行する。AT開始演出は、例えば、図385(a)に示すように、ATモードが開始される旨の表示(「AT スタート」といった文字表示)が行われる演出が設定されている。なお、AT開始演出において、開始するATモードの継続率を示唆するように、例えば、背景や効果音が継続率に応じて異なるように設定してもよい。
ステップSe2207にて否定判定した場合、ステップSe2212にてAT終了コマンドを受信しているか否かを判定する。AT終了コマンドを受信している場合、ステップSe2213にてサブ側ATフラグをクリアする処理を実行し、ステップSe2214にてAT終了演出を補助表示部65やスピーカ64にて行うための演出設定処理を実行する。AT終了演出は、例えば、図385(b)に示すように、ATモードが終了する旨の表示(「またね」といった文字表示)とともに、今回のATモードの継続セット数や獲得メダル数の報知を行う演出が設定されている。
ステップSe2212にて否定判定した場合、ステップSe2215にてセット更新コマンドを受信しているか否かを判定する。セット更新コマンドを受信しており、ATモードの1セットが終了し、次のセットに移行する場合、ステップSe2216にて各種フラグ格納エリア183aにセットされているサブ側継続フラグをクリアする処理を実行する。サブ側継続フラグは、主制御装置101側の継続フラグに相当するものである。続くステップSe2217では、各種フラグ格納エリア183aに発生済みフラグがセットされているか否かを確認し、セットされている場合には、当該発生済みフラグをクリアする処理を実行する。発生済みフラグは、今回終了するセットにおいて、予め定められた特定演出が発生したことをCPU181が把握するためのフラグである。特定演出については後に詳細に説明するが、ステップSe2217では、セットの更新に際して、更新前のセットで特定演出が発生したことの情報を消去する処理を行う。
ステップSe2217の処理を実行した後は、ステップSe2218にてサブ側ATカウンタに18を入力する処理を実行し、ステップSe2219にてサブ側セットカウンタを1加算する処理を実行する。
ステップSe2203、ステップSe2206、ステップSe2211、ステップSe2214若しくはステップSe2219の処理を実行した後、又はステップSe2215にて否定判定した後は、ステップSe2220にて回転演出準備処理を実行し、ステップSe2221にてその他の全停止時演出設定処理を実行してから、本全停止時演出設定処理を終了する。ステップSe2221では、BBの開始や終了に際して出力される各種コマンド対応する演出を行うための処理を行ったり、入賞役に対応させた色で上部ランプ63が点灯するように制御したり、入賞役の払出数に対応する効果音がスピーカ64から発せられるように制御したり、リプレイ時の自動ベットに対応する効果音がスピーカ64から発せられるように制御したりする。回転演出準備処理については、後に詳細に説明する。
<AT演出設定処理>
次に、開始時演出設定処理(図382)におけるステップSe2117にて実行されるAT演出設定処理について、図386のフローチャートを参照しながら説明する。AT演出設定処理は、ATモード中の演出を行うための処理である。そこで、AT演出設定処理の説明に先立って、ATモード中の演出の概要を図388~図392を参照しながら説明する。
<AT演出の概要>
既に説明した通り、本実施形態におけるATモードは、所定数としての18ゲームを1セットとするセット管理型のATモードであり、1セットのゲームを消化した際に継続条件が成立していれば次のセットに移行する一方、継続条件が成立していなければ当該セットにてATモードが終了する。本実施形態では、1セット中の演出として、味方キャラクタと敵キャラクタとが対決し、継続条件が成立していれば当該味方キャラクタが勝利し、継続条件が成立していなければ味方キャラクタが敗北して敵キャラクタが勝利する。本実施形態では、1セットのゲームの内、前半の10ゲームと、後半の8ゲームとで行われる演出が異なっており、上記の味方キャラクタと敵キャラクタとが対決するバトル演出は後半8ゲームである後半パートにて行われ、前半10ゲームである前半パートでは当該バトル演出を行う味方キャラクタと敵キャラクタとが対峙する対峙演出が設定されている。
前半パートの対峙演出としては、図388に示すように、1ゲーム目では、対決する味方キャラクタと敵キャラクタとが補助表示部65にて表示されるVS表示演出(図391(a1))が設定されている。対峙演出の2ゲーム目~4ゲーム目では、味方キャラクタが背後にオーラを纏いながら気合を入れている様子が補助表示部65にて表示される味方キャラクタアップ演出(図391(b1))が設定されている。対峙演出の5ゲーム目~7ゲーム目では、月夜に照らされる敵キャラクタが補助表示部65にて表示される敵キャラクタアップ演出(図391(c1))が設定されている。対峙演出の8ゲーム目~10ゲーム目では、味方キャラクタと敵キャラクタとが火花を散らしながらにらみ合っている様子が補助表示部65にて表示されるにらみ合い演出(図391(d1))が設定されている。
後半パートのバトル演出としては、図389に示すように、11ゲーム目~16ゲーム目にて、味方キャラクタが攻撃する味方攻撃演出(図392(a))、及び敵キャラクタが攻撃する敵攻撃演出(図392(b))のいずれかの攻撃演出が合計3回繰り返され、17ゲーム目にて双方が攻撃し合う双方攻撃演出が行われる。そして、継続条件が成立している場合には、セットの最終ゲームである18ゲーム目にて味方キャラクタが勝利する味方勝利演出(図392(c))が行われて次のセットに移行し、継続条件が成立していない場合には、当該18ゲーム目にて味方キャラクタが敗北する味方敗北演出(図392(d))が行われてATモードが終了する。
このように、本実施形態では、対峙演出を経てからバトル演出が行われ、そのバトル演出にて継続条件の成否が報知される、といった1セットの演出が設定されており、当該バトル演出の内容や結果への注目度が好適に高められている。
既に説明した通り、本実施形態におけるセット管理型のATモードでは、1セットの開始に際して継続抽選が行われて継続条件の成否が決定されるほか、仮に当該継続抽選に非当選であってもセットの途中で、主に特定役当選に基づく上乗せ抽選に当選した場合には、継続条件が成立し、次セットへ移行する構成としている。
ここで、上記のように特定役当選に基づいて継続条件が成立し得る構成とすることで、各ゲームの抽選結果への注目度が好適に高められるものの、特定役の当選確率やセットのゲーム数によっては、上記のような上乗せ抽選に当選することで継続条件が成立する事象が発生しにくくなり、遊技者としてはそのような事象へ期待を寄せなくなる可能性がある。そうすると、せっかく上乗せ抽選を用いてゲームの抽選結果に対する注目度を向上させようとしても、その効果を期待できない可能性も生じ得る。
特に、ATモードにおける1ゲーム当たりのメダル増加数(純増枚数)を多くすることで、ATモードの遊技性や遊技進行の好適化を図ろうとする場合、ATモードの1セット当たりのゲーム数は少なくなり易く、上記のように特定役を契機として継続条件が成立する事象は生じにくくなる。しかも、有利区間に上限ゲーム数が定められていることから、ATモード以外の通常モードやCZモードのゲーム数を多くしたり、ATモードにて上限増加数(2400枚)のメダル増加を期待できるようにしたりすると、おのずとATモードのゲーム数を少なくして上記の純増枚数を多くする構成となり易く、特定役を契機として継続条件が成立する事象は生じにくくなる。
そこで、本実施形態では、セットの継続抽選に当選している場合、その継続抽選に当選していることの報知(上記の味方勝利演出)よりも前のゲームにて、当該ゲームの抽選結果が特定役ではなくても、あたかも上乗せ抽選に当選したかのように報知する構成としている。
そして、上記のように継続抽選の結果を各ゲームの抽選結果に基づいて報知する構成とすることで、各セットの更新時の継続抽選にて継続条件の成否が決定しているのではなく、各ゲームの抽選結果に基づいて各セットの継続条件の成否が決定している印象を与えることが可能となる。
以下、上記のようなATモード中の各セットの演出を行うための処理構成について説明する。
図386に示すように、AT演出設定処理では、ステップSe2301にてサブ側ATカウンタを1減算する処理を実行する。そして、ステップSe2302にて、今回の開始時コマンドとして継続コマンドを受信しているか否かを判定する。既に説明した通り、継続コマンドは、1セットの開始に際して(セットの1ゲーム目の開始時に)継続抽選に当選している場合に出力される(図366)他、当該継続抽選に非当選であったセットにおいて上乗せ抽選に当選した場合に出力される(図367)コマンドである。
ステップSe2302にて継続コマンドを受信している場合、ステップSe2303にてサブ側継続フラグをセットする処理を実行する。かかる処理によって、CPU181は今回のセットの継続条件が成立していることを把握可能となる。
ステップSe2302にて否定判定した場合、又はステップSe2303の処理を実行した後は、ステップSe2304に進む。ステップSe2304では、サブ側ATカウンタが7よりも大きいか否かを判定することで、セットの1ゲーム目~10ゲーム目であるか否かを判定する。セットの1ゲーム目~10ゲーム目である場合には、ステップSe2305~ステップSe2308にて前半パートである対峙演出を行うための処理を実行し、11ゲーム目~18ゲーム目である場合には、ステップSe2309~ステップSe2313にて後半パートであるバトル演出を行うための処理を実行する。
対峙演出を行うための処理としては、ステップSe2305にて各種テーブル記憶エリア182aから対峙演出テーブルを取得する処理を実行する。対峙演出テーブルは、図388に示すように、サブ側ATカウンタの値とに応じて、各ゲームにて実行すべき対峙演出の詳細な演出内容(VS表示演出、味方キャラクタアップ演出、敵キャラクタアップ演出、にらみ合い演出)が記憶されている。
ここで、対峙演出としては、通常演出と特定演出とが設定されており、今回のセットの継続条件が成立している場合には、特定演出としての対峙演出が発生し得る構成としている。特定演出は、補助表示部65における一部の演出内容が通常演出と異なる演出として設定されている。
例えば、VS表示演出においては、通常演出では味方キャラクタと敵キャラクタとの間に表示される「VS」との文字が白文字で表示されるのに対して、特定演出では当該「VS」との文字が赤文字で表示されるように設定されている。味方キャラクタアップ演出においては、通常演出では味方キャラクタの纏うオーラが白色であるのに対して、特定演出では当該オーラが虹色にて表示されるように設定されている。敵キャラクタアップ演出においては、通常演出では三日月が表示されるのに対して、特定演出では満月が表示されるように設定されている。にらみ合い演出においては、特定演出では女の子のキャラクタが味方キャラクタを応援する様子が表示されるのに対して、通常演出では当該女の子のキャラクタは登場しないように設定されている。
ステップSe2305にて対峙演出テーブルを取得した後は、ステップSe2306にてサブ側継続フラグがセットされているか否かを判定し、セットされている場合には、ステップSe2307にて特定演出設定処理を実行する。特定演出設定処理は、上記のとおり通常演出と特定演出とが設定されている対峙演出において、特定演出を実行するか否かを設定するための処理である。
<特定演出設定処理>
特定演出設定処理では、図387のフローチャートに示すように、ステップSe2401にて各種フラグ格納エリア183aに発生済みフラグがセットされているか否かを判定する。発生済みフラグは、今回のセットにおいて特定演出を既に発生させたことをCPU181が把握するためのフラグであり、特定演出を発生させた場合にセットされるフラグである。発生済みフラグがセットされている場合には、そのまま特定演出設定処理を終了する。すなわち、本実施形態においては、特定演出は、1セットのうち1回だけ発生し得るものとして設定されている。
発生済みフラグがセットされていない場合、ステップSe2402にて今回のゲームの抽選結果を把握する処理を実行し、ステップSe2403にて、今回のATモードの継続率を把握する処理を実行する。そして、ステップSe2404にて各種テーブル記憶エリア182aから特定演出テーブルを取得する処理を実行し、ステップSe2405にて特定演出抽選処理を実行する。
特定演出テーブルは、図390に示すように、各ゲームの抽選結果とATモードの継続率とに応じて、特定演出の発生率が設定されている。例えば、継続率10%のATモードにおいて、チャンス目Aであるゲームでは3.1%の確率で特定演出が発生するのに対して、チャンス目Bであるゲームでは20.0%の確率で特定演出が発生し、ゲームの抽選結果として当選しにくい結果ほど特定演出が発生し易くなるように設定されている。しかも、本実施形態では、これらチャンス目Aやチャンス目Bのような所謂レア役としての特定役だけではなく、通常役である通常リプAや通常リプB、通常リプC、押し順ベルであっても特定演出が発生し得るように設定されている。また、いずれの結果にも当選しない外れ結果であっても特定演出が発生し得るように設定されている。
この場合、例えば、各ゲームの抽選結果として押し順ベルには約65%の確率で当選し、継続率10%のATモードでは、当該押し順ベルを契機として約3.8%の確率で特定演出が発生することから、各ゲームで押し順ベルを契機として特定演出が発生する確率は約2.5%である。これに対して、例えば、出現すれば必ず特定演出が発生するチェリーCにおいては、各ゲームの抽選結果として約0.008%の確率で当選することから、各ゲームでチェリーCを契機として特定演出が発生する確率も約0.008%であり、押し順ベルを契機とする発生率よりも低い。
このように本実施形態では、通常リプA~通常リプC、押し順ベルに外れ結果を含めた通常役を契機として特定演出が発生する確率の方が、チャンス目A~チャンス目C、チェリーA~チェリーC、共通ベル及びスイカといった特定役を契機として特定演出が発生する確率よりも高くなるように設定されている。そして、継続率10%のATモードにおいては、通常役を契機として約5.5%(約18.2分の1)の確率で特定演出が発生するのに対して、特定役を契機として約0.8%(約122分の1)の確率で特定演出が発生し、継続率90%のATモードにおいては、通常役を契機として約13.3%(約7.52分の1)の確率で特定演出が発生するのに対して、特定役を契機として約1.0%(約105分の1)の確率で特定演出が発生する。
つまり、特定役を契機として実行される特定演出抽選の当選確率の方が、通常役を契機とする特定演出抽選の当選確率よりも高く設定されているものの、通常役は各ゲームで約96.4%の確率(約1.04分の1)の確率で出現(当選)し、特定役は各ゲームで約3.56%の確率(約28.1分の1)の確率で出現(当選)するように設定されていることから、通常役を契機とする特定演出の発生確率の方が、特定役を契機とする特定演出の発生確率よりも高くなり、ゲームの抽選結果が通常役であっても特定演出の発生に期待できるように設定されている。
特定演出が発生し得る対峙演出の継続ゲーム数(10)との関係では、継続率10%のATモードにおいては、通常役を契機とする特定演出の発生確率の分母(約18.2)は対峙演出の継続ゲーム数よりも大きいものの、継続率90%のATモードにおいては、通常役を契機とする特定役の発生確率の分母(約7.52)は対峙演出の継続ゲーム数よりも小さくなるように設定されている。これに対して、継続率10%のATモードにおいて、特定役を契機とする特定演出の発生確率の分母(約122)は対峙演出の継続ゲーム数よりも大きく、継続率90%のATモードにおいても、特定役を契機とする特定演出の発生確率の分母(約105)は対峙演出の継続ゲーム数よりも大きくなるように設定されている。そのため、継続条件が成立している状況下においては、継続率が90%のATモードであれば(60%であっても、10%ではなければ)、通常役を契機とする特定演出が、平均して少なくとも1回は発生し得るような確率となり、これに対して、特定役を契機とする特定演出はATモードの継続率に関わらず、1回も発生しない場合の方が高くなる。
このようにすることで、特定役を契機とした上乗せ当選を願いながらも、通常役であっても上乗せ当選に期待させることが可能となり、少ないゲーム数のATモードであっても、各ゲームで上乗せ当選に期待させる遊技性を実現できる。
しかも、本実施形態では、ATモードの継続率によって特定演出の発生確率が異なっており、基本的には、ゲームの抽選結果が同じであっても、継続率が高いほど特定演出が発生し易くなるように設定されている。例えば、押し順ベルを契機とする特定演出は、継続率10%のATモードでは約3.8%の確率で発生するのに対して、継続率90%のATモードでは約12.5%の確率で発生するように設定されており、また、外れ結果を契機とする特定演出は、継続率10%のATモードでは約13.8%の確率で発生するのに対して、継続率90%のATモードでは約23.5%の確率で発生するように設定されている。そのため、1ゲーム当たりの特定演出の発生率は、継続率10%であれば約6.3%であるのに対して、継続率90%であれば約14.2%であり、高い継続率のATモードほど、早期に特定演出が発生し易くなっている。そして、10ゲーム間の対峙演出において、特定演出が発生する確率は、継続率10%のATモードであれば約48.0%であり、継続率90%のATモードであれば約78.5%であり、特定演出の発生確率を通じて、ATモードの継続率を予測させることが可能である。
ステップSe2405にて特定演出抽選処理を実行した後は、ステップSe2406にて当該抽選処理にて当選となったか否かを判定し、非当選と判定した場合には、そのまま特定演出設定処理を終了する。この場合、今回の対峙演出では通常演出が実行されることになる(後述のステップSe2308)。ステップSe2406にて特定演出抽選に当選したと判定した場合、ステップSe2407にてサブ側ATカウンタの値に応じた特定演出を把握する処理を実行する。具体的には、例えば、サブ側ATカウンタが1であれば、今回の特定演出として「VS」の文字表示を赤文字にて表示する特定演出を把握し、サブ側ATカウンタが2~4であれば、今回の特定演出として味方キャラクタの纏うオーラの色を虹色にて表示する特定演出を把握する。そして、ステップSe2408にて発生済みフラグをセットする処理を実行してから、特定演出設定処理を終了する。
AT演出設定処理において、ステップSe2306にて否定判定した場合、又はステップSe2307にて特定演出設定処理を実行した後は、ステップSe2308にて今回のゲームにて補助表示部65やスピーカ64にて行う対峙演出を設定する処理を実行してから、AT演出設定処理を終了する。この場合、上記ステップSe2407にて特定演出が把握されている場合には、当該特定演出が発生する対峙演出が行われるように設定し、ステップSe2407の処理が行われていなければ(ステップSe2306又はステップSe2406にて否定判定した場合には)、通常演出が発生する対峙演出が行われるように設定する。
このようにすることで、継続条件が成立しており、主制御装置101側に継続フラグがセットされている状況においては、ATモードの各セットの前半パートの対峙演出にて特定演出が発生し得るようになる。そして、その特定演出の発生は、通常役を契機とする割合の方が特定役を契機とする割合よりも大きくなり、更に、継続率の高いATモードほど、早期に特定演出が発生し易いことから、遊技者としては、セットの前半パートにおいて特定演出が発生することを願いながら遊技を進行するようになり、当該前半パートの遊技性を格段に向上させることが可能となる。
AT演出設定処理においてステップSe2304にてサブ側ATカウンタが7以下であり、後半パートである場合、バトル演出を行うための処理を実行する。すなわち、ステップSe2309では、サブ側ATカウンタが7であり、1セットの11ゲーム目であってバトル演出の1ゲーム目であるか否かを判定する。サブ側ATカウンタが7である場合、ステップSe2310にてサブ側継続フラグがセットされているか否かを判定し、セットされている場合には、ステップSe2311にて各種テーブル記憶エリア182aから継続用バトル演出テーブルを取得し、当該取得した演出テーブルから今回のセットにて行うバトル演出を抽選等により選択する処理を実行する。
継続用バトル演出テーブルは、図389に示すように、セットの最終ゲームにて味方勝利演出が発生して継続条件が成立していることの報知が行われるものであって、セットの11ゲーム目~16ゲーム目に味方攻撃演出及び敵攻撃演出の組み合わせが異なる複数の演出テーブル(PA1~PA8)が設定されている。いずれの演出テーブルが選択されるかについては、ATモードの継続率によって異なっており、例えば、味方攻撃演出が3回連続で発生する演出テーブル(PA1)については、10%継続のATモードが最も選択され易く、90%継続のATモードが最も選択されにくくなるように設定されており、また、敵攻撃演出→敵攻撃演出→味方攻撃演出の順で行われる演出テーブル(PA5)は、90%継続のATモードが最も選択され易く、10%継続のATモードが最も選択されにくくなるように設定されている。そして、例えば、味方攻撃演出→敵攻撃演出→敵攻撃演出の順で行われる演出テーブル(PA7)は、10%継続のATモード及び90%継続のATモードでは選択され得る一方、60%継続のATモードでは選択されず、敵攻撃演出が3回連続で発生する演出テーブル(PA8)は、10%継続のATモード及び60%継続のATモードでは選択されない一方、90%継続のATモードでは選択され得る、といったように、選択される演出テーブル(各攻撃演出の組み合わせと順序)によってATモードの継続率を予測又は把握することが可能となっている。ステップSe2311では、これら継続用バトル演出テーブルから一の演出テーブルを選択し、当該選択した演出テーブルのアドレス情報を、アドレス情報記憶エリア183cに記憶する処理を実行する。
ステップSe2310にてサブ側継続フラグがセットされていないと判定した場合、ステップSe2312にて各種テーブル記憶エリア182aから非継続用バトル演出テーブルを取得し、当該取得した演出テーブルから今回のセットにて行うバトル演出を抽選等により選択する処理を実行する。
非継続用バトル演出テーブルは、図389に示すように、セットの最終ゲームにて味方敗北演出が発生して継続条件が成立していないことの報知が行われるものであって、セットの11ゲーム目~16ゲーム目に味方攻撃演出及び敵攻撃演出の組み合わせが異なる複数の演出テーブル(PB1~PB8)が設定されている。いずれの演出テーブルが選択されるかについては、ATモードの継続率によって異なっており、例えば、敵攻撃演出が3回連続で発生する演出テーブル(PB1)については、60%継続のATモードや90%継続のATモードの方が、10%継続のATモードよりも選択され易くなるように設定されており、また、敵攻撃演出→敵攻撃演出→味方攻撃演出の順で行われる演出テーブル(PB4)は、10%継続のATモードの方が、60%継続のATモードや90%継続のATモードよりも選択され易くなるように設定されている。そして、例えば、味方攻撃演出→敵攻撃演出→味方攻撃演出の順で行われる演出テーブル(PB6)は、90%継続のATモードでは選択され得る一方、10%継続のATモードや60%継続のATモードでは選択されず、敵攻撃演出→味方攻撃演出→味方攻撃演出の順で行われる演出テーブル(PB7)は、60%継続のATモードでは選択され得る一方、10%継続のATモードや90%継続のATモードでは選択されず、味方攻撃演出が3回連続で発生する演出テーブル(PB8)は、10%継続のATモードでは選択され得る一方、60%継続のATモードや90%継続のATモードでは選択されない、といったように、選択される演出テーブル(各攻撃演出の組み合わせと順序)によってATモードの継続率を予測又は把握することが可能となっている。ステップSe2312では、これら非継続用バトル演出テーブルから一の演出テーブルを選択し、当該選択した演出テーブルのアドレス情報を、アドレス情報記憶エリア183cに記憶する処理を実行する。
継続用バトル演出テーブルと非継続用バトル演出テーブルとを比較すると、例えば、味方攻撃演出→敵攻撃演出→味方攻撃演出の順で行われる演出テーブル(PA3,PB6)において味方勝利演出でバトル演出が終了した場合には90%継続のATモードであることが示唆される一方、味方敗北演出でバトル演出が終了した場合には90%継続のATモードであったことが確定し、また、味方攻撃演出が3回連続で発生する演出テーブル(PA1,PB8)において味方勝利演出でバトル演出が発生した場合には10%継続のATモードが示唆される一方、味方敗北演出でバトル演出が終了した場合には10%継続のATモードであったことが確定する、といったように各攻撃演出の組み合わせや順番だけでなく、その後の味方勝利演出及び味方敗北演出の組み合わせによっても継続率を予測・把握することが可能となっている。
セット11ゲーム目において、ステップSe2311やステップSe2312の処理にて今回のバトル演出の演出テーブルの選択が行われ、選択した演出テーブルのアドレス情報の記憶処理を行った後は、ステップSe2313にて、今回のゲームのバトル演出が補助表示部65やスピーカ64にて行われるように設定する処理を実行してから、本AT演出設定処理を終了する。
これに対して、ステップSe2309にてサブ側ATカウンタが7ではなく、セットの12ゲーム目以降である場合、ステップSe2314に進む。ステップSe2314では、サブ側継続フラグがセットされており、且つ設定されているバトル演出のアドレス情報が味方敗北演出に対応するアドレス場情報(PB1~PB8)であるか否かを判定する。ステップSe2314にて肯定判定する場合とは、11ゲーム目でバトル演出の設定を行うまでは継続条件が成立していなかったものの、それ以降で継続条件が成立したことを意味する。この場合、ステップSe2315にて継続用バトル演出テーブルから今回のセットにて行うバトル演出を再選択し、その再選択した演出テーブルのアドレス情報をアドレス情報記憶エリア183cに記憶させる(上書きする)処理を実行する。
この場合、これまでのゲームにて実行されていた味方攻撃演出や敵攻撃演出にかかわらず、ATモードの継続率に応じて継続用バトル演出テーブルから上書き用のバトル演出テーブルを選択する。このようにすることで、途中で継続条件が成立した場合には、バトル演出における味方攻撃演出と敵攻撃演出との組み合わせと継続率との関係が、最初から継続条件が成立している場合と異なるようになり、演出の多様化が図られるし、継続率を予測する遊技の困難性を向上させて遊技の興趣向上を図ることが可能となる。なお、本実施形態では、味方攻撃演出や敵攻撃演出は2ゲームをセットとして演出が設定されているため、例えば、味方攻撃演出(敵攻撃演出)の2ゲーム目で上記の継続条件が成立して、上書き用のバトル演出テーブルにおいては今回のゲーム(2ゲーム目)では上書き前の攻撃演出と異なる敵攻撃演出(味方攻撃演出)を行うように設定されている場合、今回のゲームでは上書き前の演出テーブルに従って演出を行うようにしてもよいし、今回のゲームでは上書き後の演出テーブルに従って演出を行うようにしたうえで、味方(敵)が攻撃を仕掛けたのにも関わらず敵攻撃演出(味方攻撃演出)に切り替わるカウンター演出を行うように設定してもよい。
ステップSe2314にて否定判定した場合、又はステップSe2315の処理を実行した後は、ステップSe2313に進み、サブ側ATカウンタの値に応じて今回のゲームのバトル演出が補助表示部65やスピーカ64にて行われるように設定する処理を実行してから、本AT演出設定処理を終了する。
上記の通り、継続率が高いATモードほど特定演出は発生し易くなることから、10%継続のATモードにて特定演出が発生するゲームは、90%継続のATモードにて特定演出が発生するゲームよりも後のゲームとなり易い。このようにすることで、特定演出が発生するまでのゲーム数から、ATモードの継続率を予測する遊技が追加され、ATモードの楽しみ方の多様化を通じて遊技の興趣を向上させることが可能となる。
ここで、上記のように、ATモードの各セットにおいては、遊技者としてはより早期に特定演出が発生することを期待して遊技を進行するものと考えられるところ、このような遊技性においては、特定演出が発生するか否かを楽しむドキドキ感を長く楽しめるほど、当該遊技性の遊技を存分に楽しませることが可能と考えられる。その点、当該特定演出が発生するか否かを楽しむことができる1セット当たりの期間の長さは、10%継続のATモードの方が90%継続のATモードよりも長くなる。このようにすることで、継続率の低いATモードであっても、上記の特定演出が発生するか否かをより長く楽しませることが可能となり、遊技の興趣を好適に向上させることができる。
<回転演出について>
上記のようにATモード中の上乗せは主に特定役を契機として発生するものの、通常役である通常リプA~通常リプCである場合でも一部発生し得る。本実施形態では、当該通常リプA~通常リプCを契機としてATモードの上乗せが発生した場合には、各リール32L,32M,32Rを用いた演出としての回転演出が発生する。そこでまず、各リール32L,32M,32Rを駆動制御させるための基本的な構成について説明する。
上記のように、各リール32L,32M,32Rには、それぞれがステッピングモータに連結されており、各ステッピングモータの駆動により各リール32L,32M,32Rが回転駆動する。ステッピングモータは、500パルスの励磁パルスを与えることにより1回転されるように設定されており、この励磁パルスによってステッピングモータの回転位置、すなわちリールの回転位置が制御される。ステッピングモータは、磁石が取り付けられたロータ(回転子)と、ロータの周囲に配置され、励磁コイルが巻き付けられた複数のポールとを備え、励磁信号を印加する励磁コイル(ポール)を随時切り替えることでロータが回転するように構成されている。
<ステッピングモータ制御処理>
ステッピングモータの制御は、タイマ割込み処理(図352)におけるステップSe106のステッピングモータ制御処理にて実行される。そこで当該ステッピングモータ制御処理について、図393のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップSe2501では、ステッピングモータの制御に関わる初期化処理を実行する。続くステップSe2502では、モータ制御処理としてステッピングモータに対する回転制御のための励磁信号のデータの生成処理を実行する。ここで生成された励磁データは一時的にRAM106に保存される。モータ制御処理では励磁データの生成処理の他に、図柄のオフセット処理や、図柄番号の更新処理等を実行する。モータ制御処理については、後に詳細に説明する。
回転制御のための励磁データの生成処理(RAM106からの励磁データの取得処理)等はそれぞれのリール32L,32M,32Rに対して順次実行される。1つのリール、例えば左リール32Lに対する励磁データの生成処理等はRAM106の作業用エリアに設けられた左リール32L用の回転制御データを使用して行われ、その生成処理等が終了すると、次のリール例えば中リール32Mに対しての励磁データ生成処理などに遷移する。そこで、ステップSe2503では次の作業用エリアへの遷移処理(アドレス変更処理)を行い、続くステップSe2504では全てのリールに対する励磁データの生成処理等が終了したか否かを確認する。全てのリールに対する励磁データの生成処理等が終了していない場合には、ステップSe2502に戻り、残りのリールに対する励磁データの生成処理等を実行する。
3つのリール32L,32M,32Rの全てに対する回転制御処理、つまり励磁データ生成処理等が終了した場合には、ステップSe2505に進み、RAM106に保存されているデータのうち各リール32L,32M,32Rに対する励磁データを入出力ポート104に出力する処理を実行してからステッピングモータ制御処理を終了する。ステップSe2505にて励磁データを入出力ポート104に出力することで、ステッピングモータには励磁データが供給され、ステッピングモータは即座に励磁データによって指定された励磁コイルへの通電処理を行い、ロータに対する励磁処理がなされることとなる。
<モータ制御処理>
モータ制御処理について、図394のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップSe2601では、各種カウンタエリア106eに設けられたステップカウンタが0であるか否かを判定する。ステップカウンタは、ステッピングモータへの励磁データの更新タイミングをCPU102が把握するためのカウンタである。ステップカウンタが0ではない場合、未だ更新タイミングではないため、ステップSe2602にてステップカウンタを1減算する処理を実行してから、本モータ制御処理を終了する。
ステップカウンタが0である場合、ステップSe2603に進み、各種カウンタエリア106eに設けられた加速カウンタが「0」であるか否かを判定する。加速カウンタは、励磁データの更新順序(加速順序)を規定するためのものであり、各種テーブル記憶エリア105aの回転テーブルに設定されている。例えば、通常回転時に用いられる通常回転テーブル(図396)では、1から25の加速順序に対して加速カウンタが「24」から「0」が対応付けられており、各加速順序で出力する励磁データを維持する期間(加速期間)がそれぞれ定められている。なお、スタートレバー41が操作されると、後述するリール制御処理(図357)におけるステップSe402の回転開始処理にて、加速カウンタの値が「25」と設定される。そのため、ステップSe2603にて加速カウンタが「0」である場合とは、スタートレバー41の操作に基づき加速カウンタの設定がなされていないことを意味する。この場合、ステップSe2603にて肯定判定して、ステップSe2604にて出力励磁データを「0」と設定して本処理を終了する。ステップSe2604の処理は、ステッピングモータの駆動制御を行わないことを意味する。つまり、スタートレバー41が操作されるまでの間、ステッピングモータは停止状態を維持する。
ステップSe2603にて加速カウンタが「0」ではない場合、ステップSe2605にて加速カウンタを1減算する処理を実行する。続くステップSe2606では、加速カウンタが「0」となったか否かを判定し、「0」となった場合には、ステップSe2607にて加速カウンタを1加算する処理を実行する。ステップSe2606にて否定判定した場合やステップSe2607の処理を実行した後は、ステップSe2608にてステップカウンタの設定処理を実行し、ステップSe2609にて励磁順ポインタの更新処理を実行し、ステップSe2610にて更新処理された励磁順ポインタの値に対応した励磁データを取得し、その励磁データを今回の処理のリール用の出力励磁データとしてRAM106に保存する。保存された励磁データは他のリール用のステッピングモータに対する励磁データを取得した後、図393に示すように入出力ポート104へ出力される。
ステップSe2608~ステップSe2610の処理は加速カウンタに応じた加速期間や励磁データを設定する処理である。例えば、ステップSe2608において、図396の通常回転テーブルにおいて加速カウンタが「10」である場合、ステップカウンタに「3」が設定され、3回のタイマ割込み処理の期間に亘って励磁データを維持するように設定する。そして、ステップSe2606にて図396の通常回転テーブルにおいて加速順序の25に至った場合(加速カウンタが「0」となった場合)には、ステップSe2607にて加速カウンタが「1」となり、ステップSe2605~ステップSe2607にて加速カウンタが「1」の状態が維持されることとなる。そうすると、加速順序25での駆動制御が維持されることとなり、かかる状態となることで、各リール32L,32M,32Rの回転速度が定速回転となる。
続くステップSe2611では各種カウンタエリア106eに設けられた図柄オフセットの値を更新する。図柄オフセットは、1つの図柄をリールの回転方向に25等分した値であり、「0」~「24」のいずれか値となる。上記のように、各リール32L,32M,32Rには20個の図柄が等間隔に描かれており、一の図柄を次の図柄へ切り替えるには、25パルス(=500パルス/1周÷20図柄)の励磁パルスの出力を要するように設定されている。つまり、図柄オフセットは一の図柄を次の図柄へ切り替えるためのパルス数に相当するものであり、加速カウンタの更新のたびに1ずつ加算され、通常回転テーブルにおける定速回転においては1回のタイマ割込み処理で1ずつ加算される。また、初期加速時においては、加速順序が1から25に至るまでに25回の励磁パルスの出力が行われることからして、1図柄分の回転制御で定速回転に至ることになる。
続くステップSe2612では、リールが1回転したことを検出したか否かを判定する。ステップSe2612の処理は、各リール32L,32M,32Rに設置されているリールインデックスセンサがリールユニット31に設けられたセンサカットバンを通過したか否かを判定することにより1回転したことを検出可能である。1回転したことを検出した場合、各種カウンタエリア106eに設けられた図柄番号の値を「0」とするとともに図柄オフセットを「0」に更新する処理を実行する。図柄番号は図柄の番号を連番で示すものであり、各リール32L,32M,32Rに20個の図柄が用意されているので、図柄番号は「0」~「19」の値をとる(図6参照)。
ステップSe2612にてリールが1回転していない場合や、ステップSe2613の処理を実行した後は、ステップSe2614にて図柄オフセットが「25」であるか否かを判定する。上記のように、図柄オフセットは「0」~「24」までの値に設定されており、図柄オフセットが「25」である場合とは、図柄番号の更新タイミングであることを意味する。そこで、図柄オフセットが「25」である場合、ステップSe2615にて、図柄番号の値を1加算するとともに図柄オフセットを「0」にクリアしてから、本モータ制御処理を終了する。
ちなみに、上記のように回転している各リール32L,32M,32Rを停止させる処理は、リール制御処理(図357)におけるステップSe403~ステップSe412にて実行される。
ステップSe2614にて図柄オフセットが「25」ではない場合、ステップSe2616に進み、図柄番号が「20」未満であるか否かを判定する。
ここで、スタートレバー41の操作によりステッピングモータが正常に加速して定速回転に至る正常回転の場合には上述したような状況が再現される。しかし、正常に加速しなかった場合や、故意にリールを押さえて回転を止めたりすると、以下のような異常回転処理となる。
まず、上述したようにリールは500パルスの励磁信号によって1回転する。したがって、正常回転を行っていれば、センサカットバンの通過を検出してから500パルスの励磁信号を出力するとセンサカットバンの通過を再度検出する。しかし、加速が正常に行われずにリールが回転を開始しなかった場合や、故意にリールを押さえて回転を止めていた場合には、500パルスの励磁信号を出力してもセンサカットバンの通過を検出しない。この結果、ステップSe2612における図柄番号のリセット処理が行われないため、ステップSe2615において図柄番号は最大値「19」を超えて「20」に更新される。図柄番号の値が「20」となっても、次回の処理ではカウンタ加減算処理が行われるため、図柄オフセットの値は今まで通り更新処理される。
この場合にはステップSe2614を経て、ステップSe2616において図柄番号の値がチェックされる。図柄番号は「0」から「19」までであるので、その値が「20」となったときには異常回転状態とみなすことができる。しかしながら、異常回転状態の原因がステッピングモータの動作上のばらつきによる可能性もあり得るため、ステップSe2617にて4オフセット以上図柄オフセットの値を更新したかを判別し、更新している場合に初めて異常回転状態と判断してステップSe2618の異常処理を行う。異常処理では加速カウンタにその初期値である「25」をセットし、次のタイマ割込み期間から再び加速処理を行う。ちなみに、ステッピングモータには動作上のばらつきがあり、理想的には1回転=500パルスとなるが、場合によっては499パルスあるいは501パルスで1回転することも考えられる。そこでステップSe2617では余裕をもって4オフセット分を異常検出値として設定している。
なお、このステップSe2618における異常処理の回数が規定回数(例えば3回)を超えたときには、この異常状態を報知する処理(ホール内に設けられた異常ランプに対する点滅処理、ホール管理者へのブザー報知処理など)を講じることもできる。
<回転開始処理>
リール制御処理(図357)におけるステップSe402の回転開始処理について、図395のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップSe2701では、前回のゲームにおいて各リール32L,32M,32Rの回転を開始させてからウェイト期間が経過したか否かを判定する。ウェイト期間が経過していない場合には、そのまま本回転開始処理を終了する。ウェイト期間が経過している場合には、ステップSe2702にて図396の各リール32L,32M,32Rのステッピングモータの制御用に通常回転テーブルを設定する。これにより、上記のモータ制御処理におけるステップSe2608~ステップSe2610にて通常回転テーブルに規定されるステップカウンタの設定や励磁データの設定が行われるようになる。
続くステップSe2703では、各種フラグ格納エリア106dにランダム回転フラグがセットされているか否かを判定する。ランダム回転フラグは、各リール32L,32M,32Rの回転開始タイミングを意図的にずらすためのフラグであり、ここではランダム回転フラグがセットされていない場合の処理について説明する。
すなわち、ステップSe2703にて否定判定した場合、ステップSe2704~ステップSe2706にて各リール32L,32M,32Rの加速カウンタに「25」をセットする処理を実行する。かかる処理により、モータ制御処理のステップSe2603にて否定判定し、各リール32L,32M,32Rの回転が開始されるようになる。ステップSe2704~ステップSe2706の処理を実行した後は、回転開始処理を終了する。
上記のように、スタートレバー41の操作に基づき加速カウンタの設定が行われることによって、ステッピングモータの駆動制御が開始され、各リール32L,32M,32Rの回転が開始される。ちなみに、この場合の各リール32L,32M,32Rの回転方向は各図柄が上方から下方に流下するように回転し、以下の説明ではかかる回転方向を正方向として説明する。なお、このような通常時の各リール32L,32M,32Rの回転制御を通常回転制御とも称する。
各リール32L,32M,32Rを用いた回転演出は、ATモード中に上乗せ当選した場合に実行される。そこで、先ず、入賞結果対応処理におけるATモード用処理のステップSe1701~ステップSe1705の処理について説明する。上記のように入賞結果対応処理は、ストップスイッチ42~44の操作が終了した際に実行される処理である。
ステップSe1701では、回転演出フラグがセットされているか否かを判定する。回転演出フラグは、スタートレバー41の操作に基づいて、ATモードの上乗せ抽選に当選した際の一部でセットされるフラグである。具体的には、AT上乗せ用処理(図367)において、上乗せ当選となった契機結果がループ対象結果(通常リプA~通常リプC)であって、且つループ抽選を行うことの決定がなされた場合(ステップSe1012:YES)に、上乗せループ用処理にてセットされるフラグである。当該回転演出フラグがセットされている場合、ステップSe1702にて回転演出コマンド設定処理を実行する。
<回転演出コマンド設定処理>
回転演出コマンド設定処理について、図397のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップSe2801では、回転演出フラグをクリアする。そして、ステップSe2802にて、今回のゲームの入賞結果として第2再遊技入賞が成立していることを、第2再遊技入賞フラグの有無によって判定する。既に説明した通り、通常リプA~通常リプCを契機として上乗せ当選した場合であって、ループ抽選を行う場合、第2再遊技入賞を可能とする押し順報知演出とともに、中ラインL2に「白7」図柄が揃って停止する特定態様にて第2再遊技入賞が成立するように操作指示演出が行われる(図369、図406(a))。ステップSe2802の処理は、当該操作指示演出に従って操作が行われたことを判定する処理である。つまり、当該操作指示演出の示す操作順序に従わず、第2再遊技入賞を可能とする操作順序とは異なる操作順序にてストップスイッチ42~44の操作が行われた場合、第2再遊技とは異なる再遊技の入賞が成立し(図371)、ステップSe2802では否定判定することになる。
ステップSe2802にて第2再遊技入賞フラグがセットされている場合、ステップSe2803及びステップSe2804にて、上記の特定態様にて第2再遊技入賞が成立しているか否かを判定する。具体的には、ステップSe2803では、中リール32Mの中段に「白7」図柄が停止しているか否かを判定する。また、ステップSe2804では、右リール32Rの中段に「白7」図柄が停止しているか否かを判定する。ちなみに、これらの判定は、上記のモータ制御処理(図394)やリール制御処理(図357)にて把握している図柄番号から把握可能であり、ステップSe2803では、中リール32Mの中段の図柄番号が「3」であるか否かを判定し、ステップSe2804では、右リール32Rの中段の図柄番号が「4」であるか否かを判定する。上記の通り、第2再遊技は、左リール32Lの「白7」図柄、中リール32Mの「白貝」図柄、右リール32Rの「チェリー」図柄が有効ラインML上に停止することで入賞が成立し、左リール32Lの「白7」図柄は1つであるのに対して、中リール32Mの「白貝」図柄、右リール32Rの「チェリー」図柄は、それぞれ2つと3つである。そして、中リール32Mの4番の「白貝」図柄と右リール32Rの5番の「チェリー」図柄により第2再遊技入賞が成立している場合には、中ラインL2に「白7」図柄が揃って停止する特定態様となる一方、中リール32Mの19番の「白貝」図柄や、右リール32Rの0番や10番の「チェリー」図柄により第2再遊技入賞が成立すると、中ラインL2に「白7」図柄は揃って停止せず特定態様とはならない(以下の説明では、非特定態様とも称する)。ちなみに、第2再遊技入賞が成立している場合、左リール32Lの中段には必ず「白7」図柄が停止している。
ステップSe2803及びステップSe2804のいずれでも肯定判定して、特定態様にて第2再遊技入賞が成立している場合、ステップSe2805に進み、各種フラグ格納エリア106dに第1回転演出フラグをセットする処理を実行する。そして、ステップSe2806にて、第1回転演出コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本回転演出コマンド設定処理を終了する。
これに対して、ステップSe2802にて第2再遊技入賞が成立していないと判定した場合や、第2再遊技入賞は成立しているものの、特定態様ではなく非特定態様にて入賞している場合(ステップSe2803又はステップSe2804にて否定判定した場合)は、ステップSe2807に進み、各種フラグ格納エリア106dに第2回転演出フラグをセットする処理を実行する。そして、ステップSe2808にて、第2回転演出コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本回転演出コマンド設定処理を終了する。
ここで、本実施形態では、回転演出を実行することの決定がなされた場合、各リール32L,32M,32Rの停止態様によって、その実行態様が異なり、また、当該停止態様によって補助表示部65等による回転演出用の演出の態様が異なるようにしている。上記の第1回転演出フラグや第2回転演出フラグは停止態様によって回転演出の実行態様を異ならせるためのフラグであり、第1回転演出コマンドや第2回転演出コマンドは停止態様よって補助表示部65等による回転演出用の演出の態様を異ならせるためのコマンドである。
ATモード用処理において、ステップSe1701にて回転演出フラグがセットされていない場合、又はステップSe1702にて回転演出コマンド設定処理を実行した後は、ステップSe1703に進む。ステップSe1703では、疑似操作指示フラグがセットされているか否かを判定する。既に説明した通り、疑似操作指示フラグは、AT上乗せ用処理(図367)において、ループ対象結果(通常リプA~通常リプC)を契機とする上乗せ抽選に非当選となった場合の一部でセットされるフラグである。疑似操作指示フラグがセットされる場合には、第4再遊技入賞や第5再遊技入賞に対応する押し順報知とともに、特定態様による第2再遊技入賞を成立させるように指示する疑似操作指示演出が補助表示部65等にて実行される。
疑似操作指示フラグがセットされている場合、ステップSe1704にて当該疑似操作指示フラグをクリアする処理を実行し、ステップSe1705にて上記の第2回転演出コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行する。ステップSe1703にて否定判定した場合や、ステップSe1705の処理を実行した後は、ステップSe1706に進み、ATモードのゲーム数のカウント用の処理を実行する。
<回転演出処理>
次に、リール制御処理(図357)におけるステップSe401の回転演出処理について、図398のフローチャートを参照しながら説明する。既に説明した通り、リール制御処理は、スタートレバー41の操作に基づいてゲームの開始に際して実施される処理である。
ステップSe2901では、上記の第1回転演出フラグがセットされているか否かを判定する。第1回転演出フラグがセットされている場合、ステップSe2902にて、第1回転制御処理を実行してから、本回転演出処理を終了する。一方、第1回転演出フラグがセットされていない場合、ステップSe2903にて第2回転演出フラグがセットされているか否かを判定する。第2回転演出フラグがセットされている場合、ステップSe2904にて、第2回転制御処理を実行してから、本回転演出処理を終了する。ステップSe2903にて第2回転演出フラグがセットされていないと判定した場合、そのまま本回転演出処理を終了する。
<第1回転制御処理>
第1回転制御処理について、図399のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップSe3001では、特別回転テーブルを各リール32L,32M,32Rの回転用の回転テーブルとして設定する処理を実行する。特別回転テーブルは、上記の通常回転テーブル(図396)に対応するものであり、図400に示すように、通常回転テーブルと同様に加速順序や加速時間が設定されている。ちなみに、本実施形態における特別回転テーブルは、各リール32L,32M,32Rの回転方向が正回転の逆方向である逆回転となるように励磁データが設定されている。
続くステップSe3002では、各リール32L,32M,32Rの加速カウンタに「25」を設定する処理を実行する。これにより、上記のモータ制御処理(図394)にて各リール32L,32M,32Rにおける逆方向への回転が開始されるようになる。続くステップSe3003では、各種カウンタエリア106eに設けられた総ステップカウンタの加算開始処理を実行する。総ステップカウンタは、回転制御処理での各演出の切り替えタイミングをCPU102が把握するためのカウンタであり、上記モータ制御処理にて利用するステップカウンタの総数に相当する。つまり、ステップカウンタは、タイマ割込み処理が起動されるたびに1ずつ加算されるカウンタであって、加速順序(加速カウンタ)の更新に際して新たな値が入力される(ステップSe2608)一方、当該総ステップカウンタは加速順序(加速カウンタ)が更新されてもそのまま加算が継続されるカウンタである。
続くステップSe3004では、総ステップカウンタが「4528」に至ったか否かを判定する。ここで、本実施形態における特別回転テーブルは、図400に示すように、加速カウンタが「24」から「0」に至るまでに628回のタイマ割込み処理が実行されるように設定されており、総ステップカウンタが「628」となるタイミングで1図柄分の励磁データの出力が行われて定速回転となる。そして、定速回転となった場合には加速順序25の加速時間がステップカウンタに更新されることから、総ステップカウンタが「2528」(628+4×25×19図柄)に更新されるタイミングで回転開始からちょうど1回転することになる。さらに、定速回転に至った後は、1回転で総ステップカウンタは「2000」(4×25×20図柄)更新されることから、上記のステップSe3004にて判定する値は、回転開始からちょうど2周分だけ回転したタイミングを意味する。
ステップSe3004では、総ステップカウンタが「4528」に至るまで待機し、「4528」となることで肯定判定してステップSe3005に進む。ステップSe3005では、全てのリール32L,32M,32Rに対して停止指令処理を実行する。この場合、リール制御処理(図357)におけるステップSe405~ステップSe410のように、停止情報設定処理(ステップSe312)にて設定された図柄に到達したタイミングまで停止制御を待つことなく、ステップSe3005の処理タイミング(2周回転したタイミング)にて全てのリール32L,32M,32Rを停止させる。より具体的には、ステッピングモータにおける全ての励磁コイルに対してブレーキ用の通電処理を行うブレーキ制御を行うことで、全てのリール32L,32M,32Rを停止させる。なお、このような回転制御処理においてリール32L,32M,32Rを停止させる態様を上記の通常回転制御において停止させる態様と区別すべく、回転制御処理において停止させる態様「仮停止」とも称する場合がある。
既に説明した通り、第1回転制御処理が実行される場合、特定態様にて第2再遊技入賞が成立しており、中ラインL2に「白7」図柄が揃った状態で停止している。そして、上記のように全てのリール32L,32M,32Rの回転を同時に開始させ、ちょうど2周分回転したタイミングで全てのリール32L,32M,32Rを停止させることで、当該停止させた際には、回転開始前と同様に、中ラインL2に「白7」図柄が揃った特定態様の停止出目となる。
ステップSe3005の処理を実行した後は、ステップSe3006にて第1ループコマンドを表示制御装置81へ出力する処理を実行する。この場合、上記のように再度中ラインL2に「白7」図柄が揃って停止したことに対応する第1ループ演出が補助表示部65等にて実行される(図407(b3))。第1ループ演出は、例えば、「白7」図柄のキャラクタとともに、女の子のキャラクタが「やったね」と喜んでいる様子を補助表示部65にて表示する演出が設定されている。
続くステップSe3007では、操作コマンドを表示制御装置81に出力する処理を実行する。操作コマンドを受信した表示制御装置81では、スタートレバー41の操作を促すように、「レバーをたたくんだ!!」といった文字表示とともにスタートレバー41を模したキャラクタを補助表示部65にて表示する開始操作演出を実行する(図407(b1))。
ステップSe3007の処理を実行した後は、ステップSe3008にてスタートレバー41の操作が実行されたか否かを判定する。操作されていない場合には、ステップSe3009にて総ステップカウンタが「8000」に至ったか否かを判定する。既に説明した通り、総ステップカウンタは加速順序の更新に関わらずカウントが行われるものであり、各リール32L,32M,32Rが停止している間もカウントが継続される。そのため、ステップSe309にて肯定判定する場合とは、ステップSe3004にて肯定判定して各リール32L,32M,32Rが停止してから(操作コマンドが出力されて開始操作演出が実行されてから)、約5secが経過したタイミングであることを意味する。
ステップSe3009にて否定判定した場合には、ステップSe3008に戻り、ステップSe3008又はステップSe3009にて肯定判定することでステップSe3010に進む。ステップSe3010では、ループ抽選処理を実行する。ループ抽選処理は、上記のAT上乗せ用処理における上乗せループ用処理にて設定されたループ率(ループ率フラグ)に応じた確率で抽選を実行する。そして、ステップSe3011にてループ抽選に当選したか否かを判定する。
ループ抽選に当選した場合、ステップSe3012に進み、第1開始演出コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行する。第1開始演出コマンドを受信した表示制御装置81では、各リール32L,32M,32Rによる回転演出が開始されることに対応するように、例えば、女の子のキャラクタが喜びながら「いくよ」と発している様子を示す第1開始演出が行われるように補助表示部65等を制御する(図407(b2))。そして、ステップSe3013にてATセットカウンタに1を加算し、ステップSe3014にて総ステップカウンタを0にクリアしてから、ステップSe3001に戻る。
この場合、特別回転テーブルの設定が行われ、加速カウンタに「25」が入力されることから、再度、逆回転にて各リール32L,32M,32Rの回転が開始され、ちょうど2周回転したタイミングで停止して、中ラインL2に「白7」図柄が揃って停止することになる。
ここで、本実施形態では、上記のように中ラインL2に「白7」図柄を揃えて停止させるにあたり、回転中の各リール32L,32M,32Rの図柄位置を把握するための処理は設けられていない。つまり、回転演出の開始前に停止していた図柄をそのまま停止させるだけであるし、そのまま停止させるにあたって、回転中の図柄の図柄番号を把握する等をせずに、総ステップカウンタにより回転開始からの処理数を把握することで、特別回転テーブルから移動図柄数を把握可能とし、当該移動図柄数がちょうど周回に相当する図柄数(20図柄)の整数倍となったタイミングで回転を停止させる構成としている。このようにすることで、例えば、回転中の図柄の位置等を把握したうえで停止させる等の構成と比較して、回転演出を行ううえでの処理負荷を圧倒的に低減することが可能となる。
ステップSe3011にてループ抽選に非当選であったと判定した場合、ステップSe3015に進み、終了コマンドを表示制御装置81へ出力する処理を実行する。終了コマンドを受信した表示制御装置81では、今回のループ抽選に当選した回数、すなわち、ATモードの上乗せセット数を示す終了演出(図408(b2))が補助表示部65にて実行されるように制御する。そして、ステップSe3016にて各種フラグ格納エリア106dにランダム回転フラグをセットする処理を実行してから、本第1回転制御処理を終了する。なお、第1回転制御処理を終了する際に、第1回転演出フラグ等の回転演出を実行するために利用した各種フラグやカウンタをクリア(リセット)する構成とするとよい。
ランダム回転フラグがセットされることにより、リール制御処理(図357)において当該回転演出処理(ステップSe401)に続いて実施される回転開始処理(ステップSe402、図395)では、ステップSe2703にて肯定判定するようになる。
この場合、ステップSe2707にてランダム回転フラグをクリアする処理を実行した後、ステップSe2708にて各種カウンタエリア106eに設けられた遅延カウンタに所定値としての「1000」を入力する処理を実行する。遅延カウンタは、各リール32L,32M,32Rの回転開始タイミングをずらすために用いられるカウンタであり、タイマ割込み処理が起動されるたびに1ずつ減算されるカウンタである。
続くステップSe2709では、順序抽選処理を実行する。順序抽選処理では、各リール32L,32M,32Rの回転開始順序(6通り)を抽選により決定する処理であり、本実施形態ではランダムに(均等に)回転開始順序を決定する。そして、ステップSe2710では、ステップSe2709の処理により最初に回転を開始すると決定されたリールの加速カウンタに「25」を入力する処理を実行する。これにより、当該最初に回転を開始すると決定されたリールについて、モータ制御処理により回転が開始されることになる。
続くステップSe2711では、上記の遅延カウンタが「500」に至ったか否かを判定し、「500」に至っていない場合にはそのまま待機する。「500」に至ることによりステップSe2711にて肯定判定し、ステップSe2712に進む。ステップSe2712では、ステップSe2709の処理により2番目に回転を開始すると決定されたリールの加速カウンタに「25」を入力する処理を実行する。これにより、当該2番目に回転を開始すると決定されたリールについて、モータ制御処理により回転が開始されることになる。
続くステップSe2713では、上記の遅延カウンタが「0」に至ったか否かを判定し、「0」に至っていない場合にはそのまま待機する。「0」に至ることによりステップSe2713にて肯定判定し、ステップSe2714に進む。ステップSe2714では、ステップSe2709の処理により3番目に回転を開始すると決定されたリールの加速カウンタに「25」を入力する処理を実行してから、本回転開始処理を終了する。これにより、当該3番目に回転を開始すると決定されたリールについて、モータ制御処理により回転が開始されることになる。
ここで、第1リールを回転開始させてから第2リールを回転開始させるまでの期間(遅延カウンタ500分)や、第2リールを回転開始させてから第3リールを回転開始させるまでの期間(遅延カウンタ500分)は、いずれもリールが1周回転するために要する期間とは異なるように設定されている。このようにすることで、「白7」図柄が横方向に揃って各リール32L,32M,32Rが回転することを回避することが可能となり、当該横方向に揃った「白7」図柄によって回転中の図柄の視認性が向上する等の事象を生じにくくすることができ、遊技の公平性を担保することができる。
ちなみに、上記のように第1回転制御処理においてループ抽選の実行契機としてスタートレバー41の操作が実行され得るが、抽選処理(図354)による各ゲームの抽選は、それよりも前のスタートレバー41の操作に基づいて実行されている。より具体的には、第1回転動作の開始契機となるスタートレバー41の操作に基づいて、抽選処理における各ゲームの抽選が実行される。この点は、以下の第2回転制御処理の実行時についても同様である。
<第2回転制御処理>
次に、ステップSe2904の第2回転制御処理について、図401のフローチャートを参照しながら説明する。既に説明した通り、第2回転制御処理が実行される場合とは、ATモードの上乗せ抽選に当選した場合であって、ループ抽選を実行することの決定がなされたものの、特定態様での第2再遊技入賞が成立しなかった場合であり、非特定態様での第2再遊技入賞が成立したり、第1再遊技入賞や第4再遊技入賞、第5再遊技入賞等の他の再遊技入賞が成立した場合である。
ステップSe3101では、上記ステップSe3001と同様に、図400の特別回転テーブルを設定する処理を実行する。つまり、特定態様での第2再遊技入賞が成立して第1回転制御処理により回転演出が行われる場合と、そうではない場合とで、同じ回転テーブルにて回転演出が実行されるように設定されている。
続くステップSe3102では、各リール32L,32M,32Rの加速カウンタに「25」を入力する処理を実行する。これにより、第1回転制御処理の場合と同様に、各リール32L,32M,32Rが逆方向へ回転開始するようになる。そして、ステップSe3103にて、上記の総ステップカウンタの加算開始処理を実行する。
続くステップSe3104では、総ステップカウンタが「4528」に至ったか否かを判定する。ステップSe3104の処理は上記ステップSe3004の処理に相当する処理であり、回転開始からちょうど2周分だけ回転したタイミングに至ったか否かを判定する。総ステップカウンタが「4528」に至っていない場合にはそのまま待機し、「4528」に至ることでステップSe3104にて肯定判定してステップSe3105に進む。
ステップSe3105では、第2ループコマンドを表示制御装置81へ出力する処理を実行する。この場合、第1回転制御処理の場合における第1ループ演出とは異なり、上記のようにATモードのセット上乗せが発生したことを祝福するように、例えば軍人のキャラクタが「やったぜ」と雄たけびを挙げている様子を示す第2ループ演出が補助表示部65等にて実行される(図410(b3))。
つまり、特定態様にて第2再遊技入賞が成立せず、第2回転制御処理が実行される場合、第1回転制御処理において、各リール32L,32M,32Rを逆方向に回転させてから特定態様にて再度停止させる制御の実行が制限される。ここで、上記のように特定態様にて第2再遊技入賞が成立していなかった場合、逆方向に回転させた後、再停止の際には特定態様の停止出目となるようにすることも可能である。ところが、そのような制御を行おうとすると、図柄同士のずれを把握して、回転開始タイミングをずらしたり、加速度を異ならせたりする必要が生じ、処理負荷の極度な増大化を招きかねない。特に、第1回転制御処理では、特定態様にて第2再遊技入賞が成立している場合であっても、図柄の位置関係等を把握することなく、2周分だけ回転させて停止することで、同じ停止出目を再停止させる、といった極めて簡素な処理構成にて回転演出を実行するようにしているのにもかかわらず、上記のように特定態様ではなかった場合に、処理負荷の増大化が生じてしまっては、せっかくの効果が好適に期待できなくなってしまう。そこで、上記のように特定態様ではなかった場合には、回転演出において再停止させる制御自体を制限するようにすることで、特定態様であった場合の効果を抹殺することなく、特定態様ではなかった場合にも処理負荷の軽減効果を期待することが可能となる。
更に、上記のように、特定態様にて第2再遊技入賞が成立しておらず、非特定態様等の停止出目であったのにも関わらず、再度、同じように非特定態様等の停止出目を登場させないようにすることになるため、特定態様にて第2再遊技入賞を成立させることができなかったことに対して残念感や劣等感を抱いているであろう遊技者に、その残念感や劣等感を再度与えないようにすることも可能である。このようにすることで、遊技意欲の低下を好適に回避することが可能となる。
なお、以下の説明では、第1回転制御処理にて逆回転させてから仮停止させる各リール32L,32M,32Rの動作を第1回転動作とも称し、第2回転制御処理にて逆回転させてから仮停止させない各リール32L,32M,32Rの動作を第1回転動作が制限された制限動作とも称する。また、当該制限動作を第2回転動作とも称する場合がある。
続くステップSe3106では、操作コマンドを表示制御装置81へ出力する処理を実行する。操作コマンドを受信した表示制御装置81では、第1回転制御処理の場合と同様に、スタートレバー41の操作を促すように、「レバーをたたくんだ!!」といった文字表示とともにスタートレバー41を模したキャラクタを補助表示部65にて表示する開始操作演出を実行する(図410(b1))。
ステップSe3106の処理を実行した後は、ステップSe3107にてスタートレバー41の操作が実行されたか否かを判定する。操作されていない場合には、ステップSe3108にて総ステップカウンタが「8000」に至ったか否かを判定する。これらステップSe3107及びステップSe3108の処理は、上記ステップSe3008及びステップSe3009の処理に対応するものであり、操作コマンドが出力されて開始操作演出が実行されてから、スタートレバー41の操作が行われたか、操作が行われないまま約5secが経過したか否かを判定する処理である。
ステップSe3107又はステップSe3108にて肯定判定することでステップSe3109に進む。ステップSe3109では、上記ステップSe3010と同様に、ループ抽選処理を実行する。当該ループ抽選処理においても、上記のAT上乗せ用処理における上乗せループ用処理にて設定されたループ率に応じた確率で抽選を実行する。そして、ステップSe3110にてループ抽選に当選したか否かを判定する。
ループ抽選に当選した場合、ステップSe3111に進み、第2開始演出コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行する。第2開始演出コマンドを受信した表示制御装置81では、各リール32L,32M,32Rによる回転演出が開始されることに対応する演出であって、第1開始演出とは異なる演出として、例えば、軍人のキャラクタがオーラを身に纏いながら力を込めて「うおおおお」と叫んでいる様子を示す第2開始演出が行われるように補助表示部65等を制御する(図410(b2))。そして、ステップSe3112にてATセットカウンタに1を加算し、ステップSe3113にて総ステップカウンタを0にクリアしてから、ステップSe3104に戻る。
この場合、上記のように第2回転制御処理においては、2周分だけ回転させたタイミングで各リール32L,32M,32Rを停止させていないため、加速カウンタに「25」を入力することなく、逆方向への定速回転が維持されるようにしている。そして、第1回転制御処理であれば、ちょうど2周回転したタイミングにて、再度、第2回転演出が行われるようになる。
ステップSe3110にてループ抽選に非当選となったと判定した場合、ステップSe3114に進み、終了コマンドを表示制御装置81へ出力する処理を実行する。終了コマンドを受信した表示制御装置81では、今回のループ抽選に当選した回数、すなわち、ATモードの上乗せセット数を示す終了演出(図411(b2))が補助表示部65にて実行されるように制御する。そして、ステップSe3115にて、総ステップカウンタが「9000」に至るまで待機する。総ステップカウンタが「9000」に至った場合、ステップSe3115にて肯定判定して、ステップSe3116に進み、各リール32L,32M,32Rを停止させるための停止指令処理を実行してから、本第2回転制御処理を終了する。この場合、当該総ステップカウンタが「9000」に至ったタイミングで各リール32L,32M,32Rが停止し、続けて実施される回転開始処理にて、各リール32L,32M,32Rは正方向に回転するように制御される。なお、第2回転制御処理を終了する際に、第2回転演出フラグ等の回転演出を実行するために利用した各種フラグやカウンタをクリア(リセット)する構成とするとよい。
ここで、本実施形態では、第2回転制御処理にて回転演出を実行した場合には、ランダム回転を実行しないようにしている。これは、第2回転制御処理による制限動作では、各リール32L,32M,32Rを途中で停止させていないし、そもそも、「白7」図柄が横方向に揃って停止する特定態様とは異なる非特定態様等にて停止した状態から制限動作を開始しており、上記ステップSe3116にて各リール32L,32M,32Rを停止させたとしても、その停止態様は、特定態様とは異なる非特定態様等となる。
より詳しくは、例えば、第2回転制御処理において、逆方向に回転が開始されてから、最初のループ抽選で非当選となった場合には、総ステップカウンタが「9000」となるタイミングとは、各リール32L,32M,32Rが4周分と4図柄~5図柄回転したタイミング(9000=2528(1周)+2000(1周)×3+472(4図柄~5図柄))である。この場合、非特定態様として左リール32Lの中段に「白7」図柄、中リール32Mの中段に「青年」図柄、右リール32Rの中段に「青年」図柄が停止して第2再遊技入賞が成立した状態から上記の制限動作が行われたとすると、総ステップカウンタが「9000」となって停止する場合には、左リール32Lの中段に7番の「スイカ」図柄、中リール32Mの中段に2番の「スイカ」図柄、右リール32Rの中段に3番の「リプレイ」図柄が停止することになり、いずれの図柄も直線状に揃って停止しない停止態様にて停止する。
つまり、このまま回転開始させたとしても、図柄の視認性を向上させる手助けとはなりにくく、公平性を損なう可能性は低いと考えられる。そこで、上記のように第2回転制御処理においてはランダム回転を実行しないようにすることで、処理構成の簡素化を図ることが可能となる。
但し、本実施形態における第2回転制御処理では、ループ抽選に非当選となったと判定した後、第1回転制御処理によってランダム回転が行われる場合の当該ランダム回転に要する期間分だけ、各リール32L,32M,32Rの回転を継続させ、その後、各リール32L,32M,32Rを停止させるようにしている。このようにすることで、第1回転制御処理が実行された場合と、第2回転制御処理が実行された場合とで、遊技の進行度合いや進行スピードを合わせることが可能となる。
ちなみに、第2回転制御処理においてステップSe3115では総ステップカウンタが「9000」となるまで回転を継続させる構成としているところ、かかる処理によって第1回転制御処理が行われた場合の遊技進行と第2回転制御処理が行われた場合の遊技進行とが同じタイミングとなるのは、第1回転制御処理において、開始操作演出が実行されてもスタートレバー41を操作せずに総ステップカウンタが8000となるまで待機した場合である。つまり、上記のように第2回転制御処理が行われた場合の遊技進行が、第1回転制御処理が行われた場合の遊技進行とちょうど同じタイミングとなるのは、第1回転制御処理が行われた場合の最も遅いタイミングである。このようにすることで、よりスムーズな遊技進行を望む遊技者に対して、操作指示演出が実行された場合になるべく特定態様にて第2再遊技入賞を成立させるように促すことが可能となり、遊技意欲を増進させることが可能となる。
<回転演出準備処理>
次に、表示制御装置81側の全停止時演出設定処理におけるステップSe2220にて実行される回転演出準備処理について、図402のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップSe3201では、第1回転演出コマンドを受信しているか否かを判定する。既に説明した通り、第1回転演出コマンドは、主制御装置101側のATモード用処理における回転演出コマンド設定処理にて、中ラインL2に「白7」図柄が揃って停止している場合に出力されるコマンドである。
第1回転演出コマンドを受信している場合、ステップSe3202にて第1停止時演出が補助表示部65等にて行われるように設定する処理を実行する。第1停止時演出は、例えば、「白7」図柄のキャラクタとともに、女の子のキャラクタが「まだまだいくよ」と喜んでいる様子が補助表示部65にて表示される演出が設定されており(図406(c1))、上乗せ抽選に当選したこととともに、更に上乗せが行われることを示唆するように設定されている。
第1停止時演出の設定を行った後は、ステップSe3203にて、開始操作演出が、上記の第1停止時演出に続いて(より詳しくは、今回のゲームが終了し、次ゲームのベット処理後に)行われるように設定する処理を実行する。開始操作演出は、上記のようにスタートレバー41の操作を促す演出である(図407(b1))。そして、ステップSe3204にて、各種フラグ格納エリア183cに第1回転演出フラグをセットする処理を実行してから、本回転演出準備処理を終了する。上記の通り、第1回転動作は特定態様となったゲームの次のゲームの開始時に実行されるところ、上記の第1回転演出フラグは、次のゲームの開始時演出設定処理にて、当該第1回転動作に対応する演出を実行するためのフラグである。
ステップSe3201にて第1回転演出コマンドを受信していないと判定した場合、ステップSe3205に進み、第2回転演出コマンドを受信しているか否かを判定する。既に説明した通り、第2回転演出コマンドは、主制御装置101側のATモード用処理における回転演出コマンド設定処理にて、中ラインL2に「白7」図柄が揃って停止しておらず、非特定態様にて停止している場合や、そもそもATモードの上乗せ抽選に非当選であった場合であって、疑似操作指示演出が実行された場合に出力されるコマンドである。第2回転演出コマンドを受信していない場合には、そのまま回転演出準備処理を終了する。
第2回転演出コマンドを受信している場合、ステップSe3206にて、第2停止時演出が補助表示部65等にて行われるように設定する処理を実行する。第2停止時演出は、例えば、軍人のキャラクタが落ち込んでいる様子が補助表示部65にて表示される演出が設定されており(図406(c2))、上乗せ抽選に非当選であった可能性があることや、仮に上乗せ抽選に当選であったとしても、更なる上乗せが行われないことを示唆するように設定されている。
第2停止時演出の設定を行った後は、ステップSe3207にて、ステップSe3203の場合と同様に、開始操作演出が、上記の第2停止時演出に続いて(より詳しくは、今回のゲームが終了し、次ゲームのベット処理後に)行われるように設定する処理を実行する。そして、ステップSe3208にて、今回のゲームで疑似操作指示演出を実行していたか否かを判定する。疑似操作指示演出を実行していた場合とは、上記のようにループ契機結果であっても上乗せ非当選となった場合であり、この場合、そのまま本回転演出準備処理を終了する。一方、疑似操作指示演出を実行しておらず、操作指示演出を実行している場合には、ステップSe3209にて各種フラグ格納エリア183cに第2回転演出フラグをセットする処理を実行してから、本回転演出準備処理を終了する。上記の通り、制限動作は非特定態様となったゲームの次のゲームの開始時に実行されるところ、上記の第2回転演出フラグは、次のゲームの開始時演出設定処理にて、当該制限動作に対応する演出を実行するためのフラグである。
<回転演出用処理>
次に、開始時演出設定処理(図382)におけるステップSe2101の回転演出用処理について、図403のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップSe3301では、主制御装置101からループ率コマンドを受信しているか否かを判定する。既に説明した通り、ループ率コマンドは、ループ対象結果にて上乗せ抽選に当選した場合であって、ループ抽選を実行することの決定がなされた場合に出力されるコマンドであり、そのループ抽選の当選確率(ループ率)についての情報が含まれている。ループ率コマンドを受信している場合、ステップSe3302にて、当該ループ率コマンドに含まれるループ率の情報をRAM183の各種フラグ格納エリア183cに記憶する処理を実行してから、本回転演出用処理を終了する。なお、当該ループ率コマンドを受信する場合とは、今回のゲームで上乗せ当選した場合であり、第1回転動作や制限動作は当該ゲームの次のゲームの開始時に実行されることから、上記のようにループ率コマンドを受信したゲームでは、第1回転動作や制限動作用の演出設定処理は実行しない。
ステップSe3301にてループ率コマンドを受信していないと判定した場合、ステップSe3303にて、第1回転演出フラグがセットされているか否かを判定する。第1回転演出フラグがセットされている場合、ステップSe3304にてループ率演出設定処理を実行する。ループ率演出設定処理では、上記ステップSe3302にて記憶したループ率の情報(フラグ)に基づいて、今回のループ抽選のループ率に対応するループ率演出が行われるように設定するとともに、当該ループ率の情報をクリアする処理を実行する。ループ率演出としては、例えば、上部ランプ63をループ率に応じた色で点灯又は点滅させる演出が考えられる。なお、ループ率演出が設定されている場合、演出スイッチ66の操作に基づき上部ランプ63が点灯してその点灯色からループ率を把握可能となる構成としてもよく、このようにすることで、ループ率を把握せずにループ抽選の当否を楽しみたい遊技者のニーズとループ率を把握して楽しみたい遊技者とのニーズに応じることが可能である。
ステップSe3304の処理を実行した後は、ステップSe3305にて第1回転演出用処理を実行してから、本回転演出用処理を終了する。一方、ステップSe3303にて第1回転演出フラグがセットされていないと判定した場合、ステップSe3306にて第2回転演出フラグがセットされているか否赤を判定する。第2回転演出フラグがセットされていない場合には、そのまま回転演出用処理を終了する。第2回転演出フラグがセットされている場合、ステップSe3307にて第2回転演出用処理を実行してから、本回転演出用処理を終了する。本実施形態では、第2回転演出フラグがセットされている場合には、ループ率演出の設定を行わないようにしており、これはループ率演出によって、ループ抽選を実行することの決定がなされていることが悟られてしまうことを回避するための工夫である。
<第1回転演出用処理>
ステップSe3305の第1回転演出用処理について、図404のフローチャートを参照しながら説明する。第1回転演出用処理の説明に際しては、各リール32L,32M,32Rによる第1回転動作や、それに至るまでの操作指示演出等もあわせて説明する。
まず、第1回転演出用処理が実行される場合とは、上記のように前ゲームでループ契機結果である通常リプA~通常リプCに基づいて上乗せ当選し、且つループ抽選を実行することの決定がなされた場合である。この場合、当該上乗せ当選となったゲームにおいて主制御装置101からは第2再遊技入賞用の押し順報知コマンドが出力されており、表示制御装置81側では開始時演出設定処理にて操作指示演出を行うための処理が実行される(図406(a))。そして、遊技者が当該操作指示演出の操作順序で且つ「白7」図柄を狙って操作して特定態様にて第2再遊技入賞を成立させると(図406(b1)、図407(a1))、第1停止時演出が補助表示部65にて実行され(図406(c1))、上乗せ当選したことに加えて、更に上乗せが行われることが把握可能となる。この場合、第1回転演出フラグがセットされて、本第1回転演出用処理が実行されるようになる。また、上記の第1停止時演出に続けて、開始操作演出が実行され(図407(b1))、スタートレバー41の操作が促される。
第1回転演出用処理では、ステップSe3501にて第1開始演出が行われるように補助表示部65等を制御する。上記のように、第1開始演出は、女の子のキャラクタが喜びながら「いくよ」と発している様子を示す演出が設定されている(図407(b2))。この場合、特定態様にて第2再遊技入賞が成立している状態(図407(a1))から、逆回転で各リール32L,32M,32Rが回転を開始する(図407(a2))。
ステップSe3501の処理を実行した後は、ステップSe3502にて第1ループコマンドを受信するまで待機し、第1ループコマンドを受信することでステップSe3502にて肯定判定して、ステップSe3503にて第1ループ演出(図407(b3))が行われるように補助表示部65等を制御する。既に説明した通り、第1ループコマンドは、特別回転テーブルに従って第1回転動作が行われている場合に、回転開始からちょうど2周分回転した場合であって、当該2周分回転して再度特定態様にて各リール32L,32M,32Rを停止させる(図407(a3)、図408(a1))場合に出力されるコマンドである。
続くステップSe3504では操作コマンドを受信するまで待機し、操作コマンドを受信することでステップSe3504にて肯定判定して、ステップSe3505にて開始操作演出(図408(b1))が行われるように補助表示部65等を制御する。その後、ステップSe3506にて第1開始演出コマンドを受信したか否かを判定し、第1開始演出コマンドを受信している場合には、ステップSe3501に戻り、第1開始演出(図407(b2))が行われるように制御する。
これに対して、ステップSe3506にて第1開始演出コマンドを受信していない場合、ステップSe3507にて終了コマンドを受信したか否かを判定する。終了コマンドを受信していない場合には、ステップSe3506に戻り、第1開始演出コマンド又は終了コマンドを受信するまで待機する。終了コマンドを受信している場合、ステップSe3508にて終了演出(図408(b2))が行われるように補助表示部65等を制御する。この場合、図408(b2)に示すように、今回の上乗せ抽選にて上乗せされたトータルのセット数の報知が行われる。また、ランダム回転フラグがセットされることにより、図408(a2)に示すように、抽選により決定された順序で各リール32L,32M,32Rの回転が開始される。続く、ステップSe3509では、各種カウンタエリア183bに設けられたタイマカウンタに「1000」を入力する処理を実行する。当該タイマカウンタは所定周期(1.4msec周期)で1ずつ減算されるカウンタである。そして、ステップSe3510にて当該タイマカウンタが「0」となるまで待機し、タイマカウンタが「0」となることで、当該第1回転演出用処理を終了する。タイマカウンタが0となるまでの期間は、ランダム回転にて全リール32L,32M,32Rの回転が開始されるまでの期間に相当する。つまり、スタートレバー41の操作に基づき第1回転演出用処理が起動される場合には、第1回転動作の後、全リール32L,32M,32Rの回転が開始される際に(図408(a3))、開始時演出設定処理におけるステップSe2102以降の処理が実行されるようになり、例えば、開始時演出として押し順報知演出(図408(b3))が開始される。
<第2回転演出用処理>
ステップSe3307の第2回転演出用処理について、図405のフローチャートを参照しながら説明する。第2回転演出用処理の説明に際しては、各リール32L,32M,32Rによる制限動作(第2回転動作)や、それに至るまでの操作指示演出等もあわせて説明する。
まず、第2回転演出用処理が実行される場合とは、上記のように前ゲームでループ契機結果である通常リプA~通常リプCに基づいて上乗せ当選し、且つループ抽選を実行することの決定がなされた場合である。上乗せ当選となったゲームでは、上記のように主制御装置101からは第2再遊技入賞用の押し順報知コマンドが出力されており、表示制御装置81側では開始時演出設定処理にて操作指示演出を行うための処理が実行される(図406(a))。そして、遊技者が当該操作指示演出の操作順序で操作しなかったり、「白7」図柄を狙うことに失敗した場合には、非特定態様にて第2再遊技入賞が成立したり(図406(b2)、図410(a1))、第1再遊技入賞が成立したり(図406(b3)、図409(a1))、第4再遊技入賞や第5再遊技入賞が成立したりする。ちなみに、ループ契機であっても上乗せ非当選となった場合には、疑似操作指示演出が実行され、第2再遊技入賞が成立しない操作順序の押し順報知演出が行われることから、図406(b3)に示すように第1再遊技入賞が成立したり、第4再遊技入賞や第5再遊技入賞が成立することになる。これらの場合、第2停止時演出が補助表示部65にて実行され(図406(c2))、上乗せ非当選となった可能性があることや、更なる上乗せに期待できないことが把握可能となる。そして、回転演出準備処理では、いずれの場合であっても、上記の第2停止時演出に続けて、開始操作演出が実行されるようにし(図409(b1)、図410(b1))、スタートレバー41の操作が促される。但し、回転演出準備処理では、操作指示演出を実行していた場合には第2回転演出フラグをセットする一方、疑似操作指示演出を実行していた場合には、第2回転演出フラグをセットしないため、本第2回転演出用処理が実行される場合とは、操作指示演出を実行していた場合であって、非特定態様にて第2再遊技入賞が成立したり、他の再遊技入賞が成立した場合である。
第2回転演出用処理では、ステップSe3601にて第2開始演出が行われるように補助表示部65等を制御する。上記のように、第2開始演出は、軍人のキャラクタがオーラを身に纏いながら力を込めて「うおおおお」と叫んでいる様子を示す演出が設定されている(図410(b2)。この場合、非特定態様にて第2再遊技入賞が成立している状態(図410(a1))等から、逆回転で各リール32L,32M,32Rが回転を開始する(図410(a2))。
ステップSe3601の処理を実行した後は、ステップSe3602にて第2ループコマンドを受信するまで待機し、第2ループコマンドを受信することでステップSe3602にて肯定判定して、ステップSe3603にて第2ループ演出(図410(b3))が行われるように補助表示部65等を制御する。既に説明した通り、第2ループコマンドは、特別回転テーブルに従った第1回転動作が制限されて制限動作が行われている場合に、回転開始からちょうど2周分回転した場合に出力されるコマンドである。この場合、第1回転動作が制限されていることから、当該第2ループコマンドは出力されるものの、各リール32L,32M,32Rの回転は継続される(図410(a3)、図411(a1))。
続くステップSe3604では操作コマンドを受信するまで待機し、操作コマンドを受信することでステップSe3604にて肯定判定して、ステップSe3605にて開始操作演出(図413(b1))が行われるように補助表示部65等を制御する。その後、ステップSe3606にて第2開始演出コマンドを受信したか否かを判定し、第2開始演出コマンドを受信している場合には、ステップSe3601に戻り、第2開始演出(図410(b2))が行われるように制御する。
これに対して、ステップSe3606にて第2開始演出コマンドを受信していない場合、ステップSe3607にて終了コマンドを受信したか否かを判定する。終了コマンドを受信していない場合には、ステップSe3606に戻り、第2開始演出コマンド又は終了コマンドを受信するまで待機する。終了コマンドを受信している場合、ステップSe3608にて終了演出(図411(b2))が行われるように補助表示部65等を制御する。この場合、図411(b2)に示すように、今回の上乗せ抽選にて上乗せされたトータルのセット数の報知が行われる。さらに、総ステップカウンタが「9000」となることで各リール32L,32M,32Rの回転が停止する(図411(a2))。この場合、ランダム回転フラグはセットされず、各リール32L,32M,32Rの逆回転による制限動作が終了した後、直ちに全リール32L,32M,32Rの回転が開始し(図411(a3))、例えば、開始時演出として押し順報知演出(図411(b3))が開始される。
疑似操作指示演出を経て、第1再遊技入賞等が成立している状況で開始操作演出が実行される場合(図409(a1)、図409(b1))、回転演出準備処理において第2回転演出フラグはセットされない。そして、次ゲームの開始時に制限動作(第2回転動作)は実行されず、スタートレバー41を操作すると、全リール32L,32M,32Rが正方向に回転を開始し(図409(a2))、例えば、開始時演出として押し順報知演出(図411(b3))が開始される。
ここで、第1開始演出や第1ループ演出といった第1表示演出と、第2開始演出や第2ループ演出といった第2表示演出とは、遊技者が明確に区別可能な程度に異なっており、回転演出において第1回転動作が行われていることと、制限動作が行われていることとを、その表示演出の相違からも把握することが可能となる。このようにすることで、特定態様にて第2再遊技入賞が成立していないからといって、その場合の回転動作を第1回転動作と合わせようとしなくても、そもそも異なる回転動作であることを遊技者は明確に把握することが可能となり、回転動作が相違することによる違和感を与えにくくすることが可能となる。
なお、第1表示演出よりも第2表示演出のほうが、補助表示部65における輝度や照度を高くしたり、効果音の出力ボリュームを大きくしたり、高音域の効果音を設定したりするなどして、第1表示演出よりも第2表示演出のほうが派手な演出となるようにすることで、第1回転動作のうちの一部の制御が制限された制限動作が行われることとの関係で、当該制限動作による演出効果を第2表示演出にて補うことも可能である。
<回転動作と各演出の流れ>
第1回転動作や制限動作が行われる場合の各種演出との関係について、図412を参照しながら説明する。
特定態様にて第2再遊技入賞が成立しており、第1停止時演出が行われている状況にてスタートレバー41が操作されると、第1回転動作として、各リール32L,32M,32Rが逆方向に回転開始される。この場合、補助表示部65での第1停止時演出は、第1開始演出に切り替わり、各リール32L,32M,32Rがちょうど2周分だけ回転したタイミングで、当該各リール32L,32M,32Rの回転が停止して特定態様の停止出目が再表示されるとともに、第1ループ演出が補助表示部65にて実行される。その後、開始操作演出が実行され、スタートレバー41が操作されると、ループ抽選が実行され、当該ループ抽選に当選すると、各リール32L,32M,32Rは再度逆方向への回転が開始され、第1開始演出も実行される。さらに2周分だけ回転したタイミングで、当該各リール32L,32M,32Rの回転が停止して特定態様の停止出目が再表示されるとともに、第1ループ演出が実行される。
その後、開始操作演出が実行され、スタートレバー41が操作されると、ループ抽選が実行され、当該ループ抽選に当選しないと、終了演出が開始されるとともに、各リール32L,32M,32Rはランダム回転にて回転が開始される。
非特定態様にて第2再遊技入賞が成立しており、第2停止時演出が行われている状況にてスタートレバー41が操作されると、制限動作として、各リール32L,32M,32Rが逆方向に回転開始される。この場合、補助表示部65での第2停止時演出は、第2開始演出に切り替わり、各リール32L,32M,32Rがちょうど2周分だけ回転したタイミングで、第2ループ演出が補助表示部65にて実行される。但し、当該タイミングでは当該各リール32L,32M,32Rの回転は停止せず、非特定態様の停止出目の再表示が制限される。その後、開始操作演出が実行され、スタートレバー41が操作されると、ループ抽選が実行され、当該ループ抽選に当選すると、第2開始演出も実行される。さらに2周分だけ回転したタイミングで、第2ループ演出が実行される。
その後、開始操作演出が実行され、スタートレバー41が操作されると、ループ抽選が実行され、当該ループ抽選に当選しないと、終了演出が開始される。この場合、当該終了演出は、第1回転動作実行時のランダム回転が終了するまでの期間に相当する期間に亘って実行され、当該期間の終了とともに終了演出は終了し、各リール32L,32M,32Rは一旦停止し、直ちに正方向への回転が開始される。ランダム回転にて回転が開始される。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
特定態様にて第2再遊技入賞が成立している場合、第1回転動作として、各リール32L,32M,32Rの回転を開始させ、ちょうど2周分だけ回転させて停止させ、回転演出の開始前に中段に停止していた図柄をそのまま停止させて特定態様を再度出現させる一方、特定態様にて第2再遊技入賞が成立していない場合には、制限動作として、2周分回転させた場合に停止させることなく回転を継続させるようにしたことで、回転演出において特定態様を出現させるために図柄の位置を把握して加速度等を調節するといった複雑な制御を用いることなく、処理負荷の軽減を図ることが可能となる。そのうえで、各リール32L,32M,32Rを停止させて特定態様を再度出現させる場合には、第1表示演出として第1開始演出や第1ループ演出が行われるようにし、各リール32L,32M,32Rを停止させない場合には、第2表示演出として第2開始演出や第2ループ演出が行われるようにしたことから、第1回転動作の一部が制限される制限動作として回転演出が行われる場合であっても、違和感を与えにくくすることができるし、その制限によって演出効果が低下してしまうことを表示演出にてフォローすることが可能となる。よって、処理負荷の軽減を図りながらも、回転演出による演出効果を好適に期待できるようになる。
第1回転動作や制限動作について、より詳しくは、各ゲームにおける通常回転制御としてストップスイッチ42~44の操作に基づき各リール32L,32M,32Rを停止させる場合、回転中のリール32L,32M,32Rの図柄番号と停止情報設定処理(ステップSe312、ステップSe412)にて設定された停止情報とに基づいてリール32L,32M,32Rの停止処理が行われる(ステップSe404~ステップSe410)。これに対して、回転演出においては、回転中のリール32L,32M,32Rの図柄番号に関わらず、各リール32L,32M,32Rを1回転させるために必要な期間(総ステップカウンタ)に基づいて、当該期間が経過した場合に各リール32L,32M,32Rを停止させる構成としている(ステップSe3004、ステップSe3005)。このようにすることで、回転演出における処理負荷の圧倒的な軽減効果を見込むことができ、そのうえで、特定態様にて第2再遊技入賞が成立していない場合には、加速度等の調節を行わずに、単に停止させないようにするだけとすることで、回転演出における処理構成を簡素化したメリットを抹殺しない範囲で、第1回転動作と制限動作とによる回転演出を好適に実現することが可能となる。
ここで、第1回転動作を行う場合、主にスタートレバー41の操作に基づいてループ抽選を実行する構成としているところ、仮に、特定態様にて第2再遊技入賞が成立していないからといって、回転演出自体を実行しないようにしてしまうと、遊技者の自らの操作によってループ抽選を受ける機会を消失させてしまう構成となり、遊技の興趣向上を図る上では好ましくない。それだけではなく、回転演出自体を実行しないようにしてしまうと、ATモードの上乗せすら消失してしまったと遊技者に勘違いをさせてしまい、遊技意欲の大幅な低下を招きかねない。その点、上記構成のように制限動作にて回転演出を行う構成とすることで、遊技者の自らの操作によってループ抽選を受ける機会を与えることもでき、遊技意欲の低下を回避することが可能となる。
しかも、第1回転動作においては、ループ抽選に当選し続ける限り、特定態様での再停止が繰り返される構成としていることから、仮に制限動作において非特定態様等のままで再停止させるような構成とすることで処理負荷の増大化を回避したとしても、何回も特定態様にて停止させることができなかった事実を遊技者に突きつける結果となってしまい、遊技意欲の大幅な低下が懸念される。その点、上記のように制限動作において停止制御を行わないようにすることは、処理負荷の増大化を解消するだけでなく、遊技意欲の低下も解消することも可能となり、回転演出を用いた演出効果を好適に得ることが可能となる。
制限動作を行った場合であっても、回転演出を終了する場合には一旦停止させる構成としている。つまり、第2回転制御処理において、ループ抽選に非当選となり(ステップSe3110:NO)、終了演出を実行した後、総ステップカウンタが「9000」となることで、停止指令処理を実行する構成としている(ステップSe3116)。総ステップカウンタが「9000」となるタイミングは、非特定態様にて第2再遊技入賞が成立した場合等であっても、1周分の整数倍となるタイミングでもないことから、制限動作の前に停止していた停止出目が再度出現することが制限されている。このようにすることで、せっかく制限動作において遊技者の操作ミスが再現されないようにしたのにもかかわらず、制限動作の終了に際して当該操作ミスが再現されてしまう不都合を生じさせないようにすることができる。
第1回転動作を行う場合には、当該第1回転動作を終了した後、各リール32L,32M,32Rの回転開始タイミングをランダムにずらすランダム回転制御を行うようにした一方、制限動作を行う場合には、当該制限動作を終了した後、ランダム回転制御を行わないようにし、回転演出の回転動作の態様によって、当該回転動作が終了した後の各リール32L,32M,32Rの回転開始態様を異ならせる構成とした。第1回転動作では、上記のように特定態様の停止出目が出現するところ、仮にこのまま各リール32L,32M,32Rを同時に回転開始させると、特定態様が揃ったまま回転する可能性があり、それを視認できる遊技者と視認できない遊技者とで停止操作の難易度が異なるようになり、遊技の公平性が担保されない可能性がある。その一方で、制限動作においては、そもそも特定態様の停止出目は停止していないし、当該特定態様の停止出目を途中で停止させるような制御も行っていないことから、このまま各リール32L,32M,32Rを同時に回転開始させたとしても、上記のような公平性が損なわれる結果にはなりにくい。そこで、上記のように、第1回転動作後はランダム回転制御を行う一方、制限動作後はランダム回転制御を行わないようにすることで、無駄な制御を排除して、制御負荷の低減を図ることが可能となる。
第1回転動作後にランダム回転制御を行う場合、最初に第1リールの回転が開始されてから、最後に第3リールの回転が開始されるまでに、遅延カウンタが「1000」から「0」となるまでの期間を要するところ、制限動作を行わない場合、総ステップカウンタが「8000」から「9000」となるまで制限動作の終了を遅延させる構成とした。このようにすることで、第1回転動作が行われた場合と制限動作が行われた場合とで、遊技の進行を合わせることができ、意図的に特定態様にて第2再遊技入賞を成立させることで又は成立させないことで、遊技進行を早めたり、遅くしたりすることをできなくすることが可能となる。よって、より純粋に特定態様にて第2再遊技入賞を成立させて、第1回転動作による回転演出が行われることを楽しませることが可能となる。
<変形例1>
本変形例では、非特定態様にて第2再遊技入賞が成立した場合の制限動作の態様を、当該非特定態様の種類によって異ならせる。図413は、本変形例における回転演出コマンド設定処理を示すフローチャートである。
ステップSe3701では回転演出フラグをクリアする処理を実行する。続くステップSe3702では、第2再遊技入賞フラグがセットされているか否かを判定する。第2再遊技入賞フラグがセットされている場合、ステップSe3703にて、各種フラグ格納エリア106dに左回転フラグをセットする処理を実行する。左回転フラグは、今回のゲームの停止出目をCPU102が把握するためのフラグであり、左リール32Lの中段に「白7」図柄が停止していることに対応するフラグである。
ステップSe3702にて否定判定した場合、又はステップSe3703の処理を実行した後は、ステップSe3704にて、中リール32Mの中段の図柄番号が「3」であり、中リール32Mの中段に「白7」図柄が停止しているか否かを判定する。中リール32Mの中段に「白7」図柄が停止している場合、ステップSe3705にて、各種フラグ格納エリア106dに中回転フラグをセットする処理を実行する。中回転フラグは、今回のゲームの停止出目をCPU102が把握するためのフラグであり、中リール32Mの中段に「白7」図柄が停止していることに対応するフラグである。
ステップSe3704にて否定判定した場合、又はステップSe3705の処理を実行した後は、ステップSe3706にて、右リール32Rの中段の図柄番号が「4」であり、右リール32Rの中段に「白7」図柄が停止しているか否かを判定する。右リール32Rの中段に「白7」図柄が停止している場合、ステップSe3707にて、各種フラグ格納エリア106dに右回転フラグをセットする処理を実行する。右回転フラグは、今回のゲームの停止出目をCPU102が把握するためのフラグであり、右リール32Rの中段に「白7」図柄が停止していることに対応するフラグである。
ステップSe3706にて否定判定した場合、又はステップSe3707の処理を実行した後は、ステップSe3708にて、左回転フラグ、中回転フラグ、及び右回転フラグの全ての回転フラグがセットされているか否かを判定する。つまり、特定態様にて第2再遊技入賞が成立している場合にステップSe3708にて肯定判定する。ステップSe3708にて肯定判定した場合、ステップSe3709にて第1回転演出フラグをセットし、ステップSe3710にて第1回転演出コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本回転演出コマンド設定処理を終了する。すなわち、全てのリール32L,32M,32Rの中段に「白7」図柄が停止しており、特定態様にて第2再遊技入賞が成立している場合は、上記実施形態と同様に第1回転動作を実行する。
これに対して、ステップSe3708にて否定判定し、いずれかのリール32L,32M,32Rで「白7」図柄が中段に停止していない場合には、第2回転動作を行うための処理を実行する。すなわち、ステップSe3711にて第2回転演出フラグをセットし、ステップSe3712にて第2回転演出コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本回転演出コマンド設定処理を終了する。なお、上記第2回転演出コマンドには、上記の「白7」図柄が中段に停止しているリール32L,32M,32Rの情報が含まれている。
図414は、本変形例における第2回転制御処理を示すフローチャートである。
ステップSe3801では、上記の左回転フラグがセットされているか否かを判定する。左回転フラグがセットされている場合、ステップSe3802にて左リール32Lの加速カウンタに「25」を入力するとともに、左リール32Lの回転テーブルとして上記の特別回転テーブルを設定する処理を実行する。これに対して、左回転フラグがセットされていない場合、ステップSe3803にて左リール32Lの回転テーブルとして停止用テーブルを設定する処理を実行する。停止用テーブルは、図415に示すように、全ての加速順序において加速期間が0として設定されているとともに、励磁データも停止用の励磁データが更新されるように設定されているテーブルである。つまり、左リール32Lの中段に「白7」図柄が停止していない場合には、左リール32Lは逆方向に回転せず停止したまま維持される。
ステップSe3802又はステップSe3803の処理を実行した後は、ステップSe3804にて上記の中回転フラグがセットされているか否かを判定する。中回転フラグがセットされている場合、ステップSe3805にて中リール32Mの加速カウンタに「25」を入力するとともに、中リール32Mの回転テーブルとして上記の特別回転テーブルを設定する処理を実行する。これに対して、中回転フラグがセットされていない場合、ステップSe3806にて中リール32Mの回転テーブルとして上記の停止用テーブルを設定する処理を実行する。つまり、中リール32Mの中段に「白7」図柄が停止していない場合には、中リール32Mは逆方向に回転せず停止したまま維持される。
ステップSe3805又はステップSe3806の処理を実行した後は、ステップSe3807にて上記の右回転フラグがセットされているか否かを判定する。右回転フラグがセットされている場合、ステップSe3808にて右リール32Rの加速カウンタに「25」を入力するとともに、右リール32Rの回転テーブルとして上記の特別回転テーブルを設定する処理を実行する。これに対して、右回転フラグがセットされていない場合、ステップSe3809にて右リール32Rの回転テーブルとして上記の停止用テーブルを設定する処理を実行する。つまり、右リール32Rの中段に「白7」図柄が停止していない場合には、右リール32Rは逆方向に回転せず停止したまま維持される。
ステップSe3808又はステップSe3809の処理を実行した後は、ステップSe3810にて総ステップカウンタの加算を開始する処理を実行する。そして、ステップSe3811にて総ステップカウンタが「4528」となり、リール32L,32M,32Rが回転しているならば、ちょうど2周分だけ回転したか否かを判定する。ちょうど2周分だけ回転したタイミングでステップSe3811にて肯定判定し、ステップSe3812に進む。ステップSe3812では、回転中のリールを停止させる停止指令処理を実行する。すなわち、例えば、左リール32Lが回転しているならば左リール32Lを停止させて左リール32Lの中段に「白7」図柄が停止するようにする一方、中リール32Mや右リール32Rが回転していなければその状態を維持する。そして、ステップSe3813にて、今回停止させたリールの情報を含む第1ループコマンドを表示制御装置81へ出力する処理を実行する。
続くステップSe3814では操作コマンドを表示制御装置81へ出力し、ステップSe3815にてスタートレバー41が操作されたと判定した場合、又はステップSe3816にて総ステップカウンタが「8000」に至ったと判定した場合まで待機する。ステップSe3815又はステップSe3816にて肯定判定した場合、ステップSe3817にてループ抽選処理を実行し、ステップSe3818にてループ当選であったか否かを判定する。
ループ当選である場合、ステップSe3819に進み、第1開始演出コマンドを表示制御装置81へ出力する処理を実行する。そして、ステップSe3820にてATセットカウンタに1を加算する処理を実行し、ステップSe3821にて総ステップカウンタを「0」にクリアする処理を実行してから、ステップSe3801に戻る。この場合、再度各回転フラグの情報に基づいて、対応するリール32L,32M,32Rが逆方向に回転する。
ステップSe3818にて否定判定した場合、ステップSe3822にて終了コマンドを表示制御装置81へ出力する。そして、ステップSe3823にて総ステップカウンタが「9000」に至るまで待機し、「9000」に至った場合にステップSe3824にて回転しているリール32L,32M,32Rを停止させる処理を実行する。なお、全てのリール32L,32M,32Rが停止している場合にはその状態を維持する。その後、ステップSe3825にてランダム回転フラグをセットしてから、本第2回転制御処理を終了する。
本変形例における表示制御装置81側の第2回転演出用処理について、図416のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップSe3901では、受信している第2回転演出コマンド(回転演出準備処理にて処理)に基づいて、補助表示部65のうち、中段に「白7」図柄が停止したリール(逆方向に回転を開始するリール)に対応する領域にて第1開始演出を行うための処理を実行する。具体的には、本変形例では、補助表示部65の表示領域が、左リール対応領域、中リール対応領域、右リール対応領域として区分されている。そして、ステップSe3901では、上記の第1開始演出を補助表示部65における全領域で表示させた場合にそれぞれの対応領域にて表示される画像を分割したうえで、上記のように逆方向に回転を開始するリールに対応する対応領域に、当該分割した画像を表示するようにする(図417(b2)参照)。
なお、図417(a1)では、左リール32Lと中リール32Mとの中段に「白7」図柄が停止したものの、右リール32Rの中段には「白7」図柄が停止しなかった場合を示しており、開始操作演出(図417(b1))に基づいてスタートレバー41が操作された場合に、これら中段に「白7」図柄が停止した左リール32Lと中リール32Mとは逆方向に回転するものの、右リール32Rは停止状態が維持された様子を示している。この場合、図417(b2)では、左リール32Lに対応する左リール対応領域と、中リール32Mに対応する中リール対応領域とで、第1開始演出の分割画像が表示される。
続くステップSe3902では、受信している第2回転演出コマンドに基づいて、補助表示部65のうち、中段に「白7」図柄が停止しなかったリール(停止状態が維持されるリール)に対応する領域にて第2開始演出を行うための処理を実行する。具体的には、上記の第2開始演出を補助表示部65における全領域で表示させた場合にそれぞれの対応領域にて表示される画像を分割したうえで、上記のように停止状態が維持されるリールに対応する対応領域に、当該分割した画像を表示するようにする(図417(b2)参照)。なお、図417(b2)では、右リール32Rに対応する右リール対応領域にて、第2開始演出の分割画像が表示される。
続くステップSe3903では、第1ループコマンドを受信するまで待機し、第1ループコマンドを受信することで当該ステップSe3903にて肯定判定してステップSe3904に進む。第1ループコマンドを受信する場合とは、上記のように回転していたリールがちょうど2周分だけ回転して回転開始前の停止出目にて停止する場合である(図417(a3))。この場合、ステップSe3904では、今回停止させたリールの対応領域で第1ループ演出を行うための処理を実行する。かかる処理についても、上記第1開始演出や第2開始演出と同様に、第1ループ演出を3分割したうえで、今回対応する対応領域にて当該第1ループ演出の分割画像が表示されるようにする。
また、ステップSe3905、停止状態を維持しているリールの対応領域で第2ループ演出を行うための処理を実行する。当該処理も同様に、第2ループ演出を3分割したうえで、今回対応する対応領域にて当該第2ループ演出の分割画像が表示されるようにする(図417(b3))。
ステップSe3906では、操作コマンドを受信するまで待機し、操作コマンドを受信することで肯定判定して、ステップSe3907に進む。ステップSe3907では、開始操作演出が補助表示部65にて行われるように制御する(図417(b1))。その後、第1開始演出コマンドを受信した場合には、ステップSe3901に戻り、第1開始演出コマンドを受信していない場合には、ステップSe3909にて終了コマンドを受信したか否かを判定する。いずれのコマンドも受信していない場合には、ステップSe3908に戻り、いずれかのコマンドを受信するまで待機する。終了コマンドを受信した場合には、ステップSe3910にて終了演出が補助表示部65にて行われるように制御してから、本第2回転演出用処理を終了する。
以上のように、特定態様のうち、中段に「白7」図柄が停止しているリール32L,32M,32Rについては第1回転動作及び第1表示演出にて回転演出を行い、中段に「白7」図柄が停止していないリール32L,32M,32Rについては制限動作及び第2表示演出にて回転演出を行うようにしたことから、全てのリール32L,32M,32Rの目押しに成功しなくても部分的にでも成功していれば、それが回転演出に反映される態様となり、遊技の難易度が下がることによって遊技意欲の向上を図ることが可能となる。
<変形例2>
本変形例では、ループ抽選の実行タイミングを変更したうえで、特定態様にて停止しなかった場合の制限動作の態様を上記実施形態のものと異ならせる。
図418は、本変形例における上乗せループ用処理を示すフローチャートである。
ステップSe4001にてループ率抽選処理を実行し、ステップSe4002にて対応するループ率フラグをセットする。その後、本変形例では、ループ率に応じたループ抽選処理を実行する。かかる処理では、ステップSe3010やステップSe3110のループ抽選処理を、ループ非当選となるまで繰り返し実行する。そして、ステップSe4004にて各種カウンタエリア106eに設けられたループカウンタに、上記ステップSe4003でのループ抽選の実行回数(ループ抽選の当選回数)を入力する処理を実行する。
ステップSe4004の処理を実行した後は、ステップSe4005にてループカウンタの値をATセットカウンタに加算する処理を実行し、ステップSe4006にてループ率コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行する。その後、ステップSe4007にて回転演出フラグをセットしてから、本上乗せループ用処理を終了する。
すなわち、本変形例では、第1回転動作や制限動作において、遊技者による操作に基づきループ抽選を実行する構成を変更し、予め上乗せ抽選に当選した際にループ抽選を実行する構成とする。
図419は、本変形例における第1回転制御処理を示すフローチャートである。
ステップSe4101では、上記のループカウンタを1減算する処理を実行する。続くステップSe4102~ステップSe4110は、上記ステップSe3001~ステップSe3009の処理と同様であり、第1回転動作を行うための処理である。ステップSe4111では、上記のループカウンタが0であるか否かを判定する。ループカウンタが0ではない場合には、ステップSe4112に進み、第1開始演出コマンドを出力する処理を実行し、ステップSe4113にて総ステップカウンタを0にクリアする処理を実行してから、ステップSe4101に戻る。
ステップSe4111にてループカウンタが0であると判定した場合、ステップSe4114にて終了コマンドを出力する処理を実行し、ステップSe4115にてランダム回転フラグをセットする処理を実行してから、本第1回転制御処理を終了する。
図420は、本変形例における第2回転制御処理を示すフローチャートである。
第2回転制御処理の変更点は、第1回転制御処理の変更点と基本的には同様であり、ステップSe4201にてループカウンタを1減算する処理を実行した後、ステップSe3101~ステップSe3108と同様にステップSe4202~ステップSe4209の処理を実行し、ステップSe4210にてループカウンタが0であるか否かを判定する。ループカウンタが0ではない場合には、ステップSe4211に進み、第2開始演出コマンドを出力する処理を実行し、ステップSe4212にて総ステップカウンタを0にクリアする処理を実行する。そして、ステップSe4213にてループカウンタを1減算する処理を実行してから、ステップSe4205に戻る。
ステップSe4210にてループカウンタが0であると判定した場合、ステップSe4214にて終了コマンドを出力する処理を実行し、ステップSe4215にて総ステップカウンタが「9000」となるまで待機する。そして、総ステップカウンタが「9000」となった場合に、ステップSe4216にて停止指令処理を実行してから、本第2回転制御処理を終了する。
すなわち、本変形例では、ループカウンタが0となるまで第1回転動作や制限動作が繰り返される構成である。このように、回転動作に際して遊技者の操作を介する抽選(ループ抽選)を行わないようにすることで、停止出目に応じた回転動作の変更に際しての自由度を圧倒的に向上させることが可能である。
つまり、例えば、停止出目が特定態様であれば第1回転動作を実行する一方、非特定態様等であれば第1回転動作の実行を制限する構成として、回転動作自体を実行しない構成とすることも可能である。
具体的には、図421に示すように、回転演出コマンド設定処理において、ステップSe4301~ステップSe4306にて第1回転動作用の処理を実行し、ステップSe4302~ステップSe4304のいずれかにて否定判定した場合、すなわち、第2再遊技入賞が成立していなかったり、非特定態様にて第2再遊技入賞が成立している場合、第2回転演出フラグをセットすることなく、ステップSe4307にて第2回転演出コマンドを出力設定する処理を実行するだけで、本回転演出コマンド設定処理を終了するようにする。この場合、回転演出用処理では、第2回転演出フラグがセットされていないことから、通常リプA~通常リプCを契機として上乗せ当選したうえでループ抽選が行われた場合であっても、特定態様にて第2再遊技入賞を成立させなければ回転動作自体の実行が制限されることになる。
回転動作を行わない場合の演出用の処理や演出態様について、図422や図423を参照しながら説明する。
図422は、回転演出用処理を示すフローチャートである。
ステップSe4401~ステップSe4402にてループ率の情報を設定する処理を実行する。そして、ステップSe4403にて第1回転演出フラグがセットされている場合には、ステップSe4404にてループ率演出の設定を行い、ステップSe4405にて第1回転演出用処理を実行してから、本回転演出用処理を終了する。第1回転演出フラグがセットされておらず、ステップSe4406にて第2回転演出フラグがセットされている場合、ステップSe4407にて第2回転演出用処理ではなく、終了演出を実行するようにする。
すなわち、非特定態様等の停止出目となった場合には、当該ゲームの停止時演出として第2停止演出が実行される(図423(a))。その後、開始操作演出が実行され(図423(b))、スタートレバー41の操作に基づき次のゲームが開始されると、各リール32L,32M,32Rによる回転動作は実行されないものの、補助表示部65にて終了演出が実行され(図423(c))、上乗せされたセット数が報知される。このように、特定態様とは異なる停止出目であった場合に、特定態様であれば回転動作とともに報知されるATモードの上乗せ数を補助表示部65にてまとめて報知するようにすれば、当該上乗せ数を報知する機会を好適に確保するようにしたうえで、特定態様とは異なる停止出目であった場合に、特定態様を出現させるような回転演出を実行しないようにするだけではなく、回転演出自体を実行しないようにすることで処理負荷の圧倒的な軽減を図ることができる。
<変形例3>
本変形例では、第1回転動作に対応する表示演出が行われる場合には遊技者にとって有益となり得る特定情報の提示がなされる一方、制限動作に対応する表示演出が行われる場合には当該特定情報の提示がなされない構成とする。なお、以下の説明では、遊技者にとって有益となり得る特定情報を設定値を示唆する情報を例として説明するが、当該特定情報は設定値を示唆する情報の他、ATモードの残りセット数の情報やレア画像等であってもよい。
図424は、本変形例における第1回転演出用処理の一部を示すフローチャートである。
すなわち、ステップSe3502にて第1ループコマンドを受信したと判定した場合、本変形例では、ステップSe4501にて特別演出抽選処理を実行する。特別演出抽選処理では、各種テーブル記憶エリア182aから特別演出テーブルを取得するとともに、当選確率の設定処理にて設定されている設定値の情報を取得し、上記の特定情報の提示がなされる特別演出を実行するか否かの抽選を実行する。本変形例における特別演出テーブルは、図425(a)に示すように、出玉率が高くなる設定値ほど特別演出抽選に当選し易くなるように設定されている。
ステップSe4502では、上記ステップSe4501の特別演出抽選の結果が特別演出を実行することに対応する結果であったか否かを判定する。特別演出を実行することに対応する結果であった場合、ステップSe4503にて、今回実行する第1ループ演出において特別演出が行われるように設定する処理を実行してから、ステップSe3503にて当該第1ループ演出が補助表示部65にて行われるようにするための処理を実行する。例えば、図425(b)に示すように、女の子のキャラクタのセリフを表示する吹き出し部分に、特別演出として星マークを表示するように設定し、ステップSe3503の第1ループ演出を設定する際に当該特別演出を第1ループ演出とともに実行するように設定する。そして、ステップSe4502にて特別演出を実行しないと判定した場合には、ステップSe3503にて特別演出を含まない第1ループ演出を実行するように設定する。
このようにすることで、当該特別演出によって有益な情報を得たい遊技者心理を利用して、第1回転動作に付随する表示演出への注目度を高めるだけではなく、操作指示演出に従って特定態様にて第2再遊技入賞を成立させるメリットを生じさせることができ、遊技への積極参加を見込むことが可能となる。
なお、第2回転演出用処理における第2ループ演出においては、上記の特別演出が実行されないことを前提として説明したが、当該特別演出が実行される構成としてもよく、この場合、第1ループ演出の方が第2ループ演出よりも特別演出が実行され易い構成としたり、第1ループ演出における特別演出の方が、第2ループ演出における特別演出よりも設定値の絞り込みが行い易い情報が提示される、といったように遊技者にとってより有益となる情報が提示される又は提示され易い構成としてもよい。
<変形例4>
本変形例では、ループ対象結果でのATモード上乗せ当選時に停止させる停止出目の種類を複数設け、ループ率に応じて停止させる停止出目を異ならせる。具体的には、ループ対象結果としての通常リプA~通常リプCは、第1再遊技入賞や第2再遊技入賞、第4再遊技入賞、第5再遊技入賞の他に、第3再遊技入賞も成立可能となっており(図371)、所定のループ率の場合には、第2再遊技入賞ではなく第3再遊技入賞を成立させるように操作指示演出を実行する。
図426は、本変形例における操作指示演出設定処理を示すフローチャートである。
ステップSe4601では、ループ率を把握する処理を実行する。続くステップSe4602では、ループ率が80%ループであるか否かを判定する。80%ループではない場合には、ステップSe4603にて第2再遊技入賞の操作順序を把握する処理を実行し、ステップSe4604にて第2再遊技入賞用の押し順報知コマンドを出力設定する処理を実行してから、本操作指示演出設定処理を終了する。ステップSe4603及びステップSe4604の処理は、上記ステップSe1201及びステップSe1202の処理と同様である。
これに対して、ステップSe4602にて80%ループであると判定した場合、ステップSe4605に進み、第3再遊技入賞の操作順序を把握する処理を実行する。そして、ステップSe4606にて第3再遊技入賞用の押し順報知コマンドを出力設定する処理を実行してから、本操作指示演出設定処理を終了する。
表示制御装置81では、開始時演出設定処理において、ステップSe2107及びステップSe2108にて通常リプA~通常リプC当選時に押し順報知コマンドを受信していると判定した場合であって、ステップSe2110にて操作指示演出を実行するにあたり、ステップSe2109にて、受信している押し順報知コマンドが第2再遊技入賞用の押し順報知コマンドか第3再遊技入賞用の押し順報知コマンドである場合に肯定判定するようにする。そして、ステップSe2110にて、第2再遊技入賞用の押し順報知コマンドを受信していることを契機としてステップSe2109にて肯定判定していれば、上記のように、補助表示部65にて第2再遊技入賞用の押し順報知とともに、「白7」図柄を中段に揃えて停止させる特定態様にて第2再遊技入賞を成立させる旨の操作指示演出が実行されるようにする(図406(a))。
一方、受信している押し順報知コマンドが第3再遊技入賞用の押し順報知コマンドであることを契機としてステップSe2109にて肯定判定していれば、補助表示部65にて第3再遊技入賞用の押し順報知とともに、左リール32Lの中段に「白7」図柄、中リール32Mの中段に「白7」図柄、右リール32Rの中段に「赤7」図柄を停止させる態様にて第3再遊技入賞を成立させる旨の操作指示演出が実行されるようにする(図429(a))。なお、以下の説明では、各リール32L,32M,32Rの中段に「白7」図柄、「白7」図柄、「赤7」図柄が停止する態様を第2特定態様とも称し、上記の「白7」図柄が揃って停止する特定態様を第1特定態様とも称する。また、第1特定態様にて第2再遊技入賞を成立させる旨の操作指示演出を第1操作指示演出とも称し、第2特定態様にて第3再遊技入賞を成立させる旨の操作指示演出を第2操作指示演出とも称する。
このようにすることで、実行される操作指示演出の種類によってループ率を把握することができ、特に第2操作指示演出が発生することへの期待感を高めることが可能となるし、停止させる停止出目が多様化するため、遊技意欲を掻き立てることも可能である。但し、上記のように第1特定態様を停止させることができない遊技者も存在することと同様に、第2特定態様を停止させることができない遊技者も存在すると考えられる。また、操作指示演出の確認不足等によって、誤って第2停止態様ではなく第1停止態様にて停止させてしまう事象も生じ得ると考えられる。かといって、停止態様に応じて回転動作にてその停止態様を修正したうえで回転動作を行おうとすると制御負荷の増大化が懸念される点は上述の通りであり、特定態様を複数設けることによって当該修正に要する制御負荷は累積的に増大化する。
図427は、本変形例における回転演出コマンド設定処理を示すフローチャートである。
ステップSe4701では回転演出フラグをクリアする処理を実行する。続くステップSe4702では、第2再遊技入賞フラグがセットされており、今回のゲームで第2再遊技入賞が成立したか否かを判定する。入賞している場合、ステップSe4703及びステップSe4704にて、第1特定態様にて第2再遊技入賞が成立していることの確認処理を実行する。ステップSe4703及びステップSe4704にて肯定判定し、第1特定態様にて第2再遊技入賞が成立している場合、ステップSe4705にて、ループ率フラグに基づいて今回のループ抽選のループ率が80%ループであるか否かを判定する。上記のように、本変形例では80%ループである場合には、第2再遊技入賞ではなく第3再遊技入賞を成立させるように操作指示演出が実行されている。
ステップSe4705にて80%ループではないと判定した場合、ステップSe4706及びステップSe4707にて、第1回転動作やそれに伴う演出を実行するための処理を実行してから、本回転演出コマンド設定処理を終了する。
ステップSe4702にて第2再遊技入賞が成立していないと判定した場合、ステップSe4708にて第3再遊技入賞フラグがセットされており、今回のゲームで第3再遊技入賞が成立したか否かを判定する。第3再遊技入賞が成立しておらず、例えば、第1操作指示演出における押し順報知演出に従わずに第2再遊技入賞を成立させることができず、第1再遊技入賞等が成立している場合、ステップSe4709に進み、ステップSe4709及びステップSe4710にて上記ステップSe2807及びステップSe2808と同様に、第1回転動作を制限する制限動作やそれに伴う演出を実行するための処理を実行してから、本回転演出コマンド設定処理を終了する。なお、ステップSe4704やステップSe4705にて、第2再遊技入賞は成立しているものの、第1特定態様での入賞ではないと判定した場合も、ステップSe4709及びステップSe4710の処理を実行してから、本回転演出コマンド設定処理を終了する。
ステップSe4708にて第3再遊技入賞が成立していると判定した場合、ステップSe4711に進む。ステップSe4711では、ループ率フラグに基づいて今回のループ抽選のループ率が80%ループであるか否かを判定する。上記のように、本変形例では80%ループである場合には、第2再遊技入賞ではなく第3再遊技入賞を成立させるように操作指示演出が実行されている。80%ループではない場合、すなわち、第1操作指示演出が実行されているのにもかかわらず、第2再遊技入賞ではなく第3再遊技入賞を成立させてしまった場合、ステップSe4709及びステップSe4710の処理を実行してから、本回転演出コマンド設定処理を終了する。
つまり、本変形例では、第1特定態様での第2再遊技入賞を成立させるように第1操作指示演出が実行されているのにもかかわらず、誤って第3再遊技入賞を成立させてしまった場合には、当該第2特定態様での停止出目を回転中に第1特定態様に修正するような回転動作を行うことなく、第1回転動作ではなく制限動作が行われるようにしている。そのうえで、第1回転動作に伴う演出ではなく制限動作用の演出を行うようにすることで、指示された停止出目とは異なる停止出目としてしまったことを遊技者に明確に教示することが可能となる。
ステップSe4711にて80%ループであると判定した場合、ステップSe4712に進む。ステップSe4712では、中リール32Mの中段の図柄番号が3であるか否かを判定する。ここで、第3再遊技入賞となる図柄として、左リール32Lの「白7」図柄は左リール32Lに1つであり、右リール32Rの「BAR」図柄は右リール32Rに1つであるのに対して、中リール32Mの「白貝」図柄は中リール32Mに2つである。そのため、第2特定態様にて第3再遊技入賞が成立しているか否かは、中リール32Mの停止出目により判別可能であり、中リール32Mの中段の図柄番号が3である場合には第2特定態様にて第3再遊技入賞が成立しており、中リール32Mの中段の図柄番号が18である場合には第2特定態様にて第3再遊技入賞が成立していないことになる。
ステップSe4712にて肯定判定し、第2特定態様にて第3再遊技入賞が成立している場合、ステップSe4713に進み、第1回転演出フラグをセットする処理を実行し、ステップSe4714にて第3回転演出コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行する。第1回転演出フラグがセットされることにより、上記のように、次ゲームの開始時にループ抽選に非当選となるまで、逆回転と第2特定態様での停止が繰り返される第1回転動作が実行されるようになる。
つまり、上記のように第1回転動作では、停止出目や回転中の図柄に関わらず、ちょうど2周分だけ各リール32L,32M,32Rを回転させてから停止させる、といった構成としていることから、第1特定態様の停止出目から第1回転動作を実行すれば、第1特定態様での停止出目が逆回転後に出現し、第2特定態様の停止出目から第1回転動作を実行すれば、第2特定態様での停止出目が逆回転後に出現することになる。また、上記の第3回転演出コマンドは、第2特定態様での停止出目が停止して、80%のループ率にてループ抽選が行われることを示唆する停止時演出を、補助表示部65等にて行うためのコマンドである。ステップSe4714の処理を実行した後は、本回転演出コマンド設定処理を終了する。
これに対して、ステップSe4712にて否定判定し、第2特定態様とは異なる態様にて第3再遊技入賞が成立している場合、ステップSe4709及びステップSe4710の処理を実行してから、本回転演出コマンド設定処理を終了する。
つまり、本変形例では、第2特定態様での第3再遊技入賞を成立させるように第2操作指示演出が実行されているのにもかかわらず、第2特定態様とは異なる態様にて第3再遊技入賞を成立させてしまった場合には、当該第2特定態様とは異なる態様での停止出目を、回転動作にて第2特定態様に修正するような制御を行うことなく、第1回転動作ではなく制限動作が行われるようにしている。そのうえで、第1回転動作に伴う演出ではなく制限動作用の演出を行うようにすることで、指示された停止出目とは異なる停止出目としてしまったことを遊技者に明確に教示することが可能となる。
更に、上記のステップSe4705にて、80%ループであるのにも関わらず第1特定態様にて第2再遊技入賞を成立させてしまった場合、ステップSe4715に進み、第2回転演出フラグをセットする処理を実行する。その後、ステップSe4716にて、第4回転演出コマンドを表示制御装置81へ出力対象としてセットする処理を実行する。つまり、本変形例では、第2特定態様での第3再遊技入賞を成立させるように第2操作指示演出が実行されているのにもかかわらず、第1特定態様にて第2再遊技入賞を成立させてしまった場合には、当該第1特定態様での停止出目を、回転動作にて第2特定態様に修正するような制御を行うことなく、第1回転動作ではなく制限動作が行われるようにしている。また、上記の第4回転演出コマンドは、80%のループ率にてループ抽選が行われるのにもかかわらずそうではない停止出目なっていしまっていることを示唆する停止時演出を、補助表示部65等にて行うためのコマンドである。ステップSe4716の処理を実行した後は、本回転演出コマンド設定処理を終了する。
図428(a)は、本変形例における表示制御装置81側の回転演出準備処理を示すフローチャートである。
ステップSe4801~ステップSe4809の処理は、上記ステップSe3201~ステップSe3209の処理と同様であり、第1回転演出コマンドや第2回転演出コマンドを受信したことに基づいて、第1停止時演出や第2停止時演出を実行したり、開始操作演出を実行したりする処理を行うとともに、第1回転動作が行われる場合の演出用に第1回転演出フラグをセットし、制限動作が行われる場合の演出用に第2回転演出フラグをセットする。
ステップSe4805にて否定判定し、第2回転演出コマンドを受信していない場合、ステップSe4810にて第3回転演出コマンドを受信しているか否かを判定する。上記の通り、第3回転演出コマンドは第2操作指示演出に基づき第2特定態様での第3再遊技入賞が成立した場合に出力されるコマンドである。この場合、ステップSe4811にて第3停止時演出が補助表示部65等にて行われるように設定する処理を実行する。第3停止時演出は、例えば、「白7」図柄及び「赤7」図柄のキャラクタとともに、女の子のキャラクタが「スーパーラッキーよ」と喜んでいる様子が補助表示部65にて表示される演出が設定されており(図429(c1))、上乗せ抽選に当選したこととともに、更に上乗せが行われることを示唆するように設定されている。この場合、第3停止時演出と、第1停止時演出とは、両者を遊技者が区別可能な程度に異なっており、第3停止時演出が行われた場合には、更なる上乗せにおいて、今回のループ抽選の当選確率が高いこと(80%ループであること)が示唆される。
その後、ステップSe4812では、開始操作演出が、上記の第3停止時演出に続いて行われるように設定する処理を実行する。そして、ステップSe4813にて、第1回転演出フラグをセットする処理を実行してから、回転演出準備処理を終了する。この場合、次ゲームの開始時の第1回転動作に合わせて、第1開始演出や第1ループ演出等の第1表示演出が実行されるようになる。
ステップSe4810にて第3回転演出コマンドを受信していないと判定した場合、ステップSe4814にて第4回転演出コマンドを受信しているか否かを判定する。上記の通り、第4回転演出コマンドは、第2特定態様にて第3再遊技入賞を成立させるべく、第2操作指示演出が実行されているのにもかかわらず、第1特定態様にて第2再遊技入賞を成立させてしまった場合に出力されるコマンドである。第4回転演出コマンドを受信していない場合には、そのまま本回転演出準備処理を終了する。第4回転演出コマンドを受信している場合、ステップSe4815にて第4停止時演出が補助表示部65等にて行われるように設定する処理を実行する。第4停止時演出は、例えば、「白7」図柄のキャラクタとともに、女の子のキャラクタが困惑している様子が補助表示部65にて表示される演出が設定されており(図429(c3))、上乗せ抽選の抽選結果に基づく操作指示演出の内容と停止出目とが異なっていることを示唆するように設定されている。
その後、ステップSe4816では、開始操作演出が、上記の第3停止時演出に続いて行われるように設定する処理を実行する。そして、ステップSe4817にて、第2回転演出フラグをセットする処理を実行してから、回転演出準備処理を終了する。この場合、次ゲームの開始時の制限動作に合わせて、第2開始演出や第2ループ演出等の第2表示演出が実行されるようになる。
第2操作指示演出が実行された場合の各リール32L,32M,32Rの動作と演出の概要を、図429~図431を参照しながら説明する。
通常リプA~通常リプCに基づいて上乗せ当選となり、ループ率が80%に設定されると、図429(a)に示すように、第2特定態様にて第3再遊技入賞を成立させるべく第2操作指示演出が実行される。遊技者が、その第2操作指示演出に従って操作することで、図429(b1)に示すように第2特定態様にて第3再遊技入賞が成立する。この場合、第3停止時演出が補助表示部65にて実行され、ループ率が80%であり、多くの上乗せを見込めることが、各リール32L,32M,32Rの停止出目と補助表示部65の表示内容とから明確に把握可能となる。その後、次ゲームの開始時に各リール32L,32M,32Rによる第1回転動作が実行され、逆回転と当該第2特定態様の停止出目での停止とが、ループ抽選に非当選となるまで実行され、その動作に合わせて第1開始演出や第1ループ演出が実行されるようになる。
第2操作指示演出が実行されたものの、第2特定態様にて第3再遊技入賞を成立させることができなかった場合、第2特定態様とは異なる態様にて第3再遊技入賞が成立したり、図429(b2)に示すように、第3再遊技入賞ではなく第4再遊技入賞が成立したりする他、図429(b3)に示すように、第1特定態様にて第2再遊技入賞が成立する場合もある。この場合、第1特定態様にて第2再遊技入賞が成立している場合には、図429(c3)に示すように、第4停止時演出が実行され、それ以外の停止態様である場合には、図429(c2)に示すように、第2停止時演出が実行される。第2停止時演出は、上記疑似操作指示演出が実行された場合にも実行されることから、この場合、ループ率が80%であることだけでなく、上乗せ抽選当選したことすら、各リール32L,32M,32Rの停止出目と補助表示部65の表示内容とから把握することができない。但し、次ゲームの開始時に各リール32L,32M,32Rによる制限動作が実行され、ループ抽選に非当選となるまで逆回転に合わせて第2開始演出や第2ループ演出が実行されるようになる。
これに対して、第1特定態様にて第2再遊技入賞が成立し、第4停止時演出が実行された場合には、操作指示演出の内容とは異なる内容にて操作してしまったこと(第2特定態様ではなく第1特定態様を停止させてしまったこと)を把握可能となる。この場合、次ゲームの開始時に各リール32L,32M,32Rによる制限動作が実行されるようになる。つまり、図430(a1)に示すように、第1特定態様にて第2再遊技入賞が成立している状況で、図430(b1)に示すように、開始操作演出が実行され、スタートレバー41を操作することにより、図430(a2)及び図430(b2)に示すように、各リール32L,32M,32Rが逆方向に回転開始されるとともに、補助表示部65にて第2開始演出が実行される。そして、各リール32L,32M,32Rがちょうど2周分だけ回転したタイミングで(図430(a3))、第2ループ演出が補助表示部65にて実行される(図430(b3))。
その後、各リール32L,32M,32Rの逆方向への回転が継続されている状況にて(図431(a1))、開始操作演出が実行され(図431(b1))、ループ抽選に当選している限り、図430(a2)や図430(b2)の制限動作及びそれ用の演出が繰り返されることになる。ループ抽選に非当選となると、図431(a2)に示すように、各リール32L,32M,32Rの逆方向への回転が停止されるとともに、図431(b2)に示すように、終了演出が実行される。その後、各リール32L,32M,32Rは正方向に回転を開始し(図431(a3))、開始時演出として例えば押し順報知演出が補助表示部65にて実行されるようになる(図431(b3))。
各操作指示演出と、停止態様と、回転動作や補助表示部65での表示演出との関係を、図428(b)に示している。
第1操作指示演出が実行された場合、左リール32Lの「白7」図柄、中リール32Mの4番の「白貝」図柄、右リール32Rの5番の「チェリー」図柄が有効ラインML上に停止することで第1特定態様での第2再遊技入賞が成立する。この場合、停止時演出としては補助表示部65にて第1停止時演出が実行され、各リール32L,32M,32Rの第1回転動作にあわせて、第1ループ演出や第1開始演出といった第1表示演出が補助表示部65にて実行される。
これに対して、第1操作指示演出が実行された場合であっても、上記の第1特定態様とは異なり、例えば、左リール32Lの「白7」図柄、中リール32Mの4番の「白貝」図柄、右リール32Rの0番又は10番の「チェリー」図柄が有効ラインML上に停止する等の非特定態様にて第2再遊技入賞が成立したり、第2再遊技入賞ではなく第1再遊技入賞、第3再遊技入賞、第4再遊技入賞、第5再遊技入賞が成立すると、停止時演出としては補助表示部65にて第2停止時演出が実行され、各リール32L,32M,32Rの制限動作にあわせて、第2ループ演出や第2開始演出といった第2表示演出が補助表示部65にて実行される。
第2操作指示演出が実行された場合、左リール32Lの「白7」図柄、中リール32Mの4番の「白貝」図柄、右リール32Rの「BAR」図柄が有効ラインML上に停止することで第2特定態様での第3再遊技入賞が成立する。この場合、停止時演出としては補助表示部65にて第3停止時演出が実行され、各リール32L,32M,32Rの第1回転動作にあわせて、第1ループ演出や第1開始演出といった第1表示演出が補助表示部65にて実行される。
これに対して、第2操作指示演出が実行された場合であっても、上記の第2特定態様とは異なり、例えば、左リール32Lの「白7」図柄、中リール32Mの8番の「白貝」図柄、右リール32Rの「BAR」図柄が有効ラインML上に停止する等の非特定態様にて第3再遊技入賞が成立したり、第3再遊技入賞ではなく第1再遊技入賞、第4再遊技入賞、第5再遊技入賞が成立する他、非特定態様での第2再遊技入賞が成立すると、停止時演出としては補助表示部65にて第2停止時演出が実行され、各リール32L,32M,32Rの制限動作にあわせて、第2ループ演出や第2開始演出といった第2表示演出が補助表示部65にて実行される。
但し、第2操作指示演出が実行された場合において、第1特定態様にて第2再遊技入賞が成立した場合には、停止時演出としては補助表示部65にて第4停止時演出が実行された後、各リール32L,32M,32Rの制限動作にあわせて、第2ループ演出や第2開始演出といった第2表示演出が補助表示部65にて実行される。
第2操作指示演出が実行された場合であって、第1特定態様にて第2再遊技入賞が成立する場合とは、ストップスイッチ42~44の操作順序が異なるものの、第1特定態様を狙って停止させることには成功した場合である。つまり、少なくともストップスイッチ42~44の操作順序を指示通りに実行することよりも難易度の高い第1特定態様にて停止させることに成功した場合であり、このような場合には、上記の第2停止時演出とは異なる第4停止時演出を実行するようにすることで、勘違いはあるにしても第1特定態様にて停止させることに成功したことへのねぎらいを表示演出として行うことができ、遊技意欲の低下を好適に回避することができるし、少なくとも第2停止時演出とは異なる演出であることから、当該第1特定態様にて停止させた時点で上乗せに当選していること自体は把握することが可能となる。
なお、第2操作指示演出が実行された場合であって、第1特定態様にて第2再遊技入賞が成立した場合に、各リール32L,32M,32Rによる制限動作と、第2ループ演出や第2開始演出といった第2表示演出を補助表示部65にて実行する構成としたが、各リール32L,32M,32Rによる第1回転動作と、第1表示演出を補助表示部65にて実行する構成としてもよい。
また、第1操作指示演出が実行された場合であって、第2特定態様にて第3再遊技入賞が成立した場合に、第2停止時演出を実行したうえで、各リール32L,32M,32Rによる制限動作と、第2ループ演出や第2開始演出といった第2表示演出が補助表示部65にて実行される構成としたが、第4停止時演出や第3停止時演出を実行したうえで、各リール32L,32M,32Rによる第1回転動作と、第1表示演出を補助表示部65にて実行する構成としてもよい。
<変形例5>
本変形例では、制限動作の態様を上記実施形態のものと異ならせる。図432は、本変形例における第2回転制御処理を示すフローチャートであり、上記図401の処理との差は、スタートレバー41の操作毎に選択される回転テーブルが異なる点である。
具体的には、ステップSe4901では、各種テーブル記憶エリア105aから第1特別回転テーブルを取得する処理を実行する。第1特別回転テーブルは、上記ステップSe3101にて取得する回転テーブルと同様の回転テーブルである(図400)。そして、ステップSe4902~ステップSe4910にて、上記ステップSe3102~ステップSe3110と同様に、第1特別回転テーブルに基づく制限動作用の処理を実行するとともに、スタートレバー41の操作に基づくループ抽選を実行する。ステップSe4910にてループ抽選に当選していると判定した場合、ステップSe4911にて第2開始演出コマンドを出力する処理を実行する。そして、ステップSe4912にてATセットカウンタを1加算する処理を実行し、ステップSe4913にて総ステップカウンタを0にクリアする処理を実行する。
続くステップSe4914では、各種テーブル記憶エリア105aにおける第2特別回転テーブルが既に設定済みであるか否かを判定し、設定済みである場合には、ステップSe4904に戻り、当該第2特別回転テーブルに基づく制限動作用の処理を実行するとともに、スタートレバー41の操作に基づくループ抽選を実行する。設定済みではない場合には、ステップSe4915にて、各種テーブル記憶エリア105aにおける第2特別回転テーブルを取得し、各リール32L,32M,32Rの回転テーブルとして当該第2特別回転テーブルを設定する処理を実行する。第2特別回転テーブルは、図433に示すように、各加速順序の加速時間が上記第1特別回転テーブルよりも短い時間が設定されており、特に、第1特別回転テーブルでの定速回転時の回転速度よりも第2特別回転テーブルでの定速回転時の回転速度の方が早くなるように設定されている。ステップSe4915の処理を実行した後は、ステップSe4902に戻り、加速カウンタに25を入力して当該第2特別回転テーブルに基づく制限動作用の処理を実行するとともに、スタートレバー41の操作に基づくループ抽選を実行する。
また、ステップSe4910にてループ抽選に非当選となった場合、ステップSe4915~ステップSe4917にて、上記ステップSe3114~ステップSe3116と同様に、制限動作終了用の処理を実行してから、本第2回転制御処理を終了する。
この場合、図434に示すように、先ず、非特定態様にて第2再遊技入賞が成立し(図434(a1))、開始操作演出が実行された場合(図434(b1))、スタートレバー41の操作に基づき第1特別回転テーブルに基づいて各リール32L,32M,32Rが逆方向に回転開始される(図434(a2))。補助表示部65では、第2開始演出が実行され(図434(b2))、ちょうど2周分だけ回転したタイミングにて(図434(a3))、第2ループ演出が実行される(図434(b3))。
各リール32L,32M,32Rが回転中のまま(図434(a4))操作指示演出が実行され(図434(b4))、スタートレバー41が操作されると第2特別回転テーブルに基づいて各リール32L,32M,32Rの回転速度が加速される(図434(a5))。補助表示部65では、第2開始演出が実行され(図434(b5))、当該第2特別回転テーブルによる回転速度にて回転中のまま(図434(a6))、第2ループ演出が実行される(図434(b6))。その後、ループ抽選に当選し続ける限り、第2特別回転テーブルに基づく回転制御が実行されるとともに、第2開始演出や第2ループ演出によるATモードのセット上乗せが繰り返される様子が表示される。
このように、制限動作において特定態様での停止出目を再出現させない代わりに、回転速度を上げて回転させるようにすることで、制限動作におけるリール32L,32M,32Rの動作態様の派手さや分岐態様等が第1回転動作と同じ程度となり、第1回転動作による演出効果と、制限動作による演出効果とを合わせることが可能となる。よって、制限動作による処理負荷の低減を図りながらも演出効果に期待することができる。
なお、制限動作において途中から第2特別回転テーブルに基づいて回転速度を上げる構成としたが、最初から第2特別回転テーブルに基づく回転を行う構成としてもよい。また、特別回転テーブルを更に別途設け、第1特別回転テーブルによる制限動作→第2特別回転テーブルによる制限動作→第3特別回転テーブルによる制限動作、、、といったように、ループ抽選に当選する度に、選択される特別回転テーブルが異なり、回転動作の態様が異なるようにしてもよい。また、回転動作の態様の相違を回転速度の相違により説明したが、各特別回転テーブルで回転動作の態様が異なればよく、例えば、加速度が異なる構成としてもよい。
<変形例6>
本変形例では、ATモードの上乗せ抽選に当選し、回転動作を伴うループ抽選が行われることが決定されている場合において、各リール32L,32M,32Rの位置ずれが生じ得る特定事象が発生した場合、次ゲーム開始時の回転動作の態様を異ならせる。図435(a)は、本変形例における回転演出処理を示すフローチャートである。
ステップSe5001では、第1回転演出フラグがセットされているか否かを判定する。既に説明したとおり、第1回転演出フラグは、操作指示演出に基づいて特定態様にて第2再遊技入賞を成立させることができた場合にセットされるフラグであり、当該回転演出処理の実行契機となったスタートレバー41の操作に基づき、第1回転動作を実行するためのフラグである。
第1回転演出フラグがセットされている場合、本変形例では、ステップSe5002及びステップSe5003にて特定事象の発生の有無を確認する。具体的には、ステップSe5002では、各種フラグ格納エリア106dに扉開放フラグがセットされているか否かを判定する。
図による詳細な説明は省略するが、前面扉12には、当該前面扉12が開放されたこと(閉鎖されたこと)を検知可能な扉用センサが設けられており、タイマ割込み処理(図352)におけるセンサ監視処理(ステップSe107)では、当該扉用センサにて前面扉12が開放されたことを検知した場合(前面扉12が閉鎖された状態ではなくなったことを検知した場合)に、各種フラグ格納エリア106dに扉開放フラグをセットする処理を実行する。扉開放フラグは、当該扉用センサにて前面扉12が閉鎖されたことを検知してから1ゲームが消化された場合に、例えば、リール制御処理(図357)における払出判定処理等でクリアされる。
つまり、ゲームの開始に際して実行される回転演出処理のステップSe5002にて扉開放フラグがセットされていると判定した場合とは、前面扉12が開放されたままゲームが開始されたか、前面扉12が開放された後、閉鎖されてから最初のゲームの開始時であることを意味する。
また、ステップSe5003では、電断フラグがセットされているか否かを判定する。
図による詳細な説明は省略するが、電断フラグは、タイマ割込み処理(図352)において停電フラグがセットされており(ステップSe102:YES)、停電処理が実行される場合に、RAM106のバックアップエリアにセットされるフラグであり、停電状態から復帰して1ゲーム消化した場合に、例えば、リール制御処理(図357)における払出判定処理等でクリアされる。
ステップSe5002及びステップSe5003のいずれでも否定判定し、扉開放フラグも電断フラグもセットされておらず、特定事象が発生していない場合、ステップSe5004に進み、第1回転制御処理を実行してから、本回転演出処理を終了する。一方、ステップSe5002又はステップSe5003にて肯定判定し、扉開放フラグ又は電断フラグがセットされており、特定事象が発生している場合には、ステップSe5005に進み、表示制御装置81へ切り替えコマンドを出力する処理を実行してから、ステップSe5006にて、第2回転制御処理を実行し、その後、本回転演出処理を終了する。なお、ステップSe5006の第2回転制御処理は、ステップSe5001にて否定判定し、ステップSe5007にて第2回転演出フラグがセットされていると判定した場合にも実行される処理である。
切り替えコマンドは、第1回転動作を実行する予定であったのにもかかわらず、制限動作を実行するようにしたことを表示制御装置81へ把握させるためのコマンドである。表示制御装置81では、図435(b)に示すように、回転演出用処理において、ステップSe3303にて第1回転演出フラグがセットされていると判定した後、ステップSe5011にて上記の切り替えコマンドを受信しているか否かを判定する。切り替えコマンドを受信していない場合には、ステップSe3304に進み、ループ演出を設定する処理を実行し、ステップSe3305にて第1回転演出用処理を実行する。これに対して、切り替えコマンドを受信している場合には、ステップSe3307に進み第2回転演出用処理を実行する。
すなわち、操作指示演出に基づいて特定態様にて第2再遊技入賞を成立させることができた場合であっても、第1回転動作の開始前に特定事象が発生した場合には、当該第1回転動作ではなく、制限動作での回転動作が実行されるようになる。また、補助表示部65での表示演出は、第1開始演出や第1ループ演出といった第1表示演出から、第2開始演出や第2ループ演出といった第2表示演出に切り替えられて実行されることになる。
上記の通り、第1回転動作が行われるゲームは、ループ対象結果にてATモードの上乗せ抽選に当選したゲームの次のゲームであるところ、特定事象が発生したことにより第1回転動作の実行が制限されて制限動作での回転動作が実行される場合とは、ループ対象結果にて上乗せ当選したゲームが終了した後であって、当該制限動作での回転動作が実行される前である。つまり、第1停止時演出が実行された後、特定事象が発生すると、制限動作での回転動作が実行され、補助表示部65での表示演出は、第1表示演出から第2表示演出に切り替えられて実行されることになる。
図による詳細な説明は省略するが、ループ対象結果にてATモードの上乗せ抽選に当選したゲームにおいて扉開放フラグや電断フラグがセットされた場合には、上記のように当該扉開放フラグや電断フラグは当該ゲームの終了に際してクリアされる。そのため、当該上乗せ抽選に当選し、例えば特定態様にて第2再遊技入賞を成立させることに成功し、第1停止時演出が実行されたゲームの終了に際して、これら扉開放フラグや電断フラグはクリアされ、次ゲームにおいて第1回転動作や第1表示演出による回転演出が実行されるようになる。
ここで、特定事象が発生した場合、回転演出自体を実行しないようにすることも可能であるところ、上記のように第1停止時演出が実行されたことによって、次ゲームで回転演出が実行されることを遊技者は把握しているものと考えられる。その点、仮に、特定事象の発生に基づいて回転演出自体を実行しないようにしてしまうと、第1停止時演出にて示されたATモードの上乗せがさらに行われることという利益が、特定事象の発生により消滅してしまったと、遊技者は勘違いする可能性がある。その点、上記のように、特定事象が発生したからといって、回転演出自体を実行しないようにするのではなく、回転演出のうちの回転動作を第1回転動作の制御の一部が制限された制限動作として実行するとともに、回転演出のうちの表示演出を第1表示演出(第1開始演出や第1ループ演出)から第2表示演出(第2開始演出や第2ループ演出)に切り替えて実行する構成とすることで、特定事象の発生に伴う回転動作調整用の処理負荷の増大化を回避しながらも、第1停止時演出にて示された利益が消滅してしまったと勘違いさせないようにすることが可能となる。
なお、第1停止時演出が実行される前に扉開放フラグや電断フラグがセットされて特定事象が発生した場合には、ATモードの上乗せ抽選に当選して第1回転動作や制限動作を実行することの決定がなされていても、ループ抽選やそれに伴う上乗せを行うだけで、これらの回転演出を実行しないようにしてもよい。この場合、特定事象の発生に基づいて第1停止時演出ではなく第2停止時演出が行われるようにするとよい。このようにすることで、回転演出が実行されないことへの違和感を低減することが可能である。
本変形例において、上記変形例3にて示した、特別演出を適用する場合、以下のようにするとよい。既に説明した通り、特別演出は、設定値示唆の情報が提示される演出であり、操作指示演出に従って特定態様にて第2再遊技入賞を成立させることに成功した場合には第1回転演出用処理にて実行される一方、特定態様にて第2再遊技入賞を成立させることに失敗した場合には実行されない。上記のように、特定事象の発生により、第1回転演出用処理ではなく第2回転演出用処理が実行されるようになることから、第2回転演出用処理にて、上記の特別演出を実行するための処理を設けてもよい。
具体的には、図435(c)に示すように、ステップSe3602にて第2ループコマンドを受信したと判定した場合、ステップSe5021にて、今回のゲームの開始時に上記の切り替えコマンドを受信しているか否かを判定する。受信している場合には、ステップSe5022にて特別演出抽選処理を実行し、ステップSe5023にて当該抽選処理に当選したか否かを判定する。当選している場合には、ステップSe5024にて特別演出が第2ループ演出とともに実行されるように設定する。ステップSe5021若しくはステップSe5023にて否定判定した場合、又はステップSe5024の処理を実行した後は、ステップSe3603にて第2ループ演出を実行する。
このようにすることで、せっかく特定態様にて第2再遊技入賞を成立させることに成功し、特別演出発生の権利を得た場合であっても、特定事象の発生によってその特別演出発生の権利が消失してしまう不都合を解消することができる。
<変形例7>
本変形例では、各リール32L,32M,32Rによる回転動作の実行中に特定事象が発生した場合の対処について説明する。回転動作の実行中の特定事象としては、例えば、各リール32L,32M,32Rの脱調やセンサの異常であり、モータ制御処理(図394)にて当該特定事象の発生が把握される。すなわち、モータ制御処理において加速が正常に行われずにリールが回転を開始しなかった場合や、故意にリールを押さえて回転を止めていた場合や、リールの脱調が生じた場合には、1回転分の500パルスの励磁信号を出力してもセンサカットバンの通過を検出しないようになる。その結果、モータ制御処理におけるステップSe2612の図柄番号のリセット処理が行われないため、ステップSe2615において図柄番号は最大値「19」を超えて「20」に更新される。図柄番号の値が「20」となっても、次回の処理ではカウンタ加減算処理が行われるため、図柄オフセットの値は今まで通り更新処理される。この場合、ステップSe2616にて否定判定することとなり、ステップSe2617にて、異常がステッピングモータの動作上のばらつきではないことの確認を経てから、当該異常を特定事象としてステップSe2618にて異常処理が実行される。上記の通り、ステップSe2618の異常処理においては、加速カウンタにその初期値である「25」をセットし、次のタイマ割込み期間から再び加速処理を行う。また、当該異常処理においては、各種フラグ格納エリア106dにエラーフラグをセットする処理を実行する。当該エラーフラグは、今回のゲームの終了に際して、例えば、リール制御処理(図357)における払出判定処理等でクリアされる。
図436は、本変形例における第1回転制御処理を示すフローチャートである。
本変形例では、各リール32L,32M,32Rを逆方向に回転開始させてから停止させるまで(2周分だけ回転するまで)の間、待機する処理(ステップSe5104:NO)の構成が異なっており、他の処理は上記図399のものと同様である。
すなわち、ステップSe5104にて総ステップカウンタが「4528」に至っていないと判定した場合、本変形例ではステップSe5117に進む。ステップSe5117では、上記のエラーフラグがセットされているか否かを判定する。エラーフラグがセットされていない場合には、ステップSe5104に戻る。これに対して、ステップSe5117にてエラーフラグがセットされており、各リール32L,32M,32Rの回転中に特定事象が発生したと判定した場合、図437の第2回転制御処理に移行する。
具体的には、図437におけるステップSe5205に進み、各種フラグ格納エリア106dに切り替えフラグをセットする処理を実行してから、ステップSe5204の総ステップカウンタが「4528」に至るまで待機する処理に進む。この場合、上記図401における処理と同様に、総ステップカウンタが「4528」に至った場合にステップSe5204にて肯定判定して各リール32L,32M,32Rを停止させることなく補助表示部65での演出が行われるようになる。上記の切り替えフラグは、第1回転動作の実行中に特定事象が発生し、制限動作に切り替えられたことをCPU102が把握するためのフラグである。
ステップSe5204にて肯定判定した場合、ステップSe5206にて切り替えフラグがセットされているか否かを判定し、セットされていない場合には、ステップSe5207にて第2ループコマンドを表示制御装置81へ出力する処理を実行する。この場合、図438(a1)に示すように、各リール32L,32M,32Rが逆方向への回転が継続されたまま、図438(b1)に示すように、上記の第2ループ演出が補助表示部65にて実行される。これに対して、ステップSe5206にて切り替えフラグがセットされていると判定した場合、ステップSe5208にて第3ループコマンドを表示制御装置81へ出力する処理を実行する。表示制御装置81では、当該第3ループコマンドを受信したことに基づいて、上記第2ループ演出とは異なるループ演出が補助表示部65等にて実行されるように制御する。具体的には、図438(a2)に示すように、各リール32L,32M,32Rが逆方向への回転が継続されたまま、図438(b3)に示すように、例えば、上記の第2ループ演出において軍人のキャラクタが身に纏うオーラの色が異なる第3ループ演出が補助表示部65にて実行されるようにする。
ステップSe5207又はステップSe5208の処理を実行した後は、ステップSe5209~ステップSe5212にて、開始操作演出を実行するための処理やループ抽選を実行する。そして、ステップSe5213にてループ抽選に当選しているか否かを判定する。
ループ抽選に当選している場合、ステップSe5214に進み、上記の切り替えフラグがセットされているか否かを判定する。切り替えフラグがセットされていない場合、ステップSe5215にて第2開始演出コマンドを表示制御装置81へ出力する処理を実行する。この場合、図438(b2)に示すように、上記の第2開始演出が補助表示部65にて実行される。これに対して、ステップSe5214にて切り替えフラグがセットされていると判定した場合、ステップSe5216にて第3開始演出コマンドを表示制御装置81へ出力する処理を実行する。表示制御装置81では、当該第3開始演出コマンドを受信したことに基づいて、上記第2開始演出とは異なる開始演出が補助表示部65等にて実行されるように制御する。具体的には、図438(b4)に示すように、例えば、上記の第2開始演出において表示される軍人のキャラクタに対して、オーラを身に纏っているように当該オーラのキャラクタを追加した第3開始演出が補助表示部65にて実行されるようにする。
ステップSe5215又はステップSe5216の処理を実行した後は、ステップSe5217にてATセットカウンタを1加算し、ステップSe5218にて総ステップカウンタを0にクリアしてから、ステップSe5204に戻る。なお、図437において、ステップSe5201~ステップSe5203や、ステップSe5219~ステップSe5221の処理は、上記ステップSe3101~ステップSe3103や、ステップSe3114~ステップSe3116の処理と同様であるため、説明を省略する。
すなわち、各リール32L,32M,32Rの回転中にリールの脱調等の特定事象が発生した場合、上記のようにリール制御処理では各リール32L,32M,32Rの回転カウンタに「25」が再入力されて再加速処理が実行される。かかる特定事象が第1回転動作の実行中に発生した場合、当該第1回転動作から制限動作に切り替える処理が実行され、総ステップカウンタが「4528」に至って、回転開始からちょうど2周分回転したであろうタイミングとなっても、停止指令処理が実行されないようになる。これにより、再加速処理に伴い、第1回転動作における各リール32L,32M,32Rの停止タイミングを再設定したり、各リール32L,32M,32Rの図柄の位置関係を再把握したり、加速度を別途調整したりする必要が生じず、処理負荷の軽減を図ることが可能となる。
そのうえで、上記のように第1回転動作から途中で制限動作に切り替えた場合には、当該制限動作に対応させた表示演出が、当初から制限動作が実行される場合の表示演出とは異なるように設定し、具体的には第2ループ演出や第2開始演出の代わりに、第3ループ演出や第3開始演出が実行されるようになる。このようにすることで、回転動作の態様が途中で切り替わったことを遊技者は明確に把握することが可能となり、せっかくの上乗せの機会や上乗せ自体が消失してしまったと勘違いさせないようにすることができる。
<変形例8>
本変形例では、第2表示演出を実行する箇所を異ならせる。図439(a)は、本変形例におけるスロットマシン10の縦断面の概略図である。本変形例では、上記のように各リール32L,32M,32Rの上方に配置される補助表示部65の他に、リール32L,32M,32Rの前方に配置される遊技パネル25が、第2補助表示部650として構成されている。第2補助表示部650は、いわゆる透過液晶装置であり、後方の各リール32L,32M,32Rを視認可能な第1状態と、当該第2補助表示部650にて所定の演出が実行され、遊技者が上記の第1状態よりも各リール32L,32M,32Rを視認しにくくなる又は視認できなくなる第2状態とに切り替わるように、表示制御装置81により制御される。なお、第2補助表示部650との関係から、補助表示部65を第1補助表示部65とも称する。
処理の図による詳細な説明は省略するが、操作指示演出は第1補助表示部65にて実行し、例えば特定態様にて第2再遊技入賞が成立する場合には、各リール32L,32M,32Rの停止操作が行われたタイミング(具体的には、最終停止操作にてストップスイッチ42~44から手を離したタイミング)で、第1補助表示部65にて第1停止時演出が行われるようにし、非特定態様にて第2再遊技入賞が成立したりした場合には、当該各リール32L,32M,32Rの停止操作が行われたタイミングで、第2補助表示部650にて第2停止時演出が行われるようにする。
そして、図439(b1)に示すように、例えば、各リール32L,32M,32Rにて第1回転動作が実行される場合には、上記のように第1補助表示部65にて第1表示演出を実行する。これに対して、各リール32L,32M,32Rにて制限動作が実行される場合には、表示制御装置81は、図439(b2)に示すように、第2補助表示部650にて第2表示演出が実行されるように制御する。この場合、制限動作が実行されている各リール32L,32M,32Rは、第2補助表示部650にて第2表示演出が行われることによって前方から視認不可又は視認しにくくなり、各リール32L,32M,32Rにて第1回転動作ではなく制限動作が行われていることへの違和感を与えにくくすることが可能となる。
なお、第2補助表示部650にて第2表示演出を実行する場合、第1補助表示部65では、第1表示演出や第2表示演出とは異なる演出が行われるようにするとよい。
第2補助表示部650にて第2表示演出を実行することで、各リール32L,32M,32Rの視認性を低下させながら、第2表示演出への注目度を向上させる構成としたが、第1補助表示部65にて第2表示演出を実行する構成としたうえで、第2補助表示部650にて別の演出を実行することで各リール32L,32M,32Rの視認性を低下させる構成としてもよい。この場合、第2補助表示部650にて実行する別の演出として、各リール32L,32M,32Rを模したキャラクタを表示し、当該キャラクタによって特定態様の停止出目を表示演出として表示したり、第1回転動作を表示演出として表示したりするようにしてもよい。
<その他の実施形態>
なお、上述した各実施形態や各変形例の記載内容に限定されず例えば次のように実施してもよい。ちなみに、以下の各構成を個別に上記各実施形態や各変形例に対して適用してもよく、一部又は全部を組み合わせて上記各実施形態や各変形例に対して適用してもよい。また、上記各実施形態や各変形例に示した各種構成の全て又は一部を任意に組み合わせることも可能である。この場合、組み合わせの対象となる各構成の技術的意義(発揮される効果)が担保されることが好ましい。実施形態や変形例の組み合わせからなる新たな構成に対して以下の各構成を個別に適用してもよく、一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。
(1)第1回転動作において、2周分だけ回転したタイミングで各リール32L,32M,32Rを停止させることで、第1特定態様や第2特定態様の停止出目を簡素な処理にて再出現させる構成としたが、停止させるタイミングは上記のものに限定されず、1周分の回転周期(回転期間)の整数倍のタイミングであればよい。また、例えば、特定態様の停止出目から半周等だけ回転させたタイミングで停止させると、別の図柄番号による特定態様の停止出目が出現するように各リール32L,32M,32Rの図柄を配置する等した場合、半周等だけ回転したタイミングで停止させる構成としてもよい。この場合、別の図柄番号による同じ図柄による特定態様の停止出目が半周等で出現する構成としてもよいし、例えば、「白7」図柄が横方向に揃った態様を特定態様とすると、「赤7」図柄が横方向に揃った態様が特定態様として半周等で出現したり、上記の第1特定態様から半周等で第2特定態様が出現するといったように、別の図柄番号による異なる図柄による特定態様の停止出目が半周等で出現する構成としてもよい。また、中段に第1特定態様や第2特定態様が停止していた状態から第1回転動作が開始されると、中段に第1特定態様や第2特定態様が停止する構成としたが、上段や下段に到達するタイミング(周回分のタイミングから1図柄分だけ前後にずらしたタイミング)で停止させる構成としてもよく、上段に停止していた図柄を中段や下段に再停止させる、といったように開始前の停止位置と再停止時の停止位置とにずれが生じるような構成であってもよい。第1回転動作前の停止出目と第1回転動作後に出現させる停止出目とが異なる場合、第1回転動作前の停止出目となるようにストップスイッチ42~44を操作させる操作指示演出を補助表示部65等にて行う構成とするとよい。また、第1回転動作前の停止出目と第1回転動作後に出現させる停止出目とが異なる場合、回転周期に対して、回転周期を各リール32L,32M,32Rに付された図柄数(20)で除算した数の整数倍の期間を追加で回転させたタイミングで停止させる構成とするとよい。例えば、第1回転動作前の停止出目と第1回転動作後に出現させる停止出目と1図柄分だけズレている場合には、回転周期に対して1図柄分追加で回転させたタイミングで停止させる構成とするとよい。なお、回転周期は0周も含み、例えば、第1回転動作は、1図柄分だけ回転させる態様も含む。
(2)第1回転動作において、2周分だけ回転したタイミングで各リール32L,32M,32Rを停止させて第1ループ演出を実行することを前提とし、制限動作でも2周分だけ回転したタイミングで第2ループ演出を実行する構成としたが、第1回転動作において第1ループ演出を実行するタイミングと、制限動作において第2ループ演出を実行するタイミングとが異なっていてもよく、例えば、第1回転動作において第1ループ演出は2周分だけ回転したタイミングで実行する一方、制限動作において第2ループ演出を実行するタイミングは1周分だけ回転したタイミングで実行する構成としてもよいし、制限動作において第2ループ演出を実行するタイミングは1周分の回転周期の整数倍とは異なるタイミングであってもよい。
(3)第1回転動作や制限動作において、逆方向に各リール32L,32M,32Rを回転させる構成としたが正方向に各リール32L,32M,32Rを回転させる構成としてもよく、逆方向に回転させる態様と正方向に回転させる態様とが含まれる構成としてもよい。例えば、第1特定態様や第2特定態様から、第1回転動作において逆方向に回転させて、再度、第1特定態様や第2特定態様を出現させ、その後、スタートレバー41の操作等に基づき、正方向に回転させて、再度、第1特定態様や第2特定態様を出現させる構成としてもよく、更に、その後、スタートレバー41の操作等に基づき、逆方向に回転させて、再度、第1特定態様や第2特定態様を出現させる構成としてもよい。また、正方向への回転と逆方向への回転とがランダムに実行される構成としてもよい。また、各ループ抽選に当選した場合に上乗せされるATモードのセット数が異なる等、回転と仮停止を1セットする回転動作を伴って報知する特典の有利度(ATモードのセット数)が異なる構成とする等したうえで、当該報知する特典の有利度に応じて正方向に回転させるか逆方向に回転させるかを異ならせる構成としてもよく、例えば、第1数(例えば2)のセット上乗せが行われる等、有利な特典が付与される場合には逆方向に回転させる一方、第1数よりも少ない第2数(例えば1)のセット上乗せが行わる等、逆方向の場合よりも不利な特典が付与される場合には正方向に回転させる構成としてもよい。
この場合、制限動作においては停止制御の実行が制限される構成であることから、第1回転動作では逆方向と正方向との切り替えを行う一方、制限動作では逆方向と正方向との切り替えを行わない構成としてもよいし、制限動作においても各リール32L,32M,32Rを一旦停止させたうえで、逆方向と正方向との切り替えを行う構成としてもよい。ちなみに、制限動作において逆方向と正方向との切り替えを行うタイミングは、スタートレバー41の操作タイミングや総ステップカウンタが「8000」となるタイミングであり、かかるタイミングで停止制御された場合に、制限動作前の停止出目が再出現しない構成とすることが好ましく、少なくともスタートレバー41が操作されることなく各リール32L,32M,32Rの回転方向を切り替えるタイミング(総ステップカウンタ)を制限動作前の停止出目が再出現しないタイミングとなるように調節するとよい。
また、上記のように正方向と逆方向との切り替えを行う場合、第1表示演出や第2表示演出についても当該回転方向の切り替えに合わせて演出態様を変化させる構成とするとよい。
(4)第1回転動作や制限動作において、加速カウンタが「0」となり、定速回転に至った後は、その定速状態を維持する構成としたが、速度が変化する構成としてもよい。この場合、例えば、制限動作において、第1回転動作であれば停止制御が行われるタイミングで、各リール32L,32M,32Rが停止はされないものの減速される(例えば2分の1の速度に減速される)構成としてもよい。
(5)第1回転動作や制限動作において、総ステップカウンタにより停止制御を行うタイミングやループコマンド等を出力することにより表示演出を切り替えるタイミングを把握する構成としたが、回転中のリールにおける図柄番号に基づいて停止制御を行うタイミングや表示演出を切り替えるタイミングを把握する構成としてもよい。この場合であっても、少なくとも、第1回転動作における制御の一部の制御(停止制御)の実行を制限動作において制限する構成とすることで、制限動作における回転動作の制御負荷の低減を図ることが可能であるし、表示演出の相違により、その回転動作の相違による違和感を低減したり、回転動作の演出効果を表示演出によって補う効果を期待することは可能である。
(6)回転動作の前の停止出目が第1特定態様や第2特定態様となっておらず非特定態様等である場合、図柄番号等に基づいて各リール32L,32M,32Rの加速度等を調節したうえで第1特定態様や第2特定態様にて再停止させる回転動作を行う構成としてもよい。この場合、第1特定態様や第2特定態様となっている場合には、加速度等の調節用の制御を行わず、ちょうど特定数の周回が行われたタイミングで停止制御させることで第1特定態様や第2特定態様を再出現させる上記の第1回転動作を行う一方、第1特定態様や第2特定態様となっていない場合には上記の加速度等の調節用の制御を実行して、第1回転動作であれば停止制御が行われるタイミングで停止制御を行って第1特定態様や第2特定態様を再出現させる回転動作を行う構成とするとよく、このような構成においては、加速度等の調整用の制御を実行する回転動作に対して、加速度等の調節用の制御を実行しない回転動作(第1回転動作)は、当該加速度等の調節用の制御の実行が制限された回転動作とも解することが可能である。そして、少なくともこれらの回転動作に対応する表示演出がそれぞれ相違するように設定することで、回転動作の相違による違和感を低減したり、回転動作の演出効果を表示演出によって補う効果を期待することは可能である。
(7)上乗せ当選となったゲームの停止出目に応じて、次のゲームの開始時に回転動作を実行する構成としたが、上乗せ当選となったゲームの開始時に回転動作を実行する構成としてもよい。この場合、例えば、当該上乗せ当選となったゲームの開始時に、操作指示演出等を実行し、第1特定態様や第2特定態様の停止出目を停止させる遊技を疑似遊技として実行する。そして、当該疑似遊技における停止出目に応じて、回転動作の態様を第1回転動作とするか制限動作とするか等を決定する構成とし、これらの第1回転動作や制限動作による回転演出の後で、上記の上乗せ当選となったゲームが開始される構成としてもよい。なお、疑似遊技とは、ストップスイッチ42~44の操作等に基づいて各リール32L,32M,32Rを疑似的に停止させることが可能となる遊技であり、疑似的な停止であるため、当該停止に基づいて払出判定処理等の入賞判定が実行されない点で通常時の遊技と相違している。
また、第1回転動作や制限動作が終了した後、通常のゲームが開始されることを前提として説明したが、第1回転動作や制限動作の終了後、続けて疑似遊技や別の回転動作が開始される構成としてもよい。この場合、第1回転動作後はランダム回転制御を行う一方、制限動作後はランダム回転制御を行わないようにすることで、両回転動作後の回転開始制御の態様を異ならせる構成としたが、これら回転動作後に続けて実行される疑似遊技や別の回転動作における回転開始制御の態様を異ならせる構成としてもよい。
(8)回転動作を行う場合、補助表示部65等にて疑似遊技中である旨の報知を行う構成としてもよい。すなわち、回転動作において入賞判定が実行されない各リール32L,32M,32Rが停止、通常時の入賞判定が行われる各リール32L,32M,32Rの停止とを、遊技者や遊技ホールの管理者等が把握可能となる報知を補助表示部65等にて行う構成とするとよい。
(9)第2操作指示演出が実行された場合に、第2特定態様ではなく第1特定態様にて第2再遊技入賞を成立させた場合、第4停止時演出を実行し、制限動作とともに第2開始演出や第2ループ演出を実行する構成としたが、第4停止時演出を実行し、第1回転動作とともに第1開始演出や第1ループ演出を実行する構成としてもよい。また、第2操作指示演出が実行された場合に、第2特定態様ではなく第1特定態様にて第2再遊技入賞を成立させた場合、第4停止時演出を実行し、制限動作として第2特別回転テーブルに基づく回転動作とともに第2開始演出や第2ループ演出を実行する構成としてもよく、第2特別回転テーブルに基づく回転動作とともに第1開始演出や第1ループ演出を実行する構成としてもよい。
(10)第2操作指示演出が実行された場合に、第2特定態様ではなく第1特定態様にて第2再遊技入賞を成立させた場合、第4停止時演出を実行し、制限動作とともに第2開始演出や第2ループ演出を実行する構成としたが、第1操作指示演出が実行された場合に、第1特定態様ではなく第2特定態様にて第3再遊技入賞を成立させた場合、第4停止時演出を実行し、制限動作とともに第2開始演出や第2ループ演出を実行する構成としてもよく、第4停止時演出を実行し、第1回転動作とともに第1開始演出や第1ループ演出を実行する構成としてもよく、制限動作として第2特別回転テーブルに基づく回転動作とともに第2開始演出や第2ループ演出を実行する構成としてもよく、第2特別回転テーブルに基づく回転動作とともに第1開始演出や第1ループ演出を実行する構成としてもよい。
(11)第2操作指示演出が実行された場合に、第2特定態様ではなく第1特定態様にて第2再遊技入賞を成立させた場合、第4停止時演出を実行し、制限動作とともに第2開始演出や第2ループ演出を実行する構成としたが、非特定態様にて第3再遊技入賞が成立した場合に、第4停止時演出を実行し、制限動作とともに第2開始演出や第2ループ演出を実行する構成としてもよく、第4停止時演出を実行し、第1回転動作とともに第1開始演出や第1ループ演出を実行する構成としてもよく、第4停止時演出を実行し、制限動作として第2特別回転テーブルに基づく回転動作とともに第2開始演出や第2ループ演出を実行する構成としてもよく、第2特別回転テーブルに基づく回転動作とともに第1開始演出や第1ループ演出を実行する構成としてもよい。
(12)第2操作指示演出が実行された場合に、第2特定態様ではなく第1特定態様にて第2再遊技入賞を成立させた場合、第4停止時演出を実行し、制限動作とともに第2開始演出や第2ループ演出を実行する構成としたが、第1操作指示演出が実行された場合に、第1特定態様ではなく非特定態様にて第2再遊技入賞を成立させた場合に、第4停止時演出を実行し、制限動作とともに第2開始演出や第2ループ演出を実行する構成としてもよく、第4停止時演出を実行し、第1回転動作とともに第1開始演出や第1ループ演出を実行する構成としてもよく、第4停止時演出を実行し、制限動作として第2特別回転テーブルに基づく回転動作とともに第2開始演出や第2ループ演出を実行する構成としてもよく、第2特別回転テーブルに基づく回転動作とともに第1開始演出や第1ループ演出を実行する構成としてもよい。
(13)第2操作指示演出が実行された場合に、第2特定態様ではなく第1特定態様にて第2再遊技入賞を成立させた場合、第4停止時演出を実行する構成としたが、第1停止時演出を実行する構成としてもよいし、第2停止時演出や第3停止時演出を実行する構成としてもよい。
(14)第1回転動作において、各リール32L,32M,32Rがちょうど2周分だけ回転したタイミングで同時に停止させることで第1特定態様や第2特定態様を再出現させる構成としたが、各リール32L,32M,32Rの停止タイミングを異ならせる構成としてもよい。具体的には、例えば、第1リールは2周分だけ回転したタイミングで停止させ、第2リールは3周分だけ回転したタイミングで停止させ、第3リールは4周分だけ回転したタイミングで停止させる、といったようにしてもよい。
この場合、第1特定態様や第2特定態様を構成する停止出目となっているか否か(第1特定態様であれば、それぞれ中段に「白7」図柄が停止しているとなっているか否か)を各リール32L,32M,32R毎に判定し、構成する停止出目となっているリールを停止させる一方、構成する停止出目となっていないリールは停止させない構成としてもよい。つまり、上記のように第1特定態様として、各リール32L,32M,32Rの中段に「白7」図柄が停止している場合には、第1リールは2周分だけ回転したタイミングで停止させ、第2リールは3周分だけ回転したタイミングで停止させ、第3リールは4周分だけ回転したタイミングで停止させる構成としたうえで、第1リール及び第2リールは「白7」図柄が停止している一方、第3リールでは「白7」図柄が停止しない非特定態様となっている場合には、第1リールは2周分だけ回転したタイミングで停止させ、第2リールは3周分だけ回転したタイミングで停止させ、第3リールは4周分だけ回転したタイミングとなっても停止させない構成としてもよい。そして、表示演出については、第1リール及び第2リールの停止制御までは第1表示演出を実行し、第3リールにおいて停止させない場合に第2表示演出に切り替わるようにするとよい。
(15)非特定態様での第2再遊技入賞や第4再遊技入賞、第5再遊技入賞に基づく制限動作やそれに伴う表示演出と、第1再遊技入賞に基づく制限動作やそれに伴う表示演出とを異ならせる構成としてもよい。前者においては、少なくとも特定態様にて第2再遊技入賞を成立させるべく、第2再遊技入賞に対応する操作順序でストップスイッチ42~44の操作が行われた可能性が高い一方、後者においては、そもそも第2再遊技入賞に対応する操作順序とは異なる操作順序にてストップスイッチ42~44が操作されており、特定態様にて第2再遊技入賞を成立させようとしていない可能性が高い。そこで、前者の場合には、例えば、上記の逆方向への回転を継続させる制限動作や第2表示演出を実行するようにする一方、後者の場合には回転動作やそれに伴う表示演出の実行自体を制限する構成としてもよい。
(16)第1特定態様や第2特定態様の停止出目とは異なる停止出目である場合には、制限動作として逆方向への回転を継続させるとともに第2表示演出を実行する構成としたが、第1特定態様や第2特定態様の停止出目とは異なる停止出目である場合には、制限動作として、各リール32L,32M,32Rの回転動作やそれに伴う表示演出の実行自体を制限してもよく、この場合、回転動作が実行されていたとすればそれに必要な実行期間だけ各リール32L,32M,32Rの回転開始を制限するフリーズ演出を行う構成としてもよいし、フリーズ演出も実行せずに、通常時と同様にスタートレバー41の操作に基づき今回のゲームの回転開始処理が実行される構成としてもよい。
(17)回転演出を行う契機の一例として、ATモードの上乗せ抽選に当選した場合を例として説明したが、回転演出を行う契機はこれに限定されず、例えば、ATモードの移行抽選に当選した場合であってもよいし、ATモードのセット継続の有無を報知する場合であってもよいし、設定示唆抽選等に当選した場合等、ゲームの抽選結果に基づかず回転演出を行う構成としてもよい。
(18)第1表示演出や第2表示演出の態様は一例であり、上記のものに限定されない。例えば、第1表示演出や第2表示演出の演出パターンを複数設け、第1回転動作や制限動作が行われる場合にその複数の演出パターンから一の演出パターンを抽選等により選択して実行する構成としてもよく、当該演出パターンの抽選がループ率に応じてループ率が高いほど所定の演出パターンが実行され易く、ループ率が低いほど特定の演出パターンが実行され易い構成としてもよく、ループ回数に応じて選択される演出パターンが異なる構成としてもよい。この場合、第1表示演出における複数の演出パターンと、第2表示演出における複数の演出パターンとに共通する演出パターンが含まれる構成としてもよい。さらに、第1表示演出における複数の演出パターンと第2表示演出における複数の演出パターンとが全て共通の演出パターンであって、選択され易い演出パターンが第1表示演出と第2表示演出とで異なる構成としてもよい。
(19)ランダム回転において、第1リールの回転開始から第2リールの回転開始までの期間と、第2リールの回転開始から第3リールの回転開始までの期間とが同じ期間となるようにしたが、これらの期間が異なる構成としてもよく、両期間の合計期間(待機カウンタが「1000」から「0」となるまでの期間)だけ、制限動作において停止指令処理が行われるまで待機する構成(総ステップカウンタが「8000」から「9000」となるまで待機する構成)とするとよい。
(20)ランダム回転において、一部のリールの回転開始タイミングをずらす構成としてもよい。また、回転開始順序を抽選により決定する構成に代えて、予め定められた回転開始順序で回転を開始させる構成としてもよい。
(21)第1回転動作を実行した後はランダム回転制御にて各リール32L,32M,32Rの回転を開始させる一方、制限動作を実行した後はランダム回転制御を実行せずに各リール32L,32M,32Rの回転を開始させる構成としたが、制限動作を実行した後もランダム回転制御が行われる場合がある構成としてもよい。例えば、制限動作の契機となった非特定態様等の停止出目が、中段に「白7」図柄が停止したリールを含む停止出目である場合(非特定態様での第2再遊技入賞や、第4再遊技入賞、第5再遊技入賞)にはランダム回転制御を行う一方、制限動作の契機となった非特定態様等の停止出目が、中段に「白7」図柄が停止したリールを含まない停止出目である場合(第1再遊技入賞)にはランダム回転制御を行わない構成としてもよい。
(22)第1回転動作及び制限動作のいずれでもランダム回転制御を行うものの、第1回転動作後のランダム回転制御と制限動作後のランダム回転制御とが異なる構成としてもよい。例えば、第1回転動作後のランダム回転制御では、各リール32L,32M,32Rの回転開始タイミングをずらす期間が第1期間であるのに対して、制限動作後のランダム回転制御では、各リール32L,32M,32Rの回転開始タイミングをずらす期間が第1期間とは異なる(例えば第1期間よりも短い)第2期間となるようにしてもよい。
(23)ランダム回転制御は、各リール32L,32M,32Rの回転開始タイミングをずらすことで特定態様にて回転することを回避する構成としたが、各リール32L,32M,32Rの加速度を異ならせることで特定態様にて回転することを回避する構成としてもよい。この場合、各リール32L,32M,32Rを同時に回転開始させる構成としてもよい。また、第1回転動作を行った後、各リール32L,32M,32Rの回転が開始されてから全てのリール32L,32M,32Rが定速回転に至るまでの期間と、制限動作を行った後、各リール32L,32M,32Rの回転が開始されてから全てのリール32L,32M,32Rが定速回転に至るまでの期間とが同じ又は略同じとなるように、制限動作の終了タイミングを設定するとよい。
(24)第1回転動作や制限動作において、基本的には全てのリール32L,32M,32Rが同様の回転態様にて回転する構成としたが、各リール32L,32M,32Rの回転態様の全て又は一部が異なる構成としてもよい。例えば、第1回転動作や制限動作において、左リール32Lの回転速度と、中リール32Mや右リール32Rの回転速度とが異なる構成としてもよい。この場合、異なる回転態様となるリールによって、遊技者に特定情報が示唆される構成としてもよい。特定情報としては、ループ率であってもよいし、ATモードの残りセット数であってもよく。
(25)現状の有利区間ゲーム数AGと、ATモードの残りセット数分のゲーム数との合計が有利区間の上限ゲーム数(1500)を超過している場合若しくは超過するであろう場合や、現状の有利区間増減枚数MYと、ATモードの残りゲーム数から算出される予定増加枚数との合計が有利区間の上限増加枚数(2400)を超過している場合若しくは超過するであろう場合は、操作指示演出に従って、第1特定態様にて第2再遊技入賞を成立させた場合等であっても、第1回転動作での回転演出ではなく制限動作での回転演出を行う構成としてもよい。
(26)第1特定態様にて第2再遊技入賞を成立させた場合や第2特定態様にて第3再遊技入賞を成立させた場合であっても、第1回転動作ではなく制限動作とともに第2表示演出が実行される場合がある構成としたうえで、第1特定態様や第2特定態様の停止出目を停止させた場合に、ATモードの残りゲーム数や、実行済みのATモードのゲーム数等、現状の遊技状況に応じて、第1回転動作及び第1表示演出ではなく制限動作及び第2表示演出が実行される割合が異なる構成としてもよい。
(27)第1回転動作及び制限動作はいずれも同じ特別回転テーブルを用いて制御される構成としたが、異なる回転テーブルを用いて制御される構成としてもよい。この場合、少なくとも一部の制御期間で参照する加速期間や励磁データが両回転テーブルで共通している構成であるとよい。
(28)第1回転動作と制限動作とが、ループ抽選に当選するたびに切り替わる構成としてもよい。すなわち、最初の回転動作は第1回転動作にて実行され、ループ抽選に当選したと判定した場合には、制限動作による回転動作が実行され、更にループ抽選に当選したと判定した場合には、第1回転動作による回転動作が実行される、といったように、回転動作が切り替わる構成としてもよい。この場合、例えば、ループ抽選のたびにいずれの回転動作を実行するかを抽選等により決定する構成としてもよく、例えばこの場合、ループ抽選に非当選となった場合に制限動作が選択されたうえで回転動作が終了する構成としてもよい。
(29)第1回転動作による回転演出を行うことの決定がなされ、前面扉12が開放された場合や電断状態となった場合を特定事象の発生として、復帰後、上記の決定の対象とされた回転演出を第1回転動作ではなく制限動作にて実行する構成としたが、例えば、電入状態から電断状態への切り替えを特定事象としてもよいし、ホッパ装置51のエラーの発生を特定事象としてもよいし、設定値の変更等によるRAM106のクリアを特定事象としてもよい。また、精算スイッチ59の操作や第1クレジット投入スイッチ56の操作といった遊技者による特定操作が行われたことを特定事象としてもよい。更に、スロットマシン10に演出用の可動役物を設ける等した場合において、当該可動役物が動作したことを特定事象としてもよく、何らかの演出が発生したことを特定事象としてもよい。これらの場合、第1回転動作による回転演出を行うことの決定がなされ、いずれかの特定事象の発生として、復帰後、上記の決定の対象とされた回転演出を第1回転動作ではなく制限動作にて実行する構成とするとよい。
(30)第1回転動作による回転演出を行うことの決定がなされた後、前面扉12が開放された場合や電断状態となった場合等の特定事象が発生した場合、復帰後、上記の決定の対象とされた回転演出を第1回転動作ではなく制限動作にて実行する構成としたが、特定事象が発生したものの、復帰後、各リール32L,32M,32Rの図柄位置のズレが生じていない場合には第1回転動作を実行する構成としてもよい。具体的には、第1回転動作として回転を開始させた後、回転中に更新される図柄番号やオフセットカウンタと回転開始前に把握していた図柄番号やオフセットカウンタとにズレが生じていない場合には、各リール32L,32M,32Rの図柄位置のズレが生じていないとして第1回転動作を継続させ、回転中に更新される図柄番号やオフセットカウンタと回転開始前に把握していた図柄番号やオフセットカウンタとにズレが生じている場合には、各リール32L,32M,32Rの図柄位置のズレが生じていたとして制限動作に切り替える(停止指令処理を行わないようにする)構成とするとよい。
(31)第1回転動作の最中に各リール32L,32M,32Rの脱調等により再加速処理が実行されてエラーフラグがセットされた場合には、制限動作に切り替える構成としたが、少なくとも再加速処理が実行される特定事象が生じた場合に制限動作に切り替える構成であればよく、例えば、各リール32L,32M,32Rの回転中に電断が発生した場合であって、電断から復帰して再加速処理が行われる事象を特定事象としてもよい。また、前面扉12が開放された場合であっても、制限動作に切り替える構成としてもよい。
(32)第2補助表示部650を設ける構成において、制限動作を行う場合に第2補助表示部650にて第2表示演出を実行する構成としたが、少なくとも制限動作が行われる場合に各リール32L,32M,32Rの視認性が低下する構成であればよく、第1補助表示部65にて第2表示演出を実行する構成としたうえで、第2補助表示部650にて別の表示演出を実行する構成としてもよいし、第1補助表示部65及び第2補助表示部650のいずれでも第2表示演出を実行する構成としてもよい。
(33)制限動作を行う場合に第2補助表示部650にて第2表示演出を行うことで各リール32L,32M,32Rの視認性を低下させる構成としたが、各リール32L,32M,32Rの視認性を低下させる態様は上記のものに限定されない。例えば、第1回転動作であれば、各リール32L,32M,32Rを内側から照射するバックライトや外側から照射するフロントライトがON状態とされるところを、制限動作であればOFF状態とすることにより各リール32L,32M,32Rの視認性を低下させる構成としてもよい。
(34)第2補助表示部650の位置は上記のものに限定されない。少なくとも、第1補助表示部65よりも表示面積が大きい等、遊技者の注目を集め易い構成であれば、第2表示演出により制限動作の演出効果を補うことが可能である。
(34)回転演出において、各リール32L,32M,32Rの回転動作に伴う演出を補助表示部65における第1表示演出(第1ループ演出、第1開始演出)や第2表示演出(第2ループ演出、第2開始演出)を例として説明したが、回転動作に伴う演出は、補助表示部65による表示演出に限定されず、スピーカ64からの効果音による演出であってもよいし、他の可動役物等による演出であってもよいし、各リール32L,32M,32Rを内側から照射するバックライトや外側から照射するフロントライトによる演出であってもよい。
(35)操作指示演出を表示制御装置81側の補助表示部65にて行う構成としたが、主制御装置101側の指示モニタ68にて行う構成としてもよいし、両方で行う構成としてもよい。
(36)第1操作指示演出が実行された場合において、第1特定態様にて第2再遊技入賞が成立した場合と、そうではない場合(非特定態様にて第2再遊技入賞が成立した場合等)とや、第2操作指示演出が実行された場合において、第2特定態様にて第3再遊技入賞が成立した場合と、そうではない場合(非特定態様にて第3再遊技入賞が成立した場合等)とで、いずれも付与される特典(再遊技)が同じ構成としたが、異なる特典が付与される構成としてもよい。
(37)3ベットゲームにて当選し得るBBとして第1BBを設け、2ベットゲームにて当選し得るBBとして第2BBを設けたが、いずれか一方のBBだけであってもよく、例えば、2ベットゲームにて第2BBに当選し、3ベットゲームではいずれのBBにも当選しない構成としてもよい。
(38)2ベットゲームにて、第2BBに当選する構成としたが、2ベットゲームにて複数種類のBBに当選し得る構成としてもよく、例えば、2ベットゲームにて第1BBと第2BBに当選し得る構成としてもよい。この場合、2ベットゲームにて第1BB入賞と第2BB入賞とが成立し得る構成とし、3ベットゲームでは第1BB及び第2BBのいずれにも当選もせず、更に3ベットゲームでは第1BB入賞と第2BB入賞とのいずれも成立しない構成としてもよい。なお、2ベットゲームと3ベットゲームとの関係が上記のものと逆であってもよい。
(39)第1BB状態と第2BB状態とでいずれも同じ抽選テーブルを用いて、同じ遊技ベースとなるようにしたが、異なる抽選テーブルを用いて、異なる純増枚数となるようにしてもよい。
(40)第1BB状態と、第2BB状態とを、いずれも3ベットゲームにて遊技する構成としたが、例えば、第1BB状態は3ベットゲームにて遊技し、第2BB状態は2ベットゲームにて遊技する、といったように、BB状態の種類によってベット数が異なる構成としてもよい。この場合、第1BB状態の各ゲームは特定規定数とは異なるベット数によるゲームとなり、第2BB状態の各ゲームは特定規定数のベット数によるゲームとなる。
(41)第1BB状態と、第2BB状態との遊技は、いずれも押し順報知用の処理や特定処理等の指示機能に関する実行が制限される構成としたが、例えば、第1BB状態の遊技はこれらの指示機能に関する処理の実行が制限される一方、第2BB状態の遊技はこれらの指示機能に関する処理の実行が許容される、といったように、BB状態の種類によって制限の有無が異なる構成としてもよい。また、CB状態やSB状態、MB状態を設け、これらのうちのいずれか又は全部で、各指示機能に関する処理が制限される又は制限されない構成としてもよい。
(42)3ベットゲームでは第2BB入賞を成立させることができず、2ベットゲームでは第1BB入賞を成立させることができない構成としたが、3ベットゲームでは2ベットゲームよりも第2BB入賞しにくい構成としてもよく、2ベットゲームでは3ベットゲームよりも第1BB入賞しにくい構成としてもよい。
(43)3ベットゲームでは第2BB当選とならず、2ベットゲームでは第1BB当選とならない構成としたが、3ベットゲームでは2ベットゲームよりも第2BBに当選しにくい構成としてもよく、2ベットゲームでは3ベットゲームよりも第1BBに当選しにくい構成としてもよい。
(44)1ベットを設定可能な操作部を設けてもよい。この場合、当該操作部を操作した回数に応じてベット数を異ならせることが可能な構成としてもよい。具体的には、当該操作部を1回操作した場合には1ベットとなり、2回操作した場合には2ベットとなり、3回操作した場合には3ベットとなる構成としてもよい。更に、4回操作した場合には1ベットとなり、5回操作した場合には2ベットとなる、といったように、所望のベット数を通り越してしまった場合でも、再操作によって所望のベット数に設定可能な構成とするとよい。
(45)CZモードの上限ゲーム数を、一律で10ゲームとしたが、そのゲーム数を抽選等により決定する構成としてもよい。また、準備モードの上限ゲーム数を、一律で40ゲームととしたが、そのゲーム数を抽選等により決定する構成としてもよい。
(46)第1BB状態や第2BB状態の1ゲーム当たりのメダルの純増枚数を約プラス0.00枚として、第1BB状態や第2BB状態ではメダルが増えもせず、減りもしない構成としたが、メダルが増加し得る構成としてもよいし、メダルが減少し得る構成としてもよい。この場合、第1BB状態や第2BB状態での純増枚数が、少なくとも内部状態や非内部状態を3ベットゲームにて遊技した場合の純増枚数よりも多い純増枚数数であればよい。
(47)遊技者が、内部状態や非内部状態を3ベットゲームではなく2ベットゲームにて遊技したり、第1BB入賞や第2BB入賞を成立させることで、指示機能に関する各処理の実行が許容される状態から制限される状態に移行する構成としたが、遊技機側で、例えば、所定ゲーム数の消化によって指示機能に関する各処理の実行が許容される状態から制限される状態に移行する構成としてもよい。
(48)各設定値によって出玉率が変化する構成とし、設定1が最も出玉率が低く、設定6が最も出玉率が高くなる構成としたが、設定値によって出玉(遊技媒体)の増減率や増減態様が変化する構成であればよい。例えば、設定1と設定2との出玉率が同じであるなど、一部の設定値の出玉率が同じであって、他の設定値の出玉率が異なる構成としてもよい。また、設定1,3,5は出玉の増減率が高く、設定2,4,6は出玉の増減率が低い構成としてもよい。また、設定1,5は短時間で出玉が所定量増加し長時間で出玉が所定量減少し、設定2,3,4は所定量の増加に設定1,5よりも長時間要するとともに所定量の減少に設定1,5よりも短時間で済み、設定6は出玉の増減がほとんど発生しない構成としてもよい。これらの場合、各設定値の出玉率は同じであってもよい。
(49)リール及びそれに対応するストップスイッチを3つ並列して備えるスロットマシンについて説明したが、かかる構成に限定されるものではなく、例えばリール及びそれに対応するストップスイッチを5つ並列して備えたスロットマシンであってもよい。リールの停止操作における誤操作を抑制するという観点からすると、リール及びそれに対応するストップスイッチは少なくとも2つあればよい。また、ベット数が3である状況で有効ラインが1ラインに設定されるスロットマシンについて説明したが、かかる構成に限定されるものではなく、例えば、有効ラインは5ラインであってもよい。
(50)スロットマシン10について具体化した例を示したが、スロットマシンとパチンコ機とを融合した形式の遊技機に適用してもよい。即ち、スロットマシンのうち、メダル投入及びメダル払出機能に代えて、パチンコ機のような球投入及び球払出機能をもたせた遊技機(所謂、球使用回胴式遊技機)としてもよい。かかる遊技機をスロットマシンに代えて使用すれば、遊技ホールでは球のみを遊技価値として取り扱うことができるため、パチンコ機とスロットマシンとが混在している現在の遊技ホールにおいてみられる、遊技価値たるメダルと球との別個の取扱による設備上の負担や遊技機設置個所の制約といった問題を解消し得る。
(51)上記実施形態では遊技媒体としてのメダルを投入することベット数を設定して遊技が開始可能となり、当該遊技の入賞に対応する特典として所定数のメダルが払い出されるタイプの遊技機について例示したが、メダルを使用しないメダルレスタイプの遊技機を否定するものではない。このようなメダルレスタイプの遊技機においては、例えば、仮想遊技媒体(所定の遊技価値)を用いてゲームのベット数を設定して遊技を開始可能とし、当該遊技の入賞に対応する特典として上記所定数のメダルに応じた仮想遊技媒体(所定の遊技価値)を付与する構成とするとよい。この場合、当該仮想遊技媒体数を所定の表示部にて表示する構成としてもよいし、当該仮想遊技媒体数に対応する情報を本遊技機外部に出力する構成としてもよい。
また、上記のパチンコ機においては、遊技球の払い出しが行われるタイプのパチンコ機だけでなく、遊技機外部に遊技球が排出されない封入タイプのパチンコ機であってもよい。このような封入タイプのパチンコ機においては、例えば賞球数を示す情報を報知する構成とするとよい。
<第6fの実施形態>
以下、第6fの実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図440はスロットマシン10の正面図、図441はスロットマシン10の前面扉12を閉じた状態の斜視図、図442はスロットマシン10の前面扉12を開いた状態の斜視図、図443は前面扉12の背面図、図444は筐体11の正面図である。なお、以下の説明においては、特に上記各実施形態と異なる構成について説明し、上記各実施形態と共通する構成についてはその説明を省略する。また、以下の説明においては、上記実施形態と同じ機能を備える構成要素については同じ符号を用いて説明し、同じ符号であっても異なる機能を備える構成要素については、本実施形態における特有の符号として取り扱うものとする。
図440~図444に示すように、スロットマシン10は、その外殻を形成する筐体11を備えている。筐体11は、全体として前面を開放した箱状に形成されており、遊技ホールへの設置の際にいわゆる島設備に対し釘を打ち付ける等して取り付けられる。
筐体11の前面側には、前面扉12が開閉可能に取り付けられている。すなわち、筐体11には、その正面から見て左側部に上下一対の支軸13a,13bが設けられており、前面扉12には、各支軸13a,13bと対応する位置に軸受部14a,14bが設けられている。そして、各軸受部14a,14bに各支軸13a,13bが挿入された状態では、前面扉12が筐体11に対して両支軸13a,13bを結ぶ上下方向へ延びる開閉軸線を中心として回動可能に支持され、前面扉12の回動によって筐体11の前面開放側を開放したり閉鎖したりすることができるようになっている。また、前面扉12は、その裏面に設けられた施錠装置20によって開放不能な施錠状態とされる。前面扉12の右端側上部には、施錠装置20と一体化されたキーシリンダ21が設けられており、キーシリンダ21に対する所定のキー操作によって前記施錠状態が解除されるように構成されている。
前面扉12の中央部上寄りには、遊技者に遊技状態を報知する遊技パネル25が設けられている。遊技パネル25には、縦長の3つの表示窓26L,26M,26Rが横並びに形成されており、各表示窓26L,26M,26Rを通じてスロットマシン10の内部が視認可能な状態となっている。なお、各表示窓26L,26M,26Rを1つにまとめて共通の表示窓としてもよい。
図442に示すように、筐体11は仕切り板30によりその内部が上下2分割されており、仕切り板30の上部には、可変表示手段を構成するリールユニット31が取り付けられている。リールユニット31は、円筒状(円環状)にそれぞれ形成された左リール32L,中リール32M,右リール32Rを備えている。各リール32L,32M,32Rは、その中心軸線が当該リールの回転軸線となるように回転可能に支持されている。各リール32L,32M,32Rの回転軸線は略水平方向に延びる同一軸線上に配設され、それぞれのリール32L,32M,32Rが各表示窓26L,26M,26Rと1対1で対応している。したがって、各リール32L,32M,32Rの表面の一部はそれぞれ対応する表示窓26L,26M,26Rを通じて視認可能な状態となっている。また、リール32L,32M,32Rが正回転すると、各表示窓26L,26M,26Rを通じてリール32L,32M,32Rの表面は上から下へ向かって移動しているかのように映し出される。
ここで、リールユニット31の構成を簡単に説明する。
各リール32L,32M,32Rは、それぞれがステッピングモータに連結されており、各ステッピングモータの駆動により各リール32L,32M,32Rが個別に、すなわちそれぞれ独立して回転駆動し得る構成となっている。ステッピングモータは、例えば500パルスの駆動信号(以下、励磁パルスともいう。)を与えることにより1回転されるように設定されており、この励磁パルスによってステッピングモータの回転位置、すなわちリールの回転位置が制御される。また、リールユニット31には、リールが1回転したことを検出するためのリールインデックスセンサが各リール32L,32M,32Rに設置されている。そして、リールインデックスセンサからは、リールが1回転したことを検出した場合、その検出の都度、後述する主制御装置101に検出信号が出力されるようになっている。このため主制御装置101は、リールインデックスセンサの検出信号と、当該検出信号が入力されるまでに出力した励磁パルス数とに基づいて、各リール32L,32M,32Rの角度位置を1回転毎に確認するとともに補正することができる。
各リール32L,32M,32Rの外周面には、その長辺方向(周回方向)に、識別情報としての図柄が複数個描かれている。より具体的には、20個の図柄が等間隔に描かれている。このため、所定の位置においてある図柄を次の図柄へ切り替えるには、25パルス(=500パルス÷20図柄)の励磁パルスの出力を要する。また、主制御装置101は、リールインデックスセンサの検出信号が入力されてから出力した励磁パルス数により、表示窓26L,26M,26Rから視認可能な状態となっている図柄を把握したり、表示窓26L,26M,26Rから視認可能な位置に所定の図柄を停止させたりする制御を行うことができる。
次に、各リール32L,32M,32Rに描かれている図柄について説明する。
図445には、左リール32L,中リール32M,右リール32Rの図柄配列が示されている。同図に示すように、各リール32L,32M,32Rには、それぞれ20個の図柄が一列に配置されている。また、各リール32L,32M,32Rに対応して番号が0~19まで付されているが、これら番号は主制御装置101が表示窓26L,26M,26Rから視認可能な状態となっている図柄を認識するための番号であり、リール32L,32M,32Rに実際に付されているわけではない。但し、以下の説明では当該番号を使用して説明する。
図柄としては、「ベル」図柄(例えば、左リール32Lの1番目)、「リプレイ」図柄(例えば、左リール32Lの0番目)、「赤7」図柄(例えば、左リール32Lの14番目)、「スイカ」図柄(例えば、左リール32Lの2番目)、「チェリー」図柄(例えば、左リール32Lの8番目)、「BAR」図柄(例えば、左リール32Lの9番目)、「白7」図柄(例えば、左リール32Lの3番目)、「青年」図柄(例えば、左リール32Lの18番目)、「赤貝」図柄(例えば、左リール32Lの4番目)、「白貝」図柄(例えば、左リール32Lの19番目)の10種類がある。そして、図445に示すように、各リール32L,32M,32Rにおいて各種図柄の数や配置順序は全く異なっている。
各表示窓26L,26M,26Rは、対応するリールに付された20個の図柄のうち図柄全体を視認可能となる図柄が3個となるように形成されている。このため、各リール32L,32M,32Rがすべて停止している状態では、3×3=9個の図柄が表示窓26L,26M,26Rを介して視認可能な状態となる。
本スロットマシン10では、上記視認可能となる図柄のうち、各リール32L,32M,32Rそれぞれ1の図柄ずつ、計3つの図柄の組合せを利用して各ゲームの遊技結果が報知される。上記のように3×3=9個の図柄が視認可能となることから、これら3つの図柄の組合せとしては、例えば、図446に示すように、各リール32L,32M,32Rの上段図柄を結んだ上ラインL1に停止する各図柄の組合せや、各リール32L,32M,32Rの中段図柄を結んだ中ラインL2に停止する各図柄の組合せや、各リール32L,32M,32Rの下段図柄を結んだ下ラインL3に停止する各図柄の組合せがある。また、左リール32Lの上段図柄,中リール32Mの中段図柄,右リール32Rの下段図柄を結んだ右下がりラインL4に停止する各図柄の組合せや、左リール32Lの下段図柄,中リール32Mの中段図柄,右リール32Rの上段図柄を結んだ右上がりラインL5に停止する各図柄の組合せがある。その他、左リール32Lの中段図柄,中リール32Mの上段図柄,右リール32Rの上段図柄を結んだ折れ曲がりラインL6に停止する各図柄の組合せもある。上記のラインL1~L5は各図柄を並べると一直線となるラインであり、折れ曲がりラインL6は各図柄を並べると途中で折れ曲がりが生じるラインである。なお、折れ曲がりが生じるラインに停止する各図柄の組合せとしては、折れ曲がりラインL6以外にもあるが、ここでは説明を省略する。
これらラインL1~L6のうち、メダルのベットによって有効化されるラインと有効化されないラインとが設定され、有効化されたライン、すなわち有効ライン上に図柄が所定の組合せで停止した場合には、入賞成立として、遊技媒体たるメダルが所定数払い出される特典が付与されたり、遊技状態が移行される特典が付与されたりするようになっている。その一方で、有効化されないライン上に図柄が所定の組合せで停止した場合には、入賞は成立せず、上記特典は付与されない。
本スロットマシン10では、上記のラインL1~L6のうち、折れ曲がりラインL6が有効ラインとして設定される。より詳しくは、本スロットマシン10では、3枚のメダルがベットされてゲームが開始される場合と2枚のメダルがベットされてゲームが開始される場合とがあり、これら3枚又は2枚のメダルがベットされてゲームが開始される場合には、折れ曲がりラインL6のみが有効ラインとして設定され、他のラインL1~L5は有効ラインとしては設定されない。以下の説明では、折れ曲がりラインL6を有効ラインMLと称する場合がある。また、以下では、3枚のメダルがベットされて開始されるゲームを3ベットゲーム、2枚のメダルがベットされて開始されるゲームを2ベットゲーム、1枚のメダルがベットされて開始されるゲームを1ベットゲーム、ともいう。なお、本実施形態では、1ベットゲームは設定されない。
図447~図449は、入賞となる図柄の組合せと、入賞となった場合に付与される特典と、の対応関係を示す図である。
メダル払出が行われる小役入賞としては、第1小役入賞~第32小役入賞がある。
左リール32Lの「リプレイ」図柄と、中リール32Mの「リプレイ」図柄と、右リール32Rの「リプレイ」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合には、第1小役入賞となる。第1小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは13枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは12枚のメダル払出が行われる。
図450(a)に示すように、有効ラインMLに第1小役入賞に対応する図柄が停止すると、右下がりラインL4には「ベル」図柄が揃って停止する。そのため、遊技者は、ベルに対応する小役入賞が成立したことを容易に理解可能となる。
左リール32Lの「リプレイ」図柄と、中リール32Mの「ベル」図柄と、右リール32Rの「ベル」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合には、第2小役入賞となる。第2小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは13枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは12枚のメダル払出が行われる。
図450(b)に示すように、有効ラインMLに第2小役入賞に対応する図柄が停止すると、上ラインL1には「ベル」図柄が揃って停止する。そのため、遊技者は、ベルに対応する小役入賞が成立したことを容易に理解可能となるとともに、「ベル」図柄が揃うラインの相違から、上記の第1小役入賞とは異なる小役入賞が成立していることも理解可能となる。
左リール32Lの「ベル」図柄と、中リール32Mの「リプレイ」図柄と、右リール32Rの「スイカ」図柄又は「赤貝」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合には、第3小役入賞となる。第3小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは13枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは12枚のメダル払出が行われる。
図450(c)に示すように、有効ラインMLに第3小役入賞に対応する図柄が停止すると、中ラインL2には「ベル」図柄が揃って停止する。そのため、遊技者は、ベルに対応する小役入賞が成立したことを容易に理解可能となるとともに、「ベル」図柄が揃うラインの相違から、上記の第1小役入賞や第2小役入賞とは異なる小役入賞が成立していることも理解可能となる。
左リール32Lの「スイカ」図柄と、中リール32Mの「リプレイ」図柄と、右リール32Rの「ベル」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合には、第4小役入賞となる。第4小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは13枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは12枚のメダル払出が行われる。
図450(d)に示すように、有効ラインMLに第4小役入賞に対応する図柄が停止すると、右上がりラインL5には「ベル」図柄が揃って停止する。そのため、遊技者は、ベルに対応する小役入賞が成立したことを容易に理解可能となるとともに、「ベル」図柄が揃うラインの相違から、上記の第1小役入賞~第3小役入賞とは異なる小役入賞が成立していることも理解可能となる。
左リール32Lの「スイカ」図柄と、中リール32Mの「スイカ」図柄と、右リール32Rの「リプレイ」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合には、第5小役入賞となる。第5小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは13枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは12枚のメダル払出が行われる。
図450(e)に示すように、有効ラインMLに第5小役入賞に対応する図柄が停止すると、下ラインL3には「ベル」図柄が揃って停止する。そのため、遊技者は、ベルに対応する小役入賞が成立したことを容易に理解可能となるとともに、「ベル」図柄が揃うラインの相違から、上記の第1小役入賞~第4小役入賞とは異なる小役入賞が成立していることも理解可能となる。
左リール32Lの「スイカ」図柄と、中リール32Mの「リプレイ」図柄と、右リール32Rの「リプレイ」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合には、第6小役入賞となる。第6小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは13枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは12枚のメダル払出が行われる。
図450(f)に示すように、有効ラインMLに第6小役入賞に対応する図柄が停止すると、左リール32Lの下段、中リール32Mの中段、右リール32Rの下段にそれぞれ「ベル」図柄が停止する(小山型に停止する)。そのため、遊技者は、ベルに対応する小役入賞が成立したことを容易に理解可能となるとともに、「ベル」図柄の停止位置の相違から、上記の第1小役入賞~第5小役入賞とは異なる小役入賞が成立していることも理解可能となる。
左リール32Lの「ベル」図柄と、中リール32Mの「白7」図柄、「チェリー」図柄、「赤貝」図柄又は「青年」図柄と、右リール32Rの「白7」図柄、「白貝」図柄又は「青年」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合には、第7小役入賞となる。第7小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは3枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは3枚のメダル払出が行われる。
図451(a)に示すように、有効ラインMLに第7小役入賞に対応する図柄が停止すると、右下がりラインL4には「スイカ」図柄が揃って停止する。そのため、遊技者は、スイカに対応する小役入賞が成立したことを容易に理解可能となる。
左リール32Lの「ベル」図柄と、中リール32Mの「スイカ」図柄と、右リール32Rの「スイカ」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合には、第8小役入賞となる。第8小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは3枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは3枚のメダル払出が行われる。
図451(b)に示すように、有効ラインMLに第8小役入賞に対応する図柄が停止すると、上ラインL1には「スイカ」図柄が揃って停止する。そのため、遊技者は、スイカに対応する小役入賞が成立したことを容易に理解可能となるとともに、「スイカ」図柄が揃うラインの相違から、上記の第7小役入賞とは異なる小役入賞が成立していることも理解可能となる。
第9小役~第32小役は、主に、第1小役~第6小役の取りこぼし時に入賞が成立する、所謂取りこぼし役である。第9小役入賞~第32小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは1枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは1枚のメダル払出が行われる。第9小役~第32小役は、左リール32Lの「リプレイ」図柄、「赤7」図柄、「BAR」図柄、「赤貝」図柄、「白貝」図柄、「青年」図柄又は「ベル」図柄と、中リール32Mの「白7」図柄、「チェリー」図柄、「赤貝」図柄、「青年」図柄、「赤7」図柄、「スイカ」図柄、「リプレイ」図柄、「BAR」図柄、「ベル」図柄又は「白貝」図柄と、右リール32Rの「赤7」図柄、「白7」図柄、「白貝」図柄、「青年」図柄、「スイカ」図柄、「赤貝」図柄、「BAR」図柄又は「リプレイ」図柄と、による対応する組み合わせが有効ラインML上に停止することで入賞が成立する。図447及び図448に示すように、これら第9小役入賞~第32小役入賞に対応する図柄の組み合わせは、いずれも直線ライン(L1~L5)に「ベル」図柄が揃って停止することがないように設定されており、ベルに対応する小役入賞が成立していないことを容易に理解可能となるように設定されている。
ちなみに、上記の第1小役入賞~第32小役入賞に基づいてメダルが払い出される構成において、払い出される小役は、遊技の結果に応じて付与される特典(遊技価値)の一種である。なお、本明細書においては、払い出されたメダルのことを出玉とも称する場合があり、投入した(ベットした)メダルの数に対する払出メダル(出玉)の数の割合を出玉率とも称する場合がある。
メダルを投入することなく次ゲームの遊技を行うことが可能な再遊技の特典(遊技価値)が付与される入賞としては、第1再遊技入賞~第12再遊技入賞がある。図449に示すように、これら第1再遊技~第12再遊技に対して、入賞となる図柄組み合わせがそれぞれ設定されている。
第1再遊技は、左リール32Lの「リプレイ」図柄と、中リール32Mの「スイカ」図柄と、右リール32Rの「赤7」図柄、「白7」図柄、「白貝」図柄又は「青年」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合に入賞が成立する。図451(c)に示すように、有効ラインMLに第1再遊技入賞に対応する図柄が停止すると、中ラインL2には「リプレイ」図柄が揃って停止する。そのため、遊技者は、リプレイに対応する再遊技入賞が成立したことを容易に理解可能となる。
第2再遊技は、左リール32Lの「白7」図柄と、中リール32Mの「白貝」図柄と、右リール32Rの「チェリー」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合に入賞が成立する。有効ラインMLに第2再遊技入賞に対応する図柄が停止すると、図452(e)に示すように、中ラインL2には「白7」図柄が揃って停止する。
第3再遊技は、左リール32Lの「白7」図柄と、中リール32Mの「白貝」図柄と、右リール32Rの「BAR」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合に入賞が成立する。有効ラインMLに第3再遊技入賞に対応する図柄が停止すると、図452(f)に示すように、左リール32Lの中段及び中リール32Mの中段に「白7」図柄が停止し、右リール32Rの中段に「赤7」図柄が停止する。
第4再遊技及び第5再遊技は、複数の再遊技が重複して当選する場合の調整用の再遊技である。
第6再遊技は、左リール32Lの「ベル」図柄と、中リール32Mの「スイカ」図柄と、右リール32Rの「赤7」図柄、「白7」図柄、「BAR」図柄、「チェリー」図柄、「白貝」図柄又は「青年」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合に入賞が成立する。図451(d)に示すように、有効ラインMLに第6再遊技入賞に対応する図柄が停止すると、左リール32Lの上段と中リール32Mの上段とに「スイカ」図柄が停止する一方、右リール32Rの上段には「スイカ」図柄が停止せず(右リール32Rの下段に「スイカ」図柄が停止し)、所謂上段スイカテンパイ外れの停止態様となる。また、有効ラインMLに第6再遊技入賞に対応する図柄が停止すると、左リール32Lの上段と右リール32Rの下段とに「スイカ」図柄が停止する一方、中リール32Mの中段には「スイカ」図柄が停止せず(中リール32Mの上段に「スイカ」図柄が停止し)、所謂右下がりスイカテンパイ外れの停止態様となる。
第7再遊技は、左リール32Lの「ベル」図柄と、中リール32Mの「白7」図柄、「チェリー」図柄、「赤貝」図柄又は「青年」図柄と、右リール32Rの「スイカ」図柄又は「赤貝」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合に入賞が成立する。図451(e)に示すように、有効ラインMLに第7再遊技入賞に対応する図柄が停止すると、左リール32Lの上段と右リール32Rの上段とに「スイカ」図柄が停止する一方、中リール32Mの上段には「スイカ」図柄が停止せず(中リール32Mの中段に「スイカ」図柄が停止し)、所謂上段スイカテンパイ外れの停止態様となる。また、有効ラインMLに第7再遊技入賞に対応する図柄が停止すると、左リール32Lの上段と中リール32Mの中段とに「スイカ」図柄が停止する一方、右リール32Rの下段には「スイカ」図柄が停止せず(右リール32Rの上段に「スイカ」図柄が停止し)、所謂右下がりスイカテンパイ外れの停止態様となる。
第8再遊技は、左リール32Lの「スイカ」図柄と、中リール32Mの「白7」図柄、「チェリー」図柄、「赤貝」図柄又は「青年」図柄と、右リール32Rの「リプレイ」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合に入賞が成立する。図452(a)に示すように、有効ラインMLに第8再遊技入賞に対応する図柄が停止すると、中ラインL2には「スイカ」図柄が揃って停止する。
第9再遊技は、左リール32Lの「リプレイ」図柄と、中リール32Mの「スイカ」図柄と、右リール32Rの「スイカ」図柄又は「赤貝」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合に入賞が成立する。図452(b)に示すように、有効ラインMLに第9再遊技入賞に対応する図柄が停止すると、左リール32Lの中段と中リール32Mの中段とに「リプレイ」図柄が停止する一方、右リール32Rの中段には「リプレイ」図柄が停止せず(右リール32Rの中段に「ベル」図柄が停止し)、所謂中段リプレイテンパイ外れの停止態様となる。
第10再遊技は、左リール32Lの「BAR」図柄と、中リール32Mの「白7」図柄、「BAR」図柄、「チェリー」図柄、「赤貝」図柄又は「青年」図柄と、右リール32Rの「赤7」図柄、「白7」図柄、「BAR」図柄、「チェリー」図柄、「白貝」図柄又は「青年」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合に入賞が成立する。また、第12再遊技は、左リール32Lの「BAR」図柄と、中リール32Mの「BAR」図柄と、右リール32Rの「ベル」図柄、「スイカ」図柄又は「赤貝」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合に入賞が成立する。図452(c)及び図452(d)に示すように、有効ラインMLに第10再遊技入賞又は第12再遊技入賞に対応する図柄が停止すると、左リール32Lの下段に「チェリー」図柄が停止する。第10再遊技又は第12再遊技に当選している場合、右リール32Rに「チェリー」図柄を狙って停止操作を行うと、第10再遊技入賞の場合には上段に「チェリー」図柄が停止し、第12再遊技入賞の場合には中段又は下段に「チェリー」図柄が停止するため、これら第10再遊技入賞と第12再遊技入賞とを区別することが可能である。第11再遊技は、これら第10再遊技や第12再遊技を入賞させることができない場合、すなわち取りこぼしが生じ得る場合に入賞が成立するものである。
遊技状態の移行のみが行われる状態移行入賞としては、第1BB入賞,第2BB入賞がある。
左リール32Lの「リプレイ」図柄と、中リール32Mの「ベル」図柄と、右リール32Rの「BAR」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合には、第1BB入賞となる。第1BB入賞が成立した場合、遊技状態が第1BB状態に移行する。有効ラインMLに第1BB入賞に対応する図柄が停止すると、図453(a)に示すように、右上がりラインL5に「BAR」図柄が揃って停止したり、図453(b)に示すように、右上がりラインL5に左から順に「赤7」図柄、「赤7」図柄、「BAR」図柄が停止したりする。
左リール32Lの「赤貝」図柄と、中リール32Mの「ベル」図柄と、右リール32Rの「ベル」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合には、第2BB入賞となる。第2BB入賞が成立した場合、遊技状態が第2BB状態に移行する。有効ラインMLに第2BB入賞に対応する図柄が停止すると、図453(c)に示すように、下ラインL3に「白7」図柄が揃って停止したり、図453(d)に示すように、下ラインL3に左から順に「白7」図柄、「白7」図柄、「赤7」図柄が停止したりする。
遊技パネル25の下方左側には、各リール32L,32M,32Rの回転を開始させるために操作されるスタートレバー41が設けられている。スタートレバー41はリール32L,32M,32Rを回転開始、すなわち図柄の可変表示を開始させるべく操作される開始操作手段又は始動操作手段を構成する。所定数のメダルが投入されている状態でスタートレバー41を操作された場合、各リール32L,32M,32Rが回転を開始するようになっている。
スタートレバー41の右側には、回転している各リール32L,32M,32Rを個別に停止させるために操作されるボタン状のストップスイッチ42~44が設けられている。各ストップスイッチ42~44は、停止対象となるリール32L,32M,32Rに対応する表示窓26L,26M,26Rの直下にそれぞれ配置されている。
ストップスイッチ42~44には、それぞれストップ検出センサ42a~44a(図454)が接続されており、ストップ検出センサ42a~44aと後述する主制御装置101とが接続されている。そして主制御装置101では、ストップ検出センサ42a~44aからの検知信号に基づいて、ストップスイッチ42~44の操作が行われたことを把握する。具体的には、ストップスイッチ42~44が操作されていない場合には、ストップ検出センサ42a~44aからはLOW信号の検知信号が出力されており、ストップスイッチ42~44が操作されることにより、当該検知信号がLOW信号からHI信号に切り換わる。主制御装置101では、かかる信号の切り換わりを把握して、ストップスイッチ42~44が操作されたことを把握する。主制御装置101では、ストップスイッチ42~44が操作されたことを把握した場合には、操作されたスイッチに対応するリールの回転を停止するように制御する。
すなわち、左ストップスイッチ42が操作された場合には左リール32Lの回転が停止し、中ストップスイッチ43が操作された場合には中リール32Mの回転が停止し、右ストップスイッチ44が操作された場合には右リール32Rの回転が停止する。ストップスイッチ42~44はリール32L,32M,32Rの回転に基づく図柄の可変表示を停止させるべく操作される停止操作手段を構成する。
ストップスイッチ42~44には、ストップランプ42b~44bがそれぞれ内蔵されている。当該ストップランプ42b~44bからの光はストップスイッチ42~44の操作面を一部透過し、ストップランプ42b~44bの光はストップスイッチ42~44を介して視認可能となる。そして、ストップスイッチ42~44の操作が有効となる場合には、当該ストップランプ42b~44bが点灯制御され、ストップスイッチ42~44の操作が無効となる場合には、対応するストップランプ42b~44bがそれぞれ消灯制御される。
表示窓26L,26M,26Rの下方右側には、メダルを投入するためのメダル投入口45が設けられている。メダル投入口45は遊技媒体を入力する入力手段を構成する。また、メダル投入口45が遊技者によりメダルを直接投入するという動作を伴う点に着目すれば、遊技媒体を直接入力する直接入力手段を構成するものとも言える。
メダル投入口45から投入されたメダルは、前面扉12の背面に設けられた通路切替手段としてのセレクタ46によって貯留用通路47か排出用通路48のいずれかへ導かれる。より詳しくは、セレクタ46にはメダル通路切替ソレノイド46aが設けられており、そのメダル通路切替ソレノイド46aの非励磁時にはメダルが排出用通路48側に導かれ、前記メダル通路切替ソレノイド46aの励磁時にはメダルが貯留用通路47側に導かれるようになっている。貯留用通路47に導かれたメダルは、筐体11の内部に収納されたホッパ装置51へと導かれる。一方、排出用通路48に導かれたメダルは、前面扉12の前面下部に設けられたメダル排出口49からメダル受け皿50へと導かれ、遊技者に返還される。
ホッパ装置51は、メダルを貯留する貯留タンク52と、メダルを遊技者に払い出す払出装置53とより構成されている。払出装置53は、図示しないメダル払出用回転板を回転させることにより、排出用通路48に設けられた開口48aへメダルを排出し、排出用通路48を介してメダル受け皿50へメダルを払い出すようになっている。また、ホッパ装置51の右方には、貯留タンク52内に所定量以上のメダルが貯留されることを回避するための予備タンク54が設けられている。ホッパ装置51の貯留タンク52内部には、この貯留タンク52から予備タンク54へとメダルを排出する誘導プレート52aが設けられている。したがって、誘導プレート52aが設けられた高さ以上にメダルが貯留された場合、かかるメダルが予備タンク54に貯留されることとなる。
メダル投入口45の下方には、ボタン状の返却スイッチ55が設けられている。メダル投入口45に投入されたメダルがセレクタ46内に詰まった状況下で返却スイッチ55を操作された場合、セレクタ46が機械的に連動して動作され、当該セレクタ46内に詰まったメダルがメダル排出口49から返却されるようになっている。
表示窓26L,26M,26Rの下方左側には、遊技媒体としてのクレジットされた仮想メダルを一度に、ゲームの規定枚数のうちの予め定められた特定規定枚数を投入するための第1クレジット投入スイッチ56が設けられている。特定規定枚数は、遊技の進行状況によって設定されるものである。例えば、ゲームの規定枚数が3枚として設定されており特定規定枚数が3枚として設定されている場合に第1クレジット投入スイッチ56が操作されると、クレジットがあることを条件に3枚の仮想メダルの投入が行われ、規定枚数が2枚として設定されており特定規定枚数が2枚として設定されている場合に第1クレジット投入スイッチ56が操作されると、クレジットがあることを条件に2枚の仮想メダルの投入が行われ、規定枚数が3枚又は2枚として設定されている場合であって、特定規定枚数が3枚として設定されている場合に第1クレジット投入スイッチ56が操作されると、クレジットがあることを条件に3枚の仮想メダルの投入が行われ、規定枚数が3枚又は2枚として設定されている場合であって、特定規定枚数が2枚として設定されている場合に第1クレジット投入スイッチ56が操作されると、クレジットがあることを条件に2枚の仮想メダルの投入が行われる。また、第1クレジット投入スイッチ56の左方には第2クレジット投入スイッチ57が設けられている。第2クレジット投入スイッチ57は仮想メダルを1枚投入するためのものである。各クレジット投入スイッチ56,57は前記メダル投入口45とともに遊技媒体を入力する入力手段を構成する。また、メダル投入口45が遊技者によりメダルを直接投入するという動作を伴うのに対し、各クレジット投入スイッチ56,57は貯留記憶に基づく仮想メダルの投入という動作を伴うに過ぎない点に着目すれば、遊技媒体を間接入力する間接入力手段を構成するものとも言える。なお、本スロットマシン10では、仮想メダルを1枚投入するためクレジット投入スイッチは設けられていない。
第1クレジット投入スイッチ56は第2クレジット投入スイッチ57よりも、遊技者により操作される操作面が大きく設定されており、その操作性が第1クレジット投入スイッチ56の方が第2クレジット投入スイッチ57よりも優れている。そのため、通常であれば、遊技者は、第1クレジット投入スイッチ56を操作して遊技を進行することが想定される。つまり、通常であれば、規定枚数のうちの設定されている特定規定枚数を投入して遊技を行うものと考えられる。
第1クレジット投入スイッチ56と第2クレジット投入スイッチ57との右方には、演出発生時に操作される演出スイッチ66が設けられている。
スタートレバー41の左方には、精算スイッチ59が設けられている。すなわち、本スロットマシン10では、所定の最大値(メダル50枚分)となるまでの余剰の投入メダルや入賞時の払出メダルを仮想メダルとして貯留記憶するクレジット機能を有しており、仮想メダルが貯留記憶されている状況下で精算スイッチ59を操作された場合、仮想メダルが現実のメダルとしてメダル排出口49から払い出されるようになっている。この場合、クレジットされた仮想メダルを現実のメダルとして払い出すという機能に着目すれば、精算スイッチ59は貯留記憶された遊技媒体を実際に払い出すための精算操作手段を構成するものとも言える。
遊技パネル25の表示窓26L,26M,26R下方には、クレジットされている仮想メダル数を表示するクレジット表示部60と、BB状態が終了するまでに払い出される残りのメダル数を表示する残払出枚数表示部61と、入賞時に払い出したメダルの枚数を表示する払出枚数表示部62とがそれぞれ設けられている。これら表示部60~62は7セグメント表示器によって構成されているが、液晶表示器等によって代替することは当然可能である。
遊技パネル25における表示窓26L,26M,26R下方であって、払出枚数表示部62の右方には、ストップスイッチ42~44の操作順序を報知する押し順表示器と、操作順序を報知することによって小役の入賞率を変化させ遊技者にとって有利な状況で遊技を進行可能となる区間である有利区間を示すための区間表示器と、を有する指示モニタ68が設けられている。指示モニタ68については、後に詳細に説明する。
遊技パネル25における表示窓26L,26M,26Rの下方であって、クレジット表示部60の左方には、第1クレジット投入スイッチ56や第2クレジット投入スイッチ57の操作やメダル投入口45へのメダル投入によって設定されるゲームのベット数を表示するための第1表示部としてのBET表示部75と、現状の遊技の進行状態を示す遊技状態表示部76とが設けられている。
また、遊技パネル25における表示窓26L,26M,26Rの左方には、上記のゲームのベット数を表示するための第2表示部としてのベット表示部34が設けられている。更に、遊技パネル25における表示窓26L,26M,26Rの右方には、ゲームの開始に際して各リール32L,32M,32Rの回転が開始されるまでの待機すべき状態(ウェイト状態)であることを報知するためのウェイト表示部35が設けられている。
これらBET表示部75、遊技状態表示部76、ベット表示部34、ウェイト表示部35については、後に詳細に説明する。
前面扉12の上部には、遊技の進行に伴い点灯したり点滅したりする上部ランプ63と、遊技の進行に伴い種々の効果音を鳴らしたり、遊技者に遊技状態を報知したりする左右一対のスピーカ64と、遊技者に各種情報を与える補助表示部65とが設けられている。補助表示部65は、遊技の進行に伴って各種表示演出を実行するためのものであり、各リール32L,32M,32Rによる遊技を主表示部によるものと考えることができることから、本実施形態では補助表示部65と称している。補助表示部65の背面には、上部ランプ63やスピーカ64、補助表示部65を駆動させるための表示制御装置81が設けられている。
前面扉12において、遊技パネル25の下方であって、ストップスイッチ42~44よりも下方には、遊技機の機種名が記載されたり、所定の表示画面を構成する下表示部69が設けられている。なお、下表示部69を液晶表示部として構成してもよく、下表示部69に演出用の操作ボタンを設けてもよく、下表示部69全体を操作可能に構成してもよい。
筐体11の内部においてホッパ装置51の左方には、電源ボックス70が設けられている。電源ボックス70は、その内部に電源装置91を収容するとともに、電源スイッチ71やリセットスイッチ72、設定キー挿入孔73などを備えている。電源スイッチ71は、主制御装置101を始めとする各部に電源を供給するための起動スイッチである。リセットスイッチ72は、スロットマシン10のエラー状態をリセットするためのスイッチである。また、設定キー挿入孔73は、ホール管理者などがメダルの出玉調整を行うためのものである。すなわち、ホール管理者等が設定キーを設定キー挿入孔73へ挿入してON操作することにより、スロットマシン10の当選確率(設定値)を設定できるようになっている。なお、リセットスイッチ72は、エラー状態をリセットする場合の他に、スロットマシン10の当選確率を変更する場合にも操作される。
リールユニット31の上方には、遊技を統括管理する主制御装置101が筐体11に取り付けられている。
主制御装置101には、遊技者にとって有利な遊技状態と、そうではない状態との比率を明示するための役比モニタ77が設けられている。役比モニタ77は、前面扉12を開放状態とすることで遊技機前方から視認可能となり、且つ、前面扉12を閉鎖状態とすることで遊技機前方から視認不可となるように、主制御装置101において遊技機前方を向く側に設置されており、より詳しくは、主制御装置101が収容される基板ボックスを介して役比モニタ77の表示面が視認可能となるように、基板ボックス内に収容されている。ちなみに、前面扉12が閉鎖状態とされている場合、役比モニタ77は表示窓26L~26Rの隙間等のからも視認不可であり、キーシリンダ21に対する所定のキー操作によって施錠状態が解除されて前面扉12を開放状態としない限り、役比モニタ77を確認することが不可となっている。なお、役比モニタ77については、後に詳細に説明する。
次に、本スロットマシン10の電気的構成について、図454及び図455のブロック図に基づいて説明する。
主制御装置101には、演算処理手段であるCPU102を中心とするマイクロコンピュータが搭載されている。CPU102には、電源装置91の他に、所定周波数の矩形波を出力するクロック回路103や、入出力ポート104などが内部バスを介して接続されている。かかる主制御装置101は、スロットマシン10に内蔵されるメイン基盤としての機能を果たすものである。
主制御装置101の入力側には、リールユニット31(より詳しくは各リール32L,32M,32Rが1回転したことを個別に検出するリールインデックスセンサ)、スタートレバー41の操作を検出するスタート検出センサ41a、各ストップスイッチ42~44の操作を個別に検出するストップ検出センサ42a~44a、メダル投入口45から投入されたメダルを検出する投入メダル検出センサ45a、ホッパ装置51から払い出されるメダルを検出する払出検出センサ51a、第1クレジット投入スイッチ56の操作を個別に検出する第1クレジット投入検出センサ56a、第2クレジット投入スイッチ57の操作を個別に検出する第2クレジット投入検出センサ57a、精算スイッチ59の操作を検出する精算検出センサ59a、リセットスイッチ72の操作を検出するリセット検出センサ72a、設定キー挿入孔73に設定キーが挿入されてON操作されたことを検出する設定キー検出センサ73a等の各種センサが接続されており、これら各種センサからの信号は入出力ポート104を介してCPU102へ出力されるようになっている。
また、主制御装置101の入力側には、入出力ポート104を介して電源装置91が接続されている。電源装置91には、主制御装置101を始めとしてスロットマシン10の各電子機器に駆動電力を供給する電源部91aや、停電監視回路91bなどが搭載されている。
停電監視回路91bは電源の遮断状態を監視し、停電時はもとより、電源スイッチ71による電源遮断時に停電信号を生成するためのものである。そのため停電監視回路91bは、電源部91aから出力されるこの例では直流12ボルトの安定化駆動電圧を監視し、この駆動電圧が例えば10ボルト未満まで低下したとき電源が遮断されたものと判断して停電信号が出力されるように構成されている。停電信号はCPU102と入出力ポート104のそれぞれに供給され、CPU102ではこの停電信号を認識することにより後述する停電処理が実行される。また、この停電信号は表示制御装置81にも供給されるように構成されている。
電源部91aは、出力電圧が10ボルト未満まで低下した場合でも、主制御装置101などの制御系において駆動電圧として使用される5ボルトの安定化電圧が出力されるように構成されている。この安定化電圧が出力される時間としては、主制御装置101による停電処理を実行するに十分な時間が確保されている。
主制御装置101の出力側には、リールユニット31(より詳しくは各リール32L,32M,32Rを回転させるためのステッピングモータ)、セレクタ46に設けられたメダル通路切替ソレノイド46a、ホッパ装置51、クレジット表示部60、残払出枚数表示部61、払出枚数表示部62、指示モニタ68、BET表示部75、遊技状態表示部76、役比モニタ77、表示制御装置81、図示しないホール管理装置などに情報を送信できる外部集中端子板121等が入出力ポート104を介して接続されている。
上述したCPU102には、このCPU102によって実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM105と、このROM105に記憶されている制御プログラムを実行するにあたって各種のデータを一時的に記憶する作業エリアを確保するためのRAM106の他に、図示はしないが周知のように割込み回路を始めとしてタイマ回路、データ送受信回路などスロットマシン10において必要な各種の処理回路や、クレジット枚数をカウントするクレジットカウンタなどの各種カウンタが内蔵されている。ROM105とRAM106によって記憶手段としてのメインメモリが構成され、各種処理を実行するためのプログラムは、制御プログラムの一部として上述したROM105に記憶されている。
RAM106は、スロットマシン10の電源が遮断された後においても電源装置91からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっている。RAM106には、各種のデータを一時的に記憶するためのメモリや、役の抽選結果を記憶するための当選フラグ格納エリア106a、各リール32L,32M,32Rの停止制御を行う場合に用いる停止情報を記憶するための停止情報格納エリア106b、設定値を記憶するための設定値情報格納エリア106c等の他に、バックアップエリアが設けられている。
バックアップエリアは、停電等の発生により電源が遮断された場合において、電源遮断時(電源スイッチ71の操作による電源遮断をも含む。以下同様)のスタックポインタの値を記憶しておくためのエリアであり、停電解消時(電源スイッチ71の操作による電源投入をも含む。以下同様)には、バックアップエリアの情報に基づいてスロットマシン10の状態が電源遮断前の状態に復帰できるようになっている。バックアップエリアへの書き込みは停電処理(図456参照)によって電源遮断時に実行され、バックアップエリアに書き込まれた各値の復帰は電源投入時のメイン処理において実行される。
また、CPU102のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路91bからの停電信号が入力されるように構成されている。そして、電源遮断時には、停電フラグ生成処理としてのNMI割込み処理が即座に実行されるようになっている。
図455に示すように、表示制御装置81は、演算処理手段であるCPU181を中心とするマイクロコンピュータが搭載されている。CPU181には、このCPU181によって実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM182と、このROM182内に記憶されている制御プログラムを実行するに当たって各種のデータを一時的に記憶する作業エリアを確保するためのRAM183などが内蔵されている。
表示制御装置81には、図示しない入出力ポートが設けられており、入力側に主制御装置101が接続されており、出力側にベット表示部34、ウェイト表示部35、第1クレジットランプ56b、ストップランプ42b~44b、上部ランプ63、スピーカ64、及び補助表示部65が接続されている。そして、主制御装置101から入力する各種コマンドに基づいてベット表示部34、ウェイト表示部35、第1クレジットランプ56b、ストップランプ42b~44b、上部ランプ63、スピーカ64、及び補助表示部65を駆動制御する。つまり、表示制御装置81は、遊技を統括管理するメイン基盤たる主制御装置101との関係では補助的な制御を実行するサブ基盤となっている。即ち、間接的な遊技に関する音声やランプ、表示についてはサブ基盤を設けることにより、メイン基盤の負担軽減を図っている。
表示制御装置81の入力側には、演出スイッチ66(より詳しくは当該演出スイッチ66の操作を検出する演出スイッチ検出センサ)等が接続されている。なお、各種表示部60~62、68も表示制御装置81が駆動制御する構成としてもよい。
また、表示制御装置81に接続されている各構成42b~44b,63~65の全てまたは一部を主制御装置101に直接する構成としたうえで、主制御装置101がこれら各構成42b~44b,63~65の全て又は一部を直接制御する構成としてもよい。
続いて、主制御装置101のCPU102により実行される各制御処理について説明する。かかるCPU102の処理としては、大別して、電源投入に伴い起動されるメイン処理と、定期的に(本実施の形態では1.49msec周期で)起動されるタイマ割込み処理と、NMI端子への停電信号の入力に伴い起動されるNMI割込み処理とがある。以下では、これら各処理のうち遊技の進行に関わる処理、すなわちタイマ割込み処理と、メイン処理にて行われる通常処理とを説明する。
図456は、主制御装置101で定期的に実行されるタイマ割込み処理のフローチャートであり、主制御装置101のCPU102により例えば1.49msec毎にタイマ割込みが発生する。
先ず、ステップSf101に示すレジスタ退避処理では、後述する通常処理で使用しているCPU102内の全レジスタの値をRAM106のバックアップエリアに退避させる。ステップSf102では停電フラグがセットされているか否かを確認し、停電フラグがセットされているときにはステップSf103に進み、停電処理を実行する。
ここで、停電処理について概略を説明する。
停電の発生等によって電源が遮断されると、電源装置91の停電監視回路91bから停電信号が出力され、当該停電信号がNMI端子を介して主制御装置101に入力される。主制御装置101は、停電信号が入力された場合、即座にNMI割込み処理を実行し、停電フラグをRAM106に設けられた停電フラグ格納エリアにセットする。
停電処理では、先ずコマンドの送信が終了しているか否かを判定し、送信が終了していない場合には本処理を終了してタイマ割込み処理に復帰し、コマンドの送信を終了させる。コマンドの送信が終了している場合には、CPU102のスタックポインタの値をRAM106のバックアップエリアに保存する。その後、入出力ポート104における出力ポートの出力状態をクリアし、図示しない全てのアクチュエータをオフ状態にする。そして、停電解消時にRAM106のデータが正常か否かを判定するためのRAM判定値を算出してバックアップエリアに保存することにより、それ以後のRAMアクセスを禁止する。以上の処理を行った後は、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるのに備え、無限ループに入る。なお、例えばノイズ等に起因して停電フラグが誤ってセットされる場合を考慮し、無限ループに入るまでは停電信号が出力されているか否かを確認する。停電信号が出力されていなければ停電状態から復旧したこととなるため、RAM106への書き込みを許可するとともに停電フラグをリセットし、タイマ割込み処理に復帰する。停電信号の出力が継続してなされていれば、そのまま無限ループに入る。ちなみに、無限ループ下においても停電信号が出力されているか否かを確認しており、停電信号が出力されなくなった場合にはメイン処理に移行する。
タイマ割込み処理の説明に戻り、ステップSf102にて停電フラグがセットされていない場合には、ステップSf104以降の各種処理を行う。
すなわち、ステップSf104では、誤動作の発生を監視するためのウオッチドッグタイマの値を初期化するウオッチドッグタイマのクリア処理を行う。ステップSf105では、CPU102自身に対して次回のタイマ割込みを設定可能とする割込み終了宣言処理を行う。ステップSf106では、各リール32L,32M,32Rを回転させるために、それぞれの回胴駆動モータであるステッピングモータを駆動させるステッピングモータ制御処理を行う。ステップSf107では、入出力ポート104に接続されたストップ検出センサ42a~44a,投入メダル検出センサ45a,払出検出センサ51a等の各種センサ(図454参照)の状態を読み込むとともに、読み込み結果が正常か否かを監視するセンサ監視処理を行う。ステップSf108では、各カウンタやタイマの値を減算・加算するタイマ更新処理を行う。ステップSf109では、メダルのベット数や、払出枚数をカウントした結果を外部集中端子板121へ出力するカウンタ処理を行う。
ステップSf110では、後述する抽選結果コマンド等の各種コマンドを表示制御装置81へ送信するコマンド出力処理を行う。ステップSf111では、クレジット表示部60、残払出枚数表示部61、払出枚数表示部62及び指示モニタ68にそれぞれ表示されるセグメントデータを設定するセグメントデータ設定処理を行う。ステップSf112では、セグメントデータ設定処理で設定されたセグメントデータを各表示部60~62,68に供給して該当する数字、記号などを表示するセグメントデータ表示処理を行う。ステップSf113では、入出力ポート104からI/O装置に対応するデータを出力するポート出力処理を行う。ステップSf114では、先のステップSf101にてバックアップエリアに退避させた各レジスタの値をそれぞれCPU102内の対応するレジスタに復帰させる。その後ステップSf115にて次回のタイマ割込みを許可する割込み許可処理を行い、この一連のタイマ割込み処理を終了する。
次に、遊技に関わる主要な制御を行う通常処理について図457のフローチャートに基づき説明する。
先ずステップSf201では、次回のタイマ割込みを許可する割込み許可処理を行う。ステップSf202では、遊技を可能とするための開始前処理を行う。開始前処理では、表示制御装置81等が初期化を終了するまで待機する。表示制御装置81等の初期化が終了した場合には、ステップSf203~ステップSf212に示す遊技管理処理を行う。
遊技管理処理として、ステップSf203では、RAM106に格納された各種遊技情報等のデータ(例えば前回の遊技で用いた乱数値等)をクリアする。その後、ステップSf204では開始待ち処理を行う。
開始待ち処理では、前回の遊技でいずれかの再遊技入賞が成立したか否かを判定する。いずれかの再遊技入賞が成立していた場合には、前回のベット数と同数の仮想メダルを自動投入する自動投入処理を行い、開始待ち処理を終了する。具体的には、例えば、3ベットゲームにて再遊技入賞が成立した場合には3枚の仮想メダルを自動投入する処理を行い、2ベットゲームにて再遊技入賞が成立した場合には2枚の仮想メダルを自動投入する処理を行う。
なお、自動投入処理では、クレジット表示部60に表示された仮想メダル数を減じることなく仮想メダルの投入を行う。つまり、前回の遊技でいずれかの再遊技入賞が成立した場合には、遊技者は所有するメダルを減らすことなく且つメダルを投入することなく今回の遊技を行うことができる。いずれの再遊技入賞も成立していなかった場合には、タイマ割込み処理のセンサ監視処理(ステップSf107)にてなされたセンサの読み込み結果に異常が発生していないかを確認するセンサ異常確認処理を行い、異常が発生している場合にはスロットマシン10をエラー状態とするとともにエラーの発生を報知する異常発生時処理を行う。かかるエラー状態は、リセットスイッチ72が操作されるまで維持される。センサの読み込み結果が正常である場合には精算スイッチ59が操作されたか否かを判定し、精算スイッチ59が操作された場合には、クレジットされた仮想メダルと同数のメダルを払い出す貯留メダル精算処理を行う。
メダル返却処理の終了後又は精算スイッチ59が操作されていない場合には、前回の開始待ち処理から今回の開始待ち処理までの間にメダルの投入又はクレジット投入スイッチ56,57の操作がなされたか否かを判定し、いずれかが行われた場合には、ベット数の変更等を行う。なお、開始待ち処理については、後に詳細に説明する。
開始待ち処理の終了後、ステップSf205ではメダルのベット数が規定枚数に達しているか否かを判定する。本スロットマシン10では、ボーナス状態(BB状態)における規定枚数として「3」が設定されており、ボーナス状態以外の遊技状態における規定枚数として「2」及び「3」が設定されている。つまり、ボーナス状態においては、ベット数が「3」となっていることを条件にステップSf205にて肯定判定し、ボーナス状態以外ではベット数が「2」又は「3」となっていることを条件にステップSf205にて肯定判定する。言い換えると、ボーナス状態以外の遊技状態において、メダルがベットされていない場合、又は、ベットされていてもベット数が「1」である場合にはステップSf205にて否定判定する。ベット数が規定枚数に達していない場合には、ステップSf204の開始待ち処理に戻り、当該処理のうちセンサ異常確認処理以降の処理を行う。
ベット数が規定枚数に達している場合には、ステップSf205にて肯定判定することとなったベット数の情報を含むベットコマンドを、ステップSf206にてサブ側の制御装置としての表示制御装置81への出力対象としてセットする。ここでセットされたコマンドは、タイマ割込み処理におけるステップSf110にて表示制御装置81へ出力される。ベットコマンドを受信した表示制御装置81では、ベット操作に基づく報知(例えば、遊技開始条件が成立したことの報知や、以前のゲームでの抽選結果の報知)のための処理を実行し、スピーカ64や補助表示部65の制御を行う。
ステップSf206の処理を実行した後は、ステップSf207にてスタートレバー41が操作されたか否かを判定する。スタートレバー41が操作されていない場合には、ステップSf204の開始待ち処理に戻り、当該処理のうちセンサ異常確認処理以降の処理を行う。
一方、スタートレバー41が操作された場合には、規定枚数のメダルがベットされている状況下でスタートレバー41が操作されると遊技を開始できる構成となっているため、遊技を開始させるべく開始指令が発生したことを意味する。かかる場合には、ステップSf208にてベット数と対応する組合せラインを有効ラインと設定する有効ライン設定処理を行う。すなわち、折れ曲がりラインL6のみを有効ラインと設定する。ステップSf209では、メダル通路切替ソレノイド46aを非励磁状態に切り替えてベット受付を禁止する。その後、ステップSf210の抽選処理、ステップSf211のリール制御処理、ステップSf212のメダル払出処理を順に実行し、ステップSf203に戻る。
次に、ステップSf210の抽選処理について、図458のフローチャートに基づき説明する。
ステップSf301では、役の当否判定を行う際に用いる乱数を取得する。本スロットマシン10では、スタートレバー41が操作されると、ハード回路がその時点におけるフリーランカウンタの値をラッチする構成となっている。フリーランカウンタは0~65535の乱数を生成しており、CPU102は、スタートレバー41の操作を確認した後、ハード回路がラッチした値をRAM106に格納する。かかる構成とすることにより、スタートレバー41が操作されたタイミングで速やかに乱数を取得することが可能となり、同期等の問題が発生することを回避することが可能となる。本スロットマシン10のハード回路は、スタートレバー41が操作される毎にその都度のフリーランカウンタの値をラッチする構成となっている。
乱数を取得した後、ステップSf302では、役の当否判定を行うための抽選テーブルを選択する。本スロットマシン10では、遊技状態として、大別して通常遊技状態及びボーナス状態を有しており、抽選テーブルは、各遊技状態用にそれぞれ設定されている。そして、通常遊技状態においては、上記のようにベットの規定枚数が「3」と「2」が設定されていることから、通常遊技状態用の抽選テーブルは、3ベットゲームでの抽選テーブルと、2ベットゲームでの抽選テーブルとが設定されている。
すなわち、ステップSf302では、ベット数と遊技状態と対応した抽選テーブルを選択する。例えば、ベット数が「3」であって、いずれかのボーナス状態フラグがセットされていない場合には、現在の遊技状態が通常遊技状態であると判別し、通常遊技状態用抽選テーブルを選択する。そして、今回のゲームが3ベットゲームである場合には、3ベットゲーム用の通常遊技状態用抽選テーブル(図459)を選択し、今回のゲームが2ベットゲームである場合には、2ベットゲーム用の通常遊技状態用抽選テーブル(図460)を選択する。また、本スロットマシン10では、「設定1」から「設定6」まで6段階の当選確率が予め用意されており、設定キー挿入孔に設定キーを挿入してON操作するとともに所定の操作を行うことにより、いずれの当選確率に基づいて内部処理を実行させるのかを設定することができる。ステップSf302では、設定状態が「設定1」のときにメダル払出の期待値が最も低い抽選テーブルを選択し、「設定6」のときにメダル払出の期待値が最も高い抽選テーブルを選択する。
なお、本スロットマシン10では、ステップSf302にて、設定されているベット数が規定枚数以外の枚数である場合、対応する抽選テーブルが存在しないことから、本抽選処理では強制的に外れ結果となる構成としている。但し、基本的には、規定枚数とは異なる枚数がベットされている状態では、上記ステップSf205にて否定判定されることから、抽選処理が行われることはない。規定枚数とは異なる枚数がベットされている状態で抽選処理が行われる場合とは、規定枚数とは異なる枚数がベットされている状態であるのにもかかわらず、ノイズ等の影響によって、ステップSf205にて肯定判定してしまった場合である。
ここで、当選確率の設定に関する処理について補足説明する。
当選確率の設定処理は、電源投入時に主制御装置101にて起動されるメイン処理にて実行される。より詳しくは、当選確率の設定処理は、設定キー挿入孔に設定キーが挿入されてON操作されていることを設定キー検出センサ73aにて検出している状態で、電源投入された場合に、RAM106の初期化処理の後に起動される。当選確率の設定処理では、所定の操作として、スタートレバー41の操作毎に設定値を1ずつ更新し、例えば、スタートレバー41が1回操作される度に、「設定1」→「設定2」→「設定3」→「設定4」→「設定5」→「設定6」→「設定1」となるように設定値を更新する。なお、各設定値は、例えばクレジット表示部60にて表示され、上記設定値の更新毎にその表示も更新される。そして、設定キー検出センサ73aがOFF操作された状態でスタートレバー41が操作されたことを設定値の確定操作とし、その時点での設定値を今回の設定値として、当選確率の設定処理を終了する。当選確率の設定処理の終了に基づいて、クレジット表示部60の表示も終了する。当選確率の設定処理で設定された設定値は、次の当選確率の設定処理が起動されるまで、RAM106に記憶保持される。ステップSf302では、この記憶されている設定値に基づいて、抽選テーブルを選択する処理を行うこととなる。
抽選テーブルについて、簡単に説明する。図459は、3ベットゲームにおいて通常遊技状態で選択される通常遊技状態用抽選テーブルである。また、図460は、2ベットゲームにおいて通常遊技状態で選択される通常遊技状態用抽選テーブルである。抽選テーブルには、インデックス値IVが設定されており、各インデックス値IVには、当選となる役がそれぞれ一義的に対応付けられるとともにポイント値PVが設定されている。
抽選テーブルを選択した後、ステップSf303ではインデックス値IVを1とし、続くステップSf304では役の当否を判定する際に用いる判定値DVを設定する。かかる判定値設定処理では、現在の判定値DVに、現在のインデックス値IVと対応するポイント値PVを加算して新たな判定値DVを設定する。なお、初回の判定値設定処理では、ステップSf301にて取得した乱数値を現在の判定値DVとし、この乱数値に現在のインデックス値IVである1と対応するポイント値PVを加算して新たな判定値DVとする。
その後、ステップSf305ではインデックス値IVと対応する役の当否判定を行う。役の当否判定では判定値DVが65535を超えたか否かを判定する。65535を超えた場合には、ステップSf306にて、ステップSf305にて肯定判定したインデックス値IVに応じた遊技結果の当選フラグを、当選フラグ格納エリア106aにセットする処理を実行する。例えば、IV=23のときに判定値DVが65535を超えた場合、ステップSf306にて第7小役当選フラグ及び第8小役当選フラグをセットする。また、IV=25のときに判定値DVが65535を超えた場合、ステップSf306にて第1BB当選フラグをセットし、IV=26のときに判定値DVが65535を超えた場合、ステップSf306にて第2BB当選フラグをセットする。
ちなみに、セットされた当選フラグが第1BBに当選したことを示す当選フラグ(第1BB当選フラグ)又は第2BBに当選したことを示す当選フラグ(第2BB当選フラグ)でない場合、当選フラグ格納エリア106aにセットされた当選フラグは該当選フラグがセットされたゲームの終了後にリセットされる(通常処理参照)。一方、当選フラグが第1BB当選フラグ又は第2BB当選フラグである場合、これら当選フラグは対応する入賞が成立したことを条件の1つとしてリセットされる。すなわち、第1BB当選フラグ及び第2BB当選フラグは、複数回のゲームに亘って有効とされる場合がある。
なお、第1BB当選フラグ又は第2BB当選フラグを持ち越した状態におけるステップSf306では、第1BB,第2BB以外の役に当選していれば対応する当選フラグをセットし、第1BB,第2BB以外の役に当選していなければ対応する当選フラグをセットしない。
すなわち、例えば、第1BB当選フラグが持ち越された状態で、例えば、インデックス値IV=25のときに判定値DVが65535を超えた場合、第1BB当選フラグはセットしない。また、第1BB当選フラグが持ち越された状態で、例えば、インデックス値IV=11のときに判定値DVが65535を超えた場合、第1小役当選フラグ、第9小役当選フラグ、第10小役当選フラグ及び第13小役当選フラグをセットする。
なお、第1BB当選フラグ又は第2BB当選フラグを持ち越した状態における抽選テーブルを別途用意しておき、第1BB当選フラグ又は第2BB当選フラグを持ち越した状態では、当該別途用意した抽選テーブルにて抽選処理を行う構成としてもよい。この場合、当該別途用意した抽選テーブルにおいては、第1BB,第2BBに当選しないように各インデックス値IVやポイント値PV値を設定するとよい。
ステップSf305にて判定値DVが65535を超えなかった場合には、インデックス値IVと対応する役に外れたことを意味する。かかる場合にはステップSf307にてインデックス値IVを1加算し、続くステップSf308ではインデックス値IVと対応する役があるか否か、すなわち当否判定すべき判定対象があるか否かを判定する。具体的には、1加算されたインデックス値IVが抽選テーブルに設定されたインデックス値IVの最大値を超えたか否かを判定する。当否判定すべき判定対象がある場合にはステップSf304に戻り、役の当否判定を継続する。このとき、ステップSf304では、先の役の当否判定に用いた判定値DV(すなわち現在の判定値DV)に現在のインデックス値IVと対応するポイント値PVを加算して新たな判定値DVとし、ステップSf305では、当該判定値DVに基づいて役の当否判定を行う。
ちなみに、図459に示した抽選テーブルを用いて役の当否判定を行う場合、すなわち、通常遊技状態において3ベットゲームで遊技を行った場合、通常リプAに当選となる確率(IV=1の際に当選となる確率)は、設定1では約27.3分の1であり、設定3では約27.5分の1であり、設定6では約28.3分の1であり、設定値が高くなるほど当選しにくくなるように設定されている。通常リプBに当選となる確率(IV=2の際に当選となる確率)及び通常リプCに当選となる確率(IV=3の際に当選となる確率)は、いずれも設定値に関わらず約26.2分の1である。チャンス目Aに当選となる確率(IV=4の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約164分の1であり、チャンス目Bに当選となる確率(IV=5の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約262分の1であり、チャンス目Cに当選となる確率(IV=6の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約16400分の1であり、チャンス目Cよりもチャンス目Bの方が当選し易く、チャンス目Bよりもチャンス目Aの方が当選し易くなるように設定されている。チェリーAに当選となる確率(IV=7の際に当選となる確率)は、設定1では約107分の1であり、設定3では約104分の1であり、設定6では約93.6分の1であり、設定値が高くなるほど当選し易くなるように設定されている。チェリーBに当選となる確率(IV=8の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約215分の1であり、チェリーCに当選となる確率(IV=9の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約13100分の1であり、チェリーCよりもチェリーBの方が当選し易く、チェリーBよりもチェリーAの方が当選し易くなるように設定されている。共通ベルに当選となる確率(IV=10の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約504分の1である。順押しベル1、順押しベル2、挟み押しベル1、挟み押しベル2、中順押しベル1、中順押しベル2、中逆押しベル1、中逆押しベル2、逆挟みベル1、逆挟みベル2、逆押しベル1、逆押しベル2(以下では、これらをまとめて押し順ベルと称する)に当選となる確率(IV=11~22の際に当選となる確率)は、設定値に関わらずそれぞれ約18.4分の1であり、押し順ベルに当選となる確率をまとめると約1.53分の1である。スイカに当選となる確率(IV=23の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約107分の1である。第1BBに当選となる確率(IV=25の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約5.03分の1であり、他の役(再遊技や小役、IV=1~24)の当選確率よりも高く設定されている。3ベットゲームにおいては重複1枚役(IV=24)や第2BB(IV=26)には当選しないように設定されている(対応するポイント値PVに0が設定されている)。3ベットゲームにおいて、第1BBを含めていずれの役にも当選しない確率は0となっている。そして、第1BBに当選している状況では、3ベットゲームにおいていずれの役にも当選しない確率は、設定値に関わらず約5.03分の1(第1BBの分)である。ちなみに、3ベットゲームにおいては、第1BB状態での増加分を除いて、1ゲーム当たり約1.77枚のメダル減少が期待できる(純増枚数マイナス約1.77枚)。
これに対して、図460に示した抽選テーブルを用いて役の当否判定を行う場合、すなわち、通常遊技状態において2ベットゲームで遊技を行った場合、通常リプA、通常リプB、通常リプC、チャンス目A、チャンス目B、チャンス目C、チェリーA、チェリーB、チェリーCに当選となる確率(IV=1~9の際に当選となる確率)は、上記3ベットゲームで遊技を行った場合の確率と同じ確率である。共通ベルに当選となる確率(IV=10の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約9.64分の1であり、3ベットゲームで遊技を行った場合よりも当選し易くなるように設定されている。押し順ベル(IV=11~22)は、2ベットゲームでは当選しないように設定されている。スイカに当選となる確率(IV=23の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約257の1であり、3ベットゲームで遊技を行った場合よりも当選しにくくなるように設定されている。2ベットゲームにおいては重複1枚役(IV=24)に当選し得るように設定されており、その確率は設定値に関わらず約1.81分の1である。また、2ベットゲームでは第1BB(IV=25)には当選しないように設定されている一方、第2BB(IV=26)に当選し得るように設定されており、その確率は設定値に関わらず約4.95分の1である。2ベットゲームにおいても、第2BBを含めていずれの役にも当選しない確率は0となっている。そして、第2BBに当選している状況では、2ベットゲームにおいていずれの役にも当選しない確率は、設定値に関わらず約4.95分の1(第2BBの分)である。ちなみに、2ベットゲームにおいては、第2BBの増加分を除いて、1ゲーム当たり約0.78枚のメダル減少が期待できる(純増枚数マイナス約0.78枚)。
ステップSf306にて当選フラグをセットした後、又はステップSf308にて当否判定すべき判定対象がないと判定した場合には、役の当否判定が終了したことを意味する。かかる場合には、ステップSf309に進み、ストップスイッチ42~44の操作を所定期間無効とするフリーズ演出を実行するか否かを決定すべくフリーズ抽選処理を行う。
続くステップSf310では、抽選結果対応処理を行う。抽選結果対応処理では、ステップSf301~ステップSf308の抽選の結果に応じて遊技状態を移行させるか否かの処理や、押し順役の報知用の処理等を行う。当該抽選結果対応処理については、後に詳細に説明する。
ステップSf310の処理を実行した後は、ステップSf311にて抽選結果コマンドをセットする。ここで、抽選結果コマンドとは、役の当否判定の結果を把握させるべく表示制御装置81に対して送信されるコマンドである。但し、通常処理では、上記抽選結果コマンド等の各種コマンドをリングバッファにセットするのみであって、表示制御装置81に対してコマンドを送信しない。表示制御装置81へのコマンド送信は、先述したタイマ割込み処理のコマンド出力処理(ステップSf110)にて行われる。
そして、ステップSf312では、今回のゲームの抽選結果に基づいて各リール32L,32M,32Rに停止可能な図柄を設定する停止情報設定処理を実行する。停止情報設定処理では、ステップSf306にてセットされる当選フラグに基づいて、入賞可能な役に応じた停止図柄情報を設定する。例えば、押し順ベル1に当選(IV=11の際に当選)となり、第1小役当選フラグ、第9小役当選フラグ、第10小役当選フラグ及び第13小役当選フラグがセットされた場合、第1小役、第9小役、第10小役及び第13小役入賞に対応する図柄が各リール32L,32M,32Rに停止可能となるように停止図柄情報を設定する。また、スイカに当選(IV=23の際に当選)となり、第7小役当選フラグ及び第8小役当選フラグがセットされた場合、第7小役入賞及び第8小役入賞に対応する図柄が各リール32L,32M,32Rに停止可能となるように停止図柄情報を設定する。
本スロットマシン10においては、第1BBは3ベットゲームでおいてのみ入賞が成立し得るように設定されており、第2BBは2ベットゲームにおいてのみ入賞が成立し得るように設定されている。そのため、第1BB当選フラグがセットされている場合であっても、2ベットゲームでゲームが開始された場合には、ステップSf312の停止情報設定処理では、第1BB入賞を成立させる停止図柄情報の設定を行わない(第1BB入賞を回避する停止図柄情報の設定が行われる)。また、第2BB当選フラグがセットされている場合であっても、3ベットゲームでゲームが開始された場合には、ステップSf312の停止情報設定処理では、第2BB入賞を成立させる停止図柄情報の設定を行わない(第2BB入賞を回避する停止図柄情報の設定が行われる)。
続くステップSf313では、ステップSf312にて複数の停止可能な図柄情報が設定された場合に、その優先順位を設定する優先設定処理を実行する。例えば、小役,再遊技,ボーナスの各役種のうち複数の役種に当選している場合、以下に示す優先順位を設定する。小役とボーナスに当選している場合には、小役入賞が優先して成立するように、小役入賞を成立させることができない場合にボーナス入賞が成立するようにして、優先順位を設定する。再遊技とボーナスに当選している場合には、再遊技入賞が優先して成立するようにして優先順位を設定する。
例えば、第1BBに当選している状況(第1BB当選フラグがセットされており、第1BB当選が持ち越されている状況)で、更にスイカに当選し、第1BB入賞と、第7小役入賞及び第8小役入賞とに対応する停止図柄情報の設定が行われている場合、第1BB入賞よりも第7小役入賞、第8小役入賞が優先して成立するように優先順位を設定する。また、第2BBに当選している状況(第2BB当選フラグがセットされており、第2BB当選が持ち越されている状況)で、更に通常リプAに当選し、第2BB入賞と、第1再遊技、第2再遊技、第3再遊技及び第4再遊技入賞とに対応する停止図柄情報の設定が行われている場合、第2BB入賞よりも各再遊技入賞が優先して成立するように優先順位を設定する。
ここで、再遊技に当選している場合、当選している再遊技のうちのいずれかの再遊技が必ず入賞するように、入賞となる図柄の組合せが設定されている。つまり、再遊技に当選している場合には再遊技入賞が必ず成立し、取りこぼしは発生しない。そのため、再遊技とボーナスとの停止図柄情報の設定が行われている場合、設定されている再遊技のいずれかの再遊技入賞が必ず成立し、ボーナス入賞が成立することがない。
ステップSf313の処理を実行した後は、ステップSf314にて区間表示第1処理を実行してから、抽選処理を終了する。区間表示第1処理は、指示モニタ68や役比モニタ77の表示制御に関する処理であり、かかる処理については後に詳細に説明する。
次に、ステップSf211のリール制御処理について、図461のフローチャートに基づき説明する。
リール制御処理では、先ずステップSf401にて、回転演出処理を行う。回転演出処理は、上記ステップSf309にて行ったフリーズ抽選処理の結果や、ステップSf310にて行った抽選結果対応処理の結果等に基づいて、無効期間中のリール制御を用いた演出を行うための処理である。続くステップSf402では、各リール32L,32M,32Rの回転を開始させる回転開始処理を行う。
回転開始処理では、前回の遊技でリールが回転を開始した時点から予め定めたウェイト時間(例えば4.1秒)が経過したか否かを確認し、経過していない場合にはウェイト時間が経過するまで待機する。この場合、ウェイト表示部35を点灯状態とする処理を行う。ウェイト時間が経過した場合には、ウェイト表示部35を消灯状態とするとともに、次回の遊技のためのウェイト時間を再設定し、RAM106に設けられたモータ制御格納エリアに回転開始情報をセットするモータ制御初期化処理を行う。かかる処理を行うことにより、タイマ割込み処理のステッピングモータ制御処理(ステップSf106)にてステッピングモータの加速処理が開始され、各リール32L,32M,32Rが回転を開始する。このため、遊技者が規定枚数のメダルをベットしてスタートレバー41を操作したとしても、直ちに各リール32L,32M,32Rが回転を開始しない場合がある。その後、各リール32L,32M,32Rが所定の回転速度で定速回転するまで待機し、回転開始処理を終了する。また、CPU102は、各リール32L,32M,32Rの回転速度が定速となると、表示制御装置81にその旨の進行(コマンド)を出力し、表示制御装置81側のCPU181は、各ストップスイッチ42~44に内蔵されているストップランプ42b~44bを点灯表示することにより、停止指令を発生させることが可能となったことを遊技者等に報知する。
回転開始処理に続き、ステップSf403では、ストップスイッチ42~44のいずれかが操作されたか否かを判定する。いずれのストップスイッチ42~44も操作されていない場合には、ストップスイッチ42~44のいずれかが操作されるまで待機する。ストップスイッチ42~44のいずれかが操作されたと判定した場合には、ステップSf404に進み、回転中のリールと対応するストップスイッチが操作されたか否か、すなわち停止指令が発生したか否かを判定する。停止指令が発生していない場合には、ステップSf403に戻り、ストップスイッチ42~44のいずれかが操作されるまで待機する。停止指令が発生した場合には、ステップSf405にて停止指令コマンドをセットする。ここで、停止指令コマンドとは、いずれのストップスイッチが操作されて停止指令が発生したのかを把握させるべく表示制御装置81に対して送信されるコマンドである。停止指令コマンドをセットした場合には、回転中のリールを停止させるべくステップSf406~ステップSf412に示す停止制御処理を行う。停止指令コマンドを受信した表示制御装置81は、対応するリールを停止させることの演出を補助表示部65やスピーカ64にて行うように制御するとともに、今回操作されたストップスイッチ42~44に対応するストップランプ42b~44bを消灯するように制御する。
ステップSf406では、ストップスイッチの操作されたタイミングで基点位置(本実施形態では下段)に到達している到達図柄の図柄番号を確認する。具体的には、リールインデックスセンサの検出信号が入力された時点から出力した励磁パルス数により、基点位置に到達している到達図柄の図柄番号を確認する。続くステップSf407では、停止情報格納エリア106bに格納されている停止情報に基づいて、今回停止させるべきリールのスベリ数を算出する。本スロットマシン10では、各リール32L,32M,32Rを停止させる停止態様として、ストップスイッチ42~44が操作された場合に、基点位置に到達している到達図柄をそのまま停止させる停止態様と、対応するリールを1図柄分滑らせた後に停止させる停止態様と、2図柄分滑らせた後に停止させる停止態様と、3図柄分滑らせた後に停止させる停止態様と、4図柄分滑らせた後に停止させる停止態様との5パターンの停止態様が用意されている。そこでステップSf407では、停止情報格納エリア106bに格納されている停止情報に基づいて、スベリ数として0~4のいずれかの値を算出する。その後、ステップSf408では、算出したスベリ数を到達図柄の図柄番号に加算し、基点位置に実際に停止させる停止図柄の図柄番号を決定する。ステップSf409では今回停止させるべきリールの到達図柄の図柄番号と停止図柄の図柄番号が等しくなったか否かを判定し、等しくなった場合にはステップSf410にてリールの回転を停止させるリール停止処理を行う。その後、ステップSf411では、全リール32L,32M,32Rが停止したか否かを判定する。全リール32L,32M,32Rが停止していない場合には、ステップSf412にて停止情報第2設定処理を行い、ステップSf403に戻る。
ここで、停止情報第2設定処理とは、RAM106の停止情報格納エリア106bに格納された停止情報を、リールの停止後に変更する処理である。停止情報第2設定処理では、セットされている当選フラグと、停止しているリールの停止出目と、に基づいて停止情報を変更する。本スロットマシン10では、例えばIV=11~22の際に当選となった場合、すなわち押し順ベルに当選となった場合(図459、図460参照)に、停止指令を発生させたストップスイッチ42~44の操作順序によって成立する入賞態様を変化させるべく停止情報第2設定処理を行う。
図462は、当選役と、ストップスイッチ42~44の操作順序と成立する入賞態様との対応関係を示す説明図である。例えば、中順押しベル1に当選している場合には、各ストップスイッチ42~44が左→中→右、左→右→中、中→右→左、右→左→中、又は右→中→左の順で操作された場合には第17小役入賞、第18小役入賞又は第21小役入賞が成立するように停止情報を設定し、中→左→右の順で操作された場合には第3小役入賞が成立するように停止情報を設定する。但し、このように停止情報を設定した場合であっても、ストップスイッチ42~44の操作タイミングによっては対応する入賞が成立しない場合がある。
各リール32L,32M,32Rの図柄配列について簡単に説明する。本スロットマシン10では、リール32L,32M,32Rをストップスイッチ42~44の操作されたタイミングから最大4図柄分滑らせた後に停止させることができる。このため、各リール32L,32M,32Rに同種図柄同士の間隔が4図柄以下で配置されている場合には、ストップスイッチ43の操作タイミングに関わらず当選図柄となった際に当該当選図柄を有効ライン上に停止させることができる。一方、5図柄以上離れた区間が形成されるようにして配置されている図柄に関しては、有効ライン上に停止させる場合に遊技者が図柄を狙ってストップスイッチ42~44を操作する必要がある。
中順押しベル1に当選となり、各ストップスイッチ42~44が左→中→右の順で操作された場合を例として説明する。かかる場合には、上記のとおり、第17小役入賞、第18小役入賞又は第21小役入賞を成立させるべく各リール32L,32M,32Rの停止制御を行う。
左リール32Lにおける第17小役図柄は、「赤7」図柄及び「BAR」図柄である。また、左リール32Lにおける第18小役図柄は、「赤貝」図柄及び「白貝」図柄である。そして、左リール32Lにおける第21小役図柄は、「リプレイ」図柄及び「青年」図柄である。左リール32Lには、これら第17小役図柄、第18小役図柄及び第21小役図柄が、図柄同士の間隔が4図柄以下となるように配置されている。そのため、左ストップスイッチ42が最初に操作された場合には、その操作タイミングに関わらず、有効ライン(中段)に第17小役図柄、第18小役図柄及び第21小役図柄のいずれかが停止する。本スロットマシン10では、複数の対象図柄を停止可能なタイミングで操作された場合には、スベリコマ数が少ない図柄を有効ラインに停止させるように停止制御が行われる。すなわち、例えば、左リール32Lの1番目の「ベル」図柄が下段に到達したタイミングで左ストップスイッチ42の操作が行われた場合、第18小役図柄である4番目の「赤貝」図柄(2コマスベリ)、及び、第21小役図柄である5番目の「リプレイ」図柄(3コマスベリ)を中段に停止させることが可能であるところ、最もスベリコマ数の少ない4番目の「赤貝」図柄が中段に停止するように左リール32Lの停止制御が行われる。この場合、第18小役入賞が成立する余地は残るものの、第17小役入賞及び第21小役入賞は成立しないこととなる。
左リール32Lの第18小役図柄が中段に停止した場合、停止情報第2設定処理では、第18小役入賞が成立し得るように停止情報を変更する。
中リール32Mにおける第18小役図柄は、「リプレイ」図柄である。左リール32Lには、「リプレイ」図柄同士の間隔が4図柄以下となるように「リプレイ」図柄が配置されている。そのため、この場合には、中ストップスイッチ43の操作タイミングに関わらず、中リール32Mの上段に「リプレイ」図柄が停止するように停止制御が行われる。
右リール32Rにおける第18小役図柄は、「白貝」図柄及び「青年」図柄である。右リール32Rには、「白貝」図柄及び「青年」図柄同士の間隔が5図柄以上となるようにこれらの図柄が配置されている。つまり、右ストップスイッチ44の操作タイミングによって、第18小役図柄である「白貝」図柄又は「青年」図柄を上段に停止させることができる場合と、上段に停止させることができない場合と、がある。上段に停止させることが可能なタイミングで右ストップスイッチ44の操作が行われると第18小役入賞が成立し、上段に停止させることができないタイミングで右ストップスイッチ44の操作が行われると所謂取りこぼしとなる。
ここで、左リール32Lの中段に「赤貝」図柄が停止し、中リール32Mの上段に「リプレイ」図柄が停止する場合とは、上記のように中順押しベル1に当選して第18小役入賞が成立する可能性がある場合のほか、中順押しベル2に当選して第20小役入賞が成立する可能性がある場合もある。すなわち、中順押しベル2における第20小役図柄は、左リール32Lと中リール32Mとが第18小役図柄と共通している。そして、右リール32Rにおいて、第18小役図柄が「白貝」図柄及び「青年」図柄であるのに対して、第20小役図柄が「赤7」図柄及び「白7」図柄であり異なっている。特に、右リール32Rにおいて、第18小役図柄と第20小役図柄とは、第18小役図柄を有効ラインに停止させることが可能なタイミングで右ストップスイッチ44を操作すると第20小役図柄を有効ラインに停止させることができず、第20小役図柄を有効ラインに停止させることが可能なタイミングで右ストップスイッチ44を操作すると第18小役図柄を有効ラインに停止させることができないようにこれら各図柄が配置されている。そのため、中順押しベル1に当選しているのか中順押しベル2に当選しているのかがわからないことを前提とすると、左リール32Lと中リール32Mとを停止させて、第18小役入賞及び第20小役入賞の可能性がある停止態様となっていても、それを狙って入賞させることができない。
次に、中順押しベル1当選となり、各ストップスイッチ42~44が、中→左→右の順で操作された場合を例として説明する。かかる場合には、第3小役入賞を成立させるべく各リール32L,32M,32Rの停止制御を行う。
中リール32Mには、第3小役図柄である「リプレイ」図柄が、「リプレイ」図柄同士の間隔が4図柄以下となるようにして配置されている。そのため、中ストップスイッチ43が最初に操作された場合には、その操作タイミングに関わらず上段に「リプレイ」図柄が停止する。
左リール32Lには、第3小役図柄である「ベル」図柄が、「ベル」図柄同士の間隔が4図柄以下となるようにして配置されている。そのため、左ストップスイッチ42が2番目に操作された場合には、その操作タイミングに関わらず中段に「ベル」図柄が停止する。
右リール32Rには、第3小役図柄である「スイカ」図柄及び「赤貝」図柄が、これら図柄同士の間隔が4図柄以下となるようにして配置されている。そのため、右ストップスイッチ44が3番目に操作された場合には、その操作タイミングに関わらず上段に「スイカ」図柄又は「赤貝」図柄が停止する。上のとおり、中順押しベル1に当選となり、中ストップスイッチ43→左ストップスイッチ42→右ストップスイッチ44の順で操作された場合には、その操作タイミングに関わらず第3小役入賞が成立する。
上記のように、押し順ベルに当選となった場合には、予め定められた所定の操作順序でストップスイッチ42~44が操作された場合、その操作タイミングに関わらず第1小役入賞、第2小役入賞、第3小役入賞、第4小役入賞、第5小役入賞、又は第6小役入賞が成立し、他の操作順序でストップスイッチ42~44が操作された場合、その操作タイミングにより、他の小役入賞が成立するか、いずれの小役入賞も成立せずに取りこぼしとなる。ちなみに、共通ベルに当選となった場合には、操作順序及び操作タイミングに関わらず第1小役入賞、第2小役入賞、第3小役入賞、第4小役入賞、第5小役入賞、又は第6小役入賞が成立する。
リール制御処理の説明に戻り、ステップSf411にて全リール32L,32M,32Rが停止していると判定した場合には、ステップSf413にて、払出判定処理を行う。払出判定処理とは、当選図柄の組合せが有効ライン上に並んでいることを条件の1つとしてメダルの払出枚数を設定する処理である。払出判定処理では、各リール32L,32M,32Rの下段に停止した停止図柄の図柄番号から有効ライン上に形成された図柄の組合せを導出し、有効ライン上で入賞が成立しているか否かを判定する。入賞が成立している場合には、さらに入賞成立役が当選フラグ格納エリア106aにセットされている当選フラグと対応しているか否かを判定する。入賞成立役が当選フラグと対応している場合には、入賞成立役と、当該入賞成立役と対応する払出数と、をRAM106に設けられた払出情報格納エリアにセットする。一方、入賞成立役が当選フラグと対応していない場合には、スロットマシン10をエラー状態とするとともにエラーの発生を報知する異常発生時処理を行う。かかるエラー状態は、リセットスイッチ72が操作されるまで維持される。
払出判定処理を行った後は、ステップSf414にて、ボーナス状態処理を実行する。ボーナス状態処理については、後に詳細に説明する。ボーナス状態処理を実行した後は、ステップSf415にて、入賞結果対応処理を行う。入賞結果対応処理では、入賞結果に基づいて遊技状態を移行させる処理等を行う。当該入賞結果対応処理については、後に詳細に説明する。
入賞結果対応処理を行った後は、ステップSf416にて区間表示第2処理を実行する。区間表示第2処理は、指示モニタ68の表示制御に関する処理であり、かかる処理については後に詳細に説明する。その後、ステップSf417にて今回のゲームにおける入賞成立役を表示制御装置81に把握させるべく入賞結果コマンドをセットし、リール制御処理を終了する。
次に、ステップSf212のメダル払出処理について、概略を説明する。
メダル払出処理では、払出情報格納エリアにセットされた払出数が0か否かを判定する。払出数が0の場合、先の払出判定処理にて小役入賞が成立していないと判定したことを意味する。かかる場合には、払出判定処理にてセットした入賞成立役に基づいて、第1再遊技入賞~第12再遊技入賞のいずれかが成立したか否かを判定する。いずれの再遊技入賞も成立していない場合にはそのままメダル払出処理を終了し、いずれかの再遊技入賞が成立している場合には、遊技モードを再遊技モードとする再遊技設定処理を行い、メダル払出処理を終了する。なお、先に説明した開始待ち処理(ステップSf204)では、現在の遊技モードが再遊技モードであると判定した場合に自動投入処理を行っている。
一方、払出情報格納エリアにセットされた払出数が0でない場合には、当該払出数と同数のメダルを払い出し、メダル払出処理を終了する。メダルの払い出しについて具体的には、クレジットカウンタのカウント値が上限(貯留されているメダル数が50枚)に達していない場合、クレジットカウンタのカウント値に払出数を加算するとともに加算後の値をクレジット表示部60に表示させる。また、クレジットカウンタのカウント値が上限に達している場合、又は払出数の加算途中でカウント値が上限に達した場合には、メダル払出用回転板を駆動し、メダルをホッパ装置51からメダル排出口49を介してメダル受け皿50へ払い出す。なお、メダル払出処理では、メダルの払い出しにあわせて払出枚数表示部62に表示される払出数を変更する処理も行っている。また、現在の遊技状態がBB状態である場合には、後述する残払出数カウンタの値から払出数を減算するとともに、残払出枚数表示部61に表示される残払出数を減算する処理を行う。
次に、ステップSf414のボーナス状態処理を、図463のフローチャートに基づいて説明する。
先ずステップSf501では、現在の遊技状態がボーナス状態か否か、すなわち現在の遊技状態が第1BB状態又は第2BB状態であるか否かを判定する。これら第1BB状態や第2BB状態であるか否かは、第1BB状態又は第2BB状態へ移行する際にRAM106の各種フラグ格納エリア106dにセットされる第1BB状態フラグや第2BB状態フラグの有無により判別可能である。すなわち、ステップSf501では、第1BB状態フラグ及び第2BB状態フラグのいずれもがセットされていない場合には、第1BB状態及び第2BB状態ではないと判定してステップSf502に進む。
ステップSf502では、第1BB当選フラグ又は第2BB当選フラグがセットされており、いずれかのBBに当選している状態であるか否かを判定する。いずれのBB当選フラグもセットされていない場合は、そのままボーナス状態処理を終了する。いずれかのBB当選フラグがセットされている場合には、ステップSf503に進む。
ステップSf503では、RAM106の各種カウンタエリア106eに設けられたMAXベットカウンタに3を入力する処理を行う。MAXベットカウンタは、第1クレジット投入スイッチ56が操作された場合に仮想メダルの投入を行う特定規定枚数を設定するためのものである。すなわち、MAXベットカウンタに3が入力されている状況で第1クレジット投入スイッチ56が操作されると、3枚の仮想メダルの投入が行われる。この場合、MAXベットカウンタはゲームの規定枚数を設定するものではないため、ゲームの規定枚数として2枚又は3枚が設定されている状況においては、第2クレジット投入スイッチ57の操作を行うことで2ベットゲームを行うことは許容されている。なお、ステップSf503にて既にMAXベットカウンタに3が入力されている場合には、その状態を維持する。
なお、MAXベットカウンタの初期値は2であり、リセットスイッチ72が操作されてRAMクリアが行われると、当該MAXベットカウンタには2が入力されてスロットマシン10が起動する。
続くステップSf504では、第1BB入賞又は第2BB入賞が成立したか否かを判定する。いずれかのBB入賞も成立していない場合には、そのままボーナス状態処理を終了する。いずれかのBB入賞が成立している場合には、ステップSf505に進み、第1BB入賞が成立したか否かを判定する。
第1BB入賞が成立している場合には、ステップSf506にて、各種カウンタエリア106eに設けられたBBカウンタに「15」を入力する処理を実行する。BBカウンタは、各BB状態における上限払出数を規定するためのカウンタである。すなわち、ステップSf506にてBBカウンタに「15」が入力されることにより、15枚以上のメダルが払い出されることにより第1BB状態が終了するように設定される。ステップSf507では、第1BB当選フラグをクリアする。そして、ステップSf508では、第1BB状態フラグを各種フラグ格納エリア106dにセットする。これにより、次ゲームからはステップSf501にて肯定判定することになる。続くステップSf509では、第1BB開始コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行する。第1BB開始コマンドは、第1BB状態が開始されることを表示制御装置81へ把握させるためのコマンドであり、かかる第1BB開始コマンドを受信した表示制御装置81では、第1BB状態が開始されることに対応する第1BB開始演出が行われるようにスピーカ64や補助表示部65等を制御する。また、表示制御装置81では、第1BB開始コマンドを受信することにより、次ゲームからが第1BB状態であることが把握可能となり、次ゲームから第1BB状態用の演出が行われるようにスピーカ64や補助表示部65等を制御する。
ステップSf509にて第1BB開始コマンドの出力設定を行った後は、ステップSf510にて規定ベット数を2に設定する処理を実行し、ステップSf511にてMAXベットカウンタに2を入力する処理を実行してから、本ボーナス状態処理を終了する。規定ベット数とは、上記のゲームの規定枚数に相当する。すなわち、第1BB状態に移行することでゲームの規定枚数が2枚に設定され、2ベットゲームにて第1BB状態が行われる。
なお、規定ベット数の初期値は2及び3であり、リセットスイッチ72が操作されてRAMクリアが行われると、当該規定ベット数は2と3が設定されてスロットマシン10が起動する。
ステップSf505にて第1BB入賞が成立していないと判定する場合とは、第2BB入賞が成立している場合である。この場合、ステップSf512に進み、上記のBBカウンタに「15」を入力する処理を実行する。すなわち、15枚以上のメダルが払い出されることにより第2BB状態が終了するように設定される。そして、ステップSf513にて第2BB当選フラグをクリアする処理を実行し、ステップSf514にて第2BB状態フラグをセットする処理を実行する。その後、ステップSf515にて第2BB開始コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行する。第2BB開始コマンドは、第1BB開始コマンドに対応するものであり、第2BB状態が開始されることを表示制御装置81へ把握させるためのコマンドである。第2BB開始コマンドを受信した表示制御装置81では、第2BB状態が開始されることに対応する第2BB開始演出が行われるようにスピーカ64や補助表示部65等を制御し、次ゲームからは第2BB状態用の演出が行われるようにスピーカ64や補助表示部65等を制御する。なお、第1BB開始演出と第2BB開始演出とは、見た目や内容が、遊技者が識別可能な程度に異なっている。また、第1BB状態用の演出と第2BB状態用の演出とも、見た目や内容が、遊技者が識別可能な程度に異なっている。
ステップSf515にて第2BB開始コマンドの出力設定を行った後は、ステップSf510にて規定ベット数を2に設定する処理を実行し、ステップSf511にてMAXベットカウンタに2を入力してから、本ボーナス状態処理を終了する。すなわち、第1BB状態だけでなく、第2BB状態においてもゲームの規定枚数が2枚に設定され、2ベットゲームにて第2BB状態が行われる。
ステップSf501にて肯定判定し、第1BB状態又は第2BB状態である場合、ステップSf516に進み、第1BB状態や第2BB状態中の処理を行う。図464は、BB状態用抽選テーブルの一例を示している。なお、本実施形態では、第1BB状態と第2BB状態とで共通の抽選テーブルを用いる構成としているが、それぞれ別々の抽選テーブルを設け、当選し得る役の種類や各役の当選確率を異ならせてもよい。本実施形態では、図464に示すように、第1BB状態や第2BB状態において、通常リプAと、共通ベルと、重複1枚役とに当選し得るように設定されている。通常リプA当選となる確率(IV=1の際に当選となる確率)は約61.2分の1であり、共通ベル当選となる確率(IV=10の際に当選となる確率)は約5.96分の1であり、重複1枚役当選となる確率(IV=24の際に当選となる確率)は約1.31分の1である。また、第1BB状態や第2BB状態において、いずれの役にも当選しない外れ結果となる確率は、約10.14分の1である。この場合、1ゲーム当たりで約0.00枚のメダル増加が期待でき(純増枚数プラスマイナス約0.00枚)、第1BB状態や第2BB状態ではメダルの増減が生じない。言い換えると、第1BB状態や第2BB状態ではメダル増加を見込めないもののメダルを減らすことなくゲームを進行することが可能となる。
ここで、3ベットゲームにおける通常遊技状態と、3ベットゲームにて移行し得る第1BB状態とにおいて、メダル増加のメインはいずれも第1小役入賞~第6小役入賞により生じるものであり、その役としては、通常遊技状態では押し順ベルであり、第1BB状態においては共通ベルである。これらメイン小役の入賞率を比較すると、通常遊技状態においては、一定の操作順序でストップスイッチ42~44が操作されていることを想定すると、約9.19分の1の確率で入賞するのに対して、第1BB状態においては約5.96分の1の確率で入賞し、第1BB状態のほうが通常遊技状態よりも入賞が発生し易くなるように設定されている。また、2ベットゲームにおける通常遊技状態と、2ベットゲームにて移行し得る第2BB状態とにおいて、メダル増加のメインはいずれも共通ベルであり、通常遊技状態では約9.64分の1の確率で入賞するのに対して、第2BB状態においては約5.96分の1の確率で入賞し、2ベットゲームにおいても、第2BB状態のほうが通常遊技状態よりも入賞が発生し易くなるように設定されている。
但し、上記のとおり、第1BB状態や第2BB状態を消化しても持ちメダルの増加は期待できない。
ボーナス状態処理において、ステップSf516では、上記のBB状態用抽選テーブルによる抽選処理や各リール制御の結果として、今回のゲームでいずれかの小役入賞が成立したか否かを判定する。入賞が成立していない場合には、そのままボーナス状態処理を終了する。入賞が成立している場合には、ステップSf517にて入賞に対応する払出数を上記各種カウンタエリア106eのBBカウンタから減算する処理を実行する。そして、ステップSf518にて、ステップSf517の減算処理の結果としてBBカウンタが0以下となったか否かを判定する。例えば、共通ベル当選となり、第1小役入賞~第6小役入賞が成立すると12枚の払出が発生することから、ステップSf517ではBBカウンタから12を減算する。
ステップSf518にて0以下ではないと判定した場合は、そのままボーナス状態処理を終了する。一方、0以下であると判定した場合、ステップSf519にて、現状のBB状態に対応するBB状態フラグをクリアする処理を行う。すなわち、第1BB状態であれば第1BB状態フラグをクリアし、第2BB状態であれば第2BB状態フラグをクリアする。そして、ステップSf520にて今回終了するBB状態に対応するBB終了コマンドを表示制御装置81への出力対象として設定する。より詳しくは、第1BB状態を終了する場合には第1BB終了コマンドを出力設定し、第2BB状態を終了する場合には第2BB終了コマンドを出力設定する。第1BB終了コマンド又は第2BB終了コマンドを受信した表示制御装置81は、第1BB終了用の演出や第2BB終了用の演出が行われるようにスピーカ64や補助表示部65を制御する。
その後、ステップSf521にて、規定ベット数を2と3に設定してから、本ボーナス状態処理を終了する。この場合、第1BB状態や第2BB状態の終了後の通常遊技状態においては、2ベットゲームと3ベットゲームとが可能となる。これに対して、上記のとおりステップSf511にてMAXベットカウンタに2が入力されることから、第1クレジット投入スイッチ56の操作を行うと、2枚の仮想メダルの投入が行われ、2ベットゲームにてゲームが行われるようになる。つまり、第1BB当選フラグや第2BB当選フラグのいずれもがセットされていない状況においては、2ベットゲームにてゲームが行われ易くなるように設定されている。ちなみに、第1BB状態や第2BB状態の終了後においては、MAXベットカウンタに2が入力されることから第1クレジット投入スイッチ56や第2クレジット投入スイッチ57の操作では3枚ベットができず、3ベットゲームを行うためにはメダル投入口45からメダルを3枚投入する必要がある。
ここで、本スロットマシン10において、2ベットゲームと3ベットゲームとを利用した遊技性について、図465を参照しながら簡単に説明する。
第1BB当選フラグや第2BB当選フラグがセットされておらず、いずれのBBにも当選してない通常遊技状態は、所謂非内部状態と称される状態である。この場合、上記のとおり、規定ベット数(ゲームの規定枚数)は2枚と3枚が設定されており、2ベットゲームと3ベットゲームとが可能である。但し、MAXベットカウンタは上記のとおり2が入力され、第1クレジット投入スイッチ56を操作して遊技を開始する場合には2ベットゲームとなる。
非内部状態において、3ベットゲームでは第1BBには当選し得る一方、第2BBには当選せず、2ベットゲームでは第2BBには当選し得る一方、第1BBには当選しない。上記のように第1クレジット投入スイッチ56を操作する遊技においては、基本的には2ベットゲームにおいて第2BBの当選が生じ得る。
第1BBや第2BBに当選し、その当選ゲームにおいて入賞が成立しなかった場合には、第1BB当選や第2BB当選を持ち越した内部状態(持ち越し状態)となる。内部状態においても、上記のとおり、規定ベット数(ゲームの規定枚数)は2枚と3枚が設定されており、2ベットゲームと3ベットゲームとが可能である。但し、MAXベットカウンタは上記のとおり3が入力され、第1クレジット投入スイッチ56を操作して遊技を開始する場合には3ベットゲームとなる。
既に説明した通り、本スロットマシン10では、第1BBに当選している内部状態においては、3ベットゲームでは第1BB入賞が成立し得る一方、2ベットゲームでは第1BB入賞が成立しないように各リール32L,32M,32Rの停止制御が行われる。また、第2BBに当選している内部状態においては、3ベットゲームでは第2BB入賞が成立しない一方、2ベットゲームでは第2BB入賞が成立し得るように各リール32L,32M,32Rの停止制御が行われる。つまり、3ベットゲームにおいて第1BBに当選した場合に、そのまま3ベットゲームを継続すれば第1BB入賞を成立させることができるものの、第1BBに当選後、2ベットゲームに切り替えると、当該第1BB入賞を成立させることができない。また、2ベットゲームにおいて第2BBに当選した場合に、そのまま2ベットゲームを継続すれば第2BB入賞を成立させることができるものの、第2BBに当選後、3ベットゲームに切り替えると、当該第2BB入賞を成立させることができない。そして、第1BBや第2BBは重複して当選することはなく、第1BB当選を持ち越している状況で再度第1BBに当選することはないし、第2BBに重複して当選することもない。また、第2BB当選を持ち越している状況で再度第2BBに当選することはないし、第1BBに重複して当選することもない。つまり、第1BBに当選した場合に2ベットゲームで遊技を行うと、第1BB当選を持ち越している内部状態での遊技が延々と継続し、第2BBに当選した場合に3ベットゲームで遊技を行うと、第2BB当選を持ち越している内部状態での遊技が延々と継続することになる。
ここで、上記のように第1BB入賞が3ベットゲームにおいてのみ成立するようにし、第2BB入賞が2ベットゲームにおいてのみ成立するようにしていることから、第2BB当選を持ち越している状況での3ベットゲームでいずれの役にも当選しない外れ結果となった場合であっても第2BB入賞が成立することはないし、第1BB当選を持ち越している状況での2ベットゲームで外れ結果となった場合であっても第1BB入賞が成立することはない。このようにすることで、第1BB当選や第2BB当選を持ち越している内部状態における役構成や各リール32L,32M,32Rの制御を劇的に簡素化することが可能となる。仮に、3ベットゲームにおいて第2BB入賞が成立し得る構成であったり、2ベットゲームにおいて第1BB入賞が成立し得る構成であったりすると、その第1BB当選や第2BB当選を持ち越している内部状態を継続させようとする場合、外れ結果とならないような抽選テーブルとする必要が生じるし、例えば取りこぼしが生じ得る役において、その取りこぼし時に別の役に入賞させる必要が生じるからである。
また、第1BB状態や第2BB状態においては、メダル増加のメインとなる役はいずれも共通ベルである。また、非内部状態や内部状態において、2ベットゲームでのメダル増加のメインとなる役は共通ベルであるのに対して、3ベットゲームでのメダル増加のメインとなる役は押し順ベルである。共通ベルについては、各ストップスイッチ42~44の操作順序や操作タイミングに関わらず第1小役~第6小役のいずれかの入賞が成立するものであるのに対して、押し順ベルについては、各ストップスイッチ42~44の操作順序や操作タイミングによって入賞する小役が異なる。つまり、第1BB状態や第2BB状態よりも、3ベットゲームでの非内部状態や内部状態の方が、押し順ベル当選時の操作順序や操作タイミング(主に操作順序)によるメダル増減の振れ幅は大きい。そして、例えば、押し順ベル当選時に第1小役入賞~第6小役入賞となる操作順序(図462)の報知等を行うことで、入賞をアシストするATモード(アシストタイムモード、ナビモード)と行わない非ATモード(非ナビモード)とを切り替えることで、その報知(アシスト)の有無によってメダルが増加する状態とメダルが減少する状態とを創出することも可能となる。
第1クレジット投入スイッチ56を操作する遊技の基本的な流れとしては、先ず、非内部状態において、2ベットゲームにて遊技が行われ、その2ベットゲームにて第2BBに当選する。第2BBに当選すると、内部状態となり、3ベットゲームに切り替わり、上記当選した第2BB入賞を成立させることができない状態のまま遊技が進行する。この場合、上記のように、第2BB当選を持ち越した3ベットゲームにおいては、第1BBに当選となることもないし第2BB入賞となることもなく、第2BB当選が持ち越される内部状態での遊技が継続されることになる。
以下、第2BB当選を持ち越した状態での遊技を前提とし、その遊技(以下の説明では、通常遊技とも称する)での押し順ベル当選時の報知(押し順報知)等を利用した遊技性を説明する。
<抽選結果対応処理>
先ず、図466のフローチャートを参照しながら、ステップSf310にて実施される抽選結果対応処理について説明する。抽選結果対応処理は、各ゲームの抽選処理が行われた後に実施される処理であり、ゲームの抽選結果に基づいて押し順報知が発生するATモードへの移行抽選等を行う処理である。
先ず、ステップSf601~ステップSf603では、今回開始するゲームのベット数を把握する処理を実行する。すなわち、ステップSf601では、第1BB状態フラグ及び第2BB状態フラグのいずれかのフラグがセットされているか否かを把握して、今回開始するゲームがいずれかのBB状態であるか否かの判定を行う。BB状態ではない場合には、ステップSf602にてベット数が3であるか否かを判定する。また、BB状態である場合には、ステップSf603にてベット数が3であるか否かを判定する。既に説明した通り、第1BBや第2BBの当選前の非内部状態や、第1BBや第2BB当選後の内部状態においては規定枚数として2と3が設定されており、第1BB状態や第2BB状態においては規定枚数として2が設定されている。ステップSf602やステップSf603の処理は、今回のゲームのベット数が、遊技状態に対応付けられて規定(設定)されている一の特定規定数(特定設定数)であるか否かを判定する処理であり、当該特定規定数ではない場合には、ステップSf604以降の表示モード用の処理(指示機能用の処理)を行うことなく抽選結果対応処理を終了する。
すなわち、非内部状態や内部状態においては、3ベットゲームでは表示モード用の処理は実行される一方、2ベットゲームでは表示モード用の処理は実行されない。また、第1BB状態や第2BB状態においては、規定枚数として2が設定されていることから、3ベットゲームは実行されず、第1BB状態や第2BB状態では表示モード用の処理は実行されない。
つまり、本実施形態では、仮に内部状態が2ベットゲームにて遊技された場合、ステップSf604以降のATモードへの移行抽選等が行われずに遊技者にとって不利となる構成としている。このようにすることで、内部状態を3ベットゲームにて遊技させ、第2BBを持ち越す通常遊技を行わせ易くすることができる。
ステップSf602又はステップSf603にて肯定判定した場合、ステップSf604にて、各種フラグ格納エリア106dに有利区間フラグがセットされているか否かを判定する。本スロットマシン10では、押し順報知等の発生の有無について、当該押し順報知等が発生し得る有利区間と、発生し得ない通常区間とが設定されている。有利区間フラグは、今回のゲームが有利区間であることをCPU102が把握するためのフラグであり、有利区間へ移行することに基づいてセットされ、通常区間に移行することに基づいてクリアされる。
有利区間フラグがセットされていない場合、今回のゲームが通常区間であることを意味し、この場合、ステップSf605にて有利区間移行抽選処理を実行してから、抽選結果対応処理を終了する。
有利区間移行抽選処理では、図467のフローチャートに示すように、ステップSf701にて今回のゲームの抽選結果を把握する。そしてステップSf702にて、ROM105の各種テーブル記憶エリア105aから有利区間移行抽選テーブルを取得する。有利区間移行抽選テーブルは、図468に示すように、各ゲームの抽選結果に応じて、有利区間への移行率(有利区間移行抽選の当選確率)が設定されている。有利区間への移行抽選の契機役としては、図468にも示すように、通常リプA、通常リプB、通常リプC、チャンス目A、チャンス目B、チャンス目C、チェリーA、チェリーB、チェリーC、共通ベル、押し順ベル、スイカが設定されている。すなわち、第2BBを持ち越している3ベットゲームとしての通常遊技において、当選し得る全ての結果が有利区間への移行抽選の契機役として設定されている。
ステップSf702にて抽選テーブルを取得した後は、ステップSf703にて有利区間移行抽選用の乱数を取得する処理を実行する。有利区間移行抽選用の乱数は、各種カウンタエリア106eの専用のカウンタが用いられ、当該専用のカウンタは所定周期で更新され、ステップSf703ではそのカウンタのうち最新の更新値を取得する。そして、ステップSf704にて有利区間移行抽選を実行し、ステップSf705にて、移行抽選に当選したか否かを判定する。ちなみに、本実施形態では、いずれの契機役であっても100%の確率で有利区間移行抽選に当選するように抽選テーブルが設定されている。この場合、ステップSf701にて把握したゲームの結果が、移行抽選の契機役である(外れ結果ではない)と判定した場合、ステップSf702~ステップSf705の処理を省略することも可能である。
ステップSf705にて移行抽選に当選していると判定した場合、ステップSf706にて、各種フラグ格納エリア106dに有利区間当選ゲームフラグをセットする処理を実行する。有利区間当選ゲームフラグは、今回のゲームで有利区間への移行抽選に当選したゲームであることをCPU102が把握するためのフラグである。ステップSf705にて否定判定した場合、又はステップSf706の処理を実行した後は、有利区間移行抽選処理を終了する。
抽選結果対応処理の説明に戻り、ステップSf604にて有利区間フラグがセットされていると判定した場合、ステップSf606に進む。ステップSf606では、各種フラグ格納エリア106dにATモード当選フラグ及びATモードフラグのいずれかがセットされているか否かを判定する。ATモードフラグは、ATモードであることをCPU102が把握するためのフラグであって、ATモードへの移行が可能となる場合にセットされるフラグである。また、ATモード当選フラグは、ATモード移行抽選にて当選し、ATモードへの移行が確定している状況であって、且つATモード移行前の状況であることをCPU102が把握するためのフラグである。ステップSf606にていずれのフラグもセットされていない場合には、ステップSf607にてAT抽選用処理を実行する。一方、ステップSf606にていずれかのフラグがセットされている場合、ステップSf608にて継続判定処理を実行し、ステップSf609にてAT上乗せ用処理を実行する。
<AT抽選用処理>
先ず、ステップSf607のAT抽選用処理について図469のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップSf801では、各種カウンタエリア106eに設けられた天井カウンタを1減算する処理を実行する。天井カウンタは、有利区間移行後のゲーム数が天井ゲーム数に至った場合、ATモード移行抽選の当否に関わらず(当選することなく)ATモードへの移行を生じさせるためのカウンタであり、当該天井ゲーム数までの残りゲーム数をCPU102が把握するためのカウンタである。天井ゲーム数は有利区間移行時に設定される。ちなみに、上記のように、AT抽選用処理はベット数が遊技状態に応じた特定規定数である場合に実行されることからして、天井カウンタはベット数が遊技状態に応じた特定規定数であるゲームにて減算され、例えば、2ベットゲームでは減算されない。
ステップSf801にて天井カウンタの減算処理を実行した後は、ステップSf802にて天井カウンタが0に至ったか否かを判定する。0に至っていない場合には、ステップSf803~ステップSf808にてATモード移行抽選用の処理を実行する。
すなわち、ステップSf803にて、今回のゲームの抽選結果を把握する処理を実行する。そして、ステップSf804では、各種フラグ格納エリア106dにCZモードフラグがセットされているか否かを判定する。本実施形態では、ATモード移行抽選の当選確率が異なる表示モードとして、通常モードと、当該通常モードよりもATモード移行抽選に当選し易いCZモードとが設定されており、CZモードフラグはCZモードであることをCPUが把握するためのフラグである。
ステップSf804にてCZモードフラグがセットされていない場合には、ステップSf805にて、各種テーブル記憶エリア105aから通常用ATモード移行抽選テーブルを取得する処理を実行する。一方、ステップSf804にてCZモードフラグがセットされている場合には、ステップSf806にて、CZ用ATモード移行抽選テーブルを取得する処理を実行する。
これら通常用ATモード移行抽選テーブルとCZ用ATモード移行抽選テーブルとは、図468に示すように、ゲームの抽選結果に応じてATモード移行抽選の当選確率がそれぞれ設定されており、例えば、チャンス目Aを契機とするATモード移行抽選であれば、通常用では1%の確率でATモード移行当選となり、CZ用であれば3%の確率でATモード移行当選となる、といったように、通常用ATモード移行抽選テーブルよりもCZ用ATモード移行抽選テーブルの方がATモード移行抽選に当選し易くなるように設定されている。また、通常リプA、通常リプB及び通常リプCについては、通常用ではATモード移行当選とならない一方、CZ用ではATモード移行当選となり得るように設定されている。
ステップSf805又はステップSf806にてATモード移行抽選テーブルを取得した後は、当該取得した移行抽選テーブルと、ステップSf803にて把握したゲームの抽選結果とを用いて、ステップSf807にてATモード移行抽選処理を実行する。そして、ステップSf808にてATモード移行当選であったか否かを判定する。
ステップSf808にてATモード移行当選であると判定した場合と、ステップSf802にて天井カウンタが0であると判定した場合、ステップSf809~ステップSf812のATモード当選用の処理を実行する。また、ステップSf808にてATモード移行当選ではないと判定した場合は、ステップSf813~ステップSf816にてATモード非当選用の処理を実行する。
ATモード当選用の処理において、ステップSf809では、CZモードフラグがセットされているか否かを判定し、CZモード中のATモード移行当選であるか否かを確認する。CZモード中の当選である場合、ステップSf810及びステップSf811にてCZモードを終了させるための処理を行う。すなわち、ステップSf810では、CZモードフラグをクリアする処理を実行する。そして、ステップSf811にて各種カウンタエリア106eに設けられたCZゲームカウンタを0にクリアする処理を実行する。CZゲームカウンタはCZモードの残りゲーム数をCPU102が把握するためのカウンタであり、CZモードへ移行する場合にCZモードの継続ゲーム数(10ゲーム)に相当する値(10)が入力され、ゲームを消化する度に1ずつ減算されるカウンタである。
ステップSf809にてCZモードフラグがセットされていない場合、又はステップSf811の処理を実行した後は、ステップSf812にて各種フラグ格納エリア106dにATモード当選フラグをセットする処理を実行する。かかる処理により、次ゲームからステップSf606にて肯定判定することとなる。
ATモード非当選用の処理では、ステップSf813にてCZモードフラグがセットされているか否かを判定する。CZモードフラグがセットされている場合には、そのままAT抽選用処理を終了する。CZモードフラグがセットされていない場合、ステップSf814にて、CZモード移行抽選処理を実行する。CZモード移行抽選処理では、各種テーブル記憶エリア105aからCZモード移行抽選テーブルを取得して、ステップSf803にて把握したゲームの抽選結果を利用してCZモードへ移行させるか否かを抽選により決定する。CZモード移行抽選テーブルは、図468に示すように、ゲームの抽選結果に応じてCZモード移行抽選の当選確率が異なるように設定されており、より具体的には、ATモード移行抽選に当選し易いゲームの抽選結果ほど、CZモード移行抽選に当選し易くなるように設定されている。すなわち、ATモード移行抽選に当選し易いゲームの抽選結果であったのにもかかわらず、ATモード移行抽選に非当選であった場合、CZモードへは移行し易くなるように設定されている。
ステップSf814にてCZモード移行抽選処理を実行した後は、ステップSf815にてCZモード移行当選であったか否かを判定し、移行当選ではない場合には、そのままAT抽選用処理を終了する。CZモード移行当選である場合、ステップSf816にて、各種フラグ格納エリア106dにCZモード当選フラグをセットする処理を実行する。
ステップSf812又はステップSf816にていずれかの当選フラグをセットした後は、ステップSf817~ステップSf820にて前兆モードの設定処理を行う。前兆モードとは、ATモード移行抽選やCZモード移行抽選に当選していることを示唆する前兆演出を行うモードであり、本実施形態では、これらの移行抽選に当選した場合、0ゲーム~32ゲームの前兆モードを経てから当選している移行抽選の報知が行われる。
ステップSf817では、前兆ゲームの抽選処理を実行する。前兆ゲーム数の抽選処理では、当選している移行抽選の種類、当選契機となったゲームの抽選結果等によって前兆ゲーム数を抽選する。例えば、ATモード移行抽選に当選している場合の方がCZモード移行抽選に当選している場合よりも長い前兆ゲーム数が選択され易くなっていたり、チェリーAにて移行抽選に当選した場合の方がチェリーCにて移行抽選に当選した場合よりも長い前兆ゲーム数が選択され易くなっている。
なお、本実施形態では、CZモード中にATモード移行抽選に当選した場合、ステップSf817では前兆ゲーム数を0となるように設定する。上記のようにCZモード中にATモード移行抽選に当選すると、CZモードの残りゲーム数に関わらずCZモードが終了するようにしているため、当該CZモードの終了を通じてATモード移行抽選に当選したことを遊技者は把握可能である。そこで、CZモード中にATモード移行抽選に当選した場合には前兆モードを0ゲームとすることで、ATモード移行抽選に当選したことを把握しているのにもかかわらず、その移行抽選に当選したことの示唆報知が前兆モードとして行われることによる違和感を低減することができる。
続くステップSf818では、ステップSf817の抽選結果を各種カウンタエリア106eに設けられた前兆カウンタに入力する処理を実行する。前兆カウンタは、前兆ゲームの残りゲーム数をCPU102が把握するためのカウンタであり、前兆モード中のゲームを消化する度に1ずつ減算されるカウンタである。
そして、ステップSf819にて各種フラグ格納エリア106dに前兆フラグをセットする処理を実行し、ステップSf820にて前兆コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本AT抽選用処理を終了する。前兆フラグは前兆モード中であることをCPU102が把握するためのフラグであり、前兆コマンドは前兆モードに設定されたこと、及びその前兆モードのゲーム数やいずれの移行抽選に当選しているかを表示制御装置81へ把握させるためのコマンドである。前兆コマンドを受信した表示制御装置81は、前兆モードのゲーム数や当選している移行抽選の種類を把握し、前兆モード中の演出を補助表示部65やスピーカ64にて実行するための処理を行う。
<継続判定処理>
次に、ステップSf608にて実行される継続判定処理について、図470のフローチャートを参照しながら説明する。既に説明した通り、継続判定処理は、ATモード当選フラグやATモードフラグがセットされている状況で実行される処理である。
ここで、本実施形態におけるATモードは、予め定められた所定数(例えば18)のゲームを1セット(単位継続数、単位状態)とし、例えば、1セットのATモードを更新する場合(セットを開始する場合又はセットを終了する場合)に次のセットの継続抽選を行い、当該継続抽選に当選している場合には当該セットの終了後、次のセットへ移行し、当該継続抽選に非当選である場合には次のセットへ移行せずにATモードが終了する構成としている。そして、ステップSf608の継続判定処理では、セットの更新に際して上記の継続抽選を行うための処理である。
ステップSf901では、各種カウンタエリア106eに設けられたATゲームカウンタが18であるか否かを判定する。ATゲームカウンタは、1セットの残りゲーム数をCPU102が把握するためのカウンタであり、セットの更新に際して18が入力されるカウンタである。すなわち、ステップSf901では、今回開始するゲームがATモードの1セットの開始ゲームであるか否かを判定する。開始ゲームではない場合には、そのまま本継続判定処理を終了する。開始ゲームである場合には、ステップSf902に進む。
ステップSf902では、各種カウンタエリア106eに設けられたATセットカウンタが0であるか否かを判定する。ATセットカウンタは、上記の継続抽選に非当選であっても又は継続抽選を行うことなく次のセットへ継続させることを可能とするセット数をCPU102が把握するためのカウンタであり、継続条件が成立している状況で上乗せ当選した場合に1が加算され、継続抽選に非当選である場合や継続抽選を行うことなく次のセットへ継続させた場合に1減算されるカウンタである。ATセットカウンタが0である場合、ステップSf903にて今回のATモードにて選択されている継続抽選の当選確率を把握する。
ここで、本実施形態では、上記の継続抽選の当選確率(以下、「継続率」とも称する)として、複数の継続率が設定されており、具体的には、図476に示すように最も継続率の高い90%と、それよりも継続率が低い60%及び10%が設定されている。当該継続率は、ATモードへの移行に際して設定される(後述のステップSf1211における継続率設定処理)。ステップSf903では、当該継続率設定処理にて設定されている情報を読み出し、今回のATモードの継続率を把握する。
ステップSf903にて継続率を把握した後は、ステップSf904にて継続抽選処理を実行する。すなわち、90%の継続率が選択されている場合には、ステップSf904の処理では90%の確率で継続当選し、10%の継続率が選択されている場合には、ステップSf904の処理では10%の確率で継続当選する。
ステップSf905では、ステップSf904の処理結果が継続当選であったか否かを判定し、継続当選であった場合には、ステップSf906にて各種フラグ格納エリア106dに継続フラグをセットする処理を実行する。継続フラグは、今回のセットの継続条件(次のセットへ移行する条件)が成立していることをCPU102が把握するためのフラグである。そして、ステップSf907にて継続コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、継続判定処理を終了する。
また、ステップSf902にてATセットカウンタが0ではないと判定した場合、ステップSf908にてATセットカウンタを1減算する処理を実行してから、ステップSf906に進み、継続フラグのセット、及び継続コマンドのセットを行ってから、継続判定処理を終了する。すなわち、本実施形態では、ATセットカウンタが0ではない場合、継続抽選を経ることなく、セットの継続条件が成立する構成としている。なお、ATセットカウンタの値に関わらず継続抽選を実行し、継続非当選である場合にATセットカウンタが1以上であれば継続条件が成立する構成としてもよい。
上記のように、本実施形態では、ATモードの1セットの開始時(スタートレバー41の操作時)に、今回開始するセットの次のセットまでATモードが継続するか否かの継続条件の成否判定が行われ、継続条件が成立していると判定した場合には、継続フラグがセットされ、その情報が表示制御装置81へ出力される。この場合、表示制御装置81では、継続条件が成立していることを前提とした演出を今回のセットの演出として行うようにするための処理を行う。
これに対して、ステップSf905にて継続当選ではないと判定した場合には、そのまま継続判定処理を終了する。この場合、ATモードの1セットの開始時には継続条件は成立しておらず、セットの開始に際して継続コマンドの出力も行われない。表示制御装置81では、セットの開始に際して継続コマンドを受信しないことを通じて継続条件が成立していないことを把握し、継続条件が成立していないことを前提とした演出を今回のセットの演出として行うようにするための処理を行う。
<AT上乗せ用処理>
次に、ステップSf609にて実行されるAT上乗せ用処理について、図471のフローチャートを参照しながら説明する。AT上乗せ用処理では、上記の継続抽選とは別途、ATモードのセット数を上乗せすることの上乗せ抽選を行い、当該上乗せ抽選にて当選した場合には、次のセットの継続抽選の結果に関わらず次のセットまで継続するようにする。
先ずステップSf1001にて、今回のゲームの抽選結果を把握する。そして、ステップSf1002にて、各種テーブル記憶エリア105aから上乗せ抽選テーブルを取得する処理を実行する。
上乗せ抽選テーブルは、図468に示すように、ゲームの抽選結果に応じて、上乗せ当選率が設定されており、各ゲームの抽選処理にて当選し易い通常リプA~通常リプCや、押し順ベルといった通常役では上乗せ当選しない一方、各ゲームの抽選処理にて当選しにくいチャンス目A~チャンス目C、チェリーA~チェリーC、共通ベル、スイカ、といった特定役では上乗せ当選し得るように設定されている。そして、特定役のうち、例えば、チャンス目Aよりもチャンス目Cの方が上乗せ当選し易く、チェリーAよりもチェリーCの方が上乗せ当選し易い、といったように、各ゲームの抽選処理にて当選しにくい抽選結果ほど、上乗せ抽選に当選し易くなるように設定されている。なお、各ゲームの抽選結果が通常役である場合には上乗せ当選しない構成を、各ゲームの抽選結果が通常役である場合には上乗せ抽選を行わない構成としてもよい。また、各ゲームの抽選結果が通常役である場合にも上乗せ当選し得る構成とし、当該通常役での上乗せ当選の確率を特定役の場合の上乗せ当選の確率よりも低くなるようにしてもよい。
ステップSf1002にて上乗せ抽選テーブルを取得した後は、ステップSf1003にて上乗せ抽選を実行し、ステップSf1004にて上乗せ抽選に当選したか否かの判定を行う。上乗せ抽選に非当選であった場合には、そのままAT上乗せ用処理を終了する。上乗せ抽選に当選であった場合には、ステップSf1005にて、継続フラグがセットされているか否かを判定する。
ステップSf1005にて継続フラグがセットされていない場合、ステップSf1006にて継続フラグをセットする処理を実行する。そして、ステップSf1007にて継続コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本AT上乗せ用処理を終了する。継続コマンドを受信した表示制御装置81は、継続条件が成立したことに対応する演出を補助表示部65やスピーカ64にて行うための処理を実行する。
これに対して、ステップSf1005にて継続フラグがセットされている場合、ステップSf1008にてATセットカウンタに1を加算する処理を実行する。ステップSf1008にATセットカウンタに1が加算されることにより、少なくとも今回のセットの次の次のセットまでATモードが継続することが確定する。なお、本実施形態では、上乗せ抽選に当選した場合に一律でATセットカウンタに1を加算する構成としているが、2以上の数を加算する場合がある構成としてもよく、例えば、上乗せ当選の契機となったゲームの抽選結果に応じてATセットカウンタに加算する数を抽選により決定する構成としてもよい。
続くステップSf1009ではセット上乗せコマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本上乗せ用処理を終了する。セット上乗せコマンドは、上乗せ抽選に当選したことやATセットカウンタの値を表示制御装置81へ把握させるためのコマンドである。なお、複数のセット数を一の上乗せ当選にて上乗せする場合がある構成においては、当該セット上乗せコマンドに当該上乗せするセット数の情報を設定する構成とするとよい。セット上乗せコマンドを受信した表示制御装置81は、セット上乗せが行われたことに対応する演出を補助表示部65やスピーカ64にて行うための処理を実行する。
抽選結果対応処理(図466)において、ステップSf607又はステップSf609の処理を実行した後は、ステップSf610~ステップSf613にて、ストップスイッチ42~44の押し順報知用の処理を実行する。
<押し順報知の概要>
ステップSf610~ステップSf613にて実行される押し順報知用の処理の説明に先立って、指示モニタ68にて実行される押し順報知や、補助表示部65にて実行される押し順報知演出の概要について説明する。なお、押し順報知や押し順報知演出は、例えば、押し順ナビ、順序報知や態様報知とも称することが可能である。指示モニタ68は主制御装置101に接続されており、主制御装置101により押し順報知が行われる。これに対して、補助表示部65は表示制御装置81に接続されており、表示制御装置81により押し順報知演出が行われる。
先ず、この指示モニタ68の構成について、図472を参照しながら説明する。図472(a)は、指示モニタ68の正面図であり、図472(b)は、指示モニタ68の表示態様と表示内容との関係を説明するための図である。
図472(a)に示すように、指示モニタ68には8個の表示用セグメントN1~N8が設けられている。各表示用セグメントN1~N8は、LEDからなる個別の光源を有しており、それら個別の光源がオンオフ制御されることで、任意の1個の表示用セグメントのみを点灯させることができるとともに、任意の組み合わせの表示用セグメントを点灯させることができる。これにより、指示モニタ68では、それぞれ個別に所定の記号(アルファベットや数字を含む)が表示されるようになっている。なお、上記個別の光源はいずれも同一色の光を照射するものであるため、各表示用セグメントN1~N8においてはいずれも同一の色が表示されることとなる。
各表示用セグメントN1~N8について詳細には、第1表示用セグメントN1~第7表示用セグメントN7は、いずれも直線状の表示用セグメントであり、これら第1表示用セグメントN1~第7表示用セグメントN7は、数字の「1」~「6」を少なくとも表示することができるように配置されている。また、第8表示用セグメントN8は、円形状の表示用セグメントであり、第1表示用セグメントN1~第7表示用セグメントN7が設けられた領域の右下部分の横方に配置されている。したがって、指示モニタ68では、「1」~「6」と、「1.」~「6.」と、「 .」と、を少なくとも表示することができる。
なお、指示モニタ68において、複数パターンの記号をそれぞれ個別に表示することが可能であれば、各表示用セグメントN1~N8の形状や配置態様は任意であり、さらには8個のセグメントではなく7個のセグメント、又は9個のセグメント等を用いる構成としてもよい。また、各表示用セグメントN1~N8において表示される色が同一であることは必須ではなく、各表示用セグメントN1~N8において表示される色が適宜変更可能となる構成としてもよい。また、光源をオンオフ制御することで、各表示用セグメントN1~N8の点灯又は消灯を制御する構成は必須のものではなく、各表示用セグメントN1~N8において個別に表示制御が行えるのであれば、単一のバックライトと液晶ディスプレイとによりセグメント表示器を構成してもよい。さらには、各表示領域に対してセグメント表示を適用するのではなく、液晶表示装置、有機EL表示装置、CRT、ドットマトリックス等その他のタイプの表示装置によって記号を表示する構成としてもよい。
第1表示用セグメントN1~第7表示用セグメントN7は、押し順役の操作順序の報知に用いられる表示用セグメントである。例えば、図472(b)に示すように、各ストップスイッチ42~44の操作順序として「左」→「中」→「右」の順で停止操作を行うことにより遊技者にとって有利な入賞態様となる場合、第6表示用セグメントN6及び第7表示用セグメントN7が点灯表示されて「1」が表示される。また、各ストップスイッチ42~44の操作順序として「右」→「左」→「中」の順で停止操作を行うことにより遊技者にとって有利な入賞態様となる場合、第1表示用セグメントN1、第2表示用セグメントN2、第3表示用セグメントN3、第5表示用セグメントN5及び第6表示用セグメントN6が点灯表示されて「5」が表示される。つまり、各表示用セグメントN1~N7にて表示される数字(記号)は、ストップスイッチ42~44の操作順序と1対1で対応付けられており、表示用セグメントN1~N7にて表示される数字(記号)に基づいて、ストップスイッチ42~44を停止操作することで、遊技者にとって有利な態様にて入賞させることが可能となる。
第8表示用セグメントN8は、有利区間に移行し、押し順報知が発生し得る状況となる報知条件を含む所定の開始条件が成立した場合に、その開始条件が成立したゲームにて点灯される。また、ATモードが終了して有利区間から通常区間へ移行する場合に消灯される。
つまり、押し順ベル等の操作順序が報知され易くなることによって遊技者にとって有利な態様にて入賞させ易くなる区間を有利区間(特定遊技状態、特定モード)とし、第8表示用セグメントN8は、当該有利区間において、実際に押し順報知による恩恵が得られるようになる特定区間中は点灯し、有利区間ではない通常区間や、有利区間であっても特定区間ではない非特定区間中は消灯する区間表示器(特定報知手段)をなすものである。
既に説明したとおり、押し順表示器としての第1表示用セグメントN1~第7表示用セグメントN7、及び区間表示器としての第8表示用セグメントN8を有する指示モニタ68は、遊技パネル25において払出枚数表示部62の側方付近に配置されている。つまり、指示モニタ68は、遊技者が操作するストップスイッチ42~44等よりも上方に配置されており、言い換えると、ストップスイッチ42~44等が設けられている位置よりも下方において遊技機前面部である化粧パネルに配置されていない。そのため、ストップスイッチ42~44等を操作する手等によって、第8表示用セグメントN8が隠されることが抑制され、遊技者が視認し易い位置に配置されているといえる。また、メダルの獲得を目指して遊技を進行させる遊技者が注視し易い払出枚数表示部62の近くに配置されていることからしても、遊技者による見逃しが抑制されているといえる。
さらに、指示モニタ68において特に第8表示用セグメントN8は、周囲の表示部(例えば払出枚数表示部62や、遊技パネル25のバックライト)の明度よりも高い明度となるように(より詳しくは、周囲の表示部の明度の2倍の明度となるように)、対応するLEDの明度が定められている。そのため、第8表示用セグメントN8と周囲の表示部とがいずれも発光制御されている場合(点灯状態となっている場合)であっても、第8表示用セグメントN8が一際目立つようになっている。遊技機前方に向けた照度についても、第8表示用セグメントN8の方が周囲の表示部より、遊技機前方に向けた照度が高くなるように(より詳しくは、周囲の表示部の照度の2倍の照度となるように)、対応するLEDの照度が定められている。このような構成からも、第8表示用セグメントN8の視認性が向上されており、当該第8表示用セグメントN8が点灯状態となった場合の見逃しが抑制されている。
次に、補助表示部65にて行われる押し順報知演出について、図473を参照しながら説明する。ここでは、今回報知する操作順序が、中→右→左である場合の押し順役に当選している場合を例として、補助表示部65での押し順報知演出を説明する。
図473(a)に示すとおり、補助表示部65では、ストップスイッチ42~44に対応して3つ並列したボタン表示のうち、最初に操作すべきストップスイッチに対応するボタン表示(図では中ストップスイッチ43に対応する真ん中のボタン表示)に数字の1が付されて、他のボタン表示よりも大きく表示される。また、各ボタン表示は、当選役に対応する色(ベルなら黄色、再遊技なら青色等)にて表示される。これにより、遊技者は、今回のゲームにて当選している役と、最初に操作すべきストップスイッチが中ストップスイッチ43であることを認識することができる。また、補助表示部65では、次に操作すべきストップスイッチが右ストップスイッチ44であり、最後に操作すべきストップスイッチが左ストップスイッチ42であることを示すように、右のボタン表示に数字の2が付されて表示され、左のボタン表示に数字の3が付されて表示される。
遊技者が中ストップスイッチ43を操作すると、図473(b)に示すように、補助表示部65では、中ストップスイッチ43に対応する真ん中のボタン表示が消え、右ストップスイッチ44に対応する右のボタン表示が大きく表示される。これにより、遊技者は、中ストップスイッチ43の操作が完了したこと、及び、次に操作すべきストップスイッチが右ストップスイッチ44であることを確認することができる。
遊技者が右ストップスイッチ44を操作すると、図473(c)に示すように、補助表示部65では、右ストップスイッチ44に対応する右のボタン表示が消え、左ストップスイッチ42に対応する左のボタン表示が大きく表示される。これにより、遊技者は、右ストップスイッチ44の操作が完了したこと、及び、次に操作すべきストップスイッチが左ストップスイッチ42であることを確認することができる。
押し順報知の実行タイミングについて説明すると、各リール32L,32M,32Rの回転が開始されてから、加速期間を経て定速回転に至るまでのストップスイッチ42~44の無効期間中に、押し順報知が実行されるように設定されている。このようにストップスイッチ42~44の操作が有効となるよりも前のタイミングで押し順報知を実行する構成とすることで、ストップスイッチ42~44の操作順序を認識したうえでストップスイッチ42~44の操作に望ませることが可能となり、テンポ良く遊技を進行させることができる。
ステップSf610~ステップSf613における押し順報知用の処理の説明を行う。
すなわち、ステップSf610では、今回のゲームの抽選結果が押し順ベル当選であったか否かを判定する。押し順ベル当選ではない場合には、そのまま抽選結果対応処理を終了する。押し順ベル当選である場合、ステップSf611にて、ATモードフラグがセットされているか否かを判定する。ATモードフラグがセットされている場合、ステップSf612にて今回の押し順ベルの種類に応じて第1小役入賞~第6小役入賞に対応する押し順報知が行われるように指示モニタ68を制御する。そして、ステップSf613にて、第1小役入賞~第6小役入賞に対応する操作順序の情報を含む押し順報知コマンドを、表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本押し順報知用処理を終了する。この押し順報知コマンドを受信した表示制御装置81では、第1小役入賞~第6小役入賞に対応する押し順報知演出が行われるように補助表示部65やスピーカ64を制御する。ステップSf611にてATモードフラグがセットされていない場合には、そのまま抽選結果対応処理を終了する。
<入賞結果対応処理>
次に、リール制御処理におけるステップSf415にて実施される入賞結果対応処理について、図474のフローチャートを参照しながら説明する。入賞結果対応処理では、ゲームの遊技結果に応じて、ATモードを開始させたり終了させたりするための処理を行う。
先ずステップSf1101にて、第1BB状態フラグ及び第2BB状態フラグのいずれかのフラグがセットされているか否かを把握して、今回開始するゲームがいずれかのBB状態であるか否かの判定を行う。BB状態ではない場合には、ステップSf1102にてベット数が3であるか否かを判定する。また、BB状態である場合には、ステップSf1103にてベット数が3であるか否かを判定する。すなわち、ステップSf1101~ステップSf1103の処理は、上記ステップSf601~ステップSf603の処理に対応する処理であり、遊技状態に対応付けられて規定されている一の特定規定数であるか否かを判定する処理である。特定規定数ではない場合には、ステップSf1104以降の表示モード用の処理(指示機能用の処理)を行うことなく入賞結果対応処理を終了する。
ステップSf1102又はステップSf1103にて肯定判定し、ベット数が特定規定数である場合には、ステップSf1104に進む。ステップSf1104では、前兆フラグがセットされているか否かを判定する。前兆フラグがセットされている場合とは、ATモード移行抽選やCZモード移行抽選に当選した後、未だこれらの移行抽選に当選したことの報知が行われていない状況であることを意味する。この場合、ステップSf1105にて、前兆モード用処理を実行してから、入賞結果対応処理を終了する。
一方、ステップSf1104にて前兆フラグがセットされていない場合、ステップSf1106にてCZモードフラグがセットされているか否かを判定する。CZモードフラグがセットされており、CZモード中である場合には、ステップSf1107にてCZモード用処理を実行してから、入賞結果対応処理を終了する。
ステップSf1106にてCZモードフラグがセットされていない場合、ステップSf1108にてATモードフラグがセットされているか否かを判定する。ATモードフラグがセットされており、ATモード中である場合には、ステップSf1109にてATモード用処理を実行してから、入賞結果対応処理を終了する。ステップSf1108にて否定判定した場合には、そのまま入賞結果対応処理を終了する。
以下、前兆モード用処理、CZモード用処理、ATモード用処理について、それぞれ説明する。
<前兆モード用処理>
前兆モード用処理では、図475に示すように、ステップSf1201にて前兆カウンタを1減算する処理を実行する。そして、ステップSf1202にて前兆カウンタが0となったか否かを判定し、0となっていない場合には、そのまま前兆モード用処理を終了する。前兆カウンタが0となっている場合には、ステップSf1203にて前兆フラグをクリアする処理を実行する。
続くステップSf1204では、ATモード当選フラグがセットされているか否かを判定することで、今回の前兆モードがATモード移行抽選に当選したことに基づいて移行したものであったか否かを把握する。ATモード当選フラグがセットされておらず、今回の前兆モードがCZモード移行抽選に当選したことに基づくものであった場合、ステップSf1205に進む。ステップSf1205では、CZモード当選フラグをクリアする処理を実行する。そして、ステップSf1206にてCZモードフラグをセットし、ステップSf1207にて各種カウンタエリア106eに設けられたCZゲームカウンタに所定数としての10を入力する処理を実行する。CZゲームカウンタはCZモードの残りゲーム数をCPU102が把握するためのカウンタであり、CZモードにおいて1ゲーム消化する度に1ずつ減算されるカウンタである。その後、ステップSf1208にてCZ開始コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本前兆モード用処理を終了する。CZ開始コマンドを受信した表示制御装置81は、CZモード移行抽選に当選したことの報知とともに、CZモードが開始されることの報知が補助表示部65やスピーカ64にて行われるように制御する。
ステップSf1204にてATモード当選フラグがセットされており、今回の前兆モードがATモード移行抽選に当選したことに基づく前兆モードであった場合、ステップSf1209にて、ATモード当選フラグをクリアする処理を実行する。そして、ステップSf1210にて、各種フラグ格納エリア106dにATモードフラグをセットする処理を実行する。続くステップSf1211では、継続率設定処理を実行する。上記の通り、本実施形態におけるATモードは所定数のゲーム数を1セットとするセット管理型のATモードであり、残りセット数が存在しない状況(ATセットカウンタが0である状況)でセットの継続抽選に非当選となるまでATモードが継続する構成としており、ステップSf1211の継続率設定処理は継続抽選の当選確率(継続率)を設定する処理である。
本実施形態では、図476に示すように、当選確率の設定処理にて設定される設定値に応じて、複数設けられた継続率(90%、60%、10%)の選択率が異なるように設定されており、ステップSf1211では、当該設定値に基づいて、いずれの継続率を選択するかを抽選により決定する。具体的には、基本的には設定値が高いほど(出玉率が高くなる設定値ほど)高い継続率が選択され易くなるように設定されており、例えば、60%の継続率は設定1では30%の確率で選択されるのに対して、設定6では70%の確率で選択される。但し、90%の継続率は奇数設定の方が偶数設定よりも選択され易くなっており、最も選択され易い設定値は設定5である。そして、90%の継続率を選択した場合には、各種フラグ格納エリア106dに90%フラグをセットし、60%の継続率を選択した場合には、各種フラグ格納エリア106dに60%フラグをセットし、10%の継続率を選択した場合には、各種フラグ格納エリア106dに10%フラグをセットする。これら各継続率を示す情報(90%フラグ、60%フラグ、10%フラグ)は、今回移行するATモードが終了する際にクリアされるフラグである。つまり、一旦、ATモードの継続率が設定された場合には、当該ATモードが終了するまで、その継続率にて各セットの継続抽選が行われる構成としている。
ステップSf1211にて継続率設定処理を実行した後は、ステップSf1212にてATゲームカウンタに18を入力する処理を実行する。上記の通り、ATゲームカウンタは、ATモードの1セットが終了するまでのゲーム数をCPU102が把握するためのカウンタであり、1ゲーム消化する度に1ずつ減算されるカウンタである。そして、ATゲームカウンタが0となった場合に継続条件が成立していれば、再度ATゲームカウンタに所定数である18が入力され、ATゲームカウンタが0となった場合に継続条件が成立していなければ、ATモードが終了することになる。
その後、ステップSf1212にて、AT開始コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行し、前兆モード用処理を終了する。AT開始コマンドを受信した表示制御装置81は、ATモードが開始されることに対応する演出を補助表示部65やスピーカ64にて行うように制御する。
<CZモード用処理>
CZモード用処理では、図477のフローチャートに示すように、ステップSf1301にてCZゲームカウンタを1減算する処理を実行する。続くステップSf1302では、ステップSf1301の処理結果に基づいて、CZゲームカウンタが0となったか否かを判定する。CZゲームカウンタが0となっていない場合には、そのままCZモード用処理を終了する。
CZゲームカウンタが0となっている場合には、ステップSf1303にてCZモードフラグをクリアする処理を実行する。その後、ステップSf1304にてCZ終了コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本CZモード用処理を終了する。CZ終了コマンドを受信した表示制御装置81では、CZモードが終了したことの報知が補助表示部65やスピーカ64にて行われるように制御する。なお、既に説明した通り、CZモード中にATモード移行抽選に当選した場合、CZモードはその時点で終了し、前兆モードに移行する構成としている。そのため、ステップSf1303にてCZモードフラグがクリアされることによってCZモードが終了する場合とは、CZモード中にATモード移行抽選に当選しなかったことを意味する。
<ATモード用処理>
ATモード用処理では、図478のフローチャートに示すように、ステップSf1401にてATゲームカウンタを1減算する処理を実行する。続くステップSf1402では、ステップSf1401の処理結果に基づいて、ATゲームカウンタが0となったか否かを判定する。ATゲームカウンタが0となっていない場合には、そのままATモード用処理を終了する。
ATゲームカウンタが0となっている場合には、ステップSf1403にて継続フラグがセットされているか否かを判定する。継続フラグがセットされており、継続条件が成立している場合、次のセットに移行させるための処理(ステップSf1404~ステップSf1406)を実行する。これに対して、ステップSf1403にて継続フラグがセットされていない場合には、ATモードを終了させるための処理(ステップSf1407~ステップSf1410)を実行する。
ステップSf1403にて継続条件が成立している場合、ステップSf1404にて継続フラグをクリアする処理を実行する。そして、ステップSf1404にてATゲームカウンタに18を入力する処理を実行し、ステップSf1406にてセット更新コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本ATモード用処理を終了する。セット更新コマンドを受信した表示制御装置81は、ATモードのセットの移行が行われたことに対応させて補助表示部65やスピーカ64の演出を更新するための処理を実行する。
一方、ステップSf1403にて継続条件が成立していない場合、ステップSf1407にてATモードフラグをクリアし、ステップSf1408にて継続率の情報(90%フラグ、60%フラグ、10%フラグ)をクリアする処理を実行する。そして、ステップSf1409にて各種フラグ格納エリア106dにATモード終了フラグをセットする処理を実行する。その後、ステップSf1410にてAT終了コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本ATモード用処理を終了する。ATモード終了フラグは、ATモード終了に際して、有利区間を終了させるためのフラグである。ATモード終了コマンドを受信した表示制御装置81は、ATモードが終了したことに対応する演出を行うように補助表示部65やスピーカ64を制御する。
<有利区間の管理>
次に、区間表示器としての第8表示用セグメントN8を制御したり、有利区間へ移行させたり有利区間を終了させるための、区間表示第1処理、及び区間表示第2処理について説明する。
<区間表示第1処理>
先ず、区間表示第1処理について、図479を参照しながら説明する。区間表示第1処理は、抽選処理(図458)におけるステップSf314にて実施される処理であり、スタートレバー41の操作に基づいて当該ゲームの抽選結果が決定されるとともに、当該抽選結果に基づいて表示モードの移行抽選等(抽選結果対応処理)が行われた後に実施される。
ステップSf1501では、区間表示器としての第8表示用セグメントN8が表示中であるか否か、より詳しくは、第8表示用セグメントN8を点灯中か否かを判定する。既に説明した通り、第8表示用セグメントN8を点灯中である場合とは、有利区間のうち、少なくとも押し順報知が発生し得る報知条件が成立している特定区間である場合を示している。ステップSf1501にて否定判定し、第8表示用セグメントN8を消灯中であると判定した場合、ステップSf1502に進む。
ステップSf1502では、各種フラグ格納エリア106dに有利区間当選ゲームフラグがセットされているか否かを判定する。有利区間当選ゲームフラグは、有利区間移行抽選処理において有利区間移行抽選に当選した場合にセットされるフラグであり、その当選ゲームであることをCPU102が特定するためのフラグである。有利区間当選ゲームフラグがセットされている場合、ステップSf1503にて有利区間当選ゲームフラグをクリアする処理を実行する。そして、ステップSf1504にて有利区間フラグをセットする処理を実行する。
ステップSf1505では、有利区間中のゲーム数のカウント、より詳しくは、各種カウンタエリア106eの有利区間ゲーム数AGの計測を開始する処理を行う。有利区間ゲーム数AGは、有利区間の実行ゲーム数を把握する把握手段に相当するものである。そして、ステップSf1506にて、有利区間移行時処理を実行する。有利区間移行時処理は、今回移行させる有利区間の状態や有利度を設定する処理である。具体的には、有利区間移行時処理では、上記の天井カウンタを抽選等により設定し、有利区間移行後、ATモード移行抽選に当選することなくATモードへの移行を許容する天井ゲーム数の設定を行う。天井カウンタの抽選は、例えば、設定値や当該ゲームの抽選結果等を利用して行うとよく、高設定ほど短い天井ゲーム数が選択され易くなるようにしたり、奇数設定よりも偶数設定の方が短い天井ゲーム数が選択され易くなるようにしたり、今回のゲームの抽選結果として当選しにくい結果ほど、短い天井ゲーム数が選択され易くなるようにするとよい。そして、抽選により決定した天井ゲーム数に相当する値を天井カウンタに入力するとよく、例えば、天井カウンタに対応する情報を含む天井コマンドを表示制御装置81へ出力することで、天井ゲーム数を示唆する演出が補助表示部65やスピーカ64にて行われる構成としてもよい。
区間表示第1処理において、ステップSf1506にて有利区間移行時処理を実行した後は、ステップSf1507にて、第8表示用セグメントN8を点灯させることにより区間表示器の表示を開始する。
ステップSf1501にて区間表示器としての第8表示用セグメントN8を表示中であると判定した場合、ステップSf1508にて、有利区間中の表示を継続する処理を実行する。ステップSf1508について具体的には、第8表示用セグメントN8が点灯状態である状況を継続させるための処理を行う。すなわち、区間表示器の表示を終了するための処理は、本区間表示第1処理では実施しない。
ステップSf1502にて有利区間当選ゲームフラグがセットされていないと判定した場合、ステップSf1507にて表示開始処理を実行した後、又はステップSf1508の表示継続処理を実行した後は、ステップSf1509にてATモードフラグがセットされているか否かを判定する。ステップSf1509にていずれのATモードフラグもセットされていないと判定した場合は、ステップSf1510にて、各種カウンタエリア106eに設けられた役比第1カウンタに1を加算する処理を実行する。役比第1カウンタは、押し順報知が発生しないゲーム数、すなわち、通常区間と非特定区間のゲーム数をカウントするためのカウンタである。
これに対して、ステップSf1509にていずれかのATモードフラグがセットされていると判定した場合、ステップSf1511にて、各種カウンタエリア106eに設けられた役比第2カウンタに1を加算する処理を実行する。役比第2カウンタは、押し順報知が発生可能なゲーム数、すなわち、特定区間のゲーム数をカウントするためのカウンタである。
ステップSf1510又はステップSf1511の処理を実行した後は、ステップSf1512にて役比算出処理を実行する。かかる処理では、役比第2カウンタの値を役比第1カウンタと役比第2カウンタとの加算値(全ゲーム数)で除算する処理を行う。すなわち、役比算出処理は、全ゲーム数のうち、押し順報知が発生し得るゲーム数の割合を算出する処理である。そして、ステップSf1513にて、ステップSf1512の演算処理結果が役比モニタ77にて表示されるようにするための処理を実行する。
図444に示すように、役比モニタ77は、7つの表示用セグメントからなる7セグ表示部を複数有している。具体的には、役比モニタ77は、7セグ表示部としての第1表示部77a、第2表示部77b、第3表示部77c、第4表示部77d、第5表示部77eを有している。第1表示部77a~第5表示部77eにおける表示用セグメントは、指示モニタ68の表示用セグメントN1~N7と同様に、LEDからなる個別の光源を有しており、それら個別の光源がオンオフ制御されることで、任意の1個の表示用セグメントのみを点灯させることができるとともに、任意の組み合わせの表示用セグメントを点灯させることができる。これにより、役比モニタ77は、それぞれ個別に所定の記号(アルファベットや数字を含む)が表示されるようになっており、特に、役比モニタ77では、5桁の数字を表示可能となっている。
ステップSf1513では、ステップSf1512の演算処理の結果を役比モニタ77に出力するとともに、役比モニタ77にて、4桁の数字が表示されるように役比モニタ77における各表示部77a~77eの表示制御を行う。具体的には、全ゲーム数のうち、押し順報知が発生し得るゲーム数の割合として、例えば、「0.5012」といったように、1よりも小さい数であって、小数点以下4桁までの数字が役比モニタ77にて表示される。ステップSf1513の処理を実行した後は、区間表示第1処理を終了する。
なお、ステップSf1512の演算処理において小数点以下第5桁の数字を四捨五入する処理を行ったうえで、役比モニタ77の表示制御を行う構成としてもよい。また、役比モニタ77のうち、第1表示部77aは、基本的には「0」が表示されるため、第1表示部77aを有さないようにしたり、第1表示部77aを印刷等によって「0」との表示が常にされる構成としてもよい。また、第1表示部77aと第2表示部77bとの間に、小数点が印刷等により表示される構成とするとよい。
<区間表示第2処理>
次に、区間表示第2処理について、図480のフローチャートを参照しながら説明する。既に説明したとおり、区間表示第2処理は、リール制御処理のステップSf416にて実施される処理であり、1ゲームの終了に際して、メダルの払出(払出判定処理)及び入賞結果に基づく遊技状態の移行等(入賞結果対応処理)が行われてから実施される。
ステップSf1601では、有利区間フラグがセットされているか否かを判定する。セットされていない場合には、そのまま区間表示第2処理を終了する。有利区間フラグがセットされている場合には、ステップSf1602にて、有利区間中のゲーム数をカウントする処理を実行する。具体的には、上記有利区間ゲーム数AGを1加算する処理を行う。続くステップSf1603では、各種カウンタエリア106eに設けられた有利区間増減枚数MY(MYカウンタ)の更新処理を実行する。
ステップSf1603のMY更新処理では、今回のゲームの遊技結果がいずれかの再遊技入賞ではないことを条件として、払出枚数から投入枚数(ベット数)を減算し、その減算結果を有利区間増減枚数MYに加算することによって、有利区間増減枚数MYの更新を行う。
ステップSf1603のMY更新処理を実行した後は、ステップSf1604にて、残ゲーム数管理処理を実行し、続くステップSf1605にて、残枚数管理処理を実行する。残ゲーム数管理処理は、ATモードの残りゲーム数等に基づき、現状の残りゲーム数で有利区間が上限ゲーム数(1500ゲーム)に達する状況となっているか否かの管理を行うための処理である。残ゲーム数管理処理では、例えば、有利区間ゲーム数AG(有利区間の消化ゲーム数)と、ATゲームカウンタ(ATモードの残りゲーム数)との合計が、有利区間の上限ゲーム数より多い状況か否かを把握する。そして、そのような状況であれば、その状況を特定するためのフラグとして、各種フラグ格納エリア106dに第1超過フラグをセットする。また、残枚数管理処理は、ATモードの残りゲーム数等に基づき、現状の残りゲーム数で有利区間が上限増加数(2400枚)に達する状況となっているか否かの管理を行うための処理である。残払出枚数管理処理では、例えば、ATゲームカウンタとATモード中の1ゲーム当たりの平均増加枚数とから算出される期待増加枚数と、現状の有利区間増減枚数MYとの合計が有利区間の増減枚数より多い状況か否かを把握する。そして、そのような状況であれば、その状況を特定するためのフラグとして、各種フラグ格納エリア106dに第2超過フラグをセットする。
残ゲーム数管理処理、残枚数管理処理を実行した後は、ステップSf1606にて、上記有利区間ゲーム数AGが上限ゲーム数である1500に達したか否か、又は有利区間増減枚数MYが上限増加数である2400以上となったか否かを判定する。これらいずれかの強制終了条件が成立している場合には、ステップSf1607にて、有利区間ゲーム数AG及び有利区間増減枚数MYを0にクリアする。続くステップSf1608では、区間表示器としての第8表示用セグメントN8の表示を終了させる処理を行う。そして、ステップSf1609にて、有利区間中の各種フラグやカウンタ等のパラメータ、情報を初期化する処理を実行してから、本区間表示第2処理を終了する。
ステップSf1609の有利区間用情報の初期化処理について、具体的には、今回の有利区間への移行に際して設定されたフラグやカウンタ、及び、今回の有利区間中に設定されたフラグやカウンタを初期値に戻す処理を実行する。例えば、有利区間フラグや、各種ATモードフラグ等がクリアされておらずセットされていれば、これらのフラグをクリアする。さらに、有利区間ゲーム数AGや有利区間増減枚数MY、ATモードの継続ゲーム数用のカウンタ、AT準備カウンタ等が0より大きければ、これらのカウンタを全て0にリセットする。つまり、本有利区間用情報の初期化処理では、押し順報知を用いた有利な状態としての有利区間に関し、押し順報知に係る性能に及ぼす全ての変数乃至パラメータを初期化するものであり、かかる変数乃至パラメータに関してRAMクリアを行う処理である。
ステップSf1606にて有利区間ゲーム数AGが上限値に達しておらず、且つ有利区間増減枚数MYが上限増加数に達していないと判定した場合は、ステップSf1610に進み、ATモード終了フラグがセットされているか否かを判定する。ATモード終了フラグがセットされている場合、ステップSf1607に進み、有利区間終了用の処理を実行する。ATモード終了フラグがセットされていない場合、そのまま有利区間終了用の処理を実行する。
<演出設定処理>
表示制御装置81のCPU181にて実行される演出設定処理について、図481のフローチャートに基づき説明する。演出設定処理は、CPU181により所定周期(例えば、2msec周期)で起動される処理である。
演出設定処理では、先ずステップSf1701にて、主制御装置101から新たなコマンドを受信したか否かを判定する。新たなコマンドを受信している場合には、ステップSf1702にて、受信したコマンドをRAM183に格納する処理を実行する。RAM183にはコマンド格納エリアが設けられており、当該コマンド格納エリアは、複数のコマンドを個別に記憶可能であって先に記憶したコマンドから読み出し可能なリングバッファとして構成されている。
ステップSf1701にて否定判定した場合、又はステップSf1702の処理を実行した後は、ステップSf1703にて、新たに受信したコマンドが、ベット時コマンドであったか否かを判定する。ベット時コマンドとは、ベット操作が行われたことに基づいて主制御装置101から出力されるコマンドであり、通常処理のステップSf206にてセットされるベットコマンド等である。ベット時コマンドである場合には、ステップSf1704にて今回のベット操作に基づく演出設定を行うためのベット時演出設定処理を実行する。
ステップSf1703にて否定判定した場合、又はステップSf1704の処理を実行した後は、ステップSf1705にて、新たに受信したコマンドが、開始時コマンドであったか否かを判定する。開始時コマンドとは、スタートレバー41の操作が行われたことに基づいて主制御装置101から出力されるコマンドであり、抽選処理のステップSf311にてセットされる抽選結果コマンドの他、抽選結果対応処理(図466)等にてセットされる前兆コマンド、継続コマンド、セット上乗せコマンド及び押し順報知コマンド等がある。これらの開始時コマンドである場合には、ステップSf1706にて開始時演出設定処理を実行する。
開始時演出設定処理では、開始時コマンドに基づいて、前兆モードやCZモード、ATモード等へ移行する場合の演出設定を行ったり、今回開始するゲームで実行する演出(例えば上乗せ報知演出等)を設定するための処理を実行する。
ステップSf1705にて否定判定した場合、又はステップSf1706の処理を実行した後は、ステップSf1707にて、新たに受信したコマンドが、各停止操作時コマンドであったか否かを判定する。各停止操作時コマンドとは、各リール32L,32M,32Rのそれぞれの停止操作が行われたことに基づいて主制御装置101から出力されるコマンドであり、リール制御処理(図461)のステップSf406にてセットされる停止指令コマンドである。かかる各停止操作時コマンドとしての停止指令コマンドである場合には、ステップSf1708にて今回の停止操作に基づく演出設定を行うための各停止操作時演出設定処理を実行する。
ステップSf1707にて否定判定した場合、又はステップSf1708の処理を実行した後は、ステップSf1709にて、新たに受信したコマンドが、全停止時コマンドであるか否かを判定する。全停止時コマンドとは、全リール32L,32M,32Rが停止したことに基づいて主制御装置101から出力されるコマンドであり、リール制御処理(図461)のステップSf419にてセットされる入賞結果コマンドの他、ボーナス状態処理(図463)や入賞結果対応処理(図474)等にてセットされる第1BB開始コマンド、第2BB開始コマンド、第1BB終了コマンド、第2BB終了コマンド、CZ開始コマンド、AT開始コマンド、CZ終了コマンド、セット更新コマンド、AT終了コマンド等がある。これらの全停止時コマンドである場合には、ステップSf1710にて全停止時演出設定処理を実行する。
全停止時演出設定処理では、全停止時コマンドに基づいて、前兆モードやCZモード、ATモード等を終了させる場合の演出設定を行ったり、次ゲームからこれらのモード移行が生じる場合の演出設定を行ったり、ゲームの終了に際して実行する演出を設定するための処理を実行する。
ステップSf1709にて否定判定した場合、又はステップSf1710の処理を実行した後は、ステップSf1711にて、その他の処理を実行してから、演出設定処理を終了する。ステップSf1711では、上記の各演出設定処理にて設定された各種演出が、対応するタイミングにて実行されるように補助表示部65やスピーカ64等を制御する。また、ステップSf1711では、ベット時、開始時、停止時以外の主制御装置101からの指令に基づく演出(例えば、精算スイッチ59の操作に基づく演出等)の設定や、主制御装置101を介さずに接続されたセンサ(演出スイッチ検出センサ等)からの信号に基づく演出の設定、エラー報知用の設定等を行う。
このように、本実施形態では、非内部状態において、2ベットゲームにて第2BBに当選して内部状態とした後、3ベットゲーム第2BB当選を持ち越したまま行う通常遊技において、通常区間から有利区間移行抽選を経て有利区間に移行し、当該有利区間においてATモード移行抽選に当選することでATモードへの移行が生じて多くのメダル獲得を期待できるようにしている。
但し、仮に、上記の第2BB当選を持ち越している状況において、3ベットゲームではなく2ベットゲームにて遊技を行うと、第2BB入賞が成立し得るようになるだけではなく、指示機能に関する処理として、例えば、ATモード等の移行抽選や上乗せ抽選等が実行されなくなり、遊技者にとって不利な状況が生じ得る。このような意図するベット数とは異なるベット数となってしまう状況は、例えば、第1クレジット投入スイッチ56を操作することなくメダル投入口45からメダルを投入することでゲームのベット設定を行う場合に生じ得る他、第1クレジット投入スイッチ56の操作に基づいてベット設定を行う処理においてノイズ等によっても生じ得る。
そこで、本実施形態では、ベット数の設定用の処理において、上記の不都合等を解消するための工夫を施している。
<ベット数と遊技の進行状況を報知するための構成>
まず、ゲームで設定されるベット数を報知するための構成と、ゲームの進行状況を報知するための構成について説明する。
図440に示すように、遊技パネル25には、表示窓26L,26M,26Rの左方にベット表示部34が設けられており、表示窓26L,26M,26Rの左下方にはBET表示部75が設けられている。
BET表示部75は、図482(b)に示すように、第1BET表示部75a、第2BET表示部75b、第3BET表示部75cを有している。いずれの表示部75a~75cも点灯状態(又は点滅状態)と消灯状態とに切り替わり可能に構成されており、点灯状態とされるBET表示部75a~75cによって、ベット数が報知される。例えば、BET表示部75のうち、第1BET表示部75aと第2BET表示部75bとが点灯状態であって第3BET表示部75cが消灯状態の場合には2枚のベットが行われていることを意味し、また、全てのBET表示部75a~75cが点灯状態の場合には3枚のベットが行われていることを意味する。
ベット表示部34も、図440に示すように、第1ベット表示部34a、第2ベット表示部34b、第3ベット表示部34cを有しており、いずれのベット表示部34a~34cも点灯状態(又は点滅状態)と消灯状態とに切り替わり可能に構成されている。そして、点灯状態とされるベット表示部34a~34cによって、ベット数が報知される点も上記のBET表示部75と同じである。
但し、図454に示すように、BET表示部75は主制御装置101に接続されており、ベット表示部34は表示制御装置81に接続されており、BET表示部75が主制御装置101側のCPU102にて制御されるのに対して、ベット表示部34は表示制御装置81側のCPU181にて制御される点で相違している。また、図440に示すように、BET表示部75よりもベット表示部34の方が、遊技パネル25において、各表示部34,75が点灯状態となった場合に光を透過する領域の面積が大きく設定されており、BET表示部75よりもベット表示部34の方が遊技者の目を引き易い(把握し易い)ように設定されている。なお、BET表示部75よりもベット表示部34の方が、遊技者の目を引き易い(遊技者が把握し易い)構成であればよく、点灯状態となった場合の輝度や光量が多くなるようにしてもよいし、ベット表示部34を動作可能な役物等により構成されるものとしてもよいし、ベット表示部34によるベット数の表示が補助表示部65にて行われる構成としてもよい。
ゲームの進行状況は、遊技状態表示部76にて放置される。遊技状態表示部76は、図440に示すように、BET表示部75と同様に、ベット表示部34や第1クレジット投入スイッチ56よりも小さい表示部である。遊技状態表示部76は、図454及び図482(a)に示すように、再遊技状態表示部76aと、開始可能状態表示部76bと、受入可能状態表示部76cとを有しており、いずれの表示部76a~76cも内部に設けられたLEDを制御することによって点灯状態と消灯状態とに切り替わり可能に構成されている。再遊技状態表示部76aは、今回のゲームのベット数と同数のベット数にて次のゲームを実行可能となる再遊技状態に設定されていることを報知するためのものであり、再遊技状態に設定された場合に点灯状態とされ、再遊技状態に設定されたゲームが終了すると消灯状態とされる。開始可能状態表示部76bは、ゲームの開始操作を受付可能な開始可能状態となったことを報知するためのものであり、開始状態に設定された場合に点灯状態とされ、開始可能状態にて開始操作を受け付けた場合に消灯状態とされる。受入可能状態表示部76cは、メダル投入口45からのメダルの投入が可能な受入可能状態であることを報知するためのものであり、受入可能状態である場合に点灯状態とされ、メダルの投入を受け付けない場合に消灯状態とされる。受入可能状態表示部76cについてより詳しくは、メダル投入口45から投入したメダルが貯留用通路47側に導かれるメダル通路切替ソレノイド46aの励磁時は点灯状態となり、排出用通路48側に導かれるメダル通路切替ソレノイド46aの非励磁時は消灯状態となる。
<開始待ち処理>
ゲームのベット数は、通常処理(図457)における開始待ち処理(ステップSf204)にて設定される。そこで、図483のフローチャートを参照しながら、本実施形態における開始待ち処理について説明する。
開始待ち処理では、先ず、ステップSf1801にて、再遊技状態用処理を実行する。再遊技状態用処理は、前回のゲームでいずれかの再遊技入賞が成立したか否かを判定し、いずれかの再遊技入賞が成立していた場合には、前回のゲームのベット数と同数の仮想メダルを自動投入する自動投入処理を行う。具体的には、例えば、3ベットゲームにて再遊技入賞が成立した場合には3枚の仮想メダルを自動投入する処理を行い、2ベットゲームにて再遊技入賞が成立した場合には2枚の仮想メダルを自動投入する処理を行う。そして、自動投入処理に際して、BET表示部75及びベット表示部34を今回のベット数に応じて点灯状態とする処理を実行する。具体的には、例えば、3枚の仮想メダルを自動投入する場合には、第1BET表示部75a→第2BET表示部75b→第3BET表示部75cを順次、間隔を隔てて点灯状態とする処理を実行し、更に表示制御装置81へコマンド出力することによって、第1ベット表示部34a→第2ベット表示部34b→第3ベット表示部34cを順次点灯状態とさせる。また、各ベット表示部34a~34cを点灯状態とする際にベット時効果音がスピーカ64から出力されるように制御する。なお、BET表示部75を順次点灯状態とする場合の間隔と、ベット表示部34を順次点灯状態とする場合の間隔とが異なっていてもよく、BET表示部75の間隔のほうがベット表示部34の間隔よりも短くてもよく、BET表示部75は自動投入するベット数に対応する表示部を同時に点灯状態とする一方、ベット表示部34は間隔を隔てて順次点灯状態とする構成としてもよい。
ちなみに、本自動投入処理では、クレジット表示部60に表示された仮想メダル数を減じることなく仮想メダルの投入を行う。つまり、前回の遊技でいずれかの再遊技入賞が成立した場合には、遊技者は所有するメダルを減らすことなく且つメダルを投入することなく今回の遊技を行うことができる。自動投入処理にて投入された仮想メダル数は各種カウンタエリア106eに設けられた再遊後投入枚数カウンタに入力される。そのため、CPU102は、今回のゲームのベット数を再遊技投入枚数カウンタの値から把握することができるとともに、今回のゲームが再遊技入賞に基づいて付与される再遊技に対応するゲームであることを再遊技投入枚数カウンタから把握することが可能である。
ステップSf1801にて再遊技状態用処理を実行した後は、ステップSf1802にて上記の再遊技投入枚数カウンタが0であるか否かを判定する。再遊技投入枚数カウンタが0である場合とは、前回のゲームにて再遊技入賞が成立しておらず、今回のゲームが再遊技入賞に基づいて付与される再遊技に対応するゲームではないことを意味する。ステップSf1802にて再遊技投入枚数カウンタが0ではなく、今回のゲームが再遊技に対応するゲームである場合、ステップSf1803にて再遊技状態表示部76aを点灯状態とする処理を実行する。これにより、今回のゲームが前回のゲームにおいて再遊技入賞したことによって実行可能となったゲームであることを、遊技者や遊技ホールの管理者等が把握することが可能となる。ちなみに、当該再遊技状態表示部76aは、今回のゲームの終了に際して、例えば払出判定処理(ステップSf413)にて消灯状態とされる。
ステップSf1802にて再遊技投入枚数カウンタが0である場合、又はステップSf1803の処理を実行した後は、ステップSf1804にて貯留メダル精算処理を実行する。貯留メダル精算処理は、クレジットされた仮想メダルを返却するための処理であり、精算スイッチ59が操作されたか否かを判定し、精算スイッチ59が操作された場合には、クレジットされた仮想メダルと同数のメダルを払い出すようにホッパ装置51を制御する。
貯留メダル精算処理を実行した後は、ステップSf1805にて、BET操作対応処理を実行する。
<BET操作対応処理>
BET操作対応処理について、図484に示すフローチャートを参照しながら説明する。
ステップSf1901では、各種カウンタエリア106eに設けられた投入上限カウンタに「2」を入力する処理を実行する。投入上限カウンタは、遊技状態に応じて設定されている特定規定枚数に対応するものである。上記の通り、本実施形態では、遊技状態に応じて、遊技可能な規定枚数が設定されており、各BB状態では規定枚数は「2」であり、BB状態以外の状態であって、いずれのBB当選も持ち越していない非内部状態(非持ち越し状態)や、いずれかのBB当選を持ち越している内部状態(持ち越し状態)である場合の規定枚数は「2」及び「3」である。特定規定枚数は、これらの規定枚数のうち、第1クレジット投入スイッチ56が操作された場合に設定されるベット数であり、BB状態では「2」が設定されており、非内部状態では「2」、内部状態では「3」が設定されている。
そこで、上記のようにステップSf1901にて投入上限カウンタに「2」を入力した後、ステップSf1902にて遊技状態が内部状態であるか否かを判定し、内部状態である場合には、ステップSf1903にて投入上限カウンタに「3」を再入力する処理を実行する。
ステップSf1902にてBB状態や非内部状態である場合(投入上限カウンタ=「2」)、又はステップSf1903にて投入上限カウンタに「3」を入力した後は、ステップSf1904に進む。ステップSf1904では、各種カウンタエリア106eに設けられた投入前ベットカウンタの値が上記の投入上限カウンタよりも小さい値であるか否かを判定する。投入前ベットカウンタは、今回のBET操作対応処理の実行前のベット数を示すカウンタであり、ステップSf1904にて肯定判定する場合(投入前ベットカウンタ<投入上限カウンタ)とは、未だベット数が特定規定枚数に達していないことを意味する。投入前ベットカウンタが投入上限カウンタ未満である場合、ステップSf1905にて、遊技状態表示部76に設けられている受入可能状態表示部76cを点灯状態とする処理を実行する。受入可能状態表示部76cを点灯状態とすることにより、メダル投入や第1クレジット投入スイッチ56等の操作によるベット操作(賭数操作)が可能な状態であることが示される。そして、ステップSf1906にて、表示制御装置81にコマンド出力することにより、表示制御装置81に接続され、第1クレジット投入スイッチ56に内蔵されている第1クレジットランプ56bを点灯状態とする処理を実行する。なお、第1クレジット投入スイッチ56の押下面は、光透過性を有する樹脂にて形成されており、その押下面の下方に設けられた第1クレジットランプ56bを点灯状態とすることで、第1クレジット投入スイッチ56の押下面が光って見えるようになり、第1クレジット投入スイッチ56の操作が可能な状態であることが示されるとともに、第1クレジット投入スイッチ56の操作が促されるようになる。
ステップSf1904にて投入前ベットカウンタが投入上限カウンタに達していると判定した場合、又はステップSf1906の処理を実行した後は、ステップSf1905にて、メダル投入監視処理を実行する。メダル投入監視処理は、メダル投入口45からメダルが投入されたことに基づいてベットを設定したり、余剰分をクレジットに貯留するための処理である。
<メダル投入監視処理>
ステップSf1905のメダル投入監視処理について、図485のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップSf2001では、ゲート判定処理を実行する。ゲート判定処理では、メダル投入口45とメダル通路切替ソレノイド46aとの間に設けられた投入メダル検出センサ45aの検知結果に基づいて、メダルが投入されたか否かを判定する。なお、本実施形態では、投入メダル検出センサ45aは複数(2つ)設けられており、これら複数の投入メダル検出センサ45aの検知結果の組み合わせによって、メダルが投入されたことの他、当該メダルが通過したことや、通過途中で詰まったこと等を把握することが可能である。そして、ステップSf2001のゲート判定処理では、メダル詰まりが発生した場合には、エラー処理を実行する。
ステップSf2002では、ステップSf2001の処理結果に基づいて、メダルが投入されたか否かを判定する。メダルが投入されていない場合には、そのままメダル投入監視処理を終了する。ステップSf2002にてメダルが投入されたと判定した場合、ステップSf2003にて投入前ベットカウンタの値が上記の投入上限カウンタよりも小さい値であるか否かを判定する。
ステップSf2003にて肯定判定し、特定規定枚数に達していない状況でメダルが投入された場合、ステップSf2004に進み、各種カウンタエリア106eに設けられた投入後ベットカウンタを1加算する処理を実行する。投入後ベットカウンタは、今回のBET操作対応処理の実行後のベット数を示すカウンタである。そして、ステップSf2005にてベット増加用処理を実行する。ステップSf2005のベット増加用処理では、BET表示部75を、今回増加させたベット数に対応させて点灯制御するとともに、ベット表示部34の表示を更新させたり、ベット時効果音を出力するためのベットコマンドを表示制御装置81へ出力する。例えば、BET表示部75のうち第1BET表示部75aが点灯しているとともに、ベット表示部34のうちの第1ベット表示部34aが点灯しており、1枚のメダルがベットされている状況でメダルが投入された場合、ステップSf2005では、第2BET表示部75bを点灯するとともに、表示制御装置81により第2ベット表示部34bを点灯させ、更にスピーカ64からベット時効果音が出力されるようにする。
続くステップSf2006では、投入前ベットカウンタに投入後ベットカウンタの値を入力する処理を実行する。そして、ステップSf2007にて、投入後ベットカウンタが投入上限カウンタに達したか否かを判定する。達していない場合には、そのまま本メダル投入監視処理を終了する。投入上限カウンタに達した場合には、ステップSf2008にて、第1クレジットランプ56bを消灯状態とする処理を実行する。続くステップSf2009では、各種カウンタエリア106eに設けられた投入前クレジットカウンタの値が上限値である「50」よりも小さいか否かを判定する。投入前クレジットカウンタは、一回のBET操作対応処理の実行前でのクレジットされている仮想メダル数を示すカウンタである。投入前クレジットカウンタが上限値である「50」に達している場合には、ステップSf2010にて受入可能状態表示部76cを消灯状態とする処理を実行し、ステップSf2011にてメダル通路切替ソレノイド46aを非励磁状態に切り替える処理を実行してから、本メダル投入監視処理を終了する。
ステップSf2003にて否定判定し、投入前ベットカウンタが投入上限カウンタに達している場合、ステップSf2012に進む。ステップSf2012では、遊技状態が非内部状態であって、且つ投入前ベットカウンタが「2」であるか否かを判定する。上記のように非内部状態においては、規定枚数が「2」と「3」が設定されており、特定規定枚数は「2」が設定されている。そのため、非内部状態において投入前ベットカウンタが投入上限カウンタに達している場合であっても、メダル投入口45からメダルを投入することによって、ベット数を3とすることが可能である。そこで、ステップSf2012にて肯定判定した場合、ステップSf2004に進み、投入後ベットカウンタを1加算する処理等を行う。
ステップSf2012にて否定判定した場合、ステップSf2013にて上記の投入前クレジットカウンタの値が上限値である「50」よりも小さいか否かを判定する。投入前クレジットカウンタが上限値未満である状況でメダルが投入された場合(ステップSf2013:YES)、ステップSf2014にて各種カウンタエリア106eに設けられた投入後クレジットカウンタを1加算する処理を実行する。投入後クレジットカウンタは、一回のBET操作対応処理の実行後でのクレジットされている仮想メダル数を示すカウンタである。そして、ステップSf2015にてクレジット増加用処理を実行する。クレジット増加用処理では、クレジット表示部60にて表示される値を1多い数に更新するとともに、表示制御装置81に対してコマンド出力することにより、スピーカ部64からクレジット増加効果音が出力されるようにする。
続くステップSf2016では、投入前クレジットカウンタに投入後クレジットカウンタの値を入力する処理を実行する。その後、ステップSf2009に進み、投入前クレジットカウンタが上限値に達していれば、受入可能状態表示部76cの消灯処理を行う等してから、本メダル投入監視処理を終了する。また、ステップSf2013にて否定判定し、投入前クレジットカウンタが上限値に達している状況でメダルが投入された場合には、そのままメダル投入監視処理を終了する。この場合、既にメダル通路切替ソレノイド46aが非励磁状態に切り替えられていることから(ステップSf2011)、メダル投入口45から投入されたメダルは、貯留用通路47ではなく排出用通路48に導かれ、メダル排出口49からメダル受け皿50へと導かれ、遊技者に返還される。
BET操作対応処理の説明に戻り、ステップSf1907にてメダル投入監視処理を実行した後は、ステップSf1908にて第1クレジット投入検出センサ56aの検知結果に基づいて、第1クレジット投入スイッチ56が操作されたか否かを判定する。第1クレジット投入スイッチ56が操作された場合、ステップSf1909~ステップSf1920にて、第1クレジット投入スイッチ56のベット操作に対応する処理を実行する。
具体的には、ステップSf1909では、投入前ベットカウンタの値が投入上限カウンタの値となっているか否かを判定する。投入前ベットカウンタの値が投入上限カウンタの値となっている場合とは、既に第1クレジット投入スイッチ56のベット操作等によって、ベットが行われた後の状況であり、この場合、そのまま本BET操作対応処理を終了する。
投入前ベットカウンタの値が投入上限カウンタの値ではない場合、ステップSf1910にて、投入前ベットカウンタの値と投入前クレジットカウンタの値とを加算した値を各種カウンタエリア106eに設けられた判定用カウンタに入力する処理を実行する。そして、ステップSf1911にて、上記判定用カウンタの値が、投入上限カウンタの値以上であるか否かを判定する。ステップSf1910及びステップSf1911の処理は、第1クレジット投入スイッチ56のベット操作により、特定規定枚数のベットを行うだけのクレジットが存在するか否かを判定する処理である。ステップSf1911にて判定用カウンタの値が投入上限カウンタの値未満である場合、今回の第1クレジット投入スイッチ56のベット操作ではベットを行うことなく、そのまま本BET操作対応処理を終了する。
判定用カウンタの値が投入上限カウンタの値以上である場合、ステップSf1911にて否定判定してステップSf1912に進む。ステップSf1912では、投入上限カウンタの値から投入前ベットカウンタの値を減算した値を、各種カウンタエリア106eに設けられた投入用カウンタに入力する処理を実行する。投入用カウンタは、今回の第1クレジット投入スイッチ56のベット操作によりベットされるベット数をCPU102が一時記憶するためのカウンタであり、例えば、特定規定枚数が3枚であって、0枚のベットが行われている状況で第1クレジット投入スイッチ56が操作されて3枚のベットが行われる場合には投入用カウンタに「3」が入力され、特定規定枚数が3枚であって、1枚のベットが行われている状況で第1クレジット投入スイッチ56が操作されて2枚のベットが行われる場合には投入用カウンタに「2」が入力される。
続くステップSf1913では、投入後クレジットカウンタから、ステップSf1912にて入力された投入用カウンタの値を減算する処理を実行する。そして、ステップSf1914にて投入後ベットカウンタに投入用カウンタの値を加算する処理を実行する。かかる処理により、通常であれば、特定規定枚数に相当する枚数のベットが行われた状態となる。
但し、例えばノイズの発生等により、本来であれば2枚のベットを行うべきところが3枚のベットが行われてしまったり、3枚のベットを行うべきところが2枚のベットが行われてしまったりするエラーの発生が考えられ、本実施形態では、このようなエラーが発生した際にそれを修正する処理が設けられている。
すなわち、ステップSf1914の処理を実行した後、ステップSf1915にて、エラーが発生していることの第1確認処理として、投入後ベットカウンタの値が投入上限カウンタの値と等しいか否かを判定する。ステップSf1915にて否定判定する場合とは、第1クレジット投入スイッチ56のベット操作によって、本来であれば特定規定枚数に相当するベットが行われた状態となるはずであったのにもかかわらず、特定規定枚数よりも多い枚数のベットが行われた状態となってしまったり少ない枚数のベットが行われた状態となってしまったりした場合である。
この場合、ステップSf1916にて、エラーを修正する第1修正処理として、投入後ベットカウンタに投入上限カウンタの値を入力する処理を実行する。これにより、特定規定枚数に相当するベットが行われた状態に修正される。そして、ステップSf1915にて肯定判定した場合、又はステップSf1916の処理を実行した後は、ステップSf1917に進み、第1貯留返却用処理を実行する。
<第1貯留返却用処理>
第1貯留返却用処理について、図486のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップSf2101では、投入前クレジットカウンタと投入後クレジットカウンタとの差分を各種カウンタエリア106eに設けられた第1差分カウンタに入力する処理を実行する。続くステップSf2102では、投入上限カウンタと投入前ベットカウンタとの差分を各種カウンタエリア106eに設けられた第2差分カウンタに入力する処理を実行する。
上記の通り、ステップSf1912では、投入上限カウンタから投入前ベットカウンタを減算した値を投入用カウンタに入力し、ステップSf1913では、投入後クレジットカウンタから投入用カウンタを減算する処理を行っており、基本的には、投入後クレジットカウンタの値は、投入前クレジットカウンタの値よりも投入用カウンタの分だけ小さい値となっている。つまり、通常であれば、第1差分カウンタの値と第2差分カウンタと値とは等しくなる。
ステップSf2103では、エラーが発生していることの第2確認処理として、第1差分カウンタの値と第2差分カウンタの値とが等しいか否かを判定する。等しい場合には、そのまま本第1貯留返却用処理を終了する。第1差分カウンタの値が第2差分カウンタの値と等しい場合とは、エラーが生じていない場合の他、例えば、2枚のベットを行うべきところを3枚のベットを行う等、多い枚数のベットを行ってしまった場合や、3枚のベットを行うべきところを2枚のベットを行う等、少ない枚数のベットを行ってしまった場合において、これらのエラーが、投入後ベットカウンタに今回のベット数(投入用カウンタ)を入力する処理(ステップSf1914)にて生じたエラーであって、今回のベット数を算出する処理(ステップSf1912)や、投入後クレジットカウンタから今回のベット数を減算する処理(ステップSf1913)ではエラーが生じていない場合が考えられる。この場合、上記のようにステップSf1916にて投入上限カウンタの値が投入後ベットカウンタに入力されており、かかるエラーは修正されている。
これに対して、ステップSf2103にて第1差分カウンタ(クレジットの減少数)の値と第2差分カウンタ(投入すべき枚数)の値とが異なると判定した場合、エラーを修正するための第2修正処理として、ステップSf2104~ステップSf2109の処理を実行する。具体的には、先ずステップSf2104にて、メダル受付を禁止する処理を実行する。ステップSf2104では、メダル通路切替ソレノイド46aを非励磁状態とするとともに、投入メダル検出センサ45aの検知状態をOFF状態としてメダルを検知しない状態とする処理を行う。
そして、ステップSf2105にて、第1差分カウンタの値が第2差分カウンタの値よりも大きいか否かを判定する。ステップSf2105にて肯定判定し、投入すべき枚数よりも多い枚数をクレジットから減算してしまっている場合には、ステップSf2106に進み、第1差分カウンタと第2差分カウンタとの差分、すなわち、正規よりも多く減算してしまった分を、投入後クレジットカウンタに加算する処理を実行する。
一方、ステップSf2105にて否定判定し、投入すべき枚数よりも少ない枚数をクレジットから減算してしまっている場合には、ステップSf2107に進み、第2差分カウンタと第1差分カウンタとの差分、すなわち、正規よりも少ない減算分を、投入後クレジットカウンタから減算する処理を実行する。
ステップSf2106又はステップSf2107の処理を実行した後は、ステップSf2108にて投入後クレジットカウンタの値を投入前クレジットカウンタに入力する処理を実行する。そして、ステップSf2109にてメダル受付を許可する処理を実行してから、本第1貯留返却用処理を終了する。ステップSf2109では、メダル通路切替ソレノイド46aを励磁状態とするとともに、投入メダル検出センサ45aの検知状態をON状態としてメダルを検知可能な状態とする処理を行う。
BET操作対応処理において、ステップSf1917にて第1貯留返却用処理を実行した後は、ステップSf1918にて投入後ベットカウンタの値を投入前ベットカウンタに入力する処理を実行する。
そして、ステップSf1919にて、ベット増加用処理を実行する。ステップSf1919のベット増加用処理では、BET表示部75を今回増加させたベット数に対応させて点灯制御するとともに、ベット表示部34の表示を更新させたり、ベット時効果音を出力するためのベットコマンドを表示制御装置81へ出力する。例えば、BET表示部75のうち第1BET表示部75a~第3BET表示部75cが消灯しているとともに、ベット表示部34のうち第1ベット表示部34a~第3ベット表示部34cが消灯しており、ベットされてない状況で第1クレジット投入スイッチ56のベット操作が行われた場合、ステップSf1919では、第1BET表示部75a、第2BET表示部75b及び第3BET表示部75cを点灯するとともに、表示制御装置81により第1ベット表示部34a、第2ベット表示部34b及び第3ベット表示部34cを点灯させ、更にスピーカ64からベット時効果音が出力されるようにする。なお、BET表示部75やベット表示部34の表示を更新する場合、ベットが徐々に行われているかのように、第1BET表示部75a(第1ベット表示部34a)→第2BET表示部75b(第2ベット表示部34b)→第3BET表示部75c(第3ベット表示部34c)を、間隔をあけて順次点灯状態とするようにし、それぞれベット時効果音が出力されるようにしてもよい。また、ベット表示部34については間隔をあけて順次点灯状態とする一方、BET表示部75については、一度に(間隔を開けずに、又はベット表示部34の間隔よりも短い間隔で)点灯状態とする構成としてもよく、この場合のベット時効果音は、ベット表示部34の点灯に合わせて出力するようにするとよい。
ここで、上記のベット増加用処理は、第1確認処理(ステップSf1915)や第1修正処理(ステップSf1916)、第2確認処理(ステップSf2103)や第2修正処理(ステップSf2104~ステップSf2109)を実行した後に、行われるようにしている。そのため、BET表示部75やベット表示部34、ベット時効果音等によって報知されるベット数は、仮にエラーが発生していたとしても各修正処理によってそのエラーが修正された後のベット数である。このようにすることで、各修正処理よりも前にベット数の報知が行われ、その後に修正処理が行われることによる遊技者の混乱を回避することが可能である。
但し、例えば、BET表示部75については、各修正処理よりも前に(例えばステップSf1914とステップSf1915の間で)、今回のベット数が報知された状態となるようにし、各修正処理が行われた後、BET表示部75の報知を修正するとともに、ベット表示部34にて今回のベット数が報知された状態となるようにしてもよい。この構成においては、BET表示部75を確認することで、今回のベット数だけではなく、今回のベット操作によってエラーが発生したこと及びそのエラーが修正されたことを遊技者や遊技ホールの管理者が把握することが可能となる。
ステップSf1919の処理を実行した後は、ステップSf1920にて、第1クレジットランプ56bを点灯状態から消灯状態に切り替える処理を実行してから、本BET操作対応処理を終了する。
ステップSf1908にて第1クレジット投入スイッチ56が操作されていないと判定した場合、ステップSf1920に進む。ステップSf1921では、第2クレジット投入検出センサ57aの検知結果に基づいて、第2クレジット投入スイッチ57が操作されたか否かを判定する。第2クレジット投入スイッチ57が操作された場合、ステップSf1922~ステップSf1930にて、第2クレジット投入スイッチ57のベット操作に対応する処理を実行する。
すなわち、ステップSf1922では、投入前ベットカウンタの値が投入上限カウンタの値と等しいか否かを判定する。ステップSf1922の処理は、ステップSf1909の処理に対応するものであり、ステップSf1922にて肯定判定した場合には、そのままBET操作対応処理を終了する。ステップSf1922にて否定判定した場合、ステップSf1923にて、投入前クレジットカウンタが0よりも大きいか否かを判定し、今回の第2クレジット投入スイッチ57の1枚のベット操作によってベットを行うだけのクレジットが存在するか否かを判定する。投入前クレジットカウンタが0である場合には、そのまま本BET操作対応処理を終了する。
投入前クレジットカウンタが0よりも大きい場合、ステップSf1924に進み、投入後クレジットカウンタから1を減算する処理を実行し、ステップSf1925にて投入後ベットカウンタに1を加算する処理を実行する。
続くステップSf1926では、第2貯留返却用処理を実行する。なお、本実施形態では、第2クレジット投入スイッチ57のベット操作時においては、ステップSf1915及びステップSf1916のように、設定した値(投入用カウンタ)とは異なる値をベットしてしまった場合の修正用処理(第1修正)を行わない構成としている。これは、第1クレジット投入スイッチ56のベット操作では、状況に応じて(操作前ベット数)ベットされる値が異なるのに対して、第2クレジット投入スイッチ57のベット操作では、状況にかかわらずベットされる値は同じであり、ベットする値を誤るエラーの発生の可能性は低いと考えられることに起因する。このようにすることで、エラー発生を適宜好適に対処しながらも処理構成の簡素化を図ることが可能となる。なお、第2クレジット投入スイッチ57のベット操作時においても、上記の第1修正を行う構成としてもよく、この場合、ステップSf1925の処理を実行した後、投入後ベットカウンタが、投入前ベットカウンタに1を加算した値となっているか否かを判定し、当該判定処理にて否定判定した場合には、投入後ベットカウンタに投入前ベットカウンタに対して1を加算した値を入力する処理を実行する構成とするとよい。
<第2貯留返却用処理>
ステップSf1926の第2貯留返却用処理について、図487のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップSf2201では、投入前クレジットカウンタと投入後クレジットカウンタとの差分を第1差分カウンタに入力する処理を実行する。かかる処理は上記ステップSf2101の処理に対応するものである。そして、ステップSf2202にて、第1差分カウンタの値が「1」であるか否かを判定し、「1」である場合にはそのまま第2貯留返却用処理を終了する。なお、ステップSf2202の処理は、第2クレジット投入スイッチ57のベット操作に基づく第2確認処理に相当する。
第1差分カウンタの値が「1」ではなく、第2クレジット投入スイッチ57のベット操作に基づいてクレジットから1枚とは異なる枚数の減算を行ってしまった場合には、第2修正処理として、ステップSf2203~ステップSf2208の処理を実行する。即ち、ステップSf2203では、ステップSf2104と同様に、メダル受付を禁止する処理を実行する。そして、ステップSf2204にて第1差分カウンタが「1」よりも大きいか否かを判定する。ステップSf2204にて肯定判定し、投入後クレジットカウンタから1枚よりも多い枚数分の減算を行ってしまっている場合には、ステップSf2205に進み、第1差分カウンタの値から1を減算した値を、投入後クレジットカウンタに加算する処理を実行する。
これに対して、ステップSf2204にて否定判定し、投入後クレジットカウンタから1枚よりも少ない枚数分の減算を行ってしまっている場合、すなわち、投入後クレジットカウンタから今回のベット操作に対応する枚数の減算を行っていない場合、ステップSf2206に進み、第1差分カウンタの値に1を加算した値を、投入後クレジットカウンタから減算する処理を実行する。
ステップSf2205又はステップSf2206の処理を実行した後は、ステップSf2207にて、投入後クレジットカウンタの値を投入前クレジットカウンタに入力する処理を実行し、ステップSf2208にてメダル受付を許可する処理を実行してから、本第2貯留返却用処理を終了する。
BET操作対応処理の説明に戻り、ステップSf1926にて第2貯留返却用処理を実行した後は、ステップSf1927にて、投入後ベットカウンタの値を投入前ベットカウンタに入力する処理を実行する。
そして、ステップSf1928にてベット増加用処理を実行する。ステップSf1928のベット増加用処理は、ステップSf2005の処理と同様である。なお、ベット時効果音をメダル投入時(ステップSf2005)と、第2クレジット投入スイッチ57のベット操作時(ステップSf1928)とで異ならせてもよい。
続くステップSf1929では、ステップSf1923~ステップSf1928の処理によって、投入前ベットカウンタの値が投入上限カウンタに至ったか否かを判定する。投入前ベットカウンタの値が投入上限カウンタに至っていない場合には、そのまま本BET操作対応処理を終了する。投入前ベットカウンタの値が投入上限カウンタに至った場合には、ステップSf1930にて第1クレジットランプ56bを点灯状態から消灯状態に切り替える処理を実行してから、本BET操作対応処理を終了する。
開始待ち処理(図483)において、ステップSf1805にてBET操作対応処理を実行した後は、ステップSf1806にて、投入後ベットカウンタが「0」であるか否かを判定し、投入後ベットカウンタが「0」であって、メダル投入やクレジット投入スイッチ56,57のベット操作によるベットが行われていない場合には、ステップSf1804に戻る。投入後ベットカウンタが「0」ではない場合には、ステップSf1807に進み、投入後ベットカウンタの値が投入上限カウンタの値と等しいか否かを判定する。
投入後ベットカウンタの値が投入上限カウンタの値と等しい場合、ステップSf1808にて、開始可能状態表示部76bを点灯状態とする処理を実行し、ステップSf1809にてメダル受付を禁止する処理を実行してから、本開始待ち処理を終了する。これにより、通常処理においてステップSf205に進み、スタートレバー41の操作に基づきゲームを開始可能となる。
ステップSf1807にて、投入後ベットカウンタの値が投入上限カウンタの値に至っていないと判定した場合、ステップSf1810に進み、遊技状態が内部状態であるか否かを判定する。既に説明した通り、遊技状態が、BB当選を持ち越している内部状態である場合には、特定規定枚数は「3」であるものの、規定枚数は「2」及び「3」であり、ベット数が2又は3である場合にゲームを開始可能である。そこで、ステップSf1811にて、投入後ベットカウンタが「2」であるか否かを判定し、投入後ベットカウンタが「2」である場合には、ステップSf1808に進み、開始可能状態表示部76bの点灯処理、及びメダル受付禁止処理(ステップSf1809)を実行してから、本開始待ち処理を終了する。遊技状態がBB状態や非内部状態である場合や、ステップSf1811にて投入後ベットカウンタが「2」ではない場合には、ステップSf1812にて開始可能状態表示部76bを消灯状態とする処理を実行してから、ステップSf1804に戻る。
以上のように、本実施形態では、第1クレジット投入スイッチ56や第2クレジット投入スイッチ57の操作に基づいてベットが行われる場合、当該ベットが意図した枚数のベットとなっていなかったり、ベットした枚数とは異なる枚数がクレジットから減算されてしまったりするエラーが生じていないかの確認を行い、エラーが生じていた場合にはそれを修正する構成としている。このようにすることで、意図するベットとは異なるベットにて遊技が行われることによる不都合を生じさせないようにすることができるし、ベットした枚数とは異なる枚数がクレジットから減算されることによる遊技者や遊技ホールの不利益を生じさせないようにすることが可能となる。
<エラーの確認と修正>
BET操作対応処理において、エラーの確認と修正が行われる様子について、図488~図490を参照しながら説明する。
図488は、投入前クレジットカウンタが、「3」以上の数(X)であり、投入前ベットカウンタが「1」、特定規定枚数(投入上限カウンタ)が「3」である場合に、第1クレジット投入スイッチ56が操作された場合を示している。この場合、投入上限カウンタから投入前ベットカウンタを減算した値である「2」が投入用カウンタに入力され(ステップSf1912)、投入後クレジットカウンタは投入用カウンタの値が減算されて「X-2」となり、投入後ベットカウンタは投入用カウンタの値が加算されて「3」となる。
これら投入後ベットカウンタや投入後クレジットカウンタの値の更新が行われた後、図488(a)に示すように、第1確認処理として、投入後ベットカウンタの値と投入上限カウンタとの値が等しいか否かの判定が行われる(ステップSf1915)。
例えば、図488(b1)に示すように、投入後ベットカウンタの値が「4」であり、投入上限カウンタの値が「3」であって、第1確認処理にてエラー判定(ステップSf1915:NO)となった場合、第1修正処理として、投入後ベットカウンタには投入上限カウンタの値が入力されて「3」に修正される(ステップSf1916)。
また、例えば、図488(b2)に示すように、投入後ベットカウンタの値が「2」であり、投入上限カウンタの値が「3」であって、第1確認処理にてエラー判定(ステップSf1915:NO)となった場合、第1修正処理として、投入後ベットカウンタには投入上限カウンタの値が入力されて「3」に修正される(ステップSf1916)。
このようにすることで、今回のベット操作に基づいてベットされた枚数が、特定規定枚数となっていないのにもかかわらず、ゲームが進行してしまうことが回避される。
ここで、例えば、図488(b1)のように、エラーによってセットされたベット数が、規定枚数以外の枚数である場合には、規定枚数のベット数に修正されないまま開始待ち処理が終了してしまうと、その後の、抽選処理等では対応する枚数の抽選テーブルが設定されていないことから今回のゲームの抽選を実行することができない。この場合、例えば、今回のゲームを強制的に外れ結果としたり、異常状態として処理を停止し、RAMクリアやリセットを行うことで遊技を再開できるようにしたりする必要が生じ得る。
これに対して、図488(b2)のように、エラーによってセットされたベット数が、規定枚数である場合には、以下のような不都合が生じ得る。すなわち、上記のように本スロットマシン10では、非内部状態では第2BB当選となるまで2ベットゲームにて遊技を行わせ、第2BB当選となった後の内部状態は当該第2BB当選入賞を回避すべく3ベットゲームにて遊技させることを通常遊技としている。この場合、例えば、規定枚数が「2」と「3」であっても特定規定枚数が「3」とされる内部状態において、第1クレジット投入スイッチ56のベット操作が行われたのにもかかわらず、ノイズ等によって2ベットゲームが実行されてしまうと、意図せず第2BB入賞が成立し得るようになってしまう。そうすると、上記のように、第2BB状態中においてはATモード移行抽選等、指示機能に関する処理が実行されないように設定されていることから、今回のゲームにおいて3ベットゲームではなく2ベットゲームにて遊技してしまった事象は、今回のゲームにおける不利益だけではなく、当該第2BB入賞に基づいて移行する第2BB状態におけるゲームにも及ぶこととなり、遊技者が被る不利益は多大なものとなり得る。
また、逆に規定枚数が「2」と「3」であっても特定規定枚数が「2」とされる非内部状態において、第1クレジット投入スイッチ56のベット操作が行われたのにもかかわらず、ノイズ等によって3ベットゲームが実行されてしまうと、第1BB当選となる可能性が生じ、第2BB当選を持ち越しながら3ベットゲームにて遊技を行うためには、当該当選してしまった第1BB当選を一旦入賞させて第1BB状態を終了させる必要が生じる。そして、第1BB状態においてもATモード移行抽選等、指示機能に関する処理が実行されないように設定されていることから、今回のゲームにおいて2ベットゲームではなく3ベットゲームにて遊技してしまった事象は、今回のゲームにおいて余分なメダルを要してしまったことを含めての今回のゲームにおける不利益だけではなく、当該当選し得る第1BB状態を消化し終えるまでのゲームにも及びこととなり、これについても遊技者が被る不利益は多大なものとなる。
その点、上記のように、第1修正処理によってベット数の修正が行われることから、上記のような各種不都合を生じさせることなく、好適な遊技進行を実現することが可能となる。
図489及び図490は、図488と同様に、投入前クレジットカウンタが、「3」以上の数(X)であり、投入前ベットカウンタが「1」、特定規定枚数(投入上限カウンタ)が「3」である場合に、第1クレジット投入スイッチ56が操作された場合を示している。
上記の第1確認処理や第1修正処理の後、図489(a)や図490(a)に示すように、第2確認処理として、投入前クレジットカウンタと投入後クレジットカウンタとの差分が算出されて第1差分カウンタに入力され、また、投入後ベットカウンタと投入前ベットカウンタとの差分が算出されて第2差分カウンタに入力され、これら第1差分カウンタと第2差分カウンタとが等しいか否かが確認される。つまり、今回のベット操作に基づきベットされた枚数を、クレジットから減算しているかの確認が行われる。
例えば、図489(b)に示すように、第1差分カウンタの値が「3」であって、第2差分カウンタの値が「2」であり、第1差分カウンタのほうが第2差分カウンタよりも大きい場合、第2修正処理として両差分カウンタの差(1)が投入後クレジットカウンタに加算され、投入後クレジットカウンタの値は「X-2」に修正される。
また、例えば、図490(b)に示すように、第1差分カウンタの値が「1」であって、第2差分カウンタの値が「2」であり、第2差分カウンタのほうが第1差分カウンタよりも大きい場合、第2修正処理として両差分カウンタの差(1)が投入後クレジットカウンタから減算され、投入後クレジットカウンタの値は「X-2」に修正される。
このようにすることで、今回のベット操作に基づいてベットされた場合にクレジットからの減算枚数がベット枚数と異なることによって、遊技者や遊技ホールが不利益を被り得ることを好適に回避させることが可能となる。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
ベットの設定処理によってエラーが発生している特定状況であることが第1確認処理や第2確認処理にて確認された場合、第1修正処理や第2修正処理により、そのエラーに対処するようにしていることから、ベット数が異なっていたり、クレジット数が異なってしまうことによる不都合を生じさせることなく、遊技進行の好適化を図ることが可能となる。
第1確認処理では、遊技状態に応じて設定される特定規定枚数(投入上限カウンタ)と、ベットの設定処理にて設定された後の投入後ベットカウンタとが等しいことの確認を行う構成としており、より詳しくは、内部状態においては投入後ベットカウンタが「3」となっているか否かの確認を行い、非内部状態やBB状態においては投入後ベットカウンタが「2」となっているか否かの確認を行う構成としている。このように、遊技状態に応じて確認する基準(投入上限カウンタ)を異ならせることで、遊技進行に応じて好適にその確認を行うことが可能となる。
また、例えば、遊技状態に関わらず特定規定枚数が同じである遊技機においては、ベット数が特定規定枚数となっていなければ、遊技者は比較的それに気づき易いものの、本スロットマシン10のように遊技状態に応じて特定規定枚数が異なるような遊技機においては、ベット数が特定規定枚数となっていなくても、それが遊技状態さえ異なれば正規にベットされ得る枚数であれば、遊技者はそのエラーに気付きにくく、そのまま遊技を行ってしまう可能性が高いといえる。その点、上記のように、遊技状態に応じて確認する基準を異ならせることで、かかるエラーに気付かずそのまま遊技を行ってしまうことによる不利益の発生を、未然に防ぐことが可能となる。
第1確認処理にてエラーが発生していることが確認された場合、第1修正処理として、投入後ベットカウンタには、投入上限カウンタの値をそのまま入力する構成とした。このようにすることで、再度投入用カウンタを算出して修正する構成と比較して、再度の算出にてエラーが発生することを考慮すると、修正による成功率を圧倒的に高めることが可能となる。
特に、第1クレジット投入スイッチ56を操作した場合には、特定規定枚数のベットが行われた状態とされるものの、当該第1クレジット投入スイッチ56の操作前のメダル投入の有無等、第1クレジット投入スイッチ56が操作された場合に実際にベットされる枚数は操作前のベット数(投入前ベットカウンタの値)によって異なる。このような構成であることから、ベットする枚数の算出処理が比較的複雑化し易く、上記のように第1確認処理にてエラーの確認がなされた場合、再度の算出を行うことなく、投入上限カウンタを入力する構成とすることの意義は高い。
第2確認処理では、ベットされた枚数と、クレジットの減少数との比較を行う構成とし、第2確認処理にてエラーが発生していることが確認された場合、第2修正処理として、ベットされた枚数とクレジットの減少数との差分をクレジットに加算したりクレジットから減算したりする構成とした。このようにすることで、ベットに利用されたクレジット数が正規よりも多かったり少なかったりすることによる遊技者や遊技ホールの不利益の発生を好適に回避することが可能となる。
また、第2確認処理にてエラーが発生していることが確認された場合、第2修正処理を実行する間、メダル投入を禁止する構成とした。このようにすることで、クレジットの修正を行おうとしているのにもかかわらず、新たにクレジットが増加することによって修正処理がうまく成功しないことを回避することが可能となる。
<変形例1>
本変形例では、第1確認処理や第1修正処理が上記実施形態の処理と異なっている。図491は、本変形例におけるBET操作対応処理の一部を示すフローチャートである。
本変形例では、第1クレジット投入スイッチ56が操作され(ステップSf1908:YES)、特定規定枚数のベットが行われた状態とするための処理(ステップSf1909~ステップSf1914)を実行した後、投入後ベットカウンタの値が投入上限カウンタの値と等しいか否かを判定する処理(ステップSf1915)の代わりに、投入後ベットカウンタが遊技状態に応じた特定規定枚数に対応する値となっているか否かを判定する。すなわち、ステップSf2301にて、遊技状態が内部状態であるか否かを判定し、内部状態である場合にはステップSf2302に進み、投入後ベットカウンタが内部状態の特定規定枚数である「3」となっているか否かを判定する。投入後ベットカウンタが「3」ではない場合には、第1修正処理としてステップSf2303にて投入後ベットカウンタに「3」を入力する処理を実行する。
ステップSf2301にて否定判定し、遊技状態が非内部状態やBB状態である場合には、ステップSf2304に進み、投入後ベットカウンタがこれら非内部状態やBB状態の特定規定枚数である「2」となっているか否かを判定する。投入後ベットカウンタが「2」ではない場合には、第1修正処理としてステップSf2305にて投入後ベットカウンタに「2」を入力する処理を実行する。
ステップSf2302やステップSf2304にて肯定判定した場合や、ステップSf2303やステップSf2305の処理を実行した後は、ステップSf1917の第1貯留返却用処理を実行する。
このようにすることで、仮に投入上限カウンタに遊技状態に応じた値を入力する処理(ステップSf1901~ステップSf1903)においてノイズ等によって異なる値が入力されてしまった場合であっても、かかるエラーを第1修正処理によってフォローすることが可能となる。よって、遊技状態に応じた特定規定枚数とは異なるベット数で遊技が行われてしまうことを好適に回避することが可能となる。
特に、投入上限カウンタは、ゲームが実行されるたびに遊技状態に応じた値が入力されるものであるのに対して、ステップSf2302やステップSf2304で確認する値は、ゲーム毎に異ならず普遍的な値であることからして、当該確認する値がノイズ等によって異なる値となる可能性は、投入上限カウンタと比較すると極端に低いと考えられる。そこで、上記構成のようにすることで、第1修正処理において投入上限カウンタを用いて投入後ベットカウンタの値の確認を行うよりもより精度の高い確認を行うことが可能となる。
なお、ステップSf2301、ステップSf2302及びステップSf2304にて、RAM106の各種カウンタエリア106eに設けられた投入後ベットカウンタが遊技状態に応じた特定規定枚数となっているかを確認する構成としているところ、遊技状態に応じた特定規定枚数をROM105の所定の記憶エリアに記憶しておき、第1確認処理にて遊技状態に応じた特定規定枚数を当該ROM105から読みだして確認する構成としてもよい。このようにすることで、投入後ベットカウンタや投入上限カウンタが書き換え可能な数値情報であるのに対して、第1確認処理において確認する遊技状態に応じた特定規定枚数が書き換え不能な数値情報であることがより明確化され、投入後ベットカウンタを書き換え不能な数値情報と照らし合わせることによる正確性がより好適に担保される。なお、投入上限カウンタを、ROM105の所定の記憶エリアに記憶しておき、開始待ち処理において、かかる記憶エリアからその投入上限カウンタの数値情報を読み出す構成としてもよい。
<変形例2>
上記実施形態では、投入後ベットカウンタが規定枚数のうちの特定規定枚数となっていない場合に、第1修正処理として特定規定枚数に相当する投入上限カウンタの値を投入後ベットカウンタに入力する構成としたが、本変形例では、規定枚数であれば第1修正処理を行わない構成とする。図492は、本変形例におけるBET操作対応処理の一部を示すフローチャートである。
本変形例では、第1クレジット投入スイッチ56が操作され(ステップSf1908:YES)、特定規定枚数のベットが行われた状態とするための処理(ステップSf1909~ステップSf1914)を実行した後、投入後ベットカウンタの値が投入上限カウンタの値と等しいか否かを判定する処理(ステップSf1915)の代わりに、投入後ベットカウンタが遊技状態に応じた規定枚数に対応する値となっているか否かを判定する。すなわち、ステップSf2401にて、遊技状態がBB状態であるか否かを判定し、BB状態ではなく内部状態や非内部状態である場合にはステップSf2402に進み、投入後ベットカウンタが内部状態や非内部状態の規定枚数である「2」又は「3」となっているか否かを判定する。投入後ベットカウンタが「2」又は「3」ではない場合には、第1修正処理としてステップSf2403にて投入後ベットカウンタに「3」を入力する処理を実行する。
ステップSf2401にて否定判定し、遊技状態がBB状態である場合には、ステップSf2404に進み、投入後ベットカウンタがこれらBB状態の規定枚数である「2」となっているか否かを判定する。投入後ベットカウンタが「2」ではない場合には、第1修正処理としてステップSf2405にて投入後ベットカウンタに「2」を入力する処理を実行する。
ステップSf2402やステップSf2404にて肯定判定した場合や、ステップSf2403やステップSf2405の処理を実行した後は、ステップSf1917の第1貯留返却用処理を実行する。
このようにすることで、例えば、規定枚数が「2」や「3」として設定されている遊技状態が内部状態や非内部状態である場合であるのにもかかわらず、投入後ベットカウンタが「2」や「3」ではなく、「1」以下や「4」以上である場合に、第1修正処理が実行され、その後の抽選処理において対応するベット数の抽選テーブルが存在しないことによって、抽選が不実行とされたり強制的に外れ結果とされたり、処理落ちにより遊技が停止されたりする事象を発生させないようにすることが可能としながらも、第1修正処理の実行頻度を下げることが可能となる。
ここで、第1修正処理や第2修正処理によってベット数やクレジット数が修正され得ることを前提とすると、例えば、そのような前提を利用して、ベット数やクレジット数を不正に変更させて利益を得ようとする不正行為が行われることが懸念される。そして、第1修正処理や第2修正処理の実行頻度が高ければ高いほど、その不正行為が正規の第1修正処理や第2修正処理に紛れ、当該不正行為を特定することが困難となり得る。その点、上記のように、第1修正処理の実行頻度を低くし、必要最低限の実行頻度とすることで、不正行為の抑制とエラーによる不都合に対する対処とのバランスを保つことが可能となる。
<変形例3>
本変形例では、第1修正処理や第2修正処理によって修正が行われた場合とそうではない場合とで、ベット時の報知態様(ベット時効果音)を異ならせる。図493(a)は、本変形例におけるBET操作対応処理の一部を示すフローチャートである。
ステップSf1914にて投入後ベットカウンタに投入用カウンタの値を加算した後、ステップSf2501にて投入後ベットカウンタの値が投入上限カウンタの値と等しいか否かを判定する。両カウンタの値が異なる場合、ステップSf2502にて投入後ベットカウンタに投入上限カウンタの値を入力する処理を実行する。これらステップSf2501及びステップSf2502の処理は、上記ステップSf1915及びステップSf1916の処理と同様である。
本変形例では、ステップSf2502の処理を実行した後、ステップSf2503にて、各種フラグ格納エリア106dに第1修正フラグをセットする処理を実行する。第1修正フラグは、第1修正処理によりベットの修正が行われたことをCPU102が把握するためのフラグである。
ステップSf2501にて否定判定した場合や、ステップSf2503の処理を実行した後は、ステップSf1917にて第1貯留返却用処理を実行する。
図493(b)は、本変形例における第1貯留返却用処理の一部を示すフローチャートである。
ステップSf2104にてメダル投入を禁止する処理を実行した後、ステップSf2511にて第1差分カウンタが第2差分カウンタよりも大きいか否かを判定する。第1差分カウンタのほうが第2差分カウンタよりも大きい場合、ステップSf2512にて両差分カウンタの差分を投入後クレジットカウンタに加算する処理を実行し、第2差分カウンタのほうが第1差分カウンタよりも大きい場合、ステップSf2513にて両差分カウンタの差分を投入後クレジットカウンタから減算する処理を実行する。そして、ステップSf2512又はステップSf2513の処理を実行した後は、ステップSf2514にて投入後クレジットカウンタの値を投入前クレジットカウンタに入力する処理を実行する。これらステップSf2511~ステップSf2514の処理は、上記ステップSf2105~ステップSf2108の処理と同様である。
本変形例では、ステップSf2514の処理を実行した後、ステップSf2515にて、各種フラグ格納エリア106dに第2修正フラグをセットする処理を実行する。第2修正フラグは、第2修正処理によりクレジットの修正が行われたことをCPU102が把握するためのフラグである。ステップSf2515の処理を実行した後は、ステップSf2109に進み、メダル投入を許容する処理を実行する。
図494(a)は、本変形例における第2貯留返却用処理の一部を示すフローチャートである。
ステップSf2203にてメダル投入を禁止する処理を実行した後、ステップSf2601にて第1差分カウンタが1よりも大きいか否かを判定する。第1差分カウンタが1よりも大きい場合、ステップSf2603にて第1差分カウンタから1を減算した値を投入後クレジットカウンタに加算する処理を実行し、第1差分カウンタが1よりも小さい場合、ステップSf2603にて第1差分カウンタに1を加算した値を投入後クレジットカウンタから減算する処理を実行する。そして、ステップSf2602又はステップSf2603の処理を実行した後は、ステップSf2604にて投入後クレジットカウンタの値を投入前クレジットカウンタに入力する処理を実行する。これらステップSf2601~ステップSf2604の処理は、上記ステップSf2204~ステップSf2207の処理と同様である。
本変形例では、ステップSf2604の処理を実行した後、ステップSf2605にて、上記の第2修正フラグをセットする処理を実行する。ステップSf2605の処理を実行した後は、ステップSf2208に進み、メダル投入を許容する処理を実行する。
図494(b)は、本変形例におけるベット増加用処理を示すフローチャートである。
ステップSf2611では、BET表示部75の点灯処理を実行する。かかる処理は、上記のように、今回ベットされたベット数に対応するBET表示部75を点灯状態とする処理である。続くステップSf2612では、上記第1修正フラグ又は第2修正フラグがセットされているか否かを判定する。
いずれの修正フラグもセットされておらず、第1修正処理や第2修正処理が実行されなかった場合には、ステップSf2613にて通常ベットコマンドを表示制御装置81に出力する処理を実行してから、本ベット増加用処理を終了する。通常ベットコマンドには、今回ベットされたベット数に対応する情報が含まれており、当該通常ベットコマンドを受信した表示制御装置81は、今回ベットされたベット数に対応した表示となるように各ベット表示部34a~34cを順次点灯させる。この場合、各ベット表示部34a~34cを点灯させる際に、ベット時効果音として通常ベット時効果音(例えば、「べ」といった電子音)がスピーカ64から出力されるように制御する(図494(c1))。
ステップSf2612にていずれかの修正フラグがセットされていると判定した場合、ステップSf2614にて第1修正フラグがセットされているか否かを判定する。第1修正フラグがセットされている場合には、ステップSf2615にて、第1修正時ベットコマンドを表示制御装置81に出力する処理を実行する。第1修正時ベットコマンドにも、今回ベットされたベット数に対応する情報が含まれており、当該第1修正時ベットコマンドを受信した表示制御装置81は、今回ベットされたベット数に対応した表示となるように各ベット表示部34a~34cを順次点灯させる。この場合、各ベット表示部34a~34cを点灯させる際に、ベット時効果音として通常ベット時効果音とは異なる第1特別ベット時効果音(例えば、「ピ」といった電子音)がスピーカ64から出力されるように制御する(図494(c2))。
ステップSf2614にて第1修正フラグがセットされていない場合とは、第2修正フラグがセットされていることを意味する。この場合、ステップSf2616にて第2修正時ベットコマンドを表示制御装置81に出力する処理を実行する。第2修正時ベットコマンドにも、今回ベットされたベット数に対応する情報が含まれており、当該第2修正時ベットコマンドを受信した表示制御装置81は、今回ベットされたベット数に対応した表示となるように各ベット表示部34a~34cを順次点灯させる。この場合、各ベット表示部34a~34cを点灯させる際に、ベット時効果音として通常ベット時効果音や第1特別ベット時効果音とは異なる第2特別ベット時効果音(例えば、「バ」といった電子音)がスピーカ64から出力されるように制御する(図494(c3))。
ステップSf2615又はステップSf2616の処理を実行した後は、ステップSf2617にて確認処理を実行する。確認処理では、例えば、RAM106に記憶されている各種データに異常値が入力されているか否かを確認し、異常値が入力されている場合にはそれを修正する処理を実行する。例えば、各種カウンタエリア106eに設けられている所定のカウンタが、当該カウンタの更新範囲外の値となっている場合に異常値として、当該カウンタの更新範囲内の値に修正する処理を実行する。また、確認処理では、電波や電磁力が照射されているか否かをスロットマシン10に内蔵されているセンサにより確認し、照射されている場合にはエラー情報を遊技ホールのホールコンピュータに対して外部出力する処理を実行する。ステップSf2617の処理を実行した後は、ステップSf2618にて修正フラグをクリアする処理を実行してから、本ベット増加用処理を終了する。
以上のように、本変形例では、第1修正処理や第2修正処理が実行された場合には、これらの修正処理が実行されなかった場合とは異なるベット時効果音が出力されるようにしていることから、ベット数やクレジットの修正が行われたことを遊技者や遊技ホールの管理者が把握することが可能となる。
ここで、ベットやクレジットのエラーは、例えば、内部的な処理が集中したり、電波等が照射される等してノイズが発生することに発生すると考えられる。内部的な処理の集中は、例えば、ウェイト期間の経過前にベット操作が行われる等して、前ゲームの演出や処理が完了していない状況で次のゲームの開始操作が行われると、演出や抽選が重複する等することによって生じ得るものと考えられる。そこで、上記のように、第1修正処理や第2修正処理が実行された場合には、ベット時効果音が通常とは異なる効果音として出力されるようにしたことから、遊技者は当該ベット時効果音の違いに違和感を覚え、遊技者の手が一旦止まることが期待できる。つまり、今回のベット操作と、当該ベット操作に続けて実行しようとしていたスタートレバー41の操作との期間が、通常よりも長くなることが期待できる。このように、処理の集中等を遊技者の操作態様を意図的に操ることによって回避するようにしたことで、処理の集中等を回避するために別の処理を追加する必要がなく、処理の集中等によるエラーを好適に回避することが可能となる。
また、本変形例では、このような遊技者の手が一旦止まるであろう演出を実行するようにしたうえで、かかるタイミングでエラーの原因を確認する確認処理を実行する構成とした。このようにしたことにより、確認処理の実行中に新たな遊技操作が行われる可能性を低くし、確認処理の精度を比較的簡素な構成にて向上させることが可能となる。
なお、上記確認処理(ステップSf2617)にて、異常が確認されなくても、遊技ホールのホールコンピュータに対して第1修正処理や第2修正処理が実行されたことを外部出力する構成としてもよい。このようにすることで、ベットやクレジットのエラーの発生を遊技ホールの管理者が把握することが可能となり、意図的にベットやクレジットに異常を生じさせる不正行為が行われることを早期に特定することが可能となる。また、確認処理の実行回数に応じて外部出力する構成としてもよく、例えば、確認処理が所定回数(例えば、電源投入から5回)実行された場合に外部出力する構成としてもよい。さらに、確認処理が実行された場合、又は確認処理にて異常が確認された場合、エラー報知が行われるようにしてもよい。エラー報知としては、スピーカ64からエラー音を出力したり、補助表示部65にてエラー表示を実行したりする構成が考えられる。
また、ベット時効果音を通常時と異ならせることにより遊技者に違和感を与え、遊技進行を停止(中断)させたり、遊技進行の速度を遅くさせたりすることを期待する構成としたが、エラー発生時の第1特別ベット時効果音や第2特別ベット時効果音を、エラーが発生していない状況においても出力され得る効果音としてもよく、例えば、前兆モード等に移行することで出力される確率が高くなる構成としてもよい。このようにすることで、かかるベット時効果音の相違によって、遊技者にとって有利な事象が生じるのでは、と期待させることも可能となり、遊技者の手を止める効果をより好適に高めることが可能となる。
<変形例4>
本変形例では、第2修正処理を、遊技者による修正用の操作が行われた場合に実行する構成とする。図495(a)は、本変形例における第1貯留返却用処理の一部を示すフローチャートであり、図495(b)は、本変形例における第2貯留返却用処理の一部を示すフローチャートである。本変形例では、修正用の操作として、今回のベットの契機となったベット操作と同じ操作を設定している。
すなわち、第1貯留返却用処理では、ステップSf2104にてメダル投入を禁止した後、ステップSf2701にて第1クレジットランプ56bを点灯状態とする処理を実行する。そして、ステップSf2702にて、第1クレジット投入スイッチ56が操作されたか否かを判定し、操作されるまで待機する。第1クレジット投入スイッチ56が操作された場合、ステップSf2703にて第1クレジットランプ56bを消灯状態とする処理を実行してから、ステップSf2704~ステップSf2707にて、ステップSf2105~ステップSf2108と同様に第2修正処理を実行する。
また、第2貯留返却用処理では、ステップSf2203にてメダル投入を禁止した後、ステップSf2711にて1BET操作指示コマンドを表示制御装置81に出力する処理を実行する。1BET操作指示コマンドを受信した表示制御装置81は、補助表示部65にて「1BETを押してください」といった表示を行うことにより第2クレジット投入スイッチ57の操作指示演出を実行する。そして、ステップSf2712にて第2クレジット投入スイッチ57が操作されるまで待機する。第2クレジット投入スイッチ57が操作された場合、ステップSf2713にて1BET操作完了コマンドを表示制御装置81に出力する処理を実行する。1BET操作完了コマンドを受信した表示制御装置81は、上記の操作指示演出を終了させるように補助表示部65を制御する。そして、ステップSf2714~ステップSf2717にて、ステップSf2204~ステップSf2207と同様に第2修正処理を実行する。
以上のように、ベット操作に伴う投入後クレジットカウンタの減算処理にエラーが生じた場合、当該エラーを修正するための第2修正処理は、遊技者の操作により実行されるようになる。このようにすることで、仮想メダルとしてのクレジットを用いてゲームのベットを行う構成において、遊技機側の処理だけでクレジットの値が修正されないようになり、遊技の透明性を向上させることができる。つまり、遊技機側の処理だけでクレジットの値が修正される構成とすることで、遊技者の利便性は向上し得るものの、クレジットの増減が遊技者の知るところなく実行される構成となり、修正処理とはいえ、クレジットが不正に増減されているのではと遊技者に不信感を与えかねない。その点、上記構成のようにすることで、遊技者はエラーの発生やその修正が行われることを把握することができ、遊技の透明性を好適に担保することが可能となる。
しかも、遊技者の操作を介して第2修正処理を実行する構成とすることで、第2修正処理の契機となるエラーが生じた処理(投入後クレジットカウンタから今回のベット数を減算する処理)を実行したタイミングと、第2修正処理を実行するタイミングとの時間差が生じ易くなり、エラーの原因が一時的な電波等であれば、第2修正処理の実行タイミングではそのエラーの原因が存在しなくなっていることが期待できるし、第2修正処理の実行前にエラーの原因が特定できればそれを取り除いてから第2修正処理を実行させることも可能となる。よって、第2修正処理における修正の成功率を高くすることができる。
さらに、第1クレジット投入スイッチ56によるベット操作にてエラーが発生した場合には第1クレジット投入スイッチ56の操作により第2修正処理を実行する構成とし、第2クレジット投入スイッチ57によるベット操作にてエラーが発生した場合には第2クレジット投入スイッチ57の操作により第2修正処理を実行する構成としたことから、そのエラー発生の契機となったベット操作の種類をも把握することができるようになるため、各スイッチ56,57の故障等の確認などエラーの対処を効率的に行うことも可能となる。
<変形例5>
本変形例では、第1確認処理にてエラー発生が確認された場合には、再度第1クレジット投入スイッチ56の操作の確認からやり直す構成とする。図496は、本変形例におけるBET操作対応処理の一部を示すフローチャートである。
本変形例では、ステップSf1907にてメダル投入監視処理を実行した後、ステップSf2801にて第1クレジット投入スイッチ56の操作がなされたか否かの確認を行う。第1クレジット投入スイッチ56の操作がなされた場合、上記ステップSf1909~ステップSf1914と同様に、ステップSf2802~ステップSf2807にて当該ベット操作に基づいて投入後ベットカウンタにベット数を入力したり投入後クレジットカウンタからベット数を減算する処理を実行する。そして、ステップSf2808にて上記ステップSf1915と同様に、投入後ベットカウンタが投入上限カウンタと等しいか否かの第1確認処理を実行する。
ステップSf2808にて否定判定した場合、本変形例では、ステップSf2809にて投入後クレジットカウンタに投入用カウンタの値を加算する処理を実行する。かかる処理は、ステップSf2807の処理の逆の処理である。そして、ステップSf2810にて投入後ベットカウンタから投入用カウンタの値を減算する処理を実行する。かかる処理は、上記ステップSf2806の処理の逆の処理である。すなわち、これらステップSf2808及びステップSf2806の処理によって、投入後ベットカウンタや投入後クレジットカウンタの値はベット操作に基づくベット前の状態に戻ることになる。
ステップSf2810の処理を実行した後は、ステップSf2801に戻り、第1クレジット投入スイッチ56の操作がなされたか否かの確認を行う。ステップSf2811~ステップSf2824の処理は、上記ステップSf1917~ステップSf1930の処理と同様である。
このようにすることで、少なくとも今回のベット数(投入用カウンタ)を算出する処理や、投入後ベットカウンタに今回のベット数(投入用カウンタ)を加算する処理においてエラーが生じている場合には、再度、第1クレジット投入スイッチ56の操作による処理が実行されることになる。よって、エラーが生じた場合に、強制的に投入上限カウンタの値(特定規定枚数)を投入後ベットカウンタに入力する構成と比較すると、正規の処理によりベットが行われたことになるため、エラー時に投入上限カウンタの値を強制的に入力する構成を逆手に取った不正行為を行わせにくくすることができる。また、遊技のげんを担ぐ遊技者としては、正規な処理であることの方が好ましく、所望の結果とならなかった場合に修正処理が行われたことが理由とされることを好適に回避することも可能となる。
ちなみに、例えば、投入後クレジットカウンタから今回のベット数を減算する処理においてエラーが生じている場合には、ステップSf2808にて肯定判定する可能性もある。但し、この場合、ステップSf2811にて第1貯留返却用処理にて、かかるエラーは修正され得る。
なお、第1貯留返却用処理において、第1差分カウンタと第2差分カウンタとの値が相違し、クレジットの減少数とベットの増加数とが相違する場合には、上記のようにステップSf2809やステップSf2810にてもとに戻す処理を実行した後、再度第1クレジット投入スイッチ56の操作がなされたことの確認処理(ステップSf2801)に戻る構成としてもよい。
<変形例6>
本変形例では、第2修正処理(第1貯留返却用処理、第2貯留返却用処理)において修正したクレジットについては、精算スイッチ59の操作がなされても現実のメダルとして精算することを制限する。図497(a)は、本変形例における第1貯留返却用処理の一部を示すフローチャートであり、図497(b)は、本変形例における第2貯留返却用処理の一部を示すフローチャートである。
本変形例における第1貯留返却用処理では、ステップSf2104にてメダル受付を禁止する処理を実行した後、ステップSf2901にて第1差分カウンタ(クレジットの減少分)のほうが第2差分カウンタ(投入すべきベット数)よりも大きいか否かを判定する。ステップSf2901にて肯定判定し、正規の枚数よりも多い枚数をクレジットから減算してしまっている場合には、ステップSf2902にてその差分を投入後クレジットカウンタに加算する処理を実行する。
続くステップSf2903では、上記ステップSf2902にて加算した両差分カウンタの差分を、各種カウンタエリア106eに設けられた精算不可カウンタに加算する処理を実行する。精算不可カウンタは、精算スイッチ59が操作された場合に精算を制限する枚数をCPU102が把握するためのカウンタである。
ステップSf2901にて否定判定し、投入すべきベット数のほうがクレジットの減少分よりも大きい場合、ステップSf2904にて、その差分を投入後クレジットカウンタから減算する処理を実行する。
続くステップSf2905では、上記ステップSf2904にて減算した両差分カウンタの差分を、上記の精算不可カウンタから減算する処理を実行する。なお、精算不可カウンタが0である場合は、ステップSf2905では減算する処理を実行せず、その状態を維持する、また、ステップSf2905の処理前の精算不可カウンタのほうが、上記ステップSf2904にて減算した差分よりも小さい場合には、ステップSf2905では、精算不可カウンタを0とする処理を実行する。つまり、精算不可カウンタは0を最小値とするカウンタであって、マイナスとならないように設定されたカウンタである。
ステップSf2903又はステップSf2905の処理を実行した後は、ステップSf2906にて投入後クレジットカウンタの値を投入前クレジットカウンタに入力してから、ステップSf2109にてメダル受付を許可する処理を実行する。
本変形例における第2貯留返却用処理では、ステップSf2203にてメダル受付を禁止する処理を実行した後、ステップSf2911にて第1差分カウンタ(クレジットの減少分)が1(投入すべきベット数)よりも大きいか否かを判定する。ステップSf2911にて肯定判定し、正規の枚数よりも多い枚数をクレジットから減算してしまっている場合には、ステップSf2912にてその差分(第1差分カウンタから1を減じた値)を投入後クレジットカウンタに加算する処理を実行する。続くステップSf2913では、上記ステップSf2903と同様に、ステップSf2912にて加算した値を、精算不可カウンタに加算する処理を実行する。
ステップSf2911にて否定判定し、投入すべきベット数のほうがクレジットの減少分よりも大きい場合、ステップSf2914にて、その差分(第1差分カウンタに1を加算した値)を投入後クレジットカウンタから減算する処理を実行する。続くステップSf2915では、上記ステップSf2915と同様に、ステップSf2914にて減算した値を、精算不可カウンタから減算する処理を実行する。
ステップSf2913又はステップSf2915の処理を実行した後は、ステップSf2916にて投入後クレジットカウンタの値を投入前クレジットカウンタに入力してから、ステップSf2208にてメダル受付を許可する処理を実行する。
図498は、本変形例におけるBET操作対応処理の一部を示すフローチャートである。
ステップSf1911にてベット可能な判定値が投入上限カウンタ以上であると判定した場合、ステップSf3001にて投入用カウンタの算出処理を実行し、ステップSf3002にて投入後クレジットカウンタから今回のベット数として投入用カウンタの値を減算する処理を実行する。これらステップSf3001及びステップSf3002はステップSf1912及びステップSf1913の処理と同様である。本変形例では、ステップSf3003にて、上記の精算不可カウンタから投入用カウンタの値を減算する処理を実行する。なお、ステップSf3003でも、精算不可カウンタが0であれば減算する処理を実行せず、精算不可カウンタのほうが投入用カウンタの値が小さければ精算不可カウンタを0とする処理を実行する。そして、ステップSf3004にて投入後ベットカウンタに投入用カウンタの値を加算した後、ステップSf3005~ステップSf3007にて各確認処理や修正処理を実行してから、ステップSf1918に進む。
また、ステップSf1923にて投入可能なクレジットが存在すると判定した場合、ステップSf3008にて投入後クレジットカウンタを1減算する処理を実行する。そして、ステップSf3009にて精算不可カウンタから1を減算する処理を実行し、ステップSf3010にて投入後ベットカウンタに1を加算する処理を実行し、ステップSf3011にて第2貯留返却用処理を実行してからステップSf1927に進む。なお、ステップSf3008でも、精算不可カウンタが0であれば減算する処理を実行しない。
本変形例における貯留メダル精算処理について、図499のフローチャートを参照しながら説明する。貯留メダル精算処理は、開始待ち処理(図483)におけるステップSf1804にて実施される処理である。
ステップSf3101では、精算スイッチ59の操作がなされたか否かを判定し、操作されていない場合には、そのまま貯留メダル精算処理を終了する。操作されている場合には、ステップSf3102に進む。ステップSf3102では、上記の精算不可カウンタが0よりも大きいか否かを判定する。精算不可カウンタが0である場合には、ステップSf3103にて、投入前クレジットカウンタの値に対応する枚数のメダルが払い出されるようにホッパ装置51を制御する。そして、ステップSf3104にて、投入前クレジットカウンタを0としてから、貯留メダル精算処理を終了する。
これに対してステップSf3102にいて精算不可カウンタが0よりも大きい場合、ステップSf3105に進み、投入前クレジットカウンタの値と精算不可カウンタの値との差分に対応する枚数のメダルが払い出されるようにホッパ装置51を制御する。そして、ステップSf3106にて、投入前クレジットカウンタに精算不可カウンタの値を入力する処理を実行する。
すなわち、本変形例では、精算スイッチ59が操作された場合、クレジットから精算不可カウンタに相当する枚数を除いた枚数のメダルの精算が行われ、精算不可カウンタに相当する枚数は、クレジットに残存することになる。
続くステップSf3107では、残クレジットコマンドを表示制御装置81に出力する処理を実行してから、本貯留メダル精算処理を終了する。残クレジットコマンドを受信した表示制御装置81は、精算スイッチ59の操作によって精算できなかった仮想メダルが存在することを示す報知が行われるように補助表示部65やスピーカ64を制御する。
このように、本変形例では、第2修正処理によって多く減算しすぎてしまった分をクレジットに戻す処理が行われた場合には、その分のクレジットについては、精算スイッチ59を操作しても実際のメダルとして精算することができないようにした。このようにすることで、例えば不必要に第2修正処理を行わせたり、第2修正処理においてクレジットに戻す枚数を不正に変更する等の行為が行われた場合に、かかる行為によって得られたクレジットを実際のメダルに精算できないようにすることができ、第2修正処理の構成を逆手に取った不正行為を行わせにくくすることが可能となる。
この場合、上記のように第2修正処理によって戻した分のクレジットは、通常のベットにおいて優先して利用される構成としているため、比較的早期に当該戻した分のクレジットを消費することが可能である。また、他の修正処理において投入後クレジットカウンタから差分を減算する場合にも消費されるようにしていることから、更に当該消費が促進されている。そのため、第2修正処理によって戻した分のクレジットがいつまでも残存することによって、クレジットを0として遊技を終了することができなくなる、といった事象を生じさせないようにすることが可能である。
<変形例7>
本変形例では、上記変形例6において精算不可カウンタを0としたゲームにて特別報知が発生し得る。図500は本変形例におけるBET操作対応処理の一部を示すフローチャートである。
ステップSf3201及びステップSf3202にてステップSf3001及びステップSf3002と同様の処理を実行した後、ステップSf3203では、上記の精算不可カウンタが0よりも大きいか否かを判定する。0よりも大きい場合、ステップSf3204にて精算不可カウンタから投入用カウンタの値を減算する処理を実行する。かかる処理は、上記ステップSf3003の処理と同様である。続くステップSf3205では、上記のステップSf3204の処理結果に基づいて、精算不可カウンタが0となったか否かを判定する。0となった場合には、ステップSf3206にて、精算完了コマンドを表示制御装置81へ出力する処理を実行する。精算完了コマンドは、今回のベット操作によって、精算不可カウンタの値が0となったことを表示制御装置81に把握させるためのコマンドである。
ステップSf3203若しくはステップSf3205にて否定判定した場合、又はステップSf3206の処理を実行した後は、ステップSf3207に進み、投入後ベットカウンタに投入用カウンタの値を入力する処理を実行した後、ステップSf3208~ステップSf3210にて各種確認処理や修正処理を実行してから、ステップSf1918に進む。
また、ステップSf3211にてステップSf3008と同様の処理を実行した後、ステップSf3212にて、精算不可カウンタが0よりも大きいか否かを判定する。0よりも大きい場合、ステップSf3213にて精算不可カウンタから1を減算する処理を実行する。そして、続くステップSf3214では、上記のステップSf3213の処理結果に基づいて、精算不可カウンタが0となったか否かを判定する。0となった場合には、ステップSf3215にて、上記の精算完了コマンドを表示制御装置81へ出力する処理を実行する。
ステップSf3212若しくはステップSf3214にて否定判定した場合、又はステップSf3215の処理を実行した後は、ステップSf3216に進み、投入後ベットカウンタに1を加算する処理を実行した後、ステップSf3217にて第2貯留返却用処理を実行してから、ステップSf1927に進む。
図501(a)は、本変形例における不良精算完了報知処理を示すフローチャートである。不良精算完了報知処理は、ステップSf1704のベット時演出設定処理における一処理として表示制御装置81のCPU181にて実行される処理である。
ステップSf3301では、今回のベット時コマンドとして、上記の精算完了コマンドを受信しているか否かを判定する。受信していない場合には、ステップSf3302にて今回のベット時の演出が通常のベット時演出として実行されるように設定する処理を行ってから、本不良精算完了報知処理を終了する。通常ベット時演出として、例えば、図494(c1)の通常ベット時効果音を用いてもよく、この場合、ベット増加用処理においてベット時効果音の出力用の処理が実行されると、上記ステップSf3302にて設定された通常ベット時効果音が出力されるようになる。
これに対してステップSf3301にて、上記の精算完了コマンドを受信していると判定した場合、ステップSf3303にて特別報知抽選処理を実行する。特別報知抽選処理は、当選確率の設定処理により設定される設定値の示唆を特別報知として行うことの抽選処理である。本変形例では、図501(b)に示すように、特別報知として、第1特別報知と第2特別報知とが設定されている。そして、設定値が高いほど(出玉率が高くなりやすい設定値ほど)、第1特別報知よりも第2特別報知が選択され易く設定されており、第1特別報知と第2特別報知との選択率から設定値を予測することが可能となっている。
ステップSf3303では、設定されている設定値と、各種テーブル記憶エリア182aに記憶されている特別報知テーブル(図501(b))とから、今回の特別報知の種類を抽選により決定する。そして、ステップSf3304にて、ステップSf3303の処理結果に基づいて第1特別報知が選択されたか否かを判定する。第1特別報知が選択された場合、ステップSf3305にて今回のベット時の演出が第1特別ベット時演出として実行されるように設定する処理を行ってから、本不良精算完了報知処理を終了する。第1特別ベット時演出としては、例えば、図494(c2)の第1特別ベット時効果音を用いてもよく、この場合、ベット増加用処理においてベット時効果音の出力用の処理が実行されると、上記ステップSf3305にて設定された第1特別ベット時効果音が出力されるようになる。
一方、第2特別報知が選択された場合、ステップSf3306にて今回のベット時の演出が第2特別ベット時演出として実行されるように設定する処理を行ってから、本不良精算完了報知処理を終了する。第2特別ベット時演出としては、例えば、図494(c3)の第2特別ベット時効果音を用いてもよく、この場合、ベット増加用処理においてベット時効果音の出力用の処理が実行されると、上記ステップSf3306にて設定された第2特別ベット時効果音が出力されるようになる。
以上のようにすることで、第1特別ベット時演出や第2特別ベット時演出が実行されることによって、精算不可とされた分のクレジットが消化されたことを遊技者は把握可能となり、以降は好きなタイミングで遊技を終了することを理解することができる。
この場合、上記のように精算不可とされた分のクレジットの消化に伴い、設定値の示唆演出としての特別報知を実行する構成としていることから、ベット処理に伴うエラーの発生やそれに伴うクレジットの精算が不可となる事象を、設定値の示唆演出によってうまくフォローすることが可能となり、当該エラーの発生等による遊技意欲の低下を抑制することができる。
例えば、変形例3のようにベット処理に伴うエラーの修正時に通常のベット時演出とは異なる演出を行う構成と、本変形例のように当該エラーの修正により加算されたクレジットの消化時に通常のベット時演出とは異なる演出を行う構成とを組み合わせてもよい。この場合、エラーの修正時のベット時演出と、エラー修正分のクレジットの消化時のベット時演出とを同じ演出としてもよいし、異なる演出としてもよく、同じ演出となる場合と異なる演出となる場合とがあるようにしてもよい。
<変形例8>
本変形例では、小役入賞時に払い出されるメダル数の一部が精算不可カウンタに加算されるようにする。図502(a)は、本変形例における払出判定処理を示すフローチャートである。払出判定処理は、リール制御処理(図461)におけるステップSf413にて実施される処理であり、今回のゲームにおいて各リール32L,32M,32Rの停止結果に基づき入賞判定を行うとともに、入賞した結果に応じた特典を付与するように設定する処理である。
すなわち、ステップSf3401では、今回のゲームが3ベットゲームであったか否かを判定する。3ベットゲームである場合、ステップSf3402にて各リール32L,32M,32Rの停止結果に基づき、第1小役入賞~第6小役入賞のいずれかが成立しているか否かを判定する。入賞が成立している場合、ステップSf3403にて13枚のメダル払出が行われるようにするための処理を実行してから、本入賞判定処理を実行する。
ステップSf3403の処理について、具体的には、先ず、対応する小役の当選フラグがセットされているか否かを判定し、対応する小役の当選フラグがセットされていない場合には、不正入賞としてエラー処理を実行してから、そのまま本処理を終了する。この場合、スロットマシン10をエラー状態とするとともに、スピーカ64からエラー効果音が出力されるように制御したり、エラー情報が外部集中端子板121を介して出力されるように制御する。かかるエラー状態は、リセットスイッチ72が操作されるまで維持される。
また、対応する小役の当選フラグがセットされており、正規の入賞である場合、投入前クレジットカウンタの空き容量(上限値である50との差分)を把握し、空き容量が今回のメダル払出数以下である場合には、投入前クレジットに今回のメダル払出数を加算する。空き容量が今回のメダル払出数未満である場合には、投入前クレジットカウンタと今回のメダル払出数との差分のメダルがホッパ装置51から払い出されるようにRAM106に設けられた払出情報格納エリアにその差分の枚数をセットするとともに、投入前クレジットカウンタを上限値とする処理を行う。
ステップSf3402にて否定判定した場合、ステップSf3404にて各リール32L,32M,32Rの停止結果に基づき、第7小役入賞~第8小役入賞のいずれかが成立しているか否かを判定する。入賞が成立している場合、ステップSf3405にて3枚のメダル払出が行われるようにするための処理を実行してから、本入賞判定処理を終了する。なお、ステップSf3405の処理は、メダルの払出数のみステップSf3403の処理と異なり、その他の処理は同様であるためその説明を省略する。
ステップSf3404にて否定判定した場合、ステップSf3406にて各リール32L,32M,32Rの停止結果に基づき、第9小役入賞~第32小役入賞のいずれかが成立しているか否かを判定する。
入賞が成立している場合、ステップSf3407にて上記の精算不可カウンタを1加算する処理を実行する。そして、ステップSf3408にて、1枚のメダル払出が行われるようにするための処理を実行してから、本入賞判定処理を終了する。なお、ステップSf3408の処理は、メダルの払出数のみステップSf3403の処理と異なり、その他の処理は同様であるためその説明を省略する。
ステップSf3406にて否定判定した場合、ステップSf3409にていずれかの再遊技入賞が成立しているか否かを判定する。再遊技入賞が成立している場合、ステップSf3410にて対応する再遊技入賞フラグをセットする処理を実行してから、本払出判定処理を終了する。なお、本ステップSf3410においても、入賞した再遊技に対応する再遊技の当選フラグがセットされていない場合には、不正入賞としてエラー処理を行うようにするとよい。また、ステップSf3409にて否定判定した場合には、そのまま払出判定処理を終了する。
ステップSf3401にて否定判定し、今回のゲームが2ベットゲームであった場合、ステップSf3411にて2ベットゲーム用の払出判定処理を実行してから、本払出判定処理を終了する。2ベットゲーム用の払出判定処理は、入賞した場合に払出設定するメダル数が3ベットゲーム用の処理(ステップSf3402~ステップSf3410)と異なるだけであるため、その説明は省略する。なお、本変形例では、2ベットゲームにて第9小役~第32小役入賞が成立しても、精算不可カウンタに払出数(1枚)に相当する値を加算する処理を実行しない。
以上のように、本変形例では、各小役のうち、第9小役入賞~第32小役入賞が成立した場合には、その入賞に基づき払い出されるメダルの分が精算不可カウンタに加算する構成としている。このようにすることで、これら第9小役入賞~第32小役入賞が成立したゲーム後に精算スイッチ59を操作しても、当該精算不可カウンタの値の分の精算が制限され、クレジットが残存している状態となる。
第9小役入賞~第32小役入賞が成立する場合とは、基本的には押し順ベルに当選した場合であって、押し順報知が発生しなかったゲームであり、ATモード移行前の状態である。このような状況のゲームで精算不可カウンタが残存するようにすることで、ATモード移行前において遊技を終了しようとしても、第9小役入賞~第32小役入賞が成立したゲームでは遊技を終了させにくくすることができる。よって、遊技を終了させにくくすることを通じて、本スロットマシン10の稼働率を向上させることが可能となる。また、例えば、第9小役入賞~第32小役入賞が成立して1枚のメダル払出が発生し、払出枚数表示部62に「1」が表示された状態で精算を行い、その状態のまま閉店を迎えさせることにより、次の日に払出枚数表示部62に「1」が表示されているか否かによって、設定値の変更の有無を判断する行為を行いにくくすることができる。特に、第9小役~第32小役は、通常時(ATモード移行前)において他の小役と比較して高確率で入賞が成立するため、上記のように第9小役入賞~第32小役入賞時の払出枚数を精算不可カウンタに加算する構成とすることで、より好適に上記の各効果を奏する構成とすることが可能となる。
また、上記のように、精算不可カウンタは、ベット時に優先的に消化される構成であり、ステップSf3407にて加算する値は3ベットゲームのベット数以下の値である。そのため、次のゲームを消化することで、基本的には精算不可カウンタは0となる。よって、第9小役入賞~第32小役入賞が成立していないのに、いつまでもクレジットを0としてゲームを終了することができない、といった事象を生じさせないようにしながらも、上記の各効果を期待することが可能となる。
なお、上記構成では、1枚のメダル払出が発生する第9小役入賞~第32小役入賞が成立した場合に、精算不可カウンタを1加算する構成としたが、第9小役入賞~第32小役入賞のうちの一部の小役入賞(例えば、所定の操作順序に対応する小役入賞)が成立した場合に精算不可カウンタを1加算する構成としてもよく、第9小役入賞~第32小役入賞のうちの他の小役入賞(例えば、所定の操作順序とは異なる操作順序に対応する小役入賞)が成立した場合には精算不可カウンタを1加算しない構成としてもよい。また、精算不可カウンタを加算する対象とされている小役入賞が成立した場合又は成立する場合に、精算不可カウンタを加算することの抽選を行い、当該抽選に当選した場合には精算不可カウンタを1加算する一方、非当選であった場合には精算不可カウンタを加算しない構成としてもよい。
さらに、例えば、第1小役入賞~第6小役入賞のように3ベットゲームにて要するベット数よりも多いメダル払出が発生する小役入賞時に精算不可カウンタを加算する構成としてもよい。この場合、精算不可カウンタに加算する値を今回のゲームのベット数である3以下となるように設定するとよい。また、加算する精算不可カウンタの値を抽選により決定する構成としてもよく、例えば、1~3、又は0~3の値のうちのいずれかの値が選択されるように抽選を行う構成としてもよい。なお、いずれの値が選択されるかの選択率が当選確率の設定処理にて設定される設定値に応じて異なるようにしてもよく、例えば、設定1よりも設定6の方が所定の値(3)が選択される確率が高い構成としてもよく、設定1の方が設定6よりも特定の値(1)が選択される確率が低い構成としてもよい。また、今回のゲームのベット数である3よりも多い値が加算され得る構成としてもよく、この場合、上記のように加算する値を選択する構成においては、今回のゲームのベット数以下の値の方が今回のゲームのベット数よりも多い値が選択され易い構成とするとよい。
更に、精算不可カウンタに今回(次回)のゲームのベット数よりも多い値が加算され得る構成において、精算不可カウンタが所定数を超過した場合に遊技者にとって有利な特典が付与される構成としてもよい。例えば、図502(b)に示すフローチャートのように、所定周期で起動される精算不可カウンタ用処理を設け、精算不可カウンタの加算があった場合に(ステップSf3451:YES)、加算後の精算不可カウンタが所定数(3)を超過したか否かを判定し(ステップSf3452)、超過している場合には、特典付与処理(ステップSf3453)として、例えば設定示唆用の演出を発生させたり、レア画像を表示させたりする構成としてもよい。この場合、特典付与処理を実行した後、精算不可カウンタに所定数を入力する処理(ステップSf3454)を実行する構成とすることで、精算不可カウンタが所定数を大幅に超過する値となった場合に特典が続けて付与される(ベット数分だけ減算された次のゲームにおいても特典が付与される)ことを回避する構成となるし、逆に精算不可カウンタに所定数を入力する処理を行わない構成とすることで、所定数を超過する度合いによって付与される特典の有利度(設定示唆の実行回数)が異なる構成とすることも可能である。
<その他の実施形態>
なお、上述した各実施形態や各変形例の記載内容に限定されず例えば次のように実施してもよい。ちなみに、以下の各構成を個別に上記各実施形態や各変形例に対して適用してもよく、一部又は全部を組み合わせて上記各実施形態や各変形例に対して適用してもよい。また、上記各実施形態や各変形例に示した各種構成の全て又は一部を任意に組み合わせることも可能である。この場合、組み合わせの対象となる各構成の技術的意義(発揮される効果)が担保されることが好ましい。実施形態や変形例の組み合わせからなる新たな構成に対して以下の各構成を個別に適用してもよく、一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。
(1)第1クレジット投入スイッチ56のベット操作に基づいて実行するベット処理にて第1確認処理及び第2確認処理を行い、第2クレジット投入スイッチ57のベット操作に基づいて実行するベット処理にて第2確認処理を行う構成としたが、第2クレジット投入スイッチ57のベット操作に基づいて実行するベット処理にて第1確認処理も行う構成としてもよいし、第1クレジット投入スイッチ56のベット操作に基づいて実行するベット処理にて第1確認処理又は第2確認処理の一方若しくは両方を行わない構成としてもよい。また、メダル投入口45からのメダル投入に基づいて実行するベット処理において第1確認処理を実行する構成としてもよい。具体的には、メダル投入口45から1枚のメダルが投入された場合に、投入後ベットカウンタに加算された値が1であるか否かを第1確認処理として確認し、加算された値が1とは異なる値である場合には第1修正処理を行う構成とするとよい。かかる第1修正処理では、例えば、投入後ベットカウンタに、投入前ベットカウンタに1を加算した値を入力する処理を行う構成とするとよい。
(2)第1確認処理や第2確認処理においてエラーが発生していることが把握された場合に、第1修正処理や第2修正処理を行う構成としたが、あわせてエラー処理としてエラー報知を行ったり、遊技停止処理を行ったり、外部出力する構成としてもよいし、第1修正処理や第2修正処理を行わず、かかるエラー処理だけを行う構成としてもよい。
(3)遊技状態に応じて第1クレジット投入スイッチ56が操作された場合にベットされる枚数(特定規定枚数)が異なる構成を前提として、ベット処理時のエラー対処を説明したが、遊技状態に関わらず特定規定枚数が共通している構成に対して、上記各発明を適用してもよい。すなわち、内部状態では2枚と3枚の規定枚数のうち特定規定枚数が3枚であり、非内部状態では2枚と3枚の規定枚数のうち特定規定枚数が2枚である構成において、内部状態では第1クレジット投入スイッチ56の操作に基づくベット処理にて第1確認処理として投入後ベットカウンタが「3」となっていることの確認を行い、非内部状態では「2」となっていることの確認を行う構成としたが、内部状態及び非内部状態のいずれにおいても第1クレジット投入スイッチ56が操作されれば3枚のベットがなされる構成としたうえで、内部状態及び非内部状態のいずれでも第1クレジット投入スイッチ56の操作に基づくベット処理にて第1確認処理として投入後ベットカウンタが「3」となっていることの確認を行う構成としてもよい。
この場合、BB状態では規定枚数が2枚であるため、BB状態においては第1クレジット投入スイッチ56が操作されれば2枚のベットがなされる構成としたうえで、第1クレジット投入スイッチ56の操作に基づくベット処理に第1確認処理として投入後ベットカウンタが「2」となっていることの確認を行う構成とするとよい。
また、内部状態、非内部状態及びBB状態のいずれの遊技状態においても、第1クレジット投入スイッチ56が操作された場合にベットされる枚数が共通している構成に対して、上記各発明を適用してもよい。
(4)第1クレジット投入スイッチ56の操作に基づく第1確認処理として、投入後ベットカウンタの値が投入上限カウンタ(特定規定枚数)と等しいか否かの確認を行い、異なる場合をエラーの発生として第1修正処理を行う構成としたが、第1確認処理として、投入後ベットカウンタの値が投入上限カウンタ以下であるか否かの確認を行い、投入後ベットカウンタの値が投入上限カウンタ未満である場合をエラーの発生として第1修正処理を行う構成としてもよい。
(5)第1クレジット投入スイッチ56の操作に基づく第2確認処理として、投入前クレジットカウンタと投入後クレジットカウンタとの差分と、投入上限カウンタと投入前ベットカウンタとの差分とが等しいか否かの確認を行い、異なる場合をエラーの発生として第2修正処理を行う構成としたが、投入前ベットカウンタが0である場合には、第2確認処理として、投入前クレジットカウンタと投入後クレジットカウンタとの差分が、投入上限カウンタの値であるか否かの確認を行い、当該差分が投入上限カウンタとは異なる場合にエラーの発生として第2修正処理を行う構成としてもよい。
(6)第2確認処理を、第1確認処理にてエラーが発生していることが確認されたか否かに関わらず実行する構成としたが、第1確認処理にてエラーが発生していると確認された場合に第2確認処理を行う構成としてもよい。具体的には、例えば、図484のBET操作対応処理においては、ステップSf1915の第1確認処理にてエラー非発生であると判定した場合(ステップSf1915:YES)と、エラー発生時の第1修正処理を実行した場合(ステップSf1916)と、の後で第2確認処理としての第1貯留返却用処理(ステップSf1917)を実行する構成としたが、ステップSf1915の第1確認処理にてエラーが発生していると判定し、第1修正処理を実行した場合には第2確認処理(第2修正処理も、ステップSf1917)を実行する一方、ステップSf1915の第1確認処理にてエラーが発生していない判定した場合には、第2確認処理及び第2修正処理を実行しない構成としてもよい。
(7)第1確認処理や第2確認処理において、エラーが発生した場合に、正規のベット数や正規のクレジットの減少数との差が所定数以上であれば、別の修正処理を行う構成としてもよい。具体的には、例えば、第1確認処理において、投入後ベットカウンタと投入上限カウンタとの差異が所定数(例えば10)未満であれば、上記のように投入後ベットカウンタに投入上限カウンタの値を入力することを第1修正処理として実行し、当該投入後ベットカウンタと投入上限カウンタとの差異が所定数以上であれば、投入後ベットカウンタに投入上限カウンタの値を入力し、更に、エラー処理として第1修正処理が行われたことの情報を表示制御装置81への出力対象としてセットしたり、当該情報を外部集中端子板121を介して遊技ホールのホールコンピュータ等へ出力する構成としてもよい。また、例えば、第2確認処理において、投入前クレジットカウンタと投入後クレジットカウンタとの差分である第1差分カウンタと、投入上限カウンタと投入前ベットカウンタとの差分である第2差分カウンタとの値とが異なる場合において、両差分カウンタの値の差分が所定数(例えば10)未満であれば、上記のように投入後クレジットカウンタに差分に相当する値を加算したり減算したりし、両差分カウンタの値の差分が所定数以上であれば、投入後クレジットカウンタに差分に相当する値を加算したり減算したりしたうえで、更に、エラー処理として第2修正処理が行われたことの情報を表示制御装置81への出力対象としてセットしたり、当該情報を外部集中端子板121を介して遊技ホールのホールコンピュータ等へ出力する構成としてもよい。
また、第1確認処理において、投入後ベットカウンタと投入上限カウンタとの差異が所定数(例えば2)未満であれば、第1修正処理を実行せずにそのままとする一方、所定数以上であれば、上記のように投入後ベットカウンタに投入上限カウンタの値を入力することを第1修正処理として実行する構成としてもよい。また、例えば、第2確認処理において、投入前クレジットカウンタと投入後クレジットカウンタとの差分である第1差分カウンタと、投入上限カウンタと投入前ベットカウンタとの差分である第2差分カウンタとの値とが異なる場合において、両差分カウンタの値の差分が所定数(例えば2)未満であれば、第2修正処理を実行せずにそのままとする一方、所定数以上であれば、上記のように投入後クレジットカウンタに差分に相当する値を加算したり減算したりすることを第2修正処理として実行する構成としてもよい。
これらの場合、第1確認処理における所定数と第2確認処理における所定数とが異なる構成としてもよい。
(8)第1確認処理や第2確認処理において、ベット処理後のベット数やクレジット数におけるエラー発生の有無を確認する構成としたが、ベット処理後にエラー発生の有無を確認する構成であればよく、例えば、ベット数を表す投入後ベットカウンタが正規の値の範囲外(0未満、4以上)であることをエラーの発生として確認し、クレジット数が正規の値の範囲外(0未満、51以上)であることをエラーの発生として確認する構成としてもよく、また、ベット処理後やベット処理時に電波等が照射されていることをエラーの発生として確認する構成としてもよい。この場合、照射される電波等を検知可能な検知センサを設け、当該検知センサを主制御装置101に接続する構成とするとよい。
(9)ベット数が規定枚数とは異なる枚数であるのにもかかわらず、ゲームの抽選処理が行われた場合には、本ゲームの結果を強制的に外れ結果とする構成としたが、エラー処理として遊技停止処理を行ったり、エラー情報の出力(エラー報知、外部出力)を行う構成としてもよい。
(10)第2確認処理においてクレジットの減少数とベット数とが異なることが確認された場合、第2修正処理として、その差分をクレジットに加算したり減算したりする構成としたが、クレジットの減少数の方がベット数よりも多ければその差分をクレジットに加算する一方、クレジットの減少数よりもベット数の方が多ければその差分はクレジットから減算しない構成としてもよい。また、逆に、クレジットの減少数よりもベット数の方が多ければその差分をクレジットから減算する一方、クレジットの減少数の方がベット数よりも多ければその差分をクレジットに加算しない構成としてもよい。
(11)再遊技入賞が成立した場合に、前ゲームのベット数と同数のベットが行われるようにする処理において、第1確認処理を実行する構成としてもよい。
(12)再遊技入賞が成立した場合、再遊技状態用処理において、クレジットを利用することなく前ゲームのベット数と同数のベットが行われるようにしたが、前ゲームのベット数と同じ数だけクレジットを増加させたうえで、当該増加させたクレジットから、前ゲームのベット数と同じベットが行われるようにしてもよい。この場合、かかる再遊技入賞に伴うベット処理においても、第1確認処理や第2確認処理が行われる構成としてもよい。
(13)クレジットの減少分の方がベットされた枚数よりも多い場合、第2修正処理として投入後クレジットカウンタにその差分を加算する構成としたが、当該差分をメダル排出口49から実際のメダルとして排出する構成としてもよい。
(14)クレジットの減少分の方がベットされた枚数よりも多い場合、第2修正処理として投入後クレジットカウンタにその差分を加算する構成としたが、投入後クレジットカウンタとは別の修正用のカウンタにその差分を加算する構成してもよい。この場合、ベット処理にて修正用のカウンタから優先して消化されるようにするとよい。また、投入後クレジットカウンタの値と修正用のカウンタの値を加算した値がクレジット数に相当し、クレジット表示部60にその値を表示するようにしてもよいし、投入後クレジットカウンタの値と、修正用のカウンタの値とを別々に表示するようにしてもよいし、投入後クレジットカウンタの値をクレジット表示部60にて表示する一方、修正用のカウンタの値は表示しない構成としてもよい。
(15)クレジットの減少分の方がベットされた枚数よりも多い場合、第2修正処理として投入後クレジットカウンタにその差分を加算する構成としたが、当該差分をベット処理とは異なる処理に用いられるカウンタに加算する構成としてもよい。具体的には、例えば、所定数以上貯めることで特典が付与され得るポイント数に対応するカウンタに上記の差分を加算する構成としてもよい。特典としては、設定示唆演出を行うことやレア画像を表示させることとしてもよい。
(16)第2修正処理において投入後クレジットカウンタに加算した分は、メダルの精算が行われないようにしたが、メダルの精算が制限される構成であればよく、例えば、初回(第1回数)の精算スイッチ59の操作では精算不可カウンタの分の精算を行うことができないものの、2回目(第2回数)の精算スイッチ59の操作では精算不可カウンタの分の精算も行うことが可能となる構成としてもよい。この場合、精算スイッチ59をゲームを挟まずに連続して操作した場合には、精算不可カウンタの分の精算も行うことが可能であるものの、精算スイッチ59をゲームを挟んで操作した場合には精算不可カウンタの分の精算が行われない構成としてもよい。
(17)精算不可カウンタが所定数を超過した場合には特典を付与する構成としたが、クレジットの上限数を超過した場合に特典を付与する構成としてもよい。
(18)第1修正処理にて修正後の投入後ベットカウンタの値が投入上限カウンタと等しくなっているかの確認処理を再度行う構成としてもよい。また、当該再度の確認処理にて両カウンタが異なる場合には、再度の第1修正処理を実行する構成としてもよいし、エラー情報を出力したり遊技停止処理を実行するエラー処理を実行する構成としてもよい。また、第2修正処理にて修正後の投入後クレジットカウンタと投入前クレジットカウンタとの差分が、投入上限カウンタと投入前ベットカウンタとの差分と等しくなっているかの確認処理を再度行う構成としてもよい。また、当該再度の確認処理にて両差分が異なる場合には、再度の第2修正処理を実行する構成としてもよいし、エラー情報を出力したり遊技停止処理を実行するエラー処理を実行する構成としてもよい。
(19)ベットされた枚数より多くクレジットが減少した分を第2修正処理にて返却する(投入後クレジットカウンタに加算する)構成において、加算後のクレジットがクレジットの上限(50)以上となる場合には、第2修正処理自体がエラーとなっている可能性が高く、かかる場合、エラー情報を出力したり遊技停止処理を実行するエラー処理を行う構成としてもよい。
(20)ベット処理において、精算不可カウンタの分が優先して消化される構成としたが、精算不可カウンタとは異なる分が優先して消化される(清算不可カウンタが優先されない)ようにしてもよい。具体的には、投入前クレジットカウンタの方が精算不可カウンタよりも大きい状況ではベット処理において精算不可カウンタの減算を行わず、投入前クレジットカウンタと精算不可カウンタとが等しい値となってからのベット分を清算不可カウンタから減算するようにするとよい。加算された順番通りにクレジットを消化する構成としてもよく、この場合、例えば、6枚のクレジットが存在する状況で精算不可カウンタに1が加算された場合(クレジットは7となった場合)、3ベットゲームを2回消化して精算不可カウンタの加算前に存在していたクレジットを消化した後、次のゲームで清算不可カウンタの分が消化される構成としてもよい。
(21)ベット処理において、精算不可カウンタの分が優先して消化される構成としたが、精算不可カウンタを消化するか否かを抽選により決定する構成とし、消化すると決定された場合には精算不可カウンタを消化する一方、消化しないと決定された場合には精算不可カウンタを消化しない構成としてもよい。
(22)精算不可カウンタをゲームのベット時に消化する構成としたが、ゲームの開始時やゲームの終了時に消化する構成としてもよい。この場合、例えば、ゲームの開始時に実行される抽選処理にて所定の結果(例えば押し順ベル)となった場合には精算不可カウンタをそのゲームで使用した分消化したり所定数だけ消化する一方、当該抽選処理にて所定の結果とは異なる結果(例えばリプレイ)となった場合には精算不可カウンタを消化しない構成としたり、ゲームの終了時に実行する入賞判定において所定の結果入賞(押し順ベル当選時の第1小役入賞~第6小役入賞)が成立している場合には精算不可カウンタをそのゲームで使用した分消化したり所定数だけ消化したりその入賞時に付与されるメダル数分消化したりする一方、当該入賞判定において所定の結果とは異なる結果入賞(押し順ベル当選時の第9小役入賞~第32小役入賞)が成立していたりいずれの結果入賞も成立していない場合には、精算不可カウンタを消化しない構成としたりしてもよい。
(23)精算不可カウンタの分を消化した場合に、遊技者にとって有利な特典として設定示唆としての特別報知を実行する構成としたが、当該消化時に抽選等を行ったうえで、当該抽選にて当選した場合に特典を付与する構成としてもよい。また、当該特典の付与タイミング(特別報知の実行タイミング)は上記のもの(ベット時)に限定されず、当該ゲームのいずれかのタイミング(開始時演出や全停止時演出など別の演出の発生時)であってもよいし、当該ゲームよりも後のゲームにて付与する構成としてもよい。
(24)第2確認処理においてエラーが発生していることが確認された場合、当該エラーの契機となったベット操作を再度行わせることで第2修正処理を実行する構成としたが、エラーの契機に関わらず所定のベット操作を再度行わせること(例えば、第2クレジット投入スイッチ57のベット操作時にエラーが発生した場合でも、第1クレジット投入スイッチ56の操作を行わせること)で第2修正処理を行う構成としてもよい。また、第2修正処理の契機となる遊技操作はベット操作に関わらず、例えば、スタートレバー41の操作であってもよいし、ストップスイッチ42~44のうちのいずれか1又は複数の操作であってもよい。
(25)第2確認処理においてエラーが発生していることが確認された場合、再度ベット操作を行わせることで第2修正処理を実行する構成としたが、第1確認処理においてエラーが発生していることが確認された場合も、再度ベット操作を行わせることで第1修正処理を実行する構成としてもよい。この場合も、第1修正処理の契機となる遊技操作はベット操作に関わらず、例えば、スタートレバー41の操作であってもよいし、ストップスイッチ42~44のうちのいずれか1又は複数の操作であってもよい。
(26)第1クレジット投入スイッチ56のベット操作に基づいて、投入前ベットカウンタと投入上限カウンタとの差分を投入用カウンタに入力したうえで、当該投入用カウンタの値を投入後ベットカウンタに加算することで投入後ベットカウンタが投入上限カウンタの値となるようにする第1処理を行い、第1修正処理では、投入上限カウンタの値を投入後ベットカウンタに入力することで投入後ベットカウンタが投入上限カウンタの値となるようにする第2処理を行う構成としたが、例えば、第1クレジット投入スイッチ56が操作された場合に投入前ベットカウンタが0であるか否かを判定し、投入前ベットカウンタが0ではない場合には上記の第1処理を実行し、投入前ベットカウンタが0である場合には上記の第2処理を実行する構成としてもよい。このようにすることで、第1処理における投入用カウンタの値を算出する頻度を低くすることができ、ベット処理に伴うエラーの発生を抑制することが可能となる。
(27)第2修正処理にて投入後クレジットカウンタに加算した分や、小役入賞時に払い出されるメダルの一部でメダルの精算が行われないようにする構成としたが、メダルの精算が行われないようにするメダル増加の契機は上記のものに限定されず、例えば、一旦ベット操作によりベットされた分を所定の操作によってキャンセル可能な構成としたうえで、当該キャンセルによりクレジットに返却される(クレジットが増加する)分については精算が行われないようになる構成としてもよい。所定の操作としては、例えば、精算スイッチ59の操作が考えられ、この場合、所定数のベット後に精算スイッチ59を操作すると、精算スイッチ59の操作前の投入前クレジットカウンタの値に相当する枚数のメダル払出(メダル精算)が行われるとともに、所定数のベットがされていた状態からベットがされていない状態となり、投入前クレジットカウンタに所定数の値が入力されてクレジットが増加された状態となる。
(28)ベット操作によって第1情報としての投入用カウンタを、第2情報としての投入上限カウンタや投入前ベットカウンタ等から算出し、当該算出した投入用カウンタを用いてベット処理(投入後ベットカウンタに当該投入用カウンタの値を加算する処理)を行い、当該ベット処理の結果について上記第2情報としての投入上限カウンタを用いて第1確認処理を行う構成とし、また、上記算出した投入用カウンタを用いてクレジットの減算処理(投入後クレジットカウンタから当該投入用カウンタの値を減算する処理)を行い、当該クレジットの減算処理の結果について上記第2情報としての投入前クレジットカウンタを用いて第2確認処理を行う構成としたが、第1情報や第2情報、それに伴う処理や操作は上記のものに限定されず、遊技に利用される各種処理に適用可能である。
(29)上記実施形態では、ベット処理にて修正されたベット数を用いて抽選処理等が実行されるとともに、当該修正されたベット数を用いて有利区間増減枚数MYの算出が行われる構成としているが、修正されたベット数を用いて抽選処理等は行うものの、有利区間増減枚数MYの算出は修正前のベット数を利用する構成としてもよい。この場合、不正に修正を行わせることによって有利区間増減枚数MYを意図的に少なくしたり多くしたりする行為を行わせにくくすることが可能となる。
(30)第1確認処理や第2確認処理(それに伴う第1修正処理や第2修正処理)を毎ゲーム行う構成としたが、所定ゲーム毎に行う(例えば2ゲーム毎に行う)構成としてもよく、各確認処理等を行うゲームと行わないゲームとがあるようにしてもよい。また、遊技状態に応じて、第1確認処理や第2確認処理を行うか否かが異なる構成としてもよく、例えば、内部状態や非内部状態では第1確認処理や第2確認処理を行う一方、BB状態では第1確認処理や第2確認処理を行わない構成としてもよい。更に、いずれの遊技状態でも第1確認処理や第2確認処理を行うものの、内部状態や非内部状態ではこれらの確認処理にてエラーが発生していることの確認が行われた場合に第1修正処理や第2修正処理を行う一方、BB状態ではこれらの確認処理にてエラーが発生していることの確認が行われた場合であっても第1修正処理や第2修正処理を行わない構成としてもよい。
(31)第2修正処理によって投入後クレジットカウンタを加算する処理が行われた場合、当該加算した分を精算不可とする精算不可カウンタ等に入力する等して遊技者にとって不利となる扱いをする構成としたが、逆に遊技者にとって有利となる扱いをする構成としてもよく、第2修正処理によって投入後クレジットカウンタに加算した分のクレジットと、小役入賞やメダル投入等によって投入後クレジットカウンタに加算した分のクレジットとの遊技者にとっての有利度を異ならせる構成としてもよい。
(32)第2修正処理を行う場合、メダル投入を禁止する構成としたが、第1修正処理を行う場合にもメダル投入を禁止する構成としてもよい。また、メダル投入だけではなく、第1修正処理や第2修正処理を行う場合、第1クレジット投入スイッチ56や第2クレジット投入スイッチ57の操作が禁止される(操作されてもそれに対応するベット処理を行わない構成)としてもよい。
(33)押し順報知を、主制御装置101側の指示モニタ68と、表示制御装置81側の補助表示部65との両方で実行する構成としたが、いずれか一方にて実行する構成としてもよく、例えば、抽選結果や状態によって、主制御装置101側では実行せずに、表示制御装置81側では実行する構成としてもよい。
(34)指示モニタ68は6通りの操作順序をそれぞれ報知可能な構成としたが、例えば、通常リプA~Cのように、ストップスイッチ42~44の操作順序のうち最初に操作すべきストップスイッチ42~44だけが対応付けられた押し順役について、最初に操作すべきストップスイッチ42~44だけを報知する押し順報知の態様が含まれる構成としてもよい。
(35)ATモード終了時に有利区間を終了させる構成としたが、ATモード終了時に有利区間が終了しない場合もある構成としてもよい。例えば、ATモード終了時の有利区間の残りゲーム数に応じて有利区間が終了しない構成としてもよく、具体的には、ATモード終了時の有利区間の残りゲーム数が、当該残りゲーム数にATモード1ゲーム当たりの期待増加枚数を乗じた枚数が、有利区間の上限増加数(2400枚)以下である場合や上限増加数よりも少ない場合には、有利区間を終了させないようにしてもよく、現状の有利区間増減枚数MYに上記の乗じた枚数を加えた枚数が、有利区間の上限増加数(2400枚)以下である場合や上限増加数よりも少ない場合には、有利区間を終了させないようにしてもよい。
(36)有利区間移行時に、区間表示器としての第8表示用セグメントN8を点灯制御する構成としたが、有利区間移行時であっても、第8表示用セグメントN8を点灯制御せず、有利区間中に所定の点灯条件が成立した場合に点灯制御する構成としてもよい。所定の点灯条件は、例えば、ATモードへの移行が確定した場合等、押し順報知が発生し得る状況となった場合に成立するものとしてもよい。
(37)CZモード中に押し順報知が少なくとも1回は実行される構成としてもよい。また、ATモードにおいても押し順報知が少なくとも1回は実行される構成としてもよく、これらATモードやCZモードの残りゲーム数が0となっても、押し順報知が1回実行されるまでは、当該ATモードやCZモードが終了しない構成としてもよい。
(38)3ベットゲームにて当選し得るBBとして第1BBを設け、2ベットゲームにて当選し得るBBとして第2BBを設けたが、いずれか一方のBBだけであってもよく、例えば、2ベットゲームにて第2BBに当選し、3ベットゲームではいずれのBBにも当選しない構成としてもよい。
(39)2ベットゲームにて、第2BBに当選する構成としたが、2ベットゲームにて複数種類のBBに当選し得る構成としてもよく、例えば、2ベットゲームにて第1BBと第2BBに当選し得る構成としてもよい。この場合、2ベットゲームにて第1BB入賞と第2BB入賞とが成立し得る構成とし、3ベットゲームでは第1BB及び第2BBのいずれにも当選もせず、更に3ベットゲームでは第1BB入賞と第2BB入賞とのいずれも成立しない構成としてもよい。なお、2ベットゲームと3ベットゲームとの関係が上記のものと逆であってもよい。
(40)第1BB状態と第2BB状態とでいずれも同じ抽選テーブルを用いて、同じ遊技ベースとなるようにしたが、異なる抽選テーブルを用いて、異なる純増枚数となるようにしてもよい。
(41)第1BB状態と、第2BB状態とを、いずれも3ベットゲームにて遊技する構成としたが、例えば、第1BB状態は3ベットゲームにて遊技し、第2BB状態は2ベットゲームにて遊技する、といったように、BB状態の種類によってベット数が異なる構成としてもよい。この場合、第1BB状態の各ゲームは特定規定数とは異なるベット数によるゲームとなり、第2BB状態の各ゲームは特定規定数のベット数によるゲームとなる。
(42)第1BB状態と、第2BB状態との遊技は、いずれも押し順報知用の処理や特定処理等の指示機能に関する実行が制限される構成としたが、例えば、第1BB状態の遊技はこれらの指示機能に関する処理の実行が制限される一方、第2BB状態の遊技はこれらの指示機能に関する処理の実行が許容される、といったように、BB状態の種類によって制限の有無が異なる構成としてもよい。また、CB状態やSB状態、MB状態を設け、これらのうちのいずれか又は全部で、各指示機能に関する処理が制限される又は制限されない構成としてもよい。
(43)3ベットゲームでは第2BB入賞を成立させることができず、2ベットゲームでは第1BB入賞を成立させることができない構成としたが、3ベットゲームでは2ベットゲームよりも第2BB入賞しにくい構成としてもよく、2ベットゲームでは3ベットゲームよりも第1BB入賞しにくい構成としてもよい。
(44)3ベットゲームでは第2BB当選とならず、2ベットゲームでは第1BB当選とならない構成としたが、3ベットゲームでは2ベットゲームよりも第2BBに当選しにくい構成としてもよく、2ベットゲームでは3ベットゲームよりも第1BBに当選しにくい構成としてもよい。
(45)1ベットを設定可能な第2クレジット投入スイッチ57を設けなくてもよい。
(46)第1BB状態や第2BB状態の1ゲーム当たりのメダルの純増枚数を約プラス0.00枚として、第1BB状態や第2BB状態ではメダルが増えもせず、減りもしない構成としたが、メダルが増加し得る構成としてもよいし、メダルが減少し得る構成としてもよい。この場合、第1BB状態や第2BB状態での純増枚数が、少なくとも内部状態や非内部状態を3ベットゲームにて遊技した場合の純増枚数よりも多い純増枚数数であればよい。
(47)遊技者が、内部状態や非内部状態を3ベットゲームではなく2ベットゲームにて遊技したり、第1BB入賞や第2BB入賞を成立させることで、指示機能に関する各処理の実行が許容される状態から制限される状態に移行する構成としたが、遊技機側で、例えば、所定ゲーム数の消化によって指示機能に関する各処理の実行が許容される状態から制限される状態に移行する構成としてもよい。
(48)各設定値によって出玉率が変化する構成とし、設定1が最も出玉率が低く、設定6が最も出玉率が高くなる構成としたが、設定値によって出玉(遊技媒体)の増減率や増減態様が変化する構成であればよい。例えば、設定1と設定2との出玉率が同じであるなど、一部の設定値の出玉率が同じであって、他の設定値の出玉率が異なる構成としてもよい。また、設定1,3,5は出玉の増減率が高く、設定2,4,6は出玉の増減率が低い構成としてもよい。また、設定1,5は短時間で出玉が所定量増加し長時間で出玉が所定量減少し、設定2,3,4は所定量の増加に設定1,5よりも長時間要するとともに所定量の減少に設定1,5よりも短時間で済み、設定6は出玉の増減がほとんど発生しない構成としてもよい。これらの場合、各設定値の出玉率は同じであってもよい。
(49)リール及びそれに対応するストップスイッチを3つ並列して備えるスロットマシンについて説明したが、かかる構成に限定されるものではなく、例えばリール及びそれに対応するストップスイッチを5つ並列して備えたスロットマシンであってもよい。リールの停止操作における誤操作を抑制するという観点からすると、リール及びそれに対応するストップスイッチは少なくとも2つあればよい。また、ベット数が3である状況で有効ラインが1ラインに設定されるスロットマシンについて説明したが、かかる構成に限定されるものではなく、例えば、有効ラインは5ラインであってもよい。
(50)スロットマシン10について具体化した例を示したが、スロットマシンとパチンコ機とを融合した形式の遊技機に適用してもよい。即ち、スロットマシンのうち、メダル投入及びメダル払出機能に代えて、パチンコ機のような球投入及び球払出機能をもたせた遊技機(所謂、球使用回胴式遊技機)としてもよい。かかる遊技機をスロットマシンに代えて使用すれば、遊技ホールでは球のみを遊技価値として取り扱うことができるため、パチンコ機とスロットマシンとが混在している現在の遊技ホールにおいてみられる、遊技価値たるメダルと球との別個の取扱による設備上の負担や遊技機設置個所の制約といった問題を解消し得る。
(51)上記実施形態では遊技媒体としてのメダルを投入することベット数を設定して遊技が開始可能となり、当該遊技の入賞に対応する特典として所定数のメダルが払い出されるタイプの遊技機について例示したが、メダルを使用しないメダルレスタイプの遊技機を否定するものではない。このようなメダルレスタイプの遊技機においては、例えば、仮想遊技媒体(所定の遊技価値)を用いてゲームのベット数を設定して遊技を開始可能とし、当該遊技の入賞に対応する特典として上記所定数のメダルに応じた仮想遊技媒体(所定の遊技価値)を付与する構成とするとよい。この場合、当該仮想遊技媒体数を所定の表示部にて表示する構成としてもよいし、当該仮想遊技媒体数に対応する情報を本遊技機外部に出力する構成としてもよい。
また、上記のパチンコ機においては、遊技球の払い出しが行われるタイプのパチンコ機だけでなく、遊技機外部に遊技球が排出されない封入タイプのパチンコ機であってもよい。このような封入タイプのパチンコ機においては、例えば賞球数を示す情報を報知する構成とするとよい。
<第7gの実施形態>
以下、第7gの実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図503はスロットマシン10の正面図、図504はスロットマシン10の前面扉12を閉じた状態の斜視図、図505はスロットマシン10の前面扉12を開いた状態の斜視図、図506は前面扉12の背面図、図507は筐体11の正面図である。なお、以下の説明においては、特に上記各実施形態と異なる構成について説明し、上記各実施形態と共通する構成についてはその説明を省略する。また、以下の説明においては、上記実施形態と同じ機能を備える構成要素については同じ符号を用いて説明し、同じ符号であっても異なる機能を備える構成要素については、本実施形態における特有の符号として取り扱うものとする。
図503~図507に示すように、スロットマシン10は、その外殻を形成する筐体11を備えている。筐体11は、全体として前面を開放した箱状に形成されており、遊技ホールへの設置の際にいわゆる島設備に対し釘を打ち付ける等して取り付けられる。
筐体11の前面側には、前面扉12が開閉可能に取り付けられている。すなわち、筐体11には、その正面から見て左側部に上下一対の支軸13a,13bが設けられており、前面扉12には、各支軸13a,13bと対応する位置に軸受部14a,14bが設けられている。そして、各軸受部14a,14bに各支軸13a,13bが挿入された状態では、前面扉12が筐体11に対して両支軸13a,13bを結ぶ上下方向へ延びる開閉軸線を中心として回動可能に支持され、前面扉12の回動によって筐体11の前面開放側を開放したり閉鎖したりすることができるようになっている。また、前面扉12は、その裏面に設けられた施錠装置20によって開放不能な施錠状態とされる。前面扉12の右端側上部には、施錠装置20と一体化されたキーシリンダ21が設けられており、キーシリンダ21に対する所定のキー操作によって前記施錠状態が解除されるように構成されている。
前面扉12の中央部上寄りには、遊技者に遊技状態を報知する遊技パネル25が設けられている。遊技パネル25には、縦長の3つの表示窓26L,26M,26Rが横並びに形成されており、各表示窓26L,26M,26Rを通じてスロットマシン10の内部が視認可能な状態となっている。なお、各表示窓26L,26M,26Rを1つにまとめて共通の表示窓としてもよい。
図505に示すように、筐体11は仕切り板30によりその内部が上下2分割されており、仕切り板30の上部には、可変表示手段を構成するリールユニット31が取り付けられている。リールユニット31は、円筒状(円環状)にそれぞれ形成された左リール32L,中リール32M,右リール32Rを備えている。各リール32L,32M,32Rは、その中心軸線が当該リールの回転軸線となるように回転可能に支持されている。各リール32L,32M,32Rの回転軸線は略水平方向に延びる同一軸線上に配設され、それぞれのリール32L,32M,32Rが各表示窓26L,26M,26Rと1対1で対応している。したがって、各リール32L,32M,32Rの表面の一部はそれぞれ対応する表示窓26L,26M,26Rを通じて視認可能な状態となっている。また、リール32L,32M,32Rが正回転すると、各表示窓26L,26M,26Rを通じてリール32L,32M,32Rの表面は上から下へ向かって移動しているかのように映し出される。
ここで、リールユニット31の構成を簡単に説明する。
各リール32L,32M,32Rは、それぞれがステッピングモータに連結されており、各ステッピングモータの駆動により各リール32L,32M,32Rが個別に、すなわちそれぞれ独立して回転駆動し得る構成となっている。ステッピングモータは、例えば500パルスの駆動信号(以下、励磁パルスともいう。)を与えることにより1回転されるように設定されており、この励磁パルスによってステッピングモータの回転位置、すなわちリールの回転位置が制御される。また、リールユニット31には、リールが1回転したことを検出するためのリールインデックスセンサが各リール32L,32M,32Rに設置されている。そして、リールインデックスセンサからは、リールが1回転したことを検出した場合、その検出の都度、後述する主制御装置101に検出信号が出力されるようになっている。このため主制御装置101は、リールインデックスセンサの検出信号と、当該検出信号が入力されるまでに出力した励磁パルス数とに基づいて、各リール32L,32M,32Rの角度位置を1回転毎に確認するとともに補正することができる。
各リール32L,32M,32Rの外周面には、その長辺方向(周回方向)に、識別情報としての図柄が複数個描かれている。より具体的には、20個の図柄が等間隔に描かれている。このため、所定の位置においてある図柄を次の図柄へ切り替えるには、25パルス(=500パルス÷20図柄)の励磁パルスの出力を要する。また、主制御装置101は、リールインデックスセンサの検出信号が入力されてから出力した励磁パルス数により、表示窓26L,26M,26Rから視認可能な状態となっている図柄を把握したり、表示窓26L,26M,26Rから視認可能な位置に所定の図柄を停止させたりする制御を行うことができる。
次に、各リール32L,32M,32Rに描かれている図柄について説明する。
図508には、左リール32L,中リール32M,右リール32Rの図柄配列が示されている。同図に示すように、各リール32L,32M,32Rには、それぞれ20個の図柄が一列に配置されている。また、各リール32L,32M,32Rに対応して番号が0~19まで付されているが、これら番号は主制御装置101が表示窓26L,26M,26Rから視認可能な状態となっている図柄を認識するための番号であり、リール32L,32M,32Rに実際に付されているわけではない。但し、以下の説明では当該番号を使用して説明する。
図柄としては、「ベル」図柄(例えば、左リール32Lの1番目)、「リプレイ」図柄(例えば、左リール32Lの0番目)、「赤7」図柄(例えば、左リール32Lの14番目)、「スイカ」図柄(例えば、左リール32Lの2番目)、「チェリー」図柄(例えば、左リール32Lの8番目)、「BAR」図柄(例えば、左リール32Lの9番目)、「白7」図柄(例えば、左リール32Lの3番目)、「青年」図柄(例えば、左リール32Lの18番目)、「赤貝」図柄(例えば、左リール32Lの4番目)、「白貝」図柄(例えば、左リール32Lの19番目)の10種類がある。そして、図508に示すように、各リール32L,32M,32Rにおいて各種図柄の数や配置順序は全く異なっている。
各表示窓26L,26M,26Rは、対応するリールに付された20個の図柄のうち図柄全体を視認可能となる図柄が3個となるように形成されている。このため、各リール32L,32M,32Rがすべて停止している状態では、3×3=9個の図柄が表示窓26L,26M,26Rを介して視認可能な状態となる。
本スロットマシン10では、上記視認可能となる図柄のうち、各リール32L,32M,32Rそれぞれ1の図柄ずつ、計3つの図柄の組合せを利用して各ゲームの遊技結果が報知される。上記のように3×3=9個の図柄が視認可能となることから、これら3つの図柄の組合せとしては、例えば、図509に示すように、各リール32L,32M,32Rの上段図柄を結んだ上ラインL1に停止する各図柄の組合せや、各リール32L,32M,32Rの中段図柄を結んだ中ラインL2に停止する各図柄の組合せや、各リール32L,32M,32Rの下段図柄を結んだ下ラインL3に停止する各図柄の組合せがある。また、左リール32Lの上段図柄,中リール32Mの中段図柄,右リール32Rの下段図柄を結んだ右下がりラインL4に停止する各図柄の組合せや、左リール32Lの下段図柄,中リール32Mの中段図柄,右リール32Rの上段図柄を結んだ右上がりラインL5に停止する各図柄の組合せがある。その他、左リール32Lの中段図柄,中リール32Mの上段図柄,右リール32Rの上段図柄を結んだ折れ曲がりラインL6に停止する各図柄の組合せもある。上記のラインL1~L5は各図柄を並べると一直線となるラインであり、折れ曲がりラインL6は各図柄を並べると途中で折れ曲がりが生じるラインである。なお、折れ曲がりが生じるラインに停止する各図柄の組合せとしては、折れ曲がりラインL6以外にもあるが、ここでは説明を省略する。
これらラインL1~L6のうち、メダルのベットによって有効化されるラインと有効化されないラインとが設定され、有効化されたライン、すなわち有効ライン上に図柄が所定の組合せで停止した場合には、入賞成立として、遊技媒体たるメダルが所定数払い出される特典が付与されたり、遊技状態が移行される特典が付与されたりするようになっている。その一方で、有効化されないライン上に図柄が所定の組合せで停止した場合には、入賞は成立せず、上記特典は付与されない。
本スロットマシン10では、上記のラインL1~L6のうち、折れ曲がりラインL6が有効ラインとして設定される。より詳しくは、本スロットマシン10では、3枚のメダルがベットされてゲームが開始される場合と1枚のメダルがベットされてゲームが開始される場合とがあり、これら3枚又は1枚のメダルがベットされてゲームが開始される場合には、折れ曲がりラインL6のみが有効ラインとして設定され、他のラインL1~L5は有効ラインとしては設定されない。以下の説明では、折れ曲がりラインL6を有効ラインMLと称する場合がある。また、以下では、3枚のメダルがベットされて開始されるゲームを3ベットゲーム、1枚のメダルがベットされて開始されるゲームを1ベットゲーム、1枚のメダルがベットされて開始されるゲームを2ベットゲーム、ともいう。なお、本実施形態では、2ベットゲームは設定されない。
図510~図512は、入賞となる図柄の組合せと、入賞となった場合に付与される特典と、の対応関係を示す図である。
メダル払出が行われる小役入賞としては、第1小役入賞~第32小役入賞がある。
左リール32Lの「リプレイ」図柄と、中リール32Mの「リプレイ」図柄と、右リール32Rの「リプレイ」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合には、第1小役入賞となる。第1小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは13枚のメダル払出が行われ、1ベットゲームでは5枚のメダル払出が行われる。
図513(a)に示すように、有効ラインMLに第1小役入賞に対応する図柄が停止すると、右下がりラインL4には「ベル」図柄が揃って停止する。そのため、遊技者は、ベルに対応する小役入賞が成立したことを容易に理解可能となる。
左リール32Lの「リプレイ」図柄と、中リール32Mの「ベル」図柄と、右リール32Rの「ベル」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合には、第2小役入賞となる。第2小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは13枚のメダル払出が行われ、1ベットゲームでは5枚のメダル払出が行われる。
図513(b)に示すように、有効ラインMLに第2小役入賞に対応する図柄が停止すると、上ラインL1には「ベル」図柄が揃って停止する。そのため、遊技者は、ベルに対応する小役入賞が成立したことを容易に理解可能となるとともに、「ベル」図柄が揃うラインの相違から、上記の第1小役入賞とは異なる小役入賞が成立していることも理解可能となる。
左リール32Lの「ベル」図柄と、中リール32Mの「リプレイ」図柄と、右リール32Rの「スイカ」図柄又は「赤貝」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合には、第3小役入賞となる。第3小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは13枚のメダル払出が行われ、1ベットゲームでは5枚のメダル払出が行われる。
図513(c)に示すように、有効ラインMLに第3小役入賞に対応する図柄が停止すると、中ラインL2には「ベル」図柄が揃って停止する。そのため、遊技者は、ベルに対応する小役入賞が成立したことを容易に理解可能となるとともに、「ベル」図柄が揃うラインの相違から、上記の第1小役入賞や第2小役入賞とは異なる小役入賞が成立していることも理解可能となる。
左リール32Lの「スイカ」図柄と、中リール32Mの「リプレイ」図柄と、右リール32Rの「ベル」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合には、第4小役入賞となる。第4小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは13枚のメダル払出が行われ、1ベットゲームでは5枚のメダル払出が行われる。
図513(d)に示すように、有効ラインMLに第4小役入賞に対応する図柄が停止すると、右上がりラインL5には「ベル」図柄が揃って停止する。そのため、遊技者は、ベルに対応する小役入賞が成立したことを容易に理解可能となるとともに、「ベル」図柄が揃うラインの相違から、上記の第1小役入賞~第3小役入賞とは異なる小役入賞が成立していることも理解可能となる。
左リール32Lの「スイカ」図柄と、中リール32Mの「スイカ」図柄と、右リール32Rの「リプレイ」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合には、第5小役入賞となる。第5小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは13枚のメダル払出が行われ、1ベットゲームでは5枚のメダル払出が行われる。
図513(e)に示すように、有効ラインMLに第5小役入賞に対応する図柄が停止すると、下ラインL3には「ベル」図柄が揃って停止する。そのため、遊技者は、ベルに対応する小役入賞が成立したことを容易に理解可能となるとともに、「ベル」図柄が揃うラインの相違から、上記の第1小役入賞~第4小役入賞とは異なる小役入賞が成立していることも理解可能となる。
左リール32Lの「スイカ」図柄と、中リール32Mの「リプレイ」図柄と、右リール32Rの「リプレイ」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合には、第6小役入賞となる。第6小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは13枚のメダル払出が行われ、1ベットゲームでは5枚のメダル払出が行われる。
図513(f)に示すように、有効ラインMLに第6小役入賞に対応する図柄が停止すると、左リール32Lの下段、中リール32Mの中段、右リール32Rの下段にそれぞれ「ベル」図柄が停止する(小山型に停止する)。そのため、遊技者は、ベルに対応する小役入賞が成立したことを容易に理解可能となるとともに、「ベル」図柄の停止位置の相違から、上記の第1小役入賞~第5小役入賞とは異なる小役入賞が成立していることも理解可能となる。
左リール32Lの「ベル」図柄と、中リール32Mの「白7」図柄、「チェリー」図柄、「赤貝」図柄又は「青年」図柄と、右リール32Rの「白7」図柄、「白貝」図柄又は「青年」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合には、第7小役入賞となる。第7小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは3枚のメダル払出が行われ、1ベットゲームでは3枚のメダル払出が行われる。
図514(a)に示すように、有効ラインMLに第7小役入賞に対応する図柄が停止すると、右下がりラインL4には「スイカ」図柄が揃って停止する。そのため、遊技者は、スイカに対応する小役入賞が成立したことを容易に理解可能となる。
左リール32Lの「ベル」図柄と、中リール32Mの「スイカ」図柄と、右リール32Rの「スイカ」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合には、第8小役入賞となる。第8小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは3枚のメダル払出が行われ、1ベットゲームでは3枚のメダル払出が行われる。
図514(b)に示すように、有効ラインMLに第8小役入賞に対応する図柄が停止すると、上ラインL1には「スイカ」図柄が揃って停止する。そのため、遊技者は、スイカに対応する小役入賞が成立したことを容易に理解可能となるとともに、「スイカ」図柄が揃うラインの相違から、上記の第7小役入賞とは異なる小役入賞が成立していることも理解可能となる。
第9小役~第32小役は、主に、第1小役~第6小役の取りこぼし時に入賞が成立する、所謂取りこぼし役である。第9小役入賞~第32小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは1枚のメダル払出が行われ、1ベットゲームでは1枚のメダル払出が行われる。第9小役~第32小役は、左リール32Lの「リプレイ」図柄、「赤7」図柄、「BAR」図柄、「赤貝」図柄、「白貝」図柄、「青年」図柄又は「ベル」図柄と、中リール32Mの「白7」図柄、「チェリー」図柄、「赤貝」図柄、「青年」図柄、「赤7」図柄、「スイカ」図柄、「リプレイ」図柄、「BAR」図柄、「ベル」図柄又は「白貝」図柄と、右リール32Rの「赤7」図柄、「白7」図柄、「白貝」図柄、「青年」図柄、「スイカ」図柄、「赤貝」図柄、「BAR」図柄又は「リプレイ」図柄と、による対応する組み合わせが有効ラインML上に停止することで入賞が成立する。図510及び図511に示すように、これら第9小役入賞~第32小役入賞に対応する図柄の組み合わせは、いずれも直線ライン(L1~L5)に「ベル」図柄が揃って停止することがないように設定されており、ベルに対応する小役入賞が成立していないことを容易に理解可能となるように設定されている。
ちなみに、上記の第1小役入賞~第32小役入賞に基づいてメダルが払い出される構成において、払い出される小役は、遊技の結果に応じて付与される特典の一種である。なお、本明細書においては、払い出されたメダルのことを出玉とも称する場合があり、投入した(ベットした)メダルの数に対する払出メダル(出玉)の数の割合を出玉率とも称する場合がある。
メダルを投入することなく次ゲームの遊技を行うことが可能な再遊技の特典が付与される入賞としては、第1再遊技入賞~第12再遊技入賞がある。図512に示すように、これら第1再遊技~第12再遊技に対して、入賞となる図柄組み合わせがそれぞれ設定されている。
第1再遊技は、左リール32Lの「リプレイ」図柄と、中リール32Mの「スイカ」図柄と、右リール32Rの「赤7」図柄、「白7」図柄、「白貝」図柄又は「青年」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合に入賞が成立する。図514(c)に示すように、有効ラインMLに第1再遊技入賞に対応する図柄が停止すると、中ラインL2には「リプレイ」図柄が揃って停止する。そのため、遊技者は、リプレイに対応する再遊技入賞が成立したことを容易に理解可能となる。
第2再遊技は、左リール32Lの「リプレイ」図柄と、中リール32Mの「ベル」図柄と、右リール32Rの「BAR」図柄又は「チェリー」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合に入賞が成立する。有効ラインMLに第2再遊技入賞に対応する図柄が停止すると、図516(a)に示すように、右上がりラインL5に「BAR」図柄が揃って停止したり、図516(b)に示すように、右上がりラインL5に左から順に「赤7」図柄、「赤7」図柄、「BAR」図柄が停止したりする。第2再遊技入賞が成立すると、遊技状態の移行は生じないものの、遊技者にとって有利な報知モードとしての第1ATモードが開始する。
第3再遊技は、左リール32Lの「ベル」図柄、「赤貝」図柄又は「青年」図柄と、中リール32Mの「ベル」図柄と、右リール32Rの「ベル」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合に入賞が成立する。有効ラインMLに第3再遊技入賞に対応する図柄が停止すると、図516(c)に示すように、下ラインL3に「白7」図柄が揃って停止したり、図516(d)に示すように、右下がりラインL4に「赤7」図柄が揃って停止したりする。第3再遊技入賞が成立すると、遊技状態の移行は生じないものの、遊技者にとって有利な報知モードとしての第2ATモードが開始する。
第4再遊技及び第5再遊技は、複数の再遊技が重複して当選する場合の調整用の再遊技である。
第6再遊技は、左リール32Lの「ベル」図柄と、中リール32Mの「スイカ」図柄と、右リール32Rの「赤7」図柄、「白7」図柄、「BAR」図柄、「チェリー」図柄、「白貝」図柄又は「青年」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合に入賞が成立する。図514(d)に示すように、有効ラインMLに第6再遊技入賞に対応する図柄が停止すると、左リール32Lの上段と中リール32Mの上段とに「スイカ」図柄が停止する一方、右リール32Rの上段には「スイカ」図柄が停止せず(右リール32Rの下段に「スイカ」図柄が停止し)、所謂上段スイカテンパイ外れの停止態様となる。また、有効ラインMLに第6再遊技入賞に対応する図柄が停止すると、左リール32Lの上段と右リール32Rの下段とに「スイカ」図柄が停止する一方、中リール32Mの中段には「スイカ」図柄が停止せず(中リール32Mの上段に「スイカ」図柄が停止し)、所謂右下がりスイカテンパイ外れの停止態様となる。
第7再遊技は、左リール32Lの「ベル」図柄と、中リール32Mの「白7」図柄、「チェリー」図柄、「赤貝」図柄又は「青年」図柄と、右リール32Rの「スイカ」図柄又は「赤貝」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合に入賞が成立する。図514(e)に示すように、有効ラインMLに第7再遊技入賞に対応する図柄が停止すると、左リール32Lの上段と右リール32Rの上段とに「スイカ」図柄が停止する一方、中リール32Mの上段には「スイカ」図柄が停止せず(中リール32Mの中段に「スイカ」図柄が停止し)、所謂上段スイカテンパイ外れの停止態様となる。また、有効ラインMLに第7再遊技入賞に対応する図柄が停止すると、左リール32Lの上段と中リール32Mの中段とに「スイカ」図柄が停止する一方、右リール32Rの下段には「スイカ」図柄が停止せず(右リール32Rの上段に「スイカ」図柄が停止し)、所謂右下がりスイカテンパイ外れの停止態様となる。
第8再遊技は、左リール32Lの「スイカ」図柄と、中リール32Mの「白7」図柄、「チェリー」図柄、「赤貝」図柄又は「青年」図柄と、右リール32Rの「リプレイ」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合に入賞が成立する。図515(a)に示すように、有効ラインMLに第8再遊技入賞に対応する図柄が停止すると、中ラインL2には「スイカ」図柄が揃って停止する。
第9再遊技は、左リール32Lの「リプレイ」図柄と、中リール32Mの「スイカ」図柄と、右リール32Rの「スイカ」図柄又は「赤貝」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合に入賞が成立する。図515(b)に示すように、有効ラインMLに第9再遊技入賞に対応する図柄が停止すると、左リール32Lの中段と中リール32Mの中段とに「リプレイ」図柄が停止する一方、右リール32Rの中段には「リプレイ」図柄が停止せず(右リール32Rの中段に「ベル」図柄が停止し)、所謂中段リプレイテンパイ外れの停止態様となる。
第10再遊技は、左リール32Lの「BAR」図柄と、中リール32Mの「白7」図柄、「BAR」図柄、「チェリー」図柄、「赤貝」図柄又は「青年」図柄と、右リール32Rの「赤7」図柄、「白7」図柄、「BAR」図柄、「チェリー」図柄、「白貝」図柄又は「青年」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合に入賞が成立する。また、第12再遊技は、左リール32Lの「BAR」図柄と、中リール32Mの「BAR」図柄と、右リール32Rの「ベル」図柄、「スイカ」図柄又は「赤貝」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合に入賞が成立する。図515(c)及び図515(d)に示すように、有効ラインMLに第10再遊技入賞又は第12再遊技入賞に対応する図柄が停止すると、左リール32Lの下段に「チェリー」図柄が停止する。第10再遊技又は第12再遊技に当選している場合、右リール32Rに「チェリー」図柄を狙って停止操作を行うと、第10再遊技入賞の場合には上段に「チェリー」図柄が停止し、第12再遊技入賞の場合には中段又は下段に「チェリー」図柄が停止するため、これら第10再遊技入賞と第12再遊技入賞とを区別することが可能である。第11再遊技は、これら第10再遊技や第12再遊技を入賞させることができない場合、すなわち取りこぼしが生じ得る場合に入賞が成立するものである。
遊技状態の移行のみが行われる状態移行入賞としては、第1BB入賞,第2BB入賞がある。
左リール32Lの「白7」図柄と、中リール32Mの「白貝」図柄と、右リール32Rの「チェリー」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合には、第1BB入賞となる。第1BB入賞が成立した場合、遊技状態が第1BB状態に移行する。図515(e)に示すように、有効ラインMLに第1BB入賞に対応する図柄が停止すると、中ラインL2には「白7」図柄が揃って停止する。
左リール32Lの「白7」図柄と、中リール32Mの「白貝」図柄と、右リール32Rの「BAR」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合には、第2BB入賞となる。第2BB入賞が成立した場合、遊技状態が第2BB状態に移行する。図515(f)に示すように、有効ラインMLに第2BB入賞に対応する図柄が停止すると、左リール32Lの中段及び中リール32Mの中段に「白7」図柄が停止し、右リール32Rの中段に「赤7」図柄が停止する。
本実施形態では、各リール32L,32M,32Rのベルトを内側から照らすバックライト装置100が、各リール32L,32M,32Rの内側面側に取り付けられている。このバックライト装置100は、各リール32L,32M,32Rと1対1に対応させて取り付けられており、左バックライト装置100L、中バックライト装置100M及び右バックライト装置100Rから構成される。各バックライト装置100L,100M,100Rは、図517(a)に示すように、リールユニット31内において各リール32L,32M,32Rに対応させて配置された各モータプレート53L,53M,53Rの側面の遊技パネル25側に取り付けられている。そして、各バックライト装置100L,100M,100Rは、上下方向にみて同じ位置に配置されている。このバックライト装置100L,100M,100Rの構成を図517(a)及び図517(b)を用いて以下に説明する。なお、図517(b)には、左バックライト装置100Lの構成のみを示すが、中バックライト装置100M及び右バックライト装置100Rも同様の構成である。図517(a)は各リール32L,32M,32Rを取り除いた状態におけるリールユニット31周辺を拡大して示す斜視図であり、図517(b)は左バックライト装置100Lの構成を示す正面図である。
図517(b)に示すように、左バックライト装置100Lは、前方側が開放された箱形状であって上下方向の長さ及び左右方向の長さが表示窓26Lとほぼ同じ長さであるベース101Lを備えている。ベース101Lは、その開口領域を区切る隔壁が等間隔に上下に2個形成されていることにより、第1開口領域102L、第2開口領域103L及び第3開口領域104Lが上・中・下段に並ぶ構成となっている。そして、前面扉12を閉じた状態においては、各開口領域102L,103L,104Lはそれぞれ表示窓26Lの上・中・下段に対応した位置の後方に位置することとなる。具体的には、第1開口領域102Lは表示窓26Lの上段付近の後方に位置し、第2開口領域103Lは表示窓26Lの中段付近の後方に位置し、第3開口領域104Lは表示窓26Lの下段付近の後方に位置する。また、第1開口領域102Lの開口前面は若干上方を向いており、第3開口領域104Lの開口前面は若干下方をむいている。従って、ベース101Lの側面は遊技パネル25側に向けて膨らんだ円弧状となっている。
これら各開口領域102L,103L,104Lには、白色発光の発光ダイオードからなる10個ずつのバックライト100aが前方に向けて起立するように配設されている。そして、各開口領域102L,103L,104Lにおけるバックライト100aは、所定間隔を隔てて上下2行に分けて5個ずつ配置されており、各列のバックライト100aは所定間隔を隔てて水平となるように並んでいる。即ち、左バックライト装置100Lには、第1開口領域102Lの上の行である第1行BL1及び下の行である第2行BL2、第2開口領域103Lの上の行である第3行BL3及び下の行である第4行BL4、第3開口領域104Lの上の行である第5行BL5及び下の行である第6行BL6といったように、隔壁を挟んで上下方向に合計6行のバックライト100aのラインが存在することとなる。また、左バックライト装置100Lには、左から第1列BR1、第2列BR2、第3列BR3、第4列BR4、第5列BR5といったように、第1開口領域102L、第2開口領域103L、第3開口領域104Lを跨いで左右方向に合計5列のバックライト100aのラインが存在することとなる。
中バックライト装置100M及び右バックライト装置100Rにもそれぞれ合計6行のバックライト100aのラインが存在しており、上述したように、各バックライト装置100L,100M,100Rは、上下方向にみて同じ位置に配置されているため、各バックライト装置100L,100M,100Rの各行BL1~BL6は、それぞれ同一ライン上に位置することなる。即ち、第1行BL1は、各バックライト装置100L,100M,100Rの第1開口領域102L,102M,102Rの上の列に配設された合計6個のバックライト100aを水平に結んだラインということになる。他の各行BL2~BL6についても同様である。
また、中バックライト装置100M及び右バックライト装置100Rにもそれぞれ合計5行のバックライト100aのラインが存在しており、各バックライト装置100L,100M,100Rの各列BR1~BR5を合わせると、合計15列のバックライト100aのラインが存在することになる。
つまり、本実施形態では、各バックライト100aは6行、15列の格子状となるように配置されており、それぞれが個別に点灯及び消灯の制御が行われるようになっている。
各バックライト100aが点灯することにより、各リール32L,32M,32Rのベルトのそれぞれ異なる位置が後方から白色に照らされることとなる。なお、上述したように、各ベース101L,101M,101Rが隔壁により3つの開口領域に区分されている。従って、第1行BL1及び第2行BL2上のバックライト100aが点灯した場合には、表示窓26L,26M,26Rの上段に対応した位置付近のベルトの内側面のみが照らされ、表示窓26L,26M,26Rの中段及び下段に対応した位置付近のベルトの内側面は照らされない。これは他の行BL3~BL6上のバックライト100aが点灯した場合も同様である。ベルトは照射された光をある程度透過することができる材質の材料により形成されているので、バックライト100aによってベルトが後方から照らされると、ベルトを透過した光が表示窓26L,26M,26Rを介して遊技者に視認される。これにより、遊技者に当該光が照射されている部分のベルトの外側面が、白くなっていることを視認させることができ、ベルトの光が照射されている部分に付されている図柄を他の部分に付されている図柄よりも強調することができる。
また、上記のように各バックライト100aが格子状に配置されていることから、所定のパターンに配置されているバックライト100aを個別に点灯し、他のバックライト100aを消灯する等により、ベルトが当該所定のパターンの模様にて照らされている様子を演出として行うことが可能となる。バックライト100aを用いて、リールを所定のパターンにて照らす演出(以下の説明では、フラッシュ演出とも称する)については、後に詳細に説明する。ちなみに、当該フラッシュ演出が行われていない状況では、基本的にはいずれのバックライト100aも点灯しており、且つ、前面扉12の背面側であって表示窓26L,26M,26Rの上方に配設され、後述する表示制御装置81に接続されている図示しないフロントライトにより各リール32L,32M,32Rは照らされており、各リール32L,32M,32Rに付されている図柄の視認性が高められている。そして、当該フラッシュ演出が行われる場合には、同フロントライトは消灯し、且つ所定のパターンのバックライト100aが点灯するように制御されることにより、各リール32L,32M,32Rに付されているそれぞれの図柄よりも、当該所定のパターンの模様の方が視認し易くなる。
遊技パネル25の下方左側には、各リール32L,32M,32Rの回転を開始させるために操作されるスタートレバー41が設けられている。スタートレバー41はリール32L,32M,32Rを回転開始、すなわち図柄の可変表示を開始させるべく操作される開始操作手段又は始動操作手段を構成する。所定数のメダルが投入されている状態でスタートレバー41を操作された場合、各リール32L,32M,32Rが回転を開始するようになっている。
スタートレバー41の右側には、回転している各リール32L,32M,32Rを個別に停止させるために操作されるボタン状のストップスイッチ42~44が設けられている。各ストップスイッチ42~44は、停止対象となるリール32L,32M,32Rに対応する表示窓26L,26M,26Rの直下にそれぞれ配置されている。
ストップスイッチ42~44には、それぞれストップ検出センサ42a~44a(図518)が接続されており、ストップ検出センサ42a~44aと後述する主制御装置101とが接続されている。そして主制御装置101では、ストップ検出センサ42a~44aからの検知信号に基づいて、ストップスイッチ42~44の操作が行われたことを把握する。具体的には、ストップスイッチ42~44が操作されていない場合には、ストップ検出センサ42a~44aからはLOW信号の検知信号が出力されており、ストップスイッチ42~44が操作されることにより、当該検知信号がLOW信号からHI信号に切り換わる。主制御装置101では、かかる信号の切り換わりを把握して、ストップスイッチ42~44が操作されたことを把握する。主制御装置101では、ストップスイッチ42~44が操作されたことを把握した場合には、操作されたスイッチに対応するリールの回転を停止するように制御する。
すなわち、左ストップスイッチ42が操作された場合には左リール32Lの回転が停止し、中ストップスイッチ43が操作された場合には中リール32Mの回転が停止し、右ストップスイッチ44が操作された場合には右リール32Rの回転が停止する。ストップスイッチ42~44はリール32L,32M,32Rの回転に基づく図柄の可変表示を停止させるべく操作される停止操作手段を構成する。
表示窓26L,26M,26Rの下方右側には、メダルを投入するためのメダル投入口45が設けられている。メダル投入口45は遊技媒体を入力する入力手段を構成する。また、メダル投入口45が遊技者によりメダルを直接投入するという動作を伴う点に着目すれば、遊技媒体を直接入力する直接入力手段を構成するものとも言える。
メダル投入口45から投入されたメダルは、前面扉12の背面に設けられた通路切替手段としてのセレクタ46によって貯留用通路47か排出用通路48のいずれかへ導かれる。より詳しくは、セレクタ46にはメダル通路切替ソレノイド46aが設けられており、そのメダル通路切替ソレノイド46aの非励磁時にはメダルが排出用通路48側に導かれ、前記メダル通路切替ソレノイド46aの励磁時にはメダルが貯留用通路47側に導かれるようになっている。貯留用通路47に導かれたメダルは、筐体11の内部に収納されたホッパ装置51へと導かれる。一方、排出用通路48に導かれたメダルは、前面扉12の前面下部に設けられたメダル排出口49からメダル受け皿50へと導かれ、遊技者に返還される。
ホッパ装置51は、メダルを貯留する貯留タンク52と、メダルを遊技者に払い出す払出装置53とより構成されている。払出装置53は、図示しないメダル払出用回転板を回転させることにより、排出用通路48に設けられた開口48aへメダルを排出し、排出用通路48を介してメダル受け皿50へメダルを払い出すようになっている。また、ホッパ装置51の右方には、貯留タンク52内に所定量以上のメダルが貯留されることを回避するための予備タンク54が設けられている。ホッパ装置51の貯留タンク52内部には、この貯留タンク52から予備タンク54へとメダルを排出する誘導プレート52aが設けられている。したがって、誘導プレート52aが設けられた高さ以上にメダルが貯留された場合、かかるメダルが予備タンク54に貯留されることとなる。
メダル投入口45の下方には、ボタン状の返却スイッチ55が設けられている。メダル投入口45に投入されたメダルがセレクタ46内に詰まった状況下で返却スイッチ55を操作された場合、セレクタ46が機械的に連動して動作され、当該セレクタ46内に詰まったメダルがメダル排出口49から返却されるようになっている。
表示窓26L,26M,26Rの下方左側には、遊技媒体としてのクレジットされた仮想メダルを、一度に、ゲームの規定枚数のうちの最大枚数としての特定枚数を投入するための第1クレジット投入スイッチ56が設けられている。例えば、ゲームの規定枚数が3枚として設定されており特定枚数が3枚である場合に第1クレジット投入スイッチ56が操作されると、クレジットがあることを条件に3枚の仮想メダルの投入が行われ、規定枚数が1枚として設定されており特定枚数が1枚である場合に第1クレジット投入スイッチ56が操作されると、クレジットがあることを条件に1枚の仮想メダルの投入が行われ、規定枚数が3枚又は1枚として設定されており特定枚数が3枚である場合いる場合に第1クレジット投入スイッチ56が操作されると、クレジットがあることを条件に3枚の仮想メダルの投入が行われる。なお、第1クレジット投入スイッチ56が操作された場合、特定枚数のクレジットが無い場合には、クレジットの分だけ仮想メダルの投入が行われる。例えば、特定枚数が3枚として設定されており、クレジットが1である場合は1枚の仮想メダルの投入が行われる。
また、第1クレジット投入スイッチ56の左方には第2クレジット投入スイッチ57が設けられている。第2クレジット投入スイッチ57は仮想メダルを1枚投入するためのものである。各クレジット投入スイッチ56,57は前記メダル投入口45とともに遊技媒体を入力する入力手段を構成する。また、メダル投入口45が遊技者によりメダルを直接投入するという動作を伴うのに対し、各クレジット投入スイッチ56,57は貯留記憶に基づく仮想メダルの投入という動作を伴うに過ぎない点に着目すれば、遊技媒体を間接入力する間接入力手段を構成するものとも言える。なお、本スロットマシン10では、仮想メダルを2枚投入するためクレジット投入スイッチは設けられていない。
第1クレジット投入スイッチ56は第2クレジット投入スイッチ57よりも、遊技者により操作される操作面が大きく設定されており、その操作性が第1クレジット投入スイッチ56の方が第2クレジット投入スイッチ57よりも優れている。そのため、通常であれば、遊技者は、第1クレジット投入スイッチ56を操作して遊技を進行することが想定される。つまり、通常であれば、規定枚数のうちの設定されている特定枚数を投入して遊技を行うものと考えられる。
なお、第1クレジット投入スイッチ56には、当該第1クレジット投入スイッチ56が操作されたことを検知する第1クレジット投入検出センサ56aが設けられており、第2クレジット投入スイッチ57には、当該第2クレジット投入スイッチ57が操作されたことを検知する第2クレジット投入検出センサ57aが設けられており、これら各クレジット投入検出センサ56a,57aによって、各クレジット投入スイッチ56,57の操作が検知される(図518参照)。また、第1クレジット投入スイッチ56には、第1クレジットランプ56bが内蔵されている。第1クレジットランプ56bは点灯状態と消灯状態とに切り替わり可能に構成されており、第1クレジットランプ56bを点灯状態とすることによって第1クレジット投入スイッチ56の操作が促される。なお、第1クレジット投入スイッチ56の操作が可能な状態で点灯状態となる構成に代えて又は加えて、点滅状態となる構成としてもよい。
第1クレジット投入スイッチ56と第2クレジット投入スイッチ57との右方には、演出発生時に操作される演出スイッチ66が設けられている。
スタートレバー41の左方には、清算スイッチ59が設けられている。すなわち、本スロットマシン10では、所定の最大値(メダル50枚分)となるまでの余剰の投入メダルや入賞時の払出メダルを仮想メダルとして貯留記憶するクレジット機能を有しており、仮想メダルが貯留記憶されている状況下で清算スイッチ59を操作された場合、仮想メダルが現実のメダルとしてメダル排出口49から払い出されるようになっている。この場合、クレジットされた仮想メダルを現実のメダルとして払い出すという機能に着目すれば、清算スイッチ59は貯留記憶された遊技媒体を実際に払い出すための清算用操作手段を構成するものとも言える。
遊技パネル25の表示窓26L,26M,26R下方には、クレジットされている仮想メダル数を表示するクレジット表示部60と、BB状態が終了するまでに払い出される残りのメダル数を表示する残払出枚数表示部61と、入賞時に払い出したメダルの枚数を表示する払出枚数表示部62とがそれぞれ設けられている。これら表示部60~62は7セグメント表示器によって構成されているが、液晶表示器等によって代替することは当然可能である。
遊技パネル25における表示窓26L,26M,26Rの下方であって、払出枚数表示部62の右方には、ストップスイッチ42~44の操作順序を報知する押し順表示器と、操作順序を報知することによって小役の入賞率を変化させ遊技者にとって有利な状況で遊技を進行可能となる区間である有利区間を示すための区間表示器と、を有する指示モニタ68が設けられている。指示モニタ68については、後に詳細に説明する。
遊技パネル25における表示窓26L,26M,26Rの下方であって、クレジット表示部60の左方には、第1クレジット投入スイッチ56や第2クレジット投入スイッチ57の操作やメダル投入口45へのメダル投入によって設定されるゲームのベット数を表示するための第1表示部としてのBET表示部75と、現状の遊技の進行状態を示す遊技状態表示部76とが設けられている。
また、遊技パネル25における表示窓26L,26M,26Rの左方には、上記のゲームのベット数を表示するための第2表示部としてのベット表示部34が設けられている。更に、遊技パネル25における表示窓26L,26M,26Rの右方には、ボーナス状態としてのBB状態への移行が可能となる第1BBや第2BBに当選していることを報知するための確定表示部35が設けられている。
ベット表示部34は、第1ベット表示部34a、第2ベット表示部34b、第3ベット表示部34cを有しており、いずれのベット表示部34a~34cも点灯状態(又は点滅状態)と消灯状態とに切り替わり可能に構成されており、点灯状態とされるベット表示部34a~34cによって、ベット数が報知される。例えば、ベット表示部34のうち、第1ベット表示部34aと第2ベット表示部34bとが点灯状態であって第3ベット表示部34cが消灯状態の場合には2枚のベットが行われていることを意味し、また、全てのベット表示部34a~34cが点灯状態の場合には3枚のベットが行われていることを意味する。
図による詳細な説明は省略するが、BET表示部75も、第1BET表示部75a、第2BET表示部75b、第3BET表示部75cを有しており、点灯状態とされるBET表示部によって、ベット数が報知される。但し、BET表示部75は後述する主制御装置101に接続されており、ベット表示部34は後述する表示制御装置81に接続されており(図519参照)、BET表示部75が主制御装置101にて制御されるのに対して、ベット表示部34は表示制御装置81にて制御される点で相違している。また、BET表示部75よりもベット表示部34の方が、遊技パネル25において、各表示部34,75が点灯状態となった場合に光を透過する領域の面積が大きく設定されており、BET表示部75よりもベット表示部34の方が遊技者の目を引き易い(把握し易い)ように設定されている。なお、BET表示部75よりもベット表示部34の方が、遊技者の目を引き易い(遊技者が把握し易い)構成であればよく、点灯状態となった場合の輝度や光量が多くなるようにしてもよいし、ベット表示部34を動作可能な役物等により構成されるものとしてもよいし、ベット表示部34によるベット数の表示が補助表示部65にて行われる構成としてもよい。
遊技状態表示部76は、再遊技状態表示部76aと、開始可能状態表示部76bと、受入可能状態表示部76cとを有している(図519参照)。再遊技状態表示部76aは、今回のゲームのベット数と同数のベット数にて次のゲームを実行可能となる再遊技状態に設定されていることを報知するためのものであり、再遊技状態に設定された場合に点灯状態とされ、再遊技状態に設定されたゲームが終了すると消灯状態とされる。開始可能状態表示部76bは、ゲームの開始操作を受付可能な開始可能状態となったことを報知するためのものであり、開始状態に設定された場合に点灯状態とされ、開始可能状態にて開始操作を受け付けた場合に消灯状態とされる。受入可能状態表示部76cは、メダル投入口45からのメダルの投入が可能な受入可能状態であることを報知するためのものであり、受入可能状態である場合に点灯状態とされ、メダルの投入を受け付けない場合に消灯状態とされる。
前面扉12の上部には、遊技の進行に伴い点灯したり点滅したりする上部ランプ63と、遊技の進行に伴い種々の効果音を鳴らしたり、遊技者に遊技状態を報知したりする左右一対のスピーカ64と、遊技者に各種情報を与える補助表示部65とが設けられている。補助表示部65は、遊技の進行に伴って各種表示演出を実行するためのものであり、各リール32L,32M,32Rによる遊技を主表示部によるものと考えることができることから、本実施形態では補助表示部65と称している。補助表示部65の背面には、上部ランプ63やスピーカ64、補助表示部65を駆動させるための表示制御装置81が設けられている。
前面扉12において、遊技パネル25の下方であって、ストップスイッチ42~44よりも下方には、遊技機の機種名が記載されたり、所定の表示画面を構成する下表示部69が設けられている。なお、下表示部69を液晶表示部として構成してもよく、下表示部69に演出用の操作ボタンを設けてもよく、下表示部69全体を操作可能に構成してもよい。
筐体11の内部においてホッパ装置51の左方には、電源ボックス70が設けられている。電源ボックス70は、その内部に電源装置91を収容するとともに、電源スイッチ71やリセットスイッチ72、設定キー挿入孔73などを備えている。電源スイッチ71は、主制御装置101を始めとする各部に電源を供給するための起動スイッチである。リセットスイッチ72は、スロットマシン10のエラー状態をリセットするためのスイッチである。また、設定キー挿入孔73は、ホール管理者などがメダルの出玉調整を行うためのものである。すなわち、ホール管理者等が設定キーを設定キー挿入孔73へ挿入してON操作することにより、スロットマシン10の当選確率(設定値)を設定できるようになっている。なお、リセットスイッチ72は、エラー状態をリセットする場合の他に、スロットマシン10の当選確率を変更する場合にも操作される。
リールユニット31の上方には、遊技を統括管理する主制御装置101が筐体11に取り付けられている。
主制御装置101には、遊技者にとって有利な遊技状態と、そうではない状態との比率を明示するための役比モニタ77が設けられている。役比モニタ77は、前面扉12を開放状態とすることで遊技機前方から視認可能となり、且つ、前面扉12を閉鎖状態とすることで遊技機前方から視認不可となるように、主制御装置101において遊技機前方を向く側に設置されており、より詳しくは、主制御装置101が収容される基板ボックスを介して役比モニタ77の表示面が視認可能となるように、基板ボックス内に収容されている。ちなみに、前面扉12が閉鎖状態とされている場合、役比モニタ77は表示窓26L~26Rの隙間等のからも視認不可であり、キーシリンダ21に対する所定のキー操作によって施錠状態が解除されて前面扉12を開放状態としない限り、役比モニタ77を確認することが不可となっている。なお、役比モニタ77については、後に詳細に説明する。
次に、本スロットマシン10の電気的構成について、図518及び図519のブロック図に基づいて説明する。
主制御装置101には、演算処理手段であるCPU102を中心とするマイクロコンピュータが搭載されている。CPU102には、電源装置91の他に、所定周波数の矩形波を出力するクロック回路103や、入出力ポート104などが内部バスを介して接続されている。かかる主制御装置101は、スロットマシン10に内蔵されるメイン基盤としての機能を果たすものである。
主制御装置101の入力側には、リールユニット31(より詳しくは各リール32L,32M,32Rが1回転したことを個別に検出するリールインデックスセンサ)、スタートレバー41の操作を検出するスタート検出センサ41a、各ストップスイッチ42~44の操作を個別に検出するストップ検出センサ42a~44a、メダル投入口45から投入されたメダルを検出する投入メダル検出センサ45a、ホッパ装置51から払い出されるメダルを検出する払出検出センサ51a、第1クレジット投入スイッチ56の操作を個別に検出する第1クレジット投入検出センサ56a、第2クレジット投入スイッチ57の操作を個別に検出する第2クレジット投入検出センサ57a、清算スイッチ59の操作を検出する清算検出センサ59a、リセットスイッチ72の操作を検出するリセット検出センサ72a、設定キー挿入孔73に設定キーが挿入されてON操作されたことを検出する設定キー検出センサ73a等の各種センサが接続されており、これら各種センサからの信号は入出力ポート104を介してCPU102へ出力されるようになっている。
また、主制御装置101の入力側には、入出力ポート104を介して電源装置91が接続されている。電源装置91には、主制御装置101を始めとしてスロットマシン10の各電子機器に駆動電力を供給する電源部91aや、停電監視回路91bなどが搭載されている。
停電監視回路91bは電源の遮断状態を監視し、停電時はもとより、電源スイッチ71による電源遮断時に停電信号を生成するためのものである。そのため停電監視回路91bは、電源部91aから出力されるこの例では直流12ボルトの安定化駆動電圧を監視し、この駆動電圧が例えば10ボルト未満まで低下したとき電源が遮断されたものと判断して停電信号が出力されるように構成されている。停電信号はCPU102と入出力ポート104のそれぞれに供給され、CPU102ではこの停電信号を認識することにより後述する停電処理が実行される。また、この停電信号は表示制御装置81にも供給されるように構成されている。
電源部91aは、出力電圧が10ボルト未満まで低下した場合でも、主制御装置101などの制御系において駆動電圧として使用される5ボルトの安定化電圧が出力されるように構成されている。この安定化電圧が出力される時間としては、主制御装置101による停電処理を実行するに十分な時間が確保されている。
主制御装置101の出力側には、リールユニット31(より詳しくは各リール32L,32M,32Rを回転させるためのステッピングモータ)、セレクタ46に設けられたメダル通路切替ソレノイド46a、ホッパ装置51、クレジット表示部60、残払出枚数表示部61、払出枚数表示部62、指示モニタ68、BET表示部75、遊技状態表示部76、役比モニタ77、表示制御装置81、図示しないホール管理装置などに情報を送信できる外部集中端子板121等が入出力ポート104を介して接続されている。
上述したCPU102には、このCPU102によって実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM105と、このROM105に記憶されている制御プログラムを実行するにあたって各種のデータを一時的に記憶する作業エリアを確保するためのRAM106の他に、図示はしないが周知のように割込み回路を始めとしてタイマ回路、データ送受信回路などスロットマシン10において必要な各種の処理回路や、クレジット枚数をカウントするクレジットカウンタなどの各種カウンタが内蔵されている。ROM105とRAM106によって記憶手段としてのメインメモリが構成され、各種処理を実行するためのプログラムは、制御プログラムの一部として上述したROM105に記憶されている。
RAM106は、スロットマシン10の電源が遮断された後においても電源装置91からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっている。RAM106には、各種のデータを一時的に記憶するためのメモリや、役の抽選結果を記憶するための当選フラグ格納エリア106a、各リール32L,32M,32Rの停止制御を行う場合に用いる停止情報を記憶するための停止情報格納エリア106b、デモ状態に移行させる前の状態を記憶するための待機用記憶エリア106c等の他に、バックアップエリアが設けられている。
バックアップエリアは、停電等の発生により電源が遮断された場合において、電源遮断時(電源スイッチ71の操作による電源遮断をも含む。以下同様)のスタックポインタの値を記憶しておくためのエリアであり、停電解消時(電源スイッチ71の操作による電源投入をも含む。以下同様)には、バックアップエリアの情報に基づいてスロットマシン10の状態が電源遮断前の状態に復帰できるようになっている。バックアップエリアへの書き込みは停電処理(図520参照)によって電源遮断時に実行され、バックアップエリアに書き込まれた各値の復帰は電源投入時のメイン処理において実行される。
また、CPU102のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路91bからの停電信号が入力されるように構成されている。そして、電源遮断時には、停電フラグ生成処理としてのNMI割込み処理が即座に実行されるようになっている。
図519に示すように、表示制御装置81は、演算処理手段であるCPU181を中心とするマイクロコンピュータが搭載されている。CPU181には、このCPU181によって実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM182と、このROM182内に記憶されている制御プログラムを実行するに当たって各種のデータを一時的に記憶する作業エリアを確保するためのRAM183などが内蔵されている。
表示制御装置81には、図示しない入出力ポートが設けられており、入力側に主制御装置101が接続されており、出力側にベット表示部34、確定表示部35、第1クレジットランプ56b、上部ランプ63、スピーカ64、補助表示部65、及びバックライト装置100が接続されている。そして、主制御装置101から入力する各種コマンドに基づいてベット表示部34、確定表示部35、第1クレジットランプ56b、上部ランプ63、スピーカ64、補助表示部65及びバックライト装置100を駆動制御する。つまり、表示制御装置81は、遊技を統括管理するメイン基盤たる主制御装置101との関係では補助的な制御を実行するサブ基盤となっている。即ち、間接的な遊技に関する音声やランプ、表示についてはサブ基盤を設けることにより、メイン基盤の負担軽減を図っている。
表示制御装置81の入力側には、演出スイッチ66(より詳しくは当該演出スイッチ66の操作を検出する演出スイッチ検出センサ)等が接続されている。なお、各種表示部60~62、68も表示制御装置81が駆動制御する構成としてもよい。
続いて、主制御装置101のCPU102により実行される各制御処理について説明する。かかるCPU102の処理としては、大別して、電源投入に伴い起動されるメイン処理と、定期的に(本実施の形態では1.49msec周期で)起動されるタイマ割込み処理と、NMI端子への停電信号の入力に伴い起動されるNMI割込み処理とがある。以下では、これら各処理のうち遊技の進行に関わる処理、すなわちタイマ割込み処理と、メイン処理にて行われる通常処理とを説明する。
図520は、主制御装置101で定期的に実行されるタイマ割込み処理のフローチャートであり、主制御装置101のCPU102により例えば1.49msec毎にタイマ割込みが発生する。
先ず、ステップSg101に示すレジスタ退避処理では、後述する通常処理で使用しているCPU102内の全レジスタの値をRAM106のバックアップエリアに退避させる。ステップSg102では停電フラグがセットされているか否かを確認し、停電フラグがセットされているときにはステップSg103に進み、停電処理を実行する。
ここで、停電処理について概略を説明する。
停電の発生等によって電源が遮断されると、電源装置91の停電監視回路91bから停電信号が出力され、当該停電信号がNMI端子を介して主制御装置101に入力される。主制御装置101は、停電信号が入力された場合、即座にNMI割込み処理を実行し、停電フラグをRAM106に設けられた停電フラグ格納エリアにセットする。
停電処理では、先ずコマンドの送信が終了しているか否かを判定し、送信が終了していない場合には本処理を終了してタイマ割込み処理に復帰し、コマンドの送信を終了させる。コマンドの送信が終了している場合には、CPU102のスタックポインタの値をRAM106のバックアップエリアに保存する。その後、入出力ポート104における出力ポートの出力状態をクリアし、図示しない全てのアクチュエータをオフ状態にする。そして、停電解消時にRAM106のデータが正常か否かを判定するためのRAM判定値を算出してバックアップエリアに保存することにより、それ以後のRAMアクセスを禁止する。以上の処理を行った後は、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるのに備え、無限ループに入る。なお、例えばノイズ等に起因して停電フラグが誤ってセットされる場合を考慮し、無限ループに入るまでは停電信号が出力されているか否かを確認する。停電信号が出力されていなければ停電状態から復旧したこととなるため、RAM106への書き込みを許可するとともに停電フラグをリセットし、タイマ割込み処理に復帰する。停電信号の出力が継続してなされていれば、そのまま無限ループに入る。ちなみに、無限ループ下においても停電信号が出力されているか否かを確認しており、停電信号が出力されなくなった場合にはメイン処理に移行する。
タイマ割込み処理の説明に戻り、ステップSg102にて停電フラグがセットされていない場合には、ステップSg104以降の各種処理を行う。
すなわち、ステップSg104では、誤動作の発生を監視するためのウオッチドッグタイマの値を初期化するウオッチドッグタイマのクリア処理を行う。ステップSg105では、CPU102自身に対して次回のタイマ割込みを設定可能とする割込み終了宣言処理を行う。ステップSg106では、各リール32L,32M,32Rを回転させるために、それぞれの回胴駆動モータであるステッピングモータを駆動させるステッピングモータ制御処理を行う。ステップSg107では、入出力ポート104に接続されたストップ検出センサ42a~44a,投入メダル検出センサ45a,払出検出センサ51a等の各種センサ(図518参照)の状態を読み込むとともに、読み込み結果が正常か否かを監視するセンサ監視処理を行う。ステップSg108では、各カウンタやタイマの値を減算するタイマ演算処理を行う。ステップSg109では、メダルのベット数や、払出枚数をカウントした結果を外部集中端子板121へ出力するカウンタ処理を行う。
ステップSg110では、後述する抽選結果コマンド等の各種コマンドを表示制御装置81へ送信するコマンド出力処理を行う。ステップSg111では、クレジット表示部60、残払出枚数表示部61、払出枚数表示部62及び指示モニタ68にそれぞれ表示されるセグメントデータを設定するセグメントデータ設定処理を行う。ステップSg112では、セグメントデータ設定処理で設定されたセグメントデータを各表示部60~62,68に供給して該当する数字、記号などを表示するセグメントデータ表示処理を行う。ステップSg113では、入出力ポート104からI/O装置に対応するデータを出力するポート出力処理を行う。ステップSg114では、先のステップSg101にてバックアップエリアに退避させた各レジスタの値をそれぞれCPU102内の対応するレジスタに復帰させる。その後ステップSg115にて次回のタイマ割込みを許可する割込み許可処理を行い、この一連のタイマ割込み処理を終了する。
次に、遊技に関わる主要な制御を行う通常処理について図521のフローチャートに基づき説明する。
先ずステップSg201では、次回のタイマ割込みを許可する割込み許可処理を行う。ステップSg202では、遊技を可能とするための開始前処理を行う。開始前処理では、表示制御装置81等が初期化を終了するまで待機する。表示制御装置81等の初期化が終了した場合には、ステップSg203~ステップSg215に示す遊技管理処理を行う。
遊技管理処理として、ステップSg203では、RAM106に格納された各種遊技情報等のデータ(例えば前回の遊技で用いた乱数値等)をクリアする。その後、ステップSg204では、BET用処理を行う。
BET用処理では、前回の遊技でいずれかの再遊技入賞が成立したか否かを判定する。いずれかの再遊技入賞が成立していた場合には、前回のベット数と同数の仮想メダルを自動投入する自動投入処理を行う。具体的には、例えば、3ベットゲームにて再遊技入賞が成立した場合には3枚の仮想メダルを自動投入する処理を行い、1ベットゲームにて再遊技入賞が成立した場合には1枚の仮想メダルを自動投入する処理を行う。
なお、仮想メダルを自動投入する処理では、クレジット表示部60に表示された仮想メダル数を減じることなく仮想メダルの投入を行う。つまり、前回の遊技でいずれかの再遊技入賞が成立した場合には、遊技者は所有するメダルを減らすことなく且つメダルを投入することなく今回の遊技を行うことができる。いずれの再遊技入賞も成立していなかった場合には、各クレジット投入スイッチ56,57の操作やメダル投入口45からのメダル投入といった賭数操作に基づいてベット数を設定する処理を行う。
続くステップSg205では、タイマ割込み処理のセンサ監視処理ステップSg107にてなされたセンサの読み込み結果に異常が発生していないかを確認し、異常が発生している場合にはスロットマシン10をエラー状態とするとともにエラーの発生を報知する異常用処理を行う。かかるエラー状態は、リセットスイッチ72が操作されるまで維持される。
異常用処理を実行した後は、ステップSg206にて、清算スイッチ59の操作に基づきクレジットされた仮想メダルと同数のメダルを払い出すメダル返却処理を行う。
メダル返却処理を実行した後は、ステップSg207にて、ステップSg204のBET用処理の結果として、メダルのベット数が規定枚数に達しており、ゲームを開始する開始操作を受付可能な開始可能状態であるか否かを判定する。本スロットマシン10では、ボーナス状態(BB状態)における規定枚数として「3」が設定されており、ボーナス状態以外の遊技状態における規定枚数として「1」及び「3」が設定されている。つまり、ボーナス状態においては、ベット数が「3」となっていることを条件にステップSg207にて肯定判定し、ボーナス状態以外ではベット数が「1」又は「3」となっていることを条件にステップSg207にて肯定判定する。言い換えると、ボーナス状態以外の遊技状態において、メダルがベットされていない場合、又は、ベットされていてもベット数が「2」である場合にはステップSg207にて否定判定する。ベット数が規定枚数に達しておらず、開始可能状態ではない場合には、ステップSg204のBET用処理に戻る。
開始可能状態である場合には、ステップSg208にてスタートレバー41が操作されて開始操作が行われたか否かを判定する。スタートレバー41が操作されていない場合には、ステップSg204のBET用処理に戻る。
一方、スタートレバー41が操作された場合には、規定枚数のメダルがベットされている状況下でスタートレバー41が操作されると遊技を開始できる構成となっているため、遊技を開始させるべく開始指令が発生したことを意味する。かかる場合には、ステップSg209にて、遊技状態表示部用処理を実行する。遊技状態表示部用処理では、ゲームの開始に際して開始可能状態表示部76b及び受入可能状態表示部76cを消灯状態とする処理を実行する。かかる処理は、ゲームの開始操作に基づいて、遊技状態表示部76の表示制御を行うための処理である。
続くステップSg210では、ベット数と対応する組合せラインを有効ラインと設定する有効ライン設定処理を行う。すなわち、折れ曲がりラインL6のみを有効ラインと設定する。ステップSg211では、メダル通路切替ソレノイド46aを非励磁状態に切り替えてベット受付を禁止する。その後、ステップSg212の抽選処理、ステップSg213のリール制御処理、ステップSg214のメダル払出処理ステップSgを順に実行し、ステップSg203に戻る。
次に、ステップSg212の抽選処理について、図522のフローチャートに基づき説明する。
ステップSg301では、役の当否判定を行う際に用いる乱数を取得する。本スロットマシン10では、スタートレバー41が操作されると、ハード回路がその時点におけるフリーランカウンタの値をラッチする構成となっている。フリーランカウンタは0~65535の乱数を生成しており、CPU102は、スタートレバー41の操作を確認した後、ハード回路がラッチした値をRAM106に格納する。かかる構成とすることにより、スタートレバー41が操作されたタイミングで速やかに乱数を取得することが可能となり、同期等の問題が発生することを回避することが可能となる。本スロットマシン10のハード回路は、スタートレバー41が操作される毎にその都度のフリーランカウンタの値をラッチする構成となっている。
乱数を取得した後、ステップSg302では、役の当否判定を行うための抽選テーブルを選択する。本スロットマシン10では、遊技状態として、大別して通常遊技状態及びボーナス状態を有しており、抽選テーブルは、各遊技状態用にそれぞれ設定されている。そして、通常遊技状態においては、上記のようにベットの規定枚数が「3」と「1」が設定されていることから、通常遊技状態用の抽選テーブルは、3ベットゲームでの抽選テーブルと、1ベットゲームでの抽選テーブルとが設定されている。
すなわち、ステップSg302では、ベット数に基づいてスロットマシン10の現在の遊技状態を判別し、ベット数と遊技状態と対応した抽選テーブルを選択する。例えば、ベット数が「3」であって、現在の遊技状態が通常遊技状態である場合には、通常遊技状態用抽選テーブルを選択する。そして、今回のゲームが3ベットゲームである場合には、3ベットゲーム用の通常遊技状態用抽選テーブルを選択し、今回のゲームが1ベットゲームである場合には、1ベットゲーム用の通常遊技状態用抽選テーブルを選択する。また、本スロットマシン10では、「設定1」から「設定6」まで6段階の当選確率が予め用意されており、設定キー挿入孔に設定キーを挿入してON操作するとともに所定の操作を行うことにより、いずれの当選確率に基づいて内部処理を実行させるのかを設定することができる。ステップSg302では、設定状態が「設定1」のときにメダル払出の期待値が最も低い抽選テーブルを選択し、「設定6」のときにメダル払出の期待値が最も高い抽選テーブルを選択する。
ここで、当選確率の設定に関する処理について補足説明する。
当選確率の設定処理は、電源投入時に主制御装置101にて起動されるメイン処理にて実行される。より詳しくは、当選確率の設定処理は、設定キー挿入孔に設定キーが挿入されてON操作されていることを設定キー検出センサ73aにて検出している状態で、電源投入された場合に、初期化処理の後に起動される。当選確率の設定処理では、所定の操作として、スタートレバー41の操作毎に設定値を1ずつ更新し、例えば、スタートレバー41が1回操作される度に、「設定1」→「設定2」→「設定3」→「設定4」→「設定5」→「設定6」→「設定1」となるように設定値を更新する。なお、各設定値は、例えばクレジット表示部60にて表示され、上記設定値の更新毎にその表示も更新される。そして、設定キー検出センサ73aがOFF操作された状態でスタートレバー41が操作されたことを設定値の確定操作とし、その時点での設定値を今回の設定値として、当選確率の設定処理を終了する。当選確率の設定処理の終了に基づいて、クレジット表示部60の表示も終了する。当選確率の設定処理で設定された設定値は、次の当選確率の設定処理が起動されるまで、RAM106に記憶保持される。ステップSg302では、この記憶されている設定値に基づいて、抽選テーブルを選択する処理を行うこととなる。
抽選テーブルについて、簡単に説明する。図523は、3ベットゲームにおいて通常遊技状態で選択される通常遊技状態用抽選テーブルである。抽選テーブルには、インデックス値IVが設定されており、各インデックス値IVには、当選となる役がそれぞれ一義的に対応付けられるとともにポイント値PVが設定されている。
抽選テーブルを選択した後、ステップSg303ではインデックス値IVを1とし、続くステップSg304では役の当否を判定する際に用いる判定値DVを設定する。かかる判定値設定処理では、現在の判定値DVに、現在のインデックス値IVと対応するポイント値PVを加算して新たな判定値DVを設定する。なお、初回の判定値設定処理では、ステップSg301にて取得した乱数値を現在の判定値DVとし、この乱数値に現在のインデックス値IVである1と対応するポイント値PVを加算して新たな判定値DVとする。
その後、ステップSg305ではインデックス値IVと対応する役の当否判定を行う。役の当否判定では判定値DVが65535を超えたか否かを判定する。65535を超えた場合には、ステップSg306にて、ステップSg305にて肯定判定したインデックス値IVに応じた遊技結果の当選フラグを、当選フラグ格納エリア106aにセットする処理を実行する。例えば、IV=23のときに判定値DVが65535を超えた場合、ステップSg306にて第7小役当選フラグ及び第8小役当選フラグをセットする。また、IV=25のときに判定値DVが65535を超えた場合、ステップSg306にて第1再遊技当選フラグ、第2再遊技当選フラグ、第3再遊技当選フラグ、第4再遊技当選フラグ及び第1BB当選フラグをセットし、IV=26のときに判定値DVが65535を超えた場合、ステップSg306にて第1再遊技当選フラグ、第2再遊技当選フラグ、第3再遊技当選フラグ、第4再遊技当選フラグ及び第2BB当選フラグをセットする。
ちなみに、セットされた当選フラグが第1BBに当選したことを示す当選フラグ(第1BB当選フラグ)又は第2BBに当選したことを示す当選フラグ(第2BB当選フラグ)でない場合、当選フラグ格納エリア106aにセットされた当選フラグは該当選フラグがセットされたゲームの終了後にリセットされる(通常処理参照)。一方、当選フラグが第1BB当選フラグ又は第2BB当選フラグである場合、これら当選フラグは対応する入賞が成立したことを条件の1つとしてリセットされる。すなわち、第1BB当選フラグ及び第2BB当選フラグは、複数回のゲームに亘って有効とされる場合がある。
なお、第1BB当選フラグ又は第2BB当選フラグを持ち越した状態におけるステップSg306では、第1BB,第2BB以外の役に当選していれば対応する当選フラグをセットし、第1BB,第2BB以外の役に当選していなければ対応する当選フラグをセットしない。
すなわち、例えば、第1BB当選フラグが持ち越された状態で、例えば、インデックス値IV=25のときに判定値DVが65535を超えた場合、第1BB当選フラグはセットせず、第1再遊技当選フラグ、第2再遊技当選フラグ、第3再遊技当選フラグ及び第4再遊技当選フラグをセットする。また、第1BB当選フラグが持ち越された状態で、例えば、インデックス値IV=11のときに判定値DVが65535を超えた場合、第1小役当選フラグ、第9小役当選フラグ、第10小役当選フラグ及び第13小役当選フラグをセットする。
なお、第1BB当選フラグ又は第2BB当選フラグを持ち越した状態における抽選テーブルを別途用意しておき、第1BB当選フラグ又は第2BB当選フラグを持ち越した状態では、当該別途用意した抽選テーブルにて抽選処理を行う構成としてもよい。この場合、当該別途用意した抽選テーブルにおいては、第1BB,第2BBに当選しないように各インデックス値IVやポイント値PV値を設定するとよい。
ステップSg305にて判定値DVが65535を超えなかった場合には、インデックス値IVと対応する役に外れたことを意味する。かかる場合にはステップSg307にてインデックス値IVを1加算し、続くステップSg308ではインデックス値IVと対応する役があるか否か、すなわち当否判定すべき判定対象があるか否かを判定する。具体的には、1加算されたインデックス値IVが抽選テーブルに設定されたインデックス値IVの最大値を超えたか否かを判定する。当否判定すべき判定対象がある場合にはステップSg304に戻り、役の当否判定を継続する。このとき、ステップSg304では、先の役の当否判定に用いた判定値DV(すなわち現在の判定値DV)に現在のインデックス値IVと対応するポイント値PVを加算して新たな判定値DVとし、ステップSg305では、当該判定値DVに基づいて役の当否判定を行う。
ちなみに、図523に示した抽選テーブルを用いて役の当否判定を行う場合、すなわち、通常遊技状態において3ベットゲームで遊技を行った場合、通常リプAに当選となる確率(IV=1の際に当選となる確率)は、設定1では約27.3分の1であり、設定3では約27.5分の1であり、設定6では約28.3分の1であり、設定値が高くなるほど当選しにくくなるように設定されている。通常リプBに当選となる確率(IV=2の際に当選となる確率)及び通常リプCに当選となる確率(IV=3の際に当選となる確率)は、いずれも設定値に関わらず約26.2分の1である。チャンス目Aに当選となる確率(IV=4の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約164分の1であり、チャンス目Bに当選となる確率(IV=5の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約262分の1であり、チャンス目Cに当選となる確率(IV=6の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約16400分の1であり、チャンス目Cよりもチャンス目Bの方が当選し易く、チャンス目Bよりもチャンス目Aの方が当選し易くなるように設定されている。チェリーAに当選となる確率(IV=7の際に当選となる確率)は、設定1では約107分の1であり、設定3では約104分の1であり、設定6では約93.6分の1であり、設定値が高くなるほど当選し易くなるように設定されている。チェリーBに当選となる確率(IV=8の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約215分の1であり、チェリーCに当選となる確率(IV=9の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約13100分の1であり、チェリーCよりもチェリーBの方が当選し易く、チェリーBよりもチェリーAの方が当選し易くなるように設定されている。共通ベルに当選となる確率(IV=10の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約504分の1である。順押しベル1、順押しベル2、挟み押しベル1、挟み押しベル2、中順押しベル1、中順押しベル2、中逆押しベル1、中逆押しベル2、逆挟みベル1、逆挟みベル2、逆押しベル1、逆押しベル2(以下では、これらをまとめて押し順ベルと称する)に当選となる確率(IV=11~22の際に当選となる確率)は、設定値に関わらずそれぞれ約18.4分の1である。スイカに当選となる確率(IV=23の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約107分の1である。通常リプAと第1BBとの重複役であるリプ重複1に当選となる確率(IV=25の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約13100分の1であり、通常リプAと第2BBとの重複役であるリプ重複2に当選となる確率(IV=26の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約6550分の1である。チャンス目Aと第1BBとの重複役であるチャンス目重複1に当選となる確率(IV=27の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約655分の1であり、チャンス目Aと第2BBとの重複役であるチャンス目重複2に当選となる確率(IV=28の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約655分の1である。チェリーAと第1BBとの重複役であるチェリー重複1に当選となる確率(IV=29の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約436分の1であり、チェリーAと第2BBとの重複役であるチェリー重複2に当選となる確率(IV=30の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約436分の1である。スイカと第1BBとの重複役であるスイカ重複1に当選となる確率(IV=31の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約211分の1であり、スイカと第2BBとの重複役であるスイカ重複2に当選となる確率(IV=32の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約109分の1である。そして、第1BBに単独当選となる確率(IV=33の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約109分の1であり、第2BBに単独当選となる確率(IV=34の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約211分の1である。
ステップSg306にて当選フラグをセットした後、又はステップSg308にて当否判定すべき判定対象がないと判定した場合には、役の当否判定が終了したことを意味する。かかる場合には、ステップSg309に進み、ストップスイッチ42~44の操作を所定期間無効とするフリーズ演出を実行するか否かを決定すべくフリーズ抽選処理を行う。フリーズ抽選処理については、後に詳細に説明する。
続くステップSg310では、抽選結果対応処理を行う。抽選結果対応処理では、ステップSg301~ステップSg308の抽選の結果に応じて遊技状態を移行させるか否かの処理や、押し順役の報知用の処理等を行う。当該抽選結果対応処理については、後に詳細に説明する。
ステップSg310の処理を実行した後は、ステップSg311にて抽選結果コマンドをセットする。ここで、抽選結果コマンドとは、役の当否判定の結果を把握させるべく表示制御装置81に対して送信されるコマンドである。但し、通常処理では、上記抽選結果コマンド等の各種コマンドをリングバッファにセットするのみであって、表示制御装置81に対してコマンドを送信しない。表示制御装置81へのコマンド送信は、先述したタイマ割込み処理のコマンド出力処理(ステップSg110)にて行われる。
そして、ステップSg312では、今回のゲームの抽選結果に基づいて各リール32L,32M,32Rに停止可能な図柄を設定する停止情報設定処理を実行する。停止情報設定処理では、ステップSg306にてセットされる当選フラグに基づいて、入賞可能な役に応じた停止図柄情報を設定する。例えば、押し順ベル1に当選(IV=11の際に当選)となり、第1小役当選フラグ、第9小役当選フラグ、第10小役当選フラグ及び第13小役当選フラグがセットされた場合、第1小役、第9小役、第10小役及び第13小役入賞に対応する図柄が各リール32L,32M,32Rに停止可能となるように停止図柄情報を設定する。また、スイカに当選(IV=23の際に当選)となり、第7小役当選フラグ及び第8小役当選フラグがセットされた場合、第7小役及び第8小役入賞に対応する図柄が各リール32L,32M,32Rに停止可能となるように停止図柄情報を設定する。
続くステップSg313では、ステップSg312にて複数の停止可能な図柄情報が設定された場合に、その優先順位を設定する優先設定処理を実行する。例えば、小役,再遊技,ボーナスの各役種のうち複数の役種に当選している場合、以下に示す優先順位を設定する。小役とボーナスに当選している場合には、小役入賞が優先して成立するように、小役入賞を成立させることができない場合にボーナス入賞が成立するようにして、優先順位を設定する。再遊技とボーナスに当選している場合には、再遊技入賞が優先して成立するようにして優先順位を設定する。
例えば、第1BBに当選している状況(第1BB当選フラグがセットされており、第1BB当選が持ち越されている状況)で、更にスイカに当選したり、第1BBとスイカとの重複役であるスイカ重複1に当選し、第1BB入賞と、第7小役及び第8小役入賞とに対応する停止図柄情報の設定が行われている場合、第1BB入賞よりも第7小役、第8小役入賞が優先して成立するように優先順位を設定する。また、第2BBに当選している状況(第2BB当選フラグがセットされており、第2BB当選が持ち越されている状況)で、更に通常リプAに当選したり、第2BBと通常リプAとの重複役であるリプ重複2に当選し、第2BB入賞と、第1再遊技、第2再遊技、第3再遊技及び第4再遊技入賞とに対応する停止図柄情報の設定が行われている場合、第2BB入賞よりも各再遊技入賞が優先して成立するように優先順位を設定する。
ここで、再遊技に当選している場合、当選している再遊技のうちのいずれかの再遊技が必ず入賞するように、入賞となる図柄の組合せが設定されている。つまり、再遊技に当選している場合には再遊技入賞が必ず成立し、取りこぼしは発生しない。そのため、再遊技とボーナスとの停止図柄情報の設定が行われている場合、設定されている再遊技のいずれかの再遊技入賞が必ず成立し、ボーナス入賞が成立することがない。
ステップSg313の処理を実行した後は、ステップSg314にて区間表示第1処理を実行してから、抽選処理を終了する。区間表示第1処理は、指示モニタ68や役比モニタ77の表示制御に関する処理であり、かかる処理については後に詳細に説明する。
次に、ステップSg213のリール制御処理について、図524のフローチャートに基づき説明する。
リール制御処理では、先ずステップSg401において回転演出処理を行う。回転演出処理は、上記ステップSg309にて行ったフリーズ抽選処理の結果等に基づいて、無効期間中のリール制御を用いた演出を行うための処理である。なお、フリーズ抽選処理では、無効期間中にリール制御を用いた演出を実行することの抽選を行う他、無効期間が経過するまで各リール32L,32M,32Rの回転を開始させない演出を実行することの抽選も行う。そして、ステップSg401の回転演出処理では、各リール32L,32M,32Rの回転の有無に関わらず、設定された無効期間が経過するまで待機し、当該無効期間が経過した場合にステップSg402に進むように設定されている。ステップSg402では、各リール32L,32M,32Rの回転を開始させる回転開始処理を行う。
回転開始処理では、前回の遊技でリールが回転を開始した時点から予め定めた特定期間としてのウェイト時間(例えば4.1秒)が経過したか否かを確認し、経過していない場合にはウェイト時間が経過するまで待機する。ウェイト時間が経過した場合には、次回の遊技のためのウェイト時間を再設定するとともに、RAM106に設けられたモータ制御格納エリアに回転開始情報をセットするモータ制御初期化処理を行う。かかる処理を行うことにより、タイマ割込み処理のステッピングモータ制御処理(ステップSg106)にてステッピングモータの加速処理が開始され、各リール32L,32M,32Rが回転を開始する。このため、遊技者が規定枚数のメダルをベットしてスタートレバー41を操作したとしても、直ちに各リール32L,32M,32Rが回転を開始しない場合がある。その後、各リール32L,32M,32Rが所定の回転速度で定速回転するまで待機し、回転開始処理を終了する。また、CPU102は、各リール32L,32M,32Rの回転速度が定速となると、各ストップスイッチ42~44の図示しないランプを点灯表示することにより、停止指令を発生させることが可能となったことを遊技者等に報知する。
回転開始処理に続き、ステップSg403では、ストップスイッチ42~44のいずれかが操作されたか否かを判定する。いずれのストップスイッチ42~44も操作されていない場合には、ストップスイッチ42~44のいずれかが操作されるまで待機する。ストップスイッチ42~44のいずれかが操作されたと判定した場合には、ステップSg404に進み、回転中のリールと対応するストップスイッチが操作されたか否か、すなわち停止指令が発生したか否かを判定する。停止指令が発生していない場合には、ステップSg403に戻り、ストップスイッチ42~44のいずれかが操作されるまで待機する。停止指令が発生した場合には、ステップSg405にて停止指令コマンドをセットする。ここで、停止指令コマンドとは、いずれのストップスイッチが操作されて停止指令が発生したのかを把握させるべく表示制御装置81に対して送信されるコマンドである。停止指令コマンドをセットした場合には、回転中のリールを停止させるべくステップSg406~ステップSg412に示す停止制御処理を行う。
ステップSg406では、ストップスイッチの操作されたタイミングで基点位置(本実施形態では下段)に到達している到達図柄の図柄番号を確認する。具体的には、リールインデックスセンサの検出信号が入力された時点から出力した励磁パルス数により、基点位置に到達している到達図柄の図柄番号を確認する。続くステップSg407では、停止情報格納エリア106bに格納されている停止情報に基づいて、今回停止させるべきリールのスベリ数を算出する。本スロットマシン10では、各リール32L,32M,32Rを停止させる停止態様として、ストップスイッチ42~44が操作された場合に、基点位置に到達している到達図柄をそのまま停止させる停止態様と、対応するリールを1図柄分滑らせた後に停止させる停止態様と、2図柄分滑らせた後に停止させる停止態様と、3図柄分滑らせた後に停止させる停止態様と、4図柄分滑らせた後に停止させる停止態様との5パターンの停止態様が用意されている。そこでステップSg407では、停止情報格納エリア106bに格納されている停止情報に基づいて、スベリ数として0~4のいずれかの値を算出する。その後、ステップSg408では、算出したスベリ数を到達図柄の図柄番号に加算し、基点位置に実際に停止させる停止図柄の図柄番号を決定する。ステップSg409では今回停止させるべきリールの到達図柄の図柄番号と停止図柄の図柄番号が等しくなったか否かを判定し、等しくなった場合にはステップSg410にてリールの回転を停止させるリール停止処理を行う。その後、ステップSg411では、全リール32L,32M,32Rが停止したか否かを判定する。全リール32L,32M,32Rが停止していない場合には、ステップSg412にて停止情報第2設定処理を行い、ステップSg403に戻る。
ここで、停止情報第2設定処理とは、RAM106の停止情報格納エリア106bに格納された停止情報を、リールの停止後に変更する処理である。停止情報第2設定処理では、セットされている当選フラグと、停止しているリールの停止出目と、に基づいて停止情報を変更する。本スロットマシン10では、例えばIV=11~22の際に当選となった場合、すなわち押し順ベルに当選となった場合(図523参照)に、停止指令を発生させたストップスイッチ42~44の操作順序によって成立する入賞態様を変化させるべく停止情報第2設定処理を行う。
図525は、当選役と、ストップスイッチ42~44の操作順序と成立する入賞態様との対応関係を示す説明図である。例えば、中順押しベル1に当選している場合には、各ストップスイッチ42~44が左→中→右、左→右→中、中→右→左、右→左→中、又は右→中→左の順で操作された場合には第17小役入賞、第18小役入賞又は第21小役入賞が成立するように停止情報を設定し、中→左→右の順で操作された場合には第3小役入賞が成立するように停止情報を設定する。但し、このように停止情報を設定した場合であっても、ストップスイッチ42~44の操作タイミングによっては対応する入賞が成立しない場合がある。
各リール32L,32M,32Rの図柄配列について簡単に説明する。本スロットマシン10では、リール32L,32M,32Rをストップスイッチ42~44の操作されたタイミングから最大4図柄分滑らせた後に停止させることができる。このため、各リール32L,32M,32Rに同種図柄同士の間隔が4図柄以下で配置されている場合には、ストップスイッチ43の操作タイミングに関わらず当選図柄となった際に当該当選図柄を有効ライン上に停止させることができる。一方、5図柄以上離れた区間が形成されるようにして配置されている図柄に関しては、有効ライン上に停止させる場合に遊技者が図柄を狙ってストップスイッチ42~44を操作する必要がある。
中順押しベル1に当選となり、各ストップスイッチ42~44が左→中→右の順で操作された場合を例として説明する。かかる場合には、上記のとおり、第17小役入賞、第18小役入賞又は第21小役入賞を成立させるべく各リール32L,32M,32Rの停止制御を行う。
左リール32Lにおける第17小役図柄は、「赤7」図柄及び「BAR」図柄である。また、左リール32Lにおける第18小役図柄は、「赤貝」図柄及び「白貝」図柄である。そして、左リール32Lにおける第21小役図柄は、「リプレイ」図柄及び「青年」図柄である。左リール32Lには、これら第17小役図柄、第18小役図柄及び第21小役図柄が、図柄同士の間隔が4図柄以下となるように配置されている。そのため、左ストップスイッチ42が最初に操作された場合には、その操作タイミングに関わらず、有効ライン(中段)に第17小役図柄、第18小役図柄及び第21小役図柄のいずれかが停止する。本スロットマシン10では、複数の対象図柄を停止可能なタイミングで操作された場合には、スベリコマ数が少ない図柄を有効ラインに停止させるように停止制御が行われる。すなわち、例えば、左リール32Lの1番目の「ベル」図柄が下段に到達したタイミングで左ストップスイッチ42の操作が行われた場合、第18小役図柄である4番目の「赤貝」図柄(2コマスベリ)、及び、第21小役図柄である5番目の「リプレイ」図柄(3コマスベリ)を中段に停止させることが可能であるところ、最もスベリコマ数の少ない4番目の「赤貝」図柄が中段に停止するように左リール32Lの停止制御が行われる。この場合、第18小役入賞が成立する余地は残るものの、第17小役入賞及び第21小役入賞は成立しないこととなる。
左リール32Lの第18小役図柄が中段に停止した場合、停止情報第2設定処理では、第18小役入賞が成立し得るように停止情報を変更する。
中リール32Mにおける第18小役図柄は、「リプレイ」図柄である。左リール32Lには、「リプレイ」図柄同士の間隔が4図柄以下となるように「リプレイ」図柄が配置されている。そのため、この場合には、中ストップスイッチ43の操作タイミングに関わらず、中リール32Mの上段に「リプレイ」図柄が停止するように停止制御が行われる。
右リール32Rにおける第18小役図柄は、「白貝」図柄及び「青年」図柄である。右リール32Rには、「白貝」図柄及び「青年」図柄同士の間隔が5図柄以上となるようにこれらの図柄が配置されている。つまり、右ストップスイッチ44の操作タイミングによって、第18小役図柄である「白貝」図柄又は「青年」図柄を上段に停止させることができる場合と、上段に停止させることができない場合と、がある。上段に停止させることが可能なタイミングで右ストップスイッチ44の操作が行われると第18小役入賞が成立し、上段に停止させることができないタイミングで右ストップスイッチ44の操作が行われると所謂取りこぼしとなる。
ここで、左リール32Lの中段に「赤貝」図柄が停止し、中リール32Mの上段に「リプレイ」図柄が停止する場合とは、上記のように中順押しベル1に当選して第18小役入賞が成立する可能性がある場合のほか、中順押しベル2に当選して第20小役入賞が成立する可能性がある場合もある。すなわち、中順押しベル2における第20小役図柄は、左リール32Lと中リール32Mとが第18小役図柄と共通している。そして、右リール32Rにおいて、第18小役図柄が「白貝」図柄及び「青年」図柄であるのに対して、第20小役図柄が「赤7」図柄及び「白7」図柄であり異なっている。特に、右リール32Rにおいて、第18小役図柄と第20小役図柄とは、第18小役図柄を有効ラインに停止させることが可能なタイミングで右ストップスイッチ44を操作すると第20小役図柄を有効ラインに停止させることができず、第20小役図柄を有効ラインに停止させることが可能なタイミングで右ストップスイッチ44を操作すると第18小役図柄を有効ラインに停止させることができないようにこれら各図柄が配置されている。そのため、中順押しベル1に当選しているのか中順押しベル2に当選しているのかがわからないことを前提とすると、左リール32Lと中リール32Mとを停止させて、第18小役入賞及び第20小役入賞の可能性がある停止態様となっていても、それを狙って入賞させることができない。
次に、中順押しベル1当選となり、各ストップスイッチ42~44が、中→左→右の順で操作された場合を例として説明する。かかる場合には、第3小役入賞を成立させるべく各リール32L,32M,32Rの停止制御を行う。
中リール32Mには、第3小役図柄である「リプレイ」図柄が、「リプレイ」図柄同士の間隔が4図柄以下となるようにして配置されている。そのため、中ストップスイッチ43が最初に操作された場合には、その操作タイミングに関わらず上段に「リプレイ」図柄が停止する。
左リール32Lには、第3小役図柄である「ベル」図柄が、「ベル」図柄同士の間隔が4図柄以下となるようにして配置されている。そのため、左ストップスイッチ42が2番目に操作された場合には、その操作タイミングに関わらず中段に「ベル」図柄が停止する。
右リール32Rには、第3小役図柄である「スイカ」図柄及び「赤貝」図柄が、これら図柄同士の間隔が4図柄以下となるようにして配置されている。そのため、右ストップスイッチ44が3番目に操作された場合には、その操作タイミングに関わらず上段に「スイカ」図柄又は「赤貝」図柄が停止する。上のとおり、中順押しベル1に当選となり、中ストップスイッチ43→左ストップスイッチ42→右ストップスイッチ44の順で操作された場合には、その操作タイミングに関わらず第3小役入賞が成立する。
上記のように、押し順ベルに当選となった場合には、予め定められた所定の操作順序でストップスイッチ42~44が操作された場合、その操作タイミングに関わらず第1小役入賞、第2小役入賞、第3小役入賞、第4小役入賞、第5小役入賞、又は第6小役入賞が成立し、他の操作順序でストップスイッチ42~44が操作された場合、その操作タイミングにより、小役入賞が成立するか、いずれの小役入賞も成立せずに取りこぼしとなる。ちなみに、共通ベルに当選となった場合には、操作順序及び操作タイミングに関わらず第1小役入賞、第2小役入賞、第3小役入賞、第4小役入賞、第5小役入賞、又は第6小役入賞が成立する。
リール制御処理の説明に戻り、ステップSg411にて全リール32L,32M,32Rが停止していると判定した場合には、ステップSg413にてフラッシュ待機用処理を実行する。フラッシュ待機用処理は、主にバックライト装置100を用いた演出を行うための処理であり、かかる処理については後に詳細に説明する。
フラッシュ待機用処理を実行した後は、ステップSg414にて払出判定処理を行う。払出判定処理とは、当選図柄の組合せが有効ライン上に並んでいることを条件の1つとしてメダルの払出枚数を設定する処理である。払出判定処理では、各リール32L,32M,32Rの下段に停止した停止図柄の図柄番号から有効ライン上に形成された図柄の組合せを導出し、有効ライン上で入賞が成立しているか否かを判定する。入賞が成立している場合には、さらに入賞成立役が当選フラグ格納エリア106aにセットされている当選フラグと対応しているか否かを判定する。入賞成立役が当選フラグと対応している場合には、入賞成立役と、当該入賞成立役と対応する払出数と、をRAM106に設けられた払出情報格納エリアにセットする。一方、入賞成立役が当選フラグと対応していない場合には、スロットマシン10をエラー状態とするとともにエラーの発生を報知する異常発生時処理を行う。かかるエラー状態は、リセットスイッチ72が操作されるまで維持される。
払出判定処理を行った後は、ステップSg415にて、ボーナス状態処理を実行する。ボーナス状態処理については、後に詳細に説明する。ボーナス状態処理を実行した後は、ステップSg416にて入賞結果対応処理を行う。入賞結果対応処理では、入賞結果に基づいて遊技状態を移行させる処理等を行う。当該入賞結果対応処理については、後に詳細に説明する。
入賞結果対応処理を行った後は、ステップSg417にて区間表示第2処理を実行する。区間表示第2処理は、指示モニタ68の表示制御に関する処理であり、かかる処理については後に詳細に説明する。その後、ステップSg418にて今回のゲームにおける入賞成立役を表示制御装置81に把握させるべく入賞結果コマンドをセットし、リール制御処理を終了する。
次に、ステップSg214のメダル払出処理について、概略を説明する。
メダル払出処理では、払出情報格納エリアにセットされた払出数が0か否かを判定する。払出数が0の場合、先の払出判定処理にて小役入賞が成立していないと判定したことを意味する。かかる場合には、払出判定処理にてセットした入賞成立役に基づいて、第1再遊技入賞~第12再遊技入賞のいずれかが成立したか否かを判定する。いずれの再遊技入賞も成立していない場合にはそのままメダル払出処理を終了し、いずれかの再遊技入賞が成立している場合には、入賞した再遊技結果の情報を記憶する処理を行い、メダル払出処理を終了する。なお、BET用処理(ステップSg204)では、再遊技入賞に基づいてベットを自動投入する処理を行う。
一方、払出情報格納エリアにセットされた払出数が0でない場合には、当該払出数と同数のメダルを払い出し、メダル払出処理を終了する。メダルの払い出しについて具体的には、クレジットカウンタのカウント値が上限(貯留されているメダル数が50枚)に達していない場合、クレジットカウンタのカウント値に払出数を加算するとともに加算後の値をクレジット表示部60に表示させる。また、クレジットカウンタのカウント値が上限に達している場合、又は払出数の加算途中でカウント値が上限に達した場合には、メダル払出用回転板を駆動し、メダルをホッパ装置51からメダル排出口49を介してメダル受け皿50へ払い出す。なお、メダル払出処理では、メダルの払い出しにあわせて払出枚数表示部62に表示される払出数を変更する処理も行っている。また、現在の遊技状態がBB状態である場合には、後述する残払出数カウンタの値から払出数を減算するとともに、残払出枚数表示部61に表示される残払出数を減算する処理を行う。
次に、ステップSg415のボーナス状態処理を、図526のフローチャートに基づいて説明する。
先ずステップSg501では、現在の遊技状態がボーナス状態か否か、すなわち現在の遊技状態が第1BB状態又は第2BB状態であるか否かを判定する。これら第1BB状態や第2BB状態であるか否かは、第1BB状態又は第2BB状態へ移行する際にRAM106の各種フラグ格納エリア106dにセットされる第1BB状態フラグや第2BB状態フラグの有無により判別可能である。すなわち、ステップSg501では、第1BB状態フラグ及び第2BB状態フラグのいずれもがセットされていない場合には、第1BB状態及び第2BB状態ではないと判定してステップSg502に進む。
ステップSg502では、第1BB当選フラグ又は第2BB当選フラグがセットされており、いずれかのBBに当選している状態であるか否かを判定する。いずれのBB当選フラグもセットされていない場合は、そのままボーナス状態処理を終了する。いずれかのBB当選フラグがセットされている場合には、ステップSg503に進む。
ステップSg503では、第1BB入賞又は第2BB入賞が成立したか否かを判定する。いずれかのBB入賞も成立していない場合には、ステップSg504にて各種フラグ格納エリア106dに持ち越しフラグをセットする処理を実行してから、ボーナス状態処理を終了する。持ち越しフラグは、いずれかのBB当選を持ち越している持ち越し状態(内部状態)であることをCPU102が把握するためのフラグである。いずれかのBB入賞が成立している場合には、ステップSg505に進み、第1BB入賞が成立したか否かを判定する。
第1BB入賞が成立している場合には、ステップSg506にて、各種カウンタエリア106eに設けられたBBカウンタに「251」を入力する処理を実行する。BBカウンタは、各BB状態における上限払出数を規定するためのカウンタである。すなわち、ステップSg506にてBBカウンタに「251」が入力されることにより、251枚以上のメダルが払い出されることにより第1BB状態が終了するように設定される。ステップSg507では、第1BB当選フラグをクリアする。そして、ステップSg508では、第1BB状態フラグを各種フラグ格納エリア106dにセットする。これにより、次ゲームからはステップSg501にて肯定判定することになる。続くステップSg509では、第1BB開始コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行する。第1BB開始コマンドは、第1BB状態が開始されることを表示制御装置81へ把握させるためのコマンドであり、かかる第1BB開始コマンドを受信した表示制御装置81では、第1BB状態が開始されることに対応する第1BB開始演出が行われるようにスピーカ64や補助表示部65等を制御する。また、表示制御装置81では、第1BB開始コマンドを受信することにより、次ゲームからが第1BB状態であることが把握可能となり、次ゲームから第1BB状態用の演出が行われるようにスピーカ64や補助表示部65等を制御する。
ステップSg509にて第1BB開始コマンドの出力設定を行った後は、ステップSg510にて規定ベット数を1に設定する処理を実行してから、本ボーナス状態処理を終了する。規定ベット数とは、上記のゲームの規定枚数に相当する。すなわち、第1BB状態に移行することでゲームの規定枚数が1枚に設定され、1ベットゲームにて第1BB状態が行われる。
なお、規定ベット数の初期値は1及び3であり、リセットスイッチ72が操作されてRAMクリアが行われると、当該規定ベット数は1と3が設定されてスロットマシン10が起動する。
ステップSg505にて第1BB入賞が成立していないと判定する場合とは、第2BB入賞が成立している場合である。この場合、ステップSg511に進み、上記のBBカウンタに「104」を入力する処理を実行する。すなわち、104枚以上のメダルが払い出されることにより第2BB状態が終了するように設定される。そして、ステップSg512にて第2BB当選フラグをクリアする処理を実行し、ステップSg513にて第2BB状態フラグをセットする処理を実行する。その後、ステップSg514にて第2BB開始コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行する。第2BB開始コマンドは、第1BB開始コマンドに対応するものであり、第2BB状態が開始されることを表示制御装置81へ把握させるためのコマンドである。第2BB開始コマンドを受信した表示制御装置81では、第2BB状態が開始されることに対応する第2BB開始演出が行われるようにスピーカ64や補助表示部65等を制御し、次ゲームからは第2BB状態用の演出が行われるようにスピーカ64や補助表示部65等を制御する。なお、第1BB開始演出と第2BB開始演出とは、見た目や内容が、遊技者が識別可能な程度に異なっている。また、第1BB状態用の演出と第2BB状態用の演出とも、見た目や内容が、遊技者が識別可能な程度に異なっている。
ステップSg514にて第2BB開始コマンドの出力設定を行った後は、ステップSg510にて規定ベット数を1に設定する処理を実行してから、本ボーナス状態処理を終了する。すなわち、第1BB状態だけでなく、第2BB状態においてもゲームの規定枚数が1枚に設定され、1ベットゲームにて第2BB状態が行われる。
ステップSg501にて肯定判定し、第1BB状態又は第2BB状態である場合、ステップSg515に進み、第1BB状態や第2BB状態中の処理を行う。図527は、BB状態用抽選テーブルの一例を示している。なお、本実施形態では、第1BB状態と第2BB状態とで共通の抽選テーブルを用いる構成としているが、それぞれ別々の抽選テーブルを設け、当選し得る役の種類や各役の当選確率を異ならせてもよい。本実施形態では、図527に示すように、第1BB状態や第2BB状態において、ほぼ毎ゲーム共通ベルに当選し得るように設定されている。そして、共通ベルに非当選となり、いずれの結果にも当選とならない外れ結果となる確率は設定6では約11.8分の1であるのに対して、他の設定値では約1820分の1である。
ステップSg515では、上記のBB状態用抽選テーブルによる抽選処理や各リール制御の結果として、今回のゲームでいずれかの小役入賞が成立したか否かを判定する。入賞が成立していない場合には、そのままボーナス状態処理を終了する。入賞が成立している場合には、ステップSg516にて入賞に対応する払出数を上記各種カウンタエリア106eのBBカウンタから減算する処理を実行する。そして、ステップSg517にて、ステップSg516の減算処理の結果としてBBカウンタが0以下となったか否かを判定する。例えば、共通ベル当選となり、第1小役入賞~第6小役入賞が成立すると1ベットゲームでは5枚の払出が発生することから、ステップSg516ではBBカウンタから5を減算する。
ステップSg517にて0以下ではないと判定した場合は、そのままボーナス状態処理を終了する。一方、0以下であると判定した場合、ステップSg518にて、現状のBB状態に対応するBB状態フラグをクリアする処理を行う。すなわち、第1BB状態であれば第1BB状態フラグをクリアし、第2BB状態であれば第2BB状態フラグをクリアする。そして、ステップSg519にてステップSg今回終了するBB状態に対応するBB終了コマンドを表示制御装置81への出力対象として設定する。より詳しくは、第1BB状態を終了する場合には第1BB終了コマンドを出力設定し、第2BB状態を終了する場合には第2BB終了コマンドを出力設定する。第1BB終了コマンド又は第2BB終了コマンドを受信した表示制御装置81は、第1BB終了用の演出や第2BB終了用の演出が行われるようにスピーカ64や補助表示部65を制御する。
その後、ステップSg520にて、規定ベット数を1と3に設定してから、本ボーナス状態処理を終了する。この場合、第1BB状態や第2BB状態の終了後の通常遊技状態においては、1ベットゲームと3ベットゲームとが可能となる。
<抽選結果対応処理>
次に、図528のフローチャートを参照しながら、ステップSg310にて実施される抽選結果対応処理について説明する。抽選結果対応処理は、各ゲームの抽選処理が行われた後に実施される処理であり、ゲームの抽選結果に基づいて押し順報知が発生するATモードへの移行抽選等を行う処理である。
先ず、ステップSg601では、現状の遊技状態を把握する処理を行う。より詳しくは、第1BB状態及び第2BB状態のいずれかであるか、それとも第1BBや第2BB当選前の非内部状態(通常遊技状態)であるか、又は第1BBや第2BB当選後の内部状態(持ち越し状態)であるか、を把握する。続くステップSg602では、ステップSg601の把握結果に基づいて第1BBや第2BB当選後の内部状態であるか否かを判定する。第1BB当選フラグ又は第2BB当選フラグがセットされており、内部状態である場合には、そのまま抽選結果対応処理を終了する。つまり、本実施形態では、BB当選後の内部状態においては、ATモードへの移行抽選等の表示モード用の処理(指示機能用の処理)が実行されない。そのため、いずれかのBBに当選した場合には、その当選したことを速やかに察知したうえで、対応するBB入賞を成立させたほうが遊技者にとって有利となる。
続くステップSg603では、今回のゲームのベット数が、ステップSg601にて把握した状態において規定されている一の規定枚数(特定規定数)であるか否かの判定を行う。本実施形態では、第1BB状態や第2BB状態の特定規定数を3としており、この場合、第1BB状態や第2BB状態でのベットの規定枚数は1であることから、ステップSg601にて第1BB状態又は第2BB状態であると判定した場合には、ステップSg603では必ず否定判定し、そのまま抽選結果対応処理を終了する。つまり、本実施形態では、いずれかのBBに当選した後、対応するBB状態が終了するまでは、ステップSg604以降の表示モード用の処理(指示機能用の処理)は実行されない。
これに対して、本実施形態では、第1BB状態及び第2BB状態以外の状態(非内部状態)では、規定枚数の1及び3のうち3が特定規定数として設定されており、当該第1BB状態及び第2BB状態以外の状態でベット数が3である場合に、ステップSg603にて肯定判定する。この場合、ステップSg604以降の表示モード用の処理(指示機能用の処理)が行われる。なお、第1BB状態及び第2BB状態以外の状態でベット数が1である場合には、ステップSg603にて否定判定し、そのまま抽選結果対応処理を終了する。
ステップSg603にて肯定判定した場合、ステップSg604にて、各種フラグ格納エリア106dに有利区間フラグがセットされているか否かを判定する。本スロットマシン10では、押し順報知等の発生の有無について、当該押し順報知等が発生し得る有利区間と、発生し得ない通常区間とが設定されている。有利区間フラグは、今回のゲームが有利区間であることをCPU102が把握するためのフラグであり、有利区間へ移行することに基づいてセットされ、通常区間に移行することに基づいてクリアされる。
有利区間フラグがセットされていない場合、今回のゲームが通常区間であることを意味し、この場合、ステップSg605にて有利区間移行抽選処理を実行してから、抽選結果対応処理を終了する。
有利区間移行抽選処理では、図529のフローチャートに示すように、ステップSg701にて今回のゲームの抽選結果を把握する。そしてステップSg702にて、ROM105の各種テーブル記憶エリア105aから有利区間移行抽選テーブルを取得する。有利区間移行抽選テーブルは、図534に示すように、各ゲームの抽選結果に応じて、有利区間への移行率(有利区間移行抽選の当選確率)が設定されている。有利区間への移行抽選の契機役としては、図534にも示すように、通常リプA、通常リプB、通常リプC、チャンス目A、チャンス目B、チャンス目C、チェリーA、チェリーB、チェリーC、共通ベル、押し順ベル、スイカが設定されている。すなわち、3ベットゲームにおいて、いずれかのBB当選となる結果(リプ重複1、リプ重複2、チャンス目重複1、チャンス目重複2、チェリー重複1、チェリー重複2、スイカ重複1、スイカ重複2、単独BB1、単独BB2)を除いて当選し得る全ての結果が有利区間への移行抽選の契機役として設定されている。ちなみに、いずれかのBB当選となる結果の場合、BB当選フラグがセットされることから、ステップSg602にて肯定判定し、本有利区間移行抽選処理も実行されない。
ステップSg702にて抽選テーブルを取得した後は、ステップSg703にて有利区間移行抽選用の乱数を取得する処理を実行する。有利区間移行抽選用の乱数は、各種カウンタエリア106eの専用のカウンタが用いられ、当該専用のカウンタは所定周期で更新され、ステップSg703ではそのカウンタのうち最新の更新値を取得する。そして、ステップSg704にて有利区間移行抽選を実行し、ステップSg705にて、移行抽選に当選したか否かを判定する。ちなみに、本実施形態では、いずれの契機役であっても100%の確率で有利区間移行抽選に当選するように抽選テーブルが設定されている。この場合、ステップSg701にて把握したゲームの結果が、移行抽選の契機役である(外れ結果ではない)と判定した場合、ステップSg702~ステップSg705の処理を省略することも可能である。
ステップSg705にて移行抽選に当選していると判定した場合、ステップSg706にて、各種フラグ格納エリア106dに有利区間当選ゲームフラグをセットする処理を実行する。有利区間当選ゲームフラグは、今回のゲームで有利区間への移行抽選に当選したゲームであることをCPU102が把握するためのフラグである。ステップSg705にて否定判定した場合、又はステップSg706の処理を実行した後は、有利区間移行抽選処理を終了する。
抽選結果対応処理の説明に戻り、ステップSg604にて有利区間フラグがセットされていると判定した場合、ステップSg606に進む。ステップSg606では、各種フラグ格納エリア106dにATモード当選フラグ又はATモードフラグがセットされているか否かを判定する。ATモード当選フラグは、ATモードへの移行抽選に当選した場合にセットされるフラグであり、ATモードフラグは、ATモードへ移行する際にセットされるフラグである。つまり、ステップSg606では、既にATモードへの移行が確定している状況又は移行済みの状況であるか否かを判定する。ステップSg606にていずれのフラグもセットされておらず、未だATモードへの移行が確定していない状況である場合には、ステップSg607にてAT抽選用処理を実行する。一方、ステップSg606にていずれかのフラグがセットされている場合、ステップSg608にてAT上乗せ用処理を実行する。
<AT抽選用処理>
先ず、ステップSg607のAT抽選用処理について図530のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップSg801では、各種カウンタエリア106eに設けられた天井カウンタの減算処理を実行する。天井カウンタは、有利区間においてATモードへの移行が生じることなく消化され得る最大ゲーム数(天井ゲーム数)をCPU102が把握するためのカウンタである。天井カウンタには、有利区間への移行時に所定の抽選値が入力される。なお、本実施形態では天井カウンタの最大値は、999に設定されている。つまり、有利区間に移行してから最大で999ゲームを消化することで、ATモードの移行抽選に当選しなくてもATモードへの移行が生じることになる。ステップSg801では、上記天井カウンタを1減算する処理を実行する。そして、ステップSg802では、天井カウンタが0となったか否かを判定する。なお、上記のように、抽選結果対応処理においてBB当選後の内部状態ではステップSg604以降の処理を実行しないように設定されていることから、当該内部状態では天井までのゲーム数の減算は行われない。また、ベット数が遊技状態に応じた特定規定数ではない場合にもステップSg604以降の処理を実行しないように設定されていることから、BB当選前のゲームであっても、1ベットゲームでは天井までのゲーム数の減算が行われない。
ステップSg802にて天井カウンタが0ではない場合、ステップSg803~ステップSg805にてATモード移行抽選を実行する。
すなわち、ステップSg803では、各種フラグ格納エリア106dに第1CZモードフラグ、第2CZモードフラグ及び第3CZモードフラグのいずれかがセットされているか否かを判定する。本実施形態では、有利区間であってATモードへの移行抽選に当選前の状態として、通常モードとCZモードとが設けられており、CZモードは通常モードよりもATモードへの移行抽選に当選し易いモードとして設定されている。CZモードとしては、移行契機が異なる第1CZモード、第2CZモード及び第3CZモードが設定されており、上記の第1CZモードフラグ~第3CZモードフラグは、それら第1CZモード~第3CZモードをCPU102が区別するためのフラグである。そして、ステップSg803にていずれかのCZモードフラグがセットされていないと判定した場合は、ステップSg804にて通常用ATモード抽選処理を実行し、ステップSg803にていずれかのCZモードフラグがセットされている場合には、ステップSg805にてCZ用ATモード抽選処理を実行する。
ステップSg804の通常用ATモード抽選処理では、図531のフローチャートに示すように、先ず、ステップSg901にて今回のゲームの抽選結果を把握する。そして、ステップSg902にて、ROM105の各種テーブル記憶エリア105aから通常用ATモード移行抽選テーブルを取得する。通常用ATモード移行抽選テーブルは、図534に示すように、各ゲームの抽選結果に応じて、ATモードへの移行率(ATモード移行抽選の当選確率)が設定されている。通常用ATモード移行抽選の契機役としては、図534にも示すように、通常リプA、通常リプB、通常リプC、チャンス目A、チャンス目B、チャンス目C、チェリーA、チェリーB、チェリーC、共通ベル、押し順ベル、スイカが設定されている。すなわち、3ベットゲームにおいて、いずれかのBB当選となる結果を除いて全ての結果が通常用ATモード移行抽選の契機役として設定されている。
ステップSg902にて抽選テーブルを取得した後は、ステップSg903にてATモード移行抽選用の乱数を取得する処理を実行する。そして、ステップSg904にて、ATモード移行抽選を実行してから、本ATモード抽選処理を終了する。すなわち、通常用ATモード抽選処理においては、各ゲームの抽選結果に基づいてATモード移行抽選を行う。
これに対して、CZモード中のATモード移行抽選では、CZモード中の複数のゲームの抽選結果を利用してATモード移行抽選を行う。
すなわち、ステップSg805のCZ用ATモード抽選処理では、図532のフローチャートに示すように、先ず、ステップSg1001にて今回のゲームの抽選結果を把握する。そして、ステップSg1002にて、ROM105の各種テーブル記憶エリア105aからポイントテーブルを取得する処理を実行する。
ポイントテーブルは、図534に示すように、各ゲームの抽選結果に応じて、今回のゲームで取得するポイント値が異なり得るように設定されており、例えば、今回のゲームの抽選結果がチェリーAである場合には20ポイントを取得し、今回のゲームの抽選結果がチェリーAよりも当選しにくいチェリーBである場合には50ポイントを取得する、といったように、各ゲームの抽選処理において当選確率が低い結果ほど、多くのポイントを取得するように設定されている。
そして、ステップSg1003にて各種カウンタエリア106eに設けられた累積カウンタRCに、今回のゲームで取得されるポイント値を加算する処理を実行する。なお、本実施形態では、各ゲームの抽選結果コマンドに当該累積カウンタRCの情報が含まれるように設定されており、各ゲームの抽選結果とともに当該累積カウンタRCの値を表示制御装置81側でも把握可能となっている。
続くステップSg1004では、各種カウンタエリア106eに設けられたCZカウンタを把握する処理を実行する。CZカウンタは、CZモードの残りゲーム数をCPU102が把握するためのカウンタであり、CZモードにおいて1ゲーム消化される度に1ずつ減算されるカウンタである。そして、ステップSg1005にて、各種テーブル記憶エリア105aからCZ用ATモード移行抽選テーブルを取得する処理を実行し、ステップSg1006にて、ATモード移行抽選を実行してから、CZ用ATモード抽選処理を終了する。
CZ用ATモード移行抽選テーブルは、図535に示すように、CZカウンタと累積カウンタRCとによって、ATモード移行抽選の当選確率が異なるように設定されている。より詳しくは、CZカウンタの値と累積カウンタRCの値とに応じて設定される所定数と累積カウンタRCとの積が、ATモード移行抽選の当選確率(%)として設定されており、例えば、CZカウンタが16以上である場合には、累積カウンタRCが0~59であれば所定数が0.1として設定され、累積カウンタRCが80~100であれば所定数が0.6として設定される。この場合、CZカウンタが16以上であり、累積カウンタRCが30であれば、所定数(0.1)と累積カウンタRC(30)との積により、ATモード移行抽選の当選確率は3%となる。また、CZカウンタが16以上であり、累積カウンタRCが90であれば、所定数(0.6)と累積カウンタRC(90)との積により、ATモード移行抽選の当選確率は54%となる。また、CZカウンタが3~1である場合には、累積カウンタRCが0~9であれば所定数が0.5として設定され、累積カウンタRCが50~100であれば所定数が1.0として設定される。この場合、CZカウンタが3~1であり、累積カウンタRCが5であれば、所定数(0.6)と累積カウンタRC(5)との積により、ATモード移行抽選の当選確率は3%となる。また、CZカウンタが3~1であり、累積カウンタRCが90であれば、所定数(1.0)と累積カウンタRC(90)との積により、ATモード移行抽選の当選確率は90%となる。
つまり、本実施形態におけるCZモードにおいては、CZモード中の各ゲームで獲得したポイント値が大きいほどATモード移行抽選に当選し易く、且つ、CZモードの残りゲーム数が少なくなるほどATモード移行抽選に当選し易くなるように設定されている。そして、CZモード中の各ゲームで獲得したポイント値が大きくても、CZモードの残りゲーム数が多い場合にはATモード移行抽選に当選しにくくなるように設定されている。このように、CZモード移行後、早々にATモード移行抽選に当選してしまうことが抑制されており、CZモード中の各ゲームの抽選結果への注目度を高めながらCZモード中の遊技(演出)を最後まで楽しませるための工夫が施されている。
AT抽選用処理の説明に戻り、ステップSg804又はステップSg805にてATモード抽選処理を実行した後は、ステップSg806にて、これらステップSg804やステップSg805のATモード抽選処理におけるATモード移行抽選に当選したか否かを判定する。当選している場合は、ステップSg807~ステップSg810のATモード当選用の処理を実行し、当選していない場合には、ステップSg811~ステップSg819のATモード非当選用の処理を実行する。
すなわち、ATモード移行抽選に当選している場合、先ず、ステップSg807にて前兆モードの設定処理を実行する。なお、ステップSg802にて天井カウンタが0となった場合にも、ステップSg807に進み、かかる前兆モードの設定処理を行う。前兆モードとは、ATモード移行抽選に当選する等してATモードへの移行が生じ得る状況となった場合、補助表示部65やスピーカ64にて当該ATモードへの移行が生じ得る状況となったことを示唆する前兆演出を行うモードである。ステップSg807では、ATモードへの移行が生じ得る状況となった契機に応じて当該前兆モードのゲーム数等を設定する処理を行う。
すなわち、前兆モードの設定処理では、図533のフローチャートに示すように、先ず、ステップSg1101にて、上記の累積カウンタRCを把握する処理を実行し、続くステップSg1102にて、CZカウンタを把握する処理を実行する。そして、ステップSg1103にて各種テーブル記憶エリア105aから即報知抽選テーブルを取得する処理を実行し、ステップSg1104にて即報知抽選処理を実行する。即報知抽選処理では、ATモードへの移行が生じ得る状況となったことの報知を、上記前兆演出を介することなく実行するか否かの抽選を行う。
即報知抽選テーブルは、図536に示すように、CZカウンタと累積カウンタRCとに応じて、即報知抽選の当選確率が異なるように設定されている。より詳しくは、CZカウンタの値が小さくなるほど、すなわちCZモードの残りゲーム数が少なくなるほど即報知抽選に当選し易く、また、累積カウンタRCの値が大きくなるほど、すなわちCZモード中に獲得したポイント値が大きいほど即報知抽選に当選し易くなるように設定されている。なお、CZカウンタが0であり、通常モード中のATモード移行当選である場合、本実施形態では、即報知抽選に100%の確率で当選する構成としている。
ステップSg1105では、ステップSg1104の即報知抽選に当選したか否かの判定を行う。即報知抽選に当選していない場合、ステップSg1106~ステップSg1113にて前兆モード用の処理を行い、即報知抽選に当選している場合、ステップSg1114~ステップSg1119にてATモードの報知用の処理を行う。
即報知抽選に当選していない場合、ステップSg1106では、今回のATモード移行抽選に当選となった状況がCZモードのうちの第1CZモード又は第3CZモードであったか否かを判定する。第1CZモードや第3CZモードではなく、第2CZモードである場合には、ステップSg1107にて前兆演出ゲーム数の抽選処理を実行する。そして、ステップSg1108にて、ステップSg1107の抽選結果と、現状のCZカウンタ(CZモードの残りゲーム数)と、を加算した値を、各種カウンタエリア106eに設けられた前兆カウンタに入力する処理を実行する。前兆カウンタは、ATモードへの移行が生じ得る状況となってから、その状況となったことの報知(AT当選報知演出)が行われるまでのゲーム数をCPU102が把握するためのカウンタである。
ステップSg1107の前兆演出ゲーム数の抽選処理では、各種テーブル記憶エリア105aから前兆演出ゲーム数テーブルを取得して、今回の前兆演出ゲーム数をランダムに設定する。前兆演出ゲーム数テーブルは、図537に示すように、13ゲーム~15ゲームのうちのいずれかが選択されるように設定されており、例えば、15ゲームが選択され易い一方、13ゲームや14ゲームは選択されにくい、といったように、ゲーム数によって選択率が異なっている。例えば、前兆演出ゲーム数抽選処理にて14ゲームが選択され、CZモードの残りゲーム数が3ゲームである場合、前兆カウンタには17が入力され、ATモードへの移行が生じ得る状況となってから(ATモード当選フラグがセットされてから)、17ゲーム後にその旨の報知が行われることになる。
ステップSg1108にて前兆カウンタの入力処理を実行した後は、ステップSg1109にて、各種フラグ格納エリア106dに前兆フラグをセットする処理を実行する。そして、ステップSg1110にて前兆コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本前兆モードの設定処理を終了する。前兆フラグは、前兆モードの設定が行われたことをCPU102が把握するためのフラグであり、前兆コマンドは、当該前兆モードの設定が行われたことを表示制御装置81に把握させるためのコマンドである。また、前兆コマンドには、上記前兆カウンタの値が含まれ、表示制御装置81では、ATモードへの移行が生じ得る状況となったことの報知を行うべきゲームを当該前兆カウンタの値から把握することが可能となる。なお、前兆コマンドを受信した場合の表示制御装置81側の処理については、後に詳細に説明する。
ステップSg1106にて第1CZモードや第3CZモードである場合、ステップSg1111にて第1CZモードであるか否かを判定し、第1CZモードである場合、ステップSg1112にて、CZカウンタに予め定められた所定数(5)を加算した値を、前兆カウンタに入力する処理を実行する。また、ステップSg1111にて第1CZモードではなく第3CZモードであると判定した場合、ステップSg1113にてCZカウンタの値を前兆カウンタに入力する処理を実行する。そして、ステップSg1109の前兆フラグのセット処理、ステップSg1110の前兆コマンドのセット処理を実行した後、前兆モードの設定処理を終了する。この場合、第1CZモードでは当該第1CZモードの残りゲーム数が0となってから予め定められた所定数のゲームが実行されることで、また、第3CZモードでは当該第3CZモードの残りゲーム数が0となることで、ATモード移行抽選に当選した旨の報知が行われる。
つまり、ATモード移行抽選に当選した場合のCZモードの種類によってATモード移行抽選に当選した旨の報知が行われるまでのゲーム数が異なり、第1CZモードは第2CZモードや第3CZモードよりも少ないゲーム数でATモード移行抽選に当選した旨の報知が行われることになる。このような構成としていることの理由は、CZモード中の演出内容の説明に際して詳細に説明する。
ステップSg1105にて即報知抽選に当選していると判定した場合、ステップSg1114に進む。ステップSg1114では、CZカウンタを0にクリアする処理を実行する。その後、ステップSg1105にて、今回のATモードの種別を第1ATモードとするか、第2ATモードとするかのAT種別決定処理を行う。本実施形態では、ATモードとしてATモード中の上乗せ性能(上乗せ抽選の当選確率)が異なる第1ATモードと第2ATモードとが設定されており、第1ATモードよりも第2ATモードの方が上乗せ性能が優れている(上乗せ抽選に当選し易いように設定されている)。ステップSg1115のAT種別決定処理では、例えば、設定値や前回のATモードの種別、有利区間中のメダル増加数や有利区間中のゲーム数等に応じて、又はランダムに今回のATモード種別を抽選により決定する。
ステップSg1116では、ステップSg1115の処理結果に基づいて、第1ATモードとして決定されたか否かを判定する。第1ATモードである場合、ステップSg1117にて各種フラグ格納エリア106dに第1AT用報知フラグをセットする処理を実行し、ステップSg1118にて第1AT当選即報知コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本前兆モードの設定処理を終了する。第1AT用報知フラグは、第1ATモードの開始に際して各リール32L,32M,32Rにて第1AT開始用の出目を出現させることをCPU102が把握するためのフラグであり、第1AT当選即報知コマンドは、第1ATモードへの移行が生じ得る状況となったことを表示制御装置81へ把握させるためのコマンドである。当該第1AT当選即報知コマンドを受信した表示制御装置81側の処理については、後に詳細に説明する。
ステップSg1116にて第1ATではなく第2ATであると判定した場合、ステップSg1119にて各種フラグ格納エリア106dに第2AT用報知フラグをセットする処理を実行し、ステップSg1120にて第2AT当選即報知コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本前兆モードの設定処理を終了する。第2AT用報知フラグは、第2ATモードの開始に際して各リール32L,32M,32Rにて第2AT開始用の出目を出現させることをCPU102が把握するためのフラグであり、第2AT当選即報知コマンドは、第2ATモードへの移行が生じ得る状況となったことを表示制御装置81へ把握させるためのコマンドである。当該第2AT当選即報知コマンドを受信した表示制御装置81側の処理についても、後に詳細に説明する。
AT抽選用処理の説明に戻り、ステップSg807にて前兆モードの設定処理を実行した後は、ステップSg808にていずれかのCZモードフラグがセットされているか否かの判定を行う。いずれかのCZモードフラグがセットされている場合には、ステップSg809にて、セットされているCZモードフラグをクリアする処理を実行する。ステップSg808にて否定判定した場合、又はステップSg809の処理を実行した後は、ステップSg810にて、ATモード当選フラグをセットする処理を実行してから、本AT抽選用処理を終了する。かかる処理を行うことにより、次ゲーム以降の抽選結果対応処理では、ステップSg606にて肯定判定することになる。
ステップSg806にてATモード移行抽選に非当選であると判定した場合、ステップSg811にていずれかのCZモードフラグがセットされているか否かを判定する。いずれのCZモードフラグもセットされておらず、通常モードである場合、ステップSg812~ステップSg819にてCZモードへの移行抽選等を行う。これに対して、いずれかのCZモードフラグがセットされている場合には、ステップSg812~ステップSg819の処理を行うことなく、そのままAT抽選用処理を終了する。
すなわち、ステップSg812では、各種カウンタエリア106eに設けられた有利区間ゲーム数AGが予め定められた第1所定値(31)以上であって、予め定められた第2所定値(700)以下であるか否かを判定する。有利区間ゲーム数AGは、有利区間のゲーム数をCPU102が把握するためのカウンタであり、有利区間へ移行してから1ゲーム毎に1ずつ加算され、有利区間が終了する際にリセットされる。有利区間ゲーム数AGが第1所定数未満である場合や第2所定数よりも大きい場合には、CZモードへの移行抽選等を行うことなくそのまま、AT抽選用処理を終了する。
本実施形態では、有利区間移行時にCZモードに設定される場合があり、第1所定数は、当該有利区間移行時に設定されるCZモードでのATモード移行抽選の当否結果の報知が終了するまでに要するゲーム数よりも多い数として設定されている。また、上記のように、本実施形態では、有利区間移行時に設定される天井カウンタが0となることでATモード移行抽選を介することなくATモードへの移行が許容される構成としており、上記の第2所定値は、有利区間移行時に設定される天井カウンタの上限値(999)に近い値であって、より詳しくは上限値の7割の値として700として設定されている。
つまり、天井カウンタの上限値に近い値まで有利区間を消化すると、CZモードへの移行抽選等が行われなくなる構成としている。なお、天井カウンタの設定処理については後に詳細に説明するが、有利区間移行時に当該第2所定値よりも小さい値が天井カウンタに設定される場合もあり、この場合、CZモード移行抽選等が行われる上限ゲーム数(700)に至る前に、天井に到達してATモードへの移行が許容される。言い換えると、第2所定値よりも小さい値が天井カウンタに入力されていても、天井に至る直前でCZモード移行抽選に当選する場合がある。
ステップSg812にて有利区間ゲーム数AGがCZモード移行抽選等を行う範囲内である場合、ステップSg813にて、各種テーブル記憶エリア105aからCZモード移行抽選テーブルを取得する処理を実行し、ステップSg814にてCZモード移行抽選処理を実行する。CZモード移行抽選テーブルは、図534に示すように、各ゲームの抽選結果に応じて、CZモードへの移行率(CZモード移行抽選の当選確率)が設定されている。例えば、今回のゲームの抽選結果がチャンス目Aであれば、7%の確率でCZモード移行抽選に当選し、今回のゲームの抽選結果がチャンス目Aよりも当選しにくいチャンス目Bであれば、チャンス目Aの場合よりも高い15%の確率でCZモード移行抽選に当選する、といったように、ゲームの抽選結果として出現率の低い結果ほど、CZモード移行抽選に当選し易くなるように設定されている。
ステップSg814にてCZモード移行抽選を実行した後は、ステップSg815にて、CZモード移行抽選に当選したか否かを判定する。非当選である場合には、そのままAT抽選用処理を終了する。CZモード移行抽選に当選している場合には、ステップSg816にて、第2CZモードゲーム数抽選処理を実行し、ステップSg817にて、その抽選結果に応じたゲーム数をCZカウンタに入力し、ステップSg818にて第2CZモードフラグをセットする処理を実行する。すなわち、有利区間において通常モード中のCZモード移行抽選に当選した場合、第2CZモードに設定され、そのゲーム数は、ステップSg816の抽選処理によって決定される。第2CZモードゲーム数の抽選処理では、各種テーブル記憶エリア105aから第2CZモードゲーム数テーブルを取得して、今回の第2CZモードのゲーム数をランダムに設定する。第2CZモードゲーム数テーブルは、図537に示すように、8ゲーム~15ゲームのうちのいずれかが選択されるように設定されており、例えば、10ゲームや11ゲームが選択され易い一方、8ゲームや15ゲームは選択されにくい、といったように、ゲーム数によって選択率が異なっている。例えば、第2CZモードゲーム数抽選処理にて10ゲームが選択された場合、ステップSg817では、CZカウンタに10が入力されることになる。
ステップSg818にて第2CZモードフラグをセットした後は、ステップSg819にて第2CZモード開始コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、AT抽選用処理を終了する。第2CZモード開始コマンドを受信した表示制御装置81側の処理については、後に詳細に説明する。
<AT上乗せ用処理>
次に、ステップSg608にて実行されるAT上乗せ用処理について、図538のフローチャートを参照しながら説明する。既に説明した通り、AT上乗せ用処理は、ATモード当選フラグやATモードフラグがセットされている状況で実行される処理であり、ATモードの継続ゲーム数の上乗せを行うための処理である。
AT上乗せ用処理では、先ずステップSg1201にて、今回のゲームの抽選結果を把握する。そして、ステップSg1202~ステップSg1208にて、現状の状況に応じた上乗せ抽選テーブルを取得する処理を実行する。すなわち、ステップSg1202では、ATモード当選フラグがセットされており、ATモードへの移行が生じ得る状況となってから、未だATモードへの移行が生じていない状況か否かを判定する。ATモード移行前の状況であれば、ステップSg1202にて肯定判定し、ステップSg1203にて各種フラグ格納エリア106dに第1AT用報知フラグ又は第2AT用報知フラグがセットされているか否かを判定する。第1AT用報知フラグや第2AT用報知フラグがセットされている状況とは、既にATモードへの移行が生じ得る状況となったことの報知(AT当選報知演出)が実行された後であって、且つATモードへの移行が生じていない状況であることを意味する。言い換えると、ステップSg1203にて第1AT用報知フラグ及び第2AT用報知フラグのいずれもがセットされていない状況とは、ATモードへの移行が生じ得る状況となったものの、未だその旨の報知が行われていない状況(前兆モード)であることを意味する。
そこで、ステップSg1203にて第1AT用報知フラグ及び第2AT用報知フラグのいずれもがセットされていないと判定した場合、ステップSg1204にて、各種テーブル記憶エリア105aから当選後当選報知前上乗せ抽選テーブルを取得する処理を実行し、ステップSg1203にていずれかのフラグがセットされていると判定した場合、ステップSg12056にて当選報知後移行前上乗せ抽選テーブルを取得する処理を実行する。
図539に示すように、当選後当選報知前上乗せ抽選テーブルと、当選報知後移行前上乗せ抽選テーブルとを比較すると、当選報知後移行前上乗せ抽選テーブルを用いた上乗せ抽選の方が、当選後当選報知前上乗せ抽選テーブルを用いた上乗せ抽選よりも上乗せ抽選に当選し易くなるように設定されている。より詳しくは、例えば、チャンス目Bを契機とする上乗せ抽選において、当選後当選報知前上乗せ抽選テーブルを用いた上乗せ抽選では5%の確率で当選するのに対して、当選報知後移行前上乗せ抽選テーブルを用いた上乗せ抽選では7%の確率で当選し、ATモード移行前の状況において、ATモード当選報知前よりも当選報知後の方が上乗せ抽選に当選し易くなっている。
ステップSg1202にてATモード当選フラグがセットされていない場合とは、ATモードフラグがセットされている場合であり、既にATモードへの移行が生じていることを意味する。この場合、ステップSg1206にて各種フラグ格納エリア106dに第1ATフラグがセットされており、現状のATモードが第1ATモードであるか否かを判定する。第1ATモードである場合、ステップSg1207にて、各種テーブル記憶エリア105aから第1AT用上乗せ抽選テーブルを取得する処理を実行し、第2ATモードである場合、ステップSg1208にて、各種テーブル記憶エリア105aから第2AT用上乗せ抽選テーブルを取得する処理を実行する。
図539に示すように、第1AT用上乗せ抽選テーブルと、第2AT用上乗せ抽選テーブルとを比較すると、第2AT用上乗せ抽選テーブルを用いた上乗せ抽選の方が、第1AT用上乗せ抽選テーブルを用いた上乗せ抽選よりも上乗せ抽選に当選し易くなるように設定されている。より詳しくは、例えば、チェリーBを契機とする上乗せ抽選において、第1AT用上乗せ抽選テーブルを用いた上乗せ抽選では10%の確率で当選するのに対して、第2AT用上乗せ抽選テーブルを用いた上乗せ抽選では20%の確率で当選し、ATモード移行後の状況において、第1ATモード中よりも第2ATモード中の方が上乗せ抽選に当選し易くなっている。
ステップSg1204、ステップSg1205、ステップSg1207及びステップSg1208のいずれかの処理で、上乗せ抽選テーブルを取得した後は、ステップSg1209にて上乗せ抽選を実行する。そして、ステップSg1210にて上乗せ抽選に当選したか否かの判定を行う。上乗せ抽選に非当選であった場合には、そのままAT上乗せ用処理を終了する。上乗せ抽選に当選であった場合には、ステップSg1211にて上乗せゲーム数抽選処理を実行する。上乗せゲーム数抽選処理では、各種テーブル記憶エリア105aから上乗せゲーム数テーブルを取得し、今回の上乗せゲーム数を抽選により決定する。上乗せゲーム数テーブルは、図539に示すように、上乗せ契機となったゲームの抽選結果に応じて、上乗せゲーム数が異なるように設定されており、例えば、通常リプAを契機として上乗せが行われる場合には平均150ゲームの上乗せが発生する一方、チェリーAを契機として上乗せが行われる場合は平均15ゲームの上乗せが発生する、といったように、上乗せ抽選に当選しにくい契機にて上乗せが行われる場合の方が上乗せゲーム数が多くなるように設定されている。
ステップSg1211にて上乗せゲーム数抽選処理を実行した後は、ステップSg1212にて各種カウンタエリア106eに設けられたATカウンタに、今回の上乗せゲーム数を加算する処理を実行する。ATカウンタは、ATモードの残りゲーム数をCPU102が把握するためのカウンタである。ステップSg1212の処理を実行した後は、ステップSg1213にて上乗せコマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、AT上乗せ用処理を終了する。上乗せコマンドを受信した表示制御装置81は、上乗せが行われたことに対応する上乗せ報知演出を補助表示部65やスピーカ64にて行うための処理を実行する。
抽選結果対応処理(図528)の説明に戻る。
ステップSg607又はステップSg608の処理を実行した後は、ステップSg609にて、今回のゲームの抽選結果が押し順役当選であったか否かを判定する。押し順役とは、押し順ベルのほか、通常リプA、通常リプB、通常リプCを含む結果である。通常リプA、通常リプB、通常リプCは、いずれも複数の再遊技に重複して当選となる結果であり、ストップスイッチ42~44の操作順序によって入賞を成立させる再遊技が異なり得るように設定されている。
具体的には、図540に示すように、通常リプAは、各ストップスイッチ42~44の操作順序に関わらず、基本的には第1再遊技入賞が成立するように各リール32L,32M,32Rの停止制御が行われる。これに対して、通常リプB、通常リプCは、右ストップスイッチ44が最初に操作された場合には、第2再遊技入賞や第3再遊技入賞が成立するように各リール32L,32M,32Rの停止制御が行われ、左ストップスイッチ42又は中ストップスイッチ43が最初に操作された場合には、第1再遊技入賞が成立するように各リール32L,32M,32Rの停止制御が行われる。但し、これら通常リプA、通常リプB、通常リプCにおいて、重複当選している再遊技のうちのいずれの再遊技入賞が成立しても、付与される特典は再遊技であり、成立する再遊技の種類だけが異なるものである。言い換えると、通常リプA、通常リプB、通常リプCは、ストップスイッチ42~44の操作順序に関わらず再遊技入賞が成立するものの、操作順序によって停止出目が異なる遊技結果である。そして、特に通常リプBと通常リプCは、ATモードの開始契機となっており、ATモード当選フラグがセットされてから、ATモードへの移行が生じ得る状況である旨の報知が実行された後、第2再遊技入賞が成立し得るゲームにて第1ATモードが開始され、ATモード当選フラグがセットされてから、ATモードへの移行が生じ得る状況である旨の報知が実行された後、第3再遊技入賞が成立し得るゲームにて第2ATモードが開始される。つまり、ATモード当選フラグがセットされても、上記の報知(AT当選報知演出)が実行されるまで、第1ATモードや第2ATモードは開始されないし、上記の報知が実行された後であっても、通第2再遊技入賞や第3再遊技入賞が成立し得るゲームとなるまで、第1ATモードや第2ATモードは開始されない。
ステップSg609にて押し順役当選であると判定した場合、ステップSg610にて、いずれかのCZモードフラグ、ATモード当選フラグ又はATモードフラグがセットされているか否かを判定する。これらのうちのいずれかのフラグがセットされている場合には、ステップSg611にて押し順報知用処理を実行してから、抽選結果対応処理を終了する。ステップSg609又はステップSg610にて否定判定した場合には、そのまま抽選結果対応処理を終了する。
<押し順報知の概要>
ステップSg611にて実行される押し順報知用処理の説明に先立って、指示モニタ68にて実行される押し順報知や、補助表示部65にて実行される押し順報知演出の概要について説明する。なお、押し順報知や押し順報知演出は、例えば、押し順ナビ、順序報知や態様報知とも称することが可能である。指示モニタ68は主制御装置101に接続されており、主制御装置101により押し順報知が行われる。これに対して、補助表示部65は表示制御装置81に接続されており、表示制御装置81により押し順報知演出が行われる。
先ず、この指示モニタ68の構成について、図541を参照しながら説明する。図541(a)は、指示モニタ68の正面図であり、図541(b)は、指示モニタ68の表示態様と表示内容との関係を説明するための図である。
図541(a)に示すように、指示モニタ68には8個の表示用セグメントN1~N8が設けられている。各表示用セグメントN1~N8は、LEDからなる個別の光源を有しており、それら個別の光源がオンオフ制御されることで、任意の1個の表示用セグメントのみを点灯させることができるとともに、任意の組み合わせの表示用セグメントを点灯させることができる。これにより、指示モニタ68では、それぞれ個別に所定の記号(アルファベットや数字を含む)が表示されるようになっている。なお、上記個別の光源はいずれも同一色の光を照射するものであるため、各表示用セグメントN1~N8においてはいずれも同一の色が表示されることとなる。
各表示用セグメントN1~N8について詳細には、第1表示用セグメントN1~第7表示用セグメントN7は、いずれも直線状の表示用セグメントであり、これら第1表示用セグメントN1~第7表示用セグメントN7は、数字の「1」~「6」を少なくとも表示することができるように配置されている。また、第8表示用セグメントN8は、円形状の表示用セグメントであり、第1表示用セグメントN1~第7表示用セグメントN7が設けられた領域の右下部分の横方に配置されている。したがって、指示モニタ68では、「1」~「6」と、「1.」~「6.」と、「 .」と、を少なくとも表示することができる。
なお、指示モニタ68において、複数パターンの記号をそれぞれ個別に表示することが可能であれば、各表示用セグメントN1~N8の形状や配置態様は任意であり、さらには8個のセグメントではなく7個のセグメント、又は9個のセグメント等を用いる構成としてもよい。また、各表示用セグメントN1~N8において表示される色が同一であることは必須ではなく、各表示用セグメントN1~N8において表示される色が適宜変更可能となる構成としてもよい。また、光源をオンオフ制御することで、各表示用セグメントN1~N8の点灯又は消灯を制御する構成は必須のものではなく、各表示用セグメントN1~N8において個別に表示制御が行えるのであれば、単一のバックライトと液晶ディスプレイとによりセグメント表示器を構成してもよい。さらには、各表示領域に対してセグメント表示を適用するのではなく、液晶表示装置、有機EL表示装置、CRT、ドットマトリックス等その他のタイプの表示装置によって記号を表示する構成としてもよい。
第1表示用セグメントN1~第7表示用セグメントN7は、押し順役の操作順序の報知に用いられる表示用セグメントである。例えば、図541(b)に示すように、各ストップスイッチ42~44の操作順序として「左」→「中」→「右」の順で停止操作を行うことにより遊技者にとって有利な入賞態様となる場合、第6表示用セグメントN6及び第7表示用セグメントN7が点灯表示されて「1」が表示される。また、各ストップスイッチ42~44の操作順序として「右」→「左」→「中」の順で停止操作を行うことにより遊技者にとって有利な入賞態様となる場合、第1表示用セグメントN1、第2表示用セグメントN2、第3表示用セグメントN3、第5表示用セグメントN5及び第6表示用セグメントN6が点灯表示されて「5」が表示される。つまり、各表示用セグメントN1~N7にて表示される数字(記号)は、ストップスイッチ42~44の操作順序と1対1で対応付けられており、表示用セグメントN1~N7にて表示される数字(記号)に基づいて、ストップスイッチ42~44を停止操作することで、遊技者にとって有利な態様にて入賞させることが可能となる。
第8表示用セグメントN8は、有利区間に移行し、押し順報知が発生し得る状況となる報知条件を含む所定の開始条件が成立した場合に、その開始条件が成立したゲームにて点灯される。また、ATモードが終了して有利区間から通常区間へ移行する場合に消灯される。
つまり、押し順ベル等の操作順序が報知され易くなることによって遊技者にとって有利な態様にて入賞させ易くなる区間を有利区間(特定遊技状態、特定モード)とし、第8表示用セグメントN8は、当該有利区間において、実際に押し順報知による恩恵が得られるようになる特定区間中は点灯し、有利区間ではない通常区間や、有利区間であっても特定区間ではない非特定区間中は消灯する区間表示器(特定報知手段)をなすものである。
既に説明したとおり、押し順表示器としての第1表示用セグメントN1~第7表示用セグメントN7、及び区間表示器としての第8表示用セグメントN8を有する指示モニタ68は、遊技パネル25において払出枚数表示部62の側方付近に配置されている。つまり、指示モニタ68は、遊技者が操作するストップスイッチ42~44等よりも上方に配置されており、言い換えると、ストップスイッチ42~44等が設けられている位置よりも下方において遊技機前面部である化粧パネルに配置されていない。そのため、ストップスイッチ42~44等を操作する手等によって、第8表示用セグメントN8が隠されることが抑制され、遊技者が視認し易い位置に配置されているといえる。また、メダルの獲得を目指して遊技を進行させる遊技者が注視し易い払出枚数表示部62の近くに配置されていることからしても、遊技者による見逃しが抑制されているといえる。
さらに、指示モニタ68において特に第8表示用セグメントN8は、周囲の表示部(例えば払出枚数表示部62や、遊技パネル25のバックライト)の明度よりも高い明度となるように(より詳しくは、周囲の表示部の明度の2倍の明度となるように)、対応するLEDの明度が定められている。そのため、第8表示用セグメントN8と周囲の表示部とがいずれも発光制御されている場合(点灯状態となっている場合)であっても、第8表示用セグメントN8が一際目立つようになっている。遊技機前方に向けた照度についても、第8表示用セグメントN8の方が周囲の表示部より、遊技機前方に向けた照度が高くなるように(より詳しくは、周囲の表示部の照度の2倍の照度となるように)、対応するLEDの照度が定められている。このような構成からも、第8表示用セグメントN8の視認性が向上されており、当該第8表示用セグメントN8が点灯状態となった場合の見逃しが抑制されている。
次に、補助表示部65にて行われる押し順報知演出について、図542を参照しながら説明する。ここでは、今回報知する操作順序が、中→右→左である場合の押し順役に当選している場合を例として、補助表示部65での押し順報知演出を説明する。
図542(a)に示すとおり、補助表示部65では、ストップスイッチ42~44に対応して3つ並列したボタン表示のうち、最初に操作すべきストップスイッチに対応するボタン表示(図では中ストップスイッチ43に対応する真ん中のボタン表示)に数字の1が付されて、他のボタン表示よりも大きく表示される。また、各ボタン表示は、当選役に対応する色(ベルなら黄色、再遊技なら青色等)にて表示される。これにより、遊技者は、今回のゲームにて当選している役と、最初に操作すべきストップスイッチが中ストップスイッチ43であることを認識することができる。また、補助表示部65では、次に操作すべきストップスイッチが右ストップスイッチ44であり、最後に操作すべきストップスイッチが左ストップスイッチ42であることを示すように、右のボタン表示に数字の2が付されて表示され、左のボタン表示に数字の3が付されて表示される。
遊技者が中ストップスイッチ43を操作すると、図542(b)に示すように、補助表示部65では、中ストップスイッチ43に対応する真ん中のボタン表示が消え、右ストップスイッチ44に対応する右のボタン表示が大きく表示される。これにより、遊技者は、中ストップスイッチ43の操作が完了したこと、及び、次に操作すべきストップスイッチが右ストップスイッチ44であることを確認することができる。
遊技者が右ストップスイッチ44を操作すると、図542(c)に示すように、補助表示部65では、右ストップスイッチ44に対応する右のボタン表示が消え、左ストップスイッチ42に対応する左のボタン表示が大きく表示される。これにより、遊技者は、右ストップスイッチ44の操作が完了したこと、及び、次に操作すべきストップスイッチが左ストップスイッチ42であることを確認することができる。
押し順報知の実行タイミングについて説明すると、各リール32L,32M,32Rの回転が開始されてから、加速期間を経て定速回転に至るまでのストップスイッチ42~44の無効期間中に、押し順報知が実行されるように設定されている。このようにストップスイッチ42~44の操作が有効となるよりも前のタイミングで押し順報知を実行する構成とすることで、ストップスイッチ42~44の操作順序を認識したうえでストップスイッチ42~44の操作に望ませることが可能となり、テンポ良く遊技を進行させることができる。
特に、本実施形態では、スタートレバー41が操作されたタイミングで押し順報知が実行されるように設定されており、当該スタートレバー41が操作されたタイミングでウェイト期間が経過していない場合には、各リール32L,32M,32Rの回転開始よりも前に押し順報知が実行される場合がある。このようにすることで、ストップスイッチ42~44の操作順序をより早期に把握させ、正確な停止操作に向けて準備させることが可能となる。
<押し順報知用処理>
次に、ステップSg611にて実行される押し順報知用処理について、図543のフローチャートを参照しながら説明する。
先ず、ステップSg1301では、第1CZモードフラグ~第3CZモードフラグのいずれかがセットされているか否かを判定する。第1CZモードフラグ~第3CZモードフラグのいずれもがセットされていない場合、ステップSg1302にてATモード当選フラグがセットされているか否かを判定する。第1CZモードフラグ~第3CZモードフラグがセットされておらず、且つATモード当選フラグがセットされている場合とは、ATモード当選後、未だATモードへの移行が生じていない場合である。この場合、ステップSg1303にて、各種フラグ格納エリア106dに第1AT報知用フラグ又は第2AT報知用フラグがセットされているか否かを判定する。ATモード当選フラグがセットされているものの、これらAT報知用フラグがセットされていない場合とは、ATモード移行抽選に当選しているものの、未だ前兆モード中であることを意味する。この場合、今回のゲームでは押し順報知を発生させず、そのまま押し順報知用処理を終了する。第1AT報知用フラグ又は第2AT報知用フラグがセットされている場合には、ステップSg1304に進む。
ステップSg1304では、今回のゲームの抽選結果が通常リプB又は通常リプCであるか否かを判定する。通常リプB及び通常リプCではなく、通常リプAや押し順ベルである場合には、そのまま本押し順報知用処理を終了する。通常リプB及び通常リプCのいずれかである場合、ステップSg1305にて通常リプBであるか否かを判定する。通常リプBである場合、ステップSg1306にて、上記の第1AT報知用フラグがセットされているか否かを判定する。第1AT報知用フラグではなく第2AT報知用フラグがセットされている場合には、そのまま本押し順報知用処理を終了する。通常リプBに当選し、且つ第1AT報知用フラグがセットされている場合、ステップSg1307に進み、第1ATモードを開始させるための処理を実行する。
すなわち、ステップSg1307では、第1AT報知用フラグをクリアする。そして、ステップSg1308では、各種フラグ格納エリア106dに第1AT開始用フラグをセットする。第1AT開始用フラグは、今回のゲームから第1ATモードが開始されることをCPU102が把握するためのフラグである。その後、ステップSg1309にて、第2再遊技入賞に対応する押し順報知が行われるように指示モニタ68を制御する。そして、ステップSg1310にて、第2再遊技入賞に対応する操作順序の情報を含む押し順コマンドを、表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本押し順報知用処理を終了する。この押し順コマンドを受信した表示制御装置81では、第2再遊技入賞に対応する押し順報知演出として、右ストップスイッチ44を最初に操作すべき順序の押し順報知演出や、「右から狙え!!」といった表示や音声ナビ等が行われるとともに、第2再遊技入賞に対応する図柄の報知が行われるように補助表示部65やスピーカ64を制御する。
ステップSg1305にて通常リプBではなく通常リプCであると判定した場合、ステップSg1311に進む。ステップSg1311では、第2AT報知用フラグがセットされているか否かを判定する。第2AT報知用フラグではなく第1AT報知用フラグがセットされている場合には、そのまま本押し順報知用処理を終了する。通常リプCに当選し、且つ第2AT報知用フラグがセットされている場合、ステップSg1312に進み、第2ATモードを開始させるための処理を実行する。
すなわち、ステップSg1312では、第2AT報知用フラグをクリアする。そして、ステップSg1313では、各種フラグ格納エリア106dに第2AT開始用フラグをセットする。第2AT開始用フラグは、今回のゲームから第2ATモードが開始されることをCPU102が把握するためのフラグである。その後、ステップSg1314にて、第3再遊技入賞に対応する押し順報知が行われるように指示モニタ68を制御する。そして、ステップSg1315にて、第3再遊技入賞に対応する操作順序の情報を含む押し順コマンドを、表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本押し順報知用処理を終了する。この押し順コマンドを受信した表示制御装置81では、第3再遊技入賞に対応する押し順報知演出として、右ストップスイッチ44を最初に操作すべき順序の押し順報知演出や、「右から狙え!!」といった表示や音声ナビ等が行われるとともに、第3再遊技入賞に対応する図柄の報知が行われるように補助表示部65やスピーカ64を制御する。
ステップSg1301にていずれかのCZモードフラグがセットされていると判定した場合と、ステップSg1301にてATモード当選フラグがセットされておらず既にATモード中である場合は、ステップSg1316に進む。ステップSg1316では、今回のゲームの抽選結果が押し順ベルであるか否かを判定する。押し順ベルではない場合、そのまま押し順報知用処理を終了する。押し順ベルである場合、ステップSg1317にて、いずれかのCZモードフラグがセットされているか否かを判定する。いずれかのCZモードフラグがセットされている場合には、ステップSg1318にて、各種フラグ格納エリア106dに報知済みフラグがセットされているか否かを判定する。報知済みフラグはCZモードにおいて押し順ベル当選時の押し順報知が既に行われた状態であることをCPU102が把握するためのフラグであり、CZモードの終了時(ATモードへの移行時を含む)にクリアされるフラグである。報知済みフラグがセットされている場合には、そのまま押し順報知用処理を終了する。報知済みフラグがセットされていない場合には、ステップSg1319にて報知済みフラグをセットする処理を実行する。
ステップSg1317にてCZモードフラグではなくATモードフラグがセットされている場合や、ステップSg1319の処理を実行した後は、ステップSg1320にて、今回の押し順ベルの種類に応じて第1小役入賞~第6小役入賞に対応する押し順報知が行われるように指示モニタ68を制御する。そして、ステップSg1321にて、第1小役入賞~第6小役入賞に対応する操作順序の情報を含む押し順コマンドを、表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本押し順報知用処理を終了する。この押し順コマンドを受信した表示制御装置81では、第1小役入賞~第6小役入賞に対応する押し順報知演出が行われるように補助表示部65やスピーカ64を制御する。
<入賞結果対応処理>
次に、リール制御処理におけるステップSg416にて実施される入賞結果対応処理について、図544のフローチャートを参照しながら説明する。入賞結果対応処理では、ゲームの遊技結果に応じて、CZモードやATモード等を開始させたり終了させたりするための処理を行う。
先ずステップSg1401にて、現状の遊技状態を把握する処理を行い、ステップSg1402にて、第1BB当選フラグ又は第2BB当選フラグがセットされているか否かを把握する。いずれかのBB当選フラグがセットされている内部状態である場合には、そのまま本入賞結果対応処理を終了する。いずれのBB当選フラグもセットされておらず、非内部状態やBB状態である場合には、ステップSg1403にて、今回のゲームのベット数が、ステップSg1401にて把握した状態にて規定されている特定規定数であるか否かの判定を行う。かかる処理は、上記ステップSg601~ステップSg603に対応するものであり、ステップSg1403にて特定規定数ではない場合には、ステップSg1404以降の処理を行うことなく、そのまま入賞結果対応処理を終了する。ベット数が状態に対応する特定規定数である場合、ステップSg1404に進む。
ステップSg1404では、第1ゲーム数管理処理を実行し、ステップSg1405では、第2ゲーム数管理処理を実行する。第1ゲーム数管理処理は、CZモードや前兆モード等、主にATモード移行前のゲーム数を管理する処理であり、第2ゲーム数管理処理は、ATモード中のゲーム数を管理する処理である。
第1ゲーム数管理処理では、図545のフローチャートに示すように、先ず、ステップSg1501にて、第1BB状態フラグ又は第2BB状態フラグがセットされているか否かを判定し、いずれかのBB状態である場合にはそのまま第1ゲーム数管理処理を終了する。すなわち、BB状態では、前兆モードやCZモードのゲーム数の管理は行われない。なお、BB状態中は上記のようにステップSg1403にて否定判定することから、ステップSg1501の処理は省略してもよい。いずれのBB状態でもない場合には、ステップSg1502に進み、CZカウンタが0よりも大きく、CZモード移行時に設定されたゲーム数を消化していない状況であるか否かを判定する。既に説明した通り、CZモード中のATモード移行抽選に当選した場合、AT抽選用処理においてCZモードフラグがクリアされる。そのため、CZモードフラグがセットされていない状況であっても、ステップSg1502にてCZカウンタが0よりも大きいと判定する場合も生じ得る。
ちなみに、上記の通り、CZモード中にATモード移行当選となった場合、即報知抽選に当選しなければ、CZカウンタ以上の値が前兆カウンタに入力される。つまり、CZカウンタが0よりも大きく、且つCZモードフラグがセットされていない場合とは、ATモード移行当選後の前兆モードであることを意味する。
CZカウンタが0よりも大きい場合、ステップSg1503にてCZカウンタを1減算する処理を実行する。そして、ステップSg1504にてCZカウンタが0となったか否かを判定し、0となった場合には、ステップSg1505にていずれかのCZモードフラグがセットされているか否かを判定する。上記のようにCZモード中にATモード移行抽選に当選した場合は、CZモードフラグがクリアされる構成としていることから、ステップSg1505にていずれかのCZモードフラグがセットされている場合とは、ATモード移行抽選に当選することなくCZモードが終了する場合を意味する。ステップSg1505にていずれかのCZモードフラグがセットされている場合、ステップSg1506にて各種フラグ格納エリア106dにCZ終了ゲームフラグをセットする処理を実行する。CZ終了ゲームフラグはCZモードが終了したゲームをCPU102が把握するためのフラグであり、当該終了したゲームの終了後にクリアされる(ステップSg203参照)。
ステップSg1505にてCZモードフラグがセットされていない場合、又はステップSg1506の処理を実行した後は、ステップSg1507にてCZ終了コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行する。CZ終了コマンドを受信した表示制御装置81側の処理については、後に詳細に説明する。
ステップSg1502にてCZカウンタが0である場合、ステップSg1504にてCZカウンタが0ではない場合、又はステップSg1507の処理を実行した後は、ステップSg1508にて前兆カウンタが0よりも大きく、前兆モードの設定処理において設定した前兆カウンタに対応するゲーム数を未だ消化していない状況であるか否かを判定する。前兆カウンタが0よりも大きい場合、ステップSg1509にて、前兆カウンタを1減算する処理を実行する。そして、ステップSg1510にて前兆カウンタが0となったか否かを判定する。
前兆カウンタが0となった場合、ステップSg1511に進み、前兆フラグをクリアする処理を行う。そして、ステップSg1512にて、今回のATモードの種別を第1ATモードとするか、第2ATモードとするかのAT種別決定処理を行う。かかる処理は、上記ステップSg1115の処理に対応する処理である。すなわち、ステップSg1512のAT種別決定処理では、例えば、設定値や前回のATモードの種別、有利区間中のメダル増加数や有利区間中のゲーム数等に応じて、又はランダムに今回のATモード種別を抽選により決定する。なお、ステップSg1115のAT種別決定処理と、ステップSg1512のAT種別決定処理とで、第1ATモードと第2ATモードとの選択率が異なるようにしてもよく、例えば、ステップSg1115の処理よりもステップSg1512の処理の方が第2ATモードの選択率が高い構成としてもよい。
ステップSg1513では、ステップSg1512の処理結果として第1ATモードとして決定したか否かを判定する。第1ATモードとして決定した場合、ステップSg1514にて、第1AT用報知フラグをセットする処理を実行し、ステップSg1515にて第1AT当選報知コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、ゲーム数管理処理を終了する。第1AT用報知フラグがセットされることにより、上記の押し順報知用処理にて第2再遊技入賞用の押し順報知を発生させるための処理が行われるようになる。第1AT当選報知コマンドを受信した表示制御装置81側の処理については、後に詳細に説明する。
ステップSg1513にて、今回移行させるATモードが第1ATモードではなく第2ATモードであると判定した場合、ステップSg1516にて、第2AT用報知フラグをセットする処理を実行し、ステップSg1517にて第2AT当選報知コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、ゲーム数管理処理を終了する。第2AT用報知フラグがセットされることにより、上記の押し順報知用処理にて第3再遊技入賞用の押し順報知を発生させるための処理が行われるようになる。第2AT当選報知コマンドを受信した表示制御装置81側の処理については、後に詳細に説明する。
第2ゲーム数管理処理では、図546のフローチャートに示すように、先ず、ステップSg1601にて、第1BB状態フラグ又は第2BB状態フラグがセットされているか否かを判定し、いずれかのBB状態である場合にはそのまま第2ゲーム数管理処理を終了する。すなわち、BB状態では、ATモードのゲーム数の管理は行われない。なお、BB状態中は上記のようにステップSg1403にて否定判定することから、ステップSg1501の処理と同様にステップSg1601の処理も省略してもよい。いずれのBB状態でもない場合には、ステップSg1602に進み、ATカウンタが0よりも大きく、ATモードの残りゲーム数が0よりも大きいか否かを判定する。
ATカウンタが0よりも大きい場合、ステップSg1603にてATカウンタを1減算する処理を実行する。そして、ステップSg1604にてATカウンタが0となったか否かを判定し、0となった場合には、ステップSg1605にてATモードフラグをクリアする処理を実行する。そして、ステップSg1606にてAT終了コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行する。AT終了コマンドを受信した表示制御装置81側の処理については、後に詳細に説明する。ステップSg1602にてATカウンタが0である場合や、ステップSg1604にてATカウンタが0ではない場合には、そのまま第2ゲーム数管理処理を終了する。
ステップSg1606の処理を実行した後は、ステップSg1607にて第3CZモードゲーム数抽選処理を実行し、ステップSg1608にて、その抽選結果に応じたゲーム数をCZカウンタに入力し、ステップSg1609にて第3CZモードフラグをセットする処理を実行する。すなわち、本実施形態においては、ATモードが終了した場合にはCZモードに移行する構成としており、当該ATモード終了を契機として移行するCZモードは第3CZモードに設定され、そのゲーム数はステップSg1607の抽選処理によって決定される。第3CZモードゲーム数の抽選処理では、各種テーブル記憶エリア105aから第3CZモードゲーム数テーブルを取得して、今回の第3CZモードのゲーム数をランダムに設定する。第3CZモードゲーム数テーブルは、図537に示すように、25ゲーム~30ゲームのうちのいずれかが選択されるように設定されており、例えば、30ゲームが選択され易い一方、25ゲームは選択されにくい、といったように、ゲーム数によって選択率が異なっている。例えば、第3CZモードゲーム数抽選処理にて30ゲームが選択された場合、ステップSg1608では、CZカウンタに30が入力されることになる。
ステップSg1609にて第3CZモードフラグをセットした後は、ステップSg1610にて第3CZモード開始コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行する。第3CZモード開始コマンドを受信した表示制御装置81側の処理については、後に詳細に説明する。
入賞結果対応処理の説明に戻り、ステップSg1404やステップSg1405のゲーム数管理処理を実行した後は、ステップSg1406にて、第1AT開始用フラグがセットされているか否かを判定する。上記のとおり、第1AT開始用フラグは、第1ATモードへの移行を生じさせる場合に第2再遊技入賞が可能となるゲームでセットされるフラグであり、より詳しくは、第1AT用報知フラグがセットされている状況で通常リプBに当選したゲームの開始時にセットされるフラグである。すなわち、第1AT開始用フラグは、入賞結果に基づいてセットされるのではない。第1AT開始用フラグがセットされている場合には、ステップSg1407にて、当該第1AT開始用フラグをクリアし、ステップSg1408にて各種フラグ格納エリア106dに第1ATフラグをセットする処理を実行する。既に説明した通り、第1ATフラグがセットされることにより、第1AT用上乗せ抽選テーブルを利用した上乗せ抽選が行われる。
ステップSg1406にて第1AT開始用フラグがセットされていないと判定した場合、ステップSg1409にて第2AT開始用フラグがセットされているか否かを判定する。上記のとおり、第2AT開始用フラグは、第2ATモードへの移行を生じさせる場合に第3再遊技入賞が可能となるゲームでセットされるフラグであり、より詳しくは、第2AT用報知フラグがセットされている状況で通常リプCに当選したゲームの開始時にセットされるフラグである。すなわち、第2AT開始用フラグについても、入賞結果に基づいてセットされるのではない。第2AT開始用フラグがセットされている場合には、ステップSg1410にて、当該第2AT開始用フラグをクリアし、ステップSg1411にて各種フラグ格納エリア106dに第2ATフラグをセットする処理を実行する。ステップSg1409にて第2AT開始用フラグがセットされていないと判定した場合には、そのまま入賞結果対応処理を終了する。既に説明した通り、第2ATフラグがセットされることにより、第2AT用上乗せ抽選テーブルを利用した上乗せ抽選が行われる。
ステップSg1408又はステップSg1411の処理を実行した後は、ステップSg1412にて上記のATカウンタに50を入力する処理を実行する。既に説明した通り、ATカウンタはATモードの残りゲーム数に対応するカウンタであり、本実施形態では、第1ATモード及び第2ATモードのいずれであっても初期ゲーム数として50ゲームが設定される。なお、第1ATモードと第2ATモードとで初期ゲーム数が異なる構成としてもよく、初期ゲーム数を抽選により決定する構成としてもよい。この場合、第1ATモードよりも第2ATモードの方が多い初期ゲーム数となり易い構成としてもよい。
ステップSg1413では、ATモード当選フラグをクリアする処理を実行し、ステップSg1414ではATモードフラグをセットする処理を実行する。そして、ステップSg1415にてAT開始コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本入賞結果対応処理を終了する。AT開始コマンドを受信した表示制御装置81側の処理については、後に詳細に説明する。
<有利区間の管理>
次に、区間表示器としての第8表示用セグメントN8を制御したり、有利区間へ移行させたり有利区間を終了させるための、区間表示第1処理、及び区間表示第2処理について説明する。
<区間表示第1処理>
先ず、区間表示第1処理について、図547を参照しながら説明する。区間表示第1処理は、抽選処理(図521)におけるステップSg314にて実施される処理であり、スタートレバー41の操作に基づいて当該ゲームの抽選結果が決定されるとともに、当該抽選結果に基づいて表示モードの移行抽選等(抽選結果対応処理)が行われた後に実施される。
ステップSg1701では、区間表示器としての第8表示用セグメントN8が表示中であるか否か、より詳しくは、第8表示用セグメントN8を点灯中か否かを判定する。既に説明した通り、第8表示用セグメントN8を点灯中である場合とは、有利区間のうち、少なくとも押し順報知が発生し得る報知条件が成立している特定区間である場合を示している。ステップSg1701にて否定判定し、第8表示用セグメントN8を消灯中であると判定した場合、ステップSg1702に進む。
ステップSg1702では、各種フラグ格納エリア106dに有利区間フラグがセットされているか否かを判定する。有利区間フラグがセットされていない場合、ステップSg1703にて、各種カウンタエリア106eに設けられた通常カウンタを1加算する処理を実行する。通常カウンタは、有利区間ではなく通常区間として開始されたゲーム数をCPU102が把握するためのカウンタである。
ステップSg1703の処理を実行した後は、ステップSg1704にて有利区間当選ゲームフラグがセットされているか否かを判定する。有利区間当選ゲームフラグは、有利区間移行抽選処理において有利区間移行抽選に当選した場合にセットされるフラグであり、その当選ゲームであることをCPU102が特定するためのフラグである。有利区間当選ゲームフラグがセットされている場合、ステップSg1705にて有利区間当選ゲームフラグをクリアする処理を実行する。そして、ステップSg1706にて有利区間フラグをセットする処理を実行する。
ステップSg1707では、有利区間中のゲーム数のカウント、より詳しくは、各種カウンタエリア106eの有利区間ゲーム数AGの計測を開始する処理を行う。上記の通り、有利区間ゲーム数AGは、有利区間の実行ゲーム数を把握する把握手段に相当するものである。そして、ステップSg1708にて、有利区間移行ゲーム用処理を実行する。
有利区間移行ゲーム用処理では、図548のフローチャートに示すように、ステップSg1801にて第1CZモードゲーム数抽選処理を実行し、ステップSg1802にて、その抽選結果に応じたゲーム数をCZカウンタに入力し、ステップSg1803にて第1CZモードフラグをセットする処理を実行する。すなわち、本実施形態においては、有利区間への移行に際してCZモードに設定される構成としており、当該有利区間移行を契機とする場合は第1CZモードに設定され、そのゲーム数はステップSg1801の抽選処理によって決定される。第1CZモードゲーム数の抽選処理では、各種テーブル記憶エリア105aから第1CZモードゲーム数テーブルを取得して、今回の第1CZモードのゲーム数をランダムに設定する。第1CZモードゲーム数テーブルは、図537に示すように、8ゲーム~10ゲームのうちのいずれかが選択されるように設定されており、8ゲーム及び9ゲームは選択され易い一方、10ゲームは選択されにくい、といったように、ゲーム数によって選択率が異なっている。例えば、第1CZモードゲーム数抽選処理にて10ゲームが選択された場合、ステップSg1802では、CZカウンタに10が入力されることになる。
ステップSg1803にて第1CZモードフラグをセットした後は、ステップSg1804にて第1CZモード開始コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行する。第1CZモード開始コマンドを受信した表示制御装置81側の処理については、後に詳細に説明する。
続くステップSg1805では、天井ゲーム数抽選処理を実行する。天井ゲーム数抽選処理では、各種テーブル記憶エリア105aから天井ゲーム数テーブルを取得し、今回の天井ゲーム数をランダムに決定する。天井ゲーム数テーブルでは、最大天井ゲーム数(本実施形態では999ゲーム)を超えない範囲で、選択され易いゲーム数(例えば、341、682)と選択されにくい又は選択されないゲーム数が設定されている。また、天井ゲーム数テーブルでは、最小ゲーム数を100ゲームとし、有利区間移行時に設定される第1CZモード中に(より詳しくは、第1CZモード中にATモード移行当選となった場合における前兆モード中に)天井ゲームに達しないように設定されている。
ステップSg1806では、ステップSg1805の処理結果に基づいて、天井カウンタに天井ゲーム数を入力する処理を実行する。その後、有利区間移行ゲーム用処理を終了する。
区間表示第1処理の説明に戻り、ステップSg1708の有利区間移行ゲーム用処理を実行した後、又はステップSg1702にて有利区間フラグがセットされていると判定した場合、ステップSg1709にて、いずれかのCZモードフラグ又はATモードフラグがセットされているか否かを判定する。既に説明した通り、本実施形態では、ATモードやCZモード中においては押し順ベル当選時の押し順報知が行われ得る構成としており、これらのいずれかのフラグがセットされている状況とは、区間表示器の表示開始条件が成立している状況といえる。いずれかのフラグがセットされている場合には、ステップSg1710にて、第8表示用セグメントN8を点灯させることにより区間表示器の表示を開始する。
ステップSg1701にて区間表示器としての第8表示用セグメントN8を表示中であると判定した場合、ステップSg1711にて、有利区間中の表示を継続する処理を実行する。ステップSg1711について具体的には、第8表示用セグメントN8が点灯状態である状況を継続させるための処理を行う。すなわち、区間表示器の表示を終了するための処理は、本区間表示第1処理では実施しない。
ステップSg1704にて有利区間フラグ及び有利区間当選ゲームフラグのいずれもがセットされていないと判定した場合と、有利区間フラグや有利区間当選ゲームフラグがセットされている場合であっても、CZモードフラグやATモードフラグがセットされておらず通常モードである場合とは、ステップSg1712に進む。ステップSg1712では、各種カウンタエリア106eに設けられた役比第1カウンタに1を加算する処理を実行する。役比第1カウンタは、押し順報知が発生しないゲーム数、すなわち、通常区間と非特定区間のゲーム数をカウントするためのカウンタである。
また、ステップSg1710にて区間表示器の表示開始処理を実行した後と、ステップSg1711の表示継続処理を実行した後は、ステップSg1713に進む。ステップSg1713では、各種カウンタエリア106eに設けられた役比第2カウンタに1を加算する処理を実行する。役比第2カウンタは、押し順報知が発生可能なゲーム数、すなわち、特定区間のゲーム数をカウントするためのカウンタである。
ステップSg1712又はステップSg1713の処理を実行した後は、ステップSg1714にて役比算出処理を実行する。かかる処理では、役比第2カウンタの値を役比第1カウンタと役比第2カウンタとの加算値(全ゲーム数)で除算する処理を行う。すなわち、役比算出処理は、全ゲーム数のうち、押し順報知が発生し得るゲーム数の割合を算出する処理である。そして、ステップSg1715にて、ステップSg1714の演算処理結果が役比モニタ77にて表示されるようにするための処理を実行する。
図507に示すように、役比モニタ77は、7つの表示用セグメントからなる7セグ表示部を複数有している。具体的には、役比モニタ77は、7セグ表示部としての第1表示部77a、第2表示部77b、第3表示部77c、第4表示部77d、第5表示部77eを有している。第1表示部77a~第5表示部77eにおける表示用セグメントは、指示モニタ68の表示用セグメントN1~N7と同様に、LEDからなる個別の光源を有しており、それら個別の光源がオンオフ制御されることで、任意の1個の表示用セグメントのみを点灯させることができるとともに、任意の組み合わせの表示用セグメントを点灯させることができる。これにより、役比モニタ77は、それぞれ個別に所定の記号(アルファベットや数字を含む)が表示されるようになっており、特に、役比モニタ77では、5桁の数字を表示可能となっている。
ステップSg1715では、ステップSg1714の演算処理の結果を役比モニタ77に出力するとともに、役比モニタ77にて、4桁の数字が表示されるように役比モニタ77における各表示部77a~77eの表示制御を行う。具体的には、全ゲーム数のうち、押し順報知が発生し得るゲーム数の割合として、例えば、「0.5012」といったように、1よりも小さい数であって、小数点以下4桁までの数字が役比モニタ77にて表示される。ステップSg1715の処理を実行した後は、区間表示第1処理を終了する。
なお、ステップSg1714の演算処理において小数点以下第5桁の数字を四捨五入する処理を行ったうえで、役比モニタ77の表示制御を行う構成としてもよい。また、役比モニタ77のうち、第1表示部77aは、基本的には「0」が表示されるため、第1表示部77aを有さないようにしたり、第1表示部77aを印刷等によって「0」との表示が常にされる構成としてもよい。また、第1表示部77aと第2表示部77bとの間に、小数点が印刷等により表示される構成とするとよい。
<区間表示第2処理>
次に、区間表示第2処理について、図549のフローチャートを参照しながら説明する。既に説明したとおり、区間表示第2処理は、リール制御処理のステップSg417にて実施される処理であり、1ゲームの終了に際して、メダルの払出(払出判定処理)及び入賞結果に基づく遊技状態の移行等(入賞結果対応処理)が行われてから実施される。
ステップSg1901では、有利区間フラグがセットされているか否かを判定する。セットされていない場合には、そのまま区間表示第2処理を終了する。有利区間フラグがセットされている場合にはステップSg1902にて、有利区間中のゲーム数をカウントする処理を実行する。具体的には、上記有利区間ゲーム数AGを1加算する処理を行う。ステップSg1902の処理を実行した後は、ステップSg1903にて、各種カウンタエリア106eに設けられた有利区間増減枚数MY(MYカウンタ)の更新処理を実行する。
ステップSg1903のMY更新処理では、今回のゲームの遊技結果がいずれかの再遊技入賞ではないことを条件として、払出枚数から投入枚数(ベット数)を減算し、その減算結果を有利区間増減枚数MYに加算することによって、有利区間増減枚数MYの更新を行う。
ステップSg1903のMY更新処理を実行した後は、ステップSg1904にて、残ゲーム数管理処理を実行し、続くステップSg1905にて、残枚数管理処理を実行する。残ゲーム数管理処理は、ATモードの残りゲーム数等に基づき、現状の残りゲーム数で有利区間が上限ゲーム数(1500ゲーム)に達する状況となっているか否かの管理を行うための処理である。残ゲーム数管理処理では、例えば、有利区間ゲーム数AG(有利区間の消化ゲーム数)と、ATカウンタ(ATモードの残りゲーム数)やCZカウンタ(CZモードの残りゲーム数)及び前兆カウンタ(前兆モードの残りゲーム数)の合計が、有利区間の上限ゲーム数より多い状況か否かを把握する。そして、そのような状況であれば、その状況を特定するためのフラグとして、各種フラグ格納エリア106dに第1超過フラグをセットする。また、残枚数管理処理は、ATモードの残りゲーム数等に基づき、現状の残りゲーム数で有利区間が上限増加数(2400枚)に達する状況となっているか否かの管理を行うための処理である。残払出枚数管理処理では、例えば、ATカウンタとATモード中の1ゲーム当たりの平均増加枚数とから算出される期待増加枚数と、現状の有利区間増減枚数MYとの合計が有利区間の増減枚数より多い状況か否かを把握する。そして、そのような状況であれば、その状況を特定するためのフラグとして、各種フラグ格納エリア106dに第2超過フラグをセットする。
続くステップSg1906では、上記有利区間ゲーム数AGが上限ゲーム数である1500に達したか否か、又は有利区間増減枚数MYが上限増加数である2400以上となったか否かを判定する。これらいずれかの強制終了条件が成立している場合には、ステップSg1907にて、有利区間ゲーム数AG及び有利区間増減枚数MYを0にクリアする。続くステップSg1908では、区間表示器としての第8表示用セグメントN8の表示を終了させる処理を行う。そして、ステップSg1909にて、有利区間中の各種フラグやカウンタ等のパラメータ、情報を初期化する処理を行い、ステップSg1910にて、通常カウンタをクリアする処理を行ってから、本区間表示第2処理を終了する。
ステップSg1909の有利区間用情報の初期化処理について、より詳しくは、より詳しくは、今回の有利区間への移行に際して設定されたフラグやカウンタ、及び、今回の有利区間中に設定されたフラグやカウンタを初期値に戻す処理である。例えば、有利区間フラグや、ATモード当選フラグやATモードフラグ、各種CZモードフラグ等がクリアされておらずセットされていれば、これらのフラグをクリアする。さらに、有利区間ゲーム数AGや有利区間増減枚数MY、前兆モード用の前兆カウンタ、CZモード等の継続ゲーム数用のカウンタ等が0より大きければ、これらのカウンタを全て0にリセットする。つまり、初期化処理では、押し順報知を用いた有利な状態としての有利区間に関し、押し順報知に係る性能に及ぼす全ての変数乃至パラメータを初期化するものであり、かかる変数乃至パラメータに関してRAMクリアを行う処理である。
ステップSg1906にて有利区間ゲーム数AGが上限値に達しておらず、且つ有利区間増減枚数MYが上限増加数に達していないと判定した場合は、ステップSg1911に進み、CZ終了ゲームフラグがセットされているか否かを判定する。
ここで、本実施形態では、各種CZモードにおいて、ATモード移行抽選に当選した場合、ATモード当選フラグをセットする際にCZモードフラグをクリアする構成としている(ステップSg808~ステップSg810)。そして、CZ終了ゲームフラグは、CZモードフラグがセットされたままCZモードの残りゲーム数(CZカウンタ)が0となることでセットされるフラグである。そのため、CZ終了ゲームフラグがセットされている場合とは、ATモード移行抽選に当選することなくCZモードが終了したことを意味する。
ステップSg1911にてCZモード終了ゲームフラグがセットされている場合、ステップSg1912にて第2CZモードフラグ又は第3CZモードフラグがセットされているか否かを判定する。
ステップSg1912にて第2CZモードフラグ又は第3CZモードフラグがセットされており、有利区間中のCZモード移行抽選に当選したことを契機として設定される第2CZモードや、ATモード終了を契機として設定される第3CZモードが、ATモード移行抽選に当選することなく終了した場合、ステップSg1907に進み、有利区間終了用の処理を実行する。これに対して、ステップSg1912にて第2CZモードフラグや第3CZモードフラグではなく第1CZモードフラグがセットされており、有利区間移行を契機として設定される第1CZモードが、ATモード移行抽選に当選することなく終了した場合、ステップSg1913に進み、第1CZモードフラグをクリアしてから、本区間表示第2処理を終了する。
すなわち、第2CZモードや第3CZモードがATモード移行抽選に当選することなく終了する場合には、有利区間が終了する一方、第1CZモードがATモード移行抽選に当選することなく終了する場合には、有利区間は終了せずに継続する。なお、第2CZモードフラグや第3CZモードフラグは、有利区間終了用の処理(ステップSg1909)に際してクリアされる。
<有利区間と表示モード>
有利区間と表示モードの関係を、図550を参照しながら説明する。
既に説明した通り、本スロットマシン10では、押し順報知が発生し得る有利区間と、押し順報知が発生しない通常区間が設定されており、有利区間フラグがセットされている状況が有利区間であり、有利区間フラグがセットされていない状況が通常区間である。有利区間フラグはRAM106の各種フラグ格納エリア106dにセットされるフラグであり、例えば、スロットマシン10の設定値の変更(当選確率の変更処理)が行われることを契機としてRAM106の初期化処理が行われ、当該有利区間フラグもクリアされる。つまり、設定値の変更が行われて電源投入がなされると、通常区間から遊技が開始されることになる。通常区間においては、表示モードとして押し順報知が発生しない通常モードに設定される。
通常区間において、有利区間移行抽選に当選すると、有利区間への移行が生じる。より詳しくは、有利区間移行抽選処理に当選することで有利区間当選ゲームフラグがセットされ、区間表示第1処理において有利区間当選ゲームフラグがセットされていることを条件として、有利区間フラグがセットされる。そして、当該有利区間フラグのセット処理に際して、有利区間移行ゲーム用処理が実行され、当該有利区間移行ゲーム用処理において、表示モードを第1CZモードに設定するための処理が行われる。また、有利区間への移行に際して、天井ゲーム数(最大999ゲーム)の設定が行われる。
第1CZモードは、継続ゲーム数が8ゲーム~10ゲームに設定されており、当該第1CZモード中は、高確率でATモードへの移行抽選に当選し得るように設定されている。第1CZモードにおいてATモードへの移行抽選に当選すると、主に前兆モードを介してATモードへの移行が生じる。一方、ATモードへの移行抽選に当選しないまま第1CZモードが終了した場合には、表示モードは通常モードに移行する。但し、この場合、有利区間は終了しない。
有利区間であって表示モードが通常モードである場合、ATモード移行抽選とともに、CZモード移行抽選が実行される。通常モードにおいてCZモード移行抽選に当選すると、第2CZモードに移行する。
第2CZモードは、継続ゲーム数が8ゲーム~15ゲームに設定されており、当該第2CZモード中も第1CZモードと同様に、高確率でATモードへの移行抽選に当選し得るように設定されている。第2CZモードにおいてATモードへの移行抽選に当選すると、主に前兆モードを介してATモードへの移行が生じる。一方、ATモードへの移行抽選に当選しないまま第2CZモードが終了した場合には、表示モードは通常モードに移行し、更に、有利区間が終了して通常区間に移行する。
ATモードは押し順ベル当選時に第1小役~第6小役に対応する押し順報知が発生するモードであり、多くのメダル増加が期待できるモードである。ATモードに移行して押し順報知が発生するようになると、各押し順ベル当選時に第1小役入賞~第6小役入賞を成立させることが可能となり、そのATモード中の1ゲーム当たりの純増枚数はプラス約8.04枚である。ATモードは、初期ゲーム数を50ゲームとし、上乗せ抽選に当選することでその残りゲーム数の加算処理が行われる。また、第1ATモードよりも第2ATモードの方が上乗せ抽選の当選確率が高く設定されている。ATモードの残りゲーム数が0となるとATモードは終了し、第3CZモードに設定される。
第3CZモードは、継続ゲーム数が25ゲーム~30ゲームに設定されており、当該第3CZモード中も第1CZモードや第2CZモードと同様に、高確率でATモードへの移行抽選に当選し得るように設定されている。第3CZモードにおいてATモードへの移行抽選に当選すると、ATモードへの移行が生じる。一方、ATモードへの移行抽選に当選しないまま第3CZモードが終了した場合には、表示モードは通常モードに移行し、更に、有利区間が終了して通常区間に移行する。
既に説明した通り、CZモードにおいては、各ゲームでCZ用ATモード移行抽選テーブルを利用したATモード移行抽選が実行され、CZ用ATモード移行抽選テーブルは、通常用ATモード移行抽選テーブルよりもATモード移行当選となりやいように設定されている。また、CZ用ATモード移行抽選テーブルは、CZモードの各ゲームにおいて獲得したポイント値を利用して、ATモード移行抽選の当否を決定する構成としている。そうすると、CZモードにおいて毎ゲームATモード移行抽選が実行される点や、CZモードの各ゲームでポイント値が獲得され得る点からして、長いゲーム数のCZモードに設定されるほど、ATモード移行抽選に当選し易いといえる。つまり、第1CZモードよりも第2CZモードの方がATモード移行抽選に当選し易く、第2CZモードよりも第3CZモードの方がATモード移行抽選に当選し易い。
そうすると、第1CZモードは第2CZモードや第3CZモードよりもATモード移行抽選に当選しくいものの、第2CZモードや第3CZモード中にATモード移行抽選に当選しなかった場合には有利区間は終了する一方、第1CZモード中にATモード移行抽選に当選しなかった場合には有利区間は終了しないため、有利区間の継続性といった観点からすると、第1CZモードの方が第2CZモードや第3CZモードよりも遊技者にとって有利となる。
更に、本実施形態では、メダル増加が見込める状態として、ATモードの他に第1BB状態や第2BB状態が設定されている。既に説明した通り、第1BB状態は251枚以上のメダル払出が生じることで終了し、第2BB状態は104枚以上のメダル払出が生じることで終了する状態である。いずれのBB状態においても、ほぼ毎ゲーム共通ベルに当選するように設定されていることから、第1BB状態では200枚(13枚×20ゲーム-3枚×20ゲーム)のメダル増加が見込め、第2BB状態では80枚(13枚×8ゲーム-3枚×8ゲーム)のメダル増加が見込める。
これら第1BBや第2BBに当選した後、第1BB状態や第2BB状態が終了するまでは、ATモードのゲーム数やCZモードのゲーム数のカウントが停止され、押し順報知も発生しないし、ATモード移行抽選やCZモード移行抽選も実行されないようになる。つまり、ATモードによるメダル増加を目指しつつも、第1BBや第2BBに当選することでもメダル増加が見込める遊技性において、これらATモードと各BB状態とは独立して移行抽選が行われる構成としており、例えば、ATモードへの移行に期待が持てない状況(通常モード)であっても、BB状態へ移行させることへの期待感を持たせることが可能となるし、ATモード中にBB状態へ移行させることで、更なるメダル増加が見込めるようになる、といったように、ATモードとBB状態との連携・連鎖によって遊技の多様化が図られている。
<押し順表示器及び区間表示器の表示とゲームの進行について>
有利区間の開始及び終了と区間表示器としての第8表示用セグメントN8の表示との関係を、図551を参照しながら説明する。
本スロットマシン10では、図551に示すように、有利区間ではない通常区間においては、区間表示器としての第8表示用セグメントN8は消灯している(点灯していない)。この通常区間においては、押し順報知は行われない。つまり、押し順報知等の指示機能に係る性能を有する有利区間に対し、通常区間は当該指示機能に係る有さない区間といえる。
通常区間において、例えば、第7小役(スイカ)当選等によって有利区間への移行抽選に当選すると、当該当選契機となった遊技結果が成立するゲームで有利区間に移行し、当該ゲームを開始ゲームとして有利区間の実行ゲーム数の計測(有利区間ゲーム数AGのカウント)が開始される。上記のように、有利区間移行時に第1CZモードに設定され、当該第1CZモードにおいて押し順報知が発生し得ることから、有利区間移行ゲーム(第1CZモード移行ゲーム)にて、区間表示器の表示の開始条件が成立したものとして、第8表示用セグメントN8が点灯する。より詳しくは、当該有利区間移行ゲーム(第1CZモード移行ゲーム)の開始時(スタートレバー41の操作時)に、第8表示用セグメントN8が点灯する。
その後、第8表示用セグメントN8が点灯している状況で、第1表示用セグメントN1~第7表示用セグメントN7を利用した押し順報知が発生する。この場合、上記のように第1表示用セグメントN1~第7表示用セグメントN7によって押し順情報(「1」~「6」)の表示がなされ、かかる押し順情報に基づいて、遊技者は押し順を把握することができる。押し順報知において、押し順情報は、当該ゲームにおいてスタートレバー41の操作時に表示が開始され、当該ゲームにおいて第3リール停止ON操作時(最終リールに対応するストップスイッチ42~44を押圧操作したタイミング)にその表示が終了する。かかるゲームが有利区間の最終ゲームではない場合には、第3リール停止ON操作時においては、第1表示用セグメントN1~第7表示用セグメントN7による押し順情報の表示のみ終了し、第8表示用セグメントN8による有利区間の表示は継続される。そして、次ゲーム以降において再度押し順役に当選すると、その押し順役に対応する押し順情報が第1表示用セグメントN1~第7表示用セグメントN7にて表示される。
有利区間の終了条件が成立すると、有利区間は終了して通常区間に移行する。有利区間の終了条件としては、継続ゲーム数やメダル増加数が上限に達することのほか、本実施形態では、ATモード移行抽選に当選することなく第2CZモードや第3CZモードが終了することも含まれている。有利区間が終了する場合、メダル払出が終了したタイミングで(払出判定処理の後の処理である区間表示第2処理により)、第8表示用セグメントN8が消灯する。なお、最終ゲームにおいてメダル払出が行われない場合には、第3リール停止OFF操作時(最終リールに対応するストップスイッチ42~44の押圧操作を終了したタイミング)に第8表示用セグメントN8が消灯する。
上記のように、有利区間に移行することで押し順報知が発生し得るようになり、その有利区間への移行(特定区間への移行)や当該有利区間の終了が第8表示用セグメントN8により明確に報知される。つまり、区間表示器としての第8表示用セグメントN8の点灯の有無を確認することで、少なくとも押し順報知による恩恵を享受可能な状況(特定区間、実質増加区間)であることを明確に把握することが可能となっている。このようにすることで、例えば、有利区間において押し順報知による恩恵を享受することでメダル増加が発生しているのか、有利区間ではないのにもかかわらず押し順報知による恩恵を不正に享受することでメダル増加を生じさせる不正行為が行われているのか等を、遊技ホールの管理者等が明確に確認することが可能となる。
その一方で、有利区間において、CZモードのうち、第2CZモードや第3CZモードがATモード移行抽選に当選することなく終了すると、これら第2CZモードや第3CZモードだけではなく有利区間も終了する。そして、有利区間の終了に際して、区間表示器としての第8表示用セグメントN8が消灯することから、当該有利区間が終了したことを遊技者は明確に把握可能となる。言い換えると、当該第8表示用セグメントN8が消灯することにより、第2CZモードや第3CZモードにおいてATモード移行抽選に当選しなかったことを明確に把握可能となる。
そうすると、第8表示用セグメントN8が消灯したことに基づいて、遊技が終了される場面が多くなる可能性が高くなる。また、第8表示用セグメントN8が消灯している遊技台は、直前の第2CZモードや第3CZモードにてATモード移行抽選に当選しなかったことの目印ともなるため、例えば、前任者の移行抽選の当選を拾う行為も行われにくくなり、いずれにしても当該第8表示用セグメントN8が消灯することは、遊技台の稼働率の低下の原因の一つとなり得る。そこで、本スロットマシン10では、かかる第8表示用セグメントN8の消灯に起因する稼働率の低下を解消する特徴ある構成を備えている。以下、その構成について説明する。
<演出設定処理>
次に、表示制御装置81のCPU181にて実行される演出設定処理について、図552のフローチャートに基づき説明する。演出設定処理は、CPU181により所定周期(例えば、2msec周期)で起動される処理である。
演出設定処理では、先ずステップSg2001にて、主制御装置101から新たなコマンドを受信したか否かを判定する。新たなコマンドを受信している場合には、ステップSg2002にて、受信したコマンドをRAM183に格納する処理を実行する。RAM183にはコマンド格納エリアが設けられており、当該コマンド格納エリアは、複数のコマンドを個別に記憶可能であって先に記憶したコマンドから読み出し可能なリングバッファとして構成されている。
ステップSg2001にて否定判定した場合、又はステップSg2002の処理を実行した後は、ステップSg2003にて、ゲーム開始前のタイミングであるか否かを判定する。ゲーム開始前のタイミングとは、第1クレジット投入スイッチ56や第2クレジット投入スイッチ57の操作やメダル投入口45の操作といった賭数操作が行われたり、再遊技状態設定用処理が行われ得る状態であり、かかるゲーム開始前のタイミングでは、主に主制御装置101からのベット時コマンドに対応する演出を設定する処理を行う。ベット時コマンドとは、賭数操作が行われたことに基づいて主制御装置101から出力されるコマンドであり、通常処理のステップSg204のBET用処理にてセットされるコマンドである。ステップSg2004では、ベット時コマンドに基づいて今回のベット操作に基づく演出設定を行うためのベット時演出設定処理を実行する。
ステップSg2003にて否定判定した場合、又はステップSg2004の処理を実行した後は、ステップSg2005にて、ベット後のゲームの開始タイミングであるか否かを判定する。ゲームの開始タイミングとは、スタートレバー41の操作が有効となっている状態であり、かかるゲームの開始タイミングでは、主制御装置101からの開始時コマンドに対応する演出を設定する処理を行う。開始時コマンドとは、スタートレバー41の操作が行われたことに基づいて主制御装置101から出力されるコマンドであり、抽選処理のステップSg311にてセットされる抽選結果コマンドの他、抽選結果対応処理(図531)や区間表示第1処理(図547)にてセットされる前兆コマンド、第1AT当選即報知コマンド、第2AT当選即報知コマンド、第2CZモード開始コマンド、上乗せコマンドや押し順報知コマンド、第1CZモード開始コマンド等がある。ステップSg2006では、これらの開始時コマンドに基づいて開始時演出設定処理を実行する。
ステップSg2005にて否定判定した場合、又はステップSg2006の処理を実行した後は、ステップSg2007にて、各リール32L,32M,32Rが回転中であるか否かを判定する。各リール32L,32M,32Rが回転している場合には、主制御装置101からの各停止操作時コマンドに対応する演出を設定する処理を行う。各停止操作時コマンドとは、各リール32L,32M,32Rのそれぞれの停止操作が行われたことに基づいて主制御装置101から出力されるコマンドであり、リール制御処理(図524)のステップSg405にてセットされる停止指令コマンドである。ステップSg2008では、かかる各停止操作時コマンドに基づいて今回の停止操作に基づく演出設定を行うための各停止操作時演出設定処理を実行する。
ステップSg2007にて否定判定した場合、又はステップSg2008の処理を実行した後は、ステップSg2009にて、全リール32L,32M,32Rが停止したか否かを判定する。全リール32L,32M,32Rが停止した場合には、主制御装置101からの全停止時コマンドに対応する演出を設定する処理を行う。全停止時コマンドとは、全リール32L,32M,32Rが停止したことに基づいて主制御装置101から出力されるコマンドであり、リール制御処理(図524)のステップSg418にてセットされる入賞結果コマンドの他、入賞結果対応処理(図544)にてセットされるAT開始コマンド、CZ終了コマンド、第1AT当選報知コマンド、第2AT当選報知コマンド、AT終了コマンド、第3CZモード開始コマンド等がある。ステップSg2010では、これらの全停止時コマンドに基づいて全停止時演出設定処理を実行する。
ステップSg2009にて否定判定した場合、又はステップSg2010の処理を実行した後は、ステップSg2011にて、フラッシュ演出制御用処理を実行する。フラッシュ演出制御用処理は、バックライト装置100を用いたフラッシュ演出を実行するための処理である。
フラッシュ演出制御用処理を実行した後は、ステップSg2012にてその他の処理を実行してから、演出設定処理を終了する。ステップSg2012では、上記の各演出設定処理にて設定された各種演出が、対応するタイミングにて実行されるように補助表示部65やスピーカ64等を制御する。また、ステップSg2012では、ベット時、開始時、停止時以外の主制御装置101からの指令に基づく演出(例えば、清算スイッチ59の操作に基づく演出等)の設定や、主制御装置101を介さずに接続されたセンサ(演出スイッチ検出センサ等)からの信号に基づく演出の設定、エラー報知用の設定等を行う。
以下、開始時演出設定処理、全停止時演出設定処理について説明し、その後、フラッシュ演出制御用処理やベット時演出設定処理について説明する。
<開始時演出設定処理>
ステップSg2006の開始時演出設定処理について、図553のフローチャートに基づき説明する。
ステップSg2101では、受信している抽選結果コマンドに基づいて、今回開始されるゲームの抽選結果が押し順役当選であるか否かを判定する。押し順役当選である場合には、ステップSg2102にて、押し順報知コマンドを受信しているか否かを判定する。押し順報知コマンドを受信している場合、ステップSg2103にて、今回のゲームの抽選結果が通常リプBであるか否かを判定する。通常リプBであるゲームにて押し順報知コマンドがセットされる場合とは、第1ATモードの開始ゲームであることを意味し、この場合、ステップSg2104にて第2再遊技入賞に対応する押し順報知演出を行うための設定処理を実行する。
ステップSg2103にて否定判定した場合、ステップSg2105にて今回のゲームの抽選結果が通常リプCであるか否かを判定する。通常リプCであるゲームにて押し順報知コマンドがセットされる場合とは、第2ATモードの開始ゲームであることを意味し、この場合、ステップSg2106にて第3再遊技入賞に対応する押し順報知演出を行うための設定処理を実行する。
ステップSg2105にて否定判定する場合とは、今回のゲームの抽選結果が押し順ベル当選であることを意味し、この場合、ステップSg2107にて第1小役入賞~第6小役入賞に対応する押し順報知演出が補助表示部65やスピーカ64にて行われるようにするための設定を実行する。
ステップSg2101若しくはステップSg2102にて否定判定した場合、又はステップSg2104、ステップSg2106及びステップSg2107のいずれかの処理を実行した後は、ステップSg2108に進む。ステップSg2108では、今回のゲームの抽選結果が特定役当選であるか否かを判定する。特定役とは、各ゲームの抽選結果として出現しにくい(当選しにくい)所謂レア役と称される抽選結果であり、本実施形態では、チャンス目A~チャンス目C、チェリーA~チェリーC、スイカ、リプ重複1、リプ重複2、チャンス目重複1、チャンス目重複2、チェリー重複1、チェリー重複2、スイカ重複1、スイカ重複2、単独BB1、単独BB2を特定役として設定している。図534や図535に示す通り、これらの抽選結果のうち各BB当選とならない結果を契機とするATモード移行抽選においては、他の結果の抽選結果を契機とするよりもATモード移行当選となり易いように設定されている。また、これらの抽選結果のうちBB当選となる結果の場合、BB状態への移行が許容される。つまり、今回のゲームの抽選結果がいずれかの特定役である場合、当該結果を契機としてメダルが増加し得るATモードやBB状態への移行に期待できることになる。今回のゲームの抽選結果が特定役当選である場合、ステップSg2109にて、特定役報知用処理を実行する。特定役報知用処理では、今回のゲームの抽選結果が上記特定役のいずれかであることの特定役報知が補助表示部65やスピーカ64にて行われるようにするための設定を実行する。特定役報知としては、例えば、図556(b)に示すように、3つ設けられているストップスイッチ42~44に対応させて、ビックリマークのキャラクタが補助表示部65に3つ表示されるような演出が設定されている。
ステップSg2108にて否定判定した場合、又はステップSg2109の処理を実行した後は、ステップSg2110に進む。ステップSg2110では、上乗せコマンドを受信しているか否かを判定する。上乗せコマンドを受信している場合、ステップSg2111にて上乗せ演出の設定処理を実行する。上乗せ演出の設定処理では、ATモードの残りゲーム数の上乗せが行われたことに対応する報知として、当該上乗せされたゲーム数を補助表示部65にて表示する上乗せ演出を実行する。なお、当該上乗せ演出の態様は、当該上乗せが行われたゲームにて行われる態様に限定されず、例えば、当該上乗せが行われたゲームを契機として所定ゲーム数後に上乗せゲーム数の報知が行われる態様が含まれていてもよいし、例えば、ATモードの残りゲーム数が所定数(例えば残り1ゲーム)となった状況で上乗せ演出を実行する所謂後乗せ演出に態様が含まれる構成としてもよい。
ステップSg2110にて否定判定した場合、又はステップSg2111の処理を実行した後は、ステップSg2112にて第1AT当選即報知コマンド又は第2AT当選即報知コマンドを受信しているか否かを判定する。第1AT当選即報知コマンドや第2AT当選即報知コマンドは、ATモード移行抽選に当選した場合であって、即報知抽選に当選した場合に主制御装置101から出力されるコマンドである。これらのコマンドを受信している場合には、ステップSg2113にて対応するAT当選即報知演出が補助表示部65やスピーカ64にて行われるようにするための設定を実行する。AT当選即報知演出は、例えば、図555(a)に示すように、補助表示部65に「AT確定!!」といった文字表示を行うとともに、それに対応する効果音をスピーカ64から出力する。なお、AT当選即報知演出では、受信している即報知コマンドに基づいて、第1AT及び第2ATのいずれに当選しているかを明示する。例えば、第1ATモードに当選している場合と第2ATモードに当選している場合とで、AT当選即報知演出における補助表示部65の背景色を異ならせるなどして、遊技者がいずれのATモードに当選しているかを明確に把握可能とするとよい。なお、第1AT及び第2ATのいずれに当選しているかを明示せず、第1ATに当選していること又は第2ATに当選していることを補助表示部65やスピーカ64等を用いて示唆する構成としてもよい。このようにすることで、AT当選即報知演出後、AT開始ゲームまで、いずれのATに当選しているかを楽しみにする遊技性を抹殺しないようにすることができる。
ステップSg2112にて否定判定した場合、又はステップSg2113の処理を実行した後は、ステップSg2114にて、前兆コマンドを受信しているか否かを判定する。既に説明した通り、前兆コマンドは、主制御装置101側のAT抽選用処理(図530)において、ATモード移行抽選に当選した場合であって、即報知抽選に非当選である(ステップSg1105:NO)場合に出力されるコマンドであり、ATモード当選フラグがセットされたことの情報の他、当該ゲーム(ATモード当選フラグがセットされたゲーム)からAT当選報知演出を行うべきゲームまでのゲーム数の情報(前兆カウンタの値)が含まれている。前兆コマンドを受信している場合、ステップSg2115にて前兆演出設定処理を実行する。
前兆演出設定処理では、前兆演出として複数のゲームに亘って継続して実行され得る連続演出を設定する処理を行う。本実施形態における連続演出では、最終ゲームにてATモード移行抽選の当否結果が報知される構成としており、前兆演出設定処理にて設定される連続演出は、当該連続演出の最終ゲームにてATモードの当選報知が実行されるように設定されている。
前兆演出設定処理においては、ATモード移行抽選に当選となった表示モードが第1CZモードではなく、第2CZモードや第3CZモード、通常モード中である場合は、前兆コマンドに含まれる前兆ゲーム数に相当するゲーム数後にATモード移行抽選の当否結果の報知(ATモードの当選報知)が行われるように連続演出の設定を行う。既に説明した通り、第2CZモードは8ゲームから15ゲームに亘って継続し、ATモード移行当選時の前兆ゲーム数として13ゲーム~15ゲームが設定されるため、第2CZモードに移行してからATモード移行抽選の当否結果の報知(ATモードの当選報知)が行われるまでのゲーム数は13ゲームから30ゲームのうちのいずれかとなる。本実施形態では、第2CZモードに移行した場合には連続演出が開始されるように設定されており、第2CZモードにてATモード移行抽選に当選した場合、当該第2CZモードに移行した際に開始された連続演出の13ゲーム目から30ゲーム目でATモード移行抽選の当否結果の報知(ATモードの当選報知)が行われることになる。また、第3CZモードは25ゲームから30ゲームに亘って継続し、ATモード移行当選時の前兆ゲーム数として、当該第3CZモードの残りゲーム数が前兆ゲーム数として設定される。つまり、第3CZモードに移行してからATモード移行抽選の当否結果の報知(ATモードの当選報知)が行われるまでのゲーム数は、25ゲームから30ゲームのうちのいずれかとなる。本実施形態では、第3CZモードに移行した場合にも連続演出が開始されるように設定されており、第3CZモードにてATモード移行抽選に当選した場合、当該第3CZモードに移行した際に開始された連続演出の25ゲーム目から30ゲーム目でATモード移行抽選の当否結果の報知(ATモードの当選報知)が行われることになる。
これに対して、ATモード移行抽選に当選となった表示モードが第1CZモードである場合には、既に連続演出が開始されているか否かを判定し、連続演出が開始されていない場合には、前兆コマンドに含まれる前兆ゲーム数に相当するゲーム数後にATモード移行抽選の当否結果の報知(ATモードの当選報知)が行われるように連続演出の設定を行う。第1CZモードは8ゲームから10ゲームに亘って行われること、及び第1CZモードにおいてATモード移行抽選に当選した場合には5ゲームの前兆ゲーム数が設定されることからして、第1CZモードに移行してからATモード移行抽選の当否結果の報知(ATモードの当選報知)が行われるまでのゲーム数は、5ゲームから15ゲームのうちのいずれかとなる。また、ATモード移行抽選に当選となった表示モードが第1CZモードであって既に連続演出が開始されている場合には、当該連続演出の残りゲーム数を今回の前兆ゲーム数に設定するための処理を行う。上記の通り、第2CZモードに移行した場合には連続演出が開始されるように設定されており、更に、本実施形態では、第2CZモードがATモード移行抽選に当選しなかった場合、当該連続演出が引き継がれるように設定されている。そのため、上記の第1CZモードにおいてATモード移行抽選に当選した際に既に連続演出が開始されている場合とは、当該第2CZモードの開始時に開始された連続演出が引き継がれたことを意味する。上記の通り、第2CZモードは8ゲームから15ゲームに亘って継続するため、第2CZモードを介して第1CZモードにてATモード移行抽選に当選した場合には、第2CZモードに移行に際して連続演出が開始されてからATモード移行抽選の当否結果の報知(ATモードの当選報知)が行われるまでのゲーム数は、通常区間のゲーム数を除くと、13ゲームから30ゲームのうちのいずれかとなる。つまり、第2CZモードを介して第1CZモードにてATモード移行抽選に当選した場合、仮に通常区間を1ゲームとすると、当該第2CZモードの移行に際して開始された連続演出の14ゲーム目から31ゲーム目でATモード移行抽選の当否結果の報知(ATモードの当選報知)が行われることになる。
この場合、特に、第2CZモードの移行に際して開始された連続演出にてATモード移行抽選の当否結果の報知(ATモードの当選報知)が行われる場合において、第1CZモードを介さない場合には当該連続演出の13ゲーム目から30ゲーム目にてATモード移行抽選の当否結果の報知(ATモードの当選報知)が行われ、第1CZモードを介する場合には当該連続演出の14ゲーム目から31ゲーム目にてATモード移行抽選の当否結果の報知(ATモードの当選報知)が行われるようになる。そのため、第2CZモードの移行に際して開始された連続演出において13ゲーム目から30ゲーム目にATモード移行抽選の当否結果の報知(ATモードの当選報知)が行われる場合、第1CZモードを介したか否か、すなわち、有利区間が一旦終了したか否かが、当該連続演出のゲーム数からは判別しにくくなる。そして、詳細な説明は省略するが、本実施形態では、このようなATモードの当選報知が行われるゲーム数に合わせて、ATモード移行抽選の当否結果として非当選であることの連続演出のゲーム数が設定される。そのため、例えば、第2CZモードにおいて連続演出が開始された場合、連続演出の内容やゲーム数からは当該連続演出中に有利区間が終了したか否かの判断が困難となり、有利区間の終了に際して遊技が終了されにくくなっている。
開始時演出設定処理の説明に戻り、ステップSg2114にて否定判定した場合、又はステップSg2115の処理を実行した後は、ステップSg2116に進む。ステップSg2116では、第1CZモード開始コマンド又は第2CZモード開始コマンドを受信しているか否かを判定する。いずれかのCZモード開始コマンドを受信している場合、ステップSg2117にて、CZモード開始用設定処理を実行する。第1CZモード開始コマンドを受信している場合、連続演出が継続していない場合には、新たな第1CZモード用の演出が開始されるようにし、連続演出が継続している場合には、当該連続演出を継続させる。また、上記の通り、本実施形態では、第2CZモードの開始に際しては連続演出が開始されるようにしており、第2CZモード開始コマンドを受信している場合には、当該CZモード開始用設定処理において、当該第2CZモードの継続ゲーム数とその後に実行され得る第1CZモードの継続ゲーム数との合計数よりも長いゲーム数の連続演出が開始されるように設定する。これにより、ATモード移行抽選に当選することなくCZモードが終了した場合であっても、その後の第1CZモードの開始に際して(有利区間の移行に際して)、連続演出が継続している状況を生じさせることが可能となる。
ステップSg2116にて否定判定した場合、又はステップSg2117の処理を実行した後は、ステップSg2118にて連続演出設定処理を実行する。連続演出設定処理は、上記のように、前兆演出設定処理にて設定された連続演出の各ゲームの演出パターンを設定するための処理である。
その後、ステップSg2119にて、開始時フラッシュ演出用処理を実行し、ステップSg2120にて、その他の開始時演出設定処理を実行してから、本開始時演出設定処理を終了する。ステップSg2120では、例えば、ゲーム開始に対応させて抽選結果を示唆する演出を設定したり、スタートレバー41周辺のランプを消灯させてその操作が受け付けられたことを報知するための処理等を行う。
<全停止時演出設定処理>
次に、ステップSg2010の全停止時演出設定処理について、図554を参照しながら説明する。既に説明した通り、全停止時演出設定処理は、新たに受信したコマンドが、入賞結果コマンド、AT開始コマンド、CZ終了コマンド、第1AT当選報知コマンド、第2AT当選報知コマンド、AT終了コマンド、第3CZモード開始コマンド等の全停止時コマンドである場合に、演出設定を行うための処理である。
ステップSg2201では、第1AT当選報知コマンド又は第2AT当選報知コマンドを受信しているか否かを判定する。第1AT当選コマンドや第2AT当選報知コマンドは、ATモード当選フラグがセットされた後、前兆カウンタが0となることで主制御装置101側から出力されるコマンドである。これらのAT当選報知コマンドを受信している場合、ステップSg2202に進み、対応するAT当選報知演出が、次ゲームのベット時演出として補助表示部65やスピーカ64にて行われるようにするための設定を実行する。AT当選報知演出は、上記のように設定された連続演出の最終ゲームにてATモード移行抽選に当選したことの報知を行った後の演出であり、例えば、連続演出を味方キャラクタと敵キャラクタとがバトルするバトル演出として設定する場合、当該バトル演出にて味方キャラクタが勝利する演出を連続演出の最終ゲームにて実行した後、次ゲームのベット時に味方キャラクタが喜ぶ演出をAT当選報知演出として設定してもよい。ここで設定されたAT当選報知演出は、次のゲームのベット時演出として、第1クレジット投入スイッチ56や第2クレジット投入スイッチ57を操作したり、メダル投入口45からのメダル投入といった賭数操作が行われた場合に実行される。
ステップSg2201にてAT当選報知コマンドを受信していないと判定した場合、ステップSg2203に進む。ステップSg2203では、AT開始コマンドを受信しているか否かを判定する。なお、AT開始コマンドを受信している場合とは、当該ゲームの開始時に第2再遊技や第3再遊技用の押し順報知演出を行っている場合である。この場合、ステップSg2204にて、AT開始演出が補助表示部65やスピーカ64にて行われるようにするための設定を実行する。AT開始演出は、例えば、図555(b)に示すように、補助表示部65に今回開始するATモードの種類に対応する開始用の再遊技図柄(第1ATモードであれば第2再遊技に対応する「BAR」図柄の斜め揃い(図516(a))等、第2ATモードであれば第3再遊技に対応する「白7」図柄の下段揃い(図516(c))等)とともに、「AT開始!!」といった文字表示を行い、また、それに対応する効果音をスピーカ64から出力する。
ステップSg2203にてAT開始コマンドを受信していない場合には、ステップSg2205にてAT終了コマンドを受信しているか否かを判定する。AT終了コマンドを受信している場合、ステップSg2206にてAT終了演出が補助表示部65やスピーカ64にて行われるようにするための設定を実行する。AT終了演出は、例えば、図556(a)に示すように、今回のATモードの継続ゲーム数や今回のATモードで獲得したメダル数を補助表示部65にて表示する。
ステップSg2205にてAT終了コマンドを受信していない場合、ステップSg2207にて第3CZモード開始コマンドを受信しているか否かを判定する。第3CZモード開始コマンドを受信している場合、ステップSg2208にて、第3CZモード用演出開始処理を実行する。第3CZモード用演出開始処理では、今回の第3CZモードの継続ゲーム数(25ゲーム~30ゲーム)に亘って、連続演出が開始されるように設定する。
ステップSg2207にて第3CZモード開始コマンドを受信していないと判定した場合、ステップSg2209にてCZモード終了コマンドを受信しているか否かを判定する。CZ終了コマンドを受信している場合、ステップSg2210にてCZ終了用の演出設定処理を実行する。CZ終了用の演出設定処理では、今回終了するCZモードが第2CZモードである場合は、実行中の連続演出が継続されるように設定する。また、今回終了するCZモードが第1CZモードである場合は、当該第1CZモードが第2CZモードを介した第1CZモードである場合、すなわち、第2CZモードの連続演出を引き継いで第1CZモード中の演出が行われた場合にはそのまま当該連続演出を終了させるようにし、当該第1CZモードが第2CZモードを介していない第1CZモードである場合は、第1CZモードにおいて設定された連続演出を継続させるように設定する。そして、今回終了するCZモードが第3CZモードである場合は、当該第3CZモードにおいて設定された連続演出をそのまま終了させるように設定する。
ステップSg2209にてCZモード終了コマンドを受信していない場合、又は、ステップSg2202、ステップSg2204、ステップSg2206、ステップSg2208及びステップSg2210のいずれかの処理を実行した後は、ステップSg2211にて、今回のゲームの遊技結果の情報(抽選結果及び入賞の有無の情報)と今回のゲームのベット数の情報を一時記憶する処理を実行する。そして、ステップSg2212にて、ゲームの結果としてメダルが払い出される場合の払出音出力用処理を実行し、ステップSg2213にて、停止時フラッシュ演出用処理を実行する。払出音出力用処理や停止時フラッシュ演出用処理については、後に詳細に説明する。その後、ステップSg2214にて、その他の全停止時演出設定処理を実行してから、本全停止時演出設定処理を終了する。ステップSg2214では、例えば、入賞役に対応させた色で上部ランプ63が点灯するように制御したり、入賞役の払出数に対応する効果音がスピーカ64から発せられるように制御したり、リプレイ時の自動ベットに対応する効果音がスピーカ64から発せられるように制御したりする。
上記のように、本実施形態では、通常区間から有利区間移行抽選を経て有利区間に移行し、当該有利区間においてATモード移行抽選に当選することでATモードへの移行が生じて多くのメダル獲得を期待できる遊技性において、ATモードへの移行が主にCZモードを介して生じるようにし、当該CZモードにおいて設定される連続演出のその後の内容が、有利区間の終了によって予測されてしまうことを解消するようにしている。この場合、CZモードに限られず、ATモード移行抽選は各ゲームの抽選結果に応じて実行されるようにしているところ、各ゲームの抽選結果が所謂レア役としての特定役であるとATモード移行当選となり易く、それ以外の結果であるとATモード移行当選となりにくくなるように設定されている。
更に、メダル増加が期待できる状態として、ATモード以外にもBB状態が設定されており、各ゲームの抽選結果が第1BBや第2BB当選となる結果である場合には、対応するBB入賞を経てBB状態に移行する。既に説明した通り、ATモード移行抽選に当選し易い特定役とは、本実施形態では、チャンス目A~チャンス目C、チェリーA~チェリーC及びスイカが設定されている。これに対して、第1BBや第2BB当選となる得る結果としては、チャンス目Aと第1BBや第2BBとの重複当選となるチャンス目重複1,2、チェリーAと第1BBや第2BBとの重複当選となるチェリー重複1,2、スイカと第1BBや第2BBとの重複当選となるスイカ重複1,2の他、通常リプAと第1BBや第2BBとの重複当選となるリプ重複1,2、第1BBや第2BBの単独当選となる単独BB1,2が設定されている。
つまり、チャンス目A、チェリーAやスイカに当選した場合、CZモードやATモードへの移行だけではなく、第1BBや第2BB当選へも期待させることが可能となっている。特に、各ゲームの抽選結果が、第1BBや第2BBとの重複当選となる結果の場合、抽選処理(図522)における優先設定処理では、第1BB入賞や第2BB入賞よりも、重複当選となっている各結果(各種再遊技、小役)の入賞が優先して成立するように設定するため、これらの結果の入賞が成立した場合、BBとの重複当選であるか否かが判別しにくく、ATモード等への移行とBB当選との期待感を両立させることができる。
そして、これらチャンス目A、チェリーAやスイカに当選し、CZモードやATモードへの移行抽選に当選した場合、前兆モードを経て当該移行抽選に当選したことの報知が行われる一方、チャンス目A、チェリーA、スイカが第1BBや第2BBとの重複当選であった場合、CZモードやATモードへの移行抽選は行われないものの、次ゲーム以降は持ち越し状態となり第1BB入賞や第2BB入賞を成立させることが可能となる。そのため、これらの結果当選となった場合には、次ゲーム以降において、先ず、いずれかのBBとの重複当選であることへ期待しながら遊技を行い、重複当選ではなかった場合であっても、CZモードやATモードへの移行抽選に当選していることを前兆モード等の内容から期待させる、といったように、これらの結果を契機として、複数のゲームに亘って遊技への注目度を好適に高めることが可能となっている。
本実施形態では、これらの結果に当選した場合、補助表示部65による特定役報知演出の他に、バックライト100aを用いたフラッシュ演出が行われる。
<フラッシュ演出について>
上記の通り、各リール32L,32M,32Rにはバックライト装置100が設けられており(図517)、フラッシュ演出は、当該バックライト装置100を用いて行われる。先ず、本実施形態におけるフラッシュ演出の演出態様について、図557~図564を参照しながら説明する。
既に説明した通り、バックライト装置100における各バックライト100aは6行、15列の格子状となるように配置されており、それぞれが個別に点灯及び消灯の制御が行われるようになっている。図557に示すように、それぞれのバックライト100aの位置を、バックライト(行、列)となるように、例えば、バックライト(BL1,BR1)といったように表現して説明する。また、中バックライト装置100M、右バックライト装置100Rにおけるバックライト100aの各列については、左バックライト装置100Lにおけるバックライトの各列BR1~BR5から連番となるように符号を付して説明する。
本実施形態におけるフラッシュ演出としては、図558に示すように、フラッシュA~フラッシュGが設定されている。フラッシュ演出A~Gは、遊技者が区別可能な程度にそれぞれバックライトの点灯パターン(点灯態様)が異なるように設定されている。また、フラッシュ演出が行われる演出期間は、フラッシュ演出A~Eは1sec(第1期間)が設定されており、フラッシュ演出F,Gは2sec(第2期間)が設定されている。
フラッシュAは、基本的には外れ結果の場合に選択される外れ対応のフラッシュ演出であり、図559及び図560に示すように、点灯状態となるバックライト100aが左から真ん中へ移動するように発光パターンが設定された演出である。より具体的には、フラッシュAが行われる場合、バックライト(BL3,BR1)及びバックライト(BL4,BR1)が点灯状態となり、次に、バックライト(BL3,BR1)、バックライト(BL3,BR2)、バックライト(BL4,BR1)及びバックライト(BL4,BR2)が点灯状態となり(図559(a))、次に、バックライト(BL3,BR2)、バックライト(BL3,BR3)、バックライト(BL4,BR2)及びバックライト(BL4,BR3)が点灯状態となり、次に、バックライト(BL3,BR3)、バックライト(BL3,BR4)、バックライト(BL4,BR3)及びバックライト(BL4,BR4)が点灯状態となり、次に、バックライト(BL3,BR4)、バックライト(BL3,BR5)、バックライト(BL4,BR4)及びバックライト(BL4,BR5)が点灯状態となる(図559(b))、といったように、点灯状態となるバックライト100aが1列ずつ右にずれていく。
その後、バックライト(BL3,BR6)、バックライト(BL3,BR7)、バックライト(BL4,BR6)及びバックライト(BL4,BR7)が点灯状態となり(図560(a))、バックライト(BL3,BR7)、バックライト(BL3,BR8)、バックライト(BL4,BR7)及びバックライト(BL4,BR8)が点灯状態となり、その後、バックライト(BL2,BR8)、バックライト(BL3,BR7)、バックライト(BL3,BR8)、バックライト(BL3,BR9)、バックライト(BL4,BR7)及びバックライト(BL4,BR8)、バックライト(BL4,BR9)及びバックライト(BL5,BR8)が点灯状態となるように設定されている(図560(b))。
フラッシュ演出Bは、基本的にはチャンス目A~C、チェリーA~C、スイカ(いずれもBBとの重複を含む)の場合に選択されるフラッシュ演出であり、図561(a)に示すように、点灯状態となるバックライト100aがアルファベットのT字様となるように発光パターンが設定された演出である。具体的には、バックライト(BL1,BR1)~バックライト(BL1,BR15)、バックライト(BL2,BR1)~バックライト(BL2,BR15)、バックライト(BL3,BR7)~バックライト(BL3,BR9)、バックライト(BL4,BR7)~バックライト(BL3,BR9)、バックライト(BL5,BR7)~バックライト(BL3,BR9)及びバックライト(BL6,BR7)~バックライト(BL3,BR9)が点灯状態となるように設定されている。
フラッシュ演出Cも、フラッシュBと同様に、基本的にはチャンス目A~C、チェリーA~C、スイカ(いずれもBBとの重複を含む)の場合に選択されるフラッシュ演出であり、図561(b)に示すように、点灯状態となるバックライト100aがアルファベットのL字様となるように発光パターンが設定された演出である。具体的には、バックライト(BL1,BR1)~バックライト(BL1,BR3)、バックライト(BL2,BR1)~バックライト(BL2,BR3)、バックライト(BL3,BR1)~バックライト(BL3,BR3)、バックライト(BL4,BR1)~バックライト(BL4,BR3)、バックライト(BL5,BR1)~バックライト(BL5,BR15)及びバックライト(BL6,BR1)~バックライト(BL6,BR15)が点灯状態となるように設定されている。
フラッシュ演出Dは、基本的には通常リプA~Cの場合に選択されるリプレイ対応のフラッシュ演出であり、図562(a)に示すように、点灯状態となるバックライト100aがアルファベットのI字様となるように発光パターンが設定された演出である。具体的には、バックライト(BL1,BR7)~バックライト(BL1,BR9)、バックライト(BL2,BR7)~バックライト(BL2,BR9)、バックライト(BL3,BR7)~バックライト(BL3,BR9)、バックライト(BL4,BR7)~バックライト(BL4,BR9)、バックライト(BL5,BR7)~バックライト(BL5,BR9)及びバックライト(BL6,BR7)~バックライト(BL6,BR9)が点灯状態となるように設定されている。
フラッシュ演出Eは、基本的にはチャンス目A~C、チェリーA~C(いずれもBBとの重複を含む)の場合に選択されるフラッシュ演出であり、図562(b)に示すように、点灯状態となるバックライト100aがアルファベットのO字様となるように発光パターンが設定された演出である。具体的には、バックライト(BL1,BR1)~バックライト(BL1,BR15)、バックライト(BL2,BR1)~バックライト(BL2,BR15)、バックライト(BL3,BR1)~バックライト(BL3,BR3)、バックライト(BL3,BR13)~バックライト(BL3,BR15)、バックライト(BL4,BR1)~バックライト(BL4,BR3)、バックライト(BL4,BR13)~バックライト(BL4,BR15)、バックライト(BL5,BR1)~バックライト(BL5,BR15)及びバックライト(BL6,BR1)~バックライト(BL6,BR15)が点灯状態となるように設定されている。
フラッシュ演出Fは、基本的にはチャンス目A~C、チェリーA~C、スイカ(いずれもBBとの重複を含む)の場合に選択されるフラッシュ演出であり、図563(a)に示すように、点灯状態となるバックライト100aがアルファベットのV字様となるように発光パターンが設定された演出である。具体的には、バックライト(BL1,BR1)~バックライト(BL1,BR3)、バックライト(BL1,BR13)~バックライト(BL1,BR15)、バックライト(BL2,BR1)~バックライト(BL2,BR4)、バックライト(BL2,BR12)~バックライト(BL2,BR15)、バックライト(BL3,BR3)~バックライト(BL3,BR5)、バックライト(BL3,BR11)~バックライト(BL3,BR13)、バックライト(BL4,BR4)~バックライト(BL4,BR6)、バックライト(BL4,BR10)~バックライト(BL4,BR12)、バックライト(BL5,BR5)~バックライト(BL5,BR5)、バックライト(BL5,BR9)~バックライト(BL5,BR11)、及びバックライト(BL6,BR6)~バックライト(BL6,BR10)が点灯状態となるように設定されている。
フラッシュ演出Gは、基本的にはチャンス目A、チェリーA(いずれもBBとの重複を含む)の場合に選択されるフラッシュ演出であり、図563(b)に示すように、点灯状態となるバックライト100aがアルファベットのV字様が上下逆となるように発光パターンが設定された演出である。具体的には、バックライト(BL1,BR6)~バックライト(BL1,BR10)、バックライト(BL2,BR5)~バックライト(BL2,BR8)、バックライト(BL2,BR9)~バックライト(BL2,BR11)、バックライト(BL3,BR4)~バックライト(BL3,BR6)、バックライト(BL3,BR10)~バックライト(BL3,BR12)、バックライト(BL4,BR3)~バックライト(BL4,BR5)、バックライト(BL4,BR11)~バックライト(BL4,BR13)、バックライト(BL5,BR2)~バックライト(BL5,BR4)、バックライト(BL5,BR12)~バックライト(BL5,BR14)、バックライト(BL6,BR1)~バックライト(BL6,BR4)及びバックライト(BL6,BR13)~バックライト(BL6,BR15)が点灯状態となるように設定されている。
上記のように、フラッシュA~Eは、1secに亘って上記の点灯態様にてバックライト100aが点灯する。これに対して、フラッシュF、Gは、先ず、1secに亘ってフラッシュAのパターンにてバックライト100aが点灯し、その後、1secに亘って上記のV字様又は逆V字様のパターンにてバックライト100aが点灯する。つまり、フラッシュAのパターンにてバックライト100aが点灯した場合、そのままフラッシュ演出が終了する場合と、その後、V字様又は逆V字様のパターンに発展する場合とが設定されている。フラッシュAは外れ結果である場合に選択されるパターンであることからして、フラッシュAが行われた場合には、遊技者は、その後、フラッシュ演出がV字様や逆V字様に発展すること(今回のフラッシュ演出がフラッシュF又はフラッシュG)であることを期待するものと考えられる。
これらのフラッシュ演出は、各ゲームでストップスイッチ42~44による停止操作が行われて、全てのリール32L,32M,32Rが停止した後で実行される。この場合、フラッシュ演出の実行前に、各リール32L,32M,32Rが停止した場合に対応するフロントライトが消灯する消灯演出が実行される場合がある。これらフラッシュ演出のうち、フラッシュA,C,E,F,Gのいずれかのフラッシュ演出が実行される場合には、当該フラッシュ演出の前に必ず消灯演出が実行され、フラッシュB又はフラッシュDのフラッシュ演出が実行される場合には、当該フラッシュ演出の前に消灯演出は実行されない場合があるように設定されている。
消灯演出は、フラッシュ演出が実行されることを事前に予告する予告演出に相当する。例えば、第1停止時に対応するリールのフロントライトが消灯する第1消灯演出(図564(a))、当該第1消灯演出に続けて第2停止時に対応するリールのフロントライトも消灯する第2消灯演出(図564(b))、当該第2消灯演出に続けて第3停止時に対応するリールのフロントライトも消灯する第3消灯演出(図564(c))により構成され、第3消灯演出まで実行されることにより、全ての各リール32L,32M,32Rに対応するフロントライトが消灯することとなり、その後、第3消灯演出に対応するフラッシュ演出が実行されるようになる。これに対して、第1消灯演出は実行されたものの第2消灯演出は行われない場合や、第2消灯演出までは実行されたものの第3消灯演出は実行されない場合には、第3消灯演出に対応するフラッシュ演出は実行されないように設定されている。
第3消灯演出に対応するフラッシュ演出としては、図558に示すように、フラッシュA、フラッシュC、フラッシュE、フラッシュF及びフラッシュGが設定されている。
一方、フラッシュBやフラッシュDについては、消灯演出を伴わない場合や、第1消灯演出や第2消灯演出が対応付けられている。つまり、消灯演出が実行されなかった場合や、消灯演出が実行されたものの、第3消灯演出までは実行されなかった(第1消灯演出や第2消灯演出であった)場合でも、フラッシュB又はフラッシュDが実行される可能性が残されており、遊技者の期待感を維持させることが可能となっている。ちなみに、これらフラッシュBやフラッシュDが行われる場合、全ての各リール32L,32M,32Rが停止してフラッシュBやフラッシュDのフラッシュ演出が開始される際には、全てのフロントライトは消灯状態とされ、当該フラッシュ演出の実行中もフロントライトの消灯状態が維持される。そのため、バックライト100aによる各パターン(T字様やI字様)がフロントライトに照射されることにって識別しにくくなってしまう事象が回避されている。
なお、消灯演出を伴うフラッシュ演出であるフラッシュA,C,E,F,Gが行われる場合には、当該消灯演出後もフロントライトの消灯状態が維持される。そのため、これらフラッシュA,C,E,F,Gにおいても、バックライト100aによる各パターンを識別し易くなるように設定されている。
<フリーズ抽選処理>
上記のフラッシュ演出を実行するための各処理について、以下、説明する。
図565は、本実施形態におけるフリーズ抽選処理を示すフローチャートである。フリーズ抽選処理は、主制御装置101における抽選処理(図522)において実施される処理であり、今回のゲームの抽選(ステップSg304~ステップSg306)を実施した後で実行される処理である(ステップSg309)。本実施形態においては、上記のフラッシュ演出を実行する場合、基本的には、メダルの払い出しや次ゲームの開始操作等の実行が制限されるフリーズ状態に設定されるようになっており、フリーズ抽選処理では、上記のフラッシュ演出を実行することの抽選とともに、実行する場合にはそれに対応するフリーズ状態に設定されるようにするための処理を実行する。
ステップSg2301では、直前の処理の結果に基づいて、今回のゲームの抽選結果を把握する。続くステップSg2302では、各種フラグ格納エリア106dに持ち越しフラグがセットされているか否かを判定する。既に説明した通り、持ち越しフラグは、ボーナス状態処理において、第1BBや第2BBに当選したゲームで当該第1BBや第2BBの入賞が成立しなかった場合にセットされるフラグであり、持ち越し状態(内部状態)であることを示すフラグである。
持ち越しフラグがセットされておらず、今回のゲームは持ち越し状態ではない場合、ステップSg2303にて、通常用フラッシュフリーズ抽選処理を実行する。一方、持ち越しフラグがセットされており、今回のゲームが持ち越し状態である場合、ステップSg2304にて持ち越し用フラッシュフリーズ抽選処理を実行する。ステップSg2303及びステップSg2304の抽選処理では、各種テーブル記憶エリア105aからフラッシュ演出抽選テーブルを取得し、フラッシュ演出を実行することの抽選、及び、フラッシュ演出を実行する場合のフラッシュ演出の種類を決定する。
図566は、持ち越し状態移行の状態(通常状態)におけるフラッシュフリーズ抽選テーブルを示し、図567は、持ち越し状態におけるフラッシュフリーズ抽選テーブルを示している。本実施形態では、持ち越し状態か否かによって、フラッシュ演出の実行確率(実行し易さ)が異なっており、より詳しくは、持ち越し状態と持ち越し状態移行前の通常状態とでは、ゲームの抽選結果が同じでも、フラッシュ演出の実行確率(実行し易さ)やフラッシュ演出を実行する場合のフラッシュ演出の種類が異なるように設定されている。
具体的には、例えば、今回のゲームの抽選結果が通常リプA~Cである場合には、通常状態においては、高確率(100%の確率)でフラッシュ演出抽選に当選し、主にフラッシュDが選択され、低確率でフラッシュEやフラッシュGが選択される一方、フラッシュA、フラッシュB、フラッシュCは選択されない。これに対して、持ち越し状態においては、通常リプA~Cであっても、フラッシュ演出抽選に当選しない場合があり(60%の確率で当選)、更にフラッシュ演出A以外はいずれのフラッシュ演出も選択され得るように設定されている。
また、例えば、今回のゲームの抽選結果がスイカである場合、通常状態においては、高確率ではあるものの一部当選しない場合があり(90%の確率で当選)、主にフラッシュBとフラッシュCが選択され、低確率でフラッシュFが選択される一方、フラッシュA、フラッシュD、フラッシュE、フラッシュGは選択されない。これに対して、持ち越し状態においては、通常状態よりもフラッシュ演出抽選の当選確率が低くなり(50%の確率で当選)、更にフラッシュ演出A及びフラッシュG以外はいずれのフラッシュ演出も選択され得るように設定されている。
通常状態における第1BBや第2BBとの重複役のフラッシュ演出の種類は、重複しない場合のフラッシュ演出の種類と基本的には同じ種類(対応する種類)となるように設定されている。但し、通常状態における第1BBや第2BBとの重複役のフラッシュ演出として、重複しない場合のフラッシュ演出の種類とは異なる種類(対応しない種類)の非対応フラッシュ演出が一部選択されるように設定されている。
具体的には、通常リプAと第1BBや第2BBとの重複役であるリプ重複1やリプ重複2は、高確率(100%の確率)でフラッシュ演出抽選に当選し、基本的には、非重複時と同様に、フラッシュD、フラッシュE、フラッシュGが選択される一方、一部、非対応フラッシュ演出としてフラッシュBやフラッシュCが選択され得るように設定されている。但し、第1BBや第2BBとの重複の有無によって、フラッシュ演出の選択率が異なっており、リプ重複1やリプ重複2の場合の方が非重複の通常リプAよりも、フラッシュGやフラッシュEが選択される確率が高くなるように設定されている。この場合、通常リプAやリプ重複1やリプ重複2を構成する第1再遊技入賞等が成立した場合において、フラッシュGやフラッシュEが実行された場合は、フラッシュDが実行された場合よりも第1BBや第2BBに重複当選している可能性が高くなる。また、第1再遊技入賞等が成立した場合において、非対応フラッシュ演出としてのフラッシュBやフラッシュCが実行された場合には、第1BBや第2BBに重複当選していることが確定する。
また、スイカと第1BBや第2BBとの重複役であるスイカ重複1やスイカ重複2は、高確率ではあるものの一部当選しない場合があり(90%の確率で当選)、基本的には、非重複時と同様に、フラッシュB、フラッシュC、フラッシュFが選択される一方、一部、非対応フラッシュ演出としてフラッシュDが選択され得るように設定されている。但し、第1BBや第2BBとの重複の有無によって、フラッシュ演出の選択率が異なっており、スイカ重複1やスイカ重複2の場合の方がスイカよりも、フラッシュFやフラッシュCが選択される確率が高くなるように設定されている。この場合、スイカやスイカ重複1やスイカ重複2を構成する第7小役入賞や第8小役入賞が成立した場合において、フラッシュFやフラッシュCが実行された場合は、フラッシュBが実行された場合よりも第1BBや第2BBに重複当選している可能性が高くなる。また、第7小役入賞や第8小役入賞が成立した場合において、非対応フラッシュ演出としてのフラッシュDが実行された場合には、第1BBや第2BBに重複当選していることが確定する。
このように、今回のゲームの抽選結果と、選択されるフラッシュ演出の種類やフラッシュ演出の実行の有無と、の関係によって第1BBや第2BBとの重複への期待感を高め、各ゲームの興趣が好適に高められている。
ステップSg2303又はステップSg2304にてフラッシュフリーズ抽選処理を実行した後は、ステップSg2305にて、直前のフラッシュフリーズ抽選処理の結果がフラッシュ演出を実行することに対応する結果であったか否かを判定する。フラッシュ演出を実行することに対応する結果である場合、ステップSg2306にて、選択されたフラッシュ演出の種類を把握して、フラッシュ演出を実行する期間、すなわち、フリーズ期間が1.0sec(第1期間)に対応するものであるか否かを判定する。ステップSg2306では、フラッシュ演出の種類が、フラッシュA~Eのいずれかである場合は肯定判定し、フラッシュF又はフラッシュGの場合には否定判定する(図566、図567)。
フリーズ期間が1.0secである場合、ステップSg2307にて各種フラグ格納エリア106dに第1フラッシュフリーズフラグをセットする処理を実行する。一方、フリーズ期間が1.0secとは異なり1.0secよりも長い2.0sec(第2期間)である場合(フラッシュF又はフラッシュGである場合)、ステップSg2308にて各種フラグ格納エリア106dに第2フラッシュフリーズフラグをセットする処理を実行する。これら各フラッシュフリーズフラグは、今回のゲームでフラッシュ演出を実行すること、及びその種類をCPU102が把握するためのフラグであり、これらのフラグをセットすることにより、フラッシュ演出が実行されるようになるとともに、当該フラッシュ演出中は、遊技進行が中断するフリーズ期間に設定されるようになる。
ステップSg2307又はステップSg2308の処理を実行した後は、ステップSg2309にてフラッシュ演出の種類を把握したうえで、ステップSg2310にてフラッシュ演出に対応するフラッシュコマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行する。具体的には、フラッシュAを実行する場合にはフラッシュAコマンドをセットし、フラッシュBを実行する場合にはフラッシュBコマンドをセットし、フラッシュCを実行する場合にはフラッシュCコマンドをセットし、フラッシュDを実行する場合にはフラッシュDコマンドをセットし、フラッシュEを実行する場合にはフラッシュEコマンドをセットし、フラッシュFを実行する場合にはフラッシュFコマンドをセットし、フラッシュGを実行する場合にはフラッシュGコマンドをセットする。表示制御装置81では、これらのフラッシュコマンドを受信することにより、フラッシュ演出を実行することを把握するとともに、そのフラッシュコマンドに応じたフラッシュ演出が行われるように、フロントライトやバックライト装置100を制御する。
ステップSg2305にて否定判定した場合、又はステップSg2310の処理を実行した後は、ステップSg2311にてその他のフリーズ抽選処理を実行してから、本フリーズ抽選処理を終了する。ステップSg2311では、例えば、今回のゲームの各リール32L,32M,32Rの回転を所定期間に亘って制限する開始時フリーズ演出用の処理を実行したりする。
<フラッシュ待機用処理>
次に、リール制御処理(図524)におけるステップSg413にて実行されるフラッシュ待機用処理について、図568のフローチャートを参照しながら説明する。上記のように、本実施形態では、各リール32L,32M,32Rの回転が停止した後、フラッシュ演出用にフリーズ期間が設けられており、フラッシュ待機用処理は、当該回転停止後のフリーズ期間を管理するための処理である。
ステップSg2401では、上記第1フラッシュフリーズフラグ又は第2フラッシュフリーズフラグのいずれかがセットされているか否かを判定する。セットされている場合には、ステップSg2402に進み、セットされているフラグが第1フラッシュフリーズフラグであるか否かを判定する。第1フラッシュフリーズフラグである場合、ステップSg2403にて、各種カウンタエリア106eに設けられたフラッシュフリーズカウンタに1.0secに対応する数値情報(671)を入力する処理を実行する。フラッシュフリーズカウンタは、タイマ割込み処理が1回起動される度に1ずつ減算されて更新されるカウンタである。また、ステップSg2402にて第2フラッシュフリーズフラグがセットされていると判定した場合には、ステップSg2404にてフラッシュフリーズカウンタに2.0secに対応する数値情報(1342)を入力する処理を実行する。
ステップSg2403又はステップSg2404の処理を実行した後は、ステップSg2405にて操作無効処理を実行する。操作無効処理では、スロットマシン10の各操作部として、第1クレジット投入スイッチ56、第2クレジット投入スイッチ57、清算スイッチ59、スタートレバー41が操作されても、その操作を受け付けない(無効化する)ようにする処理を実行する。すなわち、ステップSg2405の処理が行われることにより、フリーズ状態の設定が行われることになる。ちなみに、ステップSg2405では、各ストップスイッチ42~44の操作を無効化する処理は行わない。これは、本処理が実行されるタイミングが全てのリール32L,32M,32Rが停止した後のタイミングであり、上記第1クレジット投入スイッチ56、第2クレジット投入スイッチ57、清算スイッチ59、スタートレバー41の操作を無効化することで各リール32L,32M,32Rの回転は開始されないことを理由とするものである。つまり、もともと有効化されないストップスイッチ42~44の操作については無効化しないようにすることで、処理構成の簡素化が図られている。
ステップSg2401にて否定判定した場合、又はステップSg2405の処理を実行した後は、ステップSg2406にて上記のフラッシュフリーズカウンタが0となるまで待機する。そして、フラッシュフリーズカウンタに入力された数値情報に対応する期間が経過して、フラッシュフリーズカウンタが0となることで、ステップSg2406にて肯定判定することになる。ちなみに、ステップSg2401にて否定判定した場合には、そのままステップSg2406にて肯定判定する。
ステップSg2406にて肯定判定した場合、ステップSg2407にて操作無効解除処理を実行する。操作無効解除処理は、上記ステップSg2405にて実行した操作無効処理によって無効化された操作部の操作を受け付けない状態から受け付ける(受付可能な)状態に復帰させる処理である。すなわち、ステップSg2407の処理が実行されることにより、フリーズ状態が解除されることになる。
そして、ステップSg2408にて、セットされているフラッシュフリーズフラグをクリアしてから、本フラッシュ待機用処理を終了する。なお、フラッシュフリーズフラグがセットされていない場合には、その状態を維持して本フラッシュ待機用処理を終了する。
<フラッシュ演出制御用処理>
次に、表示制御装置81側のフラッシュ演出制御用処理について、図569のフローチャートを参照しながら説明する。フラッシュ演出制御用処理は、演出設定処理(図552)におけるステップSg2011にて実行される処理であり、所定周期(2.0msec)で起動される処理である。
ステップSg2501では、現状、フラッシュ演出を実行中であるか否かを判定する。フラッシュ演出を実行していない場合、ステップSg2502にて、各種フラグ格納エリア183aに特別フラッシュフラグがセットされているか否かを判定する。特別フラッシュフラグは、前ゲームで所定のフラッシュ演出を実行したことを示すフラグである。特別フラッシュフラグがセットされておらず、前ゲームでは所定のフラッシュ演出を実行していない等の場合、ステップSg2503にて、主制御装置101からいずれかのフラッシュコマンドを受信しているか否かを判定する。上記のように、フラッシュコマンドは、ゲームの開始に際して実行されるフリーズ抽選処理にて出力されるコマンドである。つまり、ステップSg2503にて肯定判定する場合とは、各ゲームの開始タイミング(スタートレバー41の操作タイミング)であることを意味する。ステップSg2503にていずれのフラッシュコマンドも受信していない場合には、そのまま本フラッシュ演出制御用処理を終了する。いずれかのフラッシュコマンドを受信している場合には、ステップSg2504にて、通常フラッシュ設定処理を実行してから、フラッシュ演出制御用処理を終了する。一方、ステップSg2502にて特別フラッシュフラグがセットされており、前ゲームで所定のフラッシュ演出を実行していた場合、ステップSg2505にて、ゲームの開始タイミングであるか否かを、例えば、スタートレバー41の操作に基づく抽選結果コマンドを受信しているかによって判定する。ゲームの開始タイミングではない場合には、そのままフラッシュ演出制御用処理を終了する。一方、特別フラッシュフラグがセットされており、ゲームの開始タイミングである場合には、ステップSg2506にて特別フラッシュ設定処理を実行してから、フラッシュ演出制御用処理を終了する。
<通常フラッシュ設定処理>
ステップSg2504の通常フラッシュ設定処理について、図570のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップSg2601では、受信しているフラッシュコマンドに対応するフラッシュパターンデータを、ROM182の各種テーブル記憶エリア182aから取得する処理を実行する。フラッシュパターンデータは、図571に示すように、各フラッシュ演出に応じてそれぞれパターンデータが設けられている。例えば、フラッシュA用のパターンデータでは、消灯演出用のパターンデータと、フラッシュ演出用のパターンデータが設定されており、消灯演出用のパターンデータとしては、第1停止操作時に、停止させるリールに対応するフロントライト(第1FL)を消灯させ、第2停止操作時に、停止させるリールに対応するフロントライト(第2FL)を消灯させ、第3停止操作時に、停止させるリールに対応するフロントライト(第3FL)を消灯させる。そして、第3停止後、TC1のタイミングにおいて点灯させる(消灯させる)バックライト100aのマトリクスデータとしてFAD(1)が設定されており、TC2のタイミングにおいて点灯させる(消灯させる)バックライト100aのマトリクスデータとしてFAD(2)が設定されており、、、、といったように、1.0sec分のバックライト100aのマトリクスデータが設定されている。
なお、FAD(1)の具体的なマトリクスデータとしては、(BL3,BR1)、(BL4,BR1)、(BL3,BR2)、(BL4,BR2)を点灯させ、それ以外は消灯させるようにするデータが設定されており、FAD(2)の具体的なマトリクスデータとしては、(BL3,BR2)、(BL4,BR2)、(BL3,BR3)、(BL4,BR3)を点灯させ、それ以外は消灯させるようにするデータが設定されており、点灯するバックライトが左から右に移動するように設定されている(図559及び図560参照)。
同様に、フラッシュB~フラッシュE用のパターンデータについても、消灯演出用のパターンデータと、フラッシュ演出用のパターンデータとが設定されている。フラッシュB~フラッシュE用のフラッシュ演出用のパターンデータは、各タイミングで点灯・消灯させるバックライト100aのマトリクスデータがフラッシュA用のものと異なるだけで、そのトータルの長さは同じである(1.0sec)。フラッシュ演出B及びフラッシュDにおける消灯演出は、消灯無し、第1消灯及び第2消灯のいずれかが選択される(第3消灯は選択されない)ため、消灯演出用のパターンデータもそれぞれのパターンでいずれのフロントライトを消灯させるかが異なるように設定されている。なお、いずれの消灯演出を選択するかは、ステップSg2601にて抽選にて決定する。つまり、ステップSg2601では、今回のフラッシュ演出がフラッシュB又はフラッシュDである場合、消灯演出のパターンを抽選により決定し、その決定したパターンに応じたパターンデータを取得する処理を実行する。
フラッシュF及びフラッシュG用のパターンデータについても、消灯演出用のパターンデータと、フラッシュ演出用のパターンデータとが設定されている。但し、これらのフラッシュ演出については、フラッシュ演出用のパターンデータは、各タイミングで点灯・消灯させるバックライト100aのマトリクスデータが異なるだけではなく、そのトータルの長さはフラッシュA~フラッシュEのものよりも長くなるように設定されている(2.0sec)。なお、フラッシュF及びフラッシュDにおけるTCx(1.0sec)までのバックライト100aのマトリクスデータは、フラッシュA用のフラッシュ演出用のパターンデータと同様である。
ステップSg2601にて今回のフラッシュ演出用のパターンデータを取得した後は、ステップSg2602にて当該取得したパターンデータに基づいて、フロントライトやバックライト100aが点灯制御されるように設定する処理を実行する。なお、表示制御装置81のCPU181では、周期的(例えば2.0msec)に起動される処理(例えば演出設定処理のその他の処理)において演出更新タイミングであることの確認を行っており、当該演出更新タイミングである場合に、上記のパターンデータから消灯演出のデータやフラッシュ演出のマトリクスデータを取得して、対応する装置(フロントライトやバックライト100a)の制御を実行する。
続くステップSg2603では、今回設定したフラッシュ演出がフラッシュA又はフラッシュDであるか否かを判定する。上記のように、フラッシュAは、基本的には外れ結果に対応し、フラッシュDは、基本的には通常リプA~Cに対応する演出である。これらのフラッシュ演出である場合には、そのまま通常フラッシュ設定処理を終了する。一方、これらのフラッシュ演出以外のフラッシュ演出である場合、ステップSg2604~ステップSg2605にて、特別フラッシュ演出用の設定処理を実行する。
上記のように、本実施形態では、所定のフラッシュ演出を実行した次のゲームでは、特別フラッシュ設定処理にてフラッシュ演出が設定される(ステップSg2502、ステップSg2506)。ステップSg2604~ステップSg2605の処理は、次のゲームにおける特別フラッシュ設定処理を実行するために、今回のゲームでフラッシュ演出を実行したことの情報等を一時記憶するための処理である。
すなわち、ステップSg2604では、今回のフラッシュ演出の種類を上記一時記憶領域に記憶する処理を実行する。そして、ステップSg2605にて、各種フラグ格納エリア183aに特別フラッシュフラグをセットする処理を実行してから、本通常フラッシュ設定処理を終了する。
なお、今回のゲームの抽選結果や、今回のゲームの入賞結果については、全停止時演出設定処理(図554)における、停止時フラッシュ演出用処理(ステップSg2213)にて一時記憶される。停止時フラッシュ演出用処理では、図572のフローチャートに示すように、ステップSg2701にて、特別フラッシュフラグがセットされているか否かを判定し、セットされている場合には、ステップSg2702にて今回のゲームの抽選結果を一時記憶領域に記憶する処理を実行する。そして、ステップSg2703にて今回のゲームの入賞結果(取りこぼしの有無や停止出目)を記憶する処理を実行してから、停止時フラッシュ演出用処理を終了する。ステップSg2701にて特別フラッシュフラグがセットされていない場合には、そのまま本停止時フラッシュ演出用処理を終了する。
<特別フラッシュ設定処理>
次に、ステップSg2506の特別フラッシュ設定処理について、図573のフローチャートを参照しながら説明する。上記のように、特別フラッシュ設定処理は、前ゲームでセットされた特別フラッシュフラグに基づいて実行される処理であり、主制御装置101側のフラッシュコマンドを受信することなく実行される処理である。特別フラッシュ設定処理では、今回のゲームの抽選結果に加えて、前回のゲーム(特別フラッシュフラグがセットされる契機となったゲーム)の抽選結果や入賞結果、フラッシュ演出の実行の有無やその種類によって、今回のゲームにてフラッシュ演出が実行されるように設定する処理を行う。
具体的には、ステップSg2801では、今回のゲームがBB状態であるか否かを判定する。BB状態ではない場合、ステップSg2802にて、前回のゲームのいずれかのBBに当選したか否かを判定する。いずれのBBにも当選していない場合には、ステップSg2803に進み、前回のゲームで取りこぼしが発生したか否かを判定する。具体的には、スイカに当選した場合には、第7小役や第8小役入賞が成立可能となるものの、スイカに当選したのにもかかわらず、これら第7小役や第8小役入賞が成立しなかった場合には、取りこぼしが発生したとして、ステップSg2803にて肯定判定することになる。また、例えば、スイカ重複1に当選した場合には、第7小役や第8小役に加えて第1BB入賞もが成立可能となるものの、スイカ重複1に当選したのにもかかわらず、これら第7小役や第8小役だけでなく第1BB入賞も成立しなかった場合には、取りこぼしが発生したとして、ステップSg2803にて肯定判定することになる。
ステップSg2803にて否定判定した場合、ステップSg2804に進む。ステップSg2804では、今回のゲームの抽選結果コマンドに基づき、今回のゲームでいずれかのBBに当選したか否かを判定する。BBとの各種重複結果や単独BB当選ではなくいずれのBBにも当選していない場合、ステップSg2805に進む。ステップSg2805では、今回のゲームの抽選結果はいずれかの特定役であるか否かを判定する。特定役とは、上記の通り、各ゲームの抽選結果として出現しにくい(当選しにくい)所謂レア役と称される抽選結果であり、上記ステップSg2805にて肯定判定する特定役とは、BBとの重複役を除いて、チャンス目A~チャンス目C、チェリーA~チェリーC及びスイカのいずれかの結果である。ちなみに、これらの特定役である場合には、いずれかのフラッシュ演出が実行される可能性が高いものの(図566)、上記の通り、特別フラッシュ設定処理は、主制御装置101側からのフラッシュコマンドとは関係なく実行されるため、本実施形態では、主制御装置101側から出力されているフラッシュコマンドとは対応しないフラッシュ演出が実行される場合があるように設定されている。
ステップSg2805にて特定役ではないと判定した場合には、ステップSg2806にて今回のゲームの抽選結果が、押し順ベル当選であるか否かを判定する。押し順ベル当選ではなく、今回のゲームの抽選結果が外れ結果や通常リプA~Cである場合には、ステップSg2807にて第1特別設定処理を実行する。
一方、ステップSg2805にて今回のゲームの抽選結果がいずれかの特定役であると判定した場合は、ステップSg2808にて第2特別設定処理を実行する。また、ステップSg2804にて、前回のゲームではBB当選していないものの、今回のゲームでBB当選したと判定した場合には、ステップSg2809にて第3特別設定処理を実行する。
ステップSg2803にて前ゲームで取りこぼしが生じていたと判定した場合、ステップSg2810に進み、今回のゲームでいずれかのBBに当選したか否かを判定する。ステップSg2810の処理は、上記ステップSg2804の処理と同様である。今回のゲームでいずれかのBBに当選している場合、ステップSg2804の場合と同様に、ステップSg2809にて第3特別設定処理を実行する。
一方、ステップSg2810にて今回のゲームでいずれのBBにも当選していないと判定した場合、ステップSg2811にて、ステップSg2805と同様に、今回のゲームの抽選結果がいずれかの特定役であるか否かを判定する。特定役当選ではない場合、ステップSg2812にて、今回のゲームの抽選結果が外れ結果であるか否かを判定する。外れ結果である場合には、ステップSg2813にて第4特別設定処理を実行する。
ステップSg2811にて、今回のゲームの抽選結果がいずれかの特定役である場合、ステップSg2814にて第5特別設定処理を実行する。また、ステップSg2802にて前回のゲームでいずれかのBBに当選していると判定した場合、ステップSg2815にて第6特別設定処理を実行する。
ステップSg2801にてBB状態であると判定した場合や、ステップSg2806にて今回のゲームの抽選結果が押し順ベルであると判定した場合、ステップSg2812にて否定判定した場合、又は、ステップSg2807~ステップSg2809及びステップSg2813~ステップSg2815のいずれかの処理を実行した後は、ステップSg2816にて特別フラッシュフラグをクリアする処理を実行してから、本特別フラッシュ設定処理を終了する。
以下、第1特別設定処理~第6特別設定処理について、それぞれ説明する。
<第1特別設定処理>
先ず、第1特別設定処理について、図574のフローチャートを参照しながら説明する。第1特別設定処理は、前ゲームでBBに当選しておらず、取りこぼしも生じておらず、更に、今回のゲームでもBBに当選しておらず、今回のゲームの抽選結果が特定役や押し順ベルではない場合、すなわち、今回のゲームの抽選結果が通常リプA~Cや外れ結果である場合に実行される処理である。既に説明した通り、通常リプA~Cである場合、通常フラッシュ設定処理においては主にフラッシュDが選択され、一部、フラッシュEやフラッシュGが選択される。また、外れ結果である場合、通常フラッシュ設定処理においてはフラッシュAが選択される。
ステップSg2901では、今回のゲームの開始時に、いずれかのフラッシュコマンドを受信しているか否かを判定する。いずれかのフラッシュコマンドを受信している場合には、ステップSg2902にて対応するフラッシュパターンデータを各種テーブル記憶エリア182aから取得する処理を実行する。そして、ステップSg2903にて、上記取得したフラッシュパターンデータに基づいて、フロントライトやバックライト100aが点灯制御されるように設定する処理を実行してから、本第1特別設定処理を終了する。これらステップSg2902及びステップSg2903の処理は、上記ステップSg2601及びステップSg2602の処理と同様である。つまり、この場合は、主制御装置101側で決定されたフラッシュ演出がそのまま実行されるようになる。
一方、ステップSg2901にて否定判定し、今回のゲームでフラッシュコマンドを受信していない場合、ステップSg2904に進む。本実施形態では、上記のように、通常リプA~通常リプCでは必ずフラッシュ演出が発生するように設定されていることから、ステップSg2901にて否定判定する場合とは、今回のゲームの抽選結果が外れ結果であり、且つ、主制御装置101側の処理では、フラッシュ演出を発生させないと決定された場合である。この場合、ステップSg2904では、前回のフラッシュ演出の種類が、フラッシュBであったか否かを判定する。フラッシュBであった場合には、そのまま本第1特別設定処理を終了する。この場合、今回のゲームではフラッシュ演出は発生しない。
特別フラッシュ演出の実行対象(実行契機)となるフラッシュ演出(フラッシュA及びフラッシュD以外)のうち、フラッシュBは、比較的、BB当選の期待度が低くなるように設定されたフラッシュ演出である(図566)。つまり、前回ゲームのフラッシュ演出が、低期待度のフラッシュ演出であり、更に今回のゲームの抽選結果が外れ結果である場合には、今回のゲームで主制御装置101側のフラッシュ演出の実行決定がなされていなければ、表示制御装置81側においてもフラッシュ演出は実行しないと決定される。
これに対して、ステップSg2904にて否定判定し、前回のゲームのフラッシュ演出がフラッシュB以外であった場合は、ステップSg2905に進む。ステップSg2905では、各種フラグ格納エリア183aにサブフラッシュフラグをセットする処理を実行する。サブフラッシュフラグは、主制御装置101側ではなく表示制御装置81側でフラッシュ演出を実行することの決定がなされ、当該フラッシュ演出が行われている状況であることをCPU181が把握するためのフラグである。
なお、以下の説明では、主制御装置101側ではなく表示制御装置81側でフラッシュ演出を実行することの決定がなされた場合の当該フラッシュ演出を、サブ側フラッシュ演出とも称し、主制御装置101側でフラッシュ演出を実行することの決定がなされ、当該フラッシュ演出がそのまま実行される場合のフラッシュ演出を主側フラッシュ演出とも称して説明を行う。
その後、ステップSg2906にてフラッシュA用のフラッシュパターンデータを各種テーブル記憶エリア182aから取得する処理を実行し、ステップSg2907にて、上記取得したフラッシュパターンデータに基づいて、フロントライトやバックライト100aが点灯制御されるように設定する処理を実行してから、本第1特別設定処理を終了する。この場合、今回のゲームでフラッシュAのフラッシュ演出が実行されるようになり、当該フラッシュ演出はサブ側フラッシュ演出である。
<第2特別設定処理>
次に、第2特別設定処理について、図575のフローチャートを参照しながら説明する。第2特別設定処理は、前ゲームでBBに当選しておらず、取りこぼしも生じておらず、更に、今回のゲームでもBBに当選しておらず、今回のゲームの抽選結果が特定役である場合に実行される処理である。既に説明した通り、特定役である場合、通常フラッシュ設定処理においては、特定役の種類に応じてフラッシュB、フラッシュC、フラッシュE、フラッシュF及びフラッシュGのいずれかが選択される。
ステップSg3001では、前回のフラッシュ演出の種類が、低期待度のフラッシュBであったか否かを判定する。フラッシュBであった場合には、ステップSg3002に進み、今回のゲームの開始時に、いずれかのフラッシュコマンドを受信しているか否かを判定する。いずれかのフラッシュコマンドを受信している場合には、ステップSg3003にて対応するフラッシュパターンデータを各種テーブル記憶エリア182aから取得する処理を実行する。そして、ステップSg3004にて、上記取得したフラッシュパターンデータに基づいて、フロントライトやバックライト100aが点灯制御されるように設定する処理を実行してから、本第2特別設定処理を終了する。これらステップSg3003及びステップSg3004の処理は、上記ステップSg2601及びステップSg2602の処理と同様である。つまりこの場合は、主制御装置101側で決定されたフラッシュ演出がそのまま実行され、実行されるフラッシュ演出は主側フラッシュ演出である。
一方、ステップSg3002にて否定判定し、主制御装置101側からフラッシュコマンドを受信していない場合には、そのまま本第2特別設定処理を終了する。すなわち、前回ゲームのフラッシュ演出が、低期待度のフラッシュ演出であり、更に今回のゲームの抽選結果がいずれかの特定役であっても、主制御装置101側でフラッシュ演出の実行決定がなされていなければ、表示制御装置81側においてもフラッシュ演出は実行しないと決定される。
ステップSg3001にて否定判定し、前回のゲームのフラッシュ演出の種類がフラッシュB以外(フラッシュA,フラッシュB及びフラッシュD以外)である場合、ステップSg3005に進む。ステップSg3005では、前回のゲームのフラッシュ演出はフラッシュF又はフラッシュGであったか否かを判定する。
特別フラッシュ演出の実行対象(実行契機)となるフラッシュ演出(フラッシュA及びフラッシュD以外)のうち、フラッシュF及びフラッシュGは、比較的、BB当選の期待度が高くなるように設定されたフラッシュ演出である(図566)。
フラッシュF及びフラッシュG以外のフラッシュ演出であった場合、ステップSg3006に進み、今回のゲームの開始時に、フラッシュC、フラッシュE、フラッシュF、フラッシュG用のフラッシュコマンドを受信しているか否かを判定する。これらのフラッシュコマンドを受信している場合には、ステップSg3007にて対応するフラッシュパターンデータを各種テーブル記憶エリア182aから取得する処理を実行する。そして、ステップSg3008にて、上記取得したフラッシュパターンデータに基づいて、フロントライトやバックライト100aが点灯制御されるように設定する処理を実行してから、本第2特別設定処理を終了する。これらステップSg3007及びステップSg3008の処理は、上記ステップSg2601及びステップSg2602の処理と同様である。つまり、この場合は、主制御装置101側で決定された主側フラッシュ演出がそのまま実行されるようになる。
一方、ステップSg3006にて否定判定し、今回のゲームの開始時に、フラッシュC、フラッシュE、フラッシュF、フラッシュG用のフラッシュコマンドを受信しておらず、今回のゲームの開始時にフラッシュB用のフラッシュコマンドを受信している場合や、いずれのフラッシュコマンドも受信していない場合には、ステップSg3009に進む。ステップSg3009では、各種フラグ格納エリア183aにサブフラッシュフラグをセットする処理を実行する。そして、ステップSg3010にてフラッシュC用のフラッシュパターンデータを各種テーブル記憶エリア182aから取得する処理を実行し、ステップSg3011にて、上記取得したフラッシュパターンデータに基づいて、フロントライトやバックライト100aが点灯制御されるように設定する処理を実行してから、本第2特別設定処理を終了する。この場合、今回のゲームでフラッシュCのサブ側フラッシュ演出が実行されるようになる。
ステップSg3005にて肯定判定し、前回のゲームのフラッシュ演出が高期待度のフラッシュF又はフラッシュGであった場合、ステップSg3012に進む。ステップSg3012では、今回のゲームの開始時に、フラッシュF、フラッシュG用のフラッシュコマンドを受信しているか否かを判定する。これらのフラッシュコマンドを受信している場合には、ステップSg3013にて対応するフラッシュパターンデータを各種テーブル記憶エリア182aから取得する処理を実行する。そして、ステップSg3014にて、上記取得したフラッシュパターンデータに基づいて、フロントライトやバックライト100aが点灯制御されるように設定する処理を実行してから、本第2特別設定処理を終了する。これらステップSg3013及びステップSg3014の処理は、上記ステップSg2601及びステップSg2602の処理と同様である。つまり、この場合は、主制御装置101側で決定された主側フラッシュ演出がそのまま実行されるようになる。
一方、ステップSg3012にて否定判定し、今回のゲームの開始時に、フラッシュF、フラッシュG用のフラッシュコマンドを受信しておらず、今回のゲームの開始時にフラッシュB、フラッシュC、フラッシュE用のフラッシュコマンドを受信している場合や、いずれのフラッシュコマンドも受信していない場合には、ステップSg3015に進む。ステップSg3015では、各種フラグ格納エリア183aにサブフラッシュフラグをセットする処理を実行する。そして、ステップSg3016にてフラッシュF用のフラッシュパターンデータを各種テーブル記憶エリア182aから取得する処理を実行し、ステップSg3017にて、上記取得したフラッシュパターンデータに基づいて、フロントライトやバックライト100aが点灯制御されるように設定する処理を実行してから、本第2特別設定処理を終了する。この場合、今回のゲームでは、BB当選に期待が持てるフラッシュFのサブ側フラッシュ演出が実行されるようになる。
つまり、前回のゲームで低期待度のフラッシュBが実行された場合であって、今回のゲームの抽選結果が特定役である場合は、主制御装置101側のフラッシュ演出の決定に従ってフラッシュ演出が実行される。この場合、主制御装置101側でフラッシュ演出を実行しないことの決定がなされている場合には、今回のゲームではフラッシュ演出は実行されない。
一方、前回のゲームで中期待度のフラッシュCやフラッシュEが実行された場合であって、今回のゲームの抽選結果が特定役である場合は、主制御装置101側で低期待度のフラッシュBの実行決定がなされた場合やフラッシュ演出の実行決定がなされなかった場合を除いて、主制御装置101側のフラッシュ演出の決定に従ってフラッシュ演出が実行されるようになる。そして、主制御装置101側で低期待度のフラッシュBの実行決定がなされた場合やフラッシュ演出の実行決定がなされなかった場合は、表示制御装置81側で中期待度のフラッシュCの実行決定がなされ、当該フラッシュ演出がサブ側フラッシュ演出として実行されるようになる。つまりこの場合、前回のゲームで中期待度のフラッシュ演出が実行された場合であって、今回のゲームの抽選結果が特定役である場合は、主制御装置101側の決定に関わらずフラッシュ演出は実行されるようになり、更に、低期待度のフラッシュ演出の実行が制限され、前回のゲームでのフラッシュ演出の期待度(BB当選の期待度)よりも低い期待度のフラッシュ演出は実行されないようになる。
更に、前回のゲームで高期待度のフラッシュFやフラッシュGが実行された場合であって、今回のゲームの抽選結果が特定役である場合、主制御装置101側で低期待度のフラッシュBや中期待度のフラッシュC、フラッシュEの実行決定がなされた場合やフラッシュ演出の実行決定がなされなかった場合を除いて、主制御装置101側のフラッシュ演出の決定に従ってフラッシュ演出が実行されるようになる。そして、主制御装置101側で低期待度のフラッシュBや中期待度のフラッシュC、フラッシュEの実行決定がなされた場合やフラッシュ演出の実行決定がなされなかった場合は、表示制御装置81側で高期待度のフラッシュFの実行決定がなされ、当該フラッシュ演出がサブ側フラッシュ演出として実行されるようになる。つまりこの場合、前回のゲームで高期待度のフラッシュ演出が実行された場合であって、今回のゲームの抽選結果が特定役である場合は、主制御装置101側の決定に関わらずフラッシュ演出は実行されるようになり、更に、低期待度や中期待度のフラッシュ演出の実行が制限され、前回のゲームでのフラッシュ演出の期待度(BB当選の期待度)よりも低い期待度のフラッシュ演出は実行されないようになる。
<第3特別設定処理>
次に、第3特別設定処理について、図576のフローチャートを参照しながら説明する。第3特別設定処理は、前回のゲームでBBに当選していなかったものの、今回のゲームの抽選結果がいずれかのBB当選である場合に実行される処理である。
ステップSg3101では、前回のフラッシュ演出の種類が、低期待度のフラッシュBであったか否かを判定する。フラッシュBであった場合には、ステップSg3102に進み、今回のゲームの開始時に、いずれかのフラッシュコマンドを受信しているか否かを判定する。いずれかのフラッシュコマンドを受信している場合には、ステップSg3103にて、受信しているフラッシュコマンドが非対応フラッシュ演出に対応するものであるか否かを判定する。既に説明した通り、各BBとの重複当選時に選択されるフラッシュ演出として、非重複時に選択され得ない非対応フラッシュ演出が設定されている。具体的には、リプ重複1,2当選時に選択され得るフラッシュBやフラッシュC、チャンス目重複1,2、チェリー重複1,2及びスイカ重複1,2当選時に選択され得るフラッシュDが非対応フラッシュ演出である(図566)。これらの非対応フラッシュ演出のフラッシュコマンドを受信している場合、ステップSg3104に各種フラグ格納エリア183aに確定フラッシュフラグをセットする処理を実行する。確定フラッシュフラグは、今回のフラッシュ演出を終了する際に、確定表示部35を点灯状態とすることによる確定演出を実行するためのフラグである。
ステップSg3103にて否定判定した場合、又はステップSg3104の処理を実行した後は、ステップSg3105にて、受信しているフラッシュコマンド対応するフラッシュパターンデータを各種テーブル記憶エリア182aから取得する処理を実行する。そして、ステップSg3106にて、上記取得したフラッシュパターンデータに基づいて、フロントライトやバックライト100aが点灯制御されるように設定する処理を実行してから、本第3特別設定処理を終了する。これらステップSg3105及びステップSg3106の処理は、上記ステップSg2601及びステップSg2602の処理と同様である。つまり、この場合は、主制御装置101側で決定された主側フラッシュ演出がそのまま実行されるようになる。
ステップSg3102にて、いずれのフラッシュコマンドも受信していない場合、そのまま第3特別設定処理を終了する。この場合、フラッシュ演出は実行されない。
また、本実施形態における通常フラッシュ設定処理では、上記の非対応フラッシュ演出を実行する場合であっても確定フラッシュフラグをセットせず、特別フラッシュ設定処理では非対応フラッシュ演出を実行する場合には確定フラッシュフラグをセットするようにしている。このようにすることで、非対応フラッシュ演出が実行される場合であっても、確定表示部35が点灯状態とされる場合と点灯状態とされない場合とがあるようになり、フラッシュ演出への注目度を好適に高めることが可能となる。更に、特別フラッシュ設定処理によって連続するゲームでフラッシュ演出が行われ得るようになることから、確定表示部35が点灯状態とされた場合に、それよりも以前のゲームでBB当選していたのでは、と遊技者に思わせることも可能となり、フラッシュ演出への注目度を好適に高めることができる。
ステップSg3101にて、前回のゲームのフラッシュ演出が低期待度のフラッシュBではないと判定した場合、ステップSg3107に進む。ステップSg3107では、前回のゲームのフラッシュ演出が高期待度のフラッシュF又はフラッシュGであったか否かを判定する。これら高期待度のフラッシュFやフラッシュGではなく、中期待度のフラッシュCやフラッシュEであった場合、ステップSg3102に進む。この場合、上記の通り、主制御装置101側の決定に従って主側フラッシュ演出が実行されるようになる。
つまり、今回のゲームでBBに当選した場合においては、前回のゲームで中期待度のフラッシュ演出が実行された後、今回のゲームで低期待度のフラッシュ演出が実行されることや、フラッシュ演出が実行されないことが許容されている。このようにすることで、前回のゲームから今回のゲームでフラッシュ演出の期待度の低下が生じても、BB当選に期待を持たせることが可能となる。
ステップSg3107にて前回のゲームのフラッシュ演出が高期待度のフラッシュF又はフラッシュGであった場合、今回のゲームの開始時に、高期待度のフラッシュFやフラッシュGのフラッシュコマンドを受信しているか否かを判定する。これらのフラッシュコマンドを受信している場合には、ステップSg3109にて受信しているフラッシュコマンド対応するフラッシュパターンデータを取得する処理を実行する。そして、ステップSg3110にて、上記取得したフラッシュパターンデータに基づいて、フロントライトやバックライト100aが点灯制御されるように設定する処理を実行してから、本第3特別設定処理を終了する。これらステップSg3109及びステップSg3110の処理は、上記ステップSg2601及びステップSg2602の処理と同様である。つまり、この場合は、主制御装置101側で決定された主側フラッシュ演出がそのまま実行されるようになる。
ステップSg3108にて否定判定し、前回のゲームのフラッシュ演出が高期待度のフラッシュF又はフラッシュGであった場合において、今回のゲームの開始時に、高期待度のフラッシュFやフラッシュGのフラッシュコマンドを受信していない場合、ステップSg3111に進み、受信しているフラッシュコマンドが非対応フラッシュ演出に対応するものであるか否かを判定する。非対応フラッシュ演出に対応するものであれば、ステップSg3112にて確定フラッシュフラグを格納する処理を実行してから、ステップSg3109に進み、主制御装置101側で決定された主側フラッシュ演出をそのまま実行するための処理を行う。
ステップSg3111にて非対応フラッシュ演出に対応するフラッシュコマンドを受信していない場合、ステップSg3113に進み、サブフラッシュフラグをセットする処理を実行する。そして、ステップSg3114にてフラッシュFのフラッシュパターンデータを取得する処理を実行し、ステップSg3115にて、上記取得したフラッシュパターンデータに基づいて、フロントライトやバックライト100aが点灯制御されるように設定する処理を実行してから、本第3特別設定処理を終了する。この場合、今回のゲームでは、BB当選に期待が持てるフラッシュFのサブ側フラッシュ演出が実行されるようになる。
<第4特別設定処理>
次に、第4特別設定処理について、図577のフローチャートを参照しながら説明する。第4特別設定処理は、前回のゲームでBBに当選しておらず、且つ取りこぼしが生じた場合であって、今回のゲームの抽選結果が外れ結果である場合に実行される処理である。
ステップSg3201では、今回のゲームの開始時に、フラッシュコマンドを受信しているか否かを判定する。なお、上記のように、今回のゲームの抽選結果は外れ結果であるため、受信するフラッシュコマンドはフラッシュA用のフラッシュコマンドである。フラッシュコマンドを受信していない場合、ステップSg3202にてサブフラッシュフラグをセットする処理を実行する。
ステップSg3201にてフラッシュコマンドを受信している場合、又はステップSg3202にてサブフラッシュフラグをセットする処理を実行した後は、ステップSg3203にて、フラッシュA用のフラッシュパターンデータを各種テーブル記憶エリア182aから取得する処理を実行する。そして、ステップSg3204にて、上記取得したフラッシュパターンデータに基づいて、フロントライトやバックライト100aが点灯制御されるように設定する処理を実行してから、本第4特別設定処理を終了する。
つまり、前回のゲームで取りこぼしが発生した場合であって、今回のゲームが外れ結果である場合、主制御装置101側でフラッシュ演出を実行しないと決定された場合であっても、フラッシュAのサブ側フラッシュ演出が実行されるようになる。
<第5特別設定処理>
次に、第5特別設定処理について、図578のフローチャートを参照しながら説明する。第5特別設定処理は、前回のゲームでBBに当選しておらず、且つ取りこぼしが生じた場合であって、今回のゲームの抽選結果がBB非当選の特定役である場合に実行される処理である。
ステップSg3301では、今回のゲームの開始時に、低期待度のフラッシュBや中期待度のフラッシュC、フラッシュEに対応するフラッシュコマンドを受信しているか否かを判定する。これらフラッシュBやフラッシュC、フラッシュEは、上記の通りBB当選の期待度は相違するものの、いずれも1.0secに亘って実行されるフラッシュ演出である。
ステップSg3301にて、フラッシュBやフラッシュC、フラッシュEに対応するフラッシュコマンドを受信していると判定した場合、ステップSg3302にて、今回のゲームの抽選結果がスイカであるか否かを判定する。スイカである場合には、ステップSg3303にて、フラッシュC用のフラッシュパターンデータを各種テーブル記憶エリア182aから取得する処理を実行する。そして、ステップSg3304にて、上記取得したフラッシュパターンデータに基づいて、フロントライトやバックライト100aが点灯制御されるように設定する処理を実行してから、本第5特別設定処理を終了する。
つまり、前回のゲームで取りこぼしが発生した場合であって、今回のゲームがスイカである場合、主制御装置101側で低期待度のフラッシュBのフラッシュ演出が選択されていても、中期待度のフラッシュCのサブ側フラッシュ演出が実行されるようになる。
一方、ステップSg3302にて今回のゲームの抽選結果がスイカ以外の特定役であると判定した場合、ステップSg3305にて、フラッシュE用のフラッシュパターンデータを各種テーブル記憶エリア182aから取得する処理を実行する。そして、ステップSg3306にて、上記取得したフラッシュパターンデータに基づいて、フロントライトやバックライト100aが点灯制御されるように設定する処理を実行してから、本第5特別設定処理を終了する。
つまり、前回のゲームで取りこぼしが発生した場合であって、今回のゲームがスイカ以外の特定役である場合、主制御装置101側で低期待度のフラッシュBや中期待度のフラッシュCのフラッシュ演出が選択されていても、中期待度のうちより選択されにくいフラッシュEのフラッシュ演出が実行されるようになる。
ここで、上記のようにスイカの場合には、フラッシュEではなくフラッシュCのフラッシュ演出が実行されるようにしていることから、通常時に選択され得る範囲内でより選択されにくい(期待度が高い)フラッシュ演出を実行するようにすることができる。つまり、スイカであるのにもかかわらずフラッシュEが実行されると、非対応フラッシュとしていずれかのBBに当選していると遊技者が勘違いしてしまう恐れがあり、上記構成はそれを回避させるための工夫である。
ステップSg3301にて否定判定した場合、ステップSg3307にて高期待度のフラッシュFやフラッシュG用のフラッシュコマンドを受信しているか否かを判定する。これらのフラッシュコマンドを受信している場合、ステップSg3308にて対応するフラッシュパターンデータを各種テーブル記憶エリア182aから取得する処理を実行する。そして、ステップSg3309にて、上記取得したフラッシュパターンデータに基づいて、フロントライトやバックライト100aが点灯制御されるように設定する処理を実行してから、本第5特別設定処理を終了する。
つまり、前回のゲームで取りこぼしが発生した場合であって、今回のゲームが特定役である場合、主制御装置101側で高期待度のフラッシュFやフラッシュGのフラッシュ演出が選択されていれば、そのまま選択された主側フラッシュ演出が実行されるようになる。なお、高期待度のフラッシュFやフラッシュGについても、ステップSg3301~ステップSg3306のように、より選択されにくいフラッシュGがサブ側フラッシュ演出として実行されるように表示制御装置81で決定してもよい。この場合、非対応フラッシュとならないようにゲームの抽選結果に応じてフラッシュFを実行する場合とフラッシュGを実行する場合とを決定するとよい。
ステップSg3307にて否定判定し、フラッシュB、フラッシュC、フラッシュE,フラッシュF及びフラッシュGのいずれのフラッシュコマンドも受信していない場合、ステップSg3310に進む。ステップSg3310では、サブフラッシュフラグをセットする処理を実行する。そして、ステップSg3311にて、フラッシュC用のフラッシュパターンデータを各種テーブル記憶エリア182aから取得する処理を実行し、ステップSg3312にて、上記取得したフラッシュパターンデータに基づいて、フロントライトやバックライト100aが点灯制御されるように設定する処理を実行してから、本第5特別設定処理を終了する。
つまり、前回のゲームで取りこぼしが発生した場合であって、今回のゲームが特定役であっても、主制御装置101側でフラッシュ演出を実行しないと決定された場合には、表示制御装置81側の決定により中期待度のフラッシュCのサブ側フラッシュ演出が実行されるようになる。
<第6特別設定処理>
次に、第6特別設定処理について、図579のフローチャートを参照しながら説明する。第6特別設定処理は、前回のゲームでBBに当選している場合に実行される処理である。
ステップSg3401では、今回のゲームの開始時に、いずれかのフラッシュコマンドを受信しているか否かを判定する。ステップSg3401にてフラッシュコマンドを受信している場合、ステップSg3402にて非対応フラッシュ用のフラッシュコマンドを受信しているか否かを判定する。なお、前回のゲームでBB当選していることからして、今回のゲームは持ち越し用のフラッシュフリーズ抽選にてフラッシュ演出の種類が決定されており、ここでいう非対応フラッシュとは、通常用のフラッシュフリーズ抽選においてBBとの非重複結果では選択されないフラッシュ演出をいう。具体的は、例えば、チャンス目AではフラッシュD、フラッシュF及びフラッシュGが非対応フラッシュであり、スイカではフラッシュDやフラッシュEが非対応ラッシュである(図566及び図567参照)。
ステップSg3402にて非対応フラッシュ用のフラッシュコマンドを受信していると判定した場合、ステップSg3403にて確定フラッシュフラグをセットする処理を実行する。上記の通り、確定フラッシュフラグがセットされることにより、今回のフラッシュ演出の終了後(終了時)に確定表示部35が点灯状態に切り換えられるようになる。
ステップSg3402にて非対応フラッシュ用のフラッシュコマンドを受信していないと判定した場合、ステップSg3404に進む。ステップSg3404では、前回のフラッシュ演出の期待度と、今回のフラッシュ演出の期待度とを比較する処理を実行する。そして、ステップSg3405にて、前回のフラッシュ演出の方が今回のフラッシュ演出よりも期待度が高いか否かを判定する。具体的には、本実施形態では、フラッシュ演出の種類においてアルファベットが後側になるほど期待度が高いと判定されるように設定されており、フラッシュBよりもフラッシュCの方が期待度が高く、フラッシュFよりもフラッシュGの方が期待度が高いと判定する。ちなみに、前回のゲームでフラッシュDが実行された場合には特別フラッシュフラグはセットされないため、フラッシュDとの比較処理は行われない。ステップSg3405にて、前回のフラッシュ演出の方が今回のフラッシュ演出よりも期待度が高いと判定し、期待度の低下が生じている場合は、ステップSg3403に進み、確定フラッシュフラグをセットする処理を実行する。この場合も、今回のフラッシュ演出の終了後(終了時)に確定表示部35が点灯状態に切り換えられるようになる。
ステップSg3403の処理を実行した後、又はステップSg3405にて否定判定した場合は、ステップSg3406にて、受信しているフラッシュコマンドに対応するフラッシュパターンデータを各種テーブル記憶エリア182aから取得する処理を実行する。そして、ステップSg3407にて、上記取得したフラッシュパターンデータに基づいて、フロントライトやバックライト100aが点灯制御されるように設定する処理を実行してから、本第6特別設定処理を終了する。
ステップSg3401にてフラッシュコマンドを受信していないと判定した場合、ステップSg3408にてサブフラッシュフラグをセットする処理を実行する。そして、ステップSg3409にて今回のゲームの抽選結果を把握する処理を実行し、ステップSg3410にて今回のゲームの抽選結果が持ち越し状態ではなく通常状態であったとして、期待度が最も高くなるフラッシュ演出の種類に対応するフラッシュパターンデータを取得する。具体的には、例えば、今回のゲームの抽選結果が通常リプAであれば、フラッシュD、フラッシュE及びフラッシュGのうち、フラッシュGを、期待度が最も高くなるフラッシュ演出として対応するフラッシュパターンデータを取得する。また、例えば、今回のゲームの抽選結果がチャンス目Aであれば、フラッシュB、フラッシュC及びフラッシュEのうち、フラッシュEを、期待度が最も高くなるフラッシュ演出として対応するフラッシュパターンデータを取得する。更に、例えば、今回のゲームの抽選結果がスイカであれば、フラッシュB、フラッシュC及びフラッシュFのうち、フラッシュFを、期待度が最も高くなるフラッシュ演出として対応するフラッシュパターンデータを取得する。
そして、ステップSg3410にて、上記取得したフラッシュパターンデータに基づいて、フロントライトやバックライト100aが点灯制御されるように設定する処理を実行してから、本第6特別設定処理を終了する。
つまり、前回のゲームでBB当選している場合、今回のゲームでは、主制御装置101側でフラッシュ演出を実行することの決定がなされている場合にはそれに従ってフラッシュ演出を主側フラッシュ演出として実行するとともに、当該フラッシュ演出が非対応フラッシュであったり、前回のゲームのフラッシュ演出よりも期待度が低くなるものであったりする場合には、確定表示部35を点灯させるための処理が行われる。また、前回のゲームでBB当選している場合において、今回のゲームで、主制御装置101側でフラッシュ演出を実行することの決定がなされなかったとしても、表示制御装置81側で、ゲームの抽選結果に応じて最も期待度が高くなるフラッシュ演出がサブ側フラッシュ演出として実行されるようになる。
フラッシュ演出制御用処理の説明(図569)に戻る。
ステップSg2501にて、上記ステップSg2504やステップSg2506にて設定されたフラッシュ演出を実行中であると判定した場合、ステップSg2507に進む。ステップSg2507では、フラッシュ演出を終了すべきタイミングであるか否かを判定する。フラッシュ演出の終了タイミングではない場合、ステップSg2508にて、フラッシュ中調整用処理を実行し、その後、ステップSg2509にて、設定されているフラッシュ演出のフラッシュパターンデータに基づいて、フロントライトやバックライト100aを制御する処理を実行してから、本フラッシュ演出制御用処理を終了する。
一方、ステップSg2507にて、フラッシュ演出を終了すべきタイミングであると判定した場合、ステップSg2510にて終了時調整処理を実行し、ステップSg2511にてフラッシュ演出終了処理を実行してから、本フラッシュ演出制御用処理を終了する。
上記のように、本実施形態では、フラッシュ演出が主制御装置101側の決定により実行される場合と、主制御装置101側ではフラッシュ演出を実行しないと決定された場合であっても表示制御装置81側の決定によりフラッシュ演出が実行される場合と、があるように設定されており、更に、主制御装置101側でフラッシュ演出を実行すると決定された場合であっても、それとは異なる種類のフラッシュ演出が表示制御装置81側にて決定されて実行される場合もあるように設定されている。ステップSg2508やステップSg2510の調整用処理は、これら表示制御装置81側の決定により実行されるフラッシュ演出用の処理である。そこで、先ず、ステップSg2511のフラッシュ演出終了処理について説明してから、ステップSg2510の終了時調整用処理について説明し、その後、ステップSg2508のフラッシュ中調整用処理について説明する。
<フラッシュ演出終了処理>
フラッシュ演出終了処理では、図580のフローチャートに示すように、先ず、ステップSg3501にて、設定されているフラッシュパターンデータをクリアする処理を実行する。そして、ステップSg3502にてフロントライトを点灯状態とする処理を実行してから、本フラッシュ演出終了処理を終了する。これらの処理によって、一連のフラッシュ演出が終了することになる。
<終了時調整用処理>
次に、終了時調整用処理について、図581のフローチャートを参照しながら説明する。
先ず、ステップSg3601では、サブフラッシュフラグがセットされているか否かを判定する。サブフラッシュフラグがセットされていない場合には、そのまま本終了時調整用処理を終了する。サブフラッシュフラグがセットされている場合とは、表示制御装置81側でフラッシュ演出の実行が決定された場合であり、実行していたフラッシュ演出がサブ側フラッシュ演出であった場合である。この場合、ステップSg3602にて、サブフラッシュフラグをクリアする処理を実行する。そして、ステップSg3603にて、各種フラグ格納エリア183aに払出音遅延フラグがセットされているか否かを判定する。払出音遅延フラグは、上記のように表示制御装置81側でフラッシュ演出の実行が決定された場合に、当該フラッシュ演出が終了するまでメダルの払出音の出力を遅延させるためのフラグである。具体的には、払出音遅延フラグは、上記全停止時演出設定処理(図554)におけるステップSg2212の払出音出力用処理にてセットされる。
ここで、ステップSg2212の払出音出力用処理について、図582のフローチャートを参照しながら説明する。
<払出音出力用処理>
ステップSg3701では、今回の遊技結果がいずれかの小役入賞であり、メダル払出が発生する結果であったか否かを判定する。なお、ステップSg3701では、クレジットにメダル払出分を加算して実際のメダルの払出が発生しない場合であっても肯定判定する。
ステップSg3701にて肯定判定した場合、ステップSg3702にて今回の払出枚数を把握する処理を実行する。そして、ステップSg3703にて、今回のゲームでフラッシュ演出が実行されるか否かをフラッシュパターンデータが設定されていることにより確認する。フラッシュ演出が実行されない場合、ステップSg3704にて、ステップSg3702にて把握した払出枚数に応じたメダル払出効果音がスピーカ64から出力されるように制御してから、本払出音出力用処理を終了する。メダル払出効果音としては、例えば、「ドッ」、「ドッ」、「ドッ」という効果音が払出枚数分だけ繰り返されるように設定されている。
ステップSg3703にてフラッシュ演出を実行すると判定した場合、ステップSg3705にてサブフラッシュフラグがセットされているか否かを判定する。セットされておらず、主制御装置101側で決定された主側フラッシュ演出がそのまま実行される場合や、主制御装置101側で決定されたフラッシュ演出とは異なる種類のフラッシュ演出がサブ側フラッシュ演出として実行される場合であっても、主制御装置101側で決定されたフラッシュ演出の実行期間と同じ期間となるフラッシュ演出が実行される場合は、ステップSg3706にて、無効期間の経過後に、メダル払出効果音が出力するように設定してから、本払出音出力用処理を終了する。この場合、例えば、1.0secの無効期間が設定される種類のフラッシュ演出(フラッシュA~E)が設定されている場合には、1.0sec後に払出枚数に応じたメダル払出効果音が出力されるようにし、2.0secの無効期間が設定される種類のフラッシュ演出(フラッシュF,G)が設定されている場合には、2.0sec後に払出枚数に応じたメダル払出効果音が出力されるようにする。このようにすることで、フラッシュ演出とメダル払出効果音の出力とが重複してしまうことを好適に回避することが可能となる。
ステップSg3705にてサブフラッシュフラグがセットされている場合、ステップSg3707にて、各種カウンタエリア183bに設けられた払出枚数記憶エリアに今回の払出枚数を一時記憶する処理を実行する。そして、ステップSg3708にて、各種フラグ格納エリア183aに上記の払出音遅延フラグをセットする処理を実行してから、本払出音出力用処理を終了する。
終了時調整用処理の説明(図581)に戻る。
ステップSg3603では払出音遅延フラグがセットされているか否かを判定する。上記の通り、払出音遅延フラグは、サブフラッシュフラグがセットされているゲームでメダル払出が発生する場合にセットされるフラグである。払出音遅延フラグがセットされている場合、ステップSg3604にて、当該払出音遅延フラグをクリアする処理を実行する。そして、ステップSg3605にて、上記払出枚数記憶エリアに一時記憶されている払出枚数を把握する処理を実行し、ステップSg3606にて、払出枚数に応じたメダル払出効果音が出力されるようにスピーカ64を制御する処理を実行する。この場合、フラッシュ演出終了処理にて終了されたフラッシュ演出に続いて、メダル払出効果音が出力されるようになる。
ステップSg3603にて払出音遅延フラグがセットされていない場合や、ステップSg3606の処理を実行した後は、ステップSg3607に進む。ステップSg3607では、確定フラッシュフラグがセットされているか否かを判定する。確定フラッシュフラグがセットされている場合、ステップSg3608にて確定フラッシュフラグをクリアする処理を実行し、ステップSg3609にて確定表示部35を消灯状態から点灯状態に切り換える処理を実行してから、終了時調整用処理を終了する。なお、点灯状態に切り換えられた確定表示部35は、対応するBB入賞が成立した場合に、図示しない処理にて消灯状態に切り換えられるように設定されている。
ステップSg3601又はステップSg3607にて否定判定した場合は、そのまま終了時調整用処理を終了する。
<フラッシュ中調整用処理>
次に、フラッシュ中調整用処理について、図583のフローチャートを参照しながら説明する。
先ず、ステップSg3801では、サブフラッシュフラグがセットされているか否かを判定する。サブフラッシュフラグがセットされていない場合には、そのまま本フラッシュ中調整用処理を終了する。サブフラッシュフラグがセットされている場合、ステップSg3802にて、所定の操作コマンドを受信しているか否かを判定する。より具体的には、第1クレジット投入スイッチ56が操作されたことを示す操作コマンドや、第2クレジット投入スイッチ57が操作されたことを示す操作コマンドを受信しているか否かを判定する。
既に説明した通り、主制御装置101側でフラッシュ演出を実行することの決定がなされた場合、当該フラッシュ演出は、各リール32L,32M,32Rが停止した後に設定される無効期間中に実行される。当該無効期間中は、各種操作部の無効化処理が実行され(ステップSg2405)、当該フラッシュ演出中に第1クレジット投入スイッチ56や第2クレジット投入スイッチ57を操作してもベット用の処理(BET用処理、図590)は行われないし、これらの操作に基づく操作コマンドは出力されない。
これに対して、表示制御装置81側でフラッシュ演出を実行することの決定がなされた場合、当該フラッシュ演出は、各リール32L,32M,32Rが停止した後の実行されるものの、当該フラッシュ演出を行う上で無効期間の設定は行われず、第1クレジット投入スイッチ56等の操作も可能である。また、例えば、主制御装置101側で決定したフラッシュ演出とは異なるフラッシュ演出を実行することの決定が表示制御装置81側でなされた場合において、主制御装置101側で決定した演出よりも長い期間に亘って行われるフラッシュ演出が選択された場合、当該主制御装置101側で設定される無効期間の経過後もフラッシュ演出が継続して実行され得るようになる。
ステップSg3801にてサブフラッシュフラグがセットされており、且つステップSg3802にて操作コマンドを受信していると判定する場合とは、上記の表示制御装置81側でフラッシュ演出の実行が決定された場合であって、当該フラッシュ演出中に操作コマンドを受信した場合である。ちなみに、上記のように、主制御装置101側で設定された無効期間中においては、第1クレジット投入スイッチ56等が操作されても操作コマンドの出力は行われない。そのため、ステップSg3802にて肯定判定する場合とは、例えば、主制御装置101側で決定した演出よりも長い期間に亘って行われるフラッシュ演出を実行することの決定が表示制御装置81側でなされた場合において、主制御装置101側で設定された無効期間の経過後であって、フラッシュ演出の実行中(終了前)に第1クレジット投入スイッチ56等の操作が行われたことを意味する。
ステップSg3802にて肯定判定した場合、ステップSg3803にてサブフラッシュフラグをクリアする処理を実行する。そして、ステップSg3804にてフラッシュ演出終了処理を実行する。フラッシュ演出終了処理は、上記図580に示すものと同様であり、フラッシュパターンデータをクリアする処理と、フロントライトを点灯状態とする処理を実行する。
つまり、表示制御装置81側で設定されたサブ側フラッシュ演出の実行中であって、無効期間の経過後(無効期間ではない有効期間中)に第1クレジット投入スイッチ56が操作された場合には、当該フラッシュ演出は終了する。このように、特別フラッシュ設定処理によってフラッシュ演出が実行された次のゲームのフラッシュ演出の実行率を高めながらも、当該実行率が高められたフラッシュ演出を遊技者が途中でキャンセルすることが可能とすることで、期待感を持続させる効果と遊技進行の好適化とを両立させることが可能となる。
ステップSg3804にて、フラッシュ演出を途中で終了させる処理を実行した後、ステップSg3805にて、上記の払出音遅延フラグがセットされているか否かを判定する。上記の通り、払出音遅延フラグは、サブフラッシュフラグがセットされているゲームでメダル払出が発生する場合にセットされるフラグである。払出音遅延フラグがセットされている場合、ステップSg3806にて、当該払出音遅延フラグをクリアする処理を実行する。そして、ステップSg3807にて、上記払出枚数記憶エリアに一時記憶されている払出枚数を把握する処理を実行し、ステップSg3808にて、払出枚数に応じたメダル払出効果音が出力されるようにスピーカ64を制御する処理を実行する。この場合、途中でキャンセルされたフラッシュ演出に続いて、メダル払出効果音が出力されるようになる。
ステップSg3805にて払出音遅延フラグがセットされていない場合や、ステップSg3808の処理を実行した後は、ステップSg3809に進む。ステップSg3809では、確定フラッシュフラグがセットされているか否かを判定する。確定フラッシュフラグがセットされている場合、ステップSg3810にて確定フラッシュフラグをクリアする処理を実行し、ステップSg3811にて確定表示部35を消灯状態から点灯状態に切り換える処理を実行してから、フラッシュ中調整用処理を終了する。なお、ステップSg3801、ステップSg3802又はステップSg3809にて否定判定した場合は、そのままフラッシュ中調整用処理を終了する。
<フラッシュ演出が行われる様子>
フラッシュ演出が行われる様子について、図584~図589のタイミングチャートを用いて説明する。
図584及び図585は、前側の主側フラッシュ演出の契機となったゲームの抽選結果が特定役であり、当該特定役を契機とする主側フラッシュ演出の次のゲームの抽選結果が外れ結果であった場合を示している。
図584(a)に示すように、ta1にて開始されta2にて終了される前側のゲームの抽選結果が特定役であって、当該前側のゲームにおいてフラッシュBのフラッシュ演出を実行することの決定がフリーズ抽選処理にてなされた場合、ta1にて実行される通常フラッシュ設定処理(図570)において、当該フラッシュBを実行するための設定処理とともに、特別フラッシュフラグがセットされる。この場合、ta2にて全リール32L,32M,32Rが停止してから1.0sec(第1期間)が経過するta3までの期間が無効期間として設定され、当該ta2からta3までの期間でフラッシュBが主側フラッシュ演出として実行される。
ta4にて、次のゲームが開始される場合、主制御装置101側では表示制御装置81側の特別フラッシュフラグのセットの有無に関わらず、ゲームの抽選結果に応じてフリーズ抽選処理(図565)を実行する。例えば、今回のゲームの抽選結果が外れ結果であり、フラッシュフリーズ抽選処理(ステップSg2303)にてフラッシュAのフラッシュ演出を実行することの決定がなされたとする。今回のゲームの抽選結果が外れ結果であること、及び主制御装置101側にてフラッシュ演出を実行することの決定がなされていることからして、表示制御装置81における第1特別設定処理(図574)では、主制御装置101側の決定を優先し(ステップSg2901:YES)、主制御装置101側にて決定されたフラッシュAをそのまま主側フラッシュ演出として実行する。この場合、当該次ゲームにおける全リール32L,32M,32Rの停止時(ta5)から1.0secが経過するta6までの期間において、フラッシュAのフラッシュ演出が実行される。上記の通り、ta5から実行されるフラッシュAは主側フラッシュ演出であり、ta5からta6までの期間は無効期間として設定される。
一方、図584(b)では、図584(a)と同様に、tb1~tb3の前ゲームで特定役を契機としてフラッシュBを実行した場合において、次ゲーム(tb4)では、フラッシュフリーズ抽選処理(ステップSg2303)にてフラッシュ演出を実行しないことの決定がなされたとする。今回のゲームの抽選結果が外れ結果であること、主制御装置101側にてフラッシュ演出を実行することの決定がなされていないこと、及び前ゲームのフラッシュ演出の種類が低期待度のフラッシュBであったことからして、表示制御装置81における第1特別設定処理(図574)ではサブ側フラッシュ演出の設定を行わず(ステップSg2904:YES)、次ゲームにおいてtb5にて全リール32L,32M,32Rが停止してもフラッシュ演出は実行されない。
図585(a)に示すように、ta11にて開始されta12にて終了される前側のゲームの抽選結果が特定役であって、当該前側のゲームにおいてフラッシュCのフラッシュ演出を実行することの決定がフリーズ抽選処理にてなされた場合、ta11にて実行される通常フラッシュ設定処理(図570)において、当該フラッシュCを実行するための設定処理とともに、特別フラッシュフラグがセットされる。この場合、ta12にて全リール32L,32M,32Rが停止してから1.0sec(第1期間)が経過するta13までの期間が無効期間として設定され、当該ta12からta13までの期間でフラッシュCが主側フラッシュ演出として実行される。
ta14にて、次のゲームが開始される場合、主制御装置101側では表示制御装置81側の特別フラッシュフラグのセットの有無に関わらず、ゲームの抽選結果に応じてフリーズ抽選処理(図565)を実行する。例えば、今回のゲームの抽選結果が外れ結果であり、フラッシュフリーズ抽選処理(ステップSg2303)にてフラッシュ演出を実行しないことの決定がなされたとする。今回のゲームの抽選結果が外れ結果であること、主制御装置101側にてフラッシュ演出を実行することの決定がなされていないこと、及び前ゲームのフラッシュ演出の種類が低期待度のフラッシュBではなく中期待度のフラッシュCであったことからして、表示制御装置81における第1特別設定処理(図574)では、サブ側フラッシュ演出を実行することの設定が行われる(ステップSg2904~ステップSg2907)。この場合、当該次ゲームにおける全リール32L,32M,32Rの停止時(ta15)から1.0secが経過するta16までの期間において、フラッシュAのフラッシュ演出がサブ側フラッシュ演出として実行される。上記の通り、ta15から実行されるフラッシュAはサブ側フラッシュ演出であり、ta15からta16までの期間は無効期間として設定されない。
図585(b)では、図585(a)とは異なり、tb11~tb13の前ゲームで特定役を契機として高期待度のフラッシュFを実行した場合において、次ゲーム(tb14)では、フラッシュフリーズ抽選処理(ステップSg2303)にてフラッシュ演出を実行しないことの決定がなされたとする。今回のゲームの抽選結果が外れ結果であること、主制御装置101側にてフラッシュ演出を実行することの決定がなされていないこと、及び前ゲームのフラッシュ演出の種類が低期待度のフラシュBではなく高期待度のフラッシュFであったことからして、表示制御装置81における第1特別設定処理(図574)では、サブ側フラッシュ演出を実行することの設定が行われる(ステップSg2904~ステップSg2907)。この場合、当該次ゲームにおける全リール32L,32M,32Rの停止時(tb15)から1.0secが経過するtb16までの期間において、フラッシュAのフラッシュ演出がサブ側フラッシュ演出として実行される。上記の通り、tb15から実行されるフラッシュAはサブ側フラッシュ演出であり、tb15からtb16までの期間は無効期間として設定されない。
つまり、前ゲームのフラッシュ演出が低期待度のフラッシュBであった場合であって、次ゲームの抽選結果が外れ結果であった場合は、主制御装置101側のフラッシュ演出用の処理の決定を優先し、フラッシュ演出を実行することの決定がなされた場合には、そのフラッシュ演出をそのまま実行し、フラッシュ演出を実行することの決定がなされなかった場合には、表示制御装置81側でサブ側フラッシュ演出を実行することの決定はなされない。
これに対して、前ゲームのフラッシュ演出が低期待度のフラッシュBではなく、中期待度や高期待度のフラッシュ演出であった場合であって、次ゲームの抽選結果が外れ結果であった場合には、主制御装置101側のフラッシュ演出用の処理の結果に関わらず、フラッシュAが実行されるように設定されている。具体的には、主制御装置101側で外れ結果に基づくフラッシュAを実行することの決定がなされた場合には、それをそのまま主側フラッシュ演出として実行し、主制御装置101側でフラッシュ演出を実行することの決定がなされなかった場合には、表示制御装置81側でフラッシュAをサブ側フラッシュ演出として実行することの決定がなされる。
このようにすることで、前ゲームのフラッシュ演出が低期待度のフラッシュ演出ではなかった場合に、次ゲームの抽選結果がフラッシュ演出の発生しにくい外れ結果であったとしても、当該次ゲームにてフラッシュ演出の発生率を高めることができ、前ゲームで実行されたフラッシュ演出からBB当選していたのではという期待感を、次ゲームまで持続させることが可能となる。
ちなみに、上記の通りフラッシュAは、外れ結果に対応するフラッシュ演出であり、当該フラッシュAが実行されることにより、いずれのBBにも当選していないことを遊技者は把握可能となるものの、当該フラッシュAは、BB当選に期待が持てるフラッシュFやフラッシュGの前半部分とフラッシュパターンが共通している。つまり、フラッシュAが実行された場合、遊技者は、フラッシュFやフラッシュGへ発展することに期待を寄せながら当該フラッシュAを見守るものと考えられ、当該フラッシュAが外れ結果に対応するものであっても、注目度を高める効果は十分に期待できるようになっている。
また、第1特別設定処理は、今回のゲームの抽選結果が外れ結果ではなく、通常リプA~Cであっても実行される。本実施形態では、通常リプA~Cであった場合は、主制御装置101側で必ずフラッシュ演出を実行することの決定がなされるように設定されている。そのため、通常リプA~Cを契機として第1特別設定処理が実行される場合には、ステップSg2901にて肯定判定し、主制御装置101側で決定されたフラッシュ演出がそのまま主側フラッシュ演出として実行されるようになる。このようにすることで、今回のゲームの抽選結果が通常リプA~Cであるのにも関わらず、当該通常リプA~Cに対応しない非対応フラッシュ演出としてのフラッシュAが実行されてしまうことを回避することが可能となり、今回のゲームにおけるフラッシュ演出の実行率を高めながらも、遊技者の混乱を招かないようにすることができる。
図586~図588は、前側の主側フラッシュ演出の契機となったゲームの抽選結果が特定役であり、当該特定役を契機とする主側フラッシュ演出の次のゲームの抽選結果も特定役であった場合を示している。
図586(a)に示すように、ta21にて開始されta22にて終了される前側のゲームの抽選結果が特定役であって、当該前側のゲームにおいてフラッシュBのフラッシュ演出を実行することの決定がフリーズ抽選処理にてなされた場合、ta21にて実行される通常フラッシュ設定処理(図570)において、当該フラッシュBを実行するための設定処理とともに、特別フラッシュフラグがセットされる。この場合、ta22にて全リール32L,32M,32Rが停止してから1.0sec(第1期間)が経過するta23までの期間が無効期間として設定され、当該ta22からta23までの期間でフラッシュBが主側フラッシュ演出として実行される。
ta24にて、次のゲームが開始される場合、主制御装置101側では表示制御装置81側の特別フラッシュフラグのセットの有無に関わらず、ゲームの抽選結果に応じてフリーズ抽選処理(図565)を実行する。例えば、今回のゲームの抽選結果が特定役であり、フラッシュフリーズ抽選処理(ステップSg2303)にてフラッシュEのフラッシュ演出を実行することの決定がなされたとする。今回のゲームの抽選結果が特定役であること、及び前ゲームのフラッシュ演出が低期待度のフラッシュBであることからして、表示制御装置81における第2特別設定処理(図575)では、主制御装置101側の決定を優先し(ステップSg3001:YES)、主制御装置101側にて決定されたフラッシュEをそのまま主側フラッシュ演出として実行する。この場合、当該次ゲームにおける全リール32L,32M,32Rの停止時(ta25)から1.0secが経過するta26までの期間において、フラッシュEのフラッシュ演出が実行される。上記の通り、ta25から実行されるフラッシュEは主側フラッシュ演出であり、ta25からta26までの期間は無効期間として設定される。
一方、図586(b)では、図586(a)と同様に、tb21~tb23の前ゲームで特定役を契機としてフラッシュBを実行した場合において、次ゲーム(tb24)では、フラッシュフリーズ抽選処理(ステップSg2303)にてフラッシュ演出を実行しないことの決定がなされたとする。今回のゲームの抽選結果が特定役であること、及び前ゲームのフラッシュ演出が低期待度のフラッシュBであることからして、表示制御装置81における第2特別設定処理(図575)では、主制御装置101側の決定を優先してサブ側フラッシュ演出の設定を行わず(ステップSg3002:NO)、次ゲームにおいてtb25にて全リール32L,32M,32Rが停止してもフラッシュ演出は実行されない。
図587(a)に示すように、ta31にて開始されta32にて終了される前側のゲームの抽選結果が特定役であって、当該前側のゲームにおいて中期待度のフラッシュCのフラッシュ演出を実行することの決定がフリーズ抽選処理にてなされた場合、ta31にて実行される通常フラッシュ設定処理(図570)において、当該フラッシュCを実行するための設定処理とともに、特別フラッシュフラグがセットされる。この場合、ta32にて全リール32L,32M,32Rが停止してから1.0sec(第1期間)が経過するta33までの期間が無効期間として設定され、当該ta32からta33までの期間でフラッシュCが主側フラッシュ演出として実行される。
ta34にて、次のゲームが開始される場合、主制御装置101側では表示制御装置81側の特別フラッシュフラグのセットの有無に関わらず、ゲームの抽選結果に応じてフリーズ抽選処理(図565)を実行する。例えば、今回のゲームの抽選結果が特定役であり、フラッシュフリーズ抽選処理(ステップSg2303)にて中期待度のフラッシュEのフラッシュ演出を実行することの決定がなされたとする。今回のゲームの抽選結果が特定役であること、前ゲームのフラッシュ演出が低期待度のフラッシュBや高期待度のフラッシュF,Gではなく中期待度のフラッシュEであること、及び今回のゲームの主制御装置101側の決定が低期待度のフラッシュBを実行することやフラッシュ演出を実行しないことの決定ではなかったことからして、表示制御装置81における第2特別設定処理(図575)では、主制御装置101側の決定を優先し(ステップSg3006:YES)、主制御装置101側にて決定されたフラッシュEをそのまま主側フラッシュ演出として実行する。この場合、当該次ゲームにおける全リール32L,32M,32Rの停止時(ta35)から1.0secが経過するta36までの期間において、フラッシュEのフラッシュ演出が実行される。上記の通り、ta35から実行されるフラッシュEは主側フラッシュ演出であり、ta35からta36までの期間は無効期間として設定される。
図587(b)では、図587(a)とは異なり、tb31~tb33の前ゲームで特定役を契機として中期待度のフラッシュCを実行した場合において、次ゲーム(tb34)では、フラッシュフリーズ抽選処理(ステップSg2303)にてフラッシュ演出を実行しないことの決定がなされたとする。今回のゲームの抽選結果が特定役であること、主制御装置101側にてフラッシュ演出を実行することの決定がなされていないこと、前ゲームのフラッシュ演出が低期待度のフラッシュBや高期待度のフラッシュF,Gではなく中期待度のフラッシュEであること、及び今回のゲームの主制御装置101側の決定が低期待度のフラッシュBを実行することの決定がなされたことからして、表示制御装置81における第2特別設定処理(図575)では、サブ側フラッシュ演出を実行することの設定が行われる(ステップSg3009~ステップSg3011)。この場合、当該次ゲームにおける全リール32L,32M,32Rの停止時(tb35)から1.0secが経過するtb36までの期間において、フラッシュCのフラッシュ演出がサブ側フラッシュ演出として実行される。上記の通り、tb35から実行されるフラッシュCはサブ側フラッシュ演出であるものの、主制御装置101側でフラッシュBを実行することの決定がなされていたことからして、当該tb35からtb36までの期間は無効期間として設定される。つまり、この場合、フラッシュ演出の実行期間は主制御装置101にて決定され、フラッシュ演出の種類は表示制御装置81側で決定されたことになる。
図588(a)に示すように、ta41にて開始されta42にて終了される前側のゲームの抽選結果が特定役であって、当該前側のゲームにおいて高期待度のフラッシュFのフラッシュ演出を実行することの決定がフリーズ抽選処理にてなされた場合、ta41にて実行される通常フラッシュ設定処理(図570)において、当該フラッシュFを実行するための設定処理とともに、特別フラッシュフラグがセットされる。この場合、ta42にて全リール32L,32M,32Rが停止してから2.0sec(第2期間)が経過するta43までの期間が無効期間として設定され、当該ta42からta43までの期間でフラッシュFが主側フラッシュ演出として実行される。
ta44にて、次のゲームが開始される場合、主制御装置101側では表示制御装置81側の特別フラッシュフラグのセットの有無に関わらず、ゲームの抽選結果に応じてフリーズ抽選処理(図565)を実行する。例えば、今回のゲームの抽選結果が特定役であり、フラッシュフリーズ抽選処理(ステップSg2303)にてフラッシュFのフラッシュ演出を実行することの決定がなされたとする。今回のゲームの抽選結果が特定役であること、前ゲームのフラッシュ演出が高期待度のフラッシュFであること、及び今回のゲームの主制御装置101側の決定が高期待度のフラッシュFを実行することの決定がなされたことからして、表示制御装置81における第2特別設定処理(図575)では、主制御装置101側の決定を優先し(ステップSg3012:YES)、主制御装置101側にて決定されたフラッシュFをそのまま主側フラッシュ演出として実行する。この場合、当該次ゲームにおける全リール32L,32M,32Rの停止時(ta45)から2.0secが経過するta46までの期間において、フラッシュFのフラッシュ演出が実行される。上記の通り、ta45から実行されるフラッシュFは主側フラッシュ演出であり、ta45からta46までの期間は無効期間として設定される。
図588(b)では、図588(a)とは異なり、tb41~tb43の前ゲームで特定役を契機として高期待度のフラッシュFを実行した場合において、次ゲーム(tb44)では、フラッシュフリーズ抽選処理(ステップSg2303)にて中期待度のフラッシュCのフラッシュ演出を実行することの決定がなされたとする。今回のゲームの抽選結果が特定役であること、前ゲームのフラッシュ演出が高期待度のフラッシュFであること、及び今回のゲームの主制御装置101側の決定が中期待度のフラッシュCを実行することの決定がなされたことからして、表示制御装置81における第2特別設定処理(図575)では、サブ側フラッシュ演出を実行することの設定が行われる(ステップSg3015~ステップSg3017)。この場合、当該次ゲームにおける全リール32L,32M,32Rの停止時(tb45)から2.0secが経過するtb47までの期間において、フラッシュFのフラッシュ演出がサブ側フラッシュ演出として実行される。但し、上記の通り、主制御装置101側では、1.0secのフラッシュCを実行することの決定がなされており、tb45から1.0secが経過するtb46までの期間は無効期間として設定され、当該tb46からtb47までの期間は無効期間として設定されない。
つまり、前ゲームのフラッシュ演出が低期待度のフラッシュBであった場合であって、次ゲームの抽選結果が特定役であった場合は、主制御装置101側のフラッシュ演出用の処理の決定を優先し、フラッシュ演出を実行することの決定がなされた場合には、そのフラッシュ演出をそのまま実行し、フラッシュ演出を実行することの決定がなされなかった場合には、表示制御装置81側でサブ側フラッシュ演出を実行することの決定はなされない。
これに対して、前ゲームのフラッシュ演出が低期待度のフラッシュBではなく、中期待度のフラッシュ演出であった場合であって、次ゲームの抽選結果が特定役であった場合には、主制御装置101側のフラッシュ演出用の処理の結果に関わらず、中期待度以上のフラッシュ演出が実行されるように設定されている。具体的には、主制御装置101側で特定役に基づく中期待度のフラッシュ演出を実行することの決定がなされた場合には、それをそのまま主側フラッシュ演出として実行し、主制御装置101側でフラッシュ演出を実行することの決定がなされなかった場合やフラッシュ演出を実行することの決定がなされた場合であっても低期待度のフラッシュ演出であった場合には、表示制御装置81側で中期待度のフラッシュCをサブ側フラッシュ演出として実行することの決定がなされる。
また、前ゲームのフラッシュ演出が低期待度や中期待度のフラッシュ演出ではなく高期待度のフラッシュ演出であった場合であって、次ゲームの抽選結果が特定役であった場合には、主制御装置101側のフラッシュ演出用の処理の結果に関わらず、高期待度のフラッシュ演出が実行されるように設定されている。具体的には、主制御装置101側で特定役に基づく高期待度のフラッシュ演出を実行することの決定がなされた場合には、それをそのまま主側フラッシュ演出として実行し、主制御装置101側でフラッシュ演出を実行することの決定がなされなかった場合やフラッシュ演出を実行することの決定がなされた場合であっても低期待度や中期待度のフラッシュ演出であった場合には、表示制御装置81側で高期待度のフラッシュFをサブ側フラッシュ演出として実行することの決定がなされる。
このようにすることで、前ゲームのフラッシュ演出が中期待度以上のフラッシュ演出であった場合において、次ゲームの抽選結果がフラッシュ演出の発生し易い特定役であった場合、当該次ゲームにて発生するフラッシュ演出が、前ゲームのフラッシュ演出の期待度よりも低くなることが制限される。よって、フラッシュ演出を連続させることによりBB当選への期待感を高めながら、後側のゲームのフラッシュ演出によってBB当選への期待感が低下してしまうこと回避させ、期待感を好適に維持することができる。
特に、BB当選後の持ち越し状態においては、同じ特定役であっても期待度の高いフラッシュ演出が選択される確率がBB当選前よりも高くなることからして、後側のゲームのフラッシュ演出の期待度が前ゲームのフラッシュ演出の期待度よりも低くなることを制限することにより、前ゲームにてBB当選していたこと、つまり後側のゲームはBB当選後の持ち越し状態であると思わせる効果が期待できるようになり、BB当選への期待感を好適に高めることが可能となる。
また、後側のゲームの抽選結果が特定役であることからして、仮に前側のゲームでBB当選していなくても、当該後側のゲームにてBB当選している可能性も残存しているところ、当該後側のゲームのフラッシュ演出をBB当選に期待できるフラッシュ演出とすることで、当該後側のゲームの更に次のゲームにまでBB当選への期待感を持続させることも可能となる。
特に本実施形態では、抽選処理(図522)における優先設定処理(ステップSg313)にて、各BB当選フラグと小役当選フラグや再遊技当選フラグとが重複してセットされている場合、BB入賞よりも小役入賞や再遊技入賞が優先して成立するように設定される。そのため、上記のように特定役が連続した場合において、後側のゲームでBB入賞を成立させるようにストップスイッチ42~44を操作したのにも関わらず小役入賞が成立したとしても、それが上記の優先制御によってBB入賞が成立しなかったと遊技者は判断する可能性が高い。このような点からしても、当該後側のゲームの次ゲームにまで期待感を持続させる効果が高められている。
更に、本実施形態では、後側のゲームでBB当選している場合において、上記のように後側のゲームでフラッシュ演出の期待度の低下が制限されるようにしながらも、後側のゲームにて非対応フラッシュ演出が選択されている場合には、当該フラッシュ演出の終了後、確定表示部35を点灯状態とさせるようにしている(第3特別設定処理)。つまり、特定役が連続した場合において後側のゲームのフラッシュ演出は前側のゲームよりも期待度が低下しないようにしながら、後側のゲームのフラッシュ演出が当該後側のゲームの抽選結果に対応しないフラッシュ演出であれば、いずれかのBBに当選していることが判別可能とされる。このようにすることで、後側のゲームや更にその後のゲームにまでBB当選への期待感を持続させながら、フラッシュ演出の種類への注目度を好適に高めることが可能となる。
また、本実施形態では、前側のゲームでBB当選している場合には、後側のゲームでは持ち越し状態用のフラッシュ演出の設定が行われる。この場合、当該後側のゲームで非対応フラッシュ演出が選択される確率は、当該後側のゲームがBBに当選したゲームの場合よりも高くなる。そのため、後側のゲームで非対応フラッシュ演出が実行された場合、それが前側のゲームでBB当選したことを契機とする可能性も高くなり、前側ゲームからの注目度を後側のゲームに持続させる効果を好適に期待できるようになっている。
特に、本実施形態では、BB当選ゲームにおいて、通常フラッシュ設定処理では非対応フラッシュ演出が実行された場合であっても確定表示部35による確定報知を実行しないように設定されている。つまり、BB当選ゲームで非対応フラッシュ演出が選択された場合に確定報知が実行される場合とは、前ゲームでフラッシュ演出が発生していることが一の条件となるように設定されている。このようにすることで、後側のゲームで非対応フラッシュ演出が行われた場合に、前側ゲームでBB当選していたと遊技者に判断させ易くすることが可能となり、前側ゲームからの注目度を後側のゲームに持続させる効果を更に好適に期待できるようになっている。
また、前側のゲームでBB当選している場合、後側のゲームのフラッシュ演出の期待度が前側のゲームよりも低下することが許容されている。このようにすることで、基本的には前後のゲームでフラッシュ演出の期待度の低下が生じないようにしてBB当選に期待させながら、その期待度の低下が生じた場合にもBB当選に期待させることができ、フラッシュ演出の種類への注目度を好適に高めることができる。
ここで、各ゲームの抽選結果がいずれかの小役当選であり、当該当選している小役入賞が成立すると、対応する枚数のメダルの払い出しが行われるところ、当該メダルの払い出し処理は、無効期間の経過後に実行される。但し、上記のように本実施形態では、主制御装置101側ではなく表示制御装置81側でもフラッシュ演出を実行することの決定が行えるようにしており、主制御装置101側でフラッシュ演出を実行することの決定がなされた場合には、その実行期間として無効期間が設定される一方、表示制御装置81側では無効期間の設定を行わないため、表示制御装置81側で設定したフラッシュ演出を実行する場合には、フラッシュ演出の実行中に無効期間が経過したり、フラッシュ演出を実行しているのにもかかわらず、無効期間が設定されていない場合が生じ得る。
そうすると、フラッシュ演出の実行中にメダルの払い出しが実行されることとなり、それを遊技者が把握してしまうと、せっかくフラッシュ演出の実行率を高めるうえで、主制御装置101側だけではなく表示制御装置81側でもフラッシュ演出の実行決定を行えるようにしたのにもかかわらず、それが単なる演出上のものであってBB当選等に期待できないものであると興ざめさせてしまう可能性がある。その一方で、サブ側フラッシュ演出を実行した後で、実際にメダル払い出しを行うような構成とするためには、表示制御装置81側で決定した情報を主制御装置101側に出力する必要が生じるところ、当該主制御装置101側に情報入力が可能な構成としてしまうと不正対策上好ましくない。
そこで、本実施形態では、表示制御装置81側で決定したフラッシュ演出を実行する場合には、実際のメダル払い出しについては先に行うものの、メダル払出用の払出効果音の出力は、サブ側フラッシュ演出が終了してから実行するようにしている。
例えば、図589(a)に示すように、ta51にて各リール32L,32M,32Rの回転が開始されta52にて回転が停止した場合において、主側フラッシュ演出が実行される場合には、当該ta52からta53までが当該フラッシュ演出の実行期間として無効期間の設定が行われる。この場合において、当該ta52にて小役入賞が成立している場合、そのメダルの払い出しは無効期間が経過するta53から開始される(ta54にて終了する)。そして、当該メダルの払い出しに合わせて、払出効果音の出力がta53からta54まで実行される(ステップSg3706)。
これに対して、図589(b)に示すように、tb51にて各リール32L,32M,32Rの回転が開始されtb52にて回転が停止した場合において、サブ側フラッシュ演出が実行される場合であって、例えば、当該tb52からtb53までが主制御装置101側で設定された無効期間であって、tb52からtb55までがサブ側フラッシュ演出の実行期間であるように、主制御装置101側にて設定された無効期間よりも長い期間に亘ってフラッシュ演出が実行されるとする。この場合、実際のメダルの払い出しは無効期間が終了するtb53から開始されtb54にて終了するものの、払出効果音の出力は、サブ側フラッシュ演出の終了するtb55から開始され、tb56にて終了するように設定される(ステップSg3603~ステップSg3606)。
このようにすることで、サブ側フラッシュ演出を利用してBB当選への期待度を高めながらも、それが単なる演出上のものであるとして興ざめさせてしまうことを好適に回避させることが可能となる。
更に、上記のようにサブ側フラッシュ演出の実行中は無効期間に設定されていない場合もあるところ、本実施形態では、当該サブ側フラッシュ演出の実行中に遊技進行用の操作が行われた場合には、当該サブ側フラッシュ演出を途中で終了させるようにしている。このようにすることで、サブ側フラッシュ演出を用いて各ゲームの注目度を好適に高めながらも、スムーズな遊技進行を望む遊技者に対しては、それを可能とさせることも可能となる。
この場合、図589(c)に示すように、tc51にて各リール32L,32M,32Rの回転が開始されtc52にて回転が停止した場合において、サブ側フラッシュ演出が実行される場合であって、例えば、当該tc52からtc54までが主制御装置101側で設定された無効期間であって、tc52からtc58までがサブ側フラッシュ演出の実行期間であるように、主制御装置101側にて設定された無効期間よりも長い期間に亘ってフラッシュ演出が実行されるとする。この場合、上記のように、実際のメダルの払い出しは無効期間が終了するtc54から開始されtc55にて終了する。そして、無効期間が経過した後であるtc56にて、例えば第1クレジット投入スイッチ56の操作が行われた場合、tc58までを予定していたサブ側フラッシュ演出は、当該tc56にて終了し、当該終了とともに払出効果音の出力が行われる(tc57まで、ステップSg3805~ステップSg3808)。これに対して、無効期間中であるtc53に例えば第1クレジット投入スイッチ56の操作が行われた場合であっても、当該操作は無効とされてベットも行われないし、サブ側フラッシュ演出も終了されない。
このようにすることで、無効期間の設定されないサブ側フラッシュ演出による演出効果を期待しながら、遊技進行の好適化を図ることが可能となる。
<ベット操作に基づく演出について>
次に、上記のように無効期間の設定されないサブ側フラッシュ演出中にベット操作が行われた場合のベット演出について、より詳細に説明する。
<BET用処理>
先ず、主制御装置101側のBET用処理について、図590のフローチャートを参照しながら説明する。BET用処理は、通常処理(図521)におけるステップSg204にて実施される処理である。
ステップSg3901では、ゲームの開始に際して、受入可能状態表示部76cを消灯状態から点灯状態に切り換える処理を実行する。受入可能状態表示部76cを点灯状態とすることによって、遊技者は、ベット操作が可能な状態となったことを把握することが可能となる。続くステップSg3902では、受入可能コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行する。受入可能コマンドは、上記のように受入可能状態表示部76cを点灯状態としてベット操作が可能な状況となったことを表示制御装置81へ把握させるためのコマンドである。
続くステップSg3903では、前回のゲームの遊技結果がいずれかの再遊技入賞であったか否かを判定する。いずれかの再遊技入賞であった場合、ステップSg3904にて、再遊技状態表示部76aを消灯状態から点灯状態に切り換える処理を実行する。再遊技状態表示部76aを点灯状態とすることによって、遊技者は、今回のゲームが前ゲームの再遊技入賞によって実行されるゲームであることを把握することが可能となる。
続くステップSg3905では、前ゲームの抽選結果が通常リプA~Cや重複リプ1,2のいずれかであったか否かを判定する。これらの結果の場合、主に第1再遊技入賞が成立しており、この場合、ステップSg3906にて通常再遊技コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットするとともに、ステップSg3907にて通常再遊技用再BET処理を実行する。通常再遊技コマンドは、前回のゲームで通常リプA~Cや重複リプ1,2のいずれかの結果に基づく再遊技入賞が成立したことを表示制御装置81へ把握させるためのコマンドであり、ステップSg3907の通常再遊技用再BET処理は、再遊技入賞に基づき仮想メダルを自動投入するための処理である。
すなわち、通常再遊技用再BET処理では、各種カウンタエリア106eに設けられ、ベット数を示すカウンタとしてのBETカウンタを前回のベット数に対応する値となるように1ずつ加算する処理を行う。この場合、BETカウンタの値が増加することに対応させて、BET表示部75を点灯状態(又は点滅状態)とする処理を実行する。具体的には、前回のゲームのベット数が3であれば、BETカウンタを1加算するとともに第1BET表示部75aを点灯状態とし、所定期間(例えば0.5sec)の経過後、更にBETカウンタを1加算するとともに第2BET表示部75bを点灯状態とし、所定期間(例えば0.5sec)の経過後、更にBETカウンタを1加算するとともに第3BET表示部75cを点灯状態とする処理を実行する。これにより、前回のゲームのベット数と同数のベットが行われた状態となる。
ステップSg3905にて否定判定した場合、すなわち、チェリーA~Cやチャンス目A~C、チェリー重複1,2、チャンス目重複1,2を契機とする再遊技入賞であった場合、ステップSg3908に進み、特定再遊技コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットするとともに、ステップSg3909にて特定再遊技用再BET処理を実行する。特定再遊技コマンドは、前回のゲームでチェリーA~Cやチャンス目A~C、チェリー重複1,2、チャンス目重複1,2のいずれかの結果に基づく再遊技入賞が成立したことを表示制御装置81へ把握させるためのコマンドであり、ステップSg3909の特定再遊技用再BET処理は、これらの結果を契機とする再遊技入賞に基づき仮想メダルを自動投入するための処理である。
すなわち、特定再遊技用再BET処理では、上記通常再遊技用再BET処理と同様に、BETカウンタを前回のベット数に対応する値となるように1ずつ加算する処理を行う。この場合、通常再遊技用再BET処理では、所定期間が経過する度にBETカウンタを1ずつ加算するようにしていたが、本実施形態における特定再遊技用再BET処理では、前回のゲームのベット数と同数の値を一度にBETカウンタに入力するようにしている。つまり、特定再遊技用再BET処理の方が、通常再遊技用再BET処理よりもベットを行う処理が早期に完了するようになっている。なお、特定再遊技用再BET処理の方が通常再遊技用再BET処理よりも早期にベットが完了すればよく、例えば、特定再遊技用再BET処理でも、所定期間が経過する度にBETカウンタを1ずつ加算するようにするものの、当該所定期間が通常再遊技用再BET処理のものの方が特定再遊技用再BET処理のものよりも長くなるように設定してもよい。
ステップSg3903にて否定判定した場合、又はステップSg3907若しくはステップSg3909の処理を実行した後は、ステップSg3910に進む。ステップSg3910~ステップSg3921の処理は、メダル投入口45からのメダル投入や、各クレジット投入スイッチ56,57の操作によってベットやクレジットの設定を行うための処理である。
すなわち、ステップSg3910では、各種カウンタエリア106eに設けられたクレジットカウンタの値が上限値(50)であるか否かを判定する。クレジットカウンタは、クレジット表示部60に表示されるクレジットに対応するものであり、CPU102が有する仮想遊技媒体記憶手段に相当する。クレジットカウンタが上限値に達していなければ、ステップSg3911にてメダル通路切替ソレノイド46aを励磁状態として、メダル投入口45から投入されたメダルが貯留用通路47側に導かれるようにする。一方、クレジットカウンタが上限値である場合、ステップSg3912にてメダル通路切替ソレノイド46aを非励磁状態として、メダル投入口45から投入されたメダルが排出用通路48側に導かれるようにする。
ステップSg3911又はステップSg3912の処理を実行した後は、ステップSg3913に進む。ステップSg3913~ステップSg3921の処理は、メダル投入口45からのメダル投入、第1クレジット投入スイッチ56の操作、第2クレジット投入スイッチ57の操作、といった賭数操作が行われた場合の処理である。
すなわち、ステップSg3913では、メダル投入口45からメダルが投入されたか否かを判定する。本実施形態では、メダルが投入されたことはメダル投入口45から投入されたメダルが通過する通路において上記のメダル通路切替ソレノイド46aが設けられたセレクタ46よりも上流側(メダル投入口45側)に、投入メダル検出センサ45aが設けられており、CPU102は、当該投入メダル検出センサ45aの検出結果に基づいて、メダルが投入されたことを判定することが可能である。メダルが投入された場合には、ステップSg3914にて投入操作対応処理を実行し、ステップSg3915にて投入操作コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行する。投入操作コマンドは、メダルが投入されたことを表示制御装置81へ把握させるためのコマンドである。
投入操作対応処理では、BETカウンタが規定枚数に達しているか否かを判定し、期待枚数に達していない場合には、今回のメダル投入に基づきBETカウンタを1加算する処理を実行するとともに、投入BETコマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行する。投入BETコマンドは、今回のメダル投入によってベットの設定が行われたことを表示制御装置81へ把握させるためのコマンドである。一方、BETカウンタが規定枚数に達している場合には、各種カウンタエリア106eに設けられたクレジットカウンタが50以下であれば、当該クレジットカウンタを1加算する処理を実行するとともに、投入増加コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行する。クレジットカウンタが50である状況でメダル投入が行われた場合には、上記のように排出用通路48側から排出される。
ステップSg3913にてメダル投入口45からメダル投入がなされていないと判定した場合、ステップSg3916に進む。ステップSg3916では、第2クレジット投入スイッチ57による1枚のベット操作されたか否かを判定する。第2クレジット投入スイッチ57によるベット操作が行われた場合には、ステップSg3917にて1BET操作対応処理を実行し、ステップSg3918にて1BET操作コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行する。1BET操作コマンドは、1枚のベット操作が行われたことを表示制御装置81へ把握させるためのコマンドである。
1BET操作対応処理では、クレジットカウンタが1以上であって、仮想メダルが1枚以上記憶されている場合には、当該クレジットカウンタを1減算するとともに、BETカウンタが特定枚数に達していなければ当該BETカウンタに1を加算する処理を実行し、BETカウンタが特定枚数に達している場合にはBETカウンタに1を入力するとともに、特定枚数に対応する値をクレジットカウンタに加算する処理を実行する。つまり、特定枚数のベットが行われている状況で第2クレジット投入スイッチ57を操作することで、1枚のベットがなされた状態に復帰させることが可能となっている。1BET操作対応処理において、クレジットカウンタが0である場合には、そのまま本1BET操作対応処理を終了する。
ステップSg3916にて第2クレジット投入スイッチ57の操作がなされていないと判定した場合には、ステップSg3919に進む。ステップSg3919では、第1クレジット投入スイッチ56による特定枚数のベット操作が行われたか否かを判定する。第1クレジット投入スイッチ56によるベット操作が行われた場合、ステップSg3920にてMAXBET操作対応処理を実行し、ステップSg3921にてMAXMET操作コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行する。MAXBET操作コマンドは、特定枚数のベット操作が行われたことを表示制御装置81へ把握させるためのコマンドである。
MAXBET対応処理では、BETカウンタと特定枚数との差分を把握したうえで、クレジットカウンタが当該差分以上であって、仮想メダルが差分以上記憶されている場合には、当該クレジットカウンタを差分だけ減算するとともに、当該差分をBETカウンタに加算する処理を実行する。クレジットカウンタが当該差分未満である場合や、既にBETカウンタに特定枚数に対応する値が入力されている場合には、そのままMAXBET操作対応処理を終了する。
ステップSg3915、ステップSg3918及びステップSg3921のいずれかの処理を実行した後、又はステップSg3919にて否定判定した場合、ステップSg3922に進み、BETカウンタが特定枚数となっているか否かを判定する。特定枚数ではない場合には、ステップSg3910に戻り、特定枚数である場合には、ステップSg3923にて開始可能状態表示部76bを消灯状態から点灯状態に切り換える処理を実行してから、本BET用処理を終了する。開始可能状態表示部76bが点灯状態に切り換えられることによって、遊技者は、スタートレバー41を操作して各リール32L,32M,32Rの回転を開始させることが可能な状態となったことを把握することが可能となる。
<ベット時演出設定処理>
次に、表示制御装置81側のベット時演出処理について、図591のフローチャートを参照しながら説明する。既に説明した通り、ベット時演出設定処理は周期的に起動される演出設定処理(図552)において、ステップSg2004にて実行される処理である。
ステップSg4001では、受入可能コマンドを受信しているか否かを判定する。上記の通り、受入可能コマンドはBET用処理におけるステップSg3902にて出力設定されるコマンドであり、ベット操作が可能な受入可能状態となったことを示すコマンドである。言い換えると、例えば、フラッシュ演出を実行する場合に主制御装置101側で無効期間が設定される場合、当該無効期間が経過した際に出力されるコマンドである。
受入可能コマンドを受信している場合、ステップSg4002にて、いずれかの再遊技コマンドを受信しているか否かを判定する。上記のように、再遊技入賞が成立した次ゲームでは通常再遊技コマンドや特定再遊技コマンドが出力され(ステップSg3906、ステップSg3908)、ステップSg4002の処理は再遊技入賞が成立した次ゲームにおいて、受入可能状態となったか否かを判定する処理である。いずれの再遊技コマンドも受信していない場合には、ステップSg4003に進み、各種カウンタエリア183bに設けられたサブ側クレジットカウンタが1以上であるか否かを判定する。サブ側クレジットカウンタは、主制御装置101側のクレジットカウンタに対応するものである。
サブ側クレジットカウンタが1以上であり、クレジットがある場合には、ステップSg4004に進み、各種フラグ格納エリア183aにサブフラッシュフラグがセットされているか否かを判定する。サブフラッシュフラグがセットされていない場合には、ステップSg4005に進み、第1クレジットランプ56bを点灯状態とすることにより、第1クレジット投入スイッチ56の操作が有効となったことを報知する。一方、サブフラッシュフラグがセットされている場合には、第1クレジットランプ56bを点灯状態とする処理を行わない。
ここで、ステップSg4004にてサブフラッシュフラグがセットされている場合とは、主制御装置101側でフラッシュ演出を実行することの決定がなされなかったゲームの次ゲームにおいて受入可能状態となった場合や、主制御装置101側でフラッシュ演出を実行することの決定がなされ、無効期間の設定も行ったものの、表示制御装置81側でその無効期間よりも長いフラッシュ演出を実行することの決定がなされた場合において、その無効期間が経過して、次ゲームの受入可能状態となった場合である。この場合、上記のように第1クレジット投入スイッチ56の操作が有効となった旨の報知をこの時点では行わないようにしていることから、せっかく表示制御装置81側でフラッシュ演出の実行機会を増やしたり期待度の高いフラッシュ演出に変更することにより、BB当選への期待感等を持続させようとしているのにもかかわらず、第1クレジット投入スイッチ56の操作が有効となった旨の報知がフラッシュ演出の実行中に行われてしまうことによって、そのフラッシュ演出が単なる演出上のものであるとして把握されてしまい、遊技者を興覚めさせてしまうことを回避することが可能となる。
ステップSg4003にてクレジットがない場合や、ステップSg4004にてサブフラッシュフラグがセットされている場合、又はステップSg4005の点灯処理を実行した後は、ステップSg4006に進む。ステップSg4006では、メダル投入コマンドやいずれかのBET操作コマンドを受信したか否かを判定する。いずれかのコマンドを受信している場合、ステップSg4007にて、受信しているコマンドが、メダル投入コマンド又は1BET操作コマンドであるか否かを判定する。これらのコマンドである場合、ステップSg4008にて単ベット演出設定処理を実行する。一方、受信しているコマンドがMAXBET操作コマンドである場合、ステップSg4009にて連ベット演出設定処理を実行する。また、ステップSg4002にていずれかの再遊技コマンドを受信している場合には、ステップSg4010にて再遊技状態用ベット演出設定処理を実行する。ステップSg4001にて受入可能コマンドを受信していないと判定した場合や、ステップSg4006にていずれのコマンドも受信していないと判定した場合、又はステップSg4008~ステップSg4010のいずれかの処理を実行した後は、ステップSg4011にてその他のベット時演出設定処理を実行してから、本ベット時演出設定処理を終了する。ステップSg4011では、例えば、AT当選報知演出等が当該ゲームのベット操作に基づいて実行されるように設定されている場合にはその演出が補助表示部65やスピーカ64にて実行されるようにしたり、連続演出等においてベット操作に基づいて演出が発展する場合に、かかる発展用の演出を実行するための処理等を行う。
<単ベット演出設定処理>
単ベット演出設定処理は、再遊技状態以外の状態において、メダル投入口45からメダルが投入されたり、第2クレジット投入スイッチ57が操作された場合に実施される処理である。単ベット演出設定処理では、これらのベット操作に基づいてベット表示部34側での演出を行うための処理を実行する。
単ベット演出設定処理では、図592のフローチャートに示すように、先ず、ステップSg4101にて、メダル払出効果音の出力中か否かを判定する。
メダル投入や第2クレジット投入スイッチ57の操作に基づきベット演出設定処理が実行されるタイミングにおいて払出効果音の出力中である場合とは、上記のように、サブ側フラッシュ演出を実行することにより、実際のメダルの払い出しタイミングよりも後にメダル払出効果音が出力される場合である。より詳しくは、サブ側フラッシュ演出が終了し、疑似的にメダル払出効果音が出力されているタイミングでメダル投入や第2クレジット投入スイッチ57が操作された場合や、サブ側フラッシュ演出の実行中にメダル投入や第2クレジット投入スイッチ57が操作され、実行中のサブ側フラッシュ演出が強制終了されるとともに疑似的なメダル払出効果音が出力される場合である。これに対して、実際のメダル払い出しタイミングにてメダル払出効果音が出力される場合には、当該メダル払い出しの契機となったゲームの次ゲームに至っておらず、受入可能状態とはなっていないため、メダル投入や第2クレジット投入スイッチ57の操作に基づくコマンド出力は行われない。
本実施形態では、ステップSg4101にて払出効果音の出力中であると判定した場合、当該払出効果音が終了するまで待機する。払出効果音が出力されていない場合や、出力されていても当該払出効果音の出力が終了することによりステップSg4101にて否定判定し、ステップSg4102に進む。
ステップSg4102では、非点灯となっているベット表示部34a~34cのうち最小ベット数を示すベット表示部を点灯状態とする処理を実行する。すなわち、例えば、いずれのベット表示部34a~34cも消灯状態である場合には1枚のベットを示す第1ベット表示部34aを点灯状態とし、第1ベット表示部34aが点灯状態であって第2ベット表示部34bや第3ベット表示部34cが消灯状態である場合には第2ベット表示部34bを点灯状態とする処理を実行する。
続くステップSg4103では、ベット時効果音がスピーカ64から出力されるように制御する。そして、ステップSg4104にて、ステップSg4102にて点灯状態としたベット表示部が今回のゲームの特定枚数に相当するか否かを判定する。具体的には、非内部状態や内部状態において第3ベット表示部34cを点灯状態とした場合にはステップSg4103にて肯定判定し、BB状態において第1ベット表示部34aを点灯状態とした場合にはステップSg4104にて肯定判定する。ステップSg4104にて肯定判定した場合、ステップSg4105にて第1クレジットランプ56bを消灯状態とする処理を実行してから、本単ベット演出設定処理を終了する。ステップSg4104にて否定判定した場合は、第1クレジットランプ45b消灯状態とすることなく、そのまま単ベット演出設定処理を終了する。
<連ベット演出設定処理>
次に、ステップSg4009の連ベット演出設定処理について、図593のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップSg4201では、ステップSg4101と同様に、メダル払出効果音の出力が終了するまで待機する。そして、ステップSg4202にて、第1クレジット投入スイッチ56の操作に基づき、第1クレジットランプ56bを消灯状態とする処理を実行する。続くステップSg4203では、上記ステップSg4102と同様に、非点灯となっているベット表示部34a~34cのうち最小ベット数を示すベット表示部を点灯状態とする処理を実行し、ステップSg4204では、上記ステップSg4103と同様に、ベット時効果音がスピーカ64から出力されるように制御する。そして、ステップSg4205にて、上記ステップSg4104と同様に、ステップSg4203にて点灯状態としたベット表示部が今回のゲームの特定枚数に相当するか否かを判定する。ステップSg4205にて否定判定した場合、ステップSg4206にて、所定期間(本実施形態では0.2sec)に亘って待機する処理を実行する。そして、ステップSg4206にて所定期間が経過した場合には、ステップSg4203に戻り、ベット表示部34の点灯処理及びベット時効果音の出力処理(ステップSg4204)を実行する。ステップSg4205にて特定枚数に至ることで、本連ベット演出設定処理を終了する。
<再遊技状態用ベット演出設定処理>
次に、ステップSg4010の再遊技状態用ベット演出設定処理について、図594のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップSg4301では、サブフラッシュフラグがセットされているか否かを判定する。セットされていない場合、ステップSg4302にて通常再遊技コマンドを受信しているか否かを判定し、通常再遊技コマンドを受信している場合には、ステップSg4303にて通常再遊技用再ベット演出処理を実行してから、本再遊技状態用ベット演出設定処理を終了する。一方、通常再遊技コマンドではなく特定再遊技コマンドを受信している場合、ステップSg4304にて特定再遊技用再ベット演出処理を実行してから、本再遊技状態用ベット演出設定処理を終了する。ステップSg4301にてサブフラッシュフラグがセットされている場合、ステップSg4305にて、サブフラッシュ用ベット演出処理を実行してから、本再遊技状態用ベット演出設定処理を終了する。
<通常再遊技用再ベット演出処理>
ステップSg4303の通常再遊技用再ベット演出処理について、図595のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップSg4401では、上記ステップSg4102と同様に、非点灯となっているベット表示部34a~34cのうち最小ベット数を示すベット表示部を点灯状態とする処理を実行し、ステップSg4402では、再遊技用ベット時効果音がスピーカ64から出力されるように制御する。
本実施形態では、ステップSg4402にて出力設定する効果音を、ステップSg4103等にて出力設定する効果音と、遊技者が識別可能な程度に異なる態様に設定している。このようにすることで、遊技者は再遊技入賞に基づく自動ベット処理にてベットが行われたことと、自らのベット操作に基づくベット処理にてベットが行われたことと、を区別して把握することが可能となる。
そして、ステップSg4403にて、ステップSg4401にて点灯状態としたベット表示部は、前回のベット数に対応する表示部であるか否かを判定する。具体的には、例えば、前回のベット数が3である場合に直前のステップSg4401にて第3ベット表示部34cを点灯状態としていればステップSg4403にて肯定判定し、前回のベット数が3である場合に直前のステップSg4401にて第1ベット表示部34aを点灯状態としていれば否定判定する。ステップSg4403にて否定判定した場合、ステップSg4404にて、所定期間(本実施形態では0.5sec)に亘って待機する処理を実行する。
なお、本実施形態では、連ベット演出設定処理における一のベット演出と一のベット演出との待機期間(0.2sec)よりも、通常再遊技用再ベット演出処理における一のベット演出と一のベット演出との待機期間(0.5sec)の方が長くなるように設定している。このようにすることで、再遊技入賞に伴う自動ベット時における待ち時間を少なくすることができる。つまり、再遊技入賞後のゲームではベット操作を介さずにベット処理が行われるところ、当該再遊技入賞後のゲームの方が、再遊技非入賞後のゲームよりもベット処理が早期に開始されることになる。そうすると、仮に一のベット演出と一のベット演出との待機期間を同等のものとすると、再遊技入賞後のゲームの方がウェイト期間が経過するまでにベット演出が終了する可能性が高くなる。そのため、上記のように、再遊技入賞後のベット演出において、一のベット演出と一のベット演出との待機期間を再遊技非入賞後よりも長く設定することにより、演出の非実行期間を短くすることが可能となり、遊技の間延びを解消することができる。
ステップSg4404にて所定期間が経過した場合には、ステップSg4401に戻り、ベット表示部34の点灯処理及びベット時効果音の出力処理(ステップSg4402)を実行する。ステップSg4403にてベット表示部34の点灯態様が前回のゲームのベット数に対応するものとなった場合には、本通常再遊技用再ベット演出処理を終了する。
<特定再遊技用再ベット演出処理>
次に、ステップSg4304の特定再遊技用再ベット演出処理について、図596のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップSg4501では、第1クレジットランプ56bを点灯状態とする処理を実行し、ステップSg4502では、いずれかのベット操作に基づく操作コマンドを受信するまで待機する処理を実行する。すなわち、チェリーA~Cやチャンス目A~C等の再遊技により構成される特定役では、当該再遊技入賞に基づく自動ベット処理は主制御装置101側で実行されるものの、それに伴うベット演出は、遊技者によるベット操作を待って実行するようにしている。このようにすることで、チェリーA~Cやチャンス目A~Cが再遊技ではなくスイカのような小役と同じ扱いであるという印象を遊技者に与えることが可能となり、再遊技を利用して特定役を構成することの利便性を得ながらも、その再遊技を利用して特定役を構成したことを悟られないようにすることができる。
なお、再遊技を利用して特定役を構成することの利便性としては、例えば、払い出しの生じ得る小役と比較して特定役の当選確率や割合が出玉率に影響を及ぼしにくくなり遊技設計上好ましい点や、再遊技の当選確率が変化する所謂リプレイタイムに移行させることで、特定役の当選確率を容易に変化させることが可能となる点等である。
ステップSg4502にていずれかのベット操作が行われたと判定した場合には、ステップSg4503に進み、第1クレジットランプ56bを消灯状態とする処理を行う。そして、ステップSg4504~ステップSg4507にて、前回のベット数と同数のベットが行われた状態の報知態様となるようにする処理を行う。すなわち、ステップSg4504では、上記ステップSg4102と同様に、非点灯となっているベット表示部34a~34cのうち最小ベット数を示すベット表示部を点灯状態とする処理を実行し、ステップSg4505では、上記ステップSg4103と同様に、ベット時効果音がスピーカ64から出力されるように制御する。
本実施形態では、ステップSg4505にて出力設定する効果音を、ステップSg4402にて出力設定する効果音と、遊技者が識別可能な程度に異なる態様に設定しており、より詳しくは、ステップSg4103等にて出力設定する効果音と同様の態様に設定している。このようにすることで、今回入賞した特定役が再遊技により構成されるものであることを遊技者に悟られにくくする効果がより高められる。
そして、ステップSg4506にて、ステップSg4401と同様に、直前のステップSg4504にて点灯状態としたベット表示部は、前回のベット数に対応する表示部であるか否かを判定する。ステップSg4506にて否定判定した場合、ステップSg4507にて、所定期間(本実施形態では0.2sec)に亘って待機する処理を実行する。
なお、本実施形態では、特定再遊技用ベット演出設定処理における一のベット演出と一のベット演出との待機期間(0.2sec)を、通常再遊技用再ベット演出処理における一のベット演出と一のベット演出との待機期間(0.5sec)よりも短くなるように設定し、より詳しくは、連ベット演出設定処理における一のベット演出と一のベット演出との待機期間(0.2sec)と同じ長さとなるよう設定した。このようにすることにより、再遊技により構成される特定役を他の小役と同じ扱いであることの印象付けをより好適に行うことが可能となる。
ステップSg4506にて所定期間が経過した場合には、ステップSg4504に戻り、ベット表示部34の点灯処理及びベット時効果音の出力処理(ステップSg4505)を実行する。ステップSg4506にてベット表示部34の点灯態様が前回のゲームのベット数に対応するものとなった場合には、本特定再遊技用再ベット演出処理を終了する。
<サブフラッシュ用再ベット演出処理>
次に、ステップSg4305のサブフラッシュ用再ベット演出処理について、図597のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップSg4601では、通常再遊技コマンドを受信しているか否かを判定する。通常再遊技コマンドを受信しており、今回のゲームの抽選結果が通常リプA~C等であって、サブ側フラッシュ演出を実行する場合、ステップSg4602にて、スタートレバー41の操作に基づく開始コマンドを主制御装置101から受信したか否かを判定する。既に説明した通り、スタートレバー41の操作による開始操作は、フラッシュフリーズカウンタが0となるまでの間は無効化される(図568)。また、主制御装置101側のBET用処理は、当該フラッシュフリーズカウンタが0となった後で実行されることから、ステップSg4602にて当該開始コマンドを受信する場合とは、サブ側フラッシュ演出を実行中であって、フラッシュフリーズカウンタが0となり無効解除処理が実行された後であって、通常再遊技用再BET処理(ステップSg3907)が実行された後で、スタートレバー41が操作されたことを意味する。
ステップSg4602にて開始コマンドを受信していない場合、ステップSg4603にてサブフラッシュフラグがクリアされたか否かを判定し、クリアされていない場合には、ステップSg4602及びステップSg4603をループする。既に説明した通り、サブフラッシュフラグは、サブ側フラッシュ演出を終了する場合にクリアされる。つまり、ステップSg4603の処理は、サブ側フラッシュ演出が終了するまで待機する処理である。なお、上記の通り、サブ側フラッシュ演出は、予定していたフラッシュ演出が完了する前にベット操作に基づき終了する場合もあり、この場合もサブフラッシュフラグはクリアされることから、ステップSg4603にて否定判定することとなる。
ステップSg4603にて否定判定することで、ステップSg4604に進み、通常再遊技用ベット演出処理を実行してから、本サブフラッシュ用再ベット演出処理を終了する。この場合、一のベット演出と一のベット演出との間の待機期間が0.5secに設定された態様、すなわちサブ側フラッシュ演出を実行しない場合の通常リプA~C等の再遊技入賞が成立した場合と同様の態様のベット演出が、サブ側フラッシュ演出の終了後に実行されることとなる。
ステップSg4602にて開始コマンドを受信していると判定した場合、ステップSg4604の処理を実行することなく、そのまま本サブフラッシュ用再ベット演出処理を終了する。この場合、待機していたベット演出は実行されることなく、開始操作に基づくゲームが開始されることになる。
ステップSg4601にて否定判定し、特定再遊技コマンドを受信している場合、ステップSg4605に進む。ステップSg4605では、メダル投入コマンドや1BET操作コマンド、MAXBET操作コマンドといった、遊技者によるベット操作に基づく操作コマンドを主制御装置101から受信したか否かを判定する。いずれのコマンドも受信していない場合、ステップSg4606にて、ステップSg4602と同様に開始コマンドを受信したか否かを判定する。ステップSg4606にて当該開始コマンドを受信する場合とは、サブ側フラッシュ演出を実行中であって、フラッシュフリーズカウンタが0となり無効解除処理が実行された後であって、特定再遊技用再BET処理(ステップSg3909)が実行された後で、スタートレバー41が操作されたことを意味する。
開始コマンドを受信していない場合、ステップSg4607に進み、サブフラッシュフラグがセットされているか否かを判定し、セットされていなければ、ステップSg4608にて第1クレジットランプ56を点灯状態とする処理を実行してから、ステップSg4605に戻る。
ステップSg4605にていずれかの操作コマンドを受信している場合、ステップSg4609にて、特定再遊技用ベット演出処理を実行してから、本サブフラッシュ用再ベット演出処理を終了する。この場合、一のベット演出と一のベット演出との間の待機期間が0.2secに設定された態様、すなわちサブ側フラッシュ演出を実行しない場合のチェリーA~Cやチャンス目A~C等の再遊技により構成される特定役当選時の再遊技入賞が成立した場合と同様の態様のベット演出が、サブ側フラッシュ演出の終了後に実行されることとなる。
ステップSg4606にて開始コマンドを受信していると判定した場合、ステップSg4602の場合と同様に、ステップSg4609の処理を実行することなく、そのまま本サブフラッシュ用再ベット演出処理を終了する。この場合、待機していたベット演出は実行されることなく、開始操作に基づくゲームが開始されることになる。
<フラッシュ演出とベット演出との様子>
フラッシュ演出が行われる場合のベット演出の様子について、図598~図602を参照しながら説明する。
図598(a)は、主側フラッシュ演出が行われる場合のベット演出の様子を示している。
ta61にて各リール32L,32M,32Rの回転が開始され、ta62にて回転が終了し、当該ta62からta63に亘って主側フラッシュ演出が行われる場合、そのta62からta63は無効期間に設定される。ta63にてフラッシュ演出の終了とともに無効期間が経過すると、受入可能状態となり、第1クレジットランプ56bが点灯状態とされる。ta64にてベット操作が行われると、当該ベット操作に基づくベット処理が実行されるとともに、ベット時効果音が出力され、ta65にていずれも終了する。
図598(b)は、サブ側フラッシュ演出が行われる場合のベット演出の様子を示している。
tb61にて各リール32L,32M,32Rの回転が開始され、tb62にて回転が終了し、当該tb62からtb64に亘ってサブ側フラッシュ演出が行われる場合において、そのtb62からtb64ではなく、tb64よりも前のtb63にて無効期間が終了するように設定されたとする。この場合、tb63にて無効期間が経過するとフラッシュ演出の途中であっても、受入可能状態となる。
tb63にて受入可能状態となっても、サブ側フラッシュ演出であることから第1クレジットランプ56bはこの時点では点灯状態とされず(ステップSg4004:NO)、tb64にてフラッシュ演出が終了すると、サブフラッシュフラグがクリアされることから、当該tb64にて第1クレジットランプ56bは点灯状態とされるようになる(ステップSg4004:YES)。このようにすることで、フラッシュ演出の途中でベット操作が促されないようになり、遊技者を興覚めさせてしまうことを回避することが可能となる。
その後、tb65にてベット操作が行われると、当該ベット操作に基づくベット処理が実行されるとともに、ベット時効果音が出力され、tb66にていずれも終了する。
図598(c)は、サブ側フラッシュ演出の途中でベット操作が行われた場合のベット演出の様子を示している。
tc61にて各リール32L,32M,32Rの回転が開始され、tc62にて回転が終了し、当該tc62からtc66に亘ってサブ側フラッシュ演出が行われる場合において、そのtc62からtc66ではなく、tc66よりも前のtc63にて無効期間が終了するように設定されたとする。この場合、tc63にて無効期間が経過するとフラッシュ演出の途中であっても、受入可能状態となる。
フラッシュ演出の終了予定であるtc66よりも前のtc64にてベット操作が行われると、この時点で実行中のフラッシュ演出は終了する。この場合、tc64のベット操作に基づくベット処理が実行されるとともに、ベット時効果音が出力され、tc65にていずれも終了する。このように、フラッシュ演出をベット操作に基づいて途中で終了させたうえでベット時演出を行うようにすることで、ベット操作に基づくベット時演出とフラッシュ演出とが重複してしまう事象を回避することができる。
図599(a)は、フラッシュ演出を実行するゲームでメダル払い出しが発生する場合のベット演出の様子を示している。
ta71にて各リール32L,32M,32Rの回転が開始され、ta72にて回転が終了し、当該ta72からta75に亘ってサブ側フラッシュ演出が行われる場合において、そのta72からta75ではなく、ta75よりも前のta73にて無効期間が終了するように設定されたとする。この場合、ta72にて各リール32L,32M,32Rが停止していずれかの小役入賞が成立していると、無効期間が経過するta73にて実際のメダル払い出しが発生し、ta74にて払い出しが終了する。但し、当該ta73からta74はフラッシュ演出の実行中であることから払出効果音の出力は制限される。なお、ta74にてメダル払い出しが終了して次ゲームに移行すると受入可能状態となる。
ta75にてフラッシュ演出が終了すると、上記のようにta73からta74のメダル払い出しに対応する払出効果音の出力が行われ、ta76に終了する。払出効果音の出力が終了すると、ta76にて第1クレジットランプ56bが点灯状態とされる。つまり、ta74にて受入可能状態となった場合において、フラッシュ演出の実行中は第1クレジットランプ56bを点灯状態とすることが制限されるだけではなく、払出効果音の出力中も第1クレジットランプ56bを点灯状態とすることが制限される。このようにすることで、主制御装置101側で決定されたフラッシュ演出の流れ(主側フラッシュ演出の終了とともに無効期間が経過してメダル払い出しが発生し、その後、受入可能状態となって第1クレジットランプ56bが点灯状態とされる流れ)と同じ流れとなり、サブ側フラッシュ演出が主側フラッシュ演出であるかのような印象をさらに強めることが可能となる。
その後、ta77にてベット操作が行われると、当該ベット操作に基づくベット処理が実行されるとともに、ベット時効果音が出力され、ta78にていずれも終了する。
図599(b)は、フラッシュ演出中にベット操作を行った場合の、メダル払い出しとベット演出との様子を示している。
tb71にて各リール32L,32M,32Rの回転が開始され、tb72にて回転が終了し、当該tb72からtb78に亘ってサブ側フラッシュ演出が行われる場合において、そのtb72からtb78ではなく、ta78よりも前のtb73にて無効期間が終了するように設定されたとする。この場合、tb72にて各リール32L,32M,32Rが停止していずれかの小役入賞が成立していると、無効期間が経過するtb73にて実際のメダル払い出しが発生し、tb74にて払い出しが終了する。上記図599(a)の場合と同様に、当該tb73からtb74はフラッシュ演出の実行中であることから払出効果音の出力は制限される。なお、tb74にてメダル払い出しが終了して次ゲームに移行すると受入可能状態となる。
tb78にてフラッシュ演出が終了するよりも前に、tb75にてベット操作が行われた場合、当該ベット操作に基づくベット処理がtb76まで実行される。但し、tb75においては、払出効果音が未出力であるため、ベット時効果音の出力が制限される。この場合、tb75のベット操作に基づいてフラッシュ演出が終了することから、当該tb75から払出効果音の出力が行われ、tb77に当該払出効果音の出力が終了する。そして、tb77からベット時効果音の出力が開始され、tb79にて当該ベット時効果音の出力が終了する。
この場合、tb75~tb77の払出効果音はtb73~tb74の処理に対応するものであり、tb77~tb79のベット時効果音はtb75~tb76の処理に対応するものであり、いずれも主制御装置101側の処理タイミングと表示制御装置81側の演出タイミングとが異なる対応関係となっているものにおいて、一方の演出タイミングが他方の処理タイミングに重複し得るように設定されている。つまり、tb75~tb77の払出効果音が出力されている間であるtb75~tb76にて、当該払出効果音に対応する処理ではなく、それとは異なるベット処理の実行が許容されている。このようにすることで、遊技進行に基づいて複数の処理が実行され、それぞれの処理に対して演出が設定される構成において、それら複数の処理に対応する演出の実行タイミングの自由度が圧倒的に向上し、遊技をスムーズに進行させながらも対応する演出を好適に行わせることが可能となる。つまり、一の処理の実行中に当該一の処理とは異なる演出を行わないようにすることで、演出と処理との関係性が明確化されることから、実行中の演出が別の処理に対応するものであると遊技者に誤解させないようになり好ましくも思える。しかし、そのように一の処理の実行中に当該一の処理とは異なる演出を行わないようにしてしまうと、本実施形態のように処理の実行タイミングと演出の実行タイミングとが相違するような場合、当該演出が終了するまで、別の処理の実行を待機する必要があり、スムーズな遊技進行が実現できなくなる恐れがある。その点、一の処理と他の処理とが行われる構成において、それら一の処理に対応する演出が当該一の処理の実行タイミングとは別のタイミングで実行され、他の処理に対応する演出も当該他の処理の実行タイミングとは別のタイミングで実行されるようにしたうえで、一の処理に対応する演出が他の処理の実行中に行われ得るようにしたことで、遊技の好適な進行を妨げることなく、処理に対応する演出の実行タイミングの自由度を向上させることが可能となる。
図600(a)は、フラッシュ演出を実行するゲームで通常リプAに基づく第1再遊技入賞が成立した場合の様子を示している。
ta81にて各リール32L,32M,32Rの回転が開始され、ta82にて回転が終了し、当該ta82からta85に亘ってサブ側フラッシュ演出が行われる場合において、そのta82からta85ではなく、ta85よりも前のta83にて無効期間が終了するように設定されたとする。この場合、ta82にて各リール32L,32M,32Rが停止して、例えば通常リプAに基づく第1再遊技入賞が成立していると、無効期間が経過するta83にて、通常再遊技用再BET処理(ステップSg3907)が実行される。当該再BET処理はta84にて終了するが、当該再BET処理の処理タイミングではサブ側フラッシュ演出が実行されており、サブフラッシュフラグがセットされていることから、サブフラッシュ用再ベット演出処理(図597)では、サブフラッシュフラグがクリアされるまで、主制御装置101側の再BET処理に対応するベット演出の実行を待機する。そして、ta85にてサブ側フラッシュ演出が終了すると、サブフラッシュフラグがクリアされることから、当該ta85からta86に亘って、ta83からta84までの再BET処理に対応するベット演出が実行される。この場合、上記のように通常リプAに基づく第1再遊技入賞に基づく再BET処理及びベット演出であるから、一のベット演出と一のベット演出との間の待機期間が長い(0.5sec)のベット演出であるとともに、出力されるベット時効果音は再遊技用ベット時効果音である。
図600(b)は、フラッシュ演出を実行するゲームで特定役としてのチェリーAに基づく第10再遊技入賞が成立した場合の様子を示している。
tb81にて各リール32L,32M,32Rの回転が開始され、tb82にて回転が終了し、当該tb82からtb85に亘ってサブ側フラッシュ演出が行われる場合において、そのtb82からtb85ではなく、tb85よりも前のtb83にて無効期間が終了するように設定されたとする。この場合、tb82にて各リール32L,32M,32Rが停止して、例えば特定役としてのチェリーAに基づく第10再遊技入賞が成立していると、無効期間が経過するtb83にて、特定再遊技用再BET処理(ステップSg3909)が実行される。当該再BET処理はtb84にて終了するが、当該再BET処理の処理タイミングではサブ側フラッシュ演出が実行されており、サブフラッシュフラグがセットされていることから、サブフラッシュ用再ベット演出処理(図597)では、いずれかのベット操作が行われるまで、主制御装置101側の再BET処理に対応するベット演出の実行を待機する。この場合、tb85にてサブ側フラッシュ演出が終了すると、第1クレジットランプ56bが点灯状態とされてベット操作が促され、tb86にて第1クレジット投入スイッチ56が操作されると、当該tb86からtb87に亘って、tb83からtb84までの再BET処理に対応するベット演出が実行される。上記のように特定役としてのチェリーAに基づく第10再遊技入賞に基づく再BET処理及びベット演出であるから、この場合のベット演出は、一のベット演出と一のベット演出との間の待機期間が短い(0.2sec)のベット演出であるとともに、出力されるベット時効果音は再遊技用ベット時効果音ではなく、通常のベット時効果音である。
ここで、本スロットマシン10では、上記のように主制御装置101側のBET表示部75と表示制御装置81側のベット表示部34とが設けられており、BET表示部75よりもベット表示部34の方がその表示面積が大きい等、遊技者の目に留まり易いように設定されている。つまり、通常であれば、遊技者は、ベット処理が行われたことの確認を、BET表示部75ではなくベット表示部34にて行うものと考えられる。そのため、無効期間の経過ととともに自動的にベット処理が行われることとなる再遊技入賞時において、サブ側フラッシュ演出中に当該ベット処理に対応させてBET表示部75にてベット演出が行われても、それが遊技者に気付かれにくく、表示制御装置81側のフラッシュ演出であることを悟られにくくすることが可能である。
図601(a)は、フラッシュ演出を実行するゲームで通常リプAに基づく第1再遊技入賞が成立した場合において、フラッシュ演出の実行中にベット操作が行われた場合の様子を示している。
ta91にて各リール32L,32M,32Rの回転が開始され、ta92にて回転が終了し、当該ta92からta97に亘ってサブ側フラッシュ演出が行われる場合において、そのta92からta97ではなく、ta97よりも前のta93にて無効期間が終了するように設定されたとする。この場合、ta92にて各リール32L,32M,32Rが停止して、例えば通常リプAに基づく第1再遊技入賞が成立していると、無効期間が経過するta93にて、通常再遊技用再BET処理(ステップSg3907)が実行される。当該再BET処理はta94にて終了するが、当該再BET処理の処理タイミングではサブ側フラッシュ演出が実行されており、サブフラッシュフラグがセットされていることから、サブフラッシュ用再ベット演出処理(図597)では、サブフラッシュフラグがクリアされるまで、主制御装置101側の再BET処理に対応するベット演出の実行を待機する。そして、ta97にてサブ側フラッシュ演出が終了するよりも前のta95にて、ベット操作が行われて実行中のフラッシュ演出が終了すると、当該ta95からta96に亘って、ta93からta94までの再BET処理に対応するベット演出が実行される。この場合、上記のように通常リプAに基づく第1再遊技入賞に基づく再BET処理及びベット演出であるから、一のベット演出と一のベット演出との間の待機期間が長い(0.5sec)のベット演出であるとともに、出力されるベット時効果音は再遊技用ベット時効果音である。
図601(b)は、フラッシュ演出を実行するゲームで特定役としてのチェリーAに基づく第10再遊技入賞が成立した場合において、フラッシュ演出の実行中にベット操作が行われた場合の様子を示している。
tb91にて各リール32L,32M,32Rの回転が開始され、tb92にて回転が終了し、当該tb92からtb97に亘ってサブ側フラッシュ演出が行われる場合において、そのtb92からtb97ではなく、tb97よりも前のtb93にて無効期間が終了するように設定されたとする。この場合、tb92にて各リール32L,32M,32Rが停止して、例えば特定役としてのチェリーAに基づく第10再遊技入賞が成立していると、無効期間が経過するtb93にて、特定再遊技用再BET処理(ステップSg3909)が実行される。当該再BET処理はtb94にて終了するが、当該再BET処理の処理タイミングではサブ側フラッシュ演出が実行されており、サブフラッシュフラグがセットされていることから、サブフラッシュ用再ベット演出処理(図597)では、いずれかのベット操作が行われるまで、主制御装置101側の再BET処理に対応するベット演出の実行を待機する。この場合、tb95にてサブ側フラッシュ演出が終了するよりも前のtb95にて、ベット操作が行われて実行中のフラッシュ演出が終了すると、当該tb95からtb96に亘って、tb93からtb94までの再BET処理に対応するベット演出が実行される。上記のように特定役としてのチェリーAに基づく第10再遊技入賞に基づく再BET処理及びベット演出であるから、この場合のベット演出は、一のベット演出と一のベット演出との間の待機期間が短い(0.2sec)のベット演出であるとともに、出力されるベット時効果音は再遊技用ベット時効果音ではなく、通常のベット時効果音である。
このようにサブ側フラッシュ演出と再遊技入賞に基づく再BET処理とが重複する場合、当該再BET処理に対応するベット演出の実行が制限されて、サブ側フラッシュ演出の終了後に実行される。但し、当該ベット演出に対応する再BET処理は実行されることから、これらの再BET処理の終了とともに(ta84、tb84、ta94、tb94)、開始可能状態となり、開始可能状態表示部76bは点灯状態となる。この場合、上記のように対応するベット演出の実行を待たずに、スタートレバー41を操作して次ゲームを開始させることは可能である。
図602(a)は、開始時演出設定処理(図553)におけるステップSg2119にて実行される開始時フラッシュ演出用処理を示すフローチャートである。
ステップSg4611では、サブフラッシュフラグがセットされているか否かを判定し、セットされている場合、ステップSg4612にてサブフラッシュフラグをクリアする処理を実行する。ちなみに、開始時演出設定処理は、フラッシュ演出制御用処理よりも前に起動される処理であることから、ステップSg4612にてクリアするサブフラッシュフラグは、今回の開始操作に基づいて開始するゲームにおいてセットされるサブフラッシュフラグではなく、前回のゲームにおいてセットされたサブフラッシュフラグである。そして、ステップSg4613にてフラッシュ演出終了処理を実行する。フラッシュ演出終了処理は、図580の処理と同様であり、制御パターンをクリアしたりフロントライトを点灯状態とする処理を実行して、実行中のフラッシュ演出を終了させる処理を行う。
ステップSg4611にてサブフラッシュフラグがセットされていない場合、又はステップSg4613の処理を実行した後は、ステップSg4614にて、払出演出終了処理を実行する。払出演出終了処理では、今回の開始操作が行われたタイミングで払出効果音が未だ出力中である場合には、当該出力中の払出効果音を停止(終了)させる処理を行う。なお、今回の開始操作が行われたタイミングで払出効果音が未だ出力中である場合とは、サブ側フラッシュ演出に伴い、払出効果音を実際のメダル払い出しよりも後のタイミングで事後的に出力する場合であって(図581、図583)、当該事後的に出力されている最中にベット操作が行われるとともに当該ベット操作に伴うベット用の処理(ステップSg3915、ステップSg3918、ステップSg3921)が終了して開始可能状態となった後、開始操作が行われた場合である。
ステップSg4614の処理を実行した後は、ステップSg4615にてベット演出終了処理を実行してから、開始時フラッシュ演出用処理を終了する。ベット演出終了処理は、今回の開始操作が行われたタイミングでベット演出が未だ実行中である場合には、当該実行中のベット演出を終了させる処理を行う。なお、今回の開始操作が行われたタイミングでベット演出が未だ実行中である場合とは、サブ側フラッシュ演出や特定再遊技用再ベット演出処理に伴い、実際のベット用の処理よりも後のタイミングで事後的にベット演出が行われる場合であって(図596、図597)、当該事後的に実行されている最中に開始操作が行われた場合である。
図602(b)に示すように、t101にて各リール32L,32M,32Rの回転が開始され、t102にて回転が終了し、当該t102からt106に亘ってサブ側フラッシュ演出が行われる場合において、そのt102からt106ではなく、t106よりも前のt103にて無効期間が終了するように設定されたとする。例えば、t102にて各リール32L,32M,32Rが停止して、いずれかの再遊技入賞が成立していると、無効期間が経過するt103にて、対応する再BET処理が実行される。当該再BET処理はt104にて終了し、上記のように開始可能状態となる。
この場合、サブ側フラッシュ演出の終了するt106よりも前のt105にて、スタートレバー41が操作されると、次ゲームの開始操作が正規に受け付けられ、各リール32L,32M,32Rの回転が開始される。かかる場合には、上記のように、t106にてフラッシュ演出は終了するし、t103からt104の再BET処理に対応するベット演出は実行されない。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
特別フラッシュ設定処理では、今回のフラッシュ演出の演出パターンを、前回のフラッシュ演出の演出パターンに基づいて決定する構成としたことから、フラッシュ演出を通じて複数のゲームに亘って注目度を向上させることが可能となる。
この場合、前回のフラッシュ演出の演出パターンの示すBB当選の期待度よりも、今回のフラッシュ演出の演出パターンの示すBB当選の期待度の方が低くなることを制限可能な構成としたことから、前回のフラッシュ演出によって遊技者がBB当選に期待を寄せているのにもかかわらず、今回のフラッシュ演出によってそのBB当選への期待感が一気に低下してしまう事象を回避することが可能となる。よって、複数のゲームに亘って注目度を高めるうえで、後側のゲームの注目度が高くなることを通じて更なる遊技続行の意思決定を後押しすることが可能となる。
但し、前回のフラッシュ演出の示すBB当選の期待度が低期待度であった場合には、今回のフラッシュ演出の演出パターンの示すBB当選の期待度が前回よりも低くなることが許容されるようにしたことから、無理やり後側のゲームの期待度を高くしている印象を与えないようにすることができ、フラッシュ演出の示すBB当選の期待度のバランスを担保しながら後側のゲームの注目度を好適に高めることが可能となる。
また、後側のゲームの抽選結果が押し順ベルのように、フラッシュ演出に対応しない抽選結果である場合は、フラッシュ演出を実行しないようにしたことから、後側のゲームのフラッシュ演出が非対応フラッシュ演出であると遊技者が勘違いしてしまう事象を回避することが可能となる。
前回のフラッシュ演出が実行されたゲームにおいて、スイカ当選時の取りこぼしが発生していた場合、今回のゲームの抽選結果が外れ結果であれば、BB当選に期待が持てるフラッシュFやフラッシュGの前半部分と演出パターンが共通しているものの、BB当選に期待できないフラッシュAが実行されるようにした。取りこぼしが発生している場合、遊技者はそのゲームの抽選結果を把握していない可能性が高く、取りこぼしが発生しなかった場合よりも、BB当選への期待感を寄せているものと考えられる。そこで、上記構成のようにすることで、フラッシュAがフラッシュFやフラッシュGに発展することを期待しながらフラッシュ演出を楽しませることが可能となり、後側のゲームの抽選結果が外れ結果であってもそのゲームの注目度を好適に高めることが可能となる。
主制御装置101側でフラッシュ演出の実行を決定し、その決定に基づいてフラッシュ演出が行われる場合と、表示制御装置81側でフラッシュ演出の実行を決定し、その決定に基づいてフラッシュ演出が行われる場合とがあるようにしたことから、上記のように前回のフラッシュ演出の演出パターンに基づいて今回のフラッシュ演出の演出パターンを決定したり、前回のフラッシュ演出の演出パターンとは関係なく今回のフラッシュ演出の演出パターンを決定したりすることが可能となり、フラッシュ演出を実行する場合の自由度を大幅に向上させることが可能となる。
主制御装置101側でフラッシュ演出の決定を行う場合、フラッシュ演出の実行期間を無効期間として設定し、表示制御装置81側でフラッシュ演出の決定を行う場合、主制御装置101側で決定したフラッシュ演出の実行期間よりも短い期間となるフラッシュ演出の演出パターンを設定しないようにした。このようにすることで、主制御装置101側で決定した演出パターンではなく表示制御装置81側のフラッシュ演出を実行する際に、無効期間の方がフラッシュ演出の実行期間よりも長くなってしまい、フラッシュ演出が終了しているのにもかかわらず無効期間が終了していない、といった不都合を生じさせないようにすることが可能となる。
主制御装置101側で決定したフラッシュ演出が行われる場合、そのフラッシュ演出に対応させて設定される無効期間の経過後にメダル払出処理が行われたり、再遊技入賞に伴う再BET処理が行われたりし、それらに対応する払出効果音の出力やベット時効果音の出力も無効期間の経過後に行われることを前提とし、表示制御装置81側で決定したフラッシュ演出が行われる場合において、当該フラッシュ演出が無効期間よりも長い期間に亘って実行される場合、無効期間の経過とともにメダル払出処理が行われたり、再遊技入賞に伴う再BET処理が行われたりするようにしながらも、それらに対応する払出効果音の出力やベット時効果音の出力は、無効期間の経過後であってフラッシュ演出の終了後に実行されるようにした。このようにすることで、実行期間と無効期間とにズレが生じ得る表示制御装置81側のサブ側フラッシュ演出を行ううえで、当該サブ側フラッシュ演出の実行中に払出効果音の出力やベット時効果音の出力が行われることで今回のフラッシュ演出が主側フラッシュ演出ではなく演出上のサブ側フラッシュ演出であることが悟られてしまうことを回避することができるし、演出が重複することにより遊技者を混乱させてしまうことも回避することが可能となる。
実行期間と無効期間とにズレが生じ得る表示制御装置81側のサブ側フラッシュ演出の実行中にベット操作や開始操作が行われた場合には、無効期間が経過していることを条件として、実行中のフラッシュ演出を途中でキャンセルする構成とした。このようにすることで、表示制御装置81側でフラッシュ演出の実行決定を可能とすることによる上記の優れた効果を奏しながらも、スムーズな遊技進行を実現することが可能となる。
<変形例1>
本変形例では、確定表示部35が点灯状態とされる条件を変更する。
図603は、本変形例における終了時調整用処理を示すフローチャートである。
ステップSg4701~ステップSg4706の処理は上記ステップSg3601~ステップSg3606の処理と同様であり、サブ側フラッシュ演出の終了に際して、サブフラッシュフラグをクリアしたり、払出効果音の出力処理を実行する。
ステップSg4607では、確定フラッシュフラグがセットされているか否かを判定し、セットされていない場合には、そのまま本フラッシュ中調整用処理を終了する。確定フラッシュフラグがセットされている場合、ステップSg4608にて確定フラッシュフラグをクリアする処理を実行してから、本終了時調整用処理を終了する。
すなわち、本変形例では、フラッシュ演出を最後まで実行させた場合には、確定フラシュフラグがセットされていても確定表示部35を点灯状態とさせない。これに対して、ベット操作等によってフラッシュ演出を途中で終了させた場合には、フラッシュ中調整用処理(図583)において確定表示部35を点灯状態とする処理が実行される。
図604は、確定フラッシュフラグがセットされている場合に、確定表示部35が点灯状態とされる様子をベット操作のタイミングとの関係で説明するための図である。
図604(a)に示すように、ta111にて各リール32L,32M,32Rの回転が開始され、ta112にて回転が停止して、当該ta112からta114に亘ってフラッシュ演出が実行される一方、ta114よりも前であるta113までが無効期間として設定されたとする。
この場合の具体的なフラッシュ演出としては、例えば、主制御装置101側では1.0sec(第1期間)に亘って実行されるフラシュ演出(フラッシュA~E)を実行することの設定を行ったものの、表示制御装置81側で、2.0sec(第1期間よりも長い第2期間)に亘って実行されるフラッシュ演出F,Gをサブ側フラッシュ演出として実行することの設定を行った場合である。
この場合、設定したフラッシュ演出が非対応フラッシュ演出である場合、ta111にて確定フラッシュフラグがセットされるものの、本変形例では、当該フラッシュ演出が終了するta114では、上記終了時調整用処理において当該確定フラッシュフラグがクリアされるだけで、確定表示部35が点灯状態とされない。
図604(b)は、上記図604(a)と同様に、tb111にて各リール32L,32M,32Rの回転が開始され、tb112にて回転が停止して、当該tb112からtb115に亘ってフラッシュ演出が実行される一方、tb115よりも前であるtb113までが無効期間として設定されたとする。
フラッシュ演出が開始されてから2.0secが経過する前であって、無効期間の経過後のtb114にていずれかのベット操作が実行された場合、上記のように、実行中のフラッシュ演出は途中で終了される。この場合、確定フラッシュフラグがセットされていることから、確定表示部35は点灯状態となる。
既に説明した通り、フラッシュ演出F,Gは、1.0secまではフラッシュAと同様のパターンにてバックライト100aの制御が行われるように設定されており(図571)、tb112からtb113までは、今回のフラッシュ演出が低期待度のフラッシュAであるか、それとも高期待度のフラッシュFやフラッシュGであるかを遊技者は区別することができない。そして、tb113以降は、今回のフラッシュ演出が高期待度のフラッシュFやフラッシュGであったことを把握することが可能である。
つまり、フラッシュ演出においてフラッシュA、F,Gとった複数種類の演出態様が設定されており、これらフラッシュAとフラッシュF,Gとの分岐点(tb113)よりも後でベット操作等が行われる場合とは、BB当選しているであろうことや実行中のフラッシュ演出が、演出上のフラッシュ演出であること(サブ側フラッシュ演出であること)を遊技者が把握している可能性が高い。これに対して、分岐点後も最後までキャンセルすることなくフラッシュ演出を実行させた場合とは、これらを遊技者が把握している可能性が低い。そこで、上記分岐点以降で遊技者の操作に基づき実行中のフラッシュ演出を終了させる場合には確定表示部35を点灯状態とさせるようにする一方、分岐点後も最後までキャンセルすることなくフラッシュ演出を実行させた場合には、確定表示部35を点灯状態とさせないようにすることで、BB当選しているであろうこと等を既に把握している遊技者に対しては確定演出を行うことで速やかにBB入賞を促す一方、BB当選しているであろうこと等を把握していない遊技者に対しては確定演出を行わず、BBに当選しているのではないか、といった確信を持てないものの期待感を抱く期間をより長く楽しませることが可能となる。
また、BB当選の有無の確定的な報知を行わせたくない遊技者としては、複数のゲームに亘るフラッシュ演出の種類等の関係性から自らそのBB当選の有無を読み解きたいものとも考えられ、上記構成のようにすることで、せっかく複数のゲームに亘るフラッシュ演出の種類等の関係性を自ら読み解こうとしているのにも関わらず、それを台無しにしてしまうことを回避することが可能となる。その一方で、フラッシュ演出の途中でベット操作する遊技者は、遊技進行を優先したいであろうと考えられることから、上記のようにフラッシュ演出を楽しませながらも、遊技進行を優先して早期に確定演出を行うようにすることで、フラッシュ演出や確定演出を遊技者の多様なニーズに応じて設定することが可能となる。
なお、本スロットマシン10では、確定表示部35は、対応するBB入賞が成立した場合に消灯状態とする構成としているが、少なくとも対応するBB状態が終了するまでに消灯状態とされればよい。
図604(c)は、上記の分岐点よりも前にベット操作が行われた場合を示している。
すなわち、tc111にて各リール32L,32M,32Rの回転が開始され、tc112にて回転が停止して、当該tc112からtc115に亘ってフラッシュ演出が実行される一方、t115よりも前であるtc114までが無効期間として設定されたとする。
そして、上記フラッシュ演出の分岐点となる無効期間が経過するtc114よりも間であるtc113にてベット操作が行われた場合、当該tc113は無効期間中であることから、今回のベット操作に対応するベットコマンドは主制御装置101から表示制御装置81へ出力されない。その為、tc113にてフラッシュ演出は終了せず、この場合、そのまま無効期間の経過後もtc115までベット操作が行われなければ、当該tc115にてフラッシュ演出が終了するとともに、確定表示部35は点灯状態とされない。
このように、確定表示部35を点灯状態とさせることの決定がなされている場合において、当該点灯状態とさせるよりも前に遊技者による所定操作としてのベット操作が行われた場合には当該点灯状態とすることによる確定演出を実行する一方、所定操作が行われなかった場合には確定演出の実行を制限するようにしたことから、遊技者の多様なニーズに応えることが可能となる。
しかも、所定操作を行うことで確定演出が実行されるようになるタイミングは無効期間の経過後であり、無効期間中に所定操作を行っても確定演出は行われないようにしていることから、無効期間の経過前に確定演出が行われることはなく、確定演出が行われたのにもかかわらず次ゲームを開始することができない、といった不都合を生じさせないようにすることができる。
なお、上記構成では、確定フラッシュフラグがセットされていても、フラッシュ演出を最後まで実行させた場合には確定演出を行わず、フラッシュ演出を途中でキャンセルした場合に確定演出を行う構成としたが、フラッシュ演出を最後まで実行させた場合には確定演出を行い、フラッシュ演出を途中でキャンセルした場合に確定演出を行わない構成としてもよい。
フラッシュ演出においてフラッシュA、F,Gとった複数種類の演出態様が設定されており、これらフラッシュAとフラッシュF,Gとの分岐点(tb113)よりも後でベット操作等が行われる場合とは、上記のように、実行中のフラッシュ演出が、演出上のフラッシュ演出であること(サブ側フラッシュ演出であること)や、BB当選していることを既に遊技者が把握している可能性が高い。そこで、上記分岐点以降で遊技者の操作に基づき実行中のフラッシュ演出を終了させる場合には、確定表示部35を点灯状態とさせないようにすることで、遊技者がBB当選を把握しているのにもかかわらず確定表示部35を点灯状態とさせることによる演出上の無駄を排除し、当該確定表示部35による演出バランスを好適に担保することが可能となる。また、上記のように、BB当選を把握している可能性の高い遊技者の操作によって確定表示部35を点灯状態とさせないようにすることで、当該BB当選を、例えば隣の遊技台で遊技する遊技者に悟られにくくすることも可能であり、本スロットマシン10を遊技する遊技者に優越感を与えることもできる。
よって、確定表示部35による報知がBB当選を把握している遊技者に対して蛇足となり得ることを好適に回避することができるし、確定表示部35による報知を好ましく思わない遊技者のニーズにも応えることができる。
<変形例2>
本変形例では、無効期間中にベット操作が行われたことを主制御装置101側で特定可能とする。
図605(a)は、本変形例におけるフラッシュ待機用処理の一部を示すフローチャートである。既に説明した通り、フラッシュ待機用処理は、主制御装置101のCPU102におけるリール制御処理(図524)において、各リール32L,32M,32Rが停止した後で実行される処理である。
本変形例では、フラッシュフリーズカウンタが0となるまでの無効期間中の処理が異なる。すなわち、ステップSg2401にて否定判定した場合や、ステップSg2405にて操作無効処理を実行した後、ステップSg4801でフラッシュフリーズカウンタが0であるか否かを判定する。上記の通り、フラッシュフリーズカウンタは無効期間の長さに応じて設定されるカウンタであり、0となるまでがベット操作等が無効化される無効期間である。フラッシュフリーズカウンタが0ではない場合、ステップSg4802に進み、いずれかのベット操作が行われたか否かを判定する。すなわち、主制御装置101側で設定したフラッシュ演出用の無効期間中にベット操作が行われたか否かを把握する。ベット操作が行われた場合には、ステップSg4803にて無効中操作コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行する。無効中操作コマンドは、フラッシュ演出用の無効期間中にベット操作が行われたことを表示制御装置81へ把握させるためのコマンドである。
ステップSg4802にてベット操作が行われていないと判定した場合や、ステップSg4803の処理を実行した後は、ステップSg4801に戻る。フラッシュフリーズカウンタが0となることで、ステップSg4801にて肯定判定し、ステップSg2407の操作無効解除処理に進む。
図605(b)は、本変形例における無効期間中処理を示すフローチャートである。無効期間中処理は、表示制御装置81における演出設定処理(図552)のその他の処理(ステップSg2012)における一処理として実行される処理である。
ステップSg4811では、上記の無効中操作コマンドを受信したか否かを判定する。無効中操作コマンドを受信している場合、ステップSg4812にてサブフラッシュフラグがセットされているか否かを判定し、サブ側フラッシュ演出を実行する場合における無効期間中にベット操作が行われたか否かを判定する。ステップSg4812にて肯定判定した場合、ステップSg4813にて各種フラグ格納エリア183aに無効中操作フラグをセットする処理を実行してから、本無効期間中処理を終了する。ステップSg4811やステップSg4812にて否定判定した場合には、そのまま本無効期間中処理を終了する。
図605(c)は、本変形例におけるフラッシュ中調整用処理の一部を示すフローチャートである。
ステップSg4821では、サブフラッシュフラグがセットされているか否かを判定する。セットされている場合、ステップSg4822にていずれかの操作コマンドを受信しているか否かを判定する。ステップSg4822で判定する操作コマンドは、フラッシュフリーズカウンタが0となる前の無効期間中にベット操作されても出力されることはなく、無効期間が経過した後にベット操作されたことを示すコマンドである。いずれかの操作コマンドを受信している場合、ステップSg4824にてサブフラッシュフラグをクリアする処理を実行し、ステップSg4825にてフラッシュ演出終了処理を実行してから、ステップSg3805以降の払出効果音の出力用の処理に進む。これらステップSg4821~ステップSg4825の処理は、ステップSg3801~ステップSg3804の処理と同様である。
本変形例では、ステップSg4822にていずれかの操作コマンドを受信していないと判定した場合、ステップSg4826に進む。ステップSg4826では、上記の無効中操作フラグがセットされているか否かを判定する。無効中操作フラグがセットされており、無効期間の経過前にベット操作が行われた場合には、ステップSg4827に進み、無効期間が経過したか否かを判定する。ステップSg4827の処理は、例えば、主制御装置101側から受信するフラッシュコマンドに基づいて今回の無効期間の長さを把握可能であり、フラッシュ演出の開始から、上記把握した期間が経過している場合にステップSg4827にて肯定判定するとよい。無効期間を経過した場合、ステップSg4828にて無効中操作フラグをクリアした後、ステップSg4824に進む。この場合、サブフラッシュフラグをクリアした後、ステップSg4825にてフラッシュ演出終了処理を実行する。ステップSg4821、ステップSg4826及びステップSg4827のいずれかで否定判定した場合には、そのままフラッシュ中調整用処理を終了する。
図606(a)に示すように、ta121にて各リール32L,32M,32Rの回転が開始され、ta122にて回転が停止して、当該ta122からta125に亘ってフラッシュ演出が実行される一方、ta125よりも前であるta123までが無効期間として設定されたとする。この場合、既に説明した通り、無効期間が経過した後であってフラッシュ演出の終了予定よりも前であるta124にてベット操作が行われると、その時点でフラッシュ演出は終了する。
これに対して、図606(b)に示すように、tb121にて各リール32L,32M,32Rの回転が開始され、tb122にて回転が停止して、当該tb122からtb125に亘ってフラッシュ演出が実行される一方、tb125よりも前であるtb124までが無効期間として設定されたとする。本変形例では、無効期間中であるtb123にてベット操作が行われると、無効中操作フラグがセットされることから、tb124にて無効期間が終了すると、当該タイミングでフラッシュ演出は終了する。
このようにすることで、無効期間の経過とともにサブ側フラッシュ演出を終了させることが可能となり、よりスムーズな遊技進行を望む遊技者にとって好ましい態様とすることができる。
<変形例3>
本変形例では、フラッシュ演出を途中で終了させる場合の払出効果音やベット効果音の出力態様を変更する。
図607は、本変形例におけるフラッシュ中調整用処理を示すフローチャートである。
ステップSg4901にてサブフラッシュフラグがセットされているか否かを判定する。サブフラッシュフラグがセットされている場合、ステップSg4902にていずれかの操作コマンドを受信しているか否かを判定する。サブフラッシュフラグがセットされていない場合や、いずれの操作コマンドも受信していない場合には、そのままフラッシュ中調整用処理を終了する。
いずれかの操作コマンドを受信している場合、ステップSg4903にて、各種フラグ格納エリア183aに途中終了フラフをセットする処理を実行する。途中終了フラグは、サブ側フラッシュ演出を途中で終了させたことをCPU181が把握するためのフラグである。そして、ステップSg4904にてサブフラッシュフラグをクリアし、ステップSg4905にてフラッシュ演出終了処理を実行する。
フラッシュ演出終了処理を実行した後は、本変形例では、上記ステップSg3805~ステップSg3808の払出効果音の出力用の処理を実行することなく、ステップSg4906~ステップSg4908にて確定表示部35による報知用の処理を行う。具体的には、ステップSg4906にて確定フラッシュフラグがセットされているか否かを判定し、セットされている場合には、ステップSg4907にて確定フラッシュフラグをクリアし、ステップSg4908にて確定表示部35を点灯状態とする処理を実行してから、本フラッシュ中調整用処理を終了する。ステップSg4906にて確定フラッシュフラグがセットされていない場合には、そのまま本フラッシュ中調整用処理を終了する。
次に、フラッシュ演出を途中で終了させた場合の、再遊技入賞に伴うベット演出について説明する。図608は、本変形例におけるサブフラッシュ用再ベット演出処理を示すフローチャートである。
ステップSg5001では、通常再遊技コマンドを受信しているか否かを判定する。通常再遊技コマンドを受信している場合、ステップSg5002にてサブフラッシュフラグがセットされているか否かを判定する。サブフラッシュフラグがセットされておらず、フラッシュ演出が終了した場合には、ステップSg5003に進み、上記の途中終了フラグがセットされているか否かを判定する。セットされておらず、サブ側フラッシュ演出が予定通り最後まで実行されて終了された場合には、ステップSg5004にて通常再遊技用ベット演出処理を実行してから、本サブフラッシュ用再ベット演出処理を終了する。
一方、ステップSg5003にて途中終了フラグがセットされており、サブ側フラッシュ演出が予定通り最後まで実行されず、途中で終了された場合には、ステップSg5005にて途中終了フラグをクリアしてから、サブフラッシュ用再ベット演出処理を終了する。この場合、今回の再遊技入賞に伴うベット演出を実行しない。
ステップSg5001にて通常再遊技コマンドではなく特定再遊技コマンドを受信している場合、ステップSg5006にて、いずれかの操作コマンドを受信しているか否かを判定する。操作コマンドを受信している場合には、ステップSg5007にて特定再遊技用ベット演出処理を実行してから、本サブフラッシュ用再ベット演出処理を終了する。ステップSg5006にて操作コマンドを受信していない場合、ステップSg5008てサブフラッシュフラグがセットされているか否かを判定する。サブフラッシュフラグがセットされておらず、フラッシュ演出が終了した場合には、ステップSg5009にて途中終了フラグがセットされているか否かを判定する。セットされておらず、サブ側フラッシュ演出が予定通り最後まで実行されて終了された場合には、ステップSg5010にて第1クレジットランプ56bを点灯状態とする処理を実行してからステップSg5006に戻り、いずれかのベット操作が行われるまで待機する。
一方、ステップSg5009にて途中終了フラグがセットされており、サブ側フラッシュ演出が予定通り最後まで実行されず、途中で終了された場合には、ステップSg5005にて途中終了フラグをクリアしてから、サブフラッシュ用再ベット演出処理を終了する。この場合、今回の再遊技入賞に伴うベット演出を実行しない。
図609は、フラッシュ演出中にベット操作を行った場合の、メダル払い出しとベット演出との様子を示している。
t131にて各リール32L,32M,32Rの回転が開始され、t132にて回転が終了し、当該t132からt138に亘ってサブ側フラッシュ演出が行われる場合において、そのt132からt138ではなく、t138よりも前のt133にて無効期間が終了するように設定されたとする。この場合、t132にて各リール32L,32M,32Rが停止していずれかの小役入賞が成立していると、無効期間が経過するt133にて実際のメダル払い出しが発生し、t134にて払い出しが終了する。当該t133からt134はフラッシュ演出の実行中であることから払出効果音の出力は制限される。なお、t134にてメダル払い出しが終了して次ゲームに移行すると受入可能状態となる。
t138にてフラッシュ演出が終了するよりも前に、t135にてベット操作が行われた場合、当該ベット操作に基づくベット処理がt136まで実行される。
そして、t135においては払出効果音が未出力であるものの、フラッシュ演出が遊技者の操作により途中で終了されていることから、上記実施形態であればt135からt137にて出力される払出効果音について、本変形例では出力されないようになる。また、同様に、上記実施形態であればt137からt139まで出力されるベット時効果音についても、本変形例では出力されないようになる。
このように、本変形例では、遊技者の操作によってフラッシュ演出を途中で終了させた場合には、当該ゲームでメダル払出が発生していてもフラッシュ演出終了後の払出効果音の出力が行われない。つまり、フラッシュ演出を途中で終了することによって、当該フラッシュ演出が無効期間を伴わない演出上のサブ側フラッシュ演出であったことを遊技者は把握するものと考えられる。このような場合には、フラッシュ演出終了後の払出効果音の出力を行わないようにすることで、疑似的な演出(サブ側フラッシュ演出)であることが把握されている状況で更に疑似的な演出(メダル払出タイミングよりも後の払出効果音の出力)を行うことによって、遊技者を興覚めさせてしまうことを好適に回避することができる。
<変形例4>
本変形例では、特別フラッシュフラグがセットされていても、他の条件によりサブ側フラッシュ演出の実行が制限される場合がある。他の条件として、本変形例では、今回のゲームの抽選結果とクレジット数が設定されている。
図610は、本変形例におけるフラッシュ演出制御用処理を示すフローチャートである。
ステップSg5101では、ステップSg2501と同様にフラッシュ演出を実行中であるか否かを判定し、実行中ではない場合には、ステップSg5102にて特別フラッシュフラグがセットされているか否かを判定する。セットされていない場合には、ステップSg2503及びステップSg2504と同様に、ステップSg5103及びステップSg5104にてフラッシュコマンドに基づく通常フラッシュ設定処理を実行してから、フラッシュ演出制御用処理を終了する。
ステップSg5102にて特別フラッシュフラグがセットされている場合、ステップSg5105にてゲームの開始タイミングであるか否かを判定する。開始タイミングである場合、本変形例では、ステップSg5106にて今回のゲームの抽選結果がいずれかの小役当選であるか否かを判定する。小役当選である場合、ステップSg5107にて、現状のサブ側クレジットカウンタの値と上限値(50)との差が今回のゲームで当選している小役入賞に基づく払出枚数以上であるか否かを判定する。
本スロットマシン10では、3ベットゲームにおいて、第1小役~第6小役の入賞が成立すると、13枚のメダル払出が発生し、第7小役~第8小役の入賞が成立すると3枚のメダル払出が発生し、第9小役~第32小役の入賞が成立すると1枚のメダル払出が発生するところ(図510、図511)、ステップSg5106及びステップSg5107の処理では、今回のゲームで第1小役~第6小役や第9小役~第32小役入賞が成立し得る結果(押し順ベルや共通ベル)であればクレジットの空きが13以上である場合に肯定判定し、今回のゲームで第7小役~第8小役入賞が成立し得る結果(スイカ)であればクレジットの空きが3以上である場合に肯定判定する。また、1ベットゲームにおいて、第1小役~第6小役の入賞が成立すると、5枚のメダル払出が発生し、第7小役~第8小役の入賞が成立すると3枚のメダル払出が発生し、第9小役~第32小役の入賞が成立すると1枚のメダル払出が発生するところ(図510、図511)、ステップSg5106及びステップSg5107の処理では、今回のゲームで第1小役~第6小役や第9小役~第32小役入賞が成立し得る結果(押し順ベルや共通ベル)であればクレジットの空きが5以上である場合に肯定判定し、今回のゲームで第7小役~第8小役入賞が成立し得る結果(スイカ)であればクレジットの空きが3以上である場合に肯定判定する。ちなみに、例えば3ベットゲームの開始時にクレジットの空きが3未満である場合とは、ベット処理が行われた後、更にメダル投入が行われた場合である。
クレジットの空きが払出枚数以上である場合(ステップSg5106:NO、又はステップSg5107:YES)には、ステップSg5108にて、ステップSg2506と同様に特別フラッシュ設定処理を実行してから、フラッシュ演出制御用処理を終了する。これに対して、クレジットの空きが払出枚数未満であり、仮に当選小役が入賞した場合にクレジットの上限値を超過する可能性がある場合(ステップSg5107:NO)には、ステップSg5103に進み、主制御装置101側のフラッシュコマンドに基づく通常フラッシュ設定処理を実行してから、本フラッシュ演出制御用処理を終了する。ステップSg5109~ステップSg5113の処理は、上記ステップSg2507~ステップSg2511の処理と同様である。
すなわち、本変形例では、実際のメダル払出が発生し得る場合には、サブ側フラッシュ演出の実行が制限され、小役入賞が成立し得るもののその入賞時にはクレジットカウンタの加算だけ行われる場合には、サブ側フラッシュ演出の実行が許容される構成としている。このようにすることで、サブ側フラッシュ演出の実行中に小役入賞に基づくメダル払出処理(ステップSg214)において、実際のメダル払出が発生しているのにもかかわらず、当該サブ側フラッシュ演出の終了後に先に行われたメダル払出に対応する払出効果音の出力が行われないようになる。言い換えると、サブ側フラッシュ演出の実行中に小役入賞に基づくメダル払出処理(ステップSg214)において、実際のメダル払出が発生しない場合に、当該サブ側フラッシュ演出の終了後に先に行われたメダル払出に対応する払出効果音の出力が行われるようになる。実際にメダル払出が行われることは、クレジットが増加するよりも遊技者の目に留まり易いことから、上記のようにすることで、サブ側フラッシュ演出の終了後に払出効果音を疑似的に出力することによる演出効果を好適に期待することが可能となる。
特に、上記のサブ側フラッシュ演出ではなく主側フラッシュ演出を実行することの決定を、小役入賞が成立が確定する各リール32L,32M,32Rの停止時ではなく、ゲームの開始時としたことから、フラッシュ演出の前演出としての消灯演出との関係で齟齬が生じないようにもすることが可能である。すなわち、例えば、サブ側フラッシュ演出を実行する予定で第3消灯のフラッシュCを実行する予定であったのにもかかわらず、小役入賞に伴い、消灯無し~第2消灯のフラッシュBに変更しようとすると、消灯演出に対応しないフラッシュ演出が実行されてしまうこととなり、確定演出と勘違いされる等の不都合が生じ得る。その点、上記のように、フラッシュ演出の開始時よりも前であって、当該フラッシュ演出の前演出としての消灯演出よりも前に決定する構成とすることで、消灯演出とフラッシュ演出との関係性を崩すことなく演出を行うことが可能となる。
ちなみに、本実施形態では、特別フラッシュフラグが特別フラッシュ設定処理においてクリアされる構成としているところ、上記変形例において、特別フラッシュフラグがセットされていても、実際のメダル払出が発生し得る場合には、特別フラッシュ設定処理ではなく通常フラッシュ設定処理が実行されるようになる。そのため、実際のメダル払出が発生し得ることによって通常フラッシュ設定処理が実行されたゲームの次ゲームにおいても、特別フラッシュフラグがセットされたまま開始されることになる。この場合、特別フラッシュフラグがセットされた契機となったゲームの次ゲームよりも後のゲームにて、当該特別フラッシュフラグに基づくサブ側フラッシュ演出を実行することが可能な構成となる。このようにすることで、フラッシュ演出が実行されたゲームの次ゲームだけではなく、それ以降のゲームにまでBB当選への期待感を持続させる効果を好適に奏することが可能となる。
特に、本実施形態では、特別フラッシュフラグがセットされた次ゲームの抽選結果が押し順ベルであった場合には、第6特別設定処理以外実行されず、サブ側フラッシュ演出が実行される機会が少ない構成としている。これは、押し順ベル当選時には、主側フラッシュ演出が実行されない構成としていることから、押し順ベル当選時にサブ側フラッシュ演出を実行してしまうと、確定フラッシュ演出であると勘違いされる可能性があることが理由である。そこで、上記構成のように、特別フラッシュフラグが次ゲーム以降も持ち越され得る構成とすることで、特別フラッシュフラグがセットされているゲームの抽選結果とフラッシュ演出との対応付けの関係性を崩すことなく、サブ側フラッシュ演出が実行され得る機会を増やすことが可能である。
なお、上記のように特別フラッシュ設定処理を、特別フラッシュフラグの設定契機となったゲームの次ゲームよりも後のゲームで実行し得る構成の場合、当該特別フラッシュ設定処理においては、特別フラッシュフラグの設定契機となったゲームで実行されたフラッシュ演出のパターンや、抽選結果、入賞結果等に基づいてフラッシュ演出の設定を行うとよい。
<変形例5>
本変形例では、前ゲームのフラッシュ演出の態様に加えて、前ゲームのフラッシュ演出中の遊技者の操作態様を用いて、次ゲームのフラッシュ演出の態様を決定する。
図611は、本変形例におけるフラシュ演出制御用処理を示すフローチャートである。なお、本変形例でも、主制御装置101側のフラッシュ待機用処理において、フラッシュカウンタが0となるまでに遊技者がベット操作を行った場合に無効中操作コマンドを表示制御装置81へ出力する構成とする(図605(a))。
本変形例では、ステップSg5201にてフラッシュ演出の実行中であると判定した場合、ステップSg5209にてフラッシュ演出の終了タイミングであるか否かを判定し、終了タイミングではなければ、ステップSg5210に進む。ステップSg5210では、主制御装置101側からの無効中操作コマンドを受信しているか否かを判定し、受信している場合には、ステップSg5211にて無効中操作フラグをセットする処理を実行する。ステップSg5210にて否定判定した場合、又はステップSg5211の処理を実行した後は、ステップSg5212にてフラッシュ中調整用処理を実行し、ステップSg5213にてフロントライト・バックライトの制御用処理を実行してから、本フラッシュ演出制御用処理を終了する。ステップSg5212~ステップSg5215の処理は、上記ステップSg2508~ステップSg2511の処理と同様である。
すなわち、本変形例では、サブ側フラッシュ演出の実行中ではなくても、主制御装置101側でフラッシュ演出用に設定された無効期間中にベット操作が行われた場合には、表示制御装置81側で無効中操作フラグがセットされる構成となる。
ステップSg5201にてフラッシュ演出を実行中ではないと判定した場合、ステップSg5202にて特別フラシュフラグがセットされているか否かを判定する。セットされていない場合には、ステップSg2503及びステップSg2504の処理と同様に、ステップSg5203及びステップSg5204にて主制御装置101側からのフラッシュコマンドに基づく通常フラッシュ設定処理を実行してから、本フラッシュ演出制御用処理を終了する。
一方、ステップSg5202にて特別フラッシュフラグがセットされている場合、ステップSg5205にてゲームの開始タイミングであるか否かを判定し、開始タイミングである場合には、ステップSg5206にて上記の無効中操作フラグがセットされているか否かを判定する。セットされていない場合には、ステップSg2506の処理と同様に、ステップSg5207にて特別フラッシュ設定処理を実行してから、本フラッシュ演出制御用処理を終了する。
ステップSg5206にて無効中操作フラグがセットされている場合とは、前ゲームのフラッシュ演出の無効期間中にベット操作が行われた場合である。この場合、ステップSg5208にて無効中操作フラグ、特別フラッシュフラグをクリアする処理を実行してから、ステップSg5203に進み、主制御装置101側のフラッシュコマンドに基づく通常フラッシュ設定処理を実行してから、本フラッシュ演出制御用処理を終了する。
このように、前ゲームのフラッシュ演出中にベット操作が実行され、そもそもフラッシュ演出の実行中にベット操作が行われる可能性が高い場合には、特別フラッシュフラグがセットされていても、特別フラッシュ設定処理ではなく、通常通り、主制御装置101側の決定によってフラッシュ演出の設定を行うようにすることで、フラッシュ演出が途中で終了される可能性を低くすることが可能である。このようにすることで、例えば、サブ側フラッシュ演出であることを把握せずにベット操作を行う等、意図せずフラッシュ演出を途中で終了させてしまう場面を少なくすることができ、遊技者の混乱を生じさせないようにすることが可能である。
また、本変形例では、ステップSg5208にて無効中操作フラグをクリアする処理に際して、特別フラッシュフラグもクリアする構成としていることから、延々と特別フラッシュフラグに基づく特別フラッシュ設定処理が持ち越される事象を解消することが可能である。つまり、本変形例のように、フラッシュ演出の途中でベット操作が行われる可能性が高い場合には、特別フラッシュフラグがセットされていてもサブ側フラッシュ演出が行われないようにする一方、上記変形例4のように特別フラッシュフラグが持ち越されないようにすることで、せっかくフラッシュ演出の途中でベット操作が行われる可能性が高いことを理由としてサブ側フラッシュ演出の実行を制限したのにも関わらず、更に次ゲーム以降でサブ側フラッシュ演出を行ってしまい、当該サブ側フラッシュ演出が途中で終了されてしまう、といった事象を好適に回避することが可能となる。
<変形例6>
本変形例では、特別フラッシュフラグがセットされた次のゲームで、特別フラッシュ設定処理を実行することの抽選を行う。図612は、本変形例におけるフラッシュ演出制御用処理を示すフローチャートである。
本変形例では、特別フラッシュフラグがセットされており、ゲームの開始タイミングである場合(ステップSg5301:YES、ステップSg5302:YES、ステップSg5305:YES)、ステップSg5306にて特別フラッシュ設定処理を実行することの実行抽選処理を行う。そして、ステップSg5307にて、当該実行抽選に当選したか否かを判定し、当選している場合には、ステップSg5308にて特別フラッシュ設定処理を実行し、当選していない場合には、ステップSg5303及びステップSg5304にて通常フラッシュ設定処理を実行する。ステップSg5301~ステップSg5305、ステップSg5308~ステップSg5313の処理は、ステップSg2501~ステップSg2511の対応する処理と同様である。
ステップSg5306の実行抽選処理における当選確率の設定例を、図613に示す。
図613(a)は、今回のゲームの抽選結果と当選確率の設定処理にて設定される設定値との関係で実行抽選処理の当選確率が異なるように設定する例を示している。例えば、今回のゲームの抽選結果が外れ結果である場合、設定値が高くなるほど(出玉率が高い設定値ほど)実行抽選に当選し易くなるように設定されている。また、例えば、今回のゲームの抽選結果が通常リプA~Cである場合は奇数設定の方が偶数設定よりも実行抽選に当選し易くなるように設定されており、今回のゲームの抽選結果が押し順ベルである場合は偶数設定の方が奇数設定よりも実行抽選に当選し易くなるように設定されている。更に、BBとの重複当選ではなく非重複特定役の場合には、設定値が高くなるほど実行抽選に当選しにくくなるように設定されており、BBとの重複当選である重複役である場合には、高確率で(必ず)実行抽選に当選するように設定されている。
ここで、上記のように特別フラッシュフラグは、特別フラッシュ設定処理においてクリアされることから、上記の実行抽選処理に当選しなければ、当該特別フラッシュ設定処理の実行は次ゲーム以降に持ち越されることとなる。そうすると、例えば、フラッシュ演出が実行された次ゲームの抽選結果が押し順ベルであった場合においてフラッシュ演出が実行されなかった場合、特別フラッシュ設定処理が実行されたうえでフラッシュ演出の設定が行われなかったのか、それとも実行抽選に非当選となって特別フラッシュ設定処理が実行されなかったのかが、次ゲーム以降にて判明し得るようになる。つまり、上記のようにすることで、フラッシュ演出の次ゲームだけではなく、更に次のゲーム以降の注目度も向上させることが可能となるし、これらのフラッシュ演出を通じて設定値の予測を行わせるという遊技も追加され、遊技の興趣向上を図ることができる。
また、フラッシュ演出を通じて設定値の予測を行う遊技において、抽選結果によってその予測のし易さや予測できる設定値の範囲が異なることから、もともと注目度が高いフラッシュ演出の次ゲームにおいて、更にそのゲームでの抽選結果への注目度を好適に高めることが可能である。
図613(b)は、例えば、有利区間の残りゲーム数との関係で実行抽選の当選確率を設定する例を示している。
例えば、有利区間の残りゲーム数が1001ゲーム以上であり、まだまだ十分に残りゲーム数が残存している場合には、いずれの設定値であっても実行抽選に当選し得るようにし、残りゲーム数が少なくなるほど設定値の絞り込みを行い易いように、残りゲーム数が1~100では設定3以下と設定4以上とで当選確率が大きく異なるようにする。このようにすることで、有利区間の残りゲーム数が少ない状況でBB当選となることによって、残りゲーム数が多い場合と比較して押し順ベル当選時の押し順報知演出による恩恵を享受することができない可能性がある不利益を、設定値の予測し易さといった事象によりフォローすることが可能となり、上限ゲーム数の定められた有利区間であっても、新たな遊技性を創出することが可能となる。
例えば、実行抽選が行われるゲームが通常区間であれば、設定値が3以下であるかそれとも4以上であるかが把握可能となるようにすることで、有利区間が終了したゲームでフラッシュ演出が実行された場合、次ゲームを遊技する動機付けとすることが可能である。本実施形態ではほぼ1ゲームで有利区間に移行するようにしていることから、上記のようにすることで、通常区間のまま遊技が終了される可能性を極力減らすことも可能である。この場合であっても、当該実行抽選が行われるゲームの抽選結果が押し順ベルであった場合には、実行抽選に当選したのにもかかわらず特別フラッシュ設定処理においてフラッシュ演出の設定が行われなかったのか、それとも実行抽選に非当選であったのかが判別しにくくなるので、設定値を予測させる遊技を行わせながらも、その予測の困難性が高まり、当該遊技の面白味を向上させることが可能となる。
<変形例7>
本変形例では、特定役当選時の特定役報知演出との関係性を説明する。上記の通り、特定役報知演出は、バックライト100aではなく、補助表示部65による表示演出とともに、スピーカ64にてその効果音が出力される演出であり(図556(b))、スタートレバー41の操作に基づき実行される開始時演出である。つまり、フラッシュ演出やその前演出である消灯演出よりも更に前に実行される演出である。
図614(a)は、本変形例における開始時演出設定処理の一部を示すフローチャートである。
ステップSg5401では、ステップSg2108と同様に、今回のゲームの抽選結果がいずれかの特定役当選であるか否かを判定する。特定役当選である場合には、ステップSg2109と同様に、補助表示部65及びスピーカ64にて特定役報知演出が行われるように設定する処理を実行する。
特定役当選ではない場合、本変形例では、ステップSg5403に進み、特定役報知演出抽選処理を実行する。特定役報知演出抽選処理では、特定役に当選していなくても、特定役報知演出を実行することの抽選を行う。すなわち、本変形例では、特定役報知演出が実行された場合、今回のゲームの抽選結果が特定役であることを示唆する演出となる。
当該抽選処理の当選確率としては、例えば、図614(b)に示すように、特別フラッシュフラグがセットされていない場合において、BB非当選時よりもBB当選時の方が当選確率が高くなるようにしたうえで、特別フラッシュフラグがセットされている場合の方が、特別フラッシュフラグがセットされていない場合よりも当選確率が高くなるようにすると、フラッシュ演出が発生した前ゲームにおいてBB当選していたことへの期待感をフラッシュ演出や消灯演出よりも前に煽ることが可能となる。このようにすることで、BB当選への期待度の高いフラッシュ演出が実行された場合において、次ゲームの開始時に特定役報知演出が実行されること(BBに当選していること)へ期待を込めてスタートレバー41を操作する遊技者心理を利用して、遊技への注目度を好適に高めることが可能となる。
<変形例8>
本変形例では、補助表示部65やスピーカ64にて実行される演出において、前ゲームの演出パターンと今回のゲームの抽選結果とを利用して今回のゲームの演出パターンを決定する。具体的には、ATモード当選報知を行う上での連続演出において、前ゲームの演出パターンと、今回のゲームの抽選結果とを利用して、今回のゲームの演出パターンを決定する。既に説明した通り、連続演出とは、複数のゲームに亘って継続して実行され得る演出であり、本実施形態では、最終ゲームにてATモード移行抽選の当否結果が報知される構成としている。
図615(a)は、本変形例における連続演出設定処理を示すフローチャートである。連続演出設定処理は、表示制御装置81のCPU181による開始時演出設定処理(図553)のステップSg2118にて実行される処理である。なお、連続演出を実行することの決定やそのゲーム数は直前の前兆演出設定処理(ステップSg2115)にて設定され、本連続演出設定処理では、その連続演出が設定された各ゲームの演出パターンを設定する。
ステップSg5501では、今回開始するゲームが連続演出を実行するゲームであるか否かを判定する。連続演出を実行するゲームではない場合には、そのまま本連続演出設定処理を終了する。連続演出を実行するゲームである場合、ステップSg5502にて、各種カウンタエリア183bに設けられた連続演出カウンタの値を把握して、ATモードの移行抽選の当否結果を報知する連続演出の最終ゲームまでの残りゲーム数を把握する。
続くステップSg5503では、前ゲームの演出パターンを把握する処理を実行し、ステップSg5504では、今回のゲームの抽選結果を把握する。そして、ステップSg5505にて各種テーブル記憶エリア182aから連続演出テーブルを取得する処理を実行し、ステップSg5506にて、ステップSg5502~ステップSg5505の把握結果に基づいて今回の演出パターンを設定したうえで、本連続演出設定処理を終了する。
本変形例では、図615(b)に示すように、ATモード移行抽選に当選していることの期待度が異なる複数の演出パターン(演出A~演出D)が設けられており、同じ期待度の演出パターンでも、連続演出の残りゲーム数によって演出パターンが異なり得るように設定されている。
上記ステップSg5505にて取得する連続演出テーブルとしては、本変形例では図615(c)に示すように、連続演出の最終ゲームまでの残りゲーム数が少ない場合(残り2ゲーム以下)、今回のゲームの抽選結果に関わらず、前ゲームの演出パターンの期待度よりも低い期待度の演出パターンが選択されないように設定されている。また、連続演出の最終ゲームまでの残りゲーム数が上記の場合よりも多い場合(残り3ゲーム以上)、今回のゲームの抽選結果が特定役であったり、いずれかのBBとの重複役である場合には、前ゲームの演出パターンの期待度よりも低い期待度の演出パターンが選択されないように設定されており、今回のゲームの抽選結果が外れや押し順ベル、いずれかの通常リプA~Cである場合には、前ゲームの演出パターンの期待度よりも低い期待度の演出パターンが選択され得るように設定されている。
既に説明した通り、特定役に対応する結果当選となった場合のほうが特定役以外の押し順ベルや通常リプA~Cに対応する結果当選となった場合よりもBB当選の期待度が高く、更に、特定役である場合の方が特定役以外の押し順ベルや通常リプA~CよりもATモードの移行抽選に当選となる期待度も高い。つまり、上記のように、ATモード移行抽選の当否結果を報知する連続演出において、途中のゲームでATモード移行抽選の当選期待度の高い結果となった場合、仮に今回の連続演出の契機となったATモード移行抽選の結果が非当選であったとしても、今回のゲームの抽選結果を契機としてATモード移行抽選に当選となった(連続演出の結果が書き換えられる)ことを遊技者は期待するものと考えられる。しかも、仮にATモード移行抽選に当選していなくても、ATモード移行抽選に当選し易い結果であれば、BB当選にも期待できることから、当該ゲームの抽選結果から何らかの特典(ATモード、BB)が付与されることを遊技者は期待する。
そこで、上記のように、ゲームの抽選結果がATモード当選やBB当選に期待できる結果であれば、そのゲームの連続演出の演出パターンを前ゲームの演出パターンよりも期待度が低くならないようにすることで、連続演出の最終ゲームまで遊技者の期待感を好適に保つことが可能となる。
但し、本実施形態における連続演出は、フラッシュ演出よりも多くのゲーム(図537)に亘って実行されるところ、仮に前ゲームの期待度よりも低くなり得ないように設定してしまうと、最終ゲームまでには高い確率で同じ高い期待度の演出パターンが選択されるようになってしまう不都合が生じ得る。そこで、上記構成のように、最終ゲームまでの残りゲーム数が多ければ、ゲームの抽選結果に応じて前ゲームの演出パターンよりも期待度が低い演出パターンが選択され得るようにすることで、上記のような不都合は生じにくくなるし、各ゲームの抽選結果に応じて期待度の高低が生じ得るようになり、各ゲームの抽選結果への期待感を高めることも可能であり、これらを通じて遊技の興趣向上を好適に図ることが可能となる。
<その他の実施形態>
なお、上述した各実施形態や各変形例の記載内容に限定されず例えば次のように実施してもよい。ちなみに、以下の各構成を個別に上記各実施形態や各変形例に対して適用してもよく、一部又は全部を組み合わせて上記各実施形態や各変形例に対して適用してもよい。また、上記各実施形態や各変形例に示した各種構成の全て又は一部を任意に組み合わせることも可能である。この場合、組み合わせの対象となる各構成の技術的意義(発揮される効果)が担保されることが好ましい。実施形態や変形例の組み合わせからなる新たな構成に対して以下の各構成を個別に適用してもよく、一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。
(1)バックライト装置100やフロントライトを表示制御装置81のCPU181が制御する構成としたが、主制御装置101のCPU102が制御する構成としてもよく、主制御装置101のCPU102が制御するバックライトやフロントライトと、表示制御装置81のCPU181が制御するバックライトやフロントライトと、をそれぞれ設ける構成としてもよい。主制御装置101のCPU102が全て制御する場合、表示制御装置81側の処理として説明したフラッシュ演出制御用処理を、主制御装置101側のCPU102にて実行するようにしたり、表示制御装置81側で決定したサブ側フラッシュ演出や消灯演出の情報を、主制御装置101側へコマンド出力する等して主制御装置101側でも当該サブ側フラッシュ演出や消灯演出の情報を把握可能とするとよい。
また、主制御装置101のCPU102が制御するバックライトやフロントライトと、表示制御装置81のCPU181が制御するバックライトやフロントライトと、をそれぞれ設ける構成の場合、主側フラッシュ演出や消灯演出は、主制御装置101のCPU102が制御するバックライトやフロントライトにより実行し、サブ側フラッシュ演出や消灯演出は、表示制御装置81のCPU181が制御するバックライトやフロントライトにより実行する構成とするとよく、この場合、主制御装置101のCPU102が制御するバックライトやフロントライトによる主側フラッシュ演出や消灯演出と、表示制御装置81のCPU181が制御するバックライトやフロントライトによるサブ側フラッシュ演出や消灯演出とが、遊技者が識別しにくかったり、識別できないように、主制御装置101のCPU102が制御するバックライトやフロントライトと、表示制御装置81のCPU181が制御するバックライトやフロントライトと、をそれぞれ配置するとよい(具体的には、各バックライト100aをそれぞれ2つずつ隣同士で、主制御装置101用のものと表示制御装置81用のものとを設けるとよい)。
主制御装置101側のバックライトと表示制御装置81側のバックライトとを設ける一方、フロントライトは主制御装置101と表示制御装置81とで共用する構成としてもよいし、主制御装置101側のフロントライトと表示制御装置81側のフロントライトとを設ける一方、バックライトは主制御装置101と表示制御装置81とで共用する構成としてもよい。
(2)主制御装置101側のフリーズ抽選処理にて、フラッシュ演出に際しての無効期間を設定する構成としたが、当該期間はスタートレバー41やベット操作が無効化される無効期間ではなくてもよく、主制御装置101側で設定するフラッシュ演出の実行期間を設定し、表示制御装置81側でその実行期間よりも短い実行期間に対応するフラッシュ演出の設定が行われないようにすればよい。例えば、演出位置と待機位置とに変位可能な役物を設け、当該実行期間に亘って、フラッシュ演出とともに演出位置と待機位置との変位が行われるような構成とすると、上記のように、表示制御装置81側で主制御装置101にて決定した実行期間よりも短い実行期間に対応するフラッシュ演出の設定が行われないようにすれば、フラッシュ演出の終了後も、上記役物の変位が継続している、といった不都合を生じさせないようにすることが可能である。
(3)無効期間中に主側フラッシュ演出が実行される構成において、サブ側フラッシュ演出は無効期間中以外でも実行する構成とし、これら主側フラッシュ演出とサブ側フラッシュ演出とで演出態様が共通するものを含むようにしたが、無効期間中に実行される演出と、無効期間とは異なる期間にて実行される演出とで演出態様が共通であればよく、その演出は上記フラッシュ演出に限定されないし、その演出が実行されるタイミングも上記のものに限定されない。例えば、スタートレバー41の開始操作に基づいて、各リール32L,32M,32Rの回転開始が制限される所謂開始時フリーズ演出(回転が停止される場合の他、通常時の回転開始制御とは異なる制御が実行される場合を含み、例えば、逆回転させる場合や、通常時よりも速度が遅い速度にて回転を開始させる場合も含む)において補助表示部65等にて実行される開始時フリーズ演出用の演出と同じ態様の演出を、各リール32L,32M,32Rの回転開始が制限されずに通常時と同様に回転が開始される場合にも実行する構成としてもよい。また、上記思想は、例えば、実際に主制御装置101側のBET処理が行われ、他の操作が無効化される期間にて実行されるベット演出(連ベット演出処理にて設定する演出)と同様のベット演出として、特定再遊技用ベット演出処理のように、所定の再遊技入賞に伴い自動ベット処理が行われた後、遊技者によるベット操作に基づき対応するベット演出を他の操作が無効化されない期間にて実行する構成にも適用可能である。
(4)サブ側フラッシュ演出を実行する場合に、メダル払出効果音やベット時効果音(再遊技用ベット時効果音)を実際のメダル払い出しタイミングやベット処理のタイミングとは異なるタイミングにて出力する構成を説明したが、メダル払出効果音の出力に際して補助表示部65によるメダル払出用の演出が行われる構成としてもよいし、ベット時効果音の出力に際して補助表示部65によるベット用の演出が行われる構成としてもよい。
(5)サブ側フラッシュ演出を行う場合、メダル払出用の演出やベット時演出をサブ側フラッシュ演出の終了後に行う構成としたが、サブ側フラッシュ演出とこれらメダル払出用の演出やベット時演出とが重複して実行される構成としてもよい。この場合、重複しない場合と比較して、メダル払出効果音の出力音量を小さくしたり、ベット時演出を地味な演出(遊技者が把握しにくい演出)としたりすることで、両演出が重複することによりサブ側フラッシュ演出への注目度が低下してしまったり、今回のフラッシュ演出がサブ側フラッシュ演出であることが悟られてしまうことを回避することが可能である。
(6)サブ側フラッシュ演出の実行中にスタートレバー41が操作された場合、実行中のフラッシュ演出を途中でキャンセルするとともに、予定していたメダル払出用の演出やベット時演出もキャンセルする構成としたが、実行中のフラッシュ演出を途中でキャンセルするものの、予定していたメダル払出用の演出やベット時演出もキャンセルしない構成としてもよい。また、スタートレバー41の操作に基づいて開始時演出として第1演出(例えばAT当選報知演出)が実行される場合には、実行中のフラッシュ演出を途中でキャンセルするとともに、予定していたメダル払出用の演出やベット時演出もキャンセルする構成とする一方、スタートレバー41の操作に基づいて開始時演出として第1演出とは異なる第2演出(例えば特定役報知演出)が実行される場合や開始時演出が実行されない場合には、実行中のフラッシュ演出を途中でキャンセルするものの、予定していたメダル払出用の演出やベット時演出もキャンセルしない構成としてもよい。なお、第1演出は第2演出よりも派手な演出であったり、遊技者にとって重要な演出であったり、遊技者にとっての利益に直結し得る演出であると好ましい。
(7)ゲームの開始後であって、サブ側フラッシュ演出の開始前にサブ側フラッシュ演出をキャンセル可能な構成としてもよい。例えば、ゲームの開始操作としてスタートレバー41が操作された後、ストップスイッチ42~44の操作態様や操作タイミング、今回のゲームの抽選結果や入賞結果に応じて、サブ側フラッシュ演出を実行しないようにしてもよい。より具体的には、例えば、サブ側フラッシュ演出が設定されているゲームの抽選結果がスイカ当選であって、当該スイカに対応する第7小役入賞や第8小役入賞が成立した場合には、設定されているサブ側フラッシュ演出を実行せず、スイカ当選であっても第7小役入賞や第8小役入賞が成立していなかった場合には、設定されているサブ側フラッシュ演出を実行する構成としてもよい。この場合、サブ側フラッシュ演出を実行しない場合には、主側フラッシュ演出を実行する構成としてもよく、主側フラッシュ演出も実行しない構成としてもよい。
(8)フラッシュ演出が実行されたことに基づいて、特別フラッシュフラグがセットされた場合、当該特別フラッシュフラグがセットされたゲームを開始する前に、当該特別フラッシュフラグをクリアすることが可能な構成としてもよい。例えば、特別フラッシュフラグがセットされている状況で清算スイッチ59を操作することで、特別フラッシュフラグをクリアすることが可能な構成としてもよいし、ストップスイッチ42~44を所定期間に亘って押し続けることで特別フラッシュフラグをクリアすることが可能な構成としてもよい。ストップスイッチ42~44を押し続ける(ON操作し続ける)構成においては、例えば特別フラッシュフラグがセットされたゲームの最終リールを停止する際に、停止操作(ON操作)を所定期間に亘って継続させることで特別フラッシュフラグをクリアすることが可能な構成としてもよい。また、スロットマシン10の電源ON操作やOFF操作により特別フラッシュフラグをクリアすることが可能な構成としてもよいし、RAMクリアすることにより(リセット操作を行うことや設定変更を行うこと)により特別フラッシュフラグをクリアすることが可能な構成としてもよい。
(9)スロットマシン10の電源ON操作やOFF操作、RAMクリア(リセット操作を行うことや設定変更を行うこと)や、清算スイッチ59の操作等によって特別フラッシュフラグがクリアされない構成としてもよい。
(10)スロットマシン10の電源ON操作やOFF操作、RAMクリア(リセット操作を行うことや設定変更を行うこと)や、清算スイッチ59の操作等によって特別フラッシュフラグがクリアされる場合とされない場合とがあるようにし、例えば、これらの操作が行われた場合に抽選等によりクリアするか否かが決定される構成としてもよい。このようにすることで、例えば、遊技ホールの閉店前にフラッシュ演出が実行されたゲームを最終ゲームとし、次の日の最初のゲームで特別フラッシュフラグに基づくサブ側フラッシュ演出が実行されるか否かによって、設定値の変更等が見抜かれる、といった事象を好適に回避することが可能となる。
(11)補助表示部65による表示画面の光量や、スピーカ64により出力される効果音の音量を調節可能な調節操作手段を設け、当該調節操作手段を操作することで、特別フラッシュフラグをクリアすることが可能な構成としてもよい。
(12)サブ側フラッシュ演出の実行中であって、無効期間中にベット操作やスタートレバー41の操作が行われた場合は、少なくとも無効期間の経過まではフラッシュ演出を継続する構成としたが、操作に基づいて無効期間中であってもフラッシュ演出を終了する構成としてもよい。この場合、操作に基づいてフラッシュ演出から別の演出(例えば、補助表示部65による表示演出や、バックライト装置100等によるデモ演出)に切り換わる構成としてもよい。当該別の演出は無効期間の経過とともに終了するようにしてもよいし、無効期間の経過後も継続して実行されるようにしてもよい。例えば、別の演出を予め定められた所定期間に亘って実行される構成とし、無効期間の経過後も、当該別の演出が開始されてから所定期間が経過するまでは、当該別の演出が行われるようにしてもよく、無効期間の経過前に当該別の演出が開始されてから所定期間が経過した場合には、当該別の演出が再度繰り返されるようにしてもよい。繰り返す場合、最初から繰り返すようにしてもよいし、途中から繰り返すようにしてもよい。
(13)フラッシュ演出の期待度が前ゲームよりも低下する場合と、非対応フラッシュ演出を実行する場合に確定フラッシュフラグをセットして確定演出を行う構成としたが、期待度が低下する場合や非対応フラッシュ演出を実行する場合であっても、確定演出が行われない場合があるようにしてもよく、期待度が低下する場合と非対応フラッシュ演出を実行する場合とで、確定演出が行われる確率が異なるようしてもよく、例えば、期待度が低下する場合の方が非対応フラッシュ演出を実行する場合よりも確定演出が行われ易い構成としてもよいし、期待度が低下する場合の方が非対応フラッシュ演出を実行する場合よりも確定演出が行われにくい構成としてもよい。
(14)サブ側フラッシュ演出の実行期間の長さが、主制御装置101側で決定される無効期間の長さとは異なる場合、確定フラッシュフラグをセットすることにより確定演出を行う構成としてもよい。
(15)確定フラッシュフラグがセットされている場合、フラッシュ演出を最後まで実行する場合には確定表示部35を点灯状態とさせにくく、途中で終了させる場合には、最後まで実行する場合よりも確定表示部35を点灯状態とさせ易い構成としてもよい。また、逆に確定フラッシュフラグがセットされている場合、フラッシュ演出を最後まで実行する場合には確定表示部35を点灯状態とさせ易く、途中で終了させる場合には、最後まで実行する場合よりも確定表示部35を点灯状態とさせにくい構成としてもよい。これらの場合において、確定フラッシュフラグがセットされている場合に、フラッシュ演出を終了させる際に確定表示部35を点灯状態とさせることの抽選等を行い、その抽選等に当選することで確定表示部35を点灯状態とする構成としてもよく、フラッシュ演出を終了させるよりも前(例えばフラッシュ演出の設定時)に途中で終了させる場合と最後まで実行する場合とで確定表示部35を点灯状態とさせることの上記抽選等を行う構成としてもよく、これらの抽選の当選確率が途中で終了する場合と最後まで実行する場合とで異なるようにするとよい。
(16)フラッシュ演出をバックライト装置100により実行する構成として説明したが、フロントライトにより実行する構成としてもよく、表示窓26L,26M,26Rを透過液晶等の表示装置により構成し、当該表示装置にてフラッシュ演出を実行する構成としてもよい。
(17)バックライト装置100の各バックライト100aを点灯状態と消灯状態とに切り替えることによってフラッシュ演出を実行する構成としたが、消灯状態としなくても各バックライト100aの光量を変化させることによりフラッシュ演出を実行する構成としてもよい。
(18)バックライト100aを白色光にて発光する発光手段としてのLEDにより構成したが、赤色光にて発光可能な発光手段としてもよいし、別の色にて発光可能な発光手段としてもよい。
(19)フラッシュ演出は、BB当選の期待度に応じて演出パターンが設定される構成としたが、ATモード移行抽選の当選期待度に応じて演出パターンが設定される構成としてもよく、CZモード移行抽選の当選期待度に応じて演出パターンが設定される構成としてもよく、有利区間移行抽選の当選期待度に応じて演出パターンが設定される構成としてもよく、これらを組み合わせて演出パターンが設定される構成としてもよい。これらの構成であっても、サブ側フラッシュ演出としてフラッシュ演出を実行する場合には、前回のフラッシュ演出の期待度よりも今回のフラッシュ演出の期待度が低くならないようにしたりして、上記各発明を適用可能である。
(20)フラッシュ演出を各リール32L,32M,32Rの停止後であって、メダル払出処理や再BET処理よりも前に実行する構成としたが、例えば、スタートレバー41の操作後であって、各リール32L,32M,32Rの回転開始前に実行する構成としてもよい。また、フラッシュ演出を各リール32L,32M,32Rの停止後であって、メダル払出処理や再BET処理よりも後で実行する構成としてもよい。
(21)フラッシュ演出を伴わないで確定演出が行われ得る構成としてもよく、通常フラッシュ設定処理にて設定されるフラッシュ演出の実行時にも確定演出が行われ得る構成としてもよい。
(22)確定表示部35を点灯状態とすることにより確定演出を行う構成としたが、補助表示部65にて表示する内容により確定演出を行う構成としてもよいし、スピーカ64により出力する効果音にて確定演出を行う構成としてもよい。また、確定演出においていずれかのBB当選に当選していることを報知する構成としたが、第1BB及び第2BBのいずれに当選しているかを報知する構成としてもよく、いずれのBBにも当選していないことを報知する構成としてもよく、各ゲームの抽選結果(例えば、スイカ当選であることや押し順ベル当選であること、外れ結果であること)を確定演出として実行する構成としてもよい。これらの場合において、フラッシュ演出中に遊技者によるベット操作等が行われることで、上記各ゲームの抽選結果についての報知が行われる構成としてもよい。
(23)点灯状態とされた確定表示部35はBB状態が終了するまでに消灯状態とされる構成としたが、点灯状態とされたゲームの終了後、BB入賞前に消灯状態とされる構成としてもよく、スロットマシン10の電源ON操作やOFF操作、RAMクリア(リセット操作を行うことや設定変更を行うこと)や、清算スイッチ59の操作等によって消灯状態とされる構成としてもよい。
(24)補助表示部65による表示画面の光量や、スピーカ64により出力される効果音の音量を調節可能な調節操作手段を設け、当該調節操作手段を操作することで、確定演出を終了させることが可能な構成としてもよい。
(25)補助表示部65による表示画面の光量や、スピーカ64により出力される効果音の音量を調節可能な調節操作手段を設け、当該調節操作手段を操作することで、実行中のサブ側フラッシュ演出を途中で終了可能としたうえで、当該調節操作手段の操作に基づいてサブ側フラッシュ演出を途中で終了させた場合において確定フラッシュフラグがセットされていれば確定演出を実行する構成としてもよい。この場合、確定フラッシュフラグがセットされていても、当該調節操作手段の操作に基づいてサブ側フラッシュ演出を途中で終了させなければ、確定演出が実行されない構成としてもよい。
(26)確定フラッシュフラグがセットされている場合において、サブ側フラッシュ演出を途中で終了させた場合に、その終了の契機となった操作の種類や態様によって、確定演出を実行するか否かを異ならせてもよい。例えば、ベット操作に基づいてサブ側フラッシュ演出を途中で終了させた場合には確定フラッシュフラグがセットされていても確定演出を実行せず、補助表示部65による表示画面の光量や、スピーカ64により出力される効果音の音量を調節可能な調節操作手段を設け、当該調節操作手段を操作することで、実行中のサブ側フラッシュ演出を途中で終了可能としたうえで、当該調節操作手段の操作に基づいてサブ側フラッシュ演出を途中で終了させた場合には確定フラッシュフラグがセットされていれば確定演出を実行する構成としてもよい。
(27)サブ側フラッシュ演出を実行する場合において、メダル払出処理や再BET処理を無効期間の経過後ではなく当該サブ側フラッシュ演出の終了後に実行する構成としてもよい。この場合、サブ側フラッシュ演出用の処理(フラッシュ演出制御用処理)を主制御装置101側にて実行する構成としてもよいし、メダル払出処理や再BET処理を表示制御装置81側にて実行する構成としてもよいし、表示制御装置81からのコマンド(情報)を入力可能な別の制御装置にてメダル払出処理や再BET処理を実行する構成としてもよい。
(28)サブ側フラッシュ演出は、主制御装置101側のフラッシュ演出の実行期間の長さとは異なる長さとなるように設定可能としたが、主制御装置101側のフラッシュ演出の実行期間の長さと同じ長さの演出パターンのうちからフラッシュ演出の演出パターンを設定する構成としてもよい。この場合、主制御装置101にてフラッシュ演出を実行することの決定がなされていない場合には、サブ側フラッシュ演出を実行しないようにしてもよい。このようにすることで、サブ側フラッシュ演出の実行期間の長さと、無効期間の長さとが同じ長さとなり、メダル払出処理や再BET処理の実行タイミングと対応する効果音の出力タイミングとのズレが生じないようにすることを可能としながらも、フラッシュ演出の演出パターンを調整することで期待度の低下が生じないようにすること等が可能である。
(29)フラッシュ演出の演出パターンは上記のものに限定されず、適宜変更可能である。また、フラッシュ演出の演出パターンとゲームの抽選結果との対応関係も上記のものに限定されず、例えば、スイカ当選時は主制御装置101側のフラッシュ演出の決定ではフラッシュ演出を実行しないと決定される場合もある構成としたが、スイカ当選時は必ず主制御装置101側にてフラッシュ演出を実行することの決定がなされる構成としてもよい。
(30)BB当選前とBB当選後(持ち越し状態)とで、主制御装置101側にて選択されるフラッシュ演出の種類や確率が異なる構成としたが、BB非当選時と、BB当選ゲームとでも主制御装置101側にて選択されるフラッシュ演出の種類や確率が異なる構成としてもよく、BB非当選時と、BB当選ゲームと、BB当選ゲーム後であってBB入賞前とで主制御装置101側にて選択されるフラッシュ演出の種類や確率が異なる構成としてもよい。
(31)BB当選期待度に応じて、フラッシュ演出の演出パターンを設定する構成としたが、当選結果におけるメダル払出数に応じて、フラッシュ演出の演出パターンを設定する構成としてもよい。
(32)各設定値によって出玉率が変化する構成とし、設定1が最も出玉率が低く、設定6が最も出玉率が高くなる構成としたが、設定値によって出玉(遊技媒体)の増減率や増減態様が変化する構成であればよい。例えば、設定1と設定2との出玉率が同じであるなど、一部の設定値の出玉率が同じであって、他の設定値の出玉率が異なる構成としてもよい。また、設定1,3,5は出玉の増減率が高く、設定2,4,6は出玉の増減率が低い構成としてもよい。また、設定1,5は短時間で出玉が所定量増加し長時間で出玉が所定量減少し、設定2,3,4は所定量の増加に設定1,5よりも長時間要するとともに所定量の減少に設定1,5よりも短時間で済み、設定6は出玉の増減がほとんど発生しない構成としてもよい。これらの場合、各設定値の出玉率は同じであってもよい。
(33)リール及びそれに対応するストップスイッチを3つ並列して備えるスロットマシンについて説明したが、かかる構成に限定されるものではなく、例えばリール及びそれに対応するストップスイッチを5つ並列して備えたスロットマシンであってもよい。リールの停止操作における誤操作を抑制するという観点からすると、リール及びそれに対応するストップスイッチは少なくとも2つあればよい。また、ベット数が3である状況で有効ラインが1ラインに設定されるスロットマシンについて説明したが、かかる構成に限定されるものではなく、例えば、有効ラインは5ラインであってもよい。
(34)スロットマシン10について具体化した例を示したが、スロットマシンとパチンコ機とを融合した形式の遊技機に適用してもよい。即ち、スロットマシンのうち、メダル投入及びメダル払出機能に代えて、パチンコ機のような球投入及び球払出機能をもたせた遊技機(所謂、球使用回胴式遊技機)としてもよい。かかる遊技機をスロットマシンに代えて使用すれば、遊技ホールでは球のみを遊技価値として取り扱うことができるため、パチンコ機とスロットマシンとが混在している現在の遊技ホールにおいてみられる、遊技価値たるメダルと球との別個の取扱による設備上の負担や遊技機設置個所の制約といった問題を解消し得る。
(35)上記実施形態では遊技媒体としてのメダルを投入することベット数を設定して遊技が開始可能となり、当該遊技の入賞に対応する特典として所定数のメダルが払い出されるタイプの遊技機について例示したが、メダルを使用しないメダルレスタイプの遊技機を否定するものではない。このようなメダルレスタイプの遊技機においては、例えば、仮想遊技媒体(所定の遊技価値)を用いてゲームのベット数を設定して遊技を開始可能とし、当該遊技の入賞に対応する特典として上記所定数のメダルに応じた仮想遊技媒体(所定の遊技価値)を付与する構成とするとよい。この場合、当該仮想遊技媒体数を所定の表示部にて表示する構成としてもよいし、当該仮想遊技媒体数に対応する情報を本遊技機外部に出力する構成としてもよい。
また、上記のパチンコ機においては、遊技球の払い出しが行われるタイプのパチンコ機だけでなく、遊技機外部に遊技球が排出されない封入タイプのパチンコ機であってもよい。このような封入タイプのパチンコ機においては、例えば賞球数を示す情報を報知する構成とするとよい。
<上記各実施の形態から抽出される発明群について>
以下、上述した各実施の形態から抽出される特徴的な構成について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、上記実施の形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
以下の特徴aA群乃至特徴aE群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第1aの実施形態α乃至第1aの実施形態δ、これらの変形例又はこれらの組み合せから抽出される。
<特徴aA群>
特徴aA1.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(各リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が開始される始動操作手段(スタートレバー41)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与することの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が停止される停止操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させ、前記停止操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を停止させる駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記抽選手段における抽選結果が所定結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、当該所定結果に対応する絵柄組合せが停止した場合に前記所定結果に対応する特典を付与することが可能な特典付与手段(主制御装置101による払出判定処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
前記駆動制御手段により、前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させ、前記停止操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を停止させ、前記特典付与手段により前記特典が付与可能に制御されることを通常動作とし、
前記周回体を用いた演出動作制御である特定動作が行われるように各前記周回体を制御する特定駆動制御手段(主制御装置101による回転演出処理を実行する機能)と、
予め定められた判定契機に基づいて、遊技者にとって有利な有利状態(ATモード)へ移行させることを可能とする移行判定を実行する移行判定手段(主制御装置101によるAT抽選用処理を実行する機能)と、
前記移行判定手段による移行判定の結果が前記有利状態へ移行させることが可能な移行結果(ATモード移行当選)であって、前記抽選手段による抽選結果が予め定められた移行対応結果(通常リプA~C)である場合に前記有利状態へ移行させる第1有利移行手段(主制御装置101による第2,第3再遊技入賞に基づきATモード開始用の処理を実行する機能)と、
前記移行判定手段による移行判定の結果が前記移行結果であって、前記抽選手段による抽選結果が前記移行対応結果とは異なる結果である場合に、前記特定動作が行われるように前記特定駆動制御手段を制御する特定手段(主制御装置101による回転演出処理において第1回転演出や第2回転演出を行うための処理を実行する機能)と、
前記特定動作が行われる場合に、前記有利状態へ移行させる第2有利移行手段(主制御装置101による回転演出を伴いATモード開始用の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、始動操作手段の操作に基づき遊技が開始されて当該遊技の抽選が行われ、停止操作手段の操作に基づき当該抽選の結果に対応する絵柄組合せが有効位置に停止すると当該抽選の結果に対応する特典が付与されることを通常動作とする所謂スロットマシンの遊技機において、遊技者にとって有利な有利状態への移行判定の結果が移行結果である場合に、遊技の抽選結果が移行対応結果であれば有利状態へ移行するため、移行判定の結果が移行結果となることと、遊技の抽選結果が移行対応結果と、がセットとなることで有利状態へ移行するようになる。このようにすることで、移行判定の結果が移行結果となることなく有利状態へ移行してしまう事象を生じさせないようにすることができるし、移行結果となっただけでは有利状態へ移行しないようになるため、各遊技の抽選の結果への関心の低下を回避しながら有利状態へ移行することを楽しみにさせることが可能となる。
その一方で、上記のように、移行結果となっても遊技の抽選結果が移行対応結果となるまで有利状態への移行が生じないようにすると、移行対応結果の当選確率等によっては、移行結果となった後、延々と有利状態への移行が待機される可能性があり、遊技の中だるみの要因となり得る。かといって、自動的に有利状態へ移行させてしまうと、せっかく抽選結果とセットで有利状態への移行が生じるようにした意義が消失してしまう。
そこで、移行結果となった場合において遊技の抽選結果が移行対応結果とならなかった場合には、周回体を用いた演出動作制御である特定動作を実行して有利状態へ移行させるようにしたことで、各周回体の停止出目等によって特典が付与されることになる、というスロットマシンの遊技を模した態様で有利状態への移行を生じさせることが可能となり、遊技の抽選の結果への関心の低下を回避しながら、上記のような有利状態へなかなか移行しないことの不都合を好適に解消することが可能となる。
なお、上記構成は、抽選手段の結果が移行対応結果である場合において特定動作が実行されることを否定するものではない。その点を明確にするために、例えば、上記の「特定手段」を、「前記移行判定手段による移行判定の結果が前記移行結果であって、前記抽選手段による抽選結果に関わらず、前記特定動作が行われるように前記特定駆動制御手段を制御する特定手段(主制御装置101による回転演出処理において第1回転演出や第2回転演出を行うための処理を実行する機能)」と表現してもよい。
また、「前記周回体を用いた演出動作制御である特定動作」について、「前記通常動作の開始又は進行が制限される特定動作」と表現してもよく、かかる表現の変更は他の特徴や他の特徴群についても同様である。
特徴aA2.前記特定手段は、前記移行判定手段による移行判定の結果が前記移行結果となった後、予め定められた特定数の遊技にて前記抽選手段による抽選結果が前記移行対応結果とならなかった場合に、前記特定動作が行われるように前記特定駆動制御手段の駆動制御を実行可能であることを特徴とする特徴aA1に記載の遊技機。
上記構成によれば、遊技の結果が移行対応結果となることに基づいて有利状態へ移行させることが優先され、特定数の遊技を行っても移行対応結果とならなかった場合に特定動作が行われて有利状態へ移行させる構成となる。このように、移行対応結果にて有利状態へ移行させることを優先するようにすれば、遊技の抽選の結果への関心を低下させることなく、移行対応結果とならない場合の不都合を解消することが可能となる。
特徴aA3.前記抽選手段は、各遊技で所定数分の1の確率にて前記移行対応結果となるように前記抽選を実行し、
前記特定数は前記所定数よりも大きい数として設定されていることを特徴とする特徴aA2に記載の遊技機。
上記構成によれば、移行対応結果となる確率の分母よりも大きい数の遊技数に亘って移行対応結果とならなければ、特定動作が行われて有利状態へ移行するようになる。このようにすることで、基本的には移行対応結果当選で有利状態へ移行させることを前提とする遊技であって、特定動作を介して有利状態へ移行することがあくまで補助的な役割であることが明確化される。よって、各遊技の抽選結果が移行対応結果となることへの期待感を低下させないようにすることができる。
特徴aA4.前記第1有利移行手段は、前記移行判定手段による移行判定の結果が前記移行結果である状況において、前記抽選手段による抽選結果が前記移行対応結果であり、前記有効位置に当該移行対応結果に対応する移行用の絵柄組合せ(第2,第3再遊技結果入賞となる出目)が停止した場合に前記有利状態へ移行させることを特徴とする特徴aA1乃至特徴aA3のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、移行対応結果にて有利状態へ移行させる場合は、当該移行対応結果となった遊技において当該移行対応結果に対応する移行用の絵柄組合せが有効位置に停止した場合に、当該有利状態への移行が生じるようになる。言い換えると、移行対応結果となっても、移行用の絵柄組合せが停止しなければ有利状態への移行が生じない。このようにすることで、有利状態へ移行させるためには、遊技の結果が移行対応結果となるだけでは足りず、停止操作手段の操作を駆使して移行対応結果の入賞を成立させる、といったように、有利状態への移行に遊技者の介入が必要な構成となり、かかる遊技者の介入の必要性を通じて、遊技の興趣向上を図ることが可能となる。
特徴aA5.前記特定手段は、前記特定動作として、前記移行用の絵柄組合せが前記表示部を介して視認可能な位置に設定された特定位置に存在する特定状況を生じさせるように前記特定駆動制御手段を制御可能であることを特徴とする特徴aA4に記載の遊技機。
上記構成によれば、移行対応結果にて有利状態へ移行する場合と、特定動作が行われて有利状態へ移行する場合とで、表示部を介して視認可能となる停止出目が共通なものとなる。よって、両有利状態への移行を似せることによる効果を高めることが可能となる。
特徴aA6.前記特定手段は、前記特定状況において前記移行用の絵柄組合せが前記特定位置に停止又は仮停止するように前記特定駆動制御手段を制御可能であることを特徴とする特徴aA5に記載の遊技機。
上記構成によれば、単に移行用の絵柄組合せが特定位置に存在するだけでなく、移行用の絵柄組合せが特定位置に仮停止するため、移行対応結果が入賞することで有利状態へ移行する場合と、停止出目が共通なものとなり、両移行を似せる効果が高められる。
なお、上記の「停止」とは、周回体の周回が終了して当該周回体が動作しない状態を意味し、「仮停止」とは、周回体の周回は終了しているもののその周回が終了した位置にて小刻みに振動したり、揺れ動いたり、動作する状態を含み、完全に動作しない状態とは異なる状態を意味する。この点は、当該「停止」や「仮停止」を用いて表現する他の特徴についても同様である。
特徴aA7.前記特定手段は、特定の絵柄組合せが前記表示部を介して視認可能な位置に設定される特定位置に少なくとも所定期間に亘って停止又は仮停止している特定状況が生じるように前記特定駆動制御手段を制御可能であることを特徴とする特徴aA1乃至特徴aA6のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定の絵柄組合せが特定位置に所定期間に亘って停止している特況が生じて有利状態へ移行するため、移行対応結果の入賞に基づき有利状態へ移行する場合の状況と似せる効果を高めることができる。
なお、上記構成を特徴aA5に適用するならば、「特定の絵柄組合せ」を「移行用の絵柄組合せ」と限定するとよい。
特徴aA8.前記通常動作が開始された後、次の前記通常動作が開始されるまでに予め定められた特定期間が経過していない場合、当該次の通常動作の開始を待機させる手段(主制御装置101による回転開始処理においてウェイトを設定する処理を実行する機能)を備え、
前記特定手段は、前記特定動作を前記通常動作の前に実行するものであり、
前記所定期間が設定されることにより、前記特定動作が開始された後、前記通常動作が開始されるまでの期間が前記特定期間以上の長さとなることを特徴とする特徴aA7に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定動作が行われて有利状態への移行が生じる場合の特定の絵柄組合せが停止し、その状態が所定期間に亘って維持されることにより、特定動作が開始されてから次に通常動作が開始されるまでの期間が、移行対応結果入賞が生じて有利状態への移行が生じる場合の次のゲームの回転開始までの期間以上の期間となる。このようにすることで、特定動作を通常動作に似せる効果を高めることができるし、移行対応結果入賞が生じた場合に実行する演出を、特定動作にて特定の絵柄組合せを停止させた状態でも容易に流用することが可能となる。
特徴aA9.前記特定手段は、前記特定動作において、前記停止操作手段が操作された場合に対応する前記周回体を停止又は仮停止させることで、前記表示部を介して視認可能な位置に設定された特定位置に特定の絵柄組合せが停止又は仮停止する特定状況が生じるように前記特定駆動制御手段を制御可能な第1停止手段(主制御装置101による回転演出中にストップスイッチ42~44の操作に基づき対応するリールの停止制御を行う処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴aA1乃至特徴aA8のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、通常動作と同様に、特定動作においても停止操作手段の操作に基づいて周回体が停止又は仮停止するようになる。このようにすることで、移行対応結果入賞で有利状態へ移行する場合と似せる効果が劇的に高められ、移行対応結果に当選しなくても、自らの操作によって有利状態を勝ち取った満足感を提供することが可能となる。
なお、上記構成を特徴aA5に適用するならば、「特定の絵柄組合せ」を「移行用の絵柄組合せ」と限定するとよい。
特徴aA10.前記特定手段は、前記特定動作を開始してから予め定められた期間が経過した場合には、前記停止操作手段が操作されていなくても前記周回体を停止させることで、前記特定位置に前記特定の絵柄組合せが停止又は仮停止する特定状況が生じるように前記特定駆動制御手段を制御可能な第2停止手段(主制御装置101による回転演出中に時間経過でストップスイッチ42~44の操作に関わらず対応するリールの停止制御を行う処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴aA9に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定動作においても停止操作手段の操作に基づき特定の絵柄組合せを停止させる構成において、停止操作手段の操作が行われなかった場合には時間の経過によって停止させるようにしたため、いつまでも停止しないといった事象が生じないようになるし、特定動作において停止操作手段を操作したくない遊技者に対して、その操作を強要せず、遊技者の意思を尊重することが可能な遊技機とすることができる。
なお、上記構成は、以下のように限定してもよい。
「前記特定手段は、前記特定動作を開始してから予め定められた期間が経過した場合には、前記停止操作手段が操作されていなくても停止していない周回体を全て停止させることで、前記特定位置に前記特定の絵柄組合せが停止又は仮停止する特定状況が生じるように前記特定駆動制御手段を制御可能な第2停止手段(主制御装置101による回転演出中に時間経過でストップスイッチ42~44の操作に関わらず対応するリールの停止制御を行う処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴aA9に記載の遊技機」。
このようにすることで、時間の経過で全ての周回体が停止することになり、特定動作による有利状態への移行をスムーズに実現することが可能となる。
特徴aA11.前記特定手段は、前記特定動作において、前記停止操作手段とは異なる所定の操作手段(第1クレジット投入スイッチ56)が操作された場合、前記停止操作手段が操作されていなくても対応する前記周回体を停止させることで、前記特定位置に前記特定の絵柄組合せが停止又は仮停止する特定状況が生じるように前記特定駆動制御手段を制御可能な第3停止手段(主制御装置101による回転演出中に第1クレジット投入スイッチ56の操作に基づいてリールの停止制御を行う処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴aA9又は特徴aA10に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定動作においても停止操作手段の操作に基づき特定の絵柄組合せを停止させる構成において、停止操作手段とは異なる所定の操作手段の操作が行われた場合には停止操作手段が操作されていなくても周回体を停止させるようにしたため、いつまでも停止しないといった事象が生じないようになるし、特定動作において停止操作手段を操作したくない遊技者に対して、その操作を強要せず、遊技者の意思を尊重することが可能な遊技機とすることができる。
なお、上記構成は、以下のように限定してもよい。
「前記特定手段は、前記特定動作において、前記停止操作手段とは異なる所定の操作手段が操作された場合、停止していない周回体を全て停止させることで、前記特定位置に前記特定の絵柄組合せが停止又は仮停止する特定状況が生じるように前記特定駆動制御手段を制御可能な第3停止手段(主制御装置101による回転演出中に第1クレジット投入スイッチ56の操作に基づいてリールの停止制御を行う処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴aA9又は特徴aA10に記載の遊技機」。
このようにすることで、複数存在する周回体に対応する停止操作手段をそれぞれ操作して停止させるよりも、所定の操作手段を操作したほうが操作回数が少なくなり易く、特定動作における停止操作手段の操作を億劫に感じる遊技者であっても容易に特定の絵柄組合せを停止させることが可能となる。
特徴aA12.前記特定手段が前記特定動作において前記周回体を停止又は仮停止させたのにもかかわらず、前記特定の絵柄組合せが前記表示部を介して視認可能な位置に設定された特定位置に停止又は仮停止していない場合、当停止又は仮停止していないことに対応する特定処理を実行可能な特定処理実行手段(主制御装置101によるステップSa3214~ステップSa3228、表示制御装置81によるステップSa3301~ステップSa3306の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴aA1乃至特徴aA11のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定の絵柄組合せを停止又は仮停止させる特定動作において、周回体が停止又は仮停止しているのにも関わらず特定の絵柄組合せが停止又は仮停止していない場合には、それをエラー等として対応する特定処理が行われるため、特定の絵柄組合せが停止又は仮停止していないことに対して適切に対処することが可能となる。
なお、上記構成を特徴aA5に適用するならば、「特定の絵柄組合せ」を「移行用の絵柄組合せ」と限定するとよい。
特徴aA13.前記特定手段による前記特定動作の実行対象となる遊技を特定遊技とし、
前記特定遊技における前記抽選手段による抽選結果が前記移行対応結果である場合、前記特定動作の実行を制限することが可能な制限手段(主制御装置101による回転演出処理におけるステップSa2302等の通常リプA~C当選である場合に回転演出の実行を制限する処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴aA1乃至特徴aA12のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1有利移行手段により有利状態へ移行させることが可能な遊技と、第2有利移行手段により有利状態へ移行させることが可能な遊技とが重複した場合には、第1有利移行手段による移行が優先される構成となる。このように、遊技の抽選結果が移行対象結果となって有利状態へ移行することに期待させる遊技を前提とし、特定動作を介する有利状態への移行を補助的な役割とすることで、遊技の抽選結果への関心が薄れてしまってスロットマシンの醍醐味が抹殺されてしまうことを回避することができる。
特徴aA14.前記第1有利移行手段は、前記移行判定手段による移行判定の結果が前記移行結果である状況において、前記抽選手段による抽選結果が前記移行対応結果であり、前記有効位置に当該移行対応結果に対応する移行用の絵柄組合せ(第2,第3再遊技入賞に対応する出目)が停止した場合に前記有利状態へ移行させるものであり、
前記特定手段による前記特定動作の実行対象となる遊技を特定遊技とし、
前記特定遊技における前記抽選手段による抽選結果が前記移行対応結果である場合、前記特定動作の実行を制限することが可能な制限手段(主制御装置101による回転演出処理におけるステップSa2302等の通常リプA~C当選である場合に回転演出の実行を制限する処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴aA1乃至特徴aA13のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、移行対応結果にて有利状態へ移行させる場合は、当該移行対応結果となった遊技において当該移行対応結果に対応する移行用の絵柄組合せが有効位置に停止した場合に、当該有利状態への移行が生じるようになる。言い換えると、移行対応結果となっても、移行用の絵柄組合せが停止しなければ有利状態への移行が生じない。このようにすることで、有利状態へ移行させるためには、遊技の結果が移行対応結果となるだけでは足りず、停止操作手段の操作を駆使して移行対応結果の入賞を成立させる、といったように、有利状態への移行に遊技者の介入が必要な構成となる。
しかも、第1有利移行手段により有利状態へ移行させることが可能な遊技と、第2有利移行手段により有利状態へ移行させることが可能な遊技とが重複した場合には、第1有利移行手段による移行が優先されるため、遊技の抽選結果が移行対応結果となって当該移行対応結果の入賞を成立させることで有利状態へ移行することに期待させる遊技を前提とし、特定動作を介して有利状態への移行を生じさせることが可能な遊技であっても、遊技者の操作により有利状態へ移行させる機会が奪われないようになる。よって、遊技者の操作により有利状態へ移行させる楽しみを好適に担保することが可能となる。
特徴aA15.前記特定遊技において、前記制限手段により前記特定動作の実行が制限され、前記有効位置に前記移行用の絵柄組合せが停止しなかった場合、前記有利状態へ移行させることが可能な第3有利移行手段(主制御装置101による回転演出処理におけるステップSa2302等の通常リプA~C当選である場合に回転演出の実行を制限する一方で、前ゲームでATモード当選フラグをクリアしたままとする機能)を備えていることを特徴とする特徴aA14に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定遊技において第2有利移行手段よりも第1有利移行手段が優先された場合において、移行用の絵柄組合せを停止させることができなくても、有利状態への移行は生じることになる。このようにすることで、例えば、移行対応結果当選が連続して発生したような場合において、移行対応結果入賞を成立させることができない遊技者であるのにもかかわらず、いつまでも移行対応結果入賞を狙わせることを強要しないようにすることができ、延々と有利状態が開始されない、といった事象を生じさせないようにすることができる。
特徴aA16.前記第1有利移行手段は、前記移行判定手段による移行判定の結果が前記移行結果である状況において、前記抽選手段による抽選結果が前記移行対応結果であり、前記有効位置に当該移行対応結果に対応する移行用の絵柄組合せ(第2,第3再遊技入賞に対応する出目)が停止した場合に前記有利状態へ移行させるものであり、
前記移行判定手段による移行判定の結果が前記移行結果である状況において、前記抽選手段による抽選結果が前記移行対応結果であり、前記有効位置に前記移行用の絵柄組合せが停止しなかった場合に、当該遊技の次の遊技を、前記特定手段による前記特定動作の実行対象となる特定遊技として設定する設定手段(主制御装置101によるATモード開始用の結果当選となったゲームにてATモード開始用の結果入賞が成立しなかった場合に次ゲームで回転演出を実行するようにする処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴aA1乃至特徴aA15のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、移行対応結果に当選したのにも関わらず、移行対応結果入賞を成立させることができなければ、次のゲームにて特定動作を伴って有利状態への移行が生じることになる。このようにすることで、移行対応結果入賞を成立させることができずに、いつまでも有利状態へ移行させることができない、といった不都合を生じさせないようにすることが可能となる。
特徴aA17.前記第1有利移行手段は、前記移行判定手段による移行判定の結果が前記移行結果である状況において、前記抽選手段による抽選結果が前記移行対応結果であり、前記有効位置に当該移行対応結果に対応する移行用の絵柄組合せ(第2,第3再遊技入賞に対応する出目)が停止した場合に前記有利状態へ移行させるものであり、
前記特定手段は、
前記移行判定手段による移行判定の結果が前記移行結果となった後、予め定められた特定数の遊技にて前記抽選手段による抽選結果が前記移行対応結果とならなかった場合の次回の遊技を第1特定遊技(準備モード後のゲーム)とし、当該第1特定遊技にて前記特定動作が行われるように前記特定駆動制御手段の駆動制御を実行可能な第1特定手段(主制御装置101によるAT準備カウンタが0となることにより回転演出を行うようにする処理を実行する機能)と、
前記移行判定手段による移行判定の結果が前記移行結果である状況において、前記抽選手段による抽選結果が前記移行対応結果であり、前記有効位置に前記移行用の絵柄組合せが停止しなかった場合に、当該遊技の次の遊技を、前記特定手段による前記特定動作の実行対象となる第2特定遊技(ATモード開始用の結果当選後のゲーム)とし、当該第2特定遊技にて前記特定動作が行われるように前記特定駆動制御手段の駆動制御を実行可能な第2特定手段(主制御装置101によるATモード開始用の結果に非入賞となったことに基づき回転演出を行うようにする処理を実行する機能)と、
を備え、
前記第1特定遊技おける前記抽選手段による抽選結果が前記移行対応結果である場合、前記特定動作の実行を制限する一方、前記第2特定遊技おける前記抽選手段による抽選結果が前記移行対応結果である場合、前記特定動作の実行を許容する手段(主制御装置101による回転演出処理における準備モードの最終ゲームが通常リプA~C当選である場合に回転演出の実行を制限する一方、準備モードにおいて通常リプA~C当選となり当該ゲームで第2再遊技や第3再遊技入賞が成立しなかった場合の次ゲームが通常リプA~C当選であった場合は回転演出が行われるようにする処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴aA1乃至特徴aA16のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、移行結果となって有利状態へ移行させることが可能な状態となってから、特定数の遊技が消化されるまでに移行対応結果入賞が成立すれば有利状態へ移行し、特定数の遊技が消化されるまでに移行対応結果当選とならなければ特定動作を伴って有利状態へ移行することを前提とし、移行対応結果当選となったのにもかかわらず移行対応結果入賞が成立しなかった場合には次のゲームで特定動作を伴って有利状態へ移行する構成としたうえで、これら移行対応結果入賞が成立しなかったゲームの次のゲームや、特定数の遊技が消化された後のゲームといったように特定動作の実行対象となるゲームの抽選結果が移行対応結果となった場合、特定数の遊技が消化された後のゲームでは特定動作の実行が制限されて移行対応結果入賞を成立させる機会が与えられる一方で、移行対応結果入賞を成立させることができなかったゲームの次のゲームでは特定動作の実行は制限されない。これは、移行対応結果入賞を成立させることができなかったゲームの次のゲームにおいては、既に移行対応結果入賞を成立させる機会は付与されているのに対して、特定数の遊技が消化された後のゲームでは、移行対応結果入賞を成立させる機会は付与されていないことの差によるものである。つまり、このようにすることで、移行対応結果入賞を成立させる機会を付与しながらも、その機会を過剰に付与してしまうことを特定動作によって解消することが可能となる。
特徴aA18.前記移行判定の結果が前記移行結果となってから、前記有利状態が開始されるまでの遊技数が多いほど、遊技者にとって有利となり易い構成であることを特徴とする特徴aA1乃至特徴aA17のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、移行結果となり有利状態への移行を生じさせることが可能な状況となった後、移行対応結果となって有利状態へ移行させることを心待ちにさせながらも、有利状態へ移行するまでのゲーム数が多いほど有利となるため、移行対応結果とならないことを遊技者は望むようになる。そのうえで、特定動作を伴って有利状態へ移行する場合もあるようにしていることから、移行対応結果当選となるまでのゲーム数に上限を設けたりすることも可能となり、有利状態へ移行するまでのゲームが過剰に有利となり過ぎることを抑制することができる。
特徴aA19.前記第1有利移行手段は、前記移行判定手段による移行判定の結果が前記移行結果である状況において、前記抽選手段による抽選結果が前記移行対応結果であり、前記有効位置に当該移行対応結果に対応する移行用の絵柄組合せ(第2,第3再遊技入賞に対応する出目)が停止した場合に前記有利状態へ移行させるものであり、
前記移行判定手段による移行判定の結果が前記移行結果である状況において、前記抽選手段による抽選結果が前記移行対応結果である場合、前記停止操作手段が第1の操作態様にて操作された場合には、前記有効位置に前記移行用の絵柄組合せを停止させて前記有利状態への移行が生じるようにする一方、前記停止操作手段が前記第1の操作態様とは異なる第2の操作態様にて操作された場合には、前記有効位置に前記移行用の絵柄組合せを停止させずに前記有利状態への移行が生じないようにする手段(主制御装置101によるステップSa4113の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴aA1乃至特徴aA18のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、移行結果となってから移行対応結果となっても第1の操作態様ではなく第2の操作態様にて操作することで有利状態への移行を遅延させることができる。このようにすることで、遊技者の好みのタイミングで有利状態を開始させることが可能となるし、特徴aA18のように有利状態へ移行するまでの遊技数が多いほど遊技者にとって有利となるような構成に適用することで、有利状態への移行を遅延させることで有利となるといった、斬新な遊技性を実現することが可能となる。
特徴aA20.前記移行判定手段による移行判定の結果が前記移行結果である状況において、前記抽選手段による抽選結果が前記移行対応結果であって、前記停止操作手段が前記第2の操作態様のうちの所定操作態様(2コマ滑り以上となる操作)にて操作された場合、当該移行対応結果となった遊技の次の遊技にて前記特定手段にて前記特定動作が行われるようにして前記有利状態へ移行させる一方、前記停止操作手段が前記第2の操作態様のうちの特定操作態様(1マ滑り以下となる操作)にて操作された場合、当該移行対応結果となった遊技の次の遊技にて前記特定手段にて前記特定動作が行われないようにして前記有利状態へ移行させないようにする手段(主制御装置101によるステップSa4112の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴aA19に記載の遊技機。
上記構成によれば、第2の操作態様にて移行用の絵柄組合せが停止させないようにして有利状態への移行を回避したとしても、第2の操作態様のうちの所定操作態様である場合には次のゲームで特定動作が発生して有利状態への移行が生じ、特定操作態様であれば特定動作が発生して有利状態への移行が生じない。このようにすることで、有利状態への移行を遅延させたい遊技者としては、第2の操作態様を行った後、特定動作が行われないことを願いながら次のゲームを消化するようになり、遊技の面白みを向上させることが可能となる。
特徴aA21.前記抽選手段による抽選結果が前記移行対応結果であって、前記停止操作手段が前記所定操作態様にて操作された場合には所定の絵柄組合せが前記有効位置に停止し、前記停止操作手段が前記特定操作態様にて操作された場合には前記所定の絵柄組合せが前記有効位置に停止することを特徴とする特徴aA20に記載の遊技機。
上記構成によれば、第2の操作態様のうち所定操作態様にて操作した場合と特定操作態様にて操作した場合とで、有効位置に停止する停止出目が共通なものとなる。そうすると、次のゲームにて特定動作が行われるか否かをもって、いずれの操作態様にて操作されたかの答え合わせを行うことが可能な構成となり、当該次ゲームにて特定動作が行われるか否かへの注目度を劇的に高めることが可能となる。
特徴aA22.前記特定手段は、一の遊技において、前記通常動作が行われるよりも前に前記特定動作が行われるように前記特定駆動制御手段を制御可能であることを特徴とする特徴aA1乃至特徴aA21のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定動作は一の遊技の開始時に実行される構成となり、特定動作が行われることを期待しながら、又は行われないことを期待しながら、始動操作手段を操作することになり、始動操作手段の操作に力が入る面白みのある遊技性を実現することができる。
特徴aA23.前記特定手段は、一の遊技において、前記通常動作が行われた後で前記特定動作が行われるように前記特定駆動制御手段を制御可能であることを特徴とする特徴aA1乃至特徴aA22のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定動作は一の遊技の終了時に実行される構成となり、特定動作が行われることを期待しながら、又は行われないことを期待しながら、停止操作手段を操作することになり、停止操作手段の操作に力が入る面白みのある遊技性を実現することができる。
特徴aA24.前記特定手段は、一の遊技において、前記通常動作と前記通常動作との間で前記特定動作が行われるように前記特定駆動制御手段を制御可能であることを特徴とする特徴aA1乃至特徴aA23のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定動作は一の遊技の途中で実行される構成となり、特定動作が行われるタイミングが任意なものとなるし、特定動作と通常動作との境目がわかりにくくなり、一の遊技の遊技性を大幅に向上させることが可能となる。
特徴aA25.前記特定手段は、前記特定動作を行う遊技において、前記通常動作として第1の周回体が停止した後、当該第1の周回体の停止出目を利用して、当該第1の周回体とは異なる周回体であって停止前の第2の周回体による前記特定動作を行うことが可能であることを特徴とする特徴aA24に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定動作が遊技の途中で行われる構成において、実際に通常動作にて停止させた停止出目が特定動作に利用されることから、特定動作を演出上の動作の印象を与えにくくすることができ、特定動作にて有利状態へ移行させることにより与える満足感を高めることが可能となる。
なお、上記特徴aA1乃至特徴aA25に記載された発明は、「遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機では、所定の抽選条件が成立したことに基づいて内部抽選が行われ、当該内部抽選の結果に応じて遊技者に特典が付与される構成が知られている。スロットマシンについて具体的には、遊技媒体としてのメダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されると、内部抽選が実施されるとともに、リールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップスイッチが操作された場合には、リールの回転が停止する。そして、リールの停止結果が内部抽選の結果に対応したものである場合には、結果に応じた特典が付与される(例えば特開2008-295707号公報参照)。」という背景技術について、「ここで、上記例示等した遊技機においては遊技の興趣向上を図る必要があり、この点について、未だ改良の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
なお、上記特徴aA1乃至特徴aA25の各構成に対して、特徴aA1乃至特徴aA25、特徴aB1乃至特徴aB22、特徴aC1乃至特徴aC12、特徴aD1乃至特徴aD8、特徴aE1乃至特徴aE9のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴aB群>
特徴aB1.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(各リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が開始される始動操作手段(スタートレバー41)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与することの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が停止される停止操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させ、前記停止操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を停止させる駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記抽選手段における抽選結果が所定結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、当該所定結果に対応する絵柄組合せが停止した場合に前記所定結果に対応する特典を付与することが可能な特典付与手段(主制御装置101による払出判定処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
前記抽選手段による抽選結果が予め定められた特定結果となった場合、遊技機外部の装置に対して第1特定情報を出力することが可能な第1特定情報出力手段(主制御装置101によるATモード開始用の結果入賞に基づいてAT用出力端子121dをON状態とする処理を実行する機能)を備え、
前記駆動制御手段により、前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させ、前記停止操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を停止させ、前記特典付与手段により前記特典が付与可能に制御されることを通常動作とし、
前記抽選手段による抽選結果が前記特定結果とならなかった場合、前記周回体を用いた演出動作制御として、前記表示部を介して視認可能な位置に設定される特定位置に特定の絵柄組合せが存在する特定状況を生じさせる特定動作が行われるように各前記周回体を制御する特定駆動制御手段(主制御装置101による回転演出処理を実行する機能)と、
前記特定状況に対応させて、遊技機外部の装置に対して前記第1特定情報又はそれとは異なる第2特定情報を出力することが可能な第2特定情報出力手段(主制御装置101によるタイマ管理処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、始動操作手段の操作に基づき遊技が開始されて当該遊技の抽選が行われ、停止操作手段の操作に基づき当該抽選の結果に対応する絵柄組合せが有効位置に停止すると当該抽選の結果に対応する特典が付与されることを通常動作とする所謂スロットマシンの遊技機において、周回体を用いた演出動作制御である特定動作が行われる場合があるようにしているため、周回体の動作を利用した演出を遊技性の向上に役立てることができる。
しかも、抽選の結果が特定結果当選となった場合、遊技機外部の装置に対して第1特定情報が出力される場合があることを前提としながら、特定結果当選とならなかった遊技において、特定の絵柄組合せが特定位置に存在する特定状況が生じるように特定動作が行われる場合にも遊技機外部の装置に対して第1特定情報や第2特定情報の出力が行われる場合がるようにしていることから、例えば通常動作に似せて特定動作を行う場合、周回体の動作を似せるだけにとどまらず、遊技機外部の装置に対する情報出力の面からも当該似せる効果を得ることが可能となる。この場合、例えば、遊技機に接続されているデータ表示器が第1特定情報等に基づいてそのデータの表示の更新を行う等の構成においては、当該データ表示器が更新されることを通じて遊技者は情報出力が行われたことを把握可能である。このようにすることで、特定動作を用いた遊技の興趣向上の効果を高めることが可能となる。
なお、「特定位置」を「有効位置」とすることで、特定動作を通常動作と似せる行為を高めることが可能である。この点は、「特定位置」と「有効位置」との表現が併存する他の特徴についても同様である。
特徴aB2.前記特典付与手段は、前記抽選手段による抽選結果が前記特定結果であって、前記有効位置に予め定められた前記特定の絵柄組合せが停止した場合に当該特定結果に対応する特典を付与可能となる構成であることを特徴とする特徴aB1に記載の遊技機。
上記構成によれば、有効位置に特定の絵柄組合せが有効位置に停止することで特定結果の入賞が成立することを前提としたうえで、特定の絵柄組合せが特定位置に存在する特定状況が生じるように特定動作が行われるため、特定動作をあたかも特定結果に基づく通常動作である印象を与えることが可能となる。そして、これら特定結果当選時に第1特定情報が出力され、更に特定動作が行われる場合にも第1特定情報や第2特定情報が出力されるため、データ表示器等の更新も含めて、特定結果入賞として特定の絵柄組合せが停止しているのか、それとも特定動作として特定の絵柄組合せが特定位置に存在しているのかの見分けがつきにくくなる。このようにすることで、特定動作を利用した遊技性をより好適に向上させることが可能となる。
特徴aB3.前記第1特定情報出力手段は、前記抽選手段による抽選結果が前記特定結果である遊技において、前記有効位置に前記特定の絵柄組合せが停止した場合に前記第1特定情報を出力するようにし、
前記第2特定情報出力手段は、前記特定の絵柄組合せが前記特定位置に存在する前記特定状況が生じた場合に、前記第1特定情報又は前記第2特定情報を出力するようにすることを特徴とする特徴aB2に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定の絵柄組合せが有効位置に停止して特定結果入賞が成立した場合に第1特定情報が出力されることを前提とし、特定動作においても、特定の絵柄組合せが特定位置に存在する特定状況が生じた場合に第1特定情報等の出力が行われる。このようにすることで、遊技進行に合わせて第1特定情報の出力が行われる通常動作と、周回体を用いた演出動作制御である特定動作との見分けがつきにくくなり、特定動作を利用する特徴aB1の効果をより好適に向上させることが可能である。
特徴aB4.前記第1特定情報出力手段は、前記抽選手段による抽選結果が前記特定結果である遊技において前記有効位置に前記特定の絵柄組合せが停止した場合、当該遊技の次の遊技にて前記第1特定情報を出力するようにし、
前記第2特定情報出力手段は、前記特定状況が生じた後、前記特定位置に前記特定の絵柄組合せが存在しない状況となる場合に前記第1特定情報又は前記第2特定情報を出力するようにすることを特徴とする特徴aB2に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定の絵柄組合せが有効位置に停止して特定結果入賞が成立した場合に、当該遊技の次の遊技において第1特定情報が出力されることを前提とし、特定動作においても、特定の絵柄組合せが特定位置に存在する特定状況が生じた後、特定の絵柄組合せが特定位置に存在しない状況となる場合に第1特定情報等の出力が行われる。このようにすることで、遊技進行に合わせて第1特定情報の出力が行われる通常動作と、周回体を用いた演出動作制御である特定動作との見分けがつきにくくなり、特定動作を利用する特徴aB1の効果をより好適に向上させることが可能である。
特徴aB5.前記特定駆動制御手段は、前記特定動作において、前記特定位置に前記特定の絵柄組合せを停止又は仮停止させることで前記特定状況を生じさせることが可能であって、当該特定状況を生じさせた後、各前記周回体が周回するように制御可能であり、
前記第1特定情報出力手段は、前記抽選手段による抽選結果が前記特定結果である遊技において前記有効位置に前記特定の絵柄組合せが停止した場合、当該遊技の次の遊技にて各前記周回体の周回が開始される場合に前記第1特定情報を出力するようにし、
前記第2特定情報出力手段は、前記特定状況が生じた後、各前記周回体の周回が開始される場合に前記第1特定情報又は前記第2特定情報を出力するようにすることを特徴とする特徴aB4に記載の遊技機。
上記構成は、特徴aB4の具体的構成であり、このように通常動作と特定動作とにおいて特定の絵柄組合せが停止等した後、周回体の周回が開始されるタイミングで第1特定情報等の出力が行われるようにすることで、両動作の見分けをつきにくくさせる効果をより向上させることが可能である。
特徴aB6.前記特定駆動制御手段による前記特定動作が行われるよりも前に、前記第2特定情報出力手段により前記第1特定情報又は前記第2特定情報の出力を行うことの設定処理を実行可能な第1設定手段(主制御装置101による外部出力設定第1処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴aB1乃至特徴aB5のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定駆動制御手段による特定動作が行われている最中に第1特定情報等を出力するための設定処理を行う必要が生じず、複数の処理の実行が重複することによる処理負荷の増大化を好適に回避することができる。
特徴aB7.前記第1設定手段は、前記特定駆動制御手段による前記特定動作において前記周回体の周回が開始されるよりも前に、前記第2特定情報出力手段により前記第1特定情報又は前記第2特定情報の出力を行うことの設定処理を実行可能であることを特徴aB6に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定動作は周回体の周回が行われることを含む動作であることを前提とし、当該特定動作において周回体の周回が開始されるよりも前に、第1特定情報等の出力用の設定処理が実行される。このようにすることで、周回体の駆動制御用の処理と、特定情報出力用の処理とが重複しないようになり、処理の分散化を図ることができる。
特徴aB8.前記特定駆動制御手段による前記特定動作が行われる対象遊技よりも前の特定遊技にて、前記第2特定情報出力手段により前記第1特定情報又は前記第2特定情報の出力を行うことの設定処理を実行可能な第2設定手段(主制御装置101による予約状態に設定する処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴aB1乃至特徴aB7のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定駆動制御手段による特定動作が行われている最中に第1特定情報等を出力するための設定処理を行う必要が生じず、複数の処理の実行が重複することによる処理負荷の増大化を好適に回避することができる。
特に本構成では、特定動作が行われるゲームよりも前のゲームにて第1特定情報等の出力を行うことの設定を行う構成となるため、特定動作用の処理との重複は一切生じないようになり、上記の処理負荷の増大化を回避する効果を高めることができる。
特徴aB9.前記特定駆動制御手段による前記特定動作が行われる対象遊技よりも前の特定遊技にて、前記第2特定情報出力手段により前記第1特定情報又は前記第2特定情報の出力を行う出力状態の設定処理を実行可能な第2設定手段(主制御装置101による予約状態に設定する処理を実行する機能)と、
前記出力状態に設定されている状況における前記対象遊技にて、前記特定駆動制御手段による前記特定動作が行われるよりも前に、前記第2特定情報出力手段により前記第1特定情報又は前記第2特定情報の出力を行うタイミングの設定処理を実行可能な第1設定手段(主制御装置101による外部出力設定第1処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴aB1乃至特徴aB5のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、対象遊技よりも前の特定遊技にて出力状態に設定され、当該出力状態の対象遊技において特定動作が行われるよりも前に第1特定情報等の出力を行うタイミングが設定される。このように、第1特定情報等の出力を複数の処理にて分担して設定する構成としたうえで、いずれの処理についても第1特定情報等を出力するよりも前のタイミングに完了するようにしたことで、処理負荷の増大化を好適に抑制することが可能となる。
特徴aB10.前記第1設定手段は、前記出力状態に設定されている状況における前記対象遊技にて、前記特定駆動制御手段による前記特定動作において前記周回体の周回が開始されるよりも前に、前記第2特定情報出力手段により前記第1特定情報又は前記第2特定情報の出力を行うタイミングの設定処理を実行可能であることを特徴aB9に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定動作は周回体の周回が行われることを含む動作であることを前提とし、当該特定動作において周回体の周回が開始されるよりも前に、第1特定情報等を出力するタイミングの設定処理が実行される。このようにすることで、周回体の駆動制御用の処理と、特定情報出力用の処理とが重複しないようになり、処理の分散化を図ることができる。
特徴aB11.前記第1設定手段は、前記第2特定情報出力手段により前記第1特定情報又は前記第2特定情報の出力が行われるまでの特定期間(予約出力カウンタ)を設定する処理を実行可能な構成であり、
前記第2特定情報出力手段は、前記第1設定手段による前記特定期間の設定が行われた後、当該特定期間が経過した場合に前記第1特定情報又は前記第2特定情報の出力を行う構成であることを特徴とする特徴aB9又は特徴aB10に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1設定手段は、第1特定情報等を出力するタイミングを設定する処理として、出力までの特定期間を設定し、その特定期間が経過することで第1特定情報等が出力される構成となる。このようにすることで、比較的簡素な構成にて、第1特定情報等の出力を事前に設定する構成を実現することが可能となる。
特徴aB12.前記特定駆動制御手段による前記特定動作が行われる対象遊技よりも前の特定遊技にて、前記第2特定情報出力手段により前記第1特定情報又は前記第2特定情報の出力を行うことを設定可能な第2特定設定手段(主制御装置101による予約状態に設定する処理を実行する機能)を備え、
前記特定駆動制御手段は、前記特定遊技よりも後の遊技であって、前記対象遊技よりも前の前遊技にて、前記特定動作を実行する場合がある構成であり、
前記第2特定情報出力手段は、当該前遊技にて前記特定動作が行われた場合にも前記第1特定情報又は前記第2特定情報を出力する構成であることを特徴とする特徴aB1乃至特徴aB11のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成のように、第1特定情報等の出力を行うことを設定する特定遊技よりも後の遊技であって、もともと特定動作を行うはずであった対象遊技よりも前の前遊技にて特定動作が行われる場合があるような構成であっても、特定動作に対応させて第1特定情報等の出力が行われる。このような第1特定情報等の出力をすべき状況が予定よりも早まる可能性がある構成においては、事前の遊技にて第1特定情報等の出力を行うことの設定を済ませておく必要性が高く、かかる構成に特徴aB1の構成を適用することにより、特徴aB1の優れた効果をより好適に期待することが可能となる。
特徴aB13.前記特典付与手段は、前記抽選手段による抽選結果が前記特定結果であって、前記有効位置に予め定められた特定の絵柄組合せが停止した場合に当該特定結果に対応する特典が付与可能となる構成であり、
前記第2特定情報出力手段により前記第1特定情報又は前記第2特定情報の出力を行うタイミングを設定可能な設定手段(主制御装置101による外部出力設定第1処理を実行する機能)を備え、
前記設定手段は、前記特定状況が生じるタイミングより所定期間後のタイミングにて前記第1特定情報又は前記第2特定情報を出力するように設定することを特徴とする特徴aB1乃至特徴aB12のいずれか1に記載の遊技機。
特定動作は、通常動作とは異なる遊技動作であるところ、周回体の駆動制御等を通常の駆動制御と異ならせる等、特殊な制御が必要になり得る。そのため、特定状況が生じるピッタリのタイミングで特定情報等の出力を行うように設定してしまうと、特定状況の発生タイミングと第1特定情報等の出力タイミングとがズレてしまう可能性があり、第1特定情報等の出力の方が特定状況の発生よりも先に生じると、せっかく演出によって特定状況を生じさせているのにもかかわらず第1特定情報等の出力により(データ表示器の更新により)、その特定状況が生じることが事前に察知されてしまう可能性がある。そこで、上記構成では、そもそも、特定状況が生じるタイミングよりも後のタイミングで第1特定情報が出力されるように設定しておくことで、特定状況が生じるよりも前に第1特定情報等が出力される可能性を低減することが可能となる。
特徴aB14.前記特典付与手段は、前記抽選手段による抽選結果が前記特定結果であって、前記有効位置に予め定められた特定の絵柄組合せが停止した場合に当該特定結果に対応する特典が付与可能となる構成であり、
前記特定位置に前記特定の絵柄組合せが停止又は仮停止することで前記特定状況が生じる構成であることを特徴とする特徴aB1乃至特徴aB13のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定動作によって特定の絵柄組合せが特定位置に停止又は仮停止し、この場合に、第1特定情報等の出力が行われる。このようにすることで、特定結果当選となった遊技において特定の絵柄組合せが停止して特定結果入賞が成立する通常動作と同様の流れで、遊技機外部の装置に対して第1特定情報等の出力が行われるようになり、第1特定情報等が出力されることを通じて特定動作を遊技進行に必要な動作であることの印象等を強めることが可能となる。
特徴aB15.前記特典付与手段は、前記抽選手段による抽選結果が前記特定結果であって、前記有効位置に予め定められた特定の絵柄組合せが停止した場合に当該特定結果に対応する特典が付与可能となる構成であり、
前記特定駆動制御手段は、前記通常動作の前に前記特定動作を実行する構成であり、
前記第2特定情報出力手段は、前記特定状況が生じた後、前記通常動作が開始される場合に、前記第1特定情報又は前記第2特定情報の出力を行う構成であることを特徴とする特徴aB1乃至特徴aB14のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定状況が生じた後、通常動作に移行する際に第1特定情報等の出力が行われる。このようにすることで、遊技者は、特定の絵柄組合せが特定位置に存在することの確認と、第1特定情報等が出力されること(データ表示器が更新されること)の確認と、を別々のタイミングで行うことが可能となり、当該第1特定情報等が出力されることの確認を行おうとするあまり、特定の絵柄組合せが特定位置に存在することを見逃してしまう、といった事象が生じにくくなる。
特徴aB16.前記特典付与手段は、前記抽選手段による抽選結果が前記特定結果であって、前記有効位置に予め定められた特定の絵柄組合せが停止した場合に当該特定結果に対応する特典が付与可能となる構成であり、
前記特定動作において、前記特定位置に前記特定の絵柄組合せが停止又は仮停止していることを判定する判定手段(主制御装置101による回転演出処理において第2再遊技や第3再遊技に対応する停止出目が仮停止していることの判定を行う処理を実行する機能)を備え、
前記第2特定情報出力手段は、前記判定手段による判定結果に基づいて前記第1特定情報又は前記第2特定情報を出力することが可能であることを特徴とする特徴aB1乃至特徴aB15のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、実際に特定の絵柄組合せが停止又は仮停止している場合に、第1特定情報等の出力が行われるようになるため、特定の絵柄組合せが停止又は仮停止していないのにもかかわらず第1特定情報等が出力される、といった矛盾を生じさせないようにすることができる。
特徴aB17.前記特定駆動制御手段は、前記特定動作として、前記停止操作手段が操作された場合に、対応する前記周回体を停止させることが可能な疑似遊技を実行可能とするように駆動制御することを特徴とする特徴aB1乃至特徴aB16のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、停止操作手段を操作することで周回体を停止させることが可能な疑似遊技において、第1特定情報等の外部出力が行われる。このようにすることで、単に、周回体を演出として回転制御等するような構成と比較して、停止操作手段の操作を伴うことから通常の遊技に似せる効果を好適に高めることが可能となる。
なお、「疑似遊技」について、以下のように限定してもよく、当該「疑似遊技」の表現により限定される他の特徴についても同様である。
「前記抽選手段における抽選結果が所定結果であって、前記有効位置に当該所定結果に対応する絵柄組合せが停止した場合に、前記特典付与手段により当該所定結果に対応する特典が付与可能に制御される遊技を通常遊技とし、
前記抽選手段による抽選結果が前記所定結果であって、前記有効位置に当該所定結果に対応する絵柄組合せが停止した場合に、前記特典付与手段による前記所定結果に対応する特典の付与が行われない又はその付与が制限される疑似遊技」。
または、「前記抽選手段における抽選結果が所定結果であって、前記停止操作手段の操作に基づき、前記有効位置に当該所定結果に対応する絵柄組合せが停止した場合に、前記特典付与手段により当該所定結果に対応する特典が付与可能に制御される遊技を通常遊技とし、
前記抽選手段による抽選結果が前記所定結果であって、前記停止操作手段の操作に基づき、前記有効位置に当該所定結果に対応する絵柄組合せが停止した場合に、前記特典付与手段による前記所定結果に対応する特典の付与が行われない又はその付与が制限される疑似遊技」。
特徴aB18.前記第2特定情報出力手段は、前記特定動作の実行後に前記第1特定情報又は前記第2特定情報を出力するように、前記特定動作中に前記第1特定情報又は前記第2特定情報の出力設定を行うことを特徴とする特徴aB1乃至特徴aB17のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定動作中に第1特定情報等の出力設定を行い、当該出力設定により、特定動作の実行後に第1特定情報等が出力されるようになる。このようにすることで、特定動作に基づいて遊技が進行している印象を強く与えることが可能となり、例えば、特徴aB17のように特定動作にて疑似遊技を行うことによる演出効果を劇的に高めることが可能となる。
特徴aB19.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(各リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が開始される始動操作手段(スタートレバー41)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与することの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が停止される停止操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させ、前記停止操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を停止させる駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記抽選手段における抽選結果が所定結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、当該所定結果に対応する絵柄組合せが停止した場合に前記所定結果に対応する特典を付与することが可能な特典付与手段(主制御装置101による払出判定処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
前記駆動制御手段により、前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させ、前記停止操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を停止させ、前記特典付与手段により前記特典が付与可能に制御されることを通常動作とし、
前記周回体を用いた演出動作制御として前記表示部を介して視認可能な位置に設定される特定位置に特定の絵柄組合せが存在する特定状況を生じさせる特定動作が行われるように各前記周回体を制御する特定駆動制御手段(主制御装置101による回転演出処理を実行する機能)と、
前記特定状況に対応して、遊技機外部の装置に対して特定情報の出力設定を行う特定情報出力手段(主制御装置101によるタイマ管理処理実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、始動操作手段の操作に基づき遊技が開始されて当該遊技の抽選が行われ、停止操作手段の操作に基づき当該抽選の結果に対応する絵柄組合せが有効位置に停止すると当該抽選の結果に対応する特典が付与されることを通常動作とする所謂スロットマシンの遊技機において、周回体を用いた演出動作制御である特定動作が行われて特定位置に特定の絵柄組合せが存在する特定状況が生じる場合があるようにしているため、周回体の動作を利用した演出を遊技性の向上に役立てることができる。
その反面、上記のような特定動作は、通常動作とは異なる演出上の動作である印象を与えやすく、速やかな遊技進行を望む遊技者には当該特定動作を煩わしく感じさせてしまう可能性もある。また、遊技ホールの管理者としては、特定位置に特定の絵柄組合せが存在する特定状況が、通常動作において抽選手段による抽選結果として生じているのか、それとも、特定動作において生じているのかの見分けがつきにくくなり、ゲームの抽選を経ることなく不正に利益を得ようとする不正行為を特定しにくくなる不都合も生じ得る。
そこで、上記構成においては、特定動作において特定の絵柄組合せが特定位置に存在する特定状況に対応して、遊技機外部に対して特定情報を出力可能な構成としていることから、例えば、遊技機に接続されているデータ表示器が特定情報に基づいてそのデータの表示の更新を行うことが可能となり、特定動作を通常動作と思わせる効果を高めることができるし、当該データの更新を通じて、特定動作が遊技の進行に必要な動作である印象を遊技者に与えることが可能となる。さらに、遊技機に接続されている遊技ホールのホールコンピュータでは、特定動作にて特定状況が生じたことを把握することができるようになり、上記の不正行為を特定し易くなる。以上の結果、上記の不都合を生じさせることなく、特定動作を用いて遊技の注目度を好適に高めることが可能となる。
なお、上記特徴aB19に対して、特徴aB1乃至特徴aB18のいずれか1にて限定した各構成を適用してもよく、特徴aB1乃至特徴aB18のいずれか1にて限定した各構成の一部を適用してもよく、これら特徴aB1乃至特徴aB18のいずれか1にて限定した各構成の全部又は一部を組み合わせて適用してもよい。
特徴aB20.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(各リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が開始される始動操作手段(スタートレバー41)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与することの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が停止される停止操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させ、前記停止操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を停止させる駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記抽選手段における抽選結果が所定結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、当該所定結果に対応する絵柄組合せが停止した場合に前記所定結果に対応する特典を付与することが可能な特典付与手段(主制御装置101による払出判定処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
前記抽選手段による抽選結果が予め定められた特定結果となった場合、遊技操作に応じて、遊技機外部の装置に対して第1特定情報を出力することが可能な第1特定情報出力手段(主制御装置101によるATモード開始用の結果入賞に基づいてAT用出力端子121dをON状態とする処理を実行する機能)を備え、
前記駆動制御手段により、前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させ、前記停止操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を停止させ、前記特典付与手段により前記特典が付与可能に制御されることを通常動作とし、
前記抽選手段による抽選結果が前記特定結果とならなかった場合、前記周回体を用いた演出動作制御として、前記表示部を介して視認可能な位置に設定される特定位置に特定の絵柄組合せが存在する特定状況を生じさせる特定動作が行われるように各前記周回体を制御する特定駆動制御手段(主制御装置101による回転演出処理を実行する機能)と、
前記特定状況に対応させて、遊技機外部の装置に対して前記第1特定情報又はそれとは異なる第2特定情報を出力することが可能な第2特定情報出力手段(主制御装置101によるタイマ管理処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、始動操作手段の操作に基づき遊技が開始されて当該遊技の抽選が行われ、停止操作手段の操作に基づき当該抽選の結果に対応する絵柄組合せが有効位置に停止すると当該抽選の結果に対応する特典が付与されることを通常動作とする所謂スロットマシンの遊技機において、周回体を用いた演出動作制御である特定動作が行われる場合があるようにしているため、周回体の動作を利用した演出を遊技性の向上に役立てることができる。
しかも、抽選の結果が特定結果当選となった場合、遊技機外部の装置に対して第1特定情報が出力される場合があることを前提としながら、特定結果当選とならなかった遊技において、特定の絵柄組合せが特定位置に存在する特定状況が生じるように特定動作が行われる場合にも遊技機外部の装置に対して第1特定情報や第2特定情報の出力が行われる場合がるようにしていることから、例えば通常動作に似せて特定動作を行う場合、周回体の動作を似せるだけにとどまらず、遊技機外部の装置に対する情報出力の面からも当該似せる効果を得ることが可能となる。この場合、例えば、遊技機に接続されているデータ表示器が第1特定情報等に基づいてそのデータの表示の更新を行う等の構成においては、当該データ表示器が更新されることを通じて遊技者は情報出力が行われたことを把握可能である。このようにすることで、特定動作を用いた遊技の興趣向上の効果を高めることが可能となる。
なお、上記特徴aB20に対して、特徴aB1乃至特徴aB18のいずれか1にて限定した各構成を適用してもよく、特徴aB1乃至特徴aB18のいずれか1にて限定した各構成の一部を適用してもよく、これら特徴aB1乃至特徴aB18のいずれか1にて限定した各構成の全部又は一部を組み合わせて適用してもよい。
特徴aB21.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(各リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が開始される始動操作手段(スタートレバー41)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与することの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が停止される停止操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させ、前記停止操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を停止させる駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記抽選手段における抽選結果が所定結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、当該所定結果に対応する絵柄組合せが停止した場合に前記所定結果に対応する特典を付与することが可能な特典付与手段(主制御装置101による払出判定処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
前記抽選手段による抽選結果が予め定められた特定結果となった場合、遊技機外部の装置に対して第1特定情報を出力することが可能な第1特定情報出力手段(主制御装置101によるATモード開始用の結果入賞に基づいてAT用出力端子121dをON状態とする処理を実行する機能)を備え、
前記駆動制御手段により、前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させ、前記停止操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を停止させ、前記特典付与手段により前記特典が付与可能に制御されることを通常動作とし、
前記抽選手段による抽選結果が前記特定結果とならなかった場合、前記周回体を用いた演出動作制御である特定動作が行われるように各前記周回体を制御する特定駆動制御手段(主制御装置101による回転演出処理を実行する機能)と、
前記特定動作に対応させて、遊技機外部の装置に対して前記第1特定情報又はそれとは異なる第2特定情報を出力することが可能な第2特定情報出力手段(主制御装置101によるタイマ管理処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、始動操作手段の操作に基づき遊技が開始されて当該遊技の抽選が行われ、停止操作手段の操作に基づき当該抽選の結果に対応する絵柄組合せが有効位置に停止すると当該抽選の結果に対応する特典が付与されることを通常動作とする所謂スロットマシンの遊技機において、周回体を用いた演出動作制御である特定動作が行われる場合があるようにしているため、周回体の動作を利用した演出を遊技性の向上に役立てることができる。
しかも、抽選の結果が特定結果当選となった場合、遊技機外部の装置に対して第1特定情報が出力される場合があることを前提としながら、特定結果当選とならなかった遊技において、特定動作が行われる場合にも遊技機外部の装置に対して第1特定情報や第2特定情報の出力が行われる場合がるようにしていることから、例えば通常動作に似せて特定動作を行う場合、周回体の動作を似せるだけにとどまらず、遊技機外部の装置に対する情報出力の面からも当該似せる効果を得ることが可能となる。この場合、例えば、遊技機に接続されているデータ表示器が第1特定情報等に基づいてそのデータの表示の更新を行う等の構成においては、当該データ表示器が更新されることを通じて遊技者は情報出力が行われたことを把握可能である。このようにすることで、特定動作を用いた遊技の興趣向上の効果を高めることが可能となる。
なお、上記特徴aB21に対して、特徴aB1乃至特徴aB18のいずれか1にて限定した各構成を適用してもよく、特徴aB1乃至特徴aB18のいずれか1にて限定した各構成の一部を適用してもよく、これら特徴aB1乃至特徴aB18のいずれか1にて限定した各構成の全部又は一部を組み合わせて適用してもよい。
特徴aB22.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(各リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が開始される始動操作手段(スタートレバー41)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与することの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が停止される停止操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させ、前記停止操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を停止させる駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記抽選手段における抽選結果が所定結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、当該所定結果に対応する絵柄組合せが停止した場合に前記所定結果に対応する特典を付与することが可能な特典付与手段(主制御装置101による払出判定処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
前記抽選手段による抽選結果が予め定められた特定結果となった場合、遊技機外部の装置に対して第1特定情報を出力することが可能な第1特定情報出力手段(主制御装置101によるATモード開始用の結果入賞に基づいてAT用出力端子121dをON状態とする処理を実行する機能)を備え、
前記駆動制御手段により、前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させ、前記停止操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を停止させ、前記特典付与手段により前記特典が付与可能に制御されることを通常動作とし、
前記周回体を用いた演出動作制御である特定動作が行われるように各前記周回体を制御する特定駆動制御手段(主制御装置101による回転演出処理を実行する機能)と、
前記特定動作に対応させて、遊技機外部の装置に対して前記第1特定情報又はそれとは異なる第2特定情報を出力することが可能な第2特定情報出力手段(主制御装置101によるタイマ管理処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、始動操作手段の操作に基づき遊技が開始されて当該遊技の抽選が行われ、停止操作手段の操作に基づき当該抽選の結果に対応する絵柄組合せが有効位置に停止すると当該抽選の結果に対応する特典が付与されることを通常動作とする所謂スロットマシンの遊技機において、周回体を用いた演出動作制御である特定動作が行われる場合があるようにしているため、周回体の動作を利用した演出を遊技性の向上に役立てることができる。
しかも、抽選の結果が特定結果当選となった場合、遊技機外部の装置に対して第1特定情報が出力される場合があることを前提としながら、特定動作が行われる場合にも遊技機外部の装置に対して第1特定情報や第2特定情報の出力が行われる場合がるようにしていることから、例えば通常動作に似せて特定動作を行う場合、周回体の動作を似せるだけにとどまらず、遊技機外部の装置に対する情報出力の面からも当該似せる効果を得ることが可能となる。この場合、例えば、遊技機に接続されているデータ表示器が第1特定情報等に基づいてそのデータの表示の更新を行う等の構成においては、当該データ表示器が更新されることを通じて遊技者は情報出力が行われたことを把握可能である。このようにすることで、特定動作を用いた遊技の興趣向上の効果を高めることが可能となる。
なお、上記特徴aB22に対して、特徴aB1乃至特徴aB18のいずれか1にて限定した各構成を適用してもよく、特徴aB1乃至特徴aB18のいずれか1にて限定した各構成の一部を適用してもよく、これら特徴aB1乃至特徴aB18のいずれか1にて限定した各構成の全部又は一部を組み合わせて適用してもよい。
なお、上記特徴aB1乃至特徴aB22に記載された発明は、「遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機では、所定の抽選条件が成立したことに基づいて内部抽選が行われ、当該内部抽選の結果に応じて遊技者に特典が付与される構成が知られている。スロットマシンについて具体的には、遊技媒体としてのメダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されると、内部抽選が実施されるとともに、リールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップスイッチが操作された場合には、リールの回転が停止する。そして、リールの停止結果が内部抽選の結果に対応したものである場合には、結果に応じた特典が付与される(例えば特開2008-295707号公報参照)。」という背景技術について、「ここで、上記例示等した遊技機においては遊技の興趣向上を図る必要があり、この点について、未だ改良の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
なお、上記特徴aB1乃至特徴aB22の各構成に対して、特徴aA1乃至特徴aA25、特徴aB1乃至特徴aB22、特徴aC1乃至特徴aC12、特徴aD1乃至特徴aD8、特徴aE1乃至特徴aE9のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴aC群>
特徴aC1.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(各リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が開始される始動操作手段(スタートレバー41)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与することの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が停止される停止操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させ、前記停止操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を停止させる駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が前記表示部を介して視認可能な位置に設定される有効位置に特定の絵柄組合せ(第2再遊技入賞又は第3再遊技入賞となる停止出目)を停止させることが可能な特定結果(例えば、通常リプA~C)であった場合、特定特典(ATモード)を付与することが可能な特定特典手段(主制御装置101によるATモードを開始させる処理を実行する機能)と、
前記駆動制御手段により、前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させ、前記停止操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を停止させ、特典付与手段により前記特典が付与可能に制御されることを通常動作とし、
前記周回体を用いた演出動作制御として前記表示部を介して視認可能な位置に設定される特定位置に前記特定の絵柄組合せが存在する特定状況を生じさせる特定動作が行われるように各前記周回体を制御する特定駆動制御手段(主制御装置101による回転演出処理を実行する機能)と、
前記特定動作の実行対象となる特定遊技において、前記抽選手段による抽選結果が前記特定結果である場合、前記特定駆動制御手段により前記特定動作が行われることを制限可能な特定手段(主制御装置101による回転演出処理において通常リプA~C当選である場合に回転演出を行わないようにする処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、始動操作手段の操作に基づき遊技が開始されて当該遊技の抽選が行われ、停止操作手段の操作に基づき当該抽選の結果に対応する絵柄組合せが有効位置に停止すると当該抽選の結果に対応する特典が付与される、といった所謂スロットマシンの遊技機において、遊技の抽選結果が特定結果である場合は、特定の絵柄組合せが停止して対応する特定特典が付与される構成とし、更に、特定位置に特定の絵柄組合せが存在する特定状況は、周回体を用いた演出動作制御としての特定動作においても発生し得るようにしたため、遊技の結果が特定結果当選とならなくても、特定の絵柄組合せを自由に表示させることが可能となり、特定特典を付与するタイミングの自由度を大幅に向上させることができ、例えば、特定特典を付与したいのにもかかわらず、なかなか特定結果当選とならないことによって特定特典を付与できない、といった不都合を解消することができる。
そのうえで、特定結果当選に基づいて特定の絵柄組合せを停止させることが可能となる遊技と、特定動作の実行対象となる遊技とが重複した場合には、特定動作ではなく、通常動作にて特定の絵柄組合せを停止させることを優先するように、特定動作の実行を制限する特定手段を備えるようにしたため、遊技者が自らの操作によって周回体を停止させて特典を獲得する、といったスロットマシンの醍醐味を抹殺しないようにしながら、上記の特定動作による自由なタイミングで特定特典を付与可能となるといった優れた効果を期待することができる。
特徴aC2.前記特定遊技よりも前の遊技において、前記特定遊技にて前記特定動作を実行することの設定を行う先設定手段(主制御装置101による各種開始時フリーズフラグやAT準備カウンタをセットする処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴aC1に記載の遊技機。
上記構成によれば、先設定手段により特定遊技にて特定動作を行うことの設定が行われた後、当該特定遊技の抽選結果が特定結果ではなければ特定動作が実行され、特定遊技の抽選結果が特定結果であると特定動作の実行が制限されることになる。このようにすることで、特定動作を実行する遊技を事前に設定して処理の分散化を図りながらも、当該遊技にて特定の絵柄組合せが何度も停止してしまう不都合を解消することが可能となる。
特徴aC3.予め定められた有利状態へ移行させることの有利判定を実行する有利判定手段(主制御装置101によるAT抽選用処理を実行する機能)と、
前記有利判定手段による有利判定の結果が前記有利状態へ移行可能とする有利結果である場合、前記有利状態へ移行可能とする移行前状態(準備モード、CZモード)に設定する移行前状態設定手段(主制御装置101による準備モードやCZモードに設定する処理を実行する機能)と、
を備え、
前記特定特典手段は、前記移行前状態において、前記抽選手段による抽選結果が前記特定結果であって、前記有効位置に前記特定の絵柄組合せが停止した場合に前記特定特典として前記有利状態へ移行させる構成であり、
前記特定駆動制御手段による前記特定状況が生じた場合に、前記有利状態へ移行させる第2特定特典手段(主制御装置101による回転演出を行う際にATモード開始用の処理を実行する機能)を備え、
前記先設定手段は、前記移行前状態設定手段により前記移行前状態の設定が行われる場合、当該設定が行われる遊技よりも後の遊技である前記特定遊技にて前記特定動作が行われるように設定することを特徴とする特徴aC2に記載の遊技機。
上記構成のようにすることで、有利状態へ移行することが可能な移行前状態となり、当該移行前状態にて特定結果となると特定の絵柄組合せが停止可能となって有利状態への移行が生じ、また、移行前状態において特定遊技にて特定動作が行われても有利状態への移行が生じることになる。このように、特定遊技となる事象と、特定結果となる事象とのいずれかで有利状態への移行が生じる構成を前提とし、両事象が重複した場合に、特定結果側を優先する構成とすれば、両事象によって特定の絵柄組合せが何度も表示されてしまう事象を回避することができるだけでなく、有利状態の移行用の処理についても重複して実施されてしまう不都合も回避することができる。
特徴aC4.前記特定手段は、前記特定遊技において、前記抽選手段による抽選結果が前記特定結果であっても、予め定められた特定条件が成立している場合には前記特定動作の実行を許容可能であることを特徴とする特徴aC1乃至特徴aC3のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定遊技における抽選結果が特定結果である場合、一律で特定動作の実行が制限されるわけではなく、特定条件が成立している場合には、特定結果当選であっても特定動作の実行が許容されるようになる。このような構成とすることで、特定動作の実行の自由度を大幅に向上させることが可能となる。
特徴aC5.前記特定遊技よりも前の遊技であって、前記抽選手段による抽選結果が前記特定結果である所定遊技において、前記有効位置に前記特定の絵柄組合せを停止させることができなかった場合に前記特定条件が成立することを特徴とする特徴aC4に記載の遊技機。
特定遊技よりも前の遊技において、特定結果であるのにもかかわらず特定の絵柄組合せを停止させることができなかった遊技者は、自らの操作で特定の絵柄組合せを停止させるよりも特定動作によって特定の絵柄組合せが停止等してくれた方が好ましく感じるものと考えられる。そこで、上記のように、特定結果当選時に特定の絵柄組合せを停止させることができなかったことを一の条件として、特定遊技において特定結果となっても特定動作の実行を許容する構成とすることで、遊技者の更なる操作を強要することなく、遊技者の熟練度等にあわせた柔軟な遊技性を提供することが可能となる。
特徴aC6.前記特定遊技よりも前の遊技において、前記特定遊技にて前記特定動作を実行することの設定を行う先設定手段(主制御装置101による各種開始時フリーズフラグやをセットする処理を実行する機能)を備え、
前記先設定手段は、前記所定遊技において、前記有効位置に前記特定の絵柄組合せが停止しなかった場合に前記特定遊技にて前記特定動作を実行することの設定を行うことを特徴とする特徴aC5に記載の遊技機。
上記構成は、特徴aC5の具体的構成であり、上記構成のようにすることで、特定の絵柄組合せを停止させることができない遊技者であることを判断したうえで、特定動作を実行する構成とすることが可能となる。よって、遊技者の操作によって周回体を停止させて特典を付与するスロットマシンの醍醐味を活かしながら、その操作が未熟な遊技者を特定動作によって的確にフォローすることが可能となる。
特徴aC7.前記抽選手段による抽選結果が前記特定結果である場合、前記特定の絵柄組合せを停止可能とする特別報知を所定の報知手段にて実行する特別報知手段と(表示制御装置81によるAT開始用処理を実行する機能)を備え、
前記特定手段により前記特定動作の実行が制限される場合、前記特別報知手段による前記特別報知が実行されることを特徴とする特徴aC1乃至特徴aC6のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定遊技にて特定動作と特定結果とが重複して、特定動作の実行が制限される場合、特定結果当選に基づく特定の絵柄組合せを停止させることを可能とする特別報知が実行される。このようにすることで、通常動作側にて特定の絵柄組合せを停止させることを優先したのにもかかわらず、遊技者がそれに気づかない等して特定の絵柄組合せが停止しない、といった残念な事象を生じさせないようにすることができる。
なお、上記「特別報知手段」は、以下のように限定してもよく、このようにすることで、特別報知を実行する意義が高められる。
「前記抽選手段による抽選結果が前記特定結果であり、前記停止操作手段が第1の操作態様にて操作された場合には前記有効位置に前記特定の絵柄組合せが停止可能となり、前記停止操作手段が前記第1の操作態様とは異なる第2の操作態様にて操作された場合には前記有効位置に前記特定の絵柄組合せとは異なる絵柄組合せが停止可能となる構成であり、
前記抽選手段による抽選結果が前記特定結果である場合、前記第1の操作態様に対応する特別報知を所定の報知手段にて実行する特別報知手段」。
また、上記構成は、抽選手段による抽選結果が特定結果である場合であって、特定手段により特定動作の実行が制限されない状況で特別報知手段が特別報知を実行することを否定するものではない。
特徴aC8.前記特定手段は、前記特定遊技において、前記抽選手段による抽選結果が前記特定結果であっても、予め定められた特定条件が成立している場合には前記特定動作の実行を許容可能であり、
前記特定条件が成立している場合、前記特別報知手段による前記特別報知の実行が制限されることを特徴とする特徴aC7に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定動作が実行されているのにもかかわらず、特別報知が実行され、特定の絵柄組合せが何度も表示されてしまう事象を生じさせないようにすることができる。
特徴aC9.前記特定状況が生じたことに基づいて、前記特定特典を付与可能な手段(主制御装置101による回転演出処理の実行に際してATモード開始用の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴aC1乃至特徴aC7のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定動作が行われることによって特定特典が付与されるようになるため、特定動作を実行する特定遊技において特定結果となった場合には、特定特典が重複して付与される可能性が生じることとなる。その点、特徴aC1のように、このような場合には特定動作の実行が制限されるようになるため、当該制限する意義が高められる。
なお、上記構成は、特徴aC3における「第2特定特典手段」に相当するものである。
特徴aC10.前記特定状況において、前記特定位置に前記特定の絵柄組合せが停止又は仮停止することを特徴とする特徴aC1乃至特徴aC9のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、単に特定位置に特定の絵柄組合せが存在するだけではなく、特定の絵柄組合せが停止又は仮停止することになる。このような構成とすることで、特定の絵柄組合せが停止等することと、特定特典が付与されることと、がセットであることの印象を強め、特定動作による演出効果が高められる。
特徴aC11.前記特定駆動制御手段は、前記特定動作として、前記停止操作手段が操作された場合に、対応する前記周回体を停止させることが可能な疑似遊技を実行可能とするものであることを特徴とする特徴aC1乃至特徴aC10のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定遊技において、停止操作手段を操作することで周回体を停止させることが可能な疑似遊技中に特定の絵柄組合せが有効位置に存在する状況が生じ得るものとなり、このような疑似遊技と、実際の特定結果当選に基づいて特定の絵柄組合せを停止させる遊技とが重複する場合には、疑似遊技の実行が制限されることとなる。このようにすることで、特定動作の実行を制限することは、遊技者に重複する操作を強要してしまうことを回避することにもつながり、当該制限することの意義を高めることが可能となる。
特徴aC12.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(各リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が開始される始動操作手段(スタートレバー41)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与することの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が停止される停止操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させ、前記停止操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を停止させる駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が前記表示部を介して視認可能な位置に設定される有効位置に特定の絵柄組合せ(第2再遊技入賞又は第3再遊技入賞となる停止出目)を停止させることが可能な特定結果(例えば、通常リプA~C)であった場合、特定特典(ATモード)を付与することが可能な特定特典手段(主制御装置101によるATモードを開始させる処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が前記特定結果である場合、前記特定の絵柄組合せを停止可能とする特別報知を所定の報知手段にて実行する特別報知手段と(表示制御装置81によるAT開始用処理を実行する機能)と、
前記駆動制御手段により、前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させ、前記停止操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を停止させ、特典付与手段により前記特典が付与可能に制御されることを通常動作とし、
前記周回体を用いた演出動作制御として前記表示部を介して視認可能な位置に設定された特定位置に前記特定の絵柄組合せが存在する特定状況を生じさせる特定動作が行われるように各前記周回体を制御する特定駆動制御手段(主制御装置101による回転演出処理を実行する機能)と、
前記特定動作の実行対象となる特定遊技において、前記抽選手段による抽選結果が前記特定結果である場合、前記特定駆動制御手段による前記特定動作の実行、及び前記特別報知手段による前記特別報知の実行のいずれかを制限可能な特定手段(主制御装置101による回転演出処理において通常リプA~C当選である場合に回転演出を行わないようにする処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、始動操作手段の操作に基づき遊技が開始されて当該遊技の抽選が行われ、停止操作手段の操作に基づき当該抽選の結果に対応する絵柄組合せが有効位置に停止すると当該抽選の結果に対応する特典が付与される、といった所謂スロットマシンの遊技機において、遊技の抽選結果が特定結果である場合は、特定の絵柄組合せが停止して対応する特定特典が付与される構成とし、更に、特定位置に特定の絵柄組合せが存在する特定状況は、周回体を用いた演出動作制御としての特定動作においても発生し得るようにしたため、遊技の結果が特定結果当選とならなくても、特定の絵柄組合せを自由に停止させることが可能となり、特定特典を付与するタイミングの自由度を大幅に向上させることができ、例えば、特定特典を付与したいのにもかかわらず、なかなか特定結果当選とならないことによって特定特典を付与できない、といった不都合を解消することができる。
そのうえで、特定結果当選に基づいて特定の絵柄組合せを停止させることが可能となる遊技と、特定動作の実行対象となる遊技とが重複した場合には、特定動作の実行と通常動作において特定の絵柄組合せを停止させる特別報知の実行とのいずれかが制限されることから、特定の絵柄組合せが何度も表示されてしまう、といった不都合を解消することができる。
なお、上記特徴aC12に対して、特徴aC1乃至特徴aC11にて限定した構成をそれぞれ個別に適用してもよく、相互に組み合わせて適用してもよい。また、特徴aC1乃至特徴aC11にて限定した構成のうちの一部の構成を適用してもよく、その一部の構成を相互に組み合わせて適用してもよい。
なお、上記特徴aC1乃至特徴aC12に記載された発明は、「遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機では、所定の抽選条件が成立したことに基づいて内部抽選が行われ、当該内部抽選の結果に応じて遊技者に特典が付与される構成が知られている。スロットマシンについて具体的には、遊技媒体としてのメダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されると、内部抽選が実施されるとともに、リールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップスイッチが操作された場合には、リールの回転が停止する。そして、リールの停止結果が内部抽選の結果に対応したものである場合には、結果に応じた特典が付与される(例えば特開2008-295707号公報参照)。」という背景技術について、「ここで、上記例示等した遊技機においては遊技の興趣向上を図る必要があり、この点について、未だ改良の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
なお、上記特徴aC1乃至特徴aC12の各構成に対して、特徴aA1乃至特徴aA25、特徴aB1乃至特徴aB22、特徴aC1乃至特徴aC12、特徴aD1乃至特徴aD8、特徴aE1乃至特徴aE9のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴aD群>
特徴aD1.遊技者による所定の開始操作に基づいて開始され、所定の終了条件を満たすことに基づいて終了することを一の遊技とし、
所定の報知手段により前記遊技の結果が報知される遊技機において、
前記遊技の結果に対応する特定情報を、当該遊技機の外部の装置に対して出力する出力手段(主制御装置101によるタイマ更新処理を実行する機能)と、
前記出力手段により前記特定情報が出力されることとなる遊技を特定遊技とし、当該特定遊技よりも前の遊技にて前記特定情報を出力するための第1設定を行う第1設定手段(主制御装置101によるAT準備カウンタをセットする等して予約状態に設定する処理を行う機能)と、
前記第1設定手段による設定が行われた後であって、前記出力手段による前記特定情報の出力が行われるよりも前に、前記特定情報を出力するための第2設定を行う第2設定手段(主制御装置101による予約出力カウンタをセットする処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、遊技機外部の装置に対する遊技の結果に対応する特定情報の出力が、第1設定と第2設定とを介して行われる構成となる。このように、複数の設定処理を介して特定情報が出力される構成としたことによって、出力される特定情報の正確性が向上し、例えば、遊技の結果に関わらず特定情報を出力したり出力しなかったりさせることで、遊技機に接続されたデータ表示器等の更新を不正に操作する行為を行いにくくさせることが可能となる。しかも、上記構成においては、特定情報の出力設定を、先ず、当該特定情報が出力される遊技よりも前の遊技において設定する第1設定と、当該第1設定が行われた後であって、特定情報が出力されるよりも前に設定する第2設定と、に担わせる構成としていることから、いずれの設定処理の実行タイミングも、特定情報の出力タイミングと重複しないようになり、処理の重複による処理負荷の増大化を解消することが可能となる。
特徴aD2.前記第2設定手段は、前記第2設定として、前記特定遊技における前記特定情報の出力タイミングを設定することを特徴とする特徴aD1に記載の遊技機。
上記構成によれば、事前の遊技において特定情報出力の第1設定が行われた後、第2設定では、特定遊技における特定情報の出力タイミングを設定する処理が行われることとなる。このような構成とすることで、特定情報を出力する出力手段においては、第2設定手段により設定されたタイミングを見定めればよいだけとなり、特定情報の出力時の処理を劇的に簡素なものとすることが可能となる。よって、処理の分散化による処理負荷の増大化を解消することが可能となるし、更に、特定情報の出力時のエラーの発生の可能性も低減することができ、特定情報の正確性も向上させることが可能となる。
特徴aD3.前記第2設定手段は、前記特定遊技が開始された後、当該特定遊技が終了するよりも前のタイミングを前記特定情報の出力タイミングとして設定することを特徴とする特徴aD2に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定情報の出力タイミングは特定遊技が開始されてから終了するまでの途中のタイミングとなる。このように一の遊技の途中で外部出力する構成においては、遊技の進行用の処理と、外部出力用の処理とが重複することとなり、処理負荷の増大化が懸念されるところ、上記のように外部出力用の処理の簡素化が図られており、当該処理負荷の増大化を好適に回避することが可能となる。
特徴aD4.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(各リール32L,32M,32R)と、
前記開始操作が行われる始動操作手段(スタートレバー41)と、
前記終了条件を成立させるための終了操作が行われる停止操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させ、前記停止操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を停止させる駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
を備え、
前記第2設定手段は、各前記周回体の周回が開始された後、前記停止操作手段の操作に基づき各前記周回体が停止するよりも前のタイミングを前記特定情報の出力タイミングとして設定することを特徴とする特徴aD3に記載の遊技機。
上記構成は、特徴aD3の具体的構成である。このような始動操作手段の操作に基づき複数の周回体の周回が開始され、停止操作手段の操作に基づきそれぞれ周回体が停止する、といった所謂スロットマシンにおいては、遊技が遊技者の操作によって進行する構成であり、遊技進行用の処理が複雑化し易い。そこで、上記構成のように、遊技進行用の処理が行われるタイミングと特定情報の出力タイミングとが重複するような構成であっても、特定情報の出力用の処理を簡素なものとしていることから、処理負荷の増大化を回避することが可能となる。
特徴aD5.前記周回体の周回が開始された後であって、所定期間に亘って前記停止操作手段の操作又は操作に基づく前記周回体の停止を無効化する無効手段(主制御装置101による回転開始処理において無効期間を設定する処理を実行する機能)を備え、
前記第2設定手段は、前記無効手段により無効化される前記所定期間中のタイミングを前記特定情報の出力タイミングとして設定することを特徴とする特徴aD4に記載の遊技機。
上記構成によれば、停止操作手段の無効期間としての所定期間中に特定情報が出力される。このような構成とすることで、遊技者の操作に基づく駆動制御を行う必要のない状況、すなわち、遊技者の操作を監視しなくてもよい状況で特定情報を出力する構成となり、処理の重複を好適に回避することが可能となる。
なお、「疑似遊技」を行う遊技機に本構成を適用する場合、上記無効期間としての「所定期間」は、当該疑似遊技を行う期間に相当する。この場合、「遊技者に特典を付与することの抽選を行う抽選手段」と、「前記周回体の停止結果に基づいて前記抽選手段による抽選結果に対応する特典を付与する特典付与手段」と、を備える構成としたうえで、「無効手段」による「所定期間」を、「前記周回体の停止が前記特典付与手段による特典付与の対象とならない又は付与が制限される期間」として限定してもよい。
特徴aD6.各前記周回体の周回が開始された後、前記停止操作手段の操作に基づき各前記周回体を停止させることが可能となるよりも前のタイミングにおいて、予め定められた特定の絵柄組合せが遊技者から視認可能な位置に設定される特定位置に存在する特定状況が生じるように、各前記周回体を駆動制御する特定駆動制御手段(主制御装置101による回転演出処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴aD4又は特徴aD5に記載の遊技機。
上記構成によれば、遊技者の操作によって遊技が進行するスロットマシンにおいて、その遊技の終了操作が可能となるよりも前に、特定位置に特定の絵柄組合せが存在する特定状況が生じるように周回体の駆動制御が行われる場合があり、このような状況下で、特定情報の出力が行われるように特定情報の出力タイミングが設定される。このような、所謂周回体の回転演出が行われるタイミングで特定情報の出力を行う構成とすることで、当該回転演出が行われることにより遊技機に接続されているデータ表示器等の更新が行われるようにすることも可能であり、回転演出を遊技の結果と好適に関連付けることが可能となる。しかも、事前に特定情報の出力設定を行う構成であることから、このような特殊な回転制御が行われる状況化であっても、出力用の処理によって処理負荷の増大化を招くことがなく、上記の特定情報の出力を回転演出とを関連付ける効果を好適に享受することができる。
特徴aD7.前記第1設定手段は、予め定められた設定契機(準備モード移行)が生じた場合、前記第1設定として、当該設定契機が生じた遊技よりも後の遊技のうちの所定の遊技を前記特定遊技と設定することを特徴とする特徴aD1乃至特徴aD6のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1設定手段は、特定情報出力用の第1設定として、特定情報を出力する遊技を設定する構成となる。このように、先ず第1設定手段にてどの遊技で特定情報を出力するかを設定しておけば、第2設定手段は、第2設定を行うにあたってその設定された特定遊技か否かを判断すればよく、特定情報の出力契機が生じているか否かを判断する処理が必要なくなる。
特徴aD8.前記第1設定手段は、前記特定遊技の設定を行った後、当該特定遊技よりも前の遊技において予め定められた特定事象(ATモード開始用の結果当選且つ非入賞となった場合)が生じた場合、当該設定済みの特定遊技よりも前の遊技を前記特定遊技に再設定することが可能であることを特徴とする特徴aD7に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1設定手段により特定遊技の設定を行った後、特定事象が生じた場合には特定遊技が前倒しになって、設定済みの特定遊技よりも前の遊技が特定遊技として再設定される。このようにすることで、特定情報を出力する遊技を事前に設定する構成において、当該出力する遊技の自由度が向上する。しかも、このような遊技であっても、第1設定手段は、特定遊技を再設定するのであるから、第2設定手段は、第2設定を行うにあたって特定遊技か否かを判断すればよく、特定遊技の自由度を向上させながらも、当該特定遊技における処理負荷の増大化を招かないようにすることができる。
なお、上記特徴aD1乃至特徴aD8に記載された発明は、「遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機では、所定の抽選条件が成立したことに基づいて内部抽選が行われ、当該内部抽選の結果に応じて遊技者に特典が付与される構成が知られている。スロットマシンについて具体的には、遊技媒体としてのメダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されると、内部抽選が実施されるとともに、リールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップスイッチが操作された場合には、リールの回転が停止する。そして、リールの停止結果が内部抽選の結果に対応したものである場合には、結果に応じた特典が付与される(例えば特開2008-295707号公報参照)。」という背景技術について、「ここで、上記例示等した遊技機においては遊技の興趣向上を図る必要があり、この点について、未だ改良の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
なお、上記特徴aD1乃至特徴aD8の各構成に対して特徴aA1乃至特徴aA25、特徴aB1乃至特徴aB22、特徴aC1乃至特徴aC12、特徴aD1乃至特徴aD8、特徴aE1乃至特徴aE9のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴aE群>
特徴aE1.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(各リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が開始される始動操作手段(スタートレバー41)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与することの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が停止される停止操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させ、前記停止操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を停止させる駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記抽選手段における抽選結果が所定結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、当該所定結果に対応する絵柄組合せが停止した場合に前記所定結果に対応する遊技価値を付与することが可能な遊技価値付与手段(主制御装置101による払出判定処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
前記停止操作手段による操作に基づき前記有効位置に前記抽選手段による抽選結果に対応する絵柄組合せが停止し場合に、前記遊技価値付与手段により当該所定結果に対応する遊技価値が付与可能に制御される遊技を通常遊技とし、
前記停止操作手段による操作に基づき前記有効位置に前記抽選手段による抽選結果に対応する絵柄組合せが停止した場合に、前記遊技価値付与手段により前記所定結果に対応する遊技価値の付与が行われない又はその付与が制限される遊技である疑似遊技を実行可能な疑似遊技手段(主制御装置101による回転演出処理を実行する機能)を備え、
前記疑似遊技手段は、前記通常遊技において前記周回体のうちの第1の周回体が停止した後、前記疑似遊技として、前記周回体のうちの第2の周回体を停止させることで、少なくとも前記第1の周回体及び前記第2の周回体にそれぞれ付された絵柄を含んだ特定の絵柄組合せが前記表示部を介して視認可能な位置に設定される特定位置に停止する特定疑似遊技を実行可能であることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、始動操作手段の操作に基づき周回体の周回が開始されて当該遊技の抽選が行われ、停止操作手段の操作に基づき当該抽選の結果に対応する絵柄組合せが有効位置に停止すると当該抽選の結果に対応する遊技価値が付与される、といった所謂スロットマシンの遊技機において、停止操作手段の操作に基づき周回体を停止させても遊技価値付与の対象とならない疑似遊技が設定されていることから、各遊技の抽選と一対一で対応付けられた通常遊技だけでなく、当該抽選と対応しない疑似遊技を通常遊技と織り交ぜて遊技させることで遊技性を大幅に向上することができる。
しかも、本遊技機においては、当該疑似遊技を、通常遊技における停止出目を利用して特定の絵柄組合せを停止させることが可能な構成としており、一の遊技において通常遊技と疑似遊技との境目が把握しにくくなり、抽選結果に対応しない結果を疑似遊技の停止出目によって報知するにしても、疑似的に演出で報知している印象を遊技者に与えにくくすることが可能となる。また、疑似遊技において全ての周回体を停止させる構成と比較して、特定の絵柄組合せを停止させるために一のゲームにおいて必要な停止操作の回数が通常遊技の分だけ少なくなり、当該特定の絵柄組合せを停止させる遊技をスムーズに行わせることも可能となる。よって、疑似遊技による演出効果を好適に高めることができ、遊技の興趣向上を図ることが可能となる。
特徴aE2.前記疑似遊技手段により前記特定の絵柄組合せを停止させる前記疑似遊技が行われた後、前記第1の周回体を停止させたまま、前記第2の周回体の前記通常遊技が行われる構成であることを特徴とする特徴aE1に記載の遊技機。
上記構成によれば、一の遊技において、第1の周回体が通常遊技として停止した後、第2の周回体は疑似遊技として停止し、その後、当該第2の周回体の通常遊技が行われる。この場合、第1の周回体は停止したままであるため、第1の周回体の停止操作を再度強要させず、第1の周回体の停止出目を利用した疑似遊技を行う意義を高めることができる。
特徴aE3.前記疑似遊技手段により前記特定の絵柄組合せを停止させる前記疑似遊技が行われた後、前記第1の周回体を停止させたまま、前記第2の周回体の前記通常遊技が行われ、前記第1の周回体及び前記第2の周回体にそれぞれ付された絵柄を含む絵柄組合せが、当該遊技における前記抽選手段による抽選結果に対応する絵柄組合せである場合、当該抽選結果に対応する遊技価値が前記遊技価値付与手段により付与されることを特徴とする特徴aE2に記載の遊技機。
上記構成によれば、一の遊技において通常遊技が行われた後、疑似遊技が行われ、その後、通常遊技が行われる。そして、疑似遊技にて停止させた第2の周回体の絵柄を用いずに、当該疑似遊技の前後で行われた通常遊技にて停止させた絵柄を用いて、遊技価値の付与が行われる構成となる。このようにすることで、一の遊技の最中に疑似遊技が盛り込まれる遊技性において、当該一の遊技の抽選結果に対応する遊技価値を得るための通常遊技としての操作を増やすことなく、当該遊技価値を好適に付与することが可能となる。
特徴aE4.前記抽選手段による抽選結果が予め定められた特定結果である場合、前記有効位置に前記特定の絵柄組合せが停止することで前記特定結果に対応する遊技価値が前記遊技価値付与手段により付与される構成であることを特徴とする特徴aE1乃至特徴aE3のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、遊技の抽選結果が特定結果である場合に、通常遊技として特定の絵柄組合せが有効位置に停止することで当該特定結果に対応する遊技価値が付与される。このような構成を前提として、疑似遊技にて特定の絵柄組合せを停止させるようにすることで、当該疑似遊技を通常遊技と似せる効果を高めることができ、疑似遊技による演出効果を向上させることが可能となる。
特徴aE5.予め定められた判定契機に基づいて遊技者にとって有利な有利事象を生じさせる有利判定(ATモード移行抽選)を行う有利判定手段(主制御装置101によるAT抽選用処理を実行する機能)と、
前記有利判定手段による有利判定の結果が前記有利事象を生じさせる有利結果となった場合であって、前記抽選手段による抽選結果が前記特定結果となり、前記有効位置に前記特定の絵柄組合せが停止した場合に前記有利事象を生じさせる第1有利手段(主制御装置101による入賞結果対応処理においてATモードを開始させる処理を実行する機能)と、
前記有利判定手段による有利判定の結果が前記有利結果となった場合であって、前記疑似遊技において前記特定の絵柄組合せが停止した場合に前記有利事象を生じさせる第2有利手段(主制御装置101による回転演出に際してATモードを開始させる処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴aE4に記載の遊技機。
上記構成によれば、通常遊技において特定の絵柄組合せが停止した場合には、特定結果に対応する遊技価値が付与されるだけでなく、有利判定の結果が有利結果であることを条件として有利事象が発生し、疑似遊技において特定の絵柄組合せが停止した場合にも有利事象が発生する。このようにすることで、特定の絵柄組合せが停止することと有利事象が発生することとがセットとなり、疑似遊技にて特定の絵柄組合せが停止したことを、通常遊技にて特定の絵柄組合せが停止したことに似せる効果が高められる。しかも、一の遊技の抽選結果に対応しない疑似遊技であっても、その疑似遊技にて周回体を停止させたことに対して、当該遊技の抽選結果とは異なる結果に基づく特典を付与することが可能となり、疑似遊技の存在意義を高めることができる。
特徴aE6.前記疑似遊技手段は、前記抽選手段による抽選結果が前記特定結果とは異なる特別結果(押し順ベル)である場合に、前記特定疑似遊技を実行することを特徴とする特徴aE4又は特徴aE5に記載の遊技機。
上記構成によれば、遊技の抽選結果が特定結果とは異なる特別結果であって、通常遊技にて特定の絵柄組合せを有効位置に停止させることができない場合に、特定疑似遊技として特定の絵柄組合せを停止させることが可能となる。言い換えると、特定結果であって、通常遊技にて特定の絵柄組合せを停止させることができる遊技であれば、特定疑似遊技の実行に頼ることなく、通常遊技が優先される構成となる。このようにすることで、遊技者が抽選結果に応じた停止出目を停止させることで特典を得るといった通常遊技の遊技性を尊重しながら、特定疑似遊技を用いた演出効果を期待することが可能となる。
特徴aE7.前記抽選手段による抽選結果が前記特定結果であって、前記停止操作手段が第1の停止順序で操作された場合には前記有効位置に前記特定の絵柄組合せが停止可能となり、前記停止操作手段が前記第1の停止順序とは異なる第2の停止順序で操作された場合には前記特定の絵柄組合せとは異なる絵柄組合せが停止可能となる構成であり、
前記抽選手段による抽選結果が前記特別結果であって、前記停止操作手段が前記第1の停止順序で操作された場合には前記有効位置に特別の絵柄組合せが停止可能となり、前記停止操作手段が前記第2の停止順序で操作された場合には前記特別の絵柄組合せとは異なる絵柄組合せが停止可能となる構成であり、
前記疑似遊技手段は、前記抽選手段による抽選結果が前記特別結果である場合、前記第1の停止順序となるように前記第1の周回体及び前記第2の周回体を利用した前記特定疑似遊技を実行することを特徴とする特徴aE6に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定の絵柄組合せが停止可能となる特定結果や、特定疑似遊技の実行契機となる特別結果は、いずれも停止操作手段の操作順序によって停止出目が異なることとなる結果であり、特定結果当選時に第1の停止順序で操作することで特定の絵柄組合せが停止可能となり、特別結果当選時に第1の停止順序で操作することで特別の絵柄組合せが停止可能となる。そして、特別結果当選時に特定疑似遊技を実行する場合には、第1の周回体、第2の周回体を当該第1の停止順序で操作させる構成としており、その結果、当該遊技の結果としては、特別の絵柄組合せが停止することになる。このようにすることで、特別結果当選であっても、特定結果当選時の操作順序にて操作させて特定の絵柄組合せが停止することを期待させつつ、当該遊技の抽選結果に対応する停止出目を停止させることが可能となる。
特徴aE8.前記第1の停止順序及び前記第2の停止順序を含む順序報知を、所定の報知手段にて実行可能な順序報知手段(主制御装置101による押し順報知を行うための処理を実行する機能)を備え、
前記順序報知手段は、前記抽選手段による抽選結果が前記特別結果であって、前記疑似遊技手段による前記特定疑似遊技が実行される場合、前記第1の停止順序に対応する前記順序報知を実行する特定順序報知手段(主制御装置101による回転演出を実行するゲームにて押し順ベル当選となった場合の押し順報知を行うための処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴aE7に記載の遊技機。
上記構成によれば、特徴aE7のように特別結果当選時に第1の操作順序にて操作させる遊技を好適に実現することが可能となる。
特徴aE9.前記抽選手段による抽選結果が前記特別結果であって、前記有効位置に前記特別の絵柄組合せが停止した場合の方が、前記有効位置に前記特別の絵柄組合せとは異なる絵柄組合せが停止した場合よりも、遊技者にとって有利であることを特徴とする特徴aE7又は特徴aE8に記載の遊技機。
上記構成によれば、特別結果当選時に特定疑似遊技を行うことによって遊技者の損失が生じないようにしながら、特定疑似遊技による演出効果を期待することが可能となる。
なお、上記特徴aE1乃至特徴aE9に記載された発明は、「遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機では、所定の抽選条件が成立したことに基づいて内部抽選が行われ、当該内部抽選の結果に応じて遊技者に特典が付与される構成が知られている。スロットマシンについて具体的には、遊技媒体としてのメダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されると、内部抽選が実施されるとともに、リールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップスイッチが操作された場合には、リールの回転が停止する。そして、リールの停止結果が内部抽選の結果に対応したものである場合には、結果に応じた特典が付与される(例えば特開2008-295707号公報参照)。」という背景技術について、「ここで、上記例示等した遊技機においては遊技の興趣向上を図る必要があり、この点について、未だ改良の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
なお、上記特徴aE1乃至特徴aE9の各構成に対して、特徴aA1乃至特徴aA25、特徴aB1乃至特徴aB22、特徴aC1乃至特徴aC12、特徴aD1乃至特徴aD8、特徴aE1乃至特徴aE9のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
以上詳述した特徴aA群乃至特徴aE群の各構成に対して、他の特徴aA群乃至特徴aE群の各構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想を組合せて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
以下の特徴bA群乃至特徴bE群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第2bの実施形態α乃至第2bの実施形態γ、これらの変形例又はこれらの組み合せから抽出される。
<特徴bA群>
特徴bA1.遊技者による所定の開始操作に基づいて開始され、所定の終了条件を満たすことに基づいて終了されることを一の遊技として遊技を進行させる遊技進行手段(主制御装置101による通常処理を実行する機能)と、
前記遊技進行手段により進行される遊技において、遊技者に特典を付与することの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果、及び前記遊技進行手段により進行される遊技の結果に応じて、遊技者に特典を付与する特典付与手段(主制御装置101による払出判定処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
所定の判定契機に基づいて、遊技者にとって有利な有利事象(ATモードのセット継続)を生じさせることの有利判定を実行する有利判定手段(主制御装置101による継続判定処理やAT上乗せ用処理を実行する機能)と、
前記有利判定手段による有利判定の結果が前記有利事象を生じさせることに対応する有利結果である場合、予め定められた特定タイミングにて前記有利事象を生じさせる有利実行手段(主制御装置101によるATモード用処理における新たなセットを開始させる処理、例えばステップSb1404~ステップSb1406の処理を実行する機能)と、
前記有利判定手段による有利判定の結果が前記有利結果であって前記特定タイミングよりも前の状況にて実行される特定遊技において、前記抽選手段による抽選結果が予め定められた特定結果である場合、前記有利結果であることに対応する特定報知を実行することの実行判定を行う実行判定手段(表示制御装置81による特定演出抽選処理を実行する機能)と、
前記実行判定手段による判定結果が前記特定報知を実行することに対応する対応結果である場合、前記特定報知を実行する特定報知手段(表示制御装置81による特定演出設定処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、遊技者による開始操作に基づきゲームが開始されて当該遊技の抽選が行われ、所定の終了条件を満たすと当該ゲームが終了するとともに抽選結果に応じた特典が付与され得るといった所謂スロットマシンの遊技機において、遊技者にとって有利な有利事象を生じさせることの有利判定が行われ、その有利判定の結果が有利結果である場合、予め定められた特定タイミングにて有利事象が生じることから、各ゲームにて特典を得るといった遊技性に有利事象を生じさせる遊技性が追加され遊技の多様化が図られる。
このような遊技性においては、有利事象の有利度等によっては、各ゲームの抽選結果やその抽選結果に基づく特典付与よりも、有利事象を生じさせる有利判定に対して遊技者の関心が集中してしまう場合もあり、ゲームの開始及び特典付与に遊技者の操作が関与するスロットマシンの遊技性がないがしろにされてしまう可能性が否めない。特に、有利判定の結果が有利結果であった場合、有利事象が生じるまでのゲームは、有利事象待ちのゲームとなり、遊技者の関心が低下してしまう可能性も高くなる。
そこで、上記構成では、有利事象を生じさせる有利判定の結果が有利結果となった後であって有利事象が生じるよりも前の状況における特定遊技としてのゲームにて、そのゲームの抽選結果に応じて有利結果に対応する特定報知の実行判定が行われるようにしたことから、有利結果となったことを有利事象が生じるよりも前に知りたい遊技者の心理を利用して、当該特定遊技の抽選結果への注目度が好適に高められる。
しかも、上記構成のようにすることで、所定の判定契機に基づいて実行される有利判定の結果が有利結果となった後、有利事象が生じるまでにタイムラグが存在する遊技において、各ゲームの抽選結果に応じて有利事象が生じることに対応する特定報知が行われるため、所定の判定結果に基づく有利判定の結果として特定報知が行われているのではなく、あたかも、各ゲームの抽選結果に応じて有利判定が行われ、その結果として特定報知が行われている印象を与えることも可能である。このようにすることで、有利事象が生じるまでの特定遊技への注目度を好適に高めることができ、遊技の興趣向上を図ることが可能となる。
特徴bA2.前記有利判定手段による有利判定の結果が前記有利結果となる確率が異なる第1状態(例えば、継続率10%のATモード)及び第2状態(例えば、継続率90%のATモード)が設定されており、
前記第1状態にて前記有利結果となった場合の前記特定遊技において前記実行判定の判定結果が前記対応結果となる確率と、前記第2状態にて前記有利結果となった場合の前記特定遊技において前記実行判定の判定結果が前記対応結果となる確率と、が異なることを特徴とする特徴bA1に記載の遊技機。
上記構成によれば、有利判定の結果が有利結果となる確率が異なる第1状態と第2状態とでは、同じ抽選手段による抽選結果であっても、特定遊技において特定報知の実行当選となる確率が異なる。このようにすることで、特定報知により有利判定の結果を把握する遊技性だけではなく、特定報知によって有利判定の判定状態(第1状態又は第2状態)を把握する遊技性が追加され、特定報知への注目度が高められることを通じて、特定遊技における抽選結果への注目度を好適に高めることが可能となる。
特徴bA3.前記第1状態よりも前記第2状態の方が前記有利判定手段による有利判定の結果が前記有利結果となる確率が高い構成であり、
前記第1状態にて前記有利結果となった場合の前記特定遊技において前記実行判定の判定結果が前記対応結果となる確率よりも、前記第2状態にて前記有利結果となった場合の前記特定遊技において前記実行判定の判定結果が前記対応結果となる確率の方が高い構成であることを特徴とする特徴bA2に記載の遊技機。
上記構成によれば、有利結果となり易い判定状態(第2状態)ほど、特定遊技にて特定報知が実行され易くなる。つまり、有利結果となり易い判定状態においては、有利結果となった後、有利事象が生じるよりも前に特定報知が実行され易くなる。言い換えると、有利結果となりにくい判定状態においては、有利結果となってから有利事象が生じるまでに特定報知が行われないゲームが多く消化され得る。このようにすることで、特定報知が実行されることを期待する遊技者心理を利用して各ゲームの注目度を向上させる構成において、注目度を向上させる効果が期待できるゲームは、有利事象が生じにくいほど多くなる。よって、有利事象の発生率を高め過ぎることによって出玉率が高騰することを回避しながら、各ゲームの注目度を好適に高めることが可能となる。
また、例えば、有利事象が生じた後も前回の有利判定の判定状態を引き継いで有利判定が行われるような構成であったり、前回の判定状態がその後の判定状態に影響を及ぼすような構成においては、有利結果となった後であっても、特定報知によって有利判定の判定状態を把握することへ遊技者は高い関心を寄せるものと考えられ、特定報知が発生するタイミングから、有利判定の判定状態を予測する遊技が追加され、遊技の興趣向上も図られる。
特徴bA4.前記第1状態にて実行された前記有利判定手段による有利判定の結果が前記有利結果であり、前記有利実行手段により前記有利事象が生じた後、前記第1状態にて前記有利判定手段により有利判定が行われる、又は前記第2状態よりも前記第1状態にて前記有利判定手段により前記有利判定が行われ易い構成であり、前記第2状態にて実行された前記有利判定手段による有利判定の結果が前記有利結果であり、前記有利実行手段により前記有利事象が生じた後、前記第2状態にて前記有利判定手段により有利判定が行われる、又は前記第1状態よりも前記第2状態にて前記有利判定手段により前記有利判定が行われ易い構成であることを特徴とする特徴bA3に記載の遊技機。
上記構成によれば、有利判定にて有利結果となって有利事象が生じた後、前回の有利判定の判定状態を引き継いで有利判定が行われる又は前回の有利判定の判定状態を引き継いで有利判定が行われ易くなる構成となり、特定報知が発生するタイミングから、有利判定の判定状態を予測する遊技が追加され、遊技の興趣向上も図られる。
特徴bA5.前記特定結果として第1特定結果(通常役)と、当該第1特定結果とは異なる第2特定結果(特定役)と、が設定されており、
前記抽選手段は第1確率にて前記第1特定結果となるように前記抽選を行い、且つ前記第1確率よりも低い確率である第2確率にて前記第2特定結果となるように前記抽選を行うものであり、
前記実行判定手段は、前記第1特定結果である場合は第3確率にて前記対応結果となるように前記実行判定を行い、且つ前記第2特定結果である場合は前記第3確率よりも高い確率である第4確率にて前記対応結果となるように前記実行判定を行うものであり、
前記第1確率と前記第3確率との積(継続率10%なら5.5%、継続率90%なら13.3%)の方が、前記第2確率と前記第4確率との積(継続率10%なら0.8%、継続率90%なら1.0%、図131)よりも大きくなるように設定されていることを特徴とする特徴bA1乃至特徴bA4のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1特定結果とそれよりも当選しにくい第2特定結果とがあって、第1特定結果を契機とする特定報知の実行判定よりも第2特定結果を契機とする特定報知の実行判定の方が当選し易い構成において、第1特定結果の当選確率(第1確率)と第1特定結果を契機とする特定報知の実行判定の当選確率(第3確率)との積の方が、第2特定結果の当選確率(第2確率)と第2特定結果を契機とする特定報知の実行判定の当選確率(第4確率)との積よりも大きくなるように設定されていることから、実質的に第1特定結果を契機とする特定報知の方が第2特定結果を契機とする特定報知の方が発生し易い構成となる。このようにすることで、所謂レア役としての第2特定結果を契機として特定報知が実行され易いとはいえ、なかなか第2特定結果当選とならずに、事実上、特定報知が実行される機会がさほどない、といった不都合を生じさせないようにすることができる。よって、ゲームの抽選結果として比較的当選し易い第1特定結果であっても特定報知が行われることに期待させることができ、特定報知を利用した注目度向上効果を好適に奏する構成とすることが可能となる。
特徴bA6.前記実行判定手段は、少なくとも特別数(10)の前記特定遊技にて、前記特定報知を実行することの実行判定を行う構成であり、
前記第1確率は第1特定数(1.04)分の1の確率であり、
前記特別数よりも前記第1特定数の方が小さくなるように設定されていることを特徴とする特徴bA5に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定報知が実行され得る(実行判定が行われる)特別数の遊技中に、第1特定結果となる特定遊技が少なくとも1回は生じるように各確率が設定されていることから、特定報知が実行される機会を好適に確保することが可能となる。
特徴bA7.前記実行判定手段は、少なくとも特別数(10)の前記特定遊技にて、前記特定報知を実行することの実行判定を行う構成であり、
前記第2確率は第2特定数(28.4)分の1の確率であり、
前記特別数よりも前記第2特定数の方が大きくなるように設定されていることを特徴とする特徴bA5又は特徴bA6に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定報知が実行され得る(実行判定が行われる)特別数の遊技中に、第2特定結果となる特定遊技が1回も生じない可能性が高くなるように各確率が設定されていることから、第1特定結果を契機とする特定報知が実行され易くなるように設定する意義が高められる。
特徴bA8.前記実行判定手段は、少なくとも特別数(10)の前記特定遊技にて、前記特定報知を実行することの実行判定を行う構成であり、
前記第1確率は第1特定数(1.04)分の1の確率であり、
前記第1確率と前記第3確率との積は第3特定数分の1(継続率10%なら約18.2分の1、継続率90%なら7.52分の1)であり、前記第2確率と前記第4確率との積は第4特定数分の1(継続率10%なら約122分の1、継続率90%なら約105分の1)であり、
前記第3特定数は前記特別数よりも小さい値となり得る一方、前記第4特定数は前記特別数よりも小さい値とならないように設定されていることを特徴とする特徴bA5乃至特徴bA7のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成よれば、特定報知が実行され得る(実行判定が行われる)特別数の遊技中に、第1特定結果を契機とする特定報知は少なくとも1回は発生し得る一方、第2特定結果を契機とする特定報知は1回も発生しない可能性が高くなるように設定されていることから、せっかく用意した特定報知が実行されないといった事象を生じさせないようにし、且つゲームの抽選結果として比較的当選し易い第1特定結果への期待感を高めることが可能となる。
特徴bA9.前記特定報知手段により前記特定報知が行われた後、少なくとも前記有利事象が生じるまで前記特定報知の実行を制限する制限手段(表示制御装置81による発生済みフラグをセットする処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴bA1乃至特徴bA8のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定報知が実行された後は、有利事象が生じるまで再度の特定報知の実行が制限されることから、特定報知を見逃さないようにしたい遊技者心理を利用して、遊技演出への注目度を好適に高めることができる。
特徴bA10.前記特定報知として、第1特定報知(例えば、VS表示における特定演出)と、当該第1特定報知と遊技者が識別可能な程度に報知態様が異なる第2特定報知(例えば、味方キャラアップにおける特定演出)とが設定されており、
前記特定報知手段は、前記特定遊技のうち、第1特定遊技(セット1ゲーム目)にて前記特定報知を実行する場合は前記第1特定報知を実行し、前記特定遊技のうち、前記第1特定遊技とは異なる第2特定遊技(セット2~4ゲーム目)にて前記特定報知を実行する場合は前記第2特定報知を実行する構成であることを特徴とする特徴bA9に記載の遊技機。
上記構成によれば、一旦特定報知が実行された場合にはそれ以降の特定報知の実行が制限される構成において、各ゲームで実行され得る特定報知の報知態様が異なるように設定されていることから、より注意深く特定報知の発生を確認しようとしていなければ、特定報知の実行を見逃してしまう可能性が高くなる。このようにすることで、特定報知への期待感を通じて、遊技演出への注目度を高める効果をより向上させることが可能となる。
特徴bA11.前記有利判定手段による有利判定の結果が前記有利結果とは異なる結果であって、前記特定タイミングよりも前の前記特定遊技において、前記抽選手段による抽選結果に基づき前記有利事象を生じさせることの有利判定を実行する第2有利判定手段(主制御装置101によるAT上乗せ用処理を実行する機能)を備え、
前記有利実行手段は、前記第2有利判定手段による有利判定の結果が前記有利事象を生じさせることに対応する有利結果である場合、前記特定タイミングにて前記有利事象を生じさせる構成であり、
前記実行判定手段は、前記第2有利判定手段による有利判定の結果が前記有利結果であって前記特定タイミングよりも前の状況にて実行される特定遊技においても、前記抽選手段による抽選結果が予め定められた特定結果である場合、前記特定報知を実行することの実行判定を行うことを特徴とする特徴bA1乃至特徴bA10のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、有利判定手段による有利判定の結果が有利結果とならなくても、特定タイミングとなるよりも前に第2有利判定手段による有利判定の結果が有利結果となれば、特定タイミングにて有利事象が生じるようになる。そして、当該第2有利判定手段による有利判定の結果が有利結果となった場合においても、特定タイミングよりも前の特定遊技において特定結果である場合に、特定報知が実行され得るようになる。この場合、第2有利判定手段による有利判定は抽選手段による抽選結果に基づき行う構成としていることから、有利判定手段による有利判定の結果が有利結果となったことを各ゲームの抽選結果に応じて特定報知として報知する構成において、実際に各ゲームの抽選結果に応じて有利事象が生じることとなる特定報知も行われるようになる構成となる。このようにすることで、有利判定手段によって事前に有利結果となっている状況において、あたかも各ゲームの抽選結果に応じて有利結果となって特定報知が実行されている印象を更に強めることが可能となる。
なお、上記構成における「第2有利判定手段」との関係性を明確化すべく、特徴bA1における「有利判定手段」を「第1有利判定手段」と表現してもよい。
特徴bA12.前記特定結果として第1特定結果(通常役)と、当該第1特定結果とは異なる第2特定結果(特定役)と、が設定されており、
前記抽選手段は第1確率にて前記第1特定結果となるように前記抽選を行い、且つ前記第1確率よりも低い確率である第2確率にて前記第2特定結果となるように前記抽選を行うものであり、
前記第2有利判定手段は、前記特定遊技における前記抽選手段による抽選結果が前記第2特定結果である場合は有利判定を行う一方、前記第1特定結果である場合は前記有利判定を行わない構成、又は前記特定遊技における前記抽選手段による抽選結果が前記第2特定結果である場合の方が前記第1特定結果である場合よりも前記有利結果となり易いように有利判定を行う構成であり、
前記特定報知手段は、前記特定遊技における前記抽選手段による抽選結果が前記第1特定結果であることを契機として前記特定報知を実行する割合の方が、前記第2特定結果であることを契機として前記特定報知を実行する割合よりも多くなるように設定されていることを特徴とする特徴bA11に記載の遊技機。
上記構成によれば、第2有利判定手段による有利判定では、第1特定結果よりも当選しにくい第2特定結果である場合の方が有利結果となり易いことを前提としながら、特定報知は、第1特定結果を契機とする特定報知の方が第2特定結果を契機とする特定報知よりも発生し易い構成としており、このような構成とすることで、第2有利判定手段による有利判定にて有利結果となる事象を生じ易くし過ぎないようにしながらも、あたかも第1特定結果を契機として有利事象が生じる場合がある印象を強く与えることが可能となる。よって、出玉率が高騰してしまうことを回避しながらも、特定遊技においては、抽選結果として当選し易い第1特定結果ですら注目度を高めることができ、有利事象が生じるまでの特定遊技の興趣向上を図ることが可能となる。
特徴bA13.前記特定結果として第1特定結果(通常役)と、当該第1特定結果とは異なる第2特定結果(特定役)と、が設定されており、
前記抽選手段は第1確率にて前記第1特定結果となるように前記抽選を行い、且つ前記第1確率よりも低い確率である第2確率にて前記第2特定結果となるように前記抽選を行うものであり、
前記実行判定手段は、前記第2特定結果を契機として前記第2有利判定手段による有利判定の結果が前記有利結果となった場合、前記第1特定結果となる前記特定遊技にて前記対応結果となるように前記実行判定を行うことが可能な手段(表示制御装置81において、特定役にて上乗せ当選して継続コマンドを受信したゲームにおいて、特定演出抽選に非当選であれば当該ゲームでは特定演出を実行せず、その後の通常役であるゲームにて特定演出抽選に当選となることに基づいて特定演出を行うことが可能なように設定された特定演出設定処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴bA11又は特徴bA12に記載の遊技機。
上記構成によれば、比較的当選しにくい第2特定結果を契機とする第2有利判定手段による有利判定の結果が有利結果となった場合であっても、当該第2特定結果となった特定遊技ではなく、第1特定結果となる特定遊技にて特定報知が実行される場合があるようになり、第1特定結果を契機とする有利判定の結果が有利結果となる確率が高くなり過ぎないようにしながらも、第1特定結果であっても有利判定の結果が有利結果となることへの期待感を疑似的に高めることが可能となる。
特徴bA14.前記特定結果として第1特定結果(通常役)と、当該第1特定結果とは異なる第2特定結果(特定役)と、が設定されており、
前記抽選手段は第1確率にて前記第1特定結果となるように前記抽選を行い、且つ前記第1確率よりも低い確率である第2確率にて前記第2特定結果となるように前記抽選を行うものであり、
前記実行判定手段は、前記第2特定結果を契機として前記第2有利判定手段による有利判定の結果が前記有利結果となった場合、当該第2特定結果となった前記特定遊技にて前記対応結果となるように前記実行判定を行うことが可能な手段(表示制御装置81において、特定役にて上乗せ当選して継続コマンドを受信したゲームにおいて、特定演出抽選に当選であれば当該ゲームにて特定演出を行うことが可能なように設定された特定演出設定処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴bA11乃至特徴bA13のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、比較的当選しにくい第2特定結果を契機とする第2有利判定手段による有利判定の結果が有利結果となった場合、当該第2特定結果となった特定遊技にて特定報知が実行される場合があるようになる。このように、特定遊技において所謂レア役としての第2特定結果に当選した場合にそれを契機として有利事象が生じることを特定報知によって報知することで、特定遊技において第2有利判定手段による有利判定が実際に実行されている印象を強く与えることが可能となり、これにより、所定の判定契機に基づいて行われる有利判定の結果ではなく、特定遊技において実行される第2有利判定手段による有利判定の結果として有利事象が生じているように思わせる効果を高めることができる。
特徴bA15.前記有利判定手段による有利判定の結果が前記有利結果であって、前記特定タイミングよりも前の前記特定遊技において、前記抽選手段による抽選結果に基づき前記有利事象を生じさせることの有利判定を実行する第3有利判定手段(主制御装置101によるAT上乗せ用処理を実行する機能)を備え、
前記有利実行手段は、前記第3有利判定手段による有利判定の結果が前記有利事象を生じさせることに対応する有利結果である場合、前記有利判定手段による判定結果に基づく前記有利事象が生じた後、前記第3有利判定手段による判定結果に基づく前記有利事象が生じるようにすることが可能な構成であり、
前記実行判定手段は、前記第3有利判定手段による有利判定の結果が前記有利結果とは異なる結果となる前記特定遊技にて前記対応結果となるように前記実行判定を行うことが可能な手段(表示制御装置81による非当選コマンドに基づき特定演出を行う処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴bA1乃至特徴bA14のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、有利判定手段による有利判定の結果が有利結果である場合において、特定タイミングとなるよりも前に第3有利判定手段による有利判定の結果が有利結果となれば、特定タイミングにて有利判定手段の判定結果に基づいて有利事象が生じ、更にその後に第3有利判定手段の判定結果に基づいて有利事象が生じる、といったように、所謂有利事象の上乗せが行われる場合があるようになる。そして、上記構成では、有利判定手段による有利判定の結果が有利結果である場合において、第3有利判定手段による有利判定の結果が有利結果ではない場合に特定報知が実行されるようにしたことから、特定遊技において第3有利判定手段による有利判定の当選確率を高めすぎることなく、あたかも特定遊技の抽選結果に応じて有利結果となって特定報知が実行されている印象を更に強めることが可能となる。
なお、上記構成における「第3有利判定手段」との関係性を明確化すべく、特徴bA1における「有利判定手段」を「第1有利判定手段」と表現してもよい。
特徴bA16.前記有利判定手段は、前記所定の判定契機が生じた遊技における前記抽選手段による抽選結果に関わらず前記有利判定を行うことを特徴とする特徴bA1乃至特徴bA15のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、有利判定手段による有利判定の結果に基づき有利事象が生じる構成を、あたかもその後の特定遊技の結果として有利事象が生じているように印象付けるうえで、有利判定手段による有利判定が行われた遊技ではなく、その後の特定遊技における抽選手段による抽選結果に有利事象が強く関連付けられた印象を与えることが可能となり、特定遊技の結果として有利事象が生じている印象付けを行い易くすることができる。
特徴bA17.前記特定遊技として、前記特定報知が実行され得る第1特定遊技(例えば、対峙演出が行われるゲーム)と、前記特定報知が実行されない又は前記第1特定遊技よりも前記特定報知が実行されにくい第2特定遊技(例えば、バトル演出が行われるゲーム)と、が設定されており、
前記第1特定遊技の後に前記第2特定遊技が実行され、その後、前記特定タイミングが生じることを特徴とする特徴bA1乃至特徴bA16のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、有利判定が行われた後、特定報知が行われ得る第1特定遊技を経て、特定報知が行われない又は行われにくい第2特定遊技が実行され、その後、有利事象が生じ得るようになる。このようにすることで、特定報知が行われるタイミングが限定的なものとなり、当該特定報知の希少性が高められることを通じて特定報知への注目度を向上させることが可能となる。しかも、特定報知が発生し得る第1特定遊技と有利事象との間に、特定報知が発生し得ない第2特定遊技が介在する構成としていることから、例えば第2特定遊技にて特定報知とは別の演出にて有利事象発生の有無を報知する構成とする場合に、当該報知と特定報知とが混在することによって注目が分散化されてしまうことを好適に解消することも可能となる。
特徴bA18.前記第2特定遊技にて、所定報知(例えば、味方攻撃演出や敵攻撃演出)の実行後、前記有利判定手段による有利判定の結果が前記有利結果であることに対応する有利内容(味方勝利演出)及び前記有利結果とは異なる結果であることに対応する非有利内容(敵勝利演出)を含む内容報知のいずれかを実行する対応報知を実行可能な対応報知手段(表示制御装置81によるバトル演出を行うための処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴bA17に記載の遊技機。
上記構成によれば、所定報知の実行後、有利内容又は非有利内容を含む内容報知のいずれかが行われる対応報知が第2特定遊技にて行われて有利判定の結果が報知される構成において、当該第2特定遊技では特定報知が行われないようにしていることから、有利結果演出を楽しませるうえで、特定報知の発生により注意が散漫となってしまって対応報知を存分に楽しませることができないといった不都合を解消することができるし、仮に第1特定遊技にて特定報知が行われていた場合には、その特定報知の発生を把握している遊技者だけが、第2特定遊技における対応報知が有利内容となることを把握している、といったように優越感に浸らせながら対応報知を楽しませることができ、遊技の興趣向上を好適に図ることが可能となる。
なお、上記特徴bA1乃至特徴bA18に記載された発明は、「遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機では、所定の抽選条件が成立したことに基づいて内部抽選が行われ、当該内部抽選の結果に応じて遊技者に特典が付与される構成が知られている。スロットマシンについて具体的には、遊技媒体としてのメダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されると、内部抽選が実施されるとともに、リールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップスイッチが操作された場合には、リールの回転が停止する。そして、リールの停止結果が内部抽選の結果に対応したものである場合には、結果に応じた特典が付与される(例えば特開2008-295707号公報参照)。」という背景技術について、「ここで、上記例示等した遊技機においては遊技の興趣向上を図る必要があり、この点について、未だ改良の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
なお、上記特徴bA1乃至特徴bA18の各構成に対して、特徴bA1乃至特徴bA18、特徴bB1乃至特徴bB12、特徴bC1乃至特徴bC9、特徴bD1乃至特徴bD11、特徴bE1乃至特徴bE13、特徴bF1乃至特徴bF11、特徴bG1乃至特徴bG8、特徴bH1乃至特徴bH9、特徴bI1乃至特徴bI6、特徴bJ1乃至特徴bJ10のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴bB群>
特徴bB1.遊技者による所定の開始操作に基づいて開始され、所定の終了条件を満たすことに基づいて終了されることを一の遊技として遊技を進行させる遊技進行手段(主制御装置101による通常処理を実行する機能)と、
前記遊技進行手段により進行される遊技において、遊技者に特典を付与することの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果、及び前記遊技進行手段により進行される遊技の結果に応じて、遊技者に特典を付与する特典付与手段(主制御装置101による払出判定処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
遊技状態として、通常状態(通常モード)と、当該通常状態よりも遊技者にとって有利な有利状態(ATモード)とが設定されており、
前記有利状態は、単位状態(ATセット)として特定数(18ゲーム)以上の遊技を実行可能に構成され、当該単位状態の継続条件が成立している場合には、当該単位状態の実行後、次の単位状態に移行する一方、当該継続条件が成立していない場合には、当該単位状態の実行後、当該有利状態が終了する構成であり、
前記継続条件が成立している前記単位状態であって、当該単位状態が終了する遊技よりも前の遊技において、前記継続条件が成立していることに対応する特定報知を実行することの実行判定を行う実行判定手段(表示制御装置81による特定演出抽選処理を実行する機能)と、
前記実行判定手段による実行判定の結果が前記特定報知を実行することに対応する対応結果である場合、前記特定報知を実行する特定報知手段(表示制御装置81による特定演出を行うための処理を実行する機能)と、
を備え、
前記有利状態として、第1有利状態(継続率10%のATモード)と、当該第1有利状態よりも前記継続条件が成立し易い第2有利状態(継続率90%のATモード)とが設定されており、
前記継続条件が成立している状況において、前記第1有利状態よりも前記第2有利状態の方が、前記特定報知手段による前記特定報知が実行され易くなるように設定されていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、遊技者による開始操作に基づきゲームが開始されて当該遊技の抽選が行われ、所定の終了条件を満たすと当該ゲームが終了するとともに抽選結果に応じた特典が付与され得るといった所謂スロットマシンの遊技機において、遊技者にとって有利な有利状態は、特定数以上の遊技を単位状態とし、継続条件が成立する限り当該単位状態が繰り返される、といったような所謂セット管理型の状態とされている。
そして、継続条件が成立している単位状態において、当該単位状態が終了するよりも前に、継続条件が成立していることに対応する事前告知としての特定報知が行われる場合があるようにしていることから、継続条件が成立していることを確定させて安心したい遊技者心理を利用して、特定報知への期待感を煽り、遊技への注目度を好適に高めることが可能となる。
しかも、有利状態は、第1有利状態と、それよりも継続条件が成立し易い第2有利状態とが設定されており、上記の事前告知としての特定報知は、第1有利状態よりも第2有利状態の方が発生し易いように設定されている。そのため、特定報知の発生は、単に当該単位状態における継続条件の成立を示すものではなく、その発生タイミング等によって単位状態の継続率を示すものとなる。つまり、特定報知が発生した場合には、単位状態が継続することだけでなく、単位状態の継続率が高いことをも示唆することにつながり、特定報知への期待感をより高めることが可能となる。
それだけでなく、上記構成のように、継続率が高いほど特定報知が発生し易い構成とすることで、単位状態が開始されてから特定報知が発生するまでの遊技数は、継続率が高い有利状態ほど少なくなり、継続率が低いほど多くなる。
ここで、遊技者が特定報知の発生を心待ちにしていることを前提とするならば、一の単位状態において、特定報知が発生するか否かを楽しみにする遊技数、すなわち、特定報知が発生するまでの遊技数が多いほど、当該単位状態のドキドキ感を存分に楽しませることにつながると考えられる。その点、上記のように継続率が低いほど特定報知が発生するまでの遊技数が多くなるようにしているため、継続率が低い有利状態であっても特定報知が発生するか否かのドキドキ感を存分に楽しませることが可能な構成となる。また、逆に、継続率が高いほど、一の単位状態における特定報知が発生するまでの遊技数は少なくなり得るものの、単位状態の繰り返し回数が多くなることを通じて、一の単位状態における当該特定報知が発生するまでの遊技数が少ないことを補うことが可能となる。以上の結果、各継続率において、特定報知が発生することを期待させる遊技を存分に楽しませることが可能となる。
特徴bB2.前記実行判定手段は、前記抽選手段による抽選結果に応じて前記特定報知を実行することの実行判定を行うことを特徴とする特徴bB1に記載の遊技機。
上記構成によれば、各ゲームの抽選結果に応じて特定報知を実行することの実行判定が行われるため、単に特定報知が行われることに期待させるだけではなく、各ゲームの抽選結果に対しても注目させることが可能となる。特に、各ゲームの抽選結果に応じて特定報知が行われるようにすることで、継続条件の成否が各ゲームの抽選結果に応じて決定されている印象を与えることも可能であり、各ゲームの注目度を好適に高めることが可能である。
特徴bB3.前記抽選手段による抽選結果が予め定められた特定結果である場合、前記実行判定手段による前記実行判定の判定結果が前記対応結果となる確率が、前記第1有利状態よりも前記第2有利状態の方が高くなるように設定されており、
前記抽選手段による抽選結果が前記特定結果となる確率は、前記第1有利状態と前記第2有利状態とで同じ確率又は略同じ確率に設定されていることを特徴とする特徴bB2に記載の遊技機。
上記構成によれば、ゲームの抽選結果が有利状態の種類に関わらず同じ当選確率である特定結果である場合、実行判定の判定結果が実行結果となる確率が第1有利状態よりも第2有利状態の方が高くなるように設定されていることから、結果的に第1有利状態よりも第2有利状態の方が特定報知の発生率が高くなる。このようにすることで、各ゲームの抽選結果の当選確率を各有利状態によって異ならせなくても、特定報知の実行抽選の当選確率を変更するだけで、特徴bB1の優れた効果を期待することが可能となる。
特徴bB4.前記単位状態の更新を行う更新手段(主制御装置101によるATモード用処理を実行する機能)と、
前記更新手段による前記単位状態の更新が行われる場合に、前記継続条件が成立していることの成立判定を行う成立判定手段(主制御装置101による継続判定処理を実行する機能)と、
を備え、
前記成立判定手段による成立判定の結果が前記継続条件が成立していることに対応する成立結果となる確率が、前記第1有利状態よりも前記第2有利状態の方が高くなるように設定されており、
少なくとも前記更新手段及び前記成立判定手段を備える第1制御装置(主制御装置101)と、当該第1制御装置とは異なる制御装置であって、前記実行判定手段及び前記特定報知手段を備える第2制御装置(表示制御装置81)と、
を有していることを特徴とする特徴bB1乃至特徴bB3のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、単位状態の更新時に継続条件の成否の成立判定が行われ、継続率の高低は、当該成立判定にて継続条件が成立していると判定する確率に依存することになる。そして、単位状態の更新と継続条件の成立判定を第1制御装置にて行い、特定報知の実行判定や特定報知の実行は第2制御装置にて行う構成とすることで、機能の分散化を通じて処理負荷の局所的な増大化を防止することが可能となる。
なお、「更新手段」について、「前記継続条件が成立している状況で前記単位状態が終了する場合、次の単位状態へ移行するように前記単位状態の更新を行う更新手段」と限定してもよい。
また、「成立判定手段」について、「前記更新手段により前記継続条件が成立している前記単位状態が終了される場合に、又は前記更新手段により更新されて新たな前記単位状態が開始される場合に、前記継続条件が成立していることの成立判定を行う成立判定手段」と限定してもよい。
特徴bB5.前記成立判定手段は、前記成立判定を行う遊技における前記抽選手段による抽選結果に関わらず、当該成立判定を行う構成であることを特徴とする特徴bB4に記載の遊技機。
上記構成によれば、継続条件の成否判定は、ゲームの抽選結果に関わらず、有利状態の種類に応じて設定されている継続率にて行われる。このようにすることで、継続条件の成否を行ううえでの処理構成を極端に簡素なものとすることができるし、ゲームの抽選結果によって設計値を凌駕するほど、単位状態が継続してしまうといった事象の発生を好適に抑制することが可能となる。
なお、上記構成は以下のように表現してもよい。
「前記成立判定手段は、前記成立判定を行う遊技における前記抽選手段による抽選結果に関わらず、前記第1有利状態においては第1確率にて当該成立判定を行い、前記第2有利状態においては第2確率にて当該成立判定を行うことを特徴とする特徴bB4に記載の遊技機」。
特徴bB6.前記継続条件が成立していない前記単位状態において、前記抽選手段による抽選結果に基づき当該単位状態における前記継続条件を成立させることの第2成立判定を実行する第2成立判定手段(主制御装置101によるAT上乗せ用処理を実行する機能)を備え、
前記第2成立判定手段は、前記第1有利状態及び前記第2有利状態のいずれにおいても共通の確率にて前記第2成立判定を行う構成であることを特徴とする特徴bB4又は特徴bB5に記載の遊技機。
上記構成によれば、単位状態の更新時に行われる継続判定の判定結果が継続条件が成立していないとする結果であったとしても、更新後の単位状態におけるゲームの抽選結果に応じて継続条件を成立させる第2成立判定が行われるようにしていることから、各ゲームの抽選結果への注目度を好適に高めることができる。しかも、第2成立判定は、有利状態の継続率の高低に依存することなく、各ゲームの抽選結果に応じて行われる構成としていることから、例えば、低い継続率の有利状態であるからといって、あきらめさせることなく、遊技への関心低下を好適に抑止することができる。
なお、「前記第1有利状態及び前記第2有利状態のいずれにおいても共通の確率にて前記第2成立判定を行う」との記載は、「前記抽選手段による抽選結果が第1結果である場合、前記第1有利状態であれば、第1の確率にて前記継続条件が成立させることに対応する成立結果となるように前記第2成立判定を行い、前記第2有利状態であれば、前記第1の確率にて前記成立結果となるように前記第2成立判定を行い、前記抽選手段による抽選結果が前記第1結果とは異なる第2結果である場合、前記第1有利状態であれば、前記第1の確率とは異なる第2の確率にて前記成立結果となるように前記第2成立判定を行い、前記第2有利状態であれば、前記第2の確率にて前記成立結果となるように前記第2成立判定を行う」といったように、第2成立判定は、有利状態の種類に依存することなく各ゲームの抽選結果に応じて第2成立判定を行う構成出ればよく、ゲームの抽選結果に応じて継続条件を成立させる確率が異なることを除外するものではない。
特徴bB7.前記実行判定手段は、前記抽選手段による抽選結果に応じて前記特定報知を実行することの実行判定を行い、前記抽選手段による抽選結果が予め定められた第1特定結果(外れ結果)である場合、前記実行判定手段による前記実行判定の判定結果が前記対応結果となる確率が、前記第1有利状態よりも前記第2有利状態の方が高くなるように設定されている一方、前記抽選手段による抽選結果が前記第1特定結果とは異なる第2特定結果(スイカ)である場合、前記実行判定手段による前記実行判定の判定結果が前記対応結果となる確率が、前記第2有利状態よりも前記第1有利状態の方が高くなるように設定されており、
前記抽選手段は、前記抽選の結果が前記第1特定結果となる確率の方が前記第2特定結果となる確率よりも高くなるように設定されていることを特徴とする特徴bB1乃至特徴bB6のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、各ゲームの抽選結果に応じて特定報知を実行することの実行判定が行われるため、単に特定報知が行われることに期待させるだけではなく、各ゲームの抽選結果に対しても注目させることが可能となる。特に、各ゲームの抽選結果に応じて特定報知が行われるようにすることで、継続条件の成否が各ゲームの抽選結果に応じて決定されている印象を与えることも可能であり、各ゲームの注目度を好適に高めることが可能である。
しかも、ゲームの抽選結果が第1特定結果であれば第1有利状態のほうが第2有利状態よりも特定報知が実行され易く、第2特定結果であれば第1有利状態よりも第2有利状態の方が特定報知が実行され易くなるように設定されており、ゲームの抽選結果として第1特定結果の方が第2特定結果よりも出現し易くなるようにしていることから、トータル的に第1有利状態の方が第2有利状態よりも特定報知が実行され易くなる構成を、各ゲームの抽選結果に応じて特定報知の発生率の高低が異なる構成としながらも実現することが可能となる。このようにすることで、継続率の高低を特定報知の発生率から予測する遊技性や、特定報知が発生するまでのドキドキ感を提供する遊技数を継続率の高低に応じて異ならせる遊技性において、ゲームの抽選結果と特定報知の発生率との関係で多様なものとすることができ、遊技性を好適に向上させることが可能となる。
特徴bB8.前記特典付与手段により付与される前記特典の増減率又は増減態様に変化を生じさせることが可能な設定値が複数設定されており、当該複数の設定値のうちの一の設定値を設定する設定手段(主制御装置101による当選確率の設定処理を実行する機能)と、
前記設定手段により設定されている設定値に対応する特別報知を実行可能な特別報知手段(例えば、表示制御装置81による示唆演出設定処理やエンディングゲーム数の抽選処理を実行する機能)と、
を備え、
前記第1有利状態と前記第2有利状態とで、前記特別報知手段による前記特別報知の実行確率又は実行態様が異なっていることを特徴とする特徴bB1乃至特徴bB7のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、有利状態の継続率に応じて設定値の示唆演出としての特別報知の実行確率や実行態様が異なっているため、単に一の有利状態が長く継続すべく高い継続率であることを期待する遊技性だけではなく、その有利状態が特別報知により設定値の判別や予測を行い易い継続率であることを期待する遊技性も追加することが可能となり、遊技の興趣性を好適に向上させることが可能となる。
この場合、継続率の高低は特定報知の発生率により予測・判別できる構成としているところ、特別報知が発生した場合、特定報知により予測・判別している継続率との関係から設定値の絞り込みを行うといった構成となることから、設定値の予測・判別を行うための判断材料を獲得する、といった意味で、特定報知への注目度がより高められる。
なお、「特別報知手段」について、以下のように表現することも可能である。
「遊技者にとって有益な特別情報(設定値、ATセットカウンタの情報)に対応する特別報知を実行可能な特別報知手段(例えば、表示制御装置81による示唆演出設定処理やエンディングゲーム数の抽選処理や、ATセットカウンタの示唆演出を行うための処理を実行する機能)」。
特徴bB9.前記設定手段により第1設定値(設定1,2)が設定されている場合、前記第1有利状態では前記特別報知手段による前記特別報知が第1態様(長いエンディングゲーム数)にて実行され易い一方、前記第2有利状態では前記特別報知手段による前記特別報知が第2態様(短いエンディングゲーム数)にて実行され易い構成であり、
前記設定手段により前記第1設定値とは異なる第2設定値(設定5,6)が設定されている場合、前記第1有利状態では前記特別報知手段による前記特別報知が前記第2態様にて実行され易い一方、前記第2有利状態では前記特別報知手段による前記特別報知が前記第1態様にて実行され易い構成であることを特徴とする特徴bB8に記載の遊技機。
上記構成は特徴bB8の具体的構成の一態様であり、上記構成のように特別報知の態様と継続率(有利状態の種類)とによって設定値の絞り込みを行うことが可能な構成とすることで、特定報知への注目度を相乗的に向上させることが可能となる。
特徴bB10.前記特別報知手段は、前記特定報知手段による前記特定報知が行われることにより、前記特別報知を実行可能となる構成であることを特徴とする特徴bB8又は特徴bB9に記載の遊技機。
上記構成のように、継続率に応じて発生確率の異なる特定報知が実行されることによって、設定示唆としての特別報知が実行可能となる構成とすることで、設定値を把握したい遊技者心理を利用してその前段階としての特定報知への注目度を高めることが可能となる。
特徴bB11.前記特別報知手段は、前記継続条件が成立していない前記単位状態において前記特別報知を実行する構成、又は、前記継続条件が成立していない前記単位状態を終了する場合に前記特別報知を実行する構成であることを特徴とする特徴bB8乃至特徴bB10のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、有利状態が長く継続することを期待しながら確認する特定報知と、有利状態が終了する際に行われる設定示唆としての特別報知とを確認する状況が明確に区別される構成となり、両報知を確認しようとするあまり報知を見逃してしまう事象を回避することが可能となるし、両報知を同じ状況で生じさせようとするための処理負荷の増大化についても好適に回避することが可能となる。そして、例えば、少ない単位状態の更新回数にて有利状態が終了してしまったとしても、その終了が、そもそも低い継続率(第1有利状態)であったことに起因することなのか、それとも高い継続率(第2有利状態)であったのにもかかわらずたまたま継続条件が成立しなかったことに起因する事なのかを、特別報知が実行される状況までに把握しておくことで、設定値の絞り込みが可能となる構成となる。このようにすることで、特定報知に基づく継続率を予測・把握する意義を好適に高めることが可能となるし、有利状態が終了する場合であっても、それまでに継続率を把握していれば、設定値の予測を行うやる気を高めることができ、有利状態終了に際して気持ちを切り替えさせることが可能となる。
特徴bB12.一の前記単位状態において、前記特定報知手段により前記特定報知が実行された後、当該特定報知手段による前記特定報知の実行を制限する手段(表示制御装置81による発生済みフラグをセットする処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴bB1乃至特徴bB11のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、一の単位状態において、事前告知としての特定報知が実行された後は、再度の特定報知の実行が制限される。つまり、単位状態の継続率が高いほど特定報知が発生し易い構成において、継続率が高いほど特定報知が行われた後、単位状態の更新が行われるまでの遊技数が多くなる。言い換えると、継続率が低いほど、特定報知が行われた後、単位状態の更新が行われるまでの遊技数が少なくなり、特定報知が行われるまでの遊技数は相対的に多くなる。
ここで、遊技者が特定報知の発生を心待ちにしていることを前提とするならば、一の単位状態において、特定報知が発生するか否かを楽しみにする遊技数、すなわち、特定報知が発生するまでの遊技数が多いほど、当該単位状態のドキドキ感を存分に楽しませることにつながると考えられる。その点、上記のように継続率が低いほど特定報知が発生するまでの遊技数は多くなるため、継続率が低い有利状態であっても特定報知が発生するか否かのドキドキ感を存分に楽しませることが可能な構成となる。また、逆に、継続率が高いほど、一の単位状態における特定報知が発生するまでの遊技数は少なくなり得るものの、単位状態の繰り返し回数が多くなることを通じて、一の単位状態における当該特定報知が発生するまでの遊技数が少ないことを補うことが可能となる。以上の結果、各継続率において、特定報知が発生することを期待させる遊技を存分に楽しませることが可能となる。
なお、上記特徴bB1乃至特徴bB12に記載された発明は、「遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機では、所定の抽選条件が成立したことに基づいて内部抽選が行われ、当該内部抽選の結果に応じて遊技者に特典が付与される構成が知られている。スロットマシンについて具体的には、遊技媒体としてのメダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されると、内部抽選が実施されるとともに、リールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップスイッチが操作された場合には、リールの回転が停止する。そして、リールの停止結果が内部抽選の結果に対応したものである場合には、結果に応じた特典が付与される(例えば特開2008-295707号公報参照)。」という背景技術について、「ここで、上記例示等した遊技機においては遊技の興趣向上を図る必要があり、この点について、未だ改良の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
なお、上記特徴bB1乃至特徴bB12の各構成に対して、特徴bA1乃至特徴bA18、特徴bB1乃至特徴bB12、特徴bC1乃至特徴bC9、特徴bD1乃至特徴bD11、特徴bE1乃至特徴bE13、特徴bF1乃至特徴bF11、特徴bG1乃至特徴bG8、特徴bH1乃至特徴bH9、特徴bI1乃至特徴bI6、特徴bJ1乃至特徴bJ10のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴bC群>
特徴bC1.遊技者による所定の開始操作に基づいて開始され、所定の終了条件を満たすことに基づいて終了されることを一の遊技として遊技を進行させる遊技進行手段(主制御装置101による通常処理を実行する機能)と、
前記遊技進行手段により進行される遊技において遊技者に特典を付与することの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果、及び前記遊技進行手段により進行される遊技の結果に応じて、遊技者に特典を付与する特典付与手段(主制御装置101による払出判定処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
遊技状態として、通常状態(通常モード)と、当該通常状態よりも遊技者にとって有利な有利状態(ATモード)とが設定されており、
前記有利状態は、予め定められた特定数(18ゲーム)以上の遊技を一の単位状態とし、当該単位状態の継続条件が成立している場合には、当該単位状態の実行後、次の単位状態に移行する一方、当該継続条件が成立していない場合には、当該単位状態の実行後、当該有利状態が終了する構成であり、
前記継続条件が成立していない状況において、前記抽選手段による抽選結果が第1結果(例えばチェリーA等の特定役)である場合に前記継続条件を成立させることの成立判定を行う一方、前記抽選手段による抽選結果が前記第1結果とは異なる第2結果(例えば、押し順ベル等の通常役)である場合には前記成立判定を行わない、又は前記第1結果である場合よりも前記継続条件が成立しにくくなるように前記成立判定を実行する成立判定手段(主制御装置101によるAT上乗せ用処理を実行する機能)と、
前記継続条件が成立している前記単位状態において、当該単位状態が終了するよりも前に、前記継続条件が成立していることに対応する特定報知を実行可能な特定報知手段(表示制御装置81による特定演出を行うための処理を実行する機能)と、
を備え、
前記抽選手段による抽選結果が前記第1結果である遊技よりも前記第2結果である遊技の方が、前記特定報知手段による前記特定報知が行われ易くなっていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、遊技者による開始操作に基づきゲームが開始されて当該遊技の抽選が行われ、所定の終了条件を満たすと当該ゲームが終了するとともに抽選結果に応じた特典が付与され得るといった所謂スロットマシンの遊技機において、遊技者にとって有利な有利状態は、特定数以上の遊技を単位状態とし、継続条件が成立する限り当該単位状態が繰り返される、といったような所謂セット管理型の状態とされている。しかも、継続条件が成立していない単位状態において、ゲームの抽選結果が第1結果である場合には、第2結果である場合よりも、当該単位状態における継続条件が成立し易い成立判定が行われ得るようにしており、単位状態中の各ゲームの抽選結果への注目度が好適に高められる。
しかし、例えば、単位状態のゲーム数としての特定数や第1結果の当選確率からして、一の単位状態中に第1結果当選となることは稀となる場合があり、そのような構成においては、せっかく用意している成立判定に対して、遊技者はさほど期待を寄せなくなってしまう可能性もある。かといって、特定数を多くしたり第1結果の当選確率を高くし過ぎたり、更には成立判定の当選確率を高くし過ぎたりしてしまうと、出玉率が高騰してしまう可能性も否めない。
そこで、上記構成においては、継続条件が成立している単位状態において当該単位状態が終了するよりも前に、継続条件が成立していることに対応する特定報知が発生し得るようにしたうえで、当該特定報知を第1結果よりも第2結果であるゲームにて発生し易くなるように設定したことから、今回の単位状態における継続条件が、第2結果となったゲームにて成立したかのような印象を与えることが可能となる。このようにすることで、特定数を多くしたりする等しなくても、成立判定への期待感を好適に高めることが可能となる。
特徴bC2.前記成立判定手段による前記成立判定の結果が前記継続条件を成立させることに対応する成立結果となる遊技において、前記特定報知手段による前記特定報知の実行を制限する手段(表示制御装置81により継続コマンドを受信したゲームであっても、特定演出抽選に非当選であれば特定演出を行わないようにする処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴bC1に記載の遊技機。
上記構成によれば、継続条件を成立させることに対応する成立結果となったゲームでは特定報知の実行が制限されることから、第1結果である場合の方が第2結果である場合よりも成立判定の結果が成立結果となり易い構成としながらも、第1結果であるゲームにて特定報知が行われにくくすることが可能となる。このようにすることで、第2結果であるゲームへ期待感を寄せさせることが可能となる。
なお、上記構成は、成立判定手段による成立判定の結果が継続条件を成立させることに対応する成立結果となる遊技において、特定報知手段により特定報知が実行されることを否定するものではなく、少なくとも成立結果となる遊技において特定報知が実行されない場合がある構成であればよい。但し、成立結果となる遊技において特定報知が完全に実行されないような構成としてもよく、その場合、上記記載の効果をより明確に期待することができるようになる。
特徴bC3.前記継続条件が成立している状況において、当該単位状態の次回以降の単位状態の継続条件を成立させることの成立判定を行う第2成立判定手段(主制御装置101によるAT上乗せ用処理を実行する機能)を備え、
前記特定報知手段は、前記第2成立判定手段による前記成立判定の結果が前記継続条件を成立させることに対応する成立結果とならない遊技において、前記特定報知が実行されるようにする非成立用手段(表示制御装置81による非当選コマンドを受信したことに基づく特定演出を行う処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴bC1又は特徴bC2に記載の遊技機。
上記構成によれば、次回以降の継続条件を成立させる、といった所謂上乗せ判定としての成立判定の結果が成立結果とならず、上乗せ判定に非当選であった場合、当該ゲームにて特定報知が実行され得るようになる。このようにすることで、単位状態の継続率を高くし過ぎないようにしながらも、特定報知を実行する機会を増やすことが可能となり、各ゲームにて特定報知が行われることへ注目させることが可能となる。
特徴bC4.前記第2成立判定手段は、前記抽選手段による抽選結果が前記第1結果である場合に前記成立判定を行う一方、前記抽選手段による抽選結果が前記第2結果である場合には前記成立判定を行わない、又は前記第1結果である場合よりも前記継続条件が成立しにくくなるように前記成立判定を実行する構成であり、
前記非成立用手段は、前記第1結果に基づく前記第2成立判定手段による前記成立判定の結果が前記成立結果とならない遊技において前記特定報知が実行されるようにする一方、前記第2結果に基づく前記第2成立判定手段による前記成立判定の結果が前記成立結果とならない遊技においては前記特定報知が実行されないようにする又は前記第1結果に基づく場合よりも前記特定報知が実行されにくくなるように設定されていることを特徴とする特徴bC3に記載の遊技機。
上記構成によれば、継続条件が成立している状況において、第1結果に基づく第2成立判定手段による成立判定にて非当選となった場合に特定報知が実行され易くなる。このようにすることで、第2成立判定手段による成立判定の当選確率を高めすぎることなく特定報知の発生率を高めることが可能となる。しかも、第1結果である場合の方が第2結果である場合よりも当該第2成立判定手段による成立判定に当選し易い構成であることからして、第1結果と特定報知との関連付けを行い易く、第1結果時の特定報知の信頼性(今回の第1結果に基づいて継続条件が成立したとの信頼性)を高めることも可能となる。
特徴bC5.前記単位状態において、所定報知を実行した後、当該単位状態の前記継続条件が成立していることに対応する有利内容及び前記継続条件が成立していないことに対応する非有利内容を含むいずれかの内容報知を実行する対応報知を実行可能な対応報知手段(表示制御装置81によるバトル演出を行うための処理を実行する機能)と、
前記成立判定手段による前記成立判定の結果が前記継続条件が成立していることに対応する成立結果となった場合であっても、前記対応報知手段による前記対応報知の実行に対応する遊技において前記特定報知手段による前記特定報知の実行を制限する手段(表示制御装置81によるバトル演出中は特定演出を行わないようにする処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴bC1乃至特徴bC4のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、所定報知の後に有利内容や非有利内容の内容報知によって継続条件の成否が報知される、といった対応報知が行われる遊技においては、仮に成立判定手段による成立判定の結果として継続条件が成立することとなったとしても、特定報知の実行が制限される。このようにすることで、せっかく用意している対応報知への関心低下を好適に回避することができる。
特徴bC6.前記対応報知手段は、前記対応報知を開始してから、前記成立判定手段による前記成立判定の結果が前記成立結果となった場合、当該対応報知における前記内容報知を前記有利内容に変更する手段(表示制御装置81によるバトル書き換え用の処理として例えばステップSb2014、ステップSb2015の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴bC5に記載の遊技機。
上記構成によれば、対応報知中に継続条件が成立した場合に特定報知の実行が制限される構成であっても、対応報知における内容報知の書き換えは行われるため、対応報知と継続条件の成否との矛盾が生じないようにすることができる。
特徴bC7.前記成立判定手段による前記成立判定の結果が前記継続条件を成立させることに対応する成立結果となる遊技において、前記特定報知手段による前記特定報知の実行を許容する手段(表示制御装置81により継続コマンドを受信したゲームにおいて特定演出を行うようにする処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴bC1乃至特徴bC6のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、継続条件を成立させることに対応する成立結果となったゲームでは特定報知の実行が許容される場合があるようにしていることから、第1結果である場合の方が第2結果である場合よりも成立判定の結果が成立結果となり易い構成であって、且つ第1結果である場合よりも第2結果である場合の方が特定報知が行われ易い構成において、第1結果であるゲームでも特定報知が行われる場合があるようにすることが可能となる。このようにすることで、所謂レア役としての第1結果に当選したのにも関わらず、特定報知が実行されない、といった演出上の違和感を低減することができる。
なお、上記構成は、成立判定手段による成立判定の結果が継続条件を成立させることに対応する成立結果となる遊技において、特定報知手段により特定報知が実行されないこと(特徴bC2の構成)を否定するものではなく、少なくとも成立結果となる遊技において特定報知が実行される場合がある構成であればよい。但し、成立結果となる遊技においては、特定報知が必ずに実行されるような構成としてもよい。
特徴bC8.前記継続条件が成立している前記単位状態において、前記抽選手段による抽選結果に基づいて前記特定報知を実行することの実行判定を行う実行判定手段(表示制御装置81による特定演出抽選処理を実行する機能)を備え、
前記実行判定手段は、今回の遊技にて前記成立判定手段による前記成立判定の結果が前記継続条件を成立させることに対応する成立結果となったか否かに関わらず、前記実行判定を行うことを特徴とする特徴bC1乃至特徴bC7のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、成立判定手段による成立判定によって継続条件が成立したゲームか否かは関係なく、今回のゲームにおける抽選手段の抽選結果に応じて特定報知の実行判定を行う構成となる。このようにすることで、各ゲームの抽選結果に応じて成立判定を行う構成としながらも、特定報知の発生率を成立判定における当選確率とは別途設定することが可能となり、その発生率を調整することによる特徴bC1の効果を期待することが可能となる。
特徴bC9.前記継続条件が成立している前記単位状態において、前記抽選手段による抽選結果に基づいて前記特定報知を実行することの実行判定を行う実行判定手段(表示制御装置81による特定演出抽選処理を実行する機能)を備え、
前記抽選手段は第1確率にて前記第1結果となるように前記抽選を行い、且つ前記第1確率よりも高い確率である第2確率にて前記第2結果となるように前記抽選を行うものであり、
前記実行判定手段は、前記第1結果である場合は第3確率にて前記特定報知を実行するとの結果となるように前記実行判定を行い、且つ前記第2結果である場合は前記第3確率よりも低い確率である第4確率にて前記特定報知を実行するとの結果となるように前記実行判定を行うものであり、
前記第1確率と前記第3確率との積(継続率10%なら0.8%、継続率90%なら1.0%)よりも、前記第2確率と前記第4確率との積(継続率10%なら5.5%、継続率90%なら13.3%図131)の方が大きくなるように設定されていることを特徴とする特徴bC1乃至特徴bC8のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1結果とそれよりも当選し易い第2結果とがあって、第1結果を契機とする特定報知の実行判定の方が第2結果を契機とする特定報知の実行判定よりも当選し易い構成において、第1結果の当選確率(第1確率)と第1結果を契機とする特定報知の実行判定の当選確率(第3確率)との積よりも、第2結果の当選確率(第2確率)と第2結果を契機とする特定報知の実行判定の当選確率(第4確率)との積の方が大きくなるように設定されていることから、実質的に第1結果を契機とする特定報知よりも第2結果を契機とする特定報知の方が発生し易い構成となる。このようにすることで、所謂レア役としての第1結果を契機として特定報知が実行され易いとはいえ、なかなか第1結果当選とならずに、事実上、特定報知が実行される機会がさほどない、といった不都合を生じさせないようにすることができる。よって、ゲームの抽選結果として比較的当選し易い第2結果であっても特定報知が行われることに期待させることができ、特定報知を利用した注目度向上効果を好適に奏する構成とすることが可能となる。
なお、上記特徴bC1乃至特徴bC9に記載された発明は、「遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機では、所定の抽選条件が成立したことに基づいて内部抽選が行われ、当該内部抽選の結果に応じて遊技者に特典が付与される構成が知られている。スロットマシンについて具体的には、遊技媒体としてのメダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されると、内部抽選が実施されるとともに、リールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップスイッチが操作された場合には、リールの回転が停止する。そして、リールの停止結果が内部抽選の結果に対応したものである場合には、結果に応じた特典が付与される(例えば特開2008-295707号公報参照)。」という背景技術について、「ここで、上記例示等した遊技機においては遊技の興趣向上を図る必要があり、この点について、未だ改良の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
なお、上記特徴bC1乃至特徴bC9の各構成に対して、特徴bA1乃至特徴bA18、特徴bB1乃至特徴bB12、特徴bC1乃至特徴bC9、特徴bD1乃至特徴bD11、特徴bE1乃至特徴bE13、特徴bF1乃至特徴bF11、特徴bG1乃至特徴bG8、特徴bH1乃至特徴bH9、特徴bI1乃至特徴bI6、特徴bJ1乃至特徴bJ10のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴bD群>
特徴bD1.遊技者による所定の開始操作に基づいて開始され、所定の終了条件を満たすことに基づいて終了されることを一の遊技として遊技を進行させる遊技進行手段(主制御装置101による通常処理を実行する機能)と、
前記遊技進行手段により進行される遊技において遊技者に特典を付与することの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果、及び前記遊技進行手段により進行される遊技の結果に応じて、遊技者に特典を付与する特典付与手段(主制御装置101による払出判定処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
所定の判定契機に基づいて、遊技者にとって有利な有利事象(ATモードのセット継続)を生じさせることの有利判定を実行する有利判定手段(主制御装置101による継続判定処理やAT上乗せ用処理を実行する機能)と、
前記有利判定手段による有利判定の結果が前記有利事象を生じさせることに対応する有利結果である場合、予め定められた特定タイミングにおいて前記有利事象を生じさせる有利実行手段(主制御装置101によるATモード用処理における新たなセットを開始させる処理、例えばステップSb1404~ステップSb1406の処理を実行する機能)と、
前記有利判定手段による有利判定の結果が前記有利結果であって前記特定タイミングよりも前の特定状況において、前記有利結果であることに対応する特定報知を実行することの実行判定を行う実行判定手段(表示制御装置81による特定演出抽選処理を実行する機能)と、
前記実行判定手段による判定結果に基づいて、前記特定報知を実行する特定報知手段(表示制御装置81による特定演出設定処理を実行する機能)と、
前記特定状況において、所定報知(例えば、味方攻撃演出や敵攻撃演出)の実行後、前記有利判定の結果が前記有利結果であることに対応する有利内容(味方勝利演出)及び前記有利結果ではないことに対応する非有利内容(敵勝利演出)を含む内容報知のいずれかを実行する対応報知を行うことが可能な対応報知手段(表示制御装置81によるバトル演出を行うための処理を実行する機能)と、
前記対応報知手段により前記対応報知が行われている状況において、前記特定報知手段による前記特定報知の実行を制限する制限手段(表示制御装置81によるサブ側ATカウンタの値に応じて特定演出設定処理を行わないようにする処理等を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、遊技者による開始操作に基づきゲームが開始されて当該遊技の抽選が行われ、所定の終了条件を満たすと当該ゲームが終了するとともに抽選結果に応じた特典が付与され得るといった所謂スロットマシンの遊技機において、遊技者にとって有利な有利事象を生じさせることの有利判定が行われ、その有利判定の結果が有利結果である場合、予め定められた特定タイミングにて有利事象が生じることから、各ゲームにて特典を得るといった遊技性に有利事象を生じさせる遊技性が追加され遊技の多様化が図られる。
このような遊技性においては、有利事象の有利度等によっては、各ゲームの抽選結果やその抽選結果に基づく特典付与よりも、有利事象を生じさせる有利判定に対して遊技者の関心が集中し得るようになり、ゲームの開始及び特典付与に遊技者の操作が関与するスロットマシンの遊技性がないがしろにされてしまう可能性が否めない。特に、有利判定の結果が有利結果であった場合、有利事象が生じるまでのゲームは、有利事象待ちのゲームとなり、遊技者の関心も大きく低下し得る。
そこで、上記構成では、有利事象を生じさせる有利判定の結果が有利結果となった後であって有利事象が生じるよりも前の特定状況において、有利結果に対応する特定報知を実行可能としたことから、有利事象が生じるよりも前の各ゲームにおいて特定報知が行われることに期待させながら遊技を行わせることが可能となる。そして、更に特定状況においては、所定報知を実行後、有利判定の結果が有利結果であることに対応する有利内容及び有利結果ではないことに対応する非有利内容を含む内容報知が行われる対応報知が実行されるようにしたことから、所定報知が行われた場合いずれの内容報知が行われるかに対して関心を寄せさせ、有利事象が発生する特定タイミングに向けて、遊技進行に合わせて演出を大いに盛り上げることが可能となる。
その一方で、上記のような最終的な内容報知によって有利判定の結果が報知される対応報知においては、内容報知が行われる遊技よりも前の遊技での報知内容(所定報知の態様)によって内容報知がある程度予測されてしまう場合があり、特に有利結果に対応する特定報知がその対応報知中に行われてしまうと、内容報知への興味が薄れ、遊技への注目度が極端に低下してしまう可能性がある。
かといって、有利事象の事前告知となる特定報知を期待する遊技者のニーズもあり、特定報知を行わない構成としてしまうことによる遊技機会の損失も懸念される。
そこで上記構成においては、対応報知中に限って特定報知の実行が制限されるようにしたことから、有利判定が行われた後、有利事象が生じるまでの特定状況において、特定報知が行われ得る遊技と、特定報知が行われず対応報知が行われる遊技とが明確に区別されるようになり、対応報知と特定報知とが重複することによる不都合を生じさせないようにしながら両報知による演出効果を好適に期待することが可能となる。
特徴bD2.前記特定状況において実行される遊技として、前記特定報知手段による前記特定報知が実行される第1特定遊技と、当該第1特定遊技の後の遊技であって前記特定報知手段による前記特定報知の実行が前記制限手段により制限され、前記対応報知手段による前記対応報知が行われる第2特定遊技とが設定されていることを特徴とする特徴bD1に記載の遊技機。
上記構成によれば、所定報知後に内容報知によって有利判定の結果が報知される対応報知は、特定状況における第2特定遊技にて行われ、当該第2特定遊技よりも前の第1特定遊技にて有利結果に対応する特定報知が行われ得る構成となる。つまり、有利判定が行われた後、当該有利判定の結果を確定的に報知する特定報知が行われ得る遊技の後、所定報知を経て内容報知にて有利判定の結果が報知される対応報知が実行される遊技が設定された構成となる。このようにすることで、有利内容の対応報知が行われた後で特定報知が行われたり、有利内容の対応報知が行われたのにもかかわらず特定報知が行われない、といった演出上の重複や矛盾を生じさせないようにしながら、両報知による演出効果を期待することが可能となる。
特徴bD3.前記対応報知手段による前記対応報知における前記所定報知の態様が複数設定されており、当該複数設定された態様から今回の前記所定報知の態様を選択する選択手段(表示制御装置81によるバトル演出テーブルから今回の演出テーブルを選択する処理を実行する機能)を備え、
前記選択手段は、前記特定報知手段による前記特定報知の実行の有無に関わらず、前記所定報知の態様を選択することが可能であることを特徴とする特徴bD1又は特徴bD2に記載の遊技機。
上記構成によれば、対応報知手段による所定報知の態様を選択手段が選択するにあたって、特定報知の実行の有無を把握する必要が生じない。そのため、選択手段の処理構成が圧倒的に簡素なものとなるし、特定報知を実行した場合のパターンの所定報知を記憶しておく必要がないため記憶容量の削減にも寄与することができる。
また、例えば、特定報知を前提とした構成とする場合、特定報知が発生した場合には対応報知において内容報知の時点で継続条件が成立していることを報知する確定的な報知態様を選択する、といったような態様を用意すると、そのような態様が選択されたのにもかかわらず、例えば特定報知が見逃されていた場合には、当該確定的な報知態様にて特定報知を見逃してしまったことを遊技者は後追いで知らされる、といった不都合が生じ得る。そうすると、特定報知の見逃しを防止する、といった観点から、特定報知を派手な演出態様に設定せざるを得ない事情も生じ得る。これに対して、上記構成のように、特定報知を前提とした対応報知としない演出態様とすることで、特定報知の見逃しを許容できる態様にて態様報知の態様を設定することが可能となり、特定報知自体をさほど派手な演出としなくてもよい構成となる。よって、より注意して演出に向き合わなければ特定報知の発生を把握できないような態様とすることも可能となり、特定報知を見逃さまいとする遊技者心理を利用して遊技演出への注目度を好適に高めることが可能となる。
特徴bD4.前記対応報知手段による前記対応報知における前記所定報知の態様が複数設定されており、当該複数設定された態様から今回の前記所定報知の態様を選択する選択手段(表示制御装置81によるバトル演出テーブルから今回の演出テーブルを選択する処理を実行する機能)を備え、
前記選択手段は、前記特定報知手段による前記特定報知が実行された場合には予め定められた特定態様となる前記所定報知の態様を選択する構成であり、
前記選択手段は、前記特定報知手段による前記特定報知が実行されていない場合にも前記特定態様となる前記所定報知の態様を選択することが可能であることを特徴とする特徴bD1又は特徴bD2に記載の遊技機。
上記構成によれば、対応報知手段による所定報知の態様を選択手段が選択するにあたって、特定報知が実行されていれば特定態様となる所定報知の態様が選択されるようになる。このようにすることで、特定報知の実行に伴い、所定報知の態様が一の態様に定められるため、処理構成の簡素化が図られる。しかも、特定態様となる所定報知の態様は、特定報知が実行されなかった場合にも選択され得るものであるから、当該特定態様となる所定報知の態様を特定報知が実行された場合専用のものとして用意する構成と比較して、記憶容量の削減にも寄与することができるし、特定報知の見逃し防止のために当該特定報知を派手なものとする必要も生じず、特定報知への注目度も高めることが可能となる。
特徴bD5.前記選択手段により選択される前記所定報知の態様により、遊技者にとって有益となり得る特定情報(ATモードの継続率、設定値)が示唆される構成であることを特徴とする特徴bD4に記載の遊技機。
上記構成によれば、選択手段により選択される所定報知の態様によって特定情報が示唆されることを前提とするならば、特定報知の実行によって、選択手段により選択される所定報知の態様が一義的な態様(特定態様)となる特徴bD4の構成においては、特定報知が行われることによって、遊技者は特定情報を知ることができなくなる可能性がある。このような構成とすることで、特定報知を楽しみにさせながらも、それの対価として特定情報を知り得なくなるようにして、遊技の興趣向上が図られる。
特徴bD6.前記特定報知手段による前記特定報知の態様(発生率)により、前記特定情報が示唆される構成であることを特徴とする特徴bD5に記載の遊技機。
上記構成のようにすることで、特定報知が行われることによって、所定報知の態様による特定情報の示唆は行われなくなるものの、特定報知の態様から特定情報が示唆されるのであるから、特定情報を知りたい遊技者としては、より特定報知へ注目するようになる。よって、遊技の注目度を好適に高めることが可能となる。
特徴bD7.前記有利判定手段による有利判定の結果が前記有利結果である場合であっても前記特定報知手段により前記特定報知が実行されない場合があるように設定されている一方、前記有利判定手段による有利判定の結果が前記有利結果である場合には前記対応報知手段による前記対応報知における前記内容報知は前記非有利内容とならないように設定されていることを特徴とする特徴bD1乃至特徴bD6のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、有利判定の結果が有利結果であれば、対応報知においては必ず有利内容となるものの、特定報知は実行されない場合がある。このようにすることで、基本的には対応報知によって有利判定の結果が明確に報知されることを前提としながら、特定報知によってその内容報知の如何を知ることもできる場合がある、といったように特定報知を対応報知の補助的な報知として解釈させることができる。よって、特定報知によって内容報知の如何を知ることのお得感を提供することができ、特定報知を楽しみにさせることが可能となる。
特徴bD8.前記特定状況にて実行される遊技において、所定の報知手段にて遊技報知を行う遊技報知手段(表示制御装置81による対峙演出を行うための処理を実行する機能)を備え、
前記特定報知手段は、前記遊技報知手段による前記遊技報知における一部を通常態様(例えば白文字のVS表示)から特定態様(例えば赤文字のVS表示)に変更することを前記特定報知として実行する構成であり、
前記遊技報知手段は、前記有利判定手段による有利判定の結果が前記有利結果である場合に前記通常態様にて前記遊技報知を実行可能であり、かつ前記有利判定手段による有利判定の結果が前記有利結果とは異なる結果である場合に前記通常態様にて前記遊技報知を実行可能であることを特徴とする特徴bD1乃至特徴bD7のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定報知は各ゲームにて行われる遊技報知のうちの一部を通常態様から特定態様に変更して行われる。この場合、通常態様での遊技報知は、有利判定の結果が有利結果である場合にも実行されるし、有利結果ではない場合にも実行される。つまり、特定報知が行われなかったとしてもそれが有利結果ではないことを示すものではないし、特定報知は遊技報知のうちの一部が特定態様に変更されるだけであることから、それが見逃される可能性もより高くなる。このような構成とすることで、特定報知を見逃さまいとする遊技者心理を利用して遊技演出への注目度を好適に高めることが可能となる。
特徴bD9.前記実行判定手段は、前記特定状況にて実行される遊技における前記抽選手段による抽選結果に基づいて前記特定報知を実行することの実行判定を行う構成であることを特徴とする特徴bD1乃至特徴bD8のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定報知は特定状況における各ゲームの抽選結果に基づいて実行判定が行われる。このようにすることで、特定報知と各ゲームの抽選結果とが密接に関連付けられ、例えば、当該特定報知が発生したゲームにおける抽選結果によって有利判定が行われ、当該有利判定にて有利結果となったという印象を与えることも可能となる。
特徴bD10.前記所定報知は複数の遊技に亘って実行される構成であり、
当該複数の遊技に亘る前記所定報知の報知態様が複数種類設定されている報知態様情報群(バトル演出テーブル)を記憶する報知態様情報記憶手段(表示制御装置81による各種テーブル記憶エリア182a)と、
前記有利判定手段による有利判定の結果に基づいて、前記報知態様情報記憶手段に記憶されている前記報知態様情報群から、今回の対応報知における所定報知の報知態様を選択する報知態様選択手段(表示制御装置81による今回のバトル演出テーブルを選択する処理を実行する機能)と、
を備え、
前記対応報知手段は、前記報知態様選択手段により選択された前記報知態様に基づいて前記所定報知を実行することを特徴とする特徴bD1乃至特徴bD9のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、対応報知における所定報知は、複数のゲームに亘って実行されるものであり、その所定報知は、有利判定の結果に基づいて報知態様情報群から選択された報知態様にて行われる。ここで、複数のゲームに亘って所定報知を行う構成において、当該所定報知を実行するゲームにて特定報知を行う場合があるような構成とすると、各ゲームで所定報知の報知態様を決定する必要が生じるし、そのような各ゲームで所定報知の報知態様を決定する構成でなければ、実行する特定報知やその後の内容報知との整合が取れなくなる可能性もある。その点、上記のように対応報知を実行するゲームでは特定報知の実行が制限されていることから、各ゲームで所定報知の報知態様を決定する構成とする必要がなく、比較的簡素な構成にて対応報知を行うことが可能となる。
特徴bD11.前記有利判定手段による有利判定の結果が前記有利結果となる確率が異なる第1有利状態(継続率10%のATモード)と第2有利状態(継続率90%のATモード)とが設定されており、
前記実行判定手段は、前記第1有利状態と前記第2有利状態とで、前記特定報知を実行するとの結果となる確率が異なるように前記実行判定を行うことを特徴とする特徴bD1乃至特徴bD10のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定報知の発生率は、有利判定の当選確率に応じて異なるようになり、特定報知の発生率を通じて、有利判定の当選確率を予測する、といった遊技が追加されることになる。このようにすることで、特定報知が行われることにより有利判定の結果を把握することができるだけでなく、有利判定の当選確率をも予測することが可能となり、特定報知への注目度を好適に高めることが可能となる。
なお、上記特徴bD1乃至特徴bD11に記載された発明は、「遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機では、所定の抽選条件が成立したことに基づいて内部抽選が行われ、当該内部抽選の結果に応じて遊技者に特典が付与される構成が知られている。スロットマシンについて具体的には、遊技媒体としてのメダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されると、内部抽選が実施されるとともに、リールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップスイッチが操作された場合には、リールの回転が停止する。そして、リールの停止結果が内部抽選の結果に対応したものである場合には、結果に応じた特典が付与される(例えば特開2008-295707号公報参照)。」という背景技術について、「ここで、上記例示等した遊技機においては遊技の興趣向上を図る必要があり、この点について、未だ改良の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
なお、上記特徴bD1乃至特徴bD11の各構成に対して、特徴bA1乃至特徴bA18、特徴bB1乃至特徴bB12、特徴bC1乃至特徴bC9、特徴bD1乃至特徴bD11、特徴bE1乃至特徴bE13、特徴bF1乃至特徴bF11、特徴bG1乃至特徴bG8、特徴bH1乃至特徴bH9、特徴bI1乃至特徴bI6、特徴bJ1乃至特徴bJ10のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴bE群>
特徴bE1.遊技者による所定の開始操作に基づいて開始され、所定の終了条件を満たすことに基づいて終了されることを一の遊技として遊技を進行させる遊技進行手段(主制御装置101による通常処理を実行する機能)と、
前記遊技進行手段により進行される遊技において遊技者に特典を付与することの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果、及び前記遊技進行手段により進行される遊技の結果に応じて、遊技者に特典を付与する特典付与手段(主制御装置101による払出判定処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
遊技状態として、通常状態(通常モード)と、当該通常状態よりも遊技者にとって有利な有利状態(ATモード)とが設定されており、
前記有利状態は、単位状態(ATセット)として特定数(18ゲーム)以上の遊技を実行可能に構成され、当該単位状態の継続条件が成立している場合には、当該単位状態の実行後、次の単位状態に移行する一方、当該継続条件が成立していない場合には、当該単位状態の実行後、当該有利状態が終了する構成であり、
前記有利状態において、前記特定数よりも少ない特別数(10ゲーム)の遊技を一の単位報知状態(疑似セット)とし、当該単位報知状態の報知用継続条件が成立している場合には、当該単位報知状態の終了後、次の単位報知状態を開始する一方、当該報知用継続条件が成立していない場合には、当該単位報知状態の終了後、次の単位報知状態を開始しない報知制御手段(表示制御装置81による疑似セット演出を行うための処理を実行する機能)と、
前記単位報知状態における前記報知用継続条件が成立している場合、当該単位報知状態において予め定められた特定報知(特定演出)を実行する特定報知手段(表示制御装置81による疑似セット演出において第3特定演出や第4特定演出を行うための処理を実行する機能)と、
一の前記単位報知状態において前記特定報知手段による前記特定報知が行われた場合、当該単位報知状態の残りの遊技数に関わらず、当該単位報知状態を終了させて、次の単位報知状態を開始可能とする手段(表示制御装置81による疑似セット演出において第3特定演出や第4特定演出に基づいて次の疑似セットに移行させる処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、遊技者による開始操作に基づきゲームが開始されて当該遊技の抽選が行われ、所定の終了条件を満たすと当該ゲームが終了するとともに抽選結果に応じた特典が付与され得るといった所謂スロットマシンの遊技機において、遊技者にとって有利な有利状態は、特定数以上の遊技を単位状態とし、継続条件が成立する限り当該単位状態が繰り返される、といったような所謂セット管理型の状態とされている。しかも、有利状態においては、単位状態の継続ゲーム数である特定数よりも少ない特別数のゲームを一の単位報知状態とし、当該単位報知状態の報知継続条件が成立してれば単位報知状態の終了後、次の単位報知状態が開始されるし、単位報知状態の報知継続条件が成立していなければ単位報知状態の終了後、次の単位報知状態が開始されないようにしていることから、有利状態における単位状態の繰り返し数よりも、単位報知状態の繰り返し数の方が多くなり易く、有利状態における単位状態の継続条件を成立し易くし過ぎないようにして有利度を高めすぎることなく、単位報知状態の繰り返し数を多くして、あたかも継続条件が成立し易いかのように見せることが可能となる。
但し、このように単位状態の遊技数よりも少ない遊技数である単位報知状態を繰り返す構成においては、単位状態が終了する遊技と、単位報知状態が終了する遊技とを合わせることが困難となる場合がある。より詳しくは、単位状態の遊技数である特定数と、単位報知状態の遊技数である特別数と、の公約数でなければ単位状態が終了する遊技と、単位報知状態が終了する遊技とが合致せず、単位報知状態による演出効果を好適に期待できない可能性もある。
そこで、上記構成においては、単位報知状態にて報知継続条件が成立している場合には、特定報知を実行し、当該単位報知状態の残りの遊技数に関わらず当該特定報知を契機として当該単位報知状態を終了させて次の単位報知状態を開始させる構成としたことから、単位報知状態における遊技数を、単位状態における遊技数に合わせやすくなる。よって、単位状態よりも少ない遊技数にて単位報知状態を繰り返すことによる演出効果を好適に期待できるようになる。
特徴bE2.前記単位状態において前記継続条件が成立している場合、当該単位状態における残りの遊技数が存在している状況下において当該単位状態を終了させることを制限する手段(主制御装置101によるATゲームカウンタが0となるよりも前にATモードのセットの更新を行わないようにする処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴bE1に記載の遊技機。
上記構成によれば、単位報知状態側は特定報知を契機として、当該単位報知状態の残りの遊技数に関わらず当該単位報知状態を終了させて次の単位報知状態を開始させる一方、単位状態側は、継続条件が成立していても、当該単位状態の残りの遊技数が存在している状況下においては、当該単位状態を終了させて次の単位状態を開始させることが制限されている。このように、単位報知状態側の遊技数だけを調節することで両状態の遊技数を合わせる構成とすることで、比較的簡素な構成にて両状態の遊技数を合わせることが可能となる。
特徴bE3.前記特定報知手段は、前記単位状態における残りの遊技数に応じて前記特定報知を実行する第1手段(表示制御装置81による継続コマンドを受信していないセットの更新に際して特定演出を発生させるための処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴bE1又は特徴bE2に記載の遊技機。
上記構成によれば、単位状態側の残りゲーム数に応じて特定報知を発生させることで、単位報知状態が更新されるため、単位状態の残りゲーム数と単位報知状態の継続ゲーム数(特別数)とを違和感なく調節することが可能となる。
特徴bE4.前記第1手段は、前記単位状態における残りの遊技数が前記特別数よりも多い遊技にて前記特定報知を実行することを特徴とする特徴bE3に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定報知を行って単位報知状態を終了させ、次の単位報知状態を開始しても単位状態の残りのゲーム数を消化するまでに、当該次の単位報知状態における特別数のゲーム数を消化することが可能となる。よって、例えば、単位報知状態の途中で単位状態が終了する、といった事象が生じないようになり、単位状態の残りゲーム数と単位報知状態の継続ゲーム数とを違和感なく調節することが可能となる。
特徴bE5.前記第1手段は、前記継続条件が成立していない前記単位状態において、当該単位状態の残り遊技数に応じて前記特定報知を実行することを特徴とする特徴bE3又は特徴bE4に記載の遊技機。
継続条件が成立している単位状態においては、当該単位状態の残りの遊技数を消化した後も、次の単位状態における特定数以上の遊技が存在する。そこで、上記構成においては、残りの遊技数に応じて特定報知を行う機会を継続条件が成立していない単位状態に限定したため、当該残りの遊技数に応じた特定報知を行うための処理の実行頻度を低くすることができ、処理の簡素化を図ることが可能となる。
特徴bE6.前記特定報知手段は、前記継続条件が成立している前記単位状態において、当該単位状態における残りの遊技数に関わらず前記特定報知を実行する第2手段(表示制御装置81による第3特定演出抽選や第4特定演出抽選に基づきこれらの特定演出を行うための処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴bE1乃至特徴bE5のいずれか1に記載の遊技機。
継続条件が成立している単位状態においては、当該単位状態の残りの遊技数を消化した後も、次の単位状態における特定数以上の遊技が存在し、どのタイミングで特定報知を実行しても次の単位報知状態における特別数のゲームを消化可能である。そこで、上記構成においては、当該継続条件が成立している単位状態においては、残りの遊技数に関わらず特定報知を実行するようにすることで、特定報知の実行タイミングにランダム性を生じさせることが可能となり、いつ特定報知が行われて単位報知状態が更新されるかが悟られにくくなり、演出の多様化を図ることが可能となる。
特徴bE7.前記第2手段は、前記継続条件が成立している前記単位状態における各遊技にて、前記抽選手段による抽選結果に応じて前記特定報知を実行することの実行判定を行う実行判定手段(表示制御装置81による第3特定演出抽選処理や第4特定演出抽選処理を実行する機能)を備え、当該実行判定手段による判定結果に基づいて前記特定報知を実行することを特徴とする特徴bE6に記載の遊技機。
上記構成によれば、継続条件が成立している単位状態においては、各ゲームの抽選結果に応じて特定報知の実行判定が行われるため、あたかも各ゲームの抽選結果によって継続条件が成立したかのような印象を遊技者に与えることが可能となる。よって、各ゲームへの注目度を好適に高めることができる。
特徴bE8.前記特定報知手段は、前記継続条件が成立している前記単位状態において、前記単位報知状態の遊技が前記特別数に達する場合に前記特定報知を実行する第3手段(表示制御装置81による疑似セットの最終ゲームで第3特定演出や第4特定演出を行うための処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴bE1乃至特徴bE7のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、当該継続条件が成立している単位状態においては、単位報知状態の最終ゲームにて特定報知を実行するようにすることで、特定報知が行われないまま単位報知状態が終了してしまうといった不都合を解消することができる。この場合、特定報知を行う単位報知状態の最終ゲームが、単位状態における何ゲーム目であるかに関わらず、当該特定報知後の次の単位報知状態を消化するだけのゲーム数は存在しているため、単位状態と単位報知状態とのゲーム数を無理なく調整することが可能となる。
特徴bE9.前記単位報知状態において前記特定報知が行われないまま前記特別数の遊技が実行され、当該単位報知状態が終了した後、前記有利状態が終了する終了遊技までの遊技において所定の終了報知を実行する終了報知手段(表示制御装置81によるエンディング演出を行うための処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴bE1乃至特徴bE8のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、単位状態が終了するゲームと単位報知状態が終了するゲームとが完全に一致しなくても、所定の終了報知によってその差を埋めることが可能となる。このような構成であれば、単位状態と単位報知状態とのゲーム数を無理なく調整することが可能となる。
特徴bE10.前記終了報知手段は、前記所定の終了報知を第1数の遊技に亘って実行することが可能であって、当該第1数とは異なる第2数の遊技に亘って実行することが可能であることを特徴とする特徴bE9に記載の遊技機。
上記構成によれば、所定の終了報知のゲーム数は第1数とすることも第2数とすることも可能であり、単位報知状態を終了させてから単位状態が終了するまでのゲーム数が一律のゲーム数である必要が生じない。このようにすることで、単位報知状態のゲーム数を単位状態のゲーム数に合わせる構成を比較的簡素な構成にて実現することができる。
なお、上記構成は、以下のように表現してもよい。
「前記終了報知手段は、前記単位報知状態が終了してから前記有利状態が終了するまでの遊技数が第1数である場合には、当該第1数の遊技に亘って前記所定の終了報知を行い、前記単位報知状態が終了してから前記有利状態が終了するまでの遊技数が前記第1数とは異なる第2数である場合には、当該第2数の遊技に亘って前記所定の終了報知を行うことを特徴とする特徴bE9に記載の遊技機」。
特徴bE11.前記特典付与手段により付与される前記特典の増減率又は増減態様に変化を生じさせることが可能な設定値が複数設定されており、当該複数の設定値のうちの一の設定値を設定する設定手段(主制御装置101による当選確率の設定処理を実行する機能)を備え、
前記特定報知手段は、前記設定手段により設定されている設定値が第1設定値である場合には、前記単位報知状態において前記特定報知が行われないまま前記特別数の遊技が消化され、当該単位報知状態が終了した後、前記有利状態が終了する終了遊技までの終了遊技数が第1数となり易いように当該終了する単位報知状態の前の単位報知状態にて前記特定報知を実行し、前記設定手段により設定されている設定値が前記第1設定値とは異なる第2設定値である場合には、前記終了遊技数が前記第1数とは異なる第2数となり易いように当該終了する単位報知状態の前の単位報知状態にて前記特定報知を実行することが可能な第4手段(表示制御装置81によるエンディングゲーム数の抽選処理の結果に基づいて第3特定演出を行うようにする処理を実行する機能、図159)を備えていることを特徴とする特徴bE1乃至特徴bE10のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、単位報知状態と単位状態の終了ゲームとの差分のゲーム数(終了遊技数)が、設定値によって異なり易くなり、当該差分のゲーム数から設定値の予測を行わせる、といった斬新な遊技性を実現することができる。
特徴bE12.前記有利状態として、第1有利状態(継続率10%のATモード)と、当該第1有利状態よりも前記単位状態の前記継続条件が成立し易い第2有利状態(継続率90%のATモード)とが設定されており、
前記第4手段は、
前記第1有利状態においては、前記設定手段により設定されている設定値が前記第1設定値である場合には、前記終了遊技数が前記第1数となり易いように当該終了する単位報知状態の前の単位報知状態にて前記特定報知を実行し、前記設定手段により設定されている設定値が前記第2設定値である場合には、前記終了遊技数が前記第2数となり易いように当該終了する単位報知状態の前の単位報知状態にて前記特定報知を実行し、
前記第2有利状態においては、前記設定手段により設定されている設定値が前記第1設定値である場合には、前記終了遊技数が前記第2数となり易いように当該終了する単位報知状態の前の単位報知状態にて前記特定報知を実行し、前記設定手段により設定されている設定値が前記第2設定値である場合には、前記終了遊技数が前記第1数となり易いように当該終了する単位報知状態の前の単位報知状態にて前記特定報知を実行することが可能であることを特徴とする特徴bE11に記載の遊技機。
上記構成におよれば、継続条件の異なる第1有利状態と第2有利状態とでは、単位報知状態と単位状態の終了ゲームとの差分のゲーム数(終了遊技数)が示す設定値が相違している。つまり、設定値の絞り込みを行うためには、単に差分のゲーム数だけを把握すればよいだけでは足りず、それよりも以前にいずれの有利状態であるかを把握しておく必要がある構成となる。このようにすることで、有利状態における遊技性を好適に向上させることができる。
特徴bE13.前記特定報知手段は、前記継続条件が成立している前記単位状態において、当該単位状態における残りの遊技数に関わらず前記特定報知を実行する第2手段(表示制御装置81による第3特定演出抽選や第4特定演出抽選に基づきこれらの特定演出を行うための処理を実行する機能)を備え、
前記第2手段は、前記継続条件が成立している前記単位状態における各遊技にて、前記抽選手段による抽選結果に応じて前記特定報知を実行することの実行判定を行う実行判定手段(表示制御装置81による第3特定演出抽選処理や第4特定演出抽選処理を実行する機能)を備え、当該実行判定手段による判定結果に基づいて前記特定報知を実行する構成であり、
前記実行判定手段は、前記第1有利状態と前記第2有利状態とで前記特定報知を実行するとの結果となる確率が異なるように前記特定報知の実行判定を行うことを特徴とする特徴bE12に記載の遊技機。
継続条件が成立している単位状態においては、当該単位状態の残りの遊技数を消化した後も、次の単位状態における特定数以上の遊技が存在し、どのタイミングで特定報知を実行しても次の単位報知状態における特別数のゲームを消化可能である。そこで、上記構成においては、当該継続条件が成立している単位状態においては、残りの遊技数に関わらず特定報知を実行するようにすることで、特定報知の実行タイミングにランダム性を生じさせることが可能となり、いつ特定報知が行われて単位報知状態が更新されるかが悟られにくくなり、演出の多様化を図ることが可能となる。
しかも、継続条件が成立している単位状態においては、各ゲームの抽選結果に応じて特定報知の実行判定が行われるため、あたかも各ゲームの抽選結果によって継続条件が成立したかのような印象を遊技者に与えることが可能となる。よって、各ゲームへの注目度を好適に高めることができる。
それだけでなく、特定報知の実行判定は、第1有利状態と第2有利状態とで当選確率が異なるように行われる構成であることから、特定報知の発生率からいずれの有利状態に滞在しているかを遊技者は予測することが可能となる。このようにすることで、有利状態の途中においては、単位報知状態中の特定報知の発生率から有利状態の種類を把握し、単位報知状態が終了したら、有利状態終了までの差分のゲーム数と、当該予測した有利状態の種類と、から設定値を予測する、といった面白みのある遊技性を実現することができる。
なお、上記特徴bE1乃至特徴bE13に記載された発明は、「遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機では、所定の抽選条件が成立したことに基づいて内部抽選が行われ、当該内部抽選の結果に応じて遊技者に特典が付与される構成が知られている。スロットマシンについて具体的には、遊技媒体としてのメダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されると、内部抽選が実施されるとともに、リールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップスイッチが操作された場合には、リールの回転が停止する。そして、リールの停止結果が内部抽選の結果に対応したものである場合には、結果に応じた特典が付与される(例えば特開2008-295707号公報参照)。」という背景技術について、「ここで、上記例示等した遊技機においては遊技の興趣向上を図る必要があり、この点について、未だ改良の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
なお、上記特徴bE1乃至特徴bE13の各構成に対して、特徴bA1乃至特徴bA18、特徴bB1乃至特徴bB12、特徴bC1乃至特徴bC9、特徴bD1乃至特徴bD11、特徴bE1乃至特徴bE13、特徴bF1乃至特徴bF11、特徴bG1乃至特徴bG8、特徴bH1乃至特徴bH9、特徴bI1乃至特徴bI6、特徴bJ1乃至特徴bJ10のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴bF群>
特徴bF1.遊技者による所定の開始操作に基づいて開始され、所定の終了条件を満たすことに基づいて終了されることを一の遊技として遊技を進行させる遊技進行手段(主制御装置101による通常処理を実行する機能)と、
前記遊技進行手段により進行される遊技において遊技者に特典を付与することの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果、及び前記遊技進行手段により進行される遊技の結果に応じて、遊技者に特典を付与する特典付与手段(主制御装置101による払出判定処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
遊技状態として、通常状態(通常モード)と、当該通常状態よりも遊技者にとって有利な有利状態(ATモード)とが設定されており、
前記有利状態において、特別数(10ゲーム)の遊技を一の単位報知状態(疑似セット)とし、当該単位報知状態において予め定められた特定報知が行われた場合には、当該単位報知状態を終了させて次の単位報知状態を開始する一方、当該特定報知が行われることなく前記特別数の遊技が実行された場合には、当該単位報知状態の終了後、次の単位報知状態を開始しない報知制御手段(表示制御装置81による疑似セット演出を行うための処理を実行する機能)と、
前記有利状態における残り遊技数が前記特別数よりも多い場合に、前記単位報知状態において前記特定報知が行われるようにする第1手段(表示制御装置81による継続コマンドを受信していないセットの開始ゲームで疑似セットの更新を行う処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、遊技者による開始操作に基づきゲームが開始されて当該遊技の抽選が行われ、所定の終了条件を満たすと当該ゲームが終了するとともに抽選結果に応じた特典が付与され得るといった所謂スロットマシンの遊技機において、遊技者にとって有利な有利状態においては、特別数のゲームを一の単位報知状態とし、当該単位報知状態において特定報知が実行された場合には単位報知状態を終了させて次の単位報知状態が開始されるし、単位報知状態において特定報知が行われることなく特別数の遊技が実行された場合には単位報知状態の終了後、次の単位報知状態が開始されないようにしていることから、遊技者は単位報知状態が繰り返される限り有利状態が継続することを把握することができ、単位報知状態において特定報知が行われることへ期待させることができる。
但し、このような有利状態の継続を単位報知状態の繰り返しによって報知する構成おいて、単位報知状態の残り遊技数が存在するのにもかかわらず有利状態が終了してしまうと、そもそもの前提が崩れてしまい、単位報知状態による報知の信頼度が大幅に低下してしまう。
そこで、上記構成においては、有利状態の残りゲーム数が特別数よりも多い場合に特定報知が行われるようにしていることから、当該特定報知によって単位報知状態の更新が行われ、新たな単位報知状態においては特別数のゲームを全て消化することができるようになり、単位報知状態の残りゲーム数が存在しない状況で有利状態を終了させることが可能となる。よって、単位報知状態の報知による演出効果を好適に期待することができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
特徴bF2.前記有利状態における残り遊技数が前記特別数よりも多い状況において、前記単位報知状態にて前記特定報知を行うことの実行判定を行う実行判定手段(表示制御装置81による第3特定演出抽選処理や第4特定演出抽選処理を実行する機能)を備え、当該実行判定手段による実行判定の結果が前記特定報知を実行することに対応する対応結果であった場合、前記特定報知が行われるようにする第2手段(表示制御装置81による各特定演出抽選の抽選結果に基づき特定演出を行うための処理を実行する機能能)を備えていることを特徴とする特徴bF1に記載の遊技機。
上記構成によれば、有利状態の残りゲーム数が所定数となれば、一律で特定報知が発生して単位報知状態の更新が行われる一方で、特別数となるよりも前においては、各ゲームの実行判定に基づいて特定報知が発生して単位報知状態の更新が行われる。このようにすることで、単位報知状態の各ゲームにおいていつ特定報知が発生するかがわかりにくくなり、単位報知状態の繰り返しによって有利状態の継続を把握させる遊技性を好適に実現することが可能となる。
特徴bF3.前記有利状態において所定契機(ATセットの更新)が生じた場合に、前記特別数よりも多い所定数の遊技を実行した後、当該有利状態を終了させる終了判定を行う終了判定手段(主制御装置101による継続判定処理を実行する機能)を備え、
前記第1手段は、前記終了判定手段による終了判定の結果が前記所定数の遊技を実行した後に当該有利状態を終了させることに対応する終了結果(非継続)である場合に、前記単位報知状態において前記特定報知が行われるようにすることを特徴とする特徴bF1又は特徴bF2に記載の遊技機。
上記構成によれば、終了判定手段は、所定数のゲーム後に当該有利状態を終了させる終了判定を行う構成であり、当該終了判定の結果が終了結果である場合に、特定報知が行われて単位報知状態が更新される。このような構成であれば、特定報知手段における第1手段は、終了判定手段の判定結果に基づいて特定報知を行えばよくなり、有利状態の残りゲーム数を第1手段が常に把握する必要がなくなる等、処理構成の簡素化が図られる。
特徴bF4.少なくとも前記終了判定手段を有する第1制御装置(主制御装置101)と、
少なくとも前記報知制御手段を有し、前記第1制御装置とは別途設けられた第2制御装置(表示制御装置81)と、
を備えていることを特徴とする特徴bF3に記載の遊技機。
上記構成のように、終了判定手段と特定報知手段(特に第1手段)とが別々の制御装置にて備えられている構成であれば、機能の分散化によって特徴bF3の効果をより好適に奏することができる。
特徴bF5.前記所定契機は、前記所定数の遊技が実行される度に生じることを特徴とする特徴bF3又は特徴bF4に記載の遊技機。
上記構成によれば、終了判定手段は、毎ゲーム終了判定を行わずに、所定数のゲーム毎に終了判定を行う構成となる。このようにすることで、終了判定の頻度を少なくすることができ、処理負荷を抑制することが可能となる。
特徴bF6.前記報知制御手段は、前記終了判定手段による終了判定の結果が前記終了結果とは異なる結果(継続)である場合に、前記単位報知状態において前記特定報知が行われるようにする第3手段(表示制御装置81によるATセットの更新時に特定演出を行うための処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴bF3乃至特徴bF5のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、終了判定の結果が終了結果ではなくても第3手段によって特定報知が行われる場合があるようにしているため、当該第3手段による特定報知によって第1手段による特定報知をうまくカモフラージュさせることが可能となり、特定報知が残り所定数のゲームによって終了することのサインになりにくくなる。このようにすれば、特定報知が行われても有利状態がまだまだ継続することに期待させることができる。
特徴bF7.前記第1手段は、前記有利状態における残り遊技数が前記特別数よりも多い所定数である場合に、前記単位報知状態において前記特定報知が行われるようにする構成であり、
前記所定数と前記特別数との差分の遊技数に亘って、予め定められた特別報知を実行することが可能な特別報知手段(表示制御装置81によるエンディング演出や大当たり演出を行うための処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴bF1乃至特徴bF6のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1手段によって特定報知が行われる場合、有利状態の残りのゲーム数は所定数となっており、そのうち、特別数のゲームは特定報知により更新された後の単位報知状態による演出が行われ、その所定数と特別数との差分のゲーム数に亘って特別報知が行われる。このようにすることで、所定数と特別数とが完全に一致していなくても、演出上の空白期間を生じさせないようにすることができる。
特徴bF8.前記特別報知手段は、前記第1手段による前記特定報知に基づき終了された前記単位報知状態の次の単位報知状態が終了した後、前記特別報知を実行することを特徴とする特徴bF7に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定報知が行われることによって更新された次の単位報知状態の後に、特別報知が行われ、当該特別報知の終了とともに有利状態が終了する。つまり、特別報知が有利状態の終了を示す演出となり、単位報知状態による演出の終了後、有利状態が終了するまでのゲームを所謂エンディング演出によって補う構成となる。よって、単位報知状態による演出が行われない期間の演出を違和感なく楽しませることができる。
なお、上記構成は以下のように表現してもよい。
「前記特別報知手段は、前記第1手段による前記特定報知に基づき終了された前記単位報知状態の次の単位報知状態が終了した後、前記有利状態が終了することを示す前記特別報知を実行することを特徴とする特徴bF7に記載の遊技機」。
特徴bF9.前記特別報知手段は、前記第1手段による前記特定報知に基づき終了された前記単位報知状態と、当該単位報知状態の次の単位報知状態との間の遊技にて、前記特別報知を実行することを特徴とする特徴bF7に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定報知が行われることによって更新された単位報知状態と、その次の単位報知状態との間のゲームで特別報知が行われ、当該次の単位報知状態の終了とともに有利状態が終了する。このようにすることで、単位報知状態中に特定報知が行われなければ有利状態が終了する、といった印象を強く与えることが可能となり、特定報知への注目度を好適に高めることが可能となる。この場合、特別報知は、単位報知状態において特定報知が発生し、次の単位報知状態へ移行することを示す大当たり演出に相当するものとなり、単位報知状態による演出が行われない期間の演出を違和感なく楽しませることができる。
なお、上記構成は、以下のように表現してもよい。
「前記特別報知手段は、前記第1手段による前記特定報知に基づき終了された前記単位報知状態と、当該単位報知状態の次の単位報知状態との間の遊技にて、前記単位報知状態が更新されることを示す前記特別報知を実行することを特徴とする特徴bF7に記載の遊技機」。
また、上記の「特別報知」は、第1手段による特定報知によって終了される単位報知状態と、次の単位報知状態との間のゲームに限らず、他の手段による特定報知によって終了される単位報知状態と、次の単位報知状態との間のゲームにおいても当該特別報知が行われる構成とすることで、特別報知が、単位報知状態が更新され得ることを示す報知である印象を強く会えることが可能となる。
特徴bF10.前記第1手段は、前記有利状態における残り遊技数が前記特別数よりも多い所定数である場合に、前記単位報知状態において前記特定報知が行われるようにする構成であり、
前記所定数は、前記特別数の2倍以下の数であることを特徴とする特徴bF1乃至特徴bF9のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、有利状態の残りゲーム数が所定数となった場合に特定報知を行って単位報知状態を終了させた後、次のゲームから単位報知状態を開始すると、当該単位報知状態を特別数のゲームに亘って消化した時点では、有利状態の残りのゲーム数は特別数よりも少なくなる。つまり、特別数のゲームに亘る単位報知状態を2回分は消化できないものの少なくとも1回分は消化することができる状況となった時点で、第1手段による特定報知が行われるようになる。よって、当該1回分の単位報知状態を更新することなく(特定報知を発生させることなく)行ってから単位報知状態による演出を終了させればよく、単位報知状態の最中に有利状態が終了してしまう、といった事象を生じさせないようにすることができる。
特徴bF11.前記所定数は前記特別数より1多い数であることを特徴とする特徴bF10に記載の遊技機。
上記構成によれば、有利状態の残りゲーム数が所定数となった場合に特定報知を行って単位報知状態を終了させた後、次のゲームから単位報知状態を開始すれと、当該単位報知状態を特別数のゲームに亘って消化した時点で、ちょうど有利状態の残りのゲーム数が0となる。このようにすることで、有利状態の終了ゲームと単位報知状態による演出の終了ゲームとを合わせることが可能となる。
なお、上記特徴bF1乃至特徴bF11に記載された発明は、「遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機では、所定の抽選条件が成立したことに基づいて内部抽選が行われ、当該内部抽選の結果に応じて遊技者に特典が付与される構成が知られている。スロットマシンについて具体的には、遊技媒体としてのメダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されると、内部抽選が実施されるとともに、リールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップスイッチが操作された場合には、リールの回転が停止する。そして、リールの停止結果が内部抽選の結果に対応したものである場合には、結果に応じた特典が付与される(例えば特開2008-295707号公報参照)。」という背景技術について、「ここで、上記例示等した遊技機においては遊技の興趣向上を図る必要があり、この点について、未だ改良の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
なお、上記特徴bF1乃至特徴bF11の各構成に対して、特徴bA1乃至特徴bA18、特徴bB1乃至特徴bB12、特徴bC1乃至特徴bC9、特徴bD1乃至特徴bD11、特徴bE1乃至特徴bE13、特徴bF1乃至特徴bF11、特徴bG1乃至特徴bG8、特徴bH1乃至特徴bH9、特徴bI1乃至特徴bI6、特徴bJ1乃至特徴bJ10のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴bG群>
特徴bG1.遊技者による所定の開始操作に基づいて開始され、所定の終了条件を満たすことに基づいて終了されることを一の遊技として遊技を進行させる遊技進行手段(主制御装置101による通常処理を実行する機能)と、
前記遊技進行手段により進行される遊技において遊技者に特典を付与することの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果、及び前記遊技進行手段により進行される遊技の結果に応じて、遊技者に特典を付与する特典付与手段(主制御装置101による払出判定処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
遊技状態として、通常状態(通常モード)と、当該通常状態よりも遊技者にとって有利な有利状態(ATモード)とが設定されており、
前記有利状態として、第1有利状態(例えば、継続率10%のATモード)と、当該第1有利状態よりも遊技数が多くなり易い第2有利状態(例えば、継続率90%のATモード)と、が設定されており、
前記有利状態において、特別数(10ゲーム)の遊技を一の単位報知状態(疑似セット)とし、当該単位報知状態において予め定められた特定報知が行われた場合には、当該単位報知状態を終了させて次の単位報知状態を開始する一方、当該特定報知が行われることなく前記特別数の遊技が実行された場合には、当該単位報知状態の終了後、次の単位報知状態を開始しない報知制御手段(表示制御装置81による疑似セット演出を行うための処理を実行する機能)を備え、
前記単位報知状態で前記特定報知が実行される場合において、当該単位報知状態にて実行される実行遊技数の平均数が、前記第1有利状態よりも前記第2有利状態の方が多くなるように設定されていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、遊技者による開始操作に基づきゲームが開始されて当該遊技の抽選が行われ、所定の終了条件を満たすと当該ゲームが終了するとともに抽選結果に応じた特典が付与され得るといった所謂スロットマシンの遊技機において、遊技者にとって有利な有利状態においては、特別数のゲームを一の単位報知状態とし、当該単位報知状態において特定報知が実行された場合には単位報知状態を終了させて次の単位報知状態が開始されるし、単位報知状態において特定報知が行われることなく特別数の遊技が実行された場合には単位報知状態の終了後、次の単位報知状態が開始されないようにしていることから、遊技者は単位報知状態が繰り返される限り有利状態が継続することを把握することができ、単位報知状態において特定報知が行われることへ期待させることができる。
有利状態としては継続ゲーム数が異なる第1有利状態と第2有利状態とが設定されているところ、これら第1有利状態における単位報知状態よりも第2有利状態における単位報知状態の方が、単位報知状態にて特定報知が行われる場合の当該単位報知状態の滞在ゲーム数としての実行遊技数の平均数が多くなるように設定されている。
この場合、第1有利状態よりも継続ゲーム数が長くなり易い第2有利状態の方が単位報知状態の滞在ゲーム数が多くなるため、仮に第1有利状態と第2有利状態とが同じゲーム数継続した場合には、単位報知状態の繰り返し数は第1有利状態の方が第2有利状態よりも多くなり易くなる。そうすると、実質的には第2有利状態の方が第1有利状態よりも長く継続するにしても、単位報知状態の繰り返し数の差を第2有利状態と第1有利状態との継続ゲーム数の差よりも小さく見せることが可能となる。このように、有利状態におけるゲーム数差を、単位報知状態の繰り返し数によってより大きく見せることが可能となり、興趣向上を図ることが可能となる。
特徴bG2.前記報知制御手段は、前記単位報知状態の各遊技において前記特定報知を実行することの実行判定を行う実行判定手段(表示制御装置81による第3特定演出抽選処理や第4特定演出抽選処理を実行する機能)を備え、当該実行判定手段による前記実行判定の結果が前記特定報知を実行することに対応する対応結果となった場合に前記特定報知を行うようにする構成であり、
前記実行判定手段による前記実行判定の結果が前記対応結果となる確率が前記第1有利状態の方が前記第2有利状態よりも高くなるように設定されることで、前記単位報知状態で前記特定報知が実行される場合において、当該単位報知状態にて実行される実行遊技数の平均数が、前記第1有利状態よりも前記第2有利状態の方が多くなることを特徴とする特徴bG1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定報知の実行判定の当選確率を異ならせるだけで特徴bG1の優れた効果を期待することができる。
特徴bG3.前記実行判定手段は、前記抽選手段による抽選結果に応じて前記実行判定を行う構成であり、
前記抽選手段による抽選結果が特定結果である場合、前記第1有利状態での前記実行判定の結果が前記対応結果となる確率が前記第2有利状態での前記実行判定の結果が前記対応結果となる確率よりも高くなるように設定されていることを特徴とする特徴bG2に記載の遊技機。
上記構成によれば、各ゲームの抽選結果に応じて実行判定が行われる構成となり、特定報知の実行の有無が自らの運に左右される印象を与えることが可能となるため、各ゲームの抽選結果への注目度が好適に高められる。
特徴bG4.前記第1有利状態と前記第2有利状態とで、前記抽選手段による抽選結果が前記特定結果となる確率が共通していることを特徴とする特徴bG3に記載の遊技機。
上記構成によれば、各ゲームの抽選結果が特定結果となる確率を異ならせることなく、第1有利状態の方が第2有利状態よりも特定報知の発生率を高くすることが可能となる。よって、結果的に、単位報知状態における実行遊技数の平均数を第2有利状態の方が多くなるようにすることができ、比較的簡素な構成にて特徴bG1の優れた遊技性を実現することが可能となる。
特徴bG5.前記単位報知状態の繰り返し数の平均数は、前記第1有利状態よりも前記第2有利状態の方が多くなるように設定されていることを特徴とする特徴bG1乃至特徴bG4のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成では、単位報知状態の実行遊技数の平均数は第1有利状態の方が第2有利状態よりも少なくなり易く、第1有利状態における単位報知状態の繰り返し数が継続ゲーム数の割に多くすることが可能となる構成において、実際の単位報知状態の繰り返し数の平均数については第2有利状態の方が多くなるように設定されており、単位報知状態の実行遊技数の平均数の差は、繰り返し数を逆転するほどの差ではないことになる。このようにすることで、単位報知状態の実行遊技数の平均数の差があまりに大きくて所謂出来レースである印象を与えないようにすることが可能となる。
特徴bG6.前記単位報知状態の繰り返し数の平均数は、前記第1有利状態よりも前記第2有利状態の方が少なくなるように設定されていることを特徴とする特徴bG1乃至特徴bG5のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成では、単位報知状態の実行遊技数の平均数は第1有利状態の方が第2有利状態よりも少なくなり易く、第1有利状態における単位報知状態の繰り返し数が継続ゲーム数の割に多くすることが可能となる構成において、実際の単位報知状態の繰り返し数の平均数も第1有利状態の方が多くなるように設定されており、単位報知状態の実行遊技数の平均数の差は、繰り返し数を逆転するほどの差となる。このようにすることで、単位報知状態の実行遊技数の平均数に差を設けることによって、少ない継続ゲーム数の第1有利状態であっても第2有利状態よりも有利に見せる演出効果を最大限に期待することが可能となる。
なお、上記構成を特徴bG5に適用する場合、有利状態の種類をより多くし、特徴bG5における第1有利状態と第2有利状態との組み合わせと、特徴bG6における第1有利状態と第2有利状態との組み合わせとが異なるようにするとよい。
具体的には、例えば、継続遊技数の平均数が少ない順で、第1有利状態(継続率10%のATモード)、第2有利状態(継続率60%のATモード)、第3有利状態(継続率90%のATモード)、を設け、単位報知状態の実行遊技数の平均数を、第1有利状態を最も少なくなり易くし、第3有利状態を最も多くなり易くする。そのうえで、第1有利状態における単位報知状態の繰り返し数の平均数よりも第3有利状態における単位報知状態の繰り返し数の平均数の方が多くなるようにし(特徴bG5)、第2有利状態における単位報知状態の繰り返し数の平均数の方が第3有利状態における単位報知状態の繰り返し数の平均数よりも多くなるようにする(特徴bG6)ことで、特徴bG5の構成と特徴bG6の構成を矛盾なく備えることが可能となる。
特徴bG7.前記有利状態は、予め定められた特定数(18ゲーム)以上の遊技を一の単位状態とし、当該単位状態の継続条件が成立している場合には、当該単位状態の実行後、次の単位状態に移行する一方、当該継続条件が成立していない場合には、当該単位状態の実行後、当該有利状態が終了する構成であり、
前記第1有利状態よりも前記第2有利状態の方が前記継続条件が成立し易いことで、前記第1有利状態よりも前記第2有利状態の方が遊技数が多くなり易いことを特徴とする特徴bG1乃至特徴bG6のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定数の遊技を一の単位状態として継続条件が成立していれば次の単位状態に移行し、継続条件が成立していなければ次の単位状態に移行しない、といったようにセット管理型の有利状態において、第1有利状態よりも第2有利状態の方が継続条件が成立し易くなりその遊技数が多くなる。このようなセット管理型の有利状態においては、セット数差による有利度の差はもちろん遊技数差よりも大きくなることから、継続条件の成立確率に差がある第1有利状態と第2有利状態との有利/不利の印象も大きく異なることになる。そこで、上記構成のようなセット管理型の有利状態に特徴bG1の構成を適用することで、実際の単位状態の繰り返し数の差(セット数差)よりも単位報知状態の繰り返し数の差を大きくしたり、小さくしたりすることが可能となり、かかる演出効果をより好適に期待することができる。
特徴bG8.遊技者による所定の開始操作に基づいて開始され、所定の終了条件を満たすことに基づいて終了されることを一の遊技として遊技を進行させる遊技進行手段(主制御装置101による通常処理を実行する機能)と、
前記遊技進行手段により進行される遊技において遊技者に特典を付与することの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果、及び前記遊技進行手段により進行される遊技の結果に応じて、遊技者に特典を付与する特典付与手段(主制御装置101による払出判定処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
遊技状態として、通常状態(通常モード)と、当該通常状態よりも遊技者にとって有利な有利状態(ATモード)とが設定されており、
前記有利状態として、第1有利状態(例えば、継続率10%のATモード)と、当該第1有利状態よりも遊技数が多くなり易い第2有利状態(例えば、継続率90%のATモード)と、が設定されており、
前記有利状態において、特別数(10ゲーム)の遊技を一の単位報知状態(疑似セット)とし、当該単位報知状態において予め定められた特定報知が行われた場合には、当該単位報知状態を終了させて次の単位報知状態を開始する一方、当該特定報知が行われることなく前記特別数の遊技が実行された場合には、当該単位報知状態の終了後、次の単位報知状態を開始しない報知制御手段(表示制御装置81による疑似セット演出を行うための処理を実行する機能)を備え、
前記単位報知状態で前記特定報知が実行される場合において、当該単位報知状態にて実行される実行遊技数の平均数が、前記第1有利状態と前記第2有利状態とで異なるように設定されていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、遊技者による開始操作に基づきゲームが開始されて当該遊技の抽選が行われ、所定の終了条件を満たすと当該ゲームが終了するとともに抽選結果に応じた特典が付与され得るといった所謂スロットマシンの遊技機において、遊技者にとって有利な有利状態においては、特別数のゲームを一の単位報知状態とし、当該単位報知状態において特定報知が実行された場合には単位報知状態を終了させて次の単位報知状態が開始されるし、単位報知状態において特定報知が行われることなく特別数の遊技が実行された場合には単位報知状態の終了後、次の単位報知状態が開始されないようにしていることから、遊技者は単位報知状態が繰り返される限り有利状態が継続することを把握することができ、単位報知状態において特定報知が行われることへ期待させることができる。
有利状態としては継続ゲーム数が異なる第1有利状態と第2有利状態とが設定されているところ、これら第1有利状態における単位報知状態と、第2有利状態における単位報知状態とで、単位報知状態にて特定報知が行われる場合の当該単位報知状態の滞在ゲーム数としての実行遊技数の平均が異なるように設定されている。
この場合、例えば、第1有利状態よりも継続ゲーム数が長くなり易い第2有利状態の方が単位報知状態の滞在ゲーム数が多くなり易くすると、仮に第1有利状態と第2有利状態とが同じゲーム数継続した場合には、単位報知状態の繰り返し数は第1有利状態の方が第2有利状態よりも多くなり易くなる。そうすると、実質的には第2有利状態の方が第1有利状態よりも長く継続するにしても、単位報知状態の繰り返し数の差を第2有利状態と第1有利状態との継続ゲーム数の差よりも小さく見せることが可能となる。また、例えば、第1有利状態よりも継続ゲーム数が長くなり易い第2有利状態の方が単位報知状態の滞在ゲーム数が少なくなり易くすると、仮に第1有利状態と第2有利状態とが同じゲーム数継続した場合には、単位報知状態の繰り返し数は第2有利状態の方が第1有利状態よりも多くなり易くなる。よって、単位報知状態の繰り返し数の差を第2有利状態と第1有利状態との継続ゲーム数の差よりも大きく見せることが可能となる。
このように、上記構成によれば、各有利状態におけるゲーム数差を、単位報知状態の繰り返し数によってより大きく見せたり小さく見せたりすることが可能となり、興趣向上を図ることが可能となる。
なお、上記特徴bG1乃至特徴bG8に記載された発明は、「遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機では、所定の抽選条件が成立したことに基づいて内部抽選が行われ、当該内部抽選の結果に応じて遊技者に特典が付与される構成が知られている。スロットマシンについて具体的には、遊技媒体としてのメダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されると、内部抽選が実施されるとともに、リールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップスイッチが操作された場合には、リールの回転が停止する。そして、リールの停止結果が内部抽選の結果に対応したものである場合には、結果に応じた特典が付与される(例えば特開2008-295707号公報参照)。」という背景技術について、「ここで、上記例示等した遊技機においては遊技の興趣向上を図る必要があり、この点について、未だ改良の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
なお、上記特徴bG1乃至特徴bG8の各構成に対して、特徴bA1乃至特徴bA18、特徴bB1乃至特徴bB12、特徴bC1乃至特徴bC9、特徴bD1乃至特徴bD11、特徴bE1乃至特徴bE13、特徴bF1乃至特徴bF11、特徴bG1乃至特徴bG8、特徴bH1乃至特徴bH9、特徴bI1乃至特徴bI6、特徴bJ1乃至特徴bJ10のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴bH群>
特徴bH1.遊技者による所定の開始操作に基づいて開始され、所定の終了条件を満たすことに基づいて終了されることを一の遊技として遊技を進行させる遊技進行手段(主制御装置101による通常処理を実行する機能)と、
前記遊技進行手段により進行される遊技において遊技者に特典を付与することの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果、及び前記遊技進行手段により進行される遊技の結果に応じて、遊技者に特典を付与する特典付与手段(主制御装置101による払出判定処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
遊技状態として、通常状態(通常モード)と、当該通常状態よりも遊技者にとって有利な有利状態(ATモード)とが設定されており、
前記有利状態は、予め定められた特定数(18ゲーム)の遊技を一の単位状態とし、当該単位状態の継続条件が成立している場合には、当該単位状態の実行後、次の単位状態に移行する一方、当該継続条件が成立していない場合には、当該単位状態の実行後、当該有利状態が終了する構成であり、
前記有利状態において、複数の遊技に亘って第1報知(疑似セット演出)を実行可能な第1報知手段(表示制御装置81による疑似セット演出を行うための処理を実行する機能)と、
前記有利状態において、前記第1報知の前又は後に連続するように、複数の遊技に亘って第2報知(例えばオープニング演出やエンディング演出や大当たり演出)を実行可能な第2報知手段(表示制御装置81によるオープニング演出やエンディング演出や大当たり演出を行うための処理を実行する機能)と、
を備え、
前記第1報知手段による前記第1報知が行われる遊技数と前記第2報知手段による前記第2報知が行われる遊技数とが、前記特定数以上となる場合と、前記特定数よりも少なくする場合とがあるように設定されていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、遊技者による開始操作に基づきゲームが開始されて当該遊技の抽選が行われ、所定の終了条件を満たすと当該ゲームが終了するとともに抽選結果に応じた特典が付与され得るといった所謂スロットマシンの遊技機において、遊技者にとって有利な有利状態は、特定数以上の遊技を単位状態とし、継続条件が成立する限り当該単位状態が繰り返される、といったような所謂セット管理型の状態とされている。
このような構成において、単位状態中に第1報知と第2報知とが行われるようにしており、しかも第1報知と第2報知とのゲーム数を合わせると、単位状態のゲーム数である特定数以上となる場合と特定数未満となる場合とがあるようになっている。このようにすることで、単位状態のゲーム数を特定数から変化させなくても、演出側であたかも単位状態のゲーム数が長くなったり短くなったりしているかのように見せることが可能となり、複雑な処理を用いなくてもセット管理型の有利状態における遊技の興趣向上を図ることが可能となる。
特徴bH2.前記第1報知手段は、前記特定数よりも少ない遊技数にて前記第1報知を実行するものであり、
前記第2報知手段は、前記特定数よりも少ない遊技数にて前記第2報知を実行するものであることを特徴とする特徴bH1に記載の遊技機。
上記構成によれば、一方の報知だけでは特定数以上のゲーム数にはならないようになり、両報知のセットが一の単位状態に対応しているかのような印象を与えることが可能となる。よって、両報知によって単位状態の長さが変化するように思わせる効果を好適に高めることができる。
特徴bH3.前記第1報知手段は、前記第1報知を第1数の遊技に亘って実行可能であり、且つ前記第1数とは異なる第2数の遊技に亘って実行可能であり、
前記第2報知手段は、前記第2報知を第3数の遊技に亘って実行可能であり、且つ前記第3数とは異なる第4数の遊技に亘って実行可能であることを特徴とする特徴bH1又は特徴bH2に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1報知と第2報知とのゲーム数はいずれも変化し得るものとなる。このようにすることで、例えば、第1報知に続けて第2報知が行われて1セットの演出が行われるような構成において、仮に第1報知が短くなってしまっても第2報知が長く継続することに期待感を寄せさせることが可能となる。
なお、上記構成は、「第1数」と「第3数」とが同じ数であることを排除するものではなく、また、「第2数」と「第4数」とが同じ数であることを排除するものではない。
また、上記構成は以下のように表現してもよい。
「前記第1報知手段は、前記第1報知を実行する遊技数を変化させることが可能であり、
前記第2報知手段は、前記第2報知を実行する遊技数を変化させることが可能であることを特徴とする特徴bH1又は特徴bH2に記載の遊技機」。
特徴bH4.前記第1報知手段は、特別数(10)の遊技を上限として前記第1報知を実行するものであり、
前記第1報知手段による前記第1報知の実行中に予め定められた特定報知が実行された場合、当該第1報知の残りの遊技数に関わらず当該第1報知が終了し、前記第2報知手段による前記第2報知が開始されるように設定されており、且つ、前記特別数の遊技に亘って前記特定報知が実行されなければ、当該第1報知の終了後、当該有利状態が終了するように設定されていることを特徴とする特徴bH3に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1報知は特別数の遊技に亘って行われる構成であって、その最中に特定報知が行われると第2報知に移行するものの、その最中に特定報知が行われなければ有利状態が終了してしまう。そのため、なるべく遅いタイミングで特定報知が行われて第1報知のゲーム数を多く確保したい気持ちと、なるべく早いタイミングで特定報知が行われて有利状態が終了しないことを確定させたい気持ちといった遊技者の相反する事象を望む気持ちを利用してドキドキ感ある遊技性を実現することが可能となる。
特徴bH5.前記有利状態の残りの遊技数が前記特別数に1を加えた数となった遊技にて前記第2報知手段による前記第2報知を終了させ、次の遊技から前記第1報知手段による前記第1報知を開始させる手段(表示制御装置81による最終ATセットの8ゲーム目で大当たり演出を終了させる処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴bH4に記載の遊技機。
上記構成によれば、特別数の遊技に亘って特定報知が行われないまま第1報知が実行された場合に有利状態が終了する、といった特徴bH4の遊技機を好適に実現することができる。
特徴bH6.前記継続条件が成立していない前記単位状態が開始される前の遊技において、前記第2報知手段による前記第2報知が実行されていた場合、当該単位状態における残り遊技数が前記特別数に1を加えた数となる遊技まで、当該実行されていた前記第2報知を継続させる手段(表示制御装置81によるステップSb3905~ステップSb3908の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴bH4又は特徴bH5に記載の遊技機。
上記構成によれば、継続条件が成立しておらず、そのまま継続条件が成立しなければ最後の単位状態となる場合、当該単位状態の更新前のゲームで第2報知が行われていれば、当該第2報知を単位状態の残りゲーム数が特別数+1となるまで継続させる。このようにすることで、当該最後の単位状態において第2報知が行われ、その後、第1報知が特別数のゲームに亘って行われて有利状態が終了するようになる。このような構成は、第2報知のゲーム数を変化させることが可能な構成だからこそ実現できるものであり、このようにすることで、特徴bH1のように両報知によって単位状態が長くなったり短くなったりするように印象付けることを可能としながらも、単位状態の終了と両報知の終了とをうまく合わせることが可能となる。
特徴bH7.前記継続条件が成立していない前記単位状態が開始される前の遊技において、前記第2報知手段による前記第2報知が実行されていた場合、当該単位状態における残り遊技数が前記特別数に1を加えた数となる遊技まで、当該実行されていた前記第2報知を継続させた場合の当該第2報知の継続遊技数が前記第2報知の継続遊技数の上限よりも多くなる場合、当該第2報知を終了させて前記第1報知手段による前記第1報知を開始させる手段(表示制御装置81によるステップSb3909~ステップSb3917の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴bH4乃至特徴bH6のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、継続条件が成立しておらず、そのまま継続条件が成立しなければ最後の単位状態となる場合、当該単位状態の更新前のゲームで第2報知が行われている場合において、当該第2報知を単位状態の残りゲーム数が特別数+1となるまで継続させると第2報知の上限ゲーム数に達してしまう場合には、当該第2報知を終了させて第1報知が行われるようにする。このようにすることで、当該最後の単位状態となったことを第2報知の長さが通常よりも長いことを通じて悟られてしまうことを回避することができる。
特徴bH8.前記継続条件が成立していない前記単位状態の残りの遊技数が前記特別数に1を加えた数となるまでに、前記第1報知手段による前記第1報知、及び前記第2報知手段による前記第2報知を行わせる手段(表示制御装置81によるステップSb3617~ステップSb3620、ステップSb3715~ステップSb3718等を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴bH7に記載の遊技機。
上記構成によれば、最後の単位状態の更新に際して第2報知を終了させて第1報知が開始された場合、当該最後の単位状態の残りゲーム数が特別数+1となるまでに、第1報知と第2報知とが行われるようになる。そして、残りの特別数のゲームで再度第1報知が行われて有利状態が終了する。このようにすることで、特徴bH1のように両報知によって単位状態が長くなったり短くなったりするように印象付けることを可能としながらも、単位状態の終了と両報知の終了とをうまく合わせることが可能となる。
特徴bH9.前記第1報知手段は、前記第1報知を第1数の遊技に亘って実行可能であり、且つ前記第1数とは異なる第2数の遊技に亘って実行可能であり、
前記第2報知手段は、前記第2報知を第3数の遊技に亘って実行することを特徴とする特徴bH1乃至特徴bH8のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1報知のゲーム数は変化し得る一方、第2報知のゲーム数は変化しないようになる。このようにすることで、第1報知側のゲーム数の調節だけで特徴bH1の効果を期待することができ、構成の簡素化を図ることが可能となる。
なお、上記構成は、「第1数」と「第3数」とが同じ数であることを排除するものではなく、また、「第2数」と「第3数」とが同じ数であることを排除するものではない。
なお、上記構成を特徴bH3乃至特徴bH8に適用する場合、例えば、「前記第2報知手段は、特定第2報知手段と、所定第2報知手段とを備え、前記特定第2報知手段は、前記第2報知を第3数の遊技に亘って実行可能であり、且つ前記第4数とは異なる第2数の遊技に亘って実行可能であり、前記所定第2報知手段は、記第2報知を第3数の遊技に亘って実行する」と限定するとよい。
また、上記構成は以下のように表現してもよい。
「前記第1報知手段は、前記第1報知を実行する遊技数を変化させることが可能であり、
前記第2報知手段は、前記第2報知を実行する遊技数を変化させることが不可能であることを特徴とする特徴bH1乃至特徴bH8のいずれか1に記載の遊技機」。
なお、上記特徴bH1乃至特徴bH9に記載された発明は、「遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機では、所定の抽選条件が成立したことに基づいて内部抽選が行われ、当該内部抽選の結果に応じて遊技者に特典が付与される構成が知られている。スロットマシンについて具体的には、遊技媒体としてのメダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されると、内部抽選が実施されるとともに、リールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップスイッチが操作された場合には、リールの回転が停止する。そして、リールの停止結果が内部抽選の結果に対応したものである場合には、結果に応じた特典が付与される(例えば特開2008-295707号公報参照)。」という背景技術について、「ここで、上記例示等した遊技機においては遊技の興趣向上を図る必要があり、この点について、未だ改良の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
なお、上記特徴bH1乃至特徴bH9の各構成に対して、特徴bA1乃至特徴bA18、特徴bB1乃至特徴bB12、特徴bC1乃至特徴bC9、特徴bD1乃至特徴bD11、特徴bE1乃至特徴bE13、特徴bF1乃至特徴bF11、特徴bG1乃至特徴bG8、特徴bH1乃至特徴bH9、特徴bI1乃至特徴bI6、特徴bJ1乃至特徴bJ10のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴bI群>
特徴bI1.遊技者による所定の開始操作に基づいて開始され、所定の終了条件を満たすことに基づいて終了されることを一の遊技として遊技を進行させる遊技進行手段(主制御装置101による通常処理を実行する機能)と、
前記遊技進行手段により進行される遊技において遊技者に特典を付与することの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果、及び前記遊技進行手段により進行される遊技の結果に応じて、遊技者に特典を付与する特典付与手段(主制御装置101による払出判定処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
遊技状態として、通常状態(通常モード)と、当該通常状態よりも遊技者にとって有利な有利状態(ATモード)とが設定されており、
前記有利状態として、第1有利状態(例えば、継続率10%のATモード)と、当該第1有利状態よりも遊技数が多くなり易い第2有利状態(例えば、継続率90%のATモード)と、が設定されており、
前記有利状態は、単位状態(ATセット)として特定数(18ゲーム)以上の遊技を実行可能に構成され、当該単位状態の継続条件が成立している場合には、当該単位状態の実行後、次の単位状態に移行する一方、当該継続条件が成立していない場合には、当該単位状態の実行後、当該有利状態が終了する構成であり、
前記有利状態において、特別数(10ゲーム)の遊技を一の単位報知状態(疑似セット)とし、当該単位報知状態において予め定められた特定報知が行われた場合には、当該単位報知状態を終了させて次の単位報知状態を開始する一方、当該特定報知が行われることなく前記特別数の遊技が実行された場合には、当該単位報知状態の終了後、次の単位報知状態を開始しない報知制御手段(表示制御装置81による疑似セット演出を行うための処理を実行する機能)を備え、
前記単位状態にて実行される前記単位報知状態の回数(疑似セット数)が、前記第1有利状態よりも前記第2有利状態の方が少なくなり易いように設定されていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、遊技者による開始操作に基づきゲームが開始されて当該遊技の抽選が行われ、所定の終了条件を満たすと当該ゲームが終了するとともに抽選結果に応じた特典が付与され得るといった所謂スロットマシンの遊技機において、遊技者にとって有利な有利状態においては、特定数以上の遊技を単位状態とし、継続条件が成立する限り当該単位状態が繰り返される、といったような所謂セット管理型の状態とされている。
このような構成において、有利状態中に特別数のゲームを一の単位報知状態とし、当該単位報知状態において特定報知が実行された場合には単位報知状態を終了させて次の単位報知状態が開始されるし、単位報知状態において特定報知が行われることなく特別数の遊技が実行された場合には単位報知状態の終了後、次の単位報知状態が開始されないようにしていることから、遊技者は単位報知状態が繰り返される限り有利状態が継続することを把握することができ、単位報知状態において特定報知が行われることへ期待させることができる。
有利状態としては継続ゲーム数が異なる第1有利状態と第2有利状態とが設定されているところ、これら第1有利状態における単位報知状態と、第2有利状態における単位報知状態とで、単位状態にて実行される単位報知状態の回数が第1有利状態よりも第2有利状態の方が少なくなり易いように設定されている。
この場合、第1有利状態と第2有利状態とが同じ回数の単位状態が繰り返し実行されたとしたら、単位報知状態の繰り返し数は第1有利状態の方が第2有利状態よりも多くなり易くなる。そうすると、実質的には第2有利状態の方が第1有利状態よりも長く継続して、単位状態の繰り返し数も多くなるにしても、単位報知状態の繰り返し数の差を第2有利状態と第1有利状態との継続ゲーム数の差よりも小さく見せることが可能となる。
このようにすることで、各有利状態におけるゲーム数差を、単位報知状態の繰り返し数によってより大きく見せることが可能となり、興趣向上を図ることが可能となる。
特徴bI2.前記報知制御手段は、前記単位報知状態の各遊技において前記特定報知を実行することの実行判定を行う実行判定手段(表示制御装置81による第3特定演出抽選処理や第4特定演出抽選処理を実行する機能)を備え、当該実行判定手段による前記実行判定の結果が前記特定報知を実行することに対応する対応結果となった場合に前記特定報知を行うようにする構成であり、
前記実行判定手段による前記実行判定の結果が前記対応結果となる確率が前記第1有利状態の方が前記第2有利状態よりも高くなるように設定されることで、前記単位状態にて実行される前記単位報知状態の回数(疑似セット数)が、前記第1有利状態よりも前記第2有利状態の方が少なくなり易いことを特徴とする特徴bI1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定報知の実行判定の当選確率を異ならせるだけで特徴bI1の優れた効果を期待することができる。
特徴bI3.前記実行判定手段は、前記抽選手段による抽選結果に応じて前記実行判定を行う構成であり、
前記抽選手段による抽選結果が特定結果である場合、前記第1有利状態での前記実行判定の結果が前記対応結果となる確率が前記第2有利状態での前記実行判定の結果が前記対応結果となる確率よりも高くなるように設定されていることを特徴とする特徴bI2に記載の遊技機。
上記構成によれば、各ゲームの抽選結果に応じて実行判定が行われる構成となり、特定報知の実行の有無が自らの運に左右される印象を与えることが可能となるため、各ゲームの抽選結果への注目度が好適に高められる。
特徴bI4.前記第1有利状態と前記第2有利状態とで、前記抽選手段による抽選結果が前記特定結果となる確率が共通していることを特徴とする特徴bI3に記載の遊技機。
上記構成によれば、各ゲームの抽選結果が特定結果となる確率を異ならせることなく、第1有利状態の方が第2有利状態よりも特定報知の発生率を高くすることが可能となる。よって、結果的に、単位状態における単位報知状態の繰り返し数が第1有利状態の方が多くなるようにすることができ、比較的簡素な構成にて特徴bI1の優れた遊技性を実現することが可能となる。
特徴bI5.前記有利状態における前記単位報知状態の総回数は、前記第1有利状態よりも前記第2有利状態の方が多くなるように設定されていることを特徴とする特徴bI1乃至特徴bI4のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成では、有利状態における特定数の遊技を単位とする一の単位状態における単位報知状態の回数は第1有利状態の方が第2有利状態よりも多くなり易く、第1有利状態における単位報知状態の回数が継続ゲーム数の割に多くすることが可能となる構成において、実際の有利状態全体の単位報知状態の繰り返し数の総回数については第2有利状態の方が多くなるように設定されており、単位状態における単位報知状態の回数の差は、有利状態中の単位報知状態の総回数を逆転するほどの差ではないことになる。このようにすることで、単位報知状態の回数の差があまりに大きくて所謂出来レースである印象を与えないようにすることが可能となる。
特徴bI6.前記有利状態における前記単位報知状態の総回数は、前記第1有利状態よりも前記第2有利状態の方が少なくなるように設定されていることを特徴とする特徴bI1乃至特徴bI5のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成では、有利状態における特定数の遊技を単位とする一の単位状態における単位報知状態の回数は第1有利状態の方が第2有利状態よりも多くなり易く、第1有利状態における単位報知状態の回数が継続ゲーム数の割に多くすることが可能となる構成において、実際の有利状態全体の単位報知状態の繰り返し数の総回数についても第1有利状態の方が多くなるように設定されており、単位状態における単位報知状態の回数の差は、有利状態中の単位報知状態の総回数を逆転するほどの差となる。このようにすることで、少ない継続ゲーム数の第1有利状態であっても第2有利状態よりも有利に見せる演出効果を最大限に期待することが可能となる。
なお、上記構成を特徴bI5に適用する場合、有利状態の種類をより多くし、特徴bI5における第1有利状態と第2有利状態との組み合わせと、特徴bI6における第1有利状態と第2有利状態との組み合わせとが異なるようにするとよい。
具体的には、例えば、継続遊技数の平均数が少ない順で、第1有利状態(継続率10%のATモード)、第2有利状態(継続率60%のATモード)、第3有利状態(継続率90%のATモード)、を設け、単位状態における単位報知状態の回数を、第1有利状態を最も多くなり易くし、第3有利状態を最も少なくなり易くする。そのうえで、第1有利状態における単位報知状態の繰り返し数の総回数よりも第3有利状態における単位報知状態の繰り返し数の総回数の方が多くなるようにし(特徴bI5)、第2有利状態における単位報知状態の繰り返し数の総回数の方が第3有利状態における単位報知状態の繰り返し数の総回数よりも多くなるようにする(特徴bI6)ことで、特徴bI5の構成と特徴bI6の構成を矛盾なく備えることが可能となる。
なお、上記特徴bI1乃至特徴bI6に記載された発明は、「遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機では、所定の抽選条件が成立したことに基づいて内部抽選が行われ、当該内部抽選の結果に応じて遊技者に特典が付与される構成が知られている。スロットマシンについて具体的には、遊技媒体としてのメダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されると、内部抽選が実施されるとともに、リールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップスイッチが操作された場合には、リールの回転が停止する。そして、リールの停止結果が内部抽選の結果に対応したものである場合には、結果に応じた特典が付与される(例えば特開2008-295707号公報参照)。」という背景技術について、「ここで、上記例示等した遊技機においては遊技の興趣向上を図る必要があり、この点について、未だ改良の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
なお、上記特徴bI1乃至特徴bI6の各構成に対して、特徴bA1乃至特徴bA18、特徴bB1乃至特徴bB12、特徴bC1乃至特徴bC9、特徴bD1乃至特徴bD11、特徴bE1乃至特徴bE13、特徴bF1乃至特徴bF11、特徴bG1乃至特徴bG8、特徴bH1乃至特徴bH9、特徴bI1乃至特徴bI6、特徴bJ1乃至特徴bJ10のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴bJ群>
特徴bJ1.遊技者による所定の開始操作に基づいて開始され、所定の終了条件を満たすことに基づいて終了されることを一の遊技として遊技を進行させる遊技進行手段(主制御装置101による通常処理を実行する機能)と、
前記遊技進行手段により進行される遊技において遊技者に特典を付与することの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果、及び前記遊技進行手段により進行される遊技の結果に応じて、遊技者に特典を付与する特典付与手段(主制御装置101による払出判定処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
遊技状態として、通常状態(通常モード)と、当該通常状態よりも遊技者にとって有利な有利状態(ATモード)とが設定されており、
前記有利状態として、第1有利状態(例えば、継続率10%のATモード)と、当該第1有利状態よりも遊技数が多くなり易い第2有利状態(例えば、継続率90%のATモード)と、が設定されており、
前記有利状態は、単位状態(ATセット)として特定数(18ゲーム)以上の遊技を実行可能に構成され、当該単位状態の継続条件が成立している場合には、当該単位状態の実行後、次の単位状態に移行する一方、当該継続条件が成立していない場合には、当該単位状態の実行後、当該有利状態が終了する構成であり、
前記有利状態において、特別数(10ゲーム)の遊技を一の単位報知状態(疑似セット)とし、当該単位報知状態の継続条件が成立している場合には、次の単位報知状態に移行する一方、当該継続条件が成立していない場合には、次の単位報知状態に移行させない報知制御手段(表示制御装置81による疑似セット演出を行うための処理を実行する機能)を備え、
前記報知制御手段は、前記単位状態と前記単位状態とを跨いで前記単位報知状態が実行されるようにすることが可能であることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、遊技者による開始操作に基づきゲームが開始されて当該遊技の抽選が行われ、所定の終了条件を満たすと当該ゲームが終了するとともに抽選結果に応じた特典が付与され得るといった所謂スロットマシンの遊技機において、遊技者にとって有利な有利状態においては、特定数以上の遊技を単位状態とし、継続条件が成立する限り当該単位状態が繰り返される、といったような所謂セット管理型の状態とされている。
このような構成において、有利状態中に特別数のゲームを一の単位報知状態とするセット管理型の報知も行われるようにしており、有利状態における単位状態と単位状態とを跨ぐようにして単位報知状態が実行され得るようにしている。このようにすることで、単位状態の繰り返しと単位報知状態の繰り返しとが同期しないことが許容され、単位状態の継続条件の成否にさほど影響を受けずに、単位報知状態の継続条件の成否を比較的自由に設定することが可能となる。よって、実際の単位状態の繰り返し数よりも単位報知状態の繰り返し数を多くしたり少なくしたりすることが可能となり、遊技の多様化に大きく貢献することができる。
特徴bJ2.前記特定数は前記特別数の整数倍の数とは異なる数であり、前記特別数は前記特定数の整数倍の数とは異なる数であることを特徴とする特徴bJ1に記載の遊技機。
上記構成のように、単位状態の繰り返し単位となるゲーム数と、単位報知状態の繰り返し単位となるゲーム数とが整数倍の関係とはならないようにすることで、単位状態と単位報知状態とが同期しにくくなる。よって、単位状態と単位状態とを跨いで単位報知状態が実行され易くなり、特徴bJ1の効果をより明確に奏することが可能となる。
特徴bJ3.前記報知制御手段は、前記単位報知状態において予め定められた特定報知が行われたことを当該単位報知状態の継続条件の成立として、当該単位報知状態を終了させて次の単位報知状態を開始する一方、当該特定報知が行われることなく前記特別数の遊技が実行された場合には、当該単位報知状態の継続条件の非成立として、当該単位報知状態の終了後、次の単位報知状態を開始しない構成であることを特徴とする特徴bJ1又は特徴bJ2に記載の遊技機。
上記構成によれば、単位報知状態は、特別数のゲームを実行することなく特定報知によって更新される場合があるようになり、単位報知状態のゲーム数は特別数を最大数として変化し得るようになる。このようにすることで、単位状態と単位状態とを跨いで単位報知状態を実行するうえで、単位状態の更新と単位報知状態の更新とが同期する場合もあれば、単位状態と単位報知状態とが同期しない場合もあることを、単位報知状態における特定報知の実行の有無によって比較的自由に管理することが可能となり、特徴bJ1の効果を簡素な構成にて奏することが可能となる。
特徴bJ4.前記継続条件が成立している前記単位状態において、当該単位状態の残り遊技数に関わらず、前記特定報知を実行することの実行判定を行う第1実行判定手段(表示制御装置81による第3特定演出抽選処理等を実行する機能)を備え、
前記報知制御手段は、前記第1実行判定手段による実行判定の結果が前記特定報知を実行することに対応する結果である場合に前記特定報知を実行することを特徴とする特徴bJ3に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定報知によって単位報知状態の更新が行われる構成において、継続条件が成立している単位状態では、当該単位状態の残りゲーム数に関わらず特定報知の実行判定が行われる。このようにすることで、特定報知が実行されるゲームの自由度が大幅に向上するし、単位状態を跨いで単位報知状態が実行される場面が多くなる。よって、特徴bJ1の効果をより好適に奏することが可能となる。
特徴bJ5.前記継続条件が成立していない前記単位状態において、当該単位状態の残り遊技数に応じて、前記特定報知を実行することの実行判定を行う第2実行判定手段(表示制御装置81によるサブ側継続フラグがセットされていないATセット1ゲーム目で第3特定演出等を実行するようにする機能)を備え、
前記報知制御手段は、前記第2実行判定手段による実行判定の結果が前記特定報知を実行することに対応する結果である場合に前記特定報知を実行することを特徴とする特徴bJ3又は特徴bJ4に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定報知によって単位報知状態の更新が行われる構成において、継続条件が成立していない単位状態では、当該単位状態の残りゲーム数に応じて特定報知の実行判定が行われる。このようにすることで、単位状態が終了して有利状態も終了するのにもかかわらず、単位報知状態は継続している、といった事象を生じにくくすることが可能となり、単位報知状態の信頼性を担保することができる。
特徴bJ6.前記第2実行判定手段は、前記単位状態の残り遊技数が前記特別数以上である遊技にて前記特定報知が行われるように、前記実行判定を行うことを特徴とする特徴bJ5に記載の遊技機。
上記構成によれば、特徴bJ5の効果をより好適に奏することが可能となる。
特徴bJ7.前記報知制御手段は、前記単位報知状態の継続条件が成立している場合、当該単位報知状態を終了させて、予め定められた第2特別数の遊技に亘って特別報知が実行されるようにし、当該特別報知の実行後、次の前記単位報知状態が開始されるようにする構成であることを特徴とする特徴bJ1乃至特徴bJ6のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、単位報知状態と単位報知状態との間に特別報知が行われる遊技が介在されるようになる。特別報知としては、例えば、単位報知状態の継続条件が成立したことを祝福するような大当たり演出が考えられる。このようにすることで、単位報知状態の継続条件が成立した場合の演出効果を高めることが可能となるし、仮に単位状態の継続ゲーム数である特定数と単位報知状態の継続ゲーム数である特別数とが同じ数であったり、たまたま単位状態と単位報知状態との更新が同期した場合であっても、特別報知を行う遊技によってその更新にズレが生じ、単位状態と単位状態とに跨るように単位報知状態が実行される場面が生じ易くなる。よって、単位報知状態の継続条件が成立した場合の演出効果を高めながら、特徴bJ1の効果をより好適に奏することが可能となる。
特徴bJ8.前記単位状態と前記単位状態とに跨るように前記特別報知が実行され得る構成であることを特徴とする特徴bJ7に記載の遊技機。
上記構成によれば、大当たり演出としての特別報知も単位状態を跨いで実行される場合があるようになる。このようにすることで、単位状態が更新されるゲームとは関係なく、単位報知状態を更新することが可能となり、単位報知状態による演出を行ううえでの自由度を大幅に向上させることができる。
特徴bJ9.前記特定数よりも前記特別数の方が少ない数であることを特徴とする特徴bJ1乃至特徴bJ8のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、単位状態の繰り返し数よりも単位報知状態の繰り返し数の方が多くなり易く、単位報知状態の更新が頻繁に行われることを利用して、実際の有利状態の継続ゲーム数よりも長く有利状態が継続している印象を与えることが可能となる。また、このようにすることで、単位状態と単位状態とを単位報知状態が跨ぐうえで、一の単位報知状態が複数の単位状態を跨ぐことがなくなる。そのため、少なくとも一の単位状態中に単位報知状態の更新が行われるようになり、単位状態の継続条件が成立せずに有利状態が終了するのにもかかわらず、単位報知状態が未だ特別数のゲームを消化していない、といった事象を生じにくくすることができる。
特徴bJ10.一の前記有利状態において、前記単位状態の継続条件よりも前記単位報知状態の継続条件の方が成立し易いことを特徴とする特徴bJ1乃至特徴bJ9のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、単位状態の繰り返し数よりも単位報知状態の繰り返し数の方が多くなる。このようにすることで、実際の有利状態の継続ゲーム数よりも長く継続している印象を与えることが可能となる。
なお、上記特徴bJ1乃至特徴bJ10に記載された発明は、「遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機では、所定の抽選条件が成立したことに基づいて内部抽選が行われ、当該内部抽選の結果に応じて遊技者に特典が付与される構成が知られている。スロットマシンについて具体的には、遊技媒体としてのメダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されると、内部抽選が実施されるとともに、リールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップスイッチが操作された場合には、リールの回転が停止する。そして、リールの停止結果が内部抽選の結果に対応したものである場合には、結果に応じた特典が付与される(例えば特開2008-295707号公報参照)。」という背景技術について、「ここで、上記例示等した遊技機においては遊技の興趣向上を図る必要があり、この点について、未だ改良の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
なお、上記特徴bJ1乃至特徴bJ10の各構成に対して、特徴bA1乃至特徴bA18、特徴bB1乃至特徴bB12、特徴bC1乃至特徴bC9、特徴bD1乃至特徴bD11、特徴bE1乃至特徴bE13、特徴bF1乃至特徴bF11、特徴bG1乃至特徴bG8、特徴bH1乃至特徴bH9、特徴bI1乃至特徴bI6、特徴bJ1乃至特徴bJ10のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
以上詳述した特徴bA群乃至特徴bH群の各構成に対して、他の特徴bA群乃至特徴bH群の各構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想を組合せて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
以下の特徴cA群乃至特徴cH群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第3cの実施形態、これらの変形例又はこれらの組み合せから抽出される。
<特徴cA群>
特徴cA1.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
各前記周回体の周回を開始するための開始操作が行われる始動操作手段(スタートレバー41)と、
各前記周回体の周回を停止するための停止操作が行われる停止操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させる開始駆動制御を実行し、前記停止操作手段が操作された場合に対応する前記周回体の周回を停止させる停止駆動制御を実行する駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
遊技の賭数を設定するための賭数操作が行われる賭数操作手段(第1クレジット投入スイッチ56、第2クレジット投入スイッチ57、メダル投入口45)と、
前記賭数操作手段の賭数操作に基づいて、遊技の賭数を設定する賭数設定手段(主制御装置101によるメダル投入対応処理、第1操作対応処理、第2操作対応処理等を実行する機能)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、前記賭数設定手段により設定された賭数に応じて遊技者に特典を付与することの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が所定結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、当該所定結果に対応する所定の絵柄組合せが停止した場合に、前記所定結果に対応する特典を付与可能な特典付与手段(主制御装置101によるメダル払出処理や再遊技設定用処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
前記賭数操作手段の賭数操作が行われた場合に特定報知(ベット過程演出)を実行した後、当該賭数操作に基づき設定された賭数に対応する賭数対応報知(ベット対応演出)を特定の報知手段(ベット表示部34)にて実行する賭数報知手段(表示制御装置81によるベット時演出設定処理を実行する機能)と、
前記特定報知が実行されている特定状況において、前記始動操作手段が操作された場合に、実行されている前記特定報知を制限可能とする特定処理を実行する特定処理手段(表示制御装置81による特定再遊技ベット演出設定処理における開始操作コマンドに基づきベット対応演出に切り替える等する処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、始動操作手段の操作に基づき遊技が開始されて当該遊技の抽選が行われ、停止操作手段の操作に基づき当該抽選の結果に対応する絵柄組合せが有効位置に停止すると当該抽選の結果に対応する特典が付与される所謂スロットマシンの遊技機において、賭数操作手段の賭数操作が行われると賭数が設定され、特定報知を経て、設定された賭数に対応する賭数対応報知が行われる。そのため、自らの賭数操作に基づき設定した賭数を賭数対応報知にて把握可能となるうえで、当該特定報知によって賭数操作が受け付けられたことも把握することができ、不必要な賭数操作を行わせないようにすることが可能である。
但し、この場合、例えば、特定報知の実行中であって賭数対応報知が行われるよりも前に始動操作手段が操作されて、当該操作に基づいて周回体の回転が開始されたりする場合も想定され、このような場合には、周回体の回転開始用の演出や処理が、特定報知や特定報知用の処理と重複する可能性が高く、処理負荷の増大化が懸念されたり、演出等の重複による遊技者の混乱を生じさせたりする可能性がある。
そこで、上記構成においては、特定報知の実行中に始動操作手段が操作された場合には、当該実行中の特定報知を制限可能とする特定処理を実行する特定処理手段を備えるようにしたことから、当該回転開始用の演出と特定報知との重複や、回転開始用の処理と特定報知用の処理との重複が解消され、上記の各種不都合の発生を好適に回避することが可能となる。よって、遊技を好適に進行可能な遊技機を提供することが可能となる。
特徴cA2.前記特定処理手段は、前記特定状況における前記始動操作手段の操作に基づき、前記特定報知の少なくとも一部の報知の実行を制限する特定処理を実行可能な構成であることを特徴とする特徴cA1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定報知の実行中である特定状況下で始動操作手段の操作が行われた場合、特定報知の少なくとも一部の報知の実行が制限されるようになるため、始動操作手段の操作に基づき実行される開始用の報知との重複が解消され得るようになり、両報知が重複することによって遊技者を混乱させてしまう事象を好適に回避することが可能となる。
特徴cA3.前記特定報知は、第1特定報知(ベット表示部34による点灯演出)と第2特定報知(ベット時効果音)を含んで実行される構成であり、
前記特定処理手段は、前記特定状況における前記始動操作手段の操作に基づき、前記特定報知のうちの前記第1特定報知の実行を制限する一方、前記特定報知のうちの前記第2特定報知の実行は許容するように前記特定処理を実行可能であることを特徴とする特徴cA2に記載の遊技機。
上記構成は特徴cA2の具体的構成であり、特に、少なくとも一部の報知を制限する構成として第1特定報知の実行を制限する一方、第2特定報知の実行は許容するように特定処理を行う構成とすることで、全ての特定報知の実行を制限することによる処理負荷の増大化を好適に回避することができるし、途中まで実行していた特定報知を止めることによる違和感を与えにくくすることも可能である。
なお、上記構成は、「前記第2特定報知よりも前記第1特定報知の方が、実行するためのデータ量が多い又は実行するための処理の処理負荷が大きい」等の構成を限定することで、第1特定報知の実行を制限することの意義がより高められる。なお、かかる構成の具体的構成としては、「前記第1特定報知は所定の表示演出であり、前記第2特定報知は所定の音演出である」構成が考えられる。
また逆に、「前記第1特定報知よりも前記第2特定報知の方が、実行するためのデータ量が多い又は実行するための処理の処理負荷が大きい」等の構成を限定した場合、既に設定済みの第2特定報知を中止してしまうことの無駄を解消することも可能であり、この場合、「前記第1特定報知よりも前記第2特定報知の方が、既に設定済みのデータ量が多い、又は実行済みの処理の処理負荷が大きい」等の構成と表現してもよい。
特徴cA4.前記賭数報知手段は、前記特定処理手段による前記特定処理によって前記特定報知の制限が行われた場合であっても、当該制限が行われない場合と同じ態様にて前記賭数対応報知を実行することが可能である(例えば、図243(d)参照)ことを特徴とする特徴cA1乃至特徴cA3のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定報知については始動操作手段の操作に基づき制限を行うものの、賭数対応報知については制限の有無に関わらずその態様を変更する必要が生じない。これにより、比較的簡素な構成にて処理の重複による処理負荷の増大化を回避することが可能となる。
なお、上記の「同じ態様」とは、完全に同じ態様だけではなく、遊技者が識別しにくい又は識別できない程度に異なる態様であってもよい。
また、上記の「同じ態様」を、「同じタイミング」と表現してもよく、このようにすることで、賭数対応報知の実行開始タイミングすら変更しなくてもよくなり、さらなる処理負荷の低減を図ることが可能となる。
特徴cA5.前記賭数報知手段は、前記特定処理手段による前記特定処理によって前記特定報知の制限が行われたことに基づいて、前記賭数対応報知を実行することが可能である(例えば、図243(b)参照)ことを特徴とする特徴cA1乃至特徴cA4のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、始動操作手段の操作に基づき特定報知が制限されると、賭数対応報知に切り替わるようになる。よって、始動操作手段の操作に基づき各周回体の回転が開始されているのにもかかわらず、賭数がわからないといった空白期間を生じさせないようにすることができる。
特徴cA6.前記特定報知は、第1報知部(ベット表示部34)による第1特定報知(ベット表示部34による点灯演出)と、前記第1報知部とは異なる第2報知部(スピーカ64)による第2特定報知(ベット時効果音)を含んで実行される構成であり、
前記賭数報知手段は、前記賭数対応報知を前記第1報知部にて実行するものであり、
前記特定処理手段は、前記特定状況における前記始動操作手段の操作に基づき、前記特定報知のうちの前記第1特定報知の実行を制限する一方、前記特定報知のうちの前記第2特定報知の実行は許容するように前記特定処理を実行するものであることを特徴とする特徴cA5に記載の遊技機。
上記構成によれば、全ての特定報知の実行を制限することによる処理負荷の増大化を好適に回避することができるし、途中まで実行していた特定報知を止めることによる違和感を与えにくくすることも可能である。そして、特に賭数対応報知が第1報知部にて行われることを前提とすると、第1報知部での第1特定報知を制限して賭数対応報知に切り替えるようにすることで、第1報知部にて賭数の報知が行われない空白期間を生じさせないようにすることができる。
特徴cA7.前記始動操作手段の操作に基づき前記駆動制御手段による開始駆動制御が行われる場合、所定の報知手段にて開始報知(押し順報知演出、特定役報知演出等)を実行可能な開始報知手段(表示制御装置81による開始時演出設定処理を実行する機能)を備え、
前記特定処理手段は、前記特定状況における前記始動操作手段の操作に基づき、前記開始報知手段による所定の開始報知(押し順報知演出)が行われる場合には前記特定処理を実行する一方、前記開始報知手段による所定の開始報知が行われない場合又は前記開始報知手段による所定の開始報知と前記特定報知とが重複しない場合には前記特定処理を実行しないようにすることが可能であること(例えば、図247参照)を特徴とする特徴cA1乃至特徴cA6のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、周回体の回転開始時の演出としての開始報知と、特定報知とが重複する場合にはその特定報知を制限可能とする特定処理が行われるものの、開始報知が実行されない場合や開始報知と特定報知とが重複しないような場合には特定処理が実行されない。このような構成とすることで、報知が重複することを回避する等のための特定処理であっても、そもそも報知が重複せずに不必要な場面では当該特定処理が行われないようになり、処理負荷の低減に寄与することが可能となる。
特徴cA8.前記開始駆動制御が開始されてから、予め定められた特定期間が経過するまで、次の前記開始駆動制御の開始を制限する開始制限手段(主制御装置101による回転開始処理におけるウェイト時間が経過するまで回転開始を待機する処理を実行する機能)と、
前記特定期間が経過する前における前記特定状況にて前記始動操作手段が操作された場合、前記特定報知の実行を許容することが可能な許容手段(表示制御装置81による特定再遊技ベット演出設定処理におけるウェイト期間中の開始操作ではベット対応演出に切り替えないようにする処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴cA1乃至特徴cA7のいずれか1に記載の遊技機、
上記構成によれば、開始駆動制御と開始駆動制御とが特定期間以上となることから、単位時間当たりに実行可能な遊技数が制限され、遊技の適正化が図られる。このような、特定期間が設定されて、所謂ウェイトが規定される構成において、特定期間経過前の賭数操作に基づいて特定報知を介する賭数対応報知が行われる場合、特定報知中に始動操作手段の操作が行われても、特定期間経過前であれば開始駆動制御の実行が制限されるため、かかる始動操作手段の操作に基づいて周回体の回転は開始されない。そのため、このような場合には、回転開始用の報知や処理と特定報知や特定報知用の処理とが重複する、といった特徴cA1に示した不都合は発生しないか、発生しても不都合の程度が低い可能性が高く、特定報知を制限する必要性が低いものと考えられる。よって、このような場合には、特定報知の実行を許容することが可能な許容手段を備えるようにしたことにより、不必要な場面でも特定報知が制限されてしまうことを回避することが可能となり、遊技者に違和感を与えないようにして遊技演出の好適化を図ることが可能となる。
特徴cA9.前記開始駆動制御が開始されてから、予め定められた特定期間が経過するまで、次の前記開始駆動制御の開始を制限する開始制限手段(主制御装置101による回転開始処理におけるウェイト時間が経過するまで回転開始を待機する処理を実行する機能)を備え、
前記特定処理手段は、前記特定期間が経過する前における前記特定状況にて前記始動操作手段が操作され、且つ当該始動操作手段の操作に基づく前記開始駆動制御が当該特定状況にて実行される場合、当該開始駆動制御が行われる場合に前記特定報知を制限可能とするように前記特定処理を実行可能な構成であることを特徴とする特徴cA1乃至特徴cA8のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、開始駆動制御と開始駆動制御とが特定期間以上となることから、単位時間当たりに実行可能な遊技数が制限され、遊技の適正化が図られる。このような、特定期間が設定されて、所謂ウェイトが規定される構成において、特定期間経過前の賭数操作に基づいて特定報知を介する賭数対応報知が行われる場合、特定報知中に始動操作手段の操作が行われても、特定期間経過前であれば開始駆動制御の実行が制限されるものの、特定期間経過に基づいて当該始動操作手段の操作に基づく開始駆動制御が実行される場合があり、かかる開始駆動制御が行われるタイミングでは、未だ、特定報知が終了していない可能性がある。その点、上記構成においては、このような場面では、開始駆動制御が行われる場合に特定報知の制限が行われるように特定処理が実行される構成としていることから、不必要な場面で特定処理を実行しながらも、特定報知を制限可能となり、特定処理の実効性を高めることが可能となる。
特徴cA10.前記抽選手段による抽選結果が再遊技結果であって、前記有効位置に当該再遊技結果に対応する絵柄組合せが停止した場合、当該再遊技結果となった前記抽選手段による抽選が行われた賭数と同数の賭数が設定される再遊技状態にて、再度、前記抽選手段による抽選を受けることが可能となる再遊技処理を実行する再遊技設定手段(主制御装置101による再遊技設定用処理を実行する機能)を備え、
前記賭数報知手段は、特定の再遊技結果(特定再遊技結果)に基づいて前記再遊技処理が行われた場合、前記賭数操作手段の賭数操作に基づき、前記特定報知を実行した後、当該再遊技処理にて設定された賭数に対応する前記賭数対応報知を実行可能な特定賭数報知手段(表示制御装置81による特定再遊技ベット演出設定処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴cA1乃至特徴cA9のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定の再遊技結果の入賞が成立して再遊技処理が行われる場合、当該再遊技処理にて設定される賭数に対応する賭数対応報知は、賭数操作手段の賭数操作に基づき行われる。しかも、この場合においても、賭数対応報知の前に特定報知が行われるようにしていることから、通常の賭数操作に基づき賭数設定手段により賭数が設定される場合と同様の報知態様となる。このようにすることで、再遊技処理が行われることとなる再遊技結果であっても、他の小役結果や外れ結果後の遊技と同様の流れで遊技を進行させることが可能となり、違和感なく遊技を進行させることが可能となるし、再遊技結果ではない印象を遊技者に与えることを利用して、例えば、特定の再遊技結果を他の小役結果や外れ結果と同様の扱いである印象を与える効果も高めることが可能となり遊技の多様化に大きく貢献することができる。
なお、「再遊技結果」について、「前記抽選手段による抽選結果として、前記特典付与手段により、今回の賭数と同数の賭数にて、再度、前記抽選手段による抽選を受けることが可能となる再遊技が付与される再遊技結果」として規定してもよく、この点については、他の特徴や他の特徴群における「再遊技結果」についても同様である。
また、上記構成は、以下のような小役結果や外れ結果の限定を行うことで、より上記の効果が明確化される。この点についても、他の特徴や他の特徴群における「再遊技結果」との関係性を明確化する場合に適用可能である。
「前記抽選手段による抽選結果として、前記特典付与手段による特典として、所定数の遊技価値が付与される小役結果(例えば、小役結果)が設定されており、
前記賭数報知手段は、前記小役結果に基づいて前記特典付与手段により所定数の遊技価値が付与された後の次の遊技において、前記賭数操作手段の賭数操作に基づき、前記特定報知を実行した後、当該賭数操作に基づき設定された賭数に対応する前記賭数対応報知を実行する」構成や、「前記抽選手段による抽選結果として外れ結果が設定されており、
前記賭数報知手段は、前記抽選手段による抽選結果が前記外れ結果であった次の遊技において、前記賭数操作手段の賭数操作に基づき、前記特定報知を実行した後、当該賭数操作に基づき設定された賭数に対応する前記賭数対応報知を実行する」構成。
特徴cA11.前記賭数報知手段は、前記特定の再遊技結果とは異なる所定の再遊技結果(通常再遊技結果)に基づいて前記再遊技処理が行われた場合、前記賭数操作手段の賭数操作を介することなく、当該再遊技処理にて設定された賭数に対応する前記賭数対応報知を実行可能な所定賭数報知手段(表示制御装置81による通常再遊技ベット演出設定処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴cA10に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定の再遊技結果の場合の、賭数操作を経て賭数対応報知が行われることの特殊性が明確化される。すなわち、所定の再遊技結果のように、通常であれば、賭数操作を経ることなく賭数対応報知が行われるところ、特定の再遊技結果であれば、賭数操作を経ることで賭数対応報知が行われることが明確化される。このようにすることで、特定の再遊技結果が所定の再遊技結果のような再遊技結果の一種ではなく、他の小役結果や外れ結果と同じ扱いである印象を強く与えることが可能となり、それを利用した遊技の多様化が図られるし、このように遊技の多様化を図るうえで、特徴cA1に記載したような、特定状況下で始動操作手段が操作される可能性が生じるようになり、特定報知を制限可能な特定処理を実行する特定処理手段を備えることの意義が大いに高められる。
特徴cA12.前記所定賭数報知手段は、前記特定報知を実行することなく前記賭数対応報知を実行する構成、又は前記特定報知とは異なる所定報知を実行した後で、前記賭数対応報知を実行する構成であることを特徴とする特徴cA11に記載の遊技機。
上記構成によれば、所定の再遊技結果の場合と特定の再遊技結果の場合とで、賭数操作の有無だけではなく、賭数対応報知が行われるまでの報知態様が異なることとなる。この場合、特定の再遊技結果は他の小役結果や外れ結果の報知態様と共通しているため、上記構成のようにすることで、特定の再遊技結果が所定の再遊技結果のような再遊技結果ではなく、他の小役結果や外れ結果と同じ扱いである印象を与える手助けとすることが可能となる。
特徴cA13.前記賭数操作手段の賭数操作が行われた場合に、前記賭数設定手段にて設定される賭数に対応する賭数報知を前記特定の報知手段とは異なる所定の報知手段(BET表示部75)にて実行する第2賭数報知手段(主制御装置101によるBET用処理を実行する機能)を備え、
前記第2賭数報知手段は、前記再遊技設定手段による前記再遊技処理が行われた場合、当該再遊技処理の契機となった再遊技結果の種類に関わらず、前記賭数操作を介することなく前記賭数報知を実行可能な構成であることを特徴とする特徴cA10乃至特徴cA12のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定の再遊技結果に基づく再遊技処理が行われた場合、賭数対応報知については賭数操作に基づいて行われる構成において、第2賭数報知手段側の賭数報知は、再遊技結果の種類に関わらず賭数操作を介することなく行われる。このようにすることで、賭数対応報知を通じて特定の再遊技結果を他の小役結果や外れ結果と同じ扱いである印象を与えながらも、特定の再遊技結果が再遊技結果の一種であることを確認しようとすればそれが可能な構成となり、例えば、再遊技結果ではないのにもかかわらず再遊技処理を行わせる不正行為や、特定の再遊技結果が他の小役結果や外れ結果と同じ扱いである印象を利用して他の小役結果等であるのにもかかわらず特定の再遊技結果の恩恵を享受しようとする不正行為を、遊技ホールの管理者等が好適に発見することが可能となる。
それだけでなく、再遊技処理が行われることで賭数の設定が行われるため、特定の再遊技結果については、本来ならば不要な賭数操作を演出上行わせる構成であり、上記構成のように第2賭数報知手段側で賭数操作を介さずに賭数報知を行うようにしておけば、特定の再遊技結果後であっても、賭数操作を介さずに開始操作が可能な構成であることを明確化することが可能である。
特徴cA14.前記賭数設定手段は、予め定められた特定数を上限として賭数を設定可能な構成であり、
前記特定の報知手段は、前記特定数の報知部(ベット表示部34a~34c)を有し、各報知部は、報知状態(点灯状態)と非報知状態(消灯状態)とに切り替え可能に構成されており、
前記賭数報知手段は、前記賭数設定手段により設定される賭数に対応する数の前記報知部を、順次、前記報知状態に切り替えることを前記特定報知とし、当該賭数に対応する数の前記報知部が前記報知状態に切り替わった状態を前記賭数対応報知として実行するものであることを特徴とする特徴cA1乃至特徴cA13のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成は賭数対応報知や特定報知の具体的構成であり、特に、設定された賭数に対応する数の報知部を報知状態に順次切り替えることを特定報知とすることで、例えば、賭数を1つずつ設定する賭数操作においても、その賭数操作が受け付けられたことを対応する報知部が報知状態に切り替わる様を通じて明確に把握することが可能となる。
特徴cA15.前記賭数報知手段は、前記特定報知を行う場合、所定の報知部を前記報知状態に切り替え、所定期間(0.1sec又は0.2sec)後に、当該所定の報知部の次の報知部を前記報知状態に切り替える構成であることを特徴とする特徴cA14に記載の遊技機。
上記構成のように、特定報知において所定期間毎に報知部が順次報知状態に切り替えられるような構成であれば、賭数によっては特定報知が比較的長期間に亘って行われるようになる。その結果、当該特定報知中に始動操作手段が操作される事象も生じ易くなり、特徴cA1の特定処理手段を備える意義がより高められる。
特徴cA16.前記特典付与手段は、前記抽選手段による抽選結果が再遊技結果であって、前記有効位置に当該再遊技結果に対応する絵柄組合せが停止した場合、当該再遊技結果に対応する特典として、当該再遊技結果となった前記抽選手段による抽選が行われた賭数と同数の賭数が前記賭数設定手段にて設定された再遊技状態にて、再度、前記抽選手段による抽選を受けることが可能となる再遊技処理を実行する再遊技設定手段(主制御装置101による再遊技設定用処理を実行する機能)を備え、
前記賭数報知手段は、特別の前記再遊技結果(通常リプA~C)に基づいて前記再遊技処理が行われた場合、当該特別の前記再遊技結果となった状況が予め定められた特別状況(例えばAT開始ゲーム)であれば、前記賭数操作手段の賭数操作に基づき、前記特定報知を実行した後、当該再遊技処理にて設定された賭数に対応する前記賭数対応報知を実行可能である一方、当該特別の前記再遊技結果(通常リプA~C)となった状況が前記特別状況とは異なる状況(例えば通常遊技状態)であれば、前記賭数操作手段の賭数操作を介することなく、前記特定報知を実行した後、当該再遊技処理にて設定された賭数に対応する前記賭数対応報知を実行可能な特別賭数報知手段(表示制御装置81による通常リプA~Cにおける第2再遊技結果入賞や第3再遊技結果入賞が成立した場合には特定再遊技ベット演出設定処理を行い、通常リプA~Cにおける第1再遊技結果入賞が成立した場合には通常再遊技ベット演出設定処理を行う機能)を備えていることを特徴とする特徴cA1乃至特徴cA15のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特別の再遊技結果の入賞が成立して再遊技処理が行われる場合、当該再遊技処理にて設定される賭数に対応する賭数対応報知は、当該特別の再遊技結果の入賞が成立した状況が特別状況であれば、賭数操作手段の賭数操作に基づき行われる一方、特別状況では無ければ、賭数操作を介することなく行われる。この場合、特別状況であれば、賭数対応報知の前に特定報知が行われるようにしていることから、通常の賭数操作に基づき賭数設定手段により賭数が設定される場合と同様の報知態様となる。このようにすることで、再遊技処理が行われることとなる再遊技結果であっても、状況によって、他の小役や外れ結果後の遊技と同様の流れで遊技を進行させることが可能となり、遊技進行を好適化することが可能となるし、再遊技結果ではない印象を遊技者に与えることを利用して、例えば、特別の再遊技結果を他の小役や外れ結果と思わせる効果も期待することが可能となり、当該他の小役や外れ結果と思わせる効果を用いて遊技の多様化も図ることが可能となる。
また、上記構成を特徴cA10や特徴cA11、及びこれらを引用する他の特徴に適用する場合、「特別の再遊技結果」が「特定の再遊技結果」や「所定の再遊技結果」のいずれかと同じ結果であってもよいし、「特定の再遊技結果」や「所定の再遊技結果」とは異なる結果であってもよい。
また、上記の「特別の再遊技結果」を「特定の再遊技結果」と「所定の再遊技結果」とに重複して当選する結果とし、特別状況なら特定の再遊技結果の入賞を成立させるようにし、特別状況ではなければ所定の再遊技結果の入賞を成立させるようにしてもよい。
特徴cA17.遊技状態として、第1遊技状態(通常モード)と、当該第1遊技状態とは異なる第2遊技状態(ATモード)が設定されており、
前記特別状況は、前記第1遊技状態から前記第2遊技状態への移行が生じる状況であることを特徴とする特徴cA16に記載の遊技機。
上記構成のように遊技状態の移行が生じる状況で特別の再遊技結果入賞が生じた場合、賭数操作に基づいて賭数対応報知が行われるようすれば、移行する第2遊技状態を賭数操作から開始させることが可能となり、前の第1遊技状態の結果が引き継がれることなく、新たな気持ちで第2遊技状態を開始させることが可能となる。
特徴cA18.前記抽選手段による抽選結果に基づいて、遊技者にとって有利な有利事象を生じさせる有利判定手段(例えば、主制御装置101によるATモード移行抽選処理を実行する機能)を備え、
前記抽選手段による抽選結果として、第1特定結果(特定再遊技結果)と、第2特定結果(例えば通常再遊技結果)と、が設定されており、
前記有利判定手段は、前記第1特定結果に基づいて前記有利判定を行う場合の方が、前記第2特定結果に基づいて前記有利判定を行う場合よりも前記有利事象を生じさせる結果となり易い又は有利な前記有利事象を生じさせる結果となり易い構成であり、
前記抽選手段による抽選結果が前記第1特定結果である場合、当該第1特定結果となった遊技における前記周回体の周回が停止された後、前記特定報知が実行されている特定状況において、前記始動操作手段が操作された場合は前記特定処理の実行対象となる一方、前記抽選手段による抽選結果が前記第2特定結果である場合、当該第2特定結果となった遊技における前記周回体の周回が停止された後、前記特定報知が実行されている特定状況において、前記始動操作手段が操作された場合であっても前記特定処理の実行対象とならない構成であることを特徴とする特徴cA1乃至特徴cA17のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1特定結果の方が第2特定結果よりも有利判定にて有利な結果となり易い構成において、第1特定結果後では、特定状況において始動操作手段が操作された場合に特定報知が制限される一方、第2特定結果後では、同特定状況において始動操作手段が操作されても特定報知は制限されない。このようにすることで、例えば、有利判定の結果が始動操作手段の操作に基づいて報知されるような構成や、有利判定の結果が有利であるほど、遊技進行を急ぐ必要がある場面に特定報知が途中で制限され易くなり、特定報知中に周回体の回転が開始されることを好適に回避することが可能となる。
特徴cA19.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
各前記周回体の周回を開始するための開始操作が行われる始動操作手段(スタートレバー41)と、
各前記周回体の周回を停止するための停止操作が行われる停止操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させ、前記停止操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を停止させる駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
遊技の賭数を設定するための操作が行われる賭数操作手段(第1クレジット投入スイッチ56、第2クレジット投入スイッチ57)と、
前記賭数操作手段が操作された場合に、遊技の賭数を設定する賭数設定手段(主制御装置101による第1操作対応処理や第2操作対応処理を実行する機能)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、前記賭数設定手段により設定された賭数に応じて遊技者に特典を付与することの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が所定結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、当該所定結果に対応する所定の絵柄組合せが停止した場合に、前記所定結果に対応する特典を付与可能な特典付与手段(主制御装置101によるメダル払出処理や再遊技設定用処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
前記賭数操作手段が操作された場合に、特定報知(ベット過程演出)を実行した後、前記賭数設定手段により設定された賭数に対応する賭数対応報知(ベット対応演出)を所定の報知手段にて実行する賭数報知手段(表示制御装置81によるベット時演出設定処理を実行する機能)と、
前記特定報知が実行されている特定状況において、前記始動操作手段が操作された場合に、予め定められた特定処理を実行する特定処理手段(表示制御装置81による特定再遊技ベット演出設定処理における開始操作コマンドに基づきベット対応演出に切り替える等する処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、始動操作手段の操作に基づき遊技が開始されて当該遊技の抽選が行われ、停止操作手段の操作に基づき当該抽選の結果に対応する絵柄組合せが有効位置に停止すると当該抽選の結果に対応する特典が付与される所謂スロットマシンの遊技機において、賭数操作手段が操作されると遊技の賭数が設定され、特定報知を経て、遊技の賭数に対応する賭数対応報知が所定の報知手段にて行われる。この場合、例えば、特定報知の実行中に始動操作手段が操作されて、当該操作に基づいて周回体の回転が開始されたりする場合も想定され、このような場合には、当該回転開始用の演出や処理が、特定報知や特定報知用の処理と重複する可能性が高く、処理負荷の増大化が懸念されたり、演出等の重複による遊技者の混乱を生じさせたりする可能性がある。
そこで、上記構成においては、特定報知の実行中に始動操作手段が操作された場合には、特定処理を実行する特定処理手段を備えるようにしたことから、当該特定処理を、例えば、当該回転開始用の演出と特定報知との重複や、回転開始用の処理と特定報知用の処理との重複を解消するための処理として設定することで、上記の各種不都合の発生を好適に回避することが可能となる。よって、遊技を好適に進行可能な遊技機を提供することが可能となる。
上記特徴cA19に特徴cA1乃至特徴cA18にて限定した構成を個別に適用してもよく、組み合わせて適用してもよい。また、特徴cA1乃至特徴cA18にて限定した構成のうちの一部の構成を適用してもよく、それらを組み合わせて適用してもよい。
特徴cA20.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
各前記周回体の周回を開始するための開始操作が行われる始動操作手段(スタートレバー41)と、
各前記周回体の周回を停止するための停止操作が行われる停止操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させ、前記停止操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を停止させる駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
遊技の賭数を設定するための操作が行われる賭数操作手段(第1クレジット投入スイッチ56、第2クレジット投入スイッチ57)と、
前記賭数操作手段が操作された場合に、遊技の賭数を設定する賭数設定手段(主制御装置101による第1操作対応処理や第2操作対応処理を実行する機能)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、前記賭数設定手段により設定された賭数に応じて遊技者に特典を付与することの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が所定結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、当該所定結果に対応する所定の絵柄組合せが停止した場合に、前記所定結果に対応する特典を付与可能な特典付与手段(主制御装置101によるメダル払出処理や再遊技設定用処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
前記賭数操作手段が操作された場合に、特定報知(ベット過程演出)を実行した後、前記賭数設定手段により設定された賭数に対応する賭数対応報知(ベット対応演出)を所定の報知手段にて実行する賭数報知手段(表示制御装置81によるベット時演出設定処理を実行する機能)と、
前記駆動制御手段により各前記周回体の回転が開始される場合に、前記特定の報知手段又はそれとは異なる報知手段にて開始報知を実行する開始報知手段(表示制御装置81による開始時演出設定処理を実行する機能)と、
前記特定報知が実行されている特定状況において、前記始動操作手段が操作された場合に、前記特定報知又は前記開始報知のいずれか一方を制限可能な特定処理を実行する特定処理手段(表示制御装置81による特定再遊技ベット演出設定処理における開始操作コマンドに基づきベット対応演出に切り替える処理や、押し順報知演出の開始を遅延させる処理等を実行する機能)を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、始動操作手段の操作に基づき遊技が開始されて当該遊技の抽選が行われ、停止操作手段の操作に基づき当該抽選の結果に対応する絵柄組合せが有効位置に停止すると当該抽選の結果に対応する特典が付与される所謂スロットマシンの遊技機において、賭数操作手段が操作されると遊技の賭数が設定され、特定報知を経て、遊技の賭数に対応する賭数対応報知が所定の報知手段にて行われる。この場合、例えば、特定報知の実行中に始動操作手段が操作されて、当該操作に基づいて周回体の回転が開始されたりする場合も想定され、このような場合には、当該回転開始用の開始報知や処理が、特定報知や特定報知用の処理と重複する可能性が高く、処理負荷の増大化が懸念されたり、演出等の重複による遊技者の混乱を生じさせたりする可能性がある。
そこで、上記構成においては、特定報知の実行中に始動操作手段が操作された場合には、特定報知又は開始報知を制限可能な特定処理を実行する特定処理手段を備えるようにしたことから、開始報知と特定報知との重複や、開始報知用の処理と特定報知用の処理との重複を解消することが可能となる。よって、遊技を好適に進行可能な遊技機を提供することが可能となる。
上記特徴cA20に特徴cA1乃至特徴cA18にて限定した構成を個別に適用してもよく、組み合わせて適用してもよい。また、特徴cA1乃至特徴cA18にて限定した構成のうちの一部の構成を適用してもよく、それらを組み合わせて適用してもよい。
上記特徴cA1乃至特徴cA20に記載された発明は、「遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機では、所定の抽選条件が成立したことに基づいて内部抽選が行われ、当該内部抽選の結果に応じて遊技者に特典が付与される構成が知られている。スロットマシンについて具体的には、遊技価値としてのメダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されると、内部抽選が実施されるとともに、リールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップスイッチが操作された場合には、リールの回転が停止する。そして、リールの停止結果が内部抽選の結果に対応したものである場合には、結果に応じた特典が付与される(例えば特開2008-295707号公報参照)。」という背景技術について、「ここで、上記例示等した遊技機においては遊技進行の好適化を図る必要があり、この点について、未だ改良の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
上記特徴cA1乃至特徴cA20の各構成に対して、特徴cA1乃至特徴cA20、特徴cB1乃至特徴cB15、特徴cC1乃至特徴cC9、特徴cD1乃至特徴cD11、特徴cE1乃至特徴cE9、特徴cF1乃至特徴cF8、特徴cG1乃至特徴cG9、特徴cH1乃至特徴cH7のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴cB群>
特徴cB1.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
各前記周回体の周回を開始するための開始操作が行われる始動操作手段(スタートレバー41)と、
各前記周回体の周回を停止するための停止操作が行われる停止操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させ、前記停止操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を停止させる駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
遊技の賭数を設定するための操作が行われる賭数操作手段(第1クレジット投入スイッチ56)と、
前記賭数操作手段が操作された場合に、遊技の賭数を設定する賭数設定手段(主制御装置101による第1操作対応処理を実行する機能)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、前記賭数設定手段により設定された賭数に応じて遊技者に特典を付与することの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が所定結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、当該所定結果に対応する所定の絵柄組合せが停止した場合に、前記所定結果に対応する特典を付与可能な特典付与手段(主制御装置101によるメダル払出処理や再遊技設定用処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
前記抽選手段による抽選結果として、今回の前記抽選手段による抽選が行われた賭数と同数の賭数が設定される再遊技状態にて、再度、前記抽選手段による抽選を受けることが可能となる再遊技結果が設定されており、
前記賭数操作手段に対して設けられ、第1報知状態(点灯状態)と第2報知状態(消灯状態)とに切り替わり可能な操作報知手段(第1クレジットランプ56b)と、
前記操作報知手段を前記第1報知状態とする第1制御手段(表示制御装置81による第1クレジットランプ56bを点灯状態とする処理を実行する機能)と、
前記操作報知手段が前記第1報知状態である状況で前記賭数操作手段の操作が行われた場合に、前記操作報知手段を前記第2報知状態に切り替える第2制御手段(表示制御装置81による連ベット演出設定処理を実行する機能)と、
前記再遊技状態の設定の契機となった前記再遊技結果が所定の再遊技結果である場合は当該再遊技状態にて前記操作報知手段を前記第1報知状態としない一方、前記再遊技状態の設定の契機となった前記再遊技結果が前記所定の再遊技結果とは異なる特定の再遊技結果である場合は当該再遊技状態にて前記操作報知手段を前記第1報知状態とする第3制御手段(表示制御装置81による特定再遊技ベット演出設定処理を実行する機能)と、
前記特定の再遊技結果である場合に設定された前記操作報知手段の前記第1報知状態を特定期間に亘って維持し、当該特定期間が経過した場合に前記操作報知手段を前記第2報知状態に切り替える第4制御手段(表示制御装置81による待機用処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、賭数操作手段の操作に基づき遊技の賭数が設定され、始動操作手段の操作に基づき遊技が開始されるとともに、設定された賭数に応じた抽選が行われ、停止操作手段の操作に基づき当該抽選の結果に対応する絵柄組合せが有効位置に停止すると当該抽選の結果に対応する特典が付与される所謂スロットマシンの遊技機において、賭数操作手段に対して操作報知手段が設けられており、賭数操作手段の操作により賭数が設定可能な状況では第1報知状態とされ、当該第1報知状態である状況で操作が行われると当該第1報知状態から第2報知状態に切り替わるようにしていることから、遊技の開始するにあたり賭数操作手段の操作が必要であることや、その賭数操作手段を操作した場合にその操作が受け付けられたことを遊技者が理解し易くなる。
この場合、抽選結果として同じ賭数にて再度抽選を受けることが可能となる再遊技結果が設定されており、再遊技結果後は、新たな賭数の設定は必要が生じない。但し、上記構成においては、所定の再遊技結果であれば、新たな賭数の設定を要しないことを明確化すべく操作報知手段を第1報知状態としないものの、特定の再遊技結果であれば、賭数操作手段の操作を促すように操作報知手段が第1報知状態とされるようにしており、このようにすることで、特定の再遊技結果をあたかも他の小役結果や外れ結果と同じ扱いである印象を遊技者に与えることが可能となる。
但し、これら所定の再遊技結果も特定の再遊技結果も、あくまで再遊技結果であり、例えば、これらの再遊技結果入賞が成立したまま遊技を終了してしまうと、新たな賭数の設定を行うことなく少なくとも1回は遊技することが可能であるのにもかかわらず、それが放棄されてしまうことになる。また、遊技ホールが閉店した場合、次の日に新たな賭数の設定を要することなく遊技が可能であった場合には、前日の再遊技結果入賞が成立した状態が引き継がれているとして、設定値の変更が行われなかった等が遊技者に把握されるし、逆に次の日に新たな賭数の設定を要した場合には、設定値の変更が行われた可能性があることが遊技者に把握されることとなる。
そこで、上記構成においては、特定の再遊技結果に基づいて第1報知状態とされた場合、特定期間に亘って当該第1報知状態を維持して、特定の再遊技結果が他の小役結果や外れ結果と同じ扱いである印象を与えるようにしながらも、当該特定期間が経過した後は、第1報知状態から第2報知状態に切り替えるようにしていることから、他の所定の再遊技結果と同様の報知態様となり、再遊技結果入賞が成立している状況を明確に把握させることが可能となる。
特徴cB2.前記抽選手段による抽選結果として、前記特典付与手段により所定数の遊技価値が付与される小役結果が設けられており、
前記抽選手段による抽選結果が前記小役結果であり、当該小役結果に対応する前記周回体の周回が停止された後、前記操作報知手段を前記第1報知状態とすることが可能な第5制御手段(表示制御装置81による第1クレジットランプ56bを点灯状態とする処理を実行する機能)と、
前記小役結果に対応する前記周回体の周回が停止されて前記操作報知手段が前記第1報知状態とされた後、前記特定期間が経過した場合、前記第1報知状態を維持することが可能な第6制御手段(表示制御装置81による小役後は仮待機状態に設定しない処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴cB1に記載の遊技機。
上記構成によれば、小役結果後は、特定の再遊技結果と同様に操作報知手段が第1報知状態とされ得る。その一方で、特定期間が経過すると、特定の再遊技結果の場合には第2報知状態とされ、小役結果の場合には第1報知状態が維持される。このようにすることで、特徴cB1の構成において、特定の再遊技結果入賞が成立している状況であることを把握させるだけではなく、特定の再遊技結果入賞であるか、小役結果後であるかの判別も行えるようにすることが可能となる。
つまり、例えば、小役結果を特定の再遊技結果と似たような停止出目とする場合、いずれの結果であっても操作報知手段は第1報知状態とされ得るものの、特定の再遊技結果後は特定期間の経過後に第2報知状態とされ、その似たような停止出目の小役結果後は特定期間が経過しても第2報知状態とならない、といった差が生じ得るようになり、いずれの結果であったかを、操作報知手段の特定期間後の状態変化によって把握させる、といった新たな遊技性を実現することが可能となる。このようにすることで、遊技の興趣向上に役立てることも可能である。
特徴cB3.前記再遊技状態に設定されたことの再遊技報知を前記操作報知手段よりも小さい所定報知手段(再遊技状態表示部76a)にて実行可能な再遊技報知手段(主制御装置101による遊技状態表示部用処理を実行する機能)を備え、
前記再遊技報知手段は、前記再遊技状態の設定の契機となった前記再遊技結果の種類に関わらず、前記再遊技報知を実行する構成であることを特徴とする特徴cB1又は特徴cB2に記載の遊技機。
上記構成によれば、再遊技報知手段による再遊技報知によっても、再遊技結果入賞が成立したことを把握することが可能となる。このようにすることで、特定の再遊技結果である場合に、操作報知手段の報知状態の変化を確認せずとも、再遊技報知を確認すれば、再遊技結果であることを明確に把握することが可能となる。この場合、再遊技報知は操作報知手段よりも小さい所定報知手段にて行われる構成であることから、再遊技結果であることを確認しようとすれば、それが可能であるものの、当該再遊技報知は操作報知手段よりも目にとまりにくく、特定の再遊技結果を他の小役結果や外れ結果と同じ扱いである印象を与える障壁となりにくい。このようにすることで、再遊技結果であることの確認を可能としながらも、特定の再遊技結果を利用した遊技の多様化に貢献することが可能となる。
特徴cB4.前記再遊技報知手段は、前記特定期間が経過した後も前記再遊技報知を実行可能であることを特徴とする特徴cB3に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定期間の経過後は、操作報知手段の報知状態の変化ではなく再遊技報知によって再遊技結果入賞が成立した後であることを確認することが可能となる。言い換えると、特定期間の経過後において再遊技報知が行われている場合、それが所定の再遊技結果入賞後なのか特定の再遊技結果入賞後なのかがわからなくなる。そうすると、例えば、所定の再遊技結果と特定の再遊技結果との停止出目が似たような停止出目であっていずれの再遊技結果かを判別しにくいような構成においては、特定期間が経過するよりも前に、操作報知手段が第1報知状態となっていることを確認することで特定の再遊技結果であることが把握可能となる構成となり、操作報知手段への注目度を好適に高めることも可能となる。
特徴cB5.遊技進行に応じて演出を行う演出手段(補助表示部65)と、
一の遊技が終了されてから予め定められた所定期間に亘って遊技が行われなかった場合、前記演出手段を待機状態とさせる待機手段(表示制御装置81による補助表示部65を待機状態に設定する処理を実行する機能)と、
を備え、
前記特定期間は、前記所定期間とは長さが異なる期間であることを特徴とする特徴cB1乃至特徴cB4のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、演出手段が所謂デモ状態としての待機状態に切り替わるタイミングとは異なるタイミングで、特定の再遊技結果に基づく操作報知手段の第1報知状態が第2報知状態に切り替わるようになる。このようにすることで、操作報知手段の報知状態の変化からいずれの再遊技結果かを判別しようとする遊技において、待機状態となることによってその報知状態の変化が生じたと混乱させてしまうことを回避することが可能となる。また、例えば、小役結果や外れ結果後に操作報知手段が第1報知状態とされる構成において、待機状態に切り替わるタイミングで当該小役結果等の後で第1報知状態となっている操作報知手段についても第2報知状態とすることも考えられ、このような構成においては、操作報知手段が第1報知状態から第2報知状態に切り替えられるタイミングによって、特定の再遊技結果であったか、小役結果等であったかを判断させる遊技性も実現することが可能となる。
特徴cB6.前記特定期間は、前記所定期間よりも短い期間であることを特徴とする特徴cB5に記載の遊技機。
所謂デモ状態としての待機状態に切り替わるまでの所定期間としては、一般的には比較的長い期間が設定されているところ、上記構成のようにすることで、そのような長い期間を待たずにも、特徴cB2に記載したような、特定の再遊技結果であったか小役結果等であったかを判断させる遊技を行わせることが可能である。
特徴cB7.遊技進行に応じて演出を行う演出手段(補助表示部65)と、
一の遊技が終了されてから予め定められた所定期間に亘って遊技が行われなかった場合、前記演出手段を待機状態とさせる待機手段(表示制御装置81による補助表示部65を待機状態に設定する処理を実行する機能)と、
少なくとも前記特定の再遊技結果に基づいて設定された前記再遊技状態において前記待機手段により前記待機状態とされる場合と、当該特定の再遊技結果とは異なる結果の後で前記待機手段により前記待機状態とされる場合とで前記待機状態の態様を異ならせることが可能な手段(表示制御装置81による特定再遊技入賞報知を行うための処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴cB1乃至特徴cB6のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、待機状態となった場合に、その待機状態の態様から特定の再遊技結果後であることを、遊技者は明確に把握することが可能となる。この場合、待機状態の態様から特定の再遊技結果入賞後であること判別しようとするならば、少なくとも待機状態とされるまでの所定期間に亘って遊技を中断する必要が生じる。このようにすることで、早く結果を知りたがる遊技者のはやる気持ちを逆に利用して、待機状態となるまでの期間を心待ちにさせる、といった斬新な遊技性を実現することが可能となる。
特徴cB8.遊技進行に応じて演出を行う演出手段(補助表示部65)と、
一の遊技が終了されてから予め定められた所定期間に亘って遊技が行われなかった場合、前記演出手段を待機状態とさせる待機手段(表示制御装置81による補助表示部65を待機状態に設定する処理を実行する機能)と、
前記再遊技状態において前記待機手段により前記待機状態とされることを制限する手段(主制御装置101による再遊技状態では待機カウンタのカウントを不許可とする処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴cB1乃至特徴cB6のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、再遊技状態に設定されてから所定期間が経過して、操作報知手段は第1報知状態から第2報知状態に切り替えられたとしても、再遊技状態においては待機状態とされることは制限されているため、所定期間が経過しても待機状態となること自体が制限されたり、演出手段の一部だけが待機状態とされるように待機状態の態様が制限されたり、所定期間が経過しても待機状態とならずその後に待機状態となるといったように、その待機状態となるまでの期間が制限されたりする。このようにすることで、再遊技状態にて特定期間が経過した場合の第1報知状態から第2報知状態に切り替えられる様をより目立たせることが可能となり、かかる構成を利用して、再遊技結果入賞が成立していることを明確に知らしめることが可能となる。
特徴cB9.予め定められた所定数を上限として仮想遊技価値を記憶する仮想遊技価値記憶手段(クレジットカウンタ)を備え、
前記賭数操作手段が操作された場合に設定される賭数に相当する特定数の仮想遊技価値が前記仮想遊技価値記憶手段に記憶されている場合、前記賭数操作手段の操作に基づいて前記特定数の賭数が設定される一方、前記特定数の仮想遊技価値が前記仮想遊技価値記憶手段に記憶されてない場合、前記賭数操作手段が操作されても前記特定数の賭数は設定されない構成であり、
前記第3制御手段は、前記仮想遊技価値記憶手段に記憶されている仮想遊技価値の数に関わらず、前記再遊技状態の設定の契機となった前記再遊技結果が前記特定の再遊技結果である場合は当該再遊技状態にて前記操作報知手段を前記第1報知状態とすることを特徴とする特徴cB1乃至特徴cB8のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定の再遊技結果後の再遊技状態であれば、特定数の賭数に相当する仮想遊技価値が記憶されていなくても操作報知手段は第1報知状態とされる。このようにすることで、特定の再遊技結果後に操作報知手段を第1報知状態とする場合に、仮想遊技価値記憶手段に記憶されている仮想遊技価値の数を把握する必要が生じず、処理構成の簡素化が図られる。また、仮想遊技価値記憶手段に仮想遊技価値が記憶されていないのにもかかわらず、操作報知手段が第1報知状態とされることを通じて、特定の再遊技結果入賞後であることを遊技者に知らしめることも可能である。
特徴cB10.予め定められた所定数を上限として仮想遊技価値を記憶する仮想遊技価値記憶手段(クレジットカウンタ)と、
前記賭数操作手段が操作された場合に設定される賭数に相当する特定数の仮想遊技価値が前記仮想遊技価値記憶手段に記憶されている場合、前記賭数操作手段の操作に基づいて前記特定数の賭数が設定される一方、前記特定数の仮想遊技価値が前記仮想遊技価値記憶手段に記憶されてない場合、前記賭数操作手段が操作されても前記特定数の賭数は設定されない構成であり、
遊技者が操作可能な清算用操作手段(清算スイッチ59)と、
前記清算用操作手段が操作された場合に、少なくとも前記仮想遊技価値記憶手段に記憶された仮想遊技価値の数に相当する数の遊技価値の清算を実行可能な清算手段(主制御装置101によるメダル返却処理を実行する機能)と、
を備え、
前記特定の再遊技結果に基づいて前記操作報知手段が前記第1報知状態に設定されている状況で前記清算用操作手段が操作された場合、当該操作報知手段が前記第1報知状態であることを継続させることが可能な継続手段(主制御装置101によるメダル返却処理において、第3移行期間が経過していなかったり、清算操作カウンタが特定数に至っていない場合には清算用の処理を行わないことにより、表示制御装置81側では第1クレジットランプ56を消灯状態としない機能)を備えていることを特徴とする特徴cB1乃至特徴cB9のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、清算用操作手段が操作された場合に仮想遊技価値記憶手段に記憶されている仮想遊技価値に相当する数の遊技価値の清算が行われる構成において、特定の再遊技結果に基づいて操作報知手段が第1報知状態とされている場合に清算用操作手段が操作されても、当該第1報知状態が継続される。清算用操作手段が操作されると記憶されている仮想遊技価値が遊技価値として清算されることから、基本的には賭数操作手段を操作しても設定可能な仮想遊技価値は記憶していない状態となるところ、小役結果や外れ結果後であれば、操作報知手段も第1報知状態から第2報知状態に切り替わると考えられる。これに対して、特定の再遊技結果に基づいて操作報知手段が第1報知状態とされている状況下においては、仮想遊技価値の記憶数に関わらず賭数の設定は可能であり、この場合、清算用操作手段が操作されても第1報知状態が継続される。このようにすることで、清算用操作手段を操作して賭数報知手段の報知状態の変化の有無を通じて特定の再遊技結果であることを把握させるといった新たな遊技性を実現することが可能となる。
なお、上記構成は、「前記清算用操作手段が操作され、前記仮想遊技価値記憶手段に記憶された仮想遊技価値の数に相当する数の遊技価値の清算が行われた場合、前記第1報知状態である前記操作報知手段を前記第2報知状態に切り替える手段」を備える構成とすることで、上記の優れた効果をより好適に奏することが可能となる。
また、「清算手段」は「前記清算用操作手段が操作された場合に、少なくとも前記仮想遊技価値記憶手段に記憶された仮想遊技価値の数に相当する数の遊技価値を払い出すことが可能な払出手段(主制御装置101によるメダル返却処理を実行する機能)」と表現してもよく、当該「清算手段」の表現の変更は、同様の表現を用いた他の特徴群や他の特徴においても適用可能である。
特徴cB11.前記清算用操作手段が操作された場合に、前記仮想遊技価値記憶手段に記憶されている仮想遊技価値の数に相当する遊技価値の清算の実行を制限可能な清算制限手段(主制御装置101によるメダル返却処理において、第3移行期間が経過していなかったり、清算操作カウンタが特定数に至っていない場合には清算用の処理を行わない機能)を備えていることを特徴とする特徴cB10に記載の遊技機。
上記構成によれば、清算用操作手段を操作しても清算制限手段によって仮想遊技価値の清算が制限される場合がある。このようにすることで、賭数報知手段が第1報知状態である状況下で清算用操作手段を操作しても第1報知状態が維持された場合に、特定の再遊技結果に基づいて第1報知状態とされていることが分かりにくくなる。よって、清算用操作手段を操作して特定の再遊技結果であることを見抜く遊技性の興趣を好適に向上させることが可能となる。
特徴cB12.前記清算制限手段は、予め定められた特定数の前記清算用操作手段の操作に基づく前記仮想遊技価値記憶手段に記憶されている仮想遊技価値の数に相当する遊技価値の清算の実行を制限可能であり、
前記清算手段は、前記特定数を超える前記清算用操作手段の操作に基づいて、前記仮想遊技価値記憶手段に記憶されている仮想遊技価値の数に相当する遊技価値の清算を実行する構成であることを特徴とする特徴cB11に記載の遊技機。
上記構成によれば、特徴cB11の効果を奏しながらも、仮想遊技価値記憶手段に記憶されている仮想遊技価値の清算を行いたいにもかかわらず、その清算ができない、といった不都合を解消することができる。
特徴cB13.前記特定の再遊技結果に基づいて前記操作報知手段が前記第1報知状態とされている場合、前記清算用操作手段の操作に基づいて前記仮想遊技価値記憶手段に記憶された仮想遊技価値の数に相当する数の遊技価値の清算が行われる場合に、前記操作報知手段を前記第2報知状態とする手段(表示制御装置81による特定清算コマンドに基づいて第1クレジットランプ56bの消灯処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴cB11又は特徴cB12に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定の再遊技結果に基づいて第1報知状態とされた操作報知手段は、仮想遊技価値の清算とともに第2報知状態とされる。このようにすることで、特定の再遊技結果後に仮想遊技価値の清算用の操作が行われた場合、清算が制限されたり第1報知状態が継続されたりしながらも、清算が行われた際には第1報知状態から第2報知状態に切り替わり、他の遊技結果と操作報知手段の報知状態と同じようになる。これにより、特定の再遊技結果であることを、清算操作を行った遊技者だけが把握し易くなり、当該清算操作によって特定の再遊技結果であることを把握する遊技の優位性を好適に担保することが可能となる。
特徴cB14.前記清算手段は、前記再遊技状態において前記清算用操作手段が操作された場合に、前記仮想遊技価値記憶手段に記憶されている仮想遊技価値の数に相当する遊技価値の清算を実行可能な構成であることを特徴とする特徴cB10乃至特徴cB13のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成のように、再遊技状態であっても仮想遊技価値の清算が可能としておけば、特定の再遊技結果に基づく再遊技状態のまま遊技が終了される事象が生じ易くなり、特徴cB12のように清算操作によって操作報知手段の第1報知状態が継続されることを通じて特定の再遊技結果後であることを把握させることの意義が高められる。
特徴cB15.前記清算手段は、前記再遊技状態に設定されてから前記特定期間よりも短い特別期間が経過することで、前記清算用操作手段が操作された場合に、前記仮想遊技価値記憶手段に記憶されている仮想遊技価値の数に相当する遊技価値の清算を実行することが可能となる構成であることを特徴とする特徴cB14に記載の遊技機。
上記構成によれば、再遊技状態においては、特別期間が経過するまで仮想遊技価値の清算が行えない。このようにすることで、再遊技状態であることを分かりやすくすることが可能となる。
上記特徴cB1乃至特徴cB15に記載された発明は、「遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機では、所定の抽選条件が成立したことに基づいて内部抽選が行われ、当該内部抽選の結果に応じて遊技者に特典が付与される構成が知られている。スロットマシンについて具体的には、遊技価値としてのメダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されると、内部抽選が実施されるとともに、リールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップスイッチが操作された場合には、リールの回転が停止する。そして、リールの停止結果が内部抽選の結果に対応したものである場合には、結果に応じた特典が付与される(例えば特開2008-295707号公報参照)。」という背景技術について、「ここで、上記例示等した遊技機においては遊技の興趣向上を図る必要があり、この点について、未だ改良の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
上記特徴cB1乃至特徴cB15の各構成に対して、特徴cA1乃至特徴cA20、特徴cB1乃至特徴cB15、特徴cC1乃至特徴cC9、特徴cD1乃至特徴cD11、特徴cE1乃至特徴cE9、特徴cF1乃至特徴cF8、特徴cG1乃至特徴cG9、特徴cH1乃至特徴cH7のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴cC群>
特徴cC1.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
各前記周回体の周回を開始するための開始操作が行われる始動操作手段(スタートレバー41)と、
各前記周回体の周回を停止するための停止操作が行われる停止操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させ、前記停止操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を停止させる駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
遊技の賭数を設定するための賭数操作が行われる賭数操作手段(第1クレジット投入スイッチ56、第2クレジット投入スイッチ57)と、
前記賭数操作手段の賭数操作が行われた場合に、遊技の賭数を設定する賭数設定手段(主制御装置101による第1操作対応処理や第2操作対応処理を実行する機能)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、前記賭数設定手段により設定された賭数に応じて遊技者に特典を付与することの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が所定結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、当該所定結果に対応する所定の絵柄組合せが停止した場合に、前記所定結果に対応する特典を付与可能な特典付与手段(主制御装置101によるメダル払出処理や再遊技設定用処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
前記賭数設定手段により設定された賭数に対応する賭数対応報知を実行する賭数報知手段(表示制御装置81によるベット時演出設定処理を実行する機能)を備え、
前記賭数報知手段は、前記抽選手段による抽選結果が第1結果(小役結果)であって、当該第1結果に対応する前記周回体の周回が停止した後である第1特定状況において、当該第1結果となる抽選に用いられた賭数に対応する前記賭数対応報知を予め定められた特定期間が経過した場合に終了する一方、前記抽選手段による抽選結果が前記第1結果とは異なる第2結果(特定再遊技結果)であって、当該第2結果に対応する前記周回体の周回が停止した後である第2特定状況において、当該第2結果となる抽選に用いられた賭数に対応する前記賭数対応報知を、前記特定期間が経過した後においても継続させることが可能な特定賭数報知手段(表示制御装置81による再遊技状態ではベット表示部34の仮待機用処理を行わない機能)を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、賭数操作手段の賭数操作に基づき遊技の賭数が設定され、始動操作手段の操作に基づき遊技が開始されるとともに、設定された賭数に応じた抽選が行われ、停止操作手段の操作に基づき当該抽選の結果に対応する絵柄組合せが有効位置に停止すると当該抽選の結果に対応する特典が付与される所謂スロットマシンの遊技機において、各遊技の賭数に対応する賭数対応報知は、遊技の結果が第1結果である場合には、周回体が停止したり特典が付与されたりして今回の遊技が終了してから特定期間が経過すると終了する一方、遊技の結果が第2結果である場合には特定期間が経過しても終了しない。このようにすることで、周回体の停止出目によって抽選の結果を把握させる遊技を前提としながらも、周回体の停止出目だけではなく既存の賭数対応報知が継続される期間の長さをうまく利用して、遊技の結果を把握させることが可能となり、例えば、停止出目からはいずれの結果かが判断しにくい場合など、特定期間経過後の賭数対応報知が終了するか否かによっていずれの結果かを判断させるといった遊技も行わせることが可能となる。特に、特定期間経過によっていずれの結果かを判断させるようにすることで、従来のようなスムーズな遊技進行を促しながら遊技の興趣向上を図る遊技性とは真逆の、周回体の停止後に待つことで結果が判断できる、といった斬新な遊技性を提供することが可能となり、このような遊技性によって遊技の興趣向上に大きく貢献することも可能となる。
なお、「第1特定状況」や、「第2特定状況」は以下のように表現してもよく、かかる表現の変更は、対応する表現を用いる他の特徴や特徴群でも適用可能である。
「前記抽選手段による抽選結果が第1結果(小役結果)であって、当該第1結果に対応するとなる抽選が行われることとなった前記始動操作手段の操作に基づいて開始された各前記周回体の回転が停止した後又は前記特典付与手段により当該第1結果に基づく特典が付与された後である第1特定状況」、「前記抽選手段による抽選結果が第2結果(特定再遊技結果)であって、当該第2結果に対応するとなる抽選が行われることとなった前記始動操作手段の操作に基づいて開始された各前記周回体の回転が停止した後又は前記特典付与手段により当該第2結果に基づく特典が付与された後である第2特定状況」。
特徴cC2.前記賭数報知手段による前記賭数対応報知の実行中に前記賭数操作手段の賭数操作が行われた場合、当該実行中の前記賭数対応報知を終了させてから、今回の賭数に対応する賭数対応報知に更新する更新報知を実行可能な更新手段(表示制御装置81によるベット時演出設定処理において、各種賭数操作に基づいてベット表示部34を一旦消灯状態とし、その後、ベット対応演出が行われるようにする処理を実行する機能)を備え、
前記更新手段は、前記第1特定状況において前記賭数操作が行われた場合に前記更新報知を実行可能であり、且つ前記第2特定状況において前記賭数操作が行われた場合に前記更新報知を実行可能であり、
前記特定賭数報知手段は、前記第1特定状況において前記更新手段による前記更新報知が行われた場合、前記特定期間が経過した後において前記賭数対応報知を継続させることが可能であることを特徴とする特徴cC1に記載の遊技機。
上記構成によれば、いずれの結果後においても、賭数操作が行われると、それまでの賭数対応報知が一旦終了してから今回の賭数操作に対応する賭数対応報知に更新される。この場合、第1結果後に賭数操作が行われた後、更新後の賭数対応報知は特定期間が経過した後も継続される。このようにすることで、特定期間後の賭数対応報知の継続の有無によっていずれの結果であったかを判別しようとするならば、賭数操作を思いとどまらせる、といったように、待つことが遊技の肝となる斬新な遊技性を実現することが可能となる。また、賭数操作を行って新たな遊技を行おうとするならば、当該賭数操作によって更新された賭数対応報知については、前回の遊技の結果に左右されずその賭数を知らしめる機能を担保することが可能となる。
特徴cC3.遊技進行に応じて演出を行う演出手段(補助表示部65)と、
一の遊技が終了されてから前記特定期間よりも長い所定期間に亘って遊技が行われなかった場合、前記演出手段を待機状態とさせる待機手段(表示制御装置81による待機用処理を実行する機能)と、
前記第1特定状況において前記待機手段により前記待機状態とされることを許容する一方、前記第2特定状況において前記待機手段により前記待機状態とされることを制限する手段(主制御装置101による再遊技状態では待機カウンタのカウントを不許可とする処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴cC1又は特徴cC2に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1結果となった遊技後の第1特定状況となってから所定期間が経過すると演出手段は待機状態となるし、特定期間が経過すると賭数対応報知は終了するものの、第2結果となった遊技後の第2特定状況となってから所定期間が経過しても、演出手段は待機状態となることが制限されているし、特定期間が経過しても賭数対応報知は終了しない。このように第1結果か第2結果かを判別する材料を増やすことで、両結果を判別する遊技性の興趣向上が図られる。
特徴cC4.前記賭数報知手段による前記賭数対応報知の実行中に前記賭数操作手段の賭数操作が行われた場合、当該実行中の前記賭数対応報知を終了させてから、今回の賭数に対応する賭数対応報知に更新する更新報知を実行可能な更新手段(表示制御装置81によるベット時演出設定処理において、各種賭数操作に基づいてベット表示部34を一旦消灯状態とし、その後、ベット対応演出が行われるようにする処理を実行する機能)を備え、
前記更新手段は、前記第1特定状況において前記賭数操作が行われた場合に前記更新報知を実行可能であり、且つ前記第2特定状況において前記賭数操作が行われた場合に前記更新報知を実行可能であり、
前記特定賭数報知手段は、前記第1特定状況において前記更新手段による前記更新報知が行われた場合、前記特定期間が経過した後において前記賭数対応報知を継続させることが可能である一方で、前記待機状態となることで前記賭数対応報知を終了させることを特徴とする特徴cC3に記載の遊技機。
上記構成によれば、いずれの結果後においても、賭数操作が行われると、それまでの賭数対応報知が一旦終了してから今回の賭数操作に対応する賭数対応報知に更新される。この場合、第1結果後に賭数操作が行われた後、更新後の賭数対応報知は特定期間が経過した後も継続される。このようにすることで、特定期間後の賭数対応報知の継続の有無によっていずれの結果であったかを判別しようとするならば、賭数操作を思いとどまらせる、といったように、待つことが遊技の肝となる斬新な遊技性を実現することが可能となる。また、賭数操作を行って新たな遊技を行おうとするならば、当該賭数操作によって更新された賭数対応報知については、前回の遊技の結果に左右されずその賭数を知らしめる機能を担保することが可能となる。
そのうえで、待機状態となると、第1結果後の第1特定状況では賭数対応報知が終了されることから、仮に誤って賭数操作を行ってしまった場合には、待機状態となるまで所定期間に亘って待てばよく、遊技者の誤操作を好適に救済することも可能となる。
特徴cC5.前記抽選手段による抽選結果として、前記特典付与手段により付与される特典として、所定数の遊技価値が付与される小役結果と、今回の賭数と同数の賭数にて、再度、前記抽選手段による抽選を受けることが可能となる再遊技状態に設定される再遊技結果と、が設定されており、
前記第1結果は所定の前記小役結果であり、前記第2結果は所定の前記再遊技結果であることを特徴とする特徴cC1乃至特徴cC4のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、所定数の遊技価値が付与される小役結果の場合には、当該小役結果となった遊技の終了後である第1特定状況にて賭数対応報知が特定期間に亘って行われ、その後、当該賭数対応報知は終了する。これに対して、再遊技状態に設定される再遊技結果の場合には、当該再遊技結果となった遊技の終了後である第2特定状況にて賭数対応報知が特定期間後においても継続される。再遊技結果の場合には、当該再遊技結果となった遊技の賭数と同数の賭数にて次の遊技が可能となるところ、再遊技結果となった遊技に対応する賭数対応報知は、次の遊技の賭数対応報知としてそのまま利用することが可能である。そこで、上記構成のように、特定期間後においても賭数対応報知を継続させることで、遊技の進行と矛盾を生じさせることなく、賭数対応報知の状態変化を省略することが可能となる。
特徴cC6.前記賭数報知手段による前記賭数対応報知の実行中に前記賭数操作手段の賭数操作が行われた場合、当該実行中の前記賭数対応報知を終了させてから、今回の賭数に対応する賭数対応報知に更新する更新報知を実行可能な更新手段(表示制御装置81によるベット時演出設定処理において、各種賭数操作に基づいてベット表示部34を一旦消灯状態とし、その後、ベット対応演出が行われるようにする処理を実行する機能)を備え、
前記更新手段は、前記再遊技結果に基づいて設定される前記再遊技状態において、前記賭数操作手段の賭数操作が行われた場合、当該再遊技結果となった抽選に対応する前記賭数対応報知を終了してから、当該再遊技状態にて設定される賭数に対応する賭数対応報知に更新する更新報知を実行可能であることを特徴とする特徴cC5に記載の遊技機。
上記構成によれば、再遊技結果となると当該再遊技結果となった遊技の賭数と同数の賭数にて次の遊技が可能となるところ、賭数対応報知自体は同じものを流用可能であっても、賭数操作に基づいて更新報知が行われる。このようにすることで、小役結果としての第1結果のように、新たな賭数の設定に賭数操作が必要な遊技と遊技進行の流れを同じ流れとすることが可能となり、第1結果と第2結果とを判別しにくくすることができる。よって、特定期間後の賭数対応報知の状態変化の有無によって結果の判別を行う必要性が高まり、かかる遊技の興趣向上を図ることが可能となる。
特徴cC7.前記再遊技結果として所定の再遊技結果と特定の再遊技結果とが設定されており、
前記更新手段は、前記再遊技状態が前記所定の再遊技結果に基づいて設定された場合、前記賭数操作手段の賭数操作を介することなく前記更新報知を実行する一方、前記再遊技状態が前記特定の再遊技結果に基づいて設定された場合、前記賭数操作手段の賭数操作を介して前記更新報知を実行することを特徴とする特徴cC6に記載の遊技機。
上記構成によれば、特徴cC6のように再遊技状態にて賭数操作を介して更新報知が行われる構成が、全ての再遊技結果に当てはまるのではなく、一部(特定の再遊技結果)にだけ当てはまるものである構成となる。このようにすることで、再遊技状態に設定されればそのまま賭数の設定が行われるのであるから、通常であれば賭数操作を介することなく更新報知が行われることを前提とし、賭数操作を介して更新報知が行われることを通じて、再遊技状態に設定されていないかのような印象を与えることが可能となり、特定の再遊技結果を小役結果としての第1結果と判別しにくくすることができる。よって、特定期間の経過とともに賭数報知手段の状態変化の有無を見定める遊技性の興趣を好適に向上させることができる。
特徴cC8.前記賭数報知手段は前記賭数対応報知を特定の報知手段にて実行し、
前記賭数設定手段にて設定される賭数に対応する賭数報知を前記特定の報知手段とは異なる所定の報知手段(BET表示部75)にて実行する第2賭数報知手段(主制御装置101によるBET用処理を実行する機能)を備え、
前記第2賭数報知手段は、前記第1特定状況において、前記第1結果となる抽選に用いられた賭数に対応する前記賭数報知を予め定められた所定期間が経過した場合に終了する一方、前記第2特定状況において、前記第2結果となる抽選に用いられた賭数に対応する前記賭数報知を前記所定期間が経過した後も継続することが可能な特定第2賭数報知手段(主制御装置101によるBET表示部75の待機用処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴cC1乃至特徴cC7のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、賭数報知手段による賭数対応報知の継続の有無だけではなく、第2賭数報知手段による賭数報知の継続の有無からも第1結果と第2結果との判別を行うことが可能となる。このようにすることで、賭数対応報知や賭数報知の継続の有無から結果を判別する遊技における判断の枝が増え、遊技の興趣を好適に高めることが可能である。
特徴cC9.前記特定の報知手段は、前記所定の報知手段よりも遊技者により識別し易くなるように設定されており、
前記特定期間は前記所定期間よりも短い期間であることを特徴とする特徴cC8に記載の遊技機。
上記構成によれば、より識別性の高い特定の報知手段による賭数対応報知の継続の有無によって、結果の判別を行うことが可能となるタイミングの方が早期に到来することになる。このようにすることで、報知の継続の有無から結果を判別する遊技を好適に行わせることが可能となる。
上記特徴cC1乃至特徴cC9に記載された発明は、「遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機では、所定の抽選条件が成立したことに基づいて内部抽選が行われ、当該内部抽選の結果に応じて遊技者に特典が付与される構成が知られている。スロットマシンについて具体的には、遊技価値としてのメダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されると、内部抽選が実施されるとともに、リールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップスイッチが操作された場合には、リールの回転が停止する。そして、リールの停止結果が内部抽選の結果に対応したものである場合には、結果に応じた特典が付与される(例えば特開2008-295707号公報参照)。」という背景技術について、「ここで、上記例示等した遊技機においては遊技の興趣向上を図る必要があり、この点について、未だ改良の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
上記特徴cC1乃至特徴cC9の各構成に対して、特徴cA1乃至特徴cA20、特徴cB1乃至特徴cB15、特徴cC1乃至特徴cC9、特徴cD1乃至特徴cD11、特徴cE1乃至特徴cE9、特徴cF1乃至特徴cF8、特徴cG1乃至特徴cG9、特徴cH1乃至特徴cH7のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴cD群>
特徴cD1.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
各前記周回体の周回を開始するための開始操作が行われる始動操作手段(スタートレバー41)と、
各前記周回体の周回を停止するための停止操作が行われる停止操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させ、前記停止操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を停止させる駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
予め定められた所定数を上限として仮想遊技価値を記憶する仮想遊技価値記憶手段(クレジットカウンタ)と、
遊技の賭数を設定するための操作が行われる賭数操作手段(第1クレジット投入スイッチ56、第2クレジット投入スイッチ57)と、
前記賭数操作手段が操作された場合に、遊技の賭数を設定する賭数設定手段(主制御装置101による第1操作対応処理や第2操作対応処理を実行する機能)と、
を備え、
前記賭数操作手段が操作された場合に設定される賭数に相当する特定数の仮想遊技価値が前記仮想遊技価値記憶手段に記憶されている場合、前記賭数操作手段の操作に基づいて前記特定数の賭数が設定される一方、前記特定数の仮想遊技価値が前記仮想遊技価値記憶手段に記憶されてない場合、前記賭数操作手段が操作されても前記特定数の賭数は設定されない構成であり、
前記始動操作手段の操作に基づき、前記賭数設定手段により設定された賭数に応じて遊技者に特典を付与することの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が所定結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、当該所定結果に対応する所定の絵柄組合せが停止した場合に、前記所定結果に対応する特典を付与可能な特典付与手段(主制御装置101によるメダル払出処理や再遊技設定用処理を実行する機能)と、
遊技者が操作可能な清算用操作手段(清算スイッチ59)と、
前記清算用操作手段が操作された場合に、少なくとも前記仮想遊技価値記憶手段に記憶された仮想遊技価値の数に相当する数の遊技価値の清算を実行可能な清算手段(主制御装置101によるメダル返却処理を実行する機能)と、
前記賭数設定手段により設定された賭数に対応する賭数対応報知を所定の賭数報知用手段(ベット表示部34)にて実行する賭数報知手段(表示制御装置81によるベット時演出設定処理を実行する機能)と、
前記清算用操作手段が操作された場合、前記所定の賭数報知手段にて特定報知を実行可能な特定賭数報知手段(表示制御装置81による特定清算コマンドを受信したことに基づく疑似ベット演出を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、賭数操作手段の操作に基づき遊技の賭数が設定され、始動操作手段の操作に基づき遊技が開始されるとともに、設定された賭数に応じた抽選が行われ、停止操作手段の操作に基づき当該抽選の結果に対応する絵柄組合せが有効位置に停止すると当該抽選の結果に対応する特典が付与される所謂スロットマシンの遊技機において、遊技の賭数は賭数報知手段による賭数対応報知によって把握可能とされていることから、賭数操作手段の操作が受け付けられたことや、今回の賭数を、遊技者は明確に把握することが可能となり、遊技を好適に進行させることができる。
そして、上記構成においては、清算用操作手段が操作された場合に仮想遊技価値記憶手段に記憶されている仮想遊技価値に相当する数の遊技価値の清算が行われる構成としたうえで、清算用操作手段の操作に基づいて、賭数報知手段による賭数対応報知が行われる場合があるようにしている。清算用操作手段は、遊技を終了する場合に操作されることが一般的であるところ、上記構成のように、遊技を終了しようとした場合に所定の賭数報知手段にて特定報知が行われるようにすることで、遊技の賭数が設定されている状況など、遊技を終了すべき状況ではないことを遊技者に知らしめることが可能となる。よって、遊技者に不利益となり得る事象を好適に回避させることができ、遊技進行の好適化を図ることが可能となる。
特徴cD2.前記賭数報知手段は、前記賭数設定手段により賭数が設定される場合、当該賭数が設定されるまでに実行されていた前記賭数対応報知を終了させてから、今回の賭数に対応する前記賭数対応報知を実行する構成であり、
前記特定賭数報知手段は、前記清算用操作手段が操作された場合、前記清算用操作手段が操作されるまでに実行されていた前記賭数対応報知を終了させてから、前記特定報知を実行することが可能であることを特徴とする特徴cD1に記載の遊技機。
上記構成によれば、清算用操作手段が操作されたことに基づいて新たな賭数が設定され、清算後、更に新たな賭数の設定を要することなく次の遊技を実行可能であることを印象付けることが可能となる。このようにすることで、清算によって遊技を終了しようとする遊技者を思いとどまらせることが可能となる。
特徴cD3.前記抽選手段による抽選結果として、前記特典付与手段により付与される特典として、今回の賭数と同数の賭数にて、再度、前記抽選手段による抽選を受けることが可能となる再遊技状態に設定される再遊技結果が設定されており、
前記特定賭数報知手段は、前記再遊技状態にて前記清算用操作手段が操作された場合に、当該再遊技状態にて設定されている賭数に対応する賭数対応報知を前記特定報知として実行する構成であることを特徴とする特徴cD1又は特徴cD2に記載の遊技機。
上記構成によれば、遊技の結果が再遊技結果の場合には、当該再遊技結果となった抽選の賭数と同数の賭数にて再度抽選が受けられる再遊技状態とされるところ、再遊技状態にて清算用操作手段が操作された場合に、当該再遊技状態にて設定されている賭数が賭数対応報知として報知される。このようにすることで、再遊技状態に設定されているのにもかかわらず遊技を終了してしまう、といった遊技者の不利益の発生を好適に防ぐことが可能となる。
特徴cD4.前記清算手段は、前記再遊技状態にて前記清算用操作手段が操作された場合、前記仮想遊技価値記憶手段に記憶されている仮想遊技価値に相当する遊技価値の清算を実行可能であることを特徴とする特徴cD3に記載の遊技機。
上記構成のように、再遊技状態であっても清算用操作手段を操作して清算が可能である構成においては、再遊技状態の遊技を行うことなく遊技が終了されてしまう不都合が生じ易い。その点、上記特徴cD3のように、清算用操作手段の操作に基づいて特定報知が行われるため、再遊技状態であることを気づかせ易くなり、遊技者が不利益を被る可能性を低減することができる。
特徴cD5.前記清算手段は、前記再遊技状態に設定されていない状況において前記清算用操作手段が操作された場合、前記賭数設定手段により設定された賭数に相当する遊技価値も含めて遊技価値の清算を実行可能であることを特徴とする特徴cD3又は特徴cD4に記載の遊技機。
上記構成によれば、再遊技状態に設定されていない状況で清算用操作手段が操作された場合、設定された賭数も含めて清算が行われる。この場合、特定賭数報知手段による賭数対応報知は行われないものの、仮に清算後に遊技を行おうとするならば、新たな賭数の設定が必要な場面であり、そのまま遊技を終了しても遊技者に不利益は生じにくい。そこで、上記構成のようにすることで、清算用操作手段が操作された場合に特定報知が行われることの異様さを際立たせ、これによって清算時に特定報知が行われたことを遊技者が気づき易くなる。よって、遊技者が不利益を被りにくくすることが可能となる。
特徴cD6.前記清算用操作手段が操作された場合に、前記仮想遊技価値記憶手段に記憶されている仮想遊技価値の数に相当する遊技価値の清算の実行を制限可能な清算制限手段(主制御装置101による清算操作カウンタが特定数に至るまでは清算用の処理を行わない機能)を備えていることを特徴とする特徴cD1乃至特徴cD5のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、清算用操作手段を操作しても清算制限手段によって仮想遊技価値の清算が制限される場合がある。このようにすることで、清算用操作手段の操作に基づいて、既に設定済みの賭数に対応する遊技価値も含めて清算が行われるような構成であっても、設定済みの賭数に対応する賭数対応報知を特定報知として行っても、賭数対応報知と賭数とに矛盾が生じない。よって、特定報知の信頼性を低下させることなく、当該特定報知を利用して、遊技続行の意思決定の後押しをすることが可能となる。
特徴cD7.前記清算制限手段は、予め定められた特定数の前記清算用操作手段の操作に基づく前記仮想遊技価値記憶手段に記憶されている仮想遊技価値の数に相当する遊技価値の払い出しの実行を制限可能であり、
前記清算手段は、前記特定数を超える前記清算用操作手段の操作に基づいて、前記仮想遊技価値記憶手段に記憶されている仮想遊技価値の数に相当する遊技価値の清算を実行する構成であることを特徴とする特徴cD6に記載の遊技機。
上記構成によれば、特徴cD6の効果を奏しながらも、仮想遊技価値記憶手段に記憶されている仮想遊技価値の清算を行いたいにもかかわらず清算ができない、といった不都合を解消することができる。
特徴cD8.前記清算制限手段は、少なくとも前回の遊技が終了してから所定期間(第3移行期間)が経過するまで、前記清算用操作手段の操作に基づく前記仮想遊技価値記憶手段に記憶されている仮想遊技価値の数に相当する遊技価値の清算の実行を制限可能であり、
前記清算手段は、前記所定期間の経過後の前記清算用操作手段の操作に基づいて、前記仮想遊技価値記憶手段に記憶されている仮想遊技価値の数に相当する遊技価値の清算を実行する構成であることを特徴とする特徴cD6又は特徴cD7に記載の遊技機。
上記構成によれば、特徴cD6の効果を奏しながらも、仮想遊技価値記憶手段に記憶されている仮想遊技価値の清算を行いたいにもかかわらず清算ができない、といった不都合を解消することができる。特に、所定期間が経過するまでは清算用操作手段が操作されても清算できないようにすることで、清算時には清算用操作手段を常に連打するような遊技者であっても、清算が行われないことを通じて遊技を終了すべき状況ではないことを把握させることが可能となる。
特徴cD9.前記抽選手段による抽選結果として、前記特典付与手段により付与される特典として、今回の賭数と同数の賭数にて、再度、前記抽選手段による抽選を受けることが可能となる再遊技状態に設定される再遊技結果が設定されており、
前記特定賭数報知手段は、前記再遊技結果として特定の再遊技結果に基づいて設定された前記再遊技状態にて前記清算用操作手段が操作された場合、当該再遊技状態にて設定されている賭数に対応する賭数対応報知を前記特定報知として実行する一方、前記再遊技結果として前記特定の再遊技結果とは異なる所定の再遊技結果に基づいて設定された前記再遊技状態にて前記清算用操作手段が操作された場合、当該再遊技状態にて設定されている賭数に対応する賭数対応報知を前記特定報知として実行しない構成であることを特徴とする特徴cD1乃至特徴cD8のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、遊技の結果が再遊技結果の場合には、当該再遊技結果となった抽選の賭数と同数の賭数にて再度抽選が受けられる再遊技状態とされるところ、特定の再遊技結果を契機とする再遊技状態にて清算用操作手段が操作された場合に、当該再遊技状態にて設定されている賭数が賭数対応報知として報知される。この場合、特定の再遊技結果とは異なる所定の再遊技結果を契機とする再遊技状態にて清算用操作手段が操作されても、賭数対応報知は行われない。このようにすることで、清算用操作手段を操作した場合に賭数対応報知が行われる場面がより限定的なものとなり、これによって賭数対応報知が行われることの異様さを際立たせ、遊技者がそれに気づき易くなる。
特徴cD10.前記清算手段により仮想遊技価値の清算が行われる場合、所定の報知手段にて清算用報知を実行する清算報知手段(表示制御装置81による返却時演出処理を実行する機能)と、
前記特定賭数報知手段により特定報知が実行される場合、当該特定報知と、前記清算用報知とのいずれかの制限処理を実行可能な制限手段(表示制御装置81による疑似ベット演出後に返却時効果音を出力するようにしたり、清算後に疑似ベット演出を実行するようにしたりする処理を実行する機能、図261)と、
を備えていることを特徴とする特徴cD1乃至特徴cD9のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、清算手段に仮想遊技価値の清算が行われる場合に特定報知を行う構成において、清算時の清算用報知と、当該特定報知とが重複することによる処理や演出上の不都合を好適に解消することができる。
特徴cD11.前記清算報知手段は、前記特定報知が完了するまでの期間よりも長い期間に亘って前記清算用報知を実行可能であることを特徴とする特徴cD10に記載の遊技機。
上記構成によれば、特徴cD10の構成において清算用報知が制限されるようにしても、特定報知が完了した後、清算用報知を行う余地が残る。このようにすることで、清算用報知を行うことによって不正行為を特定し易くする、といった意義を消失しない範囲で、清算用報知と特定報知との重複を解消することができる。
上記特徴cD1乃至特徴cD11に記載された発明は、「遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機では、所定の抽選条件が成立したことに基づいて内部抽選が行われ、当該内部抽選の結果に応じて遊技者に特典が付与される構成が知られている。スロットマシンについて具体的には、遊技価値としてのメダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されると、内部抽選が実施されるとともに、リールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップスイッチが操作された場合には、リールの回転が停止する。そして、リールの停止結果が内部抽選の結果に対応したものである場合には、結果に応じた特典が付与される(例えば特開2008-295707号公報参照)。」という背景技術について、「ここで、上記例示等した遊技機においては遊技の興趣向上を図る必要があり、この点について、未だ改良の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
上記特徴cD1乃至特徴cD11の各構成に対して、特徴cA1乃至特徴cA20、特徴cB1乃至特徴cB15、特徴cC1乃至特徴cC9、特徴cD1乃至特徴cD11、特徴cE1乃至特徴cE9、特徴cF1乃至特徴cF8、特徴cG1乃至特徴cG9、特徴cH1乃至特徴cH7のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴cE群>
特徴cE1.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
各前記周回体の周回を開始するための開始操作が行われる始動操作手段(スタートレバー41)と、
各前記周回体の周回を停止するための停止操作が行われる停止操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させる開始駆動制御を実行し、前記停止操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を停止させる停止駆動制御を実行する駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
遊技の賭数を設定するための賭数操作が行われる賭数操作手段(第1クレジット投入スイッチ56、第2クレジット投入スイッチ57、メダル投入口45)と、
前記賭数操作手段の賭数操作に基づいて、遊技の賭数を設定する賭数設定手段(主制御装置101によるメダル投入対応処理、第1操作対応処理、第2操作対応処理等を実行する機能)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、前記賭数設定手段により設定された賭数に応じて遊技者に特典を付与することの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が所定結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、当該所定結果に対応する所定の絵柄組合せが停止した場合に、前記所定結果に対応する特典を付与可能な特典付与手段(主制御装置101によるメダル払出処理や再遊技設定用処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
前記賭数操作手段の賭数操作が行われた場合に、特定報知(ベット過程演出)を実行した後、前記賭数設定手段により設定された賭数に対応する賭数報知(ベット対応演出)を特定の報知手段にて実行する賭数報知手段(表示制御装置81によるベット時演出設定処理を実行する機能)と、
前記始動操作手段が操作された場合に、前記特定の報知手段又はそれとは異なる報知手段にて開始報知を実行する開始報知手段(表示制御装置81による開始時演出設定処理を実行する機能)と、
前記特定報知が実行されている特定状況において、前記始動操作手段が操作された場合に、前記開始報知手段による前記開始報知を制限可能な特定処理を実行する特定処理手段(表示制御装置81による押し順報知演出を遅延させる処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、始動操作手段の操作に基づき遊技が開始されて当該遊技の抽選が行われ、停止操作手段の操作に基づき当該抽選の結果に対応する絵柄組合せが有効位置に停止すると当該抽選の結果に対応する特典が付与される所謂スロットマシンの遊技機において、賭数操作手段が操作されると遊技の賭数が設定され、特定報知を経て、遊技の賭数に対応する賭数報知が所定の報知手段にて行われる。この場合、例えば、特定報知の実行中に始動操作手段が操作されて、当該操作に基づいて周回体の回転が開始されたりする場合も想定され、このような場合には、当該回転開始用の開始報知や処理が、特定報知や特定報知用の処理と重複する可能性が高く、処理負荷の増大化が懸念されたり、報知や処理の重複による遊技者の混乱を生じさせたりする可能性がある。
そこで、上記構成においては、特定報知の実行中に始動操作手段が操作された場合には、開始報知を制限可能な特定処理を実行する特定処理手段を備えるようにしたことから、当該回転開始用の開始報知と特定報知との重複や、開始報知用の処理と特定報知用の処理との重複が解消される。よって、遊技を好適に進行可能な遊技機を提供することが可能となる。
特徴cE2.前記特定処理手段による前記特定処理が行われる場合、前記賭数報知手段による前記特定報知は、当該特定処理が行われない場合と同様の報知態様にて実行されることを特徴とする特徴cE1に記載の遊技機。
上記構成によれば、開始報知を制限する特定処理が行われる場合、既に開始されている特定報知側の報知態様は変更されないため、実行中の報知を途中で変更するといった複雑な処理が必要なく、処理負荷の増大化を回避することが可能となる。
特徴cE3.前記特定処理手段は、前記始動操作手段の操作に基づき前記開始報知手段による前記開始報知が実行される状況が前記特定状況である場合に前記特定処理が行われるようにする一方、前記始動操作手段の操作に基づき前記開始報知手段による前記開始報知が実行される状況が前記特定状況とは異なる状況である場合には前記特定処理が行われないようにする構成であることを特徴とする特徴cE1又は特徴cE2に記載の遊技機。
上記構成によれば、始動操作手段の操作に基づき実際に開始報知が実行される状況が特定状況であれば特定処理が行われるようにする一方、当該開始報知が実行される状況が特定状況ではなければ特定処理が行われない。このようにすることで、例えば、始動操作手段の操作が行われたタイミングと開始報知が行われるタイミングとにズレが生じるような構成であっても、実質的に開始報知と特定報知との重複を好適に回避することが可能となる。
特徴cE4.前記特定処理手段は、前記始動操作手段の操作が前記特定状況にて実行された場合であっても、当該始動操作手段の操作に基づく前記開始報知手段による所定の開始報知(特定役報知演出)が前記特定状況とは異なる状況にて実行される場合には、前記特定処理を実行しないことを特徴とする特徴cE1乃至特徴cE3のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成のようにすることで、始動操作手段の操作タイミングと開始報知の実行タイミングとにズレがある場合において、開始報知が特定報知と重複しないような場面にまで特定処理が行われないようにすることが可能となり、無駄な処理の実行を排除することができる。
特徴cE5.前記開始報知手段は、前記開始報知として第1開始報知(押し順報知演出)と第2開始報知(特定役報知演出)とを実行可能であり、
前記開始駆動制御が開始されてから、予め定められた特定期間が経過するまで、次の前記開始駆動制御の開始を制限する開始制限手段(主制御装置101による回転開始処理におけるウェイト時間が経過するまで回転開始を待機する処理を実行する機能)を備え、
前記始動操作手段が、前記特定期間が経過するよりも前に操作された場合、前記開始報知手段は、前記第1開始報知を前記始動操作手段が操作された場合に実行し、前記第2開始報知を前記開始駆動制御が開始された場合に実行するものであることを特徴とする特徴cE4に記載の遊技機。
上記構成は特徴cE4の具体的構成であり、所謂ウェイト期間としての特定期間の経過前後で開始報知の実行タイミングを異ならせることで、各開始報知の機能を十分に発揮させることも可能となる。
特徴cE6.前記抽選手段による抽選結果として、前記停止操作手段が第1操作態様にて操作された場合は第1結果の入賞が成立可能となり、前記停止操作手段が前記第1操作態様とは異なる第2操作態様にて操作された場合には前記第1結果とは異なる第2結果の入賞が成立可能となる操作態様結果(押し順役)が設定されており、
前記抽選手段による抽選結果が、前記操作態様結果である場合、所定の報知手段にて前記第1操作態様又は前記第2操作態様を含む態様報知を実行可能な態様報知手段(表示制御装置81による押し順報知演出を行うための処理を実行する機能)を備え、
前記第1開始報知は、前記態様報知手段による前記態様報知を含むことを特徴とする特徴cE5に記載の遊技機。
上記構成のように、第1操作態様と第2操作態様とのいずれにて操作するかで入賞する結果が異なるような操作態様結果に当選した場合には、より慎重な停止操作手段の操作が求められるところ、所謂ウェイト期間としての特定期間の経過前から態様報知を実行する意義は高い。但し、だからといって、賭数対応報知の特定報知との重複が生じる場合、それを優先するほどのことではなく、上記のようにすることで、態様報知を特定期間経過前から開始するようにしてより慎重な操作を促しながらも、演出が重複することによる違和感を好適に回避することが可能となる。
特徴cE7.前記操作態様結果として、前記第1結果の入賞が成立した場合に前記特典付与手段により付与される特典と、前記第2結果の入賞が成立した場合に前記特典付与手段により付与される特典との遊技者にとっての利益が異なる特定操作態様結果(押し順ベル)が設定されており、
前記特定処理手段は、前記第1開始報知が前記特定操作態様結果に基づくものである場合には、前記特定処理を実行しないようにすることが可能な手段を備えていることを特徴とする特徴cE6に記載の遊技機。
所謂ウェイト期間としての特定期間の経過前に、態様報知としての第1開始操作を行う意義としては、主に、停止操作手段のより慎重な操作を促すためであるところ、上記構成のように、入賞する結果によって遊技者の利益が異なる特定操作態様結果である場合の態様報知については、特定報知と重複する場合であっても態様報知を制限しないようにすることで、遊技者の利益を好適に担保することが可能となる。
特徴cE8.前記操作態様結果として、前記第1結果の入賞が成立した場合に前記特典付与手段により付与される特典と、前記第2結果の入賞が成立した場合に前記特典付与手段により付与される特典との遊技者にとっての利益が共通している所定操作態様結果(通常リプA~C)が設定されており、
前記特定処理手段は、前記第1開始報知が前記所定操作態様結果に基づくものである場合には、前記特定処理を実行することを特徴とする特徴cE6又は特徴cE7に記載の遊技機。
所謂ウェイト期間としての特定期間の経過前に、態様報知としての第1開始操作を行う意義としては、主に、停止操作手段のより慎重な操作を促すためであるところ、上記構成のように、入賞する結果に関わらず遊技者の利益が共通する所定操作態様結果である場合の態様報知については、特定報知と重複する場合の態様報知を制限するようにすることで、遊技者に不利益が生じない範囲で、特定報知と開始報知との重複を解消することが可能となる。
特徴cE9.前記始動操作手段が操作された場合に、特定期間に亘って、各前記周回体を用いた遊技演出を行う特定駆動制御を実行する特定駆動制御手段(主制御装置101による回転演出処理を実行する機能)と、
前記特定報知が実行されている特定状況において、前記始動操作手段が操作された場合に、当該始動操作手段の操作に基づき前記特定駆動制御手段による前記特定駆動制御が実行される場合、前記特定報知を制限可能な第2特定処理を実行する第2特定処理手段(表示制御装置81による第1フリーズコマンドに基づいてベット過程演出をベット対応演出に切り替える処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴cE1乃至特徴cE8のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、始動操作手段の操作に基づいて、周回体を用いた遊技演出が行われる所謂フリーズ演出としての特定駆動制御が開始報知として実行される構成において、かかる特定駆動制御が特定報知と重複するような場合には、特定駆動制御ではなく特定報知側が制限される。一般的に、上記のフリーズ演出としての特定駆動制御は、比較的大当たりへの期待感が高められた演出であることが一般的であり、上記のこのようにすることで、遊技者が大いに注目するであろう特定駆動制御の実行が、特定報知と重複することによって制限されてしまうことを好適に回避することができる。
上記特徴cE1乃至特徴cE9に記載された発明は、「遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機では、所定の抽選条件が成立したことに基づいて内部抽選が行われ、当該内部抽選の結果に応じて遊技者に特典が付与される構成が知られている。スロットマシンについて具体的には、遊技価値としてのメダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されると、内部抽選が実施されるとともに、リールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップスイッチが操作された場合には、リールの回転が停止する。そして、リールの停止結果が内部抽選の結果に対応したものである場合には、結果に応じた特典が付与される(例えば特開2008-295707号公報参照)。」という背景技術について、「ここで、上記例示等した遊技機においては遊技の興趣向上を図る必要があり、この点について、未だ改良の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
上記特徴cE1乃至特徴cE9の各構成に対して、特徴cA1乃至特徴cA20、特徴cB1乃至特徴cB15、特徴cC1乃至特徴cC9、特徴cD1乃至特徴cD11、特徴cE1乃至特徴cE9、特徴cF1乃至特徴cF8、特徴cG1乃至特徴cG9、特徴cH1乃至特徴cH7のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴cF群>
特徴cF1.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
各前記周回体の周回を開始するための開始操作が行われる始動操作手段(スタートレバー41)と、
各前記周回体の周回を停止するための停止操作が行われる停止操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させる開始駆動制御を実行し、前記停止操作手段が操作された場合に対応する前記周回体の周回を停止させる停止駆動制御を実行する駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
遊技の賭数を設定するための賭数操作が行われる賭数操作手段(第1クレジット投入スイッチ56、第2クレジット投入スイッチ57、メダル投入口45)と、
前記賭数操作手段の賭数操作に基づいて、遊技の賭数を設定する賭数設定手段(主制御装置101による第1操作対応処理や第2操作対応処理を実行する機能)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、前記賭数設定手段により設定された賭数に応じて遊技者に特典を付与することの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が所定結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、当該所定結果に対応する所定の絵柄組合せが停止した場合に、前記所定結果に対応する特典を付与可能な特典付与手段(主制御装置101によるメダル払出処理や再遊技設定用処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
前記賭数設定手段により設定される賭数に対応する特定報知(ベット過程演出)を実行する特定報知手段(表示制御装置81によるベット時演出設定処理を実行する機能)と、
前記開始駆動制御が開始されてから、予め定められた特定期間が経過するまで、次の前記開始駆動制御の開始を制限する開始制限手段(主制御装置101による回転開始処理におけるウェイト時間が経過するまで回転開始を待機する処理を実行する機能)と、
を備え、
前記特定報知手段は、前記抽選手段による抽選結果が予め定められた特定結果であって、当該特定結果に対応する前記周回体の回転が停止した後において前記賭数設定手段により賭数の設定が行われる特定状況が、前記特定期間の経過前である場合には前記特定報知を第1報知態様とする一方、当該特定状況が前記特定期間の経過よりも後である場合又は前記特定報知が前記特定期間を跨いで実行される状況である場合には前記特定報知を前記第1報知態様とは異なる第2報知態様とすることが可能な構成である(表示制御装置81による特定再遊技ベット演出設定処理において、ウェイト期間の経過でベット対応演出に切り替えたり、ウェイト期間の経過前は再遊技ベット演出を行う一方、経過後は連ベット演出を行うようにする処理を実行する機能)ことを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、始動操作手段の操作に基づき遊技が開始されて当該遊技の抽選が行われ、停止操作手段の操作に基づき当該抽選の結果に対応する絵柄組合せが有効位置に停止すると当該抽選の結果に対応する特典が付与される所謂スロットマシンの遊技機において、開始駆動制御と開始駆動制御とが特定期間以上の間隔を隔てて実行されるようにしていることから、単位時間当たりに実行可能な遊技数が制限され、遊技の適正化が図られている。
このような、特定期間といった所謂ウェイトが規定される構成においては、回転開始のための準備としての賭数の設定や始動操作手段の操作の受付は特定期間の経過前から可能であるものの、結局は回転開始前に準備を行っても回転開始自体は特定期間の経過とともになされるものであり、回転開始に合わせた演出等も回転開始まで行われない。
そこで、上記構成では、特定期間経過前に賭数の設定が行われた場合にはその賭数に対応する特定報知を第1報知態様にて行い、特定期間の経過よりも後で賭数の設定が行われたり特定期間を跨いで特定報知が行われたりするような場合には当該特定報知は第2報知態様にて行われる、といったように、特定期間の経過との関係で賭数に対応する特定報知の報知態様を異ならせるようにしたことから、例えば、特定期間の経過前に賭数の設定が行われた場合には、通常よりも派手な特定報知を行うようにする等、ウェイトの待ち時間を利用して遊技の興趣向上を図ることが可能となる。
それだけではなく、特定期間の経過前後で特定報知の報知態様を異ならせることによって、特定期間の経過前は比較的ゆったりとした特定報知を行うようにしながらも、特定期間の経過ともに回転が開始される場合には比較的速やかに特定報知が完了するようにする等して、回転開始時の演出やその処理と特定報知とが重複しないようにすることも可能であり、処理負荷の低減効果や演出の重複を解消することによる遊技者の混乱防止効果も見込むことが可能である。
以上の結果、好適に遊技を行わせることが可能な遊技機を提供することができる。
特徴cF2.前記第2報知態様は、前記第1報知態様における前記特定報知のうちの少なくとも一部の態様の報知の実行が制限された態様であることを特徴とする特徴cF1に記載の遊技機。
上記構成のように、特定期間が経過した後や特定期間を跨ぐ場合の特定報知の態様を、第1報知態様における特定報知のうちの少なくとも一部の態様の報知の実行が制限された態様とすることで、第1報知態様を第2報知態様よりも態様の種類に富んだ派手なものとしたことが明確化されるし、第2報知態様にて実行する場合に処理負荷が軽減されたり回転開始時の演出との重複が解消され得ることも明確化される。よって、特徴cE1の効果を好適に奏することが可能となる。
特徴cF3.前記特定報知手段は、
前記特定報知を行う場合、第1特定報知(点灯演出)と当該第1特定報知とは異なる第2特定報知(ベット時効果音演出)を含んで前記特定報知を実行する構成であり、
前記第1特定報知及び前記第2特定報知を含んだ態様を第1報知態様として前記特定報知を実行し、前記第1特定報知を含む一方で前記第2特定報知を含まない態様を前記第2報知態様として前記特定報知を実行する構成であることを特徴とする特徴cF2に記載の遊技機。
上記構成は特徴cF2の具体的構成であり、特に、少なくとも一部の報知を制限する構成として、特定期間の経過後は第1特定報知及び第2特定報知のうちの第2特定報知の実行が制限された態様にて特定報知を行うようにすることで、全ての特定報知の実行を制限することによる処理負荷の増大化を好適に回避することができる。
特徴cF4.前記第1特定報知は所定の表示演出であり、前記第2特定報知は所定の音演出であることを特徴とする特徴cF3に記載の遊技機。
上記構成は特徴cF3の具体的構成である。特に、表示演出は音演出よりも実行するにあたっての処理が複雑化したり、設定するデータ量が多くなり易いところ、上記構成のように、ウェイト期間としての特定期間を経過した場合には、第1特定報知としての表示演出はそのまま実行し、第2特定報知としての音演出は実行しないようにすることで、処理の複雑化等を生じさせない範囲で特徴cF1の効果を奏することが可能となる。また、表示演出については、表示演出の実行される領域を異ならせれば特定報知と回転開始時の演出との重複が許容され得るものの、音演出については、複数の音が混在して出力されることの違和感は多大なものと考えられ、上記のようにすることで、回転開始時の演出との重複を違和感なく解消することができる。
特徴cF5.前記特定報知手段は、前記抽選手段による抽選結果が所定の結果であって、当該所定の結果に対応する前記周回体の回転が停止した後において前記賭数設定手段により賭数の設定が行われる状況が、前記特定期間の経過よりも後である場合又は前記特定報知が前記特定期間を跨いで実行される状況である場合に、前記特定報知を前記第1報知態様にて実行する手段(表示制御装置81による通常再遊技ベット演出設定処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴cF1乃至特徴cF4のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定結果後であって特定期間の経過前に賭数の設定が行われた場合に第1報知態様にて特定報知が行われる構成において、特定期間の経過後や特定期間を跨ぐ場合にも第1報知態様にて行われる場合があるようになる。このように、第1報知態様による特定報知が、特定期間の経過に関わらず実行される場合があることを前提とすれば、特定結果後において特定期間の経過前に第2報知態様とは異なる第1報知態様にて特定報知を行うようにしても、それを違和感なく受け入れさせることが可能となる。
しかも、上記構成のようにすることで、第1報知態様が特定結果専用の報知態様ではなく、所定の結果においても実行されるようになるため、特定結果後の特定期間の前後で特定報知の報知態様を異ならせるうえで、記憶データの少量化を図ることが可能となる。
特徴cF6.前記特定報知手段は、記抽選手段による抽選結果が所定の結果であって、当該所定の結果に対応する前記周回体の回転が停止した後において前記賭数設定手段により賭数の設定が行われる状況が、前記特定期間の経過前である場合に、前記特定報知を前記第2報知態様にて実行する手段(表示制御装置81による連ベット演出設定処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴cF1乃至特徴cF5のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定結果後であって特定期間の経過後に賭数の設定が行われた場合や特定期間の経過を跨ぐ場合に第2報知態様にて特定報知が行われる構成において、特定期間の経過前にも第2報知態様にて行われる場合があるようになる。このように、第2報知態様による特定報知が、特定期間の経過に関わらず実行される場合があることを前提とすれば、特定結果後において特定期間の経過後に第1報知態様とは異なる第2報知態様にて特定報知を行うようにしても、それを違和感なく受け入れさせることが可能となる。
しかも、上記構成のようにすることで、第2報知態様が特定結果専用の報知態様ではなく、所定の結果においても実行されるようになるため、特定結果後の特定期間の前後で特定報知の報知態様を異ならせるうえで、記憶データの少量化を図ることが可能となる。
特徴cF7.前記第1報知態様よりも前記第2報知態様の方が、前記特定報知に要する報知期間が短くなるように設定されていることを特徴とする特徴cF1乃至特徴cF6のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定期間の経過前であって周回体の回転が開始されるよりも前は比較的長い報知期間である第1報知態様にて特定報知を行い、特定期間の経過後等であって周回体の回転が開始される場合には比較的に短い報知期間である第2報知態様にて特定報知を行うようになる。このようにすることで、遊技進行の実情に沿った特定報知とすることができる。
特徴cF8.前記賭数設定手段は、予め定められた特定数を上限として賭数を設定可能な構成であり、
複数の報知部(ベット表示部34a~34c)を有し、
前記特定報知手段は、前記複数の報知部のうち前記賭数に対応する数の報知部を非報知状態から報知状態に切り替えることで前記特定報知を実行する構成であり、
所定の報知部を前記報知状態に切り替えた後、当該所定の報知部の次の報知部を前記報知状態に切り替えるまでの待機期間が、前記第1報知態様よりも前記第2報知態様の方が短くなるように設定されていることを特徴とする特徴cF7に記載の遊技機。
上記構成は特徴cF7の具体的構成であり、上記のように、複数の報知部を順次報知状態とする場合の間隔を異ならせることで報知期間の長短を実現するようにすれば、第1報知態様と第2報知態様とを比較的簡素な構成にて実現することが可能となり、記憶データの少量化を図ることができる。
上記特徴cF1乃至特徴cF8に記載された発明は、「遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機では、所定の抽選条件が成立したことに基づいて内部抽選が行われ、当該内部抽選の結果に応じて遊技者に特典が付与される構成が知られている。スロットマシンについて具体的には、遊技価値としてのメダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されると、内部抽選が実施されるとともに、リールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップスイッチが操作された場合には、リールの回転が停止する。そして、リールの停止結果が内部抽選の結果に対応したものである場合には、結果に応じた特典が付与される(例えば特開2008-295707号公報参照)。」という背景技術について、「ここで、上記例示等した遊技機においては遊技の興趣向上を図る必要があり、この点について、未だ改良の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
上記特徴cF1乃至特徴cF8の各構成に対して、特徴cA1乃至特徴cA20、特徴cB1乃至特徴cB15、特徴cC1乃至特徴cC9、特徴cD1乃至特徴cD11、特徴cE1乃至特徴cE9、特徴cF1乃至特徴cF8、特徴cG1乃至特徴cG9、特徴cH1乃至特徴cH7のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴cG群>
特徴cG1.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
各前記周回体の周回を開始するための開始操作が行われる始動操作手段(スタートレバー41)と、
各前記周回体の周回を停止するための停止操作が行われる停止操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させる開始駆動制御を実行し、前記停止操作手段が操作された場合に対応する前記周回体の周回を停止させる停止駆動制御を実行する駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
遊技の賭数を設定するための賭数操作が行われる賭数操作手段(第1クレジット投入スイッチ56、第2クレジット投入スイッチ57、メダル投入口45)と、
前記賭数操作手段の賭数操作に基づいて、遊技の賭数を設定する賭数設定手段(主制御装置101によるメダル投入対応処理、第1操作対応処理、第2操作対応処理等を実行する機能)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、前記賭数設定手段により設定された賭数に応じて遊技者に特典を付与することの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が所定結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、当該所定結果に対応する所定の絵柄組合せが停止した場合に、前記所定結果に対応する特典を付与可能な特典付与手段(主制御装置101によるメダル払出処理や再遊技設定用処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
前記賭数操作手段の賭数操作が行われた場合に特定報知(ベット過程演出)を実行し、当該賭数操作に基づき設定された賭数に対応する賭数対応報知(ベット対応演出)を特定の報知手段(ベット表示部34)にて実行する賭数報知手段(表示制御装置81によるベット時演出設定処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が再遊技結果であって、前記有効位置に当該再遊技結果に対応する絵柄組合せが停止した場合、当該再遊技結果となった前記抽選手段による抽選が行われた賭数と同数の賭数が設定される再遊技状態にて、再度、前記抽選手段による抽選を受けることが可能となる再遊技処理を実行する再遊技設定手段(主制御装置101による再遊技設定用処理を実行する機能)と、
を備え、
前記賭数操作手段として、第1賭数操作手段(第1クレジット投入スイッチ56)と、第2賭数操作手段(メダル投入口45、第2クレジット投入スイッチ57)と、を有し、
特定の再遊技結果(特定再遊技結果)に基づいて前記再遊技処理が行われた場合、前記第1賭数操作手段の賭数操作に基づき、第1報知態様にて前記特定報知を実行可能な第1特定報知手段(表示制御装置81による特定再遊技ベット演出設定処理を実行する機能)と、
前記特定の再遊技結果(特定再遊技結果)に基づいて前記再遊技処理が行われた場合、前記第2賭数操作手段の賭数操作に基づき、前記第1報知態様とは異なる第2報知態様(単ベット演出)にて前記特定報知を実行可能な第2特定報知手段(表示制御装置81による特定再遊技ベット演出設定処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、始動操作手段の操作に基づき遊技が開始されて当該遊技の抽選が行われ、停止操作手段の操作に基づき当該抽選の結果に対応する絵柄組合せが有効位置に停止すると当該抽選の結果に対応する特典が付与される所謂スロットマシンの遊技機において、賭数操作手段の賭数操作が行われると賭数が設定され、特定報知を経て、設定された賭数に対応する賭数対応報知が行われる。そのため、自らの賭数操作に基づき設定した賭数を賭数対応報知にて把握可能となるうえで、当該特定報知によって賭数操作が受け付けられたことも把握することができ、不必要な賭数操作を行わせないようにすることが可能である。
しかも、特定の再遊技結果の入賞が成立して再遊技処理が行われる場合、当該再遊技処理にて設定される賭数に対応する賭数対応報知は、賭数操作手段の賭数操作に基づき行われる。この場合においても、賭数対応報知の前に特定報知が行われるようにしていることから、通常の賭数操作に基づき賭数設定手段により賭数が設定される場合と同様の報知態様となる。
そのうえで、特定の再遊技結果入賞後において、賭数操作手段のうち第1賭数操作手段の賭数操作が行われた場合と、第2賭数操作手段の賭数操作が行われた場合とで、特定報知の報知態様を異ならせるようにしたことで、その報知態様を各賭数操作手段の通常の賭数操作に対応付けられた報知態様とすることも可能であり、このようにすることで、再遊技処理が行われることとなる再遊技結果であっても、他の小役結果や外れ結果後の遊技と同様の流れで遊技を進行させることができる。また、他の小役結果や外れ結果後と同様であって、再遊技結果後とは異なる印象を遊技者に与えることを利用して、例えば、特定の再遊技結果を他の小役結果や外れ結果と同様の扱いである印象を与える効果を高めることも可能となり遊技の多様化に大きく貢献することができる。
特徴cG2.前記賭数設定手段は、前記第1賭数操作手段による賭数操作が行われた場合には第1数の賭数を設定し、前記第2賭数操作手段による賭数操作が行われた場合には前記第1数とは異なる第2数の賭数を設定する構成であり、
前記第1報知態様は前記第1数の前記賭数対応報知が行われるようにする前記特定報知の報知態様であり、
前記第2報知態様は前記第2数の前記賭数対応報知が行われるようにする前記特定報知の報知態様であることを特徴とする特徴cG1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定の再遊技結果後の再遊技状態として、既に賭数の設定が行われた後であっても、第1賭数操作手段を操作して第1数の賭数の設定を行ったり、第2賭数操作手段を操作して第2数の賭数の設定を行ったりすることが可能である印象を遊技者に与えることができる。このようにすることで、特定の再遊技結果を他の小役結果や外れ結果と同じ扱いである印象を与える手助けとすることができ、遊技の興趣向上に役立てることが可能となる。
特徴cG3.前記第1特定報知手段による前記第1報知態様の前記特定報知が実行された場合、前記第1数の賭数に対応する前記賭数対応報知が行われるようにする手段(表示制御装置81による特定再遊技ベット演出設定処理を実行する機能)と、
前記第2特定報知手段による前記第2報知態様の前記特定報知が実行された場合、前記第2数の賭数に対応する前記賭数対応報知が行われるようにする手段(表示制御装置81による特定再遊技ベット演出設定処理において特定投入コマンドや特定第2操作コマンドに基づき単ベット演出設定処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴cG2に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定の再遊技結果後の再遊技状態において、第1賭数操作手段や第2賭数操作手段を操作すると、特定報知の報知態様だけでなく、賭数対応報知も通常時の賭数に対応するものとして報知されるようになる。このようにすることで、賭数対応報知に至るまでの特定報知は、各賭数操作手段に対応するものであるものの、賭数対応報知自体は特定の再遊技状態にて設定済みの賭数に対応するものである、といった演出の矛盾を生じさせないようにすることができる。
特徴cG4.前記第1特定報知手段による前記第1報知態様の前記特定報知が実行され、前記第1数の賭数に対応する前記賭数対応報知が行われている状況で、又は前記第2特定報知手段による前記第2報知態様の前記特定報知が実行され、前記第2数の賭数に対応する前記賭数対応報知が行われている状況で、前記始動操作手段の操作が行われた場合、当該賭数対応報知を、前記再遊技状態において設定された賭数に対応する前記賭数対応報知に切り替える手段(表示制御装置81による疑似ベット演出におけるベット対応演出を行うための処理を実行する機能、図254(c)参照)を備えていることを特徴とする特徴cG3に記載の遊技機。
上記構成によれば、既に再遊技状態として賭数が設定されている状況下で、各賭数操作手段の操作に対応した疑似的な賭数対応報知を行うことを可能としながらも、始動操作手段が操作された場合には当該再遊技状態として設定されている賭数に対応する賭数対応報知に切り替えるようにすることで、周回体の回転が開始されているのにもかかわらず、今回の抽選手段にて供与された賭数を遊技者が把握できない、といった不都合を生じさせないようにすることができる。
特徴cG5.前記第1特定報知手段による前記第1報知態様の前記特定報知が実行されている状況で、又は前記第2特定報知手段による前記第2報知態様の前記特定報知が実行されている状況で、前記始動操作手段の操作が行われた場合、当該賭数対応報知を、前記再遊技状態において設定された賭数に対応する前記賭数対応報知に切り替える手段(表示制御装置81による疑似ベット演出におけるベット過程演出中にベット対応演出に切り替える処理を実行する機能、図254(c)参照)を備えていることを特徴とする特徴cG3又は特徴cG4に記載の遊技機。
上記構成によれば、既に再遊技状態として賭数が設定されている状況下で、各賭数操作手段の操作に対応した疑似的な賭数対応報知を行うことを可能としながらも、当該疑似的な賭数対応報知に至る前に始動操作手段が操作された場合には、当該再遊技状態として設定されている賭数に対応する賭数対応報知に切り替えるようにすることで、周回体の回転が開始されているのにもかかわらず、今回の抽選手段にて供与された賭数を遊技者が把握できない、といった不都合を生じさせないようにすることができる。
特徴cG6.前記特定報知手段は、前記特定報知として第1特定報知(点灯演出)と、当該第1特定報知とは異なる第2特定報知(ベット時効果音演出)とを含んで当該特定報知を実行可能であり、
前記第1特定報知手段による前記第1報知態様での前記特定報知は、前記第1特定報知及び前記第2特定報知を含む態様である一方、前記第2特定報知手段による前記第2報知態様での前記特定報知は、前記第1特定報知を含まず且つ前記第2特定報知を含む態様であることを特徴とする特徴cG1乃至特徴cG5のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1報知態様と第2報知態様との違いは、第1特定報知を含むか否かの違いとなり、このように特定報知のうちの一部を実行するか否かを異ならせるといった比較的簡素な構成にて、特徴cG1の優れた効果を期待することが可能となる。
特徴cG7.遊技者により遊技価値が投入される遊技価値投入手段(メダル投入口45)と、
前記遊技価値投入手段に遊技価値が投入されたことを把握する遊技価値投入把握手段(投入メダル検出センサ45a)と、
を備え、
前記遊技価値投入把握手段は、遊技価値が投入されたことを把握した場合、前記第2賭数操作手段による賭数操作が実行されたと把握することを特徴とする特徴cG1乃至特徴cG6のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定の再遊技結果に基づいて設定された再遊技状態において、遊技者により遊技価値が投入された場合に、第2賭数操作手段の操作が行われたとして、第2報知態様での特定報知が実行される。つまり、特定の再遊技結果に基づく再遊技状態においても遊技価値の投入が可能な構成であって、更に、当該遊技価値の投入によって賭数の設定すら可能であるかのように扱うことで、特定の再遊技結果が他の小役結果等と同等である印象を遊技者に与える手助けとすることができる。
特徴cG8.予め定められた所定数を上限として仮想遊技価値を記憶する仮想遊技価値記憶手段(クレジットカウンタ)を備え、
前記第1賭数操作手段が操作された場合に設定される賭数に相当する第1数の仮想遊技価値が前記仮想遊技価値記憶手段に記憶されている場合、前記第1賭数操作手段の操作に基づいて前記第1数の賭数が設定される構成であり、
前記第2特定報知手段は、前記特定の再遊技結果に基づいて前記再遊技処理が行われた場合において、前記第2賭数操作手段による賭数操作に基づき、前記仮想遊技価値記憶手段の仮想遊技価値の記憶数を増加させるとともに、前記第2報知態様による前記特定報知を実行することが可能であることを特徴とする特徴cG7に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定の再遊技結果に基づく再遊技状態において、遊技価値投入手段から遊技価値を投入した場合、疑似的な第2報知態様による特定報知が行われるだけではなく、仮想遊技価値記憶手段の記憶数の増加させることが可能となる。このようにすることで、特定の再遊技状態においてあたかも仮想遊技価値を投入して賭数の設定が可能な要に思わせながらも、このような疑似的な特定報知のために遊技価値が費やされてしまう、といった遊技者の不利益を生じさせないようにすることができる。
特徴cG9.前記第2賭数操作手段による賭数操作にて設定される賭数は、前記特定の再遊技結果に基づく前記再遊技状態にて設定される賭数と異なる場合がある構成であり、
前記第2特定報知手段は、前記特定の再遊技結果に基づいて前記再遊技処理が行われた場合において、前記第2賭数操作手段による賭数操作に基づき、前記第2報知態様による前記特定報知を実行するとともに、当該再遊技処理にて設定された賭数に対応する前記賭数対応報知を実行(表示制御装置81による特定再遊技ベット演出設定処理において特定投入コマンドに基づきベット対応演出を行うための処理を実行する機能、図254(d)参照)し、当該賭数対応報知が実行されている状況において、更に、前記第2賭数操作手段による賭数操作が実行された場合、前記賭数対応報知を更新することなく所定報知(クレジット増加効果音、図254(a))を実行することが可能であることを特徴とする特徴cG1乃至特徴cG8のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定の再遊技結果に基づく再遊技状態において、第2賭数操作手段による賭数操作が行われると、第2報知態様による特定報知とともに賭数対応報知が行われ、その後、更に第2賭数操作手段による賭数操作が行われると、賭数対応報知の更新を行うことなく所定報知のみが行われる。このように、特定の再遊技結果に基づく再遊技状態において、第2賭数操作手段の賭数操作による特定報知とともに、当該第2賭数操作手段の賭数操作による賭数ではなく、当該再遊技状態にて設定された賭数に対応する賭数対応報知が行われるようにすることで、第2賭数操作手段による賭数操作が受け付けられたことを明確に把握可能としながらも、正規の賭数を把握させることも可能となる。そのうえで、再度の第2賭数操作手段による賭数操作が行われた場合には、賭数対応報知の更新を行わないようにすれば、その賭数対応報知が正規なものであることの印象を強めることができるし、その賭数操作時に所定報知も行われるので、更新が行われなくても当該賭数操作が受け付けられたことを把握させることも可能である。よって、第2賭数操作手段の賭数操作により設定される賭数と、再遊技状態における賭数とが異なる場合の、第2賭数操作手段による賭数操作に対する報知の矛盾や不都合を好適に解消することが可能となる。
上記特徴cG1乃至特徴cG9に記載された発明は、「遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機では、所定の抽選条件が成立したことに基づいて内部抽選が行われ、当該内部抽選の結果に応じて遊技者に特典が付与される構成が知られている。スロットマシンについて具体的には、遊技価値としてのメダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されると、内部抽選が実施されるとともに、リールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップスイッチが操作された場合には、リールの回転が停止する。そして、リールの停止結果が内部抽選の結果に対応したものである場合には、結果に応じた特典が付与される(例えば特開2008-295707号公報参照)。」という背景技術について、「ここで、上記例示等した遊技機においては遊技の興趣向上を図る必要があり、この点について、未だ改良の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
上記特徴cG1乃至特徴cG9の各構成に対して、特徴cA1乃至特徴cA20、特徴cB1乃至特徴cB15、特徴cC1乃至特徴cC9、特徴cD1乃至特徴cD11、特徴cE1乃至特徴cE9、特徴cF1乃至特徴cF8、特徴cG1乃至特徴cG9、特徴cH1乃至特徴cH7のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴cH群>
特徴cH1.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
各前記周回体の周回を開始するための開始操作が行われる始動操作手段(スタートレバー41)と、
各前記周回体の周回を停止するための停止操作が行われる停止操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させる開始駆動制御を実行し、前記停止操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を停止させる停止駆動制御を実行する駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
遊技の賭数を設定するための操作が行われる賭数操作手段(第1クレジット投入スイッチ56、第2クレジット投入スイッチ57)と、
前記賭数操作手段が操作された場合に、遊技の賭数を設定する賭数設定手段(主制御装置101による第1操作対応処理や第2操作対応処理を実行する機能)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、前記賭数設定手段により設定された賭数に応じて遊技者に特典を付与することの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が所定結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、当該所定結果に対応する所定の絵柄組合せが停止した場合に、前記所定結果に対応する特典を付与可能な特典付与手段(主制御装置101によるメダル払出処理や再遊技設定用処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
前記賭数操作手段が操作された場合に特定報知(ベット過程演出等のベット時演出)を実行可能な特定報知手段(表示制御装置81によるベット時演出設定処理におけるベット過程演出等を行うための処理を実行する機能)と、
前記賭数設定手段により設定された賭数に対応する賭数対応報知(ベット対応演出)を所定の報知手段にて実行する賭数報知手段(表示制御装置81によるベット時演出設定処理を実行する機能)と、
前記特定報知が実行されている特定状況において、前記始動操作手段が操作された場合に、当該始動操作手段の操作に基づく前記開始駆動制御の実行を制限可能な特定手段(主制御装置101によるフリーズ抽選処理において、特定再遊技結果に基づく再遊技状態におけるベット過程演出中の開始操作である場合に第2フリーズフラグをセットする処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、始動操作手段の操作に基づき遊技が開始されて当該遊技の抽選が行われ、停止操作手段の操作に基づき当該抽選の結果に対応する絵柄組合せが有効位置に停止すると当該抽選の結果に対応する特典が付与される所謂スロットマシンの遊技機において、賭数操作手段が操作されると遊技の賭数が設定され、特定報知が実行されるとともに、遊技の賭数に対応する賭数対応報知が所定の報知手段にて行われる。この場合、例えば、特定報知の実行中に始動操作手段が操作されて、当該操作に基づいて周回体の回転が開始されたりする場合も想定され、このような場合には、当該回転開始用の開始駆動制御の実行が制限される。このようにすることで、特定報知と周回体の回転開始とが重複してしまう事象を好適に回避することができ、演出や処理の重複による不都合を生じさせないようにすることが可能となる。
特徴cH2.前記周回体を用いた遊技演出としての特定動作(第2フリーズ演出)を行うように特定駆動制御を実行可能な特定駆動制御手段(主制御装置101による回転演出処理にて第2フリーズ演出を実行する機能)を備え、
前記特定駆動制御手段は、前記特定手段により前記開始駆動制御の実行が制限される場合、前記特定駆動制御を実行可能であることを特徴とする特徴cH1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定報知と周回体の回転開始とが重複する場合、所謂フリーズ演出等の周回体を用いた遊技演出としての特定動作が実行される。このような特定動作を用いることで、特定報知と周回体の回転開始とが重複する場合であっても違和感なく受け入れさせることが可能であるし、周回体の回転開始待ちの時間ですら、周回体の動作に注目させることが可能となり、遊技の興趣向上を好適に図ることができる。
なお、上記構成は、「前記駆動制御手段は、前記特定駆動制御手段による前記特定駆動制御が終了した後、前記開始駆動制御を実行可能である」との構成を追加してもよい。
特徴cH3.前記抽選手段による抽選結果に基づいて前記特定駆動制御手段による前記特定駆動制御を実行することの実行抽選を行う実行抽選手段(主制御装置101によるフリーズ抽選処理を実行する機能)を備え、
前記特定手段は、前記実行抽選手段による実行抽選の結果が、前記特定駆動制御を実行することに対応する結果とは異なる結果であっても、前記特定駆動制御を行わせることが可能であることを特徴とする特徴cH2に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定動作の実行抽選が抽選手段による抽選結果に基づいて行われる構成において、当該特定動作の実行抽選に非当選であっても、特定報知と周回体の回転開始とが重複する場合には、特定動作を行わせることが可能となる。このようにすれば、特定報知と回転開始とが重複する場合に特定動作が行われることが偶然に生じる構成ではないことがより明確化される。
特徴cH4.前記抽選手段による抽選結果に基づいて遊技者に有利な有利事象を生じさせる有利判定を実行する有利判定手段(主制御装置101によるATモード移行抽選を実行する機能)を備え、
前記有利判定手段は、前記抽選手段による抽選結果が第1結果(特定役)である場合の方が、当該第1結果とは異なる第2結果(通常役)である場合よりも、前記有利判定の結果が前記有利事象を生じさせることに対応する結果となり易いように前記有利判定を実行するものであり、
前記実行抽選手段は、前記抽選手段による抽選結果が前記第1結果である場合の方が、前記第2結果である場合よりも、前記実行抽選の結果が前記特定駆動制御を実行することに対応する結果となり易いように前記実行抽選を実行することを特徴とする特徴cH3に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定動作の実行率と有利事象の発生率とが明確に関係付けられる。このようにすることで、有利事象を期待する遊技者心理を利用して、特定動作の発生に注目させるようにすることが可能となり、これにより、特定報知と回転開始とが重複する場合に特定動作が行われた場合、それを違和感なく受け入れさせるとともに、大いなる期待感を持って注目させることができる。
特徴cH5.前記特定報知手段は、前記特定駆動制御手段による前記特定駆動制御が終了するよりも前に前記特定報知を終了させることが可能な構成である(図252(d)参照)ことを特徴とする特徴cH2乃至特徴cH4のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定動作が終了するよりも前に特定報知が終了するため、せっかく開始駆動制御を制限して特定動作を行ったのにもかかわらず、開始駆動制御と特定報知との重複が解消されないことの不都合を好適に回避することができる。
特徴cH6.前記特定駆動制御手段は、前記特定手段により前記開始駆動制御の実行が制限される場合、前記周回体を停止させて前記開始駆動制御により前記周回体の回転が開始されることを遅延させる前記特定動作を行うように前記特定駆動制御を実行することを特徴とする特徴cH2乃至特徴cH5のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定動作は周回体が回転しないことが明確化される。このようにすることで、特定報知と周回体の動作とが重複しないようになり、処理の重複による不都合等を生じさせないようにすることが可能となる。
特徴cH7.前記周回体の回転を含む遊技演出としての第1特定動作(第1フリーズ演出)を行うように第1特定駆動制御を実行可能な第1特定駆動制御手段(主制御装置101による回転演出処理にて第1フリーズ演出を実行する機能)と、
前記周回体の回転を含まない遊技動作としての第2特定動作(第2フリーズ演出)を行うように第2特定駆動制御を実行可能な第2特定駆動制御手段(主制御装置101による回転演出処理にて第2フリーズ演出を実行する機能)と、
を備え、
前記特定状況において、前記始動操作手段が操作された場合に、当該始動操作手段の操作に基づいて前記第1特定駆動制御手段による前記第1特定駆動制御が行われる場合は前記特定報知を制限可能な制限処理を実行する特定制限手段(表示制御装置81による特定再遊技ベット演出設定処理において第1フリーズコマンドに基づいてベット過程演出をベット対応演出に切り替える処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴cH1乃至特徴cH6のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、周回体の回転を含む第1特定動作と特定報知とが重複する場合にはん、特定報知側が制限される。このように、周回体の回転を止めてまで、賭数操作手段の操作に基づく特定報知を行わせないような構成とせず、周回体の回転による第1特定動作を優先させる構成とすることで、周回体の駆動制御を急遽変更する等による駆動部に対する高負荷を抑制することができる。
上記特徴cH1乃至特徴cH7に記載された発明は、「遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機では、所定の抽選条件が成立したことに基づいて内部抽選が行われ、当該内部抽選の結果に応じて遊技者に特典が付与される構成が知られている。スロットマシンについて具体的には、遊技価値としてのメダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されると、内部抽選が実施されるとともに、リールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップスイッチが操作された場合には、リールの回転が停止する。そして、リールの停止結果が内部抽選の結果に対応したものである場合には、結果に応じた特典が付与される(例えば特開2008-295707号公報参照)。」という背景技術について、「ここで、上記例示等した遊技機においては遊技の興趣向上を図る必要があり、この点について、未だ改良の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
上記特徴cH1乃至特徴cH7の各構成に対して、特徴cA1乃至特徴cA20、特徴cB1乃至特徴cB15、特徴cC1乃至特徴cC9、特徴cD1乃至特徴cD11、特徴cE1乃至特徴cE9、特徴cF1乃至特徴cF8、特徴cG1乃至特徴cG9、特徴cH1乃至特徴cH7のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
なお、以上詳述した特徴cA群乃至特徴cH群の各構成に対して、他の特徴cA群乃至特徴cH群の各構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想を組合せて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
以下の特徴dA群乃至特徴dN群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第4dの実施形態、これらの変形例又はこれらの組み合せから抽出される。
<特徴dA群>
特徴dA1.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
各前記周回体の周回を開始するための開始操作が行われる始動操作手段(スタートレバー41)と、
各前記周回体の周回を停止するための停止操作が行われる停止操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させる開始駆動制御を実行し、前記停止操作手段が操作された場合に対応する前記周回体の周回を停止させる停止駆動制御を実行する駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与することの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が所定の結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、当該所定の結果に対応する所定の絵柄組合せが停止した場合に、前記所定の結果に対応する特典を付与する特典付与手段(主制御装置101によるメダル払出処理や再遊技設定用処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
前記抽選手段による抽選結果として、
前記停止操作手段が第1操作態様にて操作された場合は、前記有効位置に第1の絵柄組合せが停止可能となり、前記特典付与手段により第1特典(1枚のメダル払出)が付与される一方、
前記停止操作手段が前記第1操作態様とは異なる第2操作態様にて操作された場合は、前記有効位置に前記第1の絵柄組合せとは異なる第2の絵柄組合せが停止可能となり、前記特典付与手段により前記第1特典よりも遊技者にとって有利な第2特典(8枚のメダル払出)が付与されることとなる特殊結果(特殊役)が設定されており、
前記停止操作手段の操作態様の態様報知を所定の報知手段にて実行する態様報知手段(例えば主制御装置101による指示モニタ68による押し順報知を実行する機能)と、
前記態様報知手段による態様報知の機能に関する特定処理を実行する特定処理手段(例えば、主制御装置101による開始時AT抽選用処理や停止時AT抽選用処理等、指示機能に関する処理を実行する機能)と、
を備え、
前記特定処理手段は、前記抽選手段による抽選結果が前記特殊結果である特殊遊技において、前記停止操作手段が前記第1操作態様にて操作された場合には前記特定処理として第1特定処理を実行する一方、前記停止操作手段が前記第2操作態様にて操作された場合には前記特定処理として前記第1特定処理よりも遊技者にとって不利となる第2特定処理を実行する又は前記特定処理を実行しないように設定されており、
前記特殊遊技において、前記停止操作手段の操作が実行された後である特定タイミングにて、前記特定処理に対応する特定報知を実行可能な特定報知手段(表示制御装置81のよる停止時CZ演出設定処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、始動操作手段の操作に基づき遊技が開始されて当該遊技の抽選が行われ、停止操作手段の操作に基づき当該抽選の結果に対応する絵柄組合せが有効位置に停止すると当該抽選の結果に対応する特典が付与される所謂スロットマシンの遊技機において、停止操作手段を第1操作態様にて操作した場合には第1特典が付与されるとともに、態様報知の機能に関する特定処理として第1特定処理が実行される一方、停止操作手段を第2操作態様にて操作した場合には第2特典が付与されるとともに、態様報知の機能に関する特定処理として第2特定処理が実行される特殊結果が設定されており、第1特典よりも第2特典の方が遊技者にとって有利である一方、第1特定処理の方が第2特定処理よりも遊技者にとって有利であるため、特殊結果となった場合、特典付与手段により付与される特典の有利な側(第2操作態様)と、態様報知の機能が有利な側(第1操作態様)との選択を遊技者に委ねる、といった斬新な遊技性を実現することが可能である。
しかも、上記構成においては、このような操作態様によって付与される特典や特定処理が異なる特殊結果に当選した遊技では、停止操作手段の操作が実行された後、特定処理の結果に対応する特定報知を実行可能としたことから、特殊結果に基づく特定処理の結果をその特殊結果当選となった遊技内で報知する構成となる。よって、各ゲームで特定処理の結果を報知するような所謂完全告知タイプの遊技機であっても、特殊結果を設定することが可能となり、遊技の興趣向上に大いに役立てることができる。
特徴dA2.前記特定処理手段は、
前記態様報知手段による態様報知が実行され易くする特定事象(ATモード移行当選、CZモード移行、AT上乗せ当選、天井カウンタの減算)を生じさせるための処理を前記特定処理として実行可能な手段を備え、
前記第1特定処理を実行した場合の方が前記第2特定処理を実行した場合よりも前記特定事象が生じ易いように設定されており、
前記特定報知手段は、前記特定事象が生じることに対応する報知として前記特定報知を実行するものであり、
前記特定処理手段による前記特定処理の結果が前記特定事象を生じさせることに対応する対応結果(ATモード移行当選、CZモード移行当選)である場合、当該特定事象を生じさせる特定事象制御手段(主制御装置101による前兆モードの設定を行う処理)を備え、
前記特定事象制御手段は、前記特殊結果を契機とする前記特定処理の結果が前記対応結果となった場合、当該特殊結果となった前記特殊遊技の次の遊技にて前記特定事象を生じさせることが可能な手段(主制御装置101による前兆ゲーム数を0に設定する処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴dA1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特殊結果当選時に第1操作態様にて操作すると特定事象が生じ易い第1特定処理が実行され、第2操作態様にて操作すると第1操作態様の場合よりも特定事象が生じにくい第2特定処理が実行される構成において、特定事象が生じることに対応する特定報知が当該特殊結果となったゲームにて実行される。そのうえで、当該特殊結果となった特殊遊技の次の遊技にて特定事象が生じるため、特定事象が生じることに対応する特定報知を、特定事象が生じるとした対応結果となった遊技内にて実行すべき必要性が高められる。このようにすることで、停止操作手段の操作が行われた後、特定処理が実行されて次の遊技にて特定事象が生じ得るような構成であっても、その特定事象が生じることが知らされないまま特定事象が生じてしまうことが回避され、特定事象の不意打ちを抑制することができるし、特定報知が実行され得る期間がより限定的なものとなるため、遊技者の意識が当該期間に集中し、遊技への注目度を極限まで高めることが可能となる。
特徴dA3.前記特定事象制御手段により前記特定事象が生じた場合、当該特定事象が生じた遊技以降の遊技(ATモード)は、当該特定事象が生じる前の遊技(CZモード、通常モード)よりも、遊技者にとっての有利度が高い遊技であることを特徴とする特徴dA2に記載の遊技機。
上記構成によれば、特殊結果を契機とする特定処理の結果が対応結果となった特殊遊技を境として遊技者にとっての有利度が高くなるため、特定報知を特殊遊技にて行う必要性が高くなる。よって、このような場面で特徴dA1の構成を適用することで、特徴dA1の優れた効果がより好適に奏されることが期待できるようになる。
なお、「遊技者にとっての有利度が高い」との表現について、「前記特典付与手段により付与される特典として1回の遊技当たりで期待できる単位期待特典(純増枚数)が多い」と表現してもよく、また、「前記特定処理の結果が遊技者にとって有利な結果となり易い」と表現してもよい。
特徴dA4.前記特定処理手段による前記特定処理の結果に基づいて、前記特殊遊技の次の遊技以降での前記態様報知手段による前記態様報知の実行頻度を、前記特殊遊技までの遊技での実行頻度よりも高くなるようにすることが可能な手段(主制御装置101によるATモードへ移行させるための処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴dA1乃至特徴dA3のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特殊結果を契機とする特定処理の結果に基づいて、当該特殊結果となった特殊遊技の次の遊技以降の遊技では態様報知の実行頻度が高くなる。そのため、遊技者は態様報知に従うことで所望の結果入賞を成立させることが可能となり、当該所望の結果入賞に基づく特典を効率よく獲得することができるようになる。そして、特殊遊技内で特定処理の結果に対応する特定報知が行われるようにしたことから、少なくとも態様報知の実行頻度が高くなるよりも前にその旨が特定報知により知らされることとなり、遊技者に違和感を与えないようにすることが可能となる。
特徴dA5.前記抽選手段による抽選結果として、前記停止操作手段が第1の操作態様にて操作された場合は、第1結果の入賞が成立可能となる一方で、前記停止操作手段が前記第1の操作態様とは異なる第2の操作態様にて操作された場合は、前記第1結果の入賞が成立した場合とは前記特典付与手段により付与される特典が異なる第2結果の入賞が成立可能となる態様結果(押し順ベル)が設定されており、
前記態様報知手段は、前記始動操作手段が操作されたことに基づいて、前記第1の操作態様及び前記第2の操作態様を含む操作態様を前記態様報知として実行可能な構成であることを特徴とする特徴dA1乃至特徴dA4のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特殊結果当選となった特殊遊技の次の遊技が態様結果当選となり、当該態様結果に基づいて態様報知が行われる場合、少なくとも特殊結果を契機とする特定処理の結果に対応する特定報知が特殊遊技内で実行されていれば、態様結果当選となった遊技の開始時に実行される態様報知と特定報知とが重複しにくくなる。このようにすることで、報知が重複することによって遊技者を混乱させてしまうことを回避することができる。
特に特徴dA4のように、態様報知の実行頻度が特殊遊技の次の遊技から高くなるような構成においては、上記のような特殊結果当選となった遊技の次の遊技の開始時に態様報知が行われる可能性は高くなり、特殊遊技内で特定報知を実行しておく意義は高い。
特徴dA6.前記特定処理手段は、前記抽選手段による抽選結果が前記特殊結果とは異なる特定結果(例えば特定役)である遊技にて、前記停止操作手段が操作されるよりも前に前記特定処理として第3特定処理を実行可能な手段(主制御装置101による開始時AT抽選用処理等を実行する機能)を備え、
前記抽選手段による抽選結果が前記特定結果である遊技において、少なくとも前記特定タイミングまでに前記第3特定処理の結果に対応する報知を実行可能な第2特定報知手段(表示制御装置81のよる開始時CZ演出設定処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴dA1乃至特徴dA5のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定結果である遊技では停止操作手段の操作前に第3特定処理が行われるところ、このような場合には、当該遊技内にて第3特定処理の結果に対応する報知は容易に行うことが可能である。つまり、特定報知は、当該特定結果である場合の報知に合わせるようにして特定タイミングにて実行するように設定されているともいえ、このようにすることで、抽選処理の抽選結果によって特定処理の結果の報知タイミングが異なることの違和感を与えないようにすることができるし、当該報知タイミングの相違から特定処理の結果が見抜かれてしまうことも解消することができる。
なお、「第2特定報知手段」との関係で、特徴dA1における「特定報知手段」を「第1特定報知手段」と言い換えてもよい。
特徴dA7.前記第2特定報知手段は、前記特定タイミングよりも前のタイミングで前記第3特定処理の結果に対応する報知(テンパイ演出)を実行可能であることを特徴とする特徴dA6に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定結果である遊技では停止操作手段の操作前に第3特定処理が行われ、特定タイミングよりも前のタイミングにて当該第3特定処理の結果に対応する報知が実行される。つまり、特定処理として第1特定処理や第2特定処理が実行される場合には停止操作手段の操作後である特定タイミングにて当該特定処理の結果に対応する報知が実行されることを前提とし、特定結果当選時には特定タイミングよりも前に特定処理としての第3特定処理の結果に対応する報知が実行されるようになる。このようにすることで、特定処理の結果に対応する報知が実行されるタイミングが多様化されるし、その特定処理の契機となる抽選結果と報知タイミングとの関係で特定処理の結果を予測させる遊技も実現可能となり、遊技の興趣向上に寄与することができる。
特徴dA8.前記特定処理手段は、
前記態様報知手段による態様報知が実行され易くする特定事象(ATモード移行当選、CZモード移行、AT上乗せ当選、天井カウンタの減算)を生じさせるための処理を前記特定処理として実行可能な手段を備え、
前記特殊結果である場合の前記特定処理の方が、所定の前記特定結果(例えば、チェリーA)である場合の前記特定処理よりも前記特定事象が生じ易くなるように設定されていることを特徴とする特徴dA6又は特徴dA7に記載の遊技機。
上記構成によれば、特殊結果に基づいて第1特定処理や第2特定処理といった特定処理が行われた場合の方が、特定結果に基づいて第3特定処理といった特定処理が行われた場合よりも特定事象が生じ易い。そのため、特定処理の結果に対応する報知は、特定結果当選となった遊技である場合の方が圧倒的にその遊技内で実行し易いものの、遊技者が求める特定事象につながることの報知は特殊結果当選となった遊技の方が発生し易くなる。そこで、特定処理の結果に対応する報知を、あえて特殊結果であっても当該特定処理が行われた遊技内で実行するようにすることで、特定結果である遊技ですら特定処理の結果に対応する報知へ期待感を寄せさせることが可能となる。
特徴dA9.前記抽選手段による抽選結果が前記特殊結果となる確率よりも、他の前記特定結果(通常リプA~C、チャンス目A~C、チェリーA~C,スイカ)となる確率の方が高くなるように設定されていることを特徴とする特徴dA6乃至特徴dA8のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特殊結果となる方が他の特定結果となるよりも出現率が低くなるため、特殊結果側に特定処理の結果に対応する報知のタイミングを合わせてしまうと、他の特定結果の場合に、特定処理が実行されてからなかなかその報知が行われないなどの不都合が生じ易くなる。その点、他の特定結果に合わせて特定処理の結果を報知するようにすることで、特殊結果であることを他の特定結果に紛れさせることができ、報知タイミングから特定処理の結果に対応する報知の内容が見抜かれてしまうことを抑制し、当該報知への注目度を好適に高めることが可能となる。
特徴dA10.前記特定処理手段は、前記抽選手段による抽選結果が前記特殊結果とは異なる特定結果(例えば特定役)である遊技にて、前記停止操作手段が操作されるよりも前に前記特定処理として第3特定処理を実行可能な手段(主制御装置101による開始時AT抽選用処理等を実行する機能)を備え、
前記特殊結果を契機として前記第1特定処理を実行した場合の方が、所定の前記特定結果を契機として前記第3特定処理を実行した場合よりも遊技者にとって有利となるように設定されていることを特徴とする特徴dA1乃至特徴dA9のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特殊結果当選時には第1操作態様にて操作することで、他の特定結果当選時において操作態様に関わらず実行される第3特定処理よりも有利な第1特定処理が行われる。このような構成であれば、特殊結果当選時の操作態様をより慎重に行わせることが可能となるし、その操作に基づく第1特定処理の結果をより早期に知りたいと思わせることができ、特徴dA1のように特殊結果となった特殊遊技内にて特定報知を行う意義が高められる。
特徴dA11.前記特定処理手段は、前記抽選手段による抽選結果が前記特殊結果とは異なる特定結果(例えば特定役)である遊技にて、前記停止操作手段が操作されるよりも前に前記特定処理として第3特定処理を実行可能な手段(主制御装置101による開始時AT抽選用処理等を実行する機能)を備え、
前記特殊結果を契機として前記第2特定処理を実行した場合よりも、所定の前記特定結果を契機として前記第3特定処理を実行した場合の方が遊技者にとって有利となるように設定されていることを特徴とする特徴dA1乃至特徴dA10のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特殊結果当選時には第2操作態様にて操作してしまうと、他の特定結果当選時において操作態様に関わらず実行される第3特定処理よりも不利な第2特定処理が行われる。このような構成であれば、特殊結果当選時の操作態様をより慎重に行わせることが可能となる。特に特徴dA10との関係からも、その操作に基づく第2特定処理の結果をより早期に知りたいと思わせることができ、特徴dA1のように特殊結果となった特殊遊技内にて特定報知を行う意義が高められる。
特徴dA12.前記特定処理の結果に対応する先報知(テンパイ演出や確定演出や特定報知演出)を実行可能な先報知手段(表示制御装置81による開始時CZ演出設定処理において特殊役を契機としてテンパイ演出や特定報知演出が行われるようにする処理を実行する機能やチェリー当選時の確定演出が行われるようにする処理を実行する機能)を備え、
前記先報知手段は、前記特殊遊技における前記特定タイミングよりも前のタイミングで前記先報知を実行することが可能な手段(表示制御装置81による開始時CZ演出設定処理において特殊役を契機としてテンパイ演出や特定報知演出が行われるようにする処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴dA1乃至特徴dA11のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、停止操作手段の操作態様によって特定処理が異なる構成において、当該特定処理の結果に対応する特定報知が行われる特定タイミングよりも前のタイミングにて当該特定処理に対応させた先報知が行われる場合があるようにしたことから、遊技者は、特定報知が行われることを事前に察知することが可能となるし、報知タイミングが限られている特定報知であってもその期間をより長く確保することが可能となり、遊技演出の好適化を図ることができるようになる。
特徴dA13.前記特定報知手段は、前記特定処理の結果に応じて、遊技者にとって有利となる有利内容及び当該有利内容が行われた場合よりも遊技者にとって不利となる非有利内容を含む内容報知のいずれかを前記特定報知として実行可能であり、
前記先報知手段により前記先報知が行われた後、前記有利内容の前記特定報知が行われる場合があり、且つ、前記先報知手段により前記先報知が行われた後、前記非有利内容の前記特定報知が行われる場合があるように設定されており、
更に、前記先報知手段により前記先報知が行われた後、前記有利内容の前記特定報知の方が前記非有利内容の前記特定報知よりも行われ易い構成であることを特徴とする特徴dA12に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定処理の実行前に先報知を行う場合であっても、その後の特定報知が有利内容となる場合もあれば非有利内容となる場合があるようになり、先報知を行ったとしてもその後の特定報知に矛盾が生じにくくなる。そのうえで、先報知が行われた場合には、有利内容となり易いことから、当該先報知への注目度を好適に高めることが可能となる。
特徴dA14.前記第1操作態様と前記第2操作態様とのいずれの操作態様となるかの各前記停止操作手段の操作が行われるうえでの分岐タイミング(第1停止ON操作)以後に前記先報知手段による前記先報知が行われるようにする手段(表示制御装置81によるテンパイ演出を行うための処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴dA12又は特徴dA13に記載の遊技機。
上記構成によれば、先報知手段による先報知によっていずれの操作態様にて操作するかを遊技者が決定することができなくなる。つまり、例えば、仮に特定報知の内容を事前に察知できるのであれば、その察知した内容が遊技者にとって好ましいものではなければ第2特定処理が行われるものの第2特典を獲得するように第2操作態様にて操作することも考えられるところ、上記のように先報知を第1操作態様と第2操作態様との分岐タイミング以後で発生させることで、上記の行為が行われにくくなる。
特徴dA15.前記第1操作態様と前記第2操作態様とのいずれの操作態様となるかの各前記停止操作手段の操作が行われるうえでの分岐タイミング(第1停止ON操作)よりも前に前記先報知手段による前記先報知が行われるようにする手段(表示制御装置81による特定報知演出を行うための処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴dA12乃至特徴dA14のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、先報知手段による先報知によっていずれの操作態様にて操作するかを遊技者が決定することができるようになる。つまり、例えば、仮に特定報知の内容を事前に察知できるのであれば、その察知した内容が遊技者にとって好ましいものではなければ第2特定処理が行われるものの第2特典を獲得するように第2操作態様にて操作することも考えられるし、察知した内容が遊技者にとって好ましいものであればより慎重に停止操作手段を操作するものと考えられ、上記のように先報知を第1操作態様と第2操作態様との分岐タイミングよりも前に発生させることで、先報知によって第1操作態様と第2操作態様とのいずれにて操作すべきかを判断させたうえで効率的に特典を獲得させる、といった斬新な遊技性を実現することが可能となるし、特定報知に向けて演出を大いに盛り上げることも可能である。
特徴dA16.前記抽選手段による抽選結果が前記特殊結果とは異なる特定結果である遊技において、前記先報知又は当該先報知と報知態様が共通する報知が行われるようにする第2先報知手段(表示制御装置81による特殊役非当選時にテンパイ演出や特定報知演出を行うようにする処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴dA12乃至特徴dA15のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、先報知が他の特定結果であっても発生するようになるため、先報知が特殊結果の目印となりにくくなる。よって、報知内容から遊技結果を予測しにくくし、より純粋に報知を楽しませることが可能となる。
特徴dA17.前記特定処理手段は前記特定処理を実行するよりも前に取得する特定数値情報(AT抽選用乱数や上乗せ抽選用乱数)を用いて前記特定処理を実行する構成であり、
前記特定数値情報が前記特定処理に用いられた場合の当該特定処理の結果を、当該特定処理が行われるよりも前に特定可能な先特定手段(主制御装置101による事前判定処理等を実行する機能)を備え、
前記先報知は前記先特定手段の特定結果に基づいて実行されることを特徴とする特徴dA12乃至特徴dA16のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、操作態様によって処理が異なる特殊結果であっても、第1操作態様にて操作された場合の第1特定処理の結果や第2操作態様にて操作された場合の第2特定処理の結果を事前に特定することが可能となり、当該事前に先特定された結果に基づいて先報知が行われるようになるため、先報知の信頼性を高めることが可能となる。
特徴dA18.前記抽選手段による抽選結果が前記特殊結果であって、前記停止操作手段を前記第1操作態様にて操作した場合、各前記周回体のうち特定周回体(左リール32L)の特定位置に特定絵柄が停止して、前記有効位置に前記第1の絵柄組合せが停止する構成であり、
前記抽選手段による抽選結果が前記特殊結果とは異なる特定結果(チェリーA~C)である場合、前記特定周回体の特定位置に前記特定絵柄が停止するとともに、前記有効位置に前記第1の絵柄組合せ及び前記第2の絵柄組合せとは異なる第3の絵柄組合せが停止することで、当該特定結果に対応する特典が前記特典付与手段により付与される構成であり、
前記先報知手段は、前記特定周回体の特定位置に前記特定絵柄が停止し、且つ他の周回体が停止していない状況で前記先報知を実行可能な特定手段(表示制御装置81によるチェリー当選時の確定演出を行うための処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴dA12乃至特徴dA17のいずれか1に記載の遊技機。
特定周回体の特定位置に特定絵柄が停止した場合、それが特定結果に基づくものなのか、それとも特殊役結果当選時の第1操作態様によるものなのかが、停止出目からは判別することができない。このような構成において、当該特定周回体の特定位置に特定絵柄が停止した場合に先報知が行われる場合があるようにしたことから、当該先報知が特定結果に基づく特定処理に対応するものなのか、それともその後の第1特定処理や第2特定処理に対応するものなのかを判別することができず、先報知が行われた場合の結果を予測するうえでの選択枝が増え、当該先報知と特定報知の注目度を好適に高めることが可能となる。
特徴dA19.前記特定処理手段は、前記抽選手段による抽選結果が前記特定結果である遊技にて、前記停止操作手段が操作されるよりも前に前記特定処理として第3特定処理を実行可能な手段(主制御装置101による開始時AT抽選用処理等を実行する機能)を備え、
前記特定手段は、前記特定結果に基づく前記第3特定処理の結果に対応する報知を前記先報知として実行することを特徴とする特徴dA18に記載の遊技機。
上記構成によれば、停止操作前に第3特定処理が行われており、その結果に対応する報知が特定周回体の特定位置に特定絵柄が停止した場合に先報知として実行される。このようにすることで、当該先報知が行われる場面が、特殊結果であれば未だ特定処理の実行前の停止出目と同じ状況としながらも、先報知の内容に矛盾が生じないようになり、先報知への信頼性を高めることが可能となる。
特徴dA20.前記抽選手段による抽選結果が前記特殊結果である場合、前記特定周回体の特定位置に前記特定絵柄が停止することなく前記有効位置に前記第2の絵柄組合せが停止することを特徴とする特徴dA18又は特徴dA19に記載の遊技機。
上記構成によれば、特殊結果当選時に第1操作態様にて操作した場合には特定周回体の特定位置に特定絵柄が停止するものの、第2操作態様にて操作した場合には特定絵柄が停止しないため、先報知が、操作態様の選択の結果として実行された印象を強く与えることが可能となる。このようにすることで、先報知への注目度を高めることができる。
なお、上記構成は、「各前記停止操作手段の操作が行われるうえで、前記第1操作態様と前記第2操作態様とのいずれの操作態様となるかの分岐タイミング(第1停止ON操作)が設定されており、前記抽選手段による抽選結果が前記特殊結果である場合に、前記第1操作態様にて操作することで前記分岐タイミングにて前記特定周回体の特定位置に前記特定絵柄が停止する一方、前記抽選手段による抽選結果が前記特殊結果である場合に、前記第2操作態様にて操作することで前記分岐タイミングにて前記特定周回体の特定位置に前記特定絵柄が停止せずに他の絵柄が停止する」構成を限定することで、第1操作態様と第2操作態様との分岐タイミングで特定絵柄が停止するか否かが異なることがより明確化される。
特徴dA21.前記停止操作手段は、各前記周回体の数に対応させて複数設けられており、
前記特定処理手段は、全ての前記停止操作手段の操作が実行された後で前記第1特定処理又は前記第2特定処理を実行するものであり、
前記特定報知手段は、前記特殊遊技において前記第1特定処理又は前記第2特定処理が実行された後、前記特定報知を実行することを特徴とする特徴dA1乃至特徴dA20のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、複数設けられた停止操作手段の操作が全て完了した後で、第1特定処理や第2特定処理が実行されて特定報知が行われるようになる。このような構成とすることで、特殊結果当選時の停止操作手段のより慎重な操作が促されるようになるし、当該特殊結果に当選となった特殊遊技内で特定報知を行うタイミングはより限定的なものとなる。これにより、特定報知へ注目すべきタイミングが集約され、特定報知への注目度を好適に高めることが可能となる。
特徴dA22.前記特定報知手段は、前記抽選手段による抽選結果が前記特殊結果となった前記特殊遊技の次の遊技が開始されるよりも前に前記特定報知を実行することを特徴とする特徴dA1乃至特徴dA21のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定報知が特殊結果当選となった特殊遊技内で実行され、次の遊技に特定報知が持ち越されることがないことが明確化される。このような構成とすることで、特定報知が行われる特定タイミングがより限定化され、当該特定報知への注目度を好適に高めることが可能となる。
なお、上記特徴dA1乃至特徴dA22に記載された発明は、「遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機では、所定の抽選条件が成立したことに基づいて内部抽選が行われ、当該内部抽選の結果に応じて遊技者に特典が付与される構成が知られている。スロットマシンについて具体的には、遊技媒体としてのメダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されると、内部抽選が実施されるとともに、リールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップスイッチが操作された場合には、リールの回転が停止する。そして、リールの停止結果が内部抽選の結果に対応したものである場合には、結果に応じた特典が付与される(例えば特開2008-295707号公報参照)。」という背景技術について、「ここで、上記例示等した遊技機においては遊技の興趣向上を図る必要があり、この点について、未だ改良の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
なお、上記特徴dA1乃至特徴dA22の各構成に対して、特徴dA1乃至特徴dA22、特徴dB1乃至特徴dB8、特徴dC1乃至特徴dC12、特徴dD1乃至特徴dD10、特徴dE1乃至特徴dE11、特徴dF1乃至特徴dF8、特徴dG1乃至特徴dG9、特徴dH1乃至特徴dH8、特徴dI1乃至特徴dI12、特徴dJ1乃至特徴dJ8、特徴dK1乃至特徴dK9、特徴dL1乃至特徴dL7、特徴dM1乃至特徴dM12、特徴dN1乃至特徴dN11のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴dB群>
特徴dB1.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
各前記周回体の周回を開始するための開始操作が行われる始動操作手段(スタートレバー41)と、
各前記周回体の周回を停止するための停止操作が行われる停止操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させる開始駆動制御を実行し、前記停止操作手段が操作された場合に対応する前記周回体の周回を停止させる停止駆動制御を実行する駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与することの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が所定の結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、当該所定の結果に対応する所定の絵柄組合せが停止した場合に、前記所定の結果に対応する特典を付与する特典付与手段(主制御装置101によるメダル払出処理や再遊技設定用処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
前記抽選手段による抽選結果として、
前記停止操作手段が第1操作態様にて操作された場合は、前記有効位置に第1の絵柄組合せが停止可能となり、前記特典付与手段により第1特典(1枚のメダル払出)が付与される一方、
前記停止操作手段が前記第1操作態様とは異なる第2操作態様にて操作された場合は、前記有効位置に前記第1の絵柄組合せとは異なる第2の絵柄組合せが停止可能となり、前記特典付与手段により前記第1特典よりも遊技者にとって有利な第2特典(8枚のメダル払出)が付与されることとなる特殊結果(特殊役)が設定されており、
前記第1操作態様又は前記第2操作態様を含む操作態様の態様報知を所定の報知手段にて実行する態様報知手段(例えば主制御装置101による指示モニタ68による押し順報知を実行する機能)と、
遊技者にとって有利な有利事象を生じさせる有利判定を実行する有利判定手段(例えば、主制御装置101による開始時AT抽選用処理や停止時AT抽選用処理を実行する機能)と、
前記有利判定の結果に対応する特定報知を所定の報知手段にて実行可能な特定報知手段(表示制御装置81による開始時CZ演出設定処理や停止時CZ演出設定処理を実行する機能)と、
を備え、
前記有利判定手段は、
前記始動操作手段が操作された場合に前記有利判定としての第1有利判定を実行する第1有利判定手段(主制御装置101による開始時AT抽選用処理を実行する機能)と、
前記停止操作手段が操作された後で前記有利判定としての第2有利判定を実行する第2有利判定手段(主制御装置101による停止時AT抽選用処理を実行する機能)と、
を備え、
前記特定報知手段は、
所定の前記停止操作手段が操作されるよりも前である特定タイミングにて前記第1有利判定の結果に対応する第1特定報知(特定役に基づくテンパイ演出)を前記特定報知として実行可能な第1特定報知手段(表示制御装置81による開始時CZ演出設定処理を実行する機能)と、
前記特定タイミングにて前記第2有利判定の結果に対応する第2特定報知(特殊役に基づくテンパイ演出)を前記特定報知として実行可能な第2特定報知手段(表示制御装置81による停止時CZ演出設定処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、始動操作手段の操作に基づき遊技が開始されて当該遊技の抽選が行われ、停止操作手段の操作に基づき当該抽選の結果に対応する絵柄組合せが有効位置に停止すると当該抽選の結果に対応する特典が付与される所謂スロットマシンの遊技機において、停止操作手段を第1操作態様にて操作した場合には第1特典が付与される一方、停止操作手段を第2操作態様にて操作した場合には第2特典が付与される特殊結果が設定されており、第1操作態様や第2操作態様を含む操作態様の態様報知が行われる場合があるため、当該態様報知の有無によって同じ結果でも得られる特典が異なる、といった遊技性を実現することができる。
このように停止操作手段の操作によって得られる特典が異なり得るような遊技性を前提としながらも、遊技者にとって有利な有利事象を生じさせる有利判定が、停止操作手段の操作前である始動操作手段の操作に基づいて行われる場合と、停止操作手段の操作後に行われる場合とがあるため、単に操作態様によって第1特典や第2特典のいずれを得ることができるか、といった遊技だけではなく、操作の前後の有利判定も含めて遊技性に盛り込むことができ、遊技の多様化が図られている。
そのうえで、停止操作手段の操作前の第1有利判定の結果に対応する第1特定報知が所定の停止操作手段の操作前の特定タイミングにて行われるようにしながらも、停止操作手段の操作後の第2有利判定の結果に対応する第2特定報知についても特定タイミングにて行われるようにしていることから、実行された特定報知が第1有利判定と第2有利判定とのいずれに対応するものかの区別がつきにくくなるし、有利判定の実行前の第2特定報知であっても有利判定の実行後の第1特定報知によって当該第2特定報知への信頼感を高めることができ、当該特定報知への注目度を向上させることができる。
特徴dB2.前記停止操作手段は複数である特定数設けられており、
前記第2有利判定手段は、前記特定数の前記停止操作手段が操作された後、前記第2有利判定を実行することを特徴とする特徴dB1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第2有利判定は、全ての停止操作手段を操作した後で実行される。このようにすることで、所定の停止操作手段が操作されるよりも前のタイミングである特定タイミングが、全ての停止操作手段の操作完了前のタイミングであることが明確化される。よって、第2特定報知が第2有利判定の実行前の事前報知であることも明確化され、第1特定報知を利用してこのような事前報知の信頼性を高める特徴dB1の効果も際立てることができる。
特徴dB3.前記第2特定報知手段は、所定の前記停止操作手段(第3リールに対応するストップスイッチ)の操作前であって特定の停止操作手段(第1リールに対応するストップスイッチ)の操作後を前記特定タイミングとて前記第2特定報知を実行可能な手段(表示制御装置81によるテンパイ演出を行うための処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴dB1又は特徴dB2に記載の遊技機。
上記構成によれば、第2特定報知は、少なくとも特定の停止操作手段の操作は行われた後で実行されるようになることから、例えば停止操作手段の操作順序によって第2有利判定の内容や結果が異なるような構成においては、ある程度の絞り込みを行ったうえで第2特定報知を行うことも可能である。よって、第2特定報知自体の信頼性を高めることができる。
特徴dB4.前記第2特定報知手段は、前記特定の停止操作手段が第1態様(第1停止且つ所定箇所)にて操作された場合には前記第2特定報知を実行するようにする一方、前記特定の停止操作手段が前記第1態様とは異なる第2態様(第2,第3停止、又は第1停止且つ所定箇所以外)にて操作された場合には前記第2特定報知が実行されないようにすることが可能な手段(表示制御装置81による第1停止ON時演出設定処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴dB3に記載の遊技機。
上記構成によれば、停止操作手段の操作後に実行される第2有利判定が、特定の停止操作手段を第1態様にて操作するか第2態様にて操作するかによって異なる印象を遊技者に与えることが可能となり、第2特定報知を通じて停止操作手段をより慎重に且つ期待感を持たせながら操作させることが可能となる。
特徴dB5.前記第2有利判定手段は、前記抽選手段による抽選結果が所定の結果である場合において、前記特定の停止操作手段が前記第1態様にて操作された場合には前記第2有利判定を実行可能となり、前記特定の停止操作手段が前記第2態様にて操作された場合には前記第2有利判定を実行不可となる場合があるように設定されていることを特徴とする特徴dB4に記載の遊技機。
上記構成によれば、特徴dB4のように操作態様によって第2特定報知の実行の有無が異なることとの整合性が担保される。よって、特定報知の信頼性が高められ、特定報知に関心を寄せさせることが可能となる。
特徴dB6.各遊技において、前記有利判定が行われる場合に又は前記有利判定が行われた場合に、前記所定の報知手段にて所定報知を開始させ、当該有利判定の結果に対応する結果報知となるようにして前記所定報知を終了させる所定報知手段(表示制御装置81による各変動領域SP1~SP3による数字のキャラクタによる変動表示を実行する機能)を備え、
前記第1特定報知手段は、前記第1特定報知を前記所定報知における前記特定タイミングにて実行したうえで、前記第1有利判定の結果に対応する前記結果報知となるように前記所定報知手段による前記所定報知を実行させ、
前記第2特定報知手段は、前記第2特定報知を前記所定報知における前記特定タイミングにて実行したうえで、前記第2有利判定の結果に対応する前記結果報知となるように前記所定報知手段による前記所定報知を実行させることを特徴とする特徴dB1乃至特徴dB5のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1特定報知や第2特定報知は、所定報知の途中の演出であって、これら各特定報知が行われた後、有利判定の結果に対応する結果報知が行われるようになる。このようにすることで、第2有利判定が行われるよりも前に第2特定報知が行われる構成であっても、その後に結果報知が行われることを通じて、第2特定報知の報知内容を補填するようにすることも可能となる。つまり、第2特定報知を事前報知として扱うことが可能となり、第2特定報知の報知内容の自由度が大幅に向上する。
特徴dB7.通常状態(通常区間)と、当該通常状態よりも遊技者にとって有利な有利状態(有利区間)とが設定されており、
前記有利状態において予め定められた終了条件が成立した場合、当該有利状態を終了させる終了手段(主制御装置101による区間表示第2処理における上限ゲーム数や上限増加枚数に到達したことに基づく有利区間終了用の処理を実行する機能)と、
前記終了手段により前記有利状態が終了されることが、前記終了条件が成立するよりも前に特定されている状況において、前記第2特定報知手段による前記第2特定報知を実行する特定手段(表示制御装置81による特殊役当選時にAT中特定報知演出ではなく第1小役用~第6小役用の押し順報知演出を行うための処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴dB1乃至特徴dB6のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、停止操作手段の操作後に行われる第2有利判定に対応する第2特定報知が事前に行われることを、有利状態の上限に到達することの合図とすることができる。このようにすることで、第2特定報知を、単に第2有利判定の事前告知といった機能だけではなく、有利状態の上限に到達することの事前告知といった機能を有するようにすることが可能となり、機能の集約化を通じて第2特定報知への注目度を高めることが可能となる。
特徴dB8.前記第2特定報知手段は、前記抽選手段による抽選結果が前記特殊結果である場合に前記第2特定報知を実行可能であり、
前記第2特定報知は、前記第2操作態様に対応する内容の報知を含むことを特徴とする特徴dB7に記載の遊技機。
上記構成によれば、有利状態の上限に到達することが特定されている状況において第2特定報知が行われると、第2特典が付与されるようになる第2操作態様が示される。このようにすることで、有利状態が終了するにあったって、遊技者はより多くの特典を獲得することが可能となるし、有利状態で獲得可能な特典数に上限が設けられているような構成においては、より早期に上限に到達させることが可能となる。
なお、上記特徴dB1乃至特徴dB8に記載された発明は、「遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機では、所定の抽選条件が成立したことに基づいて内部抽選が行われ、当該内部抽選の結果に応じて遊技者に特典が付与される構成が知られている。スロットマシンについて具体的には、遊技媒体としてのメダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されると、内部抽選が実施されるとともに、リールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップスイッチが操作された場合には、リールの回転が停止する。そして、リールの停止結果が内部抽選の結果に対応したものである場合には、結果に応じた特典が付与される(例えば特開2008-295707号公報参照)。」という背景技術について、「ここで、上記例示等した遊技機においては遊技の興趣向上を図る必要があり、この点について、未だ改良の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
なお、上記特徴dB1乃至特徴dB8の各構成に対して、特徴dA1乃至特徴dA22、特徴dB1乃至特徴dB8、特徴dC1乃至特徴dC12、特徴dD1乃至特徴dD10、特徴dE1乃至特徴dE11、特徴dF1乃至特徴dF8、特徴dG1乃至特徴dG9、特徴dH1乃至特徴dH8、特徴dI1乃至特徴dI12、特徴dJ1乃至特徴dJ8、特徴dK1乃至特徴dK9、特徴dL1乃至特徴dL7、特徴dM1乃至特徴dM12、特徴dN1乃至特徴dN11のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴dC群>
特徴dC1.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
各前記周回体の周回を開始するための開始操作が行われる始動操作手段(スタートレバー41)と、
各前記周回体の周回を停止するための停止操作が行われる停止操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させる開始駆動制御を実行し、前記停止操作手段が操作された場合に対応する前記周回体の周回を停止させる停止駆動制御を実行する駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与することの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が所定の結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、当該所定の結果に対応する所定の絵柄組合せが停止した場合に、前記所定の結果に対応する特典を付与する特典付与手段(主制御装置101によるメダル払出処理や再遊技設定用処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
前記抽選手段による抽選結果として、
前記停止操作手段が第1操作態様にて操作された場合は、前記有効位置に第1の絵柄組合せが停止可能となり、前記特典付与手段により第1特典(1枚のメダル払出)が付与される一方、
前記停止操作手段が前記第1操作態様とは異なる第2操作態様にて操作された場合は、前記有効位置に前記第1の絵柄組合せとは異なる第2の絵柄組合せが停止可能となり、前記特典付与手段により前記第1特典よりも遊技者にとって有利な第2特典(8枚のメダル払出)が付与されることとなる特殊結果(特殊役)が設定されており、
前記停止操作手段の操作態様の態様報知を所定の報知手段にて実行する態様報知手段(例えば主制御装置101による指示モニタ68による押し順報知を実行する機能)と、
前記態様報知手段による態様報知を実行し易くなる特定事象を生じさせることの特定判定を実行する特定判定手段(例えば、主制御装置101による開始時AT抽選用処理や停止時AT抽選用処理等、指示機能に関する処理を実行する機能)と、
を備え、
前記特定判定手段は、
前記抽選手段による抽選結果が前記特殊結果である特殊遊技において、前記停止操作手段が前記第1操作態様にて操作された場合には前記特定判定として第1特定判定を実行する一方、前記停止操作手段が前記第2操作態様にて操作された場合には前記特定判定として前記第1特定判定よりも前記特定事象が生じにくくなる第2特定判定を実行する又は前記特定判定を実行しないように設定されており、
前記特定判定手段による前記特定判定の結果が前記特定事象を生じさせることに対応する対応結果となった場合、当該対応結果となったことに対応する特定報知を当該遊技よりも後の前記特殊遊技にて実行可能な特定報知手段(主制御装置101による遅延フラグに基づく前兆コマンドを出力する処理や、表示制御装置81による開始時CZ演出設定処理において前兆コマンドに基づきゾロ目演出を行うようにする機能)を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、始動操作手段の操作に基づき遊技が開始されて当該遊技の抽選が行われ、停止操作手段の操作に基づき当該抽選の結果に対応する絵柄組合せが有効位置に停止すると当該抽選の結果に対応する特典が付与される所謂スロットマシンの遊技機において、停止操作手段を第1操作態様にて操作した場合には第1特典が付与されるとともに、態様報知が実行され易くなる特定事象を生じさせることの第1特定判定が実行される一方、停止操作手段を第2操作態様にて操作した場合には第2特典が付与されるとともに、特定事象を生じさせることの第2特定判定が実行される特殊結果が設定されており、第1特典よりも第2特典の方が遊技者にとって有利である一方、第1特定判定の方が第2特定判定よりも特定事象が生じ易くなるように設定されているため、特殊結果となった場合、特典付与手段により付与される特典の有利な側(第2操作態様)と、特定事象を生じさせるうえで有利な側(第1操作態様)との選択を遊技者に委ねる、といった斬新な遊技性を実現することが可能である。
しかも、上記構成においては、特定判定の結果が特定事象を生じさせる対応結果である場合、当該対応結果であることの特定報知が当該遊技ではなく、それ以後の、特殊結果に当選した特殊遊技にて実行される場合があるようにしている。つまり、特殊結果当選となった特殊遊技では、停止操作が行われた後にしか特定報知ができないといった不都合が生じ得るものの、かかる不都合を、それよりも以前の遊技での特定判定の結果報知を特殊遊技にて行うことでフォローする構成となる。このようにすることで、特殊結果を設けることによる遊技性向上の恩恵を享受しながらも、特殊結果当選となった特殊遊技での特定報知の自由度を劇的に向上させることができる。
特徴dC2.前記特定判定手段は、前記抽選手段による抽選結果が前記特殊結果とは異なる特定結果である特定遊技において、前記停止操作手段の操作態様に関わらず前記特定判定として第3特定判定を実行可能に設定されており、
前記特定報知手段は、前記特定判定手段による前記第3特定判定の結果が前記対応結果となった場合、当該対応結果となったことに対応する特定報知を、当該特定遊技よりも後の前記特殊遊技にて実行可能であることを特徴とする特徴dC1に記載の遊技機。
上記構成によれば、操作態様に関わらず第3特定判定が行われる特定遊技にて特定報知を行う代わりに、操作態様によって第1特定判定や第2特定判定が行われる特殊遊技にて特定報知が行われるようになり、操作態様と特定報知との関連性が強められる。よって、自らの操作態様によって対応結果を勝ち取った印象を強く与えることが可能となり、遊技の興趣向上に好適に寄与することができる。
特徴dC3.前記特定判定手段による前記第3特定判定の結果が前記対応結果となった場合、当該対応結果となったことに対応する特定報知を、当該特定遊技にて実行可能な第2特定報知手段(表示制御装置81による開始時CZ演出設定処理にてゾロ目演出が行われるように設定する処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴dC2に記載の遊技機。
上記構成によれば、操作態様に関わらず第3特定判定が行われる特定遊技にて特定報知が行われる場合もあるようになる。このようにすることで、特定遊技の注目度を低くし過ぎないようにしながらも、特殊遊技での特定報知の自由度を向上させるといった優れた効果を期待できるようになる。
特徴dC4.前記特定判定手段による前記第3特定判定の結果が前記対応結果となった場合、当該対応結果となったことに対応する特定報知を、当該特定遊技よりも後の遊技であって前記特殊遊技とは異なる遊技にて実行可能な第3特定報知手段(主制御装置101による遅延フラグ及びCZモードの終了に基づいて前兆コマンドを出力する処理や、表示制御装置81による開始時CZ演出設定処理において前兆コマンドに基づきゾロ目演出を行うようにする機能能)を備えていることを特徴とする特徴dC2又は特徴dC3に記載の遊技機。
上記構成によれば、操作態様に関わらず第3特定判定が行われる特定遊技にて特定報知を行わなかった場合に、特殊結果当選とならなくても特定報知が実行できるようなるため、いつまでも特定報知が行われない、といった不都合を好適に回避することができる。
特徴dC5.前記特定報知手段は、前記特殊遊技において、前記停止操作手段が前記第1操作態様にて操作された場合に前記特定報知を実行可能であり、且つ、前記停止操作手段が前記第2操作態様にて操作された場合に前記特定報知を実行可能であることを特徴とする特徴dC1乃至特徴dC4のいずれか1に記載の遊技機。
操作態様によって第1特定判定と第2特定判定が行われる特殊結果であっても、それ以前の特定判定の結果に対応する特定報知を特殊結果当選となった特殊遊技にて実行する構成であるため、当該特定報知は、操作態様に関わらず実行可能である。そこで、上記構成のように、いずれの操作態様であっても特定報知が行われるようにすることで、第1特定判定や第2特定判定(特に第2特定判定)の結果が対応結果となる確率が、実際よりも高い確率である印象を与えることが可能となる。このようにすることで、特に、第2操作態様にて操作して、第2の絵柄組合せが停止した場合であっても、特定事象の発生に期待させることが可能となる。
特徴dC6.前記第2の絵柄組合せは、前記抽選手段による抽選結果が前記特殊結果とは異なる特別結果(押し順ベル)である場合にも、前記有効位置に停止可能となる構成であることを特徴とする特徴dC1乃至特徴dC5のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特殊結果当選となった特殊遊技にて、それ以前の特定判定の結果に対応する特定報知が行われた場合、その特殊遊技での停止出目から、特殊結果当選であったのか、それとも特別結果当選であったのかが判別しにくくなる。つまり、特殊遊技にて特定報知を行う構成を利用して、特殊結果を契機として特定事象が生じる印象を与えるだけではなく、特別結果を契機として特定事象が生じる印象をも与えることが可能となる。これにより、遊技の興趣向上を図ることができる。
特徴dC7.前記抽選手段による抽選結果が前記特別結果である場合、前記停止操作手段が第1の操作態様にて操作された場合には、前記有効位置に前記第2の絵柄組合せが停止可能となり、前記停止操作手段が前記第1の操作態様とは異なる第2の操作態様にて操作された場合には、前記有効位置に前記第1の絵柄組合せ及び前記第2の絵柄組合せとは異なる第3の絵柄組合せが停止可能となることを特徴とする特徴dC6に記載の遊技機。
上記構成によれば、特殊結果当選時の特定報知によって、特別結果当選となった遊技での注目度を高めるうえで、特別結果当選時の操作態様によって、第2の絵柄組合せが停止する場合と、そうではない場合とがあるようになるため、特殊結果当選時に第2の絵柄組合せが停止して特定報知が行われたことを、特別結果当選時の操作態様が第1の操作態様であったからこそ実行されたものである、という印象を与えることができる。よって、所謂押し順役である既存の特別結果と、特殊結果との停止出目の共通性をうまく利用して、特別結果当選時の注目度を好適に高めることが可能となる。
特徴dC8.前記特定判定手段は、前記抽選手段による抽選結果が前記特別結果であることに基づいて前記特定判定を実行する場合、前記第1特定判定よりも前記対応結果となりにくくなるように当該特定判定を実行することを特徴とする特徴dC6又は特徴dC7に記載の遊技機。
上記構成によれば、特殊結果当選時にそれ以前の特定処理の結果に基づいて特定報知を行うとともに、特殊結果当選時に第2操作態様にて操作された場合の停止出目と、特別結果での停止出目の共通性を利用して、特別結果に基づく特定処理にて対応結果となることの印象を与えることも可能である。つまり、単に特別結果当選時にも特定報知を行うことで、特別結果であっても対応結果となることの印象を与えるのだけではなく、特殊結果に基づいて対応結果となる場合があること及び当該特殊結果との停止出目の共通性を利用することで、特別結果であっても対応結果となることの印象を与えるうえで嘘くささを低減することができ、当該印象を与え易くすることが可能となる。
特徴dC9.前記始動操作手段が操作されたことに基づいて、所定報知(押し順予想演出)を実行し、前記停止操作手段が第1特定順序にて操作されることで、前記特定判定の結果が前記対応結果であることを示唆する第1特別報知(正解演出)を実行し、前記停止操作手段が前記第1特定順序とは異なる第2特定順序で操作されることで、前記特定判定の結果が前記対応結果とは異なる結果であることを示唆する第2特別報知(不正解演出)を実行する特別演出実行手段(図325(c))を備え、
前記特別演出実行手段は、前記特定報知手段による前記特定報知が実行される前記特殊遊技にて、前記所定報知を実行し、前記停止操作手段が前記第2操作態様にて操作された場合に前記第1特別報知を実行することが可能であることを特徴とする特徴dC1乃至特徴dC8のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成のように、所定報知を実行した後、停止操作手段の操作順序に応じて特定判定の結果が特定結果であることを示唆する第1特別報知を実行したり、特定結果ではないことを示唆する第2特別報知を実行する、といったように、停止操作手段の操作順序を予想させるような演出が実行される場合があるような構成において、特殊結果当選となった特殊遊技において特定報知が実行される場合、特定判定として第2特定判定が実行される等の不利な側の第2操作態様にて操作された場合であっても、特定結果であることを示唆する第1特別報知を実行するようにすることで、第2操作態様にて操作して、第2の絵柄組合せが停止した場合であっても、特定事象の発生に期待させることが可能となる。
特徴dC10.前記第2の絵柄組合せは、前記抽選手段による抽選結果が前記特殊結果とは異なる特別結果(押し順ベル)である場合にも、前記有効位置に停止可能となる構成であり、
前記抽選手段による抽選結果が前記特別結果である場合、前記停止操作手段が第1の操作態様にて操作された場合には、前記有効位置に前記第2の絵柄組合せが停止可能となり、前記停止操作手段が前記第1の操作態様とは異なる第2の操作態様にて操作された場合には、前記有効位置に前記第1の絵柄組合せ及び前記第2の絵柄組合せとは異なる第3の絵柄組合せが停止可能となる構成であり、
前記特別演出実行手段は、前記抽選手段による抽選結果が前記特別結果である場合、前記所定報知を実行し、前記停止操作手段が前記第1の操作態様にて操作された場合に前記第1特別報知を実行することが可能であることを特徴とする特徴dC9に記載の遊技機。
上記構成によれば、特別結果当選時に第1の操作態様にて操作して、第2の絵柄組合せを停止させた場合、特定判定の結果が特定結果であることを示唆する第1特別報知が行われる場合がある。このようにすることで、特殊結果当選時に第2操作態様にて操作して第2の絵柄組合せを停止させた場合に第1特別報知が実行されるとともに、特定報知が実行されるといった特徴dC9との関係で、あたかも特別結果当選時に第2の絵柄組合せを停止させることに成功したことによって第1特別報知が実行された(特定結果を勝ち取った)ような印象を与えることが可能となる。以上の結果、特殊結果に当選した遊技だけではなく、特別結果に当選した遊技についても注目度を向上させることができ、遊技の興趣向上を好適に図ることが可能となる。
特徴dC11.前記特別演出実行手段は、前記抽選手段による抽選結果が前記特別結果である場合、前記所定報知を実行し、前記停止操作手段が前記第2の操作態様にて操作された場合に前記第2特別報知を実行することが可能であることを特徴とする特徴dC10に記載の遊技機。
上記構成によれば、特別結果に当選した場合において、第2の絵柄組合せを停止させることに成功した場合に第1特別報知が実行されることとの関係で、第2の絵柄組合せを停止させることに失敗した場合に第2特別報知が実行されるので、第1特別報知が操作順序や停止出目との関係で実行されている印象をより強めることができる。
特徴dC12.前記特定報知手段は、前記抽選手段による抽選結果が前記特別結果であって、前記特別演出実行手段によって前記第1特別報知が実行される遊技において、前記特定報知を実行しないようにすることが可能である(図325(d))ことを特徴とする特徴dC10又は特徴dC11に記載の遊技機。
上記構成によれば、特別結果当選時に第2の絵柄組合せを停止させることに成功し、第1特別報知が実行された場合であっても、対応結果であることの特定報知が実行されない場合がある。つまり、第2の絵柄組合せが停止して第1特別報知が実行された場合の一部で、特定報知が実行されることになる。このようにすることで、特別結果に当選した際に第2の絵柄組合せを停止させることができたのにもかかわらず、特定報知が実行されない(特定事象が生じない)こととの矛盾を解消することができる。
なお、上記特徴dC1乃至特徴dC12に記載された発明は、「遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機では、所定の抽選条件が成立したことに基づいて内部抽選が行われ、当該内部抽選の結果に応じて遊技者に特典が付与される構成が知られている。スロットマシンについて具体的には、遊技媒体としてのメダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されると、内部抽選が実施されるとともに、リールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップスイッチが操作された場合には、リールの回転が停止する。そして、リールの停止結果が内部抽選の結果に対応したものである場合には、結果に応じた特典が付与される(例えば特開2008-295707号公報参照)。」という背景技術について、「ここで、上記例示等した遊技機においては遊技の興趣向上を図る必要があり、この点について、未だ改良の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
なお、上記特徴dC1乃至特徴dC12の各構成に対して、特徴dA1乃至特徴dA22、特徴dB1乃至特徴dB8、特徴dC1乃至特徴dC12、特徴dD1乃至特徴dD10、特徴dE1乃至特徴dE11、特徴dF1乃至特徴dF8、特徴dG1乃至特徴dG9、特徴dH1乃至特徴dH8、特徴dI1乃至特徴dI12、特徴dJ1乃至特徴dJ8、特徴dK1乃至特徴dK9、特徴dL1乃至特徴dL7、特徴dM1乃至特徴dM12、特徴dN1乃至特徴dN11のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴dD群>
特徴dD1.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
各前記周回体の周回を開始するための開始操作が行われる始動操作手段(スタートレバー41)と、
各前記周回体の周回を停止するための停止操作が行われる停止操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させる開始駆動制御を実行し、前記停止操作手段が操作された場合に対応する前記周回体の周回を停止させる停止駆動制御を実行する駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与することの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が所定の結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、当該所定の結果に対応する所定の絵柄組合せが停止した場合に、前記所定の結果に対応する数の特典を付与する特典付与手段(主制御装置101によるメダル払出処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
前記抽選手段による抽選結果として、
前記停止操作手段が第1操作態様にて操作された場合は、前記有効位置に第1の絵柄組合せが停止可能となり、前記特典付与手段により第1特典(1枚のメダル払出)が付与される一方、
前記停止操作手段が前記第1操作態様とは異なる第2操作態様にて操作された場合は、前記有効位置に前記第1の絵柄組合せとは異なる第2の絵柄組合せが停止可能となり、前記特典付与手段により前記第1特典よりも遊技者にとって有利な第2特典(8枚のメダル払出)が付与されることとなる特殊結果(特殊役)が設定されており、
前記特典付与手段は、前記有効位置に前記第1の絵柄組合せが停止して前記第1特典を付与する場合には第1期間を要し、前記有効位置に前記第2の絵柄組合せが停止して前記第2特典を付与する場合には前記第1期間よりも長い第2期間を要する構成であり、
遊技者にとって有利な有利事象を生じさせる有利判定を実行する有利判定手段(例えば主制御装置101によるATモード移行抽選やAT上乗せ抽選を実行する機能)と、
前記有利判定手段による有利判定の結果が前記有利事象を生じさせることに対応する有利結果である場合、前記有利事象を生じさせる有利事象手段(例えば、主制御装置101によるATモードへ移行させる処理や上乗せを行う処理を実行する機能)と、
所定報知(爆弾演出)を開始した後、前記有利判定手段による有利判定の結果が前記有利結果であることに対応する有利内容(爆発演出)、及び前記有利判定手段による有利判定の結果が前記有利結果とは異なる結果であることに対応する非有利内容(不発演出)を含むいずれかの内容報知が行われる特定報知(CZモードの各ゲームの演出)を所定の報知手段にて実行する特定報知手段(表示制御装置81による開始時CZ演出設定処理や停止時CZ演出設定処理を実行する機能)と、
を備え、
各前記周回体が停止した後、前記第1期間が経過する第1タイミングの方が、各前記周回体が停止した後、前記第2期間が経過する第2タイミングよりも、前記特定報知手段による前記特定報知の前記内容報知が前記有利内容として実行され易いように設定されていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、始動操作手段の操作に基づき遊技が開始されて当該遊技の抽選が行われ、停止操作手段の操作に基づき当該抽選の結果に対応する絵柄組合せが有効位置に停止すると当該抽選の結果に対応する数の遊技価値が付与される所謂スロットマシンの遊技機において、抽選結果が特殊結果であれば、停止操作手段を第1操作態様にて操作した場合には第1特典が付与される一方、停止操作手段を第2操作態様にて操作した場合には第1特典よりも遊技者にとって有利な第2特典が付与されるため、特殊結果となった場合、特典の有利な側(第2操作態様)の操作を選択したほうが遊技者にとって有利となり得る。
また、遊技者にとって有利な有利事象を生じさせる有利判定が行われ、当該有利判定の結果が特定報知として報知される。特定報知は、所定報知を実行した後、有利事象の発生に対応する有利内容及び有利事象の発生に対応しない非有利内容のいずれかの内容報知が行われるように設定されているため、有利事象の発生を望む遊技者としては、特定報知が有利内容となることを期待するものと考えられる。
そして、各周回体の周回が停止した後、第1特典の付与が行われる期間である第1期間が経過した後の方が、第2特典の付与が行われる期間である第2期間が経過した後よりも、特定報知は有利内容となり易くなるように設定されている。
このようにすることで、より有利な特典を獲得したい気持ちと、特定報知を有利内容とさせて有利事象の発生を確定させたい気持ちといった、相反する気持ちを利用して、特殊結果当選となった遊技の遊技性を劇的に向上させることが可能となる。
特徴dD2.前記有利判定手段は、前記抽選手段による抽選結果が前記特殊結果である特殊遊技において、前記停止操作手段が前記第1操作態様にて操作された場合には前記有利判定として第1有利判定を実行する一方、前記停止操作手段が前記第2操作態様にて操作された場合には前記有利判定として前記第1有利判定よりも前記有利結果となりにくい第2有利判定を実行する又は前記有利判定を実行しないように設定されていることを特徴とする特徴dD1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特殊役当選となった特殊遊技においては、停止操作手段の操作態様によって有利判定の内容や実行の有無が異なり、第1特典が付与される側の第1操作態様の方が、第2特典が付与される側の第2操作態様よりも有利事象が生じ易くなる。上記のように、第1特典が付与される第1期間が経過する第1タイミングの方が、第2特典が付与される第2期間が経過する第2タイミングの方が、有利事象が生じることに対応する有利内容になり易いのであるから、このような構成であれば、特殊遊技における有利判定の内容や実行の有無と、付与される特典との関係が特定報知と合致するようになる。よって、有利判定と特定報知との矛盾を生じさせにくくすることができ、特定報知の信頼性を高め遊技の興趣向上に大いに役立てることが可能となる。
特徴dD3.前記特典付与手段は、前記第1特典よりも遊技者にとって有利であって、前記第2特典よりも遊技者によって不利な第3特典を付与する場合には、前記第1期間よりも長く前記第2期間よりも短い第3期間を要し、
前記抽選手段による抽選結果が特定結果であって、前記有効位置に前記特定結果に対応する絵柄組合せが停止した場合、当該特定結果に対応する特典として前記第3特典が前記特典付与手段により付与される構成であり、
各前記周回体が停止した後、前記第3期間が経過する第3タイミングでは、前記第1タイミングよりも前記特定報知手段による前記特定報知の前記内容報知が前記有利内容として実行されにくく、且つ、前記第2タイミングよりも前記特定報知手段による前記特定報知の前記内容報知が前記有利内容として実行され易いように設定されていることを特徴とする特徴dD1又は特徴dD2に記載の遊技機。
上記構成によれば、特殊結果当選時に付与され得る第1特典や第2特典だけではなく、他の特定結果当選時に付与され得る第3特典についても、特典付与に要する期間の長さに応じて、有利内容のなり易さが関連付けられているようになる。このようにすることで、従来からの、より有利度の高い特典を獲得しようとする遊技から脱却し、より有利度の低い特典を獲得することで、別の有利事象が生じ易くなる、といった斬新な遊技性を実現することが可能となる。
特徴dD4.前記抽選手段による抽選結果が特別結果である場合、前記有効位置に前記第2の絵柄組合せが停止可能となり、前記特典付与手段により前記第2特典が付与される構成であり、
各前記周回体が停止した後、前記第2期間が経過する前記第2タイミングにおいて、当該第2期間が前記特別結果を契機とする期間である場合には、前記特殊結果を契機とする期間である場合よりも、前記特定報知手段による前記特定報知の前記内容報知が前記有利内容として実行されにくいように設定されている又は前記有利内容とならないように設定されていることを特徴とする特徴dD1乃至特徴dD3のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特典付与に要する期間が同じ第2期間であっても、有利内容のなり易さは抽選結果によっても異なることとなる。特に、特殊結果である場合に第2特典が付与される場合と、特別結果である場合に第2特典が付与される場合とで停止出目が共通しており、当該停止出目からは有利内容のなり易さは把握することができない。このようにすることで、抽選結果と特典付与に要する期間との長さから内容報知の種類を予測する、という遊技性を実現することが可能となる。
特徴dD5.前記抽選手段による抽選結果が特別結果である場合、前記有効位置に前記第1の絵柄組合せとは異なる第3の絵柄組合せが停止可能となり、前記特典付与手段により前記第1特典が付与される構成であり、
各前記周回体が停止した後、前記第1期間が経過する前記第1タイミングにおいて、当該第1期間が前記特別結果を契機とする期間である場合には、前記特殊結果を契機とする期間である場合よりも、前記特定報知手段による前記特定報知の前記内容報知が前記有利内容として実行されにくいように設定されている又は前記有利内容とならないように設定されていることを特徴とする特徴dD1乃至特徴dD4のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特典付与に要する期間が同じ第1期間であっても、有利内容のなり易さは抽選結果によっても異なることとなる。特に、特殊結果である場合に第1特典が付与される場合と、特別結果である場合に第1特典が付与される場合とで停止出目が異なることから、当該停止出目と特典付与に要する期間との長さから内容報知の種類を予測する、という遊技性を実現することが可能となる。
特徴dD6.前記抽選手段による抽選結果が再遊技結果であって、前記有効位置に前記再遊技結果に対応する絵柄組合せが停止した場合、前記特典付与手段により前記特典として当該再遊技結果となった遊技と同数の賭数が設定される再遊技処理が実行される構成であり、
所定の前記再遊技結果(例えばチェリーA~C)である場合、所定数の賭数が前記再遊技処理にて設定される場合に第4期間を要し、特定の前記再遊技結果(例えば通常リプA~C)である場合、前記所定数の賭数が前記再遊技処理にて設定される場合に前記第4期間よりも長い第5期間を要するように設定されており、
各前記周回体が停止した後、前記第4期間が経過する第4タイミングの方が、各前記周回体が停止した後、前記第5期間が経過する第5タイミングよりも、前記特定報知手段による前記特定報知の前記内容報知が前記有利内容として実行され易いように設定されていることを特徴とする特徴dD1乃至特徴dD5のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、再遊技結果入賞に基づいて賭数が設定される期間の長さによっても、特定報知が有利内容となるなり易さが異なるようになり、より短い期間で賭数が設定される場合の方が有利内容となり易くなる。このようにすることで、他の特殊結果のように第1特典や第2特典が付与される場合の演出内容と、再遊技結果の場合の演出内容とを大きく異ならせる必要が生じず、比較的簡素な構成にて特徴dD1の斬新な遊技性を、再遊技結果でも実現することが可能となる。
特徴dD7.前記特典付与手段は、前記第1特典よりも遊技者にとって有利であって、前記第2特典よりも遊技者によって不利な第3特典を付与する場合には、前記第1期間よりも長く前記第2期間よりも短い第3期間を要し、
前記抽選手段による抽選結果が特定結果であって、前記有効位置に前記特定結果に対応する絵柄組合せが停止した場合、当該特定結果に対応する特典として前記第3特典が前記特典付与手段により付与される構成であり、
各前記周回体が停止した後、前記第3期間が経過する第3タイミングでは、前記第1タイミングよりも前記特定報知手段による前記特定報知の前記内容報知が前記有利内容として実行されにくく、且つ、前記第2タイミングよりも前記特定報知手段による前記特定報知の前記内容報知が前記有利内容として実行され易いように設定されており、
前記第4期間は前記第3期間と同じ又は略同じ長さの期間として設定されており、
前記所定の再遊技結果に基づいて各前記周回体が停止した後、前記第4タイミングとなった場合と、前記特定結果に基づいて各前記周回体が停止した後、前記第3タイミングとなった場合とで、前記特定報知手段による前記特定報知における前記有利内容の実行され易さが同じ又は同程度となるように設定されていることを特徴とする特徴dD6に記載の遊技機。
上記構成によれば、特殊結果当選時に付与され得る第1特典や第2特典だけではなく、他の特定結果当選時に付与され得る第3特典についても、特典付与に要する期間の長さに応じて、有利内容になり易さが関連付けられているようになる。このようにすることで、従来からの、より有利度の高い特典を獲得しようとする遊技から脱却し、より有利度の低い特典を獲得することで、別の有利事象が生じ易くなる、といった斬新な遊技性を実現することが可能となる。
そのうえで、所定の再遊技結果に基づいて所定数の賭数が設定される第4期間は第3期間の長さと同じ又は略同じ期間として設定されており、所定の再遊技結果である場合も特定結果である場合も周回体が停止してから第3期間や第4期間が経過した場合の有利内容のなり易さは共通している。このようにすることで、所謂小役結果や再遊技結果の種別に関わらず、周回体が停止してからの期間に応じて有利内容のなり易さが異なる、といった特徴dD1の斬新な遊技性を実現することができ、遊技の興趣向上に大いに役立てることが可能となる。
特徴dD8.前記特典付与手段は、前記第1特典よりも遊技者にとって有利であって、前記第2特典よりも遊技者によって不利な第3特典を付与する場合には、前記第1期間よりも長く前記第2期間よりも短い第3期間を要し、
前記抽選手段による抽選結果が特定結果であって、前記有効位置に前記特定結果に対応する絵柄組合せが停止した場合、当該特定結果に対応する特典として前記第3特典が前記特典付与手段により付与される構成であり、
各前記周回体が停止した後、前記第3期間が経過する第3タイミングでは、前記第1タイミングよりも前記特定報知手段による前記特定報知の前記内容報知が前記有利内容として実行されにくく、且つ、前記第2タイミングよりも前記特定報知手段による前記特定報知の前記内容報知が前記有利内容として実行され易いように設定されており、
前記第5期間は前記第3期間よりも長い期間として設定されており、
前記特定の再遊技結果に基づいて各前記周回体が停止した後、前記第5タイミングとなった場合よりも、前記特定結果に基づいて各前記周回体が停止した後、前記第3タイミングとなった場合の方が、前記特定報知手段による前記特定報知の前記内容報知が前記有利内容になり易いように設定されていることを特徴とする特徴dD6又は特徴dD7に記載の遊技機。
上記構成によれば、特殊結果当選時に付与され得る第1特典や第2特典だけではなく、他の特定結果当選時に付与され得る第3特典についても、特典付与に要する期間の長さに応じて、有利内容のなり易さが関連付けられているようになる。このようにすることで、従来からの、より有利度の高い特典を獲得しようとする遊技から脱却し、より有利度の低い特典を獲得することで、別の有利事象が生じ易くなる、といった斬新な遊技性を実現することが可能となる。
そのうえで、特定の再遊技結果に基づいて所定数の賭数が設定される第5期間は第3期間の長さよりも長い期間として設定されており、特定の再遊技結果である場合に周回体が停止してから第5期間が経過した場合は、特定結果である場合に周回体が停止してから第3期間が経過した場合のよりも有利内容になりにくいように設定されている。このようにすることで、所謂小役結果や再遊技結果の種別に関わらず、周回体が停止してからの期間に応じて有利内容になり易さが異なる、といった特徴dD1の斬新な遊技性を実現することができ、遊技の興趣向上に大いに役立てることが可能となる。
特徴dD9.前記停止操作手段は複数である特定数設けられており、
前記特定報知手段は、前記複数ある前記停止操作手段のうち、前記特定数の前記停止操作手段が操作された場合に、前記所定報知を開始させることを特徴とする特徴dD1乃至特徴dD8のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定報知において所定報知が開始されてから内容報知が有利内容となるまでの期間が、全周回体が停止してから特典付与が完了するまでの期間に対応付けられることになる。このようにすることで、周回体の停止後の期間ですら、遊技に組み込むことが可能となり、かかる構成を利用して遊技の興趣向上を好適に図ることができる。
特徴dD10.前記特定報知手段は、前記非有利内容の前記内容報知を実行した後は、前記有利判定手段による有利判定の結果に対応する結果報知を実行する一方、前記有利内容の前記内容報知を実行した後は、前記結果報知の前又は後で、前記有利事象が生じることに対応する対応報知(AT当選報知)を実行可能であることを特徴とする特徴dD1乃至特徴dD9のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成のように、有利内容の内容報知を行う場合には、対応報知と結果報知とセットで行われ、非有利内容の内容報知を行う場合には、結果報知だけが行われる構成において、特徴dD1のように、周回体が停止してからの期間が短いほど有利内容となり易いようにしておけば、対応報知の分の期間をうまく確保することが可能となり、演出用の期間の長さを有利判定の結果に応じて異ならせる必要が生じず、遊技進行の好適化を図りながらも、特徴dD1の優れた効果を期待することが可能となる。
なお、上記特徴dD1乃至特徴dD10に記載された発明は、「遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機では、所定の抽選条件が成立したことに基づいて内部抽選が行われ、当該内部抽選の結果に応じて遊技者に特典が付与される構成が知られている。スロットマシンについて具体的には、遊技媒体としてのメダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されると、内部抽選が実施されるとともに、リールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップスイッチが操作された場合には、リールの回転が停止する。そして、リールの停止結果が内部抽選の結果に対応したものである場合には、結果に応じた特典が付与される(例えば特開2008-295707号公報参照)。」という背景技術について、「ここで、上記例示等した遊技機においては遊技の興趣向上を図る必要があり、この点について、未だ改良の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
なお、上記特徴dD1乃至特徴dD10の各構成に対して、特徴dA1乃至特徴dA22、特徴dB1乃至特徴dB8、特徴dC1乃至特徴dC12、特徴dD1乃至特徴dD10、特徴dE1乃至特徴dE11、特徴dF1乃至特徴dF8、特徴dG1乃至特徴dG9、特徴dH1乃至特徴dH8、特徴dI1乃至特徴dI12、特徴dJ1乃至特徴dJ8、特徴dK1乃至特徴dK9、特徴dL1乃至特徴dL7、特徴dM1乃至特徴dM12、特徴dN1乃至特徴dN11のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴dE群>
特徴dE1.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
各前記周回体の周回を開始するための開始操作が行われる始動操作手段(スタートレバー41)と、
各前記周回体の周回を停止するための停止操作が行われる停止操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させる開始駆動制御を実行し、前記停止操作手段が操作された場合に対応する前記周回体の周回を停止させる停止駆動制御を実行する駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与することの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が所定の結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、当該所定の結果に対応する所定の絵柄組合せが停止した場合に、前記所定の結果に対応する特典を付与する特典付与手段(主制御装置101によるメダル払出処理や再遊技設定用処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
前記抽選手段による抽選結果として、
前記停止操作手段が第1操作態様にて操作された場合は、前記有効位置に第1の絵柄組合せが停止可能となり、前記特典付与手段により第1特典(1枚のメダル払出)が付与される一方、
前記停止操作手段が前記第1操作態様とは異なる第2操作態様にて操作された場合は、前記有効位置に前記第1の絵柄組合せとは異なる第2の絵柄組合せが停止可能となり、前記特典付与手段により前記第1特典よりも遊技者にとって有利な第2特典(8枚のメダル払出)が付与されることとなる特殊結果(特殊役)が設定されており、
前記抽選手段による抽選結果と、特定数値情報(AT抽選用乱数や上乗せ抽選用乱数)とを用いて、遊技者にとって有利な有利事象を生じさせる有利判定を実行する有利判定手段(例えば、主制御装置101による開始時AT抽選用処理や停止時AT抽選用処理等、指示機能に関する処理を実行する機能)を備え、
前記有利判定手段は、前記抽選手段による抽選結果が前記特殊結果である特殊遊技において、前記停止操作手段が前記第1操作態様にて操作された場合には前記有利判定として第1有利判定を実行する一方、前記停止操作手段が前記第2操作態様にて操作された場合には前記有利判定として前記第1有利判定よりも遊技者にとって不利となる第2有利判定を実行する又は前記有利判定を実行しないように設定されており、
前記特定数値情報が前記有利判定に用いられた場合の当該有利判定の結果を、当該有利判定が行われるよりも前に特定可能な先特定手段(主制御装置101による事前判定処理等を実行する機能)を備え、
前記先特定手段は、前記抽選手段による抽選結果が前記特殊結果である場合、前記特定数値情報が前記第1有利判定に用いられた場合の当該第1有利判定の結果を特定可能な第1先特定手段を備え、
前記特殊遊技において、所定の前記停止操作手段の操作が実行される前である特定タイミングにて、前記第1先特定手段による特定結果に対応する特定報知を実行可能な特定報知手段(表示制御装置81のよる第1停止ON時演出設定処理や、特定報知演出を行うための処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、始動操作手段の操作に基づき遊技が開始されて当該遊技の抽選が行われ、停止操作手段の操作に基づき当該抽選の結果に対応する絵柄組合せが有効位置に停止すると当該抽選の結果に対応する特典が付与される所謂スロットマシンの遊技機において、停止操作手段を第1操作態様にて操作した場合には第1特典が付与されるとともに、遊技者にとって有利となる有利事象を生じさせる有利判定として第1有利判定が実行される一方、停止操作手段を第2操作態様にて操作した場合には第2特典が付与されるとともに、有利判定として第2有利判定が実行される特殊結果が設定されており、第1特典よりも第2特典の方が遊技者にとって有利である一方、第1有利判定の方が第2有利判定よりも有利であるため、特殊結果となった場合、特典付与手段により付与される特典の有利な側(第2操作態様)と、有利判定が有利な側(第1操作態様)との選択を遊技者に委ねる、といった斬新な遊技性を実現することが可能である。
しかも、上記構成においては、このような操作態様によって付与される特典や有利判定が異なる特殊結果に当選した遊技において、その有利判定が行われるよりも前に、少なくとも第1操作態様にて操作されたと仮定したうえで、第1有利判定が実行された場合の当該第1有利判定の結果が特定され、その特定結果に対応する特定報知が、有利判定の実行タイミングよりも前に実行される場合がある。
このようにすることで、遊技者にとって有利な側の第1有利判定の結果が先に特定可能となり、当該有利な側の結果に応じた演出を事前に行うようにすることができるようになるため、当該有利判定の結果を前もって大いに煽る演出を設定することが可能となる。よって、演出設計の自由度が大幅に向上し、遊技の興趣向上を好適に図ることができる。
特徴dE2.前記特定報知手段は、前記第1操作態様と前記第2操作態様とのいずれの操作態様となるかの各前記停止操作手段の操作が行われるうえでの分岐タイミング(第1停止ON操作)以後のタイミングを前記特定タイミングとして前記特定報知が行われるようにする手段(表示制御装置81によるテンパイ演出を行うための処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴dE1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定報知によっていずれの操作態様にて操作するかを遊技者が決定することができなくなる。つまり、例えば、仮に特定報知の内容を操作前に完全に察知できるのであれば、その察知した内容が遊技者にとって好ましいものではなければ第2有利判定が行われるものの第2特典を獲得するように第2操作態様にて操作することも考えられるところ、上記のように特定報知を第1操作態様と第2操作態様との分岐タイミング以後で発生するようにすれば、特定報知に基づいていずれの操作態様とするかを決定できないようにしながら、有利判定前から当該有利判定の結果に対応する演出を開始することができる。
特徴dE3.複数設けられた前記停止操作手段のうち、特定の停止操作手段(左ストップスイッチ42)を特定番目(1番目)に操作することが前記第1操作態様となり、前記特定の停止操作手段とは異なる所定の停止操作手段(中ストップスイッチ43、右ストップスイッチ44)を前記特定番目に操作することが前記第2操作態様となり、前記分岐タイミングは、前記特定番目の前記停止操作手段が操作されたタイミングであることを特徴とする特徴dE2に記載の遊技機。
上記構成は特徴dE2の具体的構成であり、上記のようにすることで、いずれの停止操作手段を特定番目に操作するかを把握するだけでいずれの有利判定が実行されるかを判断することが可能となり、比較的簡素な構成にて特殊結果当選時の有利判定を行うことが可能となり、且つ、特殊結果当選時に先特定手段による特定を行うことが可能となる。
特徴dE4.前記特定の停止操作手段を前記特定番目に操作し、且つ当該特定の停止操作手段に対応する特定周回体における特定絵柄が特定範囲に存在しているタイミングで当該特定の停止操作手段を操作することが前記第1操作態様となり、前記特定の停止操作手段とは異なる所定の停止操作手段(中ストップスイッチ43、右ストップスイッチ44)を前記特定番目に操作すること、及び前記特定の停止操作手段を前記特定番目に操作し、且つ前記特定周回体における前記特定絵柄が前記特定範囲に存在しないタイミングで当該特定の停止操作手段を操作することが前記第2操作態様となるように設定されていることを特徴とする特徴dE3に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1操作態様や第2操作態様は、特定の停止操作手段を特定番目に操作するだけではなく、当該特定の停止操作手段の操作タイミングも含めて第1操作態様となるか第2操作態様となるかが異なるようになる。このようにすることで、第1操作態様を行うことの難易度が向上し、第1有利判定を行わせるための操作を含めて遊技性が向上するし、第1操作態様や第2操作態様にとらわれず操作する場合には、第2操作態様となる確率が高くなり、これにより有利な側の第2特典が得られ易くなる。よって、有利判定を行わせることを優先する遊技性と、有利判定を行わせることを優先しない遊技性とが大きく異なるようになり、いずれを選択するかの判断の楽しさを向上させることができる。
特徴dE5.前記特定報知手段は、前記特定報知を、前記特定番目よりも後の前記停止操作手段の操作に基づいて実行することが可能であることを特徴とする特徴dE3又は特徴dE4に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定報知は、操作態様の分岐タイミングである特定番目の操作よりも後の操作に基づいて実行されることとなる。このようにすることで、分岐タイミングで先特定手段による特定を行い、且つ特定報知を実行する、といった窮屈な処理構成とすることなく、特定報知を行ううえでの時間的猶予を確保することが可能となる。更に、特定番目の操作は操作態様の分岐タイミングとなるのであるから、遊技者としてもより慎重な操作を行おうとしているものと考えられるところ、このようなタイミングで特定報知を行ってしまうと、せっかくの特定報知が見逃されてしまう可能性がある。その点、上記のように分岐タイミングよりも後で特定報知を発生させるようにすることで、当該特定報知の見逃しを好適に抑制することができる。
特徴dE6.前記抽選手段による抽選結果が前記特殊結果とは異なる特定結果である遊技において、前記特定報知が前記特定タイミングにて行われるようにする第2特定報知手段(表示制御装置81による特殊役非当選時にテンパイ演出や特定報知演出を行うようにする処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴dE1乃至特徴dE5のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定報知が他の特定結果であっても発生するようになるため、特定報知が特殊結果の目印となりにくくなる。よって、報知内容から遊技結果を予測しにくくし、より純粋に報知を楽しませることが可能となる。
特徴dE7.前記有利判定手段は、前記抽選手段による抽選結果が前記特定結果である場合、前記停止操作手段が操作されるよりも前に前記有利判定としての第3有利判定を実行可能な構成であり、
前記第2特定報知手段は、前記第3有利判定の結果に基づいて前記特定報知を実行することを特徴とする特徴dE6に記載の遊技機。
上記構成によれば、操作態様によって有利判定の内容や実行の有無が異なる特殊結果とは異なり、特定結果であれば停止操作手段の操作前に第3有利判定が実行されるようになる。そして、特定結果に基づく特定報知は、第3有利判定の結果に基づく報知であるため、特定タイミングであっても事前の報知とならず、先特定手段といった特殊な処理を経る必要がない。つまり、このような構成を前提としたうえで、特殊結果当選となった特殊遊技での特定報知の実行タイミングを、当該特定結果当選時の特定報知の実行タイミングに合わせるようにして、特殊遊技だけが報知の態様が異なってしまう、といった違和感を与えないようにすることが可能となる。
特徴dE8.前記有利判定手段は、前記第1有利判定を実行する場合及び前記第2有利判定を実行する場合と、前記第3有利判定を実行する場合とで、同じ前記特定数値情報を用いることを特徴とする特徴dE7に記載の遊技機。
上記構成によれば、いずれの有利判定を行う場合であっても、共通の特定数値情報を用いる構成であるため、各有利判定に応じて特定数値情報をそれぞれ用意するよりも記憶容量の削減が図られる。しかも、取得時にいずれの抽選結果であるかが把握できていない場合や、いずれの操作態様となるかが把握できない場合であっても、取得用の処理を異ならせることなく共通の取得処理にて有利判定を行わせることが可能となり、処理構成の圧倒的な簡略化が図られる。
特徴dE9.前記先特定手段は、前記抽選手段による抽選結果が前記特殊結果である場合、前記特定数値情報が前記第2有利判定に用いられた場合の当該第2有利判定の結果を特定可能な第2先特定手段を備えていることを特徴とする特徴dE1乃至特徴dE8のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、有利な側の第1有利判定だけではなく、第2有利判定側も先特定するようにしているため、第2操作態様にて操作することで有利事象が生じるようになるような場面もカバーして、特定報知を行ったり、別の報知を行ったりすることも可能となり、特殊結果当選となった特殊遊技での報知やその報知に基づく遊技性の多様化を図ることが可能となる。
特徴dE10.前記先特定手段による特定結果が、前記第1有利判定が行われた場合に当該第1有利判定の結果が前記有利事象を生じさせることに対応しない結果である場合、前記第1有利判定が行われた場合に当該第1有利判定の結果が前記有利事象を生じさせることに対応する結果である場合にも実行され得る報知態様にて前記特定報知手段による前記特定報知を実行させる手段(表示制御装置81による第1操作当選予告コマンド等を受信していない場合であってもテンパイ演出を発生させる処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴dE1乃至特徴dE9のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定報知から、第1操作態様にて操作しても有利事象が生じないこと、すなわち、第1操作態様ではなく第2操作態様にて操作すべきことが確定しないようになる。このようにすることで、特定報知が、第2特典を得やすくする指標となりにくくなり、遊技の公平性を担保することが可能となる。
特徴dE11.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
各前記周回体の周回を開始するための開始操作が行われる始動操作手段(スタートレバー41)と、
各前記周回体の周回を停止するための停止操作が行われる停止操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させる開始駆動制御を実行し、前記停止操作手段が操作された場合に対応する前記周回体の周回を停止させる停止駆動制御を実行する駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与することの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が所定の結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、当該所定の結果に対応する所定の絵柄組合せが停止した場合に、前記所定の結果に対応する特典を付与する特典付与手段(主制御装置101によるメダル払出処理や再遊技設定用処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
前記抽選手段による抽選結果として、
前記停止操作手段が第1操作態様にて操作された場合は、前記有効位置に第1の絵柄組合せが停止可能となり、前記特典付与手段により第1特典(1枚のメダル払出)が付与される一方、
前記停止操作手段が前記第1操作態様とは異なる第2操作態様にて操作された場合は、前記有効位置に前記第1の絵柄組合せとは異なる第2の絵柄組合せが停止可能となり、前記特典付与手段により前記第1特典よりも遊技者にとって有利な第2特典(8枚のメダル払出)が付与されることとなる特殊結果(特殊役)が設定されており、
前記抽選手段による抽選結果と、特定数値情報(AT抽選用乱数や上乗せ抽選用乱数)とを用いて、遊技者にとって有利な有利事象を生じさせる有利判定を実行する有利判定手段(例えば、主制御装置101による開始時AT抽選用処理や停止時AT抽選用処理等、指示機能に関する処理を実行する機能)を備え、
前記有利判定手段は、前記抽選手段による抽選結果が前記特殊結果である特殊遊技において、前記停止操作手段が前記第1操作態様にて操作された場合には前記有利判定として第1有利判定を実行する一方、前記停止操作手段が前記第2操作態様にて操作された場合には前記有利判定として前記第1有利判定よりも遊技者にとって不利となる第2有利判定を実行する又は前記有利判定を実行しないように設定されており、
前記特定数値情報が前記有利判定に用いられた場合の当該有利判定の結果を、当該有利判定が行われるよりも前に特定可能な先特定手段(主制御装置101による事前判定処理等を実行する機能)を備え、
前記特殊遊技において、所定の前記停止操作手段の操作が実行される前である特定タイミングにて、前記先特定手段による特定結果に対応する特定報知を実行可能な特定報知手段(表示制御装置81のよる第1停止ON時演出設定処理や、特定報知演出を行うための処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、始動操作手段の操作に基づき遊技が開始されて当該遊技の抽選が行われ、停止操作手段の操作に基づき当該抽選の結果に対応する絵柄組合せが有効位置に停止すると当該抽選の結果に対応する特典が付与される所謂スロットマシンの遊技機において、停止操作手段を第1操作態様にて操作した場合には第1特典が付与されるとともに、遊技者にとって有利となる有利事象を生じさせる有利判定として第1有利判定が実行される一方、停止操作手段を第2操作態様にて操作した場合には第2特典が付与されるとともに、有利判定として第2有利判定が実行される特殊結果が設定されており、第1特典よりも第2特典の方が遊技者にとって有利である一方、第1有利判定の方が第2有利判定よりも有利であるため、特殊結果となった場合、特典付与手段により付与される特典の有利な側(第2操作態様)と、有利判定が有利な側(第1操作態様)との選択を遊技者に委ねる、といった斬新な遊技性を実現することが可能である。
しかも、上記構成においては、このような操作態様によって付与される特典や有利判定が異なる特殊結果に当選した遊技において、その有利判定が行われるよりも前に、有利判定が実行された場合の当該有利判定の結果が特定され、その特定結果に対応する特定報知が、有利判定の実行タイミングよりも前に実行される場合がある。
このようにすることで、有利判定の結果に応じた演出を事前に行うことが可能となるため、当該有利判定の結果を前もって大いに煽る演出を設定することができる。よって、演出設計の自由度が大幅に向上し、遊技の興趣向上を好適に図ることができる。
なお、上記特徴dE11に対して、特徴dE1乃至特徴dE10のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。
なお、上記特徴dE1乃至特徴dE11に記載された発明は、「遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機では、所定の抽選条件が成立したことに基づいて内部抽選が行われ、当該内部抽選の結果に応じて遊技者に特典が付与される構成が知られている。スロットマシンについて具体的には、遊技媒体としてのメダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されると、内部抽選が実施されるとともに、リールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップスイッチが操作された場合には、リールの回転が停止する。そして、リールの停止結果が内部抽選の結果に対応したものである場合には、結果に応じた特典が付与される(例えば特開2008-295707号公報参照)。」という背景技術について、「ここで、上記例示等した遊技機においては遊技の興趣向上を図る必要があり、この点について、未だ改良の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
なお、上記特徴dE1乃至特徴dE11の各構成に対して、特徴dA1乃至特徴dA22、特徴dB1乃至特徴dB8、特徴dC1乃至特徴dC12、特徴dD1乃至特徴dD10、特徴dE1乃至特徴dE11、特徴dF1乃至特徴dF8、特徴dG1乃至特徴dG9、特徴dH1乃至特徴dH8、特徴dI1乃至特徴dI12、特徴dJ1乃至特徴dJ8、特徴dK1乃至特徴dK9、特徴dL1乃至特徴dL7、特徴dM1乃至特徴dM12、特徴dN1乃至特徴dN11のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴dF群>
特徴dF1.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
各前記周回体の周回を開始するための開始操作が行われる始動操作手段(スタートレバー41)と、
各前記周回体の周回を停止するための停止操作が行われる停止操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させる開始駆動制御を実行し、前記停止操作手段が操作された場合に対応する前記周回体の周回を停止させる停止駆動制御を実行する駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与することの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が所定の結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、当該所定の結果に対応する所定の絵柄組合せが停止した場合に、前記所定の結果に対応する特典を付与する特典付与手段(主制御装置101によるメダル払出処理や再遊技設定用処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
前記抽選手段による抽選結果として、
前記停止操作手段が第1操作態様にて操作された場合は、前記有効位置に第1の絵柄組合せが停止可能となり、前記特典付与手段により第1特典(1枚のメダル払出)が付与される一方、
前記停止操作手段が前記第1操作態様とは異なる第2操作態様にて操作された場合は、前記有効位置に前記第1の絵柄組合せとは異なる第2の絵柄組合せが停止可能となり、前記特典付与手段により前記第1特典よりも遊技者にとって有利な第2特典(8枚のメダル払出)が付与されることとなる特殊結果(特殊役)が設定されており、
前記抽選手段による抽選結果と、特定数値情報(AT抽選用乱数や上乗せ抽選用乱数)とを用いて、遊技者にとって有利な有利事象を生じさせる有利判定を実行する有利判定手段(例えば、主制御装置101による開始時AT抽選用処理や停止時AT抽選用処理等、指示機能に関する処理を実行する機能)を備え、
前記有利判定手段は、前記抽選手段による抽選結果が前記特殊結果である特殊遊技において、前記停止操作手段が前記第1操作態様にて操作された場合には前記有利判定として第1有利判定を実行する一方、前記停止操作手段が前記第2操作態様にて操作された場合には前記有利判定として前記第1有利判定よりも遊技者にとって不利となる第2有利判定を実行する又は前記有利判定を実行しないように設定されており、
前記特定数値情報が前記有利判定に用いられた場合の当該有利判定の結果を、当該有利判定が行われるよりも前に特定可能な先特定手段(主制御装置101による事前判定処理等を実行する機能)と、
前記特殊遊技において、所定の前記停止操作手段の操作が実行される前である特定タイミングにて、前記先特定手段による特定結果に対応する特定報知を実行可能な特定報知手段(表示制御装置81のよる第1停止ON時演出設定処理や、特定報知演出を行うための処理を実行する機能)と、
前記先特定手段による特定結果が、前記第1有利判定が行われた場合に当該第1有利判定の結果が前記有利事象を生じさせることに対応しない結果である場合、前記第1有利判定が行われた場合に当該第1有利判定の結果が前記有利事象を生じさせることに対応する結果である場合にも実行され得る報知態様にて前記特定報知手段による前記特定報知を実行させる制限手段(表示制御装置81による第1操作当選予告コマンド等を受信していない場合であってもテンパイ演出を発生させる処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、始動操作手段の操作に基づき遊技が開始されて当該遊技の抽選が行われ、停止操作手段の操作に基づき当該抽選の結果に対応する絵柄組合せが有効位置に停止すると当該抽選の結果に対応する特典が付与される所謂スロットマシンの遊技機において、停止操作手段を第1操作態様にて操作した場合には第1特典が付与されるとともに、遊技者にとって有利となる有利事象を生じさせる有利判定として第1有利判定が実行される一方、停止操作手段を第2操作態様にて操作した場合には第2特典が付与されるとともに、有利判定として第2有利判定が実行される特殊結果が設定されており、第1特典よりも第2特典の方が遊技者にとって有利である一方、第1有利判定の方が第2有利判定よりも有利であるため、特殊結果となった場合、特典付与手段により付与される特典の有利な側(第2操作態様)と、有利判定が有利な側(第1操作態様)との選択を遊技者に委ねる、といった斬新な遊技性を実現することが可能である。
しかも、上記構成においては、このような操作態様によって付与される特典や有利判定が異なる特殊結果に当選した遊技において、その有利判定が行われるよりも前に、有利判定が実行された場合の当該有利判定の結果が特定され、その特定結果に対応する特定報知が、有利判定の実行タイミングよりも前に実行される場合がある。
このようにすることで、有利判定の結果に応じた演出を事前に行うことができるようになるため、当該有利判定の結果を前もって大いに煽る演出を設定することが可能となる。
但し、有利判定の結果が事前に察知できることを通じて、いずれの操作態様にて操作すべきかが判断できてしまうと、遊技の公平性が担保しにくくなる。つまり、第1操作態様にて操作したとしても有利な側の第1有利判定の結果が有利事象を生じさせることに対応する結果とならないのであるのであれば、いっそのこと第2操作態様にて操作して、第2特典を獲得する、といった行為も行われ得る。その点、上記構成においては、特定報知が行われた場合に第1有利判定が行われたとしても有利事象を生じさせることに対応しない結果となることが確定しないようにする制限手段を備えていることから、上記の行為が行われにくくなる。よって、遊技の公平性を担保しながらも、特定報知による演出効果を好適に期待することが可能となる。
なお、上記構成における「前記先特定手段による特定結果が、前記第1有利判定が行われた場合に当該第1有利判定の結果が前記有利事象を生じさせることに対応しない結果である場合、前記第1有利判定が行われた場合に当該第1有利判定の結果が前記有利事象を生じさせることに対応する結果である場合にも実行され得る報知態様にて前記特定報知手段による前記特定報知を実行させる手段を備えている」は、「前記特定報知手段は前記第1有利判定の結果が前記有利事象を生じさせないことに対応する結果となることが確定しないように当該特定報知を実行する」と表現してもよく、「前記特定報知手段により前記特定報知が実行された場合であって前記第1有利判定が実行された場合に、当該第1有利判定の結果が前記有利事象を生じさせることに対応する結果となる場合があり、且つ、前記特定報知手段により前記特定報知が実行された場合であって前記第1有利判定が実行された場合に、当該第1有利判定の結果が前記有利事象を生じさせないことに対応する結果となる場合があるように、当該特定報知の報知態様が設定されている」等と表現してもよい。
特徴dF2.前記先特定手段による特定結果が、前記第1有利判定が行われた場合に当該第1有利判定の結果が前記有利事象を生じさせることに対応する結果である場合、前記第1有利判定が行われた場合に当該第1有利判定の結果が前記有利事象を生じさせることに対応しない結果である場合には実行されない報知態様(確定演出)にて前記特定報知手段による前記特定報知を実行させることが許容されていることを特徴とする特徴dF1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1操作態様にて操作を行えば有利事象が生じることが確定するような報知態様での特定報知は許容されていることから、有利事象が生じないことが確定してしまうような報知態様は制限するようにすることによって特定報知自体の信頼性が低下してしまうことを解消するだけではなく、信頼性を向上させることも可能であり、特定報知への注目度を好適に高めることができる。
特徴dF3.前記特定報知手段は、所定の報知手段にて特別報知(テンパイ演出)が実行されることを前記特定報知として実行し、
前記先特定手段による特定結果が、前記第1有利判定が行われた場合に当該第1有利判定の結果が前記有利事象を生じさせることに対応しない結果である場合であっても、前記特別報知が実行される場合があるように設定されていることを特徴とする特徴dF1又は特徴dF2に記載の遊技機。
上記構成は特徴dF1の具体的構成であり、上記構成のように、先特定手段による特定結果に関わらず特別報知が実行され得るような構成とすれば、特定報知を特別報知の実行の有無といった比較的簡素な構成にて特徴dF1の優れた効果を奏することが可能となる。
特徴dF4.前記特殊遊技にて前記特別報知を実行することの実行抽選を行う実行抽選手段(表示制御装置81によるテンパイ演出抽選処理を実行する機能)を備え、
前記先特定手段による特定結果が、前記第1有利判定が行われた場合に当該第1有利判定の結果が前記有利事象を生じさせることに対応する結果となる場合、前記実行抽選手段による前記実行抽選にて前記特別報知を実行することに対応する実行結果となる確率が当該第1有利判定の結果が前記有利事象を生じさせることに対応しない結果である場合よりも高くなる又は、前記実行抽選を経ることなく前記特別報知を実行するように設定されていることを特徴とする特徴dF3に記載の遊技機。
上記構成によれば、特別報知の実行抽選の当選確率を調節したり、実行抽選の有無を異ならせるだけで、先特定手段による特定結果を報知することが可能となり、有利判定の結果を事前に報知するようにしながらも、極めて簡素な構成にて特徴dF1の効果を奏することが可能となる。
特徴dF5.前記有利判定の結果が前記有利事象を生じさせることに対応する対応結果である場合において当該有利判定の結果に対応する結果報知を行う場合、当該有利判定の結果が前記有利事象を生じさせることに対応しない非対応結果を前記結果報知として実行した後、所定報知を実行し、前記対応結果を前記結果報知として実行する第1結果報知手段(表示制御装置81によるAT当選時の爆弾演出を実行する機能)と、
前記有利判定の結果が前記非対応結果である場合において当該有利判定の結果に対応する結果報知を行う場合、前記非対応結果を前記結果報知として実行した後、前記所定報知を実行し、前記非対応結果を前記結果報知として実行する第2結果報知手段(表示制御装置81によるAT非当選時の爆弾演出を実行する機能)と、
前記先特定手段による特定結果が、前記有利判定の結果が前記対応結果であるとの結果であって、前記特定報知手段により前記特定報知が行われる場合、前記第1結果報知手段による前記結果報知が行われるようにする手段(表示制御装置81による第1操作当選予告コマンド等を受信している場合に爆弾演出を発生させる処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴dF1乃至特徴dF4のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、有利判定の結果が有利事象を生じさせることに対応する対応結果である場合の結果報知を行う際に、有利事象を生じさせることに対応しない非対応結果を結果報知として報知してから、所定報知を介して対応結果を結果報知として報知したり、所定報知を介するものの非対応結果のままで終了したりする、所謂復活演出が設けられており、特定報知を行う場合、非対応結果としてから所定報知を介して対応結果となるようにしている。つまり、特定報知が行われて、一旦、有利事象の発生に対応しない非対応結果が結果報知として報知されたとしても、その後、復活して対応結果が結果報知として報知される可能性があるのであるから、特定報知の態様やその実行の有無から有利判定の結果が非対応結果となるのではと予測できたとしても、それだけで第2操作態様としてしまうと、上記の復活の可能性を自らの操作によって無くしてしまうことになる。このようにすることで、特定報知による演出効果を期待しながらも、特定報知が第2特典を効率的に獲得できる目印とならないようにすることが可能となる。
特徴dF6.前記先特定手段による特定結果が、前記有利判定の結果が前記非対応結果であるとの結果であって、前記特定報知手段により前記特定報知が行われる場合、前記第2結果報知手段による前記結果報知が行われるようにする手段(表示制御装置81による第1操作当選予告コマンド等を受信していなくても爆弾演出を発生させる処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴dF5に記載の遊技機。
上記構成によれば、有利判定の結果を事前に特定した結果、その有利判定が有利事象を生じさせることに対応しない非対応結果であるとの特定結果であった場合も、一旦、非対応結果としてから所定報知を介して更に非対応結果となるように結果報知が行われる。このように、仮に有利判定の結果が非対応結果であっても所謂復活演出が行われるようにすることで、有利判定の結果が対応結果である場合の復活演出との区別がつきにくく、これにより、特定報知が第2特典を効率的に獲得できる目印とならないようにすることが可能となる。
特徴dF7.前記停止操作手段を複数である特定数有し、
前記第1結果報知手段及び前記第2結果報知手段は、前記特定数の前記停止操作手段が操作された場合に前記所定報知を実行することを特徴とする特徴dF5又は特徴dF6に記載の遊技機。
上記構成によれば、全ての停止操作手段を操作することで所定報知が発生するようになる。つまり、第1結果報知手段や第2結果報知手段によって結果報知が行われた後、所定報知を介して正しい結果報知に切り替わる(そのままとされる)うえで、所定報知は、全ての停止操作手段が操作された場合に発生し、正しい結果報知は、停止操作手段の操作が完了した後となる。このようにすることで、操作態様によって有利判定の内容や実行の有無が異なる構成において、事前にその結果を特定報知として報知しながらも、最後まで停止操作手段の操作と報知の展開とを楽しませることが可能となる。
特徴dF8.前記特定報知は、前記特定数の前記停止操作手段が操作されるよりも前に実行されることを特徴とする特徴dF7に記載の遊技機。
上記構成のようにすることで、特定報知が有利判定の前に実行されることが明確化され、特定報知による演出効果を好適に期待することが可能となる。
なお、上記特徴dF1乃至特徴dF8に記載された発明は、「遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機では、所定の抽選条件が成立したことに基づいて内部抽選が行われ、当該内部抽選の結果に応じて遊技者に特典が付与される構成が知られている。スロットマシンについて具体的には、遊技媒体としてのメダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されると、内部抽選が実施されるとともに、リールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップスイッチが操作された場合には、リールの回転が停止する。そして、リールの停止結果が内部抽選の結果に対応したものである場合には、結果に応じた特典が付与される(例えば特開2008-295707号公報参照)。」という背景技術について、「ここで、上記例示等した遊技機においては遊技の興趣向上を図る必要があり、この点について、未だ改良の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
なお、上記特徴dF1乃至特徴dF8の各構成に対して、特徴dA1乃至特徴dA22、特徴dB1乃至特徴dB8、特徴dC1乃至特徴dC12、特徴dD1乃至特徴dD10、特徴dE1乃至特徴dE11、特徴dF1乃至特徴dF8、特徴dG1乃至特徴dG9、特徴dH1乃至特徴dH8、特徴dI1乃至特徴dI12、特徴dJ1乃至特徴dJ8、特徴dK1乃至特徴dK9、特徴dL1乃至特徴dL7、特徴dM1乃至特徴dM12、特徴dN1乃至特徴dN11のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴dG群>
特徴dG1.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
各前記周回体の周回を開始するための開始操作が行われる始動操作手段(スタートレバー41)と、
各前記周回体の周回を停止するための停止操作が行われる停止操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させる開始駆動制御を実行し、前記停止操作手段が操作された場合に対応する前記周回体の周回を停止させる停止駆動制御を実行する駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与することの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が所定の結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、当該所定の結果に対応する所定の絵柄組合せが停止した場合に、前記所定の結果に対応する特典を付与する特典付与手段(主制御装置101によるメダル払出処理や再遊技設定用処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
前記抽選手段による抽選結果として、
前記停止操作手段が第1操作態様にて操作された場合は、前記有効位置に第1の絵柄組合せが停止可能となり、前記特典付与手段により第1特典(1枚のメダル払出)が付与される一方、
前記停止操作手段が前記第1操作態様とは異なる第2操作態様にて操作された場合は、前記有効位置に前記第1の絵柄組合せとは異なる第2の絵柄組合せが停止可能となり、前記特典付与手段により前記第1特典よりも遊技者にとって有利な第2特典(8枚のメダル払出)が付与されることとなる特殊結果(特殊役)が設定されており、
前記抽選手段による抽選結果と、特定数値情報(AT抽選用乱数や上乗せ抽選用乱数)とを用いて、遊技者にとって有利な有利事象を生じさせる有利判定を実行する有利判定手段(例えば、主制御装置101による開始時AT抽選用処理や停止時AT抽選用処理等、指示機能に関する処理を実行する機能)を備え、
前記有利判定手段は、前記抽選手段による抽選結果が前記特殊結果である特殊遊技において、前記停止操作手段が前記第1操作態様にて操作された場合には前記有利判定として第1有利判定を実行する一方、前記停止操作手段が前記第2操作態様にて操作された場合には前記有利判定として前記第1有利判定よりも遊技者にとって不利となる第2有利判定を実行する又は前記有利判定を実行しないように設定されており、
前記特定数値情報が前記有利判定に用いられた場合の当該有利判定の結果を、当該有利判定が行われるよりも前に特定可能な先特定手段(主制御装置101による事前判定処理等を実行する機能)と、
前記先特定手段による特定結果が、前記第1有利判定が行われた場合に当該第1有利判定の結果が前記有利事象を生じさせることに対応しない非対応結果である場合、前記特殊遊技における所定の前記停止操作手段の操作が実行される前である特定タイミングにて、当該非対応結果に対応する特定報知を実行可能な特定報知手段(表示制御装置81による特定報知演出を行うための処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、始動操作手段の操作に基づき遊技が開始されて当該遊技の抽選が行われ、停止操作手段の操作に基づき当該抽選の結果に対応する絵柄組合せが有効位置に停止すると当該抽選の結果に対応する特典が付与される所謂スロットマシンの遊技機において、停止操作手段を第1操作態様にて操作した場合には第1特典が付与されるとともに、遊技者にとって有利となる有利事象を生じさせる有利判定として第1有利判定が実行される一方、停止操作手段を第2操作態様にて操作した場合には第2特典が付与されるとともに、有利判定として第2有利判定が実行される特殊結果が設定されており、第1特典よりも第2特典の方が遊技者にとって有利である一方、第1有利判定の方が第2有利判定よりも有利であるため、特殊結果となった場合、特典付与手段により付与される特典の有利な側(第2操作態様)と、有利判定が有利な側(第1操作態様)との選択を遊技者に委ねる、といった斬新な遊技性を実現することが可能である。
しかも、上記構成においては、このような操作態様によって付与される特典や有利判定が異なる特殊結果に当選した遊技において、その有利判定が行われるよりも前に、第1有利判定が実行されたと仮定し、当該第1有利判定の結果が特定され、その特定結果が有利事象を生じさせることに対応しない非対応結果である場合は、当該非対応結果であることに対応する特定報知が、有利判定の実行タイミングよりも前に実行される場合がある。このようにすることで、当該特殊結果当選時において、第1操作態様にて操作したとしても有利な側の第1有利判定の結果が有利事象を生じさせることに対応する結果とならないのであるから、第2操作態様にて操作して第2特典を獲得させる、といった遊技性を実現することが可能となる。よって、遊技の興趣向上を図ることができる。
特徴dG2.前記特定報知手段は、前記特定タイミングとして前記始動操作手段が操作された場合に前記特定報知を行うようにすることが可能であることを特徴とする特徴dG1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定報知は停止操作手段の操作前である始動操作手段の操作時に実行される。このようにすることで、特定報知によって第1操作態様ではなく第2操作態様を行わせるうえで、既に第1操作態様にて操作してしまった後で特定報知が実行される、といった無意味な演出としないようにすることが可能となる。
特徴dG3.前記特定報知の実行判定を行う実行判定手段(表示制御装置81によるナビモード抽選処理を実行する機能)を備え、
前記特定報知手段は、前記実行判定手段による実行判定の結果が前記特定報知を実行することに対応する実行結果である場合に前記特定報知を実行することを特徴とする特徴dG1又は特徴dG2に記載の遊技機。
上記構成によれば、特殊結果当選となり、且つ第1有利判定の結果が非対応結果となる場合であっても、実行判定に当選しなければ特定報知は実行されない。このように、第1有利判定に当選となり有利事象を生じさせる遊技に、第1有利判定に非当選となり有利事象が生じない代わりに第2操作態様にて第2特典を得る遊技を追加するうえで、当該第2特典を得る遊技では実行判定に当選する必要もあるようになる。そのため、第1有利判定に当選となることを目指すとともに、第1有利判定に非当選となるならば、せめて実行判定は当選して欲しい、といったように多段階的に期待させる遊技が実現され、遊技の興趣向上を好適に図ることが可能となる。
特徴dG4.前記特典付与手段により付与される前記特典の増減率又は増減態様に変化を生じさせることが可能な設定値が複数設定されており、当該複数の設定値のうちの一の設定値を設定する設定手段(主制御装置101による当選確率の設定処理を実行する機能)を備え、
前記設定手段により第1設定値が設定されている場合と前記第1設定値よりも遊技者にとって有利となる第2設定値が設定されている場合とで、前記第1有利判定の結果が前記有利事象を生じさせることに対応する対応結果となる確率は共通している一方、前記設定手段により前記第1設定値が設定されている場合と前記第2設定値が設定されている場合とで、前記実行判定手段による実行判定の結果が前記実行結果となる確率が異なっていることを特徴とする特徴dG3に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1有利判定の当選確率を設定値によって異ならせなくても、実行判定の当選確率を設定値によって異ならせることで、特殊結果当選時の第2特典の獲得率を設定値によって異ならせることが可能となる。このようにすることで、出玉率等を設計するうえで、有利事象の発生率を異ならせることなく、単位遊技価値で遊技できる遊技数(所謂ベース)を設定値によって異ならせることが可能となる。
特徴dG5.遊技状態として、前記特定報知手段による前記特定報知が実行される特定状態(ナビモード)と、当該特定状態よりも前記特定報知手段による前記特定報知が実行されにくい又は前記特定報知が実行されない非特定状態(通常モード)と、が設定されており、
移行条件(ナビモード当選)が成立した場合に、前記非特定状態から前記特定状態に移行させる手段(表示制御装置81によるナビモードフラグをセットする処理を実行する機能)と、
終了条件(ATモード移行)が成立した場合、前記特定状態から前記非特定状態に移行させる手段(表示制御装置81によるナビモードフラグをクリアする処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴dG1乃至特徴dG4のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定状態に移行することで、特定報知が発生し易くなるため、特殊役当選時に第2特典を獲得しながら効率的に有利事象を生じさせる有利判定を受けることが可能となる。このような、特定状態を設定することで、遊技の興趣向上を図るうえで、大いに役立てることが可能となる。
なお、「特定状態」を「第1状態」、「非特定状態」を「第2状態」と表現してもよい。
特徴dG6.前記特典付与手段は、遊技に供される遊技価値を前記特典として付与し、
前記第1特典は第1数の遊技価値であり、
前記第2特典は前記第1数よりも多い第2数の遊技価値であり、
単位遊技価値当たりで実行可能な平均遊技数又は単位遊技当たり増加する遊技価値の平均増加数は、前記非特定状態において前記特殊遊技を前記第1操作態様にて操作する第1遊技態様よりも、前記特定状態において前記特殊遊技にて前記特定報知が行われた場合には前記第2操作態様にて操作し、当該特殊遊技にて前記特定報知が行われなかった場合には前記第1操作態様にて操作する第2遊技態様の方が多くなり、
更に、前記単位遊技価値当たりで実行可能な平均遊技数又は単位遊技当たりで増加する遊技価値の平均増加数は、前記特定状態において前記特殊遊技にて前記特定報知が行われた場合には前記第2操作態様にて操作し、当該特殊遊技にて前記特定報知が行われなかった場合には前記第1操作態様にて操作する第2遊技態様よりも、前記非特定状態において前記特殊遊技を前記第2操作態様にて操作する第3遊技態様の方が多くなることを特徴とする特徴dG5に記載の遊技機。
上記構成は、特定報知による恩恵を特典付与手段により付与される特典との関係で具体的に表現したものであり、上記構成のように、特定報知が行われることで、有利事象が生じる対応結果となる有利判定を効率的に受けながらも、非対応結果の場合には有利判定を受けずに第2数の遊技価値を獲得するという第2遊技態様が、常に第1操作態様にて操作する第1遊技態様よりも単位遊技価値当たりの平均遊技数や単位遊技当たりの遊技価値の平均増加数が多くなり、且つ、常に第2操作態様にて操作する第3遊技態様よりも単位遊技価値当たりの平均遊技数や単位遊技数当たりの遊技価値の平均増加数が少なくなるようになる。よって、いずれの遊技を行うかを遊技者に選択させるうえで、その選択肢が増え、遊技の興趣向上を好適に図ることが可能となる。
特徴dG7.前記抽選手段による抽選結果として、前記停止操作手段の操作態様に関わらず、他の結果よりも前記有利判定手段による有利判定の結果が前記有利事象を生じさせることに対応する対応結果となり易い特別結果が設定されており、
前記抽選手段による抽選結果が前記特別結果である遊技において、前記特定報知手段による前記特定報知と報知態様が共通する特別報知を実行する特別報知手段(表示制御装置81による特別役に基づく特定報知演出を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴dG1乃至特徴dG6のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定報知と特別報知とは報知態様が共通していることから、特殊結果当選時に第2操作態様にて操作することを報知しているのか、それとも有利判定に当選し易い特別結果当選である旨を報知しているのかが判別することができない。つまり、特別結果当選に基づいて有利事象が発生するのでは、と期待させながら、当該特別結果当選ではなくても、第2特典を得ることができるようになる、といった報知とすることができ、第1有利判定に非当選であるから第2操作態様にて操作する場合ですら、有利事象の発生に期待感を持たせることが可能となる。
なお、「他の結果」とは、「特殊結果」であってもよいし、それとも異なる結果であってもよい。また、「特別結果」は有利判定の結果が対応結果と最もなり易い結果ではなくてもよく、「特別結果」よりも対応結果となり易い結果が存在していてもよく、少なくとも、「特別結果」を契機とする有利判定の結果が対応結果となることがある構成であればよい。
特徴dG8.前記抽選手段による抽選結果が前記特別結果である場合、前記有効位置に前記特別結果に対応する特別の絵柄組合せが停止した場合に、前記特別結果に対応する特典が前記特典付与手段により付与される構成であり、
前記特別報知は、前記有効位置に前記特別の絵柄組合せを停止させることが可能な第3操作態様にて操作すべき旨の報知を行うように報知態様が設定されており、
前記第3操作態様は、前記第2操作態様に含まれていることを特徴とする特徴dG7に記載の遊技機。
上記構成によれば、特別結果入賞を成立させるべき旨の報知を特別報知として行うようにして、当該特別結果入賞を成立可能とする第3操作態様が第2操作態様に含まれるようにすることで、同様の報知態様である特定報知が行われた場合には、特別結果入賞を狙わせながら第2操作態様を行わせることが可能となり、遊技者は特段意識せずに第2特典を獲得することができるようになる。
特徴dG9.通常状態(通常区間)と、当該通常状態よりも遊技者にとって有利な有利状態(有利区間)とが設定されており、
前記有利状態において予め定められた終了条件が成立した場合、当該有利状態を終了させる終了手段(主制御装置101による区間表示第2処理における上限ゲーム数や上限増加枚数に到達したことに基づく有利区間終了用の処理を実行する機能)を備え、
前記終了手段により前記有利状態が終了されることが、前記終了条件が成立するよりも前に特定されている状況において、前記特定報知手段による前記特定報知を実行が許容される構成であることを特徴とする特徴dG1乃至特徴dG8のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定報知を行うことによって、より早期に終了条件を成立させるようにしたり、終了条件が成立する場合に獲得している総獲得特典を多くすることが可能となる。よって、有利状態での遊技の興趣向上を図ることが可能となる。
なお、上記特徴dG1乃至特徴dG9に記載された発明は、「遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機では、所定の抽選条件が成立したことに基づいて内部抽選が行われ、当該内部抽選の結果に応じて遊技者に特典が付与される構成が知られている。スロットマシンについて具体的には、遊技媒体としてのメダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されると、内部抽選が実施されるとともに、リールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップスイッチが操作された場合には、リールの回転が停止する。そして、リールの停止結果が内部抽選の結果に対応したものである場合には、結果に応じた特典が付与される(例えば特開2008-295707号公報参照)。」という背景技術について、「ここで、上記例示等した遊技機においては遊技の興趣向上を図る必要があり、この点について、未だ改良の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
なお、上記特徴dG1乃至特徴dG9の各構成に対して、特徴dA1乃至特徴dA22、特徴dB1乃至特徴dB8、特徴dC1乃至特徴dC12、特徴dD1乃至特徴dD10、特徴dE1乃至特徴dE11、特徴dF1乃至特徴dF8、特徴dG1乃至特徴dG9、特徴dH1乃至特徴dH8、特徴dI1乃至特徴dI12、特徴dJ1乃至特徴dJ8、特徴dK1乃至特徴dK9、特徴dL1乃至特徴dL7、特徴dM1乃至特徴dM12、特徴dN1乃至特徴dN11のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴dH群>
特徴dH1.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
各前記周回体の周回を開始するための開始操作が行われる始動操作手段(スタートレバー41)と、
各前記周回体の周回を停止するための停止操作が行われる停止操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させる開始駆動制御を実行し、前記停止操作手段が操作された場合に対応する前記周回体の周回を停止させる停止駆動制御を実行する駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与することの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が所定の結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、当該所定の結果に対応する所定の絵柄組合せが停止した場合に、前記所定の結果に対応する特典を付与する特典付与手段(主制御装置101によるメダル払出処理や再遊技設定用処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
前記抽選手段による抽選結果として、前記停止操作手段が第1操作順序にて操作された場合は第1結果(第1小役~第6小役)の入賞が成立可能となる一方、前記停止操作手段が前記第1操作順序とは異なる第2操作順序にて操作された場合には前記第1結果よりも前記特典付与手段により付与される特典が少ない第2結果(第9小役~第32小役)の入賞が成立可能となる順序結果(押し順ベル)が設定されており、
前記抽選手段による抽選結果に基づいて、遊技者にとって有利な有利事象を生じさせる有利判定を実行する有利判定手段(例えば、主制御装置101による開始時AT抽選用処理や停止時AT抽選用処理、AT上乗せ抽選用処理等の指示機能に関する処理を実行する機能)を備え、
前記有利判定手段は、遊技状態を通常状態から遊技者にとって有利な有利状態に移行させることを前記有利事象として、当該有利状態への移行判定を実行する移行判定手段(主制御装置101による開始時AT抽選用処理や停止時AT抽選用処理を実行する機能)を備え、
前記順序結果のうちの第1順序結果では、前記停止操作手段を前記第1操作順序にて操作することで前記第1結果又は当該第1結果に対応する結果の入賞が成立可能となる一方、前記停止操作手段を前記第2操作順序にて操作することで前記第2結果又は当該第2結果に対応する結果の入賞が成立可能となり、前記順序結果のうちの前記第1順序結果とは異なる第2順序結果では、前記停止操作手段を前記第2操作順序にて操作することで前記第1結果又は当該第1結果に対応する結果の入賞が成立可能となる一方、前記停止操作手段を前記第1操作順序にて操作することで前記第2結果又は当該第2結果に対応する結果の入賞が成立可能となるように設定されており、
前記停止操作手段の操作順序についての順序報知を所定の報知手段にて実行する順序報知手段(主制御装置101による指示モニタ68にて押し順報知を実行する機能)を備え、
前記順序報知手段は、前記通常状態にて前記抽選手段による抽選結果が前記順序結果である場合、前記第1順序結果及び前記第2順序結果のいずれであるかを遊技者が識別困難となるように前記所定の報知手段を制御する一方、前記有利状態にて前記抽選手段による抽選結果が前記順序結果である場合、前記第1順序結果であれば前記第1操作順序に対応する順序報知を実行し、前記第2順序結果であれば前記第2操作順序に対応する順序報知を実行するものであり、
前記抽選手段による抽選結果として、前記停止操作手段が第1操作態様にて操作された場合は第3結果(第33小役)の入賞が成立可能となり、且つ前記有利判定手段による前記有利判定として第1有利判定が実行される一方、前記停止操作手段が前記第1操作態様とは異なる第2操作態様にて操作された場合には前記第3結果よりも前記特典付与手段により付与される特典が多い前記第4結果(第1小役~第6小役)の入賞が成立可能となり、且つ、前記有利判定手段による前記有利判定として前記第1有利判定よりも前記有利事象を生じさせることに対応する有利結果となりにくい第2有利判定が実行される又は前記有利判定が実行されない特殊結果が設定されており、
前記抽選手段による抽選結果が前記特殊結果である場合、前記停止操作手段が前記第2操作態様として前記第1操作順序にて操作された場合に前記第4結果の入賞が成立可能となり、且つ前記停止操作手段が前記第2操作態様として前記第2操作順序にて操作された場合は前記第4結果の入賞が成立可能となる構成であり、
前記順序報知手段は、前記有利状態において前記抽選手段による抽選結果が前記特殊結果である場合、前記第1操作順序及び前記第2操作順序を含む複数の操作順序の順序報知のうちの予め定められた一の操作順序に対応する特定順序報知(第6小役用の押し順報知)を前記所定の報知手段にて実行可能な特定順序報知手段(主制御装置101による特殊役当選ゲームにて第6小役用の押し順報知を実行する機能)を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、始動操作手段の操作に基づき遊技が開始されて当該遊技の抽選が行われ、停止操作手段の操作に基づき当該抽選の結果に対応する絵柄組合せが有効位置に停止すると当該抽選の結果に対応する特典が付与される所謂スロットマシンの遊技機において、停止操作手段を第1操作順序にて操作した場合には第1結果入賞が成立可能となる一方、第2操作順序にて操作した場合には第1結果入賞時よりも特典が少ない第2結果入賞が成立可能となる所謂押し順役が設けられており、有利状態に移行することで当該押し順役の押し順報知としての順序報知が行われるようになるため、順序報知の有無によって有利度を大きく異ならせることが可能となる、といった優れた遊技性を実現することができる。
順序結果としては、第1順序結果と第2順序結果とが設定されており、第1結果入賞となる操作順序は互いに異なっている。そして、順序結果となった場合であっても、有利状態への移行前であれば、第1順序結果と第2順序結果との判別ができない態様にて順序報知が行われるように設定されていることから、各ゲームの抽選結果から第1結果入賞となる操作順序を判別しようとする行為が行われにくくなっている。このようにすることで、有利状態への移行が生じた場合に順序報知によって有利度を大きく異ならせるうえで、移行前からその恩恵が享受されてしまう不都合を解消することができる。
そのうえで、抽選手段による抽選結果として、停止操作手段を第1操作態様にて操作した場合には第3結果入賞が成立可能となるとともに、有利判定の判定結果が有利事象を生じさせることに対応する有利結果となり易い第1有利判定が実行される一方、停止操作手段を第2操作態様にて操作した場合には第3結果入賞時よりも特典が多い第4結果入賞が成立可能となるものの、有利判定として有利結果となりにくい第2有利判定が実行される特殊結果が設定されており、遊技者は、有利判定の有利度を選択するか、特典の多い方を選択するか、といった極めて特殊な遊技性を追加することができる。
この場合、特殊結果当選時においては、第1順序結果の場合に第1結果入賞となる第1操作順序にて操作した場合であっても、第2順序結果の場合に第1結果入賞となる第2操作順序にて操作した場合であっても、第2操作態様として第4結果入賞が成立するように設定されている。
ここで、有利状態移行前においては、特殊結果当選時においては、なるべく有利事象を生じさせるべく第1操作態様にて操作させたほうが遊技者にとって有利となると考えられるものの、有利状態においては、なるべく多くの特典を獲得させるべく、第2操作態様にて操作させるべきと考えられる。
そこで、上記構成においては、有利状態中に特殊結果当選となった場合には、第1操作順序や第2操作順序といった順序報知を行うことで第4結果入賞の成立を促すようにしていることから、特殊結果当選時により多くの特典を獲得させる遊技性を実現するうえで、特殊結果専用の第2操作態様用の報知を設ける必要がなく、記憶容量の削減を図ることが可能となる。
それだけではなく、上記構成においては、特殊役当選時の第2操作態様として、第1操作順序や第2操作順序のうちの予め定められた一の操作順序に対応する特定順序報知を順序報知として報知する構成としている。このようにすることで、いずれの操作順序でも第4結果入賞が成立するものの、いずれの操作順序を報知するかを特殊役当選時に決定する必要が生じず、処理構成を極端に簡素なものとすることができる。よって、極めて簡素な構成にて、有利状態中に特殊結果に当選した場合に、第4結果入賞を成立させるようにすることが可能となる。
なお、「前記順序報知手段は、前記通常状態にて前記抽選手段による抽選結果が前記順序結果である場合、前記第1順序結果及び前記第2順序結果のいずれであるかを遊技者が識別困難となるように前記所定の報知手段を制御する一方、前記有利状態にて前記抽選手段による抽選結果が前記順序結果である場合、前記第1順序結果であれば前記第1操作順序に対応する順序報知を実行し、前記第2順序結果であれば前記第2操作順序に対応する順序報知を実行するものであり、」との構成は、「前記順序報知手段は、前記通常状態にて前記抽選手段による抽選結果が前記順序結果である場合、前記第1順序結果及び前記第2順序結果のいずれであるかを遊技者が識別困難となるように特別報知を実行する一方、前記有利状態にて前記抽選手段による抽選結果が前記順序結果である場合、前記第1順序結果であれば前記第1操作順序に対応する順序報知を実行し、前記第2順序結果であれば前記第2操作順序に対応する順序報知を実行するものであり、」と表現してもよく、かかる表現の変更は同様の表現を用いた特徴や特徴群にも適用可能である。
特徴dH2.前記特定順序報知は、前記第1操作態様とならない操作順序に対応する順序報知として設定されていることを特徴とする特徴dH1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特殊結果当選時の特定順序報知に従ったのにもかかわらず、第3結果入賞が成立してしまう事象を好適に回避することが可能となる。
特徴dH3.予め定められた特定の停止操作手段を特定番目に操作し、且つ当該特定の停止操作手段に対応する特定周回体における特定絵柄が特定範囲に存在しているタイミングで当該特定の停止操作手段を操作することが前記第1操作態様となり、前記特定の停止操作手段とは異なる所定の停止操作手段(中ストップスイッチ43、右ストップスイッチ44)を前記特定番目に操作すること、及び前記特定の停止操作手段を前記特定番目に操作し、且つ前記特定周回体における前記特定絵柄が前記特定範囲に存在していないタイミングで当該特定の停止操作手段を操作することが前記第2操作態様となるように設定されており、
前記特定順序報知は、前記特定番目に前記所定の停止操作手段を操作する操作順序の順序報知となるように設定されていることを特徴とする特徴dH1又は特徴dH2に記載の遊技機。
上記構成によれば、操作順序と操作タイミングによって第1操作態様が規定されていることころ、仮に操作順序が第1操作態様のものであっても、操作タイミングさえ異ならせれば第2操作態様とすることも可能である。つまり、特定順序報知を行った場合に、操作タイミングによっては第3結果入賞が成立したり第4結果入賞が成立したりする構成とすることも可能であるものの、上記構成ではあえてそのようにせず、特定順序報知の操作順序通りに停止操作手段を操作すれば、その操作タイミングに関わらず必ず第4結果入賞が成立するようになり、有利状態中の特殊結果当選時により多くの特典を獲得させる意図にマッチした構成とすることが可能となる。
特徴dH4.前記有効位置に前記第1結果に対応する第1の絵柄組合せが停止した場合、当該第1結果に対応する特典が前記特典付与手段により付与され、前記有効位置に前記第4結果に対応する第4の絵柄組合せが停止した場合、当該第4結果に対応する特典が前記特典付与手段により付与される構成であり、
前記第1の絵柄組合せは、前記第4の絵柄組合せと同じ又は対応する絵柄組合せであることを特徴とする特徴dH1乃至特徴dH3のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、順序結果当選に基づいて第1結果入賞が成立した場合と、特殊結果当選に基づいて第4結果入賞が成立した場合とで、停止出目が共通なものとなる。そして、特殊結果当選時に順序報知手段により報知される特定順序報知は、順序結果当選時にも実行され得るものであることから、当該第1結果入賞や第4結果入賞が、順序結果当選に基因するものなのか、特殊結果当選に基因するものなのか、出目や順序報知からは判別することができなくなる。このようにすることで、例えば、特殊結果の当選確率や、順序結果の当選確率から、設定値を予測できる等、遊技者にとって有益な情報を予測できるような構成において、その予測を行いにくくさせることが可能となる。
なお「対応する絵柄組合せ」とは、有効位置に停止する絵柄組合せ同士は異なるものの、当該有効位置とは異なる位置に、いずれも特定の絵柄組合せが停止する関係を意味する。この場合、特定の絵柄組合せが停止する位置は両結果で異なっていてもよい。この点は、同様の表現を用いた他の特徴や他の特徴群にも適用可能である。
特徴dH5.前記有効位置に前記第1結果に対応する第1の絵柄組合せが停止した場合、当該第1結果に対応する第1特典が前記特典付与手段により付与され、前記有効位置に前記第4結果に対応する第4の絵柄組合せが停止した場合、当該第4結果に対応する第4特典が前記特典付与手段により付与される構成であり、
前記第1特典は、前記第4特典と同じ特典であることを特徴とする特徴dH1乃至特徴dH4のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、順序結果当選に基づいて第1結果入賞が成立した場合と、特殊結果当選に基づいて第4結果入賞が成立した場合とで、付与される特典が共通なものとなる。そして、特殊結果当選時に順序報知手段により報知される特定順序報知は、順序結果当選時にも実行され得るものであることから、当該第1結果入賞や第4結果入賞が、順序結果当選に基因するものなのか、特殊結果当選に基因するものなのか、付与される特典や順序報知からは判別することができなくなる。このようにすることで、例えば、特殊結果の当選確率や、順序結果の当選確率から、設定値を予測できる等、遊技者にとって有益な情報を予測できるような構成において、その予測を行いにくくさせることが可能となる。
特徴dH6.前記第4結果は前記1結果であることを特徴とする特徴dH4又は特徴dH5に記載の遊技機。
上記構成は、特徴dH4や特徴dH5の具体的構成であり、このように同じ結果とすることで、特徴dH4や特徴dH5の優れた効果を極めて簡素な構成にて期待できるようになる。
特徴dH7.少なくとも前記抽選手段による抽選結果が前記特殊結果となるよりも前の所定契機(有利区間移行)に基づいて、前記第1操作順序及び前記第2操作順序を含む複数の操作順序に対応する順序報知から一の操作順序に対応する順序報知を選択する選択手段(主制御装置101による報知小役抽選処理を実行する機能)を備え、
前記特定順序報知手段は、前記選択手段により選択された順序報知を前記特定順序報知として前記所定の報知手段にて実行することを特徴とする特徴dH1乃至特徴dH6のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成のように、予め定められた一の順序報知としての特定順序報知を所定契機に基づき決定するようにすれば、特殊結果当選時の処理負荷を軽減しながらも、特殊結果当選時に報知される順序報知のランダム性を担保することが可能となる。
特徴dH8.前記所定契機は、前記有利状態に移行する場合に生じることを特徴とする特徴dH7に記載の遊技機。
上記構成によれば、所定契機は有利状態移行に際して生じることから、特殊結果当選となり、順序報知を実行すべき状況であるのにも関わらず選択が完了していないといった不都合は生じないし、工場出荷時を所定契機とするような構成よりは選択頻度を高くすることができる。よって、順序報知のランダム性を確保しながらも、処理負荷の低減を図ることが可能となる。
なお、上記特徴dH1乃至特徴dH8に記載された発明は、「遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機では、所定の抽選条件が成立したことに基づいて内部抽選が行われ、当該内部抽選の結果に応じて遊技者に特典が付与される構成が知られている。スロットマシンについて具体的には、遊技媒体としてのメダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されると、内部抽選が実施されるとともに、リールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップスイッチが操作された場合には、リールの回転が停止する。そして、リールの停止結果が内部抽選の結果に対応したものである場合には、結果に応じた特典が付与される(例えば特開2008-295707号公報参照)。」という背景技術について、「ここで、上記例示等した遊技機においては遊技の興趣向上を図る必要があり、この点について、未だ改良の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
なお、上記特徴dH1乃至特徴dH8の各構成に対して、特徴dA1乃至特徴dA22、特徴dB1乃至特徴dB8、特徴dC1乃至特徴dC12、特徴dD1乃至特徴dD10、特徴dE1乃至特徴dE11、特徴dF1乃至特徴dF8、特徴dG1乃至特徴dG9、特徴dH1乃至特徴dH8、特徴dI1乃至特徴dI12、特徴dJ1乃至特徴dJ8、特徴dK1乃至特徴dK9、特徴dL1乃至特徴dL7、特徴dM1乃至特徴dM12、特徴dN1乃至特徴dN11のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴dI群>
特徴dI1.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
各前記周回体の周回を開始するための開始操作が行われる始動操作手段(スタートレバー41)と、
各前記周回体の周回を停止するための停止操作が行われる停止操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させる開始駆動制御を実行し、前記停止操作手段が操作された場合に対応する前記周回体の周回を停止させる停止駆動制御を実行する駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与することの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が所定の結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、当該所定の結果に対応する所定の絵柄組合せが停止した場合に、前記所定の結果に対応する特典を付与する特典付与手段(主制御装置101によるメダル払出処理や再遊技設定用処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
前記抽選手段による抽選結果として、前記停止操作手段が第1操作順序にて操作された場合は第1結果(第1小役~第6小役)の入賞が成立可能となる一方、前記停止操作手段が前記第1操作順序とは異なる第2操作順序にて操作された場合には前記第1結果よりも前記特典付与手段により付与される特典が少ない第2結果(第9小役~第32小役)の入賞が成立可能となる順序結果(押し順ベル)が設定されており、
前記抽選手段による抽選結果に基づいて、遊技者にとって有利な有利事象を生じさせる有利判定を実行する有利判定手段(例えば、主制御装置101による開始時AT抽選用処理や停止時AT抽選用処理、AT上乗せ抽選用処理等の指示機能に関する処理を実行する機能)を備え、
前記有利判定手段は、遊技状態を通常状態から遊技者にとって有利な有利状態に移行させることを前記有利事象として、当該有利状態への移行判定を実行する移行判定手段(主制御装置101による開始時AT抽選用処理や停止時AT抽選用処理を実行する機能)を備え、
前記順序結果のうちの第1順序結果では、前記停止操作手段を前記第1操作順序にて操作することで前記第1結果又は当該第1結果に対応する結果の入賞が成立可能となる一方、前記停止操作手段を前記第2操作順序にて操作することで前記第2結果又は当該第2結果に対応する結果の入賞が成立可能となり、前記順序結果のうちの前記第1順序結果とは異なる第2順序結果では、前記停止操作手段を前記第2操作順序にて操作することで前記第1結果又は当該第1結果に対応する結果の入賞が成立可能となる一方、前記停止操作手段を前記第1操作順序にて操作することで前記第2結果又は当該第2結果に対応する結果の入賞が成立可能となるように設定されており、
前記停止操作手段の操作順序についての順序報知を所定の報知手段にて実行する順序報知手段(主制御装置101による指示モニタ68にて押し順報知を実行する機能)を備え、
前記順序報知手段は、前記通常状態にて前記抽選手段による抽選結果が前記順序結果である場合、前記第1順序結果及び前記第2順序結果のいずれであるかを遊技者が識別困難となる前記所定の報知手段を制御する一方、前記有利状態にて前記抽選手段による抽選結果が前記順序結果である場合、前記第1順序結果であれば前記第1操作順序に対応する順序報知を実行し、前記第2順序結果であれば前記第2操作順序に対応する順序報知を実行するものであり、
前記抽選手段による抽選結果として、前記停止操作手段が第1操作態様にて操作された場合は第3結果(第33小役)の入賞が成立可能となり、且つ前記有利判定手段による前記有利判定として第1有利判定が実行される一方、前記停止操作手段が前記第1操作態様とは異なる第2操作態様にて操作された場合には前記第3結果よりも前記特典付与手段により付与される特典が多い前記第4結果(第1小役~第6小役)の入賞が成立可能となり、且つ、前記有利判定手段による前記有利判定として前記第1有利判定よりも前記有利事象を生じさせることに対応する有利結果となりにくい第2有利判定が実行される又は前記有利判定が実行されない特殊結果が設定されており、
前記抽選手段による抽選結果が前記特殊結果である場合、前記停止操作手段が前記第2操作態様として前記第1操作順序にて操作された場合に前記第4結果の入賞が成立可能となり、且つ前記停止操作手段が前記第2操作態様として前記第2操作順序にて操作された場合は前記第4結果の入賞が成立可能となる構成であり、
前記順序報知手段は、前記有利状態において前記抽選手段による抽選結果が前記特殊結果である場合、前記第1操作順序及び前記第2操作順序を含む複数の操作順序に対応する順序報知から一の操作順序に対応する順序報知を選択する選択手段(主制御装置101による報知小役抽選処理を実行する機能)を備え、当該選択手段により選択された順序報知を実行することを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、始動操作手段の操作に基づき遊技が開始されて当該遊技の抽選が行われ、停止操作手段の操作に基づき当該抽選の結果に対応する絵柄組合せが有効位置に停止すると当該抽選の結果に対応する特典が付与される所謂スロットマシンの遊技機において、停止操作手段を第1操作順序にて操作した場合には第1結果入賞が成立可能となる一方、第2操作順序にて操作した場合には第1結果入賞時よりも特典が少ない第2結果入賞が成立可能となる所謂押し順役が設けられており、有利状態に移行することで当該押し順役の押し順報知としての順序報知が行われるようになるため、順序報知の有無によって有利度を大きく異ならせることが可能となる、といった優れた遊技性を実現することができる。
順序結果としては、第1順序結果と第2順序結果とが設定されており、第1結果入賞となる操作順序は互いに異なっている。そして、順序結果となった場合であっても、有利状態への移行前であれば、第1順序結果と第2順序結果との判別ができない態様にて順序報知が行われるように設定されていることから、各ゲームの抽選結果から第1結果入賞となる操作順序を判別しようとする行為が行われにくくなっている。このようにすることで、有利状態への移行が生じた場合に順序報知によって有利度を大きく異ならせるうえで、移行前からその恩恵が享受されてしまう不都合を解消することができる。
そのうえで、抽選手段による抽選結果として、停止操作手段を第1操作態様にて操作した場合には第3結果入賞が成立可能となるとともに、有利判定の判定結果が有利事象を生じさせることに対応する有利結果となり易い第1有利判定が実行される一方、停止操作手段を第2操作態様にて操作した場合には第3結果入賞時よりも特典が多い第4結果入賞が成立可能となるものの、有利判定として有利結果となりにくい第2有利判定が実行される特殊結果が設定されており、遊技者は、有利判定の有利度を選択するか、特典の多い方を選択するか、といった極めて特殊な遊技性を追加することができる。
この場合、特殊結果当選時においては、第1順序結果の場合に第1結果入賞となる第1操作順序にて操作した場合であっても、第2順序結果の場合に第1結果入賞となる第2操作順序にて操作した場合であっても、第2操作態様として第4結果入賞が成立するように設定されている。
ここで、有利状態移行前においては、特殊結果当選時においては、なるべく有利事象を生じさせるべく第1操作態様にて操作させたほうが遊技者にとって有利となると考えられるものの、有利状態においては、なるべく多くの特典を獲得させるべく、第2操作態様にて操作させるべきと考えられる。
そこで、上記構成においては、有利状態中に特殊結果当選となった場合には、第1操作順序や第2操作順序といった順序報知を行うことで第4結果入賞の成立を促すようにしていることから、特殊結果当選時により多くの特典を獲得させる遊技性を実現するうえで、特殊結果専用の第2操作態様用の報知を設ける必要がなく、記憶容量の削減を図ることが可能となる。
それだけではなく、上記構成においては、特殊役当選時の第2操作態様として、第1操作順序や第2操作順序のうちから一の操作順序に対応する順序報知を選択し、その選択した順序報知を行うようにしていることから、順序報知の実行割合を均等化することが可能となる。このようにすることで、順序報知から特殊結果当選が見抜かれてしまう等の不都合を生じさせないようにすることができる。
特徴dI2.前記選択手段は、前記第1操作態様となる操作順序に対応する順序報知を含めて前記順序報知を選択することを特徴とする特徴dI1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特殊結果当選時の順序報知によって第4小役入賞が成立する他、第3小役入賞も成立する場合があるようになる。このようにすることで、第3小役入賞が成立したり第4小役入賞が成立したりすることも遊技性に含めることができるし、順序報知の均等化をより好適に行うことが可能となる。
特徴dI3.前記特典付与手段により付与される前記特典の増減率又は増減態様に変化を生じさせることが可能な設定値が複数設定されており、当該複数の設定値のうちの一の設定値を設定する設定手段(主制御装置101による当選確率の設定処理を実行する機能)を備え、
前記設定手段により第1設定値が設定されている場合と、前記設定手段により前記第1設定値とは異なる第2設定値が設定されている場合とで、前記選択手段が前記第1操作態様となる操作順序に対応する順序報知を選択する割合が異なっていることを特徴とする特徴dI2に記載の遊技機。
上記構成によれば、順序報知に従って操作したのにも関わらず、第4結果ではなく第3結果が入賞する場合がある構成において、当該第3結果が入賞する場合には特典が少ないものの、設定値の予測の材料とすることが可能となる場合であり、寧ろ遊技者にとっては好ましい事象もとなり得る。このようにすることで、第1操作態様となる順序報知も含めて選択するようにして各順序報知の発生率の均等化を図りながらも、第1操作態様となる順序報知が選択された場合に遊技者が不利益を被り得る点をうまくフォローすることが可能となる。
特徴dI4.前記設定手段により第1設定値が設定されている場合と、前記設定手段により前記第1設定値とは異なる第2設定値が設定されている場合とで、前記選択手段が前記第1操作態様となる操作順序に対応する順序報知を選択する割合の差は、前記第1設定値が設定されている場合において所定の前記順序報知を前記選択手段が選択する割合と他の前記順序報知を前記選択手段が選択する割合との差よりも大きいことを特徴とする特徴dI3に記載の遊技機。
上記構成によれば、各順序報知の発生率の均等化を図りながらも、各順序報知の選択率の差は、第1操作態様となる順序報知の選択率の設定差よりも大きくなるため、第1操作態様となる順序報知から設定値を予測する遊技を行い易くなる。このようにすることで、第1操作態様となる順序報知が行われることによって、第3小役入賞が成立して少ない特典となることの残念感をうまくフォローすることが可能となる。
特徴dI5.前記操作順序は複数である特定数の種類を有し、
前記選択手段は、少なくとも前記操作順序のうち所定の操作順序を除く他の操作順序の選択率が均等となるように選択することを特徴とする特徴dI1乃至特徴dI3のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、操作順序が100%で割り切れないような構成であっても、少なくとも所定の操作順序以外の他の操作順序に関しては選択率が均等化される。このようにすることで、順序報知をより均等に実行することが可能となる。
特徴dI6.前記特典付与手段により付与される前記特典の増減率又は増減態様に変化を生じさせることが可能な設定値が複数設定されており、当該複数の設定値のうちの一の設定値を設定する設定手段(主制御装置101による当選確率の設定処理を実行する機能)を備え、
前記設定手段により第1設定値が設定されている場合と、前記設定手段により前記第1設定値とは異なる第2設定値が設定されている場合とで、前記所定の順序報知として設定される順序報知が異なることを特徴とする特徴dI5に記載の遊技機。
上記構成によれば、100%で割り切れなかった選択率の余りを利用して、設定値の予測を行わせることが可能となる。これにより、順序報知の均等化を図りながらも、その順序報知の均等化を完全に行えない部分をうまく利用して、設定値の予測を行わせるといった斬新な遊技性を実現することが可能となる。
特徴dI7.前記特典付与手段により付与される前記特典の増減率又は増減態様に変化を生じさせることが可能な設定値が前記特定数設定されており、当該特定数の設定値のうちの一の設定値を設定する設定手段(主制御装置101による当選確率の設定処理を実行する機能)を備え、
前記設定手段により設定されている設定値に応じて、前記所定の順序報知として設定される順序報知が異なることを特徴とする特徴dI5又は特徴dI6に記載の遊技機。
上記構成によれば、100%で割り切れなかった選択率の余りを利用して、設定値の予測を行わせることが可能となる。これにより、順序報知の均等化を図りながらも、その順序報知の均等化を完全に行えない部分をうまく利用して、設定値の予測を行わせるといった斬新な遊技性を実現することが可能となる。
特徴dI8.前記選択手段は、前記第1操作態様となる操作順序に対応する順序報知を含めずに前記順序報知を選択する、又は他の操作順序に対応する順序報知よりも前記第1操作態様となる操作順序に対応する順序報知を選択しにくいことを特徴とする特徴dI1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特殊結果当選時の順序報知にさえ従えば第4小役入賞が成立するようになり、第3小役入賞は成立しないようになる。このようにすることで、有利状態において、容易に多くの特典を獲得できるようにすることが可能となる。
特徴dI9.前記抽選手段による抽選結果が特別結果(押し順ベル)である場合、前記第1操作態様となる操作順序にて前記停止操作手段が操作されることで前記特別結果に対応する結果(第1小役、第2小役)の入賞が成立可能となり、前記第1操作態様とはならない操作順序にて前記停止操作手段が操作されることで前記特別結果に対応する結果(第3小役~第6小役)の入賞が成立可能となるように設定されており、
前記抽選手段による抽選結果が前記特別結果である場合に、前記順序報知手段による前記順序報知が実行される頻度が、前記第1操作態様となる操作順序に対応する順序報知の方が、前記第1操作態様とならない操作順序に対応する順序報知よりも高くなるように設定されていることを特徴とする特徴dI8に記載の遊技機。
上記構成によれば、特殊結果当選時に第1操作態様となる操作順序に対応する順序報知が行われない分を、当別結果当選時の順序報知によってうまくカバーすることが可能となる。このようにすることで、遊技全体を通じて順序報知の均等化を図ることが可能となる。
特徴dI10.予め定められた特定の停止操作手段を特定番目に操作し、且つ当該特定の停止操作手段に対応する特定周回体における特定絵柄が特定範囲に存在しているタイミングで当該特定の停止操作手段を操作することが前記第1操作態様となり、前記特定の停止操作手段とは異なる所定の停止操作手段(中ストップスイッチ43、右ストップスイッチ44)を前記特定番目に操作すること、及び前記特定の停止操作手段を前記特定番目に操作し、且つ前記特定周回体における前記特定絵柄が前記特定範囲に存在していないタイミングで当該特定の停止操作手段を操作することが前記第2操作態様となるように設定されていることを特徴とする特徴dI1乃至特徴dI9のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、操作順序と操作タイミングによって第1操作態様が規定されていることころ、仮に操作順序が第1操作態様のものであっても、操作タイミングさえ異ならせれば第2操作態様とすることも可能である。つまり、第1操作態様となる操作順序に対応する操作順序を含めて選択する構成においては、当該第1操作態様となる操作順序の順序報知が行われた場合、操作タイミングによって第3結果入賞が成立したり第4結果入賞が成立したりする。そのため、より多くの特典を獲得したいのであれば、操作タイミングを駆使する必要があり、かかる構成を遊技性に組み込むことで遊技の興趣向上が図られる。
特徴dI11.前記選択手段は、少なくとも前記抽選手段による抽選結果が前記特殊結果となるよりも前の所定契機(有利区間移行)に基づいて、前記第1操作順序及び前記第2操作順序を含む複数の操作順序に対応する順序報知から一の操作順序に対応する順序報知を選択し、
前記順序報知手段は、前記所定契機で選択された順序報知を、前記特殊結果となった場合に実行することを特徴とする特徴dI1乃至特徴dI10のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特殊結果当選となる度に操作順序を選択する構成と比較して、圧倒的な処理負荷の低減を図ることが可能となる。
特徴dI12.前記所定契機は、前記有利状態に移行する場合に生じることを特徴とする特徴dI11に記載の遊技機。
上記構成によれば、所定契機は有利状態移行に際して生じることから、特殊結果当選となり、順序報知を実行すべき状況であるのにも関わらず選択が完了していないといった不都合は生じないし、特殊結果当選の度に実行するよりも選択頻度は低くするものの、例えば、工場出荷時を所定契機とするような構成寄りは選択頻度を高くすることができる。よって、順序報知のランダム性を確保しながらも、処理負荷の低減を図ることが可能となる。
なお、上記特徴dI1乃至特徴dI12に記載された発明は、「遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機では、所定の抽選条件が成立したことに基づいて内部抽選が行われ、当該内部抽選の結果に応じて遊技者に特典が付与される構成が知られている。スロットマシンについて具体的には、遊技媒体としてのメダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されると、内部抽選が実施されるとともに、リールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップスイッチが操作された場合には、リールの回転が停止する。そして、リールの停止結果が内部抽選の結果に対応したものである場合には、結果に応じた特典が付与される(例えば特開2008-295707号公報参照)。」という背景技術について、「ここで、上記例示等した遊技機においては遊技の興趣向上を図る必要があり、この点について、未だ改良の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
なお、上記特徴dI1乃至特徴dI12の各構成に対して、特徴dA1乃至特徴dA22、特徴dB1乃至特徴dB8、特徴dC1乃至特徴dC12、特徴dD1乃至特徴dD10、特徴dE1乃至特徴dE11、特徴dF1乃至特徴dF8、特徴dG1乃至特徴dG9、特徴dH1乃至特徴dH8、特徴dI1乃至特徴dI12、特徴dJ1乃至特徴dJ8、特徴dK1乃至特徴dK9、特徴dL1乃至特徴dL7、特徴dM1乃至特徴dM12、特徴dN1乃至特徴dN11のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴dJ群>
特徴dJ1.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
各前記周回体の周回を開始するための開始操作が行われる始動操作手段(スタートレバー41)と、
各前記周回体の周回を停止するための停止操作が行われる停止操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させる開始駆動制御を実行し、前記停止操作手段が操作された場合に対応する前記周回体の周回を停止させる停止駆動制御を実行する駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与することの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が所定の結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、当該所定の結果に対応する所定の絵柄組合せが停止した場合に、前記所定の結果に対応する特典を付与する特典付与手段(主制御装置101によるメダル払出処理や再遊技設定用処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
前記抽選手段による抽選結果として、前記停止操作手段が第1操作順序にて操作された場合は第1結果(第1小役~第6小役)の入賞が成立可能となる一方、前記停止操作手段が前記第1操作順序とは異なる第2操作順序にて操作された場合には前記第1結果よりも前記特典付与手段により付与される特典が少ない第2結果(第9小役~第32小役)の入賞が成立可能となる順序結果(押し順ベル)が設定されており、
前記抽選手段による抽選結果に基づいて、遊技者にとって有利な有利事象を生じさせる有利判定を実行する有利判定手段(例えば、主制御装置101による開始時AT抽選用処理や停止時AT抽選用処理、AT上乗せ抽選用処理等の指示機能に関する処理を実行する機能)を備え、
前記有利判定手段は、遊技状態を通常状態から遊技者にとって有利な有利状態に移行させることを前記有利事象として、当該有利状態への移行判定を実行する移行判定手段(主制御装置101による開始時AT抽選用処理や停止時AT抽選用処理を実行する機能)を備え、
前記順序結果のうちの第1順序結果では、前記停止操作手段を前記第1操作順序にて操作することで前記第1結果又は当該第1結果に対応する結果の入賞が成立可能となる一方、前記停止操作手段を前記第2操作順序にて操作することで前記第2結果又は当該第2結果に対応する結果の入賞が成立可能となり、前記順序結果のうちの前記第1順序結果とは異なる第2順序結果では、前記停止操作手段を前記第2操作順序にて操作することで前記第1結果又は当該第1結果に対応する結果の入賞が成立可能となる一方、前記停止操作手段を前記第1操作順序にて操作することで前記第2結果又は当該第2結果に対応する結果の入賞が成立可能となるように設定されており、
前記停止操作手段の操作順序についての順序報知を所定の報知手段にて実行する順序報知手段(主制御装置101による指示モニタ68にて押し順報知を実行する機能)を備え、
前記順序報知手段は、前記通常状態にて前記抽選手段による抽選結果が前記順序結果である場合、前記第1順序結果及び前記第2順序結果のいずれであるかを遊技者が識別困難となる前記所定の報知手段を制御する一方、前記有利状態にて前記抽選手段による抽選結果が前記順序結果である場合、前記第1順序結果であれば前記第1操作順序に対応する順序報知を実行し、前記第2順序結果であれば前記第2操作順序に対応する順序報知を実行するものであり、
前記抽選手段による抽選結果として、前記停止操作手段が第1操作態様にて操作された場合は第3結果(第33小役)の入賞が成立可能となり、且つ前記有利判定手段による前記有利判定として第1有利判定が実行される一方、前記停止操作手段が前記第1操作態様とは異なる第2操作態様にて操作された場合には前記第3結果よりも前記特典付与手段により付与される特典が多い第4結果(第1小役~第6小役)の入賞が成立可能となり、且つ、前記有利判定手段による前記有利判定として前記第1有利判定よりも前記有利事象を生じさせることに対応する有利結果となりにくい第2有利判定が実行される又は前記有利判定が実行されない特殊結果(特殊役)が設定されており、
少なくとも前記第1操作順序による前記停止操作手段の操作は前記第2操作態様に含まれており、
前記有利状態において前記抽選手段による抽選結果が前記特殊結果である場合、前記第1操作順序に対応する順序報知を前記所定の報知手段にて実行可能な特定順序報知手段(主制御装置101による特殊役当選時の押し順報知を実行する機能)を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、始動操作手段の操作に基づき遊技が開始されて当該遊技の抽選が行われ、停止操作手段の操作に基づき当該抽選の結果に対応する絵柄組合せが有効位置に停止すると当該抽選の結果に対応する特典が付与される所謂スロットマシンの遊技機において、停止操作手段を第1操作順序にて操作した場合には第1結果入賞が成立可能となる一方、第2操作順序にて操作した場合には第1結果入賞時よりも特典が少ない第2結果入賞が成立可能となる所謂押し順役が設けられており、有利状態に移行することで当該押し順役の押し順報知としての順序報知が行われるようになるため、順序報知の有無によって有利度を大きく異ならせることが可能となる、といった優れた遊技性を実現することができる。
順序結果としては、第1順序結果と第2順序結果とが設定されており、第1結果入賞となる操作順序は互いに異なっている。そして、順序結果となった場合であっても、有利状態への移行前であれば、第1順序結果と第2順序結果との判別ができない態様にて順序報知が行われるように設定されていることから、各ゲームの抽選結果から第1結果入賞となる操作順序を判別しようとする行為が行われにくくなっている。このようにすることで、有利状態への移行が生じた場合に順序報知によって有利度を大きく異ならせるうえで、移行前からその恩恵が享受されてしまう不都合を解消することができる。
そのうえで、抽選手段による抽選結果として、停止操作手段を第1操作態様にて操作した場合には第3結果入賞が成立可能となるとともに、有利判定の判定結果が有利事象を生じさせることに対応する有利結果となり易い第1有利判定が実行される一方、停止操作手段を第2操作態様にて操作した場合には第3結果入賞時よりも特典が多い第4結果入賞が成立可能となるものの、有利判定として有利結果となりにくい第2有利判定が実行される特殊結果が設定されており、遊技者は、有利判定の有利度を選択するか、特典の多い方を選択するか、といった極めて特殊な遊技性を追加することができる。
しかも、特殊結果当選時の第2操作態様は第1操作順序を含む態様であり、その構成を利用して、有利状態中は、特殊結果当選時に第1操作順序に対応する順序報知が行われるようにしている。これにより、特殊結果当選時により多くの特典を獲得させるべく第2操作態様に操作させるうえで、順序結果における順序報知といった既存の構成を使用して、特殊結果専用の報知を設ける必要がなくなる。しかも、特殊結果当選を、順序結果当選時の第1順序結果にうまく紛れさせることが可能となるため、例えば、特殊結果の当選確率や順序結果の当選確率等から設定値の予測を行えるような構成において、その予測を行いにくくさせることも可能となる。以上の結果、遊技の興趣向上を容易に図ることが可能となる。
特徴dJ2.前記有効位置に前記第1結果に対応する第1の絵柄組合せが停止した場合、当該第1結果に対応する特典が前記特典付与手段により付与され、前記有効位置に前記第4結果に対応する第4の絵柄組合せが停止した場合、当該第4結果に対応する特典が前記特典付与手段により付与される構成であり、
前記第1の絵柄組合せは、前記第4の絵柄組合せと同じ又は対応する絵柄組合せであることを特徴とする特徴dJ1に記載の遊技機。
上記構成によれば、順序結果当選に基づいて第1結果入賞が成立した場合と、特殊結果当選に基づいて第4結果入賞が成立した場合とで、停止出目が共通なものとなる。そして、特殊結果当選時に順序報知手段により報知される特定順序報知は、順序結果当選時にも実行され得るものであることから、当該第1結果入賞や第4結果入賞が、順序結果当選に基因するものなのか、特殊結果当選に基因するものなのか、出目や順序報知からは判別することができなくなる。このようにすることで、例えば、特殊結果の当選確率や、順序結果の当選確率から、設定値を予測できる等、遊技者にとって有益な情報を予測できるような構成において、その予測を行いにくくさせることが可能となる。
特徴dJ3.前記第1順序結果では、前記停止操作手段を前記第1操作順序にて操作することで当該第1順序結果に対応付けられた前記第1結果の入賞が成立可能となる一方、前記停止操作手段を前記第2操作順序にて操作することで当該第1順序結果に対応付けられた前記第2結果の入賞が成立可能となり、前記第2順序結果では、前記停止操作手段を前記第2操作順序にて操作することで当該第2順序結果に対応付けられた前記第1結果の入賞が成立可能となる一方、前記停止操作手段を前記第1操作順序にて操作することで当該第2順序結果に対応付けられた前記第2結果の入賞が成立可能となるように設定されており、
前記有効位置に前記第1結果に対応する第1の絵柄組合せのうち、前記第1順序結果に対応付けられた前記第1結果に対応する絵柄組合せが停止した場合、当該結果に対応する特典が前記特典付与手段により付与され、前記有効位置に前記第4結果に対応する第4の絵柄組合せが停止した場合、当該第4結果に対応する特典が前記特典付与手段により付与される構成であり、
前記第1順序結果に対応付けられた前記第1結果に対応する絵柄組合せは、前記第4の絵柄組合せと同じ又は対応する絵柄組合せであることを特徴とする特徴dJ2に記載の遊技機。
上記構成は、特徴dJ2において順序結果当選時に各操作順序に応じていずれも第1結果に相当する結果が入賞するものの、厳密にはそれぞれの操作順序で異なる結果が入賞するような構成の具体的構成である。このような構成においても、特殊結果当選時の第4結果入賞の停止出目と順序結果当選時の第1結果に相当する結果入賞の停止出目とを共通化することで、特殊結果を順序結果にうまく紛れらせる効果を高めることが可能となる。
特徴dJ4.前記有効位置に前記第1結果に対応する第1の絵柄組合せが停止した場合、当該第1結果に対応する第1特典が前記特典付与手段により付与され、前記有効位置に前記第4結果に対応する第4の絵柄組合せが停止した場合、当該第4結果に対応する第4特典が前記特典付与手段により付与される構成であり、
前記第1特典は、前記第4特典と同じ特典であることを特徴とする特徴dJ1乃至特徴dJ3のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、順序結果当選に基づいて第1結果入賞が成立した場合と、特殊結果当選に基づいて第4結果入賞が成立した場合とで、付与される特典が共通なものとなる。そして、特殊結果当選時に順序報知手段により報知される特定順序報知は、順序結果当選時にも実行され得るものであることから、当該第1結果入賞や第4結果入賞が、順序結果当選に基因するものなのか、特殊結果当選に基因するものなのか、付与される特典や順序報知からは判別することができなくなる。このようにすることで、例えば、特殊結果の当選確率や、順序結果の当選確率から、設定値を予測できる等、遊技者にとって有益な情報を予測できるような構成において、その予測を行いにくくさせることが可能となる。
特徴dJ5.前記第4結果は前記1結果であることを特徴とする特徴dJ2乃至特徴dJ4のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成は、特徴dJ2乃至特徴dJ4の具体的構成であり、このように同じ結果とすることで、特徴dJ2乃至特徴dJ4の優れた効果を極めて簡素な構成にて期待できるようになる。
特徴dJ6.前記順序結果を契機として前記順序報知手段により実行される前記第1操作順序に対応する順序報知の報知態様と、前記特殊結果を契機として前記特定順序報知手段により実行される前記第1操作順序に対応する順序報知の報知態様とが共通の報知態様であることを特徴とする特徴dJ1乃至特徴dJ5のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、順序結果における第1操作順序の順序報知と特殊結果における第1操作順序の順序報知との報知態様が同じ報知態様にて実行されるため、単に操作順序の共通性だけではなく報知態様からも、特殊結果を順序結果に紛れさせることの効果が期待できるようになる。
特徴dJ7.前記有利状態において前記抽選手段による抽選結果が前記第1順序結果である場合、前記第1操作順序についての情報又は前記第1順序結果であることの情報である特定情報を他の制御装置(表示制御装置81)に対して出力することが可能な第1出力手段(主制御装置101による押し順ベル当選時に第6小役用の押し順コマンドを出力設定する処理を実行する機能)と、
前記有利状態において前記抽選手段による抽選結果が前記特殊結果である場合、前記特定情報を前記他の制御装置に対して出力することが可能な第2出力手段(主制御装置101による押し順ベル当選時に第6小役用の押し順コマンドを出力設定する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴dJ1乃至特徴dJ6のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、順序結果当選時に第1操作順序の順序報知が行われる場合、第1操作順序についての情報や第1順序結果であることの情報である特定情報が他の制御装置に対して出力される構成において、特殊結果当選時に第1操作順序の順序報知が行われる場合も、当該特定情報が他の制御装置に対して出力されるため、順序報知だけではなく、当該特定情報を不正に解析する等しても、順序結果なのか特殊結果なのかの判別ができない。このようにすることで、不正に結果を判別することにより利益を得ようとする行為等が行われにくくすることが可能となる。
特徴dJ8.前記他の制御装置は、前記特定情報に基づいて前記第1操作順序に対応する特定報知(押し順報知)を特定の報知手段(補助表示部65やスピーカ64)にて実行する特定報知手段(表示制御装置81による押し順報知演出を実行する機能)を備え、
前記特定報知手段は、前記特定情報が前記順序結果を契機として出力された場合と、前記特定情報が前記特殊結果を契機として出力された場合とで、共通の報知態様にて前記特定報知を実行することを特徴とする特徴dJ7に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定の報知手段側の特定報知についても、順序結果を契機とするものなのか特殊結果を契機とするものなのかの判別ができないようになり、特徴dJ1の効果をより好適に奏することが可能となる。
特徴dJ9.前記順序結果に基づく前記有利判定にて前記有利結果となる確率又は当該有利結果となった場合の前記有利事象の有利度と、前記特殊結果に基づく前記有利判定にて前記有利結果となる確率又は当該有利結果となった場合の前記有利事象の有利度とが異なっていることを特徴とする特徴dJ1乃至特徴dJ8のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、順序結果に基づく有利判定の当選確率や有利度と、特殊結果当選に基づく有利判定の当選確率や有利度とが異なるため、特殊結果当選時の順序報知を順序結果の順序報知を利用することで特殊結果当選を順序報知に紛れさす構成を利用して、順序結果に基づいて有利事象が生じることを特殊結果に基づいて有利事象が生じると思わせたり、逆に特殊結果に基づいて有利事象が生じることを順序結果に基づいて有利事象が生じると思わせたりすることができる。
特徴dJ10.前記順序結果に基づく前記有利判定にて前記有利結果となる確率又は当該有利結果となった場合の前記有利事象の有利度よりも、前記特殊結果に基づく前記有利判定にて前記有利結果となる確率又は当該有利結果となった場合の前記有利事象の有利度の方が高いことを特徴とする特徴dJ9に記載の遊技機。
上記構成によれば、特殊結果に基づいて有利事象が生じることを順序結果に基づいて有利事象が生じる印象を与えることができる。つまり、順序結果を、単に順序報知の有無によって付与する特典を異ならせる機能だけではなく、有利事象の有力な契機となり得る印象を遊技者に与えることが可能となり、当該順序結果を利用する遊技の興趣を大幅に向上させることができる。
特徴dJ11.前記抽選手段による抽選結果が前記特殊結果となる確率よりも、前記順序結果となる確率の方が高いことを特徴とする特徴dJ10に記載の遊技機。
上記構成のように、順序結果の方が特殊結果よりも当選し易いことから、通常であれば、このような順序結果を有利事象の契機とすると出玉率が高騰する等の不都合が生じ得る。その点、上記特徴dJ1や特徴dJ10のように、特殊結果を利用して順序結果に対する有利事象への期待感を高めるようにすることで、出玉率の高騰を回避しながらも、当選し易い順序結果への注目度を好適に高めることが可能となる。
なお、上記特徴dJ1乃至特徴dJ11に記載された発明は、「遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機では、所定の抽選条件が成立したことに基づいて内部抽選が行われ、当該内部抽選の結果に応じて遊技者に特典が付与される構成が知られている。スロットマシンについて具体的には、遊技媒体としてのメダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されると、内部抽選が実施されるとともに、リールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップスイッチが操作された場合には、リールの回転が停止する。そして、リールの停止結果が内部抽選の結果に対応したものである場合には、結果に応じた特典が付与される(例えば特開2008-295707号公報参照)。」という背景技術について、「ここで、上記例示等した遊技機においては遊技の興趣向上を図る必要があり、この点について、未だ改良の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
なお、上記特徴dJ1乃至特徴dJ11の各構成に対して、特徴dA1乃至特徴dA22、特徴dB1乃至特徴dB8、特徴dC1乃至特徴dC12、特徴dD1乃至特徴dD10、特徴dE1乃至特徴dE11、特徴dF1乃至特徴dF8、特徴dG1乃至特徴dG9、特徴dH1乃至特徴dH8、特徴dI1乃至特徴dI12、特徴dJ1乃至特徴dJ8、特徴dK1乃至特徴dK9、特徴dL1乃至特徴dL7、特徴dM1乃至特徴dM12、特徴dN1乃至特徴dN11のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴dK群>
特徴dK1.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
各前記周回体の周回を開始するための開始操作が行われる始動操作手段(スタートレバー41)と、
各前記周回体の周回を停止するための停止操作が行われる停止操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させる開始駆動制御を実行し、前記停止操作手段が操作された場合に対応する前記周回体の周回を停止させる停止駆動制御を実行する駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与することの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が所定の結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、当該所定の結果に対応する所定の絵柄組合せが停止した場合に、前記所定の結果に対応する特典を付与する特典付与手段(主制御装置101によるメダル払出処理や再遊技設定用処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
前記抽選手段による抽選結果に基づいて、遊技者にとって有利な有利事象を生じさせる有利判定を実行する有利判定手段(例えば、主制御装置101による開始時AT抽選用処理や停止時AT抽選用処理、AT上乗せ抽選用処理等の指示機能に関する処理を実行する機能)を備え、
前記有利判定手段は、遊技状態を通常状態から遊技者にとって有利な有利状態に移行させることを前記有利事象として、当該有利状態への移行判定を実行する移行判定手段(主制御装置101による開始時AT抽選用処理や停止時AT抽選用処理を実行する機能)を備え、
所定契機(有利区間移行)からの遊技数が特定遊技数に達した場合に、前記移行判定手段による前記移行判定を介することなく又は前記移行判定の結果が前記有利状態へ移行することに対応する移行結果とは異なる結果であっても、前記有利状態へ移行させるための移行用処理を実行する特定移行手段(主制御装置101による天井カウンタが0となることに基づいてATモード当選フラグをセットする処理を実行する機能)と、
所定契機からの遊技数に対応する遊技数情報を把握する把握手段(主制御装置101による天井カウンタを把握する処理を実行する機能)と、
前記所定契機からの遊技の進行に応じて前記遊技数情報を更新する更新手段(主制御装置101による天井カウンタからの減算処理を実行する機能)と、
前記所定契機からの遊技数を遊技数報知として所定の報知手段(補助表示部65)にて報知し、遊技の進行に応じて前記遊技数報知を更新する遊技数報知手段(表示制御装置81による有利区間ゲーム数画像APを表示させる機能)と、
前記所定契機からの遊技において特定条件(特殊役当選時に第2操作態様にて操作すること、特殊役の限定)が成立した場合、前記更新手段による前記遊技数情報の更新を制限する又は前記更新手段による更新が行われる場合よりも前記遊技数情報が前記特定遊技数に対応する特定情報(天井カウンタ=0)となりにくくする特定処理を実行する特定処理手段(主制御装置101による特殊役当選ゲームで第2操作態様にて操作した場合に天井カウンタの減算を行わないようにする処理を実行する機能)と、
を備え、
前記特定移行手段は、前記遊技数情報が前記特定情報となることで前記移行用処理を実行する構成であり、
前記遊技数報知手段は、前記特定処理手段により前記特定処理が行われる遊技であっても前記遊技数報知を更新し、
前記遊技数報知手段による前記遊技数報知が前記特定遊技数に対応する報知となる場合、前記遊技数情報が前記特定情報となるまでの遊技数が特定数以下である場合には、第1特定報知(第1前兆モード演出)を前記所定の報知手段又はそれとは異なる報知手段にて実行し、前記遊技数情報が前記特定情報となるまでの遊技数が特定数よりも多い場合には、前記第1特定報知とは異なる第2特定報知(第3前兆モード演出)を前記所定の報知手段又はそれとは異なる報知手段にて実行可能な特定報知手段(表示制御装置81による停止時前兆演出設定処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、始動操作手段の操作に基づき遊技が開始されて当該遊技の抽選が行われ、停止操作手段の操作に基づき当該抽選の結果に対応する絵柄組合せが有効位置に停止すると当該抽選の結果に対応する特典が付与される所謂スロットマシンの遊技機において、抽選の結果に応じて有利判定として遊技者にとって有利な有利状態へ移行させる移行判定が行われるほか、所定契機からの遊技数が特定遊技数に至ることで有利状態に移行する場合がある。つまり、各遊技の抽選だけではなく有利状態を目指す遊技性を追加するうえで、遊技数が特定遊技数に至った場合には移行判定を介することなく有利状態に移行させるといった所謂天井を設けるようにすることで、遊技を途中で止めにくくさせ遊技継続の後押しとすることが可能となる。
上記構成においては、所定契機からの遊技において特定条件が成立すると、遊技数に対応する遊技数情報の更新が制限される場合がある一方で、所定契機からの遊技数を示す遊技数報知は特定条件が成立しても更新が行われるため、遊技数報知側では天井に対応する特定遊技数に至っているのにもかかわらず遊技数情報側は天井に対応する特定情報に至っていない、といった事象が生じ得る。
このような事象が生じると、遊技者は、特定遊技数となることで有利状態への移行用処理が行われることを期待して遊技していたのにもかかわらず、それが行われないといった不安感にかられ、せっかくそこまで遊技してきたのにもかかわらず遊技を終了してしまう可能性も否めない。
そこで、上記構成では、遊技数報知が特定遊技数に到達した際に、遊技数情報が特定情報に至るまでの遊技数を把握し、その遊技数が特定数以下であれば第1特定報知を実行し、特定数よりも多ければ第2特定報知を実行するようにしたことで、これまでの遊技が無駄ではなかったことを理解できるとともに、あとどれくらいで天井に到達するかを特定報知の種類から把握することが可能となる。よって、遊技の興趣向上を好適に図ることができる。
特徴dK2.前記移行判定手段による前記移行判定の結果が前記移行結果である場合、所定遊技数の遊技を実行後、前記有利状態へ移行させる手段(主制御装置101による前兆ゲーム数の設定処理を実行する機能)と、
前記移行判定手段による前記移行判定の結果が前記移行結果となった場合、前記有利状態へ移行するまでの遊技において、前記所定の報知手段又はそれとは異なる報知手段にて特別報知を実行する特別報知手段(表示制御装置81による開始時前兆演出設定処理を実行する機能)と、
を備え、
前記特別報知手段は、前記所定遊技数が前記特定数以下である場合、前記特別報知として第1特別報知を実行し、前記所定遊技数が前記特定数よりも多い場合、前記特別報知として前記第1特別報知とは異なる第2特別報知を実行し、
前記特定報知手段により実行される前記第1特定報知の報知態様は、前記特別報知手段により実行される前記第1特別報知の報知態様と同じ報知態様なるように又は前記第1特別報知の報知態様と遊技者が識別困難な報知態様となるように設定されており、前記特定報知手段により実行される前記第2特定報知の報知態様は、前記特別報知手段により実行される前記第2特別報知の報知態様と同じ報知態様なるように又は前記第2特別報知の報知態様と遊技者が識別困難な報知態様となるように設定されていることを特徴とする特徴dK1に記載の遊技機。
上記構成によれば、遊技数報知が特定遊技数に到達して特定報知が行われる場合、特定遊技数に至る前に移行判定にて当選して有利状態に移行する場合の特別報知と見た目上同じ報知態様にて特定報知が行われるようになる。このようにすることで、天井到達用の特定報知として別途報知態様のデータを記憶しておく必要が生じず、記憶容量の削減を図ることができるし、遊技者も、あとどれくらいで有利状態に移行するかを明確に把握することが可能となる。
特徴dK3.前記有利状態として第1有利状態(ATモード)と当該第1有利状態よりも遊技者にとって不利な第2有利状態(CZモード)とが設定されており、
前記特定移行手段は、前記第1有利状態に移行させる構成であり、
前記特別報知手段は、前記移行判定手段による移行判定の結果が前記第1有利状態へ移行させることに対応する結果であり、前記所定遊技数が前記特定数よりも多い場合には、前記特別報知として前記第2特別報知を実行し、前記移行判定手段による移行判定の結果が前記第2有利状態へ移行させることに対応する結果であり、前記所定遊技数が前記特定数よりも多い場合には、前記特別報知として前記第2特別報知とは異なる第3特別報知を実行することを特徴とする特徴dK2に記載の遊技機。
上記構成によれば、遊技報知が特定遊技数に到達した後、天井までの遊技数が特定数よりも多い場合に実行される第2特定報知の報知態様は、通常時であれば有利な側の第1有利状態への移行が生じる際に実行される第2特別報知の報知態様と同じ報知態様となる。このようにすることで、表示上の天井に到達したのにもかかわらず有利状態になかなか移行しない、といった遊技者の焦りや苛立ちを、第1有利状態への移行が確定することの報知(第2特定報知、第2特別報知)によってうまくフォローすることができ、第1有利状態への移行が生じるまでの遊技者の気持ちを和らげることができる。
特徴dK4.前記抽選手段による抽選結果として、前記停止操作手段が第1操作態様にて操作された場合は第1結果(第33小役)の入賞が成立可能となり、且つ前記有利判定手段による前記有利判定として第1有利判定が実行される一方、前記停止操作手段が前記第1操作態様とは異なる第2操作態様にて操作された場合には前記第1結果よりも前記特典付与手段により付与される特典が多い第2結果(第1小役~第6小役)の入賞が成立可能となり、且つ、前記有利判定手段による前記有利判定として前記第1有利判定よりも前記有利事象を生じさせることに対応する有利結果となりにくい第2有利判定が実行される又は前記有利判定が実行されない特殊結果(特殊役)が設定されており、
前記特定処理手段は、前記抽選手段による抽選結果が前記特殊結果であって前記停止操作手段が前記第2操作態様にて操作されたことを前記特定条件の成立として前記特定処理を実行可能であることを特徴とする特徴dK1乃至特徴dK3のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、停止操作手段を第1操作態様にて操作した場合には第1結果入賞が成立可能となるとともに、有利判定の判定結果が有利事象を生じさせることに対応する有利結果となり易い第1有利判定が実行される一方、停止操作手段を第2操作態様にて操作した場合には第1結果入賞時よりも特典が多い第2結果入賞が成立可能となるものの、有利判定として有利結果となりにくい第2有利判定が実行される特殊結果が設定されており、遊技者は、有利判定の有利度を選択するか、特典の多い方を選択するか、といった極めて特殊な遊技性を追加することができる。
しかも、特殊結果当選時に第2操作態様にて操作すると、遊技数情報の更新が制限される特定処理が実行されるため、第2操作態様は、不利な側の第2有利判定が行われるだけではなく、今回の遊技が天井までの遊技数に寄与しない等となってしまう。つまり、第2特典を得たいからといっても、第2操作態様にて操作すると有利状態へ移行させる遊技性においては遊技者にとって不利となる。
但し、第1操作態様や第2操作態様の区別を理解していない遊技者や、それらの操作態様を意図的に区別して行うことができない遊技者も想定されるし、第2特典を得る遊技を選択することは遊技者の自由であり、上記のような特殊結果を設けるとどうしても天井までの表示上の遊技数と実際の遊技数とに齟齬が生じ易くなる。
そこで、上記特徴dK1のように遊技数報知が特定遊技数に到達した場合の、実際の天井までの遊技数に応じて特定報知を行うようにしておけば、このような特殊結果による遊技の多様化といった効果を得ながらも、まもなく天井に到達することを遊技者に理解させたり、天井までの遊技数を特定報知から把握させるといった優れた効果を期待することが可能となる。
特徴dK5.前記移行判定手段による前記移行判定の結果が前記移行結果である場合、所定遊技数の遊技を実行後、前記有利状態へ移行させる手段(主制御装置101による前兆ゲーム数の設定処理を実行する機能)と、
前記移行判定手段による前記移行判定の結果が前記移行結果となった場合、前記有利状態へ移行するまでの遊技において、前記所定の報知手段又はそれとは異なる報知手段にて特別報知を実行する特別報知手段(表示制御装置81による開始時前兆演出設定処理を実行する機能)と、
を備え、
前記特定遊技数の遊技を行った場合の前記抽選手段による抽選結果が前記特殊結果となる平均回数と、前記特殊結果に基づいて前記特定処理が行われた場合に当該特定処理が行われなかった場合の前記更新手段により更新される前記遊技数情報からの更新数との平均差分と、の積が、前記所定遊技数の最大数以下となるように設定されていることを特徴とする特徴dK4に記載の遊技機。
上記構成によれば、特殊結果当選時に、毎回、第2操作態様にて操作された場合であっても、遊技数報知が特定遊技数に達した場合の、実際の天井までの遊技数が、通常時の移行判定にて当選した場合の特別報知が行われる所定遊技数以内となり易くなる。このようにすることで、表示上の天井に到達した際に特定報知を開始させるような構成であっても、あまりに長く特定報知が行われるといった中だるみを生じさせないようにすることができるし、特徴dK2のように特別報知の報知態様を特定報知に流用するような構成においては、その流用を極めてスムーズに行うことも可能である。
特徴dK6.前記特定移行手段は、前記遊技数情報が前記特定情報となった遊技から、特定遊技数の遊技後に前記有利状態に移行するように前記移行用処理を実行する構成であり、
前記特定遊技数の遊技を行った場合の前記抽選手段による抽選結果が前記特殊結果となる平均回数と、前記特殊結果に基づいて前記特定処理が行われた場合に当該特定処理が行われなかった場合の前記更新手段により更新される前記遊技数情報からの更新数と、の平均差分と、の積に、前記特定遊技数を加算した遊技数が、前記所定遊技数の最大数以下となるように設定されていることを特徴とする特徴dK5に記載の遊技機。
上記構成によれば、天井に到達した場合には特定遊技数の遊技を経て有利状態に移行するところ、このような特定遊技数を加味して、特殊結果当選時に、毎回、第2操作態様にて操作された場合であっても、遊技数報知が特定遊技数に達した場合の、実際の天井までの遊技数が、通常時の移行判定にて当選した場合の特別報知が行われる所定遊技数以内となり易くなる。よって、天井に到達した後、有利区間移行までに演出等を行う猶予を特定遊技数として設けたうえで、当該特定遊技数をそのまま表示上の天井を超過した場合にも流用しながら上記の効果を期待することが可能となる。このようにすれば、複雑な処理やデータ量の増大化を招くことなく、有利状態移行までの演出の好適化を図ることが可能となる。
特徴dK7.前記更新手段は、前記抽選手段による抽選結果が前記特殊結果であって前記停止操作手段が前記第1操作態様にて操作された場合、前記抽選手段による抽選結果が前記特殊結果とは異なる結果である場合に前記遊技数情報を更新した際の当該更新の前後の差分よりも差分が大きくなるように前記遊技数情報の更新を行うことが可能であることを特徴とする特徴dK4乃至特徴dK6のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特殊結果当選時に第1操作態様にて操作することで、遊技数情報を他の抽選結果の場合よりも大きく更新することが可能となる。そのため、特殊結果当選時に第1操作態様にて操作することで天井到達を早める一方、第2操作態様にて操作することで天井到達を遅くする、といったように、いずれの操作態様にて操作するかで両極端の結果となる。よって、特殊結果当選時の操作態様をより慎重に行わせることができ、遊技の興趣向上を図るうえで大いに貢献することが可能となる。
特徴dK8.前記第1操作態様よりも前記第2操作態様の方が、操作難易度が低い操作態様である(第1操作態様は操作順序に加えて操作タイミングを駆使する必要がある)ことを特徴とする特徴dK7に記載の遊技機。
上記構成によれば、操作態様を駆使しなければ、特殊結果当選時には第2操作態様となり易く、特定処理によって、表示上の天井到達と、実際の天井到達とにズレが生じ易くなる。そのため、このような構成に対して、特徴dK1のような構成を採用することの意義は高いと考えられる。
特徴dK9.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
各前記周回体の周回を開始するための開始操作が行われる始動操作手段(スタートレバー41)と、
各前記周回体の周回を停止するための停止操作が行われる停止操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させる開始駆動制御を実行し、前記停止操作手段が操作された場合に対応する前記周回体の周回を停止させる停止駆動制御を実行する駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与することの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が所定の結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、当該所定の結果に対応する所定の絵柄組合せが停止した場合に、前記所定の結果に対応する特典を付与する特典付与手段(主制御装置101によるメダル払出処理や再遊技設定用処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
前記抽選手段による抽選結果に基づいて、遊技者にとって有利な有利事象を生じさせる有利判定を実行する有利判定手段(例えば、主制御装置101による開始時AT抽選用処理や停止時AT抽選用処理、AT上乗せ抽選用処理等の指示機能に関する処理を実行する機能)を備え、
前記有利判定手段は、遊技状態を通常状態から遊技者にとって有利な有利状態に移行させることを前記有利事象として、当該有利状態への移行判定を実行する移行判定手段(主制御装置101による開始時AT抽選用処理や停止時AT抽選用処理を実行する機能)を備え、
前記移行判定手段による前記移行判定の結果が前記有利状態へ移行することに対応する移行結果である場合となった場合、前記有利状態へ移行するまでの遊技において、所定の報知手段にて特別報知を実行する特別報知手段(表示制御装置81による開始時前兆演出設定処理を実行する機能)を備え、
前記抽選手段による抽選結果として、前記停止操作手段が第1操作態様にて操作された場合は第1結果(第33小役)の入賞が成立可能となり、且つ前記移行判定手段による前記移行判定として第1移行判定が実行される一方、前記停止操作手段が前記第1操作態様とは異なる第2操作態様にて操作された場合には前記第1結果よりも前記特典付与手段により付与される特典が多い第2結果(第1小役~第6小役)の入賞が成立可能となり、且つ、前記移行判定手段による前記移行判定として前記第1移行判定よりも前記移行結果となりにくい第2移行判定が実行される又は前記移行判定が実行されない特殊結果(特殊役)が設定されており、
所定契機(有利区間移行)からの遊技数が特定遊技数に達した場合に、前記移行判定手段による前記移行判定を介することなく又は前記移行判定の結果が前記移行結果とは異なる結果であっても、前記有利状態へ移行させるための移行用処理を実行する特定移行手段(主制御装置101による天井カウンタが0となることに基づいてATモード当選フラグをセットする処理を実行する機能)と、
所定契機からの遊技数に対応する遊技数情報を把握する把握手段(主制御装置101による天井カウンタを把握する処理を実行する機能)と、
前記所定契機からの遊技の進行に応じて前記遊技数情報を更新する更新手段(主制御装置101による天井カウンタの減算処理を実行する機能)と、
前記所定契機からの遊技数を遊技数報知として所定の報知手段(補助表示部65)にて報知し、遊技の進行に応じて前記遊技数報知を更新する遊技数報知手段(表示制御装置81による有利区間ゲーム数画像APを表示させる機能)と、
を備え、
前記特定移行手段は、前記遊技数情報が前記特定遊技数に対応する特定情報となることで前記移行用処理を実行する構成であり、
前記遊技数報知手段は、前記抽選手段による抽選結果が前記特殊結果であって前記停止操作手段が前記第2操作態様にて操作された遊技であっても前記遊技数報知を更新し、
前記特別報知手段は、前記特別報知として第1特別報知(第1前兆モード演出)と第2特別報知(第3前兆モード演出)とを実行可能であり、移行させる前記有利状態の有利度が高いほど、前記第1特別報知よりも前記第2特別報知を実行し易い構成であり、
前記抽選手段による抽選結果が前記特殊結果である遊技にて前記停止操作手段を前記第2操作態様にて操作することにより、前記遊技数報知手段による前記遊技数報知が前記特定遊技数に対応する報知となる場合、前記特別報知手段による前記第2特別報知が実行され易くなることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、始動操作手段の操作に基づき遊技が開始されて当該遊技の抽選が行われ、停止操作手段の操作に基づき当該抽選の結果に対応する絵柄組合せが有効位置に停止すると当該抽選の結果に対応する特典が付与される所謂スロットマシンの遊技機において、抽選の結果に応じて有利判定として遊技者にとって有利な有利状態へ移行させる移行判定が行われるほか、所定契機からの遊技数が特定遊技数に至ることで有利状態に移行する場合がある。つまり、各遊技の抽選だけではなく有利状態を目指す遊技性を追加するうえで、遊技数が特定遊技数に至った場合には移行判定を介することなく有利状態に移行させるといった所謂天井を設けるようにすることで、遊技を途中で止めにくくさせ遊技継続の後押しとすることが可能となる。
更に、停止操作手段を第1操作態様にて操作した場合には第1結果入賞が成立可能となるとともに、移行判定の判定結果が有利状態への移行を生じさせる移行結果となり易い第1移行判定が実行される一方、停止操作手段を第2操作態様にて操作した場合には第1結果入賞時よりも特典が多い第2結果入賞が成立可能となるものの、移行判定として移行結果となりにくい第2移行判定が実行される特殊結果が設定されており、遊技者は、移行判定の有利度を選択するか、特典の多い方を選択するか、といった極めて特殊な遊技性を追加することができる。
この場合、有利状態への移行を生じさせるためには特殊結果当選時に第1操作態様にて操作すべきと考えられるものの、遊技者によっては、第1操作態様としようとしても誤って第2操作態様としてしまう可能性もあり、有利状態への移行を目指す遊技性において特殊結果を設けると遊技の公平性が担保されにくい。
そこで、上記構成においては、特殊結果当選時に第2操作態様にて操作された場合には、天井到達時に有利な有利状態への移行に対応する第2特別報知が実行され易くなるようにしたことから、誤って第2操作態様にて操作してしまった遊技者をうまくフォローすることが可能となる。よって、遊技の興趣向上を好適に図ることができる。
なお、上記特徴dK9に対して、特徴dK1乃至特徴dK8のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。
なお、上記特徴dK1乃至特徴dK9に記載された発明は、「遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機では、所定の抽選条件が成立したことに基づいて内部抽選が行われ、当該内部抽選の結果に応じて遊技者に特典が付与される構成が知られている。スロットマシンについて具体的には、遊技媒体としてのメダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されると、内部抽選が実施されるとともに、リールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップスイッチが操作された場合には、リールの回転が停止する。そして、リールの停止結果が内部抽選の結果に対応したものである場合には、結果に応じた特典が付与される(例えば特開2008-295707号公報参照)。」という背景技術について、「ここで、上記例示等した遊技機においては遊技の興趣向上を図る必要があり、この点について、未だ改良の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
なお、上記特徴dK1乃至特徴dK9の各構成に対して、特徴dA1乃至特徴dA22、特徴dB1乃至特徴dB8、特徴dC1乃至特徴dC12、特徴dD1乃至特徴dD10、特徴dE1乃至特徴dE11、特徴dF1乃至特徴dF8、特徴dG1乃至特徴dG9、特徴dH1乃至特徴dH8、特徴dI1乃至特徴dI12、特徴dJ1乃至特徴dJ8、特徴dK1乃至特徴dK9、特徴dL1乃至特徴dL7、特徴dM1乃至特徴dM12、特徴dN1乃至特徴dN11のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴dL群>
特徴dL1.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
各前記周回体の周回を開始するための開始操作が行われる始動操作手段(スタートレバー41)と、
各前記周回体の周回を停止するための停止操作が行われる停止操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させる開始駆動制御を実行し、前記停止操作手段が操作された場合に対応する前記周回体の周回を停止させる停止駆動制御を実行する駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与することの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が所定の結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、当該所定の結果に対応する所定の絵柄組合せが停止した場合に、前記所定の結果に対応する特典を付与する特典付与手段(主制御装置101によるメダル払出処理や再遊技設定用処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
前記抽選手段による抽選結果として、前記停止操作手段が第1の操作態様にて操作された場合は第1結果(第1小役~第6小役)の入賞が成立可能となる一方、前記停止操作手段が前記第1の操作態様とは異なる第2の操作態様にて操作された場合には前記第1結果よりも前記特典付与手段により付与される特典が少ない第2結果(第9小役~第32小役)の入賞が成立可能となる態様結果(押し順ベル)が設定されており、
前記抽選手段による抽選結果が前記態様結果である場合、前記第1の操作態様及び前記第2の操作態様のいずれか含む操作態様についての態様報知を実行する態様報知手段(主制御装置101による押し順報知を実行する機能)と、
前記態様報知手段による態様報知の機能に関する特定処理を実行する特定処理手段(例えば、主制御装置101による開始時AT抽選用処理や停止時AT抽選用処理等、指示機能に関する処理を実行する機能)と、
を備え、
遊技状態として、前記態様報知手段による態様報知が実行可能となる特定状態(有利区間)と、前記態様報知手段による態様報知が実行不可となる又は前記特定状態よりも態様報知が実行されにくくなる通常状態(通常区間)と、が設定されており、
前記特定処理手段は、前記特定処理として、前記通常状態から前記特定状態へ移行させることの移行判定を実行する移行判定手段(主制御装置101による有利区間移行抽選処理を実行する機能)を備え、
前記抽選手段による抽選結果として、前記停止操作手段が第1操作態様にて操作された場合は第3結果(第33小役)の入賞が成立可能となり、且つ前記移行判定手段による前記移行判定として第1移行判定が実行される一方、前記停止操作手段が前記第1操作態様とは異なる第2操作態様にて操作された場合には前記第3結果よりも前記特典付与手段により付与される特典が多い前記第4結果(第1小役~第6小役)の入賞が成立可能となり、且つ、前記移行判定手段による前記移行判定として前記第1移行判定よりも前記特定状態へ移行させることに対応する移行結果となりにくい第2移行判定が実行される又は前記移行判定が実行されない特殊結果(特殊役)が設定されており、
前記移行判定手段は、前記抽選手段による抽選結果が特定結果(特定役)である場合よりも当該特定結果とは異なる所定結果である場合の方が、有利な前記特定状態(少ないゲーム数で天井に到達する有利区間)に移行させることが可能であることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、始動操作手段の操作に基づき遊技が開始されて当該遊技の抽選が行われ、停止操作手段の操作に基づき当該抽選の結果に対応する絵柄組合せが有効位置に停止すると当該抽選の結果に対応する特典が付与される所謂スロットマシンの遊技機において、停止操作手段を第1の操作態様にて操作した場合には第1結果入賞が成立可能となる一方、第2の操作態様にて操作した場合には第1結果入賞時よりも特典が少ない第2結果入賞が成立可能となる所謂押し順役が設けられており、特定状態に移行することで当該押し順役の押し順報知としての態様報知が行われるようになるため、態様報知の有無によって有利度を大きく異ならせることが可能となる、といった優れた遊技性を実現することができる。
そのうえで、抽選手段による抽選結果として、停止操作手段を第1操作態様にて操作した場合には第3結果入賞が成立可能となるとともに、特定状態への移行判定として第1移行判定が実行される一方、停止操作手段を第2操作態様にて操作した場合には第3結果入賞時よりも特典が多い第4結果入賞が成立可能となるものの、移行判定として第1移行判定よりも特定状態へ移行させることに対応する移行結果となりにくい第2移行判定が実行されたり移行判定が実行されない特殊結果が設定されており、遊技者は、特定状態への移行させることを選択するか、特典の多い方を選択するか、といった極めて特殊な遊技性を追加することができる。
そして、態様報知が実行可能となる特定状態へは、特定処理のうちの移行判定手段による移行判定にて移行結果となると移行するところ、当該移行判定では特定結果当選を契機として実行された方が所定結果当選を契機として実行された場合よりも有利な特定状態へ移行される結果となり易い。
そうすると、上記のように特殊結果当選時の操作態様によって移行判定の内容や得られる特典が異なる点を利用して、特殊結果当選時には第2操作態様にて操作して、第2特典を獲得しながら特定状態への移行を生じさせないようにし、抽選結果が特定結果となるまで特定状態への移行を生じさせない、といった遊技を行うことも可能となり、このような構成を利用することで、遊技の多様化に大きく貢献することができる。
特徴dL2.前記移行判定手段は、前記特殊結果に基づいて前記特定状態へ移行させる場合よりも、前記特定結果に基づいて前記特定状態へ移行させる場合の方が遊技者にとって有利な特定状態へ移行し易いことを特徴とする特徴dL1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特殊結果当選時に特定状態へ移行させずに、特定結果当選を待つことの意義がより明確化される。よって、上記特徴dL1の特殊な遊技性を好適に実現することが可能となる。
特徴dL3.前記移行判定手段による移行判定の結果が前記移行結果となった場合、当該移行する特定状態の有利度を設定する設定手段(主制御装置101による天井ゲーム数の設定処理を実行する機能)を備え、
前記設定手段は、前記特定結果に基づいて移行する前記特定状態の方が、前記所定結果に基づいて移行する前記特定状態よりも有利となるように設定し易いことを特徴とする特徴dL1又は特徴dL2に記載の遊技機。
上記構成のように、設定手段を移行判定手段とは別途設けることで、機能を各手段に分散化することができ、処理負荷の増大化によるエラー等の発生を抑制することができる。
特徴dL4.遊技を実行するために必要な遊技価値が特定数(3枚)として設定されており、
前記第4結果の入賞が成立した場合に付与される特典は、前記特定数の2倍以上の遊技価値(8枚)に相当することを特徴とする特徴dL1乃至特徴dL3のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特殊結果に当選となった遊技にて第2操作態様にて操作し、移行判定の結果が移行結果となることを棒に振ったとしても、当該遊技にて要した遊技価値と、次の遊技にて必要な遊技価値以上の遊技価値が獲得できるので、当該遊技が無駄になりにくく、寧ろ特徴dL1の特定結果待ちの遊技性を遊技価値の減りを考慮することなく実現させることができる。
特徴dL5.前記特定状態において前記抽選手段による抽選結果が前記特殊結果である場合には、前記停止操作手段が第1操作態様にて操作された場合は前記特定処理として第1特定処理が実行される一方、前記停止操作手段が前記第2操作態様にて操作された場合には前記特定処理として前記第1特定処理よりも遊技者にとって不利となる第2特定処理が実行される又は前記特定処理が実行されない構成であり、
前記第1操作態様にて前記停止操作手段を操作した場合の方が、前記第2操作態様にて操作した場合よりも遊技者にとって有利となるように前記第3結果及び前記第4結果が入賞した場合の特典、前記第1特定処理及び前記第2特定処理が設定されていることを特徴とする特徴dL1乃至特徴dL4のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定状態に移行した後は、特殊結果当選時に第1操作態様にて操作したほうが第2操作態様にて操作するよりも遊技者にとって有利となる。このようにすることで、特定状態移行前の特殊結果当選では第2操作態様にて操作させ、特定状態移行後の特殊結果当選では第1操作態様にて操作させるといった、特定状態の移行を挟んで真逆の操作を推奨する極めて特殊な遊技性を実現することができる。よって、このような構成を利用して、遊技の多様化を図ることができる。
特徴dL6.前記特定状態として、前記態様報知手段による態様報知が実行され易くなる第1特定状態(ATモード)と、当該第1特定状態よりも前記態様報知手段による態様報知が実行されにくくなる又は実行されなくなる第2特定状態(通常モード)とが設定されており、
前記第2特定状態から前記第1特定状態へ移行させることの移行判定を実行する特定移行判定手段(主制御装置101による開始時AT抽選用処理や停止時AT抽選用処理を実行する機能)を備え、
前記第1特定処理及び前記第2特定処理は、前記特定移行判定手段による移行判定を含み、
前記特定移行判定手段による移行判定として前記第1特定処理が実行された場合の方が、前記第2特定処理が実行された場合よりも、前記第1特定状態へ移行することの特定移行結果となり易い構成であることを特徴とする特徴dL5に記載の遊技機。
上記構成は、特徴dL5の具体的構成である。
特徴dL7.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
各前記周回体の周回を開始するための開始操作が行われる始動操作手段(スタートレバー41)と、
各前記周回体の周回を停止するための停止操作が行われる停止操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させる開始駆動制御を実行し、前記停止操作手段が操作された場合に対応する前記周回体の周回を停止させる停止駆動制御を実行する駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与することの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が所定の結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、当該所定の結果に対応する所定の絵柄組合せが停止した場合に、前記所定の結果に対応する特典を付与する特典付与手段(主制御装置101によるメダル払出処理や再遊技設定用処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
前記抽選手段による抽選結果として、前記停止操作手段が第1の操作態様にて操作された場合は第1結果(第1小役~第6小役)の入賞が成立可能となる一方、前記停止操作手段が前記第1の操作態様とは異なる第2の操作態様にて操作された場合には前記第1結果よりも前記特典付与手段により付与される特典が少ない第2結果(第9小役~第32小役)の入賞が成立可能となる態様結果(押し順ベル)が設定されており、
前記抽選手段による抽選結果が前記態様結果である場合、前記第1の操作態様及び前記第2の操作態様のいずれか含む操作態様についての態様報知を実行する態様報知手段(主制御装置101による押し順報知を実行する機能)と、
前記態様報知手段による態様報知の機能に関する特定処理を実行する特定処理手段(例えば、主制御装置101による開始時AT抽選用処理や停止時AT抽選用処理等、指示機能に関する処理を実行する機能)と、
を備え、
遊技状態として、前記態様報知手段による態様報知が実行可能となる特定状態(有利区間)と、前記態様報知手段による態様報知が実行不可となる又は前記特定状態よりも態様報知が実行されにくくなる通常状態(通常区間)と、が設定されており、
前記通常状態から前記特定状態へ移行させることの移行判定を実行する移行判定手段(主制御装置101による有利区間移行抽選処理を実行する機能)を備え、
前記抽選手段による抽選結果として、前記停止操作手段が第1操作態様にて操作された場合は第3結果(第33小役)の入賞が成立可能となり、且つ前記特定処理手段による前記特定処理として第1特定処理が実行される一方、前記停止操作手段が前記第1操作態様とは異なる第2操作態様にて操作された場合には前記第3結果よりも前記特典付与手段により付与される特典が多い前記第4結果(第1小役~第6小役)の入賞が成立可能となり、且つ、前記特定処理手段による前記特定処理として前記第1特定処理よりも遊技者時とって不利となる第2特定処理が実行される又は前記特定処理が実行されない特殊結果(特殊役)が設定されており、
前記移行判定手段は、前記抽選手段による抽選結果が特定結果(特定役)である場合よりも当該特定結果とは異なる所定結果である場合の方が、有利な前記特定状態(少ないゲーム数で天井に到達する有利区間)に移行させることが可能であり、且つ、前記抽選手段による抽選結果が前記特殊結果である場合、前記停止操作手段の操作態様に関わらず前記移行判定を実行する構成であることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、始動操作手段の操作に基づき遊技が開始されて当該遊技の抽選が行われ、停止操作手段の操作に基づき当該抽選の結果に対応する絵柄組合せが有効位置に停止すると当該抽選の結果に対応する特典が付与される所謂スロットマシンの遊技機において、停止操作手段を第1の操作態様にて操作した場合には第1結果入賞が成立可能となる一方、第2の操作態様にて操作した場合には第1結果入賞時よりも特典が少ない第2結果入賞が成立可能となる所謂押し順役が設けられており、特定状態に移行することで当該押し順役の押し順報知としての態様報知が行われるようになるため、態様報知の有無によって有利度を大きく異ならせることが可能となる、といった優れた遊技性を実現することができる。
そのうえで、抽選手段による抽選結果として、停止操作手段を第1操作態様にて操作した場合には第3結果入賞が成立可能となるとともに、特定状態への移行判定や特定状態の有利度を設定したりする等の特定処理として第1特定処理が実行される一方、停止操作手段を第2操作態様にて操作した場合には第3結果入賞時よりも特典が多い第4結果入賞が成立可能となるものの、特定処理として第1特定処理よりも遊技者にとって不利となる第2特定処理が実行されたり特定処理が実行されない特殊結果が設定されており、遊技者は、特定状態への移行させることを選択するか、特典の多い方を選択するか、といった極めて特殊な遊技性を追加することができる。
そして、態様報知が実行可能となる特定状態へは、移行判定手段による移行判定にて移行結果となると移行するところ、当該移行判定では特定結果当選を契機として実行された方が所定結果当選を契機として実行された場合よりも有利な特定状態へ移行される結果となり易い。
そうすると、上記のように特殊結果当選時の操作態様によって特定処理の内容や得られる特典が異なる点を利用して、特殊結果当選時には第2操作態様にて操作して、第2特典を獲得しながら特定状態への移行を生じさせないようにし、抽選結果が特定結果となるまで特定状態への移行を生じさせない、といった遊技を行うことも可能となり得る。
そこで、上記構成では、特殊結果に基づく移行判定では、停止操作手段の操作態様に関わらず移行判定を実行するようにしたことで、上記のように第2特典を獲得しながら特定状態への移行を回避する、といった行為を行わせないようにすることができる。よって、遊技の公平性を好適に担保することができる。
なお、上記特徴dL1乃至特徴dL7に記載された発明は、「遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機では、所定の抽選条件が成立したことに基づいて内部抽選が行われ、当該内部抽選の結果に応じて遊技者に特典が付与される構成が知られている。スロットマシンについて具体的には、遊技媒体としてのメダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されると、内部抽選が実施されるとともに、リールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップスイッチが操作された場合には、リールの回転が停止する。そして、リールの停止結果が内部抽選の結果に対応したものである場合には、結果に応じた特典が付与される(例えば特開2008-295707号公報参照)。」という背景技術について、「ここで、上記例示等した遊技機においては遊技の興趣向上を図る必要があり、この点について、未だ改良の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
なお、上記特徴dJ1乃至特徴dJ8の各構成に対して、特徴dA1乃至特徴dA22、特徴dB1乃至特徴dB8、特徴dC1乃至特徴dC12、特徴dD1乃至特徴dD10、特徴dE1乃至特徴dE11、特徴dF1乃至特徴dF8、特徴dG1乃至特徴dG9、特徴dH1乃至特徴dH8、特徴dI1乃至特徴dI12、特徴dJ1乃至特徴dJ8、特徴dK1乃至特徴dK9、特徴dL1乃至特徴dL7、特徴dM1乃至特徴dM12、特徴dN1乃至特徴dN11のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴dM群>
特徴dM1.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
各前記周回体の周回を開始するための開始操作が行われる始動操作手段(スタートレバー41)と、
各前記周回体の周回を停止するための停止操作が行われる停止操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させる開始駆動制御を実行し、前記停止操作手段が操作された場合に対応する前記周回体の周回を停止させる停止駆動制御を実行する駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与することの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が所定の結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、当該所定の結果に対応する所定の絵柄組合せが停止した場合に、前記所定の結果に対応する特典を付与する特典付与手段(主制御装置101によるメダル払出処理や再遊技設定用処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
前記抽選手段による抽選結果として、
前記停止操作手段が第1操作態様にて操作された場合は、前記有効位置に第1の絵柄組合せが停止可能となり、前記特典付与手段により第1特典(1枚のメダル払出)が付与される一方、
前記停止操作手段が前記第1操作態様とは異なる第2操作態様にて操作された場合は、前記有効位置に前記第1の絵柄組合せとは異なる第2の絵柄組合せが停止可能となり、前記特典付与手段により前記第1特典よりも遊技者にとって有利な第2特典(8枚のメダル払出)が付与されることとなる特殊結果(特殊役)が設定されており、
前記停止操作手段の操作態様の態様報知を所定の報知手段にて実行する態様報知手段(例えば主制御装置101による指示モニタ68による押し順報知を実行する機能)と、
前記態様報知手段による態様報知の機能に関する特定処理を実行する特定処理手段(例えば、主制御装置101による開始時AT抽選用処理や停止時AT抽選用処理等、指示機能に関する処理を実行する機能)と、
を備え、
前記特定処理手段は、前記抽選手段による抽選結果が前記特殊結果である特殊遊技において、前記停止操作手段が前記第1操作態様にて操作された場合には前記特定処理として第1特定処理を実行する一方、前記停止操作手段が前記第2操作態様にて操作された場合には前記特定処理として前記第1特定処理よりも遊技者にとって不利となる第2特定処理を実行する又は前記特定処理を実行しないように設定されており、
前記特殊結果として、第1特殊結果(特殊役A)と、当該第1特殊結果とは異なる第2特殊結果(特殊役B)とが設定されており、
前記第1特殊結果についての前記第1操作態様(左ストップスイッチ42を最初に操作する操作態様)が前記第2特殊結果についての前記第2操作態様となるように設定されており、前記第2特殊結果についての前記第1操作態様(中ストップスイッチ43を最初に操作する操作態様)が前記第1特殊結果についての前記第2操作態様となるように設定されていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、始動操作手段の操作に基づき遊技が開始されて当該遊技の抽選が行われ、停止操作手段の操作に基づき当該抽選の結果に対応する絵柄組合せが有効位置に停止すると当該抽選の結果に対応する特典が付与される所謂スロットマシンの遊技機において、停止操作手段を第1操作態様にて操作した場合には第1特典が付与されるとともに、態様報知の機能に関する特定処理として第1特定処理が実行される一方、停止操作手段を第2操作態様にて操作した場合には第2特典が付与されるとともに、態様報知の機能に関する特定処理として第2特定処理が実行される特殊結果が設定されており、第1特典よりも第2特典の方が遊技者にとって有利である一方、第1特定処理の方が第2特定処理よりも遊技者にとって有利であるため、特殊結果となった場合、特典付与手段により付与される特典の有利な側(第2操作態様)と、態様報知の機能が有利な側(第1操作態様)との選択を遊技者に委ねる、といった斬新な遊技性を実現することが可能である。
しかも、上記構成においては、特殊結果を複数設け、第1特殊結果についての第1操作態様が第2特殊結果についての第2操作態様となり、第2特殊結果についての第1操作態様が第1特殊結果についての第2操作態様となるように設定したことから、第1特殊結果についての第1操作態様にて遊技を継続して行う遊技者であっても、第1特殊結果における第1操作態様での恩恵だけではなく、第2特殊結果における第2操作態様での恩恵を享受させることができるし、第1特殊結果についての第2操作態様にて遊技を継続して行う遊技者であっても、第1特殊結果における第2操作態様での恩恵だけではなく、第2特殊結果における第1操作態様での恩恵を享受させることが可能となる。よって、遊技者間の公平性を担保しながらも、上記の特殊結果を用いた斬新な遊技性を創出することが可能となる。
特徴dM2.前記抽選手段による抽選結果が前記第1特殊結果である場合、当該第1特殊結果についての前記第1操作態様に対応する第1特定報知(通常モードやCZモード中の特殊役当選時の押し順報知演出)を所定の報知手段にて実行し、前記抽選手段による抽選結果が前記第2特殊結果である場合、当該第2特殊結果についての前記第1操作態様に対応する第1特定報知(通常モードやCZモード中の特殊役当選時の押し順報知演出)を所定の報知手段にて実行する第1特定報知手段(主制御装置101による抽選結果対応処理にて、ATモードフラグがセットされていない状況で特殊役A~C当選時の押し順報知コマンドを出力設定する処理を実行する機能、表示制御装置81による押し順報知演出を行う処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴dM1に記載の遊技機。
上記構成によれば、複数の特殊結果を設けて第1操作態様だけではなく第2操作態様でも操作させるような遊技を前提としながらも、第1特殊結果に当選した場合に第1操作態様にて操作させ、第2特殊結果に当選した場合に第1操作態様にて操作させる、といった遊技も行わせることが可能となる。このようにすることで、一の遊技機で複数の遊技性を実現することができるし、第1特定報知手段による報知に従うか否かは遊技者の自由であるから、特殊結果当選時に第1操作態様だけではなく第2操作態様でも操作する遊技を行うか、それぞれの特殊結果に応じた第1操作態様にて操作する遊技を行うかを遊技者が選択することも可能となる。これにより、遊技の興趣向上を好適に図ることができる。
特徴dM3.前記抽選手段による抽選結果として、前記停止操作手段が第1の操作態様にて操作された場合は第1結果(第1小役~第6小役)の入賞が成立可能となる一方、前記停止操作手段が前記第1の操作態様とは異なる第2の操作態様にて操作された場合には前記第1結果よりも前記特典付与手段により付与される特典が少ない第2結果(第9小役~第32小役)の入賞が成立可能となる態様結果(押し順ベル)が設定されており、
前記態様報知手段は、前記抽選手段による抽選結果が前記態様結果である場合、前記第1の操作態様及び前記第2の操作態様のいずれか含む操作態様についての前記態様報知を実行可能であり、
前記第1特定報知手段による前記第1特定報知の報知態様と、前記態様報知手段による前記態様報知の報知態様とは遊技者が識別可能となるように異なっていることを特徴とする特徴dM2に記載の遊技機。
上記構成によれば、停止操作手段を第1の操作態様にて操作した場合には第1結果入賞が成立可能となる一方、第2の操作態様にて操作した場合には第1結果入賞時よりも特典が少ない第2結果入賞が成立可能となる所謂押し順役が設けられており、当該押し順役の押し順報知としての態様報知が行われるようになるため、態様報知の有無によって有利度を大きく異ならせることが可能となる、といった優れた遊技性を実現することができる。このような遊技において、特殊結果についての第1操作態様を報知する第1特定報知を遊技性に追加する場合、態様報知に従って操作した場合に有利な側の第1結果入賞が成立可能となることを前提とすると、同じように停止操作手段の操作態様を報知する態様報知と第1特定報知との関係から、第1特定報知に従って操作した場合にも有利な側の第2特典が得られるようになると遊技者は勘違いしてしまう可能性がある。その点、上記構成のように、態様報知と第1特定報知との報知態様を遊技者が識別可能となるように異ならせていることから、第1特定報知に従って操作した場合に不利な側の第1特典が得られるようになった場合であっても、遊技者に違和感を与えにくくすることが可能となる。そして、上記のようにしながら第1操作態様にて操作させることで、遊技者に違和感なく有利な側の第1特定処理を行わせる遊技性を実現することが可能となる。
特徴dM4.前記第1特殊結果についての前記第1操作態様は複数の操作態様を含み、
前記第2特殊結果についての前記第1操作態様は複数の操作態様を含み、
前記第1特定報知手段は、前記第1特殊結果についての前記第1操作態様としての前記複数の操作態様のうち一の操作態様に対応する第1特定報知を実行する手段と、前記第1特殊結果についての前記第1操作態様としての前記複数の操作態様のうち前記一の操作態様とは異なる他の操作態様に対応する第1特定報知を実行する手段と、前記第2特殊結果についての前記第1操作態様としての前記複数の操作態様のうち一の操作態様に対応する第1特定報知を実行する手段と、前記第2特殊結果についての前記第1操作態様としての前記複数の操作態様のうち前記一の操作態様とは異なる他の操作態様に対応する第1特定報知を実行する手段と、を備えていることを特徴とする特徴dM2又は特徴dM3に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1特殊結果についての第1操作態様や第2特殊結果についての第1操作態様は、それぞれ複数の操作態様が含まれるように設定されているところ、これら各特殊結果当選時に第1操作態様を報知する第1特定報知としては、それぞれの操作態様が実行される場合があるように設定されているため、第1操作態様に複数の操作態様が含まれていても、報知される操作態様が偏ってしまう事象を回避することが可能となる。よって、常に同じような操作態様が報知される構成と比較して、第1特定報知への信頼性を高めることができる。
特徴dM5.前記抽選手段による抽選結果が前記第1特殊結果である場合、当該第1特殊結果についての前記第2操作態様に対応する第2特定報知(ATモード中の特殊役当選時の押し順報知演出)を所定の報知手段にて実行し、前記抽選手段による抽選結果が前記第2特殊結果である場合、当該第2特殊結果についての前記第2操作態様に対応する第2特定報知(ATモード中の特殊役当選時の押し順報知演出)を所定の報知手段にて実行する第2特定報知手段(主制御装置101による抽選結果対応処理にて、ATモードフラグがセットされている状況で特殊役A~C当選時の押し順報知コマンドを出力設定する処理を実行する機能、表示制御装置81による押し順報知演出を行う処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴dM1乃至特徴dM4のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、複数の特殊結果を設けて第1操作態様だけではなく第2操作態様でも操作させるような遊技を前提としながらも、第1特殊結果に当選した場合に第2操作態様にて操作させ、第2特殊結果に当選した場合に第2操作態様にて操作させる、といった遊技も行わせることが可能となる。このようにすることで、一の遊技機で複数の遊技性を実現することができるし、第2特定報知手段による報知に従うか否かは遊技者の自由であるから、特殊結果当選時に第1操作態様だけではなく第2操作態様でも操作する遊技を行うか、それぞれの特殊結果に応じた第2操作態様にて操作する遊技を行うかを遊技者が選択することも可能となる。これにより、遊技の興趣向上を好適に図ることができる。
特徴dM6.前記抽選手段による抽選結果として、前記停止操作手段が第1の操作態様にて操作された場合は第1結果(第1小役~第6小役)の入賞が成立可能となる一方、前記停止操作手段が前記第1の操作態様とは異なる第2の操作態様にて操作された場合には前記第1結果よりも前記特典付与手段により付与される特典が少ない第2結果(第9小役~第32小役)の入賞が成立可能となる態様結果(押し順ベル)が設定されており、
前記態様報知手段は、前記抽選手段による抽選結果が前記態様結果である場合、前記第1の操作態様及び前記第2の操作態様のいずれか含む操作態様についての前記態様報知を実行可能であり、
前記第2特定報知手段による前記第2特定報知の報知態様と、前記態様報知手段による前記態様報知の報知態様とは遊技者が識別困難となるように設定されていることを特徴とする特徴dM5に記載の遊技機。
上記構成によれば、停止操作手段を第1の操作態様にて操作した場合には第1結果入賞が成立可能となる一方、第2の操作態様にて操作した場合には第1結果入賞時よりも特典が少ない第2結果入賞が成立可能となる所謂押し順役が設けられており、当該押し順役の押し順報知としての態様報知が行われるようになるため、態様報知の有無によって有利度を大きく異ならせることが可能となる、といった優れた遊技性を実現することができる。このような遊技において、特殊結果についての第2操作態様を報知する第2特定報知を遊技性に追加する場合、態様報知に従って操作した場合に有利な側の第1結果入賞が成立可能となることを前提とし、第2特定報知に従って操作した場合にも有利な側の第2特典が得られるようになる。そして、態様報知と第2特定報知との報知態様は遊技者が識別困難となるように設定されていることから、遊技者はいずれの報知かを特段意識することなく、その報知に従えば有利な側の操作を行うことが可能となる。
特徴dM7.前記第1特殊結果についての前記第2操作態様は複数の操作態様を含み、
前記第2特殊結果についての前記第2操作態様は複数の操作態様を含み、
前記第2特定報知手段は、前記第1特殊結果についての前記第2操作態様としての前記複数の操作態様のうち一の操作態様に対応する第2特定報知を実行する手段と、前記第1特殊結果についての前記第2操作態様としての前記複数の操作態様のうち前記一の操作態様とは異なる他の操作態様に対応する第2特定報知を実行する手段と、前記第2特殊結果についての前記第2操作態様としての前記複数の操作態様のうち一の操作態様に対応する第2特定報知を実行する手段と、前記第2特殊結果についての前記第2操作態様としての前記複数の操作態様のうち前記一の操作態様とは異なる他の操作態様に対応する第2特定報知を実行する手段と、を備えていることを特徴とする特徴dM5又は特徴dM6に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1特殊結果についての第2操作態様や第2特殊結果についての第2操作態様は、それぞれ複数の操作態様が含まれるように設定されているところ、これら各特殊結果当選時に第2操作態様を報知する第2特定報知としては、それぞれの操作態様が実行される場合があるように設定されているため、第2操作態様に複数の操作態様が含まれていても、報知される操作態様が偏ってしまう事象を回避することが可能となる。よって、常に同じような操作態様が報知される構成と比較して、第2特定報知への信頼性を高めることができる。
特徴dM8.前記抽選手段による抽選結果が前記第1特殊結果であって、前記停止操作手段が前記第1操作態様にて操作された場合に前記特定処理手段により実行される前記第1特定処理及び前記抽選手段による抽選結果が前記第2特殊結果であって、前記停止操作手段が前記第1操作態様にて操作された場合に前記特定処理手段により実行される前記第1特定処理と、前記抽選手段による抽選結果が前記第1特殊結果であって、前記停止操作手段が前記第2操作態様にて操作された場合に前記特定処理手段により実行される前記第2特定処理及び前記抽選手段による抽選結果が前記第2特殊結果であって、前記停止操作手段が前記第2操作態様にて操作された場合に前記特定処理手段により実行される前記第2特定処理と、の少なくともいずれかが異なる処理となるように設定されている(図348、図349)ことを特徴とする特徴dM1乃至特徴dM7のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1特殊結果と第2特殊結果とでは、操作態様によって実行される特定処理の内容が異なるように設定されていることから、同じように第1操作態様や第2操作態様にて操作していても当選する特殊結果によって、態様報知手段による態様報知の機能に関する特定処理による恩恵が異なるようになる。よって、いずれの特殊結果であるかへの注目度を向上させるようにしながら、実行する操作態様がいずれの特殊結果についての第1操作態様(第2操作態様)かにも関心を寄せさせることが可能となり、遊技の興趣向上を好適に図ることが可能となる。
特徴dM9.前記抽選手段による抽選結果が前記第1特殊結果であって、前記停止操作手段が前記第1操作態様にて操作された場合に前記特典付与手段により付与される前記第1特典及び前記抽選手段による抽選結果が前記第2特殊結果であって、前記停止操作手段が前記第1操作態様にて操作された場合に前記特典付与手段により付与される前記第1特典と、前記抽選手段による抽選結果が前記第1特殊結果であって、前記停止操作手段が前記第2操作態様にて操作された場合に前記特典付与手段により付与される前記第2特典及び前記抽選手段による抽選結果が前記第2特殊結果であって、前記停止操作手段が前記第2操作態様にて操作された場合に前記特典付与手段により付与される前記第2特典と、の少なくともいずれかが異なる特典となるように設定されていることを特徴とする特徴dM1乃至特徴dM8のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1特殊結果と第2特殊結果とでは、操作態様によって実行される付与される特典が異なるように設定されていることから、同じように第1操作態様や第2操作態様にて操作していても当選する特殊結果によって、得られる特典が異なるようになる。よって、いずれの特殊結果であるかへの注目度を向上させるようにしながら、実行する操作態様がいずれの特殊結果についての第1操作態様(第2操作態様)かにも関心を寄せさせることが可能となり、遊技の興趣向上を好適に図ることが可能となる。
特徴dM10.前記抽選手段による抽選結果が前記第1特殊結果及び前記第2特殊結果のいずれであるかを遊技者が識別困難とする手段(主制御装置101によるATモード中の特殊役A~C当選時は特殊役用の報知ではなく操作順序の報知を行う機能)を備えていることを特徴とする特徴dM1乃至特徴dM9のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1特殊結果であるか第2特殊結果であるかを遊技者が識別困難となり、操作している操作態様が、第1特殊結果当選時の第1操作態様なのか、第2特殊結果当選時の第2操作態様なのかの区別がつかなくなる。このようにすることで、自らの操作がいずれの結果に対応するものなのか予測しながら遊技を行う、といった斬新な遊技性を実現することができる。
特に特徴dM8や特徴dM9のように、特殊結果によって実行される特定処理や特典が異なる構成においては、いずれの結果に対応する操作かによって、遊技者の利益も大きく異なり得るようになるため、上記の自らの操作がいずれに対応するものなのかを予測する面白みを向上させることが可能である。
特徴dM11.前記抽選手段による抽選結果が前記第1特殊結果及び前記第2特殊結果のいずれであるかを遊技者が識別可能とする手段(主制御装置101によるATモード移行前の特殊役A~C当選時は特殊役用の報知を行う機能)を備えていることを特徴とする特徴dM1乃至特徴dM10のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1特殊結果であるか第2特殊結果であるかを遊技者が識別可能となり、操作している操作態様が、第1特殊結果当選時の第1操作態様なのか、第2特殊結果当選時の第2操作態様なのかの区別がつくようになる。このようにすることで、自らの操作がいずれの結果に対応するものなのか把握しながら遊技を行うようになり、その操作をより慎重に行わせることが可能となる。
特に特徴dM8や特徴dM9のように、特殊結果によって実行される特定処理や特典が異なる構成においては、いずれの結果に対応する操作かによって、遊技者の利益も大きく異なり得るようになるため、上記の自らの操作がいずれに対応するものなのかを把握することの重要性も増し、上記構成を適用することの意義は高い。
特徴dM12.前記特殊結果として、前記第1特殊結果及び前記第2特殊結果とは異なる第3特殊結果(特殊役C)が設定されており、
前記第1特殊結果についての前記第1操作態様(左ストップスイッチ42を最初に操作する操作態様)が前記第2特殊結果及び前記第3特殊結果についての前記第2操作態様となるように設定されており、前記第2特殊結果についての前記第1操作態様(中ストップスイッチ43を最初に操作する操作態様)が前記第1特殊結果及び前記第3特殊結果についての前記第2操作態様となるように設定されており、前記第3特殊結果についての前記第1操作態様(右ストップスイッチ44を最初に操作する操作態様)が前記第1特殊結果及び前記第2特殊結果についての前記第2操作態様となるように設定されており、
前記停止操作手段は、第1停止操作手段、第2停止操作手段、及び第3停止操作手段により構成されており、
前記第1特殊結果についての前記第1操作態様は前記第1停止操作手段を特定番目に操作することであり、前記第2特殊結果についての前記第1操作態様は前記第2停止操作手段を前記特定番目に操作することであり、前記第3特殊結果についての前記第1操作態様は前記第3停止操作手段を前記特定番目に操作することであことを特徴とする特徴dM1乃至特徴dM11のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特殊結果を停止操作手段の数だけ設け、いずれの停止操作手段を特定番目に操作するかが、各特殊結果についての第1操作態様として設定されている。このようにすることで、いずれの特殊結果に当選しているかを予測し、更にいずれの操作態様にて操作するか、といった遊技性において、どの停止操作手段を特定番目に操作すればよいかだけの選択となり、当該斬新な遊技における難易度を下げ、多くの遊技者に当該遊技を楽しませることが可能となる。
なお、上記特徴dM1乃至特徴dM12に記載された発明は、「遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機では、所定の抽選条件が成立したことに基づいて内部抽選が行われ、当該内部抽選の結果に応じて遊技者に特典が付与される構成が知られている。スロットマシンについて具体的には、遊技媒体としてのメダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されると、内部抽選が実施されるとともに、リールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップスイッチが操作された場合には、リールの回転が停止する。そして、リールの停止結果が内部抽選の結果に対応したものである場合には、結果に応じた特典が付与される(例えば特開2008-295707号公報参照)。」という背景技術について、「ここで、上記例示等した遊技機においては遊技の興趣向上を図る必要があり、この点について、未だ改良の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
なお、上記特徴dJ1乃至特徴dJ8の各構成に対して、特徴dA1乃至特徴dA22、特徴dB1乃至特徴dB8、特徴dC1乃至特徴dC12、特徴dD1乃至特徴dD10、特徴dE1乃至特徴dE11、特徴dF1乃至特徴dF8、特徴dG1乃至特徴dG9、特徴dH1乃至特徴dH8、特徴dI1乃至特徴dI12、特徴dJ1乃至特徴dJ8、特徴dK1乃至特徴dK9、特徴dL1乃至特徴dL7、特徴dM1乃至特徴dM12、特徴dN1乃至特徴dN11のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴dN群>
特徴dN1.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
各前記周回体の周回を開始するための開始操作が行われる始動操作手段(スタートレバー41)と、
各前記周回体の周回を停止するための停止操作が行われる停止操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させる開始駆動制御を実行し、前記停止操作手段が操作された場合に対応する前記周回体の周回を停止させる停止駆動制御を実行する駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与することの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が所定の結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、当該所定の結果に対応する所定の絵柄組合せが停止した場合に、前記所定の結果に対応する特典を付与する特典付与手段(主制御装置101によるメダル払出処理や再遊技設定用処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
前記抽選手段による抽選結果として、
前記停止操作手段が第1操作態様にて操作された場合は、前記有効位置に第1の絵柄組合せが停止可能となり、前記特典付与手段により第1特典(1枚のメダル払出)が付与される一方、
前記停止操作手段が前記第1操作態様とは異なる第2操作態様にて操作された場合は、前記有効位置に前記第1の絵柄組合せとは異なる第2の絵柄組合せが停止可能となり、前記特典付与手段により前記第1特典よりも遊技者にとって有利な第2特典(8枚のメダル払出)が付与されることとなる態様結果(押し順ベル、特殊役)が設定されており、
前記停止操作手段の操作態様の態様報知を所定の報知手段にて実行する態様報知手段(例えば主制御装置101による指示モニタ68による押し順報知を実行する機能)と、
前記態様報知手段による態様報知の機能に関する特定処理を実行する特定処理手段(例えば、主制御装置101による開始時AT抽選用処理や停止時AT抽選用処理等、指示機能に関する処理を実行する機能)と、
前記特定処理手段による前記特定処理に対応する特定報知を実行する特定報知手段(表示制御装置81による開始時CZ演出設定処理や停止時CZ演出設定処理を実行する機能)と、
を備え、
前記特定報知手段は、
第1契機(第3停止操作)に基づいて実行される前記特定処理に対応する特定報知を実行可能な第1特定報知手段(表示制御装置81のよるゾロ目演出やバラケ目演出を行うための処理を実行する機能)と、
前記第1契機とは異なる第2契機(スタートレバー41の操作)に基づいて実行される前記特定処理に対応する特定報知を実行可能な第2特定報知手段(表示制御装置81によるチェリー当選時の確定演出を行うための処理を実行する機能)と、
を備え、
前記第1特定報知手段による前記特定報知の報知制御と、前記第2特定報知手段による前記特定報知の報知制御とが異なっていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、始動操作手段の操作に基づき遊技が開始されて当該遊技の抽選が行われ、停止操作手段の操作に基づき当該抽選の結果に対応する絵柄組合せが有効位置に停止すると当該抽選の結果に対応する特典が付与される所謂スロットマシンの遊技機において、停止操作手段を第1操作態様にて操作した場合には第1特典が付与される一方、停止操作手段を第2操作態様にて操作した場合には第2特典が付与される特殊結果が設定されており、第1特典よりも第2特典の方が遊技者にとって有利であるため、特殊結果となった場合、停止操作手段の操作態様の態様報知の実行の有無によって有利度を異ならせることが可能であり、遊技の興趣向上に貢献することができる。
しかも、上記構成においては、このような操作態様によって付与される特典が異なり得る遊技性において、操作態様についての態様報知に関する特定処理が第1契機に基づいて実行された場合と、第2契機に基づいて実行された場合とで、当該特定処理に対応する特定報知の報知制御が異なるようにしていることから、特定報知から特定処理の結果を遊技者が予測するうえで、いずれの契機に基づく特定処理であるかも含めて注目させることができ、契機によって特定処理の結果や内容が異なる等との遊技性に適用したりする等、態様報知を利用した遊技の興趣向上を図るうえで、大いに役立てることが可能となる。
特徴dN2.前記特定処理手段は、
前記抽選手段による抽選結果が第1結果(特殊役)である場合、前記第1契機として、前記停止操作手段の操作後に前記特定処理を実行する第1特定処理手段(例えば、主制御装置101による開始時AT抽選用処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が前記第1結果とは異なる第2結果(特定役)である場合、前記第2契機として、前記停止操作手段の操作前に前記特定処理を実行する第2特定処理手段(例えば、主制御装置101による停止時AT抽選用処理を実行する機能)と、
を備え、
前記第1特定報知手段は、前記抽選手段による抽選結果が前記第1結果である第1遊技における前記停止操作手段の操作後である特定タイミングにて前記特定報知として第1特定報知を実行し、
前記第2特定報知手段は、前記抽選手段による抽選結果が前記第2結果である第2遊技における前記特定タイミングより前(第1停止ON操作時)に、前記特定報知として第2特定報知を実行することを特徴とする特徴dN1に記載の遊技機。
上記構成によれば、操作態様によって付与される特典が異なり得る遊技性において、操作態様についての態様報知に関する特定処理を、抽選手段による抽選結果が第1結果である場合には停止操作手段の操作後に実行されるようにし、第2結果である場合には停止操作手段の操作後に実行されるようにし、第1結果である場合には、操作後の特定タイミングにて特定処理に対応する第1特定報知が実行され、第2結果である場合には、特定タイミングよりも前に特定処理に対応する第2特定報知が実行されるため、抽選結果と特定処理の実行タイミングとが関連付けられ、抽選結果から特定処理の実行タイミングを予測・把握したうえで、当該特定処理の結果が遊技者にとって有利となるように、停止操作手段を操作する手に力が入る面白みのある遊技性を実現することができる。
特徴dN3.前記第1結果は前記態様結果であり、
前記特定処理手段は、前記抽選手段による抽選結果が前記第1結果である場合、前記停止操作手段が前記第1操作態様にて操作された場合には前記特定処理として第1特定処理を実行する一方、前記停止操作手段が前記第2操作態様にて操作された場合には前記特定処理として前記第1特定処理よりも遊技者にとって不利となる第2特定処理を実行する又は前記特定処理を実行しないように設定されており、
前記第1遊技において、前記第1操作態様と前記第2操作態様とのいずれの操作態様となるかの各前記停止操作手段の操作が行われるうえでの分岐タイミング(第1停止ON操作)以後であって、前記特定タイミングよりも前に前記特定処理に対応する報知が行われるようにする手段(表示制御装置81によるテンパイ演出を行うための処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴dN2に記載の遊技機。
上記構成によれば、抽選結果が第1結果である場合、停止操作手段を第1操作態様にて操作すると第1特典が付与されるとともに、態様報知の機能に関する特定処理として第1特定処理が実行される一方、停止操作手段を第2操作態様にて操作すると第2特典が付与されるとともに、態様報知の機能に関する特定処理として第2特定処理が実行されるため、第1結果となった場合、特典付与手段により付与される特典の有利な側(第2操作態様)と、態様報知の機能が有利な側(第1操作態様)との選択を遊技者に委ねる、といった斬新な遊技性を実現することが可能である。
そのうえで、操作後である特定タイミングにて第1特定報知が実行される第1遊技において、第1操作態様と第2操作態様との分岐タイミング以後であって特定タイミングよりも前に特定処理に対応する報知が実行される場合があるようにしたことから、特定処理に対応する報知をなるべく早期に実行可能としながらも、当該報知によって第1操作態様とすべきか第2操作態様とすべきかを悟られないようにすることができる。つまり、例えば、仮に特定処理の結果を事前に察知できるのであれば、その察知した結果が遊技者にとって好ましいものではなければ第2特定処理が行われるものの第2特典を獲得するように第2操作態様にて操作することも考えられるところ、上記のように特定処理に対応する報知を第1操作態様と第2操作態様との分岐タイミング以後で発生させることで、上記の行為が行われにくくなる。よって、遊技の公平性を担保しながらも、第1遊技における特定処理に対応する報知をより早期から開始させることが可能となる。
特徴dN4.前記第1結果は前記態様結果であり、
前記特定処理手段は、前記抽選手段による抽選結果が前記第1結果である場合、前記停止操作手段が前記第1操作態様にて操作された場合には前記特定処理として第1特定処理を実行する一方、前記停止操作手段が前記第2操作態様にて操作された場合には前記特定処理として前記第1特定処理よりも遊技者にとって不利となる第2特定処理を実行する又は前記特定処理を実行しないように設定されており、
前記第2遊技において、前記第1遊技であれば前記第1操作態様と前記第2操作態様とのいずれの操作態様となるかの各前記停止操作手段の操作が行われるうえでの分岐タイミングとなるタイミング(第1停止ON操作時)で、前記特定処理に対応する報知を実行可能な手段(表示制御装置81によるチェリー当選時の確定演出を行うための処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴dN2又は特徴dN3に記載の遊技機。
上記構成によれば、第2結果に基づく特定処理に対応する報知を第1操作態様と第2操作態様との分岐タイミングで発生させることで、仮にその報知からは、結果を把握することができず、第1結果とも予測され得るものであれば、当該報知が行われた場合に、第1操作態様と第2操作態様との操作の選択が正しく、特定処理の結果が遊技者にとって好ましいものであったか否かを、当該分岐タイミングでの報知によって把握させる、といった斬新な遊技性を実現することが可能となし、特定タイミングでの報知に向けて演出を大いに盛り上げることも可能である。
特徴dN5.前記第1結果は前記態様結果であり、
前記特定処理手段は、前記抽選手段による抽選結果が前記第1結果である場合、前記停止操作手段が前記第1操作態様にて操作された場合には前記特定処理として第1特定処理を実行する一方、前記停止操作手段が前記第2操作態様にて操作された場合には前記特定処理として前記第1特定処理よりも遊技者にとって不利となる第2特定処理を実行する又は前記特定処理を実行しないように設定されており、
前記抽選手段による抽選結果が前記第1結果であって、前記停止操作手段を前記第1操作態様にて操作した場合、各前記周回体のうち特定周回体(左リール32L)の特定位置に特定絵柄が停止して、前記有効位置に前記第1の絵柄組合せが停止する構成であり、
前記抽選手段による抽選結果が前記第2結果(チェリーA~C)である場合、前記特定周回体の特定位置に前記特定絵柄が停止するとともに、前記有効位置に前記第1の絵柄組合せ及び前記第2の絵柄組合せとは異なる第3の絵柄組合せが停止することで、当該第2結果に対応する特典が前記特典付与手段により付与される構成であり、
前記特定周回体の特定位置に前記特定絵柄が停止し、且つ他の周回体が停止していない状況で特別報知を実行可能な特別報知手段(表示制御装置81によるチェリー当選時の確定演出を行うための処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴dN2乃至特徴dN4のいずれか1に記載の遊技機。
特定周回体の特定位置に特定絵柄が停止した場合、それが第2結果に基づくものなのか、それとも第1結果当選時の第1操作態様によるものなのかが、停止出目からは判別することができない。このような構成において、当該特定周回体の特定位置に特定絵柄が停止した場合に特別報知が行われる場合があるようにしたことから、当該特別報知が第2結果に基づく特定処理に対応するものなのか、それともその後の第1特定処理や第2特定処理に対応するものなのかを判別することができず、特別報知が行われた場合の結果を予測するうえでの選択枝が増え、当該特別報知の注目度を好適に高めることが可能となる。
特徴dN6.前記特別報知手段は、前記第2結果に基づく前記特定処理の結果に対応する報知を前記特別報知として実行することを特徴とする特徴dN5に記載の遊技機。
上記構成によれば、停止操作前に特定処理が行われており、その結果に対応する報知が特定周回体の特定位置に特定絵柄が停止した場合に特別報知として実行される。このようにすることで、当該特別報知が行われる場面が、第1結果であれば未だ特定処理の実行前の停止出目と同じ状況としながらも、特別報知の内容に矛盾が生じないようになり、特別報知への信頼性を高めることが可能となる。
特徴dN7.前記抽選手段による抽選結果が前記第1結果である場合、前記特定周回体の特定位置に前記特定絵柄が停止することなく前記有効位置に前記第2の絵柄組合せが停止することを特徴とする特徴dN5又は特徴dN6に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1結果当選時に第1操作態様にて操作した場合には特定周回体の特定位置に特定絵柄が停止するものの、第2操作態様にて操作した場合には特定絵柄が停止しないため、特別報知が、操作態様の選択の結果として実行された印象を強く与えることが可能となる。このようにすることで、特別報知への注目度を好適に高めることができる。
特徴dN8.前記特定処理手段は、
前記態様報知手段による態様報知が実行され易くする特定事象(ATモード移行当選、CZモード移行、AT上乗せ当選、天井カウンタの減算)を生じさせるための処理を前記特定処理として実行可能な手段を備え、
前記第1結果である場合の前記特定処理の方が、所定の前記第2結果(例えば、チェリーA)である場合の前記特定処理よりも前記特定事象が生じ易くなるように設定されていることを特徴とする特徴dN2乃至特徴dN7のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1結果に基づいて操作後に特定処理が行われた場合の方が、第2結果に基づいて操作前に特定処理が行われた場合よりも特定事象が生じ易い。そのため、第2結果当選となった遊技である場合の方が圧倒的にその遊技内で特定処理の結果に対応する報知を実行し易いものの、遊技者が求める特定事象につながる特定処理は第1結果当選となった遊技のほうが実行され易くなる。そこで、特定処理の結果に対応する報知を、第1結果であってもあえて特定処理が行われた遊技内の特別タイミングにて実行するようにすることで、第2結果である遊技ですら特定処理の結果に対応する報知へ期待感を寄せさせることが可能となる。
特徴dN9.前記抽選手段による抽選結果が前記第1結果となる確率よりも、前記第2結果(通常リプA~C、チャンス目A~C、チェリーA~C,スイカ)となる確率の方が高くなるように設定されていることを特徴とする特徴dN2乃至特徴dN8のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1結果となる方が第2結果となるよりも出現率が低くなるため、第1結果側に特定処理の結果に対応する報知のタイミングを合わせてしまうと、第2結果の場合に、特定処理が実行されてからなかなかその報知が行われないなどの不都合が生じ易くなる。その点、いずれの結果でもその遊技内の特別タイミングにて特定処理の結果に対応する報知を実行するようにすることで、第1結果であることを第2結果に紛れさせることができ、報知タイミングから特定処理の結果に対応する報知の内容が見抜かれてしまうことを抑制し、当該報知への注目度を好適に高めることが可能となる。
特徴dN10.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
各前記周回体の周回を開始するための開始操作が行われる始動操作手段(スタートレバー41)と、
各前記周回体の周回を停止するための停止操作が行われる停止操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させる開始駆動制御を実行し、前記停止操作手段が操作された場合に対応する前記周回体の周回を停止させる停止駆動制御を実行する駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与することの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が所定の結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、当該所定の結果に対応する所定の絵柄組合せが停止した場合に、前記所定の結果に対応する特典を付与する特典付与手段(主制御装置101によるメダル払出処理や再遊技設定用処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
前記抽選手段による抽選結果として、
前記停止操作手段が第1操作態様にて操作された場合は、前記有効位置に第1の絵柄組合せが停止可能となり、前記特典付与手段により第1特典(1枚のメダル払出)が付与される一方、
前記停止操作手段が前記第1操作態様とは異なる第2操作態様にて操作された場合は、前記有効位置に前記第1の絵柄組合せとは異なる第2の絵柄組合せが停止可能となり、前記特典付与手段により前記第1特典よりも遊技者にとって有利な第2特典(8枚のメダル払出)が付与されることとなる特殊結果(特殊役)が設定されており、
前記停止操作手段の操作態様の態様報知を所定の報知手段にて実行する態様報知手段(例えば主制御装置101による指示モニタ68による押し順報知を実行する機能)と、
前記態様報知手段による態様報知の機能に関する特定処理を実行する特定処理手段(例えば、主制御装置101による開始時AT抽選用処理や停止時AT抽選用処理等、指示機能に関する処理を実行する機能)と、
を備え、
前記特定処理手段は、
前記抽選手段による抽選結果が第1結果(特殊役)である場合、前記停止操作手段の操作後に前記特定処理を実行する第1特定処理手段(例えば、主制御装置101による開始時AT抽選用処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が前記第1結果とは異なる第2結果(特定役)である場合、前記停止操作手段の操作前に前記特定処理を実行する第2特定処理手段(例えば、主制御装置101による停止時AT抽選用処理を実行する機能)と、
を備え、
前記抽選手段による抽選結果が前記第1結果である第1遊技における前記停止操作手段の操作後である特定タイミングにて、前記特定処理に対応する第1特定報知を実行可能な第1特定報知手段(表示制御装置81のよるゾロ目演出やバラケ目演出を行うための処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が前記第2結果である第2遊技における前記特定タイミングより前(第1停止ON操作時)に、前記特定処理の結果に対応する第2特定報知を実行可能な第2特定報知手段(表示制御装置81によるチェリー当選時の確定演出を行うための処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、始動操作手段の操作に基づき遊技が開始されて当該遊技の抽選が行われ、停止操作手段の操作に基づき当該抽選の結果に対応する絵柄組合せが有効位置に停止すると当該抽選の結果に対応する特典が付与される所謂スロットマシンの遊技機において、停止操作手段を第1操作態様にて操作した場合には第1特典が付与される一方、停止操作手段を第2操作態様にて操作した場合には第2特典が付与される特殊結果が設定されており、第1特典よりも第2特典の方が遊技者にとって有利であるため、特殊結果となった場合、停止操作手段の操作態様の態様報知の実行の有無によって有利度を異ならせることが可能であり、遊技の興趣向上に貢献することができる。
しかも、上記構成においては、このような操作態様によって付与される特典が異なり得る遊技性において、操作態様についての態様報知に関する特定処理を、抽選手段による抽選結果が第1結果である場合には停止操作手段の操作後に実行されるようにし、第2結果である場合には停止操作手段の操作後に実行されるようにしたことから、抽選結果と特定処理の実行タイミングとが関連付けられ、抽選結果を予測する遊技と、その予測に基づいて特定処理の実行タイミングを把握したうえで、当該特定処理の結果が遊技者にとって有利となるように、停止操作手段を操作する手に力が入る面白みのある遊技性を実現することができる。
そのうえで、第1結果である場合には、操作後の特定タイミングにて特定処理の結果に対応する第2特定報知が実行され、第2結果である場合には、特定タイミングよりも前に特定処理の結果に対応する第3特定報知が実行されるため、第2特定報知や第3特定報知によっていずれの結果であるかを予測することを可能とし、各特定報知への注目度を好適に高めるとともに、結果を予測したうえで停止操作手段を操作させる遊技性を好適に実現することが可能となる。
上記特徴dN10に対して、特徴dN1乃至特徴dN9にて限定した各構成を個別に適用してもよく、各構成を組み合わせて適用してもよい。
特徴dN11.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
各前記周回体の周回を開始するための開始操作が行われる始動操作手段(スタートレバー41)と、
各前記周回体の周回を停止するための停止操作が行われる停止操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させる開始駆動制御を実行し、前記停止操作手段が操作された場合に対応する前記周回体の周回を停止させる停止駆動制御を実行する駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与することの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が所定の結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、当該所定の結果に対応する所定の絵柄組合せが停止した場合に、前記所定の結果に対応する特典を付与する特典付与手段(主制御装置101によるメダル払出処理や再遊技設定用処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
前記抽選手段による抽選結果として、
前記停止操作手段が第1操作態様にて操作された場合は、前記有効位置に第1の絵柄組合せが停止可能となり、前記特典付与手段により第1特典(1枚のメダル払出)が付与される一方、
前記停止操作手段が前記第1操作態様とは異なる第2操作態様にて操作された場合は、前記有効位置に前記第1の絵柄組合せとは異なる第2の絵柄組合せが停止可能となり、前記特典付与手段により前記第1特典よりも遊技者にとって有利な第2特典(8枚のメダル払出)が付与されることとなる特殊結果(特殊役)が設定されており、
前記停止操作手段の操作態様の態様報知を所定の報知手段にて実行する態様報知手段(例えば主制御装置101による指示モニタ68による押し順報知を実行する機能)と、
前記態様報知手段による態様報知の機能に関する特定処理を実行する特定処理手段(例えば、主制御装置101による開始時AT抽選用処理や停止時AT抽選用処理等、指示機能に関する処理を実行する機能)と、
を備え、
前記特定処理手段は、
前記抽選手段による抽選結果が第1結果(特殊役)である場合、前記停止操作手段の操作後に前記特定処理を実行する第1特定処理手段(例えば、主制御装置101による開始時AT抽選用処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が前記第1結果とは異なる第2結果(特定役)である場合、前記停止操作手段の操作前に前記特定処理を実行する第2特定処理手段(例えば、主制御装置101による停止時AT抽選用処理を実行する機能)と、
を備え、
前記抽選手段による抽選結果が前記第1結果である第1遊技における特別タイミング(第2停止ON操作時)において、前記特定処理に対応する第1特定報知を実行可能であって、且つ前記抽選手段による抽選結果が前記第2結果である第2遊技における前記特別タイミング(第2停止ON操作時)において、前記特定処理に対応する前記第1特定報知を実行可能な第1特定報知手段(表示制御装置81のよるテンパイ演出を発生させるための処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、始動操作手段の操作に基づき遊技が開始されて当該遊技の抽選が行われ、停止操作手段の操作に基づき当該抽選の結果に対応する絵柄組合せが有効位置に停止すると当該抽選の結果に対応する特典が付与される所謂スロットマシンの遊技機において、停止操作手段を第1操作態様にて操作した場合には第1特典が付与される一方、停止操作手段を第2操作態様にて操作した場合には第2特典が付与される特殊結果が設定されており、第1特典よりも第2特典の方が遊技者にとって有利であるため、特殊結果となった場合、停止操作手段の操作態様の態様報知の実行の有無によって有利度を異ならせることが可能であり、遊技の興趣向上に貢献することができる。
しかも、上記構成においては、このような操作態様によって付与される特典が異なり得る遊技性において、操作態様についての態様報知に関する特定処理を、抽選手段による抽選結果が第1結果である場合には停止操作手段の操作後に実行されるようにし、第2結果である場合には停止操作手段の操作後に実行されるようにしたことから、抽選結果と特定処理の実行タイミングとが関連付けられ、抽選結果を予測する遊技と、その予測に基づいて特定処理の実行タイミングを把握したうえで、当該特定処理の結果が遊技者にとって有利となるように、停止操作手段を操作する手に力が入る面白みのある遊技性を実現することができる。
そのうえで、操作後に特定処理が実行される第1結果である場合と操作前に特定処理が実行される第2結果である場合とで、いずれの結果の遊技においても特別タイミングにて特定処理の結果に対応する第1特定報知が実行される場合があるようにしたことから、抽選結果が分かりにくくなり、上記の遊技性の面白みをより高めることが可能となる。
上記特徴dN11に対して、特徴dN1乃至特徴dN10にて限定した各構成を個別に適用してもよく、各構成を組み合わせて適用してもよい。
なお、上記特徴dN1乃至特徴dN11に記載された発明は、「遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機では、所定の抽選条件が成立したことに基づいて内部抽選が行われ、当該内部抽選の結果に応じて遊技者に特典が付与される構成が知られている。スロットマシンについて具体的には、遊技媒体としてのメダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されると、内部抽選が実施されるとともに、リールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップスイッチが操作された場合には、リールの回転が停止する。そして、リールの停止結果が内部抽選の結果に対応したものである場合には、結果に応じた特典が付与される(例えば特開2008-295707号公報参照)。」という背景技術について、「ここで、上記例示等した遊技機においては遊技の興趣向上を図る必要があり、この点について、未だ改良の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
なお、上記特徴dN1乃至特徴dN10の各構成に対して、特徴dA1乃至特徴dA22、特徴dB1乃至特徴dB8、特徴dC1乃至特徴dC8、特徴dD1乃至特徴dD10、特徴dE1乃至特徴dE11、特徴dF1乃至特徴dF8、特徴dG1乃至特徴dG9、特徴dH1乃至特徴dH8、特徴dI1乃至特徴dI12、特徴dJ1乃至特徴dJ8、特徴dK1乃至特徴dK9、特徴dL1乃至特徴dL7、特徴dM1乃至特徴dM12、特徴dN1乃至特徴dN11のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
以上詳述した特徴dA群乃至特徴dN群の各構成に対して、他の特徴dA群乃至特徴dN群の各構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想を組合せて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
以下の特徴eA群乃至特徴eE群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第5eの実施形態、これらの変形例又はこれらの組み合せから抽出される。
<特徴eA群>
特徴eA1.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
各前記周回体の周回を開始するための開始操作が行われる始動操作手段(スタートレバー41)と、
各前記周回体の周回を停止するための停止操作が行われる停止操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させる開始駆動制御を実行し、前記停止操作手段が操作された場合に対応する前記周回体の周回を停止させる停止駆動制御を実行する駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与することの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が所定の結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、前記停止駆動制御によって前記所定の結果に対応する所定の絵柄組合せが停止した場合、当該所定の結果に対応する特典を付与する特典付与手段(主制御装置101によるメダル払出処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
所定契機に基づいて、少なくとも前記周回体を用いた遊技演出としての特定演出を実行することの実行判定を行う実行判定手段(主制御装置101による上乗せループ抽選処理を実行する機能)と、
前記実行判定手段により前記特定演出を実行すると決定された場合、所定の演出手段(補助表示部65)にて対応演出を行うことが可能な対応演出実行手段(表示制御装置81による演出設定処理を実行する機能)と、
を備え、
前記対応演出実行手段は、
前記表示部を介して視認可能な特定位置に停止又は仮停止している絵柄が特定絵柄である場合、前記対応演出として第1対応演出を実行する第1対応演出手段(表示制御装置81による第1回転演出用処理を実行する機能)と、
前記特定位置に停止又は仮停止している絵柄が前記特定絵柄とは異なる絵柄である場合、前記対応演出として前記第1対応演出とは異なる第2対応演出を実行する第2対応演出手段(表示制御装置81による第2回転演出用処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、始動操作手段の操作に基づき遊技が開始されて当該遊技の抽選が行われ、停止操作手段の操作に基づき当該抽選の結果に対応する絵柄組合せが有効位置に停止すると当該抽選の結果に対応する特典が付与される所謂スロットマシンの遊技機において、周回体を用いた遊技演出である特定演出が行われる場合があるため、周回体を用いて特典の獲得を目指すスロットマシンの遊技性にマッチした演出にて遊技の興趣向上が図られる。
しかも、特定演出が行われる場合に、特定位置に停止等している絵柄が特定絵柄である場合には所定の演出手段において第1対応演出が実行され、特定位置に特定絵柄とは異なる絵柄が停止等している場合には所定の演出手段において第2対応演出が実行されるようにしていることから、特定演出の前段階から周回体の停止出目に関心を寄せさせ、特定演出の注目度を向上させることが可能となるし、例えば、停止出目によって特定演出の態様を異ならせるなどの複雑な制御を行わなくても、停止出目と特定演出との関連付けを行うことができ、比較的簡素な処理構成にて特定演出の演出効果を向上させることが可能となる。
特徴eA2.前記特定演出として、前記周回体を回転させた後、当該回転の前である前状態において前記特定位置に停止又は仮停止していた絵柄に対応する対応絵柄(第1特定態様、第2特定態様)を当該特定位置又は当該特定位置に対応する位置に停止又は仮停止する特定状況が生じるように前記周回体の特定駆動制御を実行可能な特定駆動制御手段(主制御装置101による第1回転制御処理において第1回転動作を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴eA1に記載の遊技機。
特定演出を行ううえでは、当該特定演出前の前状態における絵柄の停止位置によって特定演出の態様を異ならせる等することで特定演出による演出効果を高めることが可能となるものの、このような前状態における絵柄の停止位置によって特定演出の態様を異ならせようとすると、周回体の回転速度や加速度等を絵柄の停止位置等によって異ならせる等、極度に処理負荷が増大化するといった不都合が生じ得る。
その点、上記構成においては、特定演出前の前状態において特定位置に停止又は仮停止していた絵柄に対応する対応絵柄を当該特定位置等に停止又は仮停止させるようにし、前状態における絵柄の停止位置に関わらず、単に、停止又は仮停止している状態から周回体を回転させて同じ絵柄や対応する絵柄をそのまま停止等させるだけとしたことから、特定演出を行う上での処理負荷の増大化を好適に抑制することが可能となる。
特徴eA3.前記前状態において前記特定位置に停止又は仮停止している絵柄が前記特定絵柄である場合は前記特定駆動制御が実行されるようにする一方、前記前状態において前記特定位置に停止又は仮停止している絵柄が前記特定絵柄とは異なる絵柄である場合は前記特定駆動制御の実行を制限可能な特定手段(主制御装置101による第1回転演出フラグではなく第2回転演出フラグをセットする処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴eA2に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定位置に特定絵柄が停止していなければ回転後そのまま停止させる特定駆動制御すら制限するようにすることで、特定演出を行う上での処理負荷の増大化を更に抑制することが可能となる。
なお、上記構成は、以下のように表現してもよい。
「前記前状態において前記特定位置に停止又は仮停止している絵柄が前記特定絵柄である場合は、前記周回体を回転させた後、前記特定駆動制御が実行されるようにする一方、前記前状態において前記特定位置に停止又は仮停止している絵柄が前記特定絵柄とは異なる絵柄である場合は、前記周回体を回転させた後、前記特定駆動制御の実行を制限可能な特定手段(主制御装置101による第1回転演出フラグではなく第2回転演出フラグをセットする処理を実行する機能)を備えている」。
特徴eA4.前記駆動制御手段は、前記停止操作手段が操作されたことに基づき前記周回体を停止させる場合、周回中の当該周回体の絵柄位置に基づいて当該周回体の前記停止駆動制御を実行する構成であり、
一の前記周回体には特定数の絵柄が付されており、
前記特定駆動制御手段は、前記特定演出が開始されてから前記特定数の所定数倍に対応する絵柄分だけ前記周回体が回転したタイミングで当該周回体を停止又は仮停止させることで、前記前状態において前記特定位置に停止又は仮停止していた絵柄に対応する対応絵柄を前記特定位置又は当該特定位置に対応する位置に停止又は仮停止する特定状況が生じさせる構成であることを特徴とする特徴eA2又は特徴eA3に記載の遊技機。
上記構成のように、停止操作手段の操作に基づき周回体を停止させる場合には、周回中の周回体の絵柄位置を把握したうえで、当該絵柄位置に基づいて周回体の停止駆動制御を行うことで、例えば、抽選手段の抽選結果とは対応しない絵柄が有効位置に停止してしまうことを回避することができるし、抽選手段の抽選結果に対応する絵柄を有効位置に停止させるにあたって停止操作手段の操作タイミングが若干ずれていても当該有効位置に停止させる制御(いわゆる滑り制御)を行うことも可能である。
これに対して、特定動作は演出上の回転動作であるから、抽選結果とは関係なく停止させることが可能であり、上記のように周回中の絵柄位置に関わらず、単に所定数倍だけ周回したタイミングで停止制御を行うようにすることで、前状態にて停止等していた対応絵柄をそのままその位置に停止等させることが可能となり、その演出効果を期待するうえでの制御負荷の圧倒的な軽減効果を見込むことが可能となる。
そのうえで、特定位置に特定絵柄が停止等していない場合には、特定位置に停止していなかった特定絵柄を特定位置に再停止させるような複雑な処理を用いることなく、単にその再停止させる制御を行わないようにすることで、特定動作を行う上での処理構成の簡素化を図ることが可能となる。
なお、「所定数倍」を「整数倍」と限定することで、特定位置に停止等していた絵柄と同じ絵柄を同特定位置に停止等する状況が生じるように駆動制御することが可能であり、「所定数倍」を「非整数倍」と限定することで、特定位置に停止等していた絵柄に対応する絵柄を同特定位置に停止等する状況や、特定位置に停止等していた絵柄と同じ絵柄を同特定位置に対応する位置に停止等する状況が生じるように駆動制御することが可能な構成とすることができる。
また、上記構成は、以下のように表現することも可能である。
「前記駆動制御手段は、前記停止操作手段が操作されたことに基づき前記周回体を停止させる場合、周回中の当該周回体の絵柄位置に基づいて当該周回体の前記停止駆動制御を実行する構成であり、
前記特定駆動制御手段は、前記対応絵柄を前記特定位置に停止又は仮停止させる場合、前記周回体が1周するために要する周回期間(総ステップカウンタ)に基づいて、当該対応絵柄を前記特定位置に停止又は仮停止させる構成である」。
特徴eA5.前記前状態において前記特定位置に停止又は仮停止している絵柄が前記特定絵柄である場合、前記特定演出において、前記特定駆動制御が複数回に亘って実行され得る構成であることを特徴とする特徴eA3又は特徴eA4に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定演出においては、特定位置に停止していた絵柄が再停止される特定駆動制御が複数回に亘って実行され得る構成であり、特定絵柄が停止等されるたびにその喜びを感じさせる等によって演出効果が高められている。その一方で、仮に、特定位置に特定絵柄が停止していないのにもかかわらず、このような特定駆動制御が複数回に亘って実行されるようにしてしまうと、特定絵柄を停止させることができなかった屈辱感や残念感を累積的に味合わせてしまう構成となる。その点、特徴eA3のように特定絵柄が停止していなければ、当該特定駆動制御の実行が制限されるようになることから、特定動作による演出効果を期待するうえでの構成がかえって逆効果となってしまう不都合を生じさせないようにすることができる。
特徴eA6.前記前状態において前記特定位置に停止又は仮停止している絵柄が前記特定絵柄である場合は前記特定駆動制御が実行されるようにする一方、前記前状態において前記特定位置に停止又は仮停止している絵柄が前記特定絵柄とは異なる絵柄である場合は前記特定駆動制御の実行を制限可能な特定手段(主制御装置101による第1回転演出フラグではなく第2回転演出フラグをセットする処理を実行する機能)を備え、
前記特定演出が終了する場合、前記周回体が停止又は仮停止する構成であり、
前記特定手段により前記特定駆動制御の実行が制限された場合において、前記特定演出の終了に際して前記周回体が停止又は仮停止する場合、前記前状態において前記特定位置に停止又は仮停止していた絵柄に対応する対応絵柄が前記特定位置に停止又は仮停止しないように設定されていることを特徴とする特徴eA3乃至特徴eA5のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定位置に特定絵柄が停止していないことを理由として、当該特定絵柄を再停止させる特定駆動制御をせっかく制限したのにも関わらず、特定演出の終了に際して周回体を停止等させる場合に、特定位置に特定絵柄が停止していない停止出目が再現されてしまうことが回避される。
特徴eA7.前記特定演出は、前記開始駆動制御が行われた場合と逆方向に各周回体を周回させる動作を含むことを特徴とする特徴eA6に記載の遊技機。
上記構成のように、特定演出では、通常と逆方向に周回体を回転させるようにすることで、特定演出の終了に際しては、一旦、各周回体を停止等させる必要が生じるようになり、特徴eA6の構成を有することの意義が高められる。
特徴eA8.前記実行判定手段により前記特定演出を実行すると決定された場合、前記特定位置に前記特定絵柄を停止させる旨の指示報知を所定の報知手段にて実行する指示報知手段(表示制御装置81による操作指示演出を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴eA1乃至特徴eA7のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、指示報知に従って特定位置に特定絵柄を停止等させることに成功した場合には、特定演出において第1対応演出が実行される一方、指示報知に従わなかった場合や、特定位置に特定絵柄を停止等させることに失敗した場合には、特定演出において第2対応演出が実行される。また、特徴eA3では、指示報知に従って特定位置に特定絵柄を停止等させることに成功した場合には、当該特定位置に特定絵柄が再停止する特定駆動制御が実行される一方、指示報知に従わなかった場合や、特定位置に特定絵柄を停止等させることに失敗した場合には、特定位置に特定絵柄が再停止する特定駆動制御の実行が制限される。このようにすることで、特定絵柄を再停止等させることを目標として、指示報知の指示通り操作できるように遊技技能を習得する等、遊技意欲の増進に寄与することができる。
特徴eA9.前記特定演出として、前記周回体を回転させた後、当該回転の前である前状態において前記特定位置に停止又は仮停止していた絵柄に対応する対応絵柄(第1特定態様、第2特定態様)を当該特定位置又は当該特定位置に対応する位置に停止又は仮停止する特定状況が生じるように前記周回体の特定駆動制御を実行可能な特定駆動制御手段(主制御装置101による第1回転制御処理において第1回転動作を実行する機能)と、
前記前状態において前記特定位置に停止又は仮停止している絵柄が前記特定絵柄である場合は前記特定駆動制御が実行されるようにする一方、前記前状態において前記特定位置に停止又は仮停止している絵柄が前記特定絵柄とは異なる絵柄である場合は前記特定駆動制御の実行を制限可能な特定手段(主制御装置101による第1回転演出フラグではなく第2回転演出フラグをセットする処理を実行する機能)と、
を備え、
前記実行判定手段は、遊技者にとって有利となる有利事象(ATモードのセット上乗せ)が発生する場合、実行判定の結果が前記特定演出を実行することに対応する結果となる構成であり、
前記特定駆動制御手段による前記特定駆動制御が制限される場合であっても、前記有利事象は発生することを特徴とする特徴eA3乃至特徴eA6のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定演出における特定駆動制御の実行が制限された場合であっても、有利事象は発生することから、遊技者の利益を確保しながら特定駆動制御の実行の有無による特徴eA3の効果を得ることができる。
特徴eA10.前記有利事象が発生することに対応する有利報知を実行する有利報知手段(表示制御装置81による第1ループ演出や第2ループ演出を実行する機能)を備え、
前記有利報知手段は、前記特定演出が開始されてから所定期間が経過した場合に前記有利報知を実行可能となることを特徴とする特徴eA9に記載の遊技機。
上記構成によれば、有利事象が発生することの有利報知は、特定動作が開始されてから所定期間が経過することで実行されるようになることから、仮に、特定絵柄が特定位置に停止していないからといって、特定演出における周回体の動作自体を中止してしまった場合には、有利報知を実行する機会が消失してしまう可能性がある。その点、上記のように特定演出における周回体の動作自体を制限するのではなく特定演出における特定駆動制御を制限することで、有利報知の実行機会を確保することが可能となる。
特徴eA11.前記特定手段は、前記前状態において前記特定位置に停止又は仮停止している絵柄が前記特定絵柄とは異なる絵柄である場合、前記特定駆動制御の前段階として前記周回体を回転させる回転駆動制御の実行も制限することが可能な構成であり、
前記有利報知手段は、前記特定手段により前記特定演出が制限された場合、前記特定演出が開始されていたとした場合において前記所定期間が経過するよりも前となるタイミングで前記有利報知を実行可能となることを特徴とする特徴eA10に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定演出における周回体の動作が制限されるような構成においても、有利報知の実行機会を確保することが可能となる。
特徴eA12.前記実行判定手段により前記特定演出を実行すると決定され、且つ、前記特定位置に前記特定絵柄が停止又は仮停止した場合に、遊技者にとって有益となる特定情報を提示する一方、前記実行判定手段により前記特定演出を実行すると決定された場合であっても、前記特定位置に前記特定絵柄が停止又は仮停止しなかった場合には、前記特定情報を提示しない又は前記特定位置に前記特定絵柄が停止若しくは仮停止した場合の前記特定情報よりも遊技者にとって有益となりにくい態様にて前記特定情報を提示する特定情報提示手段(表示制御装置81による設定値の示唆としての特別演出を行うための処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴eA1乃至特徴eA11のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定演出を実行することの決定がなされた場合であっても、特定位置に特定絵柄が停止等しなければ特定情報の提示が行われなかったり、停止等した場合よりも有益となりにくい態様にて特定情報の提示が実行されるようになる構成としていることから、特定位置に特定絵柄を停止させることができなかった場合には、特定演出における対応演出が第1対応演出ではなく第2対応演出とされたり特定駆動制御が実行されないようになるだけでなく、上記の特定情報の提示の有無等といった実質的な有利度の差が生じるようになる。このようにすることで、特定位置に特定絵柄を停止させることを可能とする遊技技術の向上を目指すようになる、といったように、遊技意欲の増進に寄与することが可能となる。
特徴eA13.前記対応演出実行手段は、前記特定位置に停止又は仮停止している絵柄が前記特定絵柄である前記周回体についての前記対応演出は、前記第1対応演出手段により前記第1対応演出が実行されるようにし、前記特定位置に停止又は仮停止している絵柄が前記特定絵柄とは異なる絵柄である前記周回体についての前記対応演出は、前記第2対応演出手段により前記第2対応演出が実行されるようにすることが可能であることを特徴とする特徴eA1乃至特徴eA12のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、周回体毎に特定位置に特定絵柄が停止しているか否かが判断され、停止している周回体についての対応演出は第1対応演出となり、停止していない周回体についての対応演出は第2対応演出となる。このようにすることで、特定演出がより段階的な演出となり、演出効果が高められるし、特定位置に特定絵柄を停止させることに一部でも成功した場合に、それに応じた演出を行うことが可能となることから、遊技意欲の増進に寄与することも可能となる。
特徴eA14.前記特定位置に停止又は仮停止している絵柄が前記特定絵柄である場合は前記特定演出が実行されるようにする一方、前記特定位置に停止又は仮停止している絵柄が前記特定絵柄とは異なる絵柄である場合は前記特定演出の実行を制限可能な特定手段(主制御装置101による第1回転演出フラグではなく第2回転演出フラグをセットする処理を実行する機能)を備え、
前記特定手段は、前記特定位置に停止又は仮停止している絵柄が前記特定絵柄である前記周回体については前記特定演出が実行されるようにする一方、前記特定位置に停止又は仮停止している絵柄が前記特定絵柄とは異なる絵柄である前記周回体については前記特定演出の実行を制限することが可能であることを特徴とする特徴eA1乃至特徴eA13のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、周回体毎に特定位置に特定絵柄が停止しているか否かが判断され、停止している周回体については特定演出が実行されるものの、停止していない周回体については特定演出の実行が制限される。このようにすることで、特定演出がより段階的な演出となり、演出効果が高められるし、特定位置に特定絵柄を停止させることに一部でも成功した場合に、それに応じた演出を行うことが可能となることから、遊技意欲の増進に寄与することも可能となる。
特徴eA15.前記特定演出として、前記周回体を回転させた後、当該回転の前である前状態において前記特定位置に停止又は仮停止していた絵柄に対応する対応絵柄(第1特定態様、第2特定態様)を当該特定位置又は当該特定位置に対応する位置に停止又は仮停止する特定状況が生じるように前記周回体の特定駆動制御を実行可能な特定駆動制御手段(主制御装置101による第1回転制御処理において第1回転動作を実行する機能)と、
前記前状態において前記特定位置に停止又は仮停止している絵柄が前記特定絵柄である場合は前記特定駆動制御が実行されるようにする一方、前記前状態において前記特定位置に停止又は仮停止している絵柄が前記特定絵柄とは異なる絵柄である場合は前記特定駆動制御の実行を制限可能な特定手段(主制御装置101による第1回転演出フラグではなく第2回転演出フラグをセットする処理を実行する機能)と、
を備え、
前記特定手段により、前記特定駆動制御の実行が制限された場合とそうではない場合とで、当該特定駆動制御の対象となる前記特定演出の後、各前記周回体の周回を開始させる場合の制御態様を異ならせることが可能な特別手段(主制御装置101によるランダム回転用の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴eA1乃至特徴eA14のいずれか1に記載の遊技機。
特定位置に特定絵柄を停止させる特定駆動制御を行った場合、特定動作後に遊技を開始させるべく周回体の開始駆動制御を行うと、特定絵柄を視認できる遊技者とそうではない遊技者とで、周回体の停止操作を行ううえでの難易度が異なるようになる等、遊技の公平性が損なわれる可能性がある。そのため、例えば、周回体の回転開始タイミングを異ならせる等して特定の絵柄組合せが揃ったまま回転しないようにする工夫が必要となり得る。
但し、特定駆動制御の実行が制限される場合があり、特定演出を実行したからといって、次の回転開始時に、上記のように回転開始タイミングを異ならせる等の制御を一律に実行するような構成としてしまうと、遊技のスムーズな進行が妨げられるし、処理負荷の増大化も懸念される。
そこで、上記構成では、特定演出において、特定駆動制御の有無によって、次の回転開始時の制御態様を異ならせることが可能な特定手段を備えるようにしたことから、上記のような不都合を生じさせないようにしながら、特定演出による演出効果を好適に得ることが可能となる。
特徴eA16.各前記周回体のうち第1周回体と当該第1周回体とは異なる第2周回体とで、周回を開始させるタイミングを異ならせる特定開始制御を実行可能な手段(主制御装置101によるランダム回転を行うための処理を実行する機能)を備え、
前記特別手段は、前記特定演出において前記特定駆動制御が実行された場合は、当該特定演出の後、各前記周回体の周回を開始させる場合に前記特定開始制御が行われるようにする一方、前記特定演出において前記特定駆動制御が実行されなかった場合は、当該特定演出の後、各前記周回体の周回を開始させる場合に前記特定開始制御が行われないようにすることで、当該特定演出の後、各前記周回体の周回を開始させる場合の制御態様を異ならせることが可能であることを特徴とする特徴eA15に記載の遊技機。
上記構成は特徴eA15の具体的構成であり、特定演出において特定駆動制御を実行した場合には、当該特定演出の後、各周回体の周回を開始させるタイミングが異なるようにする特定開始制御を実行する一方、特定演出において特定駆動制御を実行しなかった場合には、当該特定演出の後、特定開始制御を実行しないようにすることで、遊技の公平性を損なわない範囲で、無駄な処理を省略することが可能となり、特定演出を用いた演出効果を好適に得ることが可能となる。
特徴eA17.前記特定演出は、特定契機(ループ非当選)が生じた場合に当該特定演出が終了される構成であり、
前記特定演出において前記特定駆動制御が実行され、当該特定演出の終了後に前記特定開始制御が行われる場合、最初に周回が開始されてから、最後に周回が開始されるまでに特定期間を要するように設定されており、
前記特定演出において前記特定駆動制御が行われなかった場合、前記特定契機が生じてから前記特定期間が経過するまで当該特定動作が終了されることを待機させる手段(主制御装置101による第2回転制御処理において、総ステップカウンタが「9000」となるまで待機させる処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴eA16に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定演出において特定駆動制御が実行されて特定開始制御が行われる場合と、特定演出において特定駆動制御が実行されずに特定開始制御も行われない場合とで、遊技の進行スピードを合わせることが可能となる。つまり、特定駆動制御の実行の有無では遊技の進行速度は影響がなくなり、このようにすることで、遊技進行をはやるあまり、特定演出において演出上盛り上がる特定駆動制御を鬱陶しく感じさせてしまう、といった本末転倒な構成とならないようにすることが可能となる。
特徴eA18.前記特定演出として、前記周回体を回転させた後、当該回転の前である前状態において前記特定位置に停止又は仮停止していた絵柄に対応する対応絵柄(第1特定態様、第2特定態様)を当該特定位置又は当該特定位置に対応する位置に停止又は仮停止する特定状況が生じるように前記周回体の特定駆動制御を実行可能な特定駆動制御手段(主制御装置101による第1回転制御処理において第1回転動作を実行する機能)と、
前記前状態において前記特定位置に停止又は仮停止している絵柄が前記特定絵柄である場合は前記特定駆動制御が実行されるようにする一方、前記前状態において前記特定位置に停止又は仮停止している絵柄が前記特定絵柄とは異なる絵柄である場合は前記特定駆動制御の実行を制限可能な特定手段(主制御装置101による第1回転演出フラグではなく第2回転演出フラグをセットする処理を実行する機能)と、
前記特定手段により前記特定演出において前記特定駆動制御が実行されないようにされる場合、前記周回体の視認性を前記特定駆動制御が実行される場合よりも低下させる手段(第2補助表示部650)と、
備えていることを特徴とする特徴eA1乃至特徴eA17のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定駆動制御の実行が制限される場合には当該特定駆動制御が行われるはずであった周回体が見えにくくなるため、特定駆動制御の実行が制限されていることに気付きにくくなる。よって、特定駆動制御の実行を制限することによる演出効果の低下を抑制することが可能となる。
特徴eA19.前記表示部を含むようにして表示演出を実行可能な表示手段(第2補助表示部650)を備え、
前記表示手段にて前記第2対応演出手段により前記第2対応演出が実行されることにより、前記周回体の視認性が低下することを特徴とする特徴eA18に記載の遊技機。
上記構成によれば、第2対応演出が表示手段にて実行されることにより、その背後で回転する周回体の動作が見にくくなる。このようにすることで、周回体の視認性が低下することに対して違和感を与えないようにしながら、第2対応演出への注目度を高めることが可能となる。
特徴eA20.前記特定演出として、前記周回体を回転させた後、当該回転の前である前状態において前記特定位置に停止又は仮停止していた絵柄に対応する対応絵柄(第1特定態様、第2特定態様)を当該特定位置又は当該特定位置に対応する位置に停止又は仮停止する特定状況が生じるように前記周回体の特定駆動制御を実行可能な特定駆動制御手段(主制御装置101による第1回転制御処理において第1回転動作を実行する機能)と、
前記前状態において前記特定位置に停止又は仮停止している絵柄が前記特定絵柄である場合は前記特定駆動制御が実行されるようにする一方、前記前状態において前記特定位置に停止又は仮停止している絵柄が前記特定絵柄とは異なる絵柄である場合は前記特定駆動制御の実行を制限可能な特定手段(主制御装置101による第1回転演出フラグではなく第2回転演出フラグをセットする処理を実行する機能)と、
を備え、
前記特定手段は、前記前状態において前記特定位置に停止又は仮停止している絵柄が前記特定絵柄である場合は前記特定駆動制御の実行を許容することで前記特定演出が第1特定態様にて実行されるようにし、前記前状態において前記特定位置に停止又は仮停止している絵柄が前記特定絵柄とは異なる絵柄である場合は前記特定駆動制御の実行を制限することで前記特定演出が前記第1特定態様とは異なる第2特定態様にて実行されるようにすることを特徴とする特徴eA1乃至特徴eA19のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定手段により特定駆動制御の実行が制限される場合であっても、特定演出の態様を変えて周回体を用いた演出としての動作自体は実行されることが明確化される。このようにすることで、せっかく特定演出を実行することの決定がなされたのにもかかわらず、特定位置に特定絵柄を停止等させることができなかっただけで特定演出自体が実行されなくなるといった残念な結果とならないようにすることができ、演出バランスの好適化を図ることが可能となる。
特徴eA21.前記第1特定態様と前記第2特定態様とは、前記周回体の回転速度が異なる態様であることを特徴とする特徴eA20に記載の遊技機。
上記構成によれば、回転速度を異ならせるといった、比較的簡素な構成にて特徴eA20の効果を得ることが可能となる。
特徴eA22.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
各前記周回体の周回を開始するための開始操作が行われる始動操作手段(スタートレバー41)と、
各前記周回体の周回を停止するための停止操作が行われる停止操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させる開始駆動制御を実行し、前記停止操作手段が操作された場合に対応する前記周回体の周回を停止させる停止駆動制御を実行する駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与することの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が所定の結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、前記停止駆動制御によって前記所定の結果に対応する所定の絵柄組合せが停止した場合、当該所定の結果に対応する特典を付与する特典付与手段(主制御装置101によるメダル払出処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
所定契機に基づいて、少なくとも前記周回体を用いた遊技演出としての特定演出を実行することの実行判定を行う実行判定手段(主制御装置101による上乗せループ抽選処理を実行する機能)と、
前記実行判定手段により前記特定演出を実行すると決定された場合、所定の演出手段(補助表示部65)にて対応演出を行うことが可能な対応演出実行手段(表示制御装置81による演出設定処理を実行する機能)と、
を備え、
前記対応演出実行手段は、
前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される特定位置に停止又は仮停止している絵柄に対応する対応絵柄が特定絵柄である場合、前記対応演出として第1対応演出を実行する第1対応演出手段(表示制御装置81による第1回転演出用処理を実行する機能)と、
前記特定位置に停止又は仮停止している絵柄が前記特定絵柄とは異なる絵柄である場合、前記対応演出として前記第1対応演出とは異なる第2対応演出を実行する第2対応演出手段(表示制御装置81による第2回転演出用処理を実行する機能)と、
を備え、
前記特定位置に停止又は仮停止している絵柄が前記特定絵柄である場合は前記特定演出を第1特定態様にて実行されるようにする一方、前記特定位置に停止又は仮停止している絵柄が前記特定絵柄とは異なる絵柄である場合は前記特定演出を前記第1特定態様とは異なる第2特定態様にて実行されるようにする特定手段(主制御装置101による第1回転演出フラグではなく第2回転演出フラグをセットする処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、始動操作手段の操作に基づき遊技が開始されて当該遊技の抽選が行われ、停止操作手段の操作に基づき当該抽選の結果に対応する絵柄組合せが有効位置に停止すると当該抽選の結果に対応する特典が付与される所謂スロットマシンの遊技機において、周回体を用いた遊技演出である特定演出が行われる場合があるため、周回体を用いて特典の獲得を目指すスロットマシンの遊技性にマッチした演出にて遊技の興趣向上が図られる。
しかも、特定演出が行われる場合に、特定位置に停止等している絵柄が特定絵柄である場合には特定演出は第1特定態様にて実行され、更に所定の演出手段において第1対応演出が実行され、特定位置に特定絵柄とは異なる絵柄が停止等している場合には特定演出は第2特定態様にて実行され、更に所定の演出手段において第2対応演出が実行されるようにしていることから、特定演出の前段階から周回体の停止出目に関心を寄せさせ、特定演出の注目度を向上させることが可能となる。
なお、上記特徴eA22に対して、特徴eA1乃至特徴eA21にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。
特徴eA23.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
各前記周回体の周回を開始するための開始操作が行われる始動操作手段(スタートレバー41)と、
各前記周回体の周回を停止するための停止操作が行われる停止操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させる開始駆動制御を実行し、前記停止操作手段が操作された場合に対応する前記周回体の周回を停止させる停止駆動制御を実行する駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与することの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が所定の結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、前記停止駆動制御によって前記所定の結果に対応する所定の絵柄組合せが停止した場合、当該所定の結果に対応する特典を付与する特典付与手段(主制御装置101によるメダル払出処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
所定契機に基づいて、少なくとも前記周回体を用いた遊技演出としての特定動作を含む特定演出を実行することの実行判定を行う実行判定手段(主制御装置101による上乗せループ抽選処理を実行する機能)と、
前記実行判定手段により前記特定演出を実行すると決定された場合、前記特定動作として、前記周回体を回転させた後、当該回転の前である前状態において前記表示部を介して視認可能な特定位置に停止又は仮停止していた絵柄に対応する対応絵柄(第1特定態様、第2特定態様)が当該特定位置又は当該特定位置に対応する位置に停止又は仮停止する特定状況が生じるように前記周回体の特定駆動制御を実行可能な特定駆動制御手段(主制御装置101による第1回転制御処理において第1回転動作を実行する機能)と、
前記実行判定手段により前記特定演出を実行すると決定された場合、所定の演出手段(補助表示部65)にて対応演出を行うことが可能な対応演出実行手段(表示制御装置81による演出設定処理を実行する機能)と、
を備え、
前記対応演出実行手段は、
前記前状態において前記特定位置に停止又は仮停止している絵柄が特定絵柄である場合、前記対応演出として第1対応演出を実行する第1対応演出手段(表示制御装置81による第1回転演出用処理を実行する機能)と、
前記前状態において前記特定位置に停止又は仮停止している絵柄が前記特定絵柄とは異なる絵柄である場合、前記対応演出として前記第1対応演出とは異なる第2対応演出を実行する第2対応演出手段(表示制御装置81による第2回転演出用処理を実行する機能)と、
を備え、
前記前状態において前記特定位置に停止又は仮停止している絵柄が前記特定絵柄である場合は前記特定駆動制御が実行されるようにする一方、前記前状態において前記特定位置に停止又は仮停止している絵柄が前記特定絵柄とは異なる絵柄である場合は前記特定駆動制御が実行されないようにする特定手段(主制御装置101による第1回転演出フラグではなく第2回転演出フラグをセットする処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、始動操作手段の操作に基づき遊技が開始されて当該遊技の抽選が行われ、停止操作手段の操作に基づき当該抽選の結果に対応する絵柄組合せが有効位置に停止すると当該抽選の結果に対応する特典が付与される所謂スロットマシンの遊技機において、周回体を用いた遊技演出である特定動作が行われる場合があり、更に、当該特定動作が行われる場合には、所定の演出手段にて特定動作に応じた対応演出が行われる、といったような特定演出を行うようにしているため、周回体を用いて特典の獲得を目指すスロットマシンの遊技性にマッチした演出にて遊技の興趣向上が図られる。
ここで、特定動作を行ううえでは、当該特定動作前の前状態における絵柄の停止位置によって特定動作の態様を異ならせる等することで特定動作による演出効果を高めることが可能となるものの、このような前状態における絵柄の停止位置によって特定動作を異ならせようとすると、周回体の回転速度や加速度等を絵柄の停止位置等によって異ならせる等、極度に処理負荷が増大化するといった不都合が生じ得る。
その点、上記構成においては、特定動作前の前状態において特定位置に停止又は仮停止していた対応絵柄を当該特定位置に停止又は仮停止させるようにし、前状態における絵柄の停止位置に関わらず、単に、停止又は仮停止している状態から周回体を回転させて同じ絵柄や対応する絵柄をそのまま停止等させるだけとしたうえで、前状態における絵柄の停止位置によって、対応演出を第1対応演出や第2対応演出とし、更に上記の特定位置に特定絵柄が停止していなければ回転後そのまま停止させる特定駆動制御すら制限するようにすることで、特定演出の演出効果を担保しながらも、特定動作を行う上での処理負荷の増大化を好適に抑制することが可能となる。
なお、上記特徴eA23に対して、特徴eA1乃至特徴eA22にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。
なお、上記特徴eA1乃至特徴eA23に記載された発明は、「遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機では、所定の抽選条件が成立したことに基づいて内部抽選が行われ、当該内部抽選の結果に応じて遊技者に特典が付与される構成が知られている。スロットマシンについて具体的には、遊技媒体としてのメダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されると、内部抽選が実施されるとともに、リールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップスイッチが操作された場合には、リールの回転が停止する。そして、リールの停止結果が内部抽選の結果に対応したものである場合には、結果に応じた特典が付与される(例えば特開2008-295707号公報参照)。」という背景技術について、「ここで、上記例示等した遊技機においては遊技の興趣向上を図る必要があり、この点について、未だ改良の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
なお、上記特徴eA1乃至特徴eA23の各構成に対して、特徴eA1乃至特徴eA23、特徴eB1乃至特徴eB9、特徴eC1乃至特徴eC8、特徴eD1乃至特徴eD11、特徴eE1乃至特徴eE7のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴eB群>
特徴eB1.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
各前記周回体の周回を開始するための開始操作が行われる始動操作手段(スタートレバー41)と、
各前記周回体の周回を停止するための停止操作が行われる停止操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させる開始駆動制御を実行し、前記停止操作手段が操作された場合に対応する前記周回体の周回を停止させる停止駆動制御を実行する駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与することの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が所定の結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、前記停止駆動制御によって前記所定の結果に対応する所定の絵柄組合せが停止した場合、当該所定の結果に対応する特典を付与する特典付与手段(主制御装置101によるメダル払出処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
所定契機に基づいて、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置である特定位置(中ラインL2)に、第1特定絵柄(第1特定態様)を停止させることの第1指示報知(第1操作指示演出)を実行可能な第1指示報知手段(表示制御装置81による第1操作指示演出を実行する機能)と、
前記第1指示報知が実行され、前記特定位置に前記第1特定絵柄が停止又は仮停止した場合に、少なくとも前記周回体による特定動作(第1回転動作)を含む第1特定演出を実行する第1特定演出手段(主制御装置101による第1回転制御処理を実行する機能、表示制御装置81による第1停止時演出、第1開始演出、第1ループ演出等を実行する機能)と、
前記第1指示報知が実行され、前記特定位置に前記第1特定絵柄が停止又は仮停止しなかった場合に、前記第1特定演出手段による前記第1特定演出の実行を制限する第1制限手段(主制御装置101による第2回転制御処理を実行する機能、表示制御装置81による第2停止時演出、第2開始演出、第2ループ演出等を実行する機能)と、
所定契機に基づいて、前記特定位置(中ラインL2)に、前記第1特定絵柄とは異なる第2特定絵柄(第2特定態様)を停止させることの第2指示報知(第2操作指示演出)を実行可能な第2指示報知手段(表示制御装置81による第1操作指示演出を実行する機能)と、
前記第2指示報知が実行され、前記特定位置に前記第2特定絵柄が停止又は仮停止した場合に、少なくとも前記周回体による特定動作(第1回転動作)を含む第2特定演出を実行する第2特定演出手段(主制御装置101による第1回転制御処理を実行する機能、表示制御装置81による第3停止時演出、第1開始演出、第1ループ演出等を実行する機能)と、
前記第2指示報知が実行され、前記特定位置に前記第2特定絵柄が停止又は仮停止しなかった場合に、前記第2特定演出手段による前記第2特定演出の実行を制限する第2制限手段(主制御装置101による第2回転制御処理を実行する機能、表示制御装置81による第2停止時演出、第2開始演出、第2ループ演出等を実行する機能)と、
前記第2指示報知が実行され、前記特定位置に前記第1特定絵柄が停止又は仮停止した場合に、少なくとも前記周回体による特定動作(制限動作)を含む第3特定演出を実行する第3特定演出手段(主制御装置101による第1回転制御処理を実行する機能、表示制御装置81による第4停止時演出、第1開始演出、第1ループ演出等を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、始動操作手段の操作に基づき遊技が開始されて当該遊技の抽選が行われ、停止操作手段の操作に基づき当該抽選の結果に対応する絵柄組合せが有効位置に停止すると当該抽選の結果に対応する特典が付与される所謂スロットマシンの遊技機において、特定位置に第1特定絵柄や第2特定絵柄を停止又は仮停止させる第1指示報知や第2指示報知が実行される場合があるようにしていることから、抽選結果に対応する絵柄組合せを停止させて特典を得る遊技性に加えて、第1特定絵柄や第2特定絵柄を狙わせる遊技性も追加され、遊技の多様化が図られる。
しかも、第1指示報知に従って第1特定絵柄を特定位置に停止させると、周回体による特定動作を含む第1特定演出が行われ、第2指示報知に従って第2特定絵柄を特定位置に停止させると、特定動作を含む第2特定演出が行われる一方、これら指示報知が実行された場合であっても対応する特定絵柄を停止させることができなかった場合には、対応する特定演出の実行が制限されるため、自らの停止操作の成否が、周回体による特定動作を含む特定演出によって報知される構成となり、単に表示画面等での演出によって報知される構成と比較して、圧倒的な遊技の満足感を提供することが可能となる。
但し、例えば、遊技者によっては、第2指示報知が実行されたのにもかかわらず、誤って第2特定絵柄ではなく第1特定絵柄を停止させてしまう場面もあると考えられるところ、勘違い等ではあるものの、第1特定絵柄を停止等させる停止操作には成功している。この場合、遊技者は、第1特定絵柄を狙って第1特定絵柄を停止させているのであるから、当該第1特定絵柄が特定位置に停止した際には、自らの操作が成功した歓喜するものと考えられる。つまり、第1特定絵柄を狙っている時点で既に第2指示報知を第1指示報知と勘違いしているのであり、第1特定絵柄が停止した際に、その勘違いに気付くことは困難である。この場合、第2特定絵柄が停止していないからといって、第2特定演出の実行が一律に制限される構成としてしまうと、当該第2特定演出が実行されないことを通じてその勘違いに気付かされる構成となり、遊技者の遊技意欲の低下が懸念される。
そこで、このような場合には、単に第2特定絵柄を狙ったのにもかかわらず第2特定絵柄を停止させることができなかった場面とは異なり、特定動作を含む第3特定演出が行われるようにしたことから、少なくとも第1特定絵柄を停止させたことを労う報知とすることも可能となり、遊技者の遊技意欲を持続させることができる。よって、遊技の興趣向上を図ることが可能となる。
特徴eB2.前記特定位置に前記第1特定絵柄が停止した場合よりも、前記特定位置に前記第2特定絵柄が停止した場合のほうが、遊技者にとって有利となり易いように設定されている(第2操作指示演出は80%ループ当選時に実行される)ことを特徴とする特徴eBB1に記載の遊技機。
上記構成によれば、せっかく有利な側の第2特定絵柄を停止させるチャンスであったのにもかかわらず、誤って第1特定絵柄を停止させてしまった場合には、第2特定演出の実行が制限されるだけではなく、周回体による特定動作を含む第3特定演出が実行されるようになる。よって、第3特定演出を行って遊技者の遊技意欲を持続させることの意義が寄高められる。
特徴eB3.前記駆動制御手段は、回転用情報(通常回転テーブル)を設定する回転用情報設定手段(主制御装置101による回転テーブルを設定する処理を実行する機能)を備え、設定された前記回転用情報に基づいて前記周回体の駆動制御を実行する構成であり、
前記第1特定演出手段により前記第1特定演出が行われる場合、前記特定動作について前記回転用情報設定手段が設定する所定の回転用情報(特別回転テーブル)と、前記第3特定演出手段により前記第3特定演出が行われる場合、前記特定動作について前記回転用情報設定手段が設定する所定の回転用情報と、が共通していることを特徴とする特徴eB1又は特徴eB2に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1指示報知に基づいて第1特定絵柄を停止させた場合の第1特定演出用の特定動作と、第2指示報知に基づいて誤って前記第1特定絵柄を停止させた場合の第3特定演出用の特定動作と、で設定する回転用情報が共通化されていることから、両特定動作用に別々の回転用情報を設定する構成と比較して、記憶容量の大幅な削減を図ることが可能となる。
なお、「所定の回転用情報」について、具体的には、例えば「一の前記周回体を駆動するために複数の駆動部が設けられており、前記所定の回転用情報は、駆動する駆動部と駆動タイミングが対応付けられている」と限定してもよい。
特徴eB4.前記第1特定演出において実行される前記特定動作の態様(第1回転動作)と、前記第3特定演出において実行される前記特定動作の態様(制限動作)と、が異なるように設定されていることを特徴とする特徴eB1乃至特徴eB3のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、同じように第1特定絵柄を特定位置に停止させた場合であっても、第1指示報知が実行されて停止させた正規の場合の第1特定演出と、第2指示報知が実行されて停止させた非正規の場合の第3特定演出と、ではいずれも特定動作を実行するもののその特定動作の態様が異なるようにしたことから、誤って第1特定絵柄を停止させてしまったことを逆なでしない範囲で上記の正規の第1特定絵柄の停止と、非正規の第1特定絵柄の停止とに差を設けることができる。よって、遊技者の遊技意欲の低下を抑制しながら、演出バランスを担保することが可能となる。
特徴eB5.前記駆動制御手段は、所定の回転用情報(通常回転テーブル)を設定する回転用情報設定手段(主制御装置101による回転テーブルを設定する処理を実行する機能)を備え、設定された前記回転用情報に基づいて前記周回体の駆動制御を実行する構成であり、
前記第1特定演出手段により前記第1特定演出が行われる場合、前記特定動作について前記回転用情報設定手段が設定する所定の回転用情報(特別回転テーブル)と、前記第3特定演出手段により前記第3特定演出が行われる場合、前記特定動作について前記回転用情報設定手段が設定する所定の回転用情報と、が共通しており、
前記第1特定演出手段により前記第1特定演出が行われる場合の前記特定動作では、所定タイミングで前記周回体の動作に変化を生じさせる特定制御(主制御装置101による停止指令処理を実行する機能)が実行される一方、前記第3特定演出手段により前記第3特定演出が行われる場合の前記特定動作では、前記所定タイミングで前記特定制御が実行されないことにより、前記第1特定演出において実行される前記特定動作の態様(第1回転動作)と、前記第3特定演出において実行される前記特定動作の態様(制限動作)と、が異なるように設定されていることを特徴とする特徴eB4に記載の遊技機。
上記構成は、特徴eB4を特徴eB3に適用した場合の具体的構成であり、回転用情報を共通化しながらも、特定動作の途中で特定制御が実行されるか否か、といった比較的簡素な構成にて両特定動作の差を設定することが可能となる。
特徴eB6.前記第1特定演出において実行される前記特定動作の態様と、前記第3特定演出において実行される前記特定動作の態様と、が共通するように設定されていることを特徴とする特徴eB1乃至特徴eB3のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、同じように第1特定絵柄を特定位置に停止させた場合、第1指示報知が実行されて停止させた正規の場合の第1特定演出と、第2指示報知が実行されて停止させた非正規の場合の第3特定演出と、ではいずれも特定動作を実行し、且つその特定動作の態様が共通するようにし、両特定演出の差は特定動作とは異なる演出として例えば表示演出の差となる。このようにしたことから、誤って第1特定絵柄を停止させてしまったことを逆なでしない範囲で上記の正規の第1特定絵柄の停止と、非正規の第1特定絵柄の停止とに差を設けることができる。よって、遊技者の遊技意欲の低下を抑制しながら、演出バランスを担保することが可能となる。
特徴eB7.所定の演出を実行する演出手段(補助表示部65)を備え、
前記第1特定演出手段は、前記第1特定演出を実行する場合、前記演出手段において第1対応演出(第1停止時演出、第1ループ演出、第1開始演出)を実行可能であり、
前記第2特定演出手段は、前記第2特定演出を実行する場合、前記演出手段において第2対応演出(第3停止時演出、第1ループ演出、第1開始演出)を実行可能であり、
前記第3特定演出手段は、前記第3特定演出を実行する場合、前記演出手段において第3対応演出(第4停止時演出、第2ループ演出、第2開始演出)を実行可能であり、
前記第1対応演出の少なくとも一部が前記第2対応演出と異なるように設定されており、且つ、前記第1対応演出の少なくとも一部が前記第3対応演出と異なるように設定されていることを特徴とする特徴eB1乃至特徴eB6のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1指示報知に基づいて第1特定絵柄が停止した場合の第1対応演出と第2指示報知に基づいて第2特定絵柄が停止した場合の第2対応演出との少なくとも一部が異なり、且つ、第1指示報知に基づいて第1特定絵柄が停止した場合の第1対応演出と第2指示報知に基づいて第1特定絵柄が停止した場合の第3対応演出との少なくとも一部が異なるように設定していることから、いずれも周回体による特定動作が行われるにしても、各対応演出がそれぞれ相違するようになり、指示通りに対応する特定絵柄を停止させた場合の演出と、誤って対応しない対応絵柄を停止させてしまった場合の演出とに、遊技者の遊技意欲の低下を招かない範囲で差を設けることが可能となる。よって、演出バランスの好適化を図ることができる。
特徴eB8.前記駆動制御手段は、前記停止操作手段が操作されたことに基づき前記周回体を停止させる場合、周回中の当該周回体の絵柄位置に基づいて当該周回体の前記停止駆動制御を実行する構成であり、
前記駆動制御手段は、前記特定動作を実行する場合、前記周回体を周回させた後、当該特定動作の開始前である前状態にて所定の位置に停止又は仮停止している対応絵柄を、再度、前記所定の位置に停止又は仮停止させることが可能な特定制御手段(主制御装置101による第1回転制御処理において2周回転したタイミングで停止させる処理を実行する機能)を備え、
前記特定制御手段は、前記対応絵柄を前記所定の位置に停止させる場合、当該対応絵柄の絵柄位置に基づかず当該周回体の停止制御を実行する構成であることを特徴とする特徴eB1乃至特徴eB7のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成のように、停止操作手段の操作に基づき周回体を停止させる場合には、周回中の周回体の絵柄位置を把握したうえで、当該絵柄位置に基づいて周回体の停止駆動制御を行うことで、例えば、抽選手段の抽選結果とは対応しない絵柄が有効位置に停止してしまうことを回避することができるし、抽選手段の抽選結果に対応する絵柄を有効位置に停止させるにあたって停止操作手段の操作タイミングが若干ずれていても当該有効位置に停止させる制御(いわゆる滑り制御)を行うことも可能である。
これに対して、特定動作は演出上の回転動作であるから、抽選結果とは関係なく停止させることが可能であり、上記のように周回中の絵柄位置に関わらず停止制御を行うようにすることで、その演出効果を期待するうえでの制御負荷の圧倒的な軽減効果を見込むことが可能となる。
特徴eB9.前記駆動制御手段は、前記特定動作を実行する場合、前記周回体を周回させた後、当該特定動作の開始前である前状態にて所定の位置に停止又は仮停止している対応絵柄を、再度、前記所定の位置に停止又は仮停止させることが可能な特定制御手段(主制御装置101による第1回転制御処理において2周回転したタイミングで停止させる処理を実行する機能)を備え、
前記特定制御手段は、前記対応絵柄を前記所定の位置に停止させる場合、前記周回体が1周するために要する周回期間(総ステップカウンタ)に基づいて、当該対応絵柄を前記所定の位置に停止又は仮停止させることを特徴とする特徴eB1乃至特徴eB8のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1特定絵柄が特定位置に停止している場合であっても、第2特定絵柄が特定位置に停止している場合であっても、特定動作として周回体を周回後に、これら第1特定絵柄や第2特定絵柄を再停止させる場合に、第1特定絵柄や第2特定絵柄が特定位置に到達したことを把握する必要がなく、単に周回体が周回するために要する周回期間の経過に基づいて停止させるだけで、元の対応絵柄(第1特定絵柄や第2特定絵柄)が特定位置に停止するようになり、特定動作を行うにあたっての処理負荷を圧倒的に軽減することが可能となる。
なお、上記特徴eB1乃至特徴eB9に記載された発明は、「遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機では、所定の抽選条件が成立したことに基づいて内部抽選が行われ、当該内部抽選の結果に応じて遊技者に特典が付与される構成が知られている。スロットマシンについて具体的には、遊技媒体としてのメダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されると、内部抽選が実施されるとともに、リールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップスイッチが操作された場合には、リールの回転が停止する。そして、リールの停止結果が内部抽選の結果に対応したものである場合には、結果に応じた特典が付与される(例えば特開2008-295707号公報参照)。」という背景技術について、「ここで、上記例示等した遊技機においては遊技の興趣向上を図る必要があり、この点について、未だ改良の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
なお、上記特徴eB1乃至特徴eB9の各構成に対して、特徴eA1乃至特徴eA23、特徴eB1乃至特徴eB9、特徴eC1乃至特徴eC8、特徴eD1乃至特徴eD11、特徴eE1乃至特徴eE7のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴eC群>
特徴eC1.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
各前記周回体の周回を開始するための開始操作が行われる始動操作手段(スタートレバー41)と、
各前記周回体の周回を停止するための停止操作が行われる停止操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させる開始駆動制御を実行し、前記停止操作手段が操作された場合に対応する前記周回体の周回を停止させる停止駆動制御を実行する駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与することの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が所定の結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、前記停止駆動制御によって前記所定の結果に対応する所定の絵柄組合せが停止した場合、当該所定の結果に対応する特典を付与する特典付与手段(主制御装置101によるメダル払出処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
所定契機に基づいて、少なくとも前記周回体による特定動作を含む特定演出を実行することの実行判定を行う実行判定手段(主制御装置101による上乗せループ抽選処理を実行する機能)と、
前記実行判定手段により前記特定演出を実行すると決定された場合、前記特定動作が行われるように前記周回体の駆動制御を実行可能な特定駆動制御手段(主制御装置101による回転演出処理を実行する機能)と、
前記特定動作において、前記表示部を介して視認可能な位置である特定位置(中ラインL2)に特定の絵柄組合せが停止又は仮停止する特定状況を生じさせる特定制御を実行可能な特定制御手段(主制御装置101による2周分回転したタイミングでリールの停止指令処理を実行する機能)と、
前記特定動作において前記特定制御が実行された場合と、前記特定動作において前記特定制御が実行されなかった場合とで、当該特定動作の後、各前記周回体の周回を開始させる場合の制御態様を異ならせることが可能な特定手段(主制御装置101によるランダム回転用の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、始動操作手段の操作に基づき遊技が開始されて当該遊技の抽選が行われ、停止操作手段の操作に基づき当該抽選の結果に対応する絵柄組合せが有効位置に停止すると当該抽選の結果に対応する特典が付与される所謂スロットマシンの遊技機において、周回体を用いた特定動作を含むが特定演出を行うようにしており、しかも、特定動作においては、特定位置に特定の絵柄組合せが停止又は仮停止する特定状況を生じさせる特定制御が実行される場合があり、単に周回体を回転させるだけではなく、特定の絵柄組合せを演出として出現させることで、周回体を用いた特定動作による演出効果をより高めることが可能となる。
しかし、このように特定位置に特定の絵柄組合せを停止等させた場合、特定動作後に遊技を開始させるべく周回体の開始駆動制御を行った場合、そのまま特定の絵柄組合せが揃ったまま各周回体が回転する可能性があり、このような回転態様を視認できる遊技者とそうではない遊技者とで、周回体の停止操作を行ううえでの難易度が異なるようになる等、遊技の公平性が損なわれる可能性がある。そのため、例えば、周回体の回転開始タイミングを異ならせる等して特定の絵柄組合せが揃ったまま回転しないようにする工夫が必要となり得る。
但し、上記構成における特定動作では、特定の絵柄組合せを停止等させない可能性もあり、特定動作を実行したからといって、次の回転開始時に、上記のように回転開始タイミングを異ならせる等の制御を一律に実行するような構成としてしまうと、遊技のスムーズな進行が妨げられるし、処理負荷の増大化も懸念される。
そこで、上記構成では、特定動作において、特定の絵柄組合せを停止等させる特定制御の実行の有無によって、次の回転開始時の制御態様を異ならせることが可能な特定手段を備えるようにしたことから、上記のような不都合を生じさせないようにしながら、特定の絵柄組合せを停止等させることに伴う遊技の公平性を担保する処置を行うことが可能となり、特定動作による演出効果を好適に得ることができるようになる。
特徴eC2.前記特定制御手段は、前記特定動作の開始前である前状態において前記特定位置に前記特定の絵柄組合せが停止している場合、当該特定動作において前記特定制御を実行する一方、前記前状態において前記特定位置に前記特定の絵柄組合せが停止していない場合、当該特定動作において前記特定制御を実行しないことを特徴とする特徴eC1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定動作の開始前の前状態での停止出目を、特定制御によってそのまま停止させるだけの制御となり、各周回体の絵柄同士の位置ずれを修正する等の必要が生じないため、特定制御や特定動作自体の制御負荷を大幅に低減することが可能となる。そのうえで、特定動作中の特定制御の有無によって、次の回転開始時の制御態様を異ならせるようにしていることから、全体的に無駄な処理が省略されており、大幅な制御負荷の削減効果を見込むことが可能となる。
特徴eC3.前記特定駆動制御手段は、前記始動操作手段の操作に基づき前記特定動作が行われるように前記周回体の駆動制御を実行可能であり、
前記特定手段は、前記特定動作の開始契機となった前記始動操作手段の操作に基づいて各前記周回体の周回を開始させる場合の制御態様を異ならせることを特徴とする特徴eC2に記載の遊技機。
上記構成によれば、特徴eC2の構成が、始動操作手段の操作に基づく一のゲームの処理負荷を低減する構成であることが明確化される。このようにすることで、特定動作に続いて通常のゲームも実行され得るような構成において、処理の集中による処理負荷の増大化を好適に回避することが可能となる。
特徴eC4.前記特定動作において前記特定制御が実行された場合、当該特定制御にて前記特定位置に前記特定の絵柄組合せが停止又は仮停止した状態で当該特定動作が終了し、
前記特定動作において前記特定制御が実行されなかった場合、前記特定位置に前記特定の絵柄組合せが停止又は仮停止しないように各前記周回体を停止又は仮停止させた状態で当該特定動作が終了することを特徴とする特徴eC1乃至特徴eC3のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定制御が実行された場合には、特定の絵柄組合せが停止等した状態で特定動作が終了し、特定制御が実行されなかった場合には、特定の絵柄組合せとは異なる絵柄組合せが停止等した状態で特定動作が終了する。このような構成だからこそ、特定動作の後、各周回体の回転を開始させようとすると、特定の絵柄組合せが揃った状態で各周回体が周回してしまう事象が生じ易くなるとともに、特定の絵柄組合せが揃った状態で各周回体が周回しないようにもなり、特定動作の後、各周回体の回転開始タイミングを異ならせる等の制御を行う必要がある場合当該制御を行う必要がない場合とが生じ得るようになる。
特徴eC5.前記特定動作は、前記開始駆動制御が行われた場合と逆方向に各周回体を周回させる動作を含むことを特徴とする特徴eC1乃至特徴eC4のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成のように、特定動作では、通常と逆方向に周回体を回転させるようにすることで、特定動作の終了に際しては、一旦、各周回体を停止等させる必要が生じるようになり、特徴eC1の構成を有することの意義が高められる。
特徴eC6.各前記周回体のうち第1周回体と当該第1周回体とは異なる第2周回体とで、周回を開始させるタイミングを異ならせる特定開始制御を実行可能な手段(主制御装置101によるランダム回転を行うための処理を実行する機能)を備え、
前記特定手段は、前記特定動作において前記特定制御が実行された場合は、当該特定動作の後、各前記周回体の周回を開始させる場合に前記特定開始制御が行われるようにする一方、前記特定動作において前記特定制御が実行されなかった場合は、当該特定動作の後、各前記周回体の周回を開始させる場合に前記特定開始制御が行われないようにすることで、当該特定動作の後、各前記周回体の周回を開始させる場合の制御態様を異ならせることが可能であることを特徴とする特徴eC1乃至特徴eC5のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成は特徴eC1の具体的構成であり、特定動作において特定の絵柄組合せを停止等させた場合には、当該特定動作の後、各周回体の周回を開始させるタイミングが異なるようにする特定開始制御を実行して特定の絵柄組合せが揃った状態で周回しないようにする一方、特定動作において特定の絵柄組合せを停止等させなかった場合には、当該特定動作の後、特定開始制御を実行しないようにすることで、遊技の公平性を損なわない範囲で、無駄な処理を省略することが可能となり、特定動作を用いた演出効果を好適に得ることが可能となる。
特徴eC7.前記特定動作は、特定契機が生じた場合に当該特定動作が終了する構成であり、
前記特定動作において前記特定制御が実行され、当該特定動作の終了後に前記特定開始制御が行われる場合、最初に周回が開始されてから、最後に周回が開始されるまでに特定期間を要するように設定されており、
前記特定動作において前記特定制御が行われなかった場合、前記特定契機が生じてから前記特定期間が経過するまで当該特定動作が終了されることを待機させる手段(主制御装置101による第2回転制御処理において、総ステップカウンタが「9000」となるまで待機させる処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴eC6に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定動作において特定制御が実行されて特定開始制御が行われる場合と、特定動作において特定制御が実行されずに特定開始制御も行われない場合とで、遊技の進行スピードを合わせることが可能となる。つまり、特定制御の実行の有無では遊技の進行速度は影響がなくなり、このようにすることで、遊技進行をはやるあまり、特定動作において演出上盛り上がる特定制御を鬱陶しく感じさせてしまう、といった本末転倒な構成とならないようにすることが可能となる。
特徴eC8.前記特定動作において前記特定制御が実行された場合、当該特定動作において特定の遊技操作(スタートレバー41の操作)が遊技者により行われることによって、当該特定動作の実行期間が短縮され得る一方、前記特定動作において前記特定制御が実行されなかった場合、当該特定動作において前記特定の遊技操作が遊技者により行われても、当該特定動作の実行期間が短縮されない又は前記特定制御が実行された場合に短縮される期間よりも短い期間が短縮されること(第1回転動作ではスタートレバー41の操作により総ステップカウンタが「8000」となる前に当該第1回転動作が終了する一方、制限動作ではスタートレバー41を操作しても総ステップカウンタが「9000」となるまでは当該制限動作は終了しない)を特徴とする特徴eC1乃至特徴eC7のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成のように、特定制御が行われることを前提として特定の遊技動作を行うことで特定動作の実行期間の短縮化を図ることが可能となる構成とすることで、遊技進行を急ぐ遊技者心理を利用して、特定制御が行われることへの期待感を好適に高めることが可能となる。
なお、上記特徴eC1乃至特徴eC8に記載された発明は、「遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機では、所定の抽選条件が成立したことに基づいて内部抽選が行われ、当該内部抽選の結果に応じて遊技者に特典が付与される構成が知られている。スロットマシンについて具体的には、遊技媒体としてのメダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されると、内部抽選が実施されるとともに、リールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップスイッチが操作された場合には、リールの回転が停止する。そして、リールの停止結果が内部抽選の結果に対応したものである場合には、結果に応じた特典が付与される(例えば特開2008-295707号公報参照)。」という背景技術について、「ここで、上記例示等した遊技機においては遊技の興趣向上を図る必要があり、この点について、未だ改良の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
なお、上記特徴eC1乃至特徴eC8の各構成に対して、特徴eA1乃至特徴eA23、特徴eB1乃至特徴eB9、特徴eC1乃至特徴eC8、特徴eD1乃至特徴eD11、特徴eE1乃至特徴eE7のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴eD群>
特徴eD1.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
各前記周回体の周回を開始するための開始操作が行われる始動操作手段(スタートレバー41)と、
各前記周回体の周回を停止するための停止操作が行われる停止操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させる開始駆動制御を実行し、前記停止操作手段が操作された場合に対応する前記周回体の周回を停止させる停止駆動制御を実行する駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与することの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が所定の結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、前記停止駆動制御によって前記所定の結果に対応する所定の絵柄組合せが停止した場合、当該所定の結果に対応する特典を付与する特典付与手段(主制御装置101によるメダル払出処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
所定の演出を実行する演出手段(補助表示部65)と、
所定契機に基づいて、少なくとも前記周回体による特定動作を含む特定演出を実行することの実行判定を行う実行判定手段(主制御装置101による上乗せループ抽選処理を実行する機能)と、
前記実行判定手段により前記特定演出を実行すると決定された場合、前記特定動作が行われるように前記周回体の駆動制御を実行可能な特定駆動制御手段(主制御装置101による回転演出処理を実行する機能)と、
遊技機の異常として特定事象の発生を把握する特定把握手段(主制御装置101による扉開放フラグや電断フラグ、エラーフラグをセットする処理を実行する機能)と、
前記実行判定手段により前記特定演出を実行すると決定されてから、前記特定把握手段により前記特定事象の発生が把握されなかった場合、前記特定演出が第1特定態様にて実行されるようにする第1手段(主制御装置101による扉開放フラグや電断フラグ、エラーフラグがセットされていない場合に第1回転動作にて回転動作を行う処理を実行する機能)と、
前記実行判定手段により前記特定演出を実行すると決定されてから、前記特定把握手段により前記特定事象の発生が把握された場合、前記特定演出が前記第1特定態様とは異なる第2特定態様にて実行されるようにする第2手段(主制御装置101による扉開放フラグや電断フラグ、エラーフラグがセットされている場合に第2回転動作にて回転動作を行う処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、始動操作手段の操作に基づき遊技が開始されて当該遊技の抽選が行われ、停止操作手段の操作に基づき当該抽選の結果に対応する絵柄組合せが有効位置に停止すると当該抽選の結果に対応する特典が付与される所謂スロットマシンの遊技機において、周回体を利用した特定動作を含むが特定演出を行うようにしているため、周回体を用いて特典の獲得を目指すスロットマシンの遊技性にマッチした演出にて遊技の興趣向上が図られる。
しかも、上記構成においては、特定演出を実行することの決定がなされた後、遊技機の異常状態等、通常遊技を実行できない特定事象が発生した場合、特定動作は特定事象が発生しなかった場合の第1特定態様とは異なる第2特定態様にて実行されるように設定されている。遊技機の異常が発生した場合、例えば遊技ホールの管理者による点検等が行われ、この場合、点検に際して周回体に手が触れる等して周回体の位置がずれる可能性がある。そのため、復帰後にそのまま特定演出における特定動作を実行しようとすると、ずれが生じたまま特定動作が実行されてしまうし、当該ずれを解消するために複雑な制御を用意する必要がある。かといって、せっかく特定演出を実行することの決定がなされたのにもかかわらず、当該特定演出自体の実行が制限されてしまうと、たとえ演出上の不実行の決定であっても、遊技者は当該特定演出により得られる利益が消失してしまったと勘違いしてしまう可能性があり、遊技意欲の大幅な低下が懸念される。
そこで上記構成においては、特定演出の実行が決定された後、遊技機の異常等の特定事象が発生した場合、特定演出の態様を異ならせるようにしていることから、特定演出自体の実行が制限されてしまうことによる上記不都合を生じさせないようにすることができる。したがって、特定演出を用いた遊技の興趣向上を好適に図ることができる。
特徴eD2.前記実行判定手段により前記特定演出を実行すると決定された場合、当該特定演出を実行することに対応する実行演出を行うことが可能な実行演出手段(表示制御装置81による第1停止時演出を行うための処理を実行する機能)を備え、
前記第2手段は、前記実行演出手段による前記実行演出が実行された後、前記特定把握手段により前記特定事象の発生が把握された場合、前記特定演出を前記第2特定態様にて実行されるようにすることを特徴とする特徴eD1に記載の遊技機。
上記構成によれば、遊技者は実行演出により特定演出が実行されることを把握しており、このような状況後に、特定事象が生じた場合に特定演出が第1特定態様ではなく第2特定態様にて実行されるようにすることで、特定演出による利益が消失してしまったと勘違いさせてしまう等の不都合を生じさせないようにすることができる。
特徴eD3.前記実行判定手段により前記特定演出を実行すると決定された場合、当該特定演出を実行することに対応する実行演出を行うことが可能な実行演出手段(表示制御装置81による第1停止時演出を行うための処理を実行する機能)と、
前記実行判定手段により前記特定演出を実行すると決定されてから、前記実行演出手段による前記実行演出が実行される前に、前記特定把握手段により前記特定事象の発生が把握された場合、前記特定演出の実行を制限することが可能な第3手段(第1停止時演出が実行される前に特定事象が発生した場合に、ループ抽選やそれに伴う上乗せを行うだけで、これらの回転演出を実行しないようにする処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴eD1又は特徴eD2に記載の遊技機。
上記構成では、実行演出により特定演出が実行されることを遊技者が把握する前で特定事象が生じた場合には、特定演出の実行自体を制限するようにしている。このようにすることで、特定演出が第2特定態様にて実行されて演出上の違和感を与える機会を少なくすることができ、演出バランスの好適化を図ることができる。
特徴eD4.前記実行演出手段は、前記実行判定手段により前記特定演出を実行すると決定され、且つ、前記表示部を介して視認可能な位置である特定位置に特定絵柄が停止又は仮停止した場合に、前記実行演出を実行する一方、前記実行判定手段により前記特定演出を実行すると決定された場合であっても、前記特定位置に前記特定絵柄が停止又は仮停止しなかった場合には、前記実行演出を実行しない又は前記特定位置に前記特定絵柄が停止若しくは仮停止した場合の前記実行演出の態様とは異なる態様にて前記実行演出を実行することを特徴とする特徴eD2又は特徴eD3に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定演出を実行することの決定がなされた場合であっても、特定位置に特定絵柄が停止等しなければ実行演出は実行されなかったり、停止等した場合とは異なる態様にて実行演出が実行されるようになる。つまり、特定位置に特定絵柄を停止させることに成功した場合に正規の実行演出が実行されるような構成となる。このようにすることで、自らの操作によって特定演出が行われることを勝ち取った印象を強く与えることができ、遊技意欲を掻き立てることが可能となる。しかし、このような実行演出が行われたのにもかかわらず、特定事象の発生によって特定演出自体を実行しないようにしてしまうと、単に遊技機側の決定だけで実行演出を実行するような構成よりも、遊技意欲の更なる低下が懸念される。その点、特徴eD1のように、特定演出自体を制限するのではない構成とすることで、遊技の興趣向上を図りながらも、遊技意欲の低下を回避することが可能となる。
特徴eD5.前記実行判定手段により前記特定演出を実行すると決定された場合、所定の報知手段にて前記特定動作に対応する対応演出を実行する対応演出実行手段(表示制御装置81による回転演出用処理等を実行する機能)を備え、
前記対応演出実行手段は、少なくとも第1対応演出(例えば第1ループ演出や第1開始演出)及び当該第1対応演出とは異なる第2対応演出(例えば第2ループ演出や第2開始演出)を前記対応演出として実行可能であり、
前記第1手段は、前記第1特定態様にて前記特定演出が実行される場合、前記対応演出実行手段により前記第1対応演出が行われるようにし、
前記第2手段は、前記第2特定態様にて前記特定演出が実行される場合、前記対応演出実行手段により前記第2対応演出が行われるようにし、
前記対応演出実行手段は、前記実行判定手段により前記特定演出を実行すると決定されてから、前記特定把握手段により前記特定事象の発生が把握されていなくても、前記第2対応演出を前記対応演出として実行可能であることを特徴とするた場合、前記特定演出が前記第1特定態様とは異なる第2特定態様にて実行されるようにする特徴eD1乃至特徴eD4のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定事象が発生した場合に対応演出が第1対応演出ではなく第2対応演出にて実行される構成において、第2対応演出は普段から実行され得る演出となり、第2対応演出に切り替わったことの違和感を与えにくくすることが可能となる。
特徴eD6.前記特定駆動制御手段は、前記特定動作として、前記周回体を周回させる第1動作と、当該周回している前記周回体を停止又は仮停止させる第2動作とが行われ得るように前記周回体の駆動制御を実行する構成であり、
前記第1手段は、前記第1動作及び前記第2動作が行われることを前記第1特定態様として前記特定演出における前記特定動作が行われるようにし、
前記第2手段は、前記第1動作は行われる一方前記第2動作は行われないようにすることを前記第2特定態様として前記特定演出における前記特定動作が行われるようにすることを特徴とする特徴eD1乃至特徴eD5のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定動作として周回体が周回する第1動作と停止する第2動作が行われるような構成において、特定事象が発生した場合には、第1動作は実行されるものの第2動作は実行されないようになる。このようにすることで、例えば周回体を停止させる場合に所定の絵柄を出現させることを第2動作として実行するような構成において、当該所定の絵柄を出現させるうえで特定事象によって絵柄の位置情報が不明となる等して処理負荷が増大化する等の不都合を生じさせないようにしながら、特定動作の制限される範囲を最小限とし、特定事象の発生により第2特定態様にて特定演出が行われる場合であっても特定演出による演出効果を好適に期待することが可能となる。
特徴eD7.前記実行判定手段は、遊技者にとって有利となる有利事象(ATモードのセット上乗せ)が発生する場合、前記特定演出を実行すると決定し得る構成であり、
前記第1手段により前記第1特定態様にて前記特定演出が実行されるようになる場合は、前記有利事象は発生し、
前記第2手段により前記第2特定態様にて前記特定演出が実行されるようになる場合も、前記有利事象は発生することを特徴とする特徴eD1乃至特徴eD6のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定事象の発生によって特定演出の態様が第1特定態様ではなく第2特定態様となったとしても有利事象は発生することから、遊技者の利益を確保しながら特定事象の発生による遊技演出の不都合を解消することができる。
特徴eD8.前記実行判定手段により前記特定演出を実行すると決定され、且つ、前記表示部を介して視認可能な位置である特定位置に特定絵柄が停止又は仮停止した場合に、遊技者にとって有益となる特定情報を提示する一方、前記実行判定手段により前記特定演出を実行すると決定された場合であっても、前記特定位置に前記特定絵柄が停止又は仮停止しなかった場合には、前記特定情報を提示しない又は前記特定位置に前記特定絵柄が停止若しくは仮停止した場合の前記特定情報よりも遊技者にとって有益となりにくい態様にて前記特定情報を提示する特定情報提示手段(表示制御装置81による設定値の示唆としての特別演出を行うための処理を実行する機能)を備え、
前記特定位置に前記特定絵柄が停止又は仮停止しており、且つ、前記第2手段により前記第2特定態様にて前記特定演出が行われる場合、前記特定情報提示手段による前記特定情報の提示が行われる一方、前記特定位置に前記特定絵柄が停止又は仮停止しておらず、且つ、前記第2手段により前記第2特定態様にて前記特定演出が行われる場合、前記特定情報提示手段による前記特定情報の提示が行われないことを特徴とする特徴eD1乃至特徴eD7のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定演出を実行することの決定がなされた場合であっても、特定位置に特定絵柄が停止等しなければ特定情報の提示が行われなかったり、停止等した場合よりも有益となりにくい態様にて特定情報の提示が実行されるようになる構成において、特定事象が発生した場合であっても、特定絵柄を特定位置に停止等させたことによる特定情報の提示を受けることの権利は確保され、特定演出が第1特定態様ではなく第2特定態様として実行された場合であっても特定情報が提示されるようにしたことから、特定演出の制限態様に工夫を設けた特徴eD1の構成において、遊技者の遊技意欲の低下を回避する効果をより高めることが可能となる。
特徴eD9.遊技機に対して前方に開放可能に設けられ、開放されることで前記周回体へのアクセスが許容される一方、閉鎖されることで前記周回体へのアクセスが制限される前面扉(前面扉12)を備え、
前記特定事象には、前記前面扉が開放された事象が含まれていることを特徴とする特徴eD1乃至特徴eD8のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成は、特定事象の具体的構成である。
特徴eD10.遊技機に対して電力が供給される電入状態と、電力が供給されない電断状態とを把握する電力把握手段を備え、
前記特定事象は、前記電力把握手段により前記電断状態となったことが把握された事象が含まれていることを特徴とする特徴eD1乃至特徴eD9のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成は、特定事象の具体的構成である。
特徴eD11.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
各前記周回体の周回を開始するための開始操作が行われる始動操作手段(スタートレバー41)と、
各前記周回体の周回を停止するための停止操作が行われる停止操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させる開始駆動制御を実行し、前記停止操作手段が操作された場合に対応する前記周回体の周回を停止させる停止駆動制御を実行する駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与することの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が所定の結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、前記停止駆動制御によって前記所定の結果に対応する所定の絵柄組合せが停止した場合、当該所定の結果に対応する特典を付与する特典付与手段(主制御装置101によるメダル払出処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
所定の演出を実行する演出手段(補助表示部65)と、
所定契機に基づいて、少なくとも前記周回体による特定動作を含む特定演出を実行することの実行判定を行う実行判定手段(主制御装置101による上乗せループ抽選処理を実行する機能)と、
前記実行判定手段により前記特定演出を実行すると決定された場合、前記特定動作が行われるように前記周回体の駆動制御を実行可能な特定駆動制御手段(主制御装置101による回転演出処理を実行する機能)と、
特定事象の発生を把握する特定把握手段(主制御装置101による扉開放フラグや電断フラグ、エラーフラグをセットする処理を実行する機能)と、
前記実行判定手段により前記特定演出を実行すると決定されてから、前記特定把握手段により前記特定事象の発生が把握されなかった場合、前記特定演出が第1特定態様にて実行されるようにする第1手段(主制御装置101による扉開放フラグや電断フラグ、エラーフラグがセットされていない場合に第1回転動作にて回転動作を行う処理を実行する機能)と、
前記実行判定手段により前記特定演出を実行すると決定されてから、前記特定把握手段により前記特定事象の発生が把握された場合、前記特定演出が前記第1特定態様とは異なる第2特定態様にて実行されるようにする第2手段(主制御装置101による扉開放フラグや電断フラグ、エラーフラグがセットされている場合に第2回転動作にて回転動作を行う処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、始動操作手段の操作に基づき遊技が開始されて当該遊技の抽選が行われ、停止操作手段の操作に基づき当該抽選の結果に対応する絵柄組合せが有効位置に停止すると当該抽選の結果に対応する特典が付与される所謂スロットマシンの遊技機において、周回体を利用した特定動作を含むが特定演出を行うようにしているため、周回体を用いて特典の獲得を目指すスロットマシンの遊技性にマッチした演出にて遊技の興趣向上が図られる。
しかも、上記構成においては、特定演出を実行することの決定がなされた後、遊技機の異常状態等の特定事象が発生した場合、特定動作は特定事象が発生しなかった場合の第1特定態様とは異なる第2特定態様にて実行されるように設定されている。遊技機の異常が発生した場合、例えば遊技ホールの管理者による点検等が行われ、この場合、点検に際して周回体に手が触れる等して周回体の位置がずれる可能性がある。そのため、復帰後にそのまま特定演出における特定動作を実行しようとすると、ずれが生じたまま特定動作が実行されてしまうし、当該ずれを解消するために複雑な制御を用意する必要がある。かといって、せっかく特定演出を実行することの決定がなされたのにもかかわらず、当該特定演出自体の実行が制限されてしまうと、たとえ演出上の不実行の決定であっても、遊技者は当該特定演出により得られる利益が消失してしまったと勘違いしてしまう可能性があり、遊技意欲の大幅な低下が懸念される。
そこで上記構成においては、特定演出の実行が決定された後、遊技機の異常等の特定事象が発生した場合、特定演出の態様を異ならせるようにしていることから、特定演出自体の実行が制限されてしまうことによる上記不都合を生じさせないようにすることができる。したがって、特定演出を用いた遊技の興趣向上を好適に図ることができる。
なお、上記特徴eD11に対して、特徴eD1乃至特徴eD10にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。
なお、上記特徴eD1乃至特徴eD11に記載された発明は、「遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機では、所定の抽選条件が成立したことに基づいて内部抽選が行われ、当該内部抽選の結果に応じて遊技者に特典が付与される構成が知られている。スロットマシンについて具体的には、遊技媒体としてのメダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されると、内部抽選が実施されるとともに、リールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップスイッチが操作された場合には、リールの回転が停止する。そして、リールの停止結果が内部抽選の結果に対応したものである場合には、結果に応じた特典が付与される(例えば特開2008-295707号公報参照)。」という背景技術について、「ここで、上記例示等した遊技機においては遊技の興趣向上を図る必要があり、この点について、未だ改良の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
なお、上記特徴eD1乃至特徴eD11の各構成に対して、特徴eA1乃至特徴eA23、特徴eB1乃至特徴eB9、特徴eC1乃至特徴eC8、特徴eD1乃至特徴eD11、特徴eE1乃至特徴eE7のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴eE群>
特徴eE1.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
各前記周回体の周回を開始するための開始操作が行われる始動操作手段(スタートレバー41)と、
各前記周回体の周回を停止するための停止操作が行われる停止操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させる開始駆動制御を実行し、前記停止操作手段が操作された場合に対応する前記周回体の周回を停止させる停止駆動制御を実行する駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与することの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が所定の結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、前記停止駆動制御によって前記所定の結果に対応する所定の絵柄組合せが停止した場合、当該所定の結果に対応する特典を付与する特典付与手段(主制御装置101によるメダル払出処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
所定契機に基づいて、少なくとも前記周回体による特定動作を含む特定演出を実行することの実行判定を行う実行判定手段(主制御装置101による上乗せループ抽選処理を実行する機能)と、
前記実行判定手段により前記特定演出を実行すると決定された場合、前記特定動作として第1特定動作(第1回転動作)及び当該第1特定動作において実行される特定制御が制限された第2特定動作(制限動作)を含む複数の特定動作のうちのいずれかが行われるように前記周回体の駆動制御を実行可能な特定駆動制御手段(主制御装置101による回転演出処理を実行する機能)と、
特定事象の発生を把握する特定把握手段(主制御装置101による扉開放フラグや電断フラグ、エラーフラグをセットする処理を実行する機能)と、
前記特定駆動制御手段により前記第1特定動作が行われている状況で、前記特定把握手段により前記特定事象の発生が把握された場合、実行中の前記第1特定動作が前記第2特定動作として実行されるようにする特定手段(主制御装置101による扉開放フラグや電断フラグ、エラーフラグに基づいて第1回転動作から第2回転動作に切り替える処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、始動操作手段の操作に基づき遊技が開始されて当該遊技の抽選が行われ、停止操作手段の操作に基づき当該抽選の結果に対応する絵柄組合せが有効位置に停止すると当該抽選の結果に対応する特典が付与される所謂スロットマシンの遊技機において、周回体を利用した特定動作を含むが特定演出を行うようにしているため、周回体を用いて特典の獲得を目指すスロットマシンの遊技性にマッチした演出にて遊技の興趣向上が図られる。
しかも、上記構成においては、第1特定動作による特定演出を実行している状況下で、特定事象が発生した場合、実行中の第1特定動作が第2特定動作に切り替えられる。第2特定動作は、第1特定動作において実行される特定制御が制限された動作であるところ、このように第1特定動作から第2特定動作への切り替えが行われても、特定制御を除けば、特定動作自体は継続されることになる。このようにすることで、例えば、周回体の脱調等の特定事象が生じた場合に特定動作自体を中止するような構成と比較して、当該特定動作による演出効果を持続させながらも、特定事象を契機として特定動作を再調整する等の複雑な制御を要しない構成とすることができる。よって、特定動作による演出効果を好適に得ることができる。
特徴eE2.前記特定駆動制御手段は、前記第1特定動作又は前記第2特定動作の開始から実行した処理数又は経過した期間に対応する特別情報を把握可能な特別把握手段(総ステップカウンタ)を備え、当該特別把握手段により把握される前記特別情報に応じて前記第1特定動作又は前記第2特定動作の動作態様を設定可能であり、
前記第1特定動作が行われている状況で前記特定把握手段により前記特定事象の発生が把握され、前記特定手段により実行中の前記第1特定動作が前記第2特定動作として実行される場合、前記特定事象の発生前の前記第1特定動作における前記特別情報を利用して、前記特定事象の発生後の前記第2特定動作を実行することを特徴とする特徴eE1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1特定動作から第2特定動作に切り替える場合、特別把握手段により把握される処理数や期間に対応する特別情報を利用することで、第2特定動作の最初から開始されるのではなく、第2特定動作の途中から実行されるようになる。よって、特定動作の切り替えをスムーズに且つ違和感なく実行することが可能となる。
特徴eE3.所定の演出を実行する演出手段(補助表示部65)と、
前記実行判定手段による実行判定の結果が前記特定演出を実行することに対応する結果である場合、前記特定動作に対応する対応演出(第1ループ演出や第1開始演出、第2ループ演出や第2開始演出)が行われるように前記演出手段を制御可能な対応演出実行手段(表示制御装置81による回転演出用処理等を実行する機能)と、
を備え、
前記特定手段により実行中の前記第1特定動作が前記第2特定動作として実行される場合、実行中の前記対応演出が当該第2特定動作に対応する対応演出として実行されるようになることを特徴とする特徴eE1又は特徴eE2に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定動作の切り替えに対応させて、演出手段での対応演出の切り替えも行われる。このようにすることで、周回体の特定動作だけが切り替えられることによる演出上の違和感を与えないようにすることができる。
特徴eE4.前記対応演出実行手段は、前記第1特定動作が行われる場合には、前記対応演出として前記第1特定動作に対応する第1対応演出(例えば第1ループ演出や第1開始演出)を実行し、前記第2特定動作が行われる場合には、前記対応演出として前記第2特定動作に対応する第2対応演出(例えば第2ループ演出や第2開始演出)とを少なくとも実行する構成であり、
前記特定手段により実行中の前記第1特定動作が前記第2特定動作として実行される場合、実行中の前記第1対応演出が前記第2対応演出とは異なる第3対応演出(第3ループ演出、第3開始時演出)として実行されるようになることを特徴とする特徴eE3に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1特定動作から第2特定動作に切り替えられる場合、対応演出は、第1対応演出から第2対応演出に切り替えられるのではなく、第1対応演出から第3対応演出に切り替えられるようになる。このようにすることで、切り替えによる演出上の違和感を与えないようにしながらも、切り替えが生じたこと自体は第2特定動作と第3対応演出とのセットの演出によって把握可能となり、不正に特定事象を発生させた場合等を遊技ホールの管理者等が容易に特定することが可能となる。
特徴eE5.前記特定制御は、前記表示部を介して視認可能な位置である特定位置に特定絵柄を停止させる制御であることを特徴とする特徴eE1乃至特徴eE4のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成では、第1特定動作では途中で特定位置に特定絵柄を停止させる特定制御が行われ得る一方、第2特定動作では当該特定位置に特定絵柄を停止させる特定制御は行われないようにしている。このような構成であれば、特定事象が生じた場合に、第1特定動作から第2特定動作に切り替えることで、特定位置に特定絵柄を停止させる制御が行われなくなる。よって、例えば、特定事象として周回体の絵柄位置情報が把握できなくなったりした場合であっても第2特定動作であれば不都合が生じにくくなり、特定事象を契機として特定動作の切り替えを行うことによる効果をより好適に期待できるようになる。
特徴eE6.前記特定事象が発生したことにより、周回中の前記周回体の再加速処理を実行する手段、又は前記特定事象が発生したことにより停止された前記周回体の再加速処理を実行する手段を備えていることを特徴とする特徴eE1乃至特徴eE5のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成のように、特定事象が発生した場合に周回体の再加速処理が行われるような構成では、実行中の特定動作をうまく行えなくなる可能性が高く、少なくとも特定制御を含まない第2特定動作に切り替えることで、特定事象による特定動作が実行できなくなる不都合をなるべく生じないようにすることが可能となる。
特徴eE7.前記第2特定動作は、前記周回体の周回を開始させ、定速回転に至った後は、当該第2特定動作の終了まで、当該定速回転を維持するように設定されていることを特徴とする特徴eE1乃至特徴eE6のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成のように、定速回転に至った後は、終了までその定速回転を維持するような第2特定動作であれば、例えば、特徴eE6のような再加速処理が行われる場合であっても、再度定速回転に至ればそれが維持されるだけであるため不都合は生じにくい。よって、特徴eE1のように特定動作の途中で特定事象が生じた場合に第2特定動作に切り替えることのメリットを好適に享受することが可能となる。
なお、上記特徴eE1乃至特徴eE7に記載された発明は、「遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機では、所定の抽選条件が成立したことに基づいて内部抽選が行われ、当該内部抽選の結果に応じて遊技者に特典が付与される構成が知られている。スロットマシンについて具体的には、遊技媒体としてのメダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されると、内部抽選が実施されるとともに、リールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップスイッチが操作された場合には、リールの回転が停止する。そして、リールの停止結果が内部抽選の結果に対応したものである場合には、結果に応じた特典が付与される(例えば特開2008-295707号公報参照)。」という背景技術について、「ここで、上記例示等した遊技機においては遊技の興趣向上を図る必要があり、この点について、未だ改良の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
なお、上記特徴eE1乃至特徴eE7の各構成に対して、特徴eA1乃至特徴eA23、特徴eB1乃至特徴eB9、特徴eC1乃至特徴eC8、特徴eD1乃至特徴eD11、特徴eE1乃至特徴eE7のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
以下の特徴fA群乃至特徴fE群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第6fの実施形態、これらの変形例又はこれらの組み合せから抽出される。
<特徴fA群>
特徴fA1.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
各前記周回体の周回を開始するための開始操作が行われる始動操作手段(スタートレバー41)と、
各前記周回体の周回を停止するための停止操作が行われる停止操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させる開始駆動制御を実行し、前記停止操作手段が操作された場合に対応する前記周回体の周回を停止させる停止駆動制御を実行する駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
遊技の賭数を設定するための賭数操作が行われる賭数操作手段(第1クレジット投入スイッチ56、第2クレジット投入スイッチ57、メダル投入口45)と、
前記賭数操作手段の賭数操作に基づいて、遊技の賭数の設定処理を実行する賭数設定手段(主制御装置101によるBET操作対応処理)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、前記賭数設定手段により設定された賭数に応じて遊技者に特典を付与することの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が所定結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、当該所定結果に対応する所定の絵柄組合せが停止した場合に、前記所定結果に対応する特典を付与可能な特典付与手段(主制御装置101によるメダル払出処理や再遊技設定用処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
前記賭数設定手段による前記賭数の設定処理において、特定状況(ベット数のエラー、クレジット数のエラーが生じている状況)となっていることを把握可能な把握手段(主制御装置101による第1確認処理や第2確認処理、例えば、ステップSf1915、ステップSf2103、ステップSf2202の処理を実行する機能)と、
前記把握手段により前記特定状況となっていることが把握された場合に、特定処理を実行する特定処理手段(主制御装置101による第1修正処理や第2修正処理、例えば、ステップSf1916、ステップSf2106、ステップSf2107、ステップSf2205、ステップSf2206の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、賭数操作手段の賭数操作が行われると賭数が設定され、始動操作手段の操作に基づき遊技が開始されて当該遊技の抽選が賭数に応じて実行され、停止操作手段の操作に基づき当該抽選の結果に対応する絵柄組合せが有効位置に停止すると当該抽選の結果に対応する特典が付与される所謂スロットマシンの遊技機において、賭数の設定処理において異常が生じている特定状況となっている場合には特定処理が実行される。賭数の設定処理における異常としては、例えば正規の賭数とは異なる賭数が設定されてしまった状況や、賭数自体は正規の賭数として設定されたものの、賭数とクレジット数の減少数とが異なっていた状況等が想定され、このような状況が生じると、異なる賭数によって遊技の抽選が行われてしまったり、クレジット数の差異によって遊技者又は遊技ホールに不利益が発生したりしてしまう。更に、賭数が異なると、例えば、所定の賭数にて遊技を行わせ、当該所定の賭数とは異なる賭数にて遊技させないことで実現される遊技性が台無しになってしまう可能性がある。そこで、上記のように、異常発生時に特定処理を実行するようにしていることから、賭数の設定処理に際する異常に起因する各種不都合を生じさせないようにして、遊技進行の好適化を図ることが可能となる。
特徴fA2.遊技状態として、第1遊技状態(内部状態)と第2遊技状態(非内部状態、BB状態)とが設定されており、
前記賭数設定手段は、前記第1遊技状態において所定の前記賭数操作手段による賭数操作が行われた場合、第1賭数(3)が今回の遊技の賭数として設定された状態とする一方、前記第2遊技状態において所定の前記賭数操作手段による賭数操作が行われた場合、前記第1賭数とは異なる第2賭数(2)が今回の遊技の賭数として設定された状態とするものであり、
前記把握手段は、前記第1遊技状態において所定の前記賭数操作手段の賭数操作に基づく前記賭数の設定処理により前記第2賭数が設定された状態となっている場合に前記特定状況であると把握可能であり、前記第2遊技状態において所定の前記賭数操作手段の賭数操作に基づく前記賭数の設定処理により前記第1賭数が設定された状態となっている場合に前記特定状況であると把握可能な手段(主制御装置101による第1確認処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴fA1に記載の遊技機。
遊技状態に応じて賭数が異なるような構成においては、異常の賭数となっていても他の遊技状態であればそれは正規の賭数であることから、異常の賭数となっていても遊技者は気付きにくく、そのまま遊技を継続してしまう可能性が高い。そこで、上記構成では、遊技状態に応じた賭数となっていない場合に異常(特定状況)であると把握されるようにしていることから、異常の賭数となったまま遊技が行われてしまうことによる不都合を回避させることが可能となり、遊技者の利益を担保することができる。
特徴fA3.前記賭数設定手段により第1賭数(3)が設定された状況で前記抽選手段による抽選が実行可能であり、前記賭数設定手段により前記第1賭数とは異なる第2賭数が設定された状況で前記抽選手段による抽選が実行可能であり、
所定の前記賭数操作手段の賭数操作に基づく前記賭数の設定手段により前記第1賭数が設定される状況において、前記把握手段は、所定の前記賭数操作手段の賭数操作に基づく前記賭数の設定処理により前記第2賭数が設定された状態となっている場合に前記特定状況であると把握する一方、所定の前記賭数操作手段の賭数操作に基づく前記賭数の設定処理により前記第1賭数が設定された状態となっている場合に前記特定状況であると把握しない手段(主制御装置101による内部状態において投入上限カウンタに3を入力したうえで、投入後ベットカウンタが投入上限カウンタと等しいか否かの判定を行う機能)を備えていることを特徴とする特徴fA1又は特徴fA2に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1賭数と第2賭数とはいずれも抽選手段による抽選が可能な正規の賭数であるような構成において、所定の賭数操作手段の操作によって第1賭数が設定される状況であるのにもかかわらず、第2賭数が設定されている場合には異常であると把握される。このようにすることで、正規の賭数であっても賭数の設定処理によって異なる賭数が設定されてしまった場合に、それが異常として特定処理が行われるようにしたことから、第1賭数にて遊技を行おうとしたのにもかかわらず第2賭数にて遊技を行わせてしまうことに起因する不都合を回避させることが可能となる。
特徴fA4.前記特典付与手段は、前記抽選手段による抽選結果が特定結果(第2BB)であり、当該特定結果に対応する絵柄組合せが前記有効位置に停止することで当該特定結果に対応する特典を付与する構成であり、
前記賭数設定手段により設定される賭数が前記第1賭数である場合には前記特定結果に対応する絵柄組合せが前記有効位置に停止することを制限する一方、前記第2賭数である場合には前記特定結果に対応する絵柄組合せが前記有効位置に停止することを許容する手段(主制御装置101による3ベットゲームでは第2BB入賞を制限する一方、2ベットゲームでは第2BB入賞を許容する機能)を備えていることを特徴とする特徴fA2又は特徴fA3に記載の遊技機。
上記構成は、第1賭数であれば特定結果の入賞が成立しない一方、第2賭数であれば特定結果の入賞が成立し得る構成であり、第2賭数ではなく第1賭数にて遊技を行うことで特定結果の入賞を成立させないまま進行する遊技を実現可能となる。このような遊技性において、第1賭数にて遊技を行おうと所定の賭数操作手段を操作したのにもかかわらず、第1賭数ではなく第2賭数が設定されてしまった場合、上記の特定結果の入賞を回避する遊技性が台無しとなってしまう。そこで、上記特徴fA2や特徴fA3のように、第1賭数を設定すべき状況で第2賭数となっていることを異常として把握するようにしたことで、かかる遊技性を実現するうえでの障壁を好適に排除することが可能となる。
特徴fA5.前記賭数設定手段は、予め定められた上限数(3)の賭数を上限として前記賭数の設定処理を実行する構成であり、
前記把握手段は、前記賭数の設定手段によって前記上限数よりも大きい数の賭数が設定されている状況を前記特定状況として把握する手段(主制御装置101による投入後ベットカウンタが4以上となっている場合に第1修正処理を実行するようにする機能)を備えていることを特徴とする特徴fA1乃至特徴fA4のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、上限よりも多い数の賭数が設定されている状況では異常として把握されることから、その後の抽選手段による抽選が行われる場合に、当該抽選が実行できずに遊技が中止されてしまったり、強制的に外れ結果となってしまったりする事象を好適に回避することが可能となる。
特徴fA6.前記賭数設定手段は、予め定められた下限数(2)の賭数を下限として前記賭数の設定処理を実行する構成であり、
前記把握手段は、前記賭数の設定処理によって前記下限数よりも小さい数の賭数が設定されている状況を前記特定状況として把握する手段(主制御装置101による投入後ベットカウンタが1以下となっている場合に第1修正処理を実行するようにする機能)を備えていることを特徴とする特徴fA1乃至特徴fA5のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、下限よりも少ない数の賭数が設定されている状況では異常として把握されることから、その後の抽選手段による抽選が行われる場合に、当該抽選が実行できずに遊技が中止されてしまったり、強制的に外れ結果となってしまったりする事象を好適に回避することが可能となる。
特徴fA7.前記賭数設定手段は、所定の前記賭数操作手段の賭数操作が行われた場合、予め定められた特定数の賭数が設定された状態となるように前記賭数の設定処理を実行する構成であり、
前記把握手段は、前記特定数とは異なる賭数が設定された状態となっている状況を前記特定状況として把握する手段(主制御装置101による投入後ベットカウンタが投入上限カウンタの値と等しいことの判定を行う機能)を備え、
前記特定処理手段は、前記特定処理として前記特定数が設定された状態となるようにする処理を実行する手段(主制御装置101による投入後ベットカウンタに投入上限カウンタの値を入力する処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴fA1乃至特徴fA6のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定数の賭数が設定された状態とするように所定の賭数操作手段の賭数操作が行われたのにもかかわらず、その特定数の賭数が設定された状態となっていなければ、それが異常として把握され、特定数の賭数が設定された状態とするように特定処理が実行される。このようにすることで、より確実に特定数の賭数が設定された状態となるようにすることができ、賭数が異なることによる不都合の発生を好適に回避させることが可能となる。
特徴fA8.前記賭数設定手段は、前記賭数が前記特定数とは異なる第1数(0)である状況で所定の前記賭数操作手段の賭数操作が行われた場合、前記特定数の賭数が設定された状態となるように前記賭数の設定処理を実行し、前記賭数が前記特定数及び前記第1数とは異なる第2数(1)である状況で所定の前記賭数操作手段の賭数操作が行われた場合、前記特定数の賭数が設定された状態となるように前記賭数の設定処理を実行する構成であることを特徴とする特徴fA7に記載の遊技機。
上記構成は、特定数の賭数が設定された状態とするように所定の賭数操作手段の賭数操作が行われた場合、その賭数操作の前に設定されている賭数によって、設定される賭数は異なり、特定数との差分が賭数として設定される構成である。このような構成においては、所定の賭数操作手段の賭数操作が行われる度に、今回追加して設定する賭数を算出する処理が必要となり、かかる算出処理によってエラーが生じ易くなる。したがって、このような構成に対して特徴fA1の構成を適用することによって、特徴fA1の効果がより好適に奏されるようになる。
特徴fA9.前記賭数設定手段は、
賭数用の数値情報(投入後ベットカウンタ)に今回の賭数に対応する数を入力することで前記賭数の設定処理を実行する構成であり、
所定の前記賭数操作手段の賭数操作が行われた場合、前記賭数用の数値情報に入力されれている数と、予め定められた特定数との差分を演算し、当該演算の結果を前記賭数用の数値情報に加算することで、前記特定数の賭数が設定された状態とするようにする手段(主制御装置101による投入用カウンタの算出を行い、投入用カウンタを投入後ベットカウンタに加算する処理を実行する機能)を備え、
前記把握手段は、前記賭数用の数値情報に入力された数が前記特定数ではない状況を前記特定状況として把握する手段(主制御装置101による投入後ベットカウンタが投入上限カウンタの値と等しいことの判定を行う機能)を備え、
前記特定処理手段は、前記特定処理として前記賭数用の数値情報に前記特定数を入力することで前記特定数の賭数が設定された状態となるようにする処理を実行する手段(主制御装置101による投入後ベットカウンタに投入上限カウンタの値を入力する処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴fA7又は特徴fA8に記載の遊技機。
上記構成は特徴fA7の具体的構成である。
特徴fA10.遊技に用いる各種情報を記憶可能な記憶手段(ROM105、RAM106)を備え、
前記記憶手段は、
記憶されている情報を書き換え可能な第1記憶手段(RAM106)と、
記憶されている情報を書き換え不能な第2記憶手段(ROM105)と、
を有し、
前記特定処理手段は、前記第2記憶手段に記憶されている情報を用いて、前記特定処理を実行することを特徴とする特徴fA1乃至特徴fA9のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、異常が生じた場合には書き換え不能な第2記憶手段に記憶されている情報を用いて異常に対する特定処理を行うようにしていることから、賭数の設定処理の最中に書き換えられる等した情報を用いて異常に対する特定処理を行うよりも、当該異常が解消される可能性が高くなる。つまり、仮に賭数の設定処理によって書き換えられた情報を用いて異常に対する特定処理を行うようにしてしまうと、当該賭数の設定処理の正規な書き換えとは異なり、ノイズ等で異常な値に書き換えられた情報を用いて特定処理を行う可能性もあり、特定処理を行っても異常が解消されない場合も生じ得る。そこで、上記構成のようにすることで、異常を好適に解消する特定処理とすることが可能となる。
なお、上記構成は以下の構成を限定することで、第2記憶手段に記憶されている情報を用いて特定処理を行うことの意義がより明確化される。
「前記賭数設定手段は、前記第1記憶手段に記憶されている情報を用いて前記賭数の設定処理を実行する構成である」。
特徴fA11.予め定められた所定数を上限として仮想遊技価値を記憶する仮想遊技価値記憶手段(クレジットカウンタ)を備え、
前記賭数設定手段は、前記賭数操作手段が操作された場合に前記仮想遊技価値記憶手段に記憶されている仮想遊技価値を用いて、前記賭数の設定処理を実行する仮想賭数設定手段(主制御装置101によるBET操作対応処理におけるクレジットからベットを行う処理を実行する機能)を備え、
前記把握手段は、前記仮想賭数設定手段による前記賭数の設定処理によって設定される賭数と、前記仮想遊技価値記憶手段に記憶されていた前記仮想遊技価値の数の減少数とを比較する比較手段(主制御装置101による第2確認処理において投入前クレジットカウンタと投入後クレジットカウンタとの差分とベットされた数とを比較する処理、例えばステップSf2103やステップSf2202の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴fA1乃至特徴fA10のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、所謂クレジットとしての仮想遊技価値記憶手段に記憶されている仮想遊技価値を用いて賭数の設定が行われる構成において、賭数の設定処理によって設定された賭数と、仮想遊技価値の数の減少数とを比較する処理を行うことで異常としての特定状況の把握が行われるようになるため、設定した賭数よりも多い数の仮想遊技価値を仮想遊技価値記憶手段から減少してしまったり、少ない数の仮想遊技価値を減少してしまったりする異常を好適に特定することが可能となる。よって、賭数の設定処理によってクレジット数に異常が生じたことによる遊技者や遊技ホールの被り得る被害をより好適に回避させるようにすることができる。
特徴fA12.前記仮想賭数設定手段は、所定の前記賭数操作手段の賭数操作が行われた場合、予め定められた特定数と前記賭数操作が行われる前の賭数との差分を演算し、当該演算の結果(投入用カウンタ)を前記前の賭数に加算することで、前記特定数の賭数が設定された状態となるように前記賭数の設定処理を実行する構成であり、
前記比較手段は、前記特定数と前記賭数操作が行われる前の賭数との差分を演算し、当該演算の結果(第2差分カウンタ)と、前記仮想遊技価値記憶手段に記憶されていた前記仮想遊技価値の数の減少数とを比較する構成であることを特徴とする特徴fA11に記載の遊技機。
上記構成によれば、比較手段は、賭数の設定処理において特定数と賭数操作が行われる前の賭数との差分を算出する処理を再度行ってその算出結果を用いて、クレジットの減少数との比較を行うようにしていることから、仮に賭数の設定処理において特定数と賭数操作が行われる前の賭数との差分を算出する処理において異常が生じていた場合であっても、その異常を好適に特定状況として把握できる可能性が高くなる。
特徴fA13.前記特定処理手段は、前記比較手段による比較結果が、前記仮想賭数設定手段による前記賭数の設定処理によって設定される賭数よりも、前記仮想遊技価値記憶手段に記憶されていた前記仮想遊技価値の数の減少数の方が多い結果である場合、その差分を前記仮想遊技価値記憶手段に記憶されている前記仮想遊技価値の数に加算する処理を前記特定処理として実行する加算手段(主制御装置101による投入後クレジットカウンタに差分を加算する処理、例えばステップSf2106やステップSf2205の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴fA11又は特徴fA12に記載の遊技機。
上記構成によれば、仮想遊技価値記憶手段から今回の賭数よりも多く減算してしまった場合には、その差分が特定処理によって戻される。このようにすることで、所謂クレジットが正規の数よりも少なくなってしまうことによる遊技者の不利益を生じさせないようにすることができる。
特徴fA14.前記仮想遊技価値記憶手段に記憶されている前記仮想遊技価値の精算を行う精算手段(主制御装置101による貯留メダル精算処理を実行する機能)を備え、
前記精算手段は、前記加算手段により加算された分の前記仮想遊技価値を除いて前記精算を行うことが可能な手段(主制御装置101による精算不可カウンタの分を除いて精算を行う処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴fA13に記載の遊技機。
上記構成によれば、加算手段によって仮想遊技価値記憶手段に加算された分の仮想遊技価値は精算が不可となることから、加算手段による加算が行われ得る構成を利用して、仮想遊技価値記憶手段に記憶されている仮想遊技価値の数を不正に増加させようとする不正行為が行われた場合であっても、かかる不正行為による増加分の精算が制限され、不正行為の実効性を失わせることが可能となる。
特徴fA15.前記加算手段により加算された分の前記仮想遊技価値を用いて前記賭数設定手段による前記賭数の設定処理が行われた場合、遊技者にとって有利な特典を付与することが可能な手段(表示制御装置81による精算不可カウンタの消化時に特別報知を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴fA13又は特徴fA14に記載の遊技機。
上記構成によれば、異常としての特定状況となり、特定処理として仮想遊技価値を戻す処理が実行された場合、戻された分の仮想遊技価値を用いて遊技が行われる場合に、特典が付与され得るようになることから、異常が生じて特定処理が行われることによって、通常の遊技進行と比較して何らかの不都合が生じる場合であっても、それによる遊技意欲の低下を上記特典によってうまく補うことが可能となる。
特徴fA16.前記特定処理手段は、前記比較手段による比較結果が、前記仮想賭数設定手段による前記賭数の設定処理によって設定される賭数の方が、前記仮想遊技価値記憶手段に記憶されていた前記仮想遊技価値の数の減少数よりも多い結果である場合、その差分を前記仮想遊技価値記憶手段に記憶されている前記仮想遊技価値の数から減算する処理を前記特定処理として実行する減算手段(主制御装置101による投入後クレジットカウンタから差分を減算する処理、例えばステップSf2107やステップSf2206の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴fA11乃至特徴fA15のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、仮想遊技価値記憶手段から今回の賭数よりも少ない数しか減算しなかった場合には、その差分が特定処理によって減算される。このようにすることで、所謂クレジットが正規の数よりも多くなってしまうことによる遊技ホールの不利益を生じさせないようにすることができる。
特徴fA17.前記特定処理手段による前記特定処理が行われる場合、前記賭数操作手段による賭数操作の実行を制限することが可能な制限手段(主制御装置101によるメダル受付を禁止する処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴fA1乃至特徴fA16のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、把握手段により異常発生の特定状況が把握されており、特定処理手段によってその異常を対処しようとしているのにもかかわらず、新たな賭数操作が行われることによって更なる異常が生じてしまうことを好適に回避することが可能となる。
特徴fA18.前記特定処理手段は、所定の前記賭数操作手段の操作に基づいて前記特定処理を実行することが可能な手段(主制御装置101による第1クレジット投入スイッチ56や第2クレジット投入スイッチ57の操作に基づいて修正処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴fA1乃至特徴fA17のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、賭数の設定処理により生じた異常が、遊技機側の一方的な処理ではなく、遊技者の操作によって解消されて正規の賭数に設定される等の特定処理が実行される、といった構成となる。このようにすることで、異常を解消する処理とはいっても、賭数の設定が遊技者の介入なく行われることを回避することができる。しかも、上記構成のようにすることで、異常が生じたことを遊技者も把握することが可能となり、遊技ホールの管理者に報告する等、異常による遊技ホール側の対処を促すこともできるし、異常が生じないようにより慎重な遊技操作が行われることも期待できるようになる。
特徴fA19.前記特定処理手段は、前記把握手段により前記特定状況となっていることが把握された場合、再度、前記賭数設定手段による前記賭数の設定処理が行われるようにする再処理手段(例えば、主制御装置101によるステップSf2808にて否定判定した後の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴fA1乃至特徴fA18のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、賭数の設定処理によって異常が生じた場合、当該賭数の設定処理の前の状態に戻す処理が行われる。この場合、再度賭数の設定処理を行えば、当該異常が解消される可能性もあり、比較的簡素な構成で賭数の設定処理による異常を対処することが可能となる。
特徴fA20.前記再処理手段により、前記賭数設定手段による前記賭数の設定処理が行われる場合、前記把握手段により前記特定状況となっていることが把握された契機となった前記賭数の設定処理が行われる前の状態に戻す処理を実行する手段(例えば、主制御装置101によるステップSf2809及びステップSf2910の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴fA19に記載の遊技機。
上記構成によれば、再度賭数の設定処理が行われる場合、先の設定処理の前の状態に戻されることから、再度の賭数の設定処理においては、前回の設定処理との関係性を考慮することなく、そのまま設定処理を行えばよく、処理構成の圧倒的な簡素化が図られる。
特徴fA21.前記特定処理手段は、前記賭数の設定処理が実行されてから当該賭数の設定処理による異常に対応するための対応処理が行われるまでの期間、又は当該賭数の設定処理の契機となった賭数操作の次の遊技操作が行われるまでの期間を担保する手段(例えば、主制御装置101によるベット時効果音を特別ベット時効果音として出力したり、第1クレジット投入スイッチ56の操作に基づいて第2修正処理が行われるようにする処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴fA1乃至特徴fA20のいずれか1に記載の遊技機。
賭数の設定処理により異常が生じる場合とは、遊技機の周囲で電波等が発せられた等によってノイズが生じたり、遊技者による遊技操作が連続して実行されることにより処理待ちが生じたりすることが一の原因として挙げられる。そこで、上記構成においては、異常が生じている状況であることが特定された場合、当該異常に対応する対応処理や、遊技者による次の遊技操作のタイミングが、当該異常が生じた設定処理のタイミングと所定期間隔てたものとなるように担保される。このようにすることで、対処処理の実行時には電波等の不都合が解消されていることが期待できたり、遊技者による連続操作による処理の重複が解消されることも期待でき、異常に対して好適に対処することが可能となる。
特徴fA22.遊技に用いる各種情報を記憶可能な記憶手段(ROM105、RAM106)を備え、
前記特定処理手段は、前記記憶手段に記憶されている情報の確認処理を実行する手段(例えば、主制御装置101によるステップSf2617の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴fA1乃至特徴fA21のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、賭数の設定処理により異常が生じた場合、遊技に用いる各種情報の確認処理が行われるため、異常の原因の特定が可能となるほか、賭数の設定処理により生じた異常によって、別の異常が生じていることも特定することが可能となる。
特徴fA23.前記特定処理手段により前記特定処理が実行される場合、所定の報知手段により特別報知を実行可能な特別報知手段(表示制御装置81による第1特別ベット時効果音や第2特別ベット時効果音を出力させる機能)を備えていることを特徴とする特徴fA1乃至特徴fA22のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、異常が生じたことを遊技者や遊技ホールの管理者が把握することが可能となり、異常による遊技ホール側の対処が可能となるし、異常が生じないようにより慎重な遊技操作が行われることも期待できるようになる。また、特別報知によって遊技者の手が止まり、特定処理の実行に際して新たな操作情報が入力されないといったメリットも期待でき、特定処理によって異常が解消される可能性を高めることができる。
なお、上記特徴fA1乃至特徴fA23における「特定処理」について、「前記特定状況を解消するための特定処理」や「前記異常を解消するための特定処理」や、「前記特定状況を解消することの処理を含む特定処理」や「前記異常を解消することの処理を含む特定処理」等と表現してもよい。
なお、上記特徴fA1乃至特徴fA23に記載された発明は、「遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機では、所定の抽選条件が成立したことに基づいて内部抽選が行われ、当該内部抽選の結果に応じて遊技者に特典が付与される構成が知られている。スロットマシンについて具体的には、遊技媒体としてのメダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されると、内部抽選が実施されるとともに、リールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップスイッチが操作された場合には、リールの回転が停止する。そして、リールの停止結果が内部抽選の結果に対応したものである場合には、結果に応じた特典が付与される(例えば特開2008-295707号公報参照)。」という背景技術について、「ここで、上記例示等した遊技機においては遊技進行の好適化を図る必要があり、この点について、未だ改良の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
なお、上記特徴fA1乃至特徴fA23の各構成に対して、特徴fA1乃至特徴fA23、特徴fB1乃至特徴fB14、特徴fC1乃至特徴fC8、特徴fD1乃至特徴fD14、特徴fE1乃至特徴fE11のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴fB群>
特徴fB1.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
各前記周回体の周回を開始するための開始操作が行われる始動操作手段(スタートレバー41)と、
各前記周回体の周回を停止するための停止操作が行われる停止操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させ、前記停止操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を停止させる駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
予め定められた所定数を上限として仮想遊技価値を記憶する仮想遊技価値記憶手段(クレジットカウンタ)と、
遊技の賭数を設定するための操作が行われる賭数操作手段(第1クレジット投入スイッチ56、第2クレジット投入スイッチ57)と、
前記賭数操作手段が操作された場合に、遊技の賭数の設定処理を実行する賭数設定手段(主制御装置101によるBET操作対応処理を実行する機能)と、
を備え、
前記賭数設定手段は、前記賭数操作手段が操作された場合に前記仮想遊技価値記憶手段に記憶されている仮想遊技価値を利用して賭数の設定処理を実行する仮想賭数設定手段(主制御装置101によるBET操作対応処理における第1クレジット投入スイッチ56や第2クレジット投入スイッチ57の操作に基づくベットを行うための処理を実行する機能)を備え、
前記仮想賭数設定手段による前記賭数の設定処理において設定される賭数と、前記仮想遊技価値記憶手段に記憶されている仮想遊技価値の減少数とを比較する比較手段(主制御装置101による第2確認処理において投入前クレジットカウンタと投入後クレジットカウンタとの差分とベットされた数とを比較する処理、例えばステップSf2103やステップSf2202の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、賭数操作手段の賭数操作が行われると賭数が設定され、始動操作手段の操作に基づき遊技が開始されて当該遊技の抽選が賭数に応じて実行され、停止操作手段の操作に基づき当該抽選の結果に対応する絵柄組合せが有効位置に停止すると当該抽選の結果に対応する特典が付与される所謂スロットマシンの遊技機において、所謂クレジットとして仮想遊技価値記憶手段に記憶されている仮想遊技価値を用いて賭数の設定処理が行われる場合、賭数の設定処理により設定された賭数と、仮想遊技価値の減少数とを比較する比較手段を備えていることから、設定した賭数よりも多い数の仮想遊技価値を仮想遊技価値記憶手段から減少してしまったり、少ない数の仮想遊技価値を減少してしまったりする異常を好適に特定することが可能となる。よって、賭数の設定処理によってクレジット数に異常が生じたことも把握することが可能となり、遊技者や遊技ホールの被り得る被害を好適に回避させるようにすることができる。
なお、上記の「比較手段」は、以下のように表現してもよい。
「前記仮想賭数設定手段による前記賭数の設定処理において設定される賭数が、前記仮想遊技価値記憶手段に記憶されている仮想遊技価値の減少数であるかを判定する判定手段(主制御装置101による第2確認処理において投入前クレジットカウンタと投入後クレジットカウンタとの差分とベットされた数とを比較する処理、例えばステップSf2103やステップSf2202の処理を実行する機能)」。
特徴fB2.前記比較手段による比較結果が、前記仮想賭数設定手段による前記賭数の設定処理において設定される賭数と、前記仮想遊技価値記憶手段に記憶されている仮想遊技価値の減少数とが異なるとする結果である場合、特定処理を実行する特定処理手段(主制御装置101による第2修正処理、例えば、ステップSf2106、ステップSf2107、ステップSf2205、ステップSf2206等の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴fB1に記載の遊技機。
上記構成によれば、設定した賭数よりも多い数の仮想遊技価値を仮想遊技価値記憶手段から減少してしまったり、少ない数の仮想遊技価値を減少してしまったりする異常が特定された場合、その異常が生じていることを報知したり出力したり、その異常を修正したりする特定処理が実行される。これにより、かかる異常を好適に対処することが可能となる。
特徴fB3.前記特定処理手段は、前記比較手段による比較結果が、前記仮想賭数設定手段による前記賭数の設定処理によって設定される賭数よりも、前記仮想遊技価値記憶手段に記憶されていた前記仮想遊技価値の数の減少数の方が多い結果である場合、その差分を前記仮想遊技価値記憶手段に記憶されている前記仮想遊技価値の数に加算する処理を前記特定処理として実行する加算手段(主制御装置101による投入後クレジットカウンタに差分を加算する処理、例えばステップSf2106やステップSf2205の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴fB2に記載の遊技機。
上記構成によれば、仮想遊技価値記憶手段から今回の賭数よりも多く減算してしまった場合には、その差分が加算手段によって戻される。このようにすることで、所謂クレジットが正規の数よりも少なくなってしまうことによる遊技者の不利益を生じさせないようにすることができる。
特徴fB4.前記仮想遊技価値記憶手段に記憶されている前記仮想遊技価値の精算を行う精算手段(主制御装置101による貯留メダル精算処理を実行する機能)を備え、
前記精算手段は、前記加算手段により加算された分の前記仮想遊技価値を除いて前記精算を行うことが可能な手段(主制御装置101による精算不可カウンタの分を除いて精算を行う処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴fB3に記載の遊技機。
上記構成によれば、加算手段によって仮想遊技価値記憶手段に加算された分の仮想遊技価値は精算が不可となることから、加算手段による加算が行われ得る構成を利用して、仮想遊技価値記憶手段に記憶されている仮想遊技価値の数を不正に増加させようとする不正行為が行われた場合であっても、かかる不正行為による増加分の精算が制限され、不正行為の実効性を失わせることが可能となる。
特徴fB5.前記仮想賭数設定手段は、前記加算手段により加算された分の前記仮想遊技価値を、前記加算手段により加算されていない分の前記仮想遊技価値よりも先に前記賭数の設定処理に用いることが可能な手段(主制御装置101によるベット時に精算不可カウンタの分を優先して消化する処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴fB3又は特徴fB4に記載の遊技機。
上記構成によれば、加算手段により加算された分の仮想遊技価値がいつまでも残存している、といった事象を生じさせにくくすることが可能となる。よって、仮想遊技価値数の異常を解消しながらも、正規に投入された等した遊技価値とは異なる不安定な遊技価値がなるべく存在しないようにすることができるし、特徴fB4のように精算不可とするような構成において、いつまでも遊技を終了することができないといった事象を生じさせないようにすることができる。
特徴fB6.前記加算手段により加算された分の前記仮想遊技価値を用いて前記仮想賭数設定手段による前記賭数の設定処理が行われた場合、遊技者にとって有利な特典を付与することが可能な手段(表示制御装置81による精算不可カウンタの消化時に特別報知を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴fB3乃至特徴fB5のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、仮想遊技価値数の異常が発生して特定処理として仮想遊技価値を戻す処理が実行された場合、戻された分の仮想遊技価値を用いて遊技が行われる場合に、特典が付与され得るようになることから、異常が生じて特定処理が行われることによって、通常の遊技進行と比較して何らかの不都合が生じる場合であっても、それによる遊技意欲の低下を上記特典によってうまく補うことが可能となる。
特徴fB7.前記賭数設定手段により前記賭数の設定処理が行われた場合、設定された賭数に対応する賭数報知を所定の報知手段にて実行する賭数報知手段(表示制御装置81によるベット時演出設定処理を実行する機能)と、
前記加算手段により加算された分の前記仮想遊技価値を用いて前記仮想賭数設定手段による前記賭数の設定処理が行われた場合とそうでない場合とで、前記賭数報知手段による前記賭数報知の態様を異ならせることが可能な手段(表示制御装置81による通常ベット時効果音、第1特別ベット時効果音や第2特別ベット時効果音を出力する処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴fB3乃至特徴fB6のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、加算手段により加算された分の仮想遊技価値が消化されたことを賭数報知の態様から遊技者は把握することが可能となる。よって、正規に投入された等した遊技価値とは異なる不安定な遊技価値が存在しない状況となることを把握でき、安心して遊技を楽しませることが可能となる。
特徴fB8.前記特定処理手段は、前記比較手段による比較結果が、前記賭数設定手段による前記賭数の設定処理によって設定される賭数の方が、前記仮想遊技価値記憶手段に記憶されていた前記仮想遊技価値の数の減少数よりも多い結果である場合、その差分を前記仮想遊技価値記憶手段に記憶されている前記仮想遊技価値の数から減算する処理を前記特定処理として実行する減算手段(主制御装置101による投入後クレジットカウンタから差分を減算する処理、例えばステップSf2107やステップSf2206の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴fB2乃至特徴fB7のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、仮想遊技価値記憶手段から今回の賭数よりも少ない数しか減算しなかった場合には、その差分が減算手段によって減算される。このようにすることで、所謂クレジットが正規の数よりも多くなってしまうことによる遊技ホールの不利益を生じさせないようにすることができる。
特徴fB9.前記特定処理手段は、遊技者による所定の遊技操作に基づいて、前記特定処理を実行することを特徴とする特徴fB2乃至特徴fB8のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、例えば特徴fB3のように差分を仮想遊技価値数に加算したり、特徴fB8のように差分を仮想遊技価値数から減算したりする構成において、遊技者の遊技操作を介して加算や減算が行われるようになる。このようにすることで、仮想遊技価値数の修正用の特定処理とはいえ、遊技者の介在無しにその数が変化する事象を生じさせないようにすることができ、遊技の透明性を担保することが可能となるし、その変化する事象を逆手に取った不正行為を行いにくくすることも可能となる。
特徴fB10.前記特定処理手段は、前記仮想賭数設定手段による前記賭数の設定処理の契機となった前記賭数操作手段が、再度操作されたことに基づいて前記特定処理を実行することを特徴とする特徴fB9に記載の遊技機。
上記構成によれば、異常が生じた場合に再度同じ賭数操作を行わせることでその修正が行われるようになる。よって、異常が生じた賭数操作と修正が行われる賭数操作とが関連付けられ、遊技の透明性がより向上する。
特徴fB11.前記仮想賭数設定手段は、所定の前記賭数操作手段(第1クレジット投入スイッチ56)の賭数操作が行われた場合、予め定められた特定数(3)と前記賭数操作が行われる前の賭数との差分を算出し、当該算出結果(投入用カウンタ)を前記前の賭数に加算することで、前記特定数の賭数が設定された状態となるように前記賭数の設定処理を実行する構成であり、
前記比較手段は、前記特定数と前記賭数操作が行われる前の賭数との差分を算出し、当該算出結果(第2差分カウンタ)と、前記仮想遊技価値記憶手段における前記仮想遊技価値の数の減少数とを比較する構成であることを特徴とする特徴fB1乃至特徴fB10のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、比較手段は、賭数の設定処理において特定数と賭数操作が行われる前の賭数との差分を算出する処理を再度行って、その算出結果を用いて、クレジットの減少数との比較を行うようにしていることから、仮に賭数の設定処理において特定数と賭数操作が行われる前の賭数との差分を算出する処理において異常が生じていた場合であっても、その異常を好適に特定状況として把握可能となる可能性を高くすることができる。
特徴fB12.前記仮想賭数設定手段は、所定の前記賭数操作手段の賭数操作が行われた場合、予め定められた所定数(1)の前記仮想遊技価値が賭数として設定されるように前記賭数の設定処理を実行する構成であり、
前記比較手段は、前記仮想遊技価値記憶手段における前記仮想遊技価値の数の減少数が前記所定数であるかを判定する構成であることを特徴とする特徴fB1乃至特徴fB11のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成のように、予め定められた所定数の仮想遊技価値が賭数として設定される構成においては、仮想遊技価値の減少数が所定数であるかを判定することで正しい仮想遊技価値数が仮想遊技価値記憶手段から減算されたか否かを把握することが可能である。よって、比較的簡素な構成にて賭数の設定処理において仮想遊技価値数の異常を特定することができる。
特徴fB13.前記比較手段による比較結果が、前記仮想賭数設定手段による前記賭数の設定処理において設定される賭数と、前記仮想遊技価値記憶手段に記憶されている仮想遊技価値の減少数とが異なるとする結果である場合、特別報知を実行する特別報知手段(主制御装置101による第2修正処理、例えば、ステップSf2106、ステップSf2107、ステップSf2205、ステップSf2206等の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴fB1乃至特徴fB12のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、仮想遊技価値数の減少数に異常が生じたことを特別報知によって遊技者は把握可能となる。これにより、当該異常を遊技ホールの管理者に報告する等して適切な対処を受けることが可能であるし、異常を生じさせないようにより慎重な遊技操作が行われるようになることにも期待が持てる。
特徴fB14.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
各前記周回体の周回を開始するための開始操作が行われる始動操作手段(スタートレバー41)と、
各前記周回体の周回を停止するための停止操作が行われる停止操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させ、前記停止操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を停止させる駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
予め定められた所定数を上限として仮想遊技価値を記憶する仮想遊技価値記憶手段(クレジットカウンタ)と、
遊技の賭数を設定するための操作が行われる賭数操作手段(第1クレジット投入スイッチ56、第2クレジット投入スイッチ57)と、
前記賭数操作手段が操作された場合に前記仮想遊技価値記憶手段に記憶されている仮想遊技価値を利用して賭数の設定処理を実行する賭数設定手段(主制御装置101によるBET操作対応処理における第1クレジット投入スイッチ56や第2クレジット投入スイッチ57の操作に基づくベットを行うための処理を実行する機能)と、
前記賭数設定手段による前記賭数の設定処理の前の第1情報(投入前ベットカウンタ、投入前クレジットカウンタ)と、前記賭数設定手段による前記賭数の設定処理の後の第2情報(投入後ベットカウンタ、投入後クレジットカウンタ)と、を比較する比較手段(主制御装置101による第2確認処理において投入前ベットカウンタと投入上限カウンタとの差分を算出する処理や、投入前クレジットカウンタと投入後クレジットカウンタとの差分を算出する処理、例えば、ステップSf2101やステップSf2102の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、賭数操作手段の賭数操作が行われると賭数が設定され、始動操作手段の操作に基づき遊技が開始されて当該遊技の抽選が賭数に応じて実行され、停止操作手段の操作に基づき当該抽選の結果に対応する絵柄組合せが有効位置に停止すると当該抽選の結果に対応する特典が付与される所謂スロットマシンの遊技機において、所謂クレジットとして仮想遊技価値記憶手段に記憶されている仮想遊技価値を用いて賭数の設定処理が行われる場合、賭数の設定処理の前の賭数や仮想遊技価値の数といった第1情報と、賭数の設定処理の後の賭数や仮想遊技価値の数といった第2情報と、を比較する比較手段を備えていることから、設定した賭数が設定予定の賭数となっていないことや、設定した賭数とは異なる数の仮想遊技価値を仮想遊技価値記憶手段から減少してしまっていることによる異常を好適に特定することが可能となる。よって、賭数の設定処理の異常により、遊技者や遊技ホールの被り得る被害を好適に回避させるようにすることができる。
なお、上記特徴fB14に対して、特徴fB1乃至特徴fB13のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。
なお、上記特徴fB1乃至特徴fB14に記載された発明は、「遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機では、所定の抽選条件が成立したことに基づいて内部抽選が行われ、当該内部抽選の結果に応じて遊技者に特典が付与される構成が知られている。スロットマシンについて具体的には、遊技媒体としてのメダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されると、内部抽選が実施されるとともに、リールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップスイッチが操作された場合には、リールの回転が停止する。そして、リールの停止結果が内部抽選の結果に対応したものである場合には、結果に応じた特典が付与される(例えば特開2008-295707号公報参照)。」という背景技術について、「ここで、上記例示等した遊技機においては遊技進行の好適化を図る必要があり、この点について、未だ改良の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
なお、上記特徴fB1乃至特徴fB14の各構成に対して、特徴fA1乃至特徴fA23、特徴fB1乃至特徴fB14、特徴fC1乃至特徴fC8、特徴fD1乃至特徴fD14、特徴fE1乃至特徴fE11のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴fC群>
特徴fC1.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
各前記周回体の周回を開始するための開始操作が行われる始動操作手段(スタートレバー41)と、
各前記周回体の周回を停止するための停止操作が行われる停止操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させる開始駆動制御を実行し、前記停止操作手段が操作された場合に対応する前記周回体の周回を停止させる停止駆動制御を実行する駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
遊技の賭数を設定するための賭数操作が行われる賭数操作手段(第1クレジット投入スイッチ56、第2クレジット投入スイッチ57、メダル投入口45)と、
前記賭数操作手段の賭数操作に基づいて、遊技の賭数の設定処理を実行する賭数設定手段(主制御装置101によるBET操作対応処理)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、前記賭数設定手段により設定された賭数に応じて遊技者に特典を付与することの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が所定結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、当該所定結果に対応する所定の絵柄組合せが停止した場合に、前記所定結果に対応する特典を付与可能な特典付与手段(主制御装置101によるメダル払出処理や再遊技設定用処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
前記賭数設定手段は、予め定められた特定数の賭数が設定された状態となるように前記賭数の設定処理を実行する特定賭数設定手段(例えば、主制御装置101によるステップSf1908~ステップSf1920の処理を実行する機能)を備え、
前記特定賭数設定手段は、
前記賭数操作手段の賭数操作が行われた場合、当該賭数操作の前の賭数と、前記特定数との差分を演算し、現状の賭数を示す賭数情報(投入後ベットカウンタ)に対して前記演算の結果を加算することで前記特定数の賭数が設定された状態とする第1手段(主制御装置101による投入用カウンタに基づくベットを行う処理を実行する機能)と、
前記賭数操作手段の賭数操作が行われた場合、前記特定数を前記賭数情報に入力することで前記特定数の賭数が設定された状態とする第2手段(主制御装置101による第1修正処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、賭数操作手段の賭数操作が行われると賭数が設定され、始動操作手段の操作に基づき遊技が開始されて当該遊技の抽選が賭数に応じて実行され、停止操作手段の操作に基づき当該抽選の結果に対応する絵柄組合せが有効位置に停止すると当該抽選の結果に対応する特典が付与される所謂スロットマシンの遊技機において、特定数の賭数が設定された状態となるように設定する場合、賭数操作の前の賭数と、特定数との差分を演算し、その演算結果を賭数情報に加算することで特定数の賭数が設定された状態とするといったように、どれくらいの遊技価値が賭数として設定されたかが把握可能となる第1手段と、賭数情報に対して特定数を直接入力することで特定数の賭数が設定された状態とするといった、第1手段のように要した遊技価値は把握できないものの、より簡素で確実に特定数の賭数が設定された状態とすることが可能な第2手段とを備えていることから、例えば、状況に応じて第1手段と第2手段とを使い分けるようにしたり、第1手段にて処理を行い、仮にその処理にてエラーが発生した場合には、今度は第2手段のように直接的な処理を行うようにする等、賭数の設定処理における利便性や確実性を向上させることが可能となる。
特徴fC2.前記第1手段による前記賭数の設定処理が実行された後、前記第2手段による前記賭数の設定処理が実行されるようにする特定手段(主制御装置101による第1確認処理にてエラーが発生していると確認された場合に第1修正処理が行われるようにする機能)を備えていることを特徴とする特徴fC1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1手段にて詳細な処理を行い、その後により確実な第2手段による処理が控える構成となり、賭数の設定処理における利便性や確実性を向上させる手助けとすることが可能となる。
特徴fC3.前記特定手段は、前記第1手段による前記賭数の設定処理が実行された後、予め定められた特定状況となっている場合、前記第2手段による前記賭数の設定処理が実行されるようにする一方、前記特定状況となっていない場合、前記第2手段による前記賭数の設定処理は実行されないようにすることが可能であることを特徴とする特徴fC2に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1手段による処理の後、特定状況となっていれば第2手段による処理が実行される一方、特定状況となっていなければ第2手段による処理は実行されないため、第1手段による処理の意義が担保されるし、第2手段による強制的な賭数の設定が行われる頻度を低くすることも可能となる。
特徴fC4.前記特定状況は、前記特定数の賭数が設定されていない状況であることを特徴とする特徴fC3に記載の遊技機。
上記構成は、特徴fC3の具体的構成である。
特徴fC5.予め定められた所定数を上限として仮想遊技価値を記憶する仮想遊技価値記憶手段(クレジットカウンタ)と、
前記第1手段により前記演算の結果が前記賭数情報に加算される場合、当該演算の結果に対応する数を、前記仮想遊技価値記憶手段に記憶されている前記仮想遊技価値から減算する処理を実行する第3手段(主制御装置101による投入用カウンタの値を投入後クレジットカウンタから減算する処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴fC1乃至特徴fC4のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、所謂クレジットとしての仮想遊技価値から賭数の設定を行う場合、第1手段のように現状の賭数と特定数との差分だけが利用されることから、不必要な分まで仮想遊技価値が利用されてしまう不都合を回避することができる。
特徴fC6.前記第2手段は、前記仮想遊技価値記憶手段に記憶されている前記仮想遊技価値を利用せずに前記賭数の設定処理を実行することを特徴とする特徴fC5に記載の遊技機。
上記構成によれば、現状の賭数と特定数との差分を演算することなく賭数の設定を行う第2手段は、クレジットとしての仮想遊技価値を利用しないようにしていることから、例えば仮想遊技価値記憶手段に仮想遊技価値が記憶されていなくても特定数の賭数の設定が可能であるし、そもそも仮想遊技価値が必要数あるかを確認したりする処理すら実行することなく賭数の設定が可能となる。よって、賭数の設定処理において余分な処理が排除され、かかる処理によるエラーの発生を極力排除することが可能となる。
特徴fC7.予め定められた所定数を上限として仮想遊技価値を記憶する仮想遊技価値記憶手段(クレジットカウンタ)と、
前記第2手段による前記賭数の設定処理の後、前記仮想遊技価値記憶手段に記憶されている前記仮想遊技価値の数を調整することが可能な第4手段(主制御装置101による第2修正処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴fC1乃至特徴fC6のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、強制的に特定数を賭数情報に入力する第2手段による賭数の設定処理の後、所謂クレジットとしての仮想遊技価値の数の調整処理が行われることから、第2手段による賭数の設定処理における正確性のメリットを抹殺することなく、仮想遊技価値の利用分の調整を行うことが可能となる。
特徴fC8.遊技に用いる各種情報を記憶可能な記憶手段(ROM105、RAM106)を備え、
前記記憶手段は、
記憶されている情報を書き換え可能な第1記憶手段(RAM106)と、
記憶されている情報を書き換え不能な第2記憶手段(ROM105)と、
を有し、
前記第1手段が利用する前記賭数操作の前の賭数と、前記特定数との差分の前記演算の結果と、は前記第1記憶手段に記憶されており、
前記第2手段が利用する前記特定数の情報は、前記第2記憶手段に記憶されていることを特徴とする特徴fC1乃至特徴fC7のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1手段による賭数の設定処理は書き換え可能な第1記憶手段に記憶された情報を用いることから利便性が向上し、第2手段による賭数の設定処理は書き換え不能な第2記憶手段に記憶された情報を用いることから確実性が向上し、両手段による特性がより際立ったものとされる。
なお、上記特徴fC1乃至特徴fC8に記載された発明は、「遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機では、所定の抽選条件が成立したことに基づいて内部抽選が行われ、当該内部抽選の結果に応じて遊技者に特典が付与される構成が知られている。スロットマシンについて具体的には、遊技媒体としてのメダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されると、内部抽選が実施されるとともに、リールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップスイッチが操作された場合には、リールの回転が停止する。そして、リールの停止結果が内部抽選の結果に対応したものである場合には、結果に応じた特典が付与される(例えば特開2008-295707号公報参照)。」という背景技術について、「ここで、上記例示等した遊技機においては遊技進行の好適化を図る必要があり、この点について、未だ改良の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
なお、上記特徴fC1乃至特徴fC8の各構成に対して、特徴fA1乃至特徴fA23、特徴fB1乃至特徴fB14、特徴fC1乃至特徴fC8、特徴fD1乃至特徴fD14、特徴fE1乃至特徴fE11のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴fD群>
特徴fD1.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
各前記周回体の周回を開始するための開始操作が行われる始動操作手段(スタートレバー41)と、
各前記周回体の周回を停止するための停止操作が行われる停止操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させる開始駆動制御を実行し、前記停止操作手段が操作された場合に対応する前記周回体の周回を停止させる停止駆動制御を実行する駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
遊技の賭数を設定するための賭数操作が行われる賭数操作手段(第1クレジット投入スイッチ56、第2クレジット投入スイッチ57、メダル投入口45)と、
前記賭数操作手段の賭数操作に基づいて、遊技の賭数の設定処理を実行する賭数設定手段(主制御装置101によるBET操作対応処理)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、前記賭数設定手段により設定された賭数に応じて遊技者に特典を付与することの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が所定結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、当該所定結果に対応する所定の絵柄組合せが停止した場合に、前記所定結果に対応する特典を付与可能な特典付与手段(主制御装置101によるメダル払出処理や再遊技設定用処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
予め定められた所定数を上限として仮想遊技価値を記憶する仮想遊技価値記憶手段(クレジットカウンタ)を備え、
前記賭数設定手段は、前記仮想遊技価値記憶手段に記憶されている仮想遊技価値を利用して前記賭数の設定処理を実行可能な構成であり、
第1契機に基づいて、前記仮想遊技価値記憶手段に記憶されている仮想遊技価値の数を増加させる処理を実行可能な第1増加手段(例えば、主制御装置101による払出判定処理や、メダル投入監視処理を実行する機能)と、
前記第1契機とは異なる第2契機に基づいて、前記仮想遊技価値記憶手段に記憶されている仮想遊技価値の数を増加させる処理を実行可能な第2増加手段(例えば、主制御装置101によるステップSf2106やステップSf2205の処理を実行する機能)と、
前記仮想遊技価値記憶手段に記憶されている仮想遊技価値の精算を行う精算手段(主制御装置101による貯留メダル精算処理を実行する機能)と、
前記第1増加手段により増加された分の仮想遊技価値については前記精算手段による精算が行われることを許容する一方、前記第2増加手段により増加された分の仮想遊技価値については前記精算手段による精算が行われることを制限する制限手段(主制御装置101によるステップSf3102~ステップSf3107の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、賭数操作手段の賭数操作が行われると賭数が設定され、始動操作手段の操作に基づき遊技が開始されて当該遊技の抽選が賭数に応じて実行され、停止操作手段の操作に基づき当該抽選の結果に対応する絵柄組合せが有効位置に停止すると当該抽選の結果に対応する特典が付与される所謂スロットマシンの遊技機において、所謂クレジットとしての仮想遊技価値記憶手段が設けられており、例えば、特典付与や遊技価値の投入といったように仮想遊技価値の数が所定数を上限として増加し得るため、これらの仮想遊技価値を利用して賭数の設定処理を行う等、遊技を進行させるうえでの利便性を向上させることが可能となる。そのうえで、仮想遊技価値の増加が第1契機に基づいて行われたものであればその仮想遊技価値の精算を行うことが可能であるものの、仮想遊技価値の増加が第2契機に基づいて行われたものであればその仮想遊技価値の精算が制限されるようにしていることから、同じように遊技に使用できる仮想遊技価値であっても優劣を生じさせることが可能となる。このようにすることで、付与する仮想遊技価値の数が同じであっても、実質的な価値を異ならせることができ、仮想遊技価値を利用した遊技性や利便性の向上を図ることが可能となる。
特徴fD2.遊技価値を投入可能な遊技価値投入手段(メダル投入口45)を有し、
前記遊技価値投入手段から遊技価値が投入された場合、前記第1契機として、前記第1増加手段により前記仮想遊技価値記憶手段に記憶されている仮想遊技価値の数が前記投入された遊技価値の数だけ増加され得る構成であることを特徴とする特徴fD1に記載の遊技機。
上記構成によれば、現実の遊技価値が投入されて仮想遊技価値として記憶される場合、当該仮想遊技価値は精算可能なものとして記憶されるようになる。このようにすることで、現実の遊技価値を仮想遊技価値に変換してしまっただけで、再度、現実の遊技価値に戻す(精算する)ことができなくなってしまう、という不都合を生じさせないようにすることが可能となる。
特徴fD3.前記賭数設定手段による前記賭数の設定処理が行われる場合に、前記仮想遊技価値記憶手段に記憶されている仮想遊技価値の数を減算する減算手段(主制御装置101による投入後クレジットカウンタから投入用カウンタの値等を減算する処理を実行する機能)を備え、
前記第2増加手段は、前記第2契機が生じた場合、前記減算手段により減算した仮想遊技価値の数の全部又は一部について、前記仮想遊技価値記憶手段に記憶されている仮想遊技価値の数を増加させる処理を実行可能であることを特徴とする特徴fD1又は特徴fD2に記載の遊技機。
上記構成によれば、賭数の設定処理に利用された仮想遊技価値を、第2契機に基づいて戻す(減算された分を増加させる)処理が行われた場合、当該戻した分の仮想遊技価値については精算が不可とされる。このように、遊技者による賭数操作といった既に利用の意思が示されている分については、精算を不可としても遊技者の不利益にはつながりにくい。そこで、当該戻した分を精算不可とすることで、かかる増加処理を逆手にとって仮想遊技価値の数を不正に増やす行為が行われたとしても、それを現実の仮想遊技価値とすることができなくなり、当該不正な行為を行わせにくくすることができる。
特徴fD4.前記賭数操作手段による賭数操作に基づき前記賭数設定手段による前記賭数の設定処理が行われる場合に利用されるべき仮想遊技価値の数(第2差分カウンタ)と、前記減算手段により減算された仮想遊技価値の数(第1差分カウンタ)と、を比較する比較手段(主制御装置101による第2確認処理を実行する機能)を備え、
前記比較手段による比較結果が、前記利用されるべき仮想遊技価値の数と、前記減算された仮想遊技価値の数と、が異なる数であるとする結果である場合、前記第2契機が生じたとして前記第2増加手段による処理が実行され得る構成であることを特徴とする特徴fD3に記載の遊技機。
本来であれば、賭数の設定処理にて利用されるべき仮想遊技価値の数と、減算される仮想遊技価値の数とは等しいはずであるところ、これらが異なる場合とは、余分に減算してしまった場合や、少なく減算してしまった場合が考えられる。そこで、上記構成では、このように仮想遊技価値の減算時にエラーが生じている場合には、第2契機として減算された分の全部又は一部を戻すようにすることで、かかるエラーに対処することが可能となる。そして、このようにイレギュラーで戻された仮想遊技価値については、精算を不可とすることで、意図的にイレギュラーを生じさせる不正行為等を行わせにくくすることができる。
特徴fD5.前記制限手段により、前記精算手段による精算が行われることが制限される仮想遊技価値の数が前記所定数よりも多くならないようにする上限手段(主制御装置101による精算不可カウンタを優先して消化するようにする処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴fD1乃至特徴fD4のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、精算することができない仮想遊技価値が記憶上限である所定数を超過しないようになっているため、精算できないはずなのにもかかわらず、例えば、特典として遊技価値が付与される場合に遊技価値が仮想遊技価値としてではなく遊技価値として付与されてしまう、といった事象を生じさせないようにすることができる。
特徴fD6.前記上限手段は、前記賭数設定手段により仮想遊技価値を利用した前記賭数の設定処理が行われる場合、前記第2増加手段により増加された仮想遊技価値を優先して利用するようにすることで、前記所定数よりも多くならないようにすることが可能であることを特徴とする特徴fD5に記載の遊技機。
上記構成によれば、第2増加手段により増加された分の仮想遊技価値は優先して消化されるようになるため、比較的簡素な構成にて仮想遊技価値記憶手段の記憶上限を超過しないようにすることが可能となる。
なお、上記構成は、以下のように表現してもよい。
「前記賭数設定手段により仮想遊技価値を利用した前記賭数の設定処理が行われる場合、前記第2増加手段により増加された仮想遊技価値を優先して利用するようにすることで、前記所定数よりも多くならないようにすることが可能な手段を備えていることを特徴とする特徴fD1乃至特徴fD5のいずれか1に記載の遊技機」。
特徴fD7.前記制限手段により、前記精算手段による精算が行われることが制限される仮想遊技価値が前記賭数設定手段による前記賭数の設定処理に利用される場合、遊技者にとって有利な特典を付与することが可能な手段(表示制御装置81による精算不可カウンタの消化時に特別報知を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴fD1乃至特徴fD6のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、精算ができない分の仮想遊技価値が遊技の賭数に利用される場合、遊技者にとって有利な特典が付与され得るようになることから、同じように遊技に利用できる仮想遊技価値であっても、精算ができるものとできないものとの差を消化時の特典付与によってうまく補うことが可能となる。
特徴fD8.前記賭数設定手段は、前記第1増加手段により増加された仮想遊技価値を前記賭数の設定処理にて利用可能であり、且つ前記第2増加手段により増加された仮想遊技価値を前記賭数の設定処理にて利用可能であることを特徴とする特徴fD1乃至特徴fD7のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成のように限定することで、第1増加手段による仮想遊技価値と第2増加手段による仮想遊技価値とが、同じように賭数の設定処理に利用可能であるものの、精算の可否のみ差がある構成であることがより明確化される。
なお、上記構成は、以下のように表現してもよく又は以下の限定を追加してもよい。
「前記抽選手段は、前記第1増加手段により増加された仮想遊技価値を利用する場合と、前記第2増加手段により増加された仮想遊技価値を利用する場合とで、共通の当選確率となるように前記抽選を実行することが可能な構成である」。
特徴fD9.前記第2増加手段により増加された分の仮想遊技価値の精算が前記制限手段により制限される場合、特別報知を実行可能な特別報知手段(主制御装置101によるステップSf3107の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴fD1乃至特徴fD8のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、精算手段による仮想遊技価値の精算を行わせたのにもかかわらず、制限手段によりその精算が制限されたことを遊技者に知らしめることが可能となり、仮想遊技価値が残存しているままで遊技を終了してしまうことによる遊技者の不利益を生じさせないようにすることができる。
特徴fD10.前記特典付与手段は、前記特典として仮想遊技価値を付与することが可能であり、
前記第2増加手段は、前記特典付与手段により仮想遊技価値が付与されることを前記第2契機として仮想遊技価値の数を増加させることが可能であることを特徴とする特徴fD1乃至特徴fD9のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、遊技の結果として付与される特典の一部又は全部が、精算不可とされる仮想遊技価値として付与されるようになる。このようにすることで、遊技価値を遊技の賭数として設定し、その遊技の特典として遊技価値を得る遊技性において、獲得する遊技価値が精算不可とされるか否かといった点も含めて遊技を楽しませることが可能となり、これまでにない斬新な遊技性を創出することができる。
特徴fD11.前記抽選手段による抽選結果が第1結果(例えば、第7小役や第8小役)であって、当該第1結果に対応する第1特典が前記特典付与手段により付与される場合、前記第1契機として前記第1増加手段による仮想遊技価値の数が増加され得る構成であり、
前記抽選手段による抽選結果が前記第1結果とは異なる第2結果(例えば、第9小役~第32小役)であって、当該第2結果に対応する第2特典が前記特典付与手段により付与される場合、前記第2契機として前記第2増加手段による仮想遊技価値の数が増加され得る構成であることを特徴とする特徴fD10に記載の遊技機。
上記構成によれば、当選する(入賞する)結果によって、精算可能な仮想遊技価値が付与されるか、それとも精算不可な仮想遊技価値が付与されるかが異なるようになる。よって、特徴fD10の遊技性を利用して、これまで以上に抽選結果や入賞結果への注目度を向上させることが可能となる。
特徴fD12.前記特典付与手段は、前記抽選手段による抽選結果が特別結果(例えば、第1小役~第6小役)である場合、特別数(13)の遊技価値又は仮想遊技価値を付与可能な構成であり、
前記特典付与手段により前記特別結果に対応する特典が付与される場合、前記特別数のうちの一部の仮想遊技価値を前記第2増加手段による増加対象とさせる手段(主制御装置101による第1小役入賞~第6小役入賞時に13枚のうち3枚に対応する3を精算不可カウンタに加算する処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴fD10又は特徴fD11に記載の遊技機。
上記構成によれば、第2増加手段により増加される仮想遊技価値の数が特別結果入賞時に付与される仮想遊技価値の数に限定されなくなり、精算が不可とされる仮想遊技価値が増加する場面を増やしながらも、精算不可とする仮想遊技価値によって付与される遊技価値や仮想遊技価値の数が制限される事象を回避することが可能となる。
特徴fD13.前記第2増加手段により増加された仮想遊技価値の数が特定数となった場合に、遊技者にとって有利な特典を付与することが可能な手段(例えば主制御装置101によるステップSf3453の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴fD1乃至特徴fD12のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、精算ができない分の仮想遊技価値の数が特定数となった場合、遊技者にとって有利な特典が付与され得るようになることから、精算不可とされる仮想遊技価値が付与され得る構成を利用して、当該精算不可とされる仮想遊技価値を如何に貯めるかといった遊技性を実現することが可能となり、新たな遊技性の創出に貢献することができる。
特徴fD14.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
各前記周回体の周回を開始するための開始操作が行われる始動操作手段(スタートレバー41)と、
各前記周回体の周回を停止するための停止操作が行われる停止操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させる開始駆動制御を実行し、前記停止操作手段が操作された場合に対応する前記周回体の周回を停止させる停止駆動制御を実行する駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
遊技の賭数を設定するための賭数操作が行われる賭数操作手段(第1クレジット投入スイッチ56、第2クレジット投入スイッチ57、メダル投入口45)と、
前記賭数操作手段の賭数操作に基づいて、遊技の賭数の設定処理を実行する賭数設定手段(主制御装置101によるBET操作対応処理)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、前記賭数設定手段により設定された賭数に応じて遊技者に特典を付与することの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が所定結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、当該所定結果に対応する所定の絵柄組合せが停止した場合に、前記所定結果に対応する特典を付与可能な特典付与手段(主制御装置101によるメダル払出処理や再遊技設定用処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
予め定められた所定数を上限として仮想遊技価値を記憶する仮想遊技価値記憶手段(クレジットカウンタ)を備え、
前記賭数設定手段は、前記仮想遊技価値記憶手段に記憶されている仮想遊技価値を利用して前記賭数の設定処理を実行可能な構成であり、
第1契機に基づいて、前記仮想遊技価値記憶手段に記憶されている仮想遊技価値の数を増加させる処理を実行可能な第1増加手段(例えば、主制御装置101による払出判定処理や、メダル投入監視処理を実行する機能)と、
前記第1契機とは異なる第2契機に基づいて、前記仮想遊技価値記憶手段に記憶されている仮想遊技価値の数を増加させる処理を実行可能な第2増加手段(例えば、主制御装置101によるステップSf2106やステップSf2205の処理を実行する機能)と、
前記第1増加手段により増加された分の仮想遊技価値と、前記第2増加手段により増加された分の仮想遊技価値とで、同じ仮想遊技価値の数であっても有利度を異ならせることが可能な手段(主制御装置101によるステップSf3102~ステップSf3107の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、賭数操作手段の賭数操作が行われると賭数が設定され、始動操作手段の操作に基づき遊技が開始されて当該遊技の抽選が賭数に応じて実行され、停止操作手段の操作に基づき当該抽選の結果に対応する絵柄組合せが有効位置に停止すると当該抽選の結果に対応する特典が付与される所謂スロットマシンの遊技機において、所謂クレジットとしての仮想遊技価値記憶手段が設けられており、例えば、特典付与や遊技価値の投入といったように仮想遊技価値の数が所定数を上限として増加し得るため、これらの仮想遊技価値を利用して賭数の設定処理を行う等、遊技を進行させるうえでの利便性を向上させることが可能となる。そのうえで、仮想遊技価値の増加が第1契機に基づいて行われたものと、仮想遊技価値の増加が第2契機に基づいて行われたものとで、同じように遊技に使用できる仮想遊技価値であっても有利度が異なり得るようにしていることから、付与する仮想遊技価値の数が同じであっても、実質的な価値を異ならせることができ、仮想遊技価値を利用した遊技性や利便性の向上を図ることが可能となる。
なお、上記特徴fD14に対して、特徴fD1乃至特徴fD13にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。
なお、上記特徴fD1乃至特徴fD14に記載された発明は、「遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機では、所定の抽選条件が成立したことに基づいて内部抽選が行われ、当該内部抽選の結果に応じて遊技者に特典が付与される構成が知られている。スロットマシンについて具体的には、遊技媒体としてのメダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されると、内部抽選が実施されるとともに、リールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップスイッチが操作された場合には、リールの回転が停止する。そして、リールの停止結果が内部抽選の結果に対応したものである場合には、結果に応じた特典が付与される(例えば特開2008-295707号公報参照)。」という背景技術について、「ここで、上記例示等した遊技機においては遊技進行の好適化を図る必要があり、この点について、未だ改良の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
なお、上記特徴fD1乃至特徴fD14の各構成に対して、特徴fA1乃至特徴fA23、特徴fB1乃至特徴fB14、特徴fC1乃至特徴fC8、特徴fD1乃至特徴fD14、特徴fE1乃至特徴fE11のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴fE群>
特徴fE1.遊技者による遊技開始用の操作に基づき一の遊技が開始され、遊技者による遊技終了用の操作に基づき当該一の遊技の結果に応じた特典が付与される遊技機であって、
遊技者による特定の操作に基づいて、予め定められた第1情報(投入用カウンタ)を当該第1情報とは異なる第2情報(投入上限カウンタ、投入前ベットカウンタや投入前クレジットカウンタ)を利用して設定する特定設定手段(主制御装置101による投入用カウンタを算出する処理を実行する機能)と、
前記特定設定手段により設定された前記第1情報を用いて、予め定められた特定処理を実行する特定処理手段(主制御装置101による投入用カウンタを用いて投入後ベットカウンタに加算したり投入後クレジットカウンタから減算したりする処理を実行する機能)と、
前記特定処理手段による処理結果を、少なくとも前記第2情報を用いて確認することが可能な確認手段(主制御装置101による第1確認処理や第2確認処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、遊技者が遊技開始用の操作を行って一の遊技を開始し、遊技終了用の操作を行うことでその遊技が終了するとともにその遊技における特典が付与される遊技機において、特定の操作に基づいて、第2情報を用いて第1情報を設定し、当該設定した第1情報を利用して特定処理が行われ、その特定処理の結果の確認を、第1情報ではなく第2情報を用いて行うようにしていることから、特定処理の結果の正確性を向上させることができる。より詳しくは、元データとしての第2情報自体を用いて特定処理を実行しようとすると、特定処理の処理構成が複雑化され易く、第2情報から第1情報に変換したうえで特定処理を実行することで特定処理自体の処理エラーを抑制することができる。そのうえで、仮に、特定処理の結果の確認を第1情報にて行う構成とすると、第2情報から第1情報への変換ミスが発生していた場合、かかる確認にてエラーを見逃してしまう可能性がある。そこで、上記構成においては、第1情報ではなく第2情報を用いて特定処理の結果の確認を行う構成としていることから、確認処理の精度が高まり、これらを通じて特定処理の正確性を向上させることが可能となる。
特徴fE2.前記確認手段は、前記特定設定手段により設定された前記第1情報を利用せずに前記確認を実行可能であることを特徴とする特徴fE1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特徴fE1が第2情報から第1情報への変換ミスを見逃したまま確認処理が行われてしまうことを回避する構成であることがより明確化される。
特徴fE3.遊技に用いる各種情報を記憶可能な記憶手段(ROM105、RAM106)を備え、
前記記憶手段は、
記憶されている情報を書き換え可能な第1記憶手段(RAM106)と、
記憶されている情報を書き換え不能な第2記憶手段(ROM105)と、
を有し、
前記第1情報は前記第1記憶手段に記憶されており、
前記第2情報は前記第2記憶手段に記憶されていることを特徴とする特徴fE1又は特徴fE2に記載の遊技機。
上記構成によれば、書き換え不能な第2情報を書き換え可能な第1情報に変換したうえで特定処理に利用することで、特定処理の実行時のノイズ等によって、もとのデータ(第2情報)が書き換わってしまう事象を回避することが可能となる。そのうえで、特定処理の結果の確認についても、書き換え不能な第2情報を用いることから、特定処理の正確性をより好適に向上させることが可能となる。
特徴fE4.遊技状態として第1遊技状態(内部状態)と第2遊技状態(非内部状態、BB状態)とが設定されており、
前記特定設定手段は、前記第1遊技状態では前記第2情報のうちの第1対応情報(特定規定枚数=3)を利用して前記第1情報の設定を行い、前記第2遊技状態では前記第2情報のうちの第2対応情報(特定規定枚数=2)を利用して前記第1情報の設定を行う構成であり、
前記確認処理は、前記第1遊技状態では前記第1対応情報を利用して前記確認を行い、前記第2遊技状態では前記第2対応情報を利用して前記確認を行うことを特徴とする特徴fE1乃至特徴fE3のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、遊技状態に応じて元データとしての第2情報が異なるため、その第2情報を直接利用するのではなく第1情報に変換してから特定処理を行うようにすることによる、特定処理の処理構成を簡素化する効果がより高められる。
特徴fE5.前記確認手段による確認の結果が、異常が生じているとの結果である場合、修正処理を実行可能な手段(主制御装置101による第1修正処理や第2修正処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴fE1乃至特徴fE4のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、確認手段により異常が生じていることが確認された場合にその異常が放置されることなく、対処を行うことが可能となり、特定処理による確認を行うことの意義を好適に高めることが可能となる。
特徴fE6.前記特定設定手段は、予め定められた第3情報(投入前ベットカウンタ)が前記第2情報(投入上限カウンタ)となるまでの差分の情報を前記第1情報(投入用カウンタ)として設定する構成であり、
前記特定処理手段は、前記第1情報を利用して前記第3情報を第4情報(投入上限カウンタに相当する値)とすることを前記特定処理として実行する手段(主制御装置101による投入用カウンタを投入後ベットカウンタの値に加算する処理を実行する機能)を備え、
前記確認手段は、前記第4情報が前記第2情報となっていることを前記確認として実行可能な手段(主制御装置101による第1確認処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴fE1乃至特徴fE5のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第3情報と第2情報との差分を第1情報として設定し、その第1情報を第3情報に加算等することで第4情報としたうえで、当該第4情報が第2情報となっているかの確認が行われる構成となる。このようにすることで、第3情報と第2情報との差分の算出や、第1情報を用いて第3情報を第4情報とする処理において、ノイズ等によるエラーが発生して各情報が書き換えられてしまった場合に、確認処理によってそれまでの処理が正確に行われていたかが確認される。よって、特定処理の正確性をより向上させることが可能となる。
特徴fE7.前記確認手段による確認の結果が、前記第4情報が前記第2情報となっていないとの結果である場合、前記第4情報に前記第2情報を入力する処理を実行可能な手段(主制御装置101による第1修正処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴fE6に記載の遊技機。
上記構成によれば、確認手段より第4情報が第2情報となっていないと確認された場合、第4情報に第2情報を入力する構成としている。このようにすることで、再度第1情報を設定する等して、再度のエラーを生じさせないようにすることができ、第4情報を用いた遊技をより好適に実行させることが可能となる。
特徴fE8.前記特定設定手段は、予め定められた第3情報(投入前ベットカウンタ)が前記第2情報(投入上限カウンタ)となるまでの差分の情報を前記第1情報(投入用カウンタ)として設定する構成であり、
前記特定処理手段は、予め定められた第4情報(投入前クレジットカウンタ)から前記第1情報を減算して第5情報(投入後クレジットカウンタが今回のベット数だけ減算された値)とすること前記特定処理として実行する手段(主制御装置101による投入後クレジットカウンタから投入用カウンタを減算する処理を実行する機能)を備え、
前記確認手段は、前記第4情報と前記第5情報との差分が、前記第2情報と前記3情報との差分であることを前記確認として実行可能な手段(主制御装置101による第2確認処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴fE1乃至特徴fE7のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第3情報と第2情報との差分を第1情報として設定し、その第1情報を第4情報から減算して第5情報としたうえで、当該第4情報と第5情報との差分が第2情報と第3情報との差分となっているかの確認が行われる構成となる。このようにすることで、第3情報と第2情報との差分の算出や、第4情報から第1情報を減算する処理において、ノイズ等によるエラーが発生して各情報が書き換えられてしまった場合に、確認処理によってそれまでの処理が正確に行われていたかが確認される。よって、特定処理の正確性をより向上させることが可能となる。
特徴fE9.前記確認手段による確認の結果が、前記第4情報と前記第5情報との差分と、前記第2情報と前記3情報との差分とが異なるとの結果である場合、両差分の差に基づいて前記第5情報を修正する処理を実行可能な手段(主制御装置101による第2修正処理における加算処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴fE8に記載の遊技機。
上記構成によれば、確認手段より第4情報と第5情報との差分と、第2情報と第3情報都の差分とが異なる結果である場合、両差分に基づいて第5情報の修正処理が行われる。このようにすることで、第5情報を用いた遊技をより好適に実行させることが可能となる。
特徴fE10.前記第1情報及び前記第2情報は、遊技に用いられ得る遊技価値の数を示す情報であることを特徴とする特徴fE1乃至特徴fE9のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、遊技に利用される遊技価値の数を示す情報を変換したりする処理における正確性を向上させることが可能となり、特徴fE1の構成を備えることの意義が竹目られるし、遊技の公平性を好適に担保することが可能となる。
特徴fE11.遊技者による遊技開始用の操作に基づき一の遊技が開始され、遊技者による遊技終了用の操作に基づき当該一の遊技の結果に応じた特典が付与される遊技機であって、
遊技者による特定の操作に基づいて実行される特定処理において、又は当該特定処理の結果を利用する処理において異常が生じたことを特定する特定手段(主制御装置101による第1確認処理や第2確認処理を実行する機能)と、
前記特定手段により前記異常が生じたことが特定された場合、前記特定処理の契機となった前記特定の操作が再度行われるようにする再操作手段(例えば、主制御装置101によるステップSf2701~ステップSf2703、ステップSf2711~ステップSf2713の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、遊技者が遊技開始用の操作を行って一の遊技を開始し、遊技終了用の操作を行うことでその遊技が終了するとともにその遊技における特典が付与される遊技機において、特定の操作に基づき実行される特定処理やその特定処理の結果を利用して実行される処理において異常が生じた場合、当該特定の操作が再度行われるようにする再操作手段を備えていることから、当該再度行われる特定の操作によって、異常が生じた処理を再度やり直したり、異常を修正する処理を実行したりするようにすることができる。
ここで、特定処理やその特定処理の結果を利用して実行される処理において異常が生じた場合、その異常を遊技機内部で修正するようにする構成も考えられ、このような構成の方が、遊技者はその異常発生を特に気にすることなく遊技を進められる点でメリットがあるとも考えられる。しかし、異常が生じたからとはいえ、仮に遊技者の介入なくその異常に対処する処理を実行するような構成とすると、せっかく遊技者自身の操作によって遊技を進行させるという本遊技機の遊技の醍醐味が抹殺されてしまう可能性があるし、通常の遊技ですら、遊技者の関与できない処理が実行されているのではと勘繰られてしまう可能性があり、遊技の透明性が大幅に低下することによる遊技意欲の低下を招きかねない。
そこで上記構成においては、異常に対する処理であっても、あえて遊技者の操作を介在させるようにすることで、遊技の透明性を担保することが可能となる。特に、その異常が発生した契機となった遊技操作と同じ操作を再度行わせるようにしたことから、異常の契機となった操作を遊技者自身も把握することができるため、以降は、より慎重な遊技操作が行われることに期待することも可能となる。
なお、上記特徴fE11に対して特徴fE1乃至特徴fE10にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。
なお、上記特徴fE1乃至特徴fE11に記載された発明は、「遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機では、所定の抽選条件が成立したことに基づいて内部抽選が行われ、当該内部抽選の結果に応じて遊技者に特典が付与される構成が知られている。スロットマシンについて具体的には、遊技媒体としてのメダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されると、内部抽選が実施されるとともに、リールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップスイッチが操作された場合には、リールの回転が停止する。そして、リールの停止結果が内部抽選の結果に対応したものである場合には、結果に応じた特典が付与される(例えば特開2008-295707号公報参照)。」という背景技術について、「ここで、上記例示等した遊技機においては遊技進行の好適化を図る必要があり、この点について、未だ改良の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
なお、上記特徴fE11乃至特徴fE11の各構成に対して、特徴fA1乃至特徴fA23、特徴fB1乃至特徴fB14、特徴fC1乃至特徴fC8、特徴fD1乃至特徴fD14、特徴fE1乃至特徴fE11のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
以下の特徴gA群乃至特徴gF群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第7gの実施形態、これらの変形例又はこれらの組み合せから抽出される。
<特徴gA群>
特徴gA1.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
各前記周回体の周回を開始するための開始操作が行われる始動操作手段(スタートレバー41)と、
各前記周回体の周回を停止するための停止操作が行われる停止操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させる開始駆動制御を実行し、前記停止操作手段が操作された場合に対応する前記周回体の周回を停止させる停止駆動制御を実行する駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記始動操作手段の操作に基づいて遊技者に特典を付与することの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が所定結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、当該所定結果に対応する所定の絵柄組合せが停止した場合に、前記所定結果に対応する特典を付与可能な特典付与手段(主制御装置101によるメダル払出処理や再遊技設定用処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
照射対象(各リール32L,32M,32R)に対して光を照射する第1状態と、前記照射対象に対して光を照射しない又は前記第1状態よりも照射量を低下させた第2状態とに切り替え可能な照射手段(フロントライト及びバックライト装置100)と、
所定契機に基づいて、前記照射手段の前記第1状態と前記第2状態との切換制御を含む特定演出を実行する特定演出手段(表示制御装置81によるフラッシュ演出制御用処理を実行する機能)と、
前記特定演出手段による演出態様を設定する態様設定手段(表示制御装置81による通常フラッシュ設定処理や特別フラッシュ設定を実行する機能)と、
を備え、
前記態様設定手段は、特定ゲームにおける前記特定演出の演出態様を、当該特定ゲームよりも前の所定ゲームにおいて実行された前記特定演出の演出態様に基づいて設定する特定態様設定手段(表示制御装置81による特別フラッシュ設定処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、始動操作手段の操作に基づき遊技が開始されて当該遊技の抽選が行われ、停止操作手段の操作に基づき当該抽選の結果に対応する絵柄組合せが有効位置に停止すると当該抽選の結果に対応する特典が付与される所謂スロットマシンの遊技機において、照射対象に対する光の照射を含む所謂フラッシュ演出としての特定演出が設定されていることから、比較的、簡素な構成にて各ゲームの演出を行うことが可能であるし、遊技者に対してはよりわかりやすい演出となり、遊技の興趣向上を図るうえで好ましい演出を設定することが可能となる。
そのうえで、上記構成では、特定ゲームにおけるフラッシュ演出の態様を、それよりも以前の所定ゲームにおいて実行されたフラッシュ演出の態様に基づいて設定する構成としていることから、複数の遊技をフラッシュ演出にて関連付け、これら複数の遊技に亘って遊技者を惹きつける演出を実現することが可能となる。
この場合、例えば、仮に、所定ゲームにおけるフラッシュ演出の態様が遊技者にとって好ましい態様であったのにもかかわらず、今回の特定ゲームにおけるフラッシュ演出の態様が遊技者にとって好ましくない態様となる等してしまうと、せっかく期待感をもってゲームを行ったのにもかかわらず、それが遊技者にとって好ましい結果ではない可能性が高い以前のゲームでのフラッシュ演出の態様に基づいて今回のゲームのフラッシュ演出の態様を設定するようにすれば、かかる不都合も回避することができ、フラッシュ演出による演出効果を好適に期待することが可能となる。
特徴gA2.前記特定態様設定手段により前記特定演出の演出態様が設定されること、又は前記特定態様設定手段による前記特定演出の演出態様の設定処理の実行を制限可能な制限手段(表示制御装置81による特別フラッシュ設定処理において低期待度のフラッシュ演出の実行後は主側フラッシュ演出を優先させる処理、例えばステップSg2904:YES、ステップSg3001~ステップSg3004、ステップSg3101~ステップSg3106の処理や、特定フラッシュフラグをクリアする処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴gA1に記載の遊技機。
上記構成によれば、制限手段によって特定態様設定手段により特定演出の演出態様の設定が制限される場合があるようにすることで、以前のゲームでのフラッシュ演出の態様によって今回のゲームのフラッシュ演出の態様が設定される場面を少なくすることができ、それぞれのゲームに対応するフラッシュ演出である印象を強く与えることができる。そのうえで、制限手段により制限されなければ、以前のゲームでのフラッシュ演出の態様によって今回のゲームのフラッシュ演出の態様が設定されることもあるため、ここぞという場面で複数のゲームに亘って関連付けられたフラッシュ演出を行うことが可能となり、遊技への注目度を好適に高めることが可能となる。また、フラッシュ演出を実行すべきではない場合や、所定の態様にてフラッシュ演出を実行すべきではない場合等、所定ゲームのフラッシュ演出を参照しながら特定ゲームのフラッシュ演出を実行するうえで不都合が生じ得るような場合にもフラッシュ演出の実行を制限可能であるし、フラッシュ演出が延々と繰り返されてしまう事象も生じさせないようにすることができる。よって、フラッシュ演出を用いた演出効果を好適に得ることが可能となる。
特徴gA3.前記抽選手段による抽選又は抽選結果に基づき遊技者にとって有利な有利事象を生じさせる有利事象手段(主制御装置101によるボーナス状態処理やATモード用の第2ゲーム数管理処理を実行する機能)を備え、
前記態様設定手段は、前記有利事象手段により前記有利事象が生じることに期待できる第1演出態様(例えば高期待度のフラッシュF,G)、及び前記第1演出態様よりも前記有利事象手段により前記有利事象が生じることに期待できない第2演出態様(例えば低期待度のフラッシュB)とを少なくとも設定可能であり、
前記制限手段は、前記所定ゲームにおいて実行された前記特定演出の演出態様が前記第1演出態様であった場合、前記特定ゲームにおいて実行する前記特定演出の演出態様が、前記特定態様設定手段により前記第2演出態様に設定されることを制限可能であることを特徴とする特徴gA2に記載の遊技機。
上記構成によれば、前回の特定演出の演出態様が第1演出態様であって有利事象が生じることへの期待感が高められているのにもかかわらず、今回の演出態様が第2演出態様となって、その期待感が一気に低下してしまうことが回避される。このようにすることで、複数のゲームに亘ってフラッシュ演出を関連付けるうえで、有利事象への期待感を徐々に高めていって遊技への注目度を好適に高めることが可能となる。
特徴gA4.前記抽選手段による抽選又は抽選結果に基づき遊技者にとって有利な有利事象を生じさせる有利事象手段(主制御装置101によるボーナス状態処理やATモード用の第2ゲーム数管理処理を実行する機能)を備え、
前記態様設定手段は、前記有利事象手段により前記有利事象が生じることに期待できる第1演出態様(例えば高期待度のフラッシュF,G)、及び前記第1演出態様よりも前記有利事象手段により前記有利事象が生じることに期待できない第2演出態様(例えば低期待度のフラッシュB)とを少なくとも設定可能であり、
前記制限手段は、前記所定ゲームにおいて実行された前記特定演出の演出態様が前記第2演出態様であった場合、前記特定態様設定手段により前記演出態様が設定されること、又は前記特定態様設定手段による前記特定演出の演出態様の設定処理の実行を制限可能であることを特徴とする特徴gA2又は特徴gA3に記載の遊技機。
上記構成によれば、所定ゲームにおいて実行されたフラッシュ演出が期待度の低い第2演出態様であった場合は、特定態様設定手段によるフラッシュ演出の態様の設定が行われにくくなる。つまり、もともと所定ゲームにて期待度の低いフラッシュ演出が実行されていた場合には、特定ゲームにて実行されるフラッシュ演出の期待度を調節しなくても、後側にフラッシュ演出の期待度の方が低くなることによる不都合が生じにくい。よって、このようにすることで、特定態様設定手段により態様が設定される機会を少なくし、フラッシュ演出の信ぴょう性を高めることが可能となる。
特徴gA5.前記抽選手段による抽選結果が特定結果(押し順ベル)である場合、前記特定演出手段による前記特定演出が実行されない構成であり、
前記制限手段は、前記特定ゲームにおける前記抽選手段による抽選結果が前記特定結果である場合、前記特定態様設定手段により、前記特定演出の演出態様の設定が行われることを制限可能な構成である、
又は、
前記態様設定手段は、前記抽選手段による抽選結果が特定結果(押し順ベル)である場合、前記特定演出の演出態様を特定態様となるように設定を行わない構成であり、
前記制限手段は、前記特定ゲームにおける前記抽選手段による抽選結果が前記特定結果である場合、前記特定演出の演出態様を特定態様となるように設定が行われることを制限可能な構成であることを特徴とする特徴gA2乃至特徴gA4のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、フラッシュ演出が実行されず、又は特定態様のフラッシュ演出が実行されない特定結果であるのにもかかわらず、特定ゲームにおいてフラッシュ演出が実行されたり、特定態様のフラッシュ演出が実行されてしまったりすることにより、遊技者を混乱させてしまう事象を回避することができる。
特徴gA6.前記特定態様設定手段は、前記特定ゲームにおいて前記制限手段による制限が行われた場合、当該特定ゲームよりも後のゲームで実行する前記特定演出の演出態様を、前記所定ゲームにおいて実行された前記特定演出の演出態様に基づいて設定することが可能であることを特徴とする特徴gA2乃至特徴gA5のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、何らかの事情によって制限手段により特定ゲームでのフラッシュ演出が制限された場合であっても、更にその後のゲームで所定ゲームにおいて実行されたフラッシュ演出の態様を反映させたフラッシュ演出が行われ得るようになる。このようにすることで、より複数のゲームを関連付けたフラッシュ演出とすることができるし、更に、所定ゲームと特定ゲームとが連続するゲームだけではなく、その間に他のゲームが介在し得るようになり、仮に所定ゲームの次ゲームでフラッシュ演出が実行されなかったり、実行されてもその態様が遊技者の期待通りのものではなかったとしても、その後の特定ゲームまで遊技者の期待感を好適に保つことができる。
特徴gA7.前記抽選手段による抽選又は抽選結果に基づき遊技者にとって有利な有利事象を生じさせる有利事象手段(主制御装置101によるボーナス状態処理やATモード用の第2ゲーム数管理処理を実行する機能)を備え、
前記態様設定手段は、前記有利事象手段により前記有利事象が生じることに期待できる第1演出態様(例えば高期待度のフラッシュF,G)、及び前記第1演出態様よりも前記有利事象手段により前記有利事象が生じることに期待できない第2演出態様(例えば低期待度のフラッシュB)とを少なくとも設定可能であり、
前記有利事象手段により前記有利事象が生じる場合、前記制限手段による制限が行われないようにする手段(表示制御装置101による第3特別設定処理や第6特別設定処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴gA2乃至特徴gA6のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、制限手段による制限が行われず、特定態様設定手段により自由な演出態様にて特定演出の態様が設定されることを通じて、有利事象が生じることを遊技者は把握可能となる。このようにすることで、特定態様設定手段による設定を制限することによってフラッシュ演出の一定の法則性を担保してその法則性による演出効果を期待しながらも、その法則性が崩れることに対しても期待させることができ、フラッシュ演出への注目度を好適に高めることが可能となる。
特徴gA8.前記所定ゲームにおける前記抽選手段による抽選結果が特別結果(スイカ)であり、前記有効位置に当該特別結果に対応する絵柄組合せが停止して、前記特典付与手段により当該特別結果に対応する特典が付与された場合よりも、前記所定ゲームにおける抽選手段による抽選結果が前記特別結果であり、前記有効位置に当該特別結果に対応する絵柄組合せが停止せず、前記特典付与手段により当該特別結果に対応する特典が付与されなかった場合の方が、前記特定ゲームにおいて前記特定態様設定手段により演出態様が設定された前記特定演出が実行され易くする手段(表示制御装置101による第4特別設定処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴gA1乃至特徴gA6のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、所定ゲームで特別結果入賞が成立せず所謂取りこぼしが発生した場合には、取りこぼしが発生せずに特別結果入賞が成立した場合よりも、特定態様設定手段により特定演出の演出態様が設定される場面が多くなる。このようにすることで、各周回体を停止させてゲームの結果入賞を狙ううえでより慎重な停止操作が求められ、遊技性が向上し得る。また、特別結果入賞を取りこぼした場合、遊技者は、今回のゲームの抽選結果が特別結果ではなく別の結果当選であったと予測し得るものとも考えられるところ、その別の結果へ期待する遊技者の心理をうまく利用して、特定ゲームでのフラッシュ演出を行うことで、高い期待感を抱きながらゲームを行う特定ゲームにおける演出を好適に実施することが可能となる。
特徴gA9.前記態様設定手段は、前記特定ゲームにおける前記特定演出手段による前記特定演出の演出態様を、前記所定ゲームにおいて実行された前記特定演出の演出態様に基づかず設定する通常態様設定手段(表示制御装置81による通常フラッシュ設定処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴gA1乃至特徴gA8のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、所定ゲームにてフラッシュ演出が実行された場合、必ずそのフラッシュ演出の態様が参照されて特定態様設定手段にて設定されるわけではなく、当該所定ゲームのフラッシュ演出の態様を参照せずに特定ゲームにてフラッシュ演出が実行される場合もあるようになる。このようにすることで、特定態様設定手段によりフラッシュ演出の態様が設定される特異性を高め、当該設定されたフラッシュ演出による演出効果を好適に期待できるようになる。
特徴gA10.前記特定演出手段は、前記特定態様設定手段による設定及び前記通常態様設定手段による設定が行われている場合には前記特定態様設定手段にて設定された演出態様にて前記特定演出を実行する一方、前記通常態様設定手段による設定は行われているものの前記特定態様設定手段による設定は行われていない場合には前記通常態様設定手段にて設定された演出態様にて前記特定演出を実行する構成であり、
前記通常態様設定手段は、前記特定態様設定手段による設定が行われることを把握することなく、前記特定ゲームにおける前記特定演出の演出態様を設定可能であることを特徴とする特徴gA9に記載の遊技機。
上記構成によれば、通常態様設定手段による特定演出の演出態様の設定が行われてそれがそのまま実行されることを通常とし、特定態様設定手段による設定が行われている場合だけ、その特定態様設定手段により設定された演出態様にて特定演出を実行すればよく、常に、いずれの手段にて態様を設定すべきかを選択しなくてもよくなるため、通常時の処理の複雑化を生じさせないようにしながら、複数のゲームに亘って関連するフラッシュ演出を行うことによる演出効果を好適に期待できるようになる。
特徴gA11.少なくとも前記抽選手段及び前記通常態様設定手段を備える第1制御装置(主制御装置101)と、
少なくとも前記特定演出手段及び前記特定態様設定手段を備える第2制御装置(表示制御装置81)と、
を備えていることを特徴とする特徴gA9又は特徴gA10に記載の遊技機。
上記構成によれば、抽選手段を有し、遊技の主たる制御を行う第1制御装置と、特定演出手段を有し、演出用の制御を行う第2制御装置とを備えることを前提とし、通常態様設定手段は第1制御装置側に設け、特定態様設定手段は第2制御装置側に設けるようにすることで、処理負荷の分散化を図りながら、特定演出による演出効果を期待できるようになる。
なお、上記構成を特徴gA8に適用する場合、「前記第1制御装置から前記第2制御装置への情報出力は許容されている一方、前記第2制御装置から前記第1制御装置への情報出力は制限される」構成であることを更に限定することで、通常態様設定手段側が特定態様設定手段側の設定の有無を把握することなく演出態様の設定を行う構成であること意義が更に高められる。
特徴gA12.前記特定演出手段は、前記特定態様設定手段による設定及び前記通常態様設定手段による設定が行われている場合には前記特定態様設定手段にて設定された演出態様にて前記特定演出を実行する一方、前記通常態様設定手段による設定は行われているものの前記特定態様設定手段による設定は行われていない場合には前記通常態様設定手段にて設定された演出態様にて前記特定演出を実行する構成であり、
前記特定態様設定手段は、前記通常態様設定手段により設定された前記特定演出の演出態様に対応する実行期間(無効期間)よりも短い実行期間となる前記特定演出の演出態様が設定されないように、前記特定ゲームにおける前記特定演出の演出態様を設定することを特徴とする特徴gA9乃至特徴gA11のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、通常態様設定手段により設定された演出態様が特定態様設定手段により上書きされるような構成の場合、特定態様設定手段は、通常態様設定手段にて設定された演出態様よりも短い実行期間に対応する演出態様とならないように設定するため、例えば、実行期間中は遊技操作が無効化されたり、遊技機に設けられた役物が動作するような構成において、特定態様設定手段による上書きが行われることによって、フラッシュ演出が実行されていない(既に終了された)のにもかかわらず、未だ実行期間が継続していて遊技操作が無効化されたり、役物が動作し続けてしまう、といった不都合を生じさせないようにすることができる。
特徴gA13.前記通常態様設定手段により設定された前記特定演出の演出態様に対応する実行期間に亘って遊技の所定操作を無効化する無効期間を設定可能な無効化手段(主制御装置101によるフラッシュ待機用処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴gA12に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定態様設定手段による上書きが行われることによって、フラッシュ演出が実行されていない(既に終了された)のにもかかわらず、未だ遊技操作が無効化される無効期間が未だ継続している、といった事象を生じさせないようにすることができる。
特徴gA14.前記通常態様設定手段により設定された演出態様による前記特定演出に対応する実行期間の経過後、特別演出(払出効果音、再遊技入賞に伴う自動ベット時のベット時効果音)を実行可能な特別演出手段(表示制御装置81による払出効果音出力用処理や通常再遊技用再ベット演出処理を実行する機能)と、
前記特定態様設定手段により設定された演出態様による前記特定演出が行われる場合、前記特別演出(払出効果音、再遊技入賞に伴う自動ベット時のベット時効果音)を、当該特定演出の終了まで待機させる待機手段(表示制御装置81によるステップSg3705、ステップSg3706の処理やサブフラッシュ用再ベット演出処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴gA12又は特徴gA13に記載の遊技機。
上記構成によれば、仮に特定態様設定手段により設定された演出態様が、通常態様設定手段の設定した演出態様の実行期間よりも長かった場合でも、特別演出の実行は、その特定態様設定手段にて設定された演出態様による特定演出の終了まで待機される。このようにすることで、特定演出の実行中に特別演出が行われることによって、特定態様設定手段により設定された特定演出であることが悟られてしまう事象を好適に回避することが可能となる。
特徴gA15.遊技の結果に応じて、前記通常態様設定手段により設定された演出態様による前記特定演出に対応する実行期間の経過後、特別処理(メダル払出処理、BET用処理)を実行可能な特別処理手段(主制御装置101によるメダル払出処理やBET用処理を実行する機能)を備え、
前記特別演出手段は、前記特別処理手段による前記特別処理が行われる場合に前記特別演出を実行する構成であり、
前記特別処理手段は、前記待機手段により前記特別演出の実行が待機される場合であっても、前記通常態様設定手段により設定された演出態様による前記特定演出に対応する実行期間の経過後、前記特別処理を実行する構成であることを特徴とする特徴gA14に記載の遊技機。
上記構成によれば、遊技の結果に応じた特別処理が行われるうえで、その特別処理に対応する特別演出は特定態様設定手段により設定された特定演出(フラッシュ演出)の終了後に実行されるものの、特別処理については、通常態様設定処理により設定されたとk低演出に対応する実行期間の経過後に行われる。このようにすることで、通常態様設定手段により設定される実行期間以上の期間となり得る特定演出が行われる場合であっても、特別処理手段は、その特定態様設定手段側の期間等を把握する必要がなく、通常態様設定手段側の期間だけを把握して特別処理を行えばよくなる。よって、両態様設定手段により特定演出の演出態様が設定され得るような構成においても、特別処理を行う上で処理や構成の複雑化を生じさせることが内容にすることが可能となる。
特徴gA16.前記特定演出手段は、前記周回体が停止した後で、当該周回体が停止することとなった遊技に対応する前記特定演出を実行する構成であり、
前記特別処理手段は、前記特定演出手段により前記特定演出が実行される場合、前記周回体が停止した後、前記通常態様設定手段により設定された演出態様に対応する実行期間が経過した後、前記特別処理を実行する構成であることを特徴とする特徴gA15に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定演出や特別演出は周回体が停止した後で実行される構成であることから、例えば、周回体の周回開始後であって停止前に行うような構成と比較して、特定演出や特別演出の実行期間と遊技進行とを対応付け易い。すなわち、周回体の周回開始後であって停止前に特定演出や特別演出を行うような構成の場合、遊技者の停止操作のタイミングによって実行期間の長さが異なるようになり、特徴gA15のように特定演出の実行期間の経過後に特別処理を行うような構成とする場合、その実行期間が可変期間となることから、おのずと構成の複雑化が生じ得る。その点、上記構成のようにすることで、比較的簡素な構成にて、特定演出や特別演出の実行期間と遊技進行とを対応付けながら演出を行うことが可能となる。
特徴gA17.前記特別処理手段は、前記特典付与手段により特典を付与することを前記特別処理として実行することが可能な構成であることを特徴とする特徴gA16に記載の遊技機。
上記構成は、特徴gA16の具体的構成である。
特徴gA18.前記抽選手段による抽選結果が所定の払出結果であって、前記有効位置に前記払出結果に対応する絵柄組合せが停止した場合、前記特典付与手段により前記特典として、前記払出結果に対応する遊技価値の払出が行われ得る構成であり、
前記特別処理手段は、遊技価値の払出を行うことを前記特別処理として実行可能であり、
前記特別演出手段は、遊技価値の払出を行う場合の演出を前記特別演出として実行可能であることを特徴とする特徴gA17に記載の遊技機。
上記構成によれば、遊技の結果として遊技価値が払い出される場合、当該払い出しに要する処理は通常態様設定手段により設定された実行期間の経過後に行われることを前提とし、特定態様設定手段により設定された特定演出が行われる場合には、通常態様設定手段により設定された演出態様に対応する実行期間の経過後に遊技価値が払い出されたうえで、特定態様設定手段により設定された特定演出の実行後に遊技価値の払い出しに対応する特別演出が行われる。このようにすることで、フラッシュ演出としての特定演出が行われているのにもかかわらず、遊技価値の払い出しに対応する特別演出が行われることによって、当該特定演出が通常態様設定手段により設定されたものではなく特定態様設定手段により設定されたものであると悟られてしまうことを回避することができる。
特徴gA19.遊技に用いられる仮想遊技価値を、所定数を上限として記憶可能な仮想遊技価値記憶手段(クレジットカウンタ)を備え、
前記特別処理手段は、前記特別処理によって払い出す遊技価値が前記仮想遊技価値記憶手段に記憶されている仮想遊技価値と前記所定数との差分未満である場合には前記仮想遊技価値記憶手段に記憶されている仮想遊技価値に当該払い出す遊技価値を加算し、払い出す遊技価値が前記仮想遊技価値記憶手段に記憶されている仮想遊技価値と前記所定数との差分を超える場合には、その超える分の遊技価値を所定の払出口(メダル排出口49)から払い出す構成であり、
前記特別処理手段による前記特別処理によって前記仮想遊技価値記憶手段に記憶されている仮想遊技価値に払い出す遊技価値が加算され、前記所定の払出口から遊技価値が払い出されない場合には、前記特定態様設定手段により前記特定演出の演出態様が設定されること、又は前記特定態様設定手段による前記特定演出の演出態様の設定処理の実行を許容する一方、前記特別処理手段による前記特別処理によって、前記所定の払出口から遊技価値が払い出される場合には、前記特定態様設定手段により前記特定演出の演出態様が設定されること、又は前記特定態様設定手段による前記特定演出の演出態様の設定処理の実行を制限することが可能な特定手段(表示制御装置81によるステップSg5106及びステップSg5107の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴gA18に記載の遊技機。
上記構成によれば、今回のゲームの遊技結果として遊技価値の払い出しが行われる場合、それが仮想遊技価値として加算されるだけの場合には特定態様設定手段による特定演出の設定が行われるものの、実際の遊技価値として所定の払出口から払い出される場合には、当該特定態様設定手段による特定演出の設定が行われない。このようにすることで、遊技価値の払い出しとしての特別処理の実行タイミングと、当該払い出しに対応する演出としての特別演出の実行タイミングとが異なり得るような構成において、実際に遊技価値が払い出されることによって、そのタイミングの相違が遊技者に見抜かれてしまうことを好適に抑制することが可能となる。
特徴gA20.前記特定手段は、少なくとも全ての前記周回体が停止するよりも前に前記許容すること及び前記制限することの決定を行うことを特徴とする特徴gA19に記載の遊技機。
上記構成によれば、少なくとも特定演出の開始前には、その特定演出が特定態様設定手段により設定されたものか通常態様設定手段により設定されたものかの決定を行うことが可能となる。よって、途中で他方の態様設定手段に設定されたものに切り替えるといった複雑な処理を必要とせず、比較的簡素な構成にて、特徴gA17の効果を奏することが可能となる。
特徴gA21.前記特典付与手段は、前記抽選手段による抽選結果が再遊技結果であって、前記有効位置に前記再遊技結果に対応する絵柄組合せが停止した場合、当該さい遊技結果に対応する特典として当該再遊技結果となった遊技と同じ賭数にて遊技を行う再遊技を付与する構成であり、
前記特別処理手段は、前記再遊技を付与する場合、遊技者による賭数操作が行われることなく前記同じ賭数となるように賭数を設定する処理を行うことを前記特別処理として実行する構成であり、
前記特別演出手段は、前記賭数を設定する場合の演出を前記特別演出として実行可能であることを特徴とする特徴gA17乃至特徴gA20のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、遊技の結果として再遊技が付与される場合、当該再遊技に基づく賭数の設定処理は通常態様設定手段により設定された実行期間の経過後に行われることを前提とし、特定態様設定手段により設定された特定演出が行われる場合には、通常態様設定手段により設定された演出態様に対応する実行期間の経過後に賭数の設定処理が行わたうえで、特定態様設定手段により設定された特定演出の実行後に賭数の設定処理に対応する特別演出が行われる。このようにすることで、フラッシュ演出としての特定演出が行われているのにもかかわらず、賭数の設定処理に対応する特別演出が行われることによって、当該特定演出が通常態様設定手段により設定されたものではなく特定態様設定手段により設定されたものであると悟られてしまうことを回避することができる。
特徴gA22.前記特別演出手段は、前記特別処理手段により、特定の再遊技結果を契機として前記特別処理として前記賭数を設定する処理が行われた場合、前記通常態様設定手段により演出態様が設定された前記特定演出の実行後、遊技者による賭数操作に基づいて前記特別演出を実行可能であり、前記特定態様設定手段により演出態様が設定された前記特定演出の実行後、遊技者による賭数操作に基づいて前記特別演出を実行可能であることを特徴とする特徴gA21に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定の再遊技結果の場合には、賭数操作を契機として特別演出が行われるようにすることで、再遊技結果の入賞に伴い自動的に賭数の設定処理が行われたことを遊技者に悟られにくくし、あたかも当該特定の再遊技結果が他の払出小役のような扱いである印象を与えることが可能となる。そのうえで、通常態様設定手段により設定された特定演出であっても、特定態様設定手段により設定された特定演出であっても、いずれも賭数操作に基づいて特別演出が行われるようにすることで、両態様設定手段の違いが把握されにくくなり、複数のゲームに亘って特定演出を実行することによる演出効果を好適に奏することが可能となる。
特徴gA23.前記駆動制御手段は、前記特別処理手段による前記特別処理が行われた後は、前記特定態様設定手段により演出態様が設定された前記特定演出が実行されていても、前記始動操作手段が操作された場合には各前記周回体の周回を開始させることを特徴とする特徴gA21又は特徴gA22に記載の遊技機。
特別処理手段によって賭数の操作が行われているのであるから、次のゲームを開始可能な状態であり、仮に特定演出が実行されていても、始動操作手段の操作に基づいて当該ゲームを開始すべきである。そこで、上記構成のように特定演出が行われているからといってゲームの開始を許容することで、特定演出による演出効果を期待しながらも、スムーズな遊技進行を実現することが可能である。
特徴gA24.前記駆動制御手段は、前記特別処理手段による前記特別処理が行われた後、前記始動操作手段が操作された場合には各前記周回体の周回を開始させることが可能となる構成であり、
前記特定態様設定手段により演出態様が設定された前記特定演出の実行中に各前記周回体の周回を開始させる場合、前記特別演出の実行を制限することが可能な手段(表示制御装置81による途中終了フラグに基づいてベット時演出をキャンセルする処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴gA15乃至特徴gA23のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成のように、周回体の周回開始を契機として途中で特定演出を終了させる場合には、特定演出後に実行予定であった特別演出がキャンセルされる。このようにすることで、周回体の周回開始時の演出と特別演出とが重複することによって遊技者に違和感を与えてしまう不都合や処理の集中による処理負荷の増大化を回避することが可能となる。
上記特徴gA1乃至特徴gA24に記載された発明は、「遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機では、所定の抽選条件が成立したことに基づいて内部抽選が行われ、当該内部抽選の結果に応じて遊技者に特典が付与される構成が知られている。スロットマシンについて具体的には、遊技価値としてのメダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されると、内部抽選が実施されるとともに、リールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップスイッチが操作された場合には、リールの回転が停止する。そして、リールの停止結果が内部抽選の結果に対応したものである場合には、結果に応じた特典が付与される(例えば特開2008-295707号公報参照)。」という背景技術について、「ここで、上記例示等した遊技機においては遊技の注目度向上を図る必要があり、この点について、未だ改良の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
上記特徴gA1乃至特徴gA24の各構成に対して、特徴gA1乃至特徴gA24、特徴gB1乃至特徴gB12、特徴gC1乃至特徴gC16、特徴gD1乃至特徴gD10、特徴gE1乃至特徴gE11、特徴gF1乃至特徴gF8のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
特徴gB1.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
各前記周回体の周回を開始するための開始操作が行われる始動操作手段(スタートレバー41)と、
各前記周回体の周回を停止するための停止操作が行われる停止操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させる開始駆動制御を実行し、前記停止操作手段が操作された場合に対応する前記周回体の周回を停止させる停止駆動制御を実行する駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記始動操作手段の操作に基づいて遊技者に特典を付与することの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が所定結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、当該所定結果に対応する所定の絵柄組合せが停止した場合に、前記所定結果に対応する特典を付与可能な特典付与手段(主制御装置101によるメダル払出処理や再遊技設定用処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
前記抽選手段による抽選又は抽選結果に基づき遊技者にとって有利な有利事象を生じさせる有利事象手段(主制御装置101によるボーナス状態処理やATモード用の第2ゲーム数管理処理を実行する機能)を備え、
前記抽選手段により抽選結果が第1結果(特定役)である場合よりも第2結果(例えば押し順ベル)である場合の方が、前記有利事象手段により前記有利事象が生じにくい構成であり、
前記抽選手段による抽選結果に基づいて、所定の演出手段(フロントライトやバックライト装置100、補助表示部65、スピーカ64)を利用した特定演出(フラッシュ演出等)を実行する特定演出手段(表示制御装置81)と、
前記特定演出手段による演出態様を設定する態様設定手段(表示制御装置81による通常フラッシュ設定処理や特別フラッシュ設定を実行する機能)と、
を備え、
前記態様設定手段は、前記有利事象手段により前記有利事象が生じることに期待できる第1演出態様(例えば高期待度のフラッシュF,G)、及び前記第1演出態様よりも前記有利事象手段により前記有利事象が生じることに期待できない第2演出態様(例えば低期待度のフラッシュB)とを少なくとも設定可能であり、
前記態様設定手段は、特定ゲームにおいて実行する前記特定演出の演出態様を、当該特定ゲームにおける前記抽選手段による抽選結果と、当該特定ゲームよりも前の所定ゲームにおいて実行された前記特定演出の演出態様と、に基づいて設定する特定態様設定手段(表示制御装置81による特別フラッシュ設定処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、始動操作手段の操作に基づき遊技が開始されて当該遊技の抽選が行われ、停止操作手段の操作に基づき当該抽選の結果に対応する絵柄組合せが有効位置に停止すると当該抽選の結果に対応する特典が付与される所謂スロットマシンの遊技機において、特定ゲームにおける特定演出の態様を、それよりも以前の所定ゲームにおいて実行された特定演出の態様と、特定ゲームにおける抽選手段による抽選結果と、に基づいて設定する構成としていることから、今回のゲームよりも前のゲームにて実行された特定演出による期待感を今回のゲームまで引き継ぐことが可能となり、これら複数の遊技に亘って遊技者を惹きつける演出を実現することが可能となる。
この場合、特定演出自体はそのゲームの抽選結果に基づいて実行されることから、特定ゲームにおいて設定される演出態様は、所定ゲームにおける抽選結果及び演出態様と、特定ゲームにおける抽選結果とに基づいて設定されることになる。このようにすることで、各ゲームの抽選結果への注目度を特定演出を通じて関連付けることができ、例えば、所定ゲームでの抽選結果が遊技者にとって好ましいものであったことを特定演出から予測されている場合において、その後の特定ゲームにまで特定演出を通じて所定ゲームでの抽選結果への期待感を持続させることができる。
しかも、そのように特定演出を通じて期待感を持続させるうえで、特定ゲームにおける抽選結果自体も当該特定ゲームにおける特定演出に反映されることから、例えば、所定ゲームで結果に期待を持って臨んだ特定ゲームにおいて、その特定ゲームの抽選結果から所定ゲームでの結果が遊技者の望むものではないと判断されるような場面では、特定演出ではそれに対応する演出態様とすることも可能となり、以前のゲームの演出態様を引き継ぐうえで、むやみに期待感を煽らないようにすることで、演出バランスを好適に担保し、遊技への注目度を図るうえで大いに役立てることが可能となる。
特徴gB2.前記特定態様設定手段は、前記所定ゲームにおいて実行された前記特定演出の演出態様が前記第1演出態様であり、前記特定ゲームにおける前記抽選手段による抽選結果が前記第1結果である場合、当該特定ゲームにおいて実行する前記特定演出の演出態様が前記第2演出態様となることを制限可能な手段(表示制御装置81による第2特別設定処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴gB1に記載の遊技機。
上記構成によれば、前回の特定演出の演出態様が第1演出態様であって有利事象が生じることへの期待感が高められている状況で、更に今回のゲームの抽選結果が有利事象に期待が持てる第1結果であるのにもかかわらず、今回の演出態様が第2演出態様となって、その期待感が一気に低下してしまうことが回避される。
特徴gB3.前記特定態様設定手段は、前記所定ゲームにおいて実行された前記特定演出の演出態様が前記第2演出態様であり、前記特定ゲームにおける前記抽選手段による抽選結果が前記第1結果である場合、当該特定ゲームにおいて実行する前記特定演出の演出態様が前記第2演出態様となることを許容可能な手段(表示制御装置81による第2特別設定処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴gB1又は特徴gB2に記載の遊技機。
前回の特定演出の演出態様が第2演出態様であって有利事象が生じることへの期待感が高められていない状況であれば、今回のゲームの抽選結果が有利事象に期待が持てる第1結果であっても、今回の演出態様が第2演出態様となってもその期待感は前ゲームと比べて低下しにくいものと考えられる。そこで、上記構成のようにすることで、例えば特徴gB2のように、特定演出の期待度の低下が生じないようにしながらも、それが許容される場面を設けるようにすれば、その演出態様の調整が不自然になりにくくなり、遊技者に違和感を与えにくくすることが可能となる。よって、特定演出を用いた演出効果を好適に期待することが可能となる。
特徴gB4.前記特定態様設定手段は、前記所定ゲームにおいて実行された前記特定演出の演出態様が前記第2演出態様であり、前記特定ゲームにおける前記抽選手段による抽選結果が前記第1結果である場合、当該特定ゲームにおいて前記特定演出が実行されないようにすることが可能な手段(表示制御装置81による第2特別設定処理においてステップSg3002にて否定判定する処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴gB1乃至特徴gB3のいずれか1に記載の遊技機。
前回の特定演出の演出態様が第2演出態様であって有利事象が生じることへの期待感が高められていない状況であれば、仮に今回のゲームの抽選結果が有利事象に期待が持てる第1結果であっても、特定演出が発生しなくても有利事象への期待感は前ゲームと比べて低下しにくいものと考えられる。そこで、上記構成のように、第1結果であってもむやみに特定演出を発生させないようにすることで、特定演出の発生率を低く抑えることが可能となり、特定演出が行われた場合の期待感を好適に高めることができる。
特徴gB5.前記特定態様設定手段は、前記所定ゲームにおいて実行された前記特定演出の演出態様が前記第1演出態様であり、前記特定ゲームにおける前記抽選手段による抽選結果が前記第2結果である場合、当該特定ゲームにおいて前記特定演出が実行されないようにすることが可能な手段(表示制御装置81による第1特別設定処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴gB1乃至特徴gB4のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、前回の特定演出の演出態様が第1演出態様であって有利事象が生じることへの期待感が高められている状況であっても、今回のゲームの抽選結果が有利事象に期待が持てない第2結果であれば、今回のゲームにて特定演出が実行されない場合がある。このようにすることで、有利事象への期待が持てない第2結果である場合における特定演出の実行率を低く抑えることが可能となり、特定演出の期待度と各ゲームの抽選結果とのバランスを担保することが可能となる。また、例えば、そもそも第2結果である場合には特定演出が実行されないような構成としている場合、前回のゲームで第1演出態様にて特定演出を行っているからといって、今回のゲームが第2結果であるのにもかかわらず特定演出を行ってしまうことによる遊技者の混乱を避けることも可能である。
特徴gB6.前記特定態様設定手段は、前記所定ゲーム又は前記特定ゲームにおける前記抽選手段による抽選若しくは抽選結果に基づき前記有利事象が生じる場合であって、前記所定ゲームにおいて実行された前記特定演出の演出態様が前記第1演出態様である場合、当該特定ゲームにおいて実行する前記特定演出の演出態様が前記第2演出態様となることを許容可能な手段(表示制御装置81による第3特別設定処理や第6特別設定処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴gB1乃至特徴gB5のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成のように、所定ゲームや特定ゲームでの抽選結果によって有利事象が生じる場合、所定ゲームで有利事象に期待が持てる第1演出態様にて特定演出が行われていても、特定ゲームで有利事象に期待が持てない第2演出態様にて特定演出が行われることが許容することで、所定ゲームから特定ゲームへの期待度の低下が生じることが有利事象の発生のサインとして捉えさせることが可能となる。よって、特徴gB2のように期待度の低下が生じないようにしながらも、期待度の低下が生じた場合にも有利事象に期待させることが可能となる。
特徴gB7.所定契機に基づいて、前記特定ゲームにおける前記特定演出の実行を制限可能な制限手段(例えば、表示制御装置81によるステップSg5307にて否定判定する処理を実行する機能)を備え、
前記特定態様設定手段は、前記制限手段にて前記特定ゲームにおける前記特定演出の実行が制限された場合、当該特定ゲームよりも後のゲームにおいて実行する前記特定演出の演出態様を、当該後のゲームにおける前記抽選手段による抽選結果と、前記所定ゲームにおいて実行された前記特定演出の演出態様と、に基づいて設定することが可能であることを特徴とする特徴gB1乃至特徴gB6のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定態様設定手段により特定演出の演出態様が設定される場面が、連続するゲームではなく、連続しないゲームも含むことが明確化される。このようにすることで、特定演出の発生率を低く抑えることが可能であるし、より複数のゲームに亘って特定演出を利用した注目度の向上効果を期待することも可能となる。
特徴gB8.遊技状態として、通常状態(通常区間)と、当該通常状態よりも遊技者にとって有利な状態又は遊技者にとって有利となり得る特定事象(押し順報知)が発生し易い状態である特定状態(有利区間)とが設定されており、
前記制限手段は、前記所定契機として、前記特定状態の実行数又は残数に応じて前記特定演出の実行の制限を行うことが可能であることを特徴とする特徴gB7に記載の遊技機。
上記構成によれば、単に各ゲームの抽選結果に応じて特定演出を行うだけではなく、特定状態の実行数や残数を、特定演出の実行の有無に関連付けることが可能となり、特定演出の演出態様による注目度向上効果を、特定状態と関連付けながら期待することが可能となる。
特徴gB9.遊技媒体の増減率又は増減態様に変化を生じさせる複数段階の設定値を設定する設定手段(主制御装置101による当選確率の設定処理を実行する機能)を備え、
前記設定手段により第1設定値が設定されている場合と、前記第1設定値とは異なる第2設定値が設定されている場合とで、前記制限手段による前記特定ゲームにおける前記特定演出の実行を制限する制限態様が異なることを特徴とする特徴gB7又は特徴gB8に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定ゲームにて特定演出の実行が制限される態様によって、設定値を予測させる遊技を行わせることができる。このようにすることで、特定演出が実行されることへ期待させるだけではなく、実行されないことへの期待感も高めることができるし、その制限態様によっては特定ゲームにおける抽選結果へも注目させることができ、遊技の興趣向上に大いに役立てることが可能となる。
特徴gB10.特定数のゲームに亘って関連する演出を実行可能となり、当該特定数のゲームにて所定の抽選の抽選結果に対応する結果演出を実行可能な連続演出手段(表示制御装置81による連続演出設定処理を実行する機能)を備え、
前記特定演出手段は、前記連続演出手段により実行される前記特定数のゲームに含まれる前記所定ゲーム及び前記特定ゲームにおいて、前記関連する演出を前記特定演出として実行可能であることを特徴とする特徴gB1乃至特徴gB9のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定数のゲームに亘って関連する演出が実行され得るようになる所謂連続演出において、その関連する演出が特定演出として所定ゲームや特定ゲームにて実行される。この場合、所定ゲームにおける関連する演出の演出態様と、特定ゲームにおけるゲームの抽選結果とに基づいて、当該特定ゲームにおける関連する演出の演出態様が設定されるようになることから、連続演出が所定の抽選の抽選結果によって予め定められた演出パターンとならず、各ゲームの演出態様と各ゲームの抽選結果が反映されたものとなり、連続演出の各ゲームの抽選結果への注目度を高めるうえで大いに役立てることが可能となる。
特徴gB11.前記特定態様設定手段は、前記所定ゲームにおいて実行された前記特定演出の演出態様と、当該特定ゲームにおける前記抽選手段による抽選結果と、前記特定数のゲームが実行されるまでの残数と、に応じて前記特定ゲームにおける前記特定演出の演出態様を設定することが可能であることを特徴とする特徴gB10に記載の遊技機。
上記構成によれば、連続演出における残りゲーム数も加味して当該連続演出中の各ゲームにおいて実行される特定演出の演出態様が決定される。このようにすることで、例えば、連続演出の序盤と終盤とで各ゲームの関連付けの強弱を設定したり、序盤と終盤とで設定される演出態様を異ならせたりすることが可能となり、かかる構成を利用することで、連続演出の注目度を好適に高めることができるようになる。
特徴gB12.前記特定態様設定手段は、前記特定数のゲームが実行されるまでの残数が所定数以上である場合、前記所定ゲームにおいて実行された前記特定演出の演出態様が前記第1演出態様であれば前記特定ゲームにおいて実行する前記特定演出の演出態様が前記第2演出態様となることを許容可能である一方、前記特定数のゲームが実行されるまでの残数が前記所定数よりも少ない場合、前記所定ゲームにおいて実行された前記特定演出の演出態様が前記第1演出態様であれば前記特定ゲームにおいて実行する前記特定演出の演出態様が前記第2演出態様となることを制限可能であることを特徴とする特徴gB11に記載の遊技機。
上記構成によれば、連続演出における序盤(残数が所定数以上)は、当該連続演出の各ゲームで実行される特定演出の期待度が低下することが許容されているものの、連続演出の終盤(残数が所定数未満)は、当該連続演出の各ゲームで実行される特定演出の期待度が低下することが制限される。このようにすることで、連続演出において期待度が一方的に高められることによって連続演出の終盤の演出態様が同じような演出態様となってしまうことを回避しながら、所定の抽選の抽選結果が報知される連続演出の終盤の注目度を好適に高めることが可能となる。
上記特徴gB1乃至特徴gB12に記載された発明は、「遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機では、所定の抽選条件が成立したことに基づいて内部抽選が行われ、当該内部抽選の結果に応じて遊技者に特典が付与される構成が知られている。スロットマシンについて具体的には、遊技価値としてのメダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されると、内部抽選が実施されるとともに、リールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップスイッチが操作された場合には、リールの回転が停止する。そして、リールの停止結果が内部抽選の結果に対応したものである場合には、結果に応じた特典が付与される(例えば特開2008-295707号公報参照)。」という背景技術について、「ここで、上記例示等した遊技機においては遊技の注目度向上を図る必要があり、この点について、未だ改良の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
上記特徴gB1乃至特徴gB12の各構成に対して、特徴gA1乃至特徴gA24、特徴gB1乃至特徴gB12、特徴gC1乃至特徴gC16、特徴gD1乃至特徴gD10、特徴gE1乃至特徴gE11、特徴gF1乃至特徴gF8のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴gC群>
特徴gC1.遊技者による操作に基づいてゲームを開始させ、遊技者による操作に基づいてゲームを終了させる遊技進行手段(主制御装置101による通常処理を実行する機能)と、
前記遊技進行手段により進行されるゲームの結果に応じて遊技者に特典を付与可能な特典付与手段(主制御装置101によるメダル払出処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
遊技者による所定の遊技操作が無効化される、又は所定の遊技操作が行われた場合に前記遊技進行手段による遊技進行を制限する特定期間を設定可能な特定期間設定手段(主制御装置101によるフラッシュ待機用処理を実行する機能)と、
所定の演出手段(バックライト装置100)にて、特定演出を実行する特定演出手段(表示制御装置81によるフラッシュ演出制御用処理を実行する機能)と、
を備え、
前記特定演出手段は、
前記特定期間設定手段により設定される前記特定期間において、特定態様にて前記特定演出を実行可能な第1演出手段(表示制御装置81による通常フラッシュ設定処理を実行する機能)と、
前記特定期間設定手段により設定される前記特定期間とは異なる期間において、前記特定態様にて前記特定演出を実行可能な第2演出手段(表示制御装置81による特別フラッシュ設定処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、遊技者の操作によってゲームが進行され、そのゲームの結果に応じて特典が付与される遊技機において、遊技者の操作等が無効化される所謂無効期間としての特定期間において特定態様にて特定演出が実行される場合と、その特定期間とは異なる期間において特定態様にて特定演出が実行される場合とがある。このようにすることで、特定態様の特定演出が実行される場合、その最中は遊技進行が制限される特定期間であることを前提とすると、特定態様の特定演出が行われているのにもかかわらず、遊技者が所定の操作を行うと遊技進行が許容される場合もあり、逆に、特定態様の特定演出が実行される場合、その最中は遊技進行が制限されない期間であることを前提とすると、特定態様の特定演出が行われているの最中に遊技者が所定の操作を行うと遊技進行が制限される場合もあり、いずれにしても遊技者を驚愕させる意外性のある演出とすることが可能であるし、同じような特定演出であっても遊技者の操作が受け付けられるか否かといった違いを設けることで、特定演出の演出パターンをより多く記憶しておかなくても遊技演出を劇的に多様化させることも可能となる。よって、遊技への注目度を好適に高めることができる。
なお、上記の「第2演出手段」は、以下のように限定してもよい。
「遊技者による所定の遊技操作を受け付ける、又は所定の遊技操作が行われた場合に前記遊技進行手段による遊技進行が許容される通常期間において、前記特定態様にて前記特定演出を実行可能な第2演出手段(表示制御装置81による特別フラッシュ設定処理を実行する機能)」。
特徴gC2.前記第1演出手段によって前記特定態様にて前記特定演出が実行される期間は、遊技者による所定の遊技操作を受け付ける、又は所定の遊技操作が行われた場合に前記遊技進行手段による遊技進行が許容される通常期間を含まず、
前記第2演出手段は、前記特定期間を含まないように前記特定態様にて前記特定演出を実行することが可能であることを特徴とする特徴gC1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定態様にて特定演出が行われる場合、その全期間に亘って無効期間としての特定期間である場合と、その全期間に亘って操作が有効である通常期間である場合と、があるようになる。このようにすることで、遊技者は特定演出が開始された直後に所定の操作を行うことで、それが特定期間中のものかそれとも通常期間中のものかを判別することが可能となり、早く演出の結果や内容(いずれの演出手段による特定演出か)を知りたいという遊技者のニーズに沿うものとすることが可能となる。
特徴gC3.前記第1演出手段によって前記特定態様にて前記特定演出が実行される期間は、遊技者による所定の遊技操作を受け付ける、又は所定の遊技操作が行われた場合に前記遊技進行手段による遊技進行が許容される通常期間を含まず、
前記第2演出手段は、前記特定期間及び前記通常期間を含むように前記特定態様にて前記特定演出を実行することが可能であることを特徴とする特徴gC1又は特徴gC2に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定態様にて特定演出が行われる場合、その全期間に亘って無効期間としての特定期間である場合と、その期間中に特定期間と、操作が有効である通常期間とが含まれる場合と、があるようになる。このようにすることで、遊技者が操作するタイミングによっては、いずれの演出手段により実行されている特定演出であっても特定期間である場合があるようになり、いずれの演出手段による特定演出であるかが判別しにくくなる。よって、いずれの演出手段による特定演出かを知りたい遊技者心理を逆手にとって、それを分かりにくくすることによって演出効果を好適に期待できるようにすることが可能となる。
特徴gC4.前記第2演出手段によって前記特定態様にて前記特定演出が実行される期間は、前記特定期間の後、前記通常期間となるように設定されていることを特徴とする特徴gC3に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定演出が行われてからの序盤は、いずれの演出手段によるものであっても特定期間であり、その後、特定期間が継続されるもの(第1演出手段)と、通常期間に切り換わるもの(第2演出手段)とがあるようになる。このようにすることで、いずれの演出手段による特定演出かを判別できるようになるタイミングを後側に先延ばしにすることで、特定演出への注目度を後側まで持続させることが可能となる。
特徴gC5.前記特定演出の態様として、第1演出態様(フラッシュA)と、当該第1演出態様にて演出が行われた後、第2演出態様にて演出が行われるように設定された第3演出態様(フラッシュF)と、を含み、
前記第2演出手段により、前記特定演出の前記特定態様が前記第3演出態様にて実行される場合、前記第1演出態様に対応する期間が前記特定期間となり、前記第2演出態様に対応する期間が前記通常期間となるように設定されることを特徴とする特徴gC4に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定演出は、第1演出態様にて終了する場合もあれば、第1演出態様の実行後、第2演出態様に発展して第3演出態様となる場合もあることを前提とし、第3演出態様にて特定演出が行われた場合、第1演出態様にて実行されている期間は特定期間であって、その後の第2演出態様にて実行されている期間は通常期間となる。この場合、例えば、通常期間中の操作で特定演出をキャンセル可能な構成とする場合、第2演出態様への発展前は、第2演出手段による特定演出であっても特定期間であることから、当該第2演出態様への発展前はキャンセルできなくなり、第2演出態様へ発展するか否かを遊技者に否応なく確認させる構成となる。よって、演出の発展の有無といった遊技者が関心を寄せ易い箇所を設けた意義を抹殺することなく、特定演出を両演出手段によって行うことの効果を好適に奏することが可能となる。
特徴gC6.前記第1演出手段は、前記第3演出態様を前記特定態様として前記特定演出を実行することが可能であることを特徴とする特徴gC5に記載の遊技機。
上記構成によれば、第2演出態様への発展後は、いずれの演出手段によるものかが判別することが可能となる。このように、特徴gC5の構成において、遊技者の関心どころとなる発展の有無の確認後はいずれの演出手段によるものかの判別を可能とすることで、段階的に発展する特定演出による演出効果を期待しながらも、いずれの演出手段によるものかを知りたい遊技者のニーズにも応じた演出とすることが可能となる。
特徴gC7.前記第2演出手段による前記特定演出の実行中に所定の操作が行われた場合、当該実行中の前記特定演出を終了させる終了手段(表示制御装置81によるステップSg3801及びステップSg3802にて肯定判定する処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴gC1乃至特徴gC6のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、遊技者による操作が無効化される無効期間としての特定期間とは異なる期間にて特定演出が実行される場合、遊技者の操作に基づいて実行中の特定演出が終了されるようになる。このようにすることで、遊技者による操作に基づきゲームが開始され、遊技者による操作に基づいてゲームが終了する遊技機において、遊技進行を許容しながら特定演出を行う上で、遊技進行に伴う演出と特定演出とが重複してしまう不都合を好適に回避することが可能となる。
特徴gC8.前記第2演出手段は、前記特定期間の後、遊技者による所定の遊技操作を受け付ける、又は所定の遊技操作が行われた場合に前記遊技進行手段による遊技進行が許容される通常期間を含むように前記特定態様にて前記特定演出を実行することが可能であり、
前記終了手段は、前記特定期間の経過後に、前記特定演出を終了させることを特徴とする特徴gC7に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定演出を途中で終了させたのにもかかわらず、特定期間が経過しておらず、遊技が進行しない、といった不都合を生じさせないようにすることができる。
特徴gC9.前記終了手段は、前記特定期間において前記所定の操作が行われた場合、当該特定期間の経過後に、前記特定演出を終了させることが可能であることを特徴とする特徴gC8に記載の遊技機。
上記構成によれば、無効期間としての特定期間の経過前に操作が行われた場合、その操作による特定演出の途中終了は、特定期間の経過とともに有効となるようになる。このようにすることで、特定期間の経過タイミングで操作を行わなくても、特定期間中に操作を行うようにすることで最も早いタイミングで特定演出を終了させることが可能となり、遊技進行を優先させたい遊技者のニーズに応えることが可能となる。
特徴gC10.前記遊技進行手段は各ゲームで前記特典付与手段により特典を付与することの抽選を実行する抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)を備え、
前記抽選手段による抽選又は抽選結果に基づき遊技者にとって有利な有利事象を生じさせる有利事象手段(主制御装置101によるボーナス状態処理やATモード用の第2ゲーム数管理処理を実行する機能)と、
前記有利事象が生じることに対応する有利報知(確定表示部35の点灯状態)を、前記特定演出の後で実行可能な有利報知手段(表示制御装置81による確定表示部35を点灯状態とする処理を実行する機能)と、
を備え、
前記第1演出手段及び前記第2演出手段は、前記有利事象手段により前記有利事象が生じることを示唆する示唆演出として実行するものであり、
前記終了手段により前記特定演出が終了された場合、前記有利報知手段による前記有利報知の実行を制限可能な手段(表示制御装置81によるステップSg4709及びステップSg4710の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴gC7乃至特徴gC9のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定演出を途中で終了させると、有利事象が生じることに対応する有利報知が実行されない。特定演出は、有利事象が生じることを示唆する演出であることから、特定演出の示唆によっては有利事象が生じることを把握できなかった遊技者に対しては、有利報知によって有利事象が生じることを知らしめる意義があると考えられる。逆に、特定演出の示唆によって有利事象が生じることを把握した遊技者は、更なる有利報知を不要と考える場合もあると考えられ、特に特定演出を途中でキャンセルする遊技者は、その有利事象が生じることを把握している可能性が高いものと考えられる。そこで、上記構成のようにすることで、遊技者の技量や知識に応じてより好適に演出を行うことが可能となる。
特徴gC11.前記第1演出手段は、前記遊技進行手段によりゲームが終了された後であって、当該終了されたゲームの結果に応じて前記特典付与手段により特典が付与されるまでの期間を前記特定期間として、前記特定演出を実行可能であることを特徴とする特徴gC1乃至特徴gC10のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、ゲームの結果に応じて特典が付与される、といった遊技機における最も注目されるタイミングにおいて第1演出手段による特定演出が行われる。このようにすることで、より遊技者が関心を寄せるタイミングにて特定演出が行われることになり、特定演出への注目度を好適に高めることが可能となる。
特徴gC12.前記第2演出手段は、前記特典付与手段により特典が付与されている状況下で前記特定演出を実行可能であることを特徴とする特徴gC11に記載の遊技機。
上記構成によれば、特典付与手段が特典を付与する場合、実行する特定演出がいずれの演出手段によるものかを確認する必要がなく、単にゲームが終了した後、特定期間の経過後に特典を付与すればよくなる。よって、構成の複雑化を生じさせることなく特徴gC1の効果を奏することが可能となる。
特徴gC13.前記特典付与手段により付与される特典に対応する特別演出を実行可能な特別演出手段(表示制御装置81による払出効果音出力用処理や通常再遊技用再ベット演出処理を実行する機能)と、
前記第2演出手段により前記特定演出が実行される場合、前記特別演出(払出効果音、再遊技入賞に伴う自動ベット時のベット時効果音)を、当該特定演出の終了まで待機させる待機手段(表示制御装置81によるステップSg3705、ステップSg3706の処理やサブフラッシュ用再ベット演出処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴gC12に記載の遊技機。
上記構成によれば、仮に特定演出と特典付与とが重複した場合であっても、特典付与に対応する特別演出の実行は、その特定演出の終了まで待機される。このようにすることで、特定演出の実行中に特別演出が行われることによって、いずれの演出手段により実行されている特定演出であることが悟られてしまう事象を好適に回避することが可能となる。
特徴gC14.前記第2演出手段による前記特定演出の実行中に所定の操作が行われた場合、当該実行中の前記特定演出を終了させる終了手段(表示制御装置81によるステップSg3801及びステップSg3802にて肯定判定する処理を実行する機能)と、
前記終了手段により前記特定演出が終了される場合、前記待機手段により待機された前記特別演出を当該特定演出の終了後に実行する手段(表示制御装置81によるステップSg3705、ステップSg3706の処理やサブフラッシュ用再ベット演出処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴gC13に記載の遊技機。
上記構成によれば、遊技者による操作が無効化される無効期間としての特定期間とは異なる期間にて特定演出が実行される場合、遊技者の操作に基づいて実行中の特定演出が終了されるようになる。このようにすることで、遊技者による操作に基づきゲームが開始され、遊技者による操作に基づいてゲームが終了する遊技機において、遊技進行を許容しながら特定演出を行う上で、遊技進行に伴う演出と特定演出とが重複してしまう不都合を好適に回避することが可能となる。
さらに、上記のように特定演出を途中で終了させた場合、待機していた特別演出が実行されるようになる。よって、特典付与に対応する特別演出が実行されないことを通じて、遊技者に、特典が付与されなかったのではと勘違いしてしまうことを好適に予防することができる。
特徴gC15.前記第2演出手段による前記特定演出の実行中に所定の操作が行われた場合、当該実行中の前記特定演出を終了させる終了手段(表示制御装置81によるステップSg4901及びステップSg4902にて肯定判定する処理を実行する機能)と、
前記終了手段により前記特定演出が終了される場合、前記待機手段により待機された前記特別演出を実行しないようにする手段(表示制御装置81によるステップSg4903~ステップSg4908の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴gC13に記載の遊技機。
上記構成によれば、遊技者による操作が無効化される無効期間としての特定期間とは異なる期間にて特定演出が実行される場合、遊技者の操作に基づいて実行中の特定演出が終了されるようになる。このようにすることで、遊技者による操作に基づきゲームが開始され、遊技者による操作に基づいてゲームが終了する遊技機において、遊技進行を許容しながら特定演出を行う上で、遊技進行に伴う演出と特定演出とが重複してしまう不都合を好適に回避することが可能となる。
さらに、上記のように特定演出を途中で終了させた場合、待機していた特別演出が実行されないようになる。遊技者は、特定演出が途中で終了されることによって当該特定演出が第2演出手段によるものであったことを把握可能であり、このような場合には、特別演出を実行しないようにすることで、更なる遊技進行に基づく遊技演出と特別演出とが重複してしまうことを好適に回避可能となる。なお、この場合であっても、特典は付与されていることから遊技者に直接的な不利益は生じない。
特徴gC16.前記第1演出手段による前記特定演出の実行中に、遊技者により所定の操作が行われたことに対応する操作情報を記憶可能な記憶手段(表示制御装置81によるステップSg5211の処理を実行する機能)と、
前記記憶手段に前記操作情報が記憶されている場合、前記第2演出手段による前記特定演出の実行を制限可能な制限手段(表示制御装置81によるステップSg5206の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴gC1乃至特徴gC14のいずれか1に記載の遊技機。
第2演出手段による特定演出の実行中に所定の操作が行われると、当該操作が行われるタイミングは特定期間中ではない可能性が高く、その操作に基づく遊技進行用の処理を行う必要が生じる。そこで、上記構成のように、第1演出手段による特定演出の実行中は所謂無効期間として特定期間である一方、第2演出手段による特定演出の実行中は特定期間ではない構成において、第1演出手段による特定演出中に所定の操作が行われている場合には、第2演出手段による特定演出の実行が制限されるようにした。このようにすることで、そもそも特定演出中に操作を行いがちな遊技者が遊技している場合には、第2演出手段による特定演出が行われないようになり、第2演出手段による特定演出の実行中に所定の操作が行われることによる不都合を生じにくくすることが可能となる。
上記特徴gC1乃至特徴gC16に記載された発明は、「遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機では、所定の抽選条件が成立したことに基づいて内部抽選が行われ、当該内部抽選の結果に応じて遊技者に特典が付与される構成が知られている。スロットマシンについて具体的には、遊技価値としてのメダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されると、内部抽選が実施されるとともに、リールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップスイッチが操作された場合には、リールの回転が停止する。そして、リールの停止結果が内部抽選の結果に対応したものである場合には、結果に応じた特典が付与される(例えば特開2008-295707号公報参照)。」という背景技術について、「ここで、上記例示等した遊技機においては遊技の注目度向上を図る必要があり、この点について、未だ改良の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
上記特徴gC1乃至特徴gC16の各構成に対して、特徴gA1乃至特徴gA24、特徴gB1乃至特徴gB12、特徴gC1乃至特徴gC16、特徴gD1乃至特徴gD10、特徴gE1乃至特徴gE11、特徴gF1乃至特徴gF8のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴gD群>
特徴gD1.遊技者による操作に基づいてゲームを開始させ、遊技者による操作に基づいてゲームを終了させる遊技進行手段(主制御装置101による通常処理を実行する機能)と、
前記遊技進行手段により進行されるゲームの結果に応じて遊技者に特典を付与可能な特典付与手段(主制御装置101によるメダル払出処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
所定の演出手段(バックライト装置100)にて、特定演出を実行する特定演出手段(表示制御装置81によるフラッシュ演出制御用処理を実行する機能)を備え、
前記特定演出手段は、
前記特定演出を実行している特定状況において、遊技者による所定の操作が行われた場合、当該実行している前記特定演出を終了させない第1演出手段(表示制御装置81によるフラッシュ中調整用処理においてステップSg3801にて否定判定する処理を実行する機能)と、
前記特定演出を実行している特定状況において、遊技者による所定の操作が行われた場合、当該実行している前記特定演出を終了させる第2演出手段(表示制御装置81によるフラッシュ中調整用処理においてステップSg3801及びステップSg3802にて肯定判定する処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、遊技者の操作によってゲームが進行され、そのゲームの結果に応じて特典が付与される遊技機において、特定演出が実行されている状況下で所定の操作を行った場合に、実行中の特定演出が終了する場合と、終了しない場合とがあるようにしていることから、同じような特定演出であっても遊技者の操作によりそれを途中でキャンセルすることができるか否かといった違いを設けることで、特定演出の演出パターンをより多く記憶しておかなくても遊技演出を劇的に多様化させることも可能となる。よって、遊技への注目度を好適に高めることができる。
特徴gD2.前記第2演出手段は、遊技者による所定の操作が行われた場合に、前記実行している前記特定演出を終了させない第1状況(無効期間)と、前記実行している前記特定演出を終了させる第2状況(通常期間)と、が前記特定状況に含まれるように、前記特定演出を実行することが可能な構成であることを特徴とする特徴gD1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第2演出手段による特定演出であっても、操作された状況が第1状況であれば、第1演出手段による特定演出と同様に、途中でキャンセルされないようになる。このようにすることで、例えば、特定演出を行うにあたってキャンセルされると不都合があるような演出を含む場合に、その演出は第1状況にて行う等することで、両演出手段による特定演出を実行することの効果を奏しながらも、特定演出がいつでもキャンセル可能とすることによる不都合を生じさせないようにすることができる。
特徴gD3.前記第2演出手段は、遊技者による所定の操作が第1タイミングにて行われた場合、当該だ1タイミングよりも後の第2タイミングにて前記特定演出を終了させることを特徴とする特徴gD1又は特徴gD2に記載の遊技機。
上記構成によれば、操作されたタイミングよりも後のタイミングで特定演出が終了される。このようにすることで、操作されたタイミングでは特定演出を終了させることに不都合があったり、特徴gC2のように終了させることができない状況であった場合にも、遊技者のキャンセルさせるという意思を尊重して、その後、特定演出を終了させることが可能となる。よって、特定演出がいつでもキャンセル可能とすることによる不都合を生じさせないようにしながらも、遊技者のキャンセル意思を尊重させることが可能となる。
特徴gD4.前記第1タイミングは、前記第2演出手段による前記特定演出が開始されるよりも前のタイミングであることを特徴とする特徴gD3に記載の遊技機。
上記構成によれば、第2演出手段による特定演出の開始前の操作によって、当該第2演出手段による特定演出が実行されないようにすることができる。遊技者によっては、途中でキャンセル可能な特定演出が実行されることを望まないことも考えられ、特に、途中でキャンセル可能であれば最初から実行されないようにしたい、といった遊技者の要望もあり、それに応えることが可能となる。
特徴gD5.前記第1タイミングは、前記第1演出手段により前記特定演出が実行されている特定状況のタイミングであることを特徴とする特徴gD4に記載の遊技機。
上記構成によれば、途中でキャンセルできない第1演出手段による特定演出中に操作された場合、その後の第2演出手段による特定演出が実行されないようになる。このようにすることで、そもそも特定演出が行われる最中に操作が行われる可能性が高い場合には、その操作に基づき途中で特定演出を終了することとなる第2演出手段による特定演出が実行されないようになり、特定演出が途中で終了される場面を極力少なくすることができる。よって、遊技者の多様なニーズに応じながら、特定演出を好適に実行することが可能となる。
特徴gD6.前記特典付与手段により付与される特典に対応する特別演出を実行可能な特別演出手段(表示制御装置81による払出効果音出力用処理や通常再遊技用再ベット演出処理を実行する機能)と、
前記第2演出手段により前記特定演出が実行される場合、前記特別演出(払出効果音、再遊技入賞に伴う自動ベット時のベット時効果音)を、当該特定演出の終了まで待機させる待機手段(表示制御装置81によるステップSg3705、ステップSg3706の処理やサブフラッシュ用再ベット演出処理を実行する機能)と、
前記第2演出手段による前記特定演出の実行中に所定の操作が行われたことに基づいて当該実行中の前記特定演出を終了させる場合、前記待機手段により待機された前記特別演出を実行しないようにする手段(表示制御装置81によるステップSg4903~ステップSg4908の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴gD1乃至特徴gD5のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定演出を途中で終了させた場合、待機していた特別演出が実行されないようになる。遊技者は、特定演出が途中で終了されることによって当該特定演出が第2演出手段によるものであったことを把握可能であり、このような場合には、特別演出を実行しないようにすることで、更なる遊技進行に基づく遊技演出と特別演出とが重複してしまうことを好適に回避可能となる。なお、この場合であっても、特典は付与されていることから遊技者に直接的な不利益は生じない。
特徴gD7.前記特典付与手段により付与される特典に対応する特別演出を実行可能な特別演出手段(表示制御装置81による払出効果音出力用処理や通常再遊技用再ベット演出処理を実行する機能)と、
前記第2演出手段により前記特定演出が実行される場合、前記特別演出(払出効果音、再遊技入賞に伴う自動ベット時のベット時効果音)を、当該特定演出の終了まで待機させる待機手段(表示制御装置81によるステップSg3705、ステップSg3706の処理やサブフラッシュ用再ベット演出処理を実行する機能)と、
前記第2演出手段による前記特定演出の実行中に第1操作が行われたことに基づいて当該実行中の前記特定演出を終了させる場合、前記待機手段により待機された前記特別演出を当該終了させる前記特定演出の後で実行するようにする手段(図601(a))と、
前記第2演出手段による前記特定演出の実行中に前記第1操作とは異なる第2操作が行われたことに基づいて当該実行中の前記特定演出を終了させる場合、前記待機手段により待機された前記特別演出を実行しないようにする手段(図602)と、
を備えていることを特徴とする特徴gD1乃至特徴gD6のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定演出を途中で終了させた場合、終了させた操作によって、待機していた特別演出が実行される場合と実行されない場合とがあるようになる。仮に、特定演出が途中で終了されることによって当該特定演出が第2演出手段によるものであったことを把握可能であったとしても、特別演出が行われることを楽しみにしていたり、特別演出が行われないことに対して違和感を感じる場合もあり、その点、特定演出を途中で終了させるにしても特別演出を実行する意義は存在している。但し、特定演出を途中で終了させる場合、更なる遊技進行に基づく遊技演出と特別演出とが重複してしまう可能性もある。そこで、上記構成のように、終了契機となる操作の種類によって特別演出の実行の有無を異ならせることで、上記の不都合を生じさせないようにしながら、特定演出や特別演出を実行することが可能となる。
特徴gD8.遊技者により操作されることで前記遊技進行手段により進行されるゲームの賭数が設定される賭数操作手段(第1クレジット投入スイッチ56)と、
前記賭数が設定されている状況下で遊技者により操作されることで前記遊技進行手段によりゲームが開始される開始操作手段(スタートレバー41)と、
を備え、
前記第1操作は、前記賭数操作手段の操作であり、
前記第2操作は、前記開始操作手段の操作であることを特徴とする特徴gD7に記載の遊技機。
上記構成のように、賭数操作手段を操作することでゲームの賭数が設定され、その賭数が設定されている状況下で開始操作手段を操作することでゲームが開始される遊技の流れにおいて、賭数操作手段を操作しても直ちにゲームは開始されないものの、開始操作手段を操作するとゲームが開始される違いがある。そうのため、特定演出の実行中に賭数操作手段を操作して特定演出を終了させても、開始操作手段が操作されるまではゲームが開始されないため、特別演出を実行する猶予はあり、これに対して、開始操作手段を操作して特定演出を終了させると、その操作に基づきゲームが開始されるため、特別演出を実行する猶予はない。このような観点で特徴gC7を限定することで、遊技の流れに沿いながら特別演出を好適に行うことが可能となる。
特徴gD9.前記遊技進行手段は各ゲームで前記特典付与手段により特典を付与することの抽選を実行する抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)を備え、
前記抽選手段による抽選又は抽選結果に基づき遊技者にとって有利な有利事象を生じさせる有利事象手段(主制御装置101によるボーナス状態処理やATモード用の第2ゲーム数管理処理を実行する機能)と、
前記有利事象が生じることに対応する有利報知(確定表示部35の点灯状態)を、前記特定演出の後で実行可能な有利報知手段(表示制御装置81による確定表示部35を点灯状態とする処理を実行する機能)と、
を備え、
前記第1演出手段及び前記第2演出手段は、前記有利事象手段により前記有利事象が生じることを示唆する示唆演出として実行するものであり、
前記第2演出手段により実行されている前記特定演出が遊技者による所定の操作に基づき終了された場合、前記有利報知手段による前記有利報知の実行を制限可能な手段(表示制御装置81によるステップSg4709及びステップSg4710の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴gD1乃至特徴gD8のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定演出を途中で終了させると、有利事象が生じることに対応する有利報知が実行されない。特定演出は、有利事象が生じることを示唆する演出であることから、特定演出の示唆によっては有利事象が生じることを把握できなかった遊技者に対しては、有利報知によって有利事象が生じることを知らしめる意義があると考えられる。逆に、特定演出の示唆によって有利事象が生じることを把握した遊技者は、更なる有利報知を不要と考える場合もあると考えられ、特に特定演出を途中でキャンセルする遊技者は、その有利事象が生じることを把握している可能性が高いものと考えられる。そこで、上記構成のようにすることで、遊技者の技量や知識に応じてより好適に演出を行うことが可能となる。
特徴gD10.前記遊技進行手段は各ゲームで前記特典付与手段により特典を付与することの抽選を実行する抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)を備え、
前記抽選手段による抽選又は抽選結果に基づき遊技者にとって有利な有利事象を生じさせる有利事象手段(主制御装置101によるボーナス状態処理やATモード用の第2ゲーム数管理処理を実行する機能)と、
前記有利事象が生じることに対応する有利報知(確定表示部35の点灯状態)を、前記特定演出の後で実行可能な有利報知手段(表示制御装置81による確定表示部35を点灯状態とする処理を実行する機能)と、
を備え、
前記第1演出手段及び前記第2演出手段は、前記有利事象手段により前記有利事象が生じることを示唆する示唆演出として実行するものであり、
前記有利報知手段は、前記第2演出手段により実行されている前記特定演出が遊技者による所定の操作に基づき終了された場合、前記有利報知を実行する構成であることを特徴とする特徴gD1乃至特徴gD8のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定演出を途中で終了させると、有利事象が生じることに対応する有利報知が実行されるようになる。特定演出は、有利事象が生じることを示唆する演出であることから、特定演出による示唆を最後まで確認するか、それとも特定演出を途中で終了させて有利報知の有無を確認するか、を遊技者に選択させることが可能となる。よって、遊技者が特定演出の進行や有利報知の実行の有無に介入する余地が生じ、遊技への積極参加を通じて遊技への注目度を好適に高めることが可能となる。
上記特徴gD1乃至特徴gD10に記載された発明は、「遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機では、所定の抽選条件が成立したことに基づいて内部抽選が行われ、当該内部抽選の結果に応じて遊技者に特典が付与される構成が知られている。スロットマシンについて具体的には、遊技価値としてのメダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されると、内部抽選が実施されるとともに、リールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップスイッチが操作された場合には、リールの回転が停止する。そして、リールの停止結果が内部抽選の結果に対応したものである場合には、結果に応じた特典が付与される(例えば特開2008-295707号公報参照)。」という背景技術について、「ここで、上記例示等した遊技機においては遊技の注目度向上を図る必要があり、この点について、未だ改良の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
上記特徴gD1乃至特徴gD10の各構成に対して、特徴gA1乃至特徴gA24、特徴gB1乃至特徴gB12、特徴gC1乃至特徴gC16、特徴gD1乃至特徴gD10、特徴gE1乃至特徴gE11、特徴gF1乃至特徴gF8のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴gE群>
特徴gE1.遊技者による操作に基づいてゲームを開始させ、遊技者による操作に基づいてゲームを終了させる遊技進行手段(主制御装置101による通常処理を実行する機能)と、
前記遊技進行手段により進行されるゲームの結果に応じて遊技者に特典を付与可能な特典付与手段(主制御装置101によるメダル払出処理を実行する機能)と、
前記遊技進行手段により進行される各ゲームで、前記特典付与手段により特典を付与することの抽選を実行する抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
所定の演出手段(バックライト装置100)にて、特定演出を実行する特定演出手段(表示制御装置81によるフラッシュ演出制御用処理を実行する機能)と、
前記特定演出を実行している特定状況において、遊技者による所定の操作が行われた場合、当該実行している前記特定演出を終了させる終了手段(表示制御装置81によるフラッシュ中調整用処理においてステップSg3801及びステップSg3802にて肯定判定する処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選又は抽選結果に基づき遊技者にとって有利な有利事象を生じさせる有利事象手段(主制御装置101によるボーナス状態処理やATモード用の第2ゲーム数管理処理を実行する機能)と、
前記終了手段により前記特定演出を終了させる場合、前記有利事象が生じることに対応する有利報知(確定表示部35の点灯状態)を実行可能な有利報知手段(表示制御装置81によるフラッシュ中調整用処理において確定表示部35を点灯状態とする処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、遊技者の操作によってゲームが進行され、そのゲームの結果に応じて特典が付与される遊技機において、特定演出が実行されている状況下で所定の操作を行った場合に、実行中の特定演出が終了する場合があり、その場合、有利事象が生じることに対応する有利報知が実行されるようになる。このようにすることで、特定演出を最後まで楽しむか、それとも特定演出を途中で終了させて有利報知の有無を確認するか、を遊技者に選択させることが可能となる。よって、遊技者が特定演出の進行や有利報知の実行の有無に介入する余地が生じ、遊技への積極参加を通じて遊技への注目度を好適に高めることが可能となる。
特徴gE2.前記特定演出手段は、前記有利事象手段により前記有利事象が生じることを示唆する示唆演出として実行するものであることを特徴とする特徴gE1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定演出は、有利事象が生じることを示唆する演出であることから、特定演出による示唆を最後まで確認するか、それとも特定演出を途中で終了させて有利報知の有無を確認するか、を有利事象へ期待する遊技者に選択させることが可能となる。このようにすることで、特徴gD1に記載した、遊技への積極参加を通じた遊技への注目度を高める効果を更に期待することが可能となる。
特徴gE3.前記特定演出の実行後、前記有利報知(確定表示部35の点灯状態)を実行可能な第2有利報知手段(表示制御装置81による終了時調整用処理において確定表示部35を点灯状態とする処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴gE1又は特徴gE2に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定演出を途中で終了させた場合だけではなく、最後まで特定演出が行われた場合であっても、特定演出後に有利報知が行われる場合があるようになる。このようにすることで、最後まで特定演出を楽しみたい遊技者のニーズにも応じることができるようになる。
なお、上記構成を特徴gE1に適用する場合、特徴gE1における「有利報知手段」を「第1有利報知手段」と読み替えることで、両手段の区別をより明確化することが可能である。
特徴gE4.前記有利報知手段は、第1有利報知手段であり、
前記第1有利報知手段により前記有利報知が実行される確率と、前記第2有利報知手段により前記有利報知が実行される確率とが、異なっていることを特徴とする特徴gE3に記載の遊技機。
上記構成によれば、最後まで特定演出を実行させるか、それとも途中で終了させるかで、特定演出後の有利報知の実行率が異なるようになる。このようにすることで、特定演出を最後まで楽しむか否かを有利報知により有利事象が生じることの確認を行いたい気持ちとの関係で遊技者に選択させることが可能となり、これらの要素をもとに選択させる遊技を通じて遊技の興趣向上が図られる。
特徴gE5.前記第2有利報知手段は、前記特定演出手段による前記特定演出が特定態様(前回よりも期待度が低い演出パターン)である場合は前記有利報知を実行する一方、前記特定演出手段による前記特定演出が前記特定態様とは異なる態様である場合は前記有利報知を実行しないことを特徴とする特徴gE3又は特徴gE4に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定演出の演出態様が特定態様であれば、その特定演出を最後まで実行させると有利報知が実行されるものの、その特定演出の演出態様が特定態様とは異なる態様である場合には、その特定演出を最後まで実行させても有利報知は実行されない。このようにすることで、例えば、特定演出が特定態様ではないことの確認を行ったうえで、特定演出を途中で終了させて有利報知を行わせる、といった遊技性を実現することができ、特定演出の演出態様へ高い関心を寄せさせることが可能となる。
特徴gE6.特定ゲームにおいて前記特定演出手段により実行される前記特定演出が第1演出態様(例えば中期待度のフラッシュ演出)であり、当該特定ゲームよりも前の所定ゲームにおいて前記特定演出手段により実行された前記特定演出が第2演出態様(例えば高期待度のフラッシュ演出)である場合、前記特定ゲームにおいて実行される前記第1演出態様の前記特定演出は前記特定態様となる一方、前記特定ゲームにおいて前記特定演出手段により実行される前記特定演出が前記第1演出態様(例えば中期待度のフラッシュ演出)であり、前記所定ゲームにおいて前記特定演出手段により実行された前記特定演出が第3演出態様(例えば低期待度のフラッシュ演出)である場合、前記特定ゲームにおいて実行される前記第1演出態様の前記特定演出は前記特定態様とならないことを特徴とする特徴gE5に記載の遊技機。
上記構成によれば、同じ演出態様であっても、今回の特定演出よりも前に実行された特定演出の演出態様との関係で今回の特定演出の演出態様が有利報知の実行契機となる特定態様となるようになる。このようにすることで、単に今回の特定演出だけではなく、それよりも以前のゲームでの特定演出との関連付けを行うことが可能となり、複数のゲームに亘って特定演出を関連付けることを通じてこれら各ゲームの注目度を好適に高めることが可能となる。
特徴gE7.前記所定ゲームと前記特定ゲームとが非連続である場合も含むことを特徴とする特徴gE6に記載の遊技機。
上記構成によれば、より多くのゲームを特定演出を通じて関連付けることができ、各ゲームの注目度向上を図るうえでより好ましくなる。
特徴gE8.前記特定演出手段は、前記有利事象手段により前記有利事象が生じることを示唆する示唆演出として実行するものであり、
前記所定ゲームにて実行された前記特定演出において前記有利事象が生じることを示唆する期待度よりも、前記特定ゲームにて実行される前記特定演出において前記有利事象が生じることを示唆する期待度が低い場合に当該特定ゲームにおいて実行される前記特定演出が前記特定態様となることを特徴とする特徴gE6又は特徴gE7に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定演出が示唆する期待度が低くなる場合に特定態様となって有利報知が行われるようになる。換言すれば、期待度が低くならなければ有利報知はおこなわれないものの、そもそも特定ゲームにおいて特定演出によって有利事象が生じることの期待度が高くなることが示唆されていることから、有利報知が行われなくても有利事象への期待感は好適に高められている。よって、いずれの場合であっても有利事象への期待感を高める演出とすることができるようになる。
特徴gE9.前記特定演出手段は、前記遊技進行手段により進行される各ゲームの抽選結果に応じて前記特定演出の演出態様を設定する構成であり、
ゲームの抽選結果が特定結果(押し順ベル)である場合、前記特定演出の演出態様が特定演出態様(フラッシュA)となること、又は前記特定演出が実行されることを制限可能な手段(表示制御装置81による通常フラッシュ設定処理を実行する機能)を備え、
前記特定ゲームにおける抽選結果が前記特定結果であって、当該特定ゲームにおいて実行される前記特定演出の演出態様が前記特定演出態様である場合、当該特定ゲームにおいて実行される前記特定演出が前記特定態様となることを特徴とする特徴gE6乃至特徴gE8のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、ゲームの抽選結果が特定結果である場合、当該特定結果に対応しない特定演出態様の特定演出が行われると、特定演出の終了後に有利報知が行われるようになる。このようにすることで、単に特定演出への注目度だけではなく、ゲームの抽選結果へも関心を寄せさせることが可能となり、遊技の興趣向上を好適に図ることができる。
特徴gE10.遊技者により操作されることで前記遊技進行手段によりゲームが開始される開始操作手段(スタートレバー41)と、
遊技者により操作されることで前記遊技進行手段によりゲームが終了される終了操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
を備え、
前記所定の操作は、前記開始操作手段の操作を含む一方、前記終了操作手段の操作を含まないことを特徴とする特徴gE1乃至特徴gE9のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成のように、開始操作手段を操作することでゲームが開始され、終了操作手段を操作することでゲームが終了される遊技の流れにおいて、開始操作手段を操作すると特定演出を途中でキャンセルすることができる一方、終了操作手段を操作しても特定演出を途中でキャンセルすることができない。このように、特定演出をキャンセルできる遊技操作とそうではない遊技操作とを設定することで、意図せずキャンセルしてしまうことを好適に予防することができるし、例えば、特定演出が実行されている状況の次の遊技操作をキャンセル用の遊技操作とすれば、遊技進行を優先したい遊技者にとってキャンセルし易い構成とすることが可能となる。
特徴gE11.前記特定演出手段は、前記遊技進行手段によりゲームが終了されてから前記特定演出を実行することを特徴とする特徴gE1乃至特徴gE10のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、一のゲームが終了してから特定演出が行われることから、当該ゲームの遊技進行や遊技進行用の操作とは関係なく、例えば、キャンセルしようとして意図せず今回のゲームの遊技を進行させてしまうことを回避することができるし、当該ゲームで遊技を終了したい遊技者としては、特定演出をキャンセルすることで有利報知の有無を確認することができる。また、特徴gE10に適用すれば、一のゲームの終了後、次のゲームの開始操作を行うと、特定演出がキャンセルされる構成となることから、特定演出と有利報知とを確認させながらも遊技進行を優先させることも可能となる。
上記特徴gE1乃至特徴gE11に記載された発明は、「遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機では、所定の抽選条件が成立したことに基づいて内部抽選が行われ、当該内部抽選の結果に応じて遊技者に特典が付与される構成が知られている。スロットマシンについて具体的には、遊技価値としてのメダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されると、内部抽選が実施されるとともに、リールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップスイッチが操作された場合には、リールの回転が停止する。そして、リールの停止結果が内部抽選の結果に対応したものである場合には、結果に応じた特典が付与される(例えば特開2008-295707号公報参照)。」という背景技術について、「ここで、上記例示等した遊技機においては遊技の注目度向上を図る必要があり、この点について、未だ改良の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
上記特徴gE1乃至特徴gE11の各構成に対して、特徴gA1乃至特徴gA24、特徴gB1乃至特徴gB12、特徴gC1乃至特徴gC16、特徴gD1乃至特徴gD10、特徴gE1乃至特徴gE11、特徴gF1乃至特徴gF8のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴gF群>
特徴gF1.遊技者による操作に基づいてゲームを開始させ、遊技者による操作に基づいてゲームを終了させる遊技進行手段(主制御装置101による通常処理を実行する機能)と、
前記遊技進行手段により進行されるゲームの結果に応じて遊技者に特典を付与可能な特典付与手段(主制御装置101によるメダル払出処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
前記特典付与手段により特典が付与される場合、所定の演出手段(補助表示部65、スピーカ64)にて、当該付与される特典に応じた特別演出を実行可能な特別演出手段(表示制御装置81による払出効果音出力用処理や通常再遊技用再ベット演出処理を実行する機能)を備え、
前記特別演出手段は、
前記特典が付与される状況にて前記特別演出を実行する第1演出手段(表示制御装置81による払出効果音出力用処理を実行する機能や、表示制御装置81による通常再遊技用再ベット演出処理を実行する機能)と、
前記特典が付与される状況よりも後の特定状況(サブ側フラッシュ演出の終了時)にて前記特別演出を実行する第2演出手段(表示制御装置81によるフラッシュ中調整用処理や終了時調整用処理において払出効果音を出力する処理を実行する機能や、表示制御装置81によるサブフラッシュ用再ベット演出処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、遊技者の操作によってゲームが進行され、そのゲームの結果に応じて特典が付与される遊技機において、特典付与に対応する特別演出は、特典が付与されている状況で実行される場合の他、当該特典が付与されている状況よりも後の特定状況にて実行される場合もあるようになる。このようにすることで、例えば、特典付与のタイミングと別の演出の実行タイミングとが重複しているような場合に、特典付与のタイミングをずらすような複雑な処理を要することなく、特典が付与されたことを遊技者に知らしめることが可能となる。
特徴gF2.所定契機が生じた場合、特定演出(フラッシュ演出)を実行する特定演出手段(表示制御装置81によるフラッシュ演出制御用処理を実行する機能)を備え、
前記第2演出手段は、前記特典付与手段により特典が付与される状況において前記特定演出手段による前記特別演出が実行されている場合、当該特定演出の終了後を前記特定状況として前記特別演出を実行することを特徴とする特徴gF1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特典付与のタイミングで特定演出が実行される場合には、特典付与用の特別演出は特定演出の終了後に実行される。このようにすることで、両演出が重複することによる演出や処理の不都合を生じさせないようにすることができる。
特徴gF3.前記特定演出手段は、前記特定演出を前記所定の演出手段とは別の演出手段(バックライト装置100)にて実行可能であることを特徴とする特徴gF2に記載の遊技機。
特定演出と特別演出とが別々の演出手段にて実行される場合であっても、それぞれの演出には意味があり、それらを別々に遊技者に把握させることの意義は高い。そこで、上記構成のように特定演出と特別演出とが別々の演出手段にて実行される場合であっても、これらの演出が重複する場合には、特定演出の終了を待って特別演出を行うようにすることで、せっかく用意した各演出が遊技者に把握されない不都合を好適に回避することができる。
特徴gF4.所定契機が生じた場合、特定演出(フラッシュ演出)を実行する特定演出手段(表示制御装置81によるフラッシュ演出制御用処理を実行する機能)を備え、
前記特定演出手段は、前記特典付与手段により特典が付与される前に前記特定演出を実行することが可能であることを特徴とする特徴gF2又は特徴gF3に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定演出は特典付与の前に実行され得ることから、特典付与のタイミングと特定演出の実行タイミングとが重複する場合もあれば、重複しない場合もあるようになる。このようにすることで、特定演出が特典付与と重複する場合にだけ、第2演出手段により特典付与用の特別演出をずらせばよいことから、特典付与のタイミングと特別演出の実行タイミングとのズレが生じる事象が発生しにくくなる。よって、第2演出手段による特別演出がよりイレギュラーの場合の処置となり、遊技者にそのズレによる違和感を与えにくくすることが可能となる。
特徴gF5.前記特定演出手段は、前記遊技進行手段により進行されるゲームの結果に応じて前記特定演出を実行することを特徴とする特徴gF2乃至特徴gF4のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定演出も特別演出もゲームの結果に応じて実行される演出となり、両演出をそれぞれ別々に行うことの意義がより高められる。
特徴gF6.前記特定状況において前記第2演出手段にて前記特別演出が実行されることを制限可能な制限手段(表示制御装置81による開始時フラッシュ演出用処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴gF1乃至特徴gF5のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定状況となっても特別演出を実行すべきではない場合も考えられ、その場合、制限手段により特別演出の実行が制限される。このようにすることで、特典付与に対応する特別演出の実行タイミングの自由度を向上させながらも、その特別演出を他の演出等との調整を図ることができる。なお、上記の場合であっても、特典付与は行われていることから、遊技者に対して直接的な不利益は生じない。
特徴gF7.前記制限手段は、前記第2演出手段により実行される前記特別演出の契機となったゲームの次のゲームが前記遊技進行手段により開始されることに基づいて、当該特別演出の実行を制限することを特徴とする特徴gF6に記載の遊技機。
上記構成によれば、特別演出の実行契機となったゲームの次ゲームが開始されてしまった場合、既に遊技者の関心は次ゲームに移っているものと考えられ、このような場合には特別演出の実行が制限される。このようにすることで、不必要な場合にまで特別演出を実行しないようにすることができ、遊技者が関心を寄せ易い特別演出とすることが可能となる。また、次ゲームが開始される場合、当該次ゲームに対応する演出も実行される場合があり、特別演出の実行を制限することで当該特別演出と次ゲームの演出とが重複してしまうことを好適に回避することも可能である。
特徴gF8.遊技者による操作に基づいてゲームを開始させ、遊技者による操作に基づいてゲームを終了させ、当該ゲームの結果に応じて遊技者に特典を付与可能なる遊技進行手段(主制御装置101による通常処理を実行する機能)を備える遊技機であって、
前記遊技進行手段は、
遊技進行用の処理として、第1処理(メダル払出処理)を実行する第1処理手段(主制御装置101によるメダル払出処理を実行する機能)と、
遊技進行用の処理として、前記第1処理とは異なる第2処理(BET用処理)を実行する第2処理手段(主制御装置101によるBET用処理を実行する機能)と、
を備え、
前記第1処理手段により実行される前記第1処理に対応する第1対応演出(払出効果音)を、当該第1処理が前記遊技進行手段により実行される状況とは異なる状況にて実行可能な第1対応演出手段(表示制御装置81による払出効果音出力用処理を実行する機能)と、
前記第2処理手段により実行される前記第2処理に対応する第2対応演出(ベット時効果音)を、当該第2処理が前記遊技進行手段により実行される状況とは異なる状況にて実行可能な第2対応演出手段(表示制御装置81によるベット時演出設定処理を実行する機能)と、
を備え、
前記第2対応演出手段は、前記第1処理手段により前記第1処理が実行される状況にて前記第2対応演出を実行可能であることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、遊技者の操作によってゲームが進行され、そのゲームの結果に応じて特典が付与される遊技機において、遊技進行用の第1処理と第2処理とのいずれについても、第1処理に対応する第1対応演出や第2処理に対応する第2対応演出が、それぞれに対応する処理が実行される状況とは異なる状況にて実行され得る。そのため、処理に応じて対応演出を一対一で対応付けて実行する必要がなく、遊技進行と演出の実行タイミングとの自由度を大幅に向上させることが可能となる。しかも、第1処理が実行される状況にて第2対応演出を実行することが可能となっていることから、処理の実行タイミングと対応演出の実行タイミングとのズレが許容されているだけではなく、実行中の処理と実行中の対応演出とがマッチしないことも許容されている構成となり、遊技進行と演出の実行タイミングとの自由度の更なる向上を図ることが可能となる。よって、遊技演出を好適に行うことができ、遊技への注目度向上を図るうえで大いに役立てることが可能となる。
なお、上記特徴gF8に対して、特徴gF1乃至特徴gF7のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。
この場合、「第1処理手段」を特徴gF1における「遊技進行手段」が備え、「第2処理手段」を特徴gF1における「特典付与手段」が備える構成として、表現を適宜修正するとよい。
上記特徴gF1乃至特徴gF8に記載された発明は、「遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機では、所定の抽選条件が成立したことに基づいて内部抽選が行われ、当該内部抽選の結果に応じて遊技者に特典が付与される構成が知られている。スロットマシンについて具体的には、遊技価値としてのメダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されると、内部抽選が実施されるとともに、リールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップスイッチが操作された場合には、リールの回転が停止する。そして、リールの停止結果が内部抽選の結果に対応したものである場合には、結果に応じた特典が付与される(例えば特開2008-295707号公報参照)。」という背景技術について、「ここで、上記例示等した遊技機においては遊技の注目度向上を図る必要があり、この点について、未だ改良の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
上記特徴gF1乃至特徴gF8の各構成に対して、特徴gA1乃至特徴gA24、特徴gB1乃至特徴gB12、特徴gC1乃至特徴gC16、特徴gD1乃至特徴gD10、特徴gE1乃至特徴gE11、特徴gF1乃至特徴gF8のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
また、以上詳述した特徴aA群乃至aE群、特徴bA群乃至特徴bJ群、特徴cA群乃至特徴cH群、特徴dA群乃至特徴dN群、特徴eA群乃至特徴eE群、特徴fA群乃至特徴fE群、及び特徴gA群乃至特徴gF群の各構成に対して、他の特徴aA群乃至aE群、特徴bA群乃至特徴bJ群、特徴cA群乃至特徴cH群、特徴dA群乃至特徴dN群、特徴eA群乃至特徴eE群、特徴fA群乃至特徴fE群、特徴gA群乃至特徴gF群の各構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想を組合せて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
以下に上述した各特徴を適用し得る遊技機の基本構成を示す。
パチンコ遊技機:遊技者が操作する操作手段と、その操作手段の操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段と、その発射された遊技球を所定の遊技領域に導く球通路と、遊技領域内に配置された各遊技部品とを備え、それら各遊技部品のうち所定の通過部を遊技球が通過した場合に遊技者に特典を付与する遊技機。
スロットマシン等の回胴式遊技機:複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄列を最終停止表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段の操作に起因して図柄の変動が開始され、停止用操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより図柄の変動が停止され、その停止時の最終停止図柄が特定図柄であることを必要条件として遊技者に有利な特別遊技状態(ボーナスゲーム等)を発生させるようにした遊技機。
球使用ベルト式遊技機:複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄列を最終停止表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段の操作に起因して図柄の変動が開始され、停止用操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより図柄の変動が停止され、その停止時の最終停止図柄が特定図柄であることを必要条件として遊技者に有利な特別遊技状態(ボーナスゲーム等)を発生させるようにし、さらに、球受皿を設けてその球受皿から遊技球を取り込む投入処理を行う投入装置と、前記球受皿に遊技球の払出を行う払出装置とを備え、投入装置により遊技球が投入されることにより前記始動用操作手段の操作が有効となるように構成した遊技機。